熊本県議会 > 2021-03-10 >
03月10日-07号

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  1. 熊本県議会 2021-03-10
    03月10日-07号


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    最終取得日: 2023-05-26
    令和3年 2月 定例会               第 7 号              (3月10日)  令和3年   熊本県議会2月定例会会議録     第7号令和3年3月10日(水曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第7号  令和3年3月10日(水曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(48人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            池 永 幸 生 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 君            竹 﨑 和 虎 君            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            河 津 修 司 君            前 田 憲 秀 君            濱 田 大 造 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            楠 本 千 秋 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            渕 上 陽 一 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            田 代 国 広 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    木 村   敬 君     知事公室長  白 石 伸 一 君     総務部長   山 本 倫 彦 君     企画振興部長 高 橋 太 朗 君     理    事 水 谷 孝 司 君     健康福祉部長 渡 辺 克 淑 君     環境生活部長 藤 本   聡 君     商工労働部長 藤 井 一 恵 君     観光戦略部長 寺 野 愼 吾 君     農林水産部長 竹 内 信 義 君     土木部長   上 野 晋 也 君     会計管理者  本 田 充 郎 君     企業局長   藤 本 正 浩 君     病院事業            吉 田 勝 也 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  岸 田 憲 夫 君     人事委員会            青 木 政 俊 君     事務局長     監査委員   福 島 誠 治 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   吉 永 明 彦     事務局次長            横 尾 徹 也     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     審議員兼            富 田 博 英     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(池田和貴君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(池田和貴君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 西山宗孝君。  〔西山宗孝君登壇〕(拍手) ◆(西山宗孝君) 皆さん、おはようございます。自由民主党・宇土市選出の西山宗孝でございます。本日は一般質問の機会をいただき、ありがとうございます。議員になりましてから、通算6度目の登壇となります。何回やりましても、非常にこの場に上がりますと緊張を覚えております。どうぞよろしくお願いします。 質問に入ります前に、昨年の7月豪雨において犠牲になられました皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、被災された多くの皆様に改めましてお見舞いを申し上げます。 災害直後には、自民党をはじめ、幾度となく被災地を訪れ、微力ながら、災害土砂の撤去などお手伝いをさせていただきましたが、熊本地震に続く自然災害の爪痕を見て、大きなショックを受けました。一日も早い復旧を目指して、地元県議の先生方とともに県議会の一員として、その任を果たしていく責任を痛感しております。 さて、昨年春先からの未曽有のコロナ禍で、多くの大切なものが失われました。本県でも、今もなお、県民生活、経済活動など社会の全てにおいて、大きな被害や影響を受けています。県議としても、各種団体や地域の皆様との意見交換の場や行事など、大幅に激減いたしました。 この間、私は、地元宇土市を中心に、県政の課題などについて、地域の隅々の実情を見て歩く機会として、道路や河川などインフラや地域産業の現場、あるいは個別の御意見などを伺うこともできました。本日は、こうした政務活動の中において得た課題について、緊急性の高い課題を中心に質問をさせていただきます。 執行部におかれましては、簡潔で積極的な答弁をお願いします。よろしくお願いします。 最初に、県内中小河川における今後の流域治水の取組についてお尋ねをいたします。 球磨川流域の災害検証においては、球磨川の長期的な河川整備のビジョンとなる河川整備基本方針の計画雨量をはるかに超える雨量を記録し、球磨川本川においては観測史上最高の水位であったということが報告されておりました。このため、国は、これまでのハード整備を中心とした治水対策に加え、流域全体で、あらゆる関係者が協働して総合的かつ多層的に取り組み、流域全体で水害を軽減させる流域治水へと転換を図ることとしています。 県内においては、白川、緑川流域などの1級河川で、昨年9月に、流域治水を計画的に推進するため協議会を設置し、それぞれの地域で関係者が連携し、防災対策に取り組むための協議、検討が始まっております。 一方で、県管理河川には、1級河川のほかに2級河川があり、2級河川は約150河川あり、多くは河川延長が短く、流域が小さい中小河川であります。この中小河川の流域においても、大河川と同様に、森林や砂防、市町村管理河川、漁港や港湾など関係も多く、治水対策、減災・防災対策を考える上での課題も多岐に及んでおります。 地元の宇土市において、有明海に面する宇土半島を流れる2級河川、網津川や網田川では、河川は山地から海までを短い距離で流れ、河口の先は漁港へつながっています。背後地は狭隘な土地が多く、沿川は漁業や農業の小さな集落が点在していることもあり、避難場所や避難路の確保など、防災面の課題も多い状況であります。沿川住民は、7月豪雨で、大河川である球磨川氾濫の情景を見て、家の近くの川でも同様な氾濫が起きるのではないかと、洪水に対する不安を募らせています。 県は、球磨川流域において、緑の流域治水として、新たな治水の方向性を示されました。私は、球磨川で示された新たな治水の方向性を網津川や網田川のような県内の中小河川の流域でも打ち出していくことが、住民の命を守り、安全、安心につながっていくのではないかと考えています。 そこで、7月豪雨を踏まえ、防災、減災の観点から、県内中小河川における今後の流域治水の取組について、土木部長にお尋ねをします。  〔土木部長上野晋也君登壇〕 ◎土木部長(上野晋也君) 県管理の中小河川治水対策につきましては、これまで、河川改修や河道掘削等治水安全度の維持向上に努めるためのハード対策とともに、河川水位の情報や監視カメラによる映像の提供、浸水想定区域図の公表、既存ダムの事前放流等、人命を守るためのソフト対策に取り組んでまいりました。 しかしながら、近年激甚化する豪雨の状況を踏まえると、河川管理者等が主体となって行う対策に加え、特に、集水域や氾濫域での取組に重点を置いた流域治水を推進していくことが重要であると認識をしております。 具体的な流域治水の検討に当たっては、早急に県と市町村で構成する検討の場が必要です。例えば、地域振興局単位で設置している大規模氾濫減災協議会等を活用し、来年度に、地域の実情を踏まえた体制を構築したいと考えております。 県としましては、中小河川においても、流域全体の関係者が協働して、水害を軽減する流域治水の対策を推進することで、地域の防災、減災に取り組んでまいります。  〔西山宗孝君登壇〕 ◆(西山宗孝君) 県南豪雨の復旧、復興は急務であると認識しております。一方で、県内の中小河川についても、変動する気候の中で、同じような災害がいつ起きてもおかしくない状況にあります。ただいま答弁にありました事業手法においては、それぞれの現場、環境に違いがあり、しっかりと検討していただきたいと思います。 また、答弁の中にありました中小河川への流域治水の取組について、新年度には、市町村を含めたところの検討の場を早急に設置されるとお伺いしました。どうぞスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。 また、災害続きで、県の職員も、特に技術系の職員が不足している状況であります。現場を預かる振興局の職員の充実、市町村との連携、市町村においても技術職員等々の不足が不安視されております。どうか、ぜひ、県のリーダーシップをもって、市町村との連携についてもよろしくお願いしておきたいと思います。よろしくお願いします。 続いて、教育現場における教職員の不祥事についてお尋ねをします。 本県のほとんどの教職員が、深い教育的愛情を持って日夜指導力向上のために研さんを重ね、子供たちの成長に真剣に向かい合っておられるのは承知しております。しかしながら、依然として多くの不祥事が発生している現状を見ますと、実態を踏まえて対策を打っていく必要があると思います。 全国的な状況については、文部科学省が公表します公立学校教職員人事行政状況調査によりますと、令和元年度に懲戒処分等を受けた教職員は4,677人、平成30年度の5,978人から1,301人と大幅に減少はしています。 一方で、わいせつ行為等により懲戒免職等を受けた者は、令和元年度が273人で、平成30年度は282人、僅かながら減ってはおりますものの、減少傾向にあるとは言えません。また、児童生徒に対するわいせつ行為により懲戒処分を受けた教職員は、273人中126人と、半数に及んでいると驚いております。 本県においては、つい先日も、県立高校の事務職員が、県少年保護育成条例違反などの罪で、執行猶予となったものの、実刑判決が確定しております。また、小学校の教諭が強制わいせつにより逮捕されるという事案も発生しております。 このような教職員の児童生徒に対するわいせつ行為は、被害を受けた児童生徒の心と体に一生残る傷を負わせるとともに、児童生徒や保護者、学校や地域あるいは県民の信頼を失うこととなり、決してあってはならないものであり、根絶しなければなりません。 教育委員会では、これまでも、不祥事防止に向け、対策を講じられてきたと思いますが、依然としてわいせつ行為等の不祥事がなくならない状況を受け止め、対応を急ぐ必要があると思います。 教職員の採用段階での取組や再発を根絶するための施策なども求められています。さらに、このような教職員のわいせつ行為から子供たち自らを守る施策についても考えていく必要があるのではないかと思います。 そこで、教職員による児童生徒へのわいせつ行為を含む不祥事の実態と対策について、教育長にお尋ねをいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 本県の教育現場における教職員の不祥事についてお答えをします。 まず、不祥事の実態についてですが、懲戒処分を行ったのは、平成30年度は11件、令和元年度は13件、今年度は5件となっております。このうち、児童生徒に対するわいせつ行為等は、7件となっており、4件を懲戒免職処分、3件を停職処分としております。 特に、児童生徒に対するわいせつ行為は、教職員としての立場を利用し、弱い立場にある子供に対して行う卑劣極まりない、あってはならない行為であり、厳正に対処しているところです。 次に、わいせつ行為等を含めた不祥事防止に向けた対策についてであります。 昨年、一昨年と、生徒との私的なメール等のやり取りの禁止、また、児童生徒を指導する場合、密室で行わないなど、児童生徒への対応について通知し、周知を行いました。また、管理職に対しては、不祥事等の事件・事故に係るリスクマネジメント対応指針や、意識すべきこと、取り組むべきことを示した不祥事防止チェックリストを作成するなど、その徹底を図ってまいりました。 今年度は、新たに、経験年数に応じた研修にコンプライアンス研修を取り入れ、懲戒処分事例を題材に、その原因や背景、対応について意見交換を行うなど、不祥事を自分のこととして受け止められるような取組を行っております。 さらに、緊急的に全教職員を対象として、各学校で、児童生徒に対する不適切な言動のコントロールについて、心理学の専門家の講話を視聴し、意見交換を行う新たな研修も実施することとしております。 なお、採用段階での取組につきましては、採用試験時に、懲戒処分を受けた内容は全て志願書に記入させ、採用適否の判断材料としているところです。今後は、新たに検索対象期間が40年に拡充された官報情報検索ツールの活用も図ってまいります。 これからのさらなる取組についてですが、児童生徒自身が自分の身を守り、被害を訴えることができるような指導を充実するとともに、児童生徒がSOSを出しやすい体制も強化してまいります。 県教育委員会としては、市町村教育委員会とともに、学校現場におけるわいせつ行為等の不祥事の根絶に向けて、全力で取り組んでまいります。  〔西山宗孝君登壇〕 ◆(西山宗孝君) この事案につきましては、この3月には、国会内において、自民党、公明党の両党による児童生徒わいせつ行為を行った教職員を学校現場から排除するための議員立法を検討するワーキングチームの初会合も開かれております。また、採用時における犯罪歴を照会する制度なども併せて検討すると伺っております。 県教育委員会では様々な取組をされていると、ただいま答弁がございましたけれども、今後検討されていく上では、こういった国の動き等々も踏まえて、率先した形で検討策を進めていただきたいと思います。 先ほども申し上げましたように、子供たちにとってみますと、こういった犯罪の被害に遭った子供は、一生身体に傷を残すことになります。少なくとも、教職員によるわいせつ行為を根絶しなければならないと思います。この思いは、教育委員会においても同じであると思います。今後も引き続き、不祥事の根絶に向けた取組をしっかりと行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、県政における宇土・宇城地域の振興についてお尋ねをいたします。 蒲島県政においては、現在、第2期熊本県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定中であります。