平成25年 6月 定例会 第 4 号 (6月21日) 平成25年 熊本県議会6月
定例会会議録 第4号平成25年6月21日(金曜日
) ――――――――――――――――― 議事日程 第4号 平成25年6月21日(金曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 第2 議案等に対する質疑(第1号から第20号まで) 第3
知事提出議案の委員会付託(第1号から第20号まで) 第4 請願の委員会付託 第5 特別委員会の設置及び委員の選任の件 第6 休会の
件 ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第20号まで) 日程第3
知事提出議案の委員会付託(第1号から第20号まで) 日程第4 請願の委員会付託
総務常任委員長報告 質疑 討論 議決
知事提出議案の上程(第22号から第25号まで) 日程第5 特別委員会の設置及び委員の選任の件 日程第6 休会の件 ――――――○――――――出席議員氏名(46人) 甲 斐 正 法 君 橋 口 海 平 君 九 谷 高 弘 君 緒 方 勇 二 君 杉 浦 康 治 君 泉 広 幸 君 前 田 憲 秀 君 東 充 美 君 増 永 慎一郎 君 髙 木 健 次 君 髙 野 洋 介 君 内 野 幸 喜 君 浦 田 祐三子 さん 山 口 ゆたか 君 渕 上 陽 一 君 磯 田 毅 君 西 聖 一 君 早 田 順 一 君 松 岡 徹 君 田 代 国 広 君 森 浩 二 君 溝 口 幸 治 君 小早川 宗 弘 君 池 田 和 貴 君 佐 藤 雅 司 君 重 村 栄 君 中 村 博 生 君 吉 永 和 世 君 松 田 三 郎 君 井 手 順 雄 君 鎌 田 聡 君 藤 川 隆 夫 君 岩 下 栄 一 君 早 川 英 明 君 平 野 みどり さん 城 下 広 作 君 氷 室 雄一郎 君 大 西 一 史 君 荒 木 章 博 君 堤 泰 宏 君 岩 中 伸 司 君 前 川 收 君 鬼 海 洋 一 君 村 上 寅 美 君 西 岡 勝 成 君 山 本 秀 久 君欠席議員氏名(1人) 小 杉 直 君 ――
―――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名 知事 蒲 島 郁 夫 君 副知事 村 田 信 一 君 副知事 小 野 泰 輔 君 知事公室長 田 嶋 徹 君 総務部長 岡 村 範 明 君 企画振興部長 錦 織 功 政 君 健康福祉部長 松 葉 成 正 君
環境生活部長 谷 﨑 淳 一 君
商工観光労働 真 崎 伸 一 君 部長 農林水産部長 梅 本 茂 君 土木部長 船 原 幸 信 君 会計管理者 伊 藤 敏 明 君 企業局長 河 野 靖 君 病院事業 向 井 康 彦 君 管理者 教育委員会 米 澤 和 彦 君 委員長 教育長 田 崎 龍 一 君 警察本部長 西 郷 正 実 君 人事委員会 鷹 尾 雄 二 君 事務局長 監査委員 松 見 辰 彦 君 ――
―――――――――――――――事務局職員出席者 事務局長 長 野 潤 一 事務局次長 後 藤 泰 之 兼総務課長 議事課長 佐 藤 美智子 審議員兼 鹿 田 俊 夫 議事課長補佐 参事 小 池 二 郎 ――――――○―――――― 午前10時開議
○副議長(中村博生君) これより本日の会議を開きます。 ――――――○――――――
△日程第1 一般質問
○副議長(中村博生君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 東充美君。 〔東充美君登壇〕(拍手)
◆(東充美君) 皆さんおはようございます。菊池郡選出・自由民主党の東充美でございます。 ことしは5月27日に梅雨入りいたしました。とても早い梅雨入りと思いましたけれども、それから空梅雨と思われました途端に、最近は雨模様であります。特にきょうは、朝から九州へ台風4号が上陸かということで、大分心配されている方もおられると思います。ただ、しかし、これから梅雨後半であります。備えあれば憂いなし、そういう気持ちで、万全の体制をもってこれからの梅雨後半に備えるべきと私は思います。 本日をもって質問回数通算6回目となりますが、なかなか質問内容には磨きがかかりません。時間もうまくできるかどうかわかりませんけれども、きょうはうまく時間内におさまるように心がけて、まずは元気にやっていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 まずは、ほとんどまだ副知事とは会話もあんまりございませんけれども、熊本の注目の人、小野副知事に、この1年間の感想と今後の取り組みについてお尋ねをしたいと思います。 昨年の6月21日、ちょうど365日前になります。兵谷前副知事の後任として、県民、議会、その他から多くの懸念する声を背に受けて、就任会見で、大学時代に蒲島知事から学んだのは期待値を超えろということだと、任せてもらった以上は期待を超えるような仕事をして結果を出していきたいと抱負を語っておられました。 知事は、県民の総幸福量を最大化することを唯一の判断基準とした決断の政治、常に時間的緊迫性を意識したスピードの政治、県民の皆様と熊本の夢を共有する目標の政治、有言実行で皆様と約束を守る信頼の政治という4つの姿勢を基本としておられると思います。そういう知事を支え、これから政策を具現化するために、陰にひなたに働くのが私は副知事の仕事と思います。 せんだって、我が阿蘇地域が
世界農業遺産に認定されたときに、その第一報の瞬間の表情を私も
テレビニュースで見ておりました。小野副知事のうれしさがあふれていたときは、これは
知事ともどもに大変な努力をされたんだなと思いました。 そういう中で、この1年間、無我夢中で積極的に県下各地を訪問され、さまざまな方と出会い、また語られ、この熊本を再発見されたのではないかと思っております。 そこで、副知事就任から丸1年、改めてどのような姿勢で知事の補佐役を果たしていかれようと考えておられるのか、まずはお尋ねをいたします。 肥後もっこすという熊本人特有の頑固さをあらわす言葉がありますが、肥後の国のよい面あるいは反省すべき面について、この1年間で感じられていることがあればあわせてお尋ねをしたいと思いますし、この1年、副知事として仕事をされた中で、特に印象に残っているものがあれば、それもお尋ねをいたします。 そして最後に、今後に向けた意気込みについて、率直な感想をお聞かせください。 〔副
知事小野泰輔君登壇〕
◎副知事(小野泰輔君) 昨年、私が副知事の職を拝命するに当たりましては、さまざまな御懸念と御心配をいただきました。私自身、果たしてこの重責が務まるのか、自信があったわけではありませんけれども、私が熊本のためにすべきことは何なのかということを考え、期待値を超えられるような働きをしようという思いでこの1年やってまいりました。 蒲島県政2期目の大目標は、熊本県を日本一幸せを実感できる場所にすることです。そのためには、地域の方々が、いつまでも元気で、誇りを持って暮らしていける持続可能な地域社会をつくることが必要だと考えております。それを実現する上で、地域の方々のみずから頑張ろうとする機運を盛り上げていくことが大切だというふうに考えております。 そのような認識のもと、私が特に心がけておりますのは、県民の皆様と直接対話することを通じて、将来の熊本の進むべき道や課題の解決を考えていくことでございます。 私は、この熊本に熱い思いを持って頑張っていらっしゃる方々がたくさんおられるということが一番の財産だというふうに思っております。そのような方々の取り組みを支援したり、思いを施策に反映していくことが、熊本をよりよい場所にしていくために重要だというふうに考えております。 成熟化社会においては、国や県が中央集権的に旗を振って施策を展開するだけではうまくいかないと感じます。地域ごとの潜在力やニーズに応じてきめ細かい施策を行うと同時に、さまざまな思いを行政が受けとめクローズアップすることが、地域の方々の誇りや勇気につながると思います。 これからも、できる限り多く現場に足を運び、県民の皆様との直接のコミュニケーションを大切にしながら、知事を支えていきたいと考えております。 次に、なかなかお答えしにくい質問でございますが、熊本人のよいと思う点は、この議場の先生方も本当にそうだと思いますが、竹を割ったようにはっきり物をおっしゃる方が多いということでございます。そして、もっともっとよくなるとよいと思う点は、熊本の外の世界に開かれた議論をさらにしていけばいいのかなということでございます。 私自身、阿蘇の
世界農業遺産への認定のため、ローマのFAO本部でアピール活動をして感じたことなんですけれども、国際的な視野に立って普遍的に物を考えることが、
グローバル社会においてはとても大事だというふうに痛感をいたしました。 最後に、副知事として印象に残っている仕事などについてお答えします。 まず、就任後すぐに発生した熊本広域大水害が挙げられます。 知事、村田副知事が海外出張で不在の中、職員一丸となり、迅速な初動対応に努めました。間もなく災害から1年を迎え、復旧も着実に進みつつあるものの、いまだ道半ばです。引き続き、知事が目指す早期の復旧と創造的な復興の実現のため、全力で尽くしてまいりたいと思います。 次に、県南の振興です。 知事からの特命事項であるこのテーマは、私の最大の使命だというふうに思っております。ことし3月に策定した
フードバレー構想のもと、来月末には活動の推進母体となる協議会を設立し、取り組みを本格化させていきます。 また、私が地元の皆様と直接触れ合ってきた五木村の振興も欠かせません。引き続き、村の魅力や可能性を引き出すことができるよう、精いっぱい取り組んでまいります。 次に、
エネルギー政策です。 昨年10月に策定した
県総合エネルギー計画のもと、新エネルギーの導入加速化、エネルギーの地産地消の
具体的取り組みの一つとして、
県民発電所構想を進めております。新エネルギーの恵みを県民に還元できるような仕組みを、スピード感を持って検討していきたいというふうに考えております。 次に、阿蘇の
世界農業遺産についてです。 民間の発意のもと、地元市町村とともに取り組み、認定という結果に至りました。その過程では大変苦しい時期もあっただけに、大きな喜びを感じております。今後は、県民を挙げて阿蘇の農業の普遍的な価値を発信し維持していくことで、地域の農業や観光の活性化につなげていきたいと考えております。 私は、これまで、副知事としてなすべきことをみずからに問い続けながら、それを行動に移してきました。今後とも、蒲島県政が目指す幸せを実感するくまもとの実現に向け、情熱と真摯な気持ちを持って、与えられた職責を全力で果たしてまいりたいと考えております。 〔東充美君登壇〕
◆(東充美君) 肥後もっこすのいいところは、はっきりと物を申すことということを言われましたけれども、やはり熊本県人特有のあれがあります。 この肥後の国の――これは私はっきりわかりませんけれども、象徴的人物の一人に戦国武将の加藤清正公がおられます。これを知らない熊本県人はいないと思います。人生50年の時代でありますが、豊臣秀吉公の九州征伐の後、それまで肥後の北半国――25万石ですか、と南半国、小西行長と分割統治しておりました。ただ、しかし、関ケ原の戦いの後、1600年には、肥後一国を治めるようになった領主であります。 この加藤清正公が、ちょうど数え年39歳です。小野副知事と同年ではないかなと思っております。それから足かけ12年、この熊本を治めて、数々の業績をこの熊本に残しておられます加藤清正、私の地元菊陽町にも、鼻ぐり井出というすばらしい
農業土木遺産を残されております。副知事も、県民から多く慕われて、自分だからやれることをしっかりと見定めて、健康に留意されて、蒲島県政を力いっぱい支えてくれますことをお願い申し上げます。 次の質問に移ります。 知事、済みません、生徒のほうから先に聞きましたけれども、次は知事に聞きます。 県内景気は足踏みしているものの、一部に持ち直しの動きも見られると、景気の速報は伝えておるところであります。知事も、何回かこの一般質問の中で答えておられます。 経済は生き物と言われますが、今の円安・株高局面が始まってから半年余り、この間、日経平均株価の上昇率は7割に達し、為替相場では約20円も円安が進み、企業や個人の心理に明るさをもたらし始めました。いわゆる
アベノミクス相場と言われております。よく皆さんも今回は経済問題を聞かれていると思います。 昨年の政権交代や黒田日銀総裁の異次元の緩和といった政策転換で、これまで停滞していた金融市場に、この半年間、大きな変化が生じたのであります。通貨の総合的な実力を示す為替レートでありますが、
日経通貨インデックスで見たこの半年間の円の下落率は20%に達し、また、急ピッチで進んだ円安を背景に株式相場は大幅高となったと――5月はそうだったんですけれども、5月には乱高下が激しかったんですけれども、株の売買代金は、東証一部で5月だけで75兆7,000億円と、これまでの最高記録を更新しました。 この円安のよい面は、輸出産業を中心に企業収益が好転すること、すなわち、それが賃上げにつながり、消費が拡大すれば、デフレの脱却と景気回復が期待できることであります。反面、輸入材料の高騰が続けば、製品の値上げとなって消費が冷え込み、景気の回復は妨げられます。よって、所得の改善のない、実感なき景気回復と言われないような具体的な対策が求められるわけであります。 県内においても、DI値――これは
業況判断指数と言います。DI値もプラスの方向に今進んでおります。この企業の業況というのは、よいという、そしてさほどよくない、そして悪いという、このよいから悪いの数値を引いて、そして、この結果がマイナスであれば景気判断が悪いという企業が多い、逆にプラスであれば景気はよくなっているという企業が多いと、そういうDI値という
業況判断指数でありますが、今はすなわちプラス方向に向かっていることになります。 公益財団法人の
地方経済総合研究所の予測によりますと、本年度、2013年度の熊本県
実質経済成長率はプラス2.9%としていて、昨年に続いてプラス成長と読んでおります。その予測としては、個人消費と雇用や所得環境の穏やかな改善に加え、消費税増税前の駆け込み需要で住宅投資もあわせて伸びると考えられております。そして、九州北部豪雨の復興需要や経済対策が本格化し、その波及効果もまた期待できると言っております。 この熊本県においては、期待感といった
ぐあいで景気回復の兆しが見えてきたという、そういう状況と思います。だから、県民に発信力のある知事から、企業を元気づける景気のよい言葉を聞きたいと思って本日は質問をいたします。 昨日は大変ネガティブな質問が幾つかあったと思いますけれども、ぜひともきょうはポジティブな答弁を御期待申し上げます。 〔
知事蒲島郁夫君登壇〕
◎知事(蒲島郁夫君) 安倍政権においては、強い経済を取り戻すため、
アベノミクス政策を掲げ、今月14日には、新たな成長戦略として日本再興戦略が閣議決定されました。これまで講じられた大胆な金融政策と機動的な財政出動に加え、民間投資を喚起する成長戦略が実行されることで、将来的にも成長を続ける強い日本が再生されるものと期待しております。 私は、県経済の浮揚のためには、県内企業の大多数を占める中小企業が元気になることが大変重要であると考えております。そのため、新4カ年戦略においても、中小企業のチャレンジを積極的にサポートし、
熊本発イノベーションを進めております。 具体的には、産学行政が連携して、
有機薄膜関連技術や
KUMADAIマグネシウム合金のような熊本発の新製品や新技術の開発に取り組みます。また、財務、マーケティング、技術などの専門家チームを派遣し、新商品の開発、海外への進出など、果敢に挑戦する中小企業の取り組みを強力に支援していきます。さらに、
フードバレー構想に基づき、県南地域の豊富な農産物等を生かした食品関連産業の振興を図り、これを県全体の景気浮揚に結びつけていきます。 もちろん、あらゆる問題に有効な経済政策はなく、プラスの面もあればマイナスの面もあるということは当然承知しております。県としては、アベノミクスがもたらすプラス面の効果を最大限に生かして、景気浮揚のみならず、新4カ年戦略を加速化し、県経済が力強く成長するよう、全力を尽くしてまいります。 〔東充美君登壇〕
◆(東充美君) けさ知事から説明資料をいただいたので、切り返す言葉がありませんけれども、まず円安・株高、日本経済を牽引するのはやはり製造業です。これを中心に息を吹き返して、景気回復の声が聞こえたこの5月23日から、逆に円高基調となりました。私、5月の末には大体つくっていたんですけれども、それから余りにも景気変動が激しくて、この質問自体をどうしようかと思ったことがありますが、しかし、知事のほうから実のある答えを聞きたいと思って質問をさせていただきました。
甘利経済産業大臣の言葉ではありませんけれども、早くこの乱気流から――のみ込まれておりますが、抜け出さなければならない、そういうふうに思っております。全く経済は魔物、一寸先はわからないといった実感であります。しかし、経済活動を示す街角景気も改善の方向であり、知事の4カ年戦略も、今花から実になりかけておりますので、今後に期待して、次の質問に移りたいと思います。 しかし、次の質問は、少しは景気のいい話であります。
本県経済上昇の一翼を担う観光振興についての質問であります。
東日本大震災、熊本大水害、あるいは中国、韓国との領土問題といった、観光業界にとって大きな試練を乗り越えて、今東南アジアの国々からの観光客も戻ってきている様子であります。 昨年度の訪日旅行者837万人のうち、東南アジアは78万人となっております。同地域からの旅行者数は、今後もまた大きく伸びることが予想されます。
日本政府観光局が直近の6月19日にまとめた5月の訪日外国人数――5月だけです。87万5,000人と、前年の同じ月より31%増加とあります。2月から4カ月連続のプラスで、5月としては過去最高の数字となっております。その理由は、円高の修正に加えて、航空便の増加が追い風となり、地方のホテルや商業施設でもアジアの観光客がふえておると。 政府としても、今まで尖閣問題等の影響といった外的要因に左右されにくい安定的な構造を目指して、経済成長著しい東南アジアからの旅行客誘致を強化するために、今後、具体策として、観光ビザの免除、期間中に何回でも入国できる数次のビザの発行も検討すると言われております。また、インドネシアやマレーシアに多い
イスラム教徒向けに、ホテル等で礼拝スペースの確保や食事面の配慮もこれから必要と、観光白書は指摘をしております。 今、県内のホテルでも、
外国人観光客がふえていると聞いております。
世界農業遺産の阿蘇を抱える本県観光にとって、
幸せ実感くまもと4カ年戦略では、平成27年まで、
外国人宿泊者数を年間60万人という目標を掲げているところであります。
熊本上海事務所あるいは南寧市にある熊本広西館、また
シンガポールにある熊本県のアジア事務所といった、こういった拠点を今次々と展開している熊本県、円安効果を遺憾なく発揮して、
外国人観光客誘致も今がチャンスと私は思います。この時期を逃さずに、
外国人観光客の誘致を促進するために今後どのように取り組んでいかれるのか、
商工観光労働部長にお尋ねをいたします。 〔
商工観光労働部長真崎伸一君登壇〕
◎
商工観光労働部長(真崎伸一君) 県では、
外国人観光客の誘致促進のため、国や
九州観光推進機構と連携を図り、海外の旅行博覧会や観光説明会への参加、旅行会社や
マスコミ関係者の招待事業などにより、熊本の魅力をアピールしております。 また、これまで培ってきた
人的ネットワークを活用して、韓国、台湾、中国、香港、
シンガポールの大手旅行会社とのタイアップにより旅行商品を造成するなど、効果的かつ効率的な認知度向上と誘客促進を図っています。 その結果、
東日本大震災や円高の影響により落ち込んでいた
