熊本県議会 > 2014-12-08 >
12月08日-03号

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  1. 熊本県議会 2014-12-08
    12月08日-03号


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    平成26年12月 定例会               第 3 号              (12月8日)  平成26年  熊本県議会12月定例会会議録     第3号平成26年12月8日(月曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第3号  平成26年12月8日(月曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(44人)            前 田 憲 秀 君            磯 田   毅 君            甲 斐 正 法 君            橋 口 海 平 君            九 谷 高 弘 君            緒 方 勇 二 君            杉 浦 康 治 君            泉   広 幸 君            東   充 美 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            早 田 順 一 君            松 岡   徹 君            西   聖 一 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            浦 田 祐三子 さん            山 口 ゆたか 君            渕 上 陽 一 君            田 代 国 広 君            森   浩 二 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            荒 木 章 博 君            堤   泰 宏 君            城 下 広 作 君            氷 室 雄一郎 君            鎌 田   聡 君            池 田 和 貴 君            佐 藤 雅 司 君            重 村   栄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            井 手 順 雄 君            藤 川 隆 夫 君            岩 中 伸 司 君            平 野 みどり さん            鬼 海 洋 一 君            早 川 英 明 君            小 杉   直 君            前 川   收 君            村 上 寅 美 君            西 岡 勝 成 君            山 本 秀 久 君欠席議員氏名(1人)            岩 下 栄 一 君  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    村 田 信 一 君     副知事    小 野 泰 輔 君     知事公室長  田 嶋   徹 君     総務部長   岡 村 範 明 君     企画振興部長 島 崎 征 夫 君     健康福祉部長 松 葉 成 正 君     環境生活部長 谷 﨑 淳 一 君     商工観光労働            真 崎 伸 一 君     部長     農林水産部長 梅 本   茂 君     土木部長   猿 渡 慶 一 君     会計管理者  伊 藤 敏 明 君     企業局長   古 里 政 信 君     病院事業            河 野   靖 君     管理者     教育委員会            木之内   均 君     委員長     教育長    田 崎 龍 一 君     警察本部長  田 中 勝 也 君     人事委員会            田 中 伸 也 君     事務局長     監査委員   松 見 辰 彦 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   佐 藤 伸 之     事務局次長            後 藤 泰 之     兼総務課長     審議員兼            鹿 田 俊 夫     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時1分開議 ○副議長(重村栄君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○副議長(重村栄君) 日程に従いまして、日程第1、5日に引き続き一般質問を行います。 松岡徹君。  〔松岡徹君登壇〕(拍手) ◆(松岡徹君) おはようございます。日本共産党の松岡徹です。一般質問を行います。 最初に、阿蘇中岳の噴火に対する対応について伺います。 阿蘇火山に詳しい専門家の方に伺いますと、この噴火は5~6年続くかもしれないということであります。また、1989年の噴火では、5月から10月の半年の間に500万トンの降灰があったということで、今回もそういう可能性がないとは言えないと。また、ストロンボリ噴火から爆発というケース、大雨が降った後の水蒸気爆発、そういったことも、いろんなことが考えられるということで、やはり心してこの阿蘇中岳の噴火については対応していかなきゃならぬということを思います。 その上で、県としては、今、風評被害など、いろいろ取り組みをされておりますが、2点だけ知事公室長に伺います。 まず、噴火が長引きますと、火山灰による農業被害が広がる可能性があると思うんですね。ですから、そういう点で、この農業被害、阿蘇の葉物野菜などの農業被害対策についてはどういうふうに対応していかれるかということ。 2点目に、先ほども申し上げましたように、火山灰が長期にわたって降りますと、それが堆積します。1989年と90年に噴火が連続をして、90年の7月に、一の宮の土石流災害というのがありました。そういったことを考えますと、この降灰量のきちっとした計測などを初めとしたいわば災害の予防対策を的確にやっていくということが必要ではないかと思います。 以上2点について、公室長に伺いたいと思います。  〔知事公室長田嶋徹君登壇〕 ◎知事公室長(田嶋徹君) 阿蘇山噴火に伴う火山灰被害と災害対策につきまして、各部にまたがる内容になりますので、代表して私のほうで答弁させていただきます。 県では、今回の噴火に対しまして、12月1日に、阿蘇山の噴火に関する庁内情報連絡会議を設置し、全庁的に情報の共有化を図り、連携して対応するとともに、風評被害を防止するため、広く正確な情報提供を行うこととしております。 次に、農産物被害に対する支援につきましては、農林水産部では直ちに、降灰に対する技術対策を市町村、JAを通して農家へ広く周知を図るとともに、11月27日には、被害状況の把握と対策の検討を行う活動火山被害対策会議を設置いたしました。 また、農家からの栽培や経営等に関する相談にきめ細やかに対応するため、相談窓口を設置するとともに、降灰に見舞われた農家の方々が元気を取り戻せるよう、12月5日から、市町村やJAと連携し、県庁を初め、熊本市、阿蘇・上益城地域の物産館等において、元気ASOの恵みキャンペーンを展開しております。 今後とも、降灰の状況を注視しながら、国への要望も含め、必要となる対策について検討してまいります。 次に、災害対策についてですけれども、土木部において、降灰による土砂災害の発生に備え、火口周辺の降灰状況や既設砂防堰堤の堆砂状況について、現地調査に着手したところです。現時点では、降灰量は少なく、直ちに土石流が発生する状況にはないと考えております。 また、今後降灰による土砂災害の発生するおそれが高まった場合には、国土交通省が、土砂災害防止法に基づき、降灰の堆積状況などを確認する緊急調査を実施することとなっております。県といたしましても、国と連携し、既設砂防堰堤の除石など、土石流による被害防止・軽減対策を検討してまいります。 さらに、土砂災害に対する火山灰の観測体制については、県として、今回の噴火後直ちに、中央火口周辺やカルデラ内の降灰状況を目視により調査いたしました。今週からは、定期的に降灰の堆積の厚さを調査していくこととしています。 最後に、観測体制を含めた取り組みの強化につきましては、今後の噴火の状況を見きわめながら、地元の市町村や阿蘇火山防災会議協議会などの関係機関との連携のもと、的確に対応してまいります。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 鹿児島・桜島では、62カ所の火山灰の観測地点があるそうです。火山の専門家の先生もこのことを指摘されておりまして、阿蘇の場合もやっぱりこういう点を考える必要があるというお話でした。備えあれば憂いなしという立場で、万全の対策を、風評被害対策を含めてやっていただきたいと思います。 次に、日米共同演習、それへのオスプレイの参加について、知事に伺います。 この問題は、昨年6月の一般質問でも取り上げましたし、さきの9月議会でも取り上げたところです。ちょうどきのう、きょうが、オスプレイの参加というふうになっております。 安倍政権は、去年の7月、集団的自衛権の行使を閣議決定いたしました。集団的自衛権の行使というのは、ここでも何回も議論しましたけれども、アフガンやイラクのああいう戦争に、アメリカと一緒に日本の自衛隊が武器を持って戦争をするという、まさに戦争をする国づくりへの道にほかなりません。そういうことが強行されている中で、この熊本で日米共同演習があり、オスプレイが参加するということは、私たちの郷土熊本を果てしない軍事的な緊張、軍備増強の道に巻き込んでいくことになるもので、大変危険なことだと言わなければなりません。 ヘリボーンの訓練がきのうなされておりますけれども、ヘリボーンというのは、ヘリコプターが敵地に侵入して制圧するという戦術で、ベトナム戦争とかアフガン戦争で多用化されてきた、まさに侵略戦争の訓練なんですね。このことを見ても、九州の沖縄化、自衛隊の海兵隊化が強力に進められているということだと思います。こういう点について、知事はどうお考えでしょうか。 オスプレイについては、既にイエロールートが明らかになっています。菊池から山鹿、阿蘇、宇城、八代、球磨というふうな形でイエロールートがありますが、このイエロールートの中で、2007年の6月と9月に、菊池市で、米軍機に驚いた牛がけがをして、足を折って、そして屠殺処分になって65万円の損害賠償が支払われていると。まさに熊本県内でもこういった米軍機による実害が起きているということを、私たちは直視しなければならないと思います。 さらに重大なのは、国会の質疑でも明らかになっているように、この日本の空に張りめぐらされている自衛隊の低空飛行訓練区域を米軍機が、いわば勝手にと言っていいぐらいに訓練をしているという実態が明らかになっております。 そこで、パネルをちょっと見ていただきたいと思います。(パネルを示す)これです。この鞍岳を中心にして4キロ、高岳、烏帽子岳を中心にして4キロ、熊本市の健軍駐屯地、北熊本駐屯地、こういうところは半径2キロ、熊本空港や黒石原演習場菊池川河川敷、緑川河川敷、こういったところは半径4キロというようなところに、この低空飛行訓練区域が設定されております。 この丸の印なんですけれども、見ていただくとわかるように、この人口密集地の熊本市周辺は、もうだんご状態になっているんですね。今はまだ本格的ではないけれども、こういうところをどんどんどんどん米軍機が訓練する、オスプレイまで訓練するというふうな事態は、これはもう本当に、県民の安全という立場に立って、絶対回避しなければならないと考えるわけです。こういう点で、まず知事のお考えを伺いたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 日米共同訓練オスプレイについてお答えします。 今月1日から日米共同訓練が開始されており、昨日、オスプレイを使用した訓練が既に行われたところです。 私は、オスプレイについて、これまで国民の不安が払拭されていないとの思いから、国が責任を持って安全性を確認し、自治体や住民への十分な情報提供や説明を行っていただくよう申し上げてまいりました。 今回の日米共同訓練に当たっては、九州防衛局長から2度にわたり、本県に対して、訓練の内容を初め、オスプレイに関する説明がなされました。 これを受け、私は、防衛大臣に対して、訓練の実施に当たっては、交通・飛行の安全確保など万全の対策を講じてほしいこと、このことを、関係4町長との連名により、文書で確認及び要望を行いました。特に、オスプレイについては、できるだけ人家を避けて飛行するとともに、飛行の高度や経路等に関する日米合同委員会の合意事項を遵守するよう要請いたしました。 あわせて、本県では、九州広域防災拠点構想を策定していることから、訓練内容は防災対策にも資するものとするよう要望しております。 これらの本県の要請に対し、政府としては、我が国独自の手法により、オスプレイの安全性に係る確認を行い、それについてホームページで周知を図っていることや、訓練に際しては、できるだけ市街地上空や早朝、夜間の飛行を避け、航路や高度も考慮し、騒音の低減に努めるなどの回答がなされています。国からの説明は、丁寧かつ真摯に行われたものと受けとめています。 さらに、私自身、日米共同訓練が実施される大矢野原演習場の状況を事前に把握するため、ヘリコプターによる上空からの視察も行いました。 加えて、今回、オスプレイの搭乗の案内がありましたので、国からの説明内容について私自身の目で確かめるため、本日、本会議終了後、搭乗することとしています。 次に、米軍機の日本国内での飛行に際しては、国から、航空に関する関係法令を遵守していくとの説明がなされています。特に、低空飛行訓練については、日米合同委員会の合意事項において、安全性を最大限に確保するとともに、地元住民への影響を最小限にすることなどが定められています。 今後も、オスプレイのみならず、米軍機の日本国内での飛行に関しては、国が責任を持って安全確保に努めるとともに、関係自治体や住民への情報提供や説明を行うよう、必要に応じて国に求めてまいります。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 全国知事会の2012年7月19日のMV-22オスプレイの配備及び飛行訓練に関する緊急決議では「政府からは、米側から提供された情報として、事故に関して機体に機械的な不具合や設計上の欠陥はなかったとの説明があったが、」「懸念している安全性について未だ確認できていない現状においては、受け入れることはできない。」と、こういうふうに述べております。知事もこの決議に沿った発言をされてきました。 そういう点では、今知事の答弁があったけれども、このオスプレイそのものの安全性ということについては、この2年間、何も変わっちゃいないんです。現に、オスプレイの事故というのは、開発段階だけじゃなくて、この今の実動段階でも起きている。ことしの9月だってペルシャ湾で事故が起きて、1人が行方不明になっているんです。 