熊本県議会 > 2020-10-08 >
10月08日-08号

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  1. 熊本県議会 2020-10-08
    10月08日-08号


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    令和2年 9月 定例会               第 8 号              (10月8日)  令和2年   熊本県議会9月定例会会議録     第8号令和2年10月8日(木曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第8号  令和2年10月8日(木曜日)午前10時開議 第1 各常任委員長報告 質疑 討論 議決 第2 閉会中の継続審査の件  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 各常任委員長報告 質疑 討論 議決 日程第2 閉会中の継続審査の件 知事提出議案第56号及び第57号 質疑 討論 議決 議員提出議案の上程(第1号から第4号まで) 質疑 討論 議決 委員会提出議案の上程(第1号から第3号まで) 質疑 討論 議決    ――――――○――――――出席議員氏名(49人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            池 永 幸 生 君            竹 﨑 和 虎 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 さん            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            濱 田 大 造 君            前 田 憲 秀 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            早 田 順 一 君            渕 上 陽 一 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            田 代 国 広 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     知事公室長  白 石 伸 一 君     総務部長   山 本 倫 彦 君     企画振興部長 高 橋 太 朗 君     理    事 水 谷 孝 司 君     健康福祉部長 渡 辺 克 淑 君     環境生活部長 藤 本   聡 君     商工観光労働            藤 井 一 恵 君     部    長     理    事 寺 野 愼 吾 君     農林水産部長 竹 内 信 義 君     土木部長   上 野 晋 也 君     会計管理者  本 田 充 郎 君     企業局長   藤 本 正 浩 君     病院事業            吉 田 勝 也 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  岸 田 憲 夫 君     人事委員会            青 木 政 俊 君     事務局長     監査委員   福 島 誠 治 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   吉 永 明 彦     事務局次長            横 尾 徹 也     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     審議員兼            富 田 博 英     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時2分開議 ○議長(池田和貴君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 各常任委員長報告 ○議長(池田和貴君) 日程に従いまして、日程第1、去る9月29日の会議において審査を付託いたしました議案第1号から第34号まで並びに請願について、各常任委員長から審査結果の報告があっておりますので、これを一括して議題といたします。 ただいまから、各常任委員会における審査の経過並びに結果について、各常任委員長の報告を求めます。 まず、厚生常任委員長の報告を求めます。 中村亮彦君。  〔中村亮彦君登壇〕 ◆(中村亮彦君) 厚生常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係3議案、条例関係2議案及び報告5件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された健康福祉部の9月補正予算は、新型コロナウイルス感染症対応分として、患者受入れのために病床確保を行う医療機関への助成に要する経費等、117億6,700万円余の増額補正、通常分のいわゆる肉づけ予算として、地域医療介護総合確保基金への積み増しに要する経費等、24億8,900万円余の増額補正で、総額142億5,600万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて4,232億4,000万円余であります。 また、令和2年7月豪雨災害対応分として、被災した高齢者福祉施設等の復旧に要する経費等、令和2年度8月補正予算として行った29億3,900万円余の増額補正に係る専決処分の報告及び承認であります。 病院局関係では、新型コロナウイルス感染症対応分として、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の支給に要する経費で1,700万円の増額補正であり、補正後の予算総額は、17億7,500万円余であります。 次に、条例関係議案についてでありますが、熊本県食品衛生基準条例等の一部を改正する等の条例の制定について外1議案であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、生活保護の申請は、新型コロナウイルス流行前と流行後でどのように変化しているのかとの質疑があり、執行部から、熊本市を除く県所管の福祉事務所において、4月は申請件数が昨年度より30%程度増えたが、4月から8月までの5か月間ではほぼ昨年度並みとなっている、コロナで困ったからという理由での申請も全体の約9%で、落ち着いている状況であるとの答弁がありました。 次に、委員から、子ども食堂活動支援事業について、コロナ禍の中で一般の食堂では閉店しているところも出てきているが、子ども食堂の現状はどうかとの質疑があり、執行部から、県内に約80か所ある子ども食堂のうち、8月末現在でおおむね半分の40か所ほどが活動しており、そのうち通常どおりに活動を行っているのは10か所程度で、残りは配食を行うなど、慎重に対応している状況であるとの答弁がありました。 次に、委員から、生活困窮者総合相談支援事業住居確保給付金について、コロナ禍で住居を失った方は県内にどの程度いて、給付金の支給を受けている方はどの程度いるのか、また、給付金は何か月間支給されるのかとの質疑があり、執行部から、住居を失った方の把握はしていないが、住居確保給付金の申請は、県の管轄である町村部では、今年の4月から8月までで51件となっており、昨年度1年間の6件と比較するとかなり増えている状況である、また、給付金の支給期間は、当初は3か月間ということで支給するが、その後、延長が2回可能であるため、最長9か月間支給を受けることができるとの答弁がありました。 次に、委員から、献血推進対策事業について、若年層の献血者数の状況はどうなっているかとの質疑があり、執行部から、今年度の献血については、コロナ禍の影響で高校や専門学校での献血ができない等の理由で10代、20代の献血が減少しているが、全体的に見ると、報道等で取り上げていただいたおかげで増えている状況にあるとの答弁がありました。 次に、委員から、ハンセン病事業費に関連して、ハンセン病元患者の家族への補償金については、現在、県内でどれくらいの請求がなされているのかとの質疑があり、執行部から、補償金の請求人数については、厚生労働省からの連絡がなく、把握していないが、4月1日に開設したハンセン病問題相談支援センターには毎月20件を超える相談が寄せられており、そこで適切な対応を行っているとの答弁がありました。 次に、委員から、児童福祉施設整備費に関連して、清水が丘学園の入所状況を教えてほしい、また、今後予定されている全面改築の期間中、入所児童はどこで生活するのかとの質疑があり、執行部から、近年、入所児童は10から15人で推移している、また、改築期間中も、入所児童の生活に極力支障がないよう、敷地を有効活用して、順次整備を進めていくとの答弁がありました。 次に、委員から、季節性インフルエンザの流行時期を迎えるに当たり、今季については、発熱者は新型コロナウイルス感染の可能性もある中で、これまでどおりの受診行動でよいのか、医療機関は多くの発熱患者に対応できるのか、県が考えている診療・検査体制をどのように県民へ周知するのか、さらに各地域の最前線における診療・検査体制はどのような整備状況となっているのかとの質疑があり、執行部から、インフルエンザ流行ピーク時は、1日約7,000人の患者発生が予想されていることから、できるだけ多くのかかりつけ医や身近な医療機関で受診、検査ができる体制を整えていくため、県医師会、郡市医師会と保健所で協議を進めている、また、県民からの問合せについては、今後は、かかりつけ医受診相談センターに連絡いただき、身近で受診可能な医療機関を紹介する制度を整えていく、県民に対しては、県ホームページ、県や市町村の広報誌、SNS等を活用して周知を図っていく、さらに診療・検査体制の整備については、医師会と保健所が、各医療機関に対して連名で、診療、検査を行う医療機関として参加を求める文書を送付したり、説明会を開催するなど、連携して進めていくとの答弁がありました。 さらに、委員から、医療機関との連携は大変重要であり、また、新型コロナインフルエンザの同時流行となると、医療を受ける側も提供する側も大変混乱すると思われるので、県民が安心して受診できる周知方法を考えていただき、効率的かつ安全に対応してほしいとの要望がありました。 関連して、委員から、インフルエンザワクチンの優先接種に関する広報内容が分かりにくいという声があるため、県民にとって分かりやすい広報に努めていただきたい、また、予防接種を希望される方が確実に接種できるよう取り組んでもらいたいとの要望がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決または承認することに決定をいたしました。 最後に、本委員会所管事務継続審査事件については、議席に配付のとおり決定をいたしました。 各議員におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、厚生常任委員長の報告を終わります。 ○議長(池田和貴君) 次に、経済環境常任委員長の報告を求めます。 末松直洋君。  〔末松直洋君登壇〕 ◆(末松直洋君) おはようございます。 