平成57年 6月
定例会┌──────────────────┐│ 第 六 号(六月十六日) │└──────────────────┘ 昭 和 五十七年
熊本県議会六月
定例会会議録 第六号――
―――――――――――――――――――――――――昭和五十七年六月十六日(水曜日) ――
―――――――――――――――――― 議事日程 第六号 昭和五十七年六月十六日(水曜日)午前十時開議 第一
一般質問(議案に対する質疑並びに県の
一般事務について) 第二
常任委員会に付託(第一号から第十八号まで) 第三
委員会に付託(請願、陳情) 第四 休会の議決 ――
――――――――――――――――――本日の会議に付した事件
知事提出議案第十九号から第二十二号まで 日程第一
一般質問(議案に対する質疑並びに県の
一般事務について) 日程第二
常任委員会に付託(第一号から第十八号まで) 日程第三
委員会に付託(請願、陳情) 日程第四 休会の議決 ――
―――――○―――――――出席議員(五十四名) 西 岡 勝 成 君 深 水 吉 彦 君 阿曽田 清 君 橋 本 太 郎 君 松 家 博 君 岩 下 榮 一 君 下 川 亨 君 林 田 幸 治 君 三 角 保 之 君 岩 永 米 人 君 児 玉 文 雄 君 山 本 秀 久 君 古 本 太 士 君 渡 辺 知 博 君 八 浪 知 行 君 杉 森 猛 夫 君 鏡 昭 二 君 高 田 昭二郎 君 柴 田 徳 義 君 広 瀬 博 美 君 浜 崎 三 鶴 君 古 閑 一 夫 君 魚 住 汎 英 君 馬 場 三 則 君 木 村 健 一 君 平 川 和 人 君 北 里 達之助 君 金 子 康 男 君 荒 木 斉 君 井 上 栄 次 君 竹 島 勇 君 今 井 洸 君 米 原 賢 士 君 古 閑 三 博 君 井ノ上 龍 生 君 永 田 悦 雄 君 宮 元 玄次郎 君 甲 斐 孝 行 君 八 木 繁 尚 君 幸 山 繁 信 君 池 田 定 行 君 小 材 学 君 岩 崎 六 郎 君 沼 川 洋 一 君 水 田 伸 三 君 杉 村 国 夫 君 今 村 来 君 浦 田 勝 君 小 谷 久爾夫 君 橋 本 盈 雄 君 増 田 英 夫 君 倉 重 末 喜 君 中 村 晋 君 酒 井 善 為 君
欠席議員(なし
) ――――――――――――――――――――説明のため出席した者 知事 沢 田 一 精 君 副知事 藤 本 伸 哉 君 出納長 松 下 勝 君
総務部長 原 田 富 夫 君
企画開発部長 岡 田 康 彦 君
福祉生活部長 山 下 寅 男 君
衛生部長 清 田 幸 雄 君
公害部長 山 内 新 君
商工観光労働 部長 八 浪 道 雄 君
農政部長 坂 本 清 登 君
林務水産部長 大 塚 由 成 君
土木部長 梅 野 倫 之 君
有明地域開発 局長 伴 正 善 君
公営企業管理者 松 永 徹 君
教育委員会 委員長 本 田 不二郎 君
教育長 外 村 次 郎 君
警察本部長 廣 谷 干 城 君
人事委員会 事務局長 下 林 政 寅 君
監査委員 緒 方 隆 雄 君 ――
――――――――――――――――――事務局職員出席者 事務局長 川 上 和 彦
事務局次長 衛 藤 成一郎
議事課長 小 池 敏 之
議事課長補佐 辻 璋 主幹 山 下 勝 朗 参事 光 永 恭 子 ――
―――――○――――――― 午前十時二十三分開議
○議長(幸山繁信君) これより本日の会議を開きます。 ――
―――――○――――――― 知事提出議案第十九号から第二十二号まで
○議長(幸山繁信君) まずお諮りいたします。 本日、
知事提出議案第十九号から第二十二号までが議席に配付のとおり提出されましたので、この際これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幸山繁信君) 御異議なしと認めます。よって、
知事提出議案第十九号から第二十二号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。
知事提出議案第十九号から第二十二号までを一括して議題といたします。 ――
―――――――――――――――――― 第十九号
熊本県知事等の給与及び旅費に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第二十号
熊本県議会議員に対する報酬等に関する条例の一部を改正する条例の測定について 第二十一号 熊本県報酬及び
費用弁償条例の一都を改正する条例の制定について 第二十二号 熊本県
公営企業管理者の給与及び旅費に関する条例の一部を改正する条例の制定について ――
――――――――――――――――――
○議長(幸山繁信君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案に対する
提出者の説明は、これを省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幸山繁信君) 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らうことに決定いたしました。 ――
―――――○―――――――
△日程第一
一般質問
○議長(幸山繁信君) 次に日程に従いまして、日程第一、昨日に引き続き
一般質問を行います。阿
曽田清君。 〔阿
曽田清君登壇〕(拍手)
◆(阿
曽田清君) おはようございます。自由民主党の阿
曽田清でございます。六月
定例県議会最後の
一般質問の機会を与えてくださいました先輩並びに
同僚議員に心から感謝を申し上げます。 さて、早いもので当選以来三年があっという間に過ぎ去った感じがいたします。やっと議員としての感覚と県政諸問題の広がりを認識するとともに、責任の重大さを改めてかみしめるものであります。残された十カ月余りの任期を、持てる力のすべてをささげ、県民の
福祉向上に全力を傾注する所存であります。諸先生並びに知事初め執行部の方々の一層の御指導、御鞭撻をお願い申し上げ、通告に従い質問を行わせていただきます。 真の
農業県熊本の確立のために、
本県農政の
基本方針を具体的にお伺いいたします。 わが県は、
農業県熊本と一般によく言われますが、それは一体何を指してそう言うのでありましょうか。真に
農業県熊本の確立とは何か、その視点に立って以下論を進めるものであります。私は、率直に考え、
農業県としての素質や実績を踏まえ、将来にわたり
農業県として発展の力を秘めた熊本と理解し、またそれを信じ、私の終生の願望として微力ではありますが努力していきたいと考えているものであります。
農政部が取りまとめた資料によりますと、昭和五十五年度において熊本県が全国に占める地位は、農家一戸
当たり農業所得第二位、
生産農業所得第五位、農業粗
生産額第七位であります。
人的要素については、
中核農家数第四位、
農業専従者数第六位、さらに
耕地面積においては第十位となっております。
耕地面積の大きい府県は
関東以北でありまして、
西日本においては第一位であります。また、
主要農産物の
生産量についてみますと、
イグサ、
スイカ、
露路メロン、甘
夏ミカンの全国第一位を初め、たばこ、肉用牛の第四位、その他
ミカン、クリ、トマト、茶、乳用牛、豚、繭など十位内にランクされております。 このような輝かしい実績は、長い間のたゆまざる
農業者の
自主的努力と、行政、
農業団体などの活動の結晶で、私たちはその先輩の方々に敬服をし感謝しなければなりません。また、このような
全国有数の
農業県として発展してきた要因を考えてみますと、まず第一に、
西日本で最も広い十五万ヘクタールにも及ぶ耕地――その耕地も
地域性の変化に富み、また田畑の配分が適当であったという地の利を得ているということであります。第二に、そのような耕地の中に、すぐれた多くの
中核農家が育ったことであります。第三に、
