大分県議会 > 2019-03-08 >
03月08日-07号

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  1. 大分県議会 2019-03-08
    03月08日-07号


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    平成31年 第1回定例会(3月)    平成31年第1回大分県議会定例会会議録(第7号)平成31年3月8日(金曜日)  -------------------------------議事日程第7号    平成31年3月8日      午前10時開議第1 一般質問及び質疑、委員会付託  -------------------------------本日の会議に付した案件日程第1 一般質問及び質疑、委員会付託  -------------------------------出席議員 42名  議長        井上伸史  副議長       濱田 洋            志村 学            麻生栄作            衛藤博昭            森 誠一            大友栄二            吉冨英三郎            井上明夫            鴛海 豊            木付親次            三浦正臣            古手川正治            土居昌弘            嶋 幸一            毛利正徳            油布勝秀            衞藤明和            元吉俊博            末宗秀雄            御手洗吉生            近藤和義            阿部英仁            後藤慎太郎            木田 昇            羽野武男            二ノ宮健治            守永信幸            藤田正道            原田孝司            小嶋秀行            馬場 林            尾島保彦            玉田輝義            平岩純子            久原和弘            戸高賢史            吉岡美智子            河野成司            荒金信生            堤 栄三            桑原宏史欠席議員 なし  -------------------------------出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       二日市具正  副知事       安東 隆  教育長       工藤利明  代表監査委員    首藤博文  総務部長      和田雅晴  企画振興部長    岡本天津男  企業局長      神 昭雄  病院局長      田代英哉  警察本部長     石川泰三  福祉保健部長    長谷尾雅通  生活環境部長    山本章子  商工労働部長    高濱 航  農林水産部長    中島英司  土木建築部長    阿部洋祐  会計管理者会計管理局長            岡田 雄  防災局長      牧 敏弘  人事委員会事務局長 下郡政治  労働委員会事務局長 飯田聡一  財政課長      佐藤 章  知事室長      山田雅文  -------------------------------     午前10時 開議 ○井上伸史議長 おはようございます。 これより本日の会議を開きます。  -------------------------------井上伸史議長 来る11日で東日本大震災の発生から8年を迎えます。 日程に入るに先立ち、ここに改めて、震災により犠牲となられた方々に対し、深く哀悼の意を表するため、黙祷をささげたいと思います。 全員御起立願います。黙祷。  〔黙祷〕 ○井上伸史議長 黙祷を終わります。 御着席願います。  -------------------------------井上伸史議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第7号により行います。  ------------------------------- △日程第1 一般質問及び質疑、委員会付託井上伸史議長 日程第1、第1号議案から第33号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。荒金信生君。  〔荒金議員登壇〕(拍手) ◆荒金信生議員 皆さん、おはようございます。 ただいま御紹介いただきました、40番、荒金信生でございます。 昨年の第1回定例会以来、1年ぶりの一般質問になります。この間を振り返りますと、いいニュースの多い1年だったと思います。 まずは、皆様御案内のとおり、県内で二つの大きなイベントが開催されました。 一つは、おんせん県おおいた世界温泉地サミットです。5月25日から3日間、別府ビーコンプラザにおいて、温泉資源の活用や地域発展の可能性について、情報交換や議論を行う世界初の温泉に関する国際会議として開催され、世界16か国、17地域をはじめ、国内外から1千人を超える参加がありました。観光、医療・健康・美容、エネルギーの分科会において議論を深め、世界温泉地サミット宣言を採択し、閉幕しましたが、この間、イギリスやフランスなど海外6か国18人、国内20社28人の記者などに取材していただき、世界初の温泉地サミット開催県として、本県を国内外にPRすることができたと感じています。 もう一つは国民文化祭全国障害者芸術・文化祭、おおいた大茶会です。10月6日の開会式には皇太子同妃両殿下に御臨席をいただき、それから51日間、県内18市町村で伝統芸能や障がい者アートなど、164の多彩な事業を展開し、関連事業を含め230万人超が参加しました。私も別府公園で開催された、アニッシュ・カプーアIN別府等をとても興味深く拝見させていただきました。そして、11月25日には盛大なフィナーレを迎え、次の開催県である新潟県に大会旗を引き継ぎました。おおいた大茶会を通して、本県の多様な芸術文化や食文化などを県内外の方々に体験していただいたことにより、県民が本県の魅力を再確認するとともに、本県の魅力を県内外に発信することにつながったのではないでしょうか。 ほかにも、大分空港の国際線に関しては、韓国の格安航空会社ティーウェイ航空大分-ソウル線を週7便運行していたところですが、昨年12月から、大分-プサン線の週3便、大分-ムアン線の週3便が新規就航し、運賃も片道2,500円からという安価な設定で、さらなる韓国人観光客の増加が見込まれます。 さらに、平成29年の本県における外国人宿泊者数は過去最高の139万人で、全国12位となり、対前年伸び率では全国第1位となりました。正に広瀬県政4期16年において、県全体で観光振興に取り組んできた成果と言えるのではないでしょうか。 そして、今年はいよいよ、ラグビーワールドカップ2019が本県で開催されます。ラグビーワールドカップオリンピックサッカーワールドカップと並んで、世界三大スポーツイベントと呼ばれ、前回大会は全世界で40億人が視聴し、観戦で日本を訪れる外国人は40万人とも言われています。県内で活動する大会公式ボランティアがおよそ1,500人選ばれ、これは開幕戦がある東京の2,400人に次ぐ規模だと聞いております。「4年に一度じゃない、一生に一度だ」というキャッチコピーの下、県内の機運も盛り上がっているのではないでしょうか。 また、第10回日本ジオパーク全国大会も、今年の11月に本県において開催されます。全国約60地域のジオパーク関係者が本県に集いますので、本県の魅力を発信するチャンスだと思います。 正に今年は、さらなる観光誘客、そして、観光産業のさらなる振興により、本県経済の発展につなげる絶好の機会であると言えます。 そこで、今回の一般質問では観光を中心に質問をしたいと思います。今任期最後の質問になります。執行部におかれましては、真摯な答弁をお願いいたします。 まず観光振興について。本県の観光振興の全体についてお伺いします。 全国の訪日外国人旅行者数は、昨年初めて3千万人を突破し、この5年で3倍と急増しています。2020年には4千万人まで増やす目標を政府は立てていますが、これまでの増加ペースに加え、今年のラグビーワールドカップや来年の東京オリンピック・パラリンピックがさらなる追い風となることもあり、目標の達成は可能と考えられます。 観光誘客についてはおおむね順調と言えますが、一方で、課題もあります。その一つが外国人観光客数の伸びに比べて、観光消費額がそれほど伸びていない点であります。昨年の訪日外国人旅行消費額は、4.5兆円と過去最高を記録したものの、1人あたりの旅行支出は一昨年を下回ると推計されており、ここ数年伸び悩んでいます。政府は2020年に消費額を8兆円まで引き上げることを目標にしていますが、こちらはこのままでは達成が難しいと考えられます。この要因としては、現在の訪日外国人旅行客が韓国、中国、台湾など東アジアに偏っており、平均宿泊数が長く、1人あたりの旅行支出が大きいとされる、欧米や大洋州からの割合が低いことが指摘されます。本県では、特に全国以上に東アジアからの観光客の依存度が高いことから、ラグビーワールドカップを契機として、欧米や大洋州からの誘客を図る必要があります。 また、外国人観光客向けの仕掛けとして、外国人の嗜好に合った体験や魅力的なお土産品等を開発していくことも、消費額を引き上げるために大変重要です。さらに、日本は諸外国に比べてキャッシュレス決済の比率が低いというデータもあることから、キャッシュレス化を進めることも外国人の消費拡大のために必要と考えます。 一方、近年は観光振興というと、海外誘客が話題の中心となる傾向にありますが、県の観光統計調査によると、県内宿泊客の多くは依然として国内、特に九州内から来られる方が多くを占めています。 しかし、本県の国内宿泊客数は近年、横ばいから若干の減少傾向にあるようです。日本の人口が減少している中、国内観光客を大幅に増やしていくのは難しいとは思いますが、そのような中だからこそ、本県の魅力をPRし続け、国内観光客数についても、維持、増加させていく努力が必要であると思います。 県では、来年度から始まる新たな、おおいたツーリズム戦略の策定作業を進められています。もちろん、こうした課題に対応する施策を盛り込んでいると思いますが、今後、観光振興についてどのように取り組んでいくのか、広瀬知事にお伺いいたします。  〔荒金議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○井上伸史議長 ただいまの荒金信生君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 荒金信生議員から、観光振興について様々御質問を賜りました。 観光は、裾野の広い地域密着型の産業であり、経済波及効果も大きく、地域の活性化、雇用機会の増大などの効果が期待できます。 本県では、平成26年に40万人であった外国人宿泊者の数が、この4年間で3倍以上に急増しています。この好調なインバウンドをさらに伸ばしていくことがまず必要であり、本年10月に開催されるラグビーワールドカップなどのビッグイベントを契機に、海外からの観光客の呼び込みを図っていきたいと思っております。 ラグビーワールドカップは、観光消費額が大きい欧米、大洋州までウイングを広げる絶好の機会であります。まずは、本県の認知度を高めるため、海外メディア有名ウエブサイト等により情報発信を行っているところです。 例えば議員からお話のありました世界温泉地サミットのレガシーとして制作するホームページでは、タトゥーがあっても入浴できる温泉施設を紹介するなど、本県の強みである温泉の魅力を世界に発信します。 また、受入態勢の整備では、御心配される宿泊施設について、民泊予約サイトと連携した農家民泊の促進などを行います。観戦客がリピーターとなるように、護摩焚き体験や別府湾クルーズなどの着地型旅行商品の造成も行います。 本県インバウンドの9割を占めるアジアについては、これまでの取組に加えて、中国、香港などの高所得者層をターゲットとした誘客にも取り組んでおります。 もとより本県を訪れる観光客の8割を占める国内客も重要です。ライフスタイルの変化などにより、多様化する旅行ニーズに対応するため、旅行意欲が旺盛な団塊の世代や若い女性など、ターゲットに応じた情報発信や都市圏ごとの誘客対策を行いたいと思います。 さらに、六郷満山1300年祭や国民文化祭全国障害者芸術・文化祭で培った歴史、文化、芸術を活用したツーリズムについても、引き続き取り組んでいきたいと思います。 今回、旅館、ホテル等の観光産業の振興にもより力を注ぐために、観光産業施策を含む観光政策全般を、商工労働部に移管したいと考えております。 移管後の観光局では、観光産業のサービスの充実や生産性向上のほか、宿泊施設の集客力の強化、さらには体験型観光の促進、夜間観光の導入、キャッシュレス化の推進などにより、観光消費額の拡大を図りたいと思います。さらに、観光産業を担う人材の確保、育成にも取り組んでまいります。 ラグビーワールドカップを好機と捉え、県下の観光関係事業者、観光振興の旗振り役であるツーリズムおおいたと一体となって、ツーリズムと観光産業の振興の両面から、これまで以上にしっかりと誘客促進と消費拡大に取り組んでいきたいと思っております。 ○井上伸史議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 次に、国際クルーズ船の寄港などで、観光振興の役割も果たしている別府港の再編についてお伺いいたします。 別府港は昭和26年に重要港湾に指定され、主として本州、四国便のフェリーターミナルとしての役割を担ってきましたが、フェリー上屋をはじめ、港湾施設の老朽化が進むとともに、環境負荷の大きいトラック等の自動車による貨物輸送から、フェリーによる大量輸送への転換が進んでおり、フェリー大型化への対応が必要となってきています。 そのような中、県は九州の東の玄関口としての拠点化戦略において、別府港を人の流れの基幹拠点として位置付け、九州の海の玄関口にふさわしい再編整備に取り組むこととし、先月5日、別府港再編計画の素案を公表しました。 この素案の目指すべき将来像として、一つ、九州の海の玄関口としてふさわしい景観と利便性を有し、フェリー利用者や県内外からの来訪者でにぎわう港、第2に、フェリー利用者が快適にフェリー上屋を利用できる港、第3、フェリー利用者が迷わず円滑に他の交通機関に乗り継ぎ、本県、さらには九州内を周遊できる港、第4、フェリー利用者のみならず、県民や観光客が気軽に港を訪れ、船や水に親しみながら食事や買物、散策等を楽しめる港という四つを掲げています。そして、二つのフェリー上屋を集約し、バス・タクシーの乗り場を併設することや、岸壁増深・泊地浚渫によるフェリー大型化への対応、民間事業者のアイデアを生かした複合商業施設の整備などによる、にぎわいの創出を計画しています。 この別府港のすばらしい再編計画について、別府市民を代表して感謝を申し上げるとともに、別府港が本県、そして九州の海の玄関口としてにぎわうことを大いに期待しています。 来年度以降、どのように別府港を再編し、県全体の発展につなげていくのか、広瀬知事に見解をお伺いします。 ○井上伸史議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 別府港の再編について御質問をいただきました。 別府港は、年間約50万人の船舶乗降人員を誇るとともに、国際観光温泉文化都市である別府市の市街地を後背地に持ち、本県経済や観光を支える重要な役割を果たしております。 現在、八幡浜、大阪の二つのフェリー航路が就航していますが、フェリー上屋が分散、老朽化している、他の交通機関への乗り継ぎが分かりづらい、九州の海の玄関口にふさわしいにぎわいの創出ができていないなどの課題があります。 このため28年度から29年度にかけて、県内の公共交通事業者や地元の有識者などで構成する会議を立ち上げて、再編の方向性について御議論をいただいたところです。 本年度はこれらの議論を踏まえて、今後の再編の方向性を示す、別府港再編計画を年度末までに策定することとしており、その素案について、今月4日までパブリックコメントを実施したところです。 