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  1. 熊本県議会 1988-02-01
    02月29日-01号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    昭和63年 2月 定例会┌──────────────────┐│  第 一 号(二月二十九日)   │└──────────────────┘ 昭  和 六十三年  熊本県議会二月定例会会議録   第一号──────────────────────────昭和六十三年二月二十九日(月曜日)   ――――――――――――――――――――   議事日程 第一号  昭和六十三年二月二十九日(月曜日)午前十時開議 第一 議席の一部変更 第二 会議録署名議員の指名 第三 会期の決定 第四 知事提出議案の上程(第一号から第六十八号まで) 第五 知事の説明 第六 人事委員会の意見 第七 常任委員会に付託(第一号から第十七号まで及び第四十五号から第五十二号まで) 第八 議員提出議案の上程(議員提出議案第一号) 質疑 討論 議決 第九 休会の議決   ――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第一 議席の一部変更 日程第二 会議録署名議員の指名 日程第三 会期の決定 日程第四 知事提出議案の上程(第一号から第六十八号まで) 日程第五 知事の説明 日程第六 人事委員会の意見 日程第七 常任委員会に付託(第一号から第十七号まで及び第四十五号から第五十二号まで) 日程第八 議員提出議案の上程(議員提出議案第一号) 質疑 討論 議決 日程第九 休会の議決      ―――――――○―――――――出席議員(五十五名)                 大仁田 貞 夫 君                 松 村   昭 君                 高 野 誠 一 君                 水 野 秀 昭 君                 吉 本 賢 児 君                 村 上 寅 美 君                 草 村   照 君                 久 保 立 明 君                 福 村 三 男 君                 鬼 海 洋 一 君                 本 田 良 一 君                 前 田 貞 治 君                 池 田 貞 俊 君                 小早川 宗一郎 君                 前 畑 淳 治 君                 野 田 将 晴 君                 荒 木 詔 之 君                 島 田 幸 弘 君                 島 津 勇 典 君                 大 西 靖 一 君                 岩 下 榮 一 君                 中 島 絹 子 君                 中 島 隆 利 君                 倉 重   剛 君                 山 本   靖 君                 渡 辺 知 博 君                 西 岡 勝 成 君                 深 水 吉 彦 君                 阿曽田   清 君                 三 角 保 之 君                 山 本 秀 久 君                 永 田 健 三 君                 堀 内 常 人 君                 八 浪 知 行 君                 鏡   昭 二 君                 髙 田 昭二郎 君                 古 閑 一 夫 君                 大 森   豊 君                 馬 場 三 則 君                 古 閑 三 博 君                 平 川 和 人 君                 北 里 達之助 君                 金 子 康 男 君                 広 瀬 博 美 君                 柴 田 徳 義 君                 米 原 賢 士 君                 永 田 悦 雄 君                 小 材   学 君                 八 木 繁 尚 君                 幸 山 繁 信 君                 池 田 定 行 君                 水 田 伸 三 君                 小 谷 久爾夫 君                 今 井   洸 君                 酒 井 善 為 君欠席議員(なし)   ――――――――――――――――――――説明のため出席した者          知事     細 川 護 熙 君          副知事    山 内   新 君          出納長    伴   正 善 君          総務部長   佐 藤 達 三 君          企画開発部長 五 味 廣 文 君          福祉生活部長 小 澤   豪 君          衛生部長   星 子   亘 君          公害部長   佐 藤 幸 一 君          商工観光労働          部長     森   弘 昭 君          農政部長   松 村 敏 人 君          林務水産部長 藤 門 豊 明 君          土木部長   福 島 正 三 君          公営企業          管理者    道 越   温 君          教育委員会          委員長    安 永 蕗 子 君          教育長    田 嶋 喜 一 君          警察本部長  竹 内   隆 君          人事委員会          委員長職務  右 田 道 夫 君          代理者          監査委員   木 原 章 三 君   ――――――――――――――――――――事務局職員出席者          事務局長   大 山 清 勝          事務局次長  前 田 利 郎          議事課長   大 間 照 男          議事課長補佐 山 下 勝 朗      ―――――――○―――――――  午前十時三十三分開会 開議 ○議長(永田悦雄君) ただいまから昭和六十三年二月熊本県議会定例会を開会いたします。 これより本日の会議を開きます。      ―――――――○――――――― △諸般の報告 ○議長(永田悦雄君) まず、閉会中における諸般の報告をいたします。 内容については、議席に配付のとおりであります。  〔諸般の報告は付録に掲載〕      ―――――――○――――――― △就任あいさつ ○議長(永田悦雄君) 次に、去る十二月定例会において任命同意になりました収用委員会委員から、あいさつの申し出があっておりますので、この際、これを許します。 収用委員会委員岩崎六郎君。  〔収用委員会委員岩崎六郎君登壇〕(拍手) ◎収用委員会委員(岩崎六郎君) 収用委員会委員に任命同意をいただきました岩崎でございます。