宮崎県議会 > 2021-02-25 >
02月25日-02号

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  1. 宮崎県議会 2021-02-25
    02月25日-02号


    取得元: 宮崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-20
    令和3年 2月定例会  令和3年2月25日(木曜日)                 午前10時0分開議 ───────────────────  出 席 議 員(37名)    1番  有 岡 浩 一  (郷中の会)    2番  坂 本 康 郎  (公明党宮崎県議団)    3番  来 住 一 人  (日本共産党宮崎県議会議員団)    5番  武 田 浩 一  (宮崎県議会自由民主党)    6番  山 下   寿  (  同  )    7番  窪 薗 辰 也  (  同  )    8番  脇 谷 のりこ  (  同  )    9番  佐 藤 雅 洋  (  同  )   10番  安 田 厚 生  (  同  )   11番  内 田 理 佐  (  同  )   12番  日 髙 利 夫  (  同  )   13番  丸 山 裕次郎  (  同  )   14番  図 師 博 規  (無所属の会 チームひむか)   15番  重 松 幸次郎  (公明党宮崎県議団)   16番  前屋敷 恵 美  (日本共産党宮崎県議会議員団)   17番  渡 辺   創  (県民連合宮崎)   18番  岩 切 達 哉  (  同  )   19番  中 野 一 則  (宮崎県議会自由民主党)   20番  横 田 照 夫  (  同  )   21番  外 山   衛  (  同  )   22番  西 村   賢  (  同  )   23番  山 下 博 三  (  同  )   24番  右 松 隆 央  (  同  )   25番  野 﨑 幸 士  (  同  )   26番  日 髙 陽 一  (  同  )   27番  井 上 紀代子  (県民の声)   28番  河 野 哲 也  (公明党宮崎県議団)   29番  田 口 雄 二  (県民連合宮崎)   30番  満 行 潤 一  (  同  )   31番  太 田 清 海  (  同  )   33番  日 高 博 之  (宮崎県議会自由民主党)   34番  濵 砂   守  (  同  )   35番  二 見 康 之  (  同  )   36番  星 原   透  (  同  )   37番  蓬 原 正 三  (  同  )   38番  井 本 英 雄  (  同  )   39番  徳 重 忠 夫  (  同  )  欠 席 議 員(1名)   32番  坂 口 博 美  (宮崎県議会自由民主党)       ─────────────────── 地方自治法第121条による出席  知     事 河 野 俊 嗣  副  知  事   郡 司 行 敏  副  知  事   永 山 寛 理  総合政策 部長   渡 邊 浩 司  総 務 部 長   吉 村 久 人  危機管理統括監   藪 田   亨  福祉保健 部長   渡 辺 善 敬  環境森林 部長   佐 野 詔 藏  商工観光労働部長  松 浦 直 康  農政水産 部長   大久津   浩  県土整備 部長   明 利 浩 久  会 計 管理   大 西 祐 二  企 業 局 長   井 手 義 哉  病 院 局 長   桑 山 秀 彦  財 政 課 長   石 田   渉  教  育  長   日 隈 俊 郎  警 察 本部長   阿 部 文 彦  代表監査 委員   緒 方 文 彦  人事委員会事務局長 小 田 光 男 ─────────────────── 事務局職員出席  事 務 局 長   亀 澤 保 彦  事務局 次 長   内 野 浩一朗  議 事 課 長   児 玉 洋 一  政策調査 課長   日 吉 誠 一  議事課長 補佐   鬼 川 真 治  議事担当 主幹   関 谷 幸 二  議事課 主 査   川 野 有里子  議事課 主 査   井 尻 隆 太──────────────────── △代表質問 ○議長(丸山裕次郎) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は代表質問であります。 ただいまから代表質問に入ります。 質問についての取扱いは、お手元に配付の代表質問時間割のとおり取り運びます。〔巻末参照〕 質問の通告がありますので、順次発言を許します。まず、宮崎県議会自由民主党、濵砂守議員。 ◆(濵砂 守議員) 〔登壇〕(拍手) おはようございます。宮崎県議会自由民主党の濵砂守です。 質問に入ります前に、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方々に対しまして御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に心からのお悔やみを申し上げます。 また、医療従事をはじめ、危険にさらされながらコロナウイルスに最前線で対処する関係の皆様に対しても、感謝を申し上げたいと存じます。 今回の自由民主党代表質問には、私と日高博之議員の2名が登壇させていただきますが、質問につきましては、それぞれ重複を避けるため、部局を分担して質問をしてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。 なお、胸につけましたシトラスリボンは、我が同志であります内田議員の手作りでございます。今日は、条例の制定に向けての質問もいたしますので、よろしくお願いいたします。 それでは、早速、質問に入ります。 まず、令和3年度当初予算についてであります。 日本の2019年末総資産は1京1,375兆円。正味資産は―国富でありますが―3,689兆円であります。正味資産5部門の内訳は、個人資産が2,692兆円と最も多く、全体の73%を占めております。次いで、企業資産が605兆円、金融機関資産が184兆円、非営利団体資産が109兆円、国と地方を合わせた政府資産が99兆円であります。また、日本銀行は、2019年12月末の家計の金融資産残高は1,903兆円で、過去最高に達したと発表いたしております。 一方で、抱える借金でありますが、財務省の発表では、新型コロナウイルス対策や税収減により、1年間で112兆円超の新規国債発行が膨らみ、国の借金は、20年12月末時点で1,212兆4,680億円となり、過去最高を更新しました。21年3月末では、国民1人当たりの借金は1,000万円を突破することになります。 一部の学者からは、自国通貨で国債を発行できる国は財政破綻はしないとの提唱もあります。政府が発行する国債は、購入した国民から見れば資産であり、円建てで国債を発行している限り財政破綻は起こらないという理由であります。本当に危機は来ないのか、年間支出の6割を借金に依存する国家は持続可能なのか、超経済大国日本の財政は本当に大丈夫なのか、一抹の不安が残ります。 時事通信の集計によると、47都道府県の2021年度一般会計当初予算案では、41都道府県で前年を上回る規模の予算を編成しており、財政運営は厳しさを増しているようです。 新型コロナウイルス対策経費が膨らみ歳出が拡大するため、地方債の発行を増やしたり、基金を取り崩したりして財源不足を補い、予算総額は、19府県が過去最大になっております。 歳入は、地方税が全都道府県でマイナスになり、企業業績の悪化で法人関係税が落ち込み、地方債のうち、赤字地方債に当たる臨時財政対策債の発行は、東京を除く46道府県で増えております。 今議会の提案理由説明で、知事は全国知事会「地方税財政常任委員会」の委員長として、国に対して精力的に要望活動を行ってきた結果、地方一般財源総額の確保や、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策、コロナ対策として地方創生臨時交付金の積増しなどにつながったと述べられております。 また、本県の諸問題に的確に対応し、ポストコロナの地域社会を見据え、本県の持続可能な成長につながる取組について、積極的な展開を図るとの基本的な考え方が示されております。 今年で知事就任10年目の節目を迎え、これまで積み重ねた実績を踏まえて、6,200億円余の令和3年度当初予算を編成されたものと思いますが、本予算の概要・特徴について、知事にお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 間もなく、本県で初めて新型コロナウイルス感染症の患者が確認された3月4日を迎えます。この1年、日本のみならず世界中が、新型コロナウイルス感染症の対応に忙殺され、これまでの歴史上、類を見ない1年であったと思います。本県でも、昨年3月から4月の第1波、7月から9月にかけての第2波を経て、感染対策や医療提供体制の強化など様々な対策が講じられてきました。 そのような中、日本全国を襲った第3波は、これまでの対策を大きく超えるものでありました。県内で昨日までに確認された感染は1,945名であり、月別では、11月は145名、12月は270名、1月は1,050名と、11月以降で1,500名以上の方が感染されたことになります。また、亡くなられた方は21名となり、改めて御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げたいと存じます。 さて、県内の第3波は、11月下旬から宮崎・東諸県圏域を中心に徐々に感染が広がり、その後もクラスターの発生などもあり、感染が拡大していきました。人の往来が多くなる年末年始にかけては、都城市においても感染が急拡大し、30名以上の新規感染の確認が続くなど感染の拡大は止まらず、1月5日には、県下全域にレベル3となる感染拡大緊急警報を発令されました。さらに1月6日には、1日当たりとしては過去最大となる105人と、一気に大台を超え、また1月9日には、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染数42.2人という数値には、私自身も大変な衝撃を受けたところであります。 さて、県では独自の緊急事態宣言を1月7日に発令し、外出の自粛や県外との往来の自粛、営業時間の短縮等を行った結果、徐々に感染は収まってきております。そこで、新型コロナ第3波に対するこれまでの対応と今後の対策について、知事にお尋ねいたします。 次に、人権条例の制定であります。 新型コロナウイルス感染などに対する差別や誹謗中傷が社会問題となる中、昨日は、県や県議会をはじめ、県内の行政、議会、医療、福祉、経済、教育など関係30数団体が共同で「STOP!コロナ差別」の宣言を行い、コロナ差別撲滅の決意を示したところであります。 大変すばらしい取組でありますが、人権問題には、こうした新型コロナのみならず、同和問題や障がいのある方々、性的マイノリティーの方々に対する差別など、様々な問題が存在しております。 コロナ禍で人権問題がクローズアップされている、今のこうした機会を捉えて、県民一人一人がお互いの人権を尊重し合い、差別や偏見のない社会づくりを進めていく必要があるのではないかと考えております。 いわゆる人権条例は、全国で13都府県、うち九州では佐賀県と大分県の2県で制定されていると伺っております。こうした人権尊重の社会づくりを推進するため、本県でも条例の制定が必要であると考えますが、知事のお考えを伺いたいと存じます。 次に、地方創生に対する知事の思いについて伺います。 地方創生は、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけるため、平成26年第2次安倍内閣において打ち出された政策であり、全国で様々な取組が進められてきました。 県内だけでなく全国の自治体が、人口減少に歯止めをかけることに苦慮してきましたが、今回の新型コロナを契機として、これまでの東京一極集中から地方分散へと流れが変わりつつあります。 国においても、昨年12月に第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改定が行われ、国民の意識や行動の変化など、新型コロナの影響を踏まえた、新しい地方創生の実現に向けた今後の政策の方向性が示されました。 このような中で、今後、地方創生の取組を進めるに当たっては、本県の魅力を生かして、いかに存在感を示していくかが重要であります。 本県は、農林水産業や温暖な気候など、全国に誇れる魅力を多数有しております。地方創生を進める上で、これらの魅力をいかに活用していくかがポイントではないかと思います。 そこで、本県における地方創生の取組の成果と地方創生に対する今後の思いについて、知事に伺います。 次に、人口減少対策であります。 地方創生の柱である人口減少対策については、県総合計画において、総人口や合計特殊出生率などの目標値が設定されております。昨年の政策評価では、総人口、合計特殊出生率ともに、目標値には届かなかったようであります。 総人口については、出生数が減少しているほか、進学・就職を契機とした若年層の県外流出が続いており、目標値を下回っておりますが、合計特殊出生率は回復傾向にあり、全国平均が低下した中でも、本県は前年より上昇したと分析されております。 人口減少対策は、国の地方創生の流れもあり、また、本県の最重要課題に位置づけられておることから、高い目標値を掲げる必要性は理解できますが、目標を掲げた以上、その達成に向けて、より一層の取組と努力が求められます。本県の最重要課題である人口減少対策について、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。 以上で壇上からの質問を終わり、残りは質問席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 おはようございます。お答えします。 まず、当初予算案についてであります。 令和3年度の予算編成に当たりましては、第1に、感染症に強い社会づくりと災害に強い県土づくりを推進する、県民の「安心」の基盤づくり、第2に、くらしと雇用を守るとともに地域の絆を深め、「みやざき回帰」を促す「つながり」の再構築、第3に、これからの地域社会を見据え、人と自然が共生する社会づくりやデジタル化の推進など、「ポストコロナ」への挑戦、以上の3点を本県の目指すべき姿として掲げ、健全な財政運営に留意しつつ予算案を編成したところであります。 特に、現在、私たちが置かれている社会状況等を踏まえ、まずは、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症と、それに伴う様々な社会不安への対策が不可欠であること、また、近年、激甚化・頻発化する自然災害へ対応するため、県土の強靱化にしっかりと取り組む必要があることから、この2点について、重点的に予算を編成したところでありまして、いわゆる14か月予算として、令和2年度2月補正予算案と一体的に編成し、切れ目なく対策を講じてまいります。 次に、新型コロナの第3波への対応と今後の対策についてであります。 新型コロナの第3波への対応としましては、1つには、重症化リスクのある方に重点化した入院・宿泊療養体制や、高齢施設等における応援職員の派遣体制の整備、2つ目は、市町村や飲食関係団体と連携したガイドラインの遵守、3つ目は、イベントや会食の制限、飲食店の時間短縮、外出自粛等を要請してまいりました。 特に、県外との往来や年末年始の会食等を通した感染が爆発的に拡大するなどしたため、1月7日、県独自の緊急事態宣言を迅速に発令し、県民の皆様や事業の皆様の協力をいただいたことによりまして、全国に比べても感染が急速に鎮静化できたものと考えております。 今後の対策につきましては、これから春休み、また年度の切り替わりで人の動きが活発になる時期を迎えますため、引き続き高い警戒レベルを維持しながら、感染拡大防止の「急所」を押さえた対策を継続してまいります。 また、ワクチン接種につきましては、県において、先般、プロジェクトチームを設置したところであります。県民の皆様が適時適切にワクチン接種できるよう、実施主体である市町村や医療関係機関と連携を図ってまいります。 次に、人権条例についてであります。 新型コロナに感染された方々やその御家族、医療従事、福祉施設従事また、交通事業等に対する差別や誹謗中傷をなくしたいという強い思いから、昨日は、丸山議長にも御参加いただいて、県議会をはじめとする関係団体の皆様と共に、「STOP!コロナ差別」共同宣言を行ったところであります。 御紹介いただきましたシトラスリボン運動は、愛媛発の取組でありまして、感染また、医療従事等への差別を行わないようにしようということで、10年前、口蹄疫のときに、県外で宮崎ナンバーがつらい思いをした経験から、トラック協会を中心に県内でも展開されているところであります。こうした動きも踏まえて、昨日は32の団体により、この共同宣言を行ったところであります。御賛同いただいた皆様に改めてお礼を申し上げます。 人権問題には、同和問題をはじめ、女性や子供、高齢障がいのある方に対する暴力や虐待、さらには外国人、性的マイノリティーの方に対する差別的言動など、様々な問題があります。 今回のコロナ差別の問題により、あらゆる差別や偏見を解消し、一人一人の人権が尊重され、誰もが自分らしく生きていける社会をつくっていくことが、より一層重要になってきていると考えているところであります。 このため、議員御提案のとおり、こうした理念を共有し、基本的施策を明らかにすることは、私も大変意義があると考えておりますので、人権条例の制定について、早急に検討を行ってまいりたいと考えております。 次に、地方創生についてであります。 本格的な人口減少社会を迎える中、本県では、平成27年に総合戦略を策定し、「しごとを興す」「ひとを育てる」「まちを磨く」「資源を呼び込む」という4本の柱で、様々な地方創生の取組を進めてまいりました。 これまでの取組によりまして、フードビジネスなどの成長産業の育成をはじめ、課題でありました高校生の県内就職率の改善も図られてきておりますほか、世界農業遺産への登録やスポーツランドみやざきの推進等によるブランド力の向上、さらには、社会資本の充実を背景とした大型企業の誘致など、全体としては一定の成果が出ているものと感じております。 こうした流れをさらなる成果や県勢の発展につなげていくため、コロナによって生じた地方回帰やデジタル化などの変化にもしっかりと対応しつつ、恵まれた食や自然、子供の産み育てやすさやスポーツ環境といった、本県ならではの価値や魅力を生かし、産業の振興や人材の育成・確保、地域づくりなどにさらに力を入れて取り組んでまいります。 最後に、人口減少対策についてであります。 人口減少に少しでも歯止めをかけるためには、より多くの県民の皆様が、「宮崎で暮らし、働き、そして結婚して子供を産み育てたい」と望めるような環境づくりが重要であります。 このため県では、自然減対策として、引き続き、子育て県民運動の推進に努めるとともに、AIによる結婚サポートシステムの導入や不妊治療の経済的支援など、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てといったそれぞれのライフステージに応じた切れ目ない支援を、さらに強化してまいります。 また、社会減対策としまして、高校生の県内就職率に改善が見られる今の流れを生かした若者の定住対策、さらには、地方回帰の動きを捉えた移住・UIJターンの促進など、市町村や大学、関係団体等と連携を図りながら、積極的に取り組んでまいります。以上であります。〔降壇〕 ◆(濵砂 守議員) それでは、質問席から質問してまいります。 次に、過疎対策について伺います。 県内の過疎地域では、少子高齢化に加え、人手不足による様々な問題が起こっております。また、その対応に大変苦慮しておるところでありますが、過疎地域を支える制度の一つに、過疎対策事業債があります。いわゆる過疎債でありますが、その活用のためには、過疎法において過疎地域に指定される必要があります。 現在、平成の大合併後の過疎地域を含む自治体は、経過措置により過疎地域となりますけれども、昭和の大合併以前の自治体の地域は、過疎状態という現状があっても、過疎地域に指定されることはありません。 私は、合併の有無や時期に関係なく、人口や財政など条件が不利な過疎地域には、その存続のために支援が必要であり、過疎法の対象とすべきだと、これまで度々訴えてまいりました。 現行の過疎法は3月末で期限を迎えますが、残念ながら新しい過疎法でも、この点は変わらないようであります。 過疎新法の制定に向けて、県はどのように取り組んでこられたのか、また、過疎地域の現状とその振興策について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 過疎地域を含む中山間地域は、県土の保全、水源の涵養など、重要な役割を果たすだけではなく、何よりも、そこで暮らす方々にとりましてかけがえのない生活の場であります。 しかしながら、本格的な人口減少時代を迎える中、過疎地域での人手不足や少子高齢化は、他の地域に比べても一層厳しいものがあると認識しております。 このため県では、過疎新法の制定に向け、地域の人口減少の実情が的確に反映されるよう、過疎対策の維持・拡充を国等に対し強く求めてきたところであります。 新しい法案におきましても、指定地域に対して手厚い措置が盛り込まれるようでございますが、それ以外の地域につきましても、実情の把握に努めるとともに、中心集落と周辺集落のネットワーク化により地域の暮らしを守る「宮崎ひなた生活圏づくり」などの取組を通じて、市町村と共に中山間地域の振興を全力で進めてまいる所存でございます。 ◆(濵砂 守議員) ありがとうございました。 実際に消え行く山村、まさにもうなくなる直前に来ておるところですけれども、ぜひ、国の手が届かないところは、やっぱり地方行政、県が何らかの形で手を差し伸べてやれるように、よろしくお願いいたします。 次に、路線バスについて伺います。 路線バスは、県民に身近で、通勤・通学や買物、通院など、日々の生活に欠かせない公共交通機関であります。 しかしながら、人口減少による利用の減少や運転手の不足、赤字路線の拡大など、バス事業は厳しい経営環境に置かれております。 中山間地域を多く抱える本県では、交通手段を持たない、特に高齢をはじめとする交通弱にとって、路線バスは必要不可欠なものであり、将来にわたって安心して地域で暮らしていくためには、地域住民の移動手段を確保していく必要があると考えます。 路線バスの現状と今後の対策について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 路線バスは、地域生活を支える重要な公共交通機関でありますことから、県ではこれまでも、複数市町村間を結ぶ広域的なバス路線に対し、国や市町村と協調して、路線の維持に対する補助金の交付や乗り放題乗車券への支援など、利用促進に取り組んでいるところであります。 このような中、少子化や人口減少などの影響により、利用の減少傾向が続いておりますことから、一部の路線におきましては、減便や路線の縮小による利便性の低下が懸念されるところであります。 