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  1. 大分県議会 2008-09-01
    09月02日-02号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成20年 第3回定例会(9月)平成二十年九月二日(火曜日)  ------------------------------- 議事日程第二号       平成二十年九月二日           午前十時開議第一 委員会提出第五号議案及び委員会提出第六号議案   (議題、提出者の説明、質疑、討論、採決)第二 一般質問及び質疑  ------------------------------- 本日の会議に付した案件日程第一 委員会提出第五号議案及び委員会提出第六号議案     (議題、提出者の説明、質疑、討論、採決)日程第二 一般質問及び質疑  ------------------------------- 出席議員 四十三名  議長        阿部英仁  副議長       近藤和義            古手川茂樹            牧野浩朗            嶋 幸一            毛利正徳            濱田 洋            三浦 公            元吉俊博            末宗秀雄            佐々木哲也            御手洗吉生            桜木 博            麻生栄作            首藤勝次            田中利明            大友一夫            井上伸史            渕 健児            佐藤健太郎            志村 学            安部省祐            荒金信生            佐々木敏夫            玉田輝義            深津栄一            酒井喜親            首藤隆憲            平岩純子            吉冨幸吉            佐藤博章            吉田忠智            梶原九州男            賀来和紘            江藤清志            久原和弘            小野弘利            内田淳一            河野成司            伊藤敏幸            衛藤明和            高村清志            堤 栄三 欠席議員 一名            竹中万寿夫  ------------------------------- 出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       平野 昭  教育委員長     麻生益直  教育長       小矢文則  代表監査委員    阿南 馨  総務部長      二日市具正  企画振興部長    佐藤 健  企業局長      三浦秀一  病院事業管理者   斎藤貴生  警察本部長     田盛正幸  福祉保健部長    阿南 仁  生活環境部長    宇都宮鉄男  商工労働部長    米田健三  農林水産部長    高山精二  土木建築部長    山路茂樹  国民体育大会・障害            江川清一  者スポーツ大会局長  会計管理者兼            利光一義  会計管理局長  人事委員会            江藤敏博  事務局長  労働委員会            佐竹幹夫  事務局長  財政課長      工藤利明  知事室長      青木正年  -------------------------------     午前十時十九分 開議 ○阿部英仁議長 これより本日の会議を開きます。  -------------------------------阿部英仁議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第二号により行います。  ------------------------------- △日程第一 委員会提出第五号議案及び委員会提出第六号議案(議題、提出者の説明、質疑、討論、採決) ○阿部英仁議長 日程第一、委員会提出第五号議案及び第六号議案を一括議題といたします。  -------------------------------       議案提出書 委員会提出第五号議案 大分県議会会議規則の一部改正について 右の議案を別紙のとおり会議規則第十五条第二項の規定により提出します。 平成二十年九月二日               提出者 議会運営委員長 牧野浩朗大分県議会議長 阿部英仁殿  ------------------------------- (別紙) 委員会提出第五号議案 大分県議会会議規則の一部改正について 大分県議会会議規則の一部を改正する規則を次のように定める。 平成二十年九月二日提出                   議会運営委員長 牧野浩朗   大分県議会会議規則の一部を改正する規則 大分県議会会議規則(昭和四十年大分県議会規則第一号)の一部を次のように改正する。 第十六章中第百十八条を第百十九条とし、同章を第十七章とする。 第百十七条第一項中「第百条第十二項」を「第百条第十三項」に改め、第十五章中同条を第百十八条とし、同章を第十六章とする。 第十四章の次に次の一章を加える。  第十五章 協議又は調整を行うための場 (協議又は調整を行うための場)第百十七条 法第百条第十二項に規定する議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場(以下「協議等の場」という。)を別表のとおり設ける。2 前項で定めるもののほか、協議等の場を臨時的に設ける必要があるときは、議会の議決でこれを決定する。ただし、緊急を要する場合は、議長が設けることができる。この場合において、議長は、その旨を次の議会に報告しなければならない。3 前項の規定により、協議等の場を設けるに当たつては、名称、目的、構成員及び招集権者を明らかにしなければならない。4 協議等の場には、委員会、委員長及び委員に関する規定は適用しない。5 協議等の場の運営その他必要な事項は、議長が別に定める。 附則の次に次の別表を加える。別表(第百十七条関係)名称目的構成員招集権者全員協議会全議員の協議、了承、周知を求めたい案件が生じた場合の協議、調整全議員議長各会派代表者会議会の運営に関する各会派間の協議、調整議長、副議長、議会運営委員長、各会派代表者一名議長広報委員会広報活動全般の基本的事項についての協議、調整副議長、議長の指名する議員委員長  -------------------------------   附則 この規則は、公布の日から施行する。   理由 地方自治法の一部を改正する法律(平成二十年法律第六十九号)による地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部改正により、規定を整備したいので提出する。  -------------------------------       議案提出書 委員会提出第六号議案 大分県議会議員の報酬及び費用弁償条例等の一部改正について 右の議案を別紙のとおり会議規則第十五条第二項の規定により提出します。 平成二十年九月二日               提出者 議会運営委員長 牧野浩朗大分県議会議長 阿部英仁殿  ------------------------------- (別紙) 委員会提出第六号議案 大分県議会議員の報酬及び費用弁償条例等の一部改正について 大分県議会議員の報酬及び費用弁償条例等の一部を改正する条例を次のように定める。 平成二十年九月二日提出                   議会運営委員長 牧野浩朗   大分県議会議員の報酬及び費用弁償条例等の一部を改正する条例 (大分県議会議員の報酬及び費用弁償条例の一部改正)第一条 大分県議会議員の報酬及び費用弁償条例(昭和二十二年大分県条例第十号)の一部を次のように改正する。  題名を次のように改める。   大分県議会議員の議員報酬及び費用弁償条例  第一条及び第二条中「報酬」を「議員報酬」に改める。  第三条第一項中「事故に因り」を「が事故により」に、「報酬」を「議員報酬」に改める。  第四条第一項中「次の通り報酬」を「次のとおり議員報酬」に改め、同条第二項中「報酬」を「議員報酬」に改める。  第六条中「報酬」を「議員報酬」に改める。  第七条第二項中「報酬月額」を「議員報酬月額」に改める。  第八条第三項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。 3 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百条第十二項に規定する議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場に出席するため旅行したときの旅費は、第一項の規定にかかわらず、当該協議又は調整を行うための場の開催の日につき、別表第二に定める額を支給する。  第十一条及び別表第一中「報酬」を「議員報酬」に改める。 (大分県議会図書室設置条例の一部改正)第二条 大分県議会図書室設置条例(昭和二十三年大分県条例第八十一号)の一部を次のように改正する。  第一条中「第百条第十七項」を「第百条第十八項」に改める。 (大分県政務調査費の交付に関する条例の一部改正)第三条 大分県政務調査費の交付に関する条例(平成十三年大分県条例第二十四号)の一部を次のように改正する。  第一条中「第百条第十三項及び第十四項」を「第百条第十四項及び第十五項」に改める。   附則 この条例は、公布の日から施行し、第一条による改正後の大分県議会議員の報酬及び費用弁償条例は、平成二十年九月一日から適用する。   理由 地方自治法の一部改正により、議員に支給する報酬の名称が議員報酬に改められたこと及び議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けることができることとされたことに伴い、規定を整備する必要があるので提出する。  -------------------------------阿部英仁議長 提出者の説明を求めます。議会運営委員長牧野浩朗君。  〔牧野議員登壇〕 ◆牧野浩朗議会運営委員長 ただいま議題となりました委員会提出第五号議案大分県議会会議規則の一部改正につきまして提案理由の説明を申し上げます。 地方自治法の一部を改正する法律による地方自治法の一部改正により、規定を整備する必要があることから、このたび提出するものであります。 次に、議案番号六、大分県議会議員の報酬及び費用弁償条例等の一部改正についてであります。 地方自治法の一部改正により、議員に支給する報酬の名称が議員報酬に改められたこと及び議案の審査または議会の運営に関し、協議または調整を行うための場を設けることができることとされたことに伴い、規定を整備する必要があることから、このたび提出するものであります。 案文は、お手元に配付をいたしておりますので、朗読は省略させていただきます。 何とぞ、慎重ご審議の上、ご賛同賜りますようお願いをいたします。 ○阿部英仁議長 以上で提出者の説明は終わりました。 これより質疑に入ります。--別にご質疑もないようでありますので、質疑を終結いたします。 なお、両案は、会議規則第三十九条第二項の規定により委員会付託はいたしません。 これより討論に入りますが、ただいまのところ通告がありませんので、討論なしと認めます。 これをもって討論を終結し、これより採決いたします。 両案は、原案のとおり決することにご異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○阿部英仁議長 ご異議なしと認めます。 よって、両案は原案のとおり可決されました。  ------------------------------- △日程第二 一般質問及び質疑 ○阿部英仁議長 日程第二、第七八号議案から第一一一号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。田中利明君。  〔田中議員登壇〕(拍手) ◆田中利明議員 十四番議員の自由民主党の田中利明であります。今期定例会の一般質問のトップバッターとして登壇させていただきまして、まことに感謝申し上げます。 また、きょうは、生産者を代表して県漁協の幹部の皆さん、そしてまた、消費者を代表して食育研究会の皆さんの傍聴もいただきまして、心から感謝、お礼申し上げます。 私は、県政の重要課題となっています農林水産業の振興、教育の問題、漁港の課題について、分割方式で質問をいたします。 まず最初に、農林水産業の振興について質問いたします。 今定例会の冒頭、知事も述べられたとおり、原油高対策、特に農林水産業における燃油、飼料の高騰は、県政が総力を挙げて取り組まねばならない課題であります。 農林水産業における燃油、飼料のこの問題につきましては、県は、これにいち早く対応するため、飼料・燃料等高騰対策プロジェクトチームを立ち上げ、生産者の声を施策に反映するよう検討を重ねてきたところであります。 私たち自由民主党農林水産調査部会も、多くの生産者の生の声を聞く中で、担当部局との協議はもとより、知事、副知事に対しても、現場の声を反映させるべく積極的に活動してまいりました。 その結果、今定例会に提案された補正予算には、原油等価格高騰対策について、農林水産業対策費として、事業費ベースで三十四億五千八百万円、県費で二十億四千五百万円、全国に先駆けた燃油の直接補助や災害予備費的な農林水産業構造改革緊急支援事業費三億円を含んだ総合的な緊急対策が盛り込まれています。 厳しい県財政の中、「状況は深刻なので、できるだけのことをスピーディーにやる」という広瀬知事の決断と、プロジェクトチームを取りまとめた平野副知事並びに高山農林水産部長を初めとした関係者の皆さんのご尽力、ご労苦に心から感謝とお礼を申し上げ、四点について質問をいたします。 まず、今回の燃油等高騰対策を含め、平成二十二年度までの農林水産業振興計画アクションプランの産出額二千億円の目標値達成に向け、農林水産業の振興にどのように取り組んでいくのか、知事にお尋ねをします。 次に、水産業の振興対策について質問いたします。 今回の補正予算のうち、水産業関連分野では、これまで直接的な公的支援は難しいとされてきた燃油価格対策として、他県に見られない画期的なリッター当たり十円の直接的な補助を行う事業を含め、事業費ベースで九億四千五百万円、県費で三億三千四百万円の予算が計上されています。このことは、県漁協を構成する三千九百七十九経営体、五千九百五十二人の漁業就業者の皆さんが去る七月四日に死活問題をかけて漁業経営危機突破大分県漁民大会を開催し、その中で「このままでは地域の漁業は見捨てられ、消滅する」との危機感と出漁できない怒りと寂寥感にさいなまれた悲壮感を訴えてきましたが、このたびの県政の采配は再び漁業への希望とそのやる気を奮い立たせてくれたものと評価しているところであります。 また、水産庁では、全国漁業者の実態を踏まえ、燃油高騰水産業緊急対策として総事業費七百四十五億円の対策を打ち出したところであり、これは、燃油価格高騰による影響を経済的激甚災害と認識した上での第一の矢としての緊急対策であり、今後の抜本的な水産業の構造改革に向けて、第二の矢、第三の矢対策がぜひとも必要であります。 そこで質問いたします。 水産業に対する燃油等高騰対策の実施に当たりましては、国、県、市町村が密接に連携して取り組む必要があると考えますが、国の緊急対策分の本県への影響はどれくらいを見込んでいるのか、その事業対象と補助金額についてお尋ねをいたします。 また、県の緊急対策に呼応した市町村の具体的な取り組み状況について、あわせてお伺いいたします。 次に、今回の県の緊急対策は、国と同様に危機的な状況にある水産業に対する第一の矢であるとの立場から、次年度以降の県の予算編成の中で水産業の抜本的な構造改革に向けた中長期の施策を構築していく必要があると考えますが、現状の厳しい漁業経営の中でどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 さて、今回の水産業の緊急対策の背景には、漁獲量の減少、魚価の低迷、就業者の高齢化に加え、長期にわたる燃油、飼料価格の高騰が水産業経営に大打撃を与え、全国的に休漁、廃業が増加し、その上、食料自給率は三九%と低迷し、食品の安心安全神話は崩壊し、日本の食卓に国産の魚が上がらない日が来るという予測まで醸成されているという状況があります。 私は、困窮する漁業者を緊急対策で一時的に救済するばかりでなく、国家の食料安全保障の観点から、行政と漁業者、消費者が一体となってこの国難に対処すべきであると考えています。 一般的に漁業は一獲千金のなりわいと言われていますが、持続可能な漁業の実現のためには、行政は、政策乏しき水産行政に堕してはならず、むしろ、国家戦略、地域戦術として現場の窮状に耳を傾け、政策の立案と事業の実行を果敢に攻め続けるべきであります。 また、漁業者は、これまでの乱獲を戒め、漁業資源の回復には休漁や漁獲制限をためらわず、漁業の構造改革に自助努力すべきであります。 さらに、消費者に対しては、魚の消費量の拡大はもとより、食の安全、安心確保のため、食育の推進と魚食文化の普及啓発にも積極的に取り組むべきであります。 そこで、県として、今後とも持続可能な水産業の実現についてどのように対応していくのかをお伺いいたします。  〔田中議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○阿部英仁議長 ただいまの田中利明君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 田中利明議員には、お地元、県南の農林水産業の実情に即しましてご質問を賜りました。まず私からお答えを申し上げます。 議員ご指摘のとおり、アクションプランの目標二千億円につきましては、私も大変意欲的な数字であるというふうに考えております。 実は、近年の農林水産業産出額の推移を見ますと、平成二年の二千八百八十六億円をピークにいたしまして、年々減少傾向にあります。平成十八年には全体で千八百八十四億円と、ピーク時に比べまして一千億円の減少というふうになっております。 このような状況の中で二千億円というのは、産出額の低減傾向を下げどまらせて、さらにはそれを上昇に転じさせるということでございまして、大変困難なことであると思います。しかしながら、大分県農林水産業の再生を目指して、それを数値であらわすということになれば、やはりこうせざるを得ないというふうに考えるわけであります。 そこで、目標達成のための工程表となる本年度の行動計画「アクションプラン二〇〇八」を作成いたしまして、待ったなしの気持ちで再生、振興に取り組むことにしたものであります。 現場の声に耳を傾けて、農林水産業関係者と目標を共有して、それぞれの取り組みをスピード感を持って実行しなければならないというふうに考えます。 農業におきましては、十八年の千三百二億円から二十二年に千四百億円台を目指したいと思います。 まず、大消費地での販路開拓や販売促進の取り組みを強化するとともに、新たな需要に対応して生産を拡大するために、園芸、畜産の大規模生産団地を整備いたします。 また、県内外から、今年度につきましては三十社を目標に、食品関連企業や建設業等他産業からの農業参入を促進いたしまして、力強い経営体を確保することにしております。 既に杵築市では、十ヘクタール程度のユズ栽培を予定している「サンヨーフーズ」等の参入が決定しているところであります。 林業におきましては、百七十三億円から百八十億円台を目指したいと思います。そのために、工務店等と連携をいたしまして、販売力の強化を図り、製材品の有利販売に努めます。 こうした販路開拓にあわせまして、低コスト木材生産団地の設定などによりまして素材生産量を拡大いたします。 また、高単価で推移している乾シイタケにつきましては、人工ほだ場などの基盤整備を進めるほか、新規参入も促進して生産を拡大いたします。 水産業におきましても、魚種ごとにきめ細かな対策を講じて、四百九億円から四百二十億円台を目指したいと思います。 そのため、海面養殖業の生産量の六割を占めるブリでは、フィレ加工などによる付加価値の向上を図ります。また、生産量日本一の養殖ヒラメにつきましては、県域での共同出荷体制づくり大手量販店等の販路拡大を強化いたします。さらに、タチウオやクルマエビでは、資源回復計画の着実な実行による生産量の維持とともに、流通販売力強化の取り組みによりまして単価の上昇を図ります。 そうして、今、これらの取り組みを行う上で大きく立ちはだかっているのが燃油、飼料価格の高騰であります。 特に漁業は、漁獲量や魚価の低迷の中、燃油コストの比率は高くて、極めて厳しい経営状況になっております。また、これから加温が必要な施設園芸や輸入飼料高騰が続く畜産につきましても影響が懸念されているところであります。 このため、本県一次産業の生き残りをかけまして、将来を見据えた構造改革につながることを基本に、代替エネルギー導入省エネルギー機器整備に対する支援などの補正予算を編成したところでございます。ただいま審議をお願いしているところでございます。 この難局を構造改革の好機ととらえまして、石油や輸入穀物飼料高騰の影響を乗り越えて、産出額二千億円を達成し、若者が将来に夢を持てるようなもうかる農林水産業を実現してまいりたいというふうに考えているところでございます。 私からは以上でございます。 ○阿部英仁議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 三点についてお答え申し上げます。 まず、燃油消費量の一割以上を削減して操業する漁業者グループに対しまして、燃油費増加分の九割を助成する国の省燃油実証事業について、県漁協は先月二十日に、マグロはえ縄漁船三十六隻、大中型まき網漁船二十四隻の事業計画を全漁連に申請いたしまして、年間で約四億四千万円の支援を要望しているところでございます。 その他の漁船につきましても今月十日までに計画申請を行うこととしており、これらがすべて認定されれば、本県への支援総額は年間で十億円程度になると試算されます。 しかしながら、国は燃油依存度の高い順に支援するとしているため、八十億円の予算規模では全国の漁業者からの要望にこたえることが困難というふうに考えられますので、国の補正も含めた動向を注視していきながら、可能な限りの支援を確保したいというふうに考えております。 一方、県漁協が主体的に行う燃油の購入費軽減策につきましては、市町村においても、必要な予算化を進めるとともに、種苗の放流など独自の取り組みにつきましても検討していると聞いているところでございます。 次に、水産業の振興についてでございます。 燃油の高騰など厳しい漁業経営が続く中、抜本的な構造改革に向けた施策として次の二点が重要な柱であると考えております。 まず一点目は、省エネ型漁業への転換です。 漁港に近い海域において海底清掃による漁場の回復や魚礁等の設置による漁場の造成を行い、漁場への距離の短縮化を図ります。また、今回の補正予算での省エネ機器導入や省エネのためのエンジン等の取りかえに対する支援によりまして省エネ操業を促進します。 二点目は、水産業の収益性の向上です。 多様化する消費者のニーズに対応するため、ブリのフィレ加工や新たな水産加工品の開発を行うとともに、タチウオや養殖ヒラメなどの鮮度保持技術の改良によりまして水産物の価格向上を図ります。また、県漁協の海区販売リーダーの育成を行い、大手量販店との直接取引により中間マージンを減らすなど、漁業者の手取り価格の増加にも取り組んでまいります。 次に、持続可能な水産業についてお答えします。 まず、漁業者みずからの資源管理への取り組みが重要であります。 減少傾向にある水産資源の回復が急務となっていることから、マコガレイやクルマエビなど資源の減少が著しい魚介類について、禁漁期の設定などの漁獲制限と種苗放流などの増殖策を一体的に実施する資源管理強化型漁業を推進しています。