宮崎県議会 > 2016-12-02 >
12月02日-04号

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  1. 宮崎県議会 2016-12-02
    12月02日-04号


    取得元: 宮崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-20
    平成28年11月定例会平成28年12月2日(金曜日)                       午前10時0分開議 ───────────────────   出 席 議 員(39名) 1番 西 村   賢 (自由民主党 青の国) 2番 有 岡 浩 一 (愛みやざき) 3番 来 住 一 人  (日本共産党宮崎県議会議員団)   4番 重 松 幸次郎 (公明党宮崎県議団)   5番 渡 辺   創 (県民連合宮崎)   6番 岩 切 達 哉  (  同  )   7番 二 見 康 之 (宮崎県議会自由民主党) 8番  清 山 知 憲 (  同  ) 9番  島 田 俊 光 (  同  )   10番 日 高 博 之 (  同  )   11番 野 﨑 幸 士 (  同  ) 12番 日 髙 陽 一 (  同  )   13番 星 原   透 (  同  ) 14番 濵 砂   守 (ひむかの会) 15番 図 師 博 規 (愛みやざき)   16番 前屋敷 恵 美  (日本共産党宮崎県議会議員団)   17番 河 野 哲 也 (公明党宮崎県議団)   18番 田 口 雄 二 (県民連合宮崎)   19番  髙 橋   透 (  同  ) 20番  丸 山 裕次郎 (宮崎県議会自由民主党)    21番 中 野 一 則 (  同  ) 22番 中 野 広 明 (  同  ) 23番 黒 木 正 一 (  同   )   24番 横 田 照 夫 (  同  )   25番 山 下 博 三 (  同   ) 26番  右 松 隆 央 (  同   )   27番 井 上 紀代子 (県民の声)    28番 徳 重 忠 夫  (自由民主党県民クラブ)   29番 新 見 昌 安 (公明党宮崎県議団)   30番 満 行 潤 一 (県民連合宮崎) 31番 太 田 清 海 (  同  )   32番 緒 嶋 雅 晃 (宮崎県議会自由民主党)   33番 後 藤 哲 朗 (  同  )   34番 外 山   衛 (  同  )   35番  松 村 悟 郎   (  同  )   36番 坂 口 博 美 (  同  )   37番  蓬 原 正 三 (  同  )   38番  井 本 英 雄 (  同   )   39番 宮 原 義 久 (  同   ) ─────────────────── 地方自治法第121条による出席者  知     事 河 野 俊 嗣   副  知  事 稲 用 博 美   副  知  事 内 田 欽 也   総合政策 部長 永 山 英 也   総 務 部 長 桑 山 秀 彦   危機管理統括監 畑 山 栄 介   福祉保健 部長 日 隈 俊 郎   環境森林 部長 大 坪 篤 史   商工観光労働部長 中 田 哲 朗   農政水産 部長 郡 司 行 敏   県土整備 部長 東   憲之介  会 計 管理者 髙 原 みゆき  企 業 局 長 図 師 雄 一   病 院 局 長 土 持 正 弘   財 政 課 長 川 畑 充 代   教  育  長 四 本   孝   警 察 本部長 野 口   泰   代表監査 委員 高 橋   博   人 事 委員長 村 社 秀 継  ─────────────────── 事務局職員出席者  事 務 局 長 甲 斐 正 文   事務局 次 長 奥 野 信 利   議 事 課 長 長 倉 健 一   政策調査 課長 小 田 博 之   議事課長 補佐 伊 豆 雅 広   議事担当 主幹 松 吉   浩   議事課 主 査 沼 口 恭一郎  議事課主任主事 森 本 征 明 ──────────────────── △一般質問 ○議長(星原透) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、昨日に引き続き一般質問であります。 ただいまから一般質問に入ります。まず、日髙陽一議員。 ◆(日髙陽一議員) 〔登壇〕(拍手) 皆さん、おはようございます。きのう、議会中に井上議員に何度か呼ばれた気がした宮崎のひなた、日髙陽一です。 2016年もあと残り1カ月となりました。ことしは4年に一度のオリンピック・パラリンピックの年ということで、スポーツの印象が強い1年になったと思います。私の中では、オリンピックよりも、25年ぶり、広島カープのリーグ優勝がとても印象に残っております。我が県の日南市も大変盛り上がったということで、外山先生、髙橋先生、本当にお疲れさまでした。来年2月5日に日南市で広島カープのファンが集まってパレードが行われるということで、本当に楽しみにしていたいと思います。これもやっぱり、広島の選手の努力のおかげと思います。黒田選手、そしてまた新井選手が頑張っていらっしゃいましたけれども、私の中では、沢村賞をとったジョンソン選手がすごかったのではないかなと思っております。 この沢村賞ですけれども、御存じの方はいらっしゃらないかもしれませんが、今から約80年前に―今、大谷選手が165キロを投げてすごいすごいと言われていますけれども―160キロを投げていたんじゃないかと言われる伝説のピッチャーであります。日本シリーズは3連投して3勝、優勝したという、今では考えられない伝説のピッチャーであります。きょうは、そんな沢村栄治選手の命日でもあります。私は、議員として、いつか沢村賞がとれるような議員になるべく頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 きのう、西村議員からもありましたけれども、先日行われましたアメリカ大統領選挙でトランプ氏が次期大統領に選ばれました。オバマ政権が推進したTPPですが、我が県の基幹産業である農業関係者にとっては、長い時間、この先の見えないTPPのためにさまざまな勉強や対策などに時間を費やしてきました。しかし、トランプ氏は、就任初日にTPPの離脱を通告すると明言しました。日本とともに交渉を先導してきたアメリカの次期大統領が正式に離脱を表明し、私たちの生活は一段と不透明となりました。 そんな世界情勢の中、宮崎県独自の外交ルートをつくり、発信するべきではないでしょうか。本県は、「みやざきグローバル戦略」に基づき、東アジア市場に軸足を置きながら、世界市場にも視野を広げた取り組みを推進し、海外との交流拡大を図っています。特に香港は、日本の文化に対する関心の高まりや健康志向を背景に日本食品の市場が拡大しており、「みやざきグローバル戦略」においても、県産品輸出の重点国・地域の一つと位置づけられています。 県会議員の有志でブルネイ国を調査したことがきっかけとなり、先日、ブルネイ・ダルサラーム国ヤスミンエネルギー・産業大臣と会談する機会を得ました。ハラールビジネスの可能性や食文化の輸出等について意見交換を行い、宮崎とブルネイの交流推進に手応えを感じたところであります。 また、先日、海外経済戦略対策特別委員会で香港を訪問し、現地のスーパーでの販売状況や、香港領事館、香港貿易発展局での意見交換等、香港の状況を調査してまいりましたが、世界中から商品が集まる競争の激しいところではあるものの、商品の特徴がしっかりと認知されれば、輸出が促進され、経済交流の拡大が期待できると確信したところであります。知事は、先月、香港を訪問されましたが、どのような感想を持たれたか、お伺いをいたします。 以下、質問者席で質問いたします。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 おはようございます。お答えいたします。 香港を訪問した感想についてであります。今回の訪問では、航空会社、旅行会社などへ、定期路線の維持・充実や観光誘客についての要望を行いますとともに、総領事館や香港経済界を代表する方と、宮崎と香港との今後の交流などにつきまして、意見交換を行ってまいりました。 香港では、北京に直結する高速鉄道でありますとか、マカオとの間をつなぐ大きな橋を建設中でありまして、中国本土との結びつきを強めながら、さらに発展していく町全体の活気のようなものを感じ取ったところであります。また、中国の国民が年間約4,700万人香港を訪れるということ、さらには香港の最新トレンドというものに大変注目が集まり、それをまねるという傾向があるなど、貿易や観光の面で、いわばアジアのショーケースとなっている、トレンドセッターとなっているということを改めて実感したところであります。 日本からの食の最大の輸出先であること、それから、香港から日本を訪れる観光客はことしは200万人を突破するのではないかという、右肩上がりの状況であります。本県が交流を進めるターゲットとして大変重要な地域であると、改めて認識したところであります。このため、今後とも、私が先頭に立って、関係者との人脈づくりや本県の魅力発信などに積極的に取り組み、香港とのより一層の交流拡大に努めてまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(日髙陽一議員) 香港に対する輸出拡大など、引き続き力強い取り組みをお願いしたいと思います。我々もしっかりと応援してまいりたいと思います。 さて、近年、県産農畜水産物の輸出は、香港や北米を中心に大きな伸びを示しております。新たな販路拡大として大いに期待しているところであります。特に香港においては、国内の産地間競争が激化している中、平成27年度の輸出実績は、前年度に比べ140%の8億1,400万円となり、県香港事務所等による日々の営業活動や、産地・企業等の商談支援などの取り組みが実を結んでいることを実感いたしました。 ただ、今回、海外調査で香港の量販店を視察した際に、日本産のものは多くあるのですが、宮崎県産のものは、カンショや鶏卵、そしてソフトドリンクぐらいしか見ることができませんでした。農産物については、季節的な増減が発生するのはやむを得ないと思いますが、個人的には、持続的な輸出拡大を図っていくためには、海外の量販店や商社との連携により、宮崎の農畜水産物が周年安定供給できるような産地づくり、取引づくりの視点を持って取り組みを進めることが不可欠だと思います。その取り組みが、今後、香港のみならず、EUや北米などにおける新たな販路開拓につながるのではないかと感じているところです。そこで、農政水産部長に、農畜水産物の輸出拡大に向けどのような取り組みを進めているのか、また今後どのように進めていくのか、お伺いをいたします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 農畜水産物の輸出につきましては、過去最高を記録いたしました昨年度の実績約25億円を、平成32年度にはその約1.8倍になる44億円とする目標を掲げ、議員からお話がありましたが、現在、「みやざきグローバル戦略」に基づき、東アジアに軸足を置きつつ、EUや北米への輸出拡大に向けた取り組みを進めているところであります。 具体的に申し上げますと、九州各県が連携した香港等でのフェアの開催や、EUへの米やお茶などのテスト輸出、さらには北米での牛肉プロモーションによる新しい取引づくり、それから、キャビアの輸出に向けた加工施設等の整備などに取り組んでいるところであります。 県といたしましては、引き続き、県内産地や企業と一体となって、海外量販店や商社との取引拡大を加速化させるとともに、牛肉等の輸出拠点施設の整備など、輸出拡大に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 私がつくっているピーマンを初め、本県の安心・安全な農畜産物は世界に誇れるものと思っております。宮崎産のPRをどうぞよろしくお願いいたします。 ことし、焼酎の出荷量が2年連続日本一を達成いたしました。焼酎も、本県が世界に誇れる加工品であると考えております。焼酎蔵元の若手の方々は、EUや北米に向けた輸出を目指して頑張っていると聞いております。そこで、商工観光労働部長に、焼酎の輸出拡大に向けた取り組みについてお伺いをいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) 焼酎は、本県を代表する地場産品であり、有望な輸出品目の一つであると考えております。このため現在、県では、国際見本市への出展やバイヤーを招聘しての商談会の開催、さらには販路開拓活動に要する経費の助成など、輸出に意欲的な焼酎メーカーの支援に取り組んでおります。また、競争の厳しい世界のアルコール市場の中で、焼酎の認知度向上や市場拡大を図るためには、現地の食文化に合わせた飲み方の提案や、新たな商品開発などが重要であると考えております。 このため、県といたしましては、ジェトロとの連携により、アメリカのメディア等との意見交換会を開催し、アドバイスを受けるとともに、海外でのプロモーションの機会を設けるなど、業界の取り組みに対しまして支援を行っているところであります。今後とも、関係機関等と十分に連携し、焼酎メーカー等のニーズを踏まえながら、焼酎の輸出拡大に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 今後とも、輸出に取り組みやすい環境づくり、マーケットインの商品づくり、そしてまた販路の開拓・拡大、流通ネットワークの充実・強化など、県内の生産品の輸出を促進するための取り組みを継続していただくようお願いいたします。 続いて、国際定期路線についてお伺いをいたしたいと思います。 現在、宮崎県は、ソウル、台北、香港と結ばれています。本県への観光客の誘致や経済交流を拡大していく上で、これらの路線は大変重要になってまいります。しかし、宮崎空港を発着する3つの国際定期路線について、熊本地震の影響で4月から8月までの利用者数がいずれも落ち込み、3路線合計で前年に比べ15.5%減少いたしました。4月の熊本地震発生の影響により、利用者が減少した国際定期路線の維持を図るため、9月議会以降、知事はどういった取り組みをしてこられたのか、お伺いをいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 熊本地震の影響によりまして、国際定期路線は厳しい運航状況が続いたわけでありまして、これに強い危機感を持ち、その維持・充実を図るため、星原県議会議長とともに、10月にチャイナエアライン本社、11月にアシアナ航空本社、また香港航空本社などを訪問して、要望等を行ったところであります。特に、減便となった台北線につきましては、便の回復を強く要請したところであります。 各航空会社に対しましては、これまで実施してきました本県への誘客対策や、本県からの渡航拡大などの利用促進事業に加え、9月議会において議決いただきました、新たな利用促進の取り組みなどについて、私みずから説明をして、その取り組みというものを評価いただいたところであります。また、観光を初め、経済や文化、スポーツなど、さまざまな分野での交流を深めていくためには、これらの路線が非常に重要であると、我々としても認識し、今後とも努力していきたいということを説明し、お互いにいろんな形で連携を深めていこうということで意見交換をしたところであります。今後とも、本県と就航先であります韓国、台湾、香港とのさらなる交流促進を図りますとともに、各航空会社等との信頼関係をより深め、路線の維持・充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 先ほど知事もおっしゃったように、10月末から台北線が週3便から週2便に減便されました。せっかくできた台湾とのかけ橋です。宮崎の企業もこれをきっかけに台湾とビジネスをスタートさせ、頑張っていらっしゃる方もいらっしゃいます。減便となった台北線の便の回復に向けてどのように取り組んでいくのか、総合政策部長にお伺いをいたします。 ◎総合政策部長(永山英也君) 台北線につきましては、私も知事とともにチャイナエアライン本社を訪問しまして、便の回復に向けた要望を行う中で、本県と台湾との双方向での交流を一層促進し、搭乗率を向上させる必要性を改めて強く認識したところでございます。 このことから、本県からの渡航を促進するため、従来から実施しておりますビジネス渡航海外教育研修への支援事業に加え、9月議会にて議決いただきました補正予算によりまして、グループ旅行への支援やパスポート取得への支援、及び広報・PR等の事業を行っているところであります。また、台湾からの誘客を図りますために、九州ふっこう割を活用した旅行商品の割引を初め、台湾でのプロモーション活動等に取り組んでおります。 これらによりまして、台北線の搭乗率につきましては、10月が63.5%、11月は79.0%となったところであります。しかしながら、依然として予断を許さない状況にございます。引き続き利用促進に努めますとともに、できるだけ早い機会に再度チャイナエアライン本社を訪問しまして、便の回復に向けました本県の強い意欲を伝えるとともに、今後も全力で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 一度航空会社が路線を廃止すると、もとに戻すのはゼロに近いと言われております。台湾との経済交流を推進していく上で欠くことのできない重要な交通基盤ですので、これからも路線の維持・充実に力を入れていただきたいと思います。 続きまして、農地中間管理事業についてお伺いをいたします。 先日、兵庫県養父市に視察に行ってまいりました。養父市は国家戦略特別区域の指定を受けており、11社の企業が参入して、耕作放棄地の活用に取り組んでいました。宮崎にもさまざまな企業が参入しておりますが、本県における他産業からの参入状況と、参入に対する県の基本的な考え方について、農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 本県におきます他産業からの農業参入につきましては、平成27年末で124法人となっており、近年では、地域の農業者やJAと連携した「JR九州ファーム」のピーマン栽培や、地元企業との共同事業体であります「ひむか野菜光房」の低コスト太陽光利用型の植物工場など、多様な業種からの参入が見受けられます。 こうした農業参入は、本県農業の生産拡大や活性化に寄与するとともに、農業者の所得向上にもつながりますことから、県では、農業参入フェア等での優良企業の掘り起こしや、農業者とのマッチング、さらには参入後の普及センター等による技術支援のフォローアップを実施しながら、参入支援に積極的に取り組んでいるところであります。また、参入の際には、地域との調和が特に大切であると考えておりまして、企業と地域の農業者等が信頼関係を結ぶこと、それから、戦略的なパートナーシップを構築できますように支援してまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 農業をされている方は、企業が参入してくることに対して、やはり大きな不安を持っていらっしゃると思います。しっかりと現場の意見を聞き、地域と連携して対応しながら、農業者の所得向上につなげていただきたいと思います。お願いいたします。 養父市では、青森県と気候が似ているということから、耕作放棄地を活用したニンニクの産地を目指しています。昨日もお話にありましたが、宮崎ではパプリカの産地化に向けて、県総合農業試験場を中心に取り組んでいらっしゃるようですが、新たな宮崎の特産品になるよう、栽培ノウハウを確立させていただきたいと思います。 次に、養父市では、農業生産法人農家レストランの要件緩和を生かした6次産業化の推進が図られておりました。本県でも、フードビジネス振興構想のもと、6次産業化への取り組みが活発化していると聞いております。本県における6次産業化の取り組みについて、農政水産部長にお伺いをいたします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 本県におきます6次産業化の取り組みにつきましては、六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の認定件数が90件と、全国4位、九州では第1位となっておりまして、意欲ある農業者のさまざまなチャレンジが見受けられるところであります。 県では、これら計画の具体化を推進するために、販路拡大に必要な機器等の整備を支援しておりますほか、県農業振興公社を「6次産業化サポートセンター」と位置づけ、29名の多彩な分野の専門家をプランナーとして派遣したり、県内8カ所で相談会を実施しているところであります。また、「みやざき6次産業化チャレンジ塾」を開催し、5年間で239名の卒業生を送り出すなど、6次産業化を担う人材育成にも取り組んでおります。今後とも、これら6次産業化に取り組む農業者をしっかりとフォローアップすることで、新しい産業創出による地域の活性化と雇用の拡大を図ってまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) ぜひともよろしくお願いいたします。 大きな問題となっている耕作放棄地ですが、高齢化やお米の低価格などの影響で、米をつくらない人たちが今ふえてきております。そこで、大型機械を所有している米農家の方が、米をつくらなくなった人たちの田を借りて、今、お米をつくっています。現場の人たちからは、東北に比べると、宮崎では農地中間管理事業が進んでいないという声を多く聞きますが、宮崎県での農地中間管理事業のこれまでの取り組み状況について、農政水産部長にお伺いをいたします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 農地中間管理事業の推進に当たりましては、農地中間管理機構の地域駐在員や市町村推進員等を配置するなど、現場における事業推進の体制を強化し、地域の話し合いの場において積極的に説明を行うなど、農家への事業の周知や理解促進に取り組んでいるところであります。また、申請手続の簡素化や貸借期間の原則10年から5年への見直しなど、現場からの要望を踏まえ、農家や市町村等が取り組みやすいよう、さまざまな改善にも取り組んできたところであります。 その結果、昨年度までの2年間で2,267ヘクタールの農地を借り受け、機構を介して担い手等に貸し付けたところであり、中には、高千穂町中川登地区のように、集落単位で機構に農地を預け、将来にわたり地域ぐるみで農地を守っていく取り組みも始まっているところであります。 ◆(日髙陽一議員) 今、テレビで農地中間管理事業のCMを私もよく見ます。大分、理解促進されているんじゃないかと思いますけれども、やはり現場で説明をしていただくことが理解促進には一番だと思いますので、耕作放棄地が少しでも少なくなるよう、マッチングできるよう、ぜひ現場に足を運んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 続きまして、全共3連覇についてお伺いいたします。 平成24年に長崎県で開催された「第10回全国和牛能力共進会」において、我が県の宮崎牛は、口蹄疫により多くの牛を失ったという厳しい条件のもと、2連覇を達成しました。2連覇達成の瞬間の関係者の喜びの表情は、皆さんの記憶にも鮮明に残っていることと思います。 さて、いよいよ来年9月、「第11回全国和牛能力共進会」が宮城県で開催されます。初の3連覇に向け、関係者のやる気、周囲の期待、そしてプレッシャーは相当なものではないかと思いますが、全共3連覇に向けた現在の取り組み状況について、農政水産部長にお伺いをいたします。