外国人宿泊者数は、韓国からの宿泊者を初めとして、回復傾向にあります。県内の主な宿泊施設を対象とした調査でも、ことし1月から3月の
外国人宿泊者数は、前年と比較し、1.3倍超となっております。 ことし、国においては、日・
ASEAN友好協力40周年を機に、東南アジアからの
訪日促進プロモーションを展開されています。これを踏まえ、県としても、本県の
外国人宿泊者数の8割以上を占める東アジアに加え、今後の伸びが期待される
シンガポールやタイなど、東南アジアからの誘客対策を強化してまいります。 〔東充美君登壇〕
◆(東充美君) 御答弁いただきました。 この新聞に鹿児島県のことが載っております。中国東方航空の鹿児島―上海線が大変苦戦しているために、職員を研修目的で上海に派遣するということで、大変な物議を今鹿児島は――なっております。まず、やっぱり旅行先を――一点集中というその怖さというものがあります。やはり幅広い形で、これから東南アジア全体、
ASEAN諸国を視野に入れた形でやっていかれたらと思います。 ことしの2月、県観光連盟と、
外国人観光客誘致連絡協議会というものがありますが、その共催で、ハラールというセミナーを熊本市で開いたと聞いております。ハラールとは何だろうと私も思っておりました。これは、イスラム法で許された飲食や行為ということだそうです。イスラム教徒の方は、豚を食べない、アルコールを飲まない。そういう方々にどう対応するかということを、やっぱりこれから県内の旅館あるいはホテルの方々にも周知徹底されたほうがいいのではないかということを私も思っております。 全世界で16億人のイスラム教徒、アジアだけで大体10億人おると言われております。しかし、そのアジアの中のイスラム諸国は、割と親日国家が多いんです。だから、これからの海外誘客に対しては、とてもこれは有望な国になるのではないかなとも思っております。しかし、文化あるいは習慣の違いがありますから、まずそこから私たちは認識をして、そしておもてなし度を高めるためにも、こういった関係団体あるいは自治体とのセミナーというものは大変意義があると私は思っております。 そういうことを考えて、ちょうど私、今浦田委員長と一緒に経済環境委員会でございますので、ぜひとも東南アジアのほうにもこれから足を伸ばしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 3番目の質問に入ります。 地方住宅公社の件に関してでございますが、住宅公社法の制定に伴いまして、昭和40年12月に設立以来48年、住宅を必要とする勤労者の資金を受け入れ、その資金をあわせて活用し、勤労者に居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する宅地を供給し、もって住民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としていますこの公社法、設立団体となれるのは、都道府県または政令で指定する人口50万以上の市に限られます。そして、設立には、議会の議決と国土交通大臣の認定が必要となっております。 県出資の住宅分譲ということで、これまで信頼と安全を売りに、県下各地で宅地供給を行ってきている住宅公社、これまで、特に光の森団地、全国屈指の大型団地で、総区画数948区画、募集区画数942に対し、分譲区画940区画と、分譲率は99%です。分譲事業については、ほぼ完売の状況になっておりますこの光の森。 公社は、賃貸管理事業については、空室対策や施設の維持管理により効率的な管理運営を図り、今後は、県及び市町村からの建設の要請は別として、新たな公社賃貸住宅の建設は行わない方針となっております。また、管理受託、住宅管理事業については、適切な管理、サービスの向上を含めた効率的な管理ができるような組織業務の見直しをやると考えておられるところです。 平成15年から平成24年度までの10年間、この公社経営計画に沿ってこれまで事業を完遂された努力には、私も敬意を表したいと思います。しかし、目を全国に転じてみますと、設立された地方住宅公社57公社のうち、既に解散した公社が15公社、存続はしているが、特定調停などを行っている公社が4公社となっております。 解散した15公社のうち、債務超過等を主な原因とするものが6公社、役割の終了を主な原因とするものが9公社となっています。そのほかにも、自己破産や民営化の方向を考えている住宅公社もあると聞いております。 このように、公社を取り巻く状況は、地価の長期低落傾向や少子高齢化等需要の減少を背景に、経営環境はまことに厳しいものがあると思います。全国的に見て、大方の人は、住宅公社の社会的使命というか、その果たす役割というものは既に終了したと思っていると思います。熊本県の場合も、今後新たな住宅団地の開発や賃貸住宅の建設は行わないとなっております。 そこで、経営状況も良好で、これまで順調に借入金の返済も進んで、本年度で完済の状況ではないかと思っております。そういうことを考えた観点からお尋ねですが、これからもこの公社法をもとに住宅公社として存続をしていかれるのか、あるいは今後いずれかの時期で民間移譲や解散も視野に入れていかれるのか、県としての考えを土木部長のほうにお伺いをいたします。 〔土木部長船原幸信君登壇〕
◎土木部長(船原幸信君) 熊本県住宅供給公社については、住宅や宅地の分譲事業のほか、賃貸事業、住宅管理受託事業、常設住宅展示場事業を実施しています。平成10年度以降、収益は黒字で推移しており、経営は健全な状況にあります。 これまで3,599戸の住宅、1,216区画の宅地を供給しており、居住環境の良好な住宅及び宅地を供給するという公社の設立の目的はほぼ達成しています。また、賃貸事業などについても、民間事業者でも対応が可能な状況になっていると判断しております。 引き続き、残っている分譲地の販売促進に努めるとともに、現在行っている事業の関係者の御意見も伺いながら、公社の今後について検討してまいりたいと考えています。 〔東充美君登壇〕
◆(東充美君) 簡単な答えで、ちょっと歯切れも悪かったと思いますけれども、これまで、この住宅公社に関しての質問は幾つかあっていると思います。平成13年の昔の議会の議事録にも載っておりました。この光の森に関しても、財政負担になりはしないかと大変心配の質問もこれまで幾つかあっております。平成24年度までの経営計画で、公社事業としては、私は、ほぼ使命はもう達しているのではないかなと思っております。 本年3月にオープンしました光の森の常設展示場――常設展示場というのは5年間の期限つきですが、この5年のうちで、これから先の公社の存続に関して答えを出していかれたらと、そういうふうに思います。行政改革の面からも、あと残りの林業公社、道路公社、農業公社、幾つかありますが、それはそれなりの使命があると思いますが、住宅公社に関しては、もう使命は終わったと思っておりますので、その辺も十二分に考えていただきたいと、そういうふうに思います。 次の質問に移ります。 これまで多くの方々が農業問題を今議会でも質問をされております。最後になると、なかなか難しいんです、ダブる面があるんじゃないかなと思って。しかし、視点が少しでも違えばと思って、原稿のほうをひねくりながら考えてまいりました。農業問題は本当に大変な問題であります。地域営農組織の法人化について、私は質問をしたいと思います。 たしか昭和45年、日本農業の大きな転換点だったと思います。いわゆる、米の生産調整、減反政策です。昭和30年代、40年代は、空腹を満たすためという感じではありませんけれども、農家は一粒の米でも増収しようと努力を重ねてきたのに、その昭和45年から、奨励金を出すから植えつけを減らせ、米をつくるな、それから40数年間、さまざまな農業政策がありました。しかし、その中で農家は翻弄され続けました。よって、全国の農家数は激減しました。 この熊本県においても言うに及ばず、この15年間においてさえ、農家は、平成7年が8万6,315戸です。平成22年になると、それが6万6,869戸です。計算してみますと、年間に1,000戸以上減っております。 確かに、農業用機械が、この40年間であらゆる農作業を楽にしたのは事実でありますが、だからといって所得は伸び悩んでおります。結果、農家の若者の農業離れはどんどん進みました。その中で、嫁不足等の問題もありました。そして、今は限界集落というような、そういう言葉も生まれるような時代になりました。集落の維持機能も厳しいというのが限界集落です。 私、平成17年の9月議会において、農地の有効利用促進のために、集落を基礎とした営農組織、あるいは生産組織の育成と並立して農業生産法人の利活用を図って、もって本県農業の発展を願うと質問をいたしております。しかし、当時の農政部長の答弁として、法人化に当たり、本県の場合は、施設園芸を取り入れた複合経営が多い、農地の資産的保有傾向が強く、その集積が困難、また、個人経営を志向する農家が多いことから、生産組織の法人化が進んでいないと答弁されました。 九州農政局の調査ですが――統計の取り方はいろいろありますが、九州管内の集落営農数が、ことしの2月現在で2,608あります。今はどんどん増加しております。その中で、法人数も、集落営農のうちですが、359法人あります。こちらも、どんどん今は増加している。ちなみに、県別の集落営農数を当たりますと、九州では佐賀が一番多い622、福岡がその次で616、大分が537、そして熊本の454集落営農数となっております。 今、各農家の経営状況が、担い手の減少、高齢化でますます厳しくなるばかり。農作業や農地の受け手としての営農組織の重要性は大変重要と思います。しかし、その組織の高度化を図らなければならないと思います。 例えば、協業組織などは任意団体です。農地の借り受け、農業機械の所有ができない、そういう課題があります。ために、法人化すれば、経営は任意と違い安定してきますし、組織として社会保険の加入や労働者の雇用により地域の活性化にも私はつながると考えます。 今、政府の農業分野の成長戦略として、農地集積が打ち出されております。農地中間管理機構を設立して、農業、農村全体の所得向上も目指しておられます。これから地域営農組織は法人化して、大きなメリットを享受しなければならないと私は思います。 今後、県として、農家の理解を得るために今大変な努力をされていると思いますが、地域営農組織の法人化の進捗状況と今後の推進方法について、農林水産部長にお尋ねをいたします。 〔農林水産部長梅本茂君登壇〕
◎農林水産部長(梅本茂君) 御質問にありました454の集落営農のうち、農作業の協業化や経理一元化をしました地域営農組織は県内に347あり、このうち法人化を果たした組織は、蒲島県政スタートの平成20年度からの5カ年間で16組織増加し、現在36となっております。 経営基盤や作物の組み合わせが異なる農業者の皆様が参加するため、法人化後の経営や農地集積に関する意見の集約は簡単ではありません。しかし、各地で粘り強い話し合いと調整努力が続けられており、大変心強く思います。 例えば、熊本市城南町や山鹿市など農地集積の重点地区では、規模拡大と法人化を目指した話し合いが進んでいます。また、菊池地域では、米、麦、大豆の低コスト生産体制を確立するため、カントリーエレベーターを核として、地域営農組織の大規模な再編構想が協議されています。去る4月1日には、第1弾の取り組みとして、大津町において、基盤整備を契機に2つの組合が合併し、農事組合法人大津白川が設立されたところです。 農業者が今後さまざまな環境変化に対応していくためには、零細な個人経営から地域営農組織に移行して農地を集約し、さらに法人化を果たして、投資や資金調達、農産物の販売や6次産業化といった経営判断を的確に行っていくことがぜひとも必要です。 県としては、昨年度から、地域営農リーダーに対する育成セミナーを県内3地域で開催しており、第一人者である山形大学元教授の楠本氏から、経営計画などについて具体的なアドバイスを受ける機会を設けております。また、本年度からは、新たに、実際に法人化を図る組織に対し、既に法人化を果たした組織の役員を派遣いたしまして、実態に即した経営ノウハウを提供してまいります。 今後は、これらの取り組みに加えまして、農地集積や基盤整備の事業などともよく連携しながら、法人への移行を各地で加速化させてまいります。 〔東充美君登壇〕
◆(東充美君) 部長、大変力強いお言葉、ありがとうございました。 ただいまお話にありました農事組合法人大津白川、私も田代議員と一緒に設立総会にお招きをいただきました。法人化で農地の借り入れが可能になる、農家の高齢化で耕作放棄地がふえることを防ぐという狙いのほかに、機械の共有でコストも抑えられるという、そういうことで進められたと。2つの組織が1つになるということで、県内初ということでございました。 集落営農とは、集落を基礎として、多様な農家が機械、施設の共同利用を通じて農業生産の一部または全部を行う。農事組合法人とは、農地の権利取得はできないが、農業関連施設の設置、共同利用や農作業の共同化を行うことができる。そのほか、農業生産法人とは、農地の売買、賃貸に係る権利取得ができる。だんだん強くなります。 私、せんだって、どうしても見たいと思っていた映画がありまして、「奇跡のリンゴ」です。主役の阿部サダヲと菅野美穂の、この菅野美穂さんが奥さんで、農薬をリンゴに散布して――リンゴ園です。農薬を散布して、その後体中発疹だらけ、これはどうにかせないかぬと。私も経験がありますよ。ランネートという農薬で1回倒れたことがあります。そういうことで自然農法に切りかえて、11年目にやっとリンゴがなりました。それまで、虫をとったり何したり――手でとっていたんですけれども、やはり根っこだったんです。リンゴの木の根っこ、土づくり、それに気がついたときに、無農薬の大きなリンゴがとれたという映画でありました。 農薬の怖さ、これは大変重要でありますし、農業は――御存じない方が多いかな、農業は土づくり、作づくり、人づくり、これは昭和の農聖、松田喜一翁の言葉です。それをちょっと思い出した映画になりました。やはり土づくりが一番と思いますけれども、今はそれ以上に集落を大事にして、そして、生産法人のほうに頑張っていただきたいと思います。 その農業の問題でありますが、基盤整備の問題も大変今曲がり角に来ております。平成11年制定、施行されました食料・農業・農村基本法、これは新基本法と言いますが、食料の安定供給の確保、農業、農村の多面的機能の発揮、農業の持続的発展、農村振興という4つの理念を掲げて、それはそれなりにこれまで一定の成果を上げたと私は思っております。 平成22年以降の国の農業農村整備関係の予算の大幅削減、そして、今はTPP交渉に対する不安などから、あらゆる地域から、これからの農業について先行きが不安、老朽化した水利施設の更新ができるのだろうか、予算の削減で、そういう営農に支障を来す水利施設が更新されるのだろうかという声を私はよく聞きます。 この基幹的な水利施設、まず管水路ですけれども、老朽化が原因で破裂、漏水が起こり、今大変な負担が各農家にあるいは土地改良区に出ております。この熊本県、豊かな生産基盤を持って、多彩な農作物を生産する食料安定供給基地として、その役割をこれから将来にわたって維持していく上では、どうしても土地改良施設の整備は急務を要すると思います。 今、基幹的農業従事者の6割が65歳以上です。食料自給率も39%です。先進国中では最低水準と農業白書は言っております。今後、TPP参加についての影響も、農業生産額は3兆円の減という試算もあると聞いております。 しかし、これまで幾多の試練を乗り越えて、先人たちがたゆまぬ努力を積み重ねてきたからこそ、本県の優良農地は維持されてきたと私は思います。今整備をしなければ、農村の活力の低下や農業生産力の大幅な減少につながるし、ひいては県全体の経済にも悪影響を与えるのではないかと思います。 意欲的な農家や地域を支援する方向であれば、このハード整備面について、農家負担率の軽減策をどうやって考えておられるのか、農林水産部長にまず1点お尋ねいたします。 そして、規模拡大を目指す農家がいる一方で、やはりリタイアを余儀なくされる農家もおられます。経営形態も多様化しております。基幹的な水利施設の改修を例に挙げても、土地改良区の管理主体も、今受益者の全員の方から印鑑といいますか、同意を徴集することは極めて難しい状況にあると私も聞いております。 こういった老朽化した基幹的な水利施設の更新整備を推進する上で、直面する同意徴集の事業手続上の課題についても、これから県としてどのように対応されるのか。 以上2点について、農林水産部長にお尋ねをいたします。 〔農林水産部長梅本茂君登壇〕
◎農林水産部長(梅本茂君) まず、農業基盤整備に係る農家負担率の軽減についてお答えいたします。 農業基盤整備に当たりましては、建設時における経済的な工法の採用などにより、コスト縮減に努めてまいります。また、供用開始後の施設のライフサイクルコストの低減などによって事業費をできるだけ抑え、農家負担が少なくなるよう努めてまいります。 さらに、基盤整備にあわせて農地集積を進める場合には、集積の割合により国の促進費の助成を最大7.5%受けられ、地元の負担分にも充当できることから、その積極的な活用を助言してまいります。 この促進費につきましては、現在対象外となっている条件不利地域での中山間地域総合整備事業にも新たに対象とするよう、国に対して制度の拡充を強く求めてまいります。 次に、事業手続上の課題についてお答えいたします。 土地改良法では、参加資格者の3分の2以上の同意により事業着手が可能ですけれども、農地など個人の財産を対象とする場合は、その後の換地処分などが円滑に進みますよう、全員からの同意を求めているところです。 しかし、農業用水路や農道の補修など、直接個人の財産を対象とせず、施設の受益者の利益も損なわないものについては、土地改良区の総代会の議決をもって全体の同意とみなすことができます。 今後、この制度を十分活用して、迅速な事業着手を図ってまいります。 〔東充美君登壇〕
◆(東充美君) 本当に危機意識を持って私はこの本県農業を守っていかねばならないと、そういうように思います。農業の曲がり角と言われて本当に久しいんですよ。たばこの輸入自由化から始まって、米のミニマムアクセス、本当に自由化が進むにつれて農家数はどんどんどんどん減ってまいりました。ここらで本気で危機意識を持って農政部長は取り組んでください。お願いします。 最後の質問になります。 ふるさと納税です。 これは、まだ岡村総務部長は今議会で答弁がありませんので、初めてと思いますけれども、よろしくお願いします。 ふるさと納税、まさしく日本人が好むような言葉ですが、2008年4月、居住地で納める住民税等の一部を任意の地方自治体に寄附するふるさと納税、当時導入に積極的だった今の官房長官・菅義偉氏はこう語っておられます。秋田出身の私は、地方分権のためにふるさと意識を高めたいという思いが強かった、高校卒業まで自治体が負担する公費が1人当たり約1,600万、自分の好きな土地に還元するのはおかしくないと、そういう発想で始めたら、官僚は税の根幹を揺るがすと反対しました、しかし、私は動揺しなかった、総務大臣になって自分が権力を持ったのだからやったと言われております。 今、導入から5年を迎え、
東日本大震災の被災地支援に活用されたり、納税を受けた自治体が送るその土地の特産品等返礼が人気を呼んだりして、大変認知度は高まっておりますが、それでも最初の期待ほどには納税額はふえておりません。 ふえていない理由の一つに、自治体間の温度差と言われております。確かに、多くの税収がある都市部にとっては、本来入るべき税収の一部が、ふるさと納税で税金が流れていくのです。不満の自治体もあるわけであります。一方、構造改革により慢性的な財政赤字に悩む地方の自治体は、逆に歓迎の方向であります。 新聞報道の中にありますが、2012年度、本県への納税申し込み件数が880件、前年度比1.6倍の伸びであります。2,600万の目標額に対し3,513万円と、全国4位の受け付け件数となっております。熊本大水害復興支援に関するもの、デコポン等の県産品の返礼の効果、あるいはくまモン人気も一役買っていると思われます。 この制度は、県財政に寄与するばかりでなく、遠く離れた地方で故郷の大切さを認識し、熊本のファンになってもらい、毎年納税してくれるような熊本大好き人間をつくることも大切であると考えます。 ふるさとくまもと応援寄附金推進プロジェクトチームを庁内で設置されておりますが、今後も寄附金獲得に、知事にも、県人会、同窓会の集まりあるいは経済界の方々にもふるさと納税のPRをしていただいておると聞いております。全国上位ではありますが、まだまだ伸びる余地はあると思いますので、これからのふるさと納税に対する戦略、計画をお尋ねいたします。 私の考えですが、
