大分県議会 > 2020-09-18 >
09月18日-05号

  • 緊急地震速報(/)
ツイート シェア
  1. 大分県議会 2020-09-18
    09月18日-05号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    令和 2年 第3回定例会(9月)     令和2年第3回大分県議会定例会会議録(第5号)令和2年9月18日(金曜日)  -------------------------------議事日程第5号            令和2年9月18日              午前10時開議第1 一般質問及び質疑、委員会付託第2 特別委員会設置件  -------------------------------本日の会議に付した案件日程第1 一般質問及び質疑、委員会付託日程第2 特別委員会設置件  -------------------------------出席議員 40名  議長        麻生栄作  副議長       嶋 幸一            志村 学            井上伸史            清田哲也            今吉次郎            阿部長夫            太田正美            後藤慎太郎            衛藤博昭            森 誠一            大友栄二            井上明夫            鴛海 豊            木付親次            三浦正臣            古手川正治            土居昌弘            元吉俊博            御手洗吉生            阿部英仁            成迫健児            木田 昇            羽野武男            二ノ宮健治            守永信幸            藤田正道            原田孝司            小嶋秀行            馬場 林            尾島保彦            玉田輝義            平岩純子            吉村哲彦            戸高賢史            河野成司            猿渡久子            堤 栄三            荒金信生            末宗秀雄欠席議員 3名            濱田 洋            浦野英樹            高橋 肇  -------------------------------出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       尾野賢治  副知事       黒田秀郎  教育長       工藤利明  代表監査委員    首藤博文  総務部長      和田雅晴  企画振興部長    高屋 博  企業局長      工藤正俊  病院局長      田代英哉  警察本部長     竹迫宜哉  福祉保健部長    廣瀬高博  生活環境部長    高橋基典  商工観光労働部長  高濱 航  農林水産部長    大友進一  土木建築部長    湯地三子弘  会計管理者会計管理局長            森山成夫  防災局長      梶原文男  観光局長      秋月久美  人事委員会事務局長 藤原隆司  労働委員会事務局長 森 優子  -------------------------------     午前10時 開議 ○麻生栄作議長 皆様おはようございます。 これより本日の会議を開きます。  -------------------------------麻生栄作議長 日程に入るに先立ち、諸般の報告をします。 教育委員会から地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条第1項の規定により教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価について報告書の提出がありました。 なお、報告書は、お手元に配布しています。 以上、報告を終わります。 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第5号により行います。  ------------------------------- △日程第1 一般質問及び質疑、委員会付託麻生栄作議長 日程第1、第80号議案から第110号議案まで及び第4号報告、第5号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次、これを許します。太田正美君。  〔太田議員登壇〕(拍手) ◆太田正美議員 皆さんおはようございます。一般質問も最終日になりましたが、執行部の皆さん、どうぞよろしくお願いします。 初めに、令和2年7月豪雨災害により、被災された全ての方々、お亡くなりになられた方々の御遺族に対し、心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧、復興に向け、皆様方とともに努力することをお誓いし、質問に入ります。 まずは、今回の豪雨災害関連の質問をします。 1つ目は、流域治水への取組について伺います。 今回の7月豪雨災害は、その降水量の多さが比較的長時間に及んだことが被害を拡大した最大の特徴です。 気象庁が7月31日に発表した「令和2年7月豪雨の特徴と関連する大気の流れについて」によると、7月3日から14日までの総降水量で、7月降水量における年平均値の3倍を超える降雨を記録した地点が全国で3か所、1,300ミリを超えた地点では、本県日田市椿ヶ鼻を含め全国で4か所と、これまでとは明らかに異なる豪雨だったことがデータで示されています。 この豪雨をもたらした直接的な原因が、大量の水蒸気の流入と上昇気流により発生した線状降水帯です。前述の気象庁のレポートによると、今回の線状降水帯は過去の豪雨と違い、比較的長い期間、断続的に九州で多発したことが特徴の一つと分析しています。この豪雨により、通常の流量を数倍する雨水が河川に流れ込んだことから、県内で930件の河川被害の発生になったと思われます。 近年、気候変動により、線状降水帯が発達し、さらに多くの雨量をもたらす可能性があります。豪雨による水災害のリスク増大に備えるためには、主要河川と、その河川に流入する河川や水路を包括して考える流域での治水対策が大事ではないかと考えます。 特に、国や県が管理する一級、二級河川ではない普通河川や農業用水路などは、市町村や土地改良区が管理しており、市町村独自で治水事業を実施するとしても、国、県と連携しなければ、期待した効果を得ることは困難です。 国土交通省においても、河川氾濫を防ぐための堤防整備に加え、土地利用の規制や避難体制の強化といった緊急対策を面的に実施する流域治水プロジェクトを全国109水系で年度内に策定するとしており、本県の関係でも山国川、大分川、大野川、番匠川、筑後川、五ヶ瀬川の各水系がリストに挙げられています。 各水系の自治体や関係者が連携し、治水について協議を図ることは、各々が単独で治水事業を行うより効率的であり、気候変動による雨量の増大への対応も期待できると考えます。 県としては、この各水系の流域という面的な治水対策について、どのように考えているのか、知事の見解を伺います。 次に、防災情報の事前発信について伺います。 今回の豪雨災害の人的被害は、死者6人、負傷者5人と伺っています。この中には避難途中で車ごと川に流された由布市湯平の旅館経営者であった家族4人が含まれています。 この御家族は避難する際に花合野川の上流に向かって避難せずに下流に向かって避難し、氾濫した河川に飲み込まれてしまったようです。また、避難した時間も23時頃と聞いており、地元の方によると、この時点で既に雨足がすさまじく、河川の水かさも信じられないほど上がっていたと伺いました。非常に残念なことに、避難するタイミングや危険を回避する方向などの判断が命運を分けてしまったのではないかと思われます。 このことを教訓として考えると、避難のタイミングや方向などの情報をもっと早く伝えることができなかったのかという思いがあります。自治体にとって、災害時に住民に対して一番大切なのは、危険度が高まっていることを示す防災情報をいかに的確に事前発信するかだと考えます。 今回の災害は、さきにも述べたように線状降水帯が急速に発達し、未曽有の豪雨をもたらしたことによるものです。気象状況の予期せぬ変化までを捉え、情報発信することは難しいと思います。 県としても、もちろん、適宜的確に気象情報や防災情報を市町村などに提供してきたと考えていますが、尊い人命が失われたことから、県からの情報提供のさらなる迅速化や地元自治体に対する住民への情報提供方法の改善の提案など、次の災害に向けた展開を検討すべきではないかと考えます。 そこで、防災情報、特に危険度の高い、あるいは危険度が高まる恐れがあるという情報を事前にいかに早く地元自治体、あるいは県民に周知するかについて、今回の災害を受けて、どう考えているのか、防災局長に伺います。 次に、農地災害復旧離農防止対策について伺います。 今回の豪雨災害のもう一つの特徴は、小規模な農地への土砂の流入や法面の崩壊が多発したことです。 県が8月27日に公表した令和2年7月豪雨災害の復旧・復興推進計画によると、8月25日時点の全体の被災箇所1万118か所のうち、実に半分以上の5,943か所が農地農業用施設となっていますが、被害額で比較すると全体で608億円のうち、農地農業用施設の占める割合は約136億円と約2割となっています。箇所が多い割には、被害としては小規模であることがここからもうかがい知れるところです。 先日、農林水産部の担当の方とお話をする機会があり、復旧、復興に関わる様々な制度について教えていただきました。小規模災害への対応について、複数の小規模被災をまとめて国庫補助の災害復旧事業で対応することや、農地等小災害復旧事業債の活用と、市町村での補助制度の創設、さらに多面的機能支払交付金の活用など、多くの工夫を行い、県としても最大限努力していることはよく分かりました。広瀬知事をはじめ、執行部の皆様の御努力に敬意を表する次第です。 一方で、出穂時期に断水状態が続いたこともあり、今年の米の収穫が難しい状況になった農家も出てきています。 地元も災害で手が回らなかったことや、被災箇所数が多く、市町村のマンパワー不足による被害の把握に手間取ったことも原因だと考えています。 農地の復旧、復興に手間取り、農家の負担が過度に増えると離農につながりかねません。地域の農業を守るためにも、早期の復旧、復興と離農防止に向けた対策が必要です。 箇所数が多く、中山間地の農地で重機も入りづらいためか、時間が掛かるとは思いますが、復旧の見通しと離農防止のための支援策について農林水産部長の見解を伺います。 次に、災害に対する市町村の総合相談窓口について伺います。 私も地元の議員として、今回様々な被災現場を直接訪問しました。その中で直に被災者の方から、敷地に流入した土砂の撤去など、お困りの声を聞き、その声を市に問い合わせても担当者が多忙なためか、被害の実態を把握していないケースが見受けられました。被災者に寄り添う意味でも、被災情報を一元管理し、どういう被害であれば公的な救済が受けられるといったアナウンスをする窓口はぜひ必要だと感じた次第です。 今回のような災害に際しては、被災市町村に総合的な窓口の設置を県から働きかけることはできないでしょうか、伺います。 再質問は対面席で行います。よろしくお願いします。  〔太田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○麻生栄作議長 ただいまの太田正美君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 太田正美議員から今回の豪雨災害に関連し、種々御質問を賜りました。まず私から流域治水についてお答えします。 本県は、平成24年の九州北部豪雨、平成29年は台風18号を含む2回の豪雨と、たび重なる水害に見舞われ、そして、この夏の7月豪雨です。コロナ禍で苦しむ県民の心を再びくじくような深い傷痕を各地で残し、私どもも大変心を痛めています。 予測ができず、急激に発達する線状降水帯の発生や大型台風の襲来など、豪雨災害の頻発、激甚化に歯止めが利かない状況ですが、これからもしっかり向き合っていかなければならないと覚悟しています。 県では、これまでも治水の要であるダムの整備はもとより、県土の強靱化に資する河道拡幅や河床掘削など、河川氾濫を防ぐハード対策に加え、水位計や監視カメラの設置、既存ダムの事前放流等により、被害の軽減を図るソフト対策にも力を注いできました。 さらに、近年の急激な気候変動の影響を踏まえた抜本的な治水対策が必要であるため、新たな河川整備の指針となる総合治水プランの策定に取り組んでいます。 そうした中、今年度に入り、国は河川管理者だけではなく、市町村や企業、住民等のあらゆる関係者により流域全体で行う治水、いわゆる流域治水へ拡大していく方針を示しました。 この方針では、多様な関係者による治水機能の分担や、氾濫発生も視野に入れた被害対象を減少させる対策が新たな考え方として盛り込まれています。 具体的には農業用ため池の治水利用、雨水排水施設や貯留施設の整備に加え、水害リスクのある地域での土地利用規制や移転促進、不動産取引時の水害リスク情報の提供などが取り入れられています。 この取組を推進するため、現在国は、大分川水系や筑後川水系など六つの一級水系ごとに流域治水協議会の設置を進めています。 この協議会は、河川管理者に加え、県や市町の農政、下水道、まちづくりの担当部局など、多様な関係者が参画しており、それらの情報や知見を総結集して、各流域で緊急的に実施すべき治水対策の全体像を流域治水プロジェクトとして今年度中に取りまとめることとしています。 気候変動の影響が顕在化し、水害のリスクが高まる中、各関係機関が智恵を絞って、各々が治水や防災に効果のある取組を着実に実行することは極めて重要です。 プロジェクトの策定後は、流域治水の理念に基づき、各水系の関係者が一丸となって、総力戦で治水対策に取り組んでいくことが大事だと思います。 ○麻生栄作議長 梶原防災局長。 ◎梶原文男防災局長 防災情報の事前発信についてお答えします。 7月豪雨に関して、県では6日午前2時30分から警戒体制を取り、市町村に対し早めの避難情報の発令を依頼しました。 なお、同日午後5時には県民安全・安心メールとおおいた防災アプリを通じて、県民に大雨への厳重な警戒を呼びかけました。 また、由布市でも、同日午後6時25分に警戒レベル3避難準備・高齢者等避難開始を、7日午前4時30分に警戒レベル4避難勧告を緊急速報メール等により市内全域に発令しました。このような対応をしてきたものの、尊い人命が失われたことは残念で悲しみに堪えません。 今後は県としても、これまで以上に的確、迅速に気象情報を入手し、事前の注意喚起や早めの避難情報の発令を市町村に促していきます。 また、マイタイムラインの普及に努めるとともに、ツイッターやフェイスブックなど、SNSを活用し、県民の皆さんに周知する方法を検討していきます。 ○麻生栄作議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 私から農地の災害復旧と離農防止策についてお答えします。 7月豪雨では、由布市や九重町を中心に県内各地で農地、農業用施設に多くの被害が発生しています。 県では、発災当初から市町や土地改良区とともに、被害状況調査とあわせて水路の通水確認を行い、被災箇所においては土砂撤去や仮設水路の設置等の応急工事に取り組み、用水確保に努めてきました。 現在、一日でも早い営農再開に向け、県から市町へ職員を派遣し、12月上中旬までに国の災害査定を完了させた後、河川の復旧工事等との調整が必要な場合を除き、来年の作付けに支障を来さないよう復旧工事を進めていきます。河川工事等の調整を行う箇所についても、4年度の作付けに間に合わせたいと考えています。 また、農業者等が営農継続していただけるよう座談会等を開催し、意見交換をしながら、仮畦畔等の設置や農業機械、ハウスの再建等の取組を現在進めています。 また、次期作に向けても、被災した復旧農地への堆肥の投入による土づくり、あるいは作物転換等に必要な生産資材の購入経費への助成による負担軽減を図りながら、営農継続を後押ししていきます。 ○麻生栄作議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 私から災害時の市町村総合相談窓口についてお答えします。 地域住民に最も身近な存在である市町村が被災状況を迅速に把握し、被災者の気持ちに寄り添って各種の困り事に対応することは、災害時における住民の安心を確保する上でも非常に重要だと考えています。 災害時の市町村における住民対応については、必ずしも統一的に一般化されたやり方があるわけではありませんが、各市町村の総務課や防災担当課が一括して被災者支援各種制度等に関する相談対応や周知、広報を行い、総合窓口的な機能を果たしているところが多いと承知しています。 加えて、被災者からの相談内容は住宅、ライフラインの復旧、生活・事業資金の確保、税の減免など多岐にわたることから、相談内容によっては、制度を実際所管している課で詳細に対応しています。 議員御指摘のケースは、庁内で被災状況等の把握、あるいは共有が十分でなかったことが原因ではないかと考えられますが、いずれにしても大事なことは、被災者の立場に立って、きめ細かく丁寧に対応することであり、総合相談窓口の設置も含め、各市町村の実情に応じて適切な相談体制がとられるよう助言していきます。 ○麻生栄作議長 太田正美君。 ◆太田正美議員 ありがとうございます。知事におかれては、今後とも県土強靱化のための予算措置等を引き続き頑張っていただきたいと思います。 次に、防災局長に伺いますが、タイムライン等ハザードマップの関係で、今回、湯平地域では、一つは電波がなかなか届きにくいということと、防災ラジオ等の情報が住民に的確に伝わっていないのと、ハザードマップが湯平地域においてはどちらかというと白地みたいになっていて、住民が日頃から、逃げる方向性等を的確に把握していないこともあるのではないかと思われます。 特にこの日、夕方4時頃、県道湯平線が21時から通行止めになるという情報を湯布院地域でも知っていましたが、当湯平地域の方がこの情報を的確につかんでいたのか、疑問が残ります。 