熊本県議会 > 2013-03-11 >
03月11日-06号

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  1. 熊本県議会 2013-03-11
    03月11日-06号


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    平成25年 2月 定例会               第 6 号              (3月11日)  平成25年  熊本県議会2月定例会会議録     第6号平成25年3月11日(月曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第6号  平成25年3月11日(月曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(48人)            甲 斐 正 法 君            橋 口 海 平 君            九 谷 高 弘 君            緒 方 勇 二 君            杉 浦 康 治 君            前 田 憲 秀 君            泉   広 幸 君            東   充 美 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            浦 田 祐三子 さん            山 口 ゆたか 君            渕 上 陽 一 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            早 田 順 一 君            松 岡   徹 君            田 代 国 広 君            森   浩 二 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            佐 藤 雅 司 君            重 村   栄 君            中 村 博 生 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            井 手 順 雄 君            鎌 田   聡 君            藤 川 隆 夫 君            馬 場 成 志 君            岩 下 栄 一 君            早 川 英 明 君            平 野 みどり さん            小 杉   直 君            城 下 広 作 君            氷 室 雄一郎 君            大 西 一 史 君            荒 木 章 博 君            堤   泰 宏 君            岩 中 伸 司 君            前 川   收 君            鬼 海 洋 一 君            村 上 寅 美 君            西 岡 勝 成 君            山 本 秀 久 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    村 田 信 一 君     副知事    小 野 泰 輔 君     知事公室長  田 嶋   徹 君     総務部長   駒 崎 照 雄 君     企画振興部長 錦 織 功 政 君     健康福祉部長 林 田 直 志 君     環境生活部長 谷 﨑 淳 一 君     商工観光労働            真 崎 伸 一 君     部長     農林水産部長 福 島   淳 君     土木部長   船 原 幸 信 君     会計管理者  東   泰 治 君     企業局長   河 野   靖 君     病院事業            向 井 康 彦 君     管理者     教育委員会            米 澤 和 彦 君     委員長     教育長    田 崎 龍 一 君     警察本部長  西 郷 正 実 君     人事委員会            岡 村 範 明 君     事務局長     監査委員   松 見 辰 彦 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   長 野 潤 一     事務局次長            黒 田 祐 市     兼総務課長     議事課長   佐 藤 美智子     議事課長補佐 鹿 田 俊 夫     参事     小 池 二 郎    ――――――○――――――  午前10時1分 東日本大震災による犠牲者に対する黙祷 ○議長(馬場成志君) 開会に先立ち、東日本大震災で犠牲となられました方々に対しまして、哀悼の意を表するため、黙祷を行います。 御起立をお願いします。  〔起立〕 ○議長(馬場成志君) 黙祷。  〔黙祷〕 ○議長(馬場成志君) 黙祷を終わります。 御着席願います。  〔着席〕    ――――――○――――――  午前10時2分開議 ○議長(馬場成志君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(馬場成志君) 日程に従いまして、日程第1、8日に引き続き一般質問を行います。 岩中伸司君。  〔岩中伸司君登壇〕(拍手) ◆(岩中伸司君) おはようございます。新社会党の岩中伸司です。 本日は、3.11。今黙祷をしましたけれども、本当にとうとい犠牲がありました。私たちも、心を引き締めてまた頑張っていきたいというふうに思います。 私は、何回ここに立っても緊張して、今先ほどから、もう何回目だけん、どうもなかでしょうという話があったんですが、本当にこの壇上で質問するというのは緊張をします。初めてするときと全く同じで、私の政治信条は初心忘るべからずということですけれども、こういう場合は初心を忘れたほうがいいかもしれませんけれども、とにかくやっぱり緊張しながら、ぜひ、知事初め執行部の前向きな答弁を心から期待するものです。 それでは、早速質問に入っていきたいと思います。 まず最初に、脱原発に対する知事の所見についてお伺いをいたします。 きょう3月11日は、2011年3月11日、東日本大災害が発生した日です。丸2年が経過しましたが、現在も31万5,196人、避難生活者の方々がいらっしゃいますし、関連死を含めて2万人以上の犠牲者が出ました。警察庁の発表では、3月8日現在で、死者が1万5,881人、警察に届け出があった行方不明者は2,668人であると発表をしています。けさテレビでは、死者、不明で少なくとも2万851人であると報道がなされていました。改めて東日本大震災で亡くなられた方に対し、心から哀悼の意を表し、被災された皆さんにお見舞いを申し上げます。 東日本大震災の国の復興事業については、12年度末までに約17兆5,000億円が使われ、13年度予算でも、復興特別会計は4兆3,840億円の予算が計上をされています。被災された皆さんの一日も早い生活再建を願うものです。 今も復興再建のめどが立たないのは、東京電力福島第一原発の爆発事故による被害です。 福島原発事故発生直後に、政府や東電は、想定外の事態であったと責任回避の発言や、福島原発事故の原因は地震ではなく津波であると原発維持、再稼働のための強弁、さらには、現在の被爆線量は人体に直ちに影響を与えるものではないと内部被爆の意図的過少評価を繰り返し、マスコミを通じて流されました。 2011年12月16日には、余りにも早い段階で、野田総理が、原子炉は冷温停止状態に達し、事故そのものは収束に至ったと判断をされると発表しました。しかし、事故収束宣言後も放射能放出は完全にとまらず、福島第一原発4号機の崩壊が進んでいることを懸念する声が高まるなど、依然として事故収束、安全達成とはほど遠い危険な状態が続いています。 原発は1970年代から全国各地で建設が進み、ついに54基もの原発が建設をされました。石油危機によって日本のエネルギーが危険になる、だから原発へ転換しようと、電力不足にならないように、安全で安いをうたい文句に原発建設へ突き進んでいったのです。 しかし、この原発神話は、福島第一原発の爆発事故で完全に崩壊をしました。原発は安全ではなかったし、安くもない。電力不足についても、他の発電で足りることが福島第一原発の事故を通じて証明をされました。 そもそも原発は、事故が起こったから危険なのではなく、原発の稼働自体が原発労働者や周辺住民の放射能被害を犠牲にしたものであり、危険なものなのです。人間社会では、放射能廃棄物最終処分方法も不可能なままの原発見切り発車でしかなかったのが現実です。 原発が本当に安全ならば、電力を一番必要とする都市部に集中して建設されるべきです。しかし、安全でない最も危険な施設であることを国も電力会社も知り過ぎているので、過疎地域に建設してきたのです。 原発は安いということに対しても、原発立地にかけた費用や原発受け入れ自治体への各種の補助金、交付金、原発事故があった場合の補償費用や放射能廃棄物の処理にかかる費用なども含めれば、実に膨大な費用がかかることが明らかになりました。 さらに、原発稼働に伴う放射能に汚染された大気や温排水の流出などによって、地球規模の環境破壊、汚染を引き起こし続けていることなど、原発による負の遺産が広く国民に認識させられました。 しかし、その一方で、原発再稼働、新規建設と原発輸出の動きが強まり、原発推進勢力が日本社会においていまだに強固なものであるかが示されているように思います。 安倍首相は、2月28日の施政方針演説で「東京電力福島第一原発事故の反省に立ち」と言いながら「安全が確認された原発は再稼働します。」と、再稼働に向けた方向も示しています。同時に「省エネルギー再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、できる限り原発依存度を低減させていきます。」と表明をしました。 熊本県の場合は、玄海原発から80キロ、川内原発から40キロと、九州内の2つの原発からの距離は近く、風向き次第では危険な状態にあります。その川内原発へ、1月15日、県議会特別委員会で視察に行きましたが、原発敷地内では厳しい管理が施され、飛行機に搭乗する前のボディーチェックと同じように金属探知機を通らなければならないし、鹿児島県警から常時警備のために配置がなされていました。 この川内原発では、新たに3号機が増設される計画であり、30メートル強の高台に設置されると聞きました。アジアで最大級となる出力159万キロワットの規模で、7月ごろから建設への動きが始まると聞き、驚きました。 原発は、稼働そのものが危険なものであることはさきに述べましたが、川内原発の周辺には活断層があることがわかっていながら、再稼働どころか新たに最大級の規模の原発建設が進められようとしているのです。 蒲島知事は、2011年9月県議会での私の質問に、新たな原子力発電所の立地については、「その安全性に対する国民の信頼が崩れた現状では、国民の理解を得ることはできない」との考え方を示されています。 そこで、お尋ねしますが、脱原発社会実現に向けた見解と川内原発3号機の増設について、蒲島知事の所見を伺います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 日本国民の民意を大きく捉えれば、将来的には、原発に頼らない、より安全なエネルギー源の確保を求めていると思います。 ただし、原発を直ちに廃止することは現実的ではないと考えます。中長期的に新エネルギーなど代替エネルギーの割合をふやしていくとともに、省エネルギーによりエネルギー消費そのものを減らしていくことで、原子力発電の割合を段階的に減らしていく方向ではないかと考えます。 そのような考えのもと、本県では、国に先んずる形で、熊本県総合エネルギー計画を策定しました。そして、県民総ぐるみでの新エネルギー導入加速化省エネルギー推進強化等を進めております。 次に、川内原発3号機の増設についてお答えします。 現段階では、原発の新増設について、原発の安全性に対する懸念がある中で、国民の理解は十分得られていないと考えます。 原発の将来のあり方や安全性の確保というのは、原子力政策を担う国の責任であり、地元や国民の理解を得られるよう、丁寧な説明が必要と考えます。そして、中長期的な国の総合的なエネルギー政策についての国民的議論を踏まえ判断すべきことと考えます。  〔岩中伸司君登壇〕 ◆(岩中伸司君) 今知事の答弁をいただきました。 知事の考え方は、前回の私の質問に対する答弁とほぼ同じのようです。今、脱原発社会実現を目指すことに対する理解、脱原発の方向性というのは、最初の質問の中で知事も同じような考え方であるというふうに私も認識をしましたけれども、ただ、これは国がやることであるということで、川内原発についても、知事は、今安全性については国民の理解は十分に得られていない現段階なんだということを明言されていますので、本来なら、川内原発の新たな設置については、知事も反対だと、ここで本当は主張すべきだというふうに思うんですけれども、なかなかそれが言えない知事の立場かなというような感じもしているんですが、気持ちは、恐らく安全性が確認されていないという現状ですので、私の考え方と余り違わないのではないか。 ただ、前回の質問でも申し上げましたけれども、主体的な答弁、主体的な考え方が、残念ながらこの中には盛り込まれていないなということを感じました。ぜひ、この原発問題については、ここで皆さんがやっぱり一様に考え直していかなければならない、こんな重要な課題だというふうに思います。 いろいろ調べてみても、例えば、あの持続可能な社会を続ける場合に、この原発に頼っていけば、先ほど申しましたように、この原発から発生される放射性廃棄物の処理方法は、現状でも今の人類の科学的な力では解決の方法は見当たっていないし、どういう――全世界見ても、そういう原発の放射能廃棄物を処理する方法は、単なる貯蔵でしかない。これを無害なものに変えていく方法は、今の社会の中ではないわけですね。 それで行けば、例えばウラン鉱石をずっと掘り続けていっても、これは10年で枯渇をするということが言われていますけれども、それを処理するのは、この地球上の人類で100万年かかると。半減期でずっと無害なものになっていくわけですけれども、100万年もかかる。そんな廃棄物をこの100年間でつくっていくということになるんです。 ですから、やっぱり一日も早くこの原発に対する私たちの考え方を切りかえて、より持続可能な人間社会をやっぱり続けていく、子々孫々までこの地球を守っていくという立場で行けば、ぜひ――この川内原発の新設なんてとんでもない。再稼働にも今の安倍政権はある意味ではゴーサインを出していますけれども、これをやっぱりストップさせる、そういう私たち県民の声を大きくしていかなければならないというふうに思います。 今、国の考え方に、このエネルギーは影響するようなことですけれども、そうではない。県は県として、再生可能なエネルギーを求めて今頑張っているということですので、原発をやっぱり否定して、新たな持続可能なエネルギーを再生するという方向を、ぜひ県としてはつくり上げていってもらいたいというふうに思います。 こういう大変危険な、人類滅亡につながるような、みずからの力で、みずから非常に人類が滅びるような方向になっていっては困るというふうに思いますので、行政としても、この脱原発社会実現に向けた方向をきちんとやっぱり示して、県民の安全、安心の生活を守っていただきたい、このように強く申し上げて、次の質問に移らせていただきます。 2番目に、立野ダム建設問題について伺います。 立野ダム建設は、30年前の1983年に事業着手され、ことし3月末までに約426億円がつぎ込まれることになります。