    農政水産部長(郡司行敏君) 来年9月に宮城県で開催されます「第11回全国和牛能力共進会」まで残り9カ月余りとなる中、3連覇に向けた出品対策につきましては、県推進協議会を中心に、生産者、関係機関が一体となって万全の準備を進めているところであります。 具体的に申し上げますと、肉質を競います肉牛の部門におきましては、94頭の出品候補牛を現在、肥育農家において飼養し、関係機関による定期的な巡回指導等を通じて、最高の宮崎牛となるよう徹底した管理を行っているところであります。 また、雌牛等の優劣を競います種牛の部門におきましては、「全共3連覇を目指す「チーム宮崎」体制確立事業」を活用しながら、本県代表牛となり得る県内の優秀な雌子牛の確実な保留を進めているところであります。 加えまして、母牛等を対象にことし9月に開催いたしました「第11回全国和牛能力共進会宮崎県出品対策共進会」、いわゆるプレ全共でございますけれども、この結果を踏まえまして、いま一度、徹底した出品候補牛の選抜を進めているところであります。 ◆(日髙陽一議員) 続きまして、全共3連覇に向けた今後の対策について、引き続き、農政水産部長、よろしくお願いいたします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 今後の出品対策につきましては、徹底した選抜作業を経て、来年4月から5月に、県内7つの地域ごとに出品候補牛が選定され、その中からさらに7月に、本県代表牛を決定することとしております。「宮崎を制する者は全国を制する」という言葉がございますが、この言葉に代表されますように、地域間の競争はレベルの高いものになることが予想され、その厳しい競争の中で、代表牛決定検査を行い、全共で勝てる牛を選び出したいと考えております。 また、今回の全共の開催地は、東北の宮城県でございます。1,500キロを超える長距離の輸送対策など、環境の変化に対応した出品牛の体調管理も非常に重要な課題となります。県といたしましては、これらの対策に万全を期すべく、今後とも「チーム宮崎」一体となって、「日本一の努力と準備」を合い言葉に、3連覇達成のために全力で取り組んでまいります。 ◆(日髙陽一議員) 今回の第11回大会は、各県、力を入れてきていると聞いております。特に宮城県は開催県ということもあって、日本一獲得を目指していると聞いています。2連覇している宮崎県ですが、今までどおりでは日本一連覇は厳しい状況にあると思いますので、万全の体制で、これまで以上の準備力で臨んでいただきたいと思います。 宮城大会が終わった後の5年の間、さまざまな世界大会が日本で行われます。ラグビーワールドカップ、東京オリンピック、世界からお客様が訪れる中、宮崎牛をPRするに当たって、「日本一」のタイトルを持っているのと持っていないのでは、大きな違いがあると思います。是が非とも、「日本一」の称号を獲得していただきたいと思います。 ところで、畜産農家も、高齢化や後継者不足が悩みであり、担い手の確保が課題となっています。畜産をやりたいという若者がいても、畜舎の準備、設備費用が高くて諦める。例えば、牛50頭の牛舎の建設費用は約5,000万円かかるとも言われています。こういったことが後継者不足につながっているのではないかと思います。後継者がいないため、廃業せざるを得ない畜産農家もあります。そこで、肉用牛生産基盤強化の取り組みについて、農政水産部長にお伺いをいたします。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 肉用牛生産基盤の強化は、議員御指摘のとおり、大変重要で喫緊の課題であるということから、県といたしましては、平成26年に、各地域における増頭や生産性向上等の目標を定めた「人・牛プラン」を全国に先駆けて策定し、その達成に向け、施設整備や繁殖雌牛の導入等を推進してきたところであります。 具体的には、27年度以降に取り組んでおります「畜産クラスター事業」によりまして、今年度の計画も含めて申し上げますと、新規就農や規模拡大等の担い手の施設整備が59件、それから、肉用牛の分業化への取り組みとして、JAの繁殖センター等、地域拠点施設の整備が3件と、生産基盤の強化に向けた積極的な動きが出てきているところであります。 このような取り組みを背景として、本県の繁殖雌牛頭数は、平成28年2月現在で7万8,800頭と、7年ぶりに増頭に転じたところであり、今後とも、市町村やJA等と連携しながら、繁殖雌牛8万頭の目標に向け、全力で取り組んでまいる所存でございます。 ◆(日髙陽一議員) 7年ぶりの増頭は非常にうれしく思っています。産地活性化のために産地基盤の強化は必要ですので、引き続き対策を行っていただきたいと思います。 続いて松くい虫について、4回連続ですけれども、聞かせていただきたいと思います。 県内における平成27年度松くい虫の被害量は、最終的に前年度の1.3倍となる約5,000立方メートルと言われております。7万7,000本、松くい虫の被害が出ております。特に被害の大きかった宮崎市では、前年度の1.8倍となる4万3,000本の被害が出ております。昨年度大きな被害となった海岸林の松枯れに対して、県では何か新たな取り組みを行っているのか、環境森林部長にお伺いをいたします。 ◎環境森林部長(大坪篤史君) 松くい虫の被害につきましては、昨年度、庁内にプロジェクトチームを設置しますとともに、関係機関から成る連絡会議の開催や、有識者を招いての現地検討会などを通じまして、関係者が一体となった防除対策を緊急的に実施したところでございます。 また、今年度からは、人家近くの背の高い松等を対象にしまして、ピンポイントで散布できる無人ヘリによる防除ですとか、被害拡大の要因となり得る、民家や事業所等の被害木の伐倒駆除など、従来になかった対策もスタートさせました。 さらに、県内各地の沿岸部の松林で活動するボランティアへの支援ですとか、先日は、森林・林業活性化促進議員連盟との共催で「森林づくり県民ボランティアの集い」を開催しまして、抵抗性松の植栽を実施しますなど、県民との協働による取り組みというのも進めているところでございます。 ◆(日髙陽一議員) ボランティアの皆さんが、土日を返上して、松くい虫の被害に遭った木を伐倒するなど、対応していただいたと聞いております。感謝いたします。 今年度の松くい虫の被害はどのような状況なのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(大坪篤史君) 今年度9月末のデータになりますが、松くい虫の被害量は、前年度同時期と比較しますと、県全体で約37%の1,160立方メートル、被害の大きかった宮崎市では約41%の922立方メートルになっているところであります。昨年度と比較しまして、大きく減少はしていますけれども、まだまだ被害が発生している状況にございます。したがいまして、プロジェクトチームや関係者から成る連絡会議と一体となった徹底した防除作業に、今後とも緩めることなく、しっかりと努めてまいらなければならないと考えているところであります。 ◆(日髙陽一議員) 海岸防災林は、潮害や風害の災害防止の機能を有しておりますので、農地や居住地を災害から守る重要な役割を果たしております。これ以上大きな被害にならないように、引き続き対応をよろしくお願いいたします。 続きまして、グローバル人材の育成についてお伺いいたします。 グローバル化の進展の中、英語力の向上に取り組むことは、海外戦略を進めていく上でも極めて重要です。学校においても、グローバル人材育成のために、英語学習に力を入れていると思いますが、文部科学省が実施している「英語教育実施状況調査」によると、高校3年生で英検準2級以上及び同程度の能力を有する生徒の割合は約3割、高校の英語担当教員のうち、英検準1級以上等を取得している教員の割合は6割弱だそうです。国は、教育振興基本計画の目標値に基づいて、これらの数値を引き上げることとしており、本県もさらなる向上が必要だと思います。そこで、グローバル人材の育成を推進するため、英語教育の指導力を向上させる取り組みについて、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(四本孝君) 英語教員の指導力を向上させる取り組みといたしましては、小中学校及び県立学校においては、文科省が開催する研修に教員を派遣いたしまして、その教員が講師となり、先進的な指導方法を伝達するという研修会を行っております。また、児童生徒の言語活動を充実させるための研究校を指定し、大学等の外部専門機関と連携した授業公開や研修を実施しております。 これらの研修では、ICT機器を活用したコミュニケーション能力育成の研究や、外国語指導助手(ALT)を活用した効果的な指導方法などについても研究を行っており、県内の多くの英語教員が参加をしております。今後とも、このような研修を行いまして、教員一人一人の指導力の向上を継続的に図ってまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 指導力向上は大きな課題だと思います。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 先ほど答弁の中で、「コミュニケーション能力育成の研究」とありました。高校入試や大学入試のために英語を学んでいるという生徒もいるかもしれませんが、幾ら単語や文法を暗記していても、英語でコミュニケーションをとれなければ、英語を学ぶ意味がないし、グローバル化にも対応できません。学校での英語学習において、英語によるコミュニケーション能力育成に対して大きな役割を果たすのは、外国語指導助手(ALT)です。県内にいるALTの数は86名で、このうち県立学校に36名配置されています。グローバル人材の育成のため、外国語指導助手(ALT)の幅広い活用が必要だと考えますが、その取り組みについて教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(四本孝君) 児童生徒が生きた英語に接する機会となりますALTの活用は、授業はもちろんのこと、それ以外の場面でも幅広く進めていくべきものであると考えております。これまでも、英語暗唱・弁論大会やクラブ活動の指導、学校単位で実施する英語活用キャンプ等において、ALTの活用を図ってまいりました。 また、今年度からは、「ホップ・ステップ・世界にジャンプ!~海外留学支援事業~」におきまして、生徒のグローバル意識の向上を図るため、ALTが、生徒たちと英語で議論をしたり、少人数セミナーの講師をしたりする「ワールドキャンプin hinata(ひなた)」を実施しておりまして、これに参加した生徒からは、「英語でのコミュニケーションに不安や抵抗が少なくなった」とか、「留学がしてみたくなった」などの感想が出されているところであります。今後も、グローバル人材の育成のため、本県教育活動のさまざまな場面で、幅広くALTの活用を推進してまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 英語に興味を持ってもらうための「ワールドキャンプin hinata(ひなた)」、これはすばらしい活動だと思います。このような活動をもっともっとふやしていただきたいと思います。 ところで、海外旅行に行った人の話を聞くと、大抵の人は「もう少し英語を勉強しておけばよかった」と言うのですが、わざわざ外国に行かなくても、日本でこういった気持ちを味わうと、英語を学ぶモチベーションになるのではないでしょうか。 私は、この気持ちを子供たちに体験させてあげたいと思います。例えば、家庭内グローバル化体験、ALTを家に招いて一緒に晩御飯を食べれば、わざわざ外国に行かなくても英語を体験できます。たった一晩の体験ですが、子供たちにとっては、もっと英語で話したい、英語でコミュニケーションをとれるようになりたいという大きなきっかけになるはずです。どんなきっかけでも構いませんので、より多くの子供たちが英語を学ぶ意義を感じ、グローバル化していく社会に対応できる人材になってほしいと思います。今後ともグローバル人材の育成をよろしくお願いいたします。 続きまして、WBCキャンプ等の受け入れについてお伺いをいたします。 来年3月に開催される「第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に出場する、野球日本代表チームである「侍ジャパン」の直前合宿が、2月23日から26日までの4日間、宮崎市のサンマリンスタジアム宮崎を中心に実施されることが決まりました。 12球団とメジャーリーグからの選手で構成されるチームが、この宮崎でキャンプインすることは、本当にすばらしいことだと思います。第2回大会では6日間で24万人の人が訪れたこのキャンプですが、ことしも、二刀流・大谷翔平選手や、2年連続トリプルスリーの山田哲人選手、そして先発起用の可能性の高い宮崎県宮崎市住吉出身の武田翔太投手など、注目の選手が来県されるため、球場周辺の渋滞や宿泊先での混雑が予想されます。たくさんのファンが県外から訪れる4日間です。WBCに向けた野球日本代表「侍ジャパン」のキャンプの受け入れについて、しっかりとした対策をとってほしいと思っていますが、いかがでしょうか。商工観光労働部長にお伺いをいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) ただいま議員からお話がありましたとおり、WBCに向けた野球日本代表「侍ジャパン」のキャンプが、前々回、前回に引き続きまして、今回も来年の2月に本県で実施されるということが決まったところであります。これは、日ごろからスポーツ合宿の受け入れに御尽力いただいている関係者の皆様方の御尽力と、本県が有するすぐれたスポーツ環境が評価された結果であると、大変ありがたく、また、うれしく思っているところであります。 2月に行われるキャンプの受け入れに当たりましては、ただいまお話がありましたけれども、メジャーリーガーを初めとする人気選手が参加することも想定されますことから、年内には、関係者で構成する受け入れ実行委員会を立ち上げ、交通対策や宿泊対策など、スムーズな受け入れが図られるよう、十分な準備をしてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 日本一のスポーツキャンプ地としての誇りにかけて、万全の準備と、そしてまたおもてなしの心で、「侍ジャパン」及び全国各地から訪れるファンをお迎えすることで、第4回大会で世界一奪還を目指す「侍ジャパン」の後押しをしていただきたいと思います。答弁にもありましたとおり、十分な準備をして、日本のひなた宮崎の魅力、スポーツキャンプの聖地宮崎をしっかりとPRしていただきたいと思います。 また、2019年秋には、ラグビーワールドカップが2週間、この日本で行われます。九州では、福岡県、熊本県、大分県で試合が開催されます。知事は、イングランドラグビー協会への事前合宿のトップセールスに行かれたと聞いております。成果はどうだったのか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 今回のイングランドラグビー協会の訪問につきましては、ヘッドコーチを務めるエディー・ジョーンズ氏から、宮崎で事前キャンプを検討したいという打診がありまして、その後、調整を積み重ねていく中で、ラグビー協会のCEO、最高責任者でありますイアン・リッチー氏との会談が実現したものであります。 イングランド代表は、先日のワールドカップでは予選リーグ敗退と、残念ながらそういう状況でありますが、エディー・ジョーンズ氏が就任してから、今、12連勝中、大変勢いがある中で、エディー・ジョーンズ氏の力量、また戦略についても高い評価がある。ラグビー協会としてもそれを受けとめてということでございます。 その会談の中では、本県のすぐれたスポーツ環境をアピールして、高い評価をいただいたところでありまして、本県の受け入れ環境を実際に確認したいということで、しかるべき早い時期に視察団を派遣していただくこととなったところであります。視察団の受け入れに当たりましては、関係者と連携を図り、万全の体制で臨みますとともに、本県でのキャンプの実現に向けて、最大限努力をしてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 12連勝、本当にすばらしいと思います。元日本代表監督エディー・ジョーンズ監督が率いるイングランド代表の現在の世界ランキングは、ワールドカップの王者ニュージーランドに次ぐ2位まで上がってまいりました。このキャンプが決まれば、世界のメディアが宮崎を訪れます。宮崎のプロモーションビデオにも出演していただいているエディ監督とともに、宮崎を世界に発信する大きなチャンスです。ぜひキャンプの実現に向けて頑張っていただきたいと思います。 ところで、スポーツランドみやざきには、たくさんの海外からのチームも訪れます。選手にとって一番心配なのが、けがであります。ラグビーなど、特にけがの多いスポーツです。チームドクターがついているチームもありますが、大きなけがになると、処置をする設備も必要となってきます。海外代表チームが合宿に来た際、メディカル支援はどのように対応するつもりなのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) 海外のチームに対するメディカル支援につきましては、今後、本県がキャンプ地としての優位性を図る上で大変重要な要素になってくるものと考えております。県といたしましては、言葉や医療制度が異なる中におきましても、十分な支援ができるよう、事前視察の際などに、チームに帯同するドクターやメディカルスタッフと十分な打ち合わせを行いますとともに、宮崎大学医学部や民間の医療機関と連携を図りながら、万全の体制で受け入れができるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 適切な対応ができることで、スポーツランドみやざきとしての評価が上がってきますので、医療機関としっかり連携をとって臨んでいただきたいと思います。 次に、県では、ワールドアスリート発掘・育成プロジェクトを実施していますが、スポーツ少年団で頑張っているたくさんの子供たちが、けがや故障に悩んでいます。特に、可能性のある活躍している子供たちが、チームの勝利のために自分の体を酷使して、その結果、故障につながることも多く見られます。しかし、これは指導者に知識があれば、発症を防ぐことができると思います。小中学生のスポーツによるけがを防止するために、指導者が、けが防止に関する知識を身につける必要があると思いますが、県の取り組みについて、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(四本孝君) 指導者が、スポーツによるけがを防止するための知識を身につけることは、小中学生の安全なスポーツ活動にとって極めて重要であると考えております。そのため、県教育委員会では、運動部活動の指導者を対象に、けがの予防について専門的な知識を有するアスレチックトレーナーを講師に招いた研修を行うなど、安全な部活動の実施に努めているところであります。また、スポーツ少年団を所管する県体育協会におきましても、指導者に対して、医学的知識、トレーニング等に関する研修を実施しているところであります。今後とも、関係機関等と連携を図りながら、各種研修会を充実させ、子供たちのスポーツによるけがの防止に努めてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 私が所属しております軟式野球連盟では、毎年1月に、約500人の肘や肩の故障で悩んでいる子供たちにスポーツ障害に対する検診及び健康診断を実施しています。少年野球における投手を含む各選手は、肘や肩を初め、故障者が多く見られ、将来性のある小中学生の大きな課題となっております。指導者が早目に気づくことができれば、重症になり長期離脱やそのスポーツを諦めることなどを避けることができます。早期発見が、未来ある宮崎の子供たちと宮崎のスポーツの発展につながります。