長崎県議会 2023-06-15
06月15日-03号
令和 5年 6月
定例会令和5年6月定例会 令和5年6月15日 議事日程 第7日
目----------------------------------- 1 開議 2 県政一般に対する質問 3 散会令和5年6月15日(木曜日)出席議員(45名) 1番 大倉 聡君 2番 本多泰邦君 3番 白川鮎美君 4番 まきやま大和君 5番 畑島晃貴君 6番 湊 亮太君 7番 冨岡孝介君 8番 大久保堅太君 9番 中村俊介君 10番 山村健志君 11番 初手安幸君 12番 鵜瀬和博君 13番 清川久義君 14番 坂口慎一君 15番 千住良治君 16番 宮本法広君 18番 饗庭敦子君 19番 堤 典子君 20番 坂本 浩君 21番 下条博文君 22番 山下博史君 23番 石本政弘君 24番 中村一三君 25番 大場博文君 26番 近藤智昭君 27番 宅島寿一君 28番 山本由夫君 29番 吉村 洋君 30番 松本洋介君 31番 ごうまなみ君 32番 堀江ひとみ君 33番 中山 功君 34番 小林克敏君 35番 川崎祥司君 36番 深堀ひろし君 37番 山口初實君 38番 山田朋子君 39番 中島浩介君 40番 前田哲也君 41番 浅田ますみ君 42番 外間雅広君 43番 徳永達也君 44番 瀬川光之君 45番 溝口芙美雄君 46番 田中愛国君
-----------------------------------欠席議員(1名) 17番
中村泰輔君-----------------------------------説明のため出席した者 知事 大石賢吾君 副知事 浦 真樹君 副知事 平田 研君 秘書・
広報戦略部長 大瀬良 潤君 企画部長
早稲田智仁君 総務部長 大田 圭君
危機管理部長 今冨洋祐君
地域振興部長 小川雅純君
文化観光国際部長 前川謙介君
県民生活環境部長 大安哲也君
福祉保健部長 寺原朋裕君
こども政策局長 浦 亮治君
産業労働部長 松尾誠司君 水産部長 川口和宏君 農林部長 綾香直芳君 土木部長 奥田秀樹君
会計管理者 吉野ゆき子君 交通局長 太田彰幸君
地域振興部政策監 渡辺大祐君
文化観光国際部政策監 伊達良弘君
産業労働部政策監 宮地智弘君
教育委員会教育長 中崎謙司君
選挙管理委員会委員 高比良末男君
代表監査委員 下田芳之君
人事委員会委員長 水上正博君
公安委員会委員 安部惠美子君 警察本部長 中村 亮君
監査事務局長 上田彰二君
人事委員会事務局長(
労働委員会事務局長併任) 田中紀久美君 教育次長 狩野博臣君 財政課長 苑田弘継君 秘書課長 黒島 航君
選挙管理委員会書記長 大塚英樹君
警察本部総務課長 一瀬永充君
-----------------------------------議会事務局職員出席者 局長 黒崎 勇君 次長兼総務課長 藤田昌三君 議事課長 川原孝行君
政務調査課長 濱口 孝君
議事課課長補佐 永尾弘之君 議事課係長 山脇 卓君
議事課会計年度任用職員 天雨千代子君----------------------------------- -午前10時0分 開議-
○議長(徳永達也君) おはようございます。 ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、一般質問を行います。
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) (拍手)〔登壇〕おはようございます。 自由民主党、佐世保市選出、田中愛国でございます。 まず、最初に時間をいただいて、先日、
現役国会議員で亡くなられた、同じ時代に同志として政治活動に、選挙に、苦楽をともにしてきた、
北村誠吾代議士の御霊に哀悼の誠をささげたいと思います。 それでは、改選後の初議会、一般質問の一番バッターとして、6項目、12点について、一問一答方式で質問を始めます。 1、
九州新幹線西九州ルートについて。 (1)令和4年度の進捗について。 昨年、令和4年9月23日は、長崎県にとっては歴史的な忘れられない一日であったと思います。 平成4年11月、長崎県議会において長崎県案が議決されて以来、30年間という長い歳月をかけて、ようやく
長崎-武雄温泉間に新幹線が走り出しました。 高田県政、金子県政、中村県政は、30年かけて、
スーパー特急で始まり、その後はフリーゲージトレインに変更、大阪まで直通運転できる東海道新幹線乗入れ等々を模索、昨今は、
鹿児島ルートに乗り換えなしでつなぐ
フル規格構想を掲げ、一歩一歩前進を続けているものと思っております。部分開通ではあるものの、今こそ、将来に続く武雄温泉から先の問題に決着をつける絶好の機会だと思います。 平成4年11月、新佐世保駅、早岐駅を断念、短縮ルートを了承せざるを得なかった佐世保市民、県北民にとっては、「新幹線は、部分開業したものの、先はどうなっている」との声が続いています。 武雄温泉から先の博多までの新幹線建設を信じて、断腸の思いで県案を了承した私にとっては、関係者の一人として、当事者として、責任を感じながら今日まで見守ってきた自分に対して、残念でなりません。 当時の
長崎-博多間の議論の中心となったのは、時間短縮効果はあるのか、
建設投資効果はあるのか、特に、時間短縮効果が全てだったような感じがします。 また、「佐世保市が反対すると新幹線はできません」との高田県知事の言葉、最後通牒に涙をのんだ思いがよみがえってまいります。 そこで、今、長崎県がやることは、一年でも早く、武雄温泉駅から先の
鹿児島ルートにどうやってつなぐのかどうか、佐賀県と協力し、結論を出して解決すること、喫緊の課題と思います。 長崎県が動かなければ、この問題は解決できません。ここ一年間の県の動き、頑張ってきた成果のほどについて、まずはお聞かせ願いたいと思います。 以下は、対面演壇席より続けさせていただきます。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕田中議員のご質問にお答えいたします。 昨年9月に、
西九州新幹線が開業しましたが、新
鳥栖-武雄温泉間は、いまだ整備方式が決まっておらず、現在、関係者間で協議がなされており、その課題解決には佐賀県の理解を得ることが不可欠でございます。 この間、私自身としましては、佐賀県と連携していくことが、
西九州地域の発展のために欠かせないと認識し、積極的に山口知事と関係構築を図り、両県がメリットを享受できる環境づくりに努めてまいりました。 こうした中、両県の地域振興に寄与する取組として、佐世保線等へのICカードの導入や、佐賀・
長崎デスティネーションキャンペーンなどの共通の施策を連携しながら進めてきたところでございます。 また、佐賀県の課題解決に向けて関係者が知恵を絞っていくことが必要であることから、政府・与党などの関係者に対して、この課題に対する理解と解決に向けた対応をお願いしてきたところであります。 県としては、引き続き、あらゆる機会を捉えて佐賀県知事との対話を重ねていくとともに、関係者へ働きかけることにより、
全線フル規格の早期実現に全力を注いでまいります。 以後のご質問につきましては、自席から答弁をさせていただきます。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) (2)今後の進め方。 私の認識では、佐賀県は、
フル規格新幹線の建設については、正式に認めてはいないと、長崎県は、従来の
アセスルート、フル規格を希望していると、どう調整しますか、大変ですね。 また、
アセスルートでの建設では、地元負担は100%佐賀県にあると、並行在来線の扱いはどうなるかについても、JR九州との交渉、議論が進んでいない。 そこで、佐賀県が国に要求した議論を進める参考資料としてだと思うんだけれども、
アセスルート、山側ルート、海側ルート、3ルートの基礎的な数字については、国からの回答もあっていますので、長崎県も勉強すべきだと思います。 また、佐賀県の求める、九州全体に資する新幹線のあり方等々も含めて、長崎県はどう考えるのか、その対応について見解をお聞きします。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 佐賀県は、フル規格での整備について、ルートや地方負担、在来線等の課題があるとされております。その課題解決に向けて、現在、
国土交通省との間で幅広い協議が続けられております。 その中で佐賀県は、フル規格で整備する場合の3つのルートについて、地域の将来の姿など大きな視点での比較、検証を求めていると承知をしております。 これに対して、
国土交通省は、各ルートの所要時間や費用対効果等を示したうえで、佐賀空港を経由するルートについては、新幹線の安全運行に支障が生じるおそれがあり、現実的には困難とされております。 また、
与党PT西九州ルート検討委員会では、
国土交通省に対して、新幹線事業は
国家プロジェクトであるとの位置づけを再認識し、省全体で取り組むよう求めております。 県としては、ルートについて利便性なども考慮する必要があると考えておりますが、関係者間の協議の状況や動向を注視しながら、佐賀県との対話を重ねるとともに、議論が前進するよう、関係者への働きかけに力を注いでまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) これは私の持論ですけれども、
鹿児島ルートにつなげるというのは大変なことだと思います。 ただ、当初の話では、スタートの話は、福岡県、佐賀県、長崎県、JR九州、4者協議でほとんど進んでいた。だから、福岡県を引っ張り込む、そのためには、佐賀駅から久留米駅につないでもいいんじゃないでしょうか、
アプローチ線をね、そういう等々を含めて、今後検討してほしいと、長崎県の案をつくってほしいと思います。 ひとまず、時間の関係で、次に入ります。 2、九州・長崎IRについて。 (1)長崎県の認定はどうなっているのか。 今日からすると約2か月前でしょうか、4月14日、大阪府・市のIR案は認定されました。 長崎県は、その時点で審査未了とのことで、引き続き審査を続けるとのことであるが、現時点での長崎県の見解をお聞かせ願いたいと思う。 こういう内容ですね。大阪案については、1,000点満点で657.9点と言われており、600点以上だったら一応合格だから認定されたということです。しかし、S、A、B、C、D、Eの6段階評価では3番目のB、優れているということになっていますけれども、物足りなさを指摘されているようです。 長崎県も大変だと思いますが、見解をお聞きしたいと思います。
○議長(徳永達也君) 企画部長。
◎企画部長(
早稲田智仁君) 去る4月14日、国において大阪の
区域整備計画が認定され、本県の計画については、
国土交通大臣から、期限を区切ることなく継続して審査を行っているとされております。 県としましては、十分な審査が行われているものと認識しており、認定される可能性はあるものと考えております。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 4月12日の朝早く、
マスコミ情報の第一報が長崎県にも入ったものと思います。私にも電話がありました。 その時の県の対応、どのような情報収集をしたのか、上京するなどの知事の動きはなかったのか、具体的な動きについて、ご報告いただきたいと思います。 もう一つは、長崎県案は、「九州・長崎IR」と「九州」の看板なんです。この
九州地域戦略会議のメンバーの皆さんにも大変お世話になっているので、現状をどのように説明して納得してもらっているのか含めて、まずは現在の県の頑張りについて具体的にお聞かせ願いたい。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) どのように情報収集を行ったのかという部分について回答をさせていただきます。 国が定めた「
区域整備計画の
認定審査等に関する基本的事項」では、公平かつ公正な審査を行うため、
審査委員会委員や
観光庁職員等への接触禁止に関する規定等が定められております。 具体的には、
審査委員会委員や
観光庁職員への直接的な情報収集に加えて、第三者を用いた場合も同様に制限が設けられております。そのことから、関係者への接触は行っていないところでございます。 昨年4月に
区域整備計画を国へ提出した以降は、こうしたルールにのっとって審査に対応してきたところでございます。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 地元で、この前、びっくりしたんですが、観光庁の資料が、もうコピーして
地元町内会、
自治会あたりに配ってあるんです。私は、その資料を見てびっくりしました。私はもらったことがないんです、そんな資料はね。地元で、観光庁の資料がね。だから、点数が何点だったと、どういうことかということがわかって、今、質問したんですけれどもね。これは質問の中でありませんので。 (2)今後の進め方。 まずは念のため確認しておきたい点は、出資金1,753億円のうち、日本側出資の必要な20%については解決しているのか、解決しているとすれば発表してください。 また、2,630億円の金融・銀行融資については解決しているのか、ご報告願いたい。 次に、国の
有識者委員会の審査はいつまで続くのか、県はいつまで待つのか、そのめどについて。 1回目がだめな場合は、2回目の国の区域認定の募集は必ずあるものと思うので、長崎県はどう対応するのか、以上、まとめて見解をお聞きしたい。
○議長(徳永達也君) 企画部長。
◎企画部長(
早稲田智仁君) まず、出資額についてでありますが、資金調達については、出資及び融資の総額が確保されることが重要であると認識しております。 出資については、国内企業を含め、総額1,753億円を超える
コミットメントレター等を取得しており、確実に計画を推進することができるものと考えております。 次に、銀行融資についてでありますが、金融機関等からの借入れについては、2,630億円を調達する計画となっており、出資金と同様、その額を超える
コミットメントレター等を取得しているところでございます。 次に、国の審査をいつまで待つのかとのお尋ねでありますが、4月14日の
国土交通大臣の会見において、「長崎の計画は、期限を区切ることなく継続して審査を行っている」との発言があっております。 県としましては、現在行われている審査に関して、一日も早い区域認定の獲得に向け、しっかりと審査に対応してまいりたいと考えております。 次に、次回の募集についてでありますが、仮定のことについては、ご答弁を差し控えさせていただきますが、まずは一日も早い区域認定の獲得に向けて、今回の審査にしっかりと対応してまいりたいと考えております。 また、
九州地域戦略会議のご質問が先ほどございましたけれども、去る5月31日の
九州地方知事会議及び
九州地域戦略会議において、本県から継続審査の状況等について報告し、引き続き「
オール九州」で推進していくこととされております。 こうした「
オール九州」による推進体制は、九州・長崎IRの特徴の一つであると考えており、IRがもたらす経済効果を広く波及させる取組など、開業を見据えた各種施策を推進してまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 先ほど、地元資料のことも話しましたけれど、この観光庁の資料には、地元20%、20社、日本企業がずらっと並んでいる、大阪案は、長崎県には何も書いていないね、何も、そんな感じで言いますと、やっぱりどうなのかなと。 もう一つは、我々が知らないことをどんどん資料として出てくるんだけれども、県は情報収集をどうしているのか。我々にも何も知らせない、教えてくれない。懸念を述べておきたいと思います。 3、
石木ダム建設について。 (1)令和4年度の進捗について。 令和5年2月定例会において、実際は3月6日の
予算総括質疑ですけれども、私は、「
ダム本体工事に着工して完成を急いでください」との質問をしたわけです。 知事は、「事業区域内では、家屋であったり、団結小屋など、土地についても明け渡しを受けておりませんので、本格的な
ダム本体工事発注の支障となっているのは事実だと思います」と、「最大限の努力をしていきます」と答えています。 また、「川原地区にお住いの皆さんの事業へのご理解、ご協力をいただけるよう、努力を重ねながら努力を続けていきたいと思います」と、このような答弁をいただいています。努力、努力なんです。 その後、具体的な知事の動き、この努力のほどをご説明、ご報告を願いたい。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君)
石木ダム事業を円滑に推進していくためには、川原地区にお住いの皆様のご理解とご協力をいただくことが重要であるという考えに変わりはございません。 昨年9月の2回目の面会以降、毎月、職員による訪問であったり、文書によって話し合いの要請を行っておりますけれども、応じていただけないという状況が続いております。 一方、工事については、令和3年度に引き続き、
ダム本体工事の一部である左岸部の掘削や付替え県道の橋梁下部工などの工事を進めております。令和5年2月からは、収用地にも着手をしたところでございます。 県民の安全・安心を確保するためには、石木ダムが必要であるということに変わりはありません。一日も早い完成に向けて、引き続き、工事工程に沿って進めていきたいと考えております。 一方、困難な中にあっても、川原地区にお住いの皆様に事業へのご理解とご協力をいただけるよう、努力を重ねていきたいと考えております。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 努力を重ねる、努力を重ねる的な答弁が多いんですけれども、一年間、具体的なものはなかったのかどうか、具体的なものはなかったのか、残念ですね。はっきりわかっているわけですからね、もう原因は、どうすれば工事発注できるかと、残念であることを伝えておきたいと思います。 (2)令和7年度完成は大丈夫なのか。 令和7年完成の工程表については、令和2年度に本体工事を発注しなければ、5年間かかるわけですから、令和7年完成するものではない。早くも発注していなければね。現実、令和5年で現実の発注がないとすれば、令和7年に完成するわけがない。「令和7年に完成に向けて最大限努力する」を含めての答弁であるけれども、無理なことは無理だと思いますよ、無理なことは無理だ。 どうして
本体工事発注の予定が組めないのか。
中村知事時代12年間で、少しずつは進展していたと私は思いますよ。もう、大石知事が決断をする時だと思いますね。 それで、県道の付替え
工事等付帯工事は、工程表では何年遅れているのかが一つ。 なお、工事の進捗は、付帯工事、
ダム本体工事、並行してやれないのかどうか。並行してやれないのか、なぜ発注について決断できないのかをお聞きいたします。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 付替え道路工事につきましては、座り込み等の妨害行為が行われていますけれども、安全に配慮しながら、工程表にお示しした令和6年度完成に向けて進捗を図っているところです。 また、付替え道路工事については、平成28年度末から着手し、
ダム本体工事については、令和3年9月から、ダム左岸の掘削を行っているところであり、現在も並行して、ダム完成に必要な工事の進捗を図っているところです。 現在は、皆様のご理解を得る努力を続けているところであり、完成に向けて必要な工事を工夫しながら進めていて、引き続き、令和7年度完成に向けて努力してまいります。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 今の答弁では、もう本体工事に入っているんだと、本体工事に入っているんだという認識だと私も理解しますが、よろしいんでしょうか。 それから、妨害がある、それは事実だと思います。ただし、石木ダムの皆さんの妨害というのは、そんなに何箇所でもやれるほどの人的な問題じゃないと思いますから、何箇所か並行して工事を発注すれば、私は、少しずつでも進展すると思っているんですが、この点はいかがですか。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 本体工事につきましては、現在、先ほど申し上げましたけれども、ダム左岸の掘削を行っており、頂部の掘削につきましては、既に終わっているところです。令和7年度完成に向けて努力してまいります。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 令和7年度完成に向けて努力するという話は、それはそれとして、現実できないでしょう。令和2年に発注しなければ、令和7年に完成しないんですよ、工程表では、もう令和5年にもなって、令和5年ですよ。私は、正式に本体工事に発注しているという認識ではありません。当局は、いや、発注しているんだと、本体工事に入っているんだという認識ですけれどもね。 やっぱりそこらはですね、無理なのは無理、私も、無理なことはもうこれ以上言えないので、やれないものはやれないで仕方ない。ただ、いかにして早くやるかということについて模索すべきだと、検討すべきだと、並行してやる方法等々もあるじゃないかということなんですがね。 再度、答弁願います。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 現在、本体工事に着手しているということは事実でして、それは令和3年度から着手をしております。 また、並行してできることについては、様々な取組を行ってきております。付替え県道の全線開通を待たずに本格的な
ダム本体工事への着工を可能とするため、
ダム本体工事期間中に必要となる現道の代替である
迂回道路工事の進捗を図っております。 また、迂回道路が完成するまでの間は、現道の一般交通に影響のない左岸部の本体掘削を進め、さらに引き続き、一次転流工や河床部掘削など、着手可能な箇所にできる限り工事着手し、切れ目なく工事を進めているところで、令和7年度完成に向けて努力してまいります。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 何しろ答弁にはね、少しやっぱり慎重になってほしいね、言葉がね。やれないことをやれるというような答弁はね、やっぱりこれはおかしいですよ、一般論として。ぜひ再考してほしいと思います。時間の関係で次にいきます。 4、県の基地対策(防衛県)について。 (1)長崎県の基地 米軍、自衛隊の実態を踏まえた県の認識について。 まずは、長崎県の位置づけとして、国防協力県であり、特に、佐世保市の基地協力については国の評価は高いものと認識しています。 内容的には長崎県の米軍基地は、10施設数と468万平米の面積があり、沖縄県、青森県、神奈川県、東京都、山口県の次、6位に位置するものであります。 また、自衛隊についても、海上自衛隊佐世保地方隊は総監部がありますからね。山口県の日本海側より九州全域を守っているわけです。 陸上自衛隊では、西部方面隊の傘下施設、または水陸機動団の本部がある。 航空自衛隊でも、対馬、福江島に基地がある。 以上、長崎県の国防に対する協力に対して、国の対応はどうなっているのか、また、基地周辺整備事業、民生安定等々の活用が少ないと思うがどうかということについて、見解をお聞きします。
○議長(徳永達也君)
危機管理部長。
◎
