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06月22日-05号

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  1. 宮崎県議会 2021-06-22
    06月22日-05号


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    最終取得日: 2023-05-20
    令和3年 6月定例会  令和3年6月22日(火曜日)                午前10時0分開議 ───────────────────  出 席 議 員(37名)    1番  有 岡 浩 一  (郷中の会)    2番  坂 本 康 郎  (公明党宮崎県議団)    3番  来 住 一 人  (日本共産党宮崎県議会議員団)    5番  武 田 浩 一  (宮崎県議会自由民主党)    6番  山 下   寿  (  同  )    7番  窪 薗 辰 也  (  同  )    8番  脇 谷 のりこ  (  同  )    9番  佐 藤 雅 洋  (  同  )   10番  安 田 厚 生  (  同  )   11番  内 田 理 佐  (  同  )   12番  日 髙 利 夫  (  同  )   13番  中 野 一 則  (  同  )   14番  図 師 博 規  (無所属の会 チームひむか)   15番  重 松 幸次郎  (公明党宮崎県議団)   16番  前屋敷 恵 美  (日本共産党宮崎県議会議員団)   17番  渡 辺   創  (県民連合宮崎)   19番  井 本 英 雄  (宮崎県議会自由民主党)   20番  横 田 照 夫  (  同  )   21番  外 山   衛  (  同  )   22番  山 下 博 三  (  同  )   23番  右 松 隆 央  (  同  )   24番  西 村   賢  (  同  )   25番  二 見 康 之  (  同  )   26番  日 髙 陽 一  (  同  )   27番  井 上 紀代子  (県民の声)   28番  河 野 哲 也  (公明党宮崎県議団)   29番  田 口 雄 二  (県民連合宮崎)   30番  満 行 潤 一  (  同  )   31番  太 田 清 海  (  同  )   32番  坂 口 博 美  (宮崎県議会自由民主党)   33番  野 﨑 幸 士  (  同  )   34番  徳 重 忠 夫  (  同  )   35番  日 高 博 之  (  同  )   36番  星 原   透  (  同  )   37番  蓬 原 正 三  (  同  )   38番  丸 山 裕次郎  (  同  )   39番  濵 砂   守  (  同  )  欠 席 議 員(1名)   18番  岩 切 達 哉  (県民連合宮崎) ─────────────────── 地方自治法第121条による出席者  知     事   河 野 俊 嗣  副  知  事   日 隈 俊 郎  副  知  事   永 山 寛 理  総合政策 部長   松 浦 直 康  政 策 調整監   渡 辺 善 敬  総 務 部 長   吉 村 久 人  危機管理統括監   小 田 光 男  福祉保健 部長   重黒木   清  環境森林 部長   河 野 譲 二  商工観光労働部長  横 山 浩 文  農政水産 部長   牛 谷 良 夫  県土整備 部長   西 田 員 敏  会 計 管理者   横 山 幸 子  企 業 局 長   井 手 義 哉  病 院 局 長   桑 山 秀 彦  財 政 課 長   石 田   渉  教  育  長   黒 木 淳一郎  警 察 本部長   佐 藤 隆 司  監査事務 局長   阪 本 典 弘  人事委員会事務局長 福 嶋 清 美 ─────────────────── 事務局職員出席者  事 務 局 長   酒 匂 重 久  事 務 局次長   日 髙 民 子  議 事 課 長   児 玉 洋 一  政策調査 課長   鬼 川 真 治  議事課長 補佐   関 谷 幸 二  議事担当 主幹   佐 藤 亮 子  議 事 課主査   内 田 祥 太  議 事 課主事   山 本   聡──────────────────── △一般質問 ○副議長(濵砂守) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、昨日に引き続き一般質問であります。 ただいまから一般質問に入ります。まず、佐藤雅洋議員。 ◆(佐藤雅洋議員) 〔登壇〕(拍手) おはようございます。自民党の佐藤雅洋です。 まず、いまだに続く新型コロナウイルス感染症と闘っている全ての方々に敬意を表しますとともに、一日も早い収束を願います。 我がふるさと西臼杵では、田植の最中であり、棚田に水が張られた、きれいな景色が見られる季節となりました。 その中山間地域に生まれ、その地に根を張り、そこを守る議員として、本日5回目の質問をさせていただけることに感謝し、県政のため、県民のために、是は是、非は非として、以下の質問をさせていただきます。 神話の源流、天孫降臨の地、高千穂、天の岩戸開きについて、知事にお伺いしたいところでありますが、昨日、内田議員が大変よい質問をされましたので、私は、日本のふるさと宮崎県のデジタル化についてお聞きします。 世界では、AI(人工知能)の登場により自動化が進み、人間に近い活動も行えるロボットも誕生しています。様々な分野でデジタル化が進み、それによって生まれるメリットと可能性は大変大きなものであると考えます。 例えば、宮崎を支える農林水産の分野でも、デジタル化を取り入れることでプラスへの変化は大きく期待できます。 また、地方回帰の今、それらを駆使し、宮崎を全国へ、世界へとアピールする手段としても期待ができると考えます。 この時代の変化に後れを取ることなく、十分に活用するための本県のデジタル化をどのように推進していくつもりなのか、知事の考えを伺います。 各分野でのデジタル化が進み、それらに対応すべく、我々もいまだ勉強を強いられる次第であります。今では、インターネット等の通信技術を活用したコミュニケーションやサービスは必要不可欠となりました。オンラインでの行政手続なども、特にこのコロナ禍では大変有効であります。 県では、既にそれらを有効活用し、業務の効率化が図られていると思われますが、高齢化や担い手減少の影響が大きい農林業、就業者が不足し、生産性向上が課題の建設産業、そして、国がGIGAスクール構想を進める教育分野、これら各分野におけるICT等を活用したスマート化の状況と今後の取組について、関係部長及び教育長に伺います。 以上で壇上での質問は終わり、以下は質問者席にて質問いたします。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 おはようございます。 お答えします。デジタル化の推進についてであります。 多くの中山間地域を抱える本県において、デジタル化は、少子高齢化や人口減少による地域活力の低下といった様々な課題の解決や、大都市圏から遠く離れていることによる地理的・時間的制約を克服するための有効な手段になるものと期待しております。 一方、コロナ禍の中で、リモートワークへの対応の遅れなどの課題も見えてきたため、デジタル化のさらなる推進が急務となっております。 そのため本県では、今年度を「みやざきデジタル化元年」と位置づけ、行政手続のオンライン化やマイナンバーカードの普及をはじめ、暮らしや産業分野などのデジタル化の取組を進めていくこととしております。 また、今年度、県庁内に、デジタル化推進の司令塔として「宮崎県デジタル化推進本部」を新設したところであり、民間や市町村とも十分連携し、スピード感を持って取り組むこととしております。 デジタル化というと、何やら難しいことだとか、高齢者には縁遠いことだと受け止められがちでありますが、デジタル化といっても、あくまで道具であります。道具の進化に応じて、それをしっかり使いこなしていき、県民一人一人がその恩恵を享受できるようにしていくこと、そこが大事だと考えております。 今後とも、デジタル庁をはじめとする国の動きに連動しながら、県民誰もが輝き、安全・安心で豊かさを実感できるデジタル社会の実現に向けて取り組んでまいります。以上であります。〔降壇〕 ◎環境森林部長(河野譲二君) 〔登壇〕 お答えします。林業分野のスマート化についてであります。 林業分野では、生産性の向上等を図るため、広範囲の樹木を一度に計測する地上レーザー測量等の実証試験や、ドローンを活用し、森林施業の状況を遠隔で把握するリモートセンシングの導入支援など、ICTの活用に取り組んでおります。 また、今年度から、AI技術を活用した衛星画像により、伐採等の森林変化の情報を効率的に把握することとしております。 さらに、宮崎林業大学校でICTを活用できる人材を育成するため、高性能林業機械やタブレットの導入に要する予算を今議会にお願いしているところであります。 今後とも、国や関係機関と連携して、本県に適した技術の早期実用化やその普及などにも努め、スマート林業を積極的に推進してまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◎農政水産部長(牛谷良夫君) 〔登壇〕 お答えします。農業分野のスマート化についてであります。 農業では、担い手の減少や高齢化が進む中で、生産性向上や省力化等を図るため、施設園芸の環境制御や肉用牛の繁殖率向上に向けた装置などへのICT、AIといった先端技術の活用が進みつつあるほか、土地利用型農業では、ロボットトラクターやドローンなどの導入事例も見られます。 また、生産条件が厳しい中山間地域においても、水田の水管理の自動化や、傾斜地にも対応したラジコン草刈り機などの導入に向け、実証が行われております。 県としましては、今年度からスタートした第八次長期計画において、他産業の技術など様々な情報を積極的に取り込んだスマート化を重点施策として掲げ、生産現場から流通・販売まで、幅広い分野で技術を活用し、生産条件や地域を問わず効果が実感できるよう、取り組んでまいります。以上であります。〔降壇〕 ◎県土整備部長(西田員敏君) 〔登壇〕 お答えします。建設産業のスマート化についてであります。 建設産業におきましても、就業者の減少や高齢化が深刻な問題となっていることから、県土整備部では、建設現場における生産性向上を図るため、ICTの活用に取り組んでおります。 具体的には、工事の測量、施工、管理、全ての段階においてICTを活用する「建設ICT活用工事」を昨年度までに131件実施し、本年度からは、対象工事の種類を拡大したところであります。このほか、これまで直接出向いて行っていた現場確認をビデオ通話で行う「遠隔臨場」なども導入しており、今後これらの取組をより一層進めることとしております。 引き続き、関係団体などと連携しながら、ICTの活用を推進し、建設産業における生産性向上や担い手の育成確保に取り組んでまいります。以上であります。〔降壇〕 ◎教育長(黒木淳一郎君) 〔登壇〕 お答えします。教育分野のスマート化についてであります。 教育の情報化は、現在、最重要課題であり、昨年度来、県立学校のICT環境の強化を積極的に進めてきたところであります。 また、今議会に「教育の情報化」緊急対策事業をお願いしておりまして、教員が使う機器等の整備につきましても、進めてまいりたいと考えております。 県教育委員会といたしましては、今年度をICT活用元年と捉え、教員の指導力向上に向けた取組を強化するとともに、オンライン学習の推進など、ICTを活用した多様な教育の充実に努めてまいります。 一方、ICT活用は、統合型校務支援システムの導入など、働き方改革にも大きな効果がありますことから、より一層、積極的に推進し、令和のみやざき型教育の実現を目指してまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。記念すべきデジタル元年となりますよう期待いたします。 次に、災害対応について伺います。 私たちの暮らしは、幾度となく自然の脅威にさらされてきました。早いもので、東日本大震災から今年で10年が過ぎました。今年3月のデータで、死者は災害関連死を含め1万9,675人、行方不明者は2,525人、全壊した住家被害は12万2,000戸に上ったとあります。 南海トラフに備えなければいけない宮崎県にとって、対岸の火事ではありません。その教訓を生かさなければなりません。県民一人一人の防災意識の在り方はもちろんですが、その先にある大きな安心と備えが必要であります。 県民の生命・財産を守るに当たって、災害対応の陣頭指揮を執る知事はどのような心構えで取り組まれるのか、お伺いします。 ◎知事(河野俊嗣君) 災害対策本部を設置するような災害が発生した場合、まずは人命救助と被害状況の把握を最優先に、迅速かつ的確な判断や指示を行うことが、私の最も重要な役割となります。県民の生命・財産を守るため、全責任を負う覚悟を持って陣頭指揮に当たる、そのような思いでございます。 近年、災害は激甚化の様相を見せております。本県でも、平成17年の台風14号災害をはじめとする様々な大規模な風水害、そして新燃岳の噴火など、災害を経験してまいりました。災害対応、そして危機管理対応がリーダーの極めて重要な役割であるということを、身をもって実感したところであります。 大規模な災害に当たりましては、多くの関係機関との広域的な連携が不可欠となるわけであります。東日本大震災を教訓とした南海トラフ地震への備え、その思いも込めて、災害対応の司令塔となる防災庁舎など、ハード対応も行ったところでありますし、常日頃から、防災訓練や研修会の開催、災害時応援協定の締結など、顔の見える関係の構築に努めるソフト対策にも力を入れているところであります。 今後とも、常在危機の意識を徹底しながら、あらゆる災害から県民の生命・財産を守るため、私が先頭に立って、災害対応に全力で取り組んでまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 知事の覚悟は分かりました。ありがとうございました。 30年前、消防団員も含め、多くの犠牲者を出した雲仙普賢岳噴火がありました。あの日の消防団員たちは、地元を守るためにあの場所に残り、被害に遭いました。自然の猛威を前に太刀打ちできないことは多々ありますが、そのような場面で最前線に立つこととなる消防団員は、皆、私たちと同じ、それを専門としない方々です。かく言う私も消防団員でありますが、火山災害時に対応した訓練というのは行われません。 本県は、新燃岳などがある霧島山を擁しております。隣県に桜島、そして阿蘇山があるように、九州においては、各県とも火山災害対策は必要と考えますが、本県においてはどのような対策を取っているのか、危機管理統括監にお伺いします。 ◎危機管理統括監(小田光男君) 本県の火山対策は、新燃岳や硫黄山など、活発な活動が続く霧島山を対象としておりまして、気象庁も常時観測火山に位置づけているところです。 県では、霧島山火山防災協議会の場で、専門家の意見を伺いながら、周辺自治体や関係機関と連携し、対策を強化しております。 具体的には、新燃岳や硫黄山などの想定火口について、噴火警戒レベルに応じた避難計画の策定や、観光客等の安全確保のための避難施設などの整備を進めているほか、硫黄山周辺で火山ガスの測定・監視を行い、結果を公表しております。 また、地元市町では、火山災害を想定した訓練や講演会の開催、防災マップの配布など、火山防災意識の普及啓発に努めているところです。 ◆(佐藤雅洋議員) 山地が多くを占める宮崎では、林野火災にも大いに注意を払う必要があります。 過去に、県生コン協同組合と協定を結び、山林火災発生時に水の運搬等で協力をいただけると伺っております。これは大変ありがたいことです。 しかし、いざ大規模な林野火災が起こったときに、実際、どれだけ協定を生かした活動ができるのかが重要です。 そこで、林野火災における消防用水の確保について、民間企業との協定など、どのように進めているのか、危機管理統括監に伺います。 ◎危機管理統括監(小田光男君) 林野火災における消防用水につきましては、各消防機関で管理する消防水利のほか、水道、河川、ダムなど、その他の水利により確保しているところであります。 県は、災害時における飲料水以外の生活用水や消防用水の確保に関し、平成18年5月24日付で、宮崎県生コンクリート協同組合連合会と「災害応急対策に必要な用水の確保に関する協定」を締結しておりまして、林野火災において消防用水の確保が必要な場合に、コンクリートミキサー車に水を積載して火災現場に運搬し、消防用水の確保を行うなど、民間から協力が得られるようにしております。 ◆(佐藤雅洋議員) 今までに経験のないことが起こる今の世です。その地域、現場をよく知る企業との連携をしっかり取って、災害対策のさらなる充実を要望します。 自然豊かな宮崎県ですが、それと同時に、自然災害とも常に背中合わせの状態です。昨年の人吉の水害のように、全国各地でも河川の氾濫等で大きな被害が出ています。