大分県議会 > 2021-03-09 >
03月09日-06号

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  1. 大分県議会 2021-03-09
    03月09日-06号


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    令和 3年 第1回定例会(3月)     令和3年第1回大分県議会定例会会議録(第6号)令和3年3月9日(火曜日)  -------------------------------議事日程第6号             令和3年3月9日              午前10時開議第1 一般質問  -------------------------------本日の会議に付した案件日程第1 一般質問  -------------------------------出席議員 43名  議長        麻生栄作  副議長       嶋 幸一            志村 学            井上伸史            清田哲也            今吉次郎            阿部長夫            太田正美            後藤慎太郎            衛藤博昭            森 誠一            大友栄二            井上明夫            鴛海 豊            木付親次            三浦正臣            古手川正治            土居昌弘            元吉俊博            御手洗吉生            阿部英仁            成迫健児            浦野英樹            高橋 肇            木田 昇            羽野武男            二ノ宮健治            守永信幸            藤田正道            原田孝司            小嶋秀行            馬場 林            尾島保彦            玉田輝義            平岩純子            吉村哲彦            戸高賢史            河野成司            猿渡久子            堤 栄三            荒金信生            末宗秀雄            小川克己欠席議員 なし  -------------------------------出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       尾野賢治  副知事       黒田秀郎  教育長       工藤利明  代表監査委員    首藤博文  総務部長      和田雅晴  企画振興部長    高屋 博  企業局長      工藤正俊  病院局長      田代英哉  警察本部長     竹迫宜哉  福祉保健部長    廣瀬高博  生活環境部長    高橋基典  商工観光労働部長  高濱 航  農林水産部長    大友進一  土木建築部長    湯地三子弘  会計管理者兼会計管理局長            森山成夫  防災局長      梶原文男  観光局長      秋月久美  人事委員会事務局長 藤原隆司  労働委員会事務局長 森 優子  -------------------------------     午前10時 開議 ○麻生栄作議長 皆様おはようございます。 これより本日の会議を開きます。  -------------------------------麻生栄作議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第6号により行います。  ------------------------------- △日程第1 一般質問及び質疑、委員会付託 ○麻生栄作議長 日程第1、第1号議案から第30号議案まで、第32号議案から第37号議案まで、及び第1号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。三浦正臣君。  〔三浦議員登壇〕(拍手) ◆三浦正臣議員 皆さんおはようございます。14番、自由民主党の三浦正臣です。 早速一般質問に入ります。 まず、地球温暖化対策について伺います。 2020年12月、国は、地球温暖化防止の国際的な枠組み、いわゆるパリ協定の目標が達成できなかった場合の影響を公表しました。パリ協定は、今世紀末までに世界の平均気温を産業革命前に比べ、2度の上昇に抑えるとの目標をうたったものですが、未達成の場合には、日本の今世紀末の平均気温は約4.5度も上昇し、一日200ミリ以上の雨量を記録する日も2.3倍となり、台風もさらに大型化するなどとされています。 昨年の7月豪雨の被害もいまだ記憶に新しいところですが、この予測が現実になると、社会生活に多大な影響が生じるのは想像に難しくありません。このような事態を避けるべく、国も2050年までの温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする目標を掲げ、脱炭素社会の実現に向けて、技術革新やエネルギーの多様化などあらゆる政策手段を活用し、国を挙げて対策を急ピッチで進めようとしています。 また、米国やEUなど各国も、環境・エネルギー投資を大規模に進め、脱炭素に向けた取組を加速しています。 さて、今国会においては、地球温暖化対策推進法の改正案が提出されるようです。それによると、2050年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念を法に明記し、また、各県が定めることとなっている地球温暖化対策実行計画も、従来に比べ、より実効性を高める内容とするよう求められているようです。 脱炭素社会に向けての流れはますます加速するでしょうし、もはや、環境への対応は成長の制約ではなく、成長を生み出すものだと考えます。その実現にあたっては、当然、我々の行動様式の変容が大事なことですし、また環境変化への対応も看過してはいけない事実だと思います。 そこで伺います。これまで、本県においても、国に先駆け様々な温暖化対策を推し進めてきたと思いますが、今回の国の動きも踏まえ、県の今後の温暖化対策の方向性について、知事の考えをお聞かせください。以下は対面で質問します。  〔三浦議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○麻生栄作議長 ただいまの三浦正臣君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 三浦正臣議員から、まず地球温暖化対策について御質問いただきました。 日田市のモリショウグループが環境省の脱炭素チャレンジカップ2021環境大臣賞グランプリを受賞しました。地域の木質バイオマス発電を核とした電力の地産地消の取組が、企業や地域社会の持続可能性を高め、脱炭素社会の実現につながると評価されたものです。 これは、大分県が身近な環境から地球環境問題まで県民総参加で取り組んできたうつくし作戦の成果の現れであり、温室効果ガス実質ゼロを目指す本県にとって、追い風になるものです。引き続き、このような各地域での活動を広げ、次の三つの観点から温暖化対策を進めていきます。 一つは、個々の家庭や事業所でふだんにCO2排出削減対策に取り組んでいただくことです。九州7県による省資源・省エネルギーの取組を進める九州エコファミリー応援アプリの運用を4月から開始し、九州が一体となって取り組みます。併せて、事業所のエネルギーの使用状況を見える化するエコ診断や宅配1回受け取りキャンペーンを実施するなど、家庭、業務、運輸部門における一人一人のエコライフスタイルへの転換を促進します。 二つは、エコエネルギーの導入、利用促進です。再生可能エネルギー自給率日本一の大分県の強みを活かすとともに、環境や景観へ配慮し、地域と共存共栄するエコエネルギーの導入を図っていきます。 また、生活や産業の面で幅広い活用が可能な水素産業は、脱炭素社会における有望な成長分野です。このため、関連する産業の支援や県民への理解促進に向けたセミナーの開催などに取り組みます。 三つは、気候変動による被害を回避、軽減するための適応策の充実です。例えば、農林水産業分野で、温暖化の影響を受けにくい品種への転換などの取組を進めてきました。 また、企業の生産活動や屋外レジャーなどへの影響、都市化によるヒートアイランド現象などが深刻化していることから、経済、産業活動分野、県民生活など計7分野の適応策について幅広く取り組んでいきます。 本年4月には、地域気候変動適応センターの設置を考えています。センターでは地域ごとの気温や水温、降水量のデータを収集、分析し、気候変動を予測し、適応策の充実を図ります。 これらの取組を県民総参加で推し進めて、2050年温室効果ガス排出実質ゼロの実現を目指していきます。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 知事ありがとうございました。大きく3点だったと思います。中でも、3番目の大分県地域気候変動適応センターを4月から開設ということで、まさに本県は、九州はもとより、全国的に見ても、この地球温暖化対策の先進県ではなかろうかと思っています。 しかしながら、この問題、到底本県だけで対処できることではありません。これまでも九州各県や経済界等と広域的な連携を当然図ってこられたと思います。また、重層的、波状的な普及啓発も不可欠です。 ぜひ広瀬知事におかれては、九州知事会長として、本県を中心に今後も九州全体をしっかりリードをしていっていただきたいと思います。 そういった中、2050年のカーボンオフセットを達成するには、エコエネルギーの導入を今まで以上に進めていくことが不可欠です。この改正法案の概要の中でも、この再生エネルギーの積極的な導入が明記されています。 一方で、太陽光パネルや風力発電施設の設置にあたっては、事前に地元住民の方々の理解や周辺環境との調和を考慮し進めていくことも大変大切です。 このような点を踏まえ、今後、エコエネルギー関係施設の設置を進めていくにあたっての県の具体的な方針や手続について伺います。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 エコエネルギー関係施設の設置を進めていくにあたっての具体的な方針、手続についての御質問をいただきました。 まず、エコエネルギー施設の設置にあたっては、自然環境や景観との調和、また地域との共存共栄が重要であり、今後も県民、市町村、事業者との連携、協力を図り、本県の豊かな天然自然を守りながら推進していきたいと考えています。 なお、太陽光発電所については、自然公園やユネスコエコパークなど、自然環境保全上、重要な地域を含む場合については、アセス条例の規模要件を敷地面積20ヘクタールから5ヘクタールに強化をしていきます。 次に、手続としては、事業者等に対し、その都度、説明会を開催し、地域住民の意見をよく聞いた上で適切な環境影響評価を行い、その評価に基づき適正な環境への配慮を行うことを求めていきます。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 引き続き丁寧な対応をお願いしたいと思います。 さきほども触れましたが、今国会において、地球温暖化対策推進法の改正法案が審議をされるようです。新聞報道等によると、都道府県地球温暖化対策実行計画再生可能エネルギーの導入目標の設定が義務づけされるとのことであり、また、各地域の脱炭素に向けての工程表も策定されるようです。 県の第4期地球温暖化対策実行計画は、本年度末までであり、県では現在、新たに第5期地球温暖化対策実行計画の策定を行っていると伺っています。 しかしながら、今回の法改正の内容からすると、第5期計画の内容については見直しが必要になると思いますが、今後の対応について伺います。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 地球温暖化対策実行計画について回答します。 県では、現在、第4期地球温暖化対策実行計画に基づき、温室効果ガス排出削減を目指す緩和策と気候変動の影響を最小限にとどめる適応策を車の両輪として各種施策を総合的に推進しています。こうした取組を令和3年度も間断なく推進するため、現計画期間が終了する今月、第5期計画を策定します。 議員御指摘のとおり、地球温暖化対策推進法の改正に伴い、再生可能エネルギーの導入目標の設定や脱炭素に向けての工程表等の本県計画への反映が想定されます。 また、県のCO2削減目標の数値は、国の現行計画をもとに設定しており、今後、改定が予定される国の計画により、見直しが必要と認識しています。 県としては、まずは第5期計画に基づき、各種施策を着実に実行していきたいと考えています。一方で、国の法改正や制度設計の情報収集を行い、改正内容等に応じて、市町村等関係機関と十分調整しながら、一部追加や修正等の見直しを行います。 なお、見直しにあたっては、有識者の意見を聴くなど、所要の手続を行い、その内容を広く県民の皆様にも周知していきます。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 2050年の排出ゼロを実現するためには、現在の経済や社会の姿を根本から変えるための取組を今すぐ始めることが必要で、そのためには、2030年の目標深掘りが欠かせません。実効性のある計画となるようしっかりとした取組をお願いしたいと思いますし、計画の進捗状況、我々議会としてもしっかり把握をして着実に前に進めていきたいと思います。 それでは次に、クラスターの発生した民間医療機関への支援について伺います。 新型コロナウイルス感染症の第3波は、予想以上に長く、そして多くの感染者を引き起こすこととなりました。第1波、第2波をうまくかわし続けた本県も例外ではなく、多くの県民が感染する事態となりました。県内でも昨年の11月から今年2月までに千人を超える方の感染が確認され、クラスターも1月には9か所において確認されることとなりました。 今回質問したいのは、このクラスターが発生した民間医療機関についてです。医療機関は、感染症対策に万全を期していると思いますが、それでも複数の医療機関でクラスターが発生しています。懸命に予防しながら、医療機関という特性上、どうしてもクラスターが発生してしまうことについては仕方ないことであり、その事実を批判することはできないと思います。しかし、心ない批判にさらされ、風評被害を受け、外来・入院患者数が減っていくことを見て見ぬ振りはできません。ただでさえ、このコロナ禍で病院の受診控えが顕著となる中、風評被害を受けては経営面で非常に厳しい状況にあると思います。 特に診療報酬については、診察月の2か月後の支払であるため、1月にクラスターが発生した医療機関では、3月、4月とこれからが一層経営が厳しい状況となります。 これに加え、クラスターが発生した医療機関では、新規入院患者の受入れを当分の間停止するため、より経営が逼迫してきます。 さらに、風評被害により外来の患者数が減少しており、いつ元の財政状態に戻るのか先行きが不透明な状況です。 公立病院や公的医療機関の場合、例えば、県立病院であれば、県が経営の立て直しに向けての支援をするかと思いますが、民間の医療機関の場合、その支援は期待できません。 この状況は必ずしも大分、別府のように医療機関が充実した地域で発生するとは限らず、医療機関が経営逼迫を理由に撤退することが地域医療の崩壊につながりかねないと思います。 全ての医療機関が受診控えにより経営的に昨年より悪くなっているとは思いますが、特にクラスターという感染症災害とでも名付けるに足りる被害を被った医療機関に対しては、風評被害対策や財政支援などの対策を打つべきであると思いますが、見解を伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 クラスターの発生した民間医療機関への対応についてお答えします。 医療機関でクラスターが発生した場合には、感染への不安による受診控えや、入院患者の受入中止等の診療制限による経営面への負担が懸念されます。 県では、必要な受診を控えることがないようホームページやメディア等を活用した情報発信に努め、また、県医師会とも共同し風評被害対策を実施してきたところです。 さらに、医療機関に対しても、院内感染防止のため、国による個人防護具の緊急配布に加え、必要に応じて県の備蓄から配布したほか、感染対策に必要な経費に幅広な活用が可能な支援金を交付しています。 万一、医療機関でクラスターが発生し、感染した患者やスタッフを自院に入院させる必要がある場合は、ゾーニングにより生じる負担に対して財政支援を行っています。 また、通常診療の再開前には、保健所が感染対策の徹底を確認することとしているので、風評に惑わされることなく安心して受診していただきたいと考えています。
    麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 部長ありがとうございました。今、答弁の中で財政支援も行っていると。支援金の交付を行ったということですが、具体的に財政支援、支援金、この交付金額を教えていただきたいと思います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 支援金については、1病床100万円掛け何床という話になりますが、私が今申し上げた財政支援はもう一つ別にあり、今回の例えば、民間病院のクラスターが発生しました。そこの医療機関、個別の名前はちょっと出しづらいんですが、コロナ患者さんをその病院でしっかりと受け入れていただいて、ゾーニングを踏まえて、しかも医療従事者が感染対策をしっかりやりながら、その患者さんを診ていったということで、コロナ受入病院と同等の取扱いができるという国の通知がありますので、その部分の必要な経費、経営的な部分が関わるのであまり大きく言えませんが、1億円を超えるような金額を財政支援したいと今考えています。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 さきほども申し上げた風評被害など大きく影響し、今後、クラスター発生前と同程度の外来患者が来院してくれるのか、見当すらつかないのも現状です。医療公庫より5年無利子での貸付けも行っていますが、その返済についても、今後の安定した収入が見えない中、不安要素が大きいのではないでしょうか。ただいま部長から見解いただきましたが、さらに突っ込んだ対策、検討できないものでしょうか。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 風評被害が大きく影響して、クラスター発生時前と同程度の患者さんが本当に来院してくるのか、いろいろ不安があるのはよく分かります。 医療機関においてクラスターが発生したら、風評被害により外来患者が一時的に減少することがあります。それは承知しています。 ただ、県内の過去クラスターの発生した医療機関の例を見る限り、時間の経過とともに来院患者数は順調に回復しています。 こうした医療機関の取組を見ると、患者に安心して受診していただくために、医療機関が万全の感染防止対策を講じ、それを自院自らがしっかりと情報発信すること、そうしたことが不可欠だと考えています。 県としても、クラスター発生時からできるだけ早く診療再開できるように、保健所による助言や指導などに加え、安全確認ができるまで何度もPCR検査を行ってきました。クラスター収束後、患者の信頼回復のために感染防止対策を徹底しようとする医療機関からの相談があれば、しっかりと取組をサポートしたいと考えています。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 クラスターの発生は感染症災害であり、まず何からどう対処したらよいのか、医療機関の方々は大変困惑されたことと思います。事前にガイドラインや対策マニュアルを策定することもこれから求められるんではないかなとお話を伺う中で私自身感じました。 また、第3波では、医療用マスクN95等を含めた感染防止対策のための医療用具が不足した県内の医療機関があったようですが、これは県の迅速な対応により早急に不足物資を現場に手配していただいたということで大変ありがとうございました。 本来、このような事態を防ぐために、クラスターの発生した医療機関には自然災害同様、初動から迅速に支援できる体制づくり、ぜひ検討してみていただきたいと思うんですが、見解を伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 クラスター発生時の対応マニュアルとか、発生した医療機関への医療用具の初動からという話です。 院内感染対策については、まずは新型コロナウイルスだけではなくて、医療機関については、感染症全体に対するものとして、厚労省の数値に基づき、院内感染防止のためのマニュアルを策定し、また、その組織をつくる。そういう形で決められています。 クラスターが発生した医療機関には、感染管理認定看護師などを派遣し、保健所とともにきめ細かな指導を行っていきたいと考えています。 また、医療資機材の逼迫状況が以前ありました。それについては、県でもしっかりと備蓄し、医療機関から要請があれば、即座に配布ができるような体制をしっかりとつくっています。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 医療機関や医療従事者の方々、この問題とても注視されています。幸い本県においては、第3波は落ち着いてきましたが、急速に拡大するリスクが高いとされる変異ウイルス、この状況も踏まえていただき、第4波に備え、ぜひとも県として医療機関への力強い支援と対策を切にお願いしたいと思います。 次に、水産資源の回復について伺います。 本県は、平成30年の漁業産出額が海面漁業と養殖業を合わせて377億円で全国13位、単価では、全国平均の約2倍で全国3位と、全国有数の水産県といえます。 特に漁業産出額の約6割を占める養殖業は、平成20年の159億円から平成30年には249億円に大きく伸びています。県では、かぼすブリ、かぼすヒラメ、かぼすヒラマサのかぼす3魚種のブランド化や、クロマグロの安定生産に向けた赤潮対策のほか、ひがた美人に代表されるカキ養殖の販路拡大など、養殖業の生産拡大、経営安定化に向けた取組が行われており、今後とも取組の継続、拡大には大いに期待しています。 一方で、漁業産出額の4割を占める海面漁業、いわゆる天然物を漁獲する漁業産出額は、ピーク時の昭和61年以降減少し続け、平成20年の196億円から平成30年には127億円となっています。漁獲量も同様に10年前に比べると約4万3千トンから約3万2千トンに減少しています。この要因として、水温上昇をはじめとする様々な海洋環境の変化等、水産資源の減少があると思われます。 海面漁業の漁獲量の減少は、本県のみならず我が国全体においても同様の傾向が見られ、こに対し、国は平成30年に70年ぶりとなる漁業の根本である漁業法の改正を行い、令和2年12月に施行しました。この漁業法改正の目的の一つに、新たな資源管理システムを構築し、水産資源を維持・増大させることが掲げられています。 