熊本県議会 > 2017-06-16 >
06月16日-03号

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  1. 熊本県議会 2017-06-16
    06月16日-03号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2020-12-12
    平成29年 6月 定例会               第 3 号              (6月16日)  平成29年  熊本県議会6月定例会会議録     第3号平成29年6月16日(金曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第3号  平成29年6月16日(金曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(46人)            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 さん            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            前 田 憲 秀 君            濱 田 大 造 君            磯 田   毅 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            浦 田 祐三子 さん            荒 木 章 博 君            西   聖 一 君            山 口   裕 君            早 田 順 一 君            渕 上 陽 一 君            田 代 国 広 君            森   浩 二 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            吉 永 和 世 君            岩 中 伸 司 君            城 下 広 作 君            氷 室 雄一郎 君            鎌 田   聡 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君            村 上 寅 美 君            西 岡 勝 成 君            山 本 秀 久 君欠席議員氏名(1人)            小 杉   直 君  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    小 野 泰 輔 君     知事公室長  坂 本   浩 君     総務部長   池 田 敬 之 君     企画振興部長 島 崎 征 夫 君     健康福祉部長 古 閑 陽 一 君     環境生活部長 田 中 義 人 君     商工観光労働            奥 薗 惣 幸 君     部長     農林水産部長 濱 田 義 之 君     土木部長   手 島 健 司 君     会計管理者  金 子 徳 政 君     企業局長   原     悟 君     病院事業            永 井 正 幸 君     管理者     教育長    宮 尾 千加子 さん     警察本部長  村 田 達 哉 君     人事委員会            田 中 信 行 君     事務局長     監査委員   豊 田 祐 一 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   吉 田 勝 也     事務局次長            中 島 昭 則     兼総務課長     議事課長   中 村 誠 希     審議員兼            村 田 竜 二     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(岩下栄一君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(岩下栄一君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 橋口海平君。  〔橋口海平君登壇〕(拍手) ◆(橋口海平君) 皆さんおはようございます。自由民主党・熊本市第一選挙区選出の橋口海平です。 今回で7回目の質問となります。前回の質問の際は、地震の影響で全員協議会室で質問させていただきました。この議場に戻ると緊張しないかなと思ったのですが、やはりこっちでも緊張しております。足がぶるぶる震えておりますが、早速質問に入らせていただきます。 まず初めに、熊本で行われる2つの国際スポーツ大会の波及効果を広げる取り組みについて質問させていただきます。 先日6月10日に行われたラグビーのテストマッチ、日本対ルーマニア戦では、約1万9,000人もの観客で試合が盛り上がり、間近にトップレベルのプレーを見ることができ、私自身とても興奮しました。また、会場外のファンゾーンもあふれんばかりの人で、大盛況だったように感じました。多くの方々が楽しむことができたのではないでしょうか。 そして、皆さん御存じのとおり、2019年の9月20日から11月2日にかけてラグビーワールドカップ、同年11月30日から12月15日にかけて女子ハンドボール世界選手権大会が熊本の地で行われます。この2つの国際スポーツ大会を、ただ単にスポーツ大会で終わらせるのではなく、いかに社会に長期的かつポジティブな影響を生み出していくことができるかどうかを考えていく必要があるのではないでしょうか。 最近では、このことをレガシーと呼びますが、本県では、このレガシーを残していくという思いで、レガシープログラム「くまもとハロープログラム」を平成28年11月2日に策定されました。 ハローとは、ハンドボール、ラグビー、オリンピック・パラリンピックのそれぞれの頭文字をとり、くまもとハロープログラムと命名されました。 このプログラムでは、震災からの復興の姿の発信、スポーツの普及と振興、インバウンド観光の推進、国際交流の促進と、4つの方向性が示されております。 そして、この4つの方向性に、国際スポーツ大会の成功と東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ誘致の実現、国内、世界で活躍する熊本のトップアスリートの養成、誰もが生涯スポーツを楽しめる環境の整備、リピーターの獲得及びFIT化に対応した取り組み、スポーツツーリズムの発展と定着、来熊する各国チームとの直接交流の促進、訪問者が気軽に熊本の文化と触れ合う機会の創出と、それぞれの手段が記載されております。しっかりとこのハロープログラムを遂行することにより、熊本にレガシーを残していくものだと思います。 また、熊本地震からの復旧・復興プランにも「熊本地震に対する応援として広がった、海外における本県の認知度を維持・拡大し、「KUMAMOTOブランド」として世界に展開します。また、国際スポーツ大会を震災復興の大きなマイルストーンとして取り組み、大会開催のレガシーを次世代に引き継ぎます。」と記載されています。 このように、熊本地震からの復興のシンボルとなるような大会にしなければならないと考えております。 そのためには、ハンドボールとラグビーの関係者だけで盛り上がるのではなく、多くの市町村や県民に、この国際スポーツ大会に興味を持って大会を盛り上げてもらう必要があるのではないでしょうか。 1997年男子ハンドボール世界選手権大会の経済波及効果は64億4,000万円となっており、今回の女子大会においても、大きな経済波及効果が期待できます。 また、日本政策投資銀行九州支店が、ラグビーワールドカップの際の九州での経済波及効果について発表した資料によると、ラグビーワールドカップで、九州3都市それぞれ3試合実施された場合には、九州全体で直接波及が210億円、1次波及効果が83億円、2次波及効果が57億円、合計で350億円としています。 この波及効果をどのように大きくしていくのか、また、県内多くの市町村に波及させていくのかは、これからの取り組み次第だと思います。 先日行われたラグビーのテストマッチでは、チケットの販売がとても大変だったと伺っております。ラグビー協会や国際スポーツ推進事務局だけではなく、多くの県庁組織、また、県議会でも、国際スポーツ大会推進特別委員会の池田委員長の提案で、議員おのおのが協力をしたりするなど、チケット販売や動員に非常に苦労しておりました。 スムーズにチケット販売が行われるようにするためには、もっと多くの市町村や県民を巻き込んでおく必要があったのではないでしょうか。これはチケット販売に関したことだけではなく、国際スポーツ大会を盛り上げていくためにも必要なことだと思います。これはラグビーだけではなく、ハンドボールも同じことだと思います。 そこで、知事に質問です。 今後、多くの市町村や県民に、ハロープログラムや経済波及効果などを考える取り組みが必要になってくると思いますが、先日6月10日に行われた日本代表対ルーマニア代表の感想も含めて、どのように考えているのか、知事にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 先日のラグビー国際テストマッチでは、県議会を挙げてお力添えをいただき、まことにありがとうございました。この場をおかりして深く感謝申し上げます。 加えて、県内の多くの企業、団体や九州各県にも御支援をいただいた結果、県民の皆様の関心も高まり、約1万9,000人もの方々に御観戦をいただきました。スタジアムを含めた施設の評価を含め、今回のテストマッチは、ワールドカップ本番に向けて、開催地としての高い評価につながったものと考えています。 今回、観戦された方からは、世界トップレベルの迫力あるプレーを間近に見ることで、ラグビーの魅力を余すところなく堪能できたとの声を多く聞きました。さらに、日本代表の勝利は、県民に勇気と希望を与え、2019年の本大会に向けた期待感がさらに高まったことと思います。 一方で、議員御指摘のとおり、2年後の国際スポーツ大会の開催に向けては、さらに市町村やより多くの県民を巻き込んだ取り組みが必要だと認識しています。 そのため、今回高まったラグビーワールドカップへの期待感を、今後さらに広げていく取り組みを進めてまいります。 また、同じ年に開催する女子ハンドボール世界選手権大会については、この8月に、宇城市、人吉市、山鹿市で、アンゴラ、ポーランドの代表を招き、日本代表などとの国際大会をプレ大会として開催します。 ラグビー国際テストマッチ同様、ぜひ多くの方々に御観戦いただき、ハンドボールの魅力や国際スポーツ大会への機運を県全体に広めてまいります。 さらに、現在、県内各地でオリンピック旗、パラリンピック旗を巡回展示するフラッグツアーを実施しています。当初は12市町村、20カ所の予定でしたが、追加希望を受け、期間を延長して、20市町村、31カ所で実施することとなりました。 世界最大規模のスポーツイベントのシンボルを間近に感じ、あの熱気と興奮に思いをはせていただき、県内各地で事前キャンプ誘致の機運を高めていきたいと考えています。 今後も、このような取り組みを各市町村や多くの県民の皆様とともに行い、国際スポーツ大会の関心を高め、これらの大会が成功するよう、万全な準備のもと取り組んでまいります。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 今回、テストマッチを行うに当たり、関係者の方々が、粉骨砕身頑張っていらっしゃいました。試合当日は盛り上がって、本当によかったと思います。また、日本代表のリーチマイケル選手が、今までの代表戦で一番よい芝だったと話をしております。代表選手も気持ちよくプレーできたのではないでしょうか。 そのような中で、新たな課題なども出てきたかと思います。しっかりとその検証作業を、さまざまな視点から行っていただきたいと思います。そして、ことしの秋には、ワールドカップにおいて、どの試合が、どの会場で開催するかが決まります。まずは、それが決まるまで、この盛り上がりをキープできるよう、県民を巻き込んで頑張りましょう。 また、ハンドボールも、8月にプレ大会となる国際大会を行うとのことですが、そちらも県民挙げて盛り上げていかなければならないと思いますので、私もしっかり応援したいと思います。 続きまして、熊本地震からの復旧・復興工事の課題と認識について質問します。 昨年4月14日の前震、16日の本震から1年と2カ月がたちましたが、蒲島知事自身の3期目のスタートとともに、「被災された方々の痛みを最小化する」「単に元にあった姿に戻すだけでなく、創造的な復興を目指す」「復旧・復興を熊本の更なる発展につなげる」の復旧、復興の3原則を示され、熊本地震からの復旧・復興プランを策定されるなど、これまでの1年、精力的に復旧と創造的復興を同時に進められてきたことに敬意を表します。 私は、議員当選以来、建設産業が地域の防災、安心・安全の確保に貢献するためには、地域の建設産業が経営の維持、また、継続ができるよう、建設産業の担い手の確保や育成等についての質問を行ってまいりました。 昨年の9月議会におきましては、熊本地震の復旧について、国、県、市町村とともに、オール熊本で県が積極的にリーダーシップをとり、復旧、復興が円滑に進むよう、国、県、市町村の発注機関、建設業界との情報の共有化を図るよう、連絡会議の設立について質問しました。 県も、早速昨年11月に、熊本地震等により被災した公共土木施設等に係る復旧・復興工事を円滑に進めるため、各地域の施工体制の確保等に係るさまざまな課題に対し、関係者間において情報共有や対応策の検討が行われるよう、熊本地震等復旧・復興工事情報連絡会議が設置されました。 また、九州で初めて、国、県、市町村の発注情報の一元化、そして公表が実施されるなど、市町村を含む震災からの復旧、復興に向けた意識の統一と、災害を含む工事の円滑な受注促進に取り組んでいることと思います。 しかしながら、道路、河川等の公共土木施設や田や畑などの農業施設の復旧については、6月2日の情報連絡会議の報告によると、県、市町村の平成28年度末の発注率は、契約額で38.9%、工事が完了したものは5.3%となっております。その中でも、発注が行われているものの、特に上益城地区では、工事着手ができないものも数多く含まれていると聞いています。 県の発注現場の各地域振興局では、災害査定終了後の年明けから本格的な発注が始まっていますが、昨年中に膨大な被害箇所の災害査定を実施するため、標準的な断面等での設計や机上査定の拡大などが行われてきたことなどにより、現場状況の変化などによって実施設計との相違が生じ、契約後も工事に着手できない現場が多く発生していると伺っております。 また、6月の梅雨時期を迎え、河川工事等では、さらに着手がおくれるとともに、集中豪雨等による工事現場管理費用の増加も予想され、受注者の費用負担がさらに増加することを懸念する声も上がってきております。 県において、県内全域からオール熊本として地域建設業が参加できるような入札制度ができ、オール熊本の体制で受注を進めたものの、それぞれの現場において、多くの課題が生じつつあるのではないでしょうか。 発注者として、復旧、復興の早期完了を目指し、きめ細やかな調査等が不足のまま発注され、契約後、技術者の待機状態が続いたり、工期後半に集中的に施工しなければならない事態が生じれば、資材費や労務単価の値上がりの中で、さらなる経費増加になり、結果的に受注者の赤字を生むことになりかねません。 被災地の早期の復旧、復興には、より広域から多くの事業者の参加が不可欠であり、今後の入札参加を思いとどまらせるようになると、本格的な発注時期を迎える復旧工事の不調、不落の増加を招くのではないでしょうか。 