事故率の問題もごまかしがあって、オスプレイのクラスAの事故率を低くするために、いわば100万ドルだったのを200万ドルに引き上げて、そしてその結果、オスプレイのクラスAの事故率は下がったけれども、クラスB、Cを含めたオスプレイの事故率は、海兵隊平均を大幅に上回っているわけです。 私が一番問題にするのは、オートローテーション問題ですね。オートローテーションというのは、いわばヘリコプターが何らかの形でエンジンがとまって、その際に、この機体が降下する勢いで空気が――その空気でいわば回転翼を回して揚力を上げて緊急着陸する、これがオートローテーションなんですけれども。 これについて、防衛省のパンフレットは、固定翼モードに戻しての滑空、あるいは垂直離着陸モードにしてオートローテーションを行うと、こういうふうになっているんですが、ところが、米軍発行の説明書には、エンジン停止状態オートローテーションには頼らないと、事実上、オートローテーションができないと認めているんです。 この食い違いについて国会で問題になって、当時の防衛大臣は、米軍からオートローテーションはあると聞いていると述べるだけで、答弁不能に陥っております。また、航空機モードに切りかえるという点についても、米軍の元ヘリ操縦士で航空専門家の方が、米議会の証言で、航空機モードに切りかえるためには12秒かかる、この間に機体は1,600フィート、490メートル落下する、490メートル以下の高度をヘリモードで飛行中に出力が失われれば壊滅的な損害を受けると、こういうふうに証言をしているんです。まさにオスプレイは構造上安全ではないんだと。 知事は、その安全性について確認したとか、いろいろ今言われましたが、こうした今私が申し上げた点について本当にきちっと詰めて検証したのかと、ヘリにとって最も重要な機能の一つであるオートローテーション機能についてもきちっと煮詰めて検証したのかと、県民の安全に本当に責任が持てるのかと、改めて伺いたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 先ほどの答弁で申し上げましたように、オスプレイについては、私は、これまで持っていた国民の不安が完全には払拭されているとは思いません。 そこで、これについて、防衛大臣に対して、先ほども言いましたように幾つかの要請をいたしました。1つは、訓練の実施に当たっては、交通・飛行の安全確保など、万全の対策を講じてほしい、それから2番目に、オスプレイについては、人家を避けて飛行すること、それから飛行の高度や経路等に関する日米合同委員会の合意事項を守ること、そして3つ目の要請は、熊本県は九州広域防災拠点構想を発表しているので、訓練内容は、防災対策にも資するようなことをやってほしいと、そのようなことを申し上げました。 それに対して国からは幾つかの答えが返ってきております。それはホームページで既に周知が図られておりますけれども、我が国の独自の方法でオスプレイの安全性を確認したと、そしてその安全性は確認したから安全だということと、2番目に、訓練に際しては、できるだけ市街地上空やそれから早朝、夜間の飛行を避けること、航路や高度も考慮し、騒音の低減にも努める、そのような回答がなされています。 ただ、私が今度自分の目でそれを確かめなきゃいけないというふうに思っています。もちろん、知事に対してオスプレイの搭乗の案内があるということは、安全性を確実なものと米軍は思っていると私は思っていますし、それから、私自身の目で確かめるために、この本会議の終了後、オスプレイに搭乗してみることにしました。これから私自身のこの安全性については、私自身が体験するということで皆さんも御理解いただけるのかと思います。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 繰り返しになりますけれども、米軍が発行している文書が、オートローテーションには依存しないと、こういうふうに言っているんですよ。だから、そこのところは、いわば安全性は、今知事もおっしゃったように、きちっと保障されていないというのが現実なんだ、中身なんだと。食の問題が起きたときに、厚生労働大臣とか農林水産大臣とかが、その食を食べてみて安全ですというようなことが、これまでにも何回かありましたでしょう。そんなことは何の意味もない。知事がオスプレイに乗ることが、それと同じようなことだと思います。 きょうは12月8日です。いわばアジア太平洋戦争に日本の軍国主義が突入した73年目の日なんです。あの戦争で310万人の国民の命を失って、2,000万人のアジアの人々の命を奪った。あの戦争の始まった日に、いわばさっきも言ったように、侵略戦争の先陣を切る兵器であるオスプレイに蒲島知事が搭乗するということは、私は本当に知事の見識を疑うし、それについては厳しく抗議をしたいと思います。 次に、ダム問題に入ります。 球磨川のダム以外治水対策ですが、現時点で大きな焦点になっているのは人吉地域の治水対策です。 田中市長は、9月市議会の答弁で、人吉地域の安全対策について「堤防等の年次点検を強化して、洗掘とかひび割れ等の老朽化の補修、改修をきちんと実施していく」ことについて「国・県と連携を図りながら、」「施策を行って」いきたいと述べています。 ソフト面での対策の強化を図りながら、こうした補修、改修を人吉地域の堤防で実施していくことは一つの重要な方策ではないかと考えます。人吉の堤防の安全性確保について、知事に伺いたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 堤防の安全性の確保については、これまで、ダムによらない治水を検討する場で積み上げた対策案の中にも、堤防の質的強化対策が盛り込まれております。既に、国においても、洪水時に水の浸透を防ぐ対策などが進められています。 本年8月から9月に開催した住民説明会においても、地元の方々から堤防の老朽化対策等の要望が出されており、県としても、点検や補修など、維持管理の重要性は十分認識しています。 今後も、国に対して、堤防の維持管理を確実に実施していただくよう要望するとともに、県としても、県管理区間の適切な維持管理に取り組んでまいります。 ただ、我々が東日本大震災で学んだように、河川整備等のハード対策だけでは限界があります。 そのため、ハード対策によって着実に治水安全度を高めることに加えて、防災・減災ソフト対策をあわせた総合的な治水対策を実施することで、球磨川流域住民の皆さんの安全性を高めていくよう努めてまいります。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) まず隗より始めよと、こういう立場で具体的な対策を着実に進めていただきたいと思います。 次に、立野ダムについて伺います。 世界農業遺産世界ジオパークに阿蘇が認定をされました。さらに世界文化遺産登録を目指す阿蘇にとって、立野ダムは重大な障害物であります。 阿蘇ジオパークのジオサイトの一つに、立野峡谷ジオサイトが登録されております。パネルをごらんいただきたいと思います。(パネルを示す)これが立野峡谷ジオサイトです。柱状節理、数鹿流ヶ滝、鮎返りの滝が、断層と火山活動が出会う場所として紹介されています。また、健磐龍命の蹴破り伝説、立野にまつわる神話が紹介されております。 阿蘇が世界ジオパークに認定されたことは大変喜ばしいことでありますが、ジオパークには厳格な保存と管理の規定があります。4年ごとに審査があるんです。この審査でジオパーク認定が抹消されたところも、世界的に見るとあります。ジオパークの重要なサイトが、高さ90メートルの巨大コンクリートダムによって壊されることで、ジオパーク認定が抹消されたら大変です。抹消されない保証がありますか。抹消された場合、責任が持てますか。 世界遺産の場合も、登録要件は、世界的に顕著な普遍的価値を有すること、こういう基準があります。世界の阿蘇の火山と人との共存のルーツである地質遺産とそれにまつわる蹴破り伝説、立野神話で広く知られる立野峡谷をダムで塞いでしまって、世界文化遺産にふさわしい顕著で普遍的な価値を阿蘇が示せるでしょうか。 立野ダムは、下流にとって極めて危険です。直径5メートルの3つの穴が、阿蘇の巨大な岩石、流木、土砂によって詰まらないのかと、詰まるのが当たり前じゃないかと、誰が考えてもわかるのじゃないかと思います。 阿蘇の火山活動や地震活動が活発になって、断層が動いて、ダムの右岸と左岸で地盤が違う動きをした場合、ダムの安全は保てるのかと、こういった指摘もあります。県として、これらの危険がないとちゃんと検証したのでしょうか。責任を持てるのでしょうか。 これらの点について、知事に伺いたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、阿蘇ジオパークについてお答えします。 阿蘇地域は、本年9月に、33カ所のジオサイトを持つ世界ジオパークとして認定されました。立野峡谷ジオサイトも、このうちの一つです。 ジオパークの認定や4年ごとの再認定は、世界ジオパークネットワークが審査、決定します。したがって、認定が抹消されるか否かについて言及できるものではないと考えます。 審査においては、資産の保全のほか、教育面、観光面での活用なども対象とされております。4年後の再認定に向けて、阿蘇ジオパーク推進協議会を中心に、しっかりと取り組んでまいります。 次に、阿蘇の世界文化遺産への登録についてお答えします。 県では、登録の前提となる世界遺産暫定一覧表への早期記載を目指し、関係市町村とともに取り組んでいます。 現在は、草原を中心とした阿蘇の景観について、国の重要文化的景観への選定申し出に向け準備を進めているところです。 世界文化遺産への登録の可否については、ユネスコの世界遺産委員会が審査、決定します。また、世界遺産の資産範囲は、登録の最終段階まで変動することが多く、阿蘇についても確定していません。したがって、登録の障害になるか否かについて言及できるものではないと考えます。 今後、世界遺産としての価値や資産の範囲について、文化庁や専門家の助言を得ながら学術的な検討を進め、早期の世界文化遺産登録の実現に向け、関係市町村とともに全力で取り組んでまいります。 最後に、立野ダムについてお答えします。 国が定めた検証プロセスに沿ってダム事業の検証が行われ、平成24年12月に、国土交通大臣が事業継続の対応方針を決定されました。 この検証では、コストや実現性、環境への影響などについて、ほかの治水対策と比較して、立野ダム案が最も有利であるとの考え方が示されました。 県としては、事業主体の国の資料を確認するとともに、流域市町村長の意見を聞いた上で、立野ダム建設の継続について異存がないことを国に申し上げました。 議員の御質問のような、放流孔の穴詰まりなど、さまざまな御意見に対しては、事業主体である国にしっかりと説明責任を果たしていただくよう、引き続き要望してまいります。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 世界ジオパークの保護と保存規定には「地形・地質学的遺産が適切に保護されていること。」とあります。この責任を果たすのは、やはり地元だと思うんです。県の役割は非常に重大だと。そういう中で立野ダム建設を県が進める、この責任が私は問われると思います。 立野ダムの5メートルの3つの穴に流木が詰まるか詰まらないかという問題ですけれども、国土交通省の説明書を読みますと、1.8ミリメートルの爪ようじを切断した材料を使用したと書いてあるんですよ。1.8ミリの爪ようじを切断して実験したら詰まらなかったと。皆さん、こんなことであの阿蘇の立野のことが大丈夫かと、信用できるでしょうか。 国交省に説明責任を求めるとおっしゃるが、たとえ私たちダムによらない治水、利水を考える県議の会が企画をしても、インターネットで見てくださいと。出てきもしないんです。ですから私は、国土交通省に、9月末、堰堤構造比較検討業務報告書など3つの報告書の開示を求めました。あれこれ理屈をつけて、4日前に届いたんです。急いで見てみました。 (パネルを示す)これが堰堤の業務報告書ですけれども、細かくて見えないので、机のほうを見ていただきたいと思いますけれども、ダムの右岸は危ないと。ボーリングの穴から地下水が噴出する現象が発生していると。万一この部分の塞ぎが不完全な場合には、直ちに周辺の立野層を巻き込んだ大きな浸透破壊につながると。それで、グラウチング対策も普通以上の対策を打たにゃいかぬと、こう書いてあるんですね。しかし、それでもおおむね、おおむねですよ、安全性を確保できるものとされていると。それでいかぬだった場合は追加工事をやらにゃいかぬと、こういうふうなことが書いてあるんですよ。 要するに、立野の右岸は危ないんだと、特別な工事をせにゃいかぬと。しかし、それだっておおむね大丈夫と、それでいかぬときは追加工事と、こういうふうなことなんです。 立野ダム第4期断層調査検討業務報告書の一部ですけれども、これは、第4期断層というのは、ここが動けば対策は打てないので、ダムはつくれないんですよ。これで、立野周辺の9つの断層について報告がなされております。9つとも第4期断層が分布すると、あるいは分布する可能性は否定できないと、こう書いてあるんです。ところが、不思議なことに、しかし、連続性はないとか、方向性はないから大丈夫と書いてあるんですよ。こんなことが本当に信用できるのかと。安全が、こういうことでいわば保証されるのかということだと思うんですよ。 私は、いわば県民の前にこういうデータが隠されているんですよ。知事が説明責任を求めると言うならば、こういう点もちゃんと明らかにして説明をし、いろんな議論に参加していくというふうに国交省に求めるべきだと。それをやらないならば、立野ダムは、県民の安全のためにちょっと待てと、こういうような態度をとるべきだと、この点について、知事に伺いたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 今、ダムに関するさまざまな御意見を御紹介いただきましたけれども、このことについては、事業主体である国にしっかりと説明責任を果たしていただくよう、私のほうから引き続き要望してまいります。 今の業務報告書に関してについてですけれども、国が問題点を理解しているということは大事なことでありますし、それに対する対応も考えているということであります。 いずれにしても、この国に対してしっかりとした説明責任を果たしていただく、そのようなことを引き続き要望することが、知事としての役割だと思っています。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 今の答弁を聞いて、県民の安全に責任を持つ県知事として、余りにも国交省寄りだというふうに言わざるを得ません。 熊本市を流れる坪井川、以前は頻繁に氾濫をしていました。近年は、氾濫による水害はほとんど生じていません。熊本県が河川改修、遊水地の設置などに力を入れてきたからであります。白川においても、阿蘇を壊し、危険きわまりない立野ダムではなくて、こうしたダム以外の治水対策を徹底して進めるべきだということを指摘して、アスベスト対策についてに移ります。 日本では、約1,000万トンのアスベストが消費され、その使用用途は3,000種にもなります。その8~9割が建設資材ですが、厚生労働省の石綿に暴露する作業例によると、建設産業以外で、歯科技工、調理作業、畜舎の管理、酒類製造、消防など、37例が挙げられています。 アスベストは、暴露後10年から40年経て、石綿肺、石綿肺がん、中皮腫といったアスベスト関連疾患を発症させます。