熊本県議会 > 2019-06-14 >
06月14日-04号

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  1. 熊本県議会 2019-06-14
    06月14日-04号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    令和元年 6月 定例会               第 4 号              (6月14日)  令和元年  熊本県議会6月定例会会議録     第4号令和元年6月14日(金曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第4号  令和元年6月14日(金曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 第2 議案等に対する質疑(第1号から第21号まで) 第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第21号まで) 第4 請願の委員会付託 知事提出議案の上程(第22号から第26号まで) 第5 休会の件  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第21号まで) 日程第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第21号まで) 日程第4 請願の委員会付託 知事提出議案の上程(第22号から第26号まで) 日程第5 休会の件    ――――――○――――――出席議員氏名(49人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            池 永 幸 生 君            竹 﨑 和 虎 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 さん            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            濱 田 大 造 君            前 田 憲 秀 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            早 田 順 一 君            渕 上 陽 一 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            田 代 国 広 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    小 野 泰 輔 君     知事公室長  白 石 伸 一 君     総務部長   山 本 倫 彦 君     企画振興部長 山 川 清 徳 君     健康福祉部長 渡 辺 克 淑 君     環境生活部長 田 中 義 人 君     商工観光労働            磯 田   淳 君     部長     農林水産部長 福 島 誠 治 君     土木部長   宮 部 静 夫 君     国際スポーツ            寺 野 愼 吾 君     大会推進部長     会計管理者  能 登 哲 也 君     企業局長   岡 田   浩 君     病院事業            吉 田 勝 也 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  小 山   巌 君     人事委員会            本 田 充 郎 君     事務局長     監査委員   濱 田 義 之 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   吉 永 明 彦     事務局次長            横 井 淳 一     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     議事課長補佐 下 﨑 浩 一    ――――――○――――――  午前10時1分開議 ○副議長(田代国広君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○副議長(田代国広君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。  〔荒川知章君登壇〕(拍手) ◆(荒川知章君) 皆さん、おはようございます。自由民主党・葦北郡選出・荒川知章です。 今回、一般質問の機会を与えていただきました先輩議員の皆様に、心からお礼を申し上げます。きょうは、私の恩師である前県連会長の山本先生も来ていただいております。一生懸命務めますので、知事初め執行部の皆様、よろしくお願いいたします。 私は、山本先生の秘書を18年間務め、その間、水俣・芦北地域振興計画の、山本先生が政治生命をかけて取り組まれる姿を一番そばで見てきました。いわば水俣・芦北地域振興計画の重みを誰よりも理解していると思います。私は、この計画の推進をしっかりと引き継ぐ覚悟で、県政の場に立たせていただきました。 御承知のとおり、この計画は、昭和53年の閣議了解事項に基づき、54年から策定され、既に40年を超えました。閣議了解に基づく振興計画は全国でも大変珍しく、この計画があったからこそ、水俣・芦北地域の振興が図られてきていることは言うまでもありません。 そこで、県議になり、初めての質問を水俣・芦北地域振興計画の推進といった切り口で、観光、雇用創出、医療、福祉、農林水産業、道路整備について質問させていただきます。 まず初めに、第6次水俣・芦北地域振興計画の成果と課題の検証及び次期計画について質問します。 水俣・芦北地域振興計画は、水俣病の発生により疲弊した水俣・芦北地域の再生と振興を図るため、昭和53年の閣議了解を踏まえ、昭和54年から6次にわたり計画が策定され、現在41年目を迎えています。 第1次計画のスタート以降、これまで、当計画に基づき、南九州西回り自動車道シーサイドロードが整備、さらには、御立岬公園の整備や県立あしきた青少年の家の建設、そして、第5次計画において設立した水俣・芦北地域雇用創造協議会では地元の雇用創出を図るなど、なくてはならない存在となり、ハード、ソフト両面から各種の事業が実施され、当地域の発展に大きく寄与してきています。 その計画も、現在、第6次計画の折り返し時期を迎えていますが、昨年度の11月議会の吉永議員の質問に対して、知事は、計画に掲げられた施策を着実に実施していくとともに、第6次計画の成果と課題の検証をしっかりと行い、その上で、次期計画策定という形も視野に入れ、検討を行っていく旨答弁をいただきました。 県では、11月に庁内ワーキング会議を立ち上げられ、市町等の意見を聞きながら、成果と課題の検証を進められたと聞いています。地元では、計画の重要性の認識が高まり、現計画の推進、次期計画への期待が高まっています。これまでの41年に及ぶ歴史の重みはもちろんのこと、残された課題を解決し、水俣・芦北地域をさらに発展させていくためには、私自身も次期計画の策定を強く望むものです。 そこでお尋ねですが、これまで進められてきた検証はどのような結果であったか、また、それを踏まえ、次期計画についてどのようにお考えか、知事にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 水俣・芦北地域の振興につきましては、昭和53年の閣議了解の精神にのっとり、歴代知事の思いを受け継ぎながら、地元市町と連携し、国会議員、地元の山本秀久元議員を初めとする県議会議員の皆様の御支援をいただきながら、全力で取り組んでまいりました。 現在、第6次計画が5カ年計画の4年目を迎えており、昨年11月より、庁内各部、そして地元市町の皆様とともに、これまでの成果と残された課題について検証を行ってまいりました。 まず、成果についてですが、ソフト面では、水俣・芦北地域雇用創造協議会が中心となって、地場産業の活性化に取り組み、マガキや和紅茶など、地元産品のブランド化が進んでおります。また、うたせ船の定時便化など、新たな観光の取り組みも始まっています。ハード面では、南九州西回り自動車道水俣インターチェンジの開通やシーサイドロードの整備などが進んでおり、ソフト、ハードの両面において、着実に実を結んでおります。 次に、課題についてですが、他の地域と比較し、所得水準が低いことや交流人口の拡大が十分でないことなどが挙げられます。また、当然のことながら、水俣病患者の皆様や御家族への支援、水俣病に関する偏見、差別の解消などにも引き続き取り組んでいかなければなりません。 県としましては、これらの検証結果を踏まえ、まずは、第6次計画期間において、残された課題の解決に向けて、精いっぱい努力してまいります。 その上で、第6次計画が、来年、最終年度を迎えることから、次期計画の策定について、地元市町の皆様とともに、引き続き検討を進め、7月までには最終的な方向性を決定することとしております。 私としましては、水俣・芦北地域振興計画の歴史的な重みと県政における重要性を勘案し、次期計画の策定を念頭に置きながら、今後とも、水俣・芦北地域の再生と振興、そして水俣病問題の解決に全力を尽くしてまいります。  〔荒川知章君登壇〕 ◆(荒川知章君) 次期計画の策定について、大変前向きな答弁をいただきました。知事の答弁を聞き、7次計画を策定していただけるものと、大変心強く思いました。 振興計画の策定に当たっては、地元からの要望や陳情ではなく、福島知事時代に、首長や議長から成る地元の代表と、副知事、各部長から成る県庁の代表との意見交換の場を設置いただき、この場を通じて、県と地元が連携し、計画が策定されています。 要するに、県にお願いするだけではなく、地域の代表として、市町の議会や関係団体を初め地域住民の皆さんに、この計画の重みをこれまで以上に周知するなどして、地元としても課題解決にしっかりと取り組んでまいりますので、県の引き続きの御支援、よろしくお願いいたします。 次に、当地域の課題について質問させていただきます。 まずは、交流人口の拡大に向けた取り組みについてお尋ねします。 水俣・芦北地域は、風光明媚な海岸線に、御立岬公園芦北海浜総合公園、そのほか、複数の海水浴場など、観光スポットも多く、特色ある温泉もあります。さらに、アシアカエビやシラス、タチウオなどの海産物、デコポンやサラダタマネギなど農産物にも恵まれ、観光客にとって、十分魅力がある地域と考えています。 当地域には、九州新幹線の新水俣駅があり、肥薩おれんじ鉄道があります。また、ことし3月には、南九州西回り自動車道水俣インターが供用開始されました。南九州西回り自動車道の日奈久以南は無料区間であり、乗りおりも自由にできることから、広域的な周遊への活用も期待されるところであります。 しかし、先ほど知事からも答弁がありましたとおり、平成29年の観光客数の統計を見ると、平成25年と比べてマイナス29.7%と、熊本地震の影響を大きく受けた地域を含む県平均のマイナス14.7%をも下回るなど、交流人口の拡大が当地域の課題となっております。 今年度は、JRと熊本県が連携して取り組む熊本デスティネーションキャンペーンを初め、ラグビーワールドカップ2019や女子ハンドボール世界選手権大会の県内開催、さらに、八代港の国際クルーズ船拠点整備などによるインバウンドの増加を初めとして、国内外からの観光需要は今後ますますふえていくものと考えられます。 これらの観光需要を的確に捉え、多くの観光客にお越しいただくためには、それぞれの地域が、どういう特性があって、どういうターゲットがあって、それらを踏まえて、どのような施策を打ち出していくのが効果的であるのかを考える必要があると思います。例えば、水俣・芦北地域や球磨地域などの県境に隣接する地域においては、隣接する鹿児島県や宮崎県を意識したプロモーションがより効果的になると考えますが、県全体で捉えると、そういう施策になりにくいと感じます。それぞれの地域が、その地域に寄り添った施策を行う必要があると思います。 そのような中、芦北地域振興局では、昨年度末、水俣市、芦北町、津奈木町及び関係団体に働きかけ、当地域の観光資源を磨き、つなぎ、発信し、着地型観光を推進することを目的にした水俣・芦北観光応援社を立ち上げました。このような動きは球磨地域にも見られます。私は、このような動きをしっかりと支援することが、より地域の特性に合った効果的なプロモーション等の施策につながると考えます。 そこでお尋ねですが、このような意見も踏まえ、今後、当地域の観光交流人口の拡大についてどのように取り組んでいかれるのか、商工観光労働部長にお尋ねします。  〔商工観光労働部長磯田淳君登壇〕 ◎商工観光労働部長(磯田淳君) 国内外からの観光客による交流人口の拡大は、地域経済の発展に寄与する原動力であり、大変重要なものと認識しております。 個人旅行者体験型観光の増加、星空や棚田といった地元では見なれた風景がSNSなどで広がり、観光客が多く訪れる人気スポットになるなど、観光のトレンドは大きく変化しています。 この変化を生かしていくためには、旅館やホテル、観光施設等観光事業者だけでなく、農家や商店街、地域住民等、多様な関係者を巻き込んだ観光地域づくりの取り組みが必要です。 このような中、議員御紹介の水俣・芦北観光応援社では、漁協や農協、商工会議所など多くの関係者が参加した取り組みが行われています。うたせ船の定時運航化や美しい海を活用したアクティビティーなど、当地域ならではの資源を生かした観光ツアー造成や国内外からの観光客の受け入れが行われており、県としても大変期待しているところです。 県と観光連盟では、このような地域特性を生かした観光地域づくりに取り組む団体を「くまもっと観光地域応援社」と位置づけ、応援することとしています。先日、その第1号として、水俣・芦北観光応援社を登録したところです。 当地域の豊富で魅力ある観光資源を最大限活用した旅行商品づくりや誘客の取り組みが、県内各地域のモデル事業となるよう、積極的に支援してまいります。 新幹線に加え、水俣インターが開通し、交通基盤が整ってきたこの好機を最大限に捉え、地元と一体となって、水俣・芦北地域の交流人口の拡大に全力で取り組んでまいります。  〔荒川知章君登壇〕 ◆(荒川知章君) 御承知のとおり、当地域は、海があって、山があります。そのため、海の幸、山の幸が豊富です。そして、温泉があって、お酒もある。そして、何より環境に徹底的に配慮した農作物があります。しかし、課題は、その資源の磨き上げが十分ではありません。磨き、つなぎ、発信するを目標に立ち上がった水俣・芦北観光応援社を核に、着地型観光の推進に積極的に取り組む体制が整いつつありますので、しっかりとした支援について、よろしくお願いいたします。 次に、企業誘致による雇用創出について質問いたします。 過疎地域において、人口流出は大きな課題です。水俣・芦北地域においても、高校卒業後、多くの若者が地元を離れ、就職等をしている状況にあります。地元にいたくても仕事がない、まさに雇用の場の創出は喫緊の課題であり、企業誘致による雇用創出は大変重要なテーマです。 