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09月29日-06号

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  1. 熊本県議会 2011-09-29
    09月29日-06号


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    平成23年 9月 定例会               第 6 号              (9月29日)  平成23年   熊本県議会9月定例会会議録     第6号平成23年9月29日(木曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第6号  平成23年9月29日(木曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 第2 議案等に対する質疑(第1号から第47号まで) 第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第47号まで) 第4 請願の委員会付託 第5 休会の件  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第47号まで) 日程第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第47号まで) 日程第4 請願の委員会付託 知事提出議案の上程(第69号) 日程第5 休会の件    ――――――○――――――出席議員氏名(49人)            橋 口 海 平 君            九 谷 高 弘 君            緒 方 勇 二 君            杉 浦 康 治 君            東   充 美 君            磯 田   毅 君            前 田 憲 秀 君            泉   広 幸 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            上 田 泰 弘 君            内 野 幸 喜 君            浦 田 祐三子 さん            山 口 ゆたか 君            渕 上 陽 一 君            田 代 国 広 君            西   聖 一 君            早 田 順 一 君            松 岡   徹 君            森   浩 二 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            守 田 憲 史 君            佐 藤 雅 司 君            重 村   栄 君            中 村 博 生 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            井 手 順 雄 君            鎌 田   聡 君            藤 川 隆 夫 君            馬 場 成 志 君            早 川 英 明 君            小 杉   直 君            平 野 みどり さん            城 下 広 作 君            氷 室 雄一郎 君            大 西 一 史 君            荒 木 章 博 君            堤   泰 宏 君            岩 下 栄 一 君            岩 中 伸 司 君            前 川   收 君            鬼 海 洋 一 君            村 上 寅 美 君            西 岡 勝 成 君            山 本 秀 久 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    兵 谷 芳 康 君     副知事    村 田 信 一 君     知事公室長  松 見 辰 彦 君     総務部長   駒 崎 照 雄 君     企画振興部長 坂 本   基 君     健康福祉部長 林 田 直 志 君     環境生活部長 谷 﨑 淳 一 君     商工観光労働            中 川 芳 昭 君     部長     農林水産部長 福 島   淳 君     土木部長   戸 塚 誠 司 君     会計管理者  中 山   寛 君     企業局長   川 口 弘 幸 君     病院事業            横 田   堅 君     管理者     教育委員会     委員長    竹 屋 純 子 さん     職務代理者     教育長    山 本 隆 生 君     警察本部長  中 尾 克 彦 君     人事委員会            田 崎 龍 一 君     事務局長     監査委員   角 田 岩 男 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   井 川 正 明     事務局次長            黒 田 祐 市     兼総務課長     議事課長   池 田 正 人     議事課長補佐 鹿 田 俊 夫     参事     小 池 二 郎    ――――――○――――――  午前10時開議 ○副議長(井手順雄君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○副議長(井手順雄君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 田代国広君。  〔田代国広君登壇〕(拍手) ◆(田代国広君) おはようございます。菊池郡選出の自由民主党の田代国広でございます。一般質問を行いますけれども、5回目ですけれども、毎回幼稚な質問で大変恐縮ですけれども、しばらくの間おつき合いをいただきますようにお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 初めて改選後この壇上に上がってみますと、議会の構成、雰囲気がいささか変わったような気がいたします。こちらの方を見てみますと、共産党さんが復活されまして、さらにはまた、大御所であります岩下先生、そしてまた、二天一流の達人であります荒木先生、大変議会の重みを感じておりますし、そしてまた、恐らく目の当たりにおったであろうと思われる民主党がいなくなりまして、大変な変化を感じております。一方、こちらに目を向けますと、何と申しましょうか、安定感を感じます。安定感は、すなわち安心感につながるわけでございまして、恐らく知事も、こっちに座っているわけでございますから、前の方を見られると、安心感を持って議会に臨まれる、ほっとされておるんじゃないかなというふうに思っております。 さて、私は5回目でありますが、これから4年間、県民のために、執行部はもちろんですけれども、お互いが切磋琢磨して県民のために頑張っていかなきゃならないというふうに思っておりますし、どうぞよろしくお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 さて、5回目の質問となりました。一般質問、ある意味では大変さを感じますけれども、また一方では、新たな知識を与えていただく機会でもあるように感じます。例えば、執行部とヒアリングするわけでございますけれども、そのとき新たな発見をすることもありますし、また一方では、新たな疑問、あるいは矛盾、そういったことを感じることもありますけれども、やはりそれも、一つには、みずからついていく一つの知識じゃないかなというふうに思っております。 そしてまた、一般質問、大変情報収集しなければなりません。私の情報源はまさに新聞でございまして、新聞こそが私の情報源でありまして、そしてまた教材でもあります。今回も非常に、新聞を見ておりましたところが、私の目に焼きついて離れない記事と出会いました。後ほどこれを紹介させていただきたいと思います。 「新政権に注文」という形で、恐らく先生方はもう既にごらんの方もおるかと思いますが、知っておられる方は知らないふりをしていただきますと、私、大変助かると思います。この記事を紹介したいのは「新政権に注文」という形で、讀賣新聞で、記者が日本の著名人の方々にインタビューをしまして、それを記事にして載せておるコラムであります。「「公欲」意識を説いて」ということで載っておりますが、もう1つこの記事を紹介したい大きな理由は、この方が東大の教授であるということでございます。東大の教授といいますと、すぐ私は蒲島知事を連想するわけでございまして、山内昌之さんと、ここには書いてありますが、ハーバード大学客員教授を歴任されまして、年齢が知事と同世代と思われます64歳でありまして、専攻は国際関係史となっておりますが、非常に――もしかしたら知事がもちろん御存じじゃないかと思いまして、あえて紹介をさせていただきます。 ちょっとこのうち少し読ませていただきますが、公欲、いわゆる私欲ではございませんで、私欲に対する公欲という形で理解していいと思いますが、「「公欲」意識を説いて」という形で「人間には、自らの欲を満たす「私欲」だけでなく、社会のために貢献したいという「公欲」がある。東日本大震災以降、多くの国民が「個人の豊かさや贅沢さはこのままでいいのか」と自問している。新首相には、奉仕や犠牲の心を持つ「公欲」意識を高めるよう、国民に説いてほしい。」というふうに書いてあります。 大変私もこのメッセージに共感を覚えまして、ただいま紹介をさせていただきました。そしてまた、後ほど多少私の質問にもこの公欲が絡むかと思いますので、あらかじめ、前もって御紹介をさせていただきます。 さて、駄弁はこれくらいにいたしまして、ただいまから幼稚な質問を行いますが、執行部におかれましては、野田総理が言われますように、正心誠意なる答弁を期待して、ただいまから質問を行います。 まず最初に、日韓の観光交流と口蹄疫について質問を行います。 昨年の4月20日に、御承知のように、宮崎県において口蹄疫の発生が確認され、約30万頭に迫る家畜のとうとい命を奪い、畜産業のみならず、地域の経済や県民生活に大きな影響を及ぼしました。昨年の8月27日に終息宣言され、以来1年が経過しましたが、現段階における畜産経営の再開状況は57%となっており、口蹄疫による被害の重さを痛感せずにはおられません。 幸いに、本県においては、畜産農家の皆さんはもちろんのこと、畜産関係者や行政による真摯な対応により感染も免れ、安堵したところと思いますが、口蹄疫のウイルス発見は極めて難しいと言われており、宮崎県に発生した口蹄疫の感染経路がいまだ解明されていないことからもうかがい知ることができます。 このような点からも、畜産農家の方が口蹄疫に対する不安を完全に払拭できないのも当然であり、行政はこの現状を再認識し対応していかなければならないと思いますが、現在隣国の韓国において依然として口蹄疫が流行しており、既に400万頭に及ぶ家畜が殺処分されたと伺っております。畜産農家にとっては大きな不安を抱かざるを得ません。 本県は観光立県を標榜しており、外国との交流を深め、観光客の増加に力を注ぐのは理解できますが、韓国との交流には、このような現状にかんがみ、細心の注意を払うことが肝要と考えるが、国際課及び観光課はどのような認識を持って対応されているのか。私が知り得た畜産関係者によると、国際課及び観光課は、農林水産部畜産課との横の連携が十分とれていないと言っておられ、口蹄疫に対する国際課及び観光課の対応に不安と不信を抱いており、縦割り行政の弊害ではないかと思っておられます。 国際課及び観光課が国際交流を推進するのは当然としながらも、口蹄疫の恐ろしさを知るがゆえに、韓国との交流には、先ほど申しましたように、細心の注意を払って交流推進を図るべきと考えるが、商工観光労働部長の見解を求めるものであります。  〔商工観光労働部長中川芳昭君登壇〕 ◎商工観光労働部長(中川芳昭君) 韓国は、本県を訪れる外国人宿泊客の約7割を占めており、重要なマーケットとなっております。 また、東日本大震災以降激減した外国人旅行客の回復に向け、現在、韓国を含む東アジアを重点地域として、積極的に誘客に取り組んでおります。 しかし、両国間のさまざまな分野での交流が進む中で、旅行者などを介した家畜伝染病の発生が懸念されることも事実でございます。 昨年4月に宮崎県で発生した口蹄疫は、4カ月後の8月に終息宣言が出され、日本は、本年2月に清浄国としての認定を受けましたが、韓国や中国、台湾ではいまだに発生報告が続いております。 このため、国では、口蹄疫の発生防止には水際対策が最も重要との認識のもと、空港、港における入国者の靴底消毒や食肉加工品等の持ち込みの監視の徹底を行っております。 県では、畜産農家に対して、畜舎等への立入規制、消毒の徹底を繰り返し周知しております。また、県民に対し、ホームページや広報誌などにより、周辺国の口蹄疫発生情報等の提供を行うとともに、3カ国語のポスター掲示により、海外からの観光客に対して、放牧地に立ち入らないよう注意を促すなどの取り組みも行っております。 このほか、海外からのビジネス客観光客等が利用いたします宿泊施設や観光施設、ゴルフ場等に対して、消毒マットを設置していただくよう要請をしております。 今後とも、関係部局とも連携し、口蹄疫の防疫体制を強化しながら、海外誘客にも積極的に取り組んでまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 実は、この問題の一般質問の発端は、私が、馬場議長から、5月26日に熊本県の獣医師会の総会がありまして、議長を初め幹部の方々が公務多々のために、私の方に祝辞の代読の要請がございまして、私が引き受けたわけであります。私なりに考えますと私自身が酪農家だったということで獣医師との関係も深いわけでございまして、そういった観点から、恐らく馬場議長が私に白羽の矢を立てたんじゃないかなと思っておりますが、ちょうどその会場で、私が懇意にしておった若手の獣医師と会いまして、その獣医師が、赤ひげではございませんで、若いからまだ黒ひげですけれども、この韓国との国際交流に対する極めて厳しい強い口調で不安を申されました。国際交流課が、あるいは観光課が立場上交流を積極的に推進するのは理解できるけれども、今韓国ではこのように猛烈な、そのときにはまだ300万頭だったんですけれども、その後、8月24日になったときに400万頭ということを聞いたんですが、ふえているのに、韓国に対して、そういった警戒感、危機感、そういったものをもっと知らせてほしいと、そういった強い口調で、農政課との縦割り行政の弊害じゃないかというふうな指摘を受けまして、それを受けて、きょうこのような形で取り上げさせていただいたところでございます。 この口蹄疫は、本当に、御承知のように、恐ろしい病気であります。幸いに、今日まで本県に、あるいは日本に入ってきていないということは本当にありがたいことでございますけれども、これがいつまた入ってこないという保証はございません。したがって、先ほど答弁いただきましたように、さまざまな形で水際作戦を展開されまして、何とか今のところは入っておりませんけれども、しかし、今申しましたように、いつ入ってくるかわからないという極めて厳しい危機感を持って今後ともしっかりと訴えをしていかなければならないというふうに思っております。 幸いに、日本は島国でございまして、空港あるいは船舶、そういったところでの水際作戦を非常にとりやすいという観点から、ある意味ではこの口蹄疫に対する防疫体制はとりやすいかなと思っております。 韓国は中国と陸続きであるわけでございますから、恐らく、私の聞くところによりますと、中国には潜在的に口蹄疫があると言われておるそうでございまして、そういったことを考えると、韓国は中国と陸続きでおるわけでございますから、恐らく中国から韓国に入ったんじゃないかなと、そういった憶測ができるわけであります。 どうかひとつ、大変今後ともこの口蹄疫の恐ろしさを改めて認識し、これが入ったなら、またさらなる財源も必要だし、そしてまた地域に与える経済的な影響も極めて大であるわけでございますから、しっかりと今後とも、関係課のみならず、お互いが認識して、細心の注意を払いながら、本県に絶対口蹄疫が侵入しないように努めていってもらいたい、そしてまた、努めていかねばならないと、このように思っております。 それでは、次に移らせていただきます。 環太平洋パートナーシップTPP協定交渉について質問を行います。 私は、このパートナーシップという言葉が何となく余り好きじゃでないんですけれども、これが今はやっているというふうなもんだから、これで了解いたしたわけであります。 今からちょうど1カ月前に野田内閣が誕生しました。ちょうど、実はこの原稿を書くときに、もう1カ月前に書いてしまって、まだどじょう内閣が組閣されておりませんでしたので、1カ月前の現状の中での原稿をそのまま読ませていただきます。 今回の民主党の代表選は5人が立候補しましたが、帯に短したすきに長しとか、ドングリの背比べとか、やゆする報道が目につきましたが、結局は、親小沢対反小沢の対決となり、反小沢勢力を結集した野田氏が決選投票で海江田氏を破り代表になり、総理大臣になりましたが、前途は多難であり、厳しい政権運営を強いられると考えられます。 今回の政権で私が特に心配なのは、TPPに対する野田首相の考えであり、これまでの民主党幹部の発言であります。特に、1.5%のために98.5%が犠牲になることはないとか、座して死を待つよりとか、平成の開国などなど、TPPに参加すること以外に我が国の将来はないという考え方に大きな不安感を感ずるものであります。 特に、1.5%のために98.5%が犠牲になる必要はないという発想は、まさに農業を軽視した考え方であり、断じて認めることはできません。農業は、単なるものづくりの産業ではありません。農業によって生産されるのは、食糧という人類の生存にとって絶対に欠かせない最もとうとい産業であることを、政治家はもちろんのこと、多くの国民の皆様に理解していただきたいという思いでいっぱいであります。 自由貿易がよいとはいっても、国と国とを隔てる国境が厳然として存在し、お金があれば、いつの時代でも食糧を必要に応じて輸入できると考えるのは、国家の存亡を考えると極めて危険な思想だと言えます。食糧安全保障は、政府が確保しておかなければならない最大の課題の一つであると思います。 国民に対して安全で安心な食糧を供給するのが農業と言われておりますが、食糧供給のみならず、農業が果たしている多面的な機能も高く評価されなければなりません。