日本では、2039年までに約10万人が中皮腫で死亡すると推計されています。石綿肺がんも、その1~2倍に上るとされています。アスベスト対策は、現在はもとより、将来にわたっての大問題です。 そこで、環境生活部長に伺います。 アスベスト泉南訴訟最高裁判決は、アスベスト対策についての国の責任を認める判断を示しました。司法のトップである最高裁が、アスベスト被害について国の責任を認めたことは大きな意味があります。判決を受けて、塩崎厚生労働大臣は、最高裁判決を極めて重く受けとめ、心からおわび申し上げたい、道半ばで亡くなられた原告の皆さんには、ひたすら申しわけない思いでいっぱいですと謝罪しています。 同じ行政の立場として、最高裁判決、それを受けての厚労大臣の謝罪をどのように熊本県として受けとめていますか。 アスベスト対策については、県では、2005年7月25日、副知事を会長とする各部長等によるアスベスト問題情報連絡会議、課長レベルによる幹事会が設置され、全庁的な体制がとられております。連絡会議、幹事会のその後の機能は具体的にはどういうことであったでしょうか、お尋ねをいたします。  〔環境生活部長谷﨑淳一君登壇〕 ◎環境生活部長(谷﨑淳一君) まず、最高裁判決に対する県の認識についてお答えいたします。 今回の判決は、アスベスト製品の製造、加工を行う工場への排気装置の設置を、昭和46年まで義務づけなかったのは違法として、国の賠償責任を初めて認めたものでございます。 判決後、厚生労働大臣が、大阪高裁に審理が差し戻された原告の方々についても和解の意向を表明されており、今後も厚生労働省が真摯に対応されるものと考えております。 この裁判は、国が規制権限を行使しなかったことに対する訴えであり、県など地方公共団体の責任を問うものではありません。 しかしながら、水俣病の被害拡大を防止できなかったことに対する国や県の責任を認めた平成16年の水俣病関西訴訟最高裁判決同様、行政の安全対策のおくれが深刻な健康被害につながることを示した判決であることから、住民の被害を防ぐという観点で、改めて行政の取り組みの必要性を痛感したところでございます。 次に、アスベスト問題情報連絡会議の状況についてお答えいたします。 平成17年にアスベスト被害が明るみになり、国は、同年7月、関係閣僚による会合を開催し、アスベスト問題への当面の対応を決定しました。 本県も、国と同時期に、県民の安心につながる総合的対策を講じるため、副知事をトップとした全庁的な組織である熊本県アスベスト問題情報連絡会議を設置いたしました。この連絡会議では、アスベスト問題に対する情報共有を図るとともに、県民からの相談受け付け体制、環境対策、建築物対策などについて、精力的に協議を重ねました。 この協議の結果を踏まえて、環境生活部に総合相談窓口を設置し、昨年までの累計で、健康相談などを中心に、2,600件を超える相談が寄せられ、これらに適切に対応しております。 また、平成17年8月から、県有施設や民間建築物、公立・私立学校等のアスベスト調査を実施し、同年11月には、県有施設に関するアスベスト除去等の実施時期や処理方法を定めたアスベスト除去等対策方針を策定した上で、これまで除去などの対策を講じてまいりました。 さらに、法令改正に伴い、解体事業者や行政担当者等への各種説明会を随時開催しております。 連絡会議は最近開催しておりませんが、平成17年の同会議における決定事項を受けて、これまで、環境生活部を中心に関係各部がそれぞれの役割に応じて、その機能を果たしてきていると認識しております。 なお、本年6月、労働者の健康障害を予防するための石綿障害予防規則が改正、施行され、規制対象のアスベストの種類がふえるなど、アスベスト対策を取り巻く環境の変化もあることから、今後この連絡会議を開催する必要があると考えております。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 2005年のアスベスト調査がありまして、私は、それ以後の状況について、現在の状況はどうなっておるかということを、各部からいただいた資料で細かくチェックをいたしました。その結果、深刻な事態が明らかになりました。 県立劇場演劇ホール舞台天井は、継続監視という診断でしたが、撤去がなされたのは7年後の2013年でした。不特定の人が利用するある民間事業所は、いまだに実施予定未定となっています。市町村所有の施設で調査予定というのが、ことしの4月時点で72施設です。 1,000平米以上の民間施設で改善の指導中の建築物が80施設、その用途は、事務所、店舗、旅館、ホテル等です。1,000平米未満の吹きつけアスベストの調査については、昨年度鹿本振興局実施、今年度宇城振興局着手という段階で、鹿本の場合、対象件数約4,000中、吹きつけアスベスト使用の可能性ありが11件となっています。この鹿本のケースをもとに推計すると、全県的には、対象は49万棟、吹きつけアスベスト使用の可能性は1,000棟近くになります。この調査は、終わるのが3年後です。 しかもこの調査は、レベル1の吹きつけアスベスト調査であり、国は、石綿障害予防規則を改正して、石綿を含む保温材、断熱材、つまりレベル2の調査と対策を求めています。レベル2対策が終わるのは、さらにさらに遠い先になります。レベル3は板状のものですが、板状のものであっても、改築や取り壊しなどの際にはアスベストが飛散するわけで、アスベストゼロに向かうためには、レベル3までの対応も必要であります。 部長はいろいろ言われたが、2005年にせっかくつくった全庁的な体制が機能してこなかったんです。連絡会議は、2005年に4回開かれただけで、それ以後の9年間全く開かれていないじゃありませんか。幹事会は、2006年、2008年に開かれただけであります。ここに大きな問題点があると言わざるを得ません。 アスベスト問題連絡会議の設置要綱では、会の会長は副知事となっております。この点では、部長の責任ではないと思います。やはり知事の判断にかかっております。アスベスト対策について全庁的な体制をとって取り組むべきだと。この点について、知事に伺いたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) アスベスト対策については、被害の救済対策とともに、被害の予防対策が必要であることを十分認識しております。 まず、被害の救済対策として、健康相談などへのきめ細やかな対応を行うとともに、労災保険制度や石綿健康被害救済制度などに関する広報活動にも取り組んでおります。さらに最近では、アスベスト訴訟の最高裁判決後に、救済制度について、環境省などとともに、県の実務担当者及び病院関係者に対する研修を行いました。 今後も引き続き、国や関係機関と連携し、被害者救済制度の周知に努めるとともに、被害者からの相談や認定申請について適切に対応してまいります。 次に、被害の予防対策として、県有施設については、アスベスト調査結果を踏まえたアスベスト除去等対策方針に沿って、除去などの対策を講じております。また、民間施設などについては、アスベスト調査を促進するとともに、必要な対策が早期に実施されるよう、引き続き対象施設に強く要請してまいります。 建築物解体時のアスベスト対策については、本年6月に、大気汚染防止法が改正、施行され、解体工事に対する事前調査等が義務づけられました。あわせて、全ての解体工事に対する立入調査も可能となりました。このため、今年度は既に400件の立入調査を実施し、必要に応じて指導を行っております。 今後とも、議員御指摘の点もしっかりと踏まえながら、アスベスト問題情報連絡会議を開催し、全庁的な連携のもと、被害の救済や予防に対する課題について取り組んでまいります。  〔松岡徹君登壇〕
    ◆(松岡徹君) 知事から、連絡会議の開催を初め、しっかりとした対策をとっていくという御答弁がありましたので、的確な取り組みを求めたいと思います。 次に、私学助成について伺います。 私立学校施設の耐震化、あるいは発達障害生徒の支援について取り組みを強められておりますが、これらについては、一層充実強化を求めたいと思います。 質問は2点。 授業料減免のための財源の約半分を占めている修学支援基金を、国は今年度で打ち切る方針です。県として、既にこの基金の延長を国に求めていますが、さらに強力に進めていただきたいと思います。同時に、仮に基金が打ち切られた場合、その分授業料減免補助が後退するということには決してしてはなりません。特別の措置が必要だと考えますが、いかがでしょうか。 授業料減免についての学校負担についてですが、熊本県の場合、授業料減免の20%の定率負担を学校が行うようになっております。全国私教連によると、全国で熊本を含む7県のみが学校負担をしている状況であります。学校負担は、授業料減免の徹底のブレーキにもなる面もあり、是正を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。  〔総務部長岡村範明君登壇〕 ◎総務部長(岡村範明君) まず、授業料減免補助に係る修学支援基金についてでございますが、平成20年のリーマン・ショックによる経済・雇用情勢の悪化に伴い、国の交付金を財源に造成しております。これまでに、延べ1万人を超える生徒の授業料の減免における貴重な財源の一部となっております。 また、減免補助の対象となっております年収350万円未満の世帯の数は、リーマン・ショックの前と比べましても依然として多く、今回の国の基金廃止の方針は、県にとって非常に厳しい状況と受けとめております。 そのため、7月に、全国知事会を通して、文部科学省に対し基金の延長を要望いたしました。また、県においても、11月に、県議会とともに、国の施策等に関する提案の一環として要請を行ったところです。今後も引き続き国に働きかけを行っていきたいと考えておりますが、仮に廃止となる場合でも、生徒や学校の負担をふやさないよう、国に代替財源を求めてまいります。 次に、授業料減免補助の割合についてお答えいたします。 現行の割合は、平成16年度に減免額を増額するなど補助制度を充実した際に、県と学校が協力して支援に取り組むとの趣旨で、学校の御理解をいただき、それまでの定額補助から県が8割を補助する定率補助に変更したものでございます。 県では、厳しい財政状況の中、これまでも、私学振興施策の充実のため、必要な予算を確保してきております。本年度当初予算におきましても、喫緊の課題であります私立学校施設耐震化補助に前年比36.4%増の約13億円を確保したのを初め、発達障害や不登校、貧困などさまざまな課題を抱える生徒への支援や、海外進学を目指す生徒への支援など、熊本時習館構想の推進も図りながら、私学振興予算全体で前年度比6.4%増の134億円を措置しております。 お尋ねの修学支援基金や授業料減免補助の割合につきましては、本県教育におきます私学の果たす役割を踏まえ、各学校と十分意見を交換するとともに、国の動きも注視しながら、私学振興に係る県予算全体の中で引き続き検討してまいりたいと考えております。 県といたしましても、今後とも私学の振興に精いっぱい努めてまいります。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 県の財政の責任者である総務部長から、県予算全体の中で考えるという御答弁をいただきました。修学支援基金の問題についても、そういう方向で解決されることを強く求めたいと思います。 最後に、11月20日、熊本地裁は、西原村のNPO法人による開発計画に関連して、住民女性が配ったビラが名誉毀損に当たるとして争われた訴訟の判決で、自然を守る会と原告宝珠会は、人的、経済的に極めて密接に関係があることが推認され、これを覆すに足りる証拠はないから、自然を守る会の西原村進出は、原告宝珠会の西原村進出と実質的に同視することができる、原告宝珠会は、泰道の違法な活動を引き継いでいる問題のある宗教団体という事実については、少なくとも真実と信ずる相当な理由があると述べております。 過去に違法な活動をやった宗教団体と実質的に同じ団体が西原村での開発を計画し、村を挙げての反対に遭い、暗礁に乗り上げています。 そうした中で、この関係者が、益城町と御船町で広大な土地を新たに取得し、御船町では、吉無田高原、旧のんびり村一帯に、サッカー場、巨大迷路、温泉施設などを設ける計画が進められています。地元では、さまざまな不安が広がっています。御船町役場でも取り上げられています。 この問題について、県としてもつかんでいると思いますが、どのように対応していますか、企画振興部長に伺います。 ○副議長(重村栄君) 企画振興部長島崎征夫君。――残り時間が少なくなりましたので、答弁を簡潔に願います。  〔企画振興部長島崎征夫君登壇〕 ◎企画振興部長(島崎征夫君) 御船町における35ヘクタールの土地の売買につきましては、先日、御船町議会においても、買い手企業に対する参考人招致が行われ、買い手企業と宗教法人の関係が質疑の論点とされ、事実関係や開発の意図についてやりとりが行われたと伺っております。 また、御船町の一部の地区で開発を不安視する住民による集会が開催されたことや、進出反対の署名活動といった動きが起こっていることについても承知しております。 このような状況を踏まえ、県といたしましては、今後も御船町と密に連携をとりながら、引き続き情報収集に努め、事態を注視し、法令にのっとって適切に対応してまいります。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) これをもって一般質問を終わりたいと思います。 執行部の皆さん、そして議員の皆さんには御協力ありがとうございました。お礼を申し上げて、一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(重村栄君) この際、5分間休憩いたします。  午前11時1分休憩    ――――――○――――――  午前11時10分開議 ○副議長(重村栄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 堤泰宏君。  〔堤泰宏君登壇〕(拍手) ◆(堤泰宏君) 皆さんおはようございます。 けさも阿蘇は大変冷え込みました。車の中から見ていますと、噴煙が沸き上がっています。観光客の方は、珍しくて楽しいと思いますけれども、阿蘇に住んでいる私たちは、降灰、阿蘇ではヨナと言いますけれども、ヨナが降りますと、農作業を初め、生活に本当に苦労があります。きょうは松岡先生から降灰対策の質問をしていただきましたので、少し荷が軽くなったような気がいたします。また、田嶋公室長の答弁も、27日からすぐに調査に入り、長期間を見据えた対策をお考えのような御答弁をされておりましたので、大変安心をいたしました。 私は、まず、世界農業遺産、阿蘇の活用についてということで質問をさせていただきます。 私の住みます阿蘇地域は、昨年、世界農業遺産に認定されました。平成23年に佐渡と能登が認定されたのに続き、阿蘇、国東、静岡が認定されました。2002年に、FAO、国連食糧農業機関により開始されたグローバリー・インポータント・アグリカルチャー・ヘリテージ・システムズの基準に合格して認定されたものであると聞いております。世界中では、合計31のサイトが認定されていると聞いています。食と農の結びつきを深め、食の大地熊本を目指すとのかけ声をもってFAOに働きかけ、目的を達し、認定されたものと聞いております。私は、阿蘇に生まれ阿蘇に生きる一人として、阿蘇の生活の中心である農業に少しでも光が当たり、未来への希望が新たに生まれるのであればと、大変期待して受けとめました。 