そこで、土木部長に質問です。 公共土木施設災害復旧工事の施工状況についての課題の認識と、円滑な復旧・復興工事が進むよう、受注者に赤字が出ないような取り組みが必要だと考えますが、どのように考えているのか。 また、災害復旧事業の平成28年度末の発注率は、契約額で38.9%、工事が完了したものは5.3%となっているのですが、災害復旧事業以外の災害復旧関係事業などを含めた工事費、発注率はどれくらいなのか。 次に、知事は、熊本地震の発生以後、創造的復興に向けて復旧・復興プランを示されるなど、具体的時期を示され、スピード感を持って復興を進められております。 復旧・復興プランのロードマップ28項目のうち、住まいの再建、災害廃棄物の処理、阿蘇へのアクセスルートの回復、熊本城の復旧、益城町の復興まちづくり、被災企業の事業再建、被災農家の営農再開、大空港構想Next Stageの実行、八代港のクルーズ拠点整備、国際スポーツ大会の成功の10項目を重点項目として、任期中に全県を挙げて加速化していくとともに、その思いを全ての県庁職員と共有していくとも述べられています。復興のためには、全ての県庁職員と思いを共有していくことは、本当に大事なことだと思います。 また、現在、復旧・復興工事が進められている中で、スムーズに工事が行われるようさまざまな取り組みが行われておりますが、このような復興に向けた取り組みも、知事がおっしゃったように、思いを共有していくことが大事だと思います。そのことは、現場の監督員までの徹底した意識の共有が必要だと考えておりますが、どのように考えているのか、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長手島健司君登壇〕 ◎土木部長(手島健司君) まず、災害復旧工事の施工状況についての課題の認識についてお答えします。 県では、できるだけ早期の復旧を目指す中で、資機材や人材確保の逼迫が懸念される状況もあり、工事箇所への進入路整備や資材置き場の確保に要する準備期間を最優先に考え、一部の工事で概略図面による早目の発注手続を進めました。その後、詳細な図面を提供し工事に着手できるよう考えていましたが、図面の提供がおくれたため、受注者が工事に着手できないという事態が生じたものと認識しております。 これらの工事については、既に詳細図面を提供し、順次工事に着手しているところですが、提供のおくれに伴う課題については、適切に対応してまいります。 次に、受注者に赤字が出ないような取り組みについてですが、県では、毎月の資材価格の調査や積算基準の改定等を実施し、適切な予定価格の算定を行っています。 また、工事現場の施工条件等に変化が生じた場合は、いわゆる改正品確法に基づき、設計図書及び必要となる請負代金の変更を適切に行い、受注者に負担がかからないよう努めてまいります。 次に、災害復旧事業以外の災害復旧関係事業を含めた工事費と発注率ですが、県と市町村の土木部と農林水産部を合わせた全体の災害復旧事業費及び災害復旧関係事業費は約1,707億円となっており、平成28年度末の発注済み額は約535億円、発注率は31.3%で、そのうち工事が完了したものは4.3%です。 今後も、残る約1,200億円の災害復旧関係工事とそれ以外の通常工事を合わせると、相当な量の工事発注が見込まれるため、建設業者が受注しやすい環境づくりに、しっかり取り組んでいく必要があると考えています。 最後に、現場の監督員までの意識の共有についてですが、工事に携わる全ての職員が、復旧・復興工事をスムーズに進める取り組みについて、意識を共有することが大切と考えています。特に、現場の監督職員に対しては、工事を進めるための取り組みに関する説明会や研修会等を行い、徹底した意識の共有を図ってまいります。 今後も、市町村や建設業界と連携し、早期の復旧、復興に全力で取り組んでまいります。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 解体工事がスムーズに行われているように、問題が起こってから見直しするのではなく、先に先に手を打っていくことが大事だと考えます。道路の渋滞と同じで、発注率を上げても、施工がスムーズにいかなければ、前へ進まなくなります。 また、災害復旧事業費と災害復旧関係事業費を合わせると約1,707億円、その発注済み額は535億円で、発注率が31.3%ということですが、工事は、これに通常の予算や繰越予算なども含めると、さらにふえるのではないかと思います。 県も、全体でどれぐらいあるのか把握し、それをどのようにさばいていくのか、官だけでなく、民の知恵もかりて、スムーズに行えるようにお願いします。 また、県は、熊本地震からの復旧、復興に向けた意見交換会で、建設業者が受注しやすい環境づくりについて説明されています。このような復興に向けた取り組みは、現場の監督員までの徹底した意識の共有が必要だと思いますので、よろしくお願いします。 続きまして、地震による道路等の小規模損傷の対応について質問いたします。 地震から1年と2カ月が過ぎ、道路、河川等の公共土木施設災害については、昨年末には査定が終わり、県、市町村ともに復旧工事がスタートしており、今後、逐次進んでいくことになるかと思います。 ただ、本県にとって経験したことがない地震災害で、県、市町村の管理する道路などの公共施設においては、通常の公共土木施設災害では対応されていないひび割れや部分的な沈下、マンホール周辺の隆起や沈下、橋梁取りつけ部分の沈下など多くの被害が発生しております。 発災以降、県、市町村とも、車両の通行に支障がないよう応急的な復旧や修繕工事で対応されてはいますが、1年を経過した現在でも、道路が波打っていたり、再び沈下したり、ひび割れが再発している箇所が、県内を走ってみると、多く見受けられます。 実際に多くの方から、道路がでこぼこして運転しにくい、運転していて隆起している部分に乗り上げ、ぶつかりそうになったなどの意見も伺っております、一歩間違えれば大事故にもつながりかねない状況にあるかと思います。県内広い地域で地震の被害を受けており、県下、膨大な被害箇所があるのではないでしょうか。 公共土木施設災害については、ほとんどが国の負担で復旧が行われると思います。しかし、このような小規模被害は、一般的には単独の維持補修費で対応されていると思いますが、県、市町村ともに、今後、その費用負担は膨大な額になるのではないかと考えます。また、被災市町村にとっても、厳しい財政状況の中、さらに厳しい負担になり、復旧、復興にも影響を及ぼすのではないでしょうか。 そこで、土木部長に質問です。 県、市町村の道路の小規模損傷の現状について、どのように認識しているのか。 また、地震とは関係ない通常の道路維持補修に影響があってはいけないと思いますが、復旧、維持補修費用の確保と、今後、国の支援についてどのように考えているのか、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長手島健司君登壇〕 ◎土木部長(手島健司君) まず、県、市町村の道路の小規模損傷の状況についてお答えします。 熊本地震では、斜面崩壊のほか、舗装にも段差等が生じ、車両が通行できない箇所が多く発生しました。 このため、発災直後から、段差等の応急補修を行い、車両の通行を確保してきたところです。 特に、舗装については、これまでも、国の補助事業である災害復旧事業や県、市町村の単独事業により、できる限りの補修を行ってきました。しかし、地震による地盤の脆弱化などが原因で、時間経過とともに傷みが進行している箇所が多いと認識しています。そのため、さらなる舗装補修が必要と考えています。 次に、地震関係の復旧、維持補修費用の確保と国の支援についてお答えします。 県の今年度の当初予算では、舗装補修の単独予算を昨年度当初予算より約20%ふやして対応していますが、補修が必要な箇所はふえている状況であり、舗装補修の費用がさらに必要となっています。市町村においても、舗装補修の費用が必要になっていると聞いております。 このため、道路交通の安全性の確保に必要である小規模な舗装補修の費用についても、国の補助事業の災害復旧事業に類するものとして、特別な財政支援をいただくよう、先週、議長にも同行いただきまして、国土交通省等に知事とともに要望してまいりました。 今後も、県、市町村の財政負担の最小化を図るため、補正予算による対応も含め、関係市町村とともに国に要望してまいります。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 舗装の傷みなどで生活に影響があってはいけないことだと思います。しっかりと最後まで復旧していくことが大事だと思います。 また、市町村や県の財政に影響があってもいけません。しっかりその部分も、国に対して要望を最後まで頑張っていただきたいと思います。また、細部まできめ細やかな対応をお願いします。 続きまして、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスについて質問いたします。 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスとは、住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電によってエネルギーをつくり、年間に消費する正味のエネルギー量がおおむねゼロ以下となる住宅です。ゼロ・エネルギー・ハウスの頭文字をとってZとEとHで、通称ZEHと呼ばれるものです。 また、ZEHの家に必要なものがHEMSと言われる機器で、ホームエネルギーマネジメントシステムのそれぞれの頭文字をとってHEMSと言われるものです。HEMSは、エネルギーを見える化するだけでなく、家電、電気設備を最適に制御し、家電や太陽光発電や蓄電池や送電網などをつないでエネルギーを管理するという、重要な役割を果たす機械です。 ZEHの家は、自然に優しいエネルギーなので、環境にもいいということがありますが、生活するに当たっての電気代のランニングコストも少なくなります。 平均的な考えでは、ZEHの住宅とそうでない住宅との比較では、太陽光の売電収入も含め、金額に換算して年間20万円程度の低減となります。なので、おおむね15年から20年程度で初期投資を取り戻すと推定されております。 しかしながら、ZEH仕様とするためには、1棟当たり平均して300万円から400万円の初期投資が必要となります。300万~400万円という額は、将来的に取り戻すにしても、とても大きな金額なのではないでしょうか。 そのような中で、現在は、経済産業省のZEH支援事業という補助事業があり、ZEHビルダーに登録している業者で、条件がそろえば75万円の補助を受けることができます。 また、本県でも、平成24年度から平成27年度までは、モデル補助事業として、国の補助へ上乗せ補助を実施しておりました。ZEHの家を建てる方には、とてもありがたい補助ではなかったかと思います。 なぜ補助をしているかといいますと、環境問題やエネルギー問題があるのはもちろんですが、2014年に閣議決定したエネルギー基本計画において、ZEHに関する政策目標を設定しているからです。 その内容は、2020年までに、ハウスメーカー、工務店等が建築する注文戸建て住宅の半分以上でZEHの実現を目指す、さらに、2030年までに、全ての新築住宅の平均において、少なくとも75%以上の省エネの達成を目指すというものです。 また、エネルギー基本計画には、公共建築物に対するネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ZEBの実現についても、同様に政策目標が設定されております。 しかしながら、このような高い目標を立ててはいるものの、私は、ZEHの家はまだまだ浸透しておらず、これから官民挙げてさらなる取り組みが必要だと思っています。 そこで、商工観光労働部長に質問です。 先ほど申し上げた政府の目標である2020年までに、ハウスメーカー、工務店等が建築する注文戸建て住宅の半分以上でZEHの実現を目指す、さらに、2030年までに、全ての新築住宅の平均において、少なくとも75%以上の省エネの達成を目指すとありますが、この点について、本県のエネルギー政策の中でのZEHの位置づけと県の今後の取り組みを商工観光労働部長にお尋ねします。  〔商工観光労働部長奥薗惣幸君登壇〕 ◎商工観光労働部長(奥薗惣幸君) 県のエネルギー政策におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHの位置づけと今後の取り組みについてお答えいたします。 平成23年3月の福島第一原発事故以後、電力不足によりまして電力需要が逼迫し、地域での安定的な電力確保が喫緊の課題となっていました。 そのため、県では、平成24年10月に熊本県総合エネルギー計画を策定し、再生エネルギーの導入加速化と省エネルギーの推進に取り組んでまいりました。その中で、ZEHにつきましては、家庭部門のエネルギー使用量を削減する取り組みの一つとして推進しております。 計画の進捗につきましては、省エネの推進等が大幅に進んだこともあり、平成27年度末において、平成32年度までに県内の家庭で年間に消費する電力量を再生エネルギーと省エネで補うという目標を、5年前倒して達成している状況でございます。 ZEH推進の取り組みについては、平成24年度から4カ年、ZEH仕様の住宅建設に対する国の補助に上乗せする形で、県の補助事業をモデル事業として実施してまいりました。平成28年度からは、国の補助予算が大きく拡大されたほか、ハウスメーカーや工務店等に対するZEHビルダー登録制度が開始されるなど、国によるZEH推進の取り組みが拡充され、また、県計画の目標も達成したことから、県の補助事業は廃止しております。 今後の取り組みについては、熊本地震からの復興による新たな住宅建設の需要が見込まれるこの機会を捉えまして、さらなるZEHの普及を進めたいと考えております。 このため、県民への広報を強化するとともに、ハウスメーカーや工務店等に対しましては、顧客にZEHをわかりやすく提案していただくための講習会を開催するなど、国の取り組みと連動して、事業者等への支援や情報提供に努めてまいります。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 2020年までに新築住宅の半数でZEHの家にする、また、2030年までには全ての新築住宅においてZEHの家を目指すという、とても高いハードルが掲げてありますので、事業者にもしっかり説明会を行っていただきたいと思います。 また、まだ取り組んでいない小規模の工務店などにもZEHの取り組みを進めていかないと、取り残されるのではないかと心配しておりますので、そのようなところにも目を向けていただければと思います。 続いての質問は、私も当選以来取り組んでおります技能士について、特に今回は技能検定実施に係る施設について質問させていただきます。 技能検定は、働く人々の有する技能の程度を検定し、これを公証する日本の国家検定制度です。働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的に、職業能力開発促進法に基づき、昭和34年度から実施されております。技能検定に合格すると、合格証書が交付され、技能士と称することができます。 現在、我が国では126職種あり、都道府県知事が実施する検定職種は、平成29年4月現在111職種で、技能検定の合格者は、平成27年度までに411万人を超えております。 本県では、これまで5万3,015人が合格し技能士となり、現場の第一線で活躍し、熊本のものづくりを支えてきたところであります。また、本県では、近年、毎年2,000~3,000人が受検している状況です。 