それと、県道の通行止めで県は誘導員を2人配置して、その方々が11時頃、ちょうど被災された時間帯は、道路上、水が流れるようになり、誘導員自身が危険を感じ、避難者として湯平地区公民館に避難したという経緯もあります。その辺、今後この教訓を生かしていただき、事前の住民との情報交換を各市町村にもしっかり伝えて、二度とこのような災害が起こらないようにしていただきたいと思います。 あと、3年前に熊本・大分地震が起き、由布市、湯布院も結構大きな被害があったときも、やはりそういう相談窓口を設け、ケース・バイ・ケースに対して被災者に寄り添った対応を各自治体がしていただきました。今回も大きいところから小さいところまで被災箇所がいろいろあり、公的な支援を受けられないようなケースも見受けられます。そういうことで、今、県内外の多くの方から寄せられている義援金については、そうした制約もないと思うので、人的被害と家屋被害に着目して配分されているようですが、公的制度の隙間が埋められるよう、配分方法の見直しも検討していただくよう要望します。 次の質問に移ります。 現在、非常に低迷している観光業への支援について御質問します。今回の豪雨災害が由布市、玖珠郡、日田市に甚大な被害を与えたことは皆さんも御承知のとおりです。各種メディアでも重点的に取り上げられたとおり、天瀬の中心街は玖珠川の増水により、旅館ホテル、商店など多くの浸水被害を受けました。 また、九重町でも宝泉寺温泉などの旅館ホテルで浸水被害が発生し、日田市隈地域では流木による建物への被害が発生したほか、屋形船10そうが流失する被害が発生しました。私の地元である由布市でも、湯平地域を中心に旅館等への浸水被害や土台浸食、共同浴場の流失など、これまでに考えられない河川氾濫による被害が発生しました。 今回被害を受けた宿泊、ホテル業の経営者をはじめ、観光業に携わる方々は非常に大きなショックを受けています。もちろん、豪雨災害もショックですが、昨年からのインバウンドの減少と年明けからのコロナ禍の発生で負担感が増し、先行きの見通しが全く見えない状況が続いています。せっかくラグビーワールドカップで昨年は盛り上がりましたが、立ち直りかけたところへのダブルパンチで経営面でも立ち行かなくなる恐れがあります。 県では3月末に新型コロナウイルス対策の第1弾として、おんせん県宿泊施設感染症対策強化支援事業を実施し、また、第2弾として6月の臨時議会では、おんせん県誘客回復推進事業インバウンド推進体制整備事業、交通機関を活用した緊急誘客促進事業などを提案、直ちに取組を開始しました。 迅速な対応には、観光業に携わる者の一人として敬意を表しますが、今回の豪雨災害による風評被害も踏まえ、また、新たに対策を検討する必要があります。 さらにポイントとなるのは、今回の被災地が温泉地であることです。天瀬では泉源が土砂で塞がり、湯平でも同様の状況で、仮設的に復旧できても、本格復旧には時間が掛かる状況です。温泉は、おんせん県おおいたの核となる資源です。復旧、復興に向けた支援も必要だと思います。 そこで、日韓関係等インバウンドの悪化、新型コロナウイルス、豪雨災害というトリプルパンチを受けた本県観光業に対し、どのように支援し、本県の観光基盤を復旧、復興していくのか、これまでの新型コロナ対策の成果を踏まえ、知事に伺います。 前述の日韓関係の悪化、新型コロナウイルス、豪雨災害と、昨年来のトリプルパンチにより、被災地の宿泊業者の経営マインドは大変下がってきています。従来の設備投資の借入れに加え、運転資金の借入れも増え、経営規模の縮小、果ては廃業を検討するといった声も耳にします。 豪雨により施設、設備を毀損された経営者にとっては、さらなる借入れはなるべく避けたいと思うのは当然です。一生懸命に経営する方ほどこの悩みが深く、老舗の旅館でも跡継ぎがいない場合は、先行きの見えない状況から経営状況が良いのに廃業という残念な選択を前に苦悩している状況もあります。 企業経営の規模縮小や廃業、倒産は、従業員の失業や取引先の経営にも直結する問題であり、特に宿泊業のように取引先が多岐にわたる場合は、地域経済に大きなダメージを与える可能性があります。 商工観光労働部においては、500社訪問を行い、県内企業から直に景況感を把握し、業態ごとに、あるいは企業の課題を分析していると聞いています。 コロナ禍や豪雨災害が多くの業態に多大な影響を与えていることは承知していますが、宿泊業に対しても県の知見を活かし、市町村や各地の商工会、商工会議所と連携し、事業継続のための経営指導をしていただきたいと思います。 災い転じて福となすと言いますが、今回のこのトリプルパンチをより強い観光基盤づくりに生かすためにも、県内宿泊業の強化はその要となる政策であり、長年続いてきた旅館やホテルのブランドを守っていくことも県内観光の競争力強化に資すると考えています。 そこで、コロナ禍や豪雨災害などを受け、宿泊業の経営体質の強化と事業継続支援をどのように展開していくのか、観光局長に伺います。 ○麻生栄作議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 私から観光業への支援についてお答えします。 本県の観光業は、インバウンドの落ち込み、新型コロナウイルス感染症の拡大などで未曽有の苦境にありましたが、この中でも全国初の感染症対策チェックリストの作成と実践など、業界を挙げて対策に努力いただいてきました。 県としても、金融支援をはじめ、県民向けの応援割や旅クーポン、隣県向けのおとなり割といった誘客対策を展開するとともに、交通事業者によるツアー商品の造成を支援しました。 こうした施策の効果もあり、5月に過去最少となった宿泊者数は回復の兆しがありましたが、7月の豪雨によって県内各地の温泉街で大規模な災害が発生しました。 県は直ちに各温泉街の現場に赴き、直接被害状況や要望等を聞きました。インバウンドの減少から続く三重苦に大変つらい状況に置かれた皆さんに対し、私からは県としてしっかり支えていきますと激励しました。 今回の豪雨災害の復旧、復興にあたり、次の2点に配慮して取組を進めます。 一つは、被災した施設、設備の再建です。なりわい再建支援補助金では、新型コロナウイルス感染症の影響で、売上げが減少している事業者に県独自で上乗せ補助を行います。被災地域で開催した事前相談会では、温泉の泉源確保や屋形船の再建などの御相談もあり、国、市町と協議を進めています。今後一層周知に努めるとともに、積極的な制度の活用を進め、被災者に寄り添った支援を行います。 二つは、被災地域への誘客対策です。今回の豪雨では、県内全域の宿泊施設で多くのキャンセルが発生し、県では、災害発生直後から被害状況の把握に努め、観光施設の営業状況や交通アクセスなどを確認し、正確な情報をホームページで発信しています。今後は復興に向け、力強く立ち上がり、観光客をお迎えしようとする被災地域の取組や、被災した自治体が連携して行う誘客キャンペーン等をメディアを通じて積極的に発信したいと思います。 また、7月から国のGoToトラベル事業が始まりましたが、受入体制が整わない宿泊施設も数多くあり、こうした施設にも誘客事業の効果が行き渡るよう、別途県独自の旅行代金の割引を予定しています。実施時期については、GoToトラベル事業の終了後を考えていますが、被災地域の皆さんの復旧、復興の状況等も踏まえ、柔軟に対応したいと思います。 取組の実施にあたっては、関係市町と緊密に連携を取り、大変厳しい状況にある観光業を再び活性化させ、おんせん県おおいたの力強い復活を一日も早く実現したいと考えています。 ○麻生栄作議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 宿泊業の経営体質強化と事業継続支援についてお答えします。 緊急事態宣言後の休業と外出の自粛が宿泊業の経営を圧迫し、春の500社訪問での飲食、宿泊の景況感は、9割以上の事業者から悪いとの回答がありました。 県では、実質無利子、無担保の融資をはじめ、国の持続化給付金や雇用調整助成金などの活用について、各地の商工会、商工会議所と連携し、事業継続を支援しています。 また、3密回避のために受入人数の抑制を余儀なくされる中で事業を継続するには、宿泊単価の向上やコスト削減など、経営の体質強化が急務です。 県ではコロナ禍でも経営力の向上に取り組む事業者に対し、県内の優良事例を実地で学べる研修会の開催や、地域で取り組む課題解決として共同での予約受付の実証事業を実施しています。加えて、地元食材の活用や地域資源を生かしたアクティビティ開発等による高付加価値化の取組に対し支援しています。 また、新しい旅のかたちを念頭に、今注目を集めているワーケーション受入れも推進していきます。 宿泊業は、観光産業の核であり、おんせん県おおいたの重要な基盤です。宿泊施設等の観光産業の維持、発展に向け、一層注力していきます。
    麻生栄作議長 太田正美君。 ◆太田正美議員 ありがとうございます。 様々な施策を次々に執行していただき大変ありがたい話ですが、一方で、県内の宿泊業全体にこの経済効果が広がらず、偏りがあったという評価をする声も根強く残っていますので、今後ともその辺のスキームを作り上げ、取り組んでいただきたいと思います。 それと、いろんな施策に対する手続が非常に煩雑で高齢者が経営している小規模な事業体では、もう申請は諦めるという声も聞きますので、やはり寄り添った対応、底辺までこの政策が行き届くような方策をぜひお願いしたいと思いますが、見解を伺います。 ○麻生栄作議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 今、隅々まで効果が行き渡るようにとのお話がありました。これまでも事業者から様々ご意見を直接承っています。 今後、実施予定の事業については、国のGoToトラベル事業やコロナの感染状況を注視するとともに、被災地の復興状況や中小規模の宿泊施設、旅行業者の利用状況等を踏まえ、事業の効果が行き渡るように取り組んでいきたいと思っています。 そして、様々な御相談にしっかり応じてほしいとのことですので、さきほど申したとおり、商工会や商工会議所、市町村、そして私ども一緒になって宿泊事業者の方々の声をしっかりお聞きし、寄り添って支援していきますので、よろしくお願いします。 ○麻生栄作議長 太田正美君。 ◆太田正美議員 現在進行中のGoToトラベルもまだ非常に偏りがあって、聞くところによると恩恵を受けているところと受けていないところがあると。その辺の対応もよろしくお願いします。 次に、新しい技術を活用した生活様式の変化についてです。 一つは、オンライン診療についてです。先般、第1回定例会でもお尋ねしましたが、あのときからわずか6か月で、新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、時世がすっかり変わってしまいました。この6か月の市民生活のキーワードは非接触です。この非接触は二つの事象を引き起こしました。 一つは、経済活動の停滞です。さきほどまでの質問で述べたとおり、移動の制限がこれほどまでに経済を停滞させるのだと実感しました。 もう一つは、非接触型サービスの台頭です。技術的にはこれまでも存在することは恐らく誰もが分かっていましたが、積極的に活用するという発想まではなかったと思います。 リモートによる医療機関の受診、オンライン診療は、その最たるものではなかったでしょうか。6か月前までは実施医療機関もあまり広がっていない状況だったと思いますが、新型コロナウイルスの感染拡大により、状況は一変していると考えます。 福祉保健部長も前回の答弁において、交通手段や通院時間に制約がある患者にとっては、通院の負担が軽減されるため、治療を継続しやすくなるなど、メリットがあると認識を示されています。現状ではこれに加え、医療従事者の感染防止、医療機関受診時の二次感染防止に寄与する技術です。 今議会には、商工観光労働部において、ドローンとオンライン診療をあわせた遠隔医療の実証実験が予算計上され、複数のへき地診療所を結ぶ前向きな事業であり、人的にも物的にも限りある医療資源を有効に使う手段の一つになるのではないかと期待しています。 もちろん、オンライン診療は診療の一形態であり、接触して診察しないと分からない場合についてまで、その取組に組み入れる必要はないと考えていますが、医療機関を定期的に受診している場合、診療方針を変えず、投薬治療の継続を行うケースや、患者の変化があまり見受けられない慢性疾患の治療を行うケースなどは、積極的にオンライン診療に切り替えていくべきではないかと考えます。 再度の質問ですが、今後の方向性や導入に対する県のスタンスについて福祉保健部長の見解を伺います。 もう一つは、テレワークの民間導入についてです。状況はこちらも新型コロナウイルス感染拡大により進んできていると思います。企業などのビジネスの世界では、この6か月間、出張の代わりに非接触型サービスを活用し、会議、打合せ、在宅ワークの促進が図られてきました。 今定例会で三浦県議も触れていたように、テレワークの進展は、働き方改革に対しても重大な影響を与えるものであり、特に在宅ワークについては、家事、育児と仕事の両立に資する画期的な内容になることが実証されつつありますが、テレワークになじまない業態も数多く存在します。特に現場を持つ業態については、導入するのが難しいのではないかと考えます。 例えば、私ども旅館もそうです。お客様へのホスピタリティをしっかり打ち出し、宿泊の満足度を上げたり、食事の満足度向上のために食材の厳選をしたりする行為はオンラインで実施するのは至難の業です。同じように人間の技術で売っている製造業や建設業などの第二次産業においても、オンラインではそのすごさが十分に発揮できるとは思いません。 他方で、こうした分野でも営業や打合せ、企業の概要や紹介などはオンラインを有効に活用できるとも考えています。テレワークを含むIT技術は、全てを解決するものではなく、あくまでも一形態を解決するものであると私は考えています。 単純に一律にテレワークを導入するのではなく、どうしたら導入可能か、業務効率を上げることができるかといった創意工夫を示す必要があり、そのためにも専門家の助けも必要であると感じています。 今議会には中小企業等テレワーク導入推進事業が計上されて、県内企業への導入促進のためのモデルの創出と相談窓口の設置などが予定されているようです。県としてテレワークの民間導入について、どのような方針で実施していくのか、県内の状況を踏まえ、商工観光労働部長に見解を伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 オンライン診療についてお答えします。 タブレット端末等のビデオ通話を用いるオンライン診療は、平成30年度診療報酬改定で保険導入されましたが、要件として、一定期間の対面診療が義務付けられていたことなどから、これまで広がらない状況でした。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、時限的な取扱いではあるものの、初診でもオンライン、場合によっては電話でも診断や薬の処方が可能となりました。現在、県内151の医療機関でオンライン診療が実施されています。 議員御指摘のとおり、新しい生活様式に対応していくためには、情報通信技術を積極的に活用していくことが重要で、医療分野においても対面診療を基本としながらも、患者のニーズに即してオンライン診療をうまく組み合わせていくことが必要だと考えています。 今後、医療の質の担保や安全性の確保といった課題も踏まえながら、身近に医療機関の少ない離島やへき地における実証実験も行いながら、オンライン診療の普及に努めていきたいと思います。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 テレワークの民間導入についてお答えします。 春の500社訪問調査によると、県内企業のテレワーク導入状況は約18%です。昨年秋の6.5%から増加したものの、業種別に見ると製造業が約10%、土木、建設業が約7%と導入が進んでいない状況も見られます。 7月6日に開催した大分県働き方改革推進会議では、民間有識者からテレワークの導入に向け、中小企業には外部の相談先が必要、企業の優良事例を収集して発信することが重要などの御意見をいただきました。 こうした状況の中、国のテレワーク環境整備支援制度等も活用しながら、県内中小企業等の導入が進むよう、県として新たに事業を計上しました。具体的には県内にICTの専門家等を配置した相談窓口を設置し、導入セミナーの開催や優良事例の収集、共有を行うとともに、導入が進まない業種を中心にモデル企業の創出を図る予定です。 国ではテレワークに関するKPIを策定する動きもあり、こうした動向を注視しながら、引き続き生産性向上につながるテレワークの導入を促進していきます。 ○麻生栄作議長 太田正美君。 ◆太田正美議員 昨日発足した菅政権において、総理は田村憲久厚生労働大臣にオンライン診療の恒久化を目指すという指示を出したという報道がありました。我が県でも、それを受けてオンライン診療は非常に重要な政策だと考えていますが、県は今後、国の方針に沿ってどのような対応をしていくのか、少し見解を伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 国が恒久化を目指すことで診療報酬も今の取扱いは多分大きく変わってくるかと思います。そうしたことを踏まえながら、オンライン診療の普及はしっかり整えていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 太田正美君。 ◆太田正美議員 どうぞ積極的によろしくお願いします。 次に、テレワークの導入が大分県ではまだ進んでいない状況はよく分かりますが、相談窓口等、積極的に利用して、大分県のIT技術をせっかく県として推進している中で、さすがに大分県というような取組をぜひやっていただきたいと思います。 今回、7月の豪雨災害とそれに追い打ちをかける台風9号、10号で農地が非常に傷んでいます。そして、台風10号はトビイロウンカまで引っ張ってきたという状況で、ちょうど台風の豪雨の後で、農家の方が農地に見回り等に行けない中にトビイロウンカが大量発生し、今年は湯布院まで、この9月前にトビイロウンカが来て、坪刈りをしている状況です。豪雨災害で被災した上に病虫害による被害も多発しており、農家に寄り添ったきめ細かい行政の対応をよろしくお願いします。 一応部長何かありますか。 ○麻生栄作議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 7月の豪雨災害のとき、さきほど言ったように農地農業用施設がかなり被害を受け、その際、営農を継続していただくということで、水の確保をしっかりしましょうという話を職員としました。