平成30年11月 定例会 第 6 号 (12月19日) 平成30年 熊本県議会11
月定例会会議録 第6号平成30年12月19日(水曜日
) ――――――――――――――――― 議事日程 第6号 平成30年12月19日(水曜日)午前10時開議 第1
決算特別委員長報告 質疑 討論 議決 第2 各
常任委員長報告 質疑 討論 議決 第3 閉会中の継続審査の
件 ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1
決算特別委員長報告 質疑 討論 議決 日程第2 各
常任委員長報告 質疑 討論 議決 日程第3 閉会中の継続審査の件 議員提出議案の上程(第2号から第7号まで) 質疑 討論 議決 ――――――○――――――出席議員氏名(47人) 松 野 明 美 さん 山 本 伸 裕 君 竹 﨑 和 虎 君 吉 田 孝 平 君 中 村 亮 彦 君 大 平 雄 一 君 髙 島 和 男 君 末 松 直 洋 君 前 田 憲 秀 君 岩 田 智 子 さん 濵 田 大 造 君 磯 田 毅 君 松 村 秀 逸 君 岩 本 浩 治 君 西 山 宗 孝 君 河 津 修 司 君 楠 本 千 秋 君 橋 口 海 平 君 緒 方 勇 二 君 増 永 慎一郎 君 髙 木 健 次 君 西 聖 一 君 髙 野 洋 介 君 内 野 幸 喜 君 浦 田 祐三子 さん 山 口 裕 君 早 田 順 一 君 渕 上 陽 一 君 田 代 国 広 君 森 浩 二 君 坂 田 孝 志 君 溝 口 幸 治 君 小早川 宗 弘 君 池 田 和 貴 君 岩 中 伸 司 君 城 下 広 作 君 氷 室 雄一郎 君 鎌 田 聡 君 井 手 順 雄 君 吉 永 和 世 君 松 田 三 郎 君 藤 川 隆 夫 君 岩 下 栄 一 君 小 杉 直 君 前 川 收 君 西 岡 勝 成 君 山 本 秀 久 君欠席議員氏名(なし
) ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名 知事 蒲 島 郁 夫 君 副知事 田 嶋 徹 君 副知事 小 野 泰 輔 君 知事公室長 坂 本 浩 君 総務部長 池 田 敬 之 君 企画振興部長 山 川 清 徳 君 健康福祉部長 古 閑 陽 一 君 環境生活部長 田 中 義 人 君 商工観光労働 磯 田 淳 君 部長 農林水産部長 福 島 誠 治 君 土木部長 宮 部 静 夫 君 国際スポーツ 小 原 雅 晶 君 大会推進部長 会計管理者 能 登 哲 也 君 企業局長 原 悟 君 病院事業 三 角 浩 一 君 管理者 教育長 宮 尾 千加子 さん 警察本部長 小 山 巌 君 人事委員会 田 中 信 行 君 事務局長 監査委員 濱 田 義 之 君 ――
―――――――――――――――事務局職員出席者 事務局長 吉 田 勝 也 事務局次長 横 井 淳 一 兼総務課長 議事課長 中 村 誠 希 審議員兼 村 田 竜 二 議事課長補佐 ――――――○―――――― 午前10時開議
○議長(坂田孝志君) これより本日の会議を開きます。 ――――――○――――――
△日程第1
決算特別委員長報告
○議長(坂田孝志君) 日程に従いまして、日程第1、去る9月定例会において
決算特別委員会に審査を付託いたしました議案第42号から第61号までについて、
決算特別委員長から審査結果の報告があっておりますので、これを議題といたします。 ただいまから、委員会における審査の経過並びに結果について、
決算特別委員長の報告を求めます。 小早川宗弘君。 〔小早川宗弘君登壇〕
◆(小早川宗弘君) 去る9月定例会において
決算特別委員会に付託されました平成29年度熊本県
一般会計歳入歳出決算、各
特別会計歳入歳出決算、
病院事業会計決算及び企業局3事業会計決算の認定等に係る議案第42号から第61号までの審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。第1 審査方針 本委員会は、平成28年熊本地震から1年が経過した中での予算の執行状況等について、次のような審査方針のもとで、執行部の説明及び監査委員の意見を聴取しながら、慎重に審査を行いました。 1 予算の執行は、議決の趣旨に沿って、合理的かつ効率的に行われ、所期の目的が達成されたか。 (1)歳入は適正に確保されたか。 (2)歳出の執行に遺憾な点はなかったか。 (3)主要な施策はいかに達成されたか。 2 財産管理は十分であったか。 3 執行体制に問題はなかったか。 4 法令違反等はなかったか。 5 前年度
決算特別委員会の指摘事項はどのように処理されたか。 以上が、本委員会の審査方針であります。第2 決算の概要 次に、決算の概要について申し上げます。 まず、一般会計及び特別会計合わせて、歳入予算現額1兆4,284億8,100万円余に対し、収入済み額は1兆1,549億7,100万円余、また、歳出予算現額1兆4,284億8,100万円余に対し、支出済み額は1兆1,181億2,000万円余となっております。 その結果、
歳入歳出差し引き額は368億5,100万円余で、さらに、翌年度へ繰り越すべき財源126億1,100万円余を差し引いた実質収支は242億4,000万円余となっております。 次に、病院事業会計では、総収益15億6,100万円余に対し、総費用は15億1,800万円余で、差し引き4,300万円余の純利益となっております。その結果、平成29年度末の累積欠損金は1億9,500万円余となっております。 電気事業会計では、総収益15億3,200万円余に対し、総費用は15億4,300万円余で、差し引き1,100万円余の純損失となっております。
工業用水道事業会計では、総収益9億8,300万円余に対し、総費用は10億600万円余で、差し引き2,200万円余の純損失となっております。その結果、平成29年度末の累積欠損金は49億5,000万円余となっております。
有料駐車場事業会計では、総収益1億2,600万円余に対し、総費用は4,100万円余で、差し引き8,400万円余の純利益となっております。 以上が、決算の概要であります。第3 歳入確保と予算執行 次に、歳入確保と予算執行について申し上げます。 まず、歳入確保のうち、収入未済の解消については、関係部局の取り組みにより、一般会計で前年度比7億円の減であり、過去10年間で最も少ない額となるなどの成果が認められますが、一般会計で約28億円、特別会計全体で約32億円が収入未済となっております。引き続き、貴重な自主財源の確保と県民負担の公平、公正の観点から、費用対効果も踏まえ、効率的な徴収の促進に取り組むよう指摘したところであります。 次に、予算の執行については、厳しい財政状況の中、おおむね所期の目的を達成したものと認められます。 しかしながら、各部局において事務的経費の節減以外にも不用額を出している事業が見受けられますので、限られた財源をより効果的に活用するためにも、次年度の予算編成及び執行に当たっては、現場の状況を的確に把握するとともに、さらに工夫を重ねるよう指摘、要望したところであります。 以上、平成29年度決算の全般的な事項について申し上げましたが、本県財政は、熊本地震の影響により、平成28年度に大幅に増加した地方交付税や国庫支出金等が平成29年度は減少しているものの、これまでの財政健全化への取り組みにより、県債残高が減少するなど改善が見られます。一方で、今後の景気動向や地方財政をめぐる状況の変化等によっては、厳しい財政運営を強いられるおそれがあります。 今後は、平成28年12月に策定された熊本復旧・復興4カ年戦略に基づき、繰越事業を含む施策が着実に推進でき、なおかつ、来年度の
ラグビーワールドカップ及び
女子ハンドボール世界選手権大会の開催や、それらに伴うインバウンドや国内観光客の増加に向けた取り組みについて、組織を挙げてしっかりと展開できるよう、一層の財政健全化に向けた取り組みを求めるものであります。 さらに、歳入面では税収の確保、未収金の早期解消等に、歳出面では一層の事務事業の見直しと効率的、計画的な執行に取り組み、あわせて国に対して財政支援を継続的に働きかけるなど、財源確保に努めるよう求めるものであります。第4 施策推進上改善または検討を要する事項等 審査の過程において各委員から出されました施策推進上改善または検討を要する事項等について申し上げます。 (共通) 1 未収金の解消については、関係部局において、厳しい状況の中で回収に努めていることは理解しているが、財源の確保及び負担の公平性の観点から、費用対効果も十分踏まえながら、さらに適切かつ効率的な徴収対策を講じ、より一層徴収促進に努めること。 (総務部、健康福祉部、
商工観光労働部、農林水産部、土木部、教育委員会、警察本部) 2
国際スポーツ大会開催に向けて、インバウンドの誘致や国内観光客の呼び込みなど、
国際スポーツ大会推進部と
商工観光労働部を初めとした他部局とがしっかりと連携しながら準備を進めること。 (
商工観光労働部、
国際スポーツ大会推進部) (知事公室) 3 監査において指摘されている一般備品の亡失については、震災対応時の混乱の中でやむを得ない面もあるが、今後、適正な備品の管理に努めること。 (総務部) 4 平成28年
熊本地震復興基金交付金については、基金の設置期間10年間という期限の中で、引き続き、被災者や市町村のニーズの変化も捉えながら、効果的な基金の運用に努めること。 (企画振興部) 5
世界チャレンジ支援基金を活用した事業について、対象事業は学生等からの人気が高く、本県にとっても有益な事業であるので、着実な事業展開を図ること。 (健康福祉部) 6
保健環境科学研究所における水質や大気等に関する調査、研究などの事業成果や県独自の取り組みについて、県民に十分認知されるよう、周知、広報に努めること。 (環境生活部) 7
水俣病認定審査について、熊本復旧・復興4カ年戦略に基づき、4年間の知事の任期中に1,200件の審査を終えることを目標としているが、審査業務の推進に当たっては、スピード感を持って、かつ丁寧に対応すること。 (
商工観光労働部) 8
燃料電池自動車の普及促進について、県民向けのPR等、さらなる取り組みを進めること。 (農林水産部) 9
球磨川水系魚族増殖費寄附金について、寄附者の不利益にならないように配慮し、あり方の検討を行うこと。 また、この寄附金により実施している事業の委託先を含めた内
水面漁業協同組合について、適正な団体運営が図られるよう指導監督を行うとともに、工事に係る協賛金の取り扱いについても、土木部と連携し、適切に対応すること。 10 農業大学校において、事前の確認不足により工事と関係のない電気配線を誤って断線したことについては、重要な箇所であれば非常に大きな問題となる可能性があるので、今後は工事発注の際に事前の確認を十分行い、再発防止に努めること。 (土木部) 11 河川及び港湾関係事業の繰越理由の多くが、地元漁協など関係機関との調整に不測の日数を要したためということであるが、工事に係る協賛金の取り扱いについて農林水産部と連携して取り組むなど、関係する漁業協同組合、請負業者及び発注者間の良好な関係づくりに努め、事業の円滑化を図ること。 (教育委員会) 12 職員の事務懈怠等に起因した契約等の遅滞について、今後、教育委員会全体で、組織におけるチェック体制の整備及び事業進捗状況の確認を適切に実施し、再発防止に努めること。 (警察本部) 13 警察職員の定員について、これまでの定員増に向けた取り組みにより、本県の警察官1人当たりの負担人口は徐々に改善されているが、全国平均からはまだ開きがあることから、さらなる県民の安全、安心の確保のため、できる限り全国平均に近づけるよう、引き続き、定員増に向けた取り組みに努めること。 (病院局) 14 児童・思春期医療を推進するに当たり、専門医師の養成のために、医師の東京都立病院への派遣研修を実施しているが、研修に参加した医師の研修成果がこころの医療センターに適切に還元されるよう、定着率の向上等に努めること。第5 結論 本委員会は、慎重に審査を重ねた結果、本委員会に付託されました平成29年度熊本県
一般会計歳入歳出決算、各
特別会計歳入歳出決算、
病院事業会計決算及び企業局3事業会計決算の認定等に係る議案のうち、議案第42号から第60号までについては、全員賛成をもってそれぞれ原案のとおり認定することに決定し、議案第61号については、全員賛成をもって原案のとおり可決及び認定することに決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおり御賛同賜りますようお願い申し上げまして、本委員会の審査の経過並びに結果についての報告を終わります。
○議長(坂田孝志君) 以上で
決算特別委員長の報告は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田孝志君) 質疑なしと認めます。 次に、討論に入ります。 討論の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は10分以内でありますので、さよう御承知願います。 山本伸裕君。 〔山本伸裕君登壇〕
◆(山本伸裕君) 日本共産党の山本伸裕です。 平成29年度熊本県一般会計及び同
県育英資金等貸与特別会計決算の認定について、反対を表明いたします。 まず、歳入確保の問題について意見を申し上げますが、決算委員長の報告では、未収金の解消については、財源の確保及び負担の公平性の観点から、費用対効果も十分踏まえながら、さらに適切かつ効率的な徴収対策を講じ、より一層徴収促進に努めることとの意見が添えられております。 しかし、私は、現状を見れば、およそ適切な徴収業務が行われていると評価することはできません。
差し押さえ禁止物件である児童手当の受取専用につくられた口座を県が全額差し押さえた事件などは、その最たる事例であります。 子供の養育を保障するためにも、差し押さえてはならないと法律で定められている児童手当を、既に