このため県では、地域の交通需要に応じた最適な運行形態に対応するため、広域的な路線における車両の小型化や運行のデマンド化を支援し、広域的コミュニティバスを導入する事業を今議会にお願いしているところであります。 今後とも、国や市町村、交通事業等と連携しながら、持続可能な地域公共交通ネットワークの維持・確保に、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) ありがとうございました。 次に、宮崎県東京ビルの再整備に向けた基本計画について伺います。 宮崎県東京ビルは、老朽化による維持管理経費の増加をはじめ、市ヶ谷駅に近いという恵まれた立地環境にありながらも、有効活用が図られていないなどの課題があり、これまで議会においても、数回にわたり東京ビルの在り方について質問がなされております。 東京ビルの再整備に向けた基本計画が取りまとめられたとのことでありますが、その内容についてお伺いいたします。 まず、新しい東京ビルの職員宿舎や学生寮などの機能について。次に、再整備には民間を活用されると伺っておりますが、その具体的な整備手法について。最後に、再整備に向けた今後のスケジュールの3点について、総務部長にお伺いいたします。 ◎総務部長(吉村久人君) 新しい東京ビルの機能につきましては、現在の機能を維持しつつ利便性を向上させることとしておりまして、特に学生寮は、現在、男子に限られ、また、相部屋となっておりますことから、男女ともに入寮できる個室の寮として整備する予定としております。 次に、民間を活用した整備手法につきましては、手続や事業費の面を比較検討した結果、民間の創意工夫がより発揮され、県のコスト削減が最も見込まれる定期借地権方式を採用したいと考えております。 最後に、今後のスケジュールにつきましては、来年度から民間事業の公募・選定に向けた手続を進め、令和6年度の新ビル建築開始、8年度の供用開始を目指しているところであります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、南海トラフ地震対策について伺います。 東北地方から関東地方にかけての太平洋沿岸部を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から、10年が経過しようとしています。 国は、この大災害を踏まえて、歴史上、度々、マグニチュード8クラスの地震が発生している南海トラフ沿いにおいて、科学的に考えられる最大クラスの地震予測、南海トラフ巨大地震の想定を平成24年に発表いたしました。 それを受けて、県では、平成25年に南海トラフ巨大地震の想定を公表しております。平成25年の県の想定では、人的被害である死者数が最大で3万5,000人であったのに対して、令和元年度に行われた更新調査の結果では、死者数が最大で1万5,000人となっております。 死者数が2万人も減少したことは、これまでの取組の成果だと思いますが、あの東日本大震災における死者、行方不明数が合計で約2万人であったことを考えますと、この死者数1万5,000人という数値は、極めて大きく、この数値をいかに減らしていくかは、本県にとって重要な課題であります。 そこで、南海トラフ地震等の大規模地震に対し、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、危機管理統括監にお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 昨年度、実施いたしました被害想定の再調査では、人的被害や建物被害が減少したものの、依然として大きな被害が想定されており、これまでと同様に、ハード、ソフト両面の総合的な減災対策を行っていく必要があると考えております。 このため県では、引き続き、耐震化の促進を図るとともに、発災直後の応急対策を迅速に行うため、防災庁舎を活用し、災害対策本部体制及び関係機関との連携の充実・強化などに取り組みたいと考えております。 また、特に人的被害の原因の約8割を津波が占めますことから、市町村の津波避難経路の整備や要配慮対策への支援を行うとともに、県民の早期避難に関する啓発などの津波対策に、市町村と連携しながら重点的に取り組んでまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、防災庁舎の活用についてお伺いします。 本県では、昨年7月、災害対策の拠点となる防災庁舎が完成し、半年余りが経過したところであります。 防災庁舎は、県庁舎として初めて免震構造を採用し、耐震性・耐浸水性、災害発生時に必要なライフラインが確保されており、南海トラフ地震など大規模災害にも対応できる機能と設備を備えていると聞きます。 また、新たな庁舎には、屋上にヘリポートを備え、3階から7階には、十分な災害応急対策活動スペースが確保されているなど、ハード面の充実が図られておりますが、災害発生時に、この新たな施設、設備をいかに活用していくかが重要であります。 そこで、防災庁舎が本県の災害対策の拠点としての役割を果たせるよう、県はどのように取り組んでいかれるのか、危機管理統括監にお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 防災庁舎が、本県の災害対策の拠点としての役割を十分果たすためには、関係機関が連携して、迅速で的確な災害対応ができる体制を整備していく必要があります。 このため県では、防災庁舎の整備に併せまして、災害関連情報を関係機関で共有するためのシステム等を整備し、情報収集・共有体制も強化したところでございます。 昨年9月の台風第10号では、国や警察、自衛隊などの関係機関が防災庁舎に一堂に会し、新たなシステムを活用して情報を共有することで、これまでより円滑に災害対応ができたと考えております。 今後とも、関係機関と連携して実践的な訓練を実施するなど、訓練や研修等の充実を図り、本県の災害対応力のさらなる向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、消防団の現状について伺います。 地域防災の要として重要な役割を担う消防団は、全国的に団員数が減少するとともに、高齢化が進んでおります。 特にこの2年は、団員が全国で毎年1万人以上減少しており、災害の多発化・激甚化が進み、消防団員一人一人の役割が大変重要なものとなっています。 そのような中、総務省消防庁は、昨年12月末から、消防団員確保のために年額報酬の引上げなど処遇の改善について検討を始めています。 消防庁のホームページによりますと、令和2年4月1日現在で、一般団員の報酬額の全国平均は3万925円となっており、都道府県別の平均報酬額は、最も多い東京都の6万1,549円と、最も低い山梨県の1万3,333円で大きな開きがあります。 そこで、本県の消防団員の条例定数や実員数、報酬など消防団の現状について、危機管理統括監にお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 本県の消防団は、令和2年4月1日現在、条例定数1万5,575名に対しまして、実員数は1万4,163名で、充足率は90.9%となっております。また、平均年齢は、平成31年4月1日現在で39歳であります。 5年前の平成27年4月1日現在では、条例定数1万6,002名に対し、実員数は1万4,829名で、充足率は92.7%、平均年齢は37.7歳であったことから、本県におきましても、消防団員の減少やそれに伴う充足率の低下、高齢化が進んでいる状況にございます。 また、本県におきます一般団員の報酬額は、令和2年4月1日現在で、市町村において、2万7,000円から6万円までと幅がございますけれども、平均で3万7,085円であり、全国平均の3万925円を上回っております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、消防団員の確保についてお伺いいたします。 本県での一般団員の報酬額は全国平均を上回っているとのことでありますが、市町村において報酬額に幅があります。今後とも、国の検討状況を踏まえながら、処遇改善について市町村への助言をお願いしたいと思います。 本県の消防団においても、全国と同様に団員の減少や高齢化が進んでおり、厳しい現状にあります。 実際に消防団員は、1回退団して、また入らなくてはいけないという現状があるんですよ。60歳を過ぎた消防団員が、私のもともとの出身地にはたくさんおります。私と同級生2人も、まだ一生懸命、消防団活動をしておりますので、ぜひその辺も―特に田舎の山の中の消防団とかいうのは、やっぱり地元の人間じゃないと駄目なんです。そういったところを含めて、またいろんな検討をしていただきたいと存じます。 災害発生時に、消防団が応急活動などを的確に行えるよう、県においては、団員の確保に取り組むとともに、消防力の強化のために消防団活動に対する支援を図っていくべきと考えます。 そこで、本県の消防団員の確保のための取組や支援策について、危機管理統括監にお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 県では、消防団員の確保のため、新たに制定しました「みやざき消防団の日」を中心に、広報紙やチラシの配布、テレビCMなどにより、消防団のPRと団員募集に取り組んでおります。 また、「学生消防団活動認証制度」や「消防団協力事業所表示制度」などを導入するとともに、市町村が行う消防団の資機材整備に対して補助をするなど、その支援に努めているところでございます。 さらに、団員確保のためには、その処遇改善が大変重要であることから、国の検討状況も踏まえながら、市町村に対する助言や情報提供を行うとともに、国に対しまして一層の財政措置を要望してまいりたいと考えております。 今後とも、市町村と連携しながら、地域防災の要である消防団員確保と、その強化に取り組んでまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、長距離フェリー航路について伺います。 宮崎と神戸を結ぶ長距離フェリー航路は、本県の農畜産品を安定して消費地に輸送する重要な役割を担っております。また、スポーツ合宿団体や観光客が多数利用しており、本県経済にとって極めて重要な交通基盤であります。 このため、平成30年3月に、県、宮崎市、地元経済界等が連携したオール宮崎体制の下、新会社が設立されました。令和元年12月には、県、宮崎市、地元金融機関等の支援を受け、最大の課題であった新船建造に向け、大きな一歩を踏み出したところであり、来年5月の新船就航に向け、建造作業が進められております。 しかしながら、その一方で、新型コロナウイルスの影響による人の移動自粛等により、旅客・貨物ともに大きく減少しているようであります。 また、昨年9月議会では総合政策部長から、「下り荷確保のための可能性調査等を実施し、会社と連携して貨物の確保に取り組む」「旅客に対する割引支援などにより、しっかりと回復を図っていく」旨の答弁があったところであります。 航路を長期的、安定的に維持していくために、まずはコロナ禍からの回復を図り、また、新船就航を見据え、旅客・貨物の確保に向けた対策を講じていく必要があると考えます。 そこで、宮崎カーフェリー株式会社の運営状況と今後の見通しについて、総合政策部長にお伺いいたします。
    総合政策部長(渡邊浩司君) 昨年4月から先月までの貨物輸送量は、企業の生産活動の低下等により、前年の9割程度で推移しております。 また、旅客輸送量は、4月に前年同月比5%程度にまで減少し、その後、国のGo To トラベル事業等の効果により、一時、3割程度まで回復いたしましたが、昨年末からの、いわゆる第3波の影響により、再度大きく落ち込んでいるところであります。 このような中、フェリー会社におきましては、感染防止対策を徹底しながら、貨物営業の強化や、国や県の事業を活用した旅行商品の造成など、コロナ禍における貨物や旅客の確保に懸命に取り組んでいるところであります。 県といたしましても、収束後の需要回復や新船就航を見据え、新たな物流ルートの確立や、新船の情報発信等を支援するなど、フェリー会社としっかりと連携して、貨物と旅客の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、移住促進について伺います。 昨年の東京への転入超過が、集計を始めた2014年以降で最小になったと報道がありました。コロナ禍によってテレワーク等が普及したことなどが影響していると思われます。また、密を避けたいという気持ちが、自然豊かな田園回帰志向の高まりにつながっており、今こそ宮崎に目を向けてもらうチャンスであるとも思います。 先日、持続可能な地域づくり対策特別委員会で、高千穂町や五ヶ瀬町を視察いたしました。役場の担当からは、町単独でのPRが難しいとか、移住向けに提供できる空き家が少ないなどの声を聞いております。 そこで、コロナ禍以降の、本県への移住に対する関心の高まりや移住促進の取組について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 本県の移住相談窓口におきましても、今年度の相談件数は前年度比で約3割増加しておりまして、10月には、月別で過去最高となります242件となるなど、田園回帰志向の高まりを実感しております。 県では、このような関心の高まりを実際の移住につなげられるよう、今年度、市町村と連携して、オンラインでの移住相談会やセミナーを開催するとともに、移住の受皿となる空き家の活用に係る啓発に取り組んでおります。 さらに、今議会でお願いしております来年度の新規事業では、市町村が実施する移住向けの空き家改修支援の拡充や、本県固有の魅力であるサーフィンや農業とリモートワークとを組み合わせるなどの新しい暮らし方のPRを行うこととしております。 今後とも、田園回帰の流れをしっかりと取り込みながら、移住・UIJターンを強力に進めてまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、ふるさと納税について伺います。 ふるさと納税制度は、認知度が高まるとともに寄附総額が増加し、自治体間の税収格差の是正につながっております。また、地域資源の活用による地域経済の再生、さらには、ふるさと納税を財源とした事業が数多く進められることで、地域活性化に活用が見込まれます。 そこで、本県におけるふるさと納税の現状について、総務部長にお尋ねいたします。 ◎総務部長(吉村久人君) 直近の総務省の公表資料によりますと、令和元年度における本県のふるさと納税の受入額は、県と市町村を合わせて約264億円で、全国では4番目となっておりますが、過去最高だった平成30年度の約286億円からは減少したところであります。 これは、令和元年度に、返礼品の在り方などについて、本来の制度の趣旨に合うよう見直しが行われ、全国的に受入額が減少したことによるものと考えております。 そのような中、都城市や都農町のように、全国的に見ても受入額が多く、創意工夫を凝らした取組を進める自治体もあります。 県としましては、引き続き、当制度を適正に活用し、地域活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、脱炭素社会の実現に向けての取組について伺います。 脱炭素社会については、昨年10月、菅総理大臣が国会における所信表明演説において、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言されました。 地球温暖化対策の推進に関する法律では、都道府県は、温室効果ガスの排出抑制等のための総合的かつ計画的な施策を策定し実施するよう定められているところでありますが、今年度、この内容を含む第四次宮崎県環境基本計画の策定が進められ、本議会において議案として提出されております。 そこで、ゼロカーボン、脱炭素社会の実現に向けてどのように取り組んでいかれるのか、環境森林部長にお尋ねいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 県では、脱炭素社会に向けまして、「ゼロカーボン社会づくり」を第四次環境基本計画の重点プロジェクトとして掲げております。 具体的には、エネルギー使用量の多い事業への温室効果ガス排出量の報告の義務づけや、太陽光、小水力発電等の再生可能エネルギーの導入拡大、さらに来年度からは、市町村等に対します再生可能エネルギー導入へのアドバイス事業などを実施することといたしております。 また、除間伐などの森林整備によるCO2吸収機能の高い森林づくりなども引き続き進めてまいります。 今後、エネルギー基本計画の見直しや、グリーン成長戦略の推進など、国の動きにも的確に対応しながら、市町村などとも連携し、脱炭素社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。 ◆(濵砂 守議員) ありがとうございました。 環境森林部長、9問ありますのでよろしくお願いいたします。 次に、循環型社会の形成についてであります。 これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会から、資源の消費が抑制され、環境への負荷が少ない循環型社会の形成が求められております。 県では、家電リサイクル法や自動車リサイクル法などに基づく事業に対する指導や、自治会等が行うごみ減量化への支援、マイバッグ運動などを通じて、循環型社会の形成に向けて取り組んでいますが、廃プラスチックや食品ロスの問題など、課題は山積していると感じております。 第四次環境基本計画において、循環型社会の形成に向け、県はどのように取り組んでいかれるのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 循環型社会の形成に向け、次期計画では、「4Rの推進」「廃棄物の適正処理の推進」「環境にやさしい製品の利用促進」、そして、今回新たに加えました「食品ロスの削減」の4つを柱に、施策を展開してまいります。 具体的に、「4Rの推進」では、普及啓発やリサイクル施設の整備支援など、「廃棄物の適正処理の推進」では、不法投棄の防止など、また、「環境にやさしい製品の利用促進」では、木材やリサイクル製品の利用促進などに、そして「食品ロスの削減」では、「食べきり宣言プロジェクト」や未利用食品を提供する活動への支援などに取り組みます。 循環型社会の形成に向けましては、県民一人一人の取組が重要でありますので、県民運動として推進できますよう、市町村や関係団体と連携しながら、しっかり対応してまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、森林行政について伺います。 本県は、豊富な森林資源を背景に、林内路網や高性能林業機械の基盤整備などが進められ、杉素材生産量や、国産材の製品出荷量が日本一であるなど、国内有数の国産材供給基地となっております。 この豊かな森林を育み、林業・木材産業を将来にわたって発展させ、次の時代に引き継いでいくことこそが重要な責務であります。 このような中、第八次宮崎県森林・林業長期計画が策定され、この計画に基づき、様々な施策が展開されるものと思っております。 そこで、計画に示された本県の森林・林業・木材産業の目指す姿について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 森林は、林産物の供給をはじめ、県土の保全や水源涵養など、様々な恵みをもたらしてくれますが、本県は、森林資源が充実し、木材生産が活発化する一方で、担い手の確保や再造林の推進、新たな木材需要の創出などが課題となっております。 このため計画では、森林の適切な管理や循環利用などにより多様な森林づくりを進め、林業につきましては、ICTなど新たな技術によるイノベーションの取組などを通じまして、就労環境の改善や収益性の向上などを図り、また、木材産業につきましては、非住宅やエネルギーなど、多様な分野での木材利用や、県外、海外での需要拡大などを図ることといたしております。 こうしたことによりまして、森林の有する多面的な機能が持続的に発揮される中で、林業生産や木材製品等の供給が安定的に行われ、地域経済の活性化や災害防止はもとより、脱炭素社会などにも貢献する、持続可能な森林・林業・木材産業を実現したいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、林業の就労環境づくりの取組についてお伺いいたします。 林業の現場は他産業に比べて労働災害の発生率が高く、林業従事の所得は他産業に比べて低いことなどから、本県林業を支える林業従事数は年々減少しており、大変厳しい状況にあります。また、その一方で、近年35歳未満の占める割合は増加してきており、一定の若返りが図られるなど、明るい兆しも見られます。 このような現状を十分に踏まえて、若い人も安心して働ける、魅力ある職場づくりが必要であると考えます。 そこで、林業における就労環境づくりの取組について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 議員御指摘のとおり、安全で安心な就労環境づくりは大変重要でありますので、県ではその改善のため、事業体に対しまして、社会・労働保険等への加入促進を図るとともに、熱中症対策に有効な空調服など、軽労化につながる資機材の整備への支援のほか、通年雇用や月給制の導入指導による従事の安定した収入の確保にも取り組んでいるところであります。 また、労働の安全確保のため、今年度から新たに、緊急時を音と振動で知らせる装置の体験会や、労働災害の疑似体験が可能な研修会を開催し、普及啓発を強化しましたほか、チェーンソー防護服等の導入支援にも取り組んでいるところであります。 今後とも、関係機関等と連携して、林業従事の就労環境整備に努めてまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 引き続き、質問いたします。 一人親方等の社会保障制度についてお伺いいたします。 県内の林業従事の多くは、森林組合や民間事業体に雇用されており、社会保険や労働保険など、社会保障制度の下で、日々、山仕事に取り組んでおります。 その一方で、人を雇わず個人で林業を行う、いわゆる一人親方等の立場で林業に従事されている方も少なくないと思いますが、労災保険や退職金などの社会保障制度は整っているのかどうか。 林業の一人親方等について、労災保険等の制度の状況を、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 林業の一人親方等の労災保険につきましては、国の特別加入制度により、一人親方等を構成員とする特別加入団体を通して加入することができます。 この制度では、雇用労働と同様に、業務や通勤で被災した場合、必要な治療を無料で受けることができ、また、休業4日以上の場合は休業補償金が支給されます。 このほか、退職金につきましても、林業退職金共済制度、いわゆる林退共に、任意組合を通じて一人親方等でも加入することができます。 