しかし、県内の企業誘致の状況は、半導体や自動車関連企業が集積している県北地域に比べ、県南地域は、製造業を中心とした企業誘致は厳しい状況にあります。 そこで、私がイメージするのは、徳島県神山町の成功例です。私は、芦北町議員時代に、同町を視察に訪れました。同町も過疎化が悩みでしたが、光回線の整備に合わせてIT企業などのサテライトオフィスを10社以上誘致し、移住者が4年間で100名以上に上り、全国的に注目を集めています。 本県でも、昨年度から、県南地域等を対象に、IT関連企業の誘致を促す産業支援サービス業等集積促進事業の支援を拡充されました。 具体的には、補助制度をみずから新たに設ける頑張る県南等の市町村に限定し、進出する企業の投資規模や雇用数に対して県が上乗せするものであります。 そのような中、芦北地域振興局管内において、津奈木町が平成28年度に、芦北町ではことし3月に、町内全域に光通信が整備されました。 さらに、昨年度、水俣・芦北地域雇用創造協議会が、ITベンチャー企業アドバイザー契約を結び、その後、廃校を活用した企業誘致の具体的な動きが見られるなど、その取り組みを大変期待するところであります。 そこで、過疎化が進む水俣・芦北地域企業誘致による雇用創出についての認識と、県として今後どのように進めていくのか、商工観光労働部長にお尋ねします。  〔商工観光労働部長磯田淳君登壇〕 ◎商工観光労働部長(磯田淳君) 企業誘致による雇用創出についてお答えします。 議員御指摘のとおり、これまで誘致が進まなかった地域においても、高速通信回線の普及や情報通信技術の高度化により、IT企業等を誘致するチャンスが広がっています。また、これまでマイナスの課題であった廃校や旧役場庁舎などを、誘致の適地としてプラスに変えることができると考えています。 このため、本県では、比較的受け入れ環境が整いやすく、少人数での開業が可能なIT企業のサテライトオフィスの誘致に力を入れております。 具体的には、昨年度、廃校等をオフィスとして整備するための補助制度を創設し、さらに、今年度から、人口減少市町村については、IT企業の投資実態に合わせ、投資額が少額であっても補助の対象とするなど、立地しやすい環境を整えたところです。 加えて、企業ニーズにしっかりと対応するためには、県のみならず、市町村の企業に対するサポート体制の充実が重要であり、研修の実施や東京、大阪両事務所と市町村との連携強化を図っております。 そうした中、県南市町村の連携もあり、今年度、八代市に進出した企業の紹介で、芦北地域へのサテライトオフィス立地の動きが見られるなど、企業誘致への取り組みが広がっています。 今後とも、高速通信回線整備の進展や南九州西回り自動車道の延伸といった水俣・芦北地域の利点を生かしながら、ITや食品、環境・エネルギー関連などの企業誘致を積極的に推進し、新たな雇用の創出に取り組んでまいります。  〔荒川知章君登壇〕 ◆(荒川知章君) 昨年度、芦北地域振興局アドバイザー契約を結んだITベンチャー企業が八代市に進出し、その企業が、八代のオフィスと芦北町の旧計石小学校サテライトオフィスを活用し、さらに、熊本高等専門学校と連携を図る八代市・芦北町ITビジネス集積エリア構築構想を先日発表されました。 それを受け、答弁にもありましたとおり、旧計石小学校に立地の動きが見られるなど、これまでなかった取り組みが動き始めております。 まさに、進出したITベンチャー企業ITベンチャー企業を呼ぶ、徳島県神山町や宮崎県日南市などの成功例に似た現象が起こりつつあります。どうか、このような取り組みを、引き続きしっかりと応援していただきたいと思います。 次に、地域で暮らす安心づくりについて質問いたします。 まずは、水俣・芦北地域における医師確保についてお尋ねいたします。 団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、急激な医療・介護ニーズの変化、増大に対応するため、熊本県では、将来の目指すべき医療提供体制の姿と施策の方向性を示した地域医療構想を平成29年3月に策定されました。 また、県では、昨年7月の医療法改正に基づき、今年度中に医師確保計画を策定され、計画の策定に当たっては、国が新たに示した医師偏在指標に基づき、今後の医師確保対策を検討されると聞いております。 こうした中、水俣・芦北地域の状況を見ますと、高齢者人口は、国立社会保障人口問題研究所の将来推計人口に基づく資料によれば、65歳以上人口は、2020年、1万8,218人がピークとなりますが、うち75歳以上人口は、2030年、1万798人がピークとなっており、今後も医療需要が増加していくことが見込まれております。 一方で、2次医療圏における、いわゆる医師の充足度を示すものとして、厚生労働省からことし2月に示された医師偏在指標の暫定値では、県内の2次医療圏ごとに見ると、芦北地域は、熊本、上益城地域に次いで医師が多いということで、医師多数区域に位置づけられております。 水俣病対策もあり、現時点では、芦北地域の医師は比較的多いと聞いていますが、芦北地域が医師多数区域と位置づけられることにより、今後、例えば、熊本大学病院を初め、ほかの地域から医師が確保できなくなった場合、芦北地域だけで医師を確保していくのは極めて難しいのではないかと懸念するところであります。 また、芦北地域は面積も広く、旧芦北町には無医地区や準無医地区と言われる地区が6地区も存在しており、安定的かつ継続的な医療の提供に大きな支障が出るのではないかと大いに危惧しており、県には、私が申し上げたような水俣・芦北地域の状況を踏まえて、医師確保計画の策定、医師確保対策を進めてほしいと思っています。 そこで、今年度、医師確保計画を策定されるに当たっての県の考えと、水俣・芦北地域において医師確保対策にどのように取り組んでいくのか、健康福祉部長にお尋ねします。 次に、胎児性・小児性水俣病患者の方々の日常生活における課題等についてお尋ねします。 水俣病の公式確認から63年が経過し、水俣病患者の皆様やその御家族の高齢化に伴い、医療的ケアや介護の必要性が高まっています。 特に、胎児性・小児性水俣病患者の方々は、60代、70代を迎えられ、加齢による身体機能の低下に加え、その方々の介護を担われている御家族の高齢化も進み、患者の方々を取り巻く環境は、年々深刻さを増していると考えます。 胎児性・小児性患者の方の中には、つい10年ほど前は、数十分かけて職場まで自転車で通っておられた方が、現在は歩行が難しくなり、電動車椅子が欠かせない状況となっておられます。胎児性・小児性患者の方は、加齢による身体機能の低下が大きいように感じます。 また、御両親や御家族が入院されるケースも珍しくなく、家族介護だけで日常生活を支えることは困難な状況となっております。 県では、平成18年度以降、胎児性・小児性水俣病患者の方々の日常生活への支援や社会参加を促進する胎児性・小児性患者等地域生活支援事業を初め、さまざまな事業の実施により、日々の生活の安心の確保や家族の介護負担の軽減を図ってきました。また、ケアホームなど、生活の場の整備も行ってこられました。 しかしながら、先ほど申しましたように、深刻さを増す現在の状況を考えますと、より一層きめ細やかな支援も必要になっていると考えられます。 そこで、胎児性・小児性水俣病患者等の方々が、今後も安心した生活を送るための課題をどのように捉えているのか、また、今後どのように支援していくのか、環境生活部長にお尋ねいたします。  〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡辺克淑君) 水俣・芦北地域における医師確保についてお答えします。 まず、医師確保計画についてですが、この計画は、医師偏在指標に基づき、医師少数区域と医師多数区域を設定し、それぞれの区域に応じた具体的な医師確保対策を定めるものです。 この医師偏在指標は、人口当たりの医師数をもとに算出されるため、地域ごとに異なる地理的条件や医療機関の状況等を十分に反映したものとは言えません。このため、県としては、医師多数区域においても、各地域の医療提供体制の現状や課題の把握に努め、今年度中に、地域の実情に応じた計画を策定することとしています。 次に、水俣・芦北地域における医師確保対策についてですが、県では、本年3月に、県医師会、熊本大学病院、各圏域の拠点病院と協定を締結し、地域の医療機関が連携して医師の確保や育成を行う熊本県地域医療連携ネットワークの構築に向けた取り組みを開始しました。 水俣・芦北地域においては、拠点病院である水俣市立総合医療センターを中心に、地元医師会等と連携し、僻地診療所等における医師確保、医師の勤務環境の改善やキャリアアップに向けた環境整備を進めていかれる予定になっております。 県としましても、こうした取り組みをしっかりと支援し、当地域に定着する医師の増加を図ってまいります。  〔環境生活部長田中義人君登壇〕 ◎環境生活部長(田中義人君) 胎児性・小児性患者等の方々の日常生活における課題等についてお答えをいたします。 患者の方々は、御自宅や施設などで生活されておりますが、御自宅で生活されている方の多くが、現在の生活を継続することを望まれております。 このため、県では、住宅改造の支援や24時間介護サービスの実現など、在宅福祉の充実に取り組んでまいりました。 今後、患者御本人の身体機能の低下や介護する御家族の高齢化がさらに進んでまいります。このような中、患者や御家族の急な体調不良時や地震、台風など災害時の避難等について、不安の声を伺っております。住みなれた自宅で、安全かつ安心な生活を送るための支援強化がますます重要であると認識しております。 これらの解決には、福祉サービスの充実だけでなく、患者の方々の状況や必要な支援等の情報を地域で共有し、いざというときに地域で支える体制の確立が必要であります。 このため、今年度から、寝たきりなど、特に支援が必要な患者お一人お一人について、区長や民生委員等の地域住民の方々やヘルパー派遣を行うサービス事業者などにより、緊急時の支援体制の構築を進めてまいります。 このほか、患者の方々は、さまざまな心身の不安を抱えておられます。このため、水俣病を理解した医師が自宅を訪問し、気軽に専門的な相談ができる体制づくりにも取り組みます。 今後も、胎児性・小児性患者等の方々の安全、安心な生活確保に精いっぱい取り組んでまいります。  〔荒川知章君登壇〕 ◆(荒川知章君) 本日は、医師確保の問題及び胎児性水俣病患者の方々の安心、安全な生活確保に絞って質問させていただきましたが、水俣病被害者を初め、誰もが生き生きと安心して暮らし続けていける地域づくりは重要な課題です。今年度から新規の事業にも取り組んでいただけるとのことですので、事業効果が最大限に発揮できるように、よろしくお願いいたします。 次に、稼げる農林水産業の推進について質問をいたします。 水俣・芦北地域の農業は、農林水産省の統計によれば、平成2年度に約128億円あった農業産出額が、平成29年度には約57億円と、約55%減少しております。 中でも、水俣・芦北地域の農業産出額の約半分を占めているデコポンやアマナツミカン等の果樹は、さらに厳しい状況で、平成2年度に約65億円あった農業産出額が、平成29年度には約26億円と、60%も減少しており、管内農業全体の産出額の減少率を上回っています。 このようになった原因を、地元のJAあしきたや町にお聞きしますと、1つには、ほかの地域よりも高齢化が10年進んでいると言われる当地域にあって、農業の担い手の高齢化が進み、さらに、そうした人たちが引退された後の農地を引き継ぐ方が極めて少ないなど、担い手の確保が難しいことが大きいとのことでありました。また、水俣・芦北地域は、全地域が中山間地域にあり、基盤整備が進んでおらず、そのため、耕作放棄地が増加し、管内の経営耕作面積が、20年前と比較して約4割減少していることも大きな原因だということであります。 このようなことから、水俣・芦北地域の稼げる農業の実現には、担い手の確保と農地基盤の整備を同時に行っていく必要があると考えています。 担い手の確保については、平成27年度に、JAあしきたが、県内で初めてみずから農業に参入いたしました。そして、イチゴと水稲の栽培に着手し、イチゴ栽培では、新たに6名の雇用を生み出すとともに、経営する観光イチゴ園において、平成28年度以来、毎年2,000名を超えるお客を集める等、経営も徐々に軌道に乗ってきています。 また、主力の果樹で新たな担い手を確保していくため、県認定研修機関として、Iターン等による担い手確保に取り組むこととしており、この5月から1名の研修生を確保して、果樹の技術、経営等の研修に取り組んでいるとも伺っており、担い手確保に重要な役割を担っておられるものと認識しています。 そこで、農林水産部長に、水俣・芦北地域の担い手確保の取り組みについて、今後、県ではどのような支援を行っていこうと考えているのか、お尋ねいたします。 次に、基盤整備についてですが、JAあしきたは、津奈木町等の樹園地について、若手農家が中心となった、園地の集積や基盤整備の実現に向けた話し合い活動を牽引されておられます。また、芦北町の計石地区の平たん農地で、将来、デコポン等の団地をつくり、みずからが農業に参入する計画もお持ちであります。 これは、現在、約半分が耕作放棄地になっている計石地区の約16ヘクタールの農地を県が基盤整備し、そこにJAあしきたが担い手として参入し、地主の方から借り上げた農地で、デコポンやサラダタマネギを大規模に栽培するというものであります。この計画は、もともと計石地区で10年以上前に持ち上がった基盤整備事業の話が、地元の費用負担が大きいことを理由に暗礁に乗り上げていたものを、芦北町やJAあしきた、芦北地域振興局の3者で検討を進め、やっとここまでこぎつけたものであります。 先月、地元の農地所有者や近隣住民の方たち向けに説明会を開催されたそうですが、早く実現してほしいとの意見が多かったとのことであります。 芦北町計石地区での農地の再生は、地元の悲願です。また、JAが大規模に農地整備した圃場で担い手として農業に参入するという、中山間地における今後の農業のあり方を示す画期的なモデルでもあり、県内外から注目される事業でもあると思いますので、ぜひとも実現につなげていただきたいと考えております。 そこで質問ですが、県においては、この計石地区の基盤整備の取り組みに対し、どのような支援を行っていくお考えか、あわせて農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) まず、担い手確保の取り組みについてお答えします。 議員御紹介のとおり、JAあしきたは、県内で初めて農業に参入され、地元雇用の創出にも取り組まれるとともに、出資法人のそれいゆアグリでは農作業も受託されるなど、地域を支える担い手の役割を果たしてこられました。また、県内外の就農フェアにも積極的に参加されています。 県では、このようなJAの取り組みをなお一層後押しするため、地元の市町とも連携しながら、担い手の確保対策に積極的に取り組むこととしております。 具体的には、まず、水田農業では、全域を地域営農法人でカバーできるよう法人化を支援するとともに、地域営農法人だけでは手が回らない農作業等をそれいゆアグリが補完する営農体制の構築を目指してまいります。 