差し押さえ物件ではなくなったと強弁して差し押さえを正当化し、改めようとしない熊本県の対応は、熊本県にとってみれば取るに足らないささいな一件にすぎないことかもしれませんが、私は、そんな無慈悲な行動をとる熊本県政は、絶対に容認しません。 無体な徴収は、教育委員会においても強まっているのでしょうか。育英資金未返還額の一括請求及び裁判所への申し立てについて、最終予告と通告する脅迫めいた県からの文書が来たと、かつて御相談を受けた方からの連絡が入りました。 この方は、前に県教育委員会とも直接膝を交えて話し合い、本人はちゃんと返済する意思をしっかりと持っていること、しかしながら、毎月払える返済額は限度があること、家計の状況が改善した際に、毎月の返済額の見直しを検討することなどを双方で確認しました。ところが、その数カ月後に、まるでそんな約束は知らないとばかりの一方的な突然の最後通告であります。 書面にはこうあります。再三の催告にもかかわらず、連絡もなく、長期にわたり未納が解消しませんので、法的手続に移行します、指定期限までに滞納額全額の返還を行い、入金の連絡をしてください、期限までに連絡もなく、全額返還されない場合には、借入額全額を繰り上げて一括で請求することになり云々。そして最後にはこう書かれてあります。一部返還があっても、本人から連絡なき場合は、一括請求及び裁判所への手続に移行しますと。 事実でないことが書き連れられていることにも怒りを禁じ得ませんが、そもそもこの文章からは、まるで滞納者を犯罪者扱いしているかのごとき印象しか伝わってきません。ちゃんと面と向かって返済計画を話し合ってきた人に対しても、このような機械的、一方的な対応を熊本県がとっていることに、大変驚いております。 より一層の徴収促進に努めよとの決算委員会の結論には、賛同できないということを表明します。 育英資金の返済をめぐっては、前9月県議会においても、県及び県教育委員会の強権的手法が問われる事態が生じましたが、利用者からの切実な相談が相次いでいることからしても、私は、たまたま個別の行き違いが生じたという性質のものではなく、県、県教育委員会の姿勢そのものの問題を感じているということを提起したいと思います。 歳入面でもう1点意見を申し上げたいのは、熊本地震に係る国からの財政支援の問題であります。 発災当初は、蒲島知事も政府に繰り返し要望し、安倍首相自身も前向きに応じていたところの、被災自治体の財政負担を実質ゼロにする
東日本震災並みの財政支援は、結局実現しませんでした。その結果、県は、一般行政経費の削減に苦慮し、人件費カットや施策の縮減が進められました。 震災からの復興と財政再建を両立させながらの県政運営は、御苦労があったかと思いますが、私は、やはり特別立法を求める姿勢を諦めることなく、国に対して、
東日本震災並みの特別立法適用を求めるべきであっただろうと考えます。
熊本地震被災者への支援においては、大災害が発生した他の地域でできていることが、熊本の場合できていないという問題が多々あります。災害の規模は違っても、被災者の苦しみは同じであります。 一部損壊世帯への支援金支給ほか何ら公的支援制度が適用されない問題や、
被災者向け医療費免除制度がわずか1年半で打ち切られたことなどが、被災者の生活再建をより困難なものにしていることを、県として真剣に考えていただきたいと思います。 歳出面での大きな問題の一つは、立野ダム建設に係る
直轄事業負担金であります。 私は、危険なダムは一旦ストップして、震災復興に予算を回すべきだと繰り返し主張してまいりました。西日本豪雨災害で、想定外の洪水が発生すれば、ダムは洪水調節機能を失い、逆に危険な構造物に転化することが浮き彫りとなりました。河川改修と堤防強化にこそ、治水対策の軸足を置くべきであります。 創造的復興の名のもとに、
幹線道路ネットワーク等の整備は大いに推進が図られ、
九州中央自動車道、
南九州西回り自動車道、
中九州横断道路、
熊本天草幹線道路、
県道熊本高森線の4車線化など、幹線道路、高速道路の整備はめじろ押しであります。 一方で、住民の日常的な生活、安全を守るインフラの整備は、十分に講じられたと言えるでしょうか。老朽化した県営住宅に住んでおられる方からは、壁が時折崩落し、大変危ないから、下を通るときはヘルメットが欲しいぐらいだというお話を伺いました。 ある県管理の港湾では、ごみが散乱し、船を係留するための金具も壊れ、高さが足りない堤防を補うために、地元の住民が土のうを積んで対応しておられるという状況でありました。 道路の穴ぼこや落石等による事故の損害賠償が、毎回の議会で数多く出てまいりますが、老朽化した道路や橋梁、公共インフラの維持、補修、改修のための予算は、高速道路や大型港湾の整備などと比較すると、圧倒的に安い額で改善が図られるはずでありますし、同時に、地元建設業者の仕事や雇用の拡大、地域経済の浮揚に直結いたします。抜本的な拡充が求められるところではないでしょうか。 施策の抜本的転換を求めたいのが、同和行政、同和教育であります。 国の同和対策事業が、2002年に終結して16年が経過した今日、社会問題としての部落問題は、基本的に解決された到達点にあります。部落問題に関する非科学的認識や偏見に基づく言動が、時としてあらわれることがあったとしても、そうした言動は受け入れられるようなものではないのだという社会全体のモラルを、一般施策を通じて向上させていくことが重要であります。 にもかかわらず、県の人権に係る施策には、人権問題の表題の前に必ず同和問題を初めとするという文言がつけられているように、殊さらに同和問題が強調されております。こうすることによって、同和対策は特別扱いだという格付が、職員や教員にすり込まれていくのではないでしょうか。 事実、ある地域で毎年開催されている
人権同和教育授業研究会では、授業者が作成する学習指導案の冒頭部分に、必ずと言っていいほど、私と部落問題との出会い、というテーマが共通して書かれています。教師の自由な発想に基づく人権教育の探求を押し殺し、部落問題の特別扱いを固定化してしまうような取り組みになっているのではないでしょうか。
○議長(坂田孝志君) 残り時間が少なくなりましたので、討論を簡潔に願います。
◆(山本伸裕君) (続) 学習会や集会への動員参加が、教職員の多忙化に拍車をかけています。国が同和問題の特別対策を終結させた背景にあるのは、部落問題の特別扱いが差別解消に逆効果となったからであるという教訓をしっかり踏まえるべきであります。 同和問題は、あくまで人権問題の一つであり、行政は、あらゆる人権侵害、差別を許さないという決意のもと、同和問題を特別扱いすることなく、必要な施策の遂行を図るべきであります。 子供の
医療費助成制度の対象年齢が、熊本県の場合、全国都道府県の実施状況の中で断トツで最下位であることは、繰り返し改善を求めておりますけれども、しかし、依然として改善が進みません。 格差と貧困の広がりが懸念される情勢のもとで、家計の心配をしなくとも子供を病院に受診できるよう支援することは、子育て支援の1丁目1番地であり、早急な改善を求めたいと思います。 以上、知事提出議案第42号及び第50号の決算認定について、反対である趣旨を述べ、討論を終わります。
○議長(坂田孝志君) 以上で通告による討論は終了いたしました。 これをもって討論を終結いたします。 これよりまず、9月
定例会提出議案のうち、議案第43号から第49号まで、第51号から第54号まで及び第56号から第59号までを一括して採決いたします。 ただいまの
決算特別委員長の報告は、各議案とも認定であります。
決算特別委員長の報告のとおり認定することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田孝志君) 御異議なしと認めます。よって、議案第43号外14件は、
決算特別委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。 次に、議案第61号を採決いたします。 ただいまの
決算特別委員長の報告は、原案可決及び認定であります。
決算特別委員長の報告のとおり原案可決及び認定することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田孝志君) 御異議なしと認めます。よって、議案第61号は、
決算特別委員長の報告のとおり原案可決及び認定することに決定いたしました。 次に、議案第50号、第55号及び第60号を一括して起立または挙手により採決いたします。 ただいまの
決算特別委員長の報告は、各議案とも認定であります。
決算特別委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(坂田孝志君) 起立または挙手多数と認めます。よって、議案第50号外2件は、
決算特別委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。 次に、議案第42号を起立または挙手により採決いたします。 ただいまの
決算特別委員長の報告は認定であります。
決算特別委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(坂田孝志君) 起立または挙手多数と認めます。よって、議案第42号は、
決算特別委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。 〔委員会審査報告書は付録に掲載〕 ――――――○――――――
△日程第2 各
常任委員長報告
○議長(坂田孝志君) 次に、日程第2、去る10日の会議において審査を付託いたしました議案第1号から第46号まで及び請願並びに継続審査事件について、各常任委員長から審査結果の報告があっておりますので、これを一括して議題といたします。 ただいまから、各常任委員会における審査の経過並びに結果について、各常任委員長の報告を求めます。 まず、厚生常任委員長の報告を求めます。 髙野洋介君。 〔髙野洋介君登壇〕
◆(髙野洋介君) 厚生常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係4議案、条例等関係1議案、請願2件及び報告1件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された健康福祉部の11月補正予算は、ひとり親家庭等への医療費助成を行う市町村に対する助成や人事委員会勧告に基づく職員給与改定関係の経費等、総額3,700万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて3,590億4,300万円余であります。 病院局関係では、庁舎等の管理業務に係る債務負担行為の設定及び人事委員会勧告に基づく職員給与改定関係の経費300万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、17億2,400万円余であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、熊本県介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の制定についてであります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、ひとり親家庭等への医療費助成を行う市町村への助成額が増額するのは、どのような要因によるものかとの質疑があり、執行部から、前年度の実績をもとに今年度の件数を見込んでいたが、市町村に9月末時点で実績等を確認したところ、今年度の助成対象者数が当初の見込み件数を上回ったことが主な要因であるとの答弁がありました。 次に、委員から、発達障がい者支援センターに係る予算額はどのように推移しているかとの質疑があり、執行部から、県内に2カ所ある発達障がい者支援センターは、いずれも県が社会福祉法人に委託して運営しており、委託に係る予算額は、委託を開始して以降、ほぼ同額で推移しているとの答弁がありました。 さらに、委員から、発達障害について社会的に理解が進み、関係者などからは、支援体制を強化してほしいとの声も上がっている、特に、南部発達障がい者支援センターは、天草地域も含む広いエリアを対象としており、人員が限られている中で、職員の負担も大きいと聞いている、新たな発達障害者支援センターの設置を含め、今後の支援体制についてどのように考えているかとの質疑があり、執行部から、県でも現場の負担が大きいという話は聞いており、受託者である社会福祉法人と十分に協議しながら、委託費の積算や相談員の配置などについて配慮しているところである、今後の支援については、他県の状況なども踏まえ、問題意識を持って取り組んでいくとの答弁がありました。 以上が論議された主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、いずれも全員賛成をもって原案のとおり可決することに決定いたしました。 次に、請願の審査に際し、委員から、
熊本地震被災者の住まい再建に関する請願について、被災者生活支援制度の支援対象を一部損壊まで拡大することについて、全国知事会や県はどのように考えているのかとの質疑があり、執行部から、全国知事会においては、生活基盤に著しい被害を受けているとして、支援対象を半壊まで拡大することを決議し、国に提言している、また、県においては、一部損壊の中で被害が大きいものについては、支援対象に含めることを国へ要望しているが、全ての一部損壊を一律に対象とすることは困難であると考えているとの答弁がありました。 次に、委員から、