そういった意味で、被害調査をするときに、ここは多分水が通らなくなるといったところは、しっかり地域と地元と連携して、いかにそれを早くやるかということを両にらみで進めてきました。 さきほど質問にあったように現実的にはマンパワーというか、高齢化等があって順調に進んでいない、あるいは事業者もそれほど多くそこに集中できないといったことで、どうしても通水できないところはあったかと思います。そういったところもありますが、復旧、営農指導含めて、寄り添ってしっかりやっていきたいと思いますし、今お話のあったトビイロウンカについても、防除等徹底するといった営農指導も皆さん方とお話ししながら進めていきますので、引き続きよろしくお願いします。 ○麻生栄作議長 太田正美君。 ◆太田正美議員 防除もしたいですが、雨が続くので、なかなかそれもできないという弱り目にたたり目みたいな現状なので、その辺も考えて今後とも営農指導をよろしくお願いします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○麻生栄作議長 以上で太田正美君の質問及び答弁は終わりました。荒金信生君。  〔荒金議員登壇〕(拍手) ◆荒金信生議員 議席番号42番、荒金信生です。よろしくお願いします。 まず、平成18年4月に開設し、15年もの長い間、東京銀座で大分をPRし続けてきた坐来大分について伺います。 坐来大分は、「食に情報をのせて」をコンセプトに、東京にいながらにして大分の豊かな恵みを味わい、語り合う場となるレストランを目指して運営されてきました。当初は利益が上がらず苦戦したことと思います。広瀬知事をはじめ坐来大分のスタッフの皆さんの努力もあり、徐々に認知度も上がり、平成30年までの5年間は継続して経常黒字を記録してきました。しかし、今年の2月以降は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響もあり、令和元年度の経常収支は赤字となってしまったことは大変残念に思います。 この10数年、自治体のPRも大きく様変わりして、自治体のPR戦略として、ふるさと納税制度とアンテナショップの活用がポイントとなっていると思います。 ふるさと納税は平成20年度に開始されました。自治体のPR戦略として、返礼品競争は年々激化してきました。総務省は令和元年6月から、大臣が指定する基準を作成し、制度の本旨に戻すための対応を取りました。指定には三つの基準がありますが、私が注目するのは返礼品が地場産品であることを強調した点です。この制度の競争に勝ち残るには、よりよい地場産品を提供し続ける必要があります。フラッグショップ坐来大分は、今後も地場産品の高品質化を支援する機能を磨き続けなければならないと考えます。 また、コロナ禍でふるさとに帰省できない人たちに対して、都内のアンテナショップや自治体指定の加盟店で地場産品の購入や地方食材を使った食事にのみ利用できる商品券を返礼品として扱う自治体が登場しています。ふるさと納税とアンテナショップを巧みに使いこなす戦略も必要です。 このように、自治体のPRを取り巻く環境は、ふるさと納税や新型コロナウイルスなどにより急速に変化してきています。今定例会に坐来大分が入居するビルの建て替え工事に伴う移転経費が計上された補正予算が提案されます。 そこで、これまでの坐来大分を総括し、今後も県が推進していくべき大分ブランドの首都圏から全国への情報発信を、坐来大分を通してどのように行っていくのか、知事の見解を伺います。  〔荒金議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○麻生栄作議長 ただいまの荒金信生君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 荒金信生議員から、フラッグショップ坐来大分について御質問いただきました。 坐来大分は、食に情報をのせてをコンセプトに、食や観光など大分の魅力を発信するため、全国に先駆けて高級レストラン型アンテナショップとして開設しました。今年で15年目を迎え、これまで20万人を超えるお客様に利用されてきましたが、現在入居するビルが老朽化に伴う建て替えを行うために、来年3月までの移転を余儀なくされたところです。 移転先は、有楽町にある築2年の新しい商業ビルの3階を予定しています。JR有楽町駅、地下鉄銀座駅から徒歩数分、数寄屋橋交差点近くで分かりやすく人通りも多いことから、フラッグショップとしての機能をこれまで以上に発揮できると期待しています。 これまでの坐来の成果として、まず一つは、おいしい食を通じて豊かな自然や歴史、文化など、大分の魅力を全国に売り込んできたことです。県産品づくしの料理にスタッフがエピソードを添えて提供したり、ゆずこしょう作りのワークショップや市町村フェアに取り組んできました。このような取組が評価され、これまで全国ネットの情報番組や旅行雑誌等で累計1,226回紹介され、その宣伝効果は少なくとも6億3千万円はあったと推計しています。 二つは、生産者への情報のフィードバックによる魅力ある商品の開発です。郷土愛あふれる総料理長らが商品改良等のアドバイスを積極的に行っています。調味料選手権で最優秀賞を受賞した佐伯のごまだしが代表例です。 三つは、農林水産物や加工品の販路拡大です。レストラン型という特徴を生かして、商談会などで飲食店やホテルの料理長、百貨店のバイヤーなどに大分の食材をPRしてもらいました。おおいた和牛や関あじ・関さばなど330件を超える商談が坐来を介して成立しています。 こうしたフラッグショップとしての公益目的を果たしつつ、レストラン経営の安定化にも取り組んできました。徹底した原価管理や効果的な情報発信等により、平成30年度までには5期連続の経常黒字を達成しています。昨年度もコロナ流行前の1月までは、過去最高の黒字となる勢いで推移していたところです。今後も、感染症拡大防止対策に努めながらも、一方、女性客など新規顧客開拓に向けて、限定ランチやネット販売等新たな取組にも挑戦し続け、売上の増を目指していきます。 コロナ禍で大分への移動が難しい中、東京にいながらにして大分を感じることができる坐来の役割はますます重要になっています。ふるさと納税なども戦略的に取り入れながら、店舗の移転を機に、大分の魅力のさらなる発展に努めるとともに、首都圏の県産品取扱店等ともしっかり連携しながら、大分のファンを一人でも多く獲得します。(「ありがとうございました」と呼ぶ者あり) ○麻生栄作議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 東京に行くのが楽しみになりました。歌舞伎座に行った際には、新しい坐来に行ってみたいです。私は微力ではありますが、別府から大分ブランドをしっかりと情報発信し、坐来に届けたいです。 次の質問に入ります。 昨年度、県が実施した男女共同参画社会づくりのための意識調査の結果によると、男は仕事、女は家庭という考え方に同感しない人は56.7%と平成26年度の前回調査と比べ4.6ポイント増加しています。 また、就業面においても、結婚や出産にかかわらず仕事を持ち続けたほうがよいと回答した人は、前回の45.6%から55.1%になり大幅に増加しており、男女共同参画社会の取組は着実に進んでいると言えます。 しかしながら、成長を続けていくためには、多様な能力を発揮できる社会である必要があり、特に女性の活躍は極めて大きな要素です。そのためにも、今後、取組を加速していかなければなりません。 一方で、今年の初めから世界に拡大した新型コロナウイルス感染症は、社会の様々な分野の課題やリスクを浮き彫りにしたように思えます。特に今気になってきていることは、格差や差別、それに伴う社会の分断などによる世の中の不安定な流れです。今年4月に全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は速報値ベースで1万3,272件、前年同月比で約3割増えたという新聞報道を目にしました。新型コロナや災害の頻繁などにより、漠然とした不安を抱えていく中で、立場の弱い人を積極的にサポートすることは、多くの人たちが多様な能力を発揮できる機会を増やすことにもつながり、力強い社会になっていくものと確信しています。特に女性へのサポートは大切なことです。 そこで伺います。現在、県では第5次男女共同参画プランの策定に向けて作業を行っているようですが、その方向性について、知事の考えをお聞かせください。 ○麻生栄作議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 第5次男女共同参画プランについて御質問をいただきました。 「男尊女卑は野蛮の陋習なり。文明の男女は同等同意、互いに相敬愛して、各々その独立自尊を全からしむべし。」と、これは大分の先人、福沢諭吉先生の言葉だそうです。明治の時代にこれだけ明確に男女平等を説き、女性を応援したこの言葉には心打たれます。そして、男女共同参画社会の実現に取り組む覚悟を新たにしています。 大分県では、昨年度末に策定した女性が輝くおおいたアクションプランに基づき、業界別トップセミナーの開催や職場環境の改善等に取り組む企業への専門家の派遣など、きめ細かな取組を展開しています。 また、女性の管理職登用や、働きやすい職場環境づくりに積極的に取り組む女性活躍推進宣言企業は176社に上ります。 本年1月に発表された育児ストレスが少ない都道府県ランキングによると、大分県は女性が何と全国で1位です。男性が2位となっています。これは家庭における男女共同参画の取組の一つの大きな成果だとうれしく思っています。 さて、コロナ禍は、社会の価値観を大きく変え、働き方、暮らし方を見直すきっかけとなっています。家族に対する愛情や近所の皆さんに対する助け合いの気持ちの深まりは、共同参画社会への追い風になるものと考えています。しかしながら、社会不安やストレスに起因するDVの深刻化も懸念されています。こちらは大変心配されるわけです。 このような中、新たな男女共同参画プランの策定にあたっては、三つの方向性を考えています。 一つは、男女共同参画に向けた意識改革です。性別役割分担意識は解消されつつあるものの、社会全体において、男女が平等であると感じている割合は13.9%と、まだまだ低い状況にあります。共同参画に向けた意識の一層の向上を図って、誰もが人権を尊重され、尊厳を持って暮らしていける大分県を目指さなければなりません。 二つは、女性の活躍の推進です。大分県版地方創生の加速前進には、女性の活躍は不可欠です。テレワークなど柔軟な働き方を進め、女性も含めて多様な人材を生かすダイバーシティ社会を実現し、誰もが個性と能力を発揮できる大分県を目指します。 三つは、男女が安心できる生活の確保です。DVや性犯罪、性暴力はあってはならないことです。その根絶とあわせて、被害に遭われ悩んでいる人、困っている人を救うことが大事です。被害者に寄り添い、支援する体制のさらなる強化に取り組んで、誰もが生涯を通じて心身ともに健やかに暮らしていける大分県を目指します。 このような方向性を基に計画を策定し、誰もが互いに尊重し合い、個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の大分県づくりを目指していきます。 ○麻生栄作議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございます。おっしゃられたように女性がしっかり活躍できるようなプランを期待しています。 それでは、次の質問に移ります。 昨年度の大分被害者支援センターに寄せられた相談は784件で過去最高になったとの報道がありました。その相談のおよそ7割は性的被害やDVであったとのことです。また、おおいた性暴力救援センターすみれが昨年度受け付けた相談は454件と一昨年度より233件増加して、その大半が女性の方からの相談であり、長期化する傾向があるようです。 また、さきほど取り上げた男女共同参画社会づくりのための意識調査の結果では、ドメスティックバイオレンスや性暴力を受けたものの、およそ7割の方がどこにも相談しなかったようです。その理由は、DVについては相談するほどのことではないや、自分さえ我慢すれば良いなどの内容が多く、性暴力では恥ずかしさや思い出したくないなど、被害を受けた方が一人で悩んでいると考えると、大変に胸が痛む思いです。事態の深刻化を防ぐためにも、県ではこのような被害に遭われた方が一人で悩まず相談に行けるようにするため、どのような取組を行っているのか伺います。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 女性への暴力に対する相談支援についてお答えします。 DVや性暴力の被害者は、心身に深い傷を受け、誰にも知られたくないといった心理から相談もできず、その多くが潜在化しています。近年は被害の深刻化や長期化の傾向も見られるようです。意を決して相談された方々からは、相談員が裁判所に同行し、代わりに説明してくれて救われた、また、法律相談のため弁護士を紹介してもらい、離婚することができたなどの声が寄せられています。一人でも多くの被害者に寄り添い、解決につなげるためには、まずは相談してもらうことが重要です。そのため、新聞、ラジオなどのメディアや広報誌はもちろん、高校や大学等で開催しているデートDV防止セミナー等で相談窓口の周知に力を入れています。 また、おおいた性暴力救援センターすみれでは、昨年9月に専用のホームページを開設しました。また、DV相談では若い世代向けに5月からLINEやツイッターなど、SNSの活用も開始したところです。 こうした窓口の周知に加え、被害者に対応する相談員のスキルアップも大切で、そのため、研修会や事例検討会を充実させるとともに、警察や教育委員会、弁護士会等の専門機関との連携を図り、相談体制を充実、強化していきます。 ○麻生栄作議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございます。誰も一人にさせないことが大切ですね。皆さんがより相談しやすい体制づくりをお願いします。 次に、障がい者福祉政策についてです。 県では、来年度以降の3年間を対象とする第6期大分県障がい福祉計画と第2期大分県障がい児福祉計画の策定に向けて取り組まれていると伺っています。現在の大分県障がい福祉計画では、障がい者が安心して暮らせる地域生活の推進、障がい者の就労支援、また、大分県障がい児福祉計画では、障がいのある子どもへの支援、その子どもの家庭への支援を柱として施策を展開してきています。 一方で、新型コロナウイルス感染症も発生し、障がい者施策も新たな展開が必要となってきたのではないでしょうか。コロナ禍にあっては、介助が必要で人との距離を取れない障がい者は生活しづらい日々を過ごされていると聞きます。 本県は障がい者施策の先進県であると私は思っています。特に本県には大分国際車いすマラソンという障がいのある人もない人も共に感動を分かち合う場があります。このような土台のある大分県で、これまでの施策と新しい社会環境を合わせた先駆的な取組を行うことが期待されています。まず、これまでの取組を踏まえ、障がい児、障がい者に関する二つの計画策定に向けた方針をお聞かせください。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 大分県障がい福祉計画、大分県障がい児福祉計画についてお答えします。 二つの計画に基づき、障がいのある方々が地域で心豊かに暮らし、働くことができる社会づくりを進めるため、これまでグループホーム整備等による障がい者の地域生活への移行促進のほか、雇用アドバイザー配置等による障がい者雇用の促進、さらには専門医派遣等による発達障がい児の早期発見と支援などに取り組んできました。 こうした中で、新型コロナがもたらした新しい生活様式や先端技術の活用は、障がい者を取り巻く環境に大きな変化を与えています。 例えば、タブレット等を利用することで、聴覚障がい者は外出先で即時に手話通訳を受けられるようになりました。また、コロナ禍で急速に拡大しつつあるテレビ会議システムやアバター等の先端技術は、移動等に制限のある障がい者の社会参加を大きく広げる可能性を持っています。 次期計画は新型コロナが世の中にもたらしたパラダイムシフトも視野に入れながら、障がい者が未来に夢を持ち、安心して生活できる社会の実現につながるものとしたいと考えています。 ○麻生栄作議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。大分県が目指す三つの日本一の一つ、障がい者雇用日本一を奪還する基となる計画ですので、でき上がりを期待しています。 次に、大分国際車いすマラソンについてお尋ねします。 大分国際車いすマラソンは、昭和56年に世界初の車いす単独のマラソン大会として、第1回大会が開催されました。現在は多くの車いすアスリートが集い、しのぎを削る世界最高峰の大会へと成長しました。大会に参加する世界トップクラスのアスリートの力強い走りは、沿道の我々はもとより、選手や観客をもてなすボランティアやテレビで観戦する多くの人々にも深い感動と希望を抱かせてくれます。 今年は、第40回という節目の記念大会となるはずでしたが、新型コロナウイルスの影響で、オリンピック・パラリンピックと同様に、来年に延期することとなりました。一方で、選手や関係者からは、パラリンピックを来年に控える中、真剣勝負の場として開催を希望する声が多く聞かれたことから、感染防止対策のため、できるだけ規模を縮小し、国内在住選手のみの参加で開催する方向と伺っています。多くのスポーツ大会が中止や延期となる中、選手たちの日頃の努力の成果を発揮する機会となる点は喜びの声も実際あって、その決断を称賛するものです。 来年に延期された第40回記念大会については、開催するかは今後の新型コロナウイルスの状況にもよると思いますが、コロナ禍の開催となれば、感染防止策をしっかりと講じる必要があるでしょう。新型コロナウイルス感染症を頭に入れた上での大会として、来年の歴史ある大分国際車いすマラソンの記念すべき第40回大会に向け、県としてどのように盛り上げていくのか、考えをお聞かせください。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 大分国際車いすマラソンについてお答えします。 大分国際車いすマラソンは、県民の皆さんの温かい応援の下、世界中のアスリートが目指す大会として、これまで回を重ねてきました。様々な競技会の中止が相次ぐ中で、障がい者スポーツ発祥の地である本県として、車いすマラソンの灯をつなぐことが何よりも大切と考え、国内在住選手の参加に限定したおおいた車いすマラソン2020を開催することとしました。 