社会経済の変化を先取りし、
県民性にぴったりの
イグサ、
露地メロン、
スイカ、甘
夏ミカン、畜産などを
戦略作目として、
選択的規模拡大と
技術革新を行ったことなどが考えられるのであります。 しかし、さらに
統計資料を掘り下げてみていきますと、熊本県の農業にも大きな欠点があります。その一つは、各作目の
単位面積当たり生産量が意外に
他府県に比べ低いということであります。
スイカ、
メロン、甘
夏ミカンなど、さすが十アール
当たり生産量も日本一の貫禄を示しておりますが、他の作目は、九州で中位、全国的には本県より高い
生産県が数多く見られます。次に第二点は、
耕地面積に比べ
主要作目として生産されている作目の幅が小さく、また選択されている作目を見てみますと、
集約管理型の作目より
粗放管理型の作目が多いようであります。熊本県の農業の体質に、ただいま私が述べました二つの弱点があるとすれば、ここに
農業県熊本の展開の方向の一つがあるのではないかと考えるものであります。 諸外国からの
農産物の
輸入自由化や
輸入量拡大の要請が高まる中で、
わが国農業の
基本的課題は
経営規模の拡大でありますが、それはきわめて困難な問題であり、また限界があります。したがって、日本の農業、また本県の農業にとって、
単位面積当たり生産量の増大、すなわち
土地生産性の増大はきわめて重要な課題であります。しかし、最近、
主要作目の米を初め、
ミカン、牛乳、豚肉などが
恒常的過剰基調にあるため
生産調整策がとられていますが、
生産調整策が
生産抑制策となっているのではないかと心配でなりません。
農業者の
生きがいは、少しでも多くとりたいという素朴な生産の喜びを求めて営々と努力するところに農業の発展があります。米にしても、さらに
単位面積当たりの増大を図り、
余剰水田も
他作目に譲り、過剰と不足の
跛行的生産構造を改善することこそ本来的な
生産調整であります。また将来、米が外国からの
輸入外圧に耐え、麦や大豆の轍を踏まないためにも、米の
反収増は重要な課題であり、また国内的に県が
産地間競争に勝ち抜くには、かつての肥後米の有利性はなく、
反収増こそ重要な戦略だと思います。 次に、
本県主要作目の
多様性及び性格の問題でありますが、
気象条件に恵まれた
西日本一の
耕地面積を持ち、また
地域性の変化に富んでおりますので、適地適産の特性を生かした
産地形成を図っていけば、もう少し作目の
多様化が図れるのではないかと思いますが、
他府県に比べ余り多くなく、
作目選択の幅が小さいようであります。甘
夏ミカン、
プリンスメロンが開発され、新しい
戦略作目として登場してからすでに相当の年月を経過しておりますが、この辺で時代のニーズを先取りした
新作目のエースの出現が期待されます。また、作目の性格から見ますと、
集約管理型より
粗放管理型の作目が多く見られます。この選択については、いろいろの要因があり、その優劣はつけがたいのでありますが、本県の
技術段階がこのような選択としてあらわれているのではないかと憂慮するわけであります。 ただいま県は、農政の柱に、
高品質、低
コストの二本柱の
スローガンを掲げ努力されていますが、さらに一本柱を増し、
高品質、高収量、低
コストの三本柱としたら
農業者に一段とアピールするのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
農業者に潜在するしたたかな活力を引き出し、生気あふれる農業の展開は、
農業者が生産の喜びを
生きがいとするところから生まれます。
高品質、高収量の追求こそ
農業者の永遠の夢であり、その追求の中から農業に潜在する活力が引き出され、活性ある農業が展開されるのではないでしょうか。 以上、私は、
農業県熊本という視点から
本県農業の実態を概観し、私の見解を申し述べてまいりましたが、これについて
農政部長の見解をお願いします。 なお、私がただいま述べました
本県農業の優位性を、さらに進展させ、また弱点の強化こそ今後の農政の方向であろうと思いますが、それはまた
農業者の資質の向上や
県農業技術レベル向上を図ることでもあります。 このように考えてきますと、県は、すでに昭和四十八年に
農業中核者養成対策委員会並びに
農業試験研究機関整備調査委員会を設置し、さらに翌年、
農業教育試験研究機関整備に関する
専門委員会が設置され、そして四十九年の
専門委員会では、「
近代的農業と
農業試験研究の
一体的推進を図ることは
本県農業にとっては焦眉の急である」と答申が出されています。この答申に基づき、昭和五十一年に
県立農業大学校の創立を見、
農業県熊本にふさわしい
西日本一の学園は、きわめて恵まれた環境の中で
農業後継者が養成されつつあることは心強い限りであります。 しかし、
農業試験研究機関整備については、
委員会答申以来七年余を経過していますが、私の
勉強不足のためか情報が得られません。
試験研究機関の中核ともなるべき
農業試験場は、昭和三十三年、県が
赤字再建団体のさなか、県民の熱望により、
農業者のわら一把運動や
県下市町村農業団体のとうとい寄金等によって現在地に移転改築されたと聞き及んでおりますが、四半世紀を経過した今日では、
市街地化の進展によって
試験研究環境としては不適な場所のように感ぜられます。また、木造の建物は老朽化し、恐らく九州はもとより全国的にも最もお粗末な
歴史的施設ではないかと推察いたし、これでは
農業県熊本として憂慮にたえないところであります。
県農業技術レベル向上の
推進機関である
試験研究機関、特に
中核機関ともなるべき
農業試験場の整備について知事の所信をお伺いいたします。 次に、
干拓地における
排水対策についてお伺いいたします。 本県は、わが国で
干拓地帯の最も多い県であります。本県の
水田面積は八万五千ヘクタール、その二二%に当たる大きな土地が干拓によって造成されたものであります。現在の
海岸線一帯の
入植農家の発展を見るとき、祖先の偉業に対し最大の敬意を表しますとともに、未来永劫豊かな
田園地帯となす努力がわれわれの使命でもあろうかと存じます。 御存じのとおり、本県の歴史では、「
肥後国誌」に、文永四年、現在川尻町の大慈禅寺の寒厳和尚が潮受け堤防を築き五十五町歩開発されたのが文献上初めてで、その後、
加藤清正以来、昭和五十年完成の
横島干拓まで約一万八千三百五十六・一二ヘクタールが造成されているのであります。 昨今では、米の過剰を基調に
農産物の
抑制政策がとられ、
干拓造成がストップしている状態であります。いま本県での
干拓発達のスピードは、牧隆泰氏の調査によれば、
本県沿岸においては一カ
年平均十五メートルから二十メートルの割合で干がたが発生、
横島付近では
年平均十二メートル、
不知火干拓付近では
年平均二十三メートルぐらいの干がたがふえており、つまり百年に一回は干拓をしなければ、
背後地よりも海の底が高くなってしまい、排水不良となってしまう結果となっているのであります。 そこで、現在本県としては、他県に
先駆けトップを切って
湛水防除事業に着手し、その成果を上げているところでありますが、流れ出る水すべてを、農家がその
維持管理費すべてを負担しなければならないということは余り酷ではないかと思うわけであります。なぜなら、流れ出る水、つまり排水は、
集中豪雨あるいは
背後地の日常の
生活排水であります。 一方、新たな
干拓事業が行われますと、旧堤より水も
自然流出ができるのでありますが、国家の政策では
干拓事業がストップされた現状のままであるとすれば、未来永劫、降った雨水は
湛水防除事業を行った
農業者で負担し続けなければならない結果となります。
湛水防除事業に積極的に取り組んだ青年が言うには、「
干拓事業は認められず、仕方なく
湛水防除事業に踏み切った。ところが、直接事業に取り組んだ者同士が、機械の操作から導水路の作業、
維持管理費まで負担しなければならない。年に十アール