計画されている立野ダムは、総事業費が917億円で、高さ約90メートル、総貯水量1,000万トンで、治水専用の穴あきダムとして、ダム本体の河床に近い部分に5メートル四方の穴が3つあり、通常は水をためないと、そういう仕組みになっています。 国交省の20年から30年に1度の大雨に対応した白川水系河川整備計画では、熊本市中央区本荘の代継橋地点で想定される最大流量毎秒2,300トンのうち、立野ダムで200トン、黒川遊水地群で100トン、それぞれカットし、残る2,000トンを河道で安全に流す計画です。 この計画では、立野ダムでの洪水調整は洪水流量のわずか8%の200トンしかカットできず、ダム以外の代替案で十分対応できると思います。川辺川ダム計画の場合は、人吉市の洪水流量毎秒7,000トンのうち3,000トン、約42%をダムで洪水調整することになっていましたが、蒲島知事の英断で川辺川ダム建設は白紙撤回となり、ダムによらない治水対策が進められています。人と共生する自然体系を後世に引き継ぐことが始まり、さらに荒瀬ダムの撤去も始まり、川や海がよみがえってきています。 治水専用である立野ダムは、150年に1度の大雨に対応する河川整備基本方針では、熊本市内で最大流量を3,400トンと設定。立野ダムは、ダムへの流入量がふえることで効果が増し400トンをカット、ダム地点では600トンカットに相当しますが、治水専用である立野ダムは、治水機能などを備えた多目的ダムである緑川ダム、毎秒800トンカット、市房ダム、毎秒650トンカットより下回っていて、917億円もの巨額な総事業費を費やすことは、県民の理解は得られません。 環境や、年間1,700万人が訪れる阿蘇の観光にも大きな影響を及ぼします。阿蘇くじゅう国立公園の36ヘクタールもの広大な自然を水没させることになります。水没する阿蘇北向谷原始林は、国指定の天然記念物であり、阿蘇くじゅう国立公園特別保護地域にも指定をされています。 国交省は、穴あきダムはふだんは水をためず、水没するのは洪水調節をする短い時間であるので、環境に与える影響は小さいと想定されると主張していますが、高さ90メートル、幅200メートルのコンクリートの巨大構造物が存在することそのもので、景観が大きく変わり、植生やそこにすむ生物の生息環境も大きく変わります。 立野ダムは、穴あきダムですが、洪水時には大量の流木などが流れ、穴の入り口のスクリーンやスリットダムが流木などで塞がってしまうことが予想され、大量の土砂や岩石が同じように堆積してしまいます。 立野ダムでは、本体工事終了後、地滑りなどが発生しないか、半年間ダム下部の3つの穴を塞ぎ、試験時に水をためることになっています。穴あきダムである鳥取県の益田川ダムでは、試験湛水によりダム湖内の植生が枯れてしまいました。立野ダムでも当然考えられる現象です。世界遺産登録世界ジオパーク認定を目指す阿蘇にとって、立野ダム建設は致命的なダメージを受けることになります。 川辺川ダム問題では、9回の住民討論集会を開き、延べ53時間、約1万2,000人余りが参加した公開討論を初め、有識者会議で8回の審議、球磨川流域などでの説明・報告会が53回開催され、ダムによらない治水の選択がなされました。 立野ダムでも、その経験を生かした検証をし、立野ダム建設中止の対応をすべきと考えますが、知事の見解を伺います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、私のダムに関する基本的な考え方を述べます。 一つ一つのダムは、果たすべき役割、歴史的背景、事業の進捗状況、流域住民や市町村の受けとめ方など、それぞれ状況が異なります。そのため、個々の状況に応じ、総合的に判断することが重要です。 このような考え方で、これまで、それぞれのダムについて判断してまいりました。 立野ダムについては、国が定めた検証プロセスに沿ってダム事業の検証が行われ、昨年12月に、国土交通大臣が事業継続の対応方針を決定されました。 この検証において、コストや実現性、環境への影響などについて、他の治水対策案と比較し、立野ダム案が最も有利であるとの考え方が示されました。 私は、この検証内容についてしっかりと吟味するとともに、流域市町村長の意見を聞いた上で、立野ダム建設の継続については異存ないことを国に申し上げました。この私の判断については、今も変わりはありません。 また、昨年7月の熊本広域大水害の発生もあり、立野ダムを含めた白川水系の総合的な治水対策を、スピード感を持って取り組んでいかなければいけないと改めて認識いたしました。 ただ、現在も立野ダム建設に対するさまざまな御意見があることは承知しております。そのため、このような御意見に対し、しっかりと説明責任を果たしていただくよう、引き続き国に要望してまいります。  〔岩中伸司君登壇〕 ◆(岩中伸司君) 知事の考え方は今も変わりはない、立野ダム建設推進に変わりはないということが一貫されて言われています。私も川辺川ダムのことを例に申し上げましたけれども、知事の答弁では、それぞれ個々のダムの状況で違うというふうなこと、今回の立野ダムの検証については、国がずっと検証して、そのことで流域市町村も賛同していったというふうな経過の中で、みずからもこのダムについては異存はないということの答弁ですけれども、私は、このダムそのものについても、確かに、その河川によってダムの構造物ができることが云々という方もいらっしゃいますけれども、やっぱり持続可能な山から川から海へというふうな水の流れ、そういった自然環境の中で私たちは生きているわけですので、川の違いということでダムの建設がオーケーかどうかということを判断するということは、問題があるのではないかというふうに思います。 今回の場合も、検証の中で、国交省は、立野ダムはやっぱり絶対に安全なものであるという、そういう結論づけて物事が進められたように思います。2010年に、国土交通省は、できるだけダムによらない治水という言い方をしながら、政策転換を進めるための検証作業を始めると言っていましたけれども、2012年、非常に早い時期に、9月11日には、立野ダム建設事業関係地方公共団体から成る検討の場で、立野ダム建設事業の検証に係る検証報告書を提示して、立野ダムを含む現行の河川整備計画が最も有利であるとの検証結果を示しています。この検証は、立野ダムが最も有利であるということをやっぱり導いていく、ダムによる治水を最優先させるという、そういう方向の中で、ある意味では結論ありきの検証をしていったというふうな経過がうかがわれます。 例えば、模型実験で流木による閉塞は発生しないということを確認されますけれども、私たちが常識的に考えれば、流木というのは模型実験でできるような状況なのかどうなのか。本当に火山灰や土砂、岩石、流木などが流れてくるあの大洪水の中で、わずか5メートルのこの穴が塞がれるということはないとか、そんな検証は子供だましのような検証ではないか、このように思います。 当然、そこは、私たちは当たり前のこととして洪水をいろんな状況で見聞きし、これまでの経験から、そんな穴あきダムが機能発揮するとは考えられませんし、それがやっぱり穴が閉じられたら一気にダム湖の水は満杯になって、これは流量調整ができない治水のダムですので、下流に対する被害は一層大きくなっていくことも同時に考えられるというふうに思います。 ですから、こういう穴あきダムでスムーズにいくと、自然環境を守っていくということも言いながら、これが建設継続されているようですけれども、洪水調整不能に陥ることも一面考えられます。ぜひ、この立野ダムについては、国の事業であるけれども、県もやっぱりしっかりこのことについては検証しなければならないというふうに思います。 現状では、ずっとこの議会でも、蒲島知事は、国の検証について問題ないと、立野ダム建設については今もそういう考え方には変わりないという今の答弁ですので、これはもう将来的に大きな問題になるということを申し添えまして、次の質問に入らせていただきます。 3つ目に、水銀に関する水俣条約についてお尋ねをします。 水銀に関する水俣条約は、本年10月に熊本市と水俣市で開催される国際会議で署名と採択が行われる予定です。 この水俣条約の柱は、水銀規制を地球規模で行おうとするもので、2001年に、国連環境計画、UNEPが、地球規模の水銀汚染対策のための活動を開始したことに始まります。その後の世界水銀アセスメントで、水銀汚染に対応するための地球規模の行動が必要であることが提言され、2009年2月に、国連環境計画管理理事会で、国際的な水銀規制に関する条約を制定することで合意しています。 この水銀規制の国際的な条約に水俣を加えることは、2010年5月の水俣病犠牲者慰霊式で、当時の鳩山由紀夫首相が提案しています。水俣の地名を加えることについては、水俣病問題が未解決であることなどから反対の声も多く、賛否両論が現在でも続いています。 水銀による環境汚染や健康被害を防ぐため、水銀の輸出入などを規制する条約案の採択を目指す国連の政府間交渉がことし1月ジュネーブで開催され、140カ国以上が参加して、条約前文に、水俣病を教訓に、同様の被害を繰り返さないとの表現を盛り込むことなどを含め、水銀に関する水俣条約として最終合意がなされています。 この条約の内容では、前文に、水俣病を教訓に、同様の被害を繰り返さないとの文言以外の主なものは、水銀鉱山の新規開発禁止、既に開発している鉱山は条約発効の15年後に廃止、水銀の輸出を規制、水銀を含む体温計や殺虫剤、電池、水銀を一定以上使った蛍光灯などの製品の製造、輸出入を2020年までに原則禁止、土壌への水銀排出を削減、発展途上国の金採掘現場で金を抽出する材料としての水銀の使用と排出を削減する、途上国への資金援助は世界銀行の基金に拠出する、水銀を適切に保管、廃棄する、50カ国の批准で発効するなどの内容になっており、水銀の規制に関するものが全てです。 1992年に国際的に合意された環境と開発に関するリオ宣言は、汚染者負担原則への配慮条項を含んでおり、この条約の案でも、前文に、リオ宣言を再確認したことを思い起こすという形で、内容的には同原則が盛り込まれたところです。 水俣病を教訓に、同様の被害を繰り返さないためには、水俣病の原因である加害責任の明確化と被害補償など環境回復に責任を持つ汚染者負担の原則を明文化して盛り込むことが必要です。水俣病被害者団体の中にも、それを強く求めている団体も存在しています。 最終合意された現状では、前文に、水俣病を教訓に、同様の被害を繰り返さないと盛り込まれただけで、10月の国際会議を迎えようとしています。 蒲島知事は、この水銀規制の条約の名称を水俣条約とすることについて、水俣病を世界で再び起こしてはいけないという決意を水俣の地から情報発信するもので、歴史的な意味があると、水俣条約について支持する考え方を明らかにされています。そうであれば、約140カ国から約800人もの参加が予定される10月の国際会議に向け、水俣病を再び起こさないための具体的な対応についてどのように考えられているのか、知事にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 水銀に関する水俣条約についてお答えします。 このたび合意された条文案には、日本政府の提案で、前文に、水俣病を教訓とし、同様の被害を繰り返さないとの表現が盛り込まれました。これにより、地球規模の水銀汚染防止に向けた取り組みが、今後、途上国を含め多くの国々の参加を得て進められることは、大きな意義を持つと考えております。改めて、日本政府を初め、UNEPや各参加国の御尽力に敬意を表する次第であります。 水俣病によって、多くのとうとい命が失われました。また、あらゆる命の源である自然環境は、一旦破壊されると、その復元には大変な時間とエネルギーを要することを私たちは学びました。 だからこそ、この機会を捉えて、水俣病の歴史や教訓を世界に向けてしっかりと発信する必要があります。そのために、参加者の方々には、水俣の地をぜひ訪れていただき、直接、水俣病資料館の展示資料を見たり、被害者の方々の声を聞いていただきたいと考えています。 外交会議の主な目的である水銀使用の削減に向けては、県でも、水俣のエコパークを初め、周辺の施設において、水銀を使用している蛍光灯や水銀灯のLED化を進めてまいりました。また、昨年度は、県内の学校や医療機関等を対象として、水銀を使用した血圧計や体温計などの実態調査を行い、その適切な管理や処理方法等について、周知や啓発を行いました。 今後とも、県内の市町村や企業等の協力を得ながら、水銀を使用した製品の削減に向けて、身近なところから進めてまいります。 さらに、水俣病を教訓として、このような悲劇を二度と引き起こさないという決意で、県内の環境や住民の健康に影響を及ぼす事態が発生しないよう取り組んでまいります。  〔岩中伸司君登壇〕 ◆(岩中伸司君) 知事の答弁では、絶好のチャンスなので、これをしっかり取り組んでいくということですけれども、私が先ほど質問したように、今回のこの国際的な条約については、水銀の規制というか、水銀そのものが非常に強調されている内容になっています。ですから、せっかく水俣、この熊本で、その条約締結に向けた国際会議が開催されるとすれば、ぜひ、もっと原因企業や原因を起こした国や県の責任を含めて、参加者に周知徹底というか宣伝をしていく必要があるということでの質問だったんですけれども、現地水俣で、直接、資料館等々や現地の人の声を聞きながら、それを学んでもらうというのが、今知事の答弁のようでした。 水銀の規制については、身近な問題からどんどん進めていく、取り組んでいくということですけれども、ぜひ私は、水俣病が発生した原因、ここをやっぱりしっかり訴えていかなければ、これから世界では、これから経済発展をしていこうというところについては、水俣の二の舞を踏むような、そんな感じの経済発展というか、企業の育成がなされていく危険性があるのではないかというふうに思いますので、日本で体験をしたこの水俣病を絶対に起こさないという意味では、企業、チッソの責任も含めて、国、県の責任も含めて、もう少しアピールをするような、そういうやつを主体的につくっていただきたい、このように思っているところですので、ぜひ、そういう構えを、単なる水銀の規制だけでなくて、熊本としての大切な任務があると思いますので、ぜひ知事には、その方向の努力をしていただきたい、このように思います。 あと、有機農業の推進についてお尋ねをします。 安全、安心な食物を確保するために、有機農業を目指す農業者がもっとふえなければならないと考えます。農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないで自然界の力を活用した生産方法、持続可能な農業こそ推進されなければなりません。 そのためには、消費者の意識が変わることも必要です。形が整った見た目に美しい農作物を求める消費者がまだまだ多いのが現状で、体に安全な食品かどうかの観念は弱いように思います。 国は、有機農業の推進に関する法律を制定し、有機農業の発展を図ることを目的としています。そして「「有機農業」とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。」と定義しています。第4条では、国及び地方公共団体の責務も明らかにしてあります。 熊本県内の有機農業の現状と推進施策の具体的な実施内容について、農林水産部長にお尋ねをします。  〔農林水産部長福島淳君登壇〕 ◎農林水産部長(福島淳君) 全国有数の食料供給基地である本県は、これまでも安全、安心な農産物を生産し、消費者に提供することを基本として取り組んできました。 有機農業は、化学肥料や化学農薬を一切使わず、環境への負荷低減に大きく貢献することから、重要な農法として推進しております。 しかしながら、現在のところ、県内で有機農業に取り組む農家は194戸、面積は470ヘクタールと、いずれも全国トップクラスではあるものの、県内の全農家数からするとまだまだ少ない状況です。 この背景として、生産面では、除草や病害虫対策に労力を必要とする上、気象条件などにより収量や品質が不安定になるなどの課題があります。