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03月03日-05号

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  1. 宮崎県議会 2020-03-03
    03月03日-05号


    取得元: 宮崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-20
    令和2年 2月定例会令和2年3月3日(火曜日)  午前10時0分開議 ───────────────────  出 席 議 員(39名)    1番  日 髙 利 夫  (東諸の未来を考える会)    2番  有 岡 浩 一  (郷中の会)    3番  坂 本 康 郎  (公明党宮崎県議団)    4番  来 住 一 人  (日本共産党宮崎県議会議員団)    5番  岩 切 達 哉  (県民連合宮崎)    6番  武 田 浩 一  (宮崎県議会自由民主党)    7番  山 下   寿  (  同  )    8番  窪 薗 辰 也  (  同  )    9番  脇 谷 のりこ  (  同  )   10番  佐 藤 雅 洋  (  同  )   11番  安 田 厚 生  (  同  )   12番  内 田 理 佐  (  同  )   13番  丸 山 裕次郎  (  同  )   14番  図 師 博 規  (無所属の会 チームひむか)   15番  重 松 幸次郎  (公明党宮崎県議団)   16番  前屋敷 恵 美  (日本共産党宮崎県議会議員団)   17番  渡 辺   創  (県民連合宮崎)   18番  髙 橋   透  (  同  )   19番  中 野 一 則  (宮崎県議会自由民主党)   20番  横 田 照 夫  (  同  )   21番  濵 砂   守  (  同  )   22番  西 村   賢  (  同  )   23番  外 山   衛  (  同  )   24番  日 高 博 之  (  同  )   25番  野 﨑 幸 士  (  同  )   26番  日 髙 陽 一  (  同  )   27番  井 上 紀代子  (県民の声)   28番  河 野 哲 也  (公明党宮崎県議団)   29番  田 口 雄 二  (県民連合宮崎)   30番  満 行 潤 一  (  同  )   31番  太 田 清 海  (  同  )   32番  坂 口 博 美  (宮崎県議会自由民主党)   33番  二 見 康 之  (  同  )   34番  蓬 原 正 三  (  同  )   35番  右 松 隆 央  (  同  )   36番  星 原   透  (  同  )   37番  井 本 英 雄  (  同  )   38番  徳 重 忠 夫  (  同  )   39番  山 下 博 三  (  同  ) ─────────────────── 地方自治法第121条による出席者  知     事 河 野 俊 嗣  副  知  事   郡 司 行 敏  副  知  事   鎌 原 宜 文  総合政策 部長   渡 邊 浩 司  総 務 部 長   武 田 宗 仁  危機管理統括監   藪 田   亨  福祉保健 部長   渡 辺 善 敬  環境森林 部長   佐 野 詔 藏  商工観光労働部長  井 手 義 哉  農政水産 部長   坊 薗 正 恒  県土整備 部長   瀬戸長 秀 美  会 計 管理者   大 西 祐 二  企 業 局 長   図 師 雄 一  病 院 局 長   桑 山 秀 彦  総務部参事兼財政課長            吉 村 達 也  教  育  長   日 隈 俊 郎  警 察 本部長   阿 部 文 彦  監査事務 局長   髙 林 宏 一  人事委員会事務局長 吉 村 久 人 ─────────────────── 事務局職員出席者  事 務 局 長   片 寄 元 道  事 務 局次長   和 田 括 伸  議 事 課 長   齊 藤 安 彦  政策調査 課長   日 髙 民 子  議事課長 補佐   鬼 川 真 治  議事担当 主幹   山 口 修 三  議 事 課主査   井 尻 隆 太  議事課主任主事   三 倉 潤 也──────────────────── △一般質問 ○議長(丸山裕次郎) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、昨日に引き続き一般質問であります。 ただいまから一般質問に入ります。まず、日髙利夫議員。 ◆(日髙利夫議員) 〔登壇〕(拍手) おはようございます。東諸の未来を考える会、日髙利夫でございます。 本日は、3月3日、めでたいひな祭りの日であります。コロナの邪気を吹き飛ばすぐらい元気よく一般質問を続けさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 初めに、公文書の適正管理について、総務部長にお伺いいたします。 公文書の管理のあり方については、近年、桜を見る会などに関連して、いろいろな報道がなされておりますが、特に、公文書を数カ月で廃棄するような国家公務員の事務処理については、私も大きな違和感を持ったところであります。 私は、国富町役場に勤務しておりましたが、最後は公文書管理を担当する総務課に所属しておりましたので、各課の職員に公文書の管理についていろいろと指導をする立場にありました。 公文書というものは、起案者のものでもなければ決裁者のものでもない、住民共有の財産、知的資源でありますので、その取り扱いについては、適切に保存・管理する必要があると、指導してきたところであります。そしてまた、県からも、そのような指導・助言を受けてまいりました。 行政が行う事業は、必ず決算を伴うものであります。そしてその決算は、それぞれの議会の認定という手続を経るものであります。つまり、少なくとも公文書は、議会において決算の認定がなされるまでは、事業が完全に完了したとは言えないものと思います。一見して軽微なものを除いて、翌年の議会で事業が検証され、決算が認定されるまでは、その事業にかかわる文書は廃棄せず、保存しておかなければならないと思います。 そこでまず、本県では文書の保存期間について、具体的にどのように定めているのか、また、保存期間を経過した文書の廃棄記録はどのようにしているのか、総務部長にお伺いいたします。 壇上の質問は以上とし、以下の質問は質問者席から行わせていただきます。(拍手)〔降壇〕 ◎総務部長(武田宗仁君) 〔登壇〕 お答えいたします。 まず、文書の保存期間についてであります。 県では、文書取扱規程において、文書の種類や内容、重要度等に応じ、30年から10年、5年、3年、1年、1年未満までの6つの区分を設けており、保存期間は、文書を作成、取得した年度の翌年度から起算することとなっております。 なお、保存期間が1年未満の文書は、定例的、日常的な業務連絡等のような軽微なものであり、意思決定や後日検証に必要となるものは、1年以上の保存期間となります。 次に、文書の廃棄記録についてであります。文書取扱規程で、文書を廃棄する際には、各所属において廃棄文書の目録を作成することと定めているところであります。以上であります。〔降壇〕 ◆(日髙利夫議員) ただいまの答弁により、軽微な文書を除いては、最低でも公文書は当該年度終了後、翌年度1年間は廃棄できないことが理解できました。つまり、議会において決算が認定されるまでは、公文書は廃棄せず、保存されていることがわかり、安心いたしました。 次に、紙以外の電子データ等を含めた公文書の考え方について伺います。 現在、我が国においては、約9割以上の文書等が紙ベースで作成されている現状がありますが、本議会においても、議会改革活性化に関する検討会として、ICT化、ペーパーレス化が検討されておりますし、来年度の新規事業でも、ICT化事業は急速に推進されています。国においては、さらなる事務の効率化、文書の改ざん、不正の防止、省エネルギー、省スペース化を目指し、2026年度をめどに、公文書の電子管理システムを本格的に導入する方針が示されております。 ここで、改めて公文書の範囲について、紙以外のパソコン本体やUSB等の電子データ、職員が作成した備忘録やメモは公文書に該当するのか、総務部長にお伺いいたします。 ◎総務部長(武田宗仁君) 公文書につきましては、宮崎県情報公開条例におきまして、職員が職務上作成し、または取得した文書、図画、及び写真及び電磁的記録であって、職員が組織的に用いるものと規定されております。 このため、議員からお話がありました電子データや備忘録、メモにつきましても、組織的に用いられていると認められる場合は、公文書に該当するものと考えております。 また、組織的に用いるものかどうかにつきましては、作成または取得の状況、利用や保存の状況、内容の重要度などを総合的に考慮し、個別に判断していくことになります。 ◆(日髙利夫議員) 電子データであっても、個人が作成した備忘録等であっても、組織的に用いれば公文書であるということであります。公文書であれば、不適切な取り扱いをすると懲戒処分の対象となります。 さらに、組織的に該当するか否かは、国も、「個々に判断しなければ一概には答えられない」としております。つまり、個人の備忘録やメモであっても、公文書に該当する可能性があることを否定していないわけであります。公文書に該当すれば、県の情報公開条例に規定する県民の知る権利として開示請求の対象となること、自分の机の中は自分のものだと勘違いをしていないかなど、改めて職員に周知しておいていただきたいと思います。 しかし、一般の県民からすれば、これは公文書で、これは公文書ではないなどと議論をする前に、公費で購入したパソコン、プリンター、コピー機等を使い、給料をもらいながら勤務時間内に作成した文書は全て公文書であると考えれば、納得がいくはずです。そんな気持ちで仕事をしていただきたいものだと考えております。 次に、文書の保存期間を経過した場合、電子データも同時に廃棄されるのか、総務部長にお伺いします。 ◎総務部長(武田宗仁君) 現在、県におきます公文書の管理は、紙文書によることを基本としておりまして、電子データの取り扱いについては、文書取扱規程等に明確な定めがないことから、必ずしも紙文書と同様に破棄されていない状況にあります。 このため、今後、行政事務の電子化の進展に合わせまして、電子データを含めた公文書管理のあり方や方向性について、検討してまいりたいと考えております。 ◆(日髙利夫議員) 確かに、電子データの処分については、明確な規定はないようです。パソコン等については、おおむね5年のリース契約でデータが処分されることになるのでしょう。 しかし、気になりますのは、スマートフォンやタブレットなどの活用であります。仕事に関して、LINEやメールの情報共有やデータ回覧などにより、仲間同士のグループでのスキルアップツールとしての電子媒体の活用が考えられます。これも組織的に用いれば、公文書の対象となると思われます。 そうなりますと、スマートフォンなどの個人の所有物の中に、公文書が蓄積されることになります。公務中の画像なども簡単にLINE転送ができる時代です。個人の所有物に蓄積されたデータ等をどう保存し、廃棄させるのか。そのような、これまでには余り問題視されなかったケースが、今後発生するであろうと思われます。 昨年末、政府は、今後、公文書管理の専門職であるアーキビストを養成し、各府省庁や地方自治体等に配置するとの報道がありました。本県としても、新しい視点での公文書の管理の検討をよろしくお願いいたします。 では、適正な文書管理を行うため、職員への周知や研修にどのように取り組んでいるのか、総務部長にお伺いいたします。 ◎総務部長(武田宗仁君) 適正な文書管理を行うには、職員一人一人の文書管理意識の向上を図ることが大変重要であると考えております。 このため、文書管理のポイントをわかりやすくまとめたマニュアルの作成や、eラーニングの実施等による職員研修の充実を図るとともに、各職員による定期的な自己点検を実施するなどの取り組みを行っているところであります。 文書は、作成から保存、廃棄までの全体を通じまして適正に管理していくことが必要であり、今後とも、職員への研修等により、文書管理に対します意識の啓発やルールの徹底に、さらに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙利夫議員) 言うまでもなく、公文書は行政活動の記録であり、歴史的事実の記録であります。また、民主主義の根幹を支える県民共有の知的資源でもあります。さらに、情報公開条例により、県民の知る権利を尊重し、県の諸活動を懸命に説明するための貴重な財産であります。県はルールに基づいて、公文書を適切に管理、保存されているようですが、不適切な公文書の管理は、行政への信頼を大きく損なうことになると考えます。 最後に、知事にお伺いいたします。 知事は、国家公務員として長い経験を持たれ、本県の総務部長も歴任してこられましたが、その経験から、公文書の適正管理について知事の見解をお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 公文書は、県の重要な計画や施策、県民の権利義務に関する決定など、さまざまな行政判断の内容や決定過程が記録されたものであります。議員御指摘のとおり、行政と県民との重要な共有財産であります。 県が行う数多くの行政判断とその過程につきまして、県民への説明責任を果たすとともに、将来においても検証の可能なものとするためには、公文書を適切に保存、管理していくことが大変重要であると考えております。 今後とも、公文書の適正な管理を図り、県民から信頼される公正で開かれた県政運営に努めてまります。 ◆(日髙利夫議員) ありがとうございました。 今般の公文書をめぐる国の一連の問題は、私たち自身が、将来に向けた文書管理改善の好機と捉えるべきではないでしょうか。 今後とも、職員の研修などを通じ、適切な文書管理を徹底され、信頼される県庁職員のさらなる前進を期待し、次の質問に移ります。 次は、食品ロス削減対策推進についてお伺いします。 ことしの1月に、関西の夜間定時制高校の男性教諭が、廃棄予定だった食べ残しの給食の余ったパンや牛乳を4年間にわたって持ち帰り、懲戒処分を受け依願退職したとの報道がありました。処分は当然だという意見があった一方、捨てるのはもったいない、持ち帰って食べるほうがよいと教諭を擁護する意見など、さまざまな意見があり、改めて食品ロス削減問題の難しさを感じさせられる事案でありました。 本県においても食品ロス削減対策は、「食べきり宣言プロジェクト」などでいろいろ実施されておりますが、私としては、いま一つ一般県民にはこの問題がぴんとこない、浸透していないように感じております。 そこでまず、その本当の入り口の部分の質問ですが、以前報道のあった、県内の家庭からの食品ロス発生量3万トンの内訳及び事業者からの食品ロスの発生量について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 本県における家庭からの食品ロス発生量につきましては、平成28年度に県が行いました調査をもとに、約3万1,000トンと推計しております。 その内訳としまして、「食べ残し」が全体の5割、約1万5,000トン。利用されずに捨てられた「未利用食品」が全体の4割、約1万3,000トン。皮のむき過ぎなどの「過剰除去」が全体の1割、約2,400トンとなっております。 なお、事業者からの食品ロス発生量につきましては、農林水産省が、食品リサイクル法に基づく事業者からの報告をもとに、国全体で約352万トンと推計されておりますが、都道府県単位の推計は実施していないと伺っております。 このため、県におきましては、来年度予定しております「食品ロス削減推進計画」の策定に当たり、事業者分も含めた食品ロス発生量の実態調査を実施したいと考えております。 ◆(日髙利夫議員) 「未利用食品」の4割は、ちょっと多過ぎると感じました。いろんな量を全て何トンと答弁しておられますが、これがぴんとこないんです。3万トン、352万トンとかでは感じがつかめない。せめてトン数の後に金額で表現していただきたいと思います。 京都市では、年間食品廃棄額は1世帯4人家族で6万円、日本全体では年間11兆円という数字を出しております。これがどこまで正しい数字かどうかはわかりませんけれども、こういう数字なら、みんな、おっと注意が向くなと思います。 本県では、まだそこまでの数字を把握できない段階かもしれませんが、県民全体に関する大切な問題です。実態調査もされるということですので、誰にでもわかるような、興味をそそるような啓発をお願いしておきます。 次に、学校給食における食べ残しの現状と食品ロス削減に関した指導をどのように行っているのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 学校給食における食べ残しにつきましては、調査は行っておりませんが、献立や児童生徒の実態等によって差はあるものの、一定の食べ残しがあると認識しております。 食品ロス削減に関連した指導につきましては、文部科学省が作成した「食に関する指導の手引」に基づき、指導を行っているところであります。 具体的には、家庭科や特別活動などの授業において、栄養バランスのよい食事摂取や、食品を無駄なく調理すること、感謝の気持ちや食べ物を大事にする心などについて理解させるとともに、児童生徒の実態に応じて個別に好き嫌いを減らす指導を行っております。 今後とも、家庭や地域、講師間の連携を深め、学校の教育活動全体で、食に関する指導充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆(日髙利夫議員) 食べ残し調査は実施していないとのことですが、給食の食べ残しを削減するためには、実態の把握は必要と思いますので、今後、環境森林部の実態調査と合わせて調査されるよう、お願いいたします。 我が国には、「いただきます」と「ごちそうさまでした」、そして食べ残しはもったいないという、自然の恵みへの感謝の言葉があります。小学生には、これまで以上にこのような感謝の思いを、また中学生・高校生には、飢餓に苦しむ世界があること、廃棄物処理による環境悪化など、日本だけではなく世界規模で食品ロス削減問題を考えねばならないことを、改めて指導していただきたいと思います。 一方、日本の食料供給基地である本県において、農政水産部では食品ロス削減にどのように取り組んでいるのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 農政水産部では、食育や地産地消を推進する活動の一環としまして、食品ロス削減を普及啓発する「もったいないプロジェクト」を進めております。 具体的には、栄養士や食生活改善推進員の方などに登録いただいております「食育ティーチャー」と連携して、子供や若者、子育て世代などに応じた「食材を無駄なく利用する料理教室」や、子供たちに食の大切さを伝える「味覚の授業」などに取り組んでいるところであります。 今後とも、関係部局と連携し、食育ティーチャーへの情報提供に努めながら、国内有数の食料供給県ならではの命の恵みに感謝する活動を通して、幅広い世代に向け、食の大切さを伝える啓発活動を行ってまいりたいと考えております。 ◆(日髙利夫議員) 食品ロス削減などとは、まことにぜいたくな話であります。私たち大人は猛省が必要です。しかし、世界の急激な人口増加や環境破壊など、食料需給の不安定要因を考えれば、将来、本当に食料がなくなる時代がくるのではないかと、私は心配しております。6割もの食料がいつまで外国から確保できるのか。食品ロス削減対策問題は、我が国の食料需給対策への警鐘とも言えるのではないでしょうか。 次に、宮崎県食品ロス削減対策協議会において、これまでどのような意見が出されたのか、環境森林部長にお伺いいたします。