再編計画の柱は3点あります。 1点目は、今後予定されている大阪航路フェリーの大型化への対応です。岸壁の改修や泊地の浚渫、航路の拡幅を行います。 2点目は、現在、分散、老朽化している二つのフェリー上屋の統合です。上屋とバス、タクシーの乗り場を一つの公共交通ターミナルに統合することにより、乗り継ぎを分かりやすくするとともに、利便性の向上を図ってまいります。 3点目は、九州の海の玄関口にふさわしいにぎわいづくりです。九州内外を行き来するフェリー利用者や国内外の観光客、地元の方々にも飲食や買物を楽しんでいただけるような空間の創出を目指します。 このにぎわいづくりにあたっては、民間の資金やノウハウを利用できるPFI事業によって、施設整備、運営を行いたいと考えております。 この民間の事業者からは、別府港は交通量の多い国道10号に隣接した恵まれた位置にあり、まとまった規模の貴重な平地であるとして、高い評価をいただいております。 別府湾から見た鶴見岳、扇山などの山並みは非常に美しく、これらを楽しみながら、例えば海辺のカフェやレストランなどで優雅にくつろげる空間を整備できればと考えているところです。 また、餅ヶ浜海岸や国際クルーズ船の寄港する第4埠頭、海浜砂湯のある上人ヶ浜など、周辺施設との連携を図ってまいりたいと思います。 来年度以降は、まずは岸壁改修などの港湾整備事業の着手に向けて、国へ事業化を働きかけてまいります。さらに、これら工事の事業進捗を踏まえて、PFI事業者の公募を行うことになるため、民間事業者から積極的な応募がいただけるように周知を図ってまいらなければならないと思います。 今後の別府港の再編が、県全体の発展につながるように、あるいは九州の東の玄関口として、九州全体の発展につながるように、着実に事業を進めていきたいと考えております。 ○井上伸史議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。 次に、ラグビーワールドカップについて、ワールドカップキャンプ地についてお伺いします。 いよいよ今年9月から、ラグビーワールドカップが開催されますので、そのキャンプの活用についてお伺います。 昨年、公認チームキャンプ地として、別府市と大分市が選ばれました。別府市にはニュージーランドオーストラリア、ウェールズ、カナダ、大分市にはフィジー、ウルグアイが大会期間中に滞在します。報道によると、別府市営実相寺多目的グラウンド及び大分市営駄原球技場で調整や練習を行い、選手やスタッフは付近のホテルに宿泊するとのことです。世界の強豪が本県の温泉で体を癒やし、ワールドカップで好成績を収めていただくことを期待しています。 また、先月末時点のラグビー世界ランキングでは、ニュージーランドが1位、ウェールズが3位、オーストラリアが6位、フィジーが9位となっており、正に世界最高峰のプレーを目のあたりにすることができます。各チームのファンなど、欧米や大洋州などから海外客を呼び込む好機であるとともに、2002年のサッカーワールドカップの際の中津江村のように、キャンプで来県した海外の選手と交流を深め、今後の国際交流に発展することも考えられるのではないでしょうか。 このラグビーワールドカップのキャンプをどのように生かしていくのか、企画振興部長にお伺いいたします。 ○井上伸史議長 岡本企画振興部長。 ◎岡本天津男企画振興部長 来県する各チームのファンには、本県の豊かな天然自然、日本一の温泉、おいしい食べ物、歴史文化等を堪能してもらい、リピーターになっていただけるよう、情報発信や受入態勢の整備に取り組んでおります。 大会期間中の選手との交流については、キャンプ受入自治体である県、大分市、別府市が組織委員会を通じて、ラグビークリニックや学校訪問、日本文化の体験などをチームに提案しているところです。多くの県民との交流を期待しているところです。 また、来県チームの応援機運を高めるため、キャンプを行う国や地域にちなんだ料理レシピの作成や給食の提供、国際理解講座等を実施しているところです。 これらの取組を通じて、県民が来県国、地域の人や文化に触れ、親しむことにより国際理解を深め、継続的な相互交流の促進を図りたいと考えております。 先日、来県したウェールズ政府日本代表からは、大会を契機に交流を続けたいと言われております。期間中にチームはもとより、ファンとの交流を深める機会を設け、今後の交流の発展につなげたいと考えております。 ○井上伸史議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 次に、ラグビーワールドカップに向けた交通安全対策についてお伺いします。 ラグビーワールドカップの期間中は、国内外から多くの観戦客が本県を訪れることが見込まれます。しかし、本県に来ていただいた観光客が、万が一交通事故に遭ってしまったら、せっかくの楽しい思い出が台無しになりかねません。 そこで、ラグビーワールドカップに向けた交通安全対策についてお伺いします。 ラグビーワールドカップは本県のほかにも、福岡県や熊本県でも開催されますので、観戦客は自家用車やレンタカーで移動することも考えられます。特に香港や韓国、シンガポールの方など、本県に来ることに慣れている外国人観光客は、バスや電車といった公共交通機関よりも、自由に動くことができるレンタカーを好む方が増えています。それに伴い、交通事故も増加していると聞いています。 また、県民全体の交通安全対策を推進し、交通事故の総量を抑止することも大切ではないでしょうか。 今後、海外観光客の増加を図るためにも、ラグビーワールドカップに向けた交通安全対策に取り組み、安全な大分県というレガシーを残す必要があると思いますが、警察本部長の見解をお伺いします。
    井上伸史議長 石川警察本部長。 ◎石川泰三警察本部長 ラグビーワールドカップの開催に伴い、多くの外国人観光客の来県が予想されているというのは、正に議員御指摘のとおりです。 県警では、外国人ドライバーの交通事故を抑止するため、県や関係団体と連携して、英語、韓国語、中国語、日本語の4か国語を併記した交通安全を呼びかけるチラシを作成して、レンタカー事業者とか、旅館、ホテルなどで配布するなど、広報、啓発活動を行っているところです。 また、あわせて、県内の主要観光地を中心に、英語を併記した信号機の地名板や、道路標識の整備を進めているところです。 一方、外国人観光客の交通事故を防止するとともに、交通事故のさらなる減少を図るためには、県民の交通安全意識をより一層高めていくことも必要です。 このため、とりわけ横断歩道における歩行者優先の徹底など、交通ルールの遵守と交通マナーの向上を図るための広報活動や、交通指導取締り、県民と連携、協力した街頭活動など、さらに強化してまいりたいと考えております。 さきほど、議員からレガシーというお話もございましたけれども、正に日本一安全な大分の実現に向けて、引き続き関係機関、団体をはじめ、広く県民の皆様と連携した取組を推進してまいりたいと考えております。 ○井上伸史議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。 次に、本県が世界に誇れるユネスコエコパーク、ジオパークについてお伺いいたします。 今年は日本ジオパーク全国大会が本県で開催されるということで、昨年よりもさらに踏み込んで質問します。 まず、ユネスコパークについてです。昨年の私の質問に対して、生活環境部長から、「自然景観や希少野生動植物を保全しながら、こうした素材を生かしたトレッキング等、自然と共生したツーリズムを推進していきます。また、ドラムTAO出演動画を活用し、知名度向上を図っていく」と答弁いただきました。その後、各地におけるシンポジウムや、大型ショッピングモールでのPRイベント、ドラムTAOによる情報発信などを積極的に行い、少しずつですが、知名度向上につながってきているようです。 今後は、祖母・傾・大崩地域の豊かな自然環境の保全を図りながら、地域の随所に所在する山岳、渓谷、滝や森といった自然や、人々の間に伝わってきた伝統芸能や祭礼行事を、ユネスコエコパークの見どころにして、積極的に紹介し、誘客を図っていくことが必要だと思います。祖母・傾・大崩ユネスコパークは、本県と宮崎県の六つの市町にまたがっていることから、両県と6市町が連携し、一体となって取り組んでいくことが求められます。今後の誘客対策についてお伺いいたします。 次に、ジオパークについてです。ジオパークについても、昨年の質問に対して、「ジオサイトを分かりやすく説明した解説板の設置やガイドの質の向上を進めるとともに、大学等との連携により、学術的価値を国内外に情報発信し、学術関係者や地質愛好家も呼び込んでいきたいと考えています」と答弁いただきました。 こうした取組の一環でもある、日本ジオパーク全国大会が11月に本県で開催されることとなりました。昨年7月には、広瀬知事を名誉委員長とする、第10回日本ジオパーク全国大会2019おおいた大会実行委員会が設立され、県がリーダーシップをとりながら開催準備を進めていると聞いています。この日本ジオパーク全国大会では、全国各地から約2千人が参加し、おおいた姫島ジオパークとおおいた豊後大野ジオパークを舞台にしたツアーや講演会、分科会などが行われ、各ジオパークの展示や体験コーナー、物産展など、一般の方が楽しめる多くのイベントも用意されるとのことです。ジオパークの取組について、議論、研究することはもちろん大切ですが、この全国大会開催を契機として、より広く県民にジオパークの魅力や活動を知ってもらうことで、両ジオパークの活性化、そして、本県の地域振興につなげていくことが重要だと思います。 日本ジオパーク全国大会2019おおいた大会は、どのような大会とし、どのような成果を目指しているのでしょうか。生活環境部長にお伺いいたします。 ○井上伸史議長 山本生活環境部長。 ◎山本章子生活環境部長 祖母・傾・大崩ユネスコエコパークは、原生林や美しい渓谷をはじめ、文化、民俗芸能など、地域資源に恵まれているものの、エリアが広大であるため、道案内や誘導が分かりづらいという声も聞いております。 そのため、来訪者が自動車で円滑に移動し、楽しむことができるよう、周遊ルートや目的に応じたコースの設定を行うこととしております。 あわせて、エコパークの特徴的な見どころを紹介する地図を作成するほか、案内標示を充実させる取組も進めながら、さらなる誘客につなげてまいります。 また、本県で開催するジオパーク全国大会は、第10回目という節目の大会ですので、これまでの足跡をたどり未来につながるジオパークについて考える大会としたいと考えております。 姫島村及び豊後大野市に加えて、大分市も会場として、住民参加型の講演会やパネルディスカッションを予定しております。 また、岩石や化石を使った体験など、知的好奇心に訴える工夫をした内容も検討しているところです。 関係者だけでなく、県民の皆様にもジオパークの魅力や活動を広く知ってもらい、姫島、豊後大野の両ジオパークのファンを増やし、持続可能な取組につなげていきたいと考えております。 ○井上伸史議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。 では最後に、冒頭申し上げた、世界温泉地サミットの会場となった別府国際コンベンションセンター、いわゆるビーコンプラザの活用について質問いたします。 ビーコンプラザは本県出身の建築家である磯崎新氏の設計により、本格的な国際会議施設として平成7年に建てられました。最大8千人の収容が可能で、プロスポーツを行うこともできるコンベンションホール、最大1,200人の収容が可能な音楽ホール、フィルハーモニアホール、6か国同時通訳が可能な国際会議室など、充実した施設を備え、数々の大規模イベント誘致に貢献してきました。昨年は世界温泉地サミットのほかにも、5月に別府アルゲリッチ音楽祭、11月に人気のアーティスト、ミスターチルドレンのコンサート、12月に大相撲別府場所などが開催され、国内外から多くの人を本県に呼び込みました。 また、ビーコンプラザのシンボルであるグローバルタワーは、高さ100メートルの展望デッキから別府湾を一望でき、日本夜景遺産に選定されているなど、観光施設としても人気があります。 今後、国際会議などの誘致も含め、ビーコンプラザをどのように活用して、本県の振興につなげていくのか、企画振興部長にお伺いします。 ○井上伸史議長 岡本企画振興部長。 ◎岡本天津男企画振興部長 ビーコンプラザは国際規模の会議やコンサートなどで、毎年40万人以上の方々に、また、グローバルタワーも年間2万人以上の方々に利用されています。コンベンションホールなど主要4施設の利用率は、平成20年度の47%から平成29年度には61%まで伸びるなど、着実に活用されていると考えています。 ビーコンプラザの利用が拡大することは、来訪者による宿泊や飲食、周辺観光の増加など、地域経済の発展にもつながると考えています。 県ではさらなる活用を図るため、本年度から指定管理者とともに企業や団体を訪問し、積極的に誘致活動を行っているところです。 これにより、1万人の集客が見込まれる人気バンドによる本年6月のコンサート、それから9千人が参加する10月の九州マーチングフェスティバルをはじめ、3年後の国際学会や全国規模の大会等も決定しているところです。 今後もコンベンション施設としてのビーコンプラザの優位性と本県の魅力ある観光の両方をアピールしながら、積極的な誘致に取り組み、国内外からの誘客、地域の振興につなげていきたいと考えております。 ○井上伸史議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。 以上で、今年度の私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○井上伸史議長 以上で荒金信生君の質問及び答弁は終わりました。油布勝秀君。  〔油布議員登壇〕(拍手) ◆油布勝秀議員 15番、自由民主党の油布勝秀です。 私が政治の世界に足を踏み入れたのは、昭和が終わりを告げた直後の平成元年2月のことでした。大分市議会議員として4期、そして、平成15年、広瀬県政のスタートと時を同じくして、県議会に活動の場を移させていただき、今日に至っております。 政治活動を始めてからは、私は「シャキッと行こう」をキャッチフレーズに首尾一貫して、何事にも恐れず、様々な問題に真っ向から議論を挑み、県民の皆様方のより豊かな暮らしの実現に向けて、決意を持って実行するという信念の下、微力ながら全身全霊をかけ、活動してまいりました。 強く印象に残っていることは、一つは地元の皆さんの強い反対があった大分市戸次地区での産業廃棄物処理場計画について、県議会のこの場で4回にわたり質問し、最終的に計画断念に持っていったことであります。 また、3年前から、たびたび提案しておりました、第1子に100万円、第2子に200万円という大型出産祝い金給付制度の創設は、本年10月から始まる幼児教育無償化として、形は異なるものの、予算配分を子育て分野へ大転換するという意味において実現しました。私の政治信条に沿った取組の成果の一例とも考えています。 さて、時代は移り、本年4月30日をもって、30年と113日の平成が終わり、新たな時代が始まろうとしています。早いもので、私の政治活動も30年が経過したことになります。 大きな節目を迎えましたが、私、油布勝秀は、体調を崩し、熟慮の末、県議会議員選挙への立候補を辞退することにしました。これまで応援していただいた皆様に、この場をお借りし、感謝の意を伝えたいと思います。大変ありがとうございました。 私は復帰への強い意欲を失うことなく、治療に全力をあげ、リハビリに努めてまいります。健康を回復し、再び皆様とお会いできる日が来ることを願っています。 さて、バブル景気真っただ中に始まった平成は、バブル崩壊と失われた20年という言葉に代表されるように、動揺の時代、沈滞した時代とも総括されています。来る新たな時代が、豊かで輝かしい時代となるためには、県執行部、県議会、市町村、市町村議会、そして、県民の皆さんが一緒になって、今まで以上に知恵を出し合っていかなければなりません。 新たな時代をどう築いていくべきか、そういう思いで私の一般質問をさせていただきます。 地方創生について伺います。私は、平成29年6月、そして30年3月に、押し寄せる人口減少社会の到来にどう立ち向かうのかといった観点から、立て続けに一般質問を行いました。 それは、人口減少社会が社会の活力を奪い、担い手の減少により特色ある地域づくりを困難にし、子どもたちに引き継ぐべき明るい未来の実現に大いに危機感を覚えているからです。 