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06月23日-03号

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  1. 大分県議会 2020-06-23
    06月23日-03号


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    最終取得日: 2023-06-13
    令和 2年 第2回定例会(6月)     令和2年第2回大分県議会定例会会議録(第3号)令和2年6月23日(火曜日)  -------------------------------議事日程第3号            令和2年6月23日              午前10時開議第1 一般質問及び質疑  -------------------------------本日の会議に付した案件日程第1 一般質問及び質疑  -------------------------------出席議員 41名  議長        麻生栄作  副議長       嶋 幸一            志村 学            井上伸史            清田哲也            今吉次郎            阿部長夫            太田正美            後藤慎太郎            衛藤博昭            森 誠一            大友栄二            井上明夫            鴛海 豊            木付親次            三浦正臣            古手川正治            土居昌弘            元吉俊博            御手洗吉生            阿部英仁            成迫健児            浦野英樹            木田 昇            羽野武男            二ノ宮健治            守永信幸            藤田正道            原田孝司            小嶋秀行            馬場 林            尾島保彦            玉田輝義            平岩純子            吉村哲彦            戸高賢史            河野成司            猿渡久子            堤 栄三            荒金信生            末宗秀雄欠席議員 2名            濱田 洋            高橋 肇  -------------------------------出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       尾野賢治  教育長       工藤利明  代表監査委員    首藤博文  総務部長      和田雅晴  企画振興部長    高屋 博  企業局長      工藤正俊  病院局長      田代英哉  警察本部長     竹迫宜哉  福祉保健部長    廣瀬高博  生活環境部長    高橋基典  商工観光労働部長  高濱 航  農林水産部長    大友進一  土木建築部長    湯地三子弘  会計管理者兼会計管理局長            森山成夫  防災局長      梶原文男  観光局長      秋月久美  人事委員会事務局長 藤原隆司  労働委員会事務局長 森 優子  -------------------------------     午前10時 開議 ○嶋幸一副議長 おはようございます。これより本日の会議を開きます。  ------------------------------- ○嶋幸一副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第3号により行います。  ------------------------------- △日程第1 一般質問及び質疑 ○嶋幸一副議長 日程第1、第68号議案から第76号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。森誠一君。  〔森議員登壇〕(拍手) ◆森誠一議員 皆様おはようございます。9番、自由民主党、森誠一でございます。 本定例会において質問の機会をいただきました先輩、同僚議員の皆様に心から感謝申し上げます。そして、本日傍聴に来てくださった皆様、そして、本日はインターネットでも傍聴いただいております。本当にありがとうございます。 今回は、新型コロナウイルス感染症の影響下で浮かび上がった課題を中心にこれから議論をしていきたいと思います。どうぞ執行部の皆様よろしくお願いします。 それでは、早速質問に入ります。 まず、子育て支援の充実というタイトルで、放課後児童クラブの課題について取り上げていきたいと思います。 政府は2月27日、新型コロナウイルス感染症防止対策として、全国の小学校、中学校、高校と特別支援学校について、3月2日から春休みの前段階として臨時休業を要請しました。本県においても、学校における休業措置が取られることとなりました。 その際、保育所や放課後児童クラブに関しては、長期休暇などにおける開所時間に準じた取扱いで原則開所の方向が示されました。このとき、県内の放課後児童クラブの現場では大きな戸惑いと不安の声が上がりました。 大分県においても、放課後児童クラブの一日開所などに対応するため、補正予算などにおいて、放課後児童クラブの現場に必要な措置も講じられましたが、私は放課後児童クラブについて根本的な課題解決が必要であると感じています。 令和元年度、県内には386のクラブがあり、クラブに登録している児童数は1万4,469人となっています。前年より500人増加しています。小学校の児童数が県内で現在約6万人ですので、児童の4人に1人が放課後児童クラブに登録していることになります。ただし、高学年の受入れを制限しているクラブも多くあることから、潜在的なニーズがまだあるとされています。児童数は減少している中で、クラブの登録児童数は今後も増加することから、さらなる受入れ環境整備が必要とされています。 また、クラブの運営に関して見ると、設置主体は市町村ですが、運営主体はPTA関係者などで構成された運営委員会や、保護者だけで構成している保護者会などの任意団体が約7割となっています。その他は社会福祉法人社会福祉協議会、NPO法人などにより運営されており形態は様々です。 例えば、クラブの支援員さんの雇用に関しても、任意の保護者会で雇用するところもあれば、法人で雇用するところがあるといったように、その雇用形態や処遇も様々です。放課後児童クラブは、学校の敷地内にあるところ、保育所や社会福祉施設に併設されているところなど施設の場所や面積も様々です。 今回のことで、放課後児童クラブは最前線で対策にあたる医療関係者をはじめ、県民の生活を守るために働かなければならない皆さんの子どもを預かるという大切な役割を果たしていることが再認識されたと思います。放課後児童クラブの関係者の皆さんは、この3か月間、本当に大変な状況の中で踏ん張ってこられました。 今や、子どもたちの居場所としてなくてはならない放課後児童クラブの課題と対策について知事の見解を伺います。 続いて、放課後児童クラブと学校との連携について質問します。 放課後児童クラブがクローズアップされたことで、今後の学校との連携の必要性が正に明らかになりました。 今回のコロナ対策として、大分県教育委員会では知事部局と連携し、学校におけるウイルス対策に関しては体育保健課、放課後児童クラブへの教職員の協力を含む対策全般に関しては教育改革・企画課が対応されたとお聞きしております。それぞれの場面における臨機応変な対応をしていただきました。 一方で、放課後児童クラブへの対応が市町村教育委員会ごと、また、学校ごとで異なり、児童クラブとの連携がうまくいっているところとそうでないところがあったようです。 今回のような緊急時の対応を考えたとき、事前に対策を話し合っておくことや、連携を深める仕組みづくりが必要であると考えます。学校や地域住民とともに、地域の特色や人材を生かした活動を行っているクラブもありますが、まだまだ多くのクラブでは学校との連携が不足し、児童に関する情報共有や緊急時の協力体制などが構築されていません。 大分県教育委員会では、本年3月、芯の通った学校組織推進プラン第3ステージを策定しています。プランの中では、新しい学習指導要領の理念である社会に開かれた教育課程の実現に向けて、地域とともにある学校への転換を図るため、学校、家庭、地域が目標を共有し、熟議を経た上で、それぞれが主体的に取り組んでいくことが必要とされています。そして、その熟議の場として、学校運営協議会等の設置が明記されています。 児童に関する情報共有や協力体制の構築のためにも、学校運営協議会等において放課後児童クラブ等の意見が取り入れられるような組織づくりが必要だと考えます。 また、市町村における教育委員会と福祉部局の連携がしっかりと行われるよう市町村教育委員会に働きかけを行うことも重要だと考えます。 今回の感染症対策での現場の状況を踏まえ、今後の学校と放課後児童クラブとの連携について、教育長の見解を伺います。 以下、対面より質問いたします。  〔森議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○嶋幸一副議長 ただいまの森誠一君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 森誠一議員から放課後児童クラブについて御質問をいただきました。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、小学校が全国一斉に臨時休業となりました。その際も、議員御指摘のとおり、放課後児童クラブは子どもの居場所として、また、働く保護者を支えるために継続して開所することが、しかも、放課後だけではなくて、午前中からの開所が求められたところです。長いところでは3か月間対応していただき、職員の確保や学校との連携などで御苦心されたクラブの皆様に心から敬意を表し、また、感謝を申し上げる次第です。 働く保護者と子どもを支える放課後児童クラブの役割は、ますます重要になってくると思います。また、それに伴っていろいろ課題も出てきています。御質問にあった課題については、私は次の三つをあげておきたいと思います。 一つは、受入れ環境の整備です。 昨今の女性就業率の上昇等に伴い、児童クラブのニーズは増加しています。このため、市町村と連携し、施設の整備を支援した結果、この5年間で100か所以上増えて、本年4月現在398クラブとなりました。待機児童も平成30年度の117人から令和元年度の44人まで減少したところです。 次に、クラブの運営体制の強化も課題です。 これまで児童クラブには、職員を必ず2人以上、そのうち1人は支援員の資格を持つ者を配置する必要がありましたが、今年度から国が基準を緩和したことにより、職員1人、それも無資格者のみでもよいという運用が可能になりました。もっとも本県では、児童の安全・安心の確保の観点から、市町村に対して、従前どおりの職員配置を助言した結果、今のところ、全ての市町村において複数配置が維持されています。 また、運営費が限られている小規模のクラブにおいても、職員を複数配置しやすいように昨年度から加算措置を講じているところです。 さらに、今回の小学校の臨時休業に伴い、午前中から運営する場合の追加経費や、マスクなどの感染対策経費を助成しています。今月末には、職員を対象とした感染対策に関する研修会も実施します。 三つ目は、クラブの保育の質の向上です。 県では、年齢や発達の状況が異なる多数の子どもたちを育成する専門資格である放課後児童支援員の養成研修を平成27年度から実施し、これまで1,278人が修了しています。 加えて、経験の浅い支援員を対象にしたスキルアップ研修や、優良クラブの事例を共有するブロック別研究会を開催するなど、支援員の保育技術の向上に努めているところです。 議員御指摘のように、放課後児童クラブはそれぞれの成り立ちの経緯等から、運営主体や職員の雇用形態、実施場所などが様々です。 各クラブの抱える課題に対して、市町村と連携して、きめ細かく支援するとともに、クラブが子どもたちの成長を支える場として、その役割をしっかり果たしていけるように応援していきたいと考えているところです。 議員からは、放課後児童クラブと学校との連携について御質問いただきましたが、これについては教育長から答えます。 ○嶋幸一副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 放課後児童クラブと学校の連携についてお答えします。 感染拡大防止を図るため、国の要請に基づいて、3月以降、学校は一斉休校となりましたが、子どもの居場所を確保するため、保育所や放課後児童クラブなどは継続して開所されるという状況になりました。そのため、各市町村の状況に応じて学校も協力しながら対応してきたと認識しています。 福祉保健部が5月に放課後児童クラブを対象に実施した学校との連携に関するアンケートでは、88%のクラブが感染症対策で学校との連携を実施し、そのうち85%が連携内容に満足若しくはおおむね満足と回答しています。 他方、平常時から情報交換ができる担当課同士の関係づくりをしておくべきなどの厳しい御意見もいただいており、このアンケート結果については、市町村教育委員会とも情報共有をして、連携につなげていきたいと考えています。 また、同じ子どもを対象に教育と福祉をうまくつないでいくには、現場での緊密な連携はもとより、課題解決のための国のきめ細かな対応も必要なことから、全国教育長協議会等を通じて文部科学省にも要請していきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。 さきほども申し上げたように、今回の休校措置で放課後児童クラブというのがどういうところなのかとか、これまでどれほど地域の子どもたちを見守り、また、その中で子どもたちが育ってきたのかということも明らかになったと思っています。 県内の放課後児童クラブの関係者で組織する放課後児童クラブ連絡協議会もありますし、そこが中心になって取りまとめた放課後児童クラブ運営主体強化研究会が昨年開かれて、その報告書が詳しくまとめられていました。 これは3月の時点でできたものでして、コロナの最中に、正に報告書に書かれていた心配な部分が現出した、浮かび上がってきたと私は認識しました。 以前から放課後児童クラブの先生方ともいろんな議論をしていたところです。 まず一つ、さきほど運営体制の強化ということで知事からお話をいただきました。支援員の措置等、これもいろいろ課題があると思いますが、一つ、この運営の中で保護者負担金について少し注目してみますと、実は放課後児童クラブに行く児童1人あたり月々4千円から6千円かかる、保護者の負担があるわけですね。一方、一部では無料の児童クラブもある。このことは、運営における意識の差にもつながっていると私は調査をしていくうちに感じたところです。 正に今回の問題が浮かび上がったことで、放課後児童クラブの組織の在り方とか、教育委員会との連携の在り方など、課題になりましたが、そういった根本の部分を解決していかなければならない。その意識の部分を変えていく一つの方法として、保護者負担金、月々4千円から6千円かかるという部分に関して、これからしっかり検討をしていくべきではないかと思いますし、その負担金の軽減について議論するべきだと思いますが、これについては福祉保健部長の見解を後ほどお聞かせください。 先生と教育委員会との関係ですが、さきほど申し上げたように、社会経済活動を維持させるため、いろんな疑問を感じながらも、現場の皆様は子どもたちと向き合ってくださいました。ただし、先の見えない不安は、今回の学校再開後も今も拭い切れない状況にあると思います。 さきほど放課後児童クラブのアンケート結果も報告いただきましたが、本当に厳しい意見も中にはありました。その部分をしっかり受け止めて、今後、教育委員会、そして福祉部局、知事部局等が連携して、市町村にも働きかけ、また、国への働きかけを行っていく必要があると思います。 子どもたちにとっても、地域にとっても大変大事な場所の仕組みづくりが抜け落ちていたのではないかと考えています。制度自体についてしっかり考えることも必要ですが、さきほど教育長からも御答弁いただきましたが、学校との連携の具体的な方法について、一言いただければと思います。 ○嶋幸一副議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 放課後児童クラブ利用料の軽減について御質問をいただきました。 放課後児童クラブは、国、県、市町村による補助金と保護者に負担していただく利用料を合わせて運営財源としていますが、利用料は各クラブにおける運営方針によりそれぞれ設定されているところです。 県では、県独自の施策として、児童クラブの利用促進や低所得世帯の負担軽減のために利用料の減免制度を設けています。具体的には、4千円を上限として、非保護世帯では全額を、また、市町村民税の非課税世帯、又は児童扶養手当の受給世帯などに対しては、その2分の1の減免を実施しています。 なお、国に対して、議員等御指摘のように、全国知事会を通じ、放課後児童クラブ利用料の無償化を要望しているところです。 ○嶋幸一副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 学校とクラブとの連携の在り方ということについてです。 一つの在り方として考えられるのは、学校運営協議会という組織の中に入っていただくという道もあろうかと思います。これは御案内のとおり、法で決まり、各設置団体が規則で決めています。その中には、社会教育関係の方もメンバーとして入っていて、もちろん保護者も入るわけですが、そういった中で御意見をいただきます。また、そういうメンバーの方に児童クラブから積極的な御意見を集めていただいて、そして対応していくというようなことがあり得るかと思います。 県教育委員会としても、地域とともにある学校づくり推進協議会を開催していますし、こういった中で引き続き学校における取組を支援していきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 この放課後児童クラブについては、成り立ちのときからいろんな議論があって、その都度また措置もされてきました。いわゆる支援者への処遇改善加算措置のような形でもされてきましたが、やはり根本的な解決に向けてしっかりと議論する必要があると思います。 さきほどの無償化のことも含めてですが、しっかり国に働きかけていただきたいと思っています。 さきほど芯の通った学校組織推進プラン第3ステージの話をしましたが、あの冊子の中に「放課後児童クラブ」という言葉が一言も載っていないというのも非常に大きな課題ではないかなと感じましたので、そのことを申し添えて、次の質問に移ります。 次は、医療的ケア児への支援について伺います。 医療的ケア児とは、医学の進歩を背景として、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のことです。成長発達の途中において、インフルエンザ脳症などによる中枢神経系感染症、不慮の事故などにより医療的ケアが必要になる児童もいます。 現在、全国の医療的ケア児は約2万人、大分県では142人と推計されています。また、成人となって医療的ケアを必要とする方も増加しています。 新型コロナウイルス感染症が広がる中で、医療的ケア児は基礎疾患を有し、重症化するおそれが高い者に該当することから、御家族は自らの感染の不安とも隣り合わせの窮屈で不安な日々を過ごしてこられました。また、必需品である消毒液については現在でも手に入りにくく、国からの措置や、民間団体のサポートによる配付により何とか確保できている状況です。 また、御家族が感染した場合、医療的ケア児の支援をいかに行うかについても、保護者と相談支援専門員などの支援者、かかりつけ医、行政などの間で、この5か月間、多くの議論が重ねられたところです。 今回は世界的な感染症の広がりにより、多くの分野で経験したことのない対応を求められ、そのための対策が講じられてきましたが、医療的ケア児に関しても緊急事態における対策を構築しておく必要があると考えます。 現在、県では障害福祉課が主管課として医療的ケア児への対応を行っていますが、今後は医療分野との緊急事態や災害に備えた事前の協議や連携、医療体制の構築が必要であると考えますが、福祉保健部長の見解を伺います。 ○嶋幸一副議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 医療的ケア児への支援についてお答えします。 議員御指摘のとおり、医療的ケア児を主に看護する家族が万が一感染した場合に備え、支援体制をいかに構築しておくかは重要な課題です。 まずは、他の家族によるケアであっても自宅での療養を継続できるよう、訪問看護ステーション等に対し、訪問看護やヘルパー派遣によるサポートの継続を依頼しています。 しかし、万が一、自宅でのケアが困難となった場合に備え、医療機関や入所施設等の受入先をしっかりと確保することも必要となります。 そこで、医療的ケア児の個々の状況に応じたケアを提供できるよう、大分大学医学部と大分県小児科医会の協力を得て、コーディネーターを配置し、かかりつけ医入院医療機関等への受入れが迅速に行える体制を整備したところです。 さらに、より多くの受入施設を確保するために、現在、簡易陰圧装置の設置費用を助成し、体制の強化、拡充を図っているところです。 今後も引き続き、医療機関や小児科医会等の団体と連携を密にし、再度の感染拡大や自然災害にも対応できる体制整備に努め、児童及びその家族の安全・安心が図られるよう取り組みます。