販売面でも、安定的な販路の確保が難しく、手間暇が価格に反映されないなどの実態があります。 このため、最先端の生産技術を学べる研修会の開催や天敵を利用した防除技術などの実証展示圃の設置、害虫を寄せつけない黄色蛍光灯などの整備助成など、生産面の支援を行っております。 これらの取り組みに加え、平成23年度からは、環境に配慮したくまもとグリーン農業の中に、エコファーマーや「有作くん」と同じように有機農業を位置づけ、販路、購入機会の拡大や消費者の理解促進など、販売面の支援でも新たな展開を図っております。 今後とも、グリーン農業の推進を図ることにより、有機農業の拡大につながるよう取り組んでまいります。  〔岩中伸司君登壇〕 ◆(岩中伸司君) 時間の関係で次の質問に行きます。 積極的な有機農業の拡大をよろしくお願いをしておきます。時間があれば、最後にこれに触れたいと思います。 次に、県債の現状と今後の県財政の展望についてお尋ねをいたします。 2013年度当初予算が提案され、一般会計予算案は総額7,180億円で、前年度から0.6%ふえています。今年度県債は1,073億円で、前年度から65億円の増です。公債費は1,144億円で、金利低下に伴う利払いの減少などにより0.5億円の増と、対前年度比プラスゼロとなっています。 2012年公表の熊本県財政事情によれば、一般会計、特別会計合わせて、2011年度県債残高は1兆5,040億円です。また、2012年度末の通常債残高の見込みは9,796億円となり、2002年度の1兆1,033億円をピークに減少しています。臨時財政対策債については、交付税措置があるとはいうものの、それは国の財政が健全であることが前提であり、昨年末の国の借金が997兆円、国民1人当たり約782万円の借金を持つ計算を考えれば、背筋が寒くなる思いです。 国の2013年度予算案では、一般会計総額92兆6,115億円のうち新規国債が42兆8,510億円で、国債依存度は46.3%、予算の約半分は借金によるものです。 国に比べたら、熊本県の場合は、1人当たり約81万6,000円の借金で、国の10分の1ぐらいですが、心配です。 そこで、総務部長にお尋ねしますが、現在の県債の利率は、公的資金と民間等資金、それぞれ最高、最低何%で、2011年度の利息支払い総額は、公的と民間それぞれ幾らあったか、さらに、今後の県財政の展望について、あわせて総務部長にお尋ねをいたします。  〔総務部長駒崎照雄君登壇〕 ◎総務部長(駒崎照雄君) まず、県債の現状についてお答えいたします。 現在県が抱えている標準的な県債である償還期間10年のものの金利は、公的資金では、最高1.8%、最低0.4%、民間等資金では、最高2.0%、最低0.4%でございます。 また、平成23年度における利息の支払い総額は、公的資金に係るものが93億円、民間等資金に係るものが124億円で、合計では217億円でございました。 次に、今後の県財政の展望について、2つの観点から申し上げます。 1点目は、国と連携した財政健全化の取り組み及び国に対する要望、提案の観点でございます。 我が国の長引く景気低迷に伴い税収が伸び悩む中、公共サービスの維持と財源確保のために、国、地方ともに膨大な借金を重ねてきました。同時に、本県のみならず、全国の地方団体は、総じて地方税、地方交付税等の一般財源が頭打ちのまま、増加を続ける社会保障関係経費を賄うため、人件費や公共事業の厳しい削減に取り組んでおります。財政の硬直化も一段と進んでおります。 こうした中、国と地方は一体となって緊急経済対策に取り組み始めています。今回のこの取り組みが早期に効果を発揮し、我が国の景気・雇用情勢がプラスに転じ、国、地方を通じた税収の回復につながることを願っております。 また、平成26年4月から順次引き上げられる地方消費税は、社会保障に係る公共サービスの安定的な財源の確保につながるものです。県民生活の向上、地方財政の安定の両面から、県としても、しっかりと受けとめていく必要があると考えております。 御指摘のありました臨時財政対策債は、毎年度の地方財政対策の中で、国が責任を持って将来の償還財源を確保するものであり、交付税の代替財源とされております。このため、県で発行を抑制することは事実上できません。 この臨時財政対策債の残高の累増により、毎年の元利償還額が急増しているにもかかわらず、地方交付税の総額は増加していないため、他の支出を削減せざるを得ない状況でございます。こうした実態を国に強く訴えてまいります。 2点目は、本県みずからの取り組みの観点でございます。 1点目で申し上げた厳しい環境の中、本県では、国に先駆けてたび重なる行財政改革を実施しております。その結果、県が管理し得る通常債は減少基調にあります。熊本広域大水害の復旧、復興や国の緊急経済対策への対応など、大きな財政出動が続きますが、この減少基調に変化はございません。 今後も、以上の2つの観点から努力を続け、健全な財政運営に努めてまいります。  〔岩中伸司君登壇〕 ◆(岩中伸司君) 答弁いただきました。 県の借金である具体的な内容についてお尋ねをしたんですが、現状では、その利息を含めて金額でいえば、公的資金に支払っている金額が93億円、民間等に支払っている利息が124億円、合計217億円の利息を23年度には支払ったという今答弁がございました。私たちの感覚では、利率がこれだけ下がっている、最高2%、最低でも0.4%になっている中でも、200億を超える利息を貴重な財源として支払われているということについては、もっとやっぱり緊張感を持っていかなければいけないというふうに思います。 県財政の展望については、これから――部長が2点にわたって答弁をされました。健全な財政運営に努めていくということで、例えば臨時財政対策債については、国が責任を持って償還財源を確保するものであるということでお話しされましたけれども、国の大変な借金を考えれば、国そのものが本当に大丈夫なのかということもありますので、国任せではなくて、やっぱりきちんと監視、チェックをしながら、県の意見を言っていかなければいけないというふうに思います。 続いて、最後の質問にちょっと入りますけれども、ラムサール条約登録の件でお尋ねをします。 このラムサール条約登録湿地荒尾干潟と有明海の関連も含めてですけれども、2点お尋ねをいたします。 荒尾干潟が、昨年7月3日に、ラムサール条約に登録されたことから、地元荒尾市では、7月3日を「荒尾干潟の日」と定める要綱を制定し、その目的として「荒尾干潟を貴重な自然財産と認識し、市民と行政が共に協力して都市と自然との共生を目指した保全及び利活用を図る」としています。 荒尾干潟は、1,656ヘクタールの広さで国内最大級ですけれども、ラムサール条約に登録されたのは、干潟中央部の国指定鳥獣保護区の特別保護地区754ヘクタールです。 昨年9月議会で、荒尾干潟利活用の県としての具体的な取り組みについてお尋ねをしましたが、谷﨑環境生活部長の答弁は、8月26日のシンポジウム開催で荒尾干潟の重要性を多くの人々に再認識していただいたとして、具体的な取り組みを通じて「有明海の環境や生物多様性の保全にかかわる荒尾干潟について、その重要性を広く周知してまいります。」と前向きな答弁をいただきました。 荒尾市では、荒尾干潟がラムサール条約湿地登録されたことから、環境教育学習の場や観光交流拠点の場とするため、ビジターセンターの建設を環境省に要望しているところです。ことしは干潟の調査研究を進め、底生生物の実態などを把握したいとも説明されています。荒尾の問題としてではなく、県として荒尾干潟の重要性を認識されていることから、国への働きかけなど、さらに強めていただきたいと思います。 一方、漁場としての荒尾干潟は、魚介類の宝庫でしたが、近年の漁獲量は余り思わしくありません。以前は、アサリを初め、タイラギ、ニシッポ、マジャク、アシナガダコ、ワタリガニ、イソギンチャクなどなど、その季節のものが多く収穫をされていましたが、現在は干潟へ行っても極端に減少しているようです。 干潟の保全とは、底生生物などが多く存在する環境を整えることでもあり、魚介類の宝庫にすることが有明海再生にもつながっていくものと考えます。 そこで、お尋ねしますが、第1に、ラムサール条約登録湿地荒尾干潟について、積極的な支援を環境生活部長にお尋ねします。 第2点として、荒尾干潟の漁業資源の回復について、農林水産部長にそれぞれお尋ねをいたします。  〔環境生活部長谷﨑淳一君登壇〕 ◎環境生活部長(谷﨑淳一君) 荒尾干潟については、昨年7月に、県内で初めて国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録されました。これにより、熊本の宝が世界の宝となったことを誇りに思っております。 県では、荒尾干潟の重要性を広く県民に周知するため、この条約登録を機に、シンポジウムや干潟観察会、希少な水鳥等の写真展を実施してきたところでございます。 また、ビジターセンターについては、その建設を前提とした国の調査事業が来年度に実施されると聞いております。今後、国や荒尾市、関係民間団体が共同して、その建設候補地や施設の内容等を検討されることとなっております。 県といたしましても、県北の環境学習の拠点施設の一つとなり得るセンターの早期建設に向けて、荒尾市とともに国への働きかけを行ってまいりたいと考えております。 さらに、来年度は、荒尾干潟に生息する水鳥や貝類など多様な生物の活動についてDVDを作成し、環境センター等の環境学習の教材として活用していきたいと考えております。 このような取り組みを通じまして、荒尾干潟や生物多様性保全の重要性につきまして、より一層県民への周知に努めてまいります。  〔農林水産部長福島淳君登壇〕 ◎農林水産部長(福島淳君) 干潟は、魚介類の保育場として重要な役割を果たしています。そのため、魚介類が生息できる環境への改善や漁業資源を回復させるための取り組みが重要であると考えております。 荒尾干潟における漁場環境の改善の取り組みとしては、県の補助制度を活用して、地元漁協を中心に海岸清掃が行われ、近年は、海底清掃やトラクターなどを用いた干潟の耕うんも行われております。 次に、漁業資源回復の取り組みとしては、有明海4県共同放流事業を活用し、荒尾漁協において中間育成したクルマエビ種苗を放流してきました。 現在、この放流量を年間62万尾に拡大するとともに、放流の効果が高まるよう、放流サイズの大型化や放流方式の改善を行っています。 また、アサリについては、親貝の放流や放流場所の保護、ナルトビエイによる食害対策などのほか、県の指針に基づく漁協の資源管理計画により、アサリ漁獲量の制限などを行っています。 今後とも、このような取り組みを荒尾市や漁業者と協力して実施し、多様な魚種が生息できるよう、荒尾干潟の漁業資源回復に取り組んでまいります。  〔岩中伸司君登壇〕
    ◆(岩中伸司君) 今、環境生活部長、さらには農林水産部長からの答弁をいただきました。 ラムサール条約登録湿地荒尾干潟の登録については、昨年から質問も何回かしていますけれども、前向きな答弁で、積極的に荒尾と一緒に頑張っていくと、国への働きかけをしていくという、そんな決意も述べていただきまして、ありがとうございました。 今回、私は、ちょっと時間がなかったんですけれども、6項目の質問をしましたが、中でも、特にこれを一貫して継続をしているのは、やっぱり我々人間社会が、持続可能な社会にどうなっていくのか。経済発展ばかりを目指す今の社会では、問題があるのではなないか。これは、一番最初の原発問題から、それから立野ダムの問題についてもそうですし、一貫して――水俣病に至っては、まさにそのとおりです。 有機農業の推進について、これは特に私は力を入れていかなければならないというふうに思うんですけれども、有機農業は本当にやっぱり農業の原点にしなければいけませんけれども、残念ながら、今答弁では、熊本県下では194戸しか有機農業で生産をしてないというふうなことです。もっともっと広げていきたい。 これはなぜかといえば、先ほどもちょっと触れましたけれども、有機農業では化学肥料や化学薬品は一切使わないということが大前提です。ただ、この中で生産性を上げるというのは今の社会では大変難しいんですけれども、化学薬品や化学肥料や化学的な消毒剤とかをつくるのは、これは全て石油製品からでき上がっているということでして、本当に持続可能な人間社会を続けるためには、こういうところから基本的に考えていかなければならない。 特に、私たちが農業で大事にする肥料の中でも、窒素分をよくやっぱり使うんですけれども、それを確保するのは、空気中の窒素分を還元するのに莫大なエネルギーが要るということが言われています。地球全体で全てのエネルギーの中の5%は必要だと…… ○議長(馬場成志君) 残り時間が少なくなりましたので、簡潔に願います。 ◆(岩中伸司君) (続) いうことが言われていますので、そういう石油製品を使った農業生産でなくて、持続可能な――土が基本ですので、土をどう育てるのか。育土というふうな、そういう視点で農業に携わっていかなければいけないし、最後のラムサール条約でもそうですけれども、本当に干潟を守る、自然を守るということで、私たちの持続可能な社会づくり、経済優先でない社会をぜひ皆さんと一緒につくり上げるために、今後とも頑張っていきたいというふうに思います。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(馬場成志君) この際、5分間休憩いたします。  午前11時2分休憩    ――――――○――――――  午前11時16分開議 ○議長(馬場成志君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 荒木章博君。  〔荒木章博君登壇〕(拍手) ◆(荒木章博君) 無所属の荒木章博でございます。 早速、時間の関係で質問に入っていきたいと思っております。 きょうは、非常に悲しい私たちにとりましての出来事から2年の月日がたちました。避難所で亡くなられるなど、被害関連の死を含め犠牲者が2万人を超える空前の大災害となった東日本大震災から、ちょうど申し上げましたように2年を迎えましたが、今もなお、東北の被災地では、復旧に向けた懸命の取り組みが続いております。 また、全国的には、昨年11月に、国が、南海トラフ巨大地震による津波の被害想定を公表し、最悪の場合には全国で32万人に及ぶ死者が出る可能性を示されました。 私は、昨年の6月議会で、過去に5,000人の死者を出した地域である有明海沿岸津波避難体制の整備についてというテーマで、津波の警報などの防災情報を住民に迅速に伝達するサイレン――サイレンは一部あるんですけれども、非常に聞こえない。そういう整備及び活用方法について質問をいたしました。 本県の特に有明海沿岸には、広大な平野が広がっており、熊本市地域では、江戸時代から干拓が進められ、海岸から何キロも奥まで、ほぼ海抜0メートルの地域が広がっています。熊本市の天明、飽田、小島、中島、松尾、城山、池の上などの地域を津波が襲ったとき、住民の命をどうやって守るのかが非常に大きな課題と考えております。 私の質問に対し、知事は、津波情報を住民に確実に伝えるために複数手段を確保しておく必要性や、私が提案しましたサイレンによる伝達の有効性を認められ、熊本県が行っている地震・津波被害想定調査について結果を取りまとめ次第、熊本市にも提供し、避難施設整備のあり方について取り組みを要請するとの答弁をされたところでございます。 そこで、1点目は、情報伝達に係る熊本市との連帯状況及び熊本市を初めとする沿岸地域におけるサイレンの活用など、津波の対策の状況についてお尋ねをします。 2番目に、6月議会でも、教育長に、熊本西高グラウンドの照明整備について質問をしました。熊本西高は、熊本市が大型の避難所として指定を受けていますが、照明がなく、周りも暗い状況であり、避難場所の整備は市が行うということですが、市は県に協力してもらいたいという気持ちがあるのではないでしょうか。