これは、本議会に提案されている県政運営の基本方針、新しいくまもと創造に向けた基本方針に沿って実施される具体的な施策を取りまとめたものです。新型コロナウイルス感染症の危機を乗り越えるとともに、地震、豪雨災害からの創造的復興を県全体の発展につなげ、地方創生を実現するため、大変重要な計画であります。 私の住む宇土市においても、熊本地震、同地震直後の豪雨災害において甚大な被害を受けました。災害から5年目を迎え、復興も、県、国の力強い支援に加え、市民の懸命な努力、協力の下に進められてきました。倒壊した宇土市役所、市庁舎も、いよいよ建設に向け、動き始めるところです。市民は、この間の経済的停滞に加え、コロナ感染を乗り越え、創造的復興に向け、さらに努力を続けることになります。 特に、この地域発展のため、県の総合戦略には大きな期待を寄せているところです。熊本市に隣接する宇土市は、交通アクセスのよさや優良な宅地も多数存在することなどから、熊本市のベッドタウンとして成長してまいりました。 また、宇土市、宇城市及び美里町は、熊本市を中心とする連携中枢都市圏の一員であり、行政サービスの向上や圏域の均衡ある発展に向けた取組を熊本市と連携して行っているところです。 さらに、宇土市においては、さらなる定住人口の確保や交流人口の拡大による発展を目指し、第6次となる市の総合計画において「震災からの復興・発展」と「未来につながる住み良いまち」づくりを掲げ、都市化が進む中心部と豊かな自然に囲まれた周辺部のそれぞれの特性を生かした産業や取組などが積極的に進められております。 このような取組もあって、人口は僅かながらの減少でありますが、いまだIC関連企業等が集積する熊本都市圏北部地域のような人口増加には至っていません。また、熊本都市圏東部地域においては、大空港構想Next Stageとして、熊本都市圏東部地域グランドデザインを策定し、生まれ変わる阿蘇くまもと空港を拠点として、企業集積を含めた様々な取組が進められています。 今後、蒲島県政4期目で目指す新しい熊本の創造を実現するためには、熊本都市圏南部に位置する宇土・宇城地域ポテンシャルをさらに引き出し、当地域が一層活力にみなぎる地域になることで、熊本都市圏全体、さらには県全体の発展につなげていくことが重要であると考えています。 昨年7月の豪雨災害時には、本市国道3号線から近い国道57号線において、民間ボランティア、チームうととして、都市圏、天草方面からの支援物資の集積中継拠点として、県南地域の災害支援に大いに貢献したことが新聞でも報道されたところでした。 一例ではありますが、こういった民間による活動の成果を見るとき、改めて2つの国道、JR鹿児島本線JR三角線に加え、今進められています地域高規格道路や構想の湾岸道路などとの交通アクセス地理的要件を持つこの地域には、高いポテンシャルがあることを改めて認識させられたところです。 例えて言いますと、平時には県民がスポーツやイベントなどに活用できる施設として、県立防災公園のような施設整備を検討されてはいかがでしょうか。 そこで、県として、宇土・宇城地域地域振興について、これまでどのように取り組んでこられたか、あるいは今後の取組の方向性について、蒲島知事にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 宇土・宇城地域は、世界文化遺産の三角西港、御輿来海岸、緑川流域の石橋群など、豊かな地域資源に恵まれていると同時に、大型商業施設も多く立地し、熊本市への通勤圏として利便性もよく、発展性の高い地域です。 また、国道3号をはじめ、主要な幹線道路や九州縦貫自動車道、さらにJR線も通るなど、県北、県南、天草地域をつなぐハブ的な機能を担う拠点地域でもあります。 これらのポテンシャルを生かし、宇土市などでは、定住人口の増加に向けて、住環境対策子育て支援の充実などの施策を推進しておられます。 蒲島県政においても、地域の取組と呼応し、潤川や大野川などの河川改修事業県内最大級松原排水機場などの整備、さらに宇土不知火線をはじめとする主要な県道整備を着実に進めております。加えて、国において、熊本天草幹線道路の宇土道路などの整備が進められているとともに、宇土三角道路が、事業化に向け、大きく前進しています。 このような取組により、住環境の向上や農業振興のみならず、当地域の拠点性向上にもつながっており、地元からも喜んでいただいております。 また、ソフト面でも、地域づくりチャレンジ推進事業などを利用し、里山の風景を楽しむフットパスコースの情報発信など、宇土・宇城地域が有する魅力的な地域資源を生かした地域振興を地元の市町と連携し、進めてまいります。 議員御提案の広域的な防災公園の整備については、県として、現段階でそのような施設整備を目指す構想はありませんが、宇土・宇城地域は、県全体の発展のために重要な地域であると認識しており、今後も、宇土・宇城地域のさらなる発展に向け、強みである拠点性を生かした取組について、地元の市町としっかりと連携しながら進めてまいります。  〔西山宗孝君登壇〕 ◆(西山宗孝君) ただいま知事の御答弁にありました。宇土・宇城地域について、重要な地域ということを認識され、引き続き、この地域を拠点性の高い重要な場所として支援していくというお言葉をいただきました。認識を改めて確認させていただきましたが、常々、宇城市・下益城郡選出の末松議員、吉田議員とも一緒になって、この宇城地域の発展のためには、どうしても県の支援、力が要るという共通認識の下で今回は質問をさせていただいております。ぜひとも、この地元の宇土市、宇城市、あるいは美里町も含めたところのこの地域が、熊本の発展のためになる地域として、県による拠点性の高い施設整備を検討していただきますように改めましてお願いしておきます。どうぞよろしくお願いいたします。知事、期待しております。 次に、熊本県の新しい観光戦略についてお尋ねをします。 昨年10月、商工観光労働部が組織改正され、観光戦略部が誕生いたしました。特に、熊本地震、新型コロナウイルスの感染拡大、令和2年7月豪雨からの県内産業の回復を強力に進めるために新設された観光戦略部には、大きな期待が寄せられています。 本県の観光を基軸とした地域経済の再生には、イノベーションの視点で新しい観光戦略の在り方を描き、県内観光事業者はもとより、広く県民から理解を得た上で実行していく必要性があると思います。その専任の部として、観光戦略部が設置されたものと考えています。 遡れば、熊本県の観光振興は、平成20年、県のようこそくまもと観光立県条例制定後、平成21年度から新たに観光経済交流局が設置され、平成23年には、同局内に観光振興に特化した観光課が設置されております。平成29年度には、物産振興部門も取り込む形で観光物産課へと組織体制が強化される中で、誘客数も増加し、一定の成果を出してきました。 しかし、今回のコロナ禍により、裾野が広く、多くの業種によって成り立つ観光産業が大きなダメージを受けています。今後、この苦境を乗り越え、県全体の経済回復を図っていくためには、県庁内においても、これまで以上の観光セクションが、そのほかのセクションと連携し、牽引する役割を果たしていく視点が必要だと思います。 観光戦略部として独立新設されましたが、このような視点をどの程度認識されているのか、運営方針を含め、観光戦略部長にお尋ねをします。 また、観光戦略部が描く観光戦略を実行し、観光を基軸として、本県の経済の再生、振興を図っていくためには、市町村、地域の観光協会、観光事業者との連携が大変重要であると思います。 市町村によっては、マンパワーなどの問題もあり、観光施策への注力ができないところもあるのではないでしょうか。観光戦略部がしっかりと市町村や観光協会をリードしていただきたいと思います。 また、市町村等との連携には、地域地域にあります地域振興局が積極的な関わりを持つことも大変重要であると考えています。 そこで、観光戦略の実行に向けて、市町村、観光協会、さらには地域の事業者等とどのように連携し、施策を展開していくのか、観光戦略部長にお尋ねをいたします。  〔観光戦略部長寺野愼吾君登壇〕 ◎観光戦略部長(寺野愼吾君) まず、観光戦略部創設の意義と部の運営方針についてお答えいたします。 本県は、熊本地震、新型コロナウイルス、豪雨災害のトリプルパンチに見舞われ、特に、観光産業は、甚大な影響を受けております。そのため、観光産業の一日も早い再生を果たすとともに、ポストコロナを見据えた中長期的な戦略の視点から、裾野の広い観光産業の基幹産業化を目指して、昨年10月に観光戦略部が創設されております。 この5か月間、部創設の考え方に沿いまして、人吉、球磨の復興支援や海外への情報発信などに取り組むとともに、商工労働部や健康福祉部などと連携し、飲食店をはじめとする感染防止対策などに率先して取り組んでまいりました。 引き続き、喫緊の課題であります観光産業の立て直しにイノベーションの視点から取り組むとともに、ニューノーマルを意識した新しい観光スタイルの確立のための取組を加速させてまいります。そのため、観光産業のニーズを踏まえた既存の観光資源の再生に取り組みます。加えて、デジタルトランスフォーメーションをベースとしました新たな観光システムの構築を進めるとともに、地域の観光資源と、スポーツや地域にゆかりの漫画、アニメを組み合わせた新しい観光コンテンツの創出に力を注いでまいります。 また、新型コロナウイルスの影響下にあっても、物の移動は可能でございます。県産品のさらなる販路拡大を進めながら、観光との融合を図ることで、誘客につなげてまいります。 次に、市町村などとの連携についてお答えいたします。 観光戦略部の新しい施策を推進するに当たっては、議員御指摘のとおり、市町村や各地の関係団体との連携強化が重要になります。点である観光地を線でつなぎ、そして面へ広げて国内外へ発信することで、より効果的な誘客が見込めます。このような発想の下、市町村などとの連携を強化するとともに、各地域の特性を生かした観光戦略を練り上げてまいります。 当部では、これまでも、地域振興局と施策の方向性などを共有する会議を開催しており、振興局を通じて市町村とも情報を共有しております。また、観光連盟におきましても、県の観光戦略を踏まえながら、地域の観光協会などと定期的に意見交換を行うとともに、各地域の人材育成にも取り組み、観光素材の発掘、磨き上げ、販売を行っております。 今後、これらの取組をさらに強化、加速いたします。例えば、観光分野の地域未来投資促進事業では、来年度から、支援対象を阿蘇地域限定から全圏域に拡大し、地域の観光業者の設備投資を後押ししてまいります。また、観光地域づくり団体の活動の支援も強化していきたいと考えております。 これからも、市町村、観光協会、観光事業者などとしっかり連携する中で、観光戦略を具体化し、本県経済の再生、振興に向けて全力で取り組んでまいります。  〔西山宗孝君登壇〕 ◆(西山宗孝君) ただいま部長から答弁いただきましたが、これまで、誘客のキャンペーンや全国大会などの集客もあって、県の延べ宿泊者数については、平成12年の668万人から平成30年の805万人へと大きく成長してきたところもあります。 また、この20年間の観光客数あるいは宿泊者数の推移を見ますと、節目節目には必ず、阿蘇の登山道路の無料化や、あるいは俵山バイパスとか、あるいは九州新幹線の開通であるとか、たくさんのインフラ、道路をはじめ、交通関係の展開が節目節目に必ずあっております。それに合わせた形で、県も観光キャンペーンを官民合わせて一生懸命やってこられた。このことが、これまで成長した一つの大きなファクターであると思っておりますが、じゃあ、これからはどうなのかと。これまで大量に観光客を熊本に呼ぶような形に加えて、これからは、新しい生活の中で、東京だろうが、あるいは国外であろうが、熊本の環境に魅力を持って、ここで仕事をする、ここで交流を行うとか、そういったことが新しい視点で今求められていると思います。 地域にはたくさんのそういった環境がありますし、これからもそういったものを基に、そういった環境づくりをつくっていくわけでありますが、観光戦略部においては、具体的にどのような戦略でもってやるのかということは、あまりオープンにはされないような、非常にすばらしい戦略を考えておられると思います。ぜひとも頑張っていただきたい。そして、これから熊本観光を、じゃあどういった節目をポイントにして発展させていくのかについては、それこそ材料がたくさんあると思います、インフラ関係については。 もちろん、熊本地震からの創造的復興、あるいは熊本城の復活、あるいは県南豪雨からの本格的な復興、必ず復旧、復興で発展するようなものがたくさんあります。コロナ収束もそうであります。そういった節目節目を視野に入れながら、新しい考えの下で観光振興をぜひとも進めていただきたいと非常に期待しておりますし、やはり今、関係機関の協力等々もあると思いますけれども、県民、地域住民の方々の中には、たくさんのこういった新しい考えに基づいて行動されている、活動されている方もたくさんいらっしゃいますので、そういった声も拾い上げながら、県と市がしっかり、特に、私、地元振興局との関わりが多いんでありますけれども、振興局としっかり絡んで事業を推進されますことをお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。 次に、宇城地域における農水産業の振興について、2点ほどお尋ねをします。 最初に、かんきつの振興についてでありますが、本県は、全国1位の不知火や温州ミカン、栗などの生産が盛んな果樹産地であります。 中でも宇城地域は、内陸部から海岸部まで、かんきつをはじめ、ブドウや柿など様々な果実を生産しており、特に宇土半島は、周囲を不知火海と有明海に囲まれ、なだらかな丘陵地であり、温暖気候で降水量も少ない地域であり、県内有数のかんきつの産地であります。県内でいち早くデコポンを導入し、温州ミカンと中晩柑が周年販売できる唯一の産地でもあります。 しかし、かんきつ栽培農家数は減少傾向にあり、特に、専業の大規模栽培農家が大きく減少している現状であります。また、経営主が高齢で後継者もいない経営体も多く、50歳以上の従事者がその大半を占めており、今後産地規模の縮小が懸念されています。 一方、産地の主力であるデコポンは、導入後30年たちますが、現在でもかんきつ類の中で最高の果実と称されています。また、温州ミカンは、高単価が見込める12月の需要期には商品が不足している状況もあり、農家の収入を確保するためには、信頼される品質と数量を安定的に出荷できるよう、優良品種の導入や商品づくりを産地として取り組んでいく必要があります。 近年は、温暖化等の気候変動が、かんきつ栽培にも悪影響を及ぼしているところです。梅雨期の長雨や豪雨、夏場の猛暑、秋、冬の高温や大寒波など、極端な気象になっており、気候変動に対応できる品種や栽培技術の普及とともに、気象災害の軽減対策の重要性も高まっています。 加えて、果樹園は、園地集積や整備があまり進んでおらず、荒廃していく園については、道路がなかったり急傾斜だったり、栽培条件が整っていないケースが多くあります。以前は、河内や玉名方面からこの宇土半島に出作が多かったのでありますが、最近は、宇土半島から撤退されているという話も伺っております。荒廃園が増加しないか心配しているところです。 このようなことから、園地が荒廃する前に、樹園地整備や園地集積、地域の優良な樹園地を次の担い手に引き継ぐ体制を整え、稼げる農業を一人でも多く残すことが大事ではないかと思っています。 