危機管理部長(今冨洋祐君) 本県の基地対策につきましては、これまで県民の安全・安心のために必要な意見はしっかりと申し述べながら、国の防衛政策に対しては、安全保障の重要性を十分理解し積極的に協力するとともに、有効な信頼関係を築いてきたと認識しております。 基地の存在は、米軍基地が所在することに伴う市民生活への影響や訓練による騒音など課題がある一方で、基地が経済や地域の活性化に大きな役割を果たしているほか、各地に配備されている自衛隊は、地域の安全・安心のよりどころとなっております。 今後も、基地と地域との共存・共生を図るため、国に対し、国防に協力するという県の姿勢についても伝えながら、佐世保港のすみ分けなどの課題の早期解決、財政的措置を含む地域振興策の充実、地域経済へのさらなる寄与などを求めてまいります。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 「防衛県」と私はわざわざ書いたんですけれども、長崎県は、これだけ国防に協力しているんですよ、協力しているんですよ、実態ね、しかし、あまり顔が見えない、長崎県の。 全国の渉外協議会ですか、渉外県の副会長でしょう、知事は副会長でしょう、もう少し物を言っていいと思いますよ、基地に対して、防衛に対してね。私は、そういう認識をしています。 (2)佐世保市の前畑弾薬庫の移転について。 佐世保市は、平和港湾都市の位置づけをしております。そのため、前畑弾薬庫の針尾島への移転は長年の課題であります。 また、移転跡地についても、市への払い下げ、活用事業等も検討されているわけですが、基地の移転が完了して後の計画ですから、20年、30年先の計画と現実、言わざるを得ない。 とにかくですね、解決策が進展しない。日米合同委員会が決めてからも、決定してくれてからも、具体的な形が見えない。大変不満を持っています。 針尾弾薬庫、安久の浦への移転施設の配置案、移転した時にどうなるんだ、その前の工事用道路だけでも進展しなければ、工事用道路ができなければ工事に入れませんからね。最初は20年ぐらいかなと思っていたけれども、これだと50年かかりますよ、極端に言うと。 このことは、佐世保市の長年の課題なんですよ。県も、ぜひ共有してほしい、この佐世保市の基地問題についてはと思いますが、見解をお聞きします。
○議長(徳永達也君)
危機管理部長。
◎
危機管理部長(今冨洋祐君) 前畑弾薬庫の針尾島弾薬集積所への移転につきましては、これまで埋立地、弾薬庫エリアの土質調査や埠頭の構造調査などが実施され、現在、弾薬庫の配置計画に係る米側との協議が行われており、国からは、この協議に時間を要しているとの説明があっております。 工事用道路につきましては、令和2年度に1億3,900万円、令和3年度に1億7,600万円が計上され、調査や基本設計が行われてきており、令和5年度においても、基本設計の経費として2,300万円が計上されるとともに、実施設計に向けて、道路ルートの線形について米側との協議が続けられております。 県としましては、前畑弾薬庫の移転・返還は、佐世保港のすみ分け実現に向けた最重要課題と認識しており、今月実施した政府施策要望においても、最重点項目と位置づけて強く要望したところでございます。 移転・返還の実現のためには、工事用道路の一刻も早い着手も含め、事業の進捗を加速させる必要があると考えており、今後も、佐世保市との連携をさらに密にしつつ、国に対して、あらゆる機会を捉えて要望を行ってまいります。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 工事用道路の話が進捗しているかのような答弁ですね。これは、工事用道路といえども、幾ら設計を進めたって、実際にやる時には用地の確保をしなきゃなりません。地元の佐世保市の有福町というんですけれど、まだ認知していませんよ、道路、それから用地交渉に入って、国有地が多いとは思うけれども、しかし、民有地も入る。 過去、あそこでトンネルを一つ造ろうとしたけれども、土地所有者の了解が得られずにボツになった事業、大きな事業が一つあります。安久の浦トンネルの代替工事ですけれどもね。 そういうことで、地元との交渉が今から始まるわけだから、そういうことを含めれば、これは進んでいるという感じにならない。ぜひ、県も共有してほしいと思います。 5、土木行政について。 (1)道路交通網(IR関連も含む)について。 県北の大事業は西九州道路ですね。松浦佐々道路、伊万里松浦道路及び伊万里道路も、30年近くたっても、まだ完結にはほど遠いですね。しばらくかかるだろう。長崎県の高規格道路の整備もなかなか進まない状況だという認識を私は持っています。 ぜひ頑張ってもらわなきゃいかんのですが、具体的には、IR関連道路としての針尾バイパス、東彼杵道路の整備状況、西彼杵道路、国道202号の整備状況について、確認をしておきたいと思います。お願いします。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 国道205号の針尾バイパス4車線化事業については、昨年度の補正予算を含め、今年度は約5億円の予算が確保され、国において鋭意工事が進められています。 現在、針尾バイパスに接続している県道崎岡町早岐線をハウステンボス入口交差点側に切り替えるための工事が行われているところです。 東彼杵道路については、国において進められてきた計画段階評価手続が昨年12月に完了し、今年1月には環境影響評価手続に着手しています。 引き続き、針尾バイパス4車線化の早期完成並びに東彼杵道路の早期事業化について、関係市町とも連携しながら、国に対して働きかけてまいります。 西彼杵道路については、全体約46キロメートルのうち、これまで約18キロメートルを供用しています。 現在は、昨年度事業化した大串白似田バイパスにおいて測量設計を進めているところです。 また、国道202号の浦頭拡幅については、これまでに全体1.8キロメートルのうち0.8キロメートルが完成しており、浦頭から東明中学校前交差点間において、交通の円滑化が図られています。 今年度は、補正予算と合わせて約4億円を確保しており、山切りなどの工事や、残る用地の取得を進めているところです。 引き続き、西彼杵道路及び浦頭拡幅の早期完成に向けて取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 針尾バイパス、今の状態では、10年かけても多分、完成しないでしょうね、そんな感じがします、予算の配分を見れば。それは西九州道路の方が大事だと思いますけれども、針尾バイパスも、東彼杵道路の起点とする位置づけからすれば、やってもらわなきゃいかん。東彼杵道路も進展している、進展しているという話は聞くけれども、具体的なものは見えてこない。 特に、先ほどもちょっと話しましたが、用地の問題が絡んできますからね、道路を造ると用地の問題が。だから、ある程度事前に、想定できるような場所についてはどんどん進めていかないと、進捗できないんじゃないかと。 それから、国道202号、これは最初の計画と、今のハウステンボス関連になったいきさつが、ちょっと私も不明なんだけれども、遅れてしまいましたよね、最初の計画からすると、7年完成ということになっているけれども、これも私が見ていて、5、6、7では無理だと、予算がついていない。最初の予算、20億円の予算で始めて、倍の40億円近くなるというような感じもしますから、大変なことだとは思うけれども、やっぱりやると決まったら地元は期待しているわけだから、ぜひ頑張ってほしいと思います。 (2)早岐川の建設推進。 佐世保市早岐地区の中心にある早岐川は、昭和42年の豪雨被害以来、平成2年の家屋被害等の2つの大水害もあって、地元の皆さんの悲願であったわけです。30年近くの要望が、ようやく実現しようとしております。 平成26年に事業設定、本年6月には、ようやく直接建設工事が始まりました。私は大変喜んでいます。 一期区間は340メートル、全体では1,840メートルの河川改修事業であり、1期、2期合わせると総事業費は約200億円と言われている。毎年度10億円かけても20年かかるんですよね。そこまではいっていないので、できるだけ急いでほしい。 なぜならば、まちのど真ん中に川をつくるんですよ、まちのど真ん中に、これは、影響が大きいんです。あとの、土地を利用した地元の計画等々も誘発しなきゃいかん。河川整備、併せて道路整備も若干加わってくる、ありがたいことですけれどもね。早期完成が期待される。何しろ一日も早くという感じがします。今のままでいくと、また20年、30年先の完成になってしまいますのでね。 このように長崎県は、もう20年、30年、40年というスパンの事業が多過ぎる。集中的にやってもらわないといかんし、政治力がないんですかね、やっぱりね。我々は、あくまでも県に対しての要望ぐらいしかできませんので、県はひとつ、国に対して、もっと頑張ってほしいという感じを持っています。予算獲得をぜひお願いして、見解だけ聞かせてもらいます。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 早岐川の整備については、一般県道平瀬佐世保線、早岐橋の下流部において新川開削の計画としており、多数の家屋移転が必要となっています。 これまで地域住民との意見交換を行いながら計画を策定し、必要な用地等について、ご協力をいただき、着工準備が整ったところです。 今年度から河口部の1号橋に着手したところであり、今後、本格的な河川改修に向け、必要な予算をしっかり確保し、早期完成に努めてまいります。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 早岐川の整備の予算をよろしくお願いします。 時間が23分ほどあります。これからは、知事とゆっくり話を、質疑をさせていただきたいと思います。 6、知事と統一地方選について。 (1)地方自治の二元代表制についての考え方。 憲法第93条に、「地方公共団体には法律に定めるところにより、その議事機関として議会を設置する」となっています。地方公共団体の長、これは知事ですね、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するということになっています。やっぱり住民の意思が反映するような形になっているわけです。いわゆる二元代表制、地方自治は国政とは違うんです。地方自治はね、二元代表制。 そこで、通常の地方統一選挙は、知事選挙と県議会議員選挙は、普通は一緒にあるんですよ。市長選挙と市議会議員の選挙もね、普通はあるんです。 長崎県の場合は、西岡知事の選挙でちょっと早まっている、一年ほどですね。そういうことで、一年開きがあることにおいて、お互いの選挙の干渉、介入が行われる要素があるわけです。同一だと一緒にやるわけだから、あまり知事が県議会の選挙に関与することはなかった、なかろうかと思いますけれども、長崎県の場合はそういうことです。 私の経験では、知事が県議会議員の選挙にこれほど干渉、介入した記憶はありません。(発言する者あり)中村知事、さかのぼる金子知事、高田知事とはちょっと私もありましたけれどもね、ありましたけれども、まあ、そういう記憶はないんですよ。 今回、大石知事は初めてですよ、こんなに我々の選挙に介入してきたのは、私は、介入とあえて言わせてもらう。 法的には問題ない、とは思いますよ、法的にはね。しかし、道義的にはね、議会の議決権等々を考えると、議会の議決権、これを縛るような干渉、介入は好ましいことではないと、私の見解です。 知事の見解を聞かせてください。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 二元代表制においては、議員おっしゃるとおり、議会が、地方公共団体の意思を決定する機能と執行機関を監視する機能を担うものとして、同じく住民から直接選挙された首長と相互に緊張感を持ちながら、地方自治の適正な運営を担っていくことが期待されるものと、まず認識をしています。 私は、政治家の立場で判断をして、県議会議員選挙において選挙応援を行いましたが、今後も県民からの負託を得た県議会議員と知事として、緊張感のある関係のもと、是々非々の議論をしていくべきと考えております。(発言する者あり)
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) この議会において、知事ね、緊張感を持つ、当たり前ですよ、当たり前、緊張感を持つ、表向きはそうしなければ、やっぱり県民は納得しませんよ、なれあいばかりでは、それは当たり前で。 (2)知事の政治姿勢と統一地方選 県議選の対応について。 まず、事実関係を整理するため、知事にお聞きしますが、今般の統一地方選挙の県議会議員選挙において、何人の応援に行かれたのか。また、その応援した人に対して1回はね、表敬訪問という形もあるでしょうけれど、2回行かれたか、3回行かれたか、5回、6回と行かれた方もおられるとも聞きます。 ここら辺は、当局に聞いても、「いや、知事の公務じゃないところは一切知りません、知事に聞いてください」というのが、正式な事前の質問の時の話です、知事に聞いてくださいと、だから、ぜひ知事にお聞かせ願いたいと思いますが。 2回行かれたら応援ですよ、もう。3回以上行ったら、これはもう介入、干渉ですよ。正常の公平な選挙にならないと私は考えます。ひとつ見解を聞かせてください。見解というより事実関係を聞かせてください。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 今回の県議会議員選挙において、私は、大石県政にご理解をいただけることが確認できた候補者の方から選挙応援の要請があった際、公務に支障がなく、日程調整が可能な範囲において、政治家の立場のもと応援を行いました。その応援については公務ではないため、ここでの答弁は控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 当局の答弁も、公務と政治活動は、ちょっと私たちはわかりませんと、しかしね、知事ですよ。 我々も議員として、私も長年やっていますが、やっぱり365日、議員ですよ。昼も夜もない。何か言われたら出て行かなきゃいかん。 しかし、やっぱり知事は、その中でもね、公務ではないからお答えできないというのは、私はおかしいと思います。堂々と、何人に行って、どのくらい応援しに行ったのか。 やっぱりね、支障が起きているんですよ。私が言う新幹線、IR、石木ダム、あなたは「努力する、努力する」と言っているけれども、回数にしたって、行かれてないじゃないですか。この選挙期間中が一番、活動できるんですよ、議会対策をしなくていいから、選挙期間中は。だから、新幹線でも佐賀県の知事、佐賀県も知事選挙はなかったと思いますからね、今度はね。IRだって、国に行って、いろいろ長崎県の要望をする。石木ダムだって、現地に行って、やる。その格好の期間ですよ、この地方統一選挙の1か月ないし2か月近くはね。 それを、ほとんど県議会議員の選挙運動に応援に行かれていたということは、私は理解できないです。今までの知事で、そんなことをした人はいません。(発言する者あり)これはあなたの感覚だろうからね。 先ほど、理解していただいた方には応援に行ったと。私たちは理解してないんですね、応援してもらえませんでしたから。 もうこれ以上、何回行ったか公表できないと言うのなら、私も、それを回答は県民の皆さんの判断にゆだねましょう、公表できないということならね。 私の場合を、ちょっと時間があるので話をさせてもらいます。私個人の場合をね。 去年の暮れ、マスコミの人から、「田中さん、田中さんの地元で知事の秘書が出ますよ」という話でした。知事に秘書がいるなんて思っていなかった。「出ますよ、注意した方がいいですよ」と好意的な忠告をいただいたし、口の悪い人は、「田中さん、狙われていますよ」とささやいてくれた。 幸い私は当選できたけれども、今回の選挙は、私としては知事との闘いでしたよ、私としては知事との闘いだった。 なぜならば、知事の政治用の看板が、選挙事務所に候補者と横並びで出ているんですよ、ずうっと、国道沿いにね。知事と2人で看板が出ているんですよ、選挙事務所にね。私は、その前を通りながら、「ああ、知事は応援しているんだな」という感じを持ちましたし。 地元の人に言わせると、「知事が、何かしょっちゅう来とらすらしかですよ」という話ね。これは何回か知りませんよ。ただ地元の人は、やっぱり頻繁に来ているということでしょうね。毎晩来ていることはないと私も理解していますけれどもね。そういう感じで私は今回の選挙を戦ったから、私は、知事と闘ったと思っている、今回の選挙は、知事の看板と。 まあ、やっぱり知事は大したものですよ、その政治力、影響力というのはね。私の票も、ようやく上がった、ようやく上がれた。 それは、一人区の選挙だとすれば、やっぱりこれは知事が応援に行く、行かない、干渉、介入になるほど4回も5回も行けば、それは民意にね、正確に伝わりますよ、民意に。 それほど、知事という権力はあるんですよ。知事、それは認識してください。知事という権力は大変なものなんですよ。その影響、影響力、やっぱり少し考えてもらわないと。今までの知事どおりやれとは言いませんけれども、新しいものを求めていく、それはいいでしょうけれども、議会に、議員の選挙を通じて介入してほしくない。これは議決権を持っているわけだから。 議決権が縛られることはないと思う、議員の皆さんの良識からね。しかし、議会分断ですよ。応援した人、応援しなかった人、落とそうとした人までいるわけだから、私はあえて言いますけれどもね。(発言する者あり) まあ、そこら辺で、公平な選挙にはならないんじゃないかと。知事があまり介入、干渉をするということについての見解を、もう一度聞かせてください。(発言する者あり)
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 県議会議員選挙においては、先ほど申し上げたとおり、大石県政にご理解をいただけることが確認できた候補者、また、今回、市長選挙もありましたけれども、市長選挙においては、施策の方向性を共有でき、特に、県市連携が政策に盛り込まれた候補者から応援要請、選挙の応援の要請があった際に、公務に支障がなく、日程調整が可能な範囲において、政治家の立場のもと、応援を行ったところでございます。 選挙に対して、知事は中立的であるべきというような意見があることは承知をしておりますけれども、知事が選挙において激励や応援に入ることは、全国的にも多く見受けられることと思います。それによって特異なこととは考えてはおりません。 また、各地域における首長選挙や議員選挙においても、二元代表制による地方自治のもとで、それぞれの目指す施策の実現に向けて、それぞれの立場で選挙応援がなされていると認識をしております。 また、繰り返しになりますけれども、今回の選挙での応援ですけれども、公務のない時間帯で、政治家の立場で選挙応援をしたものでございます。私は、これまで、まず、知事として公務を最優先に行ってまいりました。今後も同様に努めてまいりたいというふうに思います。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 知事、知事は長崎県民の代表なんですよ、長崎県民のトップなんですよ。(発言する者あり)だから、全てのことが知事の言動で影響は受けますよ。それは認識してもらわないと。 我々でさえ、議員という立場でいろいろな影響があるところには、やっぱり気をつかいますよ、物の言い方としたって気をつかう。 7、その他。 そして、これは通告していなかったんですが、知事の最初の知事選挙は、不幸な感じでしたよね、自民党分裂選挙でね。 しかし、それは、選挙が終わった後、知事はノーサイド的な発想の話をされましたよ。我々もそう思った。それをまとめきるのは、勝った方なんですよ。負けた方が修復できません。勝った方が、議会対策も含めて修復しなきゃいかん。 ますます議会を分断しているじゃないですか、長崎県議会を。私はそう認識しています。大変、残念ですね。 また、知事の公務についての見解がありましたので、公務はちゃんとやっているんだと、当たり前ですよ、それはやってもらわなきゃ、知事ですから。 4月1日、土曜日ですが、佐世保市の市制施行記念式典の行事がありました。市政功労者などの表彰が中心となって行われる。我々も、案内があれば行きます、必ず行く。たまたまその時は選挙期間中だったから、私自身の選挙期間中だったから、行けませんでした。 知事への案内はなかったんですか。あったとすれば、なぜ出席できなかったのか、お聞きをします。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 本年4月1日に開催されました佐世保市制施行記念式典につきまして、ご案内はいただいております。 そのうえで、昨年の120周年であったり、中核市への移行などの節目となる式典への知事の出席、それ以外の場合の代理出席など、過去の対応を踏まえて、121周年となる今回の式典への対応について、県として総合的に判断をして、県北振興局長の出席として、佐世保市にお伝えをしました。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) そういう見解で出席しなかったと。 しかし、その時、知事は、その時間帯に何をなさっていたんですか。(発言する者あり) 私が聞くところ、アルカスSASEBOの会場のすぐ近く、200~300メートルか400~500メートル離れているか知らんけれども、知事がいたよと、選挙応援していたよ(発言する者あり)という話がマスコミから入ってきて、私は愕然としましたよ。(発言する者あり) 出席できないのは、それは仕方ない。公務がね、土曜日だから、私的な行事もあるでしょうけれども。 しかし、いやしくも会場からすぐ近くに、堂々と選挙応援をしている姿は、佐世保市民はどう感じるでしょうね。(発言する者あり)佐世保市制施行記念式典には来なくて、選挙応援を。 それはそれで、ある程度、知事は勝手じゃないかという見解だから、それ以上は申しませんけれども、やっぱり見た目がね、(発言する者あり)我々は失望する。 これを聞いた時に私は本当にね、選挙期間中だったけれども、頭がくらくらして、一日ぐらい満足にあちこちでしゃべれなかったですよ。(発言する者あり)なんで知事はそんなことをするんだと。すぐ隣だから、やっているのは。顔を出した後に行くならまだしも、並行して、そういう選挙応援をしているという話が入ってきました。事実かどうか、聞かせてください。(発言する者あり)
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) これまで、公務のない時間帯で、政治家の立場で選挙応援を実施したものだというふうに認識をまずしております。個別の行動については、ここで答弁を控えさせていただきます。(発言する者あり)
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 議長にちょっとお願いしたいんですがね。(発言する者あり)知事の公務で発言する、これは私の個人的な時間だから、議会でも、もうできないと、詳細にできないというのはね、我々の感覚からすれば、ちょっとやっぱり問題がある。 仮定の話をするわけじゃないんですよ、公的な話です、選挙の応援なんていうのは、誰でも見ているんです。また、影響力も本当に大きい。----------------------やっぱりその影響力みたいなものについて、もう少し慎重にあってほしい。権力というものを使うことにおいては、もう少し慎重であってほしいと、あえて申し上げたいと思いますけれどもね。 事実ですね、これは、佐世保市の4月1日の話は、私はマスコミから聞いただけで、私は選挙期間中だからわからない。事実ですね。確認しておきたいと思います。(発言する者あり)
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 個別の選挙に関する活動については、ここで答弁を控えさせていただきます。(発言する者あり)
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) ぜひ、議長にお願いしますが、議運等でも、議会運営のあり方、一般質問に対する知事の答弁のあり方等々については、やっぱりちょっと考えてほしいと、あえて議長にお願いをしておきたいと思います。 また、知事の政治姿勢として、県下の首長選挙に過度な介入、干渉は、私は望ましいことではないと思いますよ。13市8町ですかね、長崎県下13市8町、この首長選挙に知事が乗り込んでいく、これは大きいですよ。やっぱり慎重にしてほしい。 ましてや、私はちょっと知事に、これはもう党派のことだから、あまりここで追及する気持ちはないんですが、党派のことだから。 知事は、先般の選挙は、自民党を中心とした推薦候補として選挙を戦われたわけでしょう。自民党にお世話になったという感覚、自覚はないんでしょうか。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) まず、市町首長選挙に入るべきではないという話がございましたけれども、魅力ある長崎県づくり、新しい長崎県づくりを実現するためには、まず県市連携が重要だというふうに思います。 今回、県市連携を強く訴えていた候補の応援をさせていただきました。また、施策について、しっかり議論をする機会がございましたし、その方向性について、同じ方向性を見ているということを確認できたということが、まず一つございました。そこで、県市連携をしっかりと訴えられていたところで選挙応援をさせていただきましたけれども、その選挙を応援したことについては、皆様にも一定のご理解をいただけるものというふうに思います。(発言する者あり) これは党派関係なく、各県議会議員と緊張感を持って、是々非々で議論をすべきというふうに考えております。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) 私が知事に聞いたのは、先般の知事選挙、あなたの知事選挙、自民党推薦を錦の御旗で戦われたんでしょうと、自民党推薦、お世話になったという気持ちはないんですかということです。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 長崎県連から推薦をいただいたことは事実でございます。ですが、今、直接県民から選ばれた県議会議員と、また知事として、しっかり緊張関係を保ちながら、是々非々での議論を重ねていくべきというふうに思います。