感染症の専門家などの御助言をいただきながら、選手、スタッフ等の感染防止対策をしっかりと講じた大会運営を行っていきます。 来年に延期となった記念大会を盛り上げていけるよう、まずは今年の大会に全力投球し、コロナ禍にあってもスポーツに取り組む障がい者の勇姿を広く発信していきます。 ○麻生栄作議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。私も毎年楽しみにしていますが、今年はコロナを吹き飛ばし、来年につながる大会となるよう期待しています。 では、次の質問に行きます。このたびの新型コロナウイルス感染症は、観光産業へ甚大な影響を及ぼしています。私は観光の中でも特にグリーンツーリズムについて伺います。 本県のグリーンツーリズムといえば、発祥の地である安心院での取組をはじめ、多彩な暮らしを体験できるのが特徴です。 令和元年に策定した日本一のおんせん県おおいたツーリズム戦略の中でも、海外誘客や教育旅行をターゲットとして、本県ならではの特色を伸ばしたグリーンツーリズムを推進していくとされています。 しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大はグリーンツーリズムにも甚大な影響をもたらしています。本県で、宇佐市安心院町のグリーンツーリズムで県外の中学生の教育旅行や修学旅行が3月から軒並みキャンセルとなり、売上げの損失は実に年間の9割に当たるおよそ4,360万円となったとの報道があり、県内の農泊事業者の多くは大きな打撃を受けていると思います。 一方で、昨年10月に開催されたラグビーワールドカップでは、多くの外国人が農泊を利用し、大分の田舎暮らしに魅力を感じ、満喫していたと伺いました。そのノウハウは、ラグビーワールドカップ大分開催のレガシーとしてしっかり残っていると考えています。また、今回の新型コロナの影響により、大都市から地方への流れが起こっています。民間の調査によると、都市部の6割の方が農山漁村地域への旅行に意欲を示すなど高まっています。そのニーズが高まった中で、何とか立ち直るように頑張らなければいけないと考えています。 そこで、今回のコロナの影響を踏まえ、観光という面だけでなく農村の活性化にもつながるグリーンツーリズムを、今後どのように取り組んでいくのか、県の考えをお聞かせください。 ○麻生栄作議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 コロナ禍のグリーンツーリズムについてお答えします。 グリーンツーリズムは、農業体験に加え、日本の原風景や伝統文化を味わえることから、交流人口の拡大につながり、地域に活力をもたらします。移住体験ツアーで農泊を利用している市町村からは、地域の魅力を住民から直接伺う機会として参加者に好評と聞き、移住施策での効果も大きいところです。 県はこれまで旅行会社等への誘致活動のほか、海外予約サイトの登録促進、インフルエンサーを招いた体験イベントなどの誘客に取り組み、この10年間で約21万5千人の受入れにつながりました。ラグビーワールドカップでも多くの外国人客が農泊を楽しみました。 今年はコロナの影響により、予約のキャンセルのみならず、感染を恐れて受入自体を中止する農泊家庭もありました。まずできることとして、農泊家庭に対して感染防止策や緊急時の対応などの講座を8月に実施しました。参加者からは、対策のポイントが分かり、受入れに前向きになれたとの声が聞かれました。 コロナを踏まえた新しい旅の形として、開放的な環境での自然体験への関心が高まっています。県では農泊家庭の感染防止の取組を支援するとともに、農泊の推進に引き続き取り組んでいきます。 ○麻生栄作議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。観光といえば別府温泉ですが、田舎のよさがいろいろな視点で見直されています。ぜひ我が町別府とも一緒になって頑張っていただきたいと思います。 次に、コンビナート企業協議会を活用した防災対策について伺います。 大分コンビナートは、全国8か所あるコンビナート企業群の一つで、日本製鉄やエネオス、昭和電工大分コンビナートなど、11もの大企業の工場が集積された企業群であり、生産性の向上のため、原料や燃料、工場施設を連携させ企業群一丸となって競争力を高めています。また、製油所と石油化学の両方の機能を有する九州唯一の石油化学コンビナート地区でもあり、世界有数の水深に恵まれた大分港を活用し、原油タンカーやコンテナ船等が多数、入出港しています。 コンビナート内のおよそ400の事業所では約1万3千人が働いていて、県内の製造品出荷額の約半分を生産する大分県のものづくりの拠点として、本県経済を支えています。 このように、本県にとって重要なコンビナートで5月26日夜に火災が起きました。その火災は出火から約8時間後にようやく鎮火し、けが人や延焼はなかったものの、精留塔は当時、定期修理中で付近に火の気もなく、中身が空であったため、出火原因はまだ調査中です。令和元年9月にもコンビナート内で火災があり、このときもけが人や延焼はなかったものの、燃えたのはプラスチック原料の製造に使う物質で、水をかけると爆発するため、消火活動が難航したと伺っています。 コンビナートはさきほど述べたとおり、工場を集積させることで生産性を向上させ、競争力を強化していくものですが、一たび火災が起きると延焼する可能性が高く、消火にも時間が掛かり、有毒ガス等による周囲への影響も甚大となります。住民の不安解消を図る上でも企業と自治体の連携した取組が重要です。 県では、平成24年に大分コンビナート企業協議会を設立し、企業間の高度な連携による競争力強化を進めるため、企業と自治体が一体となった取組をしています。コンビナート内での企業間の連携は、生産性を向上させるためだけでなく、防災対策としても自治体と連携することが重要だと思いますが、この組織での防災の取組について部長の見解を伺います。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 コンビナート企業協議会を活用した防災対策についてお答えします。 県では、大分県石油コンビナート等防災計画を策定し、区域内の事業所と関係自治体等の連携の下、防災対策に取り組んでいます。毎年秋には地震による火災を想定し、実践的な防災訓練を実施するなど、連携強化と災害対応能力の向上を図っています。 また、大分港における海上の安全対策については、コンビナート企業協議会からの提案を受け、県では船舶の動向把握と情報提供を行うポートラジオの機能強化に取り組みながら、安全な運航管理に努めています。 さらに、協議会独自の取組として、昨年度から、ドローン等先端技術を活用したプラント保安のスマート化への挑戦も開始したところです。 また、これらのコンビナート自身の防災対策はもとより、熊本地震の際には、コンビナート内の製油所が被災地への燃料供給に貢献し、地域の災害対応にも大きな役割を担っていることが再認識されました。 今後もコンビナート企業協議会と一緒になって、スマート化の取組も含め、安全で競争力のあるコンビナートを目指していきます。 ○麻生栄作議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。企業とのしっかりした連携をお願いします。 続いて、コンビナートの護岸について伺います。 コンビナートの防災対策を考えるとき、南海トラフ地震への対策は欠かすことができません。南海トラフ地震については、今後30年以内に70%程度の確率で発生すると予測されており、地震が発生した場合は、太平洋沿岸の広い地域で10メートルを超える大津波の襲来が想定されています。もちろんコンビナート地域にも被害が及び、5メートルと想定されている津波による被害だけでなく、地震による大規模な液状化などにより、甚大な被害をもたらすことが想定されます。 しかし、このコンビナートを津波などから守る海岸施設については、築造後約50年が経過しており、大規模な亀裂や空洞化に伴う陥没など老朽化が顕著となっており、平成29年には国の直轄事業として、大分港海岸直轄海岸保全施設整備事業が採択され、同年の11月には工事に着手しています。 当初の事業期間は約20年とされていますが、コンビナートに立地している企業などにとっては、一刻も早い完成が期待されています。今後、早期完成に向けてしっかりと国に要望していくことが重要ではないかと思います。事業開始から3年足らずですが、現在の進捗状況と今後の見込み、また、期待される効果について改めてお聞かせください。 ○麻生栄作議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 南海トラフ地震に備えた護岸強化についてお答えします。 大分コンビナートを津波などから守る本事業の対象地区は、住吉、津留、乙津、鶴崎までの東西約10キロであり、整備計画延長は約21キロと広範囲にわたります。 このうち先行して着手した津留地区では、地盤改良に続き護岸の倒壊を防ぐ櫛形鋼矢板を設置し、その後、津波を防護する上部工を新設することで、液状化を伴う地震や津波に対して効果を発揮させる構造です。 計画延長6.9キロのうち、今年度末には地盤改良1.9キロ、鋼矢板の設置1.3キロ、上部工0.5キロの完成を見込み、津留地区全体では令和8年度の整備完了を予定しています。 県としては、他の3地区についても速やかに整備が進められるよう、国と連携した地元関係者への説明や海岸保全区域の変更などに順次取り組んでいきます。 本事業により、県経済の要であるコンビナートに加え、背後に居住する1万3千戸、2万8千人の生命や財産、また、緊急輸送道路などを守る効果が期待されるものです。 今後とも、本事業の早期完成に向け予算確保を国に強く要望していきます。 ○麻生栄作議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。コンビナート企業は工業県大分の屋台骨ですので、しっかりと守っていただくよう整備をよろしくお願いします。 以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○麻生栄作議長 以上で荒金信生君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩します。     午前11時47分 休憩  -------------------------------     午後1時 再開 ○嶋幸一副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続けます。井上伸史君。  〔井上(伸)議員登壇〕(拍手) ◆井上伸史議員 皆さんこんにちは。質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。 特に7月の豪雨災害、由布、玖珠、日田の被害が大きく、まず、被災された方々、そしてまた、亡くなられた方々にお見舞い、お悔やみを申し上げます。そしてまた、知事をはじめ、議長、議員の皆さん方、被災地にお出向き、御賢察いただきましたことをまずもって感謝を申し上げる次第です。 今回、災害、コロナ感染症の質問は他の議員さん方と重複しますが、地元の思いを込め質問しますので、どうぞよろしくお願いします。 まず、最初の質問として、本年7月に発生し、私の地元日田市をはじめ、九州各地で多くの被害をもたらした7月豪雨災害関連について、私自身も現地で体験したことを踏まえて、4点にわたり質問します。 今回の災害の特徴はいくつかありますが、何といっても雨量のすさまじさです。報道などの資料によると、7月3日の降り始めから10日午前9時までの総雨量は、日田市椿ケ鼻で1,168.5ミリと非常に激しく、私の体感としても異常な降雨でした。 令和2年7月上旬に観測された降雨量について、昭和57年以降の各月の上・中・下旬ごとの値と比較したところ、7月上旬の対象地点の降水量の総和は過去最高の降水量となり、1時間降水量50ミリ以上の非常に激しい雨の発生回数についても、7月上旬の対象地点のこれまでの記録を超え、今回が最も多い回数となったと報告されています。つまり、短時間で大量に降る雨が1週間にわたり断続的に続いたことを裏付ける分析結果でもあります。このため、河川の氾濫と土砂崩れの多発につながったものと考えています。 今回は特に、河川、治水対策について取り上げます。日田市はこれまでたび重なる水害により、重点的に河川改修を実施していただいており、平成29年に大きな被害をもたらした大肥川、花月川については、これまでの河川改修により、目立った被害はありませんでした。単なる原状復旧だけでなく、さらにその先を見越した復旧がなされたおかげであると地元としても感謝しています。 近年の地球規模の気候変動の影響もあると思いますが、今回の豪雨のように、従来では考えられない気象状況になっており、10年に1度の災害が毎年頻発しています。 災害発生予測が大変難しいのは理解しています。しかし、過去最高と言われる今回の規模を超える災害をある程度予測し、出水に備えた抜本的な対策を検討する必要があると考えます。現在は、7月豪雨災害からの復旧を第一に対策を図っていると思いますが、単なる復旧とせず、工事設計段階から地元の声に耳を傾け、工夫を凝らした対応が重要です。 そこで、今後の治水対策の推進について、今回の災害復旧の状況を踏まえ、どのように取り組んでいかれるのか、知事の御見解を伺います。 次に、道路整備による孤立集落対策についてです。自然災害が多発する状況にあって、地方道路整備は極めて重要です。今回の豪雨災害では、土砂崩れで道路が寸断され、孤立集落が多数発生しました。中山間地域では生活道路として、市内中心部から旧市町村中心部へのアクセスと旧市町村中心部から各集落を結ぶ道路網の整備が欠かせません。 今回の災害では、日田市津江地域を通る国道442号や県道日田鹿本線などで土砂流出がありましたが、日田土木事務所の迅速な対応もあり、最低限の日数で孤立の解消に至りました。 しかしながら、やはり代替ルートを含めた地域道路ネットワークを確立し、集落の孤立を防ぐ災害に強いというより、柔軟に対応できる道路体制を整備していただきたいと考えます。 一方で、道路整備は限られた予算の下、実施に至っていますが、優先順位を付けざるを得ないと理解しています。災害発生の危険箇所を可能な限り把握して、集落から幹線道路へのアクセス状況や利用状況を分析し、県民が納得のいくデータを示すことも必要です。 今年3月に改訂された、おおいた土木未来(ときめき)プラン2015において、小規模集落から幹線道路へのアクセスを改善した集落数の目標値を令和6年度までに150集落としていますが、今回の災害の状況を検証し、目標の前倒しや追加は検討できないでしょうか。一つでも多くの集落でいち早く実現していただきたいし、地域住民はいつ起こるか分からない災害で孤立することを非常に危惧しています。土木建築部長の御見解を伺います。 3点目として、情報通信網の整備についてです。今質問した地域道路ネットワークは、災害時において物理的な移動、輸送、救助、支援のために、集落と幹線道路を結ぶ道路網を整備する必要があります。 他方でもう一つ、今回の災害において地元で困ったのは、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末の不通により、情報通信網が途絶えてしまったことです。停電により、テレビやパソコンを通じて情報が入ってこない。それに加え、今回はモバイル端末も不通となり、携帯電話回線を使った連絡とインターネットからの情報収集に活用することができなくなりました。中津江鯛生地区において、県境をまたぎ6日間の通信途絶状態だったと聞いています。 総務省の毎年の調査において、インターネット利用者の割合は各年齢層で上昇傾向にあり、インターネット利用機器も、スマートフォンを使う傾向が60歳代、70歳代においても顕著に見えてきています。 これは私の地元日田市においても例外ではなく、県、通信業者が連携して通信格差の是正に努めていただいたおかげで、旧日田市内はもちろん、中山間地域である津江地域でもスマートフォンを活用し、インターネット経由で様々な情報を収集する地域住民の姿が見受けられます。 こうした状況を踏まえ、生活に密着しているモバイル端末の利用は、災害時においても重要な情報確保の手段であり、道路網もさることながら、情報通信網についても、災害に柔軟に対応できるように整備を検討する必要があるのではないかと考えます。 今回の豪雨災害を受け、災害時のインターネットなどの情報通信網をいかに確保していくかについて、商工観光労働部長の御見解を伺います。 最後に、JR久大本線の復旧について伺います。今回の豪雨災害により、由布市から日田市に至るまでの広範囲な地域において、複数にわたる箇所でJR久大本線が断線し、甚大な被害が発生しました。 以前の平成29年7月九州北部豪雨において、光岡-日田間の花月川に架かる鉄橋が流失しました。一昨年7月にやっと全線が復旧し、沿線住民の皆さんに鉄道のある日常が戻ってきた矢先の今回の被害でした。それだけに、またかという思いと、今回、前回と違い広範囲かつ複数に及ぶ被害状況に、全線復旧にどれだけの時間と労力がかかるのかと、自然の驚異を前に愕然とする思いが交錯しています。 御存じのように、JR久大本線は、沿線住民にとって職場や学校への通勤、通学や医療機関への通院といった生活に密着した交通手段であり、一日も早い復旧が望まれます。また、この路線はゆふいんの森号に代表される観光列車が走る、日本でも有名な観光路線でもあり、災害とコロナ禍でダメージを受けている観光地を復興させるためにも、なくてはならない重要な路線です。 一方、8月24日にJR九州が公表した令和元年度分の線区別収支によると、日田-由布院間は9,600万円の営業赤字であり、JR九州発足時の昭和62年と比較した1日平均通過人数の減少率は32%となっています。 JR九州側はこの資料の公表意図を、沿線自治体や住民に利用促進を考えてもらいたいとしています。地元が必要性を強調し、JR九州が収益性を主張することとなれば、地元負担に議論が展開する可能性があり、このことがJR九州の業務効率化への布石とも見え、今回の復旧復興に影を差している感が否めません。日田彦山線においても、地元負担がのしかかり、やむなくBRT方式を選ばざるを得なくなったと思います。 今後、JR九州と協議すると思いますが、県として復旧の見通しや地方負担についての御見解を伺います。 今回の災害では土砂崩れも多く、県の復旧・復興推進計画によると、林業関係で約36億円の被害が生じており、そのうち半分以上の約19億円が林地崩壊によるものでした。