また、地域の主力品目であるかんきつにつきましては、リタイアされる農家の園地等を一旦JAが預かり、新規就農者や規模拡大を図る農家等へ引き継ぐ仕組みづくりを構築し、産地の維持を図ってまいります。 さらに、今年度新たに創設しました研修専用ハウスや、営農開始時の農地の貸借及びハウスの導入に対する補助事業を活用しまして、新規就農者の増加につなげてまいります。 次に、計石の基盤整備の取り組みについてお答えします。 計石地区は、芦北町の中でも数少ない広がりのある農地ですが、区画が小さく、豪雨時にたびたび湛水するため、耕作放棄地も多く、有効に活用されておりません。 議員御指摘のとおり、過去に基盤整備の話が持ち上がったものの、農家負担金や後継者不足が大きな課題となり実現できず、その後、地元で検討を進められた結果、昨年度国が創設した農地中間管理機構関連農地整備事業の活用により、課題解決の方向性が見出されたところです。本事業は、農家負担を必要とせず、面積要件も平たん地の半分の5ヘクタール以上に緩和されており、芦北町のような中山間地域においては非常に有効です。 県としましても、この取り組みを県内に広げていきたいと考えており、一日も早く計石地区の農地の再生が図られるよう、排水対策の検討を初め、営農計画の策定や中間管理権の設定など、事業化に向けて必要な支援を行ってまいります。特に、この地区では、JAあしきたが耕作する意向を表明されており、今後さらに、地域農業の牽引役として重要な役割を果たされるものと期待しております。 県としましては、JA初め市町とも密に連携し、中山間地域のモデルとなる一歩先行く取り組みを展開しながら、水俣・芦北地域における稼げる農業を実現してまいります。  〔荒川知章君登壇〕 ◆(荒川知章君) 繰り返しになりますが、計石地区の農地基盤の整備は、中山間地における今後の農業のあり方を示すモデルとなる事業だと思っております。この事業では、地元が一番に汗をかいて取り組んでいかなければならないことは承知をしております。 そのことから、芦北町を中心に、関係者一丸となってしっかりと取り組んでまいりますので、県におかれましては、最大限御支援くださるようお願いいたします。 本日は、稼げる農林水産業の中で、時間の関係から農業だけしか質問できませんでした。 以下、要望にさせていただきます。 林業においては、伐期を迎えた杉、ヒノキ等の人工林の増加とともに、皆伐地が年々増加しています。一方で、伐採跡地の再造林については、担い手や苗木の不足といった声も聞いておりますが、木材生産と再造林を同時に進め、森林を守り育てていくことが重要だと思います。 本年度から始まった新たな森林管理システムや森林環境譲与税については、各市町村が主体となって実施していきますが、市町村には林業関係の専門職員がほとんどいません。県林務部局におかれては、市町村との連携を密に、適切に支援を行いながら、森林の保全に努められ、林業の振興につなげていかれますよう、よろしくお願いいたします。 また、水産業につきまして、県では、長年、稚魚の放流に御支援をいただいているなど、御尽力賜り、感謝しているところであります。 マダイやヒラメ等、魚種によってはその放流効果を漁業者の方も実感されているとお聞きしています。しかし、残念なことに、全体的な漁獲量は近年低迷しており、漁船漁業の経営は非常に厳しいのが現状であります。 芦北地方での重要魚種であるアシアカ等のエビ類の共同放流事業や、さらに、キジハタ等の新魚種への対応も進められているとのことですが、さらにそれらの放流効果を高めるために、漁場環境の整備、例えば、藻場の造成等の要望も漁業者から上がっているところであります。今後の対策についての御検討もよろしくお願いいたします。 最後に、シーサイドロードにおける県道整備について質問をいたします。 水俣・芦北地域では、地域経済への大きな波及効果をもたらし、国道3号線が災害等で通行できなくなった場合の代替道路であり、九州全体の幹線道路ネットワークの一部を構成する南九州自動車道の整備が促進されており、本年3月には水俣インターチェンジが開通するなど、九州の縦軸強化が進められております。 一方、水俣・芦北地域の臨海部には、リアス式海岸などの自然景観や史跡、名所、温泉といった観光資源も豊富であり、観光業、農業、漁業といった地場産業と結びつければ、観光レクリエーション活動のエリアとしての大きな発展が期待できます。 そのため、昭和61年度から平成7年度を計画期間とする第2次水俣・芦北地域振興計画において、海岸地帯の集落をつなぐ生活基幹路線であり、同時に、風光明媚なリアス式海岸を中心とした観光レクリエーション基地づくりを進める重要な路線として、県道のみならず、市町村道を含むシーサイドロードが位置づけられました。 平成4年度から事業が具体化されましたが、既に30年近くがたち、水俣・芦北地域振興計画も、6次を迎えたにもかかわらず、いまだに整備は完了していない状況であります。 山本先生の秘書時代、先生は、シーサイドロードの整備事業は、水俣・芦北地域振興計画の目玉事業だぞと、たびたび言われておりました。私も、先生とともに何度もシーサイドロードを走りましたので、重要な交通基盤であり、生活道路であることを十分認識しております。 シーサイドロードについて、これまで、芦北町の三ツ島トンネル、井牟田・福浦工区及び津奈木町の福浜工区、水俣市大迫工区の供用を初め、整備は順調に進んでいると思います。 しかしながら、県道においては、工事中の箇所や道幅が狭い区間もまだまだ見受けられますので、事業効果を最大限に発揮するためには、一日も早い整備完了が必要だと考えております。 そこで、シーサイドロードにおける県道の整備状況と今後の整備について、土木部長にお尋ねいたします。  〔土木部長宮部静夫君登壇〕 ◎土木部長(宮部静夫君) シーサイドロードは、芦北町、津奈木町及び水俣市の八代海沿岸を通る総延長約56キロメートルで、自然景観を生かした観光振興や緊急車両の通行など生活の利便性向上に資する水俣・芦北地域の重要な道路です。 この道路は、県道水俣田浦線など3路線及び市町村道等により構成され、それぞれの管理者で、道幅が狭い区間の拡幅等に取り組んでおります。 議員御質問の県道につきましては、管理延長約34キロメートルのうち、これまでに約9割に当たる区間の整備が完了しております。 現在整備を進めている6工区、3キロメートルにつきましては、引き続き、関係市町と連携し、必要な事業用地の早期取得に取り組むとともに、第6次計画最終年度の令和2年度完成を目指し、予算の重点化を図るなど、早期に事業効果が発揮できるよう、全力で整備を進めてまいります。  〔荒川知章君登壇〕 ◆(荒川知章君) 令和2年度までの第6次水俣・芦北地域振興計画の期間内の完成を目指し、しっかり取り組んでいくという力強い御答弁をいただきました。 質問でも申し上げましたとおり、平成4年度から30年近くたつこの目玉事業に、大きな見通しをつけていただいたことに大変感謝いたします。 既に、沿線上には、先ほど述べました旧計石小学校への企業誘致や津奈木町旧平国小学校でのオイスターバルの開催、さらには、美しい海を活用したマリンアクティビティーなど、少しずつではありますが、地域活性化の動きが出てきています。 今後は、この道路の効果が最大限発揮できるよう、地元としてもしっかりと取り組んでまいりますので、計画期間内の完成について、よろしくお願いいたします。 冒頭申し上げましたとおり、私は、この計画の推進をしっかりと引き継ぐ覚悟で県政の場に立たせていただきました。地元の皆様のよりよい生活のために、若者が希望の持てる地域づくりのために、そして県政発展のために誠心誠意、全力で取り組んでまいります。 これで質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(田代国広君) この際、5分間休憩いたします。  午前10時58分休憩    ――――――○――――――  午前11時8分開議 ○副議長(田代国広君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 河津修司君。  〔河津修司君登壇〕(拍手)
    ◆(河津修司君) 皆さん、おはようございます。どうもきょうは緊張しています。 阿蘇郡区選出・自民党の河津修司でございます。2期目、何とか戻ってくることができましたが、きょうは、荒川先生が余りにも立派な質問をしましたものですから、ちょっと2期生としては緊張しておりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。 まず第1点の質問ですが、北里柴三郎博士についてを質問させていただきます。 1カ月ほど前、財務省から発表がありまして、日本紙幣が20年ぶりに新しいデザインへ変わり、新千円札の肖像には、本県小国町出身の、日本医学の父とたたえられる北里柴三郎博士が採用されるとのこととなりました。 この知らせに、博士の功績を顕彰してきた北里柴三郎博士ふるさと顕彰会の方々は、平成18年の顕彰会発足当時から、博士を一万円札の顔にとの運動を起こそうとしていまして、額面こそ違いますが、それが実現することになり、大変喜んでおります。 博士は、1853年に小国町で生まれ、16歳で藩校の時習館に入りましたが、明治維新のあおりを受け、時習館が間もなく廃校となり、やむを得ず一旦帰郷し、そして再び熊本へ出て、熊本医学校、現在の熊本大学医学部で3年間学ばれました。 さらに、21歳のときに、東京医学校、現在の東京大学へ進学し、卒業後、内務省衛生局に勤務、国の留学生として、結核菌の発見者であるドイツのローベルト・コッホに師事しました。ここで、貴重な研究業績を次々に発表、とりわけ破傷風菌の純粋培養法の確立と血清療法の発見は前人未到のもので、世界の医学界にその名をとどろかせました。 帰国後は、今の一万円札の肖像の福沢諭吉先生の援助を得て、後に東京大学医科学研究所となった伝染病研究所や北里大学の基礎となった研究所を設立しました。 博士の伝染病研究所からは、赤痢菌を発見した志賀潔、梅毒の特効薬を発見した秦佐八郎、さらに、今の千円札の肖像画の野口英世ら、優秀な人材を次々と輩出しています。 伝染病研究所での後進への指導は、日本の近代医学界の礎となっています。1894年には、香港でペスト菌を発見して、人々を救いました。 博士は、病気の患者を治すことはもちろん、病気を防ぐ予防医学に大きな力を注ぎました。血清療法により、感染症だらけだった世界から人類を救ってくれた偉大な人物です。 ちなみに、博士は、日本医師会を創設し、初代会長も務められ、日本医学界をリードし、レベルアップさせました。1931年、昭和6年に、脳溢血により、78歳で死去されています。 1949年、昭和24年に、湯川秀樹博士が日本人で初めてノーベル賞を受賞しましたが、その48年も前の1901年、明治34年に、第1回ノーベル生理学・医学賞の最終選考の15名の中に北里博士も残っていたことが、ノーベル財団の資料により明らかとなっております。 その当時、国内外のさまざまな要因で受賞には至らなかったようですが、非常に残念です。しかし、博士の功績は、何ら色あせることなく、熊本県の誇りであります。今回の新千円札の顔として採用されたことを契機に、改めて博士が注目されるようになるものと期待しているところです。 小国町には、北里柴三郎記念館があり、敷地内には、博士が寄附した北里文庫、北里大学等の協力で復元された生家や貴賓館などがあります。 新札の発表後から来館者数が急増して、さきの10連休中にも、大勢の観光客でにぎわっておりました。地元の小国町やふるさと顕彰会など関係団体も、博士にちなんだイベントや施設整備も考えているようです。ぜひ、熊本県としましても、支援をお願いします。 今後、熊本県において、博士の人となりや偉業を広く世間に紹介することは重要なことであると思います。 現在、NHKの大河ドラマ「いだてん」で、本県出身の金栗四三さんが話題になっていまして、玉名市や和水町には観光客も多数来ていただいているようです。これも大河ドラマ効果だろうと思いますが、テレビや映画、ゲームなどで博士を取り上げていただくような仕掛けを考えられないでしょうか。 また、教育面でも、県教育委員会は、道徳教育用郷土資料の「熊本の心」で、博士が幼少期に毎日雑巾がけをした「光る えんがわ」の話を載せていますが、いいことだと思います。 北里柴三郎博士ふるさと顕彰会の方は、野口英世記念館には東北6県の小学生が多く訪れるが、ここは少なくて残念でなりませんでしたと言っておられました。修学旅行や校外学習の場として、北里柴三郎記念館を利用していくべきではないでしょうか。あるいは、小国高校の学習の中で、博士や北里大学と連携しての学習は考えられないでしょうか。 つきましては、北里柴三郎博士への思いと、新札発行に向けて、熊本県の対応を知事にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 北里柴三郎博士が、医学における多大な功績により、新たな千円札の顔となられることは、県民にとって大きな誇りとなるものです。 このうれしいニュースを受けて、早速、県の週刊メールマガジン「気になる!くまもと」の特集企画で、博士の功績や北里柴三郎記念館などについて取り上げ、全国に発信したところです。 新紙幣発表後、記念館には多くの観光客が訪れており、博士への関心の高まりが、交流人口の拡大に大きく貢献するものと確信しています。 議員御指摘の、今後、地元関係団体等が取り組むイベントやテレビなどを通じた博士の偉業紹介は、修学旅行誘致を初めとする県の施策との相乗効果が期待できると考えています。5年後の新紙幣発行に向け、地元と連携した取り組みや支援が広がっていくよう検討してまいります。 次に、教育面についてですが、さまざまな学習の場面で博士の人となりや業績について深く学ぶことは、子供たちが郷土を愛し、誇りに思う心を育み、夢を与えることにつながると考えます。 現在、県内の小中学校において、社会科の教科書に記載されている博士について学習し、理解を深めています。特に、地元の小学校では、記念館を校外学習の場として利用しています。また、小国高校では、7年前から毎年修学旅行で北里大学を訪問し、博士の功績を学ぶ取り組みを行っています。 今後も、県教育委員会において、議員御紹介の「熊本の心」のさらなる活用や関係団体との連携による校外学習としての利用など、子供たちにとって有意義な学びにつながるような取り組みを進められることを期待します。 県としましても、博士の新千円札化を追い風に、地元小国町を初め関係者の皆様と一緒になって、博士の功績をさらに広め、観光地域づくりに積極的に取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 知事からは、前向きな、積極的な取り組みを表明していただき、力強く思っています。県の施策との相乗効果が2倍、3倍となるよう、地元支援をお願いいたします。 なお、蒲島知事が、北里柴三郎博士の名前を「きたざと」と発音していただきました。地元の方々は、皆さん「きたざと」と言っておりますが、どうも東京のほうでは「きたさと」と言っているようでして、ぜひとも「きたざと」で統一をしていただければというふうに思う次第であります。 続きまして、前回も質問しておりますけれども、3年前の地震から、阿蘇はインフラ整備がまだ復旧しておりません。そういったことで、阿蘇地域の熊本地震からの復旧、復興について質問させていただきます。 