当たり一万円にもなるし、年々負担はふえる一方。
干拓事業で
自然流水ができるようにしてもらうか、あるいは災害時や
生活排水分は公費で負担してもらうのが筋だと思うのですが」と厳しい口調で訴えられました。他県にはまだ例はないと思いますが、本県独自の制度を設け、
干拓地農業の発展等を考えていただきたいと存じます。
農政部長より答弁をいただき、後再登壇いたします。 〔
知事沢田一精君登壇〕
◎知事(
沢田一精君) 私に御指名がありましたのは、
農業県として、今後戦略的な農業、農政を確立するために
農業試験場の整備についてどう考えておるかというお尋ねであったと思います。 結論的に申し上げますと、いま御質問の中にお述べになりましたように、すでに
学識経験者によります答申をいただいて相当の日時もたつわけでございます。次の大きな課題といたしましては、お話がありましたように、早急に
移転整備を図る必要があると考えておるところでございまして、今後その機能を十分果たすようにする必要がございますので、庁内に具体的な
プロジェクトチームを設置いたしまして、まず
基本計画を策定し、
県議会の意向等も十分拝聴しながら具体化の方向で努力をしてまいりたいと考えております。従来の
農業試験場、それなりに熊本県の農政の発展のために非常に大きな
役割りを果たしてきた、また果たしつつあるとこう思うわけであります。 ただ、ここで考えなければならぬと思いますことは、やはり農業も時代の要請にこたえまして、各専門の
試験研究機関がそれぞれ独立したかっこうで研究をするということだけではいかない時代になってきた。
複合農業と申しますか、
地域複合化への方向に進んでおると、こう考えるわけであります。したがいまして、県下に散在しております
農業関係の各
試験場の有機的な連携をどう今後図っていくかということが一つの大きな課題であろうと思います。もう一つは、私が申し上げるまでもございませんが、現在、国、地方を通じて重要な課題になっております
行革がらみでの機構のできるだけの簡素化あるいは効率化というものを図る必要がある。そういう二点を特に背景といたしまして、いま申し上げますように具体的な
プロジェクトチームを設置いたしまして基本的な検討に入ってまいりたいと考えております。 〔
農政部長坂本清登君登壇〕
◎
農政部長(
坂本清登君) 農政問題についてお答えしたいと思います。 ただいまお述べになりましたとおり、本県の農業は、恵まれた
立地条件と
農業者や
関係者のたゆまぬ努力が相まって近年飛躍的に発展し、
わが国有数の
食糧供給基地として重要な
役割りを果たしていると思っております。しかしながら、最近、このような発展を支えてきました
農産物の旺盛な需要や価格の伸びが停滞するなど農業を取り巻く情勢が大きく変化していることから、今後これまでのように順調な発展を期待することは非常に困難な状況にあるのではないかと考えております。 このような状況のもとで、
本県農業を継続的に発展させますためには、
消費者が求める品質のよい
農産物をできるだけ安い
コストで供給を図ることが今後の農政の基本であると考えております。昭和五十五年以来、市町村、
農業団体と一体となりまして、
農産物の
品質向上、
コスト低下運動を推進しているところでございます。 ところで、需要が頭打ちになっております甘
夏ミカンや、
スイカ、
メロンなどにかわる次の
戦略品目を開発すべきではないかというような御指摘がございましたけれども、御承知のとおり最近
消費者の嗜好が
多様化しまして、少
品目大量生産の時代から、多品目少量生産の時代に移行しておりますので、今後は、需要の動向に即し、地域の条件を生かした作目をきめ細かく開発することが重要な課題となってきておると存じております。このため、
試験研究機関におきましても、野菜や柑橘などの新しい品目、品種の開発に着手しているところでありますが、今後さらにその開発を急ぐとともに、現地においては地域に密着した
振興作目の発掘、育成に努めるなど、新しい品目、品種の開発に努めてまいりたいと考えております。 なお、御質問の中で高収量問題についてお触れになりました。県が推進いたしております
品質向上と
コスト低下の
スローガンの中に、高収量をねらえ、これを織り込んだらどうかというような御提言があった次第でございますが、
単位当たりの収量を高めるということは、
コスト低下の中で、特に
土地利用型の作目につきましては、
作目ごとの
目標数量を具体的に設定しまして高収量をねらっているところでありますので、
品質向上、
コスト低下という
スローガンのもとで、その趣旨の徹底をさらに図ってまいりたいと考えております。 次に、
干拓地の
排水対策についてお答えいたします。 お話のように、有明・不知火、
八代海沿岸一万八千ヘクタールは、
自然条件とすぐれた
立地条件を基礎といたしまして、干拓によって造成された県下でも主要な
農業生産地帯であり、
本県水田面積の約二二%を占めております。これらの地域では、
背後地の諸開発による
排出量の
増大並びに干がたの上昇に伴う
排水樋門の
能力低下等によりまして一般的に
排水条件が悪化しつつあることはお説のとおりでございます。 県といたしましては、
湛水防除事業が昭和三十七年度に制度化されますとともに
県営事業として積極的に取り上げ、五十六年度までに二十九地区を採択し、逐次工事を進め、
完了地区につきましてはすでに効用が開始されているところでございます。 御質問の
湛水防除事業完了後の
維持管理につきましてでございますが、国の制度では、
土地改良法の定めで、設備された施設の
維持管理につきましては受益者負担が原則であり、補助の制度がないのが現状でございます。しかしながら、上流部における他動的要因による排水量の増大や、
生活排水まで農家負担とすることは無理があるとの御指摘につきましては、確かに理解できる面もありますので、県といたしましては、全国関係県と歩調を合わせ、
維持管理助成制度の創設を国にも強く要請し、これが実現できますよう努力をしてまいりたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。 〔阿
曽田清君登壇〕
◆(阿
曽田清君) 「農は国の基なり」と言われます。農業が確立してこそ他の産業も真の発展があると思います。知事の答弁では、庁内に
プロジェクトチームを設けて対策を講ずるとの積極的な姿勢を示していただき、まことにありがたく存じます。先進地農業が一層築かれるものでありましょう。また、
農政部長よりの答弁では、名実ともに
農業県熊本と言われる素地ができるものと思います。パーフェクトまであと一歩、強力なる実行を期待いたします。
湛水防除事業につきましては、早速国への陳情あるいは調査に入るというようなことでございますので、一日も早く制度化できますよう一層の努力方をお願い申し上げます。 次に、教育問題についてお尋ねいたします。 熊大校庭の記念碑に、夏目金之助の言葉として、「教育は建国の基礎にして子弟の和熟は育英の大本なり」という言葉がございます。教育の重要性は言うまでもありません。最近、教育上思わしくないいろいろな問題が増発しておりますことは諸先生も御承知のとおりであります。やる気のある先生が欲しいとは、よくPTAから聞く言葉であります。 最近の児童生徒の落ちこぼれや、非行、校内暴力が特に目立ち始めたこの数年、非行、暴力は激化の一途をたどっております。総理府が昨年まとめた青少年白書によると、昭和五十五年の刑法犯少年の補導は十五万九千二百四十人と戦後最高を記録、また校内暴力も前年比二九%増の千五百五十八件と急増しております。また県警の調査でも、昨年一年間の少年非行の件数をまとめた結果では、刑法を犯した犯罪少年二千二百六十八人、不良行為の非行少年二万八千九百六十八人が検挙、補導されており、いずれも戦後最高であります。年齢的にも十四歳から十六歳のミドルティーンに集中しております。 一方、昭和四十九年の人材確保法成立で教員の待遇が改善されたことから、教師志願者は年々増加してきましたが、半面、採用者にはペーパーテストに強い受験エリートも目立つようになってまいりました。こうしたエリート教師が一般的に苦手とするのが、落ちこぼれ、非行に走る児童生徒の扱いであります。このため、中央教育審議会が昭和五十三年に「教員の資質能力の向上について」の答申で、充実した指導力や児童生徒との心の触れ合いを持てる教員の採用方法を検討すべきとするなど、子供と熱心に取り組むことができる教師の採用が大きな課題としてクローズアップしてまいりました。 やる気のある教師確保のため、京都市では教員採用試験でのクラブ活動歴重視を打ち出し、大きな反響を呼んでおりますし、兵庫県では面接に比重を置いた採用方法がとられております。本県ではどのような考えを持っておられるか、教育