今の小中学生たちは、2巡目国体の選手になる人材もいるでしょうから、けが防止に努め、競技力の向上を図っていただきたいと思います。 続いて、2巡目国体について伺います。 先日、第71回国民体育大会及び第16回全国障害者スポーツ大会が岩手県で開催されました。そこで、ことしの岩手国体を視察された感想を、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) ことしの岩手国体は、本県の天皇杯順位が39位となり、昨年の和歌山国体より3つ順位を上げたところであります。県民に元気、勇気、感動を届けていただいた選手、監督、関係者の皆様に、まず感謝を申し上げます。 私も、岩手国体の総合開会式、それからサッカー競技の会場に足を運びましたが、震災の爪跡が残る地域もある中で、心温まる応援やおもてなしの心に触れ、地元の方々の復興支援等に対する感謝の気持ちをひしひしと感じることができました。また、岩手県内の各地において、競技役員を初め、ボランティア、関係者の皆様が、国体の成功に向けて一丸となって大会を盛り上げておられる姿を見て、大変頼もしく思い、まさに大会のテーマでもある「東日本大震災復興の架け橋」となった国体であったと感じております。 ◆(日髙陽一議員) ありがとうございます。 岩手国体では、競技役員やボランティアが多数活躍していたとのことですが、例えば全国高校野球大会では、甲子園のグラウンドで審判をするには10年かかると言われております。2巡目国体に向け、資格が必要な審判や競技役員の養成にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(四本孝君) 審判や競技役員の養成は、国体の円滑な運営を図る上で必要不可欠であるとともに、各競技の普及・強化のために大変重要な課題であると考えております。特に資格が必要な審判等につきましては、資格取得に時間を要しますことから、計画的に養成する必要があると考えております。そのため、県教育委員会といたしましては、来年度に設置予定の県準備委員会において、大会を支える審判や競技役員の養成について検討していくこととしております。今後とも、競技団体や関係機関等と十分連携を図りながら、審判や競技役員の計画的な養成に、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 選手の皆さんは、この大会に向けて、長い時間を費やし、そして努力されてきます。その集大成を披露する場ですので、それぞれの競技種目で満足のいくパフォーマンスができるよう、審判や競技役員の養成をよろしくお願いいたします。 国体を運営するに当たっては、県民一体となって盛り上げていく必要があると思います。過去の大会では、学生から現役を引退された方(シルバーボランティア)まで、幅広い年代の方に参加をしていただいているようです。国体運営のためには、ボランティアが多数必要であると考えますが、どのように確保していくのか、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(四本孝君) 昭和54年の宮崎国体におきましては、「日本のふるさと宮崎国体県民運動」を展開し、運営ボランティアや県外選手団等へのおもてなしなど、多くの県民の皆様が、大会を盛り上げてくださいました。また、昨今のスポーツイベントは、多くのボランティアに支えられており、その活躍と盛り上がりが、イベント成功の重要な要素となっております。2巡目国体におきましても、競技運営はもとより、宮崎の魅力を全国へ発信するなど、幼児から高齢者まで、多くの県民の皆様がさまざまな立場で国体に携わっていただけるよう、関係機関と連携を図りながら、ボランティアの確保や養成に努めてまいりたいと考えております。 ◆(日髙陽一議員) 宮崎総力戦で、どこにも負けないすばらしい大会にしていただきたいと思います。 2巡目国体やスポーツキャンプなど、この宮崎では、これから多くのイベントが予定をされています。私たちは、宮崎に来たことがない人に向けて、観光誘致のためにさまざまな対策や広報をして努力していますが、実際に宮崎に来た人に宮崎のよさを実感してもらい、リピーターになってもらったり、地元に帰ったときに宮崎をアピールする営業マンになってほしいと思っています。 2018年には、宮崎青年会議所が誘致した日本青年会議所全国大会が本県で開催される予定です。宮崎市を中心に4日間、約1万5,000人の若き経営人が集います。このときに、しっかりとしたおもてなしと感動を届ければ、MICEなどの誘致につながるのではないでしょうか。ビジネス、観光、スポーツ、そして畜産王国の鶏肉、豚肉、牛肉の安心・安全で栄養豊富なおいしい食材、野菜など、どんな目的で来たとしても、宮崎を訪れた国内外の方が、もう一度訪れたいと思うような地域づくり、おもてなしをしてまいりましょう。 以上で、私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(星原透) 次は、二見康之議員。 ◆(二見康之議員) 〔登壇〕(拍手) おはようございます。自民党会派の二見康之です。日本のひなた、宮崎県議会のひなたの日髙議員の後を務めるのは大変恐縮でありますけれども。昨今、寒くなってきた冬を感じる時期にひなたに行きますと、ぽかぽかと暖かい日差しを感じるということは大変気持ちのいいものであります。ですが、真夏にひなたに行くと大変暑い思いをしますし、熱中症等の心配もありますので、暑い時期に限っては、やはり楠並木の木陰のところで涼しく過ごすのもいいなと思うわけなんですが……。以前、都城にある保育園で緑陰講座をしているところを拝見したことがあります。夏真っ盛りではなかったと思いますけれども、大きな園庭にある木の木陰で、椅子を並べて、園児たちがそこに座って先生の話を聞きながら勉強する。講師は、前もお話ししたこともあるかもしれませんが、子供たちに論語を教えている安岡定子先生であります。安岡先生は、御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、碩学の師と言われました陽明学の学者でもあります安岡正篤氏のお孫さんでありまして、現在、子供たちに論語をわかりやすく教えながら、そして、素読という日本古来の教育の仕方をもって、子供たちに人としてあるべき姿等を示しながら活動していらっしゃいます。 その論語の中に出てくる孔子でありますが、孔子がすごく信頼しているお弟子さんが曾子(そうし)でありまして、その曾子があらわした書物の一つに「大学」というものがございます。「大学」は、いわゆる大人の学問、大きい人と書いて、「おとな」と呼ばず「たいじん」と読みまして、人の上に立つ者、指導者となる者のために説いた書物であります。 その大学の冒頭にあるのが、「大学の道は明徳を明らかにするに在り」と。明徳というものは、いわゆる世の中の真理のことを指すことであって、それを明らかにする。現代風に言えば、例えばノーベル賞、発光ダイオードの発明やいろんな医療関係の発明、また、さかのぼれば、電気を発明し発明王と言われましたエジソン、また、飛行機をつくられたライト兄弟、そういった世の中のためになるいろいろなものを見つけること、研究すること、そういったものを一つ一つ明らかにすることが、大人の求めるべきものであるとおっしゃっています。 その明徳の反対にあるものが玄徳で、いわゆる陰徳。「陰徳を積む」とよく言われますけれども、陰徳は、世の中のためになるというより、むしろ子孫のためになるというような意味合いが強いのかなと思います。「三国志」、御存じだと思いますけれども、劉備玄徳という登場人物がいますが、玄徳は大変人に好かれる人望の厚い方でありました。それに比べて、知略、才能にすぐれていた曹操は、どうしていい人材は玄徳のほうにみんなついていってしまうのか、非常に悩み苦しんだといいますか、考えさせられたというような内容でありますけれども。この玄徳という者は、義兄弟の契りを結んだ関羽、張飛、そういった者のために、夜な夜なわらじを編んでいたりとか、そういった見えないところでの徳を積んでいかれるような人物だったというふうに感じています。であるがゆえに、玄徳が亡くなった後も、そういった仲間、家臣たちは、その子孫のために一生懸命その人生をかけて尽くしてくれた。明徳と陰徳というものはそのような違いがあるのかなと思います。 しかしながら、この宮崎においても、明徳、陰徳、両方を兼ね備えた人材が育っていくことを心から切望しますし、どのように人材育成をしていくのか、教育長に伺いたいところでありますけれども、今回は通告しておりませんので、次回以降にしたいと思います。 今回は、明徳の部分、いわゆる世の中のためになる技術、そういったもの等について質問してまいりたいと思います。 本県は、豊かな自然環境を生かした社会づくりを目指して、農林水産業を初め、観光やさまざまな分野、そして、山、海、空など、自然を中心に据えた施策をとってきました。そして、5年前の東日本大震災から、さまざまな環境の変化とともに、電力需給に対する国民の意識が高まりました。この数年間にも、本県内において、太陽光やバイオマスなど、自然エネルギーを活用した施設がふえてきております。本県は、平成16年に、地域特性を生かした新エネルギーの導入を促進するため、「宮崎県新エネルギービジョン」を策定、平成25年3月には、計画終了期間を1年前倒しして改定を行い、平成34年度までの10年間の計画を新たに策定しております。この改定後の「宮崎県新エネルギービジョン」において、その趣旨として、「本県が有するポテンシャルを最大限に活用した新エネルギーの導入をより一層促進することを目的とする」とされております。 世界の動向を見てみましても、先月、モロッコにて開催されました国連気候変動枠組み条約国会議、いわゆるCOP22において、世界中の企業が最先端の環境技術を披露し、また、COP会場の近くの砂漠地帯では、モロッコ政府と共同で実証実験をしている住友電工が製造します、光をレンズで集めて発電する集光型太陽光発電の竣工式があったとのことです。この住友電工の集光型太陽光発電装置については、宮崎大学においても実証実験されているところであります。このような技術を確立し、本県の強みである自然エネルギーが真に生かされる社会を構築していくということは、本県の大きな目標であると思います。「宮崎県新エネルギービジョン」の着実な推進と、さらなる高みを目指して努力していくことは、これからの将来の利益にもつながるものであると思いますが、まずは、この計画を推進していくに当たり、知事のお考えを伺います。 以下の質問は質問者席より行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えいたします。 本県は、日照環境に恵まれ、降水量が多く、また、全国有数の農林水産県でありますことから、これらの豊富な資源を有効に活用するため、新エネルギービジョンにおきましては、太陽光、バイオマス、小水力の3つを重点的に取り組むものとして位置づけております。太陽光につきましては、住宅用発電システムで全国トップクラスの普及率となっております。また、木質バイオマスにつきましては、県内で既に9つの施設が稼働しております。さらに小水力につきましては、先般、企業局の酒谷発電所が運転を開始するなど、計画が順調に進んでいるところであります。新エネルギーは、低炭素社会の実現や災害に強いシステムの構築、地域振興への貢献に資することが期待されますことから、今後とも、その導入を積極的に推進してまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(二見康之議員) それでは、この計画目標を達成するために、これまで県として取り組んできたこと、また、民間が進めてきたことを含め、太陽光やバイオマス、小水力などについて、本県における導入状況と今後の見通しについて、環境森林部長に伺います。 ◎環境森林部長(大坪篤史君) 本県ではこれまで、太陽光パネル等の設置に対する支援や普及のためのセミナーの開催、木質バイオマスの燃料となる木材の安定供給を図るための体制づくりへの支援、さらには、小水力に関する市町村や土地改良区等への技術支援や研修会の開催などに取り組んでまいりました。その結果、昨年度末現在になりますが、太陽光発電が72万キロワット、バイオマス発電が9万キロワット、小水力発電が7,000キロワットなど、合計で平成34年度の目標値の98%に当たります82万キロワットが既に導入されているところであります。 今後の見通しにつきましては、昨年7月に国が策定しました「長期エネルギー需給見通し」におきまして、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーの構成比率を大幅に引き上げるという方針が示されているところであります。当面、固定価格買い取り制度の見直しですとかバイオマス原材料の確保などの諸課題はございますけれども、引き続き、本県でも導入が進むものと考えているところであります。 ◆(二見康之議員) 太陽光発電が至るところでふえてきたというのは、いろんなところを車で走っているとわかるんですけれども、なかなか接続するのが難しいといった話もたくさん聞いてまいりました。この数年間に、計画目標の最終年度である34年度の98%まで導入が進んできたということは、大変すごいことだなと思うんですが、ここからどのように今後進めていくのかというのが大きな課題になってくるんだろうと。先ほど原材料の確保等の課題があるということでありましたので、そこについても考えていきたいなと思います。 さきの6月議会でも、私、質問させていただいたんですが、今、国が進めています水素社会の実現に向けてです。電気というものは本当に便利なものでありまして、明かりとか家電とか、今では車とか。電気が我々の社会生活に寄与しているわけなんですけれども、電気というものは、ためておくことが非常に困難である、とどめておくことが非常に難しいという課題があります。蓄電池というものもありますが、その原材料が非常に高価であること、また、時間とともに自然放電するなど、課題があります。そこで、今注目を浴びているのが、先ほど申し上げました水素でありまして、水素は、空気中においてはすぐに拡散してしまうものなんですけれども、圧力をかけてタンクやボンベにためることができる。ためることができるから輸送することもできる。ですから、この夏に総務政策常任委員会で視察に伺いました徳島県においては、移動式水素ステーションというものも導入されております。週の何曜日というふうに決め、時間を決めて、そこでいわゆるFCV(燃料電池自動車)の燃料の水素を供給することができるという取り組みをしております。 また、水素というものは、電気への変換効率がいいということもあるそうです。また、燃焼するとき、酸化されるときにはH2Oになる、水にしかならない。CO2を排出しないという、環境に対しても非常にすぐれたエネルギー源となり得るものであります。先ほど知事が御答弁されましたように、CO2を排出しないというのは低炭素社会の実現にもつながるものでありますし、貯蔵しておくことが可能である。非常用電源として利用可能でありますから、災害に強いシステムの構築にもつながるものではないか。また、そこに対する新しい技術産業を刺激していく新たな投資というものが入ってきますので、地域振興への貢献にもつながるのではないかと考えますので、本県としても今後力を入れていくべき分野だと思います。 そこで、まずは、今の国の動向について、国の水素エネルギーに関する取り組み状況がどのようになっているのか、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(永山英也君) 水素は、自然界に存在する多くのものから取り出すことができます。また、御質問にありましたように、保存や運搬も可能でありますことから、将来、我が国のエネルギーの柱の一つとなる可能性を持っていると考えております。このため、国は、「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を作成し、その中で、2020年代前半を目途に、家庭用燃料電池や燃料電池自動車の低コスト化、水素ステーションの整備などを進め、2030年ごろには、海外からの水素供給システムを確立しますとともに、水素を燃焼させて行う水素発電を本格導入することとしております。さらに、2040年ごろには、再生可能エネルギーとの組み合わせによるCO2を排出しない水素供給システムを確立し、日常生活や産業活動のさまざまな場面で水素エネルギーを利活用する「水素社会」の実現を目指すこととしております。 ◆(二見康之議員) 今、全国的に使われている水素というものは、いわゆる副生水素(化石燃料等からつくられる派生的に出てくる水素)であって、これはCO2フリーではないわけなんです。ただ、使っていなかったものを燃料として使うということは、効率性を上げるとか、環境負荷を低減させるという意味では非常にいいものかなと思っております。 ただ、先ほど申し上げたCOP会議での取り組み等を見てみますと、今後は、低炭素社会をどうしても実現していかなければならないだろうなと。その鍵になるのが再生可能エネルギーで、新エネルギーの太陽光、バイオマス、水力等の活用になるのかなと思うわけなんです。 九州管内では、ほかの都市圏に先立って、福岡県、佐賀県が2012年に北部九州燃料電池自動車普及促進構想というものを策定し、全国に先駆けて、燃料電池自動車及び水素ステーションの自律的拡大の実現を目指して取り組んでおられるそうです。水素ステーションの設置では、限られた水素ステーションで燃料電池自動車の利便性を最大限確保するため、乗用車、高級車、ハイブリッド車の販売台数が多い地域に、ユーザーの出発地点となる水素ステーションを設置するとともに、道路交通センサスのデータから、利用者が訪れることが多い地点に、目的地としての水素ステーションを設置するというイメージ案を作成しています。 この中で、結構前の資料になるわけですけれども、2015年時点での配置イメージでは、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県の主要都市のみにあったわけなんですけれども、2020年時点での配置イメージでは、空白地域であった南九州において、鹿児島市、宮崎市、延岡市、そして、えびのパーキングエリアの上下線にも水素ステーションを設置するという普及促進構想が示されておりました。福岡県に問い合わせてみましたら、これは燃料電池自動車が発売される数年前に福岡県が作成したもので、本県にとっての最適な配置箇所という意味合いではないと。また、これにのっとって進めているわけでもありませんということでありました。しかしながら、燃料電池自動車が九州全域を走ることができるようになるためにも、また、北部九州から長距離トリップの目的地上位30市町村に挙がった地点であることを考えてみても、決して理にかなっていないものではないというふうに思います。 現在、本県においては、燃料電池自動車が走行できない状況でありますので、道路はつながっていても、水素ステーションがないがゆえにFCV(燃料電池自動車)が走ることができないという状況でございます。いずれ生産台数とかがふえてくれば、やはり本県としても対応していかなければならないでしょうし、今後、燃料電池自動車や水素ステーション、並びに家庭用燃料電池も含めて、水素社会の普及をしていかなければならない時期が来ると思います。本県における水素エネルギーの利活用について、今後どのように取り組んでいくのか、総合政策部長にお伺いしたいと思います。 ◎総合政策部長(永山英也君) 水素エネルギーの利活用につきましては、現時点では、製造コストが高く採算ベースに乗っていないこと、石油やガスのように日常的に利活用するための社会インフラがまだ整っていないこと、さらに、燃料電池の低コスト化や耐久性向上に向けた技術開発が必要であることなど、本格的な普及拡大には、コスト面、技術面での課題も多いと考えております。このため、国のロードマップにおきまして、既に利用が始まっております家庭用燃料電池や燃料電池自動車の普及を図りながら、中長期的な視点から、本格的な供給システムの確立を進めることとされております。 こうした中、県としましても、具体的に動き出す必要があると考えております。まずは、家庭用燃料電池や燃料電池自動車の普及の必要性や、本県が目指す水素社会の姿をわかりやすく示すとともに、太陽光など本県の豊かな再生可能エネルギーを活用したエネルギーの地産地消の可能性について、検討を進めてまいりたいと考えております。そのために研究会を設置しておりますので、その活動を加速化させていきたいと考えております。 ◆(二見康之議員) 済みません、前後してしまいました。その検討会を設置していらっしゃるということで、6月にスタートされたと思いますけれども、現段階での水素エネルギー等利活用研究会における検討状況について、総合政策部長にお伺いしたいと思います。 ◎総合政策部長(永山英也君) ことしの6月に水素エネルギー等利活用研究会を設置いたしました。この研究会は、市町村、県内の石油・ガス・電気などのエネルギー関係企業、商工団体、宮崎大学等にも参加をいただいており、将来の水素社会の到来に向けて、さまざまな意見交換を行っております。あわせて、再生可能エネルギーや副生水素など、県内における水素の賦存量調査を行いますとともに、水素エネルギーに関する国内外の動向や宮崎大学の研究などを紹介するセミナーの開催、さらに、北九州市や大分県の水素ステーションや先進企業の取り組み事例の調査などを実施してきたところでございます。このような取り組みを踏まえまして、現在、再生可能エネルギーを水素に変換して蓄え、地域で活用するといった水素の利活用の方向性や、家庭用燃料電池や燃料電池自動車などの普及促進策について、研究会で検討を行っているところでございます。 ◆(二見康之議員) 関連して、企業局長にお伺いしたいと思います。