知事は、30年3月の私の質問に対し、人口減少対策について、「本県人口の目標を今世紀末まで100万人に近い水準とする人口ビジョンを掲げ、その実現に向け、人・仕事・地域・基盤の四つの柱の下、市町村と一体となって、地方創生に取り組んでいる」とした上で、合計特殊出生率の上昇、過去最大の企業誘致の実現、1千人を超える移住者数などの成果とともに、今後の取組の方向性を示され、「人口減少対策は県、市町村とも最重要課題であり、今が一番の踏ん張りどころである、市町村と力を合わせ地方創生に邁進する」と答えられました。 心強い答弁であったわけですが、人口減少という大きな流れに逆らうことは、一朝一夕にはできません。 私は、例えば、ずっと都会に住んでいて自動車免許を取っていない方が大分に住む場合には、免許の取得経費と大分県産の軽自動車をプレゼントするという、インパクトのある策を講じてはどうかと考えています。地元産業にとってもプラスに働くのではないでしょうか。ぜひ、前向きに検討していただきたいと思います。 まち・ひと・しごと総合戦略の終期まであと1年となります。残された1年間で地方創生の取組を加速し、目標を達成するためには、地方間の競争に打ち勝つインパクトのある施策が求められます。 そこで、私の提案を踏まえ、地方創生に向けた施策の充実について、知事の見解を伺います。  〔油布議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○井上伸史議長 ただいまの油布勝秀君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 油布勝秀議員には、これまで大分市議会議員として、また、県議会議員として、長きにわたり議員活動を通じて、地方自治の発展のために大変御尽力をいただきました。 特に県政最大の課題である人口減少問題に対して、具体的な政策を御提言いただきました。議員も振り返っておられましたけれども、子育て分野への予算配分の重点化をという御提言は、大いに参考にさせていただいたところであります。 また、議員は大分市大南地区の御出身で、市町村合併後の周辺対策についても大変お力をいただきました。廃棄物処理場の問題にも熱心に取り組んでいただいたところであります。 さらに、畜産業の振興については、御自身の経験にのっとり、貴重な御意見を賜り、背中をいろいろ押していただきました。 加えて総務企画委員長をはじめ、各委員長、副委員長を歴任されるなど、県議会の発展のため御尽力、御活躍をいただきました。厚く御礼を申し上げる次第であります。 さきほど、議員は県議会復帰への力強い意欲を表明されました。どうか健康に御留意し、健康回復に努めていただいて、「シャキッと行こう」というお気持ちで、また元気な姿でお目にかかることを祈念申し上げたいと思います。 さて、地方創生について御質問をいただきました。 本格的な人口減少社会が到来する中、国、地方をあげて、地方創生の取組が進められております。本県では、人・仕事・地域・基盤の四つを柱に、知事と市町村長をメンバーとする大分県まち・ひと・しごと創生本部の下、県と市町村が一体となって全力で取り組んでおります。 全国に先駆けて高齢化が進んでいる本県は、自然減のピークは2040年頃と見込まれております。当分の間は、自然減を中心に人口は減少していきます。肝心なことは、できるだけ人口減少を緩やかにし、何とか歯止めをかけて、本県の活力を維持することだと考えております。人口減少の大波に負けないように、スピード感を持って、知恵を出し、チャレンジを続けてまいります。 人の分野では、子育て満足度、健康寿命、障がい者雇用率の三つの日本一に向けて取組を強化、拡充します。子育てほっとクーポンの上限撤廃で、多子世帯への支援を拡充するとともに、県民総ぐるみで減塩や野菜摂取、運動数の増加等の健康づくりに取り組みます。 また、幼児教育の質の向上や小中学校の学力向上対策等により、引き続き教育県大分の創造に力を入れ、本県の将来を担う人材育成を図ってまいります。 仕事の分野では、魅力ある仕事づくりが重要であります。農林水産業では、水田の畑地化などを進め、もうかる産業へと構造改革を加速します。商工業では、好調な企業誘致に引き続き努めるとともに、創業支援や中小企業の経営革新等を進めたいと思います。 また、地域に密着した観光産業についても、キャッシュレス化などを進め、ラグビーワールドカップを契機に、インバウンドのウイングを欧米、大洋州に広げてまいります。 あわせて、深刻化する人手不足対策として、生産性の向上や働き方改革を進めるとともに、外国人労働者の円滑な受入れ、共生にも取り組みます。 また、人工知能やドローン、IoTなどの先端技術が社会の有り様まで変えようとしております。昨年は県内の中小企業が参画して、環境観測衛星「てんこう」の打ち上げに成功しました。様々な地域課題の解決や産業の未来創出には、足元を固める堅実な取組とともに、このような夢のあるチャレンジも必要だと考えております。 地域づくりの分野では、引き続き集落機能を補い合うネットワークコミュニティの構築に力を入れていきます。人口減少が進む中にあっても、住み慣れた地域に住み続けたいという住民の願いをかなえていくことは、我々の使命だと考えております。 基盤の分野では、空港、港湾の機能拡充や幹線道路網の強化など、九州の東の玄関口としての拠点づくりを着実に進めてまいります。 県外からの移住者は平成26年度は292人でしたが、昨年度は1,084人と1千人を超えるまでになりました。今年度も同程度の水準を維持しております。議員御指摘のとおり、UIJターンは地域間競争の側面もあります。軽自動車も喜ばれるかもしれませんけれども、人・仕事・地域・基盤、それぞれの分野において施策を強化して、大分県のポテンシャルや魅力を高めていくことが大切ではないかと考えております。 油布議員には、今回も大変骨太の政策提言をいただきました。お互い目指すところは、どうやって人口減少に歯止めをかけるかということであります。御提言も含めて、効果的な政策を適宜、的確に打っていきたいと考えております。ありがとうございました。 ○井上伸史議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 ありがとうございました。県知事に昭和30年に抜本的な公選で木下郁氏が選ばれ、昭和46年まで4期16年間務めました。木下郁氏は農工併進を訴え、大分新産業都市建設計画を掲げ、大分市の臨海部を埋め立て臨海工業地帯を完成させ、新日鐵、昭和電工、九州石油などの立地に成功しました。この後、立木勝氏が1期務めた後、昭和50年、平松守彦氏が就任し、全国的に有名となった一村一品運動の提唱で、地域おこしに名をはせました。また、国東テクノポリス構想を掲げ、ソニー、キヤノンなどを立地させるとともに、大分市東部の丘陵地帯を開発し、大型ドームを中心とする総合運動公園の建設を進めました。その任期は6期24年に及びました。 その後、広瀬知事は、日本の経済産業を担う通産経産官僚のトップという実績を引っさげ、平成15年に初当選され、4期16年がたちました。さらに、5期目に挑むと聞いており、就任以来、国の三位一体改革等の影響等で、危機に瀕していた財政再建に見事な手腕を発揮されるなど、その業績はすばらしいものであります。私たち県民の誇りです。 既に、AIを中心とするスーパーテクノロジーの分野などで、着々と布石を打っているように思いますが、県民は引き続き、その豊かな経験に基づく大構想、大英断を胸を引き締めて期待しています。 広瀬知事の下、来る新たな時代が明るく、豊かに、活力のあるものとなるよう心から祈念申し上げます。 議長をはじめ県議会の皆さん、広瀬知事をはじめ優秀な県職員の皆さん、大変ありがとうございました。 これをもって私の・・・  〔「がんばれ」と呼ぶ者あり〕 一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○井上伸史議長 以上で油布勝秀君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩します。     午前11時16分 休憩  -------------------------------     午後1時 再開 ○濱田洋副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続きます。久原和弘君。  〔久原議員登壇〕(拍手) ◆久原和弘議員 36番、県民クラブの久原和弘です。 また、今日もちょっと長いんで、はしょって提起しますんで、よろしくお願いします。 県民クラブの皆さんに、今回、俺はもう引退するんで、ぜひ質問の機会をくれとお願いし、割って入らせてもらいました。そういう中で得た貴重な機会ですので、大切に使いたいと思います。 そして、今日は、私もこの24年間やったけど、初めてこげえいっぱい来てる。傍聴者の皆さんよろしくお願いします。(拍手) 最後は一遍ぐらい来いって言ったけん、来てくれた人もだいぶおりますんでよろしくお願いします。 臼杵市の平和運動センターや社民党支部の皆さんが、立派な後継候補をつくって擁立してくれましたので、引き継ぐことにいたしました。 思えば平成7年に48歳で初登庁して以来、6期24年間、県議会の末席を務め、現在は72歳になりました。4期目の始め頃、同僚の議員に、もう我々の子どもの年齢の人が議員になっている、もうそろそろ引退する時期じゃないかというようなことを話したことがある。そのときに、話した同僚が、まあ、孫じゃないけんいいじゃないかと、こげん言ったんだけど、そう思っていたら、いよいよもう孫の皆さんが出てくるような年齢になりました。 この24年間を振り返り、これまでの県政の歩みについて検証し、私の思いを述べてみたいと思います。 平成30年間のうち24年を議員として過ごし、平松県政では2期8年、広瀬県政では4期16年を、県民のための県政を目指して活動してきました。 私なりにこの24年間を振り返るため、これまで行った一般質問21回と代表質問3回を読み直しながら思ったのが、こりゃ、知事も大変だったろうなということです。自分でも何を言っているのか分からない部分がある。これは日本語というよりも吉四六語だなと、そう思いました。そんな私ですが、県議会議員に初当選した際、「やさしい言葉でわかる政治を」これをキャッチフレーズにしていたんです。そのときに、仲間から、「おまえのは違うわい」と、「逆じゃ。わかる言葉でやさしい政治を」じゃ、こげえ言いよというようなことで、それがいつの間にか吉四六語になってしまっており、知事には大変迷惑かけました。 私の政治との関わりは労働運動が出発でしたので、やはり労働行政について12回提起しています。その質問の大半は、県として大分ふれあいユニオンに対する支援を求めるものでした。 そして、平松県政には大型施設の在り方、少子高齢化と人口減少社会を迎える未来、第1次産業の進むべき道などが中心でありました。 表1、この表を見てください。これは平松県政の4期の平成3年度からの当初予算を比較したものです。この表には、こんな施設を造ってどうすんのかと私が取り上げた大型施設の開館も含まれています。私が初当選した平成7年から平成14年の間は、大型施設が開館するのにあわせて、当初予算も年々伸びています。この伸びた原因というのは、いわゆるバブルの崩壊で地方自治を拡大しながら、そして、地方自治を拡大する政策の大盤振る舞いではなかったかと思うんです。やっぱりこの平成7年、平成2年にバブルが崩壊した後のことをずっと書いてあります。 また、この表には記載していませんが、至るところに一日に数台しか通行しない農免道路やスーパー林道が整備されました。県の機関についても、平成6年度に開所した産業科学技術センターを視察しましたが、どこかのホテルに来ている気分になりました。さらに平成8年に開館した香りの森博物館について、私はあんな山奥にそんなものをつくってどうするのかと質問した。そしたら、平松知事は、「だから造るのです、過疎対策でありにぎわいを取り戻し、交流人口を図ることが大事であると。目、口、耳の文化は世界中にあるが、鼻の文化をつくれば見る、聞く、話す、その上に嗅ぐを加えて全てがそろうことで文化は完成する」、こう言ったんです。そして、44億円を投入し、わずか8年で休館し、しかも2億円で民間に売却されました。農業文化公園にしても、ある先輩議員から、「久原君よい、農業文化公園はあげなもん造りよるけんど、あげなもんを造って、あれを承認した議員は県民から笑われるわい、考えてみろ、大分県そのものがもう農業公園みたいなもんじゃないか」と、こう言われたんです。 そんな中で、唯一、私の認識不足というか未来のアジアを見る目がなかったのが、アジア太平洋大学開学に関してであります。1期目の平成9年第3回定例会で、アジアを対象とするというが、アジアの実態はどうなのかという質問の内容は、アジア各国の1人あたりのGDPを日本を100としたときのそれぞれの国の数値を比較して出した。そのときには韓国は、日本が100のときは23だった。タイがわずか5.6だった。こんなことで、日本に留学して勉学に専念できる環境が整備されているのか。大分県へ留学して、大学に通わずアルバイトやパート従業員になってしまうのではというのが私の質問でした。そういうことでやったときに、平松知事は、「21世紀は必ずアジアの時代になる」と言いました。私は、それに対して懐疑的でしたが、見事にアジアの時代が到来しました。橘玲氏は文藝春秋の中で、「今や中国のGDPは日本の倍以上あり、国民の豊かさを示す1人あたりのGDPも、シンガポールや香港に大きく水をあけられ、韓国に並ばれようとしている」と述べており、これだけは読み間違えたなと、そういうふうに思ったんです。 そして、2期目の当選を果たした直後、第2回定例会の代表質問で、私は最後にこんな発言をしました。 ある総菜屋さんの奥さんの言葉ですが、その総菜屋さんは御主人が社長で奥さんが専務兼会計係であります。従業員はパートを入れて十数人という小さな会社です。そこの奥さんが、「大分県は倒産しないの」と言った言葉です。社長と奥さんは会社経営のために、従業員の雇用を守るために、爪に火をともすように、仕入れた野菜の一葉一葉大事に水洗いしながら商品化し、一品一品をはかりにかけて弁当にしていく様は、徹底した無駄を省き、他店よりもおいしく、より安く、より豪華にと一生懸命お弁当をつくっているのであります。総菜屋さんは、県事業が原価意識を持ち、採算性を重視する姿勢を持っているのか、次々と打ち上げる大型事業の多さと、つぎ込まれる予算の大きさに対して、純粋な疑問を持って、「この大分県は倒産しないの」という言葉を発したのだと思います。 私は、奥さんの言葉を思い浮かべながら、常任委員会の視察に参加しました。これは土木委員会でした。 県内の至るところで山を削り、田畑を埋め、住居を移転させ、利便性を求めるため工事が行われていました。高速道路は昔からの集落を真っ二つに割り、村の伝統文化として行われていたであろう鎮守の祭りは今も行われているのだろうかと心配したものです。私が生まれ育ったときには既にあった井戸、子どものころ、スイカ、トマトを冷やしていた井戸は農業構造改善事業でかれてしまい、この集落は無事なのかとも。 また、当時、私はこんなことも言っていました。この大型施設に対して、管理運営委託料がどのくらい必要なのだろうかと考えてみました。既に整備が完了しているビーコンプラザ1億円、香りの森博物館は1億1,800万円、OASISひろば21は4億3,900万円、マリンカルチャーセンターは2億100万円等が、毎年、管理運営委託料という名目で、必要経費として、好むと好まざるとに関わらず支出されているのであります。 だから、そのときに私は平松知事に言ったんです。知事、あんたの主張の一村一品は、一つ損をして一つ貧乏になる、一損一貧じゃないかと、そう言いました。この話の提起についての回答には触れません。広瀬知事、かつての平松知事はどんな回答をしたか、お暇な時間があったら読んでみてください。 しかし、さきほども言いましたように香りの森博物館は売却されましたが、売却先が見つからず休止状態のマリンカルチャーセンター、農業文化公園、スポーツ公園等は、いまだに管理運営委託料がかかっています。 スポーツ公園について、私は平成9年の第3回定例会で、サッカーワールドカップ開催とあわせて質問しました。ワールドカップを開催する他県と財政規模を比較して、あのときはちょうど10県ありました。