大変お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)      ―――――――○――――――― △日程第一 議席の一部変更の件 ○議長(永田悦雄君) 次に日程に従いまして、日程第一、議席の一部変更の件を議題といたします。 お諮りいたします。今回議員に一部所属会派の異動がありましたので、会議規則第四条第三項の規定により議席の一部を議席に配付の議席表のとおり変更いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(永田悦雄君) 御異議なしと認めます。よって、議席の一部を議席表のとおり変更することに決定いたしました。  〔議席表は巻頭に掲載〕      ―――――――○――――――― △日程第二 会議録署名議員の指名 ○議長(永田悦雄君) 次に日程第二、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第百九条の規定により、高野誠一君、大仁田貞夫君、草村照君、以上三人を指名いたします。      ―――――――○――――――― △日程第三 会期決定の件 ○議長(永田悦雄君) 次に日程第三、会期決定の件を議題といたします。 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から三月二十五日までの二十六日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(永田悦雄君) 御異議なしと認めます。よって、会期は二十六日間とすることに決定いたしました。      ―――――――○――――――― △日程第四 知事提出議案第一号から第六十八号まで ○議長(永田悦雄君) 次に日程第四、知事提出議案第一号から第六十八号までを一括して議題といたします。 議案は、議席に配付のとおりであります。   ―――――――――――――――――――― 第一号 昭和六十二年度熊本県一般会計補正予算(第六号) 第二号 昭和六十二年度熊本県用品調達基金管理事業特別会計補正予算(第二号) 第三号 昭和六十二年度熊本県立高等学校実習資金特別会計補正予算(第一号) 第四号 昭和六十二年度熊本県港湾整備事業特別会計補正予算(第四号) 第五号 昭和六十二年度熊本県臨海工業用地造成事業特別会計補正予算(第二号) 第六号 昭和六十二年度熊本県用地先行取得事業特別会計補正予算(第三号) 第七号 昭和六十二年度熊本県育英資金貸与基金特別会計補正予算(第一号) 第八号 昭和六十二年度熊本県水俣湾等堆積汚泥処理事業特別会計補正予算(第二号) 第九号 昭和六十二年度熊本県林業改善資金特別会計補正予算(第二号) 第十号 昭和六十二年度熊本県沿岸漁業改善資会特別会計補正予算(第一号) 第十一号 昭和六十二年度熊本県市町村振興資金貸付事業特別会計補正予算(第一号) 第十二号 昭和六十二年度熊本県流域下水道建設事業特別会計補正予算(第三号) 第十三号 昭和六十二年度熊本県高度技術研究開発基盤整備事業特別会計補正予算(第一号) 第十四号 昭和六十二年度熊本県病院事業会計補正予算(第二号) 第十五号 昭和六十二年度熊本県電気事業会計補正予算(第二号) 第十六号 昭和六十二年度熊本県有料道路事業会計補正予算(第二号) 第十七号 昭和六十二年度熊本県工業用水道事業会計補正予算(第三号) 第十八号 昭和六十三年度熊本県一般会計予算 第十九号 昭和六十三年度熊本県農業改良資金特別会計予算 第二十号 昭和六十三年度熊本県中小企業振興資会特別会計予算 第二十一号 昭和六十三年度熊本県母子福祉資金特別会計予算 第二十二号 昭利六十三年度熊本県用品調達基金管理事業特別会計予算 第二十三号 昭和六十三年度熊本県収入証紙特別会計予算 第二十四号 昭和六十三年度熊本県立高等学校実習資金特別会計予算 第二十五号 昭和六十三年度熊本県不知火・有明・大牟田地区新産業都市建設協議会特別会計予算 第二十六号 昭和六十三年度熊本県港湾整備事業特別会計予算 第二十七号 昭和六十三年度熊本県臨海工業用地造成事業特別会計予算 第二十八号 昭和六十三年度熊本県用地先行取得事業特別会計予算 第二十九号 昭和六十三年度熊本県中小企業従業員住宅事業特別会計予算 第三十号 昭和六十三年度熊本県寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 第三十一号 昭和六十三年度熊本県中小企業設備貸与事業特別会計予算 第三十二号 昭和六十三年度熊本県育英資金貸与基金特別会計予算 第三十三号 昭和六十三年度熊本県水俣湾等堆積汚泥処理事業特別会計予算 第三十四号 昭和六十三年度熊本県林業改善資金特別会計予算 第三十五号 昭和六十三年度熊本県のチッソ株式会社に対する貸付資金特別会計予算 第三十六号 昭和六十三年度熊本県沿岸漁業改善資金特別会計予算 第三十七号 昭和六十三年度熊本県市町村振興資金貸付事業特別会計予算 第三十八号 昭和六十三年度熊本県流域下水道事業特別会計予算 第三十九号 昭和六十三年度熊本県高度抜術研究開発基盤整備事業特別会計予算 第四十号 昭和六十三年度熊本県病院事業会計予算 第四十一号 昭和六十三年度熊本県電気事業会計予算 第四十二号 昭和六十三年度熊本県有料道路事業会計予算 第四十三号 昭和六十三年度熊本県工業用水道事業会計予算 第四十四号 昭和六十三年度熊本県有料駐車場専業会計予算 第四十五号 県立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例の制定について 第四十六号 熊本県身体障害者福祉ホーム条例の一部を改正する条例の制定について 第四十七号 工事請負契約の変更について 第四十八号 工事請負契約の変更について 第四十九号 工事請負契約の締結について 第五十号 熊本県市町村立学校職員のへき地手当等に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第五十一号 熊本県学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第五十二号 専決処分の報告及び承認について 第五十三号 熊本県職員の勤務時間に関する条例の一部を改正する条例の制定について 第五十四号 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員等の処遇等に関する条例の制定について 第五十五号 当せん金付証票の発売について 第五十六号 合志西合志下水道組合の公平委員会の事務の委託を受けることについて 第五十七号 公有財産の処分について 第五十八号 熊本県収入証紙条例の一部を改正する条例の制定について 第五十九号 熊本県心身障害者扶養共済制度条例等の一部を改正する条例の制定について 第六十号 精神衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について 第六十一号 工事委託契約の締結について 第六十二号 熊本県漁港管理条例の一部を改正する条例の制定について 第六十三号 熊本県道路占用料徴収条例の一部を改正する条例の制定について 第六十四号 熊本県港湾管理条例の一部を改正する条例の制定について 第六十五号 熊本県屋外広告物条例の一部を改正する条例の制定について 第六十六号 熊本県流域下水道建設事業特別会計条例の一部を改正する条例の制定について 第六十七号 熊本県立学校条例の一部を改正する条例の制定について 第六十八号 熊本県警察職員定数条例の一部を改正する条例の制定について      ―――――――○――――――― △日程第五 知事の説明 ○議長(永田悦雄君) 次に日程第五、ただいま議題といたしました議案に付する知事の説明を求めます。 