県では、一部市町と連携しまして、労災保険や林退共に加入する一人親方等への掛金の補助のほか、一人親方等を対象にした労働安全研修の実施や、振動障害防止のための健康診断費用への補助によりまして、就労環境の改善に努めているところであります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、みやざき林業大学校についてお伺いいたします。 昨年度開講した県立林業大学校では、長期課程の1期生21名全員が県内の林業分野に就業しております。 今年度も2期生20名が、林業分野への就業に向け1年間の研修に励んでいると伺っており、よいスタートが切れていると感じております。 今後も本県が全国トップクラスの林業県であり続けるためには、この林業大学校を中心に、林業を支える人材を確保することが極めて重要であり、将来の林業に希望の持てる特徴ある教育が必要であると思います。 例えば、ヨーロッパで実現している「先進国型林業」の視察など、海外研修等を取り入れてみてはどうかと思いますが、みやざき林業大学校「長期課程」における、本県の研修内容の特徴と来年度受講生の確保の見通しについて、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 本県の林業大学校の長期課程の研修内容は、森林・林業に関する幅広い知識やICT等最新技術の習得はもとより、本県の森林・林業への愛着を育む歴史・文化の学習や、全国では最多となります17の資格取得、さらには、優れた技術力を持つ林業事業体など87から成るサポートチームが講師となった現場実習や、インターンシップの実施など、全国に誇れるものとなっております。 こうした研修内容は、ホームページや高校訪問に加えまして、県内外での就業相談会等で積極的にPRしているところであり、来年度も定員15名を上回る21名が受講予定で、そのうち5名は県外からのU・Iターンとなっております。 今後とも、受講生や業界等のニーズなど、研修を取り巻く諸情勢を踏まえながら、議員御提案のありました先進地視察の在り方など、研修内容の充実に向けて、鋭意研究してまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、再造林対策について伺います。 新聞報道によりますと、令和元年度は2,134ヘクタールの再造林が実施され、再造林率は75%となっております。 これは、県の第八次森林・林業長期計画において引き続き目標とされた80%に届いていない状況です。 県では、伐採後の再造林をどのように進めていくのか、その対策について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 本県が持続可能な林業を確立するためには、適切な再造林やコストの低減等による資源循環型の森林(もり)づくりを進めることが重要であります。 このため県では、国の事業や県の森林環境税等を活用しまして、森林整備に対する補助による森林所有の負担軽減を図りますとともに、伐採後、直ちに造林を行う一貫作業や、優良苗木の安定供給体制の整備等を推進しているところであります。 さらに、来年度からは、森林整備の労務軽減や林業投資の早期回収を図るため、初期成長に優れ、下刈り期間の短縮等につながるエリートツリーや早生樹の導入、ドローンによる苗木運搬など、スマート林業の実証等も行うことといたしております。 今後とも、市町村や森林組合等と連携しまして、再造林対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 ◆(濵砂 守議員) ありがとうございました。 森林資源を循環利用していくためには、引き続き、適地での再造林を推進していかなければなりません。 しかしながら、日本の戦後の拡大造林の下では、どんな山にでも、とにかく山でありさえすればいいということで植林がなされております。非常に条件の悪い、山出しの悪い地域にも、たくさん杉を植えられておりますので、今後、将来において杉の需要が国内拡大していくとは考えられませんので、その辺を考えたときには、非常に利益率のいい山を選定しながら再造林を進めていただきたいと思います。 非常に場所の悪いところは、環境面から考えても、かえって雑木に戻したほうがいいようなところもたくさんありますので、その辺の検討をしながら森林づくりを進めていただきたいと思います。 次に、林地残材の活用状況についてお伺いいたします。 近年、木質バイオマス発電施設の建設等により、林地残材の利用が増えております。 循環利用可能な森林資源を有効に活用していくためには、奥地などに放置されている林地残材を含めて、利用施設への安定供給を図り、山元へ利益が還元されることが大変重要であります。 そこで、林地残材の有効活用に向けた県の取組について、環境森林部長にお尋ねいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 県内の林地残材利用量は、木質バイオマス発電施設が本格稼働を始めました平成27年以降大幅に増加し、令和元年は約55万トンとなっておりまして、林地残材全体の約7割が活用されているものと推測されます。 県では、林地残材を有効に活用するため、伐採後の再造林を条件としまして、伐採現場から木質バイオマス利用施設までの輸送距離に応じた運搬経費の支援をしておりまして、今年度は約3万4,000トンの実績を見込んでおります。 林地残材の有効活用は、山元への利益還元のみならず、流木被害発生などの災害防止にもつながりますことから、今後もしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、木材の集材搬出路について伺います。 林道や森林作業道は、木材輸送に必要な施設であることから、市町村等の管理により、災害が起きないように維持管理されているものと思いますけれども、伐採地においては、一部の事業が一時的な道として開設した木材の集材搬出路があります。この道路が、大雨の際に壊れて、災害の原因となっている事例があります。 そこで、伐採時において一時的に開設される木材の集材搬出路による災害の防止に向けた取組について、環境森林部長にお尋ねいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 県では、伐採等による災害防止のため、「伐採、搬出及び再造林ガイドライン」を策定しまして、その中で、集材搬出路につきましても、地形に合わせた無理のない開設や、利用後の埋め戻しなどを規定しまして、伐採事業にその遵守を指導しているところであります。 また、林業大学校において、開設作業を行うオペレーターの技術力向上研修を実施しますとともに、伐採現場のパトロールにより、切土の抑制や適切な路面水処理などを指導いたしております。 このほか、県内の伐採事業の有志が、「伐採搬出ガイドライン」を自主的に定め、道づくりなど作業内容を見直す取組を進めているところでありまして、県といたしましては、民間のこうした取組としっかり連携し、引き続き、集材搬出路による災害防止に努めてまいります。 ◆(濵砂 守議員) ありがとうございました。 次に、知事にお伺いしたいと思います。 本県の山林は、先人による適切な森林管理が行われてきた結果、人工林資源が充実している状況にあります。中でも杉の素材生産量は、平成3年から連続して日本一の座を誇り、名実ともに日本有数の林業県としての地位を確立しております。 しかし、日本全体で見てみますと、林業の採算性の低下などにより、日本の木材自給率は、8年連続して上昇してはいるものの、36.6%にとどまっております。 このため県議会では、県産木材の利用促進を通じて、本県林業の持続的発展の実現等に寄与することを目的として、「宮崎県木材利用促進条例案」をまとめ、この2月議会に上程することにいたしております。 そこで、県産材の利活用の促進についてお伺いいたします。 人口減少や少子高齢化の進展等により、10年後には、新設住宅着工数が令和元年度の3分の2に減少するとも予想されており、大幅な需要の先細りが懸念されているところであります。 このため、住宅需要の減少を補う製材品の新たな需要先の開拓が課題であり、特に、製材品の7割以上を県外等に出荷している本県では、県外や海外への販路拡大が一層必要になってまいります。 そこで、県産製材品の県外や海外への販路拡大をどのように進めていかれるのか、知事にお尋ねいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 本県は、充実した森林資源やその生産加工体制を強みとしておりますが、御指摘のとおり、今後、減少が見込まれる住宅に代わる、県外・海外での新たな需要先の開拓が大きな課題となっております。 このため県では、来年度から、県外におきましては、これまでの住宅分野への取組に加えまして、都市部の商業施設等での県産製材品の利用拡大に積極的に取り組みますとともに、万博開催で様々な建築需要が期待できる関西圏域での集中的な販売促進にも取り組んでまいります。 また、海外におきましては、韓国では、これまでの「材工一体」での取組をさらに強化するとともに、近年、木造建築への関心が高まっております台湾を重要な輸出先と位置づけ、常設展示場の設置などにより、県産材の継続的なプロモーションに新たに取り組んでまいります。 県議会におかれては、本県林業の持続的発展の実現等のために「宮崎県木材利用促進条例」を上程されるということで、大変心強く思っているところでありまして、私としましても、今後とも県議会の皆様や関係団体等と一体となって、県産材の販路拡大に全力で取り組み、持続可能な森林・林業・木材産業の確立を実現してまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) ありがとうございました。 次に、農林作物への鳥獣被害対策について伺います。農政水産部長に、合計7問の質問をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。 先般、農林水産省は、令和元年度の「全国の野生鳥獣による農作物被害状況」を公表しました。 それによりますと、全国の被害金額は約158億円となっており、前年度から約2,000万円微増しております。被害金額が230億円を超えていた10 年前からすると、被害面積と同様に、年々減少傾向にはあるようです。しかしながら、被害金額の内訳を見てみますと、鹿とイノシシだけで全体の6割強を占めております。その割合は、ここ10年横ばいの状況であります。 県内各地で、鹿による果樹の新芽や、イノシシによる収穫間際の水稲などへの食害が発生しており、営農意欲の減退や耕作放棄地の増加など、数字で表れる以上に深刻な影響を受けております。鳥獣被害を防止するためには、地域住民と行政が一体となり、被害の状況などに応じた効果的な活動を展開することが必要であります。 そこで、本県農産物への鳥獣被害の状況と被害の防止対策について、農政水産部長にお尋ねいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 鳥獣による農林作物等の被害額は、近年、減少傾向でございましたが、令和元年度は約4億3,000万円で、前年度から約8,000万円増加しております。これは、一部地域でヒヨドリなどによるかんきつ類への被害増加が原因で、被害状況に応じた緊急的な対策が求められております。 このため県では、低コストで普及しやすい防鳥ネットの効果検証に取り組みますとともに、地域鳥獣被害対策特命チームを中心に、鳥獣の種類と地形に応じた侵入防止柵の整備や、専門知識を持った集落リーダーの育成など、地域ぐるみの被害防止活動を支援しているところでございます。 今後とも、市町村や関係団体等と連携いたしまして、的確な被害情報の把握と、迅速かつきめ細やかな被害防止対策に取り組んでまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、狩猟の確保・育成について伺います。 鳥獣被害対策における捕獲については、その役割の多くを狩猟に担っていただいておりますが、県内の狩猟は、昭和56年度の約1万6,000人をピークに減少し、近年は5,000人台で推移いたしております。また、60歳以上の割合も7割を超え高齢化が進むなど、捕獲体制の維持が困難となっております。 こうしたことから、狩猟免許所持を増やし、担い手を確保することはもちろんでありますが、若手狩猟の捕獲技術の向上など、人材を育成することにより、将来にわたり農林作物の被害を軽減させていく必要があると考えます。 狩猟の確保や育成対策について、県はどのように取り組んでおられるのか、環境森林部長にお尋ねいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 県では、まず、狩猟の確保対策としまして、狩猟免許受験を対象とした事前講習会の開催や、免許取得の経費の一部を助成するなど、免許を取得しやすい環境の整備に取り組みますとともに、狩猟税の免除や軽減措置による有害鳥獣捕獲に従事する狩猟の確保や、林業大学校の長期課程カリキュラムに狩猟免許取得を組み込むなど、若手狩猟の確保にも努めております。 また、育成対策としましては、県内各地において、経験の浅い狩猟を対象とした初心講習会や、有害鳥獣捕獲班員等を対象とした、銃やわなの技術講習会等を開催しているところであります。 今後とも、狩猟免許試験の会場を増やすなど、市町村、関係機関と連携して、狩猟の確保や育成にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、本県を代表する土地利用型の作物であります、お茶の振興について伺います。 急須などを使って茶葉から入れるリーフ茶の消費減退や価格低迷など、お茶の生産を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。 本県では、平野部から中山間地域まで広く茶の産地が形成され、令和元年の荒茶の生産量は3,510トン、全国4位の地位にありますが、10年前と比較いたしますと、栽培面積は約2割、農家戸数は約3割減少して、産地存続の危機に直面いたしております。 県内では、輸出や商品開発などに積極的に取り組んでおられる事例もありますが、一方で、茶の廃作・転作を進めるなど、経営の行く先に不安を抱いている茶農家もあります。 そこで、今後の茶の振興について、どのように取り組んでいかれるのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 本県の茶は、煎茶や釜炒り茶など、地域の特徴に応じた産地づくりを進めてまいりましたが、ペットボトル茶の定着などによりまして、一般家庭におけるリーフ茶の消費が減少しており、農家経営は大きな影響を受けております。 このため県では、県内外の茶取扱業者等との契約産地づくりに向けまして、低コスト化や労力軽減のためのスマート農業技術の導入とともに、地域の拠点茶工場を中心に、多様なニーズに対応した共同製造を進めることとしております。 また、EU等への有機栽培茶の輸出や、付加価値の高いウーロン茶・紅茶などを生産している先進事例も育っておりますことから、新たにチャレンジする産地を拡大してまいります。 今後とも、市町村や関係団体と一体となりまして、競争力のある茶の産地育成に努めてまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、お茶からの品目転換について伺います。 本県の茶園は、農家のこれまでの努力によって農地を集積し、一定のまとまった面積となっております。この農地が荒廃すると、その地域にとっては極めて重要な課題となります。地域資源である農地をしっかりと守り、茶から地域の重点品目に転換することは、地域農業の振興を図る上で重要であります。 しかしながら、茶は酸性の土を好む作物でありますが、他の作物は酸性の土壌を好まないものが多く、品目転換の課題となっているのも事実であります。 茶の土壌は、pHが2.5ぐらいしかないらしいんです、私も知りませんでしたけれども。そうすると、そこで育つ茶を廃作して、伐根し整地して植える作物というのは、もうブルーベリーぐらいしかないらしいです。そのような状況でありますので、後の作物について大変困っている状況であり、品目転換の課題となっておるのも事実であります。 そこで、お茶からの品目転換にどのように取り組んでいくのか、農政水産部長にお尋ねいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 議員御指摘のとおり、茶は一定のまとまった農地が団地化されておりまして、茶からの品目転換は、地域の農地を守り、地域の推進品目による新たな産地づくりを進める上で、大変重要であると考えております。 このため、農業改良普及センターを中心に、営農や経営相談等において、まずは、園地の承継を働きかけますとともに、品目の転換を希望される場合は、補助事業等を活用いたしまして、茶の木の抜取りや、土壌分析に基づく酸性土壌の改善、土壌水分調整のための暗渠排水などの取組を支援してまいります。 今後とも、市町村やJA・関係団体等と連携いたしまして、茶の生産振興を基本としながら、農家の意向に沿った品目転換も円滑に進められますよう、きめ細かな支援を行ってまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、第八次農業・農村振興長期計画について伺います。 県は、本県の農業・農村の将来に向けた長期計画を、この2月定例県議会に提案し、本年4月からのスタートを目指しております。 この長期計画は、台風災害を避ける営農方式への転換を目指した昭和35年の「防災営農計画」から始まり、本年度で60年目の節目を迎えます。 防災営農計画は、当時、二期作をまだ作っている時代ですから、ちょうど台風に直面した、そして、その台風を避けるために超早場米を、今、転換して作っているわけでありますけれども、そのような時代に防災営農計画ができたようであります。 この間、本県農業は、畜産や施設園芸を中心とした産地づくりにより、我が国の食料供給基地へと発展してまいりました。さらには、みやざきブランド戦略やフードビジネス振興など、時代に応じた変革に挑戦しながら、大きな成長を遂げた本県農業の歩みは、高く評価されるべきものと思います。 しかしながら、近年の農業・農村を取り巻く環境は、全国各地で、これまでに経験したことのないような自然災害や家畜伝染病、作物の新たな病害虫等の発生が続いており、加えて、新型コロナウイルスの感染拡大なども、今後の農業の振興に大きな影響を及ぼします。このような時代だからこそ、第八次長期計画が示す将来像や具体的な取組が重要であります。 そこで、幾つかの点から質問をしていきたいと思います。 まずは、担い手対策についてであります。 本格的な少子高齢・人口減少時代を迎えている本県でありますが、農業におきましても、基幹的農業従事が、この5年で約1万人も減少しております。 担い手の減少は、生産力の低下や農村の衰退にもつながることから、本県農業・農村の持続的な発展には、担い手の確保と育成は絶対に欠かせない対策であります。 そこで、第八次長期計画における担い手の確保・育成対策について、農政水産部長にお尋ねいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 本県では、3年連続で新規就農数が400名を超えるなど、増加傾向にある一方で、今後、団塊世代の離農による農業のさらなる減少が懸念されております。 このため次期計画では、近年の田園回帰志向の高まり等をチャンスと捉え、就農希望が安心して就農できますよう、リモートによる就農相談や、県内13か所の就農トレーニング施設等での研修、さらには、離農の経営資源の承継による初期投資の負担軽減など一連の支援を拡充し、積極的に進めてまいります。 また、農業とその経営を支える雇用人材等を「みやざきアグリプレーヤー」と位置づけ、経営の発展段階に応じた研修やネットワークづくりを強化するなど、市町村等と連携いたしまして、産地を牽引する担い手の確保・育成にしっかり取り組んでまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、耕種部門の生産振興対策について伺います。 今後、担い手の減少や雇用労働力の不足等により、熟練農家の技術の喪失や産地の生産力の低下が懸念されております。 一方で、大規模経営体によるスマート農業技術の導入や、生鮮農作物など素材供給県からの脱却に向けた、新たな付加価値をつける産地確保の取組が始まっております。 将来にわたり持続的な耕種農業を実現していくためには、宮崎の強みを発揮できる農産物の重点的な産地づくりに早急に取り組むことが必要であります。 そこで、本県の耕種農業の生産力を維持・発展させていくために、どのような取組を進められているのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 本県耕種農業の生産力向上のためには、本県の強みを発揮できる重点品目の絞り込みや、スマート技術の導入に加え、周年出荷体制の構築、さらには加工野菜の国産化への対応等、多様なニーズに適応した産地改革が必要であります。 このため、ピーマン等の養液栽培による周年栽培や、ドローン、ロボットトラクター等の導入による超省力化など、スマート農業技術の実装を進め、生産性の高い産地づくりに取り組んでまいります。 さらに、大規模経営体を核に、耕種版インテグレーションによります生産の分業化の促進とともに、冷凍野菜・漬物など加工業務専用の産地づくりや、コロナ禍で生まれた新たな消費ニーズに対応できる加工機能の強化など、産地の高付加価値化に向けた取組を積極的に進めてまいります。 ◆(濵砂 守議員) さて、これまで質問した内容を含めまして、今回の長期計画では目指すべき将来像が掲げられており、より具体的な施策についても打ち出されております。一つ一つの施策にしっかり取り組んでいただいて、着実に成果を上げていかなければなりません。何よりも、農業や県民の思いと期待をしっかり反映させ、目指すべき宮崎県の将来像を実現していくことが大事であります。 そこで最後に、本県の農業の歩みと合わせるように、30年以上にわたる本県農業・農村の振興に尽力されてきた大久津農政水産部長に、第八次長期計画により、今後、どのような取組を進め、本県農業・農村の目指すべき姿をどのように考えておられるのかお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 本県農業は、「防災営農計画」を原点にいたしまして、幾多の産地改革を重ね、我が国を代表する食料供給産地として発展してまいりました。 しかしながら、農業を取り巻く情勢は、グローバル化をはじめ、急激に変化しておりまして、様々な課題に的確に対応するため、次代を担う農業や県民の方々との意見交換を重ね、今後の本県農政の羅針盤となる第八次長期計画を取りまとめたところでございます。 この計画案では、先人たちが築き、育ててこられた本県農業・農村のすばらしい資源や人材等を次の世代にしっかりと引き継ぐために、常在化する様々なリスクに対し、安心して専念できる農業構造への変革を進める「新防災」の取組を推進してまいります。 あわせまして、賢く稼ぐために、生産・流通・販売、それぞれの段階で技術や情報等を取り込んで活用するなど、農業のスマート化を進めまして、従来の枠を超えたチャレンジを続けることによりまして、「持続可能な魅力あるみやざき農業」の実現を図ってまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) ありがとうございました。 