山林も原野も水田も畑も、さまざまな形で私たちと深くかかわっており、その営みの恩恵に浴しているのは我々国民であることを考えると、安易なTPP参加論に対しては強く否定せざるを得ません。 先人たちが長年にわたり苦労して築いてきた農村文化が失われつつある今日、これ以上の地方の疲弊を阻止し、美しい田園風景を後世に引き継ぐのが私たちの責務と思いますが、知事の考えを求めるものであります。 また、地方6団体の最高機関と言える全国知事会において、地方の声、現場の声として政府に求めていくことも一考に値すると思いますが、あわせて知事の御所見を伺うものであります。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 私は、鹿本地方の農村社会で生まれ育ちました。春の菜の花やレンゲ、秋の稲穂などを見るたびに、かけがえのない、このすばらしい田園風景をしっかりと後世に受け渡すことが私の使命であると痛感しています。 農業は、国民に食糧を供給するばかりでなく、地下水涵養などの国土保全や農村文化の伝承に深くかかわるなど、貨幣価値だけでははかれないすそ野の広い産業であります。決して目先の経済原理のみで切り捨てるような政策は行うべきでないと確信しております。 一方、長引くデフレ経済や歴史的な円高等に起因する景気の低迷が続く中、輸出産業を中心とした企業の海外移転が進み、中小企業の経営難や雇用が失われるなどの影響も出ています。このため、国際的な経済連携も含め、国際競争力の強化を図ることが求められています。 こうした認識のもと、TPPの協定交渉参加の議論を始めるのであれば、まずは我が国の農業の将来ビジョンを示すことが不可欠であると考えます。その上で、各産業界から意見を収集するなど、国民的議論を重ねていく必要があると思います。 加えて、未曾有の被害をもたらした東日本大震災の影響も見きわめていく必要があります。 全国知事会としても、ことしの7月に、TPPの協定交渉参加の可否については、総合的な検討を行うとともに、国民合意を得た上で判断することを求めました。 今後も、政府の動きを注視し、全国知事会等他県との連携も図りながら、必要な提言や働きかけを行ってまいりたいと考えております。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 今知事から答弁をいただきました。 特に、前段の部分について、非常に、私と全く変わらない、熱い思いを持っておられる感じが大変ありがたく思っております。そしてまた、後段になりましては、そういった経済的、あるいは農業の基盤の強化、ビジョン、当然であります。 今、TPPに対する賛成論者たちの言っているのは、農業を否定する人は一人もおりません。ただ、農業の基盤の強化とか、あるいは輸出の拡大とか、ただ口先だけで言っているだけで、今知事が申されましたビジョンというのを全く示されておらないわけでございまして、大変こういった言葉に惑わされないように、しっかりと正しい判断をするのが今私たち国民に求められておると、特に政治にそれが求められておるというふうに思います。 このTPPにつきましては、2月議会で我が党の代表質問でも取り上げましたし、そしてまた複数の議員さんも取り上げたわけでありますが、その後、3月11日にあの未曾有の大震災が起きまして、すべての重要な課題が吹っ飛んでしまいまして、このTPP問題もすっかり議論をされなくなりましたが、何とかこの東北大震災が、一段落と言っては失礼かと思いますけれども、いささか落ちつきを取り戻しまして、最近、にわかにこのTPP問題が議論の俎上に上がってまいりました。 それも、御承知のように、11月にはAPECがハワイで始まりますが、恐らく、このAPECにおいて、このTPP問題も中心的な議論の俎上に上がるであろうというふうに言われておりますし、それに向けて、今、野田政権は、前のめりと申しますか、積極的な姿勢を示しておられるので、大変懸念をいたしております。なおまた、EPA、先般九州の議長会が開かれまして、第26号議案で、EPAに対する拙速な参加を九州議長会でも懸念をされております。したがって、TPPはもっと広範囲な貿易交渉ですから、極めて重要な交渉であることは論をまちません。 私は、農滅びて国滅ぶが私のいわば政治哲学と思っております。したがって、農業を守るのは国を守るんだという、そういった私の哲学からして本当に大変大事な問題であります。 特にまた、最近では、地方の声、現場の声を何としてもやはり政府に、中央に届けていくのも我々地方議会の新たな役割の一つだというふうに思うようになりました。特に、地方分権3法が成立いたしまして、その柱の一つである国と地方との協議の場の設置が法律で決まりました。この国と地方の協議の場は、法律によりまして決まった時点で、特に私が注目するのは、ここで協議されたことについては、政府は尊重しなければならないとなっていると伺っております。 したがって、この政府と国と地方との協議の場を有効に活用していただきまして、こういった問題を地方から堂々と発信して政府の考えをただしていきたいと。それには当然、地方6団体でありますから、我々が加入しておる議長会、しかし、残念ながらやはり地方6団体では全国知事会が最も権威があるというふうに思いますので、私たちもしっかりとこの問題に取り組みますけれども、なお一層、知事におかれましては、全国知事会等において、政府との協議の場において、しっかりと地方の声を届けていただきたいと改めてお願いを申しておきたいというふうに思います。 次に、食糧自給率向上は米の消費拡大からについて質問を行います。 農林水産省は、8月11日に、2010年度の食糧自給率が、前年度より1ポイント低下し、39%になったと発表しましたが、小数点第1位まで見ると38.5%で、前年度より1.2ポイント低下となっております。 2000年3月当時の自公政権は、2010年度までに45%を目指す初めての食糧自給率目標を掲げて努力をしてまいりましたが、達成できず、上向く兆しも見えませんでした。2009年に民主党政権が誕生するや早々に、2020年度までの10年間で、食糧自給率50%という高い数値が閣議決定されました。自給率の目標設定は、国会が決めた食料・農業・農村基本法で義務づけられており、国民との約束であることからして、政府はその実現に向けて最大限の努力をし、国民との約束を果たすのが政治の責務と考えますが、2000年度3兆4,279億円だった農林水産関係の当初予算が年々減額され、2011年度では2兆2,712億円であり、10年間で1兆2,000億円減額されております。 このような実態からして、何を根拠に50%という数値が閣議決定されたのか、我々国民に十分な説明はなされておりません。ただ単に、安易に50%の数値を設定したとするならば、それはまさに国民を愚弄するものであると考えるのは私ばかりでありましょうか。知事がよく言われます、言ったことはやる、できないことは言わない、この言葉をそっくり民主党政権に届けたいものであります。 さて、自給率向上がいかに難しいかは、これまでの政治の取り組みからして理解せざるを得ませんが、しかし、ぜひとも成し遂げていかねばならない重要な政治的な課題であります。多くの国民が食糧自給率の向上にはひとしく賛意をあらわしておりますが、消費行動にはあらわれていないのが現実であります。 私は、食糧自給率向上の必要性を痛感する中で、国民の一人として、あるいは地方議会の一員として、私にできることは何かをここ数年考えてまいりました。そして、私なりの答えは、米の消費拡大こそが最もストレートに自給率向上につながる最善の方法ではないかと思い、その手段の一つとして、啓発活動の必要性を考えているときに出会ったのが県立翔陽高校のマイクロバスでした。この写真であります。(写真を示す)ちょうど私がこちらに来るときに、県立技術短を出て県道西合志線を横断してくるんですけれども、ちょうど信号待ちをしていたら、このバスが私の前から左折して通りまして、そのとき、これを見たときに「いつでもコメを!」と見まして、これだとすぐ思いまして、ぜひこれを取り上げたいと思ったんですけれども、しばらく時間たちましたら、もしかしたら「いつでも夢を!」じゃなかったかなと思いまして、特に知事が夢という言葉を使われますから、もしかしたら、県立高校のバスですから、いつでも夢をじゃなかったかなと思いまして、翔陽高校の校長先生に聞きましたところ、いや、米ですよとおっしゃったもんですから、すぐ学校に行って私も写真を撮ってきたというわけであります。これも……(写真を示す)これも学校のバスですけど、2台ありまして、こういったのが張ってあります……(「何が一番」と呼ぶ者あり)「ご飯が一番!」「いつでもコメを!」これが、ここはわかりませんけれども、農業高校とJAグループと書いてあるんです。ここがちょっと問題ですけれども、何とかこういったものを啓発活動に使ったらと思っております。 このシールは、当時熊本農業高校の片岡政実校長先生が発案され、JAグループの支援を受けて県内の農業高校を中心に運動の展開を図られましたが、十分に浸透せずに今日に至っております。 私は、ぜひ県主導で、行政主導で、この啓発運動を展開することによって、より多くの県民の皆様の理解をいただき、熊本発自給率向上啓発運動として全国に発信し、一人でも多くの国民が農業や食糧自給率について知識を深め理解することによって、行動となってあらわれ、結果として自給率の向上に寄与するものと考えますが、農林水産部長の考えを求めるものであります。  〔農林水産部長福島淳君登壇〕 ◎農林水産部長(福島淳君) 米は、我が国のカロリーベースでの食糧自給率39%のうち約6割を担う品目であり、その向上にとって米の消費拡大は重要な課題と認識しています。 このため、県と農業団体などで構成する売れる米づくり推進本部において、御飯食の普及推進を初め、米消費拡大に積極的に取り組んでいます。 具体的には、米の字の八にちなみ、毎月8のつく日をくまもとごはんの日として定め、御飯食のよさや大切さなどの理解促進を図るとともに、県産米のテレビコマーシャルや販売促進キャンペーン、米の食文化の継承など、幅広い消費拡大運動を展開しております。 県では、児童を対象に、米の持つ魅力を理解してもらうため、米にまつわる歴史、栄養や栽培の状況などを盛り込んだ「くまもとのお米の本」を作成し、配布しております。また、学校給食では、現在週3回程度の米飯給食が実施されており、平成21年9月からは、これに加えて、全国に先駆けて、全県的な米粉パン給食の支援に取り組んでいます。 さらに、高校生に対しては、国提唱のめざましごはんキャンペーンと協調して、朝御飯が学習能率の向上に効果的であることに加え、お米を主食にした朝御飯メニューの紹介などにも取り組んでいます。 このような取り組みのほか、県内では、議員御紹介の米飯推進運動を初め、高校や大学などの教育機関、食生活改善に取り組む消費者団体などによる県産米の消費拡大を応援する活動が行われております。心強く感じるとともに、今後の取り組みの広がりを期待しております。 県としては、こうした大人から子供まで年齢各層に応じた幅広い啓発やPRなどを通じて、米の消費拡大を図ってまいりたいと考えております。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 今部長から、県の取り組みにつきましてるる説明がありました。 ただ、いろんな取り組みをしていることを高く評価していいと思うんですけれども、余り一般的に県民の方々にその周知徹底がいっていないような気がいたします。現に私自身が、そういった運動の展開をほとんど知りません。 と同時に、私は、今回のこれについていろいろと持ってきましたが、これも……(資料を示す)これは最新版でございまして、「飯米救国」これは東海大学――片岡先生は現在東海大学農学部の教授でございます。お会いしましたら、これをもらったんですけれども、これは東海大学の名が入っておりまして、あちらから多分資金が出たと思っています。こちらは熊本発と書いてあって、くまモンで。ただ、この「飯米救国」につきましては、誤解を招くおそれがあるということで、私のチームメイトの先輩も、田代さん、これは「飯米救国」は、これは左翼か右翼かわからぬごつなるし、誤解を招くけん、こらあいかぬですよと。米飯給食と言うから、米飯救国がようはなかですかと、そういった助言もいただいておりまして、そういった形で、いずれこれを車に張って啓発活動にするという取り組みなんです。 私は、右、左、後ろ3枚張っておったんですけれども、これとこれで3枚ですね。やっぱり後ろが一番いいみたいです。後ろはもう絶対見なければなりませんから、信号待ちでもいいし、追い越ししながらもずっと見ていくわけでして、いや応なしにこの文字が頭の中に焼きついていきます。したがって、これを推進するならば、ぜひそういった形でしたいと思っておりますが、まだ答弁では、そういうこれについての推進についてはあっておりませんので、改めて質問いたしたいと思いますけれども、これも……(資料を示す)若い女から異論が出ました。「ご飯が一番!」これ、豚なんですよ。先生、これは御飯食べると豚になるという、それはやっぱりいかぬですよと、そういった御指摘を若い女性から受けまして、本当だなと思いまして、これがくまモンならば結構いいと思ったんですけれども、そういった御指摘を受けるということは、それなりに関心があるということでございまして、こういったことをぜひ――せっかく片岡先生は、御承知のように、いろんな新聞でも、熊日でも紹介されております。「「飯米救国」に立ち上がろう!」ということで、これが1月8日に載っています。そすと、神奈川県の神奈川新聞、これにも片岡先生が紹介されております。非常に熊本県にとってはすばらしい方でありますので、ぜひこれを全国に発信して自給率の向上につなげたいというふうに思っております。 特に、今回、自給率向上は、多額の税金を使えば――どれくらいあるかも知りません。そんなお金ありません。10%今から上げるなんて何兆円要るかわからないじゃありませんか。それよりもこういった啓発活動は非常にお金もかからないし、何よりやはり国民、消費者の方々の理解と協力なくして私は自給率の向上並びに日本の農業を守ることはできないというふうに思っておりますので、どうしてもこれにかけたいと思っております。 ここに「自給率上昇へ米食を」といった記事もあります。これは、中村学園大学の甲斐先生ですけれども、「貿易自由化からみる食の事情」という形で講演されたものがここに載っております。こういった記事を見たときに、やはり私自身も、自給率の向上に最も手っ取り早いのは米だと、御飯だと思いまして取り上げたところであります。 そして、今、朝御飯食べない人が大変多いと言われております。したがって、せめて朝御飯だけでも、日本の食の文化である御飯とみそ汁、こういったものがもっと定着していけば、少なくとも今の自給率は維持あるいは上回ることができると、税金を使わなくて上がるというふうに思っておりますが。 そしてまた、地下水保全、今県で地下水保全に対する条例の改正が議論されております。聞きますと、10年前は7億トン以上あった地下水が現在では6億トン余りで、10年間で1億トン減ったと言われております。1億トン減ったということは、今までよりも1億トン余分にくみ上げて地下水が減ったのであるならば理解できるんですけれども、残念ながら今までよりも地下水をくみ上げる量は減っているにもかかわらず、地下水の保水が1億トン減ったということは、極めて重要な、極めて危険な厳しい状況が自然界の中で起きているというふうなことを考えますと、水田は大変地下水にも役立っております。そういうところを含めまして、ぜひこの自給率向上に米飯給食を進めたいと思っております。 そこで、部長に再質問しなきゃなりませんが、私は、これを張って啓発活動をしたいというつもりでこの質問に大体立ったわけです。私の考えでは、少なくとも1自治体100枚、全県下5,000枚。そして価格も余り高くありません。100万か200万ぐらい、わずかな予算でできると聞いております。 そこで、もう一遍部長に伺いますが、この片岡先生が、発案と申しますか、されましたことについて、熊本県として行政主導で――これがJAと県の農協、学校もやっておりますが、私は、政治が主導的にやることがインパクトとして非常に強いと思うんですよ。私は、この御飯の拡大は、米作農家とかJAのために言っているんじゃないんです。国のため、県のために、私はこの問題取り上げているんです。したがって、JAグループのためじゃないわけですから、ぜひ県主導で私はやっていただきたいと思いますがいかがでしょうか、改めて答弁を求めます。  〔農林水産部長福島淳君登壇〕 ◎農林水産部長(福島淳君) ただいま議員の方から、県主導で、片岡先生提案について取り組むということどうかというお尋ねございました。 先ほどお答えしておりますように、さまざまな団体、あるいはさまざまなグループ、いろいろ取り組んでおります。私ども県としても、先ほど申しましたように、大変有意義であると思っていますし、心強いとも思っております。 今個別のことについてお尋ねでございますので、直ちにそれに取り組むかということについては、明確にお答えできませんことを申しわけないと思いますが、それぞれいろいろ取り組んでいることに対しての対応ということもございますので、引き続き、そういう個別の部分について明確に答えることはできませんが、今後検討させていただきたいということでお答えとさせていただきたいと思います。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 検討するという極めて消極的な答弁で、実はやる気がないなというふうな気がいたしております。 米の必要性、大事さ、先ほど冒頭で公欲という話をさせていただきましたが、要するに御飯を食べることによって日本の米の消費が伸びる、あるいは自給率が上がるとするならば、それはまさに社会に対する貢献ではありませんか。先ほど申した公欲というものにそういった行動はある程度整合性があるような気がいたします。 なぜこんな大事な――極めて厳しい今環境にあるわけです。そして、片岡先生は、私は自給率の向上ぐらいですけれども、あの先生は、日本の、熊本の、近い将来食糧危機が来ることを大変極めて御心配なさっております。あの人の研究所に行ってみましたところが、私もちょっと意外と思ったんですけれども、タケノコは食べられますから、竹も食べられるだろうということで、真竹、淡竹の竹を乾燥して、それを粉にして、非常食と申しますか、だんごをつくって食べたと。そういう話をされておりまして、本当に片岡先生は、そういった近い将来の食糧危機について心配されて、こういった今のようなことを発案して、米の消費拡大を考えておられるんです。 今回の東北も、あれだけの被災を受けましたけれども、何の暴動も起きませんでした。世界各国が極めて、日本人のきずなと申しますか、それに対して大変高い評価をしておりますが、なぜ暴動が起きなかったかというと、ちゃんとした米という御飯が、食べ物が、食物が、食糧が確保されたからであります。