そこで、生産者が減少している状況の中、かんきつ生産者や後継者が今後も安心してかんきつ生産を続けるために、魅力ある商品づくりや気候変動への対応、あるいは生産基盤の強化という課題に対して、県として今後どのように対応していかれるのか、農林水産部長にお尋ねをします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) 宇城地域の温州ミカンやデコポンなど、本県のかんきつは、近年、需給バランスも取れ、価格は安定している状況にあります。 このように、果樹農家の経営が安定している今こそ、経営のさらなる発展に向け、高品質で魅力ある商品の安定出荷と気候変動への備え、そして労働生産性を高める生産基盤の強化を図る絶好の機会であると考えております。 まず、魅力ある商品づくりについてです。 温州ミカンは、出荷時期の異なる極わせから普通温州まで、需要に応じた品種構成を構築してまいります。生産者からの要望を受け、熊本県議会果樹農業振興議員連盟を中心に働きかけを進めてこられた同一品種への改植が、来年度から国の助成対象となったことを追い風に、新品種への改植と併せ、優良な既存品種の改稙をJAと連携し進めてまいります。 デコポンは、県育成品種「肥の豊」の面積拡大により、品質は向上しております。今後、着色がよく、加温ハウス栽培で効果を発揮する県内で選抜された「聖秀」の導入や他県にない鮮度保持資材を活用した長期販売により、熊本デコポンの魅力をさらに高めてまいります。 次に、気候変動への対応についてです。 温州ミカンでは、降雨による品質低下を防ぐために、シートマルチ栽培を推進いたします。デコポンでは、高温多雨による腐敗果の発生を軽減するため、簡易ハウスの導入等を進めます。加えて、果樹園での防風施設の整備や、いざというときの備えとして、収入保険等農業保険への加入も推進いたします。 さらに、生産基盤の強化についてです。 現在、宇城地域では、宇土市の古屋敷、古場田地区などで、園内の道路の整備と併せた隣接園地の集積や規模拡大の意向がある若手の方などへの農地の集約を進めております。この取組をモデルとして他地域にまで波及させ、土地と人の基盤強化を図り、園地の荒廃防止にもつなげてまいります。 また、より一層の低コスト化、省力化を図るためには、宇城市大口地区のような大規模な基盤整備が必要です。このため、今年度、大規模樹園地整備を進める上での阻害要因を洗い出し、その解決方法を取りまとめたマニュアルを作成し、配付いたします。 永年作物であるかんきつは、中長期的視点に立った生産振興が特に重要です。経営が安定し、宇城地域がかんきつの産地として次世代にしっかりと受け継いでいかれるよう、市や町、JAなどの関係機関と連携しながら取組を進めてまいります。  〔西山宗孝君登壇〕 ◆(西山宗孝君) 御承知のように、熊本県は、全国で有数の果樹産地でもあり、県においても、品種改良による魅力的な商品づくりや気候変動に対するきめ細かな栽培指導をされてこられました。引き続き強力に、これについては進めていただきたいと思います。 樹園地の集積や再整備は、地元でも今行われておりますけれども、産地の生き残りには非常に重要な手段であると思います。ぜひとも、これについても、今後引き続き拡大、推進されていただきたいというふうに思っております。 産地の技術や資産が次世代に確実に引き継がれるためにも、今現在頑張っていらっしゃるかんきつ農家が稼げる農業を実現、実感できるよう、県の指導を期待したいと思います。 また、荒廃地の環境は、イノシシの問題であるとか、地域の住民の生活にも影響を及ぼしておりますので、産業の振興の視点も、生活の視点についても、ぜひとも幅広い考えの下に事業を推進していただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。 次に、アサリ採貝業の復活に向けた施策についてお尋ねをします。 日本一の干満差がある有明海は、広大な干潟を形成するとともに、アサリ採貝業やノリ養殖業などが盛んに営まれており、これまで沿岸地域の人々の生活を支えてきました。 全国4位の生産量を誇るノリ養殖では、近年、海水温上昇などの漁業環境が変化する中、養殖期間が短くなっているものの、県の熱心な研究、指導に加え、生産者の方々の徹底した養殖管理や摘採船――これは地元ではもぐり船と言っておりますけれども、導入によって、作業効率化などの努力により、比較的安定した養殖生産が行われています。 一方で、平成20年には県内で5,800トンの漁獲量であったアサリ採貝業は、平成27年には約200トンまで減少し、29年には約730トンまで一旦回復したものの、30年には527トン、令和元年には339トンと再び減少傾向が続いており、令和2年の漁獲は、豪雨の影響などもあって、さらに厳しい状況にあるようです。 県では、これまで、アサリ資源の回復に向け、漁業者による増殖活動や覆砂、漁場の耕うんを継続的に支援されてきました。その結果、稚貝の発生が促進されるなど、一定の成果を見られるようにはなってきていますが、スクリーンを御覧いただきたいと思います。(資料を示す)昨年11月には、有明海・八代海再生特別委員会内野委員長ほか議員、執行部において、網田漁協における稚貝集積の研究、実証を視察させていただきました。県の指導、漁業者の方々の熱心な取組によって、多くの稚貝が発生しており、今後の漁獲量の増加に我々の期待も高まっていたところであります。 しかしながら、現実としては、生産に結びつけるまでには至っていないのが状況であります。一刻も早くアサリ採貝業で生計が成り立つようにしていくためには、アサリ資源の早期回復を望むところです。 そのためには、将来の漁獲目標を設定し、その目標実現に向けて、効果が見られる覆砂や網田漁協などの取組に加え、県の水産系技術職員の充実や高度な研究体制を整え、具体的な道筋を立てていく必要があるのではないかと思います。 そこで、県においては、有明海、宇城地域においても重要なアサリ資源の早期回復に向け、どのように取り組んでいかれるのか、復活に向けた計画について、農林水産部長にお尋ねをいたします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) 県では、アサリ資源の回復を有明海、八代海再生の重要な課題として、覆砂、耕うん、資源管理の推進、食害生物の駆除などに取り組み、平成30年には、宇土市で観光潮干狩りが再開されるなど、資源回復への明るい兆しも見られるようになりました。 しかし、天然資源であるアサリは、産卵量が大変不安定であることに加え、ホトトギスガイの大量発生や7月豪雨の影響による漁場環境の悪化もあって、現在は大変厳しい状況にございます。 これを受け、本年2月に策定した熊本県水産基本計画では、資源に負荷をかけず、持続的な利用ができるよう、令和5年度の生産量を過去5年平均の400トンまで回復させることを目指すことといたしました。この実現に向け、生息環境の改善と産卵量を増やすための母貝団地の形成という2つの取組を推進してまいります。 まず、1つ目の生息環境の改善につきましては、覆砂漁場は、天然漁場と比較して、アサリが高い密度で生息するなど、その効果が確認されていることから、引き続き、今年度からの4年間で、有明海で63ヘクタールの計画的な覆砂を進めます。既に宇土市地先では、今年度4ヘクタールの覆砂を実施しており、来年度以降、稚貝が定着し、漁場として活用できることを期待しております。 次に、2つ目の母貝団地の形成につきましては、議員御紹介の網田漁協をはじめ、県内各地で稚貝を効率的に収集できる砂利が入った網袋やナルトビエイ等の食害生物から保護する被覆網設置などの取組が始まっております。 これらの効果を高めるため、網袋や被覆網の定期的な洗浄や生息密度の調整などの管理を実証する事業にも取り組んでおり、今後、適切な管理手法を確立し、普及してまいります。加えて、漁業者の高齢化が進行する中、労力軽減のための網袋の軽量化や籠の導入を新たに支援するなど、母貝団地の拡大を図ってまいります。 さらに、近年の海水温上昇などの環境変化は、水産業にも厳しい影響を及ぼしているため、県では、守り、育て、増やすことで稼げる水産業を目指し、研究、行政、普及の各部門が強力に連携し、取り組んでおります。また、有八特措法の下、国や有明海沿岸3県とも連携し、新たな調査研究も進めております。 今後とも、県、国、市町村、そして漁業者の皆様と一丸となり、アサリ資源の回復に向け、総力を挙げて取り組んでまいります。  〔西山宗孝君登壇〕 ◆(西山宗孝君) 熊本県においては、本年、熊本県水産基本計画を作成されたところであります。くまもとの豊かな海づくりと稼げる水産業の実現に向けた計画が立てられました。そういったこともあり、ただいま農林水産部長の答弁にもありましたように、実践的あるいは研究的な施策もたくさん進められて、期待もできるところであります。 蒲島知事、農業の蒲島知事に加えて、私は水産の蒲島知事というお言葉も直接お伺いしました。大変期待をしているところであります。 しかしながら、有明海のこの自然環境の中でのこのアサリ、もちろん観光にも生活にも非常に影響があるんですけれども、なかなか難しい課題であると。国にも、九州内でも連携してやっていらっしゃるわけでありますが、ぜひとも、蒲島知事の幅広い、層の厚い人脈、そして強いリーダーシップをもって、この復活に向けて力を発揮していただければと思っております。併せてよろしくお願いしておきます。 以上で質問の項目は全て終わりましたが、最後に、空港アクセス鉄道の早期実現について要望をしたいと思います。 空港アクセス鉄道については、現在、継続調査が進められているところであり、昨年12月11日には、第1回空港アクセス検討委員会が開催されるなど、有識者等を含め、幅広い意見を聴きながらの慎重で丁寧な検討が進められています。 豊肥本線から鉄道延伸が実現すれば、熊本市をはじめとした豊肥沿線のみならず、鹿児島本線、三角線など、鉄道ネットワークでつながる県内各地域の県民の利便性が大きく向上します。 県民のほとんどが、空港を利用する際、バスや自家用車を利用しています。その場合、ラッシュ時の渋滞等を考慮して、相当な余裕時間を持っていかなければ間に合わない状況にあります。 空港アクセス鉄道については、県の南北につながる鉄道駅の利用促進にもつながってくると思います。県が推進しています各駅を利用したパーク・アンド・ライドによって、各鉄道駅を中心とした地域の開発の促進にもつながっていくものであると思っております。 逆に、県外からの来訪者に対しては、空港に到着後、直接鉄道ネットワークにつながることができ、県内各地域への移動が容易になることで、観光、ビジネスなど交流人口の増加、地域の活性化につなげることも可能となります。 三角線の「A列車で行こう」など、県内の観光列車と空港が鉄道ネットワークでつながることになれば、新たな、また観光の期待も大きく広がってまいります。 このように、アクセス鉄道は、県内各地域に多大な効果をもたらすものでありますが、鉄道ネットワークの優位性、利便性がいま一つ、私の感覚では、県民に伝わっていないような気もいたします。ぜひ、今後は、空港周辺の地域だけでなく、県全体にもこの波及効果があるということ、県民全体の利便性向上につながるということを広くPRをしていただきたいと思います。 加えて、熊本駅前の再開発事業がいよいよ完了し、熊本駅の拠点性がさらに高まってまいります。一方で、大空港構想による新しい空港ビルへの誘客の相乗効果は計り知れないものもあると思います。この熊本駅乗換えによる直通の空港アクセス鉄道への乗り入れについても、今後検討を期待するところです。 空港アクセス鉄道の整備は、本県にとっての悲願であります。県内各地域からの利用促進策、波及効果など、県民へのPRを含めて検討を加え、早期の実現に向けて推進されますように要望いたします。 以上で、質問、要望全て終わりました。 コロナ対策を超えて、災害復興を進めながら、新しい熊本の経済復興のために、県議会の一員として、皆さんとともに頑張ってまいりたいと思います。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(池田和貴君) この際、5分間休憩いたします。  午前11時休憩    ――――――○――――――  午前11時10分開議 ○議長(池田和貴君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 西村尚武君。  〔西村尚武君登壇〕(拍手) ◆(西村尚武君) 皆さん、こんにちは。自由民主党・天草郡市選出の西村尚武でございます。本日は、皆様のお許しをいただきまして、通告に従い、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 質問の前に、天草の話をさせてください。 天草では、昨年の暮れ、12月31日に、中村五木前市長が急逝されました。誰もが予想だにしなかったことであり、関係者はもとより、天草全域に強い衝撃が走った瞬間でありました。 故人の葬儀の際には、蒲島知事をはじめ県庁関係者の皆様、県議会議員の先生の皆様、多くの方に御弔問をいただきました。この場をお借りしまして御礼を申し上げます。ありがとうございました。 故人も、市長在籍中は、多くの事業を手がけておりました。中でも、先般、山口先生からもお話がありましたが、熊本天草幹線道路の一部であります本渡道路の総工費196億円の第二瀬戸大橋の完成を見ずに逝ってしまいました。さぞや心残りであったろうと思います。 現在、天草市は、2月21日の天草市長選におきまして、馬場新市長が誕生いたしました。 今の天草の場合、いろいろな面から見まして、時代が変わろうとしていると感じています。私も、天草発展のために、微力ではありますが、次への引継ぎ役として、より精進していかねばとの思いを強くしているところです。どうぞ先輩諸氏の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。 本日の質問の一部は、中村前市長と生前に相談しました質問も一部含まれています。どうぞよろしくお願いいたします。 では、質問させていただきます。 天草地域のサイクルツーリズム等の推進について、2点の質問をさせていただきます。 1点目は、サイクリングコースの整備促進についてであります。 自転車の活用は、単に通勤通学といった移動手段としてだけではなく、二酸化炭素を排出しないため環境に優しく、また、健康増進や交通混雑の緩和等、様々な効果が期待されており、その利用環境は大きな変革期を迎えています。 国においては、平成30年6月に、自転車活用推進計画を閣議決定し「自転車交通の役割拡大による良好な都市環境の形成」「サイクルスポーツの振興等による活力ある健康長寿社会の実現」「サイクルツーリズムの推進による観光立国の実現」「自転車事故のない安全で安心な社会の実現」の4つの目標を掲げ、自転車の活用推進に取り組んでいるところです。 国内では、サイクルツーリズムの先進地として、愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ全長約60キロの瀬戸内しまなみ海道が有名ですが、瀬戸内海の島々と美しい海、橋の景観を楽しめるとあって、国内だけでなく、海外の旅行者や観光客からも幅広い人気を集めています。 天草地域においても、近年は、雄大な自然景観を求めて、県内外からサイクルツーリストが多数訪れており、走行環境の改善や受入れ環境の充実が求められていたことから、平成31年1月に、天草地域におけるサイクルツーリズム環境の向上をハード、ソフトの両面から支援することで、来訪者の増加や地域のにぎわいを拡大させ、地域振興を促進することを目的とした天草地域サイクルツーリズム推進協議会が、官民一体となって発足したところです。 このような中、天草地域では、県を中心にサイクリングコースの整備が進められています。天草地域にサイクリングコースを整備する上での大きなメリットは、旧本渡市の中心街を除くと、車やバイクなどの交通量が少なく、信号機もあまり設置されていないことから、安全で走りやすいといったことではないでしょうか。 さらに、海岸線を巡るサイクリングコースは、太陽の光に反射してきらきらと輝く海や海岸線に沈む幻想的な夕日などのすばらしい絶景を楽しみながら走ることができ、魅力にあふれています。 特に、西海岸の国道389号線は、天草でも一番の風光明媚な場所であり、最高のサイクリングコースになるものと期待しています。 また、サイクリングコースの整備が進められる一方、天草市では、現在、7つの道の駅構想と称して、道の駅の整備が進められています。現在、既に4つの道の駅が整備されており、今年度中に1つの道の駅が完成する予定で、残りの2つも、今後計画どおりに整備が進められることと思います。 この7つの道の駅構想と県が進めているサイクリングコースの整備をうまく組み合わせることにより、さらにすばらしい観光資源が出来上がるものと考えます。 そこで、天草地域のサイクリングコースの整備促進について、県としてどのように考えておられるのか、土木部長にお尋ねいたします。  〔土木部長上野晋也君登壇