○議長(徳永達也君)
田中議員-46番。
◆46番(田中愛国君) もう時間の関係で最後にしますが、今般の佐世保市長選、推薦候補じゃないんですよ、知事が応援されたのは、自民党の推薦候補じゃないんです。 知事は、自民党推薦で上がったと私は思っている。だから、自民党の枠の中で頑張ってほしいな、ある程度はと思っていますけれどもね。------------------------------------------ 長崎県の代表、知事は、ある程度私を捨てて公に、公の方に傾いた県政をやってもらわないと。 それから、公務と自分の時間というのは、知事はそういう世代にお生まれになったんでしょうけれど、我々の感覚では、議員も含めて、365日、24時間、議員は議員ですよ。緊張感を持ってやっていますよ、我々も。だから、もうそろそろ俺も引退かなと思っていますけれどね、これはそういうのがやれないようになると、だから、やる以上は頑張ってまいりますが、いろいろと今後の県政に影響が出なければいいと私は思っていますけれどもね。まあ、一般質問を終わります。(拍手)
○議長(徳永達也君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、11時15分から再開いたします。 -午前11時2分 休憩------------------------------------ -午前11時15分 再開-
○議長(徳永達也君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 近藤議員-26番。
◆26番(近藤智昭君) (拍手)〔登壇〕皆様、おはようございます。 自由民主党、南松浦郡選出の近藤智昭であります。 4月の統一地方選挙において、地元の皆様から熱い声をいただいてまいりました。引き続き、離島振興など、県政の課題に対して正面から向き合い、柔軟で効果的な取組によって持続可能な社会を目指してまいります。 上五島の未来を見据えながら、長崎県の発展に尽くしたいと思っております。 それでは、通告に従いまして、質問に入ります。知事はじめ関係各位のご答弁をよろしくお願いします。 1、県政の推進について。 (1)財政運営について。 大石知事におかれましては、知事就任以来、一年が経過されました。この間、県政を取り巻く様々な課題に対して、県民の声に耳を傾け、若さと行動力を発揮し、積極的に取り組んでこられたものと感じております。 今後も、知事が目指しておられる、全ての県民皆様が、県内どこでも、幸福で、豊かで、安全で、継続して暮らしていただける長崎県の実現に向けて、きめ細やかな取組を継続し、発展することを期待しております。 さて、県は、持続可能な財政運営を目指し、これまで累次の計画等を策定しながら、行財政改革を着実に進めてこられました。現在においても、「長崎県行財政運営プラン」に基づき、歳入の確保及び歳出見直しの両面から収支改善を積極的に推進しております。 その結果、令和3年度決算においては、財源調整基金の取崩しに依存しない財政運営を達成されるなど、これまでの財政健全化の取組の成果が生じているものと評価しております。 しかしながら、3年もの長期に及んだ新型コロナウイルス感染症拡大やロシアのウクライナ侵攻を契機として、エネルギー、食料品価格等の高騰により、県民生活をはじめ、様々な分野において経済的な影響を生じており、本県財政への影響も懸念されるところであります。 そこで、今議会に提出されている令和4年度の最終専決補正予算を踏まえ、県の財政状況の現状と今後の財政運営について、知事はどのように考えておられるのか、お尋ねします。 (2)新型コロナウイルス感染症対策について。 ①5類移行後のコロナ受入れ体制について。 令和2年以来、3年間続いた新型コロナウイルス感染症との戦いについては、去る5月8日に感染症法上の位置づけが5類感染症に見直され、大きな節目を迎えました。 これに伴い、コロナについても、従来の限られた医療機関による対応から、季節性インフルエンザなど、ほかの疾患と同様に幅広い医療機関による対応に移行することとなったところです。 そのため、これからは県民が安心して必要な医療を受けられるよう、コロナの診療、入院に対応できる医療機関の拡大を図っていくことが喫緊の課題ではないかと認識していますが、どのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねします。 ②県民への注意喚起について。 コロナに対応する医療機関の拡大が図られたとしても、夏場の感染状況によっては、今後も医療の逼迫を招く可能性がないとは言えないと考えております。 コロナが5類に移行したとはいえ、ウイルス自体がなくなったわけではないことから、医療機関だけではなく、県民への注意喚起も必要ではないかと思いますが、県の考えをお尋ねします。 (3)G7長崎保健大臣会合について。 G7広島サミットの関係閣僚会議の一つであります「G7長崎保健大臣会合」が、去る5月13日から14日の2日間、長崎市の「出島メッセ長崎」で開催されました。 この会合では、G7主要7か国及びEUをはじめ、招待国でありますインドやインドネシア、ベトナムからも、関係閣僚のほか、多くの関係者が長崎の地を訪れ、国際社会が直面している保健分野の課題について議論がなされたものと思っております。 知事は、これまで、「この会合開催の機会を捉え、歴史、文化、自然、食などの長崎の多彩な魅力や、被爆地長崎の核兵器廃絶や、世界恒久平和の思いを、広く国内外に発信していきたい」との意気込みを話されていました。 無事に会合を終えられた今、今回の会合開催について、成果も含め、知事はどのように総括されているのか、お尋ねします。 (4)ながさき健康宣言について。 知事におかれましては、これまでの知見を活かし、医療偏在の問題や医療従事者の確保、処遇改善など、医療・福祉の分野について、並々ならぬ覚悟で取り組まれているとお聞きしております。 そのような中、「G7長崎保健大臣会合」の100日前フォーラムでは、ポストコロナ社会に向けた健康・医療課題をテーマにしたパネルディスカッションや県の健康づくりの取組の紹介がありました。 知事からは、本県が抱える健康増進、医療的ケア、医療ICT化の3つの課題を踏まえ、「ながさき健康宣言」が発出されております。 宣言に盛り込まれた医療ICT化により、離島の住民が本土地区と同様な医療サービスが受けられる体制づくりが進めば、地域医療を担い、住民の健康に真摯に向き合う離島医療従事者の負担軽減にも寄与するものと考えます。つまり、離島振興を重要課題としている本県においては、優先すべき取組であります。 大石知事が就任中に何としても進めなければならない分野の一つであると期待しておりますが、これからの取組と意気込みについて、お尋ねします。 2、産業の振興について。 (1)林業の振興について。 本県では、自然の豊かさを強く感じることができておりますが、これは県土の約6割を占める森林をきめ細やかに見守り、整備していることが大きな要因であります。 森林の維持、管理に携わられております林業従事者の皆様は、県民生活を豊かにする大切な役割を果たされており、深く感謝するところであります。 さて、本県は、「第2次長崎県地球温暖化(気候変動)対策実行計画」を策定しております。令和3年には、「2050年ゼロカーボンシティ」を表明し、温室効果ガスの実質排出量ゼロを目指しております。 県が掲げるカーボンニュートラルの実現のためには、温室効果ガスの排出を抑えるとともに、吸収量を維持、向上させる必要があります。 そのためには、県内の森林をいかに高機能で高品質に維持、管理していくかが重要であり、これには林業経営体の充実した活動が必要かと思います。 今後の本県林業を思えば、持続的な成長が見込まれる林業経営体の育成、生産性、安全性を高めた新しい林業への転換、人材の確保・育成などが必要不可欠であると考えます。 本県林業の将来像と、そこに到達するためにどのような取組を行っていくのか、お尋ねします。 (2)水産業の振興について。 ①養殖業の振興について。 本県は、広大な漁場に恵まれ、養殖業も盛んであり、令和3年の海面漁業・養殖生産量は、約27万トンと全国3位の生産量を誇る、日本有数の水産県であります。 本県の海面漁業生産量は、水産資源の減少などから伸び悩んでおりますが、養殖業は、離島をはじめとした各地の雇用創出など、漁村の活性化に貢献しており、本県の基幹産業として重要な産業となっております。 その生産額は、全国有数を誇り、平成23年の249億円から令和3年には365億円と順調に伸びております。近年の養殖業を取り巻く環境は、餌料や資材が高騰している状況にあります。 養殖業の持続的・安定的な生産を確保していくためには、効率的な養殖生産体制の構築や新たな市場を見据えた販売戦略、デジタル化などによって、収益性の高い経営体の育成を図ることが有効な取組だと考えますが、県の取組について、お尋ねします。 ②水産業における人材確保について。 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の人口は、2070年には8,700万人まで減少し、その1割は外国人となる見込みであります。 県内の漁業就業者においても、平成25年の1万4,310人から平成30年の1万1,762人と、減少に歯止めがかからない状態であり、今後、さらに減少が進むとなると、水産業においても人材確保の問題がさらに深刻化するのではないかと心配しているところです。 今後、本県水産業を産業として維持していくためには、長期的な観点から特定技能制度や技能実習制度を活かした外国人の受入れも拡大していく必要があると思います。 県内水産業における外国人受入れの現状と人材確保対策について、認識をお尋ねします。 (3)建設業の担い手確保について。 建設業は、県民生活に欠かすことのできないインフラ整備を担っているだけではなく、地域の経済や雇用を支える大きな役割を果たしております。 令和元年に「担い手3法」が改正され、建設業界の生産性向上や働き方改革を促進し、災害時の対応強化へ取組がなされておりますが、離島における建設業を取り巻く環境は、いまだ厳しい状況にあり、担い手不足など多くの課題を抱えております。 そのような中、昨年、上五島では、コロナ禍などで開催が危ぶまれた「土木の日」のイベントが開催されており、砂防ダムの模型を使った実験では、子どもたちから驚きの歓声が挙がり、「わかりやすかった」との感想も聞かれました。 このように、地元の子どもたちが建設業について、その仕事や先端技術に直接触れ合い、親しみを持つ機会を目の当たりにして大変感銘したところであります。 このような機会を創出し、情報を発信していくことは、子どもの社会教育や職業教育としても大変重要ではないかと感じております。 これまでも建設業のマイナスのイメージを払拭するため、魅力向上の取組を積極的に行われていることは理解していますが、今後、さらに多くの若者に興味を持ってもらい、建設業を選んでもらうためには、官民で一体的な取組を推進していくことが大変重要であり、効果的な情報発信を行うことが必要ではないかと考えております。 そこで、担い手を確保する対策として、「土木の日」のイベントをはじめとした建設業の魅力向上に向けた取組について、お尋ねします。 3、離島振興について。 (1)離島における雇用機会拡充事業について。 「有人国境離島法」が平成29年に施行されて以来、本県においても、五島列島など3地域40島が特定有人国境離島地域として定められ、地域社会を維持するために様々な措置が講じられております。 地域社会の維持には、その活動を支える人口の推移が大きな影響を及ぼすのですが、令和3年4月1日時点での新上五島町の人口は1万7,320人であり、人口の流出に歯止めがかかっていない状況で、危機感を募らせているところです。 県では、国境離島地域において、国の制度を活用するなどして新たな雇用を生む事業者等に対して支援を行っておりますが、雇用機会拡充事業について効果的なものになっているのか、近年の実績について、お尋ねします。 (2)観光振興について。 ①観光資源としての五島手延べうどんについて。 五島手延べうどんは、ミネラル豊富な塩と最高級の椿油を使用しており、じっくり熟成された麺は、細くて、こしがあり、のどごしがよくて、おいしいと高く評価されております。 また、消費者は味だけでは満足せず、ものに対するストーリーを求める傾向がありますが、幸いにも五島手延べうどんについては、中国の書物に書かれた唐菓子の製法と一致していることから、7世紀から9世紀にかけて遣唐使が伝えたと言われており、うどんの発祥の地であるとの長い歴史があります。 その一方で、お寺に石碑があることなどを理由に、福岡がうどんの発祥の地として報道されることもあるんですが、それが現状であり、地元関係者の熱烈なファンからは、「残念でならない」との声を聞きます。 そこで、本県として、うどん発祥の地であることや、日本三大うどんであることをもっと戦略的にPRして、国内観光客の誘客やインバウンド需要の取り込みを図るべきではないかと考えていますが、県の取組について、お尋ねします。 ②観光の再生について。 コロナ禍ですっかり冷え込んだ観光産業でありますが、国の財政支援により実施されている全国旅行支援の効果などもあり、国内外の観光需要は回復の兆しを見せています。 県が公表している「観光動向調査」によると、昨年10月から12月における県内宿泊者数は、コロナ禍以前の令和元年同時期を上回っており、特に、五島列島は、連続ドラマの効果もあって、高い伸びを示しております。 今後は、このような回復する観光需要の確実な取り込みが必要であり、特に、国境離島地域が、このような人流回復の社会情勢に遅れることなく、観光客の誘致を図ることが重要だと考えていますが、新たな観光プロモーションなど、今後の県の施策について、お尋ねします。 (3)学校教育におけるICTの利活用について。 教育のICT化については、コロナ禍による教育現場の変化を踏まえ、文部科学省の「GIGAスクール構想」の取組などにより、一定進んでいることと認識しております。 子どもの教育において、義務教育課程から高等学校や大学に至るまで、切れ目なくデジタルによる学びを提供できる環境が必要です。 ICTの整備が進むと、子ども一人ひとりに応じた最適な学びや、誰一人取り残すことのない教育の実現が可能となります。 また、児童・生徒減少による学校の統廃合や離島・半島での教育機会の確保の課題に直面している本県において、地理的制約を受けないICTを活用した教育は、確実に進めていかなければならないと思います。 そこで、離島・半島を含め長崎県全体で教育のICT化を推進するに当たって、どのような取組を展開しているのか。 そして、今後、ICT化を活用した教育をどのように進めていくのか、お尋ねします。 (4)SmartGOTOについて。 本県においては、人口減少や少子・高齢化によって様々な課題が生じておりますが、一つひとつの地方において、公共交通機関について問題があります。 特に、離島においては、事業者の懸命な経営努力をもってしても、サービスの維持が危ぶまれているところであり、このままでは、集落の維持や住民生活そのものに大きな影響を及ぼすこととなりかねません。 このような中、本県では、新上五島町とトヨタ自動車株式会社及び長崎県が協定を締結して、「SmartGOTO実証実験」に取り組んでいるところであります。 この取組は、トヨタ自動車株式会社が開発する移動、医療、買い物、情報など、生活に関わるサービスを促進するアプリケーションを活用し、持続可能な公共交通サービスを構築しようとするものであります。 人とものの効率的な輸送・移動ニーズに対応したサービスの提供により、高齢者支援などの地域課題が解決でき、疲弊した交通機関網を効率的な公共交通サービスへ転換することができます。 県の主な役割は、他地域の問題等を踏まえた助言や情報提供及び実証実験の結果に基づいた他地域への横展開の検討であります。 そこで、県における現時点での取組状況や実証実験に関する協定に明記されている取組が終了する2024年3月以降の対応について、どのように考えているのか、お尋ねします。 4、警察行政について。 (1)G7長崎保健大臣会合の警備実施状況について。 G7長崎保健大臣会合では、多くの国内外の関係者が本県を訪れました。全国では、要人を狙った事件が相次いで発生し、心配される県民も多かったと思われますが、テロの未然防止への取組や組織化された警備により、会合を安全かつ円滑に開催されました。県民からは安堵の声が挙がっており、警戒や警備に従事された皆様には、深く感謝しているところであります。 そこで、今回、G7長崎保健大臣会合における警備の実証状況や、警備を終えた所感について、警察本部長にお尋ねします。 (2)県警の体制強化について。 九州・長崎IRにつきましては、国において、区域認定に係る審査を持続中でありますが、引き続き、区域認定に向けて準備を進めていく必要があると思います。 区域認定がなされ、国際競争力を有するMICE施設等が併設されれば、今回のような国際的な会議や、大規模な展示会などの開催が増えることになります。 また、本県は、ほかの都道府県と比較すると多くの離島を抱えていることから、長い海岸線も有しており、より多くの業務が存在していると考えられます。 県民の安全・安心を確保し、治安を維持するために、警察官の増員による取組の強化が求められると思いますが、今後の方針について、お尋ねします。 以上で、壇上からの質問を終了し、以後は、対面演壇席から再質問をさせていただきます。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕近藤議員のご質問にお答えいたします。 まず、県の財政状況の現状と今後の財政運営について、どのように考えているのかとのお尋ねがございました。 本県の財政は、自主財源に乏しく、歳入の多くを地方交付税や国庫支出金に依存する脆弱な財政構造にあります。 そうした中、令和4年度は、新型コロナウイルス感染症対策や原油価格・物価高騰対策をはじめ、子育て施策や、防災・減災、国土強靱化対策など、県勢浮揚につながる各種施策の推進に全力を注いできたところであります。 一方、歳入面では、全国的な経済の持ち直し等に伴い、県税収入は、過去最高となる1,360億円を確保するとともに、地方交付税の臨時的な増額等により、当初予算と比べ、大幅な増収を見込んでおります。 その結果、交付税精算分を除く財源調整のための基金残高は、約353億円と令和3年度に比べ増加しており、基金を取り崩さない財政運営を達成することができました。 しかしながら、本県財政を取り巻く環境は、社会保障関係経費に加え、今後、公債費の大幅な増加が見込まれており、エネルギー、食料品価格など、物価高騰の長期化等と相まって、さらに厳しさを増していく状況にあります。 引き続き、社会経済情勢をしっかりと注視しつつ、国における地方財政の平時化への対応も踏まえながら、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。 次に、コロナの診療、入院に対応できる医療機関の拡大を図るため、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。 新型コロナウイルス感染症については、5類感染症への見直しに伴い、限られた医療機関による特別な対応から、幅広い医療機関による通常の対応に移行したところであります。 このため、医療機関に対する説明会を繰り返し開催し、5類移行後は、発熱等の症状があることのみを理由に診療を拒否することはできないことや、少なくとも自院患者がコロナ陽性となった場合は自院で対応いただくなど、県内医療機関の理解促進に努めております。 診療報酬上の特例や病床確保料は、段階的な軽減がなされておりますが、移行期間が終了する9月末までの間、感染対策に必要となる設備の整備費用も支援するなどして、一つでも多くの医療機関に発熱患者の対応をしていただけるよう、引き続き働きかけてまいります。 次に、G7長崎保健大臣会合の開催成果も含め、今回の会合をどのように総括しているのかとのお尋ねがございました。 今回のG7長崎保健大臣会合は、定められたテーマに基づく会議が日程のほとんどを占める政府系国際会議であるものの、本県の感染症研究の実績と現状をはじめ、歴史、文化、自然、食など多彩な魅力、そして、被爆地長崎の平和への思いに触れる機会をぜひ設けていただけるよう、主催者である厚生労働省に要望を重ねてまいりました。 その結果、会合会場内に長崎大学の感染症研究の成果や、本県の多彩な魅力、平和への思い等に関する展示ブースの設置のほか、県産食材をふんだんに使った料理や県産酒などを提供する地元協議会主催の昼食会の開催。さらには、G7閣僚が初めておそろいになられての平和公園への訪問、献花も日程に組み込んでいただきました。 各国大臣の皆様には、展示ブースを熱心にご覧いただいたほか、昼食会では食材を尋ねたり、写真を撮られるなど、笑顔で料理や県産酒を召し上がっていただき、平和公園においても、被爆地長崎の平和への思いに触れていただきました。 今回の会合の成功とともに、発信力や発言力のある各国大臣の皆様に、長崎の思い出をお持ち帰りいただけたことは、国際県長崎として発展するうえで、一つの大きな実績、成果になったと確信をしているところでございます。 今回の成功を礎として、さらなる国際会議を呼び込めるよう、県内自治体をはじめ、関係者の皆様と連携をして取り組み、国内外に認められる国際県長崎を目指してまいりたいと考えております。 最後に、医療ICT化へ、これからどのような取組を行っていくのか。また、その意気込みについてのお尋ねがございました。 県では、これまで緊急搬送時にCT画像等を離島病院から本土病院に事前に伝送する遠隔画像診断システムや、診療情報を複数の医療機関で共有する「あじさいネット」など、ICT技術を活用した診療を支援し、県民の救命と地域医療の質の向上に努めてまいりました。 医療のICT化については、疾病や障害を有しておられる患者の日常を自宅や地域で支える在宅医療や、新たな感染症への取組として活用が期待されており、県が進める方向性として遠隔医療の推進を「ながさき健康宣言」の柱の一つに掲げたところでございます。 特に、離島においては、本土よりも少子・高齢化が進む中、医療機関へのアクセスに困難を要する地域が多く、その必要性は高まっていると考えております。 このため、離島にいながら遠隔で専門的な診療支援を受ける体制づくりや、オンライン診療の推進について、病院企業団と協議をしながら検討を進めております。 具体的には、遠隔専門診療については、ICT技術を通して専門診療支援を受ける外来の開設を企業団病院で進めております。 また、オンライン診療については、患者の同意に時間を要することや、情報通信機器の使用に慣れていない患者の診療をどのように行うかといった様々な課題があり、全国的にも導入が進んでいませんけれども、多くの離島を有する本県において、全国に先駆けて推進すべき重要な取組と認識をしております。 県民が、どこでも、誰もが、安心して必要な医療が受けられる医療提供体制の構築に向けて、引き続き、その推進に向けて力を尽くしたいと考えております。 残余のご質問については、関係部局長から答弁をさせていただきます。
○議長(徳永達也君)
福祉保健部長。
◎
福祉保健部長(寺原朋裕君) 新型コロナウイルス感染症対策について、医療の逼迫を招かないよう、県民への注意喚起が必要ではないかとのお尋ねでございますが、県内の感染状況については、県内70の定点医療機関における新規感染者数を基に把握し、引き続き、その動向を注視しているところであります。 今後は、特に、感染拡大期においては、県民の皆様に基本的な感染防止対策の周知を図ってまいります。 併せて、受診に緊急性はないとお感じになる場合は、医療現場の負荷軽減のために、できる限り平日の診療時間内に受診いただくよう呼びかけるなど、医療逼迫を招かないよう、取組を継続してまいります。