経済環境常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係3議案、条例等関係5議案及び報告9件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された環境生活部の9月補正予算は、通常分、いわゆる肉づけ予算として、CO2排出削減などの地球温暖化対策廃プラスチック対策に要する経費等、1億5,000万円余の増額補正、また、新型コロナウイルス感染症対応分として、消費生活相談強化に要する経費等、1億2,700万円余の増額補正で、総額2億7,800万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて184億8,600万円余であります。 また、令和2年7月豪雨災害対応分として、自然公園施設の災害復旧に要する経費で、令和2年度8月補正予算として行った1,100万円余の増額補正に係る専決処分の報告及び承認であります。 商工観光労働部関係では、通常分、いわゆる肉づけ予算として、県経済の将来を担う若者等の地元定着や職業能力開発施設の拠点化のための経費、県経済を牽引する産業、企業の集積を推進するために要する経費等、4億8,500万円余の増額補正、令和2年7月豪雨災害対応分として、被災地復興支援のためのコンテンツを利用した情報発信等に要する経費で3,000万円の増額補正、新型コロナウイルス感染症対応分として、新しい生活様式を踏まえたスマート観光交通体系構築に要する経費等、5,400万円余の増額補正で、総額5億6,900万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて1,486億4,600万円余であります。 また、令和2年7月豪雨災害対応分として、なりわい再建支援補助金など、被災中小企業者等の施設設備に係る復興支援に要する経費等、令和2年度8月補正予算として行った245億5,300万円余の増額補正に係る専決処分の報告及び承認であります。 企業局関係では、緑川第一発電所取水口スクリーン更新工事に係る債務負担行為の設定であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、熊本県食の安全安心推進条例の一部を改正する条例の制定について外4議案であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、狩猟者増加促進事業について、県の推定生息頭数調査では、鹿が約3万頭増加したという話もあり、地域によっては、鹿だけではなく、イノシシなどによる獣害が増えてきていると思うが、狩猟者は減ってきているのか、また、地域によっては狩猟者の高齢化が進んでいるとの話を聞くが、実態はどうなのかとの質疑があり、執行部から、狩猟者については、昭和45年頃の約1万4,000人から平成21年度には4,800人まで減少したが、平成22年から試験回数を増やすなど、受験機会の増加を図り、今は5,000人程度まで増えてきている、平成30年度の資料では、60歳以上の割合は約67%であり、高齢化が進んでいるとの答弁がありました。 さらに、委員から、人手が不足し、高齢化が進んでいるので、県として、農業や林業に従事していない若い方に対しても、積極的なPRをしっかりお願いしたいとの要望がありました。 次に、委員から、熊本県環境整備事業団経営状況報告に関連して、産業廃棄物最終処分場であるエコアくまもとでは、熊本地震や令和2年7月豪雨による災害廃棄物の受入れをしているが、今後の廃棄物受入れに対する影響はどうかとの質疑があり、執行部から、令和2年9月までの埋立量の78%が災害廃棄物、9%が産業廃棄物と、災害廃棄物が相当な割合を占めている、今後の災害発生の度合いにもよるが、現時点での残容量から考えると、20年以上は受入れ可能と見ているとの答弁がありました。 次に、委員から、商店街活性化支援事業について、具体的にどのようなことを行うのかとの質疑があり、執行部から、本事業は、国の交付金を活用し2つの事業を行うもので、1つが防犯、防災のための防犯カメラなどの整備について市町村が支援を行う場合、その2分の1を県が支援するというもの、もう一つが専門家を各商店街に派遣し、専門家とともに、コロナ禍での課題解決や活性化について取り組んでもらい、その成果を熊本県商店街振興組合連合会を通じて広く周知してもらうことを考えているとの答弁がありました。 さらに、委員から、商店街に対する県の支援は、これまであまりなかったと感じているが、商店街の皆様は、コロナ禍で非常に厳しい状況にあるので、予算も少しずつ増やし、安心、安全な商店街づくりや人材育成なども充実させながら、取組を加速していただきたいとの要望がありました。 次に、委員から、くまもと型就職氷河期世代活躍促進事業について、県はどのような対応を考えているのかとの質疑があり、執行部から、本事業は、非正規雇用の方や長期無業の状態にある方を対象に、3年間の集中取組期間を国の取組と歩調を合わせて取り組むこととしている、まずは、若者の自立を支援する若者サポートステーションの相談体制を強化するとともに、オンラインによる相談窓口の開設や夜間、土日の対応も行うこととするほか、オンライン講座の実施やリモートワークでできるような仕事の業務体験といった取組を行う予定としている、新型コロナの影響で、企業の関心や採用意欲が高まる状況ではないが、氷河期世代一人一人の状況に応じるとともに、企業への支援も行いながら取り組んでいきたいとの答弁がありました。 次に、委員から、スマート観光交通体系構築推進事業について、具体的にどういうものかとの質疑があり、執行部から、観光客がスマートフォンを使いながら最適な交通手段の情報を得て、スムーズに観光地に行けるようにするものであるが、これに合わせて周辺にある飲食店の情報や体験プランの提案などをうまく含め、非接触や密を避けるというコロナ禍における新しい生活様式に対応させていくことで、観光客の満足度も上げながら、新しい観光の在り方を検討していきたいとの答弁がありました。 さらに、委員から、この事業は、高齢者の移動手段、過疎地の公共交通など全て含まれることになると思うので、今はコロナでいろんな制約があるが、ぜひピンチをチャンスに変えるような思いで取り組んでいただきたいとの要望がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決または承認することに決定しました。 最後に、本委員会所管事務継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定どおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、経済環境常任委員長の報告を終わります。 ○議長(池田和貴君) 次に、農林水産常任委員長の報告を求めます。 吉田孝平君。  〔吉田孝平君登壇〕 ◆(吉田孝平君) 農林水産常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係2議案、条例等関係3議案及び報告7件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された農林水産部の9月補正予算は、平成28年熊本地震からの復旧、復興対応分として、中山間地域における農業生産基盤の整備に要する経費等、1億2,600万円余の増額補正、新型コロナウイルス感染症対応分として、同感染症の影響により経営が悪化した農業者等への融資に係る利子補給費及び保証料助成に要する経費等、2,700万円余の増額補正、また、通常分、いわゆる肉づけ予算として、217億9,700万円余の増額補正で、総額219億5,100万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて1,110億8,600万円余であります。 また、令和2年7月豪雨災害対応分として、被災した施設の復旧支援に要する経費等、令和2年度8月補正予算として行った347億9,900万円余の増額補正に係る専決処分の報告及び承認であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、令和2年度農林水産関係の建設事業の経費に対する市町負担金について外2議案であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、農地集積加速化事業について、農家の高齢化は進んでおり、農地集積を急がないと担い手がいなくなるので、それを防ぐためにも頑張っていただきたいが、その中で、県は、同様の事業を行っている農地中間管理機構とどのように連携して進めていくのかとの質疑があり、執行部から、令和5年度までに全農地の8割を担い手に集積することを目標に、年間2,100ヘクタールの集積に取り組んでおり、そのうち900ヘクタールを同機構による集積として計画しているが、本事業では、各地域で集積を促進する農地集積専門員の機構への配置や機構に農地を貸し付けた地域への協力金の交付などを行いながら、機構と一体となって取り組んでいくとの答弁がありました。 次に、委員から、くまもと畜産物流通戦略対策事業に関連して、6月の当委員会で県産黒毛和牛のブランドの統一について尋ねたが、その後の検討経過はどのようになっているかとの質疑があり、執行部から、各団体及び企業畜産関係者による会議を開催し、くまもと黒毛和牛という表現を前面に出す方向で検討を進めており、年度内には方向性を決定できるように取り組んでいくとの答弁がありました。 次に、委員から、耕作放棄地解消事業に関連して、耕作放棄地のほとんどは中山間地域で生じており、担い手の高齢化や米余りの状況の中で、機械が入らないような条件の悪いところも農地として維持していくかどうかの見極めはどのように行っているのかとの質疑があり、執行部から、再生が困難な農地については、農業委員会等において調査していただき、年間約500ヘクタールの非農地化も進めているところであり、地域における人・農地プランの実現に向けた話合いの中で、どの農地を残していくかを協議していただきたいと考えているとの答弁がありました。 関連して、委員から、非農地化された山際の農地は、林業から見た場合、勾配が少なく、作業効率のよい林地になるが、その活用について、森林部局との連携はどのようになっているのかとの質疑があり、執行部から、農地化が難しい耕作放棄地については、山林に戻すとともに、森林部局と連携して、センダンの植栽といった取組も進めているところであり、しっかり連携していきたいとの答弁がありました。 次に、委員から、くまもと農業継承支援事業について、新規就農者にとって、農地の取得や農業機械の購入には多額の資金が必要であるが、データベースでマッチングさせるという本事業では、どのような支援をするのかとの質疑があり、執行部から、担い手の中心である認定農業者を対象とした調査では、約半数の経営者が10年以内に離農を考えており、約45%が後継者が決まっていないという結果などを踏まえ、離農予定者が持つ資産等のデータを、市町村農業委員会やJA等の関係機関と連携して、しっかり把握した上で、これらの資産等を就農希望者規模拡大農家など継承希望者に確実に引き継いでいくとともに、新規就農者については、初期投資の負担が大きいので、そうした資産の補修費等についても支援していくとの答弁がありました。 