委員長にまずお伺いいたします。 さらにまた、昨年、公立中学校の校長で組織する全日本中学校長会が校内暴力問題について調査した結果、暴力行為の動機や原因については、「差別視した」「進学者だけに目を向ける」「気持ちを理解してくれない」など、教師の人間的資質や指導への不満がトップを占め、反面、被害を受けた教師は、「毅然たる態度に欠け、技量の点でも問題がある」として指摘されております。対応策としては、「教職員が一致団結、事態に対処する」また「教職員の愛情と厳しい指導」をと強調されておりますが、校内への警察官導入については、半数近くが肯定、三分の二弱が暴力生徒の施設送致やむなしという報告が出されておりました。何という報告でしょう。教師の人間的資質や指導力の欠如が大きな原因を起こし、教師のまとまりのないことが防止策にならず、その結果、教師として非行生徒を指導するのが使命であるのに、警官導入も肯定するようなことでは真の正常化は遠いと考えざるを得ないわけであります。 四月二十三日、熊本市立西山中学校で起きた校内暴力は、ついに熊本でも起こったかと県下の教育
関係者を初め大きなショックを受けたのであります。しかし一方、起こっても不思議ではない事件とさえ言わざるを得ない事件でありました。教諭を呼び出し、長さ八十センチ、四・二センチ角材でめった打ちにし、同教諭は肋骨を折るなどの一カ月の大けがを受けるという事件でありました。この事件の原因は、他県の校内暴力事件と共通しており、偏差値による輪切りに象徴される厳しい受験体制の中での慢性的な欲求不満、そこに学校規則による圧力が加わって起こったものであります。相手となるのは、校内の規則係である生徒指導担当教師が暴力の対象に選ばれ、しかも体育科の教師であることが多いようであります。特に教師間のまとまりのないところに発生しているようでもあります。 この事件を初め、マスコミによる報道は、ほんの氷山の一角としか思われません。子供を学校に通わせる保護者はもちろんのこと、県民全体がこのような事態を深く憂慮していると思います。県教委並びに行政当局は、このような事態をどのように認識し、受けとめ、改善について努力しておられるか、お伺いいたします。 次に、人材養成を目指す教育研修のあり方についてであります。 最近、校舎その他施設設備は急速に改善され、教育の場として適切になったが、肝心の教師の育成は果たして万全でありましょうか。真に教育愛に燃え、師道に徹した教師であって初めて教育は成立し、生徒は健全に育成されると思います。そこで、一番大事なのは教師の資質の向上ではないかと思います。 新規採用教員研修が今年より二泊三日の期間で青年の家で行われまして、きわめて好評でありました。大学教育に期待できない現状では、採用後三カ年ぐらいの中で思い切った研修を実施されてみてはどうかということであります。大学の教育養成期間の教育実習は余りにも短か過ぎるということであります。教師は、きわめて実践的な職業であります。知識や技能を教え、子供を扱うということは、かなり技術的なもので、この力は実習で伸ばしていくほかになく、いかに知識があっても現場では役に立たないのでは意味がありません。このことは医師と全く同じであります。したがって、極端に言えば、教師の育成では実習こそがすべてであります。 この実習期間が日本で他国と比較すると短か過ぎると思います。小学校教員の場合は一カ月、中学校教員の場合はわずか二週間であります。外国の小学校の場合、イギリスで十五週間であります。フランスで三カ月、ドイツで十週間であり、この長さだけでも各先進国が教育実習をいかに重視しているかがわかります。少なくとも先進国並みの教育実習が必要と思いますが、二ないし四週間の経験のみで、いきなり教鞭をとるということは、余りにも大胆なやり方としか思えません。教員に採用した場合、少なくとも半年ないし一年は見習い生として取り扱い、この間はベテラン教師が一緒に教室にいて、インターン生の教育の仕方、方法などを十分に観察し、指導し、助言などを行う見習い制度を考えてみてはどうでしょうか。企業や官公庁の新入者が、上司や先輩から観察され、実務上の指導や助言を受けながら一人前に成長していくのと同じような仕組みを、教師の養成においても導入すべきではないでしょうか。生徒のためにも教師自身のためにもいいことではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。スタート時が一番大切だと思いますので、長期休業時を利用して徹底した研修の機会を与えてほしいと思います。 全教師を対象に行われている六年目研修では、まとまりと真剣さに欠けるということも聞きます。なぜなのか、調査、検討されたことがありますか。中堅教師の育成、つまり採用後の六年目研修だけでなく、十年目にもいま一度ハードな研修が必要であると考えます。教育の予算がふえることになりますが、名実ともに教育県熊本と言われるためには、思い切った予算の裏づけも必要になると思います。今後の計画を含め
教育長の前向きの答弁を期待いたします。 次に、教師の将来に希望を持たせる施策として、報奨制度の導入を行ったらどうかと考えるものであります。 教師の世界は、一部から「愚者の楽園」と呼ばれています。どういうことかと聞けば、一たん教師になれば後はほとんど勉強しなくてもよい。反面、どんなに努力しても、一定の期間あるいは年齢に達しなければ、昇給もしなければ管理職にも登用されない、いわば年功序列によって昇給していくからと言う。二十年も経験を積んだベテラン教師と、昨日入ったばかりの新採教師が身分的に平等だということは、一見民主的で好ましいと思われるのでありますが、実際には多くの不都合があるようであります。たとえば新米教師は経験が少ないのに傲慢になるし、ベテラン教師の方は経験が評価されないので不満を高めるといった傾向が見られます。実力ある経験者が、それなりに処遇され尊敬されるということがなければ職場の秩序は保たれないと考えるものであります。 そこで、ベテラン教師に対して、校長、教頭、主任のような学校内部の管理的な面を代表させるポストを用意するだけでは不十分であり――もちろんポストを与えることも大事でありますが――教育技術のような、教師の本来発揮すべき能力に応じた報奨制度を工夫する必要があると考えますが、いかがなものでしょうか。 これは、たとえばすぐれた教師に対しては、それを表彰するなり給料の面でしかるべく考慮するといったシステムであります。もちろん実行段階では、評価の方法などについて多くの困難な問題がありましょうが、最初からこの解決をあきらめていたのでは話になりません。教師間では暗黙のうちに相互の評価がなされておると聞いております。ある先生が言われるのに「どこの学校の先生も皆いい先生である。しかし、いいという中身がそれぞれ違う。どの学校でも、三分の一は、いない方がいい先生、あとの三分の一は、いてもいなくてもいい先生、残りの三分の一が大変いい先生である」と。むかずしいと言われる教師の評価が、実際には相互の間で行われているという現実であります。質の評価は、それほどむずかしいことではないと思います。教師自身に評価させ得る方法もありましょう。すぐれた教育を行うためには、こうした評価の制度と、これを通した報奨制度に思い切って取り組んでみてはどうでしょうか。 もちろん異論もありましょう。教師は報奨目当てにやるものではないという議論も出てくるでありましょう。事実、主任制が問題になったときにも議論されていました。しかし、これはむしろ人間性を無視した意見であると思います。すぐれた教育を行う経験を積んだ教師を評価し、これに見合う報奨を与えるのは当然のことであります。 以前、県