    環境森林部長(佐野詔藏君) 県では、平成29年度に、生産・加工、販売などの事業者から消費者までが参加する「食品ロス削減対策協議会」を立ち上げ、それぞれの立場における取り組み報告や、各分野が連携した対策の検討を行っておりまして、これまでに6回開催しております。 協議会におきましては、パッケージの工夫により賞味期限の延長が図られた取り組み事例が報告された一方で、事業者、消費者とも、賞味期限に対する過剰な反応について意識改革が必要であること、飲食店での食べ残しの持ち帰りは衛生面から難しいこと、さらには、学校での食育の効果が家庭までなかなか浸透しない状況を踏まえ、家庭内実践につながる「大人の食育」の重要性を指摘する意見なども出されたところであります。 ◆(日髙利夫議員) 食品ロスの発生にはさまざまな要因がかかわっており、ある特定の立場の者に削減の責任を負わせるべきではないと考えますので、関係事業者や消費者が一体となって取り組むべき対策を十分検討していただきますように、よろしくお願いいたします。 最後に、食品ロス削減推進計画策定に向けた体制について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 食品ロス削減の推進には、生産・加工、販売などの事業者から消費者まで多様な主体が取り組む必要があり、また県庁内におきましても、環境部門に限らず、農政、教育などの各部局間で認識を共有し、連携を図ることが重要であると考えております。 このため、多様な主体による検討組織として「食品ロス削減対策協議会」を、庁内の部局間の連携組織として「食品ロス削減対策庁内連絡会議」を設置し、さまざまな取り組みを実施しているところであります。 今後の県計画策定に際しましては、より効果的な食品ロス削減の取り組みにつながる計画となるよう、協議会や庁内連絡会議の体制や連携の強化について検討してまいりたいと考えております。 ◆(日髙利夫議員) しっかりとタッグを組んだ庁内連絡会議等の体制強化に期待しております。そして、立派な「食品ロス削減推進計画」が策定されますよう期待し、次の質問に移ります。 次は、綾北川の濁水対策についてであります。 ここ10年近く、夏場の綾北川は、大雨の後は1カ月も2カ月も濁りがとれない、自慢のアユもちっとも釣れなくなったと聞きます。 水産政策課の資料によると、平成25年と30年のアユの採捕量を比較しますと、県全体では、4万483キログラムから2万9,280キログラムへ27.7%の減、綾町は、2,280キログラムから1,243キログラムへ45.5%の減少で、約半分に、下流の国富町でも、3,300キログラムから1,910キログラムへ42.1%の減少で、こちらも約半分に減少しております。 大方の原因は、綾北川の濁りのため、アユの餌となるコケが生えない状況が何年も続いているからのようであります。以前は、本庄高校下の川べりの樹木には、アユを餌とするたくさんのカワウの群れが生息しておりましたが、最近ほとんどそのカワウを見かけなくなりました。漁協の駆除対策が功を奏したのかと思いましたら、餌となるアユがいなくなったため、カワウのほうが本庄川から撤退したのだそうです。 カワウにさえ見放され、釣り人もまばらになりつつある綾北川とその下流、本庄川です。漁協では、水生生物の激減、自然生態系の破壊など、環境汚染悪化の深刻性を訴えておられます。しかし、綾北川の上流から濁水が流れてくるのだから、漁協では手の打ちようがないんですよと。では、どうしてここまで綾北川は濁ってしまったのか。 綾北川のこれまでの濁水対策と、近年の濁水が長期化する原因をどう分析しているのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 綾北川の濁水対策につきましては、平成12年度から、田代八重ダム、綾北ダムの選択取水設備の運用を開始し、濁水長期化の軽減に努めているところであります。 この選択取水設備の運用により、洪水発生後に降雨がなければ、おおむね2週間程度で濁りが低減されますが、ここ数年は、出水期において濁水の長期化が見られるようになってきております。 原因としましては、梅雨前線や連続する台風の影響などで豪雨が頻発し、ダム貯水池内の濁りが低下する前に、次の大雨で再び濁水が流入することによるものと考えております。 ◆(日髙利夫議員) 濁水の主な原因は、連続する豪雨等によるものとのことですが、濁りがとれなくなったのは、平成12年に運用を開始した最上流の田代八重ダムができてからだと、おおむね住民の皆さんの意見は一致しているようであります。 一方、企業局は、綾北川の水を使って発電を行っているわけでありますが、発電事業者の立場から、綾北川の濁水に対して地元にどのように説明し、どのような対策を行っているのか、企業局長にお伺いいたします。 ◎企業局長(図師雄一君) 企業局では、河川管理者などが実施する説明会に参加し、地元の漁業協同組合などの関係者に対しまして、濁水軽減のための発電運用方法などについて説明を行っているところであります。 濁水軽減の方法といたしましては、最大出力で発電することにより、ダムの濁水を早期に排除する運用や、綾南ダムの水が比較的濁りが少ないことから、この水を利用して、濁りを希釈するなどの対策に取り組んでいるところであります。また、そのほか河川環境保全活動の一環として、漁協の皆様の御協力のもと、稚魚放流を実施しているところであります。 今後とも、綾町役場や漁業協同組合を初め、地元の皆様の御意見をお聞きしながら、河川管理者とも連携し、細やかな対応と情報提供に努めてまいります。 ◆(日髙利夫議員) 綾北川の濁水対策に対して、綾南ダムからきれいな水を引いて、綾北川の濁った水を希釈しているとのことです。大変な工夫がされ、いろいろ努力されていることは理解しますが、地域住民の納得は得られておりません。 一方、綾北川の最下流にある、今後実施予定の綾第二発電所大規模改良事業による河川濁水の懸念はないのか、再度、企業局長にお伺いいたします。 ◎企業局長(図師雄一君) 綾第二発電所大規模改良事業につきましては、当発電所が建設後60年以上経過し老朽化が進んでいることから、令和2年度から7年度までの6年間にわたりまして、大規模な更新工事を実施するものであり、昨年12月に入札公告を行ったところであります。 発注に当たりましては、基礎工事などにおける適切な濁水対策の実施を受注条件といたしますとともに、工事実施においては現場管理を徹底し、万全な濁水対策を実施することとしております。 企業局といたしましては、綾町など地元の皆様に、工事内容等について丁寧に周知した上で、関係機関とも連携を図りながら、河川環境に配慮した事業実施に努めてまいります。 ◆(日髙利夫議員) 今後6年間にわたる大規模工事とのことですので、地元の声を聞きながら、万全の濁水対策をお願いいたします。 1月30日に、企業局、河川課、高岡・小林の土木事務所、綾町役場と、最上流にある熊本県の県境に近い田代八重ダムまでの現地調査を実施いたしました。田代八重ダムには明らかな濁りが見られました。やはり、濁水長期化の原因はこの田代八重ダムにあるのではないかと思われますが、最後に、濁水の長期化に対する今後の取り組みについて、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 濁水の長期化につきましては、河川環境や景観への影響、さらには、地元の皆様の生活にとって大きな問題であると考えております。 このため、濁水の発生源とされる上流域の現況調査を行いますとともに、ダムへの濁水流入による貯水池の濁度状況を分析するなど、企業局と連携して、より効果的な選択取水設備の運用を検討してまいります。 今後とも、地元の皆様の御意見をお聞きしながら、関係機関とより一層の連携を図り、濁水長期化の軽減に向けて取り組んでまいります。 ◆(日髙利夫議員) 選択取水設備の運用を検討されるとのことですが、これも、もっと大胆な運用ができないものか、しっかりと検討していただきたいと思います。 照葉樹林、ユネスコエコパーク、山紫水明の地、名水百選の町、綾町です。夏休み期間中は、全国からたくさんの児童生徒や社会人チームが合宿に訪れます。グラウンドの隣は綾北川です。原生林から流れくる清流のはずが、濁った水であったなら、観光の町・綾に限らず、本県観光にも大きなイメージダウンであります。 ことしの夏、大雨の後に、私も地元の皆さんと一緒に再度、現地調査を実施する予定です。熊本県の多良木町までの調査の必要があります。田代八重ダム上流の森林伐採跡地の整備状況、山腹崩壊の現状調査、場合によっては、熊本県への協力要請も必要と考えます。その折は、県土整備部、企業局の皆さんにも御協力いただき、何としてでも打開策を見つけ出せるよう、よろしくお願いを申し上げ、次の質問に移ります。 次は、高岡警察署の移転・建てかえ整備計画についてであります。 現在、県内に13カ所ある警察署のうち、建物が全国で最も古い都城警察署、2番目に古い日南警察署、そして、たびたび浸水被害に遭っている高岡警察署。この3つの警察署の建てかえ整備計画につきましては、過去に何度も一般質問がなされております。 私の地元東諸県郡に関する高岡警察署の移転・建てかえについて、改めてお伺いいたします。 まず、平成17年の台風14号により、事務室が最大時1.2メートルも浸水してしまった高岡警察署の移転・建てかえ整備計画について、改めて警察本部長にお伺いします。 ◎警察本部長(阿部文彦君) 高岡警察署を含め、警察施設の整備につきましては、宮崎県公共施設等総合管理計画に基づきまして、個別施設計画を策定することとしておりますので、その中で、警察施設の方向性を示してまいりたいと考えております。 ◆(日髙利夫議員) ありがとうございました。 昨年10月24日に、文教警察企業常任委員会で高岡警察署を視察いたしました。平成17年の台風14号で、駐車場の路面から2.2メートルも浸水し、業務に大きな支障を来したことなどの説明も受けたところでした。 現在の高岡警察署は、大淀川と飯田川との合流地点、新飯田川水門の隣にあり、周辺地域の中では一番低い場所に建てられております。台風14号水害のときには、周辺地域の建物288戸が床上浸水となり、一番浸水がひどかったのが高岡警察署であったとのことであります。 この地域は浸水被害の常襲地帯であったことから、県が平成19年度までに5台の排水ポンプを設置しましたが、これで安心と思えないのは、周辺住民も高岡警察署職員も同じであると思います。 新飯田川水門には10メートルまでの量水標が設置してありますが、台風14号では9メートルの位置まで達していたそうで、もし、あと2メートルもあったら、堤防を越水して大変なことになっていたのではないかと、現場を見てそう思いました。 現在の宮崎市の洪水ハザードマップでは、高岡警察署は2メートルから5メートル未満の浸水想定区域と指定されております。本部長はお聞きになっていると思いますが、ここで改めて、ちょっと長くなりますが、平成17年9月6日の台風14号襲来時の高岡警察署の概況を説明させていただきたいと思います。 細かくなりますけれども、申しわけありません。 まず、前日の午後5時、警察署の東隣にある飯田川の堤防にパトカーやバイクなどを避難しております。当日の6日、午前4時30分ごろに駐車場が冠水し始め、事務文書を机の上に避難。午前5時30分には事務文書を今度は2階へ。午前7時には駐車場冠水が1メートルに達したため、今度はパソコン等の事務機材を2階へ。そして、午前7時30分には、1メートルの段差のある駐車場を乗り越え、とうとう事務室が浸水し始め、午後2時ごろには最大1.2メートルの床上浸水となったとのことであります。建物全体では、駐車場の路面から2.2メートルの高さまで浸水したことになります。1階事務室のファクスや電話等は使用不能、配電盤も漏電のため電力供給ができなくなりました。職員の出入りはほぼ不能の状態になったようであります。その後、翌日の未明、午前4時ごろから水が引き始め、浸水が解消され、ここから大変な後片づけが始まったということになります。 本来、災害時には地域の防災・減災、復旧活動の拠点となるべき警察署が、建物に出入りすることも困難となり、職員の皆さんもさぞかし歯がゆい思いをされたことでしょうが、事前に職員配置を増強されていたために、災害活動には支障がなかったことは、本当に幸いでした。 台風がくるたび、大雨のたびに、高岡警察署では他の警察署にない作業がふえ、その分、地域活動等の時間が削減されることになります。 ここで改めて、高岡警察署の防災活動拠点としての問題点、浸水対策、耐震対策の現状について、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(阿部文彦君) 高岡警察署は、平成以降、7回浸水被害を受けており、大規模な水害が発生した場合、防災活動拠点としての機能の発揮に課題がありますが、浸水対策として庁舎入り口に可搬式の防水板を、庁舎裏口や発動発電機室等に防水扉を設置したほか、駐車場に高床式倉庫を整備するなど、必要な措置に努めております。 なお、耐震対策につきましては、阪神・淡路大震災を受け、平成10年に実施した耐震診断において、「補強の必要はない」との結果を受けております。 ◆(日髙利夫議員) 平成以降、7回の浸水被害ということだそうです。果たして、令和の時代はどうなるのでしょうか。 警察署の移転・建てかえにつきましては、長年にわたり議論が続いておりますが、当時、建物が日本一古かった日向警察署は、河野知事の1期目の平成24年度に、えびの警察署は2期目の平成29年度に、それぞれ移転・建てかえが終了いたしました。 今後、約半世紀ぶりの国スポ等に向けたハード整備等を初め、本県の財政状況はまことに厳しい時代を迎えることになりますが、知事の3期目の任期中には、県内で最も水に弱い高岡警察署の整備について道筋をつけていただき、地域住民の不安を払拭していただきますよう、よろしくお願いを申し上げ、次の質問に移ります。 最後は、公営住宅の空き住戸対策についてであります。 近年、県営・市町村営公営住宅の空き住戸が気になっております。昭和50年代から平成初期にかけて、県内には多くの鉄筋コンクリート造の公営住宅が建築され、新婚さんは公営住宅入居が定番の時代で、入居倍率も2倍、3倍であったと思います。その後、きれいな民間アパートやマンションなどが増加し、晩婚化もあったと思いますが、徐々に公営住宅の空き住戸がふえてきたようです。 そこでまず、県営住宅の空き住戸の割合は10年前と比べてどのような状況にあるのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 県営住宅につきましては、平成31年3月末現在、建てかえやバリアフリー化工事等のために募集を行っていない住戸を除き、8,661戸を管理しております。 これに対し、空き住戸が1,016戸でありますので、空き住戸の割合は11.7%であります。 なお、10年前の平成21年3月末時点では2.9%でありましたので、空き住戸の割合は、8.8ポイント増加しております。 ◆(日髙利夫議員) 空き住戸が2.9%から11.7%へ、10年間で8.8ポイント増加しております。約4倍です。国富町にある4階建て以上の県営住宅も17.5%、約5軒に1軒は空き住戸となっております。この状況は今後も改善されることはないでしょうし、空き住戸は増加するばかりであると思われます。 では、県では、空き住戸の解消に向けてどのような取り組みを行っているのか、県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 空き住戸の解消対策につきましては、年4回の定期募集以外にも、いつでも入居可能な随時募集を実施しております。 また、既存住戸のバリアフリー化やエレベーター設置を順次進めているほか、単身の高齢者等の増加に対応するため、単身者の入居が可能となる対象住戸数を拡大したところであり、さらには、社会福祉法人等の要望により、グループホームとしての活用も図っているところであります。 ◆(日髙利夫議員) 県としても、さまざまな取り組みで利活用に努力されているようであります。公営住宅は、住宅に困窮する方々への住宅であり、地域コミュニティー形成にも重要な役割を担い、多くの県民の方々に快適な住宅が、これまで提供されてきました。 しかし近年は、高齢化や人口減少などの社会的情勢の変化や、施設の老朽化等の問題を抱えております。では、県営住宅の老朽化の現状と、将来にわたって管理する県営住宅の管理戸数をどのようにしていかれるのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 県営住宅の老朽化の現状につきましては、平成31年3月末現在で、国が定めた公営住宅の建てかえ要件であります耐用年数の2分の1を経過した建物が、全体の528棟のうち235棟と、半数近くを占めている状況にあります。 一方、人口が減少する半面、高齢化の進展等により、県営住宅への入居を望まれる高齢者や障がい者等の住宅確保要配慮者は増加している状況にあります。 そのため、今後の県営住宅につきましては、このような状況を十分に踏まえまして、老朽化が著しいため、用途廃止を見据えて、政策的に空き住戸としている建物を除き、計画的に、建てかえ等も検討しながら維持保全を図り、社会情勢の変化に応じた適正な管理戸数の確保に努めていくこととしております。 ◆(日髙利夫議員) 老朽化した住宅の入居者は高齢者の方々が多く、公営住宅がついの住みかとなる場合が多いので、しっかりとした維持管理をお願いするとともに、建てかえ等も、民業を圧迫することのないよう、公営住宅の長寿命化計画で、しっかりと市町村をリードしていっていただきたいと思います。 また一方、最近、土木業者や専業農家から、外国人労働者を公営住宅に入居させられないかという相談も受けております。宮崎労働局の調査によると、本県の外国人労働者数は、令和元年10月現在で5,028人、平成27年と比較すると2.4倍になったとのことであります。外国人労働者の受け入れ問題は、本県にとっても喫緊の課題であります。 最後に、外国人労働者の受け入れなど、地域の多様な住宅需要に対応するため、公営住宅の空き住戸の活用は考えられないか、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 県営住宅への外国人の入居に関しましては、国土交通省からの通知に基づき、地域住民と同様の入居資格を認める取り扱いを行っております。 また、農林水産業等の長期研修者などの多様な住宅ニーズに対応するため、地域対応活用計画を国が承認する制度を活用することで、地域の実情に対応した弾力的な活用も可能となっております。 県内におきましても、この地域対応活用により、延岡市の一部の市営住宅では外国人漁業研修生を、また、日向市や西都市の一部の市営住宅では移住希望者を受け入れております。 県としましては、引き続き、市町村に対し制度の周知に努め、空き住戸の活用を図ってまいりたいと考えております。 ◆(日髙利夫議員) 国が承認する公営住宅の地域対応活用という制度を使えば、外国人労働者も入居可能であるとのことであります。このことは、まだ市町村には十分周知が行き届いていないところもあり、また、市町村の受け付け、県への申請、国の承認と、1カ月も2カ月もかかるような事務手続の煩雑さがありますので、なお一層の周知と事務の円滑化をお願いしておきます。 また、外国人労働者の受け入れは非常にデリケートな面もありますので、外国人サポートセンターなどによる十分な市町村の支援も、ぜひお願いしておきたいと思います。 