まず1点目は、国道57号現道の復旧見通しと県道熊本高森線の迂回路の取り扱いについてであります。 熊本地震の前震から、きょうでちょうど3年2カ月になります。この間、地震で甚大な被害となった私の選挙区であります南阿蘇村、西原村、高森町へ、国、熊本県知事並びに熊本県議会より復興に向けた手厚い援助等をいただきまして、衷心より感謝を申し上げます。特に、国土交通省におかれましては、3交代の24時間態勢で工事を進めていただいておりまして、この場をおかりしまして、改めてお礼を申し上げる次第です。 おかげさまで、地震直後には考えられないスピードで復旧が進んでいるように思います。さきの10連休中は大渋滞するのではと、心配しながら私もミルクロードを通りましたが、通行量は多かったものの、さほどの渋滞もなく通ることができました。これは、長陽大橋ルート、南阿蘇村道栃の木~立野線が通れるようになって、車が分散したからだろうと思いますが、やはり地域の活性化のためには、インフラの果たす役割は大きいと、つくづく感じた次第です。 国土交通省で進めていただいている国道57号北側復旧ルートでは、2月23日に、二重峠トンネルを含む全線の貫通式が開催され、来年度の完成に向けて区間全線で工事が進められ、現地では、トンネルばかりでなく、橋梁工事等も大きく進んでいます。 また、国道325号阿蘇大橋についても、3交代24時間態勢で工事が進められており、長陽大橋を通ると、橋梁工事が進んでいるさまを目の当たりにでき、来年度の早期開通に、住民の皆さん方の期待は募るばかりであります。 さらに、県道熊本高森線の俵山ルートでは、被災した6橋のうち4橋の復旧が完了し、残る2橋についても、ことし秋ごろには完成する見通しと聞いています。 また、県が取り組んでおります立野地区の斜面対策についても、17カ所で砂防や治山事業に取り組まれており、既に8カ所が完了し、残る9カ所についても、本年度末までに全て完了する予定と聞いております。 このように、阿蘇地域の復旧は着実に進んでいますが、大規模な斜面崩壊が発生した阿蘇大橋地区の国道57号の現道の復旧は、いまだ見通しが明らかになっていません。 JR豊肥本線は、本年4月に、国、県、JR九州で設置されたJR豊肥本線復旧連絡協議会で協議がなされたことで、来年度内の運行再開の見通しであることが発表されました。JR豊肥本線と同様に、阿蘇地域の住民たちが心待ちにしている国道57号の現道の開通見通しも、早く示していただきたいと思っております。 また、今年秋ごろの全線復旧の完了が示された県道熊本高森線の俵山ルートでは、工事用道路として袴野地区に迂回路が整備されています。この迂回路は、地域住民の生活道路として定着している上、今後の災害への備えとしても、引き続き活用していくことが必要と考えております。 そこで、国道57号現道の復旧見通しと県道熊本高森線復旧完了後の袴野地区の迂回路の取り扱いの2点について、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長宮部静夫君登壇〕 ◎土木部長(宮部静夫君) 阿蘇地域では、国において、国道57号北側復旧ルートを初め、国道325号阿蘇大橋や熊本高森線俵山ルート等で懸命な復旧工事が進められています。また、県におきましても、立野地区における砂防や治山事業を初め、被災した道路や河川等の早期復旧に向けて、全力で取り組んでおります。 大規模な斜面崩壊が発生した阿蘇大橋地区の復旧につきましては、国が進めている斜面対策が今年度内におおむね終了し、JR豊肥本線は、その箇所の一部を工事用ヤードとして活用しながら、来年度内の運行再開に向けて復旧を進めることとなりました。 まず、議員御質問の国道57号現道の復旧につきましては、国から、JR豊肥本線の復旧状況を踏まえ、この後に進めることになると聞いております。現時点では復旧時期をお示しすることはできませんが、国道57号の現道は、阿蘇地域、ひいては県全体の復興に欠かせないものであると認識しており、引き続き、早期復旧を国に要望してまいります。あわせて、国、県、JR九州で設置したJR豊肥本線復旧連絡協議会等において、工事間の連携や調整を図るなど、県としての役割を積極的に果たしてまいります。 次に、2点目の県道熊本高森線の迂回路についてお答えいたします。 地震により全面通行どめになった熊本高森線の俵山ルートでは、地域の皆様の交通を確保するため、一部村道や旧道を利用しながら迂回路を整備し、県道として管理してまいりました。 そのうち、大切畑ダム横に位置する袴野地区の迂回路につきましては、西原村から、引き続き村道として活用したいとの要望を受けていることから、本線復旧完了後、速やかに引き継ぎができるよう準備を進めております。 県としましては、一日も早い阿蘇地域へのアクセスルートの復旧に向けて、しっかりと取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 土木部長から答弁いただきました。 西原村の袴野地区の迂回路については、橋が通れるようになりましたら、速やかに西原村へ引き渡していただきますようお願いいたします。 今まで国道57号は、はっきりとした復旧方針が示されませんでしたが、ただいま土木部長からは、国から、JR豊肥本線の復旧状況を踏まえ、その後進めると明言していただきました。これまで、地元では、現道はもう通さないのではという観測も出ておりましたから、安心しました。なるべく早く復旧を国へ働きかけていただきますようお願いいたします。 2番目は、鉄道の復旧、復興についてを質問いたします。 JR豊肥本線及び南阿蘇鉄道の復旧、復興につきましては、国、県から多大な御支援をいただいておりまして、お礼申し上げます。 南阿蘇鉄道については、多額の復旧費に対する国の支援制度の創設と南阿蘇鉄道再生協議会での上下分離方式の導入決定によりまして、会社と地元自治体の負担軽減が図られたことから、全線復旧に向け、工事が順調に進んでおります。 地元町村では、南阿蘇鉄道の豊肥本線乗り入れと豊肥本線の電化についての調査検討も進んでいるようですし、立野駅の周辺整備や県アートポリスによる高森駅のリニューアルなど、定住、観光、防災等のまちづくりの拠点となる駅の整備も進められております。 南阿蘇鉄道の工事完了には、着工から5年程度かかると聞いており、まだまだ時間がかかります。南阿蘇鉄道の全線復旧・復興を早期に実現するため、引き続き、県の強力な御支援をお願いいたします。 そして、JR豊肥本線につきましては、ことし4月に、国、県、JR九州の関係機関によりましてJR豊肥本線復旧連絡協議会が設置され、道路や砂防等の関連工事の連携や調整等について協議がなされたことによりまして、豊肥本線の復旧工事完了及び運転再開が2020年度内の見通しとなったことが、石井国土交通大臣から発表されました。 このことは、熊本地震の被災により豊肥本線が運休となってから3年がたち、今なお通勤、通学、通院など日常生活に多大な支障を受けている阿蘇地域の住民や世界的な観光地である阿蘇を訪れる観光客にとって、非常に明るいニュースとなりました。御支援いただいた関係者の皆様には、改めて感謝申し上げます。 さて、豊肥本線の復旧については、昨年6月に改正された鉄道軌道整備法による補助制度の活用に向け、JR九州と県で協議を進めているとの報道がなされています。 この補助制度は、激甚災害等の場合に、黒字鉄道会社の赤字路線にも適用されるもので、国と地方自治体が、それぞれ復旧費の最大4分の1ずつを負担する仕組みとなっています。 一方で、阿蘇郡市の市町村からは、県に対し、市町村の負担を求めないよう要望もなされております。豊肥本線の早期復旧に尽力される県が、復旧費の問題についてどのように対応されているのか、地元も関心を持っております。 そこで、豊肥本線の復旧に対する財政支援について、どのように対応されるお考えかを知事にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 阿蘇へのアクセスルート回復は、創造的復興に向けた重点10項目の一つであり、豊肥本線の早期復旧について、県は、関連する砂防や治山等の斜面対策を迅速に進めるなど、最大限の協力を行ってきました。 そのような中、昨年6月、激甚災害で被災した赤字鉄道路線の復旧を後押しする改正鉄道軌道整備法が成立しました。その後、同年12月に、同法に基づく補助制度の活用について、JR九州から相談を受け、これまで協議を続けてきました。 約50億円と見込まれる復旧費用について、豊肥本線の運輸収入だけでは賄うことは困難であることから、確実に早期復旧を実現するため、県としても、当該補助制度を活用した支援が必要と考えております。 復旧費用に係る地方の負担については、豊肥本線が九州の横軸を結ぶ重要な路線であり、また、阿蘇地域のみならず、広く県全体の観光や経済活動等で波及効果も高いことから、広域自治体である県において、その全額を負担することを決断しました。 一方、全線復旧後は、豊肥本線の長期的な運行の確保に向けた地元の主体的な取り組みが重要となります。沿線市町村には、JR九州と連携して、地域住民に対する利用促進策の実施や観光客の誘致等に積極的に取り組んでいただきたいと考えています。 今後、補助制度の活用に必要な長期的な運行の確保に関する計画の作成を、地元市町村、JR九州とともに進め、具体的な復旧費用や補助の所要額についても精査してまいります。 豊肥本線は、沿線住民の日常生活に欠かせない交通手段であるばかりでなく、世界に誇る阿蘇への重要なアクセスルートでもあります。県としても、国、地元市町村及びJR九州との連携、協力のもと、一日も早く全線開通を実現し、阿蘇地域が熊本地震前以上ににぎわうよう、全力で取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 蒲島知事からは、本当に大きな決断をいただきまして、本当にありがとうございます。 JR豊肥本線の復旧費の地方負担については、沿線自治体の負担を求めずに、全て県で地方負担分をしていただくということの決断を述べていただきまして、大変ありがたく思っております。これで復旧が加速度的に進むものと思っております。 ただ、復旧しても、利用客が減っては何にもなりません。地方自治体としましても、乗客の増員に向けて努力する必要があると思っております。しっかり取り組んでいきますし、また、地元自治体とも協力しながら、その利用者の増員について図ってまいりたいと思っております。 次に、3番目に、農業用施設の復旧についてをお聞きします。 震災後、中山間地に属する南阿蘇村では、水田の復旧はもとより、農業用水の確保さえままならず、本年も水稲の作付を断念した地域があります。 地震後、長期避難世帯に指定された立野地区は、指定を解除された現在も、地区への帰還率が4割にとどまっております。幹線水路の復旧工事は落ち着いたと聞いておりますが、これから支線水路の復旧がようやく本格化することから、残念ながら、本年度も米づくりを行うことができないようです。 避難を余儀なくされ、農業から離れている間に急に元気を失った人、営農再開の意欲はあっても体力的に難しい人たちが多く、立野地区の農家がどうなるか、心配しています。 そこで、若い人や担い手農家に農地を託すなど、立野地区の将来を見据えた計画を、地元が中心となってしっかりと話し合い、実現に向けた行動が必要と考えます。そのことが、まさに知事が常々おっしゃっておられる、単にもとに戻すのではなく、もとよりさらによくするという創造的復興ではないかと考えます。 また、同村の乙ヶ瀬地区については、工事入札の不調が続き、3度目でやっと契約できたと聞いています。被災当初、急傾斜の農地には、上流からの流木が散乱し、どこが農地なのか山林なのかわからない状態でありました。私も、近くの県道を通るたびに、車をとめて眺めては、本当にもとどおりの農地に戻るのだろうかと落胆しておりました。最近は、工事用の重機も稼働し、何となく復旧に近づいている面影はあるものの、まだまだ地域の全容が見えない状況で、農家の方々も心配しています。 また、西原村の大切畑ダムについては、大切畑ダム復興事務所が設置され、本年度から本格的な復旧工事が始まり、地元も一日も早い完成を待ち望んでおります。 そこで質問ですが、立野地区や乙ヶ瀬地区の復旧の状況はどのようになっているのでしょうか。大規模に被災した大切畑ダムの復旧状況は、さらには、ダムが完成し、農業用水が供給できるまでの間、西原村の農家はどのような営農が考えられるかにつきまして、農林水産部長にお尋ねします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) まず、1点目の立野地区の復旧状況ですが、幹線水路については、県と南阿蘇村が中心となって復旧を進めてきた結果、今月末には通水可能となる予定です。また、支線水路については、村主体で復旧を進めており、通水試験を行い、被災状況を確認しながらの復旧となりますが、本年度末までには完了し、来年には水稲の作付が再開できる見込みです。 このような中、用水路の復旧にあわせて、農地の基盤整備を要望する声が上がっております。県としては、今後、南阿蘇村と連携し、将来の営農を見据えた希望の持てるプランを示すとともに、地元の意見をまとめてまいります。 次に、2点目の乙ヶ瀬地区につきましては、被災した農地と周辺の農地を合わせて地域全体で圃場整備事業に取り組み、区画の拡大や農地集積、新規作物の導入など、創造的復興を進めることとしております。 工事の進捗状況ですが、本年4月から本格的な工事が始まったところであり、年内に整地工事が完了し、営農を再開できる予定です。また、用排水路や農道の工事を進め、来年には水稲の作付が再開できるよう、しっかりと取り組んでまいります。 次に、3点目の大切畑ダムにつきましては、既に水路トンネル工事に着手しており、年内にはいよいよダム本体工事に着手する予定です。令和5年度に工事を完了し、翌6年度には供用開始の見込みです。 最後に、4点目のダムが完成する令和5年度までの西原村の営農についてお答えします。 本年4月には、用水路の仮復旧が完了し、ダムの受益地に水を送ることができるようになりましたが、ダムが完成するまでの間、供給できる量は十分ではありません。 このため、水量に合わせた作付を行っていただくよう、地元と話し合いを重ねた結果、一部ではありますが、今月中には4年ぶりの田植えが行われる予定です。水利用の状況を丁寧に確認しながら、来年以降、少しでも水稲作付の面積をふやしていけるよう努めてまいります。 県としましては、今後とも、阿蘇地域の一日も早い復旧、復興に向けて、全力で取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 農林水産部長から、立野地区あるいは乙ヶ瀬地区、そして西原村の大切畑について御答弁いただきました。 農家にとりまして、いろんな作物がありますけれども、やはり、米づくり農家にとりましては、米づくりができるのが一番うれしいことだろうと思っております。そういう点で、ようやく、まあ乙ヶ瀬地区はまだすぐには無理なようですけれども、立野も何とか本年度中には水路が完成し、あるいは大切畑につきましては、4年ぶりに少しでも田植えができるというような話でありまして、本当に地元としては喜んでいるものと思っております。