宮崎県議会 > 2021-03-02 >
03月02日-05号

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  1. 宮崎県議会 2021-03-02
    03月02日-05号


    取得元: 宮崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-20
    令和3年 2月定例会  令和3年3月2日(火曜日)                午前10時0分開議 ───────────────────  出 席 議 員(37名)    1番  有 岡 浩 一  (郷中の会)    2番  坂 本 康 郎  (公明党宮崎県議団)    3番  来 住 一 人  (日本共産党宮崎県議会議員団)    5番  武 田 浩 一  (宮崎県議会自由民主党)    6番  山 下   寿  (  同  )    7番  窪 薗 辰 也  (  同  )    8番  脇 谷 のりこ  (  同  )    9番  佐 藤 雅 洋  (  同  )   10番  安 田 厚 生  (  同  )   11番  内 田 理 佐  (  同  )   12番  日 髙 利 夫  (  同  )   13番  丸 山 裕次郎  (  同  )   14番  図 師 博 規  (無所属の会 チームひむか)   15番  重 松 幸次郎  (公明党宮崎県議団)   16番  前屋敷 恵 美  (日本共産党宮崎県議会議員団)   17番  渡 辺   創  (県民連合宮崎)   18番  岩 切 達 哉  (  同  )   19番  中 野 一 則  (宮崎県議会自由民主党)   20番  横 田 照 夫  (  同  )   21番  外 山   衛  (  同  )   22番  西 村   賢  (  同  )   23番  山 下 博 三  (  同  )   24番  右 松 隆 央  (  同  )   25番  野 﨑 幸 士  (  同  )   26番  日 髙 陽 一  (  同  )   27番  井 上 紀代子  (県民の声)   28番  河 野 哲 也  (公明党宮崎県議団)   29番  田 口 雄 二  (県民連合宮崎)   30番  満 行 潤 一  (  同  )   31番  太 田 清 海  (  同  )   33番  日 高 博 之  (宮崎県議会自由民主党)   34番  濵 砂   守  (  同  )   35番  二 見 康 之  (  同  )   36番  星 原   透  (  同  )   37番  蓬 原 正 三  (  同  )   38番  井 本 英 雄  (  同  )   39番  徳 重 忠 夫  (  同  )  欠 席 議 員(1名)   32番  坂 口 博 美  (宮崎県議会自由民主党) ─────────────────── 地方自治法第121条による出席者  知     事 河 野 俊 嗣  副  知  事   郡 司 行 敏  副  知  事   永 山 寛 理  総合政策 部長   渡 邊 浩 司  総 務 部 長   吉 村 久 人  危機管理統括監   藪 田   亨  福祉保健 部長   渡 辺 善 敬  環境森林 部長   佐 野 詔 藏  商工観光労働部長  松 浦 直 康  農政水産 部長   大久津   浩  県土整備 部長   明 利 浩 久  会 計 管理者   大 西 祐 二  企 業 局 長   井 手 義 哉  病 院 局 長   桑 山 秀 彦  財 政 課 長   石 田   渉  教  育  長   日 隈 俊 郎  警 察 本部長   阿 部 文 彦  選挙管理委員長   茂   雄 二  監査 事務局長   横 山 幸 子  人事委員会事務局長 小 田 光 男 ─────────────────── 事務局職員出席者  事 務 局 長   亀 澤 保 彦  事務局 次 長   内 野 浩一朗  議 事 課 長   児 玉 洋 一  政策調査 課長   日 吉 誠 一  議事課長 補佐   鬼 川 真 治  議事担当 主幹   関 谷 幸 二  議 事 課主査   川 野 有里子  議 事 課主査   井 尻 隆 太──────────────────── △一般質問 ○議長(丸山裕次郎) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、昨日に引き続き一般質問であります。 ただいまから一般質問に入ります。まず、窪薗辰也議員。 ◆(窪薗辰也議員) 〔登壇〕(拍手) おはようございます。一般質問に入りたいと思います。 令和2年度は新型コロナウイルスという未知のウイルスに世界の人々が翻弄され、東京オリンピック、パラ大会が延期、本県での開催予定でありました国文祭・芸文祭も延期になるなど、今なお世界中で感染の拡大が続いております。県民生活や地域経済にも大きな影響が出るなどで、一日も早くワクチン接種の効果が現れ、収束することを願っております。 本県でも、年明け早々に急激な感染が拡大し、独自の緊急事態宣言が発令され、大変な局面での対応が求められました。医療従事者の皆さんが、昼夜を分かたず最前線で対応していただいたことに対し、感謝申し上げます。 社会が機能する上で必要不可欠な仕事をして働く方々のことを「エッセンシャルワーカー」というそうでございます。医療や物流を担う方々、交通機関や通信などで働く方々のことです。読売新聞が、「コロナと闘う 私の物語」と題した5回連載の記事で、医療現場で働く看護師さんの苦悩を伝えています。公立病院で働く幼い子供を持つ若い看護師さんは、ある日突然、看護師長から「この病棟でコロナ患者を受け入れることになりました」と告げられます。その人は、自分の勤務する病院が感染症ケアをするなど少しも考えたことがありませんでした。最初に頭をよぎったのは、幼い子供のことです。もし自分が感染したら、誰が子供の面倒を見てくれるのだろうかということです。子供のためにも感染するわけにはいかない。でも、もしできるなら担当から外してもらいたかった。その病院は志願制でなかったために、その看護師さんは子供のことを気にしながら勤務したそうです。ふだんなら、母親が保育園に迎えに行けば、園庭で遊んでいた子供は大喜びで駆け寄って抱っこをせがみます。でも、コロナ患者をケアしながら働いている今は、すぐに子供を抱きしめることはできません。マスクをして、手の消毒をしてもためらわれたそうです。話をするときもマスクを外すことができず、添い寝をするときも、無意識に子供から顔をそむけてしまったということでございます。幼い子供を抱えて働く看護師さんたちは、細心の注意を払いながら子育てと仕事を両立させていたそうです。 病院では、感染しないよう細心の注意をしながらコロナ患者のケアに当たる。家では、家族に感染させないよう細心の注意をしながら家事を行う。病院でも家庭でも緊張の糸を緩めることはできません。ぴんと張り詰めて切れそうな糸、折れそうな心をぎりぎりのところで踏みとどまって、看護師さんたちはコロナ患者と向き合っていたそうです。つらい思いを抱えながら、なすべき仕事として多くのエッセンシャルワーカーが働いているのです。 今回のパンデミックは、このようなエッセンシャルワーカーの方々のおかげで日本経済が回っているということ、また、貴い命が救われているということに感謝し、こうした感染リスクを冒してまで働いている人々がいるという現実を知ることも、大変有意義なことだったと考えさせられます。本県でも同じような状況があったのではないかと想像できます。 そのような中、本県では高病原性鳥インフルエンザが相次いで発生し、発生農場での殺処分や埋却など、緊急事態にスピード感を持って対応されました。この作業に当たられました県職員、自治体職員、自衛隊、建設業協会などの、協力をいただいた皆様方に深く感謝申し上げます。 まだまだ油断ができない状況が続きますが、引き続きよろしくお願い申し上げまして、質問に入ります。 では、まず知事にお尋ねいたします。 全国知事会の常任委員会委員長としての活動と成果についてであります。このことにつきましては、自民党の濵砂、日高両議員の代表質問でも述べられたところでありますが、知事は昨年11月、全国知事会の地方税財政常任委員会委員長に就任されました。全国知事会の常任委員長で、しかも税財政という主要ポストでありますので、大変な御苦労もあろうかと思います。 しかし、地方税や地方交付税といった、県や市町村の財源に関する委員会でありますので、高速道路などのように、具体的に成果が見えるものではありません。県民の皆さんも、活動状況が分かりにくいと感じていらっしゃるのではないでしょうか。 昨年の11月から12月にかけて、知事は、武田総務大臣、自民党の下村政調会長をはじめ、実に多くの政府・与党の要人にお会いになり、その数は延べ70人にも及んでいるということでございます。 税財政の常任委員長の活動は、まさに地方の屋台骨を支える縁の下の力持ちで、目立ちこそしませんが、全国の地方自治体の運営そのものに関わる非常に重要なものであります。知事には、その活動などについて分かりやすく伝えていただきたいと思います。 我々議員も、また多くの県民も、河野知事の活躍に期待しておりますので、地方税財政常任委員会委員長としての活動と成果についてお尋ねします。 以下の質問については質問者席で行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 おはようございます。お答えします。 御指摘のとおり、地方税財政は地方自治体の運営を支える、まさに「屋台骨」でありまして、昨年11月の委員長就任以来、国の予算などに反映されるよう、すぐさま政府や与党幹部に何度も足を運び、全国47都道府県、1,700余の市町村の様々な実情、また切実な声を届けてまいりました。 こうした活動が、新型コロナ対策の交付金や、国土強靱化の予算の増額確保などにもつながったものと考えております。また、税収等が大きく落ち込む中で、近年では最高水準となる17.4兆円の地方交付税を含む一般財源総額が確保され、地方消費税等の減収を補う地方債については、過去に例のない特例的な発行等も認められたところであります。 これらによりまして、本県では、令和2年度の歳入不足を防ぎ、令和3年度予算案の円滑な編成ができたほか、全国の自治体でも大きな助けになったものと考えております。 今後、税収等の見通しの不透明さが増す中、財源の確保・充実はますます重要になってまいりますので、地方の適切な行財政運営を確保できるよう、しっかりと取り組んでまいります。以上であります。〔降壇〕 ◆(窪薗辰也議員) 本県の令和3年度の予算案は、前年度と比べて増額予算となっております。 新型コロナ感染症対策としては、159億6,610万円の医療提供体制強化事業等を計上されているほか、感染拡大防止対策、地域経済の再生に向けた需要回復に係る事業等を計上されています。 このほかにも、若者の県外流出や少子化等の人口減少対策ポストコロナを見据えたデジタル化の推進等にもしっかり取り組んでいく必要があります。 また、激甚化・頻発化する自然災害に対応するため、本県の強靱化は欠かせないものであり、これらの対策には多額の予算が必要となると思います。 新型コロナの影響で、地域経済活動の縮小、事業所の廃業などが懸念されておりますが、県税収入の減少も懸念されており、本県財政に支障がないか心配なところであります。 先ほど、知事からは、地方税財政常任委員会委員長としての活動が、新型コロナ対策や国土強靱化の予算の増額確保につながったとの答弁がありましたが、本県の予算についてどのように対応されるのか、総務部長にお伺いいたします。 ◎総務部長(吉村久人君) 令和3年度当初予算案におきましては、新型コロナ対策に204億円を計上しておりますが、その財源として、国の緊急包括支援交付金地方創生臨時交付金を活用しております。 また、県土の強靱化につきましても、国の5か年加速化対策を踏まえ、当初予算と令和2年度2月補正予算を合わせて、これまでの強靱化関連予算を単年度ベースで大きく上回る378億円を計上しておりますが、予算編成に当たりましては、財源として、国庫支出金のほか、後年度交付税措置のある有利な地方債を活用しているところであります。 当初予算は、前年度比2.1%の増となり、4年連続の増予算となっておりますが、これらの財源を活用することにより、財政の健全性の維持にも努めたところであります。 ◆(窪薗辰也議員) 自然災害など、この先何が起こるか分からない中で、基金は大事な財源であります。コロナ禍における税収減に苦しむ中、国からの交付税などの活用で、規律ある財政運営が維持できますようお願い申し上げまして、次の質問に入ります。 それでは次に、2050年二酸化炭素実質排出ゼロ、ゼロカーボンについてお伺いいたします。 これについては、昨日の右松議員の質問とかぶる部分があると思いますが、よろしくお願いいたします。 菅義偉首相は昨年10月に、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言いたしました。国では、令和2年度の第3次補正予算で、「グリーンイノベーション基金」として2兆円の基金を造成し、技術開発から実証・社会実装まで一気通貫で支援を実施することとしています。 また、「グリーン成長戦略」では、2035年までに新車販売で電動車100%を実現するなど、高い目標を設定し、あらゆる施策を総動員するとのことです。 今議会に提案されております第四次宮崎県環境基本計画では、「2050年ゼロカーボン社会づくり」プロジェクトや、ゼロカーボン社会に向けての施策が盛り込まれていますが、2050年ゼロカーボン社会づくりに向けて、本県における2050年の温室効果ガス排出量、削減量及び森林等吸収量をどのように見込んでおられるのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 2017年度の温室効果ガス排出量は、二酸化炭素換算で約1,059万トンで、第四次宮崎県環境基本計画では、今後、人口減少に伴い、2050年には約850万トンになると推計しております。 これを、太陽光などの再生可能エネルギーの導入拡大や高効率な空調機への更新などの省エネルギーの推進により、約520万トンさらに削減し、残りの約330万トンにつきましては、森林等吸収量を確保することにより、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにしていきたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 実質ゼロに向けて温室効果ガス排出量を削減するためには、いろんなアプローチがあると考えられますが、蓄電池の開発、乗用車の電動化及び次世代型太陽光発電など、国として取り組まなければならないものがある一方で、地域の特性を生かし、本県としても削減に向けた行動をしなければならないと思います。 そこで、ゼロカーボン社会づくりに向けて、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 温室効果ガスの排出量を実質ゼロとするため、県では、引き続き、エネルギー使用量の多い事業者への温室効果ガス排出量の報告の義務づけや、太陽光、小水力発電等の再生可能エネルギーの導入拡大に取り組みますとともに、森林吸収量を確保するため、除間伐などの森林整備によるCO2吸収機能の高い森林づくりを進めることといたしております。 また、来年度からは、市町村等に対する再生可能エネルギー導入へのアドバイス事業などにより、温室効果ガス排出削減に努めることといたしております。 さらには、こうした取組に加えまして、国のエネルギー基本計画の見直しなどの動きにも的確に対応しながら、ゼロカーボン社会づくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 環境省では、ゼロカーボンシティの実現に向けた支援策として、ゼロカーボンシティを目指す地方公共団体が抱える課題に対し、情報基盤整備計画等策定支援整備等導入支援の3つの類型の支援を段階的に実施することで、地域における温室効果ガスの大幅削減と、地域主導の再エネ導入拡大による地域経済循環の拡大や、レジリエントな地域の構築を図るとしています。 このため国では、令和3年度当初予算として「ゼロカーボンシティエネ強化支援パッケージ」を計上しており、地域の再エネを最大限導入するための計画づくりや、地域の状況に応じた再エネ等の自立、分散型エネルギー導入など、ソフト・ハード面からの支援を行うこととしています。 そこで、実質ゼロの実現に向け、国の支援策の活用について、県の考え方を環境森林部長にお伺いします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 議員御指摘の「ゼロカーボンシティエネ強化支援パッケージ」には、自治体における脱炭素化のための基礎情報を整備・提供する事業をはじめ、災害・停電時にも避難施設等へのエネルギー供給が可能な再生可能エネルギー設備等の導入を支援する事業など、6つの事業の概要が示されております。 県といたしましては、今後、国から示されます支援メニューの詳細な内容について、情報収集にしっかり努めますとともに、利用可能な支援策等につきましては、県のみならず市町村等での活用も図り、実質ゼロの実現を目指してまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 先ほど述べましたとおり、新型コロナウイルス感染症と気候危機とも言われる気候変動問題は、ともに人類にとって重大な脅威であるとされています。異常気象による被害では、農林水産業、自然災害、熱中症など健康面での悪影響が、過去5年間に地球温暖化が関連していると見ている自治体が約8割に上ると、毎日新聞が実施したアンケートで判明いたしております。 政府は、地球温暖化対策推進法を改正し、温室効果ガス排出の50年実質ゼロの数値目標を明記する方針であり、50年までに脱炭素社会実現へ国全体で取り組むとしています。 本県でも、ゼロカーボンシティ実現のため、国の支援策として、地域における温室効果ガスの大幅削減と地域による再エネ導入拡大で、レジリエントな地域づくりを進めるべきだと思いますので、今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、廃棄物再資源化推進事業でございます。今議会に提案されております来年度当初予算で、「廃棄物再資源化推進事業」が掲げられております。この事業に関連する事項につきまして、幾つかお尋ねいたしたいと思います。 次期第四次宮崎県環境基本計画(案)を見てみますと、循環型社会の形成だけでなく、様々な分野において、幾つもの数値目標が掲げられております。 その中で、「みやざきリサイクル製品」の認定数について、令和12年度には200製品にするという目標が掲げられています。私は、循環型社会の形成に向けて、廃棄物を出さないようにするだけではなく、廃棄物を資源として有効に活用していくことが大事なことだと考えております。 そこでまずお伺いします。「みやざきリサイクル製品認定制度」とはどのようなものか、環境森林部長にお尋ねいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 「みやざきリサイクル製品認定制度」は、平成22年度から、現在の一般社団法人宮崎産業資源循環協会が独自に製品の認定を行っていたものを、製品の認知度向上や利用拡大を図りますため、令和元年度から、県の制度として取り組むこととしたものであります。 この制度は、廃棄物等の発生抑制やリサイクル産業の育成などを目的として、安易に捨てられがちな資源や廃棄物を、事業者等が再利用、再生利用し、製品化したもののうち、重金属などの有害物質が含まれていないなどの一定の基準を満たす安全・安心な製品を認定するものでありまして、現在の認定数は111製品となっております。 ◆(窪薗辰也議員) もともとは民間団体の制度を令和元年度から、今度は県の制度として取り組まれるということでございます。安心・安全な111製品を認定しているということです。 次にお伺いしますが、「みやざきリサイクル製品」としてどのようなものが認定されているのか、お伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 「みやざきリサイクル製品」には、火力発電所から生じる灰をコンクリートに調合し、一般の製品よりも耐久性を高めた側溝やブロック、ビルの解体などから生じる廃コンクリートを粉砕した路盤材などの建設用資材があり、それらが全体の9割を占めております。 このほかに、原木市場などの集積場から排出される樹皮や、放置竹林の竹を堆肥化した肥料、使用済みペットボトルを原料とした卵用包装容器などが認定されております。 ◆(窪薗辰也議員) 建設用資材が全体の9割を占めているという御答弁をいただきました。私を含め、県民が資源の再循環を実感できる製品が、これから増えていけばいいなと思っているところでございます。 先ほども少し触れましたが、県は、「みやざきリサイクル製品」の認定数を、令和12年度には200の製品にする目標を掲げられています。 そこでお伺いしますが、「みやざきリサイクル製品」の認定数を200製品とするためにどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 計画の目標達成につきましては、新規認定品の拡大や現在の認定品の継続はもとより、品目の偏りの解消や認定製品の利用拡大を図る必要があると考えております。 このため、まず新規認定品の拡大等に向けましては、議員御質問の事業によりまして、来年度から、認定に当たり必要な検査機関の安全証明書発行に要する費用の一部を支援し、事業者等の意欲を高めることといたしております。 また、認定品目の偏りの解消に向けましては、企業等に対し、製品の登録や開発の働きかけを行い、県民に身近な製品などの掘り起こしを行うことといたしております。 さらに、認定製品の利用拡大に向けましては、引き続き関係機関と連携し、展示会への出展やパンフレットの作成などにより、県民や企業に周知をしてまいります。 こうした取組を積極的に推進し、目標を達成したいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 来年度からは、製品の安全・安心のための検査費用の一部を県が負担されるということですが、目標を達成するためには、企業のリサイクル意欲を失わせないようにすることが大切だと思います。 「みやざきリサイクル製品」の認定に当たっては、廃棄物の再利用、再生利用から、それら製品を製造する施設も必要になってまいります。 県では、それらの施設の整備について支援することとしております。そこで、廃棄物再資源化推進事業における廃棄物再資源化施設整備支援についてお伺いいたします。
    環境森林部長(佐野詔藏君) 御質問の事業は、これまで、新規の処理方法や先導的な技術を有する施設の整備等を行う排出事業者や産業廃棄物処理業者に対して支援を行ってきたものでありますが、本県の産業廃棄物の再生利用率が36.2%と伸び悩む中で、最終処分量の多いガラスくずや廃プラスチックなどの再生利用をいかに図るかを課題と捉えまして、内容の見直しを行ったものであります。 具体的には、来年度からは、太陽光パネルプラスチックなど特定の産業廃棄物の再資源化のための施設整備や、廃棄物等のリサイクルのために研究開発された新技術の実用化に必要な施設整備等を対象に支援することといたしております。 こうした支援によりまして、廃棄物等の再資源化を図り、持続可能な循環型社会の形成に努めてまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 県内には、太陽光発電事業用太陽光パネルが、一般家庭用、あるいは事業用として数多く設置されております。 事業として行う企業の中には、零細なところも多いと耳にしております。このため、電力の固定価格買取制度の買取り期間終了後、太陽光パネルを廃棄することができない企業が出てくるのではないかと懸念しているところであります。 国では、そのようなことを避けるため、廃棄物費用の積立ての義務化について検討されていると伺っておりますが、県におかれましても、今回お尋ねしました事業などを通じて、太陽光パネルを処理しやすい環境を早めに整備していただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、資源循環型林業についてでございます。 2月8日の宮日新聞では、「再造林率伸びず75%」という記事が掲載されました。19年度、県内の主伐面積は、過去最多の2,829ヘクタールで、山の荒廃を防ぐための切って植える循環型林業をいかに進めるかが問われているとあり、また、「伐採可能な森林資源量の減少は、29年連続の「スギ丸太生産量日本一」を支える林業県の土台を将来的に揺るがす恐れがある」とも書かれてありました。 県では、第八次宮崎県森林・林業長期計画において、素材生産量の目標を190万立方メートルとしておりますが、これは丸太の材積であり、国有林部分と民有林部分の合計ということであります。このうち、民有林において、毎年、丸太材積を立木に換算した143万4,000立方メートルの杉・ヒノキを伐採するとともに、再造林率を80%と設定し、36年生以上の伐採可能な資源量についてのシミュレーションを行ったとのことであります。 そこで、第八次宮崎県森林・林業長期計画の目標に応じた伐採及び再造林を続けた場合、計画の目標年である10年後、さらには50年後の資源量はどの程度確保できるのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 長期計画では、将来的に人口減少等に伴います木材需要の縮小が見込まれます中、素材生産の目標は据え置いた上で、民有人工林の杉・ヒノキについて、伐採や再造林に不向きな急傾斜地等を除いた85%の森林を対象に、伐採可能な資源量のシミュレーションを行ったところであります。 これによりますと、令和元年度末では、年間伐採量の60年分に相当する8,300万立方メートルの資源量がございますが、目標の再造林率80%で推移しますと、10年後までは現在とほぼ同程度で、50年後には約8割に当たる6,800万立方メートルの資源量となり、現在の年間伐採量の50年分相当が残っていることになります。 現在の再造林率75%は、全国と比較しますと高い水準にありますものの、目標には届いておりません。持続可能な森林・林業、木材産業を目指す本県にとりまして、資源の確保は大変重要でありますので、今後とも、国や市町村、森林組合等と連携しまして、再造林対策にしっかりと取り組んでまいります。 ◆(窪薗辰也議員) 苗のほうでございますが、資源循環型林業の実現を図るためには、先ほど答弁がありましたように、しっかりと再造林に取り組む必要があります。再造林に必要な杉等の苗木についてでありますが、県内では、生産者の苗畑で生産される従来の苗木に加え、近年、植付けが容易で、活着がよく、1年を通じて植栽が可能なコンテナ苗の生産も進んでいるようです。 林業の現場では、林業従事者の減少による担い手不足などが懸念されており、コンテナ苗のような効率的に植栽することが可能な苗木による再造林の推進が重要であると考えます。 そこで、本県の杉苗生産の現状と、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 本県では、令和元年度、568万本の杉苗木が生産され、県外にも67万本を出荷する全国一の産地となっており、その中で、コンテナ苗は生産量全体の4分の1を占めております。 今後とも、本県が産地を維持し、また適切な再造林を推進するためには、需要の増加が見込まれますコンテナ苗などの生産者の規模拡大や、担い手の確保などが課題であると考えております。 このため、これまでもコンテナ苗につきましては、ハウス等の施設整備への支援や、新規参入に向けた試験生産経費の一部補助を行ってきたところでありますが、来年度からは、これらに加えまして、初期成長が早く、下刈り期間の短縮が期待されるエリートツリーの母樹園造成や、本県の杉の特徴であります花粉の少ない苗木の県外への販路拡大に向けた市場調査や、モデル出荷などにも取り組むことといたしております。 今後も、こうした取組により、苗木の安定供給体制の整備や苗木生産の成長産業化につなげてまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 循環型林業については、高千穂町の工藤謙一さんという方が、24日の宮日「窓」の欄で「循環型林業へ択伐取り組む」として紹介されました。4世代で100年杉の森を造ることができたといった内容で、循環型林業の大切さを述べられていました。針葉樹は植栽から伐採まで40年から50年の期間を要します。その間、下刈りから除伐など長期間の労力と時間を必要とします。 山の担い手不足、作業員の高齢化など再造林が進まないなど問題もありますが、様々な工夫をもって、本県の山林が持続可能な開発目標(SDGs)の達成へ少しでも貢献できますよう、さらに推進方、お願いしたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。 次に、自給粗飼料の件でございます。安定確保についてお伺いいたします。 先日の日本農業新聞で、新型コロナウイルス感染症の影響による船便の遅れで、牛の粗飼料である乾牧草類の輸入が滞り、国内での供給に逼迫感が出ているとの報道がありました。輸入粗飼料の逼迫感が出ている地域は、本州が中心で、粗飼料の自給率が高い本県では、現在のところ問題はないようでありますが、本県でも今後、動向を注視していく必要があると考えています。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響に限らず、海外での情勢変化に左右されない、国産の自給粗飼料をしっかり確保していくことが重要であります。国内でも県内でも、引き続き自給粗飼料を安定して確保していく体制が必要であると考えます。 一方で、畜産の現状を見ますと、高齢化や飼養規模の拡大等で、なかなか自給粗飼料の生産に労力が割けないといった課題もあり、飼料生産部門の分業化、つまり、飼料生産を受託するコントラクター組織の体制強化が必要であると考えます。 そこで、自給粗飼料の安定確保に向けたコントラクター組織の育成・強化について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 県内では、46のコントラクター組織が活動しており、飼料生産の受託面積は約4,000ヘクタールまで増加するなど、飼養規模の拡大と高齢化が進む畜産経営での自給粗飼料の安定的確保に向けた分業化におきまして、大変重要な役割を担っております。 一方、オペレーター不足や農地の点在による作業効率の悪さ、さらには作業時期が重なるなど、組織運営上の課題もあり、これ以上の面積拡大は難しいとの声も聞かれております。 このため県では、オペレーターの育成や農地の集積・集約による作業の効率化を進めますとともに、今議会でお願いしております「牛・人・草が紡ぐひなたの畜産魅力アップ事業」により、コントラクター利用による経営的メリットのPRと併せまして、受託圃場ごとの管理を見える化し、組織間での作業調整等による受託面積の拡大など、コントラクター組織の育成強化に努めてまいります。 ◆(窪薗辰也議員) 今後、高齢化、あるいは規模拡大の対策としての大きな戦力となるコントラクターであります。今後ともよろしくお願いしたいと思います。 次に、県立学校での新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。 昨年末に県立高校の部活動で集団感染が発生しましたが、子供たちへの誹謗中傷がなかったか、不安に思ったところです。いかなる場合でも、誹謗中傷や不当な差別・偏見は決して許されるものではありません。 いまだ経験したことのないコロナ禍において、私たちの命を守るために第一線で奮闘されている医療・介護・福祉関係者やその家族に対し、誹謗中傷やSNS上での心ない書き込みなどが見られ、当事者の方々が深く傷ついておられるようでございます。 学校には、そのような方々の子供が在籍していると思いますが、新型コロナウイルス感染症に係る誹謗中傷の防止や、偏見、差別等に対する県教育委員会の取組について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 県教育委員会や学校では、感染した生徒個人が特定され、傷つくことがないよう、公表の内容や方法について必要な配慮を行ってまいりました。 また、全ての公立学校に対しましては、誹謗中傷の防止に関する文書を発出しまして、指導の徹底を図るとともに、児童生徒及び保護者向けに資料も配付するなど、未然防止に向けた啓発を行ったところであります。 加えて、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員いたしまして、各学校における教育相談体制を充実いたしました。 さらに、これまでの電話相談に加えまして、新たにSNS相談窓口の設置を進めるなど、子供たちが学校以外でも相談できるような体制づくりに努めてまいります。 ◆(窪薗辰也議員) コロナ誹謗中傷。県では24日、県内31団体の出席の下、「コロナ差別・中傷を許さない」としたオール宮崎での共同宣言が採択されました。シトラスリボン運動もその一つであろうと思っているところです。 また、昨日の宮日には、施設での誹謗中傷があったといった記事がありましたが、今回の共同宣言のとおり、県民が心を一つにして差別や誹謗中傷をなくし、オール宮崎でこの国難を乗り越えていくことが、宮崎の力を示すことになろうと思います。 未然防止について、今後とも、ひとつよろしくお願い申し上げまして、次の質問に入ります。 次に、第3波においては、福祉施設や繁華街の飲食店におけるクラスターの発生が見られ、県独自の緊急事態宣言を発令、対策が講じられました。 クラスターの種類として、医療・福祉施設を除くと飲食関連が最も多く、感染経路不明のものでも、その多くは飲食店経由であるとの国の専門家の見解もあります。そのため、感染を拡大させないためには、飲食店でのクラスター発生防止が非常に重要であると思いますが、第4波に向けた感染拡大防止対策の推進として、飲食店でのクラスター発生を防ぐための「新型コロナ対策「ガイドライン」等普及定着事業」では、何に、どう取り組んでいかれるのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 本事業におきましては、飲食店等の営業施設に食品衛生協会指導員が巡回しまして、各営業施設に配付しておりますチェック表に基づき、ガイドラインの遵守状況を確認することで、飲食店における感染拡大防止を図ることとしております。 また、飲食店の利用者である県民に対しても、会食時における「みやざきモデル」など、新しい生活様式をさらに定着させていくことが、感染拡大防止対策として大切であると認識しておりますので、大型連休やお盆など、人の動きが活発になる時期に合わせて、CMや新聞などにより、繰り返し啓発をしてまいります。 ◆(窪薗辰也議員) 予防接種が始まりましたが、始まったといっても、高齢者や一般県民に届くのはまだまだ先のようであります。さらには、感染力が強いと言われる変異株の感染も心配されるところでございますので、しばらくはまだガイドラインを遵守するなど、新しい生活様式が定着するまで、ガイドラインの普及促進には積極的に取り組んでいただくようにお願いしたいと思います。 引き続き、福祉保健部長にお伺いします。 現在、小林保健所長は都城保健所と兼務になっていますが、コロナ禍において、西諸・北諸地域で同時に感染が発生したこともあり、対応がどうだったか気になりました。 そこで、年末年始のコロナ発生時における小林・西諸地域の保健所対応について、お伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 年末は、小林・西諸地域の感染者はほとんどありませんでしたが、年始には感染者が増加したことから、保健所の対応として、都城保健所に他の保健所長2名が応援に入りまして、小林保健所には元の都城保健所長が常駐するなど、連携して体制を強化しまして、感染拡大防止に全力で当たったところでございます。 また、迅速な検査を支援するため、本庁や小林市の職員が応援に入り、感染拡大の収束に向けて取り組んだところでもあります。 今後とも、保健所が感染防止対策に取り組むために必要な職員の応援態勢など、市町村や関係機関の協力を得ながら、その機能の強化に努めてまいります。 ◆(窪薗辰也議員) 今後とも、ひとつ連携を取って、よろしくお願いしたいと思っているところでございます。 実は、今年の1月7日の朝、私は次のような電話を受けました。「私はコロナの濃厚接触者です。発熱などの症状があるが、どこに相談していいのか分からない。小林保健所は年末・年始は休みだったので、紹介された受診・相談センターでは、かかりつけの病院へ行ってくださいと言われましたが、かかりつけがなかったため、病院を複数紹介されただけだった」といった電話だったと思います。濃厚接触者に当たる場合は、保健所が疫学調査から特定した個人に連絡をしています。また、発熱などの症状がある方は、まずは医療機関に相談して受診することを勧めています。 今後、小林・西諸の住民にとって不安がないよう、これらの情報を広報・周知するなど、さらに徹底した対応をお願いしたいと思っているところでございます。なかなか、どこに相談に行っていいのかというのが見えない、分からないというのが多いようでございますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、人口減少問題でございます。 本県では、人口減少問題が県政の重要課題に位置づけられていますが、本県で生まれた子供の数は、平成元年には1万2,914人だったのが、令和元年には8,043人となり、この30年間に1年間の出生数が4,871人も減ったことになります。35人学級で換算しますと、139クラスが減ったこととなります。 県では、令和3年度当初予算(案)の人口減少対策では、令和元年度に創設した総額30億円の基金等を活用し、146事業を提案。社会減・自然減による人口減少抑制や、本県の未来を支える人材の育成、確保に関する取組を加速するとしています。 今議会に、少子化対策の一環として「あったか「ひなた」不妊治療応援パッケージ」という不妊治療支援策を打ち出されていますが、その中で新たな取組である「不妊治療支援環境づくり事業」の目的とその内容について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) これまで、県におきましては、不妊治療に対しましては特定不妊治療費の助成などを実施してきたところであります。 しかしながら、不妊治療を受ける方々にとっては、こうした経済的な支援だけでなく、周囲の温かい支えが必要であると認識しております。 このため、不妊治療支援環境づくり事業において、広く県民を対象に、不妊治療に関する理解を深めるとともに、不妊治療に取り組む方々を社会全体で温かく見守り、応援していく機運を醸成していくための啓発を行うものであります。 県としましては、この事業も含め、不妊治療支援に関する事業や取組を一体的にまとめた「あったか「ひなた」不妊治療応援パッケージ」によりまして、不妊症で様々な悩みを抱える方々を総合的に支援し、少子化の改善につなげてまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、来年の出生数が例年以上に減る可能性があることが分かったと発表いたしました。