そのときに、私が人口とあるいはその県の収支、これを比較して、大分県で開催するのは分不相応だと。スポーツ公園については建設もだが、これだけの施設をつくるのだから、その後の維持管理も相当な額になる。その当時、その当時ですよ、過疎市町村率は全国一、高齢化率も九州トップ、農業県である本県の農業粗生産額は隣の宮崎県の約半分に低迷し、人口も自然減少率が九州で一番と減少の一途をたどっている中で、このようなスポーツ公園を建設することは、膨大な借金を県民が背負い、また、子どもたちまで負担させることになるのだと苦言を呈しました。しかし、スポーツ公園は建設されました。 そして、現在、指定管理委託料として、毎年4億円が支出されており、それも今後も続きます。建設したものを、今さら言っても仕方がないことですが、このことをよく考え、このような大型施設の管理維持、活用を熟考していただきたいと思います。 そういうことを経て、3期目の第4回定例会で、広瀬知事の1期目を見ていて、こんな質問をしました。 「広瀬知事就任以来、あなたの議会答弁や行動を見るにつけ、私は思うのであります、こういう表現が一番当てはまるのかなと思うんです。「県内に爪跡を残し守去りし、後の始末に勝丸船出」、こんな思いがしていますがどうでしょうか」というような質問をしました。 4期目のスタートは旧臼杵市と野津町合併後の最初の選挙でした。その時点で3期12年間、議員を務め、満60歳になったので、私はこれで引退しようと思っていました。それは80歳を超えた母1人、野津町に住んでいたので、長男として実家に戻り一緒に暮らすのが当然のことだと思っていたからであります。そんなとき、野津の実家で郵便物を整理しており、たまたま母の年金の振り込み通知があり、何げなく開けてみました。年金額は7万数千円、そこから後期高齢者医療保険、介護保険を差し引かれて5万数千円でありました。それが2か月分ですので、1か月は約2万円で生活しないといけないのです。かつて私が子どもの頃は、まきで御飯を炊き、そのおきでこたつを暖め、水は井戸水です。テレビ、冷蔵庫、エアコンはもちろんなく、新聞もとっていない生活でした。したがって、ガス、水道はただ、みそ、しょうゆは自家製。しかし、今はここから電気、ガス、水道、新聞、テレビ代、そして調味料を払えば一体いくら残るのか。母がこれで生活していたのかと思うと、よう生活できたのうというよりも、あんた、よう生きちょったのうと私は言ったんです。こんな感想が出た。 これは県政でまだやることがたくさんあるぞとの思いで、臼杵の皆さんの要請にも応えていかねば、と4期目の立候補を決意しました。 その第2回定例会で、3回目の代表質問に立ち、臼杵の現状と野津の実態について、次のように提起しました。 ある集落では、至るところに点在する廃屋、5軒に3軒の家庭には電動車椅子に鎌とくわを積んで田畑を守っている高齢者の姿。しかし、田畑を守り作物を栽培するにも限界に達しつつあります。シカやイノシシ、今ではサルまでもが登場し、動物たちは我が庭のごとく食い荒らしております。鳥獣被害を防ごうと、田畑は電柵、トタン、網で覆われております。動物園は動物がおりの中にいますが、今や農村では人間が柵に囲まれて生活し、イノシシやシカ、サルなどが大地を飛び回っており、まるで逆です。その先に見える田畑は、多分、無機質に耕地整備をした跡が伺えるが、セイタカアワダチソウが農業や農家を軽んじている人間の姿を見て、あざ笑いながら咲き誇っている光景であります。森林も手入れが届かず、植林をした杉やヒノキの土地は赤茶けた土が丸出しであります。そして、カズラもヒノキや杉に巻きつき、頭を押さえ、おまえの養分は俺がいただくと言わんばかりであります。「ローマ帝国の滅亡を例に、農村を滅ぼして栄えた国はないというが、このままでは農村ばかりか国も先細りするしかない」と、農業基本法の生みの親である小倉武一氏も言っております。 ある農協、これは臼杵市農協です、そのとき、組合長室に、中国六朝時代の東晋の詩人である陶淵明の「帰去来の辞」を額に入れてありました。「帰りなんいざ 田園まさにあれなんとす なんぞ帰らざる」。要約しますと、さあ、早く帰ろうよ、ふるさとの田園が今にも荒廃しそうなのに、どうして帰らずにいられようかと。第1次産業の衰退について、私の思いを話しました。 それから3期12年、臼杵市を中心に活動してきました。県政を去るにあたり、最後に3点について提起します。 第1は、これまで何度も取り上げてきた少子高齢化と人口減少社会の問題です。 私はこの傾向を何とか止めたいという立場で議論してきましたが、昨年の第3回定例会での質問で、止まらないものを無理に止めようとするのではなく、被害を最小化する、どうやって負け幅を小さくするかという後退戦のための最善策を考えることが肝心ではないかと提言しました。 第2表を御覧ください。これは昨年の第2回定例会で、自民党の衛藤議員の人口ビジョンに対する質問への、知事の、「本県も今世紀末に46万人程度まで減少する見通し」との答弁を踏まえ作成したものです。これを見ていただければ分かるんですけど、議員の皆さん、見てください、自分の市町村を。これが2100年にはこげえなる、どんどんどんどん減っていく。この表にありますように、今世紀末には1万人を切る自治体が6市町村であり、大分県の未来の姿はかなりの確率でこうなるでしょう。もう、今、私はいつも言うんですけど、ゆでガエルと一緒なんです、ゆでガエル。ゆでガエルというのはどういう意味かというと、普通の水の中にカエルがおっちょってじっとしとる、カエルがじっとしとるのが、だんだんだんだん火をたいてぬくくなって、それで、あとはゆでられてしまうと、こういう物語ですが、もう今の状況で、こうやっていれば必ずこういう形になる。必ずなるんです。だから、どうやって、負け幅を小さくするためにどうするかということを、やっぱり考えなきゃいけないと思うんです。 現在、問題になっているのは人手不足ですが、産業界は労働力を外国人労働者、AIに頼っている。昨年末に外国人労働者の受入れを拡大する改正入管難民法が成立したことでよしとしています。 しかし、外国人労働者とかAIだけで地域の活力は生まれません。これは電力で動くAIは作業をする労働力であっても、作物を作り、売り、それを購入、消費し、また作るという経済活動を循環させることや、伝統のお祭りを継続し、地域の文化を守っていくことはできません。集落を維持、継続させていくためには、やはりそこで日常生活を営む人たちが必要です。 このふるさと大分県を維持、継続させていくために、どう人口減少への対応を行うとお考えなのか、知事に伺いたいと思います。 いいかい、もう人口減少は、これはもう絶対起こる。もう産業界も諦めたんや。これをどうするかということを、やっぱり今、確実に考えなきゃならんと思う。 県立高校の適正配置について、あと二つです。平成17年高校改革推進計画が策定され、それに基づき10年かけて農業高校を全てなくし、津久見の海洋科学高校を分校とするなど、県内の高校は廃止、統合され再編成されました。しかし、その後、分校となった海洋科学高校は平成29年度、再び単独校となり、また、本年の4月には久住高原農業高校が開校されます。 そこでお聞きします。私が高校の適正配置について問題提起したとき、教育長は、1学年6から8学級が適正であり、そうすることによって、各専門の教員が配置される、そして、部活動も増え活発化したと評価された答弁でした。この方針で、今後も行くんかということについて、教育長、後で回答してください。 海洋科学高校の魅力向上についても伺いたい。久住高原農業高校のように、敷地内にくじゅうアグリ創生塾という研修施設をつくり、県全体の農業教育を活性化し、農業人材を育成するという計画はすばらしいと思います。 そこで、そういった考え方を海洋科学高校に適用してはどうでしょうか。例えば漁業は、とる漁業からつくり育てる漁業へと言われています。上浦にある農林水産研究指導センター水産研究部と連携して、養殖技術の取得をカリキュラムに加えるなど、海洋科学高校をより魅力ある高校とすることについての考えを、あわせてお聞きします。 あとは対面席から、すみません、よろしくお願いします。  〔久原議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○濱田洋副議長 ただいまの久原和弘君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 久原和弘議員には、平成7年の県議会議員初当選以来、6期24年にわたり、議員活動を通じて県政の発展に大変な御尽力をいただきました。 特に雇用や労働行政については、働く人々の立場に立った的確な御提言をいただき、本県における働き方改革の推進につながりました。 また、人口減少対策や市町村合併後のまちづくりについては、臼杵市野津地域を例に、地域の実情を踏まえた忌憚のない御提言を賜りました。 格調高い野津弁による御提言は、私の勉強不足もあり、一部難解なところもありましたけれども、県民にとりまして親しみやすく、県政をより身近に感じていただいたものだと思います。飾り気のない気さくなお人柄は、余人をもって代え難く、味わい深い御発言に、大変いつも感銘を受けております。 また、県民クラブの代表として、会派の取りまとめに尽力されたほか、議会運営委員会委員長や商工労働観光企業委員長などを歴任されるなど、県議会の発展のために御活躍をいただきました。この場をお借りして、厚く御礼を申し上げます。 さて、本日も大変難しい3点の御質問いただきました。 まず、私から人口減少対策についてお答えを申し上げます。 全国的な少子高齢化、人口減少の大波は大変深刻であります。大分県としては、できるだけ人口減少を緩やかにし、歯止めをかけるため、将来を見据え、今やるべきことにしっかりと取り組むことが必要だと考えております。 そのため、子育て満足度や健康寿命日本一に向けた取組の充実、UIJターンの促進、企業誘致や創業支援、農林水産業の構造改革など、地方創生に全力で取り組んでいるところであります。 これにより、人・仕事・地域・基盤の各分野におけるポテンシャルが向上し、地域の魅力がアップしたこともあって、本県への移住者が急速に増えております。 それでもなお、特に周辺地域では、人口減少が進み、集落の維持も難しくなってきております。このため、私は住み慣れた地域に住み続けたいという住民の皆さんの願いをかなえることが、行政の役割であるという思いから、複数集落で機能を補い合うネットワークコミュニティの構築を推進しているところです。既に16市町村、90地区の1,495集落で、住民主体の新たなコミュニティづくりが進んでおります。 臼杵市の都松地区では、住民にエゴマとニンニクの栽培を奨励し、健康食品のエゴマ油や黒ニンニクに加工し販売しております。市のふるさと納税の返礼品にも採用され、人気を博しており、栽培面積も、この2年で倍増させるなど、地域の維持、活性化に貢献しております。 宇佐市の深見地区では、IT企業からUターンした専任の事務局長が中心となり、一つの集落では実施が困難な草刈りや高齢者の給食サービスなどを、複数の集落にある関係団体をうまくつないで実施しているところであります。 伝統のお祭りでは檀家の高齢化などにより、開催が見送られた国東市成仏寺の修正鬼会が、昨年運営を寺から地区全体で担うことにするとともに、小規模集落応援隊など、地区外の協力により復活しております。 このほかにも、ワンコイン居酒屋や古民家を活用したカフェ、子育て世代の女性が集うパン工房など、様々な取組が始まっております。 県は、このような活動が全県に広がるように、今年度、新たに県下の地域コミュニティ組織を構成員とする広域協議会を設置しました。先進事例の共有や課題に対するグループワークを行いながら、県職員が直接地域に入り、住民と課題解決に向けて取り組んでいるところです。 加えて、ドローン宅配の実証実験など、地方での生活サービスを向上させる先端技術の活用にも果敢にチャレンジをしております。 引き続きあらゆる手段を講じて、地域を守り、地域を何とか活性化させて、人口減少に対応をしていきたいと考えております。 私からは以上でございますが、あと2点、担当のところからお答えをさせていただきます。 ○濱田洋副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 まず県立高校の適正配置についてです。 高校の再編は、中学校卒業者数の激減を受けて、実施せざるを得なかったものでありますが、その中にあっても、生徒の社会性、自主性、協調性を育み、教育水準の維持、向上を図るため、教育環境の充実に努めてまいりました。 また、県内どこにあっても充実した教育環境で学べるよう、普通科や専門科の単科校に加え、多様な学習ニーズに対応できる総合選択制高校など、新しいタイプの学校配置をしてきております。 学校規模については、切磋琢磨できる環境や専門性の担保、部活動の活性化の観点から、6から8学級を適正としましたが、生徒、地域の実情や、中高一貫教育に取り組む学校などについては、柔軟に対応してまいりました。 依然、生徒数の減少が続く中で、フォローアップ委員会の評価後においても、進学の実績、就職の状況、部活動の状況から見て、教育環境は何とか維持できていると考えております。 現在、多くの市町で高校が1校になっている中で、今後の再編については慎重に考える必要があり、さらに生徒に選ばれる学校となるよう、学校の魅力化、特色化を進めていきたいと考えております。 次に、海洋科学高校の魅力向上策についてであります。 県内唯一の登録船舶職員養成校として、船舶の運航や機関の整備、水産加工品の生産など、地域産業を担うスペシャリストの育成を目指しております。香川県と共同で行う遠洋航海実習は、これまでの55日から65日に延長し、最新鋭のレーダ機器操作や漁労作業などの実践力を磨いてまいります。 水産業の振興に関しては、資源の増殖方法や管理等について、実践的な授業も進めております。近年需要が高まっている天然ヒジキについて、農林水産研究指導センターなどと連携して、臼杵湾のヒジキ生息地で建材ブロックに卵を着生させ、あまり生息していない臼杵湾の他の海域に移設する取組も進めております。うまくいけば、加工品開発にもつなげていきたいと考えております。 また、インターンシップにおいて、地元養殖企業でマグロやブリなどを飼育する生簀網の修繕や給餌、水揚げなどの養殖管理を体験することにより、つくり育てる漁業を積極的に学んでいるところです。 引き続き、研究機関や地元漁協、企業との連携を図りながら、海洋関連産業を担う人材の育成に努めてまいりたいと考えています。 ○濱田洋副議長 久原和弘君。 ◆久原和弘議員 今のことについてよりも、私が最後に一つ考えていることについて述べたいと思います。 私はこれで引退するんですけど、知事は5期目の戦いを控えています。 私は共産党の堤議員に対して、おまえたちはもうやめとけ、おまえの質問に対しても、平松知事のときには、「昨日の◯◯議員に回答したとおりであります」と。再質問すると後ろの部長を指さして、おまえ、答えろみたいな感じになる。そんなこと、今、広瀬知事は全然せんじゃねえかと。一生懸命何回でも立って、そして、誠実に回答する。あげんこと、おまえに対してそげえあんのじゃけん、いいじゃねえかみたいなこと、私言うたんよ。 それだけど、しかし、こればっかりは一議員が決めることではないことだし、党が決めることだとは思っていたが、もうつまらんことを言ってしまいました。 しかし、考えてみると、平成30年の第3回定例会で、基本姿勢を問うたときに、知事は、「私自身も県政ふれあいトークで現場に足を運び、これまで763か所、1万5千人を超える方々から直接お話を伺い、知恵をいただきました。」と答弁しました。これまでも知事は、ふれあいトークで多くの県民に接しています。 しかし、考えようによっては、対立候補が出ることによって、さらに県内の隅々まで回り、自分の4期16年間の実績と、さらにやらなければならないことが見えると思います。むしろ、機会を与えていただいた共産党に感謝して、そして、当選した暁には、県民の声を聞きながら、その声を5期目に生かしていただきたい。 また、県の広報誌の最新号の風紋を私は見たんです。というのは、これを見る前にはちょっと違うことを言おうかと思ってた。「長うなると悪いんで」というようなことを。だけど、知事はこの中で「年寄りのかわいげ」について、ということを書いている。年を重ねて経験も積み、実績も豊富、若い人に負けてたまるかと思っている年長者は多いと思います。