熊本県議会 > 2018-12-07 >
12月07日-04号

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  1. 熊本県議会 2018-12-07
    12月07日-04号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    平成30年11月 定例会               第 4 号               (12月7日)  平成30年  熊本県議会11月定例会会議録     第4号平成30年12月7日(金曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第4号  平成30年12月7日(金曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(47人)            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            竹 﨑 和 虎 君            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            前 田 憲 秀 君            岩 田 智 子 さん            濵 田 大 造 君            磯 田   毅 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            西   聖 一 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            浦 田 祐三子 さん            山 口   裕 君            早 田 順 一 君            渕 上 陽 一 君            田 代 国 広 君            森   浩 二 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            岩 中 伸 司 君            城 下 広 作 君            氷 室 雄一郎 君            鎌 田   聡 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            小 杉   直 君            前 川   收 君            西 岡 勝 成 君            山 本 秀 久 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    小 野 泰 輔 君     知事公室長  坂 本   浩 君     総務部長   池 田 敬 之 君     企画振興部長 山 川 清 徳 君     健康福祉部長 古 閑 陽 一 君     環境生活部長 田 中 義 人 君     商工観光労働            磯 田   淳 君     部長     農林水産部長 福 島 誠 治 君     土木部長   宮 部 静 夫 君     国際スポーツ            小 原 雅 晶 君     大会推進部長     会計管理者  能 登 哲 也 君     企業局長   原     悟 君     病院事業            三 角 浩 一 君     管理者     教育長    宮 尾 千加子 さん     警察本部長  小 山   巌 君     人事委員会            田 中 信 行 君     事務局長     監査委員   濱 田 義 之 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   吉 田 勝 也     事務局次長            横 井 淳 一     兼総務課長     議事課長   中 村 誠 希     審議員兼            村 田 竜 二     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(坂田孝志君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(坂田孝志君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 松村秀逸君。  〔松村秀逸君登壇〕(拍手) ◆(松村秀逸君) 皆さん、おはようございます。熊本第一選挙区選出・自由民主党・松村秀逸でございます。 きょう、今回で4回目になります。大変緊張しております。私、今まで、過去ずっと道路問題、熊本市の周辺、幹線道路の交通渋滞に対するお話、そしてまた、きょうは、TPPの話、鳥獣被害、地域の課題として、坪井川遊水公園、そして河川問題について質問することにしております。 それでは、通告書に従って質問いたします。 まず、TPP11協定発効に対する県の施策の方向性についてお尋ねいたします。 日本など11カ国が参加する環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定、いわゆるTPP11協定は、本年12月30日に発効されることが決定しています。また、来年2月には、日本と欧州連合との経済連携協定、いわゆる日・EU・EPAの発効が予定されているところです。 県では、TPP11や日・EU・EPAによる農林水産物への影響について、生産現場の要望や不安の声を受け、国の影響試算にはなかった生産量の減少を加味するなどした県独自の影響試算を公表されましたが、TPP11では55億円から94億円、また、日・EU・EPAでは28億円から57億円の影響の可能性があるとのことです。 これまで国内農林水産業を守ってきた関税が撤廃または削減されるため、農林水産物の輸入増大と価格低下等によって、本県の農林水産業に大きな影響を与えることが懸念されます。現場の生産者の方々も、大きな不安を抱えておられるのではないでしょうか。 これまで、県議会としても、TPP問題に特化した議論をする場として、平成25年6月にTPP対策特別委員会を設置し、3年半にわたり審議してきました。 最近では、平成28年12月定例会において、地方経済社会に与える影響や地方の声を十分に踏まえた上で、国が責任を持って対応することを強く要望するため、TPP協定に対する意見書を可決し、政府等に提出いたしました。 同様に、日・EU・EPA交渉についても、昨年の6月定例会において、日EU・EPA交渉に対する意見書を可決し、政府等に要望したところです。 国においても、新たな国際環境下でも、強くて豊かな農林水産業、美しく、活力ある農山漁村をつくり上げていけるよう、精いっぱい取り組んでこられたことは承知しております。 また、県においても、これまでも蒲島知事を先頭に、農業者と一体となって、農地の大区画化と担い手への集積による低コスト化、法人化など、稼げる農林水産業を実現するため、戦略的な取り組みを進めてこられました。 この結果、農業産出額は、平成28年の熊本地震による被害を受けた中でも連続増加しており、一定の成果を上げておられるところです。 しかしながら、TPP11や日・EU・EPAに加え、日米物品貿易協定の交渉開始など、国際貿易の自由化はとまることがなく、農業者が抱える将来の農業経営に対する不安を払拭していくためには、これまで以上に力強い支援が求められているのではないかと考えます。 そこで、TPP11や日・EU・EPA等により競争の激化が懸念される中でも、本県農林水産業が発展し続けていけるよう、県としてどのように取り組んでいかれるのか、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) 県では、かねてから、稼げる農林水産業の実現に向け、全国に先駆けた農地集積や広域農場の設立、イチゴの「ゆうべに」等の新品種の開発やくまもとの赤によるブランド力向上などに取り組んでまいりました。また、大区画の圃場や排水機場、森林基幹道など、産地形成に不可欠な基盤を整備するとともに、熊本地震の復旧、復興においても、被災した農地の大区画化を推進してきました。 こうした中、TPPを初めとしたかつてない市場開放がいよいよ動き出し、本県農林水産業への影響が強く懸念されます。 このため、県では、既に、国の補正予算の活用により、平成27年度から3年連続で90億円を超える予算を計上し、本県農林水産業生産性向上競争力強化を図ってきております。 具体的には、熊本や八代地域等において、低コスト耐候性ハウスの導入面積を拡大し、トマトの収量増加など、日本一の施設園芸産地の維持強化につなげています。また、菊池地域では、乳用牛の育成や肥育素牛の安定供給を図るキャトルブリーディングステーションを建設し、畜産農家の労力軽減や規模拡大に取り組んでいます。このほか、阿蘇地域での高性能林業機械や天草地域での衛生管理型の水産物荷さばき施設など、各地域に拠点施設等の整備を進めております。 今年度も、TPP等対策として、国の補正予算が講じられる予定であり、積極的に取り組んでまいります。 一方、輸出相手国の関税撤廃は、本県農林水産物の新たな輸出展開に向けた大きなチャンスと捉えています。そこで、県独自に有望国でのマーケット調査を行い、今後、相手国や品目を重点化して、戦略的に輸出拡大を進めたいと考えています。 また、今後ますます収益性の向上が求められることから、ICT等の先端技術を活用したスマート農林水産業の推進を強化するとともに、排水機場や圃場、樹園地の整備など、農業基盤の整備にも積極的に取り組んでまいります。 さらに、新規就業者をふやし、裾野を広げるため、就業相談から研修、独立まで切れ目のない支援を実施するとともに、くまもと農業経営塾等を通じて、本県農林水産業を牽引するトップランナーの育成を図ってまいります。 県としましては、意欲ある農林漁業者が、将来にわたって確かな経営展望を描き、全国有数の生産地として維持、発展し続けられるよう、精いっぱい取り組んでまいります。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 農林水産部長に答弁をいただきました。ありがとうございました。 今後のやはり将来を考えますと、農業者の皆さん方が大変心配されているということで、県としてもいろんな対策を考えておられます。特に、海外に向けた販路をつくったり、また、労働不足に対して、ICT等の先端技術を活用したスマート農業、そういうことで農林水産業の推進に積極的に取り組んでいくということ、また、就業相談から研修、独立まで切れ目のない支援を着実に実施して、将来の農林水産業を牽引するトップランナーの育成を図るというようなこと、また、今後、そういう形でやはり一番大事なのは、これによって農業者の減少といいますか、後継者の育成に力を入れていくのが大変大事だろうと思うんです。 ただ、関税の撤廃等によって、農林水産業に対する補助金の財源等、やっぱり減少するのではないかと不安視をされている方もおられる。特に、小規模企業、また、家族経営の多い農業関係では、海外に販路をつくっていくのにも、そう簡単には、まだノウハウがない。そういうことを、今後、JA等さんを初め、県、また、国がしっかりと指導していただいて、支援をしていただいて、将来の生活、農業者の不安を払拭していただきたいというふうに思います。 そしてまた、大型化が進みますと、人手不足が進み、今ちょうど国会でもいろんな議論をされておりますが、やはり人手不足というのは、大変農業においては、特に収穫時期にどうしても人手不足が影響します。これに対する対策を今後やっていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。 続きまして、鳥獣被害対策についてお尋ねいたします。 先般、平成29年度の野生鳥獣による農産物の被害状況の調査結果が公表されました。 熊本県では、被害額が前年度より2,200万円減少し、4億7,700万円となっており、前年比で4%程度の減少は図られているものの、依然として高い水準で推移しているところです。 農村地域では、中山間地域を中心に担い手不足や高齢化が進んでおり、また、都市部周辺では、兼業農家が稲作の多くを支える状況が拡大するなど、農業に携わる方々や農作業に費やす時間が減少しています。 そのことに伴って、耕作放棄地や手入れができない農地が増加し、人けがなくなった里に近い場所にイノシシなどの鳥獣がすみかを広げ、長い月日をかけて丹精込めて栽培した農産物が、収穫寸前で鳥獣被害に遭い、生産者の農業に対するモチベーションがどんどん低下して、また耕作しない農地がふえるという悪循環に陥っている地域も少なくないと思います。 私も、水田を荒らさないために幾ばくかの農作を行っていますが、私の地元では、以前は専業農家も多く、田んぼで多くの農家が作業し、あぜの草刈りや農作業道路の手入れ等は、みんなでやることも当たり前でございました。しかし、現在は、限られた時間で農業を行っている方も多く、農地周辺や農道、あぜどもなど、徐々に手入れが行き届かない部分や耕作放棄地もふえているところです。 確かに、農業で所得を確保する難しさが増している中で、共同作業や地域ぐるみの取り組みなど、共生、共助の精神が薄れていっているのもやむを得ないものと感じますが、やはり農家のやる気をそぐ鳥獣被害を食いとめることは、避けて通れない課題ではないかと思います。 現在、県では、収穫残渣を圃場に放置するなど無意識で行っている餌づけを、地域ぐるみで防ぐ「えづけSTOP!」を合い言葉に、鳥獣被害対策に取り組まれており、イノシシや鹿の被害は減少傾向にあるようですが、イノシシや鹿の被害を抑え込んだ地域でも、アナグマなどの別の動物による被害が発生しており、まさにイタチごっこの様相を呈しています。 県内では、地域ぐるみ鳥獣被害をゼロにされたすばらしい取り組みもあると聞いております。今後、そのような地域を県内で可能な限りふやしていくことが大変重要だと感じているところです。 そこで、鳥獣による被害が多様化する中、今後、鳥獣被害対策をどのように進め、県内にいかに広げていかれるのか、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) 県内の有害鳥獣による農作物被害は、議員御指摘のとおり、深刻な状況が続いています。