知事細川護熙君。  〔知事細川護熙君登壇〕 ◎知事(細川護熙君) 今回の定例議会に提出いたしております議案の説明に先立ちまして、県政への取り組みに対する基本姿勢について、その一端を申し述べたいと存じます。 私は、県政をお預かりして以来、微力ではございますが、この熊本を全国の範となるような誇れる郷土にしたいと願い、さまざまな角度から県勢の浮揚に努めてまいりましたが、おかげをもちまして、産業、教育、福祉、文化などいろいろな面で少しずつではありますがその成果が出てきていることはまことに喜ばしいことで、これもひとえに県議会を初め県民各位の御支援のたまものであり、改めて御礼を申し上げる次第でございます。しかしながら、一〇〇のターゲットを点検してみますと、まだまだ取り組むべき課題が山積しておりますし、今後とも課題を真っ正面から受けとめて着実に一つ一つのテーマを掘り下げていきたいと思っております。 ところで、私は、国に対しても、地方の活性化には何よりも国から地方への権限移譲、財源の再配分こそ不可欠であり、地方に活力があって初めて国全体も活性化するのだということをたびたび申し上げてまいりました。今日の状況は、すべての機能が東京への一極集中と言っても過言ではなく、東京と地方との格差はますます拡大するばかりで、四全総が目指す多極分散型の国土形成を本気で実現していくためには地方分権しかないと確信をいたしております。 また、国に対してこのような考え方を主張すると同時に、地方としても、国に頼るだけではなく、みずからがやれること、やるべきことはみずからの力で行うという自立自興の精神を持つということがさらに肝要なことであろうと思います。本県のさまざまな取り組みは、本当の意味での地方の時代を築く先駆けになるものにしたいと強く願っているわけで、今後とも県議会を初め県民各位の温かい御理解と御助力を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。 次に、県政推進のかなめであります本県産業の振興方策について、基本的な考え方を申し上げたいと存じます。 まず、農業の振興につきましては、農産物の消費の伸び悩みや輸入自由化の問題等ますます環境が厳しくなっており、農業が本県の基幹産業としてその役割を果たしていくためには、これまで以上に生産性を高め、品質の向上に努めることが肝要であると考えております。そこで、特に農業、農村に活力を取り戻し、農業に携わっていただくすべての方々が自立の精神を確立していただくことがまず何よりも基本であるとの観点から、新農業自立運動を全県的な運動として浸透させてまいりたいと考えているところでございます。 また、農産物自由化の問題を初め内外の競争の激化に対処していくためには、まず経営規模の拡大を図って生産性を高め、良質の農産物を生産することが極めて肝要であることは改めて申し上げるまでもございませんが、そのために、農地の流動化を促進して規模拡大を図るとともに、ハイテク農業や高生産性営農モデル事業等を積極的に進めまして、生産性の高い質の高い農業づくりを目指した諸施策を推進してまいりたいと考えております。 さらに、今日の農産物に対する消費の動向は、量から質へと大きく変わってきているところから、農産物の付加価値を高めるとともに新商品の開発等を進めて、高くても売れる産品をつくっていこうということで、一次産品を主体に、熊本商品計画センター(仮称)の設立や熊本食品加工研究所(仮称)の整備を構想し、熊本ブランドの確立に一層努めてまいりたいと考えております。 なお、試験研究につきましては、バイオを中心に積極的に取り組んでいるところでありますが、今後とも生産性と品質を高める革新技術の開発が特に重要でありますので、そのための中核施設となる試験研究機関の整備を引き続き推進してまいる所存でございます。 次に、林業の振興につきましては、外材輸入の増大、代替材の進出等に見られますように依然として厳しいものがあり、このような状況を克服するためには、生産コストの引き下げを図るとともに、いかに県産材の需要拡大を図っていくかが緊要な課題であります。このため、本県で開発いたしました、くまもと型新木造住宅の普及を図るとともに、木材利用、加工の促進あるいは付加価値の高い木製品の開発等に取り組みながら県産材の需要拡大に努め、あわせて林業生産基盤の整備等を推進してまいりたいと存じます。 また、水産業の振興につきましては、本県の生産力の高い沿岸漁場の特性を生かし、バイオテクノロジーなどの先端技術、マリノベーション構想などの導入を図りながら、中高級魚を主体としたつくり育てる漁業を展開し、浅海干潟漁業を含め、資源を適正に利用管理する資源管理型漁業を推進してまいりたいと考えております。 なお、多獲性魚を初めとした資源の有効利用を図るため、流通加工拠点の基盤整備を推進し、さらに、新時代の技術に即応できる試験研究機関の整備を図ってまいることといたしております。 また、商工業の振興につきましては、内需主導型への我が国経済の円滑な転換と、東京への産業集中の是正を図る役割を地方が積極的に担うべきであるという認識に立ち、地域特性を生かした活力ある商工業拠点づくりを進めてまいる所存でございます。 そこで、社会経済の変化に対応し得る地域産業を創造していくために、ハイテクやメカトロニクス、ソフトウエア産業などの高い付加価値を創造する高次産業部門の育成や誘致を積極的に行い、その集積を図っていくことといたしております。また、国際経済環境等の変化に対応し得る地域産業を育てていくために、技術開発の促進、企業融合化の支援などの施策を行うことといたしております。さらに、観光やリゾート産業などのいわゆる集客産業につきましては、経済社会構造の変化に適合した産業であり、地域活性化に重要な役割を果たすものとして今後とも積極的に推進していく所存でございます。 また、テクノポリス建設につきましては、マイクロエレクトロニクスバイオテクノロジー、新素材といった技術革新の進展が地域経済に大きなインパクトを与えるという基本的認識に立ち、その一環として電子応用機械技術研究所を開設し、テクノリサーチパークの建設を進めておりますが、今後とも産・学・行政の連携を密にし、本県が二十一世紀に向け技術立県として確固たる地位を築くよう、その推進を図ってまいりたいと考えております。 次に、九州新幹線建設についてでございますが、九州新幹線につきましては、関係県と連携をとりながら建設に向け積極的に対応してまいりましたが、昨年末の政府・自民党申し合わせにより、東北・北陸・鹿児島ルートについて順次建設に着手することとされましたものの、その着手に当たっては優先順位を定めて着手するとされたところでございます。 さらに、政府・自民党で組織される整備新幹線建設促進検討委員会等において、着工順位や財源問題について検討し、本年八月までに結論が出されることとなっており、既に本年一月より検討が進められているところであります。この中では、地元負担を含めた財源問題等具体的な項目が検討されるとともに、関係地方公共団体の意見が求められることになっております。 そこで、このような情勢を踏まえまして、県民各界、特に県議会の御理解、御指導のもとに、将来の九州地域全体を展望した総合的な交通体系の中での新幹線の位置づけ等について的確な方向づけを行い、一日も早い九州新幹線の建設実現を目指してまいりたいと考えております。 次に、今議会に提案いたしております屋外広告物条例の改正について御説明申し上げます。 屋外広告物につきましては、近年、広告物の大量化、多様化によって、町並みや道路沿線での景観が阻害されてきており、県民の共有財産である都市景観、自然景観を美しく誇れるものとしていくためには、広告物の規制の強化が必要となってまいっております。