宮崎県議会 > 2020-03-04 >
03月04日-06号

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  1. 宮崎県議会 2020-03-04
    03月04日-06号


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    最終取得日: 2023-05-20
    令和2年3月4日(水曜日)  午前10時0分開議 ───────────────────  出 席 議 39名)    1番  日 髙 利 夫  (東諸の未来を考える会)    2番  有 岡 浩 一  (郷中の会)    3番  坂 本 康 郎  (公明党宮崎県議団)    4番  来 住 一 人  (日本共産党宮崎県議会議員団)    5番  岩 切 達 哉  (県民連合宮崎)    6番  武 田 浩 一  (宮崎県議会自由民主党)    7番  山 下   寿  (  同  )    8番  窪 薗 辰 也  (  同  )    9番  脇 谷 のりこ  (  同  )   10番  佐 藤 雅 洋  (  同  )   11番  安 田 厚 生  (  同  )   12番  内 田 理 佐  (  同  )   13番  丸 山 裕次郎  (  同  )   14番  図 師 博 規  (無所属の会 チームひむか)   15番  重 松 幸次郎  (公明党宮崎県議団)   16番  前屋敷 恵 美  (日本共産党宮崎県議会議員団)   17番  渡 辺   創  (県民連合宮崎)   18番  髙 橋   透  (  同  )   19番  中 野 一 則  (宮崎県議会自由民主党)   20番  横 田 照 夫  (  同  )   21番  濵 砂   守  (  同  )   22番  西 村   賢  (  同  )   23番  外 山   衛  (  同  )   24番  日 高 博 之  (  同  )   25番  野 﨑 幸 士  (  同  )   26番  日 髙 陽 一  (  同  )   27番  井 上 紀代子  (県民の声)   28番  河 野 哲 也  (公明党宮崎県議団)   29番  田 口 雄 二  (県民連合宮崎)   30番  満 行 潤 一  (  同  )   31番  太 田 清 海  (  同  )   32番  坂 口 博 美  (宮崎県議会自由民主党)   33番  二 見 康 之  (  同  )   34番  蓬 原 正 三  (  同  )   35番  右 松 隆 央  (  同  )   36番  星 原   透  (  同  )   37番  井 本 英 雄  (  同  )   38番  徳 重 忠 夫  (  同  )   39番  山 下 博 三  (  同  ) ─────────────────── 地方自治法第121条による出席者  知     事 河 野 俊 嗣  副  知  事   郡 司 行 敏  副  知  事   鎌 原 宜 文  総合政策 部長   渡 邊 浩 司  総 務 部 長   武 田 宗 仁  危機管理統括監   藪 田   亨  福祉保健 部長   渡 辺 善 敬  環境森林 部長   佐 野 詔 藏  商工観光労働部長  井 手 義 哉  農政水産 部長   坊 薗 正 恒  県土整備 部長   瀬戸長 秀 美  会 計 管理者   大 西 祐 二  企 業 局 長   図 師 雄 一  病 院 局 長   桑 山 秀 彦  総務部参事兼財政課長            吉 村 達 也  教  育  長   日 隈 俊 郎  警 察 本部長   阿 部 文 彦  代表監査 委員   緒 方 文 彦  人事委員会事務局長 吉 村 久 人 ─────────────────── 事務局職員出席者  事 務 局 長   片 寄 元 道  事 務 局次長   和 田 括 伸  議 事 課 長   齊 藤 安 彦  政策調査 課長   日 髙 民 子  議事課長 補佐   鬼 川 真 治  議事担当 主幹   山 口 修 三  議 事 課主査   井 尻 隆 太  議事課主任主事   三 倉 潤 也──────────────────── △一般質問 ○議長(丸山裕次郎) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、一般質問及び議案・請願の委員会付託であります。 ただいまから一般質問に入ります。まず、徳重忠夫議員。 ◆(徳重忠夫議員) 〔登壇〕(拍手) 皆さん、おはようございます。一般質問の最終日のトップバッターを務めさせていただきたいと存じます。 きょうは、私の小学校時代からの同級生が、わざわざ都城からたった一人、傍聴に来てくれました。ありがとうございます。 それでは、通告に従いまして、順次質問をしてまいります。 まず初めに、人口減少対策について伺います。 昨年策定されました、県総合計画未来みやざき創造プラン」によりますと、現在約107万人である本県の人口は、どんなに頑張っても2030年には100万人を割り込む推計となっております。人口減少対策については、私は、出生率向上を図るとともに、若者の県外流出の抑制とUIJターンの促進を図ることが全てであると考えております。しかしながら、ここ数年の本県の人口の推移を見ますと、毎年8,000人程度人口が減少し、出生数も1万人を割り込むなど、さまざまな施策を講じても、人口の減少に歯どめがかかっていないのが現実であります。 知事は、選挙公約に人口減少対策を一番に掲げ、強く危機感を訴えてこられるとともに、令和2年度当初予算におきましても、これを踏まえた重点施策を打ち出し、予算編成に臨まれたところであります。そこで知事に、このような状況を踏まえ、残る3年の任期中、自然減・社会減対策にどのような目標を持って取り組んでいかれるおつもりか、改めてお考えを伺いたいと存じます。 後の質問は、質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 おはようございます。お答えします。 人口減少に伴うさまざまな課題が顕在化する中、将来を見据え、何とか今、この問題に道筋をつけなければならないという強い思いのもと、昨年、人口減少対策に主眼を置いた、新たな県総合計画アクションプランを策定するとともに、その成果をはかるための指標や目標値を設定したところであります。 具体的には、人口問題対応プログラムの中で、令和4年度までに、合計特殊出生率1.81、高校生の県内就職率60.3%、移住世帯数2,000世帯などの目標値を掲げております。 今後、人口減少対策基金も活用しながら、子供を産み育てやすい環境づくりや、魅力ある産業や雇用の場づくりによる若者の県内定着、移住・定住の促進などの施策に、これまで以上に注力し、目標を達成できるよう努めてまいります。以上であります。〔降壇〕 ◆(徳重忠夫議員) ただいま知事の答弁の中で、令和4年度までに、合計特殊出生率1.81を目標とするとのことでありました。そこで、少子化対策について、福祉保健部長にお尋ねしてまいりたいと思います。 本県の平成30年の合計特殊出生率は1.72で、全国の1.42を上回り、沖縄県、島根県に続いて全国第3位の高い水準にあるものの、人口維持に必要とされる2.07と比較すると、依然として大きな開きがあります。出生数についても、平成28年に初めて9,000人を下回り、平成30年には8,434人と、減少の一途をたどっております。 なぜ、この少子化の流れがとまらないのか。そもそも子供を産む女性の数が減っているという背景はありますが、私は未婚化、晩婚化の進行という要因が大きいのではないかと考えております。少子化対策を進める上では、その入り口となる結婚支援に力を入れて取り組むことが大事ではないかと考えております。 県ではこれまで、みやざき結婚サポートセンターを中心に、結婚を希望する男女のサポートをされてきましたが、これまでの実績と県の新たな結婚支援の取り組みについて、福祉保健部長に伺っておきたいと思います。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 県では、平成27年8月に、みやざき結婚サポートセンターを開設し、同年12月から1対1のお引き合わせを行っております。1月末現在の会員数は1,084人、男女とも30代から40代でほぼ8割を占めております。これまでのお引き合わせ件数は、累計で3,272組、交際に進まれた方が1,145組、結婚された方は75組となっております。 出会い・結婚を希望する方の中には、1対1のお引き合わせにちゅうちょされる方もいらっしゃることから、新たにグループ単位での出会いの機会を提供したいと考えております。職場や地域で結婚を希望する方のグループをつくり、グループ単位でお引き合わせすることにより、出会いの機会をふやすとともに、中山間地域と都市部など、広域的な交流の機会を創出したいと考えております。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございます。結果をそれぞれで出していただいておりまして、大変うれしく思っております。 私は、結婚を希望する方々を支援し、出生率を上げていくことが、人口減少対策を図る上で一番の近道だと考えているところであります。そして、子育ての意欲を上げるためには、男性の育児休暇―部長もとられたようでございますが―促進など、子供を産み育てやすい環境づくりはもちろんでありますが、例えば、既に一部の市町村も取り組んでいるような多子世帯―子供をたくさん産んでくれるような世帯―には「出産祝い金」など、県も思い切った施策に取り組むべきではないかと私は思っておりますので、さらなる支援の拡充をお願い申し上げておきたいと思います。 さて、人口減少対策のもう一つの大きな柱になるのが、移住・UIJターンだと考えております。 国の制度として始まった移住支援金は、首都圏在住の人だけが対象ということであります。 本県は、移住支援金制度の対象をそれ以外にも広げる独自の措置を、昨年6月補正予算で打ち出しましたが、申請に至ったケースが今のところゼロと報道されていたところであります。また、報道によりますれば、全国の今年度の申請見込みは40件程度ということで、どこの県も苦戦をしているわけであります。移住をふやしていくためには、さらなる工夫が必要であります。 やはり、移住は仕事とセットで考えないと進まないわけでありまして、本県の基幹産業であります農林業はもちろんのこと、医療・福祉、建設業等の担い手不足の分野に、移住者の就業を結びつけられないものかと思うのであります。そこで、移住支援金事業担い手確保につなげる本県独自の取り組みについて、総合政策部長にお伺いしておきたいと思います。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 移住支援金事業につきまして、国が対象としているのは、東京圏から移住して、県内の登録企業に就職される方などでありますが、本県は、独自の取り組みといたしまして、全国からの移住者や自営で農林漁業をされる方なども対象としているところであります。 この事業は新しい制度であり、まだ実際の申請はない状況にありますが、来年度に向けまして、市町村と連携しながら、支給要件の見直しを進めているところであります。例えば、現在は、移住直前の5年間は就業していたことが要件となっておりますが、職業訓練や子育て、介護などによって移住直前に就業していない方を対象にするとともに、移住後に農業実践塾や林業大学校等で長期の研修を受けてから就業される方も対象にできるよう、検討しているところであります。 今後とも、1次産業はもとより、看護人材の獲得に対する支援など、さまざまな人材確保策と連動させながら、移住促進につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございます。せっかくこうして、国と県と市町村が連携して取り組んでいる事業でありますから、ぜひとも、本県に必要な人材を確保するために成果を上げていただきたいと思っております。 次に、公民館や自治会への加入促進について伺ってまいります。 公民館や自治会は、防犯・防災対策や子供の見守りなど、地域コミュニティーの中心として、大変重要な役割を担っております。 しかしながら、そういった重要な役割を担っているにもかかわらず、地域住民の加入率は減少傾向にあります。例えば平成31年、昨年4月1日現在における市町村別の自治公民館、自治会への加入率を見ますと、特に人口を多く抱える都市部では、5割から6割の加入率にとどまっております。 今後も自治組織への未加入者がふえていけば、広報紙などの回覧による自治体からの情報が、地域住民に十分に行き届かなくなる可能性があります。 例えば、県の広報紙「県公報みやざき」の配布状況を見ますと、県内全世帯数約47万世帯のうち、自治公民館への加入率を県全体で約55%と計算しますと、約20万もの世帯に、知事の思いや県政の動きなどの情報が伝わりにくい状況が生じているのではないかと考えております。 私は、将来にわたり元気のある地域社会を維持していくためには、県民一人一人が自治組織に加入し、地域の活動に積極的に参加することが、何よりも必要ではないかと考えております。 私の地元、都城市に聞き取りを行ったところ、1,402名いる市の職員のほぼ全員が、自治会組織に加入しているということでありました。 一方、平成23年度のデータでありますが、県の知事部局職員自治組織への加入率は70%にとどまっており、県職員が率先して自治組織に加入することが、県全体の加入率の向上、ひいては地域社会の維持につながるのではないかと考えております。 住民の価値観が多様化し、近隣関係が希薄化する中で、加入率を高めていくことは大変難しい問題であるとは思いますが、知事は、自治会などの自治組織をどのように認識し、また、加入促進に向けて今後どのように対応していくのか、お伺いしておきたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 自治会や公民館などの自治組織は、人口減少少子高齢化の進展、頻発する自然災害など、地域社会が直面するさまざまな課題に対応していく上で、地域の活性化や高齢者の見守り、防犯・防災対策などの観点から、これからもますます重要な役割を担っていくものと考えております。 県では、県総合計画未来みやざき創造プラン」におきまして、NPOやボランティア団体などとともに、自治組織地域社会の重要な担い手として位置づけております。また、県職員に対しましては、「「職員力」地域貢献推進指針」の中で、地域社会の一員として、自主的な地域活動への参加を促しているところであります。 私の公舎には、自治会の回覧板が、鎌原副知事から回ってくるところであります。そして、次のところへは私が持っていったりするわけでありますが、そういう回覧の中で、地域の防災訓練であったり運動会であったり、さまざまなイベントであったり、そういう情報が共有されていることを実感するわけであります。 自治組織への加入者の減少は、地域コミュニティーの活力低下に加えて、南海トラフ地震の発生や自然災害の激甚化が懸念される中で、自主防災体制の脆弱化にもつながりかねない課題でありますので、今後とも、さまざまな機会を捉えて、県職員はもちろんでありますが、広く県民の皆様へ、自治組織への加入を呼びかけてまいりたいと考えております。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございます。 私は、県のトップである知事が、県政番組などメディアを活用して、広く県民に呼びかけていただくことが効果的だと思っております。実際に地域で一生懸命活動されている自治会長さん方も、その気になって、加入促進についてやる気が起こってくると。 まずは、やはり県のトップである知事が、そのような行動をしていただけないものかと思うわけでありまして、県政番組を活用して、知事みずからが自治組織への加入を呼びかける考えがあるかどうか、知事にお伺いしておきたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 自治組織の果たす役割は、大変重要であると考えております。御指摘のとおり、積極的に取り組んでおられる自治組織は多々あるわけでありまして、これまでも、県政番組等で紹介する機会もございましたが、私自身の出演も含めて、さまざまな機会を捉え、広く県民の皆様へ加入を呼びかけてまいりたいと考えております。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございます。 先ほど申し上げましたが、約20万の世帯に知事の思いや県政の情報が広報紙で伝わらないということは、大変もったいない状況だと思っています。 県政番組を活用し、知事の思いが県民にひとしく伝わるような方策を行い、ぜひ加入促進につなげていただきたいという私の思いを申し上げ、この質問は終わらせていただきます。 続いて、医療対策について福祉保健部長にお尋ねいたします。 臨床研修医を対象にした国の調査によりますと、出身地で臨床研修を受ける医師の割合は2分の1ということであります。 そうであるとすれば、県内出身の高校生が、宮崎大学医学部に進学し、県内の臨床研修を受け、引き続き県内で勤務する医師をふやしていく施策が必要と考えます。 そこで、宮崎大学医学部の入学者について、県内、県外出身の状況を、福祉保健部長にお尋ねいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 宮崎大学医学部の県内出身と県外出身につきましては、入学者110名のうち、出身高校別で、平成29年度入学者は、県内34名、県外76名、平成30年度入学者は、県内31名、県外79名、平成31年度入学者は、県内41名、県外69名となっております。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございます。宮崎大学医学部の入学者110名のうち、県内出身者は30名から40名程度ということでありました。ということは、全員が県内に残ったとしても、医師の供給としては全然足りないような状況にあります。 そこで、宮崎大学医学部県外出身学生に対して、引き続き県内で勤務してもらうために、何らかの支援を行う必要があるのではないかと考えております。 県が支援している費用は、自治医科大学では1人当たり2,300万円程度、医師修学資金貸与で1人当たり750万円程度とのことであります。県内医療機関勤務を条件とした上で、県外から入学した学生への支援制度はないものか、福祉保健部長にお伺いいたしたいと思います。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 宮崎大学医学部県外出身者に対しましては、医師修学資金貸与制度において、毎年4名分の地域貢献枠を設置しまして、貸与者には医師免許取得後、県内で9年間勤務し、そのうち4年間を、医師少数区域等で勤務するキャリア形成プログラムを適用することで、県内への定着を図ることとしております。 本県の地域医療に対する理解を深めるため、宮崎大学医学部では、県外出身者を含む全ての学生が、5年生から6年生にかけまして、県内のさまざまな地域の医療機関等で学ぶ「地域包括ケア実習」というものを実施しております。 今後とも、宮崎大学と連携して、学生への働きかけを強化しまして、県外出身の学生が県内により一層定着していく仕組みづくりを研究したいと考えております。 ◆(徳重忠夫議員) 今、部長からお話があったところでありますが、県外出身学生に対する修学資金貸与が毎年4名ということでありました。これは、県内出身者も含めた数字であると、このように理解いたしております。宮崎大学医学部県外出身者が70名も80名もいるわけでありますから、決して十分とは言えないと、このように思います。県外出身者に対する修学資金貸与地域貢献枠を最低10人ないし15人程度に拡充されることを、強く要望しておきたいと思います。よろしくお願いいたします。 続いて、2026年に開催されます第81回国民スポーツ大会について、教育長にお尋ねいたします。 今年度の6月議会におきまして、知事は、6年後の第81回国民スポーツ大会において天皇杯を目指すという、強い決意を述べられました。 今回もぜひ、昭和54年宮崎国体に続いて、天皇杯を獲得していただきたいと思っております。今から県民一体となって、宮崎ワンチームとして精いっぱい応援をしていきたいと考えております。 そこで、昭和54年の宮崎国体における、冬季大会も含めた第34回国民体育大会の出場競技と男女総合成績である天皇杯順位について、教育長にお伺いしておきたいと思います。 ◎教育長(日隈俊郎君) 昭和54年に北海道、秋田県・岩手県で開催されました第34回国民体育大会冬季大会では、スキー競技スケート競技の2つの競技が、また、本県で開催されました秋季大会では、水泳競技やサッカー競技など28競技が実施されました。 本県選手団は、その30競技全てにエントリーしておりまして、そのうち陸上競技や体操競技、バレーボール競技など9競技で優勝を果たすなど、男女総合成績で第1位となりまして、県民悲願の天皇杯を獲得しております。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございました。 続いて、本県選手団国民体育大会の参加状況について伺います。 国体の競技別総合得点は、参加点と競技点の合計から成っているようでありますが、国体にエントリーできていない競技もあり、参加点すら獲得できない競技があると聞いております。 競技に参加することによって参加点が入ることから、天皇杯を獲得するためには、冬季大会も含めた全競技にエントリーして、最低でも参加点をしっかりと獲得すべきだと考えております。そのことによって、県民の応援の意識も変わってくるのではないかと考えております。 そこで、開催県として、全ての競技にエントリーすべきだと考えますが、教育長の考えをお伺いしておきたいと思います。