その中で、これまで被害額が大きかったイノシシ、鹿については減少傾向にありますが、一方で、カモやアナグマ等による被害が拡大するなど多様化しており、鳥獣被害対策には、地域住民が一体となった取り組みが何より不可欠であると認識しています。 そのため、県では、昨年度から、イノシシ、鹿の妊娠期間で増殖率に大きく影響する冬場に鳥獣被害防止対策強化月間を設け、地域ぐるみでの「えづけSTOP!」の取り組みを強化しております。 今年度も、11月13日から12月12日までの1カ月間を強化月間とし、農業者を初め、地域住民や市町村、JAなど、より多くの関係者を対象に、イノシシや鹿に加え、アナグマなどの中型鳥獣対策に係る研修会や、金網柵、電気柵の点検などの巡回指導を地域ごとに実施しています。 こうした活動を県内へさらに波及させていくためには、多様な人材の育成、確保が必要と考えており、県では、新たに2つの取り組みを進めております。 まず1つ目は、えづけばやめなん隊というチームの編成による鳥獣被害対策の普及・指導体制の強化です。 昨年度から開始した実践研修により育成しました鳥獣被害対策の指導者を、えづけばやめなん隊として認定し、現在、県、市町村、農業団体の職員23名が活動を行っております。 もう一つは、熊本県鳥獣被害対策マイスター集落による啓発及び協力体制の充実です。 これは、鳥獣被害対策にいち早く取り組み、成果を上げた集落を模範集落として認定し、研修の受け入れや各地での講演活動等を通じて、取り組みの波及に協力いただくものです。先般、第1号として、あさぎり町の松尾集落を認定しましたが、この集落は、4戸9名による集落の全員が一致団結して、平成24年度から、えづけSTOP、電気柵や箱わなの設置などさまざまな対策を始められ、その後、被害ゼロを実現し、平成27年度には、農林水産大臣賞も受賞されています。 今後とも、えづけばやめなん隊の拡大やマイスター集落の認定をさらに進めることで、地域に住む皆さんが一体となってみずから対策に取り組んでいく「えづけSTOP!」を県内へ広く浸透させ、鳥獣被害の軽減につなげてまいります。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 農林水産部長に答弁をいただきました。ありがとうございました。 最近、私が住んでおります北部・植木方面、こちらに金峰山系の山裾がずっとございます。こちらで、やはりイノシシ、そしてまた、最近はアナグマというのがどんどん出てきておるわけですけれども、えづけばやめなん隊、そういう形で、今ちょうど時期を見計らってやっていらっしゃるということでございますが、今まで電気柵でやっていただいたのが、その下をくぐって来る、なれてどんどん来ると。そして、今度は、徐々に――今、農業問題だけじゃなくなると思うんです、これは。いずれ――もう今、住宅地のほうに進んでおります。私の友人のところで、納屋にこづんでおりましたキュウリを食べて、その納屋で寝とったと、イノシシが。そういう現状があるんです。今後は、住宅地にどんどん下がってきて、やはり周りに知らないうちにイノシシや、また、せんだって猿も出てきたと言っております。 この前、テレビで見られた方もおられると思うんですが、イノシシがやっぱり人を襲っております。人の命にかかわる問題、例えば、通学路等にも出てきたとき、子供さん方にけがをさせるということになると思いますので、やはり今一番大事なのは、早くこの対策を今やるべき時期だろうと思っておりますので、イノシシやそういう猿が人里にどんどんふえる前に手を打っていただきたいというふうに、よろしくお願いします。 結果的には、先ほどの農業者の減少によって耕作放棄地がふえる中に、また鳥獣がふえてくると。これは、早く全体的な対策をいかに打っていくかというのが大事だろうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、次の質問に移ります。 幹線道路東バイパスの渋滞対策についてお尋ねいたします。 国道57号は、大分県を起点として、本県の阿蘇や熊本市、宇土、宇城地域を経て長崎に至る国道ですが、熊本から大分間では、中九州横断道路として、延長120キロメートルが地域高規格道路として計画されています。 この中九州横断道路は、大分県と熊本県の交流促進、沿線地域の産業発展、地域活性化、大規模災害時等の救助、救援活動、広域的な物資輸送の円滑化に寄与するために、計画を事業化された道路でありますことは言うまでもありません。 また、近い将来、30年以内に太平洋側に南海トラフ地震が発生する可能性が高いと言われている中、大きな被害が想定されている大分県を支援するためにも、不可欠な道路でございます。 こういう中において、待ちに待った熊本側の阿蘇・波野から、ことし6月24日、滝室坂トンネル工事着工式がありました。トンネル工事が着々と進んでいるところです。 また、11月には、大津町、国道325号から熊本市の九州縦貫自動車道までの延長14キロメートルについて、環境影響評価の方法書の手続を終え、国が都市計画決定権者である熊本県、熊本市にルート案を示され、都市計画の説明会が終了したところでございます。 中九州横断道路については、工事が着々と進んでいますが、一方で、国道57号東バイパスの慢性的な渋滞は、皆様方も御承知のとおりです。さらに、この国道57号につながる国道3号についても、熊本市北区においては、朝夕のラッシュ時間帯以外にも、昼夜を問わず、渋滞が慢性化している状況です。 これらの渋滞が、いかに熊本の経済に大きく影響しており、また、地域住民だけではなく、他県より熊本へ仕事や観光においでになる方々にも、大きなマイナスになっております。 今後、観光客誘致に力を入れることによって、地域経済の活性化につなげたいと、熊本県も、また、熊本市、そして周辺市町村も同じような考えをお持ちでございます。その目的を達成するためにも、国道3号植木バイパス熊本西環状道路、国道3号熊本北バイパス中九州横断道路熊本環状連絡道路を一日も早く結節していただきたいと考えます。 平成28年12月の議会でも質問しましたが、植木バイパス中九州横断道路西環状道路などが開通した場合、北バイパスより東バイパスへの車の流れが、現状でも清水麻生田交差点や新南部の東バイパス合流点、また、東バイパスの車の渋滞は、特に朝夕は大変な状況であるのに、さらに悪化するのではないかと心配しているところです。 これを解決するためには、連続立体化ではないかと考えます。また、マスタープランや今回策定されたアクションプランに示された立体化について、私は、熊本地震の後、災害時の緊急な物資の輸送や救急の人命救助等を考えたときにも、連続立体化が最善ではないかと考えます。 例えば、福岡では、福岡県と福岡市、北九州市の3者で公社を設立し、都市高速道路を建設して、大変便利になっております。道路建設の期間も早く、通行料金を徴収し、公社の借入金の返済に充てることで、早く着工でき、しかも工事費についても確保しやすい点を考えると、熊本県も、熊本市と一緒に公社を設立し、都市高速を検討することも一案と思いますが、いかがでしょうか。 参考のため、予算を福岡都市高速道路や熊本の工事費を参考に計算しますと――あくまでも私の計算でございます。熊本インターから近見町の国道3号まで約13キロあります。他の工事費を参考にしますと、工事費は1,700億円程度かと思われます。 そして、通行料は、福岡都市高速料金を参考に、普通車1台620円、大型車は1,030円で計算し、現在の1日の通行台数が約6万7,000台、これを参考にすると、1日当たりの通行料金は2,868万円で、1年では104億6,000万円となり、通行料金より管理費と借入金を返済し、25年ぐらいで完了するのではないかと思います。 また、公社を設立しないで建設した場合は、国の予算の状況で考えますと、50年から70年以上かかるのではないかと思われます。 この熊本の将来の経済的な発展と、また、人口減少に歯どめをかけるためにも、前向きに検討していただければとお願いするところです。 そこで、本県として、今後、東バイパスの立体化についてどのように考えておられるのか、また、公社設立についてどう考えられるのか、知事にお尋ねいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 熊本県、熊本都市圏の発展のためには、熊本市と周辺市町村の中心部を公共交通や幹線道路で結び、相互に補完、連携することで、都市圏全体の機能強化を図ることが重要と考えています。 そのため、県では、本年11月、その将来像の実現に向けた実行計画となる熊本都市圏総合交通戦略、いわゆるアクションプランを関係機関と協働で策定しました。 アクションプランは、都市圏交通に係る225の施策について、個々の事業主体が施策の実施時期や実施手法などを明らかにするものです。 特に、道路網については、都市部に集中する交通の分散を図る2つの環状道路と、都市部とその周辺部とのアクセスの強化を図る11の放射状道路の整備を進めることとしています。 議員御質問の東バイパスも、環状道路の一部として、主要交差点の立体化など、国において実施に向けた検討がなされてきました。 しかしながら、現段階において、実施手法等を示すには至っていないことから、今回のアクションプランでは、国、県及び熊本市において、改めて具体的な対策を検討する場を設けることといたしました。 今後は、国や熊本市とともに、主要交差点の立体化や、議員御提案の連続立体化や道路公社による整備なども含め、あらゆる角度から幅広く検討し、課題解決につなげてまいります。 県経済の持続的な発展を支え、誰もが安心して生活できる熊本都市圏交通の構築に向け、関係者連携のもと、しっかりと取り組んでまいります。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 知事にお答えをいただきました。 アクションプランで提示された立体化について、私は、最初、部分立体でいって、地震の後は、やはりあれを考えたとき、どうしても連続立体でないと緊急対応はできないんじゃないかということで、2回目の質問で連続立体をお話ししました。今後は、国と県、市で一緒に、この立体化について、そして公社化についても含め、幅広く検討していただくということでございました。本当にありがとうございます。 ぜひこの検討をしていただいて、一番早くできる方法、やはりこれが数十年もかかっていきますと、なかなか熊本の発展は見込めません。やはり熊本市のこの道路網の整備というのは、熊本の経済を発展させるためにも一番大事であろうと思いますし、これなくして地域の発展はないと私は思っております。そういう意味で、ぜひこの経済の活性化のためにも立体化、そしてまた、それを早く進めるためにも、やはりこの放射化でなければならないのではないかと私は思ったところでございます。 そして、今後、早く決断し、着工、完成をいつごろにするのか、スケジュールについても、今後しっかりと検討していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。 続きまして、坪井川遊水地の利活用についてお尋ねいたします。 坪井川については、前も質問させていただきました。改めて、もう1回質問させていただきます。 坪井川遊水地は、坪井川の水害を防ぐために設けられた、56ヘクタールの広大な面積を持つ、洪水を一時貯留し、下流の河川負担の軽減を図る、治水上重要な施設です。 遊水地の周りには住宅が多く建設されており、その立地から、日ごろは地域住民の方々を初め多くの県民の皆さんが、散歩やジョギング等に利用されています。 平成27年9月議会での私の初めての質問で、坪井川遊水地の除草と今後の利活用について質問しましたが、このとき、土木部長から、地域の要望を踏まえて、できる限り除草を行うことや、熊本市や地域の方々と意見交換を行いながら、よりよい遊水地の利活用ができるよう議論を深めていくとの答弁がありました。 これまで坪井川遊水地では、高平校区を中心に、ボランティアによる環境美化活動を行ってこられ、平成27年9月には、黒髪、壺川、清水、高平台の坪井川遊水地の地元4校区の住民の方々と一般財団法人創造くまもと、熊本県技術士会が連携して、坪井川遊水地の会が設立されました。この坪井川遊水地の会では、これまでに何度か坪井川遊水地に関する地元の声を県に届けられていると聞いています。 さきの質問から3年が経過しましたが、現在は、坪井川遊水地の会が約230本の桜の木の植樹をされ、春は桜、秋はコスモスの花が咲き誇り、大変きれいな場所となっています。夏には草刈りを行い、また、住民の皆さん同士で遊水地の有効活用について議論する等、地元の関心も非常に高く、ことしに入り、熊本市も参画し、その活動がさらに活発になっているところです。 ことし10月14日には、熊本市の主催でミズベリング坪井川遊水地会議が開催され、遊水地の利活用について、熊本市や地域住民の方々が、遊水地の利活用に積極的にかかわっていくことが再確認されたところです。 坪井川遊水地には、自然と触れ合うための散策路等がある自然との触れ合いゾーンと、自然環境をできるだけ保全する自然環境保全ゾーンの2つがあります。 自然環境保全ゾーンにおいては、以前よりも改善されてはきましたが、雑草や雑木が多く生い茂ったところもあり、治水の上でも問題があるだけでなく、不審者が時々あらわれるとの話も聞いており、安全面が危惧されます。 一方で、自然との触れ合いゾーンにおいては、さきに述べたように、地域住民の方々が積極的に環境美化活動等を行い、遊水地の新しい利活用を検討されていることから、遊水地の安全、安心な利活用を図る上では、自然環境保全ゾーンから自然との触れ合いゾーンへのゾーニングの一部見直しも必要ではないかと考えます。 坪井川遊水地については、良好な環境を保ちつつ、治水機能を損なわない範囲で利活用を図ることで、今後なお一層、地域住民の方々に親しまれ、子供から高齢者まで誰もが安心して集える場所となる可能性を有しております。 そこで、県としては、今後の遊水地の利活用について、また、このゾーニングの見直しについてどう考えるのか、土木部長にお尋ねいたします。  〔土木部長宮部静夫君登壇〕 ◎土木部長(宮部静夫君) 坪井川遊水地周辺の住民の皆様には、ボランティアで遊水地の美化活動に取り組んでいただいており、ここに改めて御礼を申し上げます。 