○議長(徳永達也君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 本県林業の将来像と、その実現に向けた県の取組についてのお尋ねですが、「第3期ながさき農林業・農山村活性化計画」では、林業専業作業員の所得向上と労働環境の改善を図ることで、若者から選ばれる魅力ある林業を実現し、令和12年の林業専業作業員420名の確保を目指しております。 所得向上のための対策として、路網の整備や林業事業体の高性能林業機械の導入支援などに加え、航空レーザー計測やドローンによる事業地の現況把握などのスマート林業の推進や、施業プランニングに基づく施業の集約化等、生産性の向上による生産量の増大に向けた取組を支援しているところです。 また、社会保障制度への加入促進や労働安全装備の導入など、林業専業作業員の待遇等の改善に向けた支援を行うことで、快適で、もうかる林業を実現したいと考えております。
○議長(徳永達也君) 水産部長。
◎水産部長(川口和宏君) 私から、水産業の振興について、2点お答えいたします。 まず、収益性の高い養殖経営体の育成について、県の取組はとのお尋ねでございますが、水産業の振興を図るためには、市場ニーズを的確に把握し、ニーズに合った生産体制を整備することが重要であると考えております。 このため、県では、生産効率を高め、大口需要に対応できるよう、AIやIoTを活用した自動給餌器の導入などのスマート化や、輸出に対応した加工処理施設の整備などを支援してきたところです。 これらの取組もあり、上五島をはじめとする本県産養殖ブリの米国や韓国などへの輸出量は、年々増加しており、今後も世界的な水産物需要は増加するものと考えております。 このため、県では、さらなる生産拡大を目指し、漁場の沖合進出や最先端機器の導入など、先進的な養殖モデル構築の実証試験に取り組んでおり、今後は、これらの成果を広く普及・展開することで収益性の高い経営体を育成してまいりたいと考えております。 次に、県内の水産業における外国人受入れの現状と人材確保対策についてのお尋ねでございますが、水産業の担い手対策については、漁家子弟や地元出身者、IJターン者など、国内人材の確保を中心に取り組んできたところであり、その結果として新規就業者数が増加するなど、一定の成果が見られております。 外国人材については、イカ釣り漁業や大中型まき網漁業等で増加傾向にあり、令和5年5月現在、219名が就業しております。 しかしながら、水産業界は、依然として人手不足の状況にあり、漁業生産力を維持するためには、外国人材をさらに活用していくことが必要だと考えております。 県としては、今後とも、国内人材の確保・育成に取り組むとともに、外国人材の確保に向けて水産業普及指導センターを通じて、漁業経営体のニーズや課題を把握しながら、漁協や外国人材の受入れ機関である株式会社エヌとの連携を強化してまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 建設業では、今後、50歳以上の就業者が大量に退職することが見込まれ、インフラ整備や維持管理のみならず、災害対応などの役割を果たすことができなくなるおそれがあります。 そのため、将来の建設業を担う若者や女性などの人材確保・定着につながる建設業の魅力向上の取組は、大変重要だと認識しています。 これまでも建設業界と連携し、様々な情報発信に努めてまいりました。例えば、中学生や高校生を対象に、地元建設業で働くOBなどによる講話や現場見学会などを行っているところです。 特に、平成元年度から実施している「土木の日」のイベントでは、パネルや模型の展示に加え、現場見学会や建設機械などの操作体験を通じ、社会インフラや建設業の役割について、ご理解をいただいているところです。 また、近年、注目を集めているダム内部の管理用通路や女神大橋のてっぺんなど、普段、立ち入ることのできない場所を積極的に見せるインフラツーリズムにも取り組んでいます。 引き続き、このような取組を充実・強化するなど、魅力向上につながる効果的な情報発信に努めてまいります。
○議長(徳永達也君)
地域振興部政策監。
◎
地域振興部政策監(渡辺大祐君) 私の方から離島振興について、1点お答え申し上げます。 離島における雇用機会拡充事業について効果的なものとなっているのか、近年の実績はとのお尋ねでございますが、離島における人口減少対策の推進については、平成29年の「有人国境離島法」の施行以来、国の施策を最大限に活用しながら、各種施策に積極的に取り組んでまいりました。 その結果、法施行から6年間で約1,400人の雇用の場が創出されたほか、一部の市町におきましては、人口の社会増を実現するなど、成果があらわれてきているものと考えております。 一方で、社会減対策として大きな役割を果たしてきた雇用機会拡充事業につきましては、島内事業者による活用が一定進んだことなどから、令和4年度の事業採択は115件、雇用計画人数は164人で、令和2年度以降、目標の200名には届いていない状況が続いております。 今後も、多くの雇用の場を持続的に創出していくためには、市町や関係機関と連携しながら、島外に向けた周知に積極的に取り組んでいくことが必要であると考えております。
○議長(徳永達也君)
文化観光国際部長。
◎
文化観光国際部長(前川謙介君) 私から、離島の観光振興につきまして、2点答弁させていただきます。 まず、五島手延べうどんの魅力をもっと戦略的にPRして、国内外から観光客の誘客を図るべきではないかとのお尋ねでございます。 食は、観光誘客には欠かせないコンテンツの一つでありまして、奈良・平安時代、遣唐使によって伝えられたと言われる五島手延べうどんは、その味だけではなく、大変魅力的なストーリーを有した観光資源であると認識いたしております。 そのため、県におきましては、観光情報Webサイトや国内最大級の旅行博などにおきまして、長崎発祥の麺文化の一つとして五島手延べうどんを紹介するなど、国内外に向けて積極的な情報発信に取り組んでおります。 また、国境離島交付金を活用いたしまして、五島手延べうどんの体験プランと交通・宿泊がセットになった旅行商品の造成・販売を支援するなど、観光コンテンツとしての活用にも取り組んでいるところでございます。 今後は、デジタルマーケティングを取り入れ、来訪者の興味や関心、趣向などを捉えながら、五島手延べうどんにつきましても、地元自治体や生産者の皆様と一緒になって国内外に向けまして効果的な情報発信に取り組んでまいります。 次に、国境離島地域に観光客を誘客するための新たな観光プロモーションなどの県の施策についてのお尋ねでございます。 国境離島地域への誘客につきましては、これまでも国境離島交付金を活用した滞在型コンテンツの造成やWebやマスメディアを活用した魅力発信に取り組んできたところでございます。 また、コロナ禍以降は、旅の個人旅行化や自然を楽しむ体験型旅行が注目されてきておりまして、豊かな自然を有する国境離島地域は、トレッキングやカヤックなどに適しているものと考えております。 こうしたことから、今後、観光地としてのニーズがさらに高まっていくものと期待しておりまして、国境離島地域の魅力を最大限活かしていけるよう、体験型の旅行商品の造成や販売支援など、効果的な観光プロモーションを実施して、回復する観光需要をしっかり取り込んでまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君)
教育委員会教育長。
◎
教育委員会教育長(中崎謙司君) 本県のICT教育の取組についてのお尋ねでございます。 ICTを活用して、子どもたち一人ひとりが情報活用能力を身につけ、自分の能力や特性に応じた学びを進めていくためには、まず、指導に当たります教員が授業の中で端末を活用する意識を高め、そのスキルアップを図ることが重要であると考えまして、指導力の向上に重点を置いた取組を行ってきたところであります。 具体的には、研修会の実施や各種協議会の開催、あるいは学習支援サイトの構築等によりまして、端末の基本的な使い方や実際の授業での活用方法等を共有したところでありますが、今後は、学力向上の効果が期待できます実践例等を基にしまして、さらに授業と子どもたちの学びの充実を図ってまいりたいと考えております。 また、離島・半島地域の小規模校におきましては、単独の学校では、授業の中で子ども同士がお互いに学ぶ機会が限られているため、これまでICTを活用し、学校を超えてつながり、学び合う取組を展開してきたところでございます。 今後につきましては、令和7年度に、大村にあります県教育センター内に「遠隔教育センター」を開設しまして、小規模校への授業配信を行うなど、地理的制約を受けないICTの利点を活かした長崎ならではの学びに一層力を入れてまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 企画部長。
◎企画部長(
早稲田智仁君) 私から、SmartGOTOについての県の取組状況と今後の対応について、お答えさせていただきます。 SmartGOTOは、モビリティーサービスを基礎として、地域課題解決に取り組むための実証実験であり、令和3年2月にトヨタ自動車、新上五島町及び県の3者により、協定を締結しております。 その目的としては、移動、福祉、買い物、情報提供など、生活の様々な場面における地域課題の解決を支援するためのサービスプラットホームの構築と、持続可能な公共交通サービスの提供の確保であります。 SmartGOTOについては、地域における活用も広がっていることから、今後の人口減少社会を見据える中で、県内あるいは全国の自治体においても、地域公共交通等の維持・確保をはじめとした地域課題の解決につながる効果的な手法であると考えております。 そのため、県においては、県内各地域への横展開を促進するよう、令和4年度には県内全市町に対する事業プレゼンテーションの機会を設けたところであります。 加えて、本年9月に開催予定の「ながさきデジタルDEJI-MA産業メッセ2023」において、全国に向けて広くご紹介できるよう、関係者と検討を進めております。 トヨタ自動車におかれては、実証により得られた成果を基に、事業化、商品化を目指されるとのことであり、県としても、当サービスの充実に向けて、引き続き協力してまいりたいと考えております。 また、地域での高まるニーズに対して、運転士不足等の課題も生じてくることから、県としましては、地域の実情に応じた対策について、地元自治体や関係者とともに検討を深めてまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 警察本部長
◎警察本部長(中村亮君) 私から、2点お答えいたします。 まず、G7長崎保健大臣会合に伴う警備の実施状況と所感についてのお尋ねでございます。 会合開催期間中、長崎市内の随所に警察官を配置いたしまして、関連施設及びその周辺の警戒警備に当たったほか、交通上の混雑が懸念される区間におきましては、交通規制を実施することによりまして、G7長崎保健大臣会合関連行事の円滑な進行を確保し、会合出席者の安全及び安全・安心な県民生活の確保に万全を期することができたと存じます。 今回の警備につきましては、昨年10月のサミット対策課設置以降、入念に計画を進めるとともに、現場に配置する警備部隊に対して訓練を徹底したほか、多くの県民の皆様のご協力を賜り、テロを許さない環境づくりに努めてまいりました。 大きな事件、事故や交通上の混乱が生じることなく、無事に警備を終了できましたことは、県民の皆様のご理解とご協力があってのものと考えております。 県民の皆様には深く感謝を申し上げますとともに、警備にご協力をいただきました関係機関、事業者の皆様には、改めて御礼を申し上げます。 2年後には、国民文化祭及び全国障害者芸術・文化祭に伴う大規模警備が控えておりますが、今後とも、皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 次に、警察官増員に係る取組強化方針についてのお尋ねでございますが、現在、本県はIR誘致に取り組んでいるところであり、今後、区域認定、誘致等に伴う治安情勢の変化が予想され、治安維持対策、あるいは交通対策等の各種対策を強力に推進していく必要がございます。 また、本県は、朝鮮半島、あるいは中国大陸と相対する位置にあり、多くの有人国境離島及び北海道に次ぐ長さの海外線を有するという地理的な特殊性があるため、関係機関と連携した水際対策を徹底していく必要がございます。 こうした各種課題に的確に対応し、県民の安全・安心を確保するためには、警察官の増員による体制のさらなる強化が必要であると考えております。 よって、県民の安全・安心を確保するための地方警察官の増員というものを、令和6年度政府施策要望の重点項目とするとともに、今後も警察官の増員に向け、知事部局と引き続き協議等を実施していくこととしております。
○議長(徳永達也君) 近藤議員-26番。
◆26番(近藤智昭君) 大石知事はじめ、執行部の皆様の答弁、ありがとうございました。 残った時間、幾つかの項目について、再質問させていただきます。 これまでは、「新型コロナウイルス感染症対策会議」や「有識者会議」等により、庁外の関係者の意見を踏まえながら、対策を検討されてきたと認識しております。 5類移行後も現場で対応している医療機関など、関係者の意見を反映していくことが重要ではないかと思いますが、県の認識をお尋ねします。
○議長(徳永達也君)
福祉保健部長。
◎
福祉保健部長(寺原朋裕君) 新型コロナウイルス感染症については、5類移行後も現場でご尽力されている医療や福祉関係者の方々のご意見を踏まえながら取り組んでいくことが極めて重要であると認識しております。 そのため、医療の逼迫が危惧される場合の対応を協議することを目的として、感染症の専門家や医療及び高齢者施設・団体等で構成する「長崎県新型コロナウイルス感染症流行警戒連絡会議」を新たに設置したところであります。 先般、1回目の会議を開催し、確保病床によらない通常の医療体制によるコロナ患者の受入れについて意見交換を行ったところであり、今後も引き続き関係者のご意見を伺いながら取組を継続してまいります。
○議長(徳永達也君) 近藤議員-26番。
◆26番(近藤智昭君) よろしくお願いします。 第2問目ですけれど、今回のG7長崎保健大臣会合では、長崎の多彩な魅力などを発信する展示ブースや県産食材をふんだんに使った料理や県産酒などを提供した昼食会の開催、平和公園での献花などがあったとお聞きしております。参加された閣僚の方々に長崎らしい、おもてなしができたものと、非常に喜ばしく感じております。 私も、今回の会合は成功だったと思っておりますが、会合開催は、本県にどのような効果をもたらしたのか、お尋ねします。
○議長(徳永達也君)
文化観光国際部長。
◎
文化観光国際部長(前川謙介君) 今回の会合につきましては、アフターコンベンションや飲食店の利用等が見込まれる数百人から千人規模の一般的な学術会議とは異なりまして、参加者が限定されるうえに、日程のほとんどが会場内での会議となる政府系の国際会議でありました。 そうした中におきましても、会場装飾や昼食会等を通しまして長崎らしい、おもてなしができ、訪問された方々に長崎を印象づけるとともに、安全・安心の下、無事に会合を終えることができたと、このことが何よりも成果であると考えております。 そして、この成果が、今後、地域への経済効果が見込まれます学術会議等を含めた新たな国際会議の受入れにつながるものと思っております。 また、今回の会合で得られた経験を次の国際会議の受入れに活かしていくことが重要であると考えております。 そのためにも、しっかりと振り返りを行い、その内容を県内の自治体や関係機関の皆様と共有してまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 近藤議員-26番。
◆26番(近藤智昭君) よろしくお願いします。 次に、林業の振興ですけれども、林業の振興については、答弁があったとおり、若者から選ばれる林業を目指していくとのことのようですので、引き続き、実効性のある意欲的な取組を期待しております。 人材の確保については、離島においても、若い従事者が一定入っており、上五島においても若い林業従事者が増えていると認識しております。 林業が離島における魅力ある就業先の一つとなってもらいたいと考えているところですが、さらに若者に林業を選んでいただくために、県はどのような取組を行っていこうと考えているのか、お尋ねします。
○議長(徳永達也君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 県では、就業先として若者に林業を選んでもらうため、生産現場において労働負担が大きい下刈りの機械化や、若い人の能力を活かせるスマート林業機器の導入を支援するとともに、林業事業体に給与体系の見直しや安定した休日の確保などの待遇改善を指導しているところです。 また、離島における就業を促進するため、離島の高校での林業体験授業の開催や、県内外で開催される林業ガイダンスにおいて、離島の魅力についても伝えていくとともに、既に快適で、もうかる林業に従事している離島の若者の姿をSNSで発信するなど、関係者と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 近藤議員-26番。
◆26番(近藤智昭君) 今回、なぜ観光の面から五島手延べうどんについて尋ねたかというと、最近、話題となっているChatGTPを活用したサービスに「五島手延べうどんを盛り上げていくには何が必要か」と質問したところ、「品質の維持」、「産地直送の拡大」、「PRの強化」、「観光資源としての連携が必要」と回答がありました。 観光については、様々なPRの取組があろうかと思います。知事は、五島手延べうどんのことはよく知っておられると思いますが、まだまだ知事と五島手延べうどんが一緒になった画や場面が少ないと感じております。 県産品としての紹介や、五島手延べうどんを提供する県内飲食店と連携した情報発信があるかと思いますが、知事の見解をお尋ねします。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 五島手延べうどんですけれども、私も大好きでございます。おいしいだけじゃなく、先ほど部長から申し上げたとおり、ストーリー性があって、本当に魅力的な観光資源だというふうにまず捉えております。 この五島手延べうどんをはじめとした豊富で多彩な県産品の魅力をしっかり県内外に売り込んでいくために、機会あるごとに現地へ足を運んで、私が先頭に立ってPRをしていきたいというふうに考えております。 実際に昨年、五島手延べうどんも出品されましたイオングループの北関東の44店舗で初開催されました「長崎フェア」でございますけれども、私自身、メッセージ動画を放映させていただきました。 また、東京都の中央卸売市場において、農業団体と連携した長崎みかんのトップセールスを行わせていただきまして、多くの方に県産品の魅力を発信していただいたところでございます。 今後とも、私が前面に立ったトップセールスに加えて、分野横断的な視点、また、民間等と連携した戦略的な情報発信など、県内はもとより、国内外から選ばれる長崎県の実現に向けて力を注いでいきたいと思います。
○議長(徳永達也君) 近藤議員-26番。
◆26番(近藤智昭君) ぜひよろしくお願いします。 ここで、人口減少対策についての離島の雇用機会拡充の取組が難しいことは理解しております。でも、だからこそ、いろんな手法を使って雇用の場を創出することや起業家を支援するということをこれからもしっかり考えて、とにかく雇用機会拡充ということを離島でしっかり進めていってもらえればと思います。答弁は要りません。 要望を2つ、行いたいと思います。 学校教育におけるICTの活用ですが、さて、先日、デジタル教育について、学校現場や子どもたちと話をする機会がありました。「子どもたが学習に対して意欲的になった」など好意的な意見が多く、効果が出ていることは実感しています。 その一方で、パソコンの起動に20分かかったり、電波状況がよくないとか、卒業生が使っていたタブレットのため、バッテリーの起動時間が短く、学習などを中断せざるを得ないなど、通信環境や機器のメンテナンスについての悩みを聞いてまいりました。 効果的なデジタル機器の配備を行っていることは理解しております。しかし、運用面での課題については、現場の意見を吸い上げて柔軟な対応をすることは、子どもたちに最高の学習機会を与えることとなります。 そこで、学校現場と意見交換などの場をもって機器の更新についても応援していただけるよう、これは要望にします。 もう一点ですが、高校生のスポーツ振興についてです。 先日、高校総体が開催され、県内高校生による熱い戦いが展開されました。久しぶりに観客を入れての大会となり、選手と応援者が一体となった盛大な大会となりました。 本県高校生がスポーツ大会で活躍することは、県民に明るい話題を提供し、活力を与えるものです。大会関係者皆さんのご尽力に感謝申し上げます。 さて、本県のスポーツ界ですが、昨年の栃木国体において、総合45位という厳しい結果となりました。これまで得点源であった少年種目の低迷が順位を大きく落とす要因となったところです。 本県競技力の再起を図るためにも、少年種目の主力である高校生に対するさらなる強化が大変重要であります。 天皇杯総合成績1位を取得した平成26年の「長崎がんばらんば国体」においても、多くの高校生が地元観客の前で優秀な成績を収め、その活躍が県民に大きな感動を与えました。全国レベルに向けたさらなる強化のためには、現場指導者の意見を吸い上げながら、新たな視点に立った強化策を講じていく必要があります。 また、競技の特性や強化拠点校の指定による重点的な強化、指導者の確保・育成・配置など、中長期的な視点に立って持続的な取組が必要となります。 ぜひ、本県競技スポーツの飛躍のために、高校生運動部に対して競技力向上への特段の支援をお願いします。 今回は鹿児島国体です。長崎県勢の飛躍を大いに期待する45位からの、最後に知事と教育委員会委員長にお願いします。 終わります。(拍手)
○議長(徳永達也君) 午前中の会議は、これにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、1時30分から再開いたします。 -午後零時17分 休憩------------------------------------ -午後1時30分 再開-
○議長(徳永達也君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 大場議員-25番。