長年林地の近くに住んでいる者として、二つのことを提案し、御見解を伺います。 一つは、災害時のドローンの活用です。このことは、被災地調査に居合わせた大分大学防災担当の鶴成教授からの話を踏まえ述べますが、なかなか被災地の現場に踏み入ることができない。また、仮に現場に入れたとしても、被災箇所は広域に及ぶこともあり、現地で見るだけではその全容や原因をつかむことが難しく、発災直後であれば二次災害の危険性もあり、困難を極めます。 そこで、現在、工事関係者の中でも多く使われているのがドローンによる空からの現状把握です。既に中津江の災害現場で災害直後、業者の方がドローンの作動をしていました。復旧方法の参考になればということのようです。安全な場所から的確な範囲が撮影でき、場合によっては細かな箇所にドローンが接近し、確認することができます。県でも各土木事務所に配備され、多くのパイロットが養成されていると聞いています。 発生状況の確認をいち早くできるよう、治山対策においてもドローンを活用した現場確認が重要と考えますので、現状の活用状況と今後の方針について伺います。 二つ目は、スリット式治山ダムの整備です。 スリット式治山ダムは、大量の流木が川をせき止めて河川の氾濫の被害を広げることを防ぐため、流木や大きな土石を受け止めつつ、水を下流に流し、激流の制御を図る目的で設置されています。平成3年、風倒木災害をもたらした台風19号と平成5年集中豪雨の災害を受け整備が進み、日田市内にも数多くのスリットダムが設置されています。 今回の豪雨災害においても、その機能が遺憾なく発揮され、流木や岩塊による被害を最小限に防いでいることから、その効果は大きいと思います。安易な方法でも数多くのスリットダムを設置していただきたいと思います。 線状降水帯の通り道となっている本県では、今後も豪雨災害が多発する可能性があります。危険性のある山間部にスリットダムを積極的に整備していただきたいと考えます。 以上、2点の治山対策について御見解を求めます。 以下は対面席から質問します。  〔井上(伸)議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○嶋幸一副議長 ただいまの井上伸史君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 井上伸史議員から、7月豪雨災害に関し、5点御質問をいただきました。 まず私から、治水対策の推進についてお答えします。7月豪雨は天ケ瀬温泉など歴史ある温泉地帯をはじめ、県内各地に大規模な浸水被害や護岸の決壊、橋梁の流出などをもたらしました。これから災害の状況に応じて抜本的な治水対策を加速、前進させていきます。 平成29年の九州北部豪雨で被災した日田市の大肥川や小野川などでは、改良復旧を行ったことにより浸水被害は発生せず、改めてその効果を実感したところです。議員御指摘のとおりです。被災した玖珠川等においても、地元の声を伺いながら十分に協議を重ね、再度災害防止のための機能強化に向けて積極的に取り組んでいきます。 また、筑後川上流の松原・下筌ダムをはじめ、ななせダム、芹川ダムなどにおいて、下流の急激な水位上昇を抑え、浸水被害の低減に効果を発揮しました。現在、本体工事の最盛期を迎えている玉来ダムでは、今年度末の治水効果発現を目指して工事を進めています。 さらに、3か年緊急対策による河床掘削や支障木の伐採についても大幅に予算を増やし、集中的に取り組んでおり、浸水被害の軽減につながりましたが、まだまだ十分とは言えません。緊急対策後の新たな枠組みづくりについても、しっかりと国に要望していきます。 こうした氾濫を防ぐハード対策にあわせ、ソフト対策も充実させ、県民の主体的な避難を後押しします。 昨年度までに県内に水位計を126基、河川監視カメラを82基設置し、リアルタイムの河川状況をホームページで公開してきました。より一層、県民の適切な避難判断を促すために、浸水被害のあった箇所を中心に監視体制の強化に取り組んでいきます。 また、7月豪雨の際に、日田市の高齢者福祉施設の入所者が、被災の前日に避難したおかげで難を逃れることができました。事前の備えが大変重要であり、引き続き要配慮者利用施設の避難確保計画の策定や、それに基づく避難訓練の実施を、県と市町村が連携して支援していきます。 こうした取組に加え、近年の豪雨の頻発、激甚化を踏まえた新たな視点の取組も不可欠です。 まず、河川改修では、その重要度や優先度を取りまとめ、大分県の河川整備の新たな指針となる総合治水プランを策定します。さらに、流域一帯のあらゆる関係者が連携した流域治水プロジェクトを推進していきます。 今後もハード、ソフト両面からあらゆる施策を総動員して、安全・安心に暮らせる災害に強い大分県づくりにしっかりと取り組んでいきます。 ○嶋幸一副議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 道路整備による孤立集落対策について御質問をいただきました。 令和2年7月豪雨で、県及び市町村が管理する道路で1,820か所が被災し、10地区で孤立集落が発生しました。 このため、発災直後から地元建設業者の協力をいただきながら、道路啓開を全力で進め、7月11日には全ての孤立が解消したところです。 孤立集落対策については、議員御指摘の指標のほか、おおいたの道構想2015で道路法面の対策率を指標に掲げています。この指標の対象となる要対策箇所は、熊本地震後の平成28年度に点検し判明した299か所です。 落石等の法面対策については、通常予算に加え、国土強靭化のための3か年緊急対策予算を積極的に活用するなど、進捗を図ってきたところです。その結果、令和2年3月末時点の目標である26%に対し、38%が完了しています。 なお、おおいたの道構想は、今年度、中間見直しを行うこととしており、目標の前倒しを検討していく予定です。 引き続き、孤立防止につながる集落へのアクセス道路の改善はもとより、落石等の法面対策にも重点的に取り組んでいきます。 ○嶋幸一副議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 災害時の情報通信網の確保についてお答えします。 7月の豪雨災害では、通信事業者の電話線や携帯基地局の中継回線の断線等により、スマートフォン等の通信障害が広範囲に発生しました。 通信事業者は、衛星回線を利用した仮設基地局の設置等の応急措置を行いましたが、特に日田市中津江村鯛生地区では、土砂崩れにより道路が寸断され、復旧活動に時間を要したため、県では、国や通信事業者から衛星電話や簡易無線機を借り受け、避難所等に貸し出すことで通信環境を確保しました。 こうした経験から、先般の台風10号対応では、市町村に衛星携帯電話をプッシュ型で配備する措置を取りました。 通信事業者では、災害時にも通信環境を維持できるよう、通信回線等を複線化する冗長化に取り組んできています。今後は、携帯基地局の非常用電源の長時間化や、自治体のハザードマップの見直しに合わせた通信設備地点の再検討等も行うこととしています。 こうした情報通信網の強靭化が県内においても着実に進むよう、国、市町村と連携し、通信事業者に対する働きかけ等に取り組んでいきます。 ○嶋幸一副議長 高屋企画振興部長。 ◎高屋博企画振興部長 JR久大本線の復旧についてお答えします。 JR久大本線は、沿線住民の通勤、通学、通院、買い物などの日常生活を維持していくために必要不可欠な重要な路線です。 また、沿線市町においては、豊かな自然、新鮮な農産物、温泉などを活用し、観光振興に地域を挙げて取り組んできたところです。特急のゆふいんの森やクルーズトレインななつ星in九州が運行するなど、観光需要も非常に高い路線となっています。 このため、県としては被災後速やかに、沿線5市町と連名で、JR九州に対して早期復旧と代替交通の確保について要望を行うとともに、国土交通大臣に対しても必要な協力を要請したところです。沿線住民のためにも、一日も早い復旧が果たされるよう、引き続き、JR九州に対して強く要望していきます。 また、被災した鉄道施設は、JR九州が自らの負担によって復旧することが原則だと考えていますが、いずれにしても、県としては引き続き、JR九州と情報共有を図りつつ、しっかりと連携し、対応していきます。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 私から治山対策についてお答えします。 まず、ドローンの活用です。山地災害の調査は広範に及ぶため、目視飛行のドローンでの全体把握には限界があります。そこでまず、森林管理局などと連携し、ヘリで全容を把握した後、詳細調査にドローンを使用しています。 ドローンは、6つの振興局に1基ずつ配備しています。今回の災害でも大規模な山地災害箇所の約9割で活用し、迅速な調査を行ったところです。今後は操縦可能な職員数を増やすとともに、技術の向上に努めていきます。 次に、スリットダムについてです。平成2年の竹田災害を契機に設置を進め、これまで54基を設置しています。今年度は災害が発生した由布市などで2基の設置を計画しています。 このスリットダムの設置は、流木等の捕捉効果の高い、流れが緩やかで川幅の広い渓流に限定されています。このため、これまでも河川沿い等の立木の伐採や広葉樹林化による流木対策を進めており、7月豪雨でも河川への流出は大幅に抑制されたものと考えています。 今後とも、スリットダム等治山事業の計画的な実施と、河川沿いや尾根の広葉樹林化対策を強化し、災害に強い森林(もり)づくりを推進していきます。 ○嶋幸一副議長 井上伸史君。 ◆井上伸史議員 御答弁ありがとうございます。 災害の予算等については、今回、大型の予算編成、本当に感謝申し上げます。 特に玖珠川沿いの天ケ瀬地域は河川の氾濫に非常に悩まされているところであり、以前、ダムの建設で猪牟田ダム、玖珠ダムを調査したということですが、その後どのようになっているのか、地元から、県から国に再調査してほしいという要望がありますので、その辺はどうでしょうか。 それから、なかなか条件が厳しいところもありますが、導水路で水利を分散して流す、それで災害を防ぐといったことも一つの方法ではないかと思いますので、あわせて伺います。 ○嶋幸一副議長 湯地土木建築部長。 ◎湯地三子弘土木建築部長 猪牟田ダムですが、昭和41年に当時の建設省により予備調査が開始されました。その後、平成12年に国土交通省所管事業の事業再評価により中止と判断され、それ以降の調査は行われていないと伺っています。 玖珠川については、調査が行われたとは聞いておりません。 治水対策は、まず、河道拡幅や掘削などによる河川改修で氾濫を防ぐのが基本です。玖珠川は、改良復旧や河床掘削などにより、河川の流下能力向上を図ります。 ダムの整備については、長期的な視点で検討していきます。 それから、導水路の関係ですが、そういう方法も考えられますので、改良復旧にあたってはいろんな視点で検討していきます。 ○嶋幸一副議長 井上伸史君。 ◆井上伸史議員 かさ上げで果たして防げるか、心配なところもあるので、ぜひともそういった面については、国にあげて詳細な調査をしていただきたいと要望しておきます。 次に、久大線における御答弁ありがとうございました。日田彦山線の話を少ししますが、BRT方式は昨日話があったように、ハード整備が非常に必要だと。今回、一般道を走るので、安全性を考慮しなければいけないし、方針が出たら早く着工していただきたいという地域の要望があります。 それから、福岡県は基金10億円を備えて、沿線の振興策に乗り出すような報道がありましたが、本県の沿線における地域振興策をどのように考えているのか、お聞かせください。 それから、これは大きな話になるわけですが、災害復旧を踏まえて、この際、久大本線を新幹線構想に変えたらどうかという思いもしたわけです。 以前、我が会派の衛藤議員から質問があったように、福岡県と大分県を日豊線で結ぶよりダイレクトにつながることができ、距離的にも短い、工事が安くつく、コストダウンが図られるというお話でした。ぜひともこれもお願いしたいわけですが、決して東九州新幹線構想に反対するものではありません。せめて久大新幹線と名付けて、調査費用を検討いただければ大変ありがたいと思っています。 ○嶋幸一副議長 高屋企画振興部長。 ◎高屋博企画振興部長 まず、日田彦山線ですが、とにかく早期着工が大事ですので、BRTが通る国道211号を私も通ってみましたが、停留所の増設を何か所か、という地元要望があるので、その要望が通るように関係機関と必要な協力を行います。 また、地域振興については、特にBRTの利用が拡大して、地元の方に便利になったというのが大事ですので、あわせて日田市がグリーンスローモビリティという形で、211号側と線路側の住民の間の行き来をやるという実証実験を行う予定です。そしてまた、グリーンスローモビリティは観光にも使えるんじゃないかと、そういう面で地域振興にも、日田市と連携しつつ、必要な協力を行います。 東九州新幹線ですが、議員御案内のとおり、基本計画においては、福岡市を起点として、大分市、宮崎市、鹿児島市を終点とすることだけが決まっています。よって、詳細なルートはまだ決まっていませんが、今後のルート決定は整備計画への格上げが行われた後に、国において費用対効果だとか経済波及効果だとか、建設期間、各都市への所要時間のめど、そういう形での比較検討をされて決まっていくものと考えています。 ○嶋幸一副議長 井上伸史君。 ◆井上伸史議員 ぜひとも久大線等においても調整をつけて、費用対効果について調べていただくと大変ありがたいと思っています。 次に進みます。コロナ禍における社会変革を見据えた施策、移住促進策についてです。 新型コロナウイルスの感染拡大は、暮らしや経済活動をはじめとした社会生活全体に大変革を起こしています。社会的な距離の確保をはじめ、通販、テイクアウトなど非接触型サービスの利用拡大、テレワーク、時差出勤といった働き方の見直しなど、これまでの生活の前提が大きく変化しており、一人一人の生活や仕事に対する価値観も見直されています。 また、価値観の変化は、地方移住に関する意識にも変化を与えています。内閣府がテレワーク経験者や三大都市圏居住者約1万人に対して行った「今回の感染症の影響下において、地方移住への関心に変化はありましたか」という質問に対して、テレワーク経験者のうち24.6%の方が、「関心が高くなった」、「関心がやや高くなった」と回答しています。また、三大都市圏居住者においては、20代を中心として関心が高くなっており、特に東京都23区の20代では、35.4%の方が地方移住への関心を高めています。 また、最近の民間会社の調査によると、オンラインの対応により若者の意識の変化が見られ、大学生7千人のアンケートによると、「働く場所が自由に選べれば地方に住みたい」と答えた人が54.8%、ちなみに、「東京に住みたい」が15.1%と、地方移住への関心があるとの結果ともいえます。 こうした結果は、働く場所を選ばないテレワークの体験が、都会に住み続ける意味について考え直すきっかけとなり、新型コロナウイルスの感染リスクが高い過密な都会の暮らしを避け、より良い住環境や職場環境を求める動きが、若い人を中心に広がっていることを示しています。 いずれにしても、このように都市部を中心として地方移住への関心が高まる中、国において、地方への新しい人の流れを大きくし、東京圏への一極集中を是正するとしています。 具体的には、民間企業の地方への移転を促すため、企業の地方拠点の強化や地方における人材の確保等に係る支援、サテライトオフィスの開設支援等を総合的に進め、地方に魅力的な仕事を作ることとしていることから、今後、観光地やリゾート地で休暇を取りながら仕事を行うワーケーションや遠距離テレワークなど、将来の移住につながる取組が一層進むことが期待されます。 これらの動きは、地方から見れば移住促進の大きなチャンスであり、この機を逃さず、積極的に取組を進めていくべきではないかと考えます。 そこで、新型コロナウイルスの感染状況が先行き不透明となっている現状において、今後の移住促進策の取組方針について、知事の考えを伺います。 次に、福岡に開設した拠点施設について伺います。移住促進策を展開する上で、東京、大阪といった大都市圏で事業を実行することもさることながら、本県にとって一番身近な大都市は福岡県ではないでしょうか。福岡県は九州地方の経済の中心地であり、大学も多く集積しており、高卒後に県外へ進学、就職する方々が多く、本県への移住促進を行う鍵となる地域であると考えます。 報道資料によると、7月30日には、県は九州産業大学とUIJターン就職促進協定を締結し、九州産業大学の学生の県内就職を支援するイベントの開催などに協力するとのことでした。こうした福岡県内の大学との連携協定は、県内高校を卒業した方に対するアプローチだけでなく、県内企業の人材確保にも非常に有効な手法であり、九州産業大学だけでなく、多くの大学に広げていただくことを期待しています。 また、県では福岡からのUIJターンを促進するため、就職イベントを積極的に展開し、学生と企業との多様な接点づくりを図る拠点施設として、本年6月に福岡市中心部にdot.(ドット)を開設したと伺っています。さきほどの大学との連携もさることながら、移住を促進するために、単発的なアプローチではなく、継続的で恒常的なアプローチが必要であり、常駐のスタッフを配置し、断続的にイベントを実施しながら、移住に結び付けることのできる当該施設に期待しています。 新型コロナウイルス感染症の拡大で、4月オープン予定が6月にずれ込んだと聞いています。まだ3か月しか事業実施期間はありませんし、新型コロナウイルス禍の影響で、予定したイベントも自粛せざるを得ない状況かもしれません。その意味で、新型コロナウイルス禍に対応した新たな事業展開が必要になってきます。 そこで、dot.を活用した福岡での事業戦略とこれまでの実績、今年度下半期の事業展開と期待している成果について、商工観光労働部長に伺います。 ○嶋幸一副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 コロナ禍での諸課題について御質問いただきました。 まず私から、移住促進策についてお答えします。現在、地方移住への関心の高まりにより、移住希望者は増加傾向になっています。本県の移住者数ですが、3年連続して1千人を超え、本年度も8月末現在で既に554人と、過去最高だった一昨年を158人上回っています。 こうした状況の中で、新型コロナウイルスがもたらしたパラダイムシフトにより、リモートワークが普及して、家族と過ごす時間も増えるなど、人々の行動や価値観が変化しています。このような社会変容をしっかりと捉え、移住施策に反映し、さらなる移住者の増加につなげていくことが大変大事だと思います。 