熊本県議会 > 2021-06-23 >
06月23日-05号

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  1. 熊本県議会 2021-06-23
    06月23日-05号


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    最終取得日: 2024-09-10
    令和3年 6月 定例会               第 5 号              (6月23日)  令和3年   熊本県議会6月定例会会議録     第5号令和3年6月23日(水曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第5号  令和3年6月23日(水曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 第2 議案等に対する質疑(第1号から第18号まで) 第3 知事提出議案の委員会付託(第1号から第18号まで) 第4 請願の委員会付託 第5 各常任委員長報告 質疑 討論 議決 第6 休会の件  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第18号まで) 日程第3 知事提出議案の委員会付託(第1号から第18号まで) 日程第4 請願の委員会付託 知事提出議案の上程(第20号及び第21号) 日程第5 各常任委員長報告 質疑 討論 議決 議案第1号 令和3年度熊本県一般会計補正予算(第6号)の訂正の件 日程第6 休会の件    ――――――○――――――出席議員氏名(48人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            池 永 幸 生 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 君            竹 﨑 和 虎 君            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            河 津 修 司 君            前 田 憲 秀 君            濱 田 大 造 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            楠 本 千 秋 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            渕 上 陽 一 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            田 代 国 広 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    木 村   敬 君     知事公室長  小 牧 裕 明 君     総務部長   白 石 伸 一 君     企画振興部長 高 橋 太 朗 君     理    事 水 谷 孝 司 君     健康福祉部長 早 田 章 子 さん     環境生活部長 藤 本   聡 君     商工労働部長 藤 井 一 恵 君     観光戦略部長 寺 野 愼 吾 君     農林水産部長 竹 内 信 義 君     土木部長   村 上 義 幸 君     会計管理者  手 島 和 生 君     企業局長   國 武 愼一郎 君     病院事業            渡 辺 克 淑 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  岸 田 憲 夫 君     人事委員会            青 木 政 俊 君     事務局長     監査委員   福 島 誠 治 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   手 島 伸 介     事務局次長            横 尾 徹 也     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     審議員兼            富 田 博 英     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(小早川宗弘君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(小早川宗弘君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 竹﨑和虎君。  〔竹﨑和虎君登壇〕(拍手) ◆(竹﨑和虎君) 皆さん、おはようございます。自由民主党・熊本市第二選挙区選出の竹﨑和虎でございます。 蒲島県政4期目の基本方針として策定された新しいくまもと創造に向けた基本方針は、新型コロナウイルス感染症による危機を乗り越えるとともに、平成28年熊本地震及び令和2年7月豪雨からの創造的復興を熊本の発展につなげ、地方創生を実現するために重点的に推進する主な取組の方向性であります。 この基本方針に基づき、創造的復興とウィズコロナ、アフターコロナを見据え、県政の課題について質問をいたしますので、蒲島知事をはじめ執行部の皆さんには、力強く、前向きな答弁をお願いしたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず最初に、熊本駅を核とした熊本県の発展に向けた取組について質問させていただきます。 内閣府が6月8日に発表した2021年1月から3月期の国内総生産、いわゆるGDPの改定値は、物価変動を除いた実質で前期比1.0%減、このペースが1年続くと仮定した年率換算は3.9%減となっております。 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、外出自粛で国内外のパック旅行や交通費、外出先での食事、飲酒代などの支出が大きく落ち込んでおります。一方で、自宅で過ごす時間が増えたことで、加湿器や空気清浄機、それに炊事用の家電製品、電気代や水道代などの支出は増えているようで、いわゆる巣籠もり需要と外出自粛が消費にプラスマイナスの影響となって表れ、必要なところ以外にはお金を使わない状況となっており、昨年4月から6月期以来、3四半期ぶりのマイナス成長となりました。 3度目の緊急事態宣言の発令、また、本県においては、去る5月16日から6月13日までのまん延防止等重点措置の発令により、4月から6月期においても、2期連続のマイナス成長に陥る可能性があります。 特に、観光産業においても、業界全体で売上げ、利益が大幅にダウンし、雇用を含め事業の継続すら危ぶまれています。 観光庁が取りまとめた令和2年1月から12月の宿泊旅行統計調査によると、熊本県における延べ宿泊者数は、速報値で前年比マイナス40.2%となっています。また、外国人延べ宿泊者数に限ると前年比マイナス86.7%となっており、いずれも、平成19年の調査開始以来最低の数字となっております。 状況打開のためにも、蒲島知事もおっしゃっている新型コロナウイルス感染症対策の最大の切り札であるワクチン接種の加速が急務となっています。 また、熊本地震と令和2年7月豪雨からの一日も早い復旧、復興に向け、新型コロナウイルス感染症を踏まえた対応とともに取り組まなければなりません。 このような状況下、記念行事はできませんでしたが、本年3月12日に九州新幹線全線開業10周年を迎えました。また、県都熊本市にある陸の玄関口に、大型商業施設が入る熊本駅ビルが4月23日に開業しました。これは、県、市による熊本駅周辺地域整備基本計画策定から16年の歳月をかけ、官民で取り組んできた駅周辺まちづくりの一つであります。 これまで、県が実施主体となり、東口、いわゆる白川口の駅前広場の整備や駅周辺の街路事業などに取り組み、平成30年3月には、熊本駅周辺のJR鹿児島本線並びに豊肥本線の鉄道高架化が完了し、翌年3月には熊本駅舎も完成しました。 駅周辺整備の完成により、私の地元である熊本市西区、南区の多くの皆さんが、県都の副都心として、また、熊本市西南部地域発展の核として期待しており、この熊本駅周辺地域の成長こそが県全体の浮揚につながると考えております。 本県において、観光業が、熊本地震や令和2年7月豪雨の被災地を含む多くの地域の基幹産業であります。県経済全体への波及効果につながると期待されており、熊本駅周辺整備の完成が、熊本地震と令和2年7月豪雨からの一日も早い復旧、復興に向けた起爆剤として、また、コロナ収束後も見据え、国外、県外からの交流人口を増やす拠点として、県内経済の底上げを図り、県全体の発展につなげていく絶好の機会と捉えていますが、熊本駅を核とした熊本県全体の発展に向けた取組について、蒲島知事にお尋ねいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 熊本の陸の玄関口である熊本駅とその周辺一帯では、九州新幹線の全線開業の効果を最大限発揮するため、県、熊本市、JR九州等が連携し、官民一体となって、長年にわたり整備を進めてきました。 これまで、新幹線開業、在来線の高架化、新たな熊本駅の完成と続いてきた駅周辺整備は、今年3月の熊本駅白川口駅前広場の完成、4月のJR九州熊本駅ビル・アミュプラザの開業により、一連の整備が完了しました。 その中心に位置する安藤忠雄さん設計による新しい駅舎は、武者返しをモチーフとした堂々たる風格で、見る者を一瞬で魅了する、熊本が世界に誇る新しい宝です。 また、生まれ変わった熊本駅は、広域交通の結節点としての機能に加え、アミュプラザとの相乗効果により、多くの県民、観光客が目的地として訪れるなど、新たなにぎわいを創出しています。 県としては、熊本市西南部地域の発展のみならず、県全体の振興を加速化させるものと大いに期待しており、駅を起点とする観光面での様々な施策を展開することで、熊本駅の効果を最大限に発揮していきたいと考えています。 新型コロナウイルスの収束が見通せない中において、熊本駅の集客効果を県内全域に波及させるためには、まずは3密を避けながら近場で過ごすマイクロツーリズムの視点が重要です。 具体的には、近場志向、自然志向といった観光トレンドの変化をより意識しながら、九州新幹線や観光列車「あそぼーい!」「A列車で行こう」等により、熊本駅を拠点に県内各地への送客を促進していきます。 また、九州新幹線の特別切符の販売や観光プロモーションの実施など、JR九州と連携し、今後の感染状況も踏まえながら、より広域からの誘客にも取り組んでまいります。 今後、ワクチン接種の増加に伴い、県境を越えた広域観光や近い将来におけるインバウンドの回復など、人の流れは確実に拡大していきます。 世界に誇れる熊本駅が、その機能と魅力を存分に発揮し、観光産業をはじめ、県全体の発展につながるよう、JR九州や関係機関としっかり連携を取り、トリプルパンチで落ち込んだ県経済の回復に全力で取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 蒲島知事より、大いに期待し、県全体の発展につながるよう、そして県経済の回復に向け取り組んでいくという答弁をいただきました。 知事と一緒に取り組んでこられた村上寅美先生、先般、6月4日に4回忌を迎えられました。天におられる村上先生も、きっと喜んでおられるのではないかと思っておりますし、その思いを継いで、私も努力してまいろうと思いますので、一緒に県経済浮揚のために取り組んでいただきたいと思います。 私の地元である熊本市西南部地域には、有明海、雲仙・普賢岳を臨む風光明媚な自然の中に、金峰山の山麓にある霊巌洞をはじめ、本妙寺や釣耕園、また、田崎市場や川尻の伝統工芸など、多くの史跡や観光名所があります。もちろん、県内各地にそれぞれの特色ある観光地があると思います。 