世界農業遺産として注目された2万ヘクタールを超える阿蘇の草原は、古代の昔から阿蘇固有の農業生産方式を生み出しています。急峻な山々に囲まれた厳しい自然環境、冬場の厳しい冷え込みを乗り越えて、阿蘇人は独特の暮らしをつくり上げ、たくさんの文化を築き上げてきました。野焼き、放牧、牧野に生きるあか牛の風景、阿蘇の平たん地を緑色に染める田植えの時期、やがてそれが限りなく広がる黄金色の景色に変わるとやってくる稲刈りの季節。稲作のほかに、中山間地の冷涼な気候を利用して植えられた夏秋野菜の畑が見渡す限りの緑の高原となり、農家の方々に貴重な収入をもたらしてくれます。もちろん、広大な草原を利用した畜産業は、放牧、採草と阿蘇独特の形態をつくり、人々の暮らしを支えてきました。 広い阿蘇の地には当然林業が発展し、一時期は隆盛をきわめていました。山主は豊かな収入に恵まれ、それに関連する製材業も栄え、山林従事者、製材所の職工さん、木材を運ぶ運送業の人々に、阿蘇の広大な山林が育んだ村人の生活は幅広く底深いものでした。 時が流れ、稲作の生産調整から過酷な減反政策、夏秋野菜も、中部、北陸、東北へ産地が広がって移っていくにつれ、東京、名古屋、大阪等の大消費地から距離が遠いことも原因となって、昔の勢いはなくなっています。林業も、長年の木材価格低迷のあおりを受け、昔日の面影は全く失われてしまいました。 阿蘇の農業は活路を求め、施設園芸等に果敢に挑戦してまいりましたが、何といっても平たん地の気候や地の利には勝てず、苦戦が続いています。後継者もほとんどの農家に残らず、人口は激減する一方です。阿蘇郡市町村の中では、西原村を除いて人口の減少に歯どめがかかりません。 日本創生会議の資料によりますと、以下のような数字が出ています。2010年と2040年の人口比較を数字であらわしてあります。阿蘇市68%、南阿蘇村76%、南小国町71%、高森町61%、産山村61%、小国町50%、西原村105%となっています。ちなみに、合志市109%、熊本市89%、菊陽町117%、大津町117%となっています。 熊本県全体の人口は、2010年182万人が2040年には147万人に減少すると予測されています。実に35万人以上減少するとの数字が出されています。今から25年後には、現在の阿蘇郡市の人口約6万7,000人が4万7,000人ぐらいに減少するとも言われています。これは現人口の7割ぐらいの人口です。人口減少だけでなく、高齢化も急速に進み、75歳以上が25%を超し、1万4,000人以上となります。65歳以上では40%を超し、2万人となります。 厳しい自然条件の中で、現在の阿蘇の農業を守り、生活していく人の数はどれぐらいになるのでしょうか。急峻な山々を駆け上がり、野焼きの火を入れることのできる人はどれぐらい残るのでしょうか。稲わらを束ね、山の牧草を切って牛飼いのできる人はどれくらいいるのでしょうか。2040年なんて今からもう25年後のことではないでしょうか。欧米では、1つの時代をワンジェネレーション、30年間と言うではないですか。 阿蘇の自然と歴史と農業のなりわいが、昨年、FAO、国連食糧農業機関の認定を受け、世界農業遺産となりました。私を初め阿蘇の人々は大いに期待し、この認定の効果が広く阿蘇の農林畜産業の未来に明るい兆しを与えてくれることを待ち望んでいます。熊本県の民活力をもって認定に至った世界農業遺産を活用して、阿蘇農業の活性化、阿蘇に伝わる伝統文化の継承、発展、阿蘇に伝わる食文化を日本に、世界に広め、多くの人々に阿蘇をさらに幅広く認識していただき、世界の重要遺産として磨きをかけることは、単に阿蘇のためだけでなく、熊本県全体の浮揚発展につながるものと確信しています。 そこで、知事にお尋ねをいたします。 今後、世界農業遺産としての阿蘇をどのような方向へ導いていかれるのか、認定の価値をどのように活用されるお考えなのか、お答えください。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 阿蘇地域では、草原での野焼き、あか牛の放牧、採草などの世界的に貴重な農業システムが営々と受け継がれ、今日の壮大な草原が維持されてまいりました。そして、その長年の営みから生まれる豊かな農畜産物や草原景観、希少な動植物、地下水、伝統文化などが世界から高い評価を受け、世界農業遺産に認定されました。 これに加え、本年9月には世界ジオパークにも認定されました。さらには世界文化遺産を目指した動きも活発になるなど、阿蘇の世界的価値はますます高まっています。 しかし、阿蘇地域は、過疎・少子高齢化が加速度的に進み、草原維持の担い手不足が深刻化している現状にあります。これを打破するため、世界農業遺産世界ジオパークの認定を生かして、阿蘇農業の魅力を最大限に引き出しながら、ブランド価値を高め、誇りを生み出す取り組みを進めていきます。 このような取り組みにより、農業従事者の減少に歯どめをかけ、草原の維持、再生や阿蘇地域の創生、ひいては県全体の観光や商工業などの振興につなげてまいりたいと考えています。 これを具体化し、認定価値を最大限に生かしていくためには、地元が一体となった推進が何より大切であると、これまでも申し上げてまいりました。 この結果、昨年11月には、地域内の民間、行政、教育機関など50を超える団体が構成員となって、阿蘇地域世界農業遺産推進協会が発足しました。協会では、草原の維持と持続的な農業への取り組みを進化させるため、農林、草原景観、自然環境、文化交流の4つの部会で活動を始められています。 私も参加した牧野の野焼き再開、地元高校生による草原の草花調査や草泊まり体験、後世に継承すべき農業遺産資源の発掘、登録など、既にさまざまな取り組みが展開されています。 一方、支援の輪を県民全体に広げるために、7月には、阿蘇世界農業遺産基金を創設しました。そして、私が発起人となって、熊本市内で、県内の経済界や農業団体のトップが一堂に会し、阿蘇を応援する集いを開催しました。これによって、地元銀行が売り上げの一部を基金に寄附する阿蘇グリーン定期預金を販売したり、自動車メーカーが電気自動車を阿蘇の市町村へ無償貸与するなど、民間企業や団体による支援の輪も大いに広がり始めています。 阿蘇ブランドを売り出すためのロゴマークも新たに作成し、今月末に発表する予定です。今後は、これをフルに活用しながら、阿蘇の魅力を国内外に向けて力強く発信してまいります。  〔堤泰宏君登壇〕 ◆(堤泰宏君) 知事から、予想以上の、私の期待以上のお答えをいただいたような気がいたします。中身も、それから時間の長さもですね。時々、知事は阿蘇の御出身じゃないかなと私は思えるような、そんなときもございます。しかし、世界の阿蘇でございますので、先ほどの御答弁の内容を、農林水産部、それから商工観光労働部、企画振興部、各執行部の方がおいででございますので、知事の気持ちをさらに察していただき、阿蘇の私たちの希望をさらに察していただき、しっかり仕事をしていただきたいなと思います。 次の質問に移ります。 あか牛の振興についてお尋ねをいたします。 3年ほど前から首都圏で、あか牛のテレビコマーシャルが流れています。あか牛の肉質は、脂肪分が少なく健康によいですよとの宣伝文句が使われています。あか牛の枝肉の評価も、全日本あか毛和牛協会の評価基準により、無星から3つ星までの4段階あります。一方では、1988年にスタートした日本食肉格付協会によるA、B、C、3ランク、さらに、3ランクを5段階にそれぞれ評価づけした15ランクの基準があります。2013年に全国で食肉処理された牛は約118万頭ですが、そのうち85%に当たる約100万頭がこの基準で格付され、売買取引されています。 日本国内のあか牛と黒牛の飼養頭数の割合は、黒牛166万頭に対し、あか牛2万1,100頭となっています。割合にして98.7%と1.3%です。あか牛の本場阿蘇管内でも、最近は黒牛の頭数があか牛を抜いたと言われています。全日本あか毛和牛協会の打ち出すセールスポイントは、健康に集約されています。肉質、給与飼料、飼育方法がかなり厳密に規定されています。特に、全ての餌は国内産という基準をクリアするには大変厳しい気がします。最近、飼料用米の生産振興が打ち出されていますが、この飼料用米を乾草飼料にまぜてあか牛に与えることができれば、3つ星あか牛肉が市場に出回ることも夢でないような気がします。 阿蘇郡産山村に上田尻牧野組合があります。この牧野組合は、以前から地元の牧野に牧草を育て、これを餌としてあか牛の肥育を続けています。日本食肉格付協会の現在の枝肉基準には合わないため、生産者が、直接百貨店等と販売協定を結び取引しています。全日本あか毛和牛協会の掲げるあか牛の4段階の評価基準が定着すれば、健康志向の消費者にたくさんのあか牛を買ってもらえる可能性が生まれ、熊本県特産の阿蘇のあか牛は全国的に飼養頭数がふえ、熊本県にとって画期的な畜産市場が生まれると私は考えています。 先日は、放牧や国内産牧草を主飼料として牛を育て、脂肪分の少ない赤身牛肉の生産、消費を目指す九州沖縄地域における放牧・粗飼料多給による赤身牛肉生産振興協議会が設立されたと聞き及んでいます。長い名称ですが、あか牛の振興には役立つ組織と思われますので、大きく育ってほしいと考えています。 そこで、農林水産部長にお尋ねをいたします。 年々頭数が減り、地元阿蘇管内でも黒牛に追い越されつつあるあか牛の現状の中で、大変都合のよい追い風が吹き始めている感がいたします。この追い風をどのように活用してあか牛の振興を図っていかれるのか、お答えください。 次いで、農林水産物輸出拡大と国内生産振興についてお尋ねをいたします。 農林水産物の輸出拡大が、最近、国の声、県の声として取り上げられています。もともと日本の食料自給率は、カロリーベースで40%前後と言われています。国は、食料自給率50%を目標に掲げていますが、なかなかうまくいっていないようです。経済成長を遂げ、人件費や資材コストの高い日本の農林水産物は、よほどの特性を出さなければ海外への輸出はハードルが高いはずです。 平成25年の農林水産物等の海外輸出は、金額にして5,500億円です。このうち、香港の1,250億円を筆頭にして、アジア向けが4,000億円です。残り1,500億円が北米、ヨーロッパ等に輸出されています。日本の農林水産業の総生産高は5兆7,000億円と言われていますので、日本は農林水産業国内総生産額の10%弱を輸出していることになります。 輸入総額は9兆円前後で推移しています。輸入相手国別では、上位5カ国では、米国1兆6,000億円、中国1兆2,000億円、カナダ5,900億円、タイ5,400億円、オーストラリア5,100億円となっています。品目別では、アメリカから穀物を4,400億円、豚肉を1,500億円、中国から野菜を1,100億円、カナダから菜種を1,500億円、オーストラリアから牛肉を1,400億円、オランダからたばこを1,900億円、インドネシアから天然ゴムを1,100億円輸入しています。 最近、農林中金とみずほ銀行が提携して、中東のサウジアラビア等6カ国と500億円の基金をつくり、中東向けの農林水産物の輸出を今後伸ばしていこうとの計画があるやに聞いています。現在100億円に満たない輸出量を2,000億円を目標として掲げています。500億円のうち、過半数は農林中金とみずほ銀行の出資と聞いています。 そこで、農林水産部長にお尋ねをいたします。 農林水産物等5,500億円の輸出額を伸ばすには、国内及び熊本県内の目標値をいかほどに設定されるのか、品目別には何に重点を置かれるのか。あわせて、9兆円にも及ぶ農林水産物の中に国内生産物と取ってかえられる品物が見当たらないのか、もし9兆円を1兆円でも2兆円でも減らし、国内産と入れかえることに成功すれば、日本の農林水産業は、今より足腰の強い産業に変化することができると私は考えています。この2点についてお答えください。  〔農林水産部長梅本茂君登壇〕 ◎農林水産部長(梅本茂君) 本県のあか毛和牛は、昭和50年代に約8万頭飼養されていましたけれども、一時2万頭を割り込むまで急激に減少いたしました。 しかし、あか牛は、うまみ成分を豊かに含んだ肉質や飼いやすさというすぐれた特徴を持ち、また、阿蘇草原の維持や景観に欠くことのできない存在です。そこで、県では、悠久の宝であるこのあか牛を未来に継承するため、平成23年度から、繁殖雌牛の増頭を図るという、これまでにない抜本的な取り組みをスタートしました。そして、これと同時に、本県の畜産団体が主導して、全国組織である全日本あか毛和牛協会を設立し、これまでになかったあか牛独自の評価基準を新たに策定するとともに、ヘルシーでおいしいあか牛のすぐれた特性を全国にアピールしてまいりました。 こうした取り組みにより、約20年ぶりに若い雌牛の頭数が増加に転じ、あか牛の頭数減少にも歯どめがかかりつつあります。また、ブランドとしても全国的に認知され、現在、枝肉価格、子牛価格ともに過去最高の水準で推移しています。 最近では、企業によるあか牛オーナー制度の広がりや、あか牛の繁殖を再開する農家も出てきております。今後さらに、県産飼料用米を給与したり、世界農業遺産認定のブランド発信などで付加価値を高め、より一層のあか牛振興に努めてまいります。 御質問2点目の本県の農林水産物の輸出は、平成24年度の19億5,000万円を平成32年度までに倍増するという目標を掲げ、積極的に取り組んでいます。 重点品目としては、既に高い評価を得ているイチゴやカンショに加えて、日本一の産出と品質を誇るトマトを、また、牛肉についても、対米や対香港、さらにはトップセールスでイスラム圏へも売り込んでまいります。さらに、木材については、これまでの原木に加え、中国や韓国への製材品の販路開拓を、そして水産物では、ブリ類を中心に、新たなマーケットであるタイなどへの輸出にも挑戦したいと考えています。 このほか、県独自に、輸送コストの大幅な低減を目指して、船便の活用で他国との競争力を高めたり、物流会社と提携し、宅配などの新たな商流開拓にも取り組んでいるところでございます。 御質問の輸入品目を国産に置きかえる取り組みとしては、輸入トウモロコシにかえて、飼料用米の作付を、平成29年度までに現在の4倍となる2,900ヘクタールへと拡大していくこととしています。 また、アメリカ産や中国産が多くを占める加工用、業務用の露地野菜についても、県南地域を中心に新たな産地形成を進めております。ブロッコリーなどについて、氷温輸送による鮮度保持技術の導入も進めるなど、県産への置きかえが進みますよう積極的に取り組んでまいります。  〔堤泰宏君登壇〕 ◆(堤泰宏君) 農林水産業は本当に幅広くて、難しい問題が山積をしております。しかし私は、あか牛のこと、それから農産物の輸出による国内生産量をもう少しふやしてもらいたいなという希望で、今部長に質問をいたしました。私は、答弁は立派な御答弁をいただいたと思います。また、細々したことにつきましては、部長以下職員の皆さんと、阿蘇の振興、熊本県の振興を願いながら、お話を進めさせていただきたいなと思います。 次の質問に移らせていただきます。 2025年、2035年の超高齢社会への対応についてお尋ねをいたします。 1947年から49年ころの第1次ベビーブーム時代に生まれた団塊の世代が65歳を超え、一気に高齢化社会が進んできました。2014年の65歳以上は3,310万人となり、日本の総人口1億2,700万人の約26%に達しました。労働力の中核となる15歳から64歳までの生産年齢人口は7,775万人となり、全人口の61%まで落ちてきました。