教育委員会主催で毎年開催されております県教育課題研究会で、十数年前には、発表された先生に対して表彰状が出されていたそうであります。当時表彰を受けた先生が、そのことが非常に自分の励みになったし、私を変えたと言っておられました。いまではなくなっていることを残念がっておられました。いい事例は残していくことも大切ではないでしょうか。報奨の有無にかかわらず熱意を持って教育に取り組むことは大切でありますが、このような制度が、さらにすぐれた教育を推進することに役立てばそれにこしたことはないと思うのであります。真に教育のために努力する者には、それに値する報奨を、また反面、教職員としての行為に恥じる者には必罰を、現場の教師は皆それを望んでいると思います。
教育長の前向きの答弁をお願いいたし、再登壇いたします。 〔
教育委員会委員長本田不二郎君登壇〕
◎
教育委員会委員長(本田不二郎君) 教師の採用についてお答えいたします。 お説のとおり、理想に燃え使命感旺盛な、いわゆるやる気のある教師を採用いたしますことは、今後の本県教育の振興にきわめて大きな影響を及ぼすものと考えておりますので、
教育委員会でもその点には特に腐心しておるところでございます。 少しばかり具体的に申し上げますと、本県におきましても、できるだけりっぱな人材を確保するために、知識面のほかに面接、作文等を課しまして、ただいま御指摘のペーパーテストの欠陥を補ってきております。さらに、本年度からは特に、いままで二次考査で行っておりました適性検査を一次で行うことにいたしました。また、クラブ活動等への参加状況を、これまでより一層明確に把握できますように、志願書の様式を本年から改めたところでございます。 今後とも、その他いろいろ工夫をこらしまして、また研究も重ねまして、本当にやる気のある教師が採用できますように万全の努力を傾けてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 〔
教育長外村次郎君登壇〕
◎
教育長(外村次郎君) 校内暴力等に対する対応策について、まず第一点お答え申し上げます。以下、続けて御答弁申し上げます。 まず第一点の件につきまして、いま御指摘がございましたような事件が発生いたしましたことはまことに遺憾に思うところでございます。事件後は、直ちに全県下の小中学校に対しまして「校内暴力の防止について」通知いたしまして、改めて指導体制の確立、学校内外における生徒の実態把握と具体的対策の樹立、教師と生徒との人間関係の緊密化と教育相談の充実、保護者や関係機関との連携の強化等について指導いたしましたところでございます。また、昭和五十六年当初から県警本部の非常な御協力をいただきまして、防犯少年課とも定期的な連絡会を持ちまして、緊密な情報交換によりまして特に事件の未然防止に努めておるところでございます。今回の事件を厳しく受けとめまして、さらに心を新たにいたしまして取り組んでまいりたいと考えております。 校内暴力事件の原因や背景には、本人や家庭や社会、学校それぞれに要因があることが多いわけでございまして、決して単純ではございません。しかしながら、教師といたしましては、日ごろから漏れなく生徒との人間関係を深め、指導を周密にいたしまして、また事前にその原因となるようなものを把握し、その除去に努めるとともに、全職員が一体となって生徒指導に当たる体制を確立することが大切と考えております。 これまでも、教職員のこの面の研修や、あるいは実際に起こりました個々の事件とその指導等を収録いたしました「生徒指導実践事例集」などを刊行、配布いたしまして、また校長会の折あるいは学校訪問等を通じて指導を行ってまいりましたが、御意見を踏まえ、さらに施策全般にわたりまして再点検をいたしまして不祥事の防止に努力してまいる所存でございます。 第二点の教師の資質向上についてでございます。 教職員の資質向上のための研修は、これまでも新規採用教員研修あるいは六年目教職経験者研修、校長、教頭等管理職の研修、その他もろもろの各種研修を実施いたしておりまして、その充実を図っておるところでございます。 特に本年は、先ほどお触れいただきましたように、知識で終わらず、心で感じ体で覚える研修ということを目指しまして、新規採用教員の研修が二十日間ございますが、このうちの一部分を特に、発令の四月一日から直ちに、辞令交付式を含めまして二泊三日の体験的合宿研修を青年の家を用いて実施したわけでございます。もう少し日数が欲しかったわけでございますけれども、非常に好ましい結果を得たと思っております。今後、こういった成果を踏まえまして、新規採用教員の研修はもとより、六年目の教職経験者研修につきましても改善を図ってまいりたいと考えております。 なお、今後、各種研修につきましては体系的に整備充実を図りまして、各教師が教職の全期間を通じて必要な研修に参加することができるよう努めてまいりたい。また、教師みずからの研修、さらには先輩教師の日常指導を含む校内研修の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、新規採用教員は六カ月間の条件つき任用でございますが、この期間中の指導につきましても一層配慮いたしまして有為な教員の育成を図ってまいりたいと考えております。 さらに、お触れになりました教育実習期間の再検討あるいはインターン制度の導入等につきましては、
教育長協議会等におきましてもその必要性を考えておるところでございますが、ただ教育職員免許法の改正や教員養成制度の見直し等にもかかわることでございまして、文部省にいろいろ要望いたしておるところでございます。文部省でも現在研究を進めておりますが、本県
教育委員会といたしましては、その早期改善についてさらに要望をいたしますとともに、可能な方途につきましては、教職員研修機会の拡充の面で検討を進めてまいりたいと考えております。 最後に、報奨制度の導入でございます。 この報奨制度につきましては、本県教育の刷新向上のためにはきわめてごもっともであり、また私ども必要なことであるというふうに御提案を受けとめております。現在は、じみちな研究実践や人格識見及び指導運営能力等のすぐれた者の管理職等への登用、あるいは適材適所の配置、各種研修会への派遣等を実施はいたしております。しかしながら、なお新たな発想が必要であるというふうに考えております。 しかしながら、教育活動に関します研究実践に顕著な功績があった者に対する報奨ということにつきましては、現在、県職員との均衡、また他県の状況などとの関連もございまして慎重な検討を必要といたしております。現在研究に取り組んでおりますが、現時点ではまだ結論を得るには至っておりません。しかしながら、今後、御提言の趣旨に沿いまして、諸施策を含めて何とか方策はないものか真剣に検討を進めてまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。 〔阿
曽田清君登壇〕
◆(阿