本年4月22日に開催されたJR熊本駅ビル開業記念式典で蒲島知事がおっしゃられた、熊本駅は創造的復興の象徴であり、熊本の宝である、世界の駅を見てきたが、先ほど申し上げましたが、世界に誇れる世界一のすばらしい駅だという言葉が私の脳裏から離れません。 この熊本駅を核とした交流人口増加策に取り組むことが、熊本地震や7月豪雨災害によって、また、新型コロナウイルスの影響で活力が低下しているそれぞれの地域に大きなエネルギーを与えてくれるものと確信しておりますので、このチャンスを生かすよう、力強く取り組んでいただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 移住、定住の促進に向けた取組について。 結婚、出産、子育てがしやすい環境づくりについてお尋ねをいたします。 コロナ禍の中で、首都圏一極集中の是正や地方への関心が高まっており、本県においても、熊本の魅力や存在感を高め、熊本への人や企業の流れを創出する取組が期待されているところであります。 内閣府による令和2年6月に実施された新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査、これにおいて、特に20歳代、30歳代、東京都23区や東京圏にお住まいの皆さんの地方移住への関心が高くなっていることが明らかになっています。 しかし、移住には関心があるが、いろいろと不安が大きいということで、なかなか踏み切れないという人が大勢いると聞きます。さらに、そのほとんどが、実際に行動せず、心配ばかりしているのではないでしょうか。 熊本県以外の多くの自治体が、移住を考える皆さんに対して様々なアプローチをしている中、他県に負けない熊本の魅力やメリットを伝えていかなければならないと考えております。コロナ禍において、地方移住への関心が高まる中、本県の人口流出の流れを食い止め、県内への移住、定住を進めていかなければなりません。 地方移住に関心を持つ皆さんを本県への移住、定住につなげていくためには、市町村や関係機関と連携し、取り組んでいく必要があります。 先日の末松議員の質問に対し、移住を検討する皆さんの個々のニーズに寄り添ったきめ細やかな情報提供を可能にする熊本ライフメンバーズ制度を創設したと答弁がありましたが、地方移住に関心を持つ20歳代、30歳代の若い世代の皆さんの移住に関するニーズを酌み取り、寄り添いながら支援を行うことが肝要だと考えます。 そこで、これまで県が行った施策を利用した移住者を対象とした移住・定住施策の利用状況アンケート結果によると、移住する際の不安はどんなことでしたかという問いの回答の一つに、子育て、教育に関することが挙げられています。また、移住のきっかけは何ですかという問いの回答には、結婚などの家族関係や子育て環境が挙げられております。 移住先でも相談できる人がいることや、出産や子育て世帯を地域で応援してくれることが求められています。結婚から出産、子育てと切れ目ない支援が特に若い世代の方々の共感を呼ぶと考えますが、結婚、出産、子育てがしやすい環境づくりについて、県として具体的にどのように取り組むか、健康福祉部長にお尋ねします。  〔健康福祉部長早田章子さん登壇〕 ◎健康福祉部長(早田章子さん) 結婚、出産、子育てがしやすい環境づくりのためには、県内どこに住んでいても、必要なときに、結婚、妊娠から子育てまでの切れ目ない支援を受けられることが重要です。 そのため、本県では、市町村と一体となった結婚支援、不妊治療助成や早産予防対策をはじめ、子育て中の保護者が気軽に集い、語り合う地域子育て支援拠点の設置や訪問指導等による母子保健活動の充実など、様々な事業に取り組んでいます。 特に、休む間もない子育ての悩み事に24時間365日、いつでも応えることができる「聞きなっせAIくまもとの子育て」は、AIを活用した全国に先駆けた取組です。 LINEを使ったこのシステムは、身近に相談できる人がいない方も気軽に相談でき、また、おむつ替えスペースの提供などを行う県内に約2,000か所ある子育て応援の店を地図で簡単に検索できるなど、移住を考えておられる方にも便利な機能を備えています。今後も、さらに機能を充実させるなど、使い勝手のよいシステムにしていく予定です。 さらに、今年度からは、社会全体で結婚の機運醸成を図ることを目的として、新婚または結婚予定のカップルを企業と一緒に応援する結婚応援パスポート事業をスタートします。 パスポートの提示により、例えば新生活の必需品購入の割引サービスなど、結婚応援の店が提供する様々な特典を受けることができます。 10月からの運用スタートに向け、できるだけ多くの企業に御参加いただけるよう、現在、商工団体等に働きかけているところです。 今後も引き続き、市町村や関係団体と連携協力しながら、結婚、出産、子育てを地域ぐるみで応援する機運をさらに盛り上げていくことで、移住を考えている方を含め、若い世代にとって、安心して産み育てることができる魅力ある熊本県となるよう取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 御答弁をいただきました。 私の住居の近くに、首都圏から移住してこられた子育て中の40代の知人の御夫婦がいらっしゃいます。以前に、熊本の生活はどうですか、熊本の住まいはどうですかとお尋ねしたところ、奥さんのほうが、水がきれいでおいしいし、食材がおいしいですねとおっしゃり、そして空が近いとおっしゃっていました。都会では、ビルが林立し、なかなか空が見上げても見れない状況であったりということなのかなと思ったところなのですが、空が近いし、触れることのできる自然や、また、公園が近くにあって、子供も大変喜んでおりますということをおっしゃっていました。 国から本県に来られておる職員さん方にも、同じように熊本はどうですかとお尋ねすると、酒はおいしいし、焼酎もおいしいし、馬刺もいいですねという答えが多くあるんですが、水であったり、食材がいいということを口々に皆さんおっしゃっておられます。 この自然環境に加えて、今おっしゃっていただいた結婚から出産、子育てを地域ぐるみで応援することこそが、若い世代に向けたアプローチになると思います。 また、国においては、子供に関する政策をまとめて担うこども庁設置の動きがあっております。県としても、これに注視しながら、熊本の魅力の発信とともに取り組んでいただきたいと思います。 そして、次の質問に移らせていただきますが、同じように、若い世代の皆さんのニーズというのが仕事に関することであります。 先ほどと同じ移住・定住施策の利用状況アンケート結果で、移住する際の不安はどんなことでしたかという問いの回答の上位に仕事に関することが挙げられ、移住のきっかけは何ですかという問いの答えでは、就職、転職などの仕事についてが最も多く、農業や水産業などの1次産業就業が挙げられています。 本県における基幹産業である農業や漁業の振興や農山漁村の活性化のためにも、移住に関して、就業というニーズに応えていく必要があると考えます。 県では、新しいくまもと創造に向けた基本方針の中で「若者の地元定着と人材育成」を掲げていますが、農業、水産業における新規就業支援や若者の就業促進に向けどのように取り組んでいるのか、農林水産部長にお尋ねします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) まず、農業における新規就業者確保に向けては、熊本型新規就農者支援として、移住者を含めた就農希望者が確実に就農、定着できるよう、相談から研修、就農、そして就農後というステージに応じた様々な支援を市町村や農業団体等と連携して行っております。 その結果、直近5年では、1年当たり465名が新たに就農されております。中には、県外向けに現地見学会やお試し研修などの体験メニューや年間を通じた研修を準備し、移住者の就農、定住につなげた事例もあります。 加えて、今年度からは、後継者のいない認定農業者等の経営資産を新規就農者等につなぐ経営継承の取組を強化しており、6月15日には、経営継承支援の核となるくまもと農業経営継承支援センターを設立したところです。 センターでは、県内全域の移譲希望者の農地や施設等の資産情報を集約してホームページで公開し、新規就農者等の継承希望者が就農先をより具体的に考えられる仕組みを構築します。 また、全国農業会議所が運営する移住・定住情報紹介サイトにも掲載しており、今後、全国に向けた情報発信を強化してまいります。 次に、水産業では、平成28年から、漁業団体、市町、県で設立した熊本県漁業就業支援協議会が中心となり、県内外からの新規就業者に対し、相談、体験、研修、就業、就業後の各ステージに応じた支援を行っております。 また、協議会では、東京、大阪などの都市圏で開催される漁業就業支援フェアへの出展やホームページの開設により、広く新規就業者の募集に努めてまいりました。 タチウオ引き縄漁業新規就業者募集情報をインターネットで入手し、応募した大阪の若者が、県水産研究センター及び漁業団体による6か月間の漁業研修を経て、漁業者として独り立ちするという実績も出てまいりました。 このような取組の結果、直近5年では、1年当たり35名が新たに就業されており、そのうち18名は、漁業に関係のない家庭に育った方です。 就業に当たって、住居の確保など生活面の支援は地元の市町や漁業団体が行うなど、県、市町、漁業団体が緊密に連携して移住のサポートを行っております。 今後とも、市町村と連携し、熊本で農業、漁業をやりたいという人を増やし、移住、定住を促進するとともに、本県農業、漁業の担い手確保につなげられるよう、着実に取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 本県において、多くの農山漁村を有しています。多くの皆さんが、農山漁村というと、都市部から遠く離れた田舎を想像されますでしょうが、この熊本都市圏である私の地元にも、河内、飽田、天明など、旧飽託郡にあった地域などを中心に農山漁村があり、ここでは、少子化、高齢化が進み、人口減少も起こっておりますし、担い手や後継者不足という問題も抱えております。 この地域の基幹産業は、農業や漁業、1次産業であります。答弁にもございましたが、市町村や関係団体と連携して、多様な施策に取り組み、熊本で農業、漁業をやりたいという人を増やし、移住、定住を促進するとともに、担い手確保につなげることが、農山漁村の活性化につながり、県全体の発展にもつながっていくと思っておりますので、力強く取り組んでいただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 有明海沿岸道路の建設促進並びに熊本都市圏の渋滞対策についてであります。 先ほど質問した移住、定住を促進するためには、熊本の魅力向上が不可欠であります。そのためには、交流の利便性向上や渋滞の緩和、災害時の安全、安心の確保を図るための交通機能の強化が必要であると考えます。 特に、九州各県の主要都市と熊本都市圏を結ぶ幹線道路の整備とその起点となる熊本都市圏の渋滞対策は、長年の課題であり、喫緊の課題でもあると思っております。 3大都市圏を除く全国の政令市ワーストと言われる熊本都市圏の渋滞対策については、一昨年来、国、県、熊本市と学識者や経済界の皆さんとともに、熊本都市道路ネットワーク検討会で議論が進められてきました。 スクリーンを御覧ください。(資料を示す) 先日、内野議員の質問にもありましたが、県と熊本市が策定した28年ぶりの新たな道路計画となり、今後20年から30年間の中長期的な道路整備の基本となる新広域道路交通計画では、検討会で導き出されたイメージを具現化するための熊本都市圏北連絡道路と熊本都市圏南連絡道路、熊本空港連絡道路の3路線が計画に位置づけられており、これらの道路が整備されることで、熊本都市圏の渋滞解消とともに、将来の発展につながるものと考えます。 特に、県と熊本市が連携し策定した計画に、都市圏の渋滞対策がしっかりと明記されたことは大きな一歩であり、県、そして熊本市の本気度の表れと私は評価をしております。 