◆25番(大場博文君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。 それでは、通告に従いまして、一般質問を行います。 1、島原半島の振興について。 (1)島原道路について。 半島という地理的条件に恵まれていない島原市は、道路交通への依存度が高く、農畜水産物等の広域的物流の拡大や、定住人口の増加につながる県央地域等への通勤範囲の拡大、観光客やイベント開催による交流人口の増加、企業誘致等を進めるうえで、幹線道路網は最も重要な社会資本であります。 現在、島原道路は、自動車専用道路として、南島原市深江町から島原市出平町まで、約11キロメートルが供用され、広域農道に接続しています。 島原市出平町から雲仙市吾妻町間につきましては、平成6年度に計画路線に指定され、うち島原市出平町から有明町間は平成24年度に事業化され、現在、用地交渉等も進み、橋梁、函渠工に着手されており、さらなる事業の促進が求められています。 また、島原市有明町から雲仙市瑞穂町間につきましては、令和2年度に新規事業採択を受け、念願の全線事業化及び全線開通に向けて大きく前進したところであり、全線早期開通へ向けて半島住民の期待も高まっているため、さらなる事業の促進をお願いしたいと思っています。 そこで、現在の整備状況について、お尋ねをいたします。 次に、完成すると、全長約50キロメートルと長い距離になるため、ドライバーの安全等を考慮する必要があると考えております。そのため、休憩施設の設置についての考えをお尋ねいたします。 次に、島原半島内の均衡ある発展のためにも、深江町より南側の整備も必要と考えますが、深江から口之津間の整備について、県の考えをお尋ねいたします。 (2)水無川上流地域における無人化施工の拠点地域としての位置づけについて。 水無川上流地域では、国の支援をいただき、砂防管理における除石工事などを無人化施工で展開するとともに、5Gを活用した無人化施工の検証場所として、水無川フィールドを選定いただいているところであります。 今後、無人化施工技術が、建設業者等への普及促進が図られるよう訓練等のさらなる充実が求められています。 そこで、水無川上流地域を無人化施工技術の拠点地域としての位置づけに向けた取組をお願いしたいと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 (3)水無川上流地域におけるドローン操作研修等の拠点地域としての位置づけについて。 ドローンは、空に産業革命をもたらすと期待され、産学官の多くの機関が技術開発に取り組まれています。 国においても、令和4年12月より、国家資格である無人航空機の「操縦者技術証明制度」が開始をされ、あらゆる産業において、その活用が期待されています。 新しい技術等の開発、実証実験及び防災調査、3D計測等、水無川上流地域を無人化施工技術と同じくドローンの操作研修の場として有効に活用していただき、新たな人口交流の拠点地域として、あるいは地域振興につなげていければと考えています。 そこで、ドローン操作研修による水無川上流地域の活用拡大について、見解をお尋ねをいたします。 (4)島原半島ジオパークにおける観光資源の活用について。 島原半島地域は、平成20年に「日本ジオパーク」、平成21年「世界ジオパーク」に、国内で初めて認定されて以降、認定地域の持続可能な発展を通じて、地域内の地質遺産及びそれらに関連する地域資源を、そのまま次世代に引き継ぐというジオパークの目的に従い、住民、行政、学術団体が連携しながら活動を続けていることが評価をされ、令和4年12月に、「ユネスコ世界ジオパーク」に再認定されました。 島原半島ユネスコ世界ジオパークは、活火山の近くで暮らす人々が湧水や温泉等の火山の恩恵を活用し、独自の地域文化を築いている独自性を有しておりますが、「平成新山」や日本最大の火山被害「島原大変」により形成された地形と、その災害を伝承する数々の供養塔、さらには「原城跡」など、国及び世界的な価値を有する地域資源を保全しながら、島原半島の知名度の向上や地域経済の活性化を推進するためには、島原市、雲仙市、南島原市がともに連携しながら、ジオパークブランドにおける豊富な観光資源を活用した観光事業や取組が必要と考えています。 そこで、現在、島原半島で進められているサイクルツーリズムにおける島原市内のハード面での取組状況について、お尋ねをいたします。 次に、雲仙・普賢岳の噴火により整備された砂防堰堤などの砂防施設や、水無川上流域で実施している無人化施工の現場などを連動させた、インフラツーリズムツアーの商品化に向けた取組が国の方でなされていると、お聞きをしています。 今後、ツアーが商品化になれば、地域の活性化につながると期待しているところですが、商品化になった場合、県としてどのような協力ができるのか、お尋ねをいたします。 (5)島原鉄道への支援について。 地域鉄道である島原鉄道は、通勤・通学をはじめとする地域の日常生活、また、観光やビジネスのための移動手段として大変重要な役割を担っており、島原半島の地域振興のためにも必要不可欠な存在であります。 平成25年度の島原鉄道のあり方等調査により、島原鉄道が、地域へ果たす役割や重要性を再認識したところであり、車両検査に対する国庫補助も見込んだうえで、平成26年度から令和5年度までの10年間の施設整備計画を策定しております。 この計画に基づき、鉄道設備等に係る経費を、国、県、沿線3市が補助するとともに、沿線3市が鉄道事業の運営についても支援を行い、運行の継続を図っております。 このような中、鉄道輸送の安全確保のためには、車両を含めた一体的な鉄道施設の整備が必要不可欠であり、車両整備やレールの更新などに対する予算確保は極めて重要であります。 また、少子化等による利用者の減少はもとより、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、昨今の燃油価格高騰の影響により、地域鉄道を取り巻く経営環境は一層厳しさを増しており、中でも島原鉄道については、諫早、雲仙、島原の3市をつなぐ重要な広域幹線交通機関であります。 今後の島原鉄道への支援のあり方については、これまでも、県と沿線市を中心に様々な議論が行われてまいりましたが、その議論を加速させるために、昨年11月に、「島原鉄道活性化検討部会」が設置されたものと認識しています。 沿線の島原市からは、施設整備に係る予算確保などについて要望が、県に対しても行われてきておりますが、県としてのこれまでの支援及び昨年度設置された「島原鉄道活性化検討部会」における協議等の状況について、お尋ねをいたします。 (6)地震火山観測センターでの火山観測・研究体制の強化について。 九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センターは、平成2年に始まった「雲仙・普賢岳」の噴火以降、雲仙岳にかかる火山の観測、研究及び火山防災、教育の推進に多大なる尽力をいただいているところですが、依然として、雲仙・普賢岳溶岩ドームが不安定な状態で存在する現状から、直下型地震が発生した場合、溶岩ドーム崩壊につながるのではないかと危惧しており、火山
観測体制強化の必要性とともに、現地対応の重要性を改めて認識しています。 また、令和4年度に再認定されたユネスコ世界ジオパークの活動に際しては、平素より、九州大学地震火山観測研究センターに多大なる貢献をいただいておりますが、ジオパークの質の保証と維持、発展には、今後も引き続き、地質学や火山学といった学術情報の提供や、防災に関する指導・助言が不可欠であります。 そこで、地震火山観測研究センターにおける「雲仙・普賢岳」の観測、研究体制の強化と、ジオパークを核とした産業振興のための同センターの存続と、観測、研究体制の強化に向けた取組をお願いしたいと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 (7)県南振興局の進捗について。 振興局は、県行政の中でも、より現場において実施することが必要な施策、事業や地域の方々に直に接しながら業務を行うなど、地域振興の重要な役割を担っています。 現在、県は、県南振興局庁舎整備に関しては、令和3年12月に策定した「県南振興局庁舎整備基本計画」に掲げた基本方針の実現を目指し、導入すべき機能の具現化に向けた検討を進めています。 建設に当たっては、行政ニーズの多様化、複雑化等に対応していくため、機動的で柔軟な働き方の実現や機能的で効率的な庁舎の整備を望むものであります。 そこで、現在の庁舎整備の進捗状況と今後のスケジュールについて、お尋ねをいたします。 2、観光行政について。 (1)観光事業再生の支援について。 今回のコロナ禍の3年は、観光業界の長い歴史の中でも、最も厳しく、困難な状況をもたらしました。全国旅行支援をはじめ、昨年10月からは、水際対策も大幅に緩和されました。 インバウンドについては、まだ回復途上にあるものの、全体で見ると国内需要は、コロナ前と比較して、ようやく同等程度まで回復してきているようです。 しかしながら、脱コロナで観光需要や景気が回復している反面、求人を行っても人が集まらないなど、あらゆる産業での人手不足が大きな課題となっています。特に、旅館・ホテル業など、マンパワーが多く必要な業界では顕著です。 そこで、この宿泊事業者の人手不足に対する県の取組について、お尋ねをいたします。 また、現在、様々な要因で、エネルギーや原材料の物価高騰が続いています。この物価高騰へ事業所単位での対応には限界があるため、そこに何らかの支援が求められています。 そこで、宿泊事業者についての物価高騰対策は行っているのか、お尋ねをいたします。 (2)インバウンド対策について。 長きにわたる新型コロナウイルス感染症の影響により、本県の観光産業は大打撃を受けましたが、ようやく回復の兆しを見せ始めています。 次に、国においても、昨年10月から一日5万人としていた上限を撤廃し、海外からの個人旅行も認められ、世界各国からの訪日外国人も一気に増加をしています。 それを受けて、各県、インバウンド需要の取り込みに向けた取組を強化してきています。 本県も、以前、好調であったクルーズ船の受入れをはじめ、インバウンドに関する現在の状況と今後の県の取組について、お尋ねをいたします。 3、農業行政について。 (1)農地の基盤整備事業の推進について。 本県において、農業は、重要産業の一つであることから、農地の基盤整備やかんがい施設の整備を積極的に推進しているところであり、整備された地域では、担い手が確保され、作付けが拡大するなど、効果が発揮されています。 このため、地元農家も農産物の生産性向上を図るため、農地の基盤整備事業に対して大きな期待を寄せています。 そのためにも、今後、この農地の基盤整備事業の着実な推進を図るために必要となる予算の確保が重要であります。やはり安定的な事業推進のためには、国に対して、当初予算の十分な確保について働きかけていただきたいと考えておりますが、県の取組や考えについて、お尋ねをいたします。 また、昨年度、県下の農地基盤整備の実施状況と、そのうち、現在、島原市で進められている地区の進捗状況とその完成予定年度、併せて、新規地区の見通しについて、お尋ねをいたします。 4、漁業行政について。 (1)有明海再生への取り組みについて。 諫早湾干拓事業訴訟で、今年3月に最高裁で、平成22年の開門を命じた判決の効力を事実上無効とする判断が確定をいたしました。これで、司法判断は、開けない方向で事実上統一された形となりました。 これを受けて、野村農水大臣は、「国として、皆様の有明海再生を願う気持ちと、これまでの苦労に思いをいたしつつ、今後の取組を進めていきたい」との談話を発表し、積み重ねられた司法判断等により、有明海再生の方策を実施していくべきとしています。 本県も、この開門によらない有明海の再生に向けた新たな取組をスタートさせるべきと考えます。 そこで、本県の今後の有明海再生に向けた考え、取組について、お尋ねをいたします。 (2)資源管理について。 有明海では、漁獲量が長期的に減少傾向にあるという課題に直面しています。 その要因は、海洋環境の変化など様々な要因が考えられますが、そういった環境の中で、水産資源を、いかに有効に利用していくかを常に考えていく必要があります。国においても、新たな資源管理の推進に向けた取組が進められようとしています。 こうした中、新たな資源管理には、新たな漁獲可能量(TAC魚種)の導入が含まれ、有明海においても、マダイやヒラメなど重要な魚種が、その対象となっており、漁業者から不安の声が聞かれます。 また、漁獲可能量(TAC)の根拠となる資源評価の結果についても、漁業者から疑問の声が聞かれます。 併せて、漁業者のみならず遊漁者への対応も求められています。 県としても、各地で、新たな資源管理について説明会を開催していると聞いていますが、新たな資源管理を進めるに当たっての現状と課題について、お尋ねをいたします。 (3)組合職員不足について。 漁獲量の減少やコロナの影響により、経営は依然厳しい状況が続いています。 漁協組合としては、今後、組合事業を活性化させ、経営を安定化させたいと考えており、販売事業の強化をはじめ、新たに自営養殖に取り組むなどにより、組合の経営安定を目指しておられます。 こうした中、漁業協同組合は、漁業者の減少はもとより、組合職員の不足にも頭を抱えています。ハローワークに求職を出しても応募がない状態であります。 そこで、漁協の会計処理などの事務作業を定期的に補助する仕組みや漁協職員の人材育成、スキルアップなどについて、県として何らかの支援はできないものでしょうか、現状と県が行っている取組について、お尋ねをいたします。 (4)漁業者の廃船処理について。 現在、漁業者の高齢化・人口減少に伴い、労働力不足が進む中で、漁業を廃業せざるを得ない漁業者が出てきています。そこで直面するのが、廃業に伴って発生する廃船処理の問題であります。 処理には、1隻5トン未満で約35万円から40万円程度かかり、漁業者によっては、2~3隻所有されている場合もあり、個人負担が大きく、その処理が進まない現状があります。 そこで、一定期間の廃船処理期間を設け、漁協が取りまとめて、一定数の船を集め、処分の効率化をすることで、そこにかかる個人負担を減らすことができないか考えられています。 また、そのためには、一定期間、船をストックする場所が必要となりますが、県有地などの場所を活用し、先ほど述べた廃船処理を進める取組としてできないものか、お尋ねをいたします。 5、教育行政について。 (1)小中学校の給食費の無償化について。 今、国においては、子育てに係る経済的負担の軽減に向けた議論がなされています。 島原市は、「とことん子育てにやさしいまちづくり」を掲げ、子育て世帯の生活支援などに取り組んでいる中、小中学校の給食費の無償化に向けて検討を重ねているところであります。ただ、そこには財政が厳しいため、実現に向けて難しい状況であります。食料品や電気・ガスなどの水・光熱費などの物価高騰が続く中、これら義務教育に係る負担軽減への声も大きくなってきております。 一方で、「全国の自治体の約3割が、2022年度に、子どもたちの健やかな成長のために必要な給食費を無償化した」との報道もあり、自治体によって、義務教育における制度格差が生じることは望ましいことではなく、全ての子どもが全国一律に恩恵を受けられるよう、国の制度として、早期の創設をしていただきたいと考えています。 そこで、小中学校の給食費の無償化について、県の考えと、この給食費の無償化を国の制度として創設するよう、国に対して働きかけをお願いしたいと思いますが、その考えについて、お尋ねをいたします。 (2)県立学校等の存続、充実のための支援について。 島原市には、長崎県内で唯一、県立の普通高校、商業高校、工業高校、農業高校などの実業高校に加え、私立高校もあり、島原半島内の中学生の多様な進路希望に対応できています。 しかしながら、人口減少と少子・高齢化、生徒の半島外への進学の増加などによって、近年、県立高校の定員が減少し、さらに定員割れの状況が続いています。 こうした県立高校の定員割れは、学校の活力や生徒の教育環境の悪化、ひいては地域の衰退にもつながることが懸念されているところであります。また、島原市内でも、卒業生をはじめ多くの方より、その存続を望む声をお聞きをいたします。 そこで、これらの対策として、県立高校の魅力や特色ある取組が必要と考えますが、県の考えをお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。答弁の次第によりまして、対面演壇席より再質問を行わせていただきます。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕大場議員のご質問にお答えいたします。 島原道路の進捗状況についてのお尋ねがございました。 島原道路は、産業の振興や交流人口の拡大による地域活性化を図るうえで、極めて重要な高規格道路であり、重点的に整備を進めております。これまでに全体延長50キロメートルのうち約22キロメートルが完成しているところでございます。 現在、国と県で、合わせて4工区の整備を行っておりますが、このうち国が進めている森山拡幅においては、全体4.8キロメートルのうち3.3キロメートルが今年度開通する予定となっております。 また、県で進めている3つの工区においても、事業の進捗に力を注いでいるところでございます。 このうち、出平有明バイパスにおいては、早期の開通に向けて工事を全面的に展開をしております。 引き続き、島原道路の一日も早い完成に向けて取り組んでまいります。 残余のご質問につきましては、関係部局長から答弁をさせていただきます。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 私から、5点お答えいたします。 まず、島原道路における休憩施設の設置についてのお尋ねですが、島原道路の休憩施設については、一旦、インターチェンジから一般道へ降りて、最寄りの道の駅等の施設を利用していただくことを想定しています。 このため、新たな休憩施設の必要性等について、令和3年度に検討会を設置し、島原半島内の3市及び民間団体とともに議論を行ってまいりました。 検討会の中では、どのような地域への設置が有効であるか議論したところであり、現在、島原市において、具体的な候補地の選定が行われています。今後も、市とともに検討を進めてまいります。 次に、深江から口之津間の道路整備についてのお尋ねですが、昨年度から、南島原市深江町から口之津町間を含めた島原半島南部地域の道路整備の方向性について、地元関係市と意見交換を行いながら、検討を進めてきたところです。 今年1月からは、
国土交通省にも参加いただき、島原半島全体の幹線道路網について、改めて検討を始めています。引き続き、地域の意見をしっかりと聞きながら、検討を進めてまいります。 次に、水無川上流地域における無人化施工の拠点地域としての位置づけについてのお尋ねですが、無人化施工技術は、「雲仙・普賢岳」の災害現場で安全に工事が行えるよう、国において確立された技術であり、現在では、全国の様々な場面で活用されています。 一方、労働人口の減少や高齢化など、近年、現場での生産性の低下が懸念されており、その課題解決に向けては、無人化施工の活用が有効であることから、国において、昨年11月に現場技術者などを対象とした操作訓練が行われたところです。 本県は、全国に先駆け、無人化施工が本格導入された県であることから、その優位さを活かし、普及促進の拠点として、水無川上流域を位置づけることは、極めて有益であると考えています。そのため、まずは、県内業者の育成が重要と考え、操作訓練などへの参加を積極的に働きかけてまいります。 次に、サイクルツーリズムにおける島原市内でのハード面での取組状況についてのお尋ねですが、島原半島では、観光施策の一つとしてサイクルツーリズムを推進するため、島原半島を一周するサイクリングルートを設定し、国、県、市の各道路管理者が、自転車走行環境の整備を進めるとともに、地元3市や島原半島観光連盟など官民が連携して、サイクリングマップの作成やサイクルラックの設置など、受入環境の整備を順次行っています。 島原市内の走行環境の整備状況については、島原市が令和4年度から、旧秩父が浦駅から南島原市との市境の水無川橋梁間の約2.3キロメートルの島原鉄道廃線敷を活用した自転車歩行者専用道路の整備を進めているところであり、県では、接続する道路からのスムーズで、安全・安心な誘導方法について、国及び市と協議を行っています。 また、県管理の国道251号においては、安全な自転車の通行のため、舗装補修を実施するとともに、引き続き、矢羽根などの路面標示や案内標識等の整備を行うこととしています。 県としては、今後も、国及び市と一体となって、サイクリングルートの整備に取り組んでまいります。 次に、雲仙砂防施設や無人化施工の現場を連動させたインフラツーリズムについてのお尋ねですが、インフラツーリズムツアーにつきましては、令和5年2月、国が旅行業団体を対象に、雲仙・普賢岳の砂防堰堤や無人化施工の現場などを巡るモニターツアーや意見交換会を開催し、商品化に向けた取組がなされていると聞いています。 「雲仙・普賢岳」は、島原ジオパークの中核をなし、噴火災害では、火砕流や土石流が繰り返し発生し、長期化するなど、多くの犠牲者を出し、地域に甚大な被害をもたらしました。 その対策としての幾重にも重なる砂防施設群は、今後の噴火災害の模範となる先進的なインフラとなっています。 このような状況をわかりやすく発信し、後世にも伝えていくことは重要であると考えており、現地へ足を運んでもらうインフラツーリズムについて、国や市など関係機関と連携し、知恵を出し合いながら取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君) 企画部長。
◎企画部長(
早稲田智仁君) 私から、ドローン操作研修による水無川上流地域の活用拡大に係る県の見解について、お答えいたします。 離島や中山間地域などの条件不利地域を多く抱える本県において、様々な地域課題に対するドローンの活用は、広がっていくものと考えております。 ドローンの操縦技能講習については、既に県内の複数の事業者により、県内各地において実施されておりますが、操作研修等の地域の選定については、講習を行う事業者と土地所有者等において、調整が行われるところであります。 そのため、水無川上流地域に関しても、研修形態等を踏まえ、事業者において検討がなされるものと認識しており、県としましては、地元自治体とも連携を図りながら、各事業者のご意向等もお伺いするなど、対応を図ってまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君)
地域振興部長。
◎
地域振興部長(小川雅純君) 私からは、島原鉄道に対する県の支援及び今後の取組について、お答えさせていただきます。 島原鉄道への支援については、レールや信号などの安全確保に係る設備の整備費用について、国や沿線市と連携して補助を行っており、島原鉄道の負担軽減を図っております。 また、県独自には、令和2年度から新型コロナウイルス感染症や燃油価格高騰などに係る支援を実施しており、今回の補正予算でも、燃油価格高騰への支援を行うこととしております。 一方で、国においては、「ローカル鉄道のあり方に関する提言」が取りまとめられたことを踏まえ、島原鉄道の経営環境を考慮し、昨年、沿線市や交通事業者などで構成する「島原鉄道活性化検討部会」を設置し、これまで2回の協議を行ったところでございます。 本年度は、現状分析や将来予測などに基づく持続可能な交通体系を検討するための調査を実施し、令和6年度には調査結果を基に、将来に向けた方向性について、関係者とともに協議を進めてまいります。
○議長(徳永達也君)
危機管理部長。
◎
危機管理部長(今冨洋祐君) 私からは、火山観測研究体制の強化について、お答えさせていただきます。 地震火山観測研究センターの存続、火山観測、研究体制の強化に向け取り組んでほしいとのお尋ねですが、九州大学による雲仙火山に関する観測研究については、昭和37年以降、継続的に行われており、平成2年からの「雲仙・普賢岳噴火災害」においても、その観測結果により、被害の軽減が図られたところであります。 また、山頂には現在も不安定な溶岩ドームが存在し、崩壊の危険性があることから、火山活動を観測、研究する体制は大変重要であると考えております。 県では、去る7日に、文部科学省に対して、センターの充実・強化について要望したところであり、今後も機会を捉え、島原市とも連携しながら、国や九州大学に対して働きかけてまいります。
○議長(徳永達也君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) 私から、県南振興局庁舎の整備の進捗状況及び今後のスケジュールについて、ご答弁申し上げます。 県南振興局は、災害対応や窓口業務など緊急性・現場性が特に強い業務に必要な機能は各地域に残しつつ、3つの振興局を集約することによりまして、人的資源を効果的・効率的に配置しながら、組織の柔軟性や専門性を確保し、将来にわたり、事業の推進や多様な行政ニーズ、災害等に対応できる体制を整備するものでございます。 現在は、基本設計を終えまして、諫早市における駅周辺整備事業との調整を図りながら、これを来年1月末の完了を目指しまして、実施設計を行っているという状況にございます。その後、工事発注の手続を行いまして、令和7年から工事に着手する予定としておりまして、引き続き、諫早市と連携を図りながら、令和8年度頃の庁舎完成を目指してまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君)
文化観光国際部長。
◎
文化観光国際部長(前川謙介君) 宿泊事業者における人手不足及び物価高騰対策について、どのような取組を行っているのかとのお尋ねでございます。 現在、景気が回復する中、人口減少等の影響もございまして、宿泊業界に限らず、多くの業界で人手不足感が強まっております。 県におきましては、県内の高校生を対象に、将来の観光産業を担う人材の育成に取り組んでおりますが、人材の育成・確保につきましては、一定の時間を要しているところでございます。 そのため、まずは宿泊事業者が実施する業務の省力化に向けた取組を支援し、生産性の向上を促すことによって、人手不足を補完してまいりたいと考えております。 また、宿泊業は他の業種と比較いたしまして、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい業界でありますことから、昨年に引き続きまして、光熱費の抑制に寄与する省エネ設備等の導入支援にも取り組んでいるところでございます。 このような宿泊事業者への支援を通して、回復に向かう観光需要をしっかり取り込んでまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君)