今後につきましても、早急な復旧に向けて、また頑張っていただきますことをお願いしておきます。 同じく、阿蘇地域の熊本地震からの復旧、復興についての4番目の質問ですが、阿蘇観光の創造的復興についてを質問いたします。 平成28年に発生した熊本地震の発生から3年がたちますが、阿蘇地域の観光は、国道57号、JR豊肥本線等の主要観光ルートが途絶したままであり、阿蘇山も、3年前の大規模噴火など不安定な火山活動により、火口周辺への立ち入りが規制されるなど、厳しい状況が続いております。 ただ、阿蘇山周辺の整備も完了しておりまして、阿蘇広域への観光客は、少しずつながら回復傾向にあるようです。特に、全国的な傾向ではありますが、外国人観光客数は順調に伸びてきております。それと同時に、全国的なこのインバウンドに対しての誘致合戦も起きるのではないかと思われます。 インバウンド対策として、多言語版パンフレットの作成やキャッシュレス化に対応した決済環境の整備等、阿蘇地域でも積極的に進めなければならないと思っております。 昨年、阿蘇地域の7市町村の観光協会が集まって、「日本を代表する観光地としてのASO(阿蘇)」を実現することを目的として、阿蘇広域観光連盟を立ち上げ、活動を続けております。 阿蘇地域には、それぞれの市町村に魅力ある観光スポットやパワースポットがあり、また、体験農場やそば道場など、体験施設があります。それらが連携しながら、観光客が周遊する取り組みが必要かと思います。将来に向けた観光振興にとって、単独の地域で対応することなく、複数の地域が共同し対応することは重要なことと考えております。これからが大事と思っておりますので、県の支援をよろしくお願いいたします。 阿蘇地域は、熊本地震により大変な被害を受け、大きな爪跡も残っているところもあります。県は、熊本地震の教訓等を確実に後世に伝承し、今後の自然災害に生かすとともに、自然環境や文化的資産を生かした観光振興、地域の活性化など、一日も早い熊本地震からの復興を進めるために、震災ミュージアムを設置するとしております。阿蘇地域にも幾つか設置されるでしょうから、震災ミュージアムを取り入れた観光も考えていかなければならないと思います。その対応はいかがでしょうか。 阿蘇地域の観光を創造的に復興させるための県の取り組みを、商工観光労働部長にお尋ねします。  〔商工観光労働部長磯田淳君登壇〕 ◎商工観光労働部長(磯田淳君) 阿蘇地域は、熊本地震からの観光客の回復に時間を要しておりますが、外国人観光客は、個人客を中心に増加傾向にあり、また、県内の外国人宿泊者数の半数以上を阿蘇地域が占めることから、インバウンド対策は極めて重要と考えております。 県では、この秋に開催される国際スポーツ大会も視野に、6言語でホームページを作成するとともに、新たにデジタルマーケティングに取り組み、海外に向け、阿蘇の雄大な自然を中心とした動画配信などを始めております。 さらに、キャッシュレス化に向けた事業者説明会の開催や円滑なコミュニケーションをサポートする24時間多言語コールセンターの運営など、外国人観光客に快適に滞在していただける環境づくりに取り組んでおります。 あわせて、個人の外国人客などをターゲットにした、レストランを備えた宿泊施設の整備に対して補助を行うなど、阿蘇の新たな魅力づくりに取り組む民間事業者を支援してまいります。 そして、議員御指摘のとおり、阿蘇地域には、東海大学阿蘇キャンパスの1号館建物や断層など、回廊型震災ミュージアムを構成する多くの震災遺溝があります。熊本地震の経験や教訓を学ぶ場としての震災ミュージアムや阿蘇火山博物館、阿蘇ジオパークの取り組み等と連携させ、教育旅行の早期回復と誘客促進にも取り組んでまいります。 観光は、阿蘇地域を代表する産業であり、こうしたさまざまな取り組みを通じて、阿蘇地域の周遊性を高めるとともに、熊本地震からの創造的復興がなし遂げられるよう、阿蘇広域観光連盟を初め、地元の皆様と連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) ただいま、阿蘇の観光につきまして、県から大きな支援をしていただくことを表明していただきました。 新しい試みもいろいろとやっていただくようで、特に震災ミュージアムの活用は、阿蘇にとってはどうしても取り入れていかなければならないものだと思っております。ぜひとも活用をお願いしたいと思っておりますし、また、地元の団体がいろんな活動をしておりますけれども、阿蘇ジオパークの取り組みについても、単に地質や地形を守るだけではなくて、地域の活性化のために、その地形、地質を生かしていかなければならないと、それが目的だと思っておりますので、ジオパークについてもしっかりとした支援をお願いしたいと思っております。そして、先ほど1番目に質問しました北里柴三郎記念館も活用しての観光振興に努めていただければというふうに思っております。 阿蘇の地震からの復興の質問を終わりまして、3番目に、中山間地の人口減少対策について質問いたします。 中山間地における持続可能な地域づくりについてを質問いたします。 私が住んでおります南小国町の人口は、昭和55年に5,319人でしたが、平成27年には4,048人と、23.9%減少しております。中山間地の町村の人口減少は全国的な傾向でありますが、仮にこのまま人口減少が進めば、比較的人口規模の大きな町村でも、日常生活に欠かせない商店の閉鎖やバス、鉄道等の交通路線の廃止が進み、人口減少に一層の拍車をかけることが心配されます。 私たちの熊本県には、広大な阿蘇の草原や沃野、豊かな地下水、そして数多くの温泉地などの観光資源と藍より青い有明の海に恵まれ、豊かな農林水産物があります。今後、町村人口の減少が進めば、農林業の従事者不足につながり、農産物の生産量の減少のみならず、田畑や森林が耕作管理の放棄で荒廃し、上流域での雨量によっては、下流域の都市部への大規模な水害が出ることも懸念されます。 各町村では、危機的な状況となった人口減少に対しまして、平成27年より総合戦略を策定し、人口減少を食いとめるため、雇用促進、移住促進、子育て支援若者育成等のプロジェクトに取り組んできました。さきの統一地方選の首長・議員選挙の論戦も、まさにこの人口減少をいかに食いとめるかを述べられていたように思います。 私もその一人ですが、実際に過疎地の山間地を回ってみますと、住民から、数カ月前まで近くにあったお店やガソリンスタンドがなくなり、今では車で片道30分もかけて買い物や病院に行って、非常に不便になったと言われました。昨今、高齢者による自動車の運転が危ぶまれておりますが、免許証の返納もなかなかできない現状を思い知らされました。 こういう買い物や病院に行けない、あるいは高齢化で地域組織の運営が難しいといった課題の解決には、小さな町村単独では、資金的にも人的にも難しい面があり、国や県の支援も必要と思われます。 そこで、1点目の質問ですが、このような過疎地域等で安心して暮らし続けられる地域づくりへの取り組みについて、企画振興部長にお尋ねします。 2点目ですが、地域おこし協力隊と県の支援についてをお尋ねいたします。 中山間地のコミュニティーを支える人材として注目されている地域おこし協力隊ですが、この地域おこし協力隊とは、任期は3年以内で、都市部の住民が、地方自治体の募集に応じてその地域に移住し、地域住民の生活支援や地域の活性化などに取り組む制度で、その経費は、国が特別交付税措置をしています。 総務省の発表によりますと、スタートした2009年度は、31自治体に89人でしたが、10年目の昨年度には、受け入れ自治体は1,061自治体、隊員数は過去最多の5,359人となり、制度開始から10年で60倍にも増加しています。 全国的に見ると、隊員の7割が20代、30代の若い隊員で、全体の4割を女性が占め、地域に大きな刺激を与えています。また、最近は、外国人の隊員もいて、地域のインバウンド対策やグローバル化を支える役を果たしているとも聞いております。 ちなみに、南小国町でも、6年前に2名の女性が地域おこし協力隊として移住され、地元の女性グループと連携しながら、特産品開発や林業振興に取り組んでいただきました。その後、地元の若者と結婚し、出産、子育て、仕事に励んでおられ、地域おこし協力隊のモデルになるような活躍をされています。町には、現在も3名の隊員が在籍し、それぞれに活躍されています。 地域おこしは、よく、よそ者、若者が大事と言います。そのよそ者を派遣してくれるこの制度は、地方にとっては大変ありがたい制度と思っております。 しかし、受け入れ自治体や隊員数がふえてくると、問題もふえてくるのが常であります。自治体の担当者や地域住民とのコミュニケーションがうまくとれず、こんなはずではなかったと、任期途中で帰ってしまうケースもあると聞いております。そうならないためにも、受け入れ自治体、住民、民間団体など地域全体が連携し、隊員を支えることも大事だと思います。 この制度は、利用する自治体の事業ではありますが、県の支援を必要とする面もあるかと思いますので、県の対応について、企画振興部長にお尋ねします。  〔企画振興部長山川清徳君登壇〕 ◎企画振興部長(山川清徳君) まず、中山間地における持続可能な地域づくりについてお答え申し上げます。 これまでも、国において、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、生活支援機能を集約、確保したり、地域資源を活用して仕事、収入を確保する、小さな拠点づくりの取り組みが進められてきました。 県内市町村においても、国の交付金等を活用し、高齢者の見守り支援や保育園跡を改修した加工品の販売拠点整備などに取り組まれています。また、県でも、集落サポートプロジェクト事業により、市町村が実施する買い物支援やコミュニティーバス運行等に対する支援を強化しております。 今後も、国や市町村など関係機関と連携し、中山間地の皆様が住みなれた地域で安心して暮らし続けていけるよう、集落等の維持、活性化の取り組みを全力で進めてまいります。 次に、本県における地域おこし協力隊の活動状況と県の支援についてお答え申し上げます。 平成21年度の制度創設以来、本県の隊員数も全国と同様にふえ続けており、昨年度は、36市町村で137名の隊員が地域おこし活動や農林水産業などに従事しております。 しかしながら、議員御指摘のとおり、制度の理解不足や市町村担当者とのコミュニケーション不足など、課題があるのも事実です。そのため、県では、協力隊の円滑な活動につながるよう、隊員や市町村担当者を対象とした研修会を開催し、制度の周知徹底やモデル事例の紹介などを行っております。 さらに、今年度からは、協力隊OB、OGのネットワークを構築し、サポート体制を強化するとともに、隊員の定住促進に向けて、任期後の起業や就業のためのセミナー開催などにも取り組んでまいります。 また、国においては、協力隊のさらなる拡充を目指した取り組みが進められております。県としましても、首都圏などで開催する移住関連イベントを活用し、新たな隊員の掘り起こしを行うなど、協力隊の人材確保に向けて、市町村と連携、協力しながら、しっかりと取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 高齢者の方は、やはり住みなれた地域に住みたいものです。その方々が安心して暮らせますよう、市町村と県が連携しながら、何とか住み続けられるよう支援していってほしいと願っております。 それから、地域おこし協力隊ですが、やはりいろんな方と――数がふえてきてからは、協力隊のOB、OGの方々とのネットワーク構築をしながら、みんなで支えていく取り組みも必要だろうと思います。よろしくお願いしたいと思います。 4番目の質問ですが、森林経営管理制度について質問いたします。 昨年、平成30年5月25日、新たな法律である森林経営管理法が可決、成立しました。そして、本年4月1日に施行され、林業の成長産業化の実現と森林資源の適正な管理の両立を図る森林経営管理制度がスタートしました。 この制度の財源となる森林環境税は、我々県議会議員や中山間地の市町村長、議員が、長年協働して国に要望してきたもので、ようやく実現した制度ですから、健全な森林を育てて、地域の活性化に役立てていきたいものです。 我々の長年の思いが結実した森林環境税は、2024年度から、個人住民税に上乗せして1人当たり1,000円を徴収し、私有林人工林の面積や林業就業者数、人口に応じて地方公共団体に配り、放置された森林の整備費用や間伐のための基盤整備に充てることとなります。 本年度から徴収開始までの5年間は、国の特別会計の予算を原資としながら、森林環境譲与税として都道府県や市町村に配分され、2024年度に森林環境税が創設された後、一部の税収を特別会計に返す仕組みとなっております。 人口要件が入ったことで、森林が少ない市町村でも交付金は多額になるところもあるようですが、都市部であっても、木材利用という形で森林の整備に貢献できますので、効果的な活用を促していってほしいと思っております。 さて、森林経営管理法が施行されてまだ2カ月ですから、まだ、県から市町村への制度の説明がされ、山主の調査を始めようとしている段階で、まだ課題は上がっていないかもしれませんが、現在の状況と市町村に対する県の支援について教えていただければと思います。 また、森林経営管理制度によると、所有者がわからなくても森林の整備ができる方法もあると聞いておりますが、どういう仕組みかもお聞きします。 今でも、林業作業員が少ないため、森林組合や林業事業体に間伐を依頼しても、半年待ちの状態です。この制度で、間伐、伐採、植林、下刈りが盛んになれば、ますます人手不足になりはしないか心配です。 山を守る人の高齢化と山村の人口減は著しく、対策を急がなければなりません。今のうちに人材育成をして作業員を確保しなければ、森林管理もできないと思いますが、県の取り組みを農林水産部長にお尋ねします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) 森林経営管理の確実な実施のためには、森林所有者に対する、みずから経営管理を行うかどうかの意向確認が不可欠であり、県では、昨年から、市町村へ実施体制の構築や調査手法などをアドバイスするとともに、この4月には、相談デスクも設置しております。 市町村の現在の取り組み状況についてですが、新たな担当職員の雇用など実施体制を整えつつ、意向調査の対象となる森林の抽出や意向調査の順番を決める作業等が進められており、既に意向調査票を送付した市町村もあります。 今後は、森林情報を一元的に管理する森林クラウドシステムや森林整備の事業発注に備えた設計積算システムの開発にも取り組んでまいります。 次に、所有者不明の森林につきましては、特例が法律に設けられ、市町村が所有者を探索してもなお不明な場合は、市町村の公告及び県知事の裁定の手続により、市町村による森林整備が可能となります。 最後に、人材育成につきましては、本年4月に、九州初となるくまもと林業大学校を開校し、即戦力の人材を育成していくとともに、新たな森林管理システムを担う意欲と能力のある林業経営者の育成を図るため、木材の生産性の向上につながる林業機械の導入を支援してまいります。 