今後、本県の水産業を発展させていくためには、海面漁業の漁獲量の減少を食い止め、増加させることが求められますが、そのためには、そもそもの天然水産資源を回復させる取組をこれまで以上に一層進めることが必要と考えます。 そこで、漁業の根本となる水産資源の回復、そしてさらなる増大に向けた今後の取組について、知事の考えをお聞かせください。 ○麻生栄作議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 水産資源の回復について御心配をいただきました。水産業の成長産業化には、水産資源を回復し、適切に維持、管理することは重要です。国は資源を持続的に利用するため、1年間に漁獲できる量を定めて管理するTAC制度を拡充します。対象となる魚種がマアジ、クロマグロなどの8魚種から全国漁獲量の8割を網羅する19魚種以上へ拡充されます。 そうした中、県としては水産資源の回復、維持、増大に向けて、次の三つに取り組みます。 一つ目は、資源管理の徹底です。TAC制度の拡充に向け、昨年12月1日に県の資源管理方針を策定し、全ての漁業者に対象魚種の漁獲量を報告していただき、漁獲可能量を超えるおそれがある場合には、採捕停止命令を出すなど資源管理を徹底します。 二つ目は、資源増加の取組です。種苗放流と資源管理を一体的に取り組み、資源の増加を図っていきます。例えば、クルマエビでは、放流効果を高めるため、放流場所の環境に慣れさせる中間育成を実施しています。 また、漁業協同組合等で定める漁獲サイズの制限などを遵守する場合には、漁業者が放流する種苗に県が種苗を上乗せして支援しています。それがないところは何も支援をしないことになるわけです。本年度からは、マコガレイやクルマエビ等で、資源管理の内容をこれまで以上に強化した場合には、この種苗の上乗せ支援を最大100%から130%に拡大したところです。 さらに、来年度は放流種苗を生産している漁業公社国東事業場の建替えに着手します。最新設備を導入して、種苗の放流量2割増を目指す施設が令和4年度に竣工予定です。生まれ変わった施設では漁業者から要望の強いキジハタなどの高級魚にも対応するなど、種苗生産体制の強化を図ります。 三つ目は、放流した種苗や天然の稚魚、幼魚が育ちやすい環境づくりです。日出町では、マコガレイ稚魚のすみかとなるアマモ場を回復させるため、平成19年から漁業者がアマモの種まきや苗の移植に取り組んでいます。その結果、アマモが50%以上を占める藻場の面積は当時の15倍となる7.5ヘクタールにまで回復しています。 また、令和元年度には山口、愛媛、福岡県とともに、マコガレイ等の生態にあった増殖を図る方針水産環境整備マスタープランを策定しました。これをもとに、4県が連携して、生育場所となる藻場や自然と餌が発生する増殖礁の整備を進めていきます。 このように、TAC制度を遵守し、今ある資源を適切に管理、守ることに加え、種苗放流と資源の管理強化にも同時に取り組むことで、水産資源の回復、増大を図っていきます。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 今回の漁業法改正、これは漁業従事者にとっても大きな転機になると思います。持続可能なレベルを目指していただき、行政として今、知事も言っていただきました、私の地元のカレイの話も出ましたが、ぜひ行政として引き続き手腕を発揮していただきたいと思います。 また、水産資源の回復、増大と並行して県産魚の販路拡大もしっかり推し進めていかねばなりません。 現在、新型コロナウイルスにより大きなダメージを受けた県産高級魚の振興についても、新たな角度から販路拡大含めしっかり取り組んでいただくようお願いします。 さて、先日私の地元、大分県漁協協同組合日出支店運営委員長の中山公夫さんからお話を伺ったところ、新型コロナウイルス感染症の影響で、漁業従事者の方々も大きなダメージを受けているとのことでした。ホテル、旅館、飲食店の営業が大幅に縮小される中、漁協従事者は納入先を失い、価格の暴落に途方に暮れている状況です。年末年始という漁業繁忙期も今年は思うように漁を行うことができませんでした。しかし、ただ、現実を悲観するのではなく、コロナ禍でもうけを生み出すために何ができるか。そして、ポストコロナでの漁業の在り方等を前向きに検討されていました。 ぜひ県としても、ポストコロナを見据え、本県にとって大変重要な1次産業に従事されている方々にしっかり光が当たるような施策と新年度予算、部長、どのように考えているのか見解がありましたらお聞かせください。 ○麻生栄作議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 コロナ禍でいろいろな影響を受けた水産業者への支援ということです。 コロナが発生して、特にさきほどの質問にあった高級魚、関あじ・関さばだとか、養殖のブリ、ヒラメ、そういったものの価格が大きく下落をし消費が減っていました。そうした中で、やはり消費拡大することが必要だということから、特に7月から9月にかけては、量販店での消費拡大キャンペーンをやりましたし、学校給食においても、関あじ・関さば、ブリ、ヒラメ、そういったものを提供することによって需要拡大を図ってきました。 また、ヒラメについては、クドア検査を実施することで量販店での取扱い、安全を確保することから伸びており、引き続きそういった対応をしています。そうした取組をする中で、引き続き消費拡大に取り組んでいく必要があると思っています。特にネットでの販売というのが好調になっています。 そういった意味から、これまであまり取り組んでいませんでしたが、漁協等々と連携をしながら、その販売に向けた商品開発とか、そういったことを来年以降やっていきたいと思っています。 また、あわせて県漁協が大分の中心部に直営店を設置しました。そこでは、いろんな魅力を発信することによって、それぞれの地域の水産物のフェアを開催するので、そういったことを応援しながら消費の拡大を進めていきたいと思っています。あわせて御質問にあったように、大事なことは資源を管理する、増やしていくことになるので、知事から答弁があったように、資源管理の徹底であったり、種苗放流を充実し、さらには藻場だとか増殖場を整備することによって資源管理をし、漁業者の漁獲を増やし、それをしっかり売っていく体制を整えていきたいということです。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 部長ありがとうございました。当然、水産業のみならず、1次産業従事者の支援をよろしくお願いします。 次に、近年、大分空港周辺で宇宙港構想や海上アクセスとしてのホーバークラフトの復活など明るい話題が提供されています。この宇宙関連の取組について二つ質問したいと思います。 まず一つ目は、宇宙関連の産業集積についてです。 昨年12月、JAXAの小惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウへの6年もの旅から地球へ帰還しました。はやぶさ2が持ち帰ったカプセルにはリュウグウの砂やガスが含まれており、地球圏外からガスを持ち帰ったのは世界初とのことです。コロナ禍で日本中が暗いニュースに覆われる中、久しぶりに我々日本人に誇りと夢を与えてくれるまさに快挙でした。 私たちにとって、宇宙はJAXAや米国のNASAといった科学技術者の世界、あるいは映画などの現実離れした世界の話でしたが、近年、その流れが大きく変わりつつあります。米国では、テスラ社CEOのイーロン・マスク氏率いるスペースX社が、ロケットの再利用技術を確立し、コストを大幅に引き下げ、昨年5月には民間企業の有人宇宙船として、世界で初めて国際宇宙ステーションへの接続を実現させました。ほかにもアマゾン社のジェフ・ベゾス氏など米国では民間企業による宇宙ビジネス参入が活発化しています。日本でも、北海道を拠点に小型ロケット開発に挑戦するベンチャー企業が現れるなど米国に追随する動きが起こりつつあります。 こうした動きの背景にあるのが、世界的な第4次産業革命の進展であり、人工衛星がもたらすデータの価値が高まっていることが、その要因の一つと見られています。 その宇宙を、我々に身近なものに感じさせてくれたのが、昨年4月に発表された大分空港をアジア初の水平型宇宙港として利用することを目指すヴァージン・オービット社との連携です。 県は、ヴァージン・オービット社と連携し、宇宙港構想の実現に向け、必要となる制度や環境調査と整備を進めていくこととしており、ぜひとも大分空港の宇宙港としての活用を着実に実現していただきたいと思います。しかしながら、それだけでは、県経済へのインパクトは狭いものとなりかねません。 先日、我が会派の古手川議員からの質問にもあったように、この宇宙港構想を足掛かりとして、地元中小企業の技術力を宇宙関連産業に活用できるように育成していくことが重要です。 宇宙関連産業と言っても多岐にわたると思いますが、県内企業の参入見込みや企業誘致による企業集積の可能性について、県の見通しをお聞かせください。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 宇宙産業は、2040年には現在の約3倍、約120兆円まで拡大するとの推計があります。人口減少に伴い多くの市場が縮小傾向にある中で、本県の次代を担う、世界に通じる市場の一つとして宇宙産業に挑戦していきます。 本県は、化学、鉄鋼、半導体等の産業集積や人工衛星てんこうの開発への地場企業の参画など、既に高いポテンシャルを有しています。ヴァージン・オビット社に大分が評価された点の一つでもあります。 宇宙港がハブとなり、世界で活躍する企業と県内企業との新たなビジネスが創出されることも期待しています。 宇宙産業の裾野は広く、農林水産業や防災など、様々な分野での衛星データの活用や、宇宙食といった、宇宙を題材とした新たな製品・サービスが既存ビジネスの延長で生み出されることも考えられます。 先月には、民間主体で宇宙ビジネス創出を行うおおいたスペースフューチャーセンターが設立されました。民間主体でこのような動きが早速始まったことは大変心強いと思っています。 宇宙産業の育成とともに、企業誘致についてもチャンスを逃さないような活動を行っていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 2022年が間近に迫る中、宇宙港における人工衛星打ち上げに関して、県内企業参入に向けた新年度における施策を伺います。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 本年度は、大分空港の宇宙港活用に係る包括的な調査を行っています。新年度においては、県内企業とのマッチングなど、具体的な取引につなげられるよう取組を進めることとしています。 具体的には、今回の取組は技術的に特別なものであるという点、米国企業とのやり取りを含むという点で、県内企業にとってはハードルが高いと考えられる部分もあることから、専門家等によるサポートを行うことを考えています。また、県内で開催する宇宙港関係のビジネスセミナーにヴァージン・オービット関係者を招聘し、直接やり取りができる機会を創出することも考えています。 以上です。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 部長、ありがとうございました。さきほどの答弁で2040年、この世界で宇宙産業全体120兆円、まさに本県が宇宙ビジネス創出の拠点県になるよう機運を逃さぬ取組をお願いします。 それでは、次にスペースポートシティ構想について質問します。 打ち上げの詳細はまだ明らかではありませんが、ロケットや人工衛星の点検、整備作業が県内で数か月かけて行われることが想定されます。また、人工衛星の打ち上げには、海外からのエンジニアやその家族、そして国内外から多くの見学者が訪れます。県としては、衣食住、通信、エンターテインメント、観光等、おもてなしのサービスも必要となります。 今後、宇宙港として活用される大分空港周辺街区は、移動の拠点となるのはもちろんのこと、物流、観光、科学技術、文化などの様々な広がりの可能性があります。 2020年は宇宙旅行ビジネス元年と言われ、アメリカでは宇宙の港であるスペースポートが既にいくつも完成し、現在、本格運用に向けて準備中です。また、イギリス、イタリアもスペースポートの開発と準備を開発しており、その他、各国でも続々と開設を検討しています。 将来的には、スペースポートとその周辺エリアは世界の拠点となり、様々な関連産業の中心地、スペースポートシティとして発展すると言われています。大分空港スペースポートシティ構想については、ぜひとも県が主導し、国への働きかけ等早急に取りかかるべきではないかと思いますが、見解を伺います。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 スペースポートシティ構想について御質問いただきました。 世界を見渡すと、政府機関が大きな衛生を打ち上げる時代から民間企業が小さな衛生を数多く打ち上げる時代に変化してきています。日本のベンチャー企業も国内での打ち上げ機会の拡大を熱望しており、国も宇宙基本計画にスペースポートの整備を明記したところです。 大分空港の宇宙港化が実現すれば、国内のみならず、アジア圏から打ち上げに係る多くの企業や人が集まることは間違いないと考えています。今のところ国内での宇宙港整備計画は少なく、先行している優位性もあることから、大分空港及び周辺エリアは衛生打ち上げ技術や人工衛星関連産業の中心地となり得るとも思っています。 この千載一遇のチャンスを逃さず、スペースポートを核とした宇宙関連経済圏をつくっていきたいと考えています。有人宇宙旅行も視野に入れると、おもてなしサービスや宇宙を体感できるアトラクションなど、宇宙港を中心にこれまでにないビジネスも県内に生まれてくることが期待されます。 子どもたちが最先端の宇宙技術に触れることができる場となるため、教育効果も期待されます。 これらの可能性を踏まえ、宇宙の玄関口である空港周辺を中心とした地域の将来像を関係者も交えて整理していきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 現在、世界各国でスペースポート関連の取組が進められている中、関係国、地域との国際的な連携も重要であると思います。 今後、具体的な動きがあるのか伺います。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 英国の南西部、コーンウォール州にあるコーンウォール空港は、本県と先行してヴァージン・オービットと連携し、宇宙港の取組を推進しています。既にスペースポート、コーンウォールと昨年よりWebミーティングを行い、情報共有等を行っています。 現時点では具体的なものはありませんが、引き続きコーンウォールとは宇宙港としての連携のほか、産業や教育の観点も含め意見交換を行っていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 先日行われた商工観光労働企業委員会の参考人招致において、大分経済同友会の方々も、この大分空港有人宇宙旅行ができるスペースポート化を目指すべきだという御意見でした。 大分空港が宇宙旅行において日本の拠点となる空港となれば、日本、そしてアジアの中で大分にしかない価値が生まれます。大分、ニューヨーク間の移動が片道わずか40分となる夢のような話ですが、アフターコロナを見据えた大分県観光の再生とさらなる発展に向けて、大分にしかないオンリーワンで先鋭的な観光コンテンツの構築を目指していただきたいと思いますが、見解を伺います。 ○麻生栄作議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 議員御指摘のとおり、将来的に大分空港が宇宙旅行にも使用されることになれば、本県の観光誘客にとってさらに大きな弾みになると考えています。その際に、大分が宇宙への単なる通過点にならないためには、今まで以上に魅力のある観光地になることが必要と思います。来年度、宇宙港を活用した観光誘客策を検討する中で、大分らしくエッジの効いたコンテンツの開発や深掘りを目指したいと考えています。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 ありがとうございました。 次に、ラグビーワールドカップ2019日本大会大分開催のレガシー継承について伺います。 昨年来のコロナ禍の影響により、様々な未来への試みが中止、断念されてきたと思います。 本県は、令和最初の年に開催されたラグビーワールドカップ2019大分開催の誘致や大会そのものの成功だけでなく、本県の世界的な知名度の向上、観戦客や海外メディアなど、インバウンドの増加、おもてなしを通じた県民の国際感覚の醸成、ラグビーというスポーツに対する感動など、大きな印象と衝撃を残すことにも成功しました。まさに遺産、レガシーと言うにふさわしいものであると思います。 残念なのは、コロナ禍により海外との交流は観光そのものが下火となり、昨年7月に予定されていた日本代表とイングランド代表の試合も中止となるなど、インバウンド誘致をしようにも、来県そのものが困難な状況になり、レガシーを活用できる機会が大幅に減少してしまったことです。 一方で、あの大きな感動はそう簡単に県民の心から消えるものではありません。せっかくともった感動の火を消さないようにつないでいくために、引き続きラグビーの普及に取り組むとともに、ラグビーと言えば大分と言えるだけのものを残していく必要があります。 また、本県が世界規模のスポーツイベントを開催できる場所であることを発信し続けていくことが世界的なスポーツチームやトッププロのキャンプ等の誘致につながり、経済波及効果を及ぼすのではないかと考えます。 これらのことから、ラグビーワールドカップ2019大分開催の今後のレガシーの継承についてどのようにお考えでしょうか。これまでの取組と今後の方針や課題について伺います。 ○麻生栄作議長 高屋企画振興部長。 ◎高屋博企画振興部長 ラグビーワールドカップ2019日本大会大分開催のレガシー継承についてお答えします。 ラグビーの魅力と感動を共有したラグビーワールドカップ2019大分開催の経験は、本県の財産です。 先日行われたキャノン対パナソニック戦では、県民の皆さんが大いに盛り上がり、ラグビーに愛着を持ち続けていることを感じました。本年度は、7人制日本代表やトップリーグなど8チームの合宿を誘致し、キャンプ地としての認知度は高まってきました。大分開催をレガシーとして承継するためには、継続的な取組が不可欠です。 そこで、来年度は、記念モニュメントの設置に加え、大分スポーツ公園内のスタジアムへの動線上に、代表選手などの手形・足型を設置したラグビーロードの創設など、感動と興奮を伝え続けていきます。 さらに、大分を第2のホームとしたキャノンイーグルスと連携して、ホストゲームへの子どもたちの招待や体験イベントの開催、小学校でのタグラグビー教室など若い世代への普及、振興を図っていきます。 加えて、日本代表戦の誘致やトップチームのキャンプ地として選ばれ続けることで、ラグビーの聖地化を進めていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 九州では福岡、熊本、大分で計10試合行われました。九州全体においても大きな経済効果をもたらした大会でしたが、九州知事会においては、レガシーの活用と継承についてまだ動きが弱いと感じています。九州の発展につながるよう計画すべきと思います。 広瀬知事におかれては、知事会長としてお力添えをお願いしたいなと思います。 そこで、ラグビーワールドカップ2019日本大会は、おもてなしの精神を持ったボランティアの方々の活躍と記録的な観客動員数などにより、関係者を含め、世界各国から高い評価を受けました。 2023年にはフランスでの開催が決定していますが、2027年以降はまだ開催国が確定していない状況です。ラグビーワールドカップ2019大分大会も「一生に一度が大分に」を合い言葉に県民一丸となり、大成功に終わりましたが、その成功のノウハウを持つ本県から、12年後、16年後を見据えて再度ラグビーワールドカップの誘致を国に求めてはと思います。一生に一度ではなく、一生に二度の実現に向けて、本県のさらなる発展に向けて取り組んではいかがでしょうか。知事、見解ありましたらお願いします。 ○麻生栄作議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 ラグビーワールドカップ大分開催はおかげさまで大成功裏に開催することができたと思っています。その一つの理由は、やっぱり一生に一度だということをみんなで確認し合って、とにかく盛り立てようではないかということでやったところがあったんではないかなと。大分に10チーム来たわけですが、それが許されたのも一生に一度、大分があれだけ燃えているからということで許されたのではないかなと思っています。 しかし、成功してみると、これを取材したイギリスのラグビーワールドカップの組織自身も、一生に一度と言っているが、もう一回やろうよと非常によい印象を持ってくれていると。 それから、日本の組織委員会も、非常にうまくいったので欲が出て、当然我々も欲が出ているわけです。そこのところは、しかし、それをあらわにすると、またいろいろ足を引っ張られるわけですから、しばらくは知らんふりをしておくというのが、大変大事な戦略ではないかなと思っています。しかし、思いはよく分かっています。ありがとうございます。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 知事、ありがとうございました。さきほど部長からあった先週の土曜日、昭和電工ドーム大分で、ジャパンラグビートップリーグ、キャノンイーグルス対パナソニックワイルドナイツの試合、残念ながらキャノンイーグルス破れてしまいましたが、昨年の11月、キャノンイーグルス、本県をセカンドホストエリアにするということを発表していただきました。引き続いてこういった取組やイベントの開催やキャンプ地の誘致等、継続的な支援をすることによって根付いていくと思いますので、ひいては、そのことがレガシーにつながり、また、ラグビー人口の増加にも連鎖していくと思いますので、しっかりとした取組をお願いしたいと思います。知事もありがとうございました。 それでは、最後にICTを活用した防災対策について伺います。 今議会でも、多くの議員から災害に関する質問が提起されています。平成24年の九州北部豪雨から昨年の豪雨災害に至るまで、気象の変化による災害は後を絶ちません。さきほど質問した世界的な気候変動は一朝一夕で変化するものではないため、今後も一連の災害の原因となった線状降水帯の発生は避けて通れません。本県の西部地域や北部地域がその通り道となっているのであれば、これまでの災害の経験から、災害がいつ起こるのかという予測を踏まえた対策も必要になると考えます。 こうした災害の予測に役立つのが先端技術なのではないでしょうか。特に衛生データやドローンによる地形測量データを組み合わせて解析することで、土砂災害の発生危険度の高い地域を割り出すことも可能ではないかと考えます。 令和3年度予算では、こうした防災に先端技術を活用する取組として、防災テクノロジー活用推進事業が提案されています。伺ったところによると、産学官で連携した委員による先端技術活用の検討と開発導入に向けたシステム改修等の実施を予定しているとのことでした。こうした先端技術を活用した取組をしっかりと考案されていることは評価できると思います。 