しかしながら、休漁や禁漁区の設定、体長制限等漁業管理には関係漁業者の合意が不可欠であることから、県では、水産試験場の資源調査結果の情報提供や強いリーダーシップを持った人材の育成など、合意形成のための指導、支援を行っております。 次に、消費者に対する食の安全、安心の確保と魚食普及です。 県漁協を中心として児童生徒や消費者を対象とした魚料理教室を開催し、県産魚のPRとあわせ、食育の推進を行っています。また、県内外の消費者を養殖場に招き、試食や意見交換を通じて養殖魚の安全性を確認してもらう生産者との交流会も行っているところです。 このような漁業者の主体的な取り組み、消費者の理解や参画を一層促す取り組みを進めてまいります。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 それでは、再質問をさせていただきますが、先般、八月二十五日のテレビで放映されました「クローズアップ現代」で、世界インフレ襲来というふうな番組がございました。その中で、今もこの世界経済は、グローバルインフレの中にあって、大豆、原油、トウモロコシ等の原料高騰、それと、テレビ、携帯電話などの工業製品がずっと値下がりして、インフレとデフレが共存している。このような経済状況の中にありまして、日本は、これまで安い原料で高い商品を売るという輸出国でありましたが、原料の高い時代に入りまして、景気はさらに減速している中で、今後は、使うエネルギーを減らし、石油依存度を下げるという製造工程の改革に取り組む必要があるというふうなことでありました。 また、原料高騰により食料品が高騰する中で、今後の成長産業として、エネルギー分野とか、あるいはまた、農業分野が大変期待されるという内容でありましたが、そこで、このグローバルインフレの世界経済の中で地方の農林水産業はいかに戦っていくのか、今回のこの燃料高騰はグローバルインフレの産物であるという観点から見ましたときに、将来の農林水産業の展望について、このことについて知事はどのようなご所見を持っているのか、まずお伺いしたいと思います。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 田中議員ご質問の点につきましては、まさにご指摘のとおり、今、我々、グローバルインフレの中でどう生き抜いていくかという課題を突きつけられているというふうに考えます。 グローバルインフレ、いろんな見方があると思いますけれども、今回は、石油という国際共通の、しかも単一商品の高騰というのに端を発しまして、燃油や、関連のえさ、あるいは資機材が値上がりをしたということであります。しかもグローバルということで、国際的な共通の課題として値上がりしたということでございますから、我々にとりましては、むしろ、こういうピンチはチャンスでもあるというふうに考えているところでございます。 と申しますのは、まさにグローバルインフレでございます。日本だけが値上がりをしているなら大変でございますけれども、世界じゅうが値上がりしているわけだから、その値上がりをいかに早く効率的に克服できるか、その競争でもあろうかというふうに思います。それを先にやった国が勝ちということになるわけでございまして、そういった意味では、我々はぜひ、今のグローバルインフレの中で、農林水産業の省エネルギーだとか、代替エネルギー対策、あるいは効率的な操業というふうなことを行いながらその効率化の実を上げていく、それがまた日本の農林水産業の競争力につながっていくんだろうというふうに思っているところでございます。 幸い、かつて製造業の方では、二度にわたるオイルショックの中でそういうことをやりまして、今や世界に冠たる製造業になったわけでございます。これも、幸か不幸か、農林水産業におきましてはそれが行われなかった。だから、今からできる余地があるということでございますから、大いに我々は勇気を持って、そこに挑戦していかなきゃならぬというふうに思っているところでございます。
    阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 どうもありがとうございました。 次に、中長期の対策について農林水産部長にお伺いしますが、知事の答弁の中にありましたブリのフィレ化につきまして、この養殖ブリのフィレ化は、本年度から県漁協が業者に委託して、年間約一万トンのブリの出荷量に対して、年間五十トンのフィレ化を三年間にわたり実施するようになっておりますが、今後の消費者需要がブリのフィレ化を望むというようなことになったときに、これに対応したフィレ加工場の建設が必要であると思いますが、これについてのご見解をお伺いしたいと思います。 また、ブリのフィレ化に伴う魚の残りかすといいますか、残滓の処理の現状と今後の処理施設の必要性についてお尋ねしたいと思います。 ○阿部英仁議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 今のブリのフィレ化をどういうふうに考えるのかというご質問と、それから、残りかす、残滓をどうするのかということだと思います。 私自身も、今後、ブリをラウンドで出荷するだけではなくて、フィレ化、あるいはロイン、こういった加工が必要だというふうに考えております。理想的には、県漁協がみずから加工施設を持って販売するといったことが必要であろうというふうに考えています。しかしながら、多大な投資が必要でございますので、県漁協では、まず、今年度には経営改善計画を策定して、今、経営基盤の体質を強くしております。そういったことから、今後、経済事業の強化、加工等の部門に進出するといったことも必要だろうというふうに考えますので、フィレの加工場の整備につきましても、県といたしましても必要な助言をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、フィレの加工に伴う魚の残滓の処理でございますけれども、県内のブリのフィレ加工量は、民間を含めますと二千トン強というふうに推定しております。この三分の一の約六百トン程度が加工残渣となります。こういったものは、以前は有償で処理していたんですけれども、最近は、その大部分を魚粉製造業者が逆にお金を出して買い取ってくれるという状況になっています。それで、この六百トンという規模なんですけれども、独自に魚粉や肥料として処理するといった施設を持つには、若干、量が足りないのかなというふうに考えていますので、現時点では有償で魚粉製造業者に買ってもらうということを中心に考えております。今後、必要があれば検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 どうもありがとうございました。 ブリのフィレ化は大事な事業だと思いますので、今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 それと、先ほどの答弁もありましたが、漁業者の手取りの増加に取り組むということでありますが、この前、スーパーイオンとJFしまねが産地市場や消費者市場を通さずに直接取引することによって流通コストを削減して、漁業者の収益改善を図るというような報道がありましたけれども、この点につきましてどのように具体的に取り組んでいくのか、生産者が適正価格を確保するための方策とか、あるいはまた、漁業経営の強化についてどのような具体的な支援策を考えているのかをお尋ねしたいと思います。 ○阿部英仁議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 お答えいたします。 先月、JFしまねとイオンとの間で取引が始まったというふうに聞いております。漁業者団体と量販店の直接取引は、漁業者の手取りの向上にも非常に有効なものだというふうに考えております。 本県におきましても、県内の大手量販店、あるいは居酒屋チェーングループとの中で直接取引を行うというような動きもあるというふうに聞いておりますので、県としましても、このような取り組みが具体化すれば、サポートについて検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 明治維新のころの勝海舟は、政治の根本は経済である、このように言うておりますが、持続可能な漁業のためには、もうかる漁業、そしてまた、漁業者が安定した収入をどう得るかということが一番大事でありまして、そういうことが成れば、後継者も本当に続々と出てきて、これからこういうような分野の、本当に漁業の発展が講じられるというふうに思っておりますので、どうかひとつその点に向かって頑張っていただきたいと思います。 次に、教育改革について質問をいたしたいと思います。 私は、今回の教育委員会の汚職事件は、関係者みずからが教育公務員のプライドを投げ捨て、その地位を利用し、その権力を乱用し、教育という聖域の中で職業あっせんという商売で金銭を授受し、その上、本来公正であるべき受験者の点数を減点、加点して人為操作的に運命を狂わせたこの蛮行は、その罪、万死に値すると言っても過言ではないというふうに考えております。 その一方で、この事件の発覚により不正の徹底解明と腐敗の浄化作用が始まり、不名誉なことでありますが、全国の教育委員会では、この大分を反面教師にして、教育の正常化を求める制度改革と意識改革が着実に進行しています。 加えて、本県の教育改革も、学校の統廃合や少人数学級などの教育形態の枠組みの再編から、教師の採用、任用、評価といった教育人材の資質を問う本質的な教育改革が一気呵成に始まろうとしておりまして、天与の恵みとしか言いようがありません。これを契機として、いかに教育の堕落から教育の再生、復活を図るかという逆転の発想が問われており、一層の教育改革の断行が求められています。 そこで、前代未聞のこの一連の事件を反省、総括して、大分県民に対して教育の信頼回復をいかに果たしていくのか、また、全国的モデルとなり得るような教育改革をどのように推進していくのか、本県教育行政の再生に向けた知事のご所見と決意をお伺いします。 また、この事件の現場は、教育委員会内部で発生したものであり、当然、問題の根源は県教育委員会内部にあると考えますが、先般就任された麻生教育委員長の教育委員会内部改革への決意と今後の取り組み方針について、ご所見をあわせてお伺いします。 また、さらに県教育行政の抜本的な改革の指針となる調査結果報告書が八月二十九日に公表されましたが、教育長として、これをどのようにとらえ、総括していくのか、ご所見をお伺いいたします。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 このたびの教育委員会幹部等によります贈収賄事件につきましては、痛恨のきわみであります。 教育行政に対する県民の信頼を根底から失墜させてしまったということにつきまして、改めて深くおわびを申し上げます。 教育行政の再生に向けまして大事なことは、今回の事件の実態を究明して、その背景にある諸課題を明らかにした上で、厳正に対処して、二度とこのようなことが起こらない体制をつくることだというふうに思います。 先月二十九日に取りまとめられました調査結果報告書の内容につきましては、大変厳しいものでありまして、私としても厳粛な気持ちで受けとめさせていただきました。 限られた時間の中で、厳しい調査をよくやってくれたと思っております。 議員お尋ねのとおり、県民の教育に対する信頼回復をいかに果たすか、私は、それが何よりも重要なことだと考えております。言葉を弄するのではなくて、実際にその成果を上げていくということが大事だろうというふうに思います。 教育に対する県民の期待にこたえて、教育の場で一つ一つ成果を出していくということが重要であります。 知、徳、体の整った人格を涵養して、子供たちの夢を実現させ、ひいては地域や国の発展に貢献してもらうという教育の原点に立ち返って、それを実現していくということが信頼回復だと思います。 まずは教育のこうした原点に立って、大分県としてどのような人材を育てようとするのか、また、人材の育成に当たって、どのような資質、能力を備えた教員が最適なのかといった大分県としての教育の理念や求められる教師像を明確にすることが重要であります。そして、大分の子供たちの健やかな成長に向けまして、教育委員会や現場の教職員が子供たちの心をつかみ、しっかりと学力や体力を身につけさせるために一丸となって努力をしていくということが大事であります。その努力をきめ細かく評価していく仕組みも重要であると思います。 このような考え方から、教育委員会の組織の見直し、教職員人事評価システムの確立、職員の意識改革などの教育行政の改善策が打ち出されまして、これらの教育再生に向けた取り組みを着実かつ迅速に推進するために九月一日付で教育行政改革推進室が設置されたものと理解をしております。 今回の事態は、すべての教育関係者にゆるがせにできない課題を突きつけられたものでありまして、教育委員会はもとより、学校現場の教職員も一体となって教育の信頼回復に努めてもらいたいと考えております。 私を初め、県職員も一丸となって、本県教育行政の再生に向けた改革が実施されるように全力を傾けていく決意であります。 私からは以上でございます。 ○阿部英仁議長 麻生教育委員長。 ◎麻生益直教育委員長 教育委員長の麻生でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 このたびの教員採用選考試験等にかかわる贈収賄事件については、教育行政に対する県民の信頼を根底から失墜させるものであり、教育委員会の代表として、県民の皆様に深くおわび申し上げます。 教育委員会は、「教育行政の抜本的な改革について」の方針のもと、教育委員会直属の教育行政プロジェクトチームを設置し、事件の事実関係やその原因、背景の分析のみならず、教育行政の改善策を調査結果報告書に取りまとめました。 調査に当たっては、関係者に対する聞き取り調査に我々委員みずから立ち会い、直接質問を行うなど主体的に参画したところであります。 また、取りまとめに当たっても、プロジェクトチームに任せることなく、委員協議会を再三再四行い、慎重に検討を重ねたところであります。 今回の事件の原因と背景は、一つ、選考の不適切な運用、二つ、教職員の色濃い仲間意識、身内意識、三つ、県教委事務局のチェック機能の欠如にあります。 このため、今後は、教育行政の再生に向けて、権限と責任が明確な透明性の高い教育行政システムを確立していくことが必要であります。 そのために、今回、改革に挙げました教育行政改革推進室を九月一日より設置いたしました。また、教職員人事評価システムの確立をいち早く急務と考えております。 知、徳、体の調和のとれた心豊かな子供たちを育成するという教育の原点に立ち返り、教育の場で成果を上げていくことが重要であります。 大分の子供たちの健やかな成長のために、私たち教育委員のみならず、現場の教職員などすべての教育関係者が一丸となって取り組んでいくことが必要であり、こうした決意のもとで本県の教育の再生に全力を挙げていきたいと考えております。 以上です。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 このたびの調査結果報告書は、信頼される教育行政の構築に向けて、今回の事件の事実関係やその背景を調査、究明して、二度とこうした事態が生じないよう改善策を取りまとめたものであると認識しております。 過去十年間の百名を超える人事担当者などへの聞き取りや千名を超える校長、教頭への文書調査及び必要に応じた聞き取り調査などを通じまして、これまで明らかにされてこなかった本県教育行政の諸課題を広範囲にまとめて、それを受けての改善策も盛り込まれております。 限られた時間であるにもかかわらず、調査の目的は果たすことができたものと思っております。 今後は、昨日設置しました教育行政改革推進室を中心として、この改善策を迅速かつ着実に実行して、本県教育の再生へつないでいかなければならないと考えております。 以上であります。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 再質問に入らせていただきますが、知事、教育委員長、そしてまた、教育長の思いを感じさせていただきましたが、まず、県教育委員会の改革についてでありますが、調査報告書の中で、今、麻生委員長もおっしゃったように、教育委員会のチェック機能の欠如ということが指摘されておるわけでありますが、私は、この教育委員会の権威の回復といいますか、復権といいますか、この二点について、そういう観点からお伺いしたいと思いますが、まず教育委員長の在任期間の問題についてであります。 教育委員会を構成する教育委員長及び教育委員改革からこれを取り組まなければならぬと私は思っておりますが、現在、教育委員長の任期は、特別な事情を除いて、一年のたらい回し人事となっているわけであります。これでは本当に抜本的な教育改革は期待できないと私は思っているところでありまして、せめて教育委員の一期四年間の在任期間の中で、教育委員長は四年間か、もしくは二年から三年間は腰を据えて本格的にこの改革に取り組んでもらいたいと思いますが、この点をどのように考えているのか、教育委員長にお伺いしたいと思います。 ○阿部英仁議長 麻生教育委員長。 ◎麻生益直教育委員長 チェック機能につきましては、これまで、我々も一緒になってやるということに随分と欠けていたところがあるんではないか、担当者に任せているというところがあるように感じております。最終的に我々の議決で決定するわけですが、さらに深く突っ込んだチェックをしていこうというふうに考えております。 また、先ほどの在任期間につきましては、現在、六名の委員で構成されており、その一名が教育長になっております。五人の委員が、教育委員長の任期を一年とし、ただし、再任されることができるというふうにはなっております。 一年で交代をするということは、確かに、改革については非常に時間がないというふうにおっしゃるかもしれませんが、我々としては、マンネリ化することなく、全員が委員長を経験することで委員会全体の運営が一体化するというふうに考えており、その一年交代の意味はたらい回しでは決してないというふうに私は思っております。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 教育委員会の権限とか権威というのは、やっぱり私は大きいと思います。議会でも一年交代はだめだということで議長の権威を高めている中で、そういう弱腰な教育委員長の考え方でいいのかどうか、私は本当に疑問に感じました。これはまた、常任委員会の中でも審議してまいりますが、本当に改革の決意をしているのかどうか。言葉だけで、今回の事件のくさいものにふたをするような考え方では、抜本改革というのは一体何だろうかというふうに私は非常に疑問を持っております。この点について、今の教育委員長の答弁に対しては不満であります。そのことをはっきりと申し上げたいと思います。 それと、教育委員会のこのような在任期間の問題もさることながら、やはり各教育委員のチェック機能の強化、これは、情報の不足とその地域の課題の把握がやっぱり県教育委員の中には十分足りてないんじゃないかというような感じを私はいたしているところであります。むしろ、今の教育委員というのは、先ほど委員長から説明がありましたが、五名の教育委員が、それぞれ年齢、性別、職業の配慮とか、あるいはまた、教育委員の中には保護者であるとかいうものを含めて選任をされてきているわけですが、実態は、これは地域別になっておりまして、現在のところ、県北、別杵、大分、県南、くじゅうの地域からの代表者であります。その意味で、県の六つある教育事務所体制に合わせて教育委員を一名増員して、その地域の教育については、この教育委員は絶対的な情報とか、あるいはまた、課題をしっかりととらえてきて、県教育委員会の中でいろんなものに対応していくという、これぐらいのやっぱり能力がこれから教育委員には求められてくるんじゃないかと思いますが、この点について、教育委員の増員とか、チェック機能の強化ということについてどのように考えるのか、教育長の方にお尋ねしたいと思います。 ○阿部英仁議長 田中議員、教育委員長ですか、教育長ですか。 ◆田中利明議員 教育委員長にお願いします。 ○阿部英仁議長 麻生教育委員長。 ◎麻生益直教育委員長 地域別の各事務所からという点について、私の方からのお答えということでございましょうか。--現在、私も日田事務所管内という形になろうかと思いますが、すべてにおいて六名というのが一つの基準となっております。教育長をその中から一名出すということで、教育委員会制度自体が六名の定員の中で、これを今後検討していくということになろうかと思いますが、現在、まだその点については、検討は一切しておりません。 ○阿部英仁議長 教育長、補足はありますか。--小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 教育委員の数につきましては、地教行法によりまして、原則は都道府県の場合五名、そして、場合によっては六名以上にすることもできるというのが法律の規定でございます。 何名にするかということにつきましては、これは教育委員会として申し上げるということも、これは難しいかと思います。 それから、チェック機能ということでございましたけれども、我々、事務局の方としましては、やはり委員さんが非常勤という立場でございます。教育長以下がいかに的確に、また、適宜に情報を委員さん方にお伝えするか、そして委員さん方が県民の目線で適宜ご判断していかれるようにする、我々の事務局としての責任も非常に大きいと思っております。そういった意味で、これからそういう面に取り組んでいきたいと思っています。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 今回のこの事件を見まして、やっぱり県教育委員会は委員会、そしてまた、教育事務所は事務所、そして、地教委といいますか、地域の教育委員会、非常にばらばらで、情報の一つの一貫したものが流れてないと思います。これでは、建前、形式、形骸的なやっぱり教育委員会になっているんじゃないか、このことを非常に私は心配しておりますので、どうか知事、ひとつこの点についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 教育委員は、議会の承認をいただきまして、私の方で任命をすることになっておりますので、その限りでお答え申し上げたいと思いますけれども、まず、今回の事件に当たりまして、教育委員会の動きを見ておりますと、例えば、実態調査につきましても、ヒアリング調査等については必ず教育委員が立ち会って、中身もよく聞き、そしてまた、必要な質問もやるというようなことで、この調査に本当に主体的に入ってやっておられたように思います。 また、調査結果の取りまとめに当たりましても、数十時間を要して議論をして、そしてこういう取りまとめをしたというようなことで、大変に委員会挙げて議論をし、そして報告をまとめていただいたというふうに考えております。 きっと田中議員のおっしゃる教育委員会の機能というのはそういうことだろうと思いますけれども、まさに今回の事件に関連しまして、教育委員会は本当によくやっていただいたというふうに思っているところでございます。 せっかくご質問でございましたから、私も任期についてちょっとお話をさせていただきますけれども、任期が一年では、むしろ話が主体的に進まないんじゃないかというご心配、これもよくわかりますけれども、ただ、そうやって土曜、日曜もなく、ずっと今回、仕事をしてもらったわけでございます。そういうことを考えますと、非常勤でもいいから、とにかく教育委員会の仕事を教育委員としてやってくれと言ってお願いをして、しかも、そのときには責任感を持って仕事をやってもらうわけですけれども、その委員に委員長としてとにかく余り長いことお願いするということになりますと、いや、とてもじゃない、私の仕事との関係でそれはできないということになるという可能性もあるもんですから、やっぱり有為、有能な人材をお願いするということとの関連で、余り委員長の任期についても厳しいことは言えないな。