森林経営管理制度が円滑に運営され、林業担い手が活躍し、本県林業が持続的に発展できるよう、しっかりと取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 答弁ありがとうございました。 森林クラウドシステムや設計積算システム等は、市町村ではなかなか難しいと思います。県でしっかりその辺を整備して、支援をしていただきたいというふうに思っております。このシステムを利用して、担い手育成が図られ、林業が活性化するよう、今後もしっかり指導をお願いしたいと思っております。 これで質問を終わらせていただきますが、今回は、執行部の、知事を初め、本当に前向きなお答えが多かったように思います。本当に心からお礼を申し上げ、質問を終わらせていただきます。また、皆さんの御協力、ありがとうございました。(拍手) ○副議長(田代国広君) 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。  午後0時7分休憩    ――――――○――――――  午後1時9分開議 ○議長(井手順雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 早田順一君。  〔早田順一君登壇〕(拍手) ◆(早田順一君) 皆さん、こんにちは。自由民主党・山鹿市選出の早田順一でございます。 きょうは、一般質問最終日の最後でございます。私、思ったのが、今回の一般質問で1期生の方々が2名質問をされました。当選されてすぐの議会で質問をされたということで、本当にその勇気に敬意を表したいというふうに思っております。私も、4期目初めての質問でございますが、いまだに緊張しておるわけでございます。皆さん方の初々しさに負けないように、しっかりと質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 それではまず、地方創生及び熊本の活性化に向けた国への期待について質問をいたします。 国における地方創生、地域活性化の推進では、「アベノミクスの成果を全国津々浦々まで」「浸透させ、地域においても成長と分配の好循環を実感できるよう取り組む」こととされており、また、地方への新しい人の流れをつくるため、さまざまなライフステージに応じた移住や交流など、地方創生の充実強化を推進されています。 第1期まち・ひと・しごと創生総合戦略は、平成31年度までを対象期間とし、地方創生の取り組みを推進するため、地方公共団体への情報支援、人材支援、そして1兆円のまち・ひと・しごと創生事業費などの財政支援、いわゆる地方創生版三本の矢による支援により進められてきました。 しかし、全国的に見ても、東京一極集中は、人口減少や地方の疲弊の原因となっており、地方創生の取り組みが進められている中でも歯どめがかからず、逆に加速しているのが現状です。 県民1人当たりの平均所得等を見ても、東京と地方との格差は縮まっておらず、ちなみに、平成27年度における熊本県の平均所得は、全国で40位となっています。 これらの状況を是正するために、企業、大学、研究機関、政府関係機関などの地方移転や移住・定住政策など、地方ヘの新たな人の流れをつくる取り組みの強化が求められています。 このような中で、本県における一番の最重要課題は、熊本地震からの復興と仮設住宅にお住まいの方の生活再建ではありますが、本県全体として地方創生を考えたときには、例えば、本県独自の若者の県外流出に歯どめをかける県と企業が協力して支援する奨学金返済制度など、さまざまな取り組みがなされてきました。 しかしながら、他県の状況と同様に、本県においても、若者の県外流出などによる社会減の現状は、改善されないままです。 そこで、最終年度を迎える第1期まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく国の取り組みについて、知事としてどう評価されているのか。 また、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略については、今後5年間の指針となる基本方針案が示され、具体例として、関係人口の創出、拡大、企業の本社機能移転の強化、地方公共団体を対象とした民間人材の派遣などが挙げられていますが、2点目として、今後の第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略に関して、知事が国に期待することは何か。 3点目に、東京一極集中の是正や人口減少対策、地方の活性化等については、蒲島知事も、これまでの取り組みの中で、抜本的に解決することの難しさを感じておられるのではないかと思いますが、このような中で、知事として、国に対してどのような政策を望まれるのか。 以上3点について、知事としての考えをお尋ねいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、国の第1期総合戦略への評価についてお答えします。 第1期総合戦略は、今年度までの5年間で、東京圏への一極集中を是正するなどの目標を掲げ、さまざまな政策を展開しています。 例えば、まち・ひと・しごと創生事業費による地方財政措置や地方自治体の自主的で先導的な事業を支援する地方創生推進交付金等が創設されました。また、東京23区の大学の定員増を原則10年間認めないとしたほか、東京圏からのUIJターン就職や起業に最大300万円の個人給付を行うといった、踏み込んだ政策も始まっています。 しかし、このような政策が講じられても、我が国の人口減少や少子高齢化、東京都への一極集中の流れは、現時点では歯どめがかかっておりません。それは、限られた人材を地方同士で取り合っている状況にあり、必ずしも有効な打開策までに至っていないと受けとめています。 次に、第2期総合戦略、さらには今後の国における政策への期待についてお答えします。 私は、熊本地震からの創造的復興が地方創生につながるとの思いで、阿蘇くまもと空港の創造的復興やアクセス鉄道の整備、八代港のクルーズ拠点の形成などを進めてきました。また、九州の東と西を結ぶ経済の道、命の道としての中九州横断道路や九州中央自動車道の整備も着実に進んでいます。これらは、熊本の将来の礎となる取り組みであり、熊本の創生への種になると確信しています。 国においては、このような頑張る地方、工夫する地域の特色ある取り組みについて、引き続き強力に後押ししていただきたいと考えています。 一方で、私は、人口減少や東京一極集中の流れは、日本の構造的課題であると考えています。これを克服するため、国には、総力を挙げて、真に地方創生をなし遂げる気概を持って取り組んでいただく必要があると思っています。 フランスやスウェーデンでは、早期に国策として少子化対策を強化したため、出生率が大幅に回復し、困難な状況を脱却した事例があります。 また、我が国においては、高度成長期の大胆な構造改革により、日本を世界有数の大国に導いた実績があります。 ぜひ、国には、この逆境を乗り切るため、地方創生への確かな道筋をつけることができる抜本的な政策を講じていただきたいと思います。 安倍首相が発言されているように、元気な地方なくして日本の再生はありません。県としても、国と協働しながら、熊本、我が国のさらなる発展に向けて、総力を挙げて取り組んでまいります。  〔早田順一君登壇〕 ◆(早田順一君) ただいま知事のほうから御答弁をいただきました。 第1期総合戦略の評価につきましては、東京一極集中を是正するために、さまざまな政策を展開されているけれども、限られた人材を地方が取り合っており、有効な打開策には至っていないと受けとめているとのことでございました。このことは、おおむね皆さん方も感じておられることではないかなというふうに思っております。 第2期総合戦略への国への期待につきましては、熊本地震からの創造的復興が地方創生につながるとの思いで、阿蘇くまもと空港、八代港のクルーズ拠点の形成など、熊本の将来の礎となる取り組みであり、熊本の創生への種になると確信をしているということで、国に対しては、引き続き力強い支援を求めていくということでございました。 しかし、知事がおっしゃるように、人口減少や東京一極集中の流れは、日本の構造的課題だと私も思っております。このことをやはり克服するためには、国が総力を挙げて、真に地方創生をなし遂げる気概を持って取り組んでほしいこと、それから、この逆境を乗り切るために、地方創生の確かな道筋をつける政策を講じていただきたいこと、蒲島知事から安倍総理に対して、力強いメッセージが私は発せられたんじゃないかなというふうに思っております。 蒲島知事におかれましては、これから、九州知事会、あるいは全国知事会、そういった場でしっかりとこの地方の声というものを届けていただければと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、海外の活力を取り入れるための海外戦略についてお尋ねをいたします。 平成24年2月議会の一般質問において、アジア戦略について質問いたしましたが、このとき、知事から、経済発展著しいアジアの活力を本県に取り込むことが重要であり、そのために部局の枠を超えた総合的な戦略を推進する体制を構築していきたいとの答弁をいただきました。 その後、翌年の平成25年6月には、全庁横断的に協議を行う海外展開推進本部が設置され、これまで取り組んでこられました。 そこで、まず1点目に、本部長である小野副知事に、これまでの取り組みと成果についてお尋ねをいたします。 2点目に、今後、日本国内は、人口減少などにより消費が縮小していくことが予想されています。一方で、昨年のアジアから日本への観光客数は約2,700万人で、前年比8.3%増、さらに、日本食ブームで、日本食レストラン約6万9,000店と、2015年から約5割増になっています。 県内を取り巻くこれらの国内外の情勢を勘案すると、日本の約5倍、人口約6.5億人の経済規模を有するASEANを筆頭に、伸び行くアジアへの戦略を強化する必要があると考えますが、今後の取り組みについてお尋ねをいたします。 3点目に、株式会社あつまる山鹿シルクなど、ブランド価値が高いヨーロッパへ、商品のブラッシュアップを進めながら展開されている県内企業があります。ヨーロッパで商品が認められれば、日本だけでなく、アジアでも消費拡大が望めるのではないかと思いますが、今後、ヨーロッパを初め、アジア以外の地域へ展開していく県内企業への支援について、どのように考えているのか。 以上3点、小野副知事に答弁をお願いいたします。  〔副知事小野泰輔君登壇〕 ◎副知事(小野泰輔君) まず、熊本県海外展開推進本部でのこれまでの取り組みと成果についてお答え申し上げます。 推進本部は、アジアに打って出る、アジアから呼び込むことを戦略の柱として、販路拡大支援、誘客促進、交流拡大など、さまざまな海外展開施策を、関係部局で緊密に連携しながら推進してまいりました。 その結果、直近の数値では、農林水産物の輸出額は、復旧・復興4カ年戦略の目標値を超える53億9,000万円に達してございます。また、くまモン関連商品の海外販売額も42億2,000万円と着実に伸びてきております。さらに、誘客促進の面で、国際定期航空路線の拡充とあわせて、インバウンド誘客策を実施したことなどによりまして、外国人宿泊客数は、推進本部設置当初と比較しますと、倍の98万2,000人に増加するなど、経済交流が活発化してきております。 さらに、交流拡大の面で、新たに台湾・高雄市やインドネシア・バリ州とのMOU締結を通して、観光、教育、農業などの分野で具体的な交流が進展しております。 これらの成果は、推進本部を通じ、関係部局が連携して取り組んだことによるものであり、熊本地震の影響による大きな落ち込みはございましたけれども、目に見える形でアジアの活力を取り込めているものと感じております。 次に、アジアへの戦略の強化についてでございますが、議員御指摘のとおり、さらに成長を続けるアジアとの交流の重要性は、ますます高まっていくものと認識しております。 今後も、商品ブラッシュアップや販路拡大による支援、今年度新たに取り組みますデジタルマーケティングによる誘客促進などを推進してまいります。 また、元来、主に農林水産物の輸出窓口としての役割を果たしていました香港事務所に今年度から国際線振興業務を加え、機能を拡充させました。他の2つの海外事務所とあわせて、関係部局がこれらを最大限に活用することで、アジアの活力を積極的に取り込み、震災からの創造的復興の推進力にしてまいります。 最後に、アジア以外の地域へ展開していく県内企業への支援についてでございますが、例えばヨーロッパは、輸送コスト、輸入規制、文化や嗜好の相違など、市場としての難しさがございます。その反面、議員御指摘のとおり、そこで評価を受けると、ブランド価値が向上し、日本やアジアでもマーケットが広がっていくことが期待されます。 近年、フランスの日本酒品評会で県内の酒蔵が表彰されるなど、ヨーロッパへチャレンジする県内企業がふえてきております。 県としましては、企業のニーズを生かし、国際スポーツ大会を契機として、フランスやドイツで開催される展示会への出展も支援しているところでございます。 引き続き、ジェトロなどと連携をいたしまして、ヨーロッパを初め、世界へ挑み、世界を開いていく県内企業を支援してまいります。  〔早田順一君登壇〕 ◆(早田順一君) ただいま小野副知事のほうから御答弁をいただきました。 海外推進展開本部が立ち上げられまして6年目を迎えるわけでありますけれども、外国人宿泊者の増加、あるいはくまモン関連を初め、私も目に見えて成果が出ていると思っております。 ただ、先ほども申し上げましたけれども、国内の人口減少による消費の減少を考えると、今の経済を維持していくためには、発展していくASEAN諸国にさらに力を入れる必要があると思っております。 今後、デジタルマーケットなど新たな取り組みや、ヨーロッパを初め世界へチャレンジする企業を支援していくということでありますけれども、現在の部局の枠を超えて取り組まれている海外展開推進本部では、もう限界が来ているのではないかというふうに私は感じております。 総合的な戦略や連絡調整がさらにとりやすくなるように、海外推進展開本部からあと一歩踏み込んだ組織の体制を考える時期に来ているのではないかと考えております。これは御要望でありますけれども、次のステップに移っていただける御検討をぜひしていただければというふうに御要望申し上げます。 続きまして、外国人材から選ばれる熊本農業についてお尋ねをいたします。 本年4月、新たな在留資格、特定技能が設けられ、本県においても注目されている外国人材の受け入れについて質問をいたします。 県の有効求人倍率は、ことしの4月現在で1.63倍と、熊本地震後のピークほどではありませんが、依然高い数字を示しています。中でも、農業現場での労働力不足問題は、これまで、県議会としても、たびたび取り上げてきました。 昨年6月定例県議会では、渕上議員が、施設園芸における労働力不足について質問され、農林水産部長からは「国内人材の効率的な活用と外国人材の受け入れによって、必要な労働力」を確保すると答弁されました。 ことし2月定例議会では、溝口議員が、外国人材受け入れの新たな展開について質問され、農林水産部長から「即戦力として外国人材を受け入れ、地域に溶け込み、安心して就労できる環境整備を、スピード感を持って進める」と答弁されました。 