デジタル改革は今まさにどの分野においても国を挙げて取り組んでいますが、何より国民、県民の命を守るという観点からも、防災・減災、国土強靱化に関する施策のICT化の推進は早急に取り組むべきであり、それによって災害関連の情報の予測、収集、集積、伝達の高度化が図られることに大いに期待をするところです。今後の防災対策におけるICT化推進の計画について伺います。 ○麻生栄作議長 梶原防災局長。 ◎梶原文男防災局長 ICTを活用した防災対策についてお答えします。 国は、来年度から東シナ海の洋上観測を増強するなどして、線状降水帯になり得る雲を検知できるように取組を開始し、将来的には半日前から線状降水帯の危険度を提供することとしています。 また、人工衛星データを収集し、被災状況を解析するシステムや災害時にAIが人間に代わって被災者と対話するシステムの開発を進めるなど、新たなテクノロジーの積極的な活用を進めています。 県でも、ドローンによる水や医薬品輸送の実証実験を始めており、孤立集落への対策としても活用できると考えています。 来年度は、災害対応支援システムを改修し、国道、県道、市町村道の規制情報を一度に見られるようにするほか、土砂崩れなどの被災状況を写したドローン映像を関係機関で共有できるようにする予定です。 また、昨年10月に設置した防災テック検討会で、産学官の連携による防災のICT化を議論していくことにしています。 今後もハード対策を含め、ICT化を計画的に進めていくことで、本県の防災力を一層高めていきます。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 先端技術の活用に様々な情報を収集できるようになると思います。 県は、これらの情報や技術をどのようにして市町村や関係機関と連携しながら、県民の皆さんに防災意識の向上につなげ、県民の安全確保に役立てようとしているのか伺います。 ○麻生栄作議長 梶原防災局長。 ◎梶原文男防災局長 様々な手段で収集した災害の情報は、県ホームページや県民安全・安心メールおおいた防災アプリで発信しています。来年度からは、新たにLINE等のSNSも活用して発信する予定です。 また、現在公開活用中の防災VRや来年度作成予定の啓発動画をユーチューブで配信するなど、県民の防災意識向上にも活用していきます。何より安全な時期に、安全なルートで、安全な場所に避難していただくことが肝要です。 災害関連情報は、先端技術と結び付けることによって、被害状況や被害予測や早期避難などに活用できることから、今後も研究を進めていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 三浦正臣君。 ◆三浦正臣議員 ありがとうございました。 以上で私の一般質問を終わります。 ○麻生栄作議長 以上で三浦正臣君の質問及び答弁は終わりました。戸高賢史君。  〔戸高議員登壇〕(拍手) ◆戸高賢史議員 皆さんこんにちは。公明党の戸高賢史です。 それでは、一般質問をさせていただきます。 コロナからの脱却に向けた経済対策について、まず、雇用対策について伺います。 現在多くの企業が雇用維持のために活用している雇用調整助成金について、政府は現行の特例措置を4月末まで延長し、5月から6月に上限額等を一部縮減、7月以降は雇用情勢が大きく悪化しない限り、特例措置をさらに縮減するとしていますが、今後、助成金縮小による離職者の急増が懸念されます。 政府はウィズコロナ、ポストコロナを見据えた雇用対策パッケージで、離職者訓練の推進、医療・介護、保育等の人材不足の分野へのマッチング支援の強化や業種、職種を超えた転換を伴う再就職等を促進する地域活性化雇用創造プロジェクトの新コース創設などで都道府県を支援する早期再就職支援の政策を掲げています。 札幌市では、昨年3月から市内の医療機関で働くことが決まっていた方が、2月末からの道独自で発出した緊急事態宣言により、小学校が休校し、我が子を預ける準備や環境なども整わず出勤ができなくなり、内定取消しとなった事例も発生しています。そこで市では、新型コロナウイルス感染症拡大下の支援策として、さっぽろ雇用セーフティプロジェクトを昨年6月からスタートさせて、就職の内定取消しや企業の都合による離職などを余儀なくされた65歳未満の市民を対象に、再就職を支援する事業を実施しました。5日間の研修や最大14日間の職場実習の参加期間は、給付金も支払われるようです。 また、平塚市ではコロナ禍の影響で雇止めや派遣切り等に遭った求職者を支援するため、市民を正規雇用した市内事業者に対し経費の一部を補助することで、市民の積極的な正規雇用を促進しています。 一方で、雇用の維持に向けた取組も重要です。コロナ禍により昨年の実質国内総生産は4.8%減と、リーマンショック以来の大幅なマイナスとなり、今年1月から3月期もマイナス予測が大勢となっています。 2月17日に日本銀行大分支店が公表した県内の景気動向では総論として、大分県内の景気は、基調としては緩やかに持ち直している。ただし、足下では、観光を中心に下押し圧力が強まっているとしています。県内製造業のように、コロナ禍でも底堅さを示し、個人消費でも家電や新車販売も持ち直しの傾向はありますが、飲食や大型小売店、観光などは大きな影響を受けています。 東京商工リサーチの調べによると、昨年、全国で休業や廃業を余儀なくされた飲食店や小売店などは5万件を超え過去最多となり、そうした職場で働く非正規労働者も多く解雇されました。コロナ禍の長期化で国や県の支援策では追いつかず、廃業や倒産がさらに増加するおそれがあり、県内でもそれに伴う失業や解雇も加速する可能性があります。そうした動きを事前に察知することも必要です。 全国の自治体では助成金等で再就職支援をしていますが、まずは、雇用維持に向けて最善を尽くし、コロナ禍で離職を余儀なくされた方が、早期に再就職し安心して生活できるようにするには、助成金も大事ですが、支援する仕組みづくりと体制の強化が重要と考えます。そこで、こうしたコロナ禍を踏まえた雇用対策について知事に伺います。 以下、対面より行います。  〔戸高議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○麻生栄作議長 ただいまの戸高賢史君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 戸高賢史議員から、コロナ禍を踏まえた雇用対策について御心配をいただきました。 昨年5月、全国的に新型コロナウイルス感染症が拡大している中、実は私は従業員の雇用不安というのを大変心配していました。このため、県、大分労働局の行政、労働団体、経済団体の政労使三者で雇用の維持と県内人材の確保に努めることを共同で宣言し、それぞれの役割を果たしていくことを確認しました。 そして、県では雇用の維持を図るため、社会保険労務士会の協力もいただきながら、雇用調整助成金の相談会や申請サポートを集中的に実施しました。窓口相談や電話、Zoomでの相談に加え、県内30か所での出張相談、要望があった自動車関連企業会やホテル旅館組合向けにも相談会を行いました。その結果もあり、助成金が順調に支給されるようになり、8月以降は県内の解雇等見込み労働者数の増加も全国に比べてかなり抑えることに成功しました。 10月以降、県では、大分労働局や離職者の再就職支援を行っている産業雇用安定センター等と連絡会議を定期的に開催し、雇用動向を収集、分析しながら今後の離職者対策の体制強化に努めています。 雇用調整助成金の特例措置は、今年5月以降は段階的に縮減されることになっていますが、現在も1,500以上の県内事業所が助成金を活用して雇用維持を図っています。 特例措置がなくなった後も助成金の活用が可能かどうかを注視する必要がありますが、事業主にとっては現在行っている休業による雇用維持が難しくなり、さらに厳しい雇用情勢になることを心配しています。 こうした状況の下、雇用維持を図るためには、業況が回復するまでの間、従業員を出向させる在籍型出向という方法も考えられます。 そこで、県としては雇用維持を図ってもらうことを基本に、在籍型出向や離職者の再就職についても支援に力を入れていきます。 まず、出向支援については、国が出向した従業員の賃金等を助成する制度を新設しました。県においても、産業雇用安定センター等と連携して、国の助成金を活用しながら、制度の周知や受入先企業の拡大に努めていきます。 次に、再就職支援です。県では新たに支援員を配置し、県が収集している企業の求人情報をハローワーク等が行う離職者とのマッチングにつなげていくことを予定しています。 加えて、建設や福祉、介護などの人手不足分野や、情報通信など今後の成長が見込める分野への転職支援にも力を入れていきます。具体的には、各部局が連携してセミナーや企業説明会を開催するとともに、介護やIT系の職業訓練を拡充します。特に、介護分野では、最大20万円の返還免除付貸付制度も活用していきたいと考えています。こうやって、何とか雇用の対策を進めていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 ありがとうございました。知事の言われたように、受入先の拡大をするのが非常に大事だと思うし、今まで県もしっかりそれをやっていただいたことに感謝しますが、いざ離職が進むと、再就職はやっぱり大変です。そういう意味では、国の求職者支援制度も今回要件が緩和され、また、出席日数も緩和しているということですので、そういった国の制度も活用していただきながら、雇用を守る、また、再就職を支援する取組を一層進めていただきたいと思っているので、よろしくお願いします。 さきほどの日本銀行大分支店のレポートでは、弱さが残るものの、持ち直しの動きとありましたが、大規模小売店では専門店において売上げが鈍く、コンビニエンスストアでも観光客の減少により消費が鈍化している状況です。企業支援もさることながら消費の喚起も重要です。 特にあおりを受けているのは飲食業です。緊急事態宣言により、その対象地域では、時短要請に応じた飲食業には協力金が受けられますが、対象とならない本県では、県民が不要不急の外出を自粛した影響があるにもかかわらず、協力金などの支援はなく、公平性に欠けるとの指摘があります。各飲食店での経営状況は深刻で倒産や廃業も増えており、早急な対策が求められています。 そんな飲食業の支援策として、GoToEatキャンペーンがあり、現在、大分商工会議所で発行しているおおいた味力食うぽん券については、販売を3月31日まで、利用期間も6月30日まで延長し、さらなる購入と利用を促進しています。 2月4日現在においては、60億円の発行額に対し、販売額は44億円、利用額は20億円程度となっており、利用促進が重要です。各種広報媒体等を活用し、延長の告知がなされていますが、延長したことにより、利用を先送りするという懸念もあります。 大分商工会議所と連携し、クーポンの利用を促進することで飲食店を支援することが必要であると思いますが、県として今後どのように利用促進を図るのか、御見解を伺います。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 これまで県内各商工団体や市町村と連携しながら、利用促進に取り組んできました。 企業や団体にも地域経済活性化のためにと、3,300冊以上購入に御協力いただきました。その結果、60億円分がほぼ完売し、販売率100%を達成見込みとなっています。これは全国トップクラスの速さです。さらに、プレミアム率20%での追加発行も検討しています。 議員御指摘のとおり、県民の皆様に飲食店を利用いただくことが何よりの支援だと考えています。現在のクーポン券の使用状況ですが、現時点においては発行60億円のうち34億円まで伸びてきている状況です。 感染状況ステージ1となり、感染防止策を取った上で会食を楽しんでいただくよう県からも呼びかけており、今後も積極的な利用を期待しています。 また、利用促進には店側からの情報発信も重要です。個店の魅力や感染防止策について、SNS等で効果的に発信する方法を学ぶ講座の開催など、県としても支援していきます。 今後も引き続き商工団体、市町村としっかり連携し、利用促進を図っていきます。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 利用も大分増えてきているということですが、店舗側がPRしてもなかなか来ないところも非常に多いわけで、そういう意味では、他県は臨時交付金の協力要請推進枠を活用して、協力金を出しているところから見たら、九州でそれを措置されていないのは大分だけだということで、かなり不公平感を感じるという声を聞いています。 また、飲食に限らず、昨日から一時支援金の受付も始まりましたが、これは非常に分かりにくくて、自分が対象になるのかならないのかということも分かりにくいということと、手続が煩雑で非常に分かりにくいということで、サポートセンターも設けていただいていますが、こういったことも情報収集をしっかりしていただいて、対象がちょっと広めになっているような感も見受けられますので、ぜひ活用できるように進めていただきたいなと思っているので、よろしくお願いします。 それでは、中堅企業・中小企業の海外展開について次は伺います。 企業の海外への参入は、新たなビジネスを創出し、一企業の拡大のみならず、雇用の拡大、商品の物流や消費を活発にし、県経済の発展につながります。 現在、日本で海外進出している企業は、自社商品の直接販売、商社や代理店を通じた販売、現地法人や支店等の設置、海外企業との契約や合意に基づく業務協力などを行って海外での事業を展開しています。海外展開を行っている業態は、製造業では一般機械や金属製品などが多く、非製造業では卸売・小売業などが多くなっているようです。 輸出や海外展開成功の要因となったのは、顧客が開拓できた、現地市場のニーズに製品等が合っていた、現地販売パートナーを開拓できた、海外事業を担当する人材の確保、育成ができた、現地での企業・製品等の認知度が向上した等が挙げられます。この成功要因がそのまま、県内企業が今後海外展開をする場合の課題といえます。その課題を克服し、事業化へと結び付けるには、ジェトロとの連携は不可欠です。 これまでもジェトロは、中小企業の海外での販路開拓や、農林水産物の輸出支援、市場の調査研究や最新の海外情勢の発信等、中小企業の海外展開を支援しています。 県内中堅企業、中小企業の海外展開を後押しするため、ジェトロのネットワークや蓄積された現地情報を活用し、連携した支援が必要です。令和3年度の事業に込められた県の支援策について知事の見解を伺います。 ○麻生栄作議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 ただいまの御質問に対する答弁に入る前に、さきほどのお話にあった飲食店等への支援の件ですが、私どもとしても県内で飲食店等だけを支援するのは、今度、逆に他の中小企業にとってはなかなか不公平感が出てくるということもあり、応援金という形で一般的に応援することをやっています。 しかしながら、戸高議員から御指摘があったように、緊急事態宣言の地区とそうでない地区の間で差があるのはやっぱりおかしいではないかというのは他の県からも声が出ており、やはりそこは国で何とか考えてもらえないだろうかということで、我々も少し国との話をしてみたいと思っています。ただいまの御質問の前ですが、補足をします。 それでは、中堅企業や中小企業の海外展開に向けた支援についてお答えします。 国内市場の縮小が懸念される中、今後さらなる経済成長と人口増加により拡大が見込まれる海外市場から活力を取り込むことは非常に大事なことだと考えています。 これまで県では、ジェトロとの協定に基づき、貿易投資相談、高度外国人材活躍推進や医療介護機器市場に関するビジネスセミナー、海外バイヤーの招聘、専門家を配置した伴走型支援などに連携して取り組んでいます。ジェトロは幅広い経験があるもんですから、そこを活用しながらいろいろ取り組んでいます。 例えば、高炉用製鉄工具製造企業では、ジェトロの専門家の指導により、相手からの質問にスピーディーかつ確実に対応したことで信頼を得ることができ、欧州やインドでの製鉄企業に納品するなどの成果も出ています。世界中に売り込みが成功しています。 また、大分県酒造組合では、ジェトロと連携して蔵元23社を紹介した英訳サイトや海外バイヤー向け動画を作成し、積極的な商談も展開しています。 一方、国においても、昨年11月に取りまとめた農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略の中で、牛肉やブリ、日本酒、本格焼酎など27の輸出重点品目を定め、重点的に販路拡大のための支援をすることとしています。 このような国の動きに対応するためにも、豊富な知見、現地政府や企業等とのネットワーク等の強みがあるジェトロとの連携をさらに強化する必要があると考えています。 来年度の事業については、例えば、医療ロボット・機器産業において、引き続きジェトロから現地情報や専門的な意見をいただき、タイをはじめASEAN諸国に向けた医療機器の海外販路拡大を図っていきます。 さらに、加工食品については、新たな取組として、これまで輸出経験のない事業者に対するファーストステップ支援をジェトロとも連携して展開することで、輸出に本格的に挑戦する県内事業者の裾野を広げていきます。 また、本県の加工食品における輸出を牽引する酒類については、九州全域を対象とした本格焼酎・泡盛輸出促進ネットワークが設置される予定となっています。ジェトロ、酒造組合等が持つネットワークを活用し、情報共有を行いながらしっかり販路拡大を図っていきます。 今後とも、ジェトロ等の関係機関と緊密に連携し、県内事業者の効果的な海外展開を支援していきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 ありがとうございました。 次に、デジタル化について2点伺います。 新型コロナウイルス感染症拡大は、私たちの暮らしを大きく変え、我が国のデジタル化の遅れを浮き彫りにしました。一方で、これを機に行政の効率化や企業の生産性向上につながるデジタル化が進み、地方創生の大きな武器となり、デジタル化への投資と環境整備を進めることで、新たな日常という恩恵を享受できることが期待されます。ただし、こうした行政・産業分野でのデジタル化を進めていく中で、重視すべきことは、誰一人取り残さないデジタル化社会を築くことだと思っています。 昨年、国において、デジタル相談支援員の実証事業が始まりましたが、この事業は、ICT機器・サービスの利用方法について、高齢者等が身近な場所で相談や学習を行えるようにするデジタル活用支援員を配置し、地域における支援員の活動、実施体制などについて検証しています。このデジタル活用支援員のように、身近に教えてもらえる仕組みをつくることが、デジタル格差を埋める鍵と思います。 エストニアでは、国民の大多数がデジタルツールを使いこなし、キャッシュレス生活を送っています。エストニアでデジタル化が進んでいるのは、不安の声が多い高齢者や小規模事業者を中心に一軒一軒訪問して、タブレット端末の操作方法やオンラインでの行政手続について、丁寧にサポートし、手間をかけながら不安を取り除き、納得に変えていったことが功を奏したと言われています。 県民一人一人に最低限のICTを活用できる環境を保障するデジタルミニマムを基本に据えながら、デジタルデバイド、情報格差が生じないように検討を進めていく必要があると思いますが、今後の取組について、県の見解を伺います。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 様々な分野で進展するデジタル化では、誰もがメリットを享受できるようにすることは重要です。特にデジタル活用に慣れない方の不安を解消し、利用促進を図ることが必要です。 まずは、そもそもデジタルリテラシーを意識せずとも、デジタル化の恩恵が受けられるサービスを考えることが第一です。 例えば、県の次世代モビリティ事業では、ボタン一つでタクシーが呼べる仕組みを実証し、利用者目線のサービス構築を目指しています。 その上で、デジタルリテラシーの向上が必要な場合には、議員も言及いただいた国のデジタル活用支援員等も活用していきたいと考えています。 県としてもデジタル化を進める上では、利用状況や改善点を常に把握し、効果的な施策を講じていきます。 こうした取組を通じて、誰一人取り残さないデジタル社会の実現を目指していきます。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 ぜひ活用をお願いしたいと思います。 もう一点は、中小企業のデジタル化についてです。 中小企業のデジタル化の支援として、訪問型のハンズオン、伴走型の支援は有効と考えます。 昨年、デジタル化へ向けた中小企業へのきめ細かな支援策として、中小企業デジタル化応援隊事業がスタートしました。これは、IT活用といってもどこから手をつけていいか分からない、また、テレワークの始め方が分からないといった中小企業に対し、フリーランスや兼業・副業人材を含めたIT人材を派遣して支援に当たるという事業です。 アフターコロナのニューノーマルでは、ビジネスのやり方も大きく変わらざるを得ません。ビジネスモデルの変革に挑む中小企業をしっかり応援できる仕組みが必要ですが、中小企業のデジタル化の推進について県の考えを伺います。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 県では、商工団体やよろず支援拠点、産業創造機構等と連携して、国の支援策等も活用しながら、中小企業の事業に応じたデジタル化を推進しています。 今年度は、県内IT企業団体と共に、県内中小企業等に対するオンラインツール活用セミナーや、伴走支援プログラムを通じて、ITを活用した遠隔型の新たなビジネス創出を目指す事業を実施しています。 公募で選定した6事業者に対し、県内IT企業がIT化に関する課題をヒアリングし、その解決に向けた取組をハンズオンで支援しました。その結果、豊後大野市の野菜加工販売事業者では、インターネットによる受発注が始まっています。 来年度は、企業経営者や従業員向けに、データを有効に利活用するためのセミナーや、技術者向けのデータサイエンティスト養成講座を開催し、企業内でデジタル化を推進する人材を育成していきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 3点目の新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の対応について何点か伺います。 新型コロナウイルスの感染状況は緊急事態宣言の効果もあり、昨今は落ち着きを見せています。今回の緊急事態宣言は対象となった1都2府8県の飲食店を中心に営業時間の短縮の要請を受け、対象区域内の飲食店が対応したことで、会食による感染は大幅に減少しています。他方、全国的に医療施設と高齢者施設におけるクラスターが多発し、本県でも同様の状況で1月には医療機関や高齢者施設で複数のクラスターが発生する事態となりました。 PCR検査などの検査を駆使し、徹底した追跡、感染の封じ込めに注力したことが奏功し、本県の感染者の状況も幾分か落ち着きを取り戻した感があります。知事も記者会見や提案理由で述べられたとおり、入念な手洗い、マスク着用の励行、3密の回避を引き続き行うことが感染症予防には重要になります。そこに、今後はワクチン接種を加えてしっかりと対策を打っていく必要があります。