しかし、委員会全体として、しっかりと皆さん、委員長を経験して、いつでも委員長ができるような気持ちで審議に参画をしてもらい、務めてもらうということであれば、これまた、一つのメリットではないかというふうに考えるわけでございます。 地域的な割合については、地域のことも勘案しながら委員を選び、ご承認をお願いしているところはありますけれども、必ずしもそれが全体のあれということになっているわけではありませんで、したがって、そういう選ばれた中で、やっぱり地域を見据えながら、委員の中でどういうふうにやっていくかということは、それぞれのところで決めていただいたらいいと思いますけれども、今度、やっぱり教育の現場の状況がよくわからない、先生の評価が十分できてなかったというようなことが、やっぱりチェック機能として働かなかったという反省にもつながっておりますので、いろんな工夫を教育委員会でもやっていただけるんではないかというふうに思っているところでございます。 ご質問にないことも答えたかもしれませんが、ご勘弁願いたいと思います。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 私は決して教育委員長とか教育長を責めるわけではありません。ただ、やっぱり教育委員会制度そのものに、重大な決定権を持っておる割には、なかなか、その制度の運用なり、やっぱりそういう能力を含めたものが根本的に足りないかなと思っておりますが、これは国の問題を含めての問題になりますので、私の意見として、これは一応収拾させてもらいたいと思います。 次に、調査報告書を私は読む中で、この原因、背景について少し疑問に感じました。これは、プロジェクトチームが聞き取り調査及び文書調査の中で多くの関係者の証言を含めているんですが、この事件が氷山の一角の事件であるとしたならば、やはり、今後の抜本的な教育改革を行うためには、伝統的な、歴史的な不正行為が一つの原因であったという、こういう指摘がなければ、抜本的というのは原因を除去するということが抜本でありまして、本当に抜本改革につながるのかというふうに疑問を持っております。 その意味で、歴史的、伝統的な不正行為が一つの背景にあったということを明記すべきだと思いますが、教育長の考え方をお伺いしたいと思います。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 伝統的ということが原因、背景にあったのではないかということでございます。 私どものこの調査報告書の中には、平成十三年までの状況、それから、平成十四年以降、十七年までの状況、そして十八年度以降の状況、こういった三つに分けまして、それぞれ詳細に経緯を報告してあります。その中で、今、議員のご趣旨、これは私どもも同じように思っておりますが、その報告の中で読み取れると思います。 ただ、なぜそうなったかということにつきましては、やはり、仲間意識、身内意識というものがあったのではないか、そういう趣旨で、報告書の中ではそのように原因、背景をまとめております。意図するところは同じであります。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 よくわからないわけですけれども、そしたら、色濃い仲間意識とか身内意識という言葉がございますが、果たしてこのレベルが原因なのかなと私は疑問に思っております。 七月九日付の産経新聞の記事の中で、「大分県教育は古くから教育委員会と教職員組合が教員人事などについて事前協議を行うなど閉鎖的でなれ合う癒着体質が批判されてきたが、教育委員会内部にも教職員組合出身者が少なくない」、こういうふうな言葉の表現があります。 また、先月三十一日の西日本新聞の中にも、今回の二十一名の処分の対象者に対して、教員二十一名の採用取り消しに対しても、県教委幹部が教組幹部と事前交渉をしていたというふうな記事もありますが、果たして、本当に決然とした、こういう不正構造の中の関係者に対して、毅然とした教育委員会のこういうふうな態度が示されるもんだろうか、こういうふうに疑問を持っているところであります。 そういう意味で、このように色濃い仲間意識とか身内意識の次元じゃなくて、閉鎖的でなれ合う癒着構造とか体質とかいうふうな、こういうふうな毅然とした言葉遣いをしなければ、なかなか一つの問題点についての抜本改革ということに対して、責任を持ったような体制、あるいはまた、方法論が出てくるんかどうか、この辺について非常に私は疑問に思っておりますので、教育長、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 事前交渉したのではないかというご指摘であります。 私どもは、八月八日に二つの団体からも申し入れ、抗議がありました。それぞれ受けておりまして、私は一つの団体に対して対応いたしましたけれども、今回の七月十六日に定めた基本方針に対する抗議であります。そしてまた、現場に対する謝罪、こういうのが趣旨でありました。 これにつきまして、私どもは、二つの団体ともに、七月十六日の基本方針どおり、毅然として対応したつもりであります。一切、方針を曲げたことはありません。 それから、謝罪につきましては、私どもは県民に対して謝罪をしておりますし、やはり学校現場の教職員は、我々とともに、今回、教育委員会全体に突きつけられた大きな課題だと思っております。県教育委員会の職員と学校現場の職員が一体となって今回の事態を受けとめて、そして前に進んでいかないと教育の再生はないと思っております。そのように職員団体に対してもはっきりとお答えしております。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 今の教育長の言葉を信じて、本当にしっかりとやっていただきたい、こういうふうに思っております。 それで、もう最後になりますが、教員採用試験の見直しについて、私見を交えて質問したいと思いますが、この試験については、地方公務員とはまた、一般の公務員と教育公務員の違いというのは歴然としてありまして、教員の採用は選考ということが特に強調されていますが、今の改革案を見てみますと、一般公務員の採用方法と同じような方法になっておりまして、教員採用が大学試験並みのレベルになっているんではないかというふうに非常に私は心配しているところであります。 試験一発選考で本当に優秀な教員が選考できるのか、こういう意味で、この選考の意味合いをもっと考慮すべきであるというふうに考えております。 特に、司法試験、あるいはまた、医師のインターンの制度のように、試験合格者と採用者を分離して、三年間ぐらい選考期間を設定して、学校現場での評価に基づいて正式に採用した方がいいんじゃないか、このように考えておるんですが、この点について教育長のお考えをお尋ねしたいと思います。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 採用の方法で、三年間ぐらい医師のインターンみたいな形でやられたらどうかということでございますが、今の採用の手法につきましては、一年間が条件つき採用というのは、これは法律事項でありまして、三年間に引き延ばすことは我々できませんが、議員のご趣旨からしまして、やはり、採用後、最初の一年間というのは初任研というものがございます。その後にどのように教員の資質向上のために研修を強化していくかということで、私どもは、二年目、三年目につきましては、校内研修、職場内研修、そして四年から六年にかけましては、今度は教育センターの方に場所を移しまして、教科別の指導能力の研修、あるいは生徒とのコミュニケーション能力、そうしたものを、現在、年次計画を立てて、逐次行っております。 もちろん、法律の範囲内で、県別に可能な、いろんな工夫がされることは、これからも我々検討していかなければならないと思っております。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 この選任については、教育特別公務員法とか、いろいろな法律的なものも知っておりますが、可能な限りそういう選考についての配慮をお願いしたいと思っております。 最後になりましたが、校長、教頭の選考試験の見直しについて、第一次選考での校長推薦等の廃止の方向としているわけでありますが、じゃあ、これまでの推薦の意味は一体何であったのかという、こういうような疑問があります。 現在、口ききが大変批判されておりますが、やはりいい情報も悪い情報もあって、そこで総合判断していくということが大事でありまして、この情報を閉鎖して判断基準を狭くしているんじゃないかというように私は非常に心配しているわけでありますが、要は、今後の教育評価システムとか、教員の人事システムとか、評価システムとかありますが、これらの中で本当に優秀な校長、教頭の選考ができるのか、この点について心配しているわけでありますが、教育長のお考えをお聞きしたいと思います。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 今回の報告書の中で改善策として出されておりますのが、校長、教頭登用試験に際しましての校長推薦の廃止というのが出ております。これは、議員がおっしゃる、情報を閉ざしている、そういう趣旨では全くありません。情報は、なるべく多く、そして多面的な情報が必要であります。 それから、評価システムにおきましても、やはり、今、制度的にはことしからスタートしておるんですけれども、本当に頑張る教職員が正しく評価されているかどうか、いわゆる評価する側の研修をしっかりやっていかなければならないということが課題でありますし、そうしたことを行いまして、本当に評価システムが機能するように取り組んでいかなければならないと思っています。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 最後になりましたが、教育の抜本改革について、やっぱり私は、知事が答弁されたように、教師の人材の資質の問題だと思います。そういう意味で、ここに一つの詩がございます。東井義雄さんという、これは学校の先生を数十年された方ですが、この方の「教師の仕事」という言葉の中に、「子供にくずはない。しかし、うっかりしているとくずにしてしまう。教師の仕事は厳しい。子供への深い愛と信、そして英知、それらを行動する実践力を不断に磨き続けなければ、この仕事はできない」というふうにこの東井義雄さんは言っておりますが、どうか、今後の、教頭、そしてまた、校長、さらにまた、教師のよき人材を求めるために頑張っていただきたい。このことが私は真の改革につながっていると思いますので、このことをお願いして、教育の問題については終わりたいと思います。 最後でありますが、第三点目としまして、港湾事業の促進と港湾施設整備対策について質問をいたします。 ご案内のとおり、去る六月二十八日に東九州自動車道津久見-佐伯間が無事開通し、非常にこの交通の開通効果が出ておりますが、今後は、この高速道路開通効果と観光、物流、企業誘致等の地域経済を連動させた地域の発展が大きく期待されています。このためには港湾整備が重要課題となっており、現在、平成二十五年度完成予定の佐伯女島地区多目的国際ターミナルは、平成二十二年度には五万トン級船舶が接岸可能なマイナス十四メーター岸壁の完成が予定されています。しかしながら、供用開始のためには、この泊地及び航路のしゅんせつが必要であり、三十三万立方メーターの土砂処分場の確保が大きな課題となっています。長年にわたる大入島石間地区埋め立て反対運動が事業の促進を阻止し、大きな支障となっています。 この問題に対して、去る七月七日の知事定例記者会見の中で、しゅんせつが中断していることを受け、他に土砂を処理する方策がないかを調査するとの知事発言があり、大入島以外を視野に入れる考えを示したとの新聞報道がありました。 地元では、県が大入島への埋め立てを放棄したんではないかとか、あるいは具体的な代替地を考えているのではないか等さまざまな憶測が流されています。 私は、反対住民に対して説得を貫き通しながら、県南佐伯の発展を考える上で目的達成のためにさまざまな手段を選択、実行しようとする知事の政治決断を高く評価しているところであります。 しかるに、新聞各社の報道表現に微妙な違いがあり、県民にとっては玉虫色的でわかりにくいとの声もあり、誤解が生じる心配がありますので、改めて知事発言の真意についてお聞かせください。 また、あわせて、調査プロジェクトチームの人員構成や検討内容及び今後のスケジュールについてお伺いをします。 次に、今日的課題として工業製品や農産物の大量輸送が燃料高騰問題とともにますますその重要性を帯びる中で、自民党中小企業対策港湾流通部会では、県下の重要港湾等の利用実態調査を開始し、現地の利用者から、利用促進のため、港湾使用料の値下げや港湾設備の修繕の実施など切実な要望が寄せられています。 現在の港湾施設整備事業特別会計は独立採算の中で厳しい経営がなされていますが、今後は、大分県下の港湾利用促進のためにはどのような施設整備が必要なのか、また、その整備のためにはどの程度の港湾使用料が適正なのかなど、他県の港湾使用料の実態を調査し、本県の港湾利用促進の指針を講じることが大切であり、特に、港湾施設の維持管理費の財源確保を図り、緊急事態に対応することが必要であります。 そこで、港湾施設整備対策についてご見解をお尋ねいたします。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 まず、佐伯港の整備につきまして私の方からお答えを申し上げます。 先日、東九州自動車道、おかげさまで佐伯まで開通をいたしました。その効果は、既に物流の面、あるいは人的交流の面で大変大きなものが出てきているというふうに思っております。しかし、こういう効果をさらに拡大し、そして持続させていくためには、もう一つ、我々は、天然の良港である佐伯港の特性を生かした海陸交通網の結節点としての港湾整備というのが必要だ、これを忘れてはいけないというふうに考えているところでございます。 その佐伯港の港湾整備でございますけれども、現在、九州でも数少ない大水深の十四メーター岸壁の整備が直轄事業で、平成二十二年度の完成を目指して進められているところであります。引き続き、泊地や航路の水深確保のためのしゅんせつが必要になるわけでございます。このしゅんせつが完了しますと五万トン級の貨物船が入出港できるということになりまして、大量輸送によって物流コストが縮減されるなど地域経済の浮揚にもつながっていくというふうに考えられるわけでございます。 このしゅんせつ土砂や公共事業の陸上残土を処分するために大入島埋め立て事業というのが必要と考えまして、埋め立てを反対されている地元の方々に説得を重ねているところであります。しかし、残念ながら地元の方々との接点を見出すまでには至っておりませんで、話し合いによる解決にはまだ時間がかかるというふうに考えております。 もちろん、大入島埋め立て工事の再開に向けては、これまでと同様、引き続き佐伯市と一体となって、反対されている住民の方々の理解が得られるように一層努力をしていくつもりであります。 他方、県南地域の発展には、どうしてもこの水深十四メートルの岸壁を一日も早く確実に供用開始するということが必要でございまして、大入島埋め立て事業を含めて、他の方法がないか、あらゆる可能性の検討を始める、大入島の件が進まなければ水深十四メートルは進まないというだけでは余りにも手がないではないか、無策ではないかということで、とにかくあらゆる可能性について勉強してくれということを指示したわけでございます。 このため、土木建築部と南部振興局の職員から成る検討委員会と作業部会で構成する「佐伯港マイナス十四メートル岸壁早期供用検討プロジェクトチーム」を七月二十八日に設置いたしたところでございます。 現在、チームでは、水深十四メートル岸壁の早期供用を可能とするような、あらゆる具体策を、現行の法制度や事業制度の中で技術的、経済的視点から検討しておるところでございます。年内をめどに結果をまとめてもらいたいというふうに考えているところです。 私からは以上であります。 ○阿部英仁議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 私の方から港湾施設の利用促進についてお答えいたします。 港湾施設整備事業特別会計は、港湾施設のうち埠頭などの収益施設につきまして、適正な受益者負担のもと、収支を明確にすることなどを目的に、昨年度設置したものでございます。 特別会計の中で佐伯港や中津港などの埠頭用地の整備を行っておりまして、引き続き地域活性に向けた物流拠点として事業推進を図ってまいります。 また、利用者サービスの観点から、施設の良好な維持管理も重要でございます。老朽化が進行しております施設につきまして、必要な機能を維持しつつ、将来の改良コストを削減するため、今年度から長寿命化等に資する計画を策定しまして、予防保全的な維持管理への転換を図りたいと考えております。 なお、港湾使用料につきましては、建設費や維持修繕費が賄えるよう設定することとされております。 一方、九州他港と比べまして競争力を高めることも重要なことですので、今年度から九州各県の使用料の設定状況を調査しまして検討していきたいと考えております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 田中利明君。 ◆田中利明議員 大入島の埋め立て問題については、本当にこれから調査プロジェクトチームの具体的な検討内容を待っての話となると思いますが、一番いいのは、やっぱり説得をして、今の現地でやるのが一番だと思いますが、いずれにしても、いろんなさまざまな方法について、いろんな困難な条件的なものとかが出てくると思いますが、どうかひとつ、これについて、場所の問題だけではなくて、処理コストの問題も含めて十分検討してもらいたい、こういうことを知事の方にも要望しておきたいと思います。 それと、特に港湾施設の維持管理についても、今の部長の発言で、前向きに考えていただくということになっておりますが、この実態として、平成十八年度の維持修繕費として、フェリー稼働分の委託を除くと、十八年度で四百五十万円、十九年度は百三十五万円、二十年度は百四十七万円の予算となっておりまして、毎年十一億円の港湾使用料の収益は新規の港湾事業に大半が向けられておりまして、維持費は本当に小さい、このようなことについて驚かされているところであります。 現在使用中の港湾の道路とか、あるいはまた、側溝、水路の整備などが本当に必要となっているんですが、ややもすると取り残されているというような現状があります。即刻対応できるように予算の増額を重ねて要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○阿部英仁議長 以上で田中利明君の質問及び答弁は終わりました。玉田輝義君。  〔玉田議員登壇〕(拍手) ◆玉田輝義議員 二十五番、県民クラブの玉田輝義でございます。 今議会、大分国体、そして障害者スポーツ大会開催の直前でありますけれども、公立病院の統合問題や教育委員会の教員採用問題など大きな課題が明らかになる中で開催される議会であります。 この議会で、私自身、三回目の一般質問の機会をいただきました。 まず、課題が多い私の出身地域に配慮して質問の機会をくださった先輩議員に感謝申し上げたいというふうに思います。 昨日、福田首相が大きな決断をされました。評価はいろいろあるんでしょうけれども、大きな葛藤、さまざまな葛藤の中で決断されたんだというふうに思います。決断、それは、一方を決めたときに一方を断ち切る、非常に厳しいものであります。学校現場では、今でもこの時間に、自主的にやめるか、それとも採用を取り消されるか決断せよ、そういう中で悩み苦しんでいる若者がいる。さまざまな思いが交錯する中で開催される議会でありますし、そして私の一般質問になるというふうに思います。 私自身、初めての一問一答方式での質問でありますが、広瀬知事を初め、執行部の方々に県政の諸課題について真剣に質問してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 では、早速、質問に入ります。 大分県の地域医療についてであります。 一月十一日に知事が豊後大野市長に対して、医師不足を理由に県立三重病院と公立おがた総合病院との統合協議の申し入れを行ってからこの間、「豊後大野市の地域医療を守るための公立病院のあり方検討委員会」などにおいて、医師不足の中で地域医療をどのように実現していくのか、このことについて検討されてきたと思います。 しかし、これまで出されております結論は、もちろんそのことをベースにしたんでしょうけれども、二つの公立病院をどう再編していくか、病院の形態に関するものが主なものであります。 本来であれば、少子・高齢化、過疎化が進む大分県においてどのような地域医療を実現していくのか、そういう基本的な方針があって初めて、その手段としての公立病院の形態が議論されるべきではないかと思うのであります。 折しも知事は、ことしの第一回の定例会で、今年度を小規模集落対策元年と位置づけて、少子・高齢化の進む厳しい地域を守ろうと考えておられます。 大分県は、全国的に見ても少子・高齢化が急速に進展しておりまして、過疎化も伴い、小規模集落は拡大し続けています。このような状況にあって、大分県には県立病院が二つしかありません。全国的に見ると、決して多いとは言えません。 少子・高齢化、小規模集落の拡大、そして基礎的自治体である市町村が抱える厳しい財政状況などの中にあって、県民の安心、安全を確かなものとするためには、本県の社会状況に沿った県立病院が果たすべき地域医療が問われると考えますが、知事の見解を伺います。  〔玉田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○阿部英仁議長 ただいまの玉田輝義君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 玉田議員には、お地元の県立三重病院及び公立おがた病院の問題につきまして大変ご心配をおかけしております。このことについて、ただいまはご質問を賜りました。まず私の方からお答えを申し上げさせていただきます。 議員ご指摘のとおり、地域医療を実現していくためには、まず、しっかりとした基本方針を持つことが必要だというふうに思います。そのため、少子・高齢化の進展や日常生活圏の広域化など医療を取り巻く社会状況等の変化を踏まえまして、本年三月に大分県医療計画を策定したところでございます。 この計画では、地域医療の確保を初め、県民に安全、安心で質の高い医療を提供するため、二次医療圏の見直しを行うとともに、がんや脳卒中などの四疾病と小児、周産期、救急医療等の五事業につきまして、急性期から回復期といった各病期に応じて求められる医療機能とそれを担う医療機関を明示したところであります。 これによりまして、患者の適切な選択を支援する医療機能情報の提供とともに、医療機関の機能分担と連携を推進して、切れ目のない医療を提供していくということにしております。 この医療連携体制のもとで、県立はもとより、国立、市立の病院や公的病院、民間の医療機関がそれぞれ機能を分担して連携していくことで、各圏域や県内全域を対象に医療を提供して、地域医療を確保していくということにしているところでございます。 また、県立二病院は、十八年九月に策定いたしました病院事業中期事業計画におきまして、大分県立病院は、県民医療の基幹病院として高度専門医療、特殊医療などを提供する、県立三重病院は、地域の中核的病院として地域に不足する医療を提供するということにしております。 こうしたビジョンのもとに医療行政を進めているところでございますけれども、もう一つ問題なのは全国的に深刻化する医師不足でございまして、本県の地域医療にも大きな影響を及ぼしているところでございます。 特に、豊後大野地域の県立三重病院と公立おがた総合病院につきましては、医師不足によりまして、このまま放置すれば両病院が共倒れになるおそれがあることから、現在、豊後大野市長と両病院の統合に向けた協議を進めているところでございます。 これは、豊後大野市の地域医療を将来にわたって安定的、持続的に提供していく体制を構築することを目的にしておりまして、「あり方検討委員会」の提言や検討経過等を十分に踏まえて、両病院が有する医療資源を一方の病院にできるだけ集中して、患者にとっても医師にとっても魅力のある病院づくりを行おうというものであります。 