近年の頻発化・激甚化する水災害を踏まえ、県民の生命や財産を守るため、河川の適切な機能を維持することが極めて重要となっています。 河道が本来持っている流下能力を確保・維持することにより、浸水被害の軽減を図り、人命を守ること、社会経済活動への深刻な被害を軽減することにつながると考えます。その対策として、場合によっては河川掘削など人工的に手を加える必要も出てまいります。 そこで、県民を守るために、河川掘削が必要な箇所の把握方法と掘削した土砂の有効活用について、県土整備部長に伺います。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 河川掘削においては、過去に浸水被害が発生した箇所のほか、地元要望や定期的に実施している河川巡視などの情報を基に、現地で堆積状況の確認を行った上で、対策が必要な箇所の把握に努め、緊急性の高いところから掘削工事を実施しております。 掘削工事で発生した土砂については、まずは、国や市町村などと土砂発生の情報を共有し、公共事業で有効活用しております。その上で、受入れ時期や量の調整がつかない場合は、受入れ可能な民地での埋立てや盛土に利用しているところであります。 今後も、国土強靱化5か年加速化対策などで堆積土砂除去が促進され、大量の土砂が発生する見通しであることから、引き続き関係機関と連携を図るとともに、新聞広告で公募をするなど、受入先の確保に努めてまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 掘削土砂が有効活用され、利用可能な県土が広がることを期待いたします。 次に、環境森林行政について伺います。 温室効果ガス削減等に向けた国際的な枠組みである「パリ協定」が平成28年11月に発効するなど、地球環境の持続性に対する国際的な危機感が急速に高まっております。 また、日本においても昨年10月、菅首相の所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること、すなわち、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言し、同年11月には衆参両院で、気候非常事態宣言が議決されました。 地球温暖化の防止には、温室効果ガス、中でも温暖化への影響が最も大きいとされるCO2の大気中の濃度を増加させないことが重要であります。地球上の炭素循環の中で、森林は、大気中の温室効果ガスを吸収する吸収源として大きな役割を果たしており、日本においては、森林の吸収量が約9割を占めると言われております。 そこで、カーボンニュートラルの実現に向け、林業先進県として、森林・木材産業分野でどのように貢献していくのか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 森林・木材産業分野では、適切な経営管理による森林のCO2吸収量の確保や、木材利用の拡大による炭素の長期的な貯蔵などの貢献が期待されております。 このような中、本県では、全国に先駆けて利用期を迎えた人工林について、適切な再造林や間伐の実施によりまして、CO2吸収効果の高い森林への若返り等を積極的に進めております。林業先進県として、健全で豊かな森林の造成に努めているところであります。 また、30年連続杉素材生産量日本一の本県は、製材品の約7割を県外へ出荷する木材供給県でありまして、都市部を含む建築物の木造・木質化による炭素貯蔵にも貢献しております。 引き続き、林業関係団体等と連携しながら、これまでの取組を推進するとともに、特に成長の早い優良苗木による再造林や非住宅分野への木材利用を推進するなど、「伐って、使って、すぐ植える」循環型林業に積極的に取り組み、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) 林業先進県として、それを支える林業団体との連携を密にし、循環型林業のさらなる充実を要望します。 次に、カーボンニュートラルの実現に向けた森林の若返りや、ウッドショックにより伐採・再造林が増加すれば、それに対応する苗木の確保も必要であります。 杉素材生産量日本一の本県では、苗木生産農家や森林組合のほか、山村地域で自家用苗木を生産する林家などの生産者が、年間約550万本の杉苗木を生産しており、本県の林業を支えております。 また、杉の苗木は、種を用いる実生苗が全国的に生産されておりますが、本県では、親木から取った穂木を用いる挿し木による苗木生産が古くから行われております。本県の苗木生産者がこれまで培ってきた優れた生産技術を、再造林の増加というビジネスチャンスと捉え、生産拡大につなげていく必要があると考えます。 そこで、再造林に必要な苗木の生産拡大の取組について、環境森林部長にお伺いします。
    環境森林部長(河野譲二君) 循環型林業を確立するためには、伐採後の適切な再造林が重要であり、また、今後、県内外で再造林の増加が見込まれることから、苗木の生産拡大が必要と考えております。 このため県では、採穂園の再整備や生産技術講習会の開催に加え、民間の採穂園造成や生産用機械の導入支援等により、生産者の育成や生産性の向上に取り組んでおります。 また、本県は、優良な親木のDNAを引き継ぐことができる挿し木生産技術を確立しており、挿し木による優良苗木の生産及び販路拡大に向け、DNAを解析・判別できる機器の導入に要する予算を、今議会にお願いしているところであります。 今後とも、生産基盤の強化等を図るとともに、市場調査やモデル出荷等を通じて、優良苗木のさらなる生産や販路の拡大に取り組んでまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 杉生産日本一だけでなく、再造林、苗木生産日本一の県も目指していくべきと考えます。 先ほどありましたように、昨年、宮崎県の杉丸太生産量は173万9,000立方メートルで、30年連続日本一となりました。この夏、オリンピックのメイン会場となる新国立競技場でも多く使用されており、デザインを手がけた建築家からも、「宮崎県産材は、国内でも代表的な杉でクオリティーが高い」と、大変うれしい評価をいただいております。これも、日々、木に森に携わっている方々のおかげであります。 これほどの林業県で、木材に関するキャンペーンとして、「みやざきWOODLOVEキャンペーン事業」というものがあります。大の変よいネーミングだと感じておりますが、こキャンペーンに取り組む背景と、具体的にどのような内容なのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(河野譲二君) コロナ禍での長期の巣籠もり生活等を背景に、癒やしやぬくもりを与える森林のニーズや、木材利用への機運が高まっており、また、本年3月の県木材利用促進条例の施行や、木材利用促進法改正による対象建築物の民間への拡大など、脱炭素社会の実現に向けた取組の充実が求められております。 このため本事業では、本県の豊かな森林や木づかいの意義について、県民の理解を深めるキャンペーンを展開したいと考えております。 具体的には、テレビ・SNS等を活用した啓発CMや特別番組の放送、プレゼント企画などのプロモーションをはじめ、木にまつわる写真コンテストのほか、新たに木のおもちゃを使った木育体験など、県民参加型の取組を考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) 木のぬくもりで、コロナ禍で疲れた県民の心を癒やす取組をお願いいたします。 次に、教育行政について伺います。 この夏、待ちに待った東京オリンピックが開催されようとしています。コロナ禍の中、大変苦渋の判断でもあったと思われますが、何よりも、日々競技と向かい合っている競技者のための祭典です。世界中の競技者と戦う選手の皆さんへ、大きなエールを送りたいと思います。 そして、国内でのオリンピックとも言えます国民体育大会、2024年から国民スポーツ大会と名称を変え、2027年に、昭和54年の第34回大会から48年ぶりとなる本県開催が予定されております。総合的に見て、全国ではまだまだ力及ばすといった宮崎県ではありますが、トップアスリートらが合宿に集うなど、恵まれた環境があります。それらを生かし、宮崎からも全国、世界で戦える競技者を送り出すために、県として支援し、全体的な底上げを望みます。 県は、天皇杯獲得を目指しているものと認識しておりますが、この4月から競技力向上対策本部長に就任された日隈副知事に、天皇杯獲得への意気込みと、現在の競技力向上の取組状況について、お伺いいたします。 ◎副知事(日隈俊郎君) 本県で開催予定の第81回国民スポーツ大会につきましては、1年延期となりましたことから、基本計画等の見直しを行い、関係機関や各種団体等と一丸となりまして、競技力向上に係る施策や必要な施設整備について、積極的に取り組んでいるところであります。 その中でも、本県の課題であります青年選手の確保や女性アスリートへの支援、少年競技力の向上等に加え、競技人口の少ない競技種目の強化につきましても、競技団体等と連携を図りながら、具体的な対策に鋭意取り組んでおります。 前回の昭和54年開催の宮崎国体における天皇杯獲得は、県民に大きな感動を与えるとともに、現在のスポーツランドみやざきの礎につながったところでありまして、大変意義深いものでありました。 今回の国民スポーツ大会におきましても、県民の皆様の期待に応え、何としても天皇杯を獲得したいと考えておりますが、そのためには、前回に比べ競技数・種別数が増え、競技レベルも格段に上がっておりますので、量・質ともに前回以上の取組が必要となってまいります。 競技力向上対策本部といたしましては、県民の皆様の御理解と御協力、御支援をいただきながら、その目標に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 天皇杯は、生半可な覚悟では獲得できません。具体的かつ迅速に、確実な対策を要望いたします。 次に移ります。 県内各地で活動している団体の一つに、青年団があります。地域に密着し、自分らの住む地域を若者の力で盛り上げよう、活性化させようと活動しています。 私の住む西臼杵でも、人口減少が進み、高齢化社会となる中、そのような若者の活動が地域を活気づけています。 それらの団体の中心的役割を担う県青年団協議会の役割は、非常に重要であると考えます。その青年団協議会の現在の活動状況や今後の支援の在り方について、教育長に伺います。 あわせて、事務局移転もあると伺っておりますが、その状況についても伺います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 青年団協議会は、各地域における清掃活動や子供たちの映写会を実施するなど、豊かな郷土づくりに貢献していただいている重要な社会教育団体であると認識しております。 県教育委員会といたしましては、現在も運営費等の補助をさせていただいておりまして、今後とも、地域を支える社会教育団体のネットワークづくりを推進するなど、活性化に向けた支援を行ってまいります。 なお、青年団協議会の活動の拠点となっております事務局の移転の在り方につきましては、団体の皆様の御意向を十分に踏まえながら、検討してまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) 青年団協議会につきましては、重要な社会教育団体であると認識しておられるようですが、そうであれば、事務局の移転について、もう少し積極的に関わるべきだと思いますが、県の考えを改めて教育長に伺います。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 青年団協議会の事務局移転につきましては、昨年度より、団体の皆様との意見交換を重ねているところであります。先日は、私も事務局に伺ってまいりました。 県教育委員会といたしましても、今後、団体の皆様が十分に活動できますよう、あらゆる可能性を含め、引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) 青年団が十分に活動できるよう、積極的な支援を要望いたします。 近年、「チーム学校」という言葉をよく耳にするようになりました。時代の流れとともに、教育現場や教育の在り方の変化もあり、子供を育てるという基本理念の下で、柔軟な対応が必要になってきていると考えます。 それらの対応を現場の教育者だけに任せるのではなく、関係機関が一丸となって、未来ある子供たちを育てていく環境づくりも大切です。子供を育てるということは、私たち大人全員の永遠の責任であります。 県では、「チーム学校で子どもを支える教育相談体制推進事業」に取り組んでいるとのことでありますが、その概要について、教育長にお伺いします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 本事業は、新型コロナウイルス感染症に起因するトラブル等による児童生徒の心理的負担の解消を図るため、外部専門家や関係機関と連携し、チーム学校として教育相談体制を強化することを目的としております。 内容としまして、まず、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の拡充が挙げられます。また、これまで以上に、様々な悩みを抱えた子供たちがより気軽に相談できるよう、従前の電話相談に加え、LINEを活用した相談を強化するものであります。 具体的には、当初、8月下旬から2週間で設定しておりました実施期間を7か月間に拡大し、様々な悩みに対し随時対応することを可能とするなど、取組の充実を図りたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) コロナ禍の約1年半、大人もですが、子供たちも大変です。日本の将来をつくる子供たちをしっかりと守る、井上議員からもありましたが、子供たちに未来を見せ、夢や希望を持たせる取組を要望いたします。 次に、地域の公共交通について伺います。 コロナ禍での厳しい経済情勢下でも、日頃より県民の足を守るために御尽力いただいております地域の交通事業者の皆様へ、感謝を申し上げます。 特に山間地でのバス路線については、数年前より、廃線となれば、それに代わる各自治体での代替運行が行われるなどしておりますが、地域で暮らす住民の方々にとっては、必要不可欠なものであります。 本県の路線バスは、バス事業者1社で運行されており、複数社で運行されている鹿児島県や熊本県と比較しても、経営的に県全体の路線を維持していくことの厳しさは察しがつき、自治体による一定の公的支援も必要であると考えます。 しかしながら、バス路線の維持は、人口の多い県中心部より、私の地元である西臼杵地域のような、人口減少・少子高齢化が進んだ中山間地域のほうがより深刻であります。利用者の増加も見込めず、常に廃止の危機にさらされているのが実態であります。 市町村によっては、国・県補助以外に上乗せ補助を行い、何とか路線を維持していますが、財政力の低い小規模自治体である町村にとっては、その財政負担は重く、例えば日之影町においては、延岡-高千穂間を結ぶ地域間幹線バス路線への補助額は年間1,200万円余り、平成13年から令和2年度までで1億5,519万9,000円を補助しているようです。 県と市町村による公的支援に当たっては、こうした県内市町村の実情を十分踏まえ、きめ細やかな対応が必要と考えます。 コロナ禍により、より深刻な状況に陥っているバス路線の維持について、どのような支援を行い、取り組んでいくのか、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 路線バスは、新型コロナの影響によりまして利用者が大幅に減少しており、一部の路線については、維持が困難な状況となっておりますことから、地域間幹線バス路線につきまして、緊急的な対応として、補助金の増額を今議会にお願いしております。 また、路線網の最適化に向けた調査事業も併せてお願いしておりまして、路線ごとの実態を把握した上で、地域の実情に応じた運行区間の見直しや、乗合タクシー等、他の運行形態への転換など、市町村等と一緒になって検討してまいります。 このほか、市町村が運行する広域的バス路線につきましても、車両の小型化や運行のデマンド化の検討を促進するため、市町村の取組に対する支援事業を今年度から開始することとしております。 ◆(佐藤雅洋議員) 県は、責任を持って、事業者と市町村、そして県も入れた3者で、共に議論できる場を早急に設けて、それぞれの今後の路線維持について検討されるよう要望いたします。 次に、福祉保健行政について伺います。 新型コロナについては、ワクチン接種を機に以前の生活が戻ることを願ってやみません。自粛が続き、人と接する時間は減り、人との距離は遠くなりました。いつもマスクで、お互いの表情を読み取ることにも苦労します。 そのような日々の中で、一人で様々な悩みを抱える人も増えているのではないでしょうか。誰にも相談できずにいることのつらさは計り知れないものがあると思います。 孤立させてはいけません。自ら命を絶つことを考えさせてはいけません。