今回はこのワクチンを中心に質問しますが、まず最初に、ワクチンに関する情報提供についてです。 報道によると、ファイザー社のワクチンはその有効性を95%、アストラゼネカ社のワクチンは70%と、それぞれ臨床治験後のデータを発表しています。一概に比較はできないと思いますが、この数字だけを見ると、ファイザー社のワクチンのほうが効果が高いと認識する県民も少なくないと思われます。一方で、アストラゼネカ社のワクチンは重症化して入院するリスクが94%減との報道もあります。 加えて、ワクチンの治験がなされた年齢についても懸念があります。例えば、ファイザー社のものであれば接種可能な16歳から19歳まで及び86歳以上の治験はなされていません。 接種に関しては、ワクチンについての情報が氾濫しており、正しい情報の提供が必要と思います。県としては複数あるワクチンの違いをどう認識し、県民に理解を促すつもりなのか、ワクチンに関する情報提供について見解を伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 ワクチンに関する情報提供についてお答えします。 現時点で、国内で接種の可能性があるのは米国のファイザー社、モデルナ社と英国のアストラゼネカ社のワクチンとなります。各ワクチンの有効性については、海外における臨床試験から、いずれも十分な効果が実証されています。安全性については、接種後の副反応として、接種部位の痛みや発熱、筋肉痛などが出現することがあるものの、いずれも数日以内に回復しています。特に注意が必要なアナフィラキシーも、適切な処置により、全例回復しています。 今後、国内での医療従事者に対する先行接種後の健康調査の結果等を速やかに分かりやすく情報発信するとともに、個別の相談に対応するコールセンターを設置するなど、安心して接種できる環境づくりを進めたいと考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 ありがとうございます。さきほど質問の中で述べましたが、このファイザー社のコロナワクチンの治験がなされていない世代についての有効性と安全性をどう説明するのか、県の見解を伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 ファイザー社のワクチン治験が行われていない世代の有効性と安全性についてということです。 議員が御指摘のとおり、国内での臨床試験は、20歳から85歳を対象に行われたものです。一方、海外においては、16歳から91歳までの約4万人を対象にした臨床試験が行われ、16歳から19歳や85歳以上についても同様の効果と安全性が確認をされています。こうしたことから、国は16歳以上を対象に薬事承認を行っており、これらの世代についても有効性や安全性は確保されていると考えています。 県としても、ワクチン接種に対する県民の理解を深めていくために、有効性や安全性に関する情報をホームページやメディアなどを通じて分かりやすく発信していきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 もう一点ですが、県内でも医療従事者向けの先行接種が始まりましたが、世界各国でワクチン需要が高まっています。これまでは日本への供給は遅れるとの報道がありました。国でも高齢者向け接種の計画がたびたび変更されるなど、各自治体は混乱していましたが、まずは、国においてしっかりと予定どおりワクチンを確保していただきたいと思っています。 一方、円滑に接種を進めるためには、県においても様々なケースを想定し、対応を検討する必要があると思います。仮に今後、ワクチンが予定どおり確保できず、大分県へのワクチンの供給量が制限された場合、どのような優先順位で接種を進めていくのかお聞かせください。 また、現状では、市町村がファイザー社のワクチンのみを接種することを前提とした計画になっていると思いますが、他社のワクチンを接種できるようになった場合、市町村の計画見直しをどう支援するのか、あわせて聞かせてください。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 まず、一点目のワクチンの供給量が制限された場合に県としてどのような優先順位を考えていくのかということです。 まず、医療従事者への優先接種については、まず、患者に直接接種する感染リスクの高い医療従事者を優先して接種することと考えています。具体的には、コロナの入院治療を行う医療機関の従事者、次に、疑い患者の外来診療、検査を行う医療機関の従事者を考えています。 また、他社のワクチンを接種できるようになった場合の計画の見直しをどのように支援するのかというお問合せですが、まず、1回目と2回目のワクチンは同じワクチンを接種する必要があります。医療機関や接種会場ごとにワクチンを1種類とするなど、混同しないような取扱いが必要となると考えています。複数の種類のワクチンが県民に接種される事態を想定して、ワクチンの混同を避けるための工夫を早めに示すなど、市町村での実施が円滑になるようにしっかりと支援をしていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 ありがとうございました。今、市町村で混乱しているというか、国に対して早く情報をくれという、知事もおっしゃった内容ですが、このワクチン接種記録システムが導入されるようになって、予防接種法の原則に基づく今までの接種記録システムがありますが、それに加えて、今回の接種記録システムが導入されることにより、市町村の負担というのが非常に大きくなっています。県がどのような状況を把握しているのか、ちょっと声を聞かせていただきたいと思います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 議員御指摘のとおり、国はいくつかのシステム導入を検討しています。 まず一つは、ワクチン管理のシステムとしては、ワクチン接種円滑化システム、V-SYSと呼ばれるものと、もう一つがワクチン接種記録システム、VRSという二つのシステムがあります。 このうち、国で現在開発中の二つ目のワクチン接種記録システム、VRSについては、誰が、いつ、どこで接種したかなど、ほぼリアルタイムで接種情報が把握できるものとなると聞いてはいます。ただ、このシステムの詳細が示されない中で、各市町村や医療機関からは業務の負担増にならないかだとか、そうした懸念の声が上がっていることは承知しています。 そこで、県としては、接種の準備に過度な負担が生じないよう、制度やシステムの詳細を速やかに情報提供するよう、全国知事会を通じて国に緊急の提言を行いました。 今後も、詳しい情報が入り次第、市町村と早め早めの情報共有に努めていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 先週、我々は公明党のワクチン対策プロジェクトチームで全国のワクチン接種の担当者に聞き取り調査をしました。詳細は間もなくまとまってくると思いますが、それを受けた上で、国に申し入れをしっかりと行っていきたいと思っています。 一つは、いつ、どこで、誰が、どのワクチンを接種したかがすぐ分かることと、副作用が出た場合にきちんとそれが対応できる。もう一つは、市民、住民から記録証明を求められたときにも、その対処も可能となるということで、きちっと進めなきゃいけないシステムであるなという感はありますが、何せ終わった後に入力作業が発生します。名前、マイナンバー、そして、いつとか、簡単ですが、その作業が非常に労力があるんではないかなと思いますので、しっかりとサポートをお願いします。 もう一点、寝たきりの移動困難な方への接種についてです。 実施主体である市町村の接種へ向けた対応も難しい状況であると思います。今回の予防接種は市町村の対応ですが、市町村間で対応の差が出ないように、県の指導の下、市町村間の調整もしっかりと行っていただきたいと思います。 接種体制については、集団接種も個別接種も接種する場所へ出向くことを前提としていますが、一方で、移動が困難な高齢者や障がい者はどのようにして接種を行う予定なのでしょうか。通所の機会を利用して施設における接種を行うことも考えられますが、重度障がい者など在宅医療を受け、寝たきりの状態になっている場合には自宅から移動することもできません。こうした方々は基礎疾患を有し、介助する家族の方々は、この一年、大変苦労して、コロナに罹患しないよう細心の注意を払ってこられたと思います。何とかワクチン接種で一定の安心を確保させてあげたいと思いますが、いかがですか。移動の困難な重度障がい者等への接種について、県の見解を伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 移動が困難な重度障がい者等への接種についてお答えします。 移動が困難な重度障がい者等に関しては、接種実施医療機関が循環して接種を行う方法で現在準備を進めています。 例えば、高齢者施設の入所者へは施設内での接種、重度障がい者等在宅で療養している患者へは自宅での接種を想定しています。 接種後には、副反応が現れることがあるため、巡回接種における経過観察にあたっては、接種を受けた方やその家族の方などから速やかに連絡を受けられる体制づくりも大切です。 実施主体である市町村と連携して、接種体制の確保や巡回時のワクチンの低温管理、副反応発生時の対処等の課題を共有して、接種を希望される方を誰一人取り残さないきめ細かな対応でワクチン接種を進めていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 訪問巡回ができるようになって安心していましたが、準備が非常に大変だと思いますので、ぜひ御支援をお願いしたいと思っています。また、意思確認が困難な方という課題も出てきていますが、意思確認ができない、一律に接種できないかということ、それは厚労省も避けている状況であると思います。予防接種の実施に関する手引きを見る限りではちょっと分かりにくいので、県がきちんと確認しながら市町村と共有して、意思確認が難しいところもしっかりと伝えていっていただければと思っていますので、よろしくお願いします。 医療従事者に対する接種の状況について伺います。 新型コロナウイルスワクチンの接種は、重症化リスクを軽減するために、国民に幅広く受けるよう推奨されています。しかし、医療に携わる方から、先行接種でワクチンの実験台になりたくないなど不安の声を聞きました。接種を受けることは強制ではなく、十分な情報提供を行った上で、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われることになっています。 大分県でも2月から医療関係者等の先行接種始まりました。まず、県内の医師、看護師など4万3千人が対象となっており、薬剤師等を含めた医療従事者5万1千人、65歳以上の高齢者40万3千人と接種が続きます。 予防接種を受ける方には、接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方を理解した上で、自らの意思で接種を受けていただくことが重要です。 現在の医療従事者に対するワクチンの接種状況と彼らからの接種に対する反応はどのようになっているでしょうか。また、その結果を今後続いていく高齢者等の接種にどのように活かしていくのでしょうか、お尋ねします。
    麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 医療従事者に対する接種の状況についてお答えします。 医療従事者への接種については、3月8日時点で全国288か所の医療機関で実施されており、7万796人が接種しています。 このうちアナフィラキシーが疑われる事例が8件報告されていますが、いずれも適切な処置にて回復しています。 県内においては先行接種を行った3か所の医療機関で1,053人に接種が行われ、これまで重篤な副反応の報告はありません。接種した職員からは、接種を肯定的に受け止める声が多く寄せられています。 先行接種に続いて行われる医療従事者への優先接種においては、県内の医療従事者のうち約95%が接種を希望しています。 今後、安全性、副反応等に係る知見などを県民に分かりやすく情報発信するとともに、副反応への体制整備に万全を期すことで、接種に対する不安の解消を図っていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 ありがとうございました。先行接種で同意された方は95%ということで、5%というのは2,500人程度でよろしいんでしょうか。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 約5万1千人と想定しており、この5%というと、それくらいの数になると考えています。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 5万1千人の5%、2,500人程度が同意をされなかったということですが、最初だから非常に不安があったと思います。今現状を考えれば、受けたいという方も結構増えてきているんではないかと思います。そういう意味では、一般接種で、同意をされなかった医療従事者も受けられるということですので、ぜひまた進めていただければと思います。 今後も、安全の接種、また、任意の接種であるといったワクチンの最新情報の提供をお願いしたいと思っています。 最後の大項目、インフラ整備について伺います。 大分県のトンネル長寿命化計画等の進捗状況についてです。 国は、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を昨年12月に閣議決定しました。これは、豪雨災害の激甚化、頻発化や南海トラフ地震などの大規模地震の発生も切迫していることに加え、高度成長期以降に整備されたインフラの老朽化が進行していることから、平成30年12月の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策に続き、令和3年度から5か年で事業規模等を定め、重点的かつ集中的に対策を講じることとしています。 本県は、リアス式海岸や急峻な山地が多く地形が複雑であるため、トンネル数は全国1位であり、生活に密着したトンネルの維持補修は県民の日常生活や社会活動を支える上で大変重要です。県でも、平成27年に大分県トンネル長寿命化計画を策定し、これまでの対症療法的な維持管理から予防保全型のインフラメンテナンスへと転換することで、維持補修に係るトータルコストの縮減や予算の平準化を図っています。しかし、今後5年間を見通した維持補修を推進するためには、今までの取組を再度評価、検証する必要があると考えます。また、メンテナンスが難しく、維持補修に多額の経費を必要とする橋梁についても、同様のことが言えるのではないかと思います。 そこで、土木建築部長に伺います。大分県のトンネル長寿命化計画や橋梁長寿命化計画にのっとった事業の進捗状況とその評価、今後の取組について伺います。 ○麻生栄作議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 大分県トンネル長寿命化計画等の進捗状況についてお答えします。 県では、平成27年度に計画を策定し、5年サイクルの定期点検結果等に基づき、計画的に補修を実施しています。 計画の進捗状況については、令和元年度までの目標に対して、トンネルは84%、橋梁は97%が完了しました。 これまでの取組の検証では、補修時点で想定以上に劣化が進行していたことなどにより、事業進捗に遅れが生じたことが課題と考えています。 そこで、これらの実績を踏まえ、劣化予測の精度を高めた上で、補修の優先順位など計画の中間見直しを行いました。 長寿命化計画に基づく対策を着実に推進するため、今後は5か年加速化対策も活用するなど、予防保全による持続可能な維持管理に一層努めていきます。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 ありがとうございます。令和6年までを目標に集中的にまず補修を行って、それ以降は予防、維持管理ということですが、もし前倒しをしっかりできるような形であればお願いしていきたいと思っています。 もう一点、土砂災害対策について伺います。 昨年の7月豪雨災害では、河川氾濫が甚大な被害をもたらしましたが、同様に甚大な被害をもたらすのに土砂災害があります。土砂災害は、豪雨によるものが大半を占めるものの、本県で発生した土砂災害の中には、今年1月に発生した中津市本耶馬渓町の国道212号沿いの斜面崩落といった豪雨によらないものもあります。本県の土砂災害危険箇所は2万か所近くあり、対策が容易でないことは理解できますが、県民の生命、財産を守るため、土砂災害を未然に防ぐ砂防事業の重要性が高まっていると思います。 そこで伺います。本県における近年の土砂災害の発生状況を踏まえ、今後の砂防事業をどう進めていくのか伺います。 ○麻生栄作議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 土砂災害対策について御質問をいただきました。 本県では、毎年のように各地で土砂災害が発生しており、昨年も42件発生しました。 土砂災害の発生を防ぐため、平成30年度から3か年緊急対策により砂防堰堤や急傾斜施設の整備を加速してきました。 一方、本県にはまだまだ対策を必要とする箇所が多く、支援の継続や拡充を国に強く要望してきました。 国の3次補正でスタートした今回の5か年加速化対策は、強靭な県土づくりが急務な本県の期待にかなうものです。砂防事業についても積極的に補正予算を計上し、本議会で議決をいただきました。 この対策を活用し、要配慮者利用施設や避難所等がある区域を優先しながら、着実に整備を進めていくとともに、老朽化対策にも力を入れていきます。 今後とも、地域住民への丁寧な説明と事業用地の確保に注力することで、速やかに工事を進め、早期の事業効果発現に全力で取り組んでいきます。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 ありがとうございます。5か年計画の重点配分をされた無電柱化計画を最後に質問します。 道路上の電線、電柱は、地震などの災害時には、電柱が倒れ、緊急車両等の通行の支障になるなど、様々な危険があります。このため、国は無電柱化法に基づき、平成30年に3か年の無電柱化推進計画を策定し、最終年度の今年度には、次期計画について、無電柱化推進のあり方検討委員会で議論した後、今年の春頃には策定予定とのことです。 本県においても、無電柱化法に基づく大分県無電柱化推進計画が策定され、30年度から3年間で約13キロの新たな無電柱化に着手することを目標にし、防災、安全、円滑な交通の確保、景観形成、観光振興等の観点から、計画的に推進しているものと思います。 また、無電柱化を着実に進めるためには、電線管理者や道路管理者等の連携のほか、低コスト化が特に重要だと思います。 そこで、土木建築部長に伺います。今年度末までとなっている大分県無電柱化推進計画の進捗状況と次期計画がどのようなものになるのか、コスト縮減に対する取組も含めて伺います。 ○麻生栄作議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 大分県無電柱化推進計画についてお答えします。 現計画の進捗状況については、国の3か年緊急対策や補正予算を積極的に活用した結果、国、県、市を合わせ、目標であった13キロに対して、それを上回る約22キロに着手したところです。 これは、計画策定後に国道197号鶴崎拡幅など4か所において、電線管理者と合意に至り、新たに9キロメートルを追加したことによるものです。 現在、国では、次期計画の策定に向けて、目標延長や優先的整備箇所の設定に加え、小型ボックスや直接埋設による低コスト手法の普及拡大など、様々な議論が進められています。 県でも、このような国の検討状況を踏まえ、次期計画の策定を進めており、限られた予算で効果的に推進するため、コスト縮減対策もしっかり議論していきます。 今後は、国の計画内容が明らかになり次第、電線管理者や他の道路管理者などで構成する大分県無電柱化協議会において、合意形成を図った上、速やかに計画を策定する予定です。 ○麻生栄作議長 戸高賢史君。 ◆戸高賢史議員 ありがとうございました。この先、原稿はありません。ここで終わりますが、無電柱化については事業計画からかなり時間がかかるものですから、地元住民からはまだかまだかという声をいつもお聞きします。コストの問題、用地の問題、非常に大変な作業であることは間違いありませんが、しっかりと進めなければならない事業であると思いますので、今後ともよろしくお願いします。 電柱は今後作らないという国の指針ですが、本当に大丈夫なのかと思いますが、進めていただきたいと思います。以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) ○麻生栄作議長 以上で戸高賢史君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩します。     午後0時1分 休憩  -------------------------------     午後1時 再開 ○嶋幸一副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続けます。大友栄二君。  〔大友議員登壇〕(拍手) ◆大友栄二議員 10番、自由民主党、大友栄二です。今日は、飲食関係者の方がオンラインで傍聴いただいていますし、傍聴席には実はうちの長男が座っており、少し緊張していますが、頑張っていきたいと思います。 早速、質問に入ります。 まずは、コロナ禍の中小企業支援についてです。 コロナ禍の収束の見通しが立たない中、また春を迎えようとしています。政府も県も昨年来、感染症拡大を防ぐ対策や経済活性化のための様々な対策を練ってきました。第2波の収束時には、さきの展望が開きかけていたにもかかわらず、第3波の影響が甚大であり、再度の緊急事態宣言に至ったのは皆さんも御存じのとおりです。 第1波のときから学んだ教訓を活かし、県民の皆さんもIT技術の活用など様々な手段で接触機会を削減し、乗り切ってきていると思います。ただし、感染対策としての接触機会の削減は、人の動きの停滞につながり、経済の活力を削ぐ結果になることも学んできました。 代表質問でもあったように、ワクチン接種による収束を待つのが最善の策であろうことは私も認識していますが、まだまだ時間がかかるのではないかと思います。日銀大分支店が先月発表した大分県内の景気動向によると、県内の景気は基調としては緩やかに持ち直している。ただし、足下では、観光中心に下押し圧力が強まっていると分析しています。一方で、この報告書において私が気になったのが金融の項目です。 金融の項目では、貸出金が増加していることと倒産が低い水準で推移していると分析していることに目が止まりました。これは、運転資金の貸出しが多くなっている反面、延命されたために倒産が減少している状況であれば、今は倒産が生じないが、負債が蓄積し、運転資金の償還が始まる頃になると次々と資金不足による倒産が始まるのではないかと懸念しています。 経済活動の停滞により人員を削減する必要に迫られるほど企業経営が逼迫しつつある中、金融支援も重要ですが、同時に経営支援や返済計画、企業の技術力や経営状況を見極めた対応も必要になると考えます。 