あわせて、現在、県立三重病院が担っている役割につきましては、統合後の核となる病院が、その機能を充実し、担っていくことが必要であるというふうに考えておりまして、そのため、両病院の院長を初め、医師や看護師の代表などの実務者を中心に、核となる病院の診療機能や診療体制、規模など具体的な姿について検討をしているところであります。 私からは以上でございます。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 ただいま県立病院が地域医療に果たす役割ということでご答弁いただきましたけれども、県立病院が県の中核病院として高度医療を担う、そして、県立三重病院は地域医療の拠点病院として不足する医療を受け持つ、そういうことでありますが、平成十八年度に県立三重病院の方に地域医療部が設置されております。その中で、私どもは県下での地域医療をそこで推進していくものだというふうに理解をしておりますが、もうここは基本的な考え方だけで結構でございますが、県民の安心、安全を実現する地域医療は、これは私見でありますけれども、患者の声を聞き、そして、医師初め、医療スタッフの意見を反映していくためには、現場に近いところに組織を置いて、そして地域医療の諸施策を進めていくということが、広く過疎化が進む大分県にあってはいいのではないか、そういうふうに思いますが、今後、知事のお考えとして、先ほど、統合後の病院がその分を担っていくというふうなお考えを示されましたが、その地域医療の部分をこれまでのように過疎地に置いて進めていくのか、それとも、県庁に置いて、いわゆるそういう中での進め方をするのか、その基本的なお考えを示していただきたいと思います。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 これまで県立三重病院におきまして地域医療の推進をやってきたわけでございますけれども、ここのところの考え方は、むしろ、県立病院として、大分県全体の各地で抱えている地域医療の問題について、できるだけサポートしていこう、そのサポート機能を県立三重病院、県立病院として果たしてもらおうということでやってきたんだろうと思います。 今度、いろんな議論を経まして、地域の皆さんのご理解も得て統合しようということになったときに、この統合病院がどういう形で機能を果たすのかということと地域医療を県全体としてどういうふうに果たしていくのかということについては、今度の統合後の姿との関連があると思いますので、その中で、大分県として、県の地域の皆さんにとって一番いい形を考えていかなきゃいかぬというふうに思います。 統合したものが豊後大野地域の病院としての医療サービスをやるということが中心であるとすれば、ここに県全体の地域医療の拠点という役割は難しいと思いますし、そうでなければまた、別のやり方があるというふうに考えるところでございます。これは統合後の姿によってということになります。 ただし、県内の地域医療の問題をしっかりと取り扱っていくということについては、引き続き、いや、むしろこれからももっと重要になってくるだろうというふうに思っております。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 今、病院統合の中で、やはり私が気になるのは、地域医療をどこが支えていくのか、その部分が非常に気になりますけれども、その議論をきちっとしていただく。私自身は、重層的に担っていく姿というのがあるのではないか、そういうふうに思っておりますが、そういうことをつけ加えて、次の質問に入りたいというふうに思います。 次に、今、知事も答弁がありましたけれども、二つの公立病院の再編後の具体的な姿についてであります。 大分合同新聞の七月十六日の朝刊に、「豊後大野市の県立三重病院と公立おがた総合病院の統廃合問題で、県と同市は十五日、一方の病院を核に統合し、他方の病院を診療所などとして存続させることで合意した」と報道されています。 そして、設置場所、経営主体、経営形態、診療機能、診療体制、規模、経営収支の見通しなどの今後の具体的な姿を検討していくということになったようであります。 また、「今後、両病院の医師や看護師などを含む実務レベルの専門委員会を設置し、核になる病院や診療所の規模などを決める。広瀬知事と芦刈市長も協議を続け、経営形態など統合後の枠組みを九月末までに決定する方針」というふうにあります。 八月十八日には、豊後大野市長と県知事とが話し合い、設置場所、経営形態についても合意したような報道もありますけれども、今月中には結論を出すということであります。 きょう既に九月二日でありますが、私たち県議会に今後の具体的な姿について十分な説明もなく、今進んでいる状況であります。 そこで伺いますけれども、今回の再編後の二つの公立病院の具体的な姿について、特に設置場所、経営主体、経営形態について、これは先ほどと少し重なりますけれども、県立三重病院を運営して地域医療を支えてきた県当局としてどのような方針を持っているのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。 ○阿部英仁議長 阿南福祉保健部長。 ◎阿南仁福祉保健部長 お答えをいたします。 再編後の公立病院についてでありますが、「あり方検討委員会」の提言を踏まえまして、基本的方向性として、一方の病院を核に統合し、他方の病院を診療所等とするということで、七月十五日に知事と市長が合意したところでございます。 そのときに、核となる病院等の設置場所や経営主体、経営形態については、「あり方検討委員会」の提言に基づきまして、両病院の開設者である知事と市長が引き続き協議をしていくということになりました。 これにつきましては、豊後大野市の地域医療を将来にわたっていかに守っていくかという問題でありますから、市の意向をできるだけ尊重するということで、まずは豊後大野市において方針を決定していただき、その考えを十分お聞きしながら協議を進めていくということにいたしました。 こうした中で、八月十八日に市長から知事に提案がございまして、協議の結果、設置場所については、県立三重病院の方が施設の老朽化が進んでいることや療養環境の面で公立おがた総合病院の方がすぐれているといったことから、核となる病院につきましては公立おがた総合病院とするということで意見が一致をいたしました。 また、経営形態につきましては、統合を円滑に実施するということから、両病院の現行の経営形態と同じである地方公営企業法の全部適用をするということで合意をいたしました。 また、経営主体につきましては、市からさらに議論が必要であるということで、引き続き協議をしていくということにしておりまして、九月末までに結論を得たいというぐあいに考えております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 これも先ほどからですけれども、おがた病院を拠点となる病院とする、そして公営企業の全適で行っていくという方針が決まった、経営主体については今後の協議だということでありますけれども、この問題が始まったところが、一番大きな課題は、もう再三お互いに意見交換しておりますように医師不足の問題であります。 今回、大きな問題として、私は二つあるというふうに思います。 一つは、この統合によって医師不足が本当に解消されるのかどうか、その見通しについてどう考えているのかということであります。 もう一つは、先ほども少し触れておりましたけれども、持続可能な地域医療を実現するために、その病院の財政的な見通しについてであります。 この件について、具体的な資料等について、まだ見ておりませんし、そして、開設者同士の責任で決めていくということでありますけれども、当然、開設者同士がこれまでの経験と勘によって決めていくのではないはずでありまして、当然、その前段には合意されるだけの資料があって、そしてされていくんだろうというふうに思います。 そこでまず、一つは、病院の統合によって、これまで説明してきたように、両病院のお医者さんがスムーズに一方に移って、そして医師の確保が実現されていくのか。これは統合のみによって実現されるのかということを聞きたいのが一つ。そしてもう一つは、継続して医療を提供できる財政的な見通しについて、この件について考えを聞かせていただきたいと思います。 ○阿部英仁議長 阿南福祉保健部長。 ◎阿南仁福祉保健部長 まず初めに、統合後の病院で医師が確保できるのかというご質問がございました。 これは、一にかかって、新しい統合病院が医師にとっても患者さんにとっても魅力ある病院になるかどうかということにかかっているということでございまして、現在、両病院の院長先生を初めとして、医師の代表の方、あるいは看護師の代表の方、病院管理の担当者の方等で技術的、専門的に魅力ある病院づくりに向けての議論を進めております。そうした現場の医師の代表の方々の意見を踏まえた上で、魅力ある病院づくりといったものに、そのプランをつくっていきたいというぐあいに考えております。それが統合後の病院の医師確保につながるというぐあいに考えております。 それから、二点目の財政見通しでございますが、これにつきましては、現在、先ほど申しました両病院の実務者レベルで、診療機能だとか、診療体制だとか、規模だとかいった、いわゆる具体的な姿を議論しております。そうした具体的な姿が決まってきた段階で、今後の統合後の病院の経営収支の見通しというのも判断できてくるんではないかというぐあいに考えております。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 それでは、今、魅力ある病院ができるかどうかに、一つは医師確保がかかっていると。確かに、その魅力ある病院というのはどういうものかというのは、これから議論、もちろんいろんな角度からすべきでしょうから、あると思います。 そしてもう一つ、財政的な見通しでありますけれども、現在、協議中、作成中というところであるのかもしれませんが、先ほど三つのところを先に決めたい、開設者同士で、そういう話でありましたけれども、診療体制はどうなるか、診療機能がどうなるか、財政的な見通しが、拠点になる病院がどちらになるによってどうなるか、こういう議論がされて、そして初めて、経営主体なり、拠点になる病院なりが合意されていくんではないか、そういうふうに考えますけれども、ここはもう知事にお聞きしたいんですが、開設者同士で話をするときに、要は、財政的な見通し、診療機能、地域の住民が一番気になる部分でありますけれども、そこの部分が今のところどれだけ考慮されているのか、お伺いしたいと思います。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 おっしゃるとおり、今、開設者同士で話をしている中で、経営主体がどうなるかということについては議論は持ち越されているということです。 それはなぜかというと、いろんな意味で、財政的に、経営主体を引き受けて、あわせて財政負担も大変なことになるということになっちゃ大変だという気持ちが、きっとお地元の方にもあるんだろうというふうに思います。 そこのところで、したがってやっぱり、ある程度、姿、形が見えて、財政的な姿が見えてじゃないとなかなか、主体がまとまらないんじゃないかという気持ちもよくわかるわけですけれども、このあたりはしかし、どれか一つずつ決めていかないと、これまた議論ができないという面もあるわけでして、なかなか難しいんですけれども、要するに私は、県としてやっぱり、これはどういう形になるかわからないけれども、県として負担すべきものはちゃんと負担しながらやっていくという、そこのところの信頼関係が大事じゃないか。そういうものがあれば話が進んでいくんじゃないか、こう思っておりますけれども、今まだ、なかなかそういうところまで話がいってないというのが状況です。これから話を進める中で、きっとそういうことが議論になっていくだろうというふうに思います。 財政的に、一方が一方に全部かぶせるというようなことは、ほとんどお互いに考えてないし、あり得ないことだろうというふうに思っています。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 医師の確保、そして財政的な見通しについてでありますけれども、ここは指摘で次に移りたいと思いますけれども、先般、岩手県の釜石市に行ってまいりました。県立病院と市民病院が統合されて、昨年の四月から県立病院としてスタートしております。 県立病院に二十人のお医者さんがおりました。市民病院には十五人のお医者さんがおりました。そして、統合計画を立てる段階では三十五人のお医者さんが一カ所に集まるともくろんで計画を立てておって、そして古い方の県立病院を使うことにしました。そして、県立病院を改修して、二十年四月の統合を、医師不足から一年前倒しして十九年四月にスタートさせたところ、お医者さんはやっぱり二十人だった。医局の問題というのが大きな問題であるということ。 それから、先般、日本海病院もお話を聞いてまいりましたけれども、そこの理事長、そこは山形県の酒田市にある県立病院と、そして市民病院の統合、これは病院の統合じゃなくて経営の統合であります。そういう中でどういう経営形態やっているかという中でお話になっていたのは、財政的な見通しがないとやはり医師確保はできないということでありました。 今、二つの病院を統合する、そして、私が心配しているのは、地域から公立病院がなくなってしまう可能性だってあるんじゃないか、財政状況を考えて。今は二つで、二本の矢でやっておりますけれども、それを一つに統合するということは、やはりそれだけリスクを負うということであります。よほどの覚悟でやるというか、議論を進めていっていただきたいというふうに思います。 次に、経営主体についてでありますが、県立、市立、そして一部事務組合、県立病院の地域医療等を考えますと、そういう選択肢も一つ考えられるのではないかと思いますが、今の状況で、いまだ検討協議中ということでありますが、ぜひ経営主体について、限定せずに、広く県の地域医療の立場を考えて議論していただきたいというふうに思います。 それで、次に参りますが、地域医療を守る大分県独自の取り組みについてであります。 今の議論で、次の質問の方にも随分答弁いただきましたので、大分大学医学部の定員について質問に移りたいというふうに思います。 現在の社会情勢で地域医療を守ることが非常に厳しくなっていることは事実でありますが、県執行部、病院局、県下の自治体病院の担当者が大変な苦労をして地域医療を守っていく努力を続けていることを私は知っております。 財政健全化法、公立病院改革ガイドライン、医師不足、少子・高齢化など公立病院を取り巻く状況は年々厳しさを増しております。特に医師不足が深刻であります。 全国でも、医師不足対策として、医療機関の集約化を進める、自治医科大学の定数をふやす、地方の医科大学に地元定員枠を設けるなどいろんな策を進めております。ただ、この中で医療機関の集約については、地域医療の実現のためという政策の理念を忘れずに慎重に議論していただきたいというふうに思いますが、知事も常々、「医師不足の対策のためにあらゆる手を打つ」というふうに言っておりますし、地域医療支援システムの構築、医師確保緊急対策、医学生の修学サポート等の事業を今進めております。 しかし、医師不足対策として大分県が行っているこれらの事業で養成、確保される医師の数が全国的に見て多いのか少ないのか、それが迷うところであります。 宮崎県では、宮崎大学医学部の定員について、国の緊急医師確保対策での定員増とは別に、十人の地域枠を設けております。 ついては、大分大学医学部においてもこうした設定ができるよう要請等が必要であると思いますけれども、県当局としてどのように考えているか、伺いたいと思います。 ○阿部英仁議長 阿南福祉保健部長。 ◎阿南仁福祉保健部長 お答えをいたします。 宮崎大学の医学部では、十八年度から、推薦入学三十名のうち十名を地域枠として設けております。ただ、この地域枠入学者につきましては、本県のように県からの修学資金の貸与は行っておらず、卒業後に宮崎県内の医療機関での勤務は義務づけられていないというぐあいにお聞きをしております。 本県におきましては、各県最大五名の入学定員増を認める国の緊急医師確保対策を受けまして、大分大学医学部に対し、従来の推薦入学の一般枠とは別に、二十一年度から地域枠五名を設けるように要請をしまして、大学当局から認めていただいたところでございます。 あわせて、さきの第二回定例会において、当該入学者に対して修学資金の貸与制度の創設を認めていただきました。 この特別選抜地域枠入学者五名と十九年度に創設をいたしました学士編入学地域枠入学者三名に対しましては、修学資金の貸与を条件といたしまして、卒業後、一定期間、県内の僻地医療拠点病院等に勤務することを義務づけておりまして、将来、地域医療に従事する医師を毎年八名確保する、こういった制度を大分県としては準備をしているところでございます。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 これは医療制度研究会理事長の中澤堅次さん、済生会宇都宮病院の院長の指摘でありますけれども、高齢化に伴ってお医者さんはやっぱり必要になっていくという指摘があります。 先ほど知事も医療計画に触れられておりましたけれども、医療計画の中で、大分県の高齢化率がどれだけ進んでいくのか、そういう中で国の平均的な医師数の養成だけではなく、大分県でやはり高齢化、過疎化等を見据えた上でどれだけ積算するかということも含めて、今後、大分県独自でやっていくべきだというふうに、私は意見として申しておきたいというふうに思います。 さて、次に訪問看護についてでありますけれども、大分県のように少子・高齢化が進んで、小規模集落が拡大している中で、今後、どのような地域医療を実現していくかについて具体的に考える時期になっているというふうに思います。 県下の自治体病院が所在する地域はどこも大なり小なり同じ課題を抱えておりますが、特に高齢化によって公共交通機関による通院が厳しくなることや、高齢者の二人暮らし世帯で一方が入院した場合の見舞い、付き添いのための移動などの問題が懸念されるところでありまして、国の医療制度改革の中でも在宅医療が重視されてくる、そして、その中で在宅医療のあり方について具体的に考えていくべきだと思います。 そこで、在宅医療を進めるに当たっては訪問看護の充実が必要であると考えますが、訪問看護の充実に向けた県の考えを伺います。 ○阿部英仁議長 阿南福祉保健部長。 ◎阿南仁福祉保健部長 訪問看護についてお答えをいたします。 高齢化の進展や医療技術の進歩ということもございまして、在宅で療養生活を送る人がこれから増加するということが見込まれます。そうした中で、安全、安心な在宅医療を支えるために、訪問看護ステーションによる二十四時間のサービス提供や在宅でのターミナルケアへの対応など訪問看護の充実は私どもも重要であると考えております。 このため、訪問看護に携わる看護職員を対象に、必要な知識や技術を習得する基礎的な研修、それから呼吸管理や認知症の看護等実践能力向上のための専門研修というのをこれまで行ってまいりました。 こうした取り組みに加えまして、本年度からは新たに訪問看護推進事業という事業を開始いたしまして、県医師会や看護協会、それから学識経験者、利用者代表等から成る訪問看護推進協議会というものを設置いたしました。ここで訪問看護の充実による在宅医療の推進を図るとともに、訪問看護ステーションの看護職員を対象とした、がん末期患者や高齢者等の在宅でのみとりについての研修、あるいは医療機関の看護職員を対象とした、安心して退院ができるようにスムーズな退院支援や在宅看護についての研修を行うこととしております。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 特に過疎、そして少子・高齢化の進む小規模集落においては、病院側が訪ねていって見ていく、そういうところの整備が本当に急がれているというふうに思っております。 そういう中で、次の質問に移りますけれども、今、大分県の看護大学で進めているナース・プラクティショナー、NPというふうに略して申しますけれども、このことについて少し意見を聞いてまいりたいというふうに思いますが、在宅医療については、先ほど言った医師の力、そして看護師さんの力が必要でありますけれども、医師不足という状況で、この充実については非常に困難がつきまとっている。そういう中で、全国で唯一、大分県立看護科学大学で養成しているNP、高度実践看護師にその任の一部を与えることができないかというふうに思います。 この制度は、アメリカ、オーストラリア、お隣の韓国などでも既に導入されております。そして、イギリスのように医師不足の解消、都市と地方との医療格差を縮小することを目指して導入している国もあるわけであります。 残念ながら日本では、このように専門的な教育を受けた看護師でも法律上の資格は看護師としての位置づけに変わりなく、せっかく取得した知識、技術を医師不在の場面で生かす権限は認められていないわけであります。 そういう中で、まず看護科学大学でこうした講座を設定し、養成することとした目的と経緯について伺います。 ○阿部英仁議長 宇都宮生活環境部長。 ◎宇都宮鉄男生活環境部長 先ほどから医師不足の話が出ておりますが、看護科学大学では、無医地区、また、二十四時間体制で在宅医療を支える療養施設等で、看護師が適切な看護判断によりまして患者の初期診断、また、簡単な薬の処方、あるいはケアを行い、必要に応じて医師への橋渡しができる、こういった看護師が養成されているということで、この四月に全国で初めて、高度な専門知識と技術を備えた高度実践看護師、いわゆるナース・プラクティショナー、NPを養成する修士課程を設置いたしました。 これは、同大学が長年にわたりまして地域に入り込んでの実践活動の中で温めてきた構想でございまして、平成十七年にプロジェクトチームを立ち上げております。その後、七回の国際会議、さらに昨十九年には文部科学省の競争的資金プログラムの採択を受けまして、今回の課程の設置に至ったものでございます。 以上でございます。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 そういう形で、今、平成二十年度から三名の方が履修を行っているということでありますけれども、現行法では看護師に医療現場での診療は認められていません。しかし、看護大学で養成したNPを県内の自治体病院などに配置して、そして医療行為を可能にすることが、医師の負担軽減にもつながり、ひいては在宅医療の充実を進めることにもつながるんではないかというふうに考えますが、そういうときに、特区制度を活用することで前に進める、実現することができるんではないかと思いますが、知事の見解をこれについて伺いたいと思います。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 私もちょっとNPと略させていただきますけれども、このNPにつきましては、医師不足対策にも大変期待が持てるんではないかと思いますし、それから、医師との役割分担で、個々の患者に継続的に時間をかけて診てやれるということでは、医療サービスの高度化にも非常にいいんではないかというふうに期待をしているところでございます。 今、玉田議員から特区制度でこのNPを県立病院なんかで活用させていただいたらどうかというお話がございましたけれども、医師不足対策、あるいは在宅医療の推進といった意味で大変おもしろいと思いますけれども、申すまでもありませんけれども、幾つかの課題があるわけでございまして、一つは、やはり新しい制度でありまして、導入に当たって、関係団体とか医療関係者の共通の理解を得るということと、何よりも県民の皆さんの理解を得なきゃいかぬというのが一つあります。 もう一つは、役割分担といいますか、症状別、あるいは疾患別に医師とNPがどういう役割分担をしていくかということをやはり取り決めておかないといけないというところがありまして、そういう作業もこれからやっていかなきゃいかぬというふうに思っております。 いろいろ課題はありますけれども、せっかく看護科学大学でああいう養成をやっているわけでございますから、この科学大学を中心に、引き続きその活用策について議論をしていきたいというふうに考えております。