次に、高速道路の整備について伺います。 高速道路網の整備は、本県の発展に極めて重要であることから、早期完成は県民の悲願でもあります。 さらに、南海トラフ地震などの大規模災害への備えとして、救援物資や救急医療の代替・支援ルートの確保は、県民の生命、財産を守る上で喫緊の課題であり、まさに「命の道」として、早期整備が急務となっております。 しかしながら、本県の高速道路の供用率は74%、全国平均の86%と比べると、いまだ低い状況です。 一方で、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策においては、高速道路のミッシングリンク解消なども対象になっておりますことから、県内高速道路の整備促進が期待されております。 そこで、東九州自動車道県南区間及び九州中央自動車道の進捗状況と今後の取組について、県土整備部長にお尋ねいたします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 東九州自動車道の県南区間につきましては、昨年度事業化されました油津-南郷、奈留-夏井間など、4区間で事業が着実に進んでおりまして、そのうち、清武南-日南北郷間は、令和4年度に開通予定となっております。 また、九州中央自動車道につきましても、今年度事業化されました蘇陽-五ヶ瀬東間など、3区間で着実に事業が進んでおり、このうち、日之影深角-平底間につきましては、令和3年内に開通予定となっております。 しかしながら、県内には、両路線合わせて約33キロメートルの未事業化区間が残されており、高速道路のミッシングリンク解消は喫緊の課題でありますことから、国の国土強靱化対策を推進する観点からも、必要な予算を2月補正及び令和3年度当初に計上しますとともに、地元の市や町と一体となりました用地の先行取得や、工事残土の受入れにも取り組んでいるところであります。 今後とも引き続き、知事を先頭に、沿線自治体や関係団体等と連携を図りながら、国に対して、早期全線開通を強く要望してまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、国道・県道の整備状況について伺います。 国県道については、高速道路と一体となって地域の産業及び経済、そして住民生活を支える必要不可欠な社会インフラであり、その整備は、防災・減災の観点からも大変重要な課題となっております。 地域高規格道路などを中心に、目に見えて整備が進んでいる路線もありますが、一方で、地形的条件の厳しい中山間地域を多く抱えていることから、本県の国県道の改良率は、残念ながら九州で最下位であり、県内各地で道路整備の促進を望む切実な声が多く聞かれます。 そこで、国県道の整備状況と今後の取組について、県土整備部長にお尋ねいたします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 国県道につきましては、高速道路を補完し、産業活動の支援や地域間交流の促進、さらには、安全・安心な暮らしの確保など、極めて重要な役割を担っておりまして、欠かすことのできない社会資本であります。 昨年の国道219号広瀬バイパスや、来月予定しております都城志布志道路の県境区間の開通など、道路整備は着実に進んでおりますが、議員御指摘のとおり、急峻な地域を多く抱える本県の道路改良率は、他県と比べ低いことから、必要な道路整備を計画的に推進し、平常時のみならず、災害時にも機能する道路ネットワークの充実を図っていく必要があります。 このため、道路整備に関する事業が拡充されました、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策も積極的に活用していくこととしており、引き続き、道路予算の確保と本県への重点配分が図られますよう、関係団体と連携しながら、国へ強く訴えてまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、新たな広域道路ネットワーク計画について伺います。 先ほど部長の答弁にもありましたが、毎年のように自然災害が発生する本県においては、災害時にも機能する強靱な道路ネットワークを構築することが重要であります。 例えば、国道219号を例に挙げれば、西都インターチェンジと人吉インターチェンジを結び、重要港湾にアクセスする幹線道路として、災害時には広域的な救援物資の輸送路となります。 重要物流道路制度の創設を契機に、現在、県においては、新たな広域道路ネットワーク計画の検討を進めていると聞いておりますが、この計画は、中長期的な視点に立った、まさに九州全体の道路ネットワークを形成するものであり、ぜひともその計画に本県の路線が位置づけられるよう、全力で取り組んでいただきたいと思います。 そこで、新たな広域道路ネットワーク計画の検討状況について、県土整備部長にお尋ねいたします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 新たな広域道路ネットワーク計画につきましては、主要都市間を結ぶ道路としてはもとより、空港や港湾等の拠点へのアクセスを支えるなど、総合交通体系の基盤となるものでありまして、防災・減災の観点、さらに、新たな社会・経済の要請にも対応できますよう、現在検討を進めているところであります。 具体的には、平常時だけではなく、災害時にも安定した人・物の流れを確保するため、高速道路や地域高規格道路などをベースに、議員御指摘のありました国道219号など、道路ネットワーク強化に必要となる路線を選定しまして、県域を越えた、九州全体の道路ネットワーク形成に向けて、国や隣県と調整を行っているところであります。 今後、さらに関係機関と連携を図りますとともに、有識者等の意見も幅広く伺うこととしておりまして、引き続き、計画策定にしっかりと取り組んでまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、河川内の個人所有地の現状などについて伺います。 近年の気候変動の影響により、水害は激甚化・頻発化し、自然災害のリスクがますます高まっております。 このような中、本県においても、国土強靱化3か年緊急対策として、これまでに、河川内の樹木伐採や掘削工事などが進められており、治水対策の効果が大いに高まっているものと感じております。 しかしながら、河川の掘削工事をはじめ、堤防や護岸工事などに当たっては、河川内に個人所有となっている土地があるため、一部で河川工事に支障が生じているとも聞いております。 河川内の個人所有地は、現在も耕作地等として利用されている土地もありますが、長年にわたり放置されている土地も多いのが現状であります。河川の整備を着実に進めていくためには、河川内の個人所有地の買収も進めていく必要があります。 そこで、河川内における個人所有地の現状と対応について、県土整備部長にお尋ねいたします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 河川内の個人所有地は、所有が行方不明であったり、地権が多数にわたることが多い上に、字図混乱地となっている場合もあります。 このため、所有が不明の場合には、裁判所の許可を得て財産取得が可能となります不在財産管理人制度などを活用しておりますが、用地取得に当たり、用地交渉や用地境界の確定に多大な労力と時間を要しまして、工事の支障になることもございます。 しかしながら、河川整備を進めることは、県民の生命と財産を守り、災害に強い県土づくりを進める上でも大変重要でありますので、引き続き、用地取得に粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) よろしくお願いいたします。 次に、ダムの事前放流の取組について伺います。 令和元年に東日本を襲った台風19号において、国の要請に応じ利水ダム等から事前に放流が行われ、あらかじめダムの水位を下げることで、洪水調節容量を確保し、ダム下流の河川の水位を下げる効果があったとの報道がありました。 これを契機に、同年12月、国において、既存ダムについて、事前放流に関する基本方針が示されたことによりまして、今年度、水系ごとに関係間でダムの事前放流に対する協定が締結され、運用が始まったと聞いております。 本県においても、九州電力などの利水ダムが多数あり、これまで大雨のたびに浸水の被害を受けてきた地域では、ダムの事前放流の効果が大いに期待されております。 そこで、ダムの事前放流の取組状況について、県土整備部長にお尋ねいたします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) ダムの事前放流は、大規模な出水時に、各ダムが有します利水容量を、洪水調節に活用する取組であります。 本県におきましても、今年度、国が定めた基本方針に基づきまして、国や県が管理する全ての水系において、河川管理やダム管理などの関係と、事前放流に関する協定を締結したところです。 これに基づきまして、昨年9月の台風10号の際には、県内46ダムのうち、協定で定めた基準に降雨量が達した一ツ瀬ダムや上椎葉ダムなど、23ダムにおいて事前放流を実施したところであります。 今後とも、事前放流が必要な際には、関係機関と連携の上、着実に実施し、流域住民の安全確保を図ってまいります。 ◆(濵砂 守議員) ありがとうございました。 次に、企業局の取組についてお聞きいたします。 まず、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用した水力発電所の大規模改良事業についてであります。 企業局においては、昨年度策定された経営ビジョンの中で、建設から60年以上経過する発電施設等の老朽化が進行していることから、その対応として、発電所の大規模改良事業を的確に実施し、事業の実施に当たっては、FITを活用することとされております。 このような中、現在、渡川発電所と綾第二発電所の2つの発電所で大規模改良事業に取り組まれておりますが、それぞれの事業の進捗状況とFIT活用の効果について、企業局長にお尋ねいたします。 ◎企業局長(井手義哉君) 渡川発電所につきましては、平成30年度にFIT認定を受け、現在、2台ある発電機の更新工事を順次行っておりまして、令和4年度末に事業を完了する予定であります。 次に、綾第二発電所については、昨年10月に、設計・施工一括により請負契約を締結し、現在、令和3年度中のFIT認定に向けて、更新工事の内容や範囲など認定の条件に沿うよう、国と十分協議を行いながら、発電設備等の詳細設計を進めているところでございます。 その後、令和4年度に工事用道路、令和5年度に発電所の本体工事に着手し、令和7年度末事業完了の予定であります。 FIT活用の効果といたしましては、発電開始後の20年間で、渡川発電所で40億円、綾第二発電所で220億円の増収を見込んでおりまして、これらの事業を確実に進めることにより、将来にわたる電力の安定供給と収益の確保を図ってまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、企業局における地域貢献の取組について伺います。 企業局では、これまで健全な経営を維持しながら、一般会計に対し、口蹄疫復興ファンドへの20億円の貸付けのほか、県営電気事業みやざき創生基金に対する30億円の繰り出しなど、県財政へ大きく貢献されております。また、市町村等が行う小水力発電にも支援を行い、再生可能エネルギーの普及にも取り組んでおられます。 こうした地域貢献は、本県の発展と県民福祉の向上に大きく寄与するものであり、今後も引き続き、こうした取組が期待されております。 新年度に当たり、企業局では、令和3年度にどのような形で地域貢献に取り組もうとされているのか、企業局長にお伺いいたします。 ◎企業局長(井手義哉君) 企業局では、「地域貢献に資する取組の推進」を、令和3年度重要施策の一つに位置づけておりまして、積極的に取り組むこととしております。 具体的には、宮崎県国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催基金の財源として、10億円を一般会計に繰り出すほか、発電所の施設等が所在する市町村が取り組む地球温暖化対策や地域活性化等の事業に対し、助成金を交付することとしております。 そのほか、小水力発電導入に取り組む市町村等に対する技術的支援や、ダム上流域の未植栽地を水源涵養機能の高い森林として整備する「緑のダム造成事業」などにも引き続き取り組むこととしております。 今後とも、健全経営を維持しながら、効果的な地域貢献に努めてまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) ありがとうございました。 引き続き、新県立宮崎病院の整備状況について伺います。 大正10年に開設され、今年10月で100周年を迎える宮崎病院は、地域の中核的病院としての役割を担っており、「第三次救急医療施設」のほか、多くの専門学会認定医・専門医の研修・教育施設に指定されております。 さらには、基幹災害拠点病院として、災害発生時に中心的に活動する救命施設であるとともに、県内の災害拠点病院に対し教育・指導を行う役割も担っております。 このような様々な機能を有している宮崎病院ですが、年内には新県立宮崎病院の建物が竣工し、来年の開院に向けて、整備の進む新県立宮崎病院の工事の進捗や医療機器の整備がどのような状況なのか、また、医師をはじめとする医療スタッフの充実などについて、病院局長にお尋ねいたします。 ◎病院局長(桑山秀彦君) 新県立宮崎病院は、9月末の竣工、来年1月の開院を予定しておりますが、工事の進捗は、1月末現在で、建設主体工事が62.0%、工事全体では46.4%でありまして、おおむね順調に進んでおります。 また、医療機器については、約65億円をかけて整備を進めておりますが、内視鏡カメラとロボットアームにより、高度な内視鏡手術を可能とし、患者の体への負担が軽減できます手術支援ロボットの新規導入をはじめとしまして、放射線治療装置やMRIなど、診療機能強化のための機器を購入する計画としております。 こうした先端医療機器や増床を行います救急部門などの機能が十分発揮されるよう、医師や看護師の増員など、人員体制の充実・強化にもしっかり取り組んでまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、新宮崎病院の病床数と新型コロナウイルス感染症を踏まえた整備について伺います。 先ほどの答弁によりますと、工事は順調に進んでおり、開院に向けしっかり取り組んでおられるようでありますが、コロナ禍においては、感染の急増など現在の病院施設では対応が困難な部分があったのではないかと思います。 そこで、新病院では、現在の病院と比較して、感染症病床や一般病床がどの程度整備されるのか、また、今般の新型コロナウイルス感染症の対応を踏まえ、新たに追加される施設について、どのようなものがあるのか、病院局長にお尋ねいたします。 ◎病院局長(桑山秀彦君) 新病院の病床数は、一般病床などの削減により、現在より45床少ない490床を整備することにしておりますが、一方で、救急病棟の病床やICUなどを増床しまして、高度医療、急性期医療の充実を図ることにしております。 また、新型コロナにも対応する病床につきましては、本館に第二種感染症病床を6床、さらに、現在の精神医療センターの建物を改修して、エボラ出血熱などにも対応できます第一種感染症病床を2床、整備することにしております。 さらに、今回の新型コロナへの対応を踏まえまして、新病院では、本館の病棟の一部を、感染症専用の病床に区分して使用できるよう整備しますほか、現在の精神医療センターに整備する研修室を、診療・入院スペースへの転用を可能とすることで、受入れ患者の急増にも速やかに対応できるよう工夫をしたところであります。 今後とも、本県の中核病院としての役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。 ◆(濵砂 守議員) 次に、県警察本部が今年1月に公表した「社会の変化に適応するための組織体制の再編整備に係る基本方針(案)」についてお伺いいたします。 方針案では、治安上の課題に適切に対処していくために、大きく5項目が示されております。 その中で、小規模警察署の体制の合理化や交番・駐在所の統廃合については、全国的に交番襲撃事件が相次いでいる状況等から、危険な現場における警察官の職務執行力を早急に強化してほしいとの声がある一方で、地域の重要な治安拠点でもある交番・駐在所の再編整備に対して、不安を感じる地区住民もいることと思います。県全体の状況を見渡した組織体制の再編整備も理解はできますが、地域住民の不安感の解消等に努めることも重要だと思います。 そのような住民の不安感をどのように受け止め、小規模警察署体制の合理化や交番・駐在所の統廃合をどのように進めていくのか、警察本部長にお尋ねいたします。 ◎警察本部長(阿部文彦君) 小規模警察署の体制の合理化は、パトロールや事件事故等への対応等、治安維持に必要な体制は維持しながら、それ以外の体制の合理化を図るものです。 交番・駐在所の統廃合は、人員を集中配置し、危険な現場での的確な職務執行等の確保を図るためのものであります。 交番・駐在所までの距離が遠くなった地域住民の不安感は、昼夜を通して広域的にパトロールを行う警察署のパトカーの運用体制を増強し、迅速な現場臨場を確保することで解消できるものと考えております。 基本方針案は、地域の安全・安心につながる機能強化のために策定したものであり、県警としましては、県全体の状況を見渡し、県民の御理解と御協力を得ながら、組織体制の再編整備を進めてまいります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、県内における交通事故情勢について伺います。 昨年中は、新型コロナウイルス感染症の影響により、不要不急の外出や県をまたぐ移動の自粛により、人や交通の流れも大きく変わったかと思います。 そこで、昨年の交通事故の発生件数と、事故で亡くなられた方の人数の増減について、警察本部長にお尋ねいたします。 ◎警察本部長(阿部文彦君) 令和2年中の交通事故の発生件数は5,126件で、前年と比較しますと、マイナス1,495件、減少率は22.6%となっています。 全国的にも減少傾向にあり、背景には、関係機関・団体と連携・協働した交通安全対策の取組により、県民の交通安全意識の向上が図られたことがあると考えております。また、コロナ禍による交通量の減少も、少なからず影響しているものと思われます。 交通事故で亡くなられた方は36人で、前年と比較すると3人減少しています。しかし、このうち30人が高齢であり、亡くなられた方の中で高齢が占める割合は、83.3%と過去最高の数値となっています。この数値は、全国でも第2位の高さであります。 ◆(濵砂 守議員) 次に、高齢の事故防止対策について伺います。 交通事故の発生件数が減少していることは、大変喜ばしいことでありますが、交通事故で亡くなられた方の8割以上を高齢が占めていることは、大変憂慮すべき状況にあります。 背景には、本県には中山間地域が多く、生活のために高齢が運転しなければならないという現実があるようです。 今後さらに高齢化が進んでいくことが予想されており、県警や関係機関・団体、ひいては県民を挙げて高齢が安心して安全に暮らせる宮崎県の実現に向けて、取組の強化が望まれております。 そこで、本県の高齢の交通事故を防止する重点的な対策のうち、今後の主な取組について、警察本部長にお尋ねいたします。 ◎警察本部長(阿部文彦君) 本県で重点的に取り組む高齢運転対策として、一昨年から、高齢御自身が運転する時間帯や場所等の運転条件を選択する「制限運転」を推進しております。 この取組は、市町村連携型の施策として、昨年末現在で9市6町が導入しており、本年も、取組の定着と県下全域への拡大を図ってまいります。 このほか、専門の看護師が、運転に不安を抱える高齢やその家族等の相談を受ける「安全運転相談」についても、制度の周知と相談の状況に応じた迅速な対応を図ってまいります。 また、高齢歩行対策として、反射材の着用促進や、横断歩行保護のための交通指導取締りなど、高齢運転と歩行の総合的な交通事故防止活動を推進してまいります。 ◆(濵砂 守議員) それぞれに答弁いただきました。ありがとうございました。 最後になりますが、本日、この議会に出席されております部局長をはじめ506名の職員の皆様が、この3月をもって県を定年退職されると伺っております。 退職される皆様には、長年にわたり県政発展に御尽力いただき、誠にありがとうございます。深く敬意と感謝を申し上げますとともに、今後ますますの御活躍を心からお祈り申し上げまして、私の代表質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時53分休憩────────────────────   午後1時0分再開 ○議長(丸山裕次郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、宮崎県議会自由民主党日高博之議員。 ◆(日高博之議員) 〔登壇〕(拍手) 自由民主党の日高博之でございます。私の胸につけているシトラスリボンは、内田議員からプレゼントしていただいたものであります。知事がつけていないのはちょっと気にはなりますが、内田議員からもらってください。 それでは、濵砂会長に引き続き、代表質問を行ってまいります。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。 本県では、年末からの新型コロナウイルス感染症の急拡大に対応するため、1月7日から2月7日までの約1か月間、県独自の緊急事態宣言を発令し、外出や県外との往来の原則自粛や、飲食店への時間短縮の要請等を行いました。感染が一段落ついたことから、2月8日からは警戒レベルを1つ下げ、感染拡大緊急警報へと移行しました。 2月24日からは、圏域ごとの感染区分は変更されたものの、警報レベルにつきましては、感染拡大緊急警報を継続しております。 3月、4月は移動のシーズンで人の動きが活発になり、また5月には大型連休もあることから、県民一人一人が感染拡大の防止にしっかりと取り組んでいく必要があると考えます。 これまで知事は、いろいろなテレビや新聞、ユーチューブなどで、県民への注意喚起を行っておられますが、再び感染が拡大することがないよう、県民がどういった行動をすればよいのか、知事がもっとアピールする必要があると思います。 そこで、県独自の緊急事態宣言について、知事はどのように判断し、現時点でその効果をどう認識しているのか。また、今後、感染拡大防止のために県民はどうすればよいのか、知事にお伺いいたします。 次に、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、昨年、鹿児島で開催が予定されていた国体が延期されたことを受けて、本県で開催予定の国スポ・障スポが1年先延ばしとなり、令和9年に開催されることとなりました。 大会の開催に向けては、その分、準備期間が取れるということになりますので、着実に準備を進めていく必要があります。