特に10代・20代の死因の1番は自殺でありますし、毎年増加しております。 若者たちに死を選ばせない、若者たちに生きたいと思わせるようにするには、私たちに何ができるのでしょうか。県民誰しもが普通に生きていける環境をつくることが基本だと考えております。 そこで、現在の本県の状況と自殺防止の取組について、福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 直近の統計では、本県の昨年の自殺者は217人、前年比27人増となり、大変重く受け止めております。 県では、これまでも総合的な自殺対策に取り組んでまいりましたが、コロナ禍において悩みを抱える方が増加していると考えられる中、一人一人が身近な方の変化に気づき、声をかけ、話を聞いていただくことにより、適切な相談窓口につなげていく取組が重要となってまいります。 このため、県民の皆様が、身近な方への気づき、声かけ、見守りにより、より一層取り組んでいただくよう啓発強化を図るとともに、新たに、自殺者数が増加した女性や若者への相談窓口の周知や、経済問題を扱う団体向けの研修を実施するなど、自殺対策の充実強化を図り、1人でも多くの命を救えるよう尽力してまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 悩める人たちを孤立させない、取り残されたと感じさせない取組の強化を要望いたします。 人は、一日一日時間を重ね、年を重ねていきます。医療の進化で長寿国となった日本ではありますが、それだけ介護をする側も必要となるわけです。介護と一言で申しましても、重労働を伴い、大変な苦労があり、日々それらの業務に携わっておられる方々には頭の下がる思いであります。 ただ、現場では、人材確保に苦労しているとの声を聞きます。 そこで、今後さらに不足すると思われる介護人材について、県での介護職員数の現状と確保に向けた今後の対応を、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 本県の介護職員数は、平成28年度の1万9,976人から、令和元年度には2万1,447人と増加傾向にありますが、団塊の世代が75歳以上となる令和7年度には2,647人不足すると推計しております。 県といたしましては、介護人材の確保は最重要課題と考えておりますので、これまでも、福祉系高校生への就学支援や、留学生に奨学金を支給する介護施設への支援、さらには介護ロボットやICTを導入する介護事業者等への支援に取り組んできたところであります。 これらの取組に加え、今年度は、中学生を対象とした介護の魅力発信や、若手介護職員の早期離職防止を図る新人介護職員研修など、さらなる取組を進めてまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 次に、商工観光労働行政について伺います。 各方面に大きなダメージを与えている新型コロナは、油断のできない状況が続いております。県独自の緊急事態宣言発令では、各方面、特に飲食業の皆様に御協力をいただき、何とか宣言解除に至ったわけであります。事業をされている方々においては、深刻な状況であると考えます。 国・県・市町村のいろいろな支援を受け、また金融機関から資金調達をして、何とか今を踏ん張り、乗り切ったとしても、その返済が始まります。倒産や廃業をさせないためには、新型コロナ収束後も事業継続するために、事業者への経営支援、指導が必要と考えます。 今後、どのような体制で支援をしていくのか、商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) 新型コロナの影響によりまして厳しい経営状況にある事業者の事業継続を図るためには、早期の対応が重要であり、地域の身近な相談先であります商工会議所や商工会をはじめ、関係機関による積極的なアプローチが大切であると考えております。 このため、県、信用保証協会、商工団体、金融機関等で構成する「中小企業支援ネットワーク」を再構築しまして、事業者の経営改善や事業再生などの取組を支援する体制を整えたところでございます。 今後、各機関が有するノウハウの共有や情報交換等を行いながら連携を強化し、関係機関が一丸となり、借入金の返済猶予、落ち込んだ売上げの改善、後継者の確保など、個々の事業者の課題や実情に応じて、最適で効果的な支援策が提供されるよう取り組んでまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 支援体制を整えたとのことでありますので、安心しました。事業者に寄り添った対応、支援をお願いいたします。 多くの県民が働き、汗を流し、対価を得て、それぞれの生活を営んでおり、働くことで体を動かし、いろんな面で豊かになれます。人生の先輩方も、それらを経験し、たくさんの知恵を持ち、まだまだ働ける、働きたいとの思いで、シルバー人材センターへ登録いただいている方々が多くいらっしゃいます。そのような働く意欲のある方々のパワーを生かし、地域社会のニーズに応えるシルバー人材センターの活動は、大変有益ではないでしょうか。 そこで、県内シルバー人材センターの現況と県の取組について、商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) シルバー人材センターは、就業を希望する高齢者に対しまして、請負や委任等の形態で、剪定や草刈り、清掃など、地域生活に密着した仕事を提供しております。 本県におけるセンターの会員数は減少傾向にございますが、豊富な経験や技能を持つ高齢者に働く場を提供することで、生きがいの充実を図るとともに、地域社会に貢献する団体として、その役割は重要であると認識しております。 このため県では、広報紙への掲載などによりまして、県内のセンターの周知を行うとともに、県シルバー人材センター連合会への補助を通じまして、会員拡大に向けた活動等を支援しているところであり、今後とも、センターの活動促進を図り、高齢者の多様な就業機会の確保に努めてまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 次に、肉用牛振興について伺います。 先日、地元高千穂の5月競り市に参加しました。子牛価格は、現在人気の「耕富士」をはじめとする県有種雄牛により、新型コロナウイルスの影響のあった昨年の66万円から、約80万円の水準に回復しました。和牛相場の強さを感じるとともに、西臼杵をはじめとする中山間地域において、肉用牛は安定して収入の得られる重要な品目であると、改めて感じているところです。 その肉用牛生産の基盤を支えるのが、本県が誇る種雄牛であります。しかし、振り返れば、11年前、忘れてはならない口蹄疫で、当時供用されていた種雄牛のほとんどが殺処分となった苦しい時期がありました。そこからの復活は目覚ましく、皆様御存じのとおり、全国和牛能力共進会での本県勢の活躍や、その後の宮崎牛のブランド化に大きな貢献があったところです。 そこで、口蹄疫から11年を迎え、本県種雄牛の現況と今後の改良の取組について、農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(牛谷良夫君) 本県肉用牛産業の要である種雄牛は、口蹄疫の甚大な被害により、55頭から5頭になりましたが、県内生産者や関係団体等が一体となり、種雄牛づくりに取り組んだ結果、現在では59頭に回復しております。 その中には、脂肪交雑で本県歴代1位の成績を持つ「満天白清」や「勝美利」「神照栄」が育成されるなど、本県が目標としている肉質の向上に大きく寄与しております。 種雄牛は、県内生産者や関係者協力の下、長い時間をかけて生み出される県民の財産でありますことから、消費者が牛肉に求める新たな視点も加えながら、引き続き、宮崎牛のブランド力強化につながる種雄牛づくりに努めてまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 今後とも、宮崎牛の基盤である種雄牛をしっかり育てていただき、安定した宮崎牛販売や、安心して子牛生産ができる環境づくりに努めていただくとともに、来年10月に控えます第12回全国和牛能力共進会に向けて力を尽くしていただきますよう、エールを送ります。 次に、内水面漁業の振興について伺います。 豊かな水と河川に恵まれている宮崎において、新型コロナの影響により、密になりにくいアウトドアレジャーとして釣り人気が高まっていると伺っております。 実際に地元の五ヶ瀬川沿いでも、アユ釣りを楽しむ県内外の釣り客の姿をよく目にします。大変ありがたいことです。 しかし、どのような場面でもですが、人々が集まると、様々な問題も付随してまいります。環境問題やマナー、感染防止対策、また、釣りでは鑑札取得も必要となりますが、きちんとしたルールをもって、ここでも自然豊かな宮崎をアピールできるチャンスでもあります。 この現状を踏まえて、現在の内水面漁業の振興と活性化のための県の取組について、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(牛谷良夫君) 本県では、九州で最も多い年間約2万枚の遊漁券が内水面漁協から発行され、県内外の多くの方に河川での釣りを楽しんでいただいております。また、このコロナ禍においても、県境の河川を中心に、県外からの釣り客が増加していると伺っております。 このような状況を内水面漁業の新たな成長につなげる取組として、新型コロナ対策との両立が図られるよう、インターネットで遊漁券を購入できるシステムの導入支援や感染防止対策の啓発に係る補正予算を、今議会にお願いしているところであります。 県としましては、関係団体と連携し、釣り客の利便性の向上や感染防止対策の徹底を図りながら、釣り客のさらなる増加に向けた取組により、内水面漁業の振興と活性化に資するものと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) 関係団体と連携するためにも、部長をはじめ県職員の皆さんが、県内の漁協に足をしっかりと運んでいただくよう、要望いたします。 次に移ります。 宮崎県は、全国にも誇る農畜水産県です。取れたての食材をすぐに食することのできる、何ともぜいたくな環境にあります。 食は人をつくるとも言います。我々の大切な財産でもある子供たちの食育も同じです。食自体でもですが、口にする野菜や肉などの食材が育てられ、加工され、口に運ばれるまでを学ぶことも大事な教育です。地元宮崎で取れた新鮮な野菜、果物、米、肉、魚、牛乳。本県は、学校給食での地産地消が行える恵まれた環境にあるわけですが、現在の学校給食への県産食材の提供の取組について、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(牛谷良夫君) 本県では、学校給食への食材提供を通して、コロナ禍で影響を受けている県産農畜水産物の消費拡大と児童生徒への食育に取り組んでおります。 昨年度は、学校給食を実施している県内全ての小中学校に、畜産物や水産物、野菜、果実等を延べ約180万食提供し、学校関係者からは、県産食材の良さを知る、よい機会になったとの声をいただいております。 今年度も引き続き、第4波によるコロナ禍の影響が大きい牛肉、みやざき地頭鶏、水産物について、本議会にお願いしております「県産農畜水産物応援消費推進事業」を活用し、教育委員会や市町村、関係団体と連携しながら、動画を活用した食育を行いますとともに、県産農畜水産物の食材提供に取り組んでまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 次に、小水力発電について伺います。 自然エネルギーが注目される中、小水力発電も例外ではありません。都道府県別では、小水力発電の設置が多い地域を挙げると、富山、静岡、長野、岐阜、鹿児島となっております。これらに並び宮崎県でも、小水力発電に利用しやすい用水路が発達していることから、小水力発電は宮崎県に向いていると考えられます。 さらに、小水力発電は地域密着型で、地域の地域による地域のための開発でもあります。実際、私の地元日之影町の大人地区では、農業用水を活用した大日止昴小水力発電所を、地元住民が組合をつくって設置しており、その収益を地域づくりに活用しております。 このように小水力発電によって地域に主体性が発揮され、地域が元気になることが期待されます。 これらを踏まえ、企業局における小水力発電導入の現状と今後の取組について、企業局長にお伺いします。 ◎企業局長(井手義哉君) 企業局における小水力発電導入の現状につきましては、治水ダムからの放流水を利用する酒谷発電所のほか、祝子第二発電所、綾北ダム発電設備の3か所を開発し、運転しております。 また、市町村や団体等の取組に対しましては、発電規模や経済性を検討する可能性調査等の技術支援を無償で行っております。 これまで支援を行いました66地点のうち、西臼杵地域の、先ほど御質問でも触れられました大人地区・荒谷地区・下小原地区など、県内8地点で発電設備が導入されており、さらに今年度は、高千穂町岩戸の畑中地区で建設に着手されると伺っております。 企業局といたしましては、カーボンニュートラルの実現に資する再生可能エネルギーの導入拡大を図るとともに、エネルギーの地産地消による地域活性化にも寄与する小水力発電導入の取組を、今後とも推進してまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。 最後に、県立病院事業について伺います。 医師不足が大きな課題であります本県では、中山間地域での医療体制についても、さらなる体制強化が望まれます。県医療施設の核となっている県立病院へは、対策の一つとしてドクターカーが導入されており、十分に有効活用いただいていると思われます。専門医のいない中山間地域の大事な命を守るために、県北の救急医療を担う延岡病院にも、新しいドクターカーが導入されたと伺っております。 そこで、県立病院に導入されているドクターカーの運用状況について、病院局長にお伺いします。 ◎病院局長(桑山秀彦君) 県立病院では、ドクターカーを宮崎、延岡にそれぞれ1台配備しておりますが、宮崎病院の昨年度の出動件数は201件で、新型コロナ患者の受入れ対応などの影響によりまして、平年ベースの半数以下にとどまっております。 また、延岡病院では、今年4月に新たな車両の運用を開始しまして、2か月間の出動件数は46件となっております。美郷町や日之影町などからの要請にも対応しております。 なお、この車両は救急車タイプであり、患者搬送中に迅速な医療提供が行えますほか、いわゆるドッキング方式により、搬送患者を途中で引き継ぐことで、地元の救急隊等の負担軽減も図られております。 今後とも、救命率の向上や後遺症の軽減などの観点から、ドクターカーの効果的・効率的な運用に努めてまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。 いざというときのドクターヘリと併せての運用で、県民の命をしっかりと守っていただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。執行部の皆様、答弁ありがとうございました。 最後になりますが、新たに就任されました日隈副知事をはじめ、各部局長の皆さんの御活躍、知事以下全ての執行部の皆さんのさらなる御活躍を祈念しまして、私の質問の全てを終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(濵砂守) 次は、日髙陽一議員。 ◆(日髙陽一議員) 〔登壇〕(拍手) Next hitteris Shohei Ohtani. He hit 5 home runs in last5 games.(バットを振る動作) Shohei Ohtani……(聴取不能)……というふうに、大谷選手は6試合で6本のホームランを打ちました。(発言する者あり)すみません、失礼しました。 今回、この日本で本当にコロナで大変な思いをされている皆様の心に、元気を与えてくれました。あまり野球に興味のない中野議長でも、本当に元気をもらっているというふうな話をしていらっしゃいました。スポーツの力というものを改めて感じていたところであります。 その中で、スポーツの力、ちょうど1か月後にはオリンピックが開催されます。このオリンピック、本来であれば、もうたくさん盛り上がっている状況であります。しかし、今コロナの状況で、なかなか厳しい、盛り上がっていない状況であります。しかし、2018年平昌オリンピックでは、ザギトワ選手が優勝後、秋田犬をプレゼントにもらったということで、ロシアでは本当に、柴犬をはじめ、日本の犬がたくさんはやった、今も盛り上がっているというところであります。 この盛り上がっていないオリンピックでありますけれども、やはり、オリンピックの後には、必ず金メダルを取ったヒーローが生まれます。そのヒーローは、すばらしい、営業される方になっていきます。この宮崎にも、たくさんの選手がいらっしゃいます。その中で、ぜひ、宮崎のマンゴーだったり、宮崎のおいしい肉を食べていただくことによって、ファンになっていただけるのではないでしょうか。