次に、委員から、主伐・植栽一貫作業システム支援事業に関連して、7月豪雨など、最近の異常気象の中で、皆伐跡地が地滑り等の災害を誘発するのではないかとの不安の声がある、民有林の所有者責任に関する法改正の議論も進む中、皆伐に適する土地かどうか、県が計画的に指導してほしいと思っているが、どのように考えるか、また、皆伐後に再造林することにより、二酸化炭素の吸収力が増し、森林吸収源対策に寄与するが、一般には理解されていない面をどのように考えるかとの質疑があり、執行部から、法定の市町村森林整備計画の中で、木材生産や公益的機能を推進すべき場所といったゾーニングがされているが、事業者の認識が薄い傾向があることから、今後、森林所有者等からの伐採届出の際に、ゾーニングを意識した林業活動の指導を行ったり、例えば造林の補助金において、ゾーニングを意識するような要件を検討するなどにより対応していきたい、御指摘の森林吸収源対策としての効果については、木は切ってもカーボンとしてずっと残り続けていくもので、カーボンニュートラルのものだという考え方を木育活動等を通じて普及啓発していきたいとの答弁がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 最後に、本委員会所管事務継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、農林水産常任委員長の報告を終わります。 ○議長(池田和貴君) 次に、建設常任委員長の報告を求めます。 楠本千秋君。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 建設常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係2議案、条例等関係13議案及び報告2件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された土木部の9月補正予算は、通常分、いわゆる肉づけ予算として、433億7,500万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて1,533億1,500万円余であります。 また、令和2年7月豪雨災害対応分として、被災した県管理公共土木施設等の復旧に要する経費等、令和2年度8月補正予算として行った291億8,300万円余の増額補正に係る専決処分の報告及び承認であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、令和2年度道路事業の経費に対する市町村負担金について外12議案であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、CALS/EC事業について、事業が始まってから10年以上たち、電子納品が奨励されてきたが、これまで電子納品のデータを行政機関及び民間においてもあまり活用できていないのではないかとの質疑があり、執行部から、今後、土木部各課や各地域振興局がそれぞれ持っている図面や台帳等の電子データを一元管理するシステムを構築していく中で、どういった活用ができるかを含め検討していくとの答弁がありました。 次に、委員から、国土強靱化に係る事業について、まだまだ県、市町村にはやらなければならない事業が多くあり、県議会では事業継続の意見書を国に出しているが、来年度以降の予算措置について、国の動きに係る情報はあるかとの質疑があり、執行部から、国の骨太の方針では、国土強靱化に係る事業について記載されているが、来年度以降の予算化が明確になっているわけではないため、政府要望など、あらゆる機会を通じ、引き続き要望していくとの答弁がありました。 次に、委員から、河川改良費に関して、河川の護岸や堤防の災害復旧については、かさ上げは認められず、原形復旧しかできないため、それではまた災害を繰り返し受けるようなことになると思うが、かさ上げなどの改良復旧はできないのかとの質疑があり、執行部から、河川の災害復旧については、原形復旧が基本だが、今回の豪雨災害のように、被災流量が現況の流下能力を大きく超えるような原因によって被災したものについては、一部改良事業として取り組むことも可能であり、国と協議しながら復旧の工法を検討しているとの答弁がありました。 次に、委員から、国道324号本渡道路の橋梁上部工について、今回、5本の工事請負契約が締結されるが、一度に発注した場合、仮設施工ヤードは確保できるのか、また、プレストレストコンクリート製にするか、鋼製にするかについては、何か基準はあるのかとの質疑があり、執行部から、令和4年度の開通を目標に事業を進めており、発注順序をきちっと精査して、それぞれの工事に支障のないように発注を行っている、また、プレストレストコンクリート製、鋼製のどちらを使うかについては、橋の長さ、航路との交差条件等を考えながら、どちらが経済的であるかなどを考慮して決めているとの答弁がありました。 関連して、委員から、同一業者が請け負う隣接工事について、別工事であっても共通経費は厳しく考えてほしいとの要望がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 最後に、本委員会所管事務継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、建設常任委員長の報告を終わります。 ○議長(池田和貴君) 次に、教育警察常任委員長の報告を求めます。 岩本浩治君。  〔岩本浩治君登壇〕 ◆(岩本浩治君) 教育警察常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係3議案及び報告4件であります。 議案の概要について申し上げます。 今回提出された教育委員会の9月補正予算は、通常分、いわゆる肉づけ予算として、県立学校の改修及び特別支援学校の新設校整備や既存校の移転、改修等に要する経費等、20億2,600万余の増額補正、新型コロナウイルス感染症対応分として、家庭学習のためのICT環境の整備、教育庁所管施設の感染症対策や指定管理者の運営支援に要する経費等、2億2,900万余の増額補正で、総額22億5,500万余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて1,344億7,800万余であります。 また、令和2年7月豪雨災害対応分として、JR肥薩線運休に伴い通学困難となった高校生の通学支援や被災した児童生徒等の心のケアに対応するための経費等、令和2年度8月補正予算として行った5,400万余の増額補正に係る専決処分の報告及び承認であります。 警察本部の9月補正予算は、肉づけ予算として、交通安全施設の整備に要する経費等、4億5,500万余の増額補正、新型コロナウイルス感染症対応分として、警察活動における感染症対策に要する経費で4,100万余の増額補正で、総額4億9,700万余の増額補正であり、補正後の予算総額は402億7,900万余であります。 また、令和2年7月豪雨災害対応分として、被災した警察施設、車両の復旧に要する経費等、令和2年度8月補正予算として行った1億2,500万余の増額補正に係る専決処分の報告及び承認であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、高校生キャリアサポート事業について、新型コロナウイルス関係で、インターンシップが非常にやりにくい状況になっていると同時に、就職についても、求人が下がっているとの話を聞くが、この事業との関連性はどうなっているのかとの質疑があり、執行部から、夏場までは保育実習や看護実習等ができなかったが、秋以降、企業におけるインターンシップは前向きに検討いただいている、今年度は、求人件数が約30%減になっており、また、例年9月の就職選考の開始日が1か月後ろ倒しとなり、就職決定時期も遅れることから、本事業の補正予算では、当初12月までであったキャリアサポーターの配置を3月まで延長し、就職決定に向け、生徒一人一人を丁寧に支援していきたいとの答弁がありました。 関連して、委員から、大企業は厳しい求人状況になると思うが、地元の中小企業等を県がしっかりと支えて求人の要請を行うなど、コロナ禍だからこそできることを工夫して、少しでも高校生の県内就職が進むよう、しっかりと取り組んでほしいとの要望がありました。 また、委員から、特別支援学校の職場実習についても、新型コロナウイルスの影響で受入れ先がない生徒もいると聞いている、特別支援学校の生徒にとって、職場実習は就職につながる大事な授業であるが、どのような対応を行っているのかとの質疑があり、執行部から、通常、年間3回の現場実習を3年間実施しながら、生徒に合う職場や職業を丁寧にコーディネートしている、今年は、コロナ禍で、食品関係、高齢者施設などの受入れが厳しく、現場実習不参加となった生徒もいるが、今後、11月の現場実習や個別の実習も計画されており、キャリアサポーターの配置を3月まで延長し、しっかり就職につなげる取組を行っていきたいとの答弁がありました。 次に、委員から、高等学校等通学支援事業について、豪雨災害によるJR運休に伴う高校生の通学支援を補正予算措置いただき、感謝しているが、保護者にとって、送り迎えや金銭的な負担も増加しており、高校進学時に地元を離れる生徒が増えることを懸念している、今後、高校の寮を整備することで地元に残る生徒が増えるのであれば、豪雨災害対応として、寮整備を検討すべきと思うが、どのように考えているかとの質疑があり、執行部から、通学支援については、鉄道会社等の復旧状況を見ながら、次年度についても検討していくとともに、保護者に負担が生じている点については、JR等と相談しながら、改善に向けた環境づくりを行っていきたい、また、寮については、今後どのような形で対応できるのか検討していきたいとの答弁がありました。 また、委員から、警察施設災害復旧費について、人吉警察署署長官舎の復旧は、現在の場所での復旧となるのかとの質疑があり、執行部から、現在の建物は解体し、新たな場所での建設を検討しているとの答弁がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 なお、請願については、お手元に配付の請願委員会審査報告一覧表のとおりであります。 最後に、本委員会所管事務継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、教育警察常任委員長の報告を終わります。 ○議長(池田和貴君) 最後に、総務常任委員長の報告を求めます。 松村秀逸君。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 総務常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係2議案、条例等関係6議案及び報告7件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された一般会計9月補正予算は、新型コロナウイルス感染症対応分として、133億4,400万円余の増額補正、令和2年7月豪雨災害対応分として、30億円の増額補正、通常分、いわゆる肉づけ予算として、713億3,900万円余の増額補正で、総額876億8,300万円余の増額補正であり、補正後の令和2年度の一般会計の予算総額は、1兆604億2,900万円余であります。 