熊本地震被災者の医療費窓口負担等の免除措置に関する請願について、既存の所得に応じた医療費減免制度の適用件数はふえているのかとの質疑があり、執行部から、相談件数はふえてきているが、減免が適用されたものは1件である、県では、市町村と連携しながら、広報誌やリーフレットの配付など、制度の周知に幅広く取り組んでおり、今月も仮設住宅全戸にリーフレットを配付する予定であるとの答弁がありました。 さらに、委員から、実態として適用件数がふえていないということなので、何らかの支援措置ができないか検討してもらいたいとの要望がありました。 請願につきましては、議席に配付の請願委員会審査報告一覧表のとおりであります。 最後に、本委員会所管事務の継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 各議員におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、厚生常任委員長の報告を終わります。
○議長(坂田孝志君) 次に、経済環境常任委員長の報告を求めます。 橋口海平君。 〔橋口海平君登壇〕
◆(橋口海平君) 経済環境常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係6議案、条例等関係3議案及び報告1件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された環境生活部の11月補正予算は、平成29年度事業費確定に伴う国庫支出金返納金に係る経費390万円余の増額補正と人事委員会勧告に基づく職員給与改定関係の経費630万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて220億3,400万円余であります。
商工観光労働部関係では、地域中小企業応援ファンド貸付金償還金に係る経費20億円と職員給与改定関係の経費900万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて681億4,400万円余であります。
国際スポーツ大会推進部関係では、大会の会場整備に伴う繰越明許費及び債務負担行為の設定と職員給与改定関係の経費120万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、10億6,600万円余であります。 企業局関係では、来年度の年間委託契約に係る債務負担行為の設定と職員給与改定関係の経費200万円余の増額補正であり、補正後の電気事業、工業用水道事業、有料駐車場事業の3事業会計の支出予算総額は、収益的収支及び資本的収支合わせて79億100万円余であります。 労働委員会関係では、職員給与改定関係の経費31万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、1億200万円余であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、熊本県少年保護育成条例の一部を改正する条例の制定について外2議案であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、熊本県少年保護育成条例の一部を改正する条例の制定について、条例改正の趣旨として、被害を未然に防止するためとのことだが、具体的にはどのような内容なのか、また、児童ポルノ禁止法との関係はどうかとの質疑があり、執行部から、これまでの条例では、いわゆる自画撮り写真の提供を求める行為を規制する条文がなかったため、今回の改正で新たに規定する、また、児童ポルノ禁止法では、児童ポルノ等の提供を受けた場合には罰することができるが、要求にとどまる未遂の場合には罰することができないため、条例において、この部分を補完する目的で改正するとの答弁がありました。 次に、委員から、県環境センター駐車場内で発生した倒木による車両破損事故に関する被害者との和解に係る専決処分について、倒木の原因は何かとの質疑があり、執行部から、木の根元部分の内部の腐食が原因であるが、倒木後に断面を見て明らかになったとの答弁がありました。 引き続き、委員から、今回は人的被害が出なくてよかったが、県有地内にある倒木のおそれがあるような樹木の点検について考えていただきたいとの要望がありました。 次に、委員から、阿蘇車帰風力発電所の民間譲渡の公募結果の報告に関連して、民間で運用が順調にいけばよいが、うまくいかなかった場合に備えて、例えば、企業体とも撤去の条件等を詰める必要があると考えるがどうかとの質疑があり、執行部から、企業体が途中で事業を中止したり、倒産したりする可能性があるため、施設の解体・撤去費用分を地権者である阿蘇市に保証金として納付してもらうことなど、万が一に備えた仕組みも整えているので、今後、具体的に協議していきたいとの答弁がありました。 次に、委員から、人吉・球磨地域では、日本遺産に認定されたことを契機に、民間主導で日本遺産人吉球磨観光地域づくり協議会が設立された、観光振興は、地域の人たちが知恵を出し合ってやっていかなければならないし、民間の方々がもうける受け皿をつくっていかなければならないと考える。将来的には、地域DMOを組織し、役割を担ってもらうことも考えられるが、これらの動きについてどのように考えるかとの質疑があり、執行部から、同協議会は、人吉・球磨地域の半数の自治体が事務局に人を出し、資金面でも全自治体が拠出していることなど、行政の協力が得られている、県境での連携を検討されていることや、観光業に携わる方々と観光業以外の地域の方々も多くかかわっていることなどが人吉、球磨の特徴の一つと考える、この協議会が、将来、地域DMOに発展する母体となるよう、県としても応援していきたいとの答弁がありました。 関連して、委員から、1月からいよいよ大河ドラマ「いだてん」が始まる、玉名市の市議会議員の方々もPR動画に出演するなど頑張っておられるので、県としても、荒玉地域と連携して、大河ドラマ終了後も地元に効果が残るような取り組みを進めてほしいとの要望がありました。 次に、委員から、県の申請書等における性別記載欄の見直しについて、見直しは、皆が多様性を認め、性別を記入して申請書を提出することに抵抗感を持たれる方々の思いを共有する契機としてほしいとの要望がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 なお、請願については、お手元に配付の閉会中の継続審査申出一覧表のとおりであります。 最後に、本委員会所管事務の継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、経済環境常任委員長の報告を終わります。
○議長(坂田孝志君) 次に、農林水産常任委員長の報告を求めます。 緒方勇二君。 〔緒方勇二君登壇〕
◆(緒方勇二君) 農林水産常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係2議案、条例等関係5議案及び報告1件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された農林水産部の11月補正予算は、大雨、台風等により被災した農地、農業用施設の復旧や国の第1次補正予算に対応した治山事業等に要する経費など、総額22億8,700万円余の増額補正と人事委員会勧告に基づく職員給与改定関係の経費4,400万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて877億5,200万円余であります。 あわせまして、年間を通じた事業執行の平準化を図るための、いわゆるゼロ国債、ゼロ県債の設定及び繰越明許費の設定であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、熊本県営土地改良事業分担金徴収条例の一部を改正する条例の制定について外4議案であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、地域では、農地を次の世代に渡すために、どのような基盤整備を実施していくのか真剣に協議されているが、県では、現在、地域で話が調えば、予算が措置される状況にあるかとの質疑があり、執行部から、ここ1~2年は、おおむね要望どおり予算措置がされている、来年度以降も、国土強靭化計画により、3年程度は国の予算増額の話もあり、要望に沿った事業ができるのではないかと考えているとの答弁がありました。 次に、委員から、浜の活力再生加速化支援事業について、ノリ共同乾燥施設の整備を行う漁業協同組合に対する助成とのことだが、その内容はどのようなものか、また、県漁業協同組合連合会等も対象になるのかとの質疑があり、執行部から、国の事業を活用してノリの共同乾燥施設を整備し、陸上での加工作業を共同で行うという取り組みに対する支援である、事業主体については、県漁業協同組合連合会、それぞれの漁業協同組合、いずれも対象となるとの答弁がありました。 続けて、委員から、地元や漁協関係者からは、今後、県漁業協同組合連合会等において、マスタープランを作成することにより県の補助を拡大することはできないかとの意見もあるが、どのように考えるかとの質疑があり、執行部から、平成20年度の財政再建戦略において、国庫補助の継ぎ足し補助は全庁的に廃止している、そのため、整備計画の準備やその後の運営指導を行うとともに、国の補助対象とならない施設等に対する新たな交付金事業の創設や、PRなどのソフト関係の支援を行っているとの答弁がありました。 さらに、委員から、水産関係の補助は、農業と比較して厳しく、その一方で、設備投資額は非常に大きい、後継者を育成する上からも、設備投資で軽減を図る必要があり、県は、新しい支援策や補助について、今後検討してほしいとの要望がありました。 次に、委員から、TPP11協定等の発効に伴う影響及び対策に関連して、日米2国間の物品貿易協定、TAGにおいて、TPP11協定内容に上乗せされるのか、その影響はどのように考えているかとの質疑があり、執行部から、もともと米国を含めたTPP12として協議されていたものであり、少なくともその範囲内でおさまるよう、国に対して強く要望していきたい、農業は本県の基幹産業であることをしっかり意識して、未来永劫残していく決意で取り組んでいきたいとの答弁がありました。 続けて、委員から、全部が自由貿易体制に組み込まれるのではなく、大切な日本の食料生産を担っている農林水産業への痛手がこれ以上進まないようにしなければならない、特に、畜産の影響は大きく、ニュージーランド等との生乳のコスト価格差を現在の補助事業で埋め切れるのか疑問だ、また、チーズ等の関税が下がり、輸入がふえることによる影響も含めて、国に対し、さらに強い対策を講じるよう求めてほしいとの要望がありました。 関連して、委員から、TPP11等の影響を克服できる体力をつけることが大事と考えるが、その方策の一つであるPQマイナスCという考え方についてどのように取り組んでいるのかとの質疑があり、執行部から、Pは価格、Qは量、Cはコストのことであるが、P掛けるQで生産額を上げて、Cのコストを抑えることにより農家の生産所得を上げていくという、稼げる農林水産業を目指す中での基本的な考え方であり、常にそれを意識しながら施策を推進しているとの答弁がありました。 続けて、委員から、そうした取り組みにより、今後訪れる影響に対して、生産現場が対応できるような環境を整えてほしいとの要望がありました。 次に、委員から、出入国管理法の改正に伴う外国人材の受け入れについて、1次産業においては人手不足感が強いが、節加工などの水産加工業は、1次産業と2次産業の区分が明確でなく、県として整理することが必要ではないかとの質疑があり、執行部から、技能実習関係では、漁業と食品加工に区分されている、漁業の場合、例えば養殖業においては、対象はホタテやマガキの養殖作業に限定されているが、水揚げされたマダイやブリの加工は、加工関係の技能実習制度が使えるといった事例もある、今後、加工業が盛んな鹿児島県等とも意見交換をするなど、情報収集に取り組みたいとの答弁がありました。 次に、委員から、災害時の避難路の確保あるいは観光に資する景観の確保等の観点から、県に譲与される森林環境譲与税により、予防保全的に道路に接する森林を除伐整備するなどの対策を講じることはできないかとの質疑があり、執行部から、森林環境譲与税の使途については、森林整備の実施主体となる市町村の支援や、担い手育成など市町村単独では解決できない広域的に対処すべきところに充当するように考えていることから、水とみどりの森づくり税や森林の多面的機能を維持する交付金事業等を活用しながら、森林環境の保全、整備を展開したいとの答弁がありました。 さらに、委員から、大雨時の予防的避難の際、倒木により避難路が確保できないとの声を聞く、道路としての目的を果たせるよう、ふだんから整備しておくことが大事であり、県として、一歩踏み出した取り組みを検討してほしいとの要望がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決することに決定いたしました。 最後に、本委員会所管事務の継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、農林水産常任委員長の報告を終わります。
○議長(坂田孝志君) 次に、建設常任委員長の報告を求めます。 増永慎一郎君。 〔増永慎一郎君登壇〕