技能検定は、職業能力開発促進法第46条にあり、厚生労働大臣が、毎年、技能検定の実施計画を定め、都道府県知事は、この計画に従い、実技試験及び学科試験等の業務を行う、また、厚生労働大臣は、技能検定試験に係る試験問題の作成等の業務を中央職業能力開発協会に行わせることができる、都道府県知事は、技能検定試験の実施等の業務を都道府県職業能力開発協会に行わせることができるとなっております。 本県でも、技能検定試験を実施しているのは熊本県職業能力開発協会で、現在は益城町田原にあります公益財団法人くまもと産業支援財団の施設の一室を間借りして、事務作業を行っている状況です。 そこの一室では、もちろん試験を行うことはできず、実技の技能検定は、熊本市職業訓練センターやポリテクセンター、県立高等技術専門校県立技術短期大学校、また各企業の施設を、毎回、空き状況を確認しながら借用して行っております。また、学科試験については、熊本県立大学や熊本保健科学大学などの教室を借りて行っている状況です。 このような状況なので、実技試験を行う資材などは、各団体がそれぞれ保管をし、試験のときに試験会場に運搬している状況です。この保管や運搬代も、相当な金額が発生しているのではないでしょうか。 九州各県を見てみると、このような協会専用の施設を持たず、全ての職種でほかの施設を借用しながら検定を行っているのは、佐賀県、鹿児島県、そして熊本県だけです。 私も、そのような状況から、昨年、宮崎県の技能検定センターを視察してきました。宮崎県技能検定センターは、県の直営で、実技検定は目的内使用で使用料はかからないが、事務所賃貸費の年間約70万円、職員研修使用費などを職業能力開発協会が県に支払っております。また、技能検定センターには、県から2名出向している職員がおりました。そして、施設は、とても広い研修室や実習棟などがあり、とても充実していることに驚かされました。 本県のジュニアマイスターは、平成28年度末の認定者は655人と、全国で2番目に多い数となっており、認定者数上位30校に、熊本工業高校、玉名工業高校、八代工業高校、球磨工業高校と4校も入っており、すばらしい人材育成を行っているのではないかと思います。 また、みらいの技能士育成事業や若年技能者人材育成支援等事業を行って、技能啓発のイベントや技能競技大会の出場に対する補助を行うなど、技能者育成に取り組んでいるところでもあります。その結果、技能五輪でも、熊本県の選手は優秀な成績をおさめているのではないでしょうか。 このように、ジュニアマイスター認定者などは、全国トップクラスと頑張っておりますが、その先の大事な検定試験というところにも取り組まなければならないのではないでしょうか。 そこで、商工観光労働部長に質問です。 現在、技能者の人手不足という現状がある中、あるいはこれからの熊本のものづくりの重要性、関係者の負担軽減を考えるならば、関係者が技能検定をスムーズに実施し、技能者の技能向上、人材育成を行うための専用施設が必要ではないかと考えますが、どのように考えているのか、商工観光労働部長にお尋ねします。  〔商工観光労働部長奥薗惣幸君登壇〕 ◎商工観光労働部長(奥薗惣幸君) 技能検定試験については、現在、県立高等技術専門校を初め、既存の職業能力開発施設等を活用し実施しております。試験を実施する熊本県職業能力開発協会や実施に協力いただいている技能団体から、試験会場の確保、実技試験に必要な資材の保管、運搬について、相談を受けているところでございます。 県としては、技能検定の実施に当たり、熊本県職業能力開発協会や技能団体の協力を得ながら、より円滑な実施体制がとれるよう調整してまいりますけれども、当面は、既存施設を有効活用することで対応したいと考えております。 なお、技能の評価制度である技能検定は、技能士の育成、確保において大変有効であると考えております。県では、若者が技能検定を受検しやすい環境づくりを進めるため、技能団体が実施する技能検定の事前講習に対し助成を行うとともに、今年度の後期技能検定試験から、2級または3級の実技試験受検者のうち、35歳未満の方の受検手数料を減額する条例案を今定例会に提案しています。 熊本地震からの復興の重要な担い手である若者の技能向上への意欲を支援することで、今後とも技能士の育成、確保につながるように努めてまいります。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 人口が減っていく中で、現在、さまざまな職種で人手不足だったり、人材不足だったりするわけです。このような時代だからこそ、しっかりと人材育成を行い、若者が上を目指せる環境が必要だと思います。 昨年、技能五輪で、株式会社ナスクの古見さんが、建具部門で最高賞の金賞をとりました。そして、古見さんは、ことし10月にアラブ首長国連邦のアブダビで行われる技能五輪国際大会に出場されます。世界でも上位を目指して頑張っていただきたいと思いますが、このように若い方が夢を見ることができるような人材育成をお願いします。 また、今年度の新規事業として、熊本県職業能力開発校拠点化調査事業というものがあります。この目的として、高等技術専門校と技術短期大学校の集約化等の調査事業です。この件に関しても、技能士会を初め、関係する団体からもしっかりと意見を集約して、よりよい環境づくりをお願いしたいと思います。 最後に、要望をいたします。 昨年、私は、渕上議員にイノシシ肉と鹿肉をいただく機会がありました。半分は塩、コショウで焼いて食べて、もう半分はヨーグルトなどに漬けて焼いて食べました。久しぶりに食べたイノシシ肉は、とてもおいしくいただくことができました。渕上議員にお礼を言うと、あれは特上のイノシシ肉だからおいしいはず、俺がいつも食べているのはあんないい肉ではないとおっしゃいました。また機会があったら、何度も食べたくなるほどおいしい肉でした。 しかし、肉を焼く段取りをしているとき、イノシシの肉を食べようと話をすると、数人から、イノシシは嫌、おいしくなさそう、気持ち悪い等の声が上がりました。私は余り好き嫌いがないので、こんなに抵抗されることに驚いたのですが、結果、イノシシ肉と鹿肉は全員が食べることはありませんでした。 過去に数人の議員がジビエについて質問をされておりますが、その中で山口議員も「地元上天草市でとれたイノシシ肉をいただく機会がありました。適度な食感でうまみもあり、おいしくいただきました。しかし、沿岸に暮らし、これまでなじみのない食材に、少しばかり不安を感じながら箸を進めていました。」とおっしゃっています。 私も、実際、イノシシ肉や鹿肉をいただく機会が余りなく、なじみのない食材だと感じております。また、そのときの山口議員の質問で「平成23年の特定鳥獣の捕獲頭数は3万6,000頭であり、そのうち市場において消費されている頭数は、イノシシが554頭、鹿が690頭であり、合算して1,200頭余りと、3%程度にとどまって」いるとおっしゃっております。 平成27年度においては、特定鳥獣の捕獲頭数は約5万4,000頭と増加し、そのうち市場において消費されている頭数は、イノシシが1,023頭、鹿が792頭、合算して1,815頭と、利用率は3%と平成23年度と変わりませんが、消費されている頭数は着実に増加しております。 昨年の緒方議員のジビエ料理の課題を一般質問で問うたところ、濱田部長から、ジビエ参加店は、初年度の15店舗から47店舗にふえている、ジビエの衛生管理ガイドラインを策定し、安心、安全、生産、流通も推進、指導している、食肉処理施設も整備していく、今後、処理施設と飲食店との連携を進め、県内の需要に対応していく、品質や安全性の面で評価いただけるよう、生産体制を支援、指導していくと答弁しています。 県内に新たな加工施設が建設されるなど、ジビエの取り組みは一歩ずつ進んでいると聞いておりますが、鳥獣被害が大きい本県は、有効活用するために、さらにジビエの消費拡大を進めていかなければならないのではないでしょうか。 そのためには、学校の給食で提供する必要があるのではないかと考えます。実際に、実施している他県の学校では、鳥獣被害などを勉強しながら提供していたり、また、子供のころからジビエをおいしく食べれば、将来の消費拡大につながっていくとの期待も込めてあります。また、和歌山県では、県と県教育委員会が給食用に考案したジビエ料理の試食会を開き、ジビエ肉の安全性確保や品質安定の制度について説明を行っております。 やはり今まで余り食べたことのない食材には抵抗があるし、不安もあります。しかし、給食にジビエを提供することで、食べ親しみ、将来の消費拡大にもつながり、少しではありますが、鳥獣被害対策にもつながると思います。さらに、子供たちに、本県の鳥獣被害の現状や、それを食べることで命の大切さを教えることができるのではないでしょうか。 ぜひ、本県でも、給食にジビエ料理を提供していただきますよう要望いたします。 最後に、本日6月16日は和菓子の日です。和菓子は日本の文化です。知事も、日本の文化を大事に、これからも県政発展のために頑張っていただきたいと思います。 以上をもちまして一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩下栄一君) この際、5分間休憩いたします。  午前10時55分休憩     ――――――○――――――  午前11時10分開議 ○副議長(溝口幸治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 山本伸裕君。  〔山本伸裕君登壇〕(拍手) ◆(山本伸裕君) おはようございます。日本共産党の山本伸裕でございます。一般質問を行わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、憲法に関する知事の御見解をお尋ねします。 憲法96条は、憲法改正の発議権は、国権の最高機関である国会にあると明記しています。ところが、安倍首相は、5月3日、憲法9条に自衛隊を明記する憲法改正を行う、2020年の施行を目指すと明言されました。憲法改正議論の方向性を指示したのは、歴代首相の中でも初めてであります。 この発言は、国務大臣、国会議員その他公務員は、憲法を尊重し擁護する義務を負うとなっている憲法99条に違反する行為であります。 こうした批判に対し、安倍首相は、首相としてではなく、自民党総裁としての発言であるとおっしゃっていますが、首相は24時間首相であって、立場を使い分けようとする行為自体が不適切であります。 しかも、期限を区切って憲法改正の具体的な中身にまで言及されたことは、政府の長が改憲の発議権を持つ立法府である国会に介入したものにほかならず、憲法が定める三権分立の原則に反するものでもあります。 そこで、蒲島知事にお尋ねします。 知事は、これまで意見が分かれる国政上の問題については、知事としての言及を控えるとの立場をとっておられますが、この問題は憲法にかかわる問題であり、また、知事自身も擁護義務を負っておられる問題であります。そのお立場から、今回の安倍首相の憲法改定発言に対しては、疑問の声、もしくは抗議の声をお上げになるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 議員から、憲法に関する私の見解についてお尋ねがありました。 国の最高法規である憲法の改正は、国のあり方にもかかわる極めて重要な問題であり、国民、県民の間に賛否両論が存在します。 この問題について、私自身、政治学者として個人的見解は持っております。しかし、知事みずからが県議会において見解を述べ、県政の場で争点化することは、結果として県民の利益を損なうことになると考え、知事就任以来、発言を控えてまいりました。御理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。 憲法改正など国民の意見を十分に踏まえるべき問題については、国会はもとより、国政に関する選挙の場などを通じて国民的な議論を広く行い、理解を十分に深めていくことが何より重要であると考えております。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) 安倍首相の今回の憲法改定の提案は、9条1項、2項はそのままにしておいて、3項に自衛隊を明記するとのことであります。 しかし、これには布石があります。安倍首相のブレーンと報道されている日本会議の伊藤哲夫日本政策研究センター代表が、昨年8月、憲法9条に3項を加え、ただし、前項の規定は確立された国際法に基づく自衛のための実力の保持を否定するものではないといった規定を入れるとの提案を行っています。さらに、10月には、同センターの小坂実研究部長が、戦力の保持を禁じ、自衛隊の能力を不当に縛っている9条2項は、今や国家、国民の生存を妨げる障害物、速やかに9条2項を削除するか、あるいは自衛隊を明記した第3項を加えて2項を空文化させるべきであると、あけすけに語っておられます。 9条2項の空文化、死文化ということは、事実上、憲法9条の精神を180度転換させる重大な内容であります。安倍首相のブレーンとされているところからの改憲の提案が、首相の口から現実に出てきたというところに、今回の問題の重要性があります。 それはさておき、私が先ほど問題だとして申し上げたことは、たとえ安倍首相が憲法改正を党是とする自民党の総裁であったとしても、首相に選ばれている以上は、首相が負っている憲法尊重擁護義務という責任を守らなければ、立憲主義も三権分立も壊れてしまうという問題であります。 早い話が、ルール違反をしてはいけませんということであります。知事はもとより、自民党の皆さんも一緒になって、議会を挙げてそういう声を上げていただきたいということを申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。 熊本地震関係でお尋ねします。 発災から1年2カ月が経過しました。私たち日本共産党は、3月から6月にかけて、熊本地震で被災された方を対象にアンケート調査を実施し、現時点で約800人の方から御回答をいただいております。 そこで浮き彫りになったことは、住まい再建にまだ多くの方がめどが立っていないという深刻な現状であります。仮設に入居されている方は、その大半が退去後のめどが立っていないと回答されており、その理由の最多が経済的理由となっています。 知事は、4月10日付新聞インタビューに答え、住まいと仕事の確保に一定のめどがついたとおっしゃっておられますが、実態はそんな楽観的な言葉が出てくるような状況ではないと私は感じています。 まず第1に、仮設住宅の問題についてお尋ねします。 応急仮設住宅には、単身者用の6坪タイプ、2人から3人の小家族用として9坪タイプ、それ以上の家族を対象とした12坪タイプという3つのタイプで設置されています。しかし、熊本地震においては、6坪タイプには、御夫婦など2人家族も入居されています。9坪タイプには、4人家族あるいは6人家族が入居しているという事例もあります。内閣府が目安として示している以上の人数が押し込められています。 もちろん、仮設住宅を建てるときには、一刻も早く不自由な避難生活からの改善をという急迫性があったことは理解できますし、入居された方々も、最初の時点では、多少狭くても入れるだけでありがたいという思いでおられたと思います。 しかし、暮らしていくうちに、やっぱり狭くて困ると感じるのは当然です。問題は、一旦入居したら、広い部屋への住みかえを原則認めないということであります。広いところがあいていても認められません。 しかし、もともとが内閣府やプレハブ業界が示している目安以上に県が入居者数を設定して入居させているわけですから、そもそも不適切な入居状況であると私は思います。希望があれば、より広いタイプの部屋への転居を認めることは当然ではないでしょうか。せっかく地震で助かった命なのに、その後もつらい思いをさせ続けなければならないというのは、行政の対応として問題であります。心身へのストレスによる体調悪化も心配であり、生活環境の改善を図る配慮と努力が行政の側に必要であります。 