そのため、一つはワーケーションの普及、定着に向け、企業と大分県のホテルなど宿泊施設をマッチングする実証実験に取り組みます。また、民間企業等が保有する施設を、サテライトオフィスやコワーキングスペースに改修する費用を新たに支援して、働く場としての大分の魅力を利用者にしっかりと発信していきます。 二つは、ターゲットを絞った移住対策です。 先般、大分からの転出者が最も多い福岡県在住の20代から40代までの女性を対象として、大分暮らしの魅力を伝える動画配信を行い、1か月で38万回視聴されました。大分への移住の関心の高さを改めて確認したところですが、今後は視聴者の分析を行って、戦略的に情報発信していきます。 また、7月に福岡の女性を対象に、dot.で婚活セミナーを実施し、翌月に大分の男性とオンラインお見合いを行ったところ、5組のペアが成立するなど、ウイズコロナに対応した移住イベントでも成果が出ています。 三つは、コロナ禍における就職動向に着目した移住施策です。 本年4月の民間会社の調査では、魅力を感じる転職先として、テレワークの環境整備が進んでいる、今後も需要のある業界といった理由から、IT業界が最も人気が高くなっています。 転職者の希望とスキルを持った人材を求めるIT業界のニーズをマッチングさせ、移住に結び付けていく取組を今後検討していきます。 コロナ禍で地方移住に関心が向けられている今こそ、移住加速の好機だと思います。知恵と工夫を重ね、コロナ感染状況の中でも機動的に対応しながら、移住の促進に取り組んでいきます。 dot.の活用については、担当部長からお答えします。 ○嶋幸一副議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 dot.の活用についてお答えします。 福岡県は県内高校卒業生の県外進学先として一番多いことから、県ではUターン移住の最重要地域として様々な施策を展開しています。 dot.は6月2日のオープンから3か月を経過し、1日平均約95人が来訪しています。常駐する若手スタッフ2人が会員拡大を図り、学生会員は今や300人以上となっています。 dot.では定期的にイベントを開催し、これまで学生のキャリア相談や大分の若者が働き方を語るイロンナドットなど、計24回開催しています。オンラインを含め、1日平均約10人が参加しています。 参加者の声としては、就活に前向きになったなど、就職への意識が高まった学生も多いことから、次の段階では県内企業の紹介やインターンシップ等につなげ、県内就職を促進していきます。 今後は、例えば日田出身の学生と日田地域の企業との交流会を開催したり、進路に関する悩みを語り合うなど、学生企画のイベントを積極的に展開したりすることで、学生会員を現在の倍以上に増やしていきます。 また、大学等との連携について、九州産業大学との協定は第一歩です。県出身者が多数在籍する他の大学との協定締結も進めていきます。 ○嶋幸一副議長 井上伸史君。 ◆井上伸史議員 時宜を得たものであると思いますが、先般、日田市出身者である市外に住む大学生と日田市民とでUターン就職を考える意見交換会もやったということですが、そういったことも参考にしながら進めていただければと思っています。 言うまでもありませんが、福岡県と大分県は隣接していますので、あえてdot.を質問したわけですが、福岡県の事業戦略は、大分市直行のみでなく、日田市がその手前にあることを念頭に置いて進めていただきたいと思います。 それから、大分県と福岡市にある大分県事務所とdot.との関わりも、ただdot.だけに任せるのではなくて、やはりそういった事務所との連携を取りながらやると、効果がより一層出るのではないかと思います。 それから、今現在、高速バスの乗り入れで、大分市と福岡市の直行は利便性があると思いますが、大分市からでも福岡市からでも、インターで降りることはできるが、乗ることができないと。日田-福岡の路線バスがあるからかもしれませんが、乗り入れができるようにしていただきたい。 というのも、こういったものが定住促進を考える一つのきっかけになるんじゃないかと思って要望するわけです。そういったことも考えてやっていただきたいと思います。 森林環境譲与税については端折って言いますが、森林所有者の都市への転出につながる山村の過疎化の進行や原木価格の低迷の影響で、管理放棄された人工林が散見される状況が続いています。 国は昨年度から、森林整備の推進や担い手の確保、育成、木材需要の拡大などに取り組む施策の財源として、市町村及び県に森林環境譲与税を配分しており、県内の市町村も本税を活用し、事業を開始したと聞いています。 譲与税は市町村の裁量により、森林整備の推進等の施策に活用できるため、これまでなかなか進められなかった管理放棄された人工林の整備など、森林の持つ災害防止機能の強化につながるものとして大いに期待するものです。 しかし一方で、市町村は林業施策に不慣れで体制も弱いと聞いており、あまり活用できていない市町村もあるのではないかと不安も持っています。 そこで、もう1年たちます。地元日田市でも本税を活用した取組が進んでいると聞いていますが、森林環境譲与税の県内各市町村の活用状況と、県として事業実施主体である市町村をどのようにサポートしていこうとしているのか、御見解を伺います。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 森林環境譲与税についてお答えします。 森林環境譲与税がスタートした昨年度、県は市町村への振興局単位での助言、情報共有のほか、使途の基準となるガイドラインあるいは森林整備の発注における設計積算システムを作成し、配付したところです。 これを受け、今年度、日田市では間伐等への助成をはじめ、また、中津市では市自らが森林管理を行う本県初の森林経営管理権を7月に設定しました。また、九重町等では森林作業道復旧への助成なども行っているところです。 こうしたことから、今年度の市町村への譲与額約7億8千万円のうち、その7割が森林整備などの事業として予算化されています。 一方で、9つの市町村では基金積立が5割を超えるなど、市町村の事業実施体制の構築もやはり急務となっています。 このため、人材の育成に向けて、現在、県の職員を対象として行っている林業技術研修を市町村の職員にも開放するとともに、市町村ごとの個別具体の課題の掘り起こし、あるいは解決に向けて、県の林業普及指導員、さらには関係団体に新たに設置した専任指導員によるプッシュ型支援を実施しています。 こうした取組により、地域課題の解決に譲与税が有効に活用され、森林の適切な管理による山地災害防止機能等の発揮が図られるよう、関係団体とともに連携し、引き続き支援していきます。 ○嶋幸一副議長 井上伸史君。 ◆井上伸史議員 御存じのように、30年、50年を要する森林の整備を市町村が管理できるかという懸念をしているわけですが、その辺をしっかりとやっていただきたいということと、譲与税が今回の集中豪雨の森林に関わる復旧に適用できるのか、県が断ったという話を聞いたんですが、その辺どうですか。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 市町村の職員体制についてですが、やはりどうしても専任の職員がいない等々あるので、そこはしっかりサポートしていきます。 さきほど申し上げたように、関係団体に専任の指導員を置きましたので、県の普及員も含めて、しっかり能力の向上等に努めます。 もう一つ、森林環境譲与税を使った作業道の復旧等については、九重町等でも実施しているので、断ったというのは、私は認識していません。 ○嶋幸一副議長 井上伸史君。 ◆井上伸史議員 この譲与税は森林に関わる者として、今の林業状況において活気づくものと期待しています。山に木を植えて育てて、孫、ひ孫の代に切り、跡地に木を植える。そのことをひたすら継続し続けてきた先人、地域住民が山を守ってきたからです。 しかしながら、少子高齢化に加え、災害と厳しい状況の中、先般、新聞で紹介された「日田杉守る、魂込めて」の見出しの中で、愛情込めて杉を植えれば、50年後には誰かが切り、人に役立つことを信じると話されたようですが、正に林業はそのことに尽きると思います。 これで質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○嶋幸一副議長 以上で井上伸史君の質問及び答弁は終わりました。尾島保彦君。  〔尾島議員登壇〕(拍手) ◆尾島保彦議員 皆さんこんにちは。県民クラブの尾島保彦です。質問の機会をいただき、感謝します。今定例会最後の質問者となりました。これまで14人の議員が多岐にわたる活発な論戦を展開されており、私の質問には一部重複する部分もありますが、よろしくお願いします。 まず、新型コロナウイルス感染防止対策についてです。新型コロナウイルス感染症の対応にあたり、医療従事者や介護従事者といった日常生活の維持に必要な従事者、いわゆるエッセンシャルワーカーには自らの感染リスクという厳しい環境の中、日々感染拡大防止に向けて御尽力いただいています。 このような中、本会派はある医療機関の方からお話を伺いました。この医療機関は感染症指定医療機関や協力病院ではなかったのですが、スタッフからは、医療機関の逼迫具合によっては新型コロナ患者を受け入れる必要が出てくるのではないだろうか、その場合、現状の物資や体制では不安があるといった声や、自分が感染していることを知らずに入院患者にうつしてしまわないか心配だといった懸念の声が寄せられました。 また、PCR検査については、東京都世田谷区で、区内の介護施設職員など約2万3千人を対象に無料で検査を実施するとの発表があったと聞いています。 秋以降、インフルエンザと新型コロナウイルスが同時流行する可能性もある中、現場の医療、介護を崩壊させないためにも、定期的なPCR検査の実施、院内感染や事業所内感染を防止するための措置の徹底など、医療や介護に従事するエッセンシャルワーカーの不安解消につながる対応や、さらなる支援が必要であると考えますが、知事の見解をお聞かせください。 以下、対面席から行います。  〔尾島議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○嶋幸一副議長 ただいまの尾島保彦君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 尾島保彦議員から新型コロナウイルス感染症に関連し、医療従事者等への支援について質問をいただきました。 医療従事者及び介護従事者の皆様方には、厳しい環境の中で、自らの感染リスクと背中合わせで献身的に対応していただいていることに、改めて厚く感謝します。 県内では、これまでに二つの医療機関でクラスターが発生しましたが、早期に収束することができました。また、高齢者施設や障がい者施設では、いまだにクラスターは発生していません。これらも皆様方の御尽力によるものと深く感謝しています。 こうした苦労に報いるべく、県では医療従事者等に対する慰労金の支給を全国で最も早く開始しました。既に約7割の方に支給しており、激励になるといった言葉もいただいています。 今後、秋から冬にかけて、インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念されます。ピーク時には1日に2千人の患者が発熱等で医療機関を受診することが予想されます。 そこで、離島やへき地等の小規模な診療所も含め、身近な医療機関でインフルエンザと新型コロナの両方の診療や検査が可能となるよう、保健所によるきめ細かなバックアップも行いながら、次の3点について、医療従事者等への支援を強化していきます。 一つは、ハード面の感染対策です。感染が疑われる患者とその他の患者が混在しないための施設改修や簡易陰圧装置の設置など、感染対策に取り組む医療機関に対する支援金の交付を既に開始しています。加えて、防護服等の医療資機材について、ピーク時でも3、4か月は持ちこたえられる備蓄を行っています。 二つは、ソフト面の感染対策です。医療・介護従事者の方々に安心して仕事をしていただけるよう、感染防止対策や防護服の着脱実習などの研修を行うとともに、感染管理認定看護師による個別の支援も行っています。 また、施設内での感染者の発生を早期に探知するため、発熱や呼吸器症状のある職員や入所者の人数を常にモニタリングし、増加兆候が見られた場合には、即座にPCR検査を行う体制を敷いています。 三つは、一人一人のメンタル面の支援です。自らも感染のリスクにさらされながら、緊張感を伴う診療や介護が長期間持続しており、日常生活でも制約が多いことから、従事者の皆様にはストレスがかかり続けています。保健所やこころとからだの相談支援センターでは、メンタルヘルスに関する相談窓口を開設し、すぐに相談できる体制を整えています。 今後とも、県民生活や社会の維持に欠かすことのできない医療従事者や介護従事者の皆様と力を合わせて、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行への備えを、スピード感を持って着実に進めていきます。 ○嶋幸一副議長 尾島保彦君。 ◆尾島保彦議員 ありがとうございました。 ハード面、ソフト面、そして、メンタル面での対応で非常にきめ細かいコロナ対策をされていると感じています。 これまでずっといろんな答弁があったわけですが、その中で、検査のできる体制の拡充、あるいはまた、3、4か月持ちこたえられるような物資の備蓄、そして、何よりかかりつけ医等の身近な医療機関で診療や検査ができるといった体制を構築するというお話でした。 それで、私も今、痛風で通院をしていますが、私のかかりつけ医の医院の先生が、これからやはりインフルエンザの流行期になると、自分のところでも検査したり、あるいは検体の採取をしないといけないだろうというお話をされていました。そういった意味では、県がいち早くこういう体制を取っていただいたことは大変心強いと思っています。 ただ、さきほどの冒頭、私の質問でも紹介しましたが、医療関係者の声の中に、今後感染が爆発的に拡大したり、広がったりした場合、指定の医療機関や協力病院になかなか患者を受け入れてもらえないのではないかという不安、そして、何より自分のところの入院患者にコロナ感染者が発生した場合、市中病院の立場として、とても高齢者をよそに出せないと、自分のところで処置するしかないのではないかというお話をされていました。そうなれば、さきほどお話がありましたが、たちまち防護服等の備蓄品が逼迫するような状況になりますので、市中病院の感染者が出た場合の対応についても県の見解を伺います。 それから、PCR検査です。今議会でも随分具体的な内容が報告されましたが、私が心配しているのは、医療機関からお話を伺った際にもあったんですが、自費でPCR検査を受ける場合の対応です。 例えば、濃厚接触者に当たらないことから、自分は近くで話をしたが、医師や保健所の判定でそういった方に当たらない、あるいはまた、業務のために商業用としてPCR検査が必要だといった方々は、やはり身近な病院にどこで検査ができるんですかという問合せを随分されているようです。そういった意味では、市中病院がなかなか返答ができないわけですから、行政検査以外の対象になるというか、希望する方々に県としてリアルタイムでどこに行ったら検査ができる、検体の採取ができる、そういった情報提供をする必要があると思うんですが、いかがお考えでしょうか。 ○嶋幸一副議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 2点お尋ねをいただきました。 まず、感染が爆発的に増えた場合に、一般の民間医療機関で防護服なんかが心配されるんじゃないかということだったと思います。 まず、防護服を含め、感染防止対策に幅広く活用できるように、さきほど知事の答弁にもありましたが、9月から支援金申請の受付を開始しています。この支援金については、全ての医療機関を対象としています。例えば、50床の病床を持つ病院であれば、450万円が補助されると。補助をする中で、各医療機関で必要な感染対策をしっかりやっていただくようにお願いしています。 なお、こうした取組に加え、万一の場合に備え、医療資機材が不足しないように、今備蓄を進めています。 それからもう一つは、例えば、今般、清和病院で院内感染がありました。院内感染を起こした中で、その病院の中でしっかりと特定看護師さんがその患者さんを診られたケースがありました。そうした形で、保健所がしっかりと中に入って指導します。感染対策ですから、防護服もそこで必要な分を用意して持っていって、支援しながら感染対策にあたっています。そういった形で一般の民間病院でもしっかり対応できる体制は作っているつもりです。 それから、自費で検査が可能な機関の提供をリアルタイムでというお話がありました。 まず、経済活動の再活性化に向けて、例えば、ビジネスで渡航を希望される方といった方については全額自己負担での検査ニーズがあるというのは十分承知をしています。全国でも自由診療でPCRと陰性証明を実施する医療機関が増えつつあるというのは聞いています。県内でもビジネス渡航者を対象にPCR検査を行っている病院はあります。こうしたビジネス渡航者などへの検査を行う機関は、経済の再活性化とともに、当県でも今後増加してくることが予想されています。 現在、国ではインターネットでPCR検査の予約ができるサイトを10月中に立ち上げる準備を進めると聞いています。こういった国の動向を見ながら、商工観光労働部とも連携して、県としての情報提供の在り方についてしっかりと検討していきます。 ○嶋幸一副議長 尾島保彦君。