    ◎教育長(日隈俊郎君) 全ての競技で選手をエントリーすることは、参加点を獲得できるだけでなく、県民のスポーツに対する関心や応援の意識を高めることにつながると考えております。 これまでの国体では、全ての競技において選手をエントリーしておりましたが、今年開催されました冬季大会スケート競技では、残念ながら選手を確保することができませんでした。 このようなことから、私も今回の冬季大会で富山県を訪問いたしまして、本県選手の激励と関係者との意見交換などを行いまして、状況把握を行ったところであります。 今後も引き続き、選手の確保に努めながら、全ての競技において選手をエントリーできるよう取り組んでまいります。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございます。ぜひ、全競技エントリーできるように努力をしていただきたいと思います。 昨年の国体で天皇杯を獲得した茨城県は、天皇杯得点2,569点を獲得しております。それに対して、本県は718点という結果でありましたことから、天皇杯獲得はなかなか簡単なものではないと認識いたしております。 この差を埋めるためには、指導者の確保や練習環境整備等の取り組みも必要であると思いますが、本県競技力の将来を担う少年選手の育成・強化に重点を置く必要があると考えております。 そこで、天皇杯獲得に向け、少年選手の育成・強化にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いしておきたいと思います。 ◎教育長(日隈俊郎君) 議員御指摘のとおり、天皇杯獲得は大変厳しいハードルでありますけれども、天皇杯獲得を目指すということで取り組んでまいります。また、将来の本県スポーツ振興に向けて、レガシーを残すということもございますので、全ての競技において少年選手を安定的に確保し、その競技力を一層高めていくことが求められていると考えております。 このため、この対策の一環として、現在、競技団体と連携しまして、全国で活躍できる有望なジュニア選手の発掘を初め、指導者の確保や資質向上などに取り組んでいるところであります。 今後、さらなる少年選手の強化を図るため、指定校への強化費支援等の拡充を初め、アーチェリー競技ボート競技といった、中学校に部活動のない未普及競技の強化、さらにはトレーナー等による効果的なトレーニングの実施など、今議会にお願いしております事業を含めまして、さまざまな対策に積極的に取り組んでまいります。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございました。ぜひ努力いただきますように、お願い申し上げておきたいと思います。 本県開催の国民スポーツ大会まで、残すところわずか6年となりましたので、効果的かつ計画的に競技力向上対策に取り組んでいただき、ぜひ、天皇杯の獲得を目指して頑張っていただきたいということを、お願い申し上げておきたいと思います。 続いて、農業問題についてお尋ねしてまいります。農業産出額の向上に向けた取り組みについてであります。 農林水産省が1月15日に公表しました平成30年の都道府県別の農業産出額では、本県は3,429億円と、全国第5位の地位を保ったものの、前年に比べると95億円の減であります。このうち、耕種部門は40億円の減、その主な要因は野菜の価格低下等であると伺っております。 今後、農業産出額の向上を目指すためには、県のリーダーシップのもと、ニーズの高い品目に絞った生産振興、農業法人やJA等と個々の農家との連携による収益の向上や農作業の効率化など、それぞれが抱える課題を解決しつつ、農家所得の安定化を図る新たな取り組みが必要ではないかと思います。 そこで、今後、耕種部門の産出額を増加させるために重要な露地野菜の振興について、県の方策を農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 農業産出額の減少は、御指摘のとおり、主に野菜、中でも大根などの重量野菜を中心とした露地野菜の価格低下や、生産面積の減少による影響が大きいと認識しております。 露地野菜の生産振興のためには、契約取引で一定の所得が見込まれ、需要が拡大しております加工・業務用野菜の生産を推進する必要があると考えております。 このため県では、契約取引と作業受託を一体的に取り組む「耕種版インテグレーション」の普及を進め、個々の生産者の機械導入や労働力不足などの負担軽減、県内加工施設向けの生産拡大を図っているところであり、その加速化に向けた新規事業を、本議会でお願いしているところであります。 今後も引き続き、関係団体等と連携しながら、露地野菜の生産振興と生産者の所得向上に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございます。露地野菜の農業産出額を増加していくよう、ぜひとも力を入れていただきますようにお願いしておきたいと思います。 次に、畑地かんがい事業の推進についてお伺いしてみたいと思います。 私の地元、都城地区では、昭和62年に畑地かんがいの国営事業が始まりまして、平成22年に完了いたしました。長い年月と費用がかかっていると思います。 過去に、夏場の干ばつ被害で苦しめられたこともありますが、水を使った営農を展開していくことで、耕種園芸での規模拡大や品目転換が図られたり、作業効率の向上や計画的な安定生産ができるものと思っております。 私は、畑地かんがい施設を早く末端まで整備し、地域をまとめて作物の生産団地にすることが、先ほどのような農業産出額の向上につながると考えております。 そこで、畑地かんがい事業に投資したこれまでの国営と県営別の事業費と、水の利用についての農政水産部長の考えをお伺いしておきたいと思います。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 本県では、昭和33年度から県内7地域、約1万9,000ヘクタールの農地を対象に、畑地かんがい事業を実施しております。 国営事業では、ダムや基幹的な用水施設を整備しておりまして、事業費は約3,400億円となっており、本年度末で、西諸地区を最後に全地域で完了予定となります。 また、県営事業では、国営施設と圃場をつなぐパイプラインや給水栓などを整備しておりまして、事業費約1,200億円により、これまでに約1万1,300ヘクタールの整備が完了しております。 次に、水の利用状況につきましては、国営事業完了後、年数の経過しております綾川地区などは、県営事業で整備した圃場の9割で水が利用されている一方、本年度、国営事業が完了する西諸地区は4割となっており、県平均では6割程度の利用となっております。 ◆(徳重忠夫議員) 約4,600億以上の投資をされているわけでありますので、これが有効に使われるようにお願いしておきたいと思います。 本県の農業産出額を増加させるためには、耕種部門の産出額を向上させる必要があると、先ほど申し上げました。特に畑作地帯において、消費者が求める農産物を安定的に生産し、収量・品質を上げていくことが重要であると考えております。私は、畑地かんがい用水を利用することが、儲かる農業につながると信じております。 そこで、畑地かんがい用水を利用した営農の展開方向について、農政水産部長に伺っておきたいと思います。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 農業産出額の向上を図る上では、畑地かんがい用水を利用することで、干ばつ被害など天候に左右されない加工・業務用野菜等の露地野菜の拡大や、施設園芸などの高収益作物への転換を進め、耕種部門の底上げを図ることが重要であると考えております。 このため県では、昨年度から、4カ所の農業改良普及センターに畑かん営農推進担当を配置し、生産現場により近い体制を整えますとともに、畑かんマイスターと連携し、水利用の効果や優良事例の紹介、散水実演会の開催など、畑かん営農のさらなる普及・定着に取り組んでいるところであります。 今後とも、生産現場で安心して水が自由に使える環境を早期に整えるために、関係団体等と連携し、県営事業の計画的な推進とともに、大規模畑作の産地化や施設園芸の団地化を進めてまいりたいと考えております。 ◆(徳重忠夫議員) 次に、肉用牛の生産振興について伺ってまいります。 今年1月に公表されました、平成30年度の農業産出額を見ますと、本県の肉用牛の産出額は、過去最高の768億円を記録したとのことであります。 また、県産牛肉の輸出につきましても、年々順調に伸びておりまして、昨年度は、世界17の国と地域に向けて、過去最高となる470トンの実績があったとお聞きします。 このような中で、昨年12月に、国が新たな方針として、和牛生産の倍増計画を打ち出しました。これは、国産牛肉の好調な輸出の伸びを背景に、2035年度、つまり15年後を目標に、和牛の生産量を倍増させ、年間30万トンの生産体制を目指すというものでありますが、飼養戸数の減少が進む中、増頭には、牛舎や牛の確保に大きな費用が必要となり、何より、個人での増頭には限界があると思っております。 つまり、増頭を地域で進める繁殖センターなどの施設を充実させないと、増頭はおろか、現在の頭数を維持することも難しいのではないかと考えております。そこで、和牛の生産基盤強化に向けた取り組みについて、農政水産部長にお尋ねしておきたいと思います。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 本県の肉用牛は、生産者を初め関係者の長年の取り組みによりまして、地域経済を牽引する重要な産業となっており、今後さらに生産基盤の強化を進めていく必要があると考えております。 このため、県としましては、畜産クラスター事業等を活用した、農家の規模拡大に向けた畜舎整備に加えまして、子牛を預かるキャトルセンターや、JAみずからが子牛を供給する繁殖センターなど、地域の肉用牛を支えるサポートシステムの構築を進めているところであります。 また、国が新たに打ち出しました「増頭奨励金」等も活用しながら、計画的な導入対策にも取り組んでまいりたいと考えております。 今後とも、関係機関と連携しながら、次世代にしっかりと受け継がれる、力強い肉用牛の生産基盤づくりを進めてまいります。 ◆(徳重忠夫議員) 私は、今回のこの質問をするに当たりまして、鹿児島の鹿屋市にあります「きもつき大地ファーム」という、大規模な繁殖センターを見学してまいりました。1,000頭の繁殖牛を、わずかな人数で管理しておられました。聞くところによりますと、さらにもう1カ所、1,000頭規模の繁殖センターを整備する予定であるとお聞きしております。今後の増頭には、このような拠点施設が大きな役割を果たしていくだろうと実感したところであります。 本県においても、市町村やJAと十分に連携をとりながら、個別農家の支援とあわせて、地域で増頭を進める拠点となる繁殖センターの充実を、ぜひともお願いしておきたいと思っております。 もう1点、本県の肉用牛振興を円滑に進める上で避けて通れないのが、家畜排せつ物処理であります。私は、今後の増頭や輸出拡大を考えた場合、これが最大の課題であると考えております。 今後、増頭が進められる中で、堆肥の量が増加すると、利用先の確保が難しくなる、また、まさに「ふん詰まり」が起こり、肉用牛振興の大きな壁になるのではないかと心配しております。早急な対応が必要であります。 そこで、今後の家畜排せつ物の利用の考え方について、農政水産部長に伺っておきたいと思います。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 本県の畜産を今後とも持続的に発展させていくためには、生産基盤の強化とあわせまして、家畜排せつ物の適切な処理・利用が重要でございます。 これまで本県では、良質な堆肥生産と耕畜連携による農地還元を基本に、広域流通や堆肥の農業外利用を促進するとともに、全国に先駆けた、鶏ふん焼却によるエネルギー利用を進めてまいりました。 今後、肉用牛の増頭を図るためには、増加する牛ふんについて、鶏ふん同様、焼却処理も一つの方策であると考えておりますが、技術面やコスト面などの課題がございます。 このため、本議会にお願いしております、「畜産バイオマスエネルギー利活用支援事業」により、牛ふん等の燃焼技術の検証や、地域における処理・利用のシステムなどを検討してまいりたいと考えております。 ◆(徳重忠夫議員) よろしくお願い申し上げておきたいと思います。 次に、都城志布志道路についてお尋ねしてまいります。 宮崎自動車道の都城インターチェンジと志布志港を結ぶ都城志布志道路は、部分的な開通が相次いで、目に見えて整備が進んできております。 昨年5月に開催されました、都城志布志道路整備・活用促進大会におきまして、河野、三反園、両県知事により、都城市金御岳インターチェンジから鹿児島県曽於市の末吉インターチェンジまでの県境区間5.8キロメートル、さらには、鹿児島県施工区間の有明道路3.6キロメートルの令和2年度の開通が発表されたところであります。令和2年度の供用率が73%と進むことになります。 しかしながら、現地を見ますと、鹿児島県施工区間において、いまだ工事が多く残っている様子であります。昨年の2月議会では、埋蔵文化財の調査も残っているとの回答があったと記憶しております。 そこで、県土整備部長に、都城志布志道路の県境区間の進捗状況について伺っておきたいと思います。 ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 都城志布志道路の県境区間であります、金御岳インターチェンジから末吉インターチェンジ間の約5.8キロメートルにつきましては、宮崎県側を金御岳工区、鹿児島県側を末吉道路として、両県で整備を進めております。 金御岳工区につきましては、昨年4月に用地取得が完了し、改良工事を進めているところであり、今後は、来年度の完成に向け、舗装や交通安全施設などの工事を行うこととしております。 また、末吉道路につきましては、昨年10月に埋蔵文化財調査が完了し、現在、橋梁工事や改良工事を行うなど、進捗を図っていると伺っております。 県といたしましては、引き続き、鹿児島県と連携しながら、令和2年度の開通に向け、しっかりと取り組んでまいります。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございます。 続いて、国の施工区間における整備の状況について伺っていきます。 都城市横市インターチェンジから乙房インターチェンジまでの3キロメートルの、令和3年度の開通が公表されております。 この区間が開通しますと、全線の供用率が約80%と、いよいよ全線開通が見えてくるところであります。 残る区間でも、乙房インターチェンジから都城インターチェンジ間につきましては、供用開始の時期も発表されておらず、また、大淀川やJR線を渡る橋の整備など、大きな工事費が必要になるところがあるなど、早期全線開通に向けた課題があるのではないかと考えております。 そこで、乙房インターチェンジから都城インターチェンジ間の進捗状況を、県土整備部長にお尋ねいたします。 ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 乙房インターチェンジから都城インターチェンジ間の延長約5.7キロメートルにつきましては、国が整備を進めているところであり、事業費ベースの進捗率は、昨年度末時点で約25%となっております。 現在、用地につきましては、面積ベースで約9割の取得が完了していると伺っており、工事につきましては、大淀川を横断する橋梁工事などが進められております。 引き続き、残る用地の取得に努めるとともに、工事に時間を要する箇所から優先的に着手するなど、早期の開通に向けた取り組みを、積極的に推進していくと伺っております。 ◆(徳重忠夫議員) ところで、公表されている数値を見ますと、整備区間によっては、費用対効果が約2倍を超す見込みとされているところから、あくまで私の試算でありますが、事業計画費をもとに、単純に費用対効果を出してみますと、全線開通による経済効果は、1年当たり概算で約60億円の経済効果が出てくるのではないかと期待いたしているところであります。 南海トラフ地震の発生が懸念される中、防災機能の強化につながる「防災の道」としての効果も期待されているのでありまして、一日も早く全線開通を実現させてもらいたいと、切にお願いしておきたいと思います。 続いて、県道103号栗野停車場えびの高原線についてお伺いいたします。 宮崎県側からえびの高原線にアクセスする道路は、現在、小林えびの高原牧園線、えびの高原小田線の2本の県道があります。