    ◎土木部長(上野晋也君) 国の自転車活用に関する施策を受け、県では、昨年3月に、熊本県自転車活用推進計画を策定いたしました。 この計画では、暮らし、観光、健康づくりにおける自転車の活用と自転車利用の安全、安心を確保することにしております。 自転車の走行には、道路の路肩部分を利用することにしており、自転車の通行帯を示す路面標示や舗装修繕、防草対策などの安全対策を県内全域で実施しております。 お尋ねの天草地域においては、天草地域サイクルツーリズム推進協議会の御意見を伺った上で、天草市で供用中の4つの道の駅を含む約300キロメートルのサイクリングコースを設定し、順次安全対策を実施しているところでございます。 今後も、必要な対策、整備の優先順位及び道の駅との連携について、地元協議会の御意見も伺いながら、安全で快適なサイクリングコースの整備にしっかりと取り組んでまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁をいただきました。 次の質問は、サイクルツーリズムをはじめとしたスポーツツーリズムによる交流人口の拡大についてであります。 スポーツツーリズムとは、スポーツを見に行くための旅行やそれに伴う周辺観光、また、スポーツを支える人々との交流など、スポーツに関わる様々な旅行のことです。 アジア有数のスポーツ先進国と言われる日本では、プロ野球やJリーグ、ラグビー、ゴルフ、マラソンなど、様々なスポーツが盛んに行われていますが、これらのスポーツ資源を生かし、スポーツを通じて新しい旅行の魅力をつくり出し、訪日外国人旅行や国内旅行の振興を図るため、平成23年に、スポーツツーリズム推進基本方針が取りまとめられました。 熊本では、2019年に、ラグビーワールドカップ、女子ハンドボール世界選手権大会という2つの世界大会が開催されましたが、この経済波及効果は、ラグビーワールドカップが約106億円、女子ハンドボール世界選手権大会が約98億円で、大成功を収めました。 この成功の経験を踏まえ、誰もが、このスポーツツーリズムの分野を確立すれば、熊本の観光産業はまだまだ大きく成長できるという確信を持たれたのではないでしょうか。 残念ながら、昨年は、新型コロナウイルス感染拡大のため、全国的に人の移動や外出自粛を余儀なくされ、多くのスポーツ大会やイベントは延期または中止となり、スポーツ及びツーリズムの両業界に深刻な打撃をもたらしました。 しかし、このような状況の中で、サイクリングやトレッキングなど野外で行うスポーツについては、3密を回避しながら、誰でも気軽に楽しめるとして大変注目され、アフターコロナ時代を見据えた観光スタイルの有効なツールとなる可能性があるのではないかと考えます。 天草は、美しい青い海や緑深い山々などが織りなす雄大な景観をはじめ、イルカウオッチングやキリシタンの歴史を伝える施設など、自然と文化に育まれた魅力的な観光地ですが、熊本市内からは十分に日帰りできる距離であり、宿泊される方は少なく、鹿児島県や長崎県など県外からの観光客も、天草観光を楽しんだ後、ほかの地域に宿泊される傾向にあります。 そこで、何とか天草市内に宿泊してもらう環境を整えようと考えられたのが、先ほどもお話しした7つの道の駅構想です。7つの道の駅を拠点として、天草市内の観光名所や施設を数日かけて巡回してもらおうという考えです。 土木部長から御答弁いただきましたように、天草地域では、サイクリングコースの整備が進められています。道の駅を拠点としたサイクルルートを有効に活用し、サイクリストを呼び込み、交流人口を増やしていくことが、天草地域の活性化につながるものと期待するところです。 このためには、サイクリングなどで天草を周回してもらい、天草ならではの食や景観などの魅力をじっくり体験してもらうことが重要であると思います。 また、天草市では、スポーツコミッション設立の動きがあり、サイクリストやランナーなどの誘客に加え、合宿の誘致などにつなげたいとの考えがあるとのことです。 県でも、スポーツコミッション設立に向けた取組を進めておられるとのことですが、サイクルツーリズムをはじめとしたスポーツツーリズム推進のためには、市町村との連携が不可欠であると考えます。 そこで、県では、サイクリングなどのスポーツを通じた天草地域の交流人口の拡大をどのように市町村とも連携し、推進していくのか、観光戦略部長にお尋ねします。  〔観光戦略部長寺野愼吾君登壇〕 ◎観光戦略部長(寺野愼吾君) サイクリングをはじめとしたスポーツは、昨年度、2つの国際スポーツ大会を開催したことによりまして、国内外から多くの人を呼び込む重要なコンテンツになることを再認識しました。 また、新型コロナウイルスの影響下において、非接触や分散化が、新しい旅の生活様式として定着しつつある中、自然志向や個人旅行への流れが強まっており、スポーツツーリズムに対する期待はさらに高まっております。 議員御指摘のとおり、天草地域は、自然と文化に育まれた魅力的なコンテンツが数多くあり、加えて、海に囲まれ、温暖な気候であることから、年間を通じてスポーツに最適なロケーションでございます。 このため、天草市では、スポーツコミッションの設立が検討され、また、天草地域サイクルツーリズム推進協議会におきましては、誘客に向けた取組が開始されるなど、地域全体でスポーツツーリズムが動き出しております。 県におきましても、スポーツを軸とした誘客戦略づくりに取り組み、官民一体となって県内への誘客を図るスポーツコミッションの設立に向けた準備を進めております。 このコミッションにおきましては、県内で楽しめるスポーツやアクティビティーなどの情報を集約し、国内外のスポーツファンへ発信していきたいと考えております。 その中で、サイクルツーリズムを推進していくこととしており、現在、県では、地元と連携し、雲仙、島原などを組み合わせた広域ルートの開発を進めております。また、今月中には、天草地域で、海上交通を組み合わせた天草・島原サイクリングモニターツアーも開催されました。 このような天草地域の熱気、盛り上がりを追い風に、今後も、隣県と連携した商品開発などを進めることで、サイクリングによる天草のブランド化が図られるよう磨き上げてまいります。 さらに、天草地域においては、サイクリングに加え、新たな夏のアクティビティーの開発やトレッキングと地元の食を組み合わせた旅行商品の造成なども進め、スポーツファンのみならず、多くの人を呼び込みたいと考えております。 こうした取組により、天草地域における滞在・周遊型のスポーツツーリズムを展開し、交流人口の拡大と経済効果の最大化を図ってまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁をいただきました。 熊本県自転車活用推進計画を策定、暮らし、観光、健康づくりでの活用と自転車利用の安全、安心を確保していく、今後も、必要な対策、優先順位及び道の駅との連携について、地元協議会の意見を入れた中で、サイクリングコースの整備にしっかりと取り組むとのことでした。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 現在、上天草で自転車の通行帯を示す路面標示、通称矢羽根といいますが、目立っています。まだまだこれからだと思いますが、一般の方に対しての周知徹底が必要だと思います。 また、自転車も増えていくと思います。自動車と共存していく上での交通の安全、安心の確保も重要です。また、観光マップ、ツーリストの急なけが、病気への対応も必要です。救急病院のリスト、応急処置ガイド等の整備も必要ではないかと思います。 次に、観光戦略部長に御答弁をいただきましたサイクルツーリズムをはじめとしたスポーツツーリズムによる天草地域の交流人口の拡大についてですが、天草地域における滞在・周遊型のスポーツツーリズムを展開し、交流人口の拡大と経済効果を図っていくとの答弁をいただきました。 時代の変化に伴って、市場、消費者のニーズも変化していると言われています。物消費から事消費へ、このツーリズムも事消費の一つだと思います。 さらに、近年は、スマートフォンやSNSの普及により、消費傾向は、時消費――時とは時間のことでございますが、時消費へと変化してきていると言われています。自分ではなく、人々が経験したことに関する情報をSNS等で簡単に疑似体験ができるようになったと。 近年、SNSの影響が強くなっています。天草のサイクルツーリズム等の情報をSNS等で活用することも交流人口の拡大につながるのではないかと思います。 次の質問に移ります。 半島地域航路、フェリー航路の支援についてであります。 我が国が本格的な少子高齢・人口減少社会を迎える中、宇土・天草半島地域が将来にわたって持続的に発展していくためには、人口減少対策や安全、安心で快適な生活環境の整備、交流人口拡大策などの施策に取り組む必要があると思います。 そのために、宇土・天草半島地域が抱えている諸問題については、改善に向け、これまで長年にわたる努力が続けられてきました。 しかしながら、現状は、依然として厳しく、高齢化の進行や若年層をはじめとした人口の流出、産業活動の衰退などにより、地域や集落そのものを維持することの困難さも増しています。 また、路線バスや船舶といった地域公共交通をめぐる環境も、ますます厳しいものになってきています。 現在、宇土・天草半島地域に係る地域公共交通の中でも、半島地域と九州本土を結ぶフェリー航路は、住民の方々にとって、かけがえのない地域の公共交通ですが、少子高齢化に伴う人口減少等により、年々利用客が少なくなっています。 また、昨年からは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、さらに利用者が減少し、フェリー事業者は、非常に厳しい経営を強いられています。 私の地元の牛深地域ですが、現在でも、熊本市街地から牛深地域までは、車で3時間ほどかかります。そんな牛深地域では、昭和41年に天草五橋が開通しましたが、それでもなお、フェリー航路が、地域住民の生活にとって、かけがえのない存在となっています。 一昔前は、牛深港から水俣港まで、高速旅客船が1隻、また、鹿児島県長島町の蔵之元港までは、フェリー2隻が運航していましたが、利用客の減少とともに、平成14年に、牛深港から水俣港までの航路は廃止され、残された牛深港から蔵之元港の航路も、現在はフェリー1隻のみで、1日10往復を運航しているだけです。 この熊本県と鹿児島県の2つの県を結ぶ航路ですが、重要な生活航路であるとともに、牛深地域には漁港があり、多くの水産加工施設が密集しているため、大型トラックの利用も多いことから、経済振興の面においても重要な役割を担っています。 また、宇土・天草半島地域は、大規模災害により陸路が寸断された際には、海上輸送に頼らざるを得ませんが、フェリー航路を確保、維持していくことは、国が提唱している国土強靱化にもつながるものと思います。 九州西岸軸構想の目玉である島原、天草、長島をつなぐ3県架橋、その一つである天草・長島架橋については、早く実現していただきたいところではありますが、まだまだ時間がかかるものと理解しています。 それまでの期間、2つの県を結ぶフェリー航路は、必ずや残さなければなりませんが、事業者の経営努力にも限界があります。 路線バスや離島、半島航路には、国、県、市町により運航経費の欠損額に対する支援が行われていますが、フェリーを運航していくためには、燃料や船舶検査等の多額の経費が必要となり、その経費が事業者にとって大きな負担になっているようです。 今後も引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続くようであれば、航路を維持することが大変困難な状況になるのではないかと危惧しているところです。 そこで、県として、地元住民の生活に欠かせない存在である半島地域航路を今後どのように支援していくのか、企画振興部長にお尋ねします。  〔企画振興部長高橋太朗君登壇〕 ◎企画振興部長(高橋太朗君) 半島地域航路は、通勤通学、通院など、地域住民の日常生活に不可欠な交通手段です。牛深―蔵之元航路については、議員御紹介のとおり、産業振興に必要な物流の役割もあり、地域経済を支える重要な航路と認識しております。 県は、そうした航路を生活航路と位置づけ、航路を維持するために、地元の市や町とともに、運航する事業者への財政支援等を行っております。 そのような中、新型コロナウイルスの影響により、旅客線をはじめ公共交通機関の利用者数は、大きく減少しました。このため、本県では、8月の補正予算において、県内の旅客船やその他の公共交通機関に対して、事業継続のための応援金の給付を行い、県民の移動手段の確保を図りました。 さらに、9月補正予算においては、利用者の減少が著しく、航路維持が困難となった離島、半島航路について、航路を守りたいとする地元の市町の要望に応え、支援を拡充しております。これにより、牛深―蔵之元航路については、天草市と連携し、拡大した欠損金や経費の一部を支援しました。 これらの緊急支援策により、航路存続の危機を回避し、住民の交通手段を守ることができたと考えています。 こうした中、現在も新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、航路利用者数も回復していない状況にあります。今後も、利用者数の減少による事業者の経営への影響を注視しながら、地域住民の暮らしを支える離島、半島航路が維持されますよう、地元自治体とともにしっかり支えてまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁をいただきました。 牛深―蔵之元航路については、地域住民の日常生活に不可欠な交通手段であり、地域経済を支える重要な航路と認識しているとのことです。現在も新型コロナウイルス感染収束の見通しは立っておらず、航路利用者も回復していない現状である、今後も、状況を注視しながら、地域住民の暮らしを支える離島、半島航路が維持されるよう、地元自治体とともにしっかり支えていくとの力強い御答弁をいただきました。よろしくお願いいたします。 