恐らく食糧がなかったならば間違いなく暴動が起きたというふうに思います。 そういったことを考えますと、本当に、この自給率向上と同時に、米の消費拡大は、将来の国や熊本県やそういった地域の安全を守るためにも、大事な施策であるというふうに思っております。したがって、農林水産部長におかれましては、今検討するということでありますが、ぜひ検討していただくと同時に、さまざまな角度からこの運動に取り組んでいただきたいと思っております。私自身も、この今申しましたシールが果たしてどれだけ効果があるかわかりません。しかし、ただ、地産地消とか自給率向上とか、口先だけで念仏みたいに言っても何一つ前進はいたしません。まず、行動することが必要だと思います。したがって、私もそういったことを言っておるわけであります。ぜひ行動していただきたい、念仏では何も進みませんから。そういったことを十分御理解いただきまして御検討されるわけでございますが、前向きな御検討を期待して、次の質問に入らせていただきます。 県営住宅の高齢者対策としての利活用について。 公営住宅法は、戦後の社会が困難なときの昭和26年、法律第193号として成立し、施行されました。公営住宅法は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸しすることにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としていることは御承知のとおりであります。 この趣旨を尊重して、本県においても、8,500戸の県営住宅を活用し、県民生活の安定に努めているところでありますが、公営住宅法施行当時と今日の社会状況は大きく変化しており、柔軟な対応の必要性を感ずるところであります。 特に、我が国が初めて経験している超高齢化社会はさらに加速化することが予想され、その対策は行政として当然果たしていかなければならない課題と考えます。 そこで、一つの方法として、公営住宅の利活用を求めるものであります。例えば、県営武蔵ヶ丘団地は、昭和47年から昭和52年に供用開始された1,298戸の大きな団地ですが、耐震基準も十分クリアしており、起債の償還も終えていることからして、高齢者の方に優遇措置を設けても県民の理解は得られるものと思います。 昭和30年代に金の卵と言われ、貴重な労働力として、日本のものづくりに貢献し、日本の経済発展に大きな役割を果たされた、いわゆる団塊の世代の方々が高齢者の仲間入りをされ、既に高齢期を迎えられている方々とともに、本県の発展の礎とも言える存在であると思うと、これらの方々が少しでも安定した人生を送っていただくために、公営住宅の柔軟な運用を改めて求めるものであります。 既に、県においては、抽せんによる入居率を一般の方よりも2倍にしたり、1階や2階を優先的に入居させるなど一定の施策をとられていることは評価しますが、今後さらに増加するであろう高齢者対策としては十分とは言えず、さらなる施策の拡充が必要と考えるが、土木部長の考えを伺うものであります。  〔土木部長戸塚誠司君登壇〕 ◎土木部長(戸塚誠司君) 県営住宅は、低所得世帯を入居対象としておりますが、その中でも、60歳以上の高齢者世帯のほか、障害者世帯、ひとり親世帯、多子世帯、子育て世帯など、入居に際して配慮が必要な世帯につきましては、優遇措置として、抽せん番号を2つとする、いわゆる倍率優遇を行っております。 このほかにも、高齢者対策としまして、入居収入基準や同居親族要件を緩和するなどの措置を設けています。 これらの措置によりまして、平成22年度の高齢者世帯の入居率は、倍率優遇のない世帯の2.3倍となっております。 このような中、高齢者入居についてさらなる施策の拡充を行うことは、そのほかの世帯の入居に影響を及ぼすことから、現状では困難な面がありますが、今後、高齢化の進展を踏まえ、その必要性やあり方を含め検討してまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) ただいま答弁をいただきましたが、現在しているサービスで今のところは事足りると申しますか、十分に近いというふうな答弁だったように思います。 しかしながら、高齢化社会は今後ますます加速的に増加していきます。先般発表されました日本の現在の高齢者数は2,980万人と言われており、23.3%となっております。恐らく知事も来年あたりはこの仲間入りされるかと思いますが、私、とっくに仲間入りしておりますけれども、さらに来年あたりはもう団塊の世代の方々がこの65歳以上になるわけでございまして、恐らく来年は、はるかに3,000万人を超える高齢者になるわけであります。当然本県におきましても高齢化率は高くなってまいることは当然であります。 そういった中で、政治はさまざまな形で高齢者対策をしなきゃなりませんけれども、まさに、日本社会が全く経験したことのない社会が今から出てくるわけであります。それに対してしっかりとした対策をしなきゃなりませんが、残念ながら財源が国も本県も乏しいのが現実でありまして、なかなかこういった高齢化に対する十分な対応をしていくことが極めて厳しい側面があるかと思います。 しかしながら、こういった住宅あたりは微々たるものです、もう高齢化対策としては。本当に対策と言えるかどうかわかりませんが、微々たるサービスでありますけれども、こういったものは、やろうと思えばできるわけでございまして、ぜひこういったものにつきましても、しっかりと議論をしていただきたいというふうに思っております。 特に、もう既に起債の償還を終えた公営住宅が4,000戸超えておると言われております。起債を終えるということは、もう工事費用を借金して払わなくていいわけでございますから、維持管理は当然かかりますけれども、県の住宅行政にとりましては、大変やりやすい環境が生まれてきておるわけであります。そして、幸いなことには、古い住宅でも、あの最近の耐震構造に対しまして、すべてが基準をクリアしていると聞きまして、古いながらも、やはりしっかりとした住宅が建設されておるなというふうに改めて感じたところでもございます。 そしてまた、今国会で審議されております、いわゆる高齢化対策の一つであります社会保障あるいは税一体改革、極めて厳しい状況であります。日本の毎年1兆円という大幅な社会保障が今からふえていくと言われております。こういった財源をどうするのか、本当に、先のことを思うと、高齢化対策、本当に極めて厳しい環境、状況になっているわけでありますけれども、そういった中で、少しでも高齢者の方々が安心できるような環境づくりに私たちも頑張っていかなきゃならないと、改めてこの問題を取り上げたときに感じたところであります。 それでは、住宅につきましては――ただ、社会が非常に変化します。経済もそうです。ただ、高齢化率は計算されていくようにふえていきますけれども、社会の状況がそれとあわせて非常に変化したときに、やはり速やかに対応してできるような、そういった柔軟な考え方、ぜひ関係部局で持っていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 それでは、最後の質問になりましたが、県道瀬田竜田線の道路改良について質問を行います。 本来、道路の改良につきましては、要望という形でおさめておったケースが多いんですけれども、どうもやはり要望そのものは余り一般質問の中では好ましいと思いませず、そしてまた、一般質問をしなければならないような道路の状況ということでございまして、あえて一般質問として取り上げさせていただきました。 県道瀬田竜田線は、母なる川白川の右岸に沿って、大津町瀬田から菊陽町を経て熊本市龍田町に通ずる道路で、地域の維持、発展に大きく寄与しているところであります。 経済の発展とともに車の通行量は増加し、特に行楽シーズンには、国道57号のバイパス的な役割を果たしているため、渋滞している光景がよく見受けられます。 このような現状を県行政も十分認識され、順次改良が進み、大津町においては、2つの集落内の改良を残すのみとなっており、この地区の住民の方々は、速やかに道路改良されることを信じて疑っておられません。 私自身も、終点の瀬田地区から大林地区の改良が終わり、当然次は隣の地区である吹田地区及び森地区の道路改良へと継続的に取り組んでいくものと信じておりました。しかしながら、いまだ着手がなされておりません。県においては、改良の必要性を十分認識し、速やかな対応を求めるものであります。 吹田地区及び森地区の道路改良には、現道拡幅かバイパスかのおおむね2つの選択肢がありますが、既に、地元住民や町においては、バイパスによる道路改良が望ましいとの意見が主となっているやに伺っておりますが、いずれにいたしましても、この路線は、車の通行量からの判断と車の離合が容易でないことからして、早急な道路改良の必要性を強く感ずるものであります。厳しい財政状況の中、道路行政をつかさどる土木部長の考えを伺うものであります。  〔土木部長戸塚誠司君登壇〕 ◎土木部長(戸塚誠司君) 県道瀬田竜田線は、国道57号を補完する道路として、また、地域の生活道路として重要な役割を果たしております。 大津町の区間におきましては、これまで順次整備を進めてきており、昨年度、大林地区の約2キロメートル区間の改良工事が完成したところでございます。 吹田地区及び森地区の未改良区間につきましては、沿道に人家などが連なっており、整備手法によっては多くの家屋移転を伴う可能性があることから、地元や関係機関の意見を伺いながら、円滑な着手に向け、整備手法等について検討してまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 大変厳しい財政の中での道路改良、一朝一夕にできるとは思いませんけれども、道路対策課ですか、整備課ですか、そういった部署におきましても、この道路の改良の必要性は十分認識をされておるようでございます。したがって、問題は財源であるわけでございますが、地域の住民の思いはもちろんですけれども、この道路の果たしている57号のバイパス的な役割、そういったことを考えますと、ぜひ早急に事業着手に向けての積極的な取り組みを強く求めておきたいというふうに思います。 今回、5問について質問を行いました。すべてある程度の財源を求めるものでありますが、本当に厳しい財源、財政の中で政治を行っていくことは大変難しゅうございます。特に、日本は先進国の中で最低の最悪の財政状況と言われております。当然地方におきましても大変厳しい財政状況が続いていくわけでございまして、こういった中で、県民の方々に少しでもサービスを低下させずに、今日のサービスを維持しながら政治を行っていくということは大変難しゅうございますけれども、ある意味ではそれだけにまたやりがいがあるかとも思います。どうかひとつ今後とも、皆さんとともに、県民のために、微力ではありますけれども、努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 本当にきょうはありがとうございました。(拍手) ○副議長(井手順雄君) この際、5分間休憩いたします。  午前11時休憩    ――――――○――――――  午前11時13分開議 ○副議長(井手順雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 内野幸喜君。  〔内野幸喜君登壇〕(拍手) ◆(内野幸喜君) 皆様おはようございます。自由民主党・玉名郡区選出・内野幸喜です。今任期初めての一般質問、通算では6回目の登壇となります。まずは、今回の質問の機会を与えていただきました関係議員の皆様方に、心から感謝を申し上げます。 昨日、相撲協会の方では、日本人としては4年ぶりだそうですが、琴奨菊関が大関に昇進しました。その伝達式の中で、口上として、万里一空という言葉を使われました。私は万里一空という言葉は初めて聞いた言葉だったんですが、宮本武蔵が著した兵法書、五輪書の中からの引用だということです。この五輪書は、熊本ではゆかりがあって、巌洞というんですかね、そこで著したと言われています。 この万里一空なんですが、私も意味を調べてまいりました。どんなにはるか遠くまで行っても、空は一つしかない、つまり、すべてのものは一つの世界にとどまっているということらしいです。琴奨菊関は、そこから夢に向かって目標を失うことなく努力し続けると、そういう意味で言われたということです。私も、この言葉はいい言葉ですので、万里一空のこの思いで、今期も一生懸命、さらにはプライベートの方も充実させながら、一生懸命頑張ってまいりたいと思いますので、どうか――きょうは質問は5問と要望を1問用意しております。時間もあります。早速通告に沿って質問に入らせていただきますので、どうか最後までの御清聴よろしくお願いいたします。 まずは、米の先物取引についての質問です。 本年8月8日より、東京穀物商品取引所と関西商品取引所で、2年間の米の先物取引の試験上場が始まりました。この試験上場は、本年3月8日に東京穀物商品取引所と関西商品取引所が認可申請を行い、7月1日に菅内閣当時の鹿野農林水産大臣が認可し、開始されました。今後、この2年間の試験上場を経て、本上場への可否が判断されることになります。 今回の試験上場については、TPPのときのようなメディアでの大々的な取り上げられ方は余り目にしませんでした。また、十分かつ丁寧な議論が行われてきたのかも定かではありません。それでも、鹿野農林水産大臣は試験上場の認可に踏み切りました。しかし、生産者等の関係者は、認可申請のときから注目し、試験上場後は、その影響を分析し、不安を抱いているのが実情です。 ところが、実際に試験上場を行っている各商品取引所は、計画的かつ安定的な米の生産、流通に貢献できる可能性が高いとの考えです。しかし、果たしてそうでしょうか。 我が国では、過去に米の先物取引が実施されていた実績があります。それが、享保15年、西暦1730年に大阪に開設された堂島米会所での先物取引です。その堂島米会所での取引は、明治2年、西暦1869年に明治政府によって廃止されました。その後、明治26年、西暦1893年に堂島米穀取引所として改めて再建されましたが、やはり昭和14年に廃止されました。今回、72年ぶりの上場と報道するメディアが幾つか見受けられたのもそのためです。 さて、その過去の米の先物取引では、結果として、計画的かつ安定的な米の生産、流通に貢献できたと言えないような事柄も起こっています。例えば、幕末には、財政難に陥った幕府や諸藩が極端な投機に走り、米がないにもかかわらず空手形を乱発し、米の価格を高騰させることもあったそうです。また、大正7年、西暦1918年に起こった米騒動も、過剰投機が原因だったと言われています。 そもそも先物取引とは、言わずと知れた、商品を、将来の決められた日時において、前もって決められた価格と決められた量で売買することを約束する取引の形式です。 さらに、今回の米の先物取引には、大きな2つの特徴があります。それが、証拠金制度と差金決済方式です。つまり、約定価格の数%相当の資金を取引の担保として取引所に預託すれば、手持ち資金よりも大きな金額の取引を行うことができ、かつ、実際に現物を持っていなくとも米を売ることができる、いわゆる空売りが可能なことです。これは、多くの投資家、投機家が参加できるようにとられたシステムとも言えます。投資家や投機家は損失をこうむるよりも利益を得ようとするのが当然です。 実際、既に日本で行われている小豆、大豆等の先物取引では、その9割以上が差額決済の投機目的と言われています。証拠金となるわずかな資金で数十倍の取引が可能になるため、投機家のマネーゲームになっているのが現状です。 こうした現状を考えると、本当に計画的かつ安定的な米の生産、流通に貢献できる可能性が高いと言えるのか、甚だ疑問です。 わずか数年前には、原油価格が史上最高値をつけたことがありました。これは、原油がマネーゲームの対象になった結果だとも言われています。原油が不足していたわけでもなかったにもかかわらず、燃油価格やガソリン価格は高騰し続け、国民生活を逼迫させました。まさに、マネーゲームに翻弄されたと言えます。そして今、私たち日本人の主食である米までもが、その対象となる可能性もゼロとは言えません。 利益を虎視たんたんとねらっている投機家の思惑によって先物市場で価格が決定され、主食である米の適正価格が果たして保たれるのか疑問です。そして、その乱高下によって大きな影響を受けるのも生産者であり、消費者です。そうした不安要素もあり、私自身は私たちの主食である米の先物取引については反対と言わざるを得ません。特に、米の生産が盛んな農業県熊本にとって、本上場となった場合、その影響も大きいと思います。 そこで、御自身の経験から農業に格別な尊厳の念を抱かれている知事に、米の先物取引の試験上場について、今後の見通しも含め、率直な見解をお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕
    ◎知事(蒲島郁夫君) 米の先物取引については、米の価格形成の透明化、作況等による価格変動リスクの軽減等を目的に、ことし8月8日に、72年ぶりに2年間の試験上場が開始されました。 開始されて約1カ月が経過していますけれども、新たな価格指標に期待する声がある一方、現物相場とかけ離れた高値や安値をつけるなど、不安定なスタートとなっています。 こうした中、県内の生産者団体からは、試験上場であっても、生産現場が先物取引の価格に振り回されるとか、主食である米が投機資金のマネーゲームの対象になるといった懸念の声が寄せられています。 私自身も、アメリカに暮らした経験の中で、先物取引の動向が農業、穀物価格に大きな影響を与えることを肌で実感しております。 今日、米を取り巻く環境は大きく変化していますが、戦後の食糧難を経験した世代としては、米に対して特別な思いを持ち続けています。 いつの時代においても、主食である米の安定的な生産、供給は、農業経営だけでなく、国民生活にとって最も重要な課題であると考えています。 先物取引の試験上場については、こうした観点から、さまざまな懸念事項などについて、国において十分な監視や検証が行われるべきものと考えています。 県としても、今後の動向を注視しながら、必要に応じて、国に対し、意見、要望を行ってまいりたいと考えております。  〔内野幸喜君登壇〕 ◆(内野幸喜君) 今知事から御答弁をいただきました。 その知事の答弁の中に、現在のこの先物取引の試験上場については、開始されて約1カ月、現物相場とかけ離れた高値や安値をつけるなど、不安定なスタートと、そういう答弁がありました。そして、さらには、知事自身が、アメリカでの農業体験や生活を通じて、先物取引の動向が農業、穀物価格に大きな影響を与えることを十分に承知されていると、そしてまた、さらには、今日、米を取り巻く環境は大きく変化しているが、戦後の食糧難を経験した世代としては、米に対して特別な思いを持ち続けていると、そういうことを言われました。 私は、今の知事の答弁を聞いて、恐らく本音では、知事はこの米の先物取引の試験上場については反対だろうと、そのように推察いたします。ただ、今の立場では、まだ始まったばかりなので、なかなか言えないと。ただ本音は、私はそうだろうと思っております。特に、先ほどの田代議員の質問の中でもこういうことを言われました。農業については経済原理のみで判断されるべきではないような、そんなことも言われていたと思います。そうしたことからも、私は本音はそうだろうと思っています。 私たちは、子供のころから食べ物を粗末にするなと言われ続けてきました。この考えは今も当てはまると思います。それは、やはり私は、先ほど知事が戦前戦後の厳しい時代のことを話されましたが、それもそうだと思いますが、やはり生産者の方に感謝をすると、そういった気持ちから粗末にするなということがあったんだろうと思っております。そうした、その食べ物の中でも日本人の主食である米が投機の対象になることについて、私はやはり反対と言わざるを得ません。 最後に知事が、必要に応じて、意見、要望を行っていくと言われましたが、ぜひ、私は反対の立場ですが、国に対して、こうした意見もあるということも、随時要望、意見等で言っていってほしいと思います。 それでは次に、九州新幹線の開業効果をいかに持続させるのか、その効果を県内全域へいかに波及させるのかについて質問します。 これについては、代表質問で氷室議員の質問と一部重複するかもしれませんが、大事なことなので、私からも質問をさせていただきます。 九州新幹線が3月12日に全線開業し、既に半年が経過しました。この九州新幹線の全線開業は、知事の言葉をかりれば、100年に1度のビッグチャンスであり、このチャンスを生かすために、本県としても、さまざまな取り組みを行ってきました。こうした県の努力もあって、九州新幹線開業後半年間の誘客数は、おおむね順調な滑り出しだと言ってもいいと思います。 中でも、やはりKANSAI戦略を中心とした、関西圏をターゲットとした熊本のPRには、知事みずから積極的に動かれ、県宣伝部長のスザンヌさんやくまモンとの効果も相まって、認知度向上、さらには本県の魅力発信にも大きくつながったと思います。実際、県が実施した県内の主要ホテル、旅館30社の6月、7月、8月の延べ宿泊者数調査の結果からも、その傾向がうかがい知れます。 その調査結果によりますと、東日本巨大地震の影響からか、海外からの宿泊者数は減少しているものの、国内からの宿泊者数が増加し、6月から8月までの3カ月間の全体合計で約6%の伸びを示しています。特に、関西以西の近畿、中国、四国地方からの宿泊者数の増加は顕著で、6月は対前年比43%の伸びで6,868人の増加、7月は対前年比58%の伸びで7,183人の増加、8月も対前年比53%の伸びで1万1,056人の増加と、3カ月間の合計で、昨年に比べ宿泊者数が2万5,100人も増加し、対前年比51%以上の伸びを示しています。この2万5,107人という数は、国内からの宿泊者数の増加が全体で2万6,587人ということを考えると、実にその9割以上が関西以西からの宿泊者ということになり、本県が関西圏で取り組んできたさまざまなPR活動が実を結んだ結果とも言えます。 また、開業効果は、ホテルや旅館等の宿泊施設にとどまらず、新幹線が停車する各駅周辺の物産販売施設やレンタカー会社等もその恩恵を受けていると聞いています。このように九州新幹線は、本県への一定の効果をもたらしたと言えます。 しかし、これからを考えたとき、安心ばかりはしていられません。特に、新幹線等の新たな交通体系が開通した場合、開業後しばらくの間は話題性もあり、効果があらわれやすい時期とも言われています。また、終着駅効果があるとはいえ、現在の鹿児島の新幹線開業効果を目の当たりにすると、本県を通り越し、さらに鹿児島へと観光の流れが加速するのではとの心配もあります。やはり今後は、開業効果を一過性のものに終わらせないことが何よりも重要であり、この効果をいかに持続させていくか、その継続した取り組みとさらなる魅力発信が必要です。 そこでまず、新幹線全線開業後の効果をいかに持続させていくのか、今後の取り組みについて、商工観光労働部長にお尋ねします。 また、現在の開業効果については、その効果を感じられないとの声を聞くこともあります。特に、私の地元玉名地域では、新玉名駅という新幹線の停車駅があるにもかかわらずそのように感じる方がいらっしゃるのも事実です。こうしたことを考えると、県内でも地域によって差があることがわかります。しかし、県民の皆様が開業効果をひとしく実感するためには、効果を広く波及させ、この差を解消させていかなければなりません。 そこで、新幹線の開業効果を県内全域へいかに波及させていくのかについても、先ほどの質問とあわせ、商工観光労働部長にお尋ねします。 引き続き、並行在来線の利便性向上について質問します。 この件については、昨年の9月議会の一般質問の際に要望をしました。その後、議会でも国に対する意見書を可決していただきました。しかし、まだまだ不十分な点もありますので、あえて再度取り上げます。 並行在来線のうち特急電車については、新幹線の全線開業に伴い、その本数が大幅に削減されました。私の地元長洲駅に限って言えば、それまで上下線合わせ1日に30本もの特急電車が停車していたものが、現在では7本のみの停車にとどまり、以前の3分の1以下までに削減されました。これまで朝から夜にかけて満遍なく停車していた特急電車の本数が大幅に削減され、しかも早朝と夕方の限られた時間内に集中したダイヤ編成となれば、利便性が損なわれ、客足が遠のくのも当然です。まさに、新幹線開業によって明暗分かれた暗の部分だと思います。 実際に、特急電車を利用して博多駅方面へと通勤通学をされていた方、特急電車を利用して博多駅方面から立地企業へと出張に来られていた方等も多かったため、2次アクセスの整備がいまだ十分でない中、上り線の新幹線と並行在来線の結節駅が船小屋駅ということを考えると、利便性が著しく低下しています。 また、新たに導入された快速電車についても、熊本駅方面へは、ある程度の時間短縮効果が出ているのかもしれませんが、博多駅方面については、接続の不十分さから、その導入効果を生かし切れていないと感じます。 例えば、在来線を利用して博多駅方面へと行く方、また、その逆に博多駅方面から熊本方面へと来られる方は、割安感から快速電車を利用されます。しかし、そのほとんどが荒尾駅での乗りかえとなり、しかも待ち時間が30分ということも珍しくなく、時間短縮効果が図られていません。そのため、西鉄電車の利用者が増加しているのも現実です。 確かに、JR九州には、特急電車の存続や快速電車の新たな導入等、在来線の利便性向上について理解をいただき、さまざまな取り組みをしていただいています。 現在のところ、平成12年12月18日の政府・与党申し合わせ以降、新たな整備新幹線の着工区間または開業区間の並行在来線では、肥薩おれんじ鉄道のように、JRから経営分離され、第三セクターの形で運営されているところがほとんどです。このような中、今回の博多―八代間の並行在来線については、JR九州みずからが、みずからの意思で切り離さないことを決められたと聞いています。これについては大変ありがたいことです。しかし、そうであるならば、JR九州には、今後とも並行在来線の利便性向上にさらなる力を注いでほしいとも思います。 例年であれば、これから来春のダイヤ編成の検討時期に入っていきます。その際、県としても、こうした地域の声、要望をしっかりとJR九州に伝えていくべきだと思います。 そこで、並行在来線の利便性向上についてどのような認識を持たれているのか、また、その認識に基づき、今後どのような働きかけを行っていくのか、企画振興部長にお尋ねします。  〔商工観光労働部長中川芳昭君登壇〕 ◎商工観光労働部長(中川芳昭君) まず、最初のお尋ねでございますが、新幹線開業効果を持続させていくためには、熊本にお越しいただいたお客様が満足され、何度もリピートしていただくことや、まだ訪問されていない方々を新たに呼び込むことが必要でございます。 旅の魅力は、地元の人と出会い、触れ合うこととも言われ、温かいおもてなしは欠かすことができないものの一つでございます。おもてなしの機運は、県内各地で高まってきており、引き続き県民の皆様の取り組みを支援してまいります。 また、熊本にお越しいただくお客様をふやすため、コンベンションや大型のコンサート、スポーツ大会の誘致に努めるなど、都市型観光を積極的に推進するとともに、海外からの誘客をふやすため、九州新幹線と高速船、韓国高速鉄道を結ぶ旅行商品を隣県と連携して売り込むなど、これまで以上に熊本の魅力をしっかり情報発信してまいります。 次に、開業効果の県内全域への波及についてでございますが、これまで、新玉名駅を経由し、山鹿、菊池をめぐる「山鹿・菊池温泉号」のようなアクセスバスや「阿蘇・別府パノラマ観光バス」のような観光周遊バス、「SL人吉」「あそぼーい!」などの観光列車を活用し、新幹線駅から各地域への人の流れを活性化させるための取り組みを進めております。10月からは、新たに加わります「A列車で行こう」もあわせまして、今後とも、開業効果を県下全域に波及させるよう、これらの取り組みをさらに強化させてまいります。 さらに、隣県との縦軸、横軸の連携をさらに強め、熊本を九州観光の拠点にした周遊観光の確立に向けまして、積極的に取り組んでいきたいと考えております。  〔企画振興部長坂本基君登壇〕 ◎企画振興部長(坂本基君) 県では、九州新幹線全線開業後の並行在来線の利便性確保について、JR九州に対し、機会あるごとに働きかけてまいりました。 その結果、御指摘のとおり、特急電車の存続や快速電車の新たな導入など、一定の配慮がなされたところではありますが、特急の減便により通勤通学者などが影響を受けており、また、荒尾駅での接続は改善の余地が大きいと考えます。 並行在来線は、地域住民の方々の日常生活に不可欠な交通手段であり、利便性向上は重要な課題と認識しております。 そのため、沿線市町と連携して、まず来月の4日、そして下旬に、さらには九州各県と連携して、11月に、JR九州に対し、在来線の利便性向上について要望を行う予定です。 今後も地域の声をJR九州に確実に届けてまいります。  〔内野幸喜君登壇〕 ◆(内野幸喜君) 今、それぞれ答弁をいただきました。 開業効果を持続させていくためには、リピートしていただくことがやっぱり一番必要です。そのためには、本県が持つ魅力をこれまで以上に発信し、そして本県が持つ資源を最大限に生かしていくと、そうしたことに限ると思っております。特に、本県の場合は、九州の真ん中ということもあって、その地の利を生かして、長崎や大分、そういったところとも連携しながら、先ほど部長の答弁にもありましたが、旅行商品を売り込んで魅力を発信していってほしいと思っております。 また、県内全域へのこの効果の波及について、私は、この開業効果が県内全域へ波及して初めて県民の皆様がこの新幹線が開業したんだと実感できるものと思っています。ただ残念ながら、まだ地域によってはその開業効果を実感できていないところがあるというのも現実です。先ほど答弁にもありましたが、今後は、観光列車、アクセスバス等も既に導入しているということなんですが、まだ残念ながら利用者が少ないという話も聞きますので、こうしたことを広くPRしながら、人の流れを活性化させる取り組みを強化していってほしいと思います。 それから、企画振興部長の方の利便性の向上についてです。機会あるごとに働きかけてきたという答弁がありました。しかし私は、実はこれ、去年からずっとJR九州の方には要望を行ってきましたが、残念ながら県には余りその積極さというのを感じられませんでした。来月4日に、確かにJR九州の方には行きます。これは、実は私も、それからこの中の県議団、自民党の県議団も、新たな県議団、私以外の3名も行くことになっています。昨年要望に行ったときも、私は、特急電車存続するんではないかという、そういうふうな感触を持ちました。しかし、県に話しても、特急電車の存続は難しいと、最初からもう廃止ありきのような感じを受け取りました。しかし今、こうやって実際に、7本とはいえ、存続したわけですから、あのときにもう少し県に積極的に働いていただいていれば、さらにふえたのかなということもあります。ただ、これはもうしようがないことなんで、今後は、沿線地域、自治体の皆さん方とともに、しっかりとその要望を伝えていってほしいと思います。 それでは次に、有明海沿岸道路Ⅱ期についての質問に入ります。 有明海沿岸道路Ⅱ期については、これまでに村上議員、重村議員がそれぞれ数回にわたり質問されていますが、有明海沿岸地域の方々が切望している道路でもありますので、私からもあえて質問します。 有明海沿岸道路Ⅰ期については、福岡県大牟田市から佐賀県鹿島市までの計画延長約55キロのうち、大牟田インターチェンジから大川中央インターチェンジまでの23.8キロ区間が既に連続して通行可能となっています。また、本年3月には、佐賀県の嘉瀬南インターチェンジと久保田インターチェンジ間1.7キロが開通しています。そして、今年度は、大牟田インターチェンジからさらに南下し、三池港インターチェンジまでの1.9キロが開通する予定となっています。 ちなみに、福岡県内の区間は国の直轄事業として、佐賀県内の区間は県の単独事業として進められています。それに対して、大牟田市から熊本市に至る延長約33キロの有明海沿岸道路Ⅱ期については、平成10年に候補路線に指定されたものの、13年たった今でも計画路線への指定すら図られていません。 私は、これまでに何度も有明海沿岸道路を利用しています。利用するたびに、非常に便利な地域高規格道路だということを実感します。このことは、利用したことがある方であれば同じように感じるはずです。特に、私の地元では利用する方も多く、そのような声を多く聞きます。そして、その際に必ず言われることが、なぜ大牟田にはあれほど便利な道路ができているのに、熊本にはできないのかという言葉です。福岡県と同列に比べることができない事情があるにせよ、この差を実感すると、熊本県が積極的に取り組んでいないと思われる方がいらっしゃっても不思議ではありません。 それでも有明海沿岸道路Ⅱ期には、沿岸地域の多くの方々が大きな期待を寄せています。この地域高規格道路が実現できれば、産業活動の活発化、交流人口の増加といった沿岸地域の活性化に大きくつながりますし、国道208や国道3号の渋滞緩和にもつながります。また、それだけにとどまらず、熊本天草幹線道路や南九州西回り自動車道等との有明海及び八代海を中心とした循環型ネットワークを形成する路線として、本県の一体的な発展にもつながります。さらには、災害時、緊急時における代替道路としての役割も期待できます。こうしたことからも、早期実現に向けての要望が多い地域高規格道路です。 そうした要望もあり、先月8日に、沿岸の自民党県議団5名で、国土交通省の道路局等へ候補路線から計画路線への早期格上げの要望に伺いました。そのかいあってか、本県と国土交通省九州地方整備局とで構成される有明海沿岸地域の幹線道路網に関する検討会議が設立される運びとなりました。そして、早速、その検討会議の第1回会議が、今月の7日に玉名地域振興局で開催されています。私自身は、この検討会議が計画路線への格上げに向けての大きな一歩だと信じています。 そこで、検討会議ではどのような議論が具体的になされたのか、そして、その議論を踏まえ、県として今後どのように取り組んでいくのか、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長戸塚誠司君登壇〕 ◎土木部長(戸塚誠司君) 有明海沿岸道路Ⅱ期は、九州における幹線道路ネットワークの一部を形成し、有明海沿岸地域の連携や交流促進を図る重要な路線であると認識しております。 これまで候補路線から計画路線への格上げを国に求めてまいりましたが、国が一斉に行う路線指定は、平成10年6月を最後に行われておらず、いまだにその時期も明らかにされておりません。 このような状況の中、九州地方整備局と合同で、これまで実施してきた調査の成果を踏まえて、路線の必要性や整備効果などを整理する検討会議を設置いたしました。 第1回会議におきましては、地域の現状や道路交通状況、今後の整理の方向性などについて議論いたしました。 今後、この検討会議の議論を踏まえ、有明海沿岸道路Ⅱ期の重要性について改めて整理を行い、地元期成会と一体となり、計画路線の指定に向けて取り組んでまいります。  〔内野幸喜君登壇〕 ◆(内野幸喜君) 今、検討会議について、第1回目ということで、今後の方向性等についてのみの議論だったと思います。私は、この有明海沿岸道路については、前々から言っているんですが、先ほども質問の中でも触れましたが、佐賀県は県の単独事業、福岡は、これはすべて国の直轄事業で行われています。現在、この有明海沿岸道路について、501号線の延長と思われている方もいらっしゃいます。しかし実際はこれは違います。また別の道路です。この熊本県で沿岸道路をつくるためには、県財政も非常に厳しいわけですから、やはり福岡方式で私はやらざるを得ないと思っています。そのためには、福岡県と同様の208号のバイパスとしてつくると、それしか私はやっぱり厳しいんじゃないかなと思っております。ただ、現在、この208号のバイパスについては、既に玉名市にできておりますので、その辺の整合性がこれから議論をしていくことになるんじゃないかなと思っております。 ちなみに、この玉名バイパスについては、計画から40年かかって、やっとことしの2月に開通しました。この地域高規格道路、有明海沿岸道路Ⅰ期、特に大牟田から大川中央インターチェンジは、わずか12年で開通しています。この差は何なんだろうなと時に考えるんですが、とにかく熊本も、福岡方式、208号のバイパスとしてやってもらうと、そういうことを今後国に訴えていってほしいと思います。 次に、交通安全施設の整備についての質問に入ります。 交通安全施設には、公安委員会が整備するものと、道路管理のために道路管理者が整備するものがあります。公安委員会が整備する主なものとしては、信号機、車両感知器、交通情報板、道路標識等があります。道路管理者が整備する主なものとしては、ガードレール、道路照明灯、カーブミラー等があります。今回は、公安委員会、つまり県警察が整備する交通安全施設について、中でも信号機の整備を中心に質問をします。 信号機の設置の要望については、多くの議員が何らかの形で一度は受けたことがあると思います。実際、毎年度100件を超える要望が県警察に寄せられています。そして、その設置要望箇所の中には、地域住民の方々が何年にもわたり要望し続けている箇所もあります。しかし、現実に設置された箇所はごくわずかな箇所となっており、その整備率も年々低下しています。 