坪井川遊水地は、県が出水時の洪水調節のために設置したものですが、通常は、市民の憩いの場としても活用されております。 そこで、県では、これまで、坪井川遊水地の良好な環境を保つために、除草やおもてなしグリーンプロジェクトを活用した防草シートの設置等に取り組んでまいりました。 また、地域の皆様から、遊水地のさらなる利活用を求める意見もお聞きしたところでございますが、議員の御質問にもありました桜の植樹も、そのような地域の皆様の思いと行動により実現できたと考えております。 現在は、坪井川遊水地の一部を新たにグラウンドとして使用したいとの相談も受けておりますので、県では、これを利活用の一つのあり方として捉え、関係者の意見も伺いながら、適切に対応してまいります。 さらに、利活用のために設置した施設等について、利用料を徴収し、その維持管理と良好な水辺空間の保全に充てることを可能とする、河川空間のオープン化の特例制度の活用についても御提案をいただいております。 提案をいただいているこの制度は、坪井川遊水地の利活用と良好な河川環境の保全を両立させることができるもので、河川管理の新たな方向性を考える上でも有意義なものであると考えます。 なお、熊本市からも、この提案を実現するために、積極的に地元や関係機関との調整等に協力するとの申し出もいただいております。 そのため、県としては、関係者の意見を伺いながら、この制度を活用した遊水地の利活用について、積極的に検討していきます。そして、この中で、議員から御指摘いただいた坪井川遊水地内のゾーニングの見直しについても、自然環境の保全と利活用のバランスに配慮しながら、必要な対応を検討してまいります。 引き続き、熊本市及び地域の皆様と連携、協力しながら、坪井川遊水地がより一層地域に親しまれる存在となるよう取り組んでまいります。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 土木部長に答弁をいただきまして、ありがとうございました。 坪井川遊水地については、本当、4年前は大変荒れ放題で、人の背丈以上に草が生い茂っとったわけでございますけれども、今は、草刈り、また防草シートをしっかりしていただいて、本当に数年前からすると大分管理が行き届き、そしてまた、その後地域の人たちも桜等を植えて、非常に環境がよくなったのは事実でございます。本当にありがとうございます。 ただ、今答弁の中で、グラウンド等の使用の要望もあって、そういうのも今後考えたい、また、ゾーニングの見直しについても、今後前向きに検討するということでございますので、ぜひ、地域の皆さん方、周りがほとんど住宅地でございますので、これを利活用していただいて、今健康寿命を延ばす大事な健康増進に、高齢の方々が多数ふえている中で、非常にこの遊水公園というのはいい場所でございます。そういうのにもしっかり使っていただいて、また、新たな河川空間のオープン化の特例制度を活用した利用の仕方、使用料の徴収等をしながら、またそういう環境保全の管理のあり方を、新たに方向性を考えるという答弁もいただきました。 そして、ここが4校区にまたがっておりまして、国道3号、そしてまた、電鉄の線路が出とります。非常に人が集いやすい場所でもありますし、できますなら、ここに、間でトイレ等がありますと、大変助かるんですね。河川の遊水地の中には難しいでしょうから、何といいますか、堤防の中で、皆さんがずっと散歩しながら、やはり広いものですから、1時間ぐらい歩かれる中で、トイレを催したりされることもあるかと思います。ぜひトイレ等の設置等もしていただければ、大変利活用がしやすくなるのかなというふうに思います。 そして、今一部芝を植えたりされて、非常に子供たちが遊んだり、また、グラウンドゴルフができるように、今地元の人たちがしっかり改善をされておりますので、今後、その辺を利用しやすいようにしていただいて、日ごろは遊水地であっても、1年間のほとんどは天気がいい日でございますから、これをすることによって、地域の子供たちや高齢者の皆さん方が集えて、非常にいい公園にしていただければというふうに思うところでございます。 次の質問に移ります。 次に、白川の河川改修、弓削橋についてお尋ねをいたします。 最近は、地球温暖化の影響によるゲリラ豪雨が全国各地を襲い、大きな被害をもたらしています。昨年、九州北部、朝倉市、日田地区で、ことし7月には、広島県、岡山県、愛媛県と、広範囲にわたり、大雨による大水害が発生いたしました。 熊本県においても、平成24年7月に発生した熊本広域大水害では、記録的豪雨により県内各所で河川の氾濫や土砂災害が発生し、また、平成28年6月には、上益城地域を襲った集中豪雨により、甲佐町では時間雨量150ミリと、全国でも史上4位の大雨となり、甚大な被害をもたらしました。 全国各地において大雨による被害が相次ぐ中、1級河川の白川においては、平成24年7月の熊本広域大水害から6年が経過し、被害の大きかった龍田陳内地区を初め、白川の河川改修が着実に進んでいるところです。 しかし、そのような中で、熊本市東北部にある熊本市管理の弓削橋については、橋はそのままで、もちろん川幅も拡張されない状態です。弓削橋の上流や下流は、川幅が整備拡張されていますが、弓削橋のところだけが、ひょうたんのくびれのように、以前と変わらない川幅のため、地域住民の方々は、白川の改修効果がなく、大雨が降ったら白川が氾濫するのではないかと、大変不安に思っておられます。一日も早くこの弓削橋部分の川幅を、上流や下流と同様に、広げてもらいたいと要望されています。 白川の河川改修工事については、県が白川河川激甚災害対策特別緊急事業により実施しているところですが、弓削橋については、熊本市が橋の維持管理を行っていることから、川幅の拡張に伴う弓削橋のかけかえ工事については、県と熊本市との連携が不可欠であると考えます。 そこで、白川の河川改修の進捗状況と、弓削橋部分の河川改修を今後どのように進めていかれるのかについて、土木部長にお尋ねいたします。  〔土木部長宮部静夫君登壇〕 ◎土木部長(宮部静夫君) 県では、平成24年7月の熊本広域大水害により、白川において甚大な被害が発生したことから、同年11月に白川河川激甚災害対策特別緊急事業に着手し、現在は全ての工事の発注を終え、今年度末には完了する予定です。 現在、さらなる治水安全度の向上を図るため、白川の河川整備計画の変更を進めており、この計画に基づいて、議員御指摘の弓削橋部分を含む河川改修を引き続き行うこととしております。 弓削橋の改築に当たっては、橋梁管理者である熊本市と、かけかえ位置や費用負担等を定める必要があり、現在、継続して協議を行っているところです。 今後も、地域住民の方々の不安を一刻も早く解消するため、熊本市と連携しながら、弓削橋部分の河川改修に早期に着手できるよう、全力で取り組んでまいります。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 白川河川改修について、土木部長に答弁をいただきました。どうもありがとうございます。 今部長が答弁されましたように、熊本市と継続して協議を行って、できるだけ一日も早く住民の方々の不安を解消するために、熊本市と連携して、河川改修に早期に着手できるよう全力で取り組むという答弁をいただきました。ありがとうございます。 ぜひ、最近は大雨が非常に多いものですから、これに向けて――やはり白川の地域の方々というのは、大変不安でおられます。ぜひとも、一日も早いこの改修工事、熊本市と連携してやっていただきたいと思います。 次に、質問は終わりましたけれども、要望ということで、少子化対策に向けた結婚支援について、ちょっとお話しします。 少子化対策に向けた結婚支援についてということで、要望でございます。 先月、熊日新聞に「平成の時代、結婚しない人生は珍しくない。国によると、県内男性の5人に1人、女性の7人に1人は「生涯未婚」」ということで、「「結婚したい」と思っても、かつて男女の縁を取り持った地域のつながりの希薄化などで、「いずれはできるもの」ではなくなった。結婚を目指して自ら動き努力する「婚活」が、県内でも活気を帯びている。」と掲載をされておりました。 やはり少子化の問題を考えますと、大きな社会問題となっているこの原因の一つに、未婚化、晩婚化の進行が指摘されているところです。 本県において、平成27年における25歳から29歳の未婚率は、男性が66.9%、女性が57.2%となっています。 国の調査によると、結婚していない理由としては、適当な相手にめぐり会わないが最も多いという結果が出ています。実際に、結婚はしたいが、なかなか御縁がなく、いつの間にか独身で中高年になっているという方々も少なくないようでございます。 自分たちの若いときは――私たちが若いときですね。近所のおじさんやおばさんに結婚を勧められ、きょうはあいとるか、ちょっと来いといって、酒1升持ってこいといってよく連れていかれ、見合いをした時期がありました。そういうお世話をする方がたくさんおられました。私も、そういう思いがありますので、こういう年齢になりましたので、若い方々、女性の方々に、とてもいい方がおられると、結婚してほしいと思いながら、つい声をかけることもあるんですが、最近の風潮から、余り言い過ぎてもいけないと、思いとどまることもあるわけです。 このような状況の中で、結婚や子供を生み育てる希望を持つ全ての人たちが、その希望をかなえることができる社会を実現するために、県としても、この対策として、子ども未来でいろいろと対策を検討し、実施されているところです。 その一つとして、市町村や商工会の各種団体が実施する結婚支援の取り組みに対し、結婚チャレンジ事業費補助金として、年間200万円の予算を確保し、地域の団体等が行う出会いの場の提供や集団お見合い等の結婚活動、いわゆる婚活に対して、10万円の補助金をされております。 ことし、この補助金を活用して、私の住んでおります北区の植木町商工会でやられて、JAさんや自治会にも広く協力を呼びかけて、恋が来ると書いて、「恋来いパーティー」を主催されました。 これで、当初男女各20名の定員だったんですが、申込者が最終的に100名――最初はそんなになかったらしいんですが、100名以上あったということです。あとは抽選で、バスの問題もあるので、移動用のバスの1台分ということでしょう。50名程度の方々がされたということで、大変好評で、またやってほしいということだそうです。 県によると、平成30年度は、この補助金を10市町村20団体が申請されたということで、今後、このような取り組み事例を県下に広く広報し、各市町村で活発に結婚支援活動を展開されることを、私は期待するところでございます。 そのためにも、県においては、さまざまな少子化対策事業を行っておられますが、中でも結婚支援に対して、今後さらに力を入れていただきたいと思うところです。事業予算を、現在200万円、恐らくことしはこれを全部使い切られていると思いますので、ぜひ倍増していただいて、今後、少子化対策に力を入れていただきたいなというふうに思うところです。 といいますのが、さきに私が質問したいろんなものを見ますと、今人手不足です。やっぱりその原因は少子化でございます。やはり農家にしても、中小企業にしても、大企業にしても、人手不足、その原点は少子化。これを解決しなければ、海外から今いろんな形で人手をというような風潮がある中で、長い将来を見たときに、どこかで歯どめをかけないと、やはり日本の将来はなくなるのではないかなというふうに思います。 一気にこれができるとは思いませんが、少しでもこれを意識づけしていくことが、やはり少子化対策につながっていくのではないかと思いますので、本当は質問でしたかったんですが、時間的なことで要望という形でさせていただきますので、ぜひ検討を執行部のほうでしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 これで私の質問、要望は全て終わります。 4年目になりまして、私も議員として少しはなれてきましたが、残すところ4カ月になりました。残る期間を一生懸命頑張って、また地域のため、また、熊本県のために頑張っていければと思うところです。 きょうは、1時間の御清聴まことにありがとうございました。以上で終わります。(拍手) ○議長(坂田孝志君) この際、5分間休憩いたします。  午前10時58分休憩    ――――――○――――――  午前11時9分開議 ○議長(坂田孝志君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 山口裕君。  〔山口裕君登壇〕(拍手) ◆(山口裕君) 皆さん、こんにちは。緊張しているのでしょうか、ちょっとふらっとしました。まだ大丈夫でございます。 上天草市選出・自由民主党の山口裕でございます。本日は、質問する機会を得まして、しっかりとやっていきたいと思うところです。 去る11月11日、園田博之衆議院議員が逝去なされました。その日は、上天草市市長選挙の告示日でありまして、これまで幾度となく出陣式に参加しましたが、園田先生の悲報を受けて、何か政治家としてすごく心に残る出陣式でした。金子代議士、馬場参議、思いを込めた園田先生に対する思いを表現されておられましたし、また、同席いただいた城下先生にもすばらしいお言葉をいただき、すごく思いのこもった出陣式になったことを今でも覚えております。 何よりも、さまざまな場面で園田先生には御貢献をいただきました。私が記憶しておりますのは、3年半前の前回の県議選の折に、私の遊説に同行いただきまして、応援演説をいただいたことです。すごく力強く、そして、政治家とはということを語っておられたことを記憶しております。 まずは、改めてこれまでの御貢献に感謝を申し上げますとともに、心より御冥福をお祈り申し上げます。 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。 本年5月20日、熊本天草幹線道路・三角大矢野道路が完成し、開通式がとり行われました。(資料を示す)式典では、蒲島知事の手によって、くす玉が開披され、公募と投票により選ばれた天城橋の名称が華々しく発表されました。 (資料を示す)式典の後、テープカットが行われました。写真の中央には、幹線道路の整備に御尽力いただいた、そしてふるさと天草のために御尽力をいただきました故園田博之先生が写っています。この開通式が天草での最後のお姿となりました。 (資料を示す)テープカットを皮切りに、多くの方々とともに歩いた渡り初めに、気持ちの高ぶりを覚えました。何より、参加いただいた皆様の笑顔が、地域にとって喜ばしい日となったことを物語っていたと思います。 (資料を示す)開通の喜びとともに、私の記憶に深く刻まれたのは、故園田博之先生の式典での挨拶です。要約して御紹介します。 熊本県を初め、国土交通省、それから地域の皆さん方の大変な御努力で、今日、三角大矢野道路が完成することができたわけですが、今日でもまだ道半ばまで行かないと思います。大幅な時間短縮にはならない。その先の計画を早く決めて工事を進め、完成させて初めて相当な時間短縮ができると思います。 道半ばとの言葉は、私の記憶から消えることはないと思います。改めて、90分構想の実現のため、天草地域の発展のため、熊本天草幹線道路の整備を急がなければならないと痛感しております。 同時に、これまで宇城市三角町と上天草市大矢野町をつなぐ道路が1本であった状況を解消できたことは、リダンダンシーの確保が重要であることを実感させられたところです。 一日も早い熊本天草幹線道路の全線完成に向けて、整備を加速させていかなければなりません。時間短縮効果を上げ、渋滞を解消することにつながるその先の計画を、つまり、これまで住民の参画によるPI方式でおおむねのルートやインターチェンジの位置を決めてきた大矢野市街地区間について、事業を具体化する必要があります。 三角大矢野道路の工事が進捗する中、本渡道路の工事が開始されたように、本渡道路の整備とあわせて、大矢野市街地区間について整備を進め、切れ目なく事業を実施することが、一日も早い熊本天草幹線道路の整備につながります。県におかれましては、切迫感を持って取り組んでいただきたいと思います。 10月27日には、天草市民センターにおいて、熊本天草幹線道路の早期完成を求める天草島民集会が、約700人の参加を得て開催されました。 大会では、本渡道路の平成34年度完成、整備中区間である熊本宇土道路、宇土道路、そして本渡道路の早期完成のための予算確保、熊本天草地域の幹線道路に関する検討会での優先検討区間の早期事業化を決議として承認しました。 来賓として大会に参加された国からも、熊本天草幹線道路の整備推進に全力で取り組むとの力強い言葉がありました。 さらに、先般、熊本天草地域の幹線道路網に関する検討会が開催されたことに、大きな期待を抱いているところです。引き続き、県と県議会が連携しながら、この地元の盛り上がりを国にしっかりと伝えていきたいと思います。 そこで、質問です。 国施行区間も含めた熊本天草幹線道路の整備に対する蒲島知事のお考えをお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 熊本天草幹線道路は、県内の幹線道路ネットワークの横軸をなし、天草地域の90分構想実現に不可欠な道路です。 この道路は、国と県で整備を進めており、国においては、熊本市から宇城市三角町までの約32キロメートルのうち、現在、緑川を渡る熊本宇土道路と、その先につながる宇土道路の整備が進められています。 また、県では、宇城市三角町から天草市港町までの約38キロメートルのうち、これまでに、松島有料道路や松島有明道路など、約17キロメートルを供用しました。現在、天草の上島と下島を結ぶ本渡道路の整備を進めています。 私は、本年5月に開通した天城橋を含む三角大矢野道路の開通式の中で、熊本天草幹線道路全線の整備促進に精いっぱい努めていくことをお約束しました。 そこで、本年9月に、国、県及び熊本市で、熊本天草地域の幹線道路網に関する検討会を立ち上げ、優先して検討すべき区間について議論しました。 その結果、未整備区間のうち、大矢野市街地区間及び宇土市網田町から宇城市三角町までの区間の整備を優先していくことを確認しました。 議員御指摘の大矢野市街地区間については、県において、これまでに事業化に必要な調査や検討を進めてきており、国に対し、平成31年度の新規事業採択を強く要望しているところです。 そして、国施行区間の宇土―三角間については、速やかに計画段階評価に着手されるよう、国に働きかけています。 長年、天草地域の皆様が強く待ち望まれてきた夢が、一日も早く実現するよう、地元自治体や県議会、県選出国会議員の皆様の御支援をいただきながら、私が先頭に立って取り組んでまいります。  〔山口裕君登壇〕 ◆(山口裕君) ただいま知事から、私が先頭に立って取り組んでまいるという力強い言葉をいただきました。 まずは、県施行区間であります大矢野市街地区間について、国に対し、新規事業採択、このことについて強く要望していきたいと思っております。 熊本天草間幹線道路整備促進期成会、そして民間の団体であります熊本天草幹線道路整備促進協議会、一緒になりながら、地元一丸となって取り組んでいきますので、どうぞ、蒲島知事先頭に、私たちもしっかりと伴走しながら頑張りますので、よろしくお願いします。 そして、国施行区間についても、新たな動き、そして住民の期待は高まっているところです。しっかりと早期の整備につながるよう、地元の声を国に伝えていき、そして協力できることはやっていきたいと思っております。 何よりも、一日も早いこの幹線道路の全線完成が悲願であります。どうぞ今後とも、私も力を尽くしてまいりますので、県議会の皆さんも、90分構想の実現にどうぞ御理解をいただき、御傾注いただければと思います。よろしくお願いいたします。 続きまして、クルマエビ養殖業の振興についてお尋ねします。 11月29日、天草市河浦町に蒲島知事をお迎えしました。世界遺産に認定された﨑津教会を視察され、あわせて、本年第2回目となります、くまもと『創』トークを開催されたところです。天草のさまざまな分野で活躍されている皆さんと意見を交えさせていただきました。私も同席させていただきましたが、大変有意義な機会となったと思っております。 このくまもと創トークの際にも話題に上りました。そしてまた、地域の誇れる特産品でもあり、また、県魚でもありますクルマエビについて質問いたします。 現在、クルマエビ養殖の生産量は、平成28年は263トンであり、沖縄県、鹿児島県に次いで全国3位の生産量です。平成元年には794トンで、全国1位の生産量を記録していましたが、平成9年から現在まで約20年間、全国3位という状況です。 生産額については、平成28年が12億4,000万円であり、近年と比較しても大きな変動は見られません。 単価については、平成7年に、1キログラム当たり9,003円を記録しましたが、その後下落に転じ、平成16年には、1キログラム当たり3,667円まで落ち込みました。平成18年からは、幾分持ち直して、4,500円から5,000円の間で推移しています。 クルマエビ養殖業の経営体数は、平成元年には66を数えましたが、現在では半減し、33経営体となっています。 過去には全国1位の生産量を誇った本県のクルマエビ養殖業ですが、平成5年に大きな打撃を受けました。ウイルスの感染です。その影響ははかり知れず、平成5年の県内生産量は、150トンまで急落しました。そして、その後のクルマエビ養殖業に暗い影を残したことは間違いなく、平成14年に経営体数が30まで落ち込んだことがそれをあらわしています。 記録によれば、明治36年に、上天草市大矢野町維和地区において天然エビの蓄養が始まったとあり、天草の歴史あるなりわいでもあります。 さまざまな困難を乗り越え、現在の業況まで改善してこられました関係者に敬意をあらわしますとともに、これからも地域に根差し、地域の特性を生かし、そして安定して生産に臨める業態となるよう、県にも支援をしていただきたいと思います。 クルマエビ養殖業において、最も警戒すべきはウイルス病、中でもクルマエビ類の急性ウイルス血症、通称PAVだとされています。このウイルスに感染すれば、壊滅的な影響があり、死亡率は80%以上となります。 昨年、本県で再びこのウイルス病、PAVが発生し、県では、養殖業者を集めて対策緊急会議を開きました。県の支援が大きな支えとなり、悪影響を食いとめることにつながったと聞いております。 しかし、不安が払拭されたわけではありません。これまで種苗については、SPFといいまして、特定病原体フリー・クルマエビと言われる稚エビを県外から購入していました。ウイルス等の疾病に備えての対応でありましたが、この種苗を投入した直後にPAVが発生したのです。安心と言われてきた種苗が、一気にその評価を失いました。また、SPFクルマエビには、成長が悪いという評価もあるようです。 養殖業者からは、徹底した検査が行われているくまもと里海づくり協会で生産された種苗を提供していただきたいとの要望がなされました。これに応じ、本年、52万尾の種苗を提供していただいたところです。 これまでの経緯を踏まえれば、これからも県の支援が必要であると思います。その上で、さらに安定した養殖業に成長していくには、官民の連携を一層強めることが大切です。 そのため、まず、県においては、これまで畜積された多くの知見を養殖業者に広め、高い水準の養殖技術を確立していくことが必要です。また、安定した種苗の供給を目的に、採卵用の親エビの確保も含めた信頼性の高い種苗生産体制づくりを、県内民間業者とともに取り組むことが必要と考えます。将来的には、沖縄県が取り組んだ県内完全養殖を、熊本県でも検討していくことが必要ではないかと考えます。 そこで、質問いたします。 今後、クルマエビ養殖業の支援に係る対応をどのように考えておられるのか、また、さらなる支援の充実のため、どのような研究が必要か、さらに、クルマエビ養殖が日本一を奪還するためには何が必要か、農林水産部長にお尋ねします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕
    農林水産部長(福島誠治君) 県の魚にも指定されているクルマエビは、本県を代表する魅力ある水産物であり、くまもとの赤ブランドの一つとして全国に発信しております。 議員御指摘のクルマエビ養殖におけるウイルス病は、年に1~2件の発生があり、生産が安定しない大きな要因となっています。そのため、安定した生産体制を構築するには、ウイルス病対策の強化が何より重要と考えております。 そこで、今後は、水産研究センターを中心に、種苗生産業者に対し、親エビのウイルス検査や受精卵の洗浄、適切な餌の使用など、生産技術に係る指導を強化するとともに、業者間における種苗生産段階の課題の共有を図るなど、健全な種苗の供給体制づくりに取り組みたいと考えております。 あわせて、養殖業者に対しても、ウイルス病に対応した衛生管理や養殖尾数の適正管理など、適切な養殖技術の普及、指導に努めてまいります。 次に、養殖生産の安定化に向けた研究についてですが、作業の効率化や生産性向上を目的としたスマート養殖業の導入に向け、IoTやAI技術を活用した精度の高い養殖システム開発の取り組みを推進する必要があると考えています。 現在、既に養殖業者と民間企業の連携による研究が行われており、県では、養殖管理に必要な水温やプランクトンなどのデータ蓄積に関する助言とともに、病気の検査や新たな餌の開発等の支援を行っています。 最後に、養殖クルマエビ生産の日本一奪還を目指すための取り組みについてですが、現在は養殖業者が単独で販売活動を行っており、出荷に必要な量の確保や販売先の拡大が難しいことから、販売力を強化することが何より必要であると考えています。 そこで、意欲のある養殖業者に対し、一丸となった販売体制づくりや養殖漁業の国際水準認証の取得を推進するなど、ブランド品としての付加価値を高め、国内外での認知度向上に向けた取り組みを支援してまいります。 県としましては、クルマエビ養殖業が、将来にわたり夢の持てる産業となるよう、官民の連携を一層強めながら、各種施策を進めてまいります。  〔山口裕君登壇〕 ◆(山口裕君) ただいま答弁いただきました疾病への対策、種苗確保、養殖技術の確立、そしてまた、高度化、そして販売力の強化、5つの点が挙げられると思いますが、今の答弁は、今後のクルマエビ養殖業の明るい未来を築くための第一歩だと私は確信しております。 このことを、民間の皆さん、養殖業の皆さんとどう取り組むのか、大きな課題ではありますが、一つ一つその課題を乗り越えて、もう一度日本一のクルマエビ生産地になれるよう、それは量とも限りませんし、あえて品質でチャレンジしてもいいんじゃないかと思いますし、さまざまな観点から頑張っていきたいと思っております。 先日のくまもと『創』トークの中でも、このことに触れられて、知事の意見を聞いたところですが、そのとき、スマート漁業という表現を使われて、IoTやAIの技術のことについて触れておられました。その方の後での意見を聞くと、やはり蒲島知事の前向きな姿勢には感心させられる、本当に力強いということを述べられたことを覚えております。 どうぞ、クルマエビ養殖業について、しっかりと取り組んでいただきますよう、また、私も汗をかいてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 続いて、国際スポーツ大会への障害者の参加についてお尋ねをします。 先月30日、第17回女子ハンドボールアジア選手権が、ここ熊本で開幕しました。日本代表おりひめJAPANは、このアジア選手権大会での優勝を目指して奮闘しています。今大会を通じて、ハンドボールの魅力を感じますとともに、スポーツのだいご味を再認識しているところです。 さて、日本体育協会と日本オリンピック委員会は、平成23年に発表したスポーツ宣言日本の中で、次のように記しています。「スポーツは、自発的な運動の楽しみを基調とする人類共通の文化である。スポーツのこの文化的特性が十分に尊重されるとき、個人的にも社会的にもその豊かな意義と価値を望むことができる。とりわけ、現代社会におけるスポーツは、暮らしの中の楽しみとして、青少年の教育として、人々の交流を促し健康を維持増進するものとして、更には生きがいとして、多くの人々に親しまれている。スポーツは、幸福を追求し健康で文化的な生活を営む上で不可欠なものとなったのである。」「今やスポーツは、政治的、経済的、さらに文化的にも、人々の生き方や暮らし方に重要な影響を与えている。したがって、このスポーツの力を、主体的かつ健全に活用することは、スポーツに携わる人々の新しい責務となっている。」と、このように、社会におけるスポーツの新たな役割や意義を示しているところです。 