このほか、県道栗野停車場えびの高原線と言いまして、鹿児島県湧水町の栗野駅からえびの高原に至る道路が、昭和37年に県道認定されており、近年は、霧島山の火山噴火による災害時の避難道路としての役割が期待されております。 鹿児島県内に約15キロ供用しているものの、県境付近につながっておらず、宮崎県内は全く供用されていない状況にあります。このため、私もメンバーとなっておりますが、宮崎・鹿児島両県の議員有志で組織された「環霧島県議会議員連盟」の要望活動を、平成26年以降、3回にわたって行ってまいりましたが、具体的な計画はなかなか進んでいない状況であります。 そこで、県土整備部長に、県道栗野停車場えびの高原線の未供用区間の整備状況について、お尋ねしておきたいと思います。 ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 県道栗野停車場えびの高原線の未供用区間の整備につきましては、霧島山の火山活動の状況を踏まえますと、避難路確保の観点から有効であると考えております。 このため、平成30年度より、国有林内の既設林道の活用を含めた概略のルート案について検討を進め、鹿児島県と調整が図られたところであります。 今後は、このルートへの火山活動が与える影響について確認する必要があることから、専門家による現地踏査や地質調査を実施することとしております。 引き続き、鹿児島県と連携し、地元自治体の意見を伺うとともに、自然環境の保護など課題の整理についても、環境省など関係機関との協議を行ってまいりたいと考えております。 ◆(徳重忠夫議員) 早期の整備を切に願っておりますので、引き続き御検討をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。 最後の質問になろうかと思いますが、建設業における担い手確保についてお尋ねいたします。 少子高齢化の急速な進行によりまして、さまざまな業種で人材不足が生じております。建設業につきましても、建設業就業者の年齢構成は、50歳以上が全体の約52%を占める一方、29歳以下が約9%と、建設業就業者の高齢化が進んでいる状況にあります。 また、先般、建設業団体との意見交換を行いましたが、建設技術者を雇用したいが、その確保が難しいという話を聞いており、建設技術者の育成・確保が課題となっております。 そのような中で、県は、産業開発青年隊で建設技術者を育成し、毎年優秀な人材を建設業界に送り出しており、業界からの期待の声も大きいものとなっております。 そこで、産業開発青年隊の入隊状況と、技術者として育成するためにどのような取り組みを行っているのか、県土整備部長に伺っておきたいと思います。 ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 産業開発青年隊の入隊者は、昭和26年の発足以来、約5,000名を数え、直近3年間では、企業からの派遣も含め、毎年約40名で推移しております。 建設業で即戦力として働ける人材を育成するために、施工管理課程と専攻課程を設け、土木建設に関する知識や技術について実践的な教育を行っており、新卒者のほか、企業に就職した方の教育機関としても役立っております。 また、建設機械やドローンなどの資格取得を目指した教育訓練も重点的に行っており、1年間で10種類以上の資格取得が可能となっております。 若年建設技術者の育成・確保が喫緊の課題である中、産業開発青年隊が果たす役割は大変重要でありますので、引き続き、青年隊を通じた建設技術者の育成にしっかりと取り組んでまいります。 ◆(徳重忠夫議員) ありがとうございます。県内建設業者の若年技術者をふやすために、引き続き、担い手の育成・確保にしっかりと取り組んでいただくようにお願いしておきたいと思います。 最後になりますが、3月をもって退職される執行部の皆さんを初め、県職員194名全ての皆様に、長い間の県勢伸展への御尽力に深く敬意と感謝を申し上げますとともに、今後ますますの御発展、御活躍を心からお祈り申し上げます。 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 次は、来住一人議員。 ◆(来住一人議員) 〔登壇〕(拍手) 通告に基づいて質問をしてまいります。 米国防総省統計によりますと、昨年9月時点での在日米軍の兵力は5万5,254人であります。このうち海軍が2万392人、次いで海兵隊が1万9,607人、いずれも主力部隊は1年間の半分をインド・太平洋地域への定期遠征に充てており、残り半年は、整備・休養や次の遠征に向けた訓練に費やしております。 一方、日本の「防衛」のかなめと言われる陸軍は2,626人で、戦闘部隊は一兵も存在しておりません。空軍は1万2,602人でありますが、1959年にレーダーサイトや防空指揮所を日本に移管いたしました。このように、日本の防衛を任務とする在日米軍は一人も存在しておりません。 在日米軍は、古くはベトナム侵略戦争、1991年の湾岸戦争や2000年代のイラク・アフガンへの先制攻撃戦争で重要な役割を果たしました。イラク戦争の開戦の一撃を放ったのは、横須賀基地のイージス艦でありました。在日米軍基地は文字どおり、地球規模の出撃拠点として機能をいたしております。 1970年1月26日、米上院外交委員会において、ジョンソン国務次官は、「我々は、地上にも空にも日本の直接的な防衛に関する部隊は持っていない」と断言し、さらに、「日本の基地は韓国・台湾への関与、東南アジアへの後方支援のためである」と述べております。これらを裏づけるように、1978年、当時のカーター政権は、在沖縄海兵隊を「日本防衛」の任務から除外する方針を決定いたしております。それは、米国防総省が発表した歴史書などに記されております。 私が強調したいのは、新田原基地や霧島演習場で合同訓練を行い、また使用するという米軍と海兵隊が、どのような任務を帯びているかであります。九州防衛局は、2月28日、普天間基地の代替施設とされる辺野古新基地が完成する前に、新田原基地に航空機受け入れ機能を移転する旨を県に説明したということでありますけど、このことについて、知事の姿勢を明確にしていただきたいと思います。 あとは質問者席で行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 先日、九州防衛局から県が受けた説明によりますと、「現在、新田原基地の緊急時使用のための施設については、2022年度までに米軍へ提供できるよう整備を進めているところであり、工事が完了し、提供手続が整えば、緊急時の航空機受け入れ機能が新田原基地へ移転すると考えている」という内容でありました。 県としましては、これまで国から受けた説明では、「普天間飛行場の代替施設である辺野古の完成後に緊急時の機能が新田原基地へ移転すると考えている」という説明でありまして、普天間飛行場からの機能移転時期の考え方が変わりますことから、今後の対応等について、地元市町と協議してまいりたいと考えております。 また、県民の安全・安心の確保の観点から、引き続き詳細な情報の提供や丁寧な説明を、国に対し求めてまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(来住一人議員) 防衛局というより、むしろ防衛省だと思いますが、防衛省は、辺野古完成後に機能移転という説明をしておきながら、これを一方的にほごにしたものです。県が地元自治体と協議するのは当然のことでありますけど、県としては、例えば、「防衛省は28日の連絡をまずは撤回すべき」という立場を明確にすべきではないのでしょうか。ほごにされたことに、何の意見も述べない、本当にこれでよいのかというのが問われていると思います。私は、相手が誰であろうと、一方的にほごにするのは許されないという態度をとるのは当然だと思います。これについて、知事、何か御意見があれば述べてほしいと思いますが、ありますか。 ◎知事(河野俊嗣君) 先ほど答弁いたしましたとおり、従前の説明と考え方が変わりますことから、引き続き、詳細な情報の提供や丁寧な説明を求め、地元市町と協議を重ねてまいりたいと考えております。 ◆(来住一人議員) 私が申し上げたいのは、まずは、向こうが約束しているのに、その約束を一方的にほごにしているわけですから、それをまずは撤回せよというのが筋だというふうに僕は思います。 知事は、外交防衛問題は、国の専権事項と称して、例えば、新田原基地に米軍の弾薬庫が設置されること、また霧島演習場における米海兵隊との合同演習などについて、その評価を一切行ってきませんでした。こうした態度は、自治体の長としての責任が問われる、このように思いますけど、これについての知事の所見を求めておきたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 外交・防衛に関する問題は、国の責任において適切に対応すべきものと考えておりまして、新田原基地におきます米軍の緊急時使用に係る弾薬庫等の施設整備や、先般、霧島演習場において実施された日米共同訓練等につきましても、安全保障体制の確保や沖縄の負担軽減など大局的な観点から、日米両国間の政府レベルで調整の上、実施されるものと考えております。 一方で、県は、県民の安全で平穏な生活を確保する重要な役割を担っております。 このため、県としましては、国に対して、訓練が行われるたびに、安全対策の徹底等について要請をしますとともに、新田原基地の施設整備についても、詳細な情報提供や丁寧な説明を求めているところであります。 今後とも、地元自治体の意向等も十分踏まえ、県民の安全・安心を確保することを最優先に、対応してまいりたいと考えております。 ◆(来住一人議員) 外交・防衛問題は国の専権事項だからとして、これを評価することをはばかるということは、率直に言って、私は二重の意味で間違いだと思います。 1つは、専権事項といえども、国・政府のものではありません。全て国民のものです。したがって、専権事項だから物が言えないというのであれば、それは国民主権から逸脱すると思います。 2つに、政府(国)に対して白紙委任することを意味し、それは独裁政治を許す危険があるからであります。 その専権事項に、ある意味、最も厳しく介入してきた、または介入しているのが、沖縄の翁長元知事や玉城現知事だと思います。お二人は、国の、いわゆる官邸にまで出かけていって話をされているわけですから、この2人の行動をどう見たらよいのかと思います。 米軍は、緊急時に新田原基地を使用することとなっていますけど、それはどのような事態を緊急時と規定するのか、また、誰が緊急事態であると判断をするのか、把握しておられるのか、統括監に答弁を求めたいと思います。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 九州防衛局からは、「緊急時とは、我が国の安全並びに極東における国際平和及び安全の維持に係るさまざまなケースが考えられるため、一概に言うのは困難であるが、例えば、我が国が武力攻撃を受けた場合というのも該当すると考えている」との説明を受けております。 また、緊急時使用を誰が判断するかにつきましては、個別の状況等を踏まえ、日米間の必要な調整に基づいて行われるとのことでございます。 ◆(来住一人議員) もう一つお聞きしておきたいと思います。新田原基地に建設する米軍用の弾薬庫に、どのような弾薬が保管されるのか。また、同基地を使用する米軍の戦闘機はF15、F16、F18、F22、F35だと考えられますけど、これらの戦闘機がそれぞれどのような弾薬・兵器を搭載できるのか、把握していらっしゃるでしょうか、答弁を求めます。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 九州防衛局に確認しましたところ、新田原基地に整備される弾薬庫に保管される米軍の弾薬につきましては、米軍の運用の詳細に関することであるため、回答については差し控えたいとのことでありました。 また、新田原基地を使用する米軍戦闘機が搭載できる弾薬等の種類につきましては、緊急時においてどのような航空機を使用するかは、その時々の米軍の運用状況により決まるものであるため、回答は困難とのことであります。 県といたしましては、弾薬庫の安全性など地元の不安もお聞きしておりますので、県民の安全・安心の確保のため、引き続き、できる限り詳細な情報提供や丁寧な説明を国に対して求めてまいりたいと考えております。 ◆(来住一人議員) 私は、F15、F16の戦闘機がどのような弾薬や兵器を搭載できるのかと聞いているわけで、多分、掌握されていないと思います。つまり、米軍機がどのような兵器を搭載できるかという問題と、新田原基地に米軍用の弾薬庫ができる、その弾薬庫の中にどういう弾薬が保管されるかは、非常に不可分の問題だと。だからお聞きしているわけです。 そして、この新田原基地、これは鹿児島じゃないんです。我々宮崎県の郷土にできるわけです。だからお聞きしているところであります。 新田原基地の米軍使用の問題に対する、知事を初め皆さんの姿勢は、専権事項を理由に、防衛省に事実上、白紙委任しているという状況だと私は思います。本当にこれでよいのかというのが問われていると思います。約束を一方的にほごにされても、異議の一つも唱えない。弾薬庫にどのような弾薬が保管されるかもわからない。また、把握しようともしない。このような態度を続けていくなら、新田原基地の性格は早晩変えられて、事実上、米軍基地となると思います。もう既に、それが始まっている状態だと思います。 私は申し上げたいと思いますけど、在日米軍の評価は別にして、在日米軍が何をしてきたのか、その事実はしっかりつかんでいただきたい。そして、もっと新田原基地に注目をしてほしい、このことを申し上げておきたいと思います。 知事の政治姿勢として、人口減少問題について挙げておきましたので、簡単にお聞きしたいと思います。 まず、人口減少の主要な要因をどのように捉えていらっしゃるのか、所見を伺いたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 人口減少にはさまざまな要因がございますが、我が国の人口減少に歯どめをかけるためには、出生率の向上が不可欠であると考えております。 国が実施した調査によりますと、夫婦が理想の子供の数を持たない理由として、半数以上の方が、「子育てや教育にお金がかかり過ぎること」を挙げております。 このような点を踏まえると、結婚し、子供を産み育てる上で、所得は大事な要素の一つでありまして、全国的にも低い水準にとどまっている本県の所得の向上を図ることは、大変重要であると考えております。 このため県としては、県外から外貨を稼ぐ成長産業の振興や地域中核企業の育成等によります魅力ある産業づくりに加えまして、給与や職場環境等の処遇改善に、産業界と一緒になって取り組むことによりまして、良質な雇用の場の創出を図ることとしております。 ◆(来住一人議員) スウェーデンの出生率は、1983年の1.61が、1999年には2.4に回復をいたしておりまして、この事実からも、人口減少は自然現象でも文明の帰結でもないことを証明していると思います。 私は、アベノミクスに代表されるトリクルダウンと新自由主義の経済が、若者の非正規と低賃金を生み出して、途方もない格差をつくり出してきたと思います。大企業の内部留保が463兆円に達していることが、さきに議論になりました。 私は、一言で言って、1日8時間働けば普通に暮らせる、子供の養育にも心配のない社会をつくること、このことなしに人口減少問題の解決はないと思います。それは、所得の再配分の機能を高めることにあると思います。 ところが、新年度の政府予算では、消費税が所得税を抜いて一番多い税収となります。法人税は消費税の半分にとどまり、資本金10億円以上の大企業の法人税は、この7年間1円もふえておりません。格差はさらに広がることは間違いないと、このように思います。 所得の再配分は、人口減少問題の解決の重要な決め手の一つになると思いますけど、知事の所見を改めて伺っておきたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 所得格差の拡大は、国家としての社会活力や労働意欲の低下、教育の格差を招くとともに、経済的制約から、少子化にもつながりかねない課題であると認識をしております。 私としましては、全ての人が生きがいを持って働き、活躍するとともに、未来を担う子供たちが、将来の夢に向かって挑戦できる社会を構築していくことが理想であると考えております。 このような観点から、税制や社会保障制度を通じて、医療・福祉の充実、出産・子育て等の経済的負担の軽減や教育機会の確保などに、今後も国・地方を問わず取り組んでいくことが重要であると考えております。 ◆(来住一人議員) 内部留保の問題がさきにも問題になりましたけど、大体毎年20兆円ぐらいずつふえております。これは本当に大変な金だと思います。もちろん大企業が大いにもうかっていくというのは別に問題ないと思いますけど、しかし一方では、本当に結婚もできない、そういう状態がずっと続いている。 ですから、社会のあり方としても、この所得の再配分というのが、本当に重要な課題になっていると。現在の資本主義というこの枠を、実際に継続させる上での所得の再配分というのが、非常に重要な内容を持っていると思います。そういう意味では、ぜひ知事として、今後もいろいろな場所でこれを生かして、この再配分を大いに問題にしていただきたいということを、改めて申し上げておきたいと思います。 安倍政権は、公立学校の教員に「1年単位の変形労働時間制」を導入可能とする法案(改正教育職員給与特別措置法)を強行成立させました。 まず、聞きなれない「1年単位の変形労働時間制」のポイントについて、教育長に説明を求めたいと思います。 ◎教育長(日隈俊郎君) 今回の給特法の一部改正による1年単位の変形労働時間制は、学校行事等で業務量の多い時期と比較的業務量が少ないとされる時期の勤務時間を調整することで、長期休業期間中に休日をまとめて取得できることなどを、地方公共団体の判断により、適用することを可能とするものであります。 なお、本制度につきましては、今月末までに文部科学省令が制定され、まとめどりのあり方を初め、具体的な手続等に関する指針が告示される予定であります。 県教育委員会といたしましては、これらの省令等をもとに、学校の実態を踏まえながら、市町村教育委員会等と十分な協議を行い、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆(来住一人議員) この制度のポイントは幾つかありますけど、その第一が、「1日8時間労働」の原則を壊し、繁忙期と閑散期を設定して、繁忙期に労働時間を延ばし、そして閑散期にはその分を短くするというものです。もともと人間は、寝だめをするとか食いだめをするということはできないものでありまして、この制度は、まさに健康と生活にとっても、また繁忙期に労働時間を延ばすというのでありますから、現在の教職の過密労働に拍車をかけるというもので、重大な問題のある制度だと私は思っております。 この制度導入の前提が、労働時間の縮減となっております。具体的には、残業時間が月45時間、年360時間以下というものです。この残業時間は、制度導入の前提条件であることは間違いないと思いますけど、この点について確認しておきたいと思います。 ◎教育長(日隈俊郎君) 本制度の導入の目的は、休日をまとめて取得できるなど、年間を通して勤務にめり張りをつけることにより、教育職員の自己研さんやリフレッシュの時間を確保し、教育職員の健康保持を図るとともに、教育の質を向上させることであります。 