長崎県議会 > 2022-09-20 >
09月20日-03号

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  1. 長崎県議会 2022-09-20
    09月20日-03号


    取得元: 長崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    令和 4年  9月 定例会令和4年9月定例会                 令和4年9月20日               議事日程                               第9日目-----------------------------------  1 開議  2 県政一般に対する質問  3 散会令和4年9月20日(水曜日)出席議員(44名)     1番  石本政弘君     2番  赤木幸仁君     4番  饗庭敦子君     5番  堤 典子君     6番  鵜瀬和博君     7番  清川久義君     8番  坂口慎一君     9番  千住良治君    10番  下条博文君    11番  山下博史君    12番  北村貴寿君    13番  浦川基継君    14番  久保田将誠君    15番  中村一三君    16番  宮島大典君    17番  宮本法広君    18番  麻生 隆君    19番  川崎祥司君    20番  山口経正君    21番  吉村 洋君    22番  坂本 浩君    23番  深堀ひろし君    24番  大場博文君    25番  近藤智昭君    27番  山本由夫君    28番  松本洋介君    29番  ごうまなみ君    30番  中島浩介君    31番  前田哲也君    32番  堀江ひとみ君    33番  溝口芙美雄君    34番  中山 功君    35番  小林克敏君    36番  山口初實君    37番  山田朋子君    38番  西川克己君    39番  浅田ますみ君    40番  外間雅広君    41番  徳永達也君    42番  中島廣義君    43番  瀬川光之君    44番  坂本智徳君    45番  田中愛国君    46番  八江利春君-----------------------------------欠席議員(2名)     3番  中村泰輔君    26番  宅島寿一君-----------------------------------説明のため出席した者  知事             大石賢吾君  副知事            平田修三君  副知事            平田 研君  統轄監            柿本敏晶君  危機管理監          多田浩之君  企画部長           浦 真樹君  総務部長           大田 圭君  地域振興部長         早稲田智仁君  文化観光国際部長       前川謙介君  県民生活環境部長       貞方 学君  福祉保健部長         寺原朋裕君  こども政策局長        田中紀久美君  産業労働部長         松尾誠司君  水産部長           川口和宏君  農林部長           綾香直芳君  土木部長           奥田秀樹君  会計管理者          吉野ゆき子君  交通局長           太田彰幸君  地域振興部政策監       渡辺大祐君  産業労働部政策監       村田 誠君  教育委員会教育長       中崎謙司君  選挙管理委員会委員      久原巻二君  代表監査委員         下田芳之君  人事委員会委員        中牟田真一君  公安委員会委員長       山中勝義君  警察本部長          中村 亮君  監査事務局長         上田彰二君  人事委員会事務局長労働委員会事務局長併任)                 大崎義郎君  教育次長           狩野博臣君  財政課長           小林 純君  秘書課長           大瀬良 潤君  選挙管理委員会書記長     大塚英樹君  警察本部総務課長       車 康之君-----------------------------------議会事務局職員出席者  局長             黒崎 勇君  次長兼総務課長        藤田昌三君  議事課長           川原孝行君  政務調査課長         濱口 孝君  議事課課長補佐        永尾弘之君  議事課係長          山脇 卓君  議事課会計年度任用職員    天雨千代子君-----------------------------------     -午前10時0分 開議- ○副議長(山口初實君) 皆さん、おはようございます。 ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、9月16日に引き続き、一般質問を行います。 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) (拍手)〔登壇〕皆様、おはようございます。 自由民主党、長崎市選出の久保田将誠でございます。 今日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。 質問に入ります前に、このたびの台風14号により、全国において、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げます。 また、本県においても、被災をされた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。 それでは、通告に従いまして、質問に入らせていただきます。 1、NPT再検討会議について。 (1)参加したことについての知事の所感について。 今年6月定例会の一般質問において、私から、「岸田総理が核兵器不拡散条約の再検討会議に総理大臣として初めて参加するが、知事は参加する考えはないのか」との質問を行い、知事から、「前向きに検討する」旨の答弁がありました。 今回の再検討会議は、ロシアによるウクライナ侵攻によって核兵器の使用リスクが懸念されている中で、核兵器保有国、非保有国がともに参加する枠組みとして核軍縮の進展が得られるのか、大きな注目が集まった会議でありました。 知事も、8月1日からはじまったこの再検討会議に実際に参加され、岸田総理をはじめ、軍縮の関係者と面会をされたり、広島県と連携してサイドイベントを開催されたりと、かなり精力的に現地で活動されたように伺っており、実りある出張になったと思いますが、知事の所感をお尋ねします。 (2)参加したことを受けた今後の取組について。 今回、参加した中で、国連の関係者や国際NGOなど様々な方々とお会いになられ、多くの情報や知識を得られたと思いますし、新しい人脈もできたのではないかと思っております。 そこで、今回得られたものを活かして、今後どう取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。 2、G7関係閣僚会合の長崎開催について。 昨年の12月定例会及び本年の6月定例会における一般質問において、私から、来年、日本で開催が予定されているG7関係閣僚会合の誘致について、質問をいたしました。 12月定例会では、前知事から「誘致する分野の選定などについて、長崎市とも十分協議しながら検討を進めていく」との答弁があり、そして、6月定例会では、大石知事から、「長崎市と連携を図りながら、開催実現に向けてしっかりと取り組んでいく」との前向きな答弁がありました。 また、県議会においても、6月定例会において、「2023年G7関係閣僚会合の長崎開催を求める決議」を議決し、岸田総理及び林外務大臣に対して、会合の長崎開催を強く求めてきたところであります。 そして、このたび、我々の念願が叶い、保健大臣会合の長崎開催が決まりました。まずは、ここに至るまでの県、市の取組を高く評価したいと思います。 今後は、保健大臣会合会の開催を通して、長崎の国際的な知名度の向上を図り、地域活性化へとつなげていきたいと思いますが、保健大臣会合長崎開催決定についての知事の所感をお尋ねいたします。 3、知事の政治姿勢について。 (1)知事就任から半年の総括について。 知事就任から半年、全国最年少、子育て世代の知事の誕生に期待感を持った県民も少なくないと思います。 一方で、先日の新聞記事でも、「政策への反映はこれから」とあったように、知事の思いが具体的な取組として形にあらわれていないように思えます。 知事就任から半年、どのような思いで県政に向きあい、どのようなことに取り組んでこられたのか、お尋ねをいたします。 (2)施策の実現に向けたかじとりについて。 知事は、選挙に当たり、マニフェストを作成されていますが、その中には、速やかに対応しなければならないものもあれば、財源をはじめ、課題を一つひとつクリアしなければならないもの、あるいは歴代の県政において取組を続けてきたものなど、様々あるように思います。 知事の目指す「新しい長崎県づくり」を進めるに当たり、マニフェストの実現に向けて、知事の4年の任期において、また、来年度の予算編成において、どのように進めようとしているのか、県民の目に見えるメッセージとなるよう、マニフェストの実現に向けた工程や見通しを示してもらうよう、お願いをいたします。 4、新型コロナウイルス感染症について。 (1)医師である知事としての対策について。 新型コロナウイルス感染症については、いまだに収束の兆しを見せず、第7波においては、一日の感染者が4,600人に達した日もあり、発熱外来などの医療機関や保健所の逼迫が伝えられたところです。 知事は、選挙公約において、「コロナと闘う医療専門家」を掲げ、「様々な特色ある対策を講じることによって、社会経済活動との両立のため、医師としての専門性を発揮し、感染拡大防止に努めていく」と表明されました。公約を見た県民としては、終わりの見えないコロナウィルスに対して、大石知事の手腕に期待した方も多かったと思います。 社会がウィズコロナに向かう中、感染拡大に効果的な対策が限られていることは理解します。しかし、知事就任後、感染が拡大し、亡くなられる方も増えているのが実情であり、知事が公約で掲げた医療専門家としての対策がどこまで効果があったのか、疑問に感じております。 医師である知事として、これまでどのような特徴ある施策を行ってこられたのか、どのような効果があったと考えておられるのか、お尋ねをします。 (2)救急搬送について。 新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中、消防の救急搬送に当たり、大都市だけでなく、全国各地で熱中症の発生もあって、救急搬送が難航する事案が増加しているとの報道が相次ぎました。 その結果、一刻を争う傷病者の救急搬送が遅れ、助かる命が助からない事態が発生しないか、非常に心配しているところです。 長崎県では、どのような状況なのか、本県の第7波における救急搬送の状況と、それに消防がどのように対応しているのか、お尋ねをいたします。 5、霊感商法等に関する相談状況について。 消費者を取り巻く環境は、社会情勢の変化に伴い、消費者問題も、ますます複雑・多様化し、悪質商法による消費者被害も後を絶ちません。 悪質商法の手口も巧妙化しており、運気がアップするとして数珠や財布などを高値で買わせる開運商法と呼ばれる手口もあると聞いております。 開運商法の中には、最近、マスコミに取り上げられている、いわゆる霊感商法があります。例えば、「私は霊が見える。あなたには悪霊がついており、そのままでは病状が悪化する。この数珠を買えば悪霊が去る」と告げて勧誘するなど、霊感などの特別な能力があるように見せかけ、消費者の不安をあおり、高額な商品等を買わせる手口です。 平成30年の改正消費者契約法では、いわゆる霊感商法については、取消しができると定められましたが、全国の相談件数を見ると、被害はなくなっていないと感じています。 国においても、霊感商法の対策が取られはじめたと聞いております。県消費生活センターでは、消費生活に関する苦情相談に対応しておられますが、開運商法と、その中の霊感商法に関する相談の状況について、お尋ねをいたします。 6、高校生の県内就職率の全国順位と上昇の要因等について。 県におかれては、これまで人口減少対策として様々な取組を行ってきておりますが、その中で、近年、成果が上がってきている施策として、高校生の県内就職促進が挙げられると思っております。 近年の高校生の県内就職率の推移を見てみますと、3年連続、過去最高を更新するなど大きく伸びており、大変評価したいと考えております。 各都道府県において、人口規模や都市構造が異なる中で、一概に比較して論じることは難しい点もあろうかと思いますし、また、県内就職率は、順位を競うものではないと思っておりますが、全国や九州との比較において、相対的にどのような位置にいるのかがわかれば、もう少し具体的なイメージが持てるものと思っております。 そこで、直近の高校生の県内就職率について、データが把握できる範囲で、全国や九州における順位、対前年度の伸び幅の順位について、お尋ねします。 また、令和3年度の県内就職率が対前年度と比較して上昇した要因と、今後どのように維持、そして向上を図っていくのか、お尋ねをします。 7、水産物・農産物のPRと販売促進について。 本県の水産業、農業は、近年、養殖業産出額や農業産出額が増加傾向にあり、コロナ禍においても、令和3年度の輸出額が過去最高となるなど、本県産業の中でも、今後、さらに伸びていくことが期待される産業であると認識しています。 そこで、本県の水産物、農産物の全国PRや販売促進に力を入れることで、認知度や魅力の向上につながると考えますが、本県における水産物、農産物のPRと、販売促進についての水産部長及び農林部長の考えをお尋ねいたします。 8、土木行政について。 (1)管理者不明橋について。 県が管理している河川区域内においては、多くの橋が架けられていると思いますが、その中でこれまでの新聞報道によれば、河川に無許可で設置されたいわゆる管理者不明橋は、古い橋が多いため、老朽化による通行者の事故や災害時の落橋による被害拡大などの発生が懸念されることから、全国的に問題となっているようです。 本県においても、数多くの不明橋が存在すると聞いており、先の質問の際にも実態調査を実施する旨の答弁がありましたが、現在、県内の各地域にどの程度の不明橋が確認され、その不明橋の解消に向けて、どのように対応していくのか、お尋ねをいたします。 (2)空き家対策について。 本年7月には、長崎市の推計人口が40万人を下回ったことが判明するなど、本県においても人口減少が大きく進む中、今後、ますます空き家が増えていくものと考えております。 老朽化した空き家が増えると、地震や台風などの災害時に周辺への被害を拡大させるおそれがあるほか、日常においても、敷地内の樹木が伸び放題となり、蜂やシロアリなどの害虫の問題や防犯上の不安があるなど、敷地を含めた空き家の適正管理が必要とされているところです。 一方で、空き家は、個人財産でありますから、行政で対応することが困難であることも認識しておりますが、県内の空き家の現状はどのようになっているのか。また、県は、どのような取組を行っているのか、お伺いをいたします。 9、教育行政について。 (1)教員の魅力発信について。 昨今、教員の長時間労働が新聞やテレビ等で話題となり、教職は、ブラックであるとのマイナスの側面ばかりが取り上げられています。 一方で、私の身近には、学習指導や部活動指導等による子どもたちの成長に魅力を感じ、やりがいを持って誠心誠意、取り組んでいる教員がいます。 私は、教員の魅力をもっと発信していけば、教員になりたいと憧れを持つ者が増え、教員のなり手不足の解消につながっていくのではないかと考えますが、県教育委員会としては、このことについてどのように考え、どのような取組を進めていくのか、お伺いをいたします。 (2)魅力的な学校づくりについて。 人々の価値観の多様化や、家庭や地域における教育力の低下などによって、現在、学校は様々な問題に直面しています。特に、小中学校における子どもたちの不登校の増加や、先ほどもお尋ねした教員のなり手不足については、深刻な問題であると捉えています。 そのような中、小中学校が子どもたちも先生方も、「学校に行くのが楽しい」、「勉強するのが楽しい」と思える魅力的な場所にしていかなければならないと考えます。 そこで、子どもにとっても、教員にとっても、魅力的な学校づくりをどのように考えているのか、お尋ねをいたします。 以上で、演壇からの質問を終わらせていただき、以降は、対面演壇席から再質問をさせていただきます。ご答弁のほど、よろしくお願いいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕久保田議員のご質問にお答えする前に、このたび、台風14号により、本県では数名が軽症を負われたほか、他県では死傷者が出るなど、被害が生じております。 お亡くなりになられた方々並びにご遺族の皆様に深く哀悼の意を表しますとともに、負傷され、また、被害を受けられた方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。 それでは、久保田議員のご質問にお答えいたします。 まず、NPT再検討会議に参加したことについての所感とのお尋ねですけれども、NPT再検討会議は、核軍縮等に取り組む各国政府代表国際NGOなどが一堂に会する貴重な機会であり、今回、我が国からは、岸田総理大臣が日本の総理大臣として初めて参加したほか、県内からも被爆者の皆様や被爆者団体、長崎市長など、多くの関係者が参加されております。 こうした機会に広島県と連携して開催したサイドイベント軍縮関係者との面会などを通して、平和を願う皆様とともに、核なき世界の実現に向けた被爆地の強い思いを発信することができました。 また、軍縮関係者からは、「被爆の実相の発信・継承」や、「若い世代の人材育成が被爆地の取組として重要」とのご意見をいただいたところであり、被爆県の知事として、平和の発信や次代を担う人材育成に取り組む意義を強く感じ、その決意を新たにしたところであります。 次に、NPT再検討会議に参加したことを受けた今後の取組についてとのお尋ねですが、今回の再検討会議への参加を通して、世界に向けて被爆の実相を発信していくことが被爆地の重要な役割であることを再認識したところであります。 今後も、あらゆる機会を捉えて、長崎市と連携し、各国指導者の長崎訪問を働きかけていくとともに、各国政府を動かす市民社会の世論を喚起するため、広島県、NGO等と連携し、核兵器廃絶に向けた平和の発信に取り組んでまいります。 また、被爆者の高齢化が進む中、被爆者の意思を引き継ぎ、次代の平和活動を担っていく人材の育成も重要であることから、長崎市、長崎大学と連携して取り組んでいる「ナガサキ・ユースプロジェクト」や、平和教育についても、さらなる充実を図ってまいります。 次に、G7保健大臣会合長崎開催決定についての所感のお尋ねですが、100年に一度の変革の時期を迎える中、本県で初めてとなるG7関係閣僚会合の開催が決定したことを、まず、心から歓迎をいたします。 今回の国の決定に感謝するとともに、県議会や本県選出国会議員をはじめ、これまでご尽力いただいた皆様に厚く御礼を申し上げます。 今回、開催地として選ばれたことで、西九州新幹線の開業やIR誘致、県庁舎跡地の整備、そして、「長崎スタジアムシティプロジェクト」等により、新たな人の流れや賑わいの創出が期待される本県の魅力を世界に示すことができるのではないかと考えております。 また、長崎は、我が国における西洋医学教育のはじまりの場所であり、近年においても、長崎大学における感染症研究等を通じて、世界の医療、公衆衛生の発展に貢献してきております。 今回、新型コロナウイルス感染症など国際社会が直面する保健分野の課題について議論が交わされる保健大臣会合の開催地として選ばれたことで、本県の強みを改めて世界に示すことができるのではないかと期待をしております。 さらに、長崎と広島は、ともに原爆被爆の惨禍を経験し、核兵器廃絶と世界恒久平和への思いを発信し続けてきた平和都市であり、その両都市でG7サミット関係閣僚会合が開催されることは、平和のメッセージを世界に発信するうえでも、大きな意義を持つものと考えております。 