特に、県有主要3施設の整備については、開会式や複数の競技種目の開催などが見込まれ、メインとなる競技会場でありますので、しっかりとした対応が求められます。 また、完成後は、それらの施設を有効に活用していくことも重要ではないかと考えます。 そこで、国民スポーツ大会に向けた県有主要3施設の整備の進捗状況と今後の利活用について、総合政策部長にお伺いいたします。 次に、国土強靱化についてお伺いいたします。 近年、全国各地で毎年のように大規模な自然災害が発生しており、今後、地球温暖化に伴う気候変動の影響により、さらなる気象災害の頻発化・激甚化が懸念されるところであり、本県におきましても、様々な自然災害が相次いで発生しており、特に昨年9月、椎葉で発生した大規模な土砂災害は大きな被害をもたらしました。 私自身、大変衝撃を受けた災害であり、残念でなりません。改めまして、犠牲になられた方の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。 災害リスクの高い本県にとって、その脆弱性を克服していくことは待ったなしの課題であり、県民の命と暮らしを守るために、事前の備えとなる防災・減災対策を、緊急的かつ集中的に進めていく必要があると考えております。 このような状況の中、国が平成30年度からスタートさせた「防災・減災、国土強靱化3か年緊急対策」は、令和2年度までの3年間で、約7兆円に及ぶ事業規模で進められてきたところでありますが、県土整備部としてどのように取り組んでこられたのか、県土整備部長にお伺いいたします。 以上で壇上からの質問を終わり、以下の質問については質問席から行ってまいります。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。県独自の緊急事態宣言発令に至った判断や、その効果等についてであります。 年末年始からの爆発的な感染拡大によりまして、本県は「歴史的な危機」に直面していると認識いたしまして、直ちに最大限のブレーキを踏むべきであると判断したところであります。そして、全国でも最も早いタイミングとなりましたが、県独自の緊急事態宣言を発令し、県民に対する外出自粛や飲食店への時短要請等を行うことを決断いたしました。 多くの県民や事業の皆様に対し、大変な苦労をおかけすることから、私も胸が痛む思いがしておりました。しかしながら、県民の命や健康を守ることを最優先に、何としても感染を早期に抑え込む必要があると判断したところであります。 県民の皆様の御協力によりまして、全国に比べても急速に鎮静化することができたものと認識しております。 今後の感染拡大防止につきましては、3月、4月は、進学や就職、転勤など人の動きが活発化する時期を迎えます。これまでの第1波から第3波を考えますと、人の移動が活発化する時期に大きな感染の波が訪れております。 十分注意が必要だと考えておりまして、新しい生活様式の下、マスクの着用や小まめな手洗い・手指消毒、さらには、体調が悪いときは休み、早期に医療機関を受診するなどの基本的な感染対策の徹底を改めてお願いするとともに、私自身もその重要性につきまして、メディアをはじめ、あらゆる機会を捉えて、積極的に呼びかけを行ってまいります。以上であります。〔降壇〕 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 〔登壇〕 お答えいたします。県有主要3施設の整備についてであります。 まず、都城市山之口町の陸上競技場につきましては、昨年12月に埋蔵文化財調査が完了したところであり、現在は、造成工事と併せて、県が整備を行う主競技場及び投てき練習場の実施設計について、最終の調整を図っているところであります。 次に、延岡市の体育館につきましては、昨年12月に建物の実施設計が完了し、3月の入札公告に向けて準備を行っているところであります。 最後に、PFI方式で整備を行う宮崎市のプールにつきましては、昨年11月に入札公告を行ったところであり、4月に予定しております入札参加グループからの具体的な提案内容の受付に向けて、必要な手続を進めているところであります。 いずれの施設も令和7年度の供用開始を予定しておりまして、令和9年度の大会開催までの間は、本県選手の競技力向上に向けた練習拠点としてしっかり活用するとともに、大会後は、生涯スポーツの振興や合宿誘致など、スポーツランドみやざきの新たな拠点としての利活用が図られますよう、取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◎県土整備部長(明利浩久君) 〔登壇〕 お答えします。国土強靱化の取組についてであります。 県では、国土強靱化基本法の制定により、「宮崎県国土強靱化地域計画」を平成28年度に作成した上で、ハード・ソフトの両面から、それまでよりもさらに、社会インフラなどの防災・減災対策を推進しているところであります。 加えまして、平成30年度からは、3か年緊急対策として、重要インフラの緊急点検を踏まえ、特に緊急に実施すべき箇所について、集中的に取り組んでおります。 具体的には、県内158河川、約200万立方メートルに及ぶ河道掘削のほか、緊急輸送道路における橋梁の耐震化、物流拠点を担う重要港湾の耐震強化岸壁の整備等を実施しております。 これらの取組により、洪水時における家屋等の浸水被害の軽減や、災害に強い人流・物流ネットワークの構築など、県土の強靱化は着実に進んでいるところであります。以上でございます。〔降壇〕 ◆(日高博之議員) 壇上でのコロナウイルス感染症の質問に引き続き、お伺いいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大を受けての県独自の緊急事態宣言の発令によって、経済活動に急ブレーキをかけたことで、感染の減少につながりました。この知事の決断につきましては、いろんな方面で、知事は変わったなと、または、よく決断されたなということで、称賛の声をよく聞いているところでございます。 しかしながら、その反面、飲食店や宿泊業をはじめとする県内経済は大きな打撃を受けており、その修復は容易ではございません。 県は、昨年5月に「新型コロナウイルス感染症経済対応方針」を策定し、感染リスクはゼロにならないことを前提に、感染防止と社会経済活動の維持・再生の両立を目指すとしています。 知事も常々、アクセルとブレーキという表現を使っていますが、そろそろ経済再生に向けたアクセルを踏む必要があるのではないかと考えます。 コロナ禍におきまして、新しい生活様式の導入やソーシャルディスタンスの確保など、様々な制約が課せられている状況にあり、今後、新しい産業が生まれる可能性もあれば、逆に廃れる産業もあると思います。 地域経済や産業においては、これまでどおりの対応では通用しない、時代の転換期を迎えており、時代を先取りした対応が求められるのではないでしょうか。 そこで、新型コロナウイルスによって打撃を受けた県内経済の再生に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 御指摘のとおり、緊急事態宣言によりまして、即座に最大限の急ブレーキをかけたところでありますが、それを今、一定程度緩めて、今後、経済の再生・発展に向けては、徐々にアクセルを踏むべき段階を迎えております。地域経済や雇用を下支えするこれまでの取組に加えまして、コロナの発生により生じた変化や、顕在化した課題を見据えた施策を強化していくことが重要であると考えております。 このため、まずは、来年度を「デジタル化元年」と位置づけ、行政や暮らし、産業のあらゆる分野でのイノベーションに取り組むとともに、それを支えるデジタル人材の育成にも力を入れたいと考えております。 また、新たな地方回帰の動きを捉え、本県の魅力とリモートワークとを掛け合わせた、本県ならではの新しい働き方についても、積極的に推進することとしております。 さらに、身近な地域での観光ニーズに対応した施策の推進や、サプライチェーンの国内回帰などの企業動向を踏まえた取組を展開するとともに、脱炭素や分散型社会などの進展によります、社会や産業構造の変化の可能性も見据えながら、県内経済の早期再生とさらなる成長に、先見性を持って取り組んでまいります。 ◆(日高博之議員) 次に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金についてお伺いいたします。 国は、地方公共団体が、地域の実情に応じてきめ細やかにコロナ対策として必要な事業が実施できるよう、地方創生臨時交付金の設置をしております。 国の3次補正で、この臨時交付金は1.5兆円が設置され、地方単独事業分として1兆円、このうち本県には約75億円が限度額として示されております。 内訳を見ますと、地域経済対応分約42億円、感染症対応分約33億円となっており、感染症対応分の中には、独自の営業時間短縮に取り組み、協力金を支給した自治体への上乗せ分として6億円程度が含まれているようです。 一方、本県では、さきの臨時会において、飲食関連事業等への支援金として約15億円の補正。国に対しても、緊急事態宣言発令地域に限らず、売上げが減少した中小企業を一時金の支給対象とするように、県議会では丸山議長を中心に、意見書を国に提出いたしました。また、我々自民党県連も星原会長、中野幹事長を中心に、他県に先駆けて党本部に要望を出しました。公平な措置を求めてきた中で、この上乗せ額では「話にはならない、不十分だ」と考えているところであります。 また、来年度のコロナ対策関連事業を含めると、本交付金の余裕はなく、今後、第4波への対応などを考えると、財源的に大変厳しい状況になることが心配されます。 そこで、地方創生臨時交付金の3次配分に対する評価と、今後の交付金確保にどのように取り組まれるのか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 今回の地方創生臨時交付金の配分では、御指摘がありましたように、新たに、営業時間の短縮要請等、独自の対策を行った自治体に対して、一定の措置が講じられたところであります。 一方、本県は、感染の早期収束のため、独自に緊急事態宣言を発令し、必要な対策を先んじて実施したものでありまして、このことによる地域経済への影響は、国の緊急事態宣言の対象地域と同じであり、交付金の配分においても、同宣言地域と同様のさらなる増額措置が講じられるべきものと考えております。 コロナと共に生きる社会においては、今後の感染状況に応じて適時的確に対策を打っていくためにも、また、ポストコロナを見据えた取組を着実に進めていくためにも、必要な財源の確保は極めて重要な課題だと考えております。 このため、来年度におきましても、この交付金の措置や財政基盤の脆弱な地方への重点配分が図られるよう、全国知事会等とも連携し、また、地方税財政常任委員会委員長としての立場でもしっかり役割を果たしながら、国とのパイプも十分に活用し、しっかりと働きかけてまいります。 ◆(日高博之議員) 次に、飲食関連事業等の支援金についてお伺いいたします。 この支援金につきましては、先ほど質問で申し上げましたように、国の政策的な不整合があったことから、十分な財源措置がなされていないということは明白でございますので、今後、国へ強く要請していただきたいと思います。 しかしながら、日々、飲食店に関連する事業からの支援を求める声が高まる中、さきの臨時議会において、国の判断を待たずに県独自の支援金の支給を決定し、スピード感を持って取り組まれていることは評価すべきものだと考えております。 そこで、飲食関連事業等への支援金の現在の取組状況などについて、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 飲食関連事業等に対する支援金は、飲食店への営業時間短縮要請により大きな影響を受けた飲食店と直接取引のある事業のほか、タクシー及び代行運転事業を対象とし、同時期の売上げが前年より50%以上減少した事業に20万円を支給するものであります。 時短営業をした飲食店との取引につきましては、納品書等で確認することとなりますが、その他詳細については、整理ができ次第、速やかに県庁ホームページで公表いたしますとともに、週明けにはコールセンターを開設する予定であります。 また、申請は郵送によるものとし、送付先は商工会議所及び県商工会連合会としておりまして、来月15日を目途に受付を開始し、審査が終了したものから、随時支給することとしております。 今後、様々な機会を捉えて事業の周知を図りますとともに、商工団体ともしっかりと連携して、円滑な支給に努めてまいります。 ◆(日高博之議員) スピード感を持ってやってほしいなと思います。 次に、全国知事会地方税財政常任委員会のことについてお伺いいたします。 知事は、昨年11月、地方税財政常任委員会委員長に就任され、令和3年度の国の予算編成、税制改正等に当たり、地方の実情や地方の求める施策について、知事会を代表して、総務大臣や地方創生担当大臣はもとより、我が自民党の三役、税制調査会の主要議員にも短期間に複数回、提案・要望を伝えられたと伺っております。 宮崎県知事として、連日、コロナ対策、補正予算編成等の陣頭指揮を執りながらの知事会用務でありますが、その激務たるや察するに余りあります。 地方は今、感染症対策をはじめ、防災・減災、国土強靱化、そして人口減少対策の最前線に立ち、日々、住民の命や暮らしに向き合い、奮闘しております。 全国知事会会長の飯泉徳島県知事も、不退転の決意でこの3つの国難に正面から向き合う旨を発信されております。 本県にとっても、宮崎の取組を政界の要人や中央省庁、報道を通じて全国にアピールする、得難い機会であります。 税・財政は、行政の全ての分野に関係する基盤中の基盤であり、その安定なくして、地方はおろか、地方の総体である我が国の安定はあり得ません。 地方のため、知事は、全国知事会の地方税財政常任委員会委員長としてどう取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 地方税財政常任委員会では、地方の安定的な行財政運営に必要な地方交付税などの一般財源の確保・充実を図るとともに、偏在性が少なく税収が安定的な地方税体系を構築するために、地方を代表して、政府・与党に提言等を行っているところであります。 私は、委員長就任以来、度々上京して、政府・与党の幹部に直接地方の声を届け、来年度の地方交付税や新型コロナ対策の国交付金の確保等につなげてまいりました。 今回の新型コロナ対策では、宮崎県知事として、地方の実情に沿って率先して、県独自の緊急事態宣言や、飲食店取引等に対する支援を決断したところでありますが、これは、こうして認められた国の財源を有効活用し、ちゅうちょなくコロナ対策を打っていくという意味において、全国の取組に先鞭をつける意義もあったものと認識しております。 来年度は、感染対策や地域経済対策等の財源確保に加えまして、令和4年度以降、団塊の世代が75歳に達し、医療・介護の経費が大幅に増加する中で、今後の地方一般財源総額の取扱いを議論する重要な年となります。 引き続き、全国の声を十分に伺い、知事会長や各常任委員会委員長と共に、地方の先頭に立って、様々な地方全ての住民生活を守るため、地方税財源の確保・充実に全力を尽くしてまいります。 ◆(日高博之議員) 石橋を壊して渡ることの必要なときも、当然ございます。しかしながら、やっぱり国に対して、指摘するところは指摘していく、場合によっては「宮崎県が国をも動かす」ということも必要です。 そして、郡司副知事も言われていましたが、知事には内に秘めた闘志はあるんですよね。でも、それよりも積極的なリーダーシップを県民は大いに求めていると、私は肌感覚で思っておりますので、河野常任委員長、よろしくお願いいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症の変異株の検査体制についてお伺いいたします。 全国的に新型コロナウイルス感染症の変異株が確認されたとの報道がある中、最近では、鹿児島県において変異株が確認されたとの報道があったところでありますが、変異株は従来のウイルスよりも感染力が強いとも聞いており、今後の感染拡大につながりかねないと懸念しているところであります。 そこで、本県における新型コロナウイルス感染症の変異株の検査体制について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 新型コロナの変異株につきましては、現在のPCR検査機器を用いて検査することができますが、専用の試薬が必要であります。 先般、国から試薬の作製基準等が示され、現在は、本県においても衛生環境研究所で検査ができる準備が整ったところであります。 なお、この検査で変異株の疑いが確認された際には、国立感染症研究所に検体を送付し、最終的には国において確定することとなっております。 ◆(日高博之議員) 混乱のないようにお願いします。 次に、新型コロナウイルス感染症に係る宮崎市郡医師会病院の旧施設の利活用についてお伺いいたします。 昨年8月に生目の杜に移転した宮崎市郡医師会病院について、県医師会は昨年6月、「病院移転後の旧施設を新型コロナウイルス感染症専門病院とすることの検討」を知事へ要望しております。 その後、昨年10月に、県、宮崎市、宮崎市郡医師会の3で、新型コロナ対策に関する協力協定が締結され、旧施設は、国の緊急事態宣言が出されて以降に、県が新型インフルエンザ等特別措置法に基づく「臨時の医療施設」を開設する施設とされました。 特措法の改正により、国の緊急事態宣言前でも「臨時の医療施設」の開設が可能となりましたが、旧施設の活用については、人員の確保がハードルとなっているとの報道もありました。 そこで福祉保健部長に、宮崎市郡医師会病院の旧施設について、その利活用と人員確保の状況をお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 宮崎市郡医師会病院の旧施設につきましては、昨年10月に締結した県、宮崎市、宮崎市郡医師会との協力協定におきまして、県が、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、「臨時の医療施設」を開設する施設として位置づけております。 第3波では、認知症や要介護度の高い方を含む高齢の入院が多く、1人の患者に看護師が複数人で対応するなど、医療機関の負荷が大きくなっており、新型コロナの医療体制全体において、必要な人員確保が厳しくなっております。 今後、感染拡大防止対策の徹底を図るとともに、医師会、看護協会と連携し、新型コロナの医療体制全体における人員の確保に努めながら、旧施設に必要な機能や人員確保の在り方についても、引き続き関係医療機関等と協議をしてまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 第3波においては、認知症や要介護度の高い方を含む高齢の入院が多くなっており、1人の患者に看護師が複数人で対応したりするなど、新型コロナウイルスの医療体制全体において、必要な人員確保が厳しくなっているとのことでありました。 新型コロナに係る人員をいかに確保していくか、これは大きな課題であります。 こうした中、県医師会において、年末からの新型コロナ患者の急増を受け、県看護協会と連名で、新型コロナ患者を受け入れている医療機関や宿泊療養施設を支援するため、新たな感染の入院受入れや、回復の入院受入れ、医療スタッフの派遣に係る協力について、各医療機関に対し、1月9日付で緊急のアンケート調査を実施されております。 延岡、日向地区においては、アンケート調査が実施される前から、地元医師会が中心となり、延岡の宿泊療養施設に医師、看護師を派遣していたと伺っておりますが、今回、県医師会が実施した「新型コロナ感染症患者急増に対応するための緊急調査」の結果はどうだったのか、その結果に対する認識について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 県医師会におきましては、県内の患者急増を受け、県看護協会とともに、患者の入院受入れや医療スタッフの派遣につきまして、各医療機関に緊急調査を実施しております。 調査の結果、感染症指定医療機関等に入院後、PCR検査で陰性が確認された患者で、引き続き入院管理が必要な患者の受入れや、医療スタッフの派遣など、57医療機関から、何らかの協力の申出がなされております。 この調査結果を受けて、県看護協会の調整により、新たに2医療機関から3名の看護師を延べ14回、宮崎市内の宿泊療養施設へ派遣がなされるなど、医療体制の確保に有効な取組であったものと認識しています。 ◆(日高博之議員) しかしながら、結果はといいますと、「軽症の新型コロナ患者であれば受入れが可能である」とか、「新型コロナ患者以外の業務なら看護師を派遣してもいい」など、レッドゾーンに入るのは駄目だという回答であったとお聞きしております。 これでは、年末からの感染の急拡大により、介護が必要な高齢患者や重症患者の受入れで増大した医療機関の負担を軽減することにはつながらないと思います。 そこで、新型コロナウイルス感染症患者の新たな入院病床等の確保について、県医師会アンケート調査の結果に対する県の対応を、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 御指摘のアンケートを踏まえた調整の結果、新たに1医療機関に、新型コロナ患者の受入れ機関となっていただきました。 他方で、これまで重ねてきた協議の結果、既に患者を受け入れている医療機関に増床いただき、県全体で28床が増加し、現在274床の受入れ病床を確保できたところです。 ただし、受け入れる医療機関に負荷のかかる患者が増加すると、この病床数でも十分とは言えない状況となることから、重症化リスクの高い高齢や基礎疾患を持つ方々が感染とならないよう、急所を押さえた啓発や感染防止対策を継続してまいります。 ◆(日高博之議員) なかなか答えが見つからないと思います。 あのときに看護協会の会長が、「感染しないことが医療従事への最大のエール」と。その一言に尽きるのかなと考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症についての、職場に復帰する基準をお伺いいたします。 新型コロナウイルスの感染は、発症日から10日たてば、退院または宿泊療養施設から退所できるとされておりますが、濃厚接触については、感染と最後に接触した日から2週間たてば職場に復帰できるとされております。 しかし、なぜ、両者の日数が異なるのか、正しく理解している県民は少ないと思います。現に、宿泊療養施設を退所した方が、職場に復帰する際に念のために検査をしたところ、陽性であったという話を聞きました。 県民や社会の方々に対しては、正しい情報を基に正しく理解していただかないと、県民の方も安心して職場に復帰はできないし、また、会社にとっても大丈夫だろうかと、不安に思っても仕方がありません。 そこで、新型コロナウイルス感染症に感染した人の入院や療養の解除に関する国の基準はどうなっているのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 国の退院基準では、発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間を経過した場合には、PCR検査をしなくても退院ができることとなっておりまして、本県でも、この基準に沿って同様に判断をしております。 