そんな人にかわいげを求めるのは酷かもしれませんが、年を重ねたからこそ、かわいげを出す余裕があるともいえますと執筆されています。 おっしゃるとおりで、知事も長くなると、県政のことは部長よりも職員よりも知っとるごとなる。どうしても職員の足らざるが目につきます。しかし、知事なら「かわいげ」を出す余裕のある年寄りになるでしょう。私もこれまでを反省しつつ、今後はお互いにかわいげのある年寄りになりましょう。 最後に私から4点をお願いしたいと思います。 私の質問でたびたび取り上げてきた日出生台の日米合同軍事演習なんですが、縮小廃止に向けて努力する方向については、今後も堅持していただきたいと思います。 先日、沖縄県の県民投票で、辺野古反対が、7割を超す民意が示されました。それでも、国は続行する構えを崩しておりません。民意が反映されない国の姿勢はいかがなものかと思います。日出生台における日米共同訓練についても、廃止縮小が県民の願いと私は思います。今後とも民意が反映される県政をしていただきたいと思います。 そして、野津東部工場用地の進入路の整備支援をしていただいているので、臼杵市では野津東部工業用地へ何としても工業誘致をすべく、1月30日に企業誘致促進期成会を結成して、活動を始めています。これに対し、今後とも県として御協力をお願いしたい。 また、私と知事の意見が違うのは、TPPと日本の農業の関係、そして、原発の再稼働とエネルギー改革についてです。多分、知事は経済産業省時代に次官だったんで、これを推進しよる立場だったと思うんです。今すぐ反対というわけにはいかないと思うんですが、先日、堤議員が質問した、いわゆるTPP11への対応について、知事は畑作化や集落営農を目指す、また、畜産については体質強化を進めると答弁していますが、結局、私はアメリカを中心に、輸出入の均衡を守るため、いいですか、ここですよ、つまり自動車などの工業製品を輸出するために農産物を犠牲にしている。だから、やっぱり考えにゃならんのじゃないかというのが、私の意見。 もう一つ原発の再稼働とエネルギーについて、日本の原発は福島第一原発の事故以来、世界各国からノーを突きつけられている。どこももう、輸出は無理なんよ。特に大分県の場合は、地熱発電で日本最大の八丁原発電所を有する、自然豊かな本県の再生可能エネルギー自給率も38%を誇り、平成19年のデータ以降、全国トップを維持しています。こういう状況を踏まえ、ぜひ、TPPと原発再稼働の件については再考をお願いしたいと思います。これは、後でまた、こっちの、我が県民クラブの議員からいろいろ質問が出ると思いますんで、よろしく頼みます。 そして、私はここで引退後の生活について考えてみました。久保田さんという高校の教師の人の、「畑仕事の十二カ月」というのがあったんで、これを冒頭に引用したいと思います。「これからの日々の暮らしを畑との対話の1年にしませんか。夜、日に日に満ち欠けする月と対話し、時間を感じ、宇宙を感じます。昼は畑を回り土と対話し、植物と対話する。季節とともに咲く花と対話する。野を良くすると書いて野良といいます。明確な目的や仕事がなくても、先人たちは野良回りをしました。野に出かけ、畑や田んぼと会話したのです。そして、相手のあんばいを見ながら手入れをしていたのです。畑でのんびりと作業後の月の満ち欠けを見て、暦を知る生活をしてみませんか」とありました。 これだと思いました。私もこれからの日々を、野良仕事をしながら、一県民として、同時に社民党の今、代表でもありますから代表として、今後の県政の行く末を見守りながら暮らしていきたいと思います。 まだ、あと2分ありますんで、ちょっとさっきの。それで、知事、あのね、私は思うんじゃけど、人口減少社会の対応の問題やけど、社会減に対する対応というのは、昨日もう終わった木田県議とか、あるいは藤田県議が言った、ああいうことを守りながら社会減への対策を図っていくということは大事だと思うんです。これ、もう明らかにしているんで読みませんが。 問題は自然減、ここをどげえしていくかということを考えんと。私は臼杵市で、臼杵市も一生懸命頑張りよる。ほんで、見たら社会減については、もうここ1、2か月、増になっている。例えば3月号の臼杵市報を見ると転入が55人、転出が48人、7人増加している。ところが自然減、これは生まれてくるのは17人、ところが死亡するのは74人おるんよ。57人も違うんや。もうここに決定的差がある。子どもを産ませなわるいんや、これをするやつをせなわるいと私は思う。だから、やっぱりそのためには何かっていったら、本人の豊かさを保って、そうしてやれるようなことをせなわるい。だから、家族手当なんかをすりゃいいと思うんじゃけど、産業界はもうこげんざまだから。全然もう、外国人労働者とAIに任せてしまおうじゃ思うとるもんじゃけえ、家族手当上げてどうするかということは考えつかん。どうやって自然増を図っていくかということ、これは一番大事だと思います。 教育長、やっぱり今、教育長が言いよるようなことは分からんでもねえけどな、6から8学級じゃ言うたってもうできん。今でもどんどんどんどん下がりよる。さっき言ったように地域の実情に合わせて、これからは考えていっていただきたい。そうしないと、大分県には高校は、大分市に5、6校あって、別府に2校あって、日田と中津と佐伯に1校ありゃ、あとはいらんで。そげえなるんよ。だけん、そういうことをよう考えてやってください。もう終わるけん。 そういうことで、私のお願いと、そして私の思いを伝えて、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○濱田洋副議長 以上で久原和弘君の質問及び答弁は終わりました。近藤和義君。  〔近藤議員登壇〕(拍手) ◆近藤和義議員 皆さん、こんにちは。22番、自由民主党の近藤和義でございます。 本日の登壇は、私にとりましては最終の登壇であります。いよいよ、この日を迎えたところでありますが、今日は地元の選挙区より多くの支援者の皆様に傍聴に駆けつけていただきました。誠にありがとうございます。 また、この機会を与えていただきました我が会派の議員の皆さんにも深く感謝の意を表する次第であります。 思えば、私は平成11年の統一地方選で町議2期目から県議選に初挑戦をして以来、5期20年間、県政に参画する機会をいただき、微力ではありますが、県政の浮揚と地元由布市の未来のために自分なりの精一杯の努力を重ねてきたと、内心思っているところであります。 何しろ65歳からの遅まきの挑戦であり、何の後ろ盾もない一介の農業者が、二人の現職を割って果たして当選できるのか、また、自分ごとき者が県議として果たして通用することができるのか、大変悩ましい思いの中の初出馬ではありましたが、未知なるこの私に力を貸してくださいました地元の皆さんには、今でも心から頭の下がる思いをいたしております。 初当選以来、この私を温かく見守ってくださいました地元の皆様をはじめ、この20年間にわたって御指導、御協力をいただきました知事はじめ執行部の皆様、また、お力添えを賜りました先輩議員はじめ、各議員の皆様方のおかげをもちまして、今日の日を無事に迎えることができましたことを、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。 さて、質問の前に、この3月をもって県を退職されます、神企業局長、長谷尾福祉保健部長、山本生活環境部長、阿部土木建築部長、岡田会計管理者会計管理局長、下郡人事委員会事務局長、飯田労働委員会事務局長、佐藤監査事務局長、竹野議会事務局長をはじめ、多くの職員の皆様には誠心誠意、使命感を持って、県民のために、そして県政進展のために、それぞれのお立場で広瀬知事の下に、格段の御尽力をされましたことに心より感謝を申し上げますとともに、深く敬意の念を表する次第であります。退職されるとはいえ、まだまだお若い皆様には、これまでの豊富な知識や経験を存分に生かされて、県政の発展はもとより、様々な分野におかれまして、なお一層の御活躍をされますよう心から祈念を申し上げます。本当に長い間御苦労さまでした。 それでは、質問に移らせていただきます。 まず初めに、本県の将来像について伺います。 間もなく発表されます新元号の下に、平成に次ぐ新たな時代の幕が開きます。この5月の1日には、新しい天皇の即位で国をあげての喜びに包まれるものと思いますが、今、世界の動向は大きく変わろうとしています。 アメリカ、中国、ロシア、北朝鮮などの今後の動向には、全くもって目が離せないものがありますが、なりふり構わぬ自国優先の熾烈な経済競争が進む中、産業構造や社会構造の変革が一層進むのではないかと思われます。 国内では、歯止めのかからない少子化、人口減少社会が否応なく顕著なものとなりつつありますが、肝心な景気経済は、多くの国民が実感として受け止めるまでには至っているとは言い難く、逆に格差社会への移行が懸念されるところであります。 こうした中、TPP11やEUとのEPA協定の発効は、消費者には少なからず歓迎されるものと思いますが、反面に日本の農業は大きな影響を受けることは避けて通れず、食料自給率のさらなる低下や生産基盤の弱体化が目に見えるようであります。 本県においては、農工迸進を県是として以来、新産都構想などによる鉱工業生産の発展は目覚ましく、企業集積の進む沿岸部においては、本県経済の活力を大きく創出するところとなっています。 しかしながら、基幹的な農林水産業は高齢化や担い手不足によって、その産出額は再び九州最下位に転ずるところとなっており、迸進とはほど遠い状況であり、中山間地域には耕作放棄地が年々広がりを見せています。美しい山を守り、農地を守り、県土の荒廃を防ぐことは、防災はもとより、これからの観光行政の推進や、環境問題である地球の温暖化対策にも通ずるところであり、安心、活力、発展の県政には欠かすことのできない重要な課題であると思います。 次期出馬を決意されています広瀬知事には、県民が大分県民であることを誇りと思えるような魅力のある県づくりを引き続き進めていただくことを心から願っているところであります。 そこで、県民に分かりやすく、知事の目指す本県の将来像を具体的にお聞かせください。 ほか、対面席より質問をさせていただきます。  〔近藤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○濱田洋副議長 ただいまの近藤和義君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 冒頭、近藤和義議員には、このたび県庁を退職する職員に対し、大変温かいねぎらいのお言葉を賜りました。心温まる御配慮に心から御礼を申し上げます。 また、近藤議員御自身、勇退の御意向を明らかにしておられます。近藤議員には、これまで湯布院町議会議員として、あるいは県議会議員として、合わせて27年にわたる議員活動を通じて、地方自治の振興、発展のために大変御尽力をいただきました。 特に農林業分野においては、高い見識の下、中山間地における第1次産業の再生に向けた御提言を賜るなど、農林業の構造改革に大いに力を発揮していただきました。中でも、畜産業においては、大分県畜産協会長や全国和牛登録協会大分県支部長などとして、大分県の畜産業界を牽引していただき、全国和牛能力共進会における種牛部門での日本一獲得にも御貢献をいただいたところであります。 平成25年から2年間にわたり、第70代県議会議長として、幅広い知識と豊富な御経験に基づく卓越した指導力を遺憾なく発揮され、議会運営を円滑に取り仕切っていただきました。 また、この間、全国高等学校総合体育大会に御臨席のため来県された皇太子殿下の御接伴にも万全のお心遣いをいただきました。 その後も、県土強靱化対策特別委員長などとして、本県の喫緊の課題に取り組まれるなど、県政の発展のため御尽力賜り、厚く御礼を申し上げる次第であります。 さて、本県の将来像について御質問を賜りました。 大分県人は、古来、海外から渡来する人や新しい技術、文化、思想を積極的に受け入れ、改良して、常に新しいものを創り出してまいりました。神仏習合や南蛮文化が栄え、豊後の三賢や多くの大学創設者、豊後南画やネオ・ダダを生んだ独創的芸術家も輩出するなど、多様性の機運に満ちた土地柄だと思います。 これは農業分野においても同様でありました。江戸時代の三大農学者と言われる日田出身の大蔵永常は、「広益国産考」を著し、ハゼノキ、綿花、サトウキビ、茶など、工芸作物の栽培を勧め、ウンカの科学的防除法を広めるなど、革新的な技術や経営手法を農村に取り入れました。 大分県の将来は、地方にあってもこの多様性を今後も発揮できる社会であり続けられるかどうかにかかっております。子どもたちがふるさとで、家族や近所の大人や友達と触れ合いながら育ち、若者は常に新しいことにチャレンジすることが許され、お年寄りの豊富な知恵がそれを支え、尊敬される、そういう地域社会であってほしいと思っております。 ところで、このような多様性を持ち、地域が持続していくためには、一定数の人がその地域で生活することが必要であります。そのため、喫緊の課題は、少子高齢化、人口減少に対する地方創生の取組と言えます。これは安心、活力、発展の大分県づくりと軌を一にするものであり、衆知を結集して、今後さらに対策を練り上げていく必要があります。 「安心」では、子育て世代の経済的負担の軽減など、子どもを持つ動機付けにつながる取組を進めるとともに、人工知能やIoTなどの先端技術を活用し、様々な社会課題の解決や生活の利便性向上に取り組みます。 「活力」では、農林水産業の魅力アップ、構造改革を加速し、創出額の目標2,500億円の達成に向けて、もうかる産業への転換を進めます。また、おおいた和牛やベリーツなど、大分の新たな顔となる産品を生み出して、ブランド力を高め、農林水産物の高付加価値化を図ります。商工業では、中小企業の経営革新の推進や、事業承継等の活動支援、新規学卒者の県内就職促進に取り組みます。 「発展」では、教育改革を継続し、大分県の将来を担う人材の育成を推進します。また、若者に訴求力のある芸術文化による地域振興を図ります。さらに、空港、港湾の機能拡充や幹線道路網の強化に加え、東九州新幹線の早期整備実現に向けて取り組みます。 県民の皆さんと気持ちを合わせ、共に汗を流して、住んでよかった、住んでみたいと思われる、多様性と持続可能性に満ちた大分県を築いていきたいと思っております。 ○濱田洋副議長 近藤和義君。 ◆近藤和義議員 ありがとうございました。 本県の将来像について、知事より明確なビジョンをお聞かせいただき、感謝を申し上げます。 知事は、これまで4期、16年間、県内をくまなく歩いてこられましたが、県民が県政に一番多く望んでおられるのはどういうことであったと受け止めておられましょうか。 また、私は、組合員4千人を預かる一森林組合長として、知事に一番お願い申し上げたいことは、県土の7割を占めるふるさとの山をしっかり守ってほしいということであります。また、あわせて、森林、林業に携わる人々が、将来にわたって不安なく山仕事に打ち込んでいけるような、持続可能な森林、林業政策を国や市町村と一体となって進めてほしいということを心から望むところであります。有数の森林県である大分の知事として、率先してその範を示していただくことを心から御期待を申し上げております。あわせて御答弁をいただければありがたいと思います。 ○濱田洋副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 県民の皆さんがどういう大分県を望んでおられるかということですけれども、自分のことで恐縮ですが、やはりこの大分県で暮らしてみて、大事なことは、三つあると思います。 一つは、やはり大分県は大変自然が美しい、そして、そういう中で方々に温泉が湧いている。また、美しい自然の中で育まれた食べ物もおいしいということで、そういう暮らしに大事な衣食住が大変満たされることが一つ。そこで、やっぱりふるさと大分はいいなと皆さんが思われることが一つの大事なことだと思います。 それから、もう一つ大事なことは、そういう中でそれぞれ、やはり皆さんが多様性を尊び、そして、それぞれの個性を尊重するという社会の中で個々の人々が自己実現を図っていく、あるいは図っていきやすい環境、また、そのことをみんなが応援してくれるような、そういう自己実現ができるような社会というのが第2番に大事なことじゃないかと。 そして、第3番目は、やはり持続可能性という意味で、皆さん、やはりここで結婚をされ、御家族を持って、そして、健やかに御家族の皆さんを育てることができるという、家庭の温かみの感じられる世の中ということも大事なんではないかと思っています。 