    ◆尾島保彦議員 ありがとうございました。PCR検査は、ぜひネットワークを作っていただきたいと思います。 さきほど少し分かりにくかったと思うんですが、例えば、私の家内が今日傍聴に来ていますが、家内の友人が感染者だったと、家内がその友人と話をして、どうも私もかかっているんじゃないかと保健所に相談したら、いや、あなたは濃厚接触者に当たらないよと断られたと。ところが、主人は県議会議員ですし、もし感染していたら氏名を公表するわけですから、大変心配だと。また、老人のボランティアもやっているので、もしお年寄りに感染させたら大変だと。そうしたときにどこに行ったらいいんですかと、その情報を国の動向を見るのではなく、しっかりと県としてもいち早くどこどこに行ったらこういう検査を受けられますよと。自費でも構いません、自費でも検査をしようと思っている方が随分いらっしゃると思うんですね。そういった方々にしっかりとネットワークを構築して情報提供する体制をぜひ作っていただきたいと思います。 それでは2点目、学校における対策についてです。まず、少人数学級編制について。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、文部科学省の衛生管理マニュアルに基づく、学校での新しい生活様式への対応が課題となっています。このマニュアルでは、集団感染リスク低減のため、いわゆる3密の回避に向けた具体的な対応として、換気の徹底、身体的距離の確保、マスクの着用が示されていますが、このうち身体的距離の確保については、地域の感染レベルが高くなった場合、現行のクラス人数規模では対応できないのではないかと考えます。 本県では、7月末から感染が再び広がり、生徒や教職員にも感染者が発生しました。今後も感染拡大が想定される中、身体的距離の確保を保つためには、少人数学級の実現が不可欠であると考えます。 現行では、小学校1、2年生、中学校1年生で30人学級が導入され、県立高校でも一部の学校で30人・35人学級が導入されていますが、今後のウイズコロナ、アフターコロナを見据えた、公立学校における少人数学級編成の拡充についてお聞きします。 二つ目は、特別支援学校職員の負担軽減についてです。 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、特別支援学校ではスクールバスが増便されているのですが、添乗業務を行う方が専任で配置されている通常のスクールバスと異なり、増便されたバスには教職員が交代で添乗しています。 特別支援学校の児童生徒の中には、環境の変化に敏感な子もおり、毎日違う大人がバスに同乗する状況は、子どもたちに大きな不安を与えることになるため、このような状況が続くことは望ましくないと私は考えます。 そこで、児童生徒の安全・安心、教職員の負担軽減のために、増便されたスクールバスへ、通常のスクールバスと同様、添乗員を配置してはどうかと考えますが、見解をお聞きします。 また、特別支援学校職員は、添乗業務以外にも、新型コロナウイルスの感染症対策のため業務が増え、負担が増しています。 学校全体の消毒もその一つです。文部科学省の衛生管理マニュアルでは、感染経路を断つための清掃、消毒に関し、通常の清掃活動の一環として、発達段階に応じて児童生徒が行っても差し支えないとされていますが、特別支援学校では児童生徒に細心の注意が必要なため、全職員が学校全体を消毒しなければならず、現場は疲弊しています。 授業準備や児童生徒の心のケアに時間を割くなど、児童生徒に向き合う時間を確保するためには、教職員の負担軽減が必要と考えます。文部科学省のマニュアルには、清掃活動の一環で消毒を行うことについて、スクールサポートスタッフ等、地域の協力を得て実施することも考えられるとありますが、特別支援学校における消毒作業の協力支援体制をどのように構築していくのか、見解をお聞かせください。 続いて、定時制・通信制高校に通う生徒の生活支援についてです。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、アルバイト収入が大幅に減少し、修学の継続が困難になっている大学生等に対して、国から学生支援緊急給付金が支給されることとなっています。 しかし、この給付金の対象に、働いて家計を支えたり、自立を余儀なくされている定時制や通信制の高校生は含まれていません。アルバイト先の休業など、家計への影響が長期化していることもあり、こうした生徒にも何らかの支援が必要と考えます。 熊本県では、国の学生支援緊急給付金に独自の上乗せを行っており、その対象に全国で初めて定時制・通信制の高校生、専修学校生を加えたと伺っています。 そこで、本県で、働いて家計を支えたり、自立を余儀なくされている定時制・通信制高校等に通う生徒の状況をどう認識し、どのように支援していくのか伺います。 ○嶋幸一副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 3点についてお答えします。 まず、少人数学級編制についてです。 現下の教員を取り巻く環境は、大量退職、大量採用の非常に厳しい状況にあって、大学の教育学部の定員が削減されたまま、定年延長もいまだ確定をしていない中で、再任用、再雇用を最大限呼びかけて対応しています。 そのような中で、新型コロナ感染症予防対策として国の第2次補正予算を活用して小中学校には22人の教員を追加配置するとともに、スクールサポートスタッフなどの全学校配置を進めており、感染予防、拡大防止に向けた取組を行っています。 少人数学級は、人件費だけでなく、小中学校を中心に教室などのハード整備に多額の財源が必要ですが、政府の教育再生実行会議の初等中等教育ワーキンググループの初会合では、新型コロナ感染症を踏まえた小中高校の学びの在り方について、少人数によるきめ細かな指導体制や施設設備等の環境整備を進める方向で議論していくことが合意されました。 今後の議論の動向を注視するとともに、国に対して、構造的な教員不足を改善し、少人数学級を推進することや教育環境の整備について要請します。 次に、特別支援学校職員の負担軽減についてです。 現在、通学時の密集状況を解消して、感染リスクの低減を図るため、スクールバスを運行している特別支援学校12校のうち、利用者の少ない1校を除いて、増便して運行しています。 運行中の見守りに加え、乗車前の検温確認、乗車中のせきエチケットの支援などを行う必要があるため、障がい特性を理解し、対応に慣れている教職員が添乗しています。 県内での感染リスクは依然として続いていることから、今年度末まで増便を延長することとなり、また、期間が長期にわたることから、教職員の負担軽減を考慮し、添乗員を配置することとしました。 また、同様にスクールサポートスタッフを配置して、消毒作業などの業務支援にあたることとしています。 いずれも、現在ハローワークを通じて募集を行っており、既にスクールサポートスタッフについては9校に配置できました。 次に、定時制・通信制高校に通う生徒などの生活支援についてです。 働きながら県立の定時制高校に就学している生徒について、今回改めて聞き取り調査を行ったところ、在学生616人のうち、アルバイトなどに従事している生徒は221人、35.9%で、そのうちコロナで待機、収入減、バイト先の変更など影響を受けた生徒は93人、42.1%となっています。 解雇、退職に至った者が7人いましたが、そのうち6人は、すぐに各学校の支援を得て他のアルバイトに就き、1人は経済的な困窮もないので、引き続き状況を見守っています。 経済的な修学支援については、まず、コロナ禍などにより家計急変した世帯に対して、年額3万6,500円から12万9,700円を支給する制度が創設され、随時申請を受け付けています。 加えて、アルバイトなどに継続して従事せざるを得ない生徒には、県単独で月額1万4千円を貸与し、卒業すれば返還免除される修学奨励金制度も実施しています。また、県奨学会では奨学金の緊急貸与も可能ですが、今のところこれについての相談等はありません。 引き続き、各学校からの案内やホームページなどにより制度の周知を図り、生徒の就学継続を支援します。 ○嶋幸一副議長 尾島保彦君。 ◆尾島保彦議員 ありがとうございました。 まず、少人数学級については、この前も猿渡議員から出て、少人数学級は教職員の確保、あるいは教室増に伴うハード面の整備、大変多額の財源がかかるので、今後とも国に要請をしていくという答弁で、今日もそういった答弁でした。 ただ、この前から話が出ている政府の中教審の答申、政府の教育再生会議ワーキング・グループの答申がありました。この答申の中で、少人数学級を今後令和スタンダードにしていこうと報道されているわけですが、ぜひ国に先駆けて、大分でも「教育県大分」の創造のために、大分スタンダードを作っていく、そういった決意で、ぜひ少人数学級の確立に向けて取り組んでいただきたいと考えています。 それから、支援学校の教職員の負担については、非常に満足な回答でした。添乗員の募集、あるいはスクールサポートスタッフの募集と手厚い手当をしていただいていますので、今後も引き続いてお願いします。 それから、定時制・通信制に通う高校生の生活支援について、さきほど教育長からアンケートの結果が示されたわけですが、ちょうど6月議会でも馬場議員から爽風館高校の定時制に通う生徒の状況が示されていました。ここでもコロナの影響を受けてアルバイトの日数が減ったとか辞めたという人が大体45%ぐらいですから、アンケートを取った中では、さきほどの教育長の答弁と似通った人が影響を受けているのではないかと思います。 また、質問の中にあった熊本県の制度を創出するにあたって、熊本の教職員組合が取ったアンケートでも、大体41%ぐらいの方がコロナの影響を受けてアルバイトの収入が減ったという報告がなされていました。ただ、定時制や通信制高校の年齢層は様々ですし、また、それぞれの事情を抱えながら必死に学ぼうとしています。そうした生徒の皆さんに支援の手を差し伸べる、これは非常に大切なことですから、現状を踏まえて、さらに支援体制が必要であれば、今後も十分に検討していただきたいと思います。以上、要望で結構です。 それでは、2点目の質問に入ります。 災害廃棄物の処理についてです。 今回の7月豪雨は、河川の氾濫などによる600を超える住家の浸水被害や、崖崩れ等による500を超える住家の損壊など、大きな被害をもたらしました。被災された皆さんには、心からお見舞い申し上げます。 さて、一たび災害が起こった場合には、速やかに復旧を行い、県民生活の安心を取り戻していくことが重要だと考えますが、まず第一歩は、がれきなどの災害廃棄物の処理になろうかと思います。 災害廃棄物の処理については、基礎自治体である市町村が一義的に行う事務であるため、国では、災害時に迅速な処理ができるよう、2016年に全国の市町村に災害廃棄物処理計画を作るよう求めています。 今回のような、広範囲に影響が出る浸水被害では、畳や家電などが廃棄物と化し、その量も膨大なものになると思われるため、私は市町村単位での体制に加え、いざというときに広域で調整できる仕組みも重要だと思っています。 また、近年、地球温暖化の影響による豪雨災害が頻発する状況に鑑みると、一旦作成した計画であっても、想定外の状況を勘案し、適宜見直すことにより、いざというときに実際に使える計画であることが最も重要なことではないでしょうか。 そこで、まず、災害廃棄物処理計画の策定状況と広域連携の仕組みについて、県内の現状をお聞かせください。 あわせて、県は、今回の災害も踏まえ、災害時に、よりスムーズな廃棄物処理が可能になるよう、今後どのような取組を行っていこうとしているのか、考えをお聞かせください。 ○嶋幸一副議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 災害廃棄物の処理についてお答えします。 市町村の災害廃棄物処理計画は、現在、16の市町で策定済みで、本年度中には全ての市町村で策定が終わる見込みです。 災害廃棄物を適正かつ円滑に処理し、早期の復旧・復興につなげるためには、議員御指摘のとおり、広域連携の仕組みが必要不可欠であり、県では、市町村や近隣各県との広域支援協定を締結しています。 また、専門業者の経験や能力を活かし、廃棄物を迅速に処理するため、一般社団法人大分県産業資源循環協会など関係団体と応援協定も締結しています。 7月豪雨では、この協定に基づき仮置場の運営や運搬、処理を当協会が支援したほか、処理困難な畳等に関しては、セメント工場で処理するなど連携して対応した結果、スムーズな処理ができたと考えています。 市町村は、発災直後から職員が迅速かつ的確に業務を遂行できるよう廃棄物処理マニュアルの策定を進めています。県としては、今回の災害対応で得た知見、経験等を基に、市町村のマニュアルがより実効性のあるものとなるよう、その検証、見直しを支援します。 さらに、ワークショップ形式の研修会や図上訓練を定期的に開催して、自治体と関係団体の連携を強化するとともに、職員のスキルアップを図るなど、平時の取組を充実させ、より激甚化する災害への対応能力を向上させていきます。 ○嶋幸一副議長 尾島保彦君。 ◆尾島保彦議員 ありがとうございました。県下各自治体は災害処理計画はほぼ出来上がっていて、広域連携の資金もしっかりと取り組まれている。そういったことでは非常に大分県はすばらしい先進的な災害対応県だなと感謝をします。 ただ、いろいろテレビ等で見ていると課題もあると思います。 一つは、仮置場へのごみの搬入。この仮置場には、被災した住民が自ら持ち込む住民用仮置場、粗選別をするための一次集積所、そして最終的には、粉砕とか焼却等を行う二次集積所といったものがあると思うんですが、第一次集積所がやはりレイアウトの悪さとか、あるいは進入路の少なさといったものが背景にあって、なかなか廃棄物を捨てようにも、車が列をなして1日に1回しか捨てられなかったという報道がありました。こういったものを、さきほど処理マニュアルの策定の中で県もしっかりと監視したいという話があったんですが、ぜひ県として、一時的には市町村の事務ですが、しっかりと助言や、あるいはまた支援ができるようにお願いします。 それから二つ目には、大規模災害ではさきほど言った一次集積所、あるいは二次集積所によって、県が各自治体から事業委託を受けて、事業を受託して、それから、ゼネコン等に対しての委託をするといった処理が必要になってくるのではないかと思うんです。 県の処理計画を見ると、廃棄物処理事務委託マニュアルを策定して大規模な災害に対応することになっていますが、その辺の策定状況についていかがでしょうか。 ○嶋幸一副議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 大規模災害時等に県が市町村の事務の受託を受けるような手続マニュアル等の整備の状況かと思います。 現在、県でも、災害廃棄物処理計画があります。そして、その計画の中に、地方自治法に基づく災害廃棄物処理の受託を行う場合の具体的な事務手続について規定されているので、実際に市町村からそういった要請を受けた場合は、県の災害廃棄物処理計画に基づいて手続を行っていくことになります。 ○嶋幸一副議長 尾島保彦君。 ◆尾島保彦議員 3番目に移ります。 農業大学校における大型特殊免許取得機会の拡大についてです。 昨年4月、農耕用トラクターについては、道路運送車両法に基づく保安基準に緩和措置が設けられ、幅広ロータリー等の作業機を装着したトラクターが、灯火器類などの一定の条件を満たした場合に、公道走行ができるようになりました。 農耕車は、全長4.7メートル、全幅1.7メートル、全高2メートル以下、速度が15キロ以下については、これは普通免許、小型特殊免許で走行が可能ですが、さきほど申した、どれか一つでも超えると大型特殊免許、いわゆる大特免許が必要になります。特に、ハローと呼ばれる代かき専用の幅広ロータリーは、ごく普通にトラクターに装着されていることから、最近、大特免許取得者が相次いでいます。 大特免許の取得方法としては、運転免許試験場での受験のほか、指定自動車教習所である県下7か所の自動車学校での教習受講、大分県立農業大学校での研修受講によるものがありますが、免許試験場でのいわゆる一発試験は極めて合格が難しいこと、自動車学校の講習については10数万円の費用かかかること、農業大学校では試験日数が少なく、対象者も限定されるなどの課題を抱えています。 大特免許の取得は、農業者にとって欠かせないものです。県下では、とりわけ豊肥地区には大型免許を取得できる自動車学校がありません。農業大学校の大型免許取得対象者は、新規就農希望者や認定農業者と伺っていますが、この機会に農業大学校で免許を取得できる対象者を拡大し、試験日数を増やすなど免許取得機会の拡大を図るべきではないかと考えますが、考えをお聞かせください。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 農業大学校における大型特殊免許の取得機会についてお答えします。 農業大学校では、県農業の担い手育成を図る教育、研修を実施しています。その中で、農耕車限定の大型特殊免許の取得を目的とした研修を年に5回、延べ75日開催しています。 また、大型特殊免許以外にも、牽引免許研修をはじめ、教習用のコースを使用する農業機械関係研修を延べ100日ほど実施しています。 一方で、さきほど御質問にあった昨年4月の保安基準緩和の適用を踏まえ、県では、JAグループからの相談を受け、農業大学校の研修に支障を生じさせない範囲で、その施設、機械を活用した免許取得機会の拡大を進めることとし、新たな指導官の招聘や県警からのさらなる試験官派遣の確保に取り組みました。 これにより、今般新たに、JAグループ主催による農業大学校の施設、機械を活用した、農業者一般を対象とする免許取得講習会が開催されることとなりました。 今後とも、県農業を担う農業者の育成を図るため、農業大学校の適切な運営を確保しつつ、農業団体や関係機関と連携して、各種研修機会の充実を図っていきます。 ○嶋幸一副議長 尾島保彦君。 ◆尾島保彦議員 ありがとうございました。大特免許は土木作業機等にも必要ですから一概に言えないんですが、手元にいただいた資料を見ると、平成30年度新規取得者が410人、去年は444人でした。今年は1月から7月までで、既に538人と急増しています。 ちなみに、農繁期前後の4月から7月を見ると、昨年が176人だったものが今年は425人、実に2.4倍の取得者が増えたことになっています。まだまだ免許を必要とする方もいると思いますので、さきほど答弁にもあったように、こういう試験機会の拡大は、非常にありがたいと思っています。 ただ、自動車学校でもそうですが、試験期間が大体7日間ぐらいかかります。教習に6時間、試験日がありますから、農業大学校まで県下各地から通うのはなかなか難しいと思いますので、できたら、いわゆる合宿コース、2泊3日ぐらいで取得が可能な、そういったこともJAとともに協議いただきながら、考えていただければと思っています。 お願いになりますが、そういう機会が増えれば、各自治体やJA、そして、農機具メーカーといったところを通じて、ぜひ農業者の方々に周知いただきたいと思っています。 4番目、教育課題について質問します。 インクルーシブ教育の推進についてです。 障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例では、全ての県民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現し、もって誰もが安心して心豊かに暮らせる大分県づくりに資することを目的としています。 条例の第16条には、「教育委員会及び校長、教員その他の教育関係職員は、障がいのある人が、その年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育を受けられるようにするため、教育上必要な支援を講じなければならない。」