これまで、本県の豊かな自然を生かした水力発電事業に取り組んでこられました企業局には、新エネルギー導入において、本県のエネルギー産業を引っ張っていただけないものか、期待を寄せたいところでございます。企業局が得意とする水力発電のメリットには、発電のもととなる水、これはためることができるというのが強みであると思います。繰り返しになりますけれども、電気は、便利なんですが、貯蔵することが困難なエネルギーであります。電気への変換効率のよい水素を自然エネルギーで製造するシステムを構築することができれば、本県にとってさらに大きな財産になることは間違いないと思いますが、企業局として、新たな時代に向けての水素エネルギーの利活用に取り組んでいけないものか、企業局長にお伺いします。 ◎企業局長(図師雄一君) 近年のエネルギーを取り巻く情勢を踏まえますと、資源の枯渇のおそれや環境への負荷が少ない新エネルギーの導入促進は、大変重要であると考えております。このようなことから、企業局ではこれまで、太陽光発電の導入や風力発電の可能性調査などを行ってきたところでありますが、現在は、これまでに培った技術やノウハウを生かすことができる小水力発電の導入を積極的に進めているところであります。企業局といたしましては、今後とも、本県の恵まれた水資源を活用した小水力発電の導入促進に努めるとともに、議員御指摘の水素エネルギーにつきましては、先ほど総合政策部長が申し上げました研究会に企業局も参加をしておりますので、今後とも引き続き、関係部局とも連携を図りながら、幅広く情報収集し、研究してまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) 本県は、答弁にもありましたように、住宅用太陽光発電システムが全国トップクラスの普及率であります。ただ、太陽光発電は天候に左右され、夜間は発電できず、安定供給ができないという課題がありますし、木質バイオマスは、燃料供給を県内では賄い切れなくなっているのではないかという課題もあります。水力についても、設置場所に限りがあるということでありますから、さらなる新エネルギーの導入拡大に関しては、かなり厳しい見通しもあると思います。しかし、太陽光発電というものをもっとうまく活用して、これを安定供給につなげること、要するに、太陽光で発電した余剰電力等を水素に変換することができれば、少なくとも水素は貯蔵、輸送が可能でありますので、発電の安定供給というものが可能になってくるのではないかと思います。知事におかれましては、これからも部局横断的に、民間企業や大学等ともしっかり連携をとって、日照時間、快晴日数に恵まれた本県の優位性を生かしたエネルギーシステムの構築に取り組んでいただきたいと、強くお願いしたいと思います。 次に、韓国訪問団について伺います。 先月6日から8日にかけて、河野知事を筆頭に韓国訪問団の一員として、関係部局並びに議長、日韓交流協会、各経済団体の方々と一緒に参加させていただきました。国家間の日韓関係は難しいところもありますが、しかし、お互いの交流の歴史は古く、しかも地方や民間レベルでは良好な関係を築いているところが多いと思います。本県も、韓国からのゴルフ客を初め観光客の多さからも、うまくつき合ってきているのではないかと思っております。このような良好な関係を続けていくためにも、訪韓は大切なことと思いますが、まず、今回の韓国訪問団の成果について、知事の所見を伺いたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 韓国との交流をさらに深めるために、先月、星原県議会議長、二見議員、また、経済団体の皆様とともに韓国を訪問してまいったところであります。アシアナ航空本社では、キム社長と面会し、宮崎線の就航が15周年を迎えたところであり、またさらには、冬期を増便、週3便が4便に増便されると、そういったことに対する感謝の意をお伝えし、キム社長からは、本県の利用促進の取り組みなどに対し、高い評価をいただきますとともに、今後とも、本県と協力して、将来に向けた路線の充実に一丸となって取り組んでいきたいというお話をいただいたところであります。 また、ソウル特別市におきましては、柳副市長と面会し、昨年11月に締結しました「宮崎県―ソウル特別市観光交流キャンペーン」を引き続き継続していくということを確認するとともに、具体的に、マラソンを通じた交流を促進していこうということで提案し、ソウル市関係者による青島太平洋マラソンの視察を依頼しまして、快諾いただいたところであります。 今回の訪問は、定期便の維持・充実を初め、今後の本県と韓国とのさらなる交流拡大につながる貴重な機会になったものと考えております。 ◆(二見康之議員) ほかにも、クレアソウル事務所や日本政府観光局の方々からのブリーフィングや意見交換なども、韓国に対する理解を深めるのに非常にためになったなと思っています。また、訪問した先の一つに日本大使館がありましたが、長嶺大使から、「宮崎県は他の九州各県に比べ、韓国と姉妹都市を結んでいるところが少ない」というお話がありました。これは、指摘じゃなくてお話があったというふうに思っているんですけれども。「姉妹都市締結数が多ければいいというものではない」と大使も話をされていましたが、本県と韓国との関係を良好に進めていく上で、本県は、この指摘を踏まえて、今後どのように韓国との交流に取り組んでいくのか、知事の考えをお伺いします。 ◎知事(河野俊嗣君) 県内では、宮崎市、綾町、美郷町の3つの市と町が韓国と姉妹都市を締結しております。児童生徒の相互交流や農業関係者の交流など、積極的にいろんな展開がされているところであります。また、民間団体におきましても、日本と韓国の親善協会による相互訪問、これは毎年行われておるところでありますし、花のガーデニングを通じた交流やソフトテニス団体の交流、日韓交流美術展の開催など、多彩な交流が行われております。さらに、県におきましても、ソウル市との観光交流キャンペーンのほか、ホームステイ等を通じた小・中・高校生の相互交流や、考古博物館における学術文化交流などに取り組んでおるところであります。また、この時期、さらには2月のキャンプシーズンには、韓国のリーグを連覇した斗山ベアーズを初め、いろんなチームも来県していただいているところであります。 このように、本県と地理的に近い韓国とは、官民を問わず、さまざまな分野での交流が活発に行われているところであります。県としましては、こうした交流を積み重ねていく中で、姉妹都市交流を希望する市町村があれば支援を行うなど、韓国との交流をさらに広げてまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) では次に、航空交通政策について伺いたいと思います。 昨今、香港線の就航、台北線の減便、そしてソウル線の冬期増便となりました。国内線においては、羽田、中部、伊丹、福岡、沖縄線に加えて、昨年は関西空港にLCCが就航し、現在では成田線開通に向けて努力されていると伺っております。今後、本県のビジネスや観光等の発展のためには、空の交通利便性向上を図ることはとても重要なことであると思います。空港の現状において、さらなる増便及び新規路線の受け入れは可能なのか、現在の宮崎空港における定期路線の就航状況とあわせて、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(永山英也君) 現在、宮崎空港には、国内線については、5都市6路線、1日47便が就航し、また、国際線については、3都市3路線、週8便が就航しております。今回増便となりましたソウル線につきましても、円滑な運航ができるよう、国や宮崎空港ビルとの連絡調整を行い、受け入れが実現したところであり、今後も、運航時間帯や機材の整備等に必要な人員の調整が整えば、さらなる受け入れは可能と聞いております。今後とも、宮崎空港の航空ネットワークのさらなる充実に向けて、関係機関と十分な調整を行い、円滑な受け入れができるよう、取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) 運航時間帯や機材整備の人員確保といった条件が整えば、さらなる受け入れが可能ということでありますけれども、では次に、利用者のニーズに合った誘致を考えていく必要があるかなと思います。訪韓のときに、アシアナ航空や大使館などで言われたのは、韓国から宮崎に行く方はゴルフ客など比較的裕福な方が多いと。ですから、LCCよりフルサービスキャリアのほうが合っているような話がありました。また一方では、若い者を中心に低価格な航空便を求める声もあるのは確かなことだと思います。本県の空の交通の発展を図るために、割安感のあるLCCなど、どのように使い分けて航空ネットワークの充実を進めていくのか、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(永山英也君) 大都市圏から遠隔地にあります本県にとりまして、航空ネットワークの充実を図り、県民の利便性を向上させますとともに、国内外との交流人口を拡大していくことは、極めて重要でございます。このことから、県におきましては、新規路線の誘致等に取り組んできているところでありまして、ことし、台北線の減便はございましたけれども、昨年のLCC関西線の就航を初め、香港線の就航や、ことし冬期のソウル線の増便等が実現しているところでございます。今後、現在の路線の維持にしっかりと取り組みますとともに、国内線については、海外からの誘客も視野に入れたLCC成田線の誘致、また国際線については、ソウル、台北、香港の3路線のさらなる充実を図りつつ、中国を初めアジアからの旺盛な訪日需要を取り込むため、国際チャーター便等の誘致に、関係機関と連携しながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) 次に、JR九州の民営化について伺いたいと思います。 昨年6月議会での一般質問において、ことし10月に上場しましたJR九州民営化について質問いたしました。これまでにも県内自治体において幾つか動きがあったようであります。日南市においては、約1,000万円の予算を計上し、3,800株を取得され、また串間市においては、この12月議会において、同額1,000万円の株式購入の補正予算案を計上する方針のようであります。ほかにも小林市やえびの市などで検討が行われているようであります。 まず初めに、昨年の6月議会でJR九州の株式取得について検討を要望しておりましたが、どのような結論になったのか、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(永山英也君) 本県の鉄道の利用状況が厳しい中で、その維持・充実を図っていくためには、JR九州と密接な関係を築くことが重要であります。したがいまして、県内の幾つかの自治体のように、株式を取得し、連携の意思をJR九州等に対してあらわすということも一つの手法と考えますが、株主として一定の権限を行使するためには、相当数を取得する必要がある等の課題もありますことから、現時点では、県としての株式取得は考えておりません。JR九州の完全民営化後においても、路線の維持・充実や、JRを活用した地域活性化を図るために、県として果たすべき大きな役割は、市町村や地域住民の方々など、県内の力をしっかりとまとめて、具体的にJR九州に対して力強く働きかけを行っていくことであると考えております。今後も引き続き、市町村等と一体となって、利用促進を含めた維持・充実のための取り組みを推進してまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) 株式取得というのは大きく2つの意味があって、連携の意思を示す取得と、意見を言うための取得、なるほどなというふうに感じたわけなんですけれども。聞いたところ、ほかの九州各県も取得は考えていないということだったと思います。ただ、意味合いが2つあるのであれば、どちらかの形ででも本県独自の考え方をとってもいいのかなという気はいたしました。結論はそういうことであったということですので、わかりました。 鉄道という交通手段は、通勤通学など生活にも必要不可欠でありますし、ほかの交通手段である道路、空路、海路、そういったものとの連携も必要不可欠な交通インフラであります。ただ、今後、株式上場によってJR九州を取り巻く環境が大きく変わることは想定されていますし、今後は、路線運行効率についてさらに厳しい判断をされていく可能性は十分にあると思います。さきに挙げました県内自治体の取り組みなどを鑑みても、より一層、沿線自治体と一体となって県として取り組むべきことがあると思いますが、どのようにお考えなのか、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(永山英也君) 県内の沿線自治体におかれましては、これまでも路線の維持・充実を図るため、利用促進協議会を中心に、地元の祭りに合わせた誘客や沿線の名物弁当の企画販売、駅周辺の環境美化など、熱心に取り組んでいただいております。県といたしましても、各地域としっかり連携し、利用促進等に取り組んでいるところであります。 こうした各自治体の路線の維持・充実に関する熱い思いを踏まえまして、本年10月に初めて、知事と沿線自治体の市長、町長など、総勢24名でJR九州本社を訪問しまして、青柳社長に直接、利便性向上や路線の存続などについて地元の思いを訴え、JR九州からは、路線維持等に努めていきたいとの説明があったところでございます。 今後とも、JR九州に対して地域の実情を訴え、路線維持等について粘り強く働きかけていきますとともに、地元市町村と一緒に知恵を絞りながら、引き続き利用促進等に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) なかなか社長にはお会いできないと思うんですけれども、10月に訪れたということで、要望といいますか、宮崎県としての気持ちを伝えることができたんじゃないかなと思います。お疲れさまでした。 次に、子育て支援についてお伺いしたいと思います。 毎年、都城市と三股町と一緒に、地域課題について県へ要望書を提出させていただいております。ことしは、ちょうど知事が公務のため不在でしたが、稲用副知事に対応いただきました。そして、課題解決に向けて大変心強いお言葉を頂戴したと思っております。何より、この要望内容も年々少しずつ変わってきていまして、それは一遍に全部解決することはできなくても、一つ一つ課題が解決されてきているということでありまして、次の課題について検討、要望できるからであります。県におかれましては、これまでも地域の要望に対し、真摯に取り組んできていただいたことに、深く御礼申し上げます。 さて、ことし提案・要望させていただいた課題の一つに、「子ども・子育てに関する支援について」があります。都城圏域におきましても、保育士不足により、保護者が希望する保育所に入れない潜在的待機児童が多数おりまして、潜在保育士の職場復帰を促すとともに、その処遇改善に取り組んでいただきたいという内容でありました。 これまで、待機児童並びに潜在的待機児童についてさまざまな議論がされてきましたが、まずは、県内における、いわゆる潜在的待機児童の状況はどのようになっているのか、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 報道等で、いわゆる潜在的待機児童と言われておりますのは、保育所等の利用の申し込みをしている児童のうち、利用可能な保育所等があるにもかかわらず、希望する施設に入所できないために待機しているなど、国が行う保育所等関連状況調査において、待機児童数に含めないこととされている児童のことであります。本県の潜在的待機児童の数でありますが、ことし4月1日現在で123人となっておりまして、市町村別の内訳で申しますと、宮崎市が115人、日向市及び門川町がそれぞれ4人となっております。 ◆(二見康之議員) 紹介可能な保育所があるにもかかわらず、そこには預けないで待機している状況にある。いろんな事情があるんだろうとは思います。ただ、よく聞いてみると、家からとか職場から近いところだったらいいんですけれども、遠いところを紹介されてもそこには預けられないという―これは現実的にそうだろうなと。例えば片道30分ぐらいかかるところに預けて、そこからまた職場まで30分かかって、また迎えに行ってという、1日2時間ぐらいかかったりするようなところにはなかなか預けづらいだろうなというのを、地元でも聞いたりするわけなんです。 今のお話では、4月1日時点での状況ということでありますが、もう一個、10月1日にも調査をされると聞いております。これはまた後日公表されると思いますが、先日、都城市の担当の方に聞いたところ、ことし10月1日時点で92人の潜在的待機児童がいるということでありました。さかのぼって6月の時点では33人。この33人のうち0歳から2歳の潜在的待機児童は26人と、配置基準において保育士を多く必要とする世代の割合が多い傾向にあるようでございます。この4月では0人であった潜在的待機児童が、2カ月後には33人、半年後には92人に増加しているという結果であります。 また、都城市では、空き待ち児童、潜在的待機児童についての昨年のデータがありまして、5月には申請者95名に対して、入所決定が74、空き待ちが21、入所できた割合が78%。6月では申請者137に対して、入所決定が115、空き待ちが22、入所できた割合が84%。この後も申請者数については毎月100数十名程度でありますので、以下は入所できた割合のみ申し上げますと、7月が81%、8月が79%、9月が68%、10月は68%、11月は49%、12月は41%、1月が40%、2月が35%、3月は34%となっております。年度初めには、それ以降にある程度児童が入ってくるだろうという想定のもとで、保育園側も余裕を持って体制をとっているということなんだろうと思います。 しかし、子供が生まれてくるのは時期は選べないわけでありまして、その時期によって職場に復帰するのが、育児休業を1年とれるところを数カ月で切り上げないといけないという、そういった状況が起こってしまうのだろうと思います。こういった環境に対しても、今後、対応を考えていかなければならないと思うのですが、潜在的待機児童の数というものは、地域において事情は異なると思いますけれども、このようなニーズに対して、今後、県はどのように対応していくのか、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 潜在的待機児童の年度途中の状況については、市町村ごとに状況が異なるようでありますけれども、議員御指摘のとおり、都城市の例のように、地域によっては、年度途中に潜在的待機児童の数が増加することもあるということは、当該市町村から伺っているところであります。いずれにいたしましても、子育てしやすい環境づくりは大変重要でありますので、このような状況への対応を含め、県といたしましては、今後とも、保育の受け皿拡大に向け、市町村や関係機関と連携を図りながら、保育士等の安定的な確保や保育所等の施設整備などの取り組みを、しっかり進めてまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) 今年度から、県のほうでは新規事業として、潜在保育士の復職支援を行っていると思いますけれども、現在の取り組み状況とその効果について、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 県ではこれまで、潜在保育士へのアンケート調査を実施しまして、就労意欲や復職条件の把握等を行うとともに、就労を希望する方へは、福祉人材センターへの登録を促すとともに、求人情報の提供を行うなど、保育現場で働く人材の確保に努めてきているところであります。さらに、9月に開設しました保育士支援センターにおいて、潜在保育士の再就職支援や研修等を行うほか、今月から社会福祉協議会において、潜在保育士が再就職する際の就職準備金の貸付事業等を開始するなど、支援の強化を図ったところであります。県といたしましては、今後とも、市町村や関係機関と連携を図りながら、潜在保育士の復職支援に向けた取り組みをさらに進め、保育士不足の解消へつなげてまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) 取り組みは緒についたばかりという感じでありますので、今後、しっかりフォローしていただきますようにお願いいたします。 また今、答弁にもありました、潜在保育士へのアンケート調査についてですが、どれくらいの数を調査されたのか、また、どのような情報を得ることができたのか、その結果について福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 県では、潜在保育士約5,000名を対象としてアンケート調査を実施いたしましたけれども、1,400名余りの方から回答を得たところであります。このうち、条件が合えば保育士として就労する意欲がある方が81%となっております。ただ、勤務条件として、勤務形態は、65%の方が非常勤を希望しており、勤務時間につきましても、51%の方が8時間未満の短時間を希望しているという状況のようであります。また、「業務内容等に比べて賃金が低い」「休暇がとりにくく子育て世代は働きにくい」などの意見もいただいているところであります。県といたしましては、アンケート調査結果も十分に踏まえながら、今後とも、保育士支援センター等の十分な活用を図り、潜在保育士の職場復帰を支援してまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) 恐らく、子供を抱えて就労するのはなかなか厳しい状況かなと思います。こういった声をしっかり受けとめて、今後、対応を一緒に協議していければなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最後に、「宮崎県史」について伺いたいと思います。 