また、令和2年7月豪雨災害への対応に要する経費等、令和2年度一般会計8月補正予算として行った総額917億4,100万円余の増額補正に係る専決処分の報告及び承認であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、熊本県内部組織設置条例の一部を改正する条例の制定について外5議案であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、くまモン使用許可等管理事業に関連して、くまモンの海外展開の運営会社に利益が生じた場合は、県にも一部が配分されると聞いていたが、現状はどうか、また、くまモン活躍基金積立金について、積み立てたお金は将来的にくまモンの管理運営に使っていくのかとの質疑があり、執行部から、海外でのイラスト利用については、運営会社では一定の収入が上がっているが、中国での不正利用対策等に経費がかかっているため、利益は出ておらず、県に収入として入ってくるのは来年度以降を見込んでいる、基金については、2~3年後には活動経費の一部を支出できる見込みであり、将来的には活動経費の全てを賄うことを目指しているとの答弁がありました。 次に、委員から、復旧・復興首都圏等広報強化事業について、どのような取組をするのか、また、テレビ等様々な媒体を使うのかとの質疑があり、執行部から、首都圏に向けて、『ONE PIECE』、くまモンも活用し、熊本地震、7月豪雨からの復興の状況等を伝えながら、豊かな自然などの熊本の魅力を紹介し、熊本を訪れていただけるように、コロナ禍ということで、イベント等ではなく、動画を使ってインターネットで発信していくとの答弁がありました。 次に、委員から、『ONE PIECE』連携復興応援事業について、これまで設置した『ONE PIECE』の像により、どのような効果が上がっているのかとの質疑があり、執行部から、尚絅大学の調査によると、ルフィ像の設置により、年間訪問者が5.5万人、設置効果が26億円と、設置費の約200倍の効果が上がっているとの答弁がありました。 さらに、委員から、今回の7月豪雨の被災地復興に向けても『ONE PIECE』の与える影響は大きいと思うので、もっと活用するよう検討できないかとの質疑があり、執行部から、県南での復興プロジェクトに『ONE PIECE』等を活用した事業が実現すれば、非常に大きな応援につながるものと思われるが、事業展開に当たっては、地元市町村の積極的な関与や著作権を管理する集英社の了解が必要不可欠である、実現できるか難しい面もあるが、地元の意向を確認しながら検討を進めていきたいとの答弁がありました。 次に、委員から、広報事業について、県のホームページは分かりやすい部分と複雑な部分があると思うが、見やすいように随時更新はしているのかとの質疑があり、執行部から、ホームページについては、様々な御意見をいただいており、レイアウトの変更など、日々対応している、見やすさという点を心がけて、今後も改善に努めていくとの答弁がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成または多数賛成をもって原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 なお、請願については、お手元に配付の請願委員会審査報告一覧表のとおりであります。 このうち、採択となりました請第19号については、審査の過程で、流域住民や商工業、農林水産業の方等からの様々な意見を聴く前であり、球磨川豪雨検証委員会の検証結果も出ていない段階で採択することは拙速ではないかという意見や、川辺川ダム建設促進協議会のメンバーが一致して速やかな科学的検証、川辺川ダム建設を含む抜本的な治水対策を早急に講じることを要望する切なる願いの請願であることから、これを重く受け止めるべきとの意見や、災害で人命が失われることがないようにという地域の切実な思いを受け止め、しっかり議論すべきであり、その大きな材料であるとの意見がありました。 また、私学助成の充実強化等に関する意見書外1件を別途御提案申し上げております。 最後に、本委員会所管事務継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、総務常任委員長の報告を終わります。 ○議長(池田和貴君) 以上で各常任委員長の報告は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。  〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 質疑なしと認めます。 次に、討論に入ります。 討論の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は10分以内でありますので、さよう御承知願います。 山本伸裕君。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) 日本共産党の山本伸裕です。 議案1号、令和2年度補正予算について意見を申し上げます。 当初予算は、骨格予算として編成され、今回の補正予算では、今後も引き続き実施すべき事業について、国の内示等を踏まえ、今年度中に必要となる所要額を計上したとのことであります。 ただ、依然として感染拡大が懸念される新型コロナウイルス感染症への対策、検査体制の拡充や県民生活、事業者の経営を支援する施策の拡充を今後ますます図らなければならない問題であるとか、さらには7月豪雨災害への対応に思い切った力を集中しなければならない点などに鑑みて、不要不急の事業等については、勇気を持って一旦立ち止まり、県民、被災者の皆さんの生活となりわいを支える予算の拡充を図るべきであることを強調するものであります。 そうした観点から、例えば人権施策、啓発の推進として計上されている同和関連予算1億8,000万円余は、見直し、削減が必要であります。 企業誘致関連経費として、合わせて7億3,000万円余が計上されております。その全てを否定するわけではありませんが、やはりこれは精査して削減に努め、むしろ地元の雇用を守り、地域で懸命に頑張っている地場産業にこそ支援を強めるべきであるということを訴えるものであります。 次に、請第20号、国の責任による少人数学級の前進を求める意見書に関する請願であります。 委員会では不採択という判断でありますが、採択を求めます。 少人数学級の実現が、子供の学力向上やいじめなど問題行動の減少、不登校の減少、さらに先生たちの過重負担軽減、子供一人一人に行き届いた授業を行えることなど、多くの効果を発揮しているということは、文部科学省の調査でも明らかになっております。 ただでさえ、学校現場は今、コロナによる長期休校に伴うカリキュラムの遅れを取り戻そうと詰め込みが強められ、楽しみにしていた学校行事や修学旅行などが延期、縮小されたりする事態が生じています。そのため、子供たちにストレスがかかり、クラスが荒れたり、いじめや不登校が増加したりする傾向が指摘されています。 ところが、先生方は、消毒や空気の入替えなど、コロナ対応の業務が増えた上に、マスク着用のため、子供たちのちょっとした表情の変化にも気づきにくくなっているという状況であり、一人一人の子供たちに寄り添った対応がますます難しくなっている現状があります。 こうした困難を解決する上でも、少人数学級の実現で、一人一人の子供たちに目が行き届く環境を実現することが求められています。 こうした中で、学校で今大きな矛盾に直面している大問題が、感染症対策と40人学級の問題であります。 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、新しい生活様式として、身体的距離の確保を呼びかけ、人との間隔はできるだけ2メートル空けることを基本としています。ところが、40人学級では、前後左右の友達との距離が60センチから85センチ程度しか取れません。 文部科学省から出されている学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルが9月3日に改定され、身体的距離確保の目安が、感染者急増期において2メートルから1メートルへと変更されましたが、その基準さえも守ることができないほどに子供たちが多くの時間を過ごしている教室という空間は、子供たちが詰め込まれてしまっているのであります。この問題を解決するには、1クラスの子供の数を減らすしかありません。 こうした中で、この間、全国で、様々な分野から少人数学級の実現を求める声と運動が広がってきました。全国知事会、全国市長会、そして、嘉島町の荒木町長が会長さんですが、全国町村長会、これら3会長が連名で、新しい時代の学びの環境整備に向けた緊急提言を発表しました。 「現在の40人学級では、感染症予防のために児童・生徒間の十分な距離を確保することが困難である」として、子供たちの学びを保障するため、少人数学級の実現に向けた教員の確保を文部科学大臣に要請する内容であります。 さらに、総理大臣の私的諮問機関である教育再生実行会議、この有識者メンバーの中には蒲島知事も名を連ねておられますが、ここでも30人未満の少人数学級を求める意見が出されております。 教育再生実行会議は、7月20日に会議が開かれて、ここで萩生田光一文科大臣は、少人数学級を私は目指すべきだと個人的には思っている、義務教育の普通教室の平均面積が64平方メートル、身体的距離を確保しながら40台の机を並べることはできない、新たな感染症が起きたときに、これは、とてもではないけれども、40人学級は無理だと語っています。 日本教育学会では、この機会に1クラス40人の学級定数を抜本的に見直す議論を急いで進める必要があると提言を出しました。 7月には、教育研究者らによるインターネット署名が始まったほか、全国の小中高、特別支援学校の校長会が、きめ細かな指導が可能になる少人数学級編制の検討を文部科学大臣に求めました。 国においても、7月17日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2020において、全ての子供たちの学びを保障するため、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備について検討することが盛り込まれ、8月20日に開催された中央教育審議会の特別部会では、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、少人数学級編制を可能とするなど、指導体制や施設設備の整備を図ることを盛り込んだ中間まとめ骨子案が示されました。 こうした中で、ついに文部科学省は、来年度予算案の概算要求に少人数学級の検討を盛り込んだのであります。義務教育標準法を改正して、正規の制度化を目指す意向だと伝えられています。 こうした重要な変化がもたらされたのは、少人数学級を求める国民の声や全国の地方議会が決議した意見書などが政府を動かす力となったのは明らかです。ただ、今回の概算要求は、規模も進め方も記されない事項要求と言われるものであり、本当に法改正や予算がつけられるのかは全く未定であります。まさに、少人数学級実現は、今大変重要な局面を迎えています。 こうした局面の中で、今回この請願が熊本県議会に出されているということを重く受け止めるべきだと私は考えます。いいものはいい。党利党略は関係なく、必要なものは必要。ぜひ、議員諸氏におかれましては、議員としての矜持を発揮していただき、この請願を採択し、子供たちに少人数学級実現というすばらしいプレゼントを贈ろうではありませか。 そのことを訴えて、討論を終わります。 ○議長(池田和貴君) 以上で通告による討論は終了いたしました。 これをもって討論を終結いたします。 これよりまず、議案第2号から第34号までを一括して採決いたします。 ただいまの各常任委員長の報告は、各議案とも原案可決または承認であります。各常任委員長の報告のとおり原案を可決または承認することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、議案第2号外32件は、原案のとおり可決または承認いたしました。 次に、議案第1号を起立または挙手により採決いたします。 ただいまの各常任委員長の報告は、原案可決であります。各常任委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。  〔賛成者起立または挙手〕