    ○嶋幸一副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。 今回のコロナウイルスで、厚生労働省からも3回にわたって医療的ケアを必要とする児童への対応についてということで、さきほど部長からお話があったような通知がありましたが、この中には、自然災害における今後想定しなければならないことはまだ書かれていないかなと感じています。 特に医療的ケア児の家族を支えるには、様々な方の支援が必要となっています。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんもそうですし、市町村、相談事業所、ヘルパーの方、そして、当然病院、在宅医の方、訪問看護の方、リハビリに関わる方、そしてもう一つは、電力会社とか救急隊、医療機器メーカーとの連携もしっかり事前に考えておかなければならないポイントだと考えます。 その連携の方法について、今どのような議論がなされているのかについて部長に伺います。 ○嶋幸一副議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 家族を支えるための皆さんの支援体制づくりというのは、もともと医療的ケア児を支えるために構築されます。 今回、議員の質問にあったように、今回のコロナもそうですが、自然災害などが発生した場合には、基本的に電力会社、例えば、さきほど医療的ケア児の方を支える方が万が一感染して、医療的ケア児が避難をしなければいけない、そうしたときに、避難所にすぐに避難しても、電力の問題、例えば、人工呼吸器を使っている子どもさんがいらっしゃいますので、電源がその場で確保できるのかも分かりません。停電しているかもしれません。そういうことで、さきほど申し上げた大分大学医学部との連携をやっていた医療の支援体制の中で、万が一災害が起こったときには、しっかりとそうした受入医療機関に運ぼうという協議を今しているところです。 あと救急医療についても、救急隊との連携は当然その中でやっていくという話になっています。 ○嶋幸一副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 さきほど大分県には142人、医療的ケア児がいると推定されていると私も話したんですが、実態が実ははっきり分かっていないという現実があります。このあたりも今後大きな課題だろうと思いますので、市町村としっかり連携して、また、親御さんの会もあります。いろんな情報交換を今後もお願いします。 医療的ケア児が例えば旅行に行ってみたいとか、そういった外出の安心をサポートするための仕組みづくりも行われると聞いています。 今年度サービス開始予定の医療的ケア児等医療情報共有システム、全国どこでも必要な医療を受けられるよう医療的ケア児の症状や診察記録を共有するシステムが今年度から始まると聞いています。医療的ケアが必要な子どもたちが幸せに暮らせる、そして、家族の御苦労が少しでも緩和できるような施策について、今後御検討いただきたいと思います。 それでは、次に総合型地域スポーツクラブについて伺います。 総合型地域スポーツクラブは、県内で44団体が活動しています。設立の主体や運営形態は様々ですが、子どもから高齢者までの健康や体力づくり、文化活動、そして、地域のよりどころとしての機能を発揮しています。 総合型地域スポーツクラブにおいても新型コロナウイルス感染症の影響を受け、活動拠点である公民館や学校施設の使用ができないことから、本年2月以降5月末まで活動ができていない状況が続いてきました。3月は、教室が開催できないことから返金対応や、教室やイベントの中止の連絡や問合せの対応、そして、多くのクラブでは4月が会員の更新時期であり、活動ができないことから新たに更新しない会員がいるなど、大きな影響を受けています。その中で、会員サービスやサポートを工夫しながら行っているクラブもありました。 大分県はこれまで、総合型地域スポーツクラブの創設や運営にあたるクラブマネジャーの育成に力を入れた施策を推進してきました。創設事業が一段落したここ数年は、クラブの自立に向けた人材育成事業などに力を入れています。しかしながら、これらの事業が会員の新規獲得やクラブの育成、自立支援につながっているかについて、今後しっかり議論する段階にあると考えます。 昨年度からスポーツ医科学活用事業が予算化されています。これは総合型地域スポーツクラブ等において、スポーツ医科学の理論に基づいた体力測定や運動指導を年2回実施し、運動の効果を実感することにより、地域住民の運動習慣の定着を図る、また、測定の結果に応じた運動指導を通して、身近な健康課題解決の場としてのクラブの意義を周知し、地域住民の総合型地域スポーツクラブへの加入を促すことを目的とした事業です。 実際に現場サイドの声を伺うと、講師の方も非常に熱心に指導してくださって、そのときの満足度は非常に高いのですが、2回限りの指導であるため、継続的な運動習慣につながらないこと、ひいては会員確保につなげるには事業自体の工夫が必要なことなどが課題であると感じています。 例えば、今回の緊急事態の中で新しい生活様式が提案され、リモート技術が活用されているように、今後の事業構築などにおいても、リモートで指導を受けられるような仕組みであると事業効果も発揮できると思います。 これら新型コロナウイルス感染症で明らかになった課題を踏まえ、今後の総合型地域スポーツクラブの育成支援の在り方について、教育長の見解を伺います。 ○嶋幸一副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 総合型地域スポーツクラブについてお答えします。 今回のコロナ禍により活動拠点としていた学校体育施設などが長期間閉鎖をされる中、拠点集合型に代わって、3密を避けた新たな取組が求められています。 これからもクラブが地域の方々の様々なスポーツニーズに応えていくため、場所を選ばず運動ができるようオンラインレッスンの方法を検討しているところです。 具体的には、スポーツ医科学の活用事業の中で、講師が現場での2回の指導によって得た個々の会員の状況を分析して、より細かな指導をネットを通じて行う仕組みづくりを進めています。 また、各クラブが行うヨガやピラティスなどの特徴的なプログラムをWeb上で公開して、指導者がいないクラブでも取り組めるようにするなど、新たな会員獲得や魅力あるクラブづくりに向けて、関係団体と連携した研究も進めています。 今回の事態を受けて、現在進めている第2期のスポーツ推進計画の改定作業においても、総合型クラブへの支援の在り方について議論をしていきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。 総合型地域スポーツクラブは、それぞれの地域において、現在も学校教育現場の体育の授業とか部活動への関わり、県や市町村の福祉部局と連携した健康教室の実施、多世代の健康体力づくりをはじめ、地域づくり活動へも積極的な関わりを行うなど様々な取組を行っています。しかしながら、総合型クラブの現場は、さきほど申し上げたように非常に厳しい状況が続いています。 先日の新聞にもありましたが、全国の約80%の総合型クラブで活動休止の状態が3か月間続いてきたというような報道もあったところです。 そのような中で、さきほど申し上げたように事業効果を少しでも高めるといった意味でも、今回のコロナ禍で明らかになったようなオンラインで、リモートでできる仕組みづくりは非常に重要だと思いますので、しっかり今後検討していただきたいと思いますし、今、新しい生活様式がいろんな場面で提案されています。企画振興部、そして、福祉保健部、商工観光労働部と教育委員会等が連携して、また共同し、事業を構築するなど、引き続き総合型地域スポーツクラブへの支援をよろしくお願いします。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 ここからは農業振興について、まず、県産農産物の競争力強化について知事に伺います。 農業を取り巻く環境は、少子高齢化、労働力不足、グローバル化、消費者ニーズの多様化、先端技術の発展、モーダルシフトの進展、大規模化する自然災害への対応、SDGsへの対応、国の政策転換への対応、そして、産地間競争の激化など新たな局面に直面しています。 このような中、県は本年3月、新たな潮流を踏まえた上で、大分県農林水産業振興計画、おおいた農林水産業活力創出プラン2015の改訂を行いました。令和5年度の創出額目標値2,650億円達成を目指して、具体的な普及指導計画や単年度目標を盛り込んだ行動計画を年度ごとに策定し、関係者が連携して取り組んでいくとされています。 県産品の競争力強化においては、消費者や生産者のニーズに応じ、品種における差別化や、新品種、新技術の開発を進めるとともに、生産現場へ迅速に技術移転がなされることが必要です。県農林水産研究指導センターの役割は、そのような意味からも非常に重要であり、競争力強化に欠かせない機関です。 2017年、長い歳月をかけた試験研究により育まれた待望の県産いちご新品種ベリーツが誕生しました。いちご分野は生産地間競争が非常に激しい中で、市場からも現在高い評価を得ています。また、大麦トヨノホシも大分県の開発した登録品種であり、現在、県内の多くの焼酎蔵において、それぞれの個性ある醸造技術によって大分県にしかない特別な味わいを提供いただいています。 このような県オリジナル品種については、種苗法によりその知的財産権の取得と適切な保護がなされ、栽培地を特定することや適切な技術で栽培することで、大分県産品のブランド力の確保、信用につながっています。 大分県の農業振興において、試験研究と知的財産権の適切な保護はその根幹をなすものであり、非常に重要であると考えます。これらを踏まえ、県産農産物競争力強化に向けた知事の見解を伺います。 ○嶋幸一副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 県産農産物の競争力強化について御質問をいただきました。 大分県では、御指摘のように、おおいた農林水産業活力創出プラン2015に基づき、県産農産物の競争力強化に向けて、マーケットインの発想で、消費者が求める商品を大ロットで安定供給する生産体制づくりに取り組んでいるところです。 このため農林水産研究指導センターでは、県オリジナル品種の開発及び生産性の向上や省力化につながる新技術を開発して、ブランド力強化に結び付けています。 消費者にとって魅力のある商品づくりや、付加価値を付けてマーケットを拡大するという観点では、他県にない高品質なオリジナル品種の開発は非常に有効な手段です。 例えば、お話のあったいちごですが、従来は国や他県が開発した品種を県内で栽培していましたが、生産者からは県独自品種の開発を強く求められていました。 このような中、クリスマス需要の時期に出荷が多く、赤色の濃い品種であるベリーツを平成29年に販売開始したところです。作付面積は年々拡大しており、昨年から京都市場へ本格的に出荷しています。市場での評価も大変良好で、販売価格は他の品種に比べて高く、有利販売につながっています。 また、焼酎用の大麦では、県酒造協同組合との共同研究により、トヨノホシを開発しました。この品種を使用した焼酎は、当初、県内の酒造メーカー12社が商品化しましたが、消費者の評判も良いことから、現在では16社が商品を製造しています。これに伴って、県下各地での作付面積も順調に広がっています。 このような県オリジナル品種の優位性を保つためには、適切に保護することも必要であり、県では知的財産権の取得についても積極的に取組を進めています。認知度が高まっているベリーツについては、国内で品種登録の出願中ですが、あわせて海外への種苗流出や無断栽培を防ぐため、中国と韓国で品種登録に向けた手続を進めているところです。 消費者ニーズに応えるという点では、新技術を開発し、普及、定着させることも重要です。高糖度かんしょの甘太くんでは、糖度を高めるための貯蔵技術を本県で確立し、生産現場に技術の徹底を図りながら、市場や関係者が一体となってブランド化しました。スイーツのような焼き芋は消費者の心をつかんでおり、生産拡大が進んでいます。 今後も大分県農林水産試験研究基本指針に沿い、ニーズ、スピード、普及、ニーズは研究者の関心ではなくて、マーケットの求めるものを作り上げていくというニーズに沿って仕事をするんだと。スピードは、とにかく地域間競争を勝ち抜くという覚悟を持って、スピード感を持って研究を進める。そして普及は、研究成果が出たらそれでおしまいというのがこれまでの研究者の考え方でしたが、最後の普及が一番大事だということで、ニーズ、スピード、普及ということを基本にして、新たな品種や技術の開発と迅速な技術移転を図っていくことで、生産者の所得増加と創出額の向上に努めていきます。 ○嶋幸一副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。 今、知事からもお話があったマーケットニーズに基づいて、スピード感を持って、そして、しっかりと現場に普及していく。これまでベリーツをはじめ、大分県の開発品種については非常に高い評価も得ているということで、しっかりその知的財産権を守っていかなければいけない。 そういった意味で、さきほども触れましたけれども、種苗法について少し議論をさせていただきたいと思います。 種苗法は、植物の新品種の保護などを目的とする法律であり、新品種を育成した者に、登録により一定の権利を与える品種登録制度と、育苗業者が遵守すべき種苗の表示に関する規程や生産などに関する基準を定め、種苗の流通を適正化する指定種苗制度によって成り立っています。 品種登録制度で対象となる品種は新しい特性を持つ新品種であり、食味において高い糖度や良い食感があるもの、多収性、耐候性、耐病性など高い栽培適性があるもの、高い機能成分の含有量、加工適性など高い機能性があるものなど、登録要件を満たすものとして登録されたもので、通常の育成者の権利は25年、木本類と言われる果樹などは30年となっています。 現在、この種苗法改正が議論されていますが、正しい情報が現場の農家の皆さんに伝わっていないことから、不安の声を実際お聞きしています。 法の目的と制度、そして、今回の改正のポイントがどこにあるのか、また、実際に大分県の農家の栽培している作物で法改正により手続が必要なものがあるのかについて、私は今回多くの皆さんから約2か月間、聞き取りと、私自身で品種ごとの調査等を行ったところです。 改正のポイントは、次の2点です。 1点目は、育成者の権利を守るために品種出願時に栽培地域や輸出先国の指定が可能になることです。 2点目は、登録品種に限り自家増殖する際に許諾が必要となることです。 現在、様々な情報が行き交う中で農家の方が不安を抱いているのは、2点目の登録品種については、自家増殖において育成者への許諾が必要になることで、その手続が煩雑になるのではないかという心配です。一部では、自家増殖が禁止となり、許諾には多額の料金がかかるという間違った情報が流れています。 では、実際に大分県内で自家増殖に関して許諾が必要になる品種がどれくらいあるのでしょうか。代表的な品目で見ていきたいと思います。 例えば、水稲、米ですと、大分県で多く栽培されているのが、1番がヒノヒカリ、ひとめぼれ、コシヒカリ、この三つがほぼ大分で作られているものですが、これらは一般品種と言われるものであって、今回、許諾手続が必要となる登録品種ではありません。ですから、自家増殖に今後も制限がありません。 県内で栽培している米で許諾を必要とする主な品種、これは生産部会をしっかり構成して栽培されている山形県育成のつや姫という品種であり、これまでも自家増殖は制限をされていて、育成者である山形県の権利を保護しています。 さきほど話にあったいちごについてですが、新ブランドベリーツは、正に種苗登録出願の最中であり、大分県が長い年月をかけて育成した大切な種苗です。これまで主力で栽培されてきた、例えば、さがほのかという品種がありますが、これは令和3年で登録期間が終了することで、それ以降は一般品種の取扱いとなり、種苗法改正後もこのさがほのかに関しては自家増殖に制限がなくなります。 このように、現在栽培されている登録品種については、これまでも種苗業者や全農と品種利用許諾契約が結ばれ、種苗の販売が行われていますので、法の改正が行われても、農家の手続はこれまでと変わるところはありません。 調査を行っていく中できちんと制度を理解し、品種ごとにどのような影響があるかを認識すると、今回の改正については、国や県、そして、研究機関などがお金と年月をかけて育成してきた種苗が、育成者が知らないうちに指定外の地域で栽培、販売されたり、種苗が輸出され、海外で許諾なしに栽培されることを防ぐこと、知的財産権を守り、日本の農業技術や農業者の権利や努力を保護することにつながることが明らかとなりました。 実際、法律の内容や種苗の流れや仕組みを知っている多くの農業関係者や生産者、農家の方は、改正が必要なことを現場では理解されています。しかしながら、正しい情報が農業者に伝わっていないのは事実です。農林水産省の資料などを見ても説明が十分とは言えない状況だと私も思います。 県内の農業関係者の不安を取り除き、安心していただくためにも、県として国に対して丁寧な説明を求めるとともに、県民に対しては様々な機会、これは普及員さんなどを通じて正しい情報を分かりやすく伝える責務があると考えますが、農林水産部長の見解を伺います。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 種苗法についてお答えします。 今回の種苗法の改正案については、登録品種の種苗を自家増殖する場合に、育成者の許諾が必要となることに対して、農業者から自家増殖ができなくなるのではないか、あるいは種苗代に許諾料が上乗せされて経費負担が増えるのではないかといった心配の声があがっています。 現在、県内で栽培されている品種の多くは、法改正の影響を受けない一般品種です。登録品種としては、さきほどあったように米のつや姫、いちごのさがほのか、ベリーツなどです。その登録品種のほとんどは公的機関が開発した品種です。国の情報では、許諾料が発生する場合はあり得るが、高額となることは想定されていないと言われています。 農業者の方々が今後も安心して栽培に取り組めるよう、国に対して、今回の改正案の内容について明らかにされていない詳細な部分の迅速な情報提供を求めていくとともに、国から示された情報を農業団体や普及指導員等を通じて随時提供しながら、不安解消に努めます。 ○嶋幸一副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。 私のところに連絡があり、現場の農家の方と話したときに、その方が「いわゆる在来種と言われるであろう品種を作っているが、これが自家増殖禁止になるのか」と率直にお話を伺いましたが、「いや、そういうことはありませんよ」とお伝えしました。そこで皆さんが不安に思っているわけです。このことが日本の農業に影響を与えるんじゃないか、消費者に影響を与えるんじゃないかというような不安が皆さんに広がっている。ここはしっかり、さきほど部長が答弁されたように情報を伝えていく必要があると思います。 一つ一つの品目、例えば、米とか麦、大豆を見ていけば、それがどれほど影響があるのかないのかは明らかです。