さらに、地域の多様な住宅需要に対応するための、公営住宅の空き住戸の活用という観点からすれば、例えば、飯野高校入試の全国枠に5人の志願者があったとのことでした。もっともっと都会からの児童生徒の受け入れ、留学生の受け入れを推進するための公営住宅の活用とか、例えば、大家族になり、受験生がいるような場合は、もし隣があいていれば、2軒目の隣の住宅を借りられるとか。そういう場合は、もちろん礼金、敷金なし、家賃は3分の1ぐらいで子育て支援対策を行うとか。さらには、スポーツランドみやざきとしての短期合宿等への活用、単身でも入居可能な活用など。とにかく、民業を圧迫しないことを前提として、地域の活性化を図るために、空き住戸の活用に努めていただきますよう、よろしくお願いいたします。 そのために、制度改正などが必要であれば、ぜひ御検討くださるようお願い申し上げます。 最後に、今年度退職される皆様方、長い間本当にお疲れさまでした。 さらに、我が郷土宮崎県のために、これからもしっかりと御活躍されることを、心から御祈念申し上げまして、私の一般質問の全てを終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 次は、窪薗辰也議員。 ◆(窪薗辰也議員) 〔登壇〕(拍手) 先ほどもございましたように、きょうは桃の日、桃の節句のひな祭りでございます。日本では江戸時代の「ひな遊び」また「流しびな」が始まりと言われており、女の子の健やかな成長を祈る年中行事として祭られたものが現在に伝わったものと言われております。ひな人形の高級なものについては、人形師と言われる職人の手によって、布を折り曲げながらつくられていることから、まさしくたくみのわざ、ひな人形も日本文化の一つではないかと思っております。 それでは、日本博について知事にお尋ねいたします。 2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機に、国(文化庁)では、日本の美を体現してもらうため、全国各地で開催される美術展、芸術文化等の公演を「日本博」と位置づけ、国内外にアピールすることとしています。この日本博では、総合テーマ「日本人と自然」のもとに、美術・文化財、舞台芸術、メディア芸術、デザイン・ファッション、共生社会・多文化共生、被災地復興などの各分野にわたり、縄文時代から現代まで続く「日本の美」を国内外へ発信し、次世代に伝えるもので、さらなる未来を創生する。この文化芸術の祭典が、人々の交流を促して感動を呼び起こし、世界の多様性の尊重、普遍性の共有、平和の祈りへとつながることを希求するとあります。 今月には、東京でオープニングセレモニーが開催され、全国各地の文化施設等で伝統芸能や音楽、芸術・アートあるいは食といったさまざまな芸術文化プログラムが用意されているようです。 文化庁に設置されました「日本博企画委員会」の委員には、河野知事が全国の知事で唯一就任されておりますが、日本博が開催されることしは、宮崎の文化を国内外にアピールするチャンスだと思いますが、知事のお考えをお伺いいたします。 なお、以下の質問は質問者席で行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 日本博は、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、全国各地で四季折々、日本文化の魅力をさまざまなプログラムで国内外に広く紹介しようとするものであります。従来型の博覧会が特定の場所で限られた期間行われるもの、それとはコンセプトが違う事業でありますので、先日出席しました企画委員会におきましても、なかなか国民の間で浸透していない、認知がされていないというところが悩みの種であったわけでありますが、広報大使に黒柳徹子さんも就任されるなど、関係省庁や地方自治体、民間団体などが総力を結集した大型国家プロジェクトとして、今、御紹介がありましたような今月のオープニングセレモニーも含めて、いよいよ本格的に始動するところであります。 本県におきましても、先日、大阪の国立文楽劇場で行われました椎葉神楽の公演が、日本博の位置づけで行われたところであります。10月から開催予定の国文祭・芸文祭も、日本博のプログラムの一つとして位置づけられておりまして、世界からの注目が東京のみならず日本全体に集まる2020年は、宮崎が誇る伝統文化を国内外に発信する絶好のチャンスであると考えております。 国文祭・芸文祭におきましては、国際音楽祭や若山牧水、あるいは地域で伝承されてきた神話・神楽、さらには食文化など、これまで育まれてきた多種多様な文化資源を「みやざきの宝」として、参加される多くの方々に堪能していただきながら、さまざまな媒体等を通じて、本県文化の魅力をしっかりとアピールし、さらなる本県のイメージアップを図ってまいります。以上であります。〔降壇〕 ◆(窪薗辰也議員) さて、いよいよことしの10月17日から、国内最大の文化の祭典、第35回国民文化祭、第20回全国障害者芸術・文化祭の宮崎大会が開かれます。本県での開催は初めてで、2012年度から取り組んできた記紀編さん1300年記念事業の集大成と位置づけられています。 宮崎での開催が決定して3年、これまでいろいろと準備をされてきたと思われますが、県民への浸透は不十分であると感じています。 県民に国文祭・芸文祭を効果的に周知するためには、全国的に名の知れた芸能人を招待したり、宮崎県の人がふだん目にしない日本の伝統文化である歌舞伎などの公演を行うなど、ふだん文化に興味のない人も関心を寄せるような仕掛けを行い、盛り上げる工夫が大事だと思います。 まずは、PR活動にしっかりと取り組むことが重要ではないでしょうか。 期間中、県内全市町村で数多くの祭典が開催され、主催するフォーカスプログラムでは、「記紀・神話・神楽」「国際音楽祭」「若山牧水」「宮崎の食文化」の4つの大きな文化に焦点を当てた多彩なイベントとなっており、この祭典が、1人でも多くの県民の本県文化資源を再確認する機会となることを期待しているところです。 そこで、国文祭・芸文祭をもっと多くの県民に知ってもらう必要があると考えますが、現在の広報・PRの状況と今後の取り組みについて、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 国文祭・芸文祭に多くの県民の皆様が関心を持ち、主体的に参加していただくためには、さまざまな広報媒体等を活用しまして、大会の情報を発信することが重要であると考えております。 このため、県ではこれまで、新聞等のメディアや大会ホームページ等による広報のほか、大会のプレイベントの開催や巡回広報の活動等を通じて、PRを行っているところであります。 今後はこれらの取り組みに加えまして、市町村や民間企業などと相互に協力をしながら、官民一体となった広報・PRを進めてまいりますほか、各プログラムの内容や著名な出演者などを発表する機会も生かしながら、効果的な広報に取り組んでまいりたいと考えております。 このような取り組みを通じ、県民の皆様に、国文祭・芸文祭をより身近に感じていただき、開催への機運をさらに高めてまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) いよいよ本番を迎える中、万全を期して大会を成功させるとともに、その効果を将来の地域づくりにつなげていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、新型コロナウイルス対策ですが、感染の予防や感染した場合の対応などについては、既に質問があり答弁されていますので、私は、実際に感染された患者を県病院が受け入れることとなった場合についてお伺いしたいと思います。 新型コロナウイルスは、二類感染症に類されると伺っています。この二類感染症については、医療体制として二次医療圏に1カ所、第二種感染症指定医療機関が指定されています。県立病院は、3病院ともこの第二種感染症指定医療機関に指定されています。 新型コロナウイルス感染者は、残念ながら日に日に増加し、九州でも福岡や熊本でも発生しています。あってほしくはありませんが、宮崎県においても発生する可能性があります。万が一、発生した場合は、感染症指定医療機関で受け入れることが想定され、県立病院も対象となると思いますが、その際にはさまざまな対応が必要になってくると思います。感染した患者にどのように対応するのか、既に入院している患者や外来者への感染はどのように防ぐのか、病院で働く医療スタッフ、あるいは医者はどのように対応するのかなど、さまざまな対応が考えられます。 私は、病院内での感染は絶対に出してはならないと思っていますので、県立病院で新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる場合、どのような対応を行うのか、病院局長にお伺いします。 ◎病院局長(桑山秀彦君) 各県立病院では、感染管理科の医師や、感染管理に関する認定資格を有する看護師が中心となってマニュアルを作成するなど、適切に患者を受け入れる準備をしております。 詳細な対応は各病院で異なりますが、概括的に申し上げますと、入院の場合は、他の患者とは接触しないようルートを確保することとして、陰圧室などの専用病室で対応することにしております。 また、外来については、感染が疑われる患者は、他の患者との接触を避けて、一般外来エリアとは別の場所で診察を行うこととしており、今後さらに、感染対策を徹底することとしております。 いずれにしましても、患者への適切な対応と院内感染防止を最優先に、関係機関等とも密に連携しながら取り組んでまいります。 ◆(窪薗辰也議員) ぜひ、新型コロナウイルスの感染者が県内から一人も発生しないことを、お祈り申したいと思います。 次に、小林保健所長の配置についてお伺いいたします。 中国湖南省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染が日増しに拡大する中、有効な治療薬もないなど、日本や世界各地への拡大の可能性があり、現実に拡大しつつあります。 このような状況の中、宮崎県内では感染者を出さない、また感染者が発生しても拡大させないことが大変重要なことだと思います。そのためには、保健所の役割が大変重要だと考えています。 小林・西諸地域では、今回の新型コロナウイルスばかりでなく、インフルエンザなど日常的な感染症に加え、自殺死亡率についても、県内のほかの地域と比較して高い地域であるなどの問題も多く、保健所の果たす役割は大変大きいと思っています。 しかし、現在、小林保健所長は都城保健所長が兼務しており、このことは、平成26年度から続いているとのことでございます。 感染症対策としては、本庁の指揮により対応することとなっていると思いますが、最終的には、その地域の保健所長の判断も重要になるとお伺いしました。 都城・小林保健所長が兼務となると、一人の所長が受け持つ人口は、都城地域が約18万6,000人、小林・西諸地域が約7万1,000人、合計すると約25万7,000人であり、県内で2番目に多い圏域の人口となります。地理的にも相当な広範囲での業務となり、何か不測の事態が発生した場合などには十分に機能するのか疑問です。 また、小林・西諸地域の保健所長の不在が続きますと、地域住民の不安も一層増すのではないかと思われます。 そこで、小林保健所長は都城保健所長が兼務していますが、兼務に支障はないのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 地域の保健医療行政を担う保健所長につきましては、全国的に医師が不足する中、確保が困難な状況にあり、本県におきましても、若干名でありますが不足している状況にあります。 このため、議員御指摘のとおり、小林保健所長につきましては、都城保健所長が兼務をしているところでありますが、地域の保健医療課題への対応や業務負担の面を考慮しまして、保健所長としての経験が豊富で、兼務であっても的確に業務遂行ができる医師を配置することにより、業務に支障のないようにしているところであります。 ◆(窪薗辰也議員) 支障がないということですが、それでも地元としては、小林保健所に所長がいてほしいということには変わりありません。小林保健所長の兼務解消について、今後の見込みを福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 小林保健所長につきましては、経験豊富な医師を配置して、できる限りの対応をしているところでありまして、なるべく早い時期に兼務を解消したいと考えております。 そのためにも、まずは保健所長として活躍できる公衆衛生医師の確保と養成が重要でありまして、公衆衛生に興味を持たれている医師に直接面談して勧誘するとともに、実際に採用した後は、専門的な研修プログラムを受講していただくことで、早期に保健所長としての資格を得られるよう、養成を進めております。 県としましては、このような取り組みを着実に進めることにより、兼務の解消に努めてまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 公衆衛生医師の確保と養成を進められて、所長不在の解消に努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、PCBについてお伺いいたします。 先日、新聞報道でPCB(ポリ塩化ビフェニル)に関する記事を読みました。PCBといえば、もう50年以上も前のこととなりますが、1968年に発生しましたカネミ油症事件のことが思い出されます。この事件は、PCBを摂取した人から生まれた赤ちゃんの皮膚にメラニン沈着が起き、生まれた赤ちゃんの肌が黒くなってしまい、「黒い赤ちゃん」という名前で報道されたことが、社会的に大きな衝撃を与えたもので、PCBの人体等への悪影響や世界的な環境汚染も報告されていました。 そこでまず、PCBの特性と危険性について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) PCBは、絶縁性が高い、燃えにくい、水に溶けにくいなど化学的に安定しておりまして、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、塗料の可塑剤などさまざまな用途で広範囲に利用されてまいりました。 その一方で、我が国では、議員の御質問にありましたように、昭和43年に発生したカネミ油症事件で、食用油の製造中に混入したPCBが体内の脂質に溶け込んで蓄積し、吹き出物、色素沈着などの皮膚症状やしびれ、全身倦怠感等の中毒症状を引き起こすなど、その毒性が社会問題化いたしました。 このため、昭和47年以降、PCBの製造は中止されておりましたが、それ以前に製造されたPCBを用いた製品や施設の状況把握及びその処分などについて、平成13年に、いわゆるPCB特別措置法が制定されまして、国を挙げての対策が進められているところであります。 ◆(窪薗辰也議員) PCBは、高圧変圧器やコンデンサーなどに広く使用されていたとのことですが、2004年発効のストックホルム条約では、PCBの使用を2025年までに全廃することとされており、我が国でも国内法が整備され、具体的な対策に取り組まれているとのことであります。 しかしながら、我が国では当初、処理施設の整備や処理体制の構築におくれがあったことから、相当量のPCBが事業者において保管されたり、あるいは使用されているものと考えます。 国民の健康維持や環境保全の観点からは、残存するPCBの一刻も早い処理が求められるところであり、県においても、PCBの適切な処理が円滑かつ確実に進められるよう、一定の役割を果たす必要があると考えます。 そこで、PCBの適正処理に係る県の取り組み及び現状について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) PCBにつきましては、特別措置法に基づいて、廃棄物の処理ごとに定められた期限までに、事業者の責任で適正に処分しなければならないとされておりまして、県は、地域内の状況を把握し、その確実かつ適正な処理を促進する役割を担っております。 このため、まず、高濃度PCB廃棄物について、掘り起こし調査や事業者への指導等を行い、平成30年度が処分期限とされた変圧器、コンデンサー等については、約8,000台が処分されたところであり、現在は、令和2年度が処分期限とされる照明器具の安定器の保管や処分状況の把握等に取り組んでいるところであります。 なお、令和8年度が処分期限とされます低濃度PCB廃棄物についても、法に基づく保管の届け出等を指導しているところであります。 ◆(窪薗辰也議員) PCBは、安定器やコンデンサーなどだけでなく、塗料にまぜ、橋や水門といった社会インフラのさびどめとしても使用されていたとのことです。 大きな橋梁などに使用された塗料は、日光や風雨にさらされては?げ落ち、大気中を伝い河川に流れ込み、海へ流入することが考えられます。その塗料にPCBが含まれ、海の生き物や生態系への影響を及ぼすことを示す研究結果があると聞いています。 そのようなことがないよう、早期に対策が求められるところですが、実態がわからないと、対策の打ちようがないと思います。 新聞報道などによりますと、環境省において、PCBを含む塗料を使った橋などの調査が行われていると聞いていますが、本県の状況を環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) PCBを含む特殊な塗料が一部の橋梁等に使用されていることが判明しまして、平成30年11月に、県及び市町村の所管分について、国から使用状況等を調査するよう指示がありましたことから、県では、それぞれの施設所管部署に対し、報告を求めていたところであります。 この調査につきましては、令和元年9月に、国が濃度区分の見直し等を行うため、改めて調査方法等を示すとの通知がありましたので、現在は一時中断しておりますが、中間報告地点である平成31年3月末の状況としては、報告のあったもののうち5市町、6件の橋梁に低濃度のPCBが含まれているとの報告を受けております。 ◆(窪薗辰也議員) 環境省は昨年の12月に、公共事業での大規模施設、橋や道路などにおいて、PCB含有の高濃度と低濃度の境目を、1キログラム当たり5グラムから100グラムに変更した上で、低濃度PCB入りの塗料の処分を2027年3月までに終えることとしています。 そこで、県土整備部が管理している橋梁にもPCBが含まれると考えられますが、県土整備部が管理する橋梁の現状とその対応について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 今回の国の調査では、昭和41年から49年までに建設された橋梁に、PCBを含む塗料が使用された可能性があるとされており、県土整備部が管理する橋梁では、143橋がその対象となっております。 このうち、中間報告時点であります平成31年3月末までに27橋の調査を行い、低濃度のPCBが確認された3橋につきましては、塗装の塗りかえ工事の際に、周辺への飛散を防止した上で、全ての塗装を?ぎ取り、指定処分場に搬入したところであります。 さらに、中間報告以降に調査を行った5橋のうち、2橋で低濃度のPCBが確認されたことから、来年度以降の処分を予定しております。 残る111橋につきましても、国から新たな調査方法が通知され次第、調査を再開し、令和8年度の期限までに処分を完了させるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 特別措置法では、都道府県は、廃棄物の確実かつ適正な処理が行われるように必要な措置を講じることに努めなければならないとあります。