現在、地元牛深の基幹産業は漁業ですが、その中でも水産加工業のウエートは高く、雑節――これは、サバ、イワシが原料で、地元では牛深節とも呼ばれております。その雑節は、全国トップの生産量であります。 その原料であるサバ、イワシの多くは、過去においては牛深漁港に直接水揚げされていました。しかし、現在は、鹿児島の枕崎港に水揚げされて、冷凍品として陸送されています。 その中でも、フェリーでの物流も多く、牛深の基幹産業である漁業にとっても、フェリーはなくてはならない存在でもあります。現在整備されつつある天草西海岸の国道389号線につながる海の国道との認識も、地元では高くあります。この航路が維持されますよう強くお願いいたします。 次の質問に移ります。 コロナ禍における養殖魚の流通対策についてであります。 天草地域は、その豊かな自然環境を背景に、全国でも有数の水産基地として繁栄し、水産業を核とした水産加工業や流通業が発展を遂げてきました。 特に、私の地元の牛深は、現在も、大型ヒラメを狙った固定式刺し網漁業や主にイワシなどを漁獲する棒受け網漁業などの漁船漁業が盛んに行われており、県内最大の水産基地としての役割を担っているところです。 しかしながら、漁獲量の減少や魚価の低迷などにより、漁船漁業者や漁協の経営は厳しくなるばかりで、漁業就業者の減少や高齢化の進行により、水産業が低迷しています。 一方で、魚類養殖は、本県漁業生産額の約5割を占める主幹産業であり、全国2位の生産量を誇るマダイやシマアジをはじめ、ブリ、カンパチ、トラフグなどの多くの種類が県内で生産されています。 また、消費者ニーズに対応するための加工も盛んに行われ、フィレなどに加工された商品は、国内のみならず、海外にも盛んに輸出されるなど、天草の地域振興にも貢献しています。 そのような中で、昨年発生した新型コロナウイルスの感染拡大とその長期化は、水産業に大きな影響をもたらしており、外出自粛による外食需要の落ち込みなどの影響は、とりわけ養殖魚で顕著に見られているところです。 外食で消費されることが多い養殖魚は、各種イベントの中止、飲食店の休業やインバウンドの減少などの影響を強く受けて、出荷量が減少したほか、価格低下の影響もあり、昨年12月までに30億円を超える売上げの減少が見られたようです。 特に、熊本県の養殖魚を代表するマダイは、全国に緊急事態宣言が発出された4月から5月にかけて出荷量が大きく落ち込み、取引価格も低迷しました。 このような状況の中、養殖業者にとっては、養殖魚の餌代も大きな負担になっています。また、養殖の期間が長くなればなるほど、魚体も大きくなり、商品価値も下がることになります。 さらに、マダイの場合は、2年の周期で養殖計画を立てており、養殖場に空きのスペースがなくて稚魚を入れられず、2年先の経営にも影響が出てきています。現在は、空きスペースをつくるために、大きな採算割れをしながら販売をしている状況もあり、このことが経営を圧迫しており、悪循環に陥りつつあります。 最近は、出荷量は回復傾向が見られるものの、まだまだ取引価格は低迷したままで、養殖業者は厳しい経営を強いられている状況です。 加えて、これまで比較的順調に増加していた養殖魚を中心とした輸出についても、最大の輸出相手国であるアメリカなどでの新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの業者の輸出実績が大きく減少していると聞いています。 今後もこの影響が長期化すれば、当然のこととして、多くの魚類養殖業者の経営がさらに悪化すると思われますし、関連のある鉄工所や資材関係等の関連業者への影響も多大であると思います。 このままでは、経営困難に追い込まれていく業者もあるのではないかと危惧されますし、地域の雇用においても、天草では多くの雇用がある業種だけに、経済全般に大きな影響があるのではないかと心配の声も多い状況です。 こうした状況を踏まえ、現在県が策定を進めている熊本県水産基本計画においては、新型コロナウイルス感染症への対応を喫緊の課題として、影響の最小化に向けた対応を行うと聞いていますが、私は、特に新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けている養殖魚の国内外での需要回復が急務と考えます。 そこで、コロナ禍における養殖魚の流通対策として、県はどのように取り組んでいるのか、農林水産部長にお尋ねします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) 県では、新型コロナウイルス感染拡大により、行き場を失った養殖魚の出荷量の回復を最優先に、迅速に、切れ目なく支援策を事業化し、需要喚起や消費拡大、輸出の回復などに、スピード感を持って取り組んでまいりました。 このうち、需要喚起に関しましては、マスメディアを活用した積極的な広報に加え、漁協等と連携して、九州一円の大手量販店203店舗及び県内鮮魚店44店舗でキャンペーンを実施し、購入者へのプレゼント企画に1万通を超える応募があるなど、大きな反響がありました。 消費拡大につきましては、漁協や天草市が行った学校給食への食材提供の取組を支援し、マダイやブリ合わせて53万食分が子供たちの給食として提供されました。 また、養殖魚を主体とした水産物の販売会を、県庁のほか、天草市、上天草市、熊本市やJAグループ、自衛隊でも開催していただき、これまでに延べ13回、740万円を売り上げました。 学校給食の関係者や商品の購入者からは高い評価をいただいており、県産養殖魚のおいしさや品質の良さを消費者に発信する絶好の機会となったと考えております。 さらに、養殖魚の加工業者が連携して輸出を行うため、昨年6月に熊本県水産物輸出促進協議会を設立し、輸出環境が厳しい中、販路の回復や開拓の活動に対して支援を行ったところ、輸出量が回復した事業者も現れております。 こうした取組により、養殖魚の出荷量は、昨年末には前年並みに回復いたしました。そこで、今後は、消費形態の変化や海外における活動の制約など、新たな課題に対する取組を進めてまいります。 まず、国内外で増加する家庭消費に対応し、養殖魚の消費を促進するため、熊本県海水養殖漁協が新型コロナウイルス対策事業により整備した加工機器を活用し、家庭調理が簡単なフライや空揚げなどの商品開発や販売活動を支援いたします。 海外における販路拡大では、県産養殖魚の魅力を発信する英語や中国語のPR動画を作成し、現地商社とのリモートによる商談での活用に加え、海外の消費者に直接アピールすることで、輸出業者の販路開拓を後押しいたします。 国民の生活様式が大きく変化する中、生産者の皆様がこの困難を乗り越え、希望を持って生産活動を継続できるよう、漁業団体の皆様と連携し、引き続き、養殖魚の流通対策に積極的に取り組んでまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁をいただきました。 県では、新型コロナ感染症の拡大により、行き場を失った養殖魚の出荷量の回復を最優先に、迅速に予算化を行い、需要喚起や消費拡大、輸出の回復などにスピード感を持って取り組んできたということです。 確かに、県が努力しておられることに関しては、私にしても、養殖に関係している人たちも、実感しているところであります。しかし、先が見えない状況であり、漁業関連の業種にもかなりな影響が出てきているということで、今回は質問をさせていただきました。 地元の牛深では、関連業種にもかなり影響が出てきております。鉄工所関係におきましてもそうです。これは、以前、牛深は、まき網船の基地として栄えた時代がありました。その状況の中で鉄工所も栄えていました。そのような背景で、ステンレスの溶接等の特殊な技術も上がってきました。しかし、今、技術を持った鉄工所の職人さんたちが、ほかの地域へ出稼ぎに行っておられます。今の状況が続けば、ますます悪化するのは免れ得ない状況です。 また、ほかの業種で、潜水業です。これは、海に潜って作業をする仕事ですが、昔は、技術も要りますし、危険を伴う仕事のため、高収入であった時期もありました。定期的に養殖の網を洗う仕事をされていますが、漁業自体が不振なために、仕事量も減っています。 また、餌や養殖に関わる資材関係にも、かなりな影響が出ていると聞いています。 現在、あらゆる業種がコロナ禍の中で厳しい状況であるというのは理解しています。しかし、天草、特に牛深の場合は、漁業、水産業に依存するところが大きいものですから、今回は質問に上げさせていただきました。 次の質問に移ります。 高齢者施設における感染防止対策についてであります。 全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大する中、新聞報道によれば、新型コロナウイルスの感染者が2人以上出た高齢者施設は、全国で少なくとも1,000件を超えるとされております。 全国の感染者数を見ますと、10月末以降増加傾向となり、11月以降その傾向が強まっていき、12月には、首都圏を中心に過去最多の状況が継続、今年1月には、11都府県で緊急事態宣言が行われております。 この間、県内での感染者数も増加の一途をたどり、1日の感染者数が100人を超える日もありました。また、飲食店での感染が拡大した後、それが家庭内に広がり、年末年始にかけ、複数の高齢者施設でのクラスターが発生するという事態になりました。 このような中、感染者を受け入れる医療機関は逼迫し、クラスターが発生した高齢者施設においては、やむを得ず施設内で感染者の入所を継続せざるを得なかったと聞いています。 高齢者施設におけるクラスターの収束には1か月程度を要し、その間、入所者、職員ともに、厳しい状況の中で、日々の生活を送ってこられたのではないかと思います。 直近の状況を見ますと、県民や事業者の方々の協力により、いわゆる第3波の感染状況は落ち着きを見せており、去る2月18日には、県独自の緊急事態宣言も解除されたところです。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症そのものが収束したわけではなく、感染拡大の動向は予断を許しません。今後も、感染の再拡大に備え、その対策に不断に取り組んでいく必要があります。 御承知のとおり、高齢者の方々は、感染した場合、重症化するリスクが高いとされております。私が住んでおります天草地域では、高齢化率が40%を超え、県内でも2番目の高さとなっております。5人に1人が75歳以上の方という状況です。 幸い、天草地域での感染は、ほかの地域と比べると広がっておらず、クラスターも発生しておりませんが、感染が広がった場合の影響の大きさも懸念されます。 特に、高齢者の方々が集まって生活されている施設においては、安心して生活していただくため、その運営に当たって、管理者や介護従事者の方々には、感染しない、感染させないよう細心の注意が求められます。 そこで、県では、コロナ禍において高齢者施設の感染防止対策にどのように取り組まれているのか、健康福祉部長にお尋ねします。  〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡辺克淑君) 県内では、第3波による感染拡大に伴い、複数の高齢者施設でクラスターが発生しました。 高齢者は重症化しやすく、また、生活を共にされる施設では、感染が急速に拡大します。このため、本県では、これまでの事例を踏まえ、高齢者施設でのクラスターの発生、拡大防止に向けた3つの取組を進めています。 1つ目は、感染防止対策のチェックリストを活用した自己点検の実施です。入所や訪問、通所など、事業種別ごとにチェックリストを作成し、新型コロナウイルスを施設に持ち込まない、広めないための対策の徹底を図っています。 2つ目は、クラスターが発生した場合を想定した防護服の着脱やゾーニングの考え方などをまとめた動画の配信です。この動画は、県内で最初に発生した高齢者施設でのクラスター対応を通して得られた知見等を踏まえて作成したもので、これまで延べ1万回を超える再生回数となっています。 3つ目は、オンラインによる感染防止対策に関する研修の実施です。各施設の疑問や不安等の解消に向け、感染管理認定看護師などの専門家による施設の実態に応じた細やかな研修をこれまでに4回実施し、約200施設、500人の方々が受講されました。今後、さらに多くの方に受講していただくため、研修内容を動画でも配信することとしています。 これら3つの取組に加えて、新型コロナウイルスワクチンの接種に当たっては、クラスター発生防止の観点から、高齢者施設の介護従事者についても、入所されている高齢者と同じタイミングで接種を行うこととしました。 新型コロナウイルスの影響下にあっても、高齢者施設が徹底した感染防止対策の下で安定した運営を継続し、入所者の方々が安心して生活できるよう、今後も気を緩めることなく、市町村や関係団体等と協力しながら取組を進めてまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁をいただきました。クラスター発生防止に向けた3つの取組を推進するとのことでした。 最近、特別養護老人ホームなどの高齢者福祉施設で相次ぐ新型コロナウイルスのクラスター――感染者集団ですが、の発生を防ごうと、日本在宅医療連合学会が、感染者が出た場合の施設の事業継続計画、BCP作成マニュアルなどをまとめたという記事がありました。 その中で、同学会ワーキンググループの医師から、このようなクラスターはどこの施設でも起こり得ると考え、予防だけに偏らず、感染を最小限に抑える対応策を事前に決めておくべきだとの話があったということです。 今後も、気を緩めることなく、感染防止対策に取り組んでいただきますようお願いいたします。 次の質問に移ります。 感染者や医療従事者等への誹謗中傷対策についてであります。 新型コロナウイルス感染症をめぐっては、感染者やその家族、また、医療従事者などに対する不当な扱いや誹謗中傷等の行為が全国的な社会問題となっていますが、そうした中、民間ベースでは、誹謗中傷や偏見、差別のない社会を目指す活動もいろいろと生まれてきています。 現在、愛媛県有志グループから始まったシトラスリボンプロジェクトが全国的に広まっています。このプロジェクトは、誰もが新型コロナウイルスに感染するリスクがある中で、たとえ感染しても、地域の中で笑顔の暮らしを取り戻せることの大切さを伝えること、また、感染者や医療従事者が、誹謗中傷や不当な扱いを受けずに、それぞれの暮らしの場所で、ただいま、お帰りと受け入れられる雰囲気をつくり、思いやりがあり、暮らしやすい社会を目指す活動のことです。 スクリーンを御覧ください。(資料を示す)この活動に賛同された方は、自ら手作りしたシトラスカラーのリボンを身につけたり、バッグにつけたり、このリボンの画像をSNS等で発信することで、活動の輪が広がっています。私も、似合いませんが、今日リボンをつけて登壇しております。(発言する者あり)ありがとうございます。 また、高校生の活動事例では、新型コロナウイルス感染による誹謗中傷や偏見のない社会、平和な日常生活が一刻も早く戻ることとの願いを込めて、佐賀工業高校の生徒たちが作成したイルミネーションが学校に設置されています。 この高校では、1月にコロナウイルスのクラスターが発生したため、生徒が電車で避けられたり、学校に心ない声が寄せられたりしたこともあったそうですが、その一方で、イルミネーションを見た住民から、不安と思うが、一日も早く元気な通学姿を見せてといった励ましの手紙が寄せられたそうです。私は、このような取組が民間ベースで広がっていくことは、とてもよいことだと思います。 