大分県の農家、例えば、私の家もお米を作っていますが、ヒノヒカリですし、それは一般品種ですから影響を受けないということを、出先の普及員などが一つ一つしっかり説明することが必要だと思います。そういった現場の対応について何かお考えがあればお聞かせください。 ○嶋幸一副議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 私もこの法律について調べていくときに、国から説明資料はいただいています。今お話があったように品目ごとに見ていくと、県内でどういったものが栽培されているのか、そこをしっかり周知していかないと。在来品種と一般品種の割合は、一般品種がほぼ9割ですが、やはり1割は登録品種になっていますので、それがどういったものなのか、その内容をしっかり伝えていくということ。私もお話を聞いていく中で国の資料ではまだまだ分かりにくい部分も感じています。そこをしっかり情報収集しながら伝えていく。それは普及員、農業団体含めて、しっかり連携してやっていきたいと思います。 ○嶋幸一副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。 しっかり説明することで、農家の方も理解してくださいます。曖昧な情報とか、不安に思うような情報が流れることはあってはならないと考えています。 正に今、GAPとか、トレーサビリティーとか叫ばれる中で、その種のもとはどこなのか、しっかり明らかになっていないといけませんし、そのための登録品種における自家増殖に関しては許諾制にしなければ、さきほどのようなこれまでお金をかけて国、県、研究機関が作ってきた大切な種子が海外へ流出してしまうという事態になりかねないということです。 現場の声を聞いて、しっかり皆さんに正確な情報を伝えていく、このことを我々自身もしっかり勉強してやらなければいけませんが、さきほどあったような説明も含めて、国への対応をしっかりしていただきたいと思います。 今回は数点に絞って質問しましたが、丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございました。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○嶋幸一副議長 以上で森誠一君の質問及び答弁は終わりました。浦野英樹君。  〔浦野議員登壇〕(拍手) ◆浦野英樹議員 皆さんおはようございます。県民クラブ、浦野英樹です。 今回は、介護に関する課題について介護職を目指す方、介護事業者の皆さん、介護当事者を抱える民間事業者の皆さん、また介護の当事者となる方、それぞれの視点から質問します。 質問の一つ目、介護職への就労促進について質問します。 まず、介護職のイメージアップについて質問します。 介護職のイメージアップについては、本年度予算においても介護のイメージアップ大作戦事業が実施されることになっており、介護の仕事に関心がある皆さんが一人でも多く介護の職へ就き、そして続けていけるよう事業の展開が期待されるものです。同時に、介護職のイメージを上げていくためには、介護の仕事を目指そうという皆さんへの情報発信とともに、介護のサービスを受ける当事者への情報発信も重要なのではないかと思います。介護を受ける当事者が介護サービスの仕事をきちんと理解し、そしてその仕事に対して敬意を表しつつ、仕事を頼む環境を作ってこそ介護職のイメージの底上げになるのではないかと思います。介護というのは、いつ自分が当事者になるか分かりません。準備がしっかりできる場合もありますし、突然、介護の当事者となることもあります。しかし、介護について知る、学ぶ機会は決して多くはないのが現状です。 まず最初の質問になりますが、今年は介護保険制度の創設から20年の節目を迎えます。改めて社会全体に対し、介護とはどういうものか、また、いざ介護の当事者となる皆さんに向けて介護のサービスとは具体的にどういうものなのか、広く教育し、伝えることが介護職のイメージアップに必要ではないかと思います。大分県として、いかに介護について県民に伝えていくのか、高齢化が進展する中、大変重要な課題と考えますが、知事の見解をお尋ねします。 続いて、介護福祉士養成課程の生徒の就職、進学状況について質問します。 介護職を目指す生徒への支援について質問しますが、県内には介護福祉の職を目指す課程を備えた県立高校が2校、大分南高校、佐伯豊南高校に設置されています。卒業し、介護福祉の世界へと就職する生徒も多く輩出していますが、一方で、介護福祉の職に就かず、一般の企業などへ就職する生徒もいます。もちろん、学んでいく過程で新たに目指すものができたり、また、家庭の事情など、様々な事情があるかもしれません。介護福祉以外の職に就く皆さんも自分の人生を真剣に考えた上での選択です。とはいえ、一度志した介護福祉の世界へ希望を持って進んでいける環境は継続的に整備していく必要があるのではないでしょうか。 そこで質問ですが、介護福祉士養成課程を有する県立高校の卒業生の進路について、介護福祉に関わる就職や進学の現状、また、介護福祉以外の分野への就職、進学する生徒の現状とその理由をどのように受け止めているのか、お聞かせください。 続いて、介護福祉士養成課程の生徒の介護実習について質問します。 介護福祉士養成課程を有する学校には介護実習があります。現場で実際の仕事を体験する中で多くのことを学び、介護の仕事のやりがいと同時に、責任感や厳しさについての理解も深まるわけですが、現場の実習が今後の進路を決めるに当たって大きな経験となることは言うまでもありません。介護実習について、生徒がどのように感じ、何を学んだのか、学校としてきちんと理解、把握しておくことが今後の実習の充実に向けて必要と思います。 そこで質問ですが、現在の県立高校の介護実習について、実習先とその内容の選定方法と基準、実習後の生徒の感想をどのように把握しているのか、お聞かせください。 続いて、介護事業者が抱える問題について質問します。 今回、質問に当たり、多くの介護事業者の皆さんから聴き取り調査を行いました。コロナの対応で大変な中、対応していただいた事業者の皆さんには感謝あるのみです。改めてこの場からもお礼を申し上げます。 そこで、聴き取り調査の結果などから浮かんできた問題について、何点か質問します。 まず、質問の最初、カスタマーハラスメントによる離職の現状と対策について質問します。 一般的に介護職の離職率は高いと言われています。大分県としても離職防止策を進めており、その効果が就労の継続へとつながることを大いに期待するものです。離職の理由については様々ですが、その理由の一つにカスタマーハラスメントがあると言われています。実際にお客様からの言動が原因で退職になってしまったケースを聴き取り調査の中でもたくさん伺いました。一般的にパワーハラスメントと言われるような言動、介護サービスのスタッフに対し、あたかも部下、家事手伝い、召使いであるかのような言動、また、異性間ではセクハラに該当するようなケースもありました。公益財団法人介護労働安定センターの調査結果では、労働条件や仕事についての悩みの要因で身体的な負担が大きいと同程度に精神的にきついという理由が上がっています。そして、精神的なきつさの一つの要因がカスタマーハラスメントではないかと思われます。 今回、聴き取り調査を行った事業所のうち、うちは離職は極めて少ないという事業者が何社かありました。離職が少ない事業者に共通していることがあり、介護サービスの内容をサービス開始の時点できちんと利用者、それからその家族に伝えているということです。どこまでが介護、どこまでが医療、介護サービスの対象外であるものは何であるか、きちんと伝えていました。利用者がサービスの内容を理解すれば、トラブルやハラスメントの原因となる言動や行為を減らすことができます。 また、利用者が介護事業者から受けることができるサービスの内容、そして限界、やってはいけない事項などを分かりやすく伝えられるツールがあれば、離職の防止にも役立ち、介護職の正しい理解、イメージアップにもつながり、有効なのではないかと考えます。 そこで質問ですが、県内の介護事業者において、カスタマーハラスメントが原因と思われる離職がどのくらい存在しているのか、その防止のため、介護サービスの内容のPR等に県としてどのように取り組んでおられるのか、現状をお聞かせください。 続いて、介護事業者の事務負担の軽減策について質問します。 今回、4月から5月にかけて介護事業者の皆さんに聴き取り調査を行いましたが、一様に処遇改善加算の事務処理で忙しいと話していました。私も介護事業者の話を聞く中で、介護の事業というのは、事務の量がかなり多いということを改めて感じました。一般的に、許認可が関わる業種は事務量が多くなります。私は行政書士としても仕事をしていますので、建設業や運輸業、産廃業など、許認可が必要な業種の事務量の多さというものは理解をしていますが、介護業界に特有の事情としては、書類の作成を依頼する外注先が極めて少ないということです。さきほど例示しました建設業や運輸業であれば、書類の作成、許認可をサポートする行政書士は多くおります。しかし、介護の分野に強い行政書士はなかなかいないというのが現状です。根本的に、事務負担の軽減自体を国で検討していただく必要もあるかと思いますが、介護事業者特有の事務量の多さについて、行政から何らかのサポートがあってもよいのではないかと考えます。 また、さきほど離職が極めて少ない事業者についての話をしましたが、もう一つ共通していることがあって、間接部門、これは事務部門ですが、管理者がしっかりしているということです。管理部門、間接部門がしっかりしていれば、現場のスタッフは現場の仕事に集中できます。逆に、管理、間接部門がしっかりしていなければ、現場のスタッフが現場の仕事をこなしながら管理、事務的な仕事をせざるを得なくなります。そうなると、管理部門が取り扱うべき現場のトラブルの対応も難しくなり、現場スタッフの疲弊が増える結果ともなります。 そこで質問ですが、介護事業者の事務処理の負担について、県としてどのように課題を認識し、また、事務処理能力の向上、業務のシステム化について県としてどのようなサポートをしているのでしょうか。現場の介護スタッフが本来業務に専念できる環境を作るという観点からも、介護事業者の事務、管理能力を向上させる必要があるかと思いますが、御所見をお聞かせください。 続いて、介護事業者への自動車税課税免除について質問します。 さて、さきの6月1日は自動車税種別割の納期限でしたが、介護事業者は多くの車両を保有しています。大分県では自動車税に関し、社会福祉法人等が所有し、専ら対象事業の用に供する自動車については自動車税の課税免除の制度がありますが、介護の事業者については法人形態が株式会社であるケースも多く、自動車税免除の対象外である事業者が多数あります。確かに、法人の形態としては営利企業である株式会社なのかもしれませんが、一方で、公的な介護を担う事業者として、地域福祉の一端を担っており、また、サービスの価格を自由に設定できるわけではありません。車両経費としては燃料代もありますが、仮にガソリン価格が高騰したとしてもサービス価格に転嫁することは難しく、実質、その分、法人の利益が減少してしまっているというのが現状です。 そこで質問ですが、介護事業者に対し、何らかの形で車両費負担の軽減策、とりわけ今回は自動車税の減免について県として対応を取れないものでしょうか、御見解をお聞かせください。 続いて、民間事業者への介護休業制度の周知について質問します。 介護休業は育児介護休業法に規定され、雇用保険においては、育児休業給付と並び雇用継続給付の対象となり、労働者が一定の給付の下に必要な休業が取得できる制度です。育児休業については国、地方自治体、それぞれ取得率の向上に向けて様々な取組がなされています。大分県においても、長期計画において目標が設定され、その実現に向けて官民あげて取り組んでいるわけですが、介護休業については目標を設定してその実現に向けて努力するというのは余りふさわしい制度ではないのかもしれません。 一方で、いざ労働者が介護の当事者となった場合、必要な休業をきちんと取得できる環境は作っておく必要があります。ちなみに、私は社会保険労務士として、介護休業の社内規定の整備、給付の手続に携わることがありますが、育児休業と比べ、介護休業を取り扱う件数はかなり少ないというのが実態です。絶対数が少ないということもあるかもしれませんが、介護休業の制度自体の理解が進んでおらず、それゆえに取得が進んでいないというケースもあるのではないかという印象を受けます。 よくある誤解で、介護休業イコール介護保険というイメージで、要介護認定を受けた家族の介護でないと介護休業制度が使えないというものがあります。実は、介護休業制度は実態として2週間以上、家族の介護が必要な場合は取得可能で、要介護認定を受けていない、けがでも病気でも大丈夫なんです。例えば、小学生の子どもが骨折で動けない、常時付き添っていなければならないというケースでも介護休業は取得できます。 そこで、質問になりますが、県内事業者への介護休業制度の周知の現状と取得状況についてお聞かせください。 続いて、介護の当事者が抱える問題について質問します。 まず、相談窓口についてです。 自分が介護の当事者になった場合、大きく2つの問題を抱えることになります。まず一つは、対象となる家族の介護をどのように進めていくべきか、もう一つは、自分の仕事や生活をどうしていくかということです。状況によっては、相続や事業承継等、考えなければならない問題は更に増えます。冒頭にも述べましたが、介護はいつ当事者になるか分かりません。しっかり準備ができずに制度を調べる時間的余裕がない場合もあります。いざ自分が介護の当事者になったときに、ワンストップ的な窓口にて何を調べ、何を準備すればよいのか、分かるだけでも大いに助かるのではないでしょうか。現状、介護の当事者となった県民向けにどのような相談窓口が設けられ、どのような初期の対応をしているのか、伺います。 続いて、税、社会保険料負担の軽減について質問します。 介護の当事者となった場合、税、社会保険料の減免を受けられる場合があります。ただ、非常に分かりにくい部分があります。税については、所得税、個人住民税の医療費控除はありますが、これは一定の介護サービスへの出費が対象となるものがあります。しかし、どのサービスが対象となるのか、理解が進んでおらず、実際には医療費控除の対象となるにもかかわらず、利用されていない場面もあるのではないかと思われます。また、社会保険料についても高額介護合算療養費という制度があり、医療保険と介護保険のどちらも利用する世帯が著しく高額な自己負担になる場合の負担を軽減する仕組みです。医療保険と介護保険の自己負担を合算し限度額を超えた場合は、医療保険と介護保険の制度別に按分計算され、それぞれの保険者から超えた分が支給されますが、制度自体が非常に分かりにくく、自分が対象になっているのかどうか、よく分からないケースもあります。 そこで質問になりますが、所得税、個人住民税の医療費控除の対象となる介護サービスについて、どのような周知を図っているか、また、高額介護合算療養費制度の周知と利用の現状についてお聞かせください。 以上、壇上での質問は終了して、対面席から答弁を聞かせていただきます。  〔浦野議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○嶋幸一副議長 ただいまの浦野英樹君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 浦野英樹議員から介護職、あるいは介護事業者、そして介護当事者等、様々な立場から介護の抱える諸課題について御質問をいただきました。 私からは、まず、介護職のイメージアップについてお答えします。 介護職員の皆様には、新型コロナウイルス感染症の流行に対し、これまで朝礼での入所者に対する感染防止策の徹底はもとより、施設にウイルスを持ち込まないよう職場外でも外出をできるだけ避けるなど、健康管理を徹底していただいています。おかげさまで、大分県では施設内クラスターは1件も発生していません。改めて介護職員をはじめ介護関係の皆さん方に敬意を表し、感謝を申し上げます。 さて、介護保険制度は創設以来20年の間、高齢者の住み慣れた地域での暮らしを支えるという理念の下、介護予防の推進や生活支援サービスの強化、在宅介護と医療の連携など、様々なサービスの充実が図られてきました。一方、急速に進行する少子高齢化の中、そうしたサービスの担い手である介護人材の確保は喫緊の課題となっています。 県ではこれまでも介護福祉士を目指す学生への修学資金の貸与により参入を促したり、あるいはまた、ノーリフティングケアの推進など、労働環境の改善をしたり、さらには、ICT導入による介護現場の生産性向上への支援など、介護人材確保に向けた対策に総合的に取り組んできました。こうした取組の推進とあわせ、介護そのものの重要性について県民に広く正しく御理解いただくということが大変重要だと思っています。 このため、県では児童生徒を対象とした高齢者の疑似体験学習や親子介護教室の開催に加え、家族の介護に備えたい方を対象に心の準備を進める講座を開催するなど、幅広い啓発活動を実施してきたところです。 今後、社会経済の高度化が進む中でも、高齢者一人一人の心に寄り添いながら、尊厳を支えるという介護の仕事の根幹は変わることはありません。今一度介護の仕事の本来持っている温かさや魅力、やりがいについて未来を担う若年層をターゲットに広く発信していくことが極めて重要だと思っています。このため、今年度からは現役介護職員の協力をいただきながら、若者向けのロールプレイング型のイベントや介護現場の体験ツアーを開催するとともに、メッセージ性のある動画を作成してテレビコマーシャルやSNSを通じて介護職の魅力を広く発信していきます。 今後、本県では2025年に高齢者人口のピークを迎え、その後も介護ニーズが高い85歳以上の高齢者人口の増加が見込まれています。県としては、引き続き県民の介護に関する正しい理解の普及を図るとともに、増加する介護ニーズに対応できるように介護人材の確保に最大限努力し、高齢者が住み慣れたこの地域で安心して暮らしていただけるような体制を構築していきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 2点についてお答えします。 まず、介護福祉士養成課程の生徒の就職、進学状況についてです。 大分南高校と佐伯豊南高校の福祉科では、例年3年生全員が介護福祉士国家試験を受験し、過去3年間の合格率は95.5%と全国平均の76.4%を大幅に上回っています。2校の今年3月の卒業生は介護施設等に40.2%が就職、福祉系の大学等に39.1%が進学し、合計79.3%が福祉系の進路を選択しました。福祉系以外の就職は7.3%、進学は13.4%と合計20.7%であり、その理由は体力的な問題、家業を継ぐ、部活動で身に付けた力を大学で伸ばしたい、観光、サービスなどの分野で福祉の学びや介護福祉士の資格をいかしたいなどとなっています。 大分南学校は文部科学省指定のSPH(スーパープロフェッショナルハイスクール)として介護ロボットスーツの活用の仕方を習熟したり、デンマークの高齢者の福祉と自立を支援する先進的な社会福祉制度の視察、研修に取り組み、また、佐伯豊南高校は地域の福祉ボランティア活動に積極的に取り組んでおり、さらに、2校間の交流も活発に進めています。引き続き2校の連携を深めながら、地域を支える社会福祉リーダーとして高い意識を持った介護福祉人材の育成に努めます。 次に、介護福祉士養成課程の生徒の介護実習についてです。 介護福祉士養成課程では、450時間の実習施設における介護実習が義務付けられています。そのうち、150時間以上は介護福祉士の人数が職員の3割以上で、実習指導者が指導者講習会を修了していることなどの要件を満たした、いわゆる「実習施設Ⅱ」で実習しなければならないと定められています。 そのため、2校では延べ約200施設の中から生徒が自宅から通うことができる「実習施設Ⅱ」を中心に選定して、3年間で58日から59日の実習を実施しています。実習期間中は教員による巡回指導を行うとともに、施設の指導者による評価や実習ノートなどからその状況を把握しています。このノートを見ると、生徒は実習を通して介護職の意義ややりがい、人の尊厳を守ることの大切さなどをよく理解しており、生徒にとっても3年間の経験と成長の跡が分かる貴重な記録となっております。 学校、生徒にとって、介護福祉施設での実習はなくてはならないものであり、今後とも、施設側との定期的な連絡協議会を通じて、しっかりと意思疎通を図っていきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 私からは4点お答えします。 