また、本年2月定例会で増永議員が質問された熊本都市圏南部の渋滞対策についても、執行部から、県道小川嘉島線や六嘉秋津新町線などの改良やバイパス整備に、熊本市と連携して道路計画の具体化に向けた検討を加速すると、非常に前向きな答弁があったところであります。今後、早期事業化に向け、スピード感を持って進めていただきたいと思います。 一方で、幹線道路の整備については、九州中央自動車道や中九州横断道路、熊本天草幹線道路、南九州西回り自動車道の各区間で、新規事業化や開通の見通しの公表など、明るい話題が報じられ、沿線地域の皆さんが大変喜んでおられるものと察します。 私は、九州の横軸となる中九州横断道路と九州中央自動車道の整備が大きく前進する中、県北から県央に至る縦軸のさらなる強化が必要と考えます。 福岡、佐賀両県議会議員とともに構成する有明海沿岸インフラ整備3県議会連絡会議の一員として、有明海沿岸道路の早期整備を訴えてきましたし、初当選以来、県議会において質問や要望として触れてまいりました。 有明海沿岸道路は、佐賀県鹿島市から佐賀市、福岡県柳川市、大牟田市などを経由し、熊本市に至る地域高規格道路であり、福岡県では、去る3月14日に、筑後川をまたぐ大川東インターチェンジから大野島インターチェンジ間が開通し、27.5キロが供用されている上、佐賀県境の大野島インターチェンジから仮称諸富インターチェンジまでも、令和4年度の開通見通しとなっています。さらに、佐賀県においても、既に6.5キロが供用されており、今年夏頃には新たに3.5キロメートル区間の開通が予定されています。 一方、熊本県側では、福岡県境から長洲町までの約9キロ区間の都市計画が平成27年に決定され、そのうち三池港インターチェンジ連絡路約2.7キロが同年度事業化されたものの、軟弱地盤等の影響で、工事のつち音は一向に聞こえてこない状況が続いていました。 ようやく本年度から橋梁工事に着手されることとなり、一部で安堵の声を耳にしますが、長洲町から熊本市間の事業化に向けた大きな動きが全く見られず、地域の皆さんから叱咤をされております。 5年前の熊本地震では、九州縦貫自動車道の通行止めに伴い、国道3号、208号、国道501号など、福岡、佐賀方面と熊本をつなぐ全ての道路において大渋滞が発生しました。仮に有明海沿岸道路が整備されていれば、救援物資の輸送や緊急車両の通行確保、災害支援活動を支えることができたものと考えています。 自然災害が頻発している昨今において、被害を最小化し、速やかに復旧させるためには、幹線道路のダブルネットワーク構築を急ぐ必要があると考えます。 そのような中、先般公表された新広域道路交通計画では、有明海沿岸道路から熊本都市圏中心部に向かう有明海沿岸連絡道路が構想路線として新たに位置づけられました。 そこで、有明海沿岸連絡道路の位置づけと有明海沿岸道路整備の今後の取組について、また、その起点となる熊本都市圏の渋滞対策に向けた取組について、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長村上義幸君登壇〕 ◎土木部長(村上義幸君) まず、有明海沿岸連絡道路の位置づけと有明海沿岸道路の今後の取組についてお答えいたします。 有明海沿岸道路は、佐賀、福岡、熊本の3県にまたがる広域的な経済交流圏を創出し、九州の循環型高速交通ネットワークを形成する重要な路線です。 県内においても、熊本都市圏と荒尾・玉名地域の交流促進や熊本港などの物流機能を生かした県内産業の活性化、さらに災害発生時の道路の多重性確保など、多様な役割が期待されます。 議員御質問の有明海沿岸連絡道路は、有明海沿岸地域と熊本都市圏中心部をつなぐ構想であり、熊本の拠点性向上やダブルネットワークの構築など、大きな効果を発揮するものと考えています。 県としましては、引き続き、国直轄による有明海沿岸道路全線の早期整備を要望するとともに、連絡道路を含めた道路ネットワークが早期に形成できるよう、国や関係自治体と連携し、しっかりと検討を進めてまいります。 次に、熊本都市圏の渋滞対策についてお答えします。 県内の渋滞箇所の8割が熊本都市圏に集中しており、熊本市中心部の平均旅行速度は、3大都市圏を除く政令市の中で最悪の水準となっております。 また、市街地拡大の影響もあり、現在整備が進められている熊本西環状道路など2環状11放射の道路が完成しても、渋滞が残ることが予想されております。 このようなことから、都市内交通の課題解決に向けた熊本都市道路ネットワーク検討会の議論を経て、新たな高規格道路を新広域道路交通計画に位置づけました。 計画の実現に向けては、今後、ルートや構造、事業主体などを決定していくことが必要です。 県としましては、国や熊本市などと連携を図りながら、早期の事業化に向けてステップアップを図ってまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 御答弁いただきました。 まず、有明海沿岸道路についてですが、おっしゃった道路が果たす役割や効果、重要性は答弁されたとおりであり、関係する市町や期成会と一体となって国直轄による早期の整備実現に向けて取り組んでいただきたいと思いますし、何回も同じ話を聞いてきたと思っております。 質問でも触れましたが、執行部をはじめ、関係者の皆さんの努力によって、今年度から、福岡県の三池港インターチェンジから荒尾競馬場跡地の区間で橋梁工事に着手されることとなりました。県北地域のほうからは、安堵の声が聞こえているようであります。 しかし、県の広域道路整備基本計画に有明海沿岸道路の整備が掲げられ20数年、大牟田市から熊本市までの区間が国の候補路線の指定を受けてからちょうど23年がたちます。それから今日まで、他の高規格道路ではどんどん整備が進んでいますが、有明海沿岸道路の長洲町から熊本市における区間では何も動いておりません。 最近でも、九州中央自動車道においては、山都中島西インターチェンジから矢部インターチェンジまでの10.4キロ区間が2023年度に開通するとか、熊本天草幹線道路においては、宇土から三角までの区間で整備ルートが示され、今年度事業に着手するとか、ニュースや新聞でこのような報道があるたびに、有明海沿岸道路はどぎゃんなっとかと、どこば通っとかと、本当にできるとかと、いつまでにどこばどぎゃんすっとか言え、ぬしゃと私は詰問をされております。これが、有明海沿岸地域にお住まいの熊本市西南部地域の皆様方の本音だと私は思っております。 全ての道は熊本に通じるを基本理念とし、新広域道路交通計画が発表されました。広域道路ネットワーク計画に、高規格道路で有明海沿岸道路の整備、そして構想路線に有明海沿岸連絡道路が位置づけられ、私も、与えられた立場で早期整備に向けて努力をしてまいりますので、執行部の皆さんも、今まで以上に取り組んでいただきたいと思います。 この有明海沿岸道路が整備されることにより、人流、物流、また、災害時の対応を含め、県内全域に大きな効果をもたらす道路でありますので、議員の皆様方も御理解と御支援をよろしくお願いいたします。 次に、熊本都市圏の渋滞対策についてですが、熊本市と連携して、早期の事業化に向けて、段階的にステップアップを図るとの答弁をいただきました。 先ほど質問の中でも申し上げましたが、県と熊本市の本気度の表れだと思っております。今回の新広域道路交通計画策定の主体は、県と熊本市であります。熊本市の大西市長も、とてもやる気であると伺っております。 県としても、熊本市とさらなる連携強化をし、国と議論を深め、渋滞対策に一日も早く取り組んでいただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 有明海再生についてでございます。 海洋プラスチックごみゼロを目指す取組について質問をさせていただきます。 新しいくまもと創造に向けた基本方針において、SDGsの理念を全ての取組の基本に掲げておられます。 SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。 そのSDGsの14番目の項目に挙げられているのが「海の豊かさを守ろう」。その目標を見てみますと、「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」となっています。 環境保全団体である公益財団法人の世界自然保護基金ジャパン、WWFジャパンによりますと、2050年には、海にいる魚よりプラスチックごみの量が多くなると言われております。世界で年間800万トン、日本では年間6万トンのプラスチックごみが海に流れ込んでいるとなっています。 海洋ごみの8割は、陸地から流れ込んでおり、その海洋ごみの中でプラスチックごみが占める割合は、65.8%もあります。これは、投棄やポイ捨てされたごみ、また、ごみを集積している地点からの漏えいや農業資材など経年劣化した製品が、雨とともに水路や排水溝に流れ込み、やがて川を伝い、海へと流れ込んでいます。 海洋プラスチックごみがこのまま増え続けると、漁業や観光業への影響だけではなく、船舶運航の障害、沿岸地域の環境も悪化していきます。 本県は、貴重な漁業資源の宝庫として、沿岸の人々の生活を支える有明海に面しています。 スクリーンを御覧ください。(資料を示す) これは、私の地元河内の海岸より有明海と雲仙・普賢岳を望み見た写真であります 有明海は、干満差が日本一であり、菊池川、白川、緑川などの多くの河川が流入し、日本最大の干潟を持つ海域であります。 漁業者は、有明海において持続可能な水産業を確立し、水産資源を増やすため、環境に配慮した養殖漁業、また、放流事業や魚種により規格を設けて小型の魚を再放流するなど、資源管理型漁業に取り組んでおられます。 スクリーンの次の写真を御覧ください。(資料を示す) これは、先ほど写真を撮影した同じ場所からその足元を撮った写真であります。 プラスチックごみを含む大小様々なごみが浮遊しています。この海洋プラスチックごみの増加により、大きな影響を受けております。 大型の漂流ごみによる操業中の船舶のプロペラ破損などの被害や大型の海底ごみによる底引き網の破損被害が出ております。 また、水産物にごみが混入してしまうと、取り除き作業が発生します。中でも、本県特産のノリに細かいマイクロプラスチックごみが混入すると、除去作業は困難で、漁業者にとって大きな負担となっております。 漁業団体の皆さんは、有明海を健全な姿で次世代に継承していくために、NPO法人などと協力し、海岸の一斉清掃活動や植樹活動にも取り組んでおられます。 しかし、海域でのプラスチックごみ回収だけでは、新しいくまもと創造に向けた基本方針に掲げた大きな目標である海洋プラスチックごみゼロの達成は、非実現的だと考えます。 この海洋プラスチックごみゼロに向けた取組について、個人レベルでできること、企業や自治体でできること、これを環境省は全力で応援をするとおっしゃっています。 有明海の恩恵を長年受けてきた熊本県として、陸域から海域まで、オール熊本で取り組む必要があると考えますが、どのような取組を行っていくか、環境生活部長にお尋ねいたします。  〔環境生活部長藤本聡君登壇〕 ◎環境生活部長(藤本聡君) 海洋プラスチックごみの多くは、レジ袋やペットボトル、農業や漁業の資材などが水路や川を介して海へ流れ出たものです。 県では、昨年2月に、くまもと海洋プラスチックごみ『ゼロ』推進会議の提言を受け、陸域と海域の両面から取組を進めております。 陸域については、昨年度、農業団体等と連携し、所有者不明の農業用プラスチック類の撤去を行いました。今年度は、さらに漁業団体とも連携し、川や海への資材等の流出防止の徹底を図ります。 また、県民一人一人の取組も重要です。ポスターやチラシ等での啓発に加えて、スマートフォンに配信される、いわゆるエリア広告を活用し、ポイ捨て防止を一人一人に直接呼びかける新たな取組も始めます。 海域については、漁業者の負担軽減を図る取組の一つとして、漁業者が操業時に網にかかったプラスチックごみを漁港へ持ち帰り、市町村が処分する取組を支援しております。昨年度は、芦北町で、今年度は、さらに天草市、上天草市でも実施を予定しているところです。 