今熊本県では、2019年のラグビーワールドカップ、世界女子ハンドボール選手権の開催や、2020年東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ誘致を通じて、次世代に有益な遺産、レガシーを残していこうと、平成28年11月に策定したレガシープログラム「くまもとハロープログラム」のもと、取り組みを行っています。 今回は、そのプログラムに掲げられている、誰もが生涯スポーツを楽しめる環境の整備、障害者のスポーツ振興という項目に関連して質問したいと思います。 障害者のスポーツ振興といっても、全ての障害のある方が、スポーツ競技そのものを楽しめるわけではありません。しかし、スポーツにかかわることはできます。例えば、大会を観客として楽しむことはもちろん、大会を支えるボランティアとして参加することもできるでしょうし、大会に必要な物品の製造にもかかわることができると思います。 また、前に1度映像で見たことがありますが、ハンドボールの試合の終了後に、選手が観客席にボールを投げ入れるというシーンがありました。想像を膨らませれば、世界選手権のロゴや各国の国旗を記した製品を障害者就労施設等につくってもらい、それを障害のある方が選手に手渡して観客に投げてもらうといったセレモニーも可能ではないでしょうか。 国際スポーツ大会を通じて、スポーツと障害者の新たなかかわりを模索し、実践してほしいと思います。スポーツとのかかわりを通じ、障害者のさらなる社会参画を推進することもできると思います。 平成28年熊本地震を踏まえた県障がい者計画の見直しは、災害時における障害のある方たちの安心、安全を充実させることにつながりました。次は、国際スポーツを通じた障害者の社会参画の取り組みを充実していただき、新たな施策として障がい者計画に盛り込んでいただきたいと思います。さきに紹介したスポーツ宣言日本にある、スポーツの力を活用するという新たな責務を認識しつつ、障害者施策の有益なレガシーとしてほしいと思います。 そこで、国際スポーツ大会における障害のある方の参加に関する考え方について、また、具体的にどのようなことを想定されているのか、さらに、現在開催されている女子ハンドボールアジア選手権において取り組まれていることを、国際スポーツ大会推進部長にお尋ねします。  〔国際スポーツ大会推進部長小原雅晶君登壇〕 ◎国際スポーツ大会推進部長(小原雅晶君) 国際スポーツ大会への障害のある方々の参加についてお答えします。 まず、ラグビーワールドカップにおいては、大会の4つのミッションの一つとして「すべての人が楽しめる大会にしよう」が掲げられています。また、女子ハンドボール世界選手権においても、新しい熊本を世界に発信するという基本理念のもと、4つの柱の一つとして「誰もが楽しめる大会」を掲げています。 これらを踏まえ、来年開催されるラグビーとハンドボールの2つの国際スポーツ大会への障害のある方の参加につきましては、試合観戦はもちろんのこと、選手との交流や大会運営のボランティアなど、さまざまな場面で活躍いただくことを考えています。特に、ハンドボールにおいては、おもてなしの一つとして、参加する選手、役員に提供する記念品の製作や、観客が立ち寄るファンゾーンで販売する物品などの提供を想定しています。 現在開催中の女子ハンドボールアジア選手権においては、障害のある方に、ボランティアとして試合会場で活躍いただいております。 また、アジア選手権で使用している印刷物の一部を、障害者の就労支援施設にお願いしています。さらに、本日とあす、県立総合体育館で行われる試合に、障害のある方々をお招きし、座席の配置、入退場の動線等に関する御意見をいただくこととしております。 このように、来年の国際スポーツ大会において、障害のある方々に、大会の運営やおもてなしなど、多くの場面に参加してもらい、そして楽しんでいただけるよう、しっかりと準備を進めてまいります。  〔山口裕君登壇〕 ◆(山口裕君) 誰もが楽しめる大会、高齢者の方もそうでありましょうし、そしてまた、障害のある方もそうだと思っておりますが、先日の国際スポーツ大会に関する質問の中で、県民挙げてという言葉がありました。県民挙げて、ラグビーワールドカップ、そして女子ハンドボール世界選手権を、総力で盛り上げていければと思っているところです。 国際スポーツ大会推進部におかれては、積極的にさまざまな取り組みを行っていらっしゃることをうかがい知ることができました。我々も、しっかりと、施設の皆さんと一緒に、その取り組みに力をかしていきたいと思っているところです。積極的な参画をしていきたいと思うところです。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。 続いては、政策立案における地域経済分析システム、通称RESASの活用についてお尋ねをします。 本年は、地方創生の動きが本格化してから4年目となります。地方創生の推進に向けては、これまで毎年、新たな施策が追加され、実施されています。 まち・ひと・しごと創生基本方針2017に掲げられた、キラリと光る地方大学づくりや企業の本社機能の移転促進、空き店舗等の活用などは、ことしの通常国会において法制化されています。 また、基本方針2018では、ライフステージに応じた地方創生の充実強化が掲げられ、若者を中心としたUIJターン対策の抜本的強化、女性、高齢者などの新規就業者の掘り起こし、外国人材の活用などが、わくわく地方生活実現政策パッケージとして示され、地方自治体の支援に取り組むこととされています。 これら地方創生メニューの充実強化の動きから、国は、問題や課題となった事柄を、法律の制定や施策の充実によって順応的に解消し、積極的な姿勢で地方創生を推進していることが推察できます。 県や県内自治体においても、みずからの地域はみずからでつくるという自助の精神で、さらに意欲的に地方創生に取り組んでいただきたいと思うものであります。 国は、地方創生の取り組みを推進するため、地方創生版3本の矢として、情報、人材、財政という3つの側面から地方自治体を支援しています。今回は、この3本の矢のうち、情報支援をテーマに質問いたします。 平成27年4月から、地方経済に関する官民のビッグデータをわかりやすく見える化した地域経済分析システム、通称RESASが提供されています。 このRESASでは、地域の現状や課題の把握、地域の強み、弱みや将来像の分析などが、簡潔にわかりやすく、地図やグラフなどの形に加工され提供されており、各地域の現状についての情報を、容易に、しかも視覚化された形で得ることができます。このRESASの活用によって、政策立案がデータに基づいたものへと転換することが期待されています。 先月には、内閣官房主催のRESASを活用した政策立案ワークショップが、菊池市で開催されました。このワークショップは、RESASの提供が始まった平成27年から全国各地域で開催されており、自治体の積極的な活用を望む国の姿勢をうかがうことができます。 私も、実際にRESASを利用してみました。ある程度良好なインターネット通信環境が必要であるものの、人口、地域経済、産業構造、企業活動、観光、まちづくり、雇用、医療・福祉、地方財政といった分野に関して、81のメニューに及ぶさまざまな情報、データが提供されており、とても便利なシステムであると実感しました。 ここに、その一部を紹介します。 (資料を示す)この図は、熊本県内の企業数を、産業の分野ごとに色分けしてあらわしたものです。色ごとの面積で、それぞれの規模をすぐに感じ取ることができます。 この画面からワンクリックするだけで、売上高や従業員数など、データを切りかえて見ることができます。今企業数で見ますと、製造業は、図の中央寄りに青い枠で示されています。 (資料を示す)これを売上高に切りかえたときの図では、同じ青い枠が左手の下の位置になり、図上の面積も大きく、企業数に比して売上高が大きい、1企業当たりの売上高がほかの産業と比べて相対的に大きいという産業の状況が直感的に把握できるようになっています。 これは一つの例ですが、こうした構造図のほかにも、経年変化や他地域との比較を見るためのデータが既にRESASの中に蓄積されており、簡単な手順で図表化することができます。 私は、このRESASを積極的に活用し、さまざまな施策の立案に生かしていくべきと考えます。 施策の推進に当たっては、何より県民の理解、協力が不可欠です。立案の前提となる地域の現状や課題が何であったのか、課題解決に向けて、地域の強みや特性には何があるのか、施策の必要性や立案の根拠について、RESASの情報を使って説明することで、わかりやすさや納得の度合いが格段に向上すると思います。 施策に対する住民理解が進めば、その施策を実行する際にも、進捗度合いによい影響を与えることが期待できます。 また、県だけではなく、市町村でも活用してもらいたいと考えます。基礎自治体では、さらに丁寧で細やかな施策の説明が求められると思います。積極的に活用して、住民との協働のまちづくりの新たな形をつくり上げてほしいと考えます。 そこで、県として、データに基づく政策立案への転換に向け、これまでRESASをどのように活用し、今度どのように利活用していくのか、また、市町村での活用に向けて、これまでどのような取り組みを行い、今後どのような取り組みを行うのか、企画振興部長にお尋ねします。  〔企画振興部長山川清徳君登壇〕 ◎企画振興部長(山川清徳君) 議員御紹介のとおり、RESASには、人口の増減や地域経済の循環、農業産出額など、官民のさまざまなデータが掲載され、地図やグラフ等により見える化が図られています。 また、わかりやすい画面操作により、誰もが直感的に使うことが可能であり、地域の課題を発見し、その解決策の検討に活用できるシステムになっています。 具体的には、まず、RESASにより大まかな傾向を把握し、課題を抽出した上で、その後、詳細に個別統計を分析し、効果的な施策を検討していく方法が有効であると考えております。 県では、奨学金返還等サポート制度の立案における若者の人口移動分析や、地方創生推進交付金の計画策定における観光客の移動分析などにRESASを活用してまいりました。 引き続き、RESASを入り口として、さまざまな統計を分析し、活用することにより、データに基づく政策立案をしっかりと定着させてまいります。 また、市町村からの要望を踏まえ、市町村職員を対象に、RESASの有用性や使用方法についての研修会やワークショップを実施しているところです。 研修後のアンケートでは、町の強み、弱みが可視化できた、企画立案に活用していきたいなどの意見を多くいただいております。 今後も、こうした取り組みを通じ、政策立案におけるデータ活用を促すとともに、地方創生をリードする市町村職員の育成を支援してまいります。  〔山口裕君登壇〕 ◆(山口裕君) このRESASを活用した宇城市での取り組みは、本当に丁寧な取り組みだというふうに感じておりますし、県でも、奨学金返還等サポート制度の立案等で使用されたということで、今後も積極的に活用してほしいなと願うところです。 何よりも、さまざまなことを進めるに当たっては、そこに関係する、そしてそこにかかわる多くの皆さんの理解が不可欠だと思っております。そのような観点から、RESASだけではありませんし、これまでの立案での運営等も踏まえながら、積極的に住民に対して情報を提供し、そして、その上で御理解をいただいて施策を推進する、そんな形をつくり上げていただきたいと思います。 来年2019年は、地方創生の5年目を迎えます。国は、まち・ひと・しごとのまちに焦点を当てた政策を検討しているようです。さらには、まち・ひと・しごと戦略の第2期に向けた総点検を掲げております。 先日、自民党県連と市町村長の皆さんと意見交換をする場面があったのですが、その折にも、地方創生の動きを充実、そして維持してほしいという要望を受けたところです。 私たちも、これまでのさまざまな施策や国の考え方に基づいて、地方で自主的な取り組みを展開していければと願うところです。 一例を挙げますと、交付金で整備しました上天草市松島町のアロマ運動公園のサッカー場は、本当に利用率が高まって、交流を促す施設になりました。1つ拠点ができましたので、この拠点を地域経済にうまく生かすべく、今後考えていく必要があるなということを、この前、政治にかかわる人たちで話したところでした。 そういったことを考えますと、またその施策の展開に向けては、さまざまな御理解をいただいて推進する必要がありますので、我々も積極的に使っていきたいと思っております。 何より、阿蘇市で松村参議院議員が、このRESASを使ったプレゼンをされたようです。その会議に参加しなくても、資料をもらっただけで、今の地域課題を整理されていたことには感心しましたし、私たちも、こういった政治活動を積極的に行わなければいけないと感じたところです。官、そして政治側も、しっかり使っていきたいと思っております。どうぞ、行政においては、その先例となるものをしっかりとつくっていただければと思います。 続きまして、教育委員会のあり方についてお尋ねします。 今回は、教育委員会の議事録に基づいて質問いたします。 先日、教育にかかわる施策について調べたいことがありまして、教育委員会が公表している資料などを参照して理解に努めてみました。その際、調査している施策について、教育委員会ではどのような議論を経て決められていたのか知りたいと思い、議事録を見たところです。 そこで感じたのは、議事録では、議論の大まかな流れはつかめるものの、詳細な内容を捉えることは難しいということです。 現在、教育委員会の議事録は、審議の内容を要約して取りまとめてあります。例えば、議案や報告についての事務局側の説明は省かれ、記載されておりません。また、教育委員の発言も要約されております。 実際の場面では、事務局からの説明や資料に基づいて質問を重ね、合議により議案の決定に至ったり、報告に対する理解を深めていたりすると思いますが、要約されると、委員会審議の本当の姿は伝わりにくいのではないでしょうか。また、要約したことにより、審議内容が判然としない箇所も多々見受けられると思いました。 そこでまず、議事録を要約して作成することにどのようなお考えがあるのか、また、今後の議事録作成についてどのように考えておられるのか、お尋ねします。 教育委員会における議論で、見過ごすことのできない部分もあります。 