しかしながら、報道等を見ると、感染者やその家族、医療従事者等に対する心ない言動や不当な扱い、SNS上での根拠のない書き込みなどは後を絶たず、県内でも同様の事案が発生しているのではないかと思うところです。 そこで質問ですが、これまで、県内において、誹謗中傷や偏見、差別などの事案はどの程度確認され、どのように対処しているのか、また、こうした誹謗中傷等の防止に向け、どのように取り組んでいるのか、環境生活部長にお尋ねします。  〔環境生活部長藤本聡君登壇〕 ◎環境生活部長(藤本聡君) 県では、人権センターに常設している相談窓口に加え、昨年3月に、感染者等を対象とした専用の相談窓口を人権同和政策課内に設置いたしました。これまで、この2つの相談窓口において、新型コロナウイルスに関わる相談を70件ほど受けております。また、各保健所やコールセンター、市町村にも様々な相談が寄せられています。 これらの中で、医療機関での診療拒否や保育所等での登園自粛要請、感染者と同居していない親族に対しての出勤自粛要請などの事例を確認しております。 相談者に対しましては、内容に応じて、関係部局と連携し、助言等の必要な対応を行っています。 誹謗中傷等の防止については、民間においても様々な取組が広がる中、県としましても、新聞やテレビ、ホームページ等の各種媒体を活用した広報啓発に継続して取り組んでおります。 昨年11月から本年2月にかけて、新型コロナウイルスに関する誹謗中傷などはあってはならないとのメッセージを込めた、オリジナルのテレビCMを民放4局で放送しました。また、今月中には、県民から寄せられた医療従事者等への感謝のメッセージを掲載した新聞広報を行う予定でございます。 さらに、市町村に対しても、未然防止のための広報啓発に努めていただくよう、繰り返し依頼を行っております。 感染者等への偏見や差別、誹謗中傷は、人権にも関わる問題であり、絶対にあってはなりません。 県としては、市町村とも連携し、感染症に係る正しい情報の発信や広報啓発等に引き続きしっかりと取り組んでまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁をいただきました。 感染者や医療従事者等への誹謗中傷に関しては、大きな社会問題になっていると思います。新型コロナウイルスに対する不安から、感染者やその接触者、医療従事者などに対して行き過ぎた対応をしてしまう事例が多くあるようです。 新型コロナウイルス感染症については、正確な基礎知識や最新の知見、また、感染事例などを共有して、正しく恐れることが重要だと言われています。 そのような中で、民間からのシトラスリボンプロジェクトや佐賀工業高校の生徒さんたちが作成したイルミネーション等の民間ベースの活動が広まっているようです。 特に、医療従事者への誹謗中傷などは、家庭や個人的なことを犠牲にされ、日々献身的に頑張っておられる方々に対して絶対あってはならないことです。誹謗中傷ゼロを目指して頑張りましょう。 以上で質問終わりますが、最後に、要望を1点させていただきたいと思います。 夜間におけるヘリの救急搬送について要望させていただきます。 このテーマは、昨年の一般質問にて質問させていただきましたが、その後、ヘリの発着訓練を実施していただきました。ありがとうございます。 天草地域では、依然として、夜間の救急搬送に関して、一日でも早い実現を望む声が多くあります。 地方では、医療機関の集約が進み、その結果、身近なところに医療機関がなくなりつつあります。そうした医療過疎の住民にとって、たとえ緊急性が乏しくても、遠く離れた医療機関に行くための手段が必要であります。 現在の消防機関の行う救急搬送件数については、高齢化の進展などもあり、全国的に増加傾向にある中、令和元年中の救急自動車による救急出動件数は664万件で、搬送人員は598万人になっており、救急出動件数、搬送人員ともに過去最多を記録しています。救急自動車は、約4.7秒に1回の割合で出動し、国民の21人に1人が搬送されたことになります。 このような中、熊本県のドクターヘリの出動実績は、令和元年度が569件、熊本地震が発生した平成28年度には700件以上も出動していると聞いております。 ちなみに、私の地元であります天草地域においては、昨年度の実績は70件以上の出動があっており、ドクターヘリの効果的な運用が、救急患者の救命率の向上等に大きく寄与していると思っています。 しかしながら、夜間に救急患者が発生した場合、操縦士の確保や照明設備の整備等の問題から、ドクターヘリは出動できないこととなっています。夜間においても、心臓疾患、脳血管疾患、未熟児の出産等、緊急を要する事案の発生は十分考えられます。特に、未熟児の出産に関しては、地元では救命率がかなり低く、多くが救えない状況です。将来のある赤ちゃんの命を救うためには、万難を排してでも努力する必要があります。 そこで、夜間のヘリ救急搬送については、調整すべき内容や関係者も多く、容易なことではないと思っておりますが、一日でも早い実現を要望させていただきます。 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。 皆様、御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(池田和貴君) 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。  午後0時9分休憩    ――――――○――――――  午後1時10分開議 ○副議長(渕上陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 楠本千秋君。  〔楠本千秋君登壇〕(拍手) ◆(楠本千秋君) 皆さん、こんにちは。自由民主党・天草市・郡選出の楠本千秋、議長のお許しをいただきましたので、6回目の質問をさせていただきます。 まず、7月豪雨で亡くなられた皆様にお悔やみを申し上げます。そして、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。 熊本地震、新型コロナ、豪雨と、熊本はトリプルパンチに見舞われ、大変な状況でありますが、先日の日曜日、阿蘇地域では、阿蘇大橋が開通しまして、何かうれしい話題、参加させていただきました。これからも、県民一丸となって復興に取り組む必要があると思います。 それでは、通告に従いまして、一般質問を行います。 天草地域振興策について。 天草地域振興、このことを一番に考え、取り組まれました中村五木前天草市長は、先日山口議員、先ほど西村議員より触れていただきましたが、中村前天草市長は、天草振興道半ばで、昨年末に亡くなられました。天草市誕生から今日まで、地域づくりを話し合った仲間として、楠本、微力でありますが、しっかり質問させていただきます。 天草は、大小120の島々が点在し、風化や浸食による崖や斜面が見られるケスタ地形が特徴です。特に、御所浦島は、約1億年前の中生代白亜紀から約4,700万年前の地層が分布しており、その地層には、恐竜をはじめ、豊富で多様な化石が見つかることから、恐竜の島または化石の島と呼ばれています。 御所浦島は、平成21年に日本ジオパークに認定されました。その後、平成26年には2市1町全域に対象範囲を拡大し、各種学術調査やガイド活動等の支援等に取り組んできましたが、令和2年3月をもって日本ジオパークを退会、推進母体であった天草ジオパーク推進協議会も、同日をもって解散されております。 天草観光の目玉と期待されただけに、日本ジオパークからの退会は残念でありますが、化石をはじめとした御所浦の持つ地域資源を最大限に生かし、この宝の島、御所浦地域が何とか天草の、いや、熊本の宝となるような取組を引き続き進めなければならないと思います。 それから、島の振興に重要な島民の移動に関して、御所浦で試験運航されている海上タクシーが好評との新聞記事がありました。御所浦港と倉岳の棚底港を結ぶ定期船の最終便の後に、夜間のりあい便をNPO法人イーモビネットで運航されております。 うみラクプロジェクトというこの取組は、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金が資金を助成されており、島民へのニーズ調査で出た、最終便の時間が早い、海上タクシーがつかまらない、海上タクシーは値段が高いの声に応え、残業や買物などで最終便に乗り遅れた人たちが利用され、大変好評ということで、昨年10月までの試験期間が本年3月31日まで延長されています。島民の海上交通の利便性が高まり、大変よい取組であると思います。 離島のハンディキャップを軽減するために、県は、平成27年度から御所浦地域振興策に取り組んでいただいております。離島ならではのこの御所浦のポテンシャルを生かした地域振興や航路の充実など、島民の暮らしをよりよくするため、さらなる支援が必要であります。 そこで、今後、どのように御所浦地域の振興を進め、交流人口の拡大や地域経済の活性化、航路振興を進めていかれるのか、企画振興部長にお尋ねします。  〔企画振興部長高橋太朗君登壇〕 ◎企画振興部長(高橋太朗君) 御所浦地域における交流人口の拡大や地域経済の活性化については、平成27年度以降、御所浦地域振興策の中で、様々な取組を進めています。 具体的には、貴重な地域資源であります恐竜の化石を生かした化石採集クルージングの開催や、烏峠の絶景を生かしたトレッキングツアーへの補助、地元実行委員会との共催による島あじマラソン大会などに取り組んでいるところです。 なお、今年度の島あじマラソンは、新型コロナウイルス感染症に配慮し、3月8日から3月14日までの期間で、新しい生活様式に対応したオンラインの大会として開催中です。 遠くは北海道や沖縄からも参加申込みがあり、募集開始当日に定員300名に達してしまうなど、大変人気になっています。 さらに、これらのイベント開催と併せて、宿泊施設の設備の改修や超高速通信網の整備への支援、おもてなしの研修の開催など、交流人口拡大に向けた受皿づくりも行っています。 また、交通分野においては、定期航路の運賃をバス並みに引き下げる運賃割引や御所浦―水俣航路の増便、くまモンのICカードを活用した1人1万円の運賃補助など、様々な移動支援策を実施しています。 なお、住民のきめ細やかな移動ニーズに対応するため、定期航路の最終便の後の移動については、地元の要望が強かった小中高校生の部活動の送迎に必要な海上タクシー利用等への支援を拡充したところです。 こうした取組により、御所浦発着便の利用者数は、新型コロナウイルス感染症の影響下にあっても大きく減少することはなく、海上交通の利便性向上について効果が現れています。 今後も、御所浦地域の振興のため、天草市や地元まちづくり協議会等と連携し、島民の皆様の声をしっかりとお聴きしながら、引き続き、地域資源を生かした交流人口の拡大の取組や地域経済の活性化、航路の振興を進めてまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 企画部長に答弁いただきました。 化石採集クルージング、これは海上タクシーを貸し切ってのことだと思うんですけれども、あるいは烏峠から展望の利くところでのトレッキングルートツアーへの支援等、それと今びっくりしたのは島あじマラソン、オンラインで開催されるということ、これは広報を見せてもらったんですけれども、受付が2月19日から2月28日までの受付、300人定員、ところが2月19日、受付日の3時には、300人いっぱいになったということです。そして、北は北海道から南は沖縄まで、多い参加人員は、大分の56名、東京が33、大阪、愛知が24、神奈川が22、300人の中で初めてこの大会を知ったというのが266名、御所浦に来たことないという人が248名、全国に伝わるこの島あじマラソン、どうか今後も継続していただいて、もうちょっとキャパを広げてもらって、そういう参加された方は、一回御所浦に行きたいなと北海道の人が思うかもしれませんので、ぜひ継続してやっていただきたい、夢のある取組を進めていただきたいと思います。 夢といえば、御所浦島には、長年の大きな夢があります。それは、御所浦架橋事業です。平成30年11月議会において、御所浦架橋事業の質問に、知事は、事業について、現時点では、コストの縮減を図ったとしても、費用を上回る効果を見込めないことや財源確保が非常に厳しいことなどから、休止という苦渋の選択をしたと述べられました。御所浦島の地域振興策の1丁目1番地は、島民の夢、命の架け橋、御所浦架橋の実現だと思います。御所浦地域を一つの島にし、子供たちが安心、安全で通学でき、そして若者がこの島に夢や誇りを持って島に残り、家庭をつくることです。 御所浦町の隣の町、鹿児島県長島町では、長島本島と伊唐島を結ぶ全長675メートルの伊唐大橋が平成8年に完成しております。伊唐島の人口は124世帯だということです。ちなみに、御所浦は1,200近くあります。 平成8年には、福島知事が御所浦架橋建設を表明されております。そして、昨年、令和2年10月には、中村天草市長より、一般県道龍ヶ岳御所浦線整備事業再開に関する要望書が蒲島知事に提出されております。蒲島知事には、御所浦の未来が見える地域づくりをお願いしまして、次の質問に移ります。 国道389号下田南工区。 入る前に、まず、熊本天草幹線道路・本渡道路が、国、県、蒲島知事の力強い御支援により、令和4年度の完成に向け、着々と整備中です。早い工区では、上部工の橋桁の作業が始まり、橋としての形態が見えるようになりました。多くの市民の皆さんは、朝の渋滞解消や90分構想に一歩一歩近づくものだと喜んでおいでです。感謝を申し上げたいと思います。 今回は、現在、天草観光の目玉路線である国道389号、天草灘を望み、下田温泉の南側を海岸沿いに通るこの道路は、妙見浦など、海に山が迫り、夕日がすばらしい、風光明媚な景観が楽しめる道路です。 国道389号下田南バイパス道路改良事業は、延長3,520メートルの改良工事です。現在の整備状況は、令和2年8月までに、1工区1,830メートルを供用開始されております。平成22年に完成した鬼海ヶ浦トンネルや平成25年に完成した宮の本トンネルは、通行に大変便利となり、地域住民ばかりでなく、観光客に安心、安全なトンネルとして喜ばれております。 残りの未整備区間である2工区の現在の状況は、道路幅が4メートルと狭く、路線バスも通る道路です。区間内には、古いトンネルである小田床隧道とか桑の木隧道があり、幅員はさらに狭く、見通しも利かないため、安全確認が必要です。 その先は、天草の重要な観光資源である世界文化遺産、﨑津集落もありますが、大型観光バスは通行ができません。一日も早い解消が望まれております。 そこで、国道389号下田南バイパス道路改良事業の今後の整備の進め方について、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長上野晋也君登壇〕 ◎土木部長(上野晋也君) 国道389号は、天草地域の幹線道路網を形成しており、住民の生活基盤であるとともに、観光振興などに資する重要な道路であると認識をいたしております。 議員御紹介のとおり、下田南工区は、すばらしい景観の反面、地形等の条件が複雑であり、大型観光バスの安全な通行を図るためには、トンネルや橋梁など、多くの構造物が必要です。 また、近くに迂回路となる道路もないため、狭い現道に加え、部分的に工事が完成した区間を使用し、一般車両を通しながら工事を進めており、昨年8月に約1.9キロメートルの一連区間が完成をいたしました。 現在、小田床隧道のバイパスとなるトンネル工事を進めており、工事完了後は、地域の方々の利便性向上のため、現道への取付工事を行い、トンネル部分の供用を行ってまいります。 