これらに加えて、プラスチックごみ自体の削減も大変重要です。今月、プラスチック資源循環促進法が成立いたしました。プラスチックをごみではなく資源として捉え、リサイクルを進め、循環型社会を目指すものです。市町村に対して、全てのプラスチックごみの分別収集を求める内容も含まれております。 県内では、ペットボトルは全ての市町村で分別収集されていますが、それ以外のプラスチックごみは、市町村によって対応が異なっております。 そのため、市町村に対して、先進事例等の具体的な情報を提供するとともに、分別に係る住民意向調査や分別収集を試行的に実施する費用を支援し、プラスチックごみ削減に向けた取組を後押ししてまいります。 海洋プラスチックごみゼロに向けては、身近なところからできることを積み重ねていく必要があります。県民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、市町村や関係団体とも連携し、引き続きしっかりと取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 御答弁をいただきました。 陸域と海域の両面から、回収強化、排出抑制、リサイクル促進に取り組んでいく。海洋プラスチックごみゼロという大きな目標に向かって、県庁内での関係部局との連携はもちろんですが、市町村や関係する各種団体とさらなる連携強化を図って取り組んでいただきたいと思います。 また、プラスチック資源循環促進法に関しても注視しながら、市町村と連携を取って取り組んでいくようにしていただきたいと思います。 そして、私は、何より大切なのは、次の時代を担う子供たちに理解をしてほしいと思っており、その子供たちへの学校における環境教育の強化だと思っております。 現在、小中学校において、様々な環境教育が行われていると思いますけれども、ぜひ海洋プラスチックごみに特化した学びの場を全ての学校で行ってほしいと思っております。海に面していない陸域、山間地の学校で、ぜひ海を見学したりとか、そういった海のことを分かっていただくような教育に取り組んでいただければと。そして、現状を学ぶことによって、目標達成に向けた大きな一歩につながっていくものだと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、有明海再生について、漁港、港湾のしゅんせつ土砂の処分について質問をさせていただきます。 先ほどの質問でも話しましたが、有明海は、多くの河川が流入しております。その河川から流れ込む多くの土砂によって、広い干潟が形成されておるところであります。 しかし、その土砂により、漁港や港湾の航路等が埋没したりするため、海底をしゅんせつする必要があります。有明海再生、漁業振興のためにも、今後もしゅんせつを継続していく必要があると考えます。 このしゅんせつ土砂は、漁港では、既存の県管理の塩屋漁港の埋立地で処分をしていますが、今後約5~6年でここは満杯となると、また、港湾においては、熊本港の土砂処分場が、今後約5年から7年、それで満杯になると聞いております。 また、有明海における漁港しゅんせつ土量は、市管理漁港の割合が72%を占め、処分場を持たない熊本市、玉名市、宇土市にとっても、処分先の確保が大きな課題となっております。 新たな土砂処分場を整備するには、相当、期間や、また、事業費の地方負担の問題があり、地方の大きなネックとなっています。また、しゅんせつ土砂を漁場造成に活用する場合には、関係漁協との調整も必要となり、設置箇所の確保が大きな課題となっております。 5年後、6年後となる既存処分場の満杯後を見据え、国、県、市町、そして漁業団体が一体となり、また、漁港と港湾が一体となって、新規処分場整備や有効利用等施策も含めたしゅんせつ土砂処分の方策について、できるだけ早期に結論を出す必要があると考えますが、現状における県の取組状況と今後の進め方を農林水産部長にお尋ねします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) 有明海の漁港では、年間約8万立方メートルのしゅんせつ土砂が発生しており、これを県が用地造成を行っている塩屋漁港に埋立処分をしておりますが、県管理漁港の土砂に加え、玉名市や熊本市、宇土市が管理する漁港で発生した土砂も、これまで約30万立方メートル受け入れてきたこともあり、満杯になる時期が迫っております。 そこで、今年度、必要な埋立護岸のかさ上げを行うことで、埋立容量をさらに約5万立方メートル増加させ、県管理漁港で発生する土砂のおおむね2年分の容量を確保することとしております。 しかしながら、今後も安定的にしゅんせつを行っていくためには、しゅんせつ土砂を活用できる埋立造成地の確保が有効であるため、各管理者において、新たな埋立地の造成について検討していく必要があります。 埋立地の造成には、塩屋漁港では、総事業費約40億円、調査開始から土砂受入れまでに10年以上を要しており、多額の費用と相当の期間が必要です。また、現行の補助制度では、事業箇所が漁港区域内に限られることや造成した用地が漁業関係にしか利用できないなどの制約があります。さらに、軟弱地盤での整備には高度な技術力が求められるなど課題も多いことから、それぞれの管理者が別々に検討を進めるよりも共同で検討を進めたほうが効率的、効果的だと考えます。 そこで、県が中心となり、現在、共通の課題を抱える市や漁業団体と連携し、有明海全体を見据えた埋立候補地の選定や土地利用計画の検討を行っており、今後円滑に事業化ができるよう、国に対して必要な支援を求めていくこととしております。 加えて、しゅんせつ土砂の有効活用策として、漁場造成を目的に、しゅんせつ土砂を改良し、覆砂材や藻礁ブロック等に活用するため、今年度は、現地での実証試験に取り組むこととしております。 なお、漁港同様、土砂処分の課題を抱える港湾では、土木部が、熊本港において、埋立護岸のかさ上げや圧密促進工事により、継続的なしゅんせつのためのさらなる受入れ容量の確保に努めております。 以上のような状況を踏まえ、今後とも、将来にわたって安全で安定した漁業活動や船舶の航行ができるよう、県がリーダーシップを取り、市や漁業団体、漁港及び港湾管理者が連携し、時間的緊迫性を持ってしゅんせつ土砂の処分対策に取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 御答弁をいただきました。 本日は、漁業団体の代表者の方も傍聴においでいただいている中でございますが、今答弁の中に、県が中心となって、また、県がリーダーシップを取りというお言葉がありましたが、ぜひ県が中心となって、港湾であったり、漁港、また、市との関係、そういったのを連携を取りながらやっていただきたいと思いますし、また、漁業団体の方々との連携はもちろんなのですが、そういった方々こそが、こういったところは適地なんじゃないだろうかとか、いろんな情報、思いをお持ちでございますので、そこは密に連携を取っていただいて、お話にもあった時間的緊迫感、これを持って早急に取り組んでいただきたいと思います。私も努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 以上で用意しました質問のほうは終わりましたが、ワクチンの接種が加速化し、進んでいる中で、それに、県民の皆様方も希望であったり、光を見いだしておられるのではないかと思います。 昨日、私は自宅に帰りましたら、熊本市からワクチンの接種券、クーポンが届いておりました。7月31日から私は予約をできることとなっておるようで、こういったものが届くだけで、少しわくわくといいますか、うれしくもあり、皆さん方が今までどおりの生活ができるのではないか、いろんな地域活動ができるのではないかと期待感を持っておるところであります。 コロナ収束に向けて、議会一丸となって取り組んでいきたいと思います。私も頑張ってまいりますので、どうか御指導方よろしくお願い申し上げまして、本日の質問を終わらせていただきます。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(小早川宗弘君) この際、5分間休憩いたします。  午前10時59分休憩    ――――――○――――――  午前11時10分開議 ○議長(小早川宗弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 田代国広君。  〔田代国広君登壇〕(拍手) ◆(田代国広君) 菊池郡選出の田代国広です。 改選後初めての登壇でございまして、いささか感が鈍ったようでございまして、つじつまの合わないことを申し上げるかもしれませんけれども、後期高齢者ということで御理解をいただければ大変ありがたいです。 時間が限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。 阿蘇くまもと空港アクセス鉄道について。 622万人構想の実現性及びルートについて質問を行います。 阿蘇くまもと空港アクセス鉄道については、平成30年11月定例会の高速交通ネットワーク整備推進特別委員会において、豊肥本線の三里木駅から分岐し、運動公園付近に中間駅を設置し、空港に至るルートが望ましいとの意見集約がなされ、現在、この案を前提とした調査検討が進められております。 しかしながら、私は、この三里木分岐案について、県が現在試算しておられる需要予測や収支の試算が果たして現実性のあるものなのか、非常に危惧いたしております。 航空旅客数は、2051年に622万人に達することを前提に検討されていますが、計画どおり達成できるのでしょうか。ましてや、コロナ禍の中で、インバウンド需要が見込めないことを踏まえると、前提条件を厳しく見詰め直すべきではないでしょうか。 私は、令和2年1月、高速交通ネットワーク整備推進特別委員会で、宮城県の仙台空港アクセス鉄道を視察しました。 スクリーンを御覧ください。(資料を示す) こちらは、仙台空港アクセス鉄道開業までの経緯をまとめたものです。宮城県土木部から視察資料として頂いたものの抜粋です。 その際、鉄道運営会社からは、黒字化するまで約10年の歳月を要し、非常に苦慮したとの説明を受けました。あの東北一の大都市である仙台でさえこのような状況であったことを踏まえると、熊本においては、厳しく精査する必要があるのではないかと考えます。 運動公園周辺に設置される中間駅についても、計画どおり利用者が見込まれるか、非常に心配です。 一昨年のラグビーワールドカップ、世界女子ハンドボール選手権大会等のビッグイベントの際には、シャトルバスによる輸送が行われ、鉄道がなくても実施可能でした。そこで、私は、肥後大津駅から分岐するルートを検討してはどうかと考えます。 肥後大津駅は、現在、阿蘇くまもと空港駅という愛称を冠し、空港と豊肥本線をつなぐ空港ライナーも県の補助で運行しており、利用者も多く、阿蘇くまもと空港の最寄りの駅として広く定着しています。 再びスクリーンを御覧ください。(資料を示す) こちらは、2017年3月4日に愛称がついたことを記念して開催された式典とイベントの記事で、大津町の広報誌「広報おおづ」に掲載されたものです。 何より、世界的観光地である阿蘇の入り口に位置する肥後大津駅を起点とすることで、観光客への利便性向上につながります。 また、南阿蘇方面については、現在、南阿蘇鉄道の立野駅からの延伸計画が検討されており、これが実現すれば、高森、南阿蘇方面への利便性も飛躍的に向上します。熊本の宝である阿蘇観光へのルートとして、大いに利用者が見込めるのではないかと考えるところです。 このように、様々な事情を考慮するとき、私は、肥後大津駅を発着する空港アクセス鉄道のほうが利便性が高まるのではないかと考えます。 私がこれまで述べた2点、すなわち622万人構想の実現性について、また、阿蘇くまもと空港駅からの直進について、知事の見解を求めるものであります。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕
    ◎知事(蒲島郁夫君) まず、2051年度に航空旅客数を622万人とする目標値について、熊本国際空港株式会社が民間の専門的知見に基づき算出した目標値であります。 この目標値は、国土交通省による空港コンセッションの際、航空の専門家や国の航空担当で構成する審査委員会で、具体的な路線誘致施策とともに、効果的かつ実現可能性の高いものであると高い評価を受けています。まさに、熊本地震からの創造的復興のシンボルとしてふさわしい内容であると受け止めています。 現在、新型コロナウイルスの影響により航空旅客は大幅に減少していますが、コロナ収束後を見据え、新規路線誘致等を積極的に進められています。 また、今後、知の集積により新産業の創出を図るUXプロジェクトやさらなる企業集積の加速化が進むことで、空港及び空港周辺の拠点性が一層高まり、新たな航空旅客の需要の創出にもつながるものと考えています。 この622万人の目標は、今から30年後、2051年度の目標値です。県としては、新型コロナウイルスの影響による短期的な落ち込みを乗り越え、空港周辺の発展とともに、長期的なこの目標の実現に向けて、熊本国際空港株式会社や関係市町村などと連携して取り組んでまいります。 次に、鉄道延伸の場合のルートについては、平成30年度に、三里木、原水、肥後大津の3つの駅から分岐する案について検討を行いました。 その結果、中間駅を設置することで、空港と同様に本県の長年の課題である県民総合運動公園へのアクセスが改善し、その周辺の需要も取り込める三里木駅からの分岐を軸に検討を進めています。 運動公園へのアクセスが大幅に改善されることで、全国規模のスポーツ大会や大型イベントなどの誘致が可能となり、空港アクセス検討委員会などにおいても、多くの期待の声をいただいています。 空港アクセス鉄道は、単なる交通アクセスの改善にとどまらず、運動公園の利便性向上、さらには空港周辺の発展とともに、県内全域に様々な効果を生み出すものであります。 まさに、熊本地震からの創造的復興の総仕上げとして、実現に向け、県民の皆様の御理解が得られるよう、引き続き取り組んでまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 知事からいろいろとこの事業の実現性について言われましたが、現実的に果たしてそれが可能かどうかとなってくると、いささか疑問も感じます。 実は、この事案が委員会に出てきたのは、ちょうど私が委員長をしておりました平成30年12月の高速交通の委員会でした。そのとき、何やら全く疑うことなくこの案を容易に、安易に認めてしまったことに大変今、後悔しております。 実は、なぜ認めたかと申しますと、当時、監査委員をしておりまして、運動公園に監査に行ったんです。そうしたら、えがお健康スタジアムが50万人、パークドームが44万人、90万人の方が利用しているという話を聞きまして、その瞬間、やっぱりこれはここに公共交通の整備が必要だなと思ったものですから、そういった中で、ちょうど12月に出てきたものですから、渡りに船的な感じでそれを信じてしまったわけであります。 その後、年が明けて、3月、4月は、私、選挙だったんですけれども、要するに、その選挙で妥当性を課して、全部大津町の方々に理解を求めたんです。大津の方々は、やはり大津からの直進を望んでおるわけでございますから。 そして、選挙は無事に終わったんですけれども、その後、ラグビーワールドカップがございまして、2万7,000~2万8,000人の観客を県内外のバス事業者の方々の協力で大きな混乱もなくさばけまして、そのとき、これは無理して鉄道を敷く必要はないのではないかと、そういう考えに至りましたし、そしてまた、その後、パークドームの使用状況を見に行ったんですけれども、見に行って帰るとき、石段を降りておりますと、若い夫婦が子供1人連れて上がってきておりまして、今度はお母さんと子供と会ったんです。ボールをネットに入れて、かけておりましたが、そのとき、果たしてこれは誰が乗るかと考えたんです。ここには誰もつえをついてくる人は来ないと。そうなってくると、車の免許を持たない人が乗るとするならば、高校生とか学生は多少利用するかもしれませんけれども、一般の方々、いわゆる車を持っている方々はまず乗らないなと、ある程度限定的な数字だというふうに思いまして、それからいろいろと考えたんですけれども、なかなかどういった方が乗るかという答えは出てきません。 そういったことを考えたときに、やっぱり非常に、この事案は、もう一遍慎重に検討する必要があるなというふうに感じたわけであります。 特に、1つは、事業が大きく変わりました。当初は380億だったのが、税込みで504億という数字が出てきましたし、そして当初は、大津ルートが否定されたのは、1つは、白川を渡ればトンネルだったんですね。トンネルは、水が出るとかあるいは障害物があるから工期が長くなる、あるいは費用が増大する、そういった懸念があると指摘されまして、一方、三里木は、運動公園並びに免許センターの交通アクセスが飛躍的に向上すると。 この路線は、空港アクセス鉄道なんですよね。ですから、空港アクセスが飛躍的に向上するならばよく分かるんですけれども、運動公園とか免許センターは、本当に乗るかという気がいたして、今に至っております。 それと同時に、非常に事業費が上がったわけでございますから、やはりもう一回再検討するべきじゃないかと。もちろん、大津も含めて――大津も入るならいいですけれども、大津からの直進とこの三里木分岐の事業費の増大と――トンネルを掘るんです。大津のときはトンネルを批判していて、今度はこっちじゃトンネルをやるわけでございまして、非常に矛盾もありますし、もう一回、時間は十分ありますから、より多くの方々が納得できるように、検討委員会もできましたし、そういった場での議論が私はあっていいのではないかと思っております。だから、再検討はいかがというふうに思っております。 また、検討委員会につきましても、検討委員会の目的は「事業の推進を図ることを目的とする。」というふうに書いてあります。普通、検討委員会ならば、やっぱり是非を含めて検討するのが一般的な検討の在り方だと思いますけれども、これによりますと、一応前段ではそういった是非も含めてと書いてありますが、最終的に、今申しましたように、事業の推進を図ることを目的とするということは、この事業を進めるための検討委員会、こんな検討委員会があっていいのかと。 やはり、私は、検討委員会は是非を問う、例えば、今回ならば、三里木分岐あるいは大津直進、こういった2つを提案して検討委員会の方々に御検討いただいて、そこで結論が三里木になれば誰も文句言わないでしょう。そういった手法も私は取っていいんじゃないかと、それが本当の意味での検討委員会ではないかというふうに思います。 特に、この検討委員会の中で私が注目したのが、赤木支社長さんの――委員会で、あの方は、鉄道事業は9割が固定費、大きなインフラには大きな固定費がかかる、需要予測をしっかり検証した上で投資を考えるべきだ、鉄道建設を考えるべきだという意見を述べておられます。まさに、鉄道のプロですから、この事業に安易に取り組むことに警鐘を鳴らしたような気がいたしております。 こういったことを含めまして、検討委員会、ぜひ2つの案を調べて、その是非を問うことが本当の意味での検討委員会ではないかというふうに思います。 また、JR九州の3割負担、これも極めて不確定要素です。利益が出なければ、この3割負担はありません。しかも、この3割負担そのものも、JR九州と十分な、最終的な詰めと申しますか、答えと申しますか、そういったものがまだ出ていないとも聞いておりますし、この3割負担も、しっかりと、これだけの利益が出るから、これだけの委託費とかいろいろJRに払わなきゃいけない金もありますし、そのJRさん、利益がなければ払いませんから、もしも出なかったら我々が負担しなきゃならないとなるわけでございまして、極めてこのJRさんの3割負担についても、確実に、正確に数字を出すべきだというふうに思います。 それと、先ほど知事が言われました622万人構想、これは目標ですから、極めてこれもまた不確定、不確実です。しかも、コロナです。JR九州もJR西日本も、コロナが終わっても恐らく9割ぐらいしか回復しないんじゃないかと、そうした悲観的な見方をしております。そういった中に、この622万人構想が、2051年でありますけれども、達成するかどうか極めて不透明でありますし、そういったものを前提に調査方法を出すということは、極めてこれまたあまりにも調査方法について不安でなりません。 例えば、600万人あるいは500万人あるいは400万人、こういった3つのシミュレーションを引いて、こういった場合はこうなりますよと、そういった数字を出して私に分かりやすく説明をしていただかないと。これは極めて大事な事業なんです。 それから、鉄道の名称、私は、阿蘇くまもと空港駅の人間ですから、こだわります。阿蘇くまもと駅周辺の住民としては、三里木分岐乗換案に空港アクセスの冠をつけたことは、到底納得できません。空港アクセスを語るならば、当然、阿蘇くまもと空港駅が自然であり、理想であります。 空港運営会社が目指す622万人構想を実現するためにも、阿蘇の観光抜きには語れません。阿蘇地域の地方創生、さらには大津駅を起点とした菊池や山鹿方面の観光振興などの波及効果も考えられることから、多くの県民の理解が得られると思います。 また、東海大学農学部の話もありますが、これについても、大津にはマンションやアパートがたくさんあり、学生の要望の負託に応えられると思います。 地震によって陸の孤島と化した阿蘇地域も、蒲島県政の総力を挙げての取組によって、震災前よりも大幅に改善され、再び世界の阿蘇としての輝きを発する環境が整ったと思います。これだけでも空港アクセス鉄道としての資格は十分あると思いますが、いかがでしょうか。 空港アクセスを冠にするならば、豊肥線においては、阿蘇くまもと空港駅以外には私には考えられません。 なお、今回の調査では、25%が鉄道を支持、現状でよいは25%でありましたが、ついでに蒲島県政に対する評価、もう驚くべき数字が出ています。 蒲島県政12年間について、多いに評価する37%、多少評価する53%、合計90%の方が蒲島県政を評価しているんです。このとおり、調査で。これはもう驚くべき数字ですよ。恐らく世界新記録じゃないですかね。今は知りませんよ。 なお、最後に、最近聞く言葉で、50年後、100年後という言葉があります。私の感覚では、昭和あるいは平成の初めぐらいまではそういった言葉もあったんですけれども、私の辞書には、令和になってから、50年後、100年後という文字は削除しました。代わりにあるのは、負の遺産をこれから生まれてくる子供たちに残してはならないということであります。 以上述べて、次の質問に入ります。 次に、民意について質問を行います。 私は、民意は尊重しなければならないと思いますが、民意が全てではないと思います。民意が全てなら、政治は必要ないからです。政治では、時として民意に反する決断を下さなければなりません。特に、民意が強い抵抗をするのが、新たな税財源の創出であります。 日本の政治において、初めて、1979年1月、大平内閣によって、財政再建のため、一般消費税導入を閣議決定し、同年10月、総選挙中に導入断念を表明しましたが、大幅に議席を失うという民意が示されました。1987年2月には、中曽根内閣によって売上税法案が国会に提出されたところ、国民的な反対に遭い、同年5月に廃案となりました。 より高度な国民生活を維持するためには、新たな税財源の確保が不可欠なことから、ついに竹下内閣によって、1988年12月に消費税法が成立し、翌1989年4月に、税率3%で我が国初の消費税が施行され、今日に至っております。 竹下内閣3%、橋本内閣5%、民主党の菅直人内閣は、2010年6月、参議院選直前に消費税10%を打ち出し、選挙に惨敗するなど、消費税によってそれぞれの内閣は倒れましたが、消費税に果敢に挑戦して、今日の財源の確保の礎を築いたことは、高く評価してよいのではないでしょうか。 