具体的には、平成12年度には、要望数105件に対し、設置数69カ所、整備率65.7%だったものが、平成15年度には、要望数108件に対し、設置数52カ所、整備率48.1%と、5割を切っています。そして、昨年度は、要望箇所123件に対し、設置数19件、整備率15.4%と、ついに2割を割り込む整備率となりました。さらに、ことしは昨年度を下回ることが予想されています。 この整備率の低下は、残念ながら、信号機設置に係る予算、交通安全施設等整備事業予算の減少によるところが大きいと考えます。この交通安全施設等整備事業予算は、平成8年度の約28億1,700万円をピークに年々減少を続け、昨年度は約10億700万円となっています。そして、今年度の予算は、ついに10億を割り、ピーク時の3分の1以下の約9億800万円となっています。 県財政が厳しい中、予算が縮減されていくことには、ある程度いたし方ないと私自身も理解もしています。しかし、命の危険がかかわってくるとなると、それ相当の予算も必要です。 ここ3年間の交差点における交通死亡事故の発生状況を見てみると、平成20年が28件、平成21年が29件、平成22年が26件で、交差点で発生した死亡事故の6割以上が信号機の設置されていない交差点で発生しています。ことしに至っては、7月末までの発生件数12件のうち7割を超える9件が、信号機の設置されていない交差点で発生しています。交通事故の形態にもよりますので、これらの交差点すべてに信号機が必要とは一概には言い切れませんが、この中には、信号機設置の要望が寄せられていた交差点もあります。 こうした実態を踏まえると、自動車等の運転者や歩行者の安全を確保するため、それぞれの交差点の状況に応じた、また地域の要望に即した速やかな信号機設置が必要だと考えます。特に、高齢の方、障害のある方、小さな子供たちにも信号機のない交差点を横断せざるを得ないときもあり、非常に危険です。 そこでまず、信号機設置についての県警察としての考え、また現状について、警察本部長にお尋ねします。 次に、交通安全施設等整備事業予算の中には、新規の信号機設置費用のみならず、既存の信号機の維持補修費用、更新費用、さらには道路標識の設置、更新等も含まれていると思います。 本県には、信号機だけでも、既に2,700カ所以上が設置されています。これらの信号機の中には、経過年数が相当数たっており、更新が必要な信号機も数多くあると思います。 そこで、今現在、更新が必要な信号機及び道路標識の数、そしてその更新費用はどれぐらいになるのかについて、先ほどの質問とあわせ、警察本部長にお尋ねします。  〔警察本部長中尾克彦君登壇〕 ◎警察本部長(中尾克彦君) 初めに、交通事故による死者数は、6年連続で減少しているとはいえ、なお数多くの方が犠牲となっておられ、本年も、9月28日現在で既に52件の交通死亡事故が発生しております。 高齢者の死者が全体の半数以上を占めるとともに、本年は、昨年1年間発生がなかった子供の交通死亡事故が3件相次いで発生し、将来を担うとうとい命が一瞬にして奪われました。 このような痛ましい交通事故を防止し、交通の安全と円滑、道路の交通に起因する障害の防止を図るためには、信号機や道路標識等の交通安全施設の整備充実は不可欠であります。県警察といたしましては、設置効果、緊急性、住民の要望等を勘案し、より必要性が高いものから順次整備を行っております。 特に、信号機や横断歩道に関しましては、住民の皆様等からの設置要望が数多く寄せられております。しかし、腐食や老朽化が進む信号機や道路標識の更新が相当数に上ることに加え、道路整備に伴い必要となる信号機、道路標識等の新設、移設等も多く、住民の皆様等の要望や期待に十分こたえ切れていないのが現状であります。 次に、更新が必要な信号機及び道路標識についてでございますが、信号機約500カ所、道路標識約2万1,000本となっており、これらの更新に必要な費用は、総額で約18億5,000万円と試算しております。 県警察といたしましては、限られた予算をできるだけ効率的に活用し、引き続き、緊急性の高いものから順次整備を進め、より安全で安心な交通環境づくりに努めてまいります。  〔発言する者あり〕  〔内野幸喜君登壇〕 ◆(内野幸喜君) 今答弁をいただきました。 実際、交通事故を防止し、交通の安全と円滑、道路の交通に起因する障害を防止するためには、この信号機の設置が不可欠であると、そういう認識を示されました。しかし、実際は、相当数に上る腐食や老朽化している信号機、そういったものの更新等に予算を投入せざるを得ないことから、十分にこたえ切れていないとの答弁でした。 今、ちょうど議場の方からも、市町村の負担も求めるべきじゃないかという話もありました。確かに、私もそれもそうだと思います。しかし、先ほどの質問の中でも述べました、やはり平成8年から比べると、3分の1以下にこの予算というのが減っているという現状もあります。こうした予算の中では、先ほど更新には18億5,000万円ぐらい必要だと答弁がありましたが、果たして今の9億からの予算で、この更新費用も含めながら、新たな信号機設置というのはやっぱり難しいんじゃないかなと思っております。 そこで、ぜひこれは、知事部局にも、この点はしっかりと御認識をいただければと思います。また、先ほど議場から話があったように、今後、市町村からの負担金をいただくと、そういったことも含めながら、議論も知事部局の方でもしていっていただければと思います。 次に、ラグビーワールドカップ熊本誘致についての質問に入らせていただきます。 昨日、増永議員が質問されるときに、知事は、前向きな答弁をされるときは、議場のあの辺を見ていられると、そういうふうな話がありました。ぜひ、きょうの私のこのラグビーの熊本誘致についての質問では、ぜひあの辺を見ながら答弁をしていただければと思います。 4年に1度のラグビー世界一を決定する大会、第7回ラグビーワールドカップが、まさに今、ニュージーランドの地で開催されています。今大会は、日本も含め20チームが出場し、9月9日の開幕から10月23日の決勝戦までの45日間、日々熱戦が繰り広げられています。 残念ながら、我が日本は、ワールドカップで20年ぶりの勝利を期待され、強豪国相手に健闘もしましたが、予選プール1分け3敗と世界との厚い壁に阻まれ、決勝トーナメントに進むことができず、全日程を終了しました。 このラグビーワールドカップは、現在では、オリンピック、サッカーワールドカップに次ぐ世界の三大スポーツイベントに位置づけられるようになっています。 4年前に開催されたラグビーワールドカップ2007フランス大会では、220万枚のチケットセールスを記録し、その試合は世界238局で放送され、約40億人もの人々がテレビの前にくぎづけになったと言われています。 そのラグビーワールドカップが、一昨年の7月、アイルランドのダブリンにある国際ラグビーボードにおいて、2019年の第9回大会として、日本で開催されることが正式に決定されました。 当時私は、一般質問において、ラグビーワールドカップの熊本誘致について要望をしました。しかし、今回若干の動きがあり、また今現在開催中でもあり、さらに今後のスケジュール等も考え、あえて一般質問をすることにしました。 2019年の日本大会は、アジアでは初、俗に言われるラグビー伝統国以外でも初めてのワールドカップになります。それほど注目に値する大会です。既に簡単な概要は決まっています。開催予定時期は、2019年の9月6日から10月20日までの47日間。参加チームは20。試合数は、予選と決勝トーナメントを合わせ48試合。そして、試合会場は、全国で10会場が予定されています。私は、その10会場の一つに本県が選ばれてほしいと考えています。しかし、そのためには、みずから手を挙げることが必要です。 去る7月2日に、ラグビーワールドカップ2019第1回自治体連絡会議が東京で開催されました。その会議には、全国21都道府県から35の自治体関係者が出席しています。その中には誘致準備室を設置している自治体もあり、既に誘致活動がスタートしていることが理解できます。本県からも、体育保健課長と東京事務所の次長、そして県のラグビー協会の関係者が出席しています。 その会議では、大会の概要、会場決定までのプロセス等が説明されたと聞いています。その際の資料によると、会場決定は、マルチポイント方式を採用し、会場規模、アクセス、ホテル、自治体の普及活動、スタジアムの整備、開催意義等の入札ガイドラインに沿って総合的に判断し、ラグビーワールドカップ2019組織委員会が決定するとなっています。 幸い、スタジアムについては、本県には、KKWINGというラグビーの試合会場としてすばらしい施設があり、ガイドラインをクリアしていると思います。実際に、国内のラグビーリーグの最高峰、トップリーグの試合が毎年開催され、多くの観客を集めています。また、ホテル、アクセスについても、ほかの自治体と比べても遜色はなく、懸念することはないと思います。やはり決定までに最も重要なのは、何といっても自治体の普及活動だと思います。先ほども述べましたが、既に誘致準備室を設けている自治体もあります。 来年の4月には、ラグビーワールドカップ2019組織委員会内に、試合会場等プロジェクトチームが設置されることになっています。また、第2回自治体会議も、来年の4月以降に開催することとなっています。こうした今後のスケジュールを考えると、これからさらに立候補表明する自治体が出ることも予想されます。 本県では、今から14年前に、1997年に男子ハンドボール世界選手権大会が開催され、大成功をおさめました。その際、世界へと本県を大きくアピールできたと思います。私はその当時の公式報告書を見ましたが、それによると、本県は、招致委員会の段階から、知事、県議会議長がそれぞれ招致委員会の副会長と委員に就任し、開催の意欲を示したことが国際ハンドボール連盟から大きな評価を得たと記されていました。さらに、開催期間中、その経済波及効果も数十億に及んだとの調査もあります。 今回のラグビーワールドカップの熊本開催は、男子ハンドボール世界選手権とは一概に比較できませんが、仮に実現できれば、経済効果、世界への情報発信、国際交流の促進、さらにはスポーツの振興、地域活性化等、その効果は同じように大きいと思います。 ラグビーでは、世界トップクラスの代表チームが、テストマッチ等のため来日することは非常にまれであり、こうした試合を熊本で開催できれば、ラグビーをやっている子供たちに大きな夢を与えることができますし、競技普及にもつながります。 こうした大きな効果を期待できるラグビーワールドカップの熊本誘致については、県としても積極的にかかわっていくべきだと思います。既に本県のラグビー協会は誘致に前向きであり、県の協力も期待しています。確かに、波及効果が大きいだけに、自治体間の競争も激しく、開催実現も簡単ではありません。しかし、結果がどうあれ、正式に立候補表明することが誘致に向けた第一歩だと思います。 そこで、知事に、ラグビーワールドカップ2019日本大会の熊本誘致について、率直なお考えをお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) どこを見たらいいかわかりませんが……。世界トップレベルのパフォーマンスを目の当たりにし、国際大会の雰囲気を肌で感じることができるラグビーワールドカップは、人々に感動と勇気を与えてくれます。 また、ラグビー競技の普及、振興はもとより、ジュニアの育成や強化の機会にもなり得るものと考えます。 さらに、国内外から多くのお客様が熊本においでいただくスポーツイベントの開催は、本県の魅力を世界に発信する絶好のチャンスであり、地域への経済波及効果も大きなものがあると考えております。 このため、さきに開催された第1回自治体連絡会議に参加しており、今後示される大会会場に関する要件などについても、引き続き情報収集に努めてまいります。 本県には、1997年の男子ハンドボール世界選手権大会や、サッカーワールドカップ2002でのベルギーキャンプ誘致の経験もあります。 こうしたノウハウを生かして、県ラグビー協会等と連携を図りながら、チャンスがある限り誘致の可能性を追求してまいりたいと考えています。  〔内野幸喜君登壇〕 ◆(内野幸喜君) 今知事から答弁をいただきました。 最初は、ちょっと角度が20度ぐらい足りないかなと思ったんですが、最後、チャンスがある限り追求していくという言葉をいただきました。 本当に、このラグビーワールドカップ、世界三大スポーツイベントの一つに数えられています。これが熊本で開催できれば本当にすばらしいことだと思いますし、いろんな効果が波及できます。いみじくも知事の答弁の中にもありました、経済波及効果は莫大だと思います。また、ラグビーをやっている子供たちに大きな夢を与えることができます。2019年、8年後です。ぜひ今後とも、私は、このラグビーのワールドカップの熊本誘致についてしっかりと要望をしてまいりたいと思っておりますので、ぜひ今後とも県の絶大なる御理解と御協力をいただきたいと思います。 また、これはスポーツイベントとは別なんですが、今、いろんなコンサートであるとかそういったものを誘致している自治体というのがたくさんあります。本県では、8月だったですか、Mr.Childrenのコンサートがあって、たくさんの客を集めたという記事がありました。実は、今から2年前に、合志市の農業公園でa-nationという国内最大のライブイベントがありました。そのa-nationの会場には、この議場の中にいらっしゃる議員の方も何人か来ておりましたが、すごい盛り上がりでした。3万人が来場されていました。実は、その2年前に合志市でa-nationというライブイベントがあったとき、実は、本当は熊本は3年前に開催する予定でした。しかし、当時の宮崎県の東国原知事がぜひ宮崎でやりたいと、その効果を、芸能界にいらっしゃっただけに、大きいと知っていらっしゃった東国原知事が、1年前倒しで宮崎にやらせてくれということで宮崎に持っていかれました。そのときも熊本は誘致に負けた。結果として、次の年には開催できたんです。やはりそうした、今いろんなイベントに積極的な自治体もありますので、今回のこのラグビーワールドカップについても、ぜひ今後とも力強い御理解と御協力をいただければと思います。 それから、最後、一般県道和仁菊水線の道路整備について要望します。 この和仁菊水線の道路整備についての要望は、今回で3回目となります。和仁菊水線については、県にもその重要性と早期整備の必要性を認識していただき、随時改良をやっていただいています。それでも要望をし続けるのは、その改良率がいまだ5割に満たないことと、和水町にとってシンボル的な道路であり、沿線住民の方々からの道路整備の要望が強い県道だからです。 和水町は、平成18年4月に、旧三加和町と旧菊水町の2町が合併し誕生しました。その旧2町間を最短ルートで結び、つないでいる大動脈とも言える県道が和仁菊水線です。そのため、和水町が早期整備を求め、その要望を受け、県が合併支援道路として位置づけしている県道でもあります。 その和仁菊水線の中でも特に早期整備が必要だと思われる箇所が、和水町江栗から和水町太田黒に至る区間です。この区間には、極端に幅員が狭く離合できない箇所があり、朝の通勤時には車の長い列が続いています。こうしたことから、緊急車両もスムーズに通行できないという安全、安心を担保できない県道ともなっています。 道路は、その沿線に住む方々にとって、生命、財産を守る最低限の…… ○副議長(井手順雄君) 残り時間が少なくなりましたので、質問を簡潔に願います。 ◆(内野幸喜君) (続) インフラ整備であり、時には、必ずしも費用対効果だけでははかれないものもあります。 この和仁菊水線については、まさに沿線住民の方々の生命、財産を守る重要な県道です。 現在、沿線住民の方々は、みずから道路整備推進委員会を立ち上げ、その委員となり、機会あるごとに要望活動を続けられています。こうした地道な活動を見るにつけ、一日でも早い改良が実現できればとの思いに駆られます。 どうか県においては、こうした沿線住民の方々の長年にわたる悲願と思いが実を結ぶよう、引き続きの早期改良、整備に努めていただきたいと思います。 以上で私が用意しました質問、要望、すべて終了をいたしました。最後までの御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(井手順雄君) 昼食のため、午後1時15分まで休憩いたします。  午後0時11分休憩    ――――――○――――――  午後1時15分開議 ○議長(馬場成志君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 池田和貴君。  〔池田和貴君登壇〕(拍手) ◆(池田和貴君) 自由民主党・天草市・郡選出の池田和貴でございます。本日が10回目の登壇となります。この登壇を許していただきました同僚議員、また先輩議員の各皆様方に心から感謝をして、また、1回目と同じように、新たな気持ちでやらせていただきたいと思っているところでございます。また、私ごとではございますが、実は、5月の26日に娘が生まれまして初めての登壇となります。今までは、教育のことですとかそういったことをここで質問すると、子供も持っとらぬくせにとかというようなやじが飛んでおりましたが、ようやく私も実際一人の親としてなってみて、やはり独身のときでは感じ得なかったこと、そういったものを感じながら皆さん方の質問にも耳を傾けるようになりました。今後はさらに、そういった経験を生かしながら一生懸命やりたいと思っております。御清聴をよろしくお願いを申し上げたいと思います。 それではまず、天草地域の防災についてお尋ねを申し上げます。 本年3月11日に発生をした東日本大震災においてお亡くなりになられた方々、また被災をされました方々に、私からも改めて心からお見舞いを申し上げます。 さて、今回の東日本大震災は、我が国に未曾有の被害をもたらし、また、その惨状を映像によって目の当たりにした我々は、これまで以上に防災に対する関心が高まり、またいつ何どき襲ってくるかわからない災害に対する準備の必要性を再確認させられました。 本県におきましても、今回の東日本大震災の教訓を踏まえ、本県で起こり得る地震及び津波による被害推計について再検討を行うとともに、それに伴う大規模かつ広域的な災害への対応体制や住民避難体制の見直し等を行うため、熊本県地域防災計画検討委員会が設置をされ、熊本県地域防災計画の見直しが行われております。 これと同様に、私の住む天草地域においても防災に対する住民の関心が高まり、市議会、町議会においても防災体制の見直し等が議論をされているところであります。 そのような中、よく話題に上るのが、もし大規模災害が発生をしたとき、天草五橋や瀬戸大橋が通行不能になった場合の対応の必要性であります。 御承知のように、天草地域は、天草五橋、瀬戸大橋で九州本土と結ばれており、これらの橋梁がかかっている国道が唯一の陸路移動の手段であり、平時の天草地域約13万人の生活は、これらの橋梁の安全通行なしには考えられないのが現状でございます。 