◆(増永慎一郎君) 建設常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係7議案、条例等関係17議案であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された土木部の11月補正予算は、平成30年度に実施する国庫補助災害復旧事業の施工に伴い必要となった関連工事や、調査、修正設計等に必要な経費及び人事委員会勧告に基づく職員給与改定分関係の経費など、総額11億1,700万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて1,215億3,800万円余であります。 あわせまして、早期完成が必要な事業及び年間維持業務等で年度当初から実施する必要がある事業における債務負担行為の設定及び繰越明許費の設定であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、熊本県が管理する港湾の臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例の一部を改正する条例の制定について外16議案であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、建設単価調査を平成31年度に実施するということであるが、震災以降の単価の見直しは行ってきているのか、これまでの流れはどうだったのかとの質疑があり、執行部から、これまでも建設単価調査は毎年行っており、主要資材等は単価調査を毎月行い、その結果を翌月の設計単価に反映しているとの答弁がありました。 委員から、早期に完成することが望まれる案件が、入札における単価設定の関係で不調、不落になることが現実に起こっていると思うので、早く改善してほしいとの要望がありました。 次に、委員から、宇土川28年災害関連緊急砂防・堰堤工工事の契約変更について、工期の変更理由は熱中症対策等に伴う工期延長ということだが、具体的内容は何か、また、このような特別な対応はほかの工事でも実施されているのかとの質疑があり、執行部から、熱中症対策については、7月から9月末までの対象期間のうち、必要な期間の工期延長を認めている、ことしの夏の猛暑対策として、制度を周知し、工事請負契約約款に基づき工事延長の申請があった場合に、無償延長という形で対応しているとの答弁がありました。 次に、委員から、主要地方道熊本益城大津線における事故について、路面の隆起と歩道に堆積していた落ち葉で自転車が転倒したということであるが、詳しい状況を説明してほしいとの質疑があり、執行部から、路面隆起の原因は、街路樹の根上がりで、そこを通りかかった際に自転車がはねて、その後、歩道に堆積していた落ち葉で滑ったという状況であるとの答弁がありました。 委員から、根上がりというのはあちらこちらにあると思うが、きちんと状況を把握し、必要に応じて注意喚起するなど、適切な対応をお願いしたいとの要望がありました。 次に、委員から、御船甲佐線・田口橋の災害復旧工事について、地元住民から歩道設置の要望があり、期待されているが、どのように対応するのかとの質疑があり、執行部から、田口橋については、災害復旧の制度を活用し、橋の幅を最大限広げられるように設計を行い工事を進めており、その中で最大限歩行者も安全に通行できるような工夫を行いたいとの答弁がありました。 次に、委員から、第3次熊本県建設産業振興プランについて、兵庫県の建設業者数、従業員数及び県予算額は、阪神・淡路大震災前から震災後までの5~6年は右肩上がりになったが、6年目ぐらいに下降ぎみになり、約11年かけてもとに戻ったが、震災前と比べると、事業規模や予算が2割程度減少している、熊本県が同じ状況になるのかどうかわからないが、参考にすべきではないかとの質疑があり、執行部から、当時は、全国的に建設投資が多かった時期と重なっており、その後の建設投資の減少幅が大きかったこともあり、建設業者数が大幅に減少したと考えている、本県の復旧、復興後の建設投資については、震災前の規模を確保することを基本と考えており、公共投資の安定的な確保等を意識して同プランに書き込んでいる、兵庫県の事例も参考に検討してまいりたいとの答弁がありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託された議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 最後に、本委員会所管事務の継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、建設常任委員長の報告を終わります。
○議長(坂田孝志君) 次に、教育警察常任委員長の報告を求めます。 髙木健次君。 〔髙木健次君登壇〕
◆(髙木健次君) 教育警察常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係2議案、条例等関係2議案及び報告1件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された教育委員会の11月補正予算は、あしきた青少年の家災害復旧事業及び人事委員会勧告に基づく職員給与改定関係の経費、総額5億300万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、一般会計、特別会計合わせて1,340億7,500万円余であります。 あわせまして、県立学校の工事等に係る繰越明許費の設定及び来年度の年間委託契約に係る債務負担行為の設定であります。 次に、警察本部の11月補正予算は、人事委員会勧告に基づく職員給与改定関係の経費1億3,400万円余の増額補正であり、補正後の予算総額は、387億2,900万円余であります。 あわせまして、来年度の年間委託契約に係る債務負担行為の設定及び繰越明許費の設定であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、指定管理者の指定について外1議案であります。 議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、県庁舎新館中水設備更新工事に係る繰越明許費の設定について、繰越理由の一つが材料不足とのことであるが、どのような状況かとの質疑があり、執行部から、当該工事は、警察棟を含む県庁舎新館で、上水道として使用した水をトイレの水などに再利用するため、再生処理を行う設備の更新工事であるが、一部特殊設備が必要なため、その製造に時間がかかっている状況であるとの答弁がありました。 次に、委員から、文化財保存事業に係る繰越明許費の設定について、水前寺成趣園の復旧に係るものはどのような内容か、また、県とのかかわりはどのようなものかと質疑があり、執行部から、水前寺成趣園の築山が熊本地震で60センチメートル沈下し、その復旧工事について、当初は西南戦争の砲台設置で削った部分を盛り土として復旧した明治時代の工法によることとしていたが、その後の調査で、江戸時代の創建当時の状態が明らかとなり、創建時の状態に戻す工法に変更するため、工期を延長するものである、また、水前寺成趣園は国指定史跡であり、県からも復旧のための補助金を交付しているとの答弁がありました。 次に、委員から、教育委員会全体の今回の繰越明許費設定額は、通常の年に比較して多いのかとの質疑があり、執行部から、熊本地震以前に比べると、設定額はかなり多くなっている、震災の災害復旧工事の影響で、通常事業も翌年度に繰り越すものがふえている実態があるとの答弁がありました。 関連して、委員から、明許繰り越しは地震関係のものが多いが、事故繰越となる可能性があるものはないかとの質疑があり、執行部から、熊本地震からの災害復旧に係る工事で、文部科学省とも調整しながら計画的に繰り越している事業はあるが、通常事業において、現時点で事故繰越となる可能性があるものはないとの答弁がありました。 次に、委員から、県立美術館分館の指定管理者の指定について、今回、選考委員会において、高い点数で候補者が選定されたとのことであるが、選定されるために必要な得点の基準があるのか、また、1者のみ応募があった場合で、点数が低かった場合は選定されるのかとの質疑があり、執行部から、得点の基準は設けていない、応募が1者のみで、選考委員会で、仮に点数が低く、適当ではないという意見があった場合は、その時点では選定せず、教育委員会が団体などと協議し、選定基準に照らし合わせて判断することになるとの答弁がありました。 次に、委員から、熊本県育英資金の返還について、訴訟に移行した案件で、その後の返還の状況はどうなっているかとの質疑があり、執行部から、平成22年度から支払い督促の申し立てを行っており、本年10月までに申し立てを行った事案のうち、255件、約1億2,408万円が完済されているという状況であるとの答弁がありました。 以上が論議された主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 最後に、本委員会所管事務の継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願いを申し上げまして、教育警察常任委員長の報告を終わります。
○議長(坂田孝志君) 最後に、総務常任委員長の報告を求めます。 内野幸喜君。 〔内野幸喜君登壇〕
◆(内野幸喜君) 総務常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係2議案、条例等関係5議案及び請願1件であります。 まず、予算関係議案の概要について申し上げます。 今回提出された一般会計11月補正予算は、熊本地震からの復旧、復興を図るための事業並びに本年の大雨及び台風被害に対応するための事業に必要な経費等のほか、人事委員会勧告に基づく職員給与改定関係に必要な経費など、62億6,900万円余の増額補正であり、補正後の一般会計の予算総額は、8,611億3,000万円余であります。 また、公共工事を早期に完成させるための、いわゆるゼロ県債などの債務負担行為の設定であります。 次に、条例等関係議案についてでありますが、熊本県知事の権限に属する事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定について外4議案であります。 次に、議案等の審査の過程において論議されました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、管理調達課に係る債務負担行為の設定について、設定そのものについては適切だと思うが、今回の補正で限度額が大幅にふえているのはどういう理由なのかとの質疑があり、執行部から、補正前の限度額は、新規施設の管理業務を初め、今年度新たに設定した分などである、一方、補正後の限度額は、今年度末で契約が終了する既存施設の管理業務など、来年度も業務を継続するために、3月中に契約をしなければならないものなどを計上していることから多額になっているとの答弁がありました。 次に、委員から、ふるさと納税寄附金・被災地応援分交付金に係る補正額の内訳はどうなっているのか、また、熊本地震に係る寄附金の現在の推移及びその寄附金の活用状況はどうかとの質疑があり、執行部から、ふるさと納税寄附金・被災地応援分交付金は、広島県と愛媛県への寄附金を代理で受け入れた額を両県に交付するものであるが、この寄附金は、ポータルサイトによるクレジット納付で受け入れているため、その手数料が必要であり、補正後は、両県に対する交付分と手数料を計上している、また、熊本地震に係る寄附金の推移については、平成28年度が50億円強、平成29年度が7億4,000万円程度で推移している、寄附金については、ふるさとくまもと応援寄附基金に一旦積み立て、必要な範囲で取り崩しているとの答弁がありました。 次に、委員から、ふるさと納税の返礼品について、来年6月から、返礼品は、寄附金の3割以下となる地場産品の場合に限定するとの報道があるが、この地場産品の定義がどうなるかによって、市町村にはかなりの影響が出ると思うがどうかとの質疑があり、執行部から、地場産品の定義については、総務省から、市町村の中で生産されたものが地場産品に当たるとの考えが示されたが、その考えをふるさと納税の対象団体指定の基準にそのまま活用するかどうかは、今後総務省で検討されると聞いており、今後も情報収集に努めたい、また、市町村内で生産されたものだけに限定すると、市町村間での格差が懸念されるため、県としては、総務省に対し、県内の産品であれば、市町村の返礼品としてもいいのではないかとの意見を提出しているとの答弁がありました。 次に、委員から、熊本時習館海外チャレンジ推進事業については、裕福な家庭への支援という特殊な事業ではないのか、海外へ行くのは個人に任せればよく、こういった事業を県として実施する必要があるのか疑問である、これまでの実績や塾生の出身高校数などはどうか、また、成果も含めた報告も必要ではないかとの質疑があり、執行部から、本事業は、決して裕福な家庭への支援ではない、確実にいる海外進学志望を含めた生徒のさまざまなニーズを支援するという目的のために時習館構想として実施している、海外進学に関しては、本県のような地方都市には対応する事業者が少ないことから、県が実施している、これまでの実績としては、塾を開講以来、14名の海外高校留学者、21名の海外進学者を出している、また、塾生は、公立、私立で半々ぐらいであり、出身高校数については、公立が19校、私立は13校で、合計32校である、成果の報告については、今後しっかり行っていきたいとの答弁がありました。 次に、委員から、『ONE PIECE』連携復興応援事業について、仲間の像の設置に係る市町村からの提案が52件あったとのことだが、今後の選定に当たっては、選定基準や審査員制度などを検討し、アナウンスしていく必要があるのではないかとの質疑があり、執行部から、現在、市町村からいただいた52件の資料の精査を行っているところであり、県内全体で復興につなげていけるようなストーリーや仕掛け、設置後の活用策について知恵を絞っていきたい、また、審査の透明性については、しっかり説明責任を果たせるようなやり方を検討しているところであるとの答弁ありました。 以上が論議されました主な内容でありますが、本委員会に付託された議案については、全員賛成をもって原案のとおり可決することに決定いたしました。 なお、請願については、お手元に配付の請願委員会審査報告一覧表のとおりであります。 最後に、本委員会所管事務の継続審査事件については、議席に配付のとおり決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、総務常任委員長の報告を終わります。
○議長(坂田孝志君) 以上で各常任委員長の報告は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田孝志君) 質疑なしと認めます。 次に、討論に入ります。 討論の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は10分以内でありますので、さよう御承知願います。 山本伸裕君。 〔山本伸裕君登壇〕