その後、桑の木隧道のバイパスとなるトンネルや橋梁工事を行うこととなりますが、工事の進め方を工夫し、全区間の完成前であっても、部分供用しながら、できる限り早く大型観光バスなどが通行できるよう整備を進めてまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 土木部長に答弁いただきました。 国道389号、天草観光の重要幹線道路と認識いただいておりました。工事中のトンネルについては、完成後、現道への取付工事を行い、トンネルの供用をしていただけると。また、桑の木隧道のバイパス工事は、できるだけ早く大型バスができるよう整備を進めると力強い部長の答弁をいただきましたので、次の質問、子供たちの体力の現状についてお伺いします。 小学校の運動部活は、平成30年度末に社会体育に移行しました。その受皿になったのが、総合地域型スポーツクラブと、各競技団体や保護者、地域及び市町村行政が中心になって立ち上げたクラブや教室があると聞いています。 地方においては、少子化に伴う小学校の統廃合が進み、スクールバスで登下校する児童も増加しております。結果として、体力の低下につながるのではないかと心配しているところです。 社会体育クラブは、都市部に比べ、選択肢の幅が少ないことや親の送迎が必要など、スポーツ環境に恵まれておらず、地域による格差が生まれ、スポーツの恩恵を受けられない子供たちがいるのではないでしょうか。 最近、ニッポン県民ランキングはいろいろあります。気になったのが「かけっこ1番はどこ?」を取り上げた番組です。一昨年のスポーツ庁全国体力・運動能力、運動習慣等の調査結果から出されていました。小学生男子50メーター走だと、ランキングで1番は福井、2番が石川、京都、佐賀、埼玉と続きまして、熊本は20番でした。 番組では、1番の福井県の取組を紹介されました。福井では、多くの小学校で、体育の授業以外にも、2限目と3限目の間に、業間運動が20分あるそうです。 紹介された取組内容、運動は、足が速くなるダンスです。快適な曲に乗って足の回転数を上げ、歩幅を広げる、安定した姿勢を保つなどの動きが取り入れられていました。これだと、子供たちの運動不足や格差の解消につながることと思います。すばらしい取組と感じました。 県の第3期熊本県教育振興計画には「児童生徒の体力は、平成28年熊本地震の影響により一時低下したものの、2年間で地震前の体力の状況に回復し、全体的には向上傾向にあり」「今後、体育・保健体育授業の工夫改善や、運動の日常化・習慣化に向けた取組を推進し、児童生徒の更なる体力向上を図」るとあります。 そこで、地域による格差が生まれないためのスポーツ環境の整備と子供たちの体力向上の取組状況について、教育長にお尋ねいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) まず、地域による格差が生まれないためのスポーツ環境の整備についてお答えをします。 小学校の運動部活動の社会体育移行について、受皿の一つとなっている総合型地域スポーツクラブは、現在、41市町村に設置されている状況です。しかし、市町村によっては、指導者の確保や子供たちが希望するスポーツ活動が限られるなどの課題があります。 そこで、地域による格差が生じないように、社会体育移行に関する研修会等を開催するとともに、全ての市町村を訪問し、好事例の紹介や意見交換を行っております。 今後も、地域の実態やニーズに応じた子供たちのスポーツ環境の整備充実に向けて、各市町村と連携を図りながら、課題解決に向けた支援を行ってまいります。 次に、子供たちの体力向上の取組状況についてお答えをいたします。 本県の子供たちの体力の現状は、全国体力・運動能力調査の結果、全34種目中24種目で全国平均を上回っており、この10年間を見ても、近年上昇傾向にあります。 本県では、現在、主に次の3点に取り組んでおり、その成果が調査結果につながっていると考えております。 1点目は、大学教授等の有識者で構成される子供の体力向上推進委員会を毎年開催し、全国調査や県の体力テストの結果分析を踏まえ、体力向上に向けた取組事例集を作成し、県内各学校に配付していることです。 2点目は、体力向上に関する研修会を開催し、先ほどの事例集の周知に加え、実技指導を行っていることです。例年、全ての小中高等学校等の代表の教員が参加しております。 3点目は、子供たちの運動の日常化と習慣化を図るため、約9割の小学校が、授業間の活動として縄跳びやボールゲームを行うなど、体育の授業以外でも体力づくりに取り組んでいることです。 県教育委員会では、第3期くまもと「夢への架け橋」教育プランにおきまして、全国調査の34全ての種目で全国平均を上回るとする指標を新たに定めることとしております。今後は、この目標達成に向けて、全国平均を下回っている柔軟性等の課題の改善など、ターゲットを絞った取組をさらに充実し、本県の子供たちの体力向上にしっかりと取り組んでまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 教育長に答弁いただきました。 新型コロナのこの時代、子供たちにコロナの不安障害が増加しているという情報があります。私たちは、力の弱い体であるけれども、用心深さで生き残ってきたと言われます。過剰な不安は、重たい毒となって人間を害するそうです。 新型コロナウイルスに対しての過剰な免疫反応が、サイトカインストームとなって炎症を起こして害をなすと言われます。脳内のセロトニンを増やすと、不安のもとの扁桃体の活動を抑えるそうです。 薬剤以外でセロトニンを増やす方法があるそうです。それは、リズム運動、音楽を聞きながらウオーキング、エアロビクス、水泳、それから腹式呼吸や日光浴で網膜に光を入れる、それが重要だとドクターが説明されました。福島の取組は、コロナ禍での理にかなった大変すばらしいものです。 熊本においても、9割の小学校で、体育授業以外にも体力づくりに取り組まれるとおっしゃいました。市町村と連携を密に、地域格差のない体力づくり、健康づくりの取組を教育委員会にはお願いします。 次の女性が活躍できる社会を目指した取組について、知事にお尋ねをいたします。 3月8日は、国際女性デーでした。国において、平成11年6月23日に、男女平等を推進するため、男女共同参画社会基本法が施行されました。男女共同参画社会とは、同法第2条に「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」と定義されております。 また、自らの意思によって職業生活を営み、または営もうとする女性が、その個性と能力を十分に発揮することができるよう、働きやすい環境づくりなどを企業等の事業主に求める法律として、女性活躍推進法が誕生しました。正式名称は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、集中的に取り組むため、10年の時限立法として、平成27年に施行されました。 県においては、男女共同参画社会基本法に基づく男女共同参画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画として、平成13年に、熊本県男女共同参画計画、ハーモニープランくまもと21を策定されました。5年ごとの改定を行いながら、計画的かつ総合的に施策及び事業に取り組まれております。 平成26年8月には、産学官の連携により、経済、労働分野における女性の社会参画の加速化に取り組み、男女が共に個性と能力を十分に発揮することができる男女共同社会づくりを目指す熊本県女性の社会参画加速化会議が発足されました。 知事は、さきの11月定例議会において、役付職員24.6%を目指すとした4次計画の目標にはまだ届いておらず、取組が十分ではないこと、あらゆる分野での女性の活躍を進めていくために、女性の参画が少ない分野での活躍推進や経営者層の意識改革などにさらに取り組んでいく必要があると述べられています。 県では、今回、5次熊本県男女共同参画計画の策定中と聞きますが、第4次計画の成果と課題について、また、第5次計画のポイントなど、策定に当たっての知事の思いをお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 女性の活躍は、多様性と活力にあふれた社会の形成に必要不可欠なものと認識しています。 しかし、その前提として、女性に対する尊敬と敬意を持つことが大事であると考えています。個々の女性が尊敬される喜びを持って参加できる社会であって初めて女性の活躍の場が広がり、結果として、経済成長や地方創生など、社会全体がよい方向に向かっていくと考えるからです。 現在の第4次熊本県男女共同参画計画においても、このような視点で、女性の社会参画促進や女性活躍の取組を進め、ほぼ全ての指標が、計画策定時の平成28年を上回っています。例えば、県の調査では、県内事業者の管理職に占める女性の割合は、22.1%から26.6%に伸びています。また、男性は仕事、女性は家庭といった、性別によって役割を固定する考え方に同意しない県民の割合も、72.2%から78%と過去最高となっています。 一方で、男性の育児休業取得率は、目標の13%に対して4.9%、市町村の審議会などの委員に占める女性の割合は、目標の30%に対して22.1%など、大きく下回っているものもあります。 取組の成果は着実に出ていると考えますが、十分な状況でなく、女性活躍推進に向け、取組を加速させてまいります。 現在策定中の第5次計画においては、あらゆる分野における女性参画の拡大に向け、女性の参画が少ない地域防災や建設、運輸などの業種、研究・開発部門といった職種での活躍促進を図ります。また、私自ら宣言を行った、仕事と生活の充実などに取り組むよかボス企業の登録数を、現在の577事業所から700事業所に増やしてまいります。 特に、防災分野においては、熊本地震や7月豪雨といった大規模災害の経験から、災害対応における女性の視点の重要性を実感し、これまでも、熊本県防災会議への女性委員の参画を進めてきました。今後も、防災女性リーダーを育成することにより、防災会議への参画はもとより、防災や復興の場面での女性の活躍推進に取り組んでまいります。 また、県職員においても、さらなる女性登用に向け、知事部局における女性の役付職員の割合について、28%の目標を達成します。市町村に対しても、職員や審議会等の委員への女性登用が進むよう働きかけてまいります。 男女が互いを尊重し支え合う、多様性に富んだ持続可能な社会の実現に向け、県が率先して取り組むとともに、引き続き、経済界や市町村、関係団体等とも連携し、着実に取組を進めてまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 知事に御答弁いただきました。 まず、男女が互いに尊重し支え合う持続可能な社会、そして多様性と活力にあふれた社会形成に不可欠であるということ、そして女性に対する尊敬と敬意とが大切であるとお話をいただきました。多くの取組もされております。 ここで新聞記事を1つ、2月7日の記事ですが、「地方防災会議 女性登用進まず」「国目標 3割達成1.8%」とありました。 防災会議開催の1,516自治体のうち1,487自治体を集計、30%目標達成したのは27自治体で、僅か1.8%だそうです。女性委員が一人もいない市町村が292ということです。熊本県内では、菊池の15.2%で高く、県は14%、熊本市は9.4%、女性委員が一人もいない自治体は5町村と発表がありました。 今回の5次計画に、防災や復興の場面でも、女性活用推進に取り組まれるとお話をいただきました。いろんな分野での性別を超えた活動に参画できるよう、機会の提供を知事にお願いしまして、次の特別支援学校についてお話を伺います。 特別支援学校は、比較的障害の重い子供が通う学校で、以前、盲、聾、養護学校と呼ばれた制度は、平成19年に、新たな特別支援学校に生まれ変わり、幼稚部から小中高等部まであります。 小中学部は1学級6人、高等部は8人、専門の教員が教科学習や生活習慣の確立などの指導に当たり、令和元年5月現在、全国に1,146校あり、児童生徒14万4,434人が在籍しております。このうち、9割の子供は知的障害があると言われます。 平成19年から約3万6,000人増えているそうです。背景には、障害への理解が広まり、特別支援学校で学ぶことへの抵抗感が減り、よりきめ細やかな支援を求める保護者が増えており、施設の不備が目立っているそうです。全国で不足している教室は3,162教室、前回調査3,430教室より改善は進んでおります。 昨年の8月、特別支援学校の教室が100室以上足りない11の自治体名が公表されました。11位は茨城県の105、7位に福岡県が139、千葉県、神奈川と続いて、全国1位は、243教室不足の我が熊本ということでした。 熊本県教育委員会では、平成23年5月に県立特別支援学校整備計画を、平成31年3月には改訂版を出され、知的障害特別支援学校における教室不足対策に取り組まれていると聞きますが、経過並びに現状について、教育長にお尋ねします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 知的障害特別支援学校の児童生徒数は、全国的にも増加が続いており、本県の特別支援学校の不足教室数は、令和元年5月現在で、普通教室が81、音楽室等の特別教室が162の計243教室で、教室不足の解消は喫緊の課題となっております。 県教育委員会では、平成23年5月に県立特別支援学校整備計画を策定し、当時特に児童生徒数が多かった熊本支援学校の過密対策として、同校で学んでいた重度重複障害のある肢体不自由の児童生徒を対象とする熊本かがやきの森支援学校を平成26年に開校するとともに、県内5校に高等部の分教室を設置いたしました。また、平成31年には、熊本はばたき高等支援学校を開校、さらに本年4月には、鏡わかあゆ高等支援学校及びかもと稲田支援学校を開校する予定です。 しかしながら、これらの整備後も、既存の知的障害特別支援学校7校においては教室不足の課題が解消されないことから、整備計画の改訂版を平成31年3月に策定し、現在取組を進めているところです。 例えば、天草支援学校の高等部が天草拓心高校本渡校舎の一部に移転するなど、近隣の高等学校等の県有施設に高等部を移転させております。あわせて、高等部移転後の残った校舎については、小中学部の児童生徒が活用しやすいように、普通教室及び特別教室等の改修を行っております。 現在、普通教室の確保に向けて、移転整備に集中的に取り組んでおり、令和6年度までに、知的障害特別支援学校の普通教室の整備を完了する見込みです。 さらに、高等部の移転後、残った校舎の整備を進め、必要な特別教室の確保を図ります。 今後も、障害のある児童生徒が、少しでも早期に十分な学習環境で学ぶことができるよう整備を着実に進めてまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 教育長に答弁いただきました。 知的障害特別支援学校の普通教室の整備を行い、教室不足は令和6年までに解消すると、そして高等部は、近隣の高等学校の県有施設に移転する、そういう取組で、天草では、天草支援学校の高等部を天草拓心高校に移転されるとお聞きしました。 子供たちに、さらにすばらしい学習環境で学べる対応をお願いいたしまして、次の質問、畜産について。 本年は、うし年です。黒毛和牛の取組についてお尋ねをします。 くまもと黒毛和牛に、今回の補正予算で光を当てていただきました。