今後、国や長崎市をはじめ、関係機関と連携しながら、万全の準備を進め、G7保健大臣会合の開催を本県の多彩な魅力を国内外に広く発信する機会とし、さらなる交流人口の拡大や地域経済の活性化を図ってまいります。 次に、知事就任から半年、どのような思いで県政に向きあい、どのようなことに取り組んできたのかとのお尋ねですが、私は、知事就任以来、施策の継続性を意識つつ、変えるべきものは可能なものから変えるよう、心がけてまいりました。 そして、県勢発展のためには、関係者との対話による信頼関係の構築や、県民の皆様から幅広く意見を伺うことが大切と考えております。 そのため、九州新幹線西九州ルートに関して、佐賀県の山口知事とあらゆる機会を捉えて意見交換を行っているほか、石木ダムにおいては、川原地区にお住まいの皆様と継続した話し合いの場を設けさせていただいております。 また、各市・町長との皆様とも連携会議において、人口減少対策等について意見交換を行ってきたほか、県民車座集会「こんな長崎どがんです会」においては、将来を担う若者をはじめ、子育てに携わる方々、UIターン者などから、大変有益なご意見をいただいたところであります。 新型コロナウイルス感染症対策については、就任後、速やかに後遺症専門外来の体制を整備したほか、有症状者自らが診療・検査医療機関を検索できるWebマップを開設いたしました。 併せて、医療機関及び保健所の負担軽減のため、今般、発生動向の全数把握を見直したところであります。 さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に加え、原油価格や物価高騰の影響を受けている事業者の方々を支えるため、中小事業者の資金繰りや省エネ設備の導入等に対する支援に取り組んでいるところであり、貨物運送業に対する支援措置等についても、今議会に補正予算を提案しております。 このほか、デジタル化の推進に関しては、民間人材の登用や、離島の高度専門診療体制の整備などを進めているところであります。 しかしながら、まだまだ十分とは言えず、引き続き、県議会や県民の皆様のご意見をお聞きしながら、県勢発展に向けて全力で取り組んでまいります。 次に、マニフェストの実現に向けた工程や見通しを示してもらいたいとのお尋ねですが、マニフェストの実現に向けては、県議会をはじめ、県民の皆様の意見を十分にお聞きするとともに、市町や関係団体、関係者の皆様としっかりと議論を重ねていくことが重要であると認識をしております。 そのうえで、予算編成や総合計画への反映など、県の施策に位置づけることを通してマニフェストの実現を図っていくことが必要であると考えております。 そのため、来年度の予算編成に向けて、マニフェストに掲げる内容も含め、重点的に検討すべきテーマを設けたところであります。 また、中・長期的な観点では、社会経済情勢の変化やマニフェストを踏まえた施策の追加など、総合計画の一部見直しを行ってまいりたいと考えております。 マニフェストの工程などについては、このような県の施策への反映の過程を通じて整理を行ってまいります。 次に、医師である知事として、これまで、どのような特徴のある施策を行い、どのような効果があったと考えているのかとのお尋ねですが、私は、知事就任以降、感染力が強い一方で、重症化はしにくいオミクロン株の特性や、ワクチン接種の進展等を踏まえ、コロナと共生し、社会機能が維持できる範囲の中で、社会経済活動を可能な限り継続していくとの方針で取り組んでまいりました。 そのため、基本的な感染防止対策の徹底を県民の皆様に繰り返しお願いするとともに、重症化リスクの高い高齢者などへの対策へと重点化を図り、医師であることを活かして、保健・医療提供体制の充実や効率化、負担軽減策等を可能な限り進めてきたところであります。 また、県民の皆様が過度に恐れることなく対応の判断ができるよう、医療・福祉関係者の意見をお聞きしたうえで、医学的な知見や医療・福祉現場の現状をわかりやすく情報を発信することにも努めてまいりました。 具体的には、自宅療養者に対し、留意点や相談窓口への案内など、保健所からの初回連絡について、これまでの電話からショートメールへ変更し、全国に先駆けてデジタル化を推進することで迅速化を図り、また、保健所の限られた人員を、より重症化リスクの高い方への対応に充てることといたしました。 また、発生届けの限定化についても、健康管理には、これまでと原則変わらず対応していくとの判断のうえで、全国一律の適用を待つことなく、いち早く取り組み、医療機関の負担軽減を図っております。 また、発熱等有症状者が急増したことにより医療が逼迫した8月には、学会等の見解をもとに、60歳未満の重症化率は、季節性インフルエンザと同程度であることや、発熱外来の受診フローを示し、緊急受診の必要性が低い方の夜間・休日の救急外来の受診はお控えいただくよう、県民の皆様に協力をお願いしたところであります。 今後とも、新たに出現し得る変異株の特性と医療状況をしっかりと見極めながら、限られた医療資源を、より必要とされる方に行き届くよう対策を推進し、県民の命と健康を守ってまいります。 残余のご質問については、関係部局長から答弁をさせていただきます。 ○副議長(山口初實君) 危機管理監。 ◎危機管理監(多田浩之君) 第7波における救急搬送困難事案の状況と消防の対応についてのお尋ねですが、消防庁では、医療機関への受入れ照会回数が4回以上で、かつ照会のための現場滞在時間が30分以上のものを搬送困難事案と位置づけ、県庁所在地等を調査しております。 これによりますと、搬送困難事案の件数は、第7波のうち7月4日から9月4日にかけては、長崎市消防局では208件、前年の58件の3.6倍に、独自に調査されている佐世保市消防局でも155件、前年の71件の2.2倍にと、それぞれ大きく増加しております。 このため、消防においては、救急車の適正利用を呼びかけるとともに、長崎市消防局では、医療部門と医療機関の受入れ可能病床数等の情報を共有し、医療機関への照会の際に活用するとともに、救急要請が多い時間帯での予備救急隊の編成を行っております。 また、隊員が得た医療機関の受入状況を救急隊の間で共有するなどし、搬送困難事案の解消に向け取り組んでいるところでございます。 ○副議長(山口初實君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(貞方学君) 県の消費生活センターにおける開運商法と、その中の霊感商法に関する相談の状況についてのお尋ねでございます。 運気が上がるなどと勧誘し、商品等を購入させる開運商法に関する相談は、令和元年度から令和3年度までに計15件、寄せられておりますが、その相談の中には、消費者契約法で定める霊感商法に関する相談はございませんでした。 しかし、全国的には霊感商法に関する相談がいまだ多く寄せられている状況であり、国においては、今月から霊感商法等の旧統一教会問題に関する合同相談窓口を開設し、集中的に対応しているところでございます。 県におきましても、相談が寄せられた場合には適切に対応してまいります。 ○副議長(山口初實君) 産業労働部政策監。 ◎産業労働部政策監(村田誠君) 私から、2点お答えをいたします。 まず、直近の高校生の県内就職率の全国や九州における順位、対前年度の伸び幅の順位についてのお尋ねです。 令和3年度の県内就職率は、速報値で72.1%、前年度から2.2ポイントの増となっております。 現時点では、全国の数値が公表されておりませんことから、率や伸び幅の順位については、判明していないところであります。 データの把握ができる令和2年度の69.9%につきましては、全国では40位、九州で4位、前年度からの伸び幅は4.3ポイントの増であり、全国で5位、九州では2位となっております。 次に、令和3年度の県内就職率が上昇している要因と今後の取組についてのお尋ねでございます。 高校生の県内就職促進に向けましては、これまでキャリアサポートスタッフをはじめとする学校現場による支援や、県内企業見学会の実施、1回目の採用選考で不採用となった生徒への未内定対策の強化など、きめ細かな就職支援に注力してまいりました。 こうした取組の成果としてあらわれてきているほか、一部、コロナ禍における地元志向の高まりも上昇の要因になったものと考えております。 今年度は、これまでの取組を継続いたしますとともに、就職先を具体的に検討し始める前の2年生を対象とした広域企業説明会を新たに実施し、高校生が県内企業を知る機会をさらに充実させるなど、県内就職率の向上に努めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 私から、1点お答えいたします。 本県水産物のPRと販売促進についてのお尋ねですが、県産水産物をPRすることにより、全国的に認知度を高めて販売を促進することが重要であると考えております。 これまでも、東京や大阪で開催される展示商談会でのPR活動を支援してきており、飲食・業務向けの取引先の開拓や拡大につながっております。 また、消費者向けのPRとして、関西等の大手量販店や生協で販売フェアを開催し、継続取引や商品の定番化に取り組んでおります。 さらに、今年8月には、北関東のショッピングモールにおいて、「長崎フェア」を開催し、観光情報発信のイベントに合わせ、マグロやイサキなどを販売し、本県水産物の魅力をアピールしたところであります。 今後は、西九州新幹線開業で全国的な注目度が高まっているこの時期を捉え、水産物のPRを充実させ、具体的な成果に結びつけてまいります。 ○副議長(山口初實君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 私の方から、1点お答えさせていただきます。 本県農産物のPRと販売促進についてのお尋ねですが、本県農産物のPRについては、県が主体となって、首都圏、関西圏のホテルや飲食店での「長崎和牛フェア」を開催するほか、農業団体においても、SNSを活用した本県いちごのおいしさなどの魅力を伝える動画配信等に取り組んできたところです。 また、販売促進対策としては、大消費地である関西圏等の量販店での売場を確保するため、県と農業団体でバイヤーの産地招聘や現地における「長崎フェア」開催などに取り組むとともに、産地においては、農産物の安定供給を図ることで、市場関係者や量販店等との継続した取引につながっております。 これらの取組の結果、インターネット調査による県外での認知度は、調査開始から令和3年までの9年間で、長崎和牛が29%から43%へ、いちごが50%から60%まで上昇しております。 今後は、本県農産物のさらなる認知度向上や販売促進に向け、旬の時期におけるトップセールスの実施やSNSを活用した若い消費者への戦略的な情報発信など、農業団体とも連携してて取り組んでまいります。 ○副議長(山口初實君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 私からは、2点お答えいたします。 まず、管理者不明橋についてのお尋ねですが、令和4年3月末時点での県管理河川内における管理者不明橋は960橋ありましたが、関係市町等への聞きとりなどを行った結果、令和4年8月末時点で273橋減少し、島原振興局管内200橋、長崎振興局管内148橋、県央振興局管内114橋など、県内合計687橋となっています。 県としては、貼り紙による情報提供の呼びかけ等を継続し、管理者の特定などに努め、河川管理の適正化を図ってまいります。 次に、空き家対策についてのお尋ねですが、平成30年時点の本県の住宅の総数約66万戸のうち、空き家は約10万2,000戸、さらに、このうち利用のめどが立っていない一戸建ての空き家は、約4万8,000戸と推計されます。 空き家所有者には、適切な管理が求められ、行政は、除却を含む適正な管理指導と利活用促進の2つの観点から空き家対策に取り組んでいます。 老朽化し、危険なものは、市町が空き家法に基づく空き家の調査、所有者への指導や除却の補助等を実施し、県は市町に対し、必要な助言等を行うこととなっています。 また、利活用については、子育て世帯等向けに中古住宅の取得やリフォームに対し、市町と連携して支援を行っています。 今後は、空き家所有者が適正に維持管理することの動機づけを行うような新たな方策について、民間団体や市町と連携し、研究してまいります。 ○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 私の方から、教育行政について、2点お答えさせていただきます。 まず、教員の魅力発信が、なり手不足の解消につながるのではないかというお尋ねでございます。 ある民間会社が、全国約2,000人の教員を対象に実施した調査によりますと、「教員になりたい」と思った最多の理由は、「子どもの頃に尊敬する教員、あこがれる教員に出会ったから」というものでした。 このことからも教員が子どもたちにとって輝く存在になれますよう、働きがい改革を一層推進していきますとともに、議員からお話がありましたように、現在、子どもたちが尊敬し、あこがれる先生方が数多くおりますので、そのような先生方にスポットを当て、教員の魅力として発信することは有効な取組であると考えております。 今後、高校生や大学生への情報提供にとどまらず、テレビや新聞などメディアを通じた広報、若年層に向けたSNSなど、様々な媒体を活用した教員の魅力発信について検討してまいりたいと考えております。 次に、魅力的な学校づくりをどのように考えているのかとのお尋ねでございます。 子どもと教員にとりまして、学校が魅力的な場所となっているかを絶えず問い直していくことは、校長が学校経営を進めるうえで大変重要なことであると考えております。 学校が魅力的な場所であり続けるには、まずは子どもたちが友達と安心して過ごすことができる環境をつくり、その中で自分の能力を存分に発揮しなから、やりがいを持って学習に取り組んでいくことが大切でございます。 例えば、ふるさと教育では、地域を舞台に子どもたちが仲間と協力しながら主体的に探究学習を進める中で成長していく姿が見られます。 このように生き生きと学び、成長していく子どもたちの姿を見ることは、教員にとって何ものにもかえがたいやりがいを実感できることであり、そのような教育を推進することで、魅力的な学校づくりに努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。
    ◆14番(久保田将誠君) 知事をはじめ、それぞれご答弁いただき、ありがとうございました。 それでは、再質問させていただきますが、霊感商法、開運商法について、警察本部長にお尋ねしたいんですけれども、先ほど県民生活部長から、霊感商法はゼロ件、開運商法は15件の相談を受けているとの説明がありましたが、県警察での事件の取扱いや相談はあるのか、お伺いをいたします。 ○副議長(山口初實君) 警察本部長。 ◎警察本部長(中村亮君) 県警察では、令和元年以降、いわゆる霊感商法に関する事件の取扱いはございません。また、同種商法の警察安全相談につきましては、1件を受理しております。 県警察といたしましては、霊感商法に関する相談等について、内容に応じて相談者に対し、助言、指導などの必要な措置を講じるとともに、刑罰法令に抵触する行為が認められる場合は、速やかに捜査を行い、検挙措置を講じるなど、適切に対応してまいります。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 次に、NPTについてでございますけれども、今回の再検討会議は、前回に引き続き、最終文書が採択されずに閉幕するという結果に終わり、NPT体制への不安の声や、核軍縮交渉の停滞を危惧する声も聞かれております。 こうした状況を踏まえてNPT体制の課題について、知事はどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 今回の再検討会議では、各国間で様々な主張や反論が繰り返され、核保有国と非保有国の対立や、さらには、核保有国間の隔たりも顕在化いたしました。 こうした国際社会の分断が深まる中で、関係国における信頼関係の再構築が大きな課題であると認識をしており、多国間交渉プロセスであるNPT体制においてコンセンサスを得ることの難しさを改めて感じたところであります。 厳しい国際情勢の中で、核軍縮を着実に前進させていくためには、核兵器は、決して使用されてはならない兵器であることを関係国間で共有したうえで、国際社会が協調して対話と行動を積み重ねていく必要があります。 また、各国政府を動かすためには、一人ひとりが核廃絶の当事者として問題意識を持って行動することが大切であることから、核廃絶を次期SDGsの目標として位置づけられるよう、広島県と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 被爆地の使命として、各国指導者の被爆地訪問や世界に向けた被爆の実相の発信にこれまで以上に力を尽くしてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 次に、NPT再検討会議準備委員会への参加についてですが、NPT再検討会議は、5年に1回の開催になりますが、その間、本会議開催のための準備委員会が開かれると承知しております。 長崎市長は、これまで準備委員会にも参加し、NGOセッションでスピーチを行ったこともありますが、知事として準備委員会にも参加し、何らかの取組を行う考えはないのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) NPT再検討会議の準備委員会は、再検討会議に先立つ3年間に毎年一度、開催され、再検討会議の成果文書に盛り込む核軍縮や核不拡散等に関する内容について、各国政府代表等で議論する場であります。 被爆県の知事として、こうした国際会議の場において、核なき世界の実現に向けた被爆地の思いを訴えることは重要であると考えており、参加の意義や役割について、関係者とも十分に協議をしながら検討してまいりたいと考えています。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 準備委員会ですけれども、NPTに対する知事の思いもあって、急遽、NPTに行くことに決まったわけですけれども、ぜひ準備委員会にも前向きに参加していただきたいというふうに思うんですが、いま一度、お気持ちをお聞かせください。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 準備委員会に参加するということ、また、その場で発信するということは、非常に重要だと思っておりますので、その辺についてもしっかりと役割と意義を協議したうえで検討していきたいと思っています。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 次に、G7関係閣僚会合についてお尋ねしますが、要人警護・警備に不安を持っておられる県民の方もいらっしゃいますが、それを踏まえて警察本部長にお尋ねしたいんですけれども、来年のG7関係閣僚会合では、各国の要人が来県されると思います。 本県でのG7関係閣僚会合の開催を控え、県警察としてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 ○副議長(山口初實君) 警察本部長。 ◎警察本部長(中村亮君) 要人の警護につきましては、本年7月8日、奈良市内において、安倍元内閣総理大臣が街頭演説中に銃撃され、死亡するという重大な事件が発生し、先般、警察庁において、警護の検証と抜本的な見直しがなされたところであります。 長崎県警察としましても、要人警護に関する極めて厳しい現状をしっかりと認識するとともに、要人の身辺の安全確保を第一に、警察庁からの指導を受けながら、関係都道府県警察、関係省庁と緊密な連携を図り、万全の警護・警備に向けた諸対策を講じてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 次に、G7関係会合を成功させるためには、県、市だけでなく、広く県民を巻き込んだ機運の醸成や、おもてなし向上などの取組が不可欠だと思います。 今後、会合の開催に向けて、それらのことにもしっかりと取り組むことを要望いたします。 次に、知事にお尋ねしますが、関係閣僚会合の長崎開催は、訪れた要人に被爆の実相に触れていただく絶好の機会だと考えております。 