少なくとも、単身者用に入居している2人家族、少人数家族用に入居している4人以上の家族については、全戸意向調査し、より広い部屋への住みかえを希望された場合は、例外なく認めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。 医療費の免除制度についてお尋ねします。 被災者を対象とした医療費免除の制度が、2月9日の国からの通知を受け、県からの補助とあわせ、負担免除が9月末まで延長されることとなりました。 ただ、仮設住宅など避難生活を余儀なくされている方々の多くが、今なお自宅再建の見通しも立たず、心身ともに不安な日々を送られている現状を考えるならば、9月を期限とせず、さらに延長すべきであると考えます。 県として、実施主体に負担を負わせることなく、現状と同レベルの軽減措置を9月以降も継続させていくことを決断すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 次に、宅地対策の問題についてお尋ねします。 熊本地震の大きな特徴である宅地被害に対して、県や国が従来の枠を超えて支援の拡充を図ってこられました。しかし、残念ながら、支援に大きな格差が生じている現状もございます。 公共事業の対象となる復旧工事について、実施主体である市町村において、住民負担をゼロとする決断が広がりました。このこと自体は、私も、昨年来、建設常任委員会などで取り上げさせていただいてきた問題でもあり、自治体の決断を歓迎しました。 しかし、一方で、公共事業の対象とならない工事には、多額の自己負担が必要であります。自宅擁壁の復旧の場合、今回要件が拡大され、高さ2メートル以上、対象家屋2戸以上であれば公共事業の対象となります。しかし、特に田舎のほうなどでは、一戸一戸の家屋が点在しており、公共事業の対象とならない擁壁被害が多数であります。 そうした被害については、復興基金による事業で支援しようと県は決断されたわけですが、しかし、復興基金による事業となると、工事費1,000万円の場合には、366万7,000円の自己負担となります。基金による事業の場合は、遡及して適用されるというところが大きな利点ではありますが、しかし、同じ自宅擁壁の被害でも、公共事業の対象となるかならないかで、自己負担に大きな格差が生じてしまうという現状は改善すべきではないでしょうか。 公共事業の対象となるケースは、避難道路等へ影響があるなど、公共性の担保が条件となっていますが、そうした公共性の担保が認められる状況であるならば、2戸以上、2メートル以上という要件をさらに緩和して事業を適用すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 以上、仮設住宅の住みかえ問題、医療費免除継続の問題については健康福祉部長に、宅地復旧対策については土木部長にお尋ねします。  〔健康福祉部長古閑陽一君登壇〕
    ◎健康福祉部長(古閑陽一君) まず、応急仮設住宅における住みかえについてお答えをいたします。 議員御指摘の単身用の6坪タイプ、小家族用の9坪タイプなどという応急仮設住宅の仕様につきましては、熊本地震後の本年4月に改正された災害救助事務取扱要領に新しく定められたものでございます。 今後、この新しい要領に沿って、可能な範囲で対応を進めてまいります。 ただし、現実的には、仮設住宅の空き戸数は限られており、被災者お一人お一人の健康や生活の状況等を踏まえながら、より必要性の高い方から入居できるよう配慮していく必要があります。 今後とも、市町村と連携を図りながら、被災者お一人お一人に寄り添った対応を丁寧に進めてまいります。 次に、国民健康保険の医療費免除継続についてお答えをいたします。 熊本地震の被災者に対しては、震災直後の病気やけが等に対する負担軽減を図る目的で、各市町村の判断により医療費の一部負担金が免除されております。 これに対して、国においては、市町村が免除した額を、本年2月末までに全額財政支援する措置を行いました。 県では、市町村の意見を踏まえ、3月以降の財政支援の延長について国に要望してまいりました。 これを受けまして、国では、市町村の被害の程度を勘案し、免除額の割合に応じて8割から10割の財政支援を本年9月末まで行い、10月以降は8割を支援する本来の制度に戻すこととしております。 この国の特例措置に合わせて、県では、市町村負担について、県特別調整交付金を活用することにより、市町村の実質負担をゼロにしております。 国保の一部負担金免除を継続するかどうかについては、市町村が判断することになりますが、国は、東日本大震災のときと同様、発災から1年半で特例措置を終了するとしております。国の支援を補完する形の県の財政支援についても、国の財政措置に合わせざるを得ないと考えております。  〔土木部長手島健司君登壇〕 ◎土木部長(手島健司君) 宅地復旧の支援についてお答えします。 今回の熊本地震では、多くの宅地被害が生じたところであり、被災者の個々の事情を踏まえながら、宅地復旧を支援することが必要と考えています。 国の宅地耐震化推進事業では、採択要件が盛り土高さ5メートル以上、対象家屋5戸以上となっており、東日本大震災においても、国は補助率のかさ上げは行っているものの、これらの採択要件については従来のままでした。 一方、今回の熊本地震では、被害の実態を踏まえ、自己負担軽減を目指し、国へ丁寧に実情を説明し、要望を重ねた結果、盛り土高さ2メートル以上、対象家屋2戸以上と、最大限に要件が緩和されたところであり、これ以上の要件緩和は困難であると考えています。 なお、2戸という要件の適用については、家と家の間が離れているなど、さまざまなケースがあると思われますので、被災された方々からの相談に対し、国や事業主体である市町村とも相談しながら運用してまいります。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) 仮設住宅の問題は、私は、この問題は人権問題でもあると感じております。 熊本地震が発生する約1カ月前、NHKが「くらし解説」という番組において、東日本大震災から5年が経過するということで、仮設住宅の暮らしの現状が紹介されました。番組では、85歳御夫婦の仮設の部屋を実際に映し出して、生活するうちにだんだん荷物もふえて、棚とかもあちこちに取りつけたけれども、もう仮設住宅に暮らし続ける我慢と苦労は限界だとのことでありました。ここで紹介された部屋は、それでも9坪タイプ、2LDKであります。 部長、4畳半一間の部屋に2人で生活する状況が想像できますか。幾ら仮の避難生活とはいえ、人間らしい生活空間が提供されていると言えるでしょうか。 一方、2LDKに6人入っているというのも、ひどい状態だと私は思います。私は、内閣府があえて事務取扱要領に部屋のタイプごとに家族人数を今回明記したのは、熊本の仮設住宅の実態を踏まえて、改善する必要があると判断したのだと受けとめました。 だから、私は、今後仮設住宅を建設するときには改善しますということではなく、今苦しめられている方々の生活を、直ちに改善させるという姿勢が県には求められているのではないかということを強調したいと思います。もしそれで仮設が不足するというのであれば、将来的には災害公営住宅への転用を想定した応急仮設の増設なども行うべきだと私は思います。 医療費免除の継続問題ですが、いまだ4万7,000人という規模で避難生活を余儀なくされている方々がいる中で、私は、少なくとも免除が打ち切られるというようなことが起こってはならないと思いますし、また、実施主体である市町村も、非常に厳しい財政運営を余儀なくされている中で、やはり国、県からの支援の継続は絶対に必要だと思います。ぜひ安心感を被災者や市町村に届けていただきたいと思います。 宅地被害についてでありますが、私は、熊本地震の最大の特徴である甚大な住宅被害、地盤の被害、これに対して、従来の枠を超えた支援の仕組みを検討する必要があると感じています。 その際、災害時における個人補償は行わないという立場である国が、阪神・淡路大震災以降、どのような検討過程の中で被災者生活再建支援法を議論し、立法化させてきたのか。私も少しだけ勉強してみたのですが、ぜひ熊本県も、地域社会の復旧、復興という観点から、地盤・宅地被害の復旧に対して、さらにもう一歩踏み込んだ支援の仕組みというものを、国とともにぜひ検討していただきたいということを申し上げたいと思います。 次に、県道熊本高森線の問題についてお尋ねします。 昨年11月、4車線化の計画が報道され、以降、熊本県は、計画縦覧、住民からの意見聴取、都市計画審議会での承認、都市計画決定、事業認可と、半年の間にあれよあれよという間に事を進められてきました。 もともと地震前から、県道熊本高森線を整備するという方針は、熊本都市圏都市交通マスタープランに位置づけられておりました。市街地へのアクセス強化を図るとともに、空港や郊外の大規模事業所周辺におけるピーク時間帯の混雑緩和、交通円滑化を支援するということが明記されております。 その一方、熊本県は、やはりこれも熊本地震前から、空港とその周辺地帯の地域の可能性を掘り起こし、その最大化を図るとして大空港構想を掲げてきました。その主たる目標は、新規空港路線の誘致による交流人口の拡大や九州における広域防災拠点化などであります。 その後、熊本地震が起こり、同構想は、大空港構想Next Stageと銘打たれ、創造的復興を推進するシンボル、起爆剤として位置づけられています。空港ターミナルビルの機能強化、民間委託とともに重視されていることが、渋滞や待ち時間が少ない、スムーズな空港アクセスの実現であります。 こうしてみると、マスタープランと大空港構想が結びつき、その中に県道熊本高森線の4車線化計画が位置づけられているという構図が浮かび上がってまいります。 今回、熊本地震によって沿道は壊滅的被害を受けたわけでありますが、従来から県道熊本高森線の拡幅を進めたいと考えていた熊本県からするならば、この機会に計画を一気に進めるべきだという判断が働くことは、ある意味必然的な流れを感じるわけでありますが、しかし、大事なことは、地震で壊滅的な被害を受けた被災者の頭越しに県の構想を押しつけるようなことは、決してあってはならないということであります。 もともと同県道が走る益城の中心市街地は、道路を挟んで近所の人が声をかけ合い、気軽に行き交うことのできる、生活に密着した道路でありました。確かに、歩道が狭くて危ないとか、渋滞緩和のために右折レーンやバス停車ゾーンをつくってほしいなどの要望があったことは、私も、地震前に町民の方々と御一緒に町との交渉に同席させていただいたこともありますので、よく存じております。しかし、4車線化、しかも道路幅27メートルにも及ぶ、まさに市街地を南北に分断する道路の要望などは、私は、少なくとも住民からは一度も聞いたことはありませんでした。 日本共産党益城支部が中心となって実施したアンケート調査においても、4車線化問題について、子供の通学がどうなるのか、買い物や病院などの利便性はどうなるのか、4車線化でなくても部分的な拡幅でよいのではないかなど、多数の不安の声、反対の御意見を寄せていただいております。 私は、この4車線化問題で、県からの御説明で繰り返しスピード感が大事だという言葉をお聞きしますが、その前に、住民の願いに沿ってという言葉を絶対に抜かしてはならないと思うわけであります。 もちろん、早く進めてほしいという住民の御意見があることも承知しています。しかし、4車線化は必要ない、反対だという声が同様にあることも、県もお認めになっています。対立、亀裂を残したまま強引に進めることは、将来のまちづくりに禍根を残します。 町のあり方を決めるのは、あくまでその町に住む住民であります。住みなれた町が、地震前の町の形とはもしかしたら全く違ったものに変わるかもしれない、生活が一変するかもしれない、そんな大事な問題を、スケジュール先にありきで進めるべきではありません。 当面の差し当たっての切実な御要望は、依然として残されている路面の段差の解消など、車が走行する上で支障となるような箇所の修復を急ぐことではないかと思います。県道の安全な走行を確保した上で、住民の要望に謙虚に耳を傾け、住民の納得と合意を尊重したまちづくりを進めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。土木部長にお尋ねします。  〔土木部長手島健司君登壇〕 ◎土木部長(手島健司君) 県道熊本高森線の車が走行する上で支障となる箇所の改善については、発災直後から応急的な対策を行ってまいりました。 その後、余震等により傷みが進行し、段差による騒音や振動が著しい箇所が生じているため、改めて6月末をめどに舗装等による対応を行っているところです。引き続き段差の解消に努めてまいります。 次に、県道熊本高森線の4車線化については、益城町の復興を先導する上で不可欠な事業という町及び町議会からの強い要望を受け、県で整備することを決定しました。 その後、説明会や案の縦覧など、都市計画法に定められた住民意見を反映させるための手続を経て、本年3月に事業着手したところです。 県では、事業着手の前から現地相談窓口を設置し、現在までに約150名の方の御相談をお受けするとともに、本年4月には、沿線に土地をお持ちの方など約480名を対象に、現地再建または移転などの御意向を伺うアンケートを実施しました。 その結果、回答いただいた方のうち、道路沿線に残りたい方が5割程度、移転したい方が1割程度、今の時点では判断できない方が4割程度いらっしゃることを確認しました。 現在、個々の御事情を伺うために、回答いただいていない方も含め、関係者のお一人お一人を訪問し、具体的な意向を詳しく把握しているところです。 今後の事業推進に当たっては、関係する方々の御意向をできるだけ反映するよう努めてまいります。 本事業の実現には、地域の方々の御理解と御協力が不可欠です。引き続き益城町と連携し、町の復興に向け、事業に取り組んでまいります。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) 今戸別訪問して意向調査がやられているとのお話がございました。 その中で、強い抗議の声が出ているというお話も伺っております。また、4割の方が、どうしたらいいかまだ判断がつかないというようなアンケートの御紹介もありました。やはり、本来ならば、順序としては、まず計画決定の前にこうした丁寧な意向調査が行われるべきではなかったかと思うわけであります。 今区画整理事業の計画も進められていますが、沿線住民の少なくない方々が、もとの住まいをなくし、不自由な避難生活を今送られているわけで、町の将来の姿はおろか、御自身のこれからの生活をどう再建していったらいいのか、見通しが立たない大きな不安の中で暮らしておられることに、私は、本当に県は思いを寄せていただきたいと思うわけであります。 県道4車線化には153億の事業予算が見込まれておりますが、私は、まずは被災者の生活、なりわいの再建にこそ優先して税金を使っていただきたいと思うわけでございます。 次に、立野ダムの問題についてお尋ねします。 第1点目に、地震と豪雨被害により、仮排水路や工事用車両の損壊、工事用桟橋の崩壊、崩落土砂の除去など、ダム建設工事について、この熊本地震と豪雨災害により新しい対策工事などが必要になっているかと思います。 917億円の事業予算は当初よりも膨らみ、県への負担額もそれに伴って増大することが予想されますが、どの程度の増額を見込まれているのでしょうか。また、ダム完成後も、土砂崩落や流木が流れ込んでくることが予想され、地震前の検討時とは比較にならないほどの維持管理費が膨らむことが予想されますが、それをどのように見込んでおられるのでしょうか。 2点目に、ダム水没予定地におりていく道路は、今1カ所のみであり、ほとんどの崩壊箇所では、ダムの底におりる道さえつくれない、重機も運べない状況となっています。 