これは、WHOなど国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日から10日程度たつと、新型コロナの感染性は急激に低下し、人に感染させる可能性は極めて低いことが分かってきたためです。 このことから、退院・退所される方に対しましては、退院後4週間は健康観察等をお願いしておりますが、仕事等への復帰は可能とされております。 こうした情報を基に、事業主や県民の皆様が正しく理解できるよう、より周知を徹底してまいります。 ◆(日高博之議員) ホームページで周知をしていただいておりますが、県民の方が安心して職場に復帰できるような、事業などへのさらなる周知をお願いしたいと思います。 次に、中小企業の経営改善についてお伺いいたします。 県内中小企業は、新型コロナの影響により大幅な売上げ減少を余儀なくされ、何とか事業を継続するため、やむを得ず借入れをしたところであります。 その結果、過剰な債務を抱えた状況となっている企業もあろうかと思います。今後、本格的な返済が始まることになり、厳しい経営環境の中で、大変苦労や心配をされております。 そこで、借入金返済の課題を抱えた中小企業の経営改善について、今後、どのように支援していくのか、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 融資後の企業支援につきましては、これまでも金融機関や再生支援協議会等により、個別の支援が行われているところでありますけれども、今回の新型コロナに伴い融資額が増加しておりまして、その対応が必要となっております。 このため、先般、県と信用保証協会が事務局となり、金融機関、商工団体、再生支援協議会等で組織する「中小企業支援ネットワーク」を再構築いたしまして、関係機関が一丸となって支援していくことを確認したところであります。 今後、関係機関のノウハウの共有や情報交換等を行いながら連携を強化し、企業の実情に応じて、迅速な返済猶予や複数の金融機関による調整、あるいは専門家を活用した経営改善計画策定など、最適で効果的な支援策を提供できるよう取り組んでまいります。 ◆(日高博之議員) 次に、雇用問題についてお伺いいたします。 まず、新型コロナウイルス感染症の影響下における有効求人倍率や新卒求人の内定状況など雇用情勢の現状について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 昨年12月の県内の有効求人倍率は、前年同月比で0.18ポイント低い1.20倍となっておりますが、全国と比べると、この数字は0.14ポイント高くなっております。 次に、県内の新規学校卒業の就職内定率は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、企業の採用活動に遅れが見られることなどから、12月末時点で大学生、短大生等が68.8%と、前年同月比で3.8ポイント低くなっております。また、例年より1か月遅れて10月中旬から就職活動が始まりました高校生についても、91.0%と前年同月比で3.2ポイント低くなっております。 感染症が収束しない中、雇用情勢は予断を許さない状況が続いておりますので、県といたしましては、引き続きその推移を見守りながら、また、宮崎労働局などと連携しながら、新規学卒をはじめ、様々な求職の就職活動を支援してまいります。 ◆(日高博之議員) 答弁にありましたように、本県の有効求人倍率は全国を上回っており、首都圏などの都市部と比べれば、新型コロナウイルス感染症の影響は小さいのかもしれません。 しかしながら、今年に入り、本県独自の緊急事態宣言が発せられてからは、飲食・宿泊業を中心に様々な分野でさらに大きな打撃を受けており、とりわけ、アルバイトやパートタイムなど労働条件が不安定な非正規雇用労働への影響が懸念されます。 国においては、雇用の維持に努力されている事業主の方へ雇用調整助成金を支給しており、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、その内容を大幅に拡充するとともに、申請手続の簡素化を講じています。 また、新型コロナウイルス感染症の影響により休業させられた中小企業の労働のうち、休業手当の支払いを受けることができなかった方に対し、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」を支給しています。さらに、大企業で働く非正規雇用労働についても一部対象となる予定です。 これらの助成金等は、営業時間短縮などにより勤務シフトが減少したアルバイト等も、要件を満たせば対象となるとのことですので、広く周知し、活用促進を図る必要があると思います。 そこで、本県における雇用調整助成金及び新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の活用状況はどうなっているのか。また、活用推進に向けた県の対応について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 宮崎労働局によりますと、1月25日現在の雇用調整助成金の支給決定は、累計で1万1,600件余で、金額では約93億6,000万円、また、労働個人が直接申請できる「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」は、累計で2,900件余、約1億8,000万円であり、一定の活用は図られているところであります。 しかしながら、特に、昨年新設されました支援金・給付金につきましては、情報が十分に行き渡っていない可能性もあると考えておりまして、弱い立場にある非正規雇用労働などに対して情報を届けることが、最も重要であると考えております。 このため県では、これまで専門家による相談対応や、県内事業向けの広報紙、県庁ホームページ等により、支援金等の活用を呼びかけるなどの取組を行ってまいりましたが、今後も引き続き労働局と連携しながら、より一層の周知に努めてまいります。 ◆(日高博之議員) これまで、新型コロナ感染が繰り返し拡大・収束する中、感染拡大防止と社会経済活動の維持のバランスを取り、試行錯誤しながら、度重なる補正予算により経済対策を行ってきたところであります。 ただ、経済の回復には一定期間が必要でありますことから、これからもきめ細やかな継続した支援が重要であると考えております。 このような中で、来年度の当初予算が示されました。当初予算について、商工観光労働部長はどのような考えで事業構築したのか、その思いについてお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(松浦直康君) 新型コロナによりまして、県内事業や県内経済が甚大な影響を受けておりますことから、来年度におきましても、経済の回復を図ることが最優先の課題であると考えております。 このため、商工観光労働部の当初予算案では、資金繰り支援など事業継続や雇用維持のための対策のほか、感染収束後の観光キャンペーンなどの需要喚起策、またデジタル化の推進など、ポストコロナを見据え、県内事業の成長を後押しする事業にも取り組む予定としております。 さらにコロナ対策以外にも、若者の県内就職の促進や事業承継、商工会の機能強化など、直面する課題に対し、しっかりと対応してまいりたいと考えております。 今後も国や市町村と連携し、これらの事業の効果的な実施を図りながら、県内経済の回復に努めてまいります。 ◆(日高博之議員) もういきなりGo To キャンペーンとはいかんわけですね、今の状況では。 だから、やはりきめ細やかな継続で、どれだけ県が支えていくか、そして収束後に、どれだけ大きく対策を打てるかですので、部長、よろしくお願いいたします。 次に、プロスポーツキャンプについてお伺いいたします。 今年の春季キャンプは、プロ野球もJリーグも無観客での実施となりました。 今年はコロナ禍のキャンプで、無観客の実施はやむを得ないものと考えますが、長年、本県でキャンプを行ってきた広島東洋カープ1軍、川崎フロンターレのキャンプが共に沖縄で行われたことを、県としては重く受け止める必要があると思います。 年々、施設が充実し、受入れノウハウが蓄積されている沖縄は、大変強力なライバルであり、広島東洋カープの1軍キャンプについては、コロナ対策で今年に限って、1軍は沖縄、2軍は日南とされたと聞いておりますが、今年、沖縄で期間通してキャンプが行われるのは事実でありますから、このままキャンプ地移転につながらないのか、巨人軍も怪しい状況かなと危惧をしているところでございます。 こうした中、長年培った信頼関係によって受入れを行ってきたプロスポーツキャンプでありますので、私は、やはり人間関係が重要であると考えます。 来年に向けて、知事がしっかりと、本県でキャンプを行う球団やチームにトップセールスをして、フェース・ツー・フェースで、「来年は必ず宮崎で実施してください」という強いメッセージを発していただくなど、積極的な姿勢を伝えることが大切であると考えます。 そこで、今年のプロスポーツキャンプの状況を踏まえ、今後の取組が重要であると思いますが、知事の考えをお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) この春の時期のプロスポーツキャンプは、毎年80万人を超える観客が訪れまして、キャンプ等の様子が連日全国に発信されるなど、本県にとって観光誘客や情報発信に大きな影響のある大事なイベントと考えております。 今年は、新型コロナ感染症予防の観点から、残念ながら無観客となりましたが、ほとんどのチームが例年どおり本県で実施していただいていることは、各チームとの間で長年培ってきた相互の信頼関係の結果であると、大変ありがたく感じております。 私としましても、自ら球団等のトップに直接お会いして、キャンプ地宮崎の熱意を伝えることが非常に重要と考えておりますので、広島東洋カープの1軍キャンプをはじめ、来年はキャンプ地のにぎわいが取り戻せるよう、先頭に立ってしっかりと取り組んでまいります。 議員におかれましても、球界との太いパイプを活用して後押しを賜りますよう、お願い申し上げます。 ◆(日高博之議員) 頑張ってまいります。 続きまして、プロ野球やJリーグが毎年集うプロスポーツのキャンプ地としての着実な取組と併せて、スポーツランドみやざきのさらなるレベルアップに向けた取組も必要だと思います。 一昨年、ラグビーワールドカップ日本大会に合わせて日本代表、イングランド代表が本県で合宿を行い、いずれのチームもすばらしい結果を残され、本県の合宿環境を高く評価いただいたと聞いております。 また、東京オリンピックの予選の一つであるワールドサーフィンゲームスも開催され、国内外にスポーツランドみやざきを大いにPRできたと思います。 こうしたラグビーやサーフィンのビッグイベントにより、本県の優れたスポーツ環境がクローズアップされました。 そして、いよいよ今年は東京オリンピック・パラリンピックの年となり、本県でも複数の海外代表チームの事前合宿が予定されています。 これを一過性のイベントに終わらせることなく、こうしたビッグイベントの経験を踏まえた次なる戦略が大変重要であります。 そこで、東京オリ・パラ後を見据えた、スポーツランドみやざきのさらなる進化に向けた今後の取組について、知事の思いをお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 県では、2019年ラグビーワールドカップ等のゴールデン・スポーツイヤーズを契機としまして、スポーツランドみやざきをさらに一段と高い次のステージへと進化させる、これを重点施策の一つに掲げまして、数多くの国内外代表チームの合宿や、サーフィンやトライアスロンなど国際スポーツ大会の受入れを積極的に進めてきたところであります。 こうした中、これまで本県で合宿を行った代表チーム等から、本県の優れたトレーニング環境、おもてなしの対応、また、「結果の出る宮崎」ということで、高い評価をいただいているところであります。また、海外のサーフィン関係から、とても親切で配慮の行き届いた対応についても高い評価をいただいたということも伺っております。 近年、スポーツメディカルサポート機能の充実等、トップチームに対応した受入れ体制の充実も進んできておりまして、さらなる手応えを感じております。 こうした成果を今後の県勢発展につなげていくため、東京オリンピック・パラリンピック代表チームの事前合宿にしっかり対応するとともに、2023年のラグビーワールドカップや2024年のオリンピック・パラリンピック等も見据え、「国際水準のスポーツの聖地みやざき」として、確固たる地位を築くべく取り組んでまいります。
    ◆(日高博之議員) ただ一つ整っていないのが、グラウンドですね。あそこは十分環境があるのに、グラウンドがあれば、もうこれは……。サッカーとかラグビーは、宿泊所とグラウンドが近いほうがいいんですね、途中で休んだりするので。その辺も考えて、今後、第2のスポーツランドの拠点ぐらい大きく出て、頑張ってください。お願いします。 次に、ワクチン接種についてお伺いいたします。 医療従事に対するワクチン優先接種が始まっておりますが、ワクチン接種は、新型コロナ対策の切り札として、県民が大きな期待を寄せています。 県民が安心してワクチン接種を受けられるよう、県や市町村、医療機関等が連携して準備に取り組む必要があると思いますが、ワクチンの住民接種を進めるための県のロードマップはどうなっているのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) ワクチン接種につきましては、3月に医療従事が始まり、4月以降から高齢に対して開始される見込みとなっております。 住民接種を行う市町村では、各地域の実情に応じて、集団・個別接種などの接種方法の設定、接種会場や医師・看護師等の確保などが進められております。 県では、これまで知事と市町村長によるウェブ会議や、担当職員による会議などを通じて意見交換を実施したほか、さらに、県プロジェクトチーム内に市町村の相談窓口担当を設置しまして、進捗状況を確認しながら市町村の接種体制づくりを支援しております。 また、県医師会や郡市医師会に対して、会議への参加や直接訪問等により協力を依頼してまいりました。 国からの情報が少ない中、課題も抱えておりますが、各市町村において円滑な住民接種が実施できるよう、支援に工夫を重ねてまいります。 ◆(日高博之議員) 国からの情報が少ない中で、接種体制づくりに苦労されているとのことですが、先日開催された市町村とのウェブ会議においても、「ワクチンがどれだけ入ってくるのか分からない。情報が不足している。少しでも正確な情報が欲しい」といった声があったというふうに聞いております。 ホームページを立ち上げられたと聞いたんですが、それは別として、今回、ワクチン接種は、令和3年度の最も重要な事業の一つであると考えます。この一大プロジェクトを円滑に進めるために、県が正確な情報をいち早く入手し、迅速に市町村や県民の皆様に提供することが重要であります。また、実務を担う市町村や医療現場の課題を吸い上げ、国に適切に要望等を行うことも必要であります。 このような中、県は令和3年度の組織改正案を発表されました。その中に、広域的な連携や調整を行う体制を強化するために、総合政策部内に部長級の新たなポスト「政策調整監」を設置するというものがあります。 知事は、昨年11月に全国知事会の地方税財政常任委員会の委員長に就任され、地方団体の代表として、国に対して積極的に提言をされているところですが、今回の政策調整監の設置は、新型コロナウイルスのワクチン接種という喫緊の課題に直面している今、まさに時宜を得たものと考えております。 新型コロナウイルスのワクチン接種の対応を充実させるためにも、この政策調整監に存分に活躍してもらわなくてはなりません。 新たに設置する政策調整監の役割や意義について、知事の思いをお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 全国知事会の地方税財政常任委員会委員長として、地方を代表しまして政府・与党に提言等を行う中で、国と地方がより連携を密にすることによりまして、人口減少問題や激甚化する自然災害への対応を図っていく、これはもちろんでありますが、本県としても、これまで以上に全国知事会や九州地方知事会等の広域的な枠組みを活用しながら、県独自の施策を立案・推進していく必要性を強く感じたところであります。 このため、地方税財政常任委員会に関する業務をはじめ、広域的な連携や調整を行う体制強化を目的に、新たに政策調整監を設置することとしたものであります。 御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症対策などの全国的な課題の解決に当たりましては、国や他の都道府県、市町村との一層の連携強化が重要となりますので、政策調整監には、担当部局との十分な連携の下、全国知事会などの広域的な枠組みを活用した、施策の推進や情報収集・分析などを担わせたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 大いに期待しておりますので、政策調整監、誰になるか分かりませんが、ぜひよろしくお願いいたします。 次に、重症化リスクの高い高齢施設の入所についても、優先接種が受けられるようですが、日々、入所の日常生活の援助を行う介護職員は、優先接種の対象には含まれないのでしょうか。 今回の第3波では、高齢施設の従事が、会食を通じて気づかずに感染し、その後、職場である施設内で感染拡大を招いた事例など、多くのクラスターが本県では発生しました。 集団感染が発生した場合のリスクを考えれば、入所だけでなく、直接入所と接する機会の多い施設職員も一緒に接種するべきだと思います。 このことは、ワクチン接種の取組の中でも重要な論点だと思いますが、知事の考えをお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) ワクチン接種につきましては、当面、確保できるワクチンの量に限りがありますことから、順次、高齢から接種していく段取りとなっております。 御指摘のとおり、高齢と高齢施設の従事の接種順位は異なっておりますが、国は、施設内クラスター対策のより一層の推進のため、市町村及び施設の双方の体制が整うなど、一定の要件を満たす高齢施設におきまして、施設内で入所と同じタイミングで従事の接種を行うことができる特例を設けております。 県では、クラスター防止に有効であるという考えから、入所と従事の同時接種について、市町村に促す旨の通知を発出したところでありまして、今後、その方向で推進してまいります。 ◆(日高博之議員) ぜひ、その辺をよろしくお願いいたします。 しかし、デイサービスとか訪問介護、ショートステイは対象外なんです。これで本当にいいのかと思うんですよね。併設型のデイはオーケーですよ、併設しないデイは駄目ですよと、こういう不整合なこと、何かもう、何回も同じことを国は繰り返しておりますが、これではしようがありません。 この質問について、もっと深く入ってやりたいんですが、一般質問で日髙陽一議員が深くされるということですので、そちらのほうに期待したいと思います。 次に、第35回国民文化祭みやざき2020、第20回全国障害者芸術・文化祭みやざき大会についてお伺いいたします。 本県で初めての開催となるこの大会は、新型コロナウイルスにより、会期を令和3年7月に変更されたところでありますが、今月8日、知事から出演など大会プログラムについて発表がありました。 大会の開会式では、延岡市出身のメダリストである松田丈志さんが総合司会を務めるなど、本県にゆかりのある著名人の方々に出演いただくほか、私の住む日向市が生んだ歌人「若山牧水」をテーマとした、現地で体験できるプログラムも企画されており、私も大会を心待ちにしております。 そのほかにも、107日間に及ぶ大会期間中は、県内全ての市町村で、各地域の特色を生かした多種多様な文化芸術プログラムが予定されております。 国文祭・芸文祭の開催に向けた現在の進捗状況と、大会開催にかける知事の熱い思いをお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 国文祭・芸文祭が1年延期されたところでありますが、今年度も、本大会に向けた機運醸成を図るため、「さきがけプログラム」を開催しております。多くの皆様に、様々な文化芸術に触れていただくとともに、出演からは、コロナの影響で活動の機会が減る中、表現できる喜びの声も伺っているところであります。 来年度行われます本大会におきましては、市町村や文化団体など、大会関係の御協力の下、県内全ての市町村で、約140のプログラムを実施することとしております。現在、参加や作品の募集等、準備を鋭意進めているところであります。 先日、ある医療関係から、重い障がいを抱えた方が演劇に挑戦する、国文祭・芸文祭の機会を捉えて、ぜひ、それを成功させていきたいということで、とても熱意を持って取り組んでおられるという話を伺って、すばらしいことだなと考えたところであります。 文化芸術は、私たちに安らぎと勇気を与え、そして励ましてくれるものであります。人と人とのつながりが難しくなった今、地域で育まれてきた文化芸術には、私たちの心を一つにする力があると考えております。 この大会が、コロナ禍からの復興の光となりますよう、大会の成功に向けて、県民一丸となって取り組んでまいります。 ◆(日高博之議員) ありがとうございます。 さて、国文祭・芸文祭の大会期間中は、県内外から多くの方が参加を予定されております。 ワクチン接種の準備も進められておりますが、皆さんが大会に安心して参加し、心から本県の文化芸術を堪能していただくためには、新型コロナウイルスへの対策をしっかりと準備する必要があると考えます。 そこで、感染症対策を含めた新型コロナウイルスへの対応について、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 国文祭・芸文祭の安全かつ円滑な運営のためには、新型コロナへの対応は大変重要であると考えております。 このため、各プログラムの実施に当たりましては、政府が示しております基本的対処方針や業種別のガイドラインを遵守するとともに、状況に応じて、さらなる安全対策を講じていくこととしております。 また、国文祭・芸文祭に向けた機運醸成を目的に、今年度「さきがけプログラム」といたしまして、様々な文化芸術プログラムを展開しておりますが、これらの運営を通じ、入場時の検温や消毒の徹底などの感染症対策に加え、オンライン配信などのノウハウを得ておりまして、来年度の大会本番に生かしていくこととしております。 今後とも、市町村や文化団体と情報共有を図りながら、感染症対策に万全を期すとともに、御参加いただく多くの皆様が、安心して楽しむことができる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) ワクチンが7月までに打ち終わるといいんですけど。それは不可能でしょうけど。 次に移ります。ここから、令和3年度からスタート予定の各種計画について、順次お伺いいたします。