宮崎県議会 > 2017-03-02 >
03月02日-03号

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  1. 宮崎県議会 2017-03-02
    03月02日-03号


    取得元: 宮崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-20
    平成29年 2月定例会平成29年3月2日(木曜日) 午前10時0分開議 ───────────────────  出 席 議 員(39名)    1番  西 村   賢  (自由民主党 青の国)    2番  有 岡 浩 一  (愛みやざき)    3番  来 住 一 人  (日本共産党宮崎県議会議員団)    4番  重 松 幸次郎  (公明党宮崎県議団)    5番  渡 辺   創  (県民連合宮崎)    6番  岩 切 達 哉  (  同  )    7番  二 見 康 之  (宮崎県議会自由民主党)    8番  清 山 知 憲  (  同  )    9番  島 田 俊 光  (  同  )   10番  日 高 博 之  (  同  )   11番  野 﨑 幸 士  (  同  )   12番  日 髙 陽 一  (  同  )   13番  星 原   透  (  同  )   14番  濵 砂   守  (ひむかの会)   15番  図 師 博 規  (愛みやざき)   16番  前屋敷 恵 美  (日本共産党宮崎県議会議員団)   17番  河 野 哲 也  (公明党宮崎県議団)   18番  田 口 雄 二  (県民連合宮崎)   19番  髙 橋   透  (  同  )   20番  丸 山 裕次郎  (宮崎県議会自由民主党)   21番  中 野 一 則  (  同  )   22番  中 野 広 明  (  同  )   23番  黒 木 正 一  (  同  )   24番  横 田 照 夫  (  同  )   25番  山 下 博 三  (  同  )   26番  右 松 隆 央  (  同  )   27番  井 上 紀代子  (県民の声)   28番  徳 重 忠 夫  (自由民主党県民クラブ)   29番  新 見 昌 安  (公明党宮崎県議団)   30番  満 行 潤 一  (県民連合宮崎)   31番  太 田 清 海  (  同  )   32番  緒 嶋 雅 晃  (宮崎県議会自由民主党)   33番  後 藤 哲 朗  (  同  )   34番  外 山   衛  (  同  )   35番  松 村 悟 郎  (  同  )   36番  坂 口 博 美  (  同  )   37番  蓬 原 正 三  (  同  )   38番  井 本 英 雄  (  同  )   39番  宮 原 義 久  (  同  ) ─────────────────── 地方自治法第121条による出席者  知     事   河 野 俊 嗣  副  知  事   稲 用 博 美  副  知  事   内 田 欽 也  総合政策 部長   永 山 英 也  総 務 部 長   桑 山 秀 彦  危機管理統括監   畑 山 栄 介  福祉保健 部長   日 隈 俊 郎  環境森林 部長   大 坪 篤 史  商工観光労働部長  中 田 哲 朗  農政水産 部長   郡 司 行 敏  県土整備 部長   東   憲之介  会 計 管理者   髙 原 みゆき  企 業 局 長   図 師 雄 一  病 院 局 長   土 持 正 弘  財 政 課 長   川 畑 充 代  教  育  長   四 本   孝 ───────────────────事務局職員出席者  事 務 局 長   甲 斐 正 文  事 務 局次長   奥 野 信 利  議 事 課 長   長 倉 健 一  政策調査 課長   小 田 博 之  議事課長 補佐   伊 豆 雅 広  議事担当 主幹   松 吉   浩  議事課 主 査   沼 口 恭一郎  議事課主任主事   森 本 征 明──────────────────── △代表質問 ○議長(星原透) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、昨日に引き続き代表質問であります。 ただいまから代表質問に入ります。まず、県民連合宮崎田口雄二議員。 ◆(田口雄二議員) 〔登壇〕(拍手) 皆さん、おはようございます。県民連合宮崎の田口でございます。会派を代表して質問をとり行います。昨日の後藤議員、そして私、きょうの午後は河野議員と延岡が続きますが、質問が県北に偏らないように、県民を代表して質問をとり行います。 私は、県議会議員になりまして、間もなく10年を迎えようとしております。激動の10年であったと言っても過言ではありません。当選直後は東国原知事が誕生して間もないころで、今では想像もつかないような宮崎県が大ブームになっており、県庁に連日観光バスが列をなして訪れ、みやざき物産館KONNEのレジに長い列ができたものでした。この本会議場の傍聴席まで、キャリーバッグを持った観光客が押し寄せるほどでした。口蹄疫、鳥インフルエンザの2つが発生、新燃岳の噴火、相次ぐ台風や自然災害等々、また、車で東九州自動車道を使って県庁まで来られるようになりました。今では北九州までつながりました。たくさんの出来事の連続でしたが、貴重な経験を重ねることもできました。 また、その間、中央では民主党政権が誕生しました。リーマンショック直後の厳しいときのスタートとなり、「コンクリートから人へ」と政策の大きな転換を図ろうとしましたが、初心者マークの政権であった上に、経験したことのない未曾有の大激震、東日本大震災、そして東京電力福島原子力発電所の事故等々により、対応をうまく行えず、再び下野してしまいました。 そして、再び自公政権による2度目の安倍政権が誕生しました。安倍総理がアベノミクスでデフレからの脱却を強く訴え、日本経済は力強く前進していると、総理御本人は事あるごとに言われておりますが、地方や庶民には全くその実感や恩恵等は感じられません。 しかし、昨年末に野村総合研究所の発表を聞いて理解しました。その内容とは、日本の金融資産1億円以上の富裕層が2015年末に121万7,000世帯となり、この2年間で2割増しの21万世帯が新たに仲間入りしたそうです。その中には不動産などは入らず、保有する預貯金や株式、債券などの合計額から負債を差し引いた金融資産だけです。121万世帯のうち、5億円以上が7万3,000世帯、富裕層の保有資産規模は合計で272兆円となり、国家予算の3倍近くです。2年間で31兆円ふえたようです。強い者や富裕層がさらに強くなり大きくなった、それがアベノミクスであった。 この議会でも、格差拡大、貧困層の増大、子ども食堂、奨学金の返済等々、ちょっと前には質問されなかったような貧困対策が多く出されるようになりました。正規雇用は減少し、非正規雇用ばかりが増加し、奨学金も返せず、結婚することもできない若者がさらにふえています。日本は本当に幸せな国になっているのか、甚だ疑問です。 政治は、真面目に働く人、真面目に生活している人、真面目に納税する等、社会的な義務をしっかりと果たしている人々が報われる公平公正な社会をつくらなければなりません。私は、そして我が会派の議員は、その思いをしっかりと胸に抱き、県民のために県勢の発展に尽力してまいる所存であります。 それでは、代表質問に入ります。 知事の政治姿勢について伺います。 平成29年度当初予算案、一般会計5,778億3,500万円が提示されました。重点施策として、「人口減少対策と中山間地域対策の強化」「世界ブランドのみやざきづくりの推進」「成長産業育成加速化と新たな産業づくり」を掲げ、未来志向の地方創生に取り組む姿勢を示されました。人口減対策の事業や高校生の県内就職への取り組み、奨学金の返還支援に取り組む企業を支援する事業等、県民に思いがわかりやすい、本県の課題にしっかりと取り組んだ予算案だと私は思います。知事は、知事になられて6年、2期目の折り返しを迎えられました。今回の予算に込められた思いと、一つの区切りとして、任期の残り2年を迎えた知事の所感をお伺いいたします。 次に、副知事お二人にお伺いいたします。稲用副知事と内田副知事は、この3月をもちまして、河野県政を支えてきた4年の任期を終了いたします。初めての副知事2人制で、就任直後から、「2人になったからにはそれなりの実績を」という声も大きいものがありました。内田副知事におかれましては、国土交通省から初めて来ていただきました。稲用副知事と内田副知事は、御自分では、この4年間の実績についてどのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。 以上で壇上からの質問は終わります。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 おはようございます。お答えします。 任期の折り返しを迎えた今の所感についてであります。私は、口蹄疫を初めとする相次ぐ災害からの復興に一定の道筋をつけた後、復興から新たな成長へとギアを入れかえ、フードビジネスや海外への積極的な市場開拓など、新たな成長に向けた種をまいてきたところでありますが、食料品・飲料等出荷額農業産出額の大幅な増加あるいはキャビアの海外展開を可能とするなど、これらの種はしっかりと育ち、成果を上げてきているものと考えております。 2期目におきましては、東九州自動車道を初めとする交通インフラの整備も追い風としながら、さらなる成長に向けて、産業振興戦略グローバル戦略を策定し、これらを着実に進めていくため、官民が一体となって企業成長や人材育成に取り組むプラットフォームを構築するなど、新たな種をまいてまいりました。このようなことから、私は、県政は一歩一歩前に進んでいるという確かな手応えを感じているところであります。また、長年にわたる先人の御努力が今このタイミングで大きく花開き、大変よい風に恵まれているという感謝の思いも抱いているところであります。 一方、本格的な人口減少を迎える中で、地方創生を初め、中山間地域対策や医療・福祉など困難化・複雑化する課題への対応を初め、2巡目国体や国民文化祭に向けた準備の本格化、さらには、全国和牛能力共進会における3連覇への挑戦と、これを生かしたさらなるブランド確立など、取り組むべき課題は山積しております。任期の折り返しを迎えましたが、今後とも、各方面の御協力をいただきながら、直面する課題の解決はもとより、本県の未来のために今なすべきことにしっかり取り組み、県政のさらなる飛躍を目指して邁進してまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◎副知事(稲用博美君) 〔登壇〕 お答えいたします。 4年間の実績についてであります。これまでの4年間、さまざまな重要課題の解決に向けて、知事のもとに全庁を挙げて取り組んできたところであります。その中で私は、副知事就任時に知事から特に指示のありました、知事と職員の間のいわば潤滑油として県庁総力戦のまとめ役を担うということ、また、関係機関等との調整役としての役割を果たすことを第一と考えてまいりました。私なりに県内外各所に出向くなど多くの声や事柄を見聞きし、それを知事や関係部長等と共有し、もろもろの課題につきまして自由闊達な議論を行いながら、さまざまな施策の構築につなげてきたところであります。 その結果、例えば、「みやざき産業振興戦略」の核となります産学金労官による「企業成長促進プラットフォーム」の設置や、産業人財育成プログラム「ひなたMBA」の開設など、庁内はもちろんでありますが、官民が一体となって、各種の施策を立案し推進していく機運や体制が整ってきたと感じております。また、神話や神楽など本県の誇ります文化資産が県民に再認識され、県内外に広く発信していく足がかりを築くことができたというふうに思っております。こういったことなど、「くらしの豊かさ日本一」を目指す知事の補佐役としての務めを多少なりとも果たすことができたのではないかなと思っているところでございます。以上でございます。〔降壇〕 ◎副知事(内田欽也君) 〔登壇〕 お答えいたします。 4年間の実績についてであります。各種インフラの整備や産業振興などの取り組みを着実に進めるという私の役割を果たすため、これまで培ってきた知識や経験、ネットワークに加え、宮崎で築いた人脈も生かしながら、稲用副知事とともに知事を全力で支えてまいりました。こうした中、東九州道や港湾などのインフラ整備農業産出額の増加あるいはスポーツランドみやざきの盛り上がりなど、これまでの長年にわたる取り組みの成果が目に見えてあらわれてきたことを大変うれしく思っております。 また、私自身、入札契約制度の見直しや景観行政の推進、宮崎キャビアブランド確立、都市部の自治体、企業と連携した産業振興などにも携わることができました。私としては、宮崎県が未来に向かってさらに飛躍するための礎を築き上げる、その補佐役としての役割を一定程度果たすことができたのではないかと思っております。間もなく任期満了となりますが、最後までしっかりと、みずからの責務を果たしてまいりたいと存じます。以上であります。〔降壇〕 ◆(田口雄二議員) どうもありがとうございました。稲用副知事におかれましては、県庁からの登用ということもありまして、また別の意味のプレッシャーがあったかもしれません。しかし、うらやましいなと思ったのは、大変忙しい中にあっても歌集を出されるとか、そういうこともありまして、時間があれば、ひとつ4年間の思いを歌ってもらいたいところでしたが、きょうは遠慮させていただきます。 また、内田副知事におかれましても、先ほど、私、冒頭に言いましたが、県庁まで車でも来られるぐらい高速道路も進んでまいりましたし、北九州までつながりました。まだ県南地区のほうが残っておりますけれども、非常に高速道路が前進したことは、心から感謝申し上げたいと思っております。 思い出しますのは、ちょうど4年前のこの議場で、「所沢出身で宮崎は縁がないと思っていた。しかし、実は調べてみると、牧水のおじいさんの出身地が所沢であるということで、宮崎と縁があるんだということがわかった」と言われたことが思い出されました。そういう意味では、また今度は多分国土交通省に戻られるんでしょうけれども、引き続き宮崎のことはいつまでも思い続けていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、次の質問に入ります。次期副知事の人選について、知事にお伺いいたします。これまでどおりだとすると、県内からと中央からの副知事をお迎えすることになると思います。中央からは、自治省、総務省と続いていましたが、農水省からは牧元副知事、その後には国土交通省から内田副知事に来ていただいており、知事の御出身の総務省はお二人続けて外れています。農水省は口蹄疫からの復興・再生、国土交通省からは本県のおくれている高速道路を初めとする交通インフラ整備の促進を後押ししてもらいたいとの思いがあったものと思います。 新年度を迎えるに当たり、知事の政策を推進、サポートする、県内の自治体や各団体との調整等々、期待することはたくさんあると思います。次期副知事の人選について、河野知事はどのようにお考えか、何を期待しているのかお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 本県におきましては、人口減少問題や中山間地域対策の強化、さらには、成長産業育成加速化と新たな産業づくりなど、本県の未来を切り開く中長期的な視点に立った施策を引き続き推進し、未来志向の地方創生に積極的に取り組むこととしております。 このような中、2人の副知事には、知事を補佐し、また、職員の先頭に立って、さまざまな施策の推進に当たっての政策的な判断や主要なプロジェクトを企画立案する、さらには、関係団体、関係機関との調整に当たるという大変重要な役割を担っていただくことになります。 したがいまして、企画力や調整力はもちろん、県政全般を見渡せる広い視野と豊かな経験を有し、そういった能力・経験を最大限に生かしていただくとともに、何よりも宮崎県のため、県民のためということで、県政の推進に尽力するという気持ちを私と共有できる、そのような人がふさわしいというふうに考えております。 ◆(田口雄二議員) 成長産業育成加速化や新たな産業づくりなど、本県の未来を切り開く中長期的な視点に立った施策を推進するには、私個人としては、経済産業省あたりから来ていただいたら、企業立地等にもいいのかなと思っておりますが、それを今お聞きしても知事が答えられるわけありませんので、あえて聞きませんが、知事が今言われました、宮崎県のため、県民のために、県政の推進に尽力する方を御提案されるものと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 次に、国体の施設整備について伺います。現在、県有スポーツ施設が全て宮崎市内に存在する中で、2026年に本県で開催予定の2巡目国体の施設整備が検討されています。開会式などのメーン会場となる陸上競技場と体育館、プールの3施設ですが、昨日の質問で大まかな基本方針を伺いましたが、再度知事に、県有主要3施設についてどのような方向性で整備を進めていくのか、お伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 3つの県有主要体育施設の整備に当たりましては、国体や全国障害者スポーツ大会の円滑な開催はもちろんのこと、大会終了後も、スポーツランドみやざきの中核的な施設として、本県スポーツのさらなる発展や地域の活性化に結びつけていくことが重要であると考えております。現在、3つの県有主要体育施設整備候補地につきまして、そのような認識のもとで、機能性や安全性、将来性、さらには、建設費や維持費などの経済性も総合的に勘案しまして、それぞれ2カ所ずつを整備候補地としているところであります。 今後、財政負担をできるだけ抑えつつ、どの場所で、どのような整備を行うことが、こうした国体などの大会の成功とともに、本県の将来の地域振興により高い効果を与えることができるのかなど、県議会や関係市、競技団体等の御意見を伺いながら、丁寧に比較検討を行ってまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 県民共有の財産である県有スポーツ施設の均衡配備は、これまで大きな課題でありましたが、依然全ての施設は宮崎市内にあります。しかし、高速道路の整備も進んできたことにより、本県も時間距離の短縮が図られ、大規模な大会の分散開催も可能な状況になってきました。昨日の答弁では、体育館に関しては、宮崎市と延岡市の2カ所に絞り込まれたことをお聞きしました。各競技団体のヒアリングでも、さまざまな要因から、宮崎市内の整備が望ましいとの意見であることもお聞きしています。当然、今あるところで40年近く運用してきましたので、余り遠くに行きたくないというのはわかります。 宮崎市近辺を県央地区と言いますが、宮崎県は南北に長く、地図を2つに折りますとよくわかるのですが、真ん中は児湯郡あたりになります。つまり、スポーツ施設、またはそれ以外の県有施設も、本県の南に偏っています。県有体育館は1カ所だけしか考えられないのか、財政が厳しいことは承知しながら伺いますが、県有体育館スポーツ施設の均衡ある配置の面から2カ所に整備できないものか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 3つの主要体育施設のうち、体育館につきましては、例えば市町村でも非常に立派な施設ができているところでありまして、県の体育館とこういう市町村の体育館がどういう機能分担、役割分担をするのか、ここもしっかり見きわめていく必要があろうかと考えておりますが、厳しい財政状況を踏まえると、2カ所、県有施設で整備することは大変難しいのではないかと考えております。 ◆(田口雄二議員) 全ての県有スポーツ施設が宮崎市にあり、また一番財政力のある宮崎市が県と市の県内一すばらしい施設を2つずつ有しています。プロ野球の3チームがキャンプできるスタジアムが3つもあり、Jリーグのキャンプやプロ・アマの各スポーツ等々、一体何チーム来ているのかわからないほどです。 昨年、国体が実施された岩手県は、県庁所在地の盛岡市ではなく、北上市営の北上総合運動公園陸上競技場メーン会場として、国体の総合開会式及び陸上競技場として使用しています。そこで、体育館は、宮崎市と協議しながら、宮崎市営としてお願いできないものか、県有体育館は宮崎市以外にという選択はできないものか、御検討願いたいのですが。