豊かな環境、自己実現できる環境、それから家族を育てやすく、育てられる環境と、そういったことが大分県にとって大変大事なことではないかなと思っているところであります。 ○濱田洋副議長 近藤和義君。 ◆近藤和義議員 ありがとうございました。 次は、地方の創生と市町村の振興について伺います。 昔から、豊の国と呼ばれた大分県をさらにステージアップさせるためには、それぞれの市町村において、どのような魅力ある市町村づくりができるかにも深く関わっているところであります。前知事が県内の首長を説いて回った一村一品運動は、市町村ごとの潜在能力を最大限に引き出すための地域のコミュニティづくりに一つの大きな目的があったのではないかと私は思っております。国が推奨する今日の地方創生にも通じるものがあったのではないかとも思っています。 自分たちの地域をよくするためには、そこに住む人たちが自ら考え、行動していくことが最も肝要なことではないかと思いますが、何と驚いたことに、地方創生の推進にあたって、全国自治体の約8割がその計画づくりをコンサル会社に丸投げをしているということであります。本県におけるそれぞれの自治体の状況はどのようになっているか、お聞かせください。 次に、ふるさと納税を活用した市町村の振興について伺います。 ふるさと納税は、税収の少ない地方を応援し、ふるさとを再生するために始められた制度だと理解するところですが、過熱する返礼品競争に規制がかけられたのは、制度の公平なる運用からすれば当然のことであり、むしろ遅過ぎたの感さえあります。 県下では、昨年度、国東市が32億円余りを集めています。国東市民がふるさとの産品づくりに意欲を燃やしていることを見聞していますが、行政が地域振興にかける熱い思いを持てば、金や物から、やがて人と地域の交流は必ず生まれてくるものと思っています。 しかし、中には、商品をちらつかせてふるさと納税を取るというやり方は、私の性分に合わないと、議会で答弁をされた市長さんもおられ、トップがどのような思いを持っているかによっては、市町村間の地域振興に大きな差が生じることは否めません。 県では、ふるさと納税を活用した市町村の振興について、どのような指導を、助言をされているのか、お聞かせください。 ○濱田洋副議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 地方創生と市町村振興に関して、2点のお尋ねをいただきました。 まず、市町村における地方版総合戦略についてお答えいたします。 市町村の総合戦略の策定にあたって、人口分析など基礎的な調査については、コンサルタント会社等を活用することはあっても、市町村の目指すべき将来像やまちづくりの方向性など、戦略の肝となる部分については、市町村自らが考え、策定することが必要だと考えております。 県内においては、27年度の戦略策定にあたり、11団体が人口の現状分析や将来推計、住民アンケートの実施、集計等の基礎調査をコンサルタント会社に委託しているところです。各市町村においては、このように外部のコンサルタント会社を活用しつつも、住民代表や産官学、金融機関、労働団体等の意見を幅広く取り入れながら、自らの手で地域の特色や地域資源を生かした総合戦略を策定したところであります。 現行の地方版総合戦略については、来年度で終期が到来するため、今後、各市町村においては、施策の検証と新たな総合戦略の策定が求められているところです。市町村が地域の実情を踏まえ、自主性、主体性を持って地方創生に資する戦略を策定できるよう、県としても必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、ふるさと納税を活用した市町村振興についてお答えいたします。 ふるさと納税は、ふるさとや地方団体の様々な取組に対する応援の気持ちを形にする仕組みであるとともに、地方団体が自ら財源を確保し、地域経済の活性化を図る上で重要な役割を果たす制度と考えております。 その中で、より多くのふるさと納税を集めるためには、魅力的な地域の特産品を返礼品として取りそろえることも一つの手段だと考えております。 県においては、市町村と連携して、地域活性化につながる特産品の製造、商品化を支援しており、例えば由布市むろおの会のいちごビネガーとか、臼杵市都松地区特産品振興会のエゴマ油など、商品化された特産品が返礼品として採用されている事例もあるところです。 議員御指摘のとおり、国は、返礼品を地場産品に限定するなど、制度を見直そうとしておりますけれども、今後は、特産品の開発も含め、より地域の魅力を高めることが重要になってまいります。このため、県としては、市町村が地域の実情に応じて、創意工夫のもと地域資源を活用し、さらなる地域振興に取り組めるよう、引き続き支援してまいりたいと考えております。 ○濱田洋副議長 近藤和義君。 ◆近藤和義議員 ありがとうございました。 今お聞かせいただきましたが、私は地域創生に欠かせない大事な視点は、自らが持つ地域の特色をどう伸ばしていくかだと思っております。3年前に愛知県の田原市を視察しましたが、もともと水に恵まれない渥美半島の、芋の生産しかできなかった土地に、豊川用水ができ上がったことによって、温暖な気候や大消費地に近い地の利を生かして、花や野菜の産地として農業の産出額は単独市町村では全国トップの、昨年度は858億円となっており、所得が1千万を超える農家が全体の6割以上、5千万円超の所得農家は7%となっており、地域の経済に大きな好循環を生んでおります。 本県においても、地域資源は山ほどありますので、それをどう生かしていくのか、重ねてお尋ねいたします。 ○濱田洋副議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 御指摘のとおり、本県には非常に恵まれた自然環境とか、農林水産物などがたくさんあります。そういったものについては、県の地域を支援する補助金により、さらに磨きをかけて支援するものであり、その一例として、さきほど申し上げましたとおり、いちごビネガーでありますとか、エゴマ油という形で結実しています。今後とも、引き続きそういった支援をしてまいりたいと考えております。 ○濱田洋副議長 近藤和義君。 ◆近藤和義議員 ありがとうございました。 ふるさと納税について、落としましたけれども、国東市を皆さん大いに参考にしていただきたいと思っております。 次に、教育県大分の人材育成について伺います。 昭和の合併で、初代の湯布院町長を務め、後に参議院議員となられた岩男頴一先生は、行政の最大の責務は、次代を担う人材の育成であるとの固い信念のもとに、町外から名のある教育者を教育長に迎えるなどして、学校教育はもとより、成人を対象とした青年国内留学制度などを創設して、多くの青年たちに町費で全国の先進地で研修、見聞を広める機会を与え、若者の夢やまちづくりへの意欲をかき立ててこられました。湯布院のまちづくりが広く注目を集めることができたのは、先生が人を育てる教育に力を注いだからにほかなりません。 これからの時代、社会はこれまで以上に多種多様な人材の育成確保なしには乗り切れないものと思います。 グローバルな人材をはじめ、地域やあらゆる産業の担い手、そして、どのような分野においても、コンピューターを自由自在に駆使できる優れたIT人材の育成、確保は必要不可欠のものと思いますが、たとえ厳しい財政事情の中といえども、人を育てる教育への投資は最優先すべきものであり、決して惜しんではならないと思います。 本県の未来に深く関わる人材の育成にどのような目標を立てられておられますか、教育長の見解をお聞かせください。 ○濱田洋副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 教育県大分の人材育成についてお答えします。 地方創生において重要なのは、将来にわたり地域社会を支える人づくりであります。 大分の人材育成については、「教育県大分」創造プラン2016において、生涯にわたる力と意欲を高める教育県大分の創造を基本理念として掲げるとともに、最重点目標として、全国に誇れる教育水準の達成を目指すこととしております。 学校教育においても、社会情勢の変化を的確に捉え、グローバル化に伴う多様な価値観を持った人々との協働や、高度情報化社会に対応するための情報活用能力の育成とともに、地域の課題解決に向かう姿勢の醸成に努めているところです。 棉陰黌と書かれた伊藤博文の額が残る由布院小学校、棉の字はきへんの棉で由布院をあらわすそうですが、その前身にあたる棉陰学校が140年も前に開設され、向学心のある若者が私塾等で学んできた歴史もあります。早くから人づくりの重要性が意識され、それが今の全国に名だたるまちづくりにも生かされており、人づくりの重要性を改めて認識をしているところであります。 引き続き、未来を切り開く力と意欲を備え、これからの社会を力強く生きていく大分の子どもたちの教育に力を尽くしてまいります。 ○濱田洋副議長 近藤和義君。 ◆近藤和義議員 ありがとうございました。 私は、さきの高校再編の折にも申し上げましたが、教育環境を整える中で一番大切な視点は、生徒を指導する立場にある、教える側の教師の資質の向上をどう進めるかという点ではないかと思います。生徒の向学心を引き出す上に、子どもたちがあの先生に学びたい、あの先生の指導を受けたいと心から望むことのできるような熱血教師を一人でも多く育てることが、教育県大分の面目躍如には欠かせないと思いますが、いかがでございましょうか。 ○濱田洋副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 今、議員のおっしゃるとおり、教員の資質向上、そして、しっかりと将来を見据えて、子どもたちのために考える教員を育成していくということは大変大事だと思います。これからもしっかり取り組んでいきたいと考えております。 ○濱田洋副議長 近藤和義君。 ◆近藤和義議員 ありがとうございます。よろしくお願いします。 次に、本県の活性化について、提言をさせていただきます。 人の命と健康を守る食を生産する農業は、工業生産などとは大きく異なり、自然との共生でしかなし得ない生命産業であります。いかに広大な農地や日照に恵まれたとしても、水がなければ作物は発芽することもかないません。 私はこれまで、目の覚めるような美しい風景を有する欧州の農山村や、砂漠化や環境汚染の進むアメリカの農業生産の現場など、数度にわたって視察をする機会を得ています。我が国の農業は、外国のような大規模経営ではありませんが、幸いにして降雨水に恵まれ、先人の知恵や汗によって地球を10周するほどの水路やため池などを整備し、同じところで2千年以上にもわたって同じ作物をつくり続けてもびくともしない再生可能な水田稲作の発展により、国民の命がつながれてまいりました。 生産額からすれば、大手企業の1社にも及ばないと、自国の農業を軽視する向きも中にはいるようであります。しかしながら、環境保全や防災など、農林水産業が果たしている公益的な機能はお金では買うことのできない価値を有していることもまた事実であります。 現在、世界の人口は73億人であり、30年後には97億人になることが想定されていますが、今日においても、8億人近い人々が恒常的な飢餓にさらされていることが伝えられています。私は、世界の安定には、それぞれの国の多様な農業生産によって食糧が確保されることが一番ではないかと思います。 さて、前置きが長くなりましたが、本県農業の活性化を目指すにあたっては、本県の持つ風土の特色を最大限に生かすことが最も肝要なことであります。 現在、本県の農業産出額は九州各県に一番後れをとっていますが、まずは、この原因をしっかり検証する必要があります。 本県の農林水産予算額は、宮崎県とは数億円の違いしかありませんが、その産出額においては、2千億円以上も水をあけられています。この大きな要因は、和牛の飼養頭数に大きな差があるなど、畜産振興に対する取組の差であります。 かつての宮崎県は、馬産地であり、和牛を含む肉用牛の飼養頭数は本県のほうが上回っていました。その後、昭和40年代までに、宮崎県、長崎県にも抜かれ、熊本県は大分、長崎をも抜いて、その飼養頭数は本県の3倍になろうとしております。平成24年には、ついに佐賀県にも追い抜かれ、九州では下から2番目の飼養頭数になっています。このままでは、博多和牛の生産に力を入れる福岡県にも抜き去られることが危惧されています。 和牛の持つ、世界に誇れる遺伝子資源を巧みに利用することで、自由化に対処する取組が全国の産地で進められていますが、その代表格が神戸ビーフの輸出であります。中山間地域という万全の飼養環境を有しながら、なぜ九州の中で本県だけが飼養頭数を大きく減少させたのか、私はその原因は二つあると思います。 その一つは、農業団体が本来果たすべき役割を十分果たすことができなかったからです。一番メリットのある和牛肉の販売にリーダーシップをとれなかっただけでなく、今回、ようやく公正な競り取引となりましたが、新たな畜産公社が稼働するまでは、生産者不在の相対取引を行っていた結果、もうからず、肥育農家が育たなかったのだと思っております。 また、もう一つは、率直に申し上げますが、本県の畜産研究部は、生産者の期待する種雄牛をこの20年間にわたってつくり出すことができなかったからであります。 日本農業新聞が、昨年度の全国主要家畜市場のランキングを発表していますが、それによると、子牛1頭の平均価格が100万円を超える市場が兵庫県に二つあります。本県にある二つの市場は、豊肥が16位で、子牛の平均価格は77万8千円、玖珠は42位で74万6千円と30万円ほどの開きがあり、県産種牛の産子だけの平均にしますと、差額はさらに大きくなります。生産者は長年にわたって、隔靴掻痒の思いをしており、モチベーションが上がりません。 私は昨年、本県の繁殖、肥育農家の組織の代表の方々から、畜産研究部に対する様々な意見を伺いました。中には不要という辛辣な意見も飛び出しましたが、大方の意見は、「畜産研究部は、他県と渡り合えるだけの種牛造成ができないのであれば、鹿児島県のように、民間の卓越したノウハウを生かしてほしい、そうすれば、必ず全国レベルの種雄牛ができる」という内容でした。 いよいよこれからTPP11など、自由化の本番を迎えますが、本県の農業は、規模は小さいながらも、取組方次第では十分に迎え撃つこともできれば、逆に攻めていくことも可能であります。農業を成長産業へと導く大きなチャンスの到来と受け止め、関係者あげて、その戦略を練り上げるべきだと思います。 私は、その中核を担う本県の農産物は、おおいた和牛であると確信をしています。しかしながら、世界の欲する和牛の持つ遺伝子資源を最大限に生かすには、今日の飼養頭数ではあまりにも少なすぎます。おおいた和牛の増頭を強力に推進していく必要があります。 また、増頭にあわせて、耕畜連携を進めることは、中山間地の耕作放棄地を防ぎ、ふるさとの美しい景観や環境を守ることにもつながります。これは、これからの大分の観光推進にも絶対欠かせない要件であります。 さらに、本県のこれからの農業振興にあたっては、その中枢を担うべく、JAをはじめとする農業団体の一層の活躍も求められますが、九州の他の6県に比べ、全体の動きは生産者には全く見えてこないところが気がかりであります。県も人を送り込んでいる以上、ここが本当に機能するよう、しっかりと連携をしていく必要があると思います。これは農業振興に対する県の本気度が問われている問題でもあります。 回りくどく申し上げましたが、おおいた和牛の増頭や農業団体との連携など、大分県農業の活性化に向けた私の提言に対する所見をお聞かせ願いたいと思います。 ○濱田洋副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大分県の農業の活性化について、大変貴重な御意見を承りました。私からの答弁を申し上げることもないんですけれども、せっかくの御質問でございますから、何点か申し上げさせていただきます。 農業は、地方創生を実現する上でも大変重要な産業であり、特に畜産は本県農業産出額の約35%を占める中心的な分野です。そのため、これまでも思い切った増頭対策や大規模な牛舎整備支援など、力を注いできた結果、肥育牛の頭数は下げ止まり、繁殖雌牛は10年ぶりに増加に転じております。 また、一昨年の全国和牛能力共進会では、日本一の栄誉を獲得しました。これは、生産者や関係団体等が一丸となった成果であり、議員の長年にわたる御指導のたまものであります。 私は、本県畜産業はまだまだ成長途上にあると考えております。