曽田清君) 前向きの答弁まことにありがとうございました。アリストテレスの「国家の運命は青年の教育にかかって存する」という名言があります。持てる自分の力をすべて教育にささげる情熱的な教師がたくさん育ち、活気に満ちた学園が築かれることをこいねがい、教育県熊本として名実ともに高い評価を受けることができますよう一段の努力をお願いいたしまして、次の質問に入らせていただきます。 次に、有明海自動車航送船事業について質問をいたします。 増税なき行政改革、第二臨調の方針に対し、政府との意見が食い違いを見せる中、財政問題にすべてが集まっていますが、行革の本当の目的は、ただ単に財政のつじつまを合わせるということでなく、日本国の国の歩みを変えることだとするなら、いよいよその大問題は国民的課題として取り組むことになるわけで、いよいよこれからが本番であると言えましょう。したがって、行革こそ何はともあれ国民とともに考えるということが必要不可欠の大前提になると思うのであります。 そこで、本県としても、藤本副知事を座長に県行政改革推進
委員会が設けられ、その作業が進められ、行政改革の
基本方針と具体案が本議会で明らかにされてきたところでありますが、企業局所管の公営企業に対しても将来の方向が追い追い示されると思いますが、直接本県独自の事業ではないが、長崎県と本県とで運営されている有明海自動車航送船事業について、行革推進に
当たりその将来の考え方をお聞きしたいと存じます。 有明海自動車航送船事業については、本県と長崎県との事務組合でありますことは御承知のとおりであります。国内経済が低成長を続けており、航送船事業も低迷を続けている中にもかかわらず、順調な利用客増、収入増を上げていることは、従業員、役職員の経営努力もさることながら、この航路が経済ルート及び生活ルートとして、あるいは観光ルートとして完全に定着したことによるものでありましょう。たとえば乗船客数は、昭和五十三年約百八十五万六千人、昭和五十四年約百九十六万三千人、昭和五十五年二百三万六千人と、それぞれ年々五ないし六%の伸びであります。 一方、有明海に走る定期航送船数は七線もあり、ともに苦しい経営を強いられていると聞いております。特に赤字経営となっておりますのは、有明海自動車航送船ともろに競合いたしております九州商船フェリー島原―三角間であります。九州商船フェリーの乗船客数は、昭和五十三年約百七万人、昭和五十四年百一万八千人、昭和五十五年は百万台を割りまして九十九万六千人となり、逆に年々五%の減少を見ており、結果として、今年の四月一日より九州商船としては経営合理化策がとられるに至りました。つまり、三角港における管理事務を天草商船が肩がわりをし、従来の従業員も天草商船へ身分移管が行われました。港
関係者はもちろん住民もさびしい思いをいたした次第であります。 その原因はいろいろありますが、双方を比較してみますと、フェリー料金も九州商船の方が二倍も高く、また航路往復回数は半分しかなく、所要時間も一時間に対し四十五分と約十五分も遅いことが直接の原因であろうと存じます。もちろん、航送船フェリーに関連する道路網によって、たとえば九州縦貫高速道路の整備にもよるし、この差がすべての要因とは言えませんが、利用客の選択の要因になっておるようであります。したがって有明海自動車航送船が民間の経営を圧迫しているのは事実であります。 そこで、有明海を走るフェリー七線について、有明海の足を守るという観点から、それぞれ安定確立に乗客サービスに努めるための七線の連絡協議会を設けて協調していくシステムを講じる必要があるのではないかと思います。もちろん、利用客の増加対策として、観光振興対策による観光客の誘致や、関連道路の整備、また港湾使用料の低減化など行政的措置を必要とするものや、乗客サービスや経営の合理化による料金改定等を図る必要があることは言うまでもありません。 また、副知事を会長とした行政改革
委員会が県行革を進めておられますので、りっぱに一本立ちをした有明海自動車航送船については公営企業として十分なる使命を果たしたと思いますので、安定したときだけに、長崎、熊本の交通機関を中心とした第三セクターに経営移管を行ったらどうかと考えますが、いかがなものでしょうか。長崎県側のこともありますので一概には申し上げにくいでしょうが、本県としての基本的な将来の考え方をお聞かせ願えれば幸いであります。 次に、昭和五十四年の国際児童年にちなんで県単独事業として実施されている少年の船について質問をいたします。 県内に在住する小中学生を対象に、船内学習や沖縄現地での少年との交換会、南部戦跡参観などを体験させ、規律ある集団生活を通じて、その楽しさ厳しさを学ばせ、お互いの友情を深めるとともに、少年団体の組織の強化とリーダーの育成を図る目的を持って実施されておりますが、この事業ほど県下の小中学生の父兄から喜ばれている事業は他にないと思います。今年で四回目に
当たりますが、応募者数も第一回目四千九百九十二名、第二回目四千四百五十二名、第三回目四千二百十七名、今年は約四千五百名の応募があっており、定員四百五十名でありますので競争率も十倍から十一倍ときわめて高く、過去三回応募したが全部抽せんにはずれてしまっている人がたくさんいると聞いております。「今回当たらないともう行けなくなります。どがんかでけんもんでしょうか。子供がせがむもんですから」と父兄から相談があるくらいです。 私も第三回少年の船に事務局員として乗船いたしました。六百名の子供が、夏の暑い中、一つ一つの行事に真剣に参加し、しかも集団生活のルールを守り、現地での交換会ではたくさんの友人ができ、また戦争の悲劇を、健児の塔、ひめゆりの塔、火の国の塔をそれぞれ参拝する中で感じ取っていたようでした。六百名の子供の一番の印象は、友達ができたこと、戦争は起こしてはならない、海が、自然がとてもきれいだったなどが多かったが、全団員とも乗船できてうれしかった、よかったという子供ばかりでした。昨年は国際障害者年であり、障害児童生徒二十名が乗船されたが、何の隔たりもなく、まさに一体となり、すべての行動に参加されて、お互いが助け合う場面が数々見られ、これこそ完全参加と平等だと思いました。四泊五日の旅を終え解団式がありましたが、班長との別れ、友達との別れはつらかったでしょう。涙を流し、抱き合ったり手を握っている姿を見て、この少年の船の所期の目的を果たし大成功したことを本当にうれしく思いました。私は、これこそ生きた教育だ。先生として、兄、姉としてのお世話をされた班長さんは大変だが、子供が興味を持ち、参加をし、感激する子供の一生のいい思い出となったと確信した次第であります。 乗船を希望しても乗れない人が毎年約四千から四千五百人もおります。したがって、応募してもどうせ当たらないからとあきらめている子供もおります。これほど意義ある事業の予算にたったの一千八百万です。全額負担してでもという父兄の声も聞きました。そこで、春休みを利用し、小中学校の生徒会、児童会のリーダーを主として乗船させるとか、各市町村から四、五名ずつ選抜して乗船させるかして、春の少年の船を新たに考えてみられてはどうでしょうか。事務的に無理があるとすれば、外郭団体の青少年県民会議等に委託して実施されてみてはとも考えますが、いかがなものでしょうか。
福祉生活部長にお伺いいたします。 知事並びに
福祉生活部長の答弁をいただきまして再登壇いたします。 〔
知事沢田一精君登壇〕