竹下首相は、国会で、新税は不安や懸念を伴うが、悪税なれども定着することで良税と理解してもらえると述べられ、それは安倍内閣によって実証されました。 安倍内閣は、8%、また10%へと、2度にわたり消費税率を上げましたが、倒閣に至らなかったのは、安倍内閣に対する国民の皆様の信頼と安定した政治への評価であると同時に、国民の皆様の消費税に対する理解が得られるようになったからではないでしょうか。 さて、今回私が問う民意は、尊重すべき民意であると思います。昨年春の知事選の最中に、読売新聞による空港アクセス鉄道に関する世論調査が行われました。その結果、支持するは、私の予想を大きく下回る25%であり、BRTの37%にも及ばず、自民党支持者でも33%であり、多くの県民の皆様が三里木分岐に大きな疑問を示しました。 70%前後の方が、空港アクセス鉄道を理解していない現実を真摯に受け止め、県民の皆様の御理解を得る努力をしなければならないと思います。 なぜ理解が得られなかったのか。それは、三里木駅分岐乗換えだと思います。空港アクセス鉄道に示された民意について、知事の所見を伺うと同時に、三里木駅分岐と阿蘇くまもと空港からの直進について民意を問う考えはないか、知事の考えを求めるものであります。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 現在の空港アクセスについては、交通渋滞により定時性が確保できないなどの問題を抱えていることや今後の空港利用者の増加に対応するため、改善を求める多くの意見をいただいています。特に、経済5団体からも、空港アクセス鉄道の早期整備について、繰り返し要望をいただいています。 県では、空港と同様に長年の課題である県民総合運動公園のアクセス改善が図られる三里木駅からの分岐ルートについて検討を深めているところです。様々な御意見があることは承知しており、今後も県民の皆様から一層の御理解を得る必要があると考えています。 そのため、有識者や経済界などで構成する空港アクセス検討委員会を設置し、幅広い意見をいただきながら、丁寧に検討を進めています。 今後も、空港アクセス検討委員会や県議会など、様々な場面で説明を尽くし、県民の皆様の御理解が得られるよう、引き続き取り組んでまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 正確に民意を問うか問わないかについては答えられませんでしたが、答えないということは、しないということで理解していいと思います。 昨年のこの議場で、川辺川ダムの関係で全員協議会がありました。あのとき、知事は、各集落の方と何十回と意見交換をされたわけでございまして、それの結果として、大体9ないし10回民意という言葉を使われております。非常に私は、知事は、民意を尊重する知事だなとそのとき思ったんですけれども、今回は、一応25%しか支持しないという民意が示されておりますが、これについての本当の意味での民意を示す調査、あるいは、先ほど申しましたように、三里木分岐と阿蘇大津のどちらに置くか、県民の皆さん方が理解できるかというそういった調査、そういったことを調査することによって県民の皆さん方の理解が深まるというふうに思うわけでございまして、ぜひ――川辺川ダムとはもちろん規模も内容も違いますけれども、しかし、25%という数字が示されている以上は、これに対して何らかのこちらもやっぱり数字を出して、やる以上は説得しなきゃならないんですから、今の段階では、なかなかそういった方々を説得する材料は持ちません。そのため、やっぱり数字をしっかり出して、数字で答えを出すのが一番分かりやすいし、納得しやすいし、あるいは安心感も出るでしょう。 ですので、もっと精査して、先ほどの、JR九州の赤木支社長が言ったように、この鉄道事業は巨大な装置産業だそうです。1両1億円する車両を引っ張るわけですから。したがって、固定費が大きくなると、それだけ利益が少なくなるわけでございますので、大変赤木さんのあの発言は、この事案に対する多少――心配されていることは事実だというふうに受け止めたわけでございまして、ぜひみんなが納得するような数字をしっかりと出していただけるようにお願いしておきたいと思います。 次に、阿蘇観光の戦略について。 平成28年の熊本大地震によって陸の孤島と化した阿蘇地域が、本県の総力を挙げて政府を動かしたことにより、驚異的なスピードで復旧、復興を成し遂げました。 阿蘇地域は、見事に再生し、震災以前よりも交通の利便性が大幅に改善し、観光産業の活性化が期待されます。 また、南阿蘇地域においては、南阿蘇鉄道の復旧は道半ばですが、2023年には全線開通し、念願の肥後大津駅への乗り入れも、JR九州さんの厚意により確実視されており、さらには先般開通した新阿蘇大橋の存在も、南阿蘇観光に大きな役割を果たしております。 北側復旧ルートの開通や国道57号の復旧、新阿蘇大橋の開通や震災ミュージアムの取組、立野ダムの建設、南阿蘇鉄道の肥後大津駅への乗り入れなどなど、新たな観光スポットの増加や交通の利便性の飛躍的な向上により、阿蘇地域の観光は大きな発展の可能性を秘めていると思うが、観光戦略部はどのような戦略を考えているのか、また、空港アクセス鉄道については、観光戦略部としてはどのような認識を持っているのか、観光戦略部長の考えを問うものであります。  〔観光戦略部長寺野愼吾君登壇〕 ◎観光戦略部長(寺野愼吾君) 阿蘇は、主要なアクセスルートが回復して初めての本格的な観光シーズンを迎えようとしております。 観光戦略部では、この機会を阿蘇観光の創造的復興を成し遂げる観光復興元年として、昨年度から実施している観光キャンペーン「I'm fine! ASO」を大幅に拡充し、様々な観光施策を展開してまいります。 まず、この夏、震災ミュージアムや観光スポットを活用し、家族旅行を促す新たなプロモーションを開始いたします。 秋には、感染症対策にもしっかり取り組んだ上で、落ち込んだ宿泊客数の回復につなげる誘客イベントを開催します。 また、本県における観光DXの実現に向け、阿蘇を舞台に、顔認証技術を活用した顔パス観光や観光体験と二次交通をICTで組み合わせる観光MaaSの実証にも取り組んでまいります。 さらには、来るべき阿蘇の世界文化遺産登録を見据え、市町村とも連携し、付加価値の高い滞在コンテンツの開発など、世界水準での観光ブランド化に取り組んでまいります。 世界に誇る雄大な阿蘇は、本県の宝であるとともに、九州観光の要でございます。アクセスルート開通効果の最大化、観光DXの実現、世界水準の観光ブランド化を大きな柱として、積極的に阿蘇の観光振興に取り組んでまいります。 次に、空港アクセス鉄道についてお答えいたします。 空港アクセス鉄道は、空の玄関口である阿蘇くまもと空港と県内各地をつなぎ、その定時性と速達性は、旅行客の利便性の向上に寄与するものと考えております。 さらに、定時性などと併せて、鉄道の持つ大量輸送性は、大規模なスポーツイベントなどの開催時においても、円滑な観客の輸送などに効果を発揮するものと期待しております。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 観光戦略部ですからね、戦略推進室じゃなくて。戦略というのは、何か昔の戦国時代に生まれた言葉じゃないかと思うんですけれども、戦略とは、私が引いた感じでは、総合的、長期的な計画を立てるのを戦略と言うそうです。総合的、長期的な計画。 私は、最近、新聞で星野リゾートというのに出会いまして、その中で界阿蘇という旅館があることを知りました。この星野リゾートのブランド名が、旅館の場合、界、世界の界、境界の界の阿蘇です。だから、阿蘇ですから、てっきり阿蘇にあると思ったんですよ。ところが、阿蘇になかったんですね。調べてもらったら、大分県九重町にあったんです。びっくりしましたね。大分県が阿蘇を使うということは、それだけ阿蘇というブランドはインパクトが強いということですよ。これは、他県に利用されて、熊本県がもっとこれを有効に利用しないということは、いささか反省をせざるを得ないというふうに思います。 そして、ここに行ってきたんですけれども、瀬の本からも近かったんですけれども、なぜ界阿蘇かと、大分なのに。聞いたら、フロントのえらい若い子が案内して、ベランダだったんです。見たら、遠くの向こうに阿蘇が見えるんです。中岳か高岳か知らぬですけれども、その木陰の間からですね。それで阿蘇です。 それくらいやっぱり阿蘇というブランド名は必要だと、有効だと、価値があると、そういう判断でそれを使用されておるわけでございますから、地元の熊本は、阿蘇をよそに取られるようじゃ、いささか観光戦略としても、考えて戦略を立てて、そしてしっかりと阿蘇の観光を磨き上げなきゃならないと思っています。 特に、先ほども述べましたが、622万構想を実現するためには、阿蘇抜きには考えられないんですよ。阿蘇は、世界の阿蘇です。世界から来られるんです、阿蘇を見に。そのためには、やはり阿蘇をもっともっとPRしたり、あるいは情報発信したりしながら、阿蘇の観光地としての名声をさらに高める努力を観光戦略部には強く求めておきたいと思います。 なおまた、この三里木分岐について、どういった考え、戦略を持っているのか。観光戦略を考えたとき、果たして三里木分岐で満足ですか。 私は、観光戦略部という看板を掲げるならば、当然くまもと空港駅からの直進、これが自然であり、理想なんです。政策的な合意もありますと私は思うんですよ。戦略部、課とか室じゃなかけん。部ならば、部長として、しっかりと部のあるべき姿、立つべき道、そういったものを県庁の中で議論するのが部長の私は役割だと思うんです。やっぱり、そういった口角泡を飛ばすような議論があって初めて県民の方々のためにもなるんですよ。なれ合いじゃいかぬ。 ぜひ、観光戦略部として--特に、そういったことに限らぬですけれども、九州観光推進機構というのもございますし、そういった機構と十分連携はされていると思うんですが、これは九州7県でつくっていますから、熊本県単独もいいですけれども、やっぱり九州は一つという感覚で、東北辺りに行きますと、まさに東北は一つのルートができていますもんね。そういったやっぱりルートを構築して、熊本はもちろんですけれども、九州全体が観光地として名声を上げるならば、必ず熊本の観光も私はよくなるというふうに思っておりますので。 特に、星野リゾートは、1914年に長野県の軽井沢にできているんですね。もう100年以上前なんです。旅館は、小さい、少ないんですけれども、この前私が行った界阿蘇は、駐車場が15~16台しか止められなかったんですけれども、旅館はちょっと道下の、やぶと言っては失礼ですけれども、何か見えなかったので聞かなかったんですけれども。料金が、2人なら10万円、1人5万円。そして、8割以上埋まっています。最近、界霧島、鹿児島県の、あそこでオープンしまして、1月。もうそれが4月末も全部予約でいっぱいだそうです。 これは、マイクロツーリズムですかね、そういったものをしておるわけでございますけれども、この社長の星野さんも、そういったマイクロツーリズムはもちろんですけれども、やはり空港を活性化するためには、アジアだけじゃなくて、当然認識されておりますように、全世界に向けて発信して、そして観光客を取り込む、そのためにも阿蘇の存在は欠かせない。 ですから、しっかりと阿蘇の存在を高めながら、外国からのお客さんの取り込みに、戦略部としてしっかりと戦略を立てられることを心から希望して、次の質問に行きます。 少子化対策について質問を行います。 実は、私は、初めてかと思ったら、過去2回していたんですね。事務局の方が来られて。でも内容はちょっと違うんですけれども、これを少子化対策についての一般質問の最後にしたいと思っております。 少子化対策について、出生率2.0を目指して。 2014年5月、民間研究機関、日本創成会議座長増田寛也元総務大臣による増田リポートが、全国の自治体に衝撃を与えました。出生率の低い東京圏に20~39歳の女性が流入する現状を放置すると、日本の出生率も下がり、人口減に拍車がかかる、40年には、全国の市区町村の3割が人口1万人未満となり、消滅の可能性が高いと語り、消滅可能性都市と名指しされた自治体が動揺する中、安倍内閣は、同年5月、地方創生策に着手しました。 