全国で、昨年までは90万人台を割っていた出生数は、今年は80万人を切るとの見方をしております。 妊婦の感染リスクや収入減が産み控えに影響したと見ており、本県においてもその影響はあったと思われます。結婚・出産・子育てができる環境を整備することにより、出生率の向上を図っていくことが求められております。 本県が将来にわたって活力を維持できる地域づくりを進めるため、今後とも人口減少対策に努めていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 以上、申し上げましたことをよろしくお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 次は、坂本康郎議員。 ◆(坂本康郎議員) 〔登壇〕(拍手) 公明党宮崎県議団の坂本康郎でございます。通告に従いまして、質問をいたします。 私にとりまして今年2021年最初のうれしい話題は、私の母校、創価大学の駅伝部が第97回箱根駅伝におきまして、往路優勝、総合準優勝という開学以来の快挙を成し遂げたことでありました。戦前の予想を大きく上回る後輩の活躍をたたえるとともに、本県御出身の榎木和貴監督の御尽力には、卒業生の一人として心から敬意を表するものであります。 東京の八王子にあります創価大学のキャンパスには、「周桜」と名づけられた一本の桜の木があります。それは今から46年前、母校の創立者と、当時既に病床にあった晩年の周恩来の会見に由来します。人民中国からの記事を引用しますと、  1974年12月5日の夜、周総理は病気を押して、2度目の訪中をしていた池田大作氏と会見した。会談の中で周総理は、「50年前、桜が満開のとき、私は日本を離れました」と、昔を振り返った。それに対して池田氏は、「桜が満開のとき、かつて住んでいらっしゃったところを再びお訪ねください」と言うと、周総理はこう答えた。「そうありたいのですが、恐らく実現は難しいでしょう」  会談は30分ほどの短いものだったが、周総理の中日友好に対する熱意は、池田大作氏にとって一生忘れることのできないものになった。当時は中日両国が国交を回復したばかりで、人々はどのように両国間の交流を進めていけばよいか分からなかった。  中日両国の努力で1975年、中国で最初の国費留学生6人が創価大学に留学した。池田氏は周総理をしのぶ気持ちと中日友好の象徴として、中国の留学生たちに、桜の植樹と、その桜に「周桜」と名づけることを提案した。  1976年1月、周総理は亡くなった。そして、創価大学の「周桜」は、周総理を永遠にしのぶ象徴になった。と、この桜の木にまつわるエピソードがつづられています。 以来、創価大学では、学生らの手によって「周桜観桜会」が毎年春に盛大に開催されており、一昨年、40回目を数えました。 また、周恩来の故郷・江蘇州に開学した恩来幹部学院との交流も進められ、昨年1月、最初に中国で新型コロナウイルスの感染が拡大した際には、創価大学から2度にわたってお見舞いの手紙が出され、その後、日本国内で感染拡大が深刻化し、医療物資が不足していることが伝わると、学院の関係者が各所へ調達に回り、集められたマスク5,200枚と非接触型の体温計4台が、恩来幹部学院から創価大学へと届けられました。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まった昨年来、日中両国間では、マスクやゴーグル、防護服などの医療物資が日本から中国へ、その後、中国から日本へと、主に友好都市や姉妹都市の関係を結ぶ都市の間で相互支援が行われました。特に中国では、日本から届けられた物資と一緒に「武漢頑張れ!」「中国頑張れ!」との応援メッセージとその行動に対して、中国外務省が、「日本の皆さんからの温かい支援と励ましの言葉に、心から感謝します。私たちは感動しています。この御恩は決して忘れません」と公式にツイートするなど、日本に対する強い感謝の意を表す反応が多く見られました。 本県におきましても、丸山議長が会長を務められます県の日中友好協会と宮崎市日中友好協会から、医療用手袋2万枚とマスク3,000枚が昨年2月に武漢市へ、宮崎市からも、友好都市盟約を結ぶ遼寧省の葫蘆島市へ、マスク1万枚と防護服100着が、中国語で「葫蘆島頑張れ!」と記されたメッセージと一緒に届けられました。 近年の米中対立などを背景にした「反中」や「嫌中」の国際世論がある一方で、新型コロナウイルス感染症を、国や立場を超えた共通の乗り越えるべき課題として、日中両国の間で、相手を思いやる真心の交流が行われたことに、私は、ポストコロナ時代の両国の関係発展に少なからぬ希望の光を見る思いがした次第です。 1月7日、県独自の緊急事態宣言を発令する際に、知事は「心を一つに」という表現で、県民へ理解と協力を呼びかけられました。 感染症の影響が長期化する中で、県内の様々な状況、県民からの様々な声を踏まえて、この言葉を選ばれたものと私は受け止めましたが、改めまして、「心を一つに」という言葉に込められた意味、知事の思いをお伺いします。 壇上の質問は以上とし、以降は質問者席にて行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。「心を一つに」という言葉に込めた思いであります。 新型コロナウイルスとの闘いが続く中で、私の頭の中には常に口蹄疫の経験がありました。当時、次々と感染が拡大し、都道府県で初となる「非常事態宣言」を発令するほど困難な事態に直面しましたが、県民総力戦でウイルスの封じ込めに取り組み、終息させることができました。 くしくも、あれから10年、再び見えないウイルスの爆発的な感染拡大による歴史的な危機に直面し、感染への不安や先が見えないことの不安が募る中で、私は、口蹄疫を乗り越えてきた本県だからこそ、県民が再び心を一つにし、ウイルスの脅威に立ち向かえば、必ずや今回の危機も乗り越えることができると確信しておりました。 本県は人口や経済規模も小さい県ではありますが、県民がまとまることにより、しっかりと立ち上がってくることができる、そういうしなやかな強さがある、そのように感じております。 そんな思いの中で、緊急事態宣言発令の際に、県民の皆様に対し、一致団結して感染防止行動に取り組むことを強く呼びかけたものであります。 先ほど、駅伝の話がございました。たすきに思いを込めて心を一つにして取り組む、この駅伝も同じようなもの。我が国でこれだけ人気を誇り、私たちの心を打つ、その駅伝のその姿にも何かヒントがあるように思います。改めて、創価大学の快挙に、心よりお祝いを申し上げます。 いましばらくは、コロナと共に生きる社会が続くわけであります。コロナに続いて、新たな感染症への備えというものも大事になってまいります。 今後とも私が先頭に立ち、県民一丸となってこの難局を克服し、「感染症に強い社会」を築いてまいりたい。そのような決意を抱いております。以上であります。〔降壇〕 ◆(坂本康郎議員) 御答弁ありがとうございました。 昨年の6月議会の一般質問におきまして、感染第1波への県の対応について、知事へも指摘を含めた質問をさせていただきました。 第3波への対応では、知事のリーダーシップやスピード感、工夫がよくなされた情報発信など、県の対応に一定の評価をしております。ただ、なかなかそれが全ての県民に伝わらない難しさ、理解につながらないもどかしさもあるものと想像しますが、コロナ禍の影響で、県内の多くの方たちが生活に困難を来し、不安を抱え続けている状況にあることをよく理解していただき、知事におかれましては、今後も県民の心に届くメッセージを発信し続けていただきますよう、お願いいたします。 次に、緊急経済対策についてお伺いします。 新型コロナウイルス感染症に係る緊急経済対策について、県は当初、初期段階を緊急支援フェーズとし、感染収束をめどに、V字回復フェーズへ移行させるという位置づけで、2段階の施策の方向性を示していました。 このV字回復という見方は、今も継続しているのか、県が感染収束後にどのように経済再生を図ろうとしているのか、今後の方針を総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 「V字回復」という言葉は、昨年4月に国が決定した緊急経済対策におきまして、コロナ収束後の反転攻勢を象徴する表現として使われたものであります。 その後、収束が見通せない中決定された12月の経済対策では、来年度中にコロナ前の水準に回復させるという、堅実な内容に変わってきております。 本県ではこれまで、資金繰り支援や消費喚起など、経済や雇用の下支えを中心に取り組んできたところでありますが、今後は、これらの取組に加え、デジタル化による暮らしや産業のイノベーション、新たな人の流れを捉えた、本県ならではの新しい働き方の推進など、コロナで生じた変化等に対応する施策を強化し、着実な回復と成長を目指して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 次に、ポストコロナ時代に向けた施策について、7月の補正予算で「ポストコロナ時代における本県のあり方調査事業」が事業化されています。取組の内容と調査・分析の結果が今後どのように展開されていくのか、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 「ポストコロナ時代における本県のあり方調査事業」では、コロナがもたらした国内外の社会変化と本県への影響や、コロナ後の社会の在り方について深い知見を有する有識者へのヒアリングですとか、知事をはじめとする幹部職員との意見交換等を行っていただいたところでございます。 これまでの調査により、デジタル化の加速や地方への関心の高まりなど、これまで一般的に指摘されている現象のほか、地域循環や健康、文化等に着目した産業をはじめ、身近なコミュニティーの重要性など、「新しいゆたかさ」の実現を目指す本県にとりまして、大いに共感できる視点も見えてまいったところであります。 本調査の最終報告は、今年度末に取りまとめる予定でありまして、調査結果は、新たな長期ビジョンの策定に当たっての基礎資料として活用したいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 6月の一般質問で、感染第1波における県の、特に支援策の情報発信の在り方について質問をさせていただきました。 その後、どのように強化・改善されているのか、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 県では、新型コロナ対策を最も重要な広報テーマとして位置づけ、様々な媒体の特性を生かしながら、迅速かつ分かりやすい情報発信に努めてきたところであります。 特に、県のホームページでは、昨年5月に特設サイトを開設し、感染予防対策や地域経済対策などの情報を集約するとともに、感染状況を図やグラフで見える化するなど、日々工夫や改善を図りながら、利用者目線に立ったページづくりに取り組んでまいったところであります。 さらに、昨年8月には、国内利用者数が8,400万人を超え、幅広い年代に利用されておりますLINEを新たな広報媒体として導入し、より多くの県民の皆様に情報が届くよう努めているところであります。 今後とも、広報紙やテレビはもとより、あらゆる広報媒体を活用しながら、県民の皆様に、丁寧できめ細かな情報発信に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 2月1日付の宮崎日日新聞に、「制度に救われた」という高齢男性を扱った記事が掲載されました。内容を要約しますと、この高齢男性はアパートに一人暮らし、コロナ禍の影響で月収は1万円を切り、年金を合わせても生活費を賄えず、所持金は底をついて「このまま死ぬしかない」と思い詰めていたときに、自宅のポストに「生活福祉資金貸付制度」を紹介するチラシが届いて、貸付金を申請して生活をつなぐことができたという内容であります。 私も昨年、県や市のホームページから今必要とされている支援策をまとめた、お手製のチラシを地域へ配布してみましたが、自分で配ってみて、支援が必要な、本当に生活に困っている方や高齢者へは、情報があまり行き届いていないことを実感として持っております。 高齢化という社会変化や、コロナ禍による長期の経済的な影響を考慮し、情報が必要な人にちゃんと行き届くような情報発信の在り方、方法を引き続き検討して示していただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、商工観光労働部長にお伺いします。 昨年11月に、内閣府の有識者会議「コロナ禍の女性への影響と課題に関する研究会」が、コロナ禍で困難に直面する女性を支えるための緊急提言を行いました。この提言の中で、感染症の拡大は特に女性への影響が深刻で、「女性不況」の様相を呈していること、女性就業者数が多いサービス産業などが受けた打撃は極めて大きく、女性の雇用環境が厳しい状況にあることが指摘されています。 私も、飲食店のパート勤務が止まったり、仕事の激減で人余り状態になり、退職を余儀なくされたという女性の方たちからのお話を伺っております。 コロナ禍による県内の女性就業者への影響と就業支援について、お伺いします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 総務省の統計によりますと、これは全国のデータでありますけれども、非正規雇用者数は、令和2年の平均で2,090万人と、前年比で75万人減少しております。 非正規雇用者は女性の割合が高いことから、本県においても、新型コロナウイルス感染症の影響が少なからずあるものと考えておりまして、昨年10月に開設いたしました「みやざき女性・高齢者就業支援センター」でも、これまでに、新型コロナウイルス感染症の影響で離職された女性11名から相談を受けているところであります。 県といたしましては、引き続き、当センターにおいて、離職を余儀なくされた女性の再就職支援に取り組みますほか、職業訓練におきましても、託児サービス付のコースを設けるなど、一人一人の状況に応じた就労支援を図ってまいります。 ◆(坂本康郎議員) 経済対策を立案する際に、県内の経済状況や県民の生活実態を把握するための調査と分析は、このコロナ禍にあっては、ひときわ重要だと考えます。本県ではどのように行っておられるのか、商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 議員御指摘のように、施策を実施していく上で、その効果を十分に発揮させ、また県民の皆様の理解を得ていくためには、客観的なデータ等による調査・分析を事業構築に生かすことは極めて重要であると認識しております。 一方、新型コロナの経済対策では、事業者への給付事業など、スピード感を持って取り組む必要があったことなどから、県内企業の動向に係るアンケート調査や、民間調査機関の既存の調査データ等を参考にしつつ、市町村や業界団体等の声にも力点を置いて取り組んできたところであります。 今後、ポストコロナを見据え、中長期的な視点から、経済回復の取組や事業者への支援などが求められてまいりますので、必要な調査・分析を行い、実効性のある経済対策を講じてまいります。 ◆(坂本康郎議員) 今や企業におきましては、事業を継続していくために、まさに生き残りをかけてデータやAIを駆使した市場調査や研究開発にしのぎを削っていることは、皆さん御承知のとおりであります。 感染症という未曽有の事態に影響を受ける県内の経済を守るために取られる経済対策には、何よりも施策の成果と即効性が求められ、県民の理解と協力を得る必要もあります。 コロナの影響で打撃を受ける県内事業者を支援するための「応援消費活性化事業」をはじめ、新型コロナ禍の県の経済対策には、県民の応援消費を見込んで立案されたと思われるものが、直近の補正予算や新年度当初予算案の中にも見受けられます。 私は応援消費に異を唱えるものではありませんし、冒頭に申し上げましたように、コロナ禍だからこそ、相手を思いやる行動、心を一つにした取組は大変重要だと考えております。 ただ一方で、例えば10年前の東日本大震災について、第一生命経済研究所の調査では、震災直後は6割以上の人が被災地への応援消費、支援消費を意識していましたが、1年半後の調査では、「意識していない」が「意識する」を上回る結果になっています。 この長期化する新型コロナの影響下で、生活福祉資金の利用が1万件を超え、共稼ぎで生活してこられた家庭では、奥さんの雇用が不安定になっているという状況の中で、県民の応援消費のマインドにどこまで期待できるのか、ここは大変評価が難しいところです。 経済対策の大事な一手として、それが確実に成果を上げるためには、県として、より正確な現状分析が必要なのではないかと考えるため、ここで取り上げました。ぜひ御一考いただきますよう、お願いいたします。 次に、農政水産部長にお伺いします。 卒業式や入学式をはじめ、式典やイベントの中止により、県内の花卉栽培農家へも大変深刻な影響がありました。「みやざき花いっぱいプロジェクト2020」の取組とその効果についてお尋ねします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) このプロジェクトは、コロナ禍で影響を受けております花卉業界を応援するため、国の事業や県民の方々の協力を得まして、昨年3月より取り組んでいるところでございます。 具体的には、公共施設、空港、ホテルなど県内340か所で、コチョウランや菊等の定期的な展示、自宅で花束等を作る「花育」と、母の日やお彼岸等で使う、季節の花々の応援消費、さらには、この春、高等学校の卒業生の皆さん約8,900名に、スイートピーの贈呈等を行っているところでございます。 生産者の皆さんからは、「厳しい販売環境の中での年間を通じた取組で、ありがたい」「今後も継続してほしい」などの声を伺っており、また一方、県民の方々からは、「心が癒やされ、気持ちが明るくなった」など、感謝の言葉も届いているところでございます。 歓送迎会の中止や冠婚葬祭等の縮小等で、花卉の需要が減少する中で、多くの方々に花の魅力を伝え、消費拡大にもつなげることができ、このプロジェクトにつきましては、一定の効果があったものと考えているところでございます。 ◆(坂本康郎議員) 年末に宮崎市内の花屋さんを訪ねた際に、このような話を伺いました。「コチョウランなど入荷する花が品薄になっている。また、コロナの影響で花が余っているはずなのに、仕入価格が高止まりしている。「花いっぱいプロジェクト」で、生産者から直接買い付けしているせいではないか」と、この花屋さんはおっしゃるのですが、同プロジェクトの花卉小売店との連携はどうされているのか、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 本プロジェクトにつきましては、県内の市場や小売店、生産者団体等で構成します「みやざき花で彩る未来」推進協議会が中心となって事業に取り組んでいるところでございます。 取組の中で、公共施設等での展示や、花束を作る「花育」等につきましては、花の知識が豊富で、装飾等に関するノウハウを持っていらっしゃる小売店等が主体となって実施されております。 また、応援消費につきましては、県産花卉を、彩りよくふんだんに使うアレンジメントフラワーなどの販売が主であるため、市場と小売店等が緊密に連携しながら取り組まれております。 今後とも、生産者をはじめ、市場や小売店など県内の花卉業界による、一層の連携を推進いたしまして、需要喚起と消費拡大対策に、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 式典やイベントの中止で花の需要がなくなった影響は、生産農家はもちろんですが、これまで商流にあった小売店へも及んでおります。