◆(山本伸裕君) 日本共産党の山本伸裕です。 まず、議案24号、熊本県立美術館分館の指定管理者の指定についてであります。 平成27年12月議会においても、私は表明しておりますけれども、少なくとも美術館や博物館、図書館など社会教育施設には、指定管理者制度はそもそもなじまないという考えを表明し、反対いたします。 次に、議案第45号、熊本県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定についてであります。 私は、一般職員の皆さんの給与引き上げについては賛成であります。御家族も含めた県職員の皆さんの生活を保障するだけでなく、民間の賃金にも影響する公務員の賃金は、労働者全体の労働条件を引き上げる上でも向上させるべきであり、また同時に、非正規職員の皆さんの正職員化にも取り組むべきであります。必要な県職員の人員を確保し、かつ、その身分を保障することは、県民生活の安全、安心のためにも必要なことであると考えます。 一方、知事、副知事、教育長及び議員の期末手当、勤勉手当の増額改定もあわせて提案されておりますが、こちらのほうは上げる必要はないと考えますので、45号議案には反対であります。 次に、請第37号、教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成請願についてであります。 委員会の採決は不採択でありますけれども、趣旨に賛同し、採択することを求めます。 熊本県では、高校生の約36%が私学に通っております。公立学校に子供が通う御家庭よりも、私学に子供が通う御家庭のほうが裕福であるなどという事実はどこにもありません。しかし、保護者負担の公私間格差は、依然として大きく存在しており、深刻であります。 各都道府県は、国からの就学支援金に上乗せする形で、私学の授業料無償化枠の拡充を図っております。お隣大分県では、ことし2月に、年収350万円未満の世帯を対象に、私学の授業料を実質無償にすることを決断しました。また、減免額の2分の1負担を学校に求めていた授業料減免制度においても、大分県は、学校負担を撤廃し、保護者負担の軽減を図っています。 学校負担制度を残している県は、全国的にも、熊本を含め7県のみとなりました。さらに、本務教員に占める期限つき常勤講師の割合が、熊本県は27.9%と全国一高いものになっており、その結果、専任教師の多忙化を生み、本来、生徒一人一人に寄り添うべき私学の現場が疲弊し、丁寧な対応ができないという問題を生み出しています。 学費無償化や私学助成の拡充は全国的な流れとなっておりますが、しかし、その中で熊本県の私学に対する支援の水準は、私学に通う高校生の比率が全国5番目の高さであるにもかかわらず、助成の拡充は立ちおくれていると言わなければなりません。 本請願の提出の際には、高校生の皆さんが、公立学校に落ちてしまって親に負担をかけて申しわけないとか、弟が希望していた学校を断念させてしまったとか、涙ながらに訴えておられました。その姿を目の当たりにすれば、未来ある高校生にこんな肩身の狭い思いをさせている今日の私学環境は放置できないと、どなたでも痛感されるはずであろうと思います。 この学校に進学できてよかったと、胸を張って充実した学校生活を送っていただけるよう、熊本県、県議会としても、しっかり背中を押していこうではありませんか。本請願の採択を求めるものであります。 次に、請第38号、
熊本地震被災者の住まい再建に関する請願であります。 被災者生活再建支援制度の拡充、一部損壊の被災者にも公的支援の適用を求めたものでありますが、委員会の採決結果は不採択とのことであります。 熊本県が、ことし10月に国に提出した平成28年熊本地震からの復旧・復興に係る要望では、このように国に要望されています。「現行の被災者生活再建支援制度では、半壊世帯」や「一部損壊世帯が支援の対象外となっているが、半壊や一部損壊の住家被害であっても、その修理等に多大な費用が必要となり、被災者の生活再建の障害となっている。」「これら熊本地震での被害を踏まえ、全ての被災者の円滑な生活再建が行われるよう、半壊や一部損壊、宅地被害を受けた世帯への支援が実施できるよう制度改正をお願いしたい。」「また、住まいの再建については、現行の支援制度では十分でないことから、被災自治体において独自に支援を行っている」「住まいの再建を早期に果たすことは、長期的にみると、国・県・市町村の財政的負担の軽減にもつながるものであり、いつどこで起こるか分からない今後の災害においても共通の課題である。そのため、国においては、応急救助から自立再建まで含めた総合的な支援制度を創設するとともに、その財政支援をお願いしたい。」とも訴えています。 まさに、本請願の思いと県の国に対する要望は、方向性が一致しております。本請願の不採択は、熊本県も求めている方向すら県議会が否定することになるのではないでしょうか。ぜひ本会議における採択を訴えるものであります。 請第39号、
熊本地震被災者の医療費窓口負担等の免除措置に関する請願についてであります。 今回の請願の趣旨は、熊本地震において、半壊以上の判定を受けた住民税非課税世帯または仮設団地及びみなし仮設住宅に入居中の住民税非課税世帯について、医療費の窓口負担等の免除措置を求めたものであります。 これは、前回の請願よりも相当免除対象を絞り込んだ上での要請であり、それだけ私は、この請願採択にかける思いが、よほど切実なものであるということを感じずにはいられません。 医療費窓口負担免除の復活がなぜ必要かについて、この間、明らかになってきた事実に基づく4つの根拠を指摘したいと思います。 第1に、熊本県が実施した被災者への心の健康調査で、高度のメンタルリスク該当者の割合が宮城県の調査と同程度に高かったこと、また、今後、再建プロセスで生じるストレスにより、心身の変調が長期間継続することが過去の震災により明らかになっていることなどから、中長期にわたる支援を行う必要があるということを県自身も認めているということ、第2に、にもかかわらず、医療費免除制度が昨年9月に打ち切られてしまったことを契機に、深刻な受診抑制が発生してしまっていることが、被災者みずからの証言や保険医協会のアンケート調査などからも明らかになっていること、第3に、既存の国民健康保険の医療費減免制度は、被災を理由にした収入減があったとしても適用されないなど、制度を利用することが難しいことから、仮に幾ら制度の周知徹底が図られたとしても、もともとの免除制度のかわりの役割を果たすことにはならないこと、第4に、免除制度の復活を求める会には、各被災市町村から17名の仮設団地自治会長さん及びみなし仮設入居者の方々らが名を連ね、短期間で2万人を超える署名が寄せられるなど、医療費免除制度の復活は、被災者、県民の皆さんの共同の要求となって広がっていることなどであります。 この声に耳を塞ぎ続けるのではなく、ぜひ真剣に受けとめ、意見書を採択すべきであることを訴えて、討論を終わります。
○議長(坂田孝志君) 以上で通告による討論は終了いたしました。 これをもって討論を終結いたします。 これよりまず、議案第1号から第23号まで、第25号から第44号まで及び第46号を一括して採決いたします。 ただいまの各常任委員長の報告は、各議案とも原案可決または承認であります。各常任委員長の報告のとおり原案を可決または承認することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田孝志君) 御異議なしと認めます。よって、議案第1号外43件は、原案のとおり可決または承認いたしました。 次に、議案第24号及び第45号を一括して起立または挙手により採決いたします。 ただいまの総務、教育警察両常任委員長の報告は、各議案とも原案可決であります。総務、教育警察両常任委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(坂田孝志君) 起立または挙手多数と認めます。よって、議案第24号外1件は、原案のとおり可決いたしました。 次に、請願に対する各常任委員会の審査結果は、議席に配付の委員会審査報告一覧表のとおりであります。 これより、請第38号及び第39号を一括して起立または挙手により採決いたします。 ただいまの厚生常任委員長の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(坂田孝志君) 起立または挙手多数と認めます。よって、請第38号外1件は、厚生常任委員長の報告のとおり決定いたしました。 次に、請第37号を起立または挙手により採決いたします。 ただいまの総務常任委員長の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(坂田孝志君) 起立または挙手多数と認めます。よって、請第37号は、総務常任委員長の報告のとおり決定いたしました。 〔委員会審査報告書及び請願委員会審査報告一覧表は付録に掲載〕 ――――――○――――――
△日程第3 閉会中の継続審査の件
○議長(坂田孝志君) 次に、日程第3、閉会中の継続審査の件を議題といたします。 まず、請願について、経済環境常任委員長から、議席に配付の閉会中の継続審査申出一覧表のとおり申し出があっております。 これより、請第18号を起立または挙手により採決いたします。 経済環境常任委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査とすることに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(坂田孝志君) 起立または挙手多数と認めます。よって、請第18号は、経済環境常任委員長から申し出のとおり決定いたしました。 次に、各特別委員長から付託中の調査事件について、議会運営委員長及び各常任委員長から事務調査について、議席に配付の閉会中の継続審査申出一覧表のとおり申し出があっております。 お諮りいたします。 各特別委員長、議会運営委員長及び各常任委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査とすることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田孝志君) 御異議なしと認めます。よって、各特別委員長、議会運営委員長及び各常任委員長から申し出のとおり決定いたしました。 〔閉会中の継続審査申出一覧表は付録に掲載〕 ――――――○―――――― 議員提出議案第2号から第7号まで
○議長(坂田孝志君) 次に、お諮りいたします。 議員提出議案第2号から第7号までが提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田孝志君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第2号から第7号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 議員提出議案第2号から第7号までを一括して議題といたします。 ――――――――――――――――― 議員提出議案第2号 くまもと県産酒で
乾杯条例の制定について 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。 平成30年12月19日提出 提出者 熊本県議会議員 小 杉 直 前 川 收 吉 永 和 世 池 田 和 貴 溝 口 幸 治 渕 上 陽 一 橋 口 海 平 河 津 修 司 吉 田 孝 平熊本県議会議長 坂 田 孝 志 様---------------------------------- くまもと県産酒で
乾杯条例 全国に誇る名水と豊かな大地、そして人々の技と心意気が造りだす県産酒は、これまで地域の食文化や暮らしに彩りを添えるとともに、多くの雇用を生み出し、地域経済を支える重要な役割を果たしてきた。 人吉球磨地方では、500年の歴史を誇る「球磨焼酎」の伝統が受け継がれ、コニャックやボルドーワインなどと並び、産地呼称が認められた本格焼酎のブランドとして広く浸透している。また、昭和28年に「酒の神様」とも呼ばれる野白金一氏によって生み出された「熊本酵母」は、吟醸酒づくりに最適な華やかな香りを引き出す酵母として、今なお重宝され、全国の酒造りに欠かせないものとなっている。 しかし、人口減少社会の到来や高齢化の進展など社会構造が大きく変化する中、人と人の絆が希薄となり、県産酒との付き合い方も、その変容を余儀なくされている。 このような状況の中、本県では、平成21年3月にくまもと地産地消推進県民条例を制定し、蔵元等と連携した愛飲運動に取り組み、県民の宝である「県産酒」の発展につなげてきた。 来る2019年の国際スポーツ大会を契機に、おもてなしの心をもって県産酒を県内外に広く発信するとともに、県産酒のコミュニケーションツールとしての機能を生かし、県民一人ひとりの絆を紡ぎながら、熊本地震からの創造的復興に取り組むことが重要である。 よって、ここに県産酒による乾杯の推進を通じて、県産酒の普及の促進と県民の協働を図り、もって本県経済の活性化及び郷土愛の醸成に寄与することを目指して、この条例を制定する。 (目的) 第1条 この条例は、県産酒による乾杯の推進に関し、事業者及び県の役割等を明らかにすることにより、県産酒による乾杯の推進を図り、もって本県経済の活性化及び郷土愛の醸成に寄与することを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において「県産酒」とは、県内で製造される酒類をいう。 2 この条例において「事業者」とは、県産酒を製造し、販売し、又は提供する者をいう。 (県の役割) 第3条 県は、県産酒による乾杯を推進するための取組を総合的かつ主体的に実施するよう努めるものとする。 