ダム湛水域には、今も30万立米もの土砂が堆積していると言われますが、どのような方法で土砂を搬出しようと計画しているのでしょうか。また、土砂崩壊対策事業はどのように行われていく予定なのでしょうか。 3点目に、白川の河川改修の進捗により、河川整備計画で目標としている白川の流下能力は、ダムはなくても達成可能ではないかという点であります。 国交省が示した平成27年3月時点での流下能力算定表によれば、基準点である代継橋で国交省が示した流下能力は、スライド余裕高で右岸側が毎秒2,691トン、左岸側が毎秒2,631トンであります。立野ダムで毎秒200トンカットして2,300トンを流すという目標は、既に河川改修の進捗によって立野ダムなしでも達成されているのではないでしょうか。 私は、まだ流下能力において目標達成ができていない箇所の対策工事を急いで終わらせることにより、ダムによらない治水が実現可能ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 以上、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長手島健司君登壇〕 ◎土木部長(手島健司君) まず、1点目の事業費や維持管理費についてお答えします。 立野ダム建設予定地においては、昨年の熊本地震やその後の降雨で被災した工事用仮設物について、現在、国において順次復旧が行われており、復旧に要する費用については確定していないと伺っています。 県としては、引き続き、安全を優先に事業を進めていただくとともに、将来の維持管理費も含め、可能な限りコスト縮減に努めていただきたいと考えています。 続いて、2点目の土砂搬出や土砂崩壊対策についてお答えします。 熊本地震に伴う崩壊土砂や、その後の降雨によりダム湛水予定地や白川に流出してきた土砂については、河川管理者である国及び県において、治水上必要な範囲において掘削、撤去を実施しているところです。 また、立野ダムの湛水の影響を受けない斜面上部の崩壊についても、林野庁及び県において治山事業による対策を行うこととしており、既に林野庁において、白川第一橋梁の下流側で崩壊斜面対策が実施されています。このような対策が順次行われることで、白川への土砂流出も減少していくものと考えております。 なお、立野ダムの湛水の影響を受ける周辺斜面についても、国の立野ダム建設に係る技術委員会において、今後、地形判読、現地踏査、必要に応じて精査、安定性評価を実施し、さらに、必要に応じて対策工を実施することにより、湛水に対する斜面の安定性を確保できると考えられるとの結論が出されており、事業完了までに国において必要な対策が適切に実施されるものと考えています。 最後に、3点目の河川改修との関係についてお答えします。 白川の治水対策については、平成14年7月に国とともに策定した白川水系河川整備計画において、目標流量を安全に流下させる対策として、立野ダムを含む洪水調節施設と河川改修の両方を進めることが明記されています。 このうち、立野ダムについては、平成22年から24年にかけて検証を行い、コスト、実現性、地域社会への影響などについて、他の治水対策案と総合的に評価した結果、白川水系の治水対策として、立野ダムを含めた対策が最も有利であるとの結論が得られています。 県としましても、国による検証結果と同様の認識であり、立野ダムを含む総合的な治水対策を推進することが必要であると考えております。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) 熊本地震などの災害の影響による事業費の増大については、まだ見通しが示されていないというようなことでありました。今この熊本地震あるいは6月の豪雨災害によって、景観が一変するような、そういう状況が生まれており、多くの方々が、こういう地域にダムをつくって大丈夫なんだろうかというような疑問を持っておられるわけであります。 県が、国交省が説明していることが、そのまま支持されるということで建設促進の立場をとられるのであれば、この県の立場として、国交省がまだ十分な説明責任を果たしていない、これに対してきちっとした説明を求めるというようなことは当然必要になってくるのではないかというふうに思います。 土砂の流入や除去については、立野ダムによらない自然と生活を守る会の皆さんも、国土交通省に公開質問状を出されていますが、回答はありません。同会は合わせて5回の公開質問状を出しているのに、一度の回答もないのであります。あれだけ地震や大雨でダム予定地周辺は崩れているのに、あるいは断層があれだけ走っているのに、ダムをつくるなんて本当だろうかという疑問が大きく広がっているのは当然であります。それに対し、国交省は、住民の疑問に答えていこうという姿勢が全く見受けられないことは非常に問題であります。 6月3日、熊日新聞に「立野ダムをめぐる違和感」と題する記事が掲載されました。立野ダムをめぐっては、賛成、反対の構図とは別に、安全性への不安や、復興を優先してほしいなどの意見が出てきたことに対し、国交省は、ホームページで回答していると繰り返すけれども、誠実さに欠けてはいないか、と指摘した上で、地震後の安全性について流域住民に丁寧に説明してほしい、との熊本市長の御発言も紹介されています。県が国交省の建設促進の姿勢を支持される立場であるというのなら、私は、県がぜひ音頭を取って、流域自治体での住民説明会開催、さらには市民団体の公開質問状への回答を国に迫っていただくよう求めたいと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ そこで、知事にお尋ねをしますが、こうした場所に穴あきダムをつくることは、将来に対して余りにも大きなリスクを抱えることになってしまうのではないでしょうか。 昨年12月県議会での私の質問に対し、知事は、一つ一つのダムは、果たすべき役割等々、それぞれ状況が異なるため、個々の状況に応じて総合的に判断するとおっしゃいました。しかし、熊本地震発生という大きな事態の変化を踏まえた総合的な検証は、国交省主導の技術委員会の結論を丸のみした以外、全く行われていないのではないでしょうか。 ダム予定地周辺は、そもそもが火山活動による崩れやすい土壌であります。ダム近傍に無数の活断層が走っています。熊本地震と豪雨災害により、今なお無数の亀裂が生じており、また、ダム上流には崩れやすい人工林が存在しています。穴あきダムには土砂が堆積します。放流孔が塞がると、ダムはただの危険な構造物となります。放流孔が塞がらない段階においても、ダムによって河川の流れが減速され、ダム下流部の土砂の堆積が増大します。洪水時においても、流速が抑制されるために、土砂堆積は拍車がかかり、河川に堆積した土砂は陸地となり、草や木が育ち、生態系が変わっていきます。さらに、雄大な阿蘇の景観を損ね、自然を壊し、観光資源を傷つけることになります。 私は、たかだか毎秒200トンの洪水調節のために、これほどまでに大きなリスクを抱えてまでダムをつくることが正しい政策判断だとは到底思えません。私は、今こそ立野ダム建設の妥当性について、県としての主体的、総合的な検証を行い、ダムによらない治水の方向へかじを切るべきだと考えますが、いかがでしょうか。知事にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 立野ダムについては、ダム事業の検証の結果、他の治水対策案と比較し、立野ダム案が最も有利であると示されました。その際、県に対する意見聴取があり、立野ダム建設事業を継続する国の対応方針については、異存ない旨を回答いたしました。あわせて、コスト縮減及び環境保全対策について、十分検討いただくことなどを強く要望いたしました。 また、国は、熊本地震後、立野ダム建設に係る技術委員会を設置し、技術的な確認、評価を行いました。その結果、立野ダムの建設に支障となる技術的な課題はなく、ダム建設は技術的に十分可能であるとの結論が出されました。 この結論は、事業主体の国が設置した各分野の第一人者から成る技術委員会で、技術指針との整合も含め、専門的な審議が尽くされたものであることから、県として新たな検証を行う必要性はないと考えています。 さらに、この結論を受け、湛水予定地及びダム下流に位置する全ての関係市町村においても、改めてダム建設推進を要望されています。 これらのことから、県としての白川水系における治水対策の方向性については、これまでと変わるものではありません。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) 前回の私の質問に対する御回答と、残念ながらほぼ同じ内容の御答弁でありました。 関係市町村がダム建設推進を要望されているとおっしゃいましたが、一方では、熊本市長を初め複数の流域首長から、住民への現場説明会を開いてほしいという声が上がっているわけであります。熊本地震後、住民の不安が高まっている空気を感じ取っておられるのだろうと思います。 先日、私は、土木工学の専門家で、崇城大学名誉教授の村田重之先生の現地調査に同行させていただきました。そこで、村田先生は、はっきり言えることが2つあると強調されました。1点は、ダム湛水域には、まだ崩落していないものの、多くの亀裂が各所に無数に存在しており、しかも人工林が多く残っている、大雨が降れば大量の土砂、流木が流出し、ダム湖に流れ込んでくる懸念が大きいということ。そして2点目は、ダム湖に堆積する大量の土砂、流木などで、もし一旦放流孔が塞がってしまったら、その後の雨で流木は水面に浮かび上がってくるなどということはあり得ないと強調されたことであります。 国交省の説明に疑問を呈する専門家がいらっしゃるのに、専ら国交省の身内で固めた技術委員会の言い分だけを採用するというのは、ダム建設促進という結論先にありきではないかとのそしりを免れません。説明責任を果たそうとしない国交省とともに、ぜひみずからの姿勢を見直していただきたいと思います。 次に、水俣病問題についてお尋ねします。 公式発見から61年が経過したにもかかわらず、いまだに多数の被害者が救済を求めて裁判に立ち上がるなど、全ての被害者の救済のめどすら立っていない状況が続いています。 私も、この間、直接患者さんからお話を伺ってまいりました。手足の感覚がない、カラス曲がりで眠れない、一日中耳鳴りがする、真っすぐ歩くことができないなど、深刻な健康被害の訴えに胸が痛みました。 彼らは、ただ、汚染されていることも知らず、不知火海の魚を食べていただけの人々であります。国やチッソや熊本県が早期に対策をとってさえいれば、こんなに被害が広がることはなかった被害者であります。 一向に解決の道筋が見えてこない最大の原因は、特措法で明記された、不知火海沿岸住民を対象にした健康調査がいまだに実施されていないなど、被害の実態に向き合おうとしていない国、県の姿勢にあります。 2012年6月議会で、蒲島知事は、当時の日本共産党松岡徹県議から、県は国とともに健康調査に取り組むべきだとの質問に答え、以下のように答弁しています。特措法で、調査について、県は国に協力することが盛り込まれた、国は、本年2月、調査研究に係る手法開発の検討を今年度から行うことを発表した、県が行った専門家による検討結果は国にも提供しており、国の検討結果において一つの資料となるのではないかと考えている、今後、県としては、国の検討結果を注視していきたいとの御回答であります。 ところが、その後、国は、依然として手法を研究中との一言で片づけて、健康調査への見通しが全く示されないまま、5年という年月が経過しております。 私も、過去2回、一般質問及び質疑の機会で水俣病問題を取り上げましたが、蒲島知事の御回答は、5年前の御答弁から何も――進んでいるような印象を受けるような御回答ではありませんでした。 今なお約1,500人もの方々が、裁判にまで立ち上がって救済を求めなければならない事態が続いていることに、県は、加害者の一員としてなおのこと心を痛め、特措法で健康調査の実施が明記されてから8年が経過してなお実施されない国に強く抗議をし、直談判を行ってでも調査の実施を求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。お尋ねをします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 不知火海沿岸住民の健康調査についてお答えする前に、水俣病問題に対する私の政治姿勢について、まず申し上げます。 これまで何度も申し上げておりますが、水俣病問題の解決は私の最大の政治的使命であり、水俣病被害者の方々の目線に立つことが、私の政治の原点であります。 このことから、私は、水俣病被害者の方々の早期救済のため、知事就任当初から、特措法の成立に全精力を傾けてまいりました。特措法成立後も、あたう限りの救済のため、真摯に取り組み、3万7,000人を超える方々が救済を受けられました。 今も私の政治姿勢に変わりはありません。水俣病問題の解決に向け、引き続き積極的に取り組んでまいります。 それでは、健康調査についてお答えします。 健康調査については、平成16年の最高裁判決以降、県が国に要望し、幾つかの提案も行ってきました。結果として、特措法において、国が実施し、県はそれに協力すると明記されました。 調査には専門的な検討が必要であることから、国が調査を実施するための手法の開発に取り組まれ、その現状を発表されています。県では、研究発表会に参加するとともに、そうした研究が円滑に進むよう、国の求めに応じて、関係者への協力要請や調整など、県としてできる限りの対応を行っています。 また、ことしの水俣病犠牲者慰霊式の際、山本環境大臣から、調査手法の開発を加速化したいとの御発言がありました。県としましても、調査手法の開発に向け、今後とも必要な協力に努めてまいります。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) 知事が答弁されたとおり、最高裁判決を受けて、確かに熊本県は、住民健康調査の実施に向けて動きをつくろうとしました。平成16年11月、熊本県は「今後の水俣病対策について」という冊子を作成し、この中で、八代海・不知火海沿岸地域の住民等の健康調査についての実施案を提案しています。 八代海沿岸地域に居住歴がある者約47万人を対象とし、方法はアンケート調査及び医師による検診、見込み経費は8億7,300万円、実施主体は国と県とされています。しかし、蒲島知事、それは潮谷県政のもとで提案されたことであって、問題は、それから12年半も経過してしまっていることであります。一体県はいつまで、健康調査の手法を研究中という言い逃れで被害の実態に向き合おうとしない国の姿勢を追認し続けるつもりなのでしょうか。 民間の医師団が、対象地域外に住む住民の悉皆調査なども含め検診活動を進めておられますが、昨年、1万人分のデータを分析した結果、救済対象となっていない年代や地域の住民の中にも、感覚障害など水俣病特有の症状が多くあらわれていることが明らかになりました。 しかし、そうした分析結果について問われた環境省は、検診の手法や記録を確認しておらず、分析を評価するのは困難だとして口をつぐんでいます。なぜ問い合わせるくらいのことさえもやらないのでしょうか。 知事、極めて不誠実な、不真面目な対応だと思われませんか。本気で国は健康調査を実施しようと考えるのであれば、民間医師団がどのような手法で検診を行っているのか、聞いてみたらいいではありませんか。もし手法に不手際があると言いたいのだったら、じゃあ国がみずからやってみせたらいいではありませんか。 先月、水俣病公式確認から61年に当たり、熊日新聞が「国の消極姿勢が目に余る」と題する社説を掲載しました。私は、そういう国の姿勢を事実上追認している熊本県も同罪だと感じています。