市は、県がやるんだろう、県は、市がやるんだろう、どっちもこっちもわからない、こういう状況をどう考えられますか。 以上、2点につきまして、県におけるその後の対応状況と今後の取り組みの方向性について、知事公室長にまとめてお尋ねをしたいと思います。 次に、海岸堤防の整備についてでございます。これは土木部長にお尋ねをします。 これまで、海岸堤防の整備は、台風による高潮や地震による津波に対して、どのような対策を行ってこられましたか。また、この対策の進捗状況はどうなっていますか。 今後、有明海沿岸で、これまでに経験したことのない大きな津波が発生することも想定されますが、これに対してどのような取り組みを行われるのか、お尋ねをいたします。  〔知事公室長田嶋徹君登壇〕 ◎知事公室長(田嶋徹君) まず、熊本市との連携によるサイレン活用の検討状況についてお答えします。 現在、本県の水防計画では、住民避難を呼びかけるサイレン音は、河川が氾濫するおそれがある場合に使用することとしておりますが、迅速な避難が必要な津波においても、有効な情報伝達手段であると考えます。 そこで、まずは、昨年6月議会で御提案のあったサイレン活用を含めた避難体制のあり方について、熊本市との間で協議を行ってまいりました。 そのさなか、去る7月12日に熊本広域大水害が発生し、この災害対応について実施された検証作業の中で、大音量のサイレンによる警報伝達の有効性が再認識されました。 一方で、サイレンや半鐘の音での伝達は、切迫感は伝わる反面、音の意味を住民に理解してもらうことが難しいため、津波と河川氾濫、あるいは火事とを区別するための鳴らし方や、それを住民に周知する方法など、導入する場合の課題も明らかになりました。 現在、熊本市においては、住民に災害情報を伝達する場合、防災行政無線が設置されている地域では拡声器を利用し、サイレン音ではなく音声で伝達しています。 さらに、今年度から防災行政無線の再整備に向けた調査に着手しており、その内容は、文字情報等の伝達にも活用可能なデジタル方式への変更や、防災行政無線がない沿岸地域において新たに拡声器を設置するというもので、平成25年度には実施設計が行われる予定です。 県としても、この機会を捉え、市と連携し、サイレンの活用方法に係る課題解決に取り組み、津波発生時に、避難情報を速やかにかつ的確に住民に伝え、迅速な避難が可能となるよう、情報伝達体制の充実強化に努めてまいります。 次に、熊本西高等学校グラウンドへの照明設置についてお答えします。 当校は、グラウンドに加え、体育館が、本年度、熊本市の一時避難場所として選定されました。 熊本市は、熊本西高のみならず、他の県立学校も含め、学校の体育館を一時避難場所として指定する作業を進めております。照明設備を含めた避難場所の整備については市町村が行うこととされており、県教育委員会においては、市からの要望があれば協議に応じていくとの意向です。 今後とも、県としては、熊本市のみならず、沿岸地域の津波対応の最前線となる市町村としっかり連携を図り、的確に津波対策を講じてまいります。  〔土木部長船原幸信君登壇〕 ◎土木部長(船原幸信君) 海岸堤防の整備については、過去の台風による高潮被害を踏まえて、高潮に対応した整備を行ってきており、県内海岸の約8割が整備済みとなっています。 一方、今回の地震・津波被害想定調査による最大クラスの津波の高さは、高潮を想定して整備を進めている現在の堤防の高さよりもおおむね低い結果となっております。 ただし、地震により堤防が被害を受けることも想定されるため、今年度から海抜0メートル地帯の海岸堤防を対象として、耐震性に関する点検を実施しています。 今後は、海岸堤防のかさ上げや樋門の改修など、高潮対策による整備を進めるとともに、耐震点検の結果を踏まえ、海岸背後地の土地利用も考慮しながら、緊急度の高いものから順次耐震対策を行ってまいります。  〔荒木章博君登壇〕 ◆(荒木章博君) 鳴らし方を考えなきゃいかぬということですけれども、それはもう取りつけた時点でやればいいわけでして、小刻みに鳴らすとか、一斉に鳴らすとか、やり方を今後考えていただきたい。 ただ、もう一つの西高の照明、いざ災害があったら――市から要望があるならば対応しますと。こんなことでは、やっぱりこういう津波がもし起きた場合に、これは話にもならぬですよ。あったなら考えると、そんなことじゃなくて、やっぱり積極的に、この地域の避難場所て、こういうところしかないわけですから、もっと積極的に――これをどうこうと今言うと、もうあくしゃうって、熊本弁であくしゃうって、もう言いたくもありませんけれども、それは今後考えていただきたいというふうに思っております。また機会あるたびに、私は議会でも述べさせていただきたいと思っております。 次に、最近、国の内外を問わず幸福度の指標化が流行して、幸福度と言えばブータン王国ですが、家族や地域のきずな、人と自然の共生、国民が誇れる歴史、文化が大事だと、このブータンでは、GNH、国民総幸福量であらわしたそれを国家の開発の基本理念としております。 蒲島知事は、平成23年の7月、AKH、熊本県民総幸福量を発表されました。県民の幸福量の最大化を県政の基本理念として、県民の幸福量の指標化に取り組まれ、AKH、今申し上げました県民幸福量を用いて過去2回の調査を行われました。 また、全国でも幸福度を指標化することがトレンドとなっているようですが、手元のこの資料を皆さん方にお配りをしてますけれども……(資料を示す)資料の法政大学の調査では、この幸福度ランキングは熊本は5位だった。しかし、この株式会社日本総研の研究所の結果では32位と開きがあるんですね。東京都は38位だったんだけれども、こちらでは2位となっているというような状況なんですね。 熊本は、県を挙げて幸福量に力を入れているのに、九州でも5番目とはだめじゃないかと、九州で5番目ですね。そして全国で32番。だめじゃないかという声が聞こえますが、調査によってどうしてこのような格差が出るのでしょうか。 それは、この都道府県ランキングをまとめた指標が、どちらの研究機関も、2つともですよ、県民の所得とか、持ち家の率とか、失業の率とかなどの既存の客観的なデータを組み合わせているので、使用するデータによって結果が違っていると思います。実際住民がどう思っているのかという主観的なものを考慮しなければならない。 また、過去に、AKHという質問でも多くの議員さん方がされました。幸福量もよいが、経済発展が大事だとの声が多く聞かれましたが、もちろんそれは否定しませんが、県民、住民の幸福感は、経済的なものだけではなく、非経済的なもの、精神的なものも大きく関係していると私はこの調査でわかったと、知事も当時の議会でも答弁されておられます。 もう一枚の2枚目の資料は、先ほど見せましたけれども、内閣公表の20年度の国民生活白書からコピーしたんですね。経済的な豊かさは幸福度とは比例をしないということを言ってあります。 本県のAKHは、夢を持っているか、地域に誇りがあるかなど、客観的なデータではありません。主観的なものを指標化して、アンケートや地域別の聞き取りの調査を行い、県民の幸福をより実態に近い形で把握しようとしているものです。これは、知事がやられているこの取り組みは、国内では先駆的で画期的なものであると私は認識しております。 このようなAKHをぜひ有効利用して、県民総幸福量の最大化を実現してほしいと思いますが、この幸福量の考え方を理解して共有している県民はまだ少ないのではないかと思われます。県民へのさらなる発信、浸透が必要だと思います。 そこでお尋ねをしますが、まず、既にAKHを用いて2回の調査を実施されましたが、その結果、県民が何を望んでいるのか、幸せを実感できるために何が必要なのかなどの課題は把握できたのでしょうか。 次に、以前知事は、AKHの活用方法について、1つには政策評価への活用、今取り組んでおられますけれども、きめ細やかな政策立案への活用、3つ目には住民参加型の政策形成への活用と述べられましたが、この調査を活用して具体的な政策立案や政策評価は進んでいるのか、お尋ねをいたします。 また、2回の調査の結果では、幸福度指数100が最高とするならば、69.5と68.7と若干減っているようですが、この点の評価もあわせてお尋ねをします。 次に、知事は、住民参加型の政策形成の活用を望んでおられますが、AKHを県民に対して発信していくこと、浸透させていくことをどのように実現しようとお考えか、お尋ねします。AKHの活用については、天草市は市長さんが中心となって取り組んでおられますが、市町村との連携は進んでいるのでしょうか、お尋ねをします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、幸福量の指標化に係る2カ年の調査で見えてきた課題と、その調査結果の政策評価等への活用についてお答えします。 幸福量の指標化に向けた研究では、全国的に1人当たりの県民所得や持ち家比率などの客観的な指標に基づく数値の集計が多くなってきました。議員御指摘のように、その問題点は、どの指標を採用するかによって結果が大きく異なることです。 そうした中で、本県の幸福量をはかる指標であるAKH、アグリゲート・クマモト・ハピネス、日本語で言うと県民総幸福量ですけれども、これは、仕事や家族関係、地域社会とのつながりなどについて、県民の主観的な満足度をアンケートで数値化し集計するという、全国でも特徴的な取り組みであります。これまでの調査で、幸福の要因として非経済的要因も重要であること、地域によって求める幸福の形は異なることが見えてきました。 AKHは、精度の高いアンケートを実施することが肝要であります。十分なデータ数を確保することと誤解を生じない的確な表現で質問すること、この2つが大事であります。 そこで、今年度は、前年度よりも調査対象者を倍にふやすとともに、設問の見直しを行いました。その結果、回収率が高まり、調査手法の改善も進んだことから、精度が向上したとの評価を得ています。 このような2年間の取り組みにおいて、調査手法は同一ではありません。したがって、この2年間のAKHの数値だけを単純に比較することは適当ではないと思っています。 これまでの取り組みで、AKH、県民総幸福量の算出手法が、おおむね確立されてきました。今後は、地域別や年齢階層別などで見て、どの幸福度が重要視されるのか、どの満足度が低いのかなどといった幸福の姿を捉えていくことが課題となります。 AKH、県民総幸福量の活用についてですが、まだ指標化の調査手法を詰めている段階にあります。それゆえ、現在のところ、政策評価や政策立案に活用するまでには至っておりません。 来年度は、新4カ年戦略に基づく施策の客観的な達成度とAKHとの対応関係の分析などを進め、政策評価の中で活用していきたいと考えています。 また、AKH、県民総幸福量を活用した政策評価の結果を踏まえて、今後の施策の方向性や具体の取り組みの検討など、きめ細やかな政策立案への活用も図っていきたいと考えています。 次に、県民に対するAKHの発信、浸透についてお答えします。 AKH、県民総幸福量は、住民と行政が一緒になって地域ごとの幸せを追求し、実感していくためのツールとしても有効であると考えています。 現在、天草市では、AKHと同じ考え方で、市民とともに幸せを考える取り組みを実施されています。その中で、多様な幸福の形を実現していくためのアイデアや取り組みも議論されており、こうした住民参加型の取り組みは大変重要だと思っています。 そこで、来年度は、このような先進的な取り組みを全市町村と共有するため、情報提供を行うとともに、幸せにつながるアイデアなどを全県下から持ち寄って、発表してもらう機会を設けたいと考えています。これにより、県民の一人一人が、幸福には多様な形があることに改めて気づき、みずからの幸せを考えるきっかけとなることを期待しています。 こうした取り組みを通して、AKH、県民総幸福量の県民への発信、浸透を図っていきたいと思います。  〔荒木章博君登壇〕 ◆(荒木章博君) 今、知事の1丁目1番地、知事、原稿を読まぬでこのときは言ってほしかったなと私は思うんですけどね。これは、画期的な、先ほども申しましたけれども、知事の取り組みですよ。 今2つのデータを比較してありましたけれども、両方とも客観的なデータで、知事が考えておられるその考え方とは、数値で評価するものではない。それはなぜかというと、私は、曹洞宗の――福島県を中心として、東北の皆さん方が――ブータン王国の国王が、福島の地を訪れて、代表する僧侶がお祈りをされて、日本国が平和であってほしい、そしてまた復興に力強く生きてほしいという祈りをされて帰られた。 私は、そのテレビを見たとき、わあ、私は一回ブータンに行ってみようと思って、バンコクに1泊泊まって、朝7時何便のやつで、約10時間のフライトでブータン王国のティンプーに着きました。そして、ティンレイ首相、官房長官、経済大臣、その5名の方々とお会いをして、このGNHの取り組みについて、首相とは30分間、官房長とも30分間、通訳を通じて4~5名で特別にお話しする機会を与えていただき、知事の親書も私が持参してお渡しをしました。 熊本というと、県独自にGNHに続くAKHというのを取り組んでいる、すばらしい県だなと。この知事が取り組まれた、その一言だけで、この熊本県、日本でも先駆けてやっておられる。ここに、私たちは、政治というのは、やっぱり地位や名誉、そういうことだけではなくて、本当の幸福とは何か、政治家としての幸福は何か、私も自分で問い詰める時期だった。 だから、首相にも、国王に――次の日、3日目が国王に会える予定だったんですけれども、ちょうど私はフライトの時間があって熊本に帰らなきゃいけなかったので、私だけはお会いすることはできなかったんですけれども、本当に、多くを語ることはできませんけれども、知事のこの――全国でこの幸福量というのはやっているんですよ。しかし、それは何か違うんですよ、客観的に。知事の考え方は、まさにこのブータンの前国王が示されたものにのっとった、真の私は日本でも輝かしい取り組みだと思っておりますので、引き続きお願いをしたい、よろしくお願いしたいというふうに思っております。 次に、教育委員会の委員の任命について。 米澤先生がここにおられますけれども、私は、昨年の10月3日の議会で、質疑を、10分間という時間で質問をしました。これは短い時間ですけれども、知事提出議案51号教育委員の任命について質疑をしました。 熊本県の教育課題は大きな岐路に立っている、今回ワースト1位であった県の教職員の不祥事とか、中退とか、免許更新のおくれとか、いろんな問題を取り上げ、10代の人工中絶が全国でも最も高い、こういうことを私は訴えて、今から教育委員に任命する方は、どういう考えで選ばれたんですかと、私は申し上げました。 そして、知事は答えで、人事案件について質疑をいただきましたので、米澤氏を提案するに至った私の考えを申し上げますと。要約して言いますと、県立高校、私立大学、公立大学、公立大学法人・県立大学の初代学長として、その手腕を発揮された豊富な経験と実績をお持ちの方ですということで、知事はおっしゃいました。このような米澤氏の人柄や経験、実績をかねてから知っていたから、私は教育委員会の委員として責務を十分に果たしてくれると確信していると、知事は答えられました。 私が次に登壇したときに、知事の説明でよくわかりましたと、私は言いました。私は、この人物は悪いとかと言っているわけではありません、こういった中で、決め方、実際、教育長と政策課長が行って、次の教育委員長さんですからと言うたら、教育委員長な、俺は聞いとらぬという声も意見も出ましたけれども、横に今たまたまでしょうけれども、おられます。 そういった中で、私は、知事が教育委員を選任するときにしか教育委員会には物申せないんですよ。だから、知事は、やっぱり今、こういういじめとか、不登校とか、こういう中で、今県立大がいろんなところで努力されたけれども、重ねて私からお願いします。 熊日新聞にも、7月7日の――後から聞きますけれども、小中学校の選考考査に関して、委員に責任を果たしてほしいと知事は言っておられる。