そのため、本制度の運用に当たっては、国の示した時間外業務時間であります、月45時間以内、年間360時間以内という上限指針の遵守に取り組むことが前提であると考えております。 ◆(来住一人議員) 非常に重要なポイントだと思います。つまり、残業時間が月45時間、年間360時間を超えてはならないと。超えている教師は、この制度を導入することはできないということになるわけです。 「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」、これが今言ったものですけど、これは文科省が昨年1月25日に定めたもので、残業を月45時間、年360時間以内にすべきというもので、今回の法改正は、それに法的裏づけを与えたものであります。したがって、絶対的条件となります。 文科省の2016年度教員勤務実態調査によると、残業が月45時間をオーバーしている教師の比率は、小学校で57.8%、中学校で74.2%以上であります。これに対して、本県の実態はどうなっているんでしょうか、教育長の答弁を求めます。 ◎教育長(日隈俊郎君) 平成30年10月に本県で実施しました教職勤務実態調査では、月当たりの時間外業務時間が45時間を超えている教員の割合は、小学校で35.3%、中学校で60.5%、高等学校等で58.4%、特別支援学校で29.8%となっております。 ◆(来住一人議員) 校長先生や教頭先生を除く教諭だけで見れば、今、教育長がお話しされました全国の指標に比べて、特に小学校が20ポイントぐらい低いものになっております。ただ、校長や教頭を加えると、かなり―今言われた35.3%というのは教諭でありまして、これは校長や教頭は入っていないんでしょうか。これ確認しておきますけど、多分入っていないんだろうと思いますけど。この表の見方、事前に確認しておけばよかったんですが。そうでないと、国との関係―国の評価と20%も違うものですから。どうなんでしょう。 ◎教育長(日隈俊郎君) 校長(※)、副校長、教頭と入っております。 ◆(来住一人議員) 改めて確認しておきます。 皆さんがいただいた、この教諭等という35.3%は、校長や教頭も入った数なんですか。そうですか、間違いないですね。 わざわざ校長は44.1%、副校長は91.3%となっているんですけど、これ全てまとめたものが、この35.3%なんですか。わざわざ分けてあるから。これは確認しておけばよかったですね、事前に。また後で確認します。 いずれにしても、国の指標からすると、先ほど出された35.3%は、20ポイントぐらい低いものでありまして、これはちょっとどうなのかなと思います。国の統計も、多分、皆さんが出された統計をもとにしてつくられているというふうに思いますので、数%違うというのは理解できるんですけど、20ポイントも違うとなると、ちょっと首をかしげたいと思います。 年次休暇取得率の資料をいただきましたけど、これによると、小学校が39%、中学校が32%、高校が30%、特別支援学校が39%で、年次休暇をとる率が4割に達していない。ここにも教師の皆さん方の働き方があらわれていると思います。 この制度導入に当たって、その理由としたのが、「夏休みをまとめどりするため」というものであります。夏の休暇と引きかえに平日の勤務時間を延長するということは、悪魔の取引と言わなければなりません。大体、多くの教師が平日、残業を含めると1日12時間近く働いているわけです。それを延ばすというのでありますから、どんな理由をつけてもやってはならないと思います。 我が党は、夏の休暇のまとめどりは別の方法があると考えています。1つは、行政研修や部活動の各種大会などの夏の業務を削減し、業務のない時間を設けること。2つは、休日出勤や超過勤務に対する代休保障を厳格に行って、年休と合わせてまとまった休みがとれるようにすることであります。 勤務時間の正確な管理は、この制度導入の大前提となります。タイムカードなどの客観的な方法によって把握しなければなりません。この課題については、予算措置を含めてどのようにされる予定なのか、教育長の答弁を求めたいと思います。 ◎教育長(日隈俊郎君) 県立学校におきましては、昨年6月から、パソコンによる出退勤管理システムを活用して、客観的な勤務時間把握に努めているところであります。 また、多くの市町村立小中学校におきましては、パソコン等に本人が入力することにより把握しておりますけれども、現在、県立学校と同様の機能を持つ統一したシステムの導入を計画しておりまして、その導入に係る関係予算を、今議会でお願いしているところであります。 今後も、県内全ての公立学校において、客観的な勤務時間把握が実施されるよう、適切な対応を行ってまいります。 ◆(来住一人議員) 勤務時間を実際より短く見せかける、そういう工作は絶対に許されないとされておりますから、厳密にしていただきたいと思います。 教職の長時間労働の是正のためには、今、何が必要であるのか、教育長の所見を伺っておきたいと思います。 ◎教育長(日隈俊郎君) 教職の長時間労働の是正に向けましては、教職の在校等時間などの勤務実態を踏まえた上で、学校内の業務改善と、時間管理を含めた教職の意識改革の両面から取り組んでいく必要があるものと考えております。 そのため、県教育委員会におきましては、定時退校日や部活動の活動時間等に関する指針など、県内一斉の取り組み事項を示すとともに、スクール・サポート・スタッフや部活動指導等の人員配置を、本年度から導入したところであります。 また、働き方改革を推進する上では、家庭や地域の理解と協力が不可欠でありますことから、学校、家庭、地域の教育に関する役割分担と協働により、社会全体で教育を推進していくという視点も重要であると考えております。 ◆(来住一人議員) この1年単位の変形労働時間制については、我が党も、また議員団も非常に関心を持っておりますので、これからも積極的に取り上げてまいりたいと思います。 給特法は、1971年に強行されたもので、公立教員の給与を4%増額する一方で、残業代を不支給にしたものです。ちなみに、当時の残業時間は平均して14分でありました。現在では10数倍になっておりまして、この法律こそが長時間労働の温床の一つとなってきたものです。 日本共産党は、授業数に比べて余りにも少ない教員の定数をふやすこと、国・地方自治体、学校の双方から不要不急の業務を削減すること、「残業代ゼロ」を定めたこの法律を改めることを、長時間労働是正の提案としております。これからも、こうした立場から奮闘をしてまいりたいと思います。 次に、硫黄山噴火と稲作の問題についてお伺いをいたします。 えびの市岡元地区においては、残念ながら今年、令和2年度も、地区の一部で稲作の作付ができない状況のようであります。3年連続となるのでありますが、その要因と対策について、県の考え方を伺いたいと思います。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 議員御指摘のとおり、岡元地区の一部地域では、主な水源である赤子川の水質が回復しておらず、取水を見合わせておりますことから、令和2年も水稲の作付が困難な状況にございます。 このため県では、限られた水を最大限利用できるよう、既存ため池の改修工事を進めるとともに、他の河川や地下水を代替水源として確保するための対策について、地元関係者の方々と協議を行っているところであります。 今後も、水の確保や有効利用を進めますとともに、収益性の高い作物の導入に向けた基盤整備を推進するなど、地元農家の方々が営農を継続できるよう、市や関係機関と連携しながら、積極的に対応してまいりたいと考えております。 ◆(来住一人議員) この噴火に伴って、えびの市、また県を含めて努力されまして、それぞれの頭首工に水質監視、取水停止システムの整備が進んでおりますし、ことしもまた、それを進めようというのでありまして、それ自体は非常に評価に値するというふうに思います。 私もまた、先日現場に行っていろいろ考えたんですけど、これでいいんじゃないかと思っていたんです。しかし、よく考えてみれば、それは対症療法みたいなもので、実際に硫黄山でもっと大きな噴火が、現実に取水しているときに起こったときに、確かに取水は停止されるけど、じゃ、田んぼはどうなるのかということになるわけで、そういう意味では、やっぱり抜本的なものではないんじゃないかなと思います。 そういう点で、抜本的には、硫黄山からの噴出物を完全に基準以下に抑えて、今、石灰石でつくってされているんですけど、そういう基準以下に抑えるとか、または、赤子川や長江川に合流させない、そういうことが考えられる。そうすれば、抜本的なものになると思うんですけど、こういう点についての対策を、これは部長のほうですか、お願いします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 御質問の水質改善につきましては、専門家からの助言等も踏まえまして、低コストかつ短期間で実施でき、また環境負荷の少ない石灰石の活用による、自然の流れを生かした緩やかに水質改善を図る手法により、えびの市と連携しまして、実証試験に取り組んできたところであります。 試験におきましては、発生源であるえびの高原内で、水素イオン濃度、いわゆるpHを1程度改善させ、下流への効果を確認したところであり、その結果、上流部の大原橋での環境基準達成には至りませんでしたが、下流部の長江橋では達成が期待できるなど、限界はありますものの、一定の効果を確認できたところであります。 これを踏まえまして、ことしの農業用水が必要な時期につきましては、実証試験に使用しました石灰石中和水路を運用し、水質改善を図りたいと考えております。 ◆(来住一人議員) ぜひ今後も―何といっても米どころでありまして、畑作に変えればいいじゃないかと思っても、そう簡単にはいかないわけでありまして、技術はそれなりにできるでしょうけど、機械だとかそういうものから見れば、何とか現地の農家の皆さん方の要望を実現させていただきたいと―引き続き、努力をよろしくお願いしておきたいと思います。 関連して、県道1号の復旧でありますけど、まさに一刻千秋の思いで待っておられます。小林側の生駒高原沿いで営業されている方にお話を聞きました。お客さんが2割減少しているそうであります。 先日の答弁は、「盛り土を主体とした計画に見直して、国への計画変更の手続を進めている。道路利用者の安全確保については、学識経験者等の意見を聞きながら進める」というものでありました。確かに安全が第一でありますので、この部分について補足的に説明を求めておきたいと思います。よろしくお願いします。 ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 県道1号小林えびの高原牧園線につきましては、昨年4月に硫黄山の噴火警戒レベルが引き下げられ、また現在、火山性ガスの状況も安定していることから、道路復旧に向けた検討を進めております。 復旧に当たりましては、開通後の道路利用者の安全確保が最も重要であると考えており、現在、霧島山周辺の火山活動に精通した学識経験者に御意見を伺っているところであります。 これまでに、道路整備後の地形変化に伴う火山性ガスの観測ポイントの見直しや、ガス濃度による交通規制基準の設定、自転車を含む車両の規制や情報提供のあり方等、多様な観点からの御意見をいただいており、引き続き、これらの御意見を参考にしながら、警告灯やバリケードの設置、また緊急時の防災行動計画の作成など、ハード・ソフトの両面から対策を検討することとしております。 ◆(来住一人議員) 先ほど申し上げましたように、とにかく一刻千秋の思いで復旧を望んでおられますので、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。 最後に、重度障がい者外来の医療費助成の現物給付について質問をいたします。 今回、8月より現物給付化する運びとなりました。このことについて、率直な意見を述べておきたいと思います。 この件は、我が党議員団もたびたび問題にしてまいりましたが、率直に言って、この扉をあけるのはきついなと思っておりました。 これを解決したのは、障がい者の方々が不自由な体をいとわず2万筆を超える署名を集められたことが、最大の力となりました。また、県当局が、この努力を素直に受けとめられたことにあると思います。改めて、関係者の皆さんに敬意を表したいと思います。 部長にお聞きしたいと思います。第一に、現物給付化に伴って、自己負担が1医療機関500円となっておりますが、その理由について説明をしていただきたいと思います。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) お尋ねの自己負担額につきましては、県の補助基準上、現在、利用者が支払った医療費の助成を市町村から受ける際には、自己負担分として1カ月1,000円が除かれるという仕組みになっておりますが、現物給付化後は、医療機関の窓口で一定の自己負担額を支払えば済むことになります。 このため、利用者が1カ月平均、2医療機関を受診している状況を踏まえまして、新たな自己負担額を1カ月1医療機関当たり500円と、現在と同程度に設定したところです。 新たな自己負担額には、調剤分も含まれまして、かかりつけ医など同じ医療機関であれば1カ月複数回受診しても500円であります。また、請願にも書かれていた一時立てかえも不要となるなど、利用者の金銭的負担感は相当少なくなるものと考えております。 ◆(来住一人議員) 引き続き、現物給付化による今年度の事業費は6%増されておりますけど、その要因について報告を求めたいと思います。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 今回の現物給付化によりまして、利用者は、金銭的負担感が相当少なくなることや、毎月の市町村への申請手続が不要といった利用環境の向上、また、市町村への申請が見送られたケースもカバーされることになりまして、他県の事例からも、相当な事業費の増額が見込まれております。 一方で、制度の安定運営の観点から、後期高齢者医療や更生医療などの諸制度を活用しまして、市町村とともに財政負担の軽減にも取り組むこととしております。 これらの増額と減額の要因を勘案しまして、来年度の予算額は、今年度と比較して6%増と見込んだところであります。 ◆(来住一人議員) 1カ月、例えば4つの医療機関に行かれ、診察を受ける方は、今までからすると倍の、1,000円が2,000円になりますから、そういう意味では、いわゆる自己負担がふえるということになります。そういう点でどうなのかなと、正直言って思っておりました。 ただ、我々がそう思うのではなくて、実際に障がい者の方々がこれをどう見ているかというのは、非常に重要なものでありまして、私どもが今聞いている範囲では、それでもやっぱりワンコインで病院に行くことができるという点で、評価をされております。 今後も、私どもも多くの方々の御意見をお聞きして、必要な改善ができるんだったら、これからも大いに提案をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 最後に、実際に8月から制度が変わるわけですけど、その利用者に対して、この制度の変更の周知をどのように行っていくのか、お聞きしておきたいと思います。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 令和2年8月の円滑な実施に向けまして、関係者への周知が重要であります。県と市町村による役割分担のもと、鋭意準備を進めております。 具体的には、県では、制度の骨格を担う医療機関や国民健康保険団体連合会など、関係機関に対しまして、新しい制度の詳細などを説明してまいります。 また、市町村におきましては、予算の成立や条例改正など必要な手続を行った後、実施主体として、各利用者に対しまして、制度の詳細や申請手続などについて周知をしていただくという段取りになっております。 ◎教育長(日隈俊郎君) 先ほど、私の答弁の中で、教諭等のパーセンテージの答弁をさせていただきましたけれども、申しわけありません、校長、副校長、教頭は含まれておりません。御指摘いただいた資料の「教諭等」というのは、教諭に含めまして主幹教諭、養護教諭、実習教師、寄宿舎指導などを含むものでございます。 おわびし、訂正いたします。申しわけありません。 ◆(来住一人議員) 訂正していただいて、私も助かりました。ありがとうございました。 これをもちまして、私の一般質問の全てを終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 以上で午前の質問を終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時38分休憩────────────────────   午後1時0分開議 ○議長(丸山裕次郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、佐藤雅洋議員。 ◆(佐藤雅洋議員) 〔登壇〕(拍手) 皆さん、こんにちは。お疲れの出る時間かと思いますけれども、昼からもどうぞよろしくお願いをいたします。県議会自民党のしんがりを務めさせていただきます、西臼杵郡選出の佐藤雅洋です。 前回も述べましたが、明治の農学者、横井時敬の言葉です。 「土に立つ者は倒れず、土に活きる者は飢えず、土を護る者は滅びず。」 中山間地の振興こそが、宮崎県の発展に欠かせないと思う者として、そして、条件不利な急傾斜地で国土を代々守り続ける地域住民の代弁者として、中山間地域対策について、質問を進めさせていただきます。 国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の地域別将来推計人口」によると、平成27年から令和27年の30年間で、宮崎県の人口は25.3%減少し、約4分の3になるとされ、私の住んでいる日之影町では、61%が減少すると予測されています。平成27年の約4割になるというのですから、実際に地域に住んでいる人々にとっては衝撃的で、20年後、30年後にどのような地域になっているのか想像もつきません。 このことは、日之影町に限らず、県の総面積の約9割、農地面積の約7割を占める中山間地域で同じ傾向にあり、特に条件が不利な山間地域では、さらに厳しい予測となっています。しかし、将来推計は、あくまで研究所の予測であります。私たちは、何とか人口減少を最小限に食いとめ、人口減少に対応した社会につなげていけるよう、知恵を出し合い、希望を持って行動を起こしていかなければなりません。 知事は、人口減少社会を迎える中で、「持続可能な宮崎県の土台づくり」を進めるための令和2年度予算を、今議会に提案されていますが、改めて、人口減少に対応した中山間地域の持続可能な地域づくりについて、どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いします。 中山間地域は、人々の生活の場であると同時に、豊かな自然環境や神楽などの伝統文化が保全・継承され、また、国土保全機能を有するなど、国民共通の大切な財産と言えます。これは、農林業を中心とした集落の営みの中で、先人たちが大切に守ってきたものであり、今を生きる私たちは、これを守り、次の世代に引き継いでいかなければなりません。 