商工観光労働部と連携を取っていただき、引き続きプロジェクトの対象範囲への配慮をしていただきますよう、お願いいたします。 次に、「新型コロナウイルス感染対策事業」の中で、4月の補正、6月の追加補正、7月、9月、11月の補正と5回にわたって、PCR検査体制の強化が図られ、予算化されてきました。この1年間で検査体制がどのように強化されてきたのか、福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 県では、新型コロナについての検査実施件数を増やすことや、検体採取を身近に行えるよう、検査機関や医師会等と連携して進めてきたところです。 その結果、行政検査数は、昨年3月の県衛生環境研究所での1日24件から、現在は宮崎市保健所と合わせて300件になったところです。 また、保険適用検査、地域で検体採取を集中的に行えるよう、県内6か所に地域外来検査センターを設置するとともに、地域の身近な医療機関で診療や検査ができる診療・検査医療機関を378か所指定いたしました。 また、抗原検査キットによる検査や民間検査機関での検査を合わせますと、全体として、1日最大4,500件の検査需要に対応できる体制を整備しておりますし、実績としても、最も多い日で1日1,302件となっております。 ◆(坂本康郎議員) 今現在、発熱等の症状がある場合、速やかに検査を受けられる状況にあるのか、福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 新型コロナの感染拡大を防止するためには、発熱等の症状があれば、早めに医療機関を受診するよう広く呼びかけているとともに、医療機関に対しましても、県医師会と連携して、速やかな検査の実施をお願いしているところであります。 発熱等の症状がある場合には、まずは身近な医療機関に電話相談を行っていただき、診療・検査医療機関であれば、その医療機関で、そうでない場合は、紹介された医療機関で医師の診察の下、新型コロナの検査を行うこととなります。 また、受診や相談する医療機関に迷うときは、新型コロナ感染症受診・相談センターに電話していただければ、診療・検査医療機関を御紹介いたします。 ◆(坂本康郎議員) 今後、ワクチン接種が進むにつれ、感染収束の出口が、よりはっきりと見えてくるものと想像はしていますが、それでも当分の間は、「うつらない」「うつさない」ための感染防止行動が求められることに変わりはありません。 特に、新型コロナ特有の無症状者の存在を考えますと、クラスターが危惧される高齢者施設の関係者をはじめ、何らかの理由で自主的に検査を希望する人には、発熱などの症状だけに限らず、あらゆる感染の可能性を視野に入れた、より積極的な行政検査・保険適用検査の実施が行われることを望みます。 次の質問に移ります。 感染拡大の影響で1年順延となりました第81回国民スポーツ大会と同時に、2027年(令和9年)に開催が予定されます第26回全国障害者スポーツ大会につきまして、同大会が本県で開催される意義を、大会の会長を務められます知事にお伺いします。 ◎知事(河野俊嗣君) 全国障害者スポーツ大会が令和9年に本県で開催されますのは、昭和54年以来、実に48年ぶりとなります。前回は身体障がい者のみを対象とした全国大会でありましたが、今回、本県としては初めて、身体・知的・精神の障がいのある方が一堂に会する大会として開催できますことは、大変意義深く、貴重な機会であると認識しております。 また、開催に向けて、練習拠点や競技用具の整備、指導者やボランティアの養成などの選手を取り巻く環境を充実させていくことで、障がいのある方がスポーツに親しむ機会を創出し、障がい者スポーツの振興を図ること、ひいては、その社会参加がより推進されることにつながるものと考えております。 また、大会においては、交流機会の拡大はもとより、全力でスポーツに取り組む姿や、大会に関わる方がいきいきとサポートする姿を全国に発信することで、障がいに対する理解がより深まり、互いを尊重し、共に支え合う社会づくりに取り組んでまいります。 ◆(坂本康郎議員) 県民の「障がいへの理解促進」と「障がい者の社会参加の推進」について、これからどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いします。 ◎知事(河野俊嗣君) 本県はこれまでも、心のバリアフリー及び物理的なバリアフリーを推進してまいりました。障がいへの県民の理解促進及び障がい者の社会参加推進に取り組んでまいりました。 障がいにも、身体・知的・精神など様々な種類があります。また、同じ障がいでも人によって特性が異なり、障がい者一人一人の特性等への理解・尊重は、地域で共に暮らす共生社会には不可欠であると考えております。 生活支援・保健医療・雇用など、障がい者支援に係る様々な分野においても、そのことをしっかりと認識し、障がいのあるなしに関わらず、誰もが地域の一員として活躍できる社会の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。 今年、本県で開催予定の国文祭・芸文祭、また東京オリンピック・パラリンピックも開催されます。さらに、令和9年の全国障害者スポーツ大会、こうした文化やスポーツのイベントを通じて、県民の障がいへの理解及び障がい者の社会参加につなげてまいります。 ◆(坂本康郎議員) 関連して、障がい者福祉について質問を続けます。 一昨年の法改正によって、障がい者手帳のカード化が、都道府県の判断でできるようになりました。従来の紙製の手帳では耐久性が弱く、擦り切れたり、水にぬれて傷んでしまうという問題があり、プラスチック製のカードにしてもらいたいという要望を、障がい者の方たちから伺っています。 既に大分県や佐賀県など導入が進んでいるようですが、本県の今後の予定について、福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 現在の障がい者手帳につきましては、「紙でできており損傷しやすい」や、「携帯に不便だ」などの御意見があり、カード化を望む声があることは承知しております。 一方、カードにすることでサイズがコンパクトになり、記載できる情報量の制約が懸念されることですとか、既にカード化を導入した他県からは、カード作成のための機材購入や、その後の保守メンテナンスに相当額経費を要することになるというふうにも伺っております。 今後は、耐久性や持ち運びやすさ以外にどのようなメリットがあるのか、想定されるデメリット等も含め、他県と情報交換をしながら検証してまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 発達障がいの子供を持つ保護者の方、日頃関わっておられる関係者の方たちから、大変様々な御意見、御要望をお伺いしました。皆さんが、発達障がいの子供に対して、成長に応じた切れ目のない支援と、専門的な知識に基づいた適切な支援を受けさせてもらいたいと願っていらっしゃること、本県の現状にそれなりの不安と不満を持っていらっしゃることを感じています。 発達障がいにつきましては、昨日、岩切達哉議員も取り上げていらっしゃいましたので、重複を避けて質問いたします。 発達障がいは、生まれつきの脳の障がいにより、言語、コミュニケーション、社会性などの発達に何らかの特性があることによって生じる不適応状態のことで、一人一人に特性の違い、特徴があり、個に応じた支援を行うことで行動を直していくことができるとされております。 そのためには、家族や周囲の人が、正しい知識と理解を持って、子供が発達障がいであることに早く気づくこと、幼児期から遅くとも小学校の低学年までの間に子供の発達障がいに気づいて、早めのサポートを行うことが大変重要です。 県では、子供が発達障がいであることに早く気づくためにどのような取組を行っておられるのか、保護者への理解・啓発の取組も含めて、福祉保健部長と教育長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 県が30年度に実施した調査結果では、子供の特性に気づいたのは「保護者」との回答が最も多く、子供に一番身近な保護者への正しい理解に向けた啓発は重要だと考えております。 このため、外見では分かりにくい発達障がいの特性等の周知や、保護者の会による講演会の開催、リーフレットの配布などにより、保護者が早期に子供の特性に気づくことができるよう、理解・啓発に努めているほか、4月の発達障害者啓発週間では、庁舎等のブルーライトアップなど、広く県民向けの啓発も行っております。 また、3歳児健診や保育所、学校などでの気づきもありますので、県発達障害者支援センターでは、保健師や保育士、教員等を対象にした研修なども実施しております。 ◎教育長(日隈俊郎君) 教育部門では、学校において教員が最も長く子供と接しているため、発達障がいにより、学習や生活の困難さがある児童生徒にできるだけ早く確実に気づくことができるよう、全ての教員の研修の充実に努めているところであります。 また、各学校において指名された特別支援教育コーディネーターが中心となりまして、発達障がいについて、保護者向けの通信の発行やPTA総会での説明など、保護者の理解が深まるよう啓発を行っているところであります。 ◆(坂本康郎議員) 発達障がいの子供さん本人を主体に考えますと、周囲の無理解・無認識が理由で早期発見・早期支援が受けられないために、その後の学校生活や社会生活に困難を来し、さらに二次障害につながってしまうのは、大変不幸なことだと思います。その意味で、支援への入り口である早めの気づきのための体制強化と、身近な保護者への専門的な知識を持ったサポートを、今後も充実・強化させていただきますようお願いいたします。 次に、発達障がいの子供が就労する際に、受け入れる企業にも、合理的配慮や個に応じた支援について理解がなければ、一般就労にはハードルが高いと思われますが、県内企業への理解啓発の取組を福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 発達障がい者の就労につきましては、企業側の理解が重要であることから、県では、障がい者法定雇用率の対象となる約800社を含む約1,800社に、発達障がい者の雇用を働きかけておりまして、検討している企業に障がいへの理解を深めるためのセミナーを実施しております。 セミナーでは、障がいの特性やコミュニケーションの取り方などの説明のほか、実際に発達障がい者を雇用している経営者などからの、企業側が配慮すべき事項や工夫の事例紹介を行っております。 また、参加企業には、県で作成した、雇用に向けてのガイドブックや受入れの際のマニュアルを配布しております。 今後とも、宮崎労働局等の関係機関と連携し、引き続き、企業の発達障がいへの理解の促進に努めてまいります。 ◆(坂本康郎議員) 最初に申し上げましたように、保護者の方、関係者の方たちから様々な御意見を伺いました。恐らく、日頃から教育委員会の窓口へも声が届いているものと思いますが、保護者や関係者の皆さんからの意見・要望についてどのように対応していらっしゃるのか、教育長にお伺いします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 発達障がいのある子供に関する保護者の方などからの要望等については、数多くいただいているところであります。これらの意見、要望等につきましては、現状を把握するための貴重な御意見とさせていただきまして、県教育委員会の施策の立案や、事業を構築する際に生かしているところでございます。 特に、発達障がい教育に関する事業といたしましては、本年度より、文部科学省の委託を受けまして、「みやざきの発達障がい教育推進事業」を実施しているところでございます。 本事業では、発達障がいに関する学校の教育力や教員の指導力の向上、保健や福祉、労働などの関係機関との連携を深めることを通しまして、児童生徒の特性に応じた、切れ目のない支援の充実を図ることとしております。 ◆(坂本康郎議員) ここまで発達障がいについて取り上げましたが、障がいを持つ子供の親御さんたちの一番の不安は、子供の将来についての不安です。自分たちがいる間はともかく、死んでいなくなった後、この子がちゃんと生きていけるのか、たまらない思いで悩んでいらっしゃる方が本当にたくさんいらっしゃいます。 先ほど知事に御答弁いただきましたが、そうした方たちの目線に立って、障がい者御本人や御家族の安心につながる、障がいへの理解促進と障がい者の社会参加の推進に取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、男女共同参画について質問いたします。 本県における直近の地方議会選挙で、女性の立候補の状況を選挙管理委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員長(茂雄二君) 平成31年4月に行われました統一地方選挙では、県議会及び16の市町村議会で選挙が執行されたところですが、各選挙の候補者数における女性候補者の割合は、県議会で8.7%、市議会で11.4%、町村議会で9.9%、全体で10.5%となっております。 また、市町村議会の選挙のうち女性の立候補がなかった市町村は、16市町村中3町村となっております。 ◆(坂本康郎議員) 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が平成30年に施行され、県や市町村には、実態の調査や環境の整備など施策の策定と実施努力が求められています。 ここでは1点だけ、候補者の住所の公開についてお伺いします。候補者の自宅の住所は公報その他で、これまで公開をされてきました。しかし、社会的な個人情報への意識の変化や、特に女性においては、一人暮らしのケースなども想定して配慮すべき点は多く、早急に見直しが必要ではないかと考えます。選挙管理委員長に御見解をお伺いします。 ◎選挙管理委員長(茂雄二君) 立候補の届出があった際には、公職選挙法により、直ちにその旨を告示することとされており、告示事項には住所も含まれているところです。 しかしながら、このことが立候補への支障となり、女性議員が少ない一因でもあるとの指摘を受けまして、昨年7月に国の取扱いが改められ、国政選挙においては、住所の市区町村まで告示することとなりました。 また、地方議会及び長の選挙につきましては、市区町村または町字までとするなど、実情を勘案して、地域で判断することとされたところであります。 地域の代表を決める選挙において、候補者がどこに住んでいるかは投票の判断材料の一つになることも考えられますが、一方で、プライバシーへの配慮も重要ですので、県の選挙につきましても、今回の見直しを踏まえた検討を行ってまいります。 ◆(坂本康郎議員) この「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」では、政党、政治団体にも、女性の候補者数の確保に自主的な努力が求められています。 私ども公明党では、党所属の全国の地方議員、国会議員の合計2,970名のうち女性議員が946名、割合で31%強と、選挙時の候補者数においてもほぼ同じ割合を保っており、今後ますます女性議員の果たす役割は大きいという認識に立っております。本県におきましても、法律の目的に沿った施策の実施に努めていただきますよう、お願いいたします。 次に、危機管理統括監に、県の防災会議を構成する女性委員の割合と今後の確保について、取組をお伺いします。 ◎危機管理統括監(藪田 亨君) 都道府県防災会議における女性委員の割合につきましては、国において、2025年までに30%とする目標が定められておりまして、昨年4月1日時点で、全国平均16.1%に対しまして、本県は16.4%となっております。 防災会議の委員につきましては、災害対策基本法で組織や役職が定められているものが多く、その定められたポストに女性が少ないことが、女性委員の割合が伸びない要因の一つであると言われております。 県といたしましても、男女共同参画による防災の取組を進めていく観点から、女性委員の確保は大変重要であると認識しておりまして、知事が任意で任命することができる、県や指定公共機関の役職員のほか、学識経験者などの委員につきまして、さらなる女性委員の登用に努めてまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 地方の防災会議に占める女性委員の割合について、30%という国が示した目標は、当初は昨年2020年までに達成する目標とされておりました。それがなかなか成果が出ないために、5年間延長されたものです。 なぜ防災において男女共同参画を進めなければならないか、それは過去の阪神淡路大震災や東日本大震災から得られた教訓によるところも大変大きいことから、県民の安全安心のための必達目標として、構成員を見直し、「女性の出席が3割に満たないと会議は成立しない」というぐらいの思い切ったルールを決めてでも達成をしていただきたいと思います。 本県におきましては、7市町村でいまだに女性委員が一人もいないことが報じられています。ここは県が率先して速やかに決定して、実行していただくことを求めます。会長である知事にもぜひ御一考いただきますよう、よろしくお願いいたします。 昨年9月、台風10号の接近に伴い、私が住む宮崎市でも、市の全域に避難勧告が出されました。当初、この台風は過去最強クラスとの予測も出され、多くの方が避難所へ向かわれたわけですが、寝たきりの高齢者や障がい者など、自力での避難が難しい災害弱者の方たちから、「避難したくても避難できない」との声を伺いました。 これらの避難行動要支援者に対して、国は、要支援者ごとの個別計画の作成を指針で示していますが、現状ではあまり進んでいないように見えます。避難行動要支援者の避難対策について、県の取組を危機管理統括監にお伺いします。 ◎危機管理統括監(藪田 亨君) 本県を含め全国で避難行動要支援者名簿の作成が進む一方、名簿と併せまして策定が望まれております要支援者ごとの個別計画につきましては、その策定が遅れている状況にございます。 このため国では、災害対策基本法の改正によりまして、計画策定を市町村の努力義務とする予定と伺っております。 本計画策定には、本人の心身や生活実態等の情報が必要でありますことから、福祉専門職や民生委員などの日常の支援者と、災害時に身近に存在する地域住民などとの連携が大変重要であり、市町村は個々の実態と地域の実情を見ながら対応していくことになると考えております。 県といたしましては、市町村や関係機関と連携を図りながら、個別計画等に係る研修会の実施や自主防災組織の育成、避難経路の整備支援などを通じまして、要支援者の避難対策を総合的に推進してまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 一昨年6月の一般質問で、公立学校の緊急地震速報受信システムの設置状況など、地震発生時の初動対応への備えについて質問をいたしました。その後の状況と課題について、教育長にお伺いします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 令和元年度の文部科学省の調査によりますと、緊急地震速報受信システムの設置に関して、本県の県立学校では100%となっておりますが、市町村立中学校では34.4%、小学校では25%となっております。なお、その他の小中学校においては、市町村の防災行政無線を活用するなど、様々な対策が講じられていると聞いております。 地震発生に際しては、いち早く情報を受信し、速やかに児童生徒の避難行動につなげる体制づくりが重要であります。