また、先月5日には飲食業関係者の方々が知事とこのことについて意見交換を行ったと伺っています。飲食業は業態そのものだけではなく、多くの関連産業によって成り立っています。軸となる飲食店の倒産は関連する多くの業態に影響を及ぼします。その意味では、県内の多くの中小企業がこのコロナ禍により難局に立たされているのは間違いありません。 そこで、コロナ禍の中小企業に対する支援をどのようにお考えになっているのか、知事の見解を伺います。 次に、スタートアップ支援について伺います。 倒産と表裏の関係にあるのが企業の新規参入、スタートアップであると思います。人に寿命があるように、企業にも寿命があると思います。コロナ禍のような不慮の事態で、役割があるのに企業は倒産することは避けなければならないと思いますが、役割を終えた企業は解散し、新たな企業の受入れを受容していくのも社会の在り方ではないかと思います。 その意味でスタートアップの支援はこのコロナ禍によるパラダイムシフトがあるからこそ重要です。商機をつかみ、ビジネスを拡大していくチャンスが巡ってきたものを大きく広げることも経済再生、再活性化の一つの手法であると考えます。 県内では近年600件近い新規創業があると伺っています。これまでもおおいたスタートアップセンターを活用し、多くの創業者を輩出してきたことと思いますが、これまでの事業で足りなかった点、反省点などを踏まえ令和3年度に向けた取組について商工観光労働部長に伺います。 以下は対面席より伺います。  〔大友議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○嶋幸一副議長 ただいまの大友栄二君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 大友栄二議員から、まず、コロナ禍での中小企業支援について御質問をいただきました。 新型コロナウイルスの県内発生から1年、県民の皆様には感染防止対策の徹底をいただき、おかげさまで、今、感染状況はステージ1に戻っています。しかしながら、感染症の第3波は、国の緊急事態宣言による移動自粛などで、対象地域でない本県事業者にも大きな打撃を与えています。特に、影響が長期に及んでいる飲食や宿泊業とその多くの関連産業のほか、小売業、タクシー、結婚式場など幅広い業種に影響が拡大し、経営が厳しいとの声を聞いています。 コロナ関連の県制度資金は、2月末までにリーマンショックの2倍を超える1,715億円の融資実績となっています。積極的な融資の結果、今は県内のコロナ関連倒産は10件にとどまっていますが、利子や元本の支払開始と同時に倒産件数が増えることは避けなければなりません。このため、議員からも御指摘がありましたが、支援機関が事業者に寄り添って、経営力や技術力などを反映した返済計画、事業計画を共に策定する伴走型の支援が一層重要になります。 県では、金融機関の支援を受けて経営改善に取り組む事業者向けの低利資金を新設するとともに、過大な負債を抱えながらも再活性化に挑む中小企業の経営に関与し、再生を図るファンドに出資します。 また、事業計画に基づく経営革新制度や持続化補助金、企業の事業再編などの取組を後押しする国の事業再構築補助金を活用した支援を商工団体等と連携して進めていきます。 加えて、飲食業や観光業をはじめ、影響のある幅広い業種の法人や個人事業者を迅速に支えるため、まずは増額した応援金で支援していきます。昨日までに1万1,175事業者から申請があり、給付も開始しています。 特に苦況にある飲食業や観光業には、需要の喚起策を実施します。飲食では、おおいた味力食うぽん券60億円分を売り出しています。午前中はまだ売れ残りがありましたが、戸高議員の御質問がよかったのか、あれで売り切れました。今、完売の状況です。これについても追加発行を検討しなければならないかなと思っています。 既存の利用も6月末まで延長し、先月発表したメッセージで、県民の飲食利用を呼びかけたほか、企業にも利用を働きかけています。観光では、県独自の県内旅行促進策に加え、国の動向や感染状況を踏まえ、適切な時期に旅行代金割引などの支援を実施します。 あわせて、市町村や国と補い合う支援も大変大事だと思っています。多くの市町村では、家賃支援などの給付金を再び実施しています。国では、緊急事態宣言地域外の事業者を含め、影響のある事業者への一時支援金を創設し、昨日から申請受付を開始しています。国には、全国知事会を通じ、支援条件の要件緩和や新たな実効性のある対策を講じるように提言しました。 国や市町村、商工団体等と連携し、難局にある事業者を伴走型で支援していきます。 私からは以上ですが、もう一つは商工労働部長からお答えします。 ○嶋幸一副議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 スタートアップ支援についてお答えします。 平成27年度に設置したおおいたスタートアップセンターでは、創業の裾野拡大を図るための各種セミナー、女性や留学生の起業支援、成長志向起業家育成のための各種事業を展開しています。 センター設置以来、創業者は着実に増加し、平成30年度599件、令和元年度591件に上っています。しかしながら、その内訳を見ると、DXの推進が求められる時代にあって、情報サービス業の比率が非常に低い状況です。また、大分県などの地方は都市部に比べて投資を受ける機会が少なく、成長志向の起業家が大分であまり育っていないという課題もあります。 今後は、DX関連の新規ビジネスが生まれてくるようなコミュニティづくりや、資金調達環境の改善につながるようなネットワークづくりを進めていきます。 また、課題のみならず、強みも見えてきています。起業家に占める女性の割合は、今や30%を超えています。留学生起業家も生まれ始めました。直近では高校生の起業家も出てきています。さらに、中小企業の後継ぎも、新規事業への挑戦にあふれています。この多様性は我が県の強みとして伸ばしていけるのではないかと思っています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 感染症の影響の大きい業種の方々は、返す当てがないのに借金をしなきゃいけないと。本当は借金したくないんだが、店を閉めるわけにもいかないんで借入れをしているのが本音です。終息後に業績がV字回復する新たな生活様式に合った仕組みづくりをしていかなければ、なかなか厳しいという企業も多く、経営指導はもとより、様々なサポートが必要になってくるんではないかなと思っています。 とりわけ飲食業にスポットを当ててみると、時短要請の協力金が27都道府県で支給されています。午前中、戸高議員の質問にもありましたが、傍聴で飲食業の関係の方が多く聞いていらっしゃると思うんで、あえて同じ話をすると、本県においては、感染状況から時短要請を出す状態にありませんでしたが、全国の自粛ムードの影響で、本県においても飲食店は他県同様の激しい落ち込みでした。 今回、応援金の積み増しをしていただきましたが、県境である私の地元中津市においては、同じ生活圏にありながら、川を挟んだ福岡県側では、時短要請に対する協力金が期間最大でおよそ350万円ほどになります。客足が伸びずにもう限界だと思いつつも、歯を食いしばってしっかり頑張って営業している県内、市内の事業者の皆さんからは、この他県との不平等感が大き過ぎるという声を本当にたくさんいただいています。これは、県内他地域、全国的に見ても同様のことも多いのかなと思いますが、知事はこの飲食業を取り巻く現在の状況についてどのように捉えているのか、再度伺いたいと思います。 ○嶋幸一副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 飲食業界は大変厳しい状況にあると認識しています。先月、飲食業関係者と意見交換をしましたが、そこでも非常に厳しい実情を伺って、事態を大変深刻に考えています。 飲食業の皆さんには市町村とも連携して取り組んでおり、県の応援金が最大、法人が70万円、それから個人が35万円ということで応援をすることになっていますが、加えて、市町村でも地域の実情に応じて応援金や家賃の支援金を支給することもやっていただいているわけです。そのほかに、食うぽん券ですが、さきほどおかげさまで完売と申し上げましたが、これから60億円分の、まだ使い残しの分が使われていくわけで、この売れ行きは全国トップクラスです。これもこれから期待されるのではないかと思っています。 そういうことで、応援は、何とか事業を支えられるように、県や市町村とも連携しながらやってきているわけですが、もう一つ問題は、議員からもお話があったように、緊急事態宣言があった区域内、それはこういう事業者に対して、時間短縮の要請等をやって、それに応じた協力金を出しているところです。 それ以外の地域、大分県もそうですが、緊急事態宣言がなかった地域については、国から何の応援もないことについての非常に不平等感、自分たちも苦しいのにということですね。特に、この制度が始まった頃はそんなに差がつかないだろうと思っていたんだが、非常に時間が長くかかったもんですから、そうすると、もらえるほうの応援金はたくさんもらえると。補助金はですね。しかし、こちらは何ももらえない。しかも、影響は非常に長引いているからたくさん来るということで、だんだんとそういう不公平感が現実のものになってくるという状況ではないかなと思っています。 この事態は、何も大分県だけではありませんで、宣言区域外の多くの県で同じような問題が起こっています。したがって、全国知事会では、これまでの国の方針に加え、ぜひこの指定のなかった県の事業者に対する応援を考えてもらえるようにと、つい先日から、いろいろと提言活動を始めた状況です。 国では最近、宣言地域外で宣言の影響を受けて売上げが減少している事業者に対して、例えば、大分県内の事業者で、宣言は受けてない地域外なんだが、宣言があったおかげで随分お客さんの出足が止まったところ、特に宣言地域からのお客さんが止まったと。その結果、非常に事業の運営が厳しくなってきているところがあるわけで、そういうところに対して、一時支援金を最大で60万円支援をしようということで手続き、受付を始めています。そういうものもできるだけ弾力的に使えるように応援していきたいなと思っています。 それから、全国知事会の関係県との動きで、中身が充実できるかどうかというところを今後県の活動としてやっていきたいなと思っています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 知事ありがとうございます。知事も全国知事会においても提言していただいているし、全国からリーダーシップを取って、またいろんな声を上げていただいているということです。 あと、感染症に留意しながら県内の飲食店を使ってくれと、利用促進も促していただいていると伺っています。感染状況もステージ1になり、今から客足に期待するところですが、事業者にとってはまだまだ現時点の支援が足らずに、事業継続が困難な状況です。 言われたように、実態に応じた支援が必要になっていきますが、国の一時支援金は、戸高議員も言われていましたが、私も要綱を読み込んだんですが、該当するしないとかすごく分かりにくいんですよね。本当に困っている事業者に行き渡るように分かりやすくしっかりと周知をしていただきたいなと思っています。 あと、同様に厳しい観光業に関しては、県独自の支援が来週から開始予定ということです。飲食業については、20%のプレミアム付食事券の追加発行ということだと思いますが、この食事券、時期とか発行数をどの程度で考えられているのか伺います。 ○嶋幸一副議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 追加で発行を検討されている食うぽん券ですが、今、現時点で分かっているものはプレミアム率が、今の60億円分は25%だったんですが、それが20%にちょっと落ちると。それでも20%プレミアムがついています。そしてあと、利用期限が6月末までと、この二つは公表、決定しています。 ただ、いつ開始されるのか、そして、どのぐらいの規模が発行されるのかといったところはまだ決まっていない状況です。現在、国と県の実施機関である大分商工会議所、こちらで調整をしながら今後決まっていくことになると認識しています。 いずれにしても、事業者の方が元気が出るような形で追加発行につながればいいなと思っています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 事業者の皆さんは本当に厳しい中、頑張ってやっています。このモチベーションを保つのが大変だなと思っていますので、県独自の支援を早急にはっきりさせて行っていただきたいなということを要望します。 スタートアップ支援については、本県のバックアップ体制はしっかり整っているなと感じていますが、いただいた声の中に、大分・別府以外の地域において、面談の機会も得にくいし、そもそも情報が得にくいという声も伺っていますが、部長の考えをお願いします。 ○嶋幸一副議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 このスタートアップセンターでは10の市町が行う創業関連セミナーの講師として参加し、その場で相談があれば対応しています。また、来所が難しい方については、電話やオンラインでの相談も随時受け付けている状況です。 女性起業家創出促進事業においても、県内6か所でオンラインでも参加可能なセミナーを行いました。こうした取組により、県内全域での起業家の裾野拡大を図っていきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 地域にも起業のマインドを持った方は多くいらっしゃるので、地域格差のないように、このコロナ禍であるがゆえの起業もしっかりと下支えしていただくことをお願いして、次の質問に移ります。 次に、産業の核となる基盤づくりについて2点伺います。まずは企業誘致についてです。 県内の企業立地件数は平成15年度から令和元年度までで486社、雇用人数が2万786人、設備投資額は1兆円近くと県経済の活性化と産業の多様化、雇用の場の確保に大変な効果を及ぼしました。さきほどスタートアップ支援について伺いましたが、新たに起業するマインドを掘り起こせるのも厚みのある産業集積が形成される本県であればこそだと思います。核となる企業を誘致し、県の産業基盤を強固にする取組を今後とも充実させていく必要があります。 一方で、コロナ禍のパラダイムシフトも気になるところです。2点について申し上げると、一つはサプライチェーンの強化です。この1年で中国をはじめとした海外生産拠点への依存度が高かったために入手困難となった品目が多くあったことが分かりました。国内回帰による企業誘致は大変重要な観点であることは言うまでもありません。県では、昨年6月にこのサプライチェーン対策として補助制度を拡充しています。この制度を活用し、今後どのように企業誘致の拡充を図っていくのか、その方針を伺います。 もう一つは、リモートワークの推進によるサテライトオフィス化の進展です。これは、コロナ禍における時代の流れと言えるのですが、1点目のサプライチェーンの強化は企業誘致にとって好材料と思いますが、サテライトオフィス化については、投資効果が県内に波及するのか、雇用は発生するのかといった従来の企業誘致で県内に及んでいた経済波及効果が果たして発生するのかという懸念があります。 県は今回、新しい働き方としてリモートワーク誘致推進事業を計上し、サテライトオフィスなどの民間整備を促進することとしていますが、県内への経済波及効果をどのように見込んでいるのでしょうか。さきほどのサプライチェーン対策とあわせて、今後の企業誘致の展望を含め、知事の見解を伺います。 次に、中津港の利活用と整備について伺います。 充実した物流機能を持っていることは、企業誘致においてこの上ないインセンティブになると思います。 現在、県は、九州の東の玄関口としての拠点化を目指し、海上輸送の拠点となる港湾やアクセス道路の整備推進、陸海一体となった広域交通網の強化を図るとともに、別府港におけるフェリーの大型化への対応、大分港におけるRORO船ターミナルの整備やポートセールスの強化に取り組んでいます。 一方、県北の重要港湾である中津港は、近年、ダイハツ九州の利用はもちろんですが、大分県北地域や福岡東部の京築地域が協力した中国への木材輸出の拡大にも期待を寄せています。 先月28日に中津日田道路、耶馬渓道路区間が供用開始となり、広瀬知事も開通式に出席され現地を見ていただきましたが、中津日田道路が全線開通すれば道路交通ネットワークは大きく変わり、生活道路、災害時の代替道路としてだけではなく、県内物流を支える大動脈の役割を果たします。 大在のRORO船もデイリー化され、感染症の影響はあったものの、おおむね好調であると伺っているし、隣県でいえば苅田港でのRORO船も同じような状況であるということです。その間にする中津港も申し上げたように道路交通ネットワークが整備されることにより物流の利便性も大きく変わり、中津港を利用したいというニーズも増えていくと感じています。物流からの観点はもちろんのこと、旅客フェリーについても以前から要望が多く、もし実現すれば観光という観点からも人の流れが大きく変わり、九州の東の玄関口のまさに入口の拠点となり得ると考えます。現在、民間で旅客フェリー誘致に向けた研究、調査も行われていると聞いていますが、県として中津港の今後の利活用、それに伴った港の整備についてどのようにお考えか伺います。 ○嶋幸一副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 初めに、企業誘致について私からお答えします。 大分県では、積極的に進めてきた企業誘致により、立地企業と地場企業が共に発展する基盤が形成されています。 今年度は、コロナ禍による経済の先行きの不透明感により、企業が投資に慎重になり、第1四半期の誘致件数は7件、第2四半期は4件と、近年の実績を大きく下回りました。 しかしながら、国内の製造業が回復の兆しを見せ始めた第3四半期では、誘致件数も11件まで持ち直しており、このように短期間で上向きに転じたのは、これまでの産業集積の効果が発揮されたものだと思います。 一方、議員御指摘のとおり、今回のコロナ禍はサプライチェーンの強化など、今後の企業活動に新たな課題を投げかけています。 県では昨年、生産拠点の国内回帰の誘致にあたり、国の補助制度の創設と歩調を合わせる形で県の補助制度を拡充しており、複数の企業が国へ補助申請を行いました。 残念ながら、今回は事業採択まで至りませんでしたが、国に事業の継続を強く要望した結果、第3次補正予算で事業化されましたので、引き続き誘致に取り組んでいく考えです。国の補助金も使いながら誘致に取り組むことになります。 県内には、海外に生産拠点がある進出企業も多くて、リスク回避のために国内回帰を検討する動きもあるので、こうした企業のニーズをしっかりと捉えて、誘致活動を進めていきたいと思います。 もう一点、コロナ禍を契機とするリモートワークの進展により、地方で暮らしても都会と同じ仕事ができるとの認識が広まって、地方への新しい人の流れが期待されています。 県では、この人の流れに着目し、これまでの地元雇用の創出に加え、社員の移住につながる取組にも挑戦したいと考えています。 受皿づくりとして、今年度は民間事業者5社に対してコワーキング施設改修費を助成していますが、来年度も民間事業者による施設整備を市町村と一体となって支援します。 さらに、首都圏等から社員の移住を伴うリモートワークを推進する企業に対し、移住する社員の本社への出張経費を助成し、新しい働き方の定着、本県への移住を後押しします。本事業により、例えば、東京の企業で経験やネットワークを有する高度人材が仕事を持ったまま大分に移住することで、単に働く場が大分に移るというだけではなくて、地場企業とのビジネスマッチング等により県内産業の活性化も期待できるのではないかと思っています。 また、移住者が知識や経験を活かし、地域の課題解決の担い手として活躍いただくことや、大分での起業につながる場合もあるかもしれません。 地方創生実現のため、産業集積を活かした企業誘致に全力で取り組むことはもちろん、あらゆる方法で県経済の活性化を図っていきたいと思っています。 ○嶋幸一副議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 私からは、中津港の利活用と整備についてお答えします。 中津港は、平成16年のダイハツ九州の操業を契機に貨物量が増加し、県北地域の経済活動を支える重要な役割を担っています。 これまでも利用促進に向け、地元企業や関係自治体等からなる中津港利用促進振興協議会と連携してポートセールスに取り組んできたところです。その結果、年間300万トン前後で推移していた年間貨物量は、県産木材の取扱いが増えるなど、平成29年以降増加傾向です。 また、背後の港湾関連用地では、物流企業の立地が進み、今年度も1社が立地しました。今後も利用拡大に向け、未利用地約6ヘクタールへの企業誘致を進めていきます。 さらに、地元関係者と連携を図りながら、増加が見込まれる原木や新たな貨物の獲得など、さらなる集荷にも取り組んでいく予定です。 港の整備では、現在、船舶航行の安全を確保する水深11メーター航路の浚渫や、アクセス改善を図る臨港道路1号線の整備を進めています。 新たな岸壁等の整備には、人や物の流れのさらなる活発化が必要と考えており、中津日田道路の整備を着実に進めながら、貨物の動向や港湾の利用状況などを踏まえ、検討していきます。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 サプライチェーンの国内回帰に関しては、昨年11月に我が自民党会派で経産省、そして、九経局に要望もしました。知事も高濱部長も先見の明を持って企業誘致を推し進めてこられたし、県経済の発展につながるように、サテライトオフィス化も含めて我々ができる後押しをしっかりとやっていきたいなと考えています。 港の利活用のところで部長に伺いたいんですが、今、大分港でRORO船利用促進でトライアル利用の助成を行っていますが、現在の状況と今後の取組について教えていただきたいと思います。 ○嶋幸一副議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 RORO船の利用を促進するため、昨年度まで実施していたトライアル利用制度に続き、今年度から助成対象を拡充して取り組んでいます。 具体的には、これまでは陸送からの転換を助成対象としていましたが、県外からの転換についても回収に加え、県内港から出航するRORO船を新たに利用する場合、ニーズに対し、運行経費の一部を助成する制度です。今年度は、現時点で18社がこの制度を活用しています。シャーシ台数として117台分の助成を受け付けています。 今後も、本制度をインセンティブとして、新規貨物の獲得に取り組んでいきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 モーダルシフトの推進ということで、トラック協会からもこのことについては、トライアルにとどまらない助成や支援をしてくれということで要望もいただいているし、大分港のRORO船の利用が高まれば、東の玄関口としての中津港の需要も増すと考えています。 中津港は、さきほども申し上げましたが、やはり中津日田道路の全線開通を見据えたときに、中津港がどこまで対応できるようになっているか、これで物流の流れが大きく変わってくるんではないかなと思っています。