ぜひ、商工観光労働部長におかれましては、その金メダル候補の方々にたくさんの営業をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 さて、これより質問に入らせていただきます。 今日は、沖縄を除く全国で、国の緊急事態宣言が解除されて2日目になります。この1年以上続いているコロナ禍において、旅行業や飲食業など厳しい状況にある事業者さんもおられますし、医療・介護従事者には多大な努力をいただき、また、今でも学校では黙食をしている子供さんや、施設に入所したまま御家族に面会できない御高齢の方など、県民の皆様がそれぞれ多くの努力と制約を受けてきました。 そして、新型コロナウイルスの感染拡大の対応で、日本のデジタル化の遅れがあらわになりました。行政サービスだけではなく、民間を含む社会全体としても、先進国に後れを取ってしまいました。 これからのウイズコロナ、ポストコロナの時代に経済成長するには、一層のデジタル化が欠かせないと思います。 県においては、本年3月に「宮崎県情報化推進計画」を策定し、今年度を「みやざきデジタル化元年」として、デジタルガバメントの推進をはじめ、暮らしや産業分野など社会全体のデジタル化を進めることとしておりますが、中山間地域を多く抱える本県にとって、全県的にデジタル化を進めることは重要です。しかし、まずは行政が率先してデジタル化に取り組んでいかないといけないと考えます。 そこで、デジタルガバメント推進について、知事の考えを伺います。 壇上からの質問は以上とし、以下の質問は質問者席からといたします。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 デジタル化につきましては、少子高齢化や人口減少などによる地域課題の解決や、ポストコロナ時代の経済成長にも資することが期待されております。 そのような中、本県でのデジタル化を推進するため、まずは行政のデジタル化、すなわちデジタルガバメントを強力に推進することが重要であると考えております。 具体的には、県民や事業者が窓口に行かなくても、いつでも、どこからでも行政手続ができるようオンライン化を進めるとともに、その際の本人確認の手段としても期待されるマイナンバーカードについても、普及促進していくこととしております。 その際、県民に最も身近な自治体である市町村のデジタル化が非常に重要でありますので、県としましても、緊密に連携するとともに、必要な助言、情報提供をはじめ、市町村が求めるデジタル人材の確保等に努めてまいります。 今後とも、県民目線に立ったデジタルガバメントの構築に取り組んでまいります。以上であります。〔降壇〕 ◆(日髙陽一議員) 行政だけではなく、社会全体のデジタル化を進めるためには、高速・大容量通信ができる情報インフラ整備が重要で、特に光ファイバーや新しい無線技術である5Gの整備が必要だと思います。 加えて、特定の建物や敷地内で5G環境を利用できるローカル5Gについても、様々な用途が期待されております。 そこで、デジタル化基盤となる情報インフラ整備について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 県民誰もがデジタル社会の恩恵を受けるためには、その基盤として、県内全域に光ファイバーや5G等の高速ブロードバンド環境が整備される必要があります。 このうち、光ファイバーは、おおむね整備が完了しております一方、5Gにつきましては、今後新たな基地局の整備を推進する必要があります。 しかしながら、これまでのところ、都市部を中心に進んでおりまして、全ての地域においてサービスが展開されるまでには、なお時間を要する見込みであります。 このため、県としましては、地域間の偏りが生じないよう、また、できるだけ早く基地局の整備が進むよう、携帯電話事業者の基地局整備に対する技術的・財政的支援について、全国知事会等を通じて国に要望しているところであります。 あわせまして、昨年度から実証事業を行っておりますローカル5Gの活用につきましても、引き続き取り組んでまいります。 ◆(日髙陽一議員) 6月18日に閣議決定されました政府の骨太方針では、5Gの地域カバー率を2023年度までに98%まで高めることが盛り込まれました。また、同じ日に決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針」では、5G基地局や光ファイバーの整備促進、ローカル5Gの普及展開も明記されておりますし、成長戦略実行計画では、次世代の規格6Gの技術開発を急ぐ方針も示されており、諸外国に負けないデジタルの実装は急務の課題です。 特に、ローカル5Gに関して総務省が昨年度実施した開発実証の成果概要資料を見ますと、農業や観光、eスポーツなど、10分野・19事業の成果が掲載されておりました。 無人自動トラクターの遠隔監視制御や、観光客の位置情報等に合わせた動画提供、僻地診療所における中核病院の遠隔診療・リハビリ指導等、将来のデジタル社会の一こまと言えそうな事例で、中山間地域も多い本県で活用できるものがあるのではないでしょうか。 本県でも、インフラ整備と併せて各分野で活用が一層進むよう、研究・実証の取組推進をお願いいたします。 次に、農業問題についてお伺いします。 本県農業の10年後の将来像を描いた第八次長期計画が、いよいよスタートいたしました。 私も、計画の策定段階から、議員の立場で参加させていただいておりますが、あらゆる危機事象に負けない農業としての「新防災」、賢く稼げる農業としての「スマート化」など、これからの宮崎の農業を明るく照らす未来図に、大きな希望を抱いたところであります。私も農業者の一人として、計画実現に向けて、全力で応援していきたいと考えております。 長計は綿密に策定された計画ですが、恥ずかしながら私は、議員になるまで、県の農業の長計というものがあるとは知りませんでした。 前回の議会で、長期計画の県民の理解醸成に向けた取組についてお伺いしましたが、改めて、生産者が計画の内容を理解し、生産者の間で長計という言葉が行き交うように、機運を盛り上げていく必要があると考えています。 今年度スタートいたしました第八次長期計画の生産者への理解醸成に向けた取組状況について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(牛谷良夫君) 本年度からスタートした長期計画の実現に向けて、様々な施策や取組を効果的に推進するためには、生産者の皆様に、計画の内容を十分に理解していただくことが大変重要であります。 このため、本計画の策定に当たっては、次世代を担う農業者の方など、延べ700名を超える方々と意見交換を重ね、10年後を目標とする将来ビジョンを共有しながら、長期計画の取りまとめを行いました。 また、分かりやすさに軸足を置いた情報提供を行うため、本年3月、農政水産部ホームページ「ひなたMAFiN」を開設し、長期計画や関連施策等の理解醸成に向けて、写真や動画の積極的な活用を図っているところであります。 ◆(日髙陽一議員) 答弁にありました「ひなたMAFiN」は、これまでにない大変すばらしい取組だと考えています。この「ひなたMAFiN」をもっと多くの方に知っていただき、活用していただきたいと考えております。知り合いやJA青年部の仲間たちへ、今、周知を行っているところです。 話は変わりますが、ヨーロッパでは、自国のものを積極的に買おうという動きがあります。日本で言う地産地消に近いものだと思います。生産から消費まで一連の流れを小学校の時点で教育しており、子供たちも、自分の国で生産されたものを大事にしようという認識が幼い頃からあると聞いています。 農業が基幹産業である我が県では、農業が動けば本県の経済が回ると考えております。 少し難しい経済の動きも、具体的な農産物の生産から消費まで一連の流れを、例えば「ひなたMAFiN」上に掲載される動画で伝えることができたら、子供たちも含め、もっと農業を身近に感じ、そして農業の大切さに気づくのではないかと感じているところであります。 また、県の補助事業についても、紙ベースでの資料だけでは分かりにくい部分がありますので、例えば分かりやすい説明動画があれば、都合のよい時間に確認ができるかもしれません。コロナ禍で、対面した説明が制限される中でもあり、今後ますます、デジタルを活用した情報提供が重要になってくると考えます。 そこで、県の施策等について、デジタル化を活用した生産者への周知や活用を促進するための今後の取組について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(牛谷良夫君) コロナ禍において、県の施策等を分かりやすくタイムリーに生産者へ伝えるためには、デジタルの活用が大変重要であると考えております。 このため、「ひなたMAFiN」を活用し、宮崎ブランドの推進や担い手の確保など、県の様々な取組について、動画等による情報提供を行っております。 また、農業経営収入保険や農業共済など、農業セーフティーネットに関する多様な情報を一元的に取得できる仕組みの構築に加え、本議会で審議いただく事業により、リモートによる病害虫診断など、生産者が活用しやすい機能の強化を図ります。 今後とも、「ひなたMAFiN」などのデジタルツールをフル活用した情報の提供・発信に加え、これまでの、対面による生産者に寄り添ったきめ細かなフォローも行いながら、県の施策等の周知や活用の促進を図ってまいります。 ◆(日髙陽一議員) この取組に関しては、支援制度が県民に伝わってこそ力を発揮してまいりますので、デジタル化の力を借りて、周知・広報にますます力を入れていただきたいと思います。 次に、スマート農業についてであります。 昨日、横田議員も詳しく質問されておりましたけれども、農業においては、今後、高齢化とともに人口減少社会が進展することにより、担い手や労働力の減少が進む懸念があります。 また、重油等の資材価格が高止まりしているなど、厳しい情勢にあり、農業経営においては、さらなる生産性の向上や省力化を進める必要があることから、先ほど申し上げたとおり、第八次農業・農村振興長期計画において、スマート農業を普及することとしていらっしゃいます。 一方で、現場では、施設園芸におけるICT機器の導入や、水稲や露地野菜におけるスマート技術の導入が進んでいるところで、収量が向上する省力化が図られるなど、成果も聞かれているところですが、多くの関連機器があり選択に迷うといった声や、大型の機器の場合には多額の経費がかかるといった声も聞かれているところです。様々な課題も見えてきているのではないかと思います。 そこで、第八次長期計画の重点施策として位置づけられているスマート農業を普及する上での課題と今後の取組について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(牛谷良夫君) スマート農業を普及する上での課題としましては、活用するためのマニュアル化がされていないことや、費用対効果が明らかでないこと、使いこなせる人材が育っていないこと、各種の規制により効果が十分発揮できないことなどが明らかになってきたところであります。 このため県では、メーカーや国の研究機関等と連携し、施設園芸でのデータの活用や、露地野菜でのスマート農業機械の導入について、コストを踏まえた効果の検証に取り組みますとともに、農大生や指導者等を対象に、スマート技術を使いこなせる人材の育成にも取り組んでいるところであります。 これらの成果をしっかりと農業者へ周知しますとともに、必要な規制緩和等について国へ要望しながら、スマート農業の普及に積極的に取り組んでまいります。 ◆(日髙陽一議員) デジタル化、5Gが進むと、Wi-Fiも必要なくなると聞いております。遠隔操作も進み、例えば、遠く離れたアフリカ大陸の国で、ビルの中の会議室から遠隔操作、ゲーム感覚で、この宮崎の農産物を収穫してもらうことも可能になってくるという話も聞きました。どんどん時代は進んでいきます。スマート農業を導入するには、農業者自身が高いコスト意識を持って導入を判断し、使いこなしていく必要がありますことから、今後の取組により、様々な経営、そして地域で普及することで本県の農業が発展することを期待しております。 次に、全共について質問したいと思います。 第12回全国和牛能力共進会は、来年、隣県鹿児島で開催予定で、御存じのとおり、宮崎牛4連覇が期待されているところです。 開催まであと1年少しという期間で、前回や前々回の全共であれば、この時期もう少し盛り上がりがあったようにも思うのですが、今回は準備状況が見えにくいと感じております。 そこで、第12回全国和牛能力共進会に関わる本年度の主な取組について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(牛谷良夫君) 本年度は、全共に向け、出品候補牛の導入や選定等を行います大変重要な年でございますが、コロナ禍の影響もあり、参加者を制限するなど、感染拡大防止に最大限努めながら出品対策を進めております。 主な取組として、肉牛の部では、4月に繁殖農家で育成された出品候補牛80頭を、本県を代表する肥育農家20戸に引き渡し、肥育を開始しました。 また、種牛の部では、全共本番に向け対策強化と機運醸成を目的とした出品対策共進会、いわゆるプレ全共を10月に、その予選会を県内7地域で7月から8月に計画しており、いずれもコロナ対策に留意した運営を検討しております。 今後とも、生産者、関係団体が「チーム宮崎」として日本一の努力と準備を継続し、課題を克服しながら、4大会連続の内閣総理大臣賞の獲得を目指してまいります。 ◆(日髙陽一議員) 地道ながら取り組んでいただいていることが分かりました。 感染症対策に気を配りながらの出品対策は、制約も多いとは思いますが、4連覇に向けて、関係者としっかり連携していただいて、取り組んでいただくようお願いいたします。 次に、ワクチン接種についてお伺いいたします。 海外では、マスクを外してイベントに参加する様子などが報道されています。やはりワクチン接種は、コロナ対策の最も有効な手段ではないかと考えております。 本県では、来月から国文祭・芸文祭が開催され、他県から多くの参加者が来県されます。また、秋には宮崎のキャンプシーズンが到来するわけで、県民へのワクチン接種をできるだけ早く進める必要があると考えます。 接種の主体である市町村は、大きな市と中山間地域などで事情が異なり、取組状況もかなり異なると聞いております。 ワクチン接種の今後のスケジュールについて、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 新型コロナウイルスワクチンにつきましては、現在、医療従事者や高齢者への接種が行われているところでありまして、医療従事者につきましては今月中に、また、高齢者につきましては7月末で接種が完了する見通しであります。 その後、市町村におきましては、基礎疾患を有する者、高齢者施設等の従事者への接種と続き、それ以外の者に対しても、ワクチン供給量や地域の実情等を踏まえて、順次接種が行われることになっております。それから、接種券の送付などの必要な準備も進められているところであります。 また、これらの取組と並行しまして、企業等における職域接種も順次進められていくものと考えております。 県といたしましては、希望する方全てができるだけ早期に接種を受けられるよう、引き続き、市町村、関係機関等と連携を図りながら、必要な支援を行ってまいります。 ◆(日髙陽一議員) 国は、一般接種終了のスケジュールを前倒ししまして、「希望者への接種を10月から11月にかけて終えることを目指す」としております。早期終了に加え、基礎疾患の有無の確認等、そしてまた、市町村が行う事情に応じた対応を、県もしっかりと支援していただきたいと思います。よろしくお願いします。 また、今回、第4波では、子供が活動する施設でのクラスターが発生したこともあってか、福岡県では、保育士や教員に優先接種を行うという報道も目にしました。 子供を預ける親御さんの中には、医療関係者などリモートワークが難しい方もおられ、保育園は休園できない状況にあります。幼い子供さんにマスクを外さないようにとか、お友達に触らないように遊びましょうと言っても非常に難しく、児童施設は、医療機関ほどではなくても相当程度リスクが高いとも考えられる中、現場で懸命に対応していただいていると思います。 万が一、保育士に感染者が発生した場合、一部の保育士が自宅待機になれば、人員基準を満たすことができなくなるという不安も耳にしています。一般接種における優先接種の考え方について、保育士などエッセンシャルワーカーはどのように位置づけられているのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 一般接種における優先順位につきましては、高齢者等への状況を踏まえながら、地域の実情に応じ、各市町村において判断することとされております。 御指摘のとおり、エッセンシャルワーカーにつきましては、社会的影響が大きく、県民生活の維持に寄与する優先度が高い対象者の一つであると考えておりまして、保育士などについては、既に複数の市町村におきまして、接種の優先度を上げることを検討されているところもあります。 