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 県下の自治体病院を取り巻いている人口構造について少しお話ししますと、まず、今、統合の話になっていますけれども、豊後大野市で二〇一五年には高齢化率が三七・八%になるだろう、それから、杵築、三〇・八%、そして中津、ここはまだダイハツの進出で低うございますけれども、二九%、そして国東、三四・九%ということで、全国に比べてやはり自治体病院がある地域、取り巻く地域についてはかなり高齢化が進んでいくだろう。 今やはり手を打って、十年後について、今、医師の確保についても十年後を見据えてやっているわけですから、その制度を含めて、いろいろ研究するところがありますけれども、研究していくべきだ。そして、優秀な人材を県外に流出させない。県下で学んで、そして県下で役立てていく、そういう視点から、ぜひこの件については、今後、研究も含めて、前向きに進めていただきたいと考えますが、もう一度、ご見解いただきたいと思います。 ○阿部英仁議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 NPの有用性については先ほど申し上げたとおりでございます。 加えて、大分県は、特別、高齢化率も進んでいるというふうな問題もあります。そしてまた、そういう中で、できるだけこういう人材が県外に出ないで、こちらに残ってサービスをしてくれるということも大変大事なご指摘だと思います。引き続き看護科学大学を中心に、前向きに研究をしていきたいというふうに思っております。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 これはぜひお願いしたいというふうに思います。 では、次の質問に移らせていただきます。 次は、全国的にも大きな事件となっております大分県教育委員会汚職事件についてであります。 この件については、今議会でも各会派ともに一般質問で取り上げておりますが、県民クラブでも、教育論を主体として、また平岩県議の方が後日、最終日に行う予定ですから、私の方は七月二十九日に公表された「教育行政の抜本的改革に向けての内部調査要領」について質問をいたします。 ただ、この数日間、情勢が大きく変わっておりますので、それを踏まえた質問になりますので、よろしくお願いいたします。 この調査要領では、「行政機関として事件の事実関係やその背景を調査、究明し、今後、二度とこのような事態が生じないよう、選考試験の見直し、公正、透明な教育委員会組織の再生に向けた組織の抜本的見直しと公正で透明性の高い人事管理、職員の意識改革、不正な方法による採用が確認された者等については採用を取り消すなどの措置を行うため、基本的な方針を定める」、そのことを基本的な考え方としております。 この要領には、それに加えて、行政処分と再発防止策についても定められておりますが、総務審議監を含めた七人のメンバーで構成されたプロジェクトチームが、民間有識者のチェックやアドバイスを受けて、調査結果のまとめなどだけではなく、公正、透明な教育委員会組織の再生を行うようになっておりますが、その組織の見直しや職員の意識改革については、調査や調査結果のまとめ、そして、行政処分とはその質が違って、そもそも今回の改革によって県教育の信頼回復に向けてどのように展望を切り開いていくのかという、教育の基本的な考え方の根幹にかかわるものだというふうに思います。その考え方によっては、組織の見直しや職員の意識改革は百八十度違ったものになるのではないかと思います。 そこで、今回の事件調査の最中に、前波多野教育委員長の後を受けて、七月二十二日付で麻生教育委員長が新たに就任されたところでありますが、今回の再発防止策を決定する教育委員会の長であることから、教育委員長が教育についてどのような基本的なお考えをお持ちか、気になるところであります。 そこで、麻生委員長の教育に対して基本的にどのようなお考えをお持ちか、伺います。よろしくお願いいたします。 ○阿部英仁議長 麻生教育委員長。 ◎麻生益直教育委員長 教育に対する私の基本的な考えということであります。 教育の原点は、国家、社会の形成者とし、知、徳、体を備え、公共の精神をたっとび、生涯にわたって自己実現を目指す自立した人材を育てることであると考えております。 このため、本県では、どのような人材を必要とし、また、そのような人材を育てるためには、どのような教育内容を、いかなる資質、能力を備えた教員が教えることが最適なのかといった、本県の教育理念や方向性をしっかりと定めることが大事であると考えております。 これは、本県の教育行政を毅然と執行していく上で重要な視点であり、その理念があって初めて子供たちの学力や体力、そして教職員の資質、能力の向上が図られるものと考えます。 県民すべての思いは、大分の子供たちの健やかな成長にあります。私たち教育委員を初め、県教委職員のみならず、学校現場の教職員などすべての教育関係者が一丸となって大分の教育の再生に向けた改革への取り組みを実行し、教育の現場で成果を上げることが重要と考えております。 以上です。
    阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 それでは、今回出された調査結果の方でありますけれども、教育委員の責任にも言及しております。 その調査要領にあります中で、今後の改革の方向、教育委員長も、プロジェクトチームの改革案がまとまれば、委員としての責任のとり方も検討することになるだろう、教育委員としてのあるべき姿も検討していくというふうに新聞のインタビューにも答えておりますけれども、今後、どのように改革していこうとしているのか、お考えをお聞かせください。 ○阿部英仁議長 麻生教育委員長。 ◎麻生益直教育委員長 先ほどもお話ししたとおり、我々は、今回の方針について検討してまいりました。その結果、プロジェクトチームから出された結果報告の中に改善策が盛り込まれております。この大きな基本は、いわゆる組織全体を見直して、そして教育行政の改革を行っていくということにあります。 その一つの大きな柱の中で、一番大切なことの一つが教職員人事評価システムの構築ということにあろうかというふうに思っております。約八千名の教育委員会職員の人事をつかさどる我々教育委員会として、そのシステムの構築こそ、透明、公正な人事ができる一つのあらわれではないかというふうに思っております。 まず、そのことをスタートとして、これから一つ一つ、教育行政改革プロジェクトチームと一体となって取り組んでいこうというふうに考えております。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 再発防止策についての今後の改革の方針として人事システムについて考えていくというふうな答弁だというふうに理解しますが、よろしいですか。--それでは、次に移ってまいりたいと思います。 調査要領にあります「不正な方法による採用が確認された者等については採用を取り消すなどの措置」、それについて伺いますけれども、今、いろんな報道をされておりますが、この行政処分は、処分に該当した方の人生を大きく変えてしまうという非常に大きな処分であります。このことを考えたときに、この原因をつくった教育委員会の責任はどうするのか、このことについて教育長のご見解を伺いたいと思います。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 さきの臨時教育委員会で、二十年度の公立学校教員採用試験におきまして不正な方法によって合格した者については採用を取り消すという方針が決定をされました。 四月から教師として情熱を持って取り組んでいるのに、思いがけない事態に当惑している人もいる、そういう中での採用取り消しは断腸の思いでありますが、丁寧に話をして、受け入れてもらうしかないと考えております。 今回の一連の事件で、計二十三名の関係職員に対しまして、免職を含めて、厳正に処分を行ったところであります。 私は、県教育委員会事務局の責任者として、このような重大な事態を招いた責任を痛感しております。私自身の処分は、事件の全容の解明を待って、教育委員会で決定されることになると思います。 今回の事件の原因と背景につきましては、選考の不適切な運用、仲間や身内を優先する感覚、また、組織のチェック機能の欠如にあると思います。 今回の事態は、すべての教育関係者にゆるがせにできない課題を突きつけられたものであります。教育委員会職員はもとより、市町村教育委員会の職員も一体となって教育行政の信頼回復に全力で取り組んでいかなければならないと考えております。 以上であります。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 信頼回復に全力で取り組んでいく、それは非常に重要なことですし、私自身も理解しておりますが、今回の処分について、やはり一方に甘いんではないかというふうな声も聞きます。 今、私が質問しているこの時間でも、人生に挫折感を感じて、そして真剣に進路に悩んでいる当事者がおるわけでありまして、そういう中で、改ざんを手伝った側、改ざんした側については、いわゆる職をやめなくていい、つながる。しかし、改ざんされた側、要は点数が変えられた側については採用が取り消しになるという状況。 今、いろいろ、相談というか、面接しているらしいですけれども、そういう中で臨時職員としての道も開けているという説明をしておるようですけれども、けさの朝日新聞では十八人が学級担任をしているというふうな報道がありましたけれども、この十八人が仮に臨時職員としてとどまった場合、やはり、相当な決意というか、本当にその人の思いというのを受けとめていかなくちゃならないというふうに思います。 結局、担任で残るということは、教育委員会については余り混乱は起きない。現場に混乱の収拾等が押しつけられていくんじゃないか、そういうふうに私は思うわけでありますけれども、その辺について教育長の今のご見解を伺いたいと思います。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 臨時職員を含めたことにつきましては、本人の意向を尊重したいと思います。もちろん、臨時職員となって頑張ろうという方も大変つらいと思います。私どもは、本人の意向を一番に考えまして、そして、学校現場で混乱が生じないように支援対策を行っていきます。教育事務所の指導主事、これも今、派遣しております。 ただ、ご本人には、十分説明をして、丁寧に説明をして、そして理解をしていただくしかないと考えております。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 本人の意向というのは、結果的に本人の決断でありますけれども、本人の立場になると、その気持ちはやはり、自分がこの四月から担任してきた子供たちに迷惑かけられないとか、それから、現場に混乱を起こさせられない、そういう気持ちの中でそれを選択しているというふうに考えられます。 そういうところも含めて、本人の意向という裏に何があるのかということ、これについて、やはりしっかり受けとめて、そして相談に乗る等やっていただきたいというふうに思いますが、そういう中で、今、本人に十分説明しておると言っておりましたけれども、点数の改ざんについては説明を受けているけれども、なぜ自分がそういうふうになったのか、改ざんをされるようになったのかということについての説明は受けてないというような話も聞いておりますけれども、それについて、教育長、いかがでしょうか。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 ご本人に説明をする中で、なぜ自分の点数が改ざんされたんだろうか、こういう問いかけというのは当然ありました。 私どもの方の説明におきましては、調査報告書に記載しておりますように、いろいろと調査をいたしましたけれども、そこのところにつきましてははっきりと解明ができておりません。 ただ、具体的にあなたの本当の点数はこういう姿です、しかし、こういうふうに改ざんされた事実があります、その結果、こういうふうになりましたということをはっきりと具体的にお示しをして、説明を行っているところであります。 以上であります。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 はっきり解明できないというところで、ご本人たちは本当に納得できるものなんでしょうか。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 はっきりと解明できませんと言ったのは、だれからどう頼まれてしたのかということをご本人がおっしゃっております。しかし、そこのところは、いろいろとプロジェクトチームの中で調査をいたしましたけれども、そこのところを突きとめるということは難しかった、できなかった、確認ができておりません。 ○阿部英仁議長 玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 今回のこの件で採用取り消しということでありまして、全国にこういう例がないのかということで調べましたら、奈良県の中和消防組合の方で平成十七年に起きておりました。四月に採用された方が、九月に採用取り消しになった。そういう中で、十九人の方が事件解明の中で不正採用された。そして、そのうち一人が自主的に退職したけれども、十八人の方は採用取り消しになったということでありますが、そのときに、やはり、地方公務員法違反でその口をきいた側の方もやはり法的な追及を受けております。 今回は、プロジェクトチーム、時間的な制約があって、この先は厳しいというふうな判断なのかもしれませんけれども、やはり、一人の人生を大きく変えてしまうというふうな重大な事件であります。そして、なぜそういうふうになったのかというのを知りたいというのは当たり前のことだと思いますので、説明責任をどういうふうにこれから果たしていくのか。そういう側面から、今後、なぜそういうことになったのか、具体的な例も含めて、なぜなったのかということをどうやって追及していくのか、それについてお伺いしたいと思います。 ○阿部英仁議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 今回のこうした改ざんに伴う不正の合格がなぜ起きたのかということにつきましては、二十九日に発表いたしました報告書の中で、十年間にわたる人事担当者、そして千名を超える校長、教頭からの聴取、そして平成十三年以前と以降に分けまして詳しく調査をいたしまして、その経緯について詳細に書いてあります。 その結果、なぜこういうことが起きたのか、その原因については、まとめの方で三つ書いてありまして、試験の不適正な運用、それから、仲間意識、身内意識、それから、チェック機能の欠如、こういったことが今回の大きな要因であったろうというふうにまとめております。 この中で、私どもとしては、行政という立場で、権限の範囲で可能な限り調査を尽くしたものと考えております。 ○阿部英仁議長 玉田議員、残時間がありませんので、簡潔にお願いします。玉田輝義君。 ◆玉田輝義議員 もう当事者、採用取り消しになると言われている当事者について、先ほどあった、例えば調査報告書を見せられて、こういう構造的な問題があって、そしてあなたの点数は改ざんされたんです、だから、採用取り消しか自主退職か、どちらかなんですというふうに言っていると。ただ、それで本当に本人が納得できるかどうか。やはりそれは、信頼関係、大きな部分があると思いますから、そこは、今後、追及という部分を私はやっていただきたいというふうに思いますから、そのことを意見として置いて、終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) ○阿部英仁議長 以上で玉田輝義君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩いたします。     午後零時四十五分 休憩  -------------------------------     午後一時四十四分 再開 ○近藤和義副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。濱田洋君。  〔濱田議員登壇〕(拍手) ◆濱田洋議員 議席番号五番、自由民主党、濱田洋でございます。 きょうは、玖珠郡からたくさん応援に来ていただきました。皆さん方のおかげでこの席に立つことができております。ぜひ皆さん方の声を代弁して、一生懸命やりたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 さて、先ほど来、午前中の質問で、教育委員会の問題、あるいは農業の問題、多く質問が出ました。私も一番目は、今本当に全国的にも、また、県内でも非常に大きな問題になっております教育委員会の問題を質問させていただきたいと思います。 まず、今回の教員採用をめぐる汚職事件、ちょうど最中の七月二十二日の大分合同新聞の「読者の声」に読者の声が出ておりました。四名とも本当に代表する意見だなということで、ご紹介をさせていただきたいと思います。 熊本市の六十四歳の男性。「学校現場の「偽」正せ」。昨年の漢字一字の言葉は「偽」でありました。まさに今回は、食品とか、そういう問題じゃなくて、いわゆる偽装教員が発覚をした、そういうふうに書かれております。学校現場でそういう問題が発生をした。熊本でも、寄るとさわるとこの問題で持ち切りだ。この問題は、不正を正すことなく、不正がシステム的に行われておった、これを正す勇気ある教育者がいなかった、そういうことを提示されております。 二番目が、大分県出身の千葉県にお住まいの四十九歳。「県人の誇りを再び取り戻せ」。高校卒業以来三十年間、仕事で全国を転々としてきた。今回の教員採用に絡む汚職事件で大分県が全国的に有名になって、全く言葉がない。ふるさとを離れても、大分県人としてプライドを持って生きてきた。それが、このていたらくで全く吹っ飛んでしまった。大分県が閉鎖的ということに、いつも「そげんことはねえで」と思っておりましたが、やはり「コネがねえと」というようなことを意味していたんでしょうか。どこまでこの問題が真相究明をされるか。徹底的に捜査でうみを出してもらいたい。そして、再び大分県民の誇りを取り戻す日が来ますようにお願いしますという投書であります。 そして今度は、県内の豊後大野市、七十九歳の女性であります。「一番の被害者は子供である」。同じ九州で、大分県は特徴が生かされてない。もっと他県のようにアピールできたらというふうに思っておりましたら、残念ながらこういう汚職事件でアピールした。テレビをつければ、朝から晩までこの事件で持ち切りである。子供に何と説明をしたらいいのか。一番の被害者は子供である。そして、このようなことは今に始まったことではなく、自分たちが子供のときからあったような気がする。そういうふうに書いてあります。 そして四番目は、ことしは二巡目国体、「国体開催の年に汚点を残した」。先生になりたくて、一生懸命勉強して取り組んできた。それが、いわゆる試験の点数まで改ざんをしておる。まさに、我々から考えても、こげなことであっていいんか、そういうような気持ちでいっぱいでございます。ぜひこの国体の年に、県民一丸となってこの汚名をそそいでいただきたい。そういう投書でございます。 まさに今の県民の気持ちをあらわしておる投書だと私は思い、紹介をさせていただきました。 そこで、広瀬知事にお伺いをしたいと思います。 言うまでもなく、知事は、県民百二十万人の顔であります。行政家としての顔、政治家としての顔、教育者としての顔、県を経営していく経営者としての顔、また一面では、百二十万人県民のおやじであります。このいろんな顔の立場から、教育委員を任命した、そういう教育者としての立場から、今回の事件をどのように考えているか、まずお伺いをいたしたいと思います。  〔濱田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○近藤和義副議長 ただいまの濱田洋君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 ただいま濱田洋議員には、教育委員会幹部職員等の贈収賄事件につきまして、さまざまなご意見を紹介していただきながら、各方面からのご心配をご紹介いただきました。私に対するご質問にまずお答えをしたいと思います。 このたび発生いたしました県教育委員会幹部職員等による贈収賄事件につきましては、教育行政の根幹にかかわる、あってはならないことでございまして、まことに痛恨のきわみであります。 また、子供たち、保護者、そして教員採用選考試験を受験してこられた皆さん初め、すべての県民の皆さんの教育に対する信頼を大きく裏切ることになってしまったわけでございまして、心からおわび申し上げたいというふうに思います。 私としては、今回の事件を本県教育のこれまでなかった危機だととらえております。 これまでに、六名の免職を含む関係者二十三名の処分が行われたほか、公教育の信頼確保の観点から不正な方法によって採用された者への取り消しの方針が決定されるなど、事件に対する厳しい対処がなされているところであります。 同時に、二度とこのようなことが起こらないように、一刻も早く大分県の教育行政の再生に向けて、権限と責任を明確にした透明性の高い教育行政システムを確立していかなければならないというふうに思います。 そして、知、徳、体、調和のとれた心豊かな子供たちを育成して、有為な人材を社会に送り出すという教育の原点に立ち返って、教育の場で成果を上げていくということこそ大事なことではないか、それがあって初めて信頼回復につながっていくと考えております。 このため、教育委員会の組織の見直し、教職員の努力が評価される仕組みづくり、教員の意識改革などの教育行政の改善策を初め、教育再生に向けた取り組みを推進する教育行政改革推進室が昨日設置されたところであります。 この推進室を中心に、教育委員会が一体となって大分県教育行政の再生に向けて新たな第一歩を踏み出したというふうに考えております。 また、教育委員につきましては、県教育の振興に必要な人材を各界に幅広く求めまして、人選してきたところでございます。地方における教育行政の中心的な担い手として、より高い使命感を持って責任を果たしていただかなければならないと思います。本県の教育行政の再生に当たっても、強いリーダーシップを発揮して、先頭に立って取り組んでいただきたいと思います。 県民のすべての思いは、次代の大分を担う子供たちの健やかな成長であります。こうした県民の教育行政に対する期待をしっかりと受けとめて、そして、教育の場で成果を上げ、信頼を回復していくということが大事で、そのことに向けて、県教育委員会のみならず、あらゆる関係者が努力をしていかなければならないというふうに思っているところでございます。必ず大分県の教育を再生しなければならないというふうに思います。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 知事さんの熱意ある取り組みをご期待申し上げ、やはり私は、起きたことはどういうふうに解決をするか、そして、これから先はどう取り組むか、それが一番大事じゃないかというふうに思わせていただいております。ぜひ知事さんの強力なリーダーシップで、今後とも、大分県教育を本当に再生をするように、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 それでは、直接の現場であります教育委員会、麻生教育委員長さんと小矢教育長さんに、同じ質問でございますけれども、ご答弁をお願い申し上げます。 ○近藤和義副議長 麻生教育委員長。 ◎麻生益直教育委員長 今回の教員採用試験につきましては、先ほども私述べましたとおり、教育委員会を代表して、県民に深くおわびを申し上げます。 我々も思わぬ出来事で、これからのことについてプロジェクトチームをつくり、再生を図った次第であります。 今回つくりましたプロジェクトチーム、特に教育行政改革推進室を設置したということ、そして、人事評価システムを確実に取り入れ、そのことについて実施していくというこの大きな二点を、我々も教育委員という立場でその現場に入る事務局員と一丸となって取り組んでいく、それがこれからの取り組みだというふうに私は思っております。