そこで、教育長に、県央部に体育館を建設するのであれば、地元自治体と協力しながら建設する考えはないか、お伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) 国体開催に向けた県有主要体育施設の整備につきましては、多額の費用が必要であり、県の厳しい財政状況を踏まえますと、国の補助金等の活用はもちろん、地元自治体や民間との連携・協力について、さまざまな方法を検討していく必要があると考えております。現在、体育館につきましては、宮崎市錦本町の県有グラウンド延岡市民体育館敷地整備候補地としておりますが、今後、地元自治体競技団体等の御意見を伺いながら、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 財政が厳しいのであれば、今ある施設の活用も考えるべきで、何も県有施設にこだわることはないのではないかと私は思います。 次に、国体関連の施設整備費用の確保は、現段階でどのような取り組みを行っているのか、総務部長に伺います。 ◎総務部長(桑山秀彦君) 国体関連施設の整備につきましては、現在、検討中でありますので、その整備費用を現時点で見込むことはできませんけれども、通常、施設整備に要する経費については、まずは国などの補助金や交付金を充てて、その残りの県費負担分について、県債の発行と一般財源で賄うということになります。 大規模施設の整備に必要な財源につきましては、県有施設維持整備基金を活用することになりますが、今後、国体関連施設の整備のほか、公共施設の老朽化対策にも多額の費用が見込まれますことから、長期的には基金の額が不足することも予想されます。こうしたことから、今議会に提出しております2月補正予算におきまして、歳出予算が減額となったことにより確保された一般財源のうち、40億円を基金に積み立てることとしております。この結果、平成29年度当初予算編成後の基金残高は232億円程度となる見込みでありますが、今後とも、さらなる積み増しを行っていく必要があると考えております。 ◆(田口雄二議員) 体育館を県内2カ所につくれるほどの基金の積み増しを、よろしくお願いいたします。 次に、県内就職率アップの政策を各部各課で検討していただいている中、2016年度の県庁職員採用試験の競争倍率が大幅にダウンしました。4.7倍となり、平成になって最低となり、採用が定員に達しなかった技術系職もいます。県職員は高い能力を持った高学歴集団であり、シンクタンクでもあります。その優秀な人材が民間でも県内にというのであれば、まだまだいいのですが、県外に流れていくのは問題です。県庁に魅力が感じられなくなったら、さらに問題ですが、競争倍率の今年度の状況を人事委員長にお伺いいたします。 ◎人事委員長(村社秀継君) 今年度の県職員採用試験は、お話にありましたように、大学卒業程度全体の競争倍率が4.7倍となっておりまして、平成以降では最低となっているところでございます。この要因には、少子化の中、民間企業の採用意欲が強く、選考時期が早まったことや、国や市町村との人材獲得面での競合等もあるものと思っているところでございます。このため、今年度から関係部局との検討会を設け、受験者の動向等を共有しながら、例えば大学での説明会や採用案内の作成など、関係部局にも啓発・広報の一翼を積極的に担っていただいているところであります。 加えて、特に倍率の低い土木や建築等いわゆP.82る技術系職種につきましては、来年度から大卒程度等の試験を、専門分野をより重視した受験しやすい内容に見直すとともに、若手職員が県庁を希望する学生等の相談に応じる仕組みを創設したところでございます。今後とも、関係部局と危機感を共有し、連携を一層強化しながら、県職員の仕事の魅力ややりがいを積極的に発信していくことにより、県の将来を担う優秀な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 引き続き、警察官の採用試験の状況と対策について、警察本部長にお伺いいたします。
    ◎警察本部長(野口泰君) 今年度の警察官採用試験にありましては、全体の競争倍率が4.4倍となっており、ここ5年間で1.5ポイント下がっております。特に、大学卒業もしくは卒業見込み者を対象とした男性警察官Aの受験者が5年間で約半分となるなど、非常に厳しい情勢であります。 このため、採用試験の受験資格を見直し、受験対象年齢を引き上げたり、来年度から身長・体重の基準を撤廃するほか、従来からの警察学校での体験就職説明会の開催や、県内外の大学、高校、専門学校に対する募集活動なども積極的に推進しているところであります。また、新たな取り組みとして、採用パンフレットの刷新や採用PR動画の制作など、若い世代に対する効果的な情報発信を行い、優秀な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 引き続き、教員採用試験の状況、そして対策について、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) 今年度の教員採用選考試験の競争倍率につきましては、全体で5.9倍となっておりまして、昨年度と比べて1.3ポイント下がっております。これは採用予定者数の増加が主な要因となっておりまして、ここ数年、志願者数に大きな変化はないところであります。 県教育委員会では、優秀な人材を採用するために、教員を志望する学生に対して、教員の職務を体験するスクールトライアル事業や、臨時的任用講師等を対象に、教員としての実践力を高める宮崎教師道場を開催しております。また、教員採用選考試験では、年齢制限を設けないスポーツの分野や他県現職教員等の特別選考試験などにも取り組んでいるところであります。 ◆(田口雄二議員) 教員採用の競争倍率はそれほど心配要らないようですが、県職員は技術系の人材が枯渇しないように御尽力をお願いいたします。 警察官に関しては、大卒関連が対象の男性警察官Aの受験者が5年間で半分になったというのは深刻です。今伺った警察学校での体験就職説明会の取り組みは平成20年からやっているようですので、その間に大きくダウンしています。対策を再構築しなければならないのではないかと思います。 それでは、知事に伺いますが、先ほど申しましたように、県庁はまさに県のシンクタンクでなければなりません。また、警察官には県民の安心・安全の提供が求められています。県庁や関係部局に人材が集まらなくなるようなことがあってはなりません。これらの状況をお聞きになっての、知事の職員採用の現状に対する認識と今後の人材確保に向けたお考えを伺います。 ◎知事(河野俊嗣君) 人材の確保は、県政の推進をしていく上で、その根幹にかかわる最も重要なテーマであるというふうに考えております。近年の採用試験における競争倍率の低下や技術職の採用予定数の確保が厳しい状況にあることにつきましては、担当部局からもたびたび状況を聞いているところでありますが、大変危惧しているところであります。 人口減少、グローバル化や危機事象への対応といった喫緊の課題を抱える中で、県政の推進に当たりましては、社会経済情勢の変化というものを的確に捉え、明確な目的意識を持って、困難な課題に積極果敢に挑戦する人材というものが必要不可欠であると考えております。特に県庁職員というのは、県庁という組織を運営することにとどまらず、県政全体の一つのコントロールタワーとして大変重要な役割を果たすわけでありまして、しっかりとした人材を確保してまいりたいと考えております。 今後とも、人事委員会や関係部局と連携を図りながら、より積極的な採用活動を展開しますとともに、職員が仕事に誇りや意欲を持ち、県政への貢献が実感できるような魅力ある職場づくりにも努める、これも大変重要であるというふうに考えておりまして、本県の将来、「みやざき新時代」を担う人材をしっかりと確保してまいりたいと考えております。 なお、今月5日には、平成30年度の採用に向けた就職ガイダンスを予定しておりまして、私自身もそこに出席し、直接その場で県の業務の魅力ややりがいについて、特に国家公務員を経験した中での地方自治体で働く意義、やりがいということをしっかりとアピールして、伝えてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 今、知事が言われました就職ガイダンスは、350名ほどの参加のようですが、知事自身が出席するのは初めてだとお聞きしました。それだけ危機感を持っていると理解していいのかなと思っています。しっかりとアピールをしてきていただきたいと思います。 次に、総合交通対策について質問いたします。 国道10号の土々呂地区の渋滞解消のためにつくられた延岡南道路が、利用料が高額なため利用者が少なく、本来の目的をかなえることができませんでした。平成2年の完成以来、値下げの要望を国に訴えてまいりましたが、なかなか応じてもらえませんでした。 九州中央3県議員連盟の本県の県北の議員団で要望に上京したところ、2月6日に石井啓一国土交通大臣より、思いがけない返事をいただきました。「状況を重く受けとめ、料金水準や区分を見直す方向で事務方に指示する」というものでした。もちろん、金額や時期が明確になっているわけではありませんが、本県の物流や観光、そして企業立地の面からも、大変大きな前進となりました。知事もこの値下げにはこれまで御尽力いただきましたが、国土交通大臣が延岡南道路の料金体系の見直しを指示したことについて、どのような感想をお持ちかお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 延岡南道路に関しましては、料金体系の見直しを含め、さまざまな課題を抱えており、これまでも、国への要望活動など取り組みを進めてきたところでありまして、このたび、国土交通大臣が料金水準や区分を見直す方向で指示されたことは、大変うれしく受けとめているところであります。 一方で、延岡南道路に関するさまざまな課題、料金の問題だけではない、ほかにも2つ重要な課題があるというふうに考えております。1点目が、周辺の住宅地に大型車が流入するなどのネットワーク上の課題でありまして、広域的な検討を国にお願いしているところであります。2点目は、生活道路における交通安全対策であります。県と延岡市が重点的に取り組むこととしております。 県としましては、引き続き、国や延岡市との連携を図りながら、延岡南道路とその周辺地域が抱えます、こうした課題解決に向けまして、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 実は、石井国土交通大臣に会う前に要望した道路局の幹部は、値下げにはかなり厳しいとの見解でしたので、やはり難しいのかなと思っておりましたが、ちょっと気持ちがなえかけていたときに、大臣からの「事務方への値下げの指示」という回答は、大変うれしく、喜びもひとしおでありました。長年にわたって御尽力いただきました関係者の皆さんに、心から感謝を申し上げます。 次の質問に入ります。JR九州が国鉄民営化30年目の昨年の10月に、東京証券取引所への上場を果たしました。JR6社のうち、東日本、西日本、東海に次いで4社目となります。しかし、これまでの3社とは大きな違いがあります。東海道新幹線や山手線などのドル箱がない、旅客部分が脆弱なJR九州の上場です。 JR九州はこれまで、不動産やホテル事業、農業、飲食等々の事業の多角化や海外戦略にも取り組み、鉄道以外の売り上げは6割以上になっています。株式上場は最終の目的ではなく、まさにこれからが正念場となります。コスト削減は待ったなしの状況となりました。九州内の567駅のうち、291駅が既に無人化されており、既に半数を超えており、さらに加速されることが予想されます。そして、11月議会で我が会派の太田議員が、4両編成特急のワンマン化を危惧する質問をいたしましたが、既にこの3月から実施することとなりました。 上場後は株主からの要望が強くなってくるのは当然で、事業の見直しを求められ、改善の見込みがないところは廃線という最悪の結論に至らないようにしなければなりません。来年度予算においても、「地域鉄道維持・活性化支援事業」が予定はされていますが、JR九州の株式上場を背景に、利用状況の厳しい県内の路線維持を図るため、一層の利用促進を図らなければなりませんが、その取り組みについて、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(永山英也君) 県内の鉄道は、地域の大切な交通手段であり、また、観光を初め地域産業を支える重要な基盤であります。これまでも、国やJR九州に対し、その維持・充実を官民挙げて要望するほか、利便性向上を図るため、JR九州が行います、例えば南宮崎駅や日向市駅等のバリアフリー化などを、関係自治体と連携して支援してきたところであります。 また、路線の維持のためには、何よりも「地域がみずから乗って残す」という活動を盛り上げ、利用促進を図っていくことが重要であります。日南線、吉都線については、沿線自治体で構成します利用促進協議会等の地域の活動を支援しております。日豊本線につきましても、今後、関係市・町と連携した取り組みの強化を検討してまいりたいと考えております。 さらに、JR九州におきましても、例えば日向―別府間で平成27年8月より新たに「割引きっぷ」を開始されたほか、焼酎列車を運行するなど、利用促進に取り組まれているところであります。今後とも、沿線自治体やJR九州としっかりと連携しまして、関係者で一緒に知恵を絞りながら、さらなる利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 路線廃止の件は、県内においては吉都線、日南線は大丈夫かと、まず頭に浮かびます。国鉄時代の妻線や高千穂線が廃止や第三セクター化された歴史もありますが、日豊本線ものんびりしてはいられないのではないでしょうか、心配です。南宮崎駅から都城間と延岡駅と佐伯駅間の利用者は極端に少なくなります。東九州道が整備されたことは大変ありがたいことですが、JRとの共存が難しくなりつつあります。延岡―佐伯間の東九州道と日南線と並行する現在建設中の東九州道は、ともに無料です。利用促進に向けて地元自治体と連携し、毎日が日曜日の時間とお金の余裕のある人が相互に行きたくなるような企画も、JR九州と協議していただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。 次に、宮崎空港は、羽田や大阪、福岡などの国内のハブ空港とつながる路線は充実していますが、地方路線が次々となくなりました。四国や中国地方へは直接行くことはできなくなりました。しかし、宮崎空港から、韓国のソウル、台湾の台北、そして香港の3つの海外とつながっています。これまでの福岡空港まで行ってという時代から比べると、大変便利になっています。 この海外航路は順調に推移してきたように見えますが、昨年の熊本地震で大きな影響が出てしまいました。熊本地震から時間もたち、復旧も進んでおり、少しずつ好転しているのではないかと思っています。東アジア戦略の面からも大変重要な宮崎空港を発着する海外路線と、LCC(ローコストキャリア)が就航している関西線の利用状況を、総合政策部長にお伺いいたします。 ◎総合政策部長(永山英也君) 宮崎空港の国際定期路線の利用状況につきましては、お話にありましたように、昨年4月の熊本地震後に、路線によりましては搭乗率が50%を切るなど、大変厳しい状況になりました。 このため、昨年9月議会において議決いただきました、グループ旅行支援やパスポート取得支援等の県民の利用促進事業、また、商工観光労働部と連携しまして、旅行会社とタイアップしたPRなど、インバウンド対策に積極的に取り組んでまいりました。その結果、昨年11月から1月までの3カ月間の平均搭乗率は、ソウル線が76.0%、台北線が70.5%、香港線が74.2%と、全路線とも改善が見られております。一方で、月ごとの変動も大きく、いまだ予断を許さない状況にあると認識しておりまして、今後ともしっかりと取り組んでまいります。 また、LCCが就航している関西線につきましては、平成27年8月の就航から現在までの搭乗率が83.4%と、堅調に推移していると考えております。 ◆(田口雄二議員) 国際定期路線は少しずつ回復してきているようです。LCCは高い搭乗率ではあります。しかし、もともと低価格でぎりぎりのところでやっているので、高い搭乗率は維持しなければなりません。 次の質問ですが、本県の国際化や東アジア戦略のためにも、航空路線の維持・充実は欠かせませんが、今後どのように取り組んでいくのか、総合政策部長にお伺いします。 ◎総合政策部長(永山英也君) 海外との交流を拡大し、本県経済の発展、国際化を推進するためには、国際航空ネットワークの維持・充実を図ることが極めて重要であります。このことから、国際定期路線を運航する各航空会社本社に対する路線の維持・充実についての働きかけや、アウトバウンド、インバウンド双方向での利用促進事業に取り組んでおります。 また、さまざまな交流の推進が必要でありますことから、県議会日台友好議員連盟や経済界の皆様など、多くの方々に御尽力をいただいているところであり、先般、その成果として、さらなる交流拡大に向けて、台湾の新竹県と本県との交流協定を締結したところであります。 また、海外からのさらなる誘客も視野に入れ、関西線に就航しているLCCの増便や、成田線へのLCCの誘致に向けて、航空会社等の本社を訪問し、強く働きかけを行っているところでございます。今後とも、各機関と連携し、利用促進事業や要望活動等、交流拡大に向けてしっかりと取り組みまして、路線の維持・充実に向けて働きかけてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) ありがとうございます。 本県の東九州道に関連して、明るいニュースが続いています。先ほどの延岡南道路の値下げ指示、そして今月の25日には門川南スマートインターチェンジの開通、川南パーキングエリア内に現在ガソリンスタンドを建設中で、秋ごろにセルフサービス方式でオープン予定です。また、川南パーキングエリアに隣接する町有地にレストランや物販施設などの設置を川南町が検討しているようです。国交省の高速道路の休憩施設を地域の核とするためのモデル箇所に、川南パーキングエリアが選定されました。地域の活性化につながる施設になってほしいものです。 そして、暫定2車線の安心・安全の課題であった反対車線への飛び出しの防止に、明るいニュースが入りました。国交省は、暫定2車線区間のセンターライン上にあるラバーポールにかわり、正面衝突事故を防止するためのワイヤロープを全国約100キロメートルに設置し、効果や課題を検証することになりました。 現在、高速道路は全国で9,322キロメートルあり、そのうちの2,538キロメートルが暫定2車線区間で、さらに1,700キロメートルがラバーポール区間です。県内でも大きな事故が発生するたびに、その対策が叫ばれてきました。昨日、設置区間に関しまして、NEXCO西日本からプレスリリースされ、報道されましたが、改めて、本県の暫定2車線区間におけるワイヤロープの試行設置はどのような状況になっているのか、県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 暫定2車線区間におけるワイヤロープの設置など、安全対策の充実につきましては、本県におきましても喫緊の課題であり、これまでも国への要望を重ねてきたところであります。このような中、昨年12月に、国土交通省が、命を守る緊急対策として、ラバーポールにかえてワイヤロープを試行設置することによる安全対策の検証を、ことしの春から行うことを発表されたところであります。 対象となる路線は、高速道路会社が管理する高速道路のうち、死亡事故の割合が高い東九州自動車道など、全国で12路線が選定されたところであり、本県区間におきましては、門川インターチェンジ―日向インターチェンジ間の3キロメートル、西都インターチェンジ―宮崎西インターチェンジ間の8.6キロメートルにおいて、4月から順次設置を開始する予定であることが、昨日、西日本高速道路株式会社から発表されたところであります。 ◆(田口雄二議員) 県内で11.6キロが設置されることとなりましたので、非常に喜ばしいことだと思っておりますが、実は、私たちの会派は昨年、北海道に調査で伺い、道央自動車道を利用したとき、このワイヤロープを拝見しました。このワイヤロープの見た目は、かなり細いワイヤでできており、支えるポールも一見貧弱そうに見えますが、うまくガードしてくれるのか不安になります。このワイヤロープの試行設置により、正面衝突事故を防止することが期待できるのか、県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) ワイヤロープは、中央分離帯のない2車線道路の正面衝突事故対策として開発されたものでありまして、御質問にありましたが、北海道の道央自動車道など、中央帯の幅員が十分確保されている2車線区間において、平成24年度からワイヤロープの試行設置が行われたところであります。