港だけではなくて、中津インター周辺も含めて、物流の拠点ともなり得ますし、さきほどのサプライチェーン対策のことも含め、引き続き調査研究を行っていただきたいなと思っています。 フェリー誘致の話も少ししましたが、今、フェリー研究会というのが中津にあり、誘致に向けて動いています。この旅客フェリーに関しては、民間の動きが大事になってくるのかなと思っていますので、そのあたりも注視していただきながら、バックアップをしていただきたいとお願いします。 次に、公の施設の指定管理者制度について伺います。 指定管理者制度は、公の施設について、民間事業者等の能力や経験を活用することにより、住民サービスを向上させるとともに、指定管理者の選定による競争を導入することで経費の節減を図り、効果的かつ効率的な管理運営を目指すことを目的として、平成15年度の地方自治法改正により導入された制度であり、施行後17年が経過しています。 本県では、令和2年度現在、指定管理者導入施設が26あり、任意指定のものもありますが、8割以上の20施設は指定管理者を公募により募集しています。その20施設における直近の指定管理者選定実施状況を見てみると、複数の団体から応募があったのは3施設のみであり、その他の施設は全て1者応募かつ前回の指定管理者と同じ団体からの応募のみという結果でした。 この結果については、現行の指定管理者が効率的、効果的な施設運営を実施しており、新規事業者が参入したとしても、それ以上に収益を上げられるような環境にないことの現れであるとも考えられます。この制度のメリットは、民間事業者として蓄積したノウハウを指定管理者として企画、アイデアに生かすことで、刻一刻と変容する住民ニーズに応えやすくなり、従来の自治体にはない魅力的なサービスを提供することができ、利用者満足度の向上につながることになると考えます。 そのため、できるだけ多くの事業者がこの制度に参入し、競争原理を働かせ、経費節減はもとより、より優れた管理運営及び高い施設サービスの提供ができる事業者を選定されるよう、制度、運用の内容や手続、指定要件等を今一度検証すべきではないかと考えますが、総務部長の考えをお聞かせください。 ○嶋幸一副議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 公の施設の指定管理者制度についてお答えします。 公の施設の管理運営に民間事業者等のノウハウを活用することにより、住民サービスの向上と管理の効率化を図る指定管理者制度の目的を達成するためには、より多くの事業者の参入を促すことが何よりも重要だと考えています。 このため、本県の制度運用ガイドラインにおいては、応募資格について、競争性を確保できる必要最小限の条件設定とするよう定めているほか、共同事業体による応募を認めるなど、応募の門戸を広げています。 また、公募期間については、全国的に見れば、長期間となる2か月間の応募期間を設けるとともに、公募方法についても、県庁ホームページへの掲載やマスメディアへの積極的な情報提供等により周知に努めています。 指定管理施設の運営の善し悪しは、優れた指定管理者の選定に負うところが大きいことから、今後も引き続き、より多くの事業者が公募に参画できるよう、公募手続の検証と改善に努めていきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 先に一つ関連で伺いたいんですが、9月補正において、感染症の影響により休館等で収入が減少した七つの施設に対して1億213万3千円の管理料を負担しています。補填することについては、コロナの状況下ですし、ましてや公の施設ということですのでもちろん異議はありませんが、委託を受けて管理運営している民間企業、団体の努力義務も当然あると思いますので、どのような状況になると補填対象にあたるのか等の線引き、これに対する考え方をお聞かせください。 ○嶋幸一副議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 お尋ねのあった補填ですが、指定管理者と基本協定を結んでおり、その中で、不可抗力によって指定管理者に損害が生じた場合は、県がその費用を負担すると定められています。その規定に基づいて、今回でいうと、過去3年間の平均収入と今回の実績との差額について損害を負担しているという状況です。 なお、例えば、施設を閉めたことによって支出が減る場合もあるので、支出が減った場合は支出が減った分は当然差し引いた上で収入の差額を補填するということで、今回のコロナで、いわゆるコロナという不可抗力によって生じた損害について、その実額を補填するというものです。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 ありがとうございます。不可抗力ということですが、さきほども申し上げたように、民間は借入れをしてこの状況をしのいでいるので、このコロナ禍で、公の施設だけは減収分を補填されること、その理由をしっかりと明確にしておきたいと思って、あえて伺いました。 本題に戻って、公募の際の周知方法とか期間は、答弁でもあったように2か月は長いという話がありましたが、部長、現状でこれは十分だとお考えになっているのか、再度お答えいただきたいと思います。 ○嶋幸一副議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 全国的に見ると、2か月を超えるような応募期間を設定しているという団体は数件となっていますので、2か月間という期間はそれなりに長いのかとは思っていますが、例えば、応募するかしないかといった内容を先に出すことは可能だと思いますので、もう少しこの点についてはさらに研究していきたいなと思っています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 これは私聞いた話なんですが、ある自治体の指定管理者に応募したかったんだが、公募は既に終わっていて、何年間か待たないといけないということとか、公募が公表されてから受付終了までの期間が短過ぎて準備が間に合わないという声も伺っています。 ほかにも、県の施設ではないんですが、仕様書に縛られて民間の強みが生かせないとか、管理委託料が少ないとか、そのような声も聞いています。 公の施設としての目的をしっかり果たしてもらうために仕様書があると思いますが、民間の強み、これを生かしやすくするようにアップデートも定期的に必要なのかなと感じています。公募のスケジュールとか周知の方法も、もっともっと工夫が必要なのかなと感じています。ぜひとも制度の見直しも含め御検討お願いします。 続いて、人生会議の普及啓発について伺います。 昨年の第2回定例会において、豊かな人生を送るために人生会議の普及啓発を推進する条例が全会一致で可決されました。改めてこの条例の本旨となる人生会議について御説明すると、自らが希望する医療やケアを受けるために大切にしていることや望んでいること、どこでどのような医療やケアを望むかを自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有するといった取組のことです。自分らしく生きるという自己決定権や幸福追求権といった基本的人権に基づいたこの考え方について、県民一人一人の人生の質を高め、豊かな人生を送ることができるようにするために、県民に普及啓発していくことが必要です。 この条例において県は、第3条で、リーフレットの配布、セミナーの開催などを行い、県民にこの取組の理解を求めていくことと、第4条で、人生会議に関する普及啓発に取り組む人材の育成を行うという二つの役割を担っています。 私事ではありますが、ここ数年で立て続けに私の頼りにしていた先輩や同志が若くして亡くなられました。残念な思いでいっぱいでしたが、人は生を受け、いつかは必ず死を迎えるということを改めて深く考えさせられる機会となり、私自身も家族と、もし病気になったら、もし亡くなってしまったらと、エンディングノートまでとはいかずとも、そのような話をしたこともあります。まさに人生会議に取り組むことで、よりよい人生をプランニングでき、家族にも人生を共有してもらい、今以上に絆が深まるのではないか、そう感じたところです。 この条例制定から半年がたちますが、県での取組状況と今後の取組についてお聞かせください。 ○嶋幸一副議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 人生会議の普及啓発についてお答えします。 今回のコロナ禍により、家族の絆、地域の助け合いの気持ちがこれまで以上に強まったという声を聞いています。 昨年度実施した市民向けセミナーの参加者の約9割が、人生会議の意義を評価しており、家族や大切な人との絆をさらに深める契機となる重要な取組だと認識しています。 昨年7月の条例制定を受け、今年度は、県民の人生会議への理解が深まるよう、県議会と連携した条例周知のチラシ配布や、普及啓発を担う医療・介護従事者等に対する研修を実施しました。 また、コロナ禍による3密を避けるため、専門家の講演をWebにより配信する予定としています。 来年度は、在宅医療や介護の専門家等と、人生会議のきっかけとなるようなリーフレットを作成、配布するとともに、県内6市で行う啓発セミナーにおけるグループワークでもその活用を行っていきたいと考えています。 今後とも、市町村や関係機関と連携を図りながら、県民へのさらなる普及啓発に取り組んでいきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 ありがとうございます。条例第5条第2項には、関係機関による県民への情報提供の支援が書かれています。 関係機関には、医療機関、介護施設はもちろんのこと、人生の終末を見据えると、例えば葬祭業とか、お寺とか、霊園とか、そういったものも入ってくるんではないかなと感じています。医療機関とそれらの業者の結び付き、これはなかなか難しいと思いますが、人生会議という取組においては、やはり必要不可欠になってくるんではないかなと考えています。こうした関係機関とどのように連携をされていくのか、部長のお考えを伺います。 ○嶋幸一副議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 人生会議の場で医療機関との結び付きが弱いんではないかと。葬斎業者の方々とか、そういったところをどう考えていくかということだと思います。 議員がさきほども御指摘されたとおり、まず、人生会議というのは、もしものときのために自ら望む医療ケアについて自分自身で前もって考え、家族や周囲の信頼する人たちと繰り返し話し合う取組のことだと認識しています。 そのため県は、来年度、もしものときの治療の希望、逆にしてほしくない医療行為、どこで療養したいかなどについて話し合ったことを記載できるようなリーフレットを医療や介護の専門家等で作成する予定です。その策定にあたっては、よりよいものとするために、家族をみとった経験のある当事者の方や葬祭業、団体の方など様々な分野からも幅広く意見を聞いていきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 人生会議と終活、これはまたちょっと違うところもあるかと思うんですが、この条例で人生会議を周知する上で、しようとする側は、やはりそれぞれの窓口で問合せをされるということです。実際、葬祭場とか霊園とか、そういったところで人生会議のこととか、当然終活についてもですが、そういう問合せが年々増えているということも伺っています。 今後、そういうところも含めた中で協議会というものをしっかりとつくっていただいて、その中にそのような業界の方々も入っていただいて、まずは情報共有をしていくことが人生会議を広く周知していく上で大事になってくるかなと思っていますんで、そのあたりをぜひとも御検討いただきたいと思います。 それでは最後に、新たなスポーツの推進について伺います。 本年はいよいよ1年先延ばしになった東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定ですが、近年のオリンピックやパラリンピックには新しい競技種目が導入され、メディアからも注目されているものも多くあります。そうした中で、eスポーツとアーバンスポーツの二つについて伺います。 まず、eスポーツについてです。eスポーツはエレクトロニックスポーツの略称であり、ジェトロのレポートによると、eスポーツ市場は北米・西欧地域、中国、韓国を中心に急成長を遂げており、2021年には1,600億円規模に成長することが見込まれており、国際オリンピック委員会も正式種目として採用する可能性を検討し始めたとのことで、その動向にも注目が集まっています。 そもそもスポーツなのかどうなのかについて意見が分かれるところですが、競技性の高さやプレーヤーに課される従来のスポーツ選手と同等の厳しいトレーニングなどから、一つのスポーツ活動とみなされています。国内においても平成30年2月に一般社団法人日本eスポーツ連合、これはJeSUが発足し、同年9月のアジア競技大会において、デモンストレーション競技で日本代表が金メダルを勝ち取ったことでeスポーツの知名度が上がっています。 こうした機運の高まりを一つの契機として、本県においてもeスポーツの普及や競技人口拡大に向けた取組を図ることは、大会誘致など地域振興にもつながるのではないでしょうか。全国に先駆けて推進することに期待を込めて見解を伺います。 もう一つは、アーバンスポーツの推進です。東京オリンピックにはアーバンスポーツの中から競技種目として、BMXのフリースタイル、レーシング、スケートボードのパーク・ストリート、そしてスポーツクライミング、3×3バスケットボールといった6種目が登録されています。これまでのレガシースポーツのみならず、若者に人気があり、世界的にも認知度が向上しているこれらのスポーツは、町なかの省スペースでも気軽に参加できるようなスポーツでもあり、今回の東京オリンピックを契機としてさらに競技人口が増える可能性もあります。 県では本年度は、オリンピックの開催にあわせて、これらアーバンスポーツの普及啓発を行う予定と伺っています。アーバンスポーツの競技人口を含めた底辺の拡大は非常に重要であり、期待するところです。 一方で、本来的な競技人口を拡大し、大分でも競技を観戦できるようにするためには、アーバンというだけあって郊外だけではなく、町なかに競技施設の整備も必要ではないかと思います。岡山では国内最大級のBMX室内強化施設も昨年8月に開業しているし、隣県の宮崎や福岡には常設の大型パークもあります。一昨年のラグビーワールドカップとまではいかずとも、東京オリンピック・パラリンピックを一つの契機として、大分にもアーバンスポーツの競技会場整備や世界大会の誘致を含めたアーバンスポーツの振興を図ることも検討すべきではないかと思いますが、見解を伺います。 ○嶋幸一副議長 高屋企画振興部長。 ◎高屋博企画振興部長 まず、eスポーツの推進についてお答えします。 国の未来投資戦略では、eスポーツの健全な発展のために、環境整備に取り組むこととされており、競技人口が拡大していくものと考えています。 国民体育大会でも愛媛大会以降、文化プログラムとして実施されており、2019年に開催された茨城国体では、本県からも2チーム11人が参加しました。 eスポーツには、リアルなスポーツにはない多様な人々の参加が可能なことや、反射神経を鍛えるなどの可能性も示されています。 また、コロナ禍で多くのイベントや大会が中止になった中でも、eスポーツは盛り上がりを見せていました。コロナ禍においてもプロスポーツへの関心を失わせないためのツールとしても、eスポーツがリアルなスポーツと融合することで大変有効ではないのかと考えています。 そのため、例えば、大分トリニータのホームゲームの際に、同じ対戦カードをバーチャルのeスポーツゲームで対戦し、スタジアムの画面に映し出すなどの取組であり、スポーツをリアルとバーチャルの両面で楽しめる環境をつくっていくなど、eスポーツの裾野を拡大していきたいと思っています。 次に、アーバンスポーツの推進についてお答えします。 アーバンスポーツは、従来のスポーツという枠組みを超えて、音楽とファッションを融合した若者文化の側面を有しています。また、アウトドアスポーツであるため、コロナ禍においても対応しやすいという特徴も持っています。東京五輪以降は、さらに注目度が高まり、新たな若年層インバウンドの拡大にも寄与するのではないかと期待されています。 そこで、今年度は、認知度を高めるために、トリニータのホームゲームにあわせ、3×3のバスケとスケートボードのプロ選手による演技を公開し、若者を中心に500人を超える観客が集まりました。高さとスピードのある華麗な離れ技で大いに盛りがったことから、来年度は動画を制作し、その魅力を広く伝えていくようにします。 また、昨年9月からは、大分スポーツ公園の東駐車場をアーバンスポーツエリアとして年間を通して開放しました。来年度は利用時間を延長する考えです。利便性を向上させて、将来的には大会の誘致もできるようなアーバンスポーツの振興を図っていきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 コロナ禍において試合開催、あと観戦の制限を余儀なくされたスポーツ界ですが、このeスポーツについてはオンラインで試合観戦はもちろんできるし、プレーヤーとしてもインターネット環境が整っていれば参戦することも可能です。 また、JeSUのレポートによると、eスポーツの直接市場は2018年44億円から2022年までに91億円と約2倍までに拡大する予測もできており、JeSUは地方支部の創設も視野に入れて活動する旨を記載されています。 新型コロナウイルスの影響をプラスに変える意味でも、本県がeスポーツの聖地となるような取組を期待していますが、これはまず所管をどこが担っていくのかというところも重要になってくるんではないかなと思います。 今回、地域振興という観点から企画振興部長に答弁をいただきましたが、この市場規模を考えると商工観光労働部、そして、スポーツ、部活動という観点からいうと教育委員会にも大きく関わってくるんではないかなと考えています。当然、部局間で連携されていくと思いますが、商工観光労働部長、教育長にもeスポーツに対する考えをそれぞれ伺います。 ○嶋幸一副議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 eスポーツは、ゲームソフトやハード、イベント運営、イベント周辺の飲食店への波及等の経済効果に加え、教育や障がい、ジェンダー、年齢、国籍を超えた交流等の社会的効果が期待できます。 ただ、スポーツ全般に言えることではありますが、その地域への普及なくしてその地域には産業は生まれないと認識しています。そのため、まずは、多様な方がeスポーツを楽しめる環境をつくるとともに、社会的効果を具体化することによって、eスポーツというと、やはりどうしてもネガティブなイメージが付きまとう現状がありますが、そういったネガティブな現状を社会的効果を具体化することによってポジティブに変える、そして、地域の文化として根付かせていくということが大事かと思っています。 商工観光労働部としても、例えば、子どもがVRや5Gなど先端技術に触れることによる教育効果や、障がい者の活躍の場を提供することによる就労支援等、社会的な効果を見える化することなどにより普及を下支えしていきたいと考えています。その先に市場があると感じています。 ○嶋幸一副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 昨年度、第2回の全国高校eスポーツ選手権が行われ、第1回で惜しくも準優勝となった鶴崎工業高校の同好会の皆さんですが、ロケットリーグ部門で見事106チームの頂点に立ったという状況もありました。これによって広がるのかなと注視していましたが、今はいくつかの同好会が県内にある程度、また、情報科学高校ではドローンサッカーの同好会が発足していますが、大きく広がっていくという状況にはありません。 そういった中で、昨年、スポーツ庁の依頼で日本学術会議からも提言がありました。リアルスポーツ同様、eスポーツにおいても、組織の整備、ルールの確立、指導者、またアスリート育成のシステムづくりなどが急務であることが指摘されています。こういったことから、国の動き等もしっかり見極めていくことが大事かなと今思っています。 ○嶋幸一副議長 大友栄二君。 ◆大友栄二議員 ありがとうございます。高濱部長は、先日、息子さんがeスポーツの大会に出て活躍されたと伺っていますが、家族で推進をしていただき大変ありがとうございます。 本県は、eスポーツ連合の方々は本当に頑張っていただいており、プロチームも存在していますし、全国的に見ても非常にeスポーツが活発な県だと認識をされ始めています。 eスポーツを活用して新たな事業を試みるというような企業も出てきていますし、部活動としては、さきほど答弁がありましたが、鶴崎高校は本当に活躍されていますし、我々会派で伺った文理大附属高校では、愛好会の生徒たちを見せていただいたんですが、本当に目を輝かせて取り組んでおられるのが非常に印象的でした。 アーバンスポーツについては、これはコロナ禍で始められた人が本当に多いということで私もよく目にするんですが、ただ、とにかくできる環境が少な過ぎるということを耳にしています。さきほどアーバンスポーツエリアを作っていただいたという話がありましたが、県はイベントをして、その後に普及啓発をしていただくということですが、やはりできる場所があるのが一番の普及啓発かなと私は思っています。地元中津市では施設整備の議論も行われていると伺っているし、環境さえあれば利用したいという人も確かに多くいらっしゃるので、ぜひとも各地でハード整備が進むような普及啓発に取り組んでいただきたいなと思っています。 eスポーツもアーバンスポーツも以前はただの遊びだと思われがちだったものが、スポーツとしてしっかりと認められ、真剣に取り組み世界を目指す若者もいらっしゃいます。行政としても、ぜひそれに着目して、地域の自治体、民間とも連携しながら、大分からトップ選手が生まれるような環境づくりに、ぜひともこれは県の企画振興部が先頭に立ってリードしていただいて取り組んでいただき、地域振興につなげていただきたいということをお願いして、今回の私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○嶋幸一副議長 以上で大友栄二君の質問及び答弁は終わりました。二ノ宮健治君。  〔二ノ宮議員登壇〕(拍手) ◆二ノ宮健治議員 皆さんこんにちは。私は県民クラブの、名前は二ノ宮健治です。応援団の皆さん、今日はありがとうございます。議員の皆さん、今日はよろしくお願いします。特に知事、よろしくお願いします。すみません、手話がうまくいきませんでした。 では、早速質問に入ります。 SDGs達成に向けた取組について聞きます。 国連サミットでSDGsが採択されて5年が経過しましたが、国も地方創生推進の柱に据えるなど取組を加速させ、県においても長期総合計画の事業とSDGsの目標の関連を明示するなど、SDGsの推進に力点が置かれるようになったと大変期待しています。 先日、日本経済新聞による第2回SDGs先進度調査が発表されました。これは、全国の815の市区のうち、回答のあった691市区の調査結果をまとめたものですが、かなり詳細に調査されています。 その調査結果の一部を資料として配付しています。