「牛は豊後が日本一」という地位を確たるものにするには、より高みを目指した取組を戦略的に進めていかなければならないと思います。 このため、県では、今後5年間の肉用牛振興の指針となる戦略を、今年度末をめどに策定中であり、おおいた和牛日本一プロジェクトとして三つの柱を掲げてスタートしたいと考えています。 一つは、生産基盤の強化です。基幹的な担い手の育成や新規就農者の確保により、肉用牛を5年間で5,600頭増やします。 二つは、品質、収益性の向上です。県外から優秀な種雄牛の精液や雌牛を導入するとともに、ゲノム育種価を活用し、日本一の種雄牛造成や高能力な雌牛の確保に取り組み、県内子牛市場の平均取引価格を全国10位以内まで引き上げます。また、枝肉重量も全国トップレベルとなる520キログラムとして、その90%が上位の肉質となる高収益な肥育生産を目指します。加えて、ICTを活用した生産管理により、分娩感覚を380日まで短縮するなど、高い生産性を実現させるほか、飼料用米の生産、利用拡大など、耕畜連携に取り組みます。 三つは、高付加価値化であります。昨年発表したおおいた和牛を県内外で強力にPRし、全国的な認知度を高めるとともに、畜産公社の競り市場を活性化させ、高価格で取引されるブランドを確立したいと思います。 こうした目標を高く、細かく定め、進捗管理を徹底することにより、鹿児島全共日本一など、トップレベルの産地を目指していきたいと思います。 また、農業団体は大いに反省すべき点があると思います。現在、飼料価格の引下げなど、自己改革の成果が徐々に現れていますが、緒に就いたばかりです。団体には、生産者のために、例えば入札仕入れを導入するなど、しっかりと自己改革を完遂してもらいたいと思います。 県としても、日本一プロジェクトを団体とともに進めて、畜産振興に力を尽くしてまいりたいと思います。大変示唆に富む御質問をいただきました。 ○濱田洋副議長 近藤和義君。 ◆近藤和義議員 ありがとうございました。本当に知事さんに心強い御答弁をいただいて、心から感謝を申し上げます。 私は、知事さんがよく言われますマーケットインの商品(もの)づくりのというのは、こうした優れものをしっかりつくっていくことだと思っておりますので、今後ともよろしくお願いをいたしまして、次の質問に入らせていただきます。 次は、由布市の振興についてであります。 まず、由布高校について、大分郡内唯一の碩南高校を教育立市のシンボルとして平成の合併を進め、校名を由布高校に変え、市民あげて、特色のある文武両道の、地元になくてはならない高校に育てようとした矢先の平成20年1月、県教委の廃止案には大きな衝撃を受けました。地元の高校がなくなれば、神楽の町、庄内町の灯りは立ち所に消えます。地元県議として、必死の思いで知事さんにも訴え、おかげで存続をしていただきました。 現在、由布高校では、進学コース、情報ビジネスコースのほか、地域産業・文化の担い手となる地域振興リーダーの育成を目的とした観光コースを県内で唯一設置しています。私は、これに加え、観光振興に欠かせない調理師の人材育成も図ってはどうかと考えますが、今後の由布高校についての見解を伺います。 次に、挾間町の上水道について伺います。 由布市挾間町では、合併後も毎年100人近く人口が増え続けており、由布市の人口減を大きくカバーしています。子育て世代や児童生徒の数の多さは、県下でも類のないほど傑出しており、挾間のマンパワーが由布市の活力を支えています。 ただ、他の2町に比べ、クリーンな飲料水に恵まれず、ほとんどの家庭は市販の水や湧水を使っており、子どもたちの多くが水筒持参で学校に通っています。 水は生命の根源であり、飲料水の安心安全の担保は広瀬県政の大きな基軸であるものと考えます。 そこで、由布市挾間町の上水道問題の解決に、ぜひとも県のお力を貸していただけないか、見解を伺います。 ○濱田洋副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 由布高校についてお答えします。 由布高校では、地元の支援を受けて、連携型中高一貫教育校として、6年間を通して、市内3中学校との乗り入れ授業や合同生徒会活動などが行われております。毎年秋の由布高校振興大会では、由布市の振興に向けた提言や、神楽の発表などを行い、参加した地域の方々からも、地域に密着した活動に対して積極的な評価をいただいているところです。 観光コースでは、別府大学やAPUと連携して、由布市の観光や産業の振興について調査研究を進めており、今年度は、需要の多いインバウンド向けの英語、中国語、韓国語の観光マップを完成させました。 また、観光の重要な要素、食についても様々な取組を進めており、今年は、道の駅ゆふいんと連携して、地元産ニラ豚入りコロッケ、由布コロを開発し、販売も好調です。生徒は、食に関わるこれらの体験活動から学んだ由布市の魅力をさらにブラッシュアップすることを目指して、調理師やパティシエを目指す進路選択をした生徒も毎年数名出ている状況です。今後とも、地域に選ばれる魅力、特色ある学校づくりに取り組んでいきたいと考えております。 ○濱田洋副議長 山本生活環境部長。 ◎山本章子生活環境部長 由布市挾間町の上水道についてお答えします。 大分川水系は、県民の重要な水道水源であり、人口が集中する挾間町と大分市は本川から取水しています。県と関係機関は、大分川の水質調査を実施しており、挾間町上水道取水口の直近の天神橋においては、毎月実施しているところです。 大分川の水質は、全ての調査点で環境基準を達成しております。天神橋では、水質の主要な指標であるBOD、生物化学的酸素要求量の値が最上ランクの水道1級です。 なお、由布市では、生活排水処理施設の整備が進み、また、上流域の湯布院や芹川では、多様な主体が参加する流域会議が水環境保全活動に積極的に取り組むなど、住民の水質保全意識も高まっているところです。 県では、今年度、水道事業が直面する課題に対処するため、由布市をはじめ、全市町村と協議を重ねて、水質管理体制の向上や危機管理対策の強化などを基本施策とする大分県水道ビジョンを策定しております。 水源を含めて、水道施設の整備は、市町村が水道需要の見通しや財政状況を基に計画的に取り組んでおり、県としては、水道ビジョンを踏まえ、今後も技術的な助言をしてまいります。 ○濱田洋副議長 近藤和義君。 ◆近藤和義議員 ありがとうございました。 少し見解の違うところもあると思いますが、由布高校について、生徒が非常に礼儀正しく、大学への進学率の向上やスポーツ、文化、芸能分野で、目覚ましい活躍をし、地元になくてはならない高校として市民に親しまれております。 今年の秋に開催されるラグビーワールドカップでは、本校出身のラガーマンが日本代表候補に選ばれるなど、大会に向けて、市民の機運も一段と高まっているところです。存続に御英断をいただきました知事に改めて感謝を申し上げますとともに、地元の議員として責任を果たしたことに、関係者皆様に心より御礼を申し上げます。由布市の教育のシンボルとして、さらなる御配慮をお願い申し上げたいと思うところであります。 また、挾間町の水問題については、由布市には全く下水道がなく、これを原水とする大分川には、家庭の雑排水や、毎日1万人近い観光客が押し寄せておりますが、これに対処するだけの浄化施設がないことから、詳しくは申し上げられませんが、挾間町の浄水場の現場を見る限り、思わず後ずさりをするような色をしております。 これを法的にクリアするために毎年2億円近い経費をかけておりますが、他の2町にはないことでして、クリーンな水が得られず、双方に不満のマグマが高まっていることもまた事実であります。 そこで、地元の議員としてお願いしたいことは、幸いにして、水道法の改正も行われていますが、何よりも近くに大分川ダムの完成が見られることになっております。このダムからの取水ができれば、たとえ高額な経費を要したとしても、問題は一気に解決するのではないか。それだけではなく、県と大分市の一体的な発展が図られるものと思っております。しかしながら、一大事業であるだけに、県の指導や関与なしにはでき得る問題でもありません。ぜひとも御協力いただく旨、知事の所見を伺いたいと思います。 ○濱田洋副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 上水道を通じてクリーンな水を確保するというのは、市民にとって大変大事なことだと思いますし、そのことについて、今、議員御指摘のような問題点があるということでございましたので、よく状況を調査して、必要ならば、対応していくということでいいのではないかと思っております。 ○濱田洋副議長 近藤和義君。 ◆近藤和義議員 ありがとうございました。 これで私の質問を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ○濱田洋副議長 以上で近藤和義君の質問及び答弁は終わりました。 次に、上程案件に対する質疑に入ります。 発言の通告がありますので、これを許します。堤栄三君。  〔堤議員登壇〕 ◆堤栄三議員 日本共産党の堤でございます。 上程議案に対する質疑を行います。 まず、消費税の増税です。当初予算では、今年10月増税予定の消費税が含まれています。県の負担も大変ですが、消費者や事業者にとって今回の増税は耐え難いものとなっています。世帯あたりの消費を捉える家計調査ベースで見ても、GDPベースで見ても、家計消費そのものの消費税の8%への増税による打撃を回復するに至っていないことを、国会で安倍首相も認めています。増税が必要という立場の学者や経済人からも、今、増税を強行すれば、日本経済を破壊するとの警告の声が次々にあがり、チェーンストア協会など、小売3団体が、安倍政権が打ち出したポイント還元の見直しを求める異例の意見書を政府に提出、インボイス導入も日本商工会議所など、中小企業団体がこぞって反対をしています。 共産党が昨年行った市民アンケートでは、「少ない年金をさらに引き下げて、その上、消費税の増税なんて、一人暮らしの老人を困らせないで」と暮らしが大変になっている実態を切実に訴えています。また、消費税の10%への増税に対して、消費税は廃止すべき、5%に引き下げるべき、8%の据置きと答えた方は7割に上り、増税賛成の2割を大きく上回っています。せめて、国に今の時期に増税すべきではないとはっきりと表明すべきではないでしょうか、知事の答弁を求めます。 以下対面にて。  〔堤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○濱田洋副議長 ただいまの堤栄三君の質疑に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 堤栄三議員から、消費税の増税について御質問をいただきました。 厳しい日本の財政状況や急速に進む少子高齢化の中で、財政健全化への国際的信認を得て、世界に誇るべき社会保障制度を次世代へ引き継ぐには、消費税率の引上げは避けて通れないものだと受け止めております。 また、税収が経済の動向や人口構成の変化に左右されにくく、かつ国民が広く負担する消費税は、社会保障を国民全体で支えていくという理念から、安定的な社会保障財源として適しているのではないかと思います。 特に、本年10月の消費税率10%への引上げにおいては、その増収分の財源を活用して、幼児教育、保育の無償化、待機児童の解消、保育士の処遇改善、高等教育の無償化、介護人材の処遇改善などを実施することとしており、全世代を通じた国民生活の安心を確保するのにもつながるものと考えております。 一方で、消費税率引上げに際しては、経済状況を十分に踏まえて、景気の腰折れと反動減の平準化対策を実施することが大変大事ではないかと考えております。 前回の消費税率引上げ時においては、大きな需要変動が生じて、景気の回復力が弱まることとなったところであります。 このため、政府においては、前回の引上げ時の経験を生かして、防災、減災、国土強靱化対策などの臨時、特別の措置も含めて、あらゆる施策を総動員して、経済の回復基調に影響を及ぼさないように全力で対応することとしているところです。 また、下請等の中小企業、小規模事業者に対する消費税の転嫁対策や、新たに導入される軽減税率制度への対応も必要であります。 本県においては、これまでも国等と連携して消費税率の引上げや軽減税率制度の導入等が円滑に行われるよう、広報、周知等に取り組んでいるところです。これに加えて、消費税率引上げや軽減税率制度に関する相談対応、事業者等への周知啓発を図るために、庁内に消費税率引上げ等に伴う庁内対策本部を先月設けたところです。 消費税率の引上げは、持続可能な社会保障制度の確立と、そのための安定財源の確保、財政健全化のために必要なものと認識しておりますが、今後も国の動向を注視しながら、できるだけ県民生活や地域経済に支障を来さないように適切に対処してまいりたいと思っております。 ○濱田洋副議長 堤栄三君。 ◆堤栄三議員 財政健全化といって消費税が導入されて、もう30年たつわけですね、元年導入ですから。財政が、借金そのものが1千兆円を超えるとか、非常に大変財政状況は悪く、危機的な状況になってきている。持続可能な社会保障と言いますけれども、しかし、今、国が考えている社会保障の削減の計画、自然増を削減したり、又は後期高齢者の特例減額をやめていくだとか、また、介護保険の要介護1と2は特例のほうに、介護保険から外して市町村事業にまた持っていくだとか、いろんなことをやっているわけです。それで、社会保障の充実のために消費税は使われてこなかったというのがこの30年間の実際なんですね。 私が聞きたいのは、今日のマスコミ全ての1面で、景気後退への局面が内閣府の発表によって出されたと。おまけに、半導体のルネサスも2か月間操業を停止する、中国の輸出が厳しいと。大分県のこの企業も数週間操業を停止するという。こういう非常に厳しい状況というのが今来ているわけですね。 2016年、つまり消費税の再々延期をしたときに安倍さんが、こういうふうに言っているわけね。輸出が今横ばいだと、横ばいだけれども、景気の状況を見ていくと延期せざるを得ないと言って延期したわけですよ、その当時は。今回、どういう内閣府の発表かと言うと、弱含んでいる、つまり横ばいじゃなくて弱くなっているという、そういう景気判断をしているわけですね。 となれば、2016年以上に今、景気、輸出が非常に悪くなっている。そういう中で増税をすれば、ますます景気が悪化してしまう状況となってくる。 だから、知事として、今の時期にそれを増税しても本当にいいのかどうか、10月増税がいいのかどうかについての再質問を行います。 ○濱田洋副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 私も内閣府が昨日発表した景気動向指数の判断で、下方、下降への局面変化を示していくという判断があり、大変びっくりしまして、かつまた大変心配をして、動向を、その後の政治全体の判断を見ておりました。 政府の今の考え方は、この景気動向指数の数字は数字として、やっぱりほかのいろんな指標を考えてみて、引き続き景気回復基調にあるとの認識に変わりはないんだということであり、一つの指標だけで判断するのはまだちょっと早いのかなと、こう思っているところであります。 引き続き、政府の景気の見通し、それから、それに対する対応というのは、政府が真っ先に考えなきゃならんことですから、政府の判断をよく見ながら、また対応もよく動向を注視しておきたいと考えているところです。 ○濱田洋副議長 堤栄三君。 ◆堤栄三議員 内閣府の関係は、2月の月例経済報告と1月の景気動向指標、さっきの中身ですね、この二つとも非常に下方修正しているんです、二つとも。 おまけに、実質賃金そのものは例の統計調査の問題があり、それを引き直せば前年に比べてマイナスであったというような、実態的な数字も出てきているわけですよ。 ですから、今の時期に増税を実際にすれば、家計消費がどのような状況になってくるかというのは、本当、火を見るよりも明らかだと思うんですね。ですから、私とすれば、今の時期に、つまり10月という時期にやっぱり増税はすべきではない、延期をすべきだという気持ちというのは十分持ってますね。いろんな方々に聞いても、今はすべきじゃないと、経済学者の方からも非常に多くの人から出ているわけです。 その点について再度確認しますけれども、それはもう、国の動向を見ているだけだということでよろしいんですか。 ○濱田洋副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 増税というのは、国民生活や国民経済に直接影響するものであります。