今議会初日におきまして、記紀編さん1300年記念事業に係る取り組みとして、ことしも古代衣装をまとっての開会でありました。また、知事も冒頭に、「古代に思いをはせつつ、先人と今を生きる私たちが深いきずなで結ばれたような気持ちになる」とおっしゃっておりましたが、歴史に学ぶことは、これからの未来を考えていく上での大切なヒントにもなると思います。 まず初めに、本県の歴史をまとめた「宮崎県史」というものは、今後の県政について考えていく上でも参考となるものでありますし、また、文化的価値のある重要なものであると思います。どのように取りまとめているのか伺いたいのと、また、これを広く県民に周知していくべきであると思いますが、総務部長の見解を伺います。 ◎総務部長(桑山秀彦君) 「宮崎県史」は、本県の置県百年記念事業といたしまして、昭和59年から平成12年までの約16年間にわたりまして、県内の歴史資料や公文書等をもとに編さんされたものでありまして、県民の皆様に広く活用していただくために、県内の全ての高校、大学及び公立図書館などに配付を行っております。また、販売も行っているところでございます。 議員の御質問にもありましたように、この「宮崎県史」は、本県の歴史や文化を学問的に明らかにしたものでありまして、後世に伝えていかなければならない大変貴重なものであるというふうに思っております。今後、ホームページでのPRを充実いたしますとともに、文書センターでの展示や公開講座の開催などを通じまして、県民の皆様に「宮崎県史」を広く知っていただき、郷土に対する理解を深めていただきたいと考えております。 ◆(二見康之議員) 実は、知事室とか応接室、県庁の講堂とかを訪れたときに、歴代の知事の写真や肖像画がないなと気がつきました。例えば都城市役所では、市長室前の会議室に歴代市長の写真がずっとかけてあります。自治体のトップとして地域のために務めてこられた方々ですから、その功績をたたえる趣旨からも当然のことと思っておりましたが、本県庁舎内で見た記憶がありません。本県庁舎内に歴代知事の肖像画や写真を掲示してあるところがあるのか、総合政策部長に伺います。 ◎総合政策部長(永山英也君) 本県では、明治16年に宮崎県が再配置された後の初代田辺知事に始まる官選の知事が35名、昭和22年の安中知事からの公選による知事が8名、計43名(※)の知事がいらっしゃいますが、県庁舎内では、これらの方々の肖像画や写真などは掲示いたしておりません。 ◆(二見康之議員) 安中知事というのは、多分、公選でもありながら官選でもある方だったと思いますけれども。九州各県にも聞いてみましたら、官選知事初代から現職までの写真を掲示しているのは鹿児島県1県のみで、公選知事の写真を掲示しているのが長崎県、熊本県、そして沖縄県は、琉球政府からの歴代知事の肖像画を掲示しているそうであります。なお、福岡県、佐賀県、大分県、そして本県は、掲示していないということでありますが、先ほど話に出ました「宮崎県史」の中に、官選、民選問わず歴代の知事の写真が載っていたという記憶もあります。そのような資料があるのでしたら、本県のたどってきた歴史を示すためにも、どこかに掲示するとか、ホームページなどに県史の概略と一緒に掲載するなどを行ってはどうかと思いますが、知事のお考えを伺います。 ◎知事(河野俊嗣君) 今の我が県でありますが、東九州道の北九州までの開通、また、国際定期路線は3つ飛んでおりますし、交通インフラの整備が大きく進展する。さらには、日本一になりました宮崎牛、杉、焼酎、キャビアなど、産業分野においても大きく躍進している。それから、スポーツランドみやざきの展開でありますとか、宮崎国際音楽祭、そういう観光・文化面においても大きな成果が花開いている。まさにそういう状況にあるわけでありまして、これら県勢発展の基盤というものが、長年にわたる先人の御努力と御貢献の上にあることを忘れてはならないというふうに考えております。そういう思いから、郷土の先覚者というものを、例えば県庁1階の県民室でありますとか博物館などに掲示したりという取り組みをしているところでございます。御指摘の歴代知事の肖像につきましては、さまざまな考え方もあろうかと思っておりますが、どのような方法がいいのか、検討してまいりたいと考えております。 ◆(二見康之議員) どうぞ御検討をお願いします。 以上をもって、一般質問を全て終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(星原透) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時46分休憩────────────────────   午後1時0分開議 ○副議長(宮原義久) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ここで、執行部から発言の申し出がありますので、これを許します。総合政策部長。 ◎総合政策部長(永山英也君) 〔登壇〕 午前の二見議員の歴代知事に関する答弁につきまして、訂正をさせていただきます。知事の人数を「計43名」と答弁いたしましたが、官選、公選の両方を務めた方が1名おられますので、歴代知事の実人員としては「42名」となります。以上でございます。〔降壇〕 ○副議長(宮原義久) 次は、岩切達哉議員。 ◆(岩切達哉議員) 〔登壇〕(拍手) 県民連合宮崎、社会民主党の岩切達哉であります。午前と違って、少数精鋭の傍聴の皆さんにお越しいただいております。応えるために元気いっぱい質問させていただきたいと思っております。 去る11月27日、犯罪被害者支援フォーラムが開催され、知事、県警本部長、教育長がそろって来賓として出席しておられました。このフォーラムで講演をいただいた磯谷富美子さんの、まな娘を犯罪者に奪われた怒り、悲しみ、悔しさを思い、犯罪被害者、そして家族に対する支援は、これまで以上に充実させなければならないと感じたところであります。同時に、このような犯罪が起きる社会背景を、私たちはしっかりと見詰め直し、その根本的な問題に取り組まなければならないとも思いました。 その社会背景の今日的課題として、社会格差の拡大があります。富める者はますます富み、そうでない者はますます厳しい生活しかない。さらには、雇用の劣化の中で、正規雇用といえど、電通という大企業にも命を削られ、ついには失わされるほどの労働環境がある世情でございます。先日も金融資産1億円以上の方が増加しているとの報道がありました。一方で、子供の貧困、ひとり親の貧困に係る話題には事欠かず、さまざまな課題の根底に貧困の問題は横たわっています。まさに格差社会であります。我さえよくばの風潮は、人と人とのつながりを一層弱め、社会規範を弱めているのではないでしょうか。これから進む高齢社会の中で、ただただ住みにくい、生きていきにくい社会ができ上がってきているのではと憂慮するものです。 そのような立場から、私は過去の質問で、働く皆さんの賃金、労働条件を改善しよう、介護や保育・医療の現場、公共事業の現場に働く皆さんのその条件をよくする必要があると、繰り返し主張してまいりました。今回は、公共サービスの現場で働く皆さんの問題について質問をいたします。 この間、地方行政改革は、公務労働のアウトソーシングを強力に進めてまいりました。私は、そのアウトソーシングの現場で働き、公共サービスの任務を果たしている皆さんの生活を大事にしなければならないと考えております。最初に知事に伺います。県財政を預かる知事は、その健全な運営のために、公共サービスに係る労働の一部を、民間企業やさまざまな法人などの皆さんにお願いしておられます。一方で、そういう方々を含む宮崎県民全体の生活と福祉向上を目指しておられます。その両方の立場を踏まえ、公共サービスの業務に従事する労働者に対して、どのような姿勢を持って業務をお願いしているのか、その労働条件はどのようにあるべきと考えていらっしゃるのか、所見を伺いたいと思います。 残余の質問は質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 業務のアウトソーシングについてであります。アウトソーシングは、質の高い行政サービスを効果的・効率的に提供するとともに、民間雇用の確保にもつながりますことから、行財政改革の取り組みの一つとして、積極的に推進しているところであります。アウトソーシング受託先の労働条件の設定は、事業者自身が取り組む部分になりますが、行政サービスの公益性・公共性を考えますと、民間事業者が受託する場合であっても、適正かつ安定的にサービスを提供いただく必要がありますことから、県としましては、賃金を含めた事業費の適正な積算を行っているところであります。今後とも、多様化する行政需要に的確に対応していくため、民間の活力が生かされるよう配慮しながら、効果的・効率的な行政サービスの推進を図ってまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(岩切達哉議員) アウトソーシングの一つに指定管理者制度があります。指定管理者制度は、その制度の性格上、3年または5年と年限を切って施設等の管理運営を任せています。そこで働く皆さんは、更新時期が近づきますと、自分の雇用がどうなるのか、とても強い不安を持つとおっしゃっています。雇用の安定を図るべきではないかと考えますが、県の姿勢としてはいかがな立場でしょうか。同時に、指定管理者が経営努力をしておられますが、その結果、更新時に管理料が減額されるということでは、大変つらいわけであります。努力の汗が報われるようなインセンティブを用意する必要があると思いますが、総務部長の見解をお聞かせください。 ◎総務部長(桑山秀彦君) 県が指定管理者を指定する際の指定期間につきましては、御質問にありましたように、原則として3年から5年の範囲で設定をしておりますが、これまでに施設の設置目的や業務内容に応じて見直しを行った結果、11の施設について期間を3年から5年に変更しているところでございます。また、指定管理者制度では、指定管理者の自立的な経営努力を発揮しやすくする観点から、利用料金制の導入が認められておりまして、条例の定める範囲で設定した施設の利用料金を、指定管理者の収入として収受できるようになっております。 指定期間の見直し及び経営努力に対するインセンティブにつきましては、サービスや雇用の継続性・安定性という観点と、新規参入の機会をふやして競争環境を確保するという観点の両方のバランスをとる必要がありますことから、他の都道府県の状況等も参考にしながら、これまでの取り組みの成果や課題について検証してまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) 次に、業務委託という方法でございますが、業務委託を受託しておられる企業、法人等で働く皆さんの問題であります。最低賃金が宮崎県地域で714円になったところでございますけれども、昨年度末、宮崎県庁の業務を受託した事業者は、当時の最低賃金というものを参考に、引き上げ前の最低賃金を踏まえて応札をしたというふうに思っています。確認したいのですが、それら従業者の賃金は、今回改正された最低賃金を下回ることにはなっていないのか。また、最低賃金の引き上げの結果、受託をされた事業者の皆さんが厳しい経営となっていないか、その点について確認させていただきたいと思います。 加えて、厳しい経営環境であるかないかとは関係なく、労働基準法など、定められているルールはしっかり守られているのか、お伺いします。 ◎総務部長(桑山秀彦君) 県が発注いたします清掃や警備の業務委託につきましては、契約書の中で、労働基準法など関係法令を遵守することを明記するとともに、毎月県に提出される実績報告書におきまして、法令の遵守状況等について、受託者みずからが点検を行い、その結果を県に報告するよう求めております。その中で、従業員への賃金の関係でございます。これは4月に発注いたしますが、その際に、途中での最低賃金の引き上げをある程度見込んで予定価格を設定しております。そうした状況にありますが、従業員への賃金支払い状況が確認できる書類の提出も求めておりまして、平成28年10月に引き上げられた最低賃金につきましては、全ての業務において問題がないことを確認しております。今後とも、労働関係を初めとした法令が遵守されますよう、受託者に対する適切な指導に努めてまいります。 ◆(岩切達哉議員) 続いて、「環境労働者」というふうに表現をさせていただきますけれども、県の業務と直接関係はいたしませんが、市町村が担う家庭廃棄物等の処理業務やし尿処理を民間事業者に業務委託しておられる実態がございます。それらの事業所に就労する労働者、環境衛生業務に従事する皆さんの雇用実態をどのように県は捉えておられますでしょうか。環境森林部長にお尋ねします。 ◎環境森林部長(大坪篤史君) 市町村が行っております家庭ごみの収集などの一般廃棄物処理業務につきましては、市町村の事務でありますことから、県では、委託事業者の雇用実態までは把握していないところであります。一方、廃棄物処理法によれば、県は市町村に対しまして必要な技術的援助を与えるよう努めるとされておりますので、市町村で円滑な業務の推進が行われるよう、必要な助言・指導を行うことは可能であると理解しております。県としましては、産業廃棄物を含む廃棄物全般が適正に処理されますよう、従事する方々の労働環境を含め、関係機関や団体と連携して対処してまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) それでは、この項の最後に、総合政策部長に消費者行政についてお伺いしたいと思います。連続ドラマ「とと姉ちゃん」というのがありました。劣悪な製品を市場から退場させ、生活用品の機能向上、安全性向上に寄与したと言われる「暮しの手帖」という雑誌の製品テストを取り上げたドラマだったと記憶しています。このような消費者保護の取り組みは、現在、消費者相談窓口に発展、引き継がれておりますけれども、昨今では、電話、インターネットを使った悪徳商法がはびこり、その手口はますます巧妙化しているとのことで、消費者相談に従事される相談員の御苦労は大変なものと伺っております。現在、どのような体制で運営され、今後どのように発展させていくのか、展望をお聞かせいただきたいと思います。 ◎総合政策部長(永山英也君) 県では、消費生活センター及び都城、延岡の2支所に12名の消費生活相談員を配置しており、平成27年度の相談件数は7,716件となっております。最近の相談傾向を見ますと、幅広い世代でパソコンやスマートフォンによるワンクリック請求や情報サイトの料金請求などが多くなっており、相談員の方々は、その専門性を生かして適切に対応していただいております。また、消費者被害の未然防止を図るため、平成27年度は、386回、1万6,941人に対して、相談員等を中心に、特に被害が多い高齢者に重点を置いた出前講座やセミナーを行いますとともに、テレビ・ラジオでのCM放映や新聞広告など、啓発・広報に努めているところであります。悪質事業者の手口は、近年、巧妙化・複雑化しておりますので、国家資格の取得支援など、相談員の資質向上を図りますとともに、市町村への支援や連携の強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) 今、相談員さんについて、国家資格の取得も勧めておられるというようなお話でございました。知事を初め部長さん方に御回答いただきました。アウトソーシングの結果、働く者の労働条件がどのように変化するのか、十分な検討がなされているかという点で取り上げてきたところでございます。今、消費生活センターもありましたけれども、その任務は、経験・知識、そういったものを積んだ非常勤の相談員が中心におられるところであります。児童相談所や女性相談所などにも専門的な知識を持った相談員の皆さんがおられます。そのほか、きょうは取り上げませんでしたけれども、臨時・非常勤、こういう立場で県庁内で働く皆さん、さらには教育現場でふえているということでさまざま言われておりますが、非常勤講師・臨時教諭の問題、学習支援員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、いずれも公務員という立場ではない非正規の立場、非正規公務員、そういう立場で働いておられます。働いても働いても所得がふえない、生活が厳しいという実態が、取り上げた公共の現場にある場合、そのことを官製ワーキングプアと言われることは御承知だと思います。県民所得の向上を実現するという県政の大きな目標のもと、公共サービスを担う民間事業者の支援と同時に、そこで働く皆さんの生活のため、県がお願いをしているアウトソーシングがどうあるべきなのか。知事の先ほどの答弁で、「適正な積算をしている」ということでしたけれども、適正な積算というのが、官製ワーキングプアの問題を引き起こさない程度になっているのか、これからも十分考えていただきたい、このように強く要望させていただきたいと思います。 それでは、ここから福祉の問題について何点かお伺いしたいと思います。福祉保健部長に御答弁をお願いしたいと思います。 まず、有料老人ホームの問題であります。有料老人ホームは今日、高齢者の生活の場としてその数を伸ばしていると認識しておりますが、まずは、どのような状況でございましょうか。また、介護つき有料老人ホーム、そうでない単なる集合住宅など、形式はさまざまと聞いておりますけれども、それぞれどのように安心・安全な生活を担保しているのか、県としてのかかわりをお聞かせいただきたいと思います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 県内の有料老人ホームでありますが、ことし7月1日現在で418の施設があります。5年前の146施設からしますと272施設ふえております。類型としては、健康型、住宅型、介護つきの3つに分類されますけれども、それぞれの施設数は、健康型が1カ所、住宅型が381カ所、介護つきが36カ所となっております。健康型は、介護を必要としない高齢者を対象に食事の提供等を行う施設であり、また住宅型は、入浴や排せつ、食事の介助等のサービスを行う施設で、ともに届け出だけで開設することができます。介護つきにつきましては、介護保険サービスを提供できる施設でありまして、設備基準や人員基準等、一定の要件を満たした上で、介護保険法上の指定を受けることが必要となります。いずれの類型も、県または中核市である宮崎市に手続をとることになっております。入居者の安全・安心の確保につきましては、県におきましては、有料老人ホームの開設時に、指導指針等に基づきまして、災害時の適切な対応や病状急変時に備えた医療機関との連携等について指導しているところであります。さらに、毎年、県内全ての有料老人ホームを対象に研修会を開催いたしまして、入居者の事故防止や感染症の予防対策等について、注意喚起や情報提供等を行っているところであります。 ◆(岩切達哉議員) 相当、量がふえているという印象がございましたけれども、やはり相当ふえているという実情を、今御回答いただいたように思います。 次に、高齢者に対する虐待の問題についてお伺いをいたします。虐待は密室で行われるものであって、それは要介護者に対する介護者からの暴力や暴言、または経済的虐待などでありまして、表面化しにくい問題だと認識しております。県のほうでの最近の把握件数、そして対応についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 本県の平成27年度の高齢者虐待の状況につきましては、家族等の養護者による虐待は、相談・通報受理件数が172件、そのうち虐待と認められる事案が100件、また、入所施設や介護事業の業務に従事する養介護施設従事者等による虐待については、相談・通報受理件数が19件、そのうち虐待事案が4件となっております。高齢者虐待は、高齢者虐待防止法に基づき、基本的に市町村がその対応に当たることとなっておりますので、県におきましては、虐待事案の早期解決に向けて、市町村からの相談への対応や、市町村において対応が難しい事案へ弁護士や社会福祉士から成る専門職チームの派遣を行うほか、市町村職員などを対象とした研修を実施し、対応能力の向上に努めているところであります。 ◆(岩切達哉議員) ありがとうございました。 この質問原稿をつくっている途中に、「宮崎県の福祉と保健」という冊子を県のほうからいただきました。その中に「有料老人ホーム」の項がございまして、今御答弁をいただいた施設数等が書いてありました。一つ一つの定員も、10とかそういうところから、100何十、こういうような大規模な集合住宅もおありのようであります。その定員は約1万800人分だったと思います。そのほかにも特別養護老人ホームが104施設、5,700人分ぐらい、そういうようなものを全部足しまして、高齢者の入所施設というのは約2万3,000人分が宮崎県内に用意されているというのが、この「宮崎県の福祉と保健」という冊子の中で見てとれました。 実は県議会の図書館にも、「日本で老いて死ぬということ」というタイトルの本がございまして、高齢者人口の増加に対して、病院のベッドには数が限りがあって、病院で亡くなっていくことが難しくなっていくという内容でございました。今後、自宅または施設で、また、今お話があった中間的なアパート形式の有料老人ホームで暮らし、みとられていく、そういうのが当たり前になるということでございます。そのついの住みかで、たたかれたり、縛られたり、放置されたりするということであっては、人の尊厳として一体どういうことかということが問われてしまうと思います。どうか県においては、有料老人ホームを初め、それぞれの生活の場ですばらしい援助が行われていくように、十分な取り組みを行っていただきたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。 次に、精神障がい者の支援についてお尋ねをいたします。