昨年の年末、大雪の際、瀬戸大橋の通行ができなくなり、天草地域は、瀬戸大橋を中心に大渋滞が発生をし、地域交通は大混乱となりました。特に天草下島側は、通常5分程度で通り抜けることができる旧本渡市内のすべての道路に車があふれ、大混雑で、市内を抜けるのに数時間もかかるような状況でありました。 天草市においては、この大混雑した旧本渡市内に、天草地域振興局、天草市役所、消防署、警察署、さらには救急指定病院を含む医療機関等、災害が起きたときに中心となる機関が集中をしており、もし大災害が起きたとき、これらの機関が連携をとり、災害対応に機能を発揮することができるのか心配するのは、天草に住んでいる人では当然だと思いますが、いかがでしょうか。 そこでお尋ねですが、現在、天草市において、災害時に瀬戸大橋を初めとする橋梁が通行不能になった場合の災害対応を県とともに考えておくべきではないか、さらには、災害時に瀬戸大橋を初めとする橋梁が通行不能になった場合を想定した災害訓練も行っていた方がいいのではないかという議論が出ておりますが、もし市町村からそのような要請があった場合、県としてどのように対応を考えられるのか、知事公室長にお伺いをいたします 続きまして、天草五橋及び瀬戸大橋の保全の状況についてお尋ねをいたします。 本県においては、平成7年1月に発生をした阪神・淡路大震災後、地震などの災害発生時に重要な役割を果たす緊急輸送道路ネットワーク計画を策定し、これまで、緊急輸送道路上で対策を必要とする橋梁、県内191橋については道路防災総点検を実施し、対象橋梁の抽出、補修工事とあわせて、致命的な損傷、いわゆる落橋等を防止するための橋脚補強や落橋防止装置などの耐震対策を実施されております。 加えて、平成17年に、緊急輸送道路の橋梁耐震補強3カ年プログラムにより、国により新たな対策の手法等が示されたことを受け、さらなる橋脚補強及び落橋防止対策も行われているようでありますが、天草五橋及び瀬戸大橋は、特殊橋、長大橋であることから、構造特性や地盤状況等専門的な解析を実施し、個別に検討されていると伺っております。 前にも述べましたが、現在の天草地域約13万人の生活は、唯一の陸路移動のインフラである天草五橋、瀬戸大橋が安全に通行できることなしに考えられないわけでありますので、これらの橋梁の通行が不能になることがないように、橋梁の保全には万全を期していただきたいと願っております。 そこで、土木部長にお尋ねをいたします。 天草五橋及び瀬戸大橋の耐震性能はどうなのか、また、これまでどのような耐震対策がとられてきたのか、さらには、今後どのような対応を図る方針か、以上3点について御答弁をお願いいたします。  〔知事公室長松見辰彦君登壇〕 ◎知事公室長(松見辰彦君) 東日本大震災はもとより、ことし日本に襲来した台風や大雨による災害においても、全国で被災地が交通遮断などにより孤立する事例が発生しております。 県内においても、天草地域に限らず、大規模な地震等が発生した場合には、地形的な理由や道路交通事情などから、孤立する地域が発生する可能性があります。 このような事態が生じた場合、熊本県地域防災計画に基づき、県、市町村を初め多くの防災関係機関が連携して対応することとなっております。具体的には、まず情報伝達体制を確保するとともに、関係機関のヘリコプターや船舶等の出動要請を行い、初動に必要な現地情報の収集、人命の救助、救出、初期医療の提供、避難者の支援等を行うこととしております。 そして、これらの災害応急活動については、実際の災害時において円滑かつ効果的に実施できるように、平素から実動訓練や各機関との連携をシミュレーションした訓練を行うことが重要でございます。 このため、毎年、県総合防災訓練を実施するほか、各市町村でも独自に訓練を実施しております。 今後はさらに、天草地域のような幹線道路の通行不能による大規模な孤立地域の発生などを想定した対応訓練の実施も必要と考えておりまして、市町村からそのような事態を想定した避難計画づくりへの助言や訓練への参画について要請があれば、積極的に対応してまいります。  〔土木部長戸塚誠司君登壇〕 ◎土木部長(戸塚誠司君) 天草五橋と瀬戸大橋の耐震補強については、平成7年の阪神・淡路大震災を契機に、順次対策を進めてきたところです。これは、仮に大規模な地震で被災した場合でも、一部の損傷にとどめ、応急復旧によって速やかな緊急輸送の確保を図るものでございます。 これまでに、瀬戸大橋を初め、5号橋、1号橋、2号橋の対策を完了し、現在、3号橋、4号橋に取り組んでおります。具体的には、それぞれの橋梁特性に応じ、落橋防止装置の設置や上部構造、下部構造の補強などを行っております。 今後は、東日本大震災を踏まえた耐震補強基準の見直しなどの動向も注視しながら、必要に応じ対策を講じるとともに、定期的な点検、補修を行い、適切な維持管理に努めてまいります。  〔池田和貴君登壇〕 ◆(池田和貴君) ただいま知事公室長、土木部長の方から御答弁をいただきました。 知事公室長からは、地理的な理由や道路交通事情などから孤立する地域が発生する可能性があることから、災害復旧活動については、実際の災害時において円滑かつ効果的に実施できるように、平素から実動訓練や各機関との連携をシミュレーションした訓練を行うことの必要性が述べられました。また、大規模な孤立地域の発生などを想定した対応訓練の実施も必要と考えているという御答弁でございました。この辺は、私の質問の意図をしっかりととらえていただき、御答弁をいただき、心から感謝を申し上げたいと思っております。 防災の観点の中で、起きたときに一番必要なのは、もちろん住民の救助でございますが、現場で頑張っていただくのは、やっぱり市町村の皆さん方と連携をどう密にとっていくかということだろうというふうに思っております。ただ、災害がいつ起こるかわからない、また、同時多発性に起きたときは非常に混乱をするわけでございます。そういった意味では、今県の方で地域防災計画の見直しをしていただいておりますが、この地域防災計画の見直しというのは、こういうことが起こったとき、何か起こったときには、こういう対応をするということをあらかじめ決めていく基礎問題に対しての準備というようなところだろうと思います。 ただ、それだけでは足りずに、今私が質問をした内容は、ある意味、その地域防災計画が見直されたことをもとに、どういうふうに応用していくかという応用問題になると思います。こういった応用の問題は、今、天草地域、私が申し上げました天草地域だけではなくて、県内各地に小規模で孤立するところもあるでしょうし、もしかしたら、また大規模で孤立するような場所もあると思います。そういった意味では、日ごろからそういう応用問題に対して対応できる職員さん方の能力を鍛えていくこと、またそういった人たちが迅速に災害救助に当たられるようなことを日ごろから考えておくということが、私は重要だろうというふうに思っております。 そういった意味では、ぜひ、こういったシミュレーションを数多くこなしていただいて、実際の災害が起きたときに一人でも多くの人、県民を救助できるように準備をしていただきたいというふうに思っております。県の防災課の皆さん方のお話を聞いておりますと、今は、防災計画の見直しで、その基本的なところをつくるのに一生懸命であって、なかなかそこの応用部分まではまだ手が回らないような状況でございます。 要望でございますが、そういったときに関して、専門家の意見を聞きながら、各市町村と連携して研修を行うなどの準備もしていただければというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 また、土木部長の方からは、天草五橋と瀬戸大橋については、平成7年の阪神・淡路大震災を契機に順次対策を進めてきたという御答弁をいただいて、次の、今度進めようとされております3号橋、4号橋で一応すべてができるというような御答弁をいただいたところでございます。 こういったことを順次進めていただいたことに感謝を申し上げますが、ただ、1つ、部長の答弁の最後のところにもございましたが、国の方では、こういう耐震の基準については、大きな災害があったごとに耐震設計の基準、いわゆる技術的な部分の見直しが進められております。平成7年の阪神・淡路大震災に関しての直下型地震に対する耐震基準の見直しに沿って行われておりますが、しかし、今回の東日本大震災を含め、平成14年にも耐震設計の技術の見直しが実は行われております。この技術の見直しが行われる前に瀬戸大橋、また5号橋等は補修をされているわけでございます。今後も、こういった新しい技術提案があったときに、それに即しているかどうかきちんと確認をしながら、この私たち天草に住む者にとって唯一の交通の社会基盤である橋梁の安全性には気をつけていただきたいということを要望したいと思います。 続きまして、天草エアラインについて御質問をさせていただきたいと思います。 天草エアラインについては、平成21年3月に、熊本県、天草市、上天草市、苓北町、天草エアライン株式会社により、天草エアラインのあり方検討報告がまとめられ、天草エアラインの今後のあり方及び行政支援の方向性について報告がなされております。現在は、その天草エアラインのあり方検討会報告に基づき、県及び地元市町の支援を受けながら運航を行っているところであります。 検討報告によると、天草エアラインの就航は、福岡市へのアクセス時間の短縮はもとより、天草エアライン及び航空旅客により、熊本県に対し、1年間に約23億円もの経済波及効果があること、また、雇用環境の厳しい天草地域において163人の雇用を創出していること、誘致企業の利便性の確保及び新規企業誘致へのツールとして重要であること、観光において福岡や関西地域等の大都市圏からの誘客増加を図るために必要不可欠であること、さらには、医療用血液の搬送や、福岡地区から15名程度の医師が定期的に通勤をしており、医師不足に悩む天草地域のライフラインの一端を担っていることなどから、非常に多くの効果を天草地域にもたらしております。天草エアラインは、天草地域にとって必要不可欠な存在であり、運航継続が必要不可欠と結論づけられたところであります。 そして、安全かつ安定した運航の維持が可能な支援スキームを策定し、県と天草地域の地元市町が連携をし、機材維持費補助を現行の重整備等から安定運航に必要な機材整備費全般に拡充を行う機材整備に対する支援及び天草エアラインの厳しい資金繰りを緊急に支援するために、天草市において2億5,000万円の貸付制度を創設するという運転資金に対する支援等の行政支援を行うことが決定をされました。 地元天草市におかれましては、厳しい財政状況の中、機材整備に従来どおり県2、地元市町1の負担を行うことに加え、2億5,000万円の貸付制度を創設するという英断をもって、天草エアラインの維持のために非常な協力を行っていただきましたことに心から敬意を表するとともに、天草エアライン存続に対する並々ならぬ熱意を感じております。 また、県におかれましても、この地元市町の熱意に対しこたえていただき、支援策を行っていただいておりますし、県議会におかれましても、この支援策に御理解をいただいていることに地元議員として心より感謝を申し上げる次第であります。 さて、この天草エアラインのあり方検討報告にもありますように、天草エアラインの経営が苦しい要因の一つに、航空機材の経年劣化による整備費の増加があります。機材の劣化が進み、航空機材そのものの構造に問題が発生すると、この整備費がさらに増加するのではないかと心配をしております。天草エアラインでは、平成22年度に法に定められた国の構造検査を受けられましたが、その検査結果はどうだったのでしょうか。航空機材の状態はどうであったのか、検査結果に基づき、今後はどのような整備費用が想定されるのかについてお尋ねをいたします。 加えて、航空機材は、空港に待機しているときも飛行しているときも人の目に触れる注目を集める対象であり、広告塔としての役割が期待できます。現在大阪線も就航していることから、関西に向けての新たな広告塔として航空機材を活用するお考えはないのか、お尋ねをいたします。 以上2点について、企画振興部長より御答弁をお願いいたします。 続けて、知事にお尋ねをいたします。 阿蘇くまもと空港は、九州の真ん中に位置していることから、立地的に九州の東西南北すべての地域に満遍なく行くことができる地理的利便性を有しているのは皆様御承知のとおりであります。この利便性は、九州新幹線の全線開通を受け、観光業界等からもさらに注目をされていると伺っております。 そのような状況を受け、元参議院議員の木村仁先生が立ち上げられたシンクタンク、創造くまもとより、阿蘇くまもと空港をコミューター航空の拠点として活用する提案がされております。阿蘇くまもと空港から九州すべての空港に30分以内に行くことのできるコミューター航空ネットワークをつくることを考えたらどうかというものでありまして、これは、道州制導入後の州都を熊本にするための布石として非常に重要であるという御指摘がされているところでございます。そして、その航空ネットワークを運航する航空会社は天草エアラインを活用したらどうかということも提案をしていただいております。 蒲島知事は、よく夢を持つことの大切さをおっしゃいますが、この夢のような提案に対してどうお考えになりますか。知事の御所見をお伺いいたします。  〔企画振興部長坂本基君登壇〕 ◎企画振興部長(坂本基君) まず、航空機材の構造検査の結果についてお答えします。 天草エアラインでは、昨年7月と11月の2回に分けて、延べ175項目の構造検査を実施しました。 検査の結果、さびによるボルトの交換などの細かな修理は必要となったものの、機材に構造的な問題は見当たらず、状態はおおむね良好だったとの報告を受けております。 よって、当面は、引き続き丁寧に点検整備を行いつつ、現行機材を活用することが可能と考えております。 次に、機材の広告塔としての活用についてですが、エアラインでは、来年度に向け、機材整備の一環として、外部塗装の改修を検討しているところです。この機会をとらえ、熊本の魅力をアピールできる、あるいはエアラインの収入増につながるような機材の活用策について検討してまいります。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 熊本の空の玄関である阿蘇くまもと空港は、九州新幹線とともに、県全体の活力を支え、かつ牽引する役割を担う重要な交通基盤であり、その路線振興は重要な課題の一つです。 天草エアラインを活用した阿蘇くまもと空港を拠点とする九州内の航空ネットワーク構築の構想というのは、九州の中心に位置するという阿蘇くまもと空港の地理的優位性を活用した興味深い構想です。 しかしながら、この構想のもとで天草地域の交通利便性をどのように確保するのか、また、経済的に成り立つような航空ネットワークを構築することができるのか、さらなる研究が必要かと思います。 中長期的な天草エアラインのあり方については、阿蘇くまもと空港のハブ機能のあり方を含めて、今後とも検討してまいりたいと考えています。  〔発言する者あり〕  〔池田和貴君登壇〕 ◆(池田和貴君) 今議場からもありましたように、知事はこっちの方は見られなかったですね。 まず最初に、航空機材の構造検査結果と広告塔としての活用については、機材の状態はおおむね良好だったと、今後も整備をして使っていけるというふうな御答弁でございました。 ただやはり、ここで気をつけなければいけないのは、多分航空機というのは整備を続けていけば安全に運航することは可能だと思いますが、新しいものを買って、ローンで払っていく、また、リースをして、新しい機材を導入することと整備費とを比べてみて、整備費が高くなってしまえば、これは何もならないわけで、経済的耐用年数というふうに言うようでございますが、この経済的耐用年数と比較してどうかということも、今後やっぱり考えていかなければいけないことだろうというふうに思っております。 ただ、機材の状態はおおむね良好だったということは非常に喜ばしいことではございますので、安全運航に努めていただきたいと思っておりますし、また、機材を広告塔として活用する案も、来年外部塗装の改修を検討されているという御答弁でございました。ぜひこの機会をとらえて、すばらしいアピールができることをお願いします。 1つ提案ですが、もちろん、先ほど議場の方からも、くまモンを活用してどうかという話もありましたし、それも一つの考え方だと思います。もう一つは、天草エアラインの取締役に本県のアドバイザーをしていただいております小山薫さんも入っていらっしゃいます。小山薫さんの方にいろんなお知恵をいただいて、サプライズが起きるのも一つの考え方ではないかというふうに思いますので、いろいろ検討しながら、よりよい広告塔として活用できるようにお願いをしたいと思っております。 続きまして、知事については、非常に興味深い構想であるというふうには言ってはいただきましたが、ただやはり、現実的に超えなければいけないハードルがたくさんあるということで、今後さらなる研究が必要という御答弁でございました。 ただ、きょうの午前中の内野県議の質問の中で、やはり、新幹線の開業効果について、熊本が九州の周遊観光の拠点として非常に注目をされていて、それに対して頑張っていきたいという商工観光労働部長の御答弁もあったように、やはり熊本空港の立地的な利便性を生かしていくことというのは非常に考えるに値することだろうというふうに思っております。 今後は、さまざまな人の御意見を聞きながら、ぜひ、熊本が州都に向けてそういった条件を備える都市になるように、御努力をいただきたいというふうに思っております。 また、熊本空港については、9月の27日に、熊日新聞が、地元の新聞が1面で伝えましたように、中国大手の中国南方航空との交渉が進んでいるようでございます。そういった面もとらえて、熊本空港の利便性に対して、県として支援をしていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。 続きまして、次の広西壮族自治区との友好提携30周年への対応についてお尋ねをいたします。 蒲島知事は、本年度の組織改編で国際関係部署の強化を行うとともに、東アジアにおける活動拠点として、上海に熊本県、熊本市、熊本大学の3者で共同事務所を設置するなど、急成長するアジアをターゲットとしたビジネス展開等を全庁的に支援する姿勢を明確にされたところであります。 一方、来年は、本県と広西壮族自治区が友好提携を結んでから30周年の節目の年であります。私は、これまでの広西壮族自治区との友好提携関係をさらに深化させることも東アジアとの経済交流の一助となり得ると考え、広西壮族自治区との友好30周年についてお伺いをさせていただきます。 本県と広西壮族自治区は、1980年、故孫平化中日友好協会会長、当時は副会長でございますが、からの友好提携についての提案から交流が始まり、1982年5月に友好提携を結んでから来年で30周年となります。 