政令で定められた基準を超えるものについての処理が適正に行われますよう、お願いいたしたいと思います。 次に、建設業協会からの要望についてお伺いいたします。 昨年12月、建設産業団体連合会、建設業協会から、令和2年度公共事業当初予算の増額確保のほか6項目について、県議会議長へ要望書の提出がありましたので、要望されました内容についてお伺いいたします。 平成30年12月に閣議決定されました「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づき、国では緊急対策分として、令和2年度当初予算案で1兆1,432億円が計上されており、本県では、令和2年度当初予算案の防災・減災、国土強靱化対策として220億円が計上されています。 しかしながら、本県の地域建設業を取り巻く現状は、公共事業などの投資額はピーク時の約半分の2,500億円となっており、大幅な落ち込みのまま推移しています。現在の公共投資は、限界工事量を下回り、建設企業が存続できなくなる地域が発生することが懸念されます。 このような状況が拡大すれば、災害発生時の応急対策や災害復旧工事に支障を来し、地域の安全が確保できないことが予想されます。激甚化、頻発化する災害から地域住民を守り、安全で快適な生活基盤の確保、社会資本の整備や維持管理などの社会的役割を果たしていくには、建設企業の経営基盤の強化が重要であります。 そのために、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」期間終了後においても、防災・減災対策事業を継続するなど、先の見通せる中長期投資計画の策定が必要であります。 ほかにも、公共事業発注の平準化、働き方改革への対応や生産性向上の取り組みなどの推進、公共事業の品質確保、技能労働者の給与水準の確保、諸経費の引き上げ、生産性の向上などの環境整備、担い手確保や育成、若手入職者の確保、工事書類の簡素化等々、多くの課題があります。 このようなさまざまな課題がある中で、特に予定価格の設定につきましては、現場条件や施工実態が十分でなく、採算性の厳しい事業がいまだに多いとの意見があります。実態等を十分反映した設計の積算とすることが求められています。 当初設計の積算はもちろんのこと、現場と現場条件に乖離がある際には、柔軟かつ適正な変更を迅速に行うことが大変重要であります。 そこで、施工実態を的確に反映した適正な予定価格と適切な設計変更が重要と考えますが、県の取り組み状況について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 建設業者が適正な利潤を確保することは、担い手の育成・確保の観点から大変重要であると認識しており、日ごろから、建設関係団体と意見交換を行っているところであります。 県では、意見交換の内容も踏まえ、予定価格の設定に当たり、現場や施工の条件を十分に把握した上で、工事に必要となる経費を算出しております。さらに、設計労務単価を8年連続で引き上げたところであり、労災補償に必要な保険料などの経費を計上することとしております。 また、契約後に条件変更が生じた場合には、施工実態に応じて見積もりを活用するなど、現場条件を十分に考慮した、きめ細かな設計変更に努めているところであります。 今後とも、品確法の趣旨を踏まえ、適切な工事費の設定に取り組んでまいります。 ◆(窪薗辰也議員) 働き方改革を推進する上で、生産性の向上に向けた取り組みを進める必要があります。 県においては、ICT活用に向けての取り組みを推進するため、実際に河川工事等で、新たな時代に向けた取り組みがされていますが、建設企業がICT研究を導入し活用するには、設備投資や技術者、オペレーター等の人材育成の確保が必要となります。 そこで、公共事業におけるICT活用工事の推進について、県の取り組みを県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 公共工事におきましてICTを活用することは、建設現場の生産性向上を図る上で大変重要であると認識しております。 このため県では、平成29年度から、切り土・盛り土工事におきまして、ICT活用工事の試行を開始し、今年度は3,000万円以上の工事を対象として30件の工事に取り組んでいるところであります。 ことしの4月からは、適用範囲を1,500万円以上の工事に拡大するとともに、のり面工など新たな工種を追加することとしております。 さらに、今後ICT活用工事に係る経費を適切に反映するため、施工管理に伴う技術管理費の引き上げなどを行うこととしております。 県としましては、引き続きICT活用工事の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 土木作業の作業効率向上、働き方改革を進める上でも重要なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、スポーツランドみやざきの今後の方向性についてお伺いいたします。 令和2年度の当初予算では、初めて本県で合宿を行うアマチュア団体への助成制度などを展開するための「スポーツランドみやざき誘致推進事業」や、全国有数のサーフスポットを持つ本県のブランド化を進める「サーフランドみやざき推進事業」など、さらなるスポーツランドの推進に取り組もうとされているようです。 そのように、さらなる推進に取り組んでいる本県において、スポーツキャンプ・合宿等の誘致は、多くの誘客や大きな経済効果を見込めるものとして定着し、スポーツランドみやざきの大きな柱となっています。 宮崎では野球、サッカー、ラグビー、サーフィン、スケート、青山学院大学陸上部など数多く、プロ・アマ問わず国内外のトップチームの合宿が行われており、本県のスポーツ振興にも大きく寄与しているところであります。 今や宮崎は、これまでの合宿を行ったチームの実績から、日本や世界に、スポーツ合宿の聖地として発信できるところまで成長したものと思っています。国内外の競技団体・チームにおいて、「頂点を目指す合宿は宮崎だ」と思っているコーチや監督も少なくないのではないでしょうか。 このことは、これまで本県が長年積み上げてきた取り組みが今日につながっているものであり、県当局や関係機関、関係者の御尽力のたまものであり、深く敬意を表します。 さて、このように宮崎でのキャンプや合宿が、チームにとって縁起のよいものになるところをしっかりとアピールすることは、スポーツランドみやざきを推進する上で大きな武器になるのではないでしょうか。 そこで、本県で合宿を行っているチームが好成績を残していることなど、PRを強化すべきだと思いますが、商工観光労働部長のお考えを伺います。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 御質問にありましたとおり、プロ野球、Jリーグを初め、ことしの箱根駅伝で総合優勝した青山学院大学陸上部、そして、ラグビーの日本代表、イングランド代表など、本県で合宿を行った国内外のチームが、すばらしい成績を上げております。 また、チームからは、本県の合宿環境や受け入れ態勢を高く評価いただいているところでございます。このため県では、代表チームの監督等が出演するPRビデオの作成、競技団体の会議での知事みずからのプレゼンテーションの実施、市町村等と連携した県外での合宿誘致セールスやセミナー等、あらゆる機会を通じて、宮崎が「縁起がいい」「結果の出る」合宿地であることをPRしているところであります。 今後とも市町村等と連携し、さらにPRを強化してまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 本県での合宿といえば、そのほとんどが、温暖な地の利を生かした宮崎市などの海岸沿いであり、それに比べて県西、県北の中山間地域での合宿は極端に少ないのではないでしょうか。 小林のスポーツ合宿といえば、唯一、県営施設のひなもり台にあるクロスカントリーコースを利用した陸上の長距離などが行われています。ここは、標高が高いことから夏でも涼しく、コースには日陰もあり、コース近くには温泉もあるなど、夏場の合宿として人気も高く、高校生を中心に利用されています。 本県の地形から、海岸沿いと中山間地域では温度差も大きく異なり、立地条件も違います。しかし、先ほどのひなもり台のように、地域の特性を生かす合宿のあり方もあるのではないでしょうか。 そこで、地域の特性を生かした合宿誘致を進め、スポーツキャンプ・合宿の全県化を進めていくべきだと考えますが、商工観光労働部長の考えをお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 本県の観光の強みであります「スポーツランドみやざき」をさらに推進するため、国内外代表チームの受け入れや大規模スポーツ大会の開催に加え、スポーツキャンプ・合宿等の全県化、通年化、多種目化に、市町村等と連携し取り組んできたところであります。 その結果、例えば、お話にもありました、夏場の冷涼な環境、気候を求めて、小林市ひなもり台のクロスカントリーコースや、五ヶ瀬町のGパーク等で合宿が行われておりますほか、木城町旧石河内小学校舎を活用した合宿や、綾町の広沢ダムでの水上スキーなど、地域の特性を生かした受け入れが行われているところであります。 今後とも、市町村の受け入れ環境や合宿チームのニーズ把握に努め、誘致セールスの強化やマッチング等を行うことで、スポーツキャンプ・合宿がさらに全県に広がっていくよう、取り組みを進めてまいります。 ◆(窪薗辰也議員) 令和2年度当初予算案では、「「スポーツランドみやざき」を生かしたまちづくり推進事業」において、約5,900万円を計上し、周遊観光を促進して、キャンプ等の「見る」スポーツやゴルフ等の「する」スポーツをコンテンツとしたスポーツツーリズムを推進することとしていますが、この事業にもう一つ「食」を加えてはどうかと思います。 本県は、温暖で多彩な食や文化に恵まれており、中でも日本一の和牛「宮崎牛」の産地として、宮崎牛を加えたゴルフツーリズム、例えば「日本一の宮崎牛を食べるゴルフツアー」などはどうでしょうか。 スポーツと宮崎牛を核とした観光消費額を増大させる仕組みをつくることにより、さらなる経済効果が図られるものと思います。 また、これらの企画の、商談会や新聞折り込み、動画等の作成、SNSの発信などにより、本県の知名度に向上も図られると思います。 そこで、ゴルフなどの「する」スポーツと「食」を組み合わせた観光誘致は効果的だと考えますが、県の取り組みについて、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 「食」は旅の楽しみの一つであり、旅行者にゴルフなど「する」スポーツをプレーしてもらうだけでなく、宮崎牛など世界に誇る「食」を堪能してもらうことは、宮崎ファンの拡大やリピーターの獲得にもつながる有効な手段であると考えております。 このため、今年度、宿泊・ゴルフ場の予約サイトを活用し、都市圏のゴルフ愛好家をターゲットに、本県のゴルフ環境と、宮崎牛など「食」の魅力や、スポーツ選手が訪れるパワースポットを、合わせて紹介しているところでございます。 今後とも、スポーツに「食」など本県の強みを組み合わせ、相乗効果を高めながら、誘客促進に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) さらなる推進に向けて、よろしくお願いいたしたいと思います。 次に、露地野菜の価格下落対策についてお伺いします。 この冬は記録的な暖冬で、例年に比べ気温の高い日が続いていました。そのため、野菜の生育が前倒しとなり、市場には各地域、産地からの出荷が集中し、また、暖冬に伴う鍋物需要の不振もあり、露地野菜の価格下落を招いてきました。 安い野菜を喜ぶ消費者がいる一方で、農家は採算割れの苦境に立たされています。本県でも、児湯地域の川南町、高鍋町を中心に栽培されているキャベツ、白菜などは、暖冬で全国的に露地野菜全般が潤沢に出回る中、価格はなかなか上がりません。また、私の地元の西諸地域でも生育が進み、ホウレンソウなどが出荷できないなどの影響も生じております。 新型コロナウイルスの影響で、中国野菜の供給がストップしているにもかかわらず、輸入業者が在庫を抱えているなどで、相場の回復は難しい見通しもあるようです。 そこで、今回の暖冬に伴う露地野菜の価格下落に対する県の対策について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 御指摘のとおり、暖冬の影響によりまして露地野菜の販売価格が低迷しており、農業経営の影響が大変心配されているところでございます。 そのため県では、経営の維持安定に支障を来しております農業者を支援するため、1農業者当たり、貸付限度額300万円、貸付金利0.16%の低利な運転資金として、経済変動・伝染病等対策基金を2月7日に発動したところでございます。 また、農業改良普及センターにおきまして、営農相談に対応するとともに、現地での技術指導などを通した経営改善を支援しているところでございます。 今後とも、農業者に寄り添いながら、関係機関・団体と連携し、農業者の経営安定に向けて、しっかり支援してまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) このような状況の中、価格下落等のセーフティーネットとして、農家の収入減少を直接補償する「農業経営収入保険制度」が導入され、ことしで2年目でございます。 利用者の意見を踏まえ、制度を利用しやすくするための一部見直しが行われましたが、制度の見直し内容について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 農業経営収入保険制度は、農業者ごとの農産物の販売収入全体を補償する制度でありまして、収量減少や価格低下などにより、1年間の収入が基準額を下回った場合に、一定の割合で保険金が支払われます。 加入に当たりましては保険料が必要となりますが、安い保険料で加入したいとの農業者の声を受けまして、本年1月から、基準額は変えずに補償範囲を小さくすることで、保険料を最大で約4割安くできるようになるなどの見直しが行われております。 このほか、全国農業共済組合連合会が、保険金が支払われるまでの間の無利子のつなぎ融資を行っておりますけれども、この制度につきましても、自然災害等による収入減少に加え、本年度途中からは、価格低下による収入減少も対象とされたところであります。 ◆(窪薗辰也議員) 令和元年の収入保険加入状況は、全国で2万2,000件にとどまり、さらに加入を進める必要があると思います。このため、NOSAI全国連は、JA全中、集出荷団体、全国農業会議所、日本農業法人協会などの農業関係全国組織が参加する「収入保険中央推進協議会」を立ち上げ、各地域における収入保険制度の保険の加入状況や推進上の課題について、情報を共有し、加入推進方策などの検討につなげるとしています。 また、農林水産省は、令和2年度の予算に3億6,000万円を新規で計上し、都道府県レベルの加入促進活動を支援することとしています。 そこで、県における収入保険の加入促進の取り組みについて、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 収入保険制度の推進主体であります農業共済組合では、センター全職員で農家訪問を行いますとともに、県におきましても、普及センター等を中心に、あらゆる機会を通じて加入を促すなど、県と農業共済組合とが連携した取り組みを実施しているところであります。 この結果、本年1月末時点での加入者数は1,356経営体と、昨年度末、平成31年3月末より645経営体増加したところでございます。 しかしながら、近年、台風や集中豪雨などの自然災害に加え、新たな病虫害など予期せぬ被害も発生しており、さまざまなリスクから農業経営を守る本制度の加入促進が必要となっております。 このため、令和2年度より、関係機関が一体となった新たな協議会を設立する予定としておりまして、より強力に本制度の加入促進に努め、本県農業のさらなる振興を図ってまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) 農家全体を収入保険でやると。複合経営で行われる農家については、非常にいい制度だと思いますので、さらなる推進をお願いしたいと思っています。 次に、最後でございますが、スマート農業についてお伺いしたいと思います。 本県のみやざきスマート農業推進方針では、担い手減少や高齢化が年々進んでおり、生産力の低下や高齢農家のリタイア等による農地の荒廃、熟練農家の技術喪失などの産地の衰退が懸念されています。また、TPP11や日米貿易協定の発効など、国際競争はますます激化しており、従来の生産方式や考え方だけでは、本県農業・農村の活力維持は難しく、時代の変化に対応した生産構造の転換が重要な課題と示されています。 令和2年度の当初予算案でも、スマート農業による働き方改革実証事業として3,769万6,000円を計上し、ロボットやICT等の先端技術を活用したスマート農業について、導入効果の検証、人材育成等に取り組むとなっております。 情報化推進対策特別委員会では、埼玉県の農研機構、農業技術革新工業研究センターを訪問し、スマート農業の技術開発がもたらす地域農業の課題克服をテーマに、調査・研修を行いました。 調査先では、「開発したロボットトラクターや自動田植え機は、標準区画圃場30ヘクタールから1ヘクタールが対象で、狭小な区画には十分に効果が発揮できない。生産性を3倍以上に高めることを考えれば、機械技術と土木技術を同時並行して進めないといけない」と述べられました。 本県では、圃場整備済みの平たん地域でも、大型トラクターやロボットトラクター等に対応できる大区画圃場が少ない状況であり、大型農業機械を効率的に使用できる環境の整備が必要であると思います。 農地の集積や集約化を促進するのはもちろんですが、農道と圃場との間に排水路があり、トラクターは、転倒や転落に注意しつつ、圃場内で回転するため、安全で効率的な圃場が望まれます。 そこで、スマート農業を推進する上で、その前提として、基盤整備を行うことが必要不可欠であると思われますが、県の考えを農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 御指摘のとおり、スマート農業を進める上では、基盤整備によりまして、農地の区画拡大や農道の拡幅などを行い、農作業の効率化や安全性の確保等を図ることが必要不可欠であると認識しております。 このため、区画が狭いなど営農条件に恵まれない地域では、作付品目や担い手等を明確にした営農構想を地域みずから策定し、大規模な区画拡大や農地の集積・集約を行う本格的な圃場整備を実施しているところであります。 また、小規模ながらも区画形状がある程度整った地域では、畦畔除去など簡易な整備を、要望に応じまして随時進めることとしております。 県といたしましては、スマート農業の普及・定着に向けた営農の取り組みと一体となりまして、地元負担の軽減を考慮し、汎用性と収益性の高い基盤整備を積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◆(窪薗辰也議員) ぜひ、この基盤整備についてはよろしくお願いしたいと思います。 昔、基盤整備された場所、そういったところの再整備等も含めて御検討いただけると、大変ありがたいと思っています。 将来の農業に対応できる基盤整備は、本県農業の基盤の維持、拡大にも大変重要なことだろうと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げまして、私の一般質問の全てを終わりたいと思います。大変ありがとうございました。