そして、知事が県教育委員会の「個々の事案に言及することは避けるべきだ」――言及できないんですよ、結局委員会には、ですね。大阪の維新の会じゃないですから、考えが。そして、県教育委員会も「私の気持ちを分かって、責任を果たしてくれると確信している」と知事は言われた。 だから、やっぱり選任するときに、この先生の考え方とか、やっぱり論文でも、話をしてと言いました。だから、私は先生に電話したんです、米澤先生に。そしたら、知事とは話しとらぬと。いじめ、不登校の問題は話したんですけれども、余り認識はなかった。だからお尋ねしたんです。 そしたら、何か熊日新聞に、異例の質疑をしたと、荒木は。「いじめや不登校などの教育の課題に関する認識を対談で把握してから任命すべきだ」と。そしたら「人事案に対する質疑は異例。ただ、採決では荒木氏も賛成に回り、全会一致となった。荒木氏は「選び方は」」――荒木氏はて私はですね、「「選び方は駄目だが、人物が悪い訳ではない」と釈明した」と。これは熊日の記者が間違っている。これは間違えとる。これは、市議会のときに坂本哲ちゃんが市政の記者だったが、私の記事を間違ごて書いとる。だから、この県議会で会うたとき、ああたはもう記者はだめだけん、やっぱり議員になったねと、こう言った。 だから、釈明というのは、辞書を見ますと、逃げ口、都合の悪いことや過失などを繕おうとするための説明と書いてある。僕は釈明してないんですよ。これは、質疑というのは議員に与えられた10分間の大事な権利です。権利は主張しなきゃ。 だから、質疑の中で、知事さんに、この方はどういう考えですかと言うたから、人格的に立派。そんなら私も、まあ対談をしてほしいとか、レポートを書いてほしいとか、いろいろそれはありますよ。しかし、私は、知事の大まかな考え方に同意をして起立したわけです。それが任命同意と。そしたら「パフォーマンスに付き合う暇はない」と、ある方が言ったのが新聞に載ってるんですよ。「自民党県議団の村上寅美団長は「パフォーマンスに付き合う暇はない」と冷ややかだった。」。私は――ちょっとおかしいんです、これは。やっぱり、今、熊本の教育行政は大変な岐路に立っとる。 この前、文科大臣をもとされた河村先生が――私、車を運転したんです。熊本の現状、どんな現状かと言った。そして、知事は、教育再生会議に選ばれておられると。そして、下村文科大臣が、東京11区、そして9歳のときにお父さんをバイクで亡くして、そして、あのあしなが奨学金とかいろいろして、そしてこの文科の専門です。河村先生は、元文科大臣で、専門です。知事はすばらしい人だ、その評価はみんな一緒です。だから、教育再生の代表の委員ですよ、熊本県から。やっぱりこういうときに、知事さん、やっぱり議会にも、こんな人であるということを、やっぱり紙1枚じゃなくて――そしたら、米澤先生、委員長になられてばんばん頑張っておられる。もう先生方が、すごい立派な方だった。やっぱり私は賛成してよかったなと思っております。いや、これは刺激になるんですよ、この議会というのは。 そして、やっぱり一人一人のいじめや不登校や自殺やそういうことを食いとめないかぬです、教育委員長というのは。教育委員長というのは、大変な権限です。これは知事と変わらぬ。だけん、一番こっち、こっちの一番前におられる。一番権限があるんですよ。これ、知事が口出せないんですよ。こうしなさい、だめ。議会も、だめ。だから、教育委員長になったら、この議場だけでしかお尋ねすることはできないんですよ。その点について、まず、知事さんにお尋ねをしたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 委員の候補者の選定については、まずは、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関する識見を有するという法律の要件を満たす方について、候補者のこれまでの経験や実績などをもとに判断しています。 加えて、幅広い意見を教育政策に反映するため、できるだけさまざまな分野の方々に就任いただいております。 私自身、これまでの教育者や知事としての経験や、その間に培ってきた人脈などを最大限生かしながら、委員として求められる職責を果たしていただける最適な方について、総合的に判断して提案をしています。 そのような選定を受けて、委員の皆様には就任していただいており、任命後は、専門性を発揮して、その職責を十分果たしていただいていると考えています。 今後も、教育委員会委員を初め、任命同意の議案については、議案の提出者として、責任を持って議会への説明に努めてまいります。  〔荒木章博君登壇〕 ◆(荒木章博君) ありがとうございました。 さすが知事ですね。議会にも責任持って説明するということを言われました。 次に、家庭教育支援条例についてお尋ねします。 これは、昨年の12月県議会で可決し、溝口委員長が中心となって議員を集めて、彼は優秀な男ですね。こういう家庭教育条例について積極的にやっぱり取り組んでいく。党本部で勉強したり、やっぱりやってるだけのことはある。やっぱりこういう努力をされた選定委員の人にもお礼を申し上げたい。 ただ、熊本市の場合は、これが市長事務部局なんですよ。教育じゃないんですよ。そうしますと、ある小学校や中学校の方々が、溝口委員長が中心となった家庭教育支援条例のすばらしいものを学びたいと、教育委員会やいろんなところに相談したら、それは市長部局のほうに、生涯学習課に行ってくださいということで、教育委員会はなかなかノータッチだったんですよ。 だから、やっぱりそういうことじゃいかぬから、せっかくできた条例を、今後4月1日から施行されるわけですから、一日も早く市町村に、こういう立派な条例ができたから、この関係課は違うけれども一緒になって、教育委員会と一緒になって取り組んでほしいということをやっぱりやってほしいと思いますが、教育長、いかがでございましょうか。 それと、次に、教育委員会の管理職選考については、今年度実施についても、これまで同様、学校と行政の試験は同一日にしていない。 熊本市は――私は、教育長や次長お2人、藤本さんや杉原さんに、3人で話をしてお願いに行きました。不公平、もう政令都市になるんだから考えてくださいと言ったら、やっぱりきちんと別々にやったんです。ですね。 やっぱりこれを見ますと、7回新聞にも載っている。最後は社説に載っているんですよ。「昇任に絡み現場のやる気をそぐようなことがあってはならない。透明性のある制度に近づけるにはどうすべきか、」教育委員会も「知恵を絞ってほしい。」ということで、これは熊日の社説にも載っておりました。そして「指導主事対象の試験を遅らせる理由について、」県教育委員会は「夏休みは会議や研修が立て込むため」忙しいから「と説明するが、忙しいのは」学校現場の先生も一緒だ。ですね。 ですから、登載率なんか、もう80、90、そして一般現場の先生は20、30。もうかなりの60ポイントから80ポイントの差があるんですよ。そして、合格したら、1年たったらもう期限が切れて、採用できなかったらもう終わり、また最初からやり直し。指導主事は、合格したならば、ずっとそれはカウントされていくと。こんな不合理なことでは、私はならないというふうに思いますので、熊本県の管理職選考考査、校長、教頭について、どういうふうに――もちろん、その委員会がありますから、即座にというのは難しいかもしれませんけれども、もうタイムリミットが来たわけです。その点、教育長にお尋ねをします。  〔教育長田崎龍一君登壇〕 ◎教育長(田崎龍一君) まず、くまもと家庭教育支援条例については、新聞広告や県の広報誌等を通して、県民に広く啓発を行っています。 また、条例のポイントやQ&Aを記載した啓発用リーフレットを3月に作成をいたしました。 今後、これを県内全ての3歳児健診対象保護者、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の保護者等に配付してまいります。 来年度は、家庭教育支援条例を普及啓発するための家庭教育推進フォーラムの開催や家庭教育に関する表彰制度の設置など、家庭教育力の向上を図っていきたいと考えております。 今後とも、知事部局及び市町村と一層の連携を図りながら、総合的、継続的に家庭教育支援施策を推進し、条例に掲げる健やかな子供の成長に喜びを実感できる熊本の実現を目指してまいります。 次に、管理職選考については、人物、教育的識見、学校管理及び教育指導に関する知識と能力を有する優秀な管理職を登用するため、常に課題意識を持ち、選考方法の改善に取り組んでおります。先ほど御指摘がありました学校現場と行政の登載についても、一本化をしているところでございます。 試験日につきましては、選考考査委員会での意見も踏まえ、今年度は、これまで同様、学校現場の教員と教育委員会事務局職員等とを別々に選考考査を行ったところです。 一方、事務局において、他県の実施状況等を調査するとともに、選考考査を同一日に実施する場合の課題等についても整理し、検討を進めてまいりました。 今後、その検討結果を踏まえ、また、選考考査委員会、市町村教育委員会等の意見も伺いながら、同一日での実施を含めた選考方法の改善に向け、具体化に取り組んでいきたいと考えております。  〔荒木章博君登壇〕 ◆(荒木章博君) 今教育長は、選考方法の改善について、具体化をするということで、私は了とします。 今後も――今不祥事、かなり多かった。その中で、今の田崎教育長さん、米澤教育委員長さん、免許更新8件で、ワースト1位だった。今回ゼロですよ。やればできるんですね。だから、やっぱり今の教育長の人間性、米澤先生の人間性、これが今教育現場にひたひたとやっぱりこう流れて、みんなが、これはやらないかぬ、教育現場は努力をせないかぬ、そういうのが、私は本当にうれしく思います、最近は。 実は、山本教育長さんに――一遍剣道大会でぶん殴った、体育保健課の指導主事が。僕はいきなり行って、おまえ何しよるんだと言って、その殴った場所が北署の剣道大会だ。だけん、私はすぐ教育長に会って、こんなことしちゃいかぬて、暴力振るったらいかぬ――私は30数年剣道を指導していますけれども、一度も子供を殴ったことない。昔先生から大分殴られたから恨みしか残らぬですね。だから殴っちゃいかぬと言うたんです。そしたら、1カ月もせぬうち、市内の大規模中学校の教頭で行っとるですね。そしたらもう――山本教育長に文句言うた。そしたら、いつの間にか教育長さんは公安委員会委員に選任になった。もう本当――だから周りで見てる人が、教育委員会の指導主事が殴っても栄転するものだから、これが学校の体質かな。先生たちが――うちの子供たちがびっくりしてるんですよ、もう震えてから。それが指導主事で、次は教頭ですよ。そして、任命した人が、また国家公安委員ですよ、熊本県警とかかわりがある。ですね。だから、こういうのは、やっぱり今後も積極的にまた取り組んでいただきたいと思います。 時間の関係で次に行きますけれども、次は、加藤、細川のですね。 県民の幸福量の最大化、熊本の知事の大目標で、幸福量は、金や地位だけではなく、その人の持つ品格や誇り、加藤、細川の400年の歴史は、熊本県の誇りである。そういう意味でも、加藤、細川の歴史、文化に接することは幸福になると、知事はテレビで、この前見てたらくまモンも出てきましたけれども、言われましたですね。 しかし、今年度、加藤清正リレーシンポジウムというか、歴史公開講座を、歴史的町並みとか、継承とか、選定を実施されて、やられたんです。しかし、いろいろ話したり、講演する人を聞いたり、いろいろしても、やっぱり加藤清正公というのは22年間熊本城主で、そして、その息子忠広は21年間城主だった。1年短い。そして、山形県、飛騨高山に配流され、そして池上本門寺で――私はいつか申したと思うんですけれども、紀伊大納言頼宣、それは加藤清正の娘ですね。そして八十姫、その御主人が山形県に配流に行くというんですよね。そして、悲しい別れをするところなんです。そして、思いもよらぬ庄内に、哀れにも過ぎゆく後の熊本を。歌でも歌っているんです。熊本に帰りたい。 そして、そういう顕彰会の人が――前の県会議長さんが中心となって、松村議長が中心となって、この顕彰会を立ち上げて、加藤清正公・忠広公遺跡検証会をつくって活動されています。 そして、飛騨高山にはお孫さんが流されて自害をされるんですよ。苦しい、悲しい思いをさせるんです。加藤家の血をとってしまう。しかし、その清正公の娘八十姫は、子供の子供、孫に8代将軍吉宗を紀伊家から出すんです。そうしたところが女だけの寺があるんですよ、女だけの寺が。そこには、八十姫の墓が、3メートルぐらいの太かつがあります。その次が、紀伊家の2代目、3代目が将軍吉宗の奥さんのお墓で、女だけの墓があるんです。そして、その住職や副住職が守り続けているんですね。 細川の文化もそうですよ。重賢公というのは、やっぱり改革をやって、いろいろ、この時習館をつくられて、論語の中から「子曰く、学びて時に之を習ふ、亦説ばしからずや。朋、遠方より来る有り」。やっぱりそういう思いで時習館をつくられて、宝暦の改革とか、財政改革とか、刑法典――この刑法典というのは、明治政府の刑法の原点になっている。やっぱりそういういろんな物事が熊本にはあるんですよ。 そしたら、県の職員の人に、観光課に行っても、企画のそのプロジェクトをする加藤清正・細川プロジェクトの人たち、みんな行ったこともないんです、その場所に。だから、私は、台湾ももちろん大事ですから、800万職員が使うて行って、議会は私も行きまして200万、1,000何百万ありましたけれども、やっぱりそういうところを、加藤、細川の幸福を見つける場所を、知事は積極的に職員に教えてあげなきゃいかぬ、見させてあげないかぬというふうに思うんですね。そういったことを知事にお尋ねしたいと思います。 それと、次は、熊本城の入場者についてということですね。 数日前、細川家の文書ということで266通、国の重要文化財に――信長と秀吉のその書状などが重要文化財にということになったんですね。答申された。かなりこれは全国でクローズアップされて、いろんな電話がかかってきます。全国的に発信する価値なんです。 ただ、熊本城の入場者は150万人、そして県立美術館の入館者は19万人、20万人行かないんです。だから、せっかくあそこには、永青文庫を初めとして、そういう一部の展示がありますけれども、そういうのも何かタイアップして、やっぱりもっと売っていく、出していく。やっぱり熊本城だけを見て細川家を知るんじゃない。やっぱりこの県立美術館の常設展とか、そういうものの細川常設展とかを見て、私は取り組んでいくべきだと思いますが、以上2点について、知事と教育長にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 本県には、1,000年もの間守られてきた阿蘇の草原や400年の歳月を超えてそびえる熊本城の石垣等、先人たちの知恵と努力が、今もなお受け継がれています。 私は、さらなる100年を見据え、県民一人一人が郷土を誇りに思い、愛する取り組みの一つとして、熊本の歴史、文化を守り、磨き上げ、次世代へと継承していく、加藤・細川ヘリテージプロジェクトを立ち上げました。 本格的な取り組みの2年目となる平成25年度は「築(きず)く」「磨(みが)く」「誘(いざな)う」をテーマに、歴史的町並みの保存、再生や人材の育成、県内外への情報発信にさらに力を入れていきたいと思っております。 山形県鶴岡市や岐阜県高山市といった加藤家ゆかりの地域において、今なお、地元の方々により、加藤清正に連なる人々が大切にされていることは、熊本県民にとって誇りであり、縁であると思います。 こうした清正公ゆかりの地域も含め、さまざまな切り口から事業の展開を図り、熊本の歴史の再発見、再認識につなげてまいりたいと思います。  〔教育長田崎龍一君登壇〕 ◎教育長(田崎龍一君) お尋ねの熊本城の入場者を美術館に誘導する方策についてお答えいたします。 美術館では、県内有数の観光施設である熊本城に隣接する立地条件を生かして、少しでも多くの観覧者に来館いただけるよう、熊本市や関係団体との連携を行っております。 