そうでないとおっしゃるのであれば、私は、知事がぜひ国を動かし、水俣病解決に向けての住民健康調査を実現していただきたいということを申し上げて、最後の質問に移ります。 国民健康保険についてお尋ねします。 2018年度から国民健康保険は都道府県単位化され、県が国保財政運営を行うこととなります。既に、標準保険料率の市町村ごとの試算は、昨年11月とことし1月に行われ、厚労省にも報告されています。幾つかの都道府県では公表もされています。 5月に開かれた厚生常任委員会において、私は、市町村の標準保険料率の試算結果を公表すべきではないかとお尋ねしました。と申しますのは、公表された他県では、その金額に衝撃が走っているからであります。 埼玉県では、2回の試算が行われ、いずれも現行の保険料よりも大幅な値上げであります。例えば、蕨市というところでは、1人当たり現行7万1,589円から14万1,806円へと、約2倍の値上げ、その他2倍以上の値上げとなっている自治体もございます。それで、これは一体どうなっているんだ、大丈夫かと、不安の声が上がっているわけであります。 委員会において、公表すべきだという私の質問に対し、国保・高齢者医療課長は、まだ不明確、不正確な部分があり、数字がひとり歩きするのもよくないので、公表は考えていないとのお答えでありました。 しかし、多少正確でない部分があったとしても、全体的な傾向はわかるわけですし、県がそれぞれ勝手に試算したわけではなく、国がつくったシステムに基づいて計算されているわけですから、当該市町村に対してだけ知らせるということではなく、全体を公表し、この際、率直な議論を巻き起こすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。 そもそも国保が抱えている根本問題は、保険料が余りに高いということにあります。もともと事業者負担がない上に、国保加入者の4割が年金生活者など無職の方、3割が非正規労働者であります。 国保加入世帯の平均所得は、1991年度の277万円から、2014年度は何と144万円へと激減しています。加入者の平均所得が低い中で、被保険者からの保険料収入が大きな比重を占めている国保の運営においては、その分高い保険料設定とならざるを得ません。 保険料を払いたくても払えないという方々がふえると、国保会計がますます厳しくなるということで、市町村では、強権的な徴収がしばしば社会問題になっております。 今回の国保改革で、私の大きな疑問は、被保険者にとって余りにも過酷な負担となっている保険料をどう軽減させるのかという、最も打開が求められる問題に対して、明確な改善の道が示されていないのではないかということであります。 高過ぎる保険料を、何とか払える金額に少しでも抑えようということで、国保会計に一般会計からの繰り入れを行っている自治体も少なくありません。 ところが、今回の改革では、県に財政安定化基金が設けられ、例えば給付増や保険料の収納不足などにより国保会計が財源不足になった場合には、貸し付けができるようになるので、一般会計からの借り入れはしないでもよくなると説明されています。しかし、貸し付けは、市町村からすれば、あくまで借金であり、返済しなければなりません。そうすると、繰り入れをしなければ、いずれもっと保険料を引き上げるか、あるいは徴収強化を図るということにならざるを得ません。 私は、被保険者にとって余りにも負担が重いという国保問題の根本問題を解決するためには、国が国保に対して支援する国庫支出金が大幅に削減されてきた問題を、不問にするわけにはいかないと思います。市町村国保の総収入に占める国庫支出金の割合は、現在24%、かつては50%あったわけであります。減らされた国庫負担をもとに戻すよう、国に強く求めるべきではないでしょうか。 また、県が国保運営検討会議において示された資料においても、保険料率の決定権は市町村にあるということが明記されておりますし、地域住民との関係においては、現行どおり、保険事業等を引き続き市町村が担うとされています。一般会計からの繰り入れなども、あくまで市町村の判断であり、県からの介入、助言などは抑制すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 そこで、健康福祉部長に、次の3点についてお尋ねします。 まず、市町村の標準保険料率の試算結果を公表すべきと考えますが、県の考え方について。 2点目として、国民健康保険の国庫負担をもとに戻すよう国へ要望することについて。 最後に、市町村における保険料の決定や一般会計からの繰り入れに対する県の対応についてお尋ねします。 ○副議長(溝口幸治君) 健康福祉部長古閑陽一君。――残り時間が少なくなりましたので、答弁を簡潔に願います。  〔健康福祉部長古閑陽一君登壇〕 ◎健康福祉部長(古閑陽一君) 1点目の市町村の標準保険料率の試算結果の公表についてお答えします。 本県では、昨年度2回行った試算について、来年度からの公費支援の拡充分を含んでいないこと、国が算定方法の見直しを検討していることなど、不確定要素が多く含まれていることから、県としては、現時点では、公表することはかえって混乱を招くおそれがあると考えております。 今後、国から示される新たな情報に基づき再度試算を行い、その結果については、市町村とも協議の上、公表したいと考えております。 2点目の国民健康保険の国庫負担についてお答えをいたします。 他の保険者からの国保への財政負担を行う仕組みや都道府県の調整交付金制度の創設などにより、結果として国庫負担の割合は減少しておりますが、このことが直接保険料の増加に結びつくものではないと考えております。 県としては、将来にわたり医療費の増加にも耐え得る財政基盤を確立できるよう、全国知事会を通じて国に要望してまいります。 3点目の今後の市町村に対する県の対応についてお答えします。 県では、今後策定予定の熊本県国民健康保険運営方針の考え方を踏まえながら、市町村に対して、歳入面では保険料等の適正確保、歳出面では医療費の適正化などについて、必要な助言をしてまいりたいと考えております。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) ちょっと時間配分を間違ってしまいまして、残りは厚生委員会のほうでやりたいと思いますけれども、ただ1点、保険料の公表については、厚生労働省の都道府県国民健康保険運営方針策定要領の中に、標準保険料率を当該市町村に通知するものとするということとともに、遅滞なく標準保険料を公表するよう努めるものとすると明記されております。ぜひ、率直な議論を市町村において進める上でも、早く公表していただきたいというふうに思います。 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(溝口幸治君) 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。  午後0時11分休憩     ――――――○――――――  午後1時10分開議 ○副議長(溝口幸治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 河津修司君。  〔河津修司君登壇〕(拍手) ◆(河津修司君) 皆さんこんにちは。阿蘇郡選出の自由民主党の河津修司でございます。 前回の質問は全員協議会室でしたので、私も、この本会議場の質問は約2年ぶりになっておりまして、すごく緊張しております。どうぞよろしくお願いしたいと思います。 まず、昨年4月の地震から1年を過ぎ、地震で亡くなられた方、予期せぬ避難や車中泊等の環境変化で亡くなられました皆様に、心から哀悼の意を表します。また、地震で家をなくされ、仮設住宅やみなし仮設住宅で過ごされている皆様には、改めてお見舞いを申し上げます。 このたびの熊本地震では、私の地元阿蘇郡では、現実に被害となった南阿蘇村、西原村を初め、産山村、高森町、南小国町や小国町、事の大小はあるものの、全ての町村で何らかの被害を受け、現在、復旧、復興の途中にあります。6月定例熊本県議会一般質問に当たり、被害を受けた町村行政や住民の方からいただいた意見を前提に質問をさせていただきます。 まず1点目は、国道57号など、阿蘇の道路復旧についてを質問させていただきます。 昨年4月に発生した熊本地震から1年が過ぎ、改めて地震災害の激しさと復旧までの道程の長さを痛感いたしております。特に、南阿蘇村立野地区や東海大学阿蘇キャンパスがあります黒川地区の惨状には、訪れるたびに心が痛み、胸が締めつけられるようであります。 ただ、地震で甚大な被害となった南阿蘇村、西原村へ、国、熊本県知事並びに熊本県議会より復興に向けた手厚い援助等をいただき、衷心より感謝申し上げます。特に、国土交通省は、本年4月に、道路復旧を加速化するために、熊本復興事務所を南阿蘇村に開設していただきました。大変感謝し、期待しているところであります。 しかし、熊本地震からの復興については、地震により大地に刻まれた災害の傷跡が大きく、1年2カ月の時間を経過しても復旧がままならないことに、大変心を痛めております。 俵山トンネルなど、国直轄代行事業によって早急に開通した道もありますが、阿蘇は至るところで国道、県道の主要道路で交通どめが続いており、阿蘇の経済や流通、医療、住民生活に多大な悪影響が出ております。 国は、阿蘇大橋や長陽大橋など、国直轄代行事業で早期の開通に向けて工事をやっていただいておりますが、進捗状況はいかがでしょうか。また、県も、阿蘇吉田線や代行でやっている南阿蘇村の村道の通行可能になるのはいつごろになる見通しなのかをお聞きしたいと思っております。 九州を横断する国道57号、JR豊肥本線を切断した立野地区の大崩落現場は、火山性台地のもろさを露呈し、阿蘇に住む私たちに、豊かな観光資源や景観と引きかえに、火山と共生する難しさを知らしめるものがありますが、やがて1年2カ月の月日がたち、阿蘇地域の住民にとって一番の関心は、この国道57号と豊肥本線がいつ復旧するかということだと思っております。 国、熊本県には、崩落して間もなく、早急に迂回路としてミルクロードを多額の経費と人員を費やし整備していただきました。この前の冬には、標高700メートルを超える地形で凍結しがちなミルクロードを、一度も遮断することなく管理されたことなど、担当された国や熊本県には深く感謝しております。 しかし、残念ながら、ミルクロードは、道幅も狭く、連続するカーブ、さらには急峻な上り坂と下り坂の連続で、これまで緩やかな上りで道幅も4車線であった国道57号とは比ぶべくもない道路条件で、観光客や流通に当たるドライバーには気が抜けない状況です。 これに比較し、国道57号は、一昨年の3月には立野地区の4車線化も完成し、九州中央の観光、物流の重要路線であった道路であり、阿蘇谷、南郷谷、そして小国郷の、一つの阿蘇という世界的な観光地をつなげるルートであったことからも、今後の阿蘇地域はもとより、熊本県、さらには九州の観光復興には欠かせない路線でありました。 現在、立野を迂回する代替道路として、巨額の経費を投入し、国道57号北側ルートの建設も進んでおり、明日には、そのトンネル工事の着工式が阿蘇市赤水の現場で行われることになっております。工期が約3年とのことですが、工事の安全と早期の完成を祈っております。 そこで質問ですが、昨年の熊本地震の発災以来、阿蘇の全住民が望んでいる国道57号の現道復旧や阿蘇大橋、長陽大橋の復旧について、また、阿蘇管内の県道や県が代行事業として取り組んでいる南阿蘇村の村道の進捗状況について、説明を土木部長に求めます。  〔土木部長手島健司君登壇〕 ◎土木部長(手島健司君) まず、国が行っている道路災害復旧事業の状況についてお答えします。 斜面崩壊により現在も不通となっている国道57号現道の復旧については、本年4月、有識者から成る第5回阿蘇大橋地区復旧技術検討会において、地質調査結果、決壊防止対策、斜面の恒久対策及び復旧へのステップが示されました。 今後は、現在実施されている追加の地質調査等の結果を踏まえ、具体的な復旧工法の検討がなされる予定です。 また、国道325号阿蘇大橋ルートについては、平成32年度での全線開通見通しが発表され、阿蘇大橋の本体着工に向け、進入路のための斜面工事が進められています。また、村道栃の木~立野線・長陽大橋ルートについては、本年夏の応急復旧による開通を目標に、斜面対策や阿蘇長陽大橋の補修工事が実施されています。 県としましては、引き続きこれら路線の一日も早い開通を国に要望してまいります。 次に、県で取り組んでいる道路災害復旧事業についてお答えします。 県の主要な観光地である阿蘇山へのアクセスルートとなる県道阿蘇吉田線等については、災害復旧工事に順次着手しており、今年度中の完了を目標としています。 また、県が代行事業として実施している村道3路線のうち、村道池ノ窪小河原線については、地獄温泉、垂玉温泉の復旧に必要な道路であり、本年9月の復旧完了を目指し工事を行っています。このほか、村道ゴルフ場湯の谷線は今年度中、村道喜多垂玉線は来年度中の復旧完了をめどに進めています。 なお、これらの災害復旧に加え、長陽大橋ルートから国道57号へ通じる県道河陰阿蘇線の拡幅工事については、本年夏の完成に向けて実施中です。 阿蘇地域は、熊本だけではなく、九州全体の観光の中心です。県としましても、国や市町村と協力しながら、阿蘇地域の一日も早い復旧、復興に取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 土木部長から答弁いただきましたが、県道阿蘇吉田線などは、阿蘇山観光の重要な道路であり、ここが通行可能になれば、南阿蘇村から阿蘇山上、そして阿蘇駅へと周遊ができるようになり、地震前の観光コースが使えることにもなりますし、また、その他の村道が開通しますと、地獄・垂玉温泉へ行きやすくもなります。また、牧野組合の人たちも待ち望んでおります。どうぞよろしく早期の完成を目指して頑張っていただきますようお願いいたします。 阿蘇地域の住民や阿蘇に通う通勤、通学の人たちは、国道57号の現地での復旧を切望しております。観光業の人たちも、3年も4年も待てない、何とか早くしてほしい、あるいはできないまでも、いつごろまでには工事を始めるという目安だけでも示してほしいと願っております。何とか早く国交省とも話を進めて、一刻も早く着工できますよう、知事からも、ぜひ働きかけをよろしくお願いいたします。 次に、南阿蘇鉄道への熊本県の支援についてお尋ねいたします。 南阿蘇鉄道は、旧国鉄特定地方交通線であった高森線を、第三セクターとして設立した南阿蘇鉄道株式会社が、昭和61年から運営している鉄道です。 高森駅から立野駅までの17.7キロメートルの路線は、沿線地域の日常の交通手段としてはもちろん、阿蘇五岳、周囲の外輪山といった景観とともに、眼下に広がる南阿蘇の田園風景が展開し、鉄道ファンや外国人観光客にも人気の高い鉄道であります。中でも、特に人気が高いのは、長陽駅と立野駅間にある第一白川橋梁と立野橋梁です。 第一白川橋梁は、昭和2年に建設された鋼製アーチ橋であり、この上を通過する際にはトロッコ列車がゆっくりと進み、国内外からの観光客に好評の場所でありました。また、大正13年に建設された立野橋梁は、山陰本線の余部鉄橋が供用を終えた今日では、日本最長の鉄道用のトレッスル橋として知られております。 しかし、4月の熊本地震の激しい揺れで、長陽駅から立野駅間の一部で線路が流出し、トンネル内壁の崩落とともに、第一白川橋梁を初めとして、甚大な被害を受けております。 既に熊本地震から1年余りが経過しましたが、現在は、全路線17.7キロメートルのうち、中松駅から高森駅間の7.1キロメートルの運行が再開されているのみとなっております。 4月には、高森町、南阿蘇村、西原村、山都町、大津町と南阿蘇鉄道株式会社、熊本県で南阿蘇鉄道再生協議会を発足させ、南阿蘇鉄道の再開に向けた協議を始めております。 南阿蘇鉄道と同様に東日本大震災で被災した三陸鉄道は、高額な復旧費を特例で国と地元自治体が5割ずつ負担しましたが、地元自治体には特別交付税での補填があり、実質的な負担はゼロであったと聞いております。 