主な目標は、出生率を大幅に引き上げ、60年に1億人程度の人口を維持する、年間10万人以上の東京圏への転入超過を20年に解消するの2点であります。 個人のライフスタイルに関わる人口や出生率について、政府が具体的な目標を掲げるのは異例と言われましたが、全国の自治体は、若者の雇用数や移住者数に関する5年後の数値目標を盛り込んだ地方版総合戦略を策定、政府は、自由度の高い交付金で自治体を財政支援しました。 しかし、20年度の東京圏への転入超過数は、約10万人で、新型コロナ禍により前年から5万人縮小したものの、目標は達成できませんでした。出生率も低迷したままではないでしょうか。 私は、令和元年、副議長として九州議長会の各省庁への要望活動に参加し、総務省に伺いましたが、対応していただいたのが、本県の副知事として活躍された黒田武一郎さんでした。 意見交換のとき、私が少子化対策についてお尋ねしたところ、総務省はもとより、全省庁で取り組む問題であり、まさに国難だと言われました。 国難とは、国家の存亡に関わる危機と、私のガラ携の辞書には書いてありました。 少子高齢化が一段と進む日本は、極めて厳しい状況が続くと言われていますが、これを克服するためには、国の強力な施策や経済の好転、さらには国民の意識の変化が必要と言われています。私は、特に国民の皆様の意識の変化に期待します。 その一つの試みとして、教育の現場で国難について議論してみてはいかがでしょうか。私は、世界で一番安全で安心な国家日本を、今から生まれてくるであろう子供たちに残してやるのが私たちの使命であり、責務ではないでしょうか。 この国難を乗り越えるためには、私たち一人一人が、自らの課題として捉え、認識し、行動することが必要と考えますが、その一翼を教育行政にお願いするのはあまりにも酷なことでしょうか。ハードルは高いと思いますが、率直な答弁を教育長に求めるものであります。 また、国難を乗り越えるためには、出生率の向上が不可欠ですが、そのためには、子育てしやすい環境の整備が必要です。 国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査では、夫婦の理想的な子供の人数は2.32人ですが、1人の女性が産む子供の平均数を示す合計特殊出生率は、19年で1.36人であり、理想と現実の差が大きく、また、結婚しても子供を持たないことを選ぶ夫婦も増えているそうです。その大きな理由は、子育てにお金がかかり過ぎるからだと言われています。 要因は経済的なことですから、政府が新しい税財源を創設するのが理想かと思いますが、消費税導入に10年余りの時間を要したことを考えると、現実的には厳しいものと思い、我々一人一人が財政的な支援はできないかを考えるときに、県民や企業の寄附を財源とした熊本型子育て基金の創設に思いが至りました。 この考えも、私自身の荒唐無稽な考えかもしれませんが、この国難を回避するには、県民はもとより、国民一人一人が行動し、子育てしやすい環境の整備に努めることが必要と考えます。 その一つとして、先ほど述べた熊本型子育て支援基金を創設して、児童手当等の充実に取り組むことは不可能なことでありましょうか。このことを含め、少子化対策への知事の考えを伺うものであります。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 議員御指摘の少子化対策につきましては、県教育委員会としても、大変重要な課題であると認識をいたしております。 少子化対策には、様々な分野で総合的な取組が必要ですが、学校教育の中でできることは、まず、子供たちが正しい知識を習得し、自らの課題として捉えた上で、個人として、あるいは社会の一員として行動に移すことができる、そのような人材を育てることにあろうかと思います。 そのため、まず、各教科において、少子化や子育て、出産に関する正しい知識を習得するための授業を行っております。 例えば、家庭科では、生涯を見通した生活設計や男女が協力して家庭を築くこと、子育ての意義や親の役割、国や地域による子育て支援など、将来親になる際に必要な知識を身につけております。 保健の授業では、子供の人数、産む時期を考える家族計画の意義や、高齢出産に伴う母体や子供の健康リスクなどについて学んでおります。 また、社会科、公民科では、少子化による地域の活力低下、産業の労働力不足、社会保障への影響など、少子化対策が我が国の喫緊の課題であることを学んでおります。 このようなことを理解した上で、少子化を自らの課題として捉え、多面的、多角的に考察し、発表し合うなど、探求的な学びに結びつけながら、社会の一員として主体的に行動できる人材の育成に努めております。 加えて、少子化対策に向けては、子供たちや保護者にとって、学校が安全、安心な場であること、さらには教育に伴う経済的な負担について、できる限り軽減に努めることなど、子供を安心して産み育てるための教育環境を整えていくことも重要であると考えております。 県教育委員会としては、今後も、自ら学び、考え、これからの未来を切り開く人材の育成と産み育てやすい教育環境の整備の両面で、少子化対策にしっかりと取り組んでまいります。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 未来を担う子供たちは、社会の希望であり、熊本の宝です。その子供たちが健やかに育っていける環境をつくることが、今を生きる私たちの使命であり、熊本のさらなる発展につながると考えています。 少子化問題は、個人の価値観やライフスタイルの多様化、未婚化や晩婚化、地域における子育て力の低下など、様々な要因が複雑に絡まっています。 このような状況において少子化問題に取り組むには、多面的なアプローチが必要であり、その中でも、子供を安心して産み育てたいと思える環境づくりが何よりも大切だと考えています。 そのための取組として、本県では、これまで、国に先駆けた多子世帯への保育料助成など、子育て世代の負担を軽減する様々な取組を進めてまいりました。 私が知事に就任した平成20年から昨年までの合計特殊出生率を比較してみると、全国的には1.37から1.34と0.03ポイント低下しています。そのような中、本県では、1.58から1.60と0.02ポイント上昇しております。その意味で、取組の成果は着実に上がっていると考えています。 議員御提案の県民や企業の寄附を財源とした児童手当等の充実についてですが、手当を継続的に支給するためには、安定した財源の確保が不可欠であり、任意の寄附金を前提とした制度設計は難しいと考えています。 一方、御指摘のように、県民一人一人が、少子化について、自らの問題として考え、行動することは大変重要です。このため、行政だけでなく、県民、企業、地域がそれぞれの立場から将来を見据えた取組を進めています。 具体的には、結婚、妊娠、出産などの支援に取り組む市町村をパッケージで手厚く支援する県独自の少子化対策総合交付金を令和元年度から実施しています。 また、内閣府の交付金を活用した本県の「くまもとスタイル」子育て推進事業の取組は、全国的にも高い評価を受けています。 さらに、社員の仕事と子育て等を応援するよかボスの取組については、現在700社を超える企業に御賛同いただいており、社会全体で子育てを応援していく機運を醸成しているところです。 今後も引き続き、県民や企業をはじめ、地域社会全体で少子化問題の危機感を共有し、誰もが子育てに希望が持てる社会の実現に向け、全力で取り組んでまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 教育長からいい答弁をいただきました。 特に、私が感じたのは、喫緊の課題という文言がありましたね。それだけこの事案について重要な認識を持っているなと思って、大変心強く感じたわけでありますが、もともと国難を教育の現場でされるとは私自身も思っていなかったんですけれども、この事案に当たるときに、総務省に行って、さっき申しましたように、国難ということを聞きましたし、それともう一つは、ある新聞によると、この現状を打破するためには、景気がよくなって若い方々の所得が上がる、あるいは意識の変化、そういったことが書いてありまして、意識の変化ならばそんなに財源は要らないなと思って、こちらのほうに振ったわけであります。 もう一つは、ある幼稚園のPTAの方と会う機会がございまして、意見交換の中で、私が、私は子供を2人しか産まなかったのは今痛恨の極みだと申し上げたら、そのPTAのお母さんが、実は私も3人目が欲しかったと。でも、お金がかかるので、主人と話をして、2人でやめましたと言いましたものですから、やっぱり金がかかるのもこの少子化の一つの原因だなと思ったわけであります。 そこで、教育行政ならば、教育の現場で意識の変化をしていただければ、そういった財源は必要としなくて済むわけですし、また、もう一人のお母さんは、私がその方に出産祝い金を100万やるなら産みますかと聞いたところ、しばらく考えておられたんですけれども、毎年やるならば産むとおっしゃったので、毎年やっとったら財源的にですね、...... ○議長(小早川宗弘君) 残り時間が少なくなりましたので、発言を簡潔に願います。 ◆(田代国広君) (続) これはやっぱりちょっと不可能だと。ですから、財源的には無理だなと思いまして、それからそういった教育委員会とかに振ったわけでございます。 その財源のためにも、知事に申しました子育て資金の創設、これも、県がしようとすると大変いろいろな制約があると思いますが、企業は恐らく――特にまた、少子化というのは、経済は縮小するわけですから、企業にとってはあまりいいことないわけですから、企業あたりが主になって、それを県が応援するといいますか、お手伝いするという、そういった形でのそういった基金の創設なんかができないかなと最近思っておるのでございまして、とにかく財源も要るんです、これをするためには。それは、もちろん意識の変化も大事です。ですから、両方から攻めていって、何とかしてでもこれを措置しなければ、成果を上げなければなりません。 と同時に、少しいいニュースを知らせますが、高校生が婚活イベントを企画しております。菊池高校の商業科の方々が、婚活のコーディネーターとか、熊本市の婚活コーディネーター荒木直美さんという方がその指導をされて、高校生が婚活のイベントをする。いわゆる、この少子化に対して、婚活がやっぱり一つのポイントを握っていると、ある意味では役割を果たしておる、果たさなきゃならないと、高校生がこういったことに対して興味を抱く、それだけでもこの少子化対策に対して、国民の一人一人が関心を持ってしたならというような気がいたしております。 余る予定だったのが、なくなってきました。これで終わりますが、先ほど申しましたように、我々の政治の責任は、今から生まれてくる子供たちに負の遺産を残さないこと、それが大事だと思います。 以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(小早川宗弘君) 以上で通告されました一般質問は全部終了いたしました。 これをもって一般質問を終結いたします。    ――――――○―――――― △日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第18号まで) ○議長(小早川宗弘君) 次に、日程第2、目下議題となっております議案第1号から第18号まで等に対する質疑を行いますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。    ――――――○―――――― △日程第3 知事提出議案の委員会付託(第1号から第18号まで) ○議長(小早川宗弘君) 次に、日程第3、目下議題となっております議案第1号から第18号までにつきましては、さきに配付の令和3年6月熊本県議会定例会議案各委員会別一覧表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― △日程第4 請願の委員会付託 ○議長(小早川宗弘君) 次に、日程第4、今期定例会において受理いたしました請願は、議席に配付の請願文書表のとおりであります。 