しかし、人口減少や高齢化が進めば、中山間地域において重要な産業である農林業の担い手が減少し、農業生産力が減退するとともに、集落機能がさらに失われていくのではないかと危惧されます。集落の維持と活性化のためには、担い手となる人が住み続けることが必要です。そして、そのためには、医療や福祉、教育、交通といった社会基盤も必要ですが、所得が確保されることも重要な要素であります。 そこで、中山間地域の農業を核とした多様な資源を活用した所得と雇用の確保に、県としてどのように取り組んでいかれるのか、農政水産部長にお伺いします。 次に、九州中央自動車道について質問します。 平成28年の熊本地震のときにも痛感しましたが、高速道路の整備は、大規模災害時の「命の道」になるとともに、観光や産業、物流の面においても非常に重要であります。 昨年度は、雲海橋―日之影深角間の2.8キロが開通し、日之影町として、西臼杵として初めて高速道路が誕生しました。 また、今年度は8月に、日之影深角―平底間の2.3キロが令和3年以内に開通する見通しであると、国から発表がありました。開通すれば、高速道路が5.1キロつながることになりますので、非常に待ち遠しく思っております。 一方で、平成30年度に新規事業化されました五ヶ瀬―高千穂間は、これまで測量や調査、設計が進められているようでありますので、これから、いよいよ用地交渉が始まるのではと考えております。事業中区間の早期完成に向け、早期の用地取得が欠かせないことから、県や五ヶ瀬町、高千穂町の協力が非常に重要であります。 そこで、九州中央自動車道五ヶ瀬―高千穂間の早期整備に向け、県としてどのように取り組んでいくのか、県土整備部長にお伺いします。 以上で壇上からの質問を終わり、以下の質問は質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。中山間地域の持続可能な地域づくりについてであります。 本県の中山間地域は、多様な魅力を備えた地域であります。 今、神楽の御指摘がありましたが、先日、大阪の文楽劇場で、椎葉の「不土野神楽」を披露されて、満席の会場で力強い手応えを感じたところであります。改めて、この宮崎にとっての宝だという思いがいたしておりますし、今、新型コロナの感染拡大の状況を見るにつけ、神楽などでも表現をされております「天岩戸開き神話」、これも非常に深いメッセージをたたえたものだということを実感するところであります。 御指摘のとおり、中山間地域において、人口減少や高齢化がより進んでいるところでありますが、私自身、市町村や地域住民の方々から、担い手不足や、暮らしを守るセーフティーネットの確保、集落活動の維持・活性化などについて、さまざまな不安の声を伺うところであります。 県としましては、このような課題に対応していくため、「宮崎ひなた生活圏づくり」として、複数の集落をネットワーク化し、中心集落における買い物や交通、福祉サービス等を周辺集落も利用できる仕組みづくりを進めることとしております。また、移住・定住の促進等による地域の担い手の確保や、ICTなどの先端技術を活用したスマート農業の展開などによる、産業の活性化を図ってまいりたいと考えております。 こうした取り組みにつきまして、市町村等とも十分連携をしながら、人口減少にも対応した、魅力あふれる中山間地域の持続可能な地域づくりに、全庁を挙げてしっかりと取り組んでまいります。以上であります。〔降壇〕 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 〔登壇〕 お答えします。中山間地域の農業を核とした所得と雇用の確保についてであります。 中山間地域には、豊かな自然や山の恵み、伝統文化等のほか、そこで農業を中心に営んできた人々の暮らしなど、魅力ある地域資源が多数ございます。 その中で、五ヶ瀬町では、集落ぐるみでの農泊に加え、焼酎オーナー制度により、町内で生産した芋を日之影町の酒蔵と連携し、焼酎「夕日の里」を製造販売するビジネス、それから、交流人口の拡大を合わせた新しい取り組みが展開されております。 このように、地域の資源を生かして、地域で稼いでいく取り組みが大変重要でありますことから、県では、本議会でお願いしております「山間地域で稼げる集落モデル構築支援事業」により、市町村等と連携し、集落が一体となって行う所得向上や雇用確保に向けた取り組みを支援するとともに、創出したモデル事例を他地域に波及を図ることで、農業を核とした中山間地域活性化につなげてまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 〔登壇〕 お答えします。九州中央自動車道についてであります。 五ヶ瀬―高千穂間の早期整備を図るためには、議員御指摘のとおり、まずは、用地の早期取得が極めて重要であります。 そのためには、県が国にかわって用地を先行取得する制度を活用していくことが、非常に有効であると考えており、これまで国と協議を進めてきたところであります。来年度には、国と協定を結び、県が用地を先行して取得していく計画としており、それに必要な体制整備についても検討しているところです。 県といたしましては、五ヶ瀬町及び高千穂町と連携を図りながら、国と一体となって用地取得を推進していきますとともに、整備に必要な予算が着実に確保されるよう、知事を先頭に、沿線地域の皆様と心を一つにして、国への要望活動などに全力で取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(佐藤雅洋議員) それぞれ答弁をいただき、ありがとうございました。 知事は、中山間地域の持続的な地域づくりに、全庁を挙げてしっかりと取り組まれるとのことでありました。よろしくお願いいたします。 農畜産業の所得向上・雇用の確保については、これまでも農政水産部として取り組まれており、感謝しております。引き続き、よろしくお願いいたします。 道路等のインフラ整備は、中山間地域の活性化に欠かせないものであり、県土整備部のこれまでの取り組みに感謝しております。これからも、よろしくお願いいたします。 それでは、中山間地域対策について、さらに質問していきたいと思います。 まず、棚田地域振興法についてです。 昨年6月に、現江藤農林水産大臣を中心に検討された議員立法、「棚田地域振興法」が成立し、8月に施行されました。この法律は、「貴重な国民的財産である棚田を保全し、棚田地域の有する多面にわたる機能の維持増進を図り、もって棚田地域の持続的発展及び国民生活の安定向上に寄与すること」を目的としています。 昨年12月には、法律に基づく第1回の棚田地域の指定が行われ、全国20の指定地域のうち、本県から西臼杵の全地域を含む13地域が指定されました。全国のトップランナーとして棚田の振興に取り組まれていることに感謝し、大いに期待をしております。 しかしながら、地域では、地域指定のメリットについて、さらに詳しく知りたいといった意見も聞かれます。そこで、指定棚田地域となることのメリットについて、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 棚田地域振興法におきましては、国は財政上の措置を講じると明記されており、令和2年度予算におきまして、さまざまな優遇措置が示されております。 具体的に農業関係では、中山間地域等直接支払制度において、10アール当たり1万円が交付される「棚田地域振興活動加算」が新設されており、また、中山間地農業ルネッサンス事業等においては、棚田の保全・振興を推進する事業メニューが追加されますとともに、指定棚田地域が優先採択されることになっております。 そのほか、過疎法などの地域振興5法指定地域と同じように、農業農村整備事業などの補助事業において、補助率のかさ上げや採択時の面積要件等が緩和されることになっております。 ◆(佐藤雅洋議員) 今、答弁のあったメリットを最大限活用するとともに、さらなる支援策の充実も必要であると思います。 この法律が契機となり、棚田を国民的財産として保全する意識が醸成され、さまざまな機関や団体が連携・協力することで、棚田の保全及び棚田地域の振興が一層図られることが期待されますが、今後、棚田地域振興法の取り組みを地域活性化にどのようにつなげていくのか、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 指定を受けた地域におきましては、今後、地元住民や市町村、県などから構成されます「指定棚田地域振興協議会」を設立し、地域が抱える課題解決のための具体的な活動内容や取り組み目標を掲げた「指定棚田地域振興活動計画」を策定することになっております。 この活動計画では、地域ぐるみで行う棚田の保全はもとより、棚田を核とした観光の振興や、地域伝統文化である神楽の継承など、幅広い内容を盛り込むことになっております。 県としましては、関係市町村と一体となって、これらの地域特色を生かした取り組みにより、棚田地域の活性化が実現されますよう、しっかりとサポートしますとともに、さらなる支援策の充実について、国にも要望してまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) 棚田地域振興法は始まったばかりです。法律や施策を最大限活用し、新たな取り組みにも積極的に挑戦していくことが重要だと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。 中山間地域の農村集落の機能は、農業を中心に維持されてきたと言えます。しかしながら、段々畑が山の斜面に沿って広がる中山間地域の農業は、平地と同じような大規模で機械化された農業を目指すことは困難です。 そこで、中山間地域の地形や気象特性に応じた耕種農業の展開に向けた考え方について、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 平地に比べまして、圃場が狭く標高が高い中山間地域におきましては、単位面積当たりの収益性が高く、夏季冷涼な気象条件を生かした品目や作型等を重点的に推進しており、夏場のトマト、完熟キンカン等の園芸作物が定着しているところであります。 一方で、担い手確保の観点から、UIJターン者も対象に、地元市町村等と連携しながら、市場からの要望が強いリンドウ等の新規品目や、ラナンキュラス等の産地拡大にも取り組んでまいります。 また、急傾斜地等の厳しい生産条件を踏まえ、省力化や労働負荷軽減が期待できるリモコン式草刈り機やドローンなど、中山間地域ならではのスマート農業技術の活用についても推進してまいります。 加えまして、さきの令和元年産米の食味ランキングで、本県の中山間地域から2地区が「特A」を取得したところであり、こうしたことも励みにしながら、中山間地域のさらなる農業振興に努めてまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。新規品目の産地化やスマート農業の活用など、今後の展開に期待をします。 中山間地域で営農を継続していく上で切っても切れないものが、鳥獣被害対策です。大切に育ててきた作物が獣害に遭うと、営農意欲もそがれます。 対策の一つである、有害鳥獣の捕獲を担う狩猟者の減少・高齢化が進んでいますが、捕獲した鳥獣の「ジビエ」としての利活用がふえれば、狩猟者の確保及び中山間地域の所得確保にもつながるのではないでしょうか。 そこで、有害鳥獣のジビエとしての利活用の現状と、地域の所得向上にどのように取り組んでいくのか、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) ジビエは、中山間地域の資源として期待されておりまして、県では、処理加工施設の整備を支援しますとともに、狩猟者や調理師等を対象にした研修会や、ジビエフェアの開催を通じまして、ジビエの普及拡大に取り組んでいるところであります。 その結果、平成30年度は、県内の処理加工施設における処理頭数が、前年より約1,100頭増の2,549頭となり、利用率も捕獲頭数の約5%と、徐々に増加しているところであります。 また、日之影町「大人(おおひと)ジビエ」のように、施設の整備をきっかけに、ジビエの商品開発、販路拡大に取り組み処理頭数が増加したことで、所得の向上につながっている事例も出てきております。 引き続き、関係機関・団体と連携し、中山間地域における狩猟者の確保や所得向上を図るためにも、本県産ジビエの普及に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。答弁にあった大人地区など頑張っている地域がありますので、引き続き御支援をお願いいたします。 次に、肉用牛の放牧について伺います。 中山間地域での不利な営農条件のもとでも、肉用牛生産は、安定した所得が確保できる重要な品目でありますが、近年は、意欲ある担い手による規模拡大が図られる一方、高齢化による小規模農家の廃業も見受けられます。 中山間地域で、持続性のある肉用牛生産を実現するには、地域資源を生かした、省力化・低コスト生産を進める必要があり、その中でも、放牧は有効な手段ではないかと考えております。 私の地元、西臼杵地域でも、放牧している光景をよく目にしますが、放牧は、肉用牛の健康増進や鳥獣被害対策効果など、多面的な機能もあると考えます。 そこで、肉用牛放牧の現状と今後の取り組みについて、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 本県における肉用牛放牧の取り組みは、近年、増加傾向にありまして、平成30年度では、99戸の農家が、1,141頭の牛を220ヘクタールの山林等に放牧しております。特に西臼杵地域では、積極的な取り組みにより、44戸の農家で252頭、県全体の約4割を占める81ヘクタールの実績となっております。 放牧は、飼養管理の省力化や生産コストの低減、繁殖性の向上といった経営面でのメリットに加え、お話にありましたように、増頭対策を初め、耕作放棄地の有効利用や獣害対策など、地域においてもさまざまな効果が期待されます。 このため、県としましては、引き続き、普及センター等の技術指導や、地域での支援体制の強化を図るとともに、国の事業等を活用しながら、中山間地域が多い本県の特性を生かした放牧の取り組みを推進してまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) 放牧の取り組みは増加しているとのことであります。放牧の持つ多面的機能は、肉用牛の振興のみならず、里山の自然環境を生かした中山間地域農業の活性化の観点からも、有効な手段ではないかと考えますので、今後とも推進をお願いします。 次に、伝統文化について伺います。 中山間地域の集落機能が育んできた資源として、各地域で継承されている神楽などの伝統文化があります。 私の地元でも、神楽が各神社ごとに受け継がれてきましたが、夜通しの神楽ができない、また神楽の伝承さえ難しくなっている集落がふえており、今後ますます継承が困難になっていくのではないかと危惧しています。 神楽などの伝統文化は、集落のきずなと誇りを育み、国内外を問わず、多くの人々を魅了する貴重な資源であり、大切に守っていかなければなりません。 平成27年に世界農業遺産に認定された西臼杵地域及び椎葉村・諸塚村では、神楽が各集落、各神社ごとに伝承されていることも、登録に当たって評価された点であり、地域活性化に向けた取り組みが進められています。そこで、世界農業遺産における伝統文化を生かした取り組みについて、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 神楽に代表される神事や、「刈干切唄」などの日本を代表する民謡等は、地域の住民をかたいきずなで結び、相互扶助の原点であることから、世界農業遺産において高く評価された伝統文化であり、今後とも継承されるべき重要なものであると考えております。 このため県では、世界農業遺産地域力育成支援事業によりまして、これまで91の保存会に対して、道具や衣装の更新など、保存や継承活動に対する支援を行ってまいりました。 また、私も出席しました1月の「世界農業遺産中学生サミット」では、中学生みずからが、地域の伝統文化に誇りを持ち、「未来につなげていかなければならない」という力強い発表もあり、大変心強く感じたところであります。 今後とも、世界農業遺産を生かす活動を継続していく中で、町村、関係団体や地元保存会等と連携しながら、伝統文化がしっかり継承されるよう、支援してまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。中学生サミットの話がありましたが、子供たちの中に、伝統文化に誇りを持つ気持ちが育まれていることを感じる機会もふえてきましたので、引き続き支援をお願いいたします。 続けて、県では、神楽のユネスコ無形文化遺産への登録を目指しているところですが、登録に向けた取り組みと今後の見込みについて、教育長にお伺いします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 神楽のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みでございますが、専門家による調査や記録映像の制作等により、本県神楽の現状を把握するとともに、先ほど知事からもありましたが、首都圏を初めとする県内外での神楽公演やシンポジウムなどにより、神楽の魅力や価値の啓発に努めているところであります。 また、この1月には、国指定重要無形民俗文化財の団体等で構成される「九州の神楽ネットワーク協議会」が、知事と合同で、「日本の神楽」の早期登録を国に要望されたところであります。 ユネスコ無形文化遺産については、我が国の場合、2年に1件しか登録されないこともあり、見通しが立てにくい状況にありますが、国民文化祭などあらゆる機会を捉え、登録実現へ向けた取り組みをなお一層推進してまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。これも大切な取り組みだと考えますので、見通しは立てにくいとのことですが、実現に向けた取り組みをよろしくお願いいたします。 これまで、中山間地域の農業や資源について質問してきました。地域では、どうにかしなければという思いの人がたくさんいますが、何をどのように取り組んでいいのか、わからない集落もたくさんあります。一度失われた集落機能を回復することは困難なことです。 今こそ、地域内の人材や資源はもとより、行政や各団体、地域外の力も加えて、総力戦で農村集落の維持・活性化に取り組んでいかなければなりません。県としても、一層の支援をよろしくお願いします。 次に、森林環境譲与税及び森林経営管理制度についてお伺いします。 令和元年度から、管理が行き届かなくなった森林について、その管理を市町村が担う、森林経営管理制度が始まりました。 その財源として、森林環境譲与税が県と市町村に譲与されており、来年度からは、前倒しで増額されると聞いております。 県においては、森林経営管理制度に係る市町村支援や林業大学校の運営、県産材の利用推進のための事業などに活用されていると、今議会でも答弁がありましたが、一方で、県内市町村においては、使い道についてなかなか定まらず、基金に積んでいるといった状況も耳に入っているところであります。 