このことから、現時点の復旧費約70億円を、三陸鉄道を参考に、地元の負担を最小化する案が国で検討されておるようですが、その一方で、国からは、周辺人口の減少を懸念し、将来の経営安定への課題解決を求められております。 これに関しては、鉄道の復旧に対し、三陸鉄道で採用した、線路や駅舎等の鉄道インフラを地元自治体が保有し、鉄道事業者が運行のみを行うという、いわゆる上下分離案が出ております。 仮にこの案を採用すると、鉄道事業者にとっては、インフラの維持管理に係る負担がなくなり、経営に全力を向けられるというメリットがある一方、インフラを保有した自治体にとっては、熊本地震からの復興とその後の鉄道の維持経費負担という、相当の財政負担の発生も懸念されるところであります。 このような課題がある中で、県も、この南阿蘇鉄道の重要性を十分に認識され、田嶋副知事が南阿蘇鉄道再生協議会の会長に就任され、先頭に立って早期の鉄道再開に向けて奮闘されておりますことに、大変心強く思っておりますし、敬意を表したいと思っております。 つい10日ほど前も、地元町村長とともに、国土交通大臣に対して、全線復旧、復興に関する要望書を提出し、地元自治体の財政負担のさらなる縮小や税制の特例措置などを訴えていただいたとのことで、地元議員としても大変ありがたく思っております。 新聞記事には、いろいろとこの南阿蘇鉄道についての記事が書かれておりますが、それだけ県民の関心も高いとの証左だろうと思っております。南阿蘇鉄道の全線復旧及び復興を早期に実現するためには、今後とも熊本県からの支援が必要です。この点に関し、知事の思いをお聞かせ願えればと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 南阿蘇鉄道は、通勤、通学を初め買い物や通院など、沿線住民の身近な交通手段として、これまで長きにわたって地域を支えてきました。加えて、近年では、貴重な観光資源としても交流人口の拡大に寄与するなど、県全体の活性化に欠かせない存在となっています。 県としても、南阿蘇鉄道の復旧、復興を、創造的復興のシンボルとして重点項目に位置づけ、被災直後から、地元負担が最小化される支援スキームの実現に向け、国への要望等を精力的に行ってまいりました。 今後の鉄道復旧について、4月16日に、復旧費が約70億円、復旧期間が約5年という見通しが国から示されました。このため、4月28日に、地元町村長、鉄道事業者と南阿蘇鉄道再生協議会を設置し、田嶋副知事を会長として、対応策の検討をスタートさせました。 今月6日には、協議会として会長の副知事と地元町村長が一緒に、国に対し、国庫補助率のかさ上げや地元自治体への財政措置等を求める要望を行いました。 今後は、上下分離も含めた鉄道施設の保有、経営のあり方について、しっかりと検証するとともに、それに伴う地元負担が最小化されるよう努めてまいります。そして、8月を目途に実務者レベルの案を取りまとめ、10月ごろには基本的な方針を決定したいと考えております。 あわせて、南阿蘇鉄道の将来にわたって持続可能な経営に向けた検討も重要な課題です。このため、5月2日に、熊本県、高森町、南阿蘇村で南阿蘇鉄道沿線地域公共交通活性化協議会を設置し、地域公共交通網形成計画の策定に向けた検討を始めました。地元とともに、鉄道を軸として、他の公共交通機関との連携強化や、周辺及び広域の観光スポットをつなぐ新たな観光ルートの検討などを行うこととしています。 これまで地元や多くの観光客に愛されてきた南阿蘇鉄道が再生し、地域の中で役割を果たしていくよう、県と地元が一丸となって、早期の全線復旧に向け、しっかりと取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) ただいま知事から、しっかりと支援をしていくというお言葉がありました。大変頼もしく思っている次第であります。早期の全線復旧に向けて、地元関係団体とともに頑張ると言っていただき、これから復旧が進むものと期待をしているところであります。 ただ、今後、復旧に向けて、設計を終えた後、5年かかるとされる工事期間の後に開通となれば、余りにも長い空白期間があくことが懸念されます。地元自治体の財政負担の軽減はもちろんですが、全線運行再開までのこの空白期間をいかに短くして、いかに皆さんの関心を持ち上げていただくか、そのことができるかが鍵ではないかと考えます。この点についても、県や国の支援をお願いしたいと思っております。 次に、阿蘇地域の観光振興策についてお聞きいたします。 熊本県におかれては、阿蘇地域の活性化に努力していただき、お礼を申し上げます。 阿蘇地域の基幹産業は、農業と観光であるということは周知のことであります。特に観光に関しましては、広大な景観を持つ阿蘇山上や大観峰、杖立、黒川や内牧、地獄、垂玉等の知名な温泉に恵まれ、熊本地震発災前には約1,400万人の観光客数がありました。 特に、中国や台湾等の外国からの観光客も多く、八代港や阿蘇くまもと空港に入国する観光客の大半は、熊本城から阿蘇、そして湯布院、別府というコースをたどって九州の周遊観光を満喫しておりました。 ところが、昨年の熊本地震により、主要道路の国道57号、JR豊肥本線の不通により周遊ルートが断たれたことや地震に関する風評被害によって、観光客が大きく減少しております。また、落ち込む原因の一つに、阿蘇山の噴火による影響も大きいと考えております。 熊本県の宿泊客数動向調査では、昨年10月から12月までの平成28年第4・四半期の宿泊客数が、対前年同期比の88.4%、続く平成29年1月から3月までの平成29年第1・四半期が85.4%となっており、阿蘇地域でも相当の減少があっております。 日銀の経済見通しでは、熊本県の経済は堅調に推移している中、観光は、インバウンド需要を初め、持ち直しに向けた動きは続いているものの、インフラ面の制約が残る中で、全体としてみれば、なお厳しい状況が続いているとされております。 阿蘇地域の観光客の大幅な減少は、何といっても国道57号、JR豊肥本線の不通が大きく影響していると思われます。そうであるならば、福岡県や大分県から小国郷や産山村、そして高森町を通り、南阿蘇村や西原村、山都町、高千穂や宮崎県へ、あるいはその逆コースを回るルートをもっとアピールすべきではないかと思いますが、どうでしょうか。 観光客の減少対策として、既に熊本県では、九州ふっこう割等各種の政策を展開し、対応をしておりますが、何分、観光のメーンルートの復旧のおくれや、東日本大震災から熊本地震と長く続く自然災害によって観光への消費意欲が減少していることもあり、回復がおくれていると思っております。 しかし、このような状況は、阿蘇地域では過去にもありました。昭和54年の阿蘇山噴火による観光客数の減少がありましたが、阿蘇は乗り越えてきております。これは、合併以前の12町村が、合同で東京都、福岡市等へ統一キャンペーンを実施し、阿蘇のすばらしさをアピールしたことによるものと思っております。 折しも、阿蘇では、昭和56年から阿蘇の火まつりを開催し、往生岳の火文字焼き等の各種イベントで数万人の観光客を集めるなど、阿蘇全域が、当時の熊本県観光振興課などと共同し、努力した結果だと思っています。 今回も同様のケースであり、熊本地震後の熊本県や阿蘇の観光をアピールするために、ぜひ熊本県がリードされ、阿蘇の市町村はもとより、県下全域の市町村による観光キャンペーンを、東京や福岡などの大都市圏と、中国や台湾、そして、今後観光客数の増加が見込める東南アジアなどで実施することはできないものでしょうか。 また、環境省の国立公園満喫プロジェクトの具体的な事業が始まるとしておりますが、主な事業は阿蘇山の狭い範囲で行われるような気がしております。もっと阿蘇郡市広域に広がるような事業を行ってほしいと願っておりますが、県としての考えはいかがでしょうか。 また、阿蘇山の警戒レベルも1に下がって久しいわけですが、早く火口が見えるところまで行けるようにすべきではないかと思います。県としてどう考えているかをお聞きします。 観光は総合産業と言われております。観光の不振は、地域に与える影響が大きいものがあります。それゆえ、阿蘇地域の観光振興策は猶予ならないと思いますが、商工観光労働部長に阿蘇観光の振興策についてお尋ねいたします。  〔商工観光労働部長奥薗惣幸君登壇〕 ◎商工観光労働部長(奥薗惣幸君) 阿蘇地域の観光振興について4点のお尋ねでございますが、まず1点目の広域的な観光ルートについてお答えいたします。 地震後、福岡県や大分県等から阿蘇地域へのアクセスをするルート情報に加えまして、ルート上にある黒川温泉、また、あか牛、高森田楽等のグルメスポットや観光施設等の情報を充実させた周遊モデルコースを開発し、誘客強化を図りました。 今後も、阿蘇地域の魅力とモデルコースをアピールすることにより、旅行商品造成等の働きかけを行ってまいります。 2点目の観光プロモーションについては、本年7月から12月にかけ、JR九州及び大分県とタイアップし、人気アイドルグループ「Kis―My―Ft2」を起用した観光キャンペーンを展開します。 期間中、阿蘇地域では、人気の高い観光列車「あそぼーい!」や「或る列車」が別府―阿蘇間を特別運行し、乗馬体験や草千里へのタクシープラン等を盛り込んだ旅行商品も販売されます。 また、海外に向けても、中国で開催する旅行会社向けセミナーや、台湾、香港等での旅行博において、気球体験や乗馬体験など、自然を生かした阿蘇観光の魅力を発信してまいります。 3点目の国立公園阿蘇満喫プロジェクトの広域的な推進については、阿蘇観光の象徴であります阿蘇山上地域を初め、大観峰や南阿蘇一帯など、5つの重点取り組み地域を設定しております。国や地元市町村等と連携しながら、より広域的に取り組んでまいります。 最後に、4点目の火口見学再開に向けての県の対応についてお答えいたします。 昨年の爆発的噴火等により、観光客の安全を確保するための火山ガス検知器、安全柵、退避壕などが損傷しており、現状では火口見学の再開が困難な状況でございます。 このため、県では、本年3月に、阿蘇市と共同で環境省に対し、火口見学に必要な施設、設備の復旧等について緊急要望を行い、これらについて国が対応されることになりました。 火口見学の再開については、見学者の避難体制の確保など、安全対策に万全を期した上で実施されるよう、引き続き関係機関と連携してまいります。 地震により傷ついた熊本観光の立て直しには、これまで本県はもちろんのこと、九州全体の観光を牽引してきた阿蘇の観光再生が大変重要であり、今後も引き続き阿蘇地域の観光振興に積極的に取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 熊本県が、さまざまな阿蘇の観光振興に取り組む姿を見せていただいたことに感謝いたします。 先ほど言いました火口見学についても、昨日の阿蘇市議会の中では、来年2月から火口見学ができるようにしたいという環境省からの話もあっているようです。ただ、その前に、それまで待てないということもありますし、新たな観光として、マスクや携帯型のガス計測器をつけて火口見学してもらうモニターツアー等を計画する、そういった実際モニターツアーで対応していくのをもう少し早くやりたいというような案も出ております。ぜひとも実現していきたいものと思っております。 阿蘇の観光は、道路インフラの制約下の中で、急激な回復は無理かもしれませんが、道路事情がよくなるであろう3~4年後を見据えて、今のうちにしっかり対策をとりながら、次につなげていく努力が必要ではないかと考えます。 また、今後、梅雨が過ぎ、夏を迎え、秋までは阿蘇地域は大変お客さんも多い時期でありますが、その後、大変厳しい冬を迎えます。この時期を乗り越えるためには、一時的あるいは短期的な対策として、地域振興券等を発行することも考えられると思います。 いずれにしましても、道路事情がよくないこの3~4年は、阿蘇の観光に対しまして、あらゆる支援をお願いしておきたいと思います。 次に、熊本地震による農地・農業用施設被害の復旧支援についてをお尋ねいたします。 私は、昨年9月議会において、農林業の復興についてということで、農地や農業用施設の復旧に関して、市町村の技術職員不足に対する支援や大切畑ダムの復旧の取り組みについて質問いたしました。 農林水産部長から、市町村支援については、被害が大規模で高度な技術力を要するケースについては、県営事業として復旧を進めるとともに、市町村が事業主体となって進められている災害復旧事業についても、地元振興局に災害復旧支援チームを編成し、技術面からのサポートを行うと回答をいただきました。 また、大切畑ダムについて、被災直後から貯水位の低下を図るなどの応急対策工事を進めるとともに、ダム本体の復旧については、活断層との関連も含めた検討が必要なため、技術検討専門委員会を立ち上げ、復旧方針を定めること、また、営農に必要な水確保をするために、幹線パイプラインの復旧に取り組むとの回答をいただきました。 実際に、県では、応急対策工事や災害査定への支援に取り組まれ、災害査定は1月13日に完了し、既に復旧工事に着手されています。また、幹線パイプラインについても復旧工事が完了し、下流への送水が可能になったと聞いております。 しかしながら、新聞報道では、農地や農業用施設の復旧工事の発注率が低いことが伝えられており、今後、多くの工事発注が必要になると考えております。 特に、被害の激しかった南阿蘇村では、2,800カ所を超える農地や農業用施設が被害を受け、農地等災害復旧事業や村の単独事業などで復旧が進められておりますが、多くの施設が手つかずの状況であります。 農地や用水路、農道は、農業にとってはなくてはならないもので、農業を再開するためには、一日でも早く復旧工事を完了させることが重要と考えますが、復旧工事を担当する技術職員が不足している南阿蘇村及び西原村に対して、県としてさらなる支援が必要であると考えますが、いかがでしょうか。 次に、大切畑ダムの復旧について質問します。 大切畑ダムの受益地は、西原村の水田と益城町・菊陽町畑地帯で、受益面積は約720ヘクタールに及びます。特に、西原村の水田98ヘクタールについては、大切畑ダムの直接受益地となっておりまして、大切畑ダムなしでは用水の確保ができない状況です。 毎年、この時期、ダムは満々と水をたたえ、湖面には周りの木々の緑が映え、すばらしい光景が見られます。また、下流の水田では、田植えが終わった稲の苗が風になびく水田の景色が見られます。 しかしながら、本年は、ダムに水が全くたまっておらず、堤体に痛々しい亀裂が見られる状態で、水田にも稲は全く植えつけられていない状態です。 農家の方々からは、ダムの復旧はどうなるのか、復旧工事には長時間かかると思うが、工事期間中の用水はどうなるのか、ボーリングをして井戸水をくみ上げて水路に流すことはできないのかなど、心配する声や要望が聞かれます。 そこで、お尋ねします。 この大切畑ダムの復旧について、これまでの専門家の技術的検討結果を踏まえて、県はどのような復旧を行うのか、また、多くの用水を必要とする西原村の水田受益地に対し、復旧工事期間中の用水確保はどのように考えているのか、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長濱田義之君登壇〕 ◎農林水産部長(濱田義之君) 大きく2点お尋ねをいただきました。 まず、1点目の南阿蘇村や西原村への支援でございますが、発災直後から、地域振興局において災害復旧支援チームを編成し、両村に職員を配置いたしまして、被害状況の調査、災害査定設計書の作成、そして国の災害査定への対応まで、技術面からサポートを行ってまいりました。この結果、両村で511件、約23億円に上りました災害査定を、所定の期限までに終えることができました。 