そこで、各国要人を原爆資料館や平和公園等へ案内することを検討するのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 核兵器のない世界の実現のためには、多くの人が被爆の実相に触れ、核兵器の非人道性を理解することが重要であると考えております。 そのため、保健大臣会合に参加する要人等に対しても、国や長崎市と調整を図りながら、原爆資料館等の視察を通して、被爆の実相に触れていただくことを検討してまいります。 今後も、あらゆる機会を捉えて核兵器のもたらす悲惨さと非人道性を世界の人々に訴え、一日も早い核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を目指してまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) G7会合が長崎で開催されますが、もちろん、会合の開催、そして、長崎の知名度を上げるというのも大事だと思うんですが、被爆地である長崎であるからこその役割、また使命というものがあると思うんですが、先ほどから被爆の実相という言葉を何度も聞くんですけれども、やはり原爆資料館や平和公園等へ直接足を運んでいただくということをしていただきたいと思いますが、その実現に向けて努力していただきたいと思うんですが、知事、いま一度お願いします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 国や長崎市との調整が必要な部分ではございますけれども、原爆資料館等の視察等も含めて各国要人に被爆の実相に触れていただく機会、その実現に向けて努力をしていきたいというふうに思います。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) ぜひ実現していただきたいと思います。 次に、今後、来年のG7関係閣僚会合の開催に向けて、県と市が引き続き連携して具体的な取組を進める必要があると考えますが、そこで、人員体制と予算状況について、お尋ねをします。 ○副議長(山口初實君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) これまで長崎市とは、共同で誘致計画を作成し、また、国への要望活動を実施するなど、緊密に連携して誘致に取り組んでまいりました。 現在、長崎市とは、開催に向けた準備を進めるための専任事務局を県庁内に設置する方向で協議に入っております。 今後、この専任事務局をできるだけ早く設置いたしまして、国との連絡調整や官民協働の推進協議会の設立、県民の機運醸成、必要な予算措置等につきまして、具体的に検討していくことといたしております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 部長にもう一度聞きますけれども、まず、その会合の日程がまだはっきりわかってないんですけれども、今年度に専任事務局を立ち上げると思うんですが、補正予算の必要もあろうかと思いますけれども、そのあたり、補正予算についてはどのように考えておられるのか。 ○副議長(山口初實君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 今、議員ご指摘のとおり、開催時期がまだちょっとはっきりしておりません。場合によっては、11月定例会ではちょっと遅いかなというところもございますので、長崎市とも協議が必要でございまして、本定例会の会期中に追加提案させていただくことも含めて、長崎市と早急に検討をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) ぜひG7関係閣僚会合の成功、そして、実りあるものにしていただきたいというふうに思います。 次に、知事の政治姿勢についてでございますけれども、私は、知事と高校が同じで、部活動も同じだったということもあって、厳しいような質問は、なかなかしにくいところもあるんですが、それはそれ、これはこれでちょっとお伺いしますが、去る9月2日の西日本新聞で、「大石知事の就任から半年を迎え、聞く力発揮、実行力見えず」との記事がありました。知事もご覧になられたと思いますが、この記事について、知事の感想をお聞かせください。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 私は、知事就任以降、県政の各分野における関係の皆様との対話や意見交換などを通して信頼関係の構築に取り組んでまいりました。 一方で、政策実現への道筋が見えないなどのご指摘については、やはり真摯に受け止めたいというふうに思います。 今回、来年度予算編成に向けた「重点検討テーマ」を設けたところでありまして、今後、具体的な施策の検討について取り組みたいと考えています。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 次に、先ほどの本質問で知事の政治姿勢について、お尋ねをいたしましたが、知事就任から6カ月がたち、貴重な県の予算を投入するわけですから、マニフェストに掲載されている事業については、県民のニーズとしても必要な事業、あるいは現時点では関係者の合意が得られておらず、早期実現には高いハードルがある事業など、勇気ある撤退を含めて事業仕分けが必要ではないかと考えますが、知事の考えをお尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 私は、マニフェストに掲げたものについては、いずれも可能な限り実現したいという思いを持っております。 一方、先ほども申し上げたとおり、マニフェストの実現に向けては、関係者の皆様とも議論を尽くしていくことが重要であると考えています。 また、本県の財政状況は依然として厳しいことから、社会環境の変化に適切に対応しつつ、限られた財源をどのような施策に優先的に活用していくべきか、十分な検討が必要であると認識をしています。 さらに、マニフェストの中には、国において議論が進んでいるものもあることから、国の制度や施策の動向を注視していく必要もあると考えています。 マニフェストに掲げる各項目の県の施策への反映については、こうした観点も踏まえながら、予算編成や総合計画の見直しの過程の中で検討してまいりたいと考えています。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 県民や関係者の声を聞きながら、引き続き検討を進めていくという方向性はわかりましたが、個別の政策について幾つか方向性や取組を確認したいと思います。 先ほど、私が「事業仕分け」という言葉を使ったのは、前回の一般質問でクロスロードについて、知事が「夢である」というふうに言われたものですから、やっぱり有権者、県民の方は、施策を見て、マニフェストというふうに思う方もいらっしゃるので、そういう意味で、これは夢です、これは現実的に実現していきたいというものを分けた方が、知事としても仕事がしやすいのではないかと思いまして、あえて事業仕分けをしたらいかがかなというふうに聞いたわけでございます。 次に、女性副知事の登用について、お尋ねしますが、県民としては、なぜ登用が実現できないのかと、理由を知りたいところですが、一方で、知事就任後の2度の議会において、2人の副知事を選任したという経過がある中で、あえてこの場でお伺いすることはしませんが、私としては、ぜひ実現してもらいたいと考えております。 女性副知事の誕生を応援する立場から、女性副知事の登用について、改めてどのように考えておられるのか、お尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 副知事には、私のサポート役として、また、県庁全体の調整役として、私と一体となって県政運営に関わり、重要施策の決定の場に参画して助言していただくという役割があり、そのような職責を担える方にお願いしたいと考えております。 女性副知事の登用については、しかるべき時期に実現できるよう、しっかり引き続き検討を進めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) ぜひ実現していただきたいと思います。 次に、ペット殺処分ゼロを目指すことについてですが、他の自治体では、既にゼロ宣言をしているところもあります。 長崎県では、殺処分ゼロが実現できるのか、やるとしたら、どういった方法で、いつ頃までに達成するのか、その実現のためのロードマップがあれば具体的な答弁をお願いします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 動物の殺処分ゼロについては、ぜひとも実現したいと考えております。 このため、人と動物が共生できる社会の実現に向け、まずは、その基本原則となる「動物の愛護及び管理に関する条例」の制定に取り組んでいるところでございます。 議員ご指摘のロードマップにつきましては、現時点でお示しする状況ではございませんけれども、今後、速やかに動物の収容数の削減、譲渡の推進、関係者との連携について、実施時期や具体的内容を明らかにしたロードマップを取りまとめ、その推進を図ることで早期の殺処分ゼロを目指してまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 次に、新たな活性化策としてのスポーツ振興についてですが、近年、日本で開催されたラグビーやサッカーのワールドカップなどは、地域の活性化や交流人口の拡大のためのツールとして有意義なものであったと考えております。 知事は、学生時代、ラグビーで汗を流したスポーツマンであると承知しておりますが、スポーツの国際大会誘致について、どのようなお考えをお持ちなのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 国際スポーツ大会の開催は、世界のトップ選手のプレーを間近で感じることができる、またとない機会であり、将来を担う子どもたちや県民の皆様に大きな夢や感動を与え、本県のスポーツ振興に大きく寄与するものであると考えております。 また、国内外から多くの人々が訪れることで交流が生まれ、開催地としての魅力発信にもつながることから、地域に賑わいや豊かさをもたらすものと考えております。 県としましては、日本での開催が決定している国際大会のうち、開催地が未定である大会の誘致と併せて、本県にゆかりのある国の代表チームやクラブチームによる国際親善試合等の誘致も視野に入れながら、各種競技団体等と連携し、その実現に向けて幅広く検討を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) ぜひ国際大会を誘致していただいて、ラグビーとかそういったもの、それ以外のスポーツもたくさんありますけれども、何とか長崎で一流のアスリートのプレーを見たいというふうに思っておりますので、ぜひ実現に向けて努力していただきたいと思います。 次に、子育て支援の充実についてですが、知事は、特に、この分野には力を入れていると思いますが、令和5年度当初予算に向けて、知事は特に何を実現したいと考えておられるのか、お尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 子ども施策については、県政の基軸として位置づけており、安心して妊娠・出産・子育てができる環境づくりのための施策を充実・強化してまいりたいと考えております。 そのため、まずは18歳までの全ての子どもたちが安心して医療を受けることができるよう、本県独自の子どもの医療費助成制度の創設について、市町との協議を進めているところであります。 子育て支援施策の充実等については、引き続き、国の動向等も注視しつつ、市町への影響にも配慮しながら検討してまいりたいと考えています。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 次に、県民車座集会「こんな長崎どがんです会」について、お尋ねします。 今、4回、開催されていると思いますが、幅広いご意見をいただいているのではないかというふうに思います。 そういった声を聞いて、県として今後どのように活かしていくつもりなのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 「こんな長崎どがんです会」については、これまで情報発信や子育て、UIターン、農業をテーマとして、4回、開催をしております。 各テーマに関わる方々から現場の率直なご意見を直接お伺いしたところであります。 こうした意見については、市町等とも必要に応じて共有を図りながら、各担当部局において、関係者との議論を深めるなど、内容を十分に精査し、可能な限り、県の施策に反映してまいります。 併せて、主な意見と対応状況については、県のホームページなどを通じて広く公開してまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) ぜひ、いろんな声を聞いて県政に反映していただきたいと思います。 次に、本県の水産物、農産物のPRのことですが、今、コロナ禍ということでピンチの状況であるんですけれども、このピンチをチャンスと捉えまして、全国に本県の水産物、農産物の魅力を発信していただきたいと思います。 次に、管理者不明橋について、お尋ねしますけれども、先ほど、九百何十件あったのが、調査したら200件ほど減ったということなんですが、その減った理由を教えていただけないでしょうか。 ○副議長(山口初實君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 先ほどもお話ししましたけれども、市町と協議をして調査をした結果、管理者が判明したというものが216橋あります。そのほか、実際に市町に引き受けていただいたもの等もありまして、現在、8月末時点で687橋となっております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) 管理者不明橋ですけれども、管理者の特定というのは、これ、昔に造ったものがほとんどだと思うので、管理者を特定するのは難しい作業だと思うんですけれども、もし、特定できなかった場合、どのように対応されるのか、お尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 管理者が特定できない場合は、橋梁の管理の引き受けについて、関係市町や地元自治会、利用者等と協議を行ってまいります。 また、将来、老朽化により危険度が増した際には、河川管理者として通行止め措置などの対応を行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 久保田議員-14番。 ◆14番(久保田将誠君) ぜひ、管理者の特定をやっていただきたいと思います。 NPT、G7と幅広く質問しましたが、ずっと知事の方から、被爆の実相ということを、前回の一般質問でもあったんですけれども、やはり長崎県の役割としまして、被爆の実相を訴えていくというのも非常に大事な役割だと私は思っております。 また、G7が、来年、広島、長崎で開催されるということもあって、ぜひ、そういう平和都市としての発信をしていただきたいというふうに思います。 以上で、私の一般質問を終わります。(拍手) ○副議長(山口初實君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、11時15分から再開いたします。     -午前11時2分 休憩------------------------------------     -午前11時15分 再開- ○議長(中島廣義君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 山口経正議員-20番。 ◆20番(山口経正君) (拍手)〔登壇〕皆さん、こんにちは。 自由民主党・県民会議、西彼杵郡選出の山口経正でございます。 一年ぶりの登壇となりまして、いささか緊張しておりますが、分割質問方式にて、論点がわかりやすい質問に心がけますので、よろしくお願い申し上げます。 まずは、新型コロナウイルス感染症にて、現在までに全国で4万3,859人、本県では321人の方々がお亡くなりになりましたことに対しまして、謹んでお悔やみを申し上げます。 新型コロナウイルス感染症で亡くなりますと、故人との最後の別れもままならないと聞いております。 ご遺族様、皆様のご心痛を思うと、この新型コロナウイルス感染症の早期収束を願うばかりでございます。 昨年9月17日、私の一般質問の日は、台風14号接近が心配された日でした。 奇しくも本日も、大型台風14号の影響が残り、心配された中ではありましたけれども、私の一般質問の応援に駆けつけていただきました皆様方には、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。 それでは、質問に移ります。 1、知事の政治姿勢について。 大石知事が就任されて早くも半年が過ぎましたが、想像以上に激務であると感じておられるのではないかと推察をいたします。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、第7波で爆発的に拡大し、今も収束していません。 また、新幹線の開業を目前に控えて、開業効果をいかに高めて県内に広げるか、その期待に応えなければなりません。 石木ダムの問題、IRの区域認定を取り巻く問題等々、日々変化する問題について対処していく必要があります。 知事は、医療の専門家ではあったものの、県政については、多くの分野で未知の事柄や仕組みばかりで、戸惑われたのではないかと思います。今も、詳細に把握できない事業が多々あって、勉強の日々ではないでしょうか。 とはいえ、県政の課題は山積し、待ったなしで的確な判断を下さなければなりません。 今回の知事説明でも、新しい長崎県づくりの実現に向けて「重点検討テーマ」が示されましたが、県民の幸せを第一義に考え、行政運営に当たるのが首長としての役割でありますので、その点を意識しながら、ぶれのない明確な答弁を期待しまして、まず、知事の政治姿勢について、お尋ねをいたします。 (1)第一次産業の振興について。 ①地域に根差した第一次産業の振興は人口減少対策においても不可欠だがどうか。 本県は、ご承知のように離島・半島を多く抱え、日本の最西端に位置するという地理的に不利な条件下にあって、早くから人口減少に直面してきました。今では年間1万人以上の減少状況であり、最大176万人あった人口が130万人を割り込むのも時間の問題となっています。 こうした中、衰退する農山漁村の集落機能を維持し、継続的に人が住んで暮らしていける地域をどのように残すのか、大きな課題となっています。 五島市出身の知事は肌感覚でおわかりだと思いますが、地域に根差した第一次産業の振興は、人口減少対策において必要不可欠な対策であります。 改めて、知事のご見解をお伺いいたします。 ②中山間地域が多い本県は農地基盤整備事業が最大の農業振興策と思うがどうか。 本県の農業の振興においては、これまで水田と畑地を合わせて約1万7,500ヘクタールの農地の基盤整備が進められてきましたが、これによって農業産出額の増大や集落機能の維持に大きな役割を果たしてきました。 島原半島の事例では、農地の基盤整備が完了した地区において、新たな特産物を生み出して農業所得の向上を実現し、地域の人口増加や集落の活性化など好循環につながったとして全国にも紹介されています。 しかし、中山間地域が多くを占める本県にとって、農地の基盤整備が必要な地域がまだまだ多く残っている状況でありまして、今後も農地の基盤整備によって優良農地を確保して、より多くの担い手を残すことが必要な振興策であると認識します。 知事の考え方をお尋ねいたします。 ③水産県長崎にとって更なる振興策が問われているが、知事の考えはどうか。 本県は、離島・半島が多く、入りくんだ地形上、北海道に次ぐ海岸線の長さがあり、漁港数も全国第2位の228港を有しております。 当然ながら、漁業、養殖業の産出額においても、全国の7.8%で第2位であります。 長崎県の産業構造から見ても水産業の特化率が高いとの分析が出ており、水産業振興をいかに図っていくのか、問われているところであります。 これまでも、海面養殖業の育成、水産物の輸出拡大、新規就業者の確保対策など、県としても力を入れてこられました。 