どこまで私どもでできるかわかりませんが、大分県民の信頼を回復するために全力を尽くしていく所存であります。 以上です。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 今回の教育委員会の幹部職員による贈収賄事件等一連の不祥事につきましては、教育委員会全体に突きつけられた大きな課題であるというふうに受けとめております。 ここまで落ちた教育行政、これから県民の信頼を回復するには、私ども教育委員会職員は当然でありますが、学校現場の教職員と一体となって、そしてさらに市町村の教育委員会職員、教育にかかわるすべての職員が一体となって教育の場で成果を出していくほかないと思っております。このために、組織を挙げて全力で成果を出せるように取り組んでまいります。 以上であります。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 ただいまは現場のお二人から回答をいただいたわけでございますけれども、私は、私見を踏まえて、今の教育委員会制度そのものについて、少しご意見、また、お考えもお聞きしたいというふうに思います。 やはり今の教育委員会制度を、このままの、今の形で制度を残しながら改善をする、改革をするという、こういう議論では抜本的改革は遠いんじゃなかろうかというふうに思わせていただいております。 今の教育委員会は、知事からも独立をし、しかも教育長に権限がほとんど集中をしておる。そして、現場の小中学校のいわゆる実施運営主体は市町村であります。その先生方の採用、昇任、そして昇格、こういうものが県の教育委員会の権限で行われております。まさに市町村に先生方を派遣して現場の教育をしておる。 そして、その教育委員会自体に、事務局の幹部は、いわゆる教育界出身の方が多くて、人事が非常に硬直しておる。こういう問題が今回の事件を長年、表に出ることなく見過ごしてき、そして、ここに来て大きな問題になったというふうに私は理解をしておりますけれども、今回の事件について、今の教育委員会では、私は責任体制がはっきりしないんじゃないか、そういうふうにも思わせていただいております。 ぜひ現場の指揮を預かる教育長さん、ひとつそういう点について明快なるお答えをいただきたいというふうに思います。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 現行の制度では抜本的な改革ができないのではないかということもおっしゃいました。しかし、私ども行政の立場としては、現在の仕組みの中でどういうことができるか、何が可能なのかということであります。これが今回の報告書の中に盛り込まれた改善策であります。 したがいまして、今、責任体制のこともお話がございましたけれども、人事管理体制という中で責任の所在を明確にしようということで、まず組織を見直そうと。その第一点として、人事管理部門を一元化しようということも盛り込まれております。現在は、義務教育課、高校教育課、総務課というふうに三つに分かれております。これが、すべて人事管理部門を一本化して責任の所在をはっきりとさせる、それが一つと、内部管理部門、総務管理部門といいますか、そういったところと学校の教育指導部門、これを分離しよう。これは、各課の壁を取っ払って、教育指導部門と総務管理部門というふうに分けて、その中で専門性を生かしていこう、このようにも考えております。 それから、そのためにも私どもが人事管理の中で重要なのは、教職員の評価システム、これがことし全学校職員に適用されましたけれども、これを教育庁の事務局職員にも適用して、そして、その評価システムが本当に機能するように整備、構築をしていこうということであります。 このように、私ども、現在の仕組みの中でも改革はできるわけでありまして、その中で、今回のような事態を二度と起こさないためにも、改革推進室が設けられましたので、これから、ここを中心として、この事件の背景、これを十分踏まえた上での改善策を着実かつ迅速に進めて、そして大分県の教育の再生につながっていくように全力で取り組んでまいります。 以上であります。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 午前中の答弁でもそういうことでありましたけれども、私はやはり、本当に抜本的に改革をするというあれがあれば、本当に教育委員会の今の制度をもう一回しっかり見詰めて、例えば、教育委員の公選制度、あるいは、もっと、六人の教育委員じゃなくても、教育審議会的な、二、三十人のいろんな方を交えた制度、そういうものを抜本的に検討し、そして本当に大分県の教育界が正常化し、そして本当に県民の誇れる人材育成ができるような制度にぜひ改革をすべきじゃないかというふうに感じております。 そういう制度につきまして、直接に改革に当たられる、また、今取り組みをされておりますけれども、麻生教育委員長さん、お答えをお願いします。 ○近藤和義副議長 麻生教育委員長。 ◎麻生益直教育委員長 教育委員会制度の改革についてのご質問でございますが、基本的に教育委員会は、教育の政治的中立性や継続性、そして安定性を確保し、地域住民の多様な意向を反映するための地方教育行政の基本的な組織であり、教育行政を主体的に執行することが求められています。 今回の一連の事件についての報告書の中で、県民の目線で教育行政をチェックする立場にある私ども教育委員がその機能を十分に果たせなかったことも、その事件を防げなかった要因の一つという指摘がございました。 このことを我々教育委員といたしましても真摯に受けとめ、今後は、教育委員が事務局にすべて任せるのではなく、主体的に責任を持って教育行政を執行していくことが必要というふうに考えております。 そのためには、大事なことが三点あります。一つ目は、事務局職員や市町村の教育委員、また、学校現場との教育課題等に係る共通の理解と情報の共有化であります。次に、教育委員と市町村教育委員が連携しながら教育行政を行っていく、そういう体制を推進していくということであろうというふうに思っております。そして三点目は、我々委員みずからが学校や社会教育施設に出向き、教職員や保護者の皆さんと意見交換することにより教育の現場の実情を把握することであります。 こうしたことを通じて地域の思いを教育行政施策に反映していくとともに、すべての教育関係者が一丸となって大分の教育の再生に向けた改革への取り組みを実行していきたいというふうに考えております。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 今、非常に大事な、また、今起きておるこの問題というのは、どこで収拾されるのか、私もわかりませんけれども、やはり根本的に改革を志すという覚悟でやられぬことには、本当に教育界の今の状態というのは危機的状況にあるというふうに理解をさせていただいております。どうか一丸となって、すばらしい大分県の教育行政、教育界ができますように頑張っていただきたいというふうに思います。 教育問題の最後で、二、三日前に、九月の中旬かなというふうに思っておりましたら、高校後期再編成の結論めいたもので答申がなされました。 印象は、何か慌ててやったんじゃねえかというような気が私はしました。やはり、地域の実情、いろんな意見が高校改革再編については出ております。もっともっと時間をかけてもよかったんじゃないか。特に、農業高校の問題、これもやはり、今後、大分県の農政をどうするかということを考えるときに、本当に今の地域分散型でいいのかという問題もあるわけでございます。 そして、各地でまだいろんなご意見があります。私は、今、教育委員会が信頼を失っておる、失っておる教育委員会が出した案に、本当に県民が「ああ、そうやね」と言うて、みんなが手をたたいて賛同するか。そういう問題を、小矢教育長、お願いします。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 後期再編整備計画の策定に当たりましては、昨年の十月から県段階の懇話会を開催しまして、ことしの一月に検討素案、そして四月に中間のまとめ、八月には最終計画を決定したところでありまして、この間、県段階の懇話会、県内各地域での懇話会、説明会を都合三十七回行うとともに、ご要望等をお聞きする機会を三十三回設けたところであります。さらに、広く県民の皆さんからパブリックコメントを五月八日から六月九日まで実施するなど、できるだけ説明責任を果たすべく努めてまいりました。 このように県内各地域においてご説明をし、また、ご意見を伺い、地域の実情も十分考慮した上で、総合的に勘案しまして後期再編整備計画を決定いたしました。 最終計画に至る間に今回の事件が発生いたしましたけれども、事件の対応を厳正かつ迅速に行う一方で、急激な少子化が進む中で教育環境の整備を行う高校再編を着実に進めることが県民からの信頼につながるものというふうに認識しております。 以上であります。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 それでは、もう一点、地元の玖珠郡の玖珠農業高校、それから森高校、この二つの再編成で、五学級程度の、普通科四クラス、農業系一クラス、そういう答申が出ておるわけでございますけれども、この校地の選定、現在まで玖珠農業高校を校地とするというふうに発表されておりますが、その校地の選定基準、あるいは、なぜ玖珠農業高校が校地としてすぐれておるのか。私は、新しい総合高校をつくるなら、本当に県にお金がうんとあって、しっかりやれるなら、全く別の地域につくって、本当の新しい高校ができたぞというのが本来の姿だというふうに思いますけれども、残念ながらそういうことにはならないと思いますけれども、やっぱり校地というのは非常にいろんな面で重要でございます。その選定基準を、教育長、お願い申し上げます。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 選定に当たりまして、随分、地元の方々との説明会、意見交換会も重ねてまいりました。地域からの要望、計七回でありまして、十分ご意見をお聞きしてまいりました。 その中で、最終的に玖珠農業高校ということにいたしましたのは、校地全体が広いということ、これは、もちろん実習地も、実習田もありますけれども、校地が広い、それから、現在、玖珠農業高校では、今年度まで防衛省の防音工事も行われております、こうしたことから玖珠農業高校に校地を定めたわけであります。これにつきましても、何度となく地元の方々にご説明をしてまいったところであります。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 地域の要望を本当に聞いてきたということでございますけれども、やはり校地の面積の状態、あるいはグラウンドの手狭さ、あるいは、例えばプールも、森高校にはあるけれども、玖珠農業高校にはない、新しくつくらないかぬ。いろんな条件があるわけでございまして、そういう総合的なものを勘案しながら、今後も私は、十分、地域の皆さんと話し合いを重ねていただきたいというふうに思います。 以上で、時間も十二分しかありませんので、教育問題は終わらせていただきます。ぜひ、高校改革を含めて、みんなに誇れる大分県教育界ができますようにお願いをいたしたいというふうに思います。 次に、農業問題でございますけれども、県は、昨今、「アクションプラン二〇〇八」を発表されました。平成二十二年の農林水産業算出額を二千億円にするというプランでございます。 この中身を見させていただきますと、午前中の答弁でもありましたけれども、平成二十二年まで、米が約十五億円、十八年度実績に比べて伸ばす、園芸が三十五億円伸ばす、畜産が四十八億円伸ばす、合計九十八億円を、十八年度実績に上乗せをしてやる、伸ばす。そして、木材関係では、木材の生産を二億円、栽培キノコ類を五億円、合計七億円を増加するという数字が示されております。 現実に取り組みをされておる方に聞きますと、この県の施策については非常に期待を持って受けとめておるわけでございますけれども、残念ながら非常に環境が悪化をしてきている。例えば、原油高によるいろんな生産コストが高い。また、畜産も千頭ふやすという数字が出ております。しかし、今のような飼料高騰、なかなか子牛市場も上がらない。そういう状況でありますけれども、やはりこの数字を出して、具体的にどういうふうにやるんか、答弁等で出ておりますけれども、本当にその指導、あるいは、いろんな条件をどういうふうに改善をして、この目標達成をするのか、そういう点が私は非常にこれからは重要であろうというふうに思わせていただきます。その点について、農林水産部長、お願いします。 ○近藤和義副議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 お答えします。 アクションプランの目標達成についてでございます。 農業では、マーケット起点の商品づくりと力強い経営体の確保育成を柱として、もうかる農業の育成に向け、議員ご指摘のとおり、平成十八年の農業産出額千三百二億円を、園芸で三十五億円、畜産で四十八億円、米で十五億円拡大いたしまして、二十二年までに一千四百億円を目指します。 そのため、マーケターによる大消費地での販路開拓や販売促進の取り組みを充実強化するとともに、県内外からの企業参入の促進による力強い経営体の確保に取り組みます。 本年度は、食品製造業の「果実堂」など六社の参入が既に決定しており、昨年度、玖珠町で肥育経営を開始いたしました「ファゼンダ・グランデ」は、既に二百五十三頭の子牛を県内から導入し、地域への波及効果も生じております。 林業では、低コスト木材生産団地の設定など原木の安定供給体制を整備し、木材生産、販売を拡大することで二億円、今、異常に価格が高くなっていますシイタケにつきましては、生産者の新規参入等により生産量を拡大することで五億円の増加を見込み、百八十億円を目指します。 燃油、飼料価格の高騰につきましては、アクションプランの中でも記述しているところですが、今後とも省エネ構造への転換を基本に、今回補正をお願いしておりますけれども、国の動向等も見きわめながら機動的に対応してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 ただいまマーケターについて答弁ございました。 今、東京事務所、大阪事務所、それから福岡、三つの地域に三人のマーケターを配置して、いわゆる営業をやっておるというふうに聞いておりますけれども、具体的にマーケターのある一日というのはどういう活動をやっておるのか、また、立場上、どういう対応でそれぞれの場所に常駐をしておるのか、また、その成果は、一年間やってどういうものであったか、農林水産部長、お願いします。 ○近藤和義副議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 お答えいたします。 マーケターの役目は、販路の開拓、販促活動、新たな商品開発や産地へのマーケット情報の提供でございます。 県職員でございますので、県庁の研究普及課というところに籍を置いております。年間七十日以上、それぞれ東京、大阪、福岡の大消費地に赴き、マーケティングアドバイザーの支援も得て、市場はもとより、量販店、外食産業等に対しまして、直接、県産品のセールス活動を行っております。また、その情報を持って県内の産地に出向き、商品開発や産地拡大にも奔走しております。 具体的な成果といたしましては、販路の開拓では、例えば、コネギを、全国展開する大手飲食業へのメニュー提案によりまして七トン、六百万円の取引、玖珠・九重地域と豊後高田からの出作で銘柄統一されました「高原白ねぎ」の福岡市場への出荷で百七十八トン、七千五百万円などが挙げられます。 次に販促活動では、東京で開催された農産物商談会「アグリフードEXPO」でのかぼすジュースの二千万以上の商談成立や関西地域の大手量販店五十二店舗における大分フェアの初めての開催等が挙げられます。 また、新たな商品開発では、産地へのマーケット情報の提供によりまして、関西の百貨店向けに開発した枝つきイチゴ一トンの販売や味にこだわった完熟トマトの試験販売など、それぞれ実績を上げつつございます。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 あと八分でありますので、もう一点、農業関係で、いわゆる本年を小規模集落対策元年というふうに位置づけをされております。私は、この小規模対策と今行っておる集落営農というのは非常に大きな関連があるんではなかろうかというふうに思わせていただいております。 今、県内に四百七十八の集落営農が組織をされております。この中で法人化されておるのは百八であります。この中身をいろいろと聞かせていただくと、法人化したけれども、申告等の事務量が非常にふえた、あるいは、せっかく大型機材が入ったのに、機械を扱うオペレーターがいない、そういう問題が提起をされております。そういう問題に対する今後の対策はどう考えるのか。 私は商工会長もしておりますけれども、特にこの申告、これは商工会と農商工連携が言われておる中でありますので、この法人化された、あるいはされていなくても申告をする、ぜひ商工会と連携をとったらどうか、そういうふうに思わせていただいておりますけれども、ご意見を伺いたいと思います。 ○近藤和義副議長 高山農林水産部長。 ◎高山精二農林水産部長 お答えします。 ご質問は、まず、法人の経営状況、それからオペレーター、それから商工会のかかわりという三点というふうにお聞きしましたので、それについてお答えいたします。 設立一年以上経過した法人について、ことしの二月にアンケートを行いました。約六割が黒字、四割が赤字という結果が出ております。今後の経営安定のためには、何と申しましても、面積など経営規模の拡大、それから、少しでも収益性の高い園芸品目、それから加工、この導入が有効というふうに考えております。 それから、二番目のオペレーターでございますけれども、私どももオペレーターの確保、非常に苦慮しているということは十分に認識しております。特に大型農業機械の操作を行える人材が不足しているというふうに聞いていますので、定年帰農者などを対象とした集落営農組織オペレーター研修を、現在、農大で実施しているところでございます。こういったところで力を入れております。 それから、三点目でございます。商工会でございますけれども、商工会は商工会としての機能があろうかと思いますが、農業者の中にはみずから販売を行っている方もいらっしゃいますので、各地域の経理支援につきましては、地元の商工会ともよくよく相談していただいて、なかなか農業の分野については特有の仕分けがございますので難しいと思いますけれども、それぞれの地域で協力していただければいいのかなというふうに考えております。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 小規模の集落対策というのは本当に今後、重要な問題ではないかというふうに思いますし、先ごろ、国交省の九州地方整備局、これが出されたアンケート等があります。この中で、九州、沖縄を除いた七県で、いわゆる小規模集落が一番多いのは鹿児島県、二番目が大分県なんです。だから、非常に限界集落、あるいは本当に人が住めなくなる、そういう地域が大分県も九州では下から二番目に多いわけでありますので、やはりこの集落営農組織としっかり、いろんなものと連携をとって、そして、小規模集落が生き残る対策をぜひお願いしたいというふうに思います。 先般からちょっと本を読んでおりましたら、「半農半X」という生き方を提案された方がおります。半分農で、半分Xなんです。このXは何かというと、自分の特技や趣味。半分は農業をしっかりやって、地域に溶け込んで、半分は自分の趣味、あるいはボランティアを生かして、半農半X、なかなかナウい生き方じゃなということを感じました。 ぜひ小規模集落、あるいは集落営農、地域の農村を育てる、そういう意味で、こういう考え方を大分県で広めていったらどうかということを感じます。 それでは最後に、観光対策でございます、振興でございます。 やはり今、大分県市町村十八ありますけれども、観光対策を政策の中に挙げてないところはありません。全国でも、各市町村そうでございます。では、大分県、市町村が真剣に観光振興に取り組む。では、県全体としてはどういうふうな形で取り組みをされておるのか、まず知事にその点をお伺いします。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 論語に「近説遠来」という言葉があるそうでございまして、「近き者悦びて、遠き者来る」ということで、住んでいる人が喜ぶ地域に遠くから人が集まってくるという意味だそうでございます。 平成十七年の四月でございましたけれども、社団法人ツーリズムおおいたが発足をいたしました。その考え方は、まさにこの言葉があらわすように、観光と地域づくりを一体として推進しよう、それをまさにツーリズムという新しい言葉であらわしまして、その中核的な組織としてツーリズムおおいたというものをスタートさせたわけでございます。 それまでの旧大分県観光協会を改組いたしました。どちらかというと官主導でつくられたような観光協会を、むしろ民主導、そして県全体の地域づくりとの連携でやろうというような意味でつくられたものでございます。 これは、これまでの観光プロモーション等を中心とした事業から、地域に密着して、かつ、観光客の触れ合いや体験、ゆとりといったニーズを的確にとらえて、柔軟に対応できる組織を目指したものであります。 ツーリズムおおいたというのは、発足以来、各地域におきまして、地域づくりの意見交換会や研究会を開催するなど、従前にも増して地域や地域観光協会等と強いつながりを持っていると考えております。 例えば、地域観光協会等と連携をいたしまして、各地域におけるさまざまな魅力あるメニューを組み込んだミニツアーを初めとする旅行商品の開発やボランティアガイドの育成等に取り組んでおります。 また、福岡都市圏における観光プロモーションを全市町村と一緒に実施したり、旅行会社やマスコミを対象に共同で旅行商談会を開催するほか、JR九州や西日本高速道路とタイアップして地域それぞれの魅力や温泉、食の魅力をPRするなど、各地域と連携した効果的な観光戦略に取り組んでおります。 こうした取り組みは年々充実しておりまして、ホームページのアクセス件数で見ますと、旧観光協会時代には年間二十万件ぐらいであったものが、昨年度は約八十一万件に増大をしております。 これからも、一つは、地域づくりと一体となったツーリズムという考え方、どちらかというと、地域づくり、あるいは観光に一生懸命の民間の方々を中心とした民主導のやり方でということ、そして第三点目は、どちらかというと各地域連携して広域的な取り組みで観光客を誘致しようという広域的な取り組み、この三つを基本にしながら大分県の観光行政を進めていきたいというふうに考えているところであります。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 観光は非常にこれから重要な産業であるというふうに思わせていただいております。 企画振興部長にお尋ねをしますけれども、特に外人観光客、これは、二〇〇〇年が日本に四百七十六万人、昨年、二〇〇七年が八百三十五万人ということで、特に韓国が二百六十万人、台湾が百四十万人、中国が九十四万人、その次にアメリカが八十二万人、非常にだんだんだんだんふえておるわけです。 いわゆる大分県として、外国人観光客の対応、あるいは取り組みをどういうふうにやっておるのか、お聞かせをください。 ○近藤和義副議長 佐藤企画振興部長。 ◎佐藤健企画振興部長 お答えいたします。 今、外国人観光客の全国の数字について議員の方からご紹介ありましたけれども、大分県でも外国人の観光宿泊客が三十二万人程度来ております。これは全国的に国内観光が縮小する中で国外からのお客さんが伸びているという状況でありますので、本県としましても外国からの観光客を伸ばすというところに力を入れたいというふうに考えているところであります。 