このため、景観との調和を図った屋外広告物のあり方を探るため、各界各層の方々で構成する屋外広告物検討委員会を設置して多角的に検討を重ねていただいてまいりましたが、このたび結論を得るに至りました。 今回の屋外広告物条例の改正につきましては、良好な景観形成のための規制の強化と、わかりやすく実効性のある条例ということを改正の大きなねらいとし、具体的には、国立公園、県立自然公園、国道・県道沿いにおける禁止地域の拡大、許可対象範囲の追加、広告物のデザイン等について専門的立場からの意見を聞くための小委員会の設置、公共広告物の届け出制の導入などを主な内容といたしております。 もとより、これら条例の改正だけで良好な景観が創出されるわけではございませんし、今後は、景観と調和したよりよい屋外広告物の掲出について、町づくりの面からも積極的に取り組んでいただき、県民と行政が一体となって良好な景観形成のため努力してまいりたいと考えておりますので、県議会におかれましてもよろしく御支援のほどをお願い申し上げます。 次に、水俣病問題につきまして御説明いたします。 水俣病の認定業務につきましては、滞留している未処分者の処分促進を図るため、一昨年から総合的な促進策を講じてまいりましたが、現在のところ、これらの諸施策は順調に進んでおり、未処分者の数も五十二年七月以来十年ぶりに三千人台にまで減少してきたところであります。今後とも、これらの施策を推進し、一昨年三月末に滞留していた未処分者をこの秋までにほぼ解消し、以後の申請者に対しては速やかな処分ができる状態にしたいと考えております。 また、水俣湾公害防止事業につきましては、昨年十二月に湾内の汚泥のしゅんせつ工事を終え、予定どおり六十四年度には完了する見通しであります。 このように、認定業務の促進、水俣湾の環境復元等について着実に成果を上げつつありますが、水俣病関係の訴訟を初め、チッソ県債、水俣・芦北地域の振興等多くの困難な課題が山積しており、今後とも腹を据えて取り組む決意でありますので、議員各位の従来にも増します御支援を賜りますようよろしくお願いを申し上げる次第でございます。 次に、八月三日から七日までの五日間の日程で熊本市で開催いたします第十二回全国高等学校総合文化祭は、「熊本で未来へ放とう文化の矢」を大会テーマに、全国から千五十校余り約一万二千人の高校生が参加して、日ごろ培ったわざを、演劇、合唱、美術、写真等十二種目のジャンルで総合発表する場でございます。県下高等学校の総力を結集し、熊本ならではの取り組みを行い、立派な成果をおさめられるよう最善を尽くしますとともに、この機会が高校生たちにとって、創造への心を燃やし、交流の輪を広げ、二十一世紀へ向けた文化活動の新たな転機となることを願っております。 また、第四十二回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」が五月十五日に阿蘇郡久木野村において開催されますが、野鳥と文化会議、野鳥展、探鳥会等さまざまな催しによって愛鳥思想の高揚を図るとともに、健全な緑と潤いのある住みよい環境の創造を目指す契機にしてまいりたいと考えております。これらの催しに対しましてもよろしく御支援のほどをお願い申し上げます。 次に、財政問題につきまして御説明申し上げます。 御案内のとおり、国、地方の財政事情は依然として厳しい状況でございますが、景気回復を背景として税の増収が見込まれること、また、日本電信電話株式会社の株式売却収入を活用することによりまして、公共事業の確保による一層の内需拡大を図るべく、六十三年度は、国の一般会計予算、地方財政計画とも、数年来続いた抑制基調と比べますと前年度より高い伸びとなっております。こうした状況を踏まえ、歳入面におきましては、県税等の自主財源の確保、県債及び基金の有効適切な活用に心がけ、また歳出面におきましては、引き続き行財政改革の推進を図り、経費の節減合理化に心がけるとともに、限られた財源を各種施策について重点的かつ効率的な配分を行ったところでございます。特に、内需拡大を図ってまいるための公共事業の確保、高齢化社会に即応した福祉施策の展開、社会経済情勢の変化に対応できる農業・商工業施策の実施、国際化に対応した諸施策等、多様化する行政需要に可能な限り機動的に対処して、「明日へのシナリオ」に掲げた諸施策の着実な推進を図ってまいるよう予算の編成を行っております。 以下、今回提案いたしております昭和六十三年度予算案につきましてその概要を御説明申し上げます。 予算総額は五千八百九十四億四千百二十万五千円で、六十二年度六月現計予算に比較いたしますと五・八%の増と相なっております。その主な財源は、県税千百二億円余、地方譲与税四十二億円余、地方交付税千六百五十六億円余、分担金及び負担金百三十九億円余、国庫支出金千三百六十八億円余、繰入金九十億円余、諸収入四百五十八億円余、県債八百五十億円余でございます。 続きまして、歳出予算の主な内容について御説明申し上げます。 まず、農業の振興につきましては、冒頭でも申し上げましたが、今日の厳しい環境に対処し、本県農業が強力な産業として発展していくためには、何よりも足腰の強い生産性の高い農業の確立が必要でありますので、その実現を目指して各種の施策を推進してまいりたいと考えております。このため、革新的農業の実現を目指すパイロット農業地区につきましては、生産性向上のための先駆的事業に積極的に取り組みますとともに、高生産性農業を進める上で欠くことのできない土地基盤の整備につきましては、今後も圃場整備、かんがい排水、農道整備等の事業の積極的な推進に努めてまいることといたしております。 さらに、流通関係につきましては、引き続き県産品の販路拡大のため、肥後ビーフの銘柄定着化など各種の施策を実施することとしておりますが、特に商品計画センター(仮称)を設立して熊本ブランドの確立に努めてまいりたいと存じます。 また、地域農業の振興を図るため、米作につきましては、消費者の良質米嗜好に対処するためコシヒカリの生産奨励を行う緊急対策事業を実施するほか、暖地野菜の新産地育成のためのモデル団地の設置や、花卉産地の育成、地域の特産品づくりにつきましても引き続き対策を講ずることといたしております。 また、近年の価格低落で大きな課題となっております温州ミカンにつきましては、金峯等の優良系統への更新を推進し、良質でうまい「熊本みかん」のブランド確立に努めるとともに、販路拡張のための対策を講じ、その振興を図ってまいりたいと考えております。 このほか、イ業関係につきましては、名実ともに日本一の地位を不動のものとするため、生産技術の確立や、製品の高品質化と新商品の開発研究等を推進してまいることといたしました。 次に、畜産関係につきましては、特に牛肉の輸入自由化の動きに対応した肉用牛の生産振興に重点を置き、内外との産地間競争に打ちかつための低コスト生産のための条件整備や、交雑種利用による生産性の高い肉用牛の生産を推進することといたしております。 このほか、地域農業の中核的役割を担い、その機能の充実強化を求められている農業協同組合の広域合併を引き続き推進いたしますとともに、農家の資金需要に対処するため所要の経費を計上いたしました。 また、後継者対策につきましては、後継者育成基金を中心に派遣研修や交流事業等を実施して、後継者の育成確保に努めることといたしておりますほか、新規参入者対策といたしまして、農業技術や経営能力の取得を図るための特別研修講座を新年度から新たに開設することなどを予定いたしております。 