知事は、本県の水産業振興に対して、どのようにご所見をお持ちなのか、お伺いいたします。 (2)産業の振興について。 ①成長産業の育成に当たって、どのように注力していくのか。 県民所得の向上や良質な雇用の創出対策は、中村県政において懸命に努力された点でありました。3期12年間累計で1万494人の新たな雇用を生み出したことは、大いに評価に値すべき点ではないでしょうか。 大石知事も、「検証を深め、継承すべき点はしっかり継承する」と述べておられます。新産業創出、新たな基幹産業育成、スタートアップ支援など、これまで数々の施策がありましたが、今後の成長産業の育成に当たって、どのように注力されていくのか、知事のお考えをお伺いいたします。 ②企業誘致と人材育成は関連性があるが、戦略的にどのように進めるのか。 知事は、若さと行動力を強調され、トップセールスによってリーダーシップを発揮しようとしておられるように見受けられますが、産業の振興には企業誘致が重要な対策であります。どのような分野にターゲットを絞り企業誘致を進めるのか、また、求められる人材育成はどのように進めるのか、それぞれ関連性があって戦略的に進めなければなりません。知事のご所見をお伺いいたします。 (3)公共事業について。 ①気象災害が頻発する中、国土強靭化事業に積極的に取り組むべきではないのか。 公共事業は、本県の産業構造から見ると6.5%の割合であり、地域経済を支える一定の役割を果たしております。 民主党政権の時、「コンクリートから人へ」との政策転換で、公共事業は大きく減少しましたが、いまだに予算上、回復していない分野も存在します。 ハード事業の多くは、土木部、農林部、水産部などが所管する事業であります。道路や河川等インフラ整備が遅れている本県では、これまで少しでも有利な国の事業を取り込んで、事業全体を前に進めることを意識して取り組んできたと聞き及んでおります。 近年、気象災害が頻発し激甚化する状況でありますが、国土強靭化5か年加速化対策事業が残り3か年となる中、今後も積極的に取り組む姿勢が必要ではないかと思います。 そこで、加速化対策事業後も含め十分な予算確保について、知事のご見解をお伺いいたします。 ②高規格道路のネットワーク化の早期完成が県勢発展のためにも必要だがどうか。 公共事業の中でも道路関係は、県の令和4年度予算における比率が公共事業の34%を占めています。 中でも本県は、短時間で結べる高規格道路のネットワーク形成が急務とされています。現状では、北は松浦市、南は南島原市から、それぞれ一部高規格道路を使ったとしても、県都長崎市までの自家用車移動に約2時間を要します。 この高規格道路の早期完成は、県土の一体的発展と、さらなる産業の発展や観光周遊、災害時のダブルネットワークや急患の緊急搬送など大きな効果を生み出します。 取り組むに当たっての知事の決意のほどをお聞かせください。 以上で、壇上からの質問を終了し、残余の質問は対面演壇席から行います。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕山口議員のご質問にお答えいたします。 まず、第一次産業の振興について、どのように考えているのかとのお尋ねですが、本県の第一次産業につきましては、令和元年度の県民経済計算の県内総生産額は1,171億円で全体の2.5%を占め、全国平均の1%を大きく上回っております。 また、第一次産業就業者数の割合は6.8%と全国平均の3.2%を上回っており、とりわけ離島地域においては16.5%を占めております このように第一次産業は、離島・半島が多い本県において、地域活性化や雇用の場の確保などの面で重要な役割を果たしている基幹産業であり、地域における人口の維持においても重要と考えられるため、今後とも、第一次産業の振興に力を注いでまいりたいと考えております。 次に、農地の基盤整備の推進に対して、どのように考えているのかとのお尋ねですが、これまで農地の基盤整備事業に取り組んだ地域では、農業産出額や所得が向上し担い手も確保されるなど、もうかる農業が実践されております。 また、その結果、雲仙市の八斗木地区などでは、児童数の増加にまでつながる好事例もあらわれているところです。 このように農地の基盤整備事業は、農業振興だけにとどまらず、地域活性化の面でも極めて重要だと考えておりまして、県内各地域からの要望も多いことから、今後も積極的に推進していきたいと考えています。 次に、水産業の振興について、どのように考えているのかとのお尋ねですが、水産業は、天然資源の動向などに影響されるという側面もありますが、養殖産出額や輸出額については順調な伸びを見せております。 また、これからの漁業集落を支える新規就業者についても増加傾向で推移しており、UIターンによる新規就業者が、漁業だけでなく地区全体に元気を与えるような集落もあらわれております。 豊かな海に恵まれた本県においては、人を呼び込むうえでも水産業は重要な産業でありますので、引き続き、養殖、輸出の拡大をはじめ、個人経営体の所得向上対策、スマート化の推進など、水産業の振興につながる施策を展開していきたいと考えております。 次に、今後の成長産業の育成に当たって、どのように注力されていくのかとのお尋ねですが、県では、産業振興について、県内企業の高い技術力や優秀な人材など、本県の強みを活かせる成長分野での支援が重要と考えております。 これまで、半導体、航空機、造船プラント、ロボット、医療関連に加え、若者や女性の活躍が期待できるIT関連を中心としたオフィス系やスタートアップ企業などの誘致、育成に取り組んできたところであります。 そのような中、半導体や医療関連では活発な国内投資が続いており、その受け皿となる工業用水を備えた工業団地の整備に向けて、市町と連携した水源調査に着手をいたしました。 また、スタートアップ企業の集積を加速させるため、県内のコミュニティ間の交流促進により新たなビジネス創出につなげていく取組を進めているほか、資金獲得のための投資家と起業家とのマッチングイベントを開催することとしております。 今後とも、企業動向等を的確に捉えながら、成長産業の誘致、育成に力を注いでまいります。 次に、どのような分野にターゲットを絞り企業誘致を進めるのか、また、関連する人材育成をどう進めるのかとのお尋ねですが、製造業の企業誘致については、県内企業とのサプライチェーンの構築、強化につながる半導体、航空機、医療等の成長分野を推進しており、オフィス系については事務代行サービスに加え、情報関連など、女性にも魅力的な企業を主なターゲットとして取り組んでおります。 このうち半導体関連については、企業が大学内にラボを設置したほか、「ながさき半導体ネットワーク」において共同研究に向けたマッチングイベントを開催するなど、産学官が連携した人材育成を促進しており、その結果、県内大学出身者の採用も増加傾向にあります。 また、長崎大学や県立大学の優秀な人材を活かした企業誘致に取り組み、国内大手の情報関連の開発拠点の進出が相次いでおります。 今後とも、企業誘致に関連する人材育成については、産学官が連携した取組を促進してまいりたいと考えております。 次に、5か年加速化対策後も含めて十分な予算確保が必要だと考えるが、知事の見解はどうかとのお尋ねですが、本県は、多くの離島・半島を有し、全国で2番目に多い3万2,000か所を超える土砂災害警戒区域が指定されるなど、地理的、地形的に厳しい条件を抱えております。 また、このたびの台風14号による被害も発生しておりますが、近年、豪雨災害が激甚化、頻発化しており、本県においても大雨特別警報が4年連続で発令されるなど、常に災害と隣り合わせの状況にあり、県民生活に大きな支障を来しております。 このような中、5か年加速化対策予算を活用し、道路ネットワークの機能強化や流域治水対策などを着実に進め、その効果が一定あらわれているところですが、強靭な県土づくりは、まだまだ道半ばであると考えております。 このため、今後も激甚化、頻発化する自然災害から県民の命や暮らしを守り、地域の産業を支えていくためにも、5か年加速化対策の予算を最大限確保することに努め、引き続きしっかりと取り組んでまいります。 また、5か年加速化対策後も必要な予算を確保し、継続的、安定的に取組を進めていくことは極めて重要であると認識をしており、今後も国に対してしっかりと働きかけてまいります。 次に、高規格道路の早期完成に向けた取組についてのお尋ねですが、県では、力強い産業の育成や地域活性化を図るとともに、強靭な県土づくりを進めていくため、高規格道路の整備を重点的に進めております。 本県の新広域道路交通計画において高規格道路ネットワークをお示ししておりますが、いまだ約4割が未整備となっております。 このため、整備に必要な予算の確保に努めながら、高規格道路の整備に全力で取り組んでまいります。 以後のご質問につきましては、自席から答弁させていただきます。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) ひと通りご答弁いただきまして、ありがとうございました。順次、また再質問をさせていただきます。 第一次産業の振興についてでございますが、農山漁村の集落機能維持については、同種の事業として「小さな拠点づくり」があります。集落や地域のコミュニティの維持を図る地域運営組織の設立が、本県では現在118団体となっております。 内容を見ると、地区の対象人口が1,000人以上で、比較的都市部の団体が多くを占めております。 限界に近づきつつある集落、100人から200人規模の集落の機能維持が、本県として必要な対策ではないかと思いますが、お尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 本県では、離島・半島地域が多く、人口規模の小さな地域コミュニティもあり、小規模な集落を含めた集落維持対策は大切であると考えております。 一方で、個別の地域における集落の維持対策は、最も地域に身近であり、その実情を把握している基礎自治体である市町の果たす役割が大きいものであります。 そのため、県としては、広域的な観点から市町をサポートする必要があると考えておりまして、小規模集落における地域運営組織の活動も含めた先進事例の紹介や、地域づくり実践者のアドバイザー派遣等による支援により、県内各地において、市町の施策の展開が図られるよう取り組んでいるところであります。 引き続き、地域の活性化に向けて、市町と連携しながら、地域コミュニティ対策に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) 主体は市町の役割であるということでありますけれども、やっぱり県としても、そういう限界に近づいた集落をどうしていくのかというのをしっかり考えて対策を打っていただきたいと思います。 それから、島根県では半農半X支援事業が実施されております。県外からUIターンして半農半Xの実践をする希望者に、就農、定住に必要な支援をする事業であります。 UIターン者に農林水産業の担い手として定住してもらうことは、農山漁村の集落維持に対しても有効な対策の一つであります。 本県でも、そのような半農半X、または半漁半Xも含めて定住しやすい環境づくりを促すことで、UIターン者の人たちが地域に溶け込み、課題解決や地域活動に携わるようになると、集落の維持、活性化にもつながると思いますが、県の取組について、お伺いします。 ○議長(中島廣義君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(早稲田智仁君) 集落の維持、活性化のためには、移住された方々が地域活動に参画してもらえるような環境を整えていくことが大切であると考えております。 県内では、移住者である地域おこし協力隊の方が、任期後において、例えば漁村における高齢者のための買い物支援や、廃校舎を活用した地域活性化に取り組まれる事例も出てきております。 そのため、県では、こうした取組について各地域へ幅広く展開が図られるよう、市町などに対し、事例紹介や情報発信に取り組んでいるところであります。 また、今年度から新たに、過疎・半島地域における雇用拡充の支援事業において、地域貢献に資する取組の要素を追加するなど、地域の維持・活性化に向けた施策の充実に努めております。 県としましては、引き続き、移住をされた方々が地域活動に積極的に関わることができるよう、市町とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) 人が住み続けて暮らしていけるために、本県の実情に即した、きめ細かい集落対策が必要だと思いますので、その点はしっかり対策をしていただきたいと思います。 それから、産業の振興についてでありますけれども、知事が答弁で述べられた半導体、航空機、ロボット、医療関連など、前中村県政でやってこられたことをそのまま取り組むように聞こえておりますが、今のところはそのままの路線を継承していくと捉えていいのでありますか、お聞かせください。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 私は、中村前知事が築いてこられた県政運営の方向性について、継続すべきものは継承することとしております。 その中で、産業振興については、県内企業の高い技術力や優秀な人材など、本県の強みが活かせる成長分野での支援を継続することが重要であると認識をしております。 一方、変化する社会情勢やニーズ等を捉えたうえで、新たな視点をもって修正すべきものがあれば、見直しを行ってまいりたいと考えております。 また、「みんながチャレンジできる環境づくり」を進めるため、スタートアップにかかる事業化支援や脱炭素化社会の実現に向けた施策等に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) それから、先日の一般質問でも取り上げられましたトップセールスについてでありますけれども、トップセールスは、タイミングが大事であり、知事の立場としては、関係者の努力でチームとしてお膳立てが整った案件に対して、時を逃すことなく動くことが必要と思いますけれども、企業誘致に対するトップセールスの考え方をお尋ねいたします。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 企業誘致は、県と産業振興財団とのチームワークのもと誘致活動を行っており、その中でトップセールスについては、議員ご指摘のとおり、進捗状況を踏まえながら一番効果的なタイミングで実施すべきものであると考えております。 このような考えのもと、私自身もトップセールスにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) 行政はチームで行うもの、先ほど述べましたトップセールスについても、やっぱりチームでお膳立てが整ったものに対しては、即、知事が動くということがトップセールスでありますので、トップセールス、トップセールスと自身で表現しておられますけれども、知事が動くこと自体がトップセールスですから、それは積極的にやっていただきたいというふうに思います。 それから、開会日の知事説明で、「新しい長崎県づくり」の「重点検討テーマ」が示されておりました。その中の「みんながチャレンジできる環境づくり」の項目で産業の振興についても触れてありますけれども、新たな視点、発想を取り入れつつ、スピード感をもって「新しい長崎県づくり」を推進するということであります。 知事の考えを落とし込んで施策を組み立てるプロジェクトチームや、新たな視点・発想を検討する諮問機関など新たな仕掛けをつくるお考えはないのか、お尋ねいたします。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 社会環境が目まぐるしく変化する中、新しい視点による施策構築に当たっては、県民ニーズの的確な把握に努めるとともに、有識者の知見等を積極的に取り入れていくことが、これまで以上に重要であると考えています。 そのため、県民の声を直接お聞きする場として「こんな長崎どがんです会」を立ち上げたほか、デジタル分野において、民間人の登用を進めるなど、県民の意見や専門家の考えを県政に取り入れるよう努めているところでございます。 さらに今後、有識者の専門的知見を政策形成に活用できる仕組みについて検討を進め、新しい視点や発想に基づく施策の立案につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) 知事は、選挙の時に医療の専門家ということを非常にアピールしておられましたけれども、全ての分野で専門家になれるわけではないのです。ですから、ちょっと言葉は悪いですけれども、専門家をいかに使いこなすかが知事の手腕となるわけでありますので、そういった点で、そういう仕組みづくりといいますか、自分の考えをしっかり受け止めて、それを施策にしてくれる、そういったチームを作っていく必要があると思います。その点をしっかりと心がけてやっていただきたいと思います。 それから、公共事業については、県内では島原道路や西彼杵道路と長崎南北幹線道路、松浦佐々道路など、それに事業化が間近な東彼杵道路と、大型事業がまだまだ控えております。こうした事業には期間と予算が必要であります。国に対しては、継続的に取り組む熱意と姿勢が求められておりますので、知事には先頭に立って早期完成を目指して頑張っていただきますように要望をいたしておきます。 2、道路行政について。 道路行政については、先ほど知事の政治姿勢でもお聞かせいただきましたが、ここでは私の地元の西彼杵道路と、その周辺の問題について、お伺いいたします。 (1)西彼杵道路(時津工区)の暫定供用開始に向けて。 ①供用開始に伴う交通の流れを見るための交通量調査はどうするのか。 この時津工区3.4キロメートルは、当初、令和2年度に完成予定でありましたが、トンネル地盤等の関係で工事が2年遅れた経緯があります。関係者のご努力によりまして、いよいよ来年2月には完成予定となりました。 この時津工区が供用されると、国道206号の日並地区10工区付近から時津交差点付近の慢性化した交通渋滞解消に一定の効果が発揮されるものと期待されておりますが、交通の流れがどのように変わるのか見定める必要があります。そのためには、国道206号と周辺の町道等の主要な交差点において、事前の交通量調査が基礎となると思いますが、どのように実施するのか、お尋ねをいたします。 ②交通量の増加が予想される町道子々川日並線や日並中央線の交通安全対策はどうするのか。 現在、西彼杵道路と国道を結ぶ時津町道子々川日並線は、一日当たり800台程度の交通量でありますが、供用開始されると一変し、経験したことのない、約10倍以上の交通量が予想されております。 地元の人たちは、道路の横断等に大変不安視されていて、信号機の設置や横断歩道など交通安全対策の要望がなされております。 令和元年6月の私の一般質問においてお伺いしたところ、「供用開始後に状況を見ながら検討する」との回答でありましたが、想定される危険に事前に対処して地元の不安解消を図ることができないのか、お伺いいたします。 また、10工区方面との交通量増大が予想される町道日並中央線は、通学路となっており、沿線には保育園もあります。児童生徒や交通弱者に対する交通安全対策が求められておりますが、対応をお尋ねいたします。 (2)野田~滑石間の事業化について。 ①交通渋滞解消や道路ネットワークの観点からも事業化が遅れることがあってはならないと思うがどうか。 西彼杵道路と接続予定であった長崎南北幹線道路の茂里町滑石間5.3キロメートルは先に事業化が決定されましたが、滑石野田間1.6キロメートルは取り残された状況にあります。 道路ネットワークとしての機能発揮や交通渋滞解消の観点からも、この区間の事業化が遅れることがあってはならないと思いますが、県の対応をお伺いいたします。 (3)国道207号の未整備区間について。 ①三彩橋交差点から船津橋交差点間は未整備区間として残っているが、今後整備はどのように進めるのか。 長与町三彩橋交差点から船津橋交差点間は、昔ながらの風情が残り旧道化している区間でありますが、未整備区間として残る国道であります。 これは、代替機能を果たしている町道と付け替える構想はありましたが、一向に協議が進展せず、未整備のまま取り残されている状態であります。最も狭隘なところは幅員4.3メートルしかなく、普通車の離合も困難でありますが、今後、どのように整備を進めていくのか、お尋ねをいたします。
    ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 西彼杵道路時津工区の暫定供用開始に向けて、供用開始に伴う交通の流れの変化を見るための交通量調査はどうするのかとのお尋ねですが、時津工区については、来年2月の開通を予定しており、国道206号をはじめとした周辺道路の交通の流れが大きく変化することが想定されます。 時津工区開通前後の交通状況の変化を把握するため、西海町から滑石間において、子々川交差点や井出園交差点など主要な交差点を含む16か所において、平日及び休日の調査を予定しています。 さらに、国と連携し、ETC2.0などのビッグデータも活用しながら分析を行いたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 警察本部長。 ◎警察本部長(中村亮君) 西彼杵道路時津工区の暫定供用開始に伴う交通安全対策について、お答えをいたします。 西彼杵道路時津工区の周辺道路の交通安全対策につきましては、予測される交通量の増加による住民生活への影響を考慮したうえで、地域の皆様に安心していただけるよう事前に対策を講じていくことが必要であると考えております。 県警察におきましては、地域の皆様の交通安全を確保するため、時津工区の供用開始に合わせて、町道子々川日並線における信号機や横断歩道の設置など、事前の交通安全対策を行うこととしております。 また、通学路となっております町道日並中央線につきましては、既に道の両側に歩道が整備され、横断歩道も設置されているところ、さらに地域の皆様と連携して、通学時間帯の街頭監視や交通安全上の注意喚起、交通指導取締まりにより、児童生徒の安全確保に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 野田滑石間の事業化について、交通渋滞解消や道路ネットワークの観点からも事業化が遅れることがあってはならないと思うが、どのように考えているのかとのお尋ねですが、長崎南北幹線道路の長崎市滑石から時津町野田間は、今年度着手した茂里町から滑石工区と西彼杵道路をつなぐ区間であり、道路ネットワークの観点から不可欠な道路であると考えています。 この区間は、長崎南北幹線道路の本線と、これに並行するアクセス道路を計画しており、このうちアクセス道路については、令和5年度の事業化を目指しているところです。 本線についても、茂里町から滑石間に合わせた完成となるよう計画的に事業化したいと考えています。 次に、国道207号の未整備区間についてのお尋ねですが、国道207号の三彩橋交差点から船津橋間は生活道路として利用されており、一部離合困難な箇所があることは認識しています。 一方で、国道と並行する町道が整備済みであり、幹線道路として利用されている状況です。 このため、それぞれの道路の役割やあり方について、管理する道路の交換を含め、長与町と協議してまいります。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) それでは、順次再質問させていただきます。 西彼杵道路時津工区でありますが、この時津工区の供用開始によって、最も混雑が予想されるのは平面交差する井出園交差点で、付加車線を増やすなど道路改良工事が実施されております。交通量予測に基づいて右折帯の滞留長を設定してあるとは思いますが、それで十分なのか、また、本線の車の流れが悪ければ渋滞が起こってしまいますが、信号機の時間調整など、どのように考えているのか、お伺いいたします。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 井出園交差点については、開通後の交通量を予測し、右折帯や左折帯の追加、滞留長の変更を行っており、交通の変化に対応できるものと考えています。 しかしながら、予測を上回る交通量の変化も考えられるため、開通後の実際の交通状況を踏まえ、警察との協議を継続して行いながら、交通の円滑化が図られるよう努めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) 井出園交差点の混雑が一番心配なわけでありまして、その周辺の交通混雑というのも出てまいります。 ですから、西彼杵道路計画検討委員会の提言にもありますように、流れをしっかり見極めて、そして、次の区間に着手するということで、年次的にも、やっぱりその調査をしていただきたいというふうに思います。 それから、西海交差点の混雑度が高いというのは、この計画検討委員会でも確認されております。引き続き、日並西海間の早期着手について、ご検討いただけますように要望いたしておきます。 それから、先ほど警察本部長から、「町道の交通安全対策は事前に対応する」との答弁でありました。地元住民の皆さんの不安解消を優先的に考えていただきまして、ありがとうございます。 しかし、交通量が実際に増えて危険箇所が生じる点もあると思いますので、それこそ状況を見ながら迅速に対処していただきますようにお願いをいたしておきます。 交通安全対策を施すことがゴールではございません。悲惨な交通事故が起きないことがゴールでありますので、これは共通の願いであります。 それから、野田滑石間の事業化でありますけれども、答弁で明らかになりましたが、先んじて令和5年度に、この区間にアクセス道路の事業化を目指すということであります。そして、本線も茂里町滑石間に合わせた完成となるように事業化するということでありますが、本線とアクセス道路という2本の並行する道路を計画することになった要因をお聞かせください。 また、この2本の道路が茂里町滑石間完成までにできるということであれば、工期や予算の面が大丈夫なのか、その点が心配になりますが、併せてお尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 当該区間の長崎南北幹線道路の計画は、地形的な制約から、時津インターチェンジでは長崎方面へ、また、滑石では佐世保方面への利用ができない構造となっています。 このため、時津インターチェンジが接続する臨港道路畝刈時津線と滑石間の県道長崎畝刈線とを直結するアクセス道路を整備することとしています。 これにより、例えば滑石からは、アクセス道路を経由し、時津インターチェンジを利用することで、佐世保方面への通行が可能となります。 なお、滑石から野田間の整備については、計画的な事業進捗が図られるよう、予算確保に努めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) 地形的な要因で、フルインターにするとトンネル内で合流とか分岐が必要だということで、アクセス道路として、もう1本造らなければならないと聞いておりますけれども、2本道路を造るということで本当に大丈夫なのかということが一番先に心配になってきますので、そういうことも地域の皆さん方にはしっかりと説明をしながら進めていただきたいというふうに思います。 それから、国道207号の未整備区間でありますが、当区間は、生活道路としての利用しかないといって、離合できない箇所を放置はできません。拡幅が必要であると思いますが、長与町は、一定の整備が整えば移管に応じる考えもあると聞いております。早期に協議の場を設けていただきますようにお願いをいたしておきます。 3、農林業をめぐる情勢について。 農業については、古くから「農は国の大本なり」と言われて政治や経済の中心に置かれてきました。安全・安心な食料の安定供給は、今も国民的な大きな課題となっています。 しかし、農業を取り巻く環境は依然として厳しく、農業者の高齢化、担い手不足、生産資材の高騰など課題が山積し、好転する要素が少ないのが現状であります。 そこで、私も農業者の現役でありますので、現場を踏まえて質問させていただきます。 (1)みどりの食料システム法について。 ①この法で環境負荷低減を目指す有機農業の目標が示されたが、県の対応はどうか。 環境と調和のとれた食料システムの確立のための「環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律」、略称みどりの食料システム法が、本年7月1日から施行されました。 食料生産における環境負荷を低減し食料システム全体を持続可能なものにしていくことを基本理念に据え、2050年の有機農業の目標を全国の耕地面積の4分の1に当たる100万ヘクタールと定めてあります。 現在の有機農業は、約2万5,000ヘクタールにとどまることを考えれば、実現不可能な目標設定であると誰もが驚いていますが、県はどのように対応していくのか、お伺いいたします。 ②まずは減肥・減農薬の特別栽培を推奨してはどうか。 有機農業の定義は、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと、並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産の環境負荷をできる限り低減した農業生産方法を用いて行われる農業となっております。 また、有機農産物の日本農林規格では、播種または植付け前2年以上、化学肥料や化学農薬を使用していないことなどが記載されています。 この有機JAS規格を取得した農家戸数は、全国でも3,700戸程度と、過去10年間を見ても横ばいで推移しています。 本県は、気候的にも温暖なので、病害虫の懸念が大きく、しかも、現状では有機農産物が有利販売できる販路は限られております。 これほどハードルが高い有機農業を積極的に推奨するのが現実的でありましょうか。まずは本県が取り組む特別栽培を推奨して、化学肥料・農薬を減らす栽培にもっていくことが得策であり、並行して販路の確保を進める必要があると思います。 県のお考えをお尋ねいたします。 ③また、有機農業には欠かせないたい肥の供給体制はどうするのか。 化学物質を使わない栽培には、堆肥の施用は欠かせないものでありますが、本県は畜産業が盛んで資源はあっても、供給の仕組みが確立されなければ普及は進まないと思います。 本年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、肥料や飼料高騰が続いており、代替肥料として需要が高まることも予想されます。 この堆肥の供給について、併せてお尋ねいたします。 (2)集落営農と法人化について。 ①中山間地域が多い本県の集落営農と法人化の取組はどうか。 国は、人・農地プラン導入後、集落営農を中心経営体に位置づけて、農地集約と経営効率を高める法人化を推進してきました。 この考え方は、平地の水田農業を想定しており、中山間地域の占める割合が全国の比率よりも高く、集落営農の規模も小さい本県にとって、全てが当てはまるものではないと理解しております。 本県の集落営農と法人化の現状と、今後の取組をお伺いいたします。 ②企業の農業参入が進んでいるが、撤退する場合の農地保全について、県はどのように考えているのか。 農業法人と企業の農業参入は分けて考える必要がありますが、一般法人でも要件を満たせば農地所有適格法人となって、農地法上、農地の所有も可能となっています。 法人の農業参入については、農山村の活性化のためにも多様な担い手として大いに期待するところでありまして、順調な営農と農地の有効利用の継続を願うものでありますが、もし、経営不振に陥り徹底せざるを得なくなった時、農地をどのように保全していくのかが問われることになります。 県の考え方をお伺いいたします。 (3)中山間地域等直接支払制度について。 この制度は、1999年制定の「食料・農業・農村基本法」等において、集落維持活動などに直接支払いが可能な法的根拠が与えられ、翌2000年から5年1期で実施されていて、現在では5期目を迎えております。 全国的に見ても約14万の農業集落があって、過半数の7万4,000集落、53.3%に当たりますが、中山間地域に属しております。 こうした中で2万4,000集落が協定を結び、直接支払いを受けておりますが、本県では2021年に協定数928、交付面積9,334ヘクタールとなっており、全国と同様に減少傾向であります。 導入から20年以上が経過し、高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加など状況の変化に伴い、協定の維持が困難になっている集落も出てきておりますが、共同活動の継続に向けて、県としてどのように捉えているのか、お尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 私から、6点お答えをさせていただきます。 まず、国が掲げる2050年の有機農業の目標達成に向け、県はどのように対応するのかとのお尋ねですが、国が掲げた目標は、非常に高い水準であると認識をしております。 国においては、現行の技術だけでなく、将来開発されるであろう新たな品種や技術などを駆使して目標の達成を目指すとされており、本県においても、今後の技術開発の進展を前提として、中・長期的に取り組んでいくべきものと考えております。 次に、有機農業より先に特別栽培を推進すべきではないかとのお尋ねですが、本県では、環境保全型農業の取組のすそ野を広げる観点から、化学肥料や農薬の使用量を低減した特別栽培を推進しておりますが、有機農業についても、既に取り組まれている産地を中心に、生産・流通・消費の拡大に地域ぐるみで取り組むオーガニックビレッジなどの活動を支援していきたいと考えています。 併せて、販路の確保についても、消費者が有機や特別栽培の農産物を選択し、適正な対価を払うことで、その生産が持続、拡大できるよう、各地域での食育を推進するとともに、国に対しても、環境にやさしい農業の大切さについて広く国民の理解が進むよう、意識醸成に向けた取組の強化を要請してまいります。 次に、堆肥の供給体制についてのお尋ねですが、堆肥は、土壌改良や養分の補給効果があり、畜産業が盛んな本県においては有効な資源でありますが、運搬や散布などの取扱いに労力がかかることから、広域流通や利用が難しい状況にあります。 一方、堆肥を加熱・圧縮して整形化したペレット堆肥は、従来の堆肥と比較して、重量や容積が約4割低減でき、保管、運搬、散布性に優れていることから、今後は、堆肥のペレット化による県全体での利用の拡大を進めてまいります。 次に、本県における集落営農組織育成と法人化の状況についてのお尋ねですが、本県においては、これまで地域の営農状況に合わせ、集落営農の組織化や経営発展に向けた生産指導などの支援を行ってきた結果、令和3年度は108組織となり、10年前と比べて26組織増加し、集落営農組織は地域の担い手として重要な役割を果たしているところです。 また、農地の安定的な利用に加え、取引信用力の向上により安定的な運営が可能となるよう、集落営農の法人化についても併せて推進してきた結果、令和3年度は63法人と、10年前の8法人から大きく増加しております。 本県での集落営農法人は、平地の水田地域だけではなく、基盤整備を実施した中山間の水田地域においても数多く設立されているところです。 しかしながら、集落営農組織や法人の多くが組合員の高齢化や後継者不足といった課題を抱えていることから、県としましては、次代を担う人材の安定的な雇用につながる生産性向上や規模拡大等による所得向上に向けた取組を支援してまいります。 次に、企業の農業参入が進んでいるが、企業が農業から撤退する際の農地の保全についての県の考えはとのお尋ねですが、本県においても過去、農業に参入した企業が経営不振により撤退した事例がありますが、当該企業は、農地中間管理事業を通じて農地を貸借していたことから、大半の農地を次の担い手に貸付け、撤退後の農地の荒廃を未然に防ぐことができたところです。 こうした事例を踏まえ、県といたしましては、企業が農業に参入する場合は、市町、農業委員会と連携し、農地中間管理事業による農地の貸借を進めているところです。 次に、中山間地域等直接支払制度の共同活動の継続に向けた県の考えについてのお尋ねですが、この制度は、条件不利地域において農地周りの草刈りや、ため池の維持管理などの共同活動を通じて集落を維持していく取組であり、中山間地域が多い本県にとって重要な制度であると考えております。 しかしながら、集落の方々の高齢化によるリーダーや担い手の不足から、多くの集落において共同活動が停滞し、その維持が困難となることが危惧されております。 このため、県といたしましては、協定組織の合併や広域化による事務負担の軽減、ドローンや自走式草刈り機の導入による作業の省力化や外部委託などを進めているところです。 加えて、共同活動は、農地等の持つ水源涵養などの多面的機能の保全にもつながることから、地域外の方々にも多く参加していただけるよう、「長崎県中山間地域ボランティア支援センター」を設置し、県内企業と集落とのマッチングに取り組んでいるところであり、引き続き、市町、関係機関と連携し、共同活動が継続できるよう努めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) それでは、再質問に移らせていただきます。 先般、農業団体から資材高騰対策の要望がなされた折に農林部長から、堆肥のペレット化の取組について触れられたと報道がありました。 また、今定例会にペレット製造機導入補助の補正予算が計上されております。 堆肥を従来の土壌改良のためだけでなく成分を調整した堆肥ペレットとすれば、代替肥料として期待されますが、このペレット化の対応について、お伺いいたします。 ○議長(中島廣義君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 県では、県内産の豚糞堆肥をペレット化して化学肥料と混合した肥料の実用化に向けて、9月補正予算において、JAグループが計画している堆肥ペレット製造装置の導入への支援を行うこととしております。 これにより、現在利用している化学肥料の一部を県内産の堆肥ペレットに置き換えることが可能となり、堆肥の広域流通とともに、肥料価格を中・長期にわたって約1割抑制する効果を見込んでいるところです。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) 今回の堆肥については、豚糞堆肥を使用しているということであります。まだまだ牛糞の堆肥、それから鶏糞の堆肥とありますので、そういったものを有効的に資源として活用するように、ペレット化について研究をしていただきたいと思います。 それから、堆肥ペレットの施用技術の確立が必要でございます。これは肥料化した堆肥ペレットということでありますので、どう施用していくのか、その技術の確立についても探究を深めていただきたいと思います。 そして、この「みどりの食料システム法」では、有機農業の目標はあくまでも耕地面積の4分の1です。残り4分の3の耕地面積でも化学肥料・農薬を減らし、環境にやさしい栽培に取り組むことが重要であります。安全でおいしい農産物が安定的に消費者に届くことが、この「みどりの食料システム法」の本来の趣旨だと理解いたします。そうした意味で、本県の特別栽培の取組が期待されているところでございます。 また、自給率37%に落ち込み、食料の安全保障が叫ばれる中、持続可能な食料生産をいかに守っていくのか、流通、消費を含め考え直す時ではないでしょうか。県としてもご努力をお願いいたします。 それから、中山間地域等直接支払い制度についてでありますけれども、集落の共同活動には、ワイヤーメッシュの維持・補修、農道や水路の管理、耕作放棄地の草刈りなど人手を要する作業が多く、負担が増大しております。 農家からは、いつまで続けていられるやらと不安の声も聞かれます。農業の多面的機能を失わないためにも、共同活動に参加してくれた人たちとの交流を通した集落の活性化が重要であります。 答弁にあった「長崎県中山間地域ボランティア支援センター」の取組について、お尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 県では、令和2年度から「中山間地域ボランティア支援センター」を設置し、企業と集落のマッチングを行った結果、これまで社会貢献に関心の高い5つの企業が、県内7集落で水路の清掃などの共同活動に取り組んでいただいたところです。 こうした企業の活動について、集落からは感謝の声が寄せられるとともに、参加した企業の皆さんからも、「集落の機能を維持していくことの大切さが理解できた」といった感想を伺っております。 