ことしの8月に、議案として審議された熊本県教育委員会の点検及び評価についての議論の際、委員から、ある会合に出席したときに、県教育委員会は何をしているのかという指摘を受けた、県民の方々に教育について知っていただくような試みを積極的に行ったほうがよいのではないかという発言があったのですが、それに対する事務局からの回答がなかったということです。 御承知のとおり、教育委員会制度の意義は、政治的中立性の確保、持続性、安定性の確保、そして住民意向の反映であります。住民の意向を教育行政に反映させるために、まず必要な取り組みは、教育についての理解を深めていただくための説明を行うことだと思います。丁寧に説明を行うことを前提に、現状を理解いただいた上で、意見を募り、それを反映させるということが必要です。 このような観点からいって、委員の意見や質問に対する回答は不可欠であったと思います。たとえ委員の発言の真意が判然としない場合や抽象的な内容であったとしても、合議制である教育委員会の審議においては、その真意を確認した上で回答するという対応も考えるべきではないでしょうか。 私にとって残念なのは、県議会においてなされた教育行政に関する質問等が、教育委員会では報告にも付されていないということです。議会もまた民意をあらわす場でありますから、そこで行われた議論について、教育委員会でも報告すべきではないかと思います。 文科省においては、教育委員会に対して指摘されているものとして、次のような問題点を示しています。教育委員会は、事務局の提出する案を追認するだけで、実質的な意思決定を行っていないのではないか、地域住民の意向を十分に反映したものとなっておらず、教員などの教育関係者の意向に沿った教育行政を行う傾向が強いのではないか、地域住民との接点がなく、住民から遠い存在となっているのではないかなどが挙げられています。 これらの指摘を踏まえ、今後の教育委員会のあり方について、どのように考えておられるのでしょうか。 以上、2点を教育長にお尋ねします。  〔教育長宮尾千加子さん登壇〕 ◎教育長(宮尾千加子さん) 教育委員会について、議事録のあり方と委員会運営のあり方の2点の質問をいただきました。 現在、委員会は、教育委員5名と私の計6名で開催しています。事務局は、議案の審議における説明等のため同席しております。 県民の視点を教育行政に反映するため、教育委員一人一人が、十分な情報と正しい理解のもと、委員会でしっかり議論をして、その意見を教育の施策や方針に反映させていくことが重要です。また、教育行政の推進には、県民の理解と協力が不可欠なことから、委員会の審議内容を広く県民の皆様に提供することが必要です。 そのため、毎月開催する委員会では、事務局から丁寧な説明を行うよう徹底するとともに、委員会以外の場でも、各種行事等において、日ごろから教育委員と事務局が十分にコミュニケーションを図ることで、忌憚のない意見を言い合える雰囲気づくりに努めています。 また、教育委員による学校訪問の機会も設け、学校現場の状況や課題を理解していただいています。 こうした取り組みにより、教育委員それぞれの経験や見識、あるいは有識者や保護者としての視点から、教育委員の間で活発に意見交換や議論がなされてきています。 まず、1点目の議事録についてでございますが、教育委員会では、これまで、審議内容を簡潔に情報提供するため、要約した議事録を公表してまいりました。 しかし、委員会の審議内容を県民の皆様にさらにわかりやすく情報提供するため、今年度から、より詳細な議事録を作成し、公表するよう改めました。 次に、2点目の委員会の運営についてでございます。 議員御指摘のとおり、文部科学省の報告書では、教育委員会制度の課題として、地域住民の意向を十分に反映していないなどの指摘がなされています。 教育行政の基本方針を決定するという教育委員会の役割の大きさ、責任の重さから、委員会での議論をさらに活性化させていくことが重要であると考えています。 そのため、私は、議事を進行する立場から、教育委員の質問等に対して、事務局の説明が不十分な場合は、再度の説明を求めたり、教育委員に対しても追加質問の有無を確認したりするなど、教育委員の意見をより反映した議論が活発に進むことを最優先に、丁寧な運営に努めています。 さらに、児童生徒や学校の活動状況等を委員会に適宜報告し、そこでの議論に活用してまいりましたが、今年度から新たに、県議会における質問と答弁について、その議事録を報告することといたしました。 教育委員会の役割や文部科学省の指摘も踏まえながら、委員会における活発な議論により、教育委員の多様な意見が集約され、教育行政にこれまで以上に県民の視点が反映されるよう、より一層風通しのよい委員会運営に努めてまいります。  〔山口裕君登壇〕 ◆(山口裕君) 教育長、ありがとうございました。 もう一度再確認していただいて、その上でお願いしたいのは、宮尾教育長の色を出してほしいなというふうに思っております。教育委員の皆さんの意見をしっかりと反映させ、その上で宮尾教育長が、教育行政を推進するに当たって、宮尾教育長らしいそのカラーを出してほしいなというふうに思っております。そのことが、さまざまなことが要請される教育行政においては、その宮尾教育長のカラーが見えることによって、その覚悟が見えることにもつながると思いますので、どうぞしっかりと取り組んでいただければと思うところです。 きょう、県議会に来まして、朝、県庁本庁舎の国旗、そして県旗と並んで掲揚されておりました麦わらの一味の海賊旗がなかったことを、ちょっと寂しく思いました。 昨日、自宅に帰る際にコンビニに寄りますと、『ONE PIECE』の91巻が発刊されておりまして、ついすぐ手にとって見たところです。隠れ『ONE PIECE』ファンとして私は自負しておりますので、そんな意味では喜ばしいなと思ったんですが、とはいえ、その巻末を見てみると、実は銅像の写真も巻末に掲載されておりまして、そこのQRコードにつなぐと県庁のホームページにつながるということで、嫁と一緒に楽しんだところでありました。 実は、その海賊旗が掲げられたときに、ちょっと考えることがありました。麦わらの一味の特徴なんですね。麦わらの一味、いろんなことで困難を克服していくんですけれども、その一つの源泉に、仲間を信じるというのがあるんですね。どんな状況に陥ろうとも、仲間を信じないことはない。何か蒲島知事に通じるような感じもしますし、そして、麦わらのルフィは、実は直感的な感覚がすぐれているということも、何か蒲島知事の発言を聞くと、すごく直感力の高い方だなというふうに、共通性を感じるところです。 ○議長(坂田孝志君) 残り時間が少なくなりましたので、発言を簡潔に願います。 ◆(山口裕君) (続) きょうは5問質問させていただきましたけれども、私には凡庸な才能しかございませんが、しっかりと地域の課題を整理して、また県政の場で解決できるよう努めてまいりたいと思っておりますので、今後とも、皆さんには御協力いただきますことをお願いしまして、質問とさせていただきます。 本日はありがとうございました。(拍手) ○議長(坂田孝志君) 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。  午後0時8分休憩    ――――――○――――――  午後1時10分開議 ○副議長(森浩二君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 竹﨑和虎君。  〔竹﨑和虎君登壇〕(拍手) ◆(竹﨑和虎君) 皆さん、こんにちは。自由民主党・熊本市第二選挙区選出・竹﨑和虎でございます。 私は、本年7月、補欠選挙におきまして、故村上寅美先生の後継といたしまして議席をお与えいただきました。大変身の引き締まる思いでございます。また、新人にもかかわりませず、このように質問の機会をお与えいただきました自由民主党の先輩議員各位に、心から感謝を申し上げる次第でございます。 初めての質問ということで、大変緊張するかと思ったんですが、各党各会派の先輩議員さんより励ましの言葉をいただきまして、若干和らいでおるところではございますが、頑張ってまいりたいと思います。 質問に入ります前に、本年6月4日に、私が長年師事をいたしました村上寅美先生、御逝去をされました。先生には、幾多のことを学んだところではございますが、その村上寅美先生、さらにその前に、同じく県議会議員の松村昭先生、そして先般は、衆議院議員の園田博之先生、御逝去なさいました。 先生方は、この熊本県政において、多大なる功績、実績を残され、そして、熊本地震からの復旧、復興においても、いち早い復旧、復興を願い、尽力をされておられました。各先生方に、心からなる敬意を表しますとともに、心から御冥福をお祈りする次第でございます。 村上先生から教えを請いました徹底的な現場主義、本日は、現場の声をもとに質問をさせていただきたいと思いますので、蒲島知事以下執行部の皆さん方には、前向きに、そして丁寧に答弁をいただきますようお願いを申し上げる次第でございます。 それでは、通告に従い、質問に入らせていただきます。 まず最初に、広域防災拠点構想における横軸の整備推進について質問をいたします。 平成26年1月、熊本県は、九州を支える広域防災拠点構想を策定いたしました。 この構想は、本県が持つ九州の中央に位置するという地理的優位性、陸上自衛隊の西部方面総監部、第8師団司令部など、また、熊本赤十字病院を初めとする医療施設等、災害対応体制の充実などの特性、ポテンシャルを生かして、大規模災害時に広域防災拠点としての役割を果たし、九州全体の安全、安心を高めていきたいとの考えから策定されたものでございます。 この構想に基づき、これまで、県産業展示場グランメッセ熊本への大型ヘリポート整備、阿蘇くまもと空港に隣接する県有地への駐機場の整備、昨年10月の総合防災航空センターの整備など、広域防災拠点の整備がなされてきました。 さらに、平成28年4月に発災をしました熊本地震の経験を踏まえ、物資集積拠点であるグランメッセ熊本については、非構造部材を含めた耐震化が行われたところであります。 また、構想によると、熊本県は、九州各県の県庁所在地まで、その距離が100キロ前後で、ヘリにより片道30分程度で到着でき、活動拠点として最適とされております。それも九州の中央に位置する本県の優位性の一つですが、大規模な災害が発生した際に、被災した県を支援するためには、大量の物資と人員が必要であります。 その搬送のためには、九州の縦軸となる九州縦貫自動車道や南九州西回り自動車道、それとともに、隣接する県の中で自動車による移動時間が長い大分県や宮崎県とを結ぶ、九州の横軸となる道路の整備が必要と考えます。 特に、ことしだけでも、6月の大阪北部を震源とする地震、9月の北海道胆振東部地震等、ブロック塀の倒壊や山腹の崩壊による死者を伴う震災も含め、地震が頻発をいたしております。 そのような中、南海トラフ地震について、政府の地震調査委員会は、今後30年以内に、南海トラフ沿いでマグニチュード8から9の巨大地震が発生する確率は、70%から80%と公表しております。この南海トラフ地震により、特に九州の東側に位置する大分県、宮崎県で、大規模な災害が発生することが想定されております。 広域防災拠点として、南海トラフ地震発生時の本県の役割は極めて重要であり、その役割をしっかりと果たすためには、九州の横軸となる本県と大分県を結ぶ中九州横断道路や宮崎県を結ぶ九州中央自動車道の整備が喫緊の課題と考えておりますが、今後どのように取り組まれていくのかを知事にお尋ねいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 平成26年1月に、九州の安全、安心は熊本が支えるとの強い思いから、広域防災拠点構想を策定し、防災拠点の充実強化や幹線道路ネットワークの整備に取り組んでまいりました。 熊本地震の際には、この構想に基づき整備していた防災駐機場に応援ヘリを受け入れ、多くの被災者の救命救助につながりました。 九州の横軸となる幹線道路は、南海トラフ地震を見据えたとき、大分県や宮崎県を支援するための命の道となります。広域防災拠点としての本県の役割を十分発揮するためには、中九州横断道路と九州中央自動車道の早期整備は喫緊の課題であります。 私は、大分、宮崎両県知事とともに、あらゆる場でその重要性を訴え、国に早期整備を求めてまいりました。 その結果、中九州横断道路については、本年6月に滝室坂トンネルの本体工事が始まりました。また、10月には、熊本市から大津町までのルート案が国から示され、現在、事業化に向けた都市計画決定の手続を進めています。 九州中央自動車道については、本年2月に、山都町蘇陽から宮崎県高千穂町までの区間において計画段階評価が完了しました。さらに、今月16日には、いよいよ小池高山インターチェンジから山都中島西インターチェンジまでの10.8キロメートルが開通します。 このように、命の道となる九州の横軸整備は、この1年で大きな動きを見せております。今後、さらにこの取り組みを加速させたいと考えています。 今後も引き続き、私自身が先頭に立ち、本県が九州を支える広域防災拠点としての役割を担えるよう、全力で取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 蒲島知事に御答弁をいただきました。 知事の掲げられておる熊本地震からの創造的復興、また、復興を熊本のさらなる発展につなげる、そういったためにも、この横軸整備に取り組んでいただきたい。 大地震が起こらないにこしたことはございませんが、予知するのはかなり困難なことでございます。備えとして、大規模災害時の広域防災拠点としての役割を果たすだけではなく、沿線地域の相互交流を活性化させ、観光だけではなく、製造、運輸、流通における九州の中心として、熊本の役割を果たしてほしいと思っております。横軸である中九州横断道路と九州中央自動車道の整備に、さらに取り組んでいただきたいと思います。 続きまして、熊本市西南部地域の振興について。 まずは、農業の生産性向上対策についてお尋ねをいたします。 熊本市西南部地域は、平たん部の水田地帯から金峰山一帯の中山間地域まで、多様な農業経営が営まれております。特に、ナス、トマト、イチゴなどの施設野菜、温州ミカン、梨などの果樹、大規模な土地利用型農業など、県内有数の食料生産地域であり、農業は、当地域の基幹産業の一つでございます。 