そこで、県内市町村における森林環境譲与税の活用状況について、環境森林部長にお伺いします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 令和元年度予算におきます森林環境譲与税の活用状況につきましては、県内市町村に聞き取りを行いましたところ、全市町村で予算計上された総額は、1月末時点で約4億6,000万円であり、使途別の額の割合は、森林整備に関する取り組みが約25%、人材育成及び確保が約13%、木材利用促進が約4%、基金への積み立てが約58%となっております。 具体的には、森林整備に関する取り組みにつきましては、林地台帳の精度向上や森林所有者の意向調査などに、人材の育成・確保については、新規就業者の定住支援や林政アドバイザーの雇用などに、そして、木材の利用促進については、公共施設の木質化や都市部における産直住宅のPRなどに活用されております。また、基金への積み立てにつきましては、後年度の森林整備等の財源として活用される予定となっております。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。 市町村は、森林経営管理制度を運用するに当たって、制度の最初の手続となる森林所有者の意向調査を行い、経営管理の意思が「ある」か「ない」かを確認し、経営管理権を設定した上で、その森林を委託等で管理していくことになっています。 制度がスタートして11カ月が経過しておりますが、県内市町村の進捗状況を、環境森林部長にお伺いします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 現在の森林経営管理制度の進捗状況といたしましては、県内26市町村のうち24市町村が、意向調査を実施するための区域の設定や、区域内の所有者などの森林情報の調査を進めております。 このうち、延岡市、えびの市、日之影町、椎葉村の4市町村では、合計で310名が所有されます約950ヘクタールの森林について意向調査が実施され、現在、その回答の取りまとめや、対象森林ごとの施業内容、経営収支の算定方法など、森林経営管理権設定の手続が進められております。 なお、本年度着手していない2つの団体につきましても、来年度には意向調査を開始する予定となっております。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。 市町村には林業の専門職員も少なく、制度がスタートしたばかりで、市町村の進捗にばらつきがあるようですが、できるだけ早く軌道に乗せないといけないと考えます。 森林経営管理制度を推進するため、県は市町村をどのように支援していくのか、環境森林部長にお伺いします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 県ではこれまで、市町村に対しまして、森林境界などの情報を管理する林地台帳の基礎データの提供などを行いますとともに、今年度から、「新たな森林管理システム推進事業」によりまして、意向調査の効率的な手法の検討、市町村職員を対象とした森林経営管理に関する研修、「森林管理推進」の配置による相談対応などに取り組んでいるところであります。 また、来年度は、これらの取り組みに加えまして、新たに、経営管理に必要な森林資源量を把握するためのレーザー計測を用いた効率的な手法の確立などにより、市町村を支援していくことといたしております。 今後とも、市町村の要望等を踏まえながら、きめ細やかな支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。引き続き、県の支援をよろしくお願いいたします。 森林所有者みずからが管理できない森林について、市町村が経営管理を託すことになる「意欲と能力のある林業経営者」は、県が公募し、審査、登録を行うことになっており、本県では独自に「ひなたのチカラ林業経営者」と名づけ、これまでに56者が登録されています。 そこで、ひなたのチカラ林業経営者の育成対策について、環境森林部長にお伺いします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) ひなたのチカラ林業経営者につきましては、市町村から経営管理を委ねられますので、伐採や再造林などの実施体制を整備し、長期にわたり経営を維持していくことが求められます。 このため県では、その育成に向けまして、素材生産を効率化するための高性能林業機械や、省力化・軽労化につながる資機材の導入、造林保育作業に従事する新規就業者の継続雇用などへの助成を行っております。 さらに、来年度からは、今議会に予算をお願いしておりますが、経営体質の強化を図るため、新たに経営診断やコンサルティング等への助成を行うことといたしております。 今後とも、国や市町村と連携を図りながら、すぐれた能力を有する林業経営者の育成にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。森林の適切な経営管理を実現するためには、この林業経営者の役割も重要であると思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、特用林産物の振興対策についてお伺いします。 我が国において、乾シイタケ等の特用林産物は、古くから中山間地域の貴重な現金収入源として、地域経済の安定や就労の場の確保に大きな役割を果たしております。 このような中、本県は、乾シイタケ生産量全国2位、白炭生産量全国3位と、全国有数の特用林産物の産地でありますが、地域の生産者を見ると、高齢化が進み、若手生産者は少数といった状況になっております。 このままの状況が続くようであれば、今後、主要産地としてのブランドや中山間地域の活力などに影響が出てくるのではないかと考えますが、原木シイタケ等特用林産物の生産振興に向けた新規就業者の確保・育成対策について、環境森林部長にお伺いします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 県では、特用林産物の振興対策として、シイタケ乾燥機などの設備導入を支援してきておりますが、今年度からは新たに、新規就業者を呼び込む対策にも取り組んでいるところであります。 具体的には、シイタケづくりに興味を持たれる方を対象とした基礎研修を実施しますとともに、シイタケや木炭の新規就業希望者には、中核的生産者のもとで、安心して技術等を習得できますよう、研修期間中に就業準備給付金を給付しているところであります。 さらに、来年度からは、今議会に予算をお願いしておりますが、研修終了後に経営を開始しましても、しばらくは収入が得られませんので、新規就業者に経営開始給付金を給付することといたしております。 今後とも、市町村等と連携を図りながら、新規就業者の確保・育成にしっかり取り組んでまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) ブランドの維持には人材の確保・育成が重要ですので、よろしくお願いいたします。 次に、有害鳥獣の捕獲対策についてお伺いします。 先ほど中山間地域対策でも触れましたが、県内の中山間地域は、野生鳥獣の被害に悩まされており、特に鹿は、造林した杉やヒノキの苗木の食害や、雄鹿の角こすりによる被害が発生し、農林家の林業経営に対する意欲の減退を招いています。このままでは、山で仕事をする人がいなくなりかねません。 これらの被害に対しましては、造林地などの周辺を鹿ネットで覆うなどの対策に加え、捕獲により、生息数を減らすことが非常に重要であると考えます。 そこで、県内の鹿の捕獲及び生息の状況について、環境森林部長にお伺いします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 県では、鹿につきまして、平成25年度の推定生息数12万5,000頭を基準としまして、令和5年度までの10年間で半減させる適正管理計画に基づき、捕獲を推進しております。 捕獲頭数は、平成26年度以降、2万8,000頭前後で推移しておりまして、直近の平成30年度は、狩猟で7,889頭、有害鳥獣捕獲等で2万1,043頭、合計で2万8,932頭を捕獲しております。 その結果、最新の調査結果によりますと、平成30年度末の鹿の生息数は、約10万1,000頭と推定されておりまして、県全体としては減少しておりますが、これまで鹿がいないとされてきました、県南の日南市、串間市、三股町においても侵入が確認され、生息域の拡大が懸念されているところであります。 ◆(佐藤雅洋議員) 県全体の鹿の生息数は減少しているということですが、生息数を半減させるという目標の達成や、県南地域への生息域の拡大を防止するためには、捕獲対策を積極的に推進することが必要であると思われます。 そこで、鹿の捕獲対策の取り組み状況について、環境森林部長にお伺いします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 県では、捕獲を促進するため、狩猟における規制緩和としまして、県南を除く地域での狩猟期間の延長や、1人1日当たりの捕獲数の制限解除などを行っております。 また、有害鳥獣捕獲としまして、市町村と連携し、1頭当たり7,000円から1万円を助成しますとともに、有害鳥獣捕獲班の活動に対して支援しており、さらに、生息密度の高い地域では、県において、猟友会等に捕獲を委託しているところであります。 なお、近年、鹿の侵入が確認されております県南地域におきましては、今年度新たに、侵入経路における集中的な捕獲を実施しておりますほか、来年度からは、狩猟期間の延長を予定しております。 今後とも、市町村や猟友会と連携しながら、捕獲対策に積極的に取り組んでまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 有害鳥獣捕獲対策を担う狩猟者の確保・育成にも取り組んでいただき、鹿による被害の減少に努めていただきますようお願いいたします。 次に、九州自然歩道についてお伺いします。 私の地元の自然歩道は、祖母山国観峠や丹助岳等からの展望や、高千穂峡、棚田集落など四季の変化に富んだすばらしい見どころがあり、観光ルートや森林セラピーコースとして活用されています。 これに限らず、県内の自然歩道は、高千穂町祖母山から高原町高千穂峰に至る長大なコースで、自然公園や史跡、文化財などをめぐりながら、自然や文化に触れ合うことができます。 そこで、九州自然歩道の現状と、その活用に向けた取り組みについて、環境森林部長に伺います。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 本県の九州自然歩道は、美しい風景や森のさまざまな恵みを体感できる、全長372キロメートルの歩道でありまして、年間約200万人に利用していただいております。 しかしながら、整備後40年が経過しまして、施設の老朽化や自然災害により、一部通行できない区間が確認されております。 このため、今議会に予算をお願いしております、「九州自然歩道魅力ステップアップ事業」によりまして、歩道全区間の点検やルートの見直し、見どころや利用実態についての情報収集を行った上で、地元関係者や有識者の参画による、整備・利用計画を策定する予定であります。 この計画を踏まえまして、九州自然歩道のさらなる利用促進を図ってまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) この九州自然歩道を通じて、地域の魅力を掘り起こし、多くの人を呼び込むことで、県内各地域の活性化が図られるのではないかと考えておりますので、さらなる利用促進をよろしくお願いします。 次に、建設業界における働き方改革の取り組みについて伺います。 建設業の働き方改革の取り組みについては、二見議員の代表質問でも答弁がありましたが、国土交通省が作成した資料によると、建設業の年間の総実労働時間は、他産業と比べて300時間以上、約2割長い状況となっております。 このような中、県内の建設現場においては、毎月第2土曜日に、一斉に閉所する取り組みが実施されているようですが、若手入職者の確保・育成を行うためには、やはり給与と休日の確保が重要であり、公共工事で率先した取り組みが必要であると考えております。 そこで、建設現場における週休2日を推進するため、公共工事でどう取り組まれるのか、県土整備部長にお伺いします。
    ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 県では、平成28年度から週休2日工事の試行を開始し、これまで、3,000万円以上の土木一式工事について、労務費等の経費を割り増したところであり、今年度は82件の工事で取り組みを進めております。 さらに、ことし4月からは、週休2日の対象工事を拡大するとともに、国の実態調査を踏まえ、共通仮設費や現場管理費の引き上げを行うこととしております。 また、工事に必要な準備・後片づけの期間につきましても、工事の種類に応じて、35日から最大95日延長し、週休2日に必要な工期を確保することとしております。 県としましては、関係団体等と連携し、「土曜一斉閉所」の取り組みを継続するとともに、今後とも、週休2日の定着に向けて、積極的に取り組んでまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。週休2日工事については、4月からさらに拡大して推進していくとのことでありますが、今後も業界と連携を図って進めていただきたいと思います。 休日を取得するためには、より現場の業務を効率化していくことが必要です。建設現場では、現場を管理する技術者が、休日に出来形や品質を管理するための書類等の作成に追われる状況もあると聞いています。公共工事の品質確保は当然でありますが、多くの書類作成が、現場の技術者の負担になることも事実です。 そこで、建設現場における技術者の負担を軽減するため、工事書類の簡素化にどう取り組まれるのか、県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 県では、平成21年度に工事書類の簡素化要領を定め、これまで改善の取り組みを実施してきたところです。 このような中、働き方改革関連法が施行され、また、建設関係団体からも要望があることから、県と建設関係団体で構成されるワーキンググループの議論を踏まえ、工事の施工に関する45種類の書類のうち、これまでの9種類に加え、13種類の簡素化を実施することといたしました。 実施に当たりましては、簡素化する内容を受発注者双方にわかりやすく示した「工事書類簡素化ガイドライン」を新たに策定したところであり、ことし4月から適用することとしております。 県としましては、関係団体と十分な意見交換を行いながら、引き続き、書類の簡素化を進めてまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。今後も引き続き、業界と連携して、現場技術者の負担軽減の取り組みを推進していただきますよう、お願いします。 次に、県道竹田五ヶ瀬線の整備について、県土整備部長にお伺いします。 この県道竹田五ヶ瀬線は、九州中央部において、大分・熊本・宮崎の3県を結ぶ約57キロの路線であり、高千穂町夕塩地区から五ヶ瀬町土生地区の約6キロについて、地形条件が厳しいことから、改良整備が進んでいない状況でありましたが、現在、夕塩工区、波帰之瀬工区、土生工区の3つの工区で整備を進めていただいております。 この3工区の整備が完成しますと、夕塩地区の国道325号と五ヶ瀬ワイナリー間が全て2車線でつながり、熊本県阿蘇方面からのアクセスが格段によくなることから、地域の産業や観光振興の発展が期待されるところであります。 特に、高千穂町と五ヶ瀬町との境である五ヶ瀬川に、長さ400メートル、水面からの高さが100メートルを超える、まさに両町をまたぐシンボル的な橋が計画されており、地元では「夢のかけ橋」として、大きな期待をしております。 先月13日には、瀬戸長部長にも御出席いただき、夕塩工区の用地取得に向け、合同調印式が行われたところでありまして、整備促進に向けた環境も着実に整い、地元一同、早期の完成を願っているところであります。 そこで、県道竹田五ヶ瀬線の高千穂町夕塩地区から五ヶ瀬町土生地区間における整備状況について、県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 高千穂町夕塩地区から五ヶ瀬町土生地区間の約6キロメートルにつきましては、4工区でバイパスなどにより整備を進めてきたところであり、完成しますと、約4キロメートルに短縮されることとなります。 このうち、平成29年度に波帰工区約600メートルが完成し、現在、波帰之瀬工区を含む3工区で整備中であり、今年度は、五ヶ瀬川にかかる橋梁に着手するなど、鋭意、工事を進めているところであります。 また、用地につきましては、波帰工区・土生工区に続き、夕塩工区におきましても合同調印式が行われ、全体の約9割の取得が完了したところであり、地元の皆様に感謝を申し上げます。 県といたしましては、引き続き、必要な予算の確保に努め、早期の開通に向け、しっかり取り組んでまいります。 ◆(佐藤雅洋議員) 沿線の五ヶ瀬町の桑野内地区では、地元のイベント「夕陽の里フェスタ」が開催され、地域活性化が図られていますが、開催前には、地区の全約200世帯の大人から子供までが参加して、大がかりな道路の美化活動を行っています。そうした取り組みをさらに盛り上げるためにも、早期整備を願っておりますので、よろしくお願いいたします。 昨年10月に発生した令和元年東日本台風、これまで台風19号と言われていた台風は、大変大きな被害をもたらしましたが、全国で土砂災害が952件発生しており、台風に伴うものとしては過去最大の件数を記録したとのことです。 本県でも西臼杵など県北山間部では、急峻な地形が多く平たんな土地が少ないことから、渓流や急斜面の近辺にも住宅が多く建てられており、住民は、台風や豪雨のたびに土砂災害の発生を大変心配しております。 そこで、本県の土砂災害対策の取り組み状況について、県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長(瀬戸長秀美君) 土砂災害から県民の生命・財産を守るためには、危険箇所の整備を進めていくことが大変重要であると考えております。 このため県では、地元の要望を踏まえながら、避難所や避難路等がある箇所など、優先度の高い箇所から、砂防ダムやコンクリート擁壁等の整備を進めております。 現在、「3か年緊急対策」も合わせて集中的に実施しており、高千穂町の蔵の平川などで整備に取り組んでいるところであります。 さらに、県民の早期避難が図られるよう、土砂災害警戒区域等の指定による危険箇所の周知、地域防災マップの作成支援を通じた啓発活動、タイムラインやホットラインの運用等も行っております。 今後とも、国や市町村など関係機関と連携を図りながら、ハード・ソフト一体となった土砂災害対策を推進してまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) 土砂災害は、一たび発生すると、一瞬にして多くの人命を奪う大変恐ろしい災害でありますので、万全の対策をよろしくお願いします。 次は、9月に引き続き、旧高千穂線の鉄道遺産の活用について質問します。 令和2年度の新規事業として、「ダムツーリズム推進事業」が今議会に提案されており、インフラ施設であるダムを活用した「インフラツーリズム」に取り組もうとされていますが、観光資源となる「インフラ」はダムに限らず、全国にファンがいる鉄道の活用は、非常に有望であると思います。 