このため、市町村に対しまして、一般接種における優先順位の考え方をお示ししたところでありまして、保育士についても、優先度の高い対象者として位置づけたところであります。 県といたしましては、引き続き必要な取組について情報共有を図りながら、市町村のワクチン接種を支援してまいります。 ◆(日髙陽一議員) 市町村への情報提供等、県として必要な支援をよろしくお願いしたいと思います。 さて、ワクチン接種が進んでいる各国では、ワクチンに関して、6対3対1という割合が話題になっているそうです。ワクチン接種を希望する方が6割、迷っている方が3割、打ちたくない方が1割だそうです。接種が進めば別の課題があるということです。 本県でも、ワクチンを打てばもう感染しないという誤解をされている方もおられれば、副反応についての誤った情報で、ワクチン接種に二の足を踏む方もいらっしゃるように思います。 そこで、ワクチンについて正しく理解していただくための普及啓発の取組について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 新型コロナウイルスワクチンにつきまして、接種の促進を図るとともに、接種後の感染防止などについて県民の皆様に正しく御理解いただくためには、様々な媒体を活用しながら、継続した広報活動が重要であると考えております。 このため、県におきましては、特設ウェブサイトの開設のほか、県の広報媒体や雑誌広告などを活用いたしまして、ワクチンの安全性や効果、接種の仕組みや副反応等についての情報提供を行っているところであります。 今後は、一般接種も開始されますことから、若年層も対象としたSNSを活用したウェブ広報の充実や接種後の感染防止対策の徹底など、効果的な情報発信に努めてまいります。 ◆(日髙陽一議員) 一時期は、コロナ感染者や医療関係者などへの心ない誹謗中傷もありました。感染症に限らず、正しい情報を知っていただくことで防ぐことのできることもあります。正しい知識の普及啓発は大変重要です。私もSNSなどでPRしていきますので、県にも御対応をよろしくお願いいたします。 次に、観光行政についてお伺いいたします。 今回、5月の補正予算で水際対策として、県境往来のPCR検査の支援事業が組み込まれました。経営が落ち込んでいる航空業界では、宮崎では県が支援してくれると大変話題になっているそうです。 これから、国文祭やスポーツ大会など様々なイベントが行われる中、県民の安心・安全のために大変重要な事業だと思いますが、県境往来者PCR検査支援事業について、現時点でのスケジュール感や、PCR検査を希望する場合の具体的な申込み手続等について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 県境往来者PCR検査支援事業につきましては、7月上旬の運用開始に向けまして、現在、受託事業者と調整を行っているところであります。 基本的な流れとしましては、インターネットや電話により申込みをしていただきますと、自宅に検査キットが届きますので、御自身で検体を採取し、検査機関に返送後、結果が通知されることとなります。 したがいまして、県外の方が利用される場合には、来県前に確認できますよう、移動の1週間程度前の申込みを周知したいと考えております。また、航空機を利用する方につきましては、事前に申し込んだ上で、空港PCR検査センターで搭乗前に検査できる体制も整えることとしております。 また、県民がビジネス等で一時的に県外に出るような場合は、県外から帰ってきた段階で検体を採取し、検査機関に返送していただくこととしております。 ◆(日髙陽一議員) 本県にお越しになるイベントなどの参加者のほか、転勤などで県外にお住まいの御家族や、県外に進学・就職した子供さんの支援にも活用できると思います。県民にとって、とっても安心できる事業だと思います。 しかし、この事業があることを知っていただき、県境往来をする方に検査を受けてもらわなければ、意味はありません。 そこで、本事業が十分活用されるため、どのような周知・広報を考えているのか、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 新型コロナの県内への持込みを防ぎ、往来の安全・安心を高めますためにも、本事業の意義や仕組みを広く理解いただき、できるだけ多くの方に活用していただくことが重要であると考えます。 このため、まず県民に対しましては、ホームページやSNSなどの県の広報媒体はもとより、新聞への広告、商工団体・市町村等を通じた積極的な情報発信等を行うこととしております。 また、県外に向けましては、県外事務所や県人会等のネットワークを活用いたしますとともに、公共交通機関や旅行代理店等にも協力をお願いし、より多くの方へ周知と利用促進を図ってまいります。 ◆(日髙陽一議員) 各公共交通機関の宮崎行きチケットの予約の画面にお知らせするなど、いろいろな工夫が考えられると思います。できる限り周知をして、多くの方に活用していただきますよう、よろしくお願いいたします。 このような事業などで安全が確保されると、アフターコロナに向けて動きが出てきます。 知事もおっしゃっていたとおり、まずは感染拡大リスクの少ない県内旅行から経済を回すということで、県民が期待していた県民県内旅行(ジモ・ミヤ・タビ)キャンペーンの内容について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) ジモ・ミヤ・タビキャンペーンは、県民が県内で旅行する際の宿泊などの旅行代金の割引に加えまして、県内のお土産店などで使えるクーポンを付与しまして県内旅行需要を喚起することで、厳しい状況にある観光業の回復を図るものでございます。 このキャンペーンは、当初4月23日から開始予定であったものを、県内外のコロナ感染状況を総合的に判断し、延期していたところでございますが、感染状況が落ち着いてきたことから、昨日開始しまして、12月末まで実施することとしたところでございます。 キャンペーンの実施に当たりましては、平日旅行を誘導するためのクーポンの付与や、感染状況に応じて停止する仕組みなど、本県独自の感染防止対策を講じておりまして、今後、新聞やホームページなど様々な媒体を活用して、PRを行ってまいります。 ◆(日髙陽一議員) キャンペーンがロケットスタートできるように、宿泊・旅行業界と連携して、厳しい状況にある業界が少しでも元の状態に近づくよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 今、県内高齢者のワクチン接種は、医療関係者の御協力や各市町村の頑張りで、取組が加速しております。今後、国が進める職域接種の導入で、一般接種も当初の予定よりも前倒しで進むのではないでしょうか。 近い将来、県外の感染状況も落ち着き、人流が大きく動き始めます。また、県外や海外旅行に行き来できるようになる、私はそういった希望もそう遠くないと思います。 そこで、今後の観光誘客の方針について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) 本県の観光は、新型コロナの影響により、インバウンドはもとより、国内需要も大幅に減少するなど、大変厳しい状況にございます。 このため、まずは、県内の宿泊事業者の感染防止対策への支援により、安全・安心な受入れ環境の整備を進めますとともに、先ほど御質問のありました、ジモ・ミヤ・タビキャンペーンを実施し、県内旅行需要を喚起してまいります。 また、新型コロナの収束状況を見極めながら、誘客の対象を、県内から隣県、全国へと徐々に広げていくこととしております。 さらに、海外誘客につきましては、将来のインバウンド再開を見据え、SNSによる情報発信を強化しますとともに、オンラインツアー等にも取り組んでいくこととしております。 ◆(日髙陽一議員) 答弁で、オンラインツアーについてお話をいただきましたが、これは宮崎の観光地を発信するのにとてもいい取組だと思っております。そして、それをオンラインショップやふるさと納税につなげてみてはいいのではないでしょうか。ぜひ様々な角度から宮崎を発信していただきたいと思います。 また、最近、旅行に行けなくてストレスがたまっているという話をよく聞きます。先般、日本がワクチンを無償提供した台湾では、「日本ありがとう。ぜひ日本に旅行したい」という声が大きいという話も聞いています。早く県外、また海外と自由に往来できるようにしたいですし、それまでに宮崎県のよさをしっかりと売り込んで、多くの観光客を宮崎にお迎えできるよう、準備をよろしくお願いしたいと思います。 さて、宮崎の観光にはたくさん売りがあるわけですが、とりわけゴルフは、温暖な宮崎で1年中プレーでき、また、屋外のスポーツであることから、最近とても人気が高いコンテンツです。 ゴルフは、コロナ禍における本県の強みであると考えますが、今後のゴルフを活用した誘客の取組について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) コロナ禍で観光客が大きく落ち込む中、昨年の県内ゴルフ場利用者数は、令和元年と比較して約1,000人減の107万5,000人となっており、ゴルフは、コロナ禍におきましても、重要な観光コンテンツであると認識したところでございます。 県といたしましては、まずは、ゴルフ客の安全・安心な受入れ体制を構築するため、ゴルフ場が行います感染防止対策に要する費用の補助を行うとともに、本県の強みである食を組み合わせた旅行商品の造成や、インターネットやSNS等を活用したプロモーションを実施することとしております。 また、来年3月には、日本で初めて本県での開催が予定されております、アジア最大のゴルフ旅行商談会(AGTC)を通じまして、本県の優れたゴルフ環境や観光の魅力を国内外に積極的に発信してまいります。 ◆(日髙陽一議員) 先ほどありました国際的な商談会開催も見込まれるということで、ゴルフツーリズムがますます盛り上がり、ゴルフをするお客様のほかにも、いろんな関係者が宮崎にお越しいただけることを期待しております。 例えば、春・秋のプロ野球キャンプには、もちろんプロ野球選手が来県されるわけですが、選手のほかに、多くのマスコミ関係者だとか、トップレベルのトレーナーや、グローブなど道具製作の関係者もキャンプ地に集うと聞いています。 ゴルフではシャフトフィッティングのニーズも大きいと思うのですが、このシャフトフィッティング、現在では東京、大阪、山口のみで行われていると聞いております。宮崎でも、このようなニーズにうまく応える体制づくりをお願いしたいと思います。 さて、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックの開催も近づいてきました。コロナ禍の下、外国からの選手団等の受入れや、開催時の観客入場などの様々な課題があるようですが、大会が始まれば、平和の祭典として多くの感動を目の当たりにできるものと、わくわくしております。 本県も、複数の外国人選手のホストタウンとして、相当数の選手団を受け入れる予定であり、本県で最後の仕上げをした選手たちが、最高の舞台で最高のパフォーマンスを見せてくれるものと期待しております。 選手団について、当初予定していた、県民を挙げての歓迎行事や練習見学、大規模な交流イベントの実施などが難しいことは、大変残念です。しかしながら、トップアスリートの受入れ実績を積むことは、今後、スポーツランドみやざきを推進する本県の貴重な財産になることと思います。しっかり対応していただきたいと思います。 この1年、これまで継続して来県いただいているプロスポーツキャンプ等の実施にも、コロナが大きく影響しました。そこでまず、プロスポーツキャンプ等の受入れ状況について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) 昨年度の県外からのスポーツキャンプ・合宿の受入れ実績は、新型コロナ感染症の影響によりまして大きく減少いたしましたが、プロスポーツキャンプにつきましては、無観客になったものの、昨年秋には、プロ野球12球団参加の下、フェニックスリーグが開催され、今年春にはプロ野球7球団、Jリーグ17チームのキャンプを受け入れるなど、ほぼ例年並みとなったところでございます。 また、ラグビーやトライアスロン、陸上の日本代表チーム等のキャンプも受け入れており、昨年度は、本県でのキャンプが初めてとなるフェンシングや、ラグビー女子7人制日本代表がキャンプを行ったところでございます。 県といたしましては、今後とも、新たなキャンプ誘致に積極的に取り組み、「国際水準のスポーツの聖地」としてのブランド力の向上に努めてまいります。 ◆(日髙陽一議員) 多くのプロスポーツや日本代表チームのキャンプを受け入れている本県ですが、最近はラグビーチームの受入れも増えております。記憶に新しい2019年のラグビーワールドカップでは、本県でキャンプを行ったイングランド代表が準優勝、日本代表は悲願のベスト8入りを果たし、大会終了後は、宮崎合宿の様子が連日テレビ等で報道されたところです。 前回のワールドカップでの日本代表の活躍により、近年人気が高まるラグビーでありますし、来シーズンからはプロ化される予定であり、さらなる人気の高まりが期待できます。また、サッカーJリーグとシーズンも異なることから、キャンプ受入れ可能な競技であり、私は、ぜひとも、これまで以上に多くのラグビーチームを誘致しない手はないと考えております。 そこで、ラグビーキャンプ誘致を積極的に行っていくべきと考えますが、知事の考えをお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) ラグビーにつきましては、御指摘のとおり、2019年ワールドカップにおきまして、本県でキャンプを行った日本代表とイングランド代表がそれぞれ好成績を挙げたこともありまして、他のスポーツ種目も同様でありますが、「縁起のよい宮崎」「結果の出る宮崎」として、スポーツキャンプ地としてのブランド力が一層高まったものと考えております。 こうした中、先月のラグビートップリーグで優勝しましたパナソニックをはじめ、ヤマハ発動機が本県でキャンプを行っておりますほか、今年に入り、7人制ラグビーの男女それぞれの日本代表チームが初めてキャンプを行うなど、多くのラグビーチームから、キャンプ地として高い評価をいただいているところであります。 私としましては、国民的人気も高まっておりますラグビーは、プロ野球やJリーグに次ぐ重要なターゲットであると考えております。日本各地で考えますと、多くのアマチュアチームを含めたキャンプ地というものは、長野とか、北海道とかがあるわけでありますが、やはり勝利を目指した国内外のトップレベルのチームが集う宮崎というのは、他のキャンプ地と比べてもブランド力がより高いものとしてアピールできるものと考えております。 今後、さらに多くのラグビーチームにキャンプ地として選んでいただけるよう、積極的な誘致や受入れ環境の整備に取り組んでまいります。 ◆(日髙陽一議員) ラグビー日本代表ですが、宮崎でキャンプを張るシーガイアエリアでは、以前から県、宮崎市、シーガイアが中心となって、屋外型ナショナルトレーニングセンターの誘致を進めています。平成27年に誘致を表明されて以来、6年が経過しようとしていますが、今は何の進展もない状況です。 本県は、これまで多くのトップチームやトップアスリートの合宿を受け入れ続けており、特にシーガイアエリアは、トライアスロン、ゴルフのナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点として指定され、1年を通して日本代表選手等の合宿も受け入れています。 シンガポールには、「シンガポール・スポーツ・ハブ」というスタジアム、アリーナ、プール等を集約した施設があり、代表チームなどのトレーニング拠点ともなっているようです。 シーガイアエリアのスポーツ合宿環境は、国内屈指の場所と思いますので、こうしたシンガポールの例を参考に、ぜひとも、国内を代表する、また、世界に誇れるような「スポーツランドみやざき」らしい施設ができないかと感じているところです。 そこで、屋外型ナショナルトレーニングセンター誘致の現在の状況と今後の見通しについて、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 屋外型ナショナルトレーニングセンターの本県誘致につきましては、平成27年に官民一体の誘致推進委員会を設立し、機会あるごとに、国などに対して要望活動を行ってきたところであります。 一方、国におきましては、令和3年度を終期とします第2期スポーツ基本計画の中で、従来の拠点設置の考え方にとどまることなく、あらゆる可能性の中で検討を進めるとされておりまして、スポーツ庁からは、屋外型ナショナルトレーニングセンターについて、国が主体的に整備することについては、現在、白紙の状況と伺っているところであります。 このような状況でありますが、本県は、屋外系スポーツのキャンプ受入れにおきまして、その恵まれた環境や施設、さらには受入れノウハウの蓄積など、優位性の高い国内屈指の場所であると考えているところでありまして、こうしたトレーニングセンターの整備は、我が国のスポーツ振興にも大きく貢献できる場所であると自負するとともに、「スポーツランドみやざき」のさらなる進化のために、なくてはならない価値ある施設だと考えております。 