請第25号から第28号まで、第30号及び第31号をそれぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。 次に、お諮りいたします。 請第29号は、有明海・八代海再生及びゼロカーボン社会推進特別委員会に付託して審査いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小早川宗弘君) 御異議なしと認めます。よって、請第29号は、有明海・八代海再生及びゼロカーボン社会推進特別委員会に付託して審査することに決定いたしました。  〔請願文書表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― 知事提出議案第20号及び第21号 ○議長(小早川宗弘君) 次に、お諮りいたします。 知事提出議案第20号及び第21号が提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小早川宗弘君) 御異議なしと認めます。よって、知事提出議案第20号及び第21号を日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 知事提出議案第20号及び第21号を一括して議題といたします。  ―――――――――――――――――― 第20号 人事委員会委員の選任について 第21号 公安委員会委員の任命について  ―――――――――――――――――― ○議長(小早川宗弘君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案第20号及び第21号に対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小早川宗弘君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。    ――――――○―――――― △日程第5 各常任委員長報告 ○議長(小早川宗弘君) 次に、日程第5、昨日の会議において審査を付託いたしました議案第19号について、各常任委員長から審査結果の報告があっておりますので、これを議題といたします。 ただいまから、各常任委員会における審査の経過並びに結果について、各常任委員長の報告を求めます。 まず、厚生常任委員長の報告を求めます。 橋口海平君。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 厚生常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係1議案であります。 議案の概要について申し上げます。 今回提出された健康福祉部の6月補正予算、追加提案分は、新型コロナウイルス感染症対策分として、高齢者向けのワクチン接種促進のため、接種回数の増加や体制強化を図る医療機関に対する助成、一般向け接種の加速化のために設置する県民広域接種センターの運営や生活困窮世帯への自立支援金の支給に要する経費等、57億1,600万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて3,876億9,100万円余であります。 議案の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、県民広域接種センターについて、設置場所はグランメッセ熊本と言われているが、そのとおりか、また、1日に接種する患者数はどの程度を考えているのかとの質疑があり、執行部から、場所については、グランメッセ熊本を予定しており、1日の接種能力については、平日は500人から1,000人程度、土日は1,000人から2,000人程度を予定しているとの答弁がありました。 次に、委員から、職域接種が始まっているが、中小企業や事業規模が小さい団体などにも対応できるような仕組みはつくれないか、また、その前提として接種券が必ず要るのかとの質疑があり、執行部から、個人による予約枠に加えて、小規模の企業や団体等を対象にした団体予約枠を設ける方向であり、接種券を持っている方を対象とするよう考えているとの答弁がありました。 さらに、委員から、接種を希望する方に対し、できる限りスムーズに接種してほしい、また、接種をしない方に対して、企業や団体の中で差別や不利益がないように指導してほしいとの要望がありました。 関連して、委員から、県民広域接種センターの対象者は、熊本県全域の方か、また、無償で接種できるのかとの質疑があり、執行部から、熊本県全域の方を対象と考えており、費用は無償であるとの答弁がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決することに決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、厚生常任委員長の報告を終わります。 ○議長(小早川宗弘君) 次に、経済環境常任委員長の報告を求めます。 松村秀逸君。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 経済環境常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。 本委員会に付託されました案件は、予算関係1議案であります。 議案の概要について申し上げます。 今回提出された商工労働部の6月補正予算、追加提案分は、新型コロナウイルス感染症対策分として、営業時間短縮要請協力金の支給等に要する経費36億6,900万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて1,120億6,500万円余であります。 議案の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、今回の協力金の額について、どのような基準で算定しているのかとの質疑があり、執行部から、売上高等に応じて、まん延防止等重点措置適用期間の単価の下限は日額3万円であったが、今回は、適用を受ける以前と同じ日額2万5,000円を単価の下限としているとの答弁がありました。 さらに、委員から、医療を守る行動強化期間は、熊本市の病床使用率が20%を下回ることが確実に見込まれたら前倒しで解除するということだが、確実に見込まれるとはどういう状態のことを想定しているのかとの質疑があり、執行部から、健康福祉部で入退院の状況や病床使用率の下がり方の状況を踏まえて判断されると考えているとの答弁がありました。 次に、委員から、今回の協力金の負担割合について、どのようになっているのかとの質疑があり、執行部から、負担割合は、国8割、県1割、熊本市1割である、県負担分は国のコロナ臨時交付金を充てることとなるため、財源内訳としては、国庫支出金が9割となっているとの答弁がありました。 さらに、委員から、今回の協力金は、何店舗分として積算しているのかとの質疑があり、執行部から、熊本市内の酒類提供飲食店4,400店舗で積算しているとの答弁がありました。 次に、委員から、この協力金をなるべく早く支払うことができるような体制をお願いしたいとの要望がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決することに決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、経済環境常任委員長の報告を終わります。 ○議長(小早川宗弘君) 最後に、総務常任委員長の報告を求めます。 緒方勇二君。  〔緒方勇二君登壇〕 ◆(緒方勇二君) 総務常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係1議案であります。 議案の概要について申し上げます。 今回提出された令和3年度6月補正予算、追加提案分は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止や県民生活、県経済への影響の最小化を図るために要する経費93億8,600万円余の増額補正であり、補正後の令和3年度の一般会計の予算総額は、9,044億3,600万円余であります。 執行部から議案について説明を受け、審査を行った結果、本委員会に付託されました議案につきましては、全員賛成をもって原案のとおり可決することに決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、総務常任委員長の報告を終わります。 ○議長(小早川宗弘君) 以上で各常任委員長の報告は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小早川宗弘君) 質疑なしと認めます。 次に、討論に入りますが、ただいままで通告はありません。よって、討論なしと認めます。 これより、議案第19号を採決いたします。 ただいまの各常任委員長の報告は、原案可決であります。各常任委員長の報告のとおり原案を可決することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小早川宗弘君) 御異議なしと認めます。よって、議案第19号は、原案のとおり可決いたしました。  〔委員会審査報告書は付録に掲載〕    ――――――○―――――― 議案第1号 令和3年度熊本県一般会計補正予算(第6号)の訂正の件 ○議長(小早川宗弘君) 次に、お諮りいたします。 知事から、議案第1号、令和3年度熊本県一般会計補正予算(第6号)について、議席に配付のとおり訂正したい旨の申出があっておりますので、この際、議案第1号、令和3年度熊本県一般会計補正予算(第6号)の訂正の件を日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小早川宗弘君) 御異議なしと認めます。よって、議案第1号、令和3年度熊本県一般会計補正予算(第6号)の訂正の件を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。 議案第1号、令和3年度熊本県一般会計補正予算(第6号)の訂正の件を議題といたします。 お諮りいたします。 議案第1号、令和3年度熊本県一般会計補正予算(第6号)の訂正の件は、許可することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小早川宗弘君) 御異議なしと認めます。よって、議案第1号、令和3年度熊本県一般会計補正予算(第6号)の訂正の件は、許可することに決定いたしました。    ――――――○―――――― △日程第6 休会の件 ○議長(小早川宗弘君) 次に、日程第6、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。 明24日及び25日は、議案調査のため、28日は、各特別委員会開会のため、29日から7月1日までは、各常任委員会開会のため、2日は、議事整理のため、それぞれ休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小早川宗弘君) 御異議なしと認めます。よって、明24日、25日及び28日から7月2日までは休会することに決定いたしました。 なお、26日、27日、7月3日及び4日は、県の休日のため、休会であります。    ――――――○―――――― ○議長(小早川宗弘君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、来る7月5日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第6号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後0時25分散会...