とあり、文部科学省もインクルーシブ教育を推進しています。 現状では、義務教育課程で特別支援学級へ通う生徒が増えていますが、その後の進路はどうなっているのでしょうか、お聞かせください。 私は、障がいのある人に対して、社会的な障壁を作り、差別を行うのは、多数派の障がいのない方々であると考えます。 共生社会を実現するためには、障がいのない方々が合理的配慮を実践していくしかありません。教育でも、障害者の権利に関する条約の本来の主旨である、同じ場所で教育を受けることを実現し、合理的配慮を実施していくことが必要です。 そこで、障がいのある子どももない子どもも一緒の教室で学ぶ環境整備をどのように進めていこうとしているのか、あわせて考えをお聞かせください。 次に、学校におけるICT支援員の配置についてです。 本年度中に各学校では、生徒1人1台のタブレットが配置される状況となります。本格的にICTを活用した教育活動が導入されることになりますが、学校にはICT機器の利用にあたり、専門家はまだ十分に配置されておらず、教職員の負担が大きくなることが危惧されます。 文部科学省のICT支援員の配置に関するパンフレットでは、「限られた時間の中で、教師一人ひとりの授業準備や、自己研鑽等の時間を確保するとともに、意欲と高い専門性をもって、今まで以上に一人ひとりの児童生徒に丁寧に関わりながら、質の高い授業や個に応じた学習指導を実現するためにも、専門スタッフとしてのICT支援員を配置し、役割分担を明確にすることが必要です。」と盛り込まれています。 そこで、ICT支援員の配置をどのように考えているのか、お聞かせください。 ○嶋幸一副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 2点についてお答えします。 まず、インクルーシブ教育の推進についてです。 中学校特別支援学級卒業生は、平成27年度の153人から昨年度は202人へと増加しています。昨年度、卒業生の進路は、118人58.4%が高等学校に、75人37.1%が特別支援学校高等部に進学をし、9人4.5%が在宅などとなっており、年々高等学校への進学者数が増加しています。 県立高校では、平成30年度から特別支援教育支援員の配置と通級による指導を開始し、現在、7校に7人を配置して学習支援にあたっています。 また、小中学校では、個別の指導計画の作成、活用を図るために、今年度から推進教員8人を配置して、通常の学級における指導や合理的配慮の提供に取り組んでいます。 最近、発達障がい等配慮の必要な児童生徒はとみに増加していますが、全ての学習を通常の学習で共に学ぶよりも、特別支援学級や通級指導教室を希望する保護者が増えており、教育を提供する側もこの変化に柔軟に応えていかなければいけないと考えています。 県では、教育的ニーズに応える物的、質的な環境を整えて、引き続き障がいのある児童生徒の学びの場を充実したいと考えています。 次に、学校におけるICT支援員の配置についてです。 1人1台端末の整備に伴い、喫緊の課題である教員のICT活用能力の向上のための、研修の早期実施と現場のサポート体制の構築に取り組んでいます。 一つは、教育センターの研修の多くをセンター受講から教育事務所や各学校でのオンライン研修に切り替えて、受講機会拡大を図るとともに、今月からはオンライン授業の効率的な進め方について、独自研修する大分市を除く全ての小、中、義務教育学校から1人が受講して、各校では受講者が研修内容を伝達し、徹底を図っています。 また、教員の指導力向上には外部の専門人材の活用が有効であることから、14市町村が35人のICT支援員を配置しています。県立学校でも、各校を巡回し、端末の操作支援、教材作成支援などを行う支援員2人を配置します。 さらに、ICT教育支援アドバイザー2人が、県全体のスキル向上を図るために、活用の優良事例の紹介や最新の情報提供、ICTを活用した授業作りなど、県立、市町村立の学校を問わず支援していきます。 このように研修の充実と外部人材の活用によって、早急に体制整備を進めていきます。 ○嶋幸一副議長 尾島保彦君。 ◆尾島保彦議員 ありがとうございました。 まず、インクルーシブ教育で現在の中学校の支援学級を出た生徒の進路先の報告がありました。 全体的には生徒が増えている中で、普通高校に進学する人が伸びて、高等部に進学する人は横ばいという傾向ではないかと思うんですが、児童生徒が減少する中で、なぜ支援学級に通う子どもたちが増えているのか。さきほど発達障がいなどで親が通わせたいということを言われましたが、この辺が少し疑問です。 それから、全体的には支援学校に通う児童生徒が増えていると思いますので、小学校1年生から支援学校に通う生徒の最近の傾向が分かれば教えていただきたいと思います。 それから、ICT支援については、職員の研修の充実とか外部人材の登用と、きめ細かに対応されているようですが、それでも、ICTは日進月歩しており、現場の先生方がなかなか技能や技術がついていかないという状況も伺っているので、県立学校の支援員、あるいはアドバイザー、短期的でも構いませんので、少し増強するようなこともお考えいただければと思います。 ○嶋幸一副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 障がいのある生徒等の最近の傾向はどうかというお話かと思います。特別支援学級に通わせたい保護者が多いのはどうなのかというお話でしたが、近年、特に増えてきているのが、自閉症や情緒障がいの児童生徒です。やはり医学的な診断がはっきり分かるようになってきていることも一つの背景にあるかもしれませんが、そういう子どもたちが極端に増え続けていることです。特別支援学校に行くまでの状況にはないが、つまり、知的には大丈夫だが、そういったことで学びにいろんな障がいを抱えているので、そういう子どもたちは特別支援学級でカバーをしてもらうほうが、より成長が期待できるという保護者の期待感が最近は特に強くなってきているような状況にあります。 特別支援学級そのものをもっと増やせという議論も、同じ会派の議員からも昨年いただき、我々も実は一気に増やしたいなと思いましたが、さきほど言ったように、絶対数を確保する、その中で、ぎりぎりでできるところで今の学級数の増加を図ってきたところであり、昨年よりも特別支援学級は小中合わせて45学級増やした状況もあります。できるだけそれぞれの事情を酌みながら対応したいと思っていますが、今言ったような厳しい状況もあることで、御理解をいただきたいと思います。 それから、ICT支援に関して、おっしゃるように、次々にいろんな技術、またソフトができて、それをカバーしていく、追いついていくことはなかなか大変な状況ですので、さきほど言ったように、支援員、そして、アドバイザーは新しい知見をしっかり学校に届ける役目をしてもらいますから、そういう人たちに最大限に活躍してもらって、スキル全体を上げていきたいなと思います。 ○嶋幸一副議長 尾島保彦君。 ◆尾島保彦議員 ありがとうございました。 それでは、最後の質問です。国民健康保険制度における県の役割についてです。 国民健康保険制度については、2018年度から、財政基盤の県単位化が行われ、大分県も県内市町村とともに、保険者となりました。 この間、県は、市町村との連携の下、市町村の急激な負担増にならないよう、激変緩和措置を講じ、また、療養給付費等が財源不足とならないよう、国保財政の安定的な運営に努めてきたと伺っています。 さて、今般、市町村では、新型コロナウイルス感染症の影響により一定程度収入が下がった方々への国民健康保険税の免税措置が導入されましたが、今回の制度導入に際して、県はどのような役割を果たしたのでしょうか。 このような状況のときこそ、市町村が足並みをそろえて事業に取り組めるよう、県が保険者としての中心的役割を果たし、県民にとって、よりよい制度となるよう努めていくことが必要と考えますが、見解をお聞きします。 ○嶋幸一副議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 国民健康保険制度における県の役割についてお答えします。 新型コロナウイルス感染症に関し、保険者である市町村が行う国保税の減免について、県は、国からの財源補填があることなどの情報の提供や他の市町村の取組状況の提供など、市町村の対応を支援してきました。 現行の国保制度では、県は財政運営の責任主体であるとともに、事務の標準化、広域化等を推進する立場にあります。 これまで、市町村と協議しながら、被保険者証の様式等の統一や、70歳以上世帯の高額療養費申請の簡素化など、事務の効率化や被保険者の利便性の向上を図ってきました。 また、医療や保健データ等を分析し、明らかになった地域の健康に関する課題を市町村に提供することで、保健事業の実施を支援してきました。 さらに、糖尿病性腎症重症化による新規透析患者を抑制するため、大分大学、県医師会と協定を結び、大学病院の専門医、かかりつけ医及び市町村のそれぞれの連携を促進しています。 今後も県と市町村とがそれぞれの役割を果たしながら連携し、国保制度の安定的な運営を図っていきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 尾島保彦君。 ◆尾島保彦議員 ありがとうございました。 原田議員より、県内保険料水準の統一を求める質問が出ていました。私は保険料に加えて、事業の平準化、さきほど事務を進めるといった話がありましたが、こういうことも必要ではないかと考えます。 各市町村には、これまでの経緯、歴史がありますから、なかなか今すぐに全ての事業を平準化するのは難しいと思いますが、県が国保の財政運営の責任主体になったわけですから、県内市町村間の国保事業の平準化に積極的に取り組んでいただきたい。そして、保険料水準の統一にも努めていただきたいとお願いし、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○嶋幸一副議長 以上で尾島保彦君の質問及び答弁は終わりました。 これをもって一般質問及び質疑を終わります。 ただいま議題となっています各案のうち、第80号議案から第95号議案まで及び第4号報告、第5号報告並びに今回受理した請願2件は、お手元に配付の付託表及び請願文書表のとおり所管の常任委員会に付託します。 なお、他の委員会にも関連のある案については、合い議をお願いします。  -------------------------------付託表件名付託委員会第80号議案令和2年度大分県一般会計補正予算(第6号)総務企画 福祉保健生活環境 商工観光労働企業 農林水産 土木建築 文教警察第81号議案令和2年度大分県港湾施設整備事業特別会計補正予算(第1号)土木建築第82号議案行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用等に関する条例の一部改正について総務企画第83号議案大分県税条例の一部改正について総務企画第84号議案知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例の一部改正について総務企画第85号議案大分県住民基本台帳法施行条例の一部改正について総務企画第86号議案大分県の事務処理の特例に関する条例の一部改正について総務企画第87号議案美しく快適な大分県づくり条例の一部改正について福祉保健生活環境第88号議案大分県新型コロナウイルス感染症対応中小企業事業資金調達支援基金条例の制定について商工観光労働企業第89号議案大分県産業振興条例等の一部改正について商工観光労働企業第90号議案職業能力開発校等の行う職業訓練の基準等を定める条例の一部改正について商工観光労働企業第91号議案県道の構造の技術的基準等に関する条例の一部改正について土木建築第92号議案大分県河川プレジャーボート等係留施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について土木建築第93号議案大分県立学校職員及び大分県市町村立学校県費負担教職員定数条例の一部改正について文教警察第94号議案物品の取得について文教警察第95号議案工事請負契約の締結について文教警察第4号報告令和2年度大分県一般会計補正予算(第4号)について総務企画 福祉保健生活環境 農林水産 土木建築第5号報告令和2年度大分県一般会計補正予算(第5号)について総務企画 福祉保健生活環境 商工観光労働企業  ------------------------------- △日程第2 特別委員会設置の件 ○嶋幸一副議長 日程第2、特別委員会設置の件を議題とします。  -------------------------------特別委員会設置要求書  次のとおり特別委員会を設置されるよう会議規則第66条の規定により要求します。        記1、名称 決算特別委員会2、目的 令和元年度決算審査のため3、期間 令和2年9月18日から令和2年12月31日まで4、付託する事件 第96号議案から第110号議案まで5、委員の数 21人 令和2年9月18日発議者 大分県議会議員 井上伸史 〃     〃    志村 学 〃     〃    阿部長夫 〃     〃    後藤慎太郎 〃     〃    森 誠一 〃     〃    土居昌弘 〃     〃    御手洗吉生 〃     〃    木田 昇 〃     〃    藤田正道 〃     〃    馬場 林 〃     〃    玉田輝義 〃     〃    平岩純子 〃     〃    河野成司大分県議会議長 麻生栄作殿  ------------------------------- ○嶋幸一副議長 井上伸史君ほか12人の諸君から、お手元に配付のとおり特別委員会設置要求書が提出されました。 お諮りします。要求書のとおり、決算特別委員会を設置し、第96号議案から第110号議案までを付託の上、期間中、継続審査に付することにします。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○嶋幸一副議長 御異議なしと認めます。 よって、要求書のとおり、決算特別委員会を設置し、第96号議案から第110号議案までを付託の上、期間中、継続審査に付することに決定しました。  -------------------------------(参考) 決算特別委員会に付託した議案第96号議案 令和元年度大分県病院事業会計決算の認定について第97号議案 令和元年度大分県電気事業会計利益の処分及び決算の認定について第98号議案 令和元年度大分県工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について第99号議案 令和元年度大分県一般会計歳入歳出決算の認定について第100号議案 令和元年度大分県公債管理特別会計歳入歳出決算の認定について第101号議案 令和元年度大分県国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について第102号議案 令和元年度大分県母子父子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算の認定について第103号議案 令和元年度大分県中小企業設備導入資金特別会計歳入歳出決算の認定について第104号議案 令和元年度大分県流通業務団地造成事業特別会計歳入歳出決算の認定について第105号議案 令和元年度大分県林業・木材産業改善資金特別会計歳入歳出決算の認定について第106号議案 令和元年度大分県沿岸漁業改善資金特別会計歳入歳出決算の認定について第107号議案 令和元年度大分県県営林事業特別会計歳入歳出決算の認定について第108号議案 令和元年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計歳入歳出決算の認定について第109号議案 令和元年度大分県港湾施設整備事業特別会計歳入歳出決算の認定について第110号議案 令和元年度大分県用品調達特別会計歳入歳出決算の認定について  ------------------------------- △特別委員の選任 ○嶋幸一副議長 お諮りします。ただいま設置された決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、お手元に配付の委員氏名表のとおり指名します。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○嶋幸一副議長 御異議なしと認めます。 よって、ただいま指名した21人の諸君を決算特別委員に選任することに決定しました。  ------------------------------- 決算特別委員会委員氏名表         志村 学         清田哲也         阿部長夫         衛藤博昭         森 誠一         鴛海 豊         三浦正臣         土居昌弘         嶋 幸一         御手洗吉生         阿部英仁         浦野英樹         木田 昇         藤田正道         馬場 林         尾島保彦         玉田輝義         平岩純子         河野成司         猿渡久子         末宗秀雄  ------------------------------- ○嶋幸一副議長 なお、決算特別委員会は、委員長及び副委員長互選等のため、本日の本会議終了後、第3委員会室で委員会を開催願います。  ------------------------------- ○嶋幸一副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 お諮りします。23日から25日までは常任委員会開催のため、28日は議事整理のため、それぞれ休会とします。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○嶋幸一副議長 御異議なしと認めます。 よって、23日から25日まで及び28日は休会と決定しました。 なお、19日から22日まで、26日及び27日は県の休日のため休会とします。 次会は、29日定刻より開きます。 日程は決定次第通知します。  ------------------------------- ○嶋幸一副議長 本日はこれをもって散会します。お疲れさまでした。     午後2時56分 散会...