高齢化に伴う社会保障費、医療費、介護保険費用の今後の成り行きがいよいよ現実味を帯びてきました。以前から2025年問題が取り上げられていました。いよいよ今から10年後に迫ってきました。 2025年の75歳以上の各都道府県別の推計も出されています。いずれも2010年との比較となっています。埼玉県58万9,000人が117万7,000人、約2倍。千葉県56万3,000人が108万2,000人、約1.92倍。神奈川県79万4,000人が148万5,000人、約1.87倍。大阪府84万3,000人が152万8,000人、約1.81倍。東京都123万4,000人が197万7,000人、約1.6倍。一方、地方の県では、熊本県25万6,000人が約32万1,000人、約1.25倍。秋田県17万5,000人が20万5,000人、約1.17倍。全国では、1,419万4,000人が2,178万6,000人、759万人増の約1.54倍となります。3大都市圏だけでも373万人増となります。 今までは、地方の県が高齢化率が断トツに高く、大都市部は低いというのが常識でした。しかし、2025年問題を実際の数字を取り上げて比較してみますと、大都市部の高齢者の増加は予想をはるかに超えた驚くべき数字と考えます。いかなる対策等をもって国や都道府県は備えていくべきなのでしょうか。 この数字をさらに10年先に進めて、2035年の予測値が国立社会保障・人口問題研究所によって出されています。当然今後も高齢者は増加し続け、2035年には、65歳以上が3人に1人、75歳以上が5人に1人となると推定されます。熊本県の将来推計では、世帯主が65歳以上の高齢世帯の割合が全世帯の44.2%を占め、さらに、独居老人だけが住む世帯が全体の15.8%を占めると予測されています。 2010年時点で高齢世帯が40%に達する都道府県は秋田県のみだったのが、35年になると41道府県に拡大すると予測されています。熊本県に限っては、35.2%から44.2%に達します。全国平均も、31.2%から40.8%と、約10%増加となります。当然ひとり暮らしの世帯もふえ続けます。 このころになりますと、1970年前後ごろの高度経済成長期に建設された分譲マンション、賃貸アパートが築後約70年を経過し、人口の減少、世帯数の減少により、全国に空き家が1,500万戸以上発生すると予想されています。この数字は、住宅戸数の20%以上となり、日本の住宅の約5軒に1軒は空き家ということになります。 さらに、野村総研のまとめでは、空き家がふえることによる環境の悪化、火災、倒壊の危険性、治安の悪化による深刻な社会不安の発生も予測してあります。日本の税制上、住宅用地を更地にすると固定資産税の特例措置が受けられなくなる点、日本の制度上、空き家を解体して産廃処理するには多額の経費を必要とするなど幾つもの要因が重なり、空き家になっても解体されない住宅が増加していくと予測してあります。 日本の人口減少、極端に進む高齢化、減少する生産年齢人口、ふえ続ける空き家の戸数、いずれも、高度経済成長から穏やかな経済成長を経て、豊かな国日本が直面している将来の姿であると私は考えます。 そこで、知事にお尋ねします。 私は、前段で日本国全体の高齢化の進む姿、次に熊本県における高齢化の進む姿、そしてそれに付随して起こってくる幾つかの問題を提起いたしました。熊本県にさまざまな施策を掲げ、県民の最大幸福量を求めて、日夜真摯な努力を重ねておられる知事の政治姿勢に深く感銘を受ける中で、2035年に向けた超高齢社会への対応について、お考えをお聞かせください。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 超高齢化社会への対応についてお答えします。 蒲島県政1期目においては、長寿を恐れない社会の実現を目指しました。例えば、熊本モデルと呼ばれる全国をリードする認知症対策、さらには、特別養護老人ホームを初めとする介護基盤の整備を強化する取り組みを進めてまいりました。 2期目においては、長寿を恐れない取り組みをさらに進め、長寿を楽しむ社会の実現を目指しております。 その成果として、5年連続日本一の認知症サポーターの養成や、高齢者のコミュニティービジネスの起業化支援など、健康長寿で活躍できる環境づくりが進んでいます。 一方、議員御指摘のように、20年後の2035年に向けては、人口減少や高齢化がさらに進むことが予測されます。それによってもたらされる、医療や介護システムのみならず、地域コミュニティーの弱体化など、さまざまな課題を克服することが重要であると、改めて認識しています。 そこで、これまでの長寿を楽しむ取り組みをさらに加速化するとともに、高齢化社会を支える担い手として、生涯現役で活躍できる元気な高齢者による地域のきずなづくりを強化していきたいと考えています。 また、今回の地方創生の動きを捉え、国に対して、地域におけるきずなの再生や高齢者向け住宅環境の整備促進、長寿で安心して暮らせる施策の充実、空き家活用への支援の充実などの提案を行ったところです。 今後も、人口減少や高齢化が進展する社会にあっても、いつまでも楽しく、元気で、安心して暮らせるくまもとづくりに向け全力で取り組んでまいります。  〔堤泰宏君登壇〕 ◆(堤泰宏君) ぴんぴんころりんという言葉がございます。元気で、きょうまで仕事をしたり、遊んでいた高齢者の方が、もう明くる日には御昇天をされるというのが、ぴんぴんころりんだそうでございます。日ごろよほど自分の体調管理に気をつけていませんと、このように楽な旅立ちはできないような気がいたしますけれども、今、アメリカでも、肉を減らしてベジタリアン、野菜主義にかえる人が大変ふえていると思います。(発言する者あり)魚もいいそうでございます。天草の魚、熊本は本当に食材には恵まれております。あか牛、黒牛は、ほどほどに食べませんと、これを生活の糧にしておられる方もおいででありますので、こちらも食べながら野菜もしっかり食べると、そしてぴんぴんころりんと。そうしますと、本人が一番いいと思います。やっぱり5年も7年も10年も病床にあれば、御本人はもう本当にきついと思います。それから、御家族の方、周囲の方、大きく考えますと国家財政、本当にぴんぴんころりんが一番いいなと思いますけれども、しかし、それをなし遂げるには、本人の自覚がよほどしっかりしていませんと難しいような気がいたします。私も大酒飲みでありますので、余り大きいことは言えませんけれども、たばこは吸いませんので、ひょっとしましたら、ぴんぴんまではいかぬけれども、ぴんころりんぐらいにはなるかもしれないと思っております。 それでは、進む超高齢社会の医療・介護費用についてお尋ねをいたします。 超高齢社会が進んでいく中、医療費、介護費用が将来急激に増加することが懸念されています。平成24年現在では、国民医療費39兆2,000億円、介護費用約8兆円、合計47兆2,000億円と言われています。これが2025年には、医療費53兆円、介護費用21兆円、合計74兆円の巨額な数字になると予想されています。医療、介護、年金等の社会保障費が現在100兆円の大台を超えたと驚きの声が上がっていますが、今の制度のまま2025年を迎えたとすれば、社会保障費約150兆円となる見込みです。現在の国民医療費39兆2,000億円の内訳は、保険料19兆1,203億円、個人負担4兆6,619億円、これに不足する額を国や自治体の公費で補填していますが、これが15兆1,459億円となっています。 保険料は、国民健康保険、大企業が加入する健康保険組合、中小企業が加入する全国健康保険協会・協会けんぽ、共済組合、後期高齢者医療制度があります。このうち、健康保険組合の平均保険料率は8.86%、協会けんぽの保険料率は10%になっています。これは、月収30万円のサラリーマンの場合、大企業で1万3,290円、中小企業で1万5,000円が給料から差し引かれることになります。国民医療費の財源不足のために、この2つの健保に加入するサラリーマンの給与から、これ以上負担を上乗せして天引きすることは酷だと言われています。残りの不足分を、現在大体3割負担している患者に4割、5割負担させることも厳しい現実と思われます。国民健康保険、共済保険も、個人負担の増加は厳しい状況にあると私は考えます。そうなりますと、国と自治体の負担する公費部分が、現在の15兆円から、2025年には一気に30兆円に膨張することになります。 介護費用は、現在の約8兆円が2025年には21兆円以上に上昇すると言われています。2000年に介護保険がスタートした時点の介護保険料の月額は、県内の平均が3,000円ほどであったものが、現在は5,000円以上となっています。また、介護保険を利用している要支援、要介護の人たちの自己負担額は現行1割ですが、2015年8月から、一定所得のある人の負担額は2割に倍増することが決められています。 他方、医療介護総合確保推進法が最近立法化され、訪問介護、通所介護のサービス事業が、2015年から2017年にかけて、国の事業から市町村の事業に移行するように決められました。これは、要支援1、2の介護事業は切り捨てに近い改革になっていると私は考えます。それでなくても、ほとんどの市町村は財政難にあえぎ、国からの交付金、補助金等で何とかしのいでいる状況ではありませんか。市町村が訪問介護、通所介護を引き受けた場合、月延べで現在約92万人の利用者のあるこのサービス事業に対応するために、新たな人材の育成等、もう目前に大きな障害が立ちはだかっていることは明白です。 最近、医療費の膨張に対する対応策として在宅医療が取り上げられています。私は、当初、在宅医療とは、個人の自宅を利用して行う医療と考えていましたが、よく調べてみますと、そうではありませんでした。在宅医療とは、外来診療の延長線上にあると位置づけ、患者の自宅だけでなく、福祉施設等も含め、病院、医院以外で行う医療ということになっているようです。 介護保険を利用した特養、老健、サ高住など、さまざまな福祉施設があると考えますが、厚労省は、全国に医療圏制度を適用し、病院、医院の病床数を厳しく減少させていく方針を打ち出しています。病院、医院に収容し切れない高齢者を介護施設に回し、そこに医師、看護師等を訪問させるということは、手間が二重になり、ますます医療・介護制度が混乱し、給付費用が増大するような気がします。 一方、患者の自宅の在宅医療といいましても、医師、看護師等の訪問医療、ヘルパー派遣等の介護サービスを受けた時間以外のほかの時間帯は、家族やボランティア等の看護、介護がなければ、自宅における高齢者の終末期の訪問介護は無理で成り立たないと考えます。 国は、医療にしても、介護サービスにしても、制度改革を繰り返し、目まぐるしく変化させてきますが、私の目からすると、ほとんどの施策が国民の真の必要性からますます離れていくような感じがします。2025年は、あっという間に到来します。2035年も、もうそう遠い未来ではありません。 そこで、健康福祉部長にお尋ねします。 私が今申し上げた諸事情の中で、熊本県の医療費や介護費用の改革をどのようにして進めていかれるのか、県民の負担がふえることが予想される各種の健康保険料、介護保険料の先行きにどのような手段で対応されるのか、在宅医療は患者の自宅以外の福祉施設で本当に進めていかれるのか、ひとり暮らし家庭のふえる中、患者自宅の在宅医療はどのような方法で進めていかれるのか、以上3点にお答えください。  〔健康福祉部長松葉成正君登壇〕 ◎健康福祉部長(松葉成正君) まず、本県の医療費及び介護費についてお答えします。 高齢化が進む中、県民生活の質の維持向上を図りながら、医療費や介護費が過度に増大しないようにしていく必要があります。 そのため、国では、社会保障と税の一体改革の中で、医療や介護分野の制度改革が進められておりますが、県では、健康づくりや介護予防等を着実に推進することにより、医療費や介護費の抑制を図っているところです。 医療費については、企業や団体による職場ぐるみでの新たな健康づくり活動や、医療保険者と連携した特定健診の受診率向上、糖尿病等の重症化予防を重点として取り組んでいます。また、レセプトや健康診断のデータに基づいた市町村における効果的な保健事業の推進、医療機関同士の連携による入院日数の短縮等にも力を入れています。 これらの取り組みにより、毎年度約4%と見込まれていた本県の医療費の伸び率を3%程度に抑えることができる見通しとなっています。 また、介護費についても、今回の介護保険法改正では、介護予防等の取り組みを充実し、従来約5~6%であった予防給付等の伸び率を3~4%程度に抑えることとされており、県としても、市町村と連携して実効ある取り組みを推進してまいります。 具体的には、県指定の17の地域リハビリテーション広域支援センターが市町村に行っている介護予防のための専門的支援や、住民主体の介護予防活動等の先進的な取り組みの普及をさらに強化してまいります。 次に、健康保険料、介護保険料の負担増への対応についてお答えします。 県として先ほど申し上げた取り組みを進めても、医療費や介護費は今後も増加すると考えられ、これらの保険料を現在の制度のまま地方や被保険者で負担していくことは難しい状況にあります。このため、現在、国において検討されている財政支援の拡充等、保険料負担軽減のための施策を着実に実施するよう、全国知事会等と連携して国に強く求めているところです。 最後に、在宅医療の推進についてお答えします。 県では、住みなれた地域や自宅でできるだけ暮らし続けたいという県民の皆様のニーズに応えるために、医療や介護等の関係機関が連携し、在宅患者等を支える地域包括ケアシステムの構築を進めていますが、在宅医療はその中核を担うものです。 このため、県では、全ての2次医療圏に、医療、介護等の関係者が協働して、在宅医療を推進する連携拠点を設置して体制を強化するとともに、訪問看護についても、県内全域で利用できるよう体制整備に取り組んでいます。 さらに、県医師会が、ICTを活用して、地域の医療機関、介護事業者等が患者や利用者の情報を共有するシステムの構築を進めていかれますので、県としても支援してまいりたいと考えています。このシステムにより、患者の状態に応じたより質の高い在宅医療サービスの提供が可能となるとともに、重複検査の解消等による医療費の適正化にもつながるものと考えています。 これらの取り組みにより、本県の医療費や介護費の過度な増大を抑えながら、県民誰もが安心して利用できる医療・介護サービスの体制づくりを推進してまいります。  〔堤泰宏君登壇〕 ◆(堤泰宏君) 要支援1、2の方たちの通所介護、訪問介護を市町村の事業に移すということが大体決まっておりますけれども、これだけはどうにかして全国知事会、議長会等で厚労省にお願いをしていただき、これだけはひとつやめていただかなければ市町村ではできませんし、要支援1、2の人は、これはもう捨てられるということになると思います。一番大事な要支援1、2の人たちであると思います。なぜかといいますと、要支援1、2の方たちは、心身のケア、それから身体の機能訓練をすれば、かなり改善をされます。それから、要介護に進まないように要支援のところでどうにか踏みとどまって頑張っていただくということは、一番今の介護、また、その次に待っている医療の中で大事なことであると思います。 厚労省の方は、恐らくそういう現実をどれぐらい把握されておるか私は非常に疑問を持ちます。きょうはそれを質問させていただき、部長から詳しい今答弁がございました。なかなか難しい問題がたくさんありますけれども、国にもたくさん要望をしていかなければいかぬと思います。