なお、消費者を初め県内外の方々に本県の農林水産業への理解と認識を深めていただくため、関係団体と協力して「'88食と住のまつり」を開催することといたしております。 次に、林業の振興につきましては、県産材の需要拡大を積極的に図りながら、生産コストの引き下げ、林産物の高付加価値化を進めてまいりたいと考えております。このため、くまもと型新木造住宅について、モデル住宅の建設展示をするなど普及を図るとともに、木材産業を中心に大工、工務店等異業種間の連携を強化し、地域材の利用を促進するため、地域材流通加工システム高度化事業を行うことといたしております。 また、新たに開発された木製品やシイタケ等の販路を開拓するため、流通対策にも積極的に取り組んでまいりますほか、林業振興資金について所要の融資枠を確保し、林業改善資金の貸付枠の拡大を図ることといたしました。 次に、林道、造林、間伐、林業構造改善など、生産基盤の整備拡充を引き続き計画的に推進するとともに、山地災害等を防止するため、治山事業、保安林の整備などを進めてまいることといたしております。 さらに、森林浴など森林の保健休養機能について、森林空間の多目的利用を図るための調査を行うこととし、また、熊本市の立田山を県民の憩いの場として整備するなど、生活環境保全林整備事業を実施することといたしました。 このほか、林業事業体の経営の安定と林業従事者の就労の安定を図るため、林業就業基盤強化対策を推進してまいりますとともに、今後とも森林組合の広域合併の促進を図ってまいることといたしております。 次に、水産業の振興につきましては、つくり育てる漁業を積極的に推進するため、第八次漁港整備計画に基づき漁港整備を推進するとともに、人工礁など沿岸漁場の生産基盤の整備にも努めてまいりますほか、アサリの生産回復を図るため、漁場環境の調査、漁場保全事業、増殖場造成事業等に取り組んでまいることといたしております。 また、水産物流通対策として、イワシ、サバ等多獲性魚類の流通加工基地を整備するため、水産物中核流通加工施設整備事業を新たに実施することといたしております。 なお、二十一世紀の漁業を目指して取り組んでおりますマリノベーション構想の実現を図るため、沖合養殖パイロットファーム開発などに取り組んでまいることといたしました。 さらに、漁業協同組合の経営基盤の強化を図るため、組合の合併を促進してまいりますほか、最近の厳しい漁業経営の実態にかんがみ、経営の安定化、近代化を図るため、漁業振興貸付金など各種資金の融資枠を確保することといたしております。 また、水産関係試験研究機関の整備統合につきましては、用地造成工事を終え、六十三年度から魚病隔離施設等の整備を進めることといたしております。 次に、商工業の振興についてでございますが、内需主導型の経済構造への転換、地域における高次産業部門の集積の必要性を踏まえ、中核工業団地の造成や阿蘇ソフトの村構想、国際産業展示場の具体化に向けて積極的に推進を図ることといたしております。 また、中小企業の技術力向上や新分野の開拓等を促進するとともに、工業技術センターの整備充実を図ることとし、また、中小企業への制度融資については、円高対策として地域産業対策資金の融資枠を拡大するとともに、中小企業の育成振興を図るため、地場産業振興対策資金についても融資枠の拡大を図ることといたしました。 さらに、特定地域中小企業対策としましては、引き続き新技術・新製品等の研究開発に取り組むとともに、新産業等の創出のための調査研究を行うことといたしております。また、商店街の活性化のため、売れ筋や在庫管理等を行うPOSシステムの導入、商店街の個性を生かした魅力ある構想づくりを促進することといたしました。 企業誘致につきましては、これまで同様工場誘致を推進するとともに、リゾート関連産業等第三次産業の誘致についても積極的に取り組むことといたしております。幸い本県には天草や阿蘇など観光資源が豊富であり、これらを生かして民間の活力を積極的に活用しながら、リゾート基地等の建設を進めて地域の活性化を図っていきたいと思っております。 観光振興につきましては、毎年本県を訪れる観光客数の記録を更新するなど着実な成果をおさめてまいりました「友・誘・遊くまもと」観光キャンペーンを発展的に承継し、観光の振興を一層強力に進めるために、新年度からは新たに「超魅力くまもと」観光キャンペーンに取り組むことといたしました。特に六十三年度におきましては、九月から十二月にかけて、JRと共同して「熊本デスティネーション・キャンペーン」を展開し、積極的な観光客の誘致に努めることといたしております。 なお、労働関係につきましては、厳しい雇用環境下にある有明地域の雇用対策として、荒尾公共職業安定所に加え、玉名公共職業安定所に求人開拓専門の職員を新たに配置して職業相談業務に取り組むほか、勤労者に対する生活資金融資や住宅建設融資を確保するとともに、企業における職業能力開発の振興と不況業種を中心に離転職者の職業転換訓練に所要の経費を計上いたしております。 次に、テクノポリス建設につきましては、研究開発拠点としてのテクノリサーチパーク内に既にテクノポリスセンター、電子応用機械技術研究所が稼働し、また、進出決定五企業のうち一社も操業を開始しておりますが、本年四月には熊本大学地域共同研究センターが活動を始めることになっており、今後さらに産・学・行政一体となったテクノポリスの建設に努めてまいります。また、二十一世紀に向けて地域産業の発展を担う人材の育成についても、熊本テクノ大学の内容の充実を初めとして積極的な事業の展開を図ることといたしております。 高度情報化社会への対応といたしましては、質の高い情報の生産、収集と蓄積、発信の基地を目指す情報資源都市構想を推進するため、ネットワーキング拠点の整備、具体化のための調査研究を行うことといたしております。 また、テレトピア計画につきましては整備拡充を図るとともに、ニューメディア・コミュニティー構想につきましても、広域流通ネットワークづくりのため、運営主体である第三セクターへの所要の経費を計上いたしております。 さらに、ニューメディアを活用した高等教育、ファインズ計画の推進につきましては、企業人教育の内容充実を図るとともに、生涯教育につきましても本格実験を継続して実施することといたしております。 次に、国際交流の推進につきましては、これまで各姉妹提携先との交流を中心に諸外国との交流を行ってきたところでありますが、姉妹提携五周年を契機として、本県の国際化を進め、地域の文化的、経済的機能の充実を図るため、国際交流を一層推進してまいりたいと考えております。このため、県下の国際交流団体の連携組織を育成し、県と民間団体とが共同して国際交流を進めてまいる所存でございます。また、最近の円高進行に伴い外国人留学生などの生活が厳しいものとなっているため、留学生などの生活実態の調査を実施するとともに、支援対策として宿舎確保の方策等についてもあわせ検討することといたしております。 次に、教育につきましては、申し上げるまでもなく、本県がこれからの時代に的確に対応していくためには、何よりも人材の育成が大切であります。新年度の予算におきましては、まず、本年四月開校いたします東稜高等学校の校舎等の建設並びに県立学校の学科改編等に伴う施設の整備を早急に進めることといたしておりまして、鹿本農業高校のバイオ工学科、阿蘇高校の国際観光科の新設など、個性に応じた能力の開発、社会のニーズにこたえる人材の育成に努めてまいっているところでございます。 また、教員の資質向上を図るため、新規採用教員の一部を対象とした初任者研修の試行を引き続き実施するほか、天草、球磨などの遠隔地において、教育センターによる地域別出張講座を充実することにいたしております。なお、英語教育の充実と国際化への対応のため、語学指導等を行う外国青年招致事業による英語指導助手を増員し、より一層充実を図ることといたしております。 