世界農業遺産・阿蘇の草原再生に活用するといった、使途を指定した制度も取り入れてほしいと思いますが、それもあわせて総務部長にお尋ねをいたします。 〔総務部長岡村範明君登壇〕
◎総務部長(岡村範明君) ふるさと寄附金、いわゆるふるさと納税については、県として、制度創設当初から、全国のトップグループを目指し、知事みずからトップセールスを行うなど積極的に取り組んでまいりました。また、一定額以上を寄附いただいた方には、特色ある県産品をお礼の品としてお送りし、リピーターになっていただくための取り組みも行ってまいりました。 そうした取り組みの結果……
○副議長(中村博生君) 残り時間が少なくなりましたので、答弁を簡潔に願います。
◎総務部長(岡村範明君) (続) 平成24年度における県への寄附申し込み件数が、過去最高の880件になったものと考えております。 今後は、これまでの取り組みを着実に進めますとともに、さらなる寄附の拡大に向け、新たに、約12万人が登録しておりますくまモンフェイスブックの活用や県外イベントなどとの連携による、より効果的なPRを行ってまいります。 御提案いただきました
世界農業遺産に認定された阿蘇の草原再生等への活用をお示ししてPRをすることは、頑張る熊本を応援したいというさらなる動機づけになり、寄附の拡大につながることが期待できます。具体的な活用策をパンフレットやホームページに掲載し、PRしてまいります。 次に、市町村との連携につきましては、現在、くまもと「ふるさと寄附金」県・市町村推進連携会議を組織し、寄附金募集に係る情報発信や寄附金の受け入れなどに連携して取り組んでおります。特に、寄附金受け入れのための県と市町村の共同窓口は、全国でも本県を含めて3県のみの取り組みでございまして、寄附者にとりましては、ワンストップで県と市町村双方へ寄附することができ、市町村への寄附の増加にも寄与しているものと考えております。 今後とも、熊本に対する寄附の最大化に向けまして、市町村と密に連携を図り、より多くの方に熊本を寄附先として選んでいただけますよう取り組んでまいります。 〔東充美君登壇〕
◆(東充美君) 熊本のファンをふやし、自治体の謝礼の品等もありますけれども、一円でも納めていただくならば、私は結構なことだと思いますし、制度上いろいろあると思いますけれども、ぜひとも使途を指定した、そういうのも考えていかれたらと思います。今阿蘇の野焼き等で大変苦労していると思いますので、そういう面にも活用できたらと思います。 (資料を示す)これが熊本のPRのパンフレット、これが地元菊陽町のパンフレットです。ここに大きなくまモンの絵を描いたがいいです。端っこに小さくありますので、これを大きなところにやっておられたら、まだまだ全体的なPRになると思いますので、その辺もお願い申し上げまして、きょうはどうにか時間内に終わることができました。皆さんの御協力に感謝申し上げまして、本日の私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(中村博生君) この際、5分間休憩いたします。 午前11時休憩 ――――――○―――――― 午前11時12分開議
○副議長(中村博生君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 杉浦康治君。 〔杉浦康治君登壇〕(拍手)
◆(杉浦康治君) おはようございます。上益城郡選出・自民党所属の杉浦でございます。本日は、議員の皆様、執行部の皆様、また傍聴席の皆様には、台風とは思えない穏やかな台風のさなかに、県下各地よりお越しをいただきまして、まことに御苦労さまでございます。ありがとうございます。 竹を割ったようにすぱっと物が言えない熊本県人の私でございますけれども、通算で今回3回目の登壇となります。これまで臨時議会を含めて10回の議会で、前馬場成志議長のお顔をかぶりつき、そこの最前列中央の席から見させていただいておりました。本会議の開会日に御挨拶をされまして、議場を去られます後ろ姿は、寂しげというよりはむしろ、よし、やってやるぞというようなオーラを感じた次第でございます。ぜひともこれからも熊本県のためにしっかりと働いていただきますよう、大いに期待をするところでございます。 今回私が用意した質問は、通告書にございますとおり、大きく4つございます。私にとっては、日ごろより関心を持って観察している課題でございますし、県民の皆様にとってもまた大事な問題であろうかというふうに思っております。執行部の皆様におかれましては、またこの質問かと思わず、できれば丁寧に御対応、御回答をいただきますようお願いを申し上げたいと思います。 それでは、早速最初の質問でございます大空港構想関連についてお尋ねをいたします。 これまで過去2回の質問で、熊本市東部から阿蘇熊本空港に至る益城台地、第2空港線沿線、空港周辺の利活用に関して質問を重ねてまいりました。この地域、そして沿線のポテンシャルに関しては、蒲島知事と私の認識は全く違いのないものと理解をしておるところでございます。もし違いがあるとすれば、そのポテンシャルを生かすために具体的に思い浮かべる形であり、また風景であると、そのように思っております。 私の思い浮かべる風景に関しましては、前回の質問のときにお話をさせていただきまして、皆様方を私と同じ風景、何とただで上空から見ていただけたものと思います。 改めて私の考えをこの場でざっくりまとめますと、阿蘇、そして九州山地の自然を借景としまして、熊本の豊かな緑を感じさせる風景と空港の利便性や観光における魅力をさらに高める施設、加えて経済振興の核となる施設などを融合させるものとして整備をしていかなければならない、そのように考えております。 一見しますと矛盾するような課題のように見えますけれども、それを実現する知恵とそして工夫が、熊本県の職員の皆様には、お世辞抜きに、十分とは言わず、十二分に備わっておるものというふうに思います。 と申しますのも、30年近く前になるかと思います。県も同じように考えを持たれていたようでございます。現在は、使い勝手のよい、高速バスのほとんどに使われております益城熊本空港インターチェンジは、御存じのとおりかどうかわかりませんけれども、1999年、15年ほど前に整備をされました、いわゆる開発インターチェンジでございます。昭和62年の第2空港線の全線供用を契機として、構想から完成まで10年以上かかったようでありますが、これを推進するに当たり、地元の益城町と協議をされて、益城台地、空港周辺の開発をもあわせて考えておられたようでございます。 この考えの中にあって、インターチェンジとともに構想が実現したものが、御存じのグランメッセでございます。今でもグランメッセは大空港構想の核の一つとならなければならない施設だろうと考えますし、一層の充実強化が必要であろうと感じておりますので、この後に別にお尋ねをいたします。 当時、県が作成された参考資料を見ますと、さまざまにゾーニングされた見事な構想が描かれております。さきに申し上げましたとおり、お世辞抜きにすばらしい能力であります。十年一昔とすれば、30年近くも経過しておりますので、三昔ということになります。社会情勢、殊に経済の状況は当時と一変しておりますので、同じようにとはもちろん申しませんけれども、考え方、つまり大空港構想においても、機能の整理であるとか、ゾーニングといったことで、形が、そしてあの風景が目に浮かぶものにすべきではないだろうかというふうに考えるところでございます。 たびたびでしつこいと思われるかもしれませんけれども、構想の推進方法という根本にかかわる基本的な考え方の問題でございますので、今回はできれば当時の構想にも触れていただきつつ、今回また改めて企画振興部長にお尋ねをいたします。 〔企画振興部長錦織功政君登壇〕
◎企画振興部長(錦織功政君) 大空港構想推進の考え方についてお答え申し上げます。 大空港構想については、現在、空港周辺の景観保全、メガソーラーの設置、国内線及び国際線の振興、スマートエアポートによる空港の情報化、空港アクセスの強化、広域防災活動拠点としての機能強化等、具体的な事業実施の段階に移っております。 こうした事業のうち、施設整備を必要とするものにつきましては、適切な配置を検討した上で、着実に進めてまいりたいと考えております。 〔杉浦康治君登壇〕
◆(杉浦康治君) 大変あっさりとした御回答を頂戴いたしました。事業段階に移っていると、いろいろと事例を挙げながら御紹介をいただいたわけでございます。 昔のことを言うと、これまた嫌われている上にまた嫌われるかなというふうに思いますけれども……(発言する者あり)まあ好きでもないかなと思いますけれども、それを覚悟であえて申し上げますけれども、同じ質問を、昨年、前坂本部長に問いかけ、そして回答をいただいたところでございます。そこを引用させていただきますと、「大空港構想の推進に当たっては、時間的緊迫性を持って、空港地域の活性化の実を上げていく観点から、計画や工程表を作成した上で実施に入るという手順ではなく、できるものから順次実施に移していく」というふうなお答えでございます。つけ加えて「企画振興部が中心となり、全庁を挙げてスピード感を持って取り組んでまいります。」と、そのような御回答をいただいたわけでございます。 物事の進め方ということについて言うならば、100%これが正解だというようなことはもちろんないだろうというふうに思います。ですから、これはこれで一理あろうかと思います。今のあっさりしたお答えの中でおもんぱかると、基本的にはこういった考え方を多分踏襲されているのかなと理解をしなくちゃいけないのかなというふうに思います。もちろん、過去は過去だというようなこともあろうかと思いますけれども、もう一度、お話し申し上げました、県のほうで過去に考えられたようなことを眺め直していただきまして取り組んでいただければと、進め方を考え直していただければというふうに思うところでございます。 それでは、次に移りますけれども、ほんの少しずつでございますけれども、空港周辺の景色に変化が生じてきております。 議員の皆様は大方お気づきかと思いますが、空港周辺で営業されております民間駐車場の看板が統一されまして、大変すっきりとしたものになっております。殊に第2空港線沿線の民間駐車場については、その全てが統一されております。 県から多少の補助金はあったにせよ、いわゆる手出しというものが生じる景観向上対策、これにこぞって協力を取りつけられたということでございますので、これは土木部都市計画課景観公園室の粘り強い説得のたまものということでございますし、また、同時に実施された植栽により、数年後には多分空港周辺の民間駐車場は緑の中に溶け込みまして、県外からのお客様に感心していただける、そのような風景ということになろうというふうに期待をしているところでございます。 ただ、残念なことに、このように県と大変良好な関係がある一方で、全てがよしというふうにされているわけではございません。特に、土地の利用、それから建築、これらに関する幾つかの法律に関しては、必ずしも合致しているわけではなくて、県からの改善を迫られているということもこれまた事実でございます。 このような状況に置かれている空港周辺の民間駐車場でございますけれども、その果たしている役割について、ここで確認をしておきたいと思います。 空港周辺には、任意団体ではございますけれども、空港民間駐車場協議会に加盟する14の駐車場がございます。第2空港線側に位置する益城町に6施設、空港北側に位置する菊陽町に8施設であります。益城町側6施設での収容台数の合計は1,100台、菊陽町側8施設での収容台数は660台、合計1,760台というふうになっております。 私は、よく通ります益城町側についてしかわかりませんけれども、もうかってますかというようなお話をしますと、ぼちぼちでんなというようなお答えが返ってくるだろうというふうには感じております。税務署関係の方がいらっしゃるとちょっとあんばいが悪いので、もうかる、もうからないの話についてはこれ以上深掘りはいたしませんけれども、かなりの割合で駐車場のスペースというものは埋まっているかなというふうな見方をしておるところでございます。 その一方で、御存じのとおり、空港ビル前に、一般財団法人空港環境整備協会、ちょっと舌をかみそうですけれども、いわゆる空整協が運営する駐車場がございます。収容台数は1,171台。皆さん御存じのとおり、大変繁盛をしております。駐車しようとしまして、空きスペースを見つけるのに大変御苦労をなさった経験が多分皆様方にもおありかと思います。 民間と空整協を合わせますと2,931台、ごくごく大ざっぱに申しますと、熊本空港における官民合わせた駐車場のキャパは、現状では約3,000台と申し上げて多分差し支えないかなというふうに思っております。 皆さん、この数字についてどうお感じでしょうか。多いよ、あるいは少ないよ、こんなもんじゃないと、それぞれにさまざまお感じのこととは思いますけれども、私を含めて、多い少ないを適切に判断できる方はそうそういないわけでございますし、これは執行部で判断してくださいというふうに申し上げているところでございます。 現状から、あるいは今後の県としての利用客誘導から考え合わせて、熊本空港には一体何台分の駐車場を用意すべきなのか、そして、それはどのように確保をしていくべきなのかを考えないということについては、県としてはいささか不思議なありようというふうに私には映るところでございます。 これは決して駐車場だけのことを申し上げているわけではないとおわかりをいただいているのではないかというふうに思います。前回の質問で、熊本空港の機能、能力に関して、要るのか要らないのか、あるいは多いのか少ないのか、さまざまの事柄に関して定義をするべきではないでしょうかというようなお話をいたしました。そういったことで、空港のあるべき姿が見えてきますし、また、とるべき対策が見えてくるのではないかなというふうに考えるところでございます。 そこで、改めてお尋ねをいたします。 熊本空港の機能、能力に関して、さまざまに定義すべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。また、必要であるとお考えならば、その一例として駐車場に関しての定義をお聞かせいただきたいというふうに思います。さらに、その定義を満足させるための方策について、企画振興部長にお考えのことがあれば、ぜひ教えていただきたいと思います。 〔企画振興部長錦織功政君登壇〕
◎企画振興部長(錦織功政君) 空港の機能、能力についてお答えします。 大空港構想では、品格あふれる美しさ、先端技術産業の知の集積、九州を支える空港機能という3つの役割が調和した日本一美しい空港の実現を目指すこととしております。これらの役割を実現していくためには、空港周辺地域において、景観を保全し、次世代技術産業等を誘致し、九州域内の防災拠点として整備することなどが必要だと考えております。 その中で、空港駐車場のあり方については、九州を支える空港機能を充実する上で重要なものと認識しております。 現在、空港内駐車場の稼働率はおおむね7割程度とのことでありますが、繁忙期については少し混雑が見られると聞いておりますので、駐車場の拡充等について、国や空港環境整備協会などの関係者と検討を進めてまいりたいと考えております。 なお、空港周辺地域の民間駐車場については、空港利用者により盛んに活用されているものと承知しております。また、関係者の御努力により統一デザイン看板の設置が行われ、景観向上に向けた取り組みも進められております。 現状では、一部法令違反が継続しているところもございますので、今後とも粘り強く是正の指導を行ってまいります。 〔杉浦康治君登壇〕
◆(杉浦康治君) 大変きちっとしたおじぎをされます錦織部長でございますので、多分誠実にお答えをいただいたものというふうに思います。思いますが、なかなかあっさりした癖が抜け切れないなというふうな印象を持つ次第でございます。 熊本の空の玄関ということでございます。まず、品格あふれる美しさ、そして、先端技術産業の知の集積、九州を支える空港機能と、3つの役割を調和させて日本一美しい熊本空港、これを実現するように目指しているよというようなお話でございます。 このこと自体については、私も大賛成であります。振り出しに戻るというような感じではございますけれども、私は、3つの役割が調和した日本一美しい空港を実現するために、お話になられたような考えられる機能について、さあ、どうしましょうと、そういう議論をさせていただきたいというふうに思うわけでございます。 駐車場のお話もございました。重要なものと認識をされておるというようなことでございます。私としては、その重要に認識をしているというところを、どう重要なのか掘り下げていきたいというふうに思っておるということでございます。何となくお話、言葉の合い間合い間に、感じとるよと、考えないかぬよというようなことを考えていらっしゃるなというふうに私なりには感じ取っておるわけではございますけれども、なかなかそれをすぱっと言っていただけないというところにもどかしさがあるかなというふうに思います。 東先生は、けさということでございましたけれども、昨夜遅くに私のところにも届きました。極めて極限までぜい肉をそぎ落とされた説明資料ということでございましたけれども、それを眺めておりますと、やっぱりこれは企画振興部だけということで考えるべき問題ではないんだろうなというふうなことを、改めて思い直したというところでございます。 ただ、企画振興部が中心となりまして、全庁挙げてスピード感を持って取り組まれると、そういうことで進められるためには、やっぱり関連部署が議論するテーブルというものを用意する必要があるんじゃないかなというふうに思います。 認識はいただいておるということでございますけれども、本当に既に空港の機能として実質的には組み込まれておる民間駐車場でございます。これが果たしている役割、それから担うべき役割といったものを考えますと、経緯と現状といったものをもう少しきちっと整理をして、名実ともに空港機能の一部であると定義できるような形で、関係部局、それぞれ横で協議をしていただきたいというふうに、今回はもうおすがりをしたいというふうに思います。 次に、現在、空港2階出発ロビーの東突き当り、たばこを吸われる方にとっては喫煙室あたりということになりますけれども、南東を見ていただきますと、道路工事がなされているというところが目に入ります。前回、皆様にはヘリに搭乗いただきまして、この一帯について、次のような風景を見ていただきました。途中ワープしてすっ飛ばしますけれども、「まず目につくのは、南に広がる畑地から駆け上がるように延びる真新しい道路です。