まず、カスタマーハラスメントによる離職の現状と対策についてです。 厚生労働省が平成30年度に行った調査によると、例えば、訪問介護事業所と特別養護老人ホームでは、「これまでに利用者やその家族等からの何らかのハラスメントを受けて仕事を辞めたいと思った」と回答した職員は、それぞれ29%、36%であり、このうち、実際に仕事を辞めたことがある方はそれぞれ11%、4%でした。 県では、現在、介護人材に関する実態調査を行っており、その中で、利用者からのハラスメントによる離職の状況を把握することとしています。 また、カスタマーハラスメントも含めたハラスメント防止のための県の取組として、昨年3月に厚生労働省から出された対策マニュアルや研修の手引を活用するよう県内事業所に周知を図っているところです。 さらに、利用者とその家族等に介護職へのハラスメントについて理解を得た上でサービスを利用してもらうことがその防止に非常に有効です。そこで、今後は事業所における優良事例を収集し、県内事業所と共有を図っていきたいと考えています。 次に、事務負担の軽減策についてお答えします。 介護現場において、行政に提出する書類や介護記録の作成など、事務処理に係る負担が大きいという声は聞いています。限られた人員の中で可能な限り業務を効率化し、介護現場の職員がサービス提供に集中できる環境を作ることが重要です。行政提出書類については、例えば、処遇改善加算の届出書類など、国においても文書の簡素化が段階的に行われています。来月には県高齢者福祉施策推進協議会において、施設関係者や有識者等と協議を行いながら、県独自に文書の簡素化について検討していきます。 また、昨年度からはICT機器の導入費用を助成することで介護報酬の請求業務や介護職員のシフト管理など、事務管理に係る業務の効率化を後押ししているところです。 加えて、今年度はモデル事業所にコンサルタントを派遣し、業務の洗い出しや見える化を通じて、事務部門と介護部門の業務を適正化できるように支援し、各事業所で活用できるシステムを構築することとしています。引き続き介護現場のよりよい職場環境の実現に向けて取組を進めていきます。 次に、介護に関する相談窓口についてです。 高齢者の介護に関する身近なワンストップの総合相談窓口として、県内に59か所の地域包括支援センターが市町村により設置されています。センターには、社会福祉士、主任介護支援専門員、保健師の3職種が配置され、それぞれの専門性をいかしながらチームとなって、高齢者や高齢者を支える家族からの様々な困り事に対応しています。 例えば、介護保険の申請に関する相談であれば市町村と、ヘルパーの利用に関することであれば介護サービス事業所と、また、医療に関することであれば病院のソーシャルワーカーと調整するなど、介護の当事者が必要なサービスを受けられるようワンストップで受け止め、多面的な支援につなげています。 また、県では高齢者総合相談センターを設置し、弁護士による遺産相続などの法律相談のほか、高齢者向け住宅の増改築や福祉用具に関する相談などに対応しています。 最後に、税、社会保険料負担の軽減についてです。 県では、医療費控除の取扱いについて県のホームページに掲載し、周知しているほか、介護サービス事業所に対して、利用料の領収書に医療費控除対象額を明記するよう指導しています。今後はケアプランを作成する介護支援専門員や市町村職員に対する研修においても制度の説明を行い、医療費控除の取扱いがより広く理解されるよう周知を図ります。 高額介護合算療養費制度については、各保険者がホームページやリーフレット等でそれぞれ周知を行っています。給付の99%以上を占める後期高齢者医療と国民健康保険では、対象となる方に対し、広域連合や市町村から郵送により直接その旨をお伝えして、申請を促しているところです。県内の給付件数は、平成29年度で約2万3千件となっています。 ○嶋幸一副議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 私からは介護事業者への自動車税課税免除についてお答えします。 租税の基本原則は公平であり、課税免除を行う場合には、公平の原則よりも優先すべき公益性があるかなどを考慮した上で、慎重に適用することが必要だと考えています。このため、課税免除の具体の適用にあたっては、どのような事業の用に供するかという用途の公益性に加えて、課税免除の対象となる主体の公共性等についても検討しているところです。 御指摘のあった株式会社である介護事業者の自動車税の課税免除については、用途としては社会福祉法人等と同じ介護事業を行うものであるとしても、株式会社は営利を目的としている法人であり、その利益は株主等に分配されるものであるため、主体としての公共性が社会福祉法人等とは大きく異なることから、同一に扱い、課税免除の適用を行うことは困難であると考えています。 ○嶋幸一副議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 民間事業者への介護休業制度の周知についてお答えします。 県では、介護休業制度について働き方改革推進の一環として周知を行っており、500社企業訪問等の機会を活用するとともに、先進的な取組を行っている企業を表彰し、ホームページやパンフレット等でその取組を紹介、他の企業への展開を図っているところです。 例えば、豊後高田市の株式会社日豊ケアサービスでは、10年前から介護休業等の規定の整備に加え、短時間正社員制度の導入やメンターの設置など、仕事と介護の両立に取り組んでいるところです。 県内において、介護休業給付金の受給者数及び受給額が年々増加しています。具体的には、平成26年度と平成30年度を比べると、受給者数は63人から126人と倍増しています。そしてまた、金額は952万円から3,426万円と3.5倍以上となってきています。また、就業規定に介護休業を定めている事業所の割合も県の実態調査によると、10年間で15.6ポイント上昇しており、令和元年度は77.2%となるなど、整備されてきている状況です。 しかしながら、議員御指摘のとおり、課題もまだまだあります。平成29年の国の調査によると、過去1年間の介護・看護を理由に離職した者の割合、大分県は2.9%となっていますが、これは全国平均1.8%よりも高い、つまり、悪いという結果があります。引き続き大分労働局と連携しつつ周知を図りながら、労働者が介護休業を取得しやすい環境づくりに努めていきます。 ○嶋幸一副議長 浦野英樹君。 ◆浦野英樹議員 答弁どうもありがとうございました。 それではまず、介護のイメージアップとカスタマーハラスメントによる離職防止についてなんですが、こちらは実を言うと、介護職のイメージアップと介護の離職防止、また、カスタマーハラスメント対策や管理、事務能力の向上という点は全部つながっているというのがいろんな事業者から聴き取りをした実感です。 壇上で離職が少ない事業者があるという話をしましたが、要は、利用者にサービスをちゃんと説明して利用者が理解できていれば、ハラスメントのような問題は起きにくいし、管理部門がしっかりしていれば、現場は現場の仕事に集中できる、そういう職場が増えると、やはり介護のイメージは良くなると私は思うんですね。知事からも社会や世間の介護に対する評価を高めていくためにいろんな理解を広めていくという答弁とか、あと児童や生徒向けの講座、また、社会人はなかなか学ぶ機会がないので、それももっと周知していただければと思います。 介護のサービスを分かりやすく説明するということに関しては、個々の事業者の努力はもちろんですが、県や市町村の果たせる役割というのは非常に大きいと思いますので、ぜひ当事者が分かりやすく介護サービスの内容を理解できるような広報や教育の機会の充実をお願いします。 また、事務、管理部門の強化やシステム化についても、やはり行政としてバックアップできる部分が多いと思います。コンサルタントを派遣されているとありましたが、案外自分の事業者のどこが問題なのか分かっていない、これは介護の事業者に限らず、そういうことがありますので、ぜひ第三者、外部の視点から自分の事業内容の管理体制の見直しができるような機会をこれからも作っていただきたいと思います。 カスタマーハラスメントの現状、数字を聞くと多いのかなという気がします。病院にかかるときは大体何が医療かが分かって病院にかかるけど、介護というのは本当にどこからどこまでが医療で、どこからどこまでが介護で、それ以外の家事手伝いはどこまでかの線引きが分からない部分というのが非常に多いと思うんですね。そこを分かりやすくポイントを抑えた広報をするだけでも違ってくると思いますので、引き続きカスタマーハラスメントの実態をより深く調べていただいた上で対応していただければと思います。 順番は前後しますが、まず介護の相談窓口について。地域包括支援センターがあるという話ですが、実は地域包括支援センターというのは皆さん目にするんです。私も目にすることが多いんですが、何をやっているのか分からないという方が意外と多いと思うんですね。ここでこんなことができるんです、こんな相談にも対応できるんですということが分かれば、自分がもし、いざ介護の当事者になったとき、この窓口とどういう関わりができるんだというイメージもしやすくなるのかなと思います。まず、介護の当事者になった場合にどこに相談すればいいのか、どこに電話すればいいのか、それが分かるだけでも大きな安心感につながると思いますので、相談体制や地域包括支援センターの存在について広報をより強めていただければと思います。こちらの再答弁は不要です。 医療費控除、高額介護合算療養費制度。まず、育児休業については児童手当の給付もありますし、育児休業給付も子が1歳、最長2歳までと期間も長いです。社会保険料も育児休業期間中は免除になるので、給付も免除もそれなりにメニューも多いし、ボリュームがあるんですが、介護については育児休業と比べたら少ないというのが実態だと思います。それは根本的に言えば、国に制度を検討していただかなければならないと思うんですが、医療費控除については、さきほどレシートに医療費控除の対象を明記するとありました。これはもっと周知していただきたいと思いますし、利用者側もレシートに医療費控除の対象になるという記載があれば、後で税の減免に使えるということをもっと強力にアピールできると思います。 高額介護合算療養費制度は、国民健康保険の加入者であれば、保険者が市町村ですので、ある程度プッシュ型の対応が市町村レベルで可能だと思うんですが、健康保険が協会けんぽや組合けんぽだと、自分が対象になっているかどうか、そういう制度があること自体も知らないという方は多いんじゃないかと思うんですね。医療費の高額療養費制度というのは、一定の認知はあると思うんですね。介護も含めてそういうことができるんだということを、機会を見て周知していただければと思います。 事業者の介護休業の取得ですね。これはどんな場面で介護休業を取得できるのか、非常にイメージしにくいというのが一つ理由としてあると思うんですね。さきほど言いましたが、けがや病気でも使えることがあります。また、介護休業の日数は対象家族一人につき上限93日、それを3分割にできるんですが、たった93日で介護できないよという意見をいただくことがあるんです。これはどういう場面を想定しているかというと、介護の移行というか、転換期に使うんですね。元気だった家族が突然介護が必要になってしまった。じゃ、これからどうしていくか。それを考えるための準備として、介護休業を使わせる。また、今まで在宅で介護をしたけど、施設に預けることを検討しようか。じゃ、どんな施設がいいのか。そういった検討するときに介護休業を使うというのが一つの使い方ではないかと思うんですが、どんな場面で使えるのかというポイントを抑えた広報をお願いします。利用が増えているのも事実だと思うんですが、ただ、潜在的に利用できるのに利用できていないということもあると思います。 あと自動車税の減免についてですが、今答弁をいただきましたが、確かに、介護事業は株式会社であるかもしれないが、他の株式会社と違うのは、介護の事業者というのはサービスの価格を自由に設定できないわけですね。今ガソリンの価格はちょっと落ち着いていますが、ガソリン価格が高騰しているとき、それじゃ、介護サービスの価格に転嫁できるかというと、できない。そういう性質を持っているわけです。 これは再質問ですが、やはり自動車税の減免について、法人の種類だけではなく、事業内容ですね、社会福祉法に規定される事業が主たる業務であるかによって減免の基準を設けるということも検討してもよいのではないかと思うんですが、これは改めて見解を聞かせてください。 最後に、介護実習について質問なんですが、進路の状況については分かりました。確かに、介護以外の分野に進む方はいるんですが、実は一旦離れても後で戻ってくるというケースもあるんですね。だから、そこは高校生の自分が学んだ記憶が将来の職業形成に、意識に役立つような実習だとか指導の在り方をお願いします。 介護実習について、何で今回、このテーマを取り上げたのかというと、実は、介護実習に行った高校生が現場で暴言というか、いじめのような発言を受けたという話を聞いたのがきっかけです。私が聞いたのは、あんたは介護の仕事に向いていない等、同じ事業所内の上司と部下であれば、パワハラとも受け取れるような発言でした。確かに、実習現場で仕事の厳しさをしっかりと理解してもらうことは必要だと思いますし、また、一歩間違えば、命に関わる職場ですので、言葉がきつくなる場面があるのも理解はできます。ただ、一方で限度、越えてはいけないラインもあるのではないかと思います。 私が話を聞いたケースでは、当事者の生徒や教員は実習先には非常にお世話になっているので、迷惑をかけてはいけないと思って、そのときは声をあげなかったそうです。その後もこのことは黙っていたそうですが、やはりこういう介護の職場も人材の確保に懸命になっている状況ですので、こういったケースというのはごくごくまれなケースであると私も信じています。ただ、具体的な学校名は出しませんが、県立高校、私立高校、どちらも同じような話を実は聞きました。介護実習については、問題点があれば改める、良かった点は伸ばす、充実させるというためにもしっかりと実習の内容を検証し、実習の質を上げていくことが必要だと思います。 これは再質問になりますが、やはり実習ノートについていろいろな意義ややりがいについて書かれている。ただ、ここはちょっと嫌だなと思った部分というのもあると思うんですね。そういった部分について、悪かった部分にも踏み込んだ検証と、県立高校、私立高校で情報を共有して問題を解決する必要があると思いますが、こちらについては再質問として見解を伺います。 ◎広瀬勝貞知事 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 事業の公益性が非常に高いので、それに基づいて課税免除をしてはどうかという御指摘かと思いますが、やはりいろんな事業者に対する支援として、税を用いるということになりますと、やはり税には公権というか、強制的に徴収するという性質もありますので、やはりどうしても公平の原則は非常に重んじなければならないだろうと考えているところです。その上で、主体についても見るというのは、社会福祉法人等については、法令等で法人についてもいろんな規制がかけられているといったことにも鑑みて、主体として非常に公共性が高いということで減免を講じるところです。株式会社についても非常に公益性の高い事業をやっているところですが、仮に収益があった場合、そういったものが外に流出するという可能性もありますので、そこはやはり社会福祉法人と同一に扱うというのは非常に困難ということについて御理解をいただきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 介護実習時の問題点の把握、検証、解決はどうしているかという御質問だったと思います。 今申し上げました実習ノートでいろんな記録を見て状況を把握するということなどに加えて、教員が生徒から直接話も聞くという形で、ノートには書けない、書いていない実直な感想も把握しています。そういったものを踏まえて、学校と施設の連絡協議会の場において実習時の課題も協議しているところです。 また、私立高校の教員も対象にした福祉系高等学校の教員研修では実習施設における実習の指導の状況などもお互いに情報共有をしているということです。 今後も学校と施設との連絡協議会で、生徒が疑問に思ったことも情報として共有して忌憚のない意見交換を行い、また実習の質を上げる方向に持っていきたいと考えています。 ○嶋幸一副議長 浦野英樹君。 ◆浦野英樹議員 自動車税について、趣旨は本当に私も分かるんですが、公益性というと非常に抽象的な部分があるんですね。株式会社もやっぱり公益性の高い事業、ある意味、どんな仕事も公益性が高い部分はあると思うんです。ただ、私が申し上げたのは、例えば、社会福祉法に規定される事業がメインかどうかというのが一つのラインとしてあると思うんですね。今回は再質問はしませんが、今後の考えとして、私もこの課題は取り組んでいきたいと思いますので、私のほうでもまたいろいろ勉強したいと思います。 実習について、やはり連絡協議会等でそういう問題も話し合うということは分かりました。ごく少数の例だとしても、やはりこういう事実があることを知ってしまったら、業界全体のイメージにも関わってくるかなと思うわけですね。やはり現場実習の質を充実させるという意味からも良いところは伸ばす、問題点があれば改善するという対応を引き続きお願いしたいと思います。今回の介護実習の話は介護事業者の中から聞いたんですが、なぜこの話を私にしてくれたかというと、介護業界を変えたい、少数かもしれないが、そういうことが起きてしまう現場を変えていきたいという思いから話してくださいました。介護の職場は離職率が高いと言われているけれども、実際はそうじゃないことを実践している事業者の皆さんがいらっしゃいますし、介護の業界を変えて、自分たちで地域の介護を担っていくんだというすごい前向きな意識を持っている事業者の皆さんはたくさんおられます。だからこそ、やはり介護の業界をもっとよく変えていこうという事業者の皆さん、これから介護の世界を目指そうという皆さんの思いをやはりバックアップしていきたいと思います。そういう前向きな介護の世界を、新しい介護の常識を作っていこうという事業者の皆さんと、これから介護の世界を目指す若者がリンクする、つながるような政策を、そういう機会をぜひ作っていただきたいなと思います。 以上で私の質問を終わります。 今回は本当に介護事業者の皆さんにはいろいろ忙しい中、コロナの話を今回はしませんでしたけど、コロナで大変な中にお話を聞かせていただきました。やはり地域の福祉を支えているのは自分たちなんだ、自分たちが支えるんだという意識を持たれている事業者がたくさんありますので、ぜひそういった皆さんに寄り添うような形の政策をお願いし、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○嶋幸一副議長 以上で浦野英樹君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩します。     午前11時45分 休憩  -------------------------------     午後1時 再開 ○麻生栄作議長 こんにちは。休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続けます。阿部長夫君。  〔阿部(長)議員登壇〕(拍手) ◆阿部長夫議員 皆さん、こんにちは。5番、自由民主党、阿部長夫でございます。今回この質問の機会を与えていただきました先輩議員の皆様方、同僚議員の皆様方には感謝を申し上げます。 また、呼びかけはしていませんが、地元から傍聴に来ていただきました。本当にありがとうございます。 午後の眠たくなる時間帯でありますが、目の覚めるような質問はできないかもしれませんが、精一杯頑張って質問します。よろしくお願いします。 それでは、早速質問します。 大分空港宇宙構想についてです。新型コロナウイルスが猛威を振るい、県内でも3月末にはクラスターが発生し、感染拡大が全国的にも懸念されていた4月3日に、報道発表でこうした暗いニュースの中に一筋の明るい光を見るようなニュースが流れてきました。 それが航空機を使って空から人工衛星を宇宙に打ち上げる宇宙港として大分空港を活用する方向で、アメリカの企業と大分県が合意をしたというものです。 報道によると、大分空港を拠点として使うアメリカの企業はヴァージン・オービット社で、音楽や航空事業など、全世界で展開をしているヴァージングループ傘下の企業で、商用や政府用の需要が増す小型衛星の打ち上げサービスを始めるため、アメリカロサンゼルスを拠点に活動しているとのことでした。 