また、農地が大規模に崩壊しました南阿蘇村の乙ヶ瀬地区の復旧につきましては、高度な技術力や関係機関との事業調整が必要なことから、県営事業として、大区画化や農地集積などをあわせて行う創造的復興として進めてございます。 しかしながら、それでもなお両村では膨大な復旧件数を抱え、また、技術職員が絶対的に不足していることから、今般、県では、事業規模が大きく、高度な技術力を要するものについて、積算から発注、竣工検査までを一括して受託をし、両村の復旧事業の迅速化を支援することといたしました。 南阿蘇村では、揚水機や水路など4件、6億2,000万円、西原村では、水路や農地など42件、2億5,000万円、県全体としましては、128件、約29億円の受託予算を今定例会に御提案申し上げております。 次に、2点目の大切畑ダムの復旧についてお答えをいたします。 昨年度の技術検討専門会議の提言も踏まえまして、確認された活断層を避け、安全な上流側へ堤体を移設することといたしまして、現在、堤体基礎の工法を検討するための地質調査、地形測量、基本設計などを行ってございます。来月、7月からは、ダム技術検討委員会を開催いたしまして、ダムの構造や規模、工法、工事計画などについて意見を伺い、今年度中に詳細を決定したいと考えております。 なお、復旧の工程でございますが、実施設計、用地買収、入札手続などが必要となりますため、ダム本体工事の着工は平成31年度となりまして、その後、完成までに4年程度を要するものと考えております。 そこで、復旧期間中における大切畑ダムの直接受益地314ヘクタールの用水確保についてでございます。 まずは、ダムの水を一緒に利用しております西原村と益城町の今後の作付計画を踏まえた水利用量、そしてダムへの流入量、この2つを時期ごとに比較いたしまして、水の過不足量を把握してまいります。 その上で、仮に水が不足する場合には、作付作物の変更など、営農による調整といったソフト対策、あるいはハード対策としてダム本体を利用した貯水、下流のため池などの拡充、井戸の掘削などの中から有効な組み合わせを選択いたしまして、地元町村や受益者と相談をいたしながら、用水の確保に全力を尽くしてまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 広大な農地の災害復旧をしなければならない小さな村にとっては、県からの支援はありがたいものであります。我が家や農地が被災して、何かと物入りなこの時期に、作物の作付ができない農家にとって収入が減ることは、大変厳しいものがあります。何とか収入を得られるような支援を考えてもらいたいし、村がそういう事業をするならば、村に対する支援も考えてもらうよう要望しておきます。 大切畑ダムに関しましては、ダム本体工事完了まで5~6年かかるとなれば、質問でも言いましたとおり、安定した水量確保のため、ボーリングをして井戸の設置が必要になるかと考えます。 それというのも、この大切畑からは、農業用水としてはもちろん、このダムから流れる川が西原村の鳥子地区を通っているわけですが、この地区の防火用水としての側面も持っておるからです。 今この川には水が流れておらず、このままの状態で火災が発生すると、消火がおくれるおそれが大きく、地区住民は大変心配しております。ぜひとも水を流していただきますようお願いいたします。 次の質問に移ります。 復興基金の配分と市町村の財政見通し策定への支援についてをお聞きいたします。 復興基金については、これまで、市町村の要望を聞きながら、県で統一ルールを定めて被災市町村に配分してきております。6月補正予算でも、市町村から要望のあった高校生等通学支援農地等被災農業者生活支援事業土砂災害特別警戒区域内の被災者住宅再建支援事業などが審議され、事業化されようとしております。 ただ、市町村の中には、今後、さらにきめ細やかな地域のニーズに対応するために、もっと市町村で主体的に何に使うかを決められるような復興基金の配分はできないかという要望も多く出ております。 やはり市町村によって被害の内容も違いますし、住民の要望も違います。地震の直接的な被害は少ないものの、風評被害が大きかったところもあります。これらの対策を、市町村が復興基金を使ってやろうとしても、県統一ルールでは拾い切れないものが出てくると思っております。 これらの固有のニーズに対応するため、創意工夫分として、使途を決めずに配分する方法、いわゆる枠配分もあると聞いております。創意工夫分に関して、どのように配分するかをお聞きいたします。 次に、県では、去る5月末に中期的な財政収支を試算し、厳しい財政運営を迫られるが、危機的な状況には至らないとの見込みが示されました。 一方、市町村の復旧・復興事業には、丁寧な地方財政措置が講じられ、実質負担は大幅に軽減されてはいるものの、被害が大きかった市町村は、財政に不安を抱くところも多いと聞きます。 市町村では、今後とも、まちづくり事業などの本格化により事業費の増加が見込まれ、一部には有利な地方債が活用できるとはいえ、多額の元利償還金の発生により、将来の財政見通しに不安を感じている状況でもあります。 住民も、みずからの住む市町村の財政運営が大丈夫かと不安を感じており、市町村の財政見通しを示すことも必要かと思われますが、市町村だけで策定するのは厳しいものがあります。 県としては、被災市町村の中長期の財政見通しの策定に関して、どのように支援するのかを総務部長にお伺いします。  〔総務部長池田敬之君登壇〕 ◎総務部長(池田敬之君) まず、復興基金の創意工夫事業分の配分についてお答えいたします。 配分に当たりましては、市町村が被災者の個別事情を聞きながら、きめ細やかに対応するという観点からは、使途を全く決めずに配分をするという方法も考えられます。しかしながら、一方で、近隣地域で支援内容が異なることにつながり、無用な混乱が生じるとの懸念の声もあるところでございます。 9月補正予算におきまして、創意工夫事業分の配分ができるよう、引き続き被災市町村の個別の財政需要を丁寧に伺いながら、今後の執行予定の全体像をつかんだ上で、配分方法についても慎重に検討してまいります。 次に、被災市町村の財政運営支援につきましては、これまでも、復旧、復興に係る経費の所要見込み額調査などを通じまして課題を把握し、市町村を代表する形で、国に対しまして、県として必要な要望を行ってきているところでございます。 県といたしましては、復旧、復興に係る事業の全体像が見えつつあるこのタイミングで、今後の財政運営を展望するため、被災市町村において、中期の財政見通しを策定されるということが必要であると考えているところでございます。 そのため、まず、今年度前半には、過去の被災県の事例を参考といたしました税収の見通しや、国や県によるさまざまな財政支援措置を踏まえた実質的な負担額など、今後の歳入歳出を見込む上で必要な設定条件を示しながら策定を支援することとしておりまして、既に取り組みに着手をしているというところでございます。 特に、被災の大きかった市町村に関しましては、県と市町村が議論して作業を進めるワークショップ方式を採用するなど、市町村へのノウハウの蓄積を意識しながら、積極的に支援してまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) 市町村には、震災からの復旧、復興について、住民からさまざまな要望が上げられていますし、市町村長は、それを少しでもかなえてやろうと努力しております。また、創造的復興に向けて、住民みずからが協議会をつくり、新しいまちづくりについて話し合いを続けている地域もあります。 それらの事業を小さな村が全て行おうとすると、財政的に非常に厳しくなることも予想されます。そうならないためには、せっかく住民が話し合って決めた事業を、やめるか縮小しなければならなくなるのではと心配されております。できるだけ住民が考える創造的復旧、復興が制限されずに実現できるよう、市町村の財政見通しを精査する際には、財源の確保も考えていただくようお願いしておきます。 次に、阿蘇地域の看護職員不足についてお聞きいたします。 私たちが健康に生活する上で、医療は重要な役割を果たしております。まず、人間として生まれるには産婦人科が、幼児期には小児科が、そして健康な生活を送るためには健診などの予防医療とのかかわり合いが欠かせません。 我が国が高齢化社会と言われて久しいわけですが、この高齢化社会を支えているのは医療であり、私たちが健康で暮らす上で最も重要なインフラであると考えております。 この社会を支える医療の体制は、医師や看護職員、薬剤師等の複数のメディカルスタッフが連携し、治療に当たるチーム医療が中心となっております。 このチーム医療の中で、看護職員は、患者に接し、医療面とともに入院患者の生活を支えるなど、広く医療に携わる重要なポジションを占めております。 現在、病院には、高齢者等が通院により治療に訪れる外来と長期にわたり治療を行う入院の2つの機能がありますが、看護職員は、この機能に欠かせない医療スタッフで、看護職員の存在なくして医療は成り立たなくなっております。 この看護職員が不足し、社会的な問題となっております。中でも、小国地区の医療を担う小国公立病院では、外来や入院患者に必要な看護職員が確保できておりません。 このため、地元自治体の要請を受けて、熊本赤十字病院の御厚意により1名の看護師を派遣していただいております。しかし、このまま看護職員が確保できない場合、平成30年4月には、定年退職などにより4名の看護職員が欠員となります。 仮に予測どおり看護職員の4名が不足すれば、入院患者を抱えた病院で3交代制の勤務の小国公立病院は、深夜等に勤務する看護職員に不足を生じることとなり、認知症高齢者の増加等で入院中に事故が発生することへの懸念などから、今後、病床数を削減しなければならず、地域の医療を支えることができない状況になりかねません。 もちろん、看護職員の不足は、小国地区に限らず、阿蘇地域全体の医療が抱える課題でもあります。この理由として、阿蘇地域には、看護職員を育成する養成施設がないことも挙げられるかと思います。 特に、医療にとって重要な人材の看護職員の不足を補うために、小国公立病院では、小国公立病院看護学生奨学金貸付制度を設置し、看護職員の確保を目指しておりますが、1名の利用にとどまっております。 数日前、県の看護協会も、高校生に対して、看護職員の仕事の重要性について、知って好きになってもらおうと、体験教室を開いたことがニュースになっておりましたが、早く効果があらわれることを期待する次第であります。 阿蘇立野病院も、南阿蘇地域の救急医療体制が大変になっていることから、この夏には本格的に再開したいと言っておられましたが、ここでも看護職員不足が悩ましい問題であると聞いております。 阿蘇地域では、福祉施設でも看護職員が不足している状況からすると、住民の命にかかわる大問題です。県も、このような状況であることは十分認識しており、対策もしていると思いますが、その効果はどうか、また、今後どのような対策を施していこうと考えているのかを健康福祉部長にお伺いいたします。  〔健康福祉部長古閑陽一君登壇〕 ◎健康福祉部長(古閑陽一君) 阿蘇地域では、これまでも看護職員の確保が課題となっておりましたが、熊本地震後、基幹道路の寸断等の影響から、その深刻さが増大しております。 県看護協会の調査によりますと、地震の影響により離職した県内の看護職員数216名中、62名は阿蘇地域の方々でした。 このため、阿蘇地域における看護職員の離職防止や人材確保のため、現在、2つの対策に取り組んでおります。 1つ目は、昨年12月に創設した被災病院の看護職員の在籍出向に対する助成事業です。現在、阿蘇地域の病院に6名の看護職員が派遣されております。 2つ目は、本年5月に創設しましたくまもと復興応援ナース制度です。この制度では、被災病院での臨時的な就労を支援するもので、県看護協会と連携し、全国から募集を行っております。現在17名の方が登録され、そのうち4名は、今月中に阿蘇地域で勤務を開始される予定です。 こうした取り組みにより、阿蘇地域の看護職員の確保が、一歩一歩ではありますが、進んでいると考えております。 今後の対策につきましては、引き続き、くまもと復興応援ナースのさらなる確保に努めてまいります。さらに、常勤職員の確保の取り組みも大変重要となります。このため、今年度は、県ナースセンターによる就労相談会や潜在看護職員の復職に向けた研修会の開催を、阿蘇地域で開催することとしております。 今後も、阿蘇地域の看護職員の確保とその育成に全力で取り組んでまいります。  〔河津修司君登壇〕 ◆(河津修司君) ただいま答弁いただき、短期的あるいは中期的な取り組みが示され、早速その効果が出て、4名の看護職員が阿蘇地域で勤務することになったということでありまして、大変喜んでいる次第であります。 ただ、一部、地域的に偏りもあるようですので、今後も取り組みを続けてほしいと思っておりますし、抜本的な問題解決のための看護職員養成と定着に向けて、積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っております。 最後に、要望を1つ申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 災害公営住宅についての要望ですが、震災から1年2カ月がたち、仮設住宅に入居している被災者の方々も、今後のことを考えると、悩んでおられる方も多いのではないでしょうか。 それは、一般的には仮設住宅は2年が限度であるため、そろそろ次はどうするのか、仮設住宅を出て新しく家を自力で建てて住むのか、新しくアパートや借家を借りるのかなどを考えておられるのではないかと推察しますが、いずれも多額の資金が必要ですし、今のところ家賃が高くなると生活できなくなる高齢者や低所得者の方もおられるのではと心配しております。 そうなりますと、高齢者や低所得者の方でも入れる災害公営住宅を市町村が建設する必要が出てくるわけですが、現在12市町村で1,027戸が計画され、県は、市町村の個別の状況に応じて、災害公営住宅整備の受託や国庫補助に係る技術的な支援、発注手法に関する情報提供等を行っているということでありますが、引き続き、災害公営住宅の早期建設に向けて、市町村と連携をしながら、しっかりと整備を進めていただきたいと思います。 また、災害公営住宅建設の国庫補助においては、通常の公営住宅の補助率が2分の1であるのに対し、3分の2までかさ上げされておりますが、今回、国から激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づき、指定された市町村においては、4分の3まで補助率が引き上げられており、市町村負担が少なくなるよう配慮されているところであります。 しかしながら、災害公営住宅の建設には、用地取得費や建設費など多額の費用が必要とされることから、国と十分協議を行い、少しでも市町村の負担が軽減されるような取り組みを行っていただきたいと思います。このことを要望として申し上げておきます。 以上、6点の質問と1点の要望を述べさせていただきました。 いつも時間配分を間違えて、最後は尻切れとんぼになってしまうわけなんですが、きょうはまだ時間が残っておりますけれども、思ったことが質問できたと思っております。 阿蘇は、本当にまだまだ災害の復旧、復興の途中であります。これからも県からのしっかりとした支援をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(溝口幸治君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明17日及び18日は、県の休日のため、休会でありますので、次の会議は、来る19日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第4号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時9分散会...