県教育委員会といたしましては、地震情報の受信状況について、さらに詳しく把握するとともに、各学校において、一層、安全対策が推進されるよう、関係部局や市町村との連携に努めてまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 次に、県営住宅の整備方針について、県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 県営住宅につきましては、平成18年度に策定しました「宮崎県住生活基本計画」に、高齢者や障がい者を含む住宅に困窮する低額所得者の方に対しまして、安心して暮らすことができる低廉な賃貸住宅を提供する住宅セーフティーネットの中核として位置づけております。 現在、その整備につきましては、県営住宅長寿命化計画に基づきまして、昭和40年代の老朽化した狭小な住宅の建て替えや、将来的な管理コストの縮減のため、予防保全の取組として、既存住宅の計画的な改修も実施しているところであります。 ◆(坂本康郎議員) 現在、県営住宅へ入居を希望されている方たちから、「入居募集が出されても、応募が集中してなかなか希望どおりの入居ができない」という声を大変たくさん伺っております。 背景には、高齢で足が悪いため階段を利用することが困難なことから、エレベーターが備わっているところや、低層階、特に1階の部屋に申込みが集中すること、加えて、高齢で配偶者に先立たれた方にとっては、単身者の入居枠がまだ限られていることなどが考えられます。 社会の高齢化が進む中で、今後どのように取り組んでいかれるのか、県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 高齢者等への対応につきましては、建て替え及び改修時におきまして、トイレや浴室への手すりの設置、室内の段差解消等のバリアフリー化を図るとともに、3階建て以上の建物につきましては、エレベーターの設置を行っているところであります。 また、近年応募が増加しております高齢単身者等への対応につきましては、平成30年から入居が可能となる対象住戸を拡大してきたところでございまして、引き続き応募状況を注視してまいります。 今後も、高齢者等に十分配慮しました県営住宅の提供に努めてまいります。 ◆(坂本康郎議員) 以上で、本日用意しました全ての質問を終わります。御答弁いただきありがとうございました。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 以上で午前の質問を終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時44分休憩────────────────────   午後1時0分再開 ○副議長(徳重忠夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、日髙陽一議員。 ◆(日髙陽一議員) 〔登壇〕(拍手) 皆さん、こんにちは。今日も晴れの予報が晴れました。宮崎のひなた、日髙陽一です。一般質問2日目、午後一番ということで、どうぞよろしくお願いいたします。 今日からちょうど1か月前、父が天国へと旅立ちました。危篤になったときがちょうど本会議中ということで、皆さんには大変御迷惑をおかけいたしました。父は生前、とにかく自分よりも人のことを思う、そういう父でありました。友人が困っていたら、自分のことを置いて駆けつけるというような人でした。父の葬儀に本当にたくさんの方にお越しいただき、父の友人が、父の名前を呼びながら、大粒の涙を流してくれて、本当にすばらしい父だったなと思います。死に際に、人のことを思う大切な心を教えてくれた父でありました。 この、人のことを思う大切な心、目の前にいらっしゃる先輩の議員たちも、地域の方に選ばれて、そして人のために、県民のために身を粉にして頑張っていらっしゃる先輩方です。100万分の38人という、本当にすばらしい先輩方ばかりだなと思っています。 そして、先輩たちの前には、県民のために働きたいという思いでこの難関の県庁に採用された多くの県庁職員の皆様の代表として、各部長、そして局長が座っていらっしゃいます。 そして、県民の皆さんに選ばれた3期を務める知事、その知事を支える副知事のお二人、本当に人のために、県民のためにと思っていらっしゃるスペシャリスト、すばらしい方々が集まっているこの部屋なんだなと改めて感じているところであります。ここに立たせていただいていることに感謝をしながら、一問一問質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まずは、父がなりわいにしていた農政問題から質問させていただきたいと思います。 いよいよ来年10月に第12回全国和牛能力共進会が、お隣鹿児島県を会場に開催されます。新型コロナウイルス感染症の動向が、開催にどう影響していくのか、少し心配な部分はありますが、いずれにしても、これまで宮崎県は3大会連続で内閣総理大臣賞を獲得してきたわけですから、開催地鹿児島県をはじめ全国の和牛産地が、打倒宮崎を旗印に相当の準備で臨んでくることと考えます。 全共での本県勢の活躍は、宮崎牛のさらなるブランド化、そして何より、県全体の生産意欲向上につながりますので、私も大きな期待をしているところであります。 そこで、第12回全国和牛能力共進会に向けた意気込みについて、知事にお伺いいたします。 以下の質問は、質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 第12回全国和牛能力共進会は、畜産県としてしのぎを削ってきた鹿児島県での開催であります。改めて、4大会連続での内閣総理大臣賞を何としても獲得しなければならない強い決意を抱いているところであります。 全国的に出品意欲や改良技術が向上し、厳しい戦いが予想される中で、まずは、本大会に出品する県代表を勝ち取るため、それぞれの地域で切磋琢磨し、大会機運を盛り上げていくことが重要であると考えております。 このため、私が名誉会長の県推進協議会を中心に、生産者、関係団体等がチーム宮崎として一丸となり、令和元年度から出品対策に取り組んでおり、令和3年度は、出品候補牛の各地域への導入が本格化する大変重要な年であるため、各種支援策を新年度予算案に盛り込んだところであります。 これまでの3度にわたる最高賞の獲得は、県内生産者の誇りと国内外での宮崎牛のPRとともに、大きな飛躍につながったものと考えております。 鹿児島大会では、種牛部門で6区15頭、肉牛部門で2区7頭が県代表として本選に臨みます。生産者をはじめ、関係者及び県民の皆様とともに、あの感動をもう一度共有できますよう、私が先頭に立って「日本一の努力と準備」で臨み、それぞれの部門で最高賞を目指すとともに、何としても、前人未到の4大会連続の内閣総理大臣賞の獲得を目指してまいります。以上であります。〔降壇〕 ◆(日髙陽一議員) 知事の全共に向けた熱い思いを聞かせていただきました。ぜひ、関係者一丸となってチーム宮崎で、出品までの準備を計画的に進めていただきまして、4大会連続での内閣総理大臣賞の獲得を期待しております。 さて、先ほど知事から、全共対策について新年度予算案に盛り込んだという答弁がありました。そこで、第12回全国和牛能力共進会に向けた新年度事業の内容について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 今議会でお願いしております「2022全国和牛能力共進会対策事業」につきましては、まず、新たな出品条件を踏まえた戦略的な交配推進の取組により、生まれてきた優秀な子牛の巡回調査を重ね、候補牛を選抜いたします。その上で、全共出品経験者や飼養管理技術の高い農家など、出品に意欲の高い生産者に対し、候補牛の導入等を支援したいと考えております。 また、本年10月には児湯家畜市場において、本番と同じ時期に合わせて、「宮崎県出品対策共進会」、いわゆるプレ全共を開催いたしまして、生産者、関係者の技術研さんと機運醸成に取り組んでまいりたいと考えております。 これらの取組を通じまして、さらなるレベルアップを図り、生産者をはじめ関係者とともにチーム宮崎として、「日本一の努力と準備」を怠らず邁進してまいります。 ◆(日髙陽一議員) 地域の力を結集しまして、関係者一体となって和牛全共に臨んでいただきたいと思います。また、肉用牛生産者や新たな担い手の希望となるよう、全力を尽くしていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、あらゆる危機事象に対応した農業・農村づくりについてお伺いいたします。 ある国際的な科学誌の報告によりますと、アメリカの農業地帯では、地下水の枯渇が深刻で、トウモロコシや大豆等の生産が減少しているという情報があります。また、国連によりますと、世界中でこの20年間に発生した洪水や干ばつ等の災害が、その前の20年から8割以上増加し、農業被害も多発したとのことです。 これらは、日本への輸入減少にもつながり、食料や家畜飼料、エネルギー等を海外に依存する我が国にとって、私は非常に重大な問題であると考えます。 一方、国内の農業に目を向けますと、世界と同じく、多発する自然災害や家畜伝染病、さらには新型コロナの影響など、様々な危機事象に直面しています。 そのような中、県では、現在策定中の第八次農業・農村振興長期計画の中で、あらゆる危機事象に負けない農業として、「新防災」というキーワードを提案していらっしゃいます。まさに私の抱く危機感に近いと考えますので、今後10年先を見据えた新防災の将来像について、幾つか伺っていきたいと思います。 まずは、災害に強い生産基盤づくりについてです。 本県では、激甚化する台風や大雨の発生により、農作物や生産施設のみならず、生活インフラなどにも大きな被害を及ぼしている上、今後、南海トラフ巨大地震への備えも求められています。 私は、このような自然災害のリスクに対して、安心して農業生産活動や生活を行えるための防災減災に向けた準備が重要であると考えます。 そこで、災害に強い生産基盤づくりに向けた取組について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 議案として提出しております第八次宮崎県農業・農村振興長期計画(案)では、防災重点農業用ため池の補強対策工事を計画的に進めますとともに、頭首工や排水路等の農業用施設、さらに農業生産活動の要となるハウスや畜舎などの整備・強靱化を推進するなど、引き続き、防災減災対策に取り組んでまいります。 また、施設の長寿命化を図るため、機能診断に基づく農業用パイプラインなどの施設の補修や排水機場の更新整備を計画的に進めますとともに、維持管理を行う土地改良区などの体制強化を図ってまいります。 これらの取組を市町村や関係機関とも十分連携しながら、災害に強く持続可能な生産基盤づくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 災害への備えは、農家だけでは大変厳しいものがありますので、県の総合的な支援を、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、家畜や農作物の防疫対策についてお伺いいたします。 本県では、口蹄疫発生より10年の節目の昨年12月から、鳥インフルエンザが12例発生しており、全国でも豚熱と同様に発生が続いています。また、地球温暖化の影響等もあり、本県では農作物の様々な病害虫が発生しており、中でもカンショの基腐病が深刻な被害をもたらしています。 このような被害は一旦発生すると、農業被害だけにとどまらず、地域経済にも大きなダメージを与えるため、私は、県全体で徹底した防疫対策に取り組む必要があると考えています。 そこで、家畜伝染病や農作物病害虫の防疫対策強化にどのように取り組むのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 近年、海外由来の家畜伝染病や農作物の新たな病害虫などが多発しておりまして、本県も、発生リスクを常に抱えていますことから、防疫対策をより強化する必要がございます。 このため、家畜防疫では、水際、地域、農場防疫の3段構えで、高い防疫レベルの構築を目指しますとともに、防疫資材等の備蓄倉庫を福祉保健部と共同で新たに設置するなど、迅速な防疫措置への備えの充実を進めております。 また、植物防疫では、ドローン等を活用した画像診断技術開発や、国等と連携した農薬の登録拡大とともに、迅速な防除対策に向け、新たに防災メールを活用した発生情報の周知などに取り組んでまいります。 今後も、高い危機意識を持って、「持続可能な魅力ある農業」に向け、危機事象を未然に防ぎ、発生時には被害を最小限に抑える体制づくりに、しっかりと取り組んでまいります。 ◆(日髙陽一議員) 絶対発生させないという強い気持ちを持って、県のリーダーシップの下、関係者と一緒に取り組んでいただきたいと思います。 次に、農業経営のセーフティーネットについて伺います。 これまでのあらゆる危機事象に負けない新防災の取組に共感しますが、私は、さらに重要なことは、産地としての回復力だと思っています。農家の方々が不幸にして被害を受けられた場合には、経営再建に必要な経済的支援、具体的には、保険や価格安定制度といったセーフティーネットが欠かせません。私は、これらのセーフティーネットの充実策として、多様で複雑な制度の中から、最適で迅速な支援が確実に受けられることが必要ではないかと思っております。 そこで、農家の経営安定のためのセーフティーネットの充実について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 本県農業は、過去に経験したことのない自然災害や、コロナ禍におきます経済的影響など、様々な経営リスクが常在化しており、経営安定対策として、農業保険や野菜価格安定制度、牛・豚マルキン、農業制度資金等のセーフティーネットを効果的に活用することが重要と考えております。 このうち、新たな制度である農業経営収入保険は、主に耕種部門の農業収入減少を幅広くカバーする保険でございまして、重点的に加入推進に取り組んできた結果、昨年末までに2,363件の加入となったところでございます。 今後は、農家が複数の制度を比較検討し、自らに適した制度を選択できるようにするため、関係機関・団体と連携しながら、制度に関する情報提供や助言・提案等を行う「ワンストップ相談窓口」を県内各地域に設置するなど、セーフティーネットの一層の充実に努めてまいります。 ◆(日髙陽一議員) 農家の皆さんが安心して農業経営に取り組めるように、きめ細やかで分かりやすい情報発信をお願いしたいと思います。 第八次長期計画における新防災の目指す将来像について答弁をいただきましたが、代表質問では濵砂議員から、計画の全体像についても御議論いただきました。この綿密に策定された計画が着実に実現されていけば、目標達成に近づくでしょうが、私はもう一つ大切なピースがあると思います。それは、農家をはじめとする県民の皆様の理解と協力であり、ぜひ、そのための取組にも力を注ぐべきだと考えます。 そこで、第八次長期計画を推進していく上で、県民の理解醸成が重要と考えますが、今後どのような取組を行っていくのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 議員御指摘のとおり、様々な施策を効果的に推進していくためには、農業者はもとより、県民の皆様の理解醸成が大変重要であり、第八次長期計画案でも、重点施策として位置づけ、各種デジタルツールを活用した情報発信や意見の集約等を積極的に行いたいと考えております。 具体的には、農政水産部のホームページ「宮崎県農業・水産業ナビ~ひなたマフィン」を新たに開設いたしまして、誰もがスマートフォンでもワンストップで検索できる情報提供に加え、SNS等を活用して、みやざきブランドや産地の取組などを提供・発信するとともに、農業者等が生産現場から直接相談できるリモート環境を整備してまいります。 県といたしましては、農業者や県民の皆様の「知りたい、相談したい、参加したい」といったニーズにしっかりと応えながら、計画の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 次に、地産地消の取組について伺います。 地産地消は、食料自給率の向上に寄与する国民運動として、長年にわたり取り組まれてきましたが、日本の食料自給率は約37%と、年々減少の傾向にあり、先進国の中では最も低いレベルとなっているのが現状であります。 また、世界各国で新型コロナウイルスが蔓延する中、農畜産物の物流や生産活動への影響により、一部の国におきましては、自国の食料確保のため、輸出をストップする動きも見られているところです。 このような状況を踏まえますと、ますます食料を輸入に依存する体質から早期に脱却し、食料安全保障の確保に向けて、改めて国民総ぐるみで地産地消の取組を強化する必要があるのではないかと思っております。 私が所属していた宮崎県農協青年組織協議会におきましても、まずは身近な県民の理解を得るため、「県産県消」の名の下、地産地消への取組強化を表明し、PR動画を自主制作するなど、啓発活動に取り組んでいるところであります。 そこで、地産地消の取組をより一層推進すべきと考えますが、県の考えを農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 本県では、コロナ禍で影響を受けた宮崎牛や完熟マンゴー、養殖魚などの応援消費につきまして、多くの県民の方々に御協力をいただいております。 知事が会長であります、みやざき元気“地産地消”推進県民会議の全構成団体の協力と呼びかけで始まりましたこの取組は、消費者の皆様には、本県食材のすばらしさを再認識していただいた一方で、生産者の皆様には、県内・国内への食料の安定供給の一翼を担っているということへの誇りと責任を、より一層強く自覚される契機となったものと認識しております。 県といたしましては、第八次長期計画案におきましても、「県産県消」いわゆる本県食材の応援消費や、県内加工業者・飲食店等での積極的な活用を重点的に位置づけておりまして、引き続き、これらの機運を地産地消の大きな推進力として、オール宮崎で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) どうぞよろしくお願いいたします。 次に、お茶の需要喚起・PRについてお伺いいたします。 昨年11月に奈良県立医科大学から、お茶に関する大変興味深い研究が公表されました。この研究は、お茶をウイルスに接触させたところ、お茶の種類によっては、30分後、99.9%のウイルスが感染力を失ったというものです。これは実験室レベルのデータですが、お茶を飲むことによる感染予防の効果が明らかになれば、お茶の需要が大いに喚起されるものと、期待しているところです。今後の研究の進展について注視したいと思います。 お茶農家は、リーフ茶の消費減少や荒茶価格の低迷により、経営に深刻な影響が生じております。また、このコロナ禍で、「スーパー等で試飲などができず、販売は例年に増して厳しかった」との声を伺っております。 お茶の需要喚起やPRは大変重要であると考えます。そこで、このお茶の需要喚起やPRについてどのような取組を行っているのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) お茶の需要拡大を図るためには、リーフ茶の消費が減少している一般家庭を対象に、コロナ禍で明らかになった消費者の健康志向に対応した機能性を高める飲み方や、家庭料理に合わせたお茶の種類の提案など、新たな取組が重要と考えております。 このため県では、県茶業協会等と連携いたしまして、機能性の高まる水出し緑茶や、花のような香りが特徴の新香味茶等を紹介するパンフレットを添えた県産茶を、国文祭・芸文祭の関連行事をはじめ、県内のホテルや高等学校の卒業式等で配布いたしますとともに、今月末には新茶シーズンを迎えますので、テレビCM等も企画しているところでございます。 