例えば、熊本市観光施設共通入場券や熊本城周遊バス乗車券の利用者に団体割引料金を適用するなどの運用を行っております。 県教育委員会としては、今後とも美術館の展示の充実を図り、熊本城周辺観光施設へのポスター掲示やパンフレットの配布を続けながら、熊本城入場者についても割引料金の適用ができないかなど、関係機関と協議しながら検討を行ってまいります。  〔荒木章博君登壇〕 ◆(荒木章博君) 歴史と文化を知る上で、幸福量というのを、知事は、それを学ぶこと、知ること、熊本の歴史を知ることということで、第1項目でやっぱりこの問題を取り組んでおられます。できましたら、いろんなところの団体には視察に職員をやられますから、どことは言いませんけれども、そういう学ぶ場所には、やっぱり幸福量の研修を私はやっていただきたいと。歴史、文化は、その方たちが発信するわけです。そうすると、いろんな考え方が出て、こんな――ただ企画会社にやって、入札させて、そこに決まった、そういうことでは私はいけないと思います。 次は、アジアとの交流についてお尋ねします。 今、チャイ・ナプラス・ワンで、ASEAN、台湾、香港、韓国と交流が進められておりますけれども、私は、このアシアナの週5便化ということを知事は標榜されておりますけれども、実は韓国の螺鈿の先生が熊本で開催をされることが決まったんですけれども、そしたら、韓国最大の50万を超える経済雑誌に、こういう、知事さんを訪問されてやった記事が載ったんです、こうやってですね。(資料を示す)知事さん、お見えになったんです。この方が吉さん、隣が知事さんで、隣がソフトバンクの孫さんのお母さんですけれどもね。その隣が私ですけれども、これが韓国の有名な雑誌に載ったんです。 そしたら、熊本でやるということで、知事さんに面会したら、非常に温かい気持ちに触れられて、今、熊本の県立美術館で、2日から24日まで、これは入場無料です。それで、橋口議員のお父さんなんかは来てくれましたけれどもね、名簿が載ってましたけれども。だから、やっぱり橋口議員もお父さんに負けぬごて頑張ってください。僕同級生ですから。 ですから、そういうことで、やっぱり――そしたら、この模様がKBSで、韓国全土に55分番組で、韓国の正月に11時から11時55分まで。私の携帯に韓国の人から13本電話がかかってきたんです。熊本城が出てました、県立美術館が出てました、知事のインタビューが出てましたと。これ、経済効果30億から50億ですね、これはもう。そして、いろんな、アジアでも見れる、世界でも見れるんです、これは。KBSというのは、日本ではNHKに当たるんです。 だから、せっかくこうした中でやっぱりやられておりますから、こういう来られた方に対しても、やっぱりおもてなしをやっていくということも私は大事だなというふうに思っております。そういう点をお尋ねしたいというふうに思っております。一応そういうところで、アジアについての交流についてお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 私も、韓国KBSテレビの放映は、録画したものを実際に拝見しました。私のインタビュー、また熊本城など、熊本にとって、とてもすばらしい認知度向上になったのではないかなと思っています。 それから、民間の草の根レベルの文化交流というのは、国家間ではさまざまな摩擦がありますけれども、そのようなときこそ、この文化交流、民間間の交流は必要ではないかなと思っています。そういう意味で、アジアとつながるために大変重要なイベントではないかなと思っています。 県としましても、今後、このような交流に資するものについては後援を行うなど、海外との文化交流を積極的に支援していきたいと考えています。  〔荒木章博君登壇〕 ◆(荒木章博君) ありがとうございました。 テープカットのときも、それはKBSのテレビで放送されたわけですね。韓国全土に流れた。吉先生の御親戚が、KBSの副社長から昨年の11月に社長になられた。そういう縁もありますでしょうけれども、この先生の作品のすばらしさというのが、今回のKBSの取材になったんじゃないかなというふうに思っております。 先般、日韓議員連盟、超党派170名ぐらいおります、国会議員の。会長は額賀先生で、幹事長は河村建夫先生ですけれども、河村先生も御夫妻で駆けつけていただきました。そして、吉先生と抱き合って、熊本での開催を喜ばれました。私は運転をして、本当に荒木さん――最後、新幹線の来るまで、車中までお送りをして、この日韓交流のために一肌脱いでくれと、今僕はこういう立場だから、余り自分が表に出ると、選対の委員長だから、そこは理解をしてほしいと、よろしくお願いしたいということで帰っていかれました。 今度は、この韓国の馬会の会長、KRA、日本ではJRAと言うんですけれども、その日本競馬会、韓国競馬会の会長が、MBCキム・ジェチョル社長と一緒に、今度は3月26、27、28日、熊本に2泊、阿蘇に1泊泊まられて、今から馬の産業の取り組みをされます。 そして、今度は、ソフトバンクで――熊本でできなかったのが、MBCと一緒にソフトバンクで、7月20日に、ヤフードームで、KARA、2PM、T-ARAというコンサートが開催。熊本でとれなくて、福岡にとられてしまったんですけれども、仕方ありません。 3月20日には、南倉中のサッカー部が約30名来ます。そして、河村先生の出身地である萩は、要するに蔚山市との友好都市を46年前に結んでます。熊本市は、縁あって5年前に熊本と蔚山市は友好提携しました。だから、3つのトライアングルができてるわけです。 そして、4月12日からは、小杉会長にもお世話になりますけれども、蔚山の剣道会の会長以下25名が熊本の地に参ります。 いろんなことで――時間の関係で、この駅周辺整備の問題について、鉄道高架化の早期実現について、石仏踏切の鉄道高架化の要望について、熊本駅東口の0番線跡地の複合ゾーンの検討については要望とさせていただき、また、松尾町百山谷川、それも要望とします。 そして、拉致対策については、僕の同級生、松木薫君が拉致をされて…… ○議長(馬場成志君) 残り時間が少なくなりましたので、質問を簡潔に願います。 ◆(荒木章博君) (続) ここに小杉議員とか西岡先生が中心になって議会では取り組んでおられます。この前、熊本に来られたから、古屋大臣に――古屋大臣は岐阜で、飛騨高山の関係もありますので、私は、拉致大臣――15分おくれて行ったんですね。実は、国家公安委員長と防災何とか大臣と、大臣室を2つ3つ持っておられるもんですから、15分おくれて行きましたけれども、快く迎え入れて、約30分間お話をして、全力で取り組むよと、そしてお礼を申し上げました。 TPPの交渉については、私は、これは絶対反対であります。 これについては――私はこれで質問を終わりますけれども、私は、昨年の4月に、月に2回ないし1回、大阪維新の会に、政治塾に、経済問題、国防問題、堺屋太一さんや竹中平蔵さんや、そして北岡さんや古閑さんや、そして石原都知事やら講演をして、レポートを書かなきゃいかぬ。800字のレポート。1時間半の講演を聞いて、意見交換をして、1時間内で800字、携帯電話を見ることも――これは試験なんですよ、毎回、毎回。そして、5人の審査員がいて、甲乙丙丁と点数をつけていくんです。そして3,000人、2,000人、そして私は最終まで残ったわけでありますけれども。 橋下市長は、10年前に日航ホテルで彼が講演したとき、この男は政治家にするならいいなと。私は、政治家になったらどうかと帰りに伝えたんですけれどもね。すごい男ですよ、この男は。 しかし、私は、もう議員さんみんな一緒ですけれども、政治家の後援会の3本柱は、選挙長、後援会長ですよ。そして選対本部長ですよ。その2人が、今私の、県の農業会議所の会長が私の選挙長です。1期から8回闘った仲の選挙長です。そして、私の一番の兄弟分、選対本部長は、このたび、昨年の7月に、JAの熊本の2万人のトップの組合長として14対12で当選をしました。そういった友人の関係があり、私はTPPは絶対許すことはできない。それが維新の会とは分け合わない。これで昨年の12月で勉強会は終わりました。 国はいろいろ変わっていきます。しかし、このTPPは、守るべきものは守って、私はやらなければ、いい政治は、日本国はできない、これを言いまして、この質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(馬場成志君) 昼食のため、午後1時15分まで休憩いたします。  午後0時16分休憩    ――――――○――――――  午後1時15分開議 ○副議長(吉永和世君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 九谷高弘君。  〔九谷高弘君登壇〕(拍手) ◆(九谷高弘君) 皆さんこんにちは。宇土市選出・自由民主党の九谷高弘でございます。 本日は、御存じのとおり、東北地方太平洋沖地震が2年前の14時46分に太平洋三陸沖を震源として発生し、東日本大震災を引き起こし、甚大な被害をもたらしました。あと1時間29、30分で、その発生した時刻となります。改めて、お亡くなりになられました方々にお悔やみを申し上げます。この日に質問できることを、ある意味ありがたく感じるところでございます。 今回も、地元宇土市関係が中心の質問でありますので、先生方には退屈かと思います。また、本日最後の質問ですが、前のお2人の強烈な先生の後で埋没しないように精いっぱい頑張りますので、おつき合いいただきますようよろしくお願いいたします。 昨年と同じような質問もいたします。早く何とかしたいという思いのあらわれでございますので、執行部の皆様には、そのように受け取っていただき、引き続きの内容となっています項目については、少しでも前進した御答弁をいただきますことを切にお願いいたします。 それでは、通告に従いまして、質問に入らせていただきます。 最初に、宇城地域の振興についてお尋ねいたします。 昨年、政令市誕生後の宇土地域の振興について質問し、企画振興部長から、第1に、都市圏の一角としての移住、定住の促進、第2に、天草、宇土半島の一角としての交流人口の拡大と、2つの方向性を示され、それぞれ地元と連携し、支援していくと御答弁をいただきました。 実際、宇土市においては、地域住民による網田駅の活用に対する支援、船場蔵屋敷建設に対する支援、大河洲排水機場の更新、潤川の河川整備計画の作成など、宇土市が進める定住と交流の促進に対して、ソフト、ハード両面で支援いただいていることには大変感謝しているところであります。 県の方向性に沿って、地元も定住に適した拠点性の高い市町をつくろうと努力していますが、県内のほかの地域と比べると、県として、それを実現させるぞという目玉となるような施策が、まだまだ具体的に見えてこない感じがします。 私の勝手なイメージで申しわけありませんが、熊本県全域を見渡してみて、阿蘇、菊池、山鹿は、観光地として、荒尾・玉名地域は、熊本の北の玄関口として、また、福岡県を視野に入れた定住圏として、上益城は、熊本県の林業を支える地域として、合志、菊陽、大津、益城の熊本都市圏東部は、企業集積地、ベッドタウンとして、八代、芦北、人吉、球磨の県南地域は、工業地、県内有数の農林業が盛んな地域、そして観光地として、天草も、観光地、そして漁業が盛んな地域として、それぞれ大きな課題、問題を抱えつつも、大きい課題、問題だからでしょうが、それぞれ、この地域をこうするぞという県の大きな意思を感じる、大きな施策が実行されているように思います。 しかし、宇城地域を見てみますと、農業もある、漁業もある、林業もある、観光地もある、立地も県のほぼ中央に位置する好立地条件、熊本市の中心部から車で宇土まで30分、松橋まで40分、美里まで45分、JR熊本駅から宇土駅まで12分から13分、松橋駅まで17~18分で、ベッドタウンとしての可能性もある、ほぼ全てがそろっています。 しかも、県政を揺るがすような大きな問題はございません。行政も、住民も、ほかの市町に負けないくらい町の振興、活性化に一生懸命取り組んでいます。ポテンシャルは十分にあると思いますが、なかなか発展しないもどかしさが宇城地域にはあります。 新幹線効果、政令市効果に期待はしていますが、この期待感があるうちに、ある程度目に見える形で、宇城地域が持つ定住性、拠点性という可能性を引き出す具体的な施策が必要であると考えます。その具体的な施策に対して、県、市町が同じ方向に向かっていくことが、課題解決に向けての行動となり、宇城地域が目指すところに到達できるのではないかと考えます。 熊本市が政令市になった今、熊本市が波及効果の中心とすれば、すぐ隣の宇城地域にまず波が届かないことには、県南や天草に波が届かないのではないでしょうか。 そこで、質問ですが、県が将来のビジョンで示した宇城地域の持つ定住の拡大と交流の拡大という可能性について、どのようにお考えか、そして、その可能性を引き出す施策が必要と申しましたが、その施策を具体的に検討しておられるのか、知事のお考えをお伺いします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 宇城地域には、豊かな海や山があり、また、熊本市への通勤圏として利便性の高い地域があるなど、定住や交流の拡大の可能性が高い、県内でも有数の地域です。 地元では、地域を元気にする取り組みが動き出しています。具体的には、定住の拡大では、宇土市などで、人口の増加を目指して住環境対策や子育て支援等の施策を盛り込んだ方針が策定され、今後、その具体化に取り組まれます。 また、交流の拡大では、宇土市の交流拠点、船場蔵屋敷、また、宇城市松合の郷土料理レストラン、下萬屋、美里町の物産館、よんなっせのオープンなど、新たな取り組みも広がっています。 定住や交流の拡大については、こうした地元の主体的な取り組みが何よりも大事です。あわせて、この地域にある御輿来海岸、轟水源、小西行長のゆかりの地など、人を呼び込むすばらしい素材をさらに磨き上げることにより、地域全体の魅力づくりを拡大させることが大切であります。 県の役割は、このような取り組みを後押しすること、さらには広域にまたがる取り組みを推進することだと考えております。そして、地域づくりチャレンジ推進事業により支援しています。 また、県では、地元市町と連携して、宇土半島から天草を周遊する観光ツアーの実施や緑川流域の石橋群を生かした観光ルートの開発、さらには三角西港の世界遺産登録に向けた取り組みなどを行っています。 来年度からは、新たに設置する広域本部と地域振興局が一体となって、定住や交流の拡大を目指す地元への支援に積極的に取り組んでまいります。  〔九谷高弘君登壇〕 ◆(九谷高弘君) 知事より御答弁をいただきました。 この質問を通して、宇城地域が何をしなければいけないのか、そして県が宇城地域に何を期待しているのかを少し明確にしたかったわけで、定住や交流の拡大の可能性が高い県内有数の地域とのお墨つきをいただいたと思います。どうもありがとうございます。 定住のための、交流のための施策は、それぞれの自治体でやるべきことが多いので、地元自治体や住民のやる気が非常に重要であります。 交流拡大の事業として、幾つか例を御紹介していただきました。宇土市だけになりますが、雨乞い大太鼓の復活、大王の棺実験航海、小西行長公の再検証、それに伴う市役所有志によって生み出されたゆるキャラの「うとん行長しゃん」、昨年のゆるキャラグランプリでは県内トップの成績でありました。商工会によるイルミネーション事業、飛躍縁祭、市の花であるアジサイを生かした町づくり、世界の紫陽花ストリート計画、商工会青年部による宇土レンジャー、網田地区のイカ祭り、五色山ふれあい会による里山づくり、直近では、先ほど述べた現存する県内最古の木造駅舎である網田駅の活用、船場蔵屋敷の再生。その蔵屋敷のオープニングセレモニーには、村田副知事、真崎商工観光労働部長にも御出席をいただきました。花を添えていただき、本当にありがとうございました。 ほかにもたくさんありますが、これだけの事業をいろんな団体が今まで行ってきました。