平たん部の水田地帯は、区画整理をされた水田が広がっており、ナス、トマト、イチゴなどの施設野菜の生産が盛んに行われており、一大産地となっております。 あわせて、農事組合法人である熊本すぎかみ農場のように、法人化することにより、農地の借り受けや農地の集積、作物団地化を行い、スマート農業を取り入れて作業効率を高めることにより、大規模面積で土地利用型農業を実践しながら、水稲、麦、大豆などを生産し、地域農業の活性化に貢献している組織も生まれております。 また、金峰山一帯は、果樹、特に温州ミカンを中心に栽培が行われております。一帯における果樹産出額は約80億円と、県の果樹の産出額の4分の1を占めており、本県はもちろん、全国有数の果樹産地となっており、河内ミカン、夢未来ブランドを確立しております。 ミカン生産者の自助努力はもちろんのこと、農業団体や行政の取り組みや協力もあり、温州ミカンの単価は、ここ3年連続高値で推移をしており、生産者も大きな希望を持っております。 このような中、本地域でも、他地域と同様、担い手である生産者全体の高齢化や後継者不足、これにより個人農家の農業が難しくなっております。また、さらなる基盤整備を必要とするとともに、施設園芸におけるコスト上昇や農業機械導入が困難になるなど、さまざまな問題を抱えております。 例えば、現在、わせミカンの収穫が最盛期となっておりますが、その一大産地である河内、芳野を中心とする金峰山一帯においては、急傾斜な樹園地のため、防除や収穫等の作業に多大な労力を要しており、生産者の高齢化に伴い、将来的に見て不安定な生産条件となっております。 将来にわたって安定した農業経営を行い、安全で安心な農産物を消費地に、そして消費者に安定的に供給するためには、基盤整備と農地の集約、作業効率の向上や一層の省力化の推進など、さらには、近年、気象変動に対応した優良品種への更新を行うなど、生産性を高める対策が必要となっております。 そこで、熊本市西南部地域における農業の生産性向上対策について、農林水産部長にお尋ねをいたします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) 熊本市の西南部地域は、西日本最大のかんきつ選果場や、導入割合が5割を超えるナスの耐候性ハウスに代表される一大農業生産地域です。 しかし、議員御指摘のとおり、高齢化やコスト上昇など、地域の農業を取り巻く環境は厳しく、特に、ミカンの一大産地である金峰山一帯は、急傾斜地で多大な労力を要するといった独自の課題もあります。このため、当地域における農業経営の維持、発展には、生産性を一層高める基盤整備と技術向上、この2つが何より重要であると考えています。 まず、基盤整備についてですが、平たん部の水田地帯には未整備の水田が残っていることから、圃場整備と農地集積を一体的に進めるとともに、施設園芸を支えている排水機場の計画的な更新を行ってまいります。 また、金峰山一帯の果樹地帯では、現在、県営事業により、集落やミカンの選果場へ接続する幹線的な農道整備を進めており、傾斜地で分散した園地においても、地域営農・農地集積計画を策定し、農地中間管理機構を活用した園地集積と園内作業道等のモデル的な整備を進めております。 次に、技術向上についてですが、品目ごとの基本管理技術の徹底に加えて、米、麦、大豆では、生産コストのさらなる削減に向け、ICTを活用した営農体系への取り組みを進めています。 中でも、議員御紹介の熊本すぎかみ農場では、農業機械のオペレーターが携帯端末を使って、農地マップにより進捗状況を確認しながら農作業を行う営農管理システムの導入や、収穫しながら収量や食味を瞬時に計測できるコンバインの活用など、品質を維持しながら効率的に生産性を上げる取り組みを支援しています。 また、野菜では、ナスなどの収量、品質の向上と省力化を目指した園芸ハウスでの高度環境制御技術の普及や、果樹では、かんきつの糖度向上に有効な全面シートマルチの導入を進めてまいります。さらに、受粉作業が不要で省力化に有効なナスの新品種の導入や、かんきつの優良品種への更新など、品種面からのアプローチにも力を入れてまいります。 熊本市西南部地域は、意欲ある農業者の方が多く、新たな担い手も生まれています。県としましては、担い手の方々の個々の力と、これまで培ってこられた産地の組織力が相まって、さまざまな生産性向上対策の成果が上がるよう、関係機関と一体となってしっかりと取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 福島部長から、農業における生産性を一層高めるために、基盤整備や技術向上が重要であるとの御答弁をいただきました。 質問でも述べましたように、作業労力を軽減させ、また、作業効率を高めることによって生産性を高めて、担い手の確保や後継者の育成につなげていけると考えております。 私の県外に住む多くの友人から、熊本は、水がきれいでおいしくて、また、食べ物がおいしいよねとよく言われます。お米や野菜、果樹、こういった農産物がおいしか県、熊本県をぜひ確立していきたい、そう思っております。そのためにも、農業の生産性向上に向け、農業者の皆さん、そして農業団体や県執行部の皆さんとともに取り組んでまいりたいと思っております。 続きまして、熊本市西南部地域におけるもう一つの基幹産業であります水産業の再生についてお尋ねをいたします。 熊本市西南部地域は、熊本、福岡、佐賀、長崎の4県に囲まれ、日本一の干満差があり、貴重な漁業資源の宝庫として、沿岸の人々の生活を支える有明海に面しております。 熊本県漁連や沿岸の各漁業協同組合を中心に、漁業者は、この有明海において、持続可能な水産業を確立し、水産資源をふやすために、稚魚や稚貝、稚エビを生産し、大きく育て、放流を行ったり、魚種により規格を設けて、小型の魚を再放流するなど、資源管理型漁業に取り組んでおられます。 また、ふるさとのきれいな海を健全な姿で次世代に継承していくために、地域住民の方々を初め、行政や企業、NPO法人と協力し、毎年、海岸の一斉清掃活動や、海の栄養を支え、豊かな海を守るための植樹活動にも努めておられます。 このように、資源管理活動や海の環境保全活動に取り組みながら、白川、緑川、坪井川の河口域に広がる広大な干潟域を利用し、ノリやアサリの生産に取り組んでおり、県内においても主要産地となっております。 しかし、近年、生活環境の変化や気候の変動などにより、漁業資源の減少が顕著に見られるようになりました。 そのような厳しい条件の中、ノリ生産者の自助努力もあり、近年におけるノリの生産額は、本県の魚種別生産額の約3分の1を占めております。また、河内地区から天明地区までの熊本市域において、ノリの生産額の約6割を占めております。 また、アサリについては、昭和52年のピーク時には、有明海だけで6万5,000トンを超える漁獲量を誇っておりました。しかし、近年では、200トンを下回る漁獲量となっております。 しかしながら、資源管理や覆砂等、漁場環境改善の取り組みが行われた結果、激減した漁獲量に回復の兆しも見え始めたところでございます。 アサリの採貝業は、高齢者や女性の方も参加しやすく、収益性も高い漁業であり、さらなる資源回復へ向け、一層の取り組みが必要と考えます。 水産業においても、担い手である漁業者の高齢化、また、後継者不足などの問題を抱えており、漁村自体の衰退化につながりかねません。 そこで、ノリ養殖業における高品質なノリの安定生産や、アサリ、ハマグリの資源の回復を図り、漁村ににぎわいを取り戻すことが好循環となり、熊本市西南部地域の水産業の再生につながると考えますが、県の取り組みについて、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長福島誠治君登壇〕 ◎農林水産部長(福島誠治君) 熊本市西南部地域で生産されるノリとアサリは、地域の漁業を支える最も重要な水産物であり、県としても、ノリ養殖の安定生産とアサリ資源の回復に向け、積極的に取り組んでいます。 まず、ノリ養殖の安定生産に向けては、地元漁協や県漁連と連携して、厳しい海域環境の変化に対応した養殖スケジュールの設定や、病害対策のためのノリ網の一斉撤去などを実施しております。 このような取り組みが実を結び、平成28年度から2年連続で、初入札会において国内最高値の評価を受けるとともに、生産金額では、平成28年度に143億円と過去最高を記録し、平成29年度も115億円に達するなど、近年は好調な状況が続いています。 しかしながら、昨日開催された県漁連の初入札会では、生産枚数は前年並みでしたが、珪藻プランクトンの増殖や少雨等による栄養塩不足により、生産金額は約4億7,000万円と、前年比62%となりました。 今後、海域環境の推移を注視するとともに、適正な養殖指導に努めてまいります。 次に、アサリ資源の回復につきましては、生息に適した干潟漁場の環境改善と、継続的な稚貝の確保に向けた母貝集団の形成が重要と考えています。 このため、漁場ごとに異なる環境に合わせて、覆砂や作澪、耕うんを計画的に実施し、干潟環境の改善を図っております。これまでの事業成果として、覆砂を行った漁場では、周辺の漁場に比べ、多くのアサリが生息していることを確認しており、資源を下支えしていると考えております。 また、母貝集団の形成を目指して、産卵期における禁漁期間の設定、網袋の設置による稚貝増殖の促進、ナルトビエイ等の有害生物の駆除など、漁業者によるさまざまな取り組みを積極的に支援しております。 このような取り組みの結果、平成27年に165トンにまで減少した有明海のアサリ漁獲量は、平成29年には640トンにまで増加するなど、回復の兆しが見え始めております。 県としましては、ノリ養殖の安定生産とアサリ資源の回復を図り、漁村ににぎわいが取り戻せるよう、漁業者の皆様と一体となって、各種施策にしっかりと取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 福島部長より、ノリ養殖の安定生産、アサリの資源回復に積極的にさまざまな施策に取り組んでまいるとの御答弁をいただきました。 先ほど福島部長さんからもお話がございましたが、昨日、本年初のノリの入札があったところでございます。お話にあったように、枚数が若干生産量が下がり、金額、単価ともに昨年を下回っておったということで、心配をいたしておるところでございます。 漁業団体の代表者の方にお話をお伺いいたしました。今回のノリの質、また、できからすれば、高値がついたということはおっしゃっておられました。ただ、自然相手だけんなとおっしゃっとったところでございます。そういった言葉もありました。 しかし、その中で、秋芽も少し色が戻ってきたもんなというお声もいただきましたし、これから、冷凍も含めトータルで、今期もよかったと思っていただけるよう、県のほうにも御支援をいただきたいと思っております。 そしてまた、アサリやハマグリ、こういった稚貝が順調に育っていると伺っております。かつて昭和の時代には、県内に数多く見られた潮干狩り場、この潮干狩りがぜひ復活をするよう願っておるところでございます。それによって、県内外より多くの観光客の皆さんにおいでいただき、にぎわいを取り戻し、漁村の活性化につなげていきたいと思っておりますので、県からの御支援のほうもよろしくお願いを申し上げたいと思います。 続きまして、熊本市西南部地域の道路網整備についてお尋ねをいたします。 熊本都市圏では、いまだ骨格となる幹線道路の整備もままならない状況であり、地域の活性化はもちろんのこと、防災面においても大きな不安を抱えております。 あわせて、本来であれば、幹線道路を利用すべき地域の産業や物流を担う車両が生活道路に集中することから、渋滞や交通事故の発生など、地域生活に支障を来している状況であります。 また、2015年度、2016年度の国土交通省の調査によりますと、熊本市域における車で移動しようとしたときにかかる時間は、政令指定都市20市の中で15位、また、都市計画道路の整備率は、同じく20市中16位と、渋滞緩和策が大きな課題となっております。 さて、そのような中、平成13年度から県を挙げて取り組んできた九州新幹線並びに在来線の鉄道高架化事業は、本年3月17日に、残っていた2キロメートル区間の高架切りかえが完了し、鉄道によって分断されていた東西の地域が、いよいよ一体化されることとなりました。 しかし、熊本市西部地域は、熊本からの広域交通を担う九州縦貫自動車道の各インターチェンジまでの距離が最も遠く、また、中心市街地を通り抜ける必要があるなど、広域的な物流や人流の定時性、速達性の確保が地域振興の大きな課題となっております。 また、南部地域におきましては、スマートインターチェンジができた城南地域から熊本市内への交通の要衝でもある国道266号蓍町橋周辺の渋滞対策も、熊本都市圏の喫緊の課題と言えるのではないでしょうか。 先ほども申し上げましたが、鉄道による分断が解消され、今こそ熊本都市圏が一体となって発展を遂げる格好の時期だと思っております。 2021年春には、熊本の陸の玄関口である熊本駅ビル並びに白川口駅前広場も完成いたします。また、海の玄関口となる熊本港は、知事のトップセールスや、荷主企業に向け、コンテナ助成制度を活用した長年のポートセールスが功を奏し、平成29年度の国際コンテナ取扱量が過去最高記録を達成したと伺っております。 また、本地域は、熊本の台所を支える熊本地方卸売市場、通称田崎市場を初め、城南工業団地や流通団地も抱えております。また、さきの質問でも触れましたが、農林水産物の生産も大変盛んであり、まさに製造、運輸、流通を支える地域でございます。 熊本市西南部地域は、熊本都市圏と直結した物流、人流の拠点となり得る地域だと確信しております。そのポテンシャルの最大化に向けた取り組みを進めるためにも、幹線道路である熊本西環状道路や有明海沿岸道路(Ⅱ期)、熊本宇土道路、国道501号飽田バイパス、そして、先ほど申しました国道266号等の道路網の整備が不可欠と考えます。 そこで、県では、熊本都市圏交通についての実行計画となるアクションプランを策定したと伺っておりますが、その中で、熊本市西南部地域の道路網の整備について、どのような考えを持って取り組んでいかれるのか、土木部長にお尋ねいたします。  〔土木部長宮部静夫君登壇〕 ◎土木部長(宮部静夫君) 熊本市西南部地域は、熊本駅や熊本港など広域交通の拠点を有し、また、工業団地や流通団地を抱え、製造、運輸、流通を支える地域であります。さらに、豊かな自然の中で、農林水産物の生産拠点としても重要な役割を担っていると認識しております。 