1982年に友好提携を交わして以来、両県区では、友好訪問団の相互派遣、青少年交流、留学生や研修員の受け入れなどさまざまな分野で交流を積み重ねてきており、この友好関係は、上海で開催された2010中国国際友好都市大会において、それぞれ国際友好都市交流協力賞と対華友好都市交流協力賞を受賞するなど、中国国内でも評価を受けているところであります。 一方、友好提携当初は、中国でも発展途上地域であった広西壮族自治区は、2000年に経済特区となった後、2004年、温家宝総理の提唱により、中国とASEANの経済交流等を促進するための中国-ASEAN博覧会が毎年南寧市で開催されて以来、目覚ましい経済成長を続けております。さらに、2008年から、南寧市より区の南部に広がる地域を開発する北部湾経済区発展計画が中国政府に批准されるとともに、2010年1月からは、中国とASEAN諸国との間で93%の商品がゼロ関税となる中国―ASEAN間の自由貿易区が形成されるなど、今後も大きな経済成長が期待される地域へと変貌してきております。 本県においても、このような状況をとらえ、2010年7月には、蒲島知事が初めて広西壮族自治区を訪問し、経済、貿易及び観光分野等の交流をさらに推進する友好交流促進覚書を締結したばかりでなく、10月には、南寧市の中国・ASEAN国際ビジネスエリアの日本園内に広西・くまもとプラザを設置し、本県の観光、物産の情報発信や熊本ゆかりの方々との交流拠点として開設されたところであります。 また、これまで、広西壮族自治区から本県に国際交流員、県費留学生、病院や企業等への研修生としてこられた人たちが、帰国後、広西壮族自治区内の行政、大学、病院、企業等で活躍されてきていると聞いております。 中国では、水を飲む人は井戸を掘った人への恩を忘れないという言葉どおり、広西壮族自治区の方々は、本県との交流関係を非常に大切に考えていると伺っており、今後の広西壮族自治区との交流は、知事の目指す稼げる県の一助となる可能性があるのではないかと私自身考えております。 中国は、節目節目の行事を大切に考え、その行事遂行に当たっては、将来に向け戦略的に考える文化があると思います。そういう観点から、私は、来年の広西壮族自治区との友好30周年の記念行事をただの一過性の行事としてとらえるのではなく、知事の目指す稼げる県の一助となる可能性をさらに確かなものにするために、知恵を絞るべきだと思いますが、いかがでしょうか。 そこで、来年の広西壮族自治区との友好30周年の記念行事はどのようなことを行うつもりなのか、知事にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 来年で本県との友好提携30周年を迎える広西壮族自治区は、中国政府が進める西部大開発の重要拠点であります。また、ASEAN諸国への窓口としても位置づけられております。 一昨年、昨年と現地を訪れましたが、ダイナミックな経済発展とそのスピード感に圧倒されました。人口は約5,000万人、周辺地域も含めれば数億人の巨大マーケットであり、その経済的潜在能力は高く、さまざまな分野での経済交流が期待できます。 その発展ぶりを目の当たりにして、広西を友好提携先に選ばれた先人たちの先見性に感銘を受けるとともに、その後長年にわたり交流に携わってこられた関係者の皆様の御努力に感謝申し上げたいと思います。 県では、現在、中国-ASEAN博覧会の出展や広西・くまもとプラザでの活動を通じ、県産品の販路開拓や観光PRなどを行っています。 また、今月、広西壮族自治区のトップである郭書記が本県を訪問されました。そこでさまざまな意見交換を行いました。そして、今後より一層活発な経済交流を行っていくことをお互いに確認したところであります。 広西においては、来年7月、本県を初めとした友好提携先を招聘して、広西国際友好都市交流大会が開催される予定です。この機会をさらに交流の拡大につなげるため、県としてもぜひ参加したいと考えております。 さらに、友好提携30周年を機に、これまでの取り組みに加えて、具体的なビジネスの進展に結びつく新たな取り組みについて、広西壮族自治区等、関係者とも協議しながら行ってまいりたいと思います。  〔池田和貴君登壇〕 ◆(池田和貴君) ただいま知事の方からは、さらなる経済交流が期待をできるということで、広西壮族自治区の郭書記とも一層活発な経済交流を行っていくことを確認されたということと――ただ、30周年については、まだ具体的にはどういうことをするというお答えはいただけませんでした。 私、知事の御答弁の中にもあったように、広西壮族自治区では、既に、来年の7月には友好提携先を招聘して広西国際友好都市交流大会を開催するように、もう実は動いております。そういった意味では、やはり中国の広西壮族自治区の皆さん方は、もう既に、30周年に向けて、次をにらんだ動きをもう既に始めていらっしゃるということでございます。広西壮族自治区自体が、面積も本県の32倍もありますし、人口に至っては5,049万人と、非常に本県と比べるとかなり大きな行政体でありますので、多分行政組織も本県よりもずっとずっと多くて、人もたくさんいるんだろうと思います。そういった行政体の大きさの違いはあると思いますが、ある中で、うちの国際課の人たち、お話を聞いてみますと、一生懸命努力をしている跡が実はうかがえます。ただ、ぜひこういった、今まで積み上げられてきた歴史というのは、どんなものにもかえがたい、ほかの人たちがそのかわりをしようと思っても、それのかわりになるものはないわけですから、これは熊本県の本当の強みだろうというふうに思っております。これを、今後上海で事務所も出されますが、友好的に連携できるようなことも考えていただきたいと思っておりますし、ただ、中国のビジネスについては、いい報道ばかりではなくて、非常に厳しい面があることもございます。経済体制の――国の体制も違いますし、失敗をした事例もたくさん伺っております。 その中で、今回の9月定例県議会で藤川議員が質問されましたように、台湾の皆さん方と協力をして、そこにやっていくということも選択肢として考える必要がありますし、もともとASEAN地域自身は、日本に対して非常に友好的な国が多いところでございます。そういったところから93%の商品が無税で中国に入るという状況ができているわけでございますから、そういった方面との連携も考えながら、ぜひ、熊本県としては、県内企業を支援していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 続きまして、多重債務者生活再生支援事業についてのお尋ねに移りたいと思います。 私は、平成21年11月定例県議会において、熊本県弁護士会からの改正貸金業法の完全施行に向けた消費者向けセーフティーネット貸付制度の創設を求める請願書を全会一致で採択されたことを受け、多重債務者に対するセーフティーネット貸付制度の創設をすることを提言させていただきました。 このセーフティーネット貸付制度の対象は、過去において信用情報機関に事故情報が登録され、金融機関から借り入れが困難になっている方で、生活再生に意欲があり、返済能力があると認められた方です。その対象の中には、市町村民税課税世帯のため、生活福祉資金制度の貸し付け対象とはならない人も含みます。これらの人は、過去の多重債務等の問題から立ち直り、生活を再生させたにもかかわらず、過去において信用情報機関に事故情報が登録されていることから、子供の入学金や入院費など、一時的な生活資金が発生しても、金融機関からその資金を借りることができないため、再び消費者金融ややみ金融から借りざるを得なくなり、再び多重債務に陥る可能性が高くなるのであります。市町村民税を払えるぐらい所得を得ることができるように立ち直ったがゆえに、セーフティーネットである生活福祉資金制度を活用できずにあえいでいる人々であります。 私は、このように制度から漏れた人々に対するセーフティーネットを構築し、再び自力で生活できるように支援することが必要であり、多重債務者問題の解決のためには、これまでの債務整理に向けた支援だけではなく、直接面談による生活再生に向けた助言を行うとともに、債務整理をした後に安定した生活を維持し、再び多重債務に陥ることがないように生活再生を支援していくことが必要だと考えているのであります。 県におかれましては、これらの事情を御理解いただき、平成22年6月より、多重債務者対策の実績を持つグリーンコープ生活協同組合くまもとに委託をし、多重債務者生活再生支援事業を開始されたと伺っております。 この事業は、多重債務者の生活再生に向け、直接面談による相談を行うとともに、債務整理後及び債務整理中の生活再生中に一時的な生活資金が必要な場合は、家計診断を行った上で貸し付けを行い、その後は生活指導を継続しながら再び多重債務に陥ることがないようにフォローをしていくという、債務整理から生活再生まで一貫した支援を行う事業であります。 私は、このように、全国的に見ても先進的で非常にすばらしい取り組みを推進されたことを評価するものであります。そして、今現在、事業開始から1年以上が経過したわけですが、この多重債務者生活再生支援事業は、多重債務者の救済策としてどのように機能したのかをお聞かせ願いたいと思います。あわせて、この多重債務者生活再生支援事業が開始されてからの相談状況はどのようであったのか、また、その相談を受けた後はどのような対応になったのか、さらには、この1年の経過を踏まえ、改善すべき点や新たに取り組む点はあったのか。 以上4点について、環境生活部長にお尋ねをいたします。  〔環境生活部長谷﨑淳一君登壇〕 ◎環境生活部長(谷﨑淳一君) まず、多重債務者生活再生支援事業が多重債務者の救済策として果たしている機能についてでございますが、相談から生活再生までの一貫した支援を行うことによりまして、多くの方々が、債務整理をされたり、新たな暮らしをスタートされております。 その相談状況につきましては、昨年6月の事業開始からこれまでに、電話による相談が1,819件、面談による相談が963件となっております。このうち、その後に行う弁護士を交えた相談は168件に上っております。また、生活再生のための貸し付けの実績については、現在までに126名、約6,800万円となっております。 次に、相談後の対応につきましては、債務整理を行うだけでなく、その後も継続的に家計管理指導を行うとともに、市町村、社会福祉協議会、商工会議所やハローワーク等と連携を図って、相談者が置かれた状況に応じた支援を行っております。 最後に、改善すべき点及びその対応につきましては、2点申し上げます。 1点目は、潜在的な多重債務者がおられることが予想されることから、県民へのさらなる周知を図ることでございます。事業開始から1年以上を経過し、県民にも徐々に認知されてきたところではございますが、さらに広報、啓発に力を入れてまいります。 2点目は、多重債務者の救済のための行政機関内の連携強化でございます。そのためには、市町村の徴収部門や福祉部門の職員に消費生活相談行政への理解を深めていただくことが必要でございます。そこで、市町村職員を対象に研修会を開催することといたしております。 今後も、本事業を初め、多重債務に関するさまざまな施策を推進するとともに、関係団体や弁護士会等とも密接に連携し、多重債務に苦しむ県民の支援を図ってまいります。  〔池田和貴君登壇〕 ◆(池田和貴君) ただいま環境生活部長から、るる答弁をいただきました。 やはり県が想定した以上に相談件数が多かったというふうに新聞報道でもございましたように、電話による相談がやっぱり1,819件、面談による相談が963件、弁護士を交えた相談が168件、生活再生のための貸し付けについては現在126名ということでございます。やはり私たちが考える以上にこういったことで困られている方々というのは多いんじゃないかというふうに思っております。 さらに、先ほど質問の中でも申し上げましたが、立ち直ったがゆえに、今の社会のセーフティーネットである社会福祉資金を借りることができないとかという人たちがいらっしゃいます。この貸し付けをされた方の状況を、私もグリーンコープさんの生活相談室の方に出向いてお話を伺ってまいりました。どういったもので利用されたかというのを見てみますと、例えば、義理の母の入院費と水道修理費用ですとか、高校の制服費用、交通違反の罰金費用、高校入学費用、結婚式費用、親戚、友人への返済、税金滞納費と生活費、家賃滞納と生活費、車税2年分、交通事故反則金、もろもろですね、本当に、ちょっとしたことで、ちょっとしたお金を借りられないがために、また法外な金利を払わざるを得なくなる立場に追い込まれている人たちが出てくるということになるんではないかというふうに考えております。 今、生活保護が約3兆円を超えたということでございます。せっかく立ち直った方が、こういった支援がないために、また生活保護にならざるを得ないような状況を生み出していくことも考えますと、私は、この事業で、一回立ち直られた方ですから、きちんと支援をしていくと、まじめにまた頑張っていただけるというふうに思っております。 この事業については、事務費の補助をして、制度をグリーンコープくまもとさんに委託をされているところでございます。この予算が、基金を使った予算を活用されているということでございますので、必要という認識はありながらも、その基金がなくなったときにこの事業を続けるかどうかということは、やはり決断をする必要が出てくるんではないかというふうに思います。ぜひ、私といたしましては、この事業は継続すべきだというふうに思いますので、その辺よろしくお願いを申し上げまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。 続きまして、改正有明海・八代海再生特別措置法についてお尋ねをいたします。 有明海・八代海再生特別措置法は、有明海におけるノリの不作等を受け、海域の環境保全や水産資源回復を目的に、2002年に自民党、公明党が議員立法で成立をさせた法律であります。 しかしながら、当初の目的である海域の環境保全や水産資源回復は道半ばであることから、本県や漁業関係者等の強い要望を受け、有明海・八代海再生特別措置法の改正案がさきの国会において可決、成立をいたしました。 この改正において、覆砂や藻場造成等の環境保全事業に対する国庫補助の補助率引き上げの10年間の延長、橘湾及び牛深町周辺の海域を加えた対象海域の拡大、赤潮被害等を受けた漁業者への被害救済対策等の強化、国及び関係県による調査事項の追加、有明海・八代海総合評価委員会の所管事務の見直し等が行われることになりました。 特に、対象海域に牛深町周辺の海域を加えた上で、赤潮被害等に関する規定、第21条で、国及び地方公共団体は、代替となる養殖漁場等の施設整備、赤潮の除去に係る措置の実施等に対する支援その他有明海及び八代海等の海域における赤潮等による漁業被害を回避するための必要な措置を講ずることとされ、第22条で、国は、赤潮等により著しい漁業被害が発生した場合においては、漁業者の損失補てんその他必要な措置を講じること、さらには、漁業者以外の関係事業者等の救済について、事業の再建に対する支援、雇用機会の確保その他必要な措置を講ずること等が明記されたことは特筆すべきことだと考えます。 ここ数年赤潮被害に苦しめられた養殖業関係者にとって、今回の改正によって、赤潮被害に対して法律が整備されたことは朗報であると思いますし、被害に遭った養殖漁業関係者の方々には、ぜひとも再起に向け頑張っていただきたいと願うばかりであります。また、県の執行部におかれましても、最大限のバックアップをお願い申し上げます。 そこでお尋ねでありますが、この法改正を受けて、県として今後どのように赤潮被害対策に係る取り組みを行っていかれるつもりなのか、農林水産部長にお尋ねをいたします。 また、今回国庫補助率の引き上げが延長され、その対象海域が橘湾まで拡張されたことにより、天草市の五和町地先及び苓北町地先も加わることになりました。今まで天草市の五和町地先及び苓北町地先は非常に海藻が豊富な漁場であり、その海藻をとる素潜り漁業が盛んで、若い漁業者が多い地域でありました。しかしながら、近年は藻場の喪失による不漁に悩まされ続けており、漁業経営の存続が危ぶまれるような状況であります。このような状況から、地元では、今回の改正により、海域の環境保全や水産資源回復に向けた新たな施策が行われることへの期待が高まっております。 そこで、今回国庫補助率の引き上げが延長されたこと、また、その対象地域として天草市の五和町地先及び苓北町地先等が新たに加わったことを踏まえ、県としてどのような施策を考えているのか、あわせて農林水産部長に答弁をお願いいたします。  〔農林水産部長福島淳君登壇〕 ◎農林水産部長(福島淳君) まず、赤潮被害対策に係る取り組みについてですが、昨年度の約16億円に上る赤潮被害を受け、県では、地元市及び国と連携し、死魚処理や中間魚購入に対する緊急支援などを行いました。また、養殖生けすの大型化などによる被害低減の実証試験を行い、今後、その効果について検証を行うこととしております。 今回の法改正により、赤潮被害対策が明示されたことから、万が一被害が発生した際には、実証試験の検証結果も生かしながら、タイムリーに対策を講じてまいります。 次に、国庫補助率の引き上げ措置の期間延長及び対象海域の拡張を踏まえた対策についてですが、これまでも、有明海や八代海において、干潟の漁場環境を改善する覆砂、稚魚の育成場となる藻場造成等を実施してきました。その結果、アサリやマダイなどの資源の維持、増大に一定の効果が見られています。 今回の法改正を受け、今後とも、覆砂や藻場造成などを推進するとともに、新たに対象範囲となった天草市五和地区、苓北町地先などの海域においても藻場造成計画等を検討するなど、県内各漁場の生産力の向上を図ってまいります。  〔池田和貴君登壇〕 ◆(池田和貴君) ただいま農林水産部長からは、赤潮被害対策、赤潮被害が起きた際にはタイムリーに対策を講じていくという御答弁をいただきました。 もちろん、この改正案の中には赤潮被害を防止するための施策もありますので、まずは赤潮被害が起きないようにやっていくことが私は非常に重要だろうと思っておりますし、その部分は、私は同じような気持ちでいらっしゃるというふうに思っております。 また、法に書き込んでいただいたことによって――昨年は、死魚の処理や中間魚購入に対する緊急支援等を行ったという答弁がございましたが、これは県の一般財源を使って行ってまいりました。ただ、法律に書き込まれたことによって、これですね、今後国の支援が期待をできるんではないかというふうに私は思っておりますし、やはり、今まで国は、想定をしていなかった、赤潮被害に対する支援等は考えていなかったということをよく聞いておりますので、やはりどういう支援が必要かというのは、私は今まで苦労してきた熊本県が一番よく知っているんだろうと思っております。