    ○議長(池田和貴君) 起立または挙手多数と認めます。よって、議案第1号は、原案のとおり可決いたしました。 次に、請願に対する各常任委員会の審査結果は、議席に配付の委員会審査報告一覧表のとおりであります。 これよりまず、請第18号を採決いたします。 ただいまの総務常任委員長の報告のとおり決定することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、請第18号は、総務常任委員長の報告のとおり決定いたしました。 次に、請第19号及び第20号を一括して起立または挙手により採決いたします。 ただいまの総務、教育警察両常任委員長の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。  〔賛成者起立または挙手〕 ○議長(池田和貴君) 起立または挙手多数と認めます。よって、請第19号外1件は、総務、教育警察両常任委員長の報告のとおり決定いたしました。  〔委員会審査報告書及び請願委員会審査報告一覧表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― △日程第2 閉会中の継続審査の件 ○議長(池田和貴君) 次に、日程第2、閉会中の継続審査の件を議題といたします。 まず、議案について、決算特別委員長から、議席に配付の閉会中の継続審査申出一覧表のとおり申出があっております。 お諮りいたします。 議案第35号から第55号までは、決算特別委員長から申出のとおり、閉会中の継続審査とすることに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、議案第35号外20件は、決算特別委員長から申出のとおり決定いたしました。 次に、各特別委員長から付託中の調査事件について、議会運営委員長及び各常任委員長から事務調査について、議席に配付の閉会中の継続審査申出一覧表のとおり申出があっております。 お諮りいたします。 各特別委員長、議会運営委員長及び各常任委員長から申出のとおり、閉会中の継続審査とすることに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、各特別委員長、議会運営委員長及び各常任委員長から申出のとおり決定いたしました。  〔閉会中の継続審査申出一覧表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― 知事提出議案第56号及び第57号 ○議長(池田和貴君) 次に、お諮りいたします。 去る9月29日の会議において提出されました知事提出議案第56号及び第57号を日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、知事提出議案第56号及び第57号を日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 知事提出議案第56号及び第57号を一括して議題といたします。  ――――――――――――――――― 第56号 副知事の選任について 第57号 教育委員会委員の任命について  ――――――――――――――――― ○議長(池田和貴君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案については、委員会付託は省略して会議で議決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、委員会付託は省略して会議で議決することに決定いたしました。 これより質疑に入りますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 次に、討論に入りますが、ただいままで通告はありません。よって、討論なしと認めます。 これよりまず、議案第56号を採決いたします。 原案のとおり同意することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、議案第56号は、原案のとおり同意することに決定いたしました。 次に、議案第57号を採決いたします。 原案のとおり同意することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、議案第57号は、原案のとおり同意することに決定いたしました。    ――――――○―――――― 議員提出議案第1号から第4号まで ○議長(池田和貴君) 次に、お諮りいたします。 議員提出議案第1号から第4号までが提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第1号から第4号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 議員提出議案第1号から第4号までを一括して議題といたします。  ―――――――――――――――――議員提出議案第1号   緊急自然災害防止対策事業の継続を求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。  令和2年10月8日提出  提出者 熊本県議会議員 藤 川 隆 夫              鎌 田   聡              城 下 広 作熊本県議会議長 池 田 和 貴 様  ―――――――――――――――――   緊急自然災害防止対策事業の継続を求める意見書 我が国では、近年、全国各地で、豪雨、暴風、地震など、気候変動の影響等による自然災害が頻発化・激甚化している。本県においても、平成24年熊本広域大水害、平成28年熊本地震、令和2年7月豪雨などにより、県内各地で甚大な被害が発生している。 このような自然災害に事前に備え、国民の生命・財産を守る、防災・減災、国土強靱化の取組は、一層重要性が増しており、ハード・ソフト両面から対策の推進が急務となっている。 こうした状況を受け、国においては、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策と併せて、平成31年度、緊急自然災害防止対策事業を創設していただき深く感謝する。 この制度は、河川(護岸、堤防等)、治山、砂防、地すべり、急傾斜地崩壊、農業水利施設、港湾・漁港防災などのうち、国庫補助の対象とならない地方単独事業を対象とし、令和2年度までの時限措置として、特別な財政措置を講じていただいており、本県及び県内市町村においても、本制度を積極的に活用することにより対策を強化している。 しかしながら、緊急自然災害防止対策については、対策を講ずべき箇所が多いため、令和2年度までの取組で完了できるものではなく、長期的かつ計画的な取組が必要である。 加えて、令和2年7月豪雨により、甚大な被害を受けた本県及び県内被災市町村においては、被災箇所の早急な復旧が急務であるため、今年度、緊急自然災害防止対策事業に取り組むことが困難な状況もある。 よって、国におかれては、令和3年度以降も、引き続き、緊急自然災害防止対策事業を継続し、対策に必要な予算を確保されるよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。  令和 年 月 日      熊本県議会議長 池 田 和 貴衆議院議長  大 島 理 森 様参議院議長  山 東 昭 子 様内閣総理大臣 菅   義 偉 様総務大臣   武 田 良 太 様財務大臣   麻 生 太 郎 様農林水産大臣 野 上 浩太郎 様国土交通大臣 赤 羽 一 嘉 様内閣官房長官 加 藤 勝 信 様内閣府特命担当大臣       小此木 八 郎 様( 防 災 )国土強靱化担当大臣 小此木 八 郎 様  ―――――――――――――――――議員提出議案第2号   軽油引取税の課税免除の特例措置の継続を求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。  令和2年10月8日提出  提出者 熊本県議会議員 藤 川 隆 夫              鎌 田   聡              城 下 広 作熊本県議会議長 池 田 和 貴 様  ―――――――――――――――――   軽油引取税の課税免除の特例措置の継続を求める意見書 軽油引取税の課税免除の特例措置は、平成21年度税制改正において、道路特定財源の一般財源化に伴い目的税から普通税に改められた際に、平成24年3月末まで3年間の期限が設けられて以降、3回にわたり延長されてきたところであり、令和3年3月末で適用期限を迎えることとなっている。 この課税免除の特例措置により、本県の農林水産業、船舶を使用する事業、セメント・生コンクリート・砕石等の建設資材事業など県内の幅広い産業の収益向上、ひいては関係事業者の経営安定が図られてきたと言える。 平成28年4月に発生した熊本地震からの復興に県民一丸となって取り組んでいる中、新型コロナウイルス感染症による地域経済活動への影響も顕在化しており、さらに、令和2年7月豪雨により甚大な被害が生じたところである。 このような状況の中、軽油引取税の課税免除の特例措置が終了することになれば、課税免除対象事業者の経営環境が悪化し、地域経済に更に大きな影響を及ぼすこととなる。 よって、国におかれては、地域経済を支える産業の衰退を招くことがないよう、今年度末までとなっている軽油引取税の課税免除の特例措置を、令和3年4月1日以降も継続していただくよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。  令和 年 月 日      熊本県議会議長 池 田 和 貴衆議院議長  大 島 理 森 様参議院議長  山 東 昭 子 様内閣総理大臣 菅   義 偉 様総務大臣   武 田 良 太 様財務大臣   麻 生 太 郎 様農林水産大臣 野 上 浩太郎 様経済産業大臣 梶 山 弘 志 様国土交通大臣 赤 羽 一 嘉 様  ―――――――――――――――――議員提出議案第3号   被災者生活再建支援法の改正を求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。  