本県としましては、今後とも様々な可能性を模索し、その実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 来月からいよいよ受入れが始まる東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプは、9か国、6競技、13チームと伺っています。 また、先ほど答弁がありましたとおり、今や宮崎は、ラグビー日本代表やイングランド代表、そして7人制トップリーグのチャンピオンチームからも選ばれるキャンプ地となっています。全国的に見ても、なかなかここまで多くの国内外トップチーム受入れの経験を持つことはないのではないかと思います。 そうした中、今年5月から6月に実施された15人制のラグビー日本代表合宿は、大分県別府市で実施されたと伺っており、大分市も相当な施設整備により、誘致に力を入れたと聞いております。 シーガイアエリアは、ラグビー日本代表からも、キャンプ地として評価が高い場所であるとは聞いておりますが、日本代表チームのブランド価値が高まっている中で、現状に甘んじていると、他県にキャンプを取られることが十分予想されます。そうした事態とならないためにも、また、スポーツを通じた誘客の拠点施設としても、ラグビー等を含めた屋外系競技のトレーニングセンターは、コロナにより落ち込んだ本県経済の回復を図っていくために必要な施設だと思っているところです。ぜひとも、その実現に向けて検討をよろしくお願いいたします。 次に、建設産業における品確法に係る取組についてお伺いいたします。 令和2年9月議会で、用地補償調査業務を例として、成果物品質確保に向けた取組について質問いたしました。品確法が建設関連業務にも適用されることとなり、中長期的な視点で、品質確保やその担い手の育成・確保に努めることとされており、その実現のために、総合評価落札方式を含む多様な入札制度を導入すべきではないかと質問したところ、関係団体と意見交換を行いながら検討すると回答されていました。 そこで、昨年9月以降の進捗状況として、建設関連分野における改正品確法に基づく多様な入札制度活用の取組状況を、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 測量や設計など、建設関連業務におきましては、一般競争入札や指名競争入札を基本としつつ、技術力なども評価する総合評価落札方式やプロポーザル方式など、業務の性質に応じた多様な入札制度を活用しております。 さらに、改正品確法を踏まえた新たな取組としまして、設計業務における県内企業への技術移転を図るため、県外企業と共同で業務を遂行する設計JV方式を導入し、運用しているところであります。 また、災害復旧工事における測量や用地調査業務につきまして、緊急度や現場状況に応じて指名競争入札を活用できるよう、見直しを行ったところであります。 今後とも、多様な入札制度を活用することで、公共事業の品質確保や災害対応力の強化に取り組んでまいります。 ◆(日髙陽一議員) 品確法の目的である良質な社会資本の構築や、その適正な維持管理を具現化するためには、担い手となる建設産業の健全な発展が不可欠だと考えます。これまで建設産業は、きつい、汚い、危険という3Kと言われてきましたが、現在は新3Kとして、給料がよい、休日が取れる、希望が持てるを目指して、業界全体で取り組んでいると聞いています。 そこで、建設関連業を含む建設産業全体における、労働環境改善や作業効率化等に係る働き方改革への取組状況を、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 地域の守り手であり、現場で最前線に立つ建設産業従事者の働き方改革を進めていくことは、大変重要であると認識しております。 このため、建設工事においては、週休2日工事の拡大や工事書類の簡素化、ICT活用工事の導入など、現場従事者の負担軽減につながる取組を進めているところであります。 また、建設関連業務においては、ドローンなどの新技術を活用した測量や、ビデオ通話で行うウェブ打合せに加え、休日や時間外の作業が生じないよう、受発注者間で調整を行うなど、労働環境や作業効率の改善に取り組んでおります。 今後とも、関係団体と十分連携し、建設産業における働き方改革を進めることで、中長期的な担い手の育成確保にしっかりと取り組んでまいります。 ◆(日髙陽一議員) 建設関連業は、地元のインフラを支える大切な産業です。働き方改革も含め、今まで以上に魅力ある産業となるよう、行政からも必要な支援をよろしくお願いいたします。 続きまして、高校生の県内就職についてお伺いいたします。 昨日、横田議員も詳しく質問されていらっしゃいましたので、初めの質問は飛ばさせていただきたいと思います。 長男が昨年まで高校生だったのですが、父母の会の仲間に聞くと、なるべくコロナのリスクの少ない宮崎に就職してほしいという意見がよく聞かれています。県内での雇用を確保するチャンスであります。以前に比べて高校生の県内就職率は上がっているということでありますが、ぜひこの機運を生かしていただきたいと思います。 高校生の県内就職率の向上を図るため、今年度はどのような事業を行うのか伺います。商工観光労働部長、よろしくお願いします。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) 高校生の県内就職率の向上を図るため、県ではこれまで、国や関係機関と連携し、企業説明会の開催や、企業の技術者等から直接指導を受けられる実践プログラムの実施などに取り組んでおります。 また、企業と高校をつなぐ県内就職支援員などによります地元企業の求人開拓や、対象を保護者まで広げた企業説明会の開催などを行っております。 さらに、今年度は、宮崎大学にあります産業人財育成プラットフォームと連携しまして、企業の紹介動画や先輩社員のメッセージなどをまとめた就職に関する総合情報サイトを構築することにより、高校生や教員、保護者等に対し、きめ細かい企業情報等を提供し、県内就職率のさらなる向上を図ってまいります。 ◆(日髙陽一議員) 未来に希望を持つ高校生に県内企業のよさ、宮崎のすばらしさをきちんと伝え、就職の後も大切な人材として育てていくことが大事だと思います。 県内にも多くの職業があります。その多くの企業などとマッチングさせるのは、ふだん授業をしている先生だけでは大変厳しいと思います。専門家の方にサポートしてもらうなど、学校や企業と連携した取組をよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、ワーケーションの受入れ推進についてお伺いします。 ワーケーションの受入れ推進については、前回、2月議会でも質問したところでありますが、様々な取組がスタートしているところだと思います。 ワーケーションは、余暇を楽しみつつ、リモートワークなどで仕事を行う新たなスタイルであることから、これまでと違った取組が必要になると考えています。 そこで、ワーケーション受入れに当たり、関係者が連携して推進することが大事だと考えますが、具体的な連携策について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(松浦直康君) ワーケーション受入れの取組は、県内の民間宿泊事業者等におきましても広がりつつありまして、この動きを定着させるためには、全県的な推進体制を構築することが重要であると考えております。 このため、本議会の補正予算案におきまして、市町村や民間宿泊事業者も含めた推進組織を設立し、支援施策の情報共有や先進事例の研究などを行うワーケーション受入体制構築事業をお願いしているところであります。 こうした取組によりまして、県内でのワーケーション受入れの促進を図り、関係人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) ワーケーションは、コロナ禍の中で注目され、全国各地で取組が広がりつつあります。ターゲットとして、どこの地域も東京だけに目が行きがちですが、そのような中で、本県としては、隣県の地域やコロナ収束後のアジア諸国に目を向けて進めていかなくてはならないと思っているところです。 そこで、首都圏のほか、九州域内や海外からのワーケーション受入れも想定されますが、どのように進めていくのか、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(松浦直康君) ワーケーションは、全国的にも関心が高まっておりまして、他県との競争も激しくなることが予想されますことから、本県の強みや魅力をしっかりアピールすることが重要であると認識しております。 このため、本議会でお願いしておりますワーケーション受入体制構築事業におきましては、首都圏だけではなく、地理的に本県に近い北部九州や東アジア諸国も視野に入れ、ゴルフやサーフィンをはじめとする全国屈指のスポーツ環境を生かしたモデルプログラムの開発なども検討してまいりたいと考えております。 ワーケーションの推進は、観光誘客をはじめ、将来的な移住者の確保、企業誘致など様々な切り口がありますことから、関係部局とも十分連携を図るとともに、今後設置予定の推進組織でも様々な御意見を伺いながら、一体となって取り組んでまいります。 ◆(日髙陽一議員) デジタル技術の進化により、宮崎に住んでいても様々な仕事ができる時代になりました。 特に、今、感染症の影響がまだ残る中、密にならず、自然を満喫しながら仕事もできるワーケーションという新しい働き方が根づくことが期待されると思います。 今は、宮崎に追い風が吹いていると思います。県外からの受入れにもしっかり対応しつつ、県民のリモートワークや働き方改革にもつながる取組として注目していきたいと思います。 今回は、デジタル元年を掲げた県に対して様々な質問をしてまいりました。未曽有の時代に直面する今だからこそ、県民の未来を背負う私たちは、時代の変化を的確に捉えて、常に自己改革を続けなければなりません。我々も、他県に負けないように常にアップデートしてまいりましょう。 最後に、今日、このコロナ禍でスポーツのすばらしさを表現しようと思ったら、この神聖な議場で度が過ぎてしまいました。最後におわびを申し上げまして、私の質問の全てを終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(濵砂守) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時54分休憩────────────────────    午後1時0分再開 ○議長(中野一則) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、安田厚生議員。 ◆(安田厚生議員) 〔登壇〕(拍手) こんにちは。宮崎のひなた、安田厚生です。日髙議員より継承させていただきました。ありがとうございます。 本日は、諸塚村から議員さんが傍聴に来られております。国道503号の整備状況についてしっかりと質問したいと思いますので、県土整備部長におかれましては、前向きな答弁をよろしくお願い申し上げます。 それでは質問に入ります。 新型コロナウイルス感染症に感染し、亡くなられた皆様に、心からお悔やみを申し上げます。治療が終わってもなお、後遺症に悩まされている方、今まさに治療されている皆様に、お見舞いを申し上げます。あわせて、最前線で感染者の治療やワクチン接種に当たっている医療従事者をはじめ、保健所の方や感染症防止に御尽力いただいているエッセンシャルワーカーの皆様に、敬意と感謝を申し上げます。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の第4波は、強い感染力を持つ変異株アルファ株の猛威により、感染が拡大いたしました。新型コロナウイルス感染症の拡大は、経済的・社会的影響の深刻化、特に飲食店への影響は甚大であり、今もなお、各自治体に支援を求める声が広がっているところであります。 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言について、沖縄県を除く9都道府県で解除し、まん延防止等重点措置に移行されました。しかし、専門家は宣言解除後の感染再拡大を指摘しています。 本県は特別警報レベル2に移行しました。知事の早い決断により、県独自の緊急事態宣言が発令され、本県の感染は減少傾向にあります。知事には、経済のアクセルをぐんと踏んでいただいて、経済の活性化を図っていただきたいと思います。 このような中、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。4月に高千穂で、聖火ランナー出発式が開催されました。沿道からの大きな拍手と笑顔に包まれ、オリンピックへの関心の高さを感じたところであります。 本県では、事前合宿に9か国、6競技、300人以上の選手団を受け入れる予定であります。本来であれば県を挙げて歓迎するところでありますが、全国的に新型コロナウイルス収束の見通しが立たない中、苦慮しながら準備を続けているようであります。ホストタウンに登録されている県と市町村は、直接交流を見送るところもあるようです。オリンピックに参加する選手と地域が、スポーツ、文化など多様な分野において交流し、地域活性化に生かすとともに、大会後のレガシーとして末永い交流を実現されるものであります。このホストタウンの取組は、今までのオリンピックにはないもので、大会前の事前合宿の交流だけでなく、オリンピック競技終了後に選手がホストタウンを訪問し、地元の方と様々な交流を行います。この交流事業について、多くの自治体が、対面ではなくオンラインでの実施を含めて、さらに検討を続けているところであります。 そこで、東京オリンピック・パラリンピック事前合宿の受入れを、今後のスポーツランドみやざきの取組にどう生かしていくのか、知事の考えをお伺いいたします。 以上、壇上からの質問とし、以下は質問者席から質問いたします。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 東京オリンピック・パラリンピックに向けた本県での事前合宿につきましては、ドイツやイギリスなど9か国から、陸上競技やトライアスロンなど6つの競技、計13チームの受入れを行う予定であります。 現在、7月上旬からの順次受入れに向け、万全な新型コロナ対策のほか、関係機関との調整、練習環境の整備などの準備を行っているところであります。 今回、コロナ禍の中で様々な感染症対策を講じながら、海外からこれほど多くのトップアスリートを受け入れることは、本県にとって初めての経験で、新たな受入れノウハウの蓄積にもつながり、大きな財産になるものと考えております。 ただいま聖火リレーの話がありましたが、本県での聖火リレーは、感染防止を徹底しながら、ほぼ予定どおり公道で行うことができた、しかも感染を拡大することにつながらなかったということは、本当によかったと考えております。 こうした事前合宿においても、安全・安心でしっかりと実施し、今後この受入れ実績や充実した合宿環境を国内外に発信しますとともに、事前合宿チームとの縁も生かしながら、さらなる誘致に取り組むことで、「国際水準のスポーツの聖地みやざき」として、一層のブランド力向上につなげてまいります。以上であります。〔降壇〕 ◆(安田厚生議員) 世の中が大変な状況だからこそ、東京オリンピック・パラリンピックで世界中が一つになり、大会は多くの方々に感動を与えてくれます。様々なものを選手と共有し、盛り上げることができるよう応援し、オリンピック終了後のスポーツランドみやざきにつなげていけるよう期待いたします。 インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の国内での感染力は、従来のウイルスに比べ1.78倍と報告があり、この変異ウイルスが日本国内で新型コロナウイルス全体に占める割合は、全体の半数を超えるという予測がされています。 また、デルタ株の感染が拡大すると、一気に医療提供体制が逼迫するおそれもあります。新たな変異株デルタ株のリスクに対して、引き続き強い警戒を維持する必要がありますが、県内でも発生が確認されたデルタ株疑いの対応について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) デルタ株につきましては、国からの情報によりますと、従来株よりも感染しやすいなどの可能性があると言われております。このため、県衛生環境研究所では、今月上旬からデルタ株等のPCR検査の体制を整えていたところであり、6月17日にデルタ株疑いを確認し、速やかに県民の皆様へ情報提供を行ったところであります。なお、デルタ株など変異株でありましても、基本的な感染予防対策が重要となり、これまでの対策をより一層徹底する必要があります。 また、先日確認しました感染事例におきましても、これまでと同様に、積極的疫学調査により感染の封じ込めを行っておりまして、感染者に対しても必要な医療を提供して、適切に対応しているところであります。 