また、県では、外国人材の受け入れと育成の必要性を掲げるとともに、新たな在留資格、特定技能制度については、国の施策等に関する提案など、機会あるごとに、国に対し、現場の実態に則した制度となるよう要望されてきました。 このような中、農業においては、現場から強い要望があった集出荷、選別業務が明記されましたし、季節性など農業の特性に配慮がなされ、従事可能な関連業務の範囲も柔軟な内容となっています。業務としては、ほぼ本県の要望に沿ったものになったことに一安心しています。 一方で、技能実習生をめぐる賃金不払いや悪質な仲介業者などの問題が表面化する中、新たな制度では、技能実習制度が抱えてきた人権などの諸問題に対し、外国人に対する支援がより厳格に法律で規定をされました。 特定技能外国人材を受け入れるためには、住居確保、生活に必要な契約支援、相談、苦情への対応、生活ガイダンスなど、外国人の支援義務が課せられています。 例えば、技能実習生が特定技能外国人に移行した場合、実際問題として、これらの支援義務を、これまで技能実習生を受け入れていた農家みずからが果たせるのでしょうか。 今後、外国人材の受け入れは全国規模で増加することが見込まれ、都市部と地方の賃金格差や、宿泊や外食など他産業との競争が激化することが予測されるなど、外国人材をめぐる地域間競争が懸念されています。 そんな中、本県農業現場での就労に魅力を感じてもらうためには、暮らしやすさ、地域とのコミュニケーションなど、熊本らしい受け入れ環境をつくることが重要であると思います。 これから、優れた外国人材を確保し、外国人材から選ばれる熊本農業になるために、県としてどのように取り組んでいかれるのか、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) 本県の農業現場における外国人材の確保についてのお尋ねですが、新たな在留資格は、試験合格者または技能実習2号修了者が対象となっています。幸いにして、本県には、現在、農業分野の技能実習生が約3,000名おられますので、この中から、農業者から信頼され、本人自身も熊本を気に入っておられる方を確保することが最も有効であると考えています。このため、監理団体として技能実習生を実際に受け入れているJAを中心に、人材確保が進められています。 また、議員御指摘のとおり、外国人材を受け入れる際には、住宅確保や相談、苦情への対応など、さまざまな支援を行うことが求められています。そして、こうした支援をみずから行えない農家やJAは、出入国在留管理庁が登録する登録支援機関に委託する必要が生じてまいります。 そのため、熊本の農業に精通し、農家側と外国人側の双方から安心して頼られる登録支援機関の設立が不可欠であると考えております。 そこで、現在、県内のJAグループでは、9月ごろの受け入れ開始を目指し、登録支援機関の設立準備が進められています。この機関では、技能実習生の監理団体であるJAの経験と社会保険労務士等の専門知識、さらにはJA中央会のコーディネート力により、充実したサポート機能を発揮することが期待されており、県は、設立に向けた手続を積極的に支援しているところです。 また、地域間競争に負けない熊本らしい受け入れ環境づくりに向けては、実際に外国人材を受け入れる地域において、関係する市町村やJA、農業者等で協議会を設立していただき、県では、地域が一体となって取り組む生活環境づくりや交流促進などをきめ細やかに支援することとしております。 さらに、農業大学校では、新たに完成した研修交流館において、農業に関する高度な技術や知識を習得するための講座を設け、将来的には進学や農業経営者として活躍できるよう支援したいと考えております。 今後とも、意欲ある外国人材に就労先として選ばれ、農業者と外国人材がウイン・ウインの関係を構築し、熊本農業がさらに発展するよう、しっかりと取り組んでまいります。  〔早田順一君登壇〕 ◆(早田順一君) ただいま農林水産部長から御答弁をいただきました。 現在、県域からの相談にも対応できるように、JAグループによる登録支援機関の設立準備を進められ、今月には入国管理局へ申請し、9月ごろの受け入れを目指しているということでございました。県として、登録支援機関の設立手続を積極的に支援されているということでございます。 現在、本県の農林業の技能実習生数は、全国で茨城県に次いで2番目に多い約3,000人を受け入れられており、そのうち、県の調査によりますと、約420人がJAで受け入れられ、100人が3年目を迎えられます。おおむねこの100人の方たちが特定技能の対象になるのではないかと思いますので、設立の支援にとどまることなく、設立後も支援をしっかりとしていただき、サポート機能を充実させていただきたいというふうに思います。 また、外国人材を受け入れる地域の課題解決の支援もされるということで、日本人と外国人が安心して安全に暮らせる社会の実現に向け、万全な受け入れ体制で、外国人から選ばれる熊本農業を目指して取り組んでいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、登下校中及び通学路の安全対策についてお尋ねをいたします。 昨年5月、新潟市で、下校中だった小学2年生の女児が殺害された事件を受け、政府において、通学路の安全強化策、登下校防犯プランがまとめられました。 本県でも、このプランに沿って、警察、学校、地域住民、自治体、保護者等が協力することで、地域の連携を強化し、児童の登下校時の安全対策に取り組まれています。 一方、先月、川崎市では、徒歩通学よりも安全と考えられていたスクールバスを利用する児童たちが標的となり、報道によると、20人が殺傷されるという痛ましい事件が発生いたしました。 児童の安全を100%保証することは極めて困難であり、少しでもリスクを減らすための対策が必要ですが、当然、学校だけの力では安全対策に限界があり、警察や地域の力、そして自治体の力も重要になってくるのではないかと考えます。 また、大津市では、散歩中だった保育園児らの列に車が突っ込んだ痛ましい事故が発生いたしました。 本県においても、平成23年7月に、登校中の児童が車両にはねられて死亡する事故が発生しましたけれども、この事故を受けて、本県では、平成24年度に、県警、土木部、教育委員会の3者で通学路の共同点検を実施し、信号機、横断歩道、ガードレールの整備や通学路の見直しなどの対策がとられました。 学校の統廃合等もありますので、随時、通学路の点検等の安全対策に取り組んでおられることと思います。 そこで、昨年1年間の登下校時における歩行中の幼児から高校生まで、どれくらいの交通事故が本県で発生しているのか、警察本部長にお尋ねいたします。 次に、この川崎市、大津市の事件、事故を受け、登下校中及び通学路の安全を確保するためには、ソフト面及びハード面の対策が必要と考えますが、今後どのような取り組みをしていくのか、警察本部長及び教育長に、それぞれお尋ねをいたします。  〔警察本部長小山巌君登壇〕 ◎警察本部長(小山巌君) まず、登下校時における交通事故の現状についてお答えします。 昨年中、高校生以下の生徒等で、登下校の際、歩行中に交通事故に遭い死傷した方は42人おられ、このうち小学生は36人と、全体の8割強を占めています。 次に、2つの事件、事故を踏まえた安全対策についてお答えします。 1点目は、交通安全対策についてです。 県警察では、これまで、主に小学生の通学時の安全対策の観点から、関係機関等と通学路の合同点検を実施し、交通安全施設等の整備を行ってまいりました。 しかし、今回の大津市の事故は、散歩中の園児が被害者となりました。このため、道路管理者や学校関係者、さらに、必要に応じて幼稚園等の職員と、散歩コースを含めた合同の緊急道路点検を実施しているところです。 点検の結果、横断歩道の補修など警察が実施すべきものについては、早急に改善措置を行うこととしております。また、安全柵やガードレールなどの安全施設の設置については、道路管理者において対応されるものと承知してございます。 このほかにも、引き続き、関係機関と連携し、交通安全教育や各種メディアの活用による交通安全意識の啓発のほか、通学路における交通指導取り締まりなどを行ってまいります。 2点目は、防犯対策です。 県警察では、議員御指摘のとおり、登下校防犯プランに基づき、登下校時における子供の安全を確保するため、主として、見守りの空白地帯を生じさせない、つまり、子供をひとりにしないことを主眼に置いた取り組みを推進してまいりました。しかし、今回の川崎市の事件では、スクールバスの停留所に集まった子供たちが襲撃されました。 このため、県警察では、集団登校の集合場所など登下校の際に子供が集まる場所においてもパトロールを強化し、不審者に対しては職務質問の強化を行っております。 また、今後も、ゆっぴー安心メール等をタイムリーに発信することで、学校との情報共有及び地域住民の防犯意識の高揚に努めるとともに、声かけ事案等の行為者に対する検挙、警告等の先制・予防的活動を推進してまいります。加えて、通学路への防犯カメラの設置促進等のハード面の施策も継続的に推進してまいります。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 登下校中及び通学路の安全対策について、県教育委員会における取り組みをお答えします。 まず、現在の取り組みですが、各学校では、児童生徒がみずから危険を予測し、回避できる能力を育む安全教育に取り組んでおります。また、地域においても、防犯ボランティアの方などの協力のもと、登下校中の安全確保に努めていただいております。 さらに、市町村においても、児童連れ去り事件等への対策などを明記した登下校防犯プランや道路危険箇所の点検、整備などを示した通学路安全対策プログラムに基づき、安全確保が図られているところです。 そのような中、今回、子供たちのとうとい命が奪われるという痛ましい事件、事故が発生いたしました。これを受けまして、県教育委員会では、事件当日に、登下校中の安全確保に関する通知を、各市町村教育委員会及び各県立学校長等に対して発出をいたしました。 その中で、本県児童生徒が被害に遭った交通事故事例を活用した具体的な安全指導や先ほどの登下校防犯プラン等の徹底、さらには、交通事故などのあらゆる学校事故を未然に防ぐ備えなどを示した危機管理マニュアルの見直しを図るよう、周知徹底を図ったところであります。 今後は、これらの取り組みに加えて、事件、事故へのリスクを少しでも減らすため、次の3点に取り組みます。 1点目は、現在、警察や道路管理者と連携して実施している緊急合同点検の結果を踏まえ、関係機関と協議の上、さらなる安全対策を図ります。 2点目は、全ての小中学校において、主に交通の危険箇所を示した通学路安全マップに防犯の視点を加えて見直すなど、安全教育の一層の推進を図ります。 3点目は、従来から行っている子供がひとりになりやすい場所への見守りに加え、子供たちが集まる場所においても、防犯ボランティアの方をふやしたり、スクールバスへの乗りおりの際の保護者等による付き添いの徹底について協力を求めてまいります。 今後も、学校、家庭、地域、警察等の関係機関が緊密に連携し、登下校中及び通学路の安全確保の徹底に向けて、全力で取り組んでまいります。  〔早田順一君登壇〕 ◆(早田順一君) 今警察本部長、それから教育長のほうから御答弁をいただきましたけれども、警察本部長からは、登下校時における交通事故件数が、平成30年から高校生以下で死傷者が42名、このうち小学生が8割以上の36人ということで、圧倒的にやっぱり小学生が事故に遭っている事例というのが発生をしているようでございます。これは、恐らく全国的にも同じような傾向じゃないかなというふうに思っております。 先ほどからおっしゃっているように、徹底した安全対策、そのことが一番だろうというふうに思いますけれども、いつもテレビ等を見ておりますと、大きな事故とか事件が発生すると、国からそれぞれ通達が来て、全国的に登下校の交通安全点検見直しとかパトロール強化というような実施をされるわけでございます。やはり事故が起こってから早急にいろんな点検をされるわけでありますけれども、これを忘れることなく、常に子供たちのことを思って取り組んでいただくことがやっぱり大事だろうというふうに思っております。 これまで、交通安全対策、防犯対策をとられ、対応されているようでありますけれども、本当に思いもよらない事件、事故が発生している現状でございます。 先ほども申し上げましたように、100%大丈夫はありません。今後、通学路安全マップに防犯の視点を加えて見直すなど、安全教育の推進を図っていかれるということでございますので、私学も含めて、警察、教育委員会が中心となり、関係機関との連携をさらに強化して取り組んでいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、近年の豪雨被害を教訓とした住民避難対策についてお尋ねをいたします。 近年、梅雨時期の集中豪雨、台風で、土砂災害や洪水リスクの危険が高まっています。 平成29年の北部九州豪雨、昨年の西日本豪雨など、多くのとうとい命が失われましたが、今回、国において、気象庁や市町村が発表する避難などの防災情報を5段階の警戒レベルにより提供することとされました。これにより、発表された防災情報の意味を住民の方々が直感的に理解し、自主的な避難行動が促進されることが期待されるところでございます。 (資料を示す)具体的には、スクリーンをごらんいただくと、例えば、警戒レベル3、高齢者や障害のある方、乳幼児などが避難を開始する、警戒レベル4は、市町村の避難勧告等が発令された状況で、全員安全なところに避難をする、そして最高レベルとなる警戒レベル5は、既に災害が発生した状況で、命を守る最善の行動をとるとなっています。 県内では、土砂災害に関しては、土砂災害警戒区域、イエローゾーン約2万1,000カ所と、特に著しい被害が生じる危険がある土砂災害特別警戒区域、レッドゾーン約2万カ所について、平成30年3月末までに区域指定が終了しましたが、さらに、熊本地震の調査により、新たに約6,000カ所が該当することが判明し、令和5年までの指定を目指されているところです。 レッドゾーン、イエローゾーンには、約11万戸の住宅が存在しており、より危険度が高いレッドゾーン内に住まわれている方もおられます。新たな箇所を入れると、さらに危険箇所にある住宅はふえるのではないかと思います。 また、洪水に関しては、益城町、嘉島町、阿蘇市において、熊本地震後に引き下げられた洪水警報、注意報の発表基準が継続されるなど、一部の市町村では、熊本地震後の水害への警戒度が強められた状態が続いています。 このように、熊本地震後に地盤が緩み、洪水のリスクが地震前より高まっている中、自治体は、最大限の避難時の情報と行動を明確に住民の方々に伝える必要があります。 今回の大雨・洪水防災情報の5段階の警戒レベル導入を受けて、避難の判断材料がわかりやすくなったと思いますが、逆に、警戒レベル1と2までなら避難しなくても大丈夫と判断されるおそれもあるのではないでしょうか。 自治体の地域の特性によって、警戒レベル2までなら大丈夫な場所とレッドゾーンなど危険かもしれない場所などが存在するため、国の避難勧告等に関するガイドラインでは、市町村において発令対象地域を指定するなど、きめ細やかな避難発令を行うことが求められています。 