昨年緊急的にやっていただいた施策をよく検証しながら、国の方にはそういった現場に即した意見をきちんと伝えて、今回の法改正が十分に生かせるように、熊本県として努力をしていくことをお願い申し上げたいと思っております。 また、海域の拡張に伴い、天草市の五和地区や苓北町地先の海域においても藻場造成計画等を検討するなど、県内各漁場の生産力の向上を図っていくという御答弁をいただきました。現在、水産研究センターとともに、この藻場造成のための実験等もやっていただいて、少しは状況はよくなってきているようでございますが、やはりこの藻場造成事業に対する地元の期待というのは非常に多いものがございます。関係者との意見調整が必要かと思いますが、ぜひとも御尽力をいただきたいと思っております。 また、今回のこの法改正案については、実は、本県の金子恭之代議士が、もう3月ぐらいから自民党内でプロジェクトチームを組んで御尽力をいただいて、7月1日の新聞報道にもありますように、今回の国会の方に、公明党、たちあがれ日本とともに共同提案という形で、議員提案で法律の改正を進めていただきました。この場をかりまして、金子恭之代議士を初めとする皆様方に、心から敬意を表したいと思います。 最後に、全国豊かな海づくり大会について要望を申し述べさせていただきます。 全国豊かな海づくり大会について、平成25年秋の開催に向けての議論が開始をされました。9月5日には、全国豊かな海づくり大会の開催準備を円滑に推進するため、第1回目の全国豊かな海づくり大会準備委員会が開催されたところであります。 この準備委員会は、全国豊かな海づくり大会の開催候補地の選定及び基本構想案の策定等を行うもので、これらの目的が決定された暁には、全国豊かな海づくり大会熊本県実行委員会にその後の対応が引き継がれることとなっております。 私も、農林水産常任委員長として、この準備委員会に出席したところでありますが、特に、候補地選定において、各地域からさまざまな御意見が出され、候補地選定についての結論及び行事行程案については、次回以降の準備委員会に持ち越されたところであります。 このことは、本県の特色ある水産業の魅力を全国に向かって発信するとともに、水俣病の教訓、水俣の海の再生を広く理解していただくという基本構想案にも示された本県における全国豊かな海づくり大会の開催意義を各地域とも理解はしつつも、天皇陛下の行幸啓に浴する機会を地域振興の契機ととらえ、次代の地域水産業の振興につなげたいという各地域の期待のあらわれであると私は理解したところであります。 私の住む天草地域は、県内でも有数の水産業を主体とする地域であることから、天草市長を初め、天草市議会、牛深地域再生懇談会、天草郡市漁協組合長会から、式典行事または放流行事をぜひ天草でも開催してほしいとの要望が行われております。天草で行ってほしいということではございません。天草でも行ってほしいということでございます。 この全国豊かな海づくり大会の会場選定においては、豊かな海づくり大会推進委員会からの行幸啓に関する情報等により考慮すべき条件が多々あるところではありますが、有明海、八代海、天草灘という3つの特色ある海域の水産業の健全な発展に資する大会となるよう、また、県内各地域の期待を最大限取り入れられるよう御配慮をお願い申し上げます。 以上、この要望が終わりまして、私の一般質問、すべて終了をいたしました。皆様方には御清聴をいただきましてまことにありがとうございました。 今回の定例議会、例年ですと、8月末に概算要求基準が発表されて、もう少し次の年に向けた議論も活発に行われるんですが、ことしは、大震災の影響もあって、9月30日に概算要求基準がずれ込むなど、なかなか難しいところもございました。ただ、残された議会を一生懸命、議員の皆様方とともに頑張らせていただきたいと思っております。 これをもちまして私の一般質問を終結いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(馬場成志君) 以上で通告された一般質問は全部終了いたしました。 これをもって一般質問を終結いたします。    ――――――○―――――― △日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第47号まで) ○議長(馬場成志君) 次に、日程第2、目下議題となっております議案第1号から第47号まで等に対する質疑を行います。 質疑の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は1人10分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願います。 松岡徹君。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 日本共産党の松岡徹です。 知事に対して、水俣病問題について質疑を行います。 知事は、議案説明、最近の県政の動向の中で、水俣病問題について「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法に基づく救済制度の周知徹底を図るとともに、申請者の診断や判定の円滑な実施に精いっぱい努めてまいります。」と述べられました。 水俣病問題は、ノーモア・ミナマタ訴訟における和解による約3,000人の救済、さらに特措法に基づく申請者は、熊本県、鹿児島県合わせると約5万人近くに及んでおります。2004年の最高裁判決後、さまざまな困難を乗り越え、被害者救済の道が切り開かれ、多くの水俣病被害者が救済されることになりました。 同時に、これで水俣病問題は終わるのか、全面解決になるのでしょうか。特措法に基づく申請者は引き続き継続しており、8月も、熊本、鹿児島両県で800名近くに及んでいます。和解合意後も、検診を求める人は後を絶つどころかふえ続けており、水俣病医師団関係でも、検診済み及び予定者が1,000名にもなっております。 水俣病特措法は、前文で「関西訴訟最高裁」「判決を機に、新たに水俣病問題をめぐって多くの方々が救済を求めており、その解決には、長期間を要することが見込まれている。 こうした事態をこのまま看過することはできず、公害健康被害の補償等に関する法律に基づく判断条件を満たさないものの」「救済を図ることとする。」とし、第3条では「救済を受けるべき人々があたう限りすべて救済されること及び関係事業者が救済に係る費用の負担について責任を果たすとともに地域経済に貢献することを確保することを旨として行われなければならない。」とうたっております。 知事は、こうした点も踏まえて、水俣病問題の現状と見通しについてどのように認識され、役割を果たそうとしておられるのでしょうか。 特措法7条2項は、救済開始後3年を救済対象者確定のめどとしていますが、状況からするならば、また公式確認から半世紀以上たっても潜在患者が多数残されている事態からして、3年というのは実際上は不可能ではないかと思います。救済期限については柔軟に対処するよう国に働きかけるべきかと考えますが、いかがでしょうか。 特措法12条3項3号では、チッソ、事業会社の株式の譲渡に対する環境大臣の承認の条件として「株式の譲渡の後に債権者の一般の利益が害されることがないこと。」としています。チッソの水俣病関連債務総額確定前の株式譲渡はこれに沿わないもので、認められないものだと考えますが、いかがでしょうか。 知事に伺いたいと思います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 水俣病被害者の方々の救済については「救済を受けるべき人々があたう限りすべて救済されること」を旨とすると特措法に規定されており、県として最大限の努力を行っております。 このため、まず、救済を受けるべき人々が今般の救済制度を知らなかったということがないよう、広報に力を入れてまいりました。現在の申請数は、こうした取り組みの成果でもあると認識しております。水俣病問題の解決に向けて、引き続き、健康被害を心配される多くの方々に申請していただくよう、周知に努めてまいります。 次に、救済期限については、閣議決定された救済措置の方針に、平成23年末までの申請状況を被害者関係団体とも意見交換の上十分に把握し、申請受け付けの時期を見きわめるとされています。このため、国は、特措法にのっとり、被害者団体の意見を聴取の上、しっかりと状況分析をされ、その時期を判断されるものと考えております。 最後に、チッソ、事業会社の株式譲渡についてお答えします。 事業再編や事業会社の株式譲渡のいかんにかかわらず、チッソが、水俣病の原因企業として、将来にわたる補償責任を完遂することは当然のことであると認識しております。 現時点では、法律上、株式譲渡は救済の終了及び市況の好転まで暫時凍結されており、将来的な課題と認識しております。株式譲渡の承認は、環境大臣が総務大臣、財務大臣と協議し判断されますが、県としては、必要に応じて、国に対して意見を述べてまいる所存であります。 先日の西岡県議の代表質問でお答えしましたとおり、水俣病問題の解決には、被害者救済のみならず、患者の方々の日常生活の支援が必要であります。あわせて、地域の再生、振興も図っていかなければなりません。 県としましては、これらについて、国や地元と連携を図りながら、引き続き精いっぱい取り組んでまいります。  〔松岡徹君登壇〕 ◆(松岡徹君) 知事から、精いっぱい取り組んでまいるという決意をいただきました。 御承知のように、2004年10月15日、関西訴訟最高裁判決は、国と県の責任を断罪すると同時に、1977年の判断条件よりも広い形で水俣病として認めて救済する、そういう判断条件を示したわけです。 この最高裁判決を受けて、水俣病としての救済を求める人たちの大きな広がりがありました。与党PT案とかさまざまなこれに背を向ける動きもありましたが、水俣病被害者の皆さんの闘いによって事態は大きく前進をし、ノーモア・ミナマタ訴訟は和解合意で解決し、特措法に、今もお話があったように、あたう限りすべての救済という立場に立って、水俣病被害者の救済としては、一時金、医療費、療養手当の3点セットで救済するという、そういう制度が盛り込まれることになりました。 ○議長(馬場成志君) 残り時間が少なくなりましたので、発言を簡潔に願います。 ◆(松岡徹君) (続) 水俣病問題は、公式確認から半世紀以上がたちます。私が最初に水俣病にかかわってから早いもので42年たちます。いろんなことがありましたが、振り返って考えますと、第3次訴訟あたりから、チッソ、国、熊本県という加害者3者の中で、熊本県の役割の変化を見ることができます。事態を前に進めるために、熊本県が重要な役割を果たす場面が数々ありました。細川知事、福島知事、潮谷知事それぞれが、その段階に応じて役割を果たすために努めてこられたと思います。 私は、今、蒲島知事に求められているのは、今度こそ水俣病を全面的に解決する、そのために、すべての水俣病被害者を一人残らず救済する、健康調査の問題も含めて一生懸命頑張って、そして熊本県政、日本の公害史の中に蒲島郁夫という名を残していただくことを強く願いまして、私の質疑を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 ○議長(馬場成志君) 荒木章博君。  〔荒木章博君登壇〕 ◆(荒木章博君) 無所属の荒木章博でございます。 熊本市選出の議員として、いよいよ待望久しかった政令熊本市が、全国で20番目、九州で3番目の政令都市となるわけであります。知事は、100年に1度のビッグチャンス、熊本市の政令都市移行にあわせて、熊本県全体の浮揚を上げられておられます。本年3月、九州新幹線は全線開業いたしましたけれども、チャンスをいただきましたけれども、今のところその効果は全県には及んでいない実情でもあります。今後のビッグチャンスを失することがないようにしなければならないわけであります。 これまでも強烈に県政を引っ張ってこられた知事には、これからの県勢浮揚についてもこれまでの道筋を確かなものにすること、この行く末を見定めていく責任があると思います。 8月2日に開催されたくまもと未来会議では、知事は、熊本の未来を考えるとのテーマについて「今後は全体的に道州制の方に進むとすれば、」「熊本の州都化ということを言い続け、夢の政治学、そして県民と共に夢を求めていきたいと思っています。」と発言をされています。 このように、多くの県民が知事への期待を膨らませる中、知事本人も、至るところで、県勢の浮揚に対してこの決意の一端を述べられているところであります。 県民が、これから意欲と希望を持ってこのビッグチャンスに取り組んでいくためには、知事の決意が不可欠であると思いますので、県勢浮揚に向けての県政のリーダーとしての決意をお聞かせください。それと、これからの熊本市の政令市後のやっぱり取り組みはいかがなるものでしょう。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 熊本市の政令市移行とその発展は、九州新幹線の全線開業と相まって、県勢の浮揚、そして将来の州都につながるものと考えています。 そのため、県としては、熊本都市圏の拠点性の向上とともに、ハブ機能の強化を図ってまいります。また、各市町村や地域住民の自主的な地域づくりを後押しするとともに、産業振興や交流拡大につながる広域的な取り組みや基盤づくりに力を入れてまいります。 代表質問でお答えしたとおり、私は、任期の最後の最後まで120%の力で走り抜いて、このビッグチャンスを県勢の浮揚につなげていきたいと思っています。  〔荒木章博君登壇〕 ◆(荒木章博君) ハブの拠点として今後取り組んでいかれるということで、非常に私も心強く、決意を聞きまして、思っております。しかし私は、市政がひとり歩きをするようなことになっては私はならない。政令市になることも大変すばらしいことですけれども、その後のやっぱり県政の知事のリーダーシップで取り組んでいかなければ、やっぱりここにありますとおりに、精神保健福祉センターの設置に関する件、国・県道の対応の件、そして教育行政の教職員の採用、異動、給与につきましても、市政が取り組むわけであります。 私は、ある市政の幹部の方と話す機会がありましたが、9月議会で、知事は、ビッグチャンスと言いながら、出馬の保留をされたということは意外だった、ある人間は、知事がかわろうと続けられようと、淡々と熊本市はやっていくんだということを述べられました 私は、これを聞いたときに、やっぱり知事がリーダーシップをとって政令市を見据え、やっぱりリーダーとして、混迷の日本が時代を選ぶものではなく、時代が選ぶもの、そういう答弁ではなくて、私は、今からもう、選挙戦の日程を見てみますと、一番最短で2月の29日に知事はこの席から出ていかなきゃいけない。3月1日から告示がある、こういう短い時間になったときに、もう4カ月とちょっとなんです。だから、いち早く表明をして、熊本市をどういうふうな政令市として取り組むんだ、そういうリーダーシップを出していただかなければ私はならないと思います。 また、宮本武蔵先生の言葉もありましたけれども、万里一空の境地を越えたならば、実相円満之兵法逝去不絶という言葉があります。やっぱり知事が残した一つの、また、これから、未来からのこの取り組みは、私は、二天一流、兵法をする者として、この兵法ではありませんけれども、政治でありますけれども、やっぱり今後残して、立派な政令都市を迎えることができ、そしてまた、その政令都市をやっぱり導いて今後もいかれるようなことで取り組んでいただきたいといち早くお願いをしながら、質疑を終わらせていただきます。終わります。 ○議長(馬場成志君) これをもって質疑を終結いたします。    ――――――○―――――― △日程第3 知事提出議案委員会付託(第1号から第47号まで) ○議長(馬場成志君) 次に、日程第3、目下議題となっております議案第1号から第47号までにつきましては、さきに配付の平成23年9月熊本県定例県議会議案各委員会別一覧表のとおり、所管の常任委員会にそれぞれ付託して審査することといたします。  〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― △日程第4 請願の委員会付託 ○議長(馬場成志君) 次に、日程第4、今期定例会において受理いたしました請願は、議席に配付の請願文書表のとおりであります。 これをそれぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔請願文書表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― 知事提出議案第69号 教育委員会委員の任命について ○議長(馬場成志君) 次に、お諮りいたします。 知事提出議案第69号が提出されましたので、この際、これを日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(馬場成志君) 御異議なしと認めます。よって、知事提出議案第69号を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。 知事提出議案第69号を議題といたします。  ――――――――――――――――― 第69号 教育委員会委員の任命について  ――――――――――――――――― ○議長(馬場成志君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案第69号に対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(馬場成志君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。    ――――――○―――――― △日程第5 休会の件 ○議長(馬場成志君) 次に、日程第5、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。 明30日は、議案調査のため、10月3日は、各特別委員会開会のため、4日及び5日は、各常任委員会開会のため、6日は、議事整理のため、それぞれ休会いたしたいと思いますこれに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(馬場成志君) 御異議なしと認めます。よって、明30日及び10月3日から6日までは休会することに決定いたしました。 なお、10月1日及び2日は、県の休日のため、休会であります。    ――――――○―――――― ○議長(馬場成志君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、来る10月7日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第7号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時34分散会...