県といたしましては、県民に対し、引き続きデルタ株のリスク等につきまして周知を図りながら、より警戒を強めてまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) インドで初めて確認された新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」が引き起こす症状が、従来のウイルスに感染した人とは異なる可能性があることが分かりました。全国で拡大傾向にあるデルタ株の監視体制を強化するとともに、感染予防対策の徹底を県民の皆様に情報提供していただきたいと思います。 新型コロナウイルス感染拡大で大きな影響を受けるのが、高齢者介護の現場であります。高齢者は持病を持つ人も多く、重症化するリスクも高いようであります。また、認知症の人はマスクをつけないなど、難しいと聞いているところであります。感染者の早期発見へのPCR検査の拡充が必要であります。 そこで、高齢者施設における県のクラスター防止対策について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 県では、日頃からの感染予防を徹底するため、高齢者施設職員を対象とした研修を実施するとともに、感染拡大の端緒が見られた地域におきましては、高齢者施設の職員に対する一斉検査を実施し、感染の早期発見によるクラスターの未然防止に取り組んできたところであります。 また、施設で感染が確認された場合は、施設内でのさらなる感染の拡大を防止するため、保健所職員やDMAT医師、感染管理認定看護師を速やかに施設へ派遣し、汚染区域や清浄区域などのゾーニングを徹底するとともに、個人防護具の着脱をはじめとする感染防止策の指導を行うこととしております。 今後とも、高齢者施設の方々の御協力の下、徹底した感染防止対策等によりまして、クラスターの発生防止に取り組んでまいります。 ◆(安田厚生議員) 高齢者施設での感染を完全に防ぐのは、大変難しいことであります。感染者の早期発見によるクラスター発生防止に取り組んでいただきたいと思います。 次に、教育行政についてお伺いいたします。 GIGAスクール元年とも呼ばれる本年度がスタートして2か月余り、GIGAスクール構想は前倒しされたものの、教員研修や家庭における通信環境の整備といった、現場が抱える課題も出てきているようであります。 日向市教育研究所では、「タブレット端末を活用した教科指導の在り方」をテーマに調査・研究を行い、教科などで必要とされる資質・能力を育成するため、効果的にタブレットを活用した授業を提案することで、学力向上を図るようであります。そのためにも、通信環境、高速大容量通信ネットワークの整備が急務となっております。また、各家庭のインターネット環境も必要であります。 そこで、県内の市町村立小中学校の校内通信ネットワークの整備状況と、教員のICTを活用した指導力向上に向けた現状と今後の取組について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 小中学校のGIGAスクール構想に関する校内通信ネットワーク環境につきましては、本年9月までに、全ての市町村におきまして整備が完了する予定となっております。 現在、県教育委員会では、教員のICTを活用した指導力向上に向け、県内8つの小中学校をモデル校に指定し、ICTを効果的に活用した授業の在り方について研究を行っております。また、文部科学省のICT活用教育アドバイザーを招聘し、全ての小中学校の担当者を対象に、研修を実施したところであります。 今後は、校内研修に役立つ授業動画を作成するとともに、モデル校による取組を、授業公開等を通して県内に広く周知するなど、さらなる研修の充実を図ってまいります。 ◆(安田厚生議員) 教員に必要となるICT活用指導力とそれを身につけるための研修、子供たちには、正しい情報の選択をすることや危険から身を守る力を身につける教育も必要であります。また、ネットワーク環境につきましては、本年9月までに整備が完了する予定でありますが、児童生徒が一斉にネット通信する際、ネット環境に影響が生じないのか、心配しているところであります。 次に、校則・生徒指導の在り方について、お伺いいたします。 近年、ブラック校則が問題化していることを受けて、文科省の生徒指導提要によれば、校則は、児童生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針として、各学校において定められるとしています。 今の校則におかしい点はないのか、あるならどうしたらいいのか、みんなで考え話し合い、納得できるものに変える、そんな動きが広まっています。子供たちの発案で始まったものもあれば、教育委員会や学校が指導したものもあるようです。きっかけはどうあれ、一番身近なルールに、自分たちでやめる、続ける、新たなものをつくると決めることは、将来の社会における人材育成の一つと考えられます。 そこで、校則・生徒指導の在り方について、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に応じて見直す必要があると思いますが、教育長の考えをお伺いいたします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 県教育委員会では、これまでも校則の見直しにつきまして、県立の校長会に働きかけを行ってきたところでありますが、昨年12月に改めて、校則の見直しを行う際には児童生徒や保護者が参加するとともに、地域の実情や社会の変化を踏まえるよう通知したところであります。 その結果、現在、全ての県立高校で教師と生徒が話し合う場を設けたり、保護者にアンケートを実施したりするなど、見直しが進められております。 県教育委員会といたしましては、今後とも、校則・生徒指導の在り方について、子供たちのよりよい成長を支えるものとなるよう、学校に働きかけてまいります。 ◆(安田厚生議員) 県立学校・高校等では、校則の見直しを行っているようであります。では、市町村立小中学校ではどうでしょうか。 熊本市では、関連する規則を変更した上で、今年度から小学校を含む全ての市立学校で、子供たちも参加して校則を見直す作業が始まりました。校則・生徒指導の在り方については、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に応じて、絶えず見直す必要があると思います。校則の見直しは、最終的には校長先生の権限において適切に判断されるべき事柄ですが、見直しの際には、児童生徒が話し合う機会を設けたり、保護者から意見を聴取したりするなど、児童生徒や保護者が何らかの形で参加し、自分たちの社会ルールを自分たちで決めることが、民主主義の基本につながると思います。これからの校則・生徒指導の在り方の見直しを、ぜひ各小学校、中学校でも進めていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。 近年、学校や教員に求められる役割は、子供と直接向き合う本来の教育活動に加え、日々、複雑化・多様化しており、それが学校現場の多忙化につながっていると認識しております。 国の法改正により、教職員の時間外業務時間を原則1か月45時間以内、1年で360時間以内という指針が定められていますが、教員の働き方改革をさらに推進するために、公立学校教員の時間外業務の現状と今後の取組について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 教員の時間外業務につきましては、昨年10月に実施した調査におきまして、月当たり45時間を超えている教諭等の割合は、小学校で約3割、中学校、高等学校で約6割、特別支援学校で約2割でありました。全校種とも減少傾向ではありますものの、依然として時間外業務の多い中学校、高等学校におきましては、部活動と授業準備に多くの時間を費やしている状況が見られております。 これらの状況の改善に向けまして、県教育委員会では、スクール・サポート・スタッフや部活動指導員の配置拡充を行うとともに、本年度から県立学校のモデル校を指定し、教職員の時差出勤を可能とするフレックスタイム制を試行するなど、教員の働き方改革をより一層推進してまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 学校に求められる多様なニーズ、新たに生まれる課題、部活動や授業準備等の負担などにより、月80時間以上の時間外業務を行っている状況もあるようです。質の高い学校教育を維持・発展させるためには、働き方改革を進める必要があると思いますので、よろしくお願い申し上げます。 小学校高学年からの教科担任制を本格的に導入することが検討されています。例えば、専科教員が教えることが広まっている理科に加え、外国語と算数において、専門性が高い教員がクラスをまたいで受け持つ教科担任制を令和4年度から本格導入する文科省は、具体的な制度の内容について検討を進めています。 私は、体育を中心とした専門的な指導が必要と考えています。体育授業の質を高めるとともに、運動機会を増やし、主体的に運動に関わる子供たちの育成を図ることができると思います。 そこで、今後、小学校高学年からの導入が検討されている教科担任制に、体育を積極的に取り入れてほしいと思いますが、教育長の考えをお伺いいたします。 ◎教育長(黒木淳一郎君) 小学校における運動好きな児童の育成や体力・運動能力の向上のためには、小学校体育の充実は大変重要であると認識しております。 そこで、県教育委員会では、昨年度から、全国初の取組としまして、教員採用選考試験に「小学校教諭等体育」という区分を設け、体育に専門的に携わる人材確保に努めており、今後、その成果等を検証していくこととしております。 議員御指摘の、教科担任制に体育を取り入れることにつきましては、課題等をしっかりと整理し、実践を積み重ねてまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 教科担任制の導入は、専門的な指導が行えるということだけでなく、学校全体における体育の授業の改善を促進するとともに、子供の多様な実態を踏まえ、児童に応じた支援を行うことができます。教科担任制に体育を取り入れることができますよう、期待いたします。 次に、脱炭素社会の実現について質問いたします。 気候変動の影響と思われる災害が頻発・激甚化し、地球温暖化への対応を加速させる時期だと考えております。温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を明記した地球温暖化対策推進法が成立しました。都道府県などに、再生可能エネルギーの活用推進のため、太陽光や風力発電などの導入目標を定めるよう義務づけ、市町村が再生エネルギー発電所を積極的に誘致する促進区域の設定に努めることも規定されたことを踏まえ、2050年温室効果ガス排出実質ゼロを目指すに当たり、市町村への支援を含め、どう取り組んでいくのか、知事の考えを伺います。 ◎知事(河野俊嗣君) 本県では、温室効果ガス排出実質ゼロを本年3月に宣言しております。第四次宮崎県環境基本計画の重点プロジェクトとしまして、「2050年ゼロカーボン社会づくり」を掲げまして、4つの柱、「省エネルギー・省資源の推進」「再生可能エネルギーの導入拡大」「森林吸収量の維持」「環境保全を支える人材づくり」を定めまして、施策を展開していくこととしております。 また、実質ゼロに向けましては、市町村の取組も重要でありますので、施策の構築・推進に当たっての情報提供や技術的助言を行うとともに、庁舎等への再エネ導入を促進するためのアドバイザー派遣などの支援に取り組むこととしております。 県としましては、先日、国が示しました「地域脱炭素ロードマップ」や、今後改定が予定されております「地球温暖化対策計画」など、国の施策にも的確に対応するとともに、本県の恵まれた自然環境や豊かな森林を最大限に生かしながら、実質ゼロの達成に向けてしっかりと取り組んでまいります。 ◆(安田厚生議員) 2050年温室効果ガス排出実質ゼロを達成するためには、今を生きる私たち一人一人が地球温暖化という問題に向き合うことが、大事になります。今後の知事の施策に期待いたします。 次に、国・県道の整備状況についてお伺いいたします。 県道上椎葉湯前線は、宮崎県東臼杵郡椎葉村から椎葉村の各集落を経由して、熊本県球磨郡湯前町に至る一般県道であります。県道は、土砂崩れや路面凍結、道路工事による道路規制が多いと感じる路線で、地域住民の生活に欠かせない道路であります。県道上椎葉湯前線の整備状況について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 県道上椎葉湯前線につきましては、沿線住民の生活を支える重要な路線であることから、地元の御意見を伺いながら、特に交通に支障のある箇所の部分的な拡幅などを進めているところであり、これまでに、県内延長約27キロメートルのうち、約8キロメートル区間の整備が完了しております。 残る未整備区間約19キロメートルにつきましては、現在、古枝尾工区など4つの工区を設定し、約8キロメートル区間の整備に取り組んでいるところであります。このうち、不土野小工区、横野工区は、今年度末までに整備が完了する予定であり、また、今年度新たに事業着手した六弥太工区は、設計や用地取得を進めることとしております。 今後とも、地元の皆様の御協力をいただきながら、早期整備を図ってまいります。 ◆(安田厚生議員) ありがとうございます。特に交通に支障のある道路の狭い箇所については、早期整備に向けて取り組んでいただきたいと思います。 部長におかれましては、椎葉村の方々が大変期待しているところでありますので、どうぞ、引き続きよろしくお願い申し上げます。 次に、国道503号整備につきましては、諸塚村中心部から飯干地区付近までの区間において、特に交通に支障のある箇所から順次進められているところであります。医療面や木材輸送における生産性の向上など、飯干峠付近のトンネル整備が強く求められています。九州中央自動車道の五ヶ瀬東インターが503号付近に計画されていることから、高速道路とのネットワークが形成され、重要性が高まるものと思います。トンネル整備には多額の費用を要するため、難しい状況ではありますが、国道503号の整備状況と、飯干峠付近のトンネル整備に向けた取組について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 国道503号は、地域住民の生活や地域産業を支える重要な道路であり、令和2年4月時点で、県内延長約36キロメートルのうち約19キロメートルの整備が完了しております。残る未改良区間につきましては、諸塚村中心部から飯干地区付近までの区間において、特に交通に支障のある箇所から順次道路改良事業に取り組んでおり、現在、鶴野工区と宮之元工区の合わせて1.2キロメートルを2車線で整備しているところであります。 さらに、国道503号は、将来、九州中央自動車道と一体となったネットワークを形成する重要な道路でありますことから、今年度は、トンネルを含む飯干峠付近の道路予備設計を実施することとしております。 県としましては、全線の早期整備に向け、まずは事業中箇所の早期完成にしっかりと取り組んでまいります。