文化観光国際部政策監。
◎
文化観光国際部政策監(伊達良弘君) 私からは、国際クルーズを含むインバウンドの現状と受入れに向けた今後の県の取組について、お答えをさせていただきます。 水際対策が大幅に緩和されました、昨年10月から本年3月までの外国人延べ宿泊者数は約13万人と、コロナ禍前の2019年同時期比で約4割まで回復しており、また、昨年同時期比では約3倍となるなど、順調に回復してきております。 国際クルーズにつきましては、本年3月16日に、約3年ぶりに受入れを再開し、5月末までの県内への入港実績は37回を数え、コロナ禍前の2019年同時期と比較し、半数を上回る程度まで回復してきております。 今後、インバウンド事業のさらなる取り込みを図るため、情報発信の強化に継続的に取り組んでまいりますとともに、国際航空路線が再開している福岡からの誘客プロモーションや、体験型コンテンツの磨き上げ、国際航空路線の早期再開等に取り組んでまいります。 また、国際クルーズにつきましては、入港船の拡大や入港による経済効果を高めるため、船会社、旅行会社への積極的な誘致活動や、県内周遊の促進等に取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 私から、2点お答えをさせていただきます。 まず、農地の基盤整備事業予算の確保に対する県の取組や考えについてのお尋ねですが、農地の基盤整備は、生産性の向上や担い手の確保を図るうえで極めて有効な事業であり、その計画的な推進のためには、国の当初予算において、必要額が十分に確保されることが重要と認識しております。 このため、本年度も6月7日に実施しました政府施策要望の中で、十分な当初予算の確保を最重点項目として要望したところであり、引き続き、国の当初予算の確保と本県への重点配分について、あらゆる機会を捉えて、国に強く要望してまいります。 次に、昨年度の県下の農地基盤整備の実施状況と、そのうち島原市での実施地区の進捗状況、完成予定年度、併せて新規地区の見通しについてのお尋ねですが、昨年度の農地の基盤整備事業につきましては、県全体で32地区、72ヘクタールの整備を実施したところであります。 島原市で実施中の3地区における令和4年度末までの事業費ベースの進捗については、三会原第4地区は37%で、令和10年度の完成を、中原・寺中地区は1%で、令和11年度の完成を、一野地区は今年度から着手し、令和12年度の完成を目指して、それぞれ計画的に整備を進めているところであります。 また、島原市での今後の新規地区として、令和6年度に東大地区を予定しており、引き続き、県と市が連携し、地域の合意形成を進めてまいります。
○議長(徳永達也君) 水産部長。
◎水産部長(川口和宏君) 私から、漁業行政について、4点お答えいたします。 まず、県は今後の有明海再生に向けて、どのように考え、取り組むのかとのお尋ねですが、有明海の再生については、開門によらないことを前提に、国が責任を持って実現していただきたいと考えております。 これまで、国と関係4県で、アサリやタイラギなど特産魚介類の生息環境調査や、種苗放流など技術開発に取り組んできております。 これまでの取組により、マガキの養殖技術開発や効果的なガザミの放流技術等、一部で効果が出ておりますが、地元漁業者からは、より成果を実感できるような取組を求められております。 今後も、引き続き、国へ強く要望するとともに、関係4県連携のもと、水産振興策や漁場環境の改善について取り組んでまいります。 次に、新たな資源管理を進めるに当たっての本県の現状と課題についてとのお尋ねでございますが、県では、資源管理に対する漁業者の理解と協力を得るため、各漁協での説明や意見交換を進めております。 この中では、漁獲可能量の配分が十分でない場合の経営への影響や、遊漁者の資源管理意識への懸念など不安の声を伺っており、これらを払拭することが課題だと考えております。 このため、マダイやヒラメなどの新たなTAC魚種の導入に当たっては、資源評価や管理の進め方に関する意見交換会などの機会を捉え、適切な資源評価や経営に影響が出ない柔軟な数量管理に努めるよう、国に対して意見を述べているところです。 併せて、漁獲可能量の根拠となる資源評価について、精度向上のため漁獲データの提供など国と連携を図っており、引き続き、現場の実情を国に伝えるとともに、TACの遵守と正確な漁獲データの報告など、漁業者の理解と協力が得られるよう努めてまいります。 次に、漁協職員不足の現状と、それを踏まえた県の支援についてのお尋ねでございますが、県内の沿海漁協では、令和3年度末において、職員数5名以下の漁協が64組合中27組合で、全体の42%を占めており、限られた人員の中で業務を実施している現状があり、多くの漁協から職員の確保に苦労されている声をお伺いしているところです。 一方、漁協職員は、水産物の販売のほか、資源管理や補助事業等の様々な事務を行っており、漁業者の生産活動を支える重要な役割を担っております。 こうした状況を踏まえて、県では、本年度から新たに漁協職員の人材育成と業務効率化を支援する事業として、税理士等の専門家派遣などを行うこととしております。 さらに、本県では、小規模な漁協も多く、業務効率化には漁協間の事業連携や漁協合併が必要だと考えており、関係機関とも連携しながら推進してまいります。 次に、港の県有地を漁船の一時保管場所として活用できないかとのお尋ねでございますが、廃船処理費用が高額で、漁業者の負担となっていることは県も認識しており、その対策として、漁協が取りまとめて廃船処理を行うことは、漁業者の負担軽減に有効であると考えております。 そのような場合に、漁船の一時保管場所として、県有地の活用について漁協から相談があれば、港湾・漁港の利用上支障がないなど、一定の条件のもと対応できるものと考えております。
○議長(徳永達也君)
教育委員会教育長。
◎
教育委員会教育長(中崎謙司君) 私の方から、2点答弁させていただきます。 まず、小中学校の給食費の無償化についてのお尋ねでございます。 学校給食は、「学校給食法」に基づき、設置者と保護者の経費負担により実施されるものとなっておりますことから、給食費の無償化につきましては、各市町において判断されるものと考えておりまして、また、県が市町に対して支援を行うことにつきましては、本県の厳しい財政状況を踏まえますと困難であると思っております。 一方、国におきましては、一昨日、「こども未来戦略方針」が示されまして、子育てに係る経済的負担を軽減するため、学校給食費の無償化の実現に向けて実態調査をしたうえで、課題の整理を行い、具体的方策を検討するとされております。 また、全国知事会におきましても、国に対して少子化の進行等の社会情勢が変化する中、国全体として学校給食費の負担のあり方を抜本的に整理したうえで、国の責任で、財源も含め、具体的な施策を示すようにとの要望が検討されているところでございます。 次に、県立高校の魅力化や特色ある取組についてのお尋ねでございます。 少子化の進行に伴いまして、離島・半島地域の県立高校では小規模化が進んでおり、学校の枠を超えて、地域資源を活用した特色ある学びを実践するなど、中学生にとって魅力ある高校づくりに努めていく必要があると考えております。 その一例としまして、昨年度、島原市内の県立学校5校が、市や商工会等の協力のもと、高校生カフェをオープンしまして、地元の食材を使った手作りケーキや島原茶の提供などを通しまして、市民の方々に、生徒たちの日頃の学習の成果や活躍を間近に見ていただく機会となったところでございます。 この取組を先行事例としまして、今年度から、地元の市町や産業界などと一体となって魅力ある学校と地域づくりを目指す高校・地域連携イキイキ活性化事業に、新たに取り組むこととしておりますが、その一環としまして、島原市では、多くの市民の皆様が集う「島原城大手門市」の企画、運営に高校生が主体的に関わって、学校での学びを地域で実践していくことを計画しております。 本事業を通しまして、高校生が学校だけでなく、地域も学びのフィールドとして、人と触れ合い、産業を学びながら、ふるさとへの思いを育みますとともに、進路実現にもつながるコミュニケーション力や課題解決力を磨き上げることができますよう、教育環境を充実させることで、魅力ある学校づくりに努めてまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 大場議員-25番。
◆25番(大場博文君) 各答弁、ありがとうございました。 まずは、島原道路についてでありますが、これまでも、県の方では、多大なるご尽力をいただいて、日に日に道路の建設が進んでおります。 その中で、市民・半島の方々の思いも、やはり一日も早く全線をつないでいただきたいと、そういう思いでありまして、併せて、先ほど質問いたしました島原市から南側、南島原市側になります。そういったところも、今、地元自治体、そして県・国等が協議会をつくって、今後のあり方について検討するということで、少し前向きに進もうとしています。 そこで、平田副知事にお尋ねをしたいと思いますが、そういった南島原市、要は、南伸の島原道路の建設に向けて、県としてもしっかり取り組んでいただきたい。また、併せて、国の方にも力強く働きかけをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(徳永達也君) 平田副知事。
◎副知事(平田研君) 先ほどの答弁にもありましたとおり、島原半島全体の幹線道路網のあり方につきましては、国も参加した形での検討が進んでおります。 深江から南側の整備につきましても、地域からのご要望も強いことも踏まえながら、半島全体の幹線道路網のあり方の議論の中で、検討を深めてまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 大場議員-25番。
◆25番(大場博文君) ぜひお願いしたいと思います。島原半島全域が均衡ある発展のためには、やはり感染道路、この島原の道路を中心とした、そういった発展が不可欠だと考えておりますので、県としても、しっかりと、よろしくお願いしたいと思います。 また、島原道路で三会インター、今、工事が着々と進んでおります。その付近の整備が進むことによって、周辺の道路環境がどんどん変化をしております。交通量の増加などがありまして、そこで、この島原道路の建設に合わせた、その周辺道路の整備も必要かと思っておりますが、今現在、県で進められております道路整備について、お尋ねをいたします。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 島原三会インターチェンジ付近においては、インターチェンジに接続する県道礫石原松尾町停車場線の山手側880メートルについて、拡幅工事を行っています。 現在、橋梁工事などを行っており、今年度中には約300メートルの完成供用を図る予定としています。
○議長(徳永達也君) 大場議員-25番。
◆25番(大場博文君) そういった整備が進んでいるということで、ただ、先般、地元の町内会及びその周辺の住民の方の要望として、今現在、整備をそうやって進められている以上のところ、そのうえのところですね。山側の方に当たっては、施設、また、その農家の方のご自宅があるということで、もう少し上層部の方、上の方までの整備を望まれているとお聞きしておりますので、そういった声を踏まえて、ぜひご検討いただければと思いますので、整備を進めていただくよう、よろしくお願いをいたしたいと思います。 次に、観光行政の中で、宿泊事業者に対しての支援についてであります。 先ほどの中で、人材不足、これはもうあらゆる産業の中で人材が不足していると、特に、そういった観光産業、旅館・ホテル等については、マンパワーが必要なところであります。 先ほど答弁の中で、そういった効率化を図るような支援をということで、実際に人をそういうふうに手だてするのはなかなか難しいと思いますが、そういったところは、そういった認識を踏まえつつ、そういった対応へも早く取組ができるようにお願いしたいと思います。 もう一つ、宿泊事業者においては、コロナ禍の休業や事業縮小に伴って、その損失を、要は銀行からの新規借入れ等によって、この3年間、耐え忍んできたということであります。その負担が、今、経営について大きくのしかかってきています。まだまだ、そういった状況で、経営的に厳しい状況が続いているのが現状です。 そこで、県内の観光関連事業者などへの資金繰り対策、資金繰り支援について、どのような働きかけ、取組を行っているのか、お尋ねをいたします。
○議長(徳永達也君)
産業労働部長。
◎
産業労働部長(松尾誠司君) 観光関連を含む県内中小事業者におきましては、物価高騰に加え、今後、コロナ関連融資の返済開始が本格化するなど厳しい経営環境にあることから、借換えを含めた資金繰りの円滑化が重要であると認識しております。 そのため、本年1月10日から、緊急資金繰り支援資金、伴走支援・借換えの運用を開始するとともに、本年度当初予算においても、緊急資金繰り支援資金の取扱いを継続のうえ、融資枠100億円を確保するなど必要な対策を講じているところであります。 また、金融機関に対しては、事業者からの返済条件の緩和や借換えの相談等に、迅速かつ丁寧な対応を図られるよう要請を重ねているところであります。 今後とも、関係機関と連携しながら、適切な資金繰り支援に努めてまいります。
○議長(徳永達也君) 大場議員-25番。
◆25番(大場博文君) ぜひお願いしたいと思います。 次に、漁業行政の中で、有明海の再生、そして資源管理についてであります。 先ほどの答弁の中でありました、漁業者の皆様は、また国の方の新たな資源管理の方針のもと、本当に不安を抱えられております。 一方で、こういうふうに漁業者に対しては、資源管理のもと管理をされるんですが、漁業者として不満が、その一つとしてあるのが、やはり遊漁者、一方で、漁業者に対しては、そういった国の管理下のもとでやる。ただ、漁業者からすると、「なんで私たちばかり」と、そういうふうな声をよく聞きます。 要は、一方で、遊漁者、遊漁船、遊漁者の方は、ある意味、そういった枠から、そういった網から漏れているんじゃないかと。それによって、このような資源管理の新たなもとでやっていく、そういったものは少し私たちに、漁業者に対して負担のかけ過ぎではないかというような声をお聞きしますので、そういった不公平感がないような形で、しっかりとご認識をいただいて、取組を進めていただければと思います。 そして、もう一つ、漁船の廃船処理、島原のあらゆる漁協の方も、今はもう高齢化が進みまして、漁業を廃業する方が少しずつ増えてきております。 そういった中で、負担となるのが、先ほど申し上げました、要は漁船の廃船処理の問題に併せて、これまで生計を立ててきた漁具も、そういった状況で、いわば処理に非常に困っているということであります。 この漁具の処理についても、先ほど壇上で言いました漁船の処理同様、県のいろんな県有地、そういったものを活用して、同じような扱いで処理することができればと、併せて、漁協の方も考えていますが、そちらの方についてはいかがでしょうか。
○議長(徳永達也君) 水産部長。
◎水産部長(川口和宏君) 廃棄漁具の一時保管場所として、県有地の活用について、漁協からご相談があれば、港湾・漁港の利用上支障がないなど、一定条件のもと対応できるものと考えております。
○議長(徳永達也君) 大場議員-25番。
◆25番(大場博文君) 大変喜ばれると思います。 そういったことでですね、やはり漁業者の、要は高齢者の方の漁業者の負担軽減を何とか図っていきたいと、そういうのが漁協の思いのようでありますので、早速、それは伝えさせていただきたいと思います。 それでは、最後に、学校の教育行政についてでありますが、無償化についてはわかっております。非常に厳しい状況の中、できればということで質問をさせていただきました。何とかご検討いただければと思います。 全国でも、そういった形で無償化、人口が少ないところを中心に、そういったのが増えてきておりまして、やはりできるところ、できないところがあってはならないと思いますので、まずは国においても、そういった働きかけを、ぜひ力強く行っていただければと思います。 それでは、島原にあります県立学校についてであります。 昨年は、本当に島原市が初の試みとして、全部の高校ですね。先ほど言いました普通高校、島原高校、商業高校、工業高校、農業高校に合わせて特別支援学校も入って、そういった高校生の力を活用した授業を行われました。 今年度は、それに地元の私立高校も加えた形で幅広く、また高校生としての学校の魅力、そういった特色ある取組を進めようとされています。 そういったことで、ぜひ今年度に当たっても力強くご支援をいただきたいと思いますが、
教育委員会教育長、いかがでしょうか。
○議長(徳永達也君)
教育委員会教育長。
◎
教育委員会教育長(中崎謙司君) 昨年も、島原市の方から高校生の若い力を、まちづくりに活かしたいということで、先ほどの「Mijoかふぇ」、カフェがオープンしたところでございます。 ぜひそういった市の思いも酌み取りながら、高校の魅力化と地域のまちづくりをどう活かすか、島原で、ぜひ成功事例をつくり上げたいと思っております。
○議長(徳永達也君) 大場議員-25番。
◆25番(大場博文君) ぜひお願いしたいと思います。 最後は要望とさせていただきますが、県立高校ですね、生徒数が少ないと言いながら、やはり島原では、今度は勉学だけではなく、各種スポーツ等でも島原高校剣道部であるとか、島原工業高校ソフトボール部であるとか、そういったところに市内、そして半島内、そして県内、また県外から、そこを目指して生徒が多く来ている現状があります。 そういった中で、少し出ているのが、そういった生徒が通う通学環境、また、遠方から来られた場合には、要は生活をしないといけないと、生活環境の整備も、保護者をはじめ非常に求められてきておりますので、そういったことをご認識いただいて、ぜひ県としての何らかの手助けができないか、ご検討をいただければと思いますので、こちらの方は要望とさせていただきまして、以上で、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(徳永達也君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、2時45分から再開いたします。 -午後2時30分 休憩------------------------------------ -午後2時45分 再開-
○副議長(山本由夫君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 山田朋子議員-38番。
◆38番(山田朋子君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。 佐世保市・北松浦郡選挙区選出、山田朋子でございます。 4月の統一地方選挙におきまして、5回目の当選をさせていただき、県議会議員として再び活動させていただく機会をいただきました県民の皆様へ、心から感謝を申し上げます。 県民の皆様からの一票の重みをかみしめながら、初心に立ち戻り、職務に邁進してまいる所存でございます。 今回の選挙におきましても、地域をくまなく回る中で、県民の皆様から多くの声をいただきました。 私は、これまでも、県民の皆様に寄り添い、県民の皆様に耳を傾け、特に、女性や子ども、社会的弱者の方々の声を挙げることができない方々の声を県政に届けてまいりました。 県議会議員は、あくまでも、県民の皆様の代弁者であり、その声をしっかりと県政に反映する責任がございます。 私は、これからも、責任を持って県民の皆様の声を県政に届け、反映させてまいります。 大石知事におかれましては、県都である長崎市、第2の都市である佐世保市のトップが交代をし、自らの公約を含む「新しい長崎県づくり」の実現に向け、両市長とも検討を重ねておられることと存じます。いうまでもなく、県民の皆様方も大いに注目をし、期待をしているところです。 本日は、改めて、県民を代表する県議会議員として、改革21会派の代表として、誠心誠意、県民の皆様の声を一般質問として届けてまいりますので、県民の皆様のためにも、大石知事をはじめ、関係部局長の明確、明瞭なご答弁をお願いいたします。 1、知事の政治姿勢について。 (1)長崎市・佐世保市との連携について。 本県の社会経済情勢は、厳しい状況が続いていますが、今後、県勢の浮揚を図るためには、まちの魅力を高めて、人を呼び込み、地域の活力を伸ばしていく必要があります。魅力あるまちづくりを進め、知事が目指す「選ばれる長崎県」を実現するためには、県と市町との連携強化が大切だと考えます。 その中でも、特に、県都であり、長崎広域連携中枢都市圏を牽引する長崎市、また、西九州させぼ広域都市圏の中心都市である佐世保市の2つの中核市との連携は不可欠であると考えますが、知事のお考えをお尋ねいたします。
○副議長(山本由夫君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕山田議員のご質問にお答えいたします。 多方面から選ばれる「新しい長崎県づくり」を進めていくためには、本県の地域課題の克服に向け、住民に最も身近な市町と、思いや力を合わせ、一緒に取り組んでいくことが重要であると認識をしております。 また、中核市である長崎市及び佐世保市は、本県の人口の約半分を占め、様々なまちづくりの権限等も有していることから、両市との連携は、本県の発展に不可欠であると考えております。 そのため、県・市町連携会議や両市からの要望の場等を通して意見交換を実施し、地域の課題を共有のうえ、まちづくりや移住・定住対策をはじめ、県・市の連携施策の構築に努めているところであります。 今後とも、県と市町の役割分担にも留意しながら、さらなる連携強化を図り、本県の発展につなげてまいりたいと考えております。 以後のご質問につきましては、自席から答弁をさせていただきます。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 中核市である長崎市と佐世保市とは連携を強化していただき、そして、もちろん県下一円、21市町と本当に連携を強化いただきながら、県民の皆様が本当に住みやすい、選んでもらえる長崎県の実現に向けて頑張っていただきたいと思います。 (2)県北・佐世保地域の振興対策について。 ①佐世保・県北地域の都市構想について。 県勢の均衡ある発展のためには、長崎市だけではなく、県北・佐世保地域の振興が重要であると考えております。 県北・佐世保地域は、西海国立公園に代表される豊かな自然に恵まれ、ハウステンボスのほか、日本遺産に認定された佐世保鎮守府、世界遺産の構成遺産に登録された黒島の集落など、多様な観光資源を有しております。 また、全国トップブランドである西海みかんや、全国で大きなシェアを占めるトラフグの養殖などの豊かな農林水産物に恵まれ、地域の特色的な産業として、造船業や日本遺産に認定された伝統的な陶磁器産業がよく知られております。 このような県北・佐世保地域が持つ多様な地域資源の磨き上げを、県と市が連携をして取り組むことで、さらに魅力を高めていくことが大切であると考えており、そのことが、知事が掲げられているIR誘致に対応する佐世保・県北地域の都市構想にもつながるものと考えますが、このことについての知事のお考えをお尋ねいたします。