令和2年10月8日提出  提出者 熊本県議会議員 藤 川 隆 夫              鎌 田   聡              城 下 広 作熊本県議会議長 池 田 和 貴 様  ―――――――――――――――――   被災者生活再建支援法の改正を求める意見書 被災者生活再建支援法は、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して、自然災害により居住する住宅が全壊するなど生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対し、生活の再建を支援するための被災者生活再建支援金を支給し、住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資することを目的としている。平成11年から運用が開始され、これまで平成16年、平成19年に大幅な法改正があり、一定の改善が図られてきた。 しかしながら、その後も平成28年熊本地震をはじめ、大規模な自然災害による被害が頻発しており、本県においても甚大な被害が発生した令和2年7月豪雨では多くの方が被災され、日常生活を取り戻すことができない状況が続いている。 被災した住民の生活再建のためには、特に、住宅再建に対する手厚い支援が求められている。現在、国においても、被災者生活再建支援法の一部改正により、被災者生活再建支援金の支給対象として、半壊世帯のうち大規模半壊世帯には至らないが相当規模の補修を要する世帯(「中規模半壊世帯」(仮称))を追加する検討が進められている。 これは今回の豪雨災害から対象にされるものと伺っており、これまでの要望に対し、一定の前進があっていることを評価したい。 しかし、住民の生活安定と被災地の速やかな復興により資するためには、国によるさらなる支援及び制度の拡充が必要である。 よって、国におかれては、下記の事項について措置を講じられるよう強く要望する。          記1 被災者生活再建支援金について、生活再建と住宅再建を合わせた現行の最大300万円の支給額を引き上げること。2 支援対象となる世帯の範囲については、同一災害であれば全ての被災世帯が対象となるよう、災害の態様に応じた柔軟な対応を可能とすること。3 大規模災害の発生による都道府県の負担を軽減するため、被災者生活再建支援法人が支給する支援金の額に対する国庫補助率の引き上げ等、特段の措置を講じること。  令和 年 月 日      熊本県議会議長 池 田 和 貴衆議院議長     大 島 理 森 様参議院議長     山 東 昭 子 様内閣総理大臣    菅   義 偉 様総務大臣      武 田 良 太 様財務大臣      麻 生 太 郎 様内閣府特命担当大臣          西 村 康 稔 様(経済財政政策)内閣府特命担当大臣          小此木 八 郎 様( 防 災 )  ―――――――――――――――――議員提出議案第4号   新型コロナウイルス感染症に係る検査体制の充実を求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。  令和2年10月8日提出  提出者 熊本県議会議員 藤 川 隆 夫              鎌 田   聡              城 下 広 作熊本県議会議長 池 田 和 貴 様  ―――――――――――――――――   新型コロナウイルス感染症に係る検査体制の充実を求める意見書 本県における新型コロナウイルスの新規感染者数は、7月から9月初旬までの間はクラスターが相次いで発生したこともあり拡大傾向にあったが、足元では落ち着きが見られ始めている。 現在、季節性インフルエンザ流行期に対応した地域の医療機関での簡易・迅速な検査体制構築が進められているが、引き続き、ハイリスクの「場」やリスクの態様に応じたメリハリの効いた対策を講じることによって、重症者や死亡者をできる限り抑制しつつ、社会経済活動を継続し、安心安全な県民生活につなげていくことが必要である。 そのための一方策として、感染拡大地域等における医療機関や高齢者施設等の職員や入院・入所者全員を対象とした、一斉・定期的な検査の実施などが求められているが、これを実現するには、検査体制のさらなる充実が不可欠である。 よって、国におかれては、下記の事項について措置されるよう強く要望する。          記1 医師会や医療機関がPCR検査センターを設置した際の運営費に対する支援制度を構築すること。2 PCR検査を行う検査技師の育成支援について、長期的な視野に立った取組を進めること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。  令和 年 月 日      熊本県議会議長 池 田 和 貴衆議院議長  大 島 理 森 様参議院議長  山 東 昭 子 様内閣総理大臣 菅   義 偉 様総務大臣   武 田 良 太 様財務大臣   麻 生 太 郎 様厚生労働大臣 田 村 憲 久 様  ――――――――――――――――― ○議長(池田和貴君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案に対する提出者の説明並びに委員会付託は省略して会議で議決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。 これより質疑に入りますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 次に、討論に入りますが、ただいままで通告はありません。よって、討論なしと認めます。 これより、議員提出議案第1号から第4号までを一括して採決いたします。 原案のとおり可決することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第1号外3件は、原案のとおり可決いたしました。    ――――――○―――――― 委員会提出議案第1号から第3号まで ○議長(池田和貴君) 次に、お諮りいたします。 委員会提出議案第1号から第3号までが提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、委員会提出議案第1号から第3号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 委員会提出議案第1号から第3号までを一括して議題といたします。  ―――――――――――――――――委員会提出議案第1号   熊本県議会委員会条例の一部を改正する条例の制定について 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第2項の規定により提出します。  令和2年10月8日提出  提出者 議会運営委員会      委員長     田 代 国 広熊本県議会議長 池 田 和 貴 様  ―――――――――――――――――   熊本県議会委員会条例の一部を改正する条例 熊本県議会委員会条例(昭和31年熊本県条例第51号)の一部を次のように改正する。 第2条第3号イ中「商工観光労働部」を「商工労働部」に改め、同号中エをオとし、ウをエとし、イの次に次のように加える。  ウ 観光戦略部に関する事項   附 則 この条例は、公布の日から施行する。 (提案理由) 熊本県内部組織設置条例(昭和27年熊本県条例第91号)の一部改正に伴い、関係規定を整備する必要がある。 これが、この条例案を提出する理由である。  ―――――――――――――――――委員会提出議案第2号   私学助成の充実強化等に関する意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第2項の規定により提出します。  令和2年10月8日提出  提出者 総務常任委員会      委員長     増 永 慎一郎熊本県議会議長 池 田 和 貴 様  ―――――――――――――――――   私学助成の充実強化等に関する意見書 熊本県の私立学校は、建学の精神に基づき特色ある教育を展開し、本県教育の発展に大きな役割を果たしている。 近年、グローバル化や急速な情報化、技術革新による社会的変化の影響により、子供たちの成長を支える教育の在り方も新たな段階に直面しており、各私立学校は、国の進める教育改革に的確に対応することが求められているが、少子化等の影響もあり、私立学校の経営は極めて厳しい状況にある。 また、子供たちの学校選択の自由、教育の多様性や機会均等を保障する意味でも、高等学校等就学支援金制度のさらなる充実等、私立中学・高等学校に通う生徒に対する経済的支援の拡充強化を通じた、保護者の学費負担に係る公立学校との格差の改善は喫緊の課題である。 加えて、新型コロナウイルス感染症への対策として、私立学校が対応すべき遠隔授業の取組、新しい生活様式のための様々な設備対応等も重要な課題である。 さらには、地震等の災害発生時に地域の緊急避難場所としての役割も期待される私立学校の非構造部材等を含めた耐震化の促進にさらなる支援が必要であり、また、令和2年7月豪雨に伴う災害により被災した生徒の就学機会の確保のため長期的な支援が必要である。 我が国の学校教育の将来を考えるとき、公私相まっての教育体制が維持されてこそ、健全な発展が可能となり、個性化、多様化という新しい時代の要請にも応え得るものである。 よって、国におかれては、私立学校教育の重要性を認識し、教育基本法第8条の「私立学校教育の振興」を名実ともに確立するため、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持され、より一層の充実を図られるとともに、新型コロナウイルス感染症対応に係る支援及び学校施設の耐震化に係る支援並びに令和2年7月豪雨災害により被災した生徒に対する支援について、長期的な視野に立った継続的取組を図られるよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。  令和 年 月 日      熊本県議会議長 池 田 和 貴衆議院議長  大 島 理 森 様参議院議長  山 東 昭 子 様内閣総理大臣 菅   義 偉 様総務大臣   武 田 良 太 様財務大臣   麻 生 太 郎 様文部科学大臣 萩生田 光 一 様  ―――――――――――――――――委員会提出議案第3号   川辺川ダム建設を含む球磨川流域の抜本的治水対策に関する意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第2項の規定により提出します。  令和2年10月8日提出  提出者 総務常任委員会      委員長     増 永 慎一郎熊本県議会議長 池 田 和 貴 様  ―――――――――――――――――   川辺川ダム建設を含む球磨川流域の抜本的治水対策に関する意見書 令和2年7月、線状降水帯の停滞による集中豪雨が、球磨川流域を中心に襲い、死者65名、行方不明者2名、住宅被害8,800戸超など、未曽有の激甚災害となった。 また、球磨川流域では、道路橋15橋、鉄道橋3橋が流失、崩壊し、交通、生活インフラは完全に麻痺状態となった。 今なお、700余名の方々は、厳しい避難所暮らしを強いられている。 これまで、この流域においては、昭和40年7月に、「球磨川大水害」と呼ばれる戦後最大の水害が発生し、これを契機に、川辺川ダム建設計画が策定され、昭和44年に建設事業に着手され、様々な課題を克服し整備が促進され、代替地整備、付替道路、仮排水トンネル等が既に完成している。 