◎知事(沢田一清君) 有明海自動車航送船事業の今後の問題についてお尋ねがございました。 先般、三角議員の御質問にもお答えしましたように、九州の中心に位置する熊本市でございます。これからは九州全体を統括するような中枢管理都市として熊本の将来に期待をしておるということを申し上げましたが、その際、やはりほぼ二時間ぐらいで熊本市から全九州の主要な都市に行ける、こういう交通体系を確立することが一つの要件だと思います。 長崎、熊本を結ぶ最短のルートといたしまして、この有明海自動車航送船事業が三十三年から就航をいたしておるわけでございまして、それなりに大きな意義があると考えております。飛行機の便もまだ長崎―熊本ございません。やはり長崎市と熊本市を結ぶ最短のコースとして、この航送船の持っております意義はいろいろな意味で非常に大きいと、こう言わざるを得ないわけでございます。 経済社会情勢はいろいろと変化してまいりましたが、両県の努力によりまして、いま御質問の中でお述べになりましたように、順調にこの事業は推移してまいりまして、安定した経営状況の中で現在その使命を十二分に果たしておると考えておるわけであります。いま直ちに行政改革だからといって、この航送船事業をどうするということを必ずしも考えておるわけではございません。しかし、いつまでも両県の公営企業としてやっていくべきものであるかどうかということにつきましては、確かに検討を要する大事な課題であろうと、こう考えるわけであります。幸い赤字ではなく黒字を出しておる間に、ひとつ今後の行き方を考えるということも必要だろうとこう思います。しかし、だからといって第三セクターにいま仕事を引き継ぎまして、すぐに料金が上がったり、あるいは赤字になったり、そういう状態になれば、これはいま前提で申し上げました重要な公共輸送機関としての地域の住民の要望にこたえることはできないわけでございます。その辺が大変むずかしい検討課題であろうとこう考えます。 繰り返して申し上げるようでございますが、これは本県だけの考え方で済むものではございません。長崎県の意向も十分聞かなければなりませんし、また当議会から参加をしていただいております航送船組合議会というのが別にあるわけでございまして、十分いろいろな角度から検討をいただいておるわけでございますので、それらにつきましても十分ひとつ御意見を拝聴いたしまして、今後のあり方については研究をさせていただきたいと思うわけであります。 なお、それまでの間、御提案がありましたように、この海域には七路線の業者が就航をしておるんで、できるだけ民業を圧迫せぬように、お互いに連携をしてやってくれと、協議会でもつくってそれに参加をしたらどうかという御提言でございますが、それはもう結構なことでございます。できるだけ相ともに地域社会の要望にこたえられるようなかっこうでフェリーの事業が円滑に進められることを期待いたしております。 それと、何と申しましても、御質問の中にお述べになりましたように、やはり背景というものをよく整備をしていかなきゃならぬ。観光的にあるいは産業的に活力を持たせる。どうも最近――これはよその県のことを申し上げて大変恐縮でございますが、先般佐賀で九州知事会がありました際も、長崎県知事が非常にぼやいておりましたことは、雲仙に対しまする観光客が激減をしつつあるということでございます。これは雲仙というものの魅力というものが今後時代に即してやはり新しい角度で付加されていくということが基本的には非常に大事なことだろうと、こう考えるわけでございまして、よその県のことではございますが、他山の石として、天草等におきまする今後の観光開発ということについても一層配意してまいらなきゃならぬと、こう考えております。 〔
福祉生活部長山下寅男君登壇〕
◎
福祉生活部長(山下寅男君) 春の少年の船事業の実施につきましての御質問にお答えをいたします。 昨年度の第三回熊本県少年の船事業の実施に
当たりましては、阿曽田議員にはみずから事務局の一員といたしまして御乗船をいただき、次の時代の郷土の担い手でございます子供たちに直接接していただきまして、いろいろと御指導、お世話をいただきまして、ここに改めて感謝を申し上げる次第でございます。 本事業は、御案内のように、本来五十四年の国際児童年の記念事業として計画実施いたしたものでございまして、第一回のときは知事みずから団長といたしまして乗船をし、私も当時副団長としてお伴をさせていただいたわけでございまして、阿曽田議員ただいまお述べになりましたように、私も当時この船に乗船をいたしまして同じような感じを強く持った次第でございます。きわめて有意義な事業であるというように考えておるところでございます。 このようなことから、少年の船事業終了後、多数の御父兄の皆さん方や青少年育成団体などから、来年以降もぜひ引き続き実施していただきたいという御要望がございました。また、この議会でも議員の先生方からそういうような御提案もあったわけでございます。以後、そういうようなこと等を踏まえまして今日まで継続をして実施してまいっておるところでございます。なお昨年は、お述べにもなられましたが、国際障害者年でございましたために、初めて障害児の皆さん方も参加をさせたわけでございます。大変有意義であったと考えておりますし、ことしもその予定にいたしておるところでございます。 御指摘のように、少年の船、大変おかげさまで好評でございまして、毎年応募者が多いわけでございます。抽せん漏れの児童の方が大半であるというのが、お述べになりましたように現状でございます。このため、五十六年度におきましては八月に、これらの抽せん漏れの児童の中からさらに抽せんをいたしまして、二百名ほどの児童を対象に、一泊二日の郷土の史蹟巡りと野外活動の集い事業を、金峰山少年自然の家を中心にいたしまして実施をいたしたところでございます。本年度も引き続き実施をいたしたいと考えておるところでございます。 なお、県の少年の船事業の実施を契機にいたしまして、幸い市町村におきましても、本渡市におきましては五十五年度から、夏休みを利用して、本渡市少年の船という事業を毎年、御所浦町の無人島に派遣をいたしまして、集団生活を体験させ、青少年の健全育成に努力をいただいているところでございます。私どもといたしましては、そのような計画が今後ほかにもぜひひとつ広がっていただくならばと期待を申し上げておるところでございます。 御提言の春の少年の船事業の実施についてでございますが、ただいま申し上げましたように、実際に昨年、少年の船事業に御参加をいただきました経験からの貴重な阿曽田議員の御提言であると考えます。しかしながら、以上述べましたようないろいろな事情もございます。そういうことも十分念頭に置きながら、教育庁の方とも今後相談をしていろいろな角度から検討をさせていただきたいと存じております。 〔阿
曽田清君登壇〕
◆(阿
曽田清君) 有明海自動車航送船につきましては、知事の非常に前向きなといいますか、取り組んでいただく姿勢をお示しいただきまして本当にありがたく思うわけでございます。航送船以外の六船の会社としては大変期待しておるんじゃなかろうかと思います。 蛇足ながら申し上げますが、六十年に熊本新港の内貿が完成する。六十五年に熊本新港の外貿が完成する。そうしました場合に、いままで島原から三角に来ておったお客さんが、直接熊本に行く客は島原から熊本新港へ流れるということさえ心配されます。そして昭和六十二年に縦貫高速道路の人吉インターが完成いたしますと、直接島原から三角に上がるんではなくて、島原から八代港へ上がって、八代インターに上がり、そのまま人吉、鹿児島ということに両方に分かれてしまう。そうしました場合に、三角港に上がる客がいなくなってしまうという心配をいたすわけでございます。六十二年、六十五年が三角町の将来の非常に大きな曲がり角ということならば、それまでにひとつ県の何らかの具体策を講じていただきますようにお願いをいたします。三角町の町民の方々は、それを祈るような気持ちで見詰めておるわけでございますので、よろしくお願いをいたします。 時間もなくなってまいりましたので早く質問したいと思いますが、地元の問題につきまして質問させていただきます。海の運動公園建設について質問をいたします。 六月の梅雨が過ぎますと、いよいよ夏の海のシーズンとなります。すでに海岸にはカラフルなサーフィンヨットやボートが走り、楽しそうなヤングの姿を見かけます。ヨット仲間に言わせれば、一年じゅう楽しめるナウなスポーツであるとして急速な伸びを示しております。長い海岸線と無数の島々を持つ本県としましては、海のスポーツ振興はもとより、青少年の健全育成を図る上からも早急に整備しなければならない課題であろうと存じます。熊本市にはりっぱな運動公園が完成し利用されておりますが、県民の中には、運動公園みたいなものに使われる税金なら幾ら納めてもいいという声をたびたび聞きました。きわめて好評であることは大変結構なことであります。 そこで、海の運動公園が次にあってしかるべきではないかと思います。海洋センターBアンドGが、県下では北に長洲、南に津奈木で建設されておりますが、中央天草にかけては、通年利用が可能な水を主体としたスポーツ施設建設が県としても待たれるときだと考えるものであります。市内より一時間の距離であり、県下の海岸線の中心でもあり、周辺には、海に関する国の機関を初め、海技学院、海洋少年団、海上安全協会等の組織や団体がありますので、運営に当たってはそれを活用すればよいわけであります。 その美しい海岸線を生かした総合的な海浜レクリエーション基地は県計画にも上げられておりますし、県下には積極的に海にフィールドした施設が見