○副議長(山本由夫君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 県北・佐世保地域は、世界遺産をはじめとした観光素材や豊富な農林水産物、歴史と文化、特色ある産業など、魅力的な地域資源を数多く有してございます。また、本地域の振興を図ることで、県全体の発展に結びつけていく必要があると考えております。 こうしたことから、県では、地元市町とも連携のうえ、西九州自動車道の整備促進やIRの区域整備の推進、佐世保港のすみ分けの早期実現、企業誘致による雇用の場の増加、国際クルーズ船の誘致及び肥前窯業圏の取組による交流人口の拡大など、様々な施策の推進に力を注いでいるところでございます。 県といたしましては、このような取組を進めつつ、県北・佐世保地域のまちづくりや多様な産業の活性化に向けて、地元市町や経済団体とも連携しながら、引き続き、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 知事は、佐世保市長選の際に、「佐世保を含む県北の発展なくして県勢の発展なし」と、何度も何度も力強く言っていただいております。多くの県北の県民は、その言葉に期待しております。私もその一人であります。しっかりと、県下の第2の都市であります佐世保市を含む県北地域の発展に向けても、ぜひとも、ご尽力いただくことをお願い申し上げ、次の質問にいきます。 ②世界遺産の島「黒島」への自動運転車導入について。 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が、世界文化遺産に登録されてから、間もなく5周年の節目を迎えようとしております。 佐世保市の相浦桟橋からフェリーで50分ほどの場所に位置する黒島は、島全体が黒島の集落として構成資産となっており、世界遺産登録をきっかけに黒島を訪れる方の大半は、れんが造りの教会堂で、国の重要文化財にも指定されている「黒島天主堂」が最大の目的地となっております。 世界遺産に登録された平成30年7月からの一年間の黒島集落への来訪者数は約6,000人を数えていたものの、令和3年の同時期では約3,600人と大きく減少しているとお聞きしております。 減少の原因は、もちろんコロナ禍であったことは大きく影響したと思われますが、黒島港から黒島天主堂間の移動に徒歩で30分ほどかかるものの、島内にはタクシーを含めた公共交通機関がないことも影響していると思われます。 黒島天主堂までの交通手段については、現在、地元の観光協会によって電動カートの運行や電動自転車、電動バイクの貸し出しなども行われているところではありますが、今後、黒島で自動運転車両が導入されれば、世界遺産の島であることに加え、先端技術がいち早く導入された島として注目され、多くの方に来てもらえるきっかけになるものと考えています。 黒島での自動運転車両の導入を検討していく考えがあるのか、お尋ねいたします。
○副議長(山本由夫君)
地域振興部長。
◎
地域振興部長(小川雅純君) 自動運転移動サービスの実現に向けた国内の主な動きとしましては、特定の条件下で無人の自動運転を可能とするレベル4がはじめて認可された福井県永平寺町で、先月から無人電動カートによる移動サービスの営業運行がはじまっております。 自動運転移動サービスの導入は、過疎化や少子・高齢化が進み、陸上交通を担う人材の確保などの課題が顕在化している本県においても、その解決策として有効な手段となる可能性があります。 世界遺産の島である黒島での導入は、公共交通の空白地域でもあり、観光客に限らず、住民の移動支援の面からも有意義であると思われますが、一方で、黒島が国の重要文化的景観に選定されていることによる各種規制や住民の理解など、様々な課題があるものと考えられます。 導入の検討に当たっては、地元自治体等の意向を踏まえて、今後の対応について研究してまいります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 世界遺産の島で、勝手にいろいろとできないという規制がかかっているのは存じ上げております。しっかりと計画を立てて許可を得られれば、そういった工事も可能となります。 私は、昨日、黒島に行ってまいりました。地元の方々とお話もしてまいりました。そして、メーカーとも話をしてきました。 国は、2025年までに50か所、もう実証実験ではなく、実走ですね、実際に走る方で計画を立て、そして、本来2030年までに予定をしていた100か所というのを、2027年に前倒しをするということであります。 そして、九州各県を見ていくと、宮崎県、鹿児島県、福岡県、佐賀県、多くの自治体が、既にこういったものの補助金を活用していろいろ行っているようでありますので、本県においては、やはりある程度の交通量が少ないところでもあるということ、そして、先ほど答弁いただいたように公共交通がない空白地域であるということを勘案しても、この世界遺産の島である黒島で自動運転の導入を、ぜひ、前向きに検討いただきたいと思っております。 本年も同じように
国土交通省の補助メニューもあるようでありますし、都道府県が申請する場合は、導入を予定する市町村との調整が図られているということであります。佐世保市ではなくても、県でもこの導入に向けて手挙げをすることは可能であります。 ぜひともお願いをしたいと思っておりますし、また、この技術者関係でありますが、遠隔でも操作ができるということで、佐世保にいても、どこにいても、黒島にいなくても、この操作ができるということでありますので、そういったことも含めて、ぜひ研究ということでありましたが、世の中は既に実証実験から実走に移っている時代でありますし、他県においては、先行して様々な取組がされておりますので、本県も遅れをとることなく、この世界遺産の島でしっかりと自動運転の導入に向けて取り組んでいただきたいことを申し上げ、次の質問にまいります。 ③高島架橋について。 佐世保市が有する九十九島のうち、有人島である高島においては、子どもたちが中学校から島外へ船で通学をしており、緊急医療時においては、船で相浦地区へ搬送している状況にあります。 そのため、地元では、本土から高島への架橋について、「高島架橋建設促進期成会準備委員会」が立ち上げられ、架橋の実現については、地元自治会及び同委員会から佐世保市に対して要望が行われております。 また、2018年7月に世界文化遺産として登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が、今年7月で5周年を迎えます。その構成資産の一つとして黒島の集落があり、隣接する高島への架橋により、黒島との連携が図られ、相乗効果による経済効果も期待されると考えております。 そこで、高島への架橋についての県の見解をお尋ねいたします。
○副議長(山本由夫君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 高島への架橋については、地元から佐世保市に要望が挙がっていることは承知しています。 しかしながら、定住人口など、地域の状況を踏まえると、現時点での実現は課題が大きいものと考えています。 そのため、まずは、地域の実情を確認するとともに、佐世保市の意見を伺いたいと考えています。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 今、ご答弁いただいたように、人口減少の中、今、150名の島民であります。この架橋の話が、公共事業として厳しいということは理解をしているところではありますが、まずは地元において、交流人口の拡大、そういったものに取り組んでいきたいと思っているところであります。 この架橋については、厳しい状況であることは理解をしております。しかしながら、長崎県の離島振興計画における「平戸諸島地域振興計画」には、「高島においては、本土と結ぶ架橋について地元から要望が挙がっている」との記載があるところです。 このことからも、県は、地元の思いを酌み取っていただいているものと理解をしております。人口減少の進む高島において、まずできることは交流人口の拡大だと考えております。 島内には、小佐々方面に向けて、先人が造った軽トラ一台が通れるほどの小さな里道があります。島内の生活の中心は、高島港周辺に集中しておりますので、集落や施設がない中、この里道を造ったことの意味は、「これから先は、後世の者が架橋に向けて引き継ぐようにと言われているように感じている」とのお話を地元の方からいただきました。私は、非常にロマンを感じたところであります。 この里道を活用して、ほかの市町でも取り組んでいるようなサイクリングルートを設定し、先頃発足した一般社団法人高島活性化コンベンション協会や、佐世保市とともに地域振興に向けた取組ができないものか、お尋ねをいたします。
○副議長(山本由夫君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 県では、観光施策の一つとして、県内4地域でサイクルツーリズムに取り組んでおり、道路管理者が自転車の走行環境の整備、また、地元市町や観光協会等が受入れ環境の整備を進めています。 高島では、地域の方々がグリーンツーリズムに熱心に取り組んでいらっしゃると伺っています。サイクルツーリズムは、そういったグリーンツーリズムと非常に相性のいいものでありますので、まずは可能性について、地域の方々、関係者の方々と意見交換を行うところからはじめたいと考えています。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) ぜひとも、交流人口の拡大に向けて、県もしっかりと関わっていただきたいことをお願い申し上げます。 この高島でありますが、先ほど申し上げたように、一般社団法人高島活性化コンベンション協会が立ち上がって、地元としては地域の活性化で機運がとても盛り上がっているところであります。 実は、150人の小さな島ではありますが、岐阜県から誘致企業が来て、そこが高島の近くで捕れるクエとかを活用した地域の産物を、地元の雇用も行ったうえで全国に発送したりしていただいています。 ぜひ、知事におかれましては、この佐世保の離島であります高島、そして、先ほど来から申し上げています世界遺産登録5周年を迎えますこの黒島に足を運んでいただきたいと思いますが、知事のご見解を求めます。
○副議長(山本由夫君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 可能な限り、日程は調整したいと思います。ほかの案件もありますので、そういったところを調整しながらになります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 可能な限りということでありましたので、可能な限り優先をして高島と黒島に足を運んでいただきたいということをお願い申し上げ、次の質問にまいります。 ④板山トンネルの開通について。 佐世保市の大野地区と世知原町を結ぶ県道佐世保世知原線の板山トンネルについては、一昨年末開通をし、その後、トンネルの前後の工事が行われ、完成が近いと地元では多くの方が楽しみに、心待ちにしています。 そこで、板山トンネルの開通がいつ頃の予定か、お尋ねをします。また、開通に向けた予定についても併せてお尋ねをいたします。
○副議長(山本由夫君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 県道佐世保世知原線の板山工区については、8月19日に開通することを公表したところです。 現在、トンネルの非常用設備や舗装などの工事を行うとともに、地域の方を対象とした開通前のイベントについて、佐世保市と調整を行っています。引き続き、開通に向けて、残る工事を進めてまいります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 平成22年3月定例会の質問から数えること、本日で8回目の質問となります。この板山トンネルが完成することで、本当に感慨もひとしおであります。無事に8月19日の開通式を迎えることを祈念し、これまでの部局の皆様のお取り組みに心から感謝を申し上げます。 (3)令和5年度組織改正について。 ①危機管理部の設置目的と基地対策の取組について。 令和5年度の組織改正においては、新たな部や課・室が設置されました。その中で危機管理部につきましては、どのような目的で設置されたのか、お尋ねします。 また、基地対策については、佐世保港のすみ分けなどの基地問題を抱える佐世保市議会などからの要望に応えられ、危機管理部の中に「基地対策・国民保護課」が新設をされました。地元との連携も期待されると思いますが、どのように取り組んでいくのか、伺います。
○副議長(山本由夫君)
危機管理部長。
◎
危機管理部長(今冨洋祐君) 自然災害の激甚化、頻発化に加え、安全保障環境が厳しさを増す中、国民保護への関心の高まりや、佐世保市の新たな基地政策方針の策定、水陸機動団の大村市への配備決定など、基地関係の新たな動きも生じております。 このような状況を踏まえ、有事に備えた体制強化や、基地対策のさらなる推進を図るため、「危機管理部」を新設いたしました。 特に、基地対策につきましては、地元自治体と連携しながら、基地と地域との共存・共生を図ってまいりたいと考えており、新たに佐世保市との人事交流を開始するなど、より緊密な協力のもと、佐世保港のすみ分けの実現等にかかる国への要望のほか、基地との交流促進や自衛隊の円滑な訓練実施の調整などに取り組んでまいります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 佐世保市も非常に期待をされています。しっかりと連携をしていただいたうえで、基地のまち佐世保が抱える課題の解決に向けて、ぜひ、しっかりと取り組んでいただきたいとお願いを申し上げます。 2、交通・観光振興対策について。 (1)
西九州新幹線による県北地域への開業効果について。
西九州新幹線が開業して、はじめて迎えたゴールデンウィーク期間中の乗車率は、JR九州によると、5月3日の午前11時台の武雄温泉発長崎行きの便で180%に達し、長崎駅では多くの観光客や帰省客であふれたとお聞きしております。このような話に接すると、コロナ禍前の賑わいを取り戻したようにも感じます。 新幹線の開業効果を波及させるためには、県はもとより、市町や事業者が官民一体となって様々な事業に取り組んでこられ、このような一定の効果があらわれてきたことは理解をしております。しかしながら、県北地域をはじめ、新幹線沿線の駅から離れた地域などは、新幹線開業効果を享受されているという実感はないとの声しかありません。新幹線開業効果を高め、県北地域を含む県内各地域へ広めていくための今後の取組について、お尋ねいたします。
○副議長(山本由夫君)
地域振興部長。
◎
地域振興部長(小川雅純君) 県北地域では、
西九州新幹線の開業に合わせて、観光列車として「ふたつ星4047」や「36ぷらす3」が運行されたほか、佐賀県やJR九州と共同で「佐賀・
長崎デスティネーションキャンペーン」を実施し、県北地域を含めた県内各地への周遊を促進してまいりました。 今年度は、JR九州や松浦鉄道などを利用した旅行商品や県内周遊を促すフリー切符の造成支援について、関係機関と連携しながら取り組むなど、開業効果の波及に努めてまいります。 また、県内の子どもを対象とした開業一周年の記念乗車会や新幹線を利用した修学旅行等への支援を行うこととしております。 今後とも、各地域と連携しながら、誘客促進に取り組んでまいります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) (2)空港と新幹線の相互利用による開業効果の拡大について。 例えば、飛行機で長崎空港に来られた方に、新幹線をご利用いただいて嬉野や武雄に行っていただいた後、在来線を利用して県北へ周遊していただくなど、交通事業者と一緒になって旅行商品を造成していく必要もあると考えますが、県の取組をお尋ねいたします。
○副議長(山本由夫君)
文化観光国際部長。
◎
文化観光国際部長(前川謙介君)
西九州新幹線の開業効果を拡大していくためには、地域の魅力発信や沿線以外の地域への周遊促進を図っていくことが重要だと考えております。 そのため、佐賀、長崎両県の魅力を全国に発信する情報誌の発行や、昨年の「佐賀・
長崎デスティネーションキャンペーン」におきましては、長崎空港と新大村駅との相互利用を促す旅行商品の造成などにつきまして支援をしたところでございます。 引き続き、佐賀県や基幹的な交通事業者、あるいは二次交通事業者とも連携をいたしまして、全国からの誘客や周遊促進にしっかりと取り組んでまいります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) ぜひ、佐賀県としっかり一緒になって観光商品の造成をいただいて、沿線じゃない地域にもその効果が出てくるように、しっかり取り組んでいただきたいとお願いを申し上げます。 あと、二次交通の問題です。 空港と新幹線の駅が近いという、よその県にはない、とてもいい有利性があるにもかかわらず、空港と新幹線駅の二次交通、今、大村市が「おおむらかもめライナー」というものを予約制で行っていただいていますが、予約が煩わしいなど、改善を求める声が挙がっているとお聞きしています。 こういった大村市が取り組んでいることについても、やはりこの辺がしっかりしないと、新幹線効果を県内各地に広めることができませんので、引き続き、大村市とともに取り組んでいただくことを要望申し上げます。 (3)島原鉄道、松浦鉄道の今後の見通しについて。 ①島原鉄道、松浦鉄道の現状に対する県の認識と支援について。 人口減少やマイカーの普及、さらには新型コロナウイルス感染症の影響により、地域公共交通を取り巻く状況は年々悪化をしており、中でも地域の交通を支えているローカル鉄道は、全国的に見ても、それぞれに危機的な状況にあるとお聞きをしております。 県内を運行している島原鉄道、松浦鉄道についても、厳しい状況にあると思いますが、県において、現状をどう認識し、これからどのような支援を行っていくのか、伺います。
○副議長(山本由夫君)
地域振興部長。
◎
地域振興部長(小川雅純君) 島原鉄道、松浦鉄道におきましては、人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響などにより、利用者数、営業収入ともに減少傾向にあり、経営環境が非常に厳しい状況であると認識しております。 松浦鉄道に対する県の支援といたしましては、島原鉄道と同様に、国や沿線市町と連携して、安全確保に要する経費への補助をこれまで行ってきており、それに加え、令和2年度から新型コロナウイルス感染症や燃油価格高騰などにかかる支援を実施しております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) ②国の動きと県における今後の取組について。 ローカル鉄道の再構築促進に向け、法改正などの動きがあるとお聞きしております。 このような国の動きを踏まえて、県内に2つある地域鉄道を、地域の足として今後も維持していくために、長崎県としてはどのように取り組んでいくのか。先ほど、島原鉄道については、大場議員からの質問に答弁がありましたので、松浦鉄道に対する県の今後の取組について、お尋ねいたします。
○副議長(山本由夫君)
地域振興部長。
◎
地域振興部長(小川雅純君) ローカル鉄道を取り巻く環境が年々悪化している状況の中、国においては、ローカル鉄道の再構築促進に向けて様々な検討がなされ、今般、「地域公共交通活性化再生法」などの改正がなされたところであります。 松浦鉄道においては、長崎県、佐賀県及び沿線6市町で構成する「松浦鉄道自治体連絡協議会」が設立されており、この協議会において、令和3年度から沿線地域の交通のあり方調査などを行ってきております。 今後、検討を深めていくに当たりまして、県としましては、今般、新たに創設された制度や補助金等の活用に関し、国との連携を強化し、沿線自治体とともに持続可能な公共交通体系の実現に向けて、さらに力を注いでまいりたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 松浦鉄道の経営は非常に厳しい状況にあり、令和4年に作成された直近3か年の収支予想を見てみますと、繰越利益剰余金がマイナスに転じる見込みであるとともに、今後も厳しい経営状況が継続する見込みであることから、債務超過に転落するのではないかと危惧しているところであります。 松浦鉄道の経営存続に向けては、早急に抜本的な経営の見直しが必要であることから、2県にまたがる路線であることも踏まえ、佐賀県とも協議のうえ、事務局機能を長崎県で担う、あるいは沿線自治体協議会の中であり方検討の部会を立ち上げていただき、座長を務めるなど、主体的に関与していただきたいと考えております。 なかなか前向きなご答弁はいただけないかと思いますが、先ほど、島原鉄道に関しては、しっかりあり方検討、経営の再構築の見直しをするということでありました。輸送密度に関しては、島原鉄道はまだ1,000を超えていますが、松浦鉄道は700~800ぐらいでございます。大変厳しい状況、民間の鉄道会社、そして、第3セクターであるという経営の違いはあるけれども、先ほど申し上げたように、債務超過に転落する可能性があります。佐世保市が、今、事務局を担っていますが、沿線の市町も多い、そして、佐賀県にもまたがる、この松浦鉄道であります。 県は、もっと今まで以上に、主体的に、法律の中でもしっかりと県の役割として明記もされてきておりますし、前向きに取り組んでもらいたいと思いますが、決意のほどを簡単で結構でございますので、部長、お願いいたします。
○副議長(山本由夫君)
地域振興部長。
◎
地域振興部長(小川雅純君) 今、ご指摘いただきましたように、私どもとしても、佐世保市とまずは十分に話をいたしまして、構成員であります佐賀県とも協議を進めて、一緒になってここは進めていきたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) ぜひとも、地域の交通の維持に向けて、全力で取り組んでいただきたいと思います。 3、長崎を担う人材の育成・確保について。 (1)半導体・情報・航空機関連産業などの成長分野への人材確保について。 本県が将来にわたり発展していくためには、若者に魅力ある雇用を生み出す、成長分野の産業振興が非常に重要であると考えております。 特に、最近では、ソニーや京セラなどの半導体分野での規模拡大や、IT企業や航空機エンジン工場の企業誘致などにより、魅力のある雇用が生み出されている一方で、今後の成長に必要な人材の確保が重要になってくると考えております。 そこで、今後も必要な人材を確保していくために、県としてはどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
○副議長(山本由夫君)
産業労働部政策監。
◎
産業労働部政策監(宮地智弘君) 半導体関連については、ながさき半導体ネットワークにおいて具体的な取組を進めており、去る5月には、長崎工業高校で実習見学や、企業と学校との意見交換を行ったほか、9月には、学生と企業が交流する技術イベントを開催予定であります。 また、情報関連については、県内外から人材を確保するため、「オンライン転職フェア」を開催するほか、企業での体験就労を通した正規雇用への支援を新たに実施することといたしております。 さらに、航空機関連については、航空学科を有する県外大学での企業セミナーを開催し、採用につながった事例も出てきております。 今後とも、成長分野の人材確保に向け、産学官連携で取り組んでまいります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 各分野において、県が取り組まれていることは理解をいたしました。 現在、九州では、熊本をはじめ、各地域での人材の獲得競争が激しくなっているとお聞きしております。県内の産業人材の確保に引き続き取り組んでいただきたいとお願いを申し上げます。 (2)デジタル人材の育成による県内企業のDX推進について。 近年、私たちの生活においても、飲食店におけるタブレットでの注文や、スーパーマーケットなどのセルフレジ化など、身近なところでデジタルを活用した効率化、省力化が進んでいます。 そうした中、人口減少の進展やアフターコロナによる経済活動の再開により、全国的に人手不足が深刻化していることから、その解決策としてDXによる業務の効率化を進めることは、ますます重要になっていると考えております。 県内企業のDXを推進するためには、幅広い業種の中小企業において、デジタルを活用できる人材を育成していくことが重要であると考えていますが、県の考えと取組について伺います。
○副議長(山本由夫君)
産業労働部長。
◎