(拍手) ○議長(丸山裕次郎) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時39分休憩────────────────────   午後1時0分開議 ○副議長(山下博三) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、図師博規議員。 ◆(図師博規議員) 〔登壇〕(拍手) いつも傍聴席には、心配そうに見守る嫁が傍聴に来てくれるわけなんですけれども、きょうはさすがに、我が子が小学校に行けない、自宅待機ということで、来てくれないのかと思っておりましたら、祖父祖母に子供を預け、きょうも心配なまなざしを送っていただいていることに、感謝いたします。 それでは、通告しておりました項目につきまして、順次質問をしてまいります。 まず、働き方改革の推進についてであります。 2017年、内閣官房に設置された「働き方改革推進会議」によって、処遇改善、労働生産性の向上、長時間労働の是正、柔軟な働き方の環境整備など、9つの分野に言及した「働き方改革実行計画」がまとめられ、現実にそれを実現するための工程表が示されています。 働き方改革は、余暇を創造する改革でもあり、暮らし方や生き方にも通じますから、生活をしていく上での幸福感や充実感を向上させる改革にしていく必要があります。 また、働き方改革とセットで、ワーク・ライフ・バランスの必要性も取り上げられるようになり、仕事と生活のバランスを見直し、仕事もプライベートも充実させることが求められていますが、このバランスがうまくとれず、心の病により、休職を余儀なくされる方々がいらっしゃいます。 心の病は、心が風邪を引くとも表現されます。風邪は、微熱やくしゃみといった初期症状のときに薬を服用すれば早目の改善が期待できるのと同じように、心の風邪も、食欲不振や不眠傾向などの軽度の症状のときに適切な環境に身を置くことによって、重症化を回避することができます。 しかし、風邪もこじらせると、肺炎などの重篤化を招き、生命の危機にもつながりかねないように、心の風邪も同様、対応がおくれると、ワーク・ライフ・バランスが崩れ、生命の危機につながることがあります。ゆえに心の病も、予防と日ごろからのメンタルヘルスケアが大切です。 そこでまず、県職員に関して、心の病にならない予防的なメンタルヘルスケアが行われているのか。また、ここ3年、心の病いわゆるメンタルダウンにより傷病休暇及び休職となっている方が、どのように推移しているのか。また、そのうち再発者がどれほどいらっしゃるのかを、総務部長と教育長にお伺いいたします。 以下の質問は、質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎総務部長(武田宗仁君) 〔登壇〕 お答えいたします。 知事部局における、メンタルダウンによる休職者及び30日以上の傷病休暇取得者は、合計で、平成29年度が56名、平成30年度が52名、令和元年度が、1月末現在で50名となっております。今年度50名のうち、再発者は14名であり、その割合は28%となっております。 次に、発症前の予防策としては、年齢、職位に応じたメンタルヘルス研修や、全職員を対象としました57項目にわたるストレスチェック等を実施し、未然防止に努めております。 さらに、本人の希望により精神科医等による面接相談を行うとともに、保健師等の専門相談員を各地区に配置し、職員が相談しやすい体制を整えるなど、メンタルヘルス不調の早期発見・早期治療につなげております。以上であります。〔降壇〕 ◎教育長(日隈俊郎君) 〔登壇〕 お答えいたします。 公立学校及び教育委員会事務局全体における、メンタルダウンによる休職者及び30日以上の傷病休暇取得者は、合計で、平成29年度が87名、平成30年度が99名、令和元年度は、1月末現在で87名となっております。今年度87名のうち、再発者は31名でございまして、その割合は35.6%となっております。 次に、発症前の予防策としましては、県立学校職員及び事務局職員を対象とした57項目のストレスチェックや、公立学校の一般職員と管理職を対象としたメンタルヘルス研修等を実施しております。また、臨床心理士による相談事業や、公立学校共済組合宮崎支部と連携した、医療機関によるメンタルヘルス相談を実施するなど、さまざまな相談体制の充実にも努めているところであります。以上であります。〔降壇〕 ◆(図師博規議員) 今、御答弁ありましたとおりです。今の数字には、入院30日未満の休暇取得者はカウントされていません。これらの方々も含めますと、知事部局と教育委員会を合わせただけでも、年間150名を超える方が休職されていることが推察されます。また、そのうち3割以上の方が再発され、複数回、休暇・休職をとられていることがわかりました。 今回は時間の都合上、答弁を求めませんでしたが、警察本部、もしくは病院局、企業局にも一定割合でメンタルダウンをされている方がいらっしゃいます。 答弁にあった全職員対象のストレスチェックや精神科医の面接をされているからこそ、今のような数字でとどまっているのか、もしくは、ここまでしても、これ以上の予防効果は望めないのか、解釈に苦しむ現状もあります。 それでは次に、メンタルダウンされた方が、休職後、職場復帰される際の支援体制について伺いますが、現在、日本うつ病リワーク協会では、心の病を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション、つまりreturn to work(リワークプログラム)を構築し、医療機関で実践されています。この取り組みは、医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理職などの専門スタッフが、数週間から数カ月ほど、復帰に特化したプログラムと復帰後のフォローアップをすることで、再発予防に効果を上げておられます。 さらに、このリワークは、健康保険制度を利用できることから、定額で支援を受けることができます。このような医療リワークを取り入れるなどして、復職への支援も不可欠であると考えますが、実際、今、県では復職支援はどのように行われているのか、総務部長にお伺いします。 ◎総務部長(武田宗仁君) メンタルダウンした職員の復職に当たりましては、本人や所属長、精神科医等から成る復職支援会議を開催しまして、1カ月程度の試し出勤が可能であるかを検討いたします。可能とされた場合は、勤務時間を1日30分から段階的にふやしまして、フルタイムまで行う試し出勤プログラムを実施し、その結果を踏まえて、再度復職できるかどうかを判断いたします。また、復職後は、専門相談員が随時経過を把握するとともに、復職3カ月をめどに、本人及び所属長等と面談し、勤務状況を確認しております。 一方で、事前に復職者を受け入れる所属の職員を対象に、臨床心理士等による復帰前職場研修を行いまして、復職しやすい職場環境の整備にも努めているところであります。 今後とも、本人の意向や主治医の診断等を踏まえました職場復帰支援を行うなど、メンタルダウンの再発防止を図ってまいりたいと考えております。 ◆(図師博規議員) 段階的にということで、1日30分から徐々に復職時間を延ばしていくという、かなりきめ細やかな支援はされているという答弁でございましたが、その支援の効果がまだ見えてきていないのか、支援の限界があるがゆえに先ほどの数字になっているのか。いずれにしても、さらなる支援の拡充が必要と考えられます。 ここで、医療機関で実践されている医療リワークに、メンタルダウンをした当事者として参加された方々の声が届いております。御紹介いたします。 「40歳女性は、うつ病の原因を学ぶことで、今後どの程度の仕事をしたらいいのか、自分でそこに気づくことができた。 20代女性は、病気を治すには、一人では無理だとわかった。職場の人も含め、人に頼ることの大切さに気づくことができた。 50歳男性では、仕事にただ戻るのではなく、これからの人生、生き方を考えることができた。」とこのように、ワーク・ライフ・バランスの大切さにみずから気づき、自分の生活を取り戻すことに成功されております。 今後、ぜひ積極的な医療リワークとの連携、もしくはプログラムの開発等に尽力していただければと思っております。 次の質問に移ります。働き方改革推進の一つの指標でもある、有給休暇の取得率についてであります。 まず、県内民間事業所における年次有給取得率について、主な事業種及び規模ごとにどのような状況となっているのか、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 県が実施いたしました、平成30年度労働条件等実態調査によりますと、年次有給休暇の平均取得日数を、繰越分を除く平均付与日数で除した平均取得率は49.0%であり、業種別に見ますと、最も高い業種が、サービス業の54.6%、次いで製造業の51.9%であり、最も低い業種が、卸小売業の41.6%となっております。 また、規模別に見ますと、常用労働者100人以上の事業所が56.5%と最も高く、次いで30人以上50人未満の53.5%であり、最も低いのが10人以上30人未満の45.8%となっております。 ◆(図師博規議員) 平均取得率が49%ということ、50%を下回っており、全国平均よりも大きく下回っている現状がわかりましたし、卸小売業や小規模事業体の取得率が低いことがわかりました。 それでは次に、知事部局における年次有給休暇取得率及び時間外勤務の状況、さらには、その改善のためにどのような取り組みを行っておられるのか、総務部長にお伺いします。 ◎総務部長(武田宗仁君) 知事部局職員の年次有給休暇取得率は、5年前の平成26年の57.4%に対しまして、平成30年は65.1%となっておりまして、近年、上昇傾向にあります。 一方、職員1人当たりの月平均時間外勤務実績は、平成26年度が11.7時間で、平成30年度は11.4時間となっておりまして、ここ数年、ほぼ横ばいで推移しております。 県では、平成30年度から働き方改革を重点的に推進しておりますが、有給休暇の取得促進については、年間を通した年休取得計画表の作成などによりまして、計画的な取得を促すとともに、とりやすい環境づくりを進めているところであります。 また、時間外勤務の縮減については、職員の意識啓発に努めるとともに、夏季の朝型勤務の拡充や、ICTを活用しました業務効率化に取り組んでいるところであります。 ◆(図師博規議員) 御答弁では、時間外勤務は横ばいであるものの、有給休暇の取得率は、民間事業所と比較して高い数値が示されました。 そこで、民間事業所の有給休暇取得促進のため、労働基準法が改正され、2019年4月から、経営者は、法定の年次有休付与日数が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日の年次有給休暇を確実にとらせなければならないということになりました。これには、パートやアルバイトの方も含まれます。 経営者は、労働者みずからの請求、または経営者が労働者の意見を聴取した上で、時季を指定して取得させる必要があります。時季指定を行わず労働者に有休の取得をさせなかった場合には罰則が科せられ、労働者1人に対し、最大で30万円の罰金となります。 この有給休暇の時季指定義務について、県としてはどのように周知を図っていくのか、商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 年次有給休暇、いわゆる年休は、労働者が請求する時季に与えることが原則でありますが、その取得促進を目的に、働き方改革関連法により労働基準法が改正され、新たに、年休を取得させる使用者側の義務が規定されました。 御質問にありましたように、この改革により、昨年4月から、年10日以上の年休が付与される労働者に対しては、労働者みずからの請求・取得や、会社内の計画年休に加え、使用者による時季指定により、年5日の年休を取得させることが使用者の義務となっております。 宮崎労働局では、企業の働き方改革関連法への対応などを支援するため、県内各地でセミナーや相談会を開催しているところでありまして、県としましても、労働局と連携し、これらの制度について、県庁ホームページや広報紙等での周知を図っているところであります。 ◆(図師博規議員) この有給の時季指定の取得が義務化されたことを強調して、さらに事業所のほうには周知を図っていっていただきたいと思います。 続いて、国文祭・障害者芸術文化祭について伺ってまいります。 いよいよ、ことし10月から51日間かけて開催される、国民文化祭・みやざき2020、障害者芸術・文化祭みやざき大会が近づいてまいりました。 大分県と新潟県で開催された国文祭・芸文祭を視察・調査してきておりますので、本県の開催内容にそれを生かしていただきたく、充実につながるような確認、質問を行ってまいります。 まず、国文祭・芸文祭の集客の中核をなします、開会式・閉会式及びオープニングイベントについて、どのような内容となるのか、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) まず、開会式やオープニングイベントにつきましては、大会のキャッチフレーズであります「山の幸 海の幸 いざ神話の源流へ」の世界観を、映像や音楽、さらには多くの県民の皆様に御参加いただく舞台演出等によって、来場者と共有できるような内容にしたいと考えております。 また、閉会式につきましては、51日間に及ぶ本大会の成果を振り返りながら、次世代の文化の担い手である若者を中心としたステージを展開し、未来に向けて本県の文化を発信する機会にしたいと考えております。 開会式や閉会式等につきましては、現在、出演者や演出内容等について最終段階の調整を行うなど、準備を着実に進めておりますが、障がいのある人もない人もともに参加し表現することができるような、魅力あるステージイベントにしていきたいと考えております。 ◆(図師博規議員) 今、答弁にありました、障がいのある人もない人も、そして若者中心にと。非常に活気に満ちた式典になることが期待されます。 次に、大分県、新潟県の開会式は、双方とも県内の歴史や文化の紹介をふんだんに盛り込んだ壮大なスケールで、健常者も障がい者も、子供から高齢者まで参加される感動的な演出でありました。 ただ、新潟県の開催会場は、最寄り駅から遠いということもあり、開会式後の移動のためにバスでピストン輸送されてはいたのですが、会場から一気に流れ出る観客をスムーズに乗車させることができず、長時間の待機を余儀なくされている方も多数いらっしゃいました。 本県の開催会場、開会式は宮崎市民文化ホールということで、やはり最寄り駅からは遠く、そして宮崎空港からも距離があります。来場者及び退場者のアクセスを快適なものとするために、どのような対策を講じられるのか、再度、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 開会式の会場であります宮崎市民文化ホールには、約1,700名の来場が予定されておりますが、駐車場や公共交通機関等の制約がありますことから、昨年12月、交通事業者や警察本部等で構成される交通部会を設置し、輸送対策の検討を進めているところであります。 また、来場者の方々に対するおもてなしにつきましても、宮崎の文化に気軽に触れていただけますよう、御当地料理の試食ですとか、郷土芸能によるお出迎えなどの検討を進めているところであります。 今後とも、開会式の円滑な運営に向け、輸送対策も含めて、おもてなしの心で受け入れの準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆(図師博規議員) 大分県では、開催期間中100に及ぶ県主催の事業があり、そのほか100を超える市町村主催の分野別事業が開催され、県内全域市町村が参画し、地域色豊かな事業展開により、県全体で式典を盛り上げる取り組みをされておりました。 そこで、本県も市町村と連携し、体制を整える必要がありますし、県外からも出演者や参加者を募り、大きなうねりをつくっていくことが重要であります。 現在、市町村とどのような連携状況となっているのか、また、全国規模で参加を募る事業はどのようなものが計画されているのか、再度、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 現在、全ての市町村に設立されております市町村実行委員会では、それぞれの事業の実施に向け、文化団体等と連携しながら、出演者を初め参加者や作品の募集、本番に向けての練習、あるいは広報活動など、具体的な準備作業を進めているところであります。 また、国文祭は、出演者・参加者同士の交流も目的の一つでありますので、本大会でも、「太鼓の祭典」「小倉百人一首競技かるた全国大会」「全日本健康マージャン交流大会」など、全国から多くの方々が集まる催しを多数予定しております。 県といたしましても、宮崎の文化を全国に発信する絶好の機会でありますので、今後とも各市町村と密接に連携しながら、おもてなしや受け入れ環境の整備を含め、本大会に向け、しっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆(図師博規議員) ただいま御答弁にもありましたおもてなしに関して、大会期間中は来場者のおもてなしや運営、さらには広報に関するボランティアの協力なしには大会運営は不可能であります。 大分県では、県主催の事業だけでも、運営、観光、障がい者対応ボランティア、さらには広報PRボランティアを合わせて、1,200人ものボランティアを育成・確保されておりました。さらに、小学生によるおもてなしとして、各会場で配布する「おもてなしウェルカムカード」を、何と6万人分作成するなど、ボランティア活動を通して、県民総参加の機運醸成を図られていました。 本県のボランティアの確保状況と今後の取り組みについて、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 国文祭・芸文祭に関するボランティアにつきましては、県主催事業の受付等の運営補助や、障がいのある方の補助などを行いますイベントサポーター、そして、日常の活動の中で大会の広報PRを行う広報サポーターを現在募集しております。 現時点では、イベントサポーターと広報サポーターとを合わせまして、約400名の応募状況となっております。 県といたしましては、県民の皆様に広く御協力をいただけるよう、関係機関等を通じて広報・PRを強化するとともに、特に若い世代の方々が中心となって、ボランティアにかかわっていただきたいと考えておりますので、新年度に改めて、学校などの関係機関を直接訪問いたしまして、さらなる参加を呼びかけてまいりたいと考えております。 ◆(図師博規議員) もし、大分県の大会と同規模のボランティアを養成するとすれば、まだ3分の1程度でございますし、やはりこのボランティアの養成・確保も、コロナウイルスの影響が出かねない状況になってきておりますので、より積極的に取り組まれる必要があろうかと思います。 次に、国文祭・芸文祭は、今後の宮崎の芸術文化発展の起点になるべき大会でもあります。大分県では、開催期間中に設定した、県内を5つのゾーンに分けたカルチャーツーリズムツアーやバリアフリーツアーなどを、観光ルートとして固定継続したり、障がい者文化振興のため、障がい者芸術文化支援センターの常設につなげられています。 天皇陛下も御臨席いただける予定の国文祭・芸文祭から、本県の芸術振興策、そして後世に残すための事業、いわゆるレガシーとなるものへの取り組み、それがどう行われるのか、どのようなお考えがあるのか、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 県では、昨年6月、県内の文化団体の活動支援等を担う「アーツカウンシルみやざき」、そして、障がい者の芸術文化活動の拠点となります「県障がい者芸術文化支援センター」を設置したところでありまして、大会本番に向けて、2つの機関とも連携しながら、魅力あるプログラムづくりに取り組んでいるところであります。 