その結果、これまでに3件の接触事故がありましたが、いずれも反対車線への飛び出し等はなかったとお聞きしております。県としましては、正面衝突事故の防止につながるものではないかと期待しているところであります。 しかしながら、今回の試行設置は、東九州自動車道などの暫定2車線区間を対象としておりまして、道央自動車道よりも狭い幅員の中で実施することになるため、試行設置後は、正面衝突事故の防止効果はもちろん、走行性、維持管理、非常時の緊急対応など、多面的な検証が必要であると伺っております。 ◆(田口雄二議員) 見た目以上にブロック力があることがわかりました。ありがとうございます。ただ、これは、トンネル内や橋梁内はさらに幅員が狭くなるようで、まだまだ改良の余地があるようです。実証実験のデータを積み重ねて、暫定2車線全域に設置していただき、安全性を高めるようにお願いしたいものです。 次に、県内の重要港湾3港に関して伺います。17万トン級のクルーズ船がたびたび入港して、大量の観光客が下船してバスで繰り出すシーンがニュースで流される油津港、重点港湾に指定され、新たな防波堤が設置され、また2基目のガントリークレーンも設置され、コンテナとばら積みのバルク貨物のすみ分けの基盤整備も進み、利便性が向上している細島港等々、重要港湾の整備が進んでいます。そこで、県内の重要港湾3港の県が実施する主な整備について、現状と今後の取り組みを、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) まず、細島港でありますが、船舶の安全な航行の確保や、津波に対する粘り強い構造とするための防波堤の整備などに取り組んでいるところであります。今後は、昨年度改定しました港湾計画に基づく施設の早期事業化にも取り組んでまいりたいと考えております。 次に、宮崎港では、津波発生時に利用者が避難するための高台を今年度、東地区に2カ所完成させ、一ツ葉地区におきましても、平成30年度までに1カ所整備することとしております。 油津港では、今年度、東地区の防波堤が完成いたしますが、大規模地震に対応するため、同地区の第10号岸壁の耐震化に着手したところであります。また、22万トン級クルーズ船の受け入れについても取り組んでまいりたいと考えております。 今後とも、これら3つの重要港湾が、安全で利便性が高く、地域活性化に貢献できるよう、より一層の機能充実に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆(田口雄二議員) 利便性や安全性も高まって、それぞれ使い勝手のいい港になりつつありますが、重要港湾3港の平成27年の取扱貨物の状況について、県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 平成27年の各港湾の取扱貨物の状況でありますが、細島港におきましては、取扱貨物量は約430万トンで、主な品目といたしましては、港湾背後の企業で使用される金属鉱、石炭、化学工業品などが取り扱われております。 宮崎港におきましては、取扱貨物量は約730万トンで、その約75%はフェリー貨物が占めまして、主なものは農畜産物となっております。 油津港におきましては、取扱貨物量は約160万トンで、主に製紙会社の木材チップや紙製品などが取り扱われております。 ◆(田口雄二議員) 量的にはいずれも横ばいのようですが、港の利便性がさらによくなれば、取扱貨物もふえてくるものと期待いたします。 次に、クルーズ船について伺います。2015年の中国の皆さんは、日本人の総数と変わらぬ約1億2,000万人が海外に出かけ、約24兆円近くを海外で使ったようです。さすがに爆買いはその後、少なくなりつつありますが、海外への熱は依然高いようです。その中でもクルーズ船の人気は非常に高いようで、家族連れや高齢者も、のんびりと海外を楽しめる手段として選択されているようです。日本では、クルーズ船といえば、クイーン・エリザベス2世号の豪華な旅を想像したりしますが、中国では、飛行機で日本に来るより、クルーズ船だと約半額で来られる格安な旅になるようです。 ここに来て、中国国内の経済の低迷から、さらに格安で近場をクルーズ船で海外へという需要が高まっているようです。中国国内にクルーズ船の拠点が続々誕生しており、西欧の企業も参入し、かなり過熱してきています。今後、日本への寄港もかなり増加してくるのではないかと想像されます。本県におけるクルーズ船の最近の寄港実績と本年の見通しについて、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) 本県におけるクルーズ船の平成28年の寄港実績につきましては、細島港、宮崎港、油津港の3港で合わせて30回であり、このうち21回は、外国の船会社が運航するクルーズ船となっております。 ことしの見通しといたしましては、昨年と同程度の寄港回数になると考えておりますが、これまでほとんど寄港実績のなかった欧米の富裕層をターゲットとしたクルーズ船の予約も入ってきておりますので、今後、客層や周遊先などに広がりが出てくるのではないかと期待しているところでございます。 ◆(田口雄二議員) 油津港と細島港は、工業港ですので当然ですが、貨物の取り扱いが優先されます。ただ、先ほどの油津港の整備の件では、22万トン級のクルーズ船の受け入れにも取り組みたいと県土整備部長が答えられましたが、早々に取り組んでいただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。 次に、医療福祉行政について質問いたします。 日本産婦人科医会は、昨年の1月時点で、産婦人科医が、全国で前年より22名減って1万1,461名になったと公表しています。前年より医師数が減少するのは2009年以来で、産婦人科医を希望する新人医師が減少していることが要因と、日本産婦人科医会は分析しています。 本県でも、もともと医師の偏在で大変厳しい医療環境のところが多く存在していますが、先日は、小林市で産婦人科医が一人もいなくなったことが報道されていました。出産等は時間が不規則で、拘束時間も長時間にわたり、医療訴訟も多く、また少子化で経営の面からも敬遠されがちになっています。 宮崎市夜間急病センターの小児科を運営する宮崎市郡医師会が、2020年度を最後に午後11時から翌朝までの深夜帯の運営を撤退の意向を伝える報道を、先日拝見しました。他の地域から見るとうらやましいような医療環境の県央部でも、小児科医の高齢化が進み、当直体制が維持できなくなってきていることが原因です。そこで、本県の産婦人科医と小児科医の現状とその確保の取り組みについて、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 2年に一度行われます国の医師等の調査によりますと、平成26年12月末現在で、本県の産科医数は106人となっておりまして、10年前の平成16年の124人と比較すると、18人減少となっております。また、人口10万人当たりで見ますと、本県9.5人ということになっておりまして、全国の8.7人を上回っているものの、その差は年々縮小してきております。また、小児科医の数は132人となっておりまして、10年前の平成16年の129人と比較すると、3人増加しておりますが、これも人口10万人当たりで見ると、11.8人となっておりまして、全国の13.8人を下回るなど、厳しい状況にあります。 このため、県におきましては、医師修学資金貸与制度における返還免除の対象診療科に産科や小児科を含めるとともに、産科医の処遇改善策といたしまして、分娩を取り扱う医療機関への分娩手当の一部助成や、小児科専門医を目指す―若い医師ですが―後期研修医への研修資金の貸与を行っているところであります。 また、関係市町村と構成いたします医師確保対策推進協議会におきましては、日本産科・婦人科学会や日本小児科学会等へのブース出展等を行いまして、県外からの医師招聘に努めているところであります。 ◆(田口雄二議員) 産科医は全国平均を上回っているようですが、減少しております。小児科医は若干増加していますが、全国平均を下回っています。高齢化も進み、小児夜間救急体制を維持することが厳しくなる地域が出てきています。また、小児科医は女性の比率が高く、出産や育児等で現場を離れなくてはならないことが多く、実際にはもっと厳しい状況ではないかと想像されます。さらなる医師確保に御尽力をよろしくお願いいたします。 次に、同じく本県の医療現場の看護師の現状とその確保のための取り組みについて、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 看護師等の現状でございます。平成26年12月末現在で、県内で業務に従事している看護師数は1万2,865人で、人口10万人当たりでは全国7位、また、准看護師数は6,774人で全国2位となっておりますが、それでも医療機関におきましては、育児休業等の代替看護師の確保が困難な例も多いと聞いているところであります。 このため県では、新卒看護師の県内定着を図るため、看護学生への修学資金の貸与や、看護師等養成所に対する県内就職率に応じた運営支援を行うほか、病院内保育所の運営支援や潜在看護師の復職支援等を行っているところでございますけれども、今後とも、看護師の確保・定着に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 私の認識違いで、看護師も厳しい状況を想定していましたが、それよりはいい内容でございました。ただ、看護師も医師同様に偏在が問題です。今議会に提案されている県立看護大学の中期目標では、平成25年度から27年度の県内就職率が40.8%であるのを、平成35年度までに毎年度50%の数値目標が掲げられています。高い能力を持った看護師の確保を、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、高齢化が進み、全国的に救急出動が増加し続けており、各消防局はその対応に追われています。本県においては、西臼杵に一昨年4月に救急体制が新設されるなど明るい話題はありましたが、救急出動が増加しているのではないかと思われます。本県における救急出動件数と救急搬送の傷病程度の状況を、危機管理統括監にお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(畑山栄介君) 本県の救急出動件数でございますが、増加傾向にありまして、平成27年は過去最多の4万4,089件となっております。これを5年前の平成22年と比較しますと、5,239件、13.5%の増となっております。 また、平成27年の救急搬送における傷病程度の状況につきましては、搬送された傷病者の初診時の診断による区分でございますが、3週間以上の入院加療を必要とする重症が19.1%、入院を必要とするもので重症に至らない中等症が41.1%、入院加療を必要としない軽症が37.7%となっており、近年は同様の傾向にあります。 ◆(田口雄二議員) 平成27年で過去最多で、5年間で5,200件以上も増加、そのうち4割弱が軽症であるということです。タクシーがわりに呼んでいるとよく言われたりもしますが、高齢者が頼る人もなく、不安になって119番通報をしていることも予想されます。 ここで全国的に問題になっているのが、119番通報で出動した救急車が誰も運ばずに引き返す不搬送が激増していることです。救急隊員の応急手当てで済んだ現場処置は2割近くですが、搬送拒否が3割以上もあるようです。救急車は限られた台数で運用しており、本当に重症で救急搬送が必要な人に支障が出ては困ります。本県における救急出動での不搬送件数の状況とその要因について、危機管理統括監に伺います。 ◎危機管理統括監(畑山栄介君) 本県の救急出動での不搬送につきましては、平成27年で4,483件と、出動件数全体の10.2%を占めております。また、平成23年から27年までの5年間で見ましても、4,400件前後で推移しており、全体に占める割合も10%程度となっております。 次に、不搬送の理由で多いものですが、救急隊の応急処置により搬送に至らなかったものが43.4%、救急隊到着時に死亡していたものが16.3%、通報はあったが、現場で本人またはその家族等が搬送を拒否したものが13%、傷病の程度が軽く、緊急に搬送する必要がなかったものが12.4%となっております。 ◆(田口雄二議員) 本県は、救急車での不搬送は横ばいのようですが、それでも1割の4,400件近くが不搬送です。救急車は限られた台数で運用しており、本当に重症で救急搬送が必要な人に支障が出ては困ります。以前から、海外では多くの国で実施されている救急車の有料化を、本当に検討していかなければならない状況になりつつあるのではないかと思っております。 同じ救急の世界のドクターヘリについて伺います。全国で29番目、34機目として平成24年4月18日に導入され、間もなく5年を迎えようとしています。救命救急医療の場面や医療格差の是正に大きく貢献していただいております。私が住んでいます延岡市においても、よく県立延岡病院の救命救急センターのヘリポートに飛来し、患者を搬送する状況を見て、いつも頼もしく思っているところです。意外に身近な人から、「この前、ドクターヘリにお世話になった。おかげで助かった」と、感謝の言葉を言われたりしております。最近のドクターヘリの運航状況と県内各地の出動状況について、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) ドクターヘリの運航状況についてでありますが、平成26年度が470件、平成27年度が473件と、ほぼ横ばいで推移しております。また、県内各地への出動状況につきましては、平成27年度の出動件数473件のうち、県央地域が139件、県北地域が135件、県西地域が126件、県南地域が73件となっております。 ◆(田口雄二議員) ここのところの出動は470件ほどで横ばいですが、県内各地にくまなく出動しているようです。 次に、ドクターヘリの補完的役割を担うドクターカーについて伺います。平成26年4月に県立宮崎病院と宮崎大学附属病院、また都城市郡医師会病院が平成17年6月からドクターカーを導入しています。都城市郡医師会病院においては、10年以上の歴史があり、平成25年4月からは24時間体制で運用しています。医師と看護師等の医療チームが、救急現場に一刻も早く駆けつけ、治療を開始することで、傷病者の救命率を向上させることがドクターカーの目的です。昨年度のドクターカーの運行状況について、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 医師、看護師等が同乗して、医療機関搬送前の現場へ直接出動するドクターカーでございますが、県立宮崎病院、宮崎大学医学部附属病院、都城市郡医師会病院の3つの病院で運行されております。昨年度の運行状況につきましては、平日の日中、宮崎市消防局管内で活動します県立宮崎病院が566件、ドクターヘリの補完として夜間23時まで県内全域で活動する宮崎大学医学部附属病院が173件、24時間365日、主に都城市消防局及び大隅曽於地区消防本部管内で活動します都城市郡医師会病院が277件となっております。 ◆(田口雄二議員) 県立宮崎病院は、平日の日中だけの運行で566件ですから、1日平均2回以上出動していることになります。救急救命の世界には、現場に医師が到着し治療を始めるまでの理想的な時間として、15分ルールというものがあります。15分を過ぎると救命率が格段に下がると言われております。 ドクターヘリが現在運航され、県内全域をカバーしていますが、15分以内に駆けつけられないところが多く存在しています。ドクターヘリがもう1機あれば、かなりの部分がカバーできるのですが、年間経費を考えれば、すぐに導入をと要望しても厳しい答えになるでしょう。そこで、ドクターカーであれば、救急救命で取り残されている地域に手が差し伸べられるのではないかと思いますが、県立宮崎病院のドクターカーに要する費用について、病院局長にお伺いします。 ◎病院局長(土持正弘君) 県立宮崎病院のドクターカーに要する費用につきましては、初期の導入費用といたしまして、赤色灯や消防無線を搭載した車両の購入に約550万円、除細動器やエコーなどの医療機器の整備に約550万円、合わせまして約1,100万円を支出しております。また、運営費用につきましては、宮崎市消防局から派遣のドライバー、それから燃料及び点検・修理等に要する経費といたしまして、年間約730万円を支出しているところでございます。 ◆(田口雄二議員) ドクターカーの初期導入の車両費用が1,100万円、年間経費が730万円です。車両は一旦導入すれば複数年使えますので、年間経費が730万円ほどであれば何とかなりそうな気もしますが、ドクターカーについて、県立延岡病院と日南病院に導入はできないか、病院局長に伺います。 ◎病院局長(土持正弘君) ドクターカーの導入につきましては、患者の救命率のさらなる向上を図る上から導入が望まれるところでございますが、延岡病院並びに日南病院の医師が十分充足されていない現状では、早期に導入することは難しい状況にあります。今後とも、救急専門医等の医師確保に引き続き努力してまいる所存でございますが、その中でドクターカーの導入についても検討していくことになろうかと考えております。 ◆(田口雄二議員) またしても医師不足に行き着くわけですが、これが難しい課題です。救命救急医療の格差是正のために、引き続き医師確保に御尽力をよろしくお願いいたします。 次に、自殺対策について伺います。この自殺は、1998年から14年連続で3万人を超え、国家的な損失にもつながり、この対策が大きなテーマでした。国も防止対策を講じたことにより、2009年より急速に減少し、2012年に3万人を切り、その後も成果があらわれ続けています。昨年は7年連続の減少で、全国で2万1,764人となり、前年より2,261人減少し、減少率も9.4%と大幅な改善が見られ、間もなく2万人を切ることが可能な状況になってきました。 ただ、のんびりとしておおらかな県民性の宮崎県にとって、想像つかないほど自殺率が高く、いつも全国の上位を占めており、その対策が急務となっていますが、本県の昨年の自殺の状況はどうであったのか、福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 本県の自殺者数は、ここ数年、減少傾向にございまして、警察庁の自殺統計の速報値によりますと、平成28年の本県の自殺者数は220人と、前年と比べますと53人減少しております。また、人口10万人当たりの自殺者数である自殺死亡率では19.9人と、前年と比べて4.8人減少しておりまして、都道府県別順位で見ましても、前年の全国ワースト4位からワースト10位へと改善されたところでございます。 ◆(田口雄二議員) 自殺が一番多かったときが、本県では平成19年の394人と聞いています。そういう意味では、非常に大きく改善されてきていると思いますが、さらに御尽力を願いたいと思います。 自殺防止計画の策定を義務づけた改正自殺対策基本法が、昨年4月に施行されました。県は、平成29年度から32年度までの第3期自殺対策行動計画に基づき、どのような取り組みを進めていくのか、福祉保健部長にお伺いします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 宮崎県自殺対策行動計画の第3期計画では、最新の自殺の傾向や県民意識調査等の結果を踏まえまして、働き盛り世代の男性や高齢者層に対する支援、そして、うつ病の早期発見・早期治療の促進等の6つの重点施策を掲げております。今後、この計画に基づきまして、医療や相談機関との接点の少ない働き盛り世代の男性に対するインターネットでの情報発信や、いわゆる茶飲み場等の高齢者の居場所づくりを強化するとともに、小林保健所管内で先行して実施しまして、一定の成果が見られております「かかりつけ医による精神科医紹介システム」の実施地域の拡大等を着実に進めてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 自殺対策の大きな課題は、自殺未遂者の自殺が実に多い。この対策が進めば自殺をかなり抑えることができます。自殺未遂者が再度自殺を図ることを防ぐための取り組みについて、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 警察庁の自殺統計によりますと、平成27年の本県の自殺者の4人に1人が過去に未遂歴を有しておりまして、自殺未遂は、自殺に至る最大のハイリスク要因と考えております。県では、このような状況を踏まえ、平成28年1月から、延岡保健所管内で、自殺未遂者が搬送された救急医療機関に精神保健福祉士等を派遣しまして、適切な精神科医療機関の受診につなげる支援体制をモデル的に運営しており、約1年間で14件の症例に対する支援を行ったところであります。 