堂園小森線を突っ切って、国際線ターミナルの東端に突き刺さるように接続されています。益城町がつくった地域再生道路です。車の往来もかなりあることが見てとれます。どうやら第2空港線のバイパスの役目を果たしているようです。 この新しい道路を使って、空港から出てくる西原方面への車は、阿蘇観光へ向かう観光バスの車列やレンタカーです。空港敷地に入る地域再生道路の両側には、レンタカー会社が数軒とガソリンスタンドに併設されたコンビニが見えます。レンタカー利用者が飲み物とガムを購入しています。返却時にガソリンを入れるのが便利になったと、利用客にはとても好評です。昨年まではとても不便な場所にあったレンタカー会社も、お客様の利便性がアップしたと喜んで」いましたということで、かなりデジャビュな雰囲気ではございますけれども、思い出していただけたものと思います。1年前は、私の大空想構想でございました。現在では、部分的に実際に目に見えるものとなりつつあります。 先に結論から申し上げますと、やがて完成するこの道路一帯を、県主導で、目的を持ったゾーニングの中の一つのエリアとして整備をされてはいかがかなというふうに思っております。その中身は、さきに述べたとおり、レンタカー会社を上手に配置しまして、その利用客の利便性、そして、快適性を格段に向上させ、観光客、ビジネス客のリピート率の向上、さらには、お客様に口コミ営業マンになってもらえるくらい喜んでもらえるような整備をしましょうよというものであります。 以後は少し長くなりますけれども、補足説明としてお聞きをいただきたいと思います。 お手元に参考資料を配付させていただいております。交通政策課にお尋ねをして回答をいただいたものです。(パネルを示す)まあ、こういうことということでございます。本当は少し詳しい分析までお願いをしようというふうに思っておりました。ただ、時間的な制約がございましたので、私の推測を交えて、その部分についてはお話をしたいというふうに思います。 まず、行き帰り合算の空港利用客の交通手段の割合ということでございます。他県から熊本空港に来た後、どのようにして空港を出ていったか。他県に出発するために、熊本空港にどのようにして来たか。この部分は少しごっちゃになっております。第1位から順に、自家用車など47.5%、空港バス20%、レンタカー10.9%、タクシー10.8%、貸し切りバス5.8%、市内バス3.4%、その他1.7%。 また、同じように、次に、行き帰り合算の空港利用客の目的別構成ということでございます。第1位から順に、仕事が48%、私用が26%、観光が23%、その他4%ということでございます。私用て何ねというふうなことでお尋ねしましたけれども、多分冠婚葬祭とか友達に会いに行くとか、そういったふうな類いのものではないかというようなお答えでございました。端数処理の関係ということで、合計すると100%には多少の違いがありますけれども、そこのところは気にせず見ていただきたいというふうに思います。 そこで、この数字から見えてくるものというのは、皆様それぞれお感じになるのではないかなというふうに思います。例えばでございますけれども、半分近くが自家用車ということであれば、駐車場対策が重要だとお感じの方、あるいは、いやいや、むしろ空港バスにこれはシフトさせるための誘導策が重要だというふうにお感じの方、あるいは貸し切りバス少ないね、観光客少ないねと、解消するためには阿蘇あるいは天草の道路改良が喫緊の課題だというふうにお感じの方、あるいはビジネス客一番多いんだねと、その割にはビジネス客向けに視点を持ったサービスというのが不十分じゃないのというようなお感じを持たれる方、さまざまだというふうに思います。 今回、肝心のレンタカーについてということでございますけれども、現在空港でサービスを行っているレンタカー会社は、熊本空港レンタカー協議会に加盟する8社があります。熊本空港ビルディングの報告書によりますと、年間14万5,000人近い方、これが7万2,000台以上のレンタカーを利用されているというようなことでございます。ざっとおよそ平均で1日200台以上の利用ということになっております。ピーク期間というのは、もう本当に目が回る忙しさだというふうにお伺いをしておるところです。ごくごく私の個人的な感想ということになりますけれども、想像以上にレンタカーは利用されているなというふうに感じております。 自家用車あるいはバスの利用というのは、地元の方が空港に到着された後自宅に帰るために使われる交通機関というふうなことがかなり含まれているだろうということを推測しますと、外から来られたお客様、これに対しては、数字で見えている以上の割合を実はレンタカーが果たしていると考えるのが恐らく妥当だろうというふうに思うわけでございます。 皆さん地元の方でございますので、熊本空港でレンタカーを借りられるということはまずないだろうというふうに思います。かく言う私もございませんでしたので、実際に借りてみました。本当はといいますか、正確に申しますと、体験利用をさせていただきました。そして、その業者の方にも、どんな状況ですかというようなお話をお聞きしたところでございます。 その内容をお話しする前に、これはあえて申し上げておきますけれども、平成21年度にレンタカーの集約化というのが図られまして、利便性が大変向上しておりますという説明を執行部のほうからいただいております。確かに、これはこれで実際そうだというふうに感じております。ただ、しかしながら、まだまだ改善の余地というのはやはりあると言わざるを得ないというふうに、実際に乗ってみて感じたところでございます。 体験させていただきました某レンタカー会社の方に状況をお尋ねしましたところ、わざわざ社内会議を開いていただきまして、まとめたものをお客様の声という文書で事務所のほうに送っていただきました。御自分の店舗に関する苦情、要望、これは除かせていただきますけれども、空港並びに周辺に関する声というのを、いただきました原文どおりに紹介をさせていただきます。 まず、空港周辺に商業施設がない、ガソリンスタンドがない、ガソリンスタンドが空港内1カ所のため混雑する、空港内ターミナルがわかりにくい、益城熊本空港インターチェンジと阿蘇くまもと空港など呼び名があるため、空港は2つあるのかと疑問になられる、周辺道路が渋滞しやすい、括弧書きで、特に西原方面から空港方面1車線のためとありました。改めてお断りしますけれども、原文のままということでございます。 これに、私が走ってみて感じたことを加えますと、空港構内の案内というのは、これは確かにわかりづらいと感じます。また、出発にしろ、帰着にしろ、大変へんぴな感じがしますし、不安になります。結果的に、おもてなし感の雰囲気というのがなかなか出づらいということ等々でございます。 確かに、これまでできる努力をなさって、可能な限りの改善に取り組まれておりますけれども、さきに結論として申し上げましたとおり、さらにもう一歩踏み出して、やがて完成する道路一帯は、レンタカー会社を上手に配置して、その利用客の利便性、快適性を格段に向上させ、観光客、ビジネス客のリピート率の向上、さらには、ここが大事だと思いますが、お客様に口コミ営業マンになってもらえるような整備をされてはいかがでしょうか。 企画振興部長にお尋ねをいたします。 〔企画振興部長錦織功政君登壇〕
◎企画振興部長(錦織功政君) 空港のレンタカー基地については、利便性向上の観点から、熊本空港レンタカー協議会の事業者に対して集約化を働きかけ、現在全8社中6社の集約が実現しております。 また、阿蘇くまもと空港のリニューアルにあわせ、受付カウンターの案内表示等を一新し、レンタカー送迎専用の乗降場所を新たに設けるなど、ワンストップ化に向けた取り組みを進めております。 さらに、空港構内の渋滞解消や空港機能の向上を図るため、県から国に対し要望活動を行った結果、このたび、緊急経済対策として、空港の構内道路の改修、降車帯への屋根の設置、国際線ターミナルビルのトイレ改修等の事業が、今年度末までに前倒しで実施されることとなりました。 議員御指摘のレンタカー事業者等からの御意見も踏まえながら、より一層使いやすい空港づくりのため、行政機関や空港関係者等で組織いたします阿蘇くまもと空港利便向上協議会などの場で検討を進めてまいります。 〔杉浦康治君登壇〕
◆(杉浦康治君) 何か少しかみ合ってきたかなというふうな感じを受けております。これは、もう一回質問させていただければ、違う形が見えてくるかなというふうに感じたところでございます。 また、錦織部長には、狭いすき間を通って3度も引っ張り出しまして、大変申しわけございませんでした。本当は一括で御答弁をいただくということもできたわけですけれども、もちろんボリュームもございますけれども、一つずつ押さえていくというような問題だなというふうに思いましたので、3回引っ張り出したことを御容赦いただきたいというふうに思います。 お話ございましたとおり、既に集約をしているよと、対応すべき改善にも取り組んでいるよということだろうというふうに思います。さらに努力をするというようなお話でございました。 申し上げましたとおり、以前に比べたら随分よくなったなというふうに私自身も感じております。ただ、お客様目線に立ちますと、熊本空港はもっともっとよくなるよということを申し上げたいというふうに感じております。 少し余談になりますけれども、お客様目線ということでお聞きをいただければというふうに思います。 空港ビルの西側に、これはバスプールというふうに呼んでいいんだろうと思いますけれども、観光バスあるいは貸し切りバスの駐車場というのが新設をされました。大型バスが8台とまれるというような形で整備をされております。ちょうどこの質問でいろいろと調査を空港のほうにしに行った折に、2台そこに貸し切りバスがとまっておりました。ちょうどいいあんばいだなというふうに思いまして、運転士さん、それとガイドさんのほうに、どうですかということでお話をお伺いいたしました。 開口一番返ってきた答えは、とてもよくなったと、よその県の空港には全然負けてないよというようなお声でございました。特に、プラットホームと言うんですか、段上がりの乗りおりするところがございますけれども、これはとても広い、そして安全だと、荷物の出し入れもしやすいというようなお客様の反響だというようなことでお話をいただきました。 ただ、でも雨がねというような、ただしがついてしまっております。確かに、お客さんがぞろぞろ空港ビルに向かってちょうど歩かれていたんですね。雨の日について言うならば、かえってこれは苦情が出るというふうなところを感じたところでございます。あそこの場所に対する屋根の設置というのは、先ほどお話になられました箇所に加えて、急務というふうに感じたところでございます。 それと、実際に集約をされているそのレンタカー会社の向かいに、空港に勤務をされるスタッフの駐車場というのがございます。その駐車場と空港ビルの間を、マイクロバスと言っていいのかなと思いますけれども、ピストン輸送をされています。それに加えて、レンタカー会社さんも、それぞれの会社で自前の送迎車というのを持たれていて、これが結構頻繁に出たり入ったりというようなことをやられております。 仮にですけれども、私が提案しましたゾーン化というようなことを踏まえて、空港南側にレンタカー会社を初めとして、さまざまそれなりの施設というものを整備したとします。空港ビルもまずはバスを運行されている、レンタカー会社も送迎車を頻繁に運行している、こういったことを考え合わせて、共同で運行するというようなことにすれば、場合によっては5分間隔ぐらいでぐるぐるあの辺を回せるというようなことも十分に考えられるんじゃないかなというふうに思います。いろいろちょっと内情は余り申し上げづらいところもございますけれども、コスト負担についても、十分これは可能な範疇ではないかなというふうに思っておるところでございます。 それと、余談の余談ということで、これまた大変恐縮でございますけれども、空港ライナーが施行されて1年9カ月ほど――記憶が正しければ、たっているかなというふうに思います。本年度の予算が来年3月までですかね、ということになっておろうかと思います。最終まで含めると、2年半というような試行期間ということになります。空港そのものに行くということを目的にされているお客様、そういった方も乗られているというようなことでございますけれども、そういった方も含めて、大変好評ということでございますし、これはこれで結構なことだと思います。 ただ、半年の試行ということで始められた事業ということでございますので、空港で営業されているタクシー会社の――これは熊本市の協会さんが音頭をとってやられているということでございましたけれども、そういった御意見も聞かれながら、今年度は、場合によっては存廃の判断を含めて、総括の年にすべきなのではないかなというふうに思うところでございます。 大変大きなテーマ、大空港構想関連ということでございましたけれども、多少横道にそれた気もします。ただ、新設道路一帯の活用について、レンタカー会社の配置をぜひぜひ御提案をし、検討をお願いしたいというふうに思います。 それでは、先にグランメッセということになります。 お話し申し上げましたとおり、グランメッセというのは、大空港構想の核となるべき施設の一つであるというふうにお話しさせていただきました。グランメッセ及びその周辺が魅力あるものにならないと、大空港構想の魅力が大きく損なわれるものと考えます。魅力が増せば、おのずと人は集まってくるものと思います。福岡、関西、関東に大いに営業活動を展開されて、それこそびゃんびゃん人が集まるよう、まずは御努力をさらに重ねてほしいというふうにお願いを申し上げます。 また、昨年の10月になりますけれども、全国朝市サミット、これが地元のJA上益城あるいはましきメッセもやい市というところが中心となられまして開催をされました。全国から有名な朝市の関係者を招くとともに、地元の新鮮な野菜や果物、そして新米などのおいしい食材を初め、花などの即売が行われたところでございます。全国から多くの方々がお越しになり、大盛況でございました。今後とも、このような地元地域の活性化にも寄与する取り組みを、ぜひ推進していただきたいというふうに考えております。 それでは、本題に入ります。 産業展示場グランメッセ熊本は、県内だけでなく、九州全体からの集客に大きな実績を上げています。昨年度の年間来場者数は90万人を超え、総合展示会や見本市、大型コンベンションが開催され、多くのお客様方に御利用をいただいております。また、大型コンサートや大規模会議の誘致等を推進することで、観光関連産業やサービス産業等への経済的効果が大いに見込まれます。 魅力ある施設づくりを行う上で、ぜひともコンベンション機能の強化を図っていただきたいというふうに思いますし、また、今現在その成果が出ているということであれば、ぜひとも御紹介をいただきたいというふうに思います。 さらに、グランメッセ熊本は、県の広域防災活動拠点施設として指定されている重要な施設でございます。大規模・広域的災害に対応できるよう、その機能の拡充を図っていく必要があると考えております。 そのような観点から、防災活動拠点の強化拡充につきましても、さらに推進していただきたいと思いますけれども、その具体的な計画というのはどうなっておりますでしょうか。 また、益城町においては、益城熊本空港インターチェンジ及びグランメッセ熊本周辺において、安全、快適、便利な魅力ある生活環境を形成するために、土地区画整理事業により商業施設並びに道路等の都市基盤整備を含めましたこの地域の一体的な整備を進められております。かつてはグランメッセもこの一体的な整備の一部を形づくるものであったと理解をしております。 グランメッセ熊本から国道443号を経て阿蘇熊本空港までをつなぐ町道グランメッセ木山線、いわゆる地域再生道路の整備もその一つの取り組みで、早期完成に向け事業が進められているところでございます。この完成は、第2空港線のバイパスの側面ということと、空港からグランメッセへの来場者を呼び込むまたは送り出す2本目の道路となるはずでございます。 このように、熊本市東部から益城台地、そしてあの空港周辺にかけた一帯、人を呼び込める可能性を秘めた場所でございます。大きな経済効果を生む場所でございます。その点を十分に踏まえていただいた上で、グランメッセ熊本の今後の機能強化について、知事に対抗しておしゃれなスーツで臨んでおられます
商工観光労働部長にお尋ねをいたします。 〔
商工観光労働部長真崎伸一君登壇〕
◎
商工観光労働部長(真崎伸一君) グランメッセ熊本は、各種展示会や商談会に加え、大規模なイベントや会議場として、多くの皆様に御利用いただいております。 施設の整備につきましては、近年需要が高まっている大型コンサートへの対応ができるよう、昨年度、大型の機材や照明、スピーカーなどを設置するための天井フックの強化を図ったところです。現在、大型コンサートの開催に向け積極的な誘致活動が行われており、既に1件の開催が予定されております。 また、広域防災活動拠点としては、今年度、災害時に停電した場合にも電気を供給するための太陽光発電設備や蓄電池の整備、さらには、限られた供給電力で長時間作業を実施するためのLED照明の導入に向けた設計を行うこととしております。 そして、今年度はさらに、コンベンション機能の充実や公共交通機関の利便性向上、広域防災活動拠点としての機能強化などについて、総合的に検討する調査事業も実施することとしており、今後とも魅力ある施設づくりを図ってまいります。 〔杉浦康治君登壇〕
◆(杉浦康治君) ありがとうございました。 調査事業を今年度実施するというようなことでございます。コンベンション機能の充実、それと公共交通機関利便性の向上ということについては、特にしっかりとやっていただきたいというふうにお願いをいたします。また、地元自治体、商工会、農協など、各方面からの意見もあわせて聴取をしていただき、調査事業の成果に地元や現場の意見も反映させていただきたいとお願いをいたします。 また、多分昨年度の改修の効果ということであろうかと思いますけれども、大型コンサートの開催が予定されているようでございます。随分食い下がりましたけれども、固有名詞は教えていただけませんでした。多分ビッグネームということで、それなりの動員を見込めるアーティストさんが来られるものというふうに思っております。恐らく県外からのファンも大勢来場されるということになろうかと思います。最初から、いろんな形で調査、アンケートといったものを計画し、そして人の動き、交通状況、何よりお客様の御要求等の把握ができるような形でそれらのことを実施されるよう御提案をさせていただきたいというふうに思います。 また、災害時等における支援物資の集積拠点としての位置づけ、絶好の場所でございます。ライフライン、これは当然ダウンするということを前提にして、一定期間――72時間とかそういう時間になろうかと思いますけれども、自立的活動ということが可能になるような設備を念頭に検討をしていただければというふうに思います。 それでは、一昨年の最初の登壇の折に、質問項目の構成について述べさせていただきました。基本的には、ポテンシャルのある地域を有効に使って県勢浮揚につなげたい、そのためには、まずは安全、安心な熊本でなければならないし、その基本は警察官の増員、装備の充実であると主張させていただきました。 一足飛びにというふうにはまいりませんけれども、徐々に体制の充実が図られてまいりました。それでも警察官の1人当たりの負担については、依然として九州でも最も重い現状でございます。引き続き、増員に関しては、県警本部と議会が一体となって国に要求を行っていかなければなりませんけれども、今回は視点を変えまして、検視などについてお尋ねをいたしたいと思います。 今回の質問のきっかけとなりましたのは、地元の歯科医師さんとの意見交換の場で、県警との協力のありようについて少し要望をお受けする機会がございました。そのことに関してお尋ねする前に、やがて1年となりますけれども、阿蘇の大水害において犠牲となられました23名の方について、その死因と身元確認の状況について、要点のみ御説明をいたします。 まず、圧迫による窒息死、それと外傷性ショック死、これがともに8名、次いで圧死が3名、溺死が2名、窒息死が1名、専門的でよく内容はわかりませんが、外傷性心タンポナーデが1名ということになっております。 身元確認は、そのほとんどが親族による確認でございますけれども、日数が経過して発見された方のうち、デンタルチャート、つまり歯科的確認方法があわせて使われたケースが3件ございます。 災害時に限らず、御遺体が傷むと、どうしても複合的に、特に歯科分野での確認が必要ということになるようでございます。