しかし、その後、幾度の変遷を経て、相良村長(当時)、人吉市長(当時)のダム反対表明を受け、平成20年9月に蒲島熊本県知事が川辺川ダム計画を白紙撤回され、翌21年9月前原国土交通大臣(当時)がダム本体工事中止を発表され、今日までダムによらない治水対策が協議されてきた。しかし、この12年間において、様々な施策が議論されたが、抜本的な治水対策が講じられるには至らなかった。 この度の豪雨災害を踏まえての球磨川豪雨検証委員会では、仮に川辺川ダムが存在した場合、人吉への洪水の流量が最大で4割程度抑えられ、洪水被害を軽減できた可能性があったとしている。 この豪雨災害の復旧復興に明け暮れる流域市町村では、安全安心が確保できる治水対策が講じられなければ、まちづくりは進まず、住民の生活再建を描くことすらできない。 流域市町村では、先般川辺川ダム建設促進協議会を開催し、全ての市町村が完全一致、足並みを揃え、川辺川ダムを含む抜本的な治水対策を講ずるよう決議され、今回、本県議会に対して、その促進を図るべく請願書が提出された。本議会としては、それらを重く受け止め採択したものである。 よって、国におかれては、流域住民が、安心して日々の生活が送れるよう、また、今後とも継続安定して経済活動が営まれるよう、川辺川ダム建設を含む球磨川流域の科学的、客観的で抜本的な治水対策をスピード感をもって講じられるよう強く要望する。 あわせて、国及び県の方針に翻弄され続け、その下流域のために苦渋の決断をされた五木村などには、最大限の尊重を図るべきであり、引き続き強力な支援を要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。  令和 年 月 日      熊本県議会議長 池 田 和 貴衆議院議長     大 島 理 森 様参議院議長     山 東 昭 子 様内閣総理大臣    菅   義 偉 様総務大臣      武 田 良 太 様財務大臣      麻 生 太 郎 様国土交通大臣    赤 羽 一 嘉 様内閣官房長官    加 藤 勝 信 様内閣府特命担当大臣          小此木 八 郎 様( 防 災 )国土強靱化担当大臣 小此木 八 郎 様  ――――――――――――――――― ○議長(池田和貴君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案に対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、議案に対する提出者の説明は省略することに決定いたしました。 これより質疑に入りますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 次に、討論に入ります。 討論の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は1人10分以内でありますので、さよう御承知願います。 岩田智子君。  〔岩田智子さん登壇〕 ◆(岩田智子さん) くまもと民主連合の岩田智子です。 委員会提出議案第3号、川辺川ダム建設を含む球磨川流域の抜本的治水対策に関する意見書に対して、反対討論を行います。 球磨川流域の抜本的治水対策を進めることは当然のことです。しかし「川辺川ダム建設を含む」という文言は、今必要がないと思います。 知事は、令和2年7月豪雨からの復旧・復興プランで、球磨川豪雨検証委員会、くまもと復旧・復興有識者会議などのあらゆる意見を聴いて、今年中、できるだけ早い時期までに治水対策を示すと取り組んでおられます。この意見書は、ダムを造るべきと言わんばかりの意見書であり、賛成はできません。 球磨川豪雨検証委員会での報告では、仮に川辺川ダムが存在したら、人吉への浸水範囲が約6割、浸水深3メートルを超える範囲が9割減と説明がありました。 7月4日、5日の球磨川流域雨量を見てみると、球磨川中流域の降雨量が大きく、支流である万江川、小川、胸川、川内川などの水が本流である球磨川に流れ込むことができないバックウオーター現象も起こりました。気候変動による想定外の線状降水帯による雨の降り方についても、しっかりと考えていくべきです。 線状降水帯は、西から東に流れます。雨は、下流から上流のほうに降り続きます。球磨川の場合、川の上流は東側にあり、下流が西です。上流の山に雨が降って、その雨が下流に流れる、だから流れないようにダムで止めるという考え方は、線状降水帯のような雨の降り方には、対処が難しくなってくるのではないでしょうか。国交省も、河川改修は下流からと、先日の第2回検証委員会でも言葉が出ていました。 被災に遭われた方々の声も聞いています。ダムの緊急放流という言葉で報道されることが多い異常洪水時防災操作、言葉がどうであれ、ダムの貯水量が満杯になると、ダムを守るため、ダムに流れ込んだ量と等しくなるまで放流量を増加させる操作ですが、2018年7月の西日本豪雨では、2つのダムの異常洪水時防災操作によって肱川が氾濫し、8人の命が奪われました。その記憶もあったと思いますが、この異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流という情報が、逃げ場を失いつつあった住民にとっては物すごい恐怖だったと、人吉市に住む私の恩師は、胸を押さえながら話してくれました。 このような例など、ダムがあった場合のリスクも明らかにしなくてはなりません。ダム治水に積極的な人の意見だけでなく、偏りのない科学的な観点を提示して、そして流域住民の意見を聴いて判断すべきです。だからこそ、今は「川辺川ダム建設を含む」は外すべきです。 国土交通省が進めつつある流域治水について、本流河道の流速低減、流域農地等の遊水対策、支流からの到達時間の遅延策、農地における対策や山地における対策等を含めて徹底的に検討すべきです。 現在、川辺川ダムに係る建設期間は短くて済むという声が出ています。本当にそうでしょうか。当初の多目的ダム計画のうち、利水と発電事業は頓挫しており、仮に川辺川ダムを造る場合は、設計を含めて画はつくり直さなければなりません。その場合、環境アセスメントを実施しなければなりません。それだけで数年はかかるでしょう。事業費も、当時の計画で3,300億円でしたが、再度建設経費も積算し直す必要があります。 皆さんも御存じのとおり、14年連続水質日本一の川辺川、去年まで連続4回水質日本一の球磨川は、熊本の宝です。自然と共存をしながら治水をしていく視点も大事にしなければなりません。 知事は、議案説明の折に、くまもと復旧・復興有識者会議の中で出た、将来にわたって流域住民の生命、財産を守り、安全、安心を確保しながら、その流域の豊かな恵みを享受し、持続可能な地域の再生を目指すグリーン・ニューディールという新しい哲学を紹介されました。そして、答弁の折には、流域住民、各団体からしっかりと声を聴くと言われました。治水対策はこれからです。まず、ダムによらない治水を考えていくことが大切だと考えます。 ダムについていろいろ調べていましたら、京都府では、大野ダムというところがありまして、管理事務所が、ダムについて知ってもらいたい、そしてダムがあれば大丈夫だという誤解を解いて、それぞれの避難意識を高めることだという趣旨の漫画冊子を作っておられました。この中には、異常洪水時防災操作についても分かりやすく書かれています。ダムを期待し過ぎては駄目という啓発の本です。御紹介をしておきます。 議員各位におかれましては、流域住民が安心して日々の生活が送れて、経済活動が営まれるように、川辺川ダム建設を含まない球磨川治水対策を、あらゆる知見を結集して進めることを国に求めていただきますようお願いを申し上げ、反対討論を終わります。 ○議長(池田和貴君) 溝口幸治君。  〔溝口幸治君登壇〕 ◆(溝口幸治君) 自由民主党の溝口幸治です。 委員会提出議案第3号の川辺川ダム建設を含む球磨川流域の抜本的治水対策に関する意見書について、賛成の立場から討論を行います。 今回、流域の市町村が一致結束して提出された請願書の中に、このような記述があります。「いま、県及び国がなすべきことは、川辺川ダム建設を含めた洪水の検証を速やかに実施し、早急に結論を出すことである。その結果を踏まえ、これ以上、将来への不安や生活上の不便を来すことがないよう、目標時期を定め川辺川ダム建設を含む抜本的な治水対策を講ずるべきである。」。 今回の洪水の検証結果については、昨日の全員協議会で報告がありました。その中で、これまで球磨川治水対策協議会で検討してきた10案を含め、ダムによらない治水対策を全て実施した場合でも全ての被害を防ぐことができなかったことが分かりました。また、現行の川辺川ダムだけでは、全ての被害を防ぐことができないことも分かりました。 つまり、現時点では、これまで検討されてきた、また、計画された治水対策だけでは、今回の洪水被害を完全に防止できる有効な治水対策がないという状況にあります。 10月6日に開催された第2回検証委員会では、流域市町村長から、二度と再び同じような被害に遭わないために、抜本的な治水対策を求める意見が多く出されました。 これは、現在豪雨災害の復旧、復興に明け暮れる流域市町村の最大の課題であります。抜本的な治水対策が決まらなければ、今後のまちづくり、生活再建を描くことができません。元の場所に住まいを確保していいのか、事業を再開できるのか、そのような悩みや相談を日々受けてまいりました。 私は、この議場で何度も、政治の要諦は、生命、身体、財産を守ることである、地域住民の生命、身体、財産を守ることこそ政治の要諦であると言い続けてまいりました。また、川辺川ダム建設を白紙撤回する、あるいは中止を表明しても、球磨川の安全度は上がっていない、危険な状態は続いている、いつ災害が来てもおかしくない、しっかりと対策を立てるべきだと言い続けてきました。 しかしながら、今回の豪雨災害では、流域市町村全体で死者60名、行方不明者2人、私の住む人吉市では、20人の方々が溺れて亡くなられました。多くの方々から、命の危険にさらされた話を、この3か月、聞き続けてきました。 政治は結果責任です。溺れて亡くなられた方々のこと、命の危険にさらされた方々のこと、財産を失われた方々のことを思うとき、人吉市選出の県議会議員として、大きな責任を感じています。 そのような立場からすれば、二度と再び同じような被害を出さないために、ハード面もソフト面も、できる対策は全てやってほしい、川辺川ダム建設を含め、市房ダムの強化や遊水地の確保、かさ上げ、今回の豪雨で堆砂した土砂の撤去、球磨川の本流も支流も、目に見えるところ、不安な場所はすぐにでも対応してほしい、最低でも人の命が失われる事態だけは絶対に避けたい、そんな心境です。 それを冷静に文章にするならば、意見書に書いてあるとおり「国におかれては、流域住民が、安心して日々の生活が送れるよう、また、今後とも継続安定して経済活動が営まれるよう、川辺川ダム建設を含む球磨川流域の科学的、客観的で抜本的な治水対策をスピード感を持って講じられるよう強く要望する。 あわせて、国及び県の方針に翻弄され続け、その下流域のために苦渋の決断をされた五木村などには、最大限の尊重を図るべきであり、引き続き強力な支援を要望する。」となるわけであります。 ダム問題に賛否あるのは十分分かっています。今後も、様々な御意見に耳を傾けることも忘れてはならないと思います。しかし、一方で、政治の責任、行政の責任をもっと自覚しなければならないと強く感じています。 民意は最大限尊重しなければなりませんが、民意や世論に従って政策を決定しても、政治の要諦である地域住民の生命、身体、財産を守り抜くことにはつながらないという事実を、今回目の当たりにしました。 