精神障がい者の県レベルの地域移行支援連絡協議会体制が、全国では6割が設置されている中、宮崎県では設置されていないと伺っております。地域移行、いわゆる病院、施設等から社会に出ることを応援する体制でございます。保健所単位では設置されていると伺っておりますけれども、長期入院から在宅に移行することを支援し、社会参加できるよう、県としての手厚い支援が必要と考えますことから、県全体としてしっかりとした体制整備が急がれますが、どのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 精神障がいのある方が、住みなれた地域において安心して生活していただくため、県におきましては、現在、市町村、精神科病院、家族会等の関係者が参画する協議会を保健所単位で設置いたしまして、地域におけるネットワークづくりや理解促進に取り組んでいるところであります。今後は、各地域における課題を県全体で整理し、地域生活支援のための方向性を検討することも必要と考えておりますので、今年度、県の障害者自立支援協議会―これは、障がい者全体の協議会でございますけれども―に関係団体で構成された精神障がい者部会を設置しまして、この部会に、県レベルの地域移行支援協議会としての機能を持たせてまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) その部会というものが設置されていく中で、自立支援、地域移行支援というものが議論され実施されていくことに期待を寄せたいと思っております。 その精神障がい者の地域移行について、実は、県内の精神科病院、医療機関側の理解は随分と浸透し、積極的な立場であると伺っております。しかしながら、実際の地域移行はなかなか進んでいないと伺いますが、そういうふうになっている課題はどう捉えておられますでしょうか。 また、精神障がい者当事者「ピア」または「ピアスタッフ」と称しますけれども、「仲間」という意味でございまして、当事者に対する相談支援に力を発揮しているスタッフとして活動しておられます。県としても十分な活用が必要と思いますけれども、いかが取り組んでいかれるでしょうか。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 精神障がい者の方が地域で安心して生活するためには、地域の理解や、住居や就労の場等の確保のほか、御本人の退院への意欲を高めることが必要かと思います。特に、長期に入院されている方は、地域生活に対する不安を抱えておられることから、まずは、その不安を解消していくことが課題であると考えております。そのため県では、地域活動支援センターの活動の一つとして、在宅で生活する精神障がい者の方が、みずからの体験を語り、アドバイスなどを行うピアサポート活動事業を実施しているところであります。この活動は、退院後の生活を具体的にイメージでき、退院に向けた意欲の向上や具体的な行動につながるなど、効果的な活動でありますので、今後とも、この事業の十分な活用を図ってまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) 実は11月中に、現実に19年間、精神科病院で入院生活をしておられた方が、地域活動支援センターの支援を受けて在宅生活、アパート生活をするに至って、今は作業所で毎日生き生きと暮らしていらっしゃる、その御本人の講演を聞かせていただくことがございました。「本当に社会参加できるのかという不安があったけれども、こうやって退院をして生活をしている自分がとても誇らしい」、こういうことを語られておったところであります。ぜひ強力に進めていただきたい、このようにお願いをいたしたいと思います。 続いて、発達障がい者支援についてでございますけれども、実は2016年5月、本年の5月ですが、発達障害者支援法が改正されました。当事者が社会不適応にある場合、原因を発達障がいのある人の特性そのものに求めるのではなく、適さない環境に問題があるという捉え方を明確にしておりまして、社会の側が環境調整を行う責任があるとされております。ことし4月の宮崎県の「障がいのある人もない人も共に暮らしやすい宮崎県づくり条例」施行は、知事の障がい者福祉に対する積極的な姿勢を示したものであります。担当の部課も熱心なところですけれども、改正発達障害者支援法の求める社会的な支援を具現化していくために、どのような対応をしていく予定なのかをお聞かせいただきたいと思います。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) お話がありました改正発達障害者支援法におきましては、日常生活のさまざまな場面で障がい特性に応じた配慮を行うといった社会的障壁の除去のほか、どこで誰と生活するかについての選択の機会の確保や、関係機関等が連携して切れ目のない支援を行うという新たな基本理念が盛り込まれたところであります。県としましては、医療と福祉、教育、就労等の関係機関との連携はもとより、公共交通機関、商業施設など、発達障がい者の方々が社会参加をする上で必要となる分野の方々とも、さまざまな場面での配慮のあり方等について新たに意見交換を行いながら、平成30年度改定予定の次期「発達障がい者支援計画」において、発達障がいの特性に関する理解の促進など、今回の改正法の趣旨を反映させてまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) ありがとうございます。今、御答弁をいただいたように、個人個人の特性に依拠するのではなくて、社会の側が十分に事前準備をしておかなくてはならない時代だと。後ほど、実は質問予定として県土整備部長やそのほかの皆さんにお尋ねをする予定なんですけれども、そういった全分野において―教育の現場でもそうですけれども―考えなければならない発想だと思っております。県として十分なコーディネートを行っていただいて、実績を積んでいかれるように、御要望申し上げたいと思います。 そういう立場で、ここで教育長にお尋ねをしたいと思うんですけれども。社会の側に環境整備の責務があるということを前提に、昔、色覚検査というものがありました。この場には経験がある人がほとんどだと思います。色覚認知は生まれつきのものでございまして、過去さまざまな議論があって、主に工場など製造業の現場でも、そのような方の存在を踏まえた合理的配慮の先取りがなされ、今日では、そのことで就労に課題が出ないよう、配慮は徹底されるようになっております。学校においては、先ほど申しましたように、この色覚に関するスクーリングは2003年に全廃されたと思いますが、何らかの事情があったのか、最近になって集団的な検査を行うという学校があると聞いております。どのようなことなのか御回答いただければと思います。 ◎教育長(四本孝君) 色覚の検査は、異常と判別される者であっても、大半は支障なく学校生活を送ることが可能であることが明らかになってきていることなどを考慮し、学校保健法施行規則の一部改正によりまして、平成15年度以降、児童生徒の健康診断の必須項目から削除されております。文部科学省からの通知では、児童生徒が、自身の色覚の特性を知らないまま不利益を受けることがないよう、留意事項として、学校医による健康相談において、児童生徒や保護者の事前の同意を得て、個別に検査及び指導を行う体制を整えること等が求められているところであります。県教育委員会といたしましては、健康診断の必須項目から削除された経緯等を含め、改正の趣旨を踏まえた適切な対応について、今後とも周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) 御答弁をいただきました、強制ではなく、個別に、同意をもとに学校医、医師の相談が受けられるようにはしていく、そういう状況であると受けとめさせていただきます。 この議論を見ますと、黒板に色つきチョークを使うという場面があるときに、見分けづらい児童がいるのではないかという配慮から、色覚について把握しよう、こういうふうになったとも伺います。これは逆に、時代としては、先ほど発達障がい者支援のところで申しましたけれども、社会の側が環境整備する。見分けづらい子供は数%いるということを、私ども大人の側は承知しているわけですから、最初から、どのようなチョーク使いがいいのか、そして掲示物はどうあるべきなのかを考えることが社会の責任だというふうに、社会の側がしっかりと発想を変えるように―昔ながらに、そういう特性のある子をとにかく探し出して、じゃ、次何ができるのかといえば、何もできない。そういうことでは全く課題が解決しない。ぜひ教育長のほうから現場への助言をお願いしたいと思います。 次に、再び福祉保健部長に御答弁をいただきたいと思います。虐待件数が伸びております。昨年度715件。それに対して児相では、出頭要求、立入調査、臨検、そういう取り組み、また親権停止、そういう民法や虐待防止法による法的手段をとることができるとされていますけれども、状況はいかがでございましょうか。 また、児童福祉法を含めて、虐待対応の法的対応、そのために全国では弁護士との連携をする児童相談所も出ておりますけれども、宮崎県の対応をお聞かせください。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 本県の児童相談所のここ5年ほどの虐待相談対応について申し上げますと、「児童虐待の防止等に関する法律」、いわゆる児童虐待防止法に規定しております、児童の安全確認等を目的とする保護者への出頭要求や家庭への立入調査、さらに強制力を持って執行する臨検・捜索、また民法に規定された、虐待を行う保護者の親権を期限つきで制限する親権停止の請求などの、いわゆる法的対応の実施を要した事例はありません。しかしながら、虐待を受けている児童の安全確保を図るため、保護者の意に反し施設入所措置等が必要となる際に、児童福祉法の規定に基づき、家庭裁判所に申し立てを行う事案は生じておりまして、このような場合を含め、必要に応じ、弁護士の助言等を得て、適切な対応に努めているところであります。 ◆(岩切達哉議員) 件数の伸びが、手続にとても労力を要するこういう法的手続を超えて、とにかく説得ということで頑張っている現状につながっていないか、そういうことも懸念するんですけれども、ぜひ法律の専門家とも協力・連携をして進めていっていただきたいと思います。 続いて、このような形で保護をした児童のうち、児童養護施設を巣立った子供たちが、社会に参加した後、対人関係等でつまずくことも少なくありません。若者全般が早い離職をしてしまうということが言われております中で、施設退所児童は、頼るところもなく、みずからの力だけで生きていかざるを得ない。そのため、子供たちが困難に遭遇した場合、孤立してしまい、生活が破綻し、さらなる困難を抱え込んでしまう。全国的には若年のホームレス化ということが問題になっている状況であります。今は、施設職員のボランティア精神で支えていただいているという状況だと思っています。社会的養護の大きな課題でありまして、厚労省は「退所児童等アフターケア事業」というものを補助事業としておりますけれども、宮崎県ではどのような形でアフターケアの取り組みが行われているか、お聞かせください。 ◎福祉保健部長(日隈俊郎君) 本県の児童養護施設退所児童等に対するアフターケアにつきましては、現在、施設に配置された家庭支援専門相談員による退所児童への相談援助や、就職先などとの連絡調整、また、自立援助ホームにおける、児童養護施設の退所児童等に対する社会的自立に向けた支援など、それぞれの施設において、各種の支援を行っているところであります。しかしながら、退所後にさまざまな困難に直面する児童に対しては、専門的かつ継続的な支援が必要とされることから、各施設において対応に苦慮されていると伺っているところであります。このような中、児童福祉等に精通した専門職員を配置し、退所前から退所後の児童に対する生活支援や就業支援などを一体的に行います「退所児童等アフターケア事業」につきましては、必要な事業であろうと我々も考えておりまして、その取り組みについて、今後検討を行ってまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) ある児童養護施設は、山陰地方まで子供を迎えに行って助けてきて、しばらく過ごさせたんだけれども、長期には置けないということで悩んでおられました。こういうことで、家庭的養護推進計画というのがありますが、その中にもアフターケア事業について書かれておるところでございます。ぜひ前進をさせていただきたい。要望させていただきたいと思います。 長く福祉の問題をお尋ねいたしました。話題を変えまして、野菜の入荷不足について、農政水産部長にお尋ねをいたします。 10月後半から野菜の高騰が続いております。私は宮崎中央市場にもお伺いして、お話を聞かせていただいたのですけれども、「入荷量の減少で高くなっているけれども、農家の所得も減っている」、こういうふうにも伺いました。消費者も困っているし、農家も困っているというのが現状でございます。野菜の安定供給は部長に頼りたいと思っておりますが、どのような事情があってそういう状況なのか、対策についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎農政水産部長(郡司行敏君) 国内の野菜価格につきましては、本年10月の消費者物価指数によりますと、キュウリ、キャベツ、大根等が、前年に比べ2割から4割上昇するなど、高値で推移しているところであります。これは、8月から9月にかけて襲来し、北海道から九州まで広い範囲で農作物に被害を及ぼしました台風の影響と、9月から10月にかけての曇天、日照不足による生育の遅延等により、全国的に生産量が減少したことが主な要因であると考えております。本県も台風16号の被害を受けましたが、生産者の懸命な努力もあり、年末に向けては徐々に供給量が安定していくものと思われます。県といたしましては、全国有数の野菜供給産地としての役割を果たすために、今後とも、気象条件に左右されない産地づくりに努めてまいりたいと考えているところであります。
    ◆(岩切達哉議員) 私も最近は2分の1カットのキャベツしかよう買わない、そういう状況でございます。ぜひ安定供給、よろしくお願いしたいと思います。 続いて、土木行政についてであります。県土整備部長に伺います。 道をきれいに保持していくことは、観光宮崎にとって大変大切なことということで、青島につながる青島バイパス、堀切峠の整備を過去の質問でも申し上げましたけれども、最近、道路美化のモデル事業が青島地区で取り組まれているとテレビ報道もありましたが、その内容をお聞かせいただきたいと思います。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 御質問の事業は、「県民と築く「美しい宮崎づくり」沿道修景美化モデル事業」として実施しているもので、これは、県内外からの観光客の皆様などに対する、より充実したおもてなしを実現するため、美しい沿道環境を創出することを目的とした事業でありまして、計画から実施に至るまで、専門家や地域の皆様と一緒になって話し合いながら、地域の特色を生かした植栽のリニューアルや記念植樹、花植えなどのイベントを実施するものであります。現在、宮崎市、小林市、延岡市において、植栽等の地域活動が活発に行われている地区を選定し、事業を実施しているところであります。今後は、本モデル事業を踏まえ、このような取り組みを県内各地に広げていくことにより、観光地の魅力向上につながる、県民協働での美しい宮崎づくりを推進してまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) 何とぞよろしくお願いします。 次に、本議会に公共事業の予算が多く組まれた補正予算案が提出されております。そこで、お尋ねをいたしますが、障がいを持つ皆さんの社会参加の壁を低くするという合理的配慮、これが、先ほども申し上げました「障がいのある人もない人も共に暮らしやすい宮崎県づくり条例」が目指すものであります。ハード、ソフト両面で壁を低くしていく、とりわけ道路、歩道というものが障がい者にとって大事な移動手段の場としてあるんですけれども、この間、バリアフリー新法などを踏まえ取り組んでこられたとは思いますが、この条例施行も含めて、今後どのようにハード面の合理的配慮というものを実現していかれるのか、お聞かせください。 ◎県土整備部長(東憲之介君) これまで県では、平成18年に制定されました、今お話にありましたバリアフリー新法に基づき、幅の広い歩道の設置や段差・勾配の改善、点字ブロックの設置など、高齢者や障がい者などに配慮した歩道の整備に努めているところであり、今年度実施する点字ブロック修繕計画の策定においても、調査段階から視覚障がい者団体の皆様と意見交換を行い、計画に反映させることとしております。今後とも、歩道整備におきましては、バリアフリー新法に基づき、歩道のバリアフリー化を推進するとともに、今回制定されました条例の趣旨を踏まえ、障がいのある方から何らかの要請があった場合には、対応が可能かどうかを検討した上で、その実現が難しい場合でも、別の方法の提案も含め、話し合い、理解を得るよう努めてまいりたいと存じます。 ◆(岩切達哉議員) 続けてお伺いをいたします。生活にお困りの方、経済的または心身の不調というものがあると思いますけれども、そういう方々にとって、住まいの確保というものが大変大事な課題であります。地域包括ケアというものが準備されておりますけれども、「住まい」という土台が必要だという提示がございます。昨今、空き屋対策ということが言われているところですが、それをお困りの方に住宅として提供するという取り組みをする自治体が、全国では見られるようになっています。住宅政策というのは、福祉との連携なく立てられないという時代になっていると思いますけれども、県としての考え方をお聞かせください。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 住宅困窮者の住まいの確保につきましては、これまで、住宅に困窮する低額所得者に対して、低廉な家賃で賃貸する公営住宅を整備するとともに、入居の際などには、福祉を担当する行政機関等と連携しながら、住宅困窮者に対して、家賃減免などの支援策の情報提供や助言を行ってきたところであります。また、住宅や福祉の関係団体等で構成される「宮崎県住生活協議会」を設置し、住宅困窮者が入居しやすい民間賃貸住宅の情報を広く周知する事業にも取り組んできたところであります。住宅困窮者の住まいの確保につきましては、今後とも、福祉を担当する行政機関や関係団体等との連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) 高齢化とか社会的格差の問題、障がい者の問題、そういう状況の中で、先ほど地域移行支援もございましたけれども、住宅の確保だとか社会的インフラの整備は大変大事でございまして、県民から見詰められているのは、県土整備部だとか福祉保健部だとかいうことではなくて、県でございますから、ぜひ連携をとって今後とも進めていただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 次に、総務部長にお伺いをいたします。人事評価制度を導入し、職員の能力向上とともに、組織としての士気高揚、公務能率の向上を目的として実施されるに至っております。細かいことは議論いたしませんけれども、「時間外をするやつの評価はゼロだ」というふうに発言した所属長がいたという話を聞きました。これが人事評価制度なのでしょうか、所見をお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(桑山秀彦君) 人事評価制度につきましては、地方公務員法の改正を受けまして、本県でも、昨年度の試行を経まして、今年度から本格的に導入したところであります。人事評価は、公務能率の向上、人材育成、あるいは組織の活性化を主な目的とするものでありますので、評価を行う上司(評価者)には、部下職員の成長を促す意識や、公正に評価する技術が求められます。特に、日ごろのコミュニケーションを通じて、部下職員の状況を十分把握するとともに、評価後の面談では、わかりやすい説明を行った上で、必要な助言・指導等を行うことが重要となります。 ただいま議員のほうから御指摘のありました所属長の発言については、どのようなやりとりの中で行われたのか定かではありませんけれども、ただいま私が申し上げた点からいいますと、上司が部下職員との十分な意思疎通を図っていなかった、そういったものではないのか、その辺が問題ではないかなと思っております。 人事評価の適切な運用に向けましては、昨年度、評価を行う職員全員に対しまして研修を実施したほか、今年度、改めて所属長を集めた研修を開催しまして、私のほうからも人材育成の重要性を伝えたところでございます。今後とも、人を育てる組織風土の醸成に、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) 重ねてお尋ねをいたしますけれども、県の公共事業職場において働く技術職の皆さんには技術士という資格がありまして、大変難関な資格試験と伺っておりますけれども、有資格者が多くいらっしゃると聞いております。建築士については、実務経験を経て2級、1級の試験が受験できるということでございまして、それをクリアして仕事をしていただいている。そのほかにも、例えば事務部門でも、行政書士、税理士等々に、経験を通じて受験資格を得て受験できるというものもあります。仕事を終えて自宅で懸命に勉強して、そのような資格を得る、そのような職員についての評価、しっかりと行う必要があると思いますけれども、部長の所見をお聞かせください。 ◎総務部長(桑山秀彦君) 職員が質の高い業務をより効率的に行う上で、技術士を初めといたします国家資格などの取得に励むなど、専門性の向上に向けて積極的に取り組むことは、大変有意義なことであります。