特に消費税に至っては、その影響は非常に大きいし、逆進性もあるわけですからね。 そういった意味では、やはりこの増税については動向をよく、慎重に見て、考えていかなきゃならんと。これは議員御指摘の基本になることだと思いますし、それは私どももそう思いますし、政府ももちろんそう考えているんだろうと思います。 そこで、今回の景気の問題について、これはみんなが注目をしたところですが、もう釈迦に説法ですけれども、景気の判断には、いろんな指標を寄せ集めて、そして、基調としてどうなのかということを判断するわけですから、政府が今のところ、まだ基調を変える必要はない、景気は回復基調にあるんだと言っているのにも一理はあると思います。 したがって、やはり動向をもう少し見ておきたいなと、こう思っているところであります。 ○濱田洋副議長 堤栄三君。 ◆堤栄三議員 こればっかりするわけにいきませんけれども、いわゆる家計消費というのはGDPの6割を占めているんですね。これが昨年に比べても非常に下がってきている。実質賃金も下がっているという状況は、景気の後退が非常に大きくなってきているのがもう目に見えていますから、ぜひこれは国に対して延期を強く言っていただきたい。これは強く要望しておきます。 続いて、国民健康保険税についてです。 この問題、これまでも議会で取り上げてきましたけれども、国保加入者には低所得者が多いのが実態です。そんな中、さきほど紹介したアンケートにも、売上げが減り、高額の国保税の負担は分割でも支払はぎりぎり、高負担には耐えられません。払える国保税にしてほしいとの切実な声が寄せられております。滞納世帯も加入世帯の12.4%の2万500世帯、差押えも延べ2,856件となっています。 全国知事会も協会けんぽなどの被用者保険との保険料負担の格差をできる限り縮小するよう提言しています。 県としてこの提言を実現するためにどのような取組をしているんでしょうか、答弁を求めます。 あわせて、県が行った子ども・子育て県民意識調査報告を見ると、子育て支援において、経済的な支援を求める声が75.4%にのぼっています。さらに、子育てにかかる費用について負担が大きいと感じているものの中に、市町村によって給食費、医療費無料と違いがあるところとの回答もあります。医療費助成等の自由意見欄では、未就学児や小学生の保護者から、子どもにはお金を気にせず、診察や薬の提供をしてあげたい。大分市も医療費無料にしてほしいですなど、医療費助成制度の拡充を願う声が多数出されています。また、住んでいるところによって助成額に格差があることへの不満の声も出されています。県として県民の声に寄り添うためにも、医療費助成を中学校まで拡充すべきだと考えますけれども、答弁を求めます。 ○濱田洋副議長 長谷尾福祉保健部長。 ◎長谷尾雅通福祉保健部長 2点についてお答えいたします。 まず、国民健康保険についてです。国民健康保険は高齢者や低所得の方の加入割合が高く、構造的に財政基盤が弱いため、国に対して、定率国庫負担の引上げなど、安定的な財政基盤の確立を全国知事会等を通じて毎年要望しているところです。 保険税については、所得に応じて7割、5割、2割を軽減する措置を講じておりますが、子どもの数に応じ、課税される保険税均等割の軽減措置の導入についても国に求めているところです。加えて、全ての医療保険制度を全国レベルで一元化することについて、本格的な検討を行うことも国に提案しております。 また、医療費の過度の増大による負担増を招かないよう、健診や医療レセプトなどを活用したデータヘルスの推進とか、重複服薬の是正などに市町村とともに取り組んでおります。 このような取組が、国の保険者努力支援制度交付金、いわゆるインセンティブの獲得につながるとともに、広域化後、税率を引き下げる自治体が2市出ているところです。 今後も、保険者である県及び市町村が、医療費適正化に努力しつつ、国に対し、医療保険制度間の公平性確保と持続可能な財政基盤の確立を強く要望していきたいと思っております。 次に、子ども医療費助成の制度についてです。 医療費に係る助成制度は、安定的、持続的な制度運営が求められ、小児でも医療体制の崩壊を招くことのないよう留意が必要です。 他方、本県が進める子育て満足度日本一の中でも、医療費助成のニーズが高いことは承知しております。 そこで、本県では、限られた財源の中で、保護者の負担額が大きい入院は小中学生まで、通院は受診回数が多い未就学児までを対象に実施しています。 市町村では、地域ニーズや財政状況も踏まえ、この基礎的な部分に上乗せをして、現在、14市町村が中学生まで通院医療費を助成しています。中津市と宇佐市も今年7月から拡大の見込みです。 県としては、医療費助成のみならず、待機児童解消や保育料の減免、病児保育の助成、放課後児童クラブの拡充や利用料減免など、バランスを取りながら、総合的な子育て環境の充実に引き続き取り組んでまいります。 ○濱田洋副議長 堤栄三君。 ◆堤栄三議員 一つは、国民健康保険のことで、低所得者が大変多い、ですから負担そのものが大変というのは当たり前なんですね。今、全国知事会も、また市町村も含めて、子どもの均等割についての免除というのが出てきているんですよ。ですから、全国知事会がこれを要請していますから、県として、この子どもの均等割、つまり人頭割でも子どもの分だけ、これの減免について検討はできないのだろうかということを一つ聞きます。 もう一つは、子ども医療費の問題については、確かに財源論、これは毎回の議論の中で財源論とバランスだといろいろ言われる。だけれども、さきほどから人口減少の話があるけれども、医療費助成の在り方というのは、県の人口とか就労環境にも大きく影響する。つまり大分県を担う子どもですから、お医者さんにかかる環境をよくするということは、人口減少をストップさせる一つの大きな要因にもなると思うんですね。 ですから、そういう点では、ぜひ助成の拡充もしてほしい。今度、大分市も具体的に検討を始めたんですよ、いよいよ。別府市も検討を始めました。この二つができると、大分県18市町村全てできるんですよ、全て。 そうすると、大分県としての役割というのはもっともっと重要になってくる。つまり県が助成をしていけば、それ以上に、市町村は助成の拡充ができるわけね。豊後高田みたいに高校生までできる可能性はあるわけですよ。 ですから、そういうことを県としてもやるべきだろうと思いますし、子ども医療費の助成制度も、通院の助成の拡充はぜひやっていただきたいと思います。その点はどうでしょうか。 ○濱田洋副議長 長谷尾福祉保健部長。 ◎長谷尾雅通福祉保健部長 二つ御質問いただきました。 一つ目は子どもの、国保の均等割の減免の検討を県でできないかということです。一つ考えられるのが、国保等、例えばさきほど議員がおっしゃった協会けんぽ、こういう被用者保険との違いが根本的にあります。具体的には、被用者保険は、非扶養者の人数に関係なく主に入っている保険者の報酬額に基づいて保険料が決まっております。また、被用者保険ですから、事業主の負担が半分あるということで制度が整理されています。一方で、国保は所得に加えて、応能、応益という負担の考え方があります。その応能が所得で、応益は世帯人数が加味されるということであり、この二つには大きな違いがあるわけです。 私どもとしては、この国保の持続性をちゃんと保たないといけないということを念頭に置き、医療費の適正化とか、収納率の向上とか、歳入歳出両面で今、取組を進めていますが、根本的に国の制度ですので、そういったところを踏まえて、国に今、子どもの部分についても要請をしているところです。 それと、二つ目の医療費助成です。 前にも御質問をいただきましたけれども、大分市と別府市の15歳未満の人口割合が本県の場合約55%を占めています。 そういう中で、大分市では、昨年6月の市議会において、低所得者世帯を対象とした助成について、子どもの貧困対策の一つとして検討していくというような答弁があったところです。 子ども医療費助成というのは、実は全国的に本県が、所得制限を設けずに、本県と同等以上の制度の実施しているのは全国に6県だけです。ということは、その他の多くは、全て所得制限をかけてやっているわけです。 一方で、私ども、総合的に、保育料助成においても実は所得制限をかけていません。所得制限をかけずに、第2子以降の保育料助成を行っているのは全国で12県、九州では本県のみです。 このように、子育て満足度日本一を目指す中で、この所得制限をどうするかという大きな観点がありまして、我々としては、所得制限をかけずに制度を維持してきたという実態があります。 そういった観点で、今、議員がおっしゃったような大分、別府をどうするかというところが、一つの議論になろうかと思いますけれども、私どもとしては、今ある制度をしっかり維持していきたいというところです。 ○濱田洋副議長 答弁は簡潔にしてください。 堤栄三君。 ◆堤栄三議員 全ての市町村で将来的にできる可能性は十分あるわけですよ。市議会で、また別府市で検討されているでしょう。 だから、それに後れをとらないで、県としても率先して、子ども医療費助成の通院を拡充するということは、やっぱり非常に大事になってくると思いますので、ぜひそれはこれからも検討していただきたいと思っております。 最後に、時間もありませんので、教育委員会の関係で、昨年発覚した障がい者雇用率の水増し問題で、県教委は2018年度から2020年度まで目標を設定して、雇用を達成していこうと。2019年は、大体15名を非常勤職員として雇用する計画になっております。これそのものについては目標を達成される見込みと考えます。しかし、2020年度は正規職員を21名、非常勤職員が12人となっていますけれども、その達成の見込みはどうでしょうか。 また、昨年11月に障がい者団体が抗議の申入れをして、いろんな提案をされていますけれども、そこがこの計画にどのように反映されているのか。答弁を求めます。 ○濱田洋副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 県教育委員会の障がい者雇用についてお答えします。 昨年11月に国に提出した計画の実現に向けて、来年度実施する正規職員の採用試験について現在見直しを行っているところです。 教諭については、対象校種の拡大。事務職員については年齢要件の引上げ。介助なしの職務遂行要件の撤廃。さらに、障がい者団体からいただいた意見を踏まえて、受験資格から障がい区分を撤廃するとともに、教員、事務職員の採用予定者数を拡大することなどであります。採用試験実施の周知も重要であり、新たに障がい者関係事業所などにも試験要項を送付することで志願者の拡大を図ってまいります。 非常勤職員については、特別支援学校の卒業生を対象としたキャリアステップアップ事業を継続することで確保に努めてまいります。 あわせて、手帳取得を申告しやすい環境づくりにも引き続き取り組んでいく必要があり、今後も全職員に対して障害者手帳制度の周知に努めてまいります。 計画の実現に向けて、教育委員会をあげて全力で取り組んでいきます。 ○濱田洋副議長 堤栄三君。 ◆堤栄三議員 達成をして、継続して、ずっとその雇用率そのものというのは継続していかないかんわけですから、それはぜひ頑張っていただきたい。 あわせて、支援学校の卒業生以外の方、中途障がいになった方とか、そういう方々に対する非正規職員の募集とか、そういうのはしないんですか。そういうのも門戸を広げるべきだと思うんだけど、どうでしょうか。 ○濱田洋副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 今、正に募集の最中であり、状況も見ながら、いろんなことも考えていく必要があろうかと思っています。恐らくそういう方も卒業されていて、状況がいろいろということもあろうかと思いますので、そういうところも十分見ながら検討していく必要があろうと思っています。 ○濱田洋副議長 堤栄三君。 ◆堤栄三議員 障がい者雇用については、障がい者団体も非常に憤りを持っていて、11月に抗議をしたぐらいですので、いろんな意見はあると思います。そういう方々とも、今後も含めて、定期的に意見交換をするとか、そういうのはぜひやっていただきたい。 子ども医療費は、ぜひこれは大分県として通院も含めてやっていただきたい、このことを強く要望して終わりたいと思います。 ○濱田洋副議長 以上で堤栄三君の質疑及び答弁は終わりました。 これをもって一般質問及び質疑を終わります。 ただいま議題となっております各案及び今回受理した請願2件は、お手元に配付の付託表及び請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託します。 なお、他の委員会にも関連のある案件については、合い議をお願いいたします。  -------------------------------付託表件名付託委員会第1号議案平成31年度大分県一般会計予算総務企画 福祉保健生活環境 商工労働企業
    農林水産 土木建築 文教警察第2号議案平成31年度大分県公債管理特別会計予算総務企画第3号議案平成31年度大分県国民健康保険事業特別会計予算福祉保健生活環境第4号議案平成31年度大分県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算〃第5号議案平成31年度大分県中小企業設備導入資金特別会計予算商工労働企業第6号議案平成31年度大分県流通業務団地造成事業特別会計予算〃第7号議案平成31年度大分県林業・木材産業改善資金特別会計予算農林水産第8号議案平成31年度大分県沿岸漁業改善資金特別会計予算〃第9号議案平成31年度大分県県営林事業特別会計予算〃第10号議案平成31年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計予算土木建築第11号議案平成31年度大分県港湾施設整備事業特別会計予算〃第12号議案平成31年度大分県用品調達特別会計予算総務企画第13号議案平成31年度大分県病院事業会計予算福祉保健生活環境第14号議案平成31年度大分県電気事業会計予算商工労働企業第15号議案平成31年度大分県工業用水道事業会計予算〃第16号議案大分県部等設置条例の一部改正について総務企画第17号議案包括外部監査契約の締結について〃第18号議案大分県個人情報保護条例の一部改正について〃第19号議案職員の給与に関する条例等の一部改正について〃第20号議案大分県使用料及び手数料条例の一部改正について〃第21号議案児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正について福祉保健生活環境第22号議案権利の放棄について〃第23号議案権利の放棄について〃第24号議案権利の放棄について商工労働企業第25号議案平成31年度における農林水産関係事業に要する経費の市町村負担について農林水産第26号議案平成31年度における土木事業に要する経費の市町村負担について土木建築第27号議案一級河川の指定の変更に対する意見について〃第28号議案大分県建築基準法施行条例の一部改正について〃第29号議案実習船の共同運航に係る事務の委託について文教警察第30号議案権利の放棄について〃第31号議案大分県文化財保護条例等の一部改正について〃第32号議案大分県立スポーツ施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について〃第33号議案平成31年度における県立スポーツ施設建設事業に要する経費の市町村負担について〃  ------------------------------- ○濱田洋副議長 以上をもって、本日の議事日程は終わりました。 お諮りいたします。11日から13日までは、常任委員会開催のため、14日は議事整理のため、それぞれ休会としたいと思います。これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○濱田洋副議長 御異議なしと認めます。 よって、11日から14日までは、休会と決定しました。 なお、9日、10日は、県の休日のため、休会とします。 次会は、15日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知をします。  ------------------------------- ○濱田洋副議長 本日は、これをもって散会します。     午後3時12分 散会...