結果を見ると、県内各市のうち回答がなかったと思われる3市を除く11市の中で、比較的順位の高い大分市と中津市を除くと、残念ながら、ほとんどの市が全国下位に位置しています。 他の調査を見てみると、ダイヤモンド・オンラインで発表されたSDGsへの取組の評価が高い都道府県ランキングでは、大分県は19位と一定の評価がなされる一方、日経BP総研が運営するWebサイトで発表された都道府県別のSDGs認知度ランキングでは38位と低く、同調査に回答した県内在住者の約半数は、SDGsを全く知らないと答えており、私は少なからず驚きました。 SDGsの目標年まで10年を切りました。目標を達成するためには、まず、SDGsを知る、次に、自分にできることを考え実行する、そして、これを次世代に受け継ぐという三つのプロセスが大切だと言われています。 まさに、個人の意識改革と日々の行動の積み重ねが、目標達成への重要な役割を担うと考えますが、認知度が低いという調査結果も踏まえ、SDGsの達成に向けた取組について、令和3年度はどのような政策を展開するつもりでしょうか、知事の考えをお聞かせください。 以後は対面席で行います。  〔二ノ宮議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○嶋幸一副議長 ただいまの二ノ宮健治君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 二ノ宮健治議員に、SDGs達成に向けた取組について御質問をいただきました。 SDGsは、誰一人取り残さないという理念の下、経済、社会、環境の持続的発展に向けた広範な課題解決を目指し、国連採択以降、世界中でその取組が活発化しています。 県政においても、SDGsの視点は様々な政策を通じて、既に具体的に実践されており、県のホームページでも公表しています。例えば、住み慣れた地域に住み続けたいという住民の思いをかなえるため、ネットワーク・コミュニティの構築や先端技術の活用などに取り組んでおり、これはSDGsの目標11「持続可能なまちづくり」につながるものです。 また、人手不足という課題でも、女性の活躍や働き方改革、外国人を含む多様な人材の確保、育成等は、ジェンダーや経済成長と雇用などの目標に資するものとなります。 さらには、行政のみならず、県内の事業者や団体等の活動においても、SDGsの達成を目指した様々な取組が進んでいます。 佐伯市では、養殖協議会が赤潮被害軽減のため、カキの養殖を拡大するとともに、生産過程で生じるカキ殻を有機農業に利用するなど、海洋資源の保全目標に貢献しています。 また、本県が大分空港を宇宙港とするプロジェクトを進める中、大分市の企業等では、人工衛星から得られるデータを活用した防災・減災の高度化や環境問題の解決を目指すなど、先端技術の挑戦に取り組んでいます。これもSDGsの産業と技術革新の基盤づくりという目標に寄与するものです。 一方で、議員御紹介の民間調査で、県内回答者の半数余りがSDGsを知らないという要因を私なりに分析すると、自らの取組とSDGsの関係性に気づいていないケースも多いように思われます。 このため、県内の活動例を、SDGsとの関連を示した上で、県のホームページに新たに掲載することで、県民や事業者が日常の中で実践できるよう、広く周知を図っています。 引き続き、SDGsに向けた事業者等の活動を後押しするとともに、民間団体等と連携したフォーラムの開催や、今月設立予定の産学官連携組織を通じた普及啓発を推進します。 県民が豊かに暮らせる持続可能な社会の実現に向けて、安心・活力・発展の大分県づくりを進めていきたいと思います。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 ありがとうございます。今回の質問は、今、知事が分析されたように、自らの行動とSDGsの内容が結び付いていないということで、SDGsと言われても知らないという結果が出たんではないかと思っています。 今回の質問については、認知度を高めるためにどうするか、そのことによって、県内全体のSDGsに対する取組が進むんではないかという提案です。そういうことで、具体的な点を少し質問したいと思っています。 先般、東京五輪パラリンピック組織委員会の森会長の辞任がありました。東京オリンピックがよりよい未来へ共に進もうをコンセプトとして、SDGsに貢献していこうとの取組を目指している組織委員長の発言ですから、辞任は当然だと考えられます。しかし、私を含めて当初は国内で森会長の発言が大きく問題視されなかったことなどからも、日本はまだまだ男性社会であることを改めて海外から指摘され、気づかされた事件といえます。この事件は、SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を改めて思い起こす機会となり、さらにはSDGsの取組全般への関心を高める絶好の機会だと考えます。 全てのことは、まず知ることから始まります。そして、今行動に移さなければ、残された9年間中で目標の達成は難しいと考えています。 そこで、大分県民の認知度が低いとの指摘がある中で、まず認知度を上げるために、次の2点について提案したいと思っています。 一つは、SDGsバッジ着用運動の展開です。このバッジですが、知事の呼びかけにより、まず身内の県職員に、そして県議会議員、市町村議員、市町村職員にもバッジの着用を促して、SDGsのスポークスマンになっていただき、まず認知度を上げます。同時に、自らが率先して実践も行い、県民全体に広げるという提案です。民間企業はSDGsを取り入れた事業展開が求められ、既に多くの人がバッジを着用しています。議員や公務員も住民を代表して、国民的課題としてのSDGsの推進に取り組むべきと考えています。 2点目は、キャッチフレーズの設定です。大分県は、三つの日本一やおんせんけん県おおいたなど素晴らしいキャッチフレーズがたくさんあり、私は効果を上げていると考えています。 資料の裏面に記載していますが、本当は日本一という言葉を入れたかったのですが、少し控えめに「OITAの煌めく未来へSDGs」としました。2点について知事のお考えをお聞きします。 ○嶋幸一副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大変大事な御提案をいただきました。 初めにバッジの件ですが、17色の鮮やかなバッジは、確かに最近よく私も目にする機会が増えたような気がします。これを県がいろいろ音頭を取ってみんながつけるようにしたらどうだという御提案ですが、非常に大事な御提案だと思いますが、大事なことは、SDGsを知って、そして、それぞれの方がそれぞれの立場で実行して、それを受け継いでいくことが大事なことであり、そこのところを広げていくことが大事なので、バッジをつけなさいと言うと、それでおしまいになってしまうのは非常にもったいないような気がしますので、むしろ、中身についてもっともっと我々は議論を深めていかなければならないのかなと思っています。 まずは知ってもらうだけでもいいではないかというお考えもあるかもしれませんが、もうちょっと深みのあるところで行動したらいいんではないかなという思いです。 それから第2は、SDGsのキャッチフレーズですが、「OITAの煌めく未来へSDGs」、大変きらきら光っていいと思います。いろんな機会がありますから、使わせていただければと思っています。ありがとうございます。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 ありがとうございます。県内の議員と職員は全部で2万9,288人もいるそうです。もちろん県議会の中でもお願いして、こういう問題、できるだけつけましょうという運動はお願いしたいと思っています。1個800円もします。今、知事が言われたようにもう少し深くこのことを知るということの中で、ちょっと最後に。 配付した資料の裏面を見てください。これは17の目標のうち、目標14「海の豊かさを守ろう」を取り上げました。これはどれでもいいんですが、私は海のない由布市に住んでいます。そういう中で、海のことは直接関係ないんだと。しかし、その中で、せめて川を汚さない、そして、木を植えて海のプランクトンを増やそうぐらいの取組で私はOKだと今まで思っていました。 しかし、海というものは、主要な食料源はもちろんですが、酸素を供給し、二酸化炭素を吸収する。それも大量に出す。そして、海を汚すと、サンゴ礁が年々喪失し、毎年100万羽の海鳥が、そして海洋哺乳類10万匹がプラスチックを食べることによって犠牲になっていると書かれています。そして極め付けは、海洋汚染の約80%が陸上活動に起因しているとあります。 先日、APUの須藤先生のお話を聞きましたが、私たちは地球の資源や水、空気などを使うだけで、返す仕組みがない。だから、地球を大切にするよい使い方をしなければならない。その方法がSDGsだとの言葉が私は心に焼き付いています。 SDGsの取組は、人間の日常の営みを少し変えるだけで、特別難しいことではないとも言われています。そのためにはまず、今、知事が言われたように、バッジをつけるぐらいではなくて、深く知ることが第一歩で、深く知れば行動に意味が生じます。そして、目的を持った行動につながると考えるようになる。そういう考えで私はバッジを出したんですが、キャッチフレーズは使っていただけるということで、ぜひお願いします。今言ったことについて、もし知事、感想があれば最後にお願いしたいと思います。 ○嶋幸一副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 SDGsに関連するかどうかですが、今お話があったプラスチックの問題、マイクロプラスチックが将来は海を汚染すると。汚染するどころか、将来は海がプラスチックのスープみたいになるんだという話を聞いたことがあります。そうなると人間の滅亡につながるということなので、地球温暖化の問題も大変ですが、プラスチックの問題も真剣に取り上げなければならないなと思っています。 たまたま大分県では、プラスチックのごみは集めるのが大変だということで、収集するシステムとして、大分県でビジネスプラングランプリを得た、非常に優れた収集システムがありますので、そういうものを活用しながら、来年度から予算化して試行的にやることにしています。 そんなことに大いに力を入れながら、この問題にも対応していく。いろんな日常生活の中で注意をすることによって、SDGsを自分のものにしていくことが大事なんではないかなと思っています。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 ありがとうございました。孫や子どもの未来のために、「OITAの煌めく未来へSDGs」、知事が使っていただくと大変効果があるんではないと思っています。ぜひよろしくお願いします。 次は、農林水産政策について、少し長いんですが、3点についてお聞きします。 まず、県農林水産業の創出額についてです。 県では、昨年度、農林水産業活力創出プランを改訂し、令和5年度の農林水産業による創出額目標値を2,650億円に引き上げました。しかしながら、その実行初年度にあたる令和2年度は、新型コロナウイルスにより生活様式が大きく変化する初年度にもなりました。 消費の面では、インバウンド需要がほぼなくなり、自粛により外食も大幅に落ち込む一方、家庭での飲食やネット販売が増えています。このような需要の変化に対応した生産、流通、販売体制が求められると考えられます。 また、働き方の面でも、都市部から地方への移住を希望する人が増加する中、これにあわせて移住就農への関心も高まっていますが、農地の確保や生産技術の習得、高額な機械設備導入などが大きな壁となり、これらの課題も解決をしなければなりません。 今後、新型コロナウイルス感染症が鎮静化した後においては、インバウンドや国内旅行の復活は見込めるものの、在宅勤務やネット販売などは新しい生活様式として定着していくものと考えられます。 もうかる農林水産業を実現し、創出額2,650億円の目標を達成するには、このような生活様式の変化に柔軟に対応した生産、流通、販売体制の確立、移住就農への手厚い支援策など、時流に即応した農林水産業全般にわたる新たな施策展開が重要だと考えています。 そこで、農林水産業の創出額の増加に向けた県の取組について、知事の考えをお聞きします。 次に、農村の二極化、平たん部、中山間地の対応についてです。 国民の食料生産の場や国土の保全等の多面的な機能を有している農村が、集積の進む平野部と荒廃の進む中山間地への二極化が進んでおり、大変危惧をしています。 先日、宇佐市平野部の基盤整備事業を視察しましたが、水田1枚が平均2ヘクタール規模に大区画化され、地下水位の調整が自在にできる地下水位制御システムを設置し、オートメーション化された農産工場の体をなしていました。 一方、中山間地では、農業従事者の高齢化の進行などにより、荒廃した田や畑が年々増加。その中にあって、国は一律に農地の集積や畑地化を強力に進めていますが、この政策は、土地が急峻、狭小な中山間地には不向きと思われます。 私はこれまで、中山間地域の農業、農村を持続可能なものとするための方策は何かを常に考えてきたのですが、今は米を作ることと結論づけています。中山間地農業では、稲作が一番簡易であり、高齢者でも栽培することが可能だからです。 そこで、少し極端であることを承知の上ですが、平たん部では耕地の大区画化を進め、畑地化を推進するとともに、食料自給率を高めるための大豆や小麦などの畑作作目を奨励し、稲作は国の計画作付けの範囲とする。一方で、中山間地においては稲作を中心に栽培するという政策を提案したいと思っています。 国の制度変更が必要なことや、米の生産調整がなくなり統制が難しいことは十分承知していますが、今思い切った政策を打たなければ後の祭りとなります。県として、中山間地域における農業、農村の現状をどのように捉え、今後、中山間地域で持続可能な農業を行うためにどのように取り組まれているのか、私の提案も含め、考えをお聞かせください。 次に、水稲の作柄状況から見た気候変動適応策についてです。 昨年の第2回定例会での気候変動適応策についての質問に対し、第5期地球温暖化対策実行計画において適応策を盛り込むこと、また、気候変動適応センターについては設置が必要であるとの答弁をいただきました。令和3年度予算案では、これらの内容が盛り込まれており、対策が進むことを期待しています。 さて、本題に入りますが、令和2年産水稲の作況指数が確定しました。大分県は77と全国で2番目に低く、2年連続の不良という結果になりましたが、ここ数年で見ても、よくて平年並みで、豊作という年がなかったように記憶をしています。 大分県の作況指数は、病害虫等の被害もありますが、専門家からは、地球温暖化による高温障害の影響も大きいのではないかといった指摘もあり、果樹や畜産、魚類など農林水産物全般にわたって高温障害と思われる被害が報告されています。 そこで質問ですが、今年度設置が予定されている県地域気候変動適応センターについて、農林水産分野でどのように活用されようとしているのか、考えをお聞かせください。 次に、水稲に関してですが、県の主力品種であるヒノヒカリの平たん地を中心とした品質低下が指摘されています。その適応策として、つや姫、にこまるへの品種転換をどのように進めているのかをお聞きします。 また、今後さらに温暖化が進む中では、食味や高温耐性も加味した新たな品種が必要であり、新品種の開発状況についても伺います。 ○嶋幸一副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 初めに私から、農林水産業の創出額についてお答えします。 コロナ禍を乗り越えて、本県の活力づくりを進めるためには、もうかる農林水産業の実現が大事です。創出額2,650億円の達成に向け、活力創出プラン2015の取組をしっかりと進めていきます。 まずは、生産構造の改革です。 農業では、米の需要減少を踏まえ、水田2千ヘクタールを畑地化し園芸品目への転換を進めます。このため、園芸団地づくり計画を着実に実行するとともに、ねぎの産出額を100億円に伸ばして、本県の顔となる産品に育てていきます。また、加工ニーズの高いジャガイモやキャベツについては、食品企業と連携して契約栽培による産地づくりを進めます。さらに、資本力のある企業の農業参入も進めて、キウイやレモン等の大規模経営により産出額を増加させます。 林業では、年間素材生産量160万立方メートルを目指して、作業効率を高める施業の集約化や路網整備、高性能林業機械の導入を推進し、生産性のさらなる向上を図っていきます。 次に、マーケットインの商品(もの)づくりも大事なテーマです。 園芸品目では、生産増大を見据えた販路開拓が必要です。県域出荷体制を構築した上で、新たに中京圏に進出しシェアを高め、ブランド力を強化します。養殖ブリでは、人工種苗の導入による周年出荷体制を強化し、量販店での有利販売を目指します。 こうした取組を進めるには、産地を元気にする担い手の確保、育成が大切です。 農家が急速に減少する中、将来の中核的農家の育成に向けて、独立自営の就農者に加えて、親元就農者への支援も充実させます。また、高齢農家の廃業増加を踏まえて、経営継承を後押しするプッシュ型の相談体制を整備します。 こうしたプランの取組に加えて、コロナ禍などにより変容したマーケットに対しても積極的に施策を進めていきます。 まず、市場の変容への対応です。花では新しい生活様式に沿った売り方や品種導入を進めます。また、和牛では、ヘルシー志向の高まりを踏まえて、赤身のおいしさに新たな価値を生み出す牛肉づくりに挑戦します。さらに、生産者団体等と連携して、成長著しいネット市場での県産品の販路拡大に取り組みます。 次に、働き方の変化への対応です。リモートライフが定着し、地方への関心が高まる中、多様な担い手を獲得するため、SNSを活用した情報発信を強化します。また、多様な働き方の一つとして農業を提案するため、農機具等も配備したリース方式の農場を整備します。 変化し続ける社会経済や消費者ニーズを的確に捉えて、効果的な施策を展開することで、創出額の目標を達成していきます。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 私から2点お答えをします。 まず、中山間地域の農業についてです。 本県の農業経営体数は、10年間で38%減少しており、特に中山間地域では担い手の減少とともに荒廃農地が増加し、直近の2年間でも420ヘクタール増えるなど、農地の維持管理が難しくなってきています。 そうした中で、担い手を確保し、農業を継続していくためには、土地条件に応じた収益性の高いもうかる農作物を作ることが重要であると考えています。 しかしながら、中山間地域では圃場の排水性や日照などの条件が厳しいことから、園芸作物の作付けが困難で、農地を守っていくためには、水稲が最適な場合もあると考えています。 そうした地域では、より収益性の高い特A米や有機米等の高付加価値米や、今後、需要が期待できるハトムギであったり、唐がらし等の栽培に取り組んでいく必要もあると考えています。 あわせて、担い手不在集落については、集落営農組織等の育成により農作業受託の拡大を図ることで、農地を維持し、持続可能な農業に取り組んでいきます。 さらに、中山間地域の収入確保につながる直販所の品ぞろえ充実等を支援するとともに、日本型直接支払制度の加算等を活用した共同活動についても積極的に推進していきます。 続いて、気候変動に対応した米政策についてお答えします。 近年、水稲は夏季の高温等の影響で白未熟粒などが発生し、品質や収量が低下していることから、つや姫やにこまるへの転換を進めています。 つや姫については登録制度の栽培要件について、令和2年産から作付下限面積50アールの撤廃や標高100メートル以下への栽培推進地域の拡大などの緩和によって、転換を促しています。 また、にこまるは農業団体による買取価格を令和3年産からヒノヒカリ並みにすることや、高温下での収量、品質の優位性をPRし、作付意欲の喚起を図っていきます。 加えて、高温に強く食味のよい早生系品種の検討を平成25年より進めており、試験場で延べ40種類の比較試験を実施し、その中から有望な1品種の選定を行いました。 令和3年度には、その有望品種を大規模に実証し、栽培特性の把握や実需の評価を得た上で、種子の確保を目指した取組を進めていきたいと思っています。 なお、今後設立の地域気候変動適応センターにより作成される各地域の気候変動予測も活用し、現場の普及指導に生かしていきます。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。