なぜかといいますと、国民の税金のほとんどは国が持っていくわけでございますので、やはり国がお金のことに対してはかなりの責任を持っていただくというのが、今からの超高齢社会への対応の一番大事なところであると思います。 では、次の質問に移らせていただきます。 農林業の獣害対策についてお尋ねします。 イノシシ、鹿、猿等の農林業へ与える被害に対する県の対応をお尋ねします。 イノシシ被害は、深刻になってからもう20年以上がたっています。最近、平成20年ごろから鹿の被害が年々深刻になってきています。イノシシの被害は、主に水田の稲刈り前に田んぼに侵入したイノシシの食害と、手当たり次第に周囲の稲穂をなぎ倒してしまうことによって起きる被害です。人里にあらわれたイノシシが人間を襲い、ひどいときには死亡事故も起きています。 イノシシは雑食で何でも食べるため、道路の斜面に山芋があれば斜面を掘り起こして山芋を狙います。イノシシは体重も体力もあるため、斜面の土が道路に落ちて路肩を埋め、車両の通行に障害となります。斜面が連続的に掘り起こされると道路幅が狭くなり、人力で泥よけもできないようになります。タケノコの新芽が出れば、まだ地中にあるタケノコを遠慮なく掘り起こします。冬場でも青々と伸びる外国産の牧草は、イノシシの冬場の餌となります。畜産農家の方がせっかく種をまいた牧草も食べられ、踏み荒らされて、収穫がままならぬことになります。そのほか、根物、葉物、手当たり次第に触手を伸ばしてきます。イノシシなど獣害被害額の県の統計もあり、約4億5,000万円以上の発生額と聞いています。 次に、鹿の被害は、主にヒノキ山に発生します。今から20年ほど以前は、鹿の被害は高森町の山中の一部だけで話題となっていましたが、現在は、高森町全域から南阿蘇全域へ広がり、外輪山外部の西原村あたりまで鹿害が発生しています。高森町などの1平方キロ当たり頭数は、2006年度の11頭から20頭が、現在は41頭から60頭と数倍にふえています。鹿も、イノシシに劣らず周辺環境に対応する能力が高く、草といわず、木の皮といわず、幅広く食してしまいます。高森町と大分県竹田市、宮崎県高千穂町の3隣接市町村は、2007年、広域対策協議会を設置しています。国の補助も活用して、わな猟講習会や電気柵設置等を進めていますが、イノシシ、鹿の繁殖増頭には追いつかない状況です。 猿も、20年ほど以前は、出没地域が主に南阿蘇の南側外輪山地域が主な場所でしたが、最近は、南郷谷全体に広がり、中部阿蘇地域、俵山周辺一帯にまで広がっています。猿も、野菜、果物等、手当たり次第に手を伸ばしますからなかなか厄介です。特に最近は、人間になれたのでしょうか、人家の庭にまで簡単に出没します。駆除に関しても、イノシシ、鹿の捕獲は引き受けるが、猿はどうも苦手で引き受けかねると猟友会の方々も遠慮されるため、群れをつくり、我が物顔で出没しています。 現在も、イノシシ、鹿、猿による深刻な被害が発生し、農林業に与える影響は大きいものがあります。今後さらに繁殖増頭していけば、農林畜産物に与える被害のみにとどまらず、人家周辺へますます近づき、人的被害の発生等も懸念されます。対策も、今までのような捕獲者に対する謝礼金支払いや簡単なわな捕獲では追いつかない気がします。 害獣の捕獲についてさらなる対策を講じてもらいますよう、環境生活部長にお尋ねをいたします。  〔環境生活部長谷﨑淳一君登壇〕 ◎環境生活部長(谷﨑淳一君) 野生鳥獣による農林業等への被害は甚大で、県としても、獣害対策は大変大きな課題と考えております。 このため、庁内関係課で構成する鳥獣被害対策プロジェクト会議を設置し、総合的かつ効果的な対策を進めているところです。 その中でも、有害鳥獣の捕獲は有効な手段の一つと考えております。今年度は、国の交付金を活用して、例えば鹿の捕獲については、昨年度まで4,000頭分であった予算を本年度は1万3,000頭に拡大するなどにより、捕獲数の増加に努めております。 また、鳥獣の捕獲を行うためには、狩猟者の確保が必要不可欠であります。このため、狩猟免許の新規取得者をふやす取り組みを進めております。従来行っていた農林業関係団体だけではなく、今年度からは、新たに自衛隊や警察のOBの方々に対しても呼びかけを始めたところでございます。また、狩猟免許試験の日数短縮や回数の増加など、受験機会の充実も図っております。これらの取り組みにより、平成21年度以降、毎年200名を超える新規狩猟免許所持者を確保しております。 今後とも、さまざまな手段で周知、啓発を図り、狩猟者の確保に努めてまいります。 なお、本年5月には鳥獣保護法が改正され、民間事業者に委託することにより捕獲事業を行うことができるなどの新たな制度が創設されました。 今後、本県としましても、この新たな制度の導入に向けた検討を行い、これまでの取り組みとあわせて、効果的な鳥獣捕獲対策に取り組んでまいります。  〔堤泰宏君登壇〕 ◆(堤泰宏君) 時間がちょっとなくなってきましたので、最後の質問は、商工観光労働部長、大変丁寧な説明資料もいただいておりますけれども、これは要望にかえさせていただきます。 ことしの9月下旬ごろに、九州電力が再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づく接続申し込みの回答を保留する方針を固めたと発表しました。北海道電力や沖縄電力も、太陽光発電等の接続には制限を設けており、現在は接続申し込みの回答を保留していると聞いていますが、実際はいかがでしょうか。東京電力、中部電力、関西電力、東北電力等の現状はどうなっているのか知らせてもらいたいと思います。 もともと、2011年3月11日、福島原発事故の結果を踏まえ、原発から再生可能エネルギーへとの思いを込め、2012年7月に、経済産業省の音頭で太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスの分野に区分して、それぞれ買い取り価格を決定し、電力会社、発電事業者の合意の上、スタートした事業であったと理解していました。 九電側の説明では、回答保留は1年間以内であると説明してありますが、発電事業者側の主張は、中断自体に不安を抱き、納得していない印象を受けます。私たちの住みます熊本県を含む九州地域は、強い日差しと日照時間に恵まれ、太陽光発電に適した立地であるため、多くの起業家が事業として成り立つと考え、それぞれの体格に見合った事業規模で発電事業に参入してきたものだと考えます。 九電側の説明では、天候によって発電能力にばらつきがあり、電力供給側としては不安な面があるとのことです。現在の日本の世論を踏まえますと、現状の原発48基のうち、何割が再稼働できるか見込めない状況です。石油、天然ガスの輸入も、国際貿易収支が28カ月も赤字の続く現状では、安易にふやせそうにないと考えます。円安も予想以上に進んでいますので、輸入エネルギーに依存した発電の進め方では、国民の支払う電気使用代金の上乗せにも限界があると考えます。 最近は、省エネ電気製品の開発、省エネ住宅の研究等はかなり進んでいると聞いていますが、当然それも必要であると思いますが、せっかく芽吹き始めた再生可能エネルギー発電の方向性を断ち切らないようすべきであると考えます。 ソフトバンク社の孫オーナーと36の道府県でつくる自然エネルギー協議会は、現在の総発電量に占める自然エネルギーの割合10%を2020年には倍増の20%に高める目標を掲げ、団結しています。孫オーナーのソフトバンク社は、北海道に続き、京都、群馬、徳島などで、合計20万キロワットのメガソーラーを建設、運転していると聞いています。 ドイツの元首相ゲアハルト・シュレーダー氏は、2002年に、人類は原子力を制御できないとの考えに基づき、当時の政権のもと、ドイツ原発全面廃止の法案を成立させています。その後、2011年の福島原発事故を受け、現在のメルケル政権は、2022年までに全原発を廃止することを閣議決定しました。ドイツ南部に集中する工業地帯への北部からの送電網の整備が急ピッチで進められています。ドイツの再生可能エネルギー発電が国全体の電力供給量に占める割合は、2002年当時のシュレーダー首相の時代には4%、現在では17%、2020年には35%に拡大する計画となっています。 1978年の国民投票で原発廃止を決めたオーストリアでは、全電力の約60%を水力発電が占めています。さほど広くない国に約2,700カ所の水力発電所が建設され、そこには多くの雇用も生み出されていると聞いています。 北欧の小国デンマークは、私の中学校時代の教科書には、農業用の小さな風車を利用する姿が載っていましたが、現在この国の発電量の40%以上が風力発電であると言われています。昔の20キロワットぐらいの風車が、民衆と町工場の協力で改良を重ね、やがて50キロワット、250キロワットと進化して、現在では1,000キロワットの風車も稼働しています。デンマークの首都コペンハーゲンから約100キロ離れたロラン島には、至るところに高さ50メートル級の風車が約500基設置されています。ロラン島は、沖縄本島とほぼ同じくらいの広さの島です。この島は…… ○副議長(重村栄君) 所定の時間を超えておりますので、質問を終結してください。 ◆(堤泰宏君) (続) 時間が来ましたので、きょうの質問はこれで終わらせていただきます。ちょっと心残りですけれども、また来年の選挙で当選をしまして、次の質問のときに続きをやらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(重村栄君) 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。  午後0時11分休憩    ――――――○――――――  午後1時9分開議 ○議長(前川收君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 橋口海平君。  〔橋口海平君登壇〕(拍手) ◆(橋口海平君) 皆さんこんにちは。自由民主党の橋口海平です。 もう12月となり、1年を振り返る時期となりました。1年を振り返りますと、2月には、ソチ・オリンピックで、日本は、金メダル1つ、銀メダル4つ、銅メダル3つ、合計で8つのメダル獲得でした。金メダルは羽生結弦選手だけでしたが、本当に日本が一つになり、熱く燃えたと思います。 また、8月には、熊本と経済交流覚書を締結した台湾・高雄市で大規模なガス爆発が起こり、30名という多くの方がお亡くなりになられるという悲しい出来事が起こりました。爆発は、地下にガスのパイプラインが通っており、そのガスが漏れて爆発につながったとしております。この熊本県でも同じような事故が起きないよう、ふだんからの点検をしっかりと行っていかなければならないと感じました。 また、9月には、御嶽山が噴火し、57名の方がお亡くなりになり、いまだに6名の方が行方不明です。身内の方は、やはり一刻でも早く行方不明の方を発見してほしいと思っているのではないでしょうか。そのことを考えると、本当に胸が痛みます。暖かくなり、少しでも早く行方不明者が発見されることをお祈りします。 また、この前行われた熊本市長選挙、そして現在行われている衆議院総選挙、ここにいる多くの先生方も心身を削りながら政治活動をなさっており、やはり政治には体力も必要だと改めて感じました。これから私たちも統一地方選に向け活動をしていかなければならないと思いますが、よく食べ、しっかりと体力はつけていこうと思います。 それでは、質問に移りたいと思います。 まず、合計特殊出生率と出生数の目標設定について質問します。 約3年前の初めての一般質問で、人口減少社会への対応について質問をさせていただきました。そのとき、多くの先輩方から、早く結婚しろ、子供を早く産めと叱咤激励を飛ばされました。残念ながらこの件はマスコミには取り上げられなかったのですが、あれから3年、ようやく結婚することができ、1人の子供を持つことができました。今考えると、あのとき先輩方からの叱咤激励があったから結婚することができ、子供を授かることができたのかなと思い、感謝しているところであります。本当にありがとうございました。 ということで、国の存亡にかかわる少子化問題について質問をしたいと思います。 政府のまち・ひと・しごと創生本部の第3回目の会議が、平成26年11月6日に開催されました。その中で示された「長期ビジョン」骨子(案)によると、人口減少は、経済社会に対して大きな重荷となるものであり、また、地方では、このまま進むと、2050年には、現在の居住地域のうち、6割以上の地域で人口が半分以下に減少すると推計されています。将来にわたって活力ある日本社会を維持するためには、人口減少に歯どめをかける必要があります。 骨子(案)では「結婚や出産に関する国民の希望が実現すると、出生率は1.8程度に改善すると試算。この水準は、OECD諸国の半数以上の国が実現しており、日本がまず目指すべき水準。」と資料に書いてあり、目標値が設定してありました。しかしながら、この合計特殊出生率が1.8になっても、人口を維持していく2.07には届かないわけであります。 そのような中、現在、20道府県が合計特殊出生率や出生数の目標を定めています。出生率は17道県、出生数は7府県が目標を設定。このうち、両方の目標を定めているのが4県。このほかに、徳島県、三重県は、今年度中に設定を予定しているとのことです。その中で最も高い目標を掲げているのが沖縄県です。2035年までに2.30、そして2036年以降は2.50と非常に高い目標を掲げております。沖縄県は、御存知のとおり、合計特殊出生率が現在最も高い県で、1.94あります。現在でも政府が目指している1.8という数字を超えております。現在1.8を超えている都道府県はほかにはなく、沖縄県はさすがだと思いました。 それぞれの県が設定した目標で1.8を超えている県は、この沖縄県を含め、3県あります。宮崎県と静岡県です。現在1.72人で全国2番目に高い出生率の宮崎県が、1.85を目標に掲げております。静岡県は、現在1.53で全国17番目となっておりますが、設定した目標の2.0に達すると、全国で2番目の合計特殊出生率となります。 本県の合計特殊出生率は1.65と、全国で4番目に高い数字であります。また、ここ数年さまざまな施策を行い、少しではありますが、回復傾向にあります。しかしながら、出生数となると、減少傾向にあります。この少子化や人口減少の大きな流れをとめるには長い時間がかかりますが、歯どめをかける施策は、早ければ早いほど効果があります。 そこで質問です。 20道府県が合計特殊出生率や出生数の目標を定めている理由は、人口減、少子化対策に税金を使う以上、目標を示す必要がある、また、職員が目標を常に意識することで施策に取り組みやすくなるといった理由で目標を設定しております。また、反対に、出産は個人の価値観にかかわることとして目標を設定していない県もありますが、私は、本県においても早急に目標を設定し、常に知事が発信することで、人口減少社会の危機感も高まってくるであろうし、一人でも多く産もうと思う県民はふえるのではないでしょうか。合計特殊出生率や出生数の目標を設定する必要があると思いますが、どのようにお考えか、知事にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 私は、人口減少社会にあっても、県民の幸福量の最大化を図るために、少子高齢社会を見据えて策定した新4カ年戦略を着実に推進し、加速化していくことが最も重要であると考えています。 県民が幸福になれば、熊本に住み、結婚して子供を産み育てていく人がふえ、出生数も改善していくものと確信しています。 