また行おうとしています。そのやる気を起こさせ、持続させていくための要素の一つとして、県の協力、県との連携は不可欠です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 また、交流人口の拡大のためには、農林水産業の活性化も非常に重要であると思います。 漁業に関しては、宇土は、ノリの養殖、アサリガイが有名ですが、特にアサリに関しては、数が激減しているのは御承知かと思います。私が小学生のころは、網田地区の長浜に、全校生徒で貝掘りに行った楽しい思い出があります。現在はあっていないというふうに聞いております。宇土の海は、都市圏の人が海と触れ合い、海の恵みに触れ合うことができる、そして電車でも行ける一番近い海の一つであります。ぜひ、その条件を生かした体験型の観光ができるよう、漁場の再生、有明海の再生をお願いいたします。 農業についても、御多分に漏れず、高齢化やいろんな問題がございます。先日、JR九州が、これも網田地区ですが、農業に参入されました。かんきつ類の生産だけでなく、観光利用としても期待されますが、どうか御支援をよろしくお願いいたします。 定住の拡大については、県内市町村、地域間競争の厳しい時代ではありますが、県内の限られたキャパの中での奪い合いは望んでいません。 そういった意味では、先日県がおつくりになった「くまもとくらす」、非常にいいものをおつくりになったなと、県の御努力に敬意を表します。まだ全部しっかりは読んでいませんが、それぞれの町の特色を、移住者が望む情報をわかりやすく紹介し、また、巻末の各市町村別の支援施策早見表では、それぞれの施策が一覧で示してあり、それぞれの市町村においても、今後の施策を進める上で参考になる本だと思います。県外からの移住を希望する人がこの本を見たら、熊本に住んでみたいなと思えるようなつくりになっており、あえて注文をつけるとすれば、あるのかもしれませんが、外国語バージョンがあってもいいのかなと思うところであります。活用されるよう積極的に頒布されますことを期待します。 最後に、どうしても目に見える振興策として、県財政が厳しい中、大変申し上げにくいのですが、箱物の建設があります。 宇城地域には、公認大会ができるような競技場がございません。宇城の中学校の陸上競技大会は、水前寺陸上競技場で開催されています。また、本格的な野球場もありません。髙木先生は大変尊敬しておりますので、争うつもりは毛頭ございませんし、教育長も移転は考えていないとおっしゃいましたが、それらの県の施設が老朽化等で移転の話が出た際、県のほぼ中央に位置する宇城地域も候補地に加えていただけたらと思います。 それでは次に、宇土市における県管理の河川の浸水対策についてお尋ねいたします。 冒頭申し上げましたが、2年前のきょう、東日本大震災が発生し、多くの人命が失われ、多くの方が被災されました。また、昨年は、熊本においても県北、県南を記録的な大雨が襲い、多数の死者、行方不明者が出るという大災害が発生したことは記憶に新しいところです。改めて、お亡くなりになられました皆様の御冥福をお祈りいたすとともに、被害に遭われました方々にお見舞いを申し上げます。 東日本大震災の年に議員となり、2年目には熊本での大水害。私自身、昨年も申しましたが、地域の防災についても大きな役割を持つ消防団員であり、また、地元の潤川の氾濫を何とかしたいという思いから議員に手を挙げたという、災害に対して強い思いを持っていることもあり、防災対策について質問いたします。 河川整備についてでありますが、宇土市には、毎年と言っていいほど氾濫を繰り返す県管理の河川が幾つかございます。全ての河川について詳しくお聞きしたいところですが、きょうは、網津川、潤川についてお尋ねいたします。 網津川は、宇土市の網引地区を起点とし、網津地区を流れ、有明海に注ぐ河川延長7キロ、流域面積11.2平方キロメートルの、河川延長が短い、流域面積の小さい河川で、雨が降ると山から短時間で水が流れ出て氾濫する、流域住民の人命、財産に大きな影響を及ぼす、改修の要望が多い河川であります。 県が把握しています被害状況を見ますと、昭和54年の豪雨による被害が最大で、床下浸水749、床上浸水184、合計933、昭和57年が、床下177、床上172、合計349であり、平成に入ってからの被害自体は小さくなっています。平成9年に2回、平成10年に2回、平成18年に2回、平成19年に1回と頻発し、また、避難所となるべき小学校の横にも土のうが何段も重ねられている状況にあり、災害時の地元の拠点となるべき市役所支所も川のすぐ横にあります。 これまで、河床のしゅんせつ、堤防のかさ上げ、遊水地の設置、補強等の対応をしていただいたおかげで被害は小さくなっているのかもしれませんが、それでも100軒近くの床下浸水が過去20年で2回あり、昨今の気象状況や、地元が考える根本原因の解決には至っていない現状から、住民が安心して暮らせないと思うのは当然のことと思います。 執行部におかれましては、御承知かと思いますが、網津川は、JR三角線と国道57号線が並行に走り、川を横切り、鉄橋が低く、そこでひっかかり周辺が氾濫するという大きなネックを抱えています。橋桁を高くするとすれば、国道57号もあわせて上げねばならず、なおかつ、約200メートル先の住吉駅の位置も変更しなければならなくなり、莫大な事業費がかかる工事になると聞いています。線路より下流側の河川改修は完了しており、既に10年の月日がたちました。 これまでも、住民の皆さんの話を聞いて、それに応えてこられたのは重々承知していますが、問題解決に向けて、改めて住民の皆さんから聞いた意見を集約し、今後の方向性を出すことが必要なのではと思います。 そこで、今後の網津川流域の浸水対策の見通しについて、土木部長にお尋ねします。 次に、潤川についてですが、宇土市花園地区の立岡池と花園池を起点に、宇土市と熊本市富合町を流れ、浜戸川に合流する県管理の1級河川であり、年に1度、多いときには2度3度冠水する地区がある河川であるということは昨年も申し上げましたが、昨年は2度冠水しました。 現在、潤川下流部においては、浜戸川合流点まで整備がほぼ完了している状況にあります。 昨年の質問で、上流部の浸水対策について質問した際「現在河川整備計画の策定に向けて検討を進めており、平成24年度中には地元説明などの手続に着手する予定です。 また、当面の対策と」「して、県の統合型防災情報システムを利用した水防活動の支援として、ことしの出水期までに、水位観測所に隣接して新たに河川監視カメラを設置」するとの答弁をいただきました。 答弁どおり、河川整備計画の作成が進められ、改修に向けて着々と進めていただき、改修についての説明会も順次開かれていますことに対しましては、大変感謝をしています。 しかし、先日、説明会に参加された方から話を聞いたところ、30年もかかる、もう俺は死んでおらんばいと、がっかりされていました。その話を何人の方からも聞きました。いろいろ丁寧に説明をされたと思いますが、地元の人には30年という数字だけが頭に残っているようでした。 河川改修は下流から行われるでしょうから、30年かかることはないにしても、ある程度段階的に、大体これくらいの期間で、ここまで改修すれば、このあたりはこうなりますよといった説明があれば、少しは地元の捉え方も違うのではないかと思います。 我々議員は1期4年という限られた時間の中で、知事がよくおっしゃる時間的緊迫性を持ってお願いをしています。執行部におかれましても、2年、3年とは申しませんので、5年、10年単位で事業の説明に当たっていただくと、住民の方も少しは安心されるのではないかと思うところであります。 そこで、改めて、潤川上流域の浸水対策の今後のスケジュールについて。 以上2点、土木部長にお尋ねいたします。  〔土木部長船原幸信君登壇〕 ◎土木部長(船原幸信君) 網津川、潤川流域は、これまでたびたび浸水被害が発生しており、治水対策が必要な地域であると十分認識しております。 まず、網津川については、国道57号より下流側の河川改修はほぼ完了しているものの、抜本的な治水対策のためには、JR橋と国道橋の改築が必要となります。しかし、改築には、多額の費用と時間を要するとともに、JR橋と国道橋をかさ上げすることによる地域への影響が懸念されます。そこで、地域の皆様の御意見を十分に伺いながら、事業の進め方について検討を行ってまいります。 なお、水の流れを阻害するような堆積が著しい区間の河床掘削等についても、引き続きしっかりと取り組んでまいります。 次に、潤川については、県道川尻宇土線付近から花園池下流端までの区間において、今後30年間で行う改修内容を盛り込んだ河川整備計画の策定を進めています。 改修を進めるに当たっては、上下流バランスを考慮の上、優先順位の高いところから着手して、早期に事業効果があらわれるようにしてまいります。 具体的には、人家が集中し浸水被害が頻発している県道宇土甲佐線から国道3号松橋バイパス付近までの約1キロメートル区間で、既に測量調査と詳細設計に着手しております。 本年中には地元への事業説明会を行い、御理解と御協力を得ながら、事業の進捗を図ってまいります。  〔九谷高弘君登壇〕 ◆(九谷高弘君) 御答弁をいただきました。 今までも取り組んでいただいていました河床掘削等についても、引き続きしっかり取り組んでいくということであり、先ほども述べましたが、県の今までの取り組みのおかげで被害が小さくなっているのが数字として見えます。大変ありがたく、感謝を申し上げます。 しかし、回数についてはふえているというのも数字として出ており、近年多発しているような豪雨が来た場合は、依然として被害が大きくなる危険性をはらんでいるとの感は拭えません。過疎化が進む地域で、少しでもそれに歯どめをかけようと頑張っても、誰が水害の常襲地帯に住もうとするでしょうか。 先ほどの質問と関連しますが、定住促進を図る地元にとっては、河川改修などのハード面の支援は、県としての大きな支援となります。被害が小さくても、毎年とか年に複数回とかある地区は、後で述べます潤川でもそうでしたが、住民にとって相当なストレスであります。管理すべき県が、その抜本的な整備の方向性すら示せないのは、正直いかがなものかなと思います。 本県には、1級河川が259、2級河川が148、合計407の河川があり、全体の整備率は52.03%となっているようです。 昨年の山口先生の河川整備に関する質問に対して、土木部長が、必要な全ての公共事業予算を確保するのは難しい、事業の選択と集中を進める、一方、近年の異常気象による集中豪雨などが増加しており、治水対策がますます重要になっている、必要な予算の確保に努めていくとともに、限られた予算でより高い効果を得るための効率的執行に努めていく旨の答弁を出されています。407という数の河川があり、それぞれ大小さまざまな問題を抱えていると思います。 県の対応として、選択して集中していくのが、現段階において最も効率的な治水対策であるということは理解できます。網津川は、県から見たら小さな河川かもしれませんが、そこに住んでいる住民にとっては、どこの河川よりも一番大きな問題であります。 今回の抜本的な対策としてのJR橋を上げるという方法は、先ほど御説明にありました、大変な事業費と時間を要するということは、私もわかっています。また、網津川が、JR橋以外にも、潮の干満にも大きく影響されるなど、幾つもの要素が絡まって氾濫するという、非常に管理、整備が難しい河川であることも理解しています。 しかし、来ることがわかっている災害に対しては、早急に対応する必要があると思います。ぜひ、網津川の解決に向け、住民に丁寧に説明をし、了解してもらい、できる方法を提案し、将来に対して地域の展望を示すべきではないかと思います。ネック部分の解消について、早急に検討していただき、方向性を出していただきますよう、強く強くお願いいたします。 東日本大震災以来、いろんな面での防災対策、減災対策が必要であり、最近の公共施設の老朽化の問題等あります。しかし、昨年、熊本でも大水害が発生しました。その復旧が第一でありますが、昨年も申しましたが、いよいよ熊本県の河川整備の速度を上げなければいけないのではないかと思います。 潤川については、大変感謝しています。しかし、せっかく進めていただいているのに、これは私にも責任があるのでしょうが、ちゃんとしっかりと伝わっていないと思い、質問いたしました。一刻も早い整備着手、そして完了に期待いたしまして、次の質問に移ります。 熊本天草幹線道路についてお尋ねします。 今まで何度も天草選出の先生方が質問されていますが、私の地元も路線内にありますので、質問いたします。 本県西部地区の大きな課題として、この熊本天草幹線道路の早期完成と有明海沿岸道路(Ⅱ期)の早期実現があります。宇土市も、毎年、熊本天草幹線道路路線内の熊本宇土道路、そして宇土道路の早期実現のため、県や国に要望活動を行っています。 御承知かと思いますが、この地域高規格道路は、熊本市と天草市を結ぶ総距離70キロの道路で、県内で90分構想が唯一実現されていない路線であります。全線整備により、熊本県庁から天草市役所までの所要時間が、約132分から44分短縮され、約88分で結ばれるとなっています。 昨年9月定例会での西岡先生の御質問で、本渡道路については、県独自でも調査測量に着手すると知事が御答弁されています。 しかし、当時の県知事、細川知事が打ち出した90分構想を実現するためには、間が抜け落ちていてはできないのは自明のことであります。宇土半島の部分は、国の整備区間ではありますが、熊本宇土道路3.8キロ、宇土道路6.7キロの早期整備も重要であると思います。 特に、宇土道路と、まだ仮称すらないようですが、宇土の網田地区と宇城市の三角をつなぐ区間は、天草の方が陸路で熊本市方面に行くためには、国道57号、国道266号の2つの道路がございますが、どちらか必ず通らなければならない道路です。 しかしながら、台風時期の越波での交通規制などが多々行われています。57号においては、昭和47年から昭和54年の8年間、昭和56年から昭和59年の4年間、平成2年から平成5年の4年間、連続で規制が実施されており、平成11年台風18号時には、57号、266号ともに規制がかかり、孤立状態になった過去もあります。 こういった災害時に対応できる緊急時の命の道として、三角・天草方面の住民の安心のため、57号、266号を生活道路として利用する沿線住民の利便性向上のため、そして何より90分構想を実現し天草地域の振興を図るためにも、早期完成が熱望されていることは御存じかと思います。 また、県がビジョンに掲げる天草・宇土地域の広域連携をもっと図るためにも重要であると認識していただいていると思います。 将来的に、この道路を通って、有明海沿岸道路にもタッチできるようになれば、県西部地区の人、物の流れは劇的に変わることが予想されます。 私も、玉名に4年弱通勤した経験がありますが、自宅から玉名市役所付近まで高速道路を使っても5分短縮するのが精いっぱいで、非常に通勤に苦労した記憶があります。 しかし、この道がつながれば、天草・宇土・宇城地域と荒尾・玉名地域との時間的距離は非常に近くなり、荒尾・玉名地域とも大きな交流が生まれるのではないかと考えますが、今後、県として、どのようにして、まずは熊本天草幹線道路の早期整備に向け取り組んでいただけるのか、土木部長にお尋ねいたします。  〔土木部長船原幸信君登壇〕 ◎土木部長(船原幸信君) 熊本天草幹線道路は、熊本都市圏と天草地域を結ぶ地域高規格道路で、県土の横軸となる重要な道路です。そのため、新4カ年戦略にも90分構想の実現に向けた整備促進を位置づけ、重点的に取り組んでいます。 まず、県が施行する区間のうち、大矢野バイパスにつきましては、現在、登立トンネルや新天門橋などの工事に取り組んでおり、また、本渡道路につきましては、平成25年度から調査、測量に着手します。 次に、国が施行する区間のうち、熊本宇土道路につきましては、軟弱地盤対策検討や用地補償及び改良工事が進められており、また、宇土道路につきましては、道路予備設計が進められています。 