県内の宿泊外国人観光客の七五%は韓国、これに台湾が次いでいるという状況でありますけれども、これらの国には、個人、小グループのお客様が主流という、ある意味、成熟した市場になっておりますので、温泉やゴルフなど大分県の強みを生かしたPRをやっていきたいというふうに考えております。現在、ツーリズムおおいたや関係市町村と一体となりまして、エージェントやマスコミに働きかけを行っております。 他方、有望な市場として経済発展が今後も著しいと思われます中国でありますが、これはまだ現在少ないんですけれども、市場がまだ成熟してないという意味で、個人とか小グループの旅行が一般的でなくて、文化、スポーツなどの交流目的の旅行というのが中心となっておりますので、これら特定の団体に向けて誘致を図っていくという活動をしておるところであります。 さらに伸ばしていくためには、受け入れのホテルを伸ばす、受け入れの体制を整えるということが必要でありますので、受け入れに係るセミナーの開催、それからノウハウや情報の交換等によりまして宿泊施設の拡大を図ることでさらなる外国人観光客の誘致に取り組んでいきたいというふうに考えております。 以上です。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 外国人観光客の受け入れということは重要な問題でありますので、今後も引き続きご努力をお願いしたいというふうに思います。 最後に、この観光と言う以上、やはり道路が非常に重要な要素であります。私も玖珠郡に住んでおりますから、三月の一般質問でも発言をさせていただきましたけれども、いわゆる道路整備がまだまだ十分でない。 きょうも傍聴に、今度、平成の名水に大分県でただ一つ選ばれた山浦地域の方が十三名見えていただいております。あすこは、もう早くから三つの百選があるんです。棚田百選、そして、昨年、二重メサの伐株が地質百選に選ばれました。そして、今回、名水百選であります。そして、この棚田の山浦地域の早水の方々は、早くからグリーンツーリズムを取り入れておるんです。 例えば、三月、四月は駒打ち体験二十名、六月は北九州の中学生、農村体験十六名、八月は山浦川自然観察会、魚釣り三十二名、十月は高齢者ボランティアを支援する、いわゆる集落に企業ボランティアを五十名、十一月はシイタケの原木おこしのオーナーの受け入れ二十名、そして、そのほかに棚田の田植え、稲刈り、棚田観光で五十名から百名、ここに行く山浦地域のいわゆる菅原戸畑線、十四・五キロでありますけれども、残念ながら改良率が五〇%を割っております。 この前、三月に私は、大分県で一番悪い県道があるというふうに言うたはずです。ここは、しかも百九十戸あるんですが、健康診断の車が入らんのです、バスが。それだけ悪いんです。ぜひこの道路を、土木建築部長、よろしく答弁をお願いします。 ○近藤和義副議長 山路土木建築部長。 ◎山路茂樹土木建築部長 玖珠土木事務所管内の道路改良費は土木事務所の中でも七番目ということで、私どもも今後とも道路改良の必要性があるというふうに考えております。 また、議員ご指摘の菅原戸畑線についても、現在、一部区間につきましては改良工事を行っておりますけれども、出口等を含めて、私どもも隘路になっておるということも聞いておりますので、地元の方々と、玖珠町と一緒になっていい計画を立てていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 ○近藤和義副議長 濱田洋君。 ◆濱田洋議員 それでは最後に、先ほどの集落営農とか含めて、先ほど来から教育でたくさんの問題が出ております。知、徳、体の整った子供を育てる。知、徳、体を育てる前に、食育ということが言われております。本当に毎朝ご飯をぴしっと食べて、ちゃんとやる、ここがスタートだ。 もう一つ、近ごろ新しい考え方で、旅育、旅の育です。旅によって子供を育てよう。これが、ことしはテストケースでやられておるそうでございますが、農水、文科、総務省、いわゆる三省で、今後五年間に二万三千校、小学校全校、百二十万人を全部、この交流をしようというような案があるそうです。そのことについて、県の取り組みは今後どうしていくか、ちょっとお聞かせください。 ○近藤和義副議長 佐藤企画振興部長。 ◎佐藤健企画振興部長 今、議員からご紹介のありました子ども農山漁村交流プロジェクトは、子供たちに農家民泊や漁家民泊を一週間近く体験させるというものですけれども、本県でもことしは、小、中合わせて八校が取り組んでおります。 子供に広い意味の旅を体験させるという取り組みにつきましては、このほかにも、例えば、別府八湯竹瓦倶楽部が子供会と「湯のまちこどもガイド」をやったり、あるいは豊後高田市の観光まちづくり会社で夏休みに子供案内人によるガイドといったようなものもあります。 こういった広い意味での旅を体験させるような取り組みをすることによりまして、未来を担う子供たちが、生まれ育ったふるさとの観光資源の魅力などを理解し、また、異なる文化に接する体験をするということは、子供たちの文化、教養力の向上、観光振興の両面から大変重要だというふうに思っております。 県といたしましても、市町村や地域のNPO法人、教育機関等が行う取り組みを支援して、旅育を促進していきたいと考えております。 以上です。 ○近藤和義副議長 以上で濱田洋君の質問及び答弁は終わりました。末宗秀雄君。  〔末宗議員登壇〕(拍手) ◆末宗秀雄議員 八番、自由民主党の末宗秀雄でございます。 きょうは、宇佐からも大変お世話になっている方が見えられておりまして、大変緊張いたしますけれども、一生懸命頑張ります。 昨日は、福田総理が辞意を表明され、まさに政局秋の陣が始まりました。大分県におきましては、教員採用事件が発覚し、非常に長い夏でありました。 平成二十年第三回定例会において一般質問の機会をいただきましたので、当面する県政の諸課題について数点にわたり、一問一答方式でお尋ねをいたします。 まず最初に、もうたくさんの方が質問したわけでございますけれども、教員採用試験についてお伺いいたします。 教育委員会は、教員採用試験をめぐる贈収賄事件を受け、事実関係の徹底的解明などの四項目から成る「教育行政の抜本的な改革について」を七月十六日に公表しました。 また、質問通告をした後の八月二十九日、二〇〇八年度分の不正採用者二十一人の採用取り消しを決定いたしたわけですが、次の三点についてお伺いいたします。 まず第一に、教員採用の取り消しについてでございます。 今回の決定は二〇〇八年度のみの採用取り消しを決定したわけですが、二〇〇八年度の不正合格者が、見せしめ、まさにいけにえの感があり、ほかの年度は確認できた者が一人もいないと断定したのは公平性を著しく欠いていると大きな疑問を感じています。心痛む限りでございます。まず、その点について考えをお伺いいたします。  〔末宗議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○近藤和義副議長 ただいまの末宗秀雄君の質問に対する答弁を求めます。小矢教育長。  〔小矢教育長登壇〕 ◎小矢文則教育長 お答えします。 教員採用の取り消しにつきましては、先月の二十九日に臨時教育委員会におきまして、平成二十年度の大分県公立学校教員採用選考試験の合格者のうち、不正な点数の書きかえによりまして合格となった者の採用を取り消す方針を決定いたしました。 これを受けまして、県教育委員会の職員が教育事務所管内ごとに出向いて、校長や教頭等が立ち会う中、該当者に対しまして、調査の方法や調査により判明した得点を真の得点と判断した理由、あるいは採用を取り消すという判断をせざるを得なかった理由などをできるだけ細かく説明してまいりました。 また、希望すれば自主退職でもよいということ、また、臨時講師としての採用希望も尊重するということなどを丁寧に説明をいたしました。 今後、自主退職に関する本人の意向を確認の上、今月五日をめどとして、教育委員会において採用取り消しを決定することといたしております。 また、二〇〇八年度のみ、これは公平性に欠けるのではないかというご指摘でありますけれども、二十九日に発表した際にも会見で申し上げましたけれども、私どもは、可能な限りさかのぼって調査をプロジェクトチームでいたしました。その中でデータが解析をされまして、調査が事実上できたのが十八年度実施分、十九年度実施分の二カ年でありまして、その中で十分精査をいたしました結果、二〇〇八年度、十九年度実施の分について取り消し得るに足りる、不正によって合格したということが確認できる、そういうところまで信憑性が極めて高い、このように判断をして、十九年度実施分についてのみ取り消すことといたしました。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 それじゃ、もう少し具体的に聞きますけれども、今回の事件が発生してから、事件の解明、そしてまた、教育委員会のいろんな方針、また、防止策も含めて、みんな一生懸命頑張っているわけでございますけれども、解明に当たって、まず、答案用紙が、保存期間十年間、それさえ残っておれば、そういう不明瞭な過程がなく、本当に公平に処分ができることがまず一番でございます。その答案用紙が、十年間保存どころか、半年ぐらいで廃棄されたわけでございますけれども、それが、本日、議会に来たら、幾らかそういう文書もあったわけですけれども、一般県民にとっては非常に不明確、そしてまた、どういう過程で、十年間保存しなければいけないのが、単なる偶然で本当になくなるものか、県民は疑問を感じているんじゃないか。それによって、今回、不正採用者で取り消される人は、本当にかわいそうに、人生が狂うわけですから、納得ができる形で解決してもらいたい。 そういうのを含めて、まず、答案用紙のそういう過程、それに対するどういうふうなお考えを持っているか、お聞きいたしたいと思います。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 答案用紙につきましては保存規定が定められておりましたから、これを廃棄したということは、これに違反したわけであります。そのために、その廃棄につきましても、処分に当たって量定の中で考慮いたしております。 廃棄の経緯につきましては、報告書の中にも記載がされております。ことし三月に教育委員会の六階の執務室を全面的に改装いたしました。そして、改装後に北側、南側が移動いたしました。その際に誤って不要物と一緒に廃棄したということがこの報告書の中にも記載されております。したがいまして、その廃棄について悪意は確認できなかった、このように報告があります。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 それでは、答案用紙がそんなに簡単になくなるとは思いませんけれども、ちょっと先に進めます。 去る七月十六日、不正な方法により採用されたことが確認できた者については採用を取り消すと、教育行政の抜本的な改革について決定いたしております。まさに教育委員会の襟を正すためにも厳格に実施すべきだと思っております。 その点でちょっとお聞きしたいのは、今回の処分が二〇〇八年度のみで行われて、ほかの年度にはまたがってない、そして、この決定が不正な方法により採用されたことが確認できた者、これが年度で判定するとは書いてない、恐らく個人個人、一人一人だと解釈できるわけです、それを年度で一くくりにして処分を決めた、そこらあたりの経緯が本当に正しいのかどうかも含めて、本当にそういう決定に対する深みがあるのか、そういうものも含めてお聞きしたいと思います。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 私どもプロジェクトチームの中で、不正によって合格したのか、あるいは不正によって不合格となったのか、こういうことを調査するに当たりましては、これは、試験は年度区分で集計、入力をされます。当然でございますが、その信憑性があるかないかということですので、若干、検証の流れを申しますと、私ども、警察の方からパソコンのもとといいますか、それを入手いたしまして、それを専門家によりまして復元作業に入りました。その復元作業によりまして、各年度ごとにどこまでデータとして見ることができるような資料となっているかどうか、これを見ますと、十九年実施分と十八年実施分のみがようやくデータとして復元されました。それ以前のデータにつきましては、断片はあるものの、データとして復元ができませんでした。それで、十八年実施分と十九年実施分について検証をしていくことになります。 十九年度と十八年実施分の大きな違いは、まずは、入力、あるいは点数操作の実行者が、十八年度は一名であります、十九年度実施分は二名であります。指示をする者、入力をする者というふうに分かれております。そして、まず十九年度分を見てみますと、ファイルを詳細に検証いたしますと、ファイルを更新している日時、作業日時の実績がすべて一致いたしております。それから、どの改ざんのデータにも欄外に素点というものが記載されております。この素点というのは、実行者の証言によりますと、もとの点数であるということでありますが、どの改ざんデータにも欄外に記載されているのが、素点がすべて一致いたしております。すべて同一の素点であります。したがいまして、担当者二人の証言が一致をいたしまして、素点は、点数の改ざんにかかわらず、変更されていないことがつかめました。 これに対しまして、十八年度実施分は、ファイルの更新日時、作業日程の実績がかなり矛盾が生じております。それから、一貫して変わっていない、いわゆる素点というものが不存在であります。それから、担当者一人の供述であるということ。 こういうことを総合的に判断をいたしまして、十九年度実施分は信憑性は極めて高いというふうに判断をいたしました。十八年度分は、これに対しまして、元データの確実な特定ができたとまでは言いがたい、確認できるだけの信憑性が得られなかったと判断をいたしました。 これに先立ちまして、顧問弁護士につきましても、立ち会いのもとで作業を進めてまいりました。また、このファイルの検証につきましては、プロジェクトチームの顧問でありますPTAの方にも当然参画していただいておりますし、また、教育委員会の中で担当の委員さんを一名決めまして、この作業にも参画をしていただいております。 このように客観的に信憑性が極めて高いと判断されたものが十九年度実施分だけでありました。そういうことで、私どもが不正な方法によって合格が確認できたということを判断いたしまして、二十九日に発表いたしたわけであります。 以上であります。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 データの問題、また、信憑性の問題を言われるわけですけれども、教育委員会は、いろんな再発防止策を発表しながらやっているわけですけれども、一番まず危惧するのが、これが、運が悪いということだけで片づけられて、一年だけというのは運が悪かった、今後また、こういう不祥事の起こる可能性が一番高い決断でございます。やっぱり、こういう身を切るとき、自分自身を切るときには、みんなにある程度、公平性、また、透明性が本当に求められる。 例えば、けさもらった書類によりますと、十九年度の試験で特別試験合格者は採用するという言葉があります。データの信憑性がないにもかかわらず、十九年度特別試験合格者は採用する。どういうふうにしてそこらあたりを見分けるのか。そこらあたりがどうしても、なかなか、データの信憑性がないのに特別試験をするというのが、私、理解がしにくい。信憑性がない中でそれをやるのか、信憑性があるからそれをやるのか、そこあたりも含めて答弁をお願いいたします。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 本来、議員おっしゃるとおり、取り消しと救済は裏腹だと思います。しかし、私ども、十八年度実施分を考えたときに、取り消すという確認ができるまでの信憑性は得られなかった、十八年度実施分、これについては取り消すと確認できるだけの信憑性が得られなかった。しかしながら、救済ということになりますと、そこまで信憑性が高くなくても、ある程度のところまで信憑性が高ければ、それは救済をしてあげるべきではないか。ただ、無条件でというわけには、そのかわりいかない。やはり、一定の試験を実施して、そして一定の基準をクリアすれば救済してあげるのがいいんではないかというふうに判断をいたしました。 以上であります。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 大体意味はわかったんですけれども、一〇〇%の信憑性が十八年度はないということで、そのかわり、特別試験合格者については採用する、そういう結論でございますけれども、一番、決断として、先ほどから言いますけれども、二〇〇八年度の不正採用者の採用取り消し、その人たちにとっては納得ができない、自分たちの年度だけ採用取り消しとなるという、これが人間の心情じゃないかと私は思っております。 そういうことを踏まえながら、今後、本当に公平性、透明性を求められているわけですから、そういうものをクリアできるような対策を練っていただきたいと思います。 次に、採用方法についてでございます。 資源のない日本が世界の中で生き抜いていくためには、教育水準を引き上げ、また、精神的、体力的にもすばらしい人材を輩出しなければなりません。 教育委員会は、選考には、男性教員の確保、地域バランスの必要性を言っている、私もその点については大変重要だと考えております。 一方、それが公平性の確保に欠けるという問題が生じます。その問題をどのような方法で実施するのかをお伺いいたしたいわけでございますけれども、男性教員の確保、地域バランスの必要性、非常に抽象的でございます。それと公平性、透明性という問題が生じるわけで、今回の不祥事も、まさにそういうすき間を突いたことから始まったのも一因じゃないかというふうに考えております。 昔と時代が変わって、非常にそういう公平性、透明性が求められるわけですから、行政もそれに対する対応力、それに対応できる試験制度を導入していただきたい。 そこらあたりに、個人で自由にできる裁量をなるべく減らせというのが今の世論の風潮ですけれども、行政もその中に非常にそういうものを加味しながら公平性、透明性を求めざるを得なくなっている、そういう点について今後どうやっていくのか、見解をお伺いいたしたいと思います。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。
    ◎小矢文則教育長 試験制度の公平性、透明性ということをどうやって確保していくのかというご質問かと思います。 議員おっしゃいましたけれども、男性教員とか地域バランスとかいうのは、これは報告書の中に書いてありますけれども、過去そういうことでやっていた時期があるということを報告書に書いてあるわけでありまして、現在、私ども、そういう観点から試験を実施しているわけではありません。 今回、この事件が発覚した六月十五日以降、ことしの第一次試験まで一カ月ということでありましたが、透明性、公平性を確保するために試験制度を抜本的に見直しまして、県の人事委員会及び県の全面的な支援を受けまして、人事委員会との共同実施ということで、全国的にもまれな制度を導入することができました。これによりまして、今回の事件の原因となります採点入力集計作業、ここのところをすべて第三者機関である県の人事委員会の方にゆだねることにいたしました。そして、無事に七月十九、二十日に第一次試験の実施を終わったわけであります。 もちろん、これですべていいというわけではありません。ことし、人物重視ということで、二次試験で面接を一回から二回にふやそうとしております。今月に実施されますが、今回の実施を踏まえて、さらに検証、改善を加えて、そして本当に大分県の求める教師像が確保できるように、試験の内容について工夫、改善を加えてまいりたいと思います。そして、透明性、公平性を確保していきたいと思っています。 以上であります。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 今、人事委員会という言葉が出ましたので、突然ですけれども、人事委員会の局長にお伺いしたいと思うんですけれども、仕事も教育委員会のことまでふえていろいろ大変だと思いますけれども、大分県がこれだけ大変な事態に陥っているわけですから、人事委員会として、今、そういう対策を練って実行しているわけですけれども、これが今だけに終わらなくて、大分県がこれから先ずっとこういう事件が起こらなくて、公平性、透明性、また、説明責任も行えるような制度をどのような形で考えているのか。突然の指名で大変だと思いますけれども、ご答弁いただければ。よろしくお願いいたします。 ○近藤和義副議長 江藤人事委員会事務局長。 ◎江藤敏博人事委員会事務局長 私ども人事委員会といたしまして、ことしの教員の選考試験につきまして、県民の方の不信を払う、あるいは受験生の不安を払拭するということで共同実施をいたしました。 この体制につきましては、今年度に限らず、来年度以降も、この試験制度がちゃんとしっかり方向づけができるまで、私どもとしては協力をしていきたいと思っております。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 それでは、次に移らせていただきます。 次は、教員人事についてお伺いいたします。 公正で透明性の高い人事管理。 今回の教員不正採用は贈収賄事件にまで発展した結果として明らかになりましたが、教育委員会組織の内部に潜むさまざまな圧力、介入により、これまでにも同様のことが行われてきたと思っております。そのことは、当然、教員人事にも当てはまるのではないかと思えてなりません。 そこで、まずお聞きいたしますが、教員人事に対する圧力、介入が行われたことはあったのかなかったのか、お伺いいたします。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 教員人事につきましては、このたびの調査報告書で、校長・教頭採用候補者選考試験におきまして、一部の地域の団体から候補者推薦リストが市町村教育委員会や教育事務所に持参されたことが明らかにされています。 なお、圧力、介入ということには確認がされておりません。 今後、このようなことがないように、県民の信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。 以上であります。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 今、ちょっと具体性がなかったんですけれども、例えば、一番大きな圧力団体と申しますか、組合、校長会、市町村教育委員会、そういうところからそういう推薦とか口ききと言われるもの、そういうものが、どの団体があって、どの団体がなかったのか、そこあたりをはっきりとお答えいただきたい。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 報告書の中で、市町村教育委員会や教育事務所に対して、校長会、教頭会、教職員組合の各支部役員等が候補者推薦リストを持参する状況が明らかになった、このように報告がありました。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 ちょっと、今びっくりしたんですけれども、たまたま組合とか校長会とか市町村教育委員会かなと思って例に出して言ったら、全部の団体からあった。これが本当に今からなくなっていくのか。人事不介入の原則、まさに透明性に欠けるわけですけれども、今後、本当にこれがなくせるのかと思う。 たまたま僕がお聞きした全部の団体からある。これが、今後、本当に、人事管理が、今の教育委員会の改革でできるのかと今唖然としたわけですけれども、唖然としているだけじゃなくて、やり遂げないといけないわけですから、教育長も大変だと僕は思いながら、だけれども、やらないといけない。そういう、これ、本当に厳しい中で教育行政をやらないといけないわけですけれども、そこあたり、これを機会にどうか正していただきたい。そういう覚悟も含めて、答弁をお願いいたします。 ○近藤和義副議長 小矢教育長。 ◎小矢文則教育長 お答えします。 人事異動に関しましては、いろんな、多くの、複数の、そしてまた、多面的な情報というのが必要だと思います。