高度情報化社会に対応するためのマイ・タッチ計画につきましては、三カ年計画の最終年度に当たり、県立学校のパーソナルコンピューターの導入を計画どおり完了することとしておりますほか、本計画推進の一環として、子供たちがコンピューターに親しみ、その機能や特性及び日常生活の中での活用について理解を深める一助として、小学校高学年用の副読本を刊行し、県下の小学校に配付することといたしております。 さらに、体育・スポーツの振興を図る上で国民体育大会の開催は本県にとって大きな意義を持つものでありますので、昭和七十四年開催に向け招致運動を進めるとともに、競技力向上も含めて計画的に取り組んでまいる所存でございます。また、生涯スポーツを目指した「熊本21スポーツプラン」を引き続き展開いたしますほか、高等学校におきましても、体育を通じた特色ある学校づくりを推進することといたしております。 私学の振興につきましては、教育条件の維持向上、父母負担の軽減、学校経営の健全性の確保に資するため、経常的経費に対する助成を充実いたしますとともに、時代に即応した個性ある私学教育の一層の推進を図るため、各般の施策を引き続き実施してまいります。また、六十三年度から私立高校における語学教育の充実を図るため、語学指導に従事する外国人の採用に対し、新たに助成措置を講ずることといたしました。 熊本女子大学の整備につきましては、社会の成熟化、国際化の著しい進展に対応していくため、日本語教育者の養成課程の設置、民間等からの講師の招聘を行いますとともに、語学教育、情報処理教育などの一層の充実に努めてまいることといたしております。 次に、社会福祉につきましては、核家族化と高齢化社会の進行に伴い、福祉ニーズの多様化、高度化が進んでいる中で、地域社会の公私の機関が協同し、福祉ニーズの解決を図っていく体制づくりが必要となってきております。このため、新たに高齢者や身体障害者世帯の身近な福祉サービスを行政と住民が一体となって取り組み、地域の福祉環境の整備を図っていく熊本型福祉パイロット事業(仮称)を実施することといたしました。また、地域福祉の拠点としての機能を備えた総合福祉センターを六十五年度に開設するため、基本設計に係る経費を計上いたしましたほか、児童相談所等四相談所の相談機能を一元化し、利用者の利便を図る総合相談所につきましては、六十四年度開設を目指して建設のための所要の経費を計上いたしております。 次に、高齢者対策といたしましては、本県が全国に比べて高齢化のテンポが十年程度速く進行していることを受け、広く県民に長寿社会についての意識高揚と世代間交流を図るシルバーフェアを開催することといたしております。また、高齢者や家族の抱える心配事や悩み事に対して総合的かつ迅速に対応し、市町村の相談体制の支援に必要な情報の提供を行うシルバー一一〇番を設置することといたしました。 このほか、高齢者の在宅福祉を拡充するため、引き続きデーサービスセンターの増設を図りますほか、痴呆性老人問題についての啓蒙と在宅での介護を支援する痴呆性老人在宅介護促進啓発事業を新たに実施いたしますとともに、特別養護老人ホームなどの施設整備にも努めてまいる所存でございます。 また、心身障害者福祉対策といたしましては、新年度も引き続き障害者福祉長期行動計画に基づき、障害者の自立促進と社会参加の環境づくりを推進してまいります。 次に、国民健康保険制度につきましては、新年度より市町村の国保財政基盤の安定と熊本県国民健康保険団体連合会が行う高額医療費共同事業の充実強化を図るため、市町村及び熊本県国保連合会に対する助成のため所要の経費を計上いたしております。 また、交通安全対策といたしましては、新年度は特に高齢者の交通安全対策に取り組むことといたしました。 婦人問題につきましては、婦人問題に総合的に対処するため、所要の体制整備を図るとともに、新たに県内在住の外国の婦人の方々との国際交流婦人会議を開催することといたしております。 また、保健衛生関係につきましては、保健医療の基礎は健康づくりにあるという観点に立ち、幅広い健康づくり運動を進めてまいる所存でございます。特に、健康づくりに取り組む市町村を支援し、全国のモデルとなる市町村の育成を図ってまいりますとともに、地域の総合的な健康づくりを推進してまいりたいと考えております。 さらに、県民の自主的な健康管理を支えるため、健診体制の充実強化を図り、財団法人熊本県成人病予防協会に対し、熊本県健診センターの建設に要する経費の助成を行うとともに、地域住民の健康づくりの拠点となる市町村保健センターの整備に対しましても経費の助成を行うことといたしております。 このほか、精神衛生対策といたしましては、新しく施行される精神保健法の趣旨に基づき、障害者の社会復帰の促進を図るため、従来の通院リハビリテーション事業等を充実するとともに、精神科救急医療施設の指定を行い、緊急入院等の要請にこたえることといたしております。 次に、救急医療対策といたしまして、新生児・未熟児の救急医療体制の確保を図るため、新生児専用救急車の整備に助成することとし、また、地域の救急医療体制の確保のため、救急医療情報システムの見直しを図ってまいります。 さらに、生活環境保全対策につきましては、河川等の公共用水域汚染の主要な原因であります生活雑排水による水質汚染防止のため、し尿と生活雑排水とを同時に処理する合併浄化槽の普及を図り、環境整備に努めてまいりたいと考えております。 次に、文化の振興につきましては、各般の文化振興施策を引き続き実施するとともに、昨年地方で初めて開催いたしました第二回国民文化祭の成果を踏まえまして、新たに県内各地の地域文化がぶつかり合う中から新しい文化が生まれることを目指して県民文化祭を開催することといたしております。また、次代に向けて新たなる熊本文化創造の礎とするために、熊本スピリッツに示される熊本文化の源流調査を行うことといたしました。 ところで、県内に残る数多くの文化財は我々の子孫に引き継いでいかなければならない貴重な財産であります。このため、菊池川流域の風土記の丘の整備を引き続き推進するなど、貴重な文化財の保存、活用に努めてまいりたいと考えております。 また、緑化の推進につきましては、「くまもと緑の三倍増計画」に基づき各般の施策を実施してきたところでありますが、昨年から始めました一村一森運動も各地で取り組まれるなど緑化意識も高まってきております。新年度は、モデル緑化重点地区の指定を設けるなど、計画の着実な達成に向けてより一層質の高い重点的な緑化を推進していくことといたしております。 景観対策につきましては、景観条例に基づき、既に昨年十一月から大規模行為の届け出と、これに対する景観形成上必要な指導等を開始し、本年度中に景観形成地域及び特定施設届け出地区の第一次指定を行うことといたしております。新年度におきましては、これら景観条例の適正かつ円滑な運用を図るとともに、県民と行政が一体となって快適な町づくりを進めるために、すぐれた景観形成活動に対する支援や顕彰制度を確立し、また、まちづくり展(仮称)として、歴史の風雪に耐える施設づくりを推進するため、所要の準備を進めることといたしております。 次に、水資源対策につきましては、二十一世紀に向けての広域的な長期水需給計画の策定を目指して六十年度から作業を進めてきたところでありますが、新年度には、県南ブロックの需給計画を策定するとともに、天草及び県北ブロックの需給計画との調整を図り、県全体の長期水需給計画を策定することといたしております。また、この計画を具体化するため、天草ブロックでの新規水資源開発のための調査を実施することといたしました。 