産業労働部長(松尾誠司君) 県内企業が抱える人手不足等の課題解決の手段としてDXの推進が有効であることから、県としても、様々な企業においてデジタル人材の育成を進めることが重要と考えております。 そのため、経営者や現場リーダーを対象としたDXセミナーの開催や、専門家による相談窓口の設置などに取り組んでおり、県内企業においてもデジタル化による事務処理の効率化を図り、人員等の経営資源を顧客対応に集中させ、大幅な業績向上を実現するなど、具体的な優良事例も創出されております。 今年度は、新たにデジタル機器等の導入と、それを活用する人材の育成を同時に支援することとしており、引き続き、県内企業のDXやデジタル化を推進してまいります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) (3)農業の担い手対策について。 昨年、国においては、人口減少下における農業の担い手の確保についての議論が行われ、今後、20年間の間で全国の基幹的農業従事者数は、現在の約120万人から、4分の1に当たる30万人まで激減する可能性があると示されたところであります。 一方、全国よりも高齢化の進行が早い本県においては、より深刻な問題であり、今後、本県農業の担い手が著しく減少した場合、産地の維持に支障を生じ、農業生産の縮小につながることが懸念されます。 このことから、本県農業を支える担い手の確保は、緊急かつ重要な課題であると考えますが、これを県はどのように捉え、どのような対策を図るのか、伺います。
○副議長(山本由夫君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 本県におきましても、農業者数が減少すると見込まれておりますので、担い手の確保は、議員おっしゃるとおり重要な課題と認識してございます。 本県農業生産に必要な認定農業者5,500経営体を維持するために、新規自営就農者を毎年313人確保していくこととしてございます。多くの職業の中で、農業が若者から選ばれるためには、まず、農業が快適でもうかる職業となることが重要でございます。 生産基盤整備やスマート技術の導入等で所得向上を図るとともに、農業を志す県内外の若者への成功事例の発信や、移住就農者向け園芸リースハウス整備などについて、市町や関係団体とも取り組んでいきたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 今、知事から、毎年、313人確保していかないといけないというご答弁いただきました。そういった中で、現状においてはほど遠いというふうに思っております。この新たに農業に従事いただける方の確保に向けて、今ある手だてだけでは不十分だから増えない部分があると思っております。さらに、しっかりと取組を進めていただきたいことをお願い申し上げます。 (4)本県のみかん産地の振興について。 ①水田でのみかん栽培の取組について。 先ほど、担い手確保についての答弁をいただきました。私の地元、県北地域では、みかん栽培が盛んで、日本でも有数の産地でありますが、こうした産地においても、みかん農家の高齢化は進んでおり、高齢のみかん農家では、後継者がいないケースが多いと感じております。 県内のみかん産地は、針尾や伊木力など、傾斜地が多い印象がありますが、作業性の悪さが後継者の少ない一因とはなっていないでしょうか。こうした傾斜地でのみかん栽培から、作りやすい平坦地、特に、水田でのみかん栽培に転換していく必要があると考えますが、県はどのように考えているのか、伺います。
○副議長(山本由夫君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 本県のみかん産地は、急傾斜地での栽培が多く、未来につなぐみかん産地を育成していくためには、機械が入りやすく、省力化が可能な水田を含む平坦地での栽培面積の拡大が必要と考えております。 一方で、水田でのみかん栽培は、土の中の水分量が多く、糖度が上がりにくいという課題があることから、排水性を向上させたうえで、根域を制限するなど、新たな栽培技術の導入が必要となります。 そのため、昨年度、新たな栽培技術についての現地実証圃場を佐世保市に設置し、生産者や関係機関とともに、高品質化や収益性などについての検討を開始したところでございます。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) ②みかんの高単価販売に向けた取組について。 県では、高単価でのみかん販売を実現するためにどのような取組を考えているのか、お尋ねいたします。
○副議長(山本由夫君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 本県のみかんの販売時期は、10月から12月までの出荷が主体であり、さらに高単価での販売を実現するためには、全国的に出荷量が減り、単価が高い1月から2月の出荷量を増やす必要があり、実際に大消費地の市場においても、年明け出荷のニーズが高まっております。 そのため、現在、貯蔵温度や湿度、果実の呼吸量などをAI制御することで、みかんの長期貯蔵が可能となるスマート貯蔵システムの実証試験を、JA等が佐世保市と長与町において開始しているところであり、今後、産地において、本格導入に向けた協議を進めていきたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) ぜひ、貯蔵技術の向上に向けて、高単価で販売ができる取組をお願いしたいと思っております。 また一方、地元が一生懸命おいしいみかんを作っていただいても、2024年の物流の問題があります。これで、全国的には3割、4割、もう品物が乗らないんじゃないか、運べないんじゃないかというような予想もされているようでありますので、本県の農業産出額は1,500億円ぐらいあるかと思いますが、こういったものに影響が出ないように、先ほどのスマート農業とか、省力化や効率化も図っていただいたうえで、しっかりとこういった手だてについても取組をいただきたい。せっかくおいしいものを作ってもらっても、腐らせるようなことがないように、しっかり出荷ができる取組もお願いしたいと思います。 4、誰もが安心して生活できる長崎県について。 (1)パートナーシップ制度の導入について。 性の多様性を認め合い、性的指向や性自認にかかわらず、ありのままの姿で、望む形で社会活動ができるようにパートナーシップ制度の導入が進められており、最近では、市町のみではなく、都道府県での導入が増えてきております。 九州では、福岡県と佐賀県で導入をされており、全国では、既に12都府県で導入が進んでおります。 実際、生きづらさを感じておられる方々がいる中で、パートナーシップ制度を県において導入することは、性の多様性を認め合う社会の実現に向けて有効な手段と考えますが、県においては、今まで、長い間、パートナーシップ制度について、様々な検討を行っていると認識をしていますが、県・市町連携会議の議題に取り上げるなど、県下の市町の全首長に働きかけ、県での制度導入を進めるべきと考えますが、知事の考えを伺います。
○副議長(山本由夫君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 私は、県民が多様な性を理解し、互いに認め合い、また、誰もが自分らしく暮らせるまちづくりを目指したいと考えてございます。 パートナーシップ制度は、導入の検討過程や導入後において、性の多様性の理解を深めるために寄与するものと考えてございます。 現在、市町や関係団体等からの意見聴取や先進自治体の情報等を収集し、丁寧に課題の整理を進めています。 制度を導入した場合に、公営住宅入居などの行政サービス提供が期待される市町の意見として、提供する市町のサービスにばらつきが生じない方がよいとの考えが多い一方で、市町独自の導入検討は進んでいない状況にあります。いまだ検討すべき課題が残されているという認識がございます。 今後、議員ご指摘のように、県・市町連携会議の議題に取り上げるなど、さらに市町等との意見交換を行って、丁寧に課題整理を進めながら、制度導入の方向性の検討を深めていきたいと思います。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) この問題でありますが、実は、なかなかパートナーシップ制度が進んでいないところにおいては、本人たちが望む形でない養子縁組等を行い、ともに生活をしている方々がいらっしゃいます。私は、こういった形はあるべき姿ではないと思っております。 本来であれば、このパートナーシップ制度が導入をされ、家族として、普通に一般的に暮らせること、そういった環境をつくるため、市町では導入が進んでないということでありますが、市町が行うことは公営住宅のことのみではないかと私は今思っているところであります。 もう法律もできる予定であります。LGBT法案については、今月13日に衆議院本会議で可決され、16日の参議院本会議において可決、成立する見込みとなっております。 同法案においては、第7条で「都道府県は、国の定めた基本方針のもと都道府県計画を策定すること」とされ、「市町村は、都道府県計画を勘案のもと市町村計画を策定する」とされております。同法の理念に基づき、雇用や教育など、多岐の分野にわたる差別の解消に向けて、関係者などの意見も含め、都道府県計画の策定に取り組む必要があると考えますが、どのような考えのもと、計画の策定に取り組んでいるのか、策定時期も含めて、お尋ねをします。
○副議長(山本由夫君)
県民生活環境部長。
◎
県民生活環境部長(大安哲也君) 現在、議員ご指摘のように、LGBT法案が国において審議され、成立の見込みというお話もございました。現在、その法案の中身について注視をし、また、今後の対応につきましては、そこを見極めながら対応をしっかりしていきたいというふうに考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) もう法律もできて、環境は十分に整っていると思っております。しっかりと計画を策定するに当たっては、このパートナーシップの導入というものを、県が先頭に立って取り組んでいただきたいことをお願い申し上げます。 (2)佐世保市子ども発達センターへの支援について。 運営費の補助について。 佐世保市にある子ども発達センターは、県北地域の療育の拠点として、当該市はもとより、周辺市町の療育必要児や、その家族などへの医療及び在宅サービスを提供するなど、県北地区において、県立こども医療福祉センターと同様の役割を果たしています。そのセンターの役割を理解いただき、整備費の一部を補助いただいていることには感謝を申し上げます。 発達障害にかかる受診者数は、令和4年度、年間2,132人になりますが、このうち約11%は佐世保市外からの患者となっております。 佐世保市では、医師を含めた医療専門職の確保や人件費を含めた多大な経費などで、センターの運営は、今もなお大変厳しい状況にあり、約1億円の事業費の赤字が出ており、単独での負担となっております。 佐世保市から要望が挙がっている事業費の一部補助について、県に行っていただきたいと考えますが、見解を求めます。
○副議長(山本由夫君)
福祉保健部長。
◎
福祉保健部長(寺原朋裕君) 県としましては、発達障害児療育体制にかかる県と市の役割分担を踏まえ、佐世保市子ども発達センターの建設費の一部を県で負担し、運営にかかる事業費については、市に担っていただくことを基本的な考えとしております。 運営にかかる事業費については、設置者の負担が基本であり、県からの財政支援については難しいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 今、障害児等療育支援事業は、市外からの患者に対する経費が交付税措置の対象となっています。 このことからも、中核市において担うのは福祉部分の役割のみであり、診療にかかる部分は中核市として担う役割ではないと私は考えております。 このことは、長崎市にありますハートセンターに対しても同様のことと私は思っておりますので、ぜひ県におかれましては、佐世保市子ども発達センター、そして、長崎市のハートセンターともに、県内の子どもたちの療育を担う施設、赤字であります。そういったところへの助成、これからも引き続き、検討をいただきたいとお願いを申し上げます。 次に、発達障害の地域医療体制の整備についてであります。 県北地区における初診待ちの状況は、今、大体6か月ぐらい待ちとなっております。医師は、常勤医師2名で診察を行っております。そして、県のこども医療福祉センターからは、月に一度の医師派遣を継続的に行ってはいただいています。 このような県北における医師確保や初診待ちの課題について、どのような対策を考えているのか、伺います。
○副議長(山本由夫君)
福祉保健部長。
◎
福祉保健部長(寺原朋裕君) 県北地域の障害児療育体制を確保するため、佐世保市子ども発達センターへの小児科医の派遣については、県こども医療福祉センターの診療体制が大変厳しい状況にあっても、継続して行っているところです。 初診待ちの期間短縮に向けては、診療件数の約6割を占める投薬のみの再診について、地域の医療機関に担っていただけるよう、県から佐世保市にも必要性をご説明し、連携しながら取組を進めております。 また、県、佐世保市を含め、県内の発達障害児専門医療機関においては、発達障害の重症度、緊急度に応じて診察に優先順位をつけ、早期の療育が必要と思われる子どもへの早期診療につなげております。引き続き、これらの取組を進め、県内の発達障害児の診療体制の整備に努めてまいります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 次に、発達障害専門医の不足について。 発達障害の診療ができる専門医が不足している状況について、医師でもある知事は、どのように考え、対策を打つべきだと考えておりますか。
○副議長(山本由夫君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 近年、発達障害に対する認知の高まりから、専門医療機関における受診者が増加している状況でございます。 さらなる発達障害専門医の確保は、大変重要であると、まず考えてございます。 そのため、一人でも多くの医師に診療いただけるように、小児科医に対して発達障害研修プログラムを実施しているほか、発達障害も含めた児童精神分野を担う精神科医の育成にも取り組んでございます。 また、小児科や精神科を標榜する医療機関に対して、発達障害にかかる診療実態アンケートを実施した結果、診療に前向きな医療機関は一定数ございますので、診療に協力いただくための課題解決に向けて、県こども医療福祉センター等と協議を行っているところでございます。 専門医不足は、全国的な課題でもございます。発達障害の初診には、相当な診療時間を要することがございますので、診療時間に見合った報酬体系の見直し等を、引き続き、国に要望してまいりたいと考えています。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 知事においては、発達障害にかかわらず、県下の全ての医師確保というものが最大ミッションであるとは理解をしております。 佐々町は、町長自ら、長崎大学に何度も足を運び、今までなかった専門医の派遣を、月に一回していただいています。そして、今年からは月2回になるようであります。 佐世保市長にも申し上げました。ぜひとも、しっかりとトップとしてもお願いをする。そして、知事も、ぜひとも、この発達障害があるかもしれない成長段階の子どもたちの6か月、長崎においては一年と言われています初診待ち、こういったものは本当に子どもたちにとって重要でありますので、いち早く解決ができるように、知事自身もさらに動いていただきたいとお願いを申し上げます。 (3)ケアラー支援について。 ①ヤングケアラー対策について。 私は、令和2年9月定例会において、ヤングケアラーの実態調査を要望し、令和3年度から学校と市町で調査が実施されております。 そして、その調査結果によって、令和4年度の調査では329人がヤングケアラーに該当するという結果が出て、それぞれ市町への相談など、必要な支援につないでいるところであります。 今回、こうした状況を踏まえ、ヤングケアラーに対する県の認識、また、今後の取組について、伺いたいと思います。
○副議長(山本由夫君)
こども政策局長。
◎
こども政策局長(浦亮治君) ヤングケアラーについては、福祉や教育など、様々な分野の関係者が連携のうえ、早期に発見し、必要な支援につなげることが重要であると考えており、県では、県民への周知・啓発や、各分野で支援を担う人材の育成に取り組んでいるところでございます。 今年度におきましては、ケアラー支援に関する推進計画を新たに策定することとしており、県内の小・中学生、高校生約3万人を対象に、より詳細な調査を実施することとしております。 今後、こうした調査結果を踏まえ、県民の皆様や有識者等にご意見をお伺いしながら、計画策定に取り組み、より実効性のある施策につなげてまいります。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) ②ケアラー実態調査について。 今年4月、「長崎県ケアラー支援条例」が施行されました。 県においては、この条例の基本理念に基づき、今後の施策を検討するため、まずは今年度、こうした様々な境遇に置かれたケアラーに対して実態調査を行われるとお聞きしております。 ケアラーの方々に本当に必要とされ、かつ行政としての効果的な施策を行っていくためには、まず、その実態を把握することが必要であると思っております。 調査に当たっては、日々お世話をされているケアラーの方々のご負担にも十分配慮をする必要があると考えております。 そこで、県は、今回の実態調査をどのように行おうとしているのか、また、調査結果を受け、今後、どのようなスケジュールで施策を検討されていくのか、お尋ねをいたします。
○副議長(山本由夫君)
福祉保健部長。
◎
福祉保健部長(寺原朋裕君) 実態調査は、5月に開催した有識者会議の議論や当事者のご意見も踏まえた内容としており、ケアを受けている方や、そのご家族等に普段から接している居宅介護支援事業所などのご協力をいただき、約2,000名のケアラー当事者に調査票を配布する予定です。 配布に当たっては、ケアラーの多様な実態が把握できるよう、年齢層や就労の状況など、対象者抽出の調整を行うほか、ケアラーの方の負担が軽減されるよう、協力事業所に対し、回答の記入や提出へのサポートをお願いすることとしております。 可能な限り多くの実態を把握するため、7割程度の回収を目標として、8月まで調査を実施し、その結果や有識者会議等のご意見を踏まえ、ケアラー支援推進計画を今年度中に策定することとしております。 計画策定後、具体的な施策を速やかに推進できるよう、現在、市町や支援事業所と条例の理念や先例事例の共有を図っているところです。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) ぜひとも、早期の実現に向けて取組をお願いいたします。 (4)予期せぬ妊娠の対応について。 ①予期せぬ妊娠の相談対応について。 先日、長崎市の下水処理場から赤ちゃんの遺体が発見されるという痛ましい事件が起こりました。予期せぬ妊娠に戸惑い、悩みながらも、誰にも相談することができず、産婦人科医にもかかることができず、出産に至ってしまったのではないかと胸を痛めております。 このような事件を未然に防ぐためには、予期せぬ妊娠で困った時に、周囲に妊娠を告げられずに悩む妊婦の方が孤立しないように、安心して相談できる体制が必要だと考えておりますが、本県ではどのような取組を行っているのか、伺います。
○副議長(山本由夫君)
こども政策局長。
◎
こども政策局長(浦亮治君) 本県では、県立保健所に設置しております「性と健康の相談センター」及び妊娠や不妊などの悩みに対応する「妊活LINE」による相談対応に加えまして、令和2年度には新たに妊娠に特化した相談窓口として、「にんしんSOS」を設置しております。 この「にんしんSOS」では、対面や電話のほか、LINEでも相談を受け付けており、相談者が相談しやすい環境づくりに努めているところでございます。 また、保健師の資格を持った相談員が助言等を行う体制となっているほか、相談内容に応じて市町等につなぐなど、関係機関とも連携しながら必要な支援に取り組んでいるところでございます。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 次に、これまでの「にんしんSOS」の相談実績と、広く知っていただくために、今後、どのように取り組んでいくのか、伺います。
○副議長(山本由夫君)
こども政策局長。
◎
こども政策局長(浦亮治君) 「にんしんSOS」の相談実績については、設置初年度の令和2年度、これは7月からではありますが、171件、令和3年度が1,042件、そして、昨年度が1,620件と大幅に増加してきており、一定、周知は図られているものというふうに考えております。 県では、これまでも、各種広報媒体を通じた周知に取り組むほか、委託先と連携し、高校や医療機関など、関係団体に出向き、相談窓口の周知を図ってきたところでございます。 今後とも、妊娠の不安や悩みを抱えた方を孤立させることなく、適切な支援につなげることができるよう、広報の充実、強化やNPO等を通じたきめ細かな周知活動等に努めてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 長崎県で、年間に新たに生まれてきてくれる赤ちゃんの数が大体8,000人ぐらいです。そのことから、この1,000件、令和4年でいうと1,620件、それだけ問題を抱えている、不安が多くある妊婦さんが多くいるということであります。ある程度周知は進んでいるかもしれませんが、やはり多くの妊婦さんがそういった課題を抱える中、9か月という妊娠期間を過ごされています。もっとそういった方々に届くような相談体制、支援をお願いしたいと思っております。 (5)児童養護施設退所後の若者支援について。 児童養護施設を退所してから、仕事を辞めたり、学校を中退したり、生活や将来のことで不安を抱えている退所後の若者が、本県には多くいます。そういった方々に対し、他県では、先んじて国の事業を活用し、退所後の支援を行っていますが、本県においては、今後、どのような支援を行っていくのか、伺います。
○副議長(山本由夫君)
こども政策局長。
◎
こども政策局長(浦亮治君) 児童養護施設等を退所した児童の中には、退所後も引き続き支援を必要とする方がいらっしゃることから、県においては、住居費や生活費を一定の期間支援するなど、自立に向けた支援に取り組んでいるところでございます。 本年度からは、支援のための計画策定等を担う支援コーディネーターと、日常生活や就職活動等をサポートする「生活相談支援員」を新たに配置することとし、現在、その準備を進めているところでございます。 今後とも、退所した児童が安定した社会生活を送ることができるよう、退所後においても切れ目のない、寄り添った支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 5、教育行政について。 (1)AIドリル等のサービスの導入について。 令和5年度に実施される学習データ活用による個別具体的な学びの推進事業において、AI機能を掲載したデジタルドリル等のサービスの一部を、県立高校に公費で導入するとお聞きしております。 そこで、この事業の取組概要と次年度以降のサービスの利用を継続する場合の費用負担、保護者の負担等について、お尋ねをしたいと思います。
○副議長(山本由夫君)
教育委員会教育長。
◎
教育委員会教育長(中崎謙司君) 本事業は、県立高校がAIドリルの実証研究ということで、18の指定校と11の教材を使用することとしております。 来年度以降、導入する場合については、教科書や参考書と同様、保護者負担が基本となるものと考えております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) (2)休日の部活動の地域移行について。 このAIドリルの保護者負担同様に、新たに地域移行をすることによって、保護者負担が生じている状況があります。そして、本年は、モデル事業で6か所新たに行うようでありますので、各地区において、保護者負担がないようにお取組をお願いしたいと思います。答弁をお願いします。
○副議長(山本由夫君)
教育委員会教育長。
◎
教育委員会教育長(中崎謙司君) 各市町においてもいろいろ工夫しながら、負担ができるだけ生じないような取組を行うということで聞いております。
○副議長(山本由夫君) 山田議員-38番。
◆38番(山田朋子君) 保護者負担と、新たに県内全域で、その地域移行を担う人材確保も大きな課題でありますので、そのあたりも併せてお願いをしたいと思います。 以上で、終わります。(拍手)
○副議長(山本由夫君) 本日の会議は、これにて終了いたします。 明日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 -午後3時47分 散会-...