福祉保健部長、12問連発でいきますので、よろしくお願いします。 まず初めに、宮崎県地域福祉支援計画についてお伺いします。 我が国は、急速な人口減少及び少子高齢化、ライフスタイルの変化による核家族化の進行により、地域の相互扶助や家族同士の助け合いなど、人と人との支え合いの基盤が弱まってきております。 人情味あふれる県民性であると言われている本県にあっても、伝統的な助け合いの機能は弱まりつつあり、地域福祉を取り巻く現状も変化してきているのではないかと考えます。 県においては、地域福祉の担い手の育成や地域福祉サービスの基盤づくりなど、地域福祉の推進に取り組んできたことと思いますが、このような変化に対応した、新たな第4期宮崎県地域福祉支援計画のポイントについて、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 地域福祉を取り巻く状況は変化しておりまして、多様な主体が連携し、お互いを補い支え合うことが重要となっております。 このような中、国では、「地域共生社会」の実現を掲げ、本年4月には新たに、重層的支援体制の整備などを盛り込んだ改正社会福祉法が施行されます。重層的支援体制とは、介護と育児のダブルケアなど複合化する住民の課題に、属性や世代を問わない支援を行うものです。 県では、法改正に対応した第4期計画の基本理念として、「ともに支え合い、自分らしく活躍できる 地域共生社会の実現」を掲げまして、「体制づくり」「多様な担い手づくり」「ともに支え合い、助け合う地域づくり」の3つを基本目標に、災害福祉支援ネットワークの整備などの新たな施策も盛り込み、地域福祉を推進してまいります。 ◆(日高博之議員) 基本理念は、「ともに支え合い、自分らしく活躍できる 地域共生社会の実現」ということですが、地域共生社会を実現していくために、今後どのようなことに取り組んでいくのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 地域共生社会の実現のためには、従来からの地域福祉関係はもとより、住民一人一人が地域の問題に関心を持ち、NPOやボランティアまで幅広く地域福祉の担い手として参画し、地域づくりに関わっていくことが必要です。 このため、3つの基本目標のうち「体制づくり」につきましては、地域共生社会の意識醸成や、市町村における包括的な支援体制の整備など、「担い手づくり」については、人材の確保と資質の向上や、みやざき地域見守り応援隊などの多様な担い手の育成など、「地域づくり」については、地域福祉の推進や災害時における福祉的支援の充実などに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 次に、宮崎県自殺対策行動計画についてお伺いいたします。 本県は、全国でも自殺が多いと言われています。県においても、様々な取組をしてきたものと思いますが、厚生労働省の統計によれば、令和元年の自殺死亡率は全国ワースト8位、警察庁の統計によれば、昨年の自殺死亡率は全国ワースト3位と、依然として高い状況にあり、多くの県民の貴い命が自殺により失われています。 そこで、これまでの自殺対策の成果や課題を踏まえた、令和3年度からの第4期宮崎県自殺対策行動計画のポイントについて、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 県では、自殺対策の推進体制など基盤の強化を図りながら、普及啓発などの一次予防、相談対応などの二次予防、自殺未遂の支援などの三次予防の各段階ごとに、官民が連携して施策を展開してきた結果、一定の成果があったと考えております。 令和3年度からの第4期計画では、最新の自殺の傾向等にしっかりと対応していくため、職場におけるメンタルヘルス対策や、SOSの出し方に関する教育などの施策も含め、81の施策を盛り込んでおります。 施策の実施に当たりましては、これまでの総合的な自殺対策を着実に推進するとともに、子ども・若者に対する支援や生活困窮に対する支援など、新たな課題に対する取組を強化してまいります。 ◆(日高博之議員) 新型コロナの影響で、経済的な悩みを抱える方、心が疲れている方が増えているのではないでしょうか。中には、死にたいほど思い詰めてしまい、死を選んでしまう方もいるのではないかと心配をしております。 報道によりますと、令和2年の自殺が増加しているとのことですが、現状と今後の取組について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 警察庁自殺統計の暫定値によりますと、本県の令和2年の自殺は227人、前年比26人増であり、極めて重く受け止めております。 国の自殺対策の指定法人の分析は、新型コロナの影響による経済的なダメージや心身の負担、有名人の自殺報道などが自殺の増加に影響していると指摘しております。本県でも、電話相談でそのような声が寄せられており、自殺の原因・動機の特定は難しいものの、この分析と同様の状況が推測されます。 本県の自殺では20~40歳代の女性、30歳代までの若者などが増加いたしました。このため、女性や若者を対象とした情報発信や啓発の強化、相談会の回数増加などに、経済分野をはじめ様々な関係機関と連携しながら、真摯に取り組んでまいります。 ◆(日高博之議員) 自殺と聞くと、本当に心が痛みます。全力を挙げて自殺が一人も出ないようにお願いしたいと思います。 次に、宮崎県高齢保健福祉計画についてお伺いいたします。 この計画は、高齢の保健福祉分野に関する本県の方針や施策を示したもので、高齢が生き生きと安心して暮らし続けられる地域社会の実現に向け、必要となる様々な施策を盛り込み推進していく計画であり、大変重要であると考えます。 そこで、宮崎県高齢保健福祉計画の特徴について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 計画の特徴としまして、主に「介護人材の確保」「認知症施策の推進」「災害や感染症への備え」の3つがあります。 1つ目は、団塊の世代全てが75歳以上となる2025年はもとより、現役世代が急減する2040年の双方を見据えた上で、「介護人材の確保」を最重要課題と捉え、重点的に対策を講じることといたしました。 2つ目は、令和元年6月に決定された国の大綱を踏まえ、新たに策定する認知症施策推進計画を、本計画の部分計画として位置づけ、認知症に関する施策を総合的に推進することといたしました。 3つ目は、近年の自然災害の発生状況やコロナ禍を踏まえ、介護保険施設等における利用の安全確保対策や、新型コロナの感染防止対策といった災害や感染症への備えの方向性を新たに示しております。 ◆(日高博之議員) 人口構造の推移を見ますと、今後、高齢化はますます進展し、団塊世代が75歳以上となる2025年、さらに団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年に向けて、介護の担い手となる生産年齢人口の減少と、介護ニーズの増大が見込まれております。 今後、増大する介護ニーズに対応するためには、介護分野において、要となる介護支援専門員をはじめとする介護サービスを担う人材確保が重要であり、喫緊の課題であります。 介護人材の確保を最重要課題と捉えるとのことでしたが、今後どのように取り組んでいくのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 介護人材の確保につきましては、「新規就労の促進」「労働環境・処遇の改善」「資質の向上」の3つの視点から、総合的な対策を講じてまいります。 具体的には、「新規就労の促進」では、福祉系高校生等に対する支援や、介護分野の仕事の魅力発信を、「労働環境・処遇の改善」では、介護ロボットICT導入に向けた支援などを、「資質の向上」では、介護現場の中核を担う人材の専門性を高める研修等を行ってまいります。 これらの対策に加え、介護支援専門員や介護職員が作成する書類の簡素化や効率化を行うなど、介護現場における事務作業の負担軽減等を図ることで、新規の人材確保や離職防止につなげてまいります。 ◆(日高博之議員) 次に、新たに認知症施策推進計画を策定するとのことですが、認知症を有する高齢の数は、今後、高齢化の進展により増加することが予想されております。本県においても、2025年には、65歳以上の高齢の5人に1人が認知症になると見込まれており、高齢認知症施策の充実は大変重要であると考えます。 そこで、今回、新たに策定する県認知症施策推進計画のポイントについて、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 計画の策定に当たりましては、認知症に関する幅広い意見を伺うための部会を設置し、医療・介護等の各分野の専門家はもとより、認知症の方御本人にも入っていただき、当事者やその家族の視点も取り入れております。 この計画では、認知症は誰もがなり得るものであり、たとえ認知症になっても、安心して自分らしく暮らし続けられる社会の実現を目指すことを基本理念に掲げ、認知症の方の声を施策に生かすための「本人発信の機会の拡大」や、地域において生きがいを持った生活ができるよう、「認知症の人の社会参加促進」などを盛り込んでおります。 今後、計画に基づき、医療・介護等の各分野が連携し、地域一体となって認知症施策を総合的に推進してまいります。 ◆(日高博之議員) 次に、第6期障がい福祉計画及び第2期障がい児福祉計画についてお伺いいたします。 県北地域の、医療的ケアが日常的に必要な障がい児、いわゆる医療的ケア児を持つ御家族の念願であった医療型短期入所事業所が、4月から延岡共立病院にて開設されることとなりました。 このことは、本県の障がい福祉を一歩前進させるものであり、御家族の皆様におかれましては、地域で生活していくための勇気になったことと存じます。 御尽力いただきました知事、コロナ禍の中、開設を決断された赤須院長をはじめとする病院の皆様に、深く敬意を表します。 さて、都道府県や市町村は、障がいの日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づき、国の定める「障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針」、いわゆる基本指針に則して、障害福祉計画を策定することとなっております。 また、児童福祉法により策定することとされている障害児福祉計画についても、障害福祉計画と一体のものとして策定することができるとされております。 そこで、今回策定する県障がい福祉計画等の特徴について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 障がいのある方々が、自立した日常生活または社会生活を営むためには、居宅介護、いわゆるホームヘルプをはじめとする各種の必要なサービスが、地域において計画的に提供されることが必要です。 このため、計画では、市町村が地域の実情を把握した上で設定したサービスの必要見込量を基に、障がい保健福祉圏域別の数値目標を設定しております。 このほか、成果目標につきましては、これまでの福祉施設利用の一般就労への移行に関する数値目標などに加え、相談内容の多様化・複雑化や相談支援事業所数の増加等に伴い、これらの事業所の運営等に対する支援が求められておりますことから、新たに、相談支援体制の充実・強化等の項目を設定したところであります。 ◆(日高博之議員) 今回の計画で、さらなる相談支援体制の充実・強化等に取り組んでいくとのことでした。 障がいのある子を持つ御家族は、場合によっては県外への通院を余儀なくされております。御家族からの話ですが、コロナ禍にあっては、県内の医療機関から、県外に行った方の受診は控えてほしい旨のお話があったとも伺っております。 私は、コロナ禍の中での医療機関の気持ちも分からなくはありません。そのため、このような場合に、御家族が気軽に心配事や悩みなどを相談できる場の充実が必要ではないかと考えております。 そこで、新たに相談支援体制の充実・強化等に向けて取り組むとのことでしたが、具体的な内容について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 相談支援体制の充実・強化につきましては、保護等が身近な地域で相談できる環境の充実と、相談を受ける職員の専門性向上を一体的に進めることで、その強化を図ることとしております。 具体的には、相談環境の充実につきましては、市町村への県アドバイザーの派遣等を通じて、地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターの設置を進めてまいります。 また、職員の専門性の向上につきましては、たんの吸引など医療的ケアが日常的に必要な子供たちを支援する医療的ケア児等コーディネーター養成研修をはじめとした各種の専門研修を通じて、その向上に取り組んでまいります。 ◆(日高博之議員) 次に、第3次動物愛護管理推進計画についてお伺いいたします。 昨年4月に国の基本方針が改正されたことに伴い、第2次計画を改定すべく、学識経験や関係団体から成る動物愛護推進協議会を中心に、その改定作業が進められており、本年4月からは、第3次動物愛護管理推進計画がスタートします。 また、本県においては、平成29年4月に、長年の念願であった動物愛護センターを宮崎市と共同で設置することができ、宮崎市とも連携しながら、これまで以上に本格的な動物愛護施策を推進、展開することができる環境が整ったところであります。 そのため、第3次計画では、センター設置の利点を生かしながら、さらに積極的に取り組んでいただけるものと、県民も、また私自身も期待を寄せているところであります。 そこで、第3次動物愛護管理推進計画における取組と施策の特徴について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) これまでの第2次計画では、「殺処分数を3分の1に削減」等の目標を掲げ、ホームページ「みやざきドッグ愛ランド」の活用推進や、動物愛護フェスタの開催など、各種施策に取り組んでまいりました。 その結果、殺処分数については、目標の1,017頭を上回る458頭にまで減少させる成果を上げたところです。 第3次計画では、県と市町村の共同設置という、全国でも先進的な施設である動物愛護センターを、県内の動物愛護施策を総合的に推進する中核拠点と位置づけ、「地域猫対策」や本県独自の「いのちの教育」など、各種施策を積極的に推進し、殺処分数のさらなる減少などを目指すこととしております。 ◆(日高博之議員) これまでの取組によって、殺処分数をはじめ、前計画の目標をしっかりと達成できていることがよく分かりました。関係の御努力に感謝いたします。 さらに、第3次計画においても引き続き目標を掲げている殺処分数について、今後さらなる減少を目指すとのことでありますが、神奈川県とかでは殺処分ゼロを達成していると聞きます。 そこで、殺処分の減少に向けて、本県ではどう取り組んでいくのか、再度、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 犬猫の殺処分措置は大きく2つに整理することができます。1つは、攻撃性があるなど譲渡適性がないことによる殺処分であり、2つ目は、譲渡適性はあるものの、譲渡先が見つからないことなどにより殺処分するものです。 神奈川県などは、後者のゼロをもって「殺処分ゼロ達成」を宣言しており、その整理によれば、本県も令和元年度に達成しておりますが、本県の計画では、両者合計の殺処分数について、令和12年度までに、平成30年度比で60%減となる166頭を目標に掲げております。 今後とも、達成に向け、先ほどの地域猫対策等に加え、マイクロチップの普及などによる飼い主への返還率向上や、ボランティアの活用による譲渡を推進するなどの取組を総合的に進めてまいります。 ◆(日高博之議員) よろしくお願いいたします。 次に、以前からの課題であります特定行為に係る看護師の研修機関について、お伺いいたします。 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、質が高く安全な医療を提供するため、チーム医療推進の必要性が言われております。 こうした中、チームの要となる看護師の方々には、患者さんの状況を見極め、必要な医療サービスを適切なタイミングで届けるなど、速やかに対応する役割が期待されており、国は、平成27年10月に、今後の急性期医療から在宅医療等を支えていく看護師の養成を目的とした「特定行為に係る看護師の研修制度」を創設しております。 この制度を推進することは、本県においても、医療資源の限られる中山間地域などの地域医療体制の充実につながることから、大きな期待が寄せられております。 令和2年8月時点で、全国に222施設の指定研修機関が指定されていますが、本県の看護師が当研修を希望した場合、県外の研修機関で受講しなければならないと伺っております。県内で特定行為研修を受けられる体制を整備することは、地域医療を支える看護師の養成のために重要と考えますが、看護師の特定行為指定研修機関の設置について、本県の取組状況と今後の方向性を、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 県では、これまで医療機関や関係団体と看護師の特定行為指定研修機関の設置に向けた協議を行ってまいりましたが、令和2年11月に、研修機関の具体的な指定を目指す推進検討会を設置したところであります。 また、県では、研修の周知や受講への支援を行うほか、137医療機関を対象に実施したアンケートを基に個別のヒアリングを行った結果、2つの医療機関から、研修機関の指定を受けることに前向きな意向が示されたところです。 県としましては、令和3年度予算の新規事業としてお願いしております、「特定行為に係る看護師の研修制度推進事業」を活用して、制度の周知をはじめ、指導講習や演習体制の構築に係る補助を行うなど、研修機関の指定を目指す医療機関を積極的に支援してまいります。 ◆(日高博之議員) これは積極的にお願いします。 質問を替えます。次は、水産業について伺います。 水産業を取り巻く環境は、水産資源の減少や魚価の低迷、就業の減少や高齢化などの厳しい状況が続いておりますが、一方で、世界的に水産物の消費量が増加する中で、食料供給産業として水産業が成長できるチャンスも広がっており、資源の適切な管理や輸出に向けた積極的な取組も望まれるところです。 また、本格的な人口減少社会を迎える中、コロナ禍による消費の需要形態の変化や、スマート水産業をはじめとする新たな技術革新など、大きな変革期を迎えています。 現在、県では、このような状況を踏まえ、令和3年度から10年間を計画期間とする第六次宮崎県水産業・漁村振興長期計画を策定中であります。そこで、今回策定する第六次宮崎県水産業・漁村振興長期計画において、今後10年間の振興方針について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 今回の第六次水産業・漁村振興長期計画では、魚を意味します「いお」とイノベーションを組み合わせた「ひなたイオベーション」を、本県水産業の成長産業化のキャッチフレーズとしております。 本計画によりまして、みやざき丸の新船造船による操業支援や、ブリの大規模沖合養殖施設の導入等を通じまして、生産力を強化してまいります。 また、ベテラン漁業の技術の見える化や外国人材の受入れ体制の強化を通じて、多様な人材を確保・育成いたしますとともに、生産・流通構造のスマート化や、輸出先のニーズに対応した輸出バリューチェーンの構築により、高収益型漁業への転換を進めてまいります。 県といたしましては、目指す将来像に掲げております「持続的に成長する水産業と多様性にあふれた魅力ある漁村」をしっかり具現化できますよう、関係一丸となってしっかり取り組んでまいります。 ◆(日高博之議員) 人口減少や今般のコロナ禍がもたらした時代の大きな変革期にあって、第六次の長期計画をより力強く推進するためには、漁業の生産性向上が一つの大きな課題だと考えます。 このためには、効率よく漁業が行えるよう、スマート水産業を推進し、漁海況情報の高度化や作業の省力化を進めたりする必要があります。調査船は、そのための非常に重要なアイテムの一つであると考えます。 県が保有する調査船「みやざき丸」は、これまで漁海況情報の提供などで、漁業の効率的な操業を実現し、最近公表された令和元年の統計値を含め、26年連続日本一に輝いた近海カツオ一本釣り漁業をはじめとして、漁業の経営に大きく寄与してきたと考えておりますが、現在のみやざき丸は運用から17年経過し、船体の老朽化はもとより、装備の旧式化なども進んでいると聞いておます。 そのような中で、県では今般、新たなみやざき丸の建造を計画しているようですが、みやざき丸の新船を建造するに当たって、新船のコンセプトについて、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(大久津 浩君) 現在のみやざき丸は、カツオ・マグロの漁場調査等を行い、その漁獲情報等を漁業に提供するなど、「釣る調査」によりまして、本県水産業の生産力向上に寄与してきたところでございます。 新船のコンセプトといたしましては、「走る調査」であり、最新鋭の設備・機器を搭載いたしました船内に研究室を置きまして、海水中のDNA分析等を行い、漁場情報をリアルタイムに漁業に提供するとともに、沿岸から沖合までの魚種も対象といたしました、より広範囲での資源量調査等も行うこととしております。 なお、新船は、令和5年1月からの運用を目指しておりまして、みやざき丸からの情報の質と量をさらに充実し、本県水産業の成長産業化につなげてまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) スマート農業の話は、よく質問で出てきますけれども、スマート漁業もよろしくお願いします。 お待たせしました、明利部長。ここからは、国土強靱化についてお伺いいたします。 我が国は、新型コロナウイルス感染症により、これまでに経験したことのない危機に直面しており、国は、新型コロナ感染拡大防止のため、大規模な補正予算を計上するなど財政状況が逼迫する中、果たして3か年緊急対策が終了した後も、引き続き国土強靱化に関する予算が確保されるのか、我々県議会も大変危惧したところであります。 このため県議会は、国土強靱化の予算はコロナ対策と同様、緊要な予算であるとして、国に対して国土強靱化の必要性を強く訴えてまいりました。また、県当局におかれましても、知事を先頭に様々な要望活動が行われたと伺っております。 このような努力が結実したのか、来年度以降についても中長期的な視点に立って、必要・十分な予算を確保し、災害に屈しない国土づくりを進めるよう、5年間で事業規模15兆円となる「国土強靱化5か年加速化対策」が、昨年12月に閣議決定されたところです。 そこで、国における国土強靱化5か年加速化対策について、これまでの3か年緊急対策との違いも踏まえ、県はどのように受け止めているのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 国土強靱化5か年加速化対策は、令和7年度までの5年間で、事業規模15兆円程度の対策を講じることになっておりまして、これまで以上に、重点的かつ集中的に国土強靱化を推進する計画となっております。 