今後も、これらの区間の早期整備を国に要望してまいります。 最後に、調査区間である宇土市網田町から宇城市三角町区間については、90分構想実現に向けて効果が大きい区間であり、現在、国において、課題整理や整備効果などの検討が行われていると聞いております。 県としては、本区間の整備に向けて、地元期成会などと連携しながら、国に早期の整備区間指定を要望してまいります。  〔九谷高弘君登壇〕 ◆(九谷高弘君) 御答弁をいただきました。 この道路は、おっしゃるとおり、県土の横軸となる重要な道路であるということは間違いなく、宇土市にとっても、県が示す2つの方向性を実現するために重要な課題であり、しかも、先ほど述べたように、有明海沿岸道路とつながれば縦軸ともなり、西部地区の振興に大きく寄与できるものと考えます。 県は、県がすべきことを実行されていますが、早期の整備実現に向けて、国への働きかけ等、一層の御尽力をお願いしまして、次の質問に移ります。 無料公衆無線LANの整備についてお尋ねいたします。少し前置きが長くなりますので、覚悟して聞いてください。 この質問は、昨年2月定例会において、橋口先生が質問されました。重なる部分が多少あるかとは思いますが、今後の熊本の観光、暮らし、そして防災に大いに役立つものとして重要であると思い、私からも質問いたします。 まず、公衆無線LANの整備の目的として、第1に、来訪者の利便性の向上、第2に、地域の魅力向上、生活の質を高める、第3に、災害時の活用などがあると思いますが、最初に、御存じの方も多いと思いますが、そもそもの無線LANという言葉から説明すると、線がない、無線で、L、ローカル、一定の、局地的な、A、エリア、地域、場所を、N、ネットワークでつなぐということであり、有料、無料どちらもあります。主に宿泊施設や飲食店、空港、駅等の公共の場所において、無線でインターネットに接続できるサービスで、携帯電話各社は、携帯電話回線の逼迫問題を解消するために、公衆無線LAN網の構築を進めていますが、有料が主体となっています。 現在、最も一般的なのが、WiFiと書いて、ワイファイであります。 公衆無線LANは、インターネット回線であり、携帯電話のようにどこでも使えるものではなく、無線の電波が届く範囲でしか通信できません。 しかし、最近急増しているスマートフォンやタブレット端末のほとんどは無線LAN対応となっています。そのため、無線LAN環境があれば、携帯電話回線ではなく、無線LAN経由でインターネットにアクセスすることができます。 一方、現在皆さんがお使いの携帯電話は、ほとんどが3G、第3世代と呼ばれる携帯で、そのネットワークを利用した高速データ通信の可能な携帯電話です。インターネットにも接続できますが、無線LANとは違います。携帯電話回線を使用するため、基地局が多く、受信範囲が広く、接続が安定していますが、インターネットに接続するとパケット通信料がかかり、定額制にしておかないと、高額の通信料がかかる場合があります。また、定額制にしていても、この携帯を海外に持っていってインターネットに接続した場合、現地の携帯会社に接続され、多額の通信料がかかる場合があります。 ここまで聞くと、スマートフォンもタブレット端末も必要ない、海外にも行かない、携帯電話でネットにつながれば十分じゃないかと思われるかもしれません。しかし、第1の目的、来訪者の利便性向上の点から、東アジア、特に中国、韓国、台湾、シンガポールとの交流を進めている熊本県としては、来熊者のためにも必要なのではと考えます。 福岡市が平成23年に行った韓国でのインターネットアンケート調査によると、韓国におけるインターネット利用率は81.6%で、韓国から日本への来訪者の42.7%がスマートフォンを、35.4%がノートパソコンを持参して日本に来られます。インターネットに接続する端末を保有していない人は15%であります。 また、日韓観光客動態調査によれば、韓国からの来訪者は、旅行前の自国内での情報収集方法として、旅行会社41.9%やガイドブック25.8%に次いで、韓国語版ブログ23.8%や韓国語版公式ウエブサイト20.9%を利用していますが、日本滞在中には、韓国語版ブログ8.5%、韓国語版公式ウェブサイト7.0%と、インターネットによる情報収集の割合が自国滞在時の半分以下の利用率と低調になっており、端末持参者との割合から見ても、日本滞在時には手軽なインターネット利用環境が少ないということが容易に推測されます。 また、観光庁が、外国人旅行者に、旅行中困ったことについてアンケート調査を実施したところ、無料公衆無線LAN環境が36.7%と最多で、また、九州運輸局が主催した九州観光の課題に関する外国人留学生との意見交換会においても、観光地の公衆無線LANの整備がおくれているとの指摘がなされています。 国においては、観光ICT化促進プログラムを平成22年12月に策定し「訪日旅行の玄関口となる主要な国際空港・港湾や外国人向け観光案内所など、訪日外国人の集まる公共空間において、無料の公衆無線LANの整備を含む訪日外国人のインターネットアクセスの容易化を推進する。」として整備を促しています。 国内の自治体においても、公衆無線LANの整備に取り組む事例が、山梨県、岡山県、そして福岡市、広島市、金沢市、北九州市等で見られており、山梨県は、外国人観光客が無料で利用できる無線LANの整備を全県的に推進することで、外客受け入れ環境水準を向上させて、外国人観光客の増加と周遊観光につなげることを目的とし、やまなしFreeWi-Fiプロジェクトを、全県下対象に産官民共同で推進しています。アクセスポイントを230カ所から平成25年度末には1,000カ所へ拡大する予定です。 岡山県は、情報ハイウエーを活用し、県庁、空港、図書館、美術館など27の県施設と20の市施設において、岡山県公衆無線LANスポット、おかやまモバイルSPOTのアクセスポイントを整備し、無料のサービスを開始しています。 また、福岡市は、福岡市無料公衆無線LANサービス、FukuokaCityWi-Fiを、民間との共同により、観光客のニーズの高い宿泊施設などへの展開に取り組み、また、福岡市地下鉄駅構内や福岡空港、博多港国際ターミナルなど、福岡市内の主要な交通拠点や観光拠点をカバーしており、平成24年4月に16拠点からスタートした拠点数は現在51拠点あり、アクセスポイント数約200カ所は、自治体が主体の無料公衆無線LANサービスのアクセスポイント数としては国内最大級となっています。 諸外国の例としまして、本県への来訪者が多い韓国、そして台湾の状況は、ソウル、台北、いずれも大都市ではありますが、整備状況を見ますと、ソウルが1万430カ所、台北4,500カ所が無料で公衆無線LANを利用できます。 一方、国内においては、ホームページで確認できるだけではありますが、有料のアクセスポイント数が約64万カ所ありますが、無料のアクセスポイントは、全国で約1万560カ所しかございません。熊本県全体では、有料アクセスポイントが約6,400カ所、無料アクセスポイントは99カ所という福岡市にも及ばない数字であります。 第2の目的の地域の魅力向上、生活の質の向上についてですが、スマートフォンやタブレット端末の普及により、町なかでもインターネットに接続したいとするニーズが高まっており、公衆無線LANは、このニーズに対応し、インターネットへの接続環境を提供するには、有線網などの既存のインフラを活用して簡易にネット環境を構築できる上、国際共通の規格で、幅広い機器に対応できることから、誰でもどこでも使えるインターネット環境の提供に有効であると考えます。 また、国内外を問わず、投資や企業進出、観光、留学など、行き先となるための都市間競争は激しい状況にあります。先ほど述べた海外では、韓国のソウル、台湾の台北などの主要都市、そして、同じ九州の福岡市など、インターネット環境を整備することによって、町の魅力向上に好影響を与え、観光面だけでなく、定住や企業誘致が期待できるのを見込んで取り組んでいるのではないかと思います。 本県も州都を目指しています。であれば、州都のあるべき機能の一つとして整備すべきではないかと考えます。 第3の目的の災害時の活用についてですが、災害時には、固定電話や携帯電話は利用が集中し、通信がつながりにくくなることが多くなることは御存じかと思います。 しかし、インターネットによる通信の場合は、送信されるデータが分散的に処理されるため、比較的つながりやすい傾向にあり、災害に強い情報システムとして無線LAN環境の構築を進める自治体もあります。 さらに、東日本大震災においては、ツイッターやフェイスブックなど、インターネットにより、リアルタイムに情報発信を行う事例が見られたなど、大規模災害時での情報の収集、発信に期待されます。 以上、来訪者の利便性の向上、地域の魅力向上、災害時の活用の3つの観点から、公衆無線LANの整備は必要であると考えますが、今後、県として、無料公衆無線LANの整備についてどのようにお考えか、企画振興部長にお尋ねいたします。  〔企画振興部長錦織功政君登壇〕 ◎企画振興部長(錦織功政君) 近年、スマートフォンやタブレット端末の急速な普及を背景に、観光先など現地でもインターネットにより観光情報や交通情報を入手したいとするニーズが高まっております。 公衆無線LANは、これらのニーズに応えるとともに、地域の魅力向上、災害時の通信手段の確保等にも効果があると認識しており、その設置箇所の拡大が必要と考えております。 本県では、新4カ年戦略において、情報通信技術を活用した地域活性化に資するスマートひかりタウン熊本プロジェクトに取り組んでおります。まずは、多くの旅客が集まる阿蘇くまもと空港において、スマートエアポートの一環として、無料の公衆無線LANの整備を考えております。また、県内の設置状況などを調査し、公衆無線LANの整備のあり方について、検討を進めております。 今後は、この検討結果を踏まえ、観光団体や民間企業、市町村等と連携しながら、公衆無線LANの設置を促進し、情報通信技術を利用するための環境整備に努めてまいります。  〔九谷高弘君登壇〕 ◆(九谷高弘君) 御答弁をいただきました。 このIT関連分野の進化のスピードは、日進月歩であり、正直、恥ずかしながら私も、最初、WiFi対応とか、WiFiという言葉を聞いたときは、ゲームかなんかができるのかなくらいしか思っていませんでした。また、昨年の橋口先生の質問のときも、よく意味が理解できていませんでした。使いこなしている人には大事なんだろうなくらいにしか感じませんでした。しかし、非常に重要だなと感じたのが、先日台湾に視察へ行ったときでした。 蒲島知事が、台湾、香港へトップセールスに出かけられたとき、私も、台湾との交流を進める会の一員として台湾に同行いたしました。その際、日本交流協会台北事務所と、台湾における訪日旅行市場について意見交換会をしました。 その中で、台湾人にとって我が国は最も好きな国で、最も行きたい国であるということでありました。日本人にとって非常にうれしいことであります。日本への旅行者も、2010年の約127万人、2011年は震災の影響で減りましたが、それでも約99万人、2012年は持ち直して約140万人の台湾人が日本を訪れています。 特徴として、リピーター率が71.6%と高い数字となっています。これは、日本国内のほかの都市に行ったことがある人が、熊本にも来る可能性があることを示していると思いますが、ほかとの比較で、よそでできたことが熊本ではできないとなると、熊本の大きなマイナスイメージになるのではないかと思います。 台湾人の旅行形態も、以前は団体旅行が主な旅行形態だったそうですが、現在は、団体旅行が39.3%になり、個人旅行が60.7%に変化している状況であります。旅先の情報入手に関して、個人で収集する必要性が出てきています。日本交流協会からも、無料の公衆無線LANの環境整備が重要だというアドバイスを受けました。 台湾に関してですが、台湾の人たちが最も行きたい国の中から、最も行きたい県として熊本県を選択してもらうためには、定期便の就航などの大きな課題をクリアする必要はありますが、公衆無線LANの環境整備も大事な要素になるのではと考えます。来訪者に対して、熊本県の情報をどのように届け、サービスの向上を実感していただくのか、その一つの回答が公衆無線LANの環境整備にあると考えます。 今回の質問では、主に観光の面からの必要性に重点を置きましたが、国内においても、2012年度末の公衆無線LANの利用者は、前年比1.6倍の1,274万人で、2015年度末には2011年度比3倍の2,568万人へと急増することが見込まれています。ますます公衆無線LANの環境整備が必要になってくることが予想されます。 最後に、昨日見つけた情報として、新潟県が、ビジネスや旅行で滞在する人の通信環境を充実させるため、観光関連施設を対象に、公衆無線LANの整備に対し助成することを決め、2013年度の予算案で1,500万円を計上したと、2月28日の新潟日報で報じています。 本県においても、昨年の質問から一歩進んだ感はありますが、他県からおくれをとっているように感じます。 県におかれましては、時代に応じた対応を早急にされますことを強くお願いいたしまして、最後に要望を1点申し上げます。 宇土市の松原交差点の改良について要望いたします。 松原交差点は、国道3号、国道57号、県道14号八代鏡宇土線が接する交差点であります。宇城管内主要交差点の交通量調査を見ても、交差点への流入量が12時間で約3万5,000台と最も多く、朝夕の3時間ごと、7時から10時、16時から19時で行われた渋滞長調査では、県道14号側に300メートルから500メートルの渋滞長が観測されています。 昨年、渋滞対象部分の既存のショッピングモールの前にも大型店舗が出店し、今後も同交差点付近に大型商業施設が進出を予定しております。対象交差点の交通量は、ますます増加することが予想されます。 現状では、県内その他の渋滞常習地帯と比べると、大した渋滞ではないと思われるかもしれません。しかし、その渋滞を避けて、大型車両が宇土市の商店街を通る県道川尻宇土線を抜け道として通行しているとも考えられ、この部分の渋滞が解消すれば、宇土市内の大型車両流入数も変化するのではと期待されます。 県道川尻宇土線は、昨年の質問時に交通規制の要望をいたしました。歩道もなく、朝夕の通学時には多くの小中高生が通り、以前より住民から大型車両の交通規制の要望が多かった通りであります。同県道内の抜け道ルートとなっていないところと比較して、路面の損傷が激しく、そして、大型車両が通るたびに家が揺れるなど、住民からの苦情が多い通りであります。 地元も、その点を踏まえて、この松原交差点を含む県道14号の改良、拡幅について要望を出しているようであります。八代を含む宇城管内の道路網の抜本的な整備予定がない中、また、現在の付近一帯の開発状況、今後宇土市がこの一帯に期待していることを考えれば、この交差点の渋滞は大きくなる可能性がありますので、渋滞部分の解消のため、松原交差点の改良を強く要望いたします。 以上、準備しました質問、要望全て終了をいたしました。今回の質問も、質問にしたいことをまとめ切れず、質問数が少なくなって、一つ一つが長くなってしまいました。非常に苦労をしました。お聞き苦しい点、ピントがずれたやりとりがあったかもしれませんが、おわびを申し上げまして、少々早いですが、皆さんの御期待どおり早く終わらせていただきたいと思います。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉永和世君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明12日は、午前10時から会議を開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第7号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時10分散会...