今後とも、生産者はもとより、関係団体とも連携いたしまして、お茶の需要喚起やPRに、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 大きなチャンスだと思います。フランスのコンペでも2年連続、宮崎のお茶が選ばれているということでございますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 お茶の生産者の中でも、自ら販売を手がけ、頑張っている農家さんもいらっしゃいます。その方たちが利用しているのは、ECと呼ばれるインターネットショッピングです。2019年度の日本国内のECの市場規模は19兆3,600億円で、物販系全産業のEC化率は6.76%であり、中国では既に35%を超えていると言われております。そして、このコロナ禍において、巣ごもり消費や、店員との接触を避けた買物需要が急激に増えたことなどにより、EC化率が高まっていることは間違いありません。 このように、コロナ禍においてネットショッピングの需要が高まっていますが、事業者の参入促進に向けた県の取組について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) ネットショッピングは、国内の市場規模が10兆円を超え、年々拡大を続けておりまして、一般的な購買手段として定着してきております。比較的容易に市場参入できる一方で、売上げ増加を図りますためには、消費者ニーズに合った商品の開発や魅力的な商品ページの作成など、インターネット販売特有の知識やスキルが必要となってまいります。 このため県では、これまで専門家講師によるセミナーやウェブ物産展を開催するなど、県内事業者の参入促進やスキルアップ支援に取り組んできたところであります。 コロナ禍を契機に、インターネット販売の市場規模はさらに拡大すると予想されますことから、引き続き、参入を希望する事業者への支援に努めてまいります。 ◆(日髙陽一議員) 多くの宮崎の宝物が、全国、そして全世界へ発信されるように、よろしくお願いしたいと思います。 次に、教育施策について伺います。 文科省の事業により、教員に代わって資料作成や授業の準備を行うなど、教員のサポートをするスクール・サポート・スタッフの配置に関わる費用を補助されていますが、現場の先生からは、授業が終わってやらないといけない作業を授業中にやってもらえるので本当に助かっていると、高評価の意見を聞いております。 この事業は、国の事業設計では、19学級以上の学校、いわゆる大規模学校にスクール・サポート・スタッフを配置するとなっています。しかし、教員の業務負担は、学級が多くても少なくても変わらないと思います。働き方改革を進めるためには、このスクール・サポート・スタッフの配置が必要だと考えますが、今後の配置の方向性について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) スクール・サポート・スタッフにつきましては、学校における働き方改革や、新型コロナウイルス感染症対策を目的として配置しておりまして、教職員の事務負担軽減による子供と向き合う時間の確保など、多くの成果が確認されております。 そこで、小中学校におきましては、19学級以上の大規模校及び18学級以下で必要と認める全市町村の学校に配置できるよう、本年度の94名分から、来年度は137名分に拡充することとし、今議会に関係予算をお願いしているところであります。令和元年度が30名でしたので、大幅な充実になろうかと思います。 今後も、市町村教育委員会と連携を図りながら、スクール・サポート・スタッフの効果的な配置と活用により、学校における働き方改革を積極的に進めてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) どうぞよろしくお願いいたします。 先日、教員の方々と意見交換をする機会があり、「教員の業務負担軽減ができることはないか」という質問をしたところ、様々な意見が出されました。その中の一つに、中学校3年生の高校受験においての教員の作業について、入学願書と生徒の調査書などの作成作業の負担が大きいという話がありました。もちろん、調査書に関しては学校側で作成しなければなりませんが、入学願書につきましては、各家庭で作成をお願いするなど、高校の受験手続において中学校教諭の負担軽減が必要と考えますが、学校や県教育委員会ではどのような取組を行っているのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 高校の受験に際しては、入学願書や成績などを記載した調査書等の作成と提出などの手続が必要となります。 以前は、多くの中学校で、入学願書の作成について教員が関わっておりましたが、本来、入学願書は生徒と保護者が自らの意思で作成するものでありますことから、現在、ほとんどの学校では家庭で作成していると理解しているところであります。 調査書など、学校で作成すべきものについては、次年度以降、県と市町村が共同で導入することとしております統合型校務支援システムにより、その作成についても効率化が図られ、負担が軽減できるものと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 教員の負担を軽減することで気持ちに余裕ができて、教育にもいい効果が出ると思いますので、よろしくお願いします。ぜひ引き続き、効果的なスクール・サポート・スタッフの配置など、教員の負担軽減につながる取組をお願いしたいと思います。 そして、教員の負担軽減につながるものに、ICTの活用があります。県では、今年度末までに、県立高校全36校の510の普通教室、333の特別教室に電子黒板を設置するなど、県立高校教室のデジタル環境整備率は全国トップクラスになると聞いております。電子黒板と生徒のタブレット端末を連動させるなど、効率的で情報量の多い濃密な授業が可能になりますが、このすばらしい環境を生かすのは教職員だと思います。 そこで、県立高校における教職員のICT活用力を高めるための今後の取組について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 県立高校では、今年度、通信回線の強化やICT機器の大幅な増強を進めてきたところであります。 現在、各学校では、これらの機器の操作をはじめ、活用が円滑に進むよう、マニュアル作成や校内研修の支援などを行いますGIGAスクールサポーターを派遣いたしまして、ICTを活用できる環境づくりを行っているところであります。 今後は、ICTを効果的に活用した授業を展開するため、各学校で、推進担当者を明確に位置づけ、全ての教科で授業改善を実践するなど、組織的・計画的に進めてまいります。 さらに、教育研修センターが実施いたしますICT活用講座等の充実や、民間業者の協力も得て、オンライン研修会を実施するなど、教職員のICT活用能力向上に取り組んでまいります。 ◆(日髙陽一議員) 次に、高校3年生の自動車運転免許取得についてお伺いいたします。 宮崎には免許取得がしやすい環境があり、合宿で県外からもたくさんの方が免許取得のために本県に訪れていると聞いております。 このような免許取得がしやすい環境にある中、高校3年生の秋に就職や進学先が決まった生徒に対しては、免許取得を許可してもよいのではないかと考えます。特に就職された生徒さんは、就職後の免許取得は仕事をしながらということになりますので、当然に時間的に制約もあり、大変になります。就職や進学等が決まった秋口以降に免許取得を許可することで、3月に集中する免許取得時期が分散され、コロナ禍においては、密を避けることにもつながります。 また、県内で免許取得した場合の経済効果を考えますと、1人当たり約30万円の費用がかかると試算して、1,000人の高校生が免許を取得した場合には、3億円以上の経済効果が生まれると考えられます。 そこで、県立高校の自動車学校入校許可の状況について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 自動車学校の入校許可の時期につきましては、就職や進学など個別の状況を考慮しまして、生徒の不利益にならないように、各学校で判断しております。 現状としては、職業系は年末までに、普通科系は年明け以降に入校を認める学校が多くありますが、文部科学省からの通知の趣旨も踏まえまして、就職が決定した生徒には許可するなど、柔軟に判断する学校が増えてきております。 県教育委員会といたしましては、県立校長会や生徒指導担当者の会で、生徒の状況に応じた判断の必要性について説明を行うなど、各学校で適切に判断するように指導しているところであります。 ◆(日髙陽一議員) 昨日は多くの県立高校で卒業式が行われました。今年は、全日制の高校では6,500名以上の生徒が卒業を迎えています。ぜひ、生徒の状況に応じた適切な判断がなされますように、引き続き学校への指導をお願いいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。 例年、本県の2月は、80万人を超えるスポーツファンで大変にぎわいますが、残念ながら、今回のスポーツキャンプは無観客で行われたため、大きな経済効果は望めません。しかし、キャンプを行っていただいたことで、ニュースで取り上げられるなど、宮崎のPR効果は大きかったのではないでしょうか。 キャンプ前は、例えば、県外からプロ野球球団の関係者が来ることを非難される方もいらっしゃいましたが、球団側は、「宮崎県にコロナを持ち込まない」と、選手、関係スタッフは何度もPCR検査を受けられるなど、この1か月間、1人も感染者を出しませんでした。球団の関係者には心から感謝いたします。 このように球団側がしっかりと感染対策に取り組んだ中、受入れに当たる地元関係者の感染対策はどのように取り組まれたのか、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) プロ野球キャンプの受入れに当たりまして、今年は「キャンプから絶対に感染者を出さない」という球団と地元関係者の共通認識の下、様々な対策に取り組んだところであります。 具体的には、球団側では、選手やスタッフの全員がPCR検査をし、陰性確認後に本県に入り、その後も1週間に1回程度検査を実施するなど、徹底した対策が講じられました。 また、受入れ側でも、地元市が中心となり、体調不良者が発生したときに受診可能な医療機関の選定など、スムーズな医療受診体制の事前準備を行いますとともに、選手と接触機会が多いホテル従業員や、球場スタッフなど多くの地元関係者もPCR検査を実施いたしました。 県といたしましても、こうした取組に対して、検査費用の補助など、積極的な支援を行ったところであります。 ◆(日髙陽一議員) 他県のキャンプよりしっかりと感染対策ができていたと聞いております。これからオリパラ関係の事前合宿や全国国文祭・芸文祭の開催なども控えておりますので、引き続き感染対策にしっかりと取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。 さて次に、重症化リスクの高い方が感染した場合の対応状況について伺います。 透析患者がコロナウイルスに感染した場合、一般の人に比べて死亡率は8倍とも言われ、透析患者にとって、コロナウイルスは脅威となっています。こんな透析患者の方が、県内には約4,000人いると言われていますが、重症化リスクの高い透析患者が感染した場合の病床の確保状況について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 透析患者が新型コロナに感染した場合、重症化するリスクが高いことから、原則入院治療を行うこととしております。 県ではこれまで、透析が実施可能な入院病床の確保に努めてきたところであり、専用病床として5床確保していることに加えて、透析が可能な感染症指定医療機関において、透析専用ではありませんが、5床程度受入れが可能となっており、合わせて10床程度は確保しているところです。 今後とも感染拡大に備え、引き続き医師会や医療機関等の協力をいただきながら、さらなる病床の確保等に努めてまいります。 ◆(日髙陽一議員) 病床もそうですが、人工透析患者の方が感染した場合、速やかに入院できる体制の整備についても、よろしくお願いします。 コロナ専用の病床は、呼吸管理ができることが条件であり、そこに透析管理が必要となるため、専門部屋に1人、担当のスタッフが必要となります。その分の専門技師などのスタッフも確保しなければなりません。第3波においては、入院病床が逼迫してしまいました。コロナ患者を受け入れる医療現場からは、感染の疑いのある方を含め、コロナ患者が増えることによって、一般患者への医療提供体制も大変になるとの声が聞こえます。 コロナ患者を受け入れる医療機関に関しては、一般患者をほかの医療機関で受け入れることにより、スムーズにコロナ患者を受け入れることができるのではないでしょうか。 そこで、新型コロナ患者の入院病床はどのような体制を整備し、第3波に対してどのような対応をしたのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 新型コロナ患者の入院病床につきましては、国の方針を踏まえ、県が策定した確保計画に基づき、246床を確保してきたところです。 これらの病床は、感染状況に応じて、フェーズ1から3までの3段階で運用を行うこととしておりまして、各医療機関と協議しながら、一般患者用として利用していた病床を、新型コロナ患者用へと転用するなどの工夫を行っております。 第3波では、フェーズ3での運用を行うとともに、新規感染者が爆発的に増加し、入院病床が逼迫してきたことから、医療機関の協力を得て新たに28床を確保しまして、計274床で対応したところです。 今後とも、新型コロナの治療が適切に受けられるよう、必要な入院病床の確保に努めてまいります。 ◆(日髙陽一議員) どうぞよろしくお願いいたします。 今日の午前中、窪薗議員より、コロナの差別について質問がありました。今議会、シトラスリボンを皆さんつけていただいておりますが、シトラスリボンをつけたときに、議員の先輩から、「それは何じゃろか」というふうな話があったんですけれども、これは、「コロナ陽性患者の方が入院して帰ってきたときに、温かい気持ちで迎えてあげましょう。そして、誹謗中傷をなくしましょう」というリボンであります。内田議員、リボンありがとうございます。つけさせていただいています。 県内でも、県トラック協会の皆様は、10年前の口蹄疫で受けた誹謗中傷をほかの人に受けてほしくないという気持ちで、昨年から―知事も行かれたと思いますけれども―トラックにシトラスリボンのラッピングをして走る活動などもしていらっしゃいます。本当にすばらしいと思います。誹謗中傷をしないということなんですけれども、昨日、シトラスリボンをつけた方で、シトラスリボンをつけながら誹謗中傷をしていた方もいらっしゃいましたので、胸に手を当ててシトラスリボンをつけていただきたいと思います。誹謗中傷をしたことがないと思われます知事も、ぜひシトラスリボンをつけていただきたいと思います。お願いします。 県内では、これまで1,900人を超える感染者が確認されています。中でも一番多くクラスターが発生しているのは、高齢者施設であります。 ワクチンの接種について、重症化リスクの高い入所者はもとより、入所者と接触の機会が多い従事者へも同時に接種すべきと考えますが、ワクチンの同時接種について、各市町村の検討状況はどうなっているのか、福祉保健部長にお伺いいたします。
    ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 高齢者施設の入所者と従事者のワクチンの同時接種につきましては、既に半数を超える市町村において、同時接種に向けた高齢者施設への説明会や意向調査を実施しているところであります。 このうち、施設に対して接種予定者リストの作成依頼、嘱託医や医療機関からの医師の派遣等の検討を行うなど、具体的な取組が進んでいる市町村もあります。 一方で、ワクチンの供給量の全体像が国から示されていない中で、高齢者自身が適切に優先接種を行えることにも留意しつつ、市町村及び施設の双方の体制が整うなど、国が示す一定の要件を満たす場合の同時接種が行えるよう、市町村への情報提供や進捗状況を確認しながら支援してまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 国のワクチン接種のロードマップでは、デイサービスなど通所の訪問系サービスの従事者は、優先接種の対象外となっております。地域の実情に合ったものになっていないのではないかと思っております。 しかしながら、こうした通所・訪問系サービスの従事者も、入所・居住施設の従事者と同様、サービス利用者と直接接する機会は多いわけです。デイサービスなど通所・訪問系サービスの事業所の従事者に対して、ワクチンの優先接種はできないのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 高齢者施設等の従事者に対しましては、高齢者の重症化リスクの大きさや施設内でのクラスター対策のより一層の推進のため、接種順位の特例が設けられております。 これは、入所・居住施設の業務の特性として、仮に施設で新型コロナ感染症患者が発生した後にも、入所・居住する高齢の患者や濃厚接触者へのサービスを施設内で継続する必要があるためとされております。 こうしたことから、現在、デイサービスなどの通所・訪問系サービス事業所は優先接種の対象には含まれておりませんが、県といたしましては、国や市町村と優先順位の考え方等について意見交換を行うとともに、事業者に対しては、引き続き、徹底した感染症対策の上、必要なサービスの提供をお願いしてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) よろしくお願いいたします。リエゾンについても、宮崎県はしっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上、日髙博之議員から引き継いだ質問でございました。 次に、コロナ禍における観光業への支援についてお伺いいたします。 まず、感染拡大により観光業は深刻な影響を受けており、中でも宿泊業は厳しい経営が続いております。この状況について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 本県の延べ宿泊者数は、割引キャンペーンなど国や県の需要喚起策等によりまして、昨年の秋から年末にかけては、一時回復の兆しがあり、直近の11月のデータでは、前年と比べ85%となっておりました。 しかしながら、第3波に伴う緊急事態宣言が大きく影響いたしまして、県ホテル旅館生活衛生同業組合によりますと、今年に入ってからの主な宿泊施設の予約者数は、前年の4割にも満たない大変厳しい状況であると伺っております。 特に今の時期は、スポーツキャンプで一番のにぎわいが生まれるシーズンでありますので、大きなダメージになっているものと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 今回も、宿泊施設をはじめ観光業が大きくダメージを受けました。大手であります宮崎交通に関しても、ホテル、交通機関、レストランと多くのダメージを受けました。 そして、ANTA(アンタ)と言われる全国旅行業協会も大きく影響を受けています。大手の旅行会社は様々な支援が行き届きやすいと言われていますが、県内で事業をされている観光業に関してもサポートする必要があると思います。 