自殺未遂者の支援につきましては、宮崎県自殺対策行動計画の第3期計画におきましても、重点施策の一つに位置づけておりまして、今後とも、自殺未遂者が再度自殺を図ることを防いでいくため、県内の救急医療機関や精神科医療機関等との連携体制の構築に努めてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 本県では、自殺の4人に1人が未遂の経験者ということでございますが、延岡保健所等の取り組みで経験を積んで、県全体として防止策を構築していただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、県立宮崎病院建てかえについて伺います。 2018年度に着工を予定していた県立宮崎病院の建てかえ事業費が、2017年度当初予算案に盛り込まれず、見送られました。このことにより、病院建設への着工は大きくおくれることとなり、2021年の開設予定も難しくなりました。これは、2015年3月の基本構想で185億円であった事業見込みが、医療機器を含めると390億円に大きく膨らんだことです。基本構想時の建設費の中には医療機器の経費が入っていなかったとはいえ、余りの増大ぶりにはあきれるばかりです。まず、県民に対して説明責任もありますので、改めて、県立宮崎病院の再整備の事業費はなぜこれほどまでに大幅に増加したのか、病院局長に伺います。 ◎病院局長(土持正弘君) 基本構想策定時における事業費につきましては、建設費を約165億円、これに関連経費を合わせ、合計185億円といたしておりました。この建設費につきましては、当時把握できておりました平成23年から25年に着工した同規模の公的病院の建築事例を参考に、物価上昇等も見込んで、1平米当たりの単価を37万円と想定し、算定したものでございます。これに対しまして、昨年10月の基本設計完了時において、建設費は約271億円で、建物の1平米当たりの単価は53万6,000円となり、これに関連経費を含めた事業費は約306億円となったところであります。 大幅な増加となった理由といたしましては、東日本大震災からの復興事業や東京オリンピック開催決定に伴う建設需要の高まりにより、人件費や資材費などの建設費が想定以上に高騰していたことが大きな要因となっておりますほか、基本設計において将来にわたり対応できる施設整備の検討を進めた結果、基本構想時より床面積が約3,600平米増加したこと、大規模災害時にも継続して安定した医療を提供するため、敷地のかさ上げや液状化対策に要する費用が必要になったことなどが要因となっているところであります。 ◆(田口雄二議員) 2015年の3月の基本構想の時点で、既に東日本大震災と東京オリンピックによる人件費や資材費は高騰していましたし、震災後ですので、災害対策も当然必要であったにもかかわらず、1平米当たりの建設費が37万円と想定しました。余りにも安易な算定で、このときの見積もりが低過ぎたと思います。ほぼ時を同じくして計画が進んでいる県の防災拠点庁舎も、建設費が同様の理由でアップしましたが、県病院の事業費とはレベルが違います。 今回改めて算定した建設費は、1平米当たり約54万円となりましたが、これは以前建設された県立延岡病院が約61万円、日南病院が59万円でございますので、この2つよりも低くなっています。ということは、今回出された建設費は、華美な部分は全くなく、余り大きく削れるところもないのかもしれません。大幅な事業費増にもかかわらず、また建設から30数年しかたっていないのに、耐震基準も満たしている現病院の再整備をなぜ急がなければならないのか、病院局長に伺います。 ◎病院局長(土持正弘君) 県立宮崎病院につきましては、昭和58年に全面改築して以来、約33年を経過し、医療技術の進展等に伴い、救命救急センターや手術室、集中治療室等の狭隘化が進んでいますほか、排水管等からの水漏れなど施設の老朽化も進んでおりまして、診療活動に支障を来している状況があります。 救命救急センターにつきましては、年間約7,000件もの救急患者を受け入れておりますが、初療室が不足しているため、受け入れできなかった件数が昨年度で300件を超えており、また、手術室につきましても、施設の不足により、毎月300件を超す手術待ちが発生している状況となっているところでございます。 さらに、県の中心的な役割を果たします基幹災害拠点病院として、巨大地震等の大規模災害に対応する施設整備が十分ではないことから、災害発生に備えた免震構造の採用や専用ヘリポートの設置、浸水対策などの機能強化が必要な状況となっております。これらの問題を解決するため、早急な再整備が必要と考えているところでございます。 ◆(田口雄二議員) 今回の件に関しましては、安易な事業費の出し方であったとはいえ、県民の生命と健康を託す施設です。年間300名を超える救急患者を初療室が不足のため受け入れられない、手術室の不足により毎月300件を超す手術を待っている患者がいる状況は、一刻も早く改善しなければなりません。 現在の病院は、耐震基準を満たしているとはいえ、免震構造ではないため、建物が地震に耐えても、高額な医療機器が損傷して、機能停止することも考えられます。免震構造の熊本大学病院は、昨年の熊本地震でもほとんど揺れず、地震に気づかなかった入院患者もいたそうです。県民の安心・安全で高度な医療の提供が、県立宮崎病院の使命です。削減できるところは徹底的に行うことは当然といたしまして、一刻も早く病院建設を進めるべきと、我が会派は考えています。 また、移転という話もありますが、宮崎西インターチェンジ付近は、既に宮崎市郡医師会の移転も予定されており、拠点病院を2つもそろえる必要はありません。逆に、宮崎県民から「移転に待った」の声が上がる可能性もあります。今の場所に建設することがベストと考えています。仮に移転するとなると、順調にいっても10年もかかるのでは、一刻も早い救急医療の提供の面からも本末転倒です。また、今回は大幅な建設費の増大が問題になっておりますが、移転ではさらに大きな建設費が予想されます。 厚生常任委員会の審議の際、県立宮崎病院の菊池院長より、医療現場サイドからの現状をお聞きしました。院長先生が昭和63年に建設されて日も浅い宮崎病院に赴任したころと、現在の医療は大きく変化したようです。手術室、病室においても多数の医療機器を使用するようになり、大変手狭になってしまいました。このことは、昨年の暮れ、私の長男が突然の内臓疾患で延岡病院に20日間ほどお世話になった際、実感いたしました。延岡病院は、宮崎病院より新しく、病室は広いのですが、ベッドの両サイドに医療機器がずらりと並び、その間を看護師が縫うように移動しながら医療機器を調整したりしていました。医療スタッフの働きやすさも考慮しなければなりません。 また、今回の再整備には、医療スタッフの2年にわたる、よりよい医療提供へのさまざまな思いが込められています。医療スタッフのモチベーションが下がっては、県民にとりましても大きなマイナスになります。 それと、院長先生より、PET(陽電子放射断層撮影)や、今話題の手術ロボット「ダビンチ」の設置の要望もありましたが、高額であるため、今回は不採用としたと報告がありました。これはいかがなものか、県民のために必要な医療機器であるならば、遠慮してはいけないと私は思います。来年度事業である県立病院経営改善事業の効果も見込めるのであれば、本当に必要な機器については導入していくべきと考えますが、病院局長の見解を伺います。 ◎病院局長(土持正弘君) 現在想定しています医療機器購入費につきましては、各診療科の要望をもとにした最大の概算費用でありますので、今後、診療機能に応じた機種の選定や購入時期の調整など、病院内の専門委員会において詳細な検討を行い、可能な限り費用の圧縮を図ることとしております。 しかしながら、議員御指摘のとおり、高度急性期医療を担う全県レベルの中核病院としての役割を考慮した上で、必要があると思われる医療機器については、経営改善効果や医療機能上の必要性を検討の上、導入を進めてまいりたいと考えているところであります。 ◆(田口雄二議員) 昨年、常任委員会の県外視察で、沖縄県の南部徳洲会病院を調査しました。完成したばかりの最新の医療機器をそろえた総合病院でした。ここは、手術ロボット「ダビンチ」が導入されていました。私がそのとき、「ダビンチは最新の医療機器提供でもあるが、医師確保のことも考えてか」と質問いたしますと、「そのとおりです」と、事務長は即答されました。最新医療の提供と医師確保の面からも、導入を御検討いただきたいと思います。 次に、県土整備行政について質問いたします。 昨年9月の台風16号で、北川町の川坂地区では、北川本流が増水時に、堤防の下の川砂利層を水が通り抜け、田畑から噴き出すパイピング現象が起き、大小の穴が多数見つかりました。一昨年の鬼怒川の堤防決壊の要因の一つとも言われています。本県は多数の河川を擁し、台風がよく襲来するところです。最近のゲリラ豪雨等、水害対策が課題です。私の11月議会のパイピング対策の質問に、国の災害査定を受けて実施すると答弁をいただきました。その後、台風16号により発生した北川のパイピング現象の対策工事の概要について、県土整備部長に伺います。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 北川では、御質問がありましたように、台風16号の豪雨による河川の水位上昇により、川の水が堤防の地下を通り、田畑の表面に土砂とともに噴き出すパイピング現象が確認されましたことから、昨年12月に災害復旧事業として国の査定を受けまして、事業費約4億円で採択されたところであります。 対策工事の概要としましては、川の水が堤防の地下を通りにくくするために、長さ14.5メートルの鋼製の矢板を、堤防沿いの約520メートル区間において、連続して打ち込むこととしております。現在、現場内の伐採などの準備工事に着手しており、7月までの完成を予定しているところでありますが、地域の皆様方の安全・安心を確保するため、一日も早い完成に努めてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 工事も7月までで、台風シーズンまでには完了するようですが、話を聞きまして、矢板の長さが15メートルもあることには非常に驚きました。場所によっても長さが違うらしいんですが、先ほども申しましたように、本県は多くの河川を有しており、このパイピング現象はどこで起こってもおかしくありません。日ごろからの河川管理には怠りないように、よろしくお願いいたします。 次に、農政水産行政について何点か質問いたします。 昨年質問したときには、その直後に特A取得のニュースが飛び込んできました。今回は、2年連続特A取得の手応え等を含む質問のやりとりをしている最中に、残念な報告が届きました。再チャレンジへの期待を込めて質問いたします。 日本穀物検定協会による米の食味ランキングの最上位「特A」をこれまで一度も得ることができなかった青森県の、奇抜なネーミングでも話題になった「青天の霹靂」が、マスコミにも大きく取り上げられて、売り切れ続出等がちょっとしたニュースになりました。本県においても、この特A取得に向けて、県や地元関係者が一体となって取り組んだ結果、2015年えびの産米ヒノヒカリが昨年、見事特Aに輝きました。取得直後は話題になりましたし、県議会でも試食をさせていただきました。えびの産米ヒノヒカリが特Aを取得しての特A効果はどうであったのか、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 特Aの取得につきましては、本県初の米のブランドである「宮崎特選米」の立ち上げにつながり、認定産地であるJAえびの市におきましては、宮崎特選米は、通常商品より3割高い価格で販売が行われているところであります。また、JAえびの市全体でも、前年と比較し、販売数量が107%、販売金額が118%となるなど、販売促進の効果が認められております。 さらに、生産現場では、これまで地域が一つになって懸命に取り組んできた「うまい米づくり」への挑戦が実を結んだということで、米づくりへの自信と誇りが醸成されるとともに、県内他産地においても、特A取得に向けた機運が高まるなど、生産者の意欲向上につながっているところであります。 ◆(田口雄二議員) 特A効果で3割高い値段で売れたということですが、新たなブランド「宮崎特選米」は引き続き取り扱えるようですが、この特Aは、毎年チャレンジしてとり続けなければ、ブランドとしても定着しません。平成28年産が今回、特Aをとれなかった要因は、どのようなことが考えられるのか、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 平成28年産の米の食味ランキングにおきましては、2年連続の特A取得を目指し、生産者及び関係機関・団体が一体となって、懸命な努力を行ってきたところでございますけれども、今回、特Aが取得できなかったことは、非常に残念な結果であると受けとめております。この要因につきましては、昨年8月下旬の、稲穂が出た後の一時的な日照不足や、9月中旬から10月上旬にかけての異常高温など、「うまい米づくり」を推進する上では大変厳しい気象条件が重なったことが、米の食味に影響を与えたものと考えております。 ◆(田口雄二議員) 農業は、日照時間や気温等の天候とつき合いながらの栽培になるので、難しいのはわかりますが、同様の条件でやっている他地区では、連続して特Aをとり続けているところもあります。さらに対策を考えていただきたいところです。平成29年産米での特A取得に向け、どのように取り組んでいくのか、農政水産部長に再度伺います。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 県では、これまで「宮崎米特A取得対策会議」を核に、土壌診断に基づく土づくりや適切な水管理など、食味向上に向けた栽培管理の強化を行うとともに、新たに作成した「特A出品マニュアル」に基づく適期収穫や二段乾燥の実施など、香りやかたさの改善に向けた取り組みを進めてきたところであります。 今後の取り組みにつきましては、日本穀物検定協会から改めて評価の詳細についての御意見を伺うなど、要因分析を十分に行った上で、気象変動に強い米づくりを目指し、田植え時期の見直しや高温時の肥料散布方法の改善など、具体的な検討を早急に進めてまいります。 また、何より、農業者のやる気と関係機関・団体との連携が大切でありますので、産地の皆さんとも十分意見交換を行いながら、「来年は必ず特Aをとる」との意気込みのもと、関係者一丸となって特A取得の挑戦を続けてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 力強い決意表明だったようにも聞こえますけれども、関係団体としっかりと連携をしながら、再び特Aを取得して地域が活性化するように、よろしくお願いいたします。 次に、宮崎の亜熱帯植物といえばマンゴーと言われるほどに有名になりました。特に売り出したころは、元知事のPRもあり、高級果物の代名詞のようになりました。当時は、余りにも高価格で、県民の口にはなかなか入りませんでしたが、最近は、スーパー等でもかなり安く手に入れることができるようになってきました。ただ、驚くのは、沖縄、鹿児島、熊本など他県に行くと、マンゴーが化粧箱に入って、いい値段で売られているなど、産地がかなり広範囲になってきたことです。 そんな中、キンカンやミニトマト、アボカド、パパイヤ、ライチ、ほかにも余りなじみがなく名前も知らないような果物が、空港の売店などに並び始めました。どれが本県のブランド確立に有望なのかよくわかりません。しかし、産地化していくには、本県の気候特性に合い、栽培がしやすく、経費がそれほどかからず、また市場がどんなものを求めているか等々、幾つかの要因があると思います。マンゴーに続く本県の有望な品目について、どのように考えているのか、農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) マンゴーに続く亜熱帯果樹の新たな品目につきましては、平成17年度より海外調査等を行い、外観、食味、市場性、経済性、本県での適応性などを検討した結果、ライチが最も有望であると判断し、積極的な産地化に取り組んでいるところであります。平成22年度には、生産農家で組織いたします研究会を立ち上げ、生産技術の確立と栽培面積の拡大を進めた結果、平成27年度には、栽培面積が2.6ヘクタール、生産量4.9トンとなり、市場からも高い評価を受けているところであります。今後とも、ライチをマンゴーに続くブランド品目として、生産拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) ライチが有望であるということですが、以前、会派で日南市南郷町の宮崎県総合農業試験場亜熱帯作物支場を調査させていただいたときに、ハウスの中で何種類かのライチを栽培しているところを見せていただき、試食もさせていただきました。日本では、冷凍したものが中心で、冷凍したものしか口にすることができませんが、ジューシーで甘くて、大変おいしくいただきました。そのときにも、将来が楽しみな作物であるということをお聞きしました。 中国が原産地であるようですが、中国産は、害虫駆除のため、薫蒸しなければならないそうです。安全性でも売り出せます。コストもそれほどかからず、軽作業で済むので、高齢者でも負担が少ないそうです。ただ、他県ではどのような状況なのかが不明ですが、ライチの他県での生産状況と、本県産地化の拡大に向けた取り組みについて、農政水産部長にお伺いします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) ライチの本県以外での生産状況につきましては、国の統計で見ると、鹿児島県や沖縄県で栽培の実績があるようですが、東京都中央卸売市場によると、両県から東京等への市場出荷は行われていないということでございますので、国産ライチの産地化に取り組んでいるのは本県のみであると考えております。 県といたしましては、現在、産地拡大に向け、国庫事業や県単事業を活用いたしまして、安定生産のため苗木供給体制の整備や資材導入支援を行うとともに、高級果実専門店や百貨店をターゲットにして、お話にもありましたが、輸入物とは全く違う国産ライチのおいしさ、価値をPRしているところであります。今後とも、ライチのブランド確立に向けて、生産者や関係機関と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 国産ライチの産地化に取り組んでいるのは本県のみとは心強い上に、産地拡大に支援体制も考えているようです。あとはPRをうまくやっていただき、マンゴーに続くブランドに育てていただきますよう、よろしくお願いいたします。 次に、同じく宮崎の新しいブランドとして確立していかなければならないものが、キャビアです。これまで、物珍しさもあり、話題にもなりましたが、生産量も少なかったので、すぐに売り切れてしまいました。ここに来て、増産体制も整い、本格的な出荷につながるのかどうか、宮崎県産キャビアの販売状況と今後の取り組みについて、農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 「宮崎キャビア1983」の販売状況につきましては、販売開始時の平成25年度は15キログラムでありましたけれども、約3年が経過いたしまして、平成28年度は200キログラムを超える販売が予定されており、生産量の増加に伴い、販売量も順調に伸びてきているところであります。昨年は、5月の伊勢志摩サミットや12月の日露首脳会談で食材として採用されたほか、3月からは、昨年に引き続きまして、ANA国際線ファーストクラスの機内食にも採用されるなど、その品質が高く評価されておりまして、さらなる販売拡大が期待されるところであります。 また、HACCPに対応した新たな加工場も整備されるなど、今後の生産量の拡大に対応した工場が整備されるとともに、キャビアの海外輸出に備えた体制も整いつつある状況にございます。県といたしましては、関係者と協力して、輸出も含めた販路拡大にしっかり取り組んでいきますとともに、現場でキャビア生産を支える養殖業者ともしっかり連携しながら、チョウザメ産業の振興を図ってまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) キャビアの生産販売が順調に伸びているようで、今後が楽しみです。聞きましたら、日本全体では、約6トンぐらいキャビアが流通しているのではないかということでした。そういう意味では、まだまだ伸びる要素もあると思いますし、海外に向けての販売もぜひとも力を入れてください。よろしくお願いいたします。 