地下水保全対策につきましては、これまで熊本地域の市町村や国の関係機関等とも協議しながら各種の調査、検討を進めてまいりましたが、地下水利用の合理化の推進につきましては、工業用水につきまして合理化指導準則を策定することとし、家庭用水及び都市活動用水については指導指針を策定することといたしております。 また、人工涵養の推進につきましては、畑地の雨水浸透並びに浸透池のモデル実験を行うこととしており、地下水情報管理システムの構築につきましては、情報の収集とシステム設計を行うことといたしております。このほか、水の大切さ重要さを理解していただくため、小学生用副読本の作成検討並びに水の展示会やシンポジウム等の広報、啓発を実施することといたしております。 次に、地域振興につきましては、日本一づくり運動を中心として積極的な推進を図っているところでありますが、新年度は、日本一づくり運動の一つの節目として、顕彰事業や企画コンクールを実施し、地域の活性化を一層盛り上げてまいりたいと考えております。 また、市町村に対する活力と個性ある地域づくり推進事業補助につきましては、他の補助制度等との連携を含め重点的かつ効果的活用を図り、地域づくりをより強力に支援してまいる所存であります。 過疎地域の振興対策といたしましては、これまでの過疎地域振興調整事業による財政支援措置のほか、県単独の新規事業として、都市とふるさと交流促進モデル事業を創設し、過疎市町村が行うユニークな地域間交流事業に対して助成を行うことといたしました。 次に、深刻な不況に陥っている荒尾市、長洲町の活性化につきましては、去る十一月、県境を越えて設立いたしました中部有明地域活性化推進協議会において、地域の活性化計画を策定することといたしておりますが、同地域において進められております九州アジアランド構想につきましても、民間企業、国や地元市町などと連携をとりながら構想の早期実現を図ってまいりたいと考えております。 阿蘇地域につきましては、県土デザイン編でもお示ししたように、質の高い高原リゾートを目指しており、これまでの調査、検討を踏まえ、活発化している民間等の動きを的確に誘導していくための指針等を策定することといたしております。 天草海洋リゾート基地の建設につきましては、天草の地域環境との調和を図りながら、リゾート開発の推進力となる民間活力を有効に機能させていくために必要な調査を実施することにより、構想実現に向けて弾みをつけてまいりたいと考えております。 また、人吉・球磨地域につきましては、二年後に九州縦貫自動車道の開通が予定され、地域開発ポテンシャルも高まっており、南九州の結節点として、二十一世紀を展望した新たな地域整備計画を策定することといたしております。 水俣湾の公害防止事業埋立地の活用につきましては、去る十二月の関係閣僚会議の申し合わせを踏まえ、活用構想の具体化を図ってまいります。 このほか、高度情報化、ライフスタイルの変化等に対応した将来の勤務形態のあり方を探るものとして、民間企業の協力を得ながら、遠隔地勤務、在宅勤務に関する調査を実施することとしておりますが、これは、地域の人材活用、産業の分散化などにより、地域の活性化、多極分散型の国土形成に資することになるものと考えております。 次に、公共事業につきましては、県土の均衡ある発展と地域社会の基盤整備を進めるとともに、一層の内需拡大を図るため、厳しい財政環境の中で財源の重点配分を行うこととし、総額で千六百二十五億円余と六十二年度六月現計予算に比べ一八・六%増を計上いたしました。この内訳は、補助・直轄事業で千二百六十五億円余、単独事業で三百十七億円余、災害復旧事業で四十一億円余となっております。 道路交通体系の整備につきましては、九州縦貫自動車道については、八代―人吉間、人吉―えびの間の早期開通を目指すとともに、南九州西回り自動車道につきましては、その一部となる八代日奈久道路が新年度から事業着手になりますが、九州中部横断自動車道とあわせ早期建設が図られますよう、国、日本道路公団に対し強く働きかけてまいりたいと考えております。 また、道路網の整備につきましては、熊本市街地と熊本空港を結ぶいわゆる第二空港線の完成や、小国町と九州横断道を連結する国道四百二十二号の黒川バイパスの開通など着実な整備を見ているところでありますが、今後とも、県北地域から空港へのアクセスとなる第三空港線の事業促進、国道四百四十五号の四車線化や、熊本港、八代港への連絡道路など、幹線交通網の重点的整備を進めてまいりたいと考えております。 なお、特定地方交通線・湯前線につきましては、重要な地域課題であるとの認識のもとに、沿線市町村とより緊密な連携を図りながら必要な対策を進めることといたしております。 さらに、熊本空港の整備につきましては、空港施設機能の一層の向上を図るとともに、コミューター天草空港の建設につきましては、測量調査等の必要な条件整備に努めてまいることといたしました。 このほか、国内路線の充実や海外への新たな路線開設など、航空路線の振興につきましても関係機関に働きかけてまいることといたしております。 次に、河川改修につきましては、熊本南部地区や熊本流通業務団地の排水対策の一環として、天明新川の改修などを進めますとともに、今後とも流域の開発や進展に対応した改修を進めてまいります。 また、水源対策につきましては、川辺川ダム、竜門ダムの建設を引き続き促進してまいりますほか、石打ダムの建設につきましては、新年度にはダム本体の建設に着工することといたしております。 なお、公共事業の推進に当たりましても、緑化や水辺環境の整備、電線類地中化など景観形成を図り、より快適な住空間を追求してまいりたいと思っております。 熊本北部流域下水道につきましては、六十三年度末の一部供用開始に向けて、浄化センター、幹線管渠の建設等を行いますとともに、県と関係市町において財団法人熊本県下水道公社を設立し、供用開始後の円滑な維持管理を図っていくことといたしております。 次に、エネルギー対策につきましては、苓北火力発電所建設用地の埋立工事も順調に推移しており、予定どおり本年八月には発電所の建設工事に着工できる見込みでありますが、県といたしましては、今後とも本県における電力供給力の向上と地域の振興に資するために、当発電所の建設促進に努めてまいりたいと考えております。 そのほか、公害対策につきましては、引き続き工場等に対する規制指導の徹底、環境監視の強化を図り、生活環境の保全に努めてまいることといたしております。 また、警察関係につきましては、警察官の増員を行うのを初め、警察施設では熊本北警察署の改築に着手することといたしております。 なお、警察活動につきましては、装備資機材の科学化、近代化を図るとともに、多発する交通事故の抑止を積極的に行うこととし、関係各団体と連携を密にして意識啓発に取り組み、交通安全施設の整備を一層推進することといたしております。 このほか、交通渋滞対策といたしまして、天草地区の速度規制の見直しを実施することといたしております。 以上が昭和六十三年度予算案の主な概要であります。 また、今定例会には、昭和六十二年度補正予算として六十九億四千六百四十六万七千円の減額を提案いたしておりますが、その主な内容は、私立高等学校等に対する経常費助成費補助、熊本県信用保証協会に対する出捐金、六十二年産ミカンの暴落緊急対策事業等で増額をいたしており、生活保護世帯の減少や災害関連事業の事業費減等に伴う減額でございます。今回補正の結果、昭和六十二年度現計予算は六千二十七億七干二万七千円と相なるわけでございます。 以上、県政運営に対する考え方及び子算案等について御説明申し上げましたが、今定例会には、熊本県屋外広告物条例の一部を改正する条例等各種条例案件、事件決議案件、知事専決処分の報告、承認等もあわせ御提案申し上げており、また、今会期中に人事案件等を追加提案申し上げる予定でございますので、これら議案につきましてよろしく御審議の上、適切な御議決をいただきますようお願い申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。(拍手)      ―――――――○―――――――