今回導入しました人事評価制度におきましても、職員が、資格取得などを含めまして、業務に必要な知識・技術、あるいは専門性をどの程度身につけているか、そして、それを仕事の中でどのように生かしているか、そういった観点から評価を行うこととしております。今後とも、能力開発に向けた職員の主体的な取り組みを促しまして、仕事への取り組み状況やその成果がしっかり評価されるよう、人事評価の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 ◆(岩切達哉議員) 一口で言うほど簡単なものではないようでございまして、技術士というのは平均15%程度しか合格しないと言われておりますし、建築士2級は20%、1級は12%、ちなみに社会福祉士で27%ということでございまして、資格を取るというのはなかなか簡単なことではないというふうに認識をしております。先ほどもお話をさせていただいたことなんですけれども、人事評価というものについては本当に難しい。評価する側の個性が出ます。評価される職員側との相性もあると思います。せっかくできた制度ですから、正しく育てていってほしい、このように重ねて要望させていただきます。 それでは、最後の質問となりますけれども、県警本部長にお尋ねを申し上げます。11月15日午後5時50分ごろ、宮崎県宮崎市大塚町の堤防道路で、小学生3人が横断歩道を横断中、軽自動車にはねられるという事故が発生いたしました。この現場に行ってみました。ここには河川敷に整備された広場があって、子供たちがサッカーなどを学ぶことに適した環境がございます。そこから堤防を一段上がりますと、簡易トイレ、工事現場にあるような仮設トイレが2つありまして、残念ながら鍵がしてあり、そこには、「堤防上に新しいトイレがあります。車に十分注意してご利用ください。」という張り紙がありました。それを上がりますと道路になりまして、歩道があって横断歩道、そして例のトイレ、こういうことになります。トイレをこの場所に設置した経過もあるようなんですけれども、残念なのは、新聞報道によると、地区住民の方が、「いつかは事故があるのでは」というふうに認識をしておられた。心配をしていただいた。ある意味で危険性が高いという認識が大人の社会にあったけれども、事故は未然に防げなかった。こういうことが残念な点でございます。そういう意味では、事後的な対応というのは、なお一層、緊急かつ適切に行うというのが、我々大人の社会に必要だと思います。この問題に、県警としてどのような対応を行うのか、県警本部長に御答弁をお願いします。 ◎警察本部長(野口泰君) 今回の事故は、堤防道路にある横断歩道上で、一度に児童3名が被害者となった重大な事故でありました。そこで、警察としましては、国、県、宮崎市、地元住民等による現場検討会を開催し、例えば、横断歩道の標識をよりわかりやすくする対策として、発光式の標識の設置など、現場に応じた安全対策を検討しているところであります。この現場のような、直線道路で信号機のない横断歩道は、県内に約3,300カ所あり、その手前には必ず白色でひし形の予告標示を設置しており、歩行者が優先となっておりますが、車がとまらない実態があります。道路交通法上、ドライバーは、歩行者が横断している場合はもちろんのこと、横断しようとする場合も、必ず一時停止し、その通行を妨害してはならないことになっております。警察としましては、指導取り締まりを強化するとともに、今後も関係機関・団体と連携し、横断歩道における保護・誘導活動など各種の安全対策や広報啓発活動に努めてまいります。 ◆(岩切達哉議員) スピーディーな判断に感謝申し上げたいと思います。横断歩道を渡ろうとする歩行者がいたらとまる、そういう運転マナーでも、日本一住みよい宮崎県を目指していきたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(宮原義久) 次は、河野哲也議員。 ◆(河野哲也議員) 〔登壇〕(拍手) きょう、最後の登壇でございます。働き方改革の推進についてでございます。これにつきましては、知事、3度目の答弁になります。ただ、大事な答弁になりますので、よろしくお願いします。 安倍首相は、9月26日午後の衆参両院本会議で所信表明演説を行い、政権の重要課題と位置づける一億総活躍の実現に向けて、長時間労働の是正や定年引き上げなど、働き方改革を加速させる方針を示しました。また、働き方改革に関する実行計画を年度内に策定する方針を説明し、可能なものから速やかに実行するとしています。そこでまず、安倍首相が国会で所信表明され、現在、国で議論されている働き方改革について推進すべきと考えますが、知事はこの改革に対しどのような期待をしているか、お伺いいたします。 以下の質問は質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えいたします。 働き方改革についてであります。現在、国で議論されております働き方改革は、人々の多様な働き方を可能とし、格差の固定化を回避するなど、働く人の立場で取り組んでいくこととされておりまして、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会を目指すものであります。掲げられたテーマは、どれも大変大事なものであろうかと考えております。本県におきましては、多くの若者が県外に流出し、高齢化率が高い水準で進んでいる状況にあります。将来にわたって活力ある県として発展していくためには、若者や女性、高齢者、障がいのある方など、誰もが安心して働き続けることができる環境を整備することが大変重要であると考えております。このため、この働き方改革に当たりましては、地域の実情にも十分考慮した議論が進められることを期待しているところであります。以上であります。〔降壇〕 ◆(河野哲也議員) 首相直下の会議体である一億総活躍国民会議でも、首相は、「第一に、働き方改革です。具体的には、同一労働同一賃金の実現など非正規雇用労働者の待遇改善、定年延長企業の奨励等の高齢者雇用促進、総労働時間抑制等の長時間労働是正を取り上げます」という発言がありました。この首相の宣言の後、6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」の2番目に働き方改革が入りました。今回の改革は、政府が積極果敢に挑み、実行できるかどうか本気度が問われています。そこで、働き方改革について数点、商工観光労働部長にお伺いいたします。 当然、実行段階においては、労使の合意や雇用への影響などの配慮は必要ですが、県民一人一人の活躍を後押ししていくためにも、スピード感を持って実効ある取り組みを進めていかなければなりません。第一に着手すべき課題は、長時間労働の是正です。我が国は、欧州諸国と比べて週49時間以上働く長時間労働者の割合が高く、ワーク・ライフ・バランスや健康保持の観点からも、思い切った労働時間法制の見直しが必要になってきます。36(さぶろく)協定で定める時間外労働の限度基準の実効性の確保とともに、特別条項つき協定を結べば、さらに労働時間を延長できるという現行の仕組みを見直し、上限規制を設けるべきであります。本県こそ積極的に進めるべき課題でございます。 今回、長時間労働の是正を2つの観点から問題提起いたします。1つ目は、過労死でございます。先ほどもありましたが、大手広告代理店「電通」の女子新入社員が過労自殺した問題は大きな波紋を呼んでいます。亡くなった社員は過労でうつ病を発症し、昨年末に自殺。労災認定されました。発症前1カ月の時間外労働は約105時間に達し、3日間会社に缶詰状態になることもあったと言われています。従業員の健康を度外視した状態が続いていたとすれば言語道断であります。まずは、本県の過労死に係る労災請求の推移についてお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) 厚生労働省が公表しております「過労死等の労災補償状況」によりますと、本県における過去5年間の過労死に係る労災請求件数は、平成23年度が5件、24年度が8件、25年度が2件、26年度が8件、27年度が8件となっております。 ◆(河野哲也議員) 報道によると、27年度は精神障がいで18件、脳・心臓疾患で12件の労災申請があったと聞いています。その申請のうち8件が過労死によるものということになります。政府が先月初めにまとめた「過労死等防止対策白書」によると、労災認定の目安となる月80時間を超えて残業した正社員のいる企業は23%に上るとしています。 先日、宮崎に来られたワーク・ライフバランス代表取締役社長、小室淑恵氏は、労働時間で最低限死守すべきだと考えているのが、「過労死ライン」と呼ばれているものであって、厚生労働省が発表している月間80時間だとしています。また、上限を、「企業ごとに事情が異なるのに一律に決めてよいのか」「企業の自主的な取り組みが大事であって、規制すべきではない」という声を聞くが、自主的な取り組みや企業ごとの事情といっても、それはあくまでも過労死ライン80時間以内の話だとしています。 もう一つの観点として、先ほど紹介いたしました一億総活躍会議民間議員の白河桃子氏の言葉でございますが、「長時間労働に規制が入らないと、仕事と育児の両立、男性の育児参加ができず、母子が孤立化、第2子が生まれない。独身の人は婚活もできない。超少子化、労働人口減、未婚率増加という負のサイクルが回る。ここで長時間労働に上限を設定すると、男女ともに共働き、共育てが実現。未婚率が減り、有配偶者出生率もアップ、次世代も結婚や子育てにポジティブになれるという正のサイクルが回る。このことが最終的には一億総活躍にもとても効果的である」と述べられています。そこで、この観点から本県の働き方改革についてただしていきたいと思いますが、まず、宮崎労働局働き方改革推進本部と県との連携についてお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) 働き方改革推進本部につきましては、宮崎労働局が平成27年1月に局内組織として設置したものでございまして、働き方改革の促進のため、団体、企業のトップへの働きかけや、働き方の見直しに向けた地域全体における機運の醸成などに取り組んでおられます。県といたしましては、推進本部の設置趣旨であります、働き方改革の促進につながるよう、労働局と連携しながら、普及啓発セミナーの開催など、各種事業の推進を図っているところでございます。 ◆(河野哲也議員) 確かに最近、宮崎労働局の積極的なかかわりを肌で感じることができますが、平成27年度版宮崎県の労働事情という実態調査報告書によると、事業所がワーク・ライフ・バランスのための各種制度で導入している制度は、短時間勤務制度が46.8%と最も多く、次いで配偶者の出産休暇制度が45.5%となっています。県は、ワーク・ライフ・バランス実態調査の結果についてどう認識しているか、お伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) ワーク・ライフ・バランスの普及指標となります年次有給休暇や育児休業等の県内の取得状況等につきましては、県が毎年実施しております労働条件等実態調査の中で把握しているところでございます。平成27年度の調査結果によりますと、例えば、年次有給休暇の取得率は45.8%となっておりまして、全国平均の47.6%を下回っております。また、育児休業取得率につきましては、男性が6.9%、女性が91.4%で、ともに全国平均を上回っておりますものの、国の目標値であります男性13%、女性100%には達していない状況にあります。県といたしましては、このような状況を踏まえますと、さらなるワーク・ライフ・バランスの推進を図っていく必要があると考えております。 ◆(河野哲也議員) ありがとうございます。 先ほど紹介しました小室氏は、「働くことと子育てをすることは、ちゃんと両立し得ることなんだ。仕事をすることは、自己表現ができて、いろんな人とかかわれて、物すごく幸せで楽しいことなんだと確信できるような社会に変えていかないと、この国は沈む」と語っていました。先ほども申し上げましたが、こうした働き方の実現に、本県も全力を尽くすべきだと考えます。次代を担う若者や女性等の活躍に向けた働き方改革を進める上で、ワーク・ライフ・バランスの推進が重要であると考えますが、本県の具体的な取り組みについてお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) ワーク・ライフ・バランス推進のための取り組みといたしましては、企業経営者に、働きやすい職場づくりへの具体的な取り組みを宣言してもらう「仕事と家庭の両立応援宣言」登録制度を推進しておりまして、登録事業所数は年々増加し、現在827件となっております。また、家庭生活と仕事を両立できる働きやすい職場環境づくりを推進するために、社会保険労務士を企業に派遣し、就業規則の見直し等についてのアドバイスを行っておりますほか、多様な働き方などの普及啓発セミナーを県内各地で開催しているところでございます。今後も、こうした取り組みを行いながら、ワーク・ライフ・バランスの推進を図ってまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 応援宣言登録制度の登録事業者が年々増加していることは、大変喜ばしいことであります。宣言内容で勤務時間に触れている事業所が少ないかなという気がしました。例えば、「私は部下の時間を奪いません」とか、そういう宣言があるといいのではないかと思います。 三重県の紹介をいたします。三重労使雇用支援機構(三重県の経営者協会・連合三重)や三重労働局とともに平成24年に実施された、県内事業者へのヒアリング調査結果や検討会議をもとに、働き方改革推進プログラムを作成しておられました。本県においても同様のプログラムを作成してみてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎商工観光労働部長(中田哲朗君) 三重県の働き方改革推進プログラムにつきましては、私も拝見させていただきましたけれども、改革の進め方やその効果、参考事例などが具体的にまとめられており、企業にとってもわかりやすく、今後、本県の働き方改革を推進する上でも非常に参考になる取り組みであると感じたところでございます。御質問にありました、本県におけるプログラム作成につきましては、関係機関の意見も聞きながら、今後検討してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) よろしくお願いします。 三重県はもう次の段階に入っていまして、県庁内の長時間労働の是正などを目指し、外部有識者による「働き方改革・生産性向上推進懇談会(ワーク・ライフ・バランス推進タスクフォース)」を設置しています。今月には具体的な取り組みについて提言をまとめるとしています。委員は、働き方改革に取り組んでいる県内企業・団体の代表らと県幹部の計11名で構成。懇談会では、「仕事の見える化」による効率の向上、短時間で成果を上げることに対する評価などについて検討。その提言をもとに、庁内でモデルとなる実践を進めた後、全庁に取り組みを拡大し、さらに県内の企業・団体、市町にも波及させるとしています。河野知事も、例えば、子育てに優しい職場づくりのPRに、妊婦ジャケットを着用して出演してみたり、フェイスブック等で余暇の過ごし方を発信してみたりと、意識改革の先頭に立っておられますが、イクボス宣言後の県庁内の変化についてお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) イクボス宣言につきましては、結婚・出産・子育てなどに希望が持てます「くらしの豊かさ日本一の宮崎」を実現するために、まずは県庁から職場環境や職員の意識を変えていきたいと、私の強い思いを示したものであります。宣言後これまでに、育児休業中の職員が県庁内の情報システムを利用することを可能にしたほか、女性職員を対象にした相談窓口の設置、さらには、現在、育児や介護を行う職員を対象としました勤務時間の弾力的な運用についても、導入に向けて検討を進めているところであります。また、「県庁職場参観日」の開催や、夕方の時間の有効活用「ゆう」の推進、さらには、私自身、今御指摘がありました、九州地域戦略会議の取り組みとして、妊婦ジャケットをつけて仕事を行う動画を発信したり、趣味や余暇の活用について職員宛てにメッセージを送信するなど、家事・育児を含めたプライベートの充実がよい仕事につながるという意識改革、機運醸成に努めているところであります。少しずつではありますが、職員、また組織としての意識の変化を感じているところでありまして、こうした取り組みを継続し、さらに職員の働き方に対する価値観の変化を促すことで、県庁を活性化し、またそのことが県内全体への波及効果を及ぼす、そういう展開を図っていきたいと思っておりますし、そのことを通じて、県民の暮らしの豊かさに結びつけてまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 今御答弁のように、宮崎県全体の働き方改革を加速させるために、県庁が率先して改革の必要性を示して、県内経営者等にメリットを感じてもらえるよう、ぜひ協議を進めていただきたいと思います。 次に入ります。アセットマネジメントについて、県土整備部長にお伺いいたします。 福岡市博多駅前で11月8日朝に突然起きた大規模な路面陥没。ガス漏れと水道管の破断で周辺は立入禁止、停電も夜まで続きました。沿道では営業再開の見通しが立たない企業も多く、影響が長引くであろうと思われましたが、24時間態勢で復旧工事が行われ、何と11月15日午前5時から通行が再開されました。多くの海外メディアから、日本の職人芸と能率のよさに称賛の声があったことは御存じかと思います。高度成長期に建設した膨大なアセットの老朽化が確実に進んでいます。4年前のきょう、中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故が発生し、走行中の車複数台が巻き込まれ、9名が死亡した事故は、記憶に新しいところでございます。今回、JR博多駅前の大規模な道路陥没は、地下鉄延伸工事の影響でトンネル内に地下水が流れ込んだことが原因と見られています。インフラの老朽化が進む大都市などでは陥没が相次いでおり、専門家は、「どこでも起こり得る」と警鐘を鳴らしています。人口減少や過疎化が進む中、限られた資金でどのようにインフラを維持管理するかが大きな課題となっています。その意味で、長期的視野に立って資産を管理するアセットマネジメントの視点が不可欠です。このことは、防災の面からも意義は大きいとされています。都市部だけの問題ではないと、本県もいち早くアセットマネジメントを活用し、損傷や劣化にその都度対応する対症療法型から、痛みが少ないうちに修繕を繰り返す予防保全型管理への転換を進めています。今回の福岡の事故を見て、宮崎県に公共土木施設のアセットマネジメントを進めるための課題が見えてきました。そこで、県土整備部が管理する公共土木施設の老朽化の状況について、まずはお伺いいたします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 県土整備部におきましては、道路や河川、港湾などにおいて、橋梁など数多くの公共土木施設を管理しておりますが、その多くが高度経済成長期に建設されており、今後、急速に老朽化が進むものと見込んでおります。例えば橋梁では、2,101橋のうち建設後50年を経過する割合が、現在の19.6%から、20年後には63%になる見込みであり、同様に、122カ所あるトンネルでは、現在の20%から、20年後には39.2%になる見込みであります。 ◆(河野哲也議員) 今年度、宮崎県の公共施設の現状について見える化し、県民に理解していただくための、公共土木施設のアセットマネジメントを含めた「公共施設等総合管理計画」が策定されました。課題として見えているのが、1つは確実に実施するための予算確保、2つ目は技術職員の育成であります。御案内のとおり、アセットマネジメントは施設などを効率的に維持管理する手法で、メンテナンスだけにとどまらず、膨大なインフラをどうマネジメントし、長もちさせるかが主眼に置かれております。短・中・長期にわたる全体像を俯瞰し、その時間軸の中でどう効率的に管理するかという戦略が重要になっています。それを確実にするのが、実際の管理を機能させ、その内容を継続的に改善することを目的とした、アセットマネジメントの国際規格であるISO55001の認証取得でございます。ISO55001とは、2014年1月に規格化されたアセットマネジメントシステムの国際規格です。社会インフラ分野において、資金、人材、情報などのマネジメントを含めて、計画的かつ効率的な施設管理を行い、求められた社会インフラ機能を継続的に発揮していくために必要な要求事項がまとめられています。将来にわたり公共土木施設を適切に維持するために、アセットマネジメントの国際基準ISO55001を導入できないか、お伺いいたします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 将来にわたり公共土木施設を適切に維持するためには、計画的かつ効率的な維持管理を継続して行っていくための、いわゆるアセットマネジメントの取り組みが大変重要であると認識しております。このため県土整備部におきましては、平成22年度からアセットマネジメントを導入し、施設ごとの長寿命化計画の策定を進めており、計画の実施に当たっては、法律等に基づく定期点検を行い、診断、必要な補修といったマネジメントサイクルを構築し、予算の平準化やコスト縮減に努めながら、施設の老朽化対策に取り組んでいるところであります。