当たりません。家族レクリエーションから、学生の合宿、指導員の養成等、また対外学習施設等の不足化への対応や
多様性の価値という意味から、美しい海に囲まれた三角は好条件であるかと存じますが、いかがなものでしょうか、
教育長にお尋ねをいたします。 次に、不知火海漁業振興策についてお伺いいたします。 不知火海の漁業振興につきましては再々質問をいたしてまいったところであります。昭和五十五年から不知火海北部海域調査を二カ年にわたり約二千四百万の調査を実施していただきました。その結果として、不知火海北部パイロット事業が今年より三カ年で三千五百万程度の事業に取り組まれることになりました。 御存じのとおり、
加藤清正当時より不知火海でとれた松合の魚しか食卓に上らなかったそうであります。それほどおいしい魚であります。不知火海は、チヌやタイ、スズキなど以前は、うろこ漁業の産地であり、天草海沖でとれる魚の稚魚の宝庫でありましたし、カニやクルマエビの産地でもありました。それが今日、モも育たずヘドロ状態の海と化してしまい、エビやカニのみがやっととれるくらいで、しかも放流をして息をつなぐという状態であります。 今回のパイロット事業も三カ年で、国、県、町一体となって年間一千万円程度の事業費であります。しかも放流事業が主でありますので、現状を守るのが精いっぱいという感じを免れません。このまま息の根をとめられるまで続けるか、それとも抜本的な漁業振興対策事業を興すか、それとも漁業としてではなく新たに方向転換を図るか。不知火海は、単に宇土郡のみでなく、下益城、八代、芦北、天草にもまたがるものであります。当然広域にまたがるものとして、県もしくは国の事業として取り組むべき課題であると存じます。県としては、将来具体的にどのように取り組まれようと考えておられるのか、
林務水産部長にお聞きします。 なお、
林務水産部長にお願いでございます。昨日の平川議員の質問にもありましたが、二年連続ノリの不況に加えて、干がた漁業の不振は漁業者に大きな打撃を与えております。運転資金や経営維持資金等の金融支援措置を講じていただくよう要望をいたします。 次に、オレンジロード建設についてお伺いいたします。 宇土半島の主幹作目である米と
ミカンは、ともに生産過剰ということで減反政策がとられ、他地域以上に厳しい事態に直面しています。そのような中で、県が進めておられます
品質向上と
コスト低下が今後の農業経営の基本であるとして対策が進められておりますが、その前提となるのは農地の基盤整備事業であり農道の整備であろうと存じます。 宇土半島は
ミカンの産地であり、段々畑がかなり山奥まで栽培されておりますが、以前は園内道路というのは特別つくられておらず、作業上人が通れる程度のもので、収穫したものをかついで運搬していたが、その後、自動車の普及と同時に軽トラックの通れる園道がつくられ、いまでは普通トラックまで通れる園道がつくられております。園内にモノレールが設置されておるのも、かつぐことをしなくなったあらわれであります。したがって、どんどん土地初め道路の整備は高まる一方であります。 今後の
ミカン産業の生産性を高めていくためには、道路整備は必須条件であり、このオレンジロードが建設されますと、その効果は、まず生産
コスト低減が図られ、労働生産性が高まりますし、農業生産物を農業施設や消費市場への輸送を容易にするだけでなく、生活道路としての利用や、七百ヘクタールにも及ぶ未墾地の開発が図られます。また、観光農業としての新しいスタートができることなど多くの効果が期待できます。 ここであえて言わせていただくならば、現在八代から玉名へ至る広域農道が建設されております。一方、下天草並びに上天草広域農道が採択、着工され始めました。つまり天草から広域農道が進められているのに、玉名―八代間の広域農道を結ぶ宇土半島の農道は、いまだテーブルに載っておりません。縦と横の広域農道をつなぐ中間の宇土半島広域農道が切れておりますので、広域農道の関連性を持たせるためにも必要であると思います。また、阿蘇、菊池を結ぶミルクロードと同じときに計画され、一方は完成しておりますのにオレンジロードは取り残されたままであります。
関係者にとって早期着工を期待する人々は数多いわけでありますが、
農政部長の前向きな答弁をお願いいたします。時間もございませんので簡単に御答弁をお願いいたします。 答弁をいただき再登壇いたします。 〔
教育長外村次郎君登壇〕
◎
教育長(外村次郎君) お答えいたします。 海や山を利用いたします野外活動につきましては、天草青年の家や菊池少年自然の家等の施設が逐次整備されておりまして、近年とみに盛んになってまいりました。しかし、まだ競技スポーツ等に比べますと十分ではないように思っております。青少年の健全育成には大変大切な分野でございまして、
教育委員会といたしましても今後重点の一つとして取り組んでまいらなければならないと考えております。 御提案の海洋スポーツ施設の件でございますが、近く県スポーツ振興審議会からも御意見が寄せられる模様でございまして、関係機関、団体を初め各方面の御意見を伺いまして総合的に検討してまいりたいと考えます。 以上でございます。 〔
林務水産部長大塚由成君登壇〕
◎
林務水産部長(大塚由成君) 不知火海の漁業振興についてでございますが、五十三年に基本調査を実施し、今後の水産振興の基本方策を策定しました。一つは、干がたの貝類及びノリ養殖漁業の開発、二つは、魚の放流、魚礁の設置、モ場の造成等の資源増殖対策でございます。 このうち干がた漁場の開発につきましては、干がたの主要魚種でございますアサリを対象に今後の振興策を具体化するため、二カ年にわたって三角町大岳の地先等で実験区を設定し、その成長率、生存率等について試験した結果、いずれも好結果を得られました。しかし、稚貝の沈着から成長までの過程がまだ解明不十分でございますので、五十七年度も引き続きその原因を解明中でございます。これらの実験の結果を踏まえて事業実施についての検討をいたしたいと考えております。 一方、資源増殖対策につきましては、この海域の重要魚種でございますクルマエビにつきまして、直接放流しても生存率が低いので、囲い網による中間育成を実施し、調査を行ったところ非常に結果が良好でございました。クルマエビにつきましては、この結果をもとにして、五十七年度から三カ年計画で、松合漁協が代表となって不知火海北部のパイロット事業を実施することにし、クルマエビ三百万尾を中間育成中でございます。 なお、並み型魚礁につきましては、その効果も十分認識され地元からの要望も強いので、引き続いて毎年実施することにいたしております。また、ヨシエビ、ガザミ、ヒラメ等の有用魚介類の種苗放流につきましても継続的に実施することにしておるわけでございます。今後ともひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 〔
農政部長坂本清登君登壇〕