腐乱した遺体、ミイラ化した遺体については歯科的確認が有効であり、そのために、歯科医師の中から警察協力を委嘱し、協力をいただいております。ただ、過酷な現場にもかかわりませず、仕事としては大変厳しい実情のものであるというふうにお聞きをしているところです。 今後の高齢化による孤独死の増加あるいは温暖化等による大規模災害の増加などが予測されますが、時間が経過した現場への臨場件数ということが、当然増加してくるものというふうに考えられるところでございます。 したがいまして、この分野における連携ということはしっかりしていかなければならないと考えますし、コミュニケーションがとれているのか、あるいは機器の利活用等を含めた協力関係が十分に構築されているのか、また、今後どういった形が望ましいとお考えなのか、お尋ねをいたします。 続けて伺います。 平成24年度の死体取り扱い数は、2,602体ということでございます。その解剖率に関しては6.1%と、九州においては上位にございますけれども、全国平均の11.1%を大きく下回っていることがまず気になります。犯罪死見逃し防止のためには、検視体制の充実強化が不可欠と考えますし、また、死因究明のための解剖に関しては、本県では熊大の法医学者お1人に頼っているというようなお話を聞いたことがございます。まずはこれらの体制の強化が必要かと考えます。 体制の強化に関してどのようにお考えなのか。また、これを補完する画像診断等について充実強化をされているというふうに伺っております。実施実績の推移等を含めて御説明をお願いします。 また、新通信指令システムの成果について伺います。 昨年の6月議会において、熊本県警察の新通信指令システムの更新に伴う運用の概要や、その機能、有用性について質問をいたしました。 このシステムは、本年4月1日から運用が開始をされております。その概要については、高機能カーロケーターの導入と台数増、地域デジタル無線システムとの連携、大型画面システムの導入といったようなことから構成されているというような御答弁でございました。 中でも、高機能カーロケーターについては、これが配備されたパトカー等の位置情報はもちろんのこと、搭載されたカメラにより高画質での動画記録が可能であり、それを直接リアルタイムで110番センターに送信でき、事案次第で本部が直接画像を見ながら指揮をとることが可能ということでございます。また、地域デジタル無線システムというものについても、大変有用であるというようなシステムだというふうにお聞きをしているところでございます。 これらの新システムということについては、4月からの運用ということでございます。期間が短いということでございますので、その具体的な効果、あるいはこれはよかったよというような事例というのは少ないかもしれませんけれども、新システム導入における成果あるいは具体的な事例ということについて、犯罪防止の観点ということからもお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。 〔警察本部長西郷正実君登壇〕
◎警察本部長(西郷正実君) まず、検視体制の充実強化についてお答えをいたします。 検視におきましては、医師、歯科医師との連携は極めて重要でありまして、県警察では、検視への立ち会いなどのため、あらかじめ医師、歯科医師132人を警察嘱託医として委嘱をし、御協力をいただいております。 また、警察嘱託医の研修会などには、検視を担当する警察官も出席をさせ、災害訓練などでは、共同で身元確認の訓練などを各種機材も利用して行っております。今後も、研修や訓練を通じて、強い連携を構築してまいります。 さらに、検視に関しましては、高齢化などにより検視の件数は毎年増加をするとともに、県内で解剖を委嘱できる機関が熊本大学だけであることにより、東京、大阪などの監察医務院制度のある地域と比べて解剖率が低くなっております。警察の検視体制と解剖の実施体制の強化が必要となっております。 警察の検視体制につきましては、平成19年以降、国において警察本部検視係の増員が認められ、現在12人が4交代勤務で業務に当たっております。今後とも国に対して増員を要求してまいります。 解剖の実施体制につきましては、熊本大学に加えまして、福岡県下の2つの大学とも契約を結び、これを補完しております。現在、死因究明等の推進に関する法律に基づき、死因究明を行う専門的機関の全国的な整備、人材の育成など、具体的内容を国において検討中でありまして、今後、これを踏まえて、その充実を図ってまいります。 なお、解剖の実施体制に制約がある現状におきましては、エックス線による画像診断が死因の究明において有効でありまして、平成19年には321件、約14%の実施率であったものが、昨年は1,634件、約63%の実施率となっております。今後も、各医療機関の御理解と御協力をいただき、積極的に実施をしてまいります。 次に、新通信システムの成果についてお答えをいたします。 通信指令システムは、受理した110番に対応し、パトカーや警察官を指揮し、現場の警察活動を組織的に行うためのものであります。 今回の新システムの導入におきましては、高機能カーロケーターの導入や地域デジタル無線システムとの連携などを新たに盛り込んでおります。 高機能カーロケーターに関しましては、今回、パトカーなどの警察車両の位置把握ができる車両を170台から270台に増強をいたしましたが、このうち周囲の状況を動画で撮影、録画できる高機能のものを53台新規配備いたしました。 また、地域デジタル無線システムの端末であるPSDで撮影した画像を、他のPSD端末だけではなくて、カーロケーターを搭載した全パトカーにも送信できることになり、現場の警察活動の強化が図られたところであります。 これらの新システムにより、本年5月に発生した暴走族グループによる集団暴走事案におきましては、追跡中のパトカーが暴走状況を動画で撮影、録画し、被疑者を現行犯逮捕した後、共犯者の割り出しや犯行の立証のために活用をしております。 なお、4月の新システム導入後は、前年に比べまして110番センターへの見学者もふえるなど、県民の皆様の関心も高まっております。 今後も、現場警察活動の訓練や、1月10日の110番の日における啓発活動などを通じまして、新システムの広報にも積極的に努めてまいります。 〔杉浦康治君登壇〕
◆(杉浦康治君) 余談の余談が災いしてしまいまして、時間がなくなってしまいました。 大変丁寧に御回答いただきましてありがとうございます。優秀な人材、装備ということを備えていらっしゃいますので、ぜひとも積極的に広報活動もやられて、抑止につなげていただきたいというふうに思います。 それと、竹産業ということでお尋ねをする予定でございました。本来は、上益城郡というのは、実は竹、一番県内で面積が多いんだよというようなことから始めまして、いろいろとお尋ねをする予定でございましたけれども、まずは御回答のほうをいただきたいと思います。 荒廃した竹林の環境改善及び1次産業としての視点と、竹材からの高付加価値化、販売という視点に分けて御説明をお願いしたいと思います。
○副議長(中村博生君) 農林水産部長梅本茂君。――残り時間が少なくなりましたので、答弁を簡潔に願います。 〔農林水産部長梅本茂君登壇〕
◎農林水産部長(梅本茂君) 県といたしましては、環境改善を目標に、今年度、約20ヘクタールを目標にして、荒廃竹林の解消を図ってまいります。 また、23年度には4,000トンまで回復いたしましたタケノコ生産量を、さらに伸ばしてまいりたいと考えております。 さらに、竹材利用につきましても、新たな商品開発や加工製品、製紙、それから燃料、あるいは肥料、果樹園での被覆材など、さまざまなさらなる用途拡大に向けまして、市町村や関係団体とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。 〔杉浦康治君登壇〕
◆(杉浦康治君) 聞かれている方は、多分何が何やらということだったろうなというふうに思います。大変失礼をいたしました。 いずれにしても、この竹ということに関して申し上げますと、熊本、実は大変すごいところでございます。全国2位の生産量を誇っていると、また、当然にその潜在的な供給力というのは大したものだよということでございます。 何とか竹の山を宝の山に変えたいというふうに考えておりますということ、それと、そのために、これまで既存の支援に加えて、新たな商品開発のための産学連携への橋渡しというようなアプローチもしていただきたいなというふうにお願いを申し上げたいと思います。 要望に関しましては、信号の件でございますけれども、新設の道路をつくるに当たり、当然に最初からわかっている大きな交差点については、従来の予算のつけようではなくて、当初から箇所づけしたような形でつけるように、関係部署、御検討をお願いしますというような御要望を申し上げたいというふうに思っております。 またまた最後は駆け足ということになってしまいました。次回はこういうことがないように深く反省をしまして、次回につなげたいというふうに思います。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(中村博生君) 昼食のため、午後1時15分まで休憩いたします。 午後0時13分休憩 ――――――○―――――― 午後1時15分開議
○議長(藤川隆夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 増永慎一郎君。 〔増永慎一郎君登壇〕(拍手)
◆(増永慎一郎君) こんにちは。上益城郡選出・自由民主党・増永慎一郎でございます。 きょうが6月議会の一般質問の最終日でございます。今回は運よくトリということで務めさせていただきます。なかなかこのトリというのは、めぐり合わせがなければ回ってこないということで、私自身、一生懸命に頑張って質問をしていこうというふうに思っております。 めぐり合わせといえば、きょう、今質問しているこの時間に台風が来る予定でしたが、何か温帯低気圧になりまして、私自身は、ここで嵐を呼ぶ男だというような形で皆さん方に御紹介しようと思ったのですが、それもできませんでした。 今まで8人の先生方が登壇をされまして、いろんな質問をされました。その質問を壊さないように、一生懸命に1時間質問してまいりたいというふうに思っております。また、皆さん方におかれましては、食事の後の非常に眠くなる時間でございます。眠気を呼び込まないような質問にしていきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 それではまず、上益城地域の振興についてお伺いいたします。 現在、九州中央自動車道嘉島―山都間の工事が進められています。県の縦軸である九州縦貫自動車道と直結する横軸が、山都町までやがて完成します。昨年末、我が自民党が、公明党との連立で政権与党に復帰しました。本路線の整備には、その後の経済対策で14億6,000万円の補正予算、また、今年度は、当初予算48億2,700万円をつけていただき、一気に供用開始に向け加速度を増してきました。 ちょうど1週間前の14日、小池高山インターから北中島インターまでの供用開始予定が、平成30年度中であると国土交通省より発表がありました。大分先が見えてきたと実感しておりますし、本当にありがたいことだと思っております。 さて、この九州中央自動車道は、嘉島から宮崎県延岡市まで延びていきますが、本県の沿線地域は、熊本市に隣接する嘉島町、益城町、それから、御船町を抜けて自然豊かな山都町までと、都市化が進む平たん部と過疎化、高齢化が進む山間部の二極構造となっています。 山間部である御船町の七滝、上野、田代、水越地区や山都町全域は、特に基幹産業である農林業の衰退から、人口減少も高齢化率も県内では特に高くなっており、地域の衰退が顕著になっています。重ねて、以前より医療や福祉、雇用、商業などといった都市機能の集積が低く、その多くを町外に依存せざるを得ない状況にありますが、こうした機能の多くが集まる熊本市へのアクセス性が悪く、その結果、十分に都市機能を享受できない状況にあるため、同じ上益城地域でも地域間格差が生じています。 九州中央自動車道の整備は、こうした課題の改善に大きく貢献するものであります。例えば、県によると、嘉島―山都間の整備により、救急搬送時間が約22分短縮されることで、50年間に500人を超える命が助かるとの試算も出ており、私としても、救急医療活動の改善につながるものと大いに期待しているところでございます。 また、現在、地域のメーンの道路となっている国道445号や218号は、地形的な制約があり、狭い箇所や急カーブや急勾配が多い上に、災害や冬季の凍結による通行どめや通行規制が頻発しております。そのために、地域住民にとって、災害時の対応道路としては頼りなく、命をつなぐ道路とは決して言えるような道路ではありません。 この道路の整備により、乗りおりに便利なインターランプなどもきちんと配置されることで、災害時には代替の道路や緊急輸送道路などとして大きな役割を発揮するものと期待が寄せられています。 平成23年3月、九州新幹線が全線開業しました。くまモンなどの活躍も加わって、関西などとの交流が活発化しています。現に、少しずつではありますが、上益城地域への観光客もふえているようです。 本路線の開通は、宮崎県の高千穂峡や山都町の通潤橋、そして甲佐町のやな場など、観光資源を持つ九州中央部の周遊観光の利便性を向上させます。よって、さらに沿線地域の観光振興にも期待が持たれるところであります。 ところで、私は、平成23年9月の一般質問において、政令指定都市誕生後の地域振興について、政令市誕生がビッグチャンスであれば、そのビッグチャンスの効果が政令市以外にも波及するよう、政令市以外の振興を図るべきという質問をさせていただきました。その中で、知事は、県としては、各地域の将来像や地域の活性化に向けた取り組みの方向性などを示すとともに、熊本市以外の地域振興策に重点的に取り組んでいくと答弁をされています。 県では、平成23年12月に、政令指定都市誕生後の県内各地域の将来像、いわゆる県土ビジョンを策定され、その中で上益城地域を新たな圏域の県央東部地域と位置づけ、それについて、その将来像を描きながら、地域の活性化に向けた主な取り組みの方向性を示されておられます。 この中には、九州中央自動車道の整備などをにらみながら、移住、定住や企業誘致の推進、交流人口の拡大、農林業の高付加価値化など、地域活性化に向けた振興策に取り組むと示されています。 いよいよ九州中央自動車道も、今年度中には嘉島ジャンクションから小池高山インターチェンジ間1.8キロが供用開始予定であり、全線開通に向けた大きな一歩が記されます。上益城地域のポテンシャルの高まりが大いに期待される中、県として、本路線の開通などを踏まえた上で、上益城地域の振興について、これまでの取り組みの状況と、今後どのように展開していかれるのか、知事にお尋ねいたします。 〔
知事蒲島郁夫君登壇〕
◎知事(蒲島郁夫君) 九州中央自動車道は、九州中央部を東西に結び、九州の高速道路の骨格となる重要な路線です。産業、経済、文化の交流発展を支える基盤として、本県はもとより、九州の一体的発展に不可欠な道路だと認識しております。 本路線の整備を踏まえた上益城地域の振興については、政令指定都市誕生後の各地域の将来像において、3つの方向性を示し、その実現に向けて取り組んでおります。 まず、1つ目の移住、定住や企業誘致の推進では、本路線の開通などを見据えた誘致活動により、白岩産業団地で物流や食品関連企業の立地が進んでいます。 このような状況を踏まえ、今年度から、企業立地促進補助制度の対象に、新たに物流関連企業を加えました。さらに、食品関連企業に対する補助要件を緩和するなど、半導体や自動車関連企業に加え、これらの産業の集積に向け、積極的に取り組んでおります。 2つ目の交流人口の拡大では、山都町や御船町などで、カップルをターゲットにした広域観光ルートの開発などに取り組んでいます。 この地域には、
霊台橋、通潤橋などの石橋群や日向往還、さらには、来春新たに建設される恐竜博物館など、ここにしかない素材があります。これらを生かし、ストーリー性のある観光商品の開発について、県央広域本部が主体的にかかわり支援を行っているところです。 こうした市町村域を越えた取り組みへの支援とともに、宮崎県高千穂町などとの県境連携にも取り組むなど、広域連携の動きをさらに広げてまいります。 3つ目は、中山間地域の多い上益城の特徴を生かして、高冷地野菜の高付加価値化やお茶のブランド化に取り組んでいます。 例えばトマトについては、選果場の再編を契機に、大手量販店と連携したプライベートブランドのトマト生産が拡大されつつあります。また、矢部茶の首都圏に向けたPRや、JAが製造したお茶パウダーを地元でお菓子やパンなどに加工する取り組みが始まっています。 さらに、株式会社モスフードサービスが、山都町などと農業参入協定を締結し、トマトやレタスの生産に参入しました。ここで栽培される高品質なトマトは、関東などの店舗に提供される予定です。 本路線の整備を大きなチャンスと捉え、今後とも、地元町村、関係団体などとしっかりと連携して、上益城地域の振興に向け、積極的に取り組んでまいります。 〔増永慎一郎君登壇〕
◆(増永慎一郎君) 答弁をいただきました。 知事におかれましては、よく忙しい中に上益城には足を運んでいただいているようでございます。よく知っていらっしゃるな、見ていらっしゃるなというのが実感できますし、各首長さんあたりに話を聞いてみますと、最近は町と県との一体感が非常に感じられるということで、非常に喜んでいらっしゃいます。 今回、九州中央自動車道の開通ということで、上益城地域の振興という形でどう結びつけていかれるのかということでお聞きをしましたが、政令指定都市とか新幹線が熊本県にとっての100年に1度のビッグチャンスであるならば、上益城地域に関して言えば、この中央自動車道の供用開始というのは、まさしく100年に1度のビッグチャンスになるというように思っております。 なかなか各地域の自治体とか――まあ、地域だけでというのはいろいろ難しいかというふうには思いますので、先ほど言いましたように、一体感を大事にしていただいて、県としては、非常に、何というか、一生懸命に取り組んでいただきたいというように思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 それでは、次の質問に移らさせていただきます。 平成の大合併の検証についてお伺いいたします。 平成の大合併と呼ばれる市町村合併は、地方分権の進展、少子高齢化の進行、国、地方の厳しい財政状況等の環境変化に対応するため、全国で推進されました。熊本県では、本年4月に10周年を迎えた平成15年合併のあさぎり町から、平成22年3月の熊本市まで、94あった市町村が45に再編されました。 新しくできた合併市町村では、行財政の効率化と基盤強化、財政支援などを活用した新しいまちづくりなどの取り組みが行われています。私の選挙区の上益城郡でも、旧矢部町、清和村、そして、郡を飛び越えて阿蘇郡蘇陽町が合併し、山都町が誕生しました。合併後、本年2月で8周年を迎えています。 さて、合併市町村においては、さきに述べたとおり、いろんな取り組みを続けられているところですが、いまだに合併効果を感じとれない市町村が多いのではないでしょうか。先ほど紹介しました山都町では、合併時の町民への約束であり、合併のシンボルでもある新庁舎もまだ完成しておりませんし、JAや森林組合の枠組みや、衆議院議員選挙区の区割りも別々ということで、まとまりのつかない状態が続いています。 さまざまな行政による事業や財政などを主体的にやられている役場の職員の方などは、じかに合併のメリットを感じとれるかもしれませんが、一般住民にとってはなかなか難しく、合併したことに対しての不満を持たれている方も多いようです。 合併の検証については、過去にいろんな先生方が質問されておられますが、私も、実は平成20年9月議会において、平成の大合併に関する不断の検証とその活用についてという内容で質問をしており、今回で2回目の質問となります。 その際は、県においても、合併市町村支援・連絡会議などの場を通じ、事例の収集などを図り検証を続けていく、また、各合併市町村に対しても、それぞれの地域の実情を踏まえて検証を行っていくよう助言していく、さらに、その結果についてわかりやすく住民に説明をしながら、市町村合併に対して理解を深めていくと答弁されておられます。 ところで、蒲島知事は、道州制の実現について、時代に適応した新しい国の形をつくろうとする大きな改革であり、地域住民に近い地方が行政を主導する地方分権、その究極の形としての道州制の実現があると述べられています。 また、知事は、就任以来、熊本市の合併、政令指定都市移行にも積極的に動かれています。県政の指針である