ただ、気になるのは、キャビアはよく話題になりますが、一緒に出てきますチョウザメの魚肉は全く話題に上ってきません。私も夜の会食はかなり多いほうですが、チョウザメ料理が出てきたことはありませんし、メニューを見たこともありません。以前、清山議員の呼びかけで、チョウザメ料理を県議会議員有志でいただいたことがありました。白身で癖がなく、いろんな料理に適しているなと思いながら食べました。チョウザメの魚肉が冷凍庫に山のように在庫になっていないか心配です。チョウザメの魚肉の販売の現状と今後の消費拡大の取り組みを、農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) チョウザメの魚肉につきましては、透明感のある肉質としっかりした食感を持ち、近年、評価が高まっているところでありまして、現在、年間で約10トンを超える量が食用として県内外の飲食店等に流通しておりますほか、加工品としても、カレーの具材として使用されるなど、さまざまな用途での活用が広がっているところであります。また、疲労回復等に役立つとされているカルノシンやバレニンなどの機能性成分を豊富に含んでいることから、アスリート向けの食材としても期待されているところであります。 県といたしましては、高品質な加工原料としての安定供給を行うための長期冷凍保存に係る試験研究や、積極的なプロモーション活動を行う中で、チョウザメの魚肉の話題になるようということもありましたけれども、消費拡大をしっかりと図っていきたいと、そのように考えているところであります。 ◆(田口雄二議員) 思った以上に流通していると聞き、安心いたしました。また、疲労回復に役立つ成分を豊富に含み、アスリート向けの食材に適しているというのであれば、本県でキャンプしている野球やサッカーチームにも提供してPRすることも、ぜひとも考えていただきたいと思います。また、チョウザメ関連で100億円産業にするということでございましたが、その料理はどこで出しているのか、パンフレット等も必要ではないかと思います。御検討よろしくお願いいたします。 次に、五ヶ瀬川水系のアユ資源回復に向けた取り組みについてお伺いします。東九州道が大分、福岡とつながったことにより、人や車の流れが変わり、県北のアユ料理を提供するところでは、来場者が史上最高となり、逆に来場者が多過ぎてサービスが低下していないか、心配になるほどでした。 しかし、大盛況の裏には深刻な問題があります。天然アユの漁獲量が激減し、存亡の危機に直面しています。五ヶ瀬川水系の1972年の89.3トンをピークに減少の一途で、ここ数年は10トンにも届かず、5トンを下回るようになってきました。まず、なぜこんなに大きく減少しているのか、その原因をどう認識しているのか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 五ヶ瀬川水系のアユ資源につきましては、これまでの調査結果から、資源レベルが低い中においても、子持ちアユと海産稚アユの両者の採捕を続けていることが、資源減少の要因の一つであると考えております。また、近年の調査結果から、卵からふ化したばかりのアユは、11月をピークに延岡湾に流下することがわかっておりますが、この時期の海面水温が、アユの生き残りに悪影響を与えるとされている20度Cを超える温度に近年上昇していることも、アユ資源の減少に影響しているのではないかと、現在考えているところであります。 ◆(田口雄二議員) 一つの要因として、海面水温が高くなっているので減少しているということのようですが、地球温暖化が影響しているのか、西日本一帯で同様の状況になっているとお聞きしました。アユの生息地が北上しているようです。このような状況の中で、漁協関係者とも合意し、資源回復の内容が固まったようですが、五ヶ瀬川水系アユ資源の回復の取り組みについて、農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) アユ資源回復に向けましては、関係市町とも連携し、鋭意調整を行いました結果、昨年12月に利用関係者との合意が整いまして、「五ヶ瀬川水系アユ資源回復プロジェクト実行委員会」を立ち上げたところであります。 現在、資源回復に向け、5カ年計画の取り組みを開始したところでありますが、この取り組みでは、まず本年から、延岡湾の海産稚アユ漁を停止し、あわせて、河川において、瀬がけ漁の期間短縮を行うこととしております。この取り組みによっても資源が回復しない場合には、3年目には、海産稚アユ漁の停止を門川町から日向市の沿岸まで広げ、また、瀬がけ漁を全面禁止とすることとしております。 これらの漁業管理の実施とあわせて、カワウ対策の強化や産卵場の造成などの取り組みを推進するなど、関係者一丸となって、五ヶ瀬川のアユ資源の回復に努めてまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 海産稚アユ漁の禁止や瀬がけ漁の期間短縮の取り組み等々、補償金も用意されていないのに、漁協や漁師の皆さんや関係者への説得は本当に大変だったと思います。資源回復への県当局の並々ならぬ熱意が通じたものと思います。心から感謝を申し上げます。この取り組みは、高知県で一部成功しているとも聞いておりますので、この取り組みが必ず成功してほしいものだと思っております。 次に、林業の活性化について伺います。 以前は、県産杉の活用を言いながらも、価格も低迷し、なかなか需要が伸びませんでした。しかし、ここに来て、東アジアの需要も伸びているようですし、国の成長戦略で林業の成長戦略化を打ち出しました。東京五輪を契機にした木材の利用促進を目指しています。新国立競技場の設計・施工業者で、昨日、後藤県議から紹介がありました、延岡と縁の深い建築家の隈研吾氏は、新国立競技場を「木と緑のスタジアム」にする案を持っており、多くの木材を使う予定です。国内外で木材に関する状況が大きく変わってきそうです。そこで、県産材の輸出の現状と今後の取り組みについて、環境森林部長にお伺いします。 ◎環境森林部長(大坪篤史君) 昨年度の県内企業等による木材輸出額は約5億7,000万円、このうち、丸太が4億4,000万円、製材品が1億3,000万円となっておりまして、この5年間で約4倍に増加しております。現在、県では、輸出の拡大に向けまして、より付加価値が高く、県内への経済波及効果が大きい製材品の輸出が増加するよう、プレカットした材料と建築技術をセットにしました「材工一体」という方法の普及啓発に努めているところです。 今年度は、本県が開催し、林活議連も同行調査されました、韓国での木造軸組構法入門セミナーに、ソウルや釜山など4地区で合計572名が参加されました。さらに、その後、本県で実施しました実務研修にも、韓国から建築関係者や大学教授など46名の方が来県されたところであります。こうしたセミナー等を契機に新たな取引も始まっておりまして、5年前は数棟でした住宅部材などの製品輸出が、本年度には約30棟分見込まれるなど、着実に成果が出てきているところであります。 したがいまして、今後、このような取り組みを継続しますとともに、台湾などの有望な地域でも順次展開してまいりまして、県産材のさらなる輸出拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 中国と台湾は、製材品としての輸出は難しいようですが、丸太としての輸出は順調です。今後は、韓国へのプレカットした材料と建築技術を合わせた「材工一体」の取り組みが非常に楽しみです。聞きましたら、宮崎に来た韓国からの46名は、旅費はみんな自腹で来たとのことでありまして、非常に関心も高いのではないかと思っております。積極的な取り組みを、今後もよろしくお願いいたします。 次に、警察行政について伺います。 最近は、猟奇な事件や過激な事件がマスコミ等で詳しく報道されるため、日本の将来を心配する声をよく聞きますが、実際には、刑法犯認知件数は2002年をピークに減少し、凶悪犯罪も大きく減少しています。しかし、安全さは向上しているにもかかわらず、地域の治安への不安を訴える声は根強いものがあります。 そこで、警察庁が昨年、全国で体感治安と警察信頼度を、運転免許センターなどで免許更新者を対象に調査しました。その結果、体感治安は、山形、島根、秋田がベスト3で、大阪がワースト、警察信頼度では、福島、山梨、山形がベスト3で、神奈川県がワーストです。本県は、体感治安が7位、警察信頼度が18位でした。体感治安はいいのに、警察への信頼度がそれほどでもないのは、矛盾しているような気もいたします。今回の調査結果を受けて、体感治安と警察信頼度について、警察本部長のお考えを伺います。 ◎警察本部長(野口泰君) 本県におきます刑法犯認知件数は、年々減少傾向にあり、昨年、一昨年は、最少値の記録を更新しております。これは、防犯ボランティアの方々による地道なパトロール活動、防犯カメラの増加、それに加えて、警察による地域の犯罪情勢に即した犯罪抑止対策などによるものであり、それによって、県民の皆様の安心感が醸成され、体感治安が良好な状況にあると考えられます。 一方、本県警察に対する警察信頼度は、体感治安と比べて低くなっており、今後、体感治安と同様、警察の信頼度を向上させることは必要であると感じております。事件・事故等がますます複雑・多様化する中、県民のニーズや社会情勢の変化を敏感に捉えた各種施策を推進することが、県民の信頼向上につながるものと考えております。今後とも、職員一人一人がその職責を自覚し、誇りと使命感を持って、県民の期待と信頼に応えるための警察活動に一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 警察本部長は自分からは言いにくかったのかもしれません。細かい数字は言いませんでしたが、昨年発生した本県の刑法犯は戦後最少の5,346件、前年比マイナス1,286件で、減少率は19.4%で全国2位です。昭和41年の最悪時の1万7,703件からすれば、7割も減少しています。県民の体感治安も警察信頼度も、さらに上がったものと思います。ただ、本年に入り、死亡事故が多発しております。事故防止対策もよろしくお願いいたします。 次に、年齢及び出身地推定法確立のためのDNA研究事業について伺います。私は、2月初めのNHK「歴史秘話ヒストリア」という番組を見ていて、群馬県の榛名山で1,500年前に発生した火砕流の下から古代人の骨が発見され、歯のDNAから現在の長野県南部の出身とわかったと分析結果が出たとき、今ではこんなことまでわかるのかと、一緒に見ていた家内と感心したところでした。すると、警察本部の来年度予算案に同様の研究事業が出てきており、余りのタイミングに驚きました。それも全国に先駆けての研究と伺いました。この年齢及び出身地推定法確立のためのDNA研究事業がもたらす効果について、警察本部長にお伺いします。 ◎警察本部長(野口泰君) 現場に遺留されたDNAから年齢や出身地を推定することで、被疑者の特定につながり、事件の早期解決に資することが期待されます。あわせて、捜査に費やす人員、費用及び時間の効率化も図られると考えております。 また、身元不明の御遺体が発見された場合、年齢と出身地が推定できれば、身元につながる重要な手がかりとして、早期に御遺体を御遺族にお返しできることの一助になるものと考えております。特に、南海トラフ地震等の大規模災害が発生した場合においても効果を発揮するものとして、今後とも研究を進めてまいります。 ◆(田口雄二議員) 今回のデータ集積は、宮崎県内を対象としているようですが、本県のノウハウが各県警に広がり、全国的なデータとして活用することが将来的には可能なのか、警察本部長にお伺いします。 ◎警察本部長(野口泰君) 年齢推定の研究につきましては、ウシによる基礎的研究での成果が得られておりますので、ヒトにおいても、全国的に参考となる指標が得られるものと考えております。また、出身地域の研究につきましては、宮崎県居住者の出身地に絞って研究を行いますが、当県警察の研究成果が各県警察に波及し、それぞれの地域で同様の研究が進めば、将来的には、全国的なデータとしての活用が可能となりますので、このことを期待して、この先駆的研究を推し進めていきたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) この事業は、全国から注目されることになるのではないかと、今からが楽しみです。こんな事業が宮崎発と思うだけでも、すごいことだと思います。ぜひともすばらしい結果を出すことを期待いたします。 次に、教育行政についてお伺いいたします。 高校生の県内就職2年連続のワーストを受け、来年度予算には、それを少しでも食いとめようとする事業が盛り込まれています。私も、3年生からではなく、もっと早い時点で生徒と企業の接点を持ってほしい、親が地元にある企業の理解を深める、昨年の都城商業高校の父兄が都城市内の企業訪問した事例を挙げ、同様の事業の実施を、そして生徒たちに、そばにいて企業情報を提供できる教員と企業の接点をもっとふやしてほしいという要望をさせていただきました。 今回の高校生の県内企業理解・職場定着推進事業には、そういう事業が盛り込まれていると思いました。一番身近にいて企業情報の提供やアドバイスができる教員ですが、教員の企業理解が大切と考えます。新規事業における教員のかかわりについて、教育長に伺います。 ◎教育長(四本孝君) 教員が地元の企業を理解して、その魅力をしっかりと生徒に伝えるということは、高校生が地元企業に関心を持ち、就職先の一つとして県内企業を選択するきっかけになるものと考えております。 今回の新規事業では、新たに実施する保護者を対象とした企業見学会に、教員も参加することとしております。また、教員がこれまで以上に企業に出向き、経営者との意見交換などを行いまして、インターンシップのさらなる充実に努めてまいります。 加えて、商工観光労働部や宮崎労働局と連携した教員と企業との意見交換会、また生徒や保護者を対象とした県内企業の説明会などにも、教員が積極的に参加することとしているところであります。 ◆(田口雄二議員) 県立高校と産業関係団体、行政等とのつながりを強化するための就職支援エリアコーディネーターが配置されますが、どのような人材を登用するのか、教育長に伺います。 ◎教育長(四本孝君) 就職支援エリアコーディネーターは、県内8地域に配置するものでありまして、各地域の企業を直接訪問して、企業見学会を実施する際の企業との連絡・調整を行うとともに、企業に就職した生徒の就業状況を把握し、その情報を学校に提供してまいります。また、県立高校と地域の産業関係団体が一堂に会し、人材確保に向けた意見交換を行うエリアネットワーク会議を開催いたしますなど、学校と地域企業のつながりを強化していく重要な役割を担ってまいるものであります。 これらを踏まえまして、就職支援エリアコーディネーターは、民間企業で総務や人事、人材育成等に携わった経験がある方や、進路指導を熟知し、豊富な経験を有した教員OBなど、学校と企業に精通した人材を登用する予定といたしております。 ◆(田口雄二議員) 新事業の中で、保護者に対する情報提供で、各地域で保護者対象の企業見学会を実施するとともに、体感した企業の魅力などの情報を参加者以外の保護者にも発信するとあります。親の世代が就職したころに比べて、ありもしなかった職種などもふえ、また社名だけでは何をしているか全くわからないような片仮名やアルファベットのみの社名も多くなり、親に情報が少ないのが実態です。 また、本県は中小企業が多く、高い技術力がありながら、業界では有名でも一般には知られていない企業がたくさんあります。そのような地元の優良企業等を訪問することは重要です。限られた時間の中で保護者が訪問する企業見学会は、どのように企画し、実施されるのか、教育長に伺います。 ◎教育長(四本孝君) 高校生が就職先について相談する相手として、「保護者」と答えた生徒の割合が最も高いことから、保護者が県内企業に対する理解を深めるということが、県内就職率を高める効果的な方策の一つであると考えております。このため、今回の事業では、新たに、高校1年生から3年生の保護者を対象とした企業見学会を県内8地域で実施することとしております。この企業見学会は、各地域の就職支援エリアコーディネーターが、地域内の高校や企業と連絡・調整を図りながら、企画や運営を行ってまいります。 また、実施時期につきましては、高校3年生が就職先を決定する前のできるだけ早い段階、具体的には、求人票が提出される7月から、生徒が願書を提出する9月中旬までの期間が一番効果的と考えておりますので、そこで実施することとしております。 ◆(田口雄二議員) 就職支援エリアコーディネーターが、各関連するところと調整しながら企画運営するということですが、この事業がいいなと思うのは、1・2年生の保護者も対象となっていることです。また、限られた保護者となりますので、参加できなかった保護者へも、体感した企業の魅力などの情報を発信することです。今回の新事業で、企業への理解が深まり、地元への関心が高まることを期待いたします。さらに、高校生と保護者、学校関係者と企業との出会いを積極的につくっていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。 次に、来年度予算案の「学校の教育相談体制充実のための外部専門家活用事業」についてお伺いします。児童生徒の心のケアに関して、高度で専門的な知識と経験を有するスクールカウンセラーを、今回、高等学校にも対応させる事業ですが、その意図について、教育長に伺います。 ◎教育長(四本孝君) 学校の教育相談体制を支援するため、本県では、臨床心理士など心の専門家であるスクールカウンセラーを、これまで公立小中学校に配置・派遣してまいりました。しかし、近年、いじめや不登校等の問題は、小中学校だけではなく、高等学校でも複雑化・多様化しており、学校だけでの取り組みでは、解決が困難なケースがふえてきております。そこで、高等学校にスクールカウンセラーを4名配置し、生徒へのカウンセリングや教職員への指導助言を行うなど、学校で発生するさまざまな生徒指導上の問題の早期解決につなげるため、今回予算を計上したところであります。 ◆(田口雄二議員) 文部科学省は、スクールカウンセラー及び教育分野に関する知識と社会福祉等の専門的な知識や経験を有するスクールソーシャルワーカーの配置について、平成31年度までの目標値を定めていますが、このことについて、教育長の所見をお伺いします。 ◎教育長(四本孝君) 文部科学省の示しました平成31年度の目標値と本県における配置の状況を比較いたしますと、現状として、隔たりがあることを認識しております。目標達成に向けた課題としましては、臨床心理士や社会福祉士などの有資格者の不足に加え、財源の確保も大きな課題となっております。 このような中ではありますが、着実に取り組みを進めるため、平成28年度からスクールソーシャルワーカーを4名増員しており、さらに、新年度に向けた改善事業として、スクールカウンセラーの配置の拡充に向けた予算をお願いしているところでございます。今後はさらに、人材の養成機関である大学や関係機関等との連携を強化し、人材の確保に努めますとともに、必要な財源を担保するため、国への要望を継続するなど、鋭意努力してまいりたいと考えております。 ◆(田口雄二議員) 教育長としては、拡充したいのはやまやまであるが、財源の確保が大きな課題として認識しているようです。国がもっと予算をつけてくれるのが一番なのですが、教育委員会として、拡充の予算要望をしているようですので、未来の宮崎県をしょって立つ子供たちのためでもありますので、県当局の御配慮をよろしくお願いいたします。 以上で、用意いたしました質問は全て終了いたしました。最後に、この3月をもって長い県庁生活にピリオドを打たれます皆様に申し上げます。再雇用の道を選択された方、第二の人生を選択された方等々、それぞれの道があるかもしれませんが、これまで宮崎県の発展に御尽力いただきましたことに、心から感謝を申し上げます。今後も引き続き、御支援、御協力をいただきますことと、皆様のさらなる御健勝、御多幸をお祈りいたしまして、質問を終了いたします。長時間にわたりましてありがとうございました。(拍手) ○議長(星原透) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時57分休憩────────────────────    午後1時0分開議 ○議長(星原透) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、公明党宮崎県議団、河野哲也議員。 ◆(河野哲也議員) 〔登壇〕(拍手) 「延岡南道路については、事務方に料金水準や区分を見直す方向で指示しました」、2月6日、県北の超党派県議団で石井国土交通大臣に要望を行ったときの大臣からの答弁です。「よし、今まで尽力してこられた全ての方々に恩返しができる」、素直にそう思いました。