また、打ち上げの方法も、これまでの垂直型のロケット発射ではなく、改良したボーイング747型機を活用し、人工衛星を格納した小型ロケットを高度1万メートルで切り離して、宇宙に発射する方式を採用する水平型とのことで、実現すれば、大分空港がアジア初の水平型宇宙港となるというものでした。 この合意に至った要因として、大分空港の滑走路は3千メートルと長く、航空便の混雑がなかったことや、観光県である知名度とこれまでの企業誘致の成果ともいえる多様な産業の立地がなされ、製造業の基盤としても整っている点があげられました。早くて令和4年頃の打ち上げということで、大分空港に近い私の地元杵築市民も、新型コロナ問題を乗り越えた先に希望が持てる取組と期待をしているところです。 特に、経済的な面で2点ほど期待をしていることを申し上げますと、一つ目は宇宙港の開港に至るまでの設備投資です。 報道によると、敷地内か周辺にロケットの整備や衛星の積込みをする施設も建設されるなども期待をされており、地域の雇用などの経済波及効果も期待されます。 また、二つ目として、ロケットの打ち上げは垂直型ではありますが、鹿児島県の種子島や内之浦でこれまでも行われています。種子島へは、大手旅行会社がロケット打ち上げ見学ツアーを企画したり、内之浦でも人工衛星「はやぶさ」の影響もあり、打ち上げ時には千人を超える見学客が訪れたりしています。 もちろん、水平型の打ち上げとの違いはあるかもしれませんが、アジア初の取組という意味で、見学客の消費活動を含めた地域振興も期待ができるのではと考えています。 宇宙港という着想により様々夢が膨らむところですが、そのためには、この宇宙港を実現させる必要があります。県としては、どのような取組を検討し、地域振興を図ろうと考えているのか、知事の御見解を伺います。あとは対面席から質問します。  〔阿部(長)議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○麻生栄作議長 ただいまの阿部長夫君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 阿部長夫議員からスケールの大きい目の覚めるような御質問をいただきました。 宇宙港構想についてお答えします。 先日、民間企業としては初めて、アメリカのスペースX社が開発した宇宙船が国際宇宙ステーションへの有人輸送に成功しました。このように今、米国を中心に民間企業が宇宙分野に参入し、その活動領域を広げています。 4月に大分県とパートナーシップを発表した衛星打ち上げ企業であるヴァージン・オービット社もその一つです。人工衛星に対するニーズは今後高まっていくことが予測されています。例えば、防災、減災分野では衛星による被災地の観測や避難所のインターネット環境整備が既に行われています。また、環境変化を感染症発生の早期警戒につなげる研究や、無重力下でのワクチン開発など公衆衛生分野への活用も期待されています。 本県としても、このような地球規模の課題解決に取り組む国内外のテクノロジー企業を宇宙港を通じて応援していければ大変いいなと考えているところです。 大分空港を舞台とするアジア初の水平型宇宙港の実現に向けては、本年度必要となる施設や設備、あるいは日米両国の関連法令等に関する調査を実施します。この調査結果を踏まえ、ソフト、ハード両面において、具体的な取組を進めていきます。 これとあわせて、宇宙産業創出を目指す取組も進めていきます。県内には鉄鋼や石油化学、半導体、自動車などの産業が集積しています。また、世界各国から優秀な学生が集い、年間約600の新規ビジネスが生まれる創業環境も整っています。 これらを基盤として、宇宙港を核とした新たな経済循環を創出できるように、本年度の調査では県内のエコシステムやサプライチェーン分析に取り組むことにしています。 また、来年6月に第33回宇宙技術及び科学の国際シンポジウムISTSと略称しておりますが、別府市で開催されます。それに向けて先週、地元実行委員会を開催しました。委員会では、ものづくり企業にとって大きなチャンスだとか、観光につなげていきたいといった御意見や、非常に胸が躍るといった意見もいろいろ出てきたところです。 早速、8月には宇宙飛行士の山崎直子さんをお招きして、キックオフイベントを開催します。子どもたちにとって、宇宙港に加え、これらISTSのイベントは宇宙科学技術に関心を持つ絶好の機会になります。 このISTSも一つの好機として、宇宙や宇宙港を活用した産業振興や観光振興に取り組みます。 最後に、江戸時代に日本初の天文塾を設立したのは、杵築藩出身の麻田剛立です。この先達の偉業に改めて敬意を表し、200年の時を越えて今度は私たちが今の子どもたちに夢と希望を与えられるように取組を進めていきたいと思っています。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 知事ありがとうございます。 実際に人工衛星を打ち上げるまでには、まだまだ関連法令の調査とか詰めていく内容が大変多くあるということが分かりました。 先日の新聞に載っていましたが、知事も今御答弁いただいたように、宇宙技術及び科学の国際シンポジウムも来年6月に開かれるようです。これを契機に、その機運が高まって、この大変大きな夢である宇宙港が実現をするように、そしてまた、麻田剛立先生の夢がこの現代によみがえって実現するように、どうかよろしくお願いします。 次の質問に移ります。 大分空港での水際対策についてです。 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は言うまでもありませんが、今回の新型コロナ騒動で分かったのは、水際対策の重要性です。政府が本年4月7日に緊急事態宣言を7都府県を対象に発してから、県境を越えた移動によるウイルスの拡大が問題視され、16日その宣言を全国に拡大するに至りました。これは県境間の移動を封鎖することができないために取られた措置であり、政府も本県も、県境を越えた不要不急の移動の自粛を再三お願いし、拡大が小康状態に至りました。つまり人の移動時にウイルスの持込みはなされないということは、水際でどれだけ防衛ができるかということになります。 大分県の空の玄関は言うまでもなく大分空港であり、国際線も対応可能です。大分-ソウル線の再就航が延期をされたのは誠に残念ですが、いずれは再開すると思います。そのために、正に水際で今回の新型コロナウイルスのような事例があったときに押しとどめる対策が必要と思います。 大分空港の国際線についての水際対策がどのようになっているのか伺います。 ○麻生栄作議長 高屋企画振興部長。 ◎高屋博企画振興部長 大分空港での水際対策についてお答えします。 大分空港では、現在国際線が運航されてはいませんが、成田空港など運航されている一部の空港では、海外からの新型コロナウイルス感染症の流入や感染拡大を防止するために検疫所や出入国在留管理庁などの国の機関において水際対策が実施されています。 具体的には、14日以内に対象としている111の国、地域に滞在歴のある外国人の入国の許否を行うとともに、そのほかの国、地域からの入国者に対しても、サーモグラフィー等による症状の確認や、検疫所長が指定する場所での14日間の待機を要請しています。 今後、感染状況が落ち着いているタイやベトナムなどの4か国に対しては、自分の国でのPCR検査が陰性だったという証明と日本での行動計画書の提出を求めた上で、入国制限が緩和される方針です。 さらなる緩和に向けても、国において感染防止対策を慎重に検討の上、各空港において適切に実施されるものと考えています。大分空港の国際線再開は、インバウンド誘致や県民の利便性向上を図る上で、非常に重要であるため、皆様に不安を与えることがないよう、引き続き国の動向を注視しつつ、再開に向けて取り組んでいきます。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 ありがとうございました。 水際対策は原則、国が実施するということですが、県民に安全・安心を伝える見地から質問しました。水際対策には、しっかりと国と連携して取り組んでいただきたいとお願いして、次の質問に移ります。 続いて、ICT技術を支える産業人材の育成について伺います。 新型コロナウイルスの感染拡大は様々なところに影響を及ぼしています。さきほどの質問でも少し触れましたが、移動の制限と接触機会の削減については、今後の県民生活にも大きな影響を与えると思います。そうした中で、代替手段として注目をされているのが、ICT技術です。パソコンやインターネットの普及から、企業はもちろん、今や家庭、そして携帯端末を含めると個々人にまでそのICT技術が行き届いており、企業においてもルーチンワークはプログラムによってシステム化され、地図の代わりに携帯端末に入っているソフトウエアを活用する、もはやそれなしでは生活はできませんし、この新型コロナ騒動によりコミュニケーションツールが活用されたこともあり、さらに身近に感じた県民も多いと思います。 国の統計によれば、パートタイムを除く常用雇用で情報技術の専門家である情報処理、通信技術者の令和元年度の有効求人倍率は2.47と、5年前の平成25年には1.64だったものがさらに高くなり、人材不足の観を呈しています。 まずはこうしたICT技術を支える産業人材の育成、確保をいかに図っていくのか見解を伺います。 ○麻生栄作議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 ICTを支える産業人材を確保していくためには、子どもの頃からの育成と就職先として選ばれる魅力あるICT企業づくりが大切だと考えています。 他方で、足下の人材確保も喫緊の課題です。まずは子どもの頃からICTに触れ、魅力や可能性に気づかせることが大切であることから、小中学生を対象としたプログラミング教室や高校生を対象としたハッカソンを開催しているところです。さらに、進路決定前の高校1年生を主な対象に、県内ICT企業の技術者が先生となる出前授業を実施し、ICT業界の魅力を紹介しています。 また、選ばれる企業となるためには、他に負けない実力と魅力を持つ必要があり、商工団体や産業創造機構等の支援機関が伴走型できめ細かに支援し、その実力を向上させています。 足下では即戦力となるICT技術者の確保のため、高度なICTを学ぶ勉強会を開催しています。県内ICT技術者個々の技術向上を図るとともに、ICT技術者にとって魅力的な高い技術力を持った企業への成長も促しています。 さらに、県内ICT企業の魅力を首都圏の若者などに対して効果的に届けることが重要です。県内外のICT企業等と協力しながら、ウェブサイトやSNSの情報発信を行っているところです。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 ありがとうございました。 部長もいろんな意味でこの人材育成に頑張っていただいているようですが、知事ほか、商工観光労働部長の御尽力のおかげで、企業進出も大分県は多いようです。 しかしながら、企業が進出する上で、いかにそこに人材があるか、大分県に行っても人がいない、人材が少ないな、ICTの専門家がいないなということでは企業は集まってこないのではないかと思いますし、こういった人材の育成をしっかりと、大分県に行ったら優秀な人間がたくさんいるというような人材を育てて、その上で企業誘致をしっかりと行っていただくようお願いします。 次に高等学校と民間企業の共同によるICT技術ラボについて伺います。 令和元年12月20日に県と大分市、株式会社オートバックスセブンが県立情報科学高等学校の校内に研究室を開設し、授業を支援することに合意をしたという報道がなされました。 平成31年3月に結んだ地域活性化に関する包括連携協定に基づいた取組の一環とのことで、民間企業による公立高校に常駐という日本初の試みで、産学官連携で地域課題解決型授業を支援するとの内容でした。 さらに、その中で、ラボでは生徒がいつでも最新のICT機器や技術に触れることができる場を作るなど、人材育成に力を入れる旨が記載されていました。産業人材の育成の入口としてこうした高等学校と民間企業が共同して最先端の技術を学ぶ場を作ることは、実に意義深く、人材の確保に資する取組であると思います。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、新年度の授業はあまり進んでいないかもしれませんが、今年度進めていく具体的な授業計画の内容や取組などについて伺います。 ○麻生栄作議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 高等学校と民間企業の共同によるICT技術ラボについてお答えします。 今年度から情報科学高校に、全国の高校として初めて地域活性化包括連携協定によるICT企業が常駐することになり、生徒が最先端の技術に触れて学べる環境が整いました。臨時休業中もラボの職員が、授業展開について教員と打合せを重ねて、学校再開直後から教室内で共に指導に当たっており、共同授業の試みは支障なく開始できています。 過疎地域の物流支援などで利用が期待をされるドローンの操作技術や、自動運転等で用いられるAIの画像認識プログラミング技術などの習得に生徒は意欲的に取り組んでいます。 また、IT技術者から学んだ知識や技術を基にして、高校生の視点から日常生活の課題解決の知恵を出し合うアイデアソンの授業を受けて、3Dプリンターやレーザーカッターなどの最新工作機器を用いた試作品も作って、商品開発につなげる課題研究などにも取り組んでいきます。 また、小学生向けのプログラミング教室の生徒による開催や、ドローンサッカーの同好会結成の動きもあります。 今後も、ラボ職員などとともに学校の環境整備や教育カリキュラムを充実させて、先端技術人材の育成を図っていきます。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 ありがとうございました。 画期的な取組であると思っていますし、ここで卒業した生徒が企業に入ってから即戦力となり、企業から喜ばれる人材の輩出をお願いしたいと思っています。 次に移ります。 プログラミング教育の推進についてです。 義務教育課程でのICT人材の育成についてお伺いしますが、産業の基盤となる人材の育成のきっかけとなる部分は、小中学校でICT技術に触れ、経験した上で、面白いと思うかどうかが重要な要素であると思います。学習指導要領の改訂に伴い、折しも今年度から小学校においてプログラミング教育が実施をされることになります。情報化時代が加速的に進展する中で、社会人として一般的にパソコンなどを使いこなす能力を育てるということだけではなく、プログラミングを体験しながら、コンピューターに自分が求める動作をさせ、論理的思考力を育てるプログラミング教育には期待をしているところです。 そうした中で、心配なのは、県内の各小中学校での通信環境を整えるための設備などに差ができていないかということです。臨時会では、県立学校と私立学校の1人1台のタブレット端末の配備の補正予算も成立していますが、プログラミング教育を推進する上で、各小中学校のICT環境の整備状況について伺います。 ○麻生栄作議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 プログラミング教育の推進についてお答えします。 このたびの全学校一斉休校長期化の事態を受け、県内全ての市町村では国が前倒しをしたGIGAスクール構想予算を活用して、今年度中に児童生徒1人1台端末を整備することとなりました。 昨年3月時点で普通教室の校内LANの整備率は95.0%と相当充実をしてきましたが、全教科等でICTを活用した授業を可能にするには、特別教室を含む全ての教室での環境整備が必要なため、これについても各市町村は国の補正予算を活用して、十分な容量の校内LAN整備を進めることとなりました。 一方、プログラミング教育を進めるには、教員のスキル向上も必要なことから、全ての小中学校に情報化推進リーダーとなる教員を位置づけて、機器の操作から授業づくりまで様々な研修を進めることとしています。 今回のコロナ禍は、学校現場にも大きな変革を迫るものであり、市町村教育委員会と連携して、ソフト、ハード両面にわたるICT環境の整備を進めていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 ありがとうございました。 3人に1台整備をする予定のタブレットが、今回のコロナの関係で国の補正予算により1人1台端末ということで予算を付けていただいたようです。そういう中で、GIGAスクール構想もあるようですが、ただ、これには市町村の負担割合が大きいと。通信機器整備には補助、端末には全部の機械を交付金としていただけるということのようです。 まだまだ学校でのICT教育が進んでいかないのかなと、そしてなおかつ、この端末を全県に1人1台ずつ持たせるのが、いつまでに終了するのかということも危惧しています。今年度中になるのか、また、来年まで掛かるのか、全国で1人1台端末を持たせれば、それは急激にそろうわけではないわけです。 そのような中で、ある資料にこういったことが載っていました。OECDが行う国際学力調査、PISAというらしいのですが、指導環境調査、TALISなどの結果では、日本の学校教育におけるICT活用の状況は、諸外国に大きく遅れをとっており、日本の将来を担う世代の育成に社会全体が危機感を抱いています。 また、別のページには、ICTはあくまで教育のための道具にすぎない。ICT環境を整備しただけで良い教育ができるわけではありません。効果的な教育ができるかどうかは、教員の指導力に懸かっています。教育目的に合わせて教員のICT活用力の向上も図っていく必要があると書いてありますが、正にこのとおりであると思います。 子どもたちにまだ1人1台行き渡っていないわけですが、行き渡ったときにそれを使いこなせるかな。プログラミングなんて相当まだ先のことではないかな。プログラムを組むための指導力を養う先生を育成することが非常に大事なことではないかな。情報技術を伝達する、そしてまた活用する、こういった方法を教える先生の育成がまず第一ではないかな。そしてまた、世界に遅れを取らない子どもたちの育成をこの大分県からやっていただきたいとお願いして、次の質問に移ります。 医療従事者の確保対策についてです。 まず、第1点目として、医師の確保対策について伺います。 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大防止には、知事をはじめ、保健所などの行政機関の迅速な対応と情報提供もさることながら、医師をはじめ看護職員、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師など多くの医療従事者の努力があったことは言うまでもありません。 また、彼らなしでは、医療提供体制そのものの構築はあり得ず、感染症対策そのものができなかったわけです。最前線に立ち、自らが新型コロナウイルス感染リスクを負いながらも、懸命に治療に携わった医療従事者の皆さんに改めて敬意を表するとともに、ワクチンや治療薬の開発が早急になされ、皆さんの負担軽減につながることを願っているところです。 県ではこれまでも、医師、看護職員などの資格を有する医療従事者の確保対策を行ってきたと思いますが、厚生労働省による医師・歯科医師・薬剤師統計によると、県内の医師数は、平成30年12月末現在で3,148人と増加傾向にあり、人口10万人当たりで見ても275.2人と、全国平均の246.7人を上回っています。 しかし、2次医療圏ごとに見ると、中部及び東部医療圏を除き全国平均を下回っており、医師の地域的な偏在が見られます。また、中部及び東部医療圏においても、大分市、別府市、由布市以外の市町村では全国平均を下回っている状況です。 平成16年度の新医師臨床研修制度の導入を契機とした大学の医師供給力の低下などにより、へき地医療拠点病院をはじめ、地域医療を支える病院の医師不足が深刻化しているほか、地域における開業医の高齢化に伴い、後継者不足による診療所の減少が懸念されており、地域での医師確保は県政推進の重要課題となっています。 そこで、県内の医師の地域的偏在と地域医療を支える医師不足に対していかなる確保策を取って対応していくのか、知事の見解を伺います。 ○麻生栄作議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大分県の医師の確保について御心配をいただきました。