幸せ実感くまもと4カ年戦略においては、熊本百年の礎を築くために州都を目指すと、道州制の実現後の熊本の姿も思い浮かべながら、道州制、州都実現に向けた取り組みを推進されています。 道州制に賛成か反対かの議論は別として、道州制を見据えた合併についての質問において、道州制の「議論の前提として、すべての市町村が、みずからの判断と責任で地域の課題を解決できる自立した基礎自治体になることが極めて重要」であり、道州制を見据えた今後の市町村合併については「このような市町村の行財政基盤を強化する上で有効な手段」である、また、市町村合併は「地域が持つ観光や産業などさまざまな資源を一体化し、他の地域との競争力を高め、県全体の発展にも」つながると知事は答えておられます。 確かに、道州制において、その一員となる基礎自治体を強化すること、いわゆる知事が述べられた、みずからの判断と責任で地域の課題を解決できる自立した基礎自治体が道州制実現の最低条件であると私も思っておりますし、道州制に進んでいくとしても、この基礎自治体をどうするかということは避けては通れないことだと考えます。 県内には、道州制に移行していくと仮定して、その一員となれる基礎自治体は、政令指定都市である熊本市以外にはないのではないかと思っています。熊本市以外の全ての自治体が、新たに枠組みを組んで合併をしなくては、一員となる要件を満たす基礎自治体はできないのです。そのためには、その前段として、まず平成の大合併をきちんと検証していくことが重要になってくるのではないでしょうか。 そこで、平成の大合併の検証の必要性についての認識、また、きちんと検証されているか、さらに、その取りまとめはどうなっているのか、総務部長にお尋ねいたします。 〔総務部長岡村範明君登壇〕
◎総務部長(岡村範明君) 平成の市町村合併は、地方分権の進展、少子高齢化の進行、行政ニーズの高度化や多様化、そして、国、地方の厳しい財政状況等の環境変化に対応するために推進されました。 合併の検証につきましては、県といたしましても、合併した市町村とともに、その効果や課題等を中長期的に継続して把握する必要があるものと認識をしております。 このため、平成18年度に合併した17の市町村とともに設置をいたしました合併市町村支援・連絡調整会議におきまして、合併の効果や課題等の把握に努めております。 合併の効果といたしましては、行財政の効率化と基盤強化が図られること、国、県からの財政支援等を活用した新しいまちづくりが行われることなどがございます。 一方では、役場の本庁舎が遠くなり不便になるといった周辺地域の振興等の課題もあり、課題解決のためのさまざまな取り組みが行われております。なお、詳細につきましては委員会で報告させていだたく予定としております。 これから平成27年度にかけまして、多くの合併市町村が合併10周年の節目を迎えます。これを契機に、合併市町村と連携し、住民の声を反映できる検証方法等を改めて検討の上、来年度までには検証を実施することといたします。 〔増永慎一郎君登壇〕
◆(増永慎一郎君) 検証についての必要性というのは、きちんとやっぱり認識をされている、また、合併の効果や課題の把握にも努められているということで、委員会で今回詳細は言われるということでございます。私も道州制の委員会に入っておりますので、そのときの検証あたりは楽しみにしているところなのですが、今回この質問の背景には、ちょっと何か道州制に向かっていくスピードが非常に最近速くなっているような感じがして、この質問をさせていただきました。 先日5月に、ここにも記事を持ってきていますが、町村会の会長の荒木町長――嘉島の町長なんですけれども、がコメントをされていまして、地域の実態や住民の意向を顧みることなく大合併が進めば、地域は衰退する、まずは平成の大合併の検証をきちんとやるべきだというふうに苦言を呈されておられます。 私も地方出身ということで、合併も経験したわけでございますが、合併が、小さいところが集まればよくなるという感じがしないのがやっぱり事実でございます。何か18日に、これもやはり熊日に載ったのですが、自民党の幹部の方が、道州制というと、何か市町村が合併して基礎自治体となるといった誤ったイメージというふうな形で紹介されておられました。 私自身が、基礎自治体というのは、やっぱり市町村が集まってやるんだろうというふうにイメージをしておったのですが、そうじゃないということであればどうなのかというふうには思うんですが、とにかく基礎自治体をつくるためには、それぞれの今ある既存の市町村が一緒にならなければならないというふうに思いますので、先ほど言いましたけれども、道州制がいいか悪いかという議論の前に、その辺をきちんとやっぱり検証するのが必要だというふうに思いますので、ぜひとも続けてやっていただきたいというふうに思いますし、ぜひその検証を生かしていただきたいというふうに思っております。 次の質問に移らせていただきます。 茶業の振興についてお尋ねいたします。 一昨年、お茶の産地選出の有志議員で、松田議員を座長に、お茶問題研究会というのを立ち上げさせていただきました。不肖私が事務局長をさせていただいておりますが、昨年から本年にかけて、生産者の方々を中心に、数回意見交換会をさせていただきました。 茶業については、3年前にも質問をしておりますが、話を聞きますと、そのときから比べましても、茶業の現状はなかなか厳しいものがあるようでございます。 ここで、お茶の現状について少し触れたいと思います。 お茶は、晩霜を除いては気象災害に強く、比較的生産量や価格が安定していたことから、中山間地の貴重な換金作物として広がりました。粗生産額は18億円で、当県農業粗生産額に占める割合は0.6%程度ですが、現在でも球磨地域、菊池・山鹿地域、八代の泉地域、そして私の地元の上益城地域などでは重要な作目となっています。 しかし、最近では、景気の低迷や生活スタイルの変化により、全国的に消費量が減少し、お茶の価格も低迷している状態が続いています。これは、全国の生産量は約9万トン前後で推移しているのに対して、推定の消費量は約8万トンと少なく、需給バランスの崩れが原因と考えられており、需給バランスを整えることが重要な課題となっております。 流通、販売を見てみますと、お茶はさまざまな流通形態を持っていますが、大別すると、系統販売、いわゆる経済連への入札が4割、農家小売、これは生産、製茶、販売を直接農家がされるわけなのですが、その農家小売が6割となっています。 系統販売は、入札価格や収量が経営に大きく影響しますが、農家小売では、自分で販売価格を設定できるため、影響が小さいと言われています。特に、本年は、茶収益の約7割を占める一番茶が、収量で3割、単価で1割弱低下しており、経営への影響が懸念されております。 県内でつくられている煎茶と玉緑茶では、煎茶は系統販売の割合が高く、主に福岡県に販売されております。逆に、玉緑茶は、農家小売の割合が高く、県内での販売が中心であり、入札に出荷される玉緑茶も、県内の茶商が仕入れ、県内での販売が中心となっています。 ところで、主に煎茶においては、鹿児島県産のお茶がたくさん入ってきており、県内の生産者を苦しめています。県内の多くの茶商は、入札で1年間必要な量をまとめて仕入れ、在庫することが難しいため、必要に応じて買い入れています。県内には、この要望に応えられる産地問屋がなく、鹿児島県はそのような産地問屋があるため、茶商は、必要な時期に鹿児島の産地問屋から希望する品質のお茶を必要な量だけ仕入れ、在庫を抱えることなく販売しているようでございます。 重ねて、鹿児島県産は、茶生産時期が熊本県より早いため、相場の下落も早くなっています。したがって、同じ品質のものが熊本県より鹿児島県のほうが安く手に入れることができるため、鹿児島県の産地問屋から仕入れているのが現状であります。 さて、これまで熊本県の茶業の現状について述べさせていただきましたが、このような状況の中、生産農家の方々は、例えば日本茶のインストラクターとなり、企業などで日本茶講座を開いたり、消費者参加型のイベントを開かれたりと、茶業の振興、茶の消費拡大を図るために、自分たちでもいろんなところでさまざまな努力をされておられます。 しかし、そういった自己努力を続けられている一方で、お茶中心の農業経営は生計が成り立たないため、茶以外の経営の柱を模索されている方もおられて、不採算茶園の廃園のための抜根や整地への支援を求められるような切実な訴えもあります。 前回の質問以降、執行部におかれましては、いろんな施策を施して茶業の振興に努めていただいていることだと思います。前回の質問の際には、特にくまもと茶ブランド化についてお伺いしました。ブランド化することにより、他県のお茶と差別化することもできますし、ブランド化は、生産者のみならず、熊本の茶業全体の振興のためには欠かせないことだと思います。また、茶の消費拡大のためのお茶を飲む習慣の確立や、その他の用途への普及などの啓発活動も積極的にする必要があると感じます。 そこで質問ですが、現在の茶業の支援や取り組みの状況について、また、ブランド化や消費拡大も踏まえた上で、今後熊本県の茶業振興についてどのように取り組んでいかれるのか、農林水産部長にお伺いいたします。 〔農林水産部長梅本茂君登壇〕
◎農林水産部長(梅本茂君) 本県茶業を振興するためには、お茶農家が高品質なお茶を丹念につくられ、それがくまもとブランド茶として消費者に高く認知され、流通の段階で適正な価格で取引されることが大変重要であると考えます。 まず、生産対策としては、色や香りをよくするため、加工技術の向上や被覆資材の導入、植えかえや株元からの切り戻しなどによる茶園の更新を促進いたします。 次に、流通販売対策としては、県とJA・経済連、茶商業協同組合の3者が、厳格な格付基準で認証いたしました最高級玉緑茶「湧雅のここち」を前面に出すとともに、新たな取り組みとして、全国で幅広く飲まれている煎茶についても、格付認証茶の商品化を目指します。 また、航空機内でのくまもと茶試飲キャンペーンや機内誌での広報をトップセールスで行うほか、初めての試みとして、東京都茶協同組合と連携した商談会や店頭PR等を実施いたします。 さらに、県内に向けても、日本茶を飲む習慣を養うため、小中学生への出前講座や給茶サーバーの設置のほか、熊本市内中心部でのくまもとお茶まつりの開催など、今年度も継続して実施してまいります。 最後に、ブランド化についてでございますけれども、長年の懸案でございましたくまもと茶の地域団体商標登録に向けまして、経済連と茶商業協同組合の調整に努めてまいりました結果、本年3月に特許庁への共同出願にこぎつけることができました。 登録となりました後には、商標や新たに作成するマークを積極的に活用し、安全で高品質なブランドとして、くまもと茶を県内外に幅広くアピールしてまいります。 今後とも、茶生産農家が意欲を持って安定的な経営を続けていけるよう、茶業関係者とよく連携して、生産と流通の両面から茶業振興に取り組んでまいります。 〔増永慎一郎君登壇〕
◆(増永慎一郎君) 答弁をいただきました。 ブランド化について、地域団体商標をということできちんと商標を登録申請されたということで、非常にありがたいなというふうに思ったところでございます。 お茶というのは、やはりみんなが――特に、ペットボトルのお茶じゃだめで、茶葉から飲まなければいけないというのがありまして、そういうような形でブランド化して外に売り出す、それから、自分たちで飲んで消費するという、この2つに力を入れてやっていくべきだというふうに思っております。 そういえば、私、もともと山都町、旧矢部町の出身でありまして、どこに行くにも昔は矢部茶ということで、お土産は矢部茶を持っていっておりました。しかしながら、最近は「通潤」という銘柄のお酒をよく持っていっております。自分が酒飲みだからお酒を持っていき出したのかなと今座っていて思ったのですが、やはりそういう形で私たちが一体となってそういうふうな取り組みをやっていかなければいけない、そういう形でブランド化というのは本当にありがたいなというふうに思っております。 また、茶の生産者さんたちというのは、非常にそれぞれの形態が違いますので、悩みもいろいろ違います。AさんとBさんとCさんがいて、それぞれ違うような要望があります。私たちは、やっぱりその要望をきちんと一つずつ聞いて、それぞれに対応していかなければならないというふうに思いますので、どうか執行部におかれましても、全体的なのも大事ですけれども、そういうふうな個別の部分に関しても、きちんと話を聞いて支援をしていただきたいというふうに思っております。 熊本のお茶、まだまだ捨てたものじゃないというふうに思っておりますし、ぜひともこれが――今18億円ということでございますので、トマトまではいかないにしても、それに近いような線までぜひ持っていけるように、力を合わせて頑張ってほしいというふうに思います。よろしくお願い申し上げます。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 学級崩壊と教師の指導力不足についてお尋ねいたします。 さて、皆さん方は、学級崩壊という言葉を聞いてどんな状態を想像されるでしょうか。恐らく、大抵の方は、80年代に中学校や高校の、いわゆる突っ張り生徒を中心とした教師への暴力や窓ガラスを割るなどの破壊行為を思い浮かべられるのではないかと思います。 しかし、この学級崩壊は、そういった荒れの状態ではなく、普通の子供たちが突発的な攻撃行動や不規則行動、私語、逸脱行動などを繰り返す、新しい荒れにより授業が成立しない状態を言います。簡単に申しますと、児童生徒が教師の指導を受け入れない、授業中に教室内を動き回る、みんなで騒ぐ、突然大声を出したり、物を投げたりするなど、授業ができない状態が続くことです。 この言葉は、90年代の後半にマスコミによってつくられました。この学級崩壊は、どちらかというと、教科ごとに教師がかわる中学校よりも、1人の教師が児童と深く接触する小学校で多く見られるようです。 学級崩壊は、授業が成立しない状況であるため、その学級の児童生徒は全体的に学力不足になってしまう懸念があります。また、先生の指導が個人に行き渡らず、ちょっとした軽い問題にもきちんと対処できない状態が続き、結果的には深刻ないじめや不登校などにつながってしまうと言われています。 実際に学級崩壊している学級においては、いじめの認知件数や不登校の児童が多いといったデータもあるようですし、逆に、それが多いことで調べたら、そのクラスが学級崩壊の状態であったといったケースもあるようです。 そこで、1つ目の質問ですが、この学級崩壊について県教育委員会はどのように認識されておられるのか、また、本県の学級崩壊の現状はどうなっているのか、さらに、それに対してどのように対処しているのか、お伺いいたします。 ところで、この学級崩壊が起こる要因は何なのでしょうか。学級崩壊は、ある日突然起こるものではありません。いろんな要因が直接的、間接的に積み重なって、徐々に崩壊へ進んでいるようです。集団生活における子供たちの派閥、勢力争いもあるでしょう。勉強の悩みや成長過程におけるいろんな悩みもあると思います。そういったストレスを持った数人の子供たちの暴走が直接的な要因となって学級崩壊は発生します。 しかしながら、実際は、そういった子供たちの暴走が要因ではなく、それについてきちんと対処できない教師の指導力不足が最大の要因であると専門家は指摘しています。 この教師の指導力不足についてですが、県教育委員会は、指導が不適切な教諭等の取扱いに関する規則の中で、指導力が不足している教師の定義をしています。 ちょっとここにパネルを用意しております。(パネルを示す)これが規則なんですけれども、例えば「教科に関する専門的知識、技術等が不足している」、これは、適切に学習指導を行うことができない。「指導方法が不適切である」、これも学習指導を適切に行うことができない。「児童等の心を理解する能力又は意欲に欠け」という、これが欠けていれば学級経営や生徒指導を適切に行うことができない。また、これのほか「教諭等としての資質に問題があり」、これはいろんな問題を起こされたのだというふうに思いますが、これは学習指導、学級経営、生徒指導、全て行うことができない。これに入れば、不適切な教諭等に入るわけです。 ここが問題なのですけれども、「精神疾患及びその他の疾病以外の理由」ということですから、当たり前のまともな、病気も何もされていない先生がこういう形というふうに定義をしてあります。 さて、これに該当する教職員に対しては、山鹿の教育センターで指導、教育が行われています。このセンターでは、平成20年度から平成24年度までの5年間に、18名の小中学校の教職員が研修を受け、いずれも翌年度、学校復帰されておられます。 5年間で18名という数字が多いか少ないかは、基準がないのではっきり言えませんが、私としては非常に少ないように感じます。どうしてかといいますと、指導が不適切な教諭等と呼ばれる研修を受けるような先生たちではなく、この枠に入らない、適切な指導が行われるはずの先生たちの学級で、実際に学級崩壊や指導力不足が原因と見られる問題が数多く発生しているからです。 先生の指導力不足をどう見るか、なかなか基準はわからないと思いますし、本当にどこまでの先生に対して研修を課したり、どんな教育を受けさせるかということも難しいことだと思います。しかし、学級崩壊や指導力不足による諸問題で迷惑をこうむるのは、最終的には先生たちを選ぶことのできない子供たちだということは間違いありません。ですから、教師の指導力不足に関しては、最大級に対処すべき重要な問題ではないかと考えます。 そこで、2つ目の質問ですが、学級崩壊などの大きな原因と考えられる教師の指導力不足についてどのように認識されていらっしゃるのか、また、解消に向けてどのように取り組んでいかれるのか、先ほどの質問とあわせて教育長に質問いたします。 〔教育長田崎龍一君登壇〕
◎教育長(田崎龍一君) まず、学級がうまく機能していない状況、いわゆる学級崩壊についてお答えをいたします。 学級がうまく機能しない状況とは、子供たちが教室内で勝手な行動をして教師の指導に従わず、授業が成立しないなど、集団教育の機能が成立しない状況と認識しております。 各学校の現状については、各教育事務所等において、市町村教育委員会と連携しながら、学校訪問や校長ヒアリング等を通して把握しており、県内の小中学校にこのような状況の学級があることは承知をいたしております。 対応としては、各学校で、校長のリーダーシップのもと、学級担任等を支援するとともに、必要に応じて市町村教育委員会や教育事務所の指導主事等が学校を訪問するなどして指導を行っております。 次に、指導が不適切な教諭等についての認識と、その解消に向けた取り組みについてお答えをいたします。 県教育委員会では、指導が不適切な教諭等の取扱いに関する規則を定め、対象となる教諭等については、積極的に指導改善研修を受講するよう指導をいたしております。 しかし、研修受講の対象までは至らなくとも、子供たちとの人間関係の中で学級経営がうまくできない教諭等がいることも承知をいたしております。 今後、県教育委員会としては、市町村教育委員会と連携しながら、学級がうまく機能するよう、このような教諭等を支援する個別のプログラムを作成するとともに、教育事務所の指導主事等を積極的に派遣するなどして指導の充実を図ってまいります。 〔増永慎一郎君登壇〕