県では、この新4カ年戦略と一体として推進している次世代育成支援行動計画に沿って、安心して結婚や出産ができる社会を構築し、県民がそれを実感できるようさまざまな少子化対策を展開しています。 この計画では、子育てが楽しいと感じる県民の割合、また、子供が心豊かに育っていると思う県民の割合を持続的に高めることを目標としており、合計特殊出生率と出生数については、現状を把握するための参考指標としています。 出生率などの明確な目標を定めていないのは、次世代育成支援行動計画策定時の有識者会議において、出生率などの数値目標の設定は、行政の施策だけではなく多様な要因に影響されるため、結果の評価が難しいという意見や、妊娠、出産という個人の価値観や選択へ過度に行政が関与するものであるという意見を踏まえたものであります。 本県の合計特殊出生率は1.65と全国第4位の高水準にあり、今後も安心して子供を産み育てられるような環境整備を進めることにより、さらに上昇させていきたいと考えています。 こうした中、本年5月に、日本創生会議が市町村の消滅を含めた人口減少問題への警鐘を鳴らし、その後、全国的に人口減少にかかわる議論が高まっています。 11月には、地方創生の基本理念を定めたまち・ひと・しごと創生法が施行され、国、地方において、地方創生に関する施策が総合的かつ計画的に実施されていくことになりました。 今後決定される長期ビジョンや総合戦略では、国において、将来人口の試算結果や政策効果を客観的に検証するための数値目標なども示される予定です。 本県においても、地方人口ビジョン及び地方版総合戦略を策定することになりますが、出生率などを含む数値目標の設定については、県民の御意見も伺いながら、議論を深めてまいりたいと考えています。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 知事から答弁をいただきました。 知事の答弁の中で、本県の合計特殊出生率は1.65と、高水準という答弁をいただいたのですが、確かに全国の中では高いほうかもしれません。しかし私は、決して高水準という表現は正しい表現だとは思いません。1.65あっても、人口を維持していくために必要な2.07という数字には、まだまだ遠いと思います。県も、次世代育成支援行動計画に沿って、さまざまな対策をしていることはわかっております。また、妊娠、出産という個人的なことに行政が立ち入ることは非常に難しいことも理解できます。数字だけを追いかけて、子供たちの幸せが置いていかれるのも問題だとも思います。 しかし、私がなぜ合計特殊出生率の目標設定を定めるべきと思うのか、それは、私の周りの知り合いに聞いても、現在の熊本県の合計特殊出生率や出生数を知らないからです。そして、そのことは危機感が余りにも薄いと感じているからです。私は、この人口減少問題は、もっと県全体で、県民一人一人が危機感を持って、総力を挙げて立ち向かわなければならない重要な問題だと認識しております。 しかし、先ほど申しましたように、同年代の知り合いと話すと、問題意識が薄く、危機感もなく、このままでは、地方は人口減少による経済の縮小スパイラルに陥るのではないかと心配しているところです。人口減少対策は時間がかかりますが、早ければ早いほど効果があります。出生率の改善が早いほど、将来の安定人口が大きくなります。人口減少問題の解決は、高齢化問題の解決にもつながります。 そこで、県が合計特殊出生率や出生数の目標を設定することにより、現在、まだまだ私は高水準ではないと認識することによって、県民全体で取り組んでいくことができるのではないかと思います。ぜひ、これから地方人口ビジョン、そして総合戦略を策定する中で、若者が産み育てられる安定した環境づくりとともに、目標設定についてもしっかりと議論していただきたいと思います。 続きまして、改修後の熊本県立総合体育館について質問させていただきます。 まず、改修後のオープニングゲームとしての熊本ヴォルターズの試合開催についてですが、熊本県立総合体育館は1982年に設立されまして、ことしで33年目となりました。多くのスポーツ選手の汗と涙がそこには刻み込まれているのではないかと思います。 昨年から始まりましたプロバスケットボールリーグ、NBLに所属している熊本ヴォルターズの開幕戦でも熊本県立総合体育館を使用し、大いに盛り上がり、開幕することができました。しかしながら、その後、熊本ヴォルターズは、熊本県立総合体育館での試合をすることはありませんでした。なぜなら、熊本市火災予防条例第35条に不適合であるという理由があるからです。 具体的には、1階移動式観覧席の椅子の背の間隔は80センチ以上必要だが、現行では64センチしかない。また、縦通路の幅が80センチ以上必要だが、60センチしかない。2階観覧席の椅子席の間隔が35センチ必要だが、現行では30から33センチしかないという理由です。そのために、一般公衆を対象にした興行が恒常的に開催できずにいます。 熊本ヴォルターズが平成25年9月に熊本県立総合体育館で開幕戦を行うことができたのは、市消防局と十分な事前協議を行い、単発開催の特例措置として開催することができたからであります。 このように、これまで熊本県立体育館での恒常的なプロ興行は行うことができずにいました。しかし、現在、熊本県は、熊本市火災予防条例に適合するよう熊本県立総合体育館の改修工事を行っております。改修工事をすることにより、恒常的なプロ興行、熊本ヴォルターズの試合のほかにも、大相撲、プロレス、バレーボールなどの試合を行うことが可能になります。 その改修工事が終わり、体育館の使用可能となるのが来年度の4月からです。4月から熊本県立総合体育館を使うことが可能とのことですが、今のところ、改修後の熊本県立総合体育館において、オープニングゲームをする予定はないと伺っております。 一方、4月の熊本ヴォルターズの試合予定を見てみますと、4月4日土曜日、4月5日日曜日は、リンク栃木ブレックスとの対戦となっております。リンク栃木ブレックスといえば、皆さん御存知の田臥勇太選手がいるチームです。そして、昨年の平均入場者数を拝見しましても、熊本ヴォルターズは1,325人、リンク栃木ブレックスは2,000人と集客力もあります。昨年の熊本ヴォルターズとリンク栃木ブレックスの試合の入場者数も、ほかの試合と比べると、1戦目が1,932人、2戦目が2,256人と非常に入場者数が多い対戦となっております。平均入場者数よりも約750人程度も多く来場しております。本当に多くのバスケットボールファンが試合会場に足を運んで、田臥勇太選手を初め、トッププレーヤーの試合を楽しんでいるかと思います。 バスケットボールは、野球、サッカーに次いで競技人口が多いスポーツです。特に熊本は、小学生のミニバスケットボールが盛んです。子供たちに夢や希望を与えるためにも、トッププレーヤーのプレーを間近で見ることができることは、とてもいい刺激になるのではないでしょうか。 そこで、教育長に質問です。 改修後の熊本県立総合体育館のオープニングゲームとして、集客力もある熊本ヴォルターズとリンク栃木ブレックスの試合を開催すれば、全国に熊本県立総合体育館の存在を発信することができますし、また、九州各県からも多くのファンが来熊するのではないかと考えますが、その点についてどのようにお考えか、教育長にお尋ねします。  〔教育長田崎龍一君登壇〕 ◎教育長(田崎龍一君) 県立総合体育館は、今回の改修により、来年4月から、恒常的なプロ興行等が可能な施設となります。競技レベルの高いスポーツを目の当たりにすることは、県民に夢と感動を与えるとともに、スポーツの普及を図る上からも有意義であります。 県教育委員会としても、より多くのプロの試合が開催されることにより、県民のスポーツへの参加意欲を高め、スポーツ人口の拡大が図られるものと期待しております。 御提案のあった改修後のオープニングゲームとして、熊本ヴォルターズの試合を開催することについては、本県や県立総合体育館の情報を全国に発信できる大きなチャンスであります。施設使用料の負担や会場変更などの課題もありますが、関係機関と連携、調整しながら、実現に向けて取り組んでまいります。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 教育長から答弁をいただきました。 私のフィルターを通すと、試合ができるというふうに受けとめております。 熊本県立総合体育館の資料を見てみますと、体育館がつくられた1982年のオープニングゲームとして、日中バレーボールが行われております。男女どちらだったか、そして結果などはわかりませんでしたが、その当時の日本のバレーボールは、男女ともに世界選手権4位に入っており、実力は世界トップレベルで、人気も非常に高く、試合を間近で観戦した多くの県民の感動はとても大きかったのではないかと思います。やはり体育館設立時に、県としても相当力を入れて、日本代表クラスを誘致し、オープニングゲームを開催したのだと想像します。今回は改修後なので、そこまではできなくても、せめて地元熊本が本拠地である熊本ヴォルターズを招いて、改修後のオープニングゲームの開催を何としても実現したいところです。先ほど申し上げましたように、NBLで一番人気があるリンク栃木ブレックスとの試合となると、熊本のみならず、全国のバスケットボールファンも喜ぶであろうし、何よりも、熊本県立総合体育館で恒常的なプロ興行等の開催ができるということを多くの方々に発信できるのではないかと思います。 4月4日の試合までもう余り時間がありません。もしオープニングゲームの開催が可能となれば、今月中には結論を出さなければ、さまざまな関係機関に迷惑をかけることになると思います。熊本ヴォルターズを初め関係機関と早急に打ち合わせをして開催することができるよう取り組んでいただきたいと、切に願います。 続きまして、熊本県立総合体育館大体育室使用料の加算額の見直しについて質問させていただきます。 先ほどの質問で、熊本県立総合体育館が来年4月から恒常的なプロ興行を行うことができるようになるということに触れさせていただきました。恒常的なプロ興行といいましても、現時点では、熊本ヴォルターズの使用くらいしかないかと思われます。 熊本ヴォルターズは、昨年9月の開幕戦では、特例として、熊本県立総合体育館を使用することができたのですが、それ以降の試合では使用することができませんでした。結局、今までは、宇土市民体育館、益城町総合体育館、人吉スポーツパレス、八代市総合体育館で試合を開催してきたのです。それぞれの試合会場の利用状況を確認したところ、益城町総合体育館をメーン会場として使用しております。 来年4月からは、熊本県立総合体育館での試合開催が可能になるため、非常に期待が高まってくるわけであります。しかし、熊本ヴォルターズの関係者に話を聞くと、熊本県立体育館で試合をするとなると、リスクが高いと話しておりました。何のリスクかと申しますと、試合会場となる熊本県立総合体育館の大体育室の使用料についてです。 熊本県立総合体育館条例というものがありまして、その条例では「大体育室の使用者が入場料を徴収する場合の使用料の額は、区分に応じて定める金額にアマチュアスポーツに使用する場合については最高税込入場料の100人分、アマチュアスポーツ以外に使用する場合については最高税込入場料の150人分(床を観覧席として使用する場合は、200人分)に相当する額を加算した額とする。」とあります。つまり、熊本ヴォルターズが使用した場合は、アマチュアスポーツ以外なので、しかもコートサイドの席を使用しておりますので、最高税込み入場料の200人分を払わないといけません。現在、熊本ヴォルターズのコートサイドプラチナ席が1万6,000円となっておりますので、会場使用料のほかに320万円払わないといけない計算になります。 しかし、条例の第9条第3項には「知事は、特別の事情があると認めるときは、使用料の全部又は一部を免除することができる。」というような文言、規定があります。これは、平成24年12月議会におきまして、松田先生が熊本ヴォルターズについての支援について質問され、条例の改正及び使用料の減免についても検討をしていただきたいと要望されました。その結果、熊本県と熊本ヴォルターズの間で地域活性化連携協定というものを結び、現在減免について配慮していただいているところであります。 しかしながら、せっかく減免していただいても、昨年の開幕戦の使用料が約160万かかっており、使用料をペイするためには、満員の4,200人を集客しなければならない状況であります。それゆえ、この加算額がない益城町総合体育館を使用するほうがリスクをとらずに済むというわけです。 ただ、熊本県立総合体育館での試合開催は、多くの方々が望んでいることに間違いはありません。御支援いただいているスポンサーや企業の皆様、ファンの皆様からは、何で熊本県立総合体育館で試合を開催することができないのかと、怒りにも似た意見を多くいただいている、このように、とても頭を抱えておりました。私も、熊本市内にある熊本県立総合体育館で試合が開催されれば、さらに機運が盛り上がるのではないかと期待をしている一人です。 そこで質問です。 せっかく熊本県立総合体育館を改修し、熊本ヴォルターズの試合が開催できる状況になったにもかかわらず、使用する場合には、まだ高いリスクを負わなければならないという非常に高いハードルがあります。 熊本県立総合体育館での試合開催は、多くのファンの切なる望みでもあります。その夢と期待をかなえるためにも、熊本県立総合体育館条例における大体育室使用料の加算額を見直す必要があると思いますが、その点について、教育長にお尋ねします。  〔教育長田崎龍一君登壇〕 ◎教育長(田崎龍一君) 県は、地域社会の活性化とスポーツの振興を図るため、熊本ヴォルターズと地域活性化連携協定を締結し、現在、施設使用料及び入場料を徴する場合の加算額について、減免措置を講じております。 一方、熊本ヴォルターズも、協定に基づき、県内地域を巡回し、バスケットボール教室や交流イベントを開催されるなど、子供たちの夢づくりや、県民が地域でスポーツを楽しむ環境づくりに貢献しておられます。 御提案のあった県立総合体育館の使用料加算額の見直しについては、熊本ヴォルターズを初めとしたトップレベルのスポーツ競技の開催誘致を念頭に置き、九州各県の加算額などの状況を勘案しながら、今年度中の条例改正に向けて努力してまいります。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) この答弁も教育長にいただきました。 この大体育室の使用料は、恐らく相撲やプロレス、プロボクシングなど1回限りの興行を想定しており、複数回使用するケースを想定していないのではないかと思います。そのようなこともあり、熊本ヴォルターズと地域活性化連携協定を締結しているのではないかと思います。 締結の内容には、ヴォルターズは「県内の幼稚園・保育園、小・中・高等学校、総合型地域スポーツクラブ等を対象に巡回を行い、バスケットボール教室や交流イベントを開催すること。」「地域課題の解決に貢献するために、試合開催を活用したチャリティマッチにも積極的に取り組むこと。」「地元の賑わい創出や活性化に貢献するために、」「市町村及び」「商店街等のイベントへの積極的な参加に取り組むこと。」としてあり、ヴォルターズも、さまざまな場所に出向き、交流イベントや地域のイベントなどにも積極的に参加し、地域活性化への貢献や子供たちへの指導を行っております。 また、県の支援内容は「県立総合体育館内の大体育室の優先的な使用、試合開催時における来場者の安全確保等円滑な運営及び大体育室の施設利用料の減免について、配慮するものとする。」