    ◆(安田厚生議員) 昨年、「国道503号飯干峠トンネルシンポジウム」が、日向圏域国道5路線整備促進期成同盟会の主催で開催されました。「日向圏域はひとつ」を合い言葉に、圏域内の1市2町2村は、これまで文化・歴史・産業・観光面等で連携を図りながら、地域活性化や地方創生に取り組んできました。路線は、命の道、物流の道、交流の道として、産業経済の基幹道路として大きな役割を担っております。本圏域と西臼杵、熊本を結ぶ重要な路線であり、今後、整備が進む九州中央自動車道とのアクセス強化により、救急救命活動や物流、観光への広域的ネットワークが期待されます。 トンネルを含む飯干峠付近の予備道路設計を実施することは、本日傍聴に来られている諸塚村の議員さんをはじめ、入郷地区の皆様にとっては明るい話題となっております。国道503号が一歩前進したように思います。ありがとうございます。 次に、地域の安全・安心の確保についてお伺いいたします。 交通安全施設である信号機や横断歩道、これらの交通安全施設は、交通事故を未然に防ぐ上で必要なものと認識しています。交通の安全を円滑に図るには、道路標識や道路標示などの維持管理が必要であります。県内には、幹線道路など交通量の多い箇所で、摩耗し見えにくくなっている横断歩道があります。県警察では、摩耗した横断歩道などの道路標示について、どのように把握し補修しているのか、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(佐藤隆司君) 横断歩道などの道路標示は、交通の安全と円滑を確保するための重要な交通安全施設であります。交通管理者である警察としましては、警察官の日常活動を通じた点検や、年度当初に重点的に実施する交通安全施設の点検、さらには県民の方からの補修要望などで摩耗状況を把握しています。把握した箇所につきましては、摩耗の程度、交通環境などを総合的に判断し、厳しい財政状況の中、予算の範囲内において、必要性、緊急性の高い箇所を順次選定して、計画的に補修を行っております。 なお、横断歩道の補修については、現在、県内に整備されている約1万5,000か所のうち、昨年度は約1,600か所を補修しております。 ◆(安田厚生議員) 摩耗している横断歩道や白線につきましては、数名の議員も質問しています。また、各議員にも、信号機や標識、そして横断歩道など、多くの要望が県民から寄せられています。 道路標識や標示の設置など、県民や市町村からの交通規制の要望について、どのように対応しているのか、警察本部長にお伺いします。 ◎警察本部長(佐藤隆司君) 県民をはじめ、関係機関・団体から寄せられた横断歩道や信号機などに関する要望は、各警察署において、その内容を管理システムに入力し、警察本部で一元管理しております。 これらの要望につきましては、交通量、交通事故発生状況などのデータに基づく調査や、交通規制の基準などから総合的に判断し、必要に応じて規制の実施や見直しを行うとともに、道路管理者と連携した対策を講じております。 ◆(安田厚生議員) 交通規制の要望につきましては、道路管理者と連携して対策を講じているようでありますが、県民が要望してその後どうなったのか、説明責任もあると思いますので、必要に応じて対応していただきますようお願いいたします。 次に、防犯カメラの設置については、プライバシー保護の観点から慎重に行うべきという意見がある一方で、防犯施策の取組の一つとして防犯カメラの整備があります。防犯カメラは、犯罪発生の抑止効果が期待されます。 門川町では、駅周辺に8台の防犯カメラが設置してあります。行方不明者の捜索など、警察の方々が防犯カメラを見せてほしいと捜査協力をお願いされることもあります。防犯カメラの設置が確認されているのは、大半が事業者や個人のもので、撮影されるのは、主に敷地内であります。公共空間を映すのは少ないようであります。地域の防犯意識の向上と防犯活動の活性化を図り、犯罪の起こらない社会づくりを推進するため、防犯カメラの設置拡充は避けて通れないと考えているところであります。 そこで、公共空間の安全・安心を確保するため、防犯カメラの設置費用に対する補助制度創設についての考えを、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 防犯カメラは犯罪防止に非常に有効な設備でありまして、県内におきましても、自治会等の地域団体や事業者により自主的に設置され、普及が進んでいるところであります。 防犯カメラの設置費用等を対象とした補助制度につきましては、全国で20県ほどが創設しておりまして、主にカメラ設置者への助成を行う市町村に対して補助を行っていると伺っております。 本県におきましては、防犯カメラ設置に特化した補助制度はありませんけれども、商店街等の活性化事業を実施する市町村への補助により、防犯カメラが設置された例があります。 安全で安心なまちづくりを進めていく上で、市町村の考えは大変重要でありますので、県としましては、市町村の意見を丁寧に聞きながら、支援の必要性について検討してまいります。 ◆(安田厚生議員) この件につきましては、安全で安心して暮らせるまちの実現のために、地域防犯の目的や地域を見守る力の向上につながります。県警察が防犯カメラの初期費用について費用の一部を助成している、大分県や岐阜県もあるようです。知事部局と警察本部で連携して、御検討いただければと考えております。よろしくお願いいたします。 次に、人口減少対策について伺います。 地域おこし協力隊は、令和2年度で約5,500名の隊員が全国で活動していますが、この隊員数を令和6年度に8,000人に増やすという目標を掲げており、この目標に向け、地域おこし協力隊の強化を行うとしています。 地域おこし協力隊は、中山間地域の産業振興や活性化に欠かせない存在であります。また、地域を支える原動力となっています。新型コロナウイルス感染症による地方回帰の動きやローカル志向の高まりで、地域おこし協力隊の需要は高まっているところであります。 そこで、本県における地域おこし協力隊の活動の状況と活動の成果について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 県内の地域おこし協力隊につきましては、令和3年4月1日現在、21市町村で124名の方が、観光や移住・定住に関する業務、農業、特産品の開発、空き家バンクの運営など、様々な分野で活動しておられます。 令和2年3月末時点の総務省の調査によりますと、本県における地域おこし協力隊の任期終了者117名のうち、その3分の2に当たる78名が本県に定住されております。その中には、県内で就職、あるいは就農された方のほか、食品加工事業を承継されたケース、あるいは起業して古民家を活用したワーケーションの受入れ事業を行う方などもおられ、地域の社会・経済にも貢献していただいているところであります。 ◆(安田厚生議員) 中山間地域の担い手不足が深刻化する中、定住率を高める取組が必要だと思います。就職先のあっせんや求人情報の提供など、隊員の定住へのバックアップもしっかりと行わなければならないと思います。 地域おこし協力隊は、年々、制度の利用者が増加し、任期終了後も約6割の隊員が同じ地域に定住しています。 そこで、本県への移住・定住の促進に向けて、県は市町村とどのように連携を図っているのか、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(松浦直康君) 本県への移住・定住を促進していくためには、市町村との連携は不可欠であります。県では、市町村が行う都市部でのPR活動や、移住サポーターの設置などの取組を支援しておりますほか、共同で移住セミナーを実施しております。 また、移住の受入れには住まいの確保が重要でありますが、中山間地域においては利用可能な物件が少なく、空き家を待っている状況があると伺っております。そのため、今年度当初予算におきまして、移住者向けの空き家改修に対する支援を拡充いたしますとともに、新たに、市町村が借り受けた空き家や遊休施設を改修して移住者に貸し出す取組を支援することとしております。 今後とも、地方回帰の流れをしっかりと取り込むため、市町村と十分な連携を図ってまいります。 ◆(安田厚生議員) 先週、「県内には54万戸余りの住宅があり、1割に当たるおよそ5万戸が居住目的のない空き家となっている」と発表がありました。 県内の空き家について、県は、空き家バンクを通じた移住や危険な空き家の取壊しなどを進め、今後10年間で居住目的のない空き家の増加を1万戸程度に抑える新しい目標、見直し案を示したところであります。ぜひ、空き家の解消のためにも、移住・定住対策に力を入れてほしいと思います。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、少子化が一気に進んでいるようです。2020年の出生数が過去最少を更新し、戦後初めて80万人を下回る可能性が出てきました。出生数の減少に歯止めをかけるには、保育所の整備や、夫婦で働きながら子育てしやすい環境づくりなどが大事であります。コロナ収束後も出生数の大きな低下が見られると、人口減少はさらに厳しいものになると思います。 少子化対策の一つとして、特定不妊治療に対する助成制度が拡充されましたが、その後の助成状況について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 特定不妊治療費に対する助成制度は、令和3年1月の治療終了分から、助成額の増額や所得制限の撤廃、助成回数が1子ごとに算定されるなど、内容が拡充されたところでありまして、令和3年1月から3月までに受ける助成件数は138件、助成金額は、合計で3,319万8,247円であります。これを昨年度の同時期と比較しますと、件数で30.2%の増加、金額で63.6%の増加となっております。 また、助成件数138件のうち、助成制度の内容拡充によりまして、新たに助成の対象となった件数は18件、助成金額が増額となりました件数は79件となっております。 ◆(安田厚生議員) 不妊治療は一般に高額になるため、子供を望む夫婦にとって、治療に伴う経済的な負担が軽減されれば心強い後押しになると思いますので、よろしくお願いします。 次に、外国人サポート体制について質問いたします。 少子高齢化に伴う人手不足が深刻化しています。日本では、外国人労働者の受入れが年々増加しています。外国人労働者を雇用する事業者も増えている状況です。少子高齢化で人手不足の時代に変わりつつあります。 新たな課題への対応が急がれていますが、まず、県内の外国人労働者の状況について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) 宮崎労働局によりますと、県内の外国人労働者数は、令和2年10月末現在で5,519人、前年同月と比較しますと9.8%、491人の増加となっており、この5年間で2.1倍の増加となっております。 また、産業別では、製造業が最も多く2,408人、次いで農業・林業814人、建設業513人などとなっております。 ◆(安田厚生議員) 人手不足は、少子高齢化により、今後も長期にわたって加速していくと考えられます。 私の周りで外国人労働者を受け入れている業者は、住居の手配や雇用環境などの整備をされています。外国人を、ただの労働力ではなく一緒に働く仲間として受け入れていくことが大事であると、業者の方が話してくれました。外国人労働者の必要性はますます高まっている状況です。 そこで、外国人労働者の労働災害件数はどれくらいあるのか、また、外国人技能実習生に関する労働基準関係法令違反の状況及び外国人技能実習生の失踪件数について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) 国が集計しております令和2年の休業4日以上の外国人労働者の労働災害は、全国では4,682人、県内では18人となってございます。 次に、外国人技能実習生に関する労働基準関係法令の違反につきましては、全国の状況しか公表されておりませんけれども、国が令和元年に監督指導した9,455事業場のうち、約72%の6,796事業場で労働時間に関する違反などが認められ、そのうち重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検されたのは、34件となっております。 また、全国の令和元年の外国人技能実習生の失踪者数は、8,796人となっております。 ◆(安田厚生議員) 外国人人材の受入れ拡大に伴い、本県でも居住する外国人の方々が増えている中、そのサポート体制の整備・充実が重要であると考えています。 そこで、県が一昨年設置した「みやざき外国人サポートセンター」にはどのような相談が寄せられているのか、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(横山浩文君) みやざき外国人サポートセンターでは、昨年度、窓口での対応や電話、メールなどの方法によりまして、341件の相談が寄せられております。 相談者は、外国人が約4割、残りの約6割は日本人で、その内訳は、外国人を雇用している企業の関係者や友人・知人などとなっております。 内容は、日本語学習や医療に関する相談のほか、運転免許やごみの分別など、生活上の相談が多くなっております。また、新型コロナによります渡航が制限されたことに伴う在留資格の更新につきましても、相談が増えている状況にございます。 今後とも、市町村や地域コミュニティー、民間の支援団体など、多様な主体と連携しながら、相談体制の充実に努めてまいります。 ◆(安田厚生議員) 身の回りのコンビニや製造業など、今や日本の至るところに外国人労働者が雇用されています。違法状態に苦しんでいるケースもあるようです。 みやざき外国人サポートセンターには、様々な相談が寄せられているようですが、目下の関心事として、新型コロナのワクチン接種に関する悩みや不安を抱える方々もいらっしゃるのではないかと思います。 そこで、県内に居住する外国人もワクチン接種が受けられるのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 県内に居住する外国人の方も、居住する市町村におきまして、新型コロナウイルスワクチン接種を受けることができます。 県におきましては、県ホームページの新型コロナウイルス感染症対策特設サイト内に「外国人の皆様へ」というコーナーを設けまして、「やさしい日本語」として平易な言葉で表記するとともに、英語、中国語、韓国語でも、ワクチンの安全性や接種の手続、相談窓口などについての情報発信を行っております。 今後とも、市町村と連携を図りながら、外国人へのワクチン接種に関する効果的な情報発信に努めてまいります。 ◆(安田厚生議員) コロナ禍の現状を踏まえると、今後、新型コロナウイルス感染症に関する相談や雇用・労働環境など、コロナに起因する相談も増えてくるのではないかと思いますので、県としても引き続き、本県に居住されている外国人労働者の就労実態を的確に把握するなど、外国人のサポートをよろしくお願いいたします。 次に、子ども食堂について質問いたします。 子ども食堂の役割は、家庭で食事ができない子供が行くところということではありません。いろいろな人が来ていいのが子ども食堂であります。貧困を防ぐ場所という役割もあるほか、地域の方々と寄り添う場でもある子ども食堂の存在は大きなものがあります。 民間団体の調査によると、地域の子供に無料や低額で食事を提供する子ども食堂が、全国に少なくとも5,000か所以上あり、新型コロナウイルス感染症が拡大した昨年の2月以降も、新たな子ども食堂が増えているようであります。コロナ禍の状況で、子ども食堂を開いているところは大幅に減少しているようでありますが、そのような中でも、食材や弁当の配布を行っているところもあるようです。 子ども食堂の持続的な運営に向けて、県もその活動を支えていく必要があると思いますが、県の取組について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(重黒木清君) 子ども食堂の取組は、子供の貧困対策を契機として増えてきておりますけれども、子供の居場所づくりや家庭の抱える問題を把握する手段としても、大変重要であると考えております。 このため県では、子ども食堂の運営団体のネットワーク化、衛生面等に関する相談対応とともに、支援の裾野を広げるため、運営団体から要望のありました、人材の育成事業に取り組んでいるところであります。 また、食材提供の申出があった企業等とのマッチングや、国の政府備蓄米無償提供制度の紹介等を行うなど、その活動を支援しておりますが、さらに今年度につきましては、コロナ禍において活動継続を支援するため、消毒用アルコールなど必要な資材等の購入補助を行っているところであります。 ◆(安田厚生議員) 子ども食堂を開設したいとの相談がありまして、県の取組等について紹介したところであります。運営団体とのネットワーク化など、きめ細かな相談事にも応じていきたいと思います。 子ども食堂を持続的に運営できるよう、県からも温かい後押しをお願いいたします。 最後に、県営住宅について質問させていただきます。 県内に109団地ある県営住宅は、住民の高齢化や建物の老朽化とともに、空き室が目立っています。 県営住宅の空き室の状況と老朽化が進む県営住宅の補修及び建て替えの方針について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(西田員敏君) 県営住宅の空き室は、昨年度末で1,397戸となっており、建て替えなどのために入居募集を止めている部屋を除いた管理戸数8,646戸に対し、その割合は16.2%となっております。また、県営住宅の補修及び建て替えにつきましては、平成28年度に策定した県営住宅長寿命化計画に基づき、計画的な修繕や建て替えなどを実施しているところであります。 具体的には、補修については、外壁など部位ごとの修繕サイクルを基に、3年ごとの定期点検などの結果も踏まえて実施しております。また、建て替えについては、老朽化が著しく、改善による効果が見込めない建物を対象に実施しており、その際、敷地が狭小な団地については、集団建て替え(※)を進めることとしております。 ◆(安田厚生議員) 県営住宅の空き室は今後も増えてくると考えられます。若い子育て世帯の入居が増えるような施策が必要であります。 私の地元門川町においても、古い県営住宅が数か所ありまして、建て替えが大変気になっているところであります。 以上、本日の私からの質問は全て終わります。ありがとうございました。(拍手) ◎県土整備部長(西田員敏君) 大変申し訳ありません。修正させてください。 今の答弁で、集約建て替えと言うべきところを集団建て替えと言いました。訂正させてください。 ○議長(中野一則) 以上で本日の質問は終わりました。 明日の本会議は、午前10時から、一般質問及び議案・請願の委員会付託であります。 本日はこれで散会いたします。   午後1時53分散会...