改めて関係各位に感謝申し上げ、通告に従い、公明党県議団を代表して質問に入ります。 知事の政治姿勢についてお伺いいたします。 世界に目を転じれば、英国のEU離脱、トランプアメリカ大統領の誕生などにより、世界経済の先行きに不透明感が増し、さらにはテロや災害など不安定な社会情勢も広がっています。各国が社会のあり方や秩序を求めて模索を続けています。従来の常識や想定を超えて世界が動いています。本県も、こうした心構えを持ちつつ、国際及び国内社会の動向に柔軟に対応し、県政を進めていくことが求められています。 昨年は本県にとって、例えば、東九州道がついに北九州までつながり、本県初となるスマートインターチェンジが開通するなど、交通インフラの整備が大きく前進しました。ほかさまざま、知事提案の中でも表明されていましたが、東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成32年に、本県での国民文化祭の開催が内定いたしました。河野県政7年目、これまでの政策対応によって、経済再生は、少しずつではありますが着実に成果を上げ、果実を多くの人々に届ける流れが生まれつつあると、我々は評価しています。今後は一層、成長と分配の好循環をより確実なものとし、さらに、地方創生や社会保障の安定と充実、働き方改革、誰もが活躍できる場の創出に果敢に挑戦し、県内の隅々まで「希望がいきわたるみやざき」を実現していこうではありませんか。そこで、昨年の成果を踏まえ、河野県政7年目への決意をお聞かせください。 持続的な経済成長や地方創生の実現には、中小企業やサービス業を中心とした地域経済の活性化が不可欠です。「人材の確保に苦労している」「業績の回復が不十分で、賃上げが難しい」など、中小企業の現場からの切実な声が聞かれます。こうした声を真摯に受けとめ、生産性向上や人材への投資を積極的に促し、地域経済の底上げを図るべきです。3年目に入る地方創生の成否は、いよいよ重大な局面を迎えています。地方創生を進める上で、若い人材の育成と、その活躍を通じた地方活性化が不可欠であると考えます。知事のお考えをお伺いいたします。 奨学金返済支援についてでございます。 子供の貧困対策が大きな課題になっています。貧困の連鎖を断ち切り、生まれ育った環境に左右されることのない社会をつくるには、生活や経済支援に加えて、教育支援が重要です。公明党はこれまで、全ての子供が、希望すれば大学まで進学できる仕組みの構築を一貫して主張し、奨学金の拡充に力を入れてきました。平成29年度予算では、有利子、無利子合わせて133万人を超える貸与人員となり、とりわけ、進学意欲があるのに経済的理由で進学を断念せざるを得ない生徒を後押しする給付奨学金が実現します。本格実施となる平成30年からは約2万人規模で実施する予定です。住民税非課税世帯で学校からの推薦を受けた生徒に対して、月額2~4万円が給付されます。さらに、児童養護施設出身者などには、入学時に24万円が追加給付されます。加えて、卒業後の所得に応じて奨学金の返済額が変わる、新たな所得連動返還奨学金も、ことし4月から導入されます。今後、給付を大きく育てるとともに、無利子奨学金の拡充などによって、より多くの子供たちの進学を支援していくべきです。 昨年9月14日、公明党・山口代表が宮崎に入って、経済界の代表と政策要望懇談会を開催いたしました。その中で、先ほどの給付奨学金の方向性を示唆したところ、ある経済界のリーダーが、「よくやった」と十分理解を示した上で、「実は我が社では、若い従業員、子育て中の従業員の中で奨学金を受けた方の返済の実態を調べたところ、予想以上の負担になっていることがわかった。そこで、独自に奨学金の返還支援を行っている」等のお話がありました。給付奨学金が定着するまでの谷間を埋める大事な支援にもなります。県内企業によっては、奨学金の返還支援をしているところがあると聞きます。県としては、若者支援の一つとして、これを支援していくことは重要であると考えますが、知事に県の取り組みをお伺いいたします。 オリンピックと国民文化祭についてでございます。 先日、私の住む地域の緑ケ丘小学校で、第19回五色百人一首県北大会が開催されました。県下130名の小学生が5色に分かれて、1試合20枚で競技を行います。今まで何度か紹介してきましたTOSSの先生方が主催です。県教委も後援をいただきました。静かな中に子供たちの熱い熱い戦いを見ることができました。昨年開催の愛知県国民文化祭のプログラムに、全国百人一首大会を見つけました。2020年(平成32年)、宮崎県が開催地です。この子供たちの出場があるでしょうか。誰もが参加できる多彩な国民文化祭であるべきだと考えます。 ところで、2020年は東京オリンピック・パラリンピックの開催年であり、また、宮崎の文化として、記紀編さん記念事業の集大成の年でもあります。知事は26年の議会答弁で、「オリンピックにおいては、スポーツ競技のみならず、文化プログラムも大変重視されているということで、また全世界の注目も集まる、非常に時宜を得たタイミングのよいものというふうに、まさに追い風として受けとめることができるのではないか」と述べられています。また、「さまざまな新たな取り組みにも挑戦をしながら、「神話の源流 宮崎」というブランドの確立に努めてまいりたい」とも述べられております。ぜひ県民の大きな希望にしていきたい。そこで、東京オリンピック・パラリンピックとの相乗効果を生み出しながら、国民文化祭を成功させるために準備をどう進めていくか、知事にお伺いいたします。 以下、質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 まず、7年目の決意についてであります。私は、口蹄疫からの再生・復興に一定の道筋をつけた後、復興から新たな成長へとギアを入れかえ、本県のあすの礎づくりを進めてまいりました。また、私みずから県民の皆様との対話や国内外でのトップセールスに取り組む中で、幅広い人脈やネットワークを築き、官民を問わずさまざまな方々の力を結集し、オール宮崎で取り組む体制づくりにも努めてきたところであります。その結果、お話にもありました、石井国土交通大臣、また、太田前大臣にもお力添えをいただきながら、高速道路を初めとする交通インフラの整備は大きく進んだものと考えておりますし、昨年は、フードビジネスなど成長産業の育成を加速化する官民一体となった企業成長促進・産業人財育成プラットフォームの構築や、ひなたMBAの開講、大型案件を含む企業立地、祖母・傾・大崩ユネスコエコパークのユネスコへの国内推薦の決定、さらには国民文化祭の内定、また、本県初のスマートインターチェンジの山之口における開設など、県勢の新たな成長の芽を着実に育てることができたと考えております。 一方で、本格的な人口減少を迎える中、地方創生を初め中山間地域対策や医療・福祉など、困難化・複雑化する課題への対応を初め、2巡目国体や国民文化祭に向けた準備の本格化、さらには、全国和牛能力共進会における3連覇への挑戦と、これを生かしたブランド確立など、取り組むべき課題は山積しております。今後とも、各方面の御協力をいただきながら、これまで取り組んできたことにしっかりと成果を出していきますとともに、直面する課題と本県の未来のために今なすべきことにしっかりと取り組み、県勢のさらなる飛躍を目指して邁進してまいりたいと考えております。 次に、若い人材の育成と活躍についてであります。本格的な人口減少社会にあって、地方創生の実現を図るためには、広い視野と郷土愛、そして挑戦する力を持つ人財を育成すること、また、若者が地域に根づき活躍できる環境を整えていくことが大変重要であると考えております。このため、高校生・大学生の留学支援などによるグローバル人財の育成や、郷土理解を深め、郷土に貢献する人財を育む「みやざき学」の展開に取り組んでまいりました。また、学校と企業が連携したインターンシップや、県内の産学金労官が一体となった「みやざきビジネスアカデミー」による産業人財の育成にも取り組んでいるところであります。さらに、新年度予算案におきましては、県内に就職した若者の奨学金返還を支援する基金の設置や、生徒、保護者、教職員に対し、県内企業の魅力をしっかりと伝えていくための事業などを計上したところでありまして、今後とも、若者が希望を持って活躍できる環境づくりに力を注いでまいりたいと考えております。 次に、奨学金の返還支援についてであります。本格的な人口減少社会を迎える中、県内では特に若者世代の人口流出が続いており、地域の活力の維持や県内産業への影響が懸念されております。本県の未来を切り開いていくためには、県内産業を担う若者の確保と定着が重要な課題であります。多くの学生が奨学金を借りており、返還の負担が県外流出の一つの要因とも言われている中、県内企業からも必要な対策を求める要望をいただいているところであります。このようなことから、来年度新たに「みやざき産業人財確保支援基金」を設け、奨学金の返還支援に取り組む企業を支援するための事業を実施することといたしました。具体的には、大学や短大等を卒業した者が、あらかじめ登録した県内企業に就職した場合に、例えば4年制大学卒業者では、要返還額の2分の1以内、上限100万円を就職した企業とともに支援するものでありまして、今後は、この基金も活用しながら、県内企業と連携した若者の県内定着に取り組んでまいりたいと考えております。 最後に、国民文化祭についてであります。世界中の注目を集めるオリンピック・パラリンピック東京大会が開催される2020年、本県におきましては、国民文化祭の開催や、平成24年から9年間にわたって取り組んできた記紀編さん1300年記念事業の集大成に当たる、大変重要な年であります。県では、先月19日には大会組織委員会による認証を受けて、文化プログラムのスタートとなるキックオフイベントを開催し、1,100人を超える方々に参加をいただいたところであります。今後も文化プログラムに積極的に取り組み、オリンピック・パラリンピックと同じ年に開催する効果を最大限に生かしてまいりたいと考えております。 また、この国民文化祭の成功に向けましては、将来の本県文化を担う人材の育成、文化団体の活動の充実、市町村等との連携強化など、本県の文化力の向上を図ることが極めて重要となってまいりますので、来年度早々に、関係機関で構成されます実行委員会を設置して、しっかりと準備してまいりたいと考えております。これらの取り組みを進めることによりまして、県民総参加で国民文化祭を迎える機運の醸成、また、その成功につなげてまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(河野哲也議員) 知事の「県政運営の基本姿勢」の結びにもありましたが、ぜひ、本県が大きく飛躍する絶好の機会を逃すことなく、果敢に挑戦していただきたいと申し上げて、次の質問に移ります。 防災・減災対策について、関係部長にお伺いいたします。 まずは、防災士養成について、危機管理統括監にお伺いいたします。昨年は、熊本地震や鳥取県中部地震、台風など、相次ぐ自然災害に見舞われました。被災地の皆様が未来に希望を持って進めるよう、復旧・復興の取り組みを加速させなければなりません。それぞれの被災現場では、さまざまな課題が浮き彫りになりました。熊本地震では、耐震改修がおくれていた庁舎や病院などが損壊し、防災拠点として機能しないケースが相次ぎました。ほか多々ありますが、他方で、地域防災力の重要性を改めて認識するものとなりました。地域防災力向上に大きく貢献できるのが防災士であります。防災士は、防災に関する知識・技能を習得し活動する人を、日本防災士機構が認定する資格で、全国に約12万人、県内に約3,100人います。公明党県議団3名は、平成25年に防災士の資格を取得いたしました。県主催の第5回防災士研修交流大会が2月4日、延岡市総合文化センターでありました。まずは、その感想をお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(畑山栄介君) 県では、防災士相互の連携や地域と防災士のつながりを深め、地域の防災力の向上を図ることを目的に、NPO法人の宮崎県防災士ネットワークの協力のもと、防災士研修交流大会を開催しております。延岡市での第5回大会の開催に当たりましては、自衛隊や消防、警察などの防災関係機関はもとより、延岡市を初め、県北の企業や団体等からも御協力をいただき、当日は延べ1,100人の方が来場されたところであります。大会では、東日本大震災を体験した方々の手記の朗読や講演、小中学生の防災作文の表彰などのほか、地震体験車や降雨体験機等による災害体験コーナーなどもありまして、参加された方の防災意識の向上が図られるとともに、地域の皆さんと防災士のつながりも一層深まったものと感じております。今後とも、こうした大会を通じて、地域と防災士の連携強化や、防災士の地域における活動促進を図ってまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) ありがとうございます。感想には触れられていませんでしたが、実は私、今回のスタッフで、パネルディスカッションを担当いたしました。コーディネーターは、防災士でもあるMRTの粉川アナウンサーで、「日頃の備えから自分の命と地域を守る」をテーマに、防災士の役割を確認し合いました。大変有意義でした。 3月5日、私の住む地域で避難訓練が行われます。区長がリーダーシップをとり、地域住民への「県住津波緊急避難所設置」の署名活動、知事への陳情、県住の住民への「県住津波緊急避難所設置への理解」署名を行った結果、2月1日、県の早急な対応によって、海抜1.6メートルの浜町県住の屋上に津波緊急避難所が設置されました。その施設を使っての初めての訓練です。私も防災士として参加いたします。訓練を行うことにより、住民の命を第一に、新たな課題を見つけ解決していこうと決意しているところでございます。このように、防災士の活躍の場が多く見出せるところでございますが、県の防災士養成の取り組み、及び防災・減災の事業における防災士のかかわりについてお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(畑山栄介君) 本県では、平成17年の台風14号災害を契機に、地域の自主的な防災活動の促進を図るため、県が認定の研修機関となりまして、平成20年度から防災士の養成に取り組んでおります。この結果、県内の防災士は、議員から御紹介がありましたとおり、現在約3,100人となっておりますが、平成30年度に4,000人にすることを目標に、引き続き防災士の養成に取り組むこととしております。また、県防災士ネットワークに委託して、防災士の資格取得後のスキルアップの研修とか、自主防災組織向けの研修会の企画・運営、出前講座等を実施するとともに、県の総合防災訓練や防災フェアなどにおいても防災士に御協力をいただいているところであります。防災士の皆様には、防災に関する知識や技能を生かし、地域の防災リーダーとしての役割を担っていただいており、自助・共助の取り組みを進める上で大変重要でありますので、防災士のさらなる養成と地域における活動を促進することで、地域の防災力向上を図ってまいります。 ◆(河野哲也議員) 地域防災のために、多彩な防災士の活用を積極的にお願いしたいと思います。 次に、災害廃棄物処理対策について、環境森林部長にお伺いいたします。この課題を調査し始めたのは、昨年秋、「熊本の災害廃棄物処理が進みません」とのリサイクル業を営む方からの情報でありました。東日本大震災の教訓を踏まえて、切れ目ない災害対策を実施、強化するための「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律」が施行されています。国は自治体に対し、大規模な災害に備え、事前に仮置き場や処理方法を定めた災害廃棄物処理計画の策定を求めていますが、都道府県では約2割、市区町村では約3割しか実際に策定を済ませていない状況であります。宮崎県は昨年3月に策定されています。南海トラフ地震が想定される本県にとっては、大変早い対応であると評価いたします。熊本県も、昨年3月でしたが、震災直前の策定となり、周知に至りませんでした。「熊本災害廃棄物を一時的に保管する仮置き場には、大量のごみが持ち込まれており、既に満杯となったところも少なくない。仮置き場以外の路上などに不法投棄されたごみも多く、不衛生で悪臭を放っている。国も職員を派遣して廃棄物処理の応援に当たっているが、間に合っていない」との情報でした。そこで、熊本地震における解体工事を含めた災害廃棄物処理の状況についてどう捉えているか、お伺いいたします。 ◎環境森林部長(大坪篤史君) 災害廃棄物の処理状況について、熊本県に聞いたところによりますと、昨年12月末時点の進捗率が54.6%でありまして、来年4月の期限に向けて、おおむね順調に処理が進んでいるとのことでございました。一方、建物の解体工事の進捗につきましては、その多くが公費解体となりますことから、市町村の罹災証明書の手続に相応の時間を要したようであります。本県でも大きな地震や津波の発生が想定されておりますが、昨年度策定しました宮崎県災害廃棄物処理計画の中には、公費解体の手続についてはまだ記載がないところであります。したがいまして、今後、熊本地震の教訓も生かしながら、実務を担う市町村とも十分連携して、この内容について検討してまいりたいと考えております。
    ◆(河野哲也議員) 答弁にありました、公費解体ということがやっぱりネックになっていて、なかなか連携をとれずに、その自治体で進めていこうという動きがあることが大きな課題になっているようでございますが、連携等は本県計画で十分対応できていないということで、見直すという部分もあると思います。地震や津波、洪水など大規模災害は、いつ起こるかわかりません。災害廃棄物の処理に係る広域的な連携体制の整備にどのように取り組んでいくか、お伺いいたします。 ◎環境森林部長(大坪篤史君) 大規模災害が発生した場合には、被災した自治体単独で対応するには限界がございます。災害廃棄物処理につきましても、広域的な連携が重要になってまいります。このため本県では、今年度、県内の自治体や業界団体等が幅広く参加しました「宮崎県災害廃棄物処理対策ネットワーク会議」を設置いたしました。また、九州地方環境事務所が主催します「大規模災害廃棄物対策九州ブロック協議会」にも参画しまして、九州ブロックにおける災害廃棄物対策行動計画の策定に向けて、協議を続けているところであります。県としましては、こういった組織を最大限に活用しまして、災害廃棄物処理に係る広域的な連携体制の整備に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 繰り返すようですが、本県の課題にも大きくかかわってくると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 土砂災害警戒箇所の対策でございます。土砂災害警戒区域内にお住まいの方から御相談を受けました。「県の整備が西から進んでいたのに、4~5年前からとまってしまった。最近の自然災害を考えると不安が募る」とのことでした。延岡市では、崩落の心配がある急傾斜地を含む土砂災害危険箇所は1,919カ所に上ります。うち、対策が必要な場所が888カ所、整備が進んでいるのが、その中で252カ所です。事業化に向けて県も推進していると思いますが、遅々として進まないというのが住民の素直な感想です。県下、土砂災害危険箇所の対策にどのように取り組んでいるのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 本県は、地形が急峻な上に地質が脆弱であり、台風や梅雨時期等に、豪雨のたびに土砂災害が発生していますことから、県民の生命と暮らしを守るために、急傾斜地の崩壊や土石流などの土砂災害危険箇所の整備が大変重要であると考えております。このため、県といたしましては、災害履歴のある箇所や要配慮者利用施設のある箇所など、危険度や優先度の高い箇所から施設整備を進めているところであります。また、土砂災害から身を守るためには早期避難が重要であるため、土砂災害警戒区域等の指定による危険箇所の周知や、防災意識を高めるための講座の開催など、ソフト対策にも力を入れているところであります。今後とも、国や市町村などと連携を図りながら、ハード、ソフト一体となった土砂災害対策を推進してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 実はこの箇所、字図混在というのが原因で用地買収ができずに、事業がとまっているとされています。地籍調査を一層進めていかなければならないと思いますが、地籍調査の実施状況と推進方針はどうなっているか、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 地籍調査は、市町村等が行う土地の権利関係や境界を明確にする調査でありますけれども、県といたしましては、着実な推進を図っているところであり、進捗率は平成27年度末で65.8%と、全国平均の51.3%を上回っている状況にあります。