今回の新型コロナウイルスのような感染症対策もそうですし、救急医療や災害医療などもそうですが、県民が安心して医療サービスを受けられる体制の充実強化を図る上で、医師の確保は大変重要です。議員御指摘のように、本県の医師の数は順調に増加しています。平成20年からの10年間で309名増えています。 しかし、そのうちの約8割、257名は大分市と別府市に集中しており、医師の地域偏在が大きな問題となっています。地域医療の確保というのは、むしろ喫緊の課題と認識しています。 こうしたことから、県では二つの視点によって医師確保に取り組んでいるところです。一つは、地域偏在の解消です。自治医科大学の定員2名に加え、大分大学医学部に定員13名の地域枠を設けて、医師確保対策の柱として、地域医療を担う医師を養成しています。今年度は、自治医科大学卒業医師が11名、地域枠医師が14名の計25名が地域の中核病院やへき地診療所で勤務しております。 地域枠医師については、今後、地域で勤務する医師が漸増し、令和11年度には自治医科大学卒業医師と併せて約70名が地域の中核病院等で勤務する見込みとなっていますから、地域医療の充実が着実に図られていくと期待をしています。 二つ目は、県内全体の医師数の増加です。そのため、県外からの医師の呼び込みにも取り組んでいます。医師は卒業後2年間の臨床研修が義務づけられていますが、臨床研修を受けた都道府県に定着する傾向が強いことから、県内外の臨床研修医の確保の段階から力を入れているところです。そうすると、県内の勤務医が増えてくるだろうということです。 このため、大分大学や県内11の臨床研修病院と連携して、合同説明会を開催するとともに、平成29年度からは県外の医学生を対象にした臨床研修病院見学バスツアーを開催しています。このツアーでは、過去3年間の参加者37名の中から6名の県外医学生が本県で臨床研修を選択するなど、着実に成果をあげてきています。 こうした取組により、本県で臨床研修を行う医師は、平成26年度の55名から今年度は過去最高の90名と約6割増加の大きな伸びを見せています。 また、県内医療機関への就職をあっせんするドクターバンクおおいたを活用した即戦力の医師確保にも取り組んでいるところです。 昨年はへき地診療に興味を持つ福岡県の医師からの問合せを受け、希望地の中津市と連携してきめ細かに対応した結果、山国町の槻木診療所での就職につなげることができました。 今後とも、大分大学や市町村等、関係機関と機密に連携を取りながら、地域医療を担う医師の確保に全力で取り組んでいきます。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 ありがとうございました。 医師集め、そしてまた、さらには地域医療の充実のために大変努力をしていただいているということがよく分かりました。これからも引き続いてお願いします。 次に、看護職員などの資格を有する医療従事者の確保について伺います。 言うまでもなく看護職員や薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、栄養士など多くの有資格者によって医療提供体制は支えられています。 平成30年衛生行政報告例によると、人口10万人当たりの看護師は、全国平均963.8人に対して1276.2人、准看護師については全国平均240.8人に対し485人と、全国数値を上回っていますが、地域偏在が見られる状況にあります。 また、本県の薬局、医療施設に従事する薬剤師は、人口10万人当たりでは170.1人となっており、全国平均の190.1人を下回っています。充実した医療提供体制の確保に向けて、こうした有資格者の確保は重要であります。 こうした医療従事者の確保対策について、どのように取り組んでいるのか伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 看護職員等の資格を有する医療従事者の確保についてお答えします。 県医師会等を通じて現場の声をお聞きしますと、やはり薬剤師や看護職員の充実を求める要望が多くあります。そのため、薬剤師については主に九州内の薬学部を職員が訪問し、県出身学生と直接面談するリクルート活動等を行っています。 また、薬剤師の仕事への理解を深めてもらうため、小学生への模擬調剤体験や中、高校生を対象とした薬学部進学セミナー等を大分県薬剤師会と連携して開催しています。 看護職員については、修学資金の貸与や看護師等養成所に対する助成等により、学生の確保から県内就職、定着促進、さらには再就職の支援まで総合的に取り組んでいます。 今年度は福岡に開設したdot.(ドット)で本県出身の看護学生等を対象としたイベントを実施するなど、県外進学者や就業者のUIJターン促進にも力を入れていくこととしています。 これらの取組により、平成28年度から平成30年度にかけて医療機関、薬局に勤務する薬剤師は44人、看護師、准看護師は187人増加している状況です。 今後も、こうした取組を着実に行い、地域医療を支える医療従事者の確保に努めます。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 ありがとうございました。 医師や看護師など、感染リスクと闘いながら治療を続けている医療従事者あっての新型コロナウイルス対策です。 先般の臨時会においても補正予算で、新型コロナウイルス感染者を受け入れ、治療を行った医療機関に対し協力金を交付する事業が可決されました。こうした医療人を大事にする姿勢は、県としても大変大切なことであろうと思っています。これから来るかもしれない第2波、第3波に備えて医療崩壊を起こさないように、しっかりと備えをしていただきたい。医療提供体制を確立していただきたいとお願いをして、次の質問に移ります。 住民の生活環境と動物の繁殖施設についてです。 本年、県環境基本計画が見直されましたが、その中の天然自然が輝く恵み豊かで美しく快適なおおいた、これを究極の目標として県民一体となって環境美化活動を行うことは、将来にわたって大変有意義なことであると思います。県としても、しっかりと取組を行っていただきたいと思います。 そんな中で、私の住んでいる杵築市の東地区は、山あり、海ありの自然に囲まれた住み良い地区で、リゾート開発もされている地域であります。その地区にネズミを繁殖、飼育する施設を業者が建設しようとしています。 先日の杵築市議会の一般質問において、2名の議員がこの問題について質問を行いました。翌日の大分合同新聞には、杵築市熊野の養鶏場跡地でネズミの養殖施設を建設する事業が進んでいる。大分市の商社が猛禽類や蛇など、ペットの餌として加工する目的で飼育する計画、杵築市によると飼育するのは医薬品会社などで実験用に使われるマウスと同じ種類、国内の外、欧米に輸出する周囲の住民から、ネズミを養殖することで地域にどんな影響があるか分からない、風評被害が起こると反対の声が上がっていると、このような記事が載っていました。 施設進出自体に法的な規制がないようですが、繁殖しようとしているものが農作物に被害をもたらしたり、場合によっては住民の健康に被害をもたらすネズミであることから、ネズミが逃げ出した場合や事業者がいなくなった場合はどうするのか、住民の皆さんは大変心配をしています。ネズミのような動物が原因となったトラブルが発生したときに、県としてどのように対処できるのか見解を伺います。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 住民の生活環境と動物の繁殖飼育施設について回答します。 当該施設については、県も杵築市と情報共有し、ペットの餌としての冷凍マウスを生産する施設であることを承知しています。地域の住民から悪臭や水質汚濁などの生活環境への影響が心配であるということや、ネズミからの感染症が心配、また風評被害が起こるなどの不安の声があることも承知をしており、県としても重大な関心を持って見ているところです。 こうした住民の方々の不安を払拭するためには、まずは事業者側から地域住民に対し、環境対策、衛生管理対策などの事業計画の内容を十分説明してもらう必要があると思います。 県は、マウスの飼養に起因する騒音や悪臭など生活環境を損なう事態が生じないよう、動物愛護及び管理に関する法律や県環境保全条例に基づき、適切に指導します。 また、杵築市は市民の快適な生活環境を守る環境保全条例を定めています。また、事業者と地域住民との協議に向けた調整を図っていると伺っています。 県としても、関係者の協議の状況や施設の環境対策等の措置状況など、今後の動向を注視し、杵築市と連携し対応していきます。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 ありがとうございました。 さきほども述べましたが、ネズミの養殖施設ができるということで、地域の人は大変に困惑し、心配しています。私のところにも、何とかして止めることはできないのかと、住民が言ってきます。そこでもう一度確認をしますが、ネズミの養殖を止める法律はないのか伺います。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 今、杵築市からいただいている情報では、冷凍マウスを生産する施設であると聞いていますので、それ自体を止めるということは今のところできないと考えています。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 こういうのが載っていますが、平成29年度のものづくり補助金採択事業として大分市に国産マウス養殖施設である養殖場を建設とあるんですね。この大分市内で国の補助金が出たことにも私はびっくりしているわけですが、ものづくり補助金を使ってネズミの養殖場を大分市内で建設している。これについて、養殖をしている現状、現実があるのかどうか伺います。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 ただいまそういった情報は手元になく、承知しておりません。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 大分市で養殖場建設、平成29年と書いてあるので、これはしっかりと調査をしていただきたいと思います。このネズミの養殖ですが、これが逃げ出したときにどうするのか。それから、ふん尿の臭い、こういったものはどうなるのかという心配を地域の人がしているわけです。 業者は市に逃げることはないと説明しているようですが、絶対ということはあり得ないと思いますし、これが逃げたときにどうするのか、周囲に被害をもたらしたときはどうするのかということを、さきほど動物愛護法とかで対応すると言っていましたが、その辺を詳しくもう一度お願いします。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 動物愛護法等の関係、すみません、質問がよく聞き取れなかったので、申し訳ないんですが。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 私の今の質問は、ネズミが逃げたときどうしますか、どういったことで対応しますかと。さきほど何かあったときは動物愛護法で対応するという回答をいただいたようですが、その辺の回答をお願いします。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 すみません。ネズミが逃げたときにということですが、今どういった形でその工場が対策を行っているのか、逃げないような対策をしっかりとやっていただくのがまず大前提だろうと思っています。 ○麻生栄作議長 ちょっとお待ちください。 ものづくり補助金の執行状況等々については後ほど御報告を求めておきたいと思います。 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 はっきりしない答弁でしたが、先日の市議会において、市の答弁の中で、業者と合意の上で市が公害防止協定を結ぶとあったようです。この公害防止協定を市が業者と結ぶことについて、県としての関わりがどんな形かでできるか、この辺はどうでしょうか。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 杵築市が環境保全条例に基づいて公害防止協定を締結する際の県の関与ということですが、県は公害防止をする際の悪臭や水質など生活環境に影響するものの具体的な基準値や、測定方法の設定、そういった技術的な助言を行っていきたいと思っています。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。 ◆阿部長夫議員 市が公害防止協定を結ぶ際には、県は助言者として関わっていきたいということのようですし、また、そこに害が出たときにはしっかりと指導していただけるということのようです。 ただ、このネズミの養殖というのは、これまで我々が生活をしていく中で全く発想もしていない事柄です。地域の住民の皆さんは大変心配、困惑しております。反対の看板も上げてやっているわけでありますが、業者は入口のところに立入りができないように看板を出しています。中で何が行われているか分からない、大変不安な気持ちを周辺住民は持っているわけです。 こういった不安な状況の中で、実際の被害と風評被害、この二つを地域住民は心配するわけです。これは実際のものにならないように、県としてもぜひこれからもサポートをお願いして、次の質問に移ります。 最後の質問ですが、国からの給付金詐欺の防止についてです。 今年4月20日、国の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策が閣議決定され、家計への支援を行うため特別定額給付金事業が実施されることになりました。各市町村を実施主体とし、県内18市町村で対応がなされているところであり、早い市町村では5月8日に支給を開始しています。また、この補正予算において感染拡大により営業自粛等、大きな影響を受け、事業収入が前年同月に比べ半分以下になった中小企業に対する持続化給付金や、他にも雇用維持のために労働者に休業手当を払う事業主に助成する雇用調整助成金など、国の支援策が多く示されています。 しかしながら、こうした国の給付金制度を悪用した詐欺行為が多発しているとの報道があります。特に、特別定額給付金について報道が多いようです。大分県警察でもしっかりと取り組んでいただいていると思いますが、こうした給付金詐欺にだまされないようにするための取組について伺います。 ○麻生栄作議長 竹迫警察本部長。 ◎竹迫宜哉警察本部長 国からの給付金詐欺の防止について御質問をいただきました。 御指摘のように、県内でも新型コロナウイルス感染症の発生に乗じて、給付金等の支給を装った不審な電話が複数確認されていまして、県民の方々に不安を与えているところです。現時点、幸いにして県内での被害の発生は確認されていませんが、今後、支給手続に乗じた詐欺やフィッシング詐欺等の被害が懸念されているところです。 特に、今回御指摘をいただいた特別定額給付金については、県民全てが対象になるということから、被害防止を図るためには迅速かつ広範囲な情報提供を行い、注意喚起を図ることが重要であると考えています。 具体的な対策としては、引き続き県警のまもめーる、ツイッター、新聞、テレビ等の各種広報媒体を通じて、手口や対処方法を情報提供していくこととしています。 また、県警と犯罪の起きにくい社会づくりに関する協定を締結した企業、団体に随時、個別に情報提供するとともに、今月1日に開所したコールセンターから電話で個別に高齢者等に手口を説明し、被害防止に必要な注意喚起を図ることとしています。 また、金融機関等に対し、利用者への注意喚起を要請して、警告、録音機能付き電話機の普及促進を図るなど、特殊詐欺等被害防止条例の下、県や県民、事業者と一丸となったオール大分での被害防止対策を進めていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 阿部長夫君。
    ◆阿部長夫議員 ありがとうございました。 県警や生活環境部の皆さんが一生懸命努力をしていただいているのはよく分かっています。今回は県民の皆さんがこの被害に遭わないように、あえて警鐘を鳴らす意味で質問をしました。 今後とも引き続いて県民の皆さんがこの被害に遭わないように取組をしていただきたいというお願いをして、今回の私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○麻生栄作議長 以上で阿部長夫君の質問及び答弁は終わりました。河野成司君。  〔河野議員登壇〕(拍手) ◆河野成司議員 39番、公明党の河野成司でございます。まず、今回の新型コロナウイルス感染拡大の中でお亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈り申し上げます。あわせて、御遺族の皆様、そして感染によりつらい入院生活等を余儀なくされた方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、このような感染症対策の現場で奮闘いただいている全ての皆様方に深甚の感謝を申し上げます。 本日はこのような中、今後のコロナ対策ということで県政、そして県民生活に及ぼす影響、対策等についてを中心にしながら一般質問に臨みたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。 まず初めに、県政への新型コロナウイルス感染症の影響について何点か伺います。 初めに、新たな社会構造の変化を捉えた長期総合計画等の見直しについて伺います。 今般の新型コロナウイルスの世界的感染拡大による様々な影響が指摘される中で、最も重要かつ深刻な問題は、社会全体に新たな生活様式を定着させることが必要になる点ではないかと思われます。いわくアフターコロナ、ポストコロナはウィズコロナ、つまり終息後の世界もコロナウイルスと常に隣り合わせの社会であると言えます。 代表的な例としては、テレワークの常態化、学校だけでなく自宅等での学習も許容する学習機会の複線化、お客を待つ店舗型経営からお客の元へと商品やサービスを届けるデリバリー型経営へ転換等、あらゆる分野でこれまでと異なる仕組みづくりが急激に進行しようとしています。 このことは将来的な就業人口の業種間シフトや決済手段の電子化、物流分野の効率化促進の要求強化などへとつながり、移動手段としての自動車需要の変化等、我が県経済や社会生活にも少なからぬ変貌を迫るものとなるのではないと感じています。 また一方では、これまでの集中化の流れから、分散化社会への国民の意識の変化も指摘され、地方創生の追い風にすべきという主張も見られます。この新たな社会構造変化のムーブメントは、単なる住民の行動変容を促すというレベルを超え、地域社会の発展と住民福祉の向上を目指す地方自治体の方向性や施策目標をも社会の変貌に沿うようなものへの見直しが迫られるものと考えます。 折しも新長期総合計画や、これに付随する分野別計画等が改訂された時期でありますが、このような社会のドラスティックな変貌に沿った計画等や設定された各種目標の見直しの必要性についての知事の御認識を伺います。 以下、対面演壇で質問させていただきます。  〔河野議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○麻生栄作議長 ただいまの河野成司君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 河野成司議員から新たな社会構造の変化を捉えた長期総合計画の見直しについて御質問をいただきました。 思いもかけなかった新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、国民生活や社会経済活動のあらゆる面に深刻な影響を与えています。 県ではこれまでも熊本地震や九州北部豪雨などの突発的な危機管理事案に対して、発災当初から部局横断的な対策本部を立ち上げ、市町村とともに臨機の対策を講じてまいりました。 今回も感染症対策を協議、決定する新型コロナウイルス感染症対策本部に加え、社会経済再活性化緊急推進本部を立ち上げ、感染防止と社会経済活動の両立にスピード感を持って取り組んでいるところです。 他方、新型コロナウイルスが世の中にもたらしたパラダイムシフトとも言うべき社会変容を見極めていく必要もあります。 一つは、人を思う気持ちや地域の結びつきの高まりです。今回の感染拡大防止では、見えざるウイルス、未知の脅威に共に向き合う中で、家族への愛情や地域の人々とのつながりの大切さを再認識する機会も増えました。