このようなことを踏まえ、昨年9月の県議会本会議で、高千穂町が進める旧高千穂線の鉄道公園化や、あまてらす鉄道を観光資源としてどう認識しているか質問させていただきましたところ、「本県を代表する観光地高千穂に廃線施設を利用した新たな魅力が加わり、周辺観光地への周遊などにつながっていくものと考える」との、前向きな答弁をいただきました。 高千穂あまてらす鉄道は、本年2月末までの今年度利用者数が約5万8,000人、今年度終了時には6万人を優に超えることが見込まれます。また、来年度からは、30人乗り客車をもう一両導入し、2両編成での運行が計画されています。 これに加えて、高千穂町が進めている鉄道公園化計画が実現すれば、まさに、高千穂峡に匹敵する大きな観光事業として注目が集まるでしょう。 高千穂町は、新年度、具体的な公園化プランの策定を行うとのことですが、沿線には、土木学会の選奨土木遺産である「綱ノ瀬橋梁」や「第三五ヶ瀬川橋梁」など、まだまだ活用できる資源があります。 高千穂町の地方創生への積極的な取り組みを成功させるだけでなく、県北の中山間地域に今は埋もれてしまっている鉄道遺産を、交流、関係人口づくりの拠点として見直し、ほかの市や町の取り組みと連携して、県北の観光資源として生かすことができれば、中山間地域のさらなる活性化が図られるのは間違いありません。駅舎など、ほかの旧高千穂線の施設を活用しようという動きが、今後出てくることも考えられます。 そこで、改めて伺います。五ヶ瀬川沿岸に点在する旧高千穂線の鉄道遺産全体を、県北の広域的観光資源として活用し、さらなる中山間地域の活性化につなげるべきと考えますが、商工観光労働部長のお考えをお伺いします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 温泉施設や宿泊施設を有する日之影温泉駅や、吾味駅―槇峰駅間で活用されております森林セラピーの散策コースなど、旧高千穂鉄道に今でも残る駅舎や廃線敷等は、清流五ヶ瀬川や四季折々に変化する山々などの風光明媚な景観とも相まって、県北の観光資源として、地域の活性化にもつながる貴重なものであると考えております。 一方で、旧高千穂線の廃線施設の活用につきましては、施設の安全性や財源の確保といった課題もありますので、まずは、地元自治体でしっかり検討してもらうことが重要であります。 県といたしましては、今後とも、地元の意向を十分に踏まえながら、地域の資源を活用した広域的な観光地づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。 続いて、総合政策部長にお伺いします。昨年9月の本会議において、高千穂線鉄道施設整理基金による不要施設の撤去状況及び高千穂町の鉄道公園化構想に含まれる撤去対象施設の今後の取り扱いについて質問させていただきましたところ、「今後、計画を見直す方向で沿線自治体と協議していきたい」との答弁をいただきました。 現在、沿線自治体との協議の進捗状況はいかがでしょうか。総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 延岡市、高千穂町及び日之影町が、高千穂鉄道株式会社から寄附を受けた鉄道施設のうち、有効活用が困難と判断されたものにつきましては、平成23年2月に策定しました撤去計画に基づき、令和2年度までに順次、撤去を行っているところであります。 この計画に係る撤去対象施設のうち、高千穂町が昨年8月に公表されました、高千穂鉄道跡地公園化構想に含まれる高千穂駅、天岩戸駅など一連の鉄道施設や、別途、地元の方々から保存要望のあった西延岡駅につきましては、それぞれの自治体からの申し出を受け、沿線自治体と県で協議を行いました結果、撤去計画の対象施設から除外したところであります。 ◆(佐藤雅洋議員) ありがとうございました。 私は、西臼杵郡の一郡民として、高千穂町の取り組みは、今後の西臼杵郡発展のための核となると信じて疑いません。 急激な人口減少の中で、地域社会を維持し、活性化させていくためには、地域住民が培ってきた歴史と文化を大切に保存し、利活用し、将来の子供たちへ引き継いでいくことが、何より重要となります。 そういう意味で、高千穂町の計画は、今後の県北の未来のためにぜひとも必要な計画であり、これを契機として、旧高千穂線の沿線自治体それぞれの取り組みを連携させることで、さらなる中山間地域の活性化につながるものと考えますので、県の支援をよろしくお願いいたします。 最後になりましたが、このたび退職される各部局長を初め、県職員の皆さん、私が議員になる以前からいろいろとお世話になった方もいらっしゃいますが、長い間、本当にお疲れさまでした。今後、それぞれ新たな道を歩まれると思いますが、ますますの御活躍と御健勝を心からお祈り申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 次は、坂本康郎議員。 ◆(坂本康郎議員) 〔登壇〕(拍手) 一般質問最後の質問者になります、公明党宮崎県議団の坂本康郎でございます。通告に従いまして質問をいたします。 昨年、公明新聞のビジョン検討チームが、「2040年問題 新たな社会保障への一考察」と題した提言を発表しました。2040年の日本はどんな社会になるのか、各種調査をもとに導かれた「超高齢化社会」の姿は、「65歳以上の高齢者を支える現役世代の負担が限界に達する」「生活保護を受ける高齢者世帯数・割合が増加し続け、高齢世代の生活が困窮化する」「年間死亡者数が168万人とピークを迎え、多死社会となって火葬場不足の深刻化、終末期ケアの需要が急増する」など、今とはさま変わりした日本社会の厳しい予測が示されており、提言では、20年後の危機的な状況を前提に、より一層国民に安心感をもたらす中長期の政策立案を求めています。 本県における向こう20年間の社会変化の見通しや県政への影響など「2040年問題」について、知事の御見解をお伺いします。 壇上での質問は以上とし、以降は質問者席にて行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 この2040年問題は、今後、団塊ジュニア世代が高齢化すると同時に少子化が進行し、我が国の人口構造が大きく転換することによりまして、2040年にはさまざまな課題が生じるということで、議論がなされているものであります。 課題としては、例えば、高齢者のさらなる増加による社会保障費の増大や、若者の減少による人手不足により、産業や暮らしのサービスが維持できなくなる可能性などが想定されているところであります。 本県におきましては、人口構造の変化などが全国よりも早く進行しておりますことから、国に先駆けて、2011年からの20年間を見通した2030年を目標とする長期ビジョンを策定し、本格的な少子高齢化人口減少時代に対応した施策展開を図っているところであります。 現在の本県の人口構造を考えますと、当面は人口減少が続くことが想定されますので、御指摘のとおり、20年、30年先を見据えて、持続可能な宮崎県の土台づくりを進めることが重要であると考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(坂本康郎議員) ありがとうございました。 次に、県の総合計画「未来みやざき創造プラン」では、計画の基礎となる人口構造など将来推計・予測と、それに基づく長期ビジョンが、「2030年の宮崎」を展望したものになっています。その意図するところ、理由について、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 現行の長期ビジョンを策定いたしましたのは2011年でありまして、この際に、目標年次を20年先の2030年と定めたところであります。 これは、地域や産業のあり方を考える上で、人口構造の変化は大きな要素であることを踏まえまして、長い時間軸で変化を見通していくことがしっかりとした施策の立案につながる、そういう認識のもと、目標年次を、10年先ではなく20年先の2030年としたところでございます。 ◆(坂本康郎議員) 既に政府は、厚生労働省の「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」の設置を初めとして、2040年を見据えた取り組みをスタートしており、今後、「2040年問題」というワードが、時代の共通の課題として、ますます一般化していくものと思われます。 長崎県でも、全国に先んじて人口減少が進行しており、国の議論を待つことなく早期に対策を打っておくことが必要と判断をし、2030年ごろから2040年ごろの長崎県を見据え、課題を整理した上で、早急に取り組むべき対応策を検討することを目的に、昨年、「長崎県2040年研究会」が設置されました。 「2040年問題」の意味する危機的な問題点について、本県でも精査をし、予測される2040年の宮崎の姿を直視しておく必要があると、私は思います。今後、長期ビジョンの改定など、計画の見直しを行う見通しについて、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 2011年に策定いたしました長期ビジョンは、4年ごとのアクションプランの策定に合わせて、これまで平成27年、31年と、2回の改定を経て現在に至っておりまして、目標年次であります2030年までは、残り10年となっております。 先ほど知事もお答えいたしましたとおり、今後も少子高齢化人口減少が進む中にありましては、将来の変化やその影響を的確に捉えて県政を推進していくことが重要であると考えております。 現時点におきまして、今後、長期ビジョンの目標年次を2040年として見直す方針を持っているわけではございませんけれども、3年後の次期アクションプランの策定に向けましては、その目標年次のあり方も含めて、見直しを検討してまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) ありがとうございます。 人口減少や高齢化が2040年の日本社会の行政や経済に及ぼす影響について、さまざまな角度からデータが出されていますので、それらの視点を踏まえた「2040年の宮崎」のできるだけ詳しい予測を、できるだけ早くお示しいただきたいと思います。 次に、県の防災対策について質問をいたします。 1995年1月に発生しました阪神・淡路大震災から、ことしは25年の節目を迎えました。現地の兵庫県では、「阪神・淡路大震災25年事業」として、次世代に震災の体験を伝えていくフォーラムの開催など各種記念事業や、自主防災組織の強化支援事業など助成事業に、活発に取り組まれているようであります。兵庫県では、この「25年事業」の展開に当たり、「震災の経験、教訓を風化させず、災害文化の醸成を目指し、県や関係機関が、被害の抑制につながる知識、ノウハウ、技術を広く社会に伝える」としております。 阪神・淡路大震災以降、この四半世紀の間には、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、さらに昨年・一昨年と各地を襲った台風災害など大規模災害が多発しており、他県の被災された地域住民や自治体が実際に体験して得られた教訓を今後に生かしていくことは、本県の防災対策において大変重要だと考えております。 被災地の教訓、被害の抑制につながる知識やノウハウ、技術などの被災地情報について、その情報収集がどのようになされているのか、また、それが本県の防災計画にどのように反映されているのか、県の取り組みを危機管理統括監にお伺いします。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 全国各地で発生しておりますさまざまな災害の教訓からしっかり学び、県民の命を守ることを最優先に防災対策に取り組むことは、大変重要であると考えております。 このため、県におきましては、東日本大震災や阪神・淡路大震災などの被災地を調査視察するとともに、被災地において災害対応に当たった方々に体験談を講演していただいたり、また、国や被災自治体による検証報告を研究するなど、さまざまな形で災害の教訓を学び、これらを踏まえまして、県の防災計画等への反映や県民への普及啓発、防災訓練等に取り組んでいるところでございます。 今後とも、被災地の教訓を生かしながら、大規模災害への対応力のさらなる強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 先日の代表質問で当会派の河野哲也議員が取り上げました、女性の立場に立った防災対策について、内閣府が2013年に策定した「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」では、「平常時からの男女共同参画の推進が防災・復興の基盤となる」「「主体的な担い手」として女性を位置づける」など、基本的な考え方が示されております。 昨年3月に開催されました平成30年度宮崎県防災会議の委員名簿を見ますと、全委員53名のうち女性は4名、割合でいうと全体の7.5%と、政府が示す30%の目標や全国平均16%と比べて、本県の女性委員の割合は大変少ない状態です。 県の防災対策にかかわる意思決定の際に、女性の意見がどの程度、どのように反映されているのか、危機管理統括監にお伺いします。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) これまでの大規模災害では、男女共同参画の視点から、さまざまな課題が挙げられておりまして、国からも、防災対策の意思決定の場である防災会議における女性委員の割合を高めるよう、通知があったところでございます。 このため県では、昨年9月、防災会議の委員改選の際に、県や指定公共機関、学識経験者の女性委員をふやし、先ほど議員のお話にございましたとおり、それまで4名であった女性委員を10名にふやし、女性委員の割合を、それまでの7.5%から18.2%と、全国平均以上に高めたところでございます。 今後とも、防災会議など防災対策の意思決定の場に、できるだけ多くの女性が参画できる体制を整え、女性の視点を反映させてまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) ありがとうございます。 防災に男女共同参画を促す理由を、災害時の女性への暴力を防ぐという観点から言いますと、リーダー的な役割を果たす位置に女性も同列に置くことで、たとえ非常時であっても、女性と男性は同格であるという意識づけを行うところにあります。 今年度、女性委員が倍増した点について大変評価をしておりますが、政府の30%の目標値に近づけるよう、今後とも改善を進めていただきますよう、お願いいたします。 また、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県で、避難生活のストレスによる体調悪化など間接的な原因で亡くなる、震災関連死に認定された1,500人のうち、そこに占める障がい者の割合が370人、24.6%に上ることが、先日報道されました。ここでは詳しくは触れませんが、災害弱者と言われる障がい者につきましても、その意見や要望を丁寧に酌み取っていただき、県の防災計画へ反映させていただきますよう、お願いをいたします。 次に、自主防災組織についてお尋ねをします。 昨年、東日本の広範囲で猛威を振るった台風19号は、各地で河川の氾濫を引き起こし、甚大な被害をもたらしましたが、ここで紹介するのは、堤防が決壊したにもかかわらず1人の犠牲者も出さなかった、宮城県の大郷町という町の事例です。 町は2006年に全行政区に自主防災組織の設立を促し、毎年の防災訓練に力を入れてきました。地区では、避難場所やAEDの設置地点、付近を流れる吉田川の水位の確認方法など、地域に必要な防災情報が記載された防災マップや、いざというときの安否確認用の旗を作成し、地区の各家庭に配付するなど、ふだんから独自の防災対策を行い、住民もその活用方法をよく理解していたため、9割の住民が早期避難をし、被害を最小限にとどめることができたと言われております。 私も、改めて地域の自主防災の重要性・必要性を理解した次第ですが、本県における地域の自主防災組織の位置づけについて、確認をさせていただきます。 県の地域防災計画には、自主防災組織の育成指導に関することは市町村が処理すべき事務または業務と明記してありますが、一方で、危機管理局から出された資料等には、自主防災組織に関する研修、自主防災組織活動の充実は、県の取り組みであるとされており、県または市町村のどちらの管轄になるのか、釈然としません。 自主防災組織が防災計画のとおりに機能するためには、地域間や市町村間の格差・ばらつきをなくすための底上げも必要です。 自主防災組織の実態の掌握や組織強化のための支援における県のかかわり方、役割について、危機管理統括監にお伺いします。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 自主防災組織は、「自分たちの地域は自分たちで守る」という住民の自覚と連帯感に基づきまして、自主的に結成されるもので、共助の中核を担う組織であると認識しております。 本県におきます自主防災組織の活動範囲を示す活動カバー率は、上昇傾向にあり、平成31年4月現在で87.3%となっております。 地域防災力の向上のためには、自主防災組織の活性化が大変重要でありますので、県におきましては、市町村と連携をしながら、この自主防災組織を対象とした防災士出前講座を実施いたしますとともに、研修会の開催を初め、資機材整備や避難訓練への支援などに取り組んでいるところでございます。 今後とも、市町村と一層連携をしながら、自主防災組織の活性化に、県としても取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) ありがとうございました。 これは、知事にもぜひ御承知おきいただきたいことなのですが、自治会加入率の低下など、地域のつながりや地域コミュニティーの衰退傾向が進んできた一方で、東日本大震災や熊本地震を通して、自主防災やボランティアなど共助のあり方がメディアで論じられた影響もあり、ここに来て、住民の地域へのかかわり方、考え方の潮目が少し変わったように感じております。防災を柱にして地域コミュニティーを復活させる可能性に、ぜひ注視していただき、そのことも視野に入れて、自主防災組織への直接的・間接的な支援の強化を図っていただきますよう、お願いいたします。 次に、学校教育の取り組みについて質問をいたします。 令和2年度の県の当初予算案に、統合型校務支援システム導入事業が盛り込まれました。これにより、教職の業務負担の軽減や効率化など、その効果に大変期待をしているところであります。 また、昨年12月に決まった国の「GIGAスクール構想」では、全小中学校・特別支援学校へ1人1台の学習用端末と、高校も含めた全ての学校の高速通信ネットワーク環境の整備に向けて、端末には1台4万5,000円、ネットワーク整備には、国庫補助金に交付税措置を加えて費用の8割に補助がなされるということで、学校の情報教育の環境が一気に整備されることが期待されます。 これからスケジュールに沿って、交付申請や補助対象外の費用の予算化など、手続が進められるものと思いますが、市町村間で整備に差が出ないよう、県と市町村の間で調整や指導が必要になります。