避難勧告等の発令を判断するのはあくまでも市町村ですが、今回の5段階警戒レベル導入を幅広く県民に知ってもらい、実際の避難行動につなげるために、県として今後どのような取り組みをされるのか、知事公室長にお尋ねをいたします。 2点目に、今後、警戒レベルの5段階区分が運用され、住民の方々にわかりやすく情報が示されることになりますが、避難行動の実効性を高めるためには、住民の方々の防災意識の向上を図る必要があるのではないかと思います。 昨年の西日本豪雨の際には、自主防災組織がうまく機能した地域では、近隣の住民が近所の高齢者の避難を促し、早目の避難ができたと聞いています。 一方で、避難指示が発令されている状況にあっても、実際に避難行動をとった住民はごく一部であった地域が見られるなど、自助、共助の意識が十分でなかった点も指摘されたところです。 このことから、自助、共助の取り組みを進め、日ごろから住民の方々が災害リスクを意識することが重要であると考えます。 また、共助の取り組みでは、各地域における自発的な防災活動について定めた地区防災計画の策定が、防災意識を高める上で有効と考えます。 この計画は、住民主体のボトムアップでつくる防災計画で、2014年から制度がスタートしていますが、策定の義務はなく、全国的に見ても取り組みが進んでいない状況です。 国土交通省の有識者会議では、都道府県や市町村が策定する地域防災計画と地区防災計画を組み合わせることで、避難の実効性が高まると指摘されています。 これらの課題を踏まえ、避難情報の受け手としての県民の防災意識を高め、本県の安全、安心の向上を図るため、県としてどのような取り組みをされるのか、知事公室長にお尋ねをいたします。  〔知事公室長白石伸一君登壇〕 ◎知事公室長(白石伸一君) まず、1点目の5段階警戒レベル導入への対応についてお答えいたします。 今回の見直しは、平成30年7月豪雨において、避難勧告などの情報の意味が住民の方々に十分に理解されなかったことなどを受けまして実施されました。 この新しい制度が有効に機能するためには、避難情報を発信する市町村と受け手となる住民の双方が、警戒レベルの意味をしっかりと認識した上で、適時的確な対応をとることが重要でございます。 そのため、県では、市町村に対し、4月に新制度の説明会を実施するとともに、土砂災害警戒区域や浸水想定区域など各地域の特性を考慮したきめ細かな避難勧告等の発令を行っていただくよう、助言をいたしたところでございます。 また、県民の皆様には、今回の新たな5段階の警戒レベルと避難行動の内容について、県のホームページやツイッターでお知らせするとともに、今月中に各戸配布予定の「県からのたより」でも周知する予定でございます。さらに、市町村においても、ホームページや広報誌などで制度の周知がなされております。 今後も、このような取り組みを継続しながら、避難情報に応じた県民の皆様の主体的な避難行動につなげてまいります。 次に、2点目の県民の防災意識の向上についてお答えいたします。 県では、これまでも、熊本地震や東日本大震災など過去の災害の教訓を踏まえ、県民の防災意識の向上を図り、県民みずから命を守る行動を実践できるよう、自助、共助の取り組みを強化してまいりました。 具体的には、避難する際の留意点などを記載した防災ハンドブックの全戸配布や身近な防災のポイントをわかりやすく紹介した啓発動画の作成など、幅広い年代に向けて、防災への理解を深める取り組みを行っております。 また、共助のかなめである自主防災組織が、住民避難の支援など、災害時に必要な活動ができるようリーダー向けの研修会を実施し、組織活動の活性化につなげています。 さらに、今年度から新たに自主防災組織活動支援員を任用し、訓練などの活動をきめ細かく支援するとともに、ショッピングモールなどにおいて住民参加型の啓発イベントを実施するなど、防災意識のさらなる向上を図ってまいります。 議員御指摘の地区防災計画につきましては、地域住民の意向が直接反映できる計画であると考えており、防災意識を高める上で有用と思っております。 県では、熊本地震後、その取り組みが進むよう策定手順を記載した手引を全ての自主防災組織へ配付いたしました。 ただ、全国的な傾向と同様に、マンパワーや認識の不足などの課題から、県内でもまだ計画の策定が進んでいない状況にございます。 今後、組織活動の活性化とあわせて、地域の実情に応じた取り組みが進むよう、新たに研修会を開催するなどの支援を行ってまいります。 引き続き、命を守る避難行動が確実かつ適切に行われるよう、これらの取り組みを市町村と連携しながら積極的に進めてまいります。  〔早田順一君登壇〕 ◆(早田順一君) ただいま知事公室長から御答弁をいただきました。 この5段階警戒レベル導入の対応については、今梅雨入り前というタイミングもあって、よくテレビとか新聞でも報道されていますし、県や市町村のホームページ、広報誌などで、制度の周知がなされているところであります。また、市町村に対して、新制度の説明を実施され、土砂災害警戒区域などの各地域の特性を考慮したきめ細やかな避難勧告等の発令を行うよう助言されたということでございます。 しかし、今月7日に、広島市と一部の町において、4月に運用を始めたこの5段階の防災気象情報のうち、上から2番目の警戒レベル4が出されました。約22万4,000人が対象になりましたけれども、避難したのは228人で、わずか約0.1%だったとの報道がありました。昨年大きな被害をもたらした西日本豪雨での避難率は0.07%で、さほど変わりはなく、今回、幸いに災害はありませんでしたけれども、梅雨時期前から、テレビ、新聞などで警戒レベルの周知や避難の呼びかけをしているにもかかわらず、避難行動をとらない人が圧倒的に多いということがわかりました。 本県においては、県民の防災意識の向上ということで、本年度から新たに自主防災組織活動支援員を任用したり、自助、共助、そういった体制づくりもしっかりと取り組んでおられるようでございますけれども、このような他県の実際にあった行動、行為を見ておりますと、やはり徹底して県民の皆さん方に周知をする必要があるんじゃないかなというふうに思っております。 これからしっかりと市町村と連携をとっていただき、地区防災計画の推進も含め、自助、共助の防災意識が向上し、速やかな避難行動をとれるよう取り組んでいただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 最後に、食品ロス削減推進法について質問をいたします。 本年5月に、食品ロスの削減を目指す食品ロス削減推進法が、参議院本会議において全会一致で可決、成立し、秋ごろには施行されることになっています。 この法律は、超党派の議員立法で、政策内容として、1つ目に、食品ロス削減の推進を国民運動と位置づけ、事業者や消費者に努力を求める、2つ目に、政府に基本方針の策定を義務化する、3つ目に、地方自治体に削減推進計画の作成を求める、4つ目に、政府にフードバンク活動への支援を促すとあります。 これまで、食品の廃棄については、節分の恵方巻きの売れ残りの大量廃棄などが社会問題化し、食品の大量廃棄を見直す機運が高まりつつあります。 日本では、平成28年度推計で、年間約2,800万トンの食品廃棄物が出ており、このうち、国内の食品ロスの量は、643万トンにも上ります。この食品ロスの量は、世界全体の食品援助量約320万トンの約2倍に相当します。ちなみに、日本人1人に換算すると、おにぎり1個を毎日捨てていることになります。 本県では、県職員等を対象に、家庭で余っている食品を回収する県庁フードドライブを実行されており、集められた食品は、フードバンクに寄附され、子ども食堂等に提供されるなど、食品ロスの取り組みを行っておられるようですが、今回の食品ロス削減推進法の成立に伴い、今秋以降に、食品ロス削減推進会議を内閣府に設置し、基本方針を策定され、地方自治体に対し、削減推進計画の作成を求めていくとなっています。 そこで、本県の食品ロス削減の取り組みの現状と今後の取り組みについて、環境生活部長にお尋ねをいたします。  〔環境生活部長田中義人君登壇〕 ◎環境生活部長(田中義人君) 我が国は、多くの食料を輸入に頼っているにもかかわらず、大量の食品ロスが発生しております。 食品ロスは、単にもったいないというだけではなく、国際的に食料不足の国がある中、食料資源の無駄遣いであること、企業や家計の経済的損失であること、廃棄物として処理され、環境に負荷を与えていることなどから、大きな社会問題であります。 県としては、これまで、廃棄物削減の観点から、平成27年度に、くまもと食べ残しゼロキャンペーンを行い、県民への啓発を図りました。さらに、平成28年度から、九州7県で連携し、九州食べきり協力店として、食べ残し削減に協力する飲食店等の登録に取り組んでおります。 また、県庁フードドライブとして、県職員等が率先し、家庭で食べる予定のない食品を持ち寄り、これまで3回、合計約2,500キロの食品をフードバンクに提供いたしております。 食品ロスは、食品の生産、製造、販売、消費の各段階で発生しております。国の推計によりますと、643万トンの食品ロスのうち、食品関連事業者から352万トン、一般家庭から291万トンが排出されております。 今般成立した食品ロス削減推進法において、国や地方公共団体の責務や事業者の責務、消費者の役割が明記され、各主体が連携し、国民運動として食品ロス削減に取り組むこととされております。 県としても、事業者、消費者がより高い問題意識を持ち、川上から川下まで連携した取り組みが必要であると考えております。 削減推進計画の策定を初め、消費者等への教育、啓発、事業者等への取り組み支援、フードバンクの支援等、法で明記された取り組みが多岐にわたることから、今後、庁内関係課で連携し、食品ロス削減の取り組みを進めてまいります。  〔早田順一君登壇〕 ◆(早田順一君) 環境生活部長から御答弁をいただきました。 今後の取り組みとして、本県としても、食品ロス削減推進計画も進められるということでございます。恐らく国のほうで動きがあれば、県もそうでありますけれども、市町村のほうも、こういった推進計画を作成していくのではないかというふうに思いますので、まずは県がきちんと計画をつくっていただいて、市町村とも連携しながら進めていただきたいというふうに思います。 また、県庁内で、庁内関係課で連携していくと答弁がございましたけれども、ほとんどの部にこれはまたがっている事業でございますので、どのような組織体制で臨まれるのか、取り組まれていかれるのかわかりませんけれども、県民にわかりやすい体制で臨んでいただき、国民運動につながるように取り組んでいただければと思いますので、新しい試みかと思いますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 以上で私が準備させていただきました全ての質問が終わりました。 これから新しく期を迎える活動が続くわけでありますけれども、執行部の皆さん方とこれからもしっかりと議論をさせていただいて、県民の負託に応えられるよう取り組んでまいりますので、これからもどうぞよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(井手順雄君) 以上で通告されました一般質問は全部終了いたしました。 これをもって一般質問を終結いたします。    ――――――○―――――― △日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第21号まで) ○議長(井手順雄君) 次に、日程第2、目下議題となっております議案第1号から第21号まで等に対する質疑を行いますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。    ――――――○―――――― △日程第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第21号まで) ○議長(井手順雄君) 次に、日程第3、目下議題となっております議案第1号から第21号までにつきましては、さきに配付の令和元年6月熊本県議会定例会議案各委員会別一覧表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― △日程第4 請願の委員会付託 ○議長(井手順雄君) 次に、日程第4、今期定例会において受理いたしました請願は、議席に配付の請願文書表のとおりであります。 これをそれぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔請願文書表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― 知事提出議案第22号から第26号まで ○議長(井手順雄君) 次に、お諮りいたします。 知事提出議案第22号から第26号までが提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井手順雄君) 御異議なしと認めます。よって、知事提出議案第22号から第26号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 知事提出議案第22号から第26号までを一括して議題といたします。  ―――――――――――――――――― 第22号 人事委員会委員の選任について 第23号 収用委員会委員の任命について 第24号 収用委員会委員の任命について 第25号 収用委員会委員の任命について 第26号 収用委員会予備委員の任命について  ―――――――――――――――――― ○議長(井手順雄君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案第22号から第26号までに対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井手順雄君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。    ――――――○―――――― △日程第5 休会の件 ○議長(井手順雄君) 次に、日程第5、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。 17日は、各特別委員会開会のため、18日から20日までは、各常任委員会開会のため、21日は、議事整理のため、それぞれ休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井手順雄君) 御異議なしと認めます。よって、17日から21日までは休会することに決定いたしました。 なお、明15日、16日、22日及び23日は、県の休日のため、休会であります。    ――――――○―――――― ○議長(井手順雄君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、来る24日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第5号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時10分散会...