◆(増永慎一郎君) 教育長より答弁をいただきました。 認識はされているけれども、学級崩壊とは呼んでいない、学級がうまく機能しない状況という形で呼ばれているということでございます。 帰られて、学級崩壊という言葉をインターネットで検索してもらえば、そういうふうな形で書いてあります。やっぱり非常に、何というか、学級崩壊と言うと、刺激的な言葉に聞こえるみたいですね。そういうふうな形になっているみたいでございますが、私は、経験上から、やっぱり学級崩壊と言わなければ、それだけの認識が先生たちの中にないというふうに感じております。 先ほど、このパネルで「精神疾患及びその他の疾病以外の理由により」というのをわざわざ言いました。教職員の先生たちが――ここに紙があって、何人の方が病気とかで学校を休職されているかという表なんですけれども、一般の病気、また、精神疾患とかあります。大体これは6年間のデータがありますけれども、90名から70名程度が病気で休まれておられます。そして、その中で精神疾患が70名から50名程度です。ことしに限って言えば――まだ途中なんですけれども、精神疾患を41名含む、合計の58名ということでございます。 学級崩壊になったときに、学級崩壊になったから精神疾患になったのか、精神疾患がもともとあって出られないのかというのはよくわかりません。私が知っている事例では、その先生は、休まれてはいませんでしたけれども、心療内科に通われているということで、私から言わせれば、ちょっと逃げられているなと、こういうのがあるから、それで逃げられているんじゃないかなというふうに思いました。 ここに、新しいプログラムをつくられるということでございます。先ほど議場の中から――先生たちのプログラムというよりも、やはりこれはきちんとそういうことが発見できるような、早目にわかるような、そして、先生にも指導が大事ですけれども、やはり全体できちんとその学級をもとに戻すというのが私は先じゃないかというふうに思っております。 実は、さっき言った事例というのは、今6年生ですけれども、5年生のときにそういう事例がありました。ずっと調べてみますと、3年生のときから実は学級崩壊していたんです。3年生のときの担任の先生は、途中で病気を理由に休職されました。そして、4年生のとき担任がかわられて少しはよくなったんですけれども、また5年生でそれが噴き出して、最終的には、親が毎日授業参観してもとの状態に戻りました。そして、今は、担任がかわられて、本当に当たり前のクラスになっております。やっぱりこれは私は先生たちの指導力不足ではないかというふうに思っております。 これは何でその学級崩壊がわかったかというと、そのクラスのある子供が、まあ、いじめかどうかわかりませんけれども、一応表向きはいじめが理由ということで転校されました。その説明会をするということで説明会に行ったら、そういうことがわかったということでございます。 いずれにしろ、先ほど質問の中にも入れましたが、学級崩壊というのはいじめの温床にもなりますし、当然授業が進まないので勉強が先に進んでいきません。当然、そのクラスというのは――幾つかクラスがあれば、やっぱりそのクラスだけが学力が低下してしまうということになりかねませんので、この学級崩壊というのは、もうちょっときちんと調べてもらって、そしてきちんと対処していただくようにぜひお願いをしたいというふうに思いますし、このプログラムに関しては、きちんとやっぱり後で私も確認をとっておきたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいというふうに思います。 学校でのことは、毎回テーマを持って私質問させていただいておりますが、最近これに触れまして、ああ、やっぱりこれはいかぬなというふうな形で今回は――いつも不登校とかいじめとかと横並びで学級崩壊という言葉は出てくるんですが、今回は特出しさせていただきまして、これに関して質問をさせていただきました。 続きまして、最後の質問になります。 県道御船甲佐線にかかる田口橋についてお伺いいたします。 この質問は、私、初登壇以来、毎回質問をさせていただいておりますし、質問しないときは要望をさせていただいております。何か土木部は、私の顔を見ると、田口橋が来たということを言われる人もいらっしゃるみたいですが、それだけ一生懸命にやっておりますので、その辺の意を酌んでいただきたいというふうに思います。 田口橋は、県道御船甲佐線の緑川を渡る橋で、幅員が4.5メートルと非常に狭く、車同士の離合は軽自動車同士でもかなり大変で、歩道もなく、歩行者や自転車にとっても非常に危険な橋であります。特に、宇土方面から橋のところまでは、歩道もあり、幅員も非常に広くなっているのですが、橋の手前で急に狭くなり、スピードを出していた車はなかなかスピードを落としづらく、接触事故もたびたび起こっているようです。 それに加えて、今の橋の現況から仕方ない部分はあるのですが、橋の北側の県道本線への接続が悪いため、朝などの通勤通学時には渋滞してしまいます。 ここにパネルを用意しておりますので、ちょっとパネルを見ていただきたいと思います。(パネルを示す)こういう状態でございます。ひどかでしょう。こういう状態ですね。 現在は、安全確保のために、車の車幅や重量の制限などをしたりして通行車両を限定させてありますが、もともと軽自動車同士でも離合が困難なわけですから、効果が出ているとは思えません。 もともとこの橋は、町道橋として昭和43年にかけられました。以前は通行量も余り多くはなかったようですが、周辺の道路状況の変化により、今では1日当たり7,000台弱の車両が通行しており、危険度は大きくなっています。 以前質問した際に、田迎木原線の開通など、周辺の道路整備状況を見ながら検討するとされていたこともありますが、依然として朝などの通勤通学時の渋滞は解消されておりません。質問ごとに少しずつは前に進んでいるようですが、この橋の問題は今までに多くの年月を費やしているわけで、早急な対策が必要でございます。 田口橋について、土木部長にお尋ねいたします。 〔土木部長船原幸信君登壇〕
◎土木部長(船原幸信君) 田口橋の拡幅についてでございますが、既存橋梁の下部工をそのまま活用し、橋桁部分を撤去の後に、新たな上部工をかけて幅員を広げる手法で検討を進めております。 現在、この手法について、甲佐町の御意見を伺っており、あわせて河川管理者である国と協議を進めております。 引き続き、甲佐町や河川管理者である国と協議しながら、必要な調査検討を進めてまいります。 〔増永慎一郎君登壇〕
◆(増永慎一郎君) 答弁をいただきました。 実は、私が――覚えている方もいらっしゃると思いますが、1回目の初登壇のときにここでこの質問をしたときに、ゼロ回答でした。ゼロ回答だったから、先輩の皆さん方が行け行けということで、再質問をさせていただきました。1回目の初登壇で何もわからずに、当時は大変――松永土木部長だったのですが、大変失礼なことをしたなと、今ちょっと反省をしております。しかしながら、それがあったから、今ちょっと前向きな答弁がいただけたのかなというふうに喜んでおります。 今回手法まで言われたということは、私にとっては非常にありがたい、本当に真剣に検討をされていらっしゃるのだろうなというふうに思っておりますし、今回わざわざ、何が足らないのかなと思って、やっぱりパネルが足らないんじゃないかということでパネルをつくってきました。次回はぜひいい答弁が得られるように、これは土木部長に謹呈しますので、部長室に置いといていただきたいというふうに思います。 答弁のとおり、甲佐町と国と協議しながらきちんと進めていかれるというふうに私も思っておりますので、どうか、先ほど言いましたように、次回質問する際には、一生懸命にやった結果、ちゃんとするようになりましたとぜひ言えるように、よろしくお願い申し上げたいと思います。 最後に、1件だけちょっと要望をさせていただきたいと思います。 ここに1冊の絵本を持ってきております。(本を示す)各先生方には、先日御紹介をさせていただいております。 この絵本は、山都町教育委員会と町立図書館ボランティア・ピエロの会が発行されている「通潤橋 水が渡る橋」という絵本でございます。通潤橋のできた時代背景や当時の人々の暮らしの中での必要性、また工法などが詳しく載せてあり、絵本というよりは通潤橋の解説本と言っても過言ではありません。この絵本は、本年2月に、第34回熊日出版文化賞・マイブック賞を受賞しております。 今、県内の小学生、特に4年生は、社会科見学旅行として多くの学校が通潤橋を訪れています。球磨、天草地域は、山都町から遠いということで少ないのでございますが、この2つの地域を除くと、昨年度は81%の学校が訪れ、さらに、本年度は9割の学校が予定をしているということでした。 見学旅行に行く前には、事前に通潤橋のことについて学習していると聞いておりますし、現に私の子供たちも勉強していたように記憶しております。また、私の次男のクラスでは、この絵のもとになった通潤橋の紙芝居を台本として劇をつくり、学習発表会で発表したこともございます。 さて、そういったことで、今回、この本の発刊に伴い、山都町の紹介も兼ねて、学習の補助になればと思い、各小学校に推薦や御紹介をしていただこうと関係部署に相談しましたが、小学校の図書室の本に関しては、その学校に購入を任せてあり、当局から推薦などはしていないということでした。 県内には、それぞれの地域での歴史に残る偉人やすばらしい文化財、その地域独自の伝統芸能などがたくさんあり、それに触れる書物や出版物などを自治体や各地域の方々がたくさん出されていると思います。全ての推薦や紹介などは当然無理なことではありますが、この絵本のように、依頼があったときとか、○○賞などの賞を受賞した本、また、子供たち対象の本などに限定していけば、推薦、紹介はできるのではと考えます。 もちろん、表現や文言など中身をきちんと吟味された上での話ですが、どうか県教育委員会におかれましては、せっかくつくられたよい本が埋もれてしまわないように、小学校や各市町村教育委員会などへ図書室の蔵書として推薦、紹介できる仕組みなどをぜひつくっていただきたいと要望しておきます。とりわけこの絵本「通潤橋 水が渡る橋」に関しては、私の地元の本でもありますし、大々的に強く御推薦をよろしくお願いします。 ちょっと3分余りましたが、本日用意していました質問、要望は全て終わりました。もうちょっと先生たちの後押しがあれば、いい答弁がもらえたのではないかというふうに思っておりますが、これはもうちょっと議会内で私がきちんと先生方に根回しをしながら頑張っていきたいというふうに思っておりますので、次回の答弁までは一生懸命動き回ろうというふうに思っております。 拙い質問ではございましたが、御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)
○議長(藤川隆夫君) 以上で通告されました一般質問は全部終了いたしました。 これをもって一般質問を終結いたします。 ――――――○――――――
△日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第20号まで)
○議長(藤川隆夫君) 次に、日程第2、目下議題となっております議案第1号から第20号まで等に対する質疑を行いますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 ――――――○――――――
△日程第3
知事提出議案の委員会付託(第1号から第20号まで)
○議長(藤川隆夫君) 次に、日程第3、目下議題となっております議案第1号から第20号までにつきましては、さきに配付の平成25年6月熊本県定例県議会議案各委員会別一覧表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。 〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕 ――――――○――――――
△日程第4 請願の委員会付託
○議長(藤川隆夫君) 次に、日程第4、今期定例会において受理いたしました請願は、議席に配付の請願文書表のとおりであります。 これをそれぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。 〔請願文書表は付録に掲載〕 ――――――○――――――
総務常任委員長報告
○議長(藤川隆夫君) 次に、お諮りいたします。 昨日、会議において審査を付託いたしました議案第21号について、総務常任委員長から審査結果の報告の申し出があっておりますので、この際、これを日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、総務常任委員長の審査結果の報告を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。 ただいまから、総務常任委員会における審査の経過並びに結果について、総務常任委員長の報告を求めます。 山口ゆたか君。 〔山口ゆたか君登壇〕
◆(山口ゆたか君) 総務常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、条例等関係1議案で、熊本県知事等の給与の特例に関する条例の制定についてであります。 議案の審査の過程において議論された主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、国の財政状況を踏まえ、地方も対応を考えなければならないことは理解するが、地方交付税をいわば人質にとって給与削減を求めるという今回の国のやり方はよくない、地方公務員の給与決定は地方の自主性に委ねられており、本県が国以上に給与削減に取り組んできた実績に上乗せして圧力をかけてきたことに対しては、知事も遺憾と答弁した、仮に国の要請に応じなければ、県民生活にどのような影響が出るのかとの質疑があり、執行部から、地方交付税削減の影響額が約90億に対し、給与削減を行わなければ、事務事業の大幅な見直し、基金の取り崩しを含めて検討しなければならず、県財政及び地域経済に影響を与えるとの答弁がありました。 次に、委員から、人事委員会の意見においては、遺憾を表明しつつ、勧告に沿った給与水準の確保を切に要望するとのことであったが、賛成なのか、反対なのか、改めて人事委員会の説明を求めるとの質疑があり、執行部から、人事委員会の給与勧告に沿った適正な給与水準が確保されるべきことは当然と考えており、さらに、給与に係る地方の自主決定権や地方交付税の性格を否定するといった点を踏まえて、今回の措置に至ったことについて、遺憾である、すなわち残念であるとの意味で意見を申し上げた、また、今回の削減が実施されることを前提に、今後同様の措置が繰り返されないよう切望したところであるとの答弁がありました。 また、委員から、国に対しては厳しく言ってもらいたい、今回のような大きな議題については、国と地方の協議の場でしっかり議論ができるように国に求めてもらいたいとの要望がありました。 次に、委員から、今回の国の手法は中央集権的で、憲法第94条に定める地方自治体の給与の自主決定権を侵害するものである、知事も国に抗議されているが、継続して地方の立場を主張し続けてほしい、続けて、今回給与を削減される職員は何人かとの質疑があり、執行部から、約2万5,000人であるとの答弁がありました。 これに関連して、委員から、消費への影響が相当あるし、やや上向きかけた景気に冷や水を浴びせる、民間企業への波及は考えられないかとの質疑があり、執行部から、今回の件は、基本的には地方公共団体への削減要請であり、期間も9カ月間に限定したものである、民間企業へどこまで影響するかわからないとの答弁がありました。 これに対し、委員から、県の削減に便乗する民間企業もあるかもしれない、いずれにしても地方の立場を国に主張していくようにとの要望がありました。 次に、委員から、賃金の扱いが軽くなった、今回のような決定経過は民間にもマイナスの影響がある、賃金そのものの位置づけについて改めて考える必要がある、今回の措置は国の予算のつけかえのようなものであり、極めて不当である、また、人事委員会の存立にもかかわる問題であるが、人事委員会としての認識はどうか、また、民間給与の実態を調査中とのことだが、勧告はあり得るのかとの質疑があり、執行部から、公務員の労働基本権が制約されている中にあって、人事委員会の勧告制度は、長い間大きな役割を果たしてきたことは間違いなく、社会の相応の信任を得ている制度と認識している、また、人事委員会勧告の前提となる民間給与実態調査については、現在調査中であり、今後の見通しについては、現時点では差し控えたいとの答弁がありました。 さらに、委員から、今回の国からの削減要請は、本当に今回1回限りなのかとの質疑があり、執行部から、全国知事会長が総務大臣に、今回のようなことが二度とないようにということと、今後の給与のあり方については、国と地方の協議の場で議論していくことを確認している、二度とこのようなことはないと考えており、そういったことを確認した上での今回の措置と考えているとの答弁がありました。 次に、委員から、この際、人事評価をきちんと給与に反映させるように見直すべきではないかとの質疑があり、執行部から、これまでも昇給への勤務態度の反映や幹部職員の勤勉手当等、給与制度の見直しに取り組んでいるとの答弁がありました。 次に、委員から、本県において、これまでどのような財政再建に向けた給与上の取り組みと効果額があったのかとの質疑があり、執行部から、これまで2回の給与削減を実施し、平成13年度から15年度までの間の削減効果額が64億円、平成21年度から23年度までの効果額は127億円で、過去2回の合計で191億円程度の給与削減に伴う効果があり、それ以外にも、職員数削減、事務事業の見直しを行っているとの答弁がありました。 以上が議論されました主な内容でありますが、本委員会に付託されました議案につきましては、多数賛成をもって原案のとおり可決することに決定しました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、総務常任委員長の報告を終わります。
○議長(藤川隆夫君) 以上で総務常任委員長の報告は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤川隆夫君) 質疑なしと認めます。 次に、討論に入ります。 討論の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は1人10分以内でありますので、さよう御承知願います。 岩中伸司君。 〔岩中伸司君登壇〕
◆(岩中伸司君) 新社会党の岩中伸司です。