また、文化を切り口とした観光客の誘致につながりますよう、「神話」や「食」などをテーマに県内各地を周遊するツアーや、各地域の特色にあふれた文化体験のメニューづくりにつきまして、市町村や観光関連団体と連携しながら、準備を進めているところであります。 これらの取り組みを通じて、将来の文化を担う人材の育成等を図り、これからの本県文化の継承・発展や、地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◆(図師博規議員) それでは、次の質問に移ります。 現在展開されている3つの県民運動に関して、質問を行ってまいります。 ここで言う3つの県民運動とは、「みやざき元気!“地産地消”県民運動」「宮崎を知ろう!100万泊県民運動」「中山間地域をみんなで支える県民運動」の3つであります。どの県民運動も、県民に宮崎のよさを再認識してもらい、県民が相互交流することで郷土愛を育んでいってもらいたいとする、知事の思いが込められた運動だと思います。 では、具体的に、この3つの県民運動に関する取り組み内容と成果について、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(渡邊浩司君) 3つの県民運動につきましては、これまでに、企画展等による普及啓発のほか、県民限定の宿泊キャンペーンや中山間おでかけスタンプラリーの実施、県内企業優先発注等に係る実施方針の策定など、さまざまな取り組みを行ってきたところであります。 こうした取り組みによりまして、例えば、県内のホテル・旅館に宿泊された県民の数は、100万人未満でありましたものが、民間主体の宿泊キャンペーンなどの取り組みもあって、平成27年以降、4年連続で100万人を超えてきております。 また、毎年度実施しております県民意識調査では、「地産地消を意識し、できる範囲で利用している」と回答された人の割合は、6割台で推移しておりましたものが、平成30年度には76.4%に上昇するなど、着実に成果が見られているところでございます。 今後とも、県内経済の循環や地域間交流につながりますよう、これら3つの県民運動に、官民を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(図師博規議員) 100万泊県民運動に関しましては、昨年11月議会で武田議員も取り上げられており、そのときも、平成27年から4年連続で100万泊を達成するなど、着実にこの運動が県民に浸透しているという内容でございました。 しかし、ここにきてコロナウイルスの影響で、その県民運動も鈍ることが予想されております。そこで、この県民運動をさらに推進していくために、提案がございます。 お隣、鹿児島県では、明治維新150年を記念するとともに、県民が、鹿児島県の歴史や文化を見詰め直し、郷土に対する親しみや愛着を深めるよい機会となることを期待して、鹿児島「県民の日」を平成30年12月に制定されております。同様の理由で、福島県、茨城県、静岡県など約20もの自治体が、その自治体独自に県民・市民の日を制定しています。 私は、埼玉県に行き、埼玉県の県民の日を調査してまいりました。埼玉県は、廃藩置県後、埼玉県誕生100年目を記念し、県民の日を制定されており、県民の日記念イベントとして県庁オープンデーを開催し、庁内119課全てが県民をもてなす出店をされ、平日にもかかわらず、県庁に1日1万2,000人もの方が来場されるということでございました。また、県有施設の無料開放はもちろんのこと、遊園地や各レジャー施設など40施設以上が入場無料となったり、交通機関もフリー乗車券を発行するなどして、県民の交流促進を図る格好の機会をつくり出しています。 何より、河野知事は総務省時代、埼玉県に財政課長として赴任され、この「埼玉県民の日」を体感されております。知事、「埼玉県民の日」をどのように捉えておられたか、肌感覚として、この「埼玉県民の日」はどうだったのか、御感想をお聞かせください。 ◎知事(河野俊嗣君) 私は宮崎に赴任します直前、埼玉県庁に勤務しておりました4年間も含めて、合わせて8年間、埼玉県に住んでおりました。私の出身である広島も、最初の赴任地である宮城県にも、こうした県民の日というものはなかったものですから、大変新鮮に受けとめたところであります。 当時、県庁オープンデーはやっていなかったわけでありますが、調べてみましたら、首都圏の県では、神奈川を除いてほとんどの県で県民の日なり都民の日が設定されている。特に埼玉の場合は、「埼玉都民」という言葉があるように、通勤通学で東京都に行く方が多い、また地方出身者も多いという中で、郷土に対する理解を深め、ふるさと意識を醸成する貴重な機会になっているものというふうに考えておりますし、昨今であれば、子育てを支援する、そのような機会にもなっているものと感じております。 ◆(図師博規議員) 知事が埼玉のほうに赴任されているときは、県庁オープンデーはなかったということなんですが、この埼玉県の日というのは、前後2週間の共同開催として、民間のいろんな企業とか、先ほど言いましたレジャー施設が無料開放されるなりのイベントを展開されております。埼玉県の方に聞くと、何で宮崎県民の日はないんだというぐらい、埼玉県の人たちの中では一般化している「埼玉県民の日」なんですが、知事はこの「埼玉県民の日」の協賛事業とかで、何かお子さんと一緒にとか、みずからこういう活動をして埼玉県のことをよく知ったとかいうような出来事はなかったのでしょうか。 ◎知事(河野俊嗣君) 昔の記憶をたどってみたんですが、なかなかであります。子供にも確認したんですが、覚えていないなというような話であります。 ただ、先ほど申しましたように、特にこういう首都圏にある県として地元意識を醸成する、そのような意識のもとにさまざまな取り組みがさらに積み重ねられてきて、今、そういう大きな広がりを持って取り組まれているんだというふうに感じております。 ◆(図師博規議員) 御答弁のとおり、埼玉だけではなく、近隣県自治体を巻き込んで、すごく大きなイベントとなっておりました。 さらに埼玉県では、この県民の日に合わせて、公立の小・中・高校を休校にして、生徒みずから考え行動し、郷土の歴史や文化、そして行政に触れる日として設定しています。先ほどの1万2,000人の県庁来庁者の中にも、多くの小・中・高校生が含まれています。このように、県民の日に合わせて学校を休校にしている自治体は、全国で1都5県ありますが、このような取り組みについて、教育長はどのような御見解をお持ちかお伺いします。 ◎教育長(日隈俊郎君) この「埼玉県民の日」は、お話にありましたように、置県後100年を記念して昭和46年に制定されたと聞いております。公立学校が休みになるとともに、さまざまな協賛イベントが行われているということでございますけれども、この取り組みによりまして、県民意識の醸成が図られたり、また県全体の経済や消費が活性化したりすることが期待できるというふうに聞いております。 一方、公立学校の休校につきましては、適切な授業日数の確保とか、学校行事への影響など、さまざまな課題が考えられますことから、関係機関等との慎重な検討が必要であろうかと考えております。 ◆(図師博規議員) それでは、今まで質問してきた国民文化祭・障害者芸術文化祭、そして、この3つの県民運動に共通することは、宮崎の歴史、文化、芸術に触れ、味わい、交わることで郷土愛を育むことにつながるということであります。 例えば、今回開催される国文祭・芸術文化祭を契機として、ふるさとへの愛着を再確認するための日として、「宮崎県民の日」を制定することができれば、これこそ後世の子供たちに残す最高の事業、遺産、レガシーとなるのではないかと考えますが、この「宮崎県民の日」の制定について再度、知事の御見解をお伺いします。 ◎知事(河野俊嗣君) 国文祭・芸文祭の本県開催は、県民が文化・芸術のすばらしさや、地域の文化資源、郷土の歴史などを再認識する、またとない貴重な機会になるものと考えております。 また、大会終了後も、その成果を生かしながら、県民が文化・芸術に親しみ、郷土に対する理解や関心を深め、ふるさとを愛する心を育むことは、大変重要なことと認識しております。 「宮崎県民の日」を制定するということにつきましては、置県130年を迎えましたときも、同じ日に再置されました富山が、ふるさとの日として設定しているということで、当時、興味を持って調べた経緯があるわけでありますが、一つの御提案として受けとめ、他県の事例等を調査研究してまいりたいです。 ◆(図師博規議員) 御答弁ありがとうございます。その中にありました、本県も令和5年に宮崎置県140年となり、世界県人会が開催される予定となっております。その記念事業の一つとして「宮崎県民の日」を制定することができれば、これはすばらしい記念事業になろうかと思います。ぜひ、前向きな御検討をお願いいたします。 続いて、高齢者施設の把握と、その指導管理体制について伺います。 私のもとには、よく高齢者施設の入居に関する相談が寄せられています。先日は2日続けて、「親が認知症で介護が困難となっているから、入居できる施設を探してほしい」という相談と、「現在、公立病院に入院している親が退院を迫られ、自宅で介護ができないので、入居先を探してほしい」という相談がありました。まさに介護難民の方々です。 私は早速、相談者が住まわれている地域の高齢者施設に問い合わせをしましたが、もちろん断られ、何とか知り合いを通じ有料老人ホームと療養型医療施設を探し、それぞれ紹介することはできました。が、地域包括ケアが目指す、住みなれた地域での生活を続けることはかなわない、その方々の御自宅からは遠方の施設紹介となってしまったのです。 県内には、このように地域の特別養護老人ホームに入居を希望しながらも待機されている方々が、2,600人以上いらっしゃいます。市町村は、介護保険適用の特別養護老人ホームなどの高齢者介護施設を整備したくても、施設整備の認可をすれば、必然的にその市町村の介護保険料が上がるため、これ以上、介護保険料を引き上げることはできないとちゅうちょして、積極的な施設整備計画を出せない現状があります。その現状を補完するために、介護保険適用外である、有料老人ホームとサービスつき高齢者住宅が次々に整備されてきました。 ここで、本県の有料老人ホーム及びサービスつき高齢者向け住宅の整備状況を、福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 有料老人ホームにつきましては、令和2年2月1日現在の速報値で480施設、定員の合計が1万2,400人となっておりまして、5年前と比べると138施設、定員合計で3,320人ふえております。 また、サービスつき高齢者向け住宅は、同じく30施設、定員の合計が1,098人となっておりまして、5年前と比べると10施設、定員合計で317人ふえております。 ◆(図師博規議員) かなりの伸び率でございますが、今、御答弁いただきました有料老人ホーム及びサービスつき高齢者向け住宅、これは、いわゆる介護保険の適用外の施設です。 それでは、この2つの、有料老人ホームと、サ高住とよく言われますサービスつき高齢者向け住宅の違いはどこにあるのか、福祉保健部長、教えてください。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 有料老人ホームにつきましては、高齢者に対し、食事、介護、家事、健康管理のうち、いずれかのサービスを提供する住まいを言いまして、老人福祉法に基づき県への届け出が必要です。 一方、サービスつき高齢者向け住宅は、高齢者に対し、安否確認などの状況把握や生活相談のサービスを提供する住まいを言いまして、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づく登録制となっております。 両者の違いとしましては、必須となるサービスが異なるほか、居室面積については、有料老人ホームは原則10.65平方メートル以上に対し、サービスつき高齢者向け住宅は、原則25平方メートル以上となっております。また、サービスつき高齢者向け住宅はバリアフリー構造であることが要件となるなど、主にハード面での違いがあります。 ◆(図師博規議員) 今の答弁には含まれておりませんが、有料老人ホームとサービスつき高齢者向け住宅は、介護保険適用施設のような人員の配置基準などがないため、サービス提供に格差が生じやすいとも言われています。もちろん、重厚なサービス提供がなされている施設が多いのですが、入居費用を比較的低額に設定されている施設では、職員の配置が少人数で、また少人数であるがゆえに過重労働を強いているところもあると聞いております。 有料老人ホーム等の県の実地指導が毎年行われておりますが、ここでは、その実地指導において、施設運営上、重大な問題があると疑われるケースがどれほどあったのか、再度、福祉保健部長にお伺いします。
    ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 有料老人ホーム等の指導監査は、年間計画により実施しておりまして、主に職員配置状況や緊急時の対応などについて確認し、主な指摘事項としては、今年度は1月末現在37施設のうち、身体的拘束等の適正化対策委員会未実施26件、入所後のトラブル防止に必要な重要事項説明書の不備25件などとなっております。 なお、緊急性のある事案については、無通告、いわゆる抜き打ちで実施しておりまして、今年度は、職員配置の虚偽等や不適切な身体拘束の疑いがあるなどの通報を受け、2件実施しております。その結果、身体的拘束等の適正化対策委員会が未実施であったほか、サービス提供に必要な記録が整備されていないなどの問題が確認されたことから、改善を指導したところであります。 ◆(図師博規議員) 37施設、実地指導を行われ、そのうち25件、26件もの改善指導を行ったということは、見過ごすことができない数字だと思われます。 続けます。県内の保健福祉行政に関する情報提供のために、宮崎県社会福祉協議会が「宮崎県の福祉と保健」という冊子を発行されています。この冊子の監修は県の福祉保健部でございます。この冊子は、市町村の地域包括支援センターや医療機関の専門職員も利用する重要なアイテムとなっているのですが、この中には、先ほどから出ておりますサービスつき高齢者向け住宅や、高齢者デイケア実施事業所の内容は網羅されていません。 この冊子の充実を含め、市町村と連携した介護難民の方々に届く、きめ細やかな情報提供サービス体制の整備が必要と考えますが、その現状と今後の取り組みについて、再度、福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(渡辺善敬君) 高齢者向けの施設につきましては、それぞれ法律に基づき設置されておりますが、その種類が多岐にわたり、施設数も多いため、県民への情報提供を行う上では、住民に身近なサービスを提供する市町村との連携が特に重要であります。 このため、有料老人ホーム等を設置しようとする場合は、事業者に対し、事前に市町村にも相談するよう依頼をしておりますが、設置の届け出等があった場合には、県から所在市町村へ情報提供し、共有を図っております。 既に、県のホームページ等に施設一覧を掲載しておりますが、市町村によっては、住民向けに、施設の種類や一覧表などをわかりやすく記載した資料を提供しているところもありますので、このような事例について、他の市町村に紹介してまいりたいと考えております。 ◆(図師博規議員) この高齢者福祉の内容については、非常に情報が複雑多岐にわたっております。ですから、当事者になったとき、また御家族だけでもこの情報がきれいに整理できるような提供体制を、市町村と連携して行っていただきたいと思います。 それでは、次の質問にまいります。デジタルデトックスの必要性についてでございます。 学研教育総合研究所の調べによりますと、小学生の読書量は、30年前と比較して3分の1程度に減少していることが、2019年8月に発表されました。それに伴い、テレビを見る時間が増加しているのかと思いきや、テレビを見る時間も30年前の6割程度に減少しているとの結果でした。それにかわって台頭してきたのが、インターネットやゲームに費やす時間の増加です。 学研の調査時、小学生全体の77%が、自由に使えるタブレット端末やスマートフォンなどの通信機器を持っており、動画の閲覧やゲームをする平均利用時間が年々増加していることが指摘されておりました。全国的には、スマートフォン依存状態にある中高生だけでも93万人に上るという報告もございます。 また、世界保健機構(WHO)は、2018年に公表した国際疾病分類で、ゲーム依存症及びゲーム障がいを正式にカテゴリー化して位置づけました。 子供たちだけではありません。日本人は、平均して週に49時間インターネットを利用しており、5人に1人が、インターネットがなかったら3時間以内に禁断症状を覚えるだろうという報告書もあり、インターネットへの過度の依存が問題となっています。 その対策の一つとして、スマートフォンやパソコン、そしてゲームなど、全てのデジタル機器に丸1日から数日間全く触れないことで、現実のコミュニケーションや自然の姿を認識し、依存度を低めようという動きが、個人や企業などで出てきており、デジタルを解毒する、いわゆるデジタルデトックスの取り組みが始まっています。 ここでは、特に心身の影響が考えられる子供たち、その教育現場ではどのような指導や取り組みが行われているのか、教育長にお伺いします。 ◎教育長(日隈俊郎君) スマートフォン等の過度な使用については、児童生徒の心身の健康に悪影響を及ぼすことが懸念されております。 そのため学校では、特別活動や保健などの時間に、規則正しい生活の重要性や、スマートフォン等に対する依存の影響及びその予防などについて指導しているところであります。また、生徒会等が中心となりまして、各家庭での使用時間やルールを決めて取り組んでいる事例もあります。 さらには、県PTA連合会では、「子育て10か条」というのを立てているんですけれども、この第9条で、「ケイタイは ルールを守って 情報モラル」と定め、各家庭への啓発を行っております。 今後とも、学校と家庭が一体となり、児童生徒が適切にスマートフォン等を活用できるよう取り組んでまいります。 ◆(図師博規議員) 現在の教育委員会では、具体的に子供たちには指導を行っておられないような御答弁でありました。ただ、このデジタル依存に関しましては、私、前回の質問でも取り上げましたが、やはりこれが過度の依存になってきますと、昼夜逆転となり、朝起きられない。朝起きられないがゆえに学校に行けない。そして、たまに学校に行くといじめられてしまう。いじめが嫌でひきこもりになる。ひきこもりがあるがゆえに、それが長期化して8040問題、9050問題になっていっているというのが、今の日本の社会問題の一つの要因でもございます。 一方、子供たちの将来の夢を聞くと、ユーチューバーになりたい、eスポーツの選手になりたい、そして世界で活躍するんだという夢を描いている子供もいる。非常にこのバランスをとるのが難しい状況でもございます。 私は、昨年11月に開催された宮崎県生涯学習実践研究交流会に参加したとき、都城商業高校の生徒が三股町と連携してデジタルデトックスキャンプの実施を検討しているとの報告があり、驚きました。この企画は、親子をターゲットにして、家族のきずなと自然を再接続し、社会問題となっているデジタル依存からの脱却を利用して、地方創生や中山間地域の活性化につなげようとする、すばらしい試みであります。 