また、効率的な調達ができるよう、共同調達の推進も県に求められています。今後の県の取り組みについて、教育長にお伺いします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 校内通信ネットワークと児童生徒一人一人の端末整備を行います、国の「GIGAスクール構想」の推進に当たり、県教育委員会といたしましては、事業の活用を積極的に働きかけるとともに、市町村から提出された補助金申請の取りまとめや、申請内容の精査などを行っております。 先般実施しました調査によりますと、県内には、既に整備を完了している市町村もありますが、まだ整備が完了していない市町村からも、2023年度までには、校内通信ネットワークと児童生徒1人1台の端末の整備を行う予定であるとの回答を得ております。 このことにより、2023年度までには、情報教育に取り組むためのより充実した環境が全県的に整備されるものと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 昨年、情報化推進対策特別委員会の県内視察で、西米良村の村所小学校の情報教育の取り組みを拝見いたしました。内容は大変にすばらしいもので、全国レベルで見ても先進的な取り組みがなされていることに驚き、また、情報化のメリットが十分に生かされた、本質を捉えた取り組みに大変感心いたしました。西米良村のような先進的な取り組み、先生方の実践事例やICT支援の方が持っておられる専門情報を、県が主導して各市町村と共有することは、県内の教育の情報化を進めていく上で大変有効だと考えております。 今回の政府の「GIGAスクール構想」は、過去に類を見ない相当に熱の入ったものになっており、具体的な整備計画がイメージできるよう配慮がなされていますし、何より国からの手厚い補助がつきます。県内の全市町村がこの機会に乗りおくれることのないよう、県と市町村の間で十分に連携をとって進めていただきますよう、お願いいたします。 次に、キャリア教育について質問をいたします。 昨年から始まりました「キャリア教育による宮崎の次世代を担う人財育成事業」の取り組みは、市町村におけるキャリア教育推進体制の整備と、中学校段階からのキャリア形成推進という2つの柱から成りますが、私が気になりましたのは、「中学校段階からのキャリア形成推進」には、括弧書きで「県内定着に向けた早期の取組」とされている点であります。 そこで、本県のキャリア教育の方向性について伺います。本来、キャリア教育は、児童生徒一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる「能力」や「態度」を育てることを目的にしていますが、本県のキャリア教育には、そこに「地元志向」という要素が加わり、ともすれば、県の課題である、就職・進学による若年層人口の県外流出への対策としての役割を背負わされている印象が否めません。 学校のキャリア教育においては、もっと自由闊達に幅広い世界で活躍することを志すような、意欲ある人材の育成を基本にして取り組むべきではないかと思います。 誤解のないよう申し上げますが、私も、この宮崎の社会や産業・さまざまな活動の発展のために、地元で育った子供たちが将来大いに寄与してくれることを、心から望んでおります。しかし、児童生徒の進学・就職にかかわる進路指導の問題と、能力・態度を育成する教育の問題とは分けて考えるべきではないかというのが、私の意見です。 本県のキャリア教育のあり方、基本的な方向性について、教育長にお伺いします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 本県のキャリア教育は、児童生徒一人一人の社会的・職業的自立に向けまして、小・中・高校の「縦」の連携と、学校と産業界・地域との「横」の連携の両面から連携を図りながら、本県独自の課題やニーズに対応した取り組みを進めることとしております。 そのため、児童生徒一人一人が主体的に、みずからの職業観・勤労観を描くことができるよう、グローバル化や高度情報化社会等の進展を踏まえつつ、さらに、人口減少といった地域の課題や、地元企業や産業、地域の暮らしの魅力などのさまざまな情報にも触れさせながら、小中高12年間を通したキャリア教育の取り組みを展開しているところであります。 今後とも、社会情勢の変化やニーズ等を踏まえつつ、キャリア教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) ありがとうございます。 次に、県立高校の特別指導について質問をいたします。 平成22年に文部科学省から出されている、「高等学校における生徒への懲戒の適切な運用について」の通知では、生徒への懲戒については、その内容及び運用に関して、社会通念上の妥当性の確保を図ることが求められています。 ここでいう懲戒には、事実行為としての懲戒、つまり特別指導と呼ばれている、校長による説諭・学校内謹慎・別室指導・自宅謹慎などが含まれております。 本県における、県立高校の生徒に対する懲戒や特別指導の適切な運用について、県教育委員会の役割を、教育長にお伺いします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 特別指導とは、問題行動を起こした生徒が、みずからの行動を反省し、将来に希望や目標を持ち、より充実した学校生活を送ることができるよう、指導や支援を行う教育活動でありまして、生徒指導に関する規定等を踏まえ、校長の判断で実施しております。 県教育委員会では、生徒指導の実施状況について、毎月、県立学校から報告を受け、事案ごとに支援や助言を行っておりますが、特別指導においては、透明性や一貫性などを高めることが重要であると考えております。 そのため、今後、県立学校の管理職等を対象とする研修において、各学校における指導方針等を明確化し、生徒や保護者等に周知することや、一貫した適切な対応を行えるよう協議してまいります。 ◆(坂本康郎議員) ありがとうございます。 昨年、ある県立高校で学校が行った懲戒行為に対して、複数の生徒とその保護者が異議を申し立てる事案が発生しました。以下、当事者の個人情報等に配慮するため、少し遠回しな質問になりますが、御理解ください。 広島県教育委員会がつくった、「高等学校における問題行動への対応について」という、同県の生徒指導の基準を示す資料があります。これは、特別な指導や自主退学の勧告は、どのような考え方で行うべきか、どのような手順と内容で行うべきか、学校の不適切な対応を未然に防ぐ目的でつくられています。 本県には、まだこのような明確な基準がないため、広島県教育委員会の基準で、今回の県立高校の事案を照会しますと、生徒への特別指導に当たり、事前に県教育委員会へ相談をしていない、当該生徒・関係者から丁寧に事情を聞いていない、自主退学勧告や懲戒を行う以前に、反省の機会を与えたり、特別な指導を徹底するなど段階的な指導を行っていない、弁明する機会と時間を与えていない、生徒・保護者に対して退学願の提出を強要しているなど、複数の本質的な要件に当てはまります。 また、別の文献を引用すれば、「退学処分についての裁量権は、教育目的を達成するために付与されたものである限り、その行使が教育目的から逸脱し、不正な動機に基づいて裁量を行ったり、その目的に照らして、本来考慮に入れるべきでない事項を考慮に入れて裁量判断をしたときは、違法のものとなる。ここでいう教育目的とは、直接には処分を受ける生徒の「教育上の必要」を意味する。したがって、専ら学内の規律保持のためだけの処分は認められない」とありますが、この点についても疑義が生じないよう、学校は生徒と保護者に対して丁寧に説明すべきだったと思います。 この学校の「生徒指導の考え方」を示す資料には、自主退学を含めた退学の記述はありません。判断をする学校にとっても、それは特別に重い処分として位置づけていたはずです。人の人生を左右しかねない重大な判断を下すのですから、良識を持って、慎重の上に慎重を重ね、教育委員会へ確認をし、保護者の理解を得て、段階的に指導を進めていくべきであろうと思います。それが私は「社会通念」だと思います。広島県教育委員会では、それを明文化しているだけのことだと思います。 しかし、今回の事案は、極めて閉鎖的、一方的に結論が出されたように見られ、生徒・保護者が納得されないのも当然だと思いました。社会で許されないものは、学校でも許されないはずです。 このような場合、教育委員会は、学校に対して適切な判断、適切な対応を求め、指導を行うべきではないかと考えます。今回、学校の負担能力が限界を超えていたという側面があったのかもしれません。そうであれば、なおさら教育委員会の積極的なサポートが必要ではないかと思います。教育長の御見解をお伺いします。 あわせて、今後、同様の事案の発生を未然に防ぐための、生徒指導・特別指導の運用の基準となるガイドラインの策定について、御見解をお伺いします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 特別指導を含むさまざまな問題等の対応につきましては、学校だけでは解決が難しい場合は、事態が深刻化しないよう、県教育委員会が対応に加わるとともに、事案によっては、臨床心理士や社会福祉士を学校へ派遣したり、弁護士による法律相談を実施したりするなど、学校への支援を行っているところであります。 また、特別指導においては、透明性や一貫性などを高めることや、生徒や保護者の理解を得ることが重要であると考えておりますので、まずは、県立学校長協会とガイドラインの作成についても協議してまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) ありがとうございます。 「キャリア教育のとびら」には、「もう一度思い返してください。 なぜ先生になろうと思ったのか… 思い描いてください。 社会に出た子どもの姿を… 厳しい社会の中で歯を食いしばって働く姿を…」と書いてあります。 私は、この言葉を自分に置きかえて読みました。私はなぜ議員になろうと思ったのか、私の仕事の意味を思い返し反すうして、この問題を質問に取り上げることにしました。先生方には、いま一度よく考えていただきたいと思います。 次に、障がい者の在宅就労支援について質問をいたします。 在宅で就労支援を行う障がい者向けの在宅就労支援について、本県の取り組みを福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 県では、通勤が困難な障がい者に対しまして、在宅での一般就労を支援するため、インターネットを活用して自宅で学ぶことができる研修に取り組んでおります。 研修の内容としましては、コンピューター等に関する基礎知識、ホームページの作成や情報セキュリティーの技術など、在宅就労に必要なスキルを習得するものでありまして、障がい者の在宅就業支援団体として国に登録された事業所に委託して、実施をしております。 具体的には、毎年度7人程度を募集し、研修期間は10カ月で、平成30年度からは、従来より実施していた基本技術等を習得する内容に加えまして、習熟の早い方を対象としまして、スマートフォン対応のホームページ作成や、デザインの技術を習得する専門コースも設定しております。 ◆(坂本康郎議員) 1月に、沖縄県那覇市にあります「在宅就労支援事業団 那覇 どこでもWork」の取り組みを視察してまいりました。これまでの「在宅就業」では、企業と障がい者の間を在宅就業支援団体が仲介し、障がい者は、在宅就業支援団体から仕事を受ける仕組みになっていますが、那覇市の「どこでもWork」では、障がい者が企業と直接、雇用関係を結び、「在宅雇用」「在宅勤務」という、いわゆるテレワークで就労することを目的にした就労支援を行っております。 就労訓練は、利用者の自宅でインターネットを介して、Skypeなどのテレビ電話や遠隔操作システムを使って行われ、実務で使えるパソコンスキルを身につける訓練のほか、ビジネスマナーなど社会人としての基礎を学び、訓練期間終了後は、テレワークの勤務形態で一般企業に就職をされています。 昨年10月に産業廃棄物を扱う会社に採用された50代の女性は、パートで出勤簿管理や給与計算、電話の一時受付などの業務を受け持ち、6カ月後は正社員に登用される予定です。 また、団体事務局に採用された40代の女性は、スケジュール管理や案内メールの発信、会場予約や会員向けチラシの作成など、事務全般を担当しておられます。この方は、「難病のため体力がありません。テレワークでは、通勤による負担がないので、その分しっかり業務に当たれます。障がいのため、就労することを諦めていましたが、生まれて初めての給料日にはATMの前で泣きました」と、就労の喜びの心境を語っておられました。 折しも、コロナウイルスへの対策で注目されるテレワークですが、新しい働き方として、近年、定着しつつあります。働く場所にとらわれないため、県内にいながら県外企業への就職も可能になり、障がい者にも就職先の選択肢が広がる上に、何より安定した収入が期待されます。 私は、この新しい取り組みは、県内の障がい者の就労支援にも大変有効だと考えておりますが、福祉保健部長の御見解をお伺いします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 就労移行支援事業につきましては、障害者総合支援法に規定された障害福祉サービスの一つでありまして、一般企業等に就労を希望される障がい者を対象に、飲食店での接客、食品の製造・販売、清掃作業などさまざまな就労訓練が行われております。 本事業は、通所による利用が基本でありますが、お話のあった沖縄県の事例は、国が定めた要件を満たすことによって、自宅で利用者が訓練を受けることができる先駆的な取り組みの一つでありまして、障がい者の在宅就労の可能性を広げるものとして、今後、関係事業所へ広く紹介をしてまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) ありがとうございます。 次に、立地企業の認定と補助制度について、今年度の企業立地の認定状況を、商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 今年度の企業立地の認定状況につきましては、2月末時点で、立地件数が39件、最終雇用予定者数が991名となっております。このうち、県外からの新規立地は、情報サービス産業を中心として14件、最終雇用予定者数が443名となっております。 ◆(坂本康郎議員) 関連して、県の企業立地促進補助金制度の交付要件について。この制度は、県内企業が事業の拡大で増設を行う場合にも補助金交付の対象になりますが、新設の場合と比べて、交付要件が厳し過ぎるという声があります。交付要件の緩和など見直しも含めて、今後の方針をお伺いします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 企業立地促進補助金は、企業誘致に当たって、他県との競争になることを踏まえ、立地認定を受けた企業が、新規雇用者数や設備投資額について一定の要件を満たした場合に、その実績に応じて交付しているところであります。 御質問にありましたように、既に県内に立地している企業が増設を行う場合も、地域経済の活性化等に大きな効果があることから、一定の支援を行っております。昨年4月に、製造業の増設に係る雇用者数の要件を21人から11人に緩和するなど、適宜見直しも行ってきたところであります。 今後とも、企業ニーズや経済情勢に応じた見直しを、柔軟に検討してまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 続けて、商工観光労働部長にお尋ねします。 6月議会の一般質問で、シルバー人材センターの派遣事業の就業時間を週40時間まで拡大する特例措置について質問し、御答弁いただきましたが、その後の進捗状況と今後の見通しについてお伺いします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) シルバー人材センターが扱う業務は、おおむね週20時間程度までの就業に限定されておりますが、派遣事業につきましては、適用する地域、業種及び職種を知事が指定することで、週40時間までの就業が可能となります。 県では、県シルバー人材センター連合会からの要望を受け、関係者からの意見聴取や国との協議等を行った上で、派遣事業が可能な法人格のあるセンターを設置している13の市町において、農業や食料品製造業等の21業種を対象として、その中の運転、清掃など軽作業を中心とした16の職種を本年4月1日に指定する予定で、手続を進めているところであります。 今後とも、高齢者のニーズを踏まえた多様な就業機会の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) ありがとうございました。 同じく6月議会の一般質問で、高齢者ドライバーへのサポートについて取り上げました。ちょうどその時期は、高齢者による重大事故が多発し、世論は運転免許の自主返納一辺倒の中、本県では自動車が高齢者の大事な生活の足であり、それにかわる交通インフラも十分でないため、高齢者の安全運転を持続させるための県のサポートを提案いたしました。 新規事業「みんなの命を守る「高齢者制限運転」推進事業」は、高齢者ドライバーが安全に運転を続けられる運転寿命を延ばすことを目的にしている点で、高く評価をしております。事業の進め方について、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 御質問のありました事業でございますけれども、高齢ドライバーの安全対策として、運転寿命を延ばす観点から、体調や運転能力を踏まえた制限運転の普及促進に取り組むというものであります。 事業の内容といたしましては、まずは制限運転の理解と浸透を図る必要がありますので、県交通安全対策推進本部として、構成する102の団体の協力を得ながら、ポスターやチラシなどを用いまして、啓発を進めてまいりたいと考えております。 また、高齢者自身に運転能力を認識していただくために、市町村が行う講習会や、ドライブレコーダーを用いた運転能力診断などの取り組みを支援することとしております。 このような取り組みを進めながら、最終的に制限運転の意思を固めた方に対しましては、宣誓書をお渡しして、その決意を応援する場を設けることにしたいと考えております。 ◆(坂本康郎議員) 以上で、私の一般質問、全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 以上で一般質問は終わりました。──────────────────── △議案第1号から第83号まで及び請願委員会付託 ○議長(丸山裕次郎) 次に、今回提案されました議案第1号から第83号までの各号議案を、一括議題といたします。 質疑の通告はありません。 ここで、議案第1号から第83号までの各号議案及び新規請願は、お手元に配付の付託表のとおり、それぞれ関係の委員会に付託いたします。 あすからの日程をお知らせいたします。 あす5日から8日までは、常任委員会等のため、本会議を休会いたします。 次の本会議は、9日午前10時から、令和元年度補正予算関係議案についての常任委員長の審査結果報告から採決までであります。 本日はこれで散会いたします。   午後2時46分散会...