知事提出議案第21号熊本県知事等の給与の特例に関する条例の制定について、反対の討論を行います。 今回の提案は、職員給与を4.77%から9.77%まで給料級に応じた率で、2013年7月より2014年3月までの9カ月間を削減する等とするものです。 総額約61億円を削減するというものですが、知事の提案理由によれば、国家公務員の給与減額措置に準じて必要な措置を講ずるよう国から要請があり、地方公務員の給与削減を前提とした地方交付税削減によるもので、遺憾であると表明しています。 人事委員会の意見でも「本来、職員等の給与は、地方公務員法に定める給与決定の原則に基づき、民間給与等との均衡などを踏まえて実施する人事委員会の給与勧告に沿った適正な水準が確保されるべきであり、今回の特例措置に至ったことは、遺憾である」と、国の交付税削減を批判しています。 しかし、知事も人事委員会も、遺憾の意に続く言葉が、今回は仕方がないが、今後は二度とこのようなことが行われないようにしてほしいとの国に対する要望でくくり、給与削減に踏み切る提案です。本音と建前が違い過ぎたら、県民の信頼を失墜させることになります。 今回の国の地方自治を無視したやり方には、全国の自治体からも反発の声が上がり、6月13日、総務省発表でも、全国1,789自治体で、減額しない自治体が164自治体であり、減額するかどうか検討中が736自治体で、減額と検討中を合わせて50.3%を占めています。 熊本県の場合、労働組合との交渉では、期末・勤勉手当や給料月額に連動する手当については削減対象から外すことで一定の譲歩をしているようですが、交渉は平行線のまま、妥結に至っていません。 賃金は、労働力の対価として支払われるもので、労働者にとっては生活を支える最も重要なものです。今回の給与削減は、国が地方公務員の給与削減という政策目的を達成するための手段として地方交付税の削減を実施してきたものです。しかし、労働者の賃金は、何よりも優先して支払わなければならない性格のものです。労働者の生活を無視した今回の国からの強制と知事の削減提案には憤りを覚えます。 熊本県は、これまで独自の財政再建に取り組み、職員へのしわ寄せで人件費の大幅削減を図ってきました。人員削減を別にして、給与だけで191億円もの減額に上っています。にもかかわらず、さらに今回も大幅削減であり、地域への経済的影響も大きなものがあると予想されます。 安倍首相は、企業の収益を向上させ、雇用拡大や賃金上昇をもたらす好循環を生み出したいと、アベノミクスの第3の矢と言われている成長戦略で表明していますが、今回の地方交付税削減と地方公務員の大幅給与削減はアベノミクスに逆行するものです。 成長戦略では、国民一人一人が豊かさを実感できなければならないとされていますが、今回の県職員の給与削減の提案を見れば、アベノミクスは一部の大企業と富裕層が潤うだけであり、国民一人一人の豊かさなど実感できるはずはなく、アベノミクスは既に崩壊へ進んでいるものと見るべきです。 昨日、総務常任委員会を傍聴しました。先ほど委員長の報告がございましたが、議席の中から、それでは否決をされたんだろうというような話がありました。この委員会は、委員長報告のとおり、賛成多数で議案第21号は原案どおり可決をされました。傍聴していた私は、本音のところと建前が、これは知事と人事委員会だけでなくて議員も違うんだなと、本音と建前が違うなということを、この委員会を傍聴してつくづく感じたことです。 総務常任委員長の報告で詳しくなされましたけれども、審議の中では、地方公務員は国以上の削減をやってきた、上乗せをしてやることは遺憾だ、また、地方分権に逆行したものだ、さらに、賃金の位置づけをきちんとすべきである、今回のやり方に怒りを持つ、国が交付税まで手を突っ込んできた、憲法94条にいう自主決定権を奪うもので、憲法違反だなどなど、全ての委員が今回の給与削減については否定的な見解だと私は受け取りました。答弁する執行部も、知事の遺憾は理解する、地方で自主的に決めるもの、今後このようなことがないようになど、国の圧力に負けて給与削減の提案をしている内容の答弁でございました。 全ての議員の皆さんも、議第21号に対する思いは、地方の自主権に反するもので、給与削減はすべきでないとの考えであると信じます。知事や人事委員会だけでなくて、この議場にいらっしゃる議員の皆さんも、本音と建前が違わないように、ぜひこの本会議の場で――総務常任委員会では可決ですけれども、内容は私が今報告したとおりであります。労働組合との交渉も平行線のまま、妥結に至っていません。この本会議で、議第21号熊本県知事等の給与の特例に関する条例の制定について、全議員の反対をもって否決することを強くお願いして、反対討論を終わります。
○議長(藤川隆夫君) 松岡徹君。 〔松岡徹君登壇〕
◆(松岡徹君) 日本共産党の松岡徹です。
知事提出議案第21号熊本県知事等の給与の特例に関する条例の制定についての反対討論を行います。 この件は、国が、地方公務員の給与を7.8%、一時金を一律9.77%引き下げることを、地方交付税の削減とセットで押しつけてきたことによるものであります。一時金の削減については対象とせず、据え置いたことは評価できますが、給与の平均7.8%削減については賛成できません。 県職員約2万5,000人の1人当たりの引き下げ額は、単純計算で求めますと、24万5,000円になります。これまでの給与の引き下げ、退職金の引き下げに続くもので、何が何でもひど過ぎると言えるものであります。 この問題は、民主党・野田内閣のとき、国家公務員給与の平均7.8%削減とあわせて検討されていた問題です。さらに、自民党は、総選挙公約で、公務員総人件費を国、地方合わせて2兆円削減することを掲げ、政権につくと、地方が公務員給与を削減することを前提にした13年度地方財政計画を決定しました。 地方財政計画で、地方公務員給与削減を決めることについて、地方6団体は、自治体が自主的に決める公務員給与への国の介入は自治の根本に抵触する、地方交付税は地方固有の財源であり、国が政策誘導に利用することは許されないと抗議しております。至極当然であります。 給与削減に対する地方からの厳しい批判に対して、国は、給与削減額に見合った事業費を計上したと言っています。給与削減額8,504億円に見合う事業として、全国防災事業費の地方負担分973億円、緊急防災・減災事業費4,350億円、地域の元気づくり事業費3,000億円、計8,523億円でありますが、全国防災事業費の地方負担分、緊急防災・減災事業費については12年度の事業を引き継いだもので、いずれも起債事業であり、単年度で実施される給与削減による財源とは全く関係ありません。 地域の元気づくり事業費については、現在の自治体の職員給与を全体として削減し、それを、これまでにリストラに励んできた自治体に再配分するというもので、財源配分のあり方として、基本的に地域の元気づくりの名に値しないものであります。 ラスパイレス指数についての理由づけも不当なものです。2011年度までは、地方のラスパイレス指数は100を下回っていました。これが2012年度に一気に106.9まで上昇しているのは、12年度から2年間、国家公務員給与を平均7.8%引き下げることになったからであります。つまり、国家公務員の給与水準が急に下がったからであって、地方公務員の給与が上がったわけではありません。ラスパイレス指数が100以上の自治体数が、2011年度の300団体、16.8%から、1,511団体、84.6%に急増したのもそのためであります。 国公労連の試算によると、公務員の給与7.8%削減の経済に与える影響は、家計収入減少総額が2兆7,073億円、税収減少額が4,213億円となっております。今回の措置が県経済に与える影響、県の税収に与える影響については、県ではまだ試算できていないということですが、相応の影響が出ることは間違いありません。 私は、国が交付税を盾に公務員給与削減を地方に強要するやり方、そして、これに沿った条例制定に厳しく反対します。同時に、地方自治体も、国の間違った政策強要の犠牲者です。県としても、議会としても、国に対して、改めて厳しく抗議し、こうしたやり方を改めるよう強く求めるべきであります。 アベノミクスと言われる経済政策は、株の乱高下、長期金利の引き上げ、物価は上がっても賃金は上がらず、3大銀行の中小企業向け貸し出し比率は史上最低、企業の設備投資は5期連続マイナスと、その実像があらわになりつつあります。 賃金が上がり、国民の所得がふえなければ、経済はよくなりません。税収もふえず、財政もよくなりません。公務員給与の大幅引き下げ策は、公務員の生活を脅かすだけでなく、民間の賃金引き下げにつながり、経済の悪化をさらに進めるものであります。 ユニクロのブラック企業ぶりが国会でも問題になっています。ユニクロでは、入社後3年以内に離職する若者が5割を超えています。休職中の場合は、42%が精神疾患です。そのユニクロの柳井会長一家は、ひところの株高で、半年間で1兆円資産をふやしたそうであります。1日で55億円、1時間で2億3,000万円になる途方もないもうけであります。その一方で、民間賃金は上がらない、公務員賃金は大幅ダウン、年金は低くなり、年金の支給年齢のさらなる引き上げが検討されております。 公務員給与引き下げ問題の背景にあるのは、多国籍企業や大富裕層はさらに豊かになる、その一方で国民は痩せ細るといった、経済政策、金融・財政政策の逆立ちしたあり方であります。 給与の大幅削減は、県職員一人一人にとって重大問題であるとともに、国の経済、国民全体につながる問題であります。私は、県職員の皆さんと力を合わせて、公務員バッシングに負けず、暮らしと権利を守り、国の政治をよくするために頑張る決意を表明し、議案第21号に対する反対討論といたします。
○議長(藤川隆夫君) 西聖一君。 〔西聖一君登壇〕
◆(西聖一君) 民主・県民クラブの西聖一でございます。 今回の
知事提出議案第21号に対しまして、さまざまな点を指摘させていただいて、反対をさせていただきたいと思います。 まず、職員の給与水準のあり方についてですが、県職員給与については、御承知のように、人事委員会が適正な水準を勧告することとなっています。憲法28条では、全ての勤労者の労働基本権を保障しています。しかし、公務員については、その職務の特殊性から労働基本権を制限しており、その代償措置として、国においては人事院勧告制度が設けられています。つまり、人事院勧告制度は、憲法上の制度であるというのがこれまでの判例となっています。この意味では、職員の労働基本権を制限している以上、人事院勧告に基づかない給与カットは、ある意味憲法違反であります。 地方公務員法でも、県職員は兼業禁止、いわゆるアルバイトが禁止されていますが、これも人事委員会勧告で必要な給与水準が確保されていることを前提としており、勧告に基づかない給与カットは、地方公務員法に抵触するものと考えます。 今回、国は、地方公務員の給与削減を要請し、それを強制するために地方交付税の人件費相当分をひもつきで削減するという暴挙に出ましたが、憲法92条で、地方自治の本旨を国は尊重しなければならないとありますし、地方交付税法第1条は、地方交付税の目的を「地方行政の計画的な運営を保障することによつて、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」としています。さらに、その3条では「国は、交付税の交付に当つては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」とされています。 私たち議会議員を含め公務員は、法治国家のもと、法の遵守を確実に執行することが求められており、県民にもそれを求める立場の職員です。そういう点からすれば、今回の給与カットは、法的問題として、憲法、地方自治法、地方公務員法、地方交付税法といったさまざまな法律に抵触していると言わざるを得ませんし、そういう問題を含んだ議案を議会で承認するということは、やってはいけないことだと申し上げます。 次に、県民サービスという点から反対を申し上げたいと思います。 職員数削減については、行政改革大綱による削減が始まった昭和60年と比較すると、知事部局だけで1,600人近い削減、県独自の財政健全化計画が始まった平成13年と比較しても、1,000人を超える削減が進められてきました。その財源効果は、平成13年以降で延べ500億円を超えるものです。 これだけ人が減らされた中でも、従前からの業務に加え、次々に生まれる新たな課題に対処しながら県行政が進められていますが、物すごい人員削減が進められた結果、県庁は不夜城として、毎日、日付が変わるまで電気が消えることはありません。 このような状況で、トータル的に考えて、職員の給与カットが県民サービスを進める上で本当に最善の策であるのかということです。1,000人を超える人件費削減による財源効果は、職員のモチベーションの裏打ちがあって初めて発揮されるのではないでしょうか。 行政職員だけではなく、警察職員の頑張りにより地域の安全性は守られています。教職員の頑張りで、学問に、スポーツに優秀な人材が輩出されています。医療・福祉関係で頑張っている職員がいるから、子供から高齢者まで安心して暮らせる地域の医療、介護、福祉が守られているのではないでしょうか。 このようなことから、長期的に県民サービスを維持していくためには、軽々しく給与カットに頼る手法は慎むべきだと考えます。 また、公務員の給与カットは、地方経済にも大きな打撃を与えます。県の職員組合では、今回の県経済に与えるマイナス効果を約300億円と見込んでいます。ボーナス分のカットが軽減されたとはいえ、1人当たり職員は、2から5万円、毎月カットを受けるわけです。そして、県の給与カットは、県内の自治体の給与カットに連動します。 さらに、現在、県の職員組合に対して、県給与準拠の多くの団体が賃金カットの内容を学びに来ています。恐らく、民間中小企業も、県に倣えということで、賃金カット、もしくは賃上げ抑制の行動に出ると考えられます。賃金ダウンの負の連鎖が起こると考えられます。 政府は、アベノミクス効果で景気は上向きだと言っておりますが、今回の地方公務員の賃金カットは全く逆行するものであり、地方経済の停滞をもたらすものであると言わざるを得ません。 この状態を憂慮し、県の社交飲食業生活衛生同業組合からも――いわゆる飲み屋さんの組合ですけれども、今回の給与カットに反対するメッセージをいただいていますが、熊本市の夜のネオンを消さないでと、民間の方からも切実な願いを受けているところであります。 知事も、国の緊急経済対策を活用してさまざまな景気対策を実施し、被害を最小限にしたいという答弁も今議会中にされていますが、今回の措置の影響は大変なものであることをしっかり認識してもらいたいと思います。 最後に、今回の給与カット交渉は、労使交渉の妥結には至っていません。そのため、この判断を議会に持ち込んだ形となっています。私は、給与カットに反対の立場で意見を述べさせていただいておりますが、実は、6月10日に、知事は、全職員に対して「親愛なる職員の皆様へ」という題名で、今回の給与カットに至ったてんまつと謝罪の一斉メールを発信しています。 一部現業労組の妥結はあったとはいえ、県の職員組合との交渉の妥結もしていない、議案の承認もなされていない前にこのようなことをされますと、まさに、給与カットに反対の立場からすれば、外堀を埋められたような格好になってしまいます。現に、知事からメッセージを受けた職員からは、知事が言うのであれば仕方がないという諦めムードが蔓延しています。今議会で給与カット案を否決してほしいという一縷の望みを持った職員もたくさんいますし、私も、そのつもりで今反対討論の壇上に立たせていただいているわけです。知事のメッセージ内容が悪いとは決して思いませんが、このタイミングである必要があったのかということを申し上げたいと思います。 さらに、知事のメッセージには、給与カットは最後の最後、できることなら避けたい、職員の給与は守りたいという言葉もあったと聞いています。このことについては、知事の全くの本心だと、私もしっかり受けとめたいと思います。 ただ、知事は、これまで機会あるごとに、国に頼るな、他県と比べるな、熊本が全国をリードせよ、できないではなく、どうすればできるかを考えろといった言葉を繰り返し職員に発信してこられました。決して揚げ足を取るつもりではありませんが、今回は知事みずから、給与カットすることなく、しかも、県民サービスを落とすことのないことについて、どうすればできるか、いま一度考えていただき、実践し、職員の範となっていただければと願うものです。私は、知事の手腕をもってすれば可能だと、大いに期待をしております。 以上の論点を上げ、今回の給与カットの提案に対して反対を申し上げます。 既に、県内でも、多良木町議会、それから、玉名市、八代市の総務委員会でも職員の給与カット案が否決をされています。本県の主権を守る立場にある見識の高い県議会議員の各位におかれましては、今回の強権的な国主導の賃金カットに反対をいただき、反対討論の趣旨に御賛同いただきますよう心からお願い申し上げまして、反対の討論とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○議長(藤川隆夫君) 以上で通告による討論は終了いたしました。 これをもって討論を終結いたします。 これより、議案第21号を起立または挙手により採決いたします。 ただいまの総務常任委員長の報告は原案可決であります。総務常任委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。 〔賛成者起立または挙手〕
○議長(藤川隆夫君) 起立または挙手多数と認めます。よって、議案第21号は、原案のとおり可決いたしました。 〔委員会審査報告書は付録に掲載〕 ――――――○――――――
知事提出議案第22号から第25号まで
○議長(藤川隆夫君) 次に、お諮りいたします。
知事提出議案第22号から第25号までが提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、
知事提出議案第22号から第25号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。
知事提出議案第22号から第25号までを一括して議題といたします。 ――――――――――――――――― 第22号 人事委員会委員の選任について 第23号 収用委員会委員の任命について 第24号 収用委員会委員の任命について 第25号 収用委員会委員の任命について ―――――――――――――――――
○議長(藤川隆夫君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案第22号から第25号までに対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。 ――――――○――――――
△日程第5 特別委員会の設置及び委員の選任の件
○議長(藤川隆夫君) 次に、日程第5、特別委員会の設置及び委員の選任の件を議題といたします。 お諮りいたします。 TPP交渉に関する件を調査するため、14人の委員をもって構成するTPP対策特別委員会を設置し、これに当該調査事件を付託することといたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。 お諮りいたします。 ただいま設置されましたTPP対策特別委員会の委員の選任につきましては、委員会条例第5条第1項の規定により、議席に配付の選任一覧表のとおり指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、TPP対策特別委員会の委員は、議席に配付の選任一覧表のとおり選任することに決定いたしました。 〔選任一覧表は付録に掲載〕 ――――――○――――――
△日程第6 休会の件
○議長(藤川隆夫君) 次に、日程第6、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。 24日は、議案調査のため、25日は、各特別委員会開会のため、26日から28日までは、各常任委員会開会のため、7月1日は、議事整理のため、それぞれ休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤川隆夫君) 御異議なしと認めます。よって、24日から28日まで及び7月1日は休会することに決定いたしました。 なお、明22日、23日、29日及び30日は、県の休日のため、休会であります。 ――――――○――――――
○議長(藤川隆夫君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、来る7月2日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第5号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後2時52分散会...