今後は、企業だけでなく、個人やグループの方々にも活動に参加していただけるよう、これまでの取組の成果や情報の積極的なPRに努めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 山口議員-20番。 ◆20番(山口経正君) 集落の活性化、地域課題の解決など、地域振興部で取り組む事業もございます。そういった中で横の連携によりまして、より有効な対策にしていただきたいと思いますけれども、これをどこに聞けばいいのか、ちょっと苦慮しますけれども、これはお願いしておきます。 それから、今年2月のロシアによるウクライナ侵攻は、衝撃的で戦争のむごたらしさを痛感させる出来事でした。 同時に、グローバル化した食糧やエネルギーの供給網が分断され、世界的な食糧危機、エネルギー危機へとつながりました。食糧の安定生産は、食糧安全保障の観点からも重要であることが明確になった一年でもありました。 日本でも、肥料、農薬を含む農業資材の高騰で農業経営も圧迫されております。県や国による支援策が示されておりますけれども、なかなか追いついていないのが現状ではないでしょうか。 有機農業や特別栽培において、慣行栽培と比べると手間がかかり割高となりますが、農産物にはコスト上昇分を価格転嫁できる仕組みがありません。価格転嫁しやすい環境づくりについて、県のご努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(中島廣義君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、1時30分より再開いたします。     -午後零時17 休憩------------------------------------     -午後1時30分 再開- ○副議長(山口初實君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 清川議員-7番。 ◆7番(清川久義君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。 私は、昨年12月5日に五島市選挙区で行われた長崎県議会議員補欠選挙で当選させていただいた、自由民主党の清川久義と申します。 はじめての一般質問であり、少々緊張しておりますが、先輩諸氏の皆様の温かな応援をよろしくお願いいたします。(発言する者あり・拍手) 質問に入る前に、先の台風14号により被害を受けられた方々に、心からお見舞い申し上げます。 また、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。さらに、罹患された多くの方々には、心からお見舞いを申し上げる次第であります。 加えて、長期にわたり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、医療関係者や福祉関係者の皆様におかれましては、最前線の大変厳しい環境の中で、県民の命と健康を守るために、昼夜を分かたず、多大なるご尽力をいただいておりますことに、心から敬意を表し、感謝を申し上げます。 それでは、質問通告に従いまして、知事はじめ執行部の皆様に質問してまいりますので、前向きで、希望に満ちたご答弁をお願いいたします。 1、離島振興について。 (1)離島振興法の改正・延長に向けた取組について。 離島振興法の基本法である現行の「離島振興法」が、令和5年3月末で期限を迎えます。 離島振興法は、昭和28年の制定以来、6次にわたり改正・延長され、公共事業による社会資本の整備をはじめ、ソフト事業に充当できる離島活性化交付金の創設など、本土地域と比べ厳しい自然的・社会的条件にある離島地域の振興に大きく寄与してきました。 離島自治体にとって、また、離島を多く抱える長崎県にとって、なくてはならない法律であり、何としても、開会が予定されている次の臨時国会での改正・延長を実現しなければなりません。 現行の離島振興法には、離島の国家的・国民的な役割をはじめ、他の地域より厳しい自然的・社会的な条件にある離島において、人の移動や物流に関わる費用の低減、地域間交流の促進、無人化、人口の著しい減少の防止、定住促進などに取り組むための特別の措置が規定されておりますが、多くの離島地域において、人口減少に歯止めがかかってはいません。 そのため、法律の改正・延長に向けては、これらにはない、新たな考え方による施策が必要と考えますが、県では、どのような施策を新たに要望したのか、また、その要望事項の実現性はどのような状況にあるのか、知事のお考えをお尋ねいたします。 (2)情報基盤等の整備について。 先に国から示されました「デジタル田園都市構想基本方針」の柱として、デジタルの力を活用した地方の社会問題解決や、デジタル田園都市国家構想を支えるハードとソフトのデジタル基盤整備が掲げられており、離島通信基盤整備は必須でありますが、本土地区と離島地区で情報の格差が生じないよう取り組む必要があると考えています。 県としても、対応を考えておられると思いますが、離島や過疎・離島地域の5G整備は遅れていると私は思っております。 そこで、離島地区における5Gなどの情報通信網の整備を今後どのように図ろうと考えているのか、お尋ねをいたします。 2、再生可能エネルギー導入拡大について。 (1)五島市における基幹送電網の整備について。 五島市では、日本初となる「再エネ海域利用法」における促進区域に、崎山沖の浮体式洋上風力発電ウィンドファームエリアが指定されているほか、日本初となる商用スケール500キロワット規模の潮流発電実証事業が行われております。 このように、離島は、再生可能エネルギーの宝庫でありますが、本土と離島を結ぶ既設の送電線の接続可能量が上限に達しており、今後、さらなる再生可能エネルギー導入拡大のためには、基幹送電網の整備が不可欠であります。 こうした課題について、県としてどのように取り組むのか、お尋ねいたします。 3、農林水産業振興について。 (1)肥料、飼料高騰対策について。 ご存じのように、農林水産業は、国民の命を守り、国土保全の使命を担っている重要な産業であります。3年目を迎えるコロナ感染症対策の中で、食料確保の厳しさを多くの国民は学んだと思います。この間、多くの国におけるロックダウンによる生産縮小が続いた中で起きた急激な円安、これに追い打ちをかける大自然の猛威、コロナと同じように終息の見えないウクライナ危機などの影響を受け、これまでの経済システムの見直しが進められています。 原油価格や物価高騰は、県内の経済活動にも大きな影響を与え、生産現場においては、将来に対する不安が生じております。最も大きな問題は、全ての産業における資材高騰であります。 私の選挙区である五島市を支える農林水産業における影響は半端ではなく、将来に対する不安が大きくなっており、そのための緊急対策が求められています。 離島を多く抱える本県にとって、農林水産業は、離島振興の中核産業であり、離島農林水産業の衰退は、海洋の安全が脆弱化するばかりでなく、防衛問題への影響もあると言われております。そのためにも、離島の農林水産業の維持発展は、何としても守らなければならない使命を、県議会議員としていただいているのであります。 毎日、報道されているとおり、全ての物価が高騰しており、農林水産業の現場は、危機的状況であります。 そこで、農業分野における肥料や配合飼料等における高騰対策について、お尋ねします。 また、肥料の原料である窒素、リン酸、カリは、ほとんど海外からの輸入に頼っており、こうした現状が続けば、営農の継続など、影響が大きくなるのではないかと危惧するところであります。 私の地元五島市は、畜産が盛んで、地域資源である堆肥が多くあるため、こうした堆肥を活用することが、今後、重要になってくるのではないかと思うのであります。 そこで、堆肥活用促進について、県のお考えをお伺いいたします。 配合飼料対策においても同じであります。配合飼料のほとんど、また、粗飼料の一部は輸入に頼っている現状であります。 国も、飼料の国産化へと転換する対策を強化するような方針を打ち出していると伺っておりますが、本県も遊休農地や耕作放棄地の活用によって、自給飼料の増産・拡大を進めていく必要があると考えております。このことについて、農林部長の率直な考えをお尋ねいたします。 (2)五島市の農業振興について。 五島市では、畜産、畑作を中心に農業が営まれており、特に、肉用牛繁殖や養豚の大規模な畜産経営、温暖な気候を活かした高菜、ブロッコリーなどの露地野菜、アスパラガスや中玉トマトなどの施設園芸のほか、水稲、茶、葉たばこなど、様々な作目で農業が営まれております。 農林業センサスによると、本県における五島地域の農業の位置づけとしては、耕地面積で本県の総面積における割合は約11%、販売農家戸数、産出額では本県の全体からすると約5%程度でありますが、一戸当たりの耕地面積は3.3ヘクタールと、県平均1.6ヘクタールの約2倍となっており、まさに農業は地域を支える基幹産業であります。 しかしながら、農家戸数、農業就業人口ともに年々減少し、将来の五島における産地の維持の困難が危惧されます。 そこで、今後、五島の農業をどのように振興していくのか、お尋ねいたします。 (3)特定有人国境離島漁村支援交付金の積極的な活用について。 地元で浜回りをすれば、燃油をはじめ、エンジンの部品一つから漁船用のペンキに至るまで、漁業経営に関わる必要経費がかさみ、その支出額を見るたびに顔色が青ざめるという漁民の切実な声を聞きます。 このような燃油や資材高騰の状況を何とか乗り越えるために、これまでにも、県では、様々な対応を講じていただいており、これから先も、先行きが見えない、この難局を漁業者が突破できるよう、臨機応変に対策を講じていただけるようお願いするところです。 こういったコロナ禍や物価高騰といった当面の課題に対しては、漁業者にも行政からの緊急的支援などを有効に活用して、何とか乗り切っていただきたいと考えているところですが、一方、アフターコロナなど、今後の経済回復を見据えると、長期的な観点からは、様々な環境変化に対応できるよう、経営の多角化や事業拡大などを通じて、足腰を強くしていくことが非常に重要だと考えています。それが雇用の拡大にもつながってまいるし、特に、私の地元をはじめ、漁業を基幹産業とする離島地域では、このような対策が強く求められているところであります。 このような中、谷川代議士のご尽力により、平成29年度に国で創設された「特定有人国境離島漁村支援交付金」は、新たな漁業や、漁業の規模拡大を行おうとする漁業者を支援し、雇用の創出を図ろうとする制度で、これまでに多くの漁業者が活用し、離島の漁業振興や雇用対策に欠かせない制度となっています。 また、今後は、離島地域の恵まれた自然や食文化など、各漁村の特徴を地域資源として活用する「海業」といった新たな視点のビジネスが、この制度によって進展することも期待されているところであります。 ご承知のとおり、この「特定有人国境離島漁村支援交付金」は、事業期間を令和8年まで延長していただいたところで、五島市だけではなく、県、県内全ての国境離島地域の漁業者がこの制度を最大限に活用し、水産業が生き残りをかけた闘いに勝ち抜いていかなければならないと考えております。 県においても、予算の確保や事業促進など、制度の積極的な活用に向け、ご尽力いただきたいと思っておりますが、県の考えについて、水産部長の力のこもった答弁をお願いいたします。 4、健康寿命の延伸について。 (1)健康課題への取組について。 県においては、「健康長寿日本一」を旗印に掲げて、健康寿命の延伸に向けた取組を進められておりますが、私も、健康で、命が続く限り日常生活に支障がないよう暮らすことができるように、健康寿命の延伸は非常に重要な課題であると認識しております。 本県の健康課題として、特に、高血圧患者が多いことが挙げられており、これは野菜の摂取量が少ないなどの食習慣の影響が大きいことが要因として考えられます。 そのため、健康寿命の延伸に向けて、野菜の摂取量を増やすことが大変重要だと考えておりますが、国の公表資料によると、本県は、野菜の摂取量が全国ワースト1位という状況であります。 健康寿命の延伸に向けて、野菜の摂取促進の取組を強化すべきではないかと思いますが、県ではどのように取り組んでいるのか、お尋ねいたします。 5、九州新幹線西九州ルート開業効果の地域への波及について。 (1)離島への来訪意欲を高める仕掛けづくりについて。 いよいよ、9月23日に、九州新幹線西九州ルートが開業します。新幹線整備による時間短縮によって、多くの観光客が長崎県にやってくることが予想されていますし、大いにその効果を期待もするところであります。 新幹線の開業効果は、沿線自治体への直接的な効果はもちろんのこと、県全体への波及効果、また、特に、県北地区や島原半島地区、さらには五島地域への観光誘客を図らなければなりません。 私の出身の五島市においても、富裕層向けのホテルが開業して、大いに期待をしているところです。 来月、10月3日からは、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」の舞台ともなり、この新幹線開業効果との相乗効果により、コロナ禍により落ち込んだ、ここ2~3年の観光客減少後のV字回復につながるものと考えています。 そこで、本土において、鉄道を観光資源として活用し、観光列車の運行実現に向けた取組など、来訪意欲を高める取組を行っているようですが、JR路線のない離島への来訪意欲を高めるためには、地元五島市も含め、どのように取り組むのか、お尋ねをします。 また、誘客を図るに当たり、五島市内の観光地にアクセスするための良好な道路環境の確保も大変重要と考えられます。 現状においては、五島市内の観光ルート沿線の樹木が道路に覆いかぶさり、特に、バスなどの大型車両の運行に支障が出ており、樹木を避けるため、道路の中央付近に寄って走行している箇所があると聞いております。今後、島外からの観光客をおもてなしする観点から、五島島内の周遊を楽しんでいただくため、観光ルートにおいて、通行の支障となっている樹木の伐採を積極的に行う必要があると思いますが、県の考えをお尋ねします。 (2)駅周辺施設への誘客の離島への波及について。 新幹線の開業とともに、本県では、MICE施設の整備や、新しいスタジアム構想など、新たなまちづくりが進展しており、関係機関と連携して、県外から誘客を図っていくこととされておりますが、離島への波及について、どのように考えているのか、お尋ねいたします。 また、スマートフォンアプリ等による出発地から目的地までの移動手段の検索、予約、決済や情報を一元化して提供する新たなサービスであるMaaSの展開を推進すると伺っているところであり、利便性の向上による観光客の増加が期待されるところであります。 そこで、離島地域における展開をどのように考えているのか、県の見解をお伺いいたします。 (3)おもてなし活動の推進について。 新幹線開業効果として、観光客やビジネス客の増加が期待されますが、開業後は、その効果を最大化、持続化していくことが重要であり、そのためには、お越しいただいた方々に本県のリピーターとなっていただくことが必要不可欠ではないかと考えているところであります。そして、リピーター獲得のための重要な要素の一つが、各地域における官民一体の心のこもった温かい「おもてなし」であると強く感じているところです。 これまで、県は、関係自治体や観光事業者とともに連携し、新幹線開業に向け、誘客や受入体制の整備に取り組んできたものと思料しますが、その中で、特に、「おもてなし」について、その重要性をどう考え、また、どのように取り組んでいるのか、お尋ねします。 以上で、壇上からの質問を終了し、対面演壇席から再質問をさせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。 ○副議長(山口初實君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕清川議員のご質問にお答えいたします。 離島振興法の改正・延長に向けて、県としてどのような施策を要望したのか、また、その要望事項の実現性についてのお尋ねですが、県としては、令和4年度末で期限を迎える「離島振興法」の改正・延長について、県議会や関係市町のご意見も伺いながら、「新たな離島振興法に関する意見書」を取りまとめ、要望活動を実施してまいりました。 私も知事就任以降、政府・与党などに対し、政府施策要望をはじめ、機会を捉えて強く要望してきたところであります。 要望活動においては、これからの離島振興のあり方として、離島のデジタル化に向けた情報通信基盤の整備・充実に加え、ICTや人工知能といった最新技術を活用したスマートアイランドの推進のほか、再生可能エネルギーの実用化による新たな産業・雇用の創出など、従来の枠組みにとらわれない、次の時代に合った施策を講じるよう、強く求めたところであります。 こうした中、本年2月に示された与党の「新しい離島振興の基本方策(大綱)」などにおいては、今後の振興施策として、離島のデジタル化を支える情報通信基盤の整備のほか、遠隔医療、教育やドローン、自動運転などの実装に向けた支援、風力や潮力などの再生可能エネルギーの活用など、本県から提案・要望した施策の数多くの施策が反映されております。 現在、このような大綱等を踏まえながら、改正法案の最終調整が進められており、本年、秋の臨時国会において成立を目指されていると伺っております。 県としては、改正法案の早期成立を期するとともに、成立後は、実効性のある離島振興計画を速やかに策定し、関係市町と一体となって離島地域のさらなる振興に努めてまいります。 残余のご質問については、関係部局長から答弁をさせていただきます。 ○副議長(山口初實君) 企画部長。 ◎企画部長(浦真樹君) 私から、2点お答えをさせていただきます。 まず、情報基盤等の整備について、今後の離島における5Gの整備に関するお尋ねであります。 県といたしましては、デジタル化やDXの推進による地理的・地勢的な条件不利の解消や、県民の皆様の安全・安心で豊かな生活の実現のためには、5Gなどのデジタル基盤の整備は必要不可欠なものであると考えております。 そのため、国に対し、令和5年度政府施策に関する提案・要望において、5G基地局の地方における確実な整備について、通信事業者へ働きかけるよう要望いたしますとともに、各通信事業者等と5G基地局の整備について、意見交換も進めてきているところであります。 今後、離島地域においても、自動運転やスマート水産業などの分野における5Gの活用ニーズが高まってくるものと考えておりますので、こうした具体的事例を示しながら、通信事業者の皆様に対し、基地局整備を促してまいりたいと考えております。 次に、MaaSの離島地域における展開についてのお尋ねでありますが、MaaSについては、令和2年度に離島航路・航空路の関係者を含む交通事業者等で構成する「長崎県MaaS導入推進協議会」を県主体で設置し、県内各地域への導入に向けた検討を重ね、令和3年度には、「長崎県MaaS導入指針」を策定いたしました。 同指針におきましては、実証可能なエリアからMaaSを展開し、段階的に各地域へと接続をしていき、最終的には、全県下への導入を目指すこととしております。 こうした中、まずは関係者間の調整が整った本土地域の交通事業者が中心となって、本年4月に「長崎県MaaS実行委員会」が設立をされ、8月から具体的なサービスが開始をされたところであります。 今後、県といたしましては、導入指針に基づき、離島地域も含めたエリアの拡大を図るため、実行委員会とともに、各地域の事業者の参画を促進してまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 今後、さらなる再生可能エネルギー導入拡大のためには、基幹送電網の整備が不可欠であるが、県としてどのように取り組むのかとのお尋ねですが、2050年、カーボンニュートラルに伴う国の「グリーン成長戦略」において、再生可能エネルギーの最大限の導入を目指している中、本県としては、我が国のグリーン産業先進県として貢献していくため、再生可能エネルギーの導入を拡大していきたいと考えております。 このため、国のマスタープラン策定に当たっては、離島から本土までの送電網を整備するなど、離島地域の再生可能エネルギー導入拡大に向けたプランとなるよう、国に対し要望しているところであります。 