    △日程第六 人事委員会の意見 ○議長(永田悦雄君) 次に日程第六、ただいま議題といたしました議案のうち、第五十号、第五十三号、第五十四号及び第六十号につきましては、職員に関する条例案であり、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を聞く必要がありますので、ただいまから人事委員会の意見を求めます。 人事委員会委員長職務代理者右田道夫君。  〔人事委員会委員長職務代理者右田道夫君登壇〕 ◎人事委員会委員長職務代理者(右田道夫君) 本議会に提案されました第五十号、第五十三号、第五十四号及び第六十号の各議案のうち、地方公務員法第五条第二項に規定する職員に関する事項の部分について、人事委員会の意見を申し述べます。 まず、第五十号議案は、へき地等学校の指定に関する文部省令の一部改正に伴い、市町村立学校職員のへき地手当等に関する条例の一部を改正し、へき地等学校の指定の見直し等に関する規定を設けるものでありまして、同省令の内容に沿った適当なものと考えます。 次に、第五十三号議案は、労働基準法の一部改正等により昭和六十三年四月一日から法定労働時間が原則として週四十六時間とされることに伴い、職員の勤務時間に関する条例の規定を改めるものでありまして、同法等の内容に即した適当なものと考えます。 第三に、第五十四号議案は、外国の地方公共団体の機関等に派遣される一般職の地方公務員の処遇等に関する法律に基づき、外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等について定めるものでありまして、同法の趣旨、内容及び国の制度に照らし、適当なものと考えます。 第四に、第六十号議案のうち職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正の部分は、精神衛生法の一部改正に伴い、職員に支給される精神衛生鑑定医等従事手当の名称を改める等規定の整備を行うものでありまして、適当なものと考えます。      ―――――――○――――――― △日程第七 議案第一号から第十七号まで及び第四十五号から第五十二号まで(委員会付託) ○議長(永田悦雄君) 次に日程第七、ただいま議題といたしました議案のうち、第一号から第十七号まで及び第四十五号から第五十二号までにつきましては、いずれも時期的に先議の必要があると認められますので、これを各常任委員会に付託して審査いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(永田悦雄君) 御異議なしと認めます。よって、議案第一号から第十七号まで及び第四十五号から第五十二号までにつきましては、各常任委員会に付託して審査することに決定いたしました。 各付託議案は、議席に配付の昭和六十三年二月熊本県定例県議会議案各委員会別一覧表(昭和六十二年度二月補正関係)のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕      ―――――――○――――――― △日程第八 議員提出議案第一号 ○議長(永田悦雄君) 次に日程第八、議員提出議案第一号を議題といたします。 議案は、議席に配付のとおりであります。   ――――――――――――――――――――議員提出議案第一号   第五十四回国民体育大会招致に関する決議 右の議案を別紙のとおり熊本県議会会議規則第十四条の規定により提出します。  昭和六十三年二月二十九日提出      提出者 熊本県議会議員 山 本 秀 久                  倉 重   剛                  米 原 賢 士                  古 閑 三 博                  永 田 健 三                  島 田 幸 弘                  中 島 隆 利                  前 田 貞 治                  久 保 立 明熊本県議会議長 永 田 悦 雄 殿   ----------------------------------------   第五十四回国民体育大会招致に関する決議 我が国におけるスポーツの一大祭典として親しまれてきた国民体育大会は、昨年、沖縄県で開催された第四十二回大会を最後に全国を一巡し、国民の健康増進と体力向上、地方スポーツの振興、さらに、明るく豊かな国民生活の基盤づくりに大いに寄与してきたことは周知のとおりである。 本県においては、活力に満ちた、潤いのある、個性豊かな熊本づくりをめざし、県民の多岐多様化したスポーツヘの関心と欲求に沿って、二十一世紀を志向した県民総スポーツ運動を展開中である。 この機に二巡目の国民体育大会を本県に招致することは、スポーツによる地域の活性化を図るうえから誠に有意義である。 よって、本県議会は、昭和七十四年の第五十四回国民体育大会(夏季・秋季)を本県に招致することを強く要望するものである。 右、決議する。  昭和六十三年二月二十九日                熊 本 県 議 会   ―――――――――――――――――――― ○議長(永田悦雄君) お諮りいたします。ただいま議題といたしました議案に対する提出者の説明並びに委員会付託は、これを省略して会議で議決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(永田悦雄君) 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らうことに決定いたしました。 これより質疑に入るのでありますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 次に、討論に入るのでありますが、ただいままで通告はありません。よって、討論なしと認めます。 これより議員提出議案第一号を採決いたします。原案のとおり可決することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(永田悦雄君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号は原案のとおり可決いたしました。      ―――――――○――――――― △日程第九 休会の件 ○議長(永田悦雄君) 次に日程第九、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。明三月一日及び二日は議案調査のため、三日は各常任委員会開会のため、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(永田悦雄君) 御異議なしと認めます。よって、明三月一日から三日まで休会することに決定いたしました。      ―――――――○――――――― ○議長(永田悦雄君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 明三月一日から三日まで休会でありますので、会議は来る三月四日午前十時から開きます。日程は、議席に配付の議事日程第二号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午前十一時三十三分散会...