このデジタルデトックスキャンプへの取り組み状況について、教育長に伺います。 ◎教育長(日隈俊郎君) デジタルデトックスキャンプは、一定の期間、自然の中でデジタル機器の利用を断ち切る生活を送ることで、人や自然とのつながりを大事にしようとする取り組みであると認識しております。 お話にありましたように、現在、県立学校の中では、都城商業高等学校の生徒の研究グループが、地域連携の一環として三股町と連携しまして、関係団体の助言をいただきながら、キャンプのプログラム内容を企画し、実行に移すための検討をしております。 県教育委員会といたしましては、子供たちがデジタル機器の適切な使用について、みずから考え行動していけるよう、支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆(図師博規議員) このデジタルデトックスの取り組みが、またさらなる県民の運動につながっていくことを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○副議長(山下博三) 次は、安田厚生議員。 ◆(安田厚生議員) 〔登壇〕(拍手) こんにちは。自由民主党、安田厚生でございます。 本日最後の質問になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。 本日は、桃の節句であります。一般的に女子の誕生と健康を願う日であります。私の娘は昨年結婚して、大変寂しい思いをしているところであります。 ひな人形を飾るようになったのは、古来中国より伝わってきた風習のようであります。 今、中国の武漢市から発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、中国全土、そして日本にまで感染者が広がり、東京オリンピック・パラリンピックに向けてスポーツ界が盛り上がっていくタイミングでの新型コロナウイルス問題。 県内でもマラソン大会や各イベントを中止し、また先月、自民党会派では、高鍋の宮崎キヤノンを視察研修させていただきました。ここも、中国企業からの部品調達におくれが出るため、操業停止を余儀なくされている状況であります。新型コロナウイルスによる地域経済への影響も出ている状況であります。 この感染の勢いがどこまで続くかが焦点になり、企業や消費の停滞を引き起こし、1月から3月期はマイナス成長となる見込みであります。 この感染拡大による不安は、マスクの品薄に始まり、マスクと同じ原料など、デマ情報でトイレットペーパーやキッチンペーパーが不足する事態となっているところであります。レジに立つ私の嫁さんは、「なぜトイレットペーパーがないのか」と、見知らぬお客さんから理不尽な扱いをされているところであります。うちの奥さんいわく、コロナウイルスよりもお客さんのほうが怖いということでありました。 増税に伴う駆け込み需要で新車の販売台数は5カ月連続で販売が低迷し、暖冬の影響で冬物商品も不振のようであります。また、日本の観光産業も厳しい局面に立たされている状況で、いつ収束するかわからない中、本県において新型コロナウイルス感染症が発生した場合の感染拡大防止の取り組みについて、知事にお伺いいたします。 以上、壇上からの質問とし、以下の質問は質問席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。新型コロナウイルス感染症が発生した場合の取り組みについてであります。 県では、感染が疑われる患者が発生した場合は、保健所、医療機関、衛生環境研究所等と連携し、速やかに検査を行うこととしております。もし、陽性が確認された場合には、第二種感染症指定医療機関において治療を行う体制を整えているところであります。 また、こうした感染症が発生した場合は、国の基本方針や専門家の知見に基づき、県民生活の維持を図りながら、取り得る対策を最大限に実施し、感染拡大の防止に取り組むこととしております。 県におきましては、2月3日に、私が本部長を努めます新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、その後、実務的な幹事会を毎週開催するとともに、主要部局長から成るコアメンバー会議を随時開催することにより、種々の対策を進めているところであります。 本日夕方も2回目の対策本部会議を開催し、その後の状況を確認するとともに、市町村や関係機関とさらなる連携を深めて、備えの強化をすることとしております。 今後とも、国や関係機関などとも密に連携しながら、県民の命と健康を守ることを最優先に取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(安田厚生議員) ありがとうございます。 国は、感染防止にこの1~2週間が極めて重要な時期と位置づけております。感染拡大の防止に本腰を入れないといけない時期になってきたと感じているところであります。刻々と状況変化がある中、感染症対策の徹底を図ることと情報提供が大事になると思っているところであります。 情報提供のあり方については、適切な情報提供は県民に安心していただくために重要なことでありますが、慎重に行わないと、かえって不安を与えることもあります。その点には十分注意して、情報公開、情報提供をしていただきたいと思います。 また、新型コロナウイルスの影響がどう出てくるのかということで、県内経済にとって大きな影響を受ける可能性があるほか、中国で部品を製造して日本で組み立てるサプライチェーンや、観光の3割が中国からというインバウンドへの影響もあります。 国では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、企業や自治体が緊急事態に入ってきたと思われます。県内でも自粛ムードが広がっているところでありますが、突然の県立学校の臨時休業は、子供たちだけではなく、教職員の方々が混乱をしているところではないでしょうか。 今後2週間、大規模なイベントの中止や延期を要請。これを受けて、企業説明会やスポーツの試合などの中止や延期が決まり、県内での開催が中止になったイベントなどの影響も出てくるところであります。 県では、商工事業者向けの特別相談窓口を設置しているところであるが、どのような相談が寄せられているのか、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 商工業者の経営・金融相談に対応するため、県や商工団体等に、1月31日付で特別相談窓口を設置したところでありまして、これまでに35件の相談を受け付けております。 内容といたしましては、中国や東南アジアからの客足が遠のき、売り上げが減少しているという運輸業者や、中国からの資材の仕入れが滞って業績に影響が出ており、今後の資金繰りが厳しいという、建設業者からの相談のほか、イベントの中止や会議の自粛に伴いキャンセルが多くなっているという、飲食業者や宿泊業者からの相談などが寄せられております。 今後も影響が長引くにつれ、相談件数もふえると予想されますことから、引き続き、関係機関と連携した対応を行ってまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 今後、影響を受ける企業はふえてくるのではないかと見られ、中小・小規模事業者の中には、破産だけでなく自主廃業に踏み切るところも出てくると思われます。 新型コロナウイルス拡大により、外国人観光客が減少するなど、売り上げ等に影響がある県内の中小企業者に対する資金繰り支援について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 経営環境の悪化に伴い売り上げが減少している中小企業に対しては、県中小企業融資制度により、平時から資金繰り支援を行っております。 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大は、宿泊業を初め、製造業、飲食業、小売業など幅広い業種にわたって深刻な影響をもたらす懸念がありますことから、さらなる支援強化のため、信用保証協会が、通常の保証限度額とは別枠で100%の保証を行う「セーフティネット保証」の指定について、国に要請をいたしまして、3月2日付で指定を受けたところであります。 県としましては、関係機関と連携を図りながら、これらの融資制度の周知に努め、引き続き、中小企業の資金繰り支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 新型コロナウイルス感染の勢いがどこまで続くかが、経済に大きく影響してきます。昨年の消費税増税で経営環境の悪化を感じている小規模事業者もいる中で、追い打ちをかけるように今回の新型コロナウイルスの影響を受けている。体力のある企業はよいのですが、資金繰りが悪化して頭を抱える経営者も少なくないと思います。 経営者にとって、運転資金等の確保は重要であります。きめ細かな支援をしていただきますよう、お願いいたします。 次に、中小企業支援対策についてお伺いいたします。 地域の企業を訪問すると、経営者の高齢化と後継者問題について悩む声をよく聞きます。地域の企業において、中小・小規模事業者の事業承継は重要課題の一つであります。特に、経営者の高齢化や後継者不足による廃業が深刻になってきております。 県内の商工会員によるアンケートでは、事業承継が決まっていない企業が7割であります。60歳以上の経営者の半分以上、特に個人事業者の7割が廃業予定で、70歳以上の経営者の半数以上が事業承継の準備に未着手であります。 アンケートでは、「自分の代で清算・廃業する予定」とした理由の中で、「適当な後継者がいないため」と答えた方が66.4%、「事業の行き先が不透明なため」と答えた方が27.2%であります。 地方に若い経営者を生み出し、円滑な事業承継を積極的に進めることは、地域における雇用機会を維持するだけでなく、中小企業の成長、人口減少、少子高齢化対策、地域活性化、つまり地方創生のために不可欠であると、私は考えております。 このような中、国では、事業承継を円滑に進めるための支援策として、事業承継税制や事業承継補助金などを創設しております。県では、事業承継に対する相談窓口として、県事業引継ぎ支援センターや事業承継ネットワークなどの体制整備がなされています。商工会議所・商工会では、このような機関と連携し、個別相談や各種情報提供などを通じて事業承継支援を行っているところであります。後継者にかかわる税負担を軽減し、事業を引き継ぎやすい環境を整えようとしているところであります。支援強化に取り組み、事業承継が確実に行われるよう、環境整備に努める必要があると思います。 事業承継に関し、商工会議所・商工会の担っている役割、活動をどう評価、認識しているのか、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 商工会議所・商工会には、平成30年4月に立ち上げました事業承継ネットワークの構成機関として、経営者を訪問し、事業承継に対する気づきや計画的な準備を促す事業承継診断などに取り組んでいただいていると承知しております。 この事業承継診断の昨年度の実績は2,533件でありますが、そのうちの約4割の1,008件は、商工会議所・商工会によるものであり、ネットワーク活動の中心的な存在となっているところであります。 事業承継に関する課題整理から、計画策定を経て承継に至るまで、長期にわたる伴走型の支援を行う上で、地域の身近な相談相手であります商工会議所・商工会には、大変重要な役割を担っていただいているものと認識しております。 ◆(安田厚生議員) 若い経営者を生み出し、円滑な事業承継を積極的に進めることは、地域経済の活性化が図られることだと思います。 国の事業承継補助金は、小規模事業者にとって、とてもハードルが高いと感じているところでありますが、地域経済のため、事業者を減らさないためにも、温かい後押しをお願いしたいと思います。 小規模企業振興基本法と、商工会議所・商工会による小規模事業者の支援に関する法律が施行されました。日本経済の骨格を担う小規模事業者を支え、従来に増して寄り添い、伴走型の支援を行っているところであります。 行政や金融機関等が縮小される中、商工会議所・商工会は地域にとって不可欠になってきており、地域の活性化に対する住民の期待も大きいところであります。 平成26年から経営発達支援事業に取り組んでいるところでありますが、業務量がふえる中で、職員数は減少しているところであります。 特に事務局長については、設置されていないところもあるようです。組織体制の強化のため、事務局長を設置するのが望ましいと思います。商工会議所・商工会の支援態勢の充実が必要だと思いますが、県の考えを商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 中小・小規模事業者の支援において、商工会議所・商工会の果たす役割は極めて大きいものと考えております。 このため県では、経営指導員等の設置や、研修等を通じた資質向上等の事業に補助を行い、商工会議所・商工会が経営改善普及事業を円滑かつ効果的に実施できるよう、支援態勢の充実を図ってきたところであります。 このような中、中小・小規模事業者の新事業展開や、円滑な事業承継、市町村との連携強化など、高度化・多様化するニーズへの対応が商工会議所・商工会に求められており、経営指導員等が経営支援に専念できる環境整備が、より重要になってきております。 これらのことから、事務局長を含めた役職員の役回りを踏まえた対応について、引き続き、商工会議所・商工会と意見交換を行ってまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 事務局長の設置や職員数の減少は、中小・小規模事業者に対する経営支援や経営相談などに支障が生じてきております。各地域の小規模事業者への密着した伴走型のサポートに加え、地元のイベントから年度末の申告業務のサポートまで、多岐にわたる業務を行っているところであります。 多様な支援ニーズに対応できるような経営指導員、事務局長の設置や研修等を行い、支援態勢づくりに努めていただきたいと思います。 次に、災害対策についてお伺いいたします。 昨年、台風19号の豪雨により、極めて広範囲にわたり、河川の氾濫や崖崩れ等が発生いたしました。総雨量は、神奈川県箱根で1,000ミリに達し、東日本を中心に17地点で500ミリを超えました。これにより極めて甚大な被害が広範囲に発生したのは、記憶に新しいことだと思います。 大規模な自然災害は、忘れたころにやってくると言われておりましたが、毎年、立て続けに想定外の自然災害が発生しております。 県内の河川は、これまでの水害等を踏まえ、強い河川と聞いておりますが、これまで異常気象とされてきた豪雨災害などは近年、常習化してきております。台風19号により、広い範囲で記録的な大雨になり、関東・東北地方を中心に計140カ所の堤防が決壊するなど河川が氾濫し、甚大な被害をもたらしました。 本県における、河川の氾濫や決壊などによる浸水被害への対策について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 河川の浸水対策につきましては、甚大な被害が発生した地域や家屋浸水のおそれがある地域など、緊急性の高いところから、河道の拡幅や堤防の整備を進めてきているところであります。 また、河川整備には多大な費用と長い時間を要することから、土地利用や浸水被害の状況等を総合的に判断し、輪中堤や宅地かさ上げによる水防災事業など、効率的・効果的な浸水対策にも取り組んでいるところです。 さらに、近年頻発する甚大な浸水被害を受け、過去に氾濫した箇所や、堤防決壊時における人命リスクが高い箇所などについて、国土強靱化のための3か年緊急対策として、河川内の樹木伐採や掘削、堤防補強を行っているところです。 今後とも、さらなる予算確保に努め、浸水対策に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 堤防の強化は、異常気象の進む日本で、水害から人命や財産を守るため、絶対欠かせないと思います。水位が堤防を越える水害や、増水した川の激流で堤防ののり面が削られるなど、決壊するおそれがあります。洪水等に対して、氾濫防止に努めていただきたいと思います。 近年、局地的かつ短時間の大雨が頻発しており、道路冠水や内水氾濫による住宅地の浸水が増加傾向にあります。内水氾濫では、ポンプで河川に放流し、氾濫を防いでいる地域もあります。そのポンプによる効果は実感しているところでありますが、河川環境に配慮しながら、引き続き河川の整備に努めるとともに、住宅地などの浸水対策に努める必要があると思います。 県内の内水氾濫の発生が懸念される箇所の対策を、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 内水氾濫につきましては、堤防が整備された地域におきまして、本川の水位が上昇し、支川の水が排出できずにあふれることにより発生するものであります。 この内水対策においては、本川の水位低下を図り、支川の水の流れをよくすることが効果的であることから、まずは、本川の土砂掘削や樹木の伐採を行っているところです。 また、これまでに、たび重なる大規模な家屋浸水被害が発生した地域におきましては、支川の水を強制的に排出するポンプの整備等にも取り組んできたところです。 今後とも、本川や支川の管理者が連携を図り、それぞれの役割のもとで効果的な対策に取り組み、内水被害の軽減に努めてまいります。 ◆(安田厚生議員) 集中豪雨の増加に伴い、内水氾濫も増加傾向にあります。行政と地域が連携を図り、水害を乗り越えることが重要だと思いますので、今後とも効果的な対策に取り組んでいいただきますよう、要望いたします。 昨年、台風19号など大きな3つの台風では、急激に増水した河川では迅速な避難の呼びかけが欠かせませんが、対応が追いついていない状況が浮かび上がりました。その結果、多くの人命が失われ、台風で亡くなられた人のうち、60歳以上は全体の7割を占めました。 避難情報の発令は、適切なタイミングで的確な地域に避難情報を発令する難しさがあります。雨量などの気象データや河川の水位計のデータなどをもとに、避難準備情報や避難勧告、避難指示を発令しなければなりません。 市町村が的確に判断するためには、雨量水位情報とともに、降水被害のおそれのある区域を把握することが必要であります。こうした情報の提供が不可欠であり、避難情報の発令がおくれないように、市町村との連携を図る必要があると考えますが、雨量や河川水位情報の住民への周知について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 県では、雨量計168カ所、河川水位計130カ所に加え、平成30年度から新たに、危機管理型水位計を73カ所設置しており、これらの推移情報等は、インターネットを通じ、リアルタイムで情報提供をしております。 また、河川水位が、住民の避難行動の目安などとなる避難判断水位に到達した場合には、報道機関を通じ、テレビ等で住民へ広く周知するとともに、市町村が的確に避難勧告等を発令できるよう、ホットラインにより直接、関係市町村長へ伝達しております。 このほか、洪水浸水想定区域図の公表や、ハザードマップを作成する市町村への技術的支援も行っており、今後とも市町村等と連携し、住民が早期に避難できるよう、迅速かつ的確な防災情報の周知に取り組んでまいります。 ◆(安田厚生議員) 雨量水位情報の周知に加え、降水量の経過や予測に関するデータ、または過去のデータ等をもとに水位の変動を予想するなど、迅速に防災情報の周知をお願いいたします。 南海トラフ巨大地震についてお伺いいたします。 