そこで、観光業の事業回復に向けて、感染状況が落ち着いた段階で、速やかに観光需要喚起策に取り組むべきと思いますが、県の考えを商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 大変厳しい状況に置かれております観光業の事業活動を後押ししていきますことは、地域経済を回復させる上でも重要であると認識しております。 一方、現在、県内の感染状況は鎮静化しつつありますものの、これから進学や就職、転職など県外との往来が活発な時期を迎えること、また、国の緊急事態宣言や隣県での変異株の確認など、県外には注意すべき状況が残っていることなどから、観光需要喚起策の実施に当たりましては、その状況を十分注視する必要があると考えております。 このため、まずは県民による県内観光を促進することとし、繰越予算も機動的に活用してまいりたいと考えております。 また、今議会でお願いしております新規事業「みやざき観光誘客再生事業」などによりまして、混雑を避け平日に旅行をするといったような新たな旅のスタイルにも対応しながら、観光需要を喚起し、その回復を図ってまいります。 ◆(日髙陽一議員) 今、県外では、地域の魅力発信をユーチューブなどで行っているところが多くあります。ぜひ、宮崎県の魅力を発信し、種をまいて、宮崎県に行きたくてしようがないという感情が湧いてくるような状態にしていただき、アフターコロナを迎えていただきたいと思います。 そのためには、今、修学旅行を県内で行い、魅力発信をしているように、まずは地元の方々にしっかりと情報発信をして、地元を、そして魅力を知り、今まで以上に地元を愛してもらうことが大切だと思います。私たち農家も、自分で作る作物を愛さなければ、人には求められないと思います。料理人も旅館のオーナーも、まずは自分が愛する料理や旅館でなければ、人はそれを求めて来ません。自分が気に入らない旅館に人は泊まりに来るのでしょうか。 ですから、まずは県民の誰もがこの宮崎県を愛する県にすることで、その魅力は必然と伝わっていくものだと思います。まずは、県民への情報発信をよろしくお願いいたします。 次に、ワーケーション推進について伺います。 9月議会でも質問させていただいたワーケーションですが、2020年当時の菅官房長官が、政府の観光戦略実行推進会議において、リゾート地、温泉地などで余暇を楽しみつつ仕事をするワーケーションの普及などについて言及したことにより、認知度が上がってきたものです。 全国の都道府県で一斉に動き始めたワーケーションですが、都会の仲間から、宮崎県は全国の中でもワーケーションのポテンシャルが高いと言われております。しかし、問合せ先が分からないとの連絡がありました。 そこで、本県は豊かな自然環境を有するなどポテンシャルは高いと思いますが、本県におけるワーケーション推進への対応体制について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) コロナ禍における地方回帰の動きやテレワークの進展に伴いまして、新たな人の流れを取り込む手法の一つとして、ワーケーションが全国的に注目を集めております。 ワーケーションは、豊かな自然環境やサーフィン等のアクティビティー、おいしい食など、本県ならではの魅力を活用することで、観光誘客はもとより、将来的な移住者の確保や企業誘致など、様々な波及効果につながるものと期待しております。 このため県では、本年1月に、庁内の関係所属で構成します連絡会議を設置するとともに、全国のワーケーションに関心のある自治体で組織される協議会にも参加したところであります。 今後は、これらの体制を基礎として、市町村や民間事業者と連携しながら、本県におけるワーケーションの受入れを円滑に進めてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 以前から観光業界では、長期滞在型観光を進めることの重要性が叫ばれてきたわけでありますが、日本の働き方になかなか合わず、進んでこなかった実態があります。そのような中、ワーケーションは、日本の働き方に合った長期滞在型観光を進める手段の一つになり得るものだと思います。 このワーケーション推進に当たっては、受入れ環境の整備が必要ですが、県、市町村、民間事業者の取組について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) ワーケーションの受入れを推進するためには、テレワークを実施できる設備の充実を図るとともに、宿泊施設や余暇を楽しむためのコンテンツも充実させる必要があるものと考えております。 このため県では、来年度当初予算案におきまして、森林空間を活用したワーケーションを推進する事業や、サテライトオフィスの整備に対する支援事業などをお願いしているところであります。 また、宮崎市をはじめ9つの市町村におきましては、今年度から、テレワーク対応の施設改修やワーケーションの実証事業等が行われておりますほか、民間の宿泊事業者でも、ワーケーションに対応した宿泊プランの提供を行っていると伺っております。 県といたしましては、市町村や民間事業者とも連携しながら、受入れ環境の整備や情報発信等に取り組み、ワーケーションの受入れを進めてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 観光客の志向は、今、お土産を買ったり、ただ名勝地を観光する物消費から、現地の特産物や名物料理を食べたりと、様々なアクティビティーを体験する事消費へと変化してきたと言われております。 長期滞在型観光の一つの形態でありますワーケーションを進めていくに当たって、宮崎ならではの事消費となる体験型観光コンテンツを掘り起こし、磨き上げていくことは避けられないと思います。 そこで、体験型観光の推進を図ることは、ワーケーションの受入れ促進にもつながるものと考えますが、この取組について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 議員御指摘のとおり、ワーケーションを進めていく上で、体験型観光の推進を図ることは重要であると考えております。 これまで、県におきましては、豊かな自然やスポーツ環境を生かしたスポーツツーリズムなど、本県ならではの体験型観光を推進してきたところであります。 また、昨今のコロナ禍におきましては、密を避け、自然を楽しむ観光の人気も高まっておりますので、来年度は、サーフィンなどのマリンスポーツや工芸体験等を活用した新たな誘客キャンペーンにも取り組みたいと考えております。 今後とも、市町村や関係機関等と連携して、体験型観光の推進を図ることによって、ワーケーションの受入れ促進にもつなげてまいります。 ◆(日髙陽一議員) 先ほども話しましたように、2020年に菅官房長官の発言で、一気にこのワーケーションが盛り上がりました。現在では、全国の46道府県が東京の1,000万人を奪い合いしているところであります。 よく考えますと、九州も同じような人口でございます。まずは東京ではなくて、九州からどんどん、どんどん発信していくのも一つではないかと思っております。 そしてまた、インバウンドが、もう近い将来戻ってくると思いますけれども、コロナ対策がしっかりとできている台湾など、アジアにもしっかりと目を向けて発信していただきたいと思います。 引き続き、県民の総力を挙げて、アフターコロナに向けての準備力を発揮していただきたいと思います。 最後に、今回で退職される皆様、本当にお疲れさまでございました。人を思う心、県民のために今まで長きにわたり築かれました知識と能力を、これからまた県民のために御尽力いただきますよう、心からお願いを申し上げまして、私の一般質問の全てを終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○副議長(徳重忠夫) 次は、太田清海議員。 ◆(太田清海議員) 〔登壇〕(拍手) 私も70歳になりましたが、振り返ってみますと、私の幼少年時代は戦後の名残がまだありました。鼻水をたらし、足にはあかぎれ、しもばれができ、ニッケ紙をかんで唇は真っ青、イタドリと言いますが、サドを食べ、古鉄拾いをして5円の金を稼いでいました。当時はまさに「生きる」ということが素朴であり、牧歌的な幼少年時代だったと思っています。中学2年の頃、東京オリンピックが開催され、物があふれるようになり、私たちの将来は希望に満ちているように思いました。しかし、その後、1970年代、オイルショックを経験し、高度成長から低成長に移行し、私が30歳となる1980年代から、政治や経済の世界にサッチャー、レーガン、中曽根首相に代表されるような「小さな政府」「民間にできることは民間に」というような考え方の「新自由主義」なるものが色濃く反映してきたように思います。 以来、政治や経済の在り方が、例えば派遣労働制に見られるように、果たして、人間が生きるということにおいてうまく機能しているのだろうか、人間が常に何か生きづらさを感じてしまうような時代になってしまったのではと思えてなりません。 これは以前にも紹介した歌ですが、万葉の時代、舒明天皇の作られた歌に次のような歌があります。「大和には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天(あめ)の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎(かまめ)立ち立つ 美(うま)し国ぞ 蜻蛉(あきつ)島 大和の国は」。この歌は、私が高校時代に国語の先生から習いました。先生が言いました。「どうだね、大和の国にはいろんな山があるが、特に天の香具山は美しい。その天の香具山に天皇が登って国見をすると、もう国民が朝早くから活動し始めたらしく、炊飯の煙があちこちに立っている。一方目を転じると、水辺では水鳥が水しぶきを上げて飛び立っている。どうだね、美しいと思わないかね」。「大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ 美し国ぞ 蜻蛉島 大和の国は」。確かに、朝日に照らされた青い山々や空の青、そして白鳥に水しぶき、炊飯の白い煙、色の対比を考えると、色彩的にも美しい歌だと思います。さらに、先生はこうも言われました。「炊飯の煙を見て、天皇は、国民がもう朝早くから活動し始めたことに、その国民の勤勉性に、統治者としての喜び、そして働く人々に対して慈しみを感じたのだよ」とも言われました。私は、この先生は真面目な先生だなと思いました。国民が幸せに生き生きと生きること、それが統治者としての喜びであり、また、そのような国づくりをすることが、統治者としての責任なんだというふうに、当時の私は感じました。 そこで、このような思いを込め、今、政治の世界での不祥事が多発し、一方では、自殺や失業者が増大しているという状況の中で、知事に政治姿勢ということで2点、お伺いします。 まず、国家財政についてであります。 コロナ禍における2020年度の国家予算は、結果的に累計112兆円にも及ぶ新規国債発行ということになりました。この数字は、これまで日本の国家財政予算が100兆円前後でしたので、この112兆円という新規国債発行分だけで一国の予算に匹敵すると言っても過言ではありません。 このような状況は、これまで財政規律云々、財政破綻云々、プライマリーバランスがどうのこうのと言われてきただけに、異常な状況とも見られるわけですが、知事はこの状況をどう見ておられるか、伺います。 この質問の背景をもう少し付け加えるなら、特にMMTの理論、昨日も自民党の右松議員も克明に質問されましたし、また、このMMTの理論については、昨年の9月議会で我が会派の渡辺議員が質問し、知事の一定の見解が示されておりますので、そのことは問いませんが、私は、現状の112兆円もの新規国債発行という国家予算の危うさは、MMTの理論の「ある一定の考え」で解決できるのではとも思っています。 「ある一定の考え」とは、まず、現在の日本経済はデフレ状態であるというしっかりした認識を持つこと。ということは、だから一貫性を持ったデフレ対策を打ち出すこと。インフレになれば、その逆のインフレ対策を打てばよいというわけです。MMTの推進論者の方は、今の日本はデフレ状態なので、景気をさらに冷え込ませる派遣労働者制や、TPPを含む過度な自由貿易政策はもってのほかというような、私の考えと同じようなことを訴えておられます。我田引水かもしれませんけれども。さらに、ビルトインスタビライザー機能を含む超過累進課税の強化も訴えておられます。 だから、インフレになれば、ビルトインスタビライザー機能がインフレを自動的に抑制する方向で働き、後は金融財政政策で景気過熱を抑え込む政策を打てばよいわけで、MMTは何のことはない、ケインズ理論の延長線上にあるものと思います。 余談ですが、ケインズは第1次世界大戦後、「敗戦国のドイツに過大な戦後賠償を求めれば、戦後復興もままならず、一方、ドイツ国民のルサンチマンたる国民の恨み、怨念、復讐心が生じるので、決して多額の賠償金を求めてはならない」と主張しましたが、結果として、その主張は通りませんでした。しかし、その後のドイツナチズムの台頭を考えると、まさにケインズは、経済学のみならず、社会学的な歴史に対する炯眼を持っていた人だと思います。 次の質問に移ります。 コロナ禍を体験して、今日の支配的な政治・経済思想である新自由主義をどう見るかということであります。新自由主義の歴史については、冒頭で簡単に述べましたので、繰り返しませんが、歴史といえば、こんな話があります。NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」の放送はもう終わってしまいました。安土桃山時代の歴史の授業中に、男の子がうとうと居眠りをしてしまったそうです。先生は頭にきて、つかつかとその男子生徒の元に寄っていき、いきなり指をさして「本能寺を焼いたのは誰だ」と言ったところ、生徒ははっと我に返るも状況が分からず、再度先生は指をさして「本能寺を焼いたのは誰だ」と聞くと、生徒は「そっ、それは僕じゃありません」と言って、泣きながらクラスを飛び出していったそうです。一人取り残された先生は、「君が犯人じゃないということぐらい歴史的に分かっていることだよ」と言ったそうです。 本論に戻って、一時期、公立・公的病院再編成ということで、県内でも7か所の病院の削減が検討されてきたところですが、このようなコロナ禍という危機事象の中で、逆に公立・公的病院の存在の重要性が再認識されたと思うのですが、このことは、医療機関に限らず保健所、消防署なども、日頃からその充実の必要性は、円熟した社会の当然の経費として覚悟しておくべきものと思います。 さらに、新自由主義の中でつくられた派遣労働制、今、日本では、働く人の4割が派遣労働を含む非正規で占められ、危機事象が生ずれば、これらの人が真っ先に失業してしまう。そして自殺も増大する。私は、働くということにリスペクトのない社会は、ルサンチマン(怨念)を生じさせ、人間精神にも悪影響をもたらし、精神文化の面でも多くの綻びをもたらすのではないかと思います。 新自由主義的な考え方と言っていいのか分かりませんが、在庫を限りなくゼロに近づけるという考え方、いわゆるジャストインタイムと呼ばれる無駄のない在庫管理の手法がありますが、この手法は、医薬品や医療品など、人間の命に関わる備品の戦略的備蓄にはなじまない考えだと思います。例えて言うなら、新自由主義の考え方は、相撲でいうところの「徳俵」のない考え方だと思います。 柔らかな資本主義、牙をむかない資本主義として発展するためにも、ヨーロッパ、特に北欧が発祥の民主社会主義的な要素も参考にすべきではないかと思います。 新自由主義についてどう見るか、知事にお尋ねいたします。 以下の質問は、質問者席にて行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 まず、コロナ禍における国家財政についてであります。 今回のコロナ禍のように、国家的な危機事象が発生している場面での大規模な財政出動は、国民の命と暮らしを守る上で、やむを得ない措置であり、本県におきましても、国の補正予算を活用することで、必要なコロナ対策を進めることができたところであります。 結果として、新規国債発行額が大幅に増加したことにより、国の財政運営を心配する声も強まっております。MMT理論の立場からの御意見も含め、今後、各方面で議論がなされるものと考えております。 県としましては、コロナの影響に伴う税収減が見込まれる中、国の財政収支の悪化が地方財政にも大きな影響を与えるのではないかと懸念をしております。国における議論の行方を注視するとともに、地方への必要な財政上の配慮について、引き続き強く求めてまいります。 次に、新自由主義についてであります。 新自由主義は、自由競争を重んじ、効率的な行政運営を図る考え方であります。政府による積極的な経済への介入や伝統的な共同体を重視し、弱者を市場競争から守る政策などとは異なった立場にあるものと理解をしております。 そのもたらした影響につきましては、多様な新しいサービスやイノベーションの創出が進んだ一方で、格差の拡大や非正規雇用の増加が見られるなど、様々な評価があるところであります。経済が成熟期に入る中で、新しい形で活路を切り開いたという役割があったものと考えております。 今回のコロナ危機によって、東京への一極集中をはじめとする効率主義や過度のグローバル経済に対する課題等が顕在化したところでありますが、これからのコロナと共に生きていく社会では、効率一辺倒に陥ることなく、改めて地方の魅力や人と人とのつながりの大切さが注目されるようになるものと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(太田清海議員) ありがとうございました。後半のところが、効率一辺倒ではどうもというニュアンスの答弁をいただきました。これは昨日も、佐藤雅洋議員の、コロナを通して、何か経済合理性追求だけではいけないんじゃないかというようなニュアンスもお聞きしましたし、また右松議員も、MMTの理論を展開されまして、これまでとちょっと違ったスタンスで発表されたように思いました。その辺は、価値観の揺らぎといいますか、それをお互いに感じながら一致点を見つけていく。コロナという事象が、私たち人類が生きていく上で何かをもたらしているんだろうなと思いました。 私が特に訴えてきたのは、派遣労働制というのは、派遣労働者が悪いということじゃない、派遣労働制が悪いんだ。しかも、この派遣労働制が初めて導入されたのは1986年、このときにはソフトウエアとか、そういった専門業種でないといけないということだったのに、製造業まで派遣することができるというふうになったのが2004年です。あれ以来、水は低きに流れるという意味では、やっぱり安いほうを雇ったほうがいいということになった。絶対そうなってくると思うんですよ。私は、製造業、本当にみんなが汗水たらして働いている、そういうところに派遣労働制なるものは導入してはならぬと思います。そのことを、ぜひ経団連とか経営者側も、日本人の精神文化を考えた場合に、こういうのはいかんよねということで、議論をしていただきたいなと思います。 もう一つは、経済学者でノーベル平和賞を2006年にもらった、ムハマド・ユヌスというバングラデシュの経済学者がいますが、この前NHKで放送があっていました。この人が言っているのは、「今のコロナを見て、経済というのは共存共栄でないといけない」。しかも、こんなことも言っていたんですよ。「ワクチンは特許権になじまない」。言われてみると、そうかな、人類が生き残ろうとするのに金を出してまでやらせようとするのか。その辺は、本当に人類が生きるということに対する投げかけだろうと思います。そんなことを感じました。 時間の関係で、次に移らせていただきます。 次に、テレワークと労基法の関係についてであります。 テレワーク―私もそういう時代になってきたなと思いますが、労働基準法との関係が曖昧になっては、またこれはいけないと思います。 