この地域がさらに発展していくためには、人や物の流れを支える交通ネットワークの形成が重要と考えます。 県では、熊本都市圏の将来像の実現に向け、その実行計画となるアクションプランを本年11月に策定いたしました。 その中で、この地域の広域交通を担う幹線道路につきましては、熊本西環状道路の花園インターチェンジから池上インターチェンジまでの約5キロメートル区間を2023年度までに完了することが熊本市から示されました。 また、熊本宇土道路や有明海沿岸道路につきましても、早期実現に向けて、国にしっかりと働きかけてまいります。 次に、幹線道路と連携し、地域の産業や物流を支える道路につきましては、国道501号飽田バイパスを2023年度までに完了することが熊本市から明らかにされたところです。 また、国道266号蓍町橋周辺では、昨年、城南スマートインターチェンジが開通しました。これにより、蓍町橋で12時間当たりの交通量が約1,000台減少し、渋滞緩和に寄与しているとのことです。 さらに、現在、県におきましては、実施している蓍町橋北側の交差点の改良工事が来年度中に完了いたします。このことにより、さらなる効果が期待できると考えております。 引き続き、熊本市西南部地域の活性化に向けて、国、熊本市と連携し、計画的かつ着実にこの地域の道路網の整備を進めてまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 宮部部長から、熊本市西南部地域の活性化に向け、着実に施策を推進するとの御答弁をいただきました。 熊本市において、桜町の再開発や熊本駅ビル、熊本駅前広場の開発がなされ、また、来年には、国際スポーツ大会であるラグビーワールドカップ、女子ハンドボール世界選手権大会が開催されます。 これに伴い、観光も兼ねて、国内外から多くのお客さんが来られると思います。熊本市西南部地域には、湧水池や多くの名所、史跡など、多くの観光地もございます。せっかく来ていただいたのに、道路事情により、また、渋滞とかによって時間をスムーズに使えなかったといったような、お客様の気分を害さないよう、おもてなしの心で、そしてリピーターをふやす観点からも、道路の整備に取り組んでいただきたいと思っております。 先般、芦北町出身の新郎と宮崎県の延岡市出身の新婦さんの結婚披露宴が熊本市内のホテルであり、そこに私も出席をさせていただきました。延岡市出身の新婦のお母様に、お祝いを、おめでとうございますとお伝えし、きょうは遠路大変だったでしょうとお話を伺ったところ、延岡から大型バスでその披露宴に参加される方々が、予定していた時間より遅くなってしまったものですから――道路事情により遅くなってしまったものですから、開会時間に間に合うか冷や冷やしましたというお言葉を聞いたのを印象的に思っております。 こういった渋滞解消も含めて、ぜひ、熊本都市圏総合交通計画協議会において、西南部地域の道路も含めて、熊本都市圏の道路整備に取り組んでいただけるようお願いを申し上げます。 続きまして、看護職員の確保対策についてお尋ねをいたします。 高齢化社会の中、団塊の世代が75歳以上になる2025年問題、私も含まれますが、団塊ジュニア世代が65歳以上になる2040年問題を見据えた、医療を含む社会保障制度改革は、大きな課題となっております。 このような状況から、熊本県においては、地域医療構想や第7次熊本県保健医療計画を策定し、限られた医療資源の中で、必要な医療提供体制の構築を目指しております。 地域医療構想等を実現するためには、医療の人材確保が重要であり、中でも、患者さんや地域住民の方々に寄り添いながらケアを提供する看護職員の役割は大きいものがあると考えます。 しかしながら、昨年度、県が示した2025年における熊本県看護職員需給見通しによりますと、2025年時点で、県内で約3,600人の看護職員が不足と試算されており、人材の確保は喫緊の課題と考えております。 国や県においては、これまでもさまざまな看護職員確保対策がなされてきたと認識しておりますが、全国的に医師とともに看護職員の不足や地域偏在が問題となっており、熊本県においても、熊本市中心部とそれ以外の地域、また、大病院と小規模な医院との格差が大きくなっております。 また、県内の看護系学校・養成所の新卒学生の県内就業率は、平成30年3月卒業学生で58.7%と、全国平均を下回っている状況であり、次世代の看護を担う若手の看護職員の確保も重要だと考えます。 さらに、県内で働く看護職員の約95%が女性の方でございます。せっかく就業された女性看護職員さんが、新人教育を受け、その後現場で経験を積み上げ、中堅の看護職員となる中、結婚や出産を機に一旦離職をし、その後復職したときに、育児や子育てが原因となり、パート職員や嘱託・臨時職員になってしまうため、人員不足や人材不足につながっておるというお話も伺っております。 今後の熊本地震からの復興においても、県民の命を守る医療提供体制は、県民の安全と安心を守る上で、最も重要な施策の一つであります。 平成29年2月議会の代表質問において、村上寅美先生が、熊本地震後の看護職員確保対策について質問されておられますが、その後において、熊本地震後の看護職員の確保と、次世代を担う新卒看護学生の県内就業の促進の方策について、健康福祉部長にお尋ねいたします。  〔健康福祉部長古閑陽一君登壇〕 ◎健康福祉部長(古閑陽一君) まず、1点目の熊本地震後の看護職員の確保についてお答えをいたします。 震災から2年7カ月が経過しましたが、特に基幹道路の寸断が続く阿蘇地域では、看護職員確保の厳しい状況が続いております。 このような中、昨年5月に創設したくまもと復興応援ナース制度により、これまでに全国から53名の方が阿蘇地域で従事され、そのうち5名の方が定住されています。 また、看護職員確保のためには、離職防止とともに円滑な復職支援が重要であり、特に確保が困難な被災地域においては、その対策の強化が求められます。 このため、昨年度から、阿蘇や菊池などの被災地域で、県ナースセンターによる就労相談会や実技研修を実施し、昨年度は、6名の参加者全員の復職が実現しました。このような取り組みを通じて、引き続き、被災地域における看護職員の確保に取り組んでまいります。 次に、2点目の新卒看護学生の県内就業の促進に向けた取り組みについてお答えをします。 本年3月卒業生の県内就業率は、全国平均の66%に達しておらず、特に、看護系大学や助産師養成課程の就業率が40%弱と、その低さが課題となっております。 このため、県では、看護師養成所等に対する運営費補助について、新卒学生の県内就業率に応じた加算制度を平成26年度から導入したことにより、この4年間で就業率は1.6ポイント増加するなど、着実に成果を上げてきております。 加えて、県内就業に向けて、今年度から、看護師養成所等の学生だけでなく、保護者に対しても、県内の医療機関や看護体制の状況、また、その魅力を伝えるための説明会を県内10カ所以上で開催しております。 また、本県では、看護職員の就業に地域偏在が見られ、特に阿蘇、芦北、球磨の各地域において、新卒者の確保が困難な状況となっております。 そこで、これらの地域での就業を促すため、看護師等修学資金の返還免除要件の改正を本年4月に行いました。これにより、僻地の小規模な病院などに就業した場合には、返還免除に必要な就業期間を、これまでの5年から3年に短縮しています。 今後も、地域における保健医療提供体制の充実に向け、関係機関と連携しながら、看護職員の確保とその育成に全力で取り組んでまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 古閑部長から、看護職員の確保と育成に対して全力で取り組むという御答弁をいただきました。 看護師の方には、私も、生まれてからずっとお世話になっております。さすがに生まれたときのことは覚えてはおりませんが、幼少期から今日まで、そして、これからも人生を全うするまでお世話になっていかねばなりません。 そういった中、県内どの地域においても、患者さんや住民の方々に寄り添い、ケアを提供していただく看護師さんの確保が、地域の皆様に安心を与えると考えます。 また、看護師さんだけではなく、医師や介護士さんを含む多くの医療分野で、人材確保を必要としております。地域に安心感を与えることが、定住促進にもつながっていくものと考えておりますので、今後とも、学童保育の充実など、県下各市町村との取り組みも含め、御支援いただきますようにお願いを申し上げます。 それでは、最後の質問に移らせていただきます。 若者の政治参加を促すための高校教育における取り組みについてお尋ねをいたします。 国民の政治への関心や、また、投票率の低下などが言われるようになって久しいものがあります。特に、若年者層になるほど投票率が低い傾向にあります。 候補者の顔ぶれや選挙の争点などが影響することもあるかと考えられますので、投票率をもって一律に評価するものではないとは思いますが、選挙は、政治に参加するための最も重要な手段であることは言うまでもありません。 このような中、平成27年6月に、公職選挙法等の一部を改正する法律が成立したことにより、平成28年6月以降の選挙においては、選挙権年齢が満20歳以上から満18歳以上に引き下げられました。 高校教育においては、改正法について十分了知し、生徒に対する政治への参加意識を高めるため、さらなる指導の充実が求められるところであります。 また、現在、議論がなされている憲法改正について、将来、国会において改正の発議がなされた場合には、国民投票が実施されることとなります。国の規範を決定する大切な投票ですが、この投票の権利も、満18歳以上から有することとなっております。 ちなみに、選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられた後の平成28年7月の参議院議員選挙、また平成29年10月の衆議院議員選挙の投票率を見ますと、全体の投票率に比べ、18歳の投票率も低いものでありますが、19歳の投票率は、さらに低くなっております。このことから、若者の政治参加については、高校での教育が大いに影響するものと考えられます。 県立、私立それぞれの高校においては、選挙制度の仕組みに関する学習や、選挙管理委員会と連携、協力した模擬選挙の実施、現実の政治的事象を扱った授業、外部講師の活用など、さまざまな工夫をされていることと思います。 また、政治的な教養を育むこととあわせて、政治的活動等についても、生徒が法令に違反したりすることがないよう、きちんと理解を深めることが重要であります。 生徒への指導に当たっては、教員が特定の政党や政治家を支持するようなことなく、政治的中立を保つ必要があり、教員の資質向上も大切と考えます。 そこで、若者の政治参加を促すための本県の高校教育における取り組みについて、教育長にお尋ねいたします。  〔教育長宮尾千加子さん登壇〕 ◎教育長(宮尾千加子さん) 選挙権年齢の引き下げに伴い、高校生にとって、政治はこれまで以上に身近なものとなるとともに、みずから考え、積極的に社会に参画できる環境が整いつつあります。 そのような中、政治への高い関心を持った若者を育てることが重要であり、高校生に対して、主権者としての自覚や投票行動を促す取り組みの充実に努めています。 文部科学省は、政治的教養を育む教育の一層の充実を図るために、総務省と連携して、副教材「私たちが拓く日本の未来」を作成しています。この副教材は、平成27年度から、私立学校も含め、全ての高校生に配付され、授業などで活用されています。 また、県教育委員会では、平成27年12月に、生徒指導上のガイドラインを作成いたしました。この中では、人生で最初の選挙は投票の習慣化のために重要であり、主権者としての責任を果たすために、選挙には必ず行くよう促すことの必要性等を明記しています。 これらをもとに、各学校では、政治的中立性を確保しながら、積極的な政治参加を促す教育活動が行われています。 特に、各県立高校では、主権者教育に関する年間指導計画を毎年作成し、学校の状況に応じた計画的な指導を実施しています。 県内各高校の具体的な取り組みとしては、選挙管理委員会と連携、協力した模擬投票や講話、地元市町村議会の傍聴、さらに投票日前には、3年生に投票を呼びかける学年集会を行うなど、工夫した取り組みが行われています。 議員御指摘のように、若者の政治参加については、高校での教育が大きく影響すると考えられます。今後とも、関係機関と連携して、国や地域の諸課題に関心を持ち、それらのことを自分のこととして捉え、投票等を通して、積極的に政治に参加する若者を育てる取り組みをしっかり進めてまいります。  〔竹﨑和虎君登壇〕 ◆(竹﨑和虎君) 宮尾教育長から、高校教育における取り組みについて答弁をいただきました。 国政選挙のみならず、県内における種々の選挙においても、低投票率が目立っております。お恥ずかしながら、私が出馬いたしました補欠選挙も、若干低い投票率でございました。 まずは、政治家である我々が襟を正し、政治に参加する意義を訴え、投票率の向上に取り組むことが肝要であると考えております。その上で、行政や教育行政、そしてまた、地域が一体となって取り組んでいかなければならないのかなと考えております。 来年4月には、統一地方選挙が予定をされております。きょうから数え、ちょうど4カ月後の4月7日が、我々県議会議員の投開票日でございます。 ちょうど先ほど、昼食でカツカレーを食べてまいりましたが、高い投票率の中で、しっかりとした得票を得て、桜満開の中、皆さんと再会し、また熱い議論ができるように努力してまいりたいと思っております。 初めての質問で、時間の配分に苦慮いたしましたが、何とかその中で終わり、また、お聞き苦しい面があったとは思いますが、最後までの御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○副議長(森浩二君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明8日及び9日は、県の休日のため、休会でありますので、次の会議は、来る10日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第5号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時7分散会...