先月21日、防災科学技術研究所が、南海トラフ沿いで発生する大地震の津波評価をウエブ上で詳しく閲覧できるシステムとして、津波ハザードステーションの運用を開始いたしました。南海トラフ沿いで発生する大地震によって30年以内に津波が沿岸に来襲する確率を示した地図を見ることで、南海トラフに面した太平洋沿岸地域のどこの沿岸が他に比べて相対的に津波に襲われる可能性が高いか、知ることができました。 今回、この予測をベースに、さらに対策強化を図り、県民の皆様とともに取り組まなければいけないと感じたところであります。また、沿岸では、津波避難タワーや高台の指定避難場所等の整備、確保に取り組んでいますが、津波避難場所までの避難路の整備について、県はどのような支援をしているのか、危機管理統括監にお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 避難場所までの避難路につきましては、市町村が指定するとともに、安全性や機能性の一層の向上を図るために、路面の補修を初め、街灯や誘導灯、手すりの設置などの附帯施設の整備に取り組んでいるところでございます。 県では、これらの市町村の取り組みに対しまして、減災力強化推進事業により支援を行っているところであり、昨年度末までに、沿岸市町の避難路整備に対し102カ所の支援を行い、本年度につきましては、12カ所の整備に対しまして交付決定を行っているところでございます。 今後とも、津波から県民の命を守るため、沿岸市町の避難路等の整備に対しまして、積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 災害時、緊急時に対応したバリアフリー化など、避難しやすい整備が求められております。また、避難時間の短縮を図る必要があります。津波避難訓練や教育、啓発等により、早期避難を住民に周知・徹底することが大事だと思います。 アンケート等によりますと、最初に避難しようと思ったきっかけとして、「大きな揺れから津波がくると思ったから」が最も多く、家族または近所の人が避難しようと言ってくれたから、大きな揺れから津波がくると察知して避難した人が多いようです。 地域における避難の呼びかけが、避難を促す要因となっています。また、地震の揺れがおさまった後、すぐに避難しなかった理由について、「自宅に戻ったから」が最も多く、「家族を探しに行ったり迎えに行ったりしたから」という理由が挙げられました。家族の安否の確認等により、避難がおくれている可能性があります。揺れたら避難するということが実行されていないのが現状であるようです。 津波から早期に避難するための意識を高めるため、県はどのような取り組みをしているのか、危機管理統括監にお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(藪田亨君) 南海トラフ巨大地震の被害想定では、津波による人的被害が全体の約9割を占めることから、被害を軽減するためには、早期避難が何よりも重要であります。 このため県では、平成25年度に策定した新・宮崎県地震減災計画において、早期避難率を70%に高める目標を設定するとともに、防災の出前講座やセミナーの開催などを通じた啓発のほか、地域防災のかなめとなる防災士の養成や市町村が実施する避難訓練への支援などを行ってきたところでございます。 昨年度の県民意識調査では、住民の早期避難率は55.5%でありましたけれども、この避難意識は、被災地においても時間の経過とともに低下が見られると言われておりますことから、今後とも早期避難の重要性につきまして、県民への啓発を繰り返し実施してまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 何よりもとうとい人命を、最大クラスの地震・津波でも確実に守ることを目指して、避難路・避難場所の整備、みずから生命を守る自助の取り組みや、地域での助け合い等による共助の取り組みを進めていくことが、特に重要であります。そのため、行政としても、その取り組みをしっかりと支援していくための対策を講じていただきたいと思います。 次に、国道388号の整備状況についてお伺いいたします。 この国道388号は、昨年7月に美郷町の日平バイパスを含む3キロが開通し、門川町の松瀬工区4キロが事業化になり、整備が進められているところであります。門川町、美郷町の町民は喜んでいるところであります。 この国道388号の整備には、もう一区間、門川町五十鈴地区から小園地区が未整備であります。長年の要望に加え、地域の悲願の道路でもあります。大型車など離合ができず、片輪を歩道に乗り上げて通行することも目にします。この国道の区間は、通学路にも指定されています。また、台風や豪雨の際には道路が冠水し、通行ができなくなる道路でもあります。 国道388号の門川町五十鈴地区から小園地区における未改良区間の整備に向けた検討状況を、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 国道388号の門川町五十鈴地区から小園間の未改良区間、約1.6キロメートルにつきましては、現道の南側をバイパスで迂回する、全体幅員16メートルの都市計画道路として計画されております。 計画では、幅員3.5メートルの自転車歩行者道を車道の両側に設置することとしておりますが、自転車などの通行につきましては、現道の活用も有効と考えられるため、現在、門川町とともに道路幅員の検討を進めております。 今後、道路幅員に変更が生じる場合には、都市計画道路の変更を伴いますことから、引き続き、門川町と協議を行ってまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 地域住民からも、この道路区間の整備はどうなっているのかという声をよく聞きます。現道の南側のバイパスを整備するということで、国道388号の未改良区間は、いまだに多く残されている状況でありますので、早期整備に向けて御検討いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 次に、国道503号の整備状況についてお伺いいたします。 昨年9月にも、一般質問をさせていただきました。答弁では、「整備状況については、諸塚村中心部から飯干地区付近において、特に交通に支障のある箇所から順次進める。また、飯干峠付近のトンネル整備の必要性を十分認識しているが、多額の費用を要するため、現時点で整備の見通しを立てることは難しい状況にあり、まずは、事業中箇所の早期完成に向けてしっかりと取り組む」と答弁をいただきました。 ことし1月に、「国道503号飯干トンネルシンポジウム」が、日向圏域国道5路線整備促進期成同盟会主催で開催されました。「日向圏域はひとつ」を合い言葉に、圏域内の1市2町2村は、これまで文化・歴史・産業・観光等で連携を図りながら、地域活性化や地方創生に取り組んできました。 路線は、「命の道」、「物流の道」、「交流の道」として、産業経済の基幹道路としての大きな役割を担っています。 本圏域と西臼杵、熊本を結ぶ重要な路線であり、今後、整備が進む九州中央自動車道へのアクセス強化により、救急救命活動、物流、観光への広域的なネットワークが期待される路線であります。 シンポジウムでは、基調講演、意見発表、パネルディスカッションが行われ、パネリストに日向市長、諸塚村長、五ヶ瀬町長、また日向商工会議所会頭が出席し、本路線の魅力、地域の発展等のさまざまな波及効果など、はかり知れないものがあると、本路線の整備を語りました。 また、基調講演では、講師に鎌原副知事を迎え、演題「本県の高速道路と国・県道整備のストック効果」について講演をいただきました。シンポジウムでは、関係者一同、消えかけた炎を再び熱く燃え上がらせ、本路線への情熱を持てたように感じました。 そこで、今回のシンポジウムを終え、鎌原副知事はどのように感じたのか、お伺いいたします。 ◎副知事(鎌原宜文君) 今回のシンポジウムには、地元諸塚村を初め、周辺自治体からも大変多くの方が参加され、盛大に開催されました。その中で、地元の中学生や地域の基幹産業である林業事業者の方から意見発表が行われ、医療面や木材輸送における生産性の向上など、飯干峠付近のトンネル整備を強く望む思いとともに、参加された方々の熱い期待を肌で感じたところであります。 現在、九州中央自動車道の五ヶ瀬東インターチェンジが国道503号付近に計画されておりますことから、今後、このインターチェンジの整備が進みますと、高速道路と一体となったネットワークが形成され、この503号の重要性は一層高まってくるものと考えております。 このため、引き続き、関係自治体や沿線住民の皆様と一体となって、国に対し事業の早期実現に向けた要望活動を行うなど、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 意見発表会では、諸塚の中学生の、弟が急病で村外の病院を受診できず我慢した話や、将来は諸塚に戻り桜を見たいなどの報告がなされました。 住民の生活にインフラ整備がいかに大切であるか、わかっていただいたと思っているところであります。早期整備に向けて努めていただきたいと思います。 次に、横断歩道橋の整備についてお伺いいたします。 先日、テレビの全国放送で、危険な横断歩道橋の特集の放送がありました。見たことのある映像で、宮崎だなと、すぐわかったところであります。 横断歩道橋は、今や影が薄くなった社会のインフラの一つかもしれませんが、交通量の多い横断歩道橋は、現在でも通学路に多く利用されております。交通事故対策で1970年前後に全国で大量に設置された、これまで歩行者の交通の安全に貢献してきた歩道橋でありますが、その大部分が老朽化しており、対策が課題とされております。 県民の安全を確保する視点から、補修工事をするべきと考えますが、県の管理する横断歩道橋の老朽化対策について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 県が管理します横断歩道橋は、全部で18橋あり、古いものでは建設後60年が経過するなど、老朽化の進行が懸念されております。 平成30年度に実施しました定期点検の結果、5橋につきまして早急な措置が必要であることが判明したことから、現在、この対策を優先して進めており、本年度までに3橋で補修工事等に着手しております。 また、残る2橋につきましては、現在、利用者が少なくなっていることから、撤去を前提に検討を進めているところであります。 その他の横断歩道橋につきましては、撤去を決定しているものもありますが、引き続き、地域住民など道路利用者の御意見を伺いながら、可能なものについては撤去を進めるとともに、残すべき施設については、その安全性が十分に確保されるよう、適切な維持管理に取り組んでまいります。 ◆(安田厚生議員) 横断歩道橋の利用状況は、設置当時と比較し、社会情勢や変化等に伴い利用頻度が低くなっているのが現状でありますが、利用される方々の安全の確保に努めていただきますよう、強く要望いたします。 次に、鳥獣対策についてお伺いいたします。 県内の平成30年度の被害額は約3億4,545万円で、平成29年度より約5,309万円、約13%の減少となっております。これは、捕獲の強化や侵入防止の施設の整備が進んだからだと思います。 鳥獣被害は、農業者や森林所有者にとって、経済的損失のみならず、営農意欲や経営意欲をなくすことや、被害額以上の影響を地域に与えます。山間地域を抱える自治体においては、地元猟友会に捕獲を依頼し、また、わなの設置や防護柵の定着を図るなど、対策を行っています。 猟友会員の高齢化や後継者不足に悩まされているところでありますが、有害鳥獣捕獲に対して、国の交付金事業以外にどのような助成を行っているのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(佐野詔藏君) 有害鳥獣捕獲に対する助成につきましては、国の交付金事業以外に、県単独事業によりまして、市町村と連携し、鹿については、4月から5月の捕獲促進期間は1頭当たり1万円、その他の期間は8,000円を、イノシシにつきましては、昨年11月から被害軽減及びCSF対策として7,000円の助成を行っております。 また、市町村に設置されております、有害鳥獣捕獲班や野生猿特別捕獲班が捕獲活動を行う際に必要な経費の一部に対しても、助成を行っているところであります。 今後とも、市町村と連携し、効果的な捕獲等に対する助成を実施しますとともに、捕獲班等の技術向上を図るなどしまして、有害鳥獣捕獲の強化に努めてまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 有害鳥獣捕獲に対しまして、意欲を高めて有効な捕獲対策をとっていただきますように、お願い申し上げます。 IoTを活用した鳥獣対策を実施していると聞いておりますが、本県において、人手不足を補い業務の効率化を図るため、IoTを活用した鳥獣被害対策に取り組むべきだと思います。 そこで、現在の本県の鳥獣被害対策の取り組み状況と今後の対策について、IoTを活用した捕獲対策をどのように広めていくのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 定住人口の減少や高齢化に伴いまして、鳥獣進入防止柵やわなの管理不足が課題となる中で、近年、わな等の見守り作業の省力化、効率化等を目的としたIoT技術の開発や導入が進んでいるところであります。 本県においては、南那珂地域で、猿の被害を防止するためのGPSを活用した行動域調査を行っておりますとともに、延岡市で実施しております、鳥獣が箱わななどで捕獲された際にメールで知らせる監視システムの実証への支援、それから、関係機関へのIoT技術の情報提供等を行っているところであります。 また、来年度に、県内6市町村において、監視システム等の導入が計画されておりますことから、運用にかかわる捕獲従事者の育成や、機材導入、運用に係る費用等への支援を行い、地域の実態に応じた技術の普及に努めてまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 担い手不足が進み、箱わななどIoTを活用した監視システムの技術普及と、従事者の育成や研修も大切になりますので、ぜひ県内に広めていただきたいと思います。 これからの鳥獣対策は、地域のリーダーの育成を図り、先進的な事例などを各地域に波及させていくことが課題だと思います。 IoTを活用した捕獲や、地域が一体となった捕獲促進を図り、関係者が連携した捕獲対策を強化することが必要でありますが、鳥獣対策について今後の取り組みを、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(坊薗正恒君) 県では、鳥獣被害対策特命チームや鳥獣被害対策支援センターを中心に、地域が一体となった総合的な鳥獣被害対策を進めているところでございます。 これまでの取り組みによりまして、農林作物の鳥獣被害額は、ピーク時である平成24年度の約11億円から、平成30年度は約3億5,000万円と、年々減少しておりますが、被害は依然として深刻であると認識いたしております。 このため、集落内の餌となる作物等の放置をやめることや追い払いなど、集落ぐるみでの鳥獣を近づけない環境をつくることを、重要な柱として取り組んでおりますとともに、有害鳥獣の捕獲や進入防止柵の整備の支援などを、総合的に実施しているところでございます。 今後とも、関係機関・団体と連携し、地域リーダー等の育成や地域住民の意識啓発を進め、被害の低減に努めてまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 鳥獣対策は、各地で駆除する方をふやすことや、ICTやIoT、情報通信技術を用いた箱わなの捕獲数をふやし、そのジビエ流通を拡大することが大事になります。これまで以上に農産物被害が減少するように努めていただきたいと思っているところであります。 次に、県立高校の魅力向上についてお伺いいたします。 県立高校における生徒の全国募集についてであります。あすから県立高校の一般入試が実施されますが、少子化が進む地域を中心に定員割れが続く高校の状況を心配しております。 昨年10月に、人口減少・地域活性化対策特別委員会で、島根県の人口減少対策について視察研修を行いました。そこで全国募集の取り組みについて知ることができました。 本県でも、初めて全国募集が行われますが、島根県では「しまね留学」として、県外に住んでいる意欲のある中学生が、島根県の県立高校を受験し、島根県で充実した3年間を送ることで、季節を肌で感じ、旬なものを味わい、豊かな自然と文化、人情を存分に体験し、いつでも帰れる第二のふるさとの創設をしています。 島根県内22校の県立高校では、生徒の募集を行うなど、県を挙げて生徒確保に取り組んでいるところであります。現在、全国から島根県へ学びに来る生徒の数は、令和元年度195名、この9年間で約3.5倍とふえています。 子供の数そのものが減少する中で、地域の高校の活力を維持していくためには、生徒の全国募集を県内の県立高校にも拡大していくことについて検討する必要があると思いますが、教育長のお考えをお伺いいたします。 ◎教育長(日隈俊郎君) 今お話がありましたとおり、今回、高校入試で、飯野高校のほうに県外からの受験生が5名ということになりました。また、県立高校については、あしたから入試ですので、ぜひ合格し、入学されることを期待しているところでございます。 このように、県外から生徒を受け入れるということは、県内の生徒にとりましてもよい刺激となり、お互いに切磋琢磨する環境ができ、特色ある学校づくりに役立つものと考えております。 また、受け入れに当たり、地域との連携も促進されまして、少子高齢化等による地域社会の変化の中で、県立学校を核とした地方創生の推進につながるなど、期待しているところであります。 一方で、親元を離れて県外から来る生徒たちが、安心して生活、学習できる環境の整備や、県内在住の身元引受人の選定など、さまざまな対応が必要となります。 県教育委員会といたしましては、本制度を導入した飯野高校の取り組み状況等を踏まえ、関係市町村と協議しつつ、学校の特色や地域の状況等にも十分配慮し、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆(安田厚生議員) 先日、今年度の県立高校一般入試の最終志願状況が発表されました。全日制で34校の募集人員5,331人に対し、4,813人が志願、最終倍率は0.90倍で過去最低を記録しているようです。また、学校全体で20校、59学科、3コースで志願数が募集定員を下回りました。少子化が進んでいると感じたところであります。 また、飯野高校では、全国募集で今年度入試で初めて5人が志願しているようであります。島根県では、県立高校の寮を日本一多く持ち、多くの県立高校に寮が併設されているようです。本県にも学校寮、地域寮がありますが、まずは、全国から生徒を受け入れる環境づくりが大切になると思います。今後、飯野高校の取り組みを参考に、魅力ある学校づくりを進めていただきたいと思います。 最後になりますが、今年度をもって退職される皆様方、長い間、本当にありがとうございました。退職される皆様におかれましては、県政の発展に御尽力いただきましたことに、改めてお礼を申し上げます。退職される皆様方の今後の御健勝と御多幸をここに祈念しまして、一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山下博三) 以上で本日の質問は終わりました。 あすの本会議は、午前10時から、一般質問及び議案・請願の委員会付託であります。 本日はこれで散会いたします。   午後2時44分散会...