人を大事にし、人を育てるという気持ちがさらに高まってきたのではないかと思います。 二つ目は、集中から分散への価値観の変化です。働く場所を限定しないテレワークや在宅勤務は、新たな働き方として注目され始め、新しい生活スタイルの広がりは都市から地方に目を転じる人の増加を促し、ひいてはUIJターンにもつながります。仕事づくりでも、オフィス系企業の県内誘致、サプライチェーンの再構築に向けた生産拠点の国内回帰や、地方展開等も期待されるなど、地方創生の追い風を感じているところです。 三つ目は、分散を支える基盤づくりです。3密を回避し、新しい日常を作っていくためには、情報通信や広域交通の整備が大事です。5Gなどの情報通信網をさらに強化するとともに、IoTやAI、アバターなどの先端技術にも挑戦し、地域課題の解決や新たな産業・サービスの創出につなげていきます。 また、都市と地方、地方と地方をネットワークで結び、発展につなげる東九州自動車道や東九州新幹線の整備を通じて、地方創生回廊の実現を目指します。こうしてアフターコロナ、ウィズコロナを念頭に置きながら、大分県版地方創生の加速前進を図ります。 もとより、このような時代の潮目には変化に柔軟に対応していく必要があるため、御指摘のあった計画自体に臨機に県民の声を聞きながら、適切に見直すよう、あらかじめ定めています。 まずは今回改定した計画の着実な推進に力を入れるとともに、今後必要となる重点施策は、毎年度策定する県政推進指針に適宜盛り込みながら、夢と希望あふれる大分県づくりに取り組んでいきます。 骨格においては、そういう認識で、今ある計画を見直す形で進めていったらどうかなと思っていますが、状況の変化により、いろいろ考えていかなきゃならないかと思っています。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 ありがとうございました。 今後の状況の変化に応じて柔軟に素早く対応していかれるという知事の御見解、県民も安心をしたのではないかと思います。 特に、さきほど言われた集中から分散に、その分散を支える基盤をきちんと整えていくということについては、将来の大分県づくりに大きな影響を及ぼすことと思います。 今回の在宅ワークの増加、それから自宅学習の増加、こういったことにより、インターネットのトラフィックが逼迫して非常に作業効率が悪くなっているとか、十分に通信が賄えなくなって学習が進んでいないという声も一部ではあると伺っています。 そういった部分で、さきほど言われた高速通信網の整備は、今後の大きな県政課題になるのではないかと思います。ぜひまた進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 続いて、2番目として、景気後退による歳入への影響と歳出抑制について伺います。 先月25日に日本銀行大分支店が公表した大分県内の景気動向5月分によると、総論として、県内景気は新型コロナウイルス感染症の影響から厳しい状況にあるとされ、特に個人消費が減少し、中でも観光は大幅に悪化しているとした上で、公共投資は増加しているものの、鉱工業生産が減少、労働需給も緩和傾向、つまり人手不足状態が緩んできているとしています。具体的には、新型コロナウイルス感染拡大防止措置としての緊急事態宣言や入国制限措置により、事業縮小や自粛要請に応じた休業が広がり、さらには外出自粛等により個人消費の大幅な落ち込みにつながっていることが明らかにされました。この分析は、今月19日に新たに大分支店が発表した6月分でも維持されているところです。 このような景気後退は、本年度以降の県税等の歳入の減少と、それによる県政執行の困難さが危惧される状況を生むものと考えられます。もちろん、新型コロナウイルス感染症の早期収束に向けた対策、その後の経済のV字回復に向けた官民あげての様々な取組が実施されるとしても、雇用を含む経済活動や個人消費が感染拡大前の水準に戻るまでには、相当の期間を要することは誰しも推測しているところでしょう。 しかし、御案内のとおり、本県は南海トラフ地震・津波対策に限らず、繰り返し発生する大きな自然災害に備える防災、減災対策に力を入れているさなかです。歳入の減少はそのような県民の安全・安心づくりや、さらには移住定住の促進といった人口減対策、地方創生対策の推進にも影を落としかねません。このことは史上空前の補正予算を組んで、コロナ対策を行っている国においても同様の歳入不足と歳出抑制圧力が予想され、国の支援を受けての地方財政の健全化もそう容易ではないと言わざるを得ません。 この点、今般の先進国と新興国が同時に景気浮揚に取り組むという史上初の状況下で、英国の経済分析会社キャピタルエコノミクスは、各国が景気浮揚策を実施する上で抱え込むこととなる債務に関して、産業生産力、国家負債状況、金融市場の成熟度などを基準に主要国を分類し、一つ目、日米独や東アジアの工業先進国のように高い負債比率に耐えられる国、二つ目、米国等と中南米主要国、南アフリカやインドなど通貨・金融政策などで金利等を人為的に調整して対応できる国、三つ目、近年のギリシャのように政府の支出を大きく減らし、法人税などを引き上げるという財政緊縮で対応する国、四つ目、五つ目としましては、アルゼンチンやナイジェリアのように債務不履行制限やインフレーションに苦しむこととなる国の五つに分類をしました。 国際通過基金の集計よれば、各国政府による新型コロナ経済対策の規模が10兆ドル、約1,070兆円に達し、全世界の国内総生産に占める財政支出総額の割合は、リーマンショックによる金融危機が深刻化した2009年の2倍以上との試算も出されていることから、世界の景気動向は正に百年に一度の危機に瀕していると言え、各国の債務残高は急上昇する見込みです。 世界的規模の経済活動の減退と回復策の模索が続く中、5分類の区分は単に債務を多く抱えることとなる国家の今後の見通しというだけでなく、私たちの自治体経営の上からも重要な視点となると思います。多額の債務を背負いながらも、地域内産業生産力が高い自治体は高い負債比率に耐えられるということでしょうし、地域金融対策で地域経済を活性化できる経済力を有する自治体もあるでしょう。 問題は本県の置かれている状況、つまり相当長期にわたって歳入が減少し、その間の災害発生等の新たな臨時緊急の需要増には県債の追加発行もあり得るということを前提にしながら、いかに債務の膨張を防ぎながら、地域課題の解決に向けたかじ取りを行うか、どのような社会モデルを目指すのかです。 そこで、新型コロナウイルス感染症拡大事態を受けての県財政の歳入の減少と、それに対処する歳出抑制に関する方向性についても知事のお考えを伺います。 ○麻生栄作議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 景気後退による歳入への影響と歳出抑制についての御質問です。 新型コロナウイルス感染拡大防止対策は、需給の両面で経済活動に大きなブレーキとなり、本県経済は広範かつ深刻な打撃を受けています。これにより、企業収益や雇用情勢の悪化等に伴う法人関係税、個人住民税の減に加え、個人消費の落ち込みなどによる地方消費税の減収も想定され、今後の税収確保は非常に厳しい状況にあるものと考えています。 こうした予期せぬ景気変動により、税収が当初見込額を下回る場合には、減収補填債を発行することにより、当該年度の歳入を確保することになっています。ただし、現行制度においては、減収補填債の対象税目に県税収入の約3割を占める地方消費税が含まれていないことから、これを対象に追加するよう、全国知事会等を通じて国に要望しているところです。 また、本県歳入の約4分の1を占める地方交付税についても、その原資となる所得税等の国税収入の減収が見込まれることから、今年度の交付税が当初の予定どおり確保されるように国の動向を注視していく必要があります。来年度以降も地方税や地方交付税の減少等により、大幅な財源不足が生じる恐れがあるため、国に対し地方交付税をはじめとした一般財源総額の確保を強く求めます。 このように、税収減に対する歳入確保をしっかりと図りつつ、歳出面でも新たにスタートした大分県行財政改革推進計画を着実に推進していくことが必要です。特に、新型コロナ対策で財政調整用基金残高が目標額を下回っていますから、節約等による残高確保は待ったなしです。 行政運営、社会保障、社会資本整備など、県政全般にわたって行財政改革を実行し、確固とした行財政基盤を構築していかなければならないと思っています。 常在行革の精神で、歳出を絶えず見直していくことも大事ですが、一方で、コロナ禍により停滞した社会経済活動を再活性化させていくことが目下の急務です。 さきの臨時会では、事業継続等に前向きに取り組む中小企業・小規模事業者に対する応援金の給付等、多くの県独自の対策を盛り込み、鋭意取り組んでいるところです。 また、今後は国の2次補正予算を積極的に取り込みながら、スピード感を持って対策を講じていきます。こうした取組を一層加速させることにより、一時的に県債残高の増や財政調整用基金の減少を招くことになるかもしれませんが、歳出抑制一辺倒ではなくて、やはりバランスの取れた財政運営を行って、まずは本県の活力を取り戻していくと、そこに集中していきたいと思っています。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 ありがとうございます。優先順位を付けて、今は経済の再生を優先すると、その中にあって歳入の増加を図りつつ、同時に行政改革を推進することで無駄のない運営をしていきたいというお話でした。 この辺は本当に難しいかじ取りだと私も思います。言葉で言うほどたやすいものではない、また、職員の皆様にも一層の努力、あるいはまた、ある意味つらい思いをしていただかなければならない時期になるのかとも思いますが、県民あげてこの大きな難局に耐えていくという気持ちを今、知事から表明いただいたんではないかなと感じています。 それでは続いて、関連してですが、今後の県税収入見込みについて伺います。 本年度以降の県税等の歳入が当分の間、通常年の想定額を相当程度下回るものと予想されます。今の段階での予測はなかなか困難かとは思いますが、今後の税収見込みについて、総務部長に伺います。 ○麻生栄作議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 今後の県税収入見込みについてお答えします。 新型コロナの拡大が県内の経済活動にも様々な影響を及ぼしており、今後の県税収入は大変厳しい状況になると考えています。新型コロナによる影響の収束時期が見通せないため、今後の見込みを正確に予測することは非常に困難ですが、その上で、大きな動向を申し上げると、まず、県税収入の約3割を占める地方消費税は、一般的には、本来景気変動の影響を受けにくいとされておりますが、外出自粛等のコロナ特有の事情により、消費が低迷しており、今後の消費動向をしっかりと見極めていく必要があると考えています。 2番目に大きな税目であります個人県民税は、前年所得に対する課税であるため、今年度税収への影響は軽微ではないかと考えていますが、来年度の税収には大きく影響してくると考えるところです。 税収の約2割を占める法人二税は、景気変動の影響を最も大きく受けますので、特に大きな落ち込みを心配しているところです。 いずれにしても、今後の景気動向や毎月の税収の推移等を注視しながら、県税収入の確保にできるだけ努めていきます。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 ありがとうございました。来年度以降、大きく様々な収入の減少が現れる見込みということで、この件についてはやはり私たちしっかりとわきまえながら、今後の具体的な県政執行について、議会としての様々な役割を果たしていかねばならないと、肝に銘じていきたいと思います。 それでは続いて、二つ目の大項目で、新型コロナウイルス感染症の県民生活への影響について何点か伺います。 まず1点目、在宅介護への支援についてです。 新型コロナウイルス感染拡大対策として、クラスター発生防止のために多くの人が集まる場やその機会を極力減らすことが求められました。特に、感染すると重篤化しやすい高齢者や基礎疾患を持つ方々への介護については、それまでのショートステイやデイサービスの利用を控え、家庭内介護に振り替えるケースも出ています。このようなケースでは、高齢者世帯では老老介護となり、訪問介護サービスを利用しても多くが家族介護への重圧となり、介護疲れが広がっています。 加えて、訪問介護事業者において、一時期は衛生資材の入手難が生じたり、また、訪問介護の需要増に人手の確保が追いつかず、訪問件数を絞り込むというやむを得ない状況も出たと伺っています。 そこで、今後感染の第2波、第3波が本県を襲った場合に、家族による介護とならざるを得ない在宅介護の支援策について、県のお考えをお聞かせください。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 在宅介護への支援についてお答えします。 御自身の感染の不安などから、デイサービス等の利用を控えている方が一部いらっしゃったことは承知をしています。県としては、家族の負担が過度にならないよう、安心して必要なサービスを利用できる環境を整備することが重要と考えています。 このため、介護サービス事業における感染症対策がしっかりと図られるよう、消毒液や介護用手袋等の衛生用品を県が一括して調達し、優先的に提供してきたところです。 今後は第2波に備え、訪問介護事業所等の感染防止対策をさらに徹底することで、サービスが継続できることが重要です。そのためマスクや消毒液を備蓄し、必要に応じ迅速に提供することとしています。 また、県医師会や看護協会の協力の下、感染症対策に係る施設からの個別の相談に対応するほか、早速、今月末には専門家によるオンライン研修会も開催します。こうした取組を通じ、介護サービスを必要とする方やその家族が安心してサービスを利用できるよう、環境整備に努めます。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 ありがとうございました。 やはり我が県では圧倒的に高齢化率が高いわけであり、その意味からすると、介護の問題は生活基盤の中でも非常に大きなウエイトを占めるものではないかと思っています。その意味で、安心して介護サービスを受けられる状況を作っていくということは、大きな県政課題だと思っています。ぜひ対応方よろしくお願いします。 続いて、県内宿泊事業者支援について伺います。 本県の基幹産業、観光について、移動自粛要請や入国制限措置により、大幅な入込み客の減となり、さらに大型イベントの開催中止なども重なって、既に老舗宿泊施設の倒産や破産申請も発生しています。国の第1次補正予算に盛り込まれた観光客、交流人口の回復を目指すGoToキャンペーン、1人当たり2万円を上限とする旅行クーポンの発行事業の実施が遅れる見込みとなり、業界にはさらなる支援策を求める声も出てきています。 この国のキャンペーンに先駆け、本県では県民に対して1人5千円の宿泊費を補助する応援割を期間限定で実施していますが、その発表の直後から厳しい批判の声が県内宿泊業者から沸き上がりました。 いわく、なぜ補助対象施設が組合加入事業者の施設に限られるのか。様々な経緯で組合に加入していなかったり脱退したりしている事業者もひとしく法人県民税等の負担をしている。明らかな差別であり、納得がいかない場合には納税拒否運動を起こす、とまで憤っておられる事業者もいらっしゃいました。 この事業については、宿泊施設の消毒措置等の安全対策を徹底する目的と説明を受けましたが、事業公表時点では、困っている宿泊業者への支援策という内容での説明が前面に出されたことから、なぜ支援策が受けられる事業者が制限されるのかという疑問につながりました。 県内宿泊業者はほとんどが例年比1割以下の稼働率で経営難にあえいでおられ、渇き切った喉に慈雨とばかりに支援策を待ち望んでいたその心情は、計り知ることもできないほど真剣なものです。また、旅館業法で明白に施設の衛生管理の徹底が義務づけられており、組合を通じた衛生管理のチェックという今回のスキームでは、組合加入事業者とそうでない事業者の施設で衛生管理に差があるような印象を県が作り上げているのではないかという厳しい指摘もありました。 このような厳しい反応や国のGoToキャンペーン実施時期の遅れなどに配慮されてか、県は先日、県民向けの応援割第2弾の実施計画を発表しました。そこで伺います。今回の第1弾応援割事業のスキームを策定するに当たって、県内宿泊事業者の実情にどのような配慮がなされたのか、また、取り扱う旅行代理店の選定経過についてもお聞かせください。 あわせて、今回示された第2弾は、第1弾とどのような違いがあり、県内宿泊事業者全体へどういう配慮がなされたのかについてもお聞かせください。 ○麻生栄作議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 県内宿泊事業者支援についてお答えをします。 感染拡大が深刻化した3月、外国人客だけではなく国内客も大幅に減少しました。さらに、4月以降のキャンセルも続発し、県旅館ホテル生活衛生同業組合から宿泊客の不安を解消する取組を行いたいとの申出がありました。 県としても、感染防止対策の構築が急務と判断し、組合と連携して他県に先駆けて、高度な内容のチェックリストを作成しました。旅行代理店の選定でも、感染拡大リスクのないオンライン方式を採用しました。 今回の旅クーポンでは、オンラインに加え、はがきでも申込み可能とし、抽せんにより決定することとしています。宿泊の外、地元旅行代理店が作る旅行商品も購入可能としています。また、チェックリストを活用する県内全ての宿泊施設が参加できる仕組みとしました。チェックリストについては、宿泊客へのアンケートによると、その評価は高く、効果的な感染防止対策が構築されたものと思っています。 県としては、活用する宿泊施設の拡大をさらに図り、安心のおもてなしを県全体に広げていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 お伺いした第1弾についてどのような配慮がなされたのかということについて、あまりお答えがなかったと思いますが、そういった批判について真摯に受け止めていただいているものと考えて、次に行きたいと思います。 落ち込んだ観光客数回復のための積極施策についてです。 落ち込んだ県内観光への誘客を回復させるには、さきほどの国のキャンペーンの効果も期待されますが、ただ、これは全国施策であり、他の観光地と同じ土俵で競うものです。 このため、主要観光地である別府市は、市内の旅館、ホテルを支援するとして、県民向けの1泊2,500円からといった格安宿泊プランを用意した施設に対して、市が2千円を支払う湯ごもりエール泊別府鬼割プランを今月中旬から行っています。さらに、別府市内の飲食店で使える1万円で1万3千円分の利用が可能なプレミアム付クーポンを発行するとも発表しました。 そこで、県としても県内観光産業の集客力回復のための目玉となるキャンペーン等、特に県境を越えた移動の自粛要請解除を受けて、県外からの誘客について県独自の支援策のさらなる実施が必要ではないかと思いますが、お考えを伺います。 ○麻生栄作議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 落ち込んだ観光客数回復のための積極施策についてお答えします。 県境を越えた観光振興が解除され、本県としては、県内、九州、全国と段階的にエリアを広げ、誘客施策を展開していきます。旅クーポンに続く近隣県からの遊客では、相互の旅行事業者と連携した商品を現在準備しており、順次販売していきます。 8月の上旬には、国のGoToキャンペーンの開始が見込まれています。まずは全国各地から来県を促すために、大分ゆかりの著名人を起用したCMや地元の方出演の動画の配信、全国番組とのタイアップ放送等により大分県の魅力を積極的に発信していきたいと考えています。 来県後は、温泉地を巡るスタンプラリーや各地の観光施設で利用できる割引、交通機関と連携したツアー造成など、様々なキャンペーンを実施します。 大切なことは、これまでに培った大分のおもてなしを訪れた観光客に十分感じてもらうことであり、それこそが今後の大分県観光の回復につながると考えています。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 特に、さきほど言われた県内から九州各県及び隣接県、そしてまた、全国へと段階を経て様々な取組を拡大していきたいというお話です。これについて具体的な事業も準備されていると伺いました。