商工観光労働部長にお伺いします。企業がテレワークを導入する場合の労務管理上の留意点について、どのように整理されているのか、お伺いしたいと思います。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 在宅勤務やモバイルワークなど、ICTを利用した多様な働き方が広まる中、厚生労働省では、「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」を策定し、企業がテレワークを導入、実施するに当たっての留意点を明らかにしております。 このガイドラインには、テレワークを行う場合においても、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法令が適用され、例えば、就業の場所や始業・終業の時刻を、使用者が労働者に対して書面で明示しなければならないことや、テレワークを行う労働者も労災保険給付の対象となることなどが明記されているところであります。 県としましても、企業向け講演会でのガイドラインの説明やパンフレット配布などを行っておりまして、今後とも引き続き、理解促進に努めてまいります。 ◆(太田清海議員) 分かりました。私は、労働基準法自体も多少改正せねばならんのかなと思っておりましたが、私に示されたガイドラインというものの中で、私も読んでみましたけれども、きちっと捉えられていると思います。ただ、今の世の中で、シフト労働者、レストランなんかで働いている人は雇用調整助成金がもらえないとか、そんな問題が起こっております。いろんな雇用の形態が出てきた関係で、労働基準法との関係が曖昧になってはいけないなと思います。ぜひこのガイドラインをきちっと守っていただきたいと思います。 次に、選挙管理委員長にお伺いいたします。 親子連れ投票についてでありますが、親子連れ投票というのは、私はこれまであまり気にも留めていなかったものですから、こういうのがあるということで、お尋ねしたいと思います。 親子連れ投票の対象が拡大された経緯と、県の考え方をお伺いしたいと思います。 ◎選挙管理委員長(茂雄二君) 投票所に同伴できる子供は、以前は幼児に限られておりましたが、平成28年の選挙権年齢の引下げに伴い、18歳未満の子供まで入場できることとなりました。 親が投票する姿を子供に見せることが啓発につながるとともに、子供が将来有権者となったときに、投票に行きやすくなること等を期待して、法改正がなされたものであります。 国の調査では、子供の頃に投票所に行ったことのある人は、その経験のない人に比べて、選挙で投票した割合が20ポイントほど高くなるなどの効果が確認されておりまして、県でも選挙の際に周知を行っているところであります。 最近の選挙では、親世代の投票率も低下が見られるところですので、子供の社会参加の一つとしても、ぜひ家族で投票に行き、一票を投じていただきたいと思います。 ◆(太田清海議員) 分かりました。実は私の理解としては、幼児などやむを得ない場合しか認められないと思っていたものですから、連れて来てはいけないというようなイメージだったんです。ところが、今説明があったように、18歳までということであります。私も18歳の高校時代に、学生服を着て遠隔地保険をもらうために社会保険事務所に行ったことがあるんですが、やっぱりみんなが見ているものですから、怖かったんですよね。そうしたら、今でも覚えていますが、甲斐さんというおじいちゃんみたいな職員の方が私に、高校生であるにもかかわらず、人間として親切に対応してくださいました。おどおどしていた私にそんな対応をしてくれた関係で、名前まで覚えてしまったんですけど。県庁の中でも、県庁の本館はほとんどドアがありますよね。あのドアをガチャっと開けて中に入るというのは、県民は怖いんですよ、本当に。そういうものなんですよ。だから、投票所に行くときにも、行くと、調査員とか地区の大物の人たちが座って不正を監視しているという、衆人環視の中に若者が行くというのは、ちょっと嫌かもしれません。だから、ああこの制度はいいなと思ったのは、私も孫を連れていって、みんなから見られることの怖さをなくしていく、それは本当に大事だなと思いました。こういう体験を子供にさせたいなと思っております。 次の質問に行きます。 県北地区に重症心身障がい児(者)の施設をつくってほしいということで、今まで県北からもいろいろ要望を出してきましたが、これは本当にありがたいと思っております。医療型短期入所事業、これは大変医師不足の中で難しいのではないかと今まで聞いておったものですから、いとも簡単に今回さっと発表されてできたものですから、その経緯を伺いたいと思いまして。 延岡共立病院が県北地域で初めての医療型短期入所事業所を開設するに至った経緯等を伺いたいと思います。これは福祉保健部長です。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 医療型短期入所事業所につきましては、御家族に休息などを取っていただくため、医療機関において医療的ケア児を預かる事業でありまして、保護者など多くの皆様から開設を求める声をいただいておりました。 こうしたことから、県では、開設いただける医療機関の掘り起こしを行ってまいりましたが、延岡共立病院には、高い関心を持っていただき、実際に医療的ケア児が通う施設を視察したり、家族の御苦労を伺っていただいたほか、関係者のサポートもいただきながら、3年間にわたり事業所開設に向けた取組を進めてきたところです。 今回、コロナ禍の中、御家族の思いに御理解をいただき、開設を決断された延岡共立病院の皆様に感謝申し上げ、敬意を表したいと思います。 ◆(太田清海議員) 本当にありがたいと思います。思い出すのは、平成28年の9月定例会で、日向の日高博之議員が、日向選出なのに、延岡に県立体育館を造ってほしいというような趣旨の質問をしたものですから、心の広い人だなと思って、逆に当時、日向からもこの医療型短期入所事業所をやってくれと上がっていましたので、私もその応援の質問をお返しにした記憶がありました。それほど県北のお父さん、お母さん方が苦しんでおられる、そのことの解決のために、県北の議員の皆さんが一緒になってやってきたなと思いました。ぜひこの制度を発展させていただきたいと思います。ありがとうございました。 次に、県土整備部長にお尋ねします。 一ツ葉有料道路の利用状況についてでありますが、早く無料化してほしいという願いを込めて、一ツ葉有料道路の利用状況についてお伺いしたいと思います。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 一ツ葉有料道路の利用状況につきましては、有料継続いたしました昨年の3月から今年1月末までの11か月間では、北線及び南線の合計で、交通量は約595万台となっており、前年度の同時期と比較しますと、交通量が約93%、料金収入は、料金値下げの影響もありまして、約71%となっております。 交通量が減少している要因としましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴います経済活動の停滞などによるものと考えており、全国の高速道路も同様の傾向にあります。 新型コロナの影響が長期化する懸念もありますことから、引き続き、利用状況を注視してまいります。 ◆(太田清海議員) 分かりました。大分に高速で行く場合は、延岡から見れば無料なんです。恐らく、九州中央自動車道も無料だと思います。県北から南へ下がるときに有料になるものですから、そう考えると、延岡、県北の人口とか消費が、大分方面、熊本方面に取られるんじゃないかというような不安もあるので、ぜひ一ツ葉有料道路の無料化に向けて頑張っていただきたいと思います。 次の質問に移りますが、福祉保健部長に再度、介護福祉士等養成・確保特別対策事業についてであります。これは返済免除の貸付であるとだけ私は聞いておったものですから、内容についてお伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) この事業は、新型コロナの影響により、介護人材不足が一層懸念されますことから、若者等の介護分野への参入促進や人材確保を図るため、新たに2つの返済免除付貸付事業を実施するものであります。 福祉系高校修学資金貸付事業は、福祉系高校の学生に、介護実習費など、3年間で最大44万円を貸し付けるものでありまして、卒業後に県内で3年間、介護分野の仕事に従事した場合には、返済が免除されます。 また、介護分野就職支援金貸付事業は、他業種で働いていた方などが介護分野における介護職に参入する場合に要する費用として、20万円を上限に貸し付けるものでありまして、県内で2年間、継続して従事した場合には、返済が免除されます。 実施主体は県社会福祉協議会となり、県は事務費等を含めて補助することとしております。 今後、教育委員会等と連携するとともに、移住施策等とも組み合わせながら、制度の周知・活用に努めてまいります。 ◆(太田清海議員) 分かりました。3年間とか2年間、地元で働けば、返済は免除されるというようなイメージだと思いました。これは本当に、人口減少対策にもなるし、県内での就職率の向上にもなるし、離職率にもいい影響を与えると思います。ぜひ充実させてほしいと思います。 ただ、私どもが介護労働者や介護士の方といろいろ話をすることがありますが、例えばこんな話があります。ある福祉施設で働いていたら、そこの理事長さんの息子さんと一緒にガラス拭きをすることになった。理事長さんの息子が、「今度俺、車買うっちゃけどよ」と言ったその車が、物すごく高級な自動車だったものですから、もう何かやる気を失ったと。自分がね、手取り15万円ぐらいで、自分よりか年下の人にね。そんな問題もあったりするんです。やる気という問題。だから、介護労働者に対する賃金をできるだけ上げていく、こういう制度をつくるというのは大事なことだと思います。そういったデリケートな問題もあるということで、よろしくお願いいたします。 次に、また福祉保健部長に、LGBTの問題についてお尋ねいたします。 私は平成26年6月に、私の娘のことに関して発表したことがありますが、その後、延岡地区において「LGBTのべおか親子の会」というのをつくりまして、月1回、そういう対象のお子さんとか、もしくは親御さんに来てもらって、意見交換をしています。中には、エックスジェンダーと、そういう人もいるのかと思いました。自分が男であるのか女であるのか分からない。少女時代、少年時代から自分が何者かが分からない。何で人は自分をいじめるのだろう、そんなことも分からない。そういう20歳過ぎの方にお会いしました。私は、「ようあんた生きてきたね。あんたも自分のことを表現する場があれば、ぜひ頑張ってみらんね。あんたのことが分かったら、みんなももっと優しくなるはずじゃが」とか、そんな話もしたりするんですが、その中で一つ、ホルモン療法で悩んでおられる方もいました。 ということで、性同一性障害のホルモン療法の現状についてお伺いしたいと思います。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 性同一性障害の治療につきましては、日本精神神経学会が定めた「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」によりますと、十分な知識と経験等を持った精神科医、形成外科医、泌尿器科医、産婦人科医などにより構成された医療チームによって治療を行うものとされております。 ホルモン療法につきましては、その医療チームから依頼を受けた、内分泌学、泌尿器科学、産婦人科学等の専門医によって行われるべきとされておりますが、全国的に専門的な治療に携わる医師等や医療機関が少ないと聞いております。 平成30年4月に、性同一性障害に係る手術の一部が保険診療として認められましたが、ホルモン療法につきましては、保険診療とはなっておりません。 ◆(太田清海議員) 分かりました。これはまだ過渡的な状況かなと思いましたが、男性に変わった人は泌尿器科で診察するのかな、女性に変わった人は産婦人科かなというところが、ホルモン療法の場合、最後のところはちょっと分かりませんでした。担当課の方にいろいろ調べていただいて、それを基に延岡でも動いてみたら、ある病院ができるかもしれないということで、もしそれができれば本当に助かるんです。というのは、ホルモン療法を月に1回、注射なりしなければならない人というのは、遠いところに行ってやらないかんから、仕事を休まないかん。ということは、もう定職にはなかなか就けない人たちなんですよ。そして、それを避けるために錠剤を取り寄せる。「錠剤はどこから取り寄せるのか」と言ったら、「私は台湾です」とか言う人もいました。そういう錠剤というのは、私も医学的には分かりませんが、腎臓とか、体にとってちょっと負担があったり、そういうのがあって、ホルモン療法ができるのが一番いいわけですね―いいんだろうと思います。こういう動きを関係者の方に言ったら、本当に喜んでおりました。それができるといいね、身近なところで療法ができるといいがねということでありますので、こういう課題もまだ残っているということについて、御理解をお願いしておきたいと思います。あとは私たちのほうでも頑張っていきたいと思っています。 次に、総合政策部長に県立体育館についてお伺いしたいと思います。 県立体育館については、延岡で整備していただくということで、本当に感謝申し上げますが、市民としては、これまで市民体育館があっただけに、これまでのように使えるのかなということで、新たに整備する県立体育館、延岡市民がこれまでのような利用ができるのか、配慮できないものかということで、お伺いしたいと思います。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 現在、延岡市民体育館の敷地におきまして、延岡市と共同で整備を進めております新体育館は、大規模大会の開催や競技力向上など、本来の県体育館の役割に加え、廃止する市民体育館の機能を併せ持つ施設となります。 そのため新体育館は、設計段階から地元の御意見等も伺いながら検討を進めてきておりまして、建設期間中の現体育館の継続利用にも配慮することとしております。 供用開始後の具体的な管理・運営方法等につきましては、これから本格的な検討や協議を進めていくこととしておりますが、新体育館がスポーツランドみやざきの拠点施設としての役割を発揮するとともに、地元にも幅広く利用される施設となりますよう努めてまいりたいと考えております。 ◆(太田清海議員) ありがとうございました。地元にも利用されるようなという配慮、ありがとうございました。 次に、教育長にお伺いしたいと思います。 延岡わかあゆ支援学校跡地については、延岡市がいただいて、延岡市子育て支援総合拠点施設「えんキッズ」というのをつくっておりまして、2月8日がプレオープン、7月下旬がグランドオープンと聞いております。ただ、その後、利用者の交通の便、アクセスの関係で一部の土地を改良したいということで、譲渡を願い出ているようですが、どのように対応しているのか伺いたいと思います。 ◎教育長(日隈俊郎君) 延岡市から、延岡わかあゆ支援学校跡地につきまして、一部譲渡の要望がありましたので、県教育委員会といたしましては、現状による譲渡は可能である旨、お伝えしたところであります。 今後、延岡市から正式に申請等があれば、適切に対応したいと考えております。 ◆(太田清海議員) 正式に申請があれば適切に対応したいということであります。ありがとうございました。 それでは、最後の質問になりますが、教育長に、県立高校等での定員内の不合格問題についてであります。 定数割れをしたところであれば全員が合格するのかなと思いましたが、不合格者もいらっしゃるようです。今回、全日制は0.82倍ということですが、県立高等学校入学者選抜における定数内不合格の現状について、お伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 定員内不合格者について、過去3年間の状況を申し上げますと、合計数になりますが、令和2年度入試では、全日制課程36名、定時制課程12名、平成31年度入試では、全日制課程30名、定時制課程7名、平成30年度入試では、全日制課程38名、定時制課程16名となっております。 ◆(太田清海議員) 分かりました。例えば、私立学校に行かれる方もおるかもしれないが、こういう人の中で、学びの場から外れた子供の将来を考えると、例えば、こうなると固定的に考えちゃいけませんが、うつ病になったりとか自殺したりとか、犯罪にいってしまうとかいうこともあるかもしれません。ぜひ、こういう子供たちの行く末というか、そんなことも中学校側、高校側もやっぱり関心を持っておくべきではないかなと思います。聞くところによると、学校の退職者でつくる「悠遊」という学習支援NPO法人があるそうです。通信教育の手助けをされている方たちだと聞いておりますけど、こういった方々、様々な人の力を借りて、今後、関係団体と協議していただくといいかなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それから、冒頭、私は歴史のことを話しましたけど、私の父は柔道家でありましたので、「絶対ひきょうなことはするなよ」と教えられてきました。その後、「武士道」という新渡戸稲造の本がありますが、これを読んで、「ああ、日本は何と美しい精神を持っているのかな」と思ってきました。私が歴史で「うん」と思ったのは、中学校2年の日本の歴史で―2回目ですかね、小学校でもちょっと習いますけど―「21カ条の要求」というのがあります。これは1915年、いわゆる第1次世界大戦中に中華民国に対して日本が要求したものであります。私はそれを学んだときに、「何でこんな要求をするんだろうな。日本には武士道があるのに」というような疑問を持ったことがありました。 2018年の8月15日にNHKスペシャルで、ノモンハン事件を取り上げた「責任なき戦い」という放送を見ました。ノモンハン事件というのは、関東軍とソビエト軍が国境を争った戦いでありますが、1939年、太平洋戦争に入る2年前です。このときのテープがアメリカから発見されたり、画像もあったり、肉声までありました。簡単に言いますけれども、このノモンハン事件をどのように責任を取るのか、私はあのとききちっと責任を取っておれば、本当に日本の将来も変わっていたんじゃないかなとも思いました。東京の参謀、陸軍中央、現地関東軍、そして現地で戦った3つの組織の中で、責任がきちっと取れていない。これを思うと、一人の人を紹介しますが、北部方面を守っていた中佐の井置部隊、3分の1まで減ってしまった自分の部隊の命を、最後守らないといかんということで撤退をしたわけですが、その撤退したことに対する現地での責任を問われて、結局これは、鈴木参謀という人が一週間ばかり説得して、短銃を置いて、自決させるんです。パーンという音が聞こえてくる。奥さんに対する報告は、戦死ではなく死亡したと書いてあるんです。だから奥さんは、私の旦那の最期はどんなだったんですかと、戦後、いろんな関係した幹部に文書で回答を求めたけれども、手紙で帰ってきた言葉は、「全く記憶しあらず」という言葉、文字でした。そんなのが全部肉声でも出ています。 私は、責任を取るということ、これをぜひ今の日本でもしていかなきゃならんのじゃないかなと思います。何か似ている。やっぱり近畿財務局の赤木さんが自殺されて、奥さんが今一生懸命頑張っておられます。そのことを何か関連して感じたところであります。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(徳重忠夫) 以上で本日の質問は終わりました。 明日の本会議は、午前10時から、一般質問、人事案件の採決及び議案・請願の委員会付託であります。 本日はこれで散会いたします。   午後2時38分散会...