今我々県議会に求められていることは、知事がどのような判断をするかということ以前に、我々県議会が、長年議論はしてきたが、抜本的な治水対策を導き出すことができなかったという事実、流域住民の生命、身体、財産を失った事実を受け止めて、どのように行動に移していくのか、また、熱しやすい世論、移ろいやすい民意から距離を置き、過去と未来に責任を持ち、冷静な判断を下すことができるのか、さらに、ダムか非ダムかといった地域の対立の歴史を再び繰り返すことなく議論を進めることができるのか、これらの視点が大事なのではないでしょうか。 これまでの経験を踏まえれば、球磨川流域の治水対策は、考えられる最も高い安全度を確保し、科学的、合理的な治水対策でなければなりません。そのためには、常に清流球磨川を守るという意識を持ちつつ、今回の検証において大きな水位低減効果が認められた川辺川ダムの建設だけではなく、それを含めた総合的な対策、つまり、川辺川ダム建設を含め、市房ダムの強化や湧水地の確保、堤防強化、かさ上げ、今回の豪雨で堆砂した球磨川本流、そして支流の土砂撤去など、できることは全てやることであります。 議員各位におかれましては、我々県議会にとって最も大切な県民の命と暮らしを守るという大義の下、何とぞ御賛同賜りますようにお願い申し上げまして、私の賛成討論を終わります。(拍手) ○議長(池田和貴君) 山本伸裕君。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) 日本共産党の山本伸裕です。 委員会提出議案3号、川辺川ダム建設を含む球磨川流域の抜本的治水対策に関する意見書について、反対いたします。 この意見書は、これまで協議されてきた川辺川ダムによらない治水策という立場を転換し、川辺川ダム建設を含む抜本的な治水対策を講じるよう求める内容であります。 反対の理由の第1は、もしも川辺川ダムが存在した場合、洪水被害を軽減できた可能性があったと結論づけた球磨川豪雨検証委員会の検証結果そのものに対する疑念であります。 川辺川ダムが存在したとしても、それぞれの地点のピーク流量の時間やダムからの影響が及び始める時間などを考慮すると、ダムがあってもほとんど関係なかったという専門家の分析もありますし、そもそも検証結果は、住民が本当に知りたいことに答えておりません。 今回の豪雨災害は、球磨川、川辺川流域の各雨量観測所で、いずれも過去最大の降雨量を記録していますが、特徴的なのは、川辺川ダム建設予定地上流付近では、他の地点に比べて相対的に雨量が少なかったという点であります。 例えば、12時間雨量で比較した場合、多良木観測所では、過去最高の雨量を記録した昭和57年洪水の約1.8倍、神瀬観測所で2.1倍、まさにとてつもない雨量を記録しているのに対して、川辺川上流域の久連子観測所は、ほぼ1倍であります。 検証委員会では、今回の豪雨災害では、川辺川ダムがあったとして、緊急放流という事態には至らなかったとのことでありますけれども、もしも川辺川流域で、ほかの地域と同じように過去最大規模を大幅に上回るような雨が降っていたらどうだったのか、川辺川ダムが洪水調節機能を失って緊急放流という事態になったらどんなことになるのか、こうした心配の声も当然出てくるわけであります。 また、今回は、7月3日、4日に記録的豪雨が発生した後も、約2週間にわたって断続的に強い雨が続きましたが、これがもし逆のパターンで、長雨が続いた後に記録的豪雨が発生したとしたら、ダムは満水、事前放流もできない状況の下で大雨が降ったらどういう事態になるのか、こうした心配も当然ながら出てきます。 要するに、ダムができれば、確かに被害軽減に役に立つことがあるかもしれないけれども、逆に、どういう場合に役に立たなくなるのか、あるいはダムがあることによって新たな危険、リスクは生じないのか、こういうことが知りたいわけであります。 検証というのは、一つの仮説を立証することだけが役割ではありません。様々な事態を想定して、その場合はどうなるのか、メリット、デメリット、限界、リスクは何か、そのことを確かめるのが必要であります。 説明によると、検証結果に基づいて、今後の治水対策の在り方を検討していくとのことでありますが、しかし、この意見書に見られるように、早くも、もはや結論は定まったと言わんばかりの勢いで、川辺川ダム建設を含む治水対策という流れがつくられていることに強い危惧を抱くものであります。 思い起こすべきは、川辺川ダム建設の是非をめぐって、地域の中に対立と分断が持ち込まれてしまった歴史的事実であります。 1995年に設置された川辺川ダム事業審議委員会は、その構成が、今回の検証委員会と同様、流域住民やダムに否定的な意見を持つ有識者が排除された形で構成され、川辺川ダム建設は妥当であるという結論を出しました。ところが、その後、川辺川ダム建設に反対する農民、漁民、住民の世論と運動が高まり、住民討論集会の開催などを経て、ダム建設中止が県民、流域住民の圧倒的意見であるということが示されていきました。 治水対策にどのような結論を出すのか、その議論の中心には、これからも球磨川、川辺川とともに暮らしていく流域住民が座るべきであり、現段階においては、その判断材料として、今回の豪雨災害についての一つの検証結果がまとめられたという段階にすぎません。 そういう点で、今回このような意見書を決議するのは拙速であるということを指摘したいと思います。 第2点目の問題として、たとえ仮に川辺川ダムを含む治水対策という方向が定まったとしても、現状はダムが存在しないわけで、これからもいつ起こるか分からない豪雨災害のことを考えるならば、今できる治水対策、すなわちダムなし治水に最大限の力を傾注しなければならないという点です。 ダムを造るからといって、河床掘削や堤防強化、遊水地設置などの予算が減らされてしまうなどということがあってはなりません。 なぜこうした点を強調するかといえば、12年前に、ダムによらない治水を追求するという方向性が定まったにもかかわらず、国土交通省は、当面の河川整備目標と計画を定める河川整備計画を策定せず、また、人吉市などから繰り返し、河川管理責任者である国土交通省に対し、人吉市街地を流れる球磨川に堆積した土砂の撤去あるいは堤防のかさ上げなどの要望が出されていたけれども、ほとんど実施されてこなかった事実があるからであります。 例えば、かつて人吉・水ノ手橋上流側に木山の渕という、深さ4~5メートルはあろうかというふちがあり、以前は子供たちはそこから飛び込んで遊んでいたそうですが、土砂がたまって、ふちがなくなってしまった、また、以前は質のいい川砂が取れていたことから、市街地に堆積する砂利を採取する業者がいたけれども、河川管理者である国交省が採取を禁止したから取ることができなくなった、昔に比べると3メートル以上は川底が浅くなったんじゃないか、カヌーの練習も、舟の底が着くようになってできなくなったなどのお話をこもごも伺いました。 もちろん、河床掘削、堤防強化、かさ上げ、遊水地などが実現したからといって、今回の水害が防げたかというと、そうではないかもしれません。しかし、たとえ少しでも洪水被害を軽減できる可能性があるのであれば、今できること、やるべき対策を実施する、こうした姿勢を国交省は持つべきではなかったのでしょうか。 こうした反省の上に立って、国土交通省は、ダムが存在しないうちは、ダムなし治水を追求する以外にないわけですから、そこに全力を挙げていただきたいと思います。 また、もし仮に流水型ダムの建設という選択になるならば、測量、設計から始めなければなりません。漁業補償の合意や環境アセスの実施、そして水没予定地の活用も含めて、地域振興に頑張っている五木村をまたしても翻弄するのかという問題をどう解決するのかなど、数々の課題、難題をクリアしなければなりません。 仮にダム建設を含むという方向性は、スピード感を持って決定したけれども、治水対策の完了までには結局一番時間がかかりましたということになりかねません。 知事は、絶対に今回のような犠牲を生まない治水対策を必ずやり遂げるんだと、力を込めておられます。いつ起こるかも分からない災害に向け、今できる対策を積み上げていくこと、そのための予算を後回しにしないこと、そのことを強く求めるべきであります。 3つ目の問題は、ダムを含む治水は、環境に深刻な影響を及ぼしかねないという問題であります。 九州大学の島谷教授らによる論文では、このように強調されています。「球磨川、川辺川の清流、美しい渓谷、青井阿蘇神社や城跡としての歴史的な環境、温泉などはこの地域を代表する地域資源であり、その地域資源を活用することにより地域の持続的発展が後押しされる。治水対策によりこれらの魅力が損なわれてはならない」「治水対策を進めることによって、地域資源の魅力が却って強化される治水対策と」すべきだと、そして川辺川ダムに関しては「貯留型のダムは環境への影響が大きく現実的ではない。流水型のダム」であっても「環境に対する十分な配慮が」必要であると指摘されています。 ○議長(池田和貴君) 残り時間が少なくなりましたので、討論を簡潔に願います。 ◆(山本伸裕君) (続) もちろん、人命優先に治水対策を考えなければならないのは当然であります。しかし、球磨川の成り立ち、地域経済や人々の暮らしとの関わりの大きさ、深さを知れば知るほど、球磨川、川辺川の清流を守り、未来に引き継がなければならないという思いに駆られるのは、多くの方々も同様ではないかと思います。 球磨川が人吉地域経済に及ぼす影響についての調査報告書というレポートを読みました。就業構造、市民所得、自治体の財政収入、市民生活環境に球磨川がいかに大きな影響を及ぼしているかということが紹介されています。古いレポートですが、基本的な構造の理解は、現在においても共有できるのではないかと思います。 ダムによって清流川辺川、球磨川の環境が壊されてしまったら、市民生活、地域経済、人口、自治体財政にも影響が及ぶことは必至であり、これも、十分検証されなければならない問題であります。たとえ流水型ダムであっても、流速の低減による土砂堆積の増加、それに伴う生態系の変化や災害リスクの増大など、やはり環境を不可逆的に破壊してしまうことを強調しておきたいと思います。 以上のような点が意見書に反対する理由であります。 いずれにせよ、これから治水の在り方について検討する場がつくられていくわけであります。ぜひ、住民の民意というものを十分に酌み取って対策を講じていただくよう求めまして、討論を終わります。 ○議長(池田和貴君) 以上で通告による討論は終了いたしました。 これをもって討論を終結いたします。 これよりまず、委員会提出議案第1号及び第2号を一括して採決いたします。 原案のとおり可決することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、委員会提出議案第1号外1件は、原案のとおり可決いたしました。 次に、委員会提出議案第3号を起立または挙手により採決いたします。 原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。  〔賛成者起立または挙手〕 ○議長(池田和貴君) 起立または挙手多数と認めます。よって、委員会提出議案第3号は、原案のとおり可決いたしました。    ――――――○―――――― ○議長(池田和貴君) 以上で本日の日程及び会期日程の全部を終了いたしました。 これをもって令和2年9月熊本県議会定例会を閉会いたします。  午前11時33分閉会...