これをしっかりと展開していただき、早期の観光業のV字回復に向けた取組を積極的に推進願います。 続いて、次の項目で住居確保給付金制度の県内利用状況について伺います。 まず、外出や事業の自粛要請の影響として、各種事業者の売上げ減少が続く中で、支給が遅れている持続化給付金と並んで、家賃補助制度は事業者の賃貸店舗の賃料を支援するものです。 これに対し、コロナ問題で収入が減った個人の家賃を、自治体が原則3か月、最長9か月にわたって家主に直接支払うという厚生労働省所管の住居確保給付金制度があります。この制度については、当初ハローワークへの求職登録や65歳未満であることなどの要件が定められていたものが見直され、そのような年齢や失業状態といった制限が外されて、勤務先がやむなく休業に至った従業員や勤務日数が減った派遣社員、受注が減ったフリーランスの人たちも利用できることとされました。しかし、この制度や要件の緩和についてはいまだに周知が進んでいないのが実情ではないでしょうか。 本県内における本制度の利用状況については想定の水準に達しているのでしょうか、自治体間に制度利用のばらつきはないのか伺います。また、生活困窮者が生活保護を利用することがないよう、その手前である相談体制となる自立相談支援センターといった相談窓口に関する周知策の実施状況もあわせて伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 住宅確保給付金制度の県内利用状況についてお答えします。 本県では、この給付金の受付を生活困窮者の自立相談支援窓口である市町村社会福祉協議会等で行っています。相談窓口では、需要が高い生活福祉資金の貸付制度とあわせてこの制度の説明を行い、要件に合致する方には本制度の活用を促しているところです。 また、県としても、ホームページや新聞、広告等を通じて広く制度の周知を図っています。給付件数は、6月18日現在、大分市や別府市を中心として県内14市町399世帯に対し、約1,200万円が支給済みとなっています。利用者の収入状況が改善されない場合は、給付の延長を引き続き行っていきます。5月末現在の10万世帯当たりの支給決定件数は、九州平均を大きく上回る44件であり、熊本県に次いで上から2番目の水準です。 今後も新型コロナの影響により収入減となった方が安心して生活できるよう、市町村や社会福祉協議会等と連携して、きめ細かやかな生活支援に取り組んでいきます。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 九州で2番目に高い給付決定ということであり、これは家賃にも困っている方がそれだけいらっしゃるという厳しい現状を反映したものかなと思うわけです。その意味で、生活困窮に陥っていらっしゃる方へのきめ細かな支援策が行き届くような形、これは市町村とも連携して、さらに広報、利用促進を図っていただきたいと思います。 次の問題に移ります。 農林水産業従事者の現状と支援策についてお伺いします。 新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、外出自粛や集団としての飲食の機会の減少は、本県の農林水産物の生産者、酒類等の加工品生産者に甚大な影響を与えています。特に高級食材として飲食店で消費されることが多かった養殖魚類や県産和牛は、消費減退により過剰在庫を抱えて、生産設備等を次の生産サイクルに回す余地がなくなって、経営の長期不安定化につながりかねないと心配されています。 国の第2次補正予算でも、農林水産業者の経営継続補助金として200億円が計上されましたが、抜本的に生産を元のサイクルに戻すには、消費の拡大策を講じて余剰在庫を減少させる必要があります。 このような中、鹿児島県は約13億円の予算を確保し、稚魚を入れる空き生けす不足となっている養殖カンパチやブリ、さらに出荷を見合わせている和牛を県が買い上げ、小中学校の給食で活用すると表明しました。 本県でも、和牛については7月から公立の小中学校の給食で提供することが表明されましたが、この対策による出荷滞留和牛の解消見込みを伺います。 あわせて、本県の農林水産業の生産者及び加工品製造販売事業者の経営状況についての認識と、さらなる具体的支援策の検討状況について伺います。 ○麻生栄作議長 大友農林水産部長。 ◎大友進一農林水産部長 農林水産業従事者の現状と支援策についてお答えします。 新型コロナの感染拡大に伴う外食やイベントの自粛、休校等の影響により、おおいた和牛や養殖ヒラメなどの高級食材をはじめ、冷凍野菜などの加工品の在庫も増加し、販売に苦慮しています。こうした在庫の販路を確保するため、75頭分に相当する和牛肉、1万7千尾のヒラメなどを、学校給食の食材として提供するとともに、消費者の購入を促す懸賞付キャンペーンを7月から9月にかけて実施する予定としています。 また、加工事業者の新たな販路開拓に向けて、売り先に応じたパッケージングに必要な設備導入などを支援します。加えて、消費回復後の生産体制確保のため、養殖ヒラメなど次期作支援として種苗購入に対して支援するとともに、国の次期作支援交付金を活用し、大葉などの野菜、スイートピー、キクなどの花きの農家に対して生産費を助成します。 また、畜産の子牛市場を活性化するため、県内子牛を導入する肥育農家の子牛購入経費に対しても支援します。こうした取組によって、生産流通を再生させていきたいと思っています。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 ありがとうございます。農家生産者にとってみれば、この余剰在庫を抱えて次のサイクルに入れないことが、非常に将来の経営に対する不安につながっているということです。さきほど御説明いただいた学校給食等による部分を含めて、その他の様々な食材の供給先、提供先をぜひ開拓をしていただきたいとお願いし、次の問題に移りたいと思います。 視覚障がい者への就労・生業支援策について伺います。 先日、視覚障がい者の生活を支える生業であるあん摩マッサージ指圧師に関するある判決が仙台地方裁判所で出されました。この裁判は、ある学校法人が視覚障がいのない人たちを対象にしたあん摩マッサージ指圧師養成コースの新設を国に申請したところ、不認定とされた案件に関するものです。 この不認定について、国は1964年、昭和39年に改正されたあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の、視覚障がい者の生計を維持するのが著しく困難になると判断すれば、視覚障がい者以外も受け入れる施設の新設を当分の間、制限できるとの規定を根拠にしていました。 この不認定に対し、学校法人側が職業選択の自由を定めた憲法に反するとして、国に処分の取消しを求めた裁判について、今回、原告敗訴の判定が下されました。判決の学校法人側敗訴の理由については、現在も視覚障がい者の相当数があん摩マッサージ指圧師の業務に依存していて、収入も低水準にとどまっていることからすれば、規制の目的には一応の合理性があるとした上で、仮に規制を設けなかった場合、あん摩マッサージ指圧師が増えて、価格の低下などを招き、視覚障がい者の生計の維持が困難となるとして、規則には合理性があり、憲法に違反しないと認定しました。 実はこの判決が出された今月8日より前に、今回のコロナウイルス禍により、身体接触を必要とするあん摩マッサージ指圧の利用者の激減や消毒資材の入手難に伴う視覚障がいを持つ事業者の困窮について度々耳にしていたため、視覚障がい者の生活を支える生業としてのあん摩マッサージ指圧業の現状についての裁判所の認識に注目したものです。 社会全体として、経済活動が停滞している今こそ、特に障がい者の就労機会や生業としての経営維持に特段の配慮を求めることは、憲法の定める国民福祉の向上という根本目的に合致し、表面上の平等だけでなく、生存権の上での平等を達成するという意味で、大変重要な判決であったと感じています。 今般の新型コロナウイルス感染が広がり始めて以降の視覚障がいを含む障がい者の就労や生業の維持について、県としての現状認識、特段の支援策実施のお考えはないかについても伺います。 ○麻生栄作議長 廣瀬福祉保健部長。 ◎廣瀬高博福祉保健部長 視覚障がい者への就労・生業支援策についてお答えします。 県内のあん摩マッサージ指圧師は、視覚障がいのある手帳所持者の約3割を占め、視覚障がい者の生業として重要な職と認識しています。 今回の新型コロナの影響で、施術所ではマスク着用や消毒の実施など、感染防止対策を徹底していますが、利用者の減少で経営状況は厳しいという声も聞いています。 県では、事業者向けコールセンターを設けるなど、様々なルートを通じて、国の持続化給付金などの各種支援策を周知し、事業の維持継続を支援しているところです。 また、視覚障がい者を含む障がい者の就労支援については、県内6か所の障害者就業・生活支援センターに、直接企業に訪問し、新規就業につなげるアドバイザー6人を配置しています。さらに、今年度から就職後の職場定着を支援するアドバイザーを新たに6人増員配置し、支援体制の強化を図っているところです。 今後も、ハローワークなど関係機関と連携し、障がい者の雇用維持を図っていきます。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 ありがとうございます。百年に一度の経済状況という中で、どうしてもしわ寄せを受けやすいのがこの障がい者の皆様ではないかと思います。ぜひそういう意味で、今こそ法的な、きちんとしたバックアップが求められるときではないかと思うわけです。弱いところにこそ光を当てる、これをぜひよろしくお願いします。 それでは、コロナウイルスの関係から少し離れて、次の三つ目の大項目に移りたいと思います。 大分空港のコンセッション方式による民間運営について伺います。 報道によれば、県は大分空港と大分市を結ぶホーバークラフト再開や米企業との小型人工衛星打ち上げを目指すなど、活性化に力を入れているが、県が出資する第三セクターが運営するのはターミナルビルのみで、滑走路は国、駐車場は一般財団法人が運営、このため意思決定が迅速にできない状態にあるとして、その運営について民間企業に委ねるコンセッション方式の導入を目指す方針、県は、近く国土交通省に資産内容や財務状況などの調査を依頼する、同空港はターミナルビルや滑走路などの運営主体が別々だが、民間事業者に一本化することで、路線拡大やアクセス向上などを効率的に進め、空港としての魅力アップを狙うと概要を伝えていました。 この報道内容が事実とすれば、国土交通省への調査依頼内容とその終了見込みや、導入の時期の見通しを、あわせて、旅行客減少で各航空会社が減便を余儀なくされている状況下で、本県の空の玄関口を活性化させる全体施策の中で、民間企業に運営を委ねる狙いをあわせてお答えください。 また、先行事例として、既にコンセッション方式を導入した仙台空港や高松空港の活性化の状況に照らし、この方式の利点や課題についてどのように評価されているのかについてもお聞かせください。 ○麻生栄作議長 高屋企画振興部長。 ◎高屋博企画振興部長 大分空港のコンセッション方式による民間運営についてお答えします。 大分空港は、本県唯一の空の結節点であり、地域振興を図るためにも重要な拠点です。平成30年度には利用者が16年ぶりに200万人を突破したところであり、今後高まる需要に対応するためのホーバークラフトの導入や、アジア発となる水平型宇宙港の実現など、夢の大きなプロジェクトに取り組んでいます。 このような中、コンセッション方式は民間の資金やノウハウを最大限活用することができ、空港や周辺地域のさらなる活性化が図られるのではないかと考え、検討を開始したところです。 まずは国の調査事業を活用し、大分空港の資産状況や課題整理などを行い、本年度末には導入可能性の検証結果が得られる予定となっています。導入可能との結果ならば、関係団体との協議や航空需要の状況を踏まえ、ベストなタイミングを見極めた上で、導入の是非を判断していきますが、導入までには2、3年を要するのが一般的となっています。 先行導入した空港では、ターミナルビルの拡張や新規路線の誘致などにより、旅客数を増加させており、有効な方式と認識をしています。 今後、災害発生時の安全性の確保など課題がないか、さらに研究を進めながら、航空需要の回復にも努めていきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 本県の基幹産業である観光についても、大分空港が果たす役割は非常に大きい。特に今後期待されている外国との間の定期航空路線の開設に向けても、大分の魅力発信の一つの起爆剤にしていただきたいと思っています。コンセッション方式が具体的にうまくいくような形での検討の仕方を推進していただきたいと思います。 それでは続いて、次の項目です。 JR九州の県内赤字路線について伺います。 JR九州は、先月27日、運行する路線のうち赤字となっている線区の2018年度の営業損益を公表して、平均通過人員いわゆる輸送密度が2千人未満の線区の状況を明かし、青柳社長は「一企業だけで維持するのが大変な線区を知っていただきたかった」と述べて、赤字ローカル線の維持に向けて、沿線自治体や住民と協議を進めたいという意向を示しました。 公表された20線区のうちの17は赤字線区で、最も赤字が大きいのが日豊本線の佐伯-延岡間で、2018年度で6億7,400万円の赤字とされました。このようなJR側の情報開示の意図は、日田彦山線復旧問題でもたびたび示された企業論理、もうからない鉄道路線は企業だけでは維持できない。維持を求めるのであれば負担を、というものです。 そこで伺います。JR九州から県内赤字線区の取扱いや地元負担について、どのようなアプローチが来ているのか、仮に何らかの協議が行われているとすれば、その内容についてお答えください。 ○麻生栄作議長 高屋企画振興部長。 ◎高屋博企画振興部長 JR九州の県内赤字路線についてお答えします。 JR九州が1日当たりの平均通過人員が2千人未満の17線区ごとの営業損益を公表しましたが、それに関し、本県に対して具体的な話や提案等は今のところ一切ありません。 在来線は、県民の通勤、通学等の日常生活に必要な移動手段としてのみならず、観光などの地域振興を担う非常に重要な公共交通機関です。そのため、公共交通機関としての鉄道の運行主体であるJR九州は、将来にわたり運行を維持していく責任を一義的に有しています。個別の赤字線区のみを取り上げて議論するのではなく、不採算線区も含めた九州全体の鉄道ネットワークを今後どのように維持していくかというのを考えるべきです。 一方、県としても、沿線の皆さんには利用促進を図ってもらうことも重要ですので、引き続きJR九州や沿線市町村との関係等、連携を図りながら、日豊本線をはじめとして、県内路線の利用促進について取り組んでいく所存です。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 今回、青柳社長が公表した意図については、やはりそういった地元との協議を促進したいとはっきり言われているわけですね。そこから考えたときに、この不採算在来線の整理の問題、あるいは今回取り沙汰されている日豊本線の赤字区間の問題についても、特急が非常に多過ぎるんだというような報道もあるようですが、こういったJRの考え方とか、そういうものが本県の公共輸送インフラに与える影響、今後特に地域に不安が広がるんじゃないかというようなこともあります。また、それらが東九州新幹線の実現への障壁にならないのかということも心配されます。御見解を伺います。 ○麻生栄作議長 高屋企画振興部長。 ◎高屋博企画振興部長 まず、公共交通への影響ですが、在来線ですので、平成30年春のダイヤ改正のときのような大幅減便や路線廃止の検討などを行わないように、JR九州に対しては、知事名、議長名で九州全県で要望活動を行っています。 JR九州の今回の線区別の収支の公表にあたっては、今のところは廃線や別の交通機関への転換を前提にするということは考えていないと言っていますが、採算性の視点のみで赤字路線区の廃止等が行われることがないよう、JR九州に対しては、引き続き強く要望していきます。 それと、東九州新幹線への影響はないかですが、新幹線は御存じのとおり、広域の交通ネットワークとして、関西圏から新たな需要を喚起するものです。在来線の一部区間の利用状況が、東九州新幹線の実現に大きな影響を及ぼすことはないと考えていますが、基本計画路線から整備計画路線への格上げというのはタイミングが大事ですので、そこは怠らずに頑張っていきます。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 特に、東九州新幹線については需要予測の関係から、在来路線の客数、旅客総量が非常に心配になってきているところですので、その辺についてもJRの考え方をぜひ引き出していただいて、適切な対応をお願いしたいと思います。 それでは、最後の問題です。 動物愛護センターでの猫不妊去勢手術について伺います。 これまでも質問で繰り返し取り上げてきた犬猫の殺処分の問題について、再度伺います。 聞くところによりますと、大分動物愛護センターでは、猫の持込みと殺処分の減少を図るため、野良猫問題に苦慮する自治会等と連携して、当該自治会内の区域で一括捕獲の上、不妊去勢手術を施して地域に戻す取組を実施しているようです。 センターのホームページには、年ごとの犬猫の保護状況や引取状況と殺処分された頭数が、センター設置前の平成28年度分まで示されてはいますが、飼養できなくなった飼い主からの持込み等を含めた引取数の目標である犬猫の合計で、年間1,500頭以下の最近の達成状況と譲渡数の推移及び昨年までの殺処分頭数の推移についてお示しください。 そして、今回の待つのではなく積極的に地域と連携して野良猫問題を軽減しようとする狙いについてもお聞かせください。あわせて、地域における猫の保護活動に取り組む方からの不妊去勢に関する相談や要望の状況についてもお伺いします。 ○麻生栄作議長 高橋生活環境部長。 ◎高橋基典生活環境部長 動物愛護センターでの猫の不妊去勢手術についてお答えします。 まず、犬猫の引取頭数の推移ですが、平成29年度が2,669頭、平成30年度が2,453頭、元年度が動物愛護センターの設置により、3,237頭と増加しています。 また、譲渡頭数ですが、平成29年度が382頭、平成30年度が379頭、元年度が495頭と増加しています。 次に、殺処分頭数ですが、平成29年度が2,004頭、平成30年度が1,853頭、元年度が2,271頭と、これも元年度増加しています。 猫の不妊去勢手術の取組は、市町村に事前に登録したボランティア団体等がセンターに猫を持ち込めば、手術を無料で行った後、地域に猫を返すものです。センターでは、獣医師会と連携し、月に1回手術を行っており、一月最大で100頭まで対応が可能です。 これにより、いわゆる野良猫の繁殖と殺処分の抑制につながるものと期待をしているところです。保護活動に取り組む方からは、猫を地域に戻すことに理解を得られない場合もあるので、周知をお願いしたいという声や、この制度をさらに活用したいという声をいただいています。 今後は、市町村との連携により、この取組を広く周知し、地域の方の協力の下に殺処分数を削減していきたいと考えています。 ○麻生栄作議長 河野成司君。 ◆河野成司議員 私も月に1回ぐらい、動物愛護センターに行って、保護室という犬猫の生態が見える場所で、状況を見るわけです。 いつ行っても犬猫はいます。家族連れでこういったところをしっかり見ていただいて、犬猫の命の重さをしっかりアピールしていただく、本来の動物愛護センターの目的達成に向けた取組をもっともっと広げていただきたいとお願いして、私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○麻生栄作議長 以上で、河野成司君の質問及び答弁は終わりました。 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑は、この程度にとどめたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○麻生栄作議長 御異議なしと認めます。よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。  ------------------------------- ○麻生栄作議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知します。  ------------------------------- ○麻生栄作議長 本日は、これをもって散会します。     午後2時58分 散会...