2 県は、事業者が実施する県産酒による乾杯を推進するための取組を積極的に支援するよう努めるものとする。 (事業者の役割) 第4条 事業者は、県産酒による乾杯を推進するための取組を主体的に実施するよう努めるものとする。 2 事業者は、県が実施する県産酒による乾杯を推進するための取組に協力するとともに、多くの県民の参加が得られるよう努めるものとする。 3 事業者は、県産酒による乾杯を推進するための取組を実施するに当たっては、県産酒の普及の促進が事業者自らの基盤を強化し、雇用機会の確保及び拡大、県民所得の向上等につながることを理解し、県産酒の普及の促進を通じて本県経済の活性化及び郷土愛の醸成に貢献することができるよう創意工夫に努めるものとする。 (県民の協力) 第5条 県民は、県及び事業者が行う県産酒による乾杯の推進に関する取組に協力するよう努めるものとする。 (運用上の配慮) 第6条 この条例の運用に当たっては、乾杯に関する個人の嗜好及び意思を尊重するとともに、アルコールによる健康障害(アルコール依存症その他の多量の飲酒、未成年者の飲酒、妊婦の飲酒等の不適切な飲酒の影響による心身の健康障害をいう。)及び飲酒によって生じる飲酒運転、暴力、虐待、自殺等の問題の防止に十分配慮するものとする。 2 本県産の原材料を使用して製造された酒類及び本県の認知度向上に資する取組の一環として製造された酒類については、県産酒の取扱に準ずるよう配慮するものとする。 附 則 この条例は、公布の日から施行する。 (提案理由) 県産酒による乾杯の推進を通じて、県産酒の普及の促進と県民の協働を図り、もって本県経済を活性化し郷土愛を醸成するため、条例を制定する必要がある。 これが、この条例案を提出する理由である。 ―――――――――――――――――議員提出議案第3号 地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。平成30年12月19日提出 提出者 熊本県議会議員 小 杉 直 城 下 広 作熊本県議会議長 坂 田 孝 志 様---------------------------------- 地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書 地方創生が我が国の将来にとって重要な政治課題となり、その実現に向け大きな責任を有する地方議会の果たすべき役割は、ますます重要となっている。 こうした要請に応えるため、地方議会議員の活動も幅広い分野に及ぶとともに、より専門的な知識が求められ、専業として活動する議員の割合も高くなっている。 しかしながら、平成27年4月に実施された統一地方選挙では、道府県議会議員選挙の平均投票率が過去最低となったほか、無投票当選者の割合が高くなるなど、住民の関心の低さや地方議会議員のなり手不足が大きな問題となった。 こうした中、選挙権年齢の引き下げに伴い、若者に対して政治への関心を高めるための啓発活動の充実強化を図るとともに、サラリーマンの議員立候補が行われやすいように、年金制度を時代に相応しいものとすることが、人材の確保につながっていくと考える。 なお、本県においては、これまで39市町村において厚生年金制度への加入を求める意見書が国に提出されているところである。 よって、国におかれては、国民の幅広い政治参加や、地方議会における人材確保の観点から、地方議会議員の厚生年金加入のための法整備を早急に実現されるよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成 年 月 日 熊本県議会議長 坂 田 孝 志 衆議院議長 大 島 理 森 様 参議院議長 伊 達 忠 一 様 内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様 総務大臣 石 田 真 敏 様 財務大臣 麻 生 太 郎 様 厚生労働大臣 根 本 匠 様 内閣官房長官 菅 義 偉 様 ―――――――――――――――――議員提出議案第4号 道路財源確保を求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。 平成30年12月19日提出 提出者 熊本県議会議員 小 杉 直 鎌 田 聡 城 下 広 作熊本県議会議長 坂 田 孝 志 様---------------------------------- 道路財源確保を求める意見書 道路は、県民の生活や経済・社会活動を支える最も基礎的な社会資本であり、その整備は、多くの県民が長年にわたり熱望しているところである。 地域の安全・安心、地方創生、地域経済に好循環をもたらす道路ストック効果を早期に発現させるためには、生活道路から高速道路までバランスのとれた道路ネットワークの整備が重要である。 また、平成28年熊本地震をはじめ、近年、頻発・激甚化する自然災害に備え、本県が九州の防災拠点としての役割を十分に発揮するためには、物資や人員を迅速かつ円滑に搬送することが可能な幹線道路ネットワークの整備が急務である。 よって、国におかれては、以上の観点から、次に掲げる項目を計画的かつ着実に実現するために必要な道路財源を確保されるよう強く要望する。 記1 地方創生及び国土強靱化を推進するため、平成31年度の道路予算については、削減することなく概算要求額の満額確保を図ること。また、平成30年度の復旧・復興に限らない第2次補正予算を早期に成立させること。2 災害時の交通インフラ等の重要インフラの機能確保に関し、緊急点検を受け、その対応方策を集中的に実現できるよう予算を確保すること。3 地方創生による人口減少の克服、国土強靱化、国際競争力の強化はもとより、激甚化する災害に備え、高速道路等のミッシングリンクを早期に解消し、ダブルネットワークを構築することで、災害時にも機能するネットワークを強化すること。4 トンネル、橋梁等の老朽化対策や、人流・物流の生産性向上のための渋滞対策、通学路等の交通安全対策、無電柱化の推進、自転車利用環境の創出など、国民の命と暮らしを守る道路整備を推進すること。5 重要物流道路制度を契機としたネットワークの強化及び補助事業による重点整備を行うこと。6 地域の道路整備や長寿命化計画に基づく戦略的な老朽化対策などの管理が確実に進められるよう、新たな財源を創設するとともに、長期的安定的に必要な財源の確保を図ること。特に熊本地震関連については、確実な財政措置を講じること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成 年 月 日熊本県議会議長 坂 田 孝 志 衆議院議長 大 島 理 森 様 参議院議長 伊 達 忠 一 様 内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様 総務大臣 石 田 真 敏 様 財務大臣 麻 生 太 郎 様 国土交通大臣 石 井 啓 一 様 ―――――――――――――――――議員提出議案第5号 農業農村整備事業の地方財政措置の充実を求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。 平成30年12月19日提出 提出者 熊本県議会議員 小 杉 直 鎌 田 聡 城 下 広 作熊本県議会議長 坂 田 孝 志 様---------------------------------- 農業農村整備事業の地方財政措置の充実を求める意見書 農業農村整備事業は、稼げる農業を実現し、また国土強靱化を図るにあたって、必要不可欠な施策である。本県においても、これまで農地、農業水利施設等の整備を干拓地から中山間地域に至る県土の広い地域で行ってきたことによって、野菜や果樹等多様な営農が可能となり、また豪雨や地震等の災害時における県民の生命、財産に対する被害が軽減されてきた。 今年度の農業農村整備事業関係予算は、昨年度補正予算と合わせ、平成21年度予算を上回る5,800億円が確保され、本県としては、今後とも農業農村整備事業関係予算を積極的に活用し、老朽化が著しい排水機場、地震後の営農再開に伴い必要性が高まる農地や農業用水路等の整備を加速化し、地域のニーズに応えていく考えである。しかしながら、地方公共団体の厳しい財政状況を踏まえると、必要な事業に取り組みつつ安定的な財政運営を行うためには、地方財政措置の充実が必要である。 よって、国におかれては、下記の点が実現されるよう強く要望する。 記1 緊急性が高いため池、排水機場等の整備を加速化するための公共事業等債の充実を図ること。2 団体営事業において、地方公共団体の負担割合に関するガイドラインを設定した上で、公共事業等債、辺地対策事業債、過疎対策事業債を適用すること。3 農地や農業用水路等の整備を行う非公共事業の市町村負担について、公共事業等債と同様の地方財政措置を講じること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成 年 月 日 熊本県議会議長 坂 田 孝 志 衆議院議長 大 島 理 森 様 参議院議長 伊 達 忠 一 様 内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様 総務大臣 石 田 真 敏 様 財務大臣 麻 生 太 郎 様 農林水産大臣 吉 川 貴 盛 様 ―――――――――――――――――議員提出議案第6号 全国知事会が求めた国保財政への公費投入を全面的に支持し、住民と医療保険制度を守るよう求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。 平成30年12月19日提出 提出者 熊本県議会議員 鎌 田 聡 岩 中 伸 司 山 本 伸 裕熊本県議会議長 坂 田 孝 志 様---------------------------------- 全国知事会が求めた国保財政への公費投入を全面的に支持し、住民と医療保険制度を守るよう求める意見書 高すぎる国民健康保険料は、住民の暮らしを苦しめているだけでなく、国民健康保険制度の根幹を揺るがしている。全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体は、加入者の所得が低い国保が他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、「国保を持続可能とする」ためには、「被用者保険との格差を縮小するような、抜本的な財政基盤の強化が必要」と主張している。日本医師会などの医療関係者も、国民皆保険制度を守るために、低所得者の保険料(税)を引き下げ、保険証の取り上げをやめるよう求めている。 国保加入者の保険料負担率(一人当たり)は、政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合けんぽの1.7倍という水準である。この25年間に、一人当たりの国保料(税)が6.5万円から9.4万円に引き上がっているが、国保加入世帯の平均所得は同時期に276万円から138万円に半減している。 国民の4人に1人が加入し、国民皆保険制度の重要な柱を担うべき国保が、他の医療保険制度に比べて著しく不公平で、庶民に大変重い負担を強いる制度になっている。高すぎる保険料(税)問題を解決することは、住民の暮らしと健康を守るためにも、国保制度の持続可能性にとっても、社会の公平・公正を確保する上でも、重要な政治課題である。 全国知事会の福田富一社会保障常任委員会委員長(当時。栃木県知事)は2014年、国民の保険料負担の公平性と将来にわたる国保財政の基盤強化の観点から、「協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるには約1兆円が必要との試算がある」と述べたうえで、具体的な公費の活用策も提示し、被用者保険や都道府県間の保険料格差是正につながる財政基盤の必要性を訴えた。 公費を1兆円投入すれば、国保料(税)が、協会けんぽなどの被用者保険と比べて著しく高くなっている大きな要因になっている、「均等割」「平等割」をなくすことができ、多くの自治体で協会けんぽ並みの保険料(税)にすることが可能となる。 よって、熊本県議会は、こうした全国知事会の意見を全面的に支持するものであり、国におかれては、下記の点が実現されるよう強く要望する。 記1 全国知事会なども強く要望している公費の投入で、国民健康保険料(税)を引き下げること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成 年 月 日 熊本県議会議長 坂 田 孝 志 衆議院議長 大 島 理 森 様 参議院議長 伊 達 忠 一 様 内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様 総務大臣 石 田 真 敏 様 財務大臣 麻 生 太 郎 様 厚生労働大臣 根 本 匠 様 ―――――――――――――――――議員提出議案第7号 全国知事会の決議を支持し、日米地位協定の抜本的見直しを求める意見書 上記の議案を、別紙のとおり熊本県議会会議規則第14条第1項の規定により提出します。 平成30年12月19日提出 提出者 熊本県議会議員 鎌 田 聡 岩 中 伸 司 山 本 伸 裕熊本県議会議長 坂 田 孝 志 様---------------------------------- 全国知事会の決議を支持し、日米地位協定の抜本的見直しを求める意見書 全国知事会は今年7月、日米地位協定の抜本的見直しを求める決議を初めて全会一致で採択し、8月14日、上田清司全国知事会長(埼玉県知事)が日米両政府に提言を提出した。 提言では、①日米安全保障体制は、国民の生命・財産や領土・領海等を守るために重要であるが、米軍基地の存在が、航空機騒音、米軍人等による事件・事故、環境問題等により、基地周辺住民の安全安心を脅かし、基地所在自治体に過大な負担を強いている側面がある。②基地周辺以外においても艦載機やヘリコプターによる飛行訓練等が実施されており、騒音被害や事故に対する住民の不安もあり、訓練ルートや訓練が行われる時期・内容などについて、関係の自治体への事前説明・通告が求められている。