お尋ねのISO55001の認証取得につきましては、これまでに、国、地方自治体においては、愛知県と仙台市が下水道分野において認証を取得しておりますが、全国的な事例も少ないことから、国や他の自治体の状況を注視してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 財政的に厳しい中で予算を仕組んでいくということで、この認証取得は、ある意味突破口になるのではと、ちょっと勉強不足ですけど、そのように感じて質問をさせていただきました。 全国的にもトップクラスの量の道路施設を管理する岐阜県は、平成22年度から、岐阜大学のインフラマネジメント技術研究センターと提携し、点検や補修に係る高い技術を身につけた専門家「社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)」の養成講座を開講しています。防災や維持管理に携わった経験を持つ受講者がアセットマネジメントの基礎を学ぶほか、橋などの点検や維持管理に関して現地実習をいたします。既に339人がMEに認定されていると聞いています。本県の職員にも、他県同様設計や建設に携わったことのない技術者が増加していると聞きます。また、技術者の高齢化も進んでいます。本県における土木技術職員の人材の育成の取り組み状況についてお伺いいたします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 公共工事を円滑に実施するためには、長い間培ってきた技術力を継承するなど、職員一人一人が確かな技術力を身につけることが大変重要であると認識しております。このため県土整備部においては、平成23年度に人材育成基本方針を策定し、職員間における着実な技術の継承、効果的な現場経験の習得、研修に関する組織的なサポート体制づくり、この3つを柱として定め、職員の技術力や資質向上に取り組んでいるところであります。具体的には、ベテラン職員が現場立ち会いに同行してアドバイスを行う技術指導や、技術的に高度で専門性の高い施工現場を紹介する事例発表会などを行うとともに、建設技術センター研修においては、経験年数に応じた階層別研修や、第一線で活躍する外部講師による専門研修などを行っております。今後とも、土木技術職員の人材育成及び技術力の継承に、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 具体的な取り組み、ありがとうございます。こうした動きから、本県で悲惨な事故を起こさないように、適切な公共土木施設の維持管理を推進していただきたいと思います。 次に行きます。特別支援教育について、教育長にお伺いいたします。 発達障がいのお子さんが不登校になっている実態があります。本県の小中学生の不登校の状況は、平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、不登校児童161人、不登校生徒数788人です。ただ残念ながら、教育委員会は、特別支援学級及び通級による指導を利用している児童生徒の不登校の状況をつかめずにいます。つかんでいませんので、他の不登校児と同じかかわりしかできていないというのが実情であると思います。確かに本県では、不登校児については他県に比べて少ない傾向にあります。これは教師集団の不断の努力だと考えています。 しかし、「宮崎は教育の機会を奪っている」と、不登校になった発達障がいのお子さんを育てている保護者からの相談がありました。その保護者は、特別支援学校への転学を希望しましたが、手帳の有無で断られたとのことです。6月議会の一般質問、昨日の一般質問でも、特別支援学校の拡充について議論がありました。特別支援学校の教室が対応できないほどの状況であるということは重々わかっております。 平成22年11月の質問で、「療育手帳の判断基準について、アスペルガーを含むPDDの人が取得できる手帳がないという問題。また、療育手帳の判断基準の境界線上にいる軽度の発達障がいの子の療育手帳取得が、県によって対応が違うということ。療育手帳は知能指数を判定基準としていることから、発達障がいの子は、日常は一般の人とコミュニケーションがとりにくく、社会人として生活することは難しい状況にあるのに、判定時に日常以上のことができることがある。それによって療育手帳取得が困難な状況にあるという実態もある。本県では、療育手帳の判定上、発達障がいはどのように取り扱われているのか」とただしました。改めて、特別支援学級及び通級による指導を利用している児童生徒の療育手帳取得状況についてお伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) 小中学校の特別支援学級の入級や通級による指導の利用につきましては、児童生徒の障がいの状態や、本人、保護者の意向等によりまして総合的に判断をしておりますので、療育手帳の取得のみを要件とはしていないところであります。平成28年5月1日現在で、特別支援学級は292校に561学級設置しており、2,016人が在籍をしております。そのうち知的障がい特別支援学級には814人が在籍し、その多くは療育手帳を取得しております。また、自閉症・情緒障がい特別支援学級、または通級指導教室を利用する児童生徒については、知的障がいを有していないことから、療育手帳は取得していないところであります。 ◆(河野哲也議員) 22年の質問の答弁も、発達障がいを伴う知的障がいのある方について、対象者の障がいの特性を踏まえながら、生活面・行動面の状態を十分考慮し、療育手帳の判定を行っているとのことでした。判定は変わっていないということであると思います。さらに、28年度と29年度の特別支援学校幼稚部・高等部入学者募集要綱を確認いたしました。28年度では特別支援学校の入学基準が、手帳取得が前提となっていました。29年度から高等部入学はこの条件が見当たりません。29年度の入学基準をお伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) 特別支援学校へ入学する際の基準につきましては、学校教育法施行令第22条の3に、視覚障がい、聴覚障がい、知的障がい、肢体不自由及び病弱の5つの障がい種別ごとに、入学対象となる障がいの程度が示されているところであります。特別支援学校高等部への入学につきましては、希望する特別支援学校の障がい種別に応じて、診断書または療育手帳等の所持を原則としながらも、事前の教育相談の場において、生徒の中学校での様子、将来の進路、保護者の意向などを伺うことにより、入学対象となる障がいの程度であるかどうかについて確認を行い、総合的に判断することとしております。 なお、知的なおくれはなく、一定程度の社会適応能力等を有する発達障がいのみの生徒につきましては、ただいま申し上げました基準に該当しないことから、知的障がい特別支援学校高等部の入学の対象とはならないものであります。 ◆(河野哲也議員) 今の答弁を聞かせながら、要綱を読んだ発達障がいのある子供さんの保護者は、納得しないと思います。要綱には、確かに事前の教育相談が位置づけてあります。文末は、教育相談、「済ませておくこと」です。「22条の3に規定される者であることを確認しておくこと」です。25年第756号通知「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について」に、「第1 障害のある児童生徒等の就学先の決定」の中で、「障害のある児童生徒等及びその保護者に対し、就学に関する手続等についての十分な情報の提供を行うこと」となっています。また、「最終的な就学先の決定を行う前に十分な時間的余裕をもって行うものとし、保護者の意見については、可能な限りその意向を尊重しなければならない」とあります。我が子の教育の機会の保障が見えない不安から、こういう訴えになったのではないかと思います。ぜひ不信感を払拭していただきたいと要望しておきたいと思います。 確かに、本県も特別支援教育の充実に向けた取り組みを積極的に行っていただいています。県内を7つのエリアに分けたエリアサポート体制を構築し、幼稚園・保育所、小・中・高等学校に在籍する発達障がいを含む全ての障がいのある子供に対応するため、小中学校に拠点校7校を指定して、専門性の高い教員であるエリアコーディネーター7名を配置したとのことですが、発達障がいのある児童生徒への支援の取り組み状況を、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) 発達障がいを含む障がいのある児童生徒への支援につきましては、まず、特別支援教育担当者への専門研修や通常の学級担任への基礎研修を行い、障がいの特性に応じた指導力の向上を図っているところであります。また、通常の対応では解決が難しいケースの場合には、学校で指名している特別支援教育コーディネーターが中心となって、保護者や関係機関との連携をとりながら対応しており、その結果、授業に参加できるようになったり、友達とのコミュニケーションがうまくできるようになったりした例も出てきているところであります。さらに、県内7地域ごとに、特別支援学校のチーフコーディネーター9名、小中学校の拠点校のエリアコーディネーター7名を配置して、平成27年度はそれぞれ1,977件、566件の各学校への巡回相談を行っているところであります。各学校からは、「子供への具体的な支援方法への助言が得られ、子供が落ちついて授業に取り組めた」という声が多数寄せられているところであります。 ◆(河野哲也議員) ありがとうございます。ぜひ継続して、効果を上げていただきたいと思います。 特別支援学校のハード面の課題、先ほどありましたが、特別支援教育コーディネーターの兼任や通級指導の担当教員が毎年の予算措置で加配されている現状では、今、相談件数も多くありましたが、年々高まるニーズに対応し切れずに、必要な指導が受けられないケースが出てきています。子供の個々の状況に応じた十分な支援が届くよう、特別支援教育コーディネーターの専任化及び通級指導担当の基礎定数化について、国に強く要望すべきであると思いますが、教育長、見解をお願いします。 ◎教育長(四本孝君) 小中学校の特別支援教育コーディネーターは、特別支援学級の担任や通級指導担当者が兼務している状況でありますが、特別な支援を必要とする児童生徒の数が年々増加する中、さきに述べましたとおり、その役割はますます重要となってきているわけであります。このため、私どもといたしましても、特別支援教育コーディネーターの専任化を進めていくべきものと考えており、その基礎定数化を国へ要望しているところであります。通級指導担当者につきましては、現在、教職員の基礎的な定数を超えて国等が特に配置している加配によりまして対応しているところであります。こうした中、先般、文部科学省がまとめた「「次世代の学校」指導体制実現構想」におきましては、今後10年間で全国で8,900名の基礎定数化が計画をされております。県といたしましては、今後とも国の動きを注視するとともに、引き続き国に対して、通級指導担当者の基礎定数化の要望を行ってまいります。 ◆(河野哲也議員) ありがとうございます。 衆議院文部科学委員会は11月18日、不登校の子供たちへの教育機会の確保、学校外のフリースクール、夜間中学など多様な学び場づくりを進めるための「教育機会確保法案」を、与野党の賛成多数で可決いたしました。これは、公明党の主張を受け、フリースクールなどを念頭に、不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性を認め、個々の状況に応じた学習活動が行われるよう、国や自治体が必要な措置を講ずると規定するものです。不登校の子供など個々への最大限の配慮を重視して、教育の機会を確保するための議論を要望していきたい、そのように考えております。 次に行きます。子供の交通事故防止についてでございます。 先ほどもございましたが、最近、宮崎市の大淀川沿いの市道で児童3人が軽乗用車にはねられ重軽傷を負った事故を初め、小中学生の交通事故について頻繁に報道されています。まず、本県の小中学生の交通事故発生状況について、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(野口泰君) 過去10年間における本県の小中学生の交通事故状況でありますが、平成21年の482件をピークに6年連続で減少しており、昨年は307件でありました。死亡事故は、平成23年5月、日南市における小学3年男児の事故以降、発生しておりません。6年連続の減少要因の一つは、宮崎県交通安全協会に委託して実施している、交通安全指導員による児童生徒に対する交通安全教育や街頭指導が挙げられます。 ◆(河野哲也議員) 御努力に感謝いたします。 今回の場合は放課後の活動途中でありましたが、登下校中の交通事故の発生状況について、警察本部長にお伺いいたします。 ◎警察本部長(野口泰君) 小中学生の登下校中における交通事故の発生状況についてでありますが、本年10月末現在で、小学生が21件、中学生が41件の合計62件で、昨年同期と比べマイナス10件と減少傾向にあり、死亡事故は発生しておりません。しかし、本年10月末までに発生した小中学生の事故213件中、約3割の62件が登下校中の事故であり、今後さらに登下校の安全確保対策を進めてまいります。 ◆(河野哲也議員) 具体的な対策は、実は平成24年度からとられている。その結果が今あらわれているなと実感しているところでございます。平成24年4月に京都府亀岡市で発生した、登校中の児童等の列に自動車が突入する事故を初め、登下校中の児童等が死傷する事故が連続して発生したことを受けて実施された通学路の緊急合同点検。本県における実施状況としては、点検実施学校数235校、点検実施箇所数982カ所、対策必要箇所数855という報告がありました。各自治体のホームページ上で、学校ごとに箇所名、通学路の状況、対策内容、事業主体を公表するというスピード感のある対応だったことを記憶しています。あれから5年でございますが、平成24年に県土整備部、教育委員会及び警察本部の3者で実施した、通学路の緊急合同点検のその後の状況はどのようになっているか、それぞれの部局にお伺いいたします。 ◎県土整備部長(東憲之介君) 平成24年に実施しました緊急合同点検の結果、県管理道路において、対策が必要とされた箇所は246カ所あり、ことし3月までに全ての箇所に着手し、歩道整備や防護柵、区画線の設置など211カ所で対策が完了しており、残り35カ所については、早期完成に向け整備を進めているところであります。また、平成26年度に、この取り組みを継続して推進するため、県内全市町村において、地元自治会、学校、警察及び道路管理者などで構成される協議会を設置し、通学路交通安全プログラムが策定されたところであります。このプログラムでは、協議会により合同点検を行い、対策の検討、その実施、次に対策の効果の把握、さらには、その結果を踏まえた改善・充実を行うPDCAサイクルとして、これを毎年実施することとしております。今後とも、市町村や教育委員会、警察などとも連携しながら、通学路の交通安全対策に努めてまいりたいと考えております。 ◎教育長(四本孝君) 平成24年に実施されました通学路の緊急合同点検において、学校、教育委員会の対策が必要な箇所は、91カ所確認をされたところであります。県教育委員会では、各市町村教育委員会や学校に対して、通学路の変更、地域ボランティアやPTAと連携した登下校時における見守り活動の実施など、関係者が連携しながら、学校や地域の実情に合わせて対策を講じるように指導に努めてまいりました。その結果、平成27年度末時点において対策が必要な箇所は、残り2カ所となっており、今年度中には完了する予定であります。また、緊急合同点検後直ちに、全ての市町村教育委員会に対し、道路管理者や警察など関係機関から構成される協議会を組織し、定期的に合同点検を実施するよう依頼したところであり、現在、全ての市町村において、通学路交通安全プログラムに基づき、継続的な取り組みがなされているところであります。 ◎警察本部長(野口泰君) 平成24年度に実施した通学路の緊急合同点検の結果、警察として何らかの対策が必要なところは349カ所でした。警察では、横断歩道の補修や移設、通学時間帯における交通規制時間の変更、歩行者用信号機の新規設置等、本年10月末までに341カ所の対策が完了しており、残り8カ所につきましても、関係機関と連携した対策を進めているところであります。また、平成24年以降も毎年、通学路における児童生徒等の安全を確保するため、関係機関との合同による安全点検を実施しております。今後とも、通学路の交通環境の整備に取り組むとともに、ドライバーに対する指導取り締まりや児童生徒に対する交通安全教育を推進してまいります。 ◆(河野哲也議員) それぞれ通学路の交通安全、ハード面の整備については、しっかりと進んでいるということ、御努力を感謝いたします。 先日の新見議員の質問でも確認されましたが、本県も、歩行中の交通事故による死傷者数を年齢別に見ると、小学校1~2年生に当たる7歳児が突出していることが確認されました。全国的に7歳児の事故が相変わらず多いと聞いておりますが、7歳児の死傷事故の特徴として、内訳は、登下校時36%、遊戯・訪問29%、買い物・散歩・観光・ドライブが12%、その他23%。全体の73%が日中に発生、日没前後を合わせると93%に上る。曜日別では、平日が、土曜日の約2倍、日曜日の約2.5倍になっている。男児が女児の2倍であると。そこで、なぜ7歳児に多いのか。対策に何が必要か。子供の発達段階に応じた交通安全教育を研究する山口・大阪国際大学准教授は、小学校に入り児童だけで行動する機会がふえたことが主な要因としながら、入学前の早い段階から、危険を感知して避ける能力を身につける交通安全教育が重要であるということ―実は、幼稚園児と保育園児の交通事故の差があるという一つに、保育士の養成課程で交通安全教育が必須科目に含まれていない。いざ現場に出たときに動けないという実態もつかんでありました。やはり子供の発達上の特性を踏まえた交通安全教育を行っていかなければならないと考えます。私のほうは教育方面から質問したいと思いますが、低学年への放課後活動を含めた交通安全指導の取り組みについて、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(四本孝君) 小学校の低学年では、まず、学校生活や日常生活全般にわたり安全に行動することの大切さを理解し、安全のための決まり・約束を守ることや、自分自身で身の回りの危険に気づくことができるようにすることが重要であります。交通安全に関しましては、学校では、教職員と新入学児童が一緒に下校し、通学路の危険箇所を実際に確認した上で指導を行っているところであります。また、学校のみならず、地域の警察署や交通安全協会、自動車学校など関係機関の協力もいただきながら、校庭に横断歩道や信号機を再現して、正しい渡り方などの指導がなされているところであります。今後とも、児童生徒が交通事故を身近な問題として捉え、交通安全意識を高めるための取り組みが充実しますよう、各学校を指導してまいりたいと考えております。 ◆(河野哲也議員) 学校生活の中でも、危険を考えさせる機会を日常的に設定するというんでしょうか、そういう場が必要ではないかと考えます。 最後でございます。取り調べ可視化について、警察本部長にお伺いいたします。 今回の提出議案に改正宮崎県迷惑行為防止条例があります。より一層の県民の安全確保のために尽力していただけるものと、敬意を表したいと考えます。今回の改正の主なものは、現条例の曖昧な部分を明確にし、細かく対応できるようにすることであります。誤認のない取り締まりができることを期待したいと思います。 ところで、容疑者が取調室に入ってから出るまでの全過程を録音・録画することで、不当な捜査から容疑者を守ることができるとして、取り調べの全過程可視化が2019年の6月までに施行されます。全国的に警察による可視化の試行は2008年から始まり、本格的試行は本年10月1日から始まりました。取り調べの録音・録画の対象事件は、警察で試行実施しております裁判員裁判対象事件及び知的障がいを有する被疑者の事件で、身柄拘束中の被疑者の取り調べを対象として実施しているとお聞きしました。まず、宮崎県警の取り調べで録音・録画の実施状況についてお伺いいたします。 ◎警察本部長(野口泰君) 取り調べの録音・録画につきましては、平成21年度から、死刑または無期の懲役等に当たる罪に係る裁判員裁判対象事件を対象として試行を開始しました。さらに、平成24年度から、知的障がいを有する被疑者に係る事件を対象に加えるなど、段階的に対象を拡大して現在に至っております。実施状況につきましては、裁判員裁判対象事件は、本年10月末までに86事件の1,279回、知的障がい等の障がいを有する被疑者に係る事件は76事件の313回、合計162事件、1,592回の録音・録画を実施しております。 ◆(河野哲也議員) 冤罪防止に取り調べの全過程可視化は不可欠であります。繰り返しますが、容疑者が取調室に入ってから出るまでの全過程を録音・録画することが重要になってきます。先ほどの答弁では、およそ1,600回の取り調べを行っていることになりますが、対応できる環境は整っているんでしょうか。録音・録画装置の配置状況を確認したいと思います。 ◎警察本部長(野口泰君) 警察本部及び全ての警察署に合計21台の録音・録画装置を配備しており、現時点、全ての録音・録画の対象事件に対応できております。 ◆(河野哲也議員) 刑事司法の原則「10人の真犯人を逃すとも、1人の無辜を罰するな」と言われていますが、県民は、宮崎県警が、真犯人を1人も逃さず、1人の無辜を罰するなと注目していることをお伝えし、質問の全てを終わります。(拍手) ○副議長(宮原義久) 以上で本日の質問は終わりました。 次の本会議は、5日午前10時開会、本日に引き続き一般質問であります。 本日はこれで散会いたします。   午後2時49分散会...