今回の計画では、高速道路のミッシングリンク解消及び暫定2車線区間の4車線化や、激甚化・頻発化する水害に流域全体で備える「流域治水対策」、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けました「老朽化対策」、さらには、国土強靱化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化などが、新たに拡充されたところであります。 このことによりまして、県土の強靱化に欠かすことのできない重要なインフラ整備が、より一層加速化されるものと考えております。 ◆(日高博之議員) 事業期間の延長に加え、事業規模も増大し、さらに、事業の対象メニューも拡充されたということで、社会資本整備が大幅に遅れている本県にとって、大変心強く感じるところであります。 そこで、今後、本県で進められる国土強靱化5か年加速化対策の具体的な取組について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 本県における具体的な取組としましては、これまで3か年緊急対策で進めてきました、道路のり面の防災対策、河道の掘削などに、より一層取り組むとともに、災害に強い道路ネットワークの機能強化対策として、東九州自動車道や九州中央自動車道のミッシングリンク解消や4車線化を推進してまいります。 また、「流域治水対策」としまして、大淀川における岩瀬ダムの再生や、堤防、遊水地などの一体的な整備に取り組むこととしております。 さらに、今後、一斉に公共施設が老朽化していきますことから、「予防保全型インフラメンテナンス」としまして、中長期的視点に立って、長寿命化計画にさらに取り組んでいくこととしております。 ◆(日高博之議員) 県民の安心・安全を早期に確保するためにも、国土強靱化の取組は、より効果的に進めていく必要があります。 そのためにも、国の予算と一体となった県単事業の取組を進めていくことが重要であると考えます。 そこで、来年度の当初予算において、県単独公共事業で県土整備部が取り組む国土強靱化対策事業の具体的な内容について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(明利浩久君) 県単独公共事業におきましては、引き続き、補助公共事業との一体的な整備により、強靱化の効果が一層見込まれる事業に取り組むこととしております。 具体的には、災害に強い道路ネットワークを構築するため、緊急輸送道路にアクセスする県道の部分的改良工事や、流域全体の治水安全度の向上を図るために、河道掘削に合わせて実施しますダム貯水池の堆積土砂撤去など、県土の強靱化に向けた取組を効果的・効率的に推進することとしております。 今後とも、予算の確保に努め、着実かつきめ細やかに、県土の強靱化を推進してまいります。 ◆(日高博之議員) 新たにスタートする「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の初年度となる予算は、令和3年度当初予算ではなく、国は、令和2年度の補正予算として計上しました。 国土強靱化の推進は、工事の円滑な執行が不可欠であり、そのためにも、施工時期の平準化を図るためには、当初予算で計上していただくことがベストではなかったかなと、永山副知事、考えているところでございます。 事故繰りがやむなしとなってくると、なかなか工事が進みませんからね。これはちょっと問題―まだ後のがあると思うんですけど。 また、国において、国土強靱化の予算は、地域における災害リスクに応じて安定的な配分が大事であると考えております。 このような中、本県では、昨年12月までに全ての市町村が「国土強靱化地域計画」を策定したところであり、これは国土強靱化に対する危機感の表れであると感じております。県は、このことをしっかりと受け止めて、県土の強靱化に取り組む必要があると考えます。 そこで、災害リスクの高い本県にとって、国土強靱化5か年加速化対策を着実に推進し、早期の県土強靱化を図ることが求められますが、知事の意気込みについてお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 災害リスクの高い本県にとりまして、県土の強靱化は、県民の安全・安心の確保のため、切れ目なく、着実に進めていかなくてはならない重要な課題だと認識しております。 このため、知事の立場で、また全国知事会地方税財政常任委員会委員長として、国に対し、予算の確保を強く要望してきたところでありまして、県議会の力強い後押しもいただきまして、国土強靱化5か年加速化対策が閣議決定されましたことは、大変ありがたく受け止めております。 これを受けて、5か年対策の1年目となる本県の予算につきましては、補正と当初を合わせて378億円を別枠で計上したところであります。 また、先ほど県土整備部長も申し上げましたが、命の道となる高速道路の整備促進も期待できますことから、早速、2月5日には、ウェブ会議によりまして、国土交通省道路局長に、早期整備等について強く要望したところであります。 今後とも、私が先頭に立って、県土強靱化の推進に全力で取り組んでまいります。 ◆(日高博之議員) ぜひ、先頭に立ってお願いします。隣の隣には、強力な、国土交通省のエースである永山副知事がいらっしゃいますので、私たちも本当に心強く思っております。よろしくお願いいたします。 続いて、自然災害により被災された方への支援についてお伺いいたします。 近年、全国各地で大規模自然災害の発生が続く中、一定規模の被害があった場合は、国の「被災生活再建支援制度」により、住家が全壊した場合などに、最大で300万円の支援が受けられますが、これは、1つの市町村で10世帯以上の住家全壊被害が発生した市町村などといった条件があるため、国の制度の対象外となる世帯をどのように支援していくのかが課題となっています。 本県独自の制度として、市町村と共同で設置している「宮崎県・市町村災害時安心基金」によるお見舞金、最高20万円があり、これは当座の生活資金として大変重要でありますが、生活再建のための支援としては十分ではなく、国の制度並みの支援制度を整備している都道府県がある中、本県においても、県内の被災の生活再建の支援について考えていく必要があるのではないかと思います。 そこで、被災生活再建支援制度の対象外となる自然災害の被災に対し、県独自の支援策を検討できないものか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 議員御指摘のとおり、国の被災生活再建支援制度では、居住する市町村の被災状況によりまして、支援の差が生じるなどの課題があり、近年、大規模災害が相次ぎ、また局地化している状況がありまして、その課題を解決する必要性が高まっているものと認識しております。 このため、国の制度の対象とはならないなど一定の市町村の被災世帯の生活再建を支援する仕組みをつくることができないかと、そのような方向で、現在、市町村や関係機関と具体的な協議を進めているところであります。 協議が整い次第、支援の対象やスケジュールなどを速やかに公表することとしております。 今後とも、市町村や関係機関とより一層連携し、自然災害により被災された方の速やかな支援に努めてまいります。 ◆(日高博之議員) 県民にとってありがたい支援策でありますので、スピード感を持って取りまとめていただければと思います。 続いて、教育関係です。日隈教育長、よろしくお願いいたします。 本年1月に、新しい時代の初等中等教育の在り方について議論をしてきた中教審が答申を取りまとめました。 この答申では、「令和の日本型学校教育」の実現に向けて、これまでの日本型教育のよさを受け継ぎながら、さらに発展させ、学校における働き方改革やGIGAスクール構想を強力に推進するとともに、新学習指導要領を着実に実施すること、学校における授業の中で、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実することの重要性などが示され、小学校高学年への教科担任制の導入や、高校の普通科改革など、これまでの学校教育からの変革が促されています。 社会の変化が急速で激しく、予測不可能なこれからの社会を生きていく子供たちへの教育は大変重要であり、ぜひ、宮崎の子供たちにも、他の都道府県の子供たちに負けないような教育を受けさせてあげたい。 そこで、令和3年度当初予算の編成に、教育長の思いがどのように反映されているのか、お伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 私自身、教育長として2年が過ぎようとしておりますけれども、この間、本県の子供たちが、未来を切り開き、豊かな人生を実現していくためには、本県教育の質の向上こそ必要だという思いを、日に日に強くしているところであります。そのような思いの下、教育委員会の当初予算につきましては、将来を見据え、解決すべき課題に的確に対応できるよう、計画的に予算計上を行ったところであります。 まず、ポストコロナ時代やSociety 5.0時代にふさわしい「新しいみやざきの学び」の実現に向け、遠隔・オンライン授業の体制整備や、教職員のICT活用能力の育成に取り組むこととしております。 また、学校における教職員の働き方改革や、子供の安全安心を守る取組につきましては、スクール・サポート・スタッフをはじめ、部活動指導員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の充実強化を図り、教職員の負担軽減や生徒指導上の様々な問題の未然防止等に取り組んでまいりたいと存じます。 これらの施策に加え、学力向上や競技力向上対策、特別支援教育の充実、小学校における35人学級の実現に向けた環境整備など、喫緊の課題に対応するための予算についても、今議会にお願いしているところでございます。 ◆(日高博之議員) これからの教育を見据えた予算編成であることは理解いたしました。 一方で、教育を行う上で最大の教育環境は、教員であります。近年は、大量採用された教員の退職の増加に伴い、採用が増加し、その影響で採用倍率も年々低下している状況にあります。このままでは教員の質が下がるのではないかと危惧する声もあり、これまでも県議会の質問で取り上げられてきました。 そのような中、先日、小学校の1クラスの児童数を、令和7年度までに全ての学年で35人以下に引き下げるという法案が閣議決定されました。本県では、全ての学年で35人学級とした場合、172名の教員が不足するとの試算が出ております。 35人学級は、5年間で段階的に実施されるとのことでありますが、現在の採用倍率の低い状況を考えますと、人材の確保は本県教育にとって大きな課題だと認識いたします。 そこで、本県の小学校における35人学級導入に当たり、教員の人材確保にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 教員の大量退職に伴う採用数の増加に加えまして、お話にありましたように、小学校に35人学級が導入されることにより、今後もしばらくは採用数の多い状況が続くものと見込んでおります。 このような状況の中で、優秀な教員を多く確保するためには、応募を増やす取組をさらに工夫していく必要があるものと考えております。 そこで、次年度から、県内外の大学推薦枠の拡充に加え、地元宮崎大学教育学部の定員増について、文部科学省、大学それぞれに要望するとともに、大学の入学試験に「宮崎県教員希望枠」を設けるなど、大学と連携した人材の養成に努めております。 さらに、採用試験方法の見直しや追加試験の実施、本県教育の魅力発信など、さらなる取組の充実を図ることで、優秀な教員の確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 現代社会においては、科学技術の進展により、Society 5.0と呼ばれる社会の到来など、近未来における大きな変革が予想されております。 また、新型コロナウイルス感染症の影響等により、一層先行きが不透明となる中、私たち個人、そして社会全体が答えのない問いにどう立ち向かうかが問われております。 本県では、高齢化や人口減少に加え、若年層の大都市圏への流出も進んでおります。そのため、将来における本県の産業や暮らしを支える人材の不足が懸念されることから、社会や経済の活力を維持し、安心して暮らせる未来を築いていくためには、郷土への思い、地域や社会へ参画する意思と行動力を備えた人材づくりが、今後一層求められます。 このように高等学校に大きな役割が期待される中、県立高校の魅力向上を今後どのように図っていくのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 県立高校には、入学動機や進路希望、学習経験など様々な背景を持つ生徒が在籍しておりますので、生徒の多様なニーズに応じた学びの実現が重要であると考えております。 このため、各学校においては、現在の社会や地域の実情を踏まえ、学校の存在意義や社会的な役割、目指すべき学校像等を明確にした上で、特色ある教育活動を推進することといたします。 その際、ICT環境の効果的な活用による「個別最適な学び」を進めるとともに、生徒同士の対話や、地域や企業等と連携した「協働的な学び」の一体的な充実を図ってまいります。 さらに、職業系高校におきましては、技術革新に対応した最先端の機器を導入いたしまして、高度な専門性や技術力を育成できるよう、学習環境を充実させてまいります。 県教育委員会といたしましては、各学校の特色を生かした質の高い学びを実現していくことで、県立高校の魅力向上を図ってまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 今回の補正予算で提案されております20億円の「産業教育の充実に向けた教育装置設置事業」は、地域の持続的な成長を支える職業人材を育成する上で画期的な取組であると言えます。この予算獲得に当たっては、日隈教育長が、自らの人脈を生かし、文部科学省などを数回回られ御尽力していただいたと聞いております。この取組が、教育のさらなる推進につながることを期待いたします。 次に、SDGs教育についてお伺いいたします。 SDGsの実現を目指す年として設定されている2030年に、社会の中心で活躍するのは、今の高校生世代であります。 世界に目を向けますと、スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥンベリさんの活動が、環境問題に対する全世界の意識を動かすなど、海外の10代の高校生世代の環境問題に関する意識の高さがうかがえます。 日本、宮崎の高校生にも、グレタさんのように10代のうちから世界全体の環境問題に対し高い当事者意識を持っていただきたいと考えます。 そこで、成人して、これからの社会の中心として活躍が期待される高校生に対し、県立高校では、環境問題についてどのような取組を行っているのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 環境問題は、世界共通の課題でありまして、高校生の段階からグローバルな視点を持って学ぶことは、大変重要であると考えます。各学校におきましては、地理や公民、理科や家庭などの教科で学ぶ機会を設けております。 加えて、総合的な探求の時間や課題研究で環境問題を主題に設定し、課題解決へ向けた取組の中で、生徒間のディスカッションや、地域や企業の専門家などの外部人材を積極的に活用するなど、探究的な学びを通して、SDGsの実現を目指す意識を醸成しております。 また、県教育委員会といたしましては、昨年度から県立高校等を対象に、「みやざきSDGs教育コンソーシアム」を創設しまして、学校間の交流により学びを深めるとともに、探究的な学びの指導方法などを共有する取組を行っているところであります。 ◆(日高博之議員) SDGsの中には、「あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」といった保健に関する目標も掲げてあります。 現在、新型コロナウイルス感染症の対応などとして、マスクの着用や換気の仕方、食事の取り方などの予防対策を行っておりますが、このコロナ感染症が終息に至ったとしても、今後、新たな感染症が発生する可能性もあるとともに、インフルエンザなど、例年集団感染している感染症について、引き続き予防していく必要があります。 このようなことを踏まえると、これからの社会を支える子供たちには、新型コロナウイルスに限らず、感染症に関する教育をしっかりと行い、安全安心な社会づくりにつなげていく必要があると考えます。 そこで、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、学校における感染症の予防についての教育をどのように行っているのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) お話にありましたように、学校において、児童生徒が感染症について学ぶことは、先ほどありましたが、SDGsの目標や公衆衛生の観点からも大変意義があると考えております。 新型コロナウイルス感染症の発生後は、手洗い、換気、マスクの着用、免疫力を高める生活など、これまで以上に実践的な指導を行ってまいりました。 このような中、昨年末に発生した、県立高校の部活動における集団感染につきましては、誠に遺憾に感じているところでございますが、この事例については、十分に検証を行いまして、さらなる感染症対策の徹底について、再度、各学校に周知を図ったところでございます。 このような事例を通して、改めて、感染症への対応の難しさと教育の重要性を認識しましたことから、今後も、児童生徒が感染症を正しく理解し、適切に判断・行動できる力を身につけられるよう、教科はもとより、教育活動全体を通して取り組んでまいります。 ◆(日高博之議員) よろしくお願いいたします。 続いて、県内修学旅行についてお伺いいたします。 小中学校の修学旅行については、昨年度までは、小学校は主に鹿児島へ、中学校は主に関西方面に行き、学習や体験活動を行っていたと聞いております。 しかしながら、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、県教育委員会が5月に、市町村教育委員会や小中学校に対し、県内修学旅行も検討材料の一つとするよう依頼したり、県内の見学先や体験先などの開拓を行ったりといった取組を進めてこられました。 このような取組もあって、県内で修学旅行を実施した小中学校も多かったと聞いており、新聞などでは、「県内修学旅行を実施することによって、郷土の歴史や文化など、改めて本県のよさや魅力を再発見する好機となった」との報道も目にしたところであります。 県内修学旅行の状況については、これまで県議会においても、11月までの実施状況や予定などについて取り上げられてきたところでありますが、その後、数か月たっており、感染の広がりも見られる中、現時点では、どのくらいの学校が県内修学旅行を実施したのか。また、実施した場合にも、何らかの課題があったのではないかと気になるところであります。 そこで、市町村立小中学校における本年度の県内修学旅行の実施状況と課題について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 本年度の修学旅行につきましては、お話にありましたように、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、何度も計画の変更を余儀なくされ、中には、次年度への延期や、やむなく中止する学校もあるなど、大変困難な状況でありました。 そのような中、本年度当初、修学旅行を予定していた小学校215校中、1月末までに201校が実施しまして、そのうち191校が県内で実施しました。同じく中学校では119校中、1月末までに38校が実施しまして、そのうち21校が県内で実施したところであります。 課題といたしましては、昨年度まで県内での実施がほとんどなかったことから、見学先や体験先の開拓、また、規模の大きな学校においては、宿泊先の確保などが挙げられているところであります。 ◆(日高博之議員) 教育長の答弁をお聞きして、新型コロナウイルス感染症の影響で、修学旅行の実施に当たって、各学校においては大変な苦労があっただろうと感じております。 修学旅行は、学校行事の中でも、子供たちが最も楽しみにしている行事の一つではないかと思います。子供たちが楽しみにしている修学旅行を、本年度は、県教育委員会の取組や各学校の工夫により、県内であっても実施できたことに、子供たちも満足しているのではないでしょうか。 さて、新型コロナウイルス感染症の影響があったにせよ、本年度広がりを見せた県内での修学旅行の実施については、今後も期待を寄せているところであります。 そこで、来年度以降の小中学校の県内修学旅行の実施に向けた県教育委員会の取組について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 来年度以降の県内修学旅行の実施につきましては、新型コロナウイルスの感染状況や、保護の意向等も考慮しながら、基本的には各学校において適切に判断されるものと考えております。 その際に、本年度の実績も踏まえて、県内についても、計画段階から大きな選択肢の一つに位置づけられるものと考えているところであります。 県内には、本年度開拓された見学先や体験活動の場以外にも、子供の学びにつながる魅力ある場所が数多くあり、関係部局との連携を図りながら、来年度以降も各学校に情報提供を行ってまいります。 ◆(日高博之議員) 次年度も県内で実施されるように、引き続き取組をお願いいたします。 また、今年度、修学旅行が実施できなかった多くの中学校についても、コロナの状況次第ではありますが、来春での実施などについても、前向きに御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。 これで一通り質問は終わりなんですが、時間がありますので一言。 新型コロナウイルス感染症対応のため、各所で昼夜を問わず、盆、正月も返上で御尽力いただいております医療関係福祉保健部、保健所職員をはじめとする全ての関係の皆様の頑張りには、本当に頭が下がる思いでございます。 皆様におかれましては、今後もどうか健康に十分御留意いただきながら、引き続き業務に御尽力いただきますよう、よろしくお願いいたします。 また、第3波のときに亡くなられた方についての記者会見において、郡司副知事が涙を浮かべながら対応されている様子を拝見し、私自身、大変心を揺さぶられ、改めて新型コロナウイルス感染拡大防止、そして収束に向け、一生懸命取り組んでいかなければならないとの思いを抱いたところでございます。 コロナに負けることなく、全ての県民の皆様に明るい希望が開けるよう、一丸となって頑張ってまいりましょう。 以上で代表質問の全てを終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 以上で本日の質問は終わりました。 明日の本会議は、午前10時から、本日に引き続き代表質問であります。 本日はこれで散会いたします。   午後2時55分散会...