③全国的に米軍基地の整理・縮小・返還が進んでいるものの、沖縄県における米軍専用施設の基地面積割合は全国の7割を占め、依然として極めて高い。④日米地位協定は、締結以来一度も改定されておらず、補足協定等により運用改善が図られているものの、国内法の適用や自治体の基地立入権がないなど、我が国にとって、依然として十分とは言えない現況である。⑤沖縄県の例では、県経済に占める基地関連収入は復帰時に比べ大幅に低下し、返還後の跡地利用に伴う経済効果は基地経済を大きく上回るものとなっており、経済効果の面からも、更なる基地の返還等が求められている。―という、現状や改善すべき課題を列挙し、下記の4点を提言している。 よって、熊本県議会は、こうした全国知事会の決議を全面的に支持するものであり、国におかれては、以下の4点が実現されるよう強く要望する。 記 1 米軍機による低空飛行訓練等については、国の責任で騒音測定器を増やすなど必要な実態調査を行うとともに、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を必ず行い、関係自治体や地域住民の不安を払拭したうえで実施されるよう、十分な配慮を行うこと。 2 日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記すること。 3 米軍人等による事件・事故に対し、具体的かつ実効的な防止策を提示し、継続的に取り組みを進めること。また、飛行場周辺における航空機騒音規制措置については、周辺住民の実質的な負担軽減が図られるための運用を行うとともに、同措置の実施に伴う効果について検証を行うこと。 4 施設ごとに必要性や使用状況等を点検したうえで、基地の整理・縮小・返還を積極的に推進すること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成 年 月 日 熊本県議会議長 坂 田 孝 志 衆議院議長 大 島 理 森 様 参議院議長 伊 達 忠 一 様 内閣総理大臣 安 倍 晋 三 様 防衛大臣 岩 屋 毅 様 ―――――――――――――――――
○議長(坂田孝志君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議員提出議案第2号、第6号及び第7号については、委員会付託を省略し、第3号から第5号までについては、議案に対する提出者の説明並びに委員会付託は省略して会議で議決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田孝志君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。 これよりまず、議員提出議案第2号に対する提出者の説明を求めます。 橋口海平君。 〔橋口海平君登壇〕
◆(橋口海平君) 自由民主党の橋口海平です。 議員提出議案第2号、くまもと県産酒で
乾杯条例の制定について、提出者を代表して提案理由説明を行います。 本県においては、全国に誇る名水を初めとする豊かな自然に恵まれており、伝統的なわざも古くから伝わる中、多種多様の酒類がつくられてきました。代表的なものとしては、県内で初めて、コニャックやボルドーワインのように、産地呼称が認められた球磨焼酎が挙げられます。また、酒の神様とも呼ばれる野白金一氏によって生み出された熊本酵母は、全国の酒づくりに欠かせないものとなっています。 県産酒は、熊本の食文化や暮らしに彩りを添える存在であるとともに、その製造や流通等の過程において多くの雇用を生み出しており、地域経済の発展に重要な役割を果たしています。 本県では、平成21年3月に、くまもと地産地消推進県民条例を制定し、蔵元等と連携した県産酒の愛飲運動に取り組んできました。 そのような中、前回の9月定例会において、業界関係者の方々から、県産酒類のさらなる普及促進に向けて、熊本県産酒類による乾杯の推進に関する条例の制定を求める請願書が提出されました。この請願を全会一致により採択をし、条例制定の検討を行うこととしました。 来年には、
ラグビーワールドカップ、女子ハンドボール世界選手権の2つの国際スポーツ大会、さらには全国高校総合体育大会・南部九州総体が熊本で開催されることとなっており、国内外から多くの競技関係者や観戦者の方々が熊本においでになります。この機会に、地元はもとより、これら訪問者の方々に、より広く県産酒の魅力を発信することが重要であると考え、条例案の作成を行いました。 作成に当たっては、自民党会派内で検討委員会を設置し、7人の構成委員で検討を行うとともに、経済環境部会でも協議いたしました。また、請願書を提出されました酒造組合、卸酒販組合、小売酒販組合など、業界関係者の方々の意見も伺い、議論を重ねてまいりました。 その上で、条例案では、まず、県産酒を県内で製造される酒類と定義し、県内でつくられるさまざまな酒類を総括して対象とすることとしました。 続けて、県産酒による乾杯の推進に向けての県の役割と事業者の役割を規定しております。 県は、県産酒による乾杯を推進するための取り組みを総合的、主体的に実施し、事業者への支援に努めること、事業者については、同じく主体的な取り組みと県への協力、また、普及促進が経済の活性化や郷土愛の醸成につながるよう創意工夫に努めることなどの事項を役割として盛り込んでおります。そして、県民に対しましては、県や事業者の取り組みへの協力を求めております。 最後に、運用上の配慮として、2点をうたっております。 1つ目は、乾杯の推進に当たっては、個人の嗜好や意思を尊重し、同時に、アルコールの摂取や不適切な飲酒によってもたらされる問題、例えば、健康障害や飲酒運転などの防止に配慮するということです。 2つ目は、県内で製造される酒類のほかに、県産の原材料を使用した酒類あるいは県の認知度向上に資するもの、例えば、復興支援や熊本をPRするキャンペーンのために製造、販売される酒類についても、県産酒に準じて取り扱うよう配慮するということです。 以上が条例の主な内容ですが、この条例の制定を契機に、県と事業者が連携して県産酒の普及促進を図ることで、県経済の活性化と郷土愛の醸成につなげ、ひいては本県の創造的復興の力となることを目指すものであります。 議員各位におかれましては、何とぞ御理解をいただき、この条例案に御賛同賜りますようお願いを申し上げます。提案理由の説明といたします。
○議長(坂田孝志君) 次に、議員提出議案第6号に対する提出者の説明を求めます。岩中伸司君。 〔岩中伸司君登壇〕
◆(岩中伸司君) 新社会党の岩中伸司です。議員提出議案第6号、全国知事会が求めた国保財政への公費投入を全面的に支持し、住民と医療保険制度を守るよう求める意見書について、提出者の説明を行います。 国民健康保険制度は、皆保険体制を下支えする最も大切な制度です。日本の医療保険制度は、原則として、国内に住所を有する全ての人が、何らかの公的医療保険に加入しなければならない皆保険体制です。 国保は、75歳未満の会社員らが加入する被用者保険に加入していない人が加入しています。その結果、現在の国保加入者の8割近くは、低所得者と高齢者が多い無職者と非正規雇用の被用者などです。4世帯に1世帯は所得なしで、約8割は年間所得200万円以下です。 国保は、非正規雇用の増大や高齢者の増加という社会構造の変化の中で、皆保険体制を下支えする医療保障制度として、必然的に保険料の負担能力が高くない人々の命綱となっています。しかし、その国保料が年々上がり、保険料の負担は、被用者保険の加入者よりも重くなっています。 国保加入者の保険料負担率、1人当たりは、政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍という水準です。 1991年から2016年までの25年間に、1人当たりの国保料が6万5,000円から9万4,000円に引き上がっていますが、国保加入世帯の平均所得は、同時期に276万円から138万円に半減しています。 2017年6月1日現在の国保料滞納世帯は、全国で289万世帯で、全世帯の15.3%に及び、熊本県の滞納世帯は5万3,716世帯で、県下国保全世帯の20.1%と、47都道府県で2番目に滞納世帯が多い現状です。 現行の国保制度がスタートした当初、政府は、国民健康保険は、被保険者に低所得者が多いこと、保険料に事業主負担がないことなどから、相当額国庫が負担する必要があると認めていました。しかし、1984年の法改定で、国保への定率国庫負担を削減したことを皮切りに、国庫負担を抑制し続けてきました。 国保加入者の構成も、かつては7割が農林水産業と自営業でしたが、今では43%が無職、34%が非正規雇用などの被用者で、国保制度がスタートした当時とは、加入者の構成も逆転しています。 国保の加入者の貧困化、高齢化、重症化が進む中で、国保料の高騰がとまらなくなっています。国保の構造的な危機を打開するためには、国庫負担をふやす以外に道はありません。 国保の現状を認識し、全国知事会は、本年7月27日に「国民健康保険制度については、平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となったが、新制度の運用状況を鑑み、不断の検証を行いながら国保制度の安定化が図られるよう必要な見直しを行うとともに、平成28年12月22日社会保障制度改革推進本部決定により確約した財政支援について、今後も国の責任において確実に実施すること。」などと、平成31年度国の施策並びに予算に関する提案・要望で明確にしています。 意見書案でも、2014年に、全国知事会の福田富一社会保障常任委員長が、協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるには、約1兆円が必要との試算があると述べた上で、具体的な公費の活用策も提示し、財政基盤の必要性を訴えられたことも紹介をしています。 憲法25条1項では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と生存権を明確にし、第2項では、国の社会的使命として「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」としています。 この意見書は、国に対して、全国知事会なども強く要望している、公費の投入で国民健康保険料を引き下げることを求める意見書であり、全議員の賛同をよろしくお願いをし、意見書提案の説明を終わります。
○議長(坂田孝志君) 次に、議員提出議案第7号に対する提出者の説明を求めます。 山本伸裕君。 〔山本伸裕君登壇〕
◆(山本伸裕君) 日本共産党の山本伸裕です。 議員提出議案7号、全国知事会の決議を支持し、日米地位協定の抜本的見直しを求める意見書について御説明申し上げます。 県民クラブ、新社会党の議員各位の共同提案であります。 本意見書は、全国知事会が全会一致で決議し、ことし7月に日米両政府に対し提出された提言を全面的に支持するという意思を、県議会として表明しようというものであります。 日米地位協定は、1960年1月に改定された日米安保条約の第6条に基づく、全28条から成る協定であります。 この地位協定によって、米軍に対し、世界に例を見ない数々の特権が与えられています。例えば、国内法であれば、当然処罰されるはずの米兵による犯罪行為の大半が、地位協定により、まともに処罰されていないという事実であります。本来であれば、日本側が第1次裁判権を持つはずの公務外の犯罪のうち、8割強が不起訴となっています。 法務省が作成した資料によると、昨年の米軍関係者による犯罪の処分状況は、住居侵入、強制わいせつ、強制性交、暴行、毀棄、隠匿の刑法犯22件のうち、起訴されたのはゼロであります。窃盗犯は、起訴2件、不起訴30件であります。自動車による過失致死傷は、起訴24件に対し、不起訴145件、およそ日本国内ではあり得ない数字であります。 公務中であろうが公務外であろうが、米軍関係者の犯罪や事故を、日本側がほとんどまともに裁くことができないという実態があります。 キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんは、2002年、神奈川県横須賀市で米兵から性的暴行を受けました。ところが、横浜地裁は、何の理由の説明もなく、この米兵を不起訴処分としました。 キャサリンさんは、地位協定などによって犯罪者が守られ、被害者がさらなる苦痛を受けるのはおかしいと、東京地裁に民事裁判を起こしました。しかし、犯人は、審理中に米国に帰国してしまいます。 2004年に、キャサリンさんの訴えは全面的に認められ、被告に300万円の慰謝料支払いなどが命じられましたが、犯人の所在はわからず、賠償金は支払われず、結局、日本政府が判決と同額の見舞金を支払いました。世界でも例を見ない、非常識な対応であります。 さらに、地位協定9条により、米兵は、旅券なしでいつでも日本に出入国できます。いつ、どこに、どれだけの米軍構成員が滞在しているのか、日本政府は把握できません。彼らが犯罪の被疑者となっても、知らないうちに帰国してしまえば、日本政府は手出しできません。 また、米軍基地は、地球規模で展開する米軍の補給拠点となっており、さまざまな物資が流入していますが、出入国管理の重要な柱である検疫手続について何の規定もないため、検疫が実施されるかどうかはアメリカ側次第となっています。 地位協定4条では、米軍は、基地の返還時に原状回復する義務を免除されています。日本の環境法を守る義務もありません。 2013年に、米軍嘉手納基地の一部返還跡地のサッカー場で、ベトナム戦争時に枯れ葉剤を製造した米国企業名が記載されているドラム缶83本が発見されました。そこからは、環境基準の8.4倍以上のダイオキシン類が検出されました。土壌汚染の除去費用は、全て日本政府側の負担であります。 沖縄防衛局の資料によると、返還跡地における土壌汚染に係る除去費用は、1981年から2006年にかけての25年間で、10億7,000万円余であります。 