と協定書に記載してあります。県にも御協力いただいております。 しかしながら、その減免だけでは、体育館を満員にしなければ元を取ることができません。満員の約4,000人というと、現段階ではハードルがとても高い状況です。もちろん熊本ヴォルターズ側も最大の努力をやらなければなりませんが、できるだけ県としても協力していただきたいと思います。 何よりも、せっかく県立総合体育館を改修したのであれば、そこを使えるようにしなければ意味のない改修になってしまうと思います。ぜひ検討をしていただきますようよろしくお願いいたします。 続きまして、建設業における適正利潤と担い手の確保、育成についてお尋ねします。 私は、昨年の一般質問で、建設産業の人材確保について質問させていただきました。建設技術者、技能者の人材不足、高齢化が進んでおります。このような中、人材確保が急務と考えているのですが、建設産業における人材不足と高齢化の現状及び今後の若年層の人材確保について質問をし、知事に答弁をいただきました。 知事は、建設産業は、社会資本の整備、既存インフラの老朽化対策、また、防災、減災、災害時の対応など、地域の守り手としても重要な役割を担っている、将来にわたり持続的に支えるには、若年層の人材確保に取り組むと答弁をいただきました。 その後、県として、建設産業における「人材確保・育成」のあり方検討会を立ち上げていただき、行政と教育機関、そして業界団体と、人材確保、育成について、本県独自の方策に取り組んでいただいております。 また、教育機関、業界団体との定期的な意見交換を行い、テレビCMの放映や、主に中高生を対象としたイメージアップ動画の作成、活用、学生を対象とした現場見学会の開催など、業界と一体となって戦略的な広報活動にも取り組んでいただいております。 将来を見通すことができる環境整備、就労環境の整備、新卒者などの技術者、技能者の確保の3項目について、現在県としてできることを一生懸命され、これからされていこうというのはわかりますが、業界団体との意見交換をしますと、現象だけを捉えるのではなく、もっと基本的な部分に踏み込んでほしいとの要望が寄せられます。 現在選挙中ではありますが、自由民主党安倍政権では、デフレ脱却の取り組みで公共事業が景気対策として少しふえてはおりますが、アベノミクスの突っかい棒がとれてしまえば、全国的に地方の建設業は倒産が多発するのではないかと恐れているところです。そして、これから急激な人口減少の中、公共事業の増額ということも望めません。 また、平成9年に、国において策定されました公共事業コスト縮減対策に関する行動指針において、10%ほどの縮減がされ、平成12年度からの新行動指針や平成15年度からの公共事業コスト構造改革プログラムにより、公共事業のコスト縮減の名のもと、設計方法の見直しや、特に積算の合理化が進められ、実勢を反映していない単価設定などにより、仕事をしても利益が出にくいシステムになっております。 現在、熊本県においては、土木、農政の公共事業の平均落札率は、3カ年平均で95%ぐらいと聞き及んでいます。全国的にも高いと言われております。しかし、利益率は、西日本建設業保証会社のデータによると、平成25年度が、土木では、完成工事高営業利益率が0.95%となっております。1億円の仕事をして95万円の利益、10億円で950万円の利益です。建設業全業種では1.09%、1億円の仕事で109万円の利益、10億円で1,090万円の利益となります。現在、労務費単価が上昇し、仕事が多いという中で、このようなことでは、アベノミクスが終わったのと同時に倒産がふえるのは間違いないと思われます。また、賃金についても、国土交通省の資料によりますと、全産業と比べて、平成25年度の賃金水準は25%ほど低いと出ております。 つまり、産業として一番大事な利益の部分が、ほかの産業と比べて低い現状があります。このような現状では、賃金の点、また福利厚生の点でも、担い手の確保、育成をするに当たり、他産業とはスタートラインが違うように思います。 そこで、土木部長に質問です。 まず、公共事業コスト縮減対策に関する行動指針を初めとする一連のコスト縮減施策の一つとして取り組まれた積算の合理化により、建設業者は利益が出にくい状況でありますが、この利益が出にくい状況についてどのようにお考えか。 また、現在本県が行っているさまざまな政策は、他産業と同じだけの賃金ベース、また利益率に乗った考えだと思います。しかし、現実には大きなギャップがあり、このままでは担い手の確保、育成にもつながらないと考えますが、積算の問題以外で利益を確保する上で基本的な課題である予算の確保や発注の平準化について、今後どのように取り組まれるのか、土木部長に質問します。  〔土木部長猿渡慶一君登壇〕 ◎土木部長(猿渡慶一君) まず、公共工事の積算についてお答えをいたします。 工事費の積算に用いる労務単価については、国において、昨年4月と本年2月の2度にわたり、大幅な引き上げが行われました。また、県では、主要資材の単価について、実勢を反映した適切な価格とするため、昨年7月から取引価格を毎月調査し、速やかに反映させております。 しかしながら、国が定めた積算基準については、以前に比べ、施工規模や条件などの適用区分が大くくり化されておりまして、規模や条件いかんによっては実勢が十分反映できにくいという課題があります。 このため、いわゆる品確法の改正に伴う発注関係事務の運用指針の意見照会において、地域特性等を踏まえた積算基準の改善などについて、国に意見を述べております。 今後も引き続き、建設業関係団体と連携を図りながら、国に対し改善を要望してまいります。 次に、予算の確保及び発注の平準化についてお答えします。 改正品確法では、基本理念として、公共工事の将来にわたる品質の確保、そのための中長期的な担い手の確保、育成の促進が追加されました。この目的を達成するためには、建設業が中長期的な事業の見通しを立てられることが重要であり、公共事業費が安定的、継続的に確保されることが必要となります。 このため、国のインフラ長寿命化計画などの中長期計画が着実に実施されるよう、必要な予算の安定的確保について、引き続き、建設業関係団体と連携して、国に強く働きかけていきます。 また、発注の平準化についてでございますが、公共工事の発注が1年のうち特定の時期に集中する傾向にあります。労働力や建設機械が効率的に活用できにくい状況にあります。このため、国に対して、ゼロ国債の対象の拡大、予算内示の前倒し、迅速な交付手続を要望するとともに、県においては、ゼロ県債の活用を進めてまいります。また、市町村等も含めた発注の平準化を進めるため、新たに発注者連絡会議を設置するなど、積極的に取り組んでまいります。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 土木部長に答弁いただきました。 現在、県と建設産業団体連合会で、民放4局でテレビCMを毎日放送しております。テレビCMには各地域の建設業の青年部の方々が登場し、その中で「地域の暮らしを守る、それが私たちの使命」それと「人々の笑顔をつなぐ、それが私たちの誇り」そして「熊本の未来をつくる、それが私たちの仕事」という3パターンあります。このように建設業も必死でイメージアップをしておりますが、根本的な部分が足りておりません。 県が一生懸命されているのは伝わってきております。また、国に対しても意見を言っているのもわかります。しかし、現場から、もっと踏み込んでほしいと要望されております。また、改正品確法でも、公共工事の品質確保、担い手の中長期的な確保、育成が追加されました。やはりそのためには経営が安定しないといけませんので、その点もしっかり頭に入れて、さまざまな施策を行っていただきたいと思います。 県においては、他県との地域間競争の時代、単独でできることは少ないかもしれませんが、現在県が行っている建設産業の施策がもとのもくあみにならないように、石破地方創生大臣も言われているように、従来の取り組みの延長線上にない、次元の異なる大胆な地に足がついた政策を行っていただきたいと、切に希望します。そのためにも、さらに建設業関係団体と連携を図りながら取り組んでいただきたいと思います。 続きまして、インターネット販売を活用した販路拡大への支援について質問します。 インターネット販売は、皆さん使ったことがあるかと思います。非常に便利なツールであります。消費者向けインターネット販売の市場規模は、2008年には6兆890億円だったものが、2013年には前年比17.4%増の11兆2,000億円まで拡大し、今後も商取引の電子化が引き続き進展していくものと考えられます。 現在、地方経済が抱える課題はさまざまあると思いますが、やはり人口減少や少子高齢化により地域市場が縮小し、ますます経済は疲弊し、若者がふるさとで働きたくても働けないという状況になっていることが大きな問題かと思います。その結果、都会に職を求めて生産人口が流出し、さらに経済が疲弊していくというような悪循環が起きているのではないでしょうか。 インターネット販売活用のメリットとして、地域外からの収入を獲得することができる、立地を問わない、低コスト、今後も成長が続く、このような点が挙げられます。このことは、地方が抱えている課題を乗り越え、所得の増加、雇用の創出をもたらすターニングポイントとなり、地域活性化につなげることができるのではないでしょうか。 全国、世界の市場を相手に、仲介業者を通さず、直接商売ができるインターネット販売の拡大は、地域外から所得を稼ぎ出し、地方経済の活性化のための大きなツールであると考えます。 インターネット販売で国内最大のオンラインショッピングモールの楽天市場を運営している楽天は、多くの自治体と包括的連携協定を結び、IT活用を促進しております。九州では、長崎県、佐賀県、宮崎県、沖縄県と協定を結んでおり、セミナーを初め、中長期的な支援を行っております。 これは佐賀県の一例ですが、平成24年度から第1期が始まり、第3期になる今年度は、約9カ月かけて、ショッピングサイト出店支援事業を行っております。まず、ステップ1として、セミナーの開催、ステップ2として、出店希望者、既存出店者に対し審査会の実施、ステップ3として、売り上げ目標などの決起会、ステップ4として、新規出店者が出店、ステップ5として、楽天大学でフォローアップ研修、ステップ6として、楽天大学の学長による特別講座、ステップ7として、PR用特設ページ、WEB共同店舗開設と、長い期間をかけてインターネット販売の支援をしております。 また、佐賀県では、共同店舗の立ち上げや、島根県や富山県高岡市などでは、WEB物産展を開催し、その出店費に対して助成金を出すなどし、積極的にそれぞれの自治体が支援をしております。 インターネット販売が今後も一層拡大していくと思われるのに、なぜ多くの方が踏み切れないのか。それは、インターネットビジネスを教えてくれる場がない、ネットショップを始めるきっかけをつかむ場がない、インターネット販売のノウハウがない、パソコン知識、ホームページ作成の知識が乏しく、パソコン操作にふなれである、ネットビジネス成功者を知らないなどが挙げられます。 そこで、商工観光労働部長に質問です。 現在、毎年10%以上の成長を続けているインターネット販売ですが、県内事業者の積極的な出店が必要と思います。そのためには、何より人材育成が重要であり、県としても積極的に支援すべきだと思いますが、どのようにお考えか、商工観光労働部長にお尋ねします。  〔商工観光労働部長真崎伸一君登壇〕 ◎商工観光労働部長(真崎伸一君) 人口減少社会を迎え、地域の商圏人口が減少する中で、従来の店舗型の商取引に加えて、新たな形態である電子商取引が登場しており、その規模は年々拡大しております。このため、国内外に新たな販路の拡大を求めるインターネット販売の活用は、今後ますます重要になると認識しております。 県では、これまで、商工会や商工会議所が小規模事業者を対象に行うホームページやソーシャルメディアの活用に関する講習会などの取り組みを支援してまいりました。 また、一般社団法人熊本県物産振興協会が運営する県産品の販売サイト、くまもと県産よかもんショップを通じて、県産品の販路拡大を図っております。 議員御指摘のとおり、新たな市場を獲得していく上で、インターネットを活用できる人材の育成は重要であると考えております。 今後も、商工団体等が行うインターネット活用に関する実践的な講習会の開催や県産品の販売サイトの充実など、さらなる需要の開拓に向けた積極的な取り組みを支援してまいります。 また、包括連携協定を結んでいる企業等と連携して、電子商取引に関するノウハウ等を修得する取り組みについて検討してまいります。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 商工観光労働部長に答弁をいただきました。 本来であるなら、物を買うときは、その場に行って直接買い物をするのがいいと思うのですが、時代の流れで、このインターネットを活用した販売というものも必要不可欠な手段として、これからも必ず拡大してまいります。 県も商工会や商工会議所などと連携して講習会を行っているようですが、参加した方々に伺ってみると、もっと踏み込んで教えていただかないと現実的な活用はなかなか難しいとおっしゃっていました。県内では勉強する場がないので、インターネット販売のセミナーを県外にまで行って受けているそうです。 県では、くまもと農業経営塾というものを行っております。1年間かけて年10回程度の講義を行い、講師には、全国トップレベルの実務家、学識経験者、食関係企業役員等を講師に招き、経営者精神、リーダーシップ、マネジメント、マーケティング等を学び、自己学習やワークショップなどでさらに理解を深め、みずからの5年先、10年先の経営ビジョンを事業計画として取りまとめ、プレゼンテーションする。そして、計画の実現に向けて、ゼミ終了後もさまざまなフォローアップを行う。このように、熊本県の農業を担うトップリーダーの育成に対して、本当にすばらしい取り組みを行っております。 このくまもと農業経営塾のようなすばらしい取り組みを、今後ますます重要かつ拡大するインターネット販売の分野においても行わなければ、既に積極的な支援を行っている他県にさらにおくれをとってしまいます。ぜひ本県においても、このインターネットを活用した販路拡大に取り組む人材を育成することに力を入れて、よりきめ細やかな支援を行っていただきたいと思います。 以上で本日用意しておりました質問の全てが終わりました。 先ほど松岡先生が申し上げたように、本日12月8日は真珠湾攻撃を行った日、つまり大東亜戦争が始まった日でもあります。約310万人の方、当時の人口で約4%の方が命を賭してまでこの日本を守ってきました。そのおかげで、私たちは今ここにあると思います。その先輩方が、この今の時代を見たらどのように思うのでしょう。そのことをしっかり私たちは考え、これから誇れる日本、地域をつくっていかなければならない、そう思い、今回質問を考えさせていただきました。 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(前川收君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明9日は、午前10時から会議を開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第4号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時6分散会...