新型コロナウイルス感染症を踏まえた対応予算として、統一ブランド、くまもと黒毛和牛の認知度向上に向け、新ロゴマークの普及拡大とともに、首都圏等での販売促進を支援するための予算計上であります。ありがとうございました。 やっと熊本でも黒毛和種が認知されたと思います。私の地元天草地域では、古くから黒毛和種の生産地であり、雌牛の系統の基礎を築くとともに、今日の県の種雄牛造成にも貢献してきました。 県議会においても、私からの黒毛和種に関する質問は、今回で6回目です。その内容は、生産基盤の強化やEBL対策をはじめ、いずれも繁殖農家の生産向上への支援を要望するもので、その都度前向きな答弁をいただきました。 なお、EBLとは、牛白血病の略で、ウイルスが原因で、治療法がない恐ろしい病気です。現在、国内では、この名称、EBLが浸透しております。 平成30年11月議会では、県内の感染状況把握のため、年間のサンプル数を3,000頭に増やして調査を進めていると、高リスク牛の淘汰費用の補助を国が予算措置したことなどについて御答弁をいただきました。 このことにより、県が対策に本腰を入れ始めたと認識していますが、令和元年の発生、全国で4,110頭、本県では362頭が報告されております。いまだに右肩上がりです。 次に、平成29年11月議会では、12回全国和牛能力共進会鹿児島大会に向け、県、関係者が一丸となり、上位入賞を目指すと力強い言葉をいただきました。 この大会は、和牛の能力の向上を目指し、全国規模で5年に1度開催される和牛のオリンピックです。出品区分としては、和牛の体型や肉質のほか、親子3代を同時に競う部門や、高校や農大の活躍部門などもあります。 全国共進会まで1年7か月となり、多岐にわたる準備を進められていると思いますが、そこで、農林水産部長にお尋ねします。 まず、現在の国や県のEBL浄化のための対策や支援等の取組状況について、2点目は、全国和牛能力共進会鹿児島大会参加への取組状況と意気込みについて、お尋ねをいたします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) まず、EBL対策について、お答えいたします。 国においては、平成27年に、感染牛の分離飼育など、EBLの衛生対策を示したガイドラインを公表するとともに、検査や感染牛の淘汰などに要する費用を支援しております。 加えまして、本県独自に、次の3つの対策に取り組んでおります。 第1に、清浄化に向けた基礎調査として、平成30年度から今年度までの3か年計画で、県内全域で、これまでにない9,000頭規模の抗体検査を行っております。今年度中に全ての分析を行った後、各地域において、清浄化を進めるために連携が必要となる獣医師、関係団体及び家畜市場等の関係機関と結果を共有し、地域の実情に応じた対策につなげてまいります。 第2に、東海大学と連携して、発病に関与する遺伝子の解明を進めており、解析結果を清浄化に活用していきたいと考えております。 第3に、家畜保健衛生所が全農家に対策の啓発を行うとともに、対策に意欲的な36農場に対して、感染牛の分離飼育や吸血昆虫対策など重点的な指導を行っており、今年度、天草地域の1農場が清浄化を達成されました。対策の模範事例として広めてまいりたいと考えております。 県といたしましては、これら3つの対策を加速させ、生産者や関係機関と連携し、EBLの清浄化に向けて取り組んでまいります。 次に、令和4年10月に開催されます第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会への取組についてお答えいたします。 この大会は、くまもと黒毛和牛を全国にPRできる絶好の機会と捉えております。県では、鹿児島大会を見据え、平成30年度から継続的に予算化し、優良雌牛の系統図作成による高能力牛の掘り起こしや出品候補牛の生産等の取組を、畜産関係20団体と連携して行っております。 出品候補牛の生産は、3頭の優秀な県有種雄牛により計画的に行っております。その種雄牛の中でも、天草地域由来の美津福重は、体型、肉質ともに全国的に高い評価を得ており、大会で好成績が望めるものと、関係者一同、非常に期待しているところです。 今後、出品候補牛の発育や肉質を定期的にフォローしながら、来年7月の選抜会において、最終の出品牛を選抜し、鹿児島大会では、これまでの最高位を獲得できるよう、引き続き、関係団体、生産者の皆様と一丸となり、しっかりと取組を進めてまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 農水部長に答弁いただきました。 県内全域で9,000頭規模の抗体検査を実施される、そして分析し対策を検討されるという答弁いただきましたし、清浄化の1例も出たということですので、ぜひ、見本としていただいて、頑張っていただきたいなと思います。 新型コロナウイルスにはワクチンがあります。EBLは、牛のウイルスが原因の病気ですが、治療法がありません。検査確認で陽性牛の隔離予防以外対応ができない恐ろしい病気です。どうか、清浄化に向けた県の取組対応、よろしくお願いします。 それから、第12回の全国和牛能力共進会鹿児島大会、まずはしっかり努力をしていただいて、早く熊本の名前をどこかに、9部もあるんですから、どこかに熊本と、1番熊本というのを発信願います。 それから、天草地域由来の美津福重が期待されるということですけれども、これも大事に育てていきたいなと思います。 それから、最初言いました統一ブランド、くまもと黒毛和牛への努力にまず感謝を申し上げます。熊本は一つです。くまもと黒毛和牛統一ブランドで、全国や世界に向け、販路拡大に頑張っていただきたいと思います。 次の質問、今回も、救急救命、心肺蘇生、AEDを取り上げました。 特に、身近な人が心筋梗塞に倒れ、心肺蘇生もかなわず、亡くなられるということを経験し、改めて救急救命の大切さ、必要性を痛感したからです。 心筋梗塞による心肺停止の改善には、心臓への電気ショック、AED以外の対応はないと言われます。救急車にはAEDが装備されております。救急車到着まで、全国平均で8.7分、天草では9.8分とあります。私たちの体は、心臓が止まり、1分経過するごとに、生命率は7から10%低下し、脳は3~4分で回復が困難と言われます。 熊本県のAED管内把握数は、R元年で4,046台、昨年、R2年が5,025台だそうです。この数が多いか少ないか。多いとは思われません。 昨年、全国で、一般市民により、心原性心肺機能停止の時点が目撃された方は2万5,560名です。そのうち、一般市民による心肺蘇生法を受けられた人は1万4,789名、受けられなかった人は1万771名、救急車が来るまでお待ちになったということです。まだまだ手当てを受けられない厳しい現状があります。 また、一般市民によるAEDを使われた人は1,311名、2万5,000人のうちの1,311名ですが、社会復帰者は603名と46%、高い生存率が出ております。 熊本県の状況は、目撃された傷病者は284名です。一般市民による心肺蘇生を受けられた人は199名、高いんですね。救急救命の対応状況、大変すばらしい結果であると思います。消防本部で取り組まれる応急手当普及啓発活動への県内の参加者が8万1,782名と多く、その成果の現れであると感じました。 学校現場での突然死ゼロを目指した取組はどうでしょうか。平成29年の質問でお話ししました、日本臨床救急医学会と日本循環器学会の連名で、文科省に、学校での心肺蘇生教育の普及並びに突然死ゼロを目指した危機管理体制整備の提言がなされております。中学校では平成29年に、高等学校では平成30年度に学習指導要領が改訂されました。 令和元年9月議会で、命の教育、学校での心臓突然死ゼロを目指す3点の質問に、教育長は、時間の確保については、中学校と高等学校の保健授業で、AEDを含む心肺蘇生法の学習を必ず行うと述べられました。 2番目の練習用教具の確保については、胸骨圧迫等の教具を備えている学校は、中学校及び高等学校で64%、AEDの教具は11%ですので、多くは、実習を消防署と連携して行い、その際、教具を借用している、議員御提案の教具は、各学校へ情報提供するなど、教具の確保に十分に努めると、指導者の育成については、保健体育の教員にも、全ての学校で心肺蘇生法を身につける研修を行う、今後、さらなる研修内容を充実してまいると回答いただきました。 その後の取組、どうなっているのか、教育長にお尋ねします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 救急救命、心肺蘇生に係るその後の取組について、3点お答えをいたします。 まず、1点目の時間の確保については、中学校と高等学校の保健の授業の中で、AEDを含む心肺蘇生法について、必ず学習を行っております。その中で、AEDの実習も行った授業は、中学校で86%、高等学校で81%であります。 学習指導要領の改訂に伴い、来年度から中学校で、令和4年度から高等学校でAEDの実習授業が義務づけられることから、未実施の学校につきましては、できるだけ早期に100%の実施を目指してまいります。 さらに、防災訓練等でのAEDを活用した取組についても、県防災教育研究指定校である松島中学校の生徒が地域主催の防災訓練に参加した事例を、県内の学校に周知したところであります。 2点目の練習用教具については、菊池農業高校に今年9台導入し、来年度には、初めて国の事業を活用して、防災教育拠点校5校を中心に100台の導入を予定しております。 また、今年度、菊池農業高校で実践した練習用教具の活用方法等につきましては、研究発表会に加え、県教育委員会ホームページにおいても広く情報発信したところであります。来年度以降につきましても、その活用方法等の周知徹底を図ってまいります。 3点目の指導者の育成につきましては、これまで、保健体育の教員、養護教諭を対象に、心肺蘇生法等に関する研修を、経験年数に応じて計画的に実施してまいりました。 来年度は、突然死で小学生の娘を亡くされた保護者の方を講師に迎え、この事故を教訓に開発されましたテキストであるASUKAモデルの作成に至る過程や遺族の思いなどをお話しいただき、命の大切さやAEDの有効性等について認識を深めるため、熊本市を除く全ての公立学校の教職員を対象に研修会を開催する予定であります。 県教育委員会としましては、今後も、心肺蘇生法に係る確実な学習の実施と教職員の研修の充実に努め、学校での心臓突然死ゼロを目指してしっかりと取り組んでまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 教育長に御答弁いただきました。 時間の確保については、保健体育の授業、中学は86、高校で81、100%を目指す、それから教具についても、防災拠点5校にまた100台、100、100が続きました。 ASUKAモデルのお母さんを講師に呼んだ研修会も開催されるということです。このASUKAモデルというのは、桐田明日香ちゃん、2011年に11歳、小学校6年生です。学校の駅伝大会の練習中です。グラウンドで突然倒れて保健室に運ばれております。保健室に運ばれましたが、救急車が来るまで手当てを受けられなかった。横にはAEDがあったそうです。分からなかったそうです。で、病院に運ばれましたが、亡くなられたんです。 当然、教育委員会とその亡くなられた御家族とのいろんなことがあったと思うんですけれども、もう最後には、埼玉の教育委員会が、ASUKAモデル、先生たちの事故対応マニュアルを作られて、そのお母さんが同じことを、明日香のようなことを二度と起こさないために、今全国を回られとるということです。その方がお見えになって講師になられるということですので、ぜひお願いしたいと思います。 指導者の育成、学校現場での突然死ゼロを目指すとともに、子供たちが救急救命、心肺蘇生を理解し、自信を持って対応できる社会人になるよう、教育委員会にはお願いしたいと思います。それから、よかったら小学校の高学年にもそういう講習をしていただきたいなと思います。 AEDの配置が5,025台、先ほども多いことはないと言いましたけれども、特に、救急車の到着まで時間がかかる地域の配備、例えば消防団分団にとか、あるいは自治公民館とか、あるいは自治区長さんとかに、何とかそういうのを地域に、隅々までそういうのが配置できるような対応をこれから考えていただく必要があるのかなという思いをお願いしまして、最後の長寿社会の健康対策についてお話をさせていただきます。 私たちには、平均寿命と健康寿命があります。明治32年、36年頃の平均寿命は、男性が43.97歳だそうです。女性が44.85歳、昭和25年には、男性が58歳、女性は61.5歳になっております。 健康寿命とは、WHOによって提唱された新しい健康指標で、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる時間のことです。平成28年の平均寿命と健康寿命の差は、男性、平均寿命80.98、健康寿命72.14歳で、8.84歳開きがあります。女性は、平均寿命87.14歳、健康寿命が74.79歳で、12.35年開きがあります。 平均寿命と健康寿命の差は、医療や介護に頼らなければならない期間です。介護が必要になった主な原因の構成割合は、認知症が18%、脳卒中が16.6%、高齢による衰弱13.3%、心臓病4.6、その他の原因が23.3%、そして骨折転倒12.1%、関節疾患10.2%、運動機能の障害によって、4人に1人は介護になってくるということです。 ○副議長(渕上陽一君) 残り時間が少なくなりましたので、発言を簡潔にお願いします。 ◆(楠本千秋君) (続) 2月16日の記事です。106歳で亡くなる4日前までプールに通い続けた長岡三重子さんは、80歳のときに膝を痛め、リハビリのために水泳に取り組まれたそうです。101から104歳のクラスで、世界で初めて1,500メートルを完泳されたとあります。 県内に住む100歳以上の高齢者、センチュリアン、1世紀人は、昨年9月の時点で、熊本は1,752名です。国内では8万450名と世界有数の長寿国です。そのうち、女性が88.2%を占めているそうです。 私たちの幸福は、健康で生活すること、高齢になっても介護に頼らず生活できることです。県として、県民の皆様が健康で、健康寿命を高め、幸福度を上げることは大変重要なことであります。 コロナ禍の現在、公民館や学校の公共施設は使えないなど、長期の活動停止は、活動意欲を損ない、健康づくりにも大変心配される状況です。 県内各自治体が健康づくりに取り組みやすいよう、県としての支援制度が必要であると考えます。市町村のユニークな事業や効果を上げている事業を支援する制度をお願いし、要望とさせていただきます。 今回、初めての質問も含めて、執行部におかれては、大変丁重な対応をいただきました。最後に言いましたこの健康づくり、一人の個人の問題ではなく、それぞれの家庭で大切なことでありますので、それぞれ各県議、あるいは執行部の皆様にも、健康には留意されて生活をされることを望みまして、一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(渕上陽一君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明11日は、午前10時から会議を開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第8号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時10分散会...