    ◆二ノ宮健治議員 知事には後で聞きたいと思っています。 創出額を上げるためには、ねぎ等の戦略品目の拡大が大切だと思っています。ぜひ品目を増やすなど積極的な取組をお願いします。 そういう中で、やはりどうしても全体の底上げが必要だと思っています。それで、3点について。 一つは、地産地消の取組です。 今回の計画の中に地産地消という言葉は、たった1回しか出ておりません。中山間地域維持で大切な、例えば、里の駅や販売所などが衰退している中で、地産地消についてどう考えているかということを1点。 2点目は、他の県にあるんですが、中山間地域振興条例、それから振興計画が残念ながら大分県にはありません。中山間地域が多い大分県には必要だと思うんですが、例えば、条例ではないんですが、規則等でやっているかということを。 それから3点目は、米の品種なんですが、私はなつほのかという情報が入っています。できればこのことも詳しくお聞かせください。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 3点質問いただきました。1点目が地産地消の取組ということです。 地産地消の取組は、地域農業を支えて創出額を向上させる上で重要な取組と考えています。 まず、農家の収入確保のための拠点となる直販所の販売向上に向けた品ぞろえであったり、あるいは収穫力の向上といったことを現在支援しています。 また、地産地消にとって大事なPRという部分では、県産食材の学校給食での利用促進、あるいは地産地消のスタンプラリー、さらには高校生によるおにぎりであったりとか、パン、ケーキなどの地元産品を使った商品開発のコンテスト、そういったことを実施し、意識を高めています。 こうした取組により、地域食材の消費拡大を進め、地域農業の活性化を図っていくことでの地産地消の取組を現在進めています。 続いて、中山間地域の振興にあたっての基本的な方針という話です。 中山間地域については、少子高齢化によって過疎化等が進むということで、その振興であったり対策は全庁挙げて取り組むべき課題と考えています。 そうした中で、農林水産部としては、活力創出プランの四つの基本政策のうちの一つである元気で豊かな農山漁村づくりという項目を基本方針として取組を進めています。 その内容としては、一つは活性化するということで、生産活動の活性化、さきほど申し上げた直販所の支援をすることによって生産を促し、収益を上げていく取組とあわせて、農地を維持していくといった意味での地域農業経営サポート機構を充実しながら、そこでしっかり農業が継続して営めるようにサポートしていくということです。 もう一つは、守るという意味になりますが、日本型の直接支払制度を活用することで農地を維持していきたいと思っています。この交付金については、年間24億円ほど交付しているので、県としても4分の1ですから6億円という負担をしながら、地域の中山間地域の田畑等を守っている状況です。また、最近では棚田地域の新たな計画指定等もあって、その直接支払の加算があるので、そういった観点からの振興もあわせて進めていきたいと思っています。 3点目の、米の有望品種ということで、今、議員からお話があったなつほのかです。私からはお話しをしませんでしたが、そのとおりですので、少し概要を説明します。 品種名なつほのかについては、鹿児島県の農業開発総合センターで育成されています。鹿児島県では27年、長崎県で28年にそれぞれ奨励品種に採用されて作付けが行われています。その特徴としては、ヒノヒカリよりも成熟が約1週間ほど早いということ、収量も食味も同程度であり、収量は1割ほど多い。さらには、高温耐性ということで、また、倒伏もしにくいといった特徴があり、そういったことの理由から、現在、候補として選定をしました。 ちなみに、今年の食味ランキング特A米の話ですが、このなつほのかが長崎県で登録エントリーし、特Aを取得していることもありますので、有望な品種かなとに思っています。 これについては、さきほど申し上げたように、令和3年、来年度実証をして、その結果で、例えば植栽密度であったり、製品の方法であったり、病害虫の発生状況とかいうことを確認する中で決定をし、4年には1千ヘクタールを目標に栽培を広げていきたい。それを順次拡大していきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 ありがとうございます。なつほのかについて少し。 今言われたように、ランキングが出たんですが、154銘柄エントリーして、そのうち特Aが53銘柄あります。九州では特Aがないのは大分県だけです。それと、少しショックを受けたのは、ヒノヒカリが16産地で出品されているんですが、特Aになったのは2産地のみです。そして、やはり高温耐性とかが健闘して、昔、花形だったあきたこまちとかひとめぼれが苦戦しているような結果が出ていました。やはり温暖化の中で品種も変わっているということは間違いないんですね。 それと、今言われたように、長崎県で、鹿児島でできたなつほのかが特Aを取ったんです。大分県がやはりちょっと遅れているんではないかと私は思うんです。そういうことで、来年、特に令和4年度に向けてということなんで、私たちもヒノヒカリと別れるのはつらいんですが、これは仕方ないかなと思っています。ぜひよろしくお願いします。 あと、本当はお話ししたかったんですが、またいつものように時間が足りませんでした。 一つは、これまで宇佐の話をしたんですが、10アール当たりの工事費が228万円。あの1枚の田で4,500万円かかっています。やはりそのくらいの国費を使う中で、日本の食料を守るという立場であれば、やはり米ではなくて違う品種が考えられるんではないかという、さきほどの提案です。そういうことで、ぜひその辺も検討していただきたいと思っています。 最後に、知事にお聞きします。 論点が少し変わっていますが、今回の最大の質問はさきほどから申し上げたように、中山間地の農業、農村を元気にしたい、最低でも現状維持していくためにはどうしたらいいかという危機感と焦りの中での質問です。 そういうことで、私はこの危機的状況を打開するには、国の中山間地域農業に対する考え方を、捉え方を改めて抜本的に転換すべきだと考えています。これまでの国の政策が、米や野菜などの農産物に補助を行うといった施策でしたが、それに加えて、中山間地の持つ多目的な機能である空気や水、景観などを中山間地農業が守ってくれると。言い換えれば、日本の国土を中山間地域農業が守っているという視点に価値を置いた農政への転換が必要だと考えています。 これまでも国が国土保全を重視した農業政策に取り組んでいることは十分に理解していますが、残念ながら結果が出ていないことは農村の疲弊していく状況を見れば一目瞭然だと思っています。 これからやってくるであろう世界的な食糧危機に備えるためにも、また、国土の4割を占める中山間地を守らなければ国土の荒廃が進んでいくと思われる中で、中山間地域での優先的な水稲作付けや中山間地支払制度の充実で、農村を守っている人がその地域で生活できるようにしなければならないと思ってます。このためには中山間地農業を国土の保全といった視点で捉えた国家戦略としての国の手厚い保護政策の農政が求められていると考えています。そういうことについて、知事のお考えをいただきたいと思います。 ○嶋幸一副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大分県の農地は大部分が中山間地ですから、そういった意味では、中山間地の農業を守っていかなければならない、そのために国の支援もあってしかるべきではないかというのは非常に魅力的な議論だと思うんですが、やはり気をつけなければいけないのは、今までそういう議論でずっとやってきて、農業生産者は環境を守るために米を作るんだと、地域の水を守るために売れない米を作るんだというようなことでやってきたわけです。 結局、農業のために一生懸命仕事をしてる人が、何のことはない、補助金は環境のためだ、水のためだ、あるいは自然のためだというようなことで、いつまでたってももうかる農業に転換できないと。こういうことで来たんではないかというところも我々はよく反省してみなければいけないのではないかと思っています。 中山間地において農業が持続的にできるようにすることは非常に大事なことですが、これをどういう形で応援をしていくか、あるいは補助金をつけていくかということについては、また、昔の補助金漬けの時代に逆戻りするということは考え直したほうがいいんではないかなと思っています。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 少し私は意見が違うんですが、日本が少子高齢化とか人口減少が進んでいなければ私はいいと思うんですよね。 確かに、昔の経済が右肩上がりのときにはそういう考え方で、やはり農村も守れたと思います。そこで農業をしながら、他のことで稼ぐとかですね。ところが、今現状を見てみると、本当に高齢者とかがようやく中山間地を守っているんですよ。だから、そこがゼロになると、やっぱり国として大変な損失ではないんですかという感覚です。 そういうことで、ぜひ中山間地農業に対する考え方を少し変えていただいて、九州知事会の中等でぜひ意見を言っていただきたいとお願いしておきます。 ○嶋幸一副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 九州知事会では中山間地がこれだけ多いのは大分県だけでして、あまり中山間地の議論は行われていませんが、誤解のないように申しますが、中山間地は国の補助金が要らないと言っているわけでは決してありません。中山間地で農業をやっておられる方、特に高齢化をして、それでもやっぱりそこで暮らしを立てておられる方もたくさんおられるわけで、そういう方々が暮らしをやっていけるようにしっかり支援をしていくということは当然我々がやらなくてはならないこと、国も県もやらなければならないことだと思いますが、それと農業政策としてどう支援をするかは少し考えてみないと、産業としての農業、あるいはもうかる農業という視点から再構築する必要性があるということは御理解をいただけるんではないかなと思っています。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 ありがとうございました。次の移住、定住促進に向けた規制緩和、このこともやはり中山間地のことですから、こっちに移ります。 最近、田舎に住みたい、田舎に住んで農業をしたいが家を建てる場所がない、過疎が進み小学校が複式学級になりそうなので住宅団地を造りたいが場所がない、こんな声をよく耳にするようになりました。 その理由は、田舎である中山間地域では農業生産基盤整備事業が実施され、さらには、これらの土地が農業振興地域の農用地区域内農地となっているからです。 農用地区域内農地では、たとえ住宅を建てるのに適した場所があっても、ごく僅かな例外を除けば、農振除外して住宅を建てることができない仕組みになっています。 そこで提案ですが、一定の要件を設けた上で、農業振興地域の農用地区域の指定を除外する農振除外特区の設置を国に働きかけられないでしょうかという提案です。 もちろん、農業振興地域指定のメリット等はよく分かっています。しかし、中山間地域の現状を鑑みると、農業振興法でいくら農地を守っても、住む人や管理する人がいなくなれば元の木阿弥だと思っています。 コロナ禍における移住希望者も増加する中で、今が移住、定住を促進するチャンスであり、農振除外特別区という制度ができれば、移住、定住を促進するとともに、中山間地域の農村を守ることもでき、一石二鳥ではないでしょうか。 今回の提案は極論と捉えられるかもしれませんし、現行法では大変難しいことは承知していますが、農村に人を呼び、農家を増やし、農村地域を持続可能なものとするために、農振除外特別区の設置をぜひこの大分県から声を上げていただきたいと考えています。このことについて考えをお聞かせください。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 お答えします。 まず、基本的な考え方のところから。 農業の健全な発展のためには、集団性のある優良な農地を確保して、それを計画的に利用していくということが重要です。 市町村では、農振法に基づいて農業振興地域整備計画を定め、守るべき農地を農業振興地域内の農用地区域として設定をしています。そういった基本の中で、その農地については農地転用のための農用地区域からの除外が可能となっています。 その中で、住宅が散在しています集落内の農地に住宅を建てようとする場合には、集落接続という農地転用の例外許可の要件によって、それを地域の実情に応じて運用することにより、その農地を農用地区域から除外することができるようになっています。 例えば、国東市の武蔵町では住宅の間に農地が介在し、隣の住宅との距離が100メートル以上離れた場合でも住宅を建てられるよう農用地区域から除外した事例もあります。 農村への移住促進等のために活用されているこういった例外許可の要件の運用による取扱いについては、過去5年で172件の実績があります。 また、移住希望者が空き家に付随した農地の取得を希望する場合の面積要件についても市町村の判断で緩和できるよう進めています。 中山間地域への移住、定住に向けた農用地区域の取扱いについては、このような運用の周知により市町村の積極的な活用を促していきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 今、部長が答えたことは私も十分理解しています。 ただ、現実問題として、さきほど言ったように、構造改善事業が行われているところはなかなか難しいんですよね。例えば、市に農振除外を出してもほとんどクリアできないのが現状です。 それで、今提案した農振除外特区で少し具体的に提案します。 一口に言えば、農振区域内での住宅建設を一部可能にする規制緩和を実施していただきたいという提案です。本来であれば、国の国家戦略としてほしいのですが、国家戦略特区はそんなに簡単に運ばないことは十分に承知しています。 そこで改めて、どぶろく特区や農家レストラン特区などで使われた構造改善特区での農振除外特区の申請ができないかという提案です。 御存じのように、この構造改善特区というのは、地方からこうした事業をしたいので規制を緩和してほしいと国に要望する制度ですから、農振除外特区の申請は十分に可能だと考えます。この構造改善特区として、農振除外特区の申請について、部長はどうお考えでしょうか。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 質問にあった農村がそういうふうに疲弊していく中で、守っていく、そこに人を呼び込む、そのためのいろんな施策が必要ということは理解しています。 そうした中で、さきほど答弁したように、そういった中で住宅を確保したいときには、住宅への適用外というのがあります。農用地の特例許可要件を集落接続とすることによって、中山間地域での要件緩和が進みます。それが基本的に特区という話になったときに何もできない状況の中であれば、それをどう緩和するかという形での特区という考え方はあると思いますが、現行制度の中でそういう運用によって対応できる部分、それと、今心配されている全てがそういう状況にはならないと思います。 例えば、構造改善事業等々の工事をした場合には、そこで8年以上経過しないと、その農地が転用できない等々の条件はありますので、そこはさきほど言いました、改善する必要があるのかどうかという議論にはなるかと思いますが、基本的なところでそういう集落に住宅が散在するときの農地を宅地として転用できるんであれば、そういったことをしっかり活用していきたいと思っています。 あわせて、そういった地域で住宅を造る場合に、例えば、インフラの整備とか、そういった部分がまた出てくると思います。上下水道であったりが接続するのにまた困難があったりといったところも考えられるし、加えて、特区として一律にそういうものを外すとなったときに、目的的に住宅としながらも、登記的にその土地を購入して、別のいろんな施設を造るといったことも考えられるのかなと思っています。 そういったこともありますし、さきほど議論になっている農地転用については、県が今基本的に市町村に権限移譲ということで進めています。農振の農用地区域の設定と農地転用を市町村があわせてすることによって、そういったところの考え方を統一する中で、その地域の農地の在り方をどう考えるかということができると思いますので、そういった方向での取組も進めながら、中山間地域、あるいは農村を守っていきたいと思っています。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 ありがとうございます。もし市から除外ができないと、そういう中で特区申請とか出た場合は、ぜひ力を貸してください。 最後に聞きます。 由布市における7月豪雨災害後の対応についてです。 昨年7月の豪雨災害は、由布市でも阿蘇野地区や湯平地区を中心に甚大な被害をもたらしました。知事には何度も現地に足を運んでいただき、強力なリーダーシップで道路の通行確保や河川、道路の二次災害防止に向けた対応にあたっていただきました。市民の皆さんからも多くの感謝の言葉が届いています。本当にありがとうございました。 それでは、2点にわたって質問します。 1点目は、大分川水系河川整備計画についてです。 昨年7月の記録的豪雨で5人の死者を出した大分川水系上流圏域における中期的な護岸工事や環境保全の目標を定める大分川水系河川整備計画の素案が示されました。 計画では、浸水被害のあった由布市の挾間、庄内、湯布院の3地区で川の拡幅や堤防の新設を盛り込むこととなっています。今後4月頃までに住民説明会を行い、パブリックコメント等を通じて広く意見を聴取し、大分川水系河川整備計画学識者懇談会の審議を経て国との調整を行い、本年11月には策定予定だと聞いています。 迅速な対応には感謝していますが、計画が策定されても河川は下流からの工事が原則だと聞いています。現在、国の管理区間である大分市内の下流部の工事が進んでおらず、今回の計画区間での着工が大幅に遅れるのではないかと心配をしています。 今後も、大規模な災害が想定され早期の対応が求められる中、県はこのことについてどのように取り組もうとしているのか、今後の着工見通しを含めお聞きします。 次に、湯平温泉の観光復興についてです。 由布市湯平温泉は、コロナ禍で大変大きな打撃を受ける中、豪雨災害に追い打ちをかけられました。現在は大分県復旧・復興推進計画に基づいた工事が着々と進んでいます。旅館街では1軒の廃業がありましたが、他は全ての旅館で営業が再開されています。 知事の湯平温泉の灯を消すことはできないとの言葉に勇気をいただき、これを機に、温泉地として同様の災害が起こらないよう、安心、安全に配慮した、そして新たなにぎわいが戻ってくるような新たな湯平温泉観光地を目指して、由布市と住民の二人三脚で復興に今取り組んでいます。 新たな湯平温泉観光地の実現に向けては、インフラ等の復興にとどまらない、多岐にわたる振興計画が策定されていますが、例えば、花合野川に沿った遊歩道の設置や温泉の配湯管の埋設などは、河川の復旧、改修との一体的な工事が望ましいなど、由布市単独では解決できない課題もあります。 湯平温泉の観光復興のためには、国や県の支援が欠かせないと考えますが、中でも県は、湯平温泉の現状をどのように認識し、どのような観光支援を行うとされているか、お聞かせください。 ○嶋幸一副議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 私からは、大分川水系河川整備計画についてお答えします。 大分川上流圏域に位置する由布市では、平成5年と19年、そして昨年の7月豪雨など、たび重なる浸水被害を受けてきました。 そのうち、過去に大きな被害を受けた天神橋の上流約2キロメートル、碩南大橋の前後約800メートル、湯布院川西から金鱗湖までの約5.7キロメートルを対象に河川整備計画を策定中です。 計画策定後は、下流の国管理区間で進められている対策の進捗状況を確認しながら、早期の事業化を目指していきます。 一方、次期出水期を控え、被災地周辺で生活する住民の不安を取り除くことも重要と考えます。 県では、年度途中の緊急的な事案に対し機動的に配分される防災・減災対策等強化推進費を申請し、認可されたことから、挾間地区や庄内地区で、今月中に河床掘削や築堤工事などを発注する予定です。 なお、国も既に挾間地区で同様の工事を発注済みと伺っています。 また、定期的な巡視や点検を強化し、堆積した土砂の掘削や護岸補強など適切な維持管理にも努めていきます。 今後も国と県が相互に連携しながら、大分川の治水対策を推進していきます。 ○嶋幸一副議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 私からは、湯平温泉の観光復興についてお答えします。 県は、被災直後から現地に出向き、観光事業者から直接お話を伺うなどして、状況を把握するとともに、事業者に寄り添いながら復旧、復興を支援してきました。 中でも、被災した旅館の再開に対しては、総合補助金により流失した配湯管の仮復旧を支援したほか、浴室等の施設改修については、なりわい再建補助金の活用などにより後押ししました。これまで順次営業を再開してきており、残る1軒も先週土曜日に再開されました。ようやく地域を挙げて、観光誘客に取り組むことができる時期が到来したと考えています。 来週末からは、県民の県内旅行に対する旅行代金の割引を開始します。さらに、被災地はGoToトラベル開始時に受入体制が整わなかったため、県独自の旅行割引を別に準備しており、適切な時期に活用しながら誘客を促進していきたいと考えています。また、復興を強力にPRすることも重要であり、テレビ番組や駅のデジタルサイネージなどを活用して積極的に情報発信を行います。 湯平温泉の復興には、配湯管の本格復旧など、まだ課題があり、由布市と連携しながら地元を支え、新たな魅力を創出し、これまで以上ににぎわうように取り組んでいきます。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 湯平温泉の観光振興から入ります。ありがとうございます。 花合野川の改良復旧工事が今年度、早速着手していただきました。本当にありがとうございます。 今回の、特に湯平の災害復旧については、道路、河川、それから砂防、さらに今お願いしている観光面からという大変複雑な、いろんなことが含まれていると思っています。 そういう中で、昨日ちょっと話があったんですが、国道から湯平の温泉街まで街灯が一つもないんです。その人が言うのには、4人の方が亡くなられたんですが、そのときに街灯があればという話もされていました。 今回、道路、それから河川、砂防をする中で、観光面からも街灯の設置について、ぜひお願いできないだろうかということなんですが。 ○嶋幸一副議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 街灯があるほうがにぎわいが増すというお話ですので、そこはまたよく地元にお話を聞きながら、今後、由布市ともよく相談しながら検討していきます。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 湯平の観光浮揚ということから、ぜひ土木とかに話をしてください。よろしくお願いします。 次は、大分川の河川整備計画です。2点についてお聞きをします。 一つは、地元説明会です。今回の計画にある3か所については、本当に水害の常襲地帯です。そういうことで、ぜひ災害時の事情を一番よく知っている地域の方の意見を聞けるような地元説明会をお願いしたいということです。 2点目は、洪水時のダム放流です。芹川ダムと篠原ダムというのがあるんですが、事前放流等、異常降水時に対応できているのかについてお聞かせください。 ○嶋幸一副議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 まず、河川整備計画策定にあたっての住民の方の意見についてですが、計画の策定に向けては、令和3年度中の策定を目指していますが、その間に地元説明会やパブリックコメントをはじめ、幅広く意見を伺うこととしています。 このうち地元説明会は、被害があった挾間地区や庄内地区、湯布院地区でそれぞれ行いたいと思っています。計画に対して丁寧に御意見を伺いたいと思っています。 災害時のみならず、地域に精通した地元の方々の情報とか意見は大変重要と考えているので、計画策定に地元の御意見を生かしていきたいと考えています。 それから、事前放流や洪水調節の話ですが、まず、事前放流については、芹川、篠原を含む四つのダムが大分県大分川水系治水協定を国と締結しており、昨年6月から運用を開始しています。 芹川ダムでは、洪水時に下流河川の水位を下げる効果がある洪水調節を、ダムが完成した以降の昭和32年からこれまで、合計47回実施をしています。昨年の7月豪雨においても、大分川下流の水位を下げる効果を発揮しました。 ○嶋幸一副議長 二ノ宮健治君。 ◆二ノ宮健治議員 よろしくお願いします。今回もなかなか答えが出ないような質問になりました。ぜひ地域を元気にしたいという考えで、ずっと6年間やってきました。これからもいろいろな意見を出していきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。これで質問を終わります。(拍手) ○嶋幸一副議長 以上で二ノ宮健治君の質問及び答弁は終わりました。 お諮りします。本日の一般質問及び質疑はここまでとしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○嶋幸一副議長 御異議なしと認めます。よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。  ------------------------------- ○嶋幸一副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。日程は、決定次第通知します。  ------------------------------- ○嶋幸一副議長 本日は、これをもって散会します。お疲れさまでした。     午後3時14分 散会...