また、地籍調査は、御指摘にありましたように、インフラ整備の円滑化や大規模災害に備えた事前防災対策の推進、さらには被災後の復旧・復興の迅速化などにも資するものであることから、今後とも市町村等としっかり連携しながら、さらなる推進を図ってまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 実は、都市部に行けば行くほど難しくなっているという課題をお聞きしています。ぜひ、地籍調査も危険度や優先度を加味したものにしていただくとありがたいと思います。 福祉保健行政について、福祉保健部長にお伺いいたします。 犬殺処分ゼロを目指して。環境省によると、現在、日本全国で飼われている犬やの数はおよそ1,979万頭と推計されています。その中で、1年間に自治体の保健所や動物愛護センター等に引き取られる犬やの数は、年間およそ13万7,000頭に上ります。その引き取り数は、返還、譲渡が年々進み減少しています。しかし、自治体の予算、収容力、保護期間などで、やむなくこの7割程度が殺処分されています。そこで、改正動物愛護法で徹底された、最後まで飼う責務の明確化に対する県の取り組みについてお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 県では、平成25年度の改正動物愛護法の施行を受けまして、小学校や保健所等での動物愛護教室の開催や、ペットショップ等を対象とした講習会の開催、さらにはテレビ等を通じた啓発などにより、適正飼育の周知を図っているところであります。また、飼い主からの安易な引き取り依頼に対しましては、最後まで責任を持って飼育するよう粘り強く伝えるなど、原則として引き取りをお断りしているところであります。これらの取り組みを通じまして、法改正前の平成25年度の犬・の引き取り数は3,571頭でありましたが、平成27年度は2,581頭と約28%減少し、殺処分頭数で見ると、25年度の2,377頭から、27年度は1,172頭と約51%減少しているところであります。 ◆(河野哲也議員) 殺処分頭数は大きく減少していますが、ゼロじゃありません。3年連続で犬の殺処分ゼロを達成した神奈川県動物保護センター。殺処分ゼロ達成のポイントは2つというふうに書いていました。1点目は、保護センターへ収容される動物を減らすこと。先ほどありましたけれども。結果、飼えなくなった犬・の引き取り頭数は、以前の約半数に減少。最後まで責任を持って飼いましょうという啓発活動のほか、飼い主情報を記録したマイクロチップをペットに埋め込んで飼ってくれる人がふえてきたというのが要因だとしています。ポイントの2点目は、保護センターから譲渡する出口を広げたということです。については、専門のボランティア団体が、収容したその日のうちに引き取りに来て、飼い主探しまでやっているそうです。40以上のボランティア団体や個人が登録されているそうです。本県も動物愛護センターがいよいよ開所されますが、今後のスケジュールとセンターの役割についてお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 動物愛護センターは、今月中旬には工事が完了する見込みでございまして、4月1日の開所、3日の供用開始を目標に鋭意取り組んでいるところであります。また、その役割といたしましては、動物愛護を推進する拠点として位置づけまして、保健所と連携しながら、適正飼育の啓発や譲渡推進、しつけ方教室などの取り組みを充実させることで、究極の目標であります殺処分ゼロを目指して取り組んでまいりたいと考えております。 さらには、動物愛護センターの開設を契機としまして、動物を愛護する心が芽生えます小学生を対象として、県教育委員会と連携を図りながら、本県ならではの「いのちの教育」を実施したいと考えております。この事業を通じ、子供たちの豊かな人間性や社会性の育成など、教育の面にも貢献してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 子供たちへの動物愛護の教育に賛同いたします。「本当に殺処分ゼロを実現させようと思うなら、乱繁殖にメスを入れていただきたい」という声もあります。動物愛護センターの役割は大きいと考えます。 国の29年度予算では、一億総活躍社会への取り組みとして、介護職員、保育士の処遇改善が特徴的であります。本県の人材確保の大きな課題でもあります。まずは、介護職員の処遇についてお伺いいたします。介護人材の確保は急務です。介護職員等の処遇改善により、平成29年度から月1万円程度給与が上がることは大きな前進です。しかし、それでもなお人材不足は深刻であり、再就職支援を含めた人材の確保や、離職者を減らすための抜本的な対策が必要です。介護現場で働く方の悩みとして、仕事量に比べて低い賃金や深夜業務への不安、人間関係、利用者からの暴力や暴言等が挙げられています。実態を踏まえた相談体制の強化を進める動きがあります。そこで、具体策として、介護ロボットの活用やICT化による業務負担の軽減も推進すべきだと考えますが、本県の取り組みをお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 介護ロボットの活用、あるいはICT化は、介護従事者の身体的・事務的負担の軽減、あるいは離職防止など、介護サービスの質の向上にも資する有効な手段と考えております。介護ロボットを活用するに当たっては、使い勝手や価格の問題もありますので、県としましては、事業所において介護ロボットを実際に利用していただき、機能や操作方法を理解していただくとともに、その効果や課題について検証を行っているところであります。また、国におきまして、タブレット端末による介護現場での記録作成など、ICTを活用した業務効率化について検討が行われておりますので、県としましては、その状況も踏まえながら、介護現場の業務負担の軽減を促進してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) ぜひ推進していただきたいと思います。 同じく、保育士の確保についてでございます。働くことを希望する女性が安心して子供を生み育てられる社会、そのためには保育の受け皿整備と保育士の確保が欠かせません。公明党が求めてきた保育士の処遇改善策では、平成29年度から保育士給与を月額6,000円ふやすことに加え、技能や経験に応じてさらに4万円を上乗せすることとしています。こうした処遇改善を通じ、保育士を目指す人材の養成や潜在保育士の活用など、保育士確保に向けた取り組みを一層強化すべきであります。県の考えをお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 保育士の安定的な確保は、安心して子供を生み育てられる社会を実現する上で、取り組むべき重要な課題でありますことから、県ではこれまで、給与面の処遇改善を行うとともに、潜在保育士に対する実態調査を行い、就労意欲や就労条件の把握等に努めてまいりました。また、今年度からは、潜在保育士の職場復帰を支援するための保育士支援センターの設置や、保育士を目指す学生に対しまして、一定の条件を満たせば返還が全額免除とされる修学資金の貸し付けなどを行っているところであります。さらに来年度、お話にありましたように、国が実施を予定している保育士処遇改善事業では、給与面の改善に加えまして、副主任保育士など技能や経験に応じた新たな役職の新設や、専門性の向上に取り組むキャリアアップ研修も創設されると伺っておりますので、国や市町村、関係機関と十分に連携を図りながら、保育士確保の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) どうかよろしくお願いしたいと思います。 本県の2025年問題について。2025年まであと9年。「2025年問題」として問題視され、クローズアップされてきましたが、いよいよ現実味を帯びてきました。2025年(平成37年)には、団塊の世代が75歳以上となるため、2015年に12.8%だった75歳以上人口の割合は、2025年には18.1%に上昇します。また、長寿化の影響で、2055年には75歳以上の人口は2,400万人超で高どまりします。現役世代(15~64歳)が減少するため、2060年には4人に1人が75歳以上という超高齢社会になります。このため、1965年には現役世代9.1人で65歳以上1人を支えていたのが、2012年には2.6人、2050年には1.3人で支えることになります。これまで国を支えてきた団塊の世代が給付を受ける側に回るため、医療・介護・福祉サービスへの需要が高まり、社会保障財政のバランスが崩れるとも指摘されています。そこで、本県の2025年問題をどのように認識しているのか、お伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) お話にありましたように、今後、団塊の世代の全ての方々が後期高齢者、75歳以上になる2025年に向けまして、医療や介護を必要とする高齢者が大幅に増加していくことが見込まれております。本県におきましても、2025年には後期高齢者が、現状の約16万9,000人から約3万5,000人増加すると見込まれておりまして、これに伴い後期高齢者医療給付費と介護給付費の総額は、約2,369億円から約3,250億円へと、4割近く増加していくものと推計しております。このような中、本県の高齢者の方々が安心して暮らし続けられるようにしていくためには、住みなれた地域での効果的かつ効率的な医療提供体制の構築や、在宅医療と介護の連携、介護予防、生活支援などの地域包括ケアシステムの構築を、関係団体や市町村、地域住民の方々と連携・協力しながら着実に進めていくことが必要であると考えております。 ◆(河野哲也議員) 県議会の意識も大変高く、この地域包括ケアについては、昨年の議会でも多く議論されました。在宅医療の充実や医療と介護の連携、医療・介護人材の育成など、単独市町村での対応が難しい課題があるとして、「今後とも、県内全市町村でシステム構築が促進されるよう、積極的な支援を行う」という答弁をいただいていますが、改めて、地域包括ケアシステムの構築は待ったなしでございます。どのように推進されるのか、お伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 地域包括ケアシステムの構築は、厳しさを増す社会保障制度を持続可能なものとしつつ、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けられるようにするために、市町村が主体となって進めていくものとされております。このため県では、県内市町村の取り組みを支援するため、市町村や地域包括支援センターの職員等を対象とする研修会を開催しまして、県内外の先進事例の紹介や情報交換の機会を提供するほか、意欲的な市町村を対象に、「医療・介護連携」や「介護予防」などをテーマとするモデル事業を実施し、県内における先進事例づくりに鋭意取り組んでいるところであります。さらに、県医師会を初めとする医療・介護関係団体と連携しながら、在宅医療の充実や専門多職種の連携、認知症対策などにも取り組んでいるところでありまして、こうした取り組みにより、できるだけ早期に県内全域に地域包括ケアシステムの構築が進むよう、積極的な支援等を行ってまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 今ありましたモデル事例を多く発信できるかということが大事なポイントになってくるかなと思いますので、よろしくお願いします。 もう一つの推進ポイントとして、地域の福祉ニーズに対応するため、自立度の高い人の居場所機能、支援が必要な人の共生サービス機能を支えるための拠点づくりをどう進めるかが重要であると考えます。地域の誰もが気軽に立ち寄れる拠点づくりについてお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 地域のつながりが希薄化する中で、誰もが地域の一員として、ともに支え合い、安心して暮らせる地域づくりを推進していくことが大変重要になっております。このため県では、平成27年度から「世代間交流・多機能福祉拠点支援事業」に取り組み、地域住民が世代を超えて身近に集い、交流することのできる居場所づくりを支援しているところでありまして、これまで12の市町で22カ所の拠点を整備しております。これらの拠点につきましては、子供や高齢者、障がい者、子育て中の親などの気楽な集いの場としての活用だけではなく、子ども食堂や学習支援の場としての活用も図られるなど、相乗的な効果を発揮しているところであります。県では、引き続き市町村等と連携を図りながら、地域の誰もが気楽に立ち寄ることのできる居場所づくりを進めてまいりたいと考えているところであります。 ◆(河野哲也議員) 確かに、我々の目に見えるような居場所づくりになってきましたので、ぜひ推進をお願いしたいと思います。 2025年まで9年、本県の高齢社会をいかにして幸齢社会に変えるか、その準備が待ったなしの状況であります。どうかよろしくお願いいたします。 がん対策についてでございます。がんは、日本人の2人に1人が生涯のうちにかかる国民病であり、県民の命と健康を守る上で、がん対策は県の最重要課題でございます。公明党も、がん検診受診率向上など、がん対策を一貫して推進してまいりました。がんは、かつての「不治の病」から、今は「長くつき合う病」になったと言われています。そこで新たな課題として浮かび上がってきたのが、治療と就労の両立です。全国で、働きながら通院治療するがん患者は約33万人に上る一方、がんを患った人の3人に1人が解雇や依願退職で職を失っているのが現状です。平成28年12月に改正された「がん対策基本法」では、がん患者の雇用継続に企業が配慮するよう努力事項を明記し、患者の就労について企業の配慮を求めています。また、がんに関する知識や理解を深めるため、学校などでのがん教育に必要な施策を講じることも盛り込まれています。そこで、本県の推進状況を確認します。まず、がん対策において、がん患者の就労支援は重要と考えますが、県はどのような取り組みを行っているか、お伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) お話にありましたように、昨年2月に国が示した推計では、仕事を持ちながら、がんで通院しておられる方の数は、全国で33万人に上ると言われておりまして、がん患者の就労支援は大変重要であると考えております。このため県におきましては、がん対策推進計画に基づき、平成26年度から、事業者や医療関係者、患者、市町村職員などを対象に、ハローワークの職員や社会保険労務士、患者団体の代表などの専門家を講師とします、がん患者の就労支援等に関する講演会を開催し、啓発を行っているところであります。また、がん診療連携拠点病院であります宮崎大学医学部附属病院のがん相談支援センターにおきましては、通常の相談に加え、ハローワークの協力を得て、毎週火曜日に、患者からの就労に関する相談に応じているところであります。さらに、労働局が設置しております長期療養者の就労支援に係る協議会に、県も参加いたしまして、情報を共有しているところでありますが、今後とも連携して啓発等に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) ありがとうございます。 関連して教育長に、がんに関する教育をさらに充実させていくべきだと思いますが、取り組みについてお伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) 学校におけるがんに関する教育につきましては、平成26年度に、学校関係者や有識者などで構成する「がんに関する教育普及推進協議会」を立ち上げまして、平成27年度には、教職員向け普及啓発リーフレットを作成し、県内の小・中・高等学校等に配付しております。また、本年度は1月に、がんに関する正しい理解と指導力の向上を図るため、教職員向けの研修会を開催いたしまして、さらに3月中には、小・中・高等学校等それぞれの指導事例などを掲載した「がんに関する教育指導参考資料」を作成の上、配付する予定であります。今後、この資料を活用した授業実践を通して、学校におけるがんに関する教育がさらに充実しますよう努めてまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 大変具体的な取り組み、ありがとうございます。 昨年の佐賀県に続き、隣県の鹿児島県もピロリ菌検査が導入されます。20歳前後の胃がん検診で、胃がん撲滅に近づけるという目的で施策が導入されました。本県は何がネックになっているのでしょうか。胃がんの原因とされるピロリ菌の検査については、隣県の鹿児島県、県内でも西都市等、導入の動きがあります。本県でも導入する考えはないのか、お伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 平成27年9月の国の「がん検診のあり方に関する検討会」の中間報告によりますと、お話にあります、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染も、胃がんのリスク要因の一つとされております。しかしながら、集団を対象に行うピロリ菌の検査につきましては、報告時点では、胃部エックス線検査、あるいは胃内視鏡検査と組み合わせた検診方法等について、さらなる検証が必要であるとされ、今年度、平成28年4月1日の改正では、がん検診に関する国の指針への掲載は見送られたところであります。このため県といたしましては、ピロリ菌検査につきましては、引き続き国の動向を注視しながら、がん検診受診率向上のための事業の推進、あるいは国の指針に沿った胃部エックス線検査や胃内視鏡検査の推奨など、胃がんを含むがん対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、蛇足かもしれませんが、ピロリ菌に感染された方が除菌されても、がんにならないということではありませんので、胃がんについては、ピロリ菌あるなしにかかわらず検査は続けていただくということが肝要かと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ◆(河野哲也議員) 本当に蛇足ですね。国も答弁で、胃がん検診のリスク要因とピロリ菌を認めているわけです。例えば内視鏡検査なんか負担なんです。その前に、例えば宮崎市が導入しているABC検診とか、負担の少ないものでリスクの可能性とかそういうものを調べることはできませんか。鹿児島県だってそうなんです。負担の軽い検診を行おうとしているんです。佐賀県もそうです。血とか尿とか。その検診はできるんです。そういうところをもっと研究していただくとありがたいなと思います。済みません、蛇足言わないほうが。そういうのに私、乗りやすいので。申しわけありません。 商工観光労働部長にお伺いいたします。経営基盤が脆弱な本県の中小企業が直面する課題の克服と、将来不安を解消する課題解決のイノベーション創出に重点的に取り組むべきだと考えます。産学官連携した研究開発の促進や企業の設備投資を後押しする環境整備、さらには新たな技術を担う人材の育成が急務です。技術の開発と実用化に向けた本県のイノベーション創出の取り組みについて、お伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) 本県経済の活性化や県民所得の向上を図るためにも、独自の技術を有し、これを強みとして、国内外の競争に負けない付加価値の高い製品開発や、新事業を展開していくことのできる企業の育成が重要であります。このため県といたしましては、従来から工業技術センターや食品開発センターを中心に、技術支援や産学官連携による共同研究開発等に取り組んできたところでございますが、昨今のIoTや次世代エネルギー等の技術の進展を踏まえ、技術・研究分野の関係機関の結びつきをさらに強化し、イノベーションを持続的に生み出す新たな仕組みづくりに取り組むことといたしております。また、こうした取り組みとあわせまして、特許等の知的財産の活用や、国などの競争的資金、補助金等の獲得強化、技術者向けの先端技術セミナー開催などの取り組みにより、県内企業の新製品開発や技術人材の育成等を、引き続き積極的に支援してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) ありがとうございます。 多様な働き方についてでございます。 厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」に、宮崎のKIGURUMI.BIZの紹介がされています。従業員31名、内訳として、正社員19名、契約社員5名、パートタイムスタッフ数7名、社長以外全て女性です。会社のモットーは、「「こちら側の笑顔」「向こう側の笑顔」を実現させるため、まずは社員にとって働きやすい労働環境をつくる」でございます。先日、この会社の取締役工場長であり、みやざき女性の活躍推進会議共同代表の加納氏の講演を拝聴いたしました。年次有給休暇取得率、平成27年度で79.9%、1カ月当たりの所定外労働時間、平成27年度で8.3時間。ここまで変えてこられた根っこの部分が、先ほどのモットーでございます。詳細はサイトで確認していただきたいと思います。 今後の取り組みとして述べられていました。「平成29年2月から、所定労働時間の弾力化に取り組む。(中略)社員は始業・終業時刻や所定労働時間を、自分のライフスタイルに合わせて選択することができる。自らの病気療養と仕事の両立を図る社員や、介護が必要な家族を抱える社員等にとって働きやすい環境を整備する。(中略)問題点の洗い出しを踏まえて正式にテレワークを始めることとしている」とありました。テレワークは、子育てと仕事の両立を初め、離職防止の観点からも大事な取り組みであります。また、副業・兼業はオープンイノベーションや起業の手段として大きな効果が期待されています。そこで、テレワークなど多様な働き方について、さらなる普及を図るべきです。見解をお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) テレワークなどの多様な働き方につきましては、企業にとっては、人材確保や労働生産性の向上に寄与するものであり、また、働く側にとりましては、雇用機会の獲得や働きやすい職場づくりにつながりますことから、その推進は重要であると考えております。このため県といたしましては、多様な働き方の必要性や取り組み方法等についてのセミナーを開催いたしますとともに、導入に意欲的な企業に対しまして、服務管理のあり方など、円滑な導入に向けた取り組みを個別に支援しているところでございます。今後とも、こうした取り組みを通して、多様な働き方が推進されますよう、さらなる普及啓発に努めてまいります。 ◆(河野哲也議員) KIGURUMI.BIZ、小さな企業ですけど、本当に大きなモデルだなと実感しています。 女性の復職・再就職について。 正社員だった女性が子育てなどで一旦離職すると、パート等の非正規で働くしかない実態もございます。リカレント教育により、多くの方が学び直しできるよう、女性がライフステージに応じ再就職しやすい環境整備を急ぐべきだと考えます。県の取り組みについてお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) 本格的な人口減少を迎える中、県が発展し続けていくためには、県民一人一人が持てる力を発揮すること、とりわけ女性の活躍が欠かせないものとなっております。このため県といたしましては、女性の労働市場への参入を促すため、再就職を支援するセミナーのほか、新たに就労支援イベントを開催し、潜在しております女性の就労意欲の喚起を図ることといたしております。また、意欲ある女性が安心して職場復帰できる環境を整えるため、国の事業を活用し、離職した保育士等の職場復帰のための訓練など、高度な知識や技術を学び直すリカレント教育に取り組むことといたしております。加えまして、企業における職場環境づくりも重要でありますので、多様な働き方の普及啓発や「仕事と家庭の両立応援宣言事業所」の登録促進などにも取り組んでまいります。今後とも関係機関と連携し、女性が再就職しやすい環境整備に努めてまいります。 ◆(河野哲也議員) 実は、先ほど紹介いたしました加納工場長も、苦労して再就職をかち取った方でありました。プライベートな部分がありますので、ここでは報告できませんが、ある意味、壮絶だなという戦いというか、された方でありました。 続いて、農政水産部長にお伺いいたします。みやざき新農業創造プランが示されました。ITの集中的な導入支援を通じて生産性を高めることや、地域資源を生かした商品・サービスの開発、海外展開も含めた販路の拡大など、収益力の向上を後押しすることによって、農水産業の所得向上を着実に推進すべきです。農業の所得向上に向けたICTの活用の考え方について、お伺いいたします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 農業分野へのICTの活用は、生産工程の省力化・効率化や収量・品質の向上が期待され、「儲かる農業」の実現を目指す本県にとりまして、大変重要な取り組みであると考えております。このため、昨年6月に策定いたしました第七次宮崎県農業・農村振興長期計画の重点プロジェクトに「生産技術高度化」を掲げ、ICTの活用を重点的に推進することとしております。具体的には、今議会にお願いをしております「宮崎方式スマート園芸モデル実証事業」におきまして、最適な湿度環境のもとで光合成を促し、作物の生育促進を図る新しい施設園芸システムを実証するほか、「宮崎方式スマート畜産モデル実証事業」では、自動で温湿度をコントロールして、牛が快適に過ごせる環境を整えることによる、繁殖成績の向上効果を実証することとしております。県といたしましては、これらの取り組みなどを通じて、本県におけるICTの活用を加速化し、農業所得の向上につなげてまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) ありがとうございます。宮崎方式、大変期待したいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 延岡南道路についてでございます。 実は、公明党県議団も平成28年10月に、国交大臣、それから公明党国会議員に要望書を提出させていただきました。11月18日、石井大臣が宮崎に来られた際、宿泊先で懇談の場をつくっていただいて、東九州道の県下全通と、先ほども出てきましたが、安全対策、それから中央道の建設促進、延岡南道路料金体系見直し等、県内インフラ整備について要望し、今回の行動につなげることができました。延岡南道路に関しましては、知事の答弁の中で先ほどございましたが、3つの課題があるというふうに言われていますけれども、高速道対策局を含めて県土整備部が積極的に動いていただいて、そういう課題を明確にしてもらいました。その3つの課題のうち、料金体系については見直しの方向が示されましたが、他の課題について、県としてどのように取り組んでいくか、再度、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 延岡南道路が抱える3つの課題のうち、料金体系につきましては、県議会の皆様のお力添えもありまして、国土交通大臣が、見直す方向で指示されたところであります。 残る2つの課題のうち、住宅地に大型車が流入するなどのネットワーク上の課題につきましては、広域的な検討を国にお願いしているところでありますが、県としましても、周辺道路の交通混雑緩和などとあわせ、国と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 次に、生活道路の交通安全対策につきましては、延岡市や警察と連携し、これまで、歩行者等の巻き込み防止対策や、視界を妨げる街路樹の剪定などを実施したところでありまして、引き続き、交差点の改良なども行ってまいりたいと考えております。 今後とも、国や延岡市など関係機関と連携を密に図りながら、これらの課題解決に向け取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 我々も全力で取り組んでまいりたいと思います。 教育行政について、教育長にお伺いいたします。 1点目は、いじめ問題についてでございます。全国の国公私立小中高、特別支援学校が平成27年度に把握したいじめは22万5,132件、前年度から3万7,060件ふえて過去最多となったことが、文部科学省の問題行動調査で明らかになりました。いじめは、小学校が15万1,692件で過去最多、中学校は5万9,502件、高校は1万2,664件でした。内容は、全体の63.4%を占めた「冷やかしや悪口」が最多でございました。児童生徒が心身に大きな被害を受けるなど、いじめ防止対策推進法で規定されている重大事態は、298校で314件、自殺した児童生徒でいじめがあったのは9名でございました。今でもはらわたが煮えくり返るのが、東京電力福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難してきた中学校1年生の生徒が、避難直後から小学校でいじめを受けていた事例でございます。いずれにしても、いじめ防止対策推進法の施行から3年余り、いじめられ自殺に追い込まれる深刻なケースが後を絶たない現実でありますが、平成27年度の本県のいじめの認知件数、その内容、取り組み状況についてお伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) 平成27年度の本県におけるいじめの認知件数につきましては、小学校4,532件、中学校1,289件、高等学校140件、特別支援学校46件であり、合わせて6,007件となっております。また、その内容につきましては、どの校種におきましても、「冷やかしやからかい、悪口やおどし文句、嫌なことを言われる」「仲間外れ、集団による無視をされる」といった内容が半数以上を占めております。 なお、いじめ問題に対する県教育委員会の取り組みにつきましては、いじめはどの学校でも、どの子供でも起こり得るとの危機感を持って、各学校においていじめ問題に対する適切な対応がなされるよう、全ての公立学校の担当者を集めた協議会を開催するなど、あらゆる機会を捉え、指導の徹底を図っております。また、より複雑化、多様化するいじめ問題に対応するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門家の活用についても充実を図っているところであります。 ◆(河野哲也議員) 文科省は有識者会議で、いじめへの対応を定めた「いじめ防止対策推進法」の見直し論議を踏まえて、強化策の提言をまとめています。例えば、いじめを教職員の業務の最優先事項に位置づけ、いじめの情報共有が義務であると強調し、懲戒処分まで言及していますが、文科省の有識者会議が策定した、「いじめ防止対策推進法の施行状況に関する議論のとりまとめ」を、県教育委員会はどのように受けとめているか、お伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) 今回の「とりまとめ」は、これまでのいじめ防止等の対策における現状や課題を整理し、今後の対応の方向性が示された重要なものであると受けとめております。特に、いじめへの対応を優先して行うことや、いじめに関する情報の共有化を図ることは、いじめ問題対策の根幹にかかわることであり、教職員は十分に理解し、保護者や地域の方々の協力もいただきながら、いじめの問題に取り組む必要があると考えております。県教育委員会といたしましては、その周知を図るため、市町村の担当者を一堂に集め説明会を行うとともに、全ての県立高等学校を訪問し、「とりまとめ」の内容に関する指導を行ったところであります。今後とも、各学校での対策が改善・充実されますよう、さまざまな機会を通して指導してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) ぜひお願いしたいと思います。 2点目でございます。夜間中学の設置の促進についてでございます。夜間中学は、さまざまな理由により義務教育未終了のまま学齢を超過した方々の学習ニーズに対応し、就学機会の確保に重要な役割を担っていますが、現状は、8都道府県25市区、31校の設置にとどまっています。さまざまな事情により義務教育を終了できなかった方々の中には、戦後の混乱期の中で、教育を受けたくても受けられなかった方、あるいは親の虐待によって、学齢にもかかわらず居場所不明となって学校に通えなかった方々、無戸籍などの特別な事情で学校に就学させてもらえなかった方々も含まれていると言われております。こうした方々に対する教育を受ける機会の確保について、お考えをお聞かせください。 ◎教育長(四本孝君) さまざまな事情で、義務教育を終了しないまま学齢を超えた方々や、不登校等により実質的に十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した方々、また、近年増加しております、本国や我が国で義務教育を十分に受けられなかった外国籍の方々に対して、義務教育を受ける機会を確保することは、本人の社会的・経済的自立につながるとともに、豊かな人生を送る上でも大変重要であると考えております。本県におきましても、そのような方々に対して、できる限り学ぶ機会の提供に努めておりまして、例えば、県内の公立中学校では、15歳を超えた外国籍の生徒の在籍を認めたり、未就学者に対して、文字の読み書きを中心とした講座を実施したりするなど、実態に応じた学習支援が行われているところであります。 ◆(河野哲也議員) ということは、本県も未就学者がいるということであると思うんですけど、その数、わかっていたら教えていただきたいと思います。 ◎教育長(四本孝君) 平成22年に行われました国勢調査によりますと、本県の未就学者の数は1,219名であります。 ◆(河野哲也議員) 1,000名を超す方々が義務教育の機会を奪われていると。文科省は、実は27年度に、未設置県に委託事業を用意していたんですけど、本県は応募していません。文科省の事業については、予算がある限り随時追加募集を行うとしています。夜間中学開校に向けて準備を行うべきではないかと思いますけど、お考えをお聞きしたいと思います。 ◎教育長(四本孝君) 昨年12月に成立いたしました「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」では、地方公共団体に対し、夜間中学における就学機会の提供など、必要な措置を講ずることが求められております。こうした国の動向も踏まえ、県教育委員会では、他府県の公立夜間中学を実際に視察し、教職員の配置や教育課程の工夫等について聞き取りを行うなど、調査・研究を進めているところであります。今後は、教育庁内に夜間中学に関する検討会議を設置しますとともに、県と市町村との連絡協議会を開催し、公立夜間中学の現状と課題、具体的なニーズなどについて情報共有を図り、協議してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 早急に設置に向けた検討をお願いしたいと思います。 県内の廃校施設の利活用についてお願いします。北部教育事務所管内でも、延岡市で跡地の未利用が6校、一時的利用が2校、日向市が2校が一時的に利用、高千穂町が未利用3校と、跡地利用がなされていないところが10校を超えます。地元の声としては、「企業誘致ができないものか」という声も聞かれます。そこで、公立学校の跡地利用についての基本的な考え方をお伺いします。 ◎教育長(四本孝君) 閉校した県立学校の跡地につきましては、庁内の各部局や地元市町村の意向を踏まえて、利用方法について検討することとし、利用の意向がない場合は、公募により売却をするということにしております。また、市町村立小中学校の廃校跡地につきましては、市町村がその利用方法について検討を行っておりますが、県教育委員会といたしましては、市町村立小中学校の廃校跡地利用の取り組みを支援することは、大変重要であると考えているところであります。 ◆(河野哲也議員) 利用を積極的に進めている団体も出ているんです。その代表は、「100%民間の力を結集しながら、先進的な利活用の事例をつくりたいと思っている。民間からこうしたいというアイデアを示したとしても、自治体は、その意見を集約し、民間連携を進めるための仕組みが脆弱であると感じる」というふうに答えています。また、「自治体は、既存の地域組織との連携がほとんどで、新たな任意のまちづくり団体や一企業との連携は苦手なんじゃないか」という感想も述べられていました。今後、推進するためにどのように取り組んでいくか、答弁を求めます。 ◎教育長(四本孝君) 平成14年度以降に廃校となった市町村立小中学校72校のうち、約3割に当たる21校が現時点で未利用となっております。未利用の理由といたしましては、「利用方法がわからない」「地元からの要望がない」等の意見がありますことから、県教育委員会といたしましては、各市町村に対して、地域の実態に合った廃校跡地利用の活用事例の紹介や、利活用のアイデアを広く募集できる文部科学省の「みんなの廃校」プロジェクトへの掲載を案内するなど、きめ細かな情報を提供することにより、市町村の廃校跡地利用の取り組みを支援してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 国の事業である「みんなの廃校」プロジェクトへの募集を推進するという答弁でありましたが、ちょっと調べてみました。鹿児島県は現時点で26件挙がっているんです、その募集要項に。宮崎はたったの1件です。本県がこの事業、本当に積極的なのかということにはてながつくような、消極的だなと思います。答弁にありましたので、ぜひ推進をお願いしたいと思います。県内の廃校施設の利活用は、自治体がその役割の一部を民間移譲もしくは連携して推進すべきだと考えます。どうかよろしくお願いいたします。 特殊詐欺について、警察本部長にお伺いいたします。 全国に広がる被害の深刻さから、警察庁は平成16年から統計をとり始めましたが、平成27年の被害総額は477億円で、3年連続で400億円を超えています。一方、平成27年の宮崎県内の特殊詐欺被害額は約1億6,500万円で、過去最悪だった平成26年の約3億5,000万円からほぼ半減いたしました。金融機関など関係機関と連携した水際対策や啓発活動の効果が出ていると実感しますが、昨年の全国及び本県における特殊詐欺被害の現状についてお伺いいたします。 ◎警察本部長(野口泰君) 平成28年の全国における特殊詐欺被害の状況は、認知件数1万4,151件、被害額約406億円となっており、前年と比べ、認知件数は微増であり、被害額は約76億円の減少となっております。一方、平成28年の本県における特殊詐欺被害の状況は、認知件数27件、被害額1億6,859万円となっており、前年と比べ、認知件数は18件の減少となりましたが、被害額は約350万円の微増となっております。全国、本県ともに過去最高の被害額となった平成26年と比べ被害額が減少するなど、数値的な改善が認められるものの、高齢者被害の高どまりなど、依然として厳しい状況で推移をしております。 ◆(河野哲也議員) 確かに詐欺集団は手口を巧妙化させています。残念ながら、2月も高千穂で、「有料サイト運営会社から身辺調査依頼を受けている」という、うその内容のショートメールで架空請求詐欺事件が発生して、約860万円の被害があったと報道されました。そこで、本県の特殊詐欺被害は減少傾向にありますが、県警察における特殊詐欺への取り組み状況についてお伺いいたします。 ◎警察本部長(野口泰君) 特殊詐欺の撲滅は、治安対策上の重要課題であり、県警察では取り締まりと予防の両面から対策に取り組んでおります。取り締まりについては、「だまされた振り作戦」の実施による実行犯被疑者の検挙、突き上げ捜査や他県警察との連携による中枢被疑者の検挙、犯行に悪用される預貯金口座や携帯電話の売買などの助長犯罪の取り締まり等を推進しております。予防については、金融機関、郵便・宅配事業者、コンビニエンスストア等との協働による被害の水際阻止、コールセンター事業や巡回連絡等の防犯指導による県民の皆様への直接的・個別的な注意喚起、路線バス車内アナウンスや街頭ビジョン、新聞紙面等の媒体を活用した広報啓発、防犯メール、地域防災無線を活用した発生情報の提供等を推進しております。特殊詐欺は、時期に応じた話題が詐欺の口実として悪用されやすいことや、犯行の手口及び被害金の交付形態等が変遷しやすいことから、今後も、被害実態を的確に捉え、適切な被害防止対策を講じてまいります。 ◆(河野哲也議員) 引き続き、本県の特殊詐欺撲滅に全力で御尽力いただきたいと思います。 私たち公明党県議団は、これからも「大衆とともに」の理念のもと、現場第一主義を貫き、県民の思いを酌み取り、1人でも多くの県民に希望が行き渡ることを目指して、全力で取り組むことをお誓いし、私の代表質問を終わります。(拍手) ○議長(星原透) 以上で代表質問は終わりました。 あすの本会議は、午前10時開会、一般質問であります。 本日はこれで散会いたします。   午後2時19分散会...