さらに、地位協定3条では、米軍による基地の排他的管理権を規定し、日本の国内法を除外する特権が与えられています。米側は、基地を自由勝手に使用し、事故や騒音、環境汚染など、日本の法令に違反した被害をもたらしても、米側は、警察や政府、自治体職員の立ち入りを拒むことができます。 この第3条のために、本来なら国内で飛行できるはずのない、オートローテーション機能を持たないオスプレイが、日本全土を自由勝手に飛行しているわけであります。 昨年10月、沖縄県の民有牧草地に米軍ヘリが墜落しました。沖縄県警は、現場に規制線を張り、土地の所有者すら立ち入ることができず、米軍は、墜落地点の土壌を勝手に持ち去りました。 さらに、昨年末、沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校に米軍ヘリの窓が落下しました。警察は、証拠物品である窓を差し押さえることもせず米軍に返却、事故の検証のために自衛官が基地内に入るということが合意されたものの、いまだ実現していません。 そして、地位協定第5条では、米軍機や艦船は、着陸料や入港料を課されることなく日本の民間港湾、空港を利用することができ、さらに、米軍の移動の自由を保障する目的から、有料道路の利用料は、全て免除されています。 免除された金額は、全額日本政府が肩がわりしており、防衛省によると、米艦船などの入港により、2016年度に日本が負担した金額は約260万円、さらに、高速道路利用料の負担額は、同年度で7億3,000万円となっています。 国土交通省によると、米軍機の2017年の空港使用回数は、全国で324回、日本の負担額は公表しておりませんが、数千万円規模の負担となっていることが推察されます。 地位協定5条2項で、米軍の移動の自由を保障していることを根拠として、移動と称して提供区域外での米軍機の飛行訓練がまかり通っています。昨今、九州や沖縄では、普天間基地所属機などの緊急着陸などが多発し、定期便の運航に大きな支障を来しています。 熊本空港は、自衛隊高遊原分屯地が隣接し、また、日米共同軍事演習が行われる大矢野原演習場の麓に存在することから、欠陥機と言われるオスプレイの飛来も含めた米軍機の離着陸あるいは緊急着陸が常態化する事態も懸念されます。 アジアのゲートウエー化を目指し、創造的復興のシンボルとして大空港構想を位置づけている熊本県としては、地位協定に基づき、米軍が我が物顔で熊本空港を利用する危険性についても、懸念や警戒感を持って対応する必要があるのではないでしょうか。 地位協定によって日本の主権が侵害されている事例は、挙げれば切りがありません。こうした不平等で屈辱的な協定に対し、知事会が全会一致で見直しを求めたことは、画期的出来事であると同時に、極めて良心的、常識的な決断であったと評価するものであります。 意見書案には、日米安全保障体制を積極的に肯定する知事会のコメントも盛り込まれております。私や新社会党の岩中議員も、この意見書案の共同提案者でございますが、もちろん、この日米安保の部分に関しては見解は異なります。それでも、あえてこのコメントを意見書に表記しましたのは、日米安保体制を評価する方々によってこの決議が作成され、全会一致で決議され、日米両政府に提出されたことの重要な意味を受けとめるべきだと判断したからであります。 この決議に賛同する立場は、右も左も異論はないのではないでしょうか。事実、佐賀県議会では、地位協定の見直しを求める意見書が全会一致で可決されました。 憲法改定論者の皆様も含め、党派、立場の違いを超えて、日本と日本国民をこんな屈辱的な状況のもとに置いている地位協定は見直すべきだと、ともに声を上げようではありませんか。各位の御賛同を心から呼びかけ、提案説明を終わります。
○議長(坂田孝志君) これより質疑に入りますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 次に、討論に入ります。 討論の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は10分以内でありますので、さよう御承知願います。 山本伸裕君。 〔山本伸裕君登壇〕
◆(山本伸裕君) 日本共産党の山本伸裕です。 議員提出議案第3号、地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書について、反対の意見を申し上げます。 確かに、今地方議会議員のなり手不足が社会問題となっており、人材確保が求められていることは、私も同感であります。そして、そのためにも、議員の存在意義、役割を国民に理解していただくことや、必要な議員活動を保障することについての国民的合意が形成されていくよう、私たちも努力しなければならないと思います。 一方、地方議員の厚生年金加入問題でありますが、私は、まず大前提として、国民全体にとって安心できる年金制度を確立させることが最優先ではないかと思います。 現在、基礎年金の満額は月6万5,000円、国民年金のみを受給する人の平均受給額は月5万1,000円であります。年金ゼロの無年金者は、現在、政府の推計で約26万人、現役世代の低賃金と雇用破壊が深刻化する中、将来、さらに膨大な無年金者が生まれかねないことへの懸念が広がっています。 昨年10月から、それまで25年とされていた年金の受給資格を得るための保険料支払い期間は10年に短縮されましたが、例えば、国民年金の保険料を10年納付してきた人の受け取る年金は、月わずか1万6,000円にすぎません。 そもそも、年金の支給は超低額で、さらにマクロ経済スライドや賃金マイナススライドによって削られていくということになると、ますます老後の安心、貧困の打開にはほど遠いというのが今の年金制度の実態ではないでしょうか。 私は、まず、年金制度を論じる場合、国民共通の不安事である年金の制度の全体の改善を優先させるべきだと考えます。ぜひ、党派を超えて議員各位の力を結集し、今も将来も安心できる年金制度の実現を進めていこうではありませんか。 次に、道路財源確保を求める意見書について、反対の意見を申し上げます。 この中で、重要物流制度を契機としたネットワークの強化ということが明記されており、この点については賛同できません。 重要物流道路制度は、本年3月に行われました道路法等の一部改正に伴って新設されたもので、国土交通大臣が物流上重要な道路輸送網を重要物流道路として指定し、平常時、災害時を問わず、安定的な輸送を確保するための機能強化、重点支援を実施するとされています。 具体的には、高さ4.1メートル、長さ16.5メートル、車両総重量40トン程度の国際海上コンテナ車を、拠点的な空港、港湾から物流施設まで一気に通行できるよう、指定された重要物流道路を高速道路並みに改築するとともに、これまで特殊車両に義務づけられていた道路の通行許可を不要とするものであります。 このことにより、国際海上コンテナ車は、道路管理者による審査なく通行が可能となります。出発地、到着地を届け出る必要もなく、チェック体制もなくなれば、構造上安全でない道路に進入することを防止する担保もなくなります。これまでも違反車両が後を絶たなかった中で、ますます道路の安全を脅かすことになりかねません。 また、重要物流道路の指定は、物流の効率化が狙いでありますが、石井国土交通大臣も、重要物流道路の基幹的役割を果たすのは高速道路であるということを認めており、結局、特定企業の利益のために、高速道路の新規建設や整備を加速、推進するということになるのではないでしょうか。 他方、老朽化したり傷んだりしている一般国道などの修繕に対し、補助率の一層のかさ上げを国に求めることなどは必要であろうと考えます。 道路法等の一部改正に伴って、道路の安全を脅かすことにつながりかねない一面が盛り込まれているという理由により、意見書案には賛同できないことを表明し、討論を終わります。
○議長(坂田孝志君) 以上で通告による討論は終了いたしました。 これをもって討論を終結いたします。 これよりまず、議員提出議案第2号及び第5号を一括して採決いたします。 原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田孝志君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第2号外1件は、原案のとおり可決いたしました。 次に、議員提出議案第4号を起立または挙手により採決いたします。 原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(坂田孝志君) 起立または挙手多数と認めます。よって、議員提出議案第4号は、原案のとおり可決いたしました。 次に、議員提出議案第3号を起立または挙手により採決いたします。 原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(坂田孝志君) 起立または挙手多数と認めます。よって、議員提出議案第3号は、原案のとおり可決いたしました。 次に、議員提出議案第6号及び第7号を一括して起立または挙手により採決いたします。 原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(坂田孝志君) 起立または挙手少数と認めます。よって、議員提出議案第6号及び第7号は、否決いたしました。 ――――――○――――――
○議長(坂田孝志君) 以上で本日の日程及び会期日程の全部を終了いたしました。 これをもって平成30年11月熊本県議会定例会を閉会いたします。 午前11時48分閉会 ――――――○――――――
○議長(坂田孝志君) 閉会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。 本年最後の定例会も、滞りなく全日程を終了することができました。議員各位並びに蒲島知事を初め執行部の皆様方の御理解と御協力に、森副議長ともども心から感謝を申し上げます。 本定例会におきましては、熊本地震からの復旧、復興を図るための事業等に係る補正予算を可決したほか、自動車税の現行制度堅持、道路財源の確保、地方議会議員の厚生年金加入等に関する意見書を採択し、また、議員提案による、くまもと県産酒で
乾杯条例を議決するなど、積極的な政策提案や意見交換がなされ、闊達な議論を行うことができました。 質疑におきましては、熊本空港への交通アクセスの充実、障害者雇用の問題、県内各地域の振興や地方創生の取り組み、TPP11や農林水産業の振興など、県政の重要課題について議論を深め、施策の推進につなげることができたものと考えております。 早いもので、熊本地震の発生から2年8カ月が経過しましたが、本県の熊本地震関連予算は、本定例会で可決した補正予算を加え、総額8,588億円となり、例年の当初予算を上回る規模となりました。 また、被災した本会議場も改修を終え、9月定例会から装いを新たにいたしました。議場前方に大型スクリーンが設置され、多くの議員が利用し、質問の理解を深める一助となっております。 しかしながら、長年にわたって県勢発展に尽力され、6月に急逝された村上寅美先生のお姿をこの議場で拝見できませんことは、痛恨のきわみであり、心から哀悼の誠をささげます。 さて、本年の県政の取り組みを振り返ってみますと、まず、熊本地震からの復旧、復興の中で、住まいの再建では、各種支援策が講じられました。ピーク時には4万8,000人の方が仮設住宅に入居されていましたが、その半数を超える2万6,000人余の方々の住まいの再建が実現に至っております。 益城町の復興では、
県道熊本高森線の4車線化及び復興土地区画整理事業が始まり、地元の益城町と一体となった、都市拠点にふさわしいまちづくりへの道筋が見えてまいりました。 阿蘇へのアクセスルート回復では、国道57号北側復旧ルートや国道325号阿蘇大橋ルートの開通に向けて、急ピッチで復旧工事が進められており、本県の観光復活の希望である熊本城などとともに、一日も早い完成が待ち望まれます。 そのほか、グループ補助金を活用した被災企業の再建や被災農家の営農再開など、一つ一つの取り組みを着実に積み重ねていくことが何より肝要であります。人手不足や中長期的な財源確保など、課題も多くありますが、県議会としましても、執行部と連携し、被災された方々に寄り添った取り組みを進めてまいります。 これらのほかに、天草の﨑津集落を含む長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産が、念願の世界文化遺産登録を果たすなど、本県にとりまして、大変うれしいニュースもありました。本年は、県政のさまざまな分野で、実りの多い年であったと思っております。 そして、来年は、5月に新天皇が御即位なされ、新たな元号のもと、新しい時代が幕をあけることとなります。 本県にとっても、新しい年は、内外から大きな注目を集めるスポーツのビッグイヤーとなります。日本マラソン界の父、金栗四三さんが主人公となるNHK大河ドラマ「いだてん」の放送を皮切りに、南部九州インターハイ、
ラグビーワールドカップ、
女子ハンドボール世界選手権大会を次々に迎えます。オリンピックイヤーを前に、いずれの大会も大成功となるよう、県全体が一丸となった取り組みで、万全の準備を進めていかねばなりません。 このほかにも、八代港のクルーズ拠点づくりや、国際線就航が相次ぐ熊本空港の新ターミナルビル整備に向けた準備が着々と進展しており、加えて、懸案でありました熊本空港への交通アクセスの充実に係る具体的な取り組みの前進も期待され、熊本が大きく生まれ変わる転換期と言えます。 蒲島知事を初め執行部の皆様方には、復旧、復興への取り組みとともに、豊かなふるさと熊本づくりと県民の幸せのため、御尽力を賜りますよう切にお願い申し上げます。 結びに、県民の皆様はもとより、議員各位並びに蒲島知事を初め執行部の皆様方には、御健勝で新春を迎えられ、来年が幸多い年でありますよう心から御祈念申し上げまして、閉会の挨拶といたします。(拍手) 午前11時54分...