そういう意味では、そういう情報収集、これが非常に大事だと思っていますが、圧力、介入、こうしたことが行われることのないように、信頼回復に向けて必ず取り組んでまいります。 以上であります。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 それでは、教育委員会の件をひとまず置きまして、次の審議会等についてお伺いいたします。 県は、執行機関の附属機関として審議会等を置くことができると地方自治法に規定されているわけでございますけれども、知事部局だけを見ても、ことしの三月現在で五十四の附属機関があります。また、附属機関に準ずるものも五十七あります。合わせて百十一あります。 私は余りにも多いのじゃないかと感じているわけですが、そもそも審議会は設置目的を明確にしているので、その目的が達成されれば廃止されるべきものである。この点についてどうお考えか。また、審議会等がしっかりと機能しているかどうかについてお聞かせください。よろしくお願いします。 ○近藤和義副議長 二日市総務部長。 ◎二日市具正総務部長 審議会等についてのご答弁を申し上げます。 県民中心の県政の推進に当たりましては、さまざまなご意見に耳を傾け、外の風を県政に持ち込むことが何よりも大切でございます。一方で、そのための手段である審議会等が必要以上に設置をされ、行政の責任をあいまいにしたり、あるいは審議の形骸化を招くようなことがあってはならないと思っております。 そこで、行財政改革の一環といたしまして、平成十七年二月に「審議会等の設置及び運営に関する基本指針」を策定いたしまして、これに沿った形で、必要性の薄れたものの廃止、あるいは設置目的等が類似しているものの統合、それから新規設置についても抑制を図っていく、そういったことに取り組んでまいりました。 この結果、指針策定時に百五十二あった審議会のうち、約三分の一に当たる五十の審議会の削減を実現したところでございます。現時点では、法令で設置を義務づけられたものを中心にいたしまして、県の重点課題の推進のために必要最小限のもののみ設置をいたしておりまして、高い機能があっているというふうに考えております。 また、例えば、ごみゼロおおいた作戦県民会議におきましては、委員からご提案があったご意見が新たな条例の制定、あるいはキャンドルナイトなどの取り組みにつながっておりまして、また、行財政改革推進委員会におきましても、さきの四月の会合でコスモス荘の民営化のご意見をいただきまして、検討を重ね、本議会に施設の廃止を提案しているところでございます。 今後とも、先生おっしゃるように、審議会が形骸化することがないように、また、実のあるもの、機能的なものになるように努力をしてまいりたいと思っております。 以上であります。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 総務部長、必要不可欠なものが今残っている、そういうことですけれども、何でこの審議会のことを言うかといえば、行政改革、その中で、職員の削減が相当数、五百名ぐらいやられているのかな、職員の削減が。それで、職員の皆さんが非常に忙しいというか、気ぜわしいというか、時間に余裕がない。その中で、行政が審議会の委員会に書類をつくったり、時間調整をしたり、そういうことをするから職員の時間がなくなって、行政をやる上で、決断する上で非常に物事の深みがなくなっている、味わいがなくなっている。物事を決めるときに、時間がある中でゆっくりと考えながら決断するのが正しい決断が生まれるんじゃないかと思っています。それを、淡白に、ちょっと薄い部分で決断して、決まったからそういう方向性で行こう、行政が今そういうふうになっているんじゃないか。 それをやめて、行政が本当に正しい判断が下せるためには、職員一人一人にもう少し時間的ゆとり、そして深く考えて、県民が本当に幸せになるような方向の決断を下せる、そういう方向性の行政、それをするためには、この審議会の数を本当にゼロに等しいほどして、そして行政が、一人一人が本当に深く考えた中から決断をしていって行政をやるのが、ある程度、今の時代、全く浅はかとは言いませんけれども、そういう薄い議論の中で決めたものからは生まれ出るものは少ないんじゃないか、そういうような感想を持っているから、この審議会の問題を取り上げました。そこらあたりについてご答弁をいただきたいと思います。 ○近藤和義副議長 二日市総務部長。 ◎二日市具正総務部長 ご答弁を申し上げます。 審議会等を極力減らす形で職員の業務を減らし、余裕ある判断ができるようにしたらどうかというようなご意見でございますけれども、確かに行革を進めていく上におきまして、業務を確実に見直していく、その中で適正な判断を下していくことが何よりも大事だというふうには思っております。 しかしながら、審議会等については、やはり法設置のものもございますし、外のいろいろのご意見を承る中で県の適正な方向づけができる、いわゆる機能している審議会もあるわけでございまして、先生の今ご指摘も踏まえまして基本指針もつくっておりますし、絶えずいろんな角度から見直しを含めて行政の実を上げてまいりたいというふうに思っておりますので、ご理解を賜りたいと思います。 以上でございます。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 それでは、次のテーマである特別職の期末手当についてお聞きしたいと思います。 県の行政改革はいろんな成果を上げてきました。その一方で、取り組みの不十分な点もあります。官尊民卑、まさにその感のある、それを残している公務員の給与等の見直しであります。これをしなければ、行革による痛みを受けた、受けている県民の理解は得られない。 私が疑問に思っているのは、特別職の期末手当であります。 昨年、当選後、我々議員に初めて支給された夏季の期末手当は、在任期間に応じたもの、四十万余りでございました。他方、私たちが当選した後にこの議会で承認いたしました副知事、就任してから一カ月足らずで、夏季の期末手当は二百万ぐらいの満額が支給されております。私は、この実態に矛盾を感じております。まさに官尊民卑の代表例だと思っております。なぜこのような制度がまかり通るのか、見直すべきではないかと思っております。ご答弁をお願いします。 ○近藤和義副議長 二日市総務部長。 ◎二日市具正総務部長 特別職の期末手当についてのお尋ねでございます。 本県の給与制度につきましては、これは他県でも同じでございますけれども、国に準じた制度となっております。特別職の期末手当につきましても、国と同様の取り扱いになってございます。 議員ご指摘の期末手当に係る、特に在職期間の取り扱いの問題が影響してきていると思っておりますが、在職期間につきましては、手当の支給の基準日である六月一日、あるいは十二月一日時点におきまして、本県の特別職として在職した期間を原則としております。しかしながら、国や他の地方公共団体から引き続いて本県の特別職に就職し、かつ、当該人事交流につきまして退職前の国等の団体と本県との相互理解に基づいて交流が行われる場合につきましては、退職前の団体での在職期間、これを特別職の在職期間に通算するという取り扱いになってございます。 この制度は、在職期間を団体間で通算することによりまして、期末手当に関して不利益を解消し、国、県、市町村等との人事交流を円滑に行うことを目的として設けられたものでございます。ご理解いただきたいと思います。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 今、総務部長さんの説明はわかるんですけれども、特別職の給与等に関する条例第七条、公務員だけに許された制度、それで、今、私が申しました特別職の期末手当が出ます。普通の民間人だったり、市会議員だったりした人には一切つきません。どうして公務員だけがそういうふうになっているのか。これ、まさに、こういうのを残しているから自民党も選挙で負けるんだというふうな気がいたしておりますけれども、広瀬知事にお伺いいたしたいと思います。 広瀬知事は、通商産業省を長年勤め上げて、次官までなったわけでございまして、まさに官僚の一番筆頭にあったわけですけれども、その官僚から脱皮して大分県知事になったわけでございます。今度は、政治家広瀬勝貞として、この官尊民卑の代表例の特別職の給与手当、これをどのように、政治家広瀬勝貞としての見解をお伺いいたしたいと思います。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 国にとっても地方にとっても、その発展を図っていくためには、できるだけ有為な人材を活用していくということが大事だと思っております。官尊民卑とか、そういう話ではなくて、むしろ、いい人がいればどこからでも来てもらう、来やすい体制をつくっておくということが大事なんじゃないか、こう思っているところでございます。 したがって、もちろん大分県から東京の国の役所に勉強に行っている、あるいは仕事に行っているという人たちも、期末手当がかかりますと、ちょうどそのときにはやはり同じような期末手当の交付を継続していただいているというようなことでございまして、これ、お互いさまのやりとりではないかというふうに思っております。特におかしい官尊民卑な制度だとは思っておりません。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 知事の言い分もわかるんですけれども、有為な人材がお金をやらないと来ないのか、官僚だけにお金をやって、ほかの民間人がなった場合はやらない、そういう感覚じゃないんじゃないか、今の日本は。それが官僚制度をいろんな意味で批判の対象、これを私は、もう答弁は要りませんけれども、政治家広瀬勝貞知事にお願いいたしたいと思って--あっ、答弁していただけますか。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 決して官尊民卑でないと申し上げたのは、国の役所で働いた人がちょうど期末手当をもらう直前に大分県に来て働くことになった、そのときに、国の方で期末手当を、そこまでの分、働いた分をもらってくるのか、こっちで通算して出すのか、それはお互いさまに整理をしておけばいい。民間の方でも、もちろんそういうことで、何かつながなきゃいかぬというふうなことがあればつないだらいいというふうに思いますし、そうでなければ、民間の方も、何もお金をもらってないというわけではなくて、仕事をした分はちゃんといただくという制度になっているんじゃないか、こう思います。 これは、たまたま去年そういうことがあったからということかもしれませんけれども、問題の整理は、官尊民卑の整理では決してない、こう思っております。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 知事が答弁したから、もう一回また聞かないといけなくなったんですけれども、正直な話、例えば、特別職になる場合に給料が随分アップしているわけです。そのアップしている分を勘案したら、とんでもない額になるわけです。これが、民間人がそういうのになった場合、一つもない。アップ分を計算しなくて支給するなら、一応の理屈はあるんです。それをアップして、わざわざ出す。そういう感覚が私にはわからない、こう思っているわけでございます。 これ、もういつまでたっても終わらないから、感覚の違いで終わらせたいと思うんですけれども、いいですか、知事さん。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 感覚の違いでもないと思いますけれども、ただし、末宗議員がおっしゃるような、要するに官尊民卑みたいなことがあってはいけないということについては全くそのとおりだと思いますので、これからも十分に気をつけてまいります。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 それでは、次に進ませていただきます。 行財政改革プランの成果についてお伺いいたします。 この行革プランを実施することによる痛み、いわゆる県民サービスの低下と財政的な効果、いわゆる歳出削減額、歳入増加額を比較して、真に行財政改革をなし得ているのかと疑問に思っております。 このプランは、平成十六年度から五カ年計画で、今年度が最終年度となっております。 その成果としては、十九年現在で、歳出削減額は百二十九億円上回る、歳入確保額も百二十五億円上回る、財政調整用基金は三百七十六億円残る見込みとなって、数値的にはある程度成功しつつあると受けとめられております。 その中で疑問に思っている、プランの中の二つの項目についてお伺いいたします。 一つは、保健所の再編についてでございます。 今回の統廃合で宇佐、玖珠、竹田、日出の四保健所がなくなり、私の地元、宇佐保健所も北部保健所に統合されましたが、保健所の統合は、県民のサービスという観点では、かなり大きなサービスの低下を招いているのじゃないかと危惧しております。 私は、保健所の存在意義としては、まず、何かあったときにとっさの対応ができること、それから、保健所が身近にあること自体が県民への安心感を与えていると考えております。そういうことから、保健所が統合されたことによる、県民の安心感も含めた県民サービスへの影響と統合による歳出削減を比較してどのように評価しているかをお伺いいたします。 ○近藤和義副議長 阿南福祉保健部長。 ◎阿南仁福祉保健部長 お答えをいたします。 今回の保健所の再編の目的は四点ございました。 まず第一点としまして、限られた人材の集中配置によりまして、食育や虐待予防などの新たな行政課題に対応したより高度で専門的なサービスを提供すること、それから二点目は、広域調整機能の充実をしようとすること、それから三点目は、新型インフルエンザや大規模災害などに対する健康危機管理体制の充実といったことでありまして、これにあわせて行財政改革にも資するというものでございました。 再編によりまして保健所あるいは保健支所が廃止されました日出、竹田、玖珠、宇佐の四つの地域につきましては、パブリックコメント等を通じて県民の皆さんのご意見をお聞きしながら、地域の方々に不安が生じないように、食品衛生相談所の設置や出張サービスの実施など、職員が積極的に出向き、サービスの維持に努めているところでございます。 例えば、宇佐地域では、旧宇佐保健福祉部庁舎内に専用相談室を設けておりますが、ここにおきまして、食品衛生相談だとか、特定疾患などの医療費公費負担の更新の手続だとか、あるいは健康に関する総合相談などを実施しておりまして、七月末までに、延べ九十八日、千五十一人が利用しております。 さらに、健康危機管理の面におきましても、各保健所では、感染症、あるいは食品被害などに関する緊急の電話相談等につきまして、今年度から、県民や事業者等からの相談に対しても、二十四時間、三百六十五日対応する体制を整えております。 今回の再編効果は、保健所機能の強化や県民サービスの維持向上への取り組みなど、単に歳出削減額にとどまらず、総合的に評価されるべきものと考えております。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 答弁は長くて、質問したことには答えてなかったんですけれども、歳出削減を比較してとか、そういうふうにお聞きしているわけです。 そしたら、保健所の改革、これはどのくらいの行政改革の予定であったか、数字でお願いいたします。 ○近藤和義副議長 阿南福祉保健部長。 ◎阿南仁福祉保健部長 行政改革上の効果としましては、まず定数削減につきましては、保健所の所長や支所長、課長などの管理監督者のポストを中心に二十三名の定数削減となりました。 また、経費の面では、こうした定数削減に伴う人件費の減、あるいは庁舎管理等の物件費の減、これを合わせまして単年度で約一億円程度の歳出削減効果があっております。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 一億円近くということでございますけれども、まさに一億円ぐらいかと思います。一年間に行政改革で二百五十億やっております。その中の一億、それで一番主な保健所が四つもなくなったわけでございますけれども、それを評価するかどうかはいろんな考え方があります。しかしながら、保健所をなくすときに私たちに説明をいただいた金額の計画と数字に差があります。そのときは二億九千万だとおっしゃっております。その数字が、二億九千万がいつの間にか一億以下になっている。これで行政改革は万々歳だと、今、答弁があるわけでございますけれども、県民の犠牲の大きさに比べて、そんなに浮かれた気分でこの行政改革やられちゃ困るわけでございます。そこらあたりの数字、二億九千万の当初の計画と一億円弱の差についてお聞きいたします。 ○近藤和義副議長 阿南福祉保健部長。 ◎阿南仁福祉保健部長 大変申しわけありません。二億九千万という数字は、ちょっと私も記憶がないんでございますが。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 それは、試案だったときに、自民党の控え室に来て、私が質問したときに二億九千万と説明をいたしました。私の記憶違いだとあなたはおっしゃりたいんだろうけれども、万が一そういうこともあるかもわかりませんけれども、この中に行政改革の担当者、いるんかな、数字がわかる人は。保健所の統廃合で数字が出ているのは。もしあったら、ご答弁をお願いしたいんですけれども。 ○近藤和義副議長 阿南福祉保健部長。 ◎阿南仁福祉保健部長 それでは、先生、大変申しわけございません。二億九千万という数字につきましては、後ほどまたご説明をさせていただきたいと思います。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 それでは、ちょっと知事さんにお伺いいたしたいんですけれども、保健所の問題も含めてですけれども、行政改革、いろんな痛みがあります。これこそ、行政の中、県民の中、みんな痛みを受けるわけでございますけれども、知事自身にとっては行政改革の痛みというのはどういうものだったのかというのを、ことしが五年間の最後ですので、そういう感想を知事にお聞きいたしたいと思います。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 末宗議員には大変難しいご質問をいただきますけれども、この五年間の行財政改革、皆さんのお力をいただきながら進めてきたわけでございますけれども、やはり一番心が痛むのは行財政改革によって政策を選択と集中でとにかく絞っていかなきゃいかぬ。何でも県民のおっしゃるとおりにやりますと言うわけにはいかない。それから、もちろん組織も、今、保健所のお話がございましたけれども、いろんな意味で統廃合を進めていかなきゃいかぬ。そういうときにも、もちろん、県民サービスの低下を招くんではないかというようなことでご議論があるわけでございまして、やっぱり県民サービスの低下がないように、いかに行財政改革をやっていくかというところが一つの悩みでございます。 もう一つは、これは私も県庁の責任者ということで、県庁職員の福利厚生も図らなきゃいけないんですけれども、そこのところについて、やはり政策的、制度的に県民の皆さんに犠牲をお願いする以上は、県庁職員の職務条件についても、いろいろ見直し、低下を甘受してもらわなきゃいかぬというふうなところがあるわけで、そういう面が一番つらいところではないかというふうに思っております。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 それでは、時間も少なくなりましたので、ちょっとばたばたいきます。 まず、県有財産の売却。 やっぱり売却して歳入増を図るということで、五十八億円程度売却したようでございます。売却すれば財産はなくなってしまうわけでございますけれども、そのかわり歳入がふえる。非常に意味はあるわけでございますけれども、売却する以外に、もっと利活用できる方策があったのではないか。 これから、第一に売却を考えて進めていくのか。それか、県は、県有財産利活用基本方針を策定して、県有財産の利活用をどのように図っていくのか、お伺いしたいと思っております。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大変大事なご指摘だと思います。 これまで、行財政改革プランに基づきまして土地等の売却を進めてきたわけでございます。二十年八月末現在では約六十六億円の歳入確保になっているわけでございます。 ただ、その売却を進めるだけでいいかどうかということについての問題提起、私もそのとおりだと思っておりまして、いろんな財産の利活用を進めていくことが大事なんじゃないか。 例えば、春日浦野球場跡地につきましては、長期の借地権を設定いたしまして、複合商業施設として利用してもらうとか、あるいは、振興局の再編に伴いまして中津下毛振興局の空き庁舎ができました。これにつきましては、西日本高速道路株式会社に使ってもらっているとかいうようなこともあります。 また、行政財産の貸し付け範囲が拡大できるように昨年度に県有財産条例を改正いたしまして、ことしの九月から旧宇佐保健所の空きスペースを宇佐市の健康増進や介護保険などの執務室として貸与するというようなこともやっているところでございます。 こういったことに加えまして、貴重な県有財産を時代の変化に応じた多様な有効活用を推進していくという観点に立って、ことしの三月でございますけれども、基本方針を策定したところでございます。そこでは、民間の力を生かした政策的利活用だとか、あるいはコスト感覚を持った効率的で戦略的な利活用だとか、あるいは財産価値の保全と向上という三つを柱としておりまして、これからそういう方針に従いまして多様な利活用を図っていかなければならないというふうに考えているところであります。 ○近藤和義副議長 末宗秀雄君。 ◆末宗秀雄議員 いよいよなくなりましたけれども、県有財産の中で、今の時代、ファシリティーマネジメントと言って、県有財産の利活用をする場合にそういう方法がありますけれども、今まさに日本が置かれている地球温暖化、それと石油高騰によるエネルギー政策の転換、そういうのが日本は求められているわけでございますけれども、一つは、県有地の余り使わないところを利用して太陽光発電をやったらどうか。これが、通産省におられた知事の経験を生かして、まさにうってつけじゃないかと思っております。そこらあたりを含めて。 それから、最後の五番の地域経済の活性化については次回に質問いたしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 ○近藤和義副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 行政経営にとりまして、最適な状態で財産を保存し、また、使用する、ファシリティーマネジメント、議員ご指摘のお言葉がありましたけれども、その手法を使っていくというのは大変大事なことだと思います。 利活用に当たって、これをより県民のため、効率的に使っていくという観点から、ぜひいろいろと勉強させていただきたいと思っております。その場合に、太陽光発電みたいなものに活用するということについても、大きなヒントとして承ったところでございます。よく勉強させていただきます。 ○近藤和義副議長 ちょっと末宗議員にお聞きします。 先ほどの二億九千万円の件でございますけれども、これは、あす時間を設定して答弁を求めますか。どういうふうにしますか。個人的な説明でよろしいですか。--それじゃ、個人的な説明をさせていただきます。 以上で末宗秀雄君の質問及び答弁は終わりました。 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○近藤和義副議長 ご異議なしと認めます。 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。  ------------------------------- ○近藤和義副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。  ------------------------------- ○近藤和義副議長 本日は、これをもって散会いたします。     午後三時五十五分 散会...