今後とも、広大な海域があり、洋上風力発電などの導入ポテンシャルが高い本県の強みを活かし、再生可能エネルギーの導入を促進することにより、我が国のカーボンニュートラルに貢献してまいります。 ○副議長(山口初實君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 私の方から、4点お答えをさせていただきます。 まず、肥料や配合飼料における県の価格高騰対策についてのお尋ねですが、肥料の高騰対策については、県の6月補正予算において、施肥量を節減できる機械等の導入支援を計上したところ、多くの要望があったことから、本議会に予算の増額を提案したほか、堆肥の有効活用による肥料価格の抑制のために、JAグループが実施する堆肥ペレット製造装置の導入への支援についても本議会に提案をしております。 また、国において、新たに肥料コスト増加分の7割を補填する事業が打ち出されており、県としましても、機械等の導入支援の効果の発現が次年度以降となること等を踏まえ、当面の対策についても早急に検討したいと考えております。 次に、飼料高騰対策については、6月補正予算において、セーフティネットである配合飼料価格安定制度の生産者積立金の増額分の一部を支援したところです。 なお、今月9日には、国において、生産コスト削減等に取り組む生産者の飼料コスト上昇分を補填する緊急対策が打ち出されたところであります。 今後とも、肥料や飼料価格の状況等を注視しながら、県内の農業者が将来も安心して営農を継続できるよう、関係機関と連携し、県としてしっかり対応してまいります。 次に、堆肥の活用促進についてのお尋ねですが、堆肥は、土壌改良や養分の補給効果があり、特に、畜産業が盛んな五島市においては有効な肥料資源でありますが、運搬や散布などの取り扱いに労力がかかることから、広域流通や利用が難しい状況にあります。 一方、堆肥を加熱圧縮して整形化したペレット堆肥は、従来の堆肥と比較して、重量や容積が約4割低減でき、保管、運搬及び散布性に優れていることから、JAグループが計画している堆肥ペレット製造装置導入に対する支援について、9月補正予算として提案しております。 堆肥のペレット化の取組により、堆肥の活用を促進するとともに、肥料コストの低減にもつなげてまいりたいと考えております。 次に、自給飼料の増産についてのお尋ねですが、本県では、これまでも肉用牛の生産コスト低減に向け、自給飼料の増産や面積拡大に取り組んできておりますが、輸入飼料価格の高騰が続いていることから、こうした取組をさらに加速化させていく必要があると考えております。 具体的には、飼料作物の中でも収量性の高い「たちすずか」などの県奨励品種の活用や、荒廃農地等を活用した放牧の推進、耕種農家等と連携した飼料作物生産の外部委託化等をさらに進めることで、自給飼料の増産と利用拡大を図ってまいります。 次に、県は、今後、五島の農業をどのように振興していくのかとのお尋ねですが、県では、これまで、五島地域において、農地の基盤整備や集出荷施設の整備、労力支援、牛舎やハウスなどの施設整備に対する支援などの施策を進めてきた結果、令和2年の農業産出額は、20年前と比較して、肉用牛が倍増の25億円、いも類を含む野菜が1.4倍の26億円と、肉用牛と野菜が五島地域の農業を牽引する基幹作物となっております。 今後も、生産者や農業団体と一体となり、農地の基盤整備やスマート農業などを推進することにより、肉用牛や園芸作物等の規模拡大や生産性向上につなげ、五島地域のさらなる農業振興に取り組んでまいります。 ○副議長(山口初實君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 私から、1点お答えいたします。 特定有人国境離島漁村支援交付金の積極的な活用について、県はどのように考えているかとのお尋ねですが、県では、本交付金の積極的な活用に努めており、平成29年度の制度開始から今年度までに、漁業、養殖業の規模拡大など、89件に対して支援を行っております。 具体的な取組事例として、五島地区において定置網漁業の規模拡大により、水揚額が4倍近くに増加し、雇用拡大を図った経営体も出ており、県全体では、今年度までに131名の雇用につながっております。 今後も、市町と連携しながら、新たな漁業の導入や事業規模の拡大を進めるとともに、アフターコロナを見据え、観光の視点を取り入れた海業の推進も図るなど、離島漁業集落の維持発展に力を注いでまいります。 ○副議長(山口初實君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 健康寿命延伸のため、野菜の摂取促進に向けて、県ではどのように取り組んでいるのかとのお尋ねについてでございますが、本県の健康課題として、高血圧外来患者数が全国ワースト2位、循環器系疾患入院患者数が全国ワースト6位と、大変多いことが挙げられます。 これは、野菜の摂取量や一日歩行数が少ないといった生活習慣が一因と考えております。 このような状況を踏まえ、野菜摂取促進を図るため、農産物直売所と連携した旬の野菜を活用したレシピ集の作成・配布や、ヘルシーメニューを提供する「健康づくり応援の店」における野菜摂取促進キャンペーンに取り組んでまいりました。 今年度からは、新たに「長崎健康革命」をキャッチフレーズに掲げ、食生活の改善のため、減塩と野菜摂取促進対策に重点的に取り組むこととしております。 具体的には、毎月8日を「減塩・野菜の日」として広く周知し、11月には、県内大手スーパーマーケットと連携して、「減塩・野菜摂取促進イベント」を実施するなど、取組を強化いたします。 多くの県民の皆様に、地元の新鮮な野菜を、野菜ならではの素材の旨味を活かすことで、減塩しながら野菜の摂取促進を心がけていただけるよう、普及啓発に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 私からは、九州新幹線西九州ルート開業効果の地域への波及につきまして、3点答弁させていただきます。 五島市におきましては、議員も触れられたとおり、ホテルの開業が相次ぎ、また、来月から放送されますNHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」の舞台となるなど、誘客に向けまして大きなチャンスを迎えております。 そうした中で、離島への誘客を強力に推進していくため、国境離島交付金を活用いたしまして、体験プランと交通・宿泊がセットになった旅行商品を販売する、しま旅滞在促進事業により誘客を図っているところでございます。 また、県・市一体となりまして、地域資源を活用した魅力ある滞在型観光コンテンツの磨き上げにも取り組んでおり、これまで「星空ナイトツアー」や「五島列島キリシタン物語」といった着地型旅行商品の造成を行ったところでございます。 今後も、地元市町とも連携し、体験プランの充実によるさらなる修学旅行の誘致や、釣りやサイクリングと食をセットにいたしましたコンテンツ開発など、豊かな自然や伝統芸能といった地域資源を活かした取組を進めることで、しっかりと誘客の促進を図ってまいります。 次に、開業に向け、関係機関と連携して県外からの誘客を図るとしているが、離島への波及について、どのように考えているかとのお尋ねでございます。 新幹線開業や長崎駅周辺施設の再開発による誘客効果を県内各地に波及させることは、大変重要であると考えております。 そのため、県におきましては、新幹線などで訪れた多くの観光客に、離島へも周遊していただくため、二次交通マップを作成し、駅や観光協会などに配布をしているほか、離島航路事業者の周遊プラン造成などにも支援を行っているところでございます。 また、東大阪市や五島列島が舞台となる「舞いあがれ!」の放送を契機とした関西圏からの送客につきましても、JR関係者への要請を行ったほか、様々な機会を捉えて情報発信を行い、離島への誘客を、これまで以上に促進してまいりたいと考えております。 このほか、民間におきましても、交通事業者が長崎港ターミナル経由の観光ルートバスを運行いたしておりまして、アクセス向上を図っているほか、長崎国際観光コンベンション協会では、五島への送客促進にも取り組んでおります。 新しい長崎駅は、その先に港を見渡すことができ、駅としまの間は航路でつながっております。 県といたしましては、しまへも送客していくという強い思いを持って、今後もしっかりと誘客促進に取り組んでまいります。 最後に、「おもてなし」について、その重要性をどう考え、また、どのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。 県におきましては、「おもてなし」を観光振興の重要な要素と捉えており、平成21年度から、「長崎県総おもてなし運動」を開始し、関係自治体や各地域の観光協会、宿泊施設のスタッフやタクシードライバーなどの観光関連事業者の皆様に、「おもてなし」の意識を醸成するワッペン着用の普及を図ってまいりました。私も着けさせていただいている、この黄色のワッペンでございます。(ワッペン掲示) 平成29年度からは、県内宿泊施設の皆様を対象としたコンシェルジュの認定制度を設けまして、宿泊施設の質の向上と、お客様に満足いただけるサービスの提供を促進しております。 また、令和3年1月から、高齢の方や障害をお持ちの方などにワンストップで対応する相談窓口といたしまして、「長崎県ユニバーサルツーリズムセンター」を長崎空港内に設置いたしております。西九州新幹線開業を契機に、長崎駅の観光案内所とユニバーサルツーリズムセンターをオンラインで結んでのサービスの提供などにも取り組むことといたしております。 さらに、西九州新幹線開業に向けた民間の取組といたしまして、県内の経済団体青年部を中心とする開業準備実行委員会において、駅での手振り、旗振りによる歓迎のお出迎えや、子どもたち向けのワークショップなどにも取り組んでいるところでございます。 県といたしましては、市町や民間を含む関係団体と連携し、引き続き、本県を訪れる皆様に心のこもった「おもてなし」を提供することで、お客様の満足度向上に努めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 通行の支障となっている樹木の伐採を積極的に行うべきではとのお尋ねですが、道路上に覆いかぶさっている道路区域内の樹木の伐採については、日々の道路巡視などで確認した際に、その都度、支障範囲の除去に努めています。 しかしながら、道路区域外の民地から張り出す樹木については、所有者による除去が原則であることから、所有者確認が必要となるなど、対応に時間を要する場合があります。 今後も、安全・安心な道路空間の確保のため、通行の支障となる樹木の伐採を迅速に行えるよう、現地の状況や所有者情報などの事前把握に努め、適切な道路の維持管理を実施してまいります。 ○副議長(山口初實君) 清川議員-7番。 ◆7番(清川久義君) それぞれの答弁ありがとうございました。残った時間、幾つかの項目について、再質問をさせていただきます。 先ほど、知事から、離島振興法の延長について、ご答弁をいただきました。 ご承知のとおり、この「離島振興法」は、海洋権益をめぐる国際環境が変化しつつある現在にあって、離島がこれらの役割を十分に発揮するためには、持続的に人が定住していくことが不可欠です。離島住民が、そのしまで、安全・安心、そして、快適な生活を維持していくことは、国の運命を左右するといっても過言ではありません。 国の責務を通して、より実効性の高い離島振興方策を確立するためにも、県当局においては、来る令和5年3月末日をもって失効する「離島振興法」の改正・延長が早期に可決されるよう、国に対して強く働きかけていただくとともに、県内関係自治体と連携し、引き続き、効果的な離島振興施策に取り組んでいただくことを切望いたします。 次に、五島市の農業振興について、お尋ねします。 先ほど部長から、露地野菜や肉用牛の規模拡大、生産性の向上対策について取り組んでいくという答弁がありましたが、具体的にはどういった取組を進めていくのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山口初實君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 五島地域の農業振興に向けた具体的な取組といたしましては、まず、肉用牛においては、畜産クラスター事業を活用した牛舎の建設や繁殖雌牛の導入、自給飼料の生産拡大、繁殖雌牛の行動をデータで記録・管理し、分娩感覚を短縮するスマート機器の導入などによりまして、増頭や子牛出荷頭数の拡大を図ってまいります。 また、施設園芸では、光合成能力を最大化する環境制御技術による収量、品質の向上、露地野菜では、かぼちゃ、甘藷等の契約栽培による出荷調整作業の省力化や、外国人材を活用した労力支援による規模拡大などに取り組み、五島地域においても、快適でもうかる農業経営を実現してまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 清川議員-7番。 ◆7番(清川久義君) もうかる農業の具体的な取組については、理解をしました。 一方で、先ほど申しましたけれども、農業就業人口など、農業に従事する人が減少している現状においては、後継者を確保する取組も非常に重要ではないかと考えます。後継者確保の取組について、どのように進めていくのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山口初實君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 県では、産地自らが就農希望者を受け入れ、農業の基礎知識を学ぶ講義と、栽培技術を習得する先進農家での実習の2本柱で新規就農者の育成・確保を行うJAの研修機関の立ち上げを支援しております。 五島地域においても、JAごとうが本年5月に研修機関を設立し、現在、肉用牛や野菜の研修生を募集しているところでございます。 今後とも、関係機関と連携し、こうした産地主導型による新規就農者の育成を進めるとともに、就農時の農地の確保や、施設機械の導入等の支援を一体的に行うことで、UIターン者など、後継者の確保につなげてまいります。 ○副議長(山口初實君) 清川議員-7番。 ◆7番(清川久義君) もうかる農業への実践に向けた取組、そして、後継者確保の取組については、理解をいたしました。 後継者を確保するには、もうかる農業の実践はもとより、地域の豊かな自然に根づいた農業、また、地域の食文化を支える農業というものをもっともっと理解してもらう必要があるかと思います。そのためには、地場産の農産物などを食し、生産者や生産物を理解することが重要であり、地産地消を進める取組も必要だと考えます。学校給食に地場産の農産物を活用することも一つの手でありますが、学校給食を含めた地産地消の取組をどのように進めていくのか、お尋ねいたします。 ○副議長(山口初實君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 地産地消は、県産農産物の利用拡大に加え、県民の皆様に農林業への理解を深めていただく食育推進の観点からも大変重要な取組であると考えております。 そのため、ホームページ等による直売所や旬の農産物などの情報発信をはじめ、県産食材を用いた料理を提供する「ながさき地産地消こだわりの店」の登録推進、生産者と消費者の交流の場となる「ながさき収穫感謝祭」の開催支援等を行っているところです。 また、学校給食においては、教育庁と連携して、11月の地場産物使用推進週間中に、「県内まるごと長崎県給食の日」を設けるなどの取組を行っているところです。 今後とも、生産者、関係機関と一体となって地産地消の取組を推進してまいります。 ○副議長(山口初實君) 清川議員-7番。 ◆7番(清川久義君) 次に、先ほど水産部長から答弁をいただきましたが、漁業を基幹産業とする離島地域の将来を考えるうえでは、漁業者が漁村に住んで、地域を支えていくことが重要と考えます。 しかしながら、平成25年から平成30年の5年間で、本県全体で約2割の漁業者が減少しており、このまま減少が進めば、漁業を支える漁業者がいなくなり、漁業生産力の低下とともに、漁村地域の活力が低下していくことが危惧されるところであります。 漁業生産と地域の活力を維持していくためには、漁業者を残していくことが重要であり、その対策の一つとして、担い手となる新規漁業就業者を呼び込み、地域に残していくことが必要だと思います。 県として、新規漁業就業者の確保・育成について、どのような取組を進めているのか、お尋ねします。 ○副議長(山口初實君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 県では、SNSでの漁業の魅力発信をはじめ、県内高校生を対象とした就業支援フェアや、オンラインによる就業相談会の開催、全国漁業就業フェアへの出展など、漁業就業希望者の呼び込みに取り組んでおります。 また、就業希望者に対しては、就業前後の技術習得研修など、切れ目のない漁業就業者育成対策を展開しておりまして、昨年度は192名の方が新規に就業いたしました。 今後も、漁村地域の活力維持に向けて、新規就業者の確保・育成に努めてまいります。 ○副議長(山口初實君) 清川議員-7番。 ◆7番(清川久義君) 次に、九州新幹線西九州ルートの開業効果の波及については、先ほどいろいろと答弁をいただきましたが、私は、新幹線開業による効果が県下全域に波及効果をもたらす必要があると思っています。沿線以外にお住いの県民の皆様も、私の考えに賛同していただけるものと思っております。 開業に向け、一過性の観光誘客にとどまることのないよう、県内各自治体とも連携をし、持続して観光客など交流人口の拡大を図っていただきたいと思います。 五島市の観光産業は、新型コロナウイルス感染症により甚大な影響を受けており、早期にV字回復を図る必要があります。 こうした状況の中、特に、1月及び2月の閑散期における入込み客の低迷は、五島市にとって長年の課題であり、冬季にも観光客の皆様に満足していただけるよう、地域の魅力をさらに磨き上げていくことが、コロナ禍の中において、これまで以上に必要であると実感しているところであります。 五島市には、西海国立公園や椿に代表される豊かな自然環境とともに、世界遺産や日本遺産など、歴史的・文化的資産、そして新鮮な魚介類や野菜、五島牛、椿油、五島手延べうどんなど、多くの魅力的な観光資源に恵まれております。 こうした全国に誇れる五島市の観光資源を活かした地元の取組を、これまで以上にバックアップしていただきたいと思いますが、改めて県の考えをお伺いいたします。 ○副議長(山口初實君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 五島市は、本年1月には「日本ジオパーク」に認定をされまして、また、先ほど答弁させていただきましたが、8月には2つのリゾートホテルがオープンされるなど、さらなる観光の活性化が期待されているところでございます。 こうした状況下で、五島市では、近年増加をいたしておりますUIターン者の中で、宿泊や体験、あるいは旅行事業に従事されている方々を中心といたしまして、観光客や、あるいはワーケーションの受入れ体制を充実させるような動きも生まれてきているところでございます。 こうした方々のご意見も十分お聞きしながら、市や地元と一体となりまして、国境離島交付金を活用して、地域の観光資源を最大限に活かした滞在型観光コンテンツの磨き上げですとか、あるいは全国に向けて、各種媒体を通した効果的なプロモーションを県としても積極的に展開いたしまして、地元の取組をしっかりと後押しをしてまいりたいと考えております。 ○副議長(山口初實君) 清川議員-7番。 ◆7番(清川久義君) また、先ほど、誘客の観点から、樹木の伐採について答弁をいただきましたが、島内の住民の方、特に、通学路において、草木が覆いかぶさっている状況も見受けられますので、その点についても検討をいただきたいと思います。 確かに、道路沿いには、越境して樹木が倒れこんで、車等の事故もあっているようなことも耳にしておりますので、どうかその辺は、地域のその土地の所有者等もしっかりと把握していただいて、できるところから進めていただければと、そのように思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 以上で、私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(山口初實君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、2時40分から再開いたします。     -午後2時27分 休憩------------------------------------     -午後2時40分 再開- ○議長(中島廣義君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) (拍手)〔登壇〕15番、自由民主党、南島原市選出、中村一三でございます。 議長の許可をいただきましたので、県政一般質問を行います。 質問の前に、大型台風第14号により災害に遭われた方々に対しまして謹んでお見舞いを申し上げます。被災地の一日も早い復興を心より祈念申し上げます。 また、本日は、遠い遠い南島原市から傍聴においでをいただきまして、誠にありがとうございます。 質問通告に従いまして、分割質問で行います。 今回も質問は多岐にわたりますが、島原半島、南島原市の諸課題にわたり質問をいたします。 答弁は、簡潔明瞭にお願いをいたします。 1、新型コロナウイルス感染症対策と本県財政について。 (1)これまでの新型コロナウイルス感染症対策について。 令和2年2月、本県ではじめて新型コロナウイルス感染症の発生が確認されて以降、その後の急速な感染拡大によって、本県の様々な分野や業界、さらには県民生活に大きな影響を受けてまいりました。 そうした中、県においては、これまで数次にわたる補正予算を編成し、感染症の予防・拡大防止と県民生活の安全・安心確保対策及び社会経済活動の回復・拡大とポストコロナを見据えた産業振興、交流拡大対策として、様々な感染症対策を講じられてきたところであります。 その総額と対策の主な内容はどうなっているのか、お尋ねをいたします。 (2)財源確保について。 ①財源の状況について。 コロナ対策予算の財源については、国が創設した新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を最大限に活用するとともに、財政調整基金についても取り崩しながら対応してきたものと認識をしておりますが、これまでのコロナ対策の財源はどうなっているのか、お尋ねをいたします。 ②今後の財源確保について。 国においては、本年6月に公表された「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」の中で、感染収束後、早期に地方財政の歳出構造を平時に戻すとされておりますが、一方で、現在もなお、これまでに経験したことがない水準での感染拡大が続いている状況であり、今後も、感染予防・拡大防止対策、社会経済の回復・拡大対策など、コロナ対策事業を着実に実施していくことが重要だと考えております。 加えて、感染収束後においても、コロナ禍の影響の長期化や物価高騰などによる疲弊した本県の経済、雇用情勢の早期回復のためにも、必要な財源を積極的に確保していく必要があると考えますが、こうした状況に対して、県はどのように対処していこうとしているのか、見解をお尋ねいたします。 あとは、対面演壇席で質問をいたします。 ○議長(中島廣義君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 私から、2点お答え申し上げます。 1点目、これまでのコロナ対策事業の総額と対策の主な内容についてということでございます。 本県は、新型コロナウイルス感染症対策といたしまして、令和元年度から本議会に提案しております令和4年度9月補正予算までに、総額といたしまして約3,192億円の予算を計上させていただいております。 主な内容といたしましては、2本ございますけれども、1本目としましては、感染症の予防・拡大防止と県民生活の安全確保対策といたしまして、医療提供体制の整備ですとか、検査体制の充実、強化、あるいは生活に困窮されている方々への支援等に対しまして約1,389億円、また、もう一つの柱としましては、社会経済活動の回復・拡大対策といたしまして、営業時間短縮協力金ですとか、事業継続のための給付金、あるいは観光関係等のサービス産業、製造業、農林水産業などの各分野における対策等に対しまして約1,803億円の予算を計上いたしまして、各種事業に取り組んできたという状況でございます。 もう一点、財源の状況ということでございますけれども、主な財源といたしましては、議員ご紹介をいただきました地方創生臨時交付金、これが約729億円ございます。これを含めました国庫支出金が約2,176億円という形でございます。 また、事業者の資金繰りに必要な金融機関への預託に係る、これは諸収入でございますけれども、こちらが約926億円、財政調整基金繰入金等の一般財源、こちらが約25億円という状況でございます。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 私から、1点お答えさせていただきます。 コロナ対策事業の着実な実施や感染症収束後の経済、雇用情勢の早期回復に必要な財源を確保するために、県はどのように対処していこうと考えているのかとのお尋ねでございました。 新型コロナウイルス感染症拡大の長期化や物価高騰などにより疲弊した県内経済の回復、拡大に向けては、国と地方が総力を挙げて取り組んでいくことが重要であり、さらなる地方財源の確保が必要不可欠であると考えております。 そのため、これまでも政府施策要望など様々な機会を捉え、地方の一般財源総額の確保はもとより、地方創生臨時交付金の増額や感染症の収束後に地方が迅速に経済、雇用対策に取り組めるよう、地方の実情を踏まえた新たな財源措置を講じることなどについて、国への要請を重ねてきたところでございます。 県としましては、県民の皆様の生活や事業者の方々の社会経済活動をしっかり支えていくために、各種対策に全力で取り組んでいくとともに、引き続き、全国知事会等と連携をしながら、国に対して、財源措置の充実、強化を強く訴えてまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) それぞれのご答弁ありがとうございました。 先ほど部長答弁の中で、地方創生臨時交付金729億円を含む国庫支出金が約2,176億円、財政調整基金などの一般財源を約25億円充当しているとのことでありますが、今回のコロナ対策や近年激甚化する自然災害への対応のように、県民の生命や財産に関わる緊急的な課題に対して、今後も迅速かつ確実に対応していくためには、国への働きかけに加えて、県税や財産収入等の自主財源を確保し、しっかりとした財政基盤を構築することが必要と考えますが、県としては、どのように考えているのか、お伺いいたします。 ○議長(中島廣義君) 総務部長。 ◎総務部長(大田圭君) 本県は、自主財源に乏しく、脆弱な財政構造にありますことから、これまでも国に対しまして、地方税財源の充実、確保を要望するとともに、本県といたしましても、累次の行財政改革に取り組んできたということでございます。 自主財源の確保といたしましては、行財政運営プランに基づきまして、例えば、県税徴収率の向上ですとか、ふるさと納税の推進、あるいは県有財産の売却、有効活用などの歳入確保対策に取り組んでいるという状況でございます。 また、県内経済の活性化によりまして税源の涵養を図るために、企業誘致ですとか、あるいは新たな基幹産業の創出といったことをはじめといたしまして、農林水産業の収益性向上や観光振興など、産業施策を積極的に推進しております。 今後とも、健全な財政運営を目指しまして、自主財源の確保、充実に努めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) 今後も、財源をしっかりと確保しながら、コロナ対策を確実に講じられることを要望しておきます。 2、原油価格・物価高騰による対策について。 (1)中小企業対策について。 ①県のコロナ関係融資の実績額について。 我が国においては、長引くコロナ感染症により、国民生活や社会経済への影響が依然として続いております。 加えて、ロシアのウクライナ侵攻などを受けて、原油をはじめとするエネルギーや原材料価格等が高騰し、国民生活や社会経済活動にさらなる追い打ちをかけております。 このような中、県内事業者は、国、県、市町の様々な支援を受けながら、少しずつ日常の経済活動を取り戻すための懸命の努力を行っております。 県当局におかれましても、コロナ禍で影響を受けた県内事業者の資金繰り支援をするため、令和2年3月に、いち早く県の制度資金の緊急資金繰り支援資金を発動され、その後、国の無利子、無担保の制度を活用した運用を図ったり、貸付枠を拡大されている等、随時、必要な対策を実施されてきたものと承知をしております。 そのような結果、現在のところ県内の事業者の倒産件数については、コロナ禍の前とあまり変わらない、同程度の水準になっているとお聞きをしているところであります。 そこで、県の制度資金である緊急資金繰り支援資金の活用件数と融資額をお伺いいたします。 ②今後の支援策について。 コロナ関係の融資を受けている事業者からお聞きするのは、無利子の取扱いは借入れから3年間の限定の制度でありますが、それが終了して融資の返済が開始されるタイミングとロシアのウクライナ侵攻や急激な円安の進行等の影響を受けて原油価格や物価の高騰が長引き、歯止めがかからない状態とが重なることが非常に苦しいという切実な声があります。私としても、せっかくコロナ禍の中で頑張っている事業者に寄り添って支援を講じるべきであると考えております。 このような声に応えるため、県としては、どのような支援を行っており、今後どのように考えているのか、お伺いいたします。 (2)生活困窮者への支援について。 ①生活福祉資金の現状と今後の返済について。 コロナ禍の影響を受け、休業や失業等により収入が減少した世帯に対しては、令和2年3月から、生活福祉資金の特例貸付けが実施をされております。 これまでの貸付け実績を見ますと、令和4年8月末現在で、延べ約2万7,700世帯、約104億円となっており、申請期限は本年9月末までと伺っております。 貸付けを利用された方は、新型コロナ禍の影響に加え、物価高騰により、今もなお生活困窮が続いている方も多いのではないかと思います。 このため、本来は返済が必要な貸付けとはいえ、計画どおり返済ができない方も数多くおられるのではないかと心配をしているところであり、このような方については、償還免除などの救済措置があるとお聞きしております。 こうした救済制度をしっかり周知して、また手続が複雑にならないよう十分配慮していただくことが必要と考えますが、県として、どのように対応するのか、お伺いをいたします。 ○議長(中島廣義君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 私の方から、2点お答えいたします。 県の制度資金である緊急資金繰り支援資金の活用件数と融資額についてのお尋ねですが、県の制度融資である緊急資金繰り支援資金の保証承諾状況は、直近の令和4年8月末現在において、延べ件数が1万1,663件、保証承諾実績額が約1,760億6,700万円となっております。 次に、事業者の声に応えるために、県としては、どのような支援を行っており、今後どのように考えているのかとのお尋ねですが、コロナ禍の長期化に加え、原油価格・物価高騰などの影響を受け、県内中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しており、今後も予断を許さない状況であるものと認識しております。 こうしたことから、県では、事業者の資金繰りを支援するため、様々な関係者の声を聞きながら、本年6月には、県の制度融資に、原油・原材料価格の高騰に対応する新たな区分を追加するとともに、本定例会においても、借換えなどの資金需要の増加等に対応するための融資枠の拡大に必要な関係予算を提案しているところであります。 あわせて、事業者がコロナ禍を踏まえた新分野への展開による経営多角化など、事業の再構築を図るための先進的な取組に対しても支援措置を講じてまいります。 引き続き、社会経済情勢を注視しながら、事業者の実態把握に努めつつ、緊張感を持って対応してまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 生活福祉資金の現状と今後の返済について、償還免除の周知や手続について、どのように対応するのかとのお尋ねについてでございますが、令和4年3月末までに貸付けを利用された方については、令和5年1月から償還がはじまりますが、借受人と世帯主が住民税非課税の場合は、償還が免除されることとなっております。 そのため、貸付けの実施主体である県社会福祉協議会において、全ての貸付け利用者に対し、償還や償還免除に関する手続をお知らせするとともに、コールセンターを設置し、問合せに対応しているところです。 また、県社会福祉協議会がご本人の同意を得たうえで税情報を市町から取得し、償還免除対象世帯の手続を簡略化して負担軽減を図っております。 県としましても、全世帯広報誌等を通じて、これらの周知に努めるとともに、市町と連携して、生活困窮者の多様な支援ニーズに対応するよう、継続的な相談支援を実施してまいります。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) それぞれ答弁ありがとうございました。 先ほどの生活福祉資金の償還免除の件ですけれども、これは住民税非課税だったら、全ての家庭に免除が出ると思うんですけれども、ある程度、これを知らない方が結構多いんですよね。だから、その辺の周知の徹底をしていただきたいと思います。 それと、申請期限が今月の9月30日までということになっておりますので、残すところ、あと10日間ですので、迅速な対応をお願いしたいと思っております。 最初の方の再質問をいたしますが、事業者や関係者に対する支援策の周知徹底として、原油価格・物価高騰の影響により、県下の社会経済情勢は今日、非常に厳しい状況であります。 県が資金繰りの制度創設をはじめ、様々な施策を講じることについては、私も一定は理解をしております。 一方で、このような施策は最大限に活用してもらわなければ意味がないというふうに思っておりますけれども、そのために、実際使ってもらいたい事業者だけでなく、適切なアドバイスを行う商工団体等の関係団体、さらには融資を実行する金融機関など、幅広い県下の関係者に対して周知や情報提供を行う取組が重要であると考えますが、この点について、県はどのように進めているのか、お伺いいたします。 ○議長(中島廣義君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 県といたしましても、事業者向けの支援施策については、県内各地域の皆様にお届けし、その活用を促すことが重要であると考えております。 そのため、去る9月9日には、行政と商工、金融などの関係団体から構成されます「長崎県緊急経済雇用連絡会議」を開催のうえ、経済雇用情勢や各機関の支援策の情報共有を図るとともに、今後も連携して取り組んでいく方針を確認したところであります。 引き続き、事業者の事業継続に必要な支援が行き届きますよう、様々な媒体やルート、機会を活用しながら情報提供、周知に努めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) しっかりと、よろしくお願いいたします。 3、農業行政について。 (1)南島原市における農業振興について。 南島原市では、いちごやとまとなどの施設園芸や果樹、畜産、ばれいしょ、水稲、葉たばこなど、様々な作物で生産性の高い農業が営まれており、令和2年、農業産出額は240億円と県全体の16%を占め、農業の中心的形態である認定農業者も令和2年度は944名と県全体の18%を占めるなど、県下でも有数な農業地帯でもあります。 しかしながら、他地域に比べて耕地面積に占める中山間地域の割合が高く、小区画で不整形な圃場も多いことや、高齢化に伴う農業従事者の減少などにより耕作放棄地が増加するなど、南島原市の農業を取り巻く環境は非常に厳しい状況となっております。 こうした中、南島原市においては、基幹産業である農業の振興を図るために、農地基盤整備の推進に加え、スマート農業技術の導入拡大や環境にやさしい農業の取組拡大に向け、生産者や関係機関が一体となって取り組まれております。 今後は、このような取組を積極的に進めていくことが必要だと考えますが、以下の4点につきまして、県の見解をお伺いいたします。 ①農地の基盤整備について。 県では、担い手への農地集積による規模拡大や大型機械の導入等による生産性向上を図るため、農地の基盤整備を進められており、整備に取り組まれている農家の皆様は、整備後の営農に大きな期待を寄せられているところです。 そこで、現在、南島原市で進められている農地の基盤整備事業実施地区の進捗状況と今後の新規地区の予定について、お伺いいたします。 ②スマート農業の推進について。 県では、生産性の向上や省力化、軽労化を図るため、スマート農業を推進していますが、南島原市では、昨年3月、「南島原市スマート農業協議会」を設立し、農業後継者の定着、生産現場における省力化や効率化の実現に向け、活動を行っています。 スマート農業の推進に当たっては、南島原市と積極的に連携し、取り組んでいただきたいと考えますが、県では、市において、どのようにスマート農業を推進しているのか、お伺いをいたします。 ③有機農業の推進について。 南島原市では、市や地元の生産者による「南島原オーガニック協議会」を立ち上げ、化学肥料や農薬を使わない有機農業で市を活性化しようと、生産、加工、流通、消費の課題解決に向けた先導的な取組を行っています。 国は、2025年まで、全国で100市町村程度のオーガニックビレッジを創出するとしていますが、持続可能な農業、付加価値の高い農業を目指す南島原市の取組について、どのように把握し、今後の課題と取組について考えているのか、お伺いをいたします。 ④果樹振興対策について。 南島原市は、かんきつ類、落葉果樹などの多くの品目を栽培する産地ですが、山間地で狭い農地が多く、果樹生産者の高齢化は顕著であり、栽培面積、担い手の減少が進んでおります。 そこで、南島原市では、「南島原果樹フロンティア協議会」を設立し、果樹生産者の人材育成や産地のPR等の活動がはじまったところでありますが、県では、このような条件不利地域における果樹の振興に向けて、どのような対策を考えているのか、お伺いいたします。 ○議長(中島廣義君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 私の方から、4点お答えさせていただきます。 まず、南島原市の農地基盤整備事業の進捗状況と今後の予定についてのお尋ねですが、現在、南島原市における農地の基盤整備事業は、4地区、208ヘクタールの整備を実施しているところであり、令和3年度末の進捗状況については、事業費ベースで、空池原地区が91%、見岳地区が82%、馬場地区が9%、津波見地区が2%となっております。 また、今後の新規地区の予定としましては、有家中部地区、有馬干拓地区の事業推進を図っているところであり、今後とも、市や関係団体と連携し、早期の事業着手に向けて、地域の合意形成を進めてまいります。 次に、南島原市におけるスマート農業の推進についての県の考えについてのお尋ねですが、スマート農業の推進は、農業所得の向上や省力化を図るうえで重要な施策であることから、県では、「長崎県スマート農業推進方針」を策定し、各振興局に相談窓口を設置するとともに、技術の実証や農家への導入支援等を行っているところです。 また、県も、「南島原市スマート農業推進協議会」へ参画し、みかんのドローン道場の実演会のほか、いちごやとまとの環境制御技術の実証、研修会等を行っており、いちご農家では、10アール当たりの収量が全国平均と比較して1.8倍となる事例も出てきております。 今後は、こうしたスマート農業技術の普及を施設園芸や肉用牛繁殖等の若手農家を中心に進めていくことで、市内はもとより、多くの農業者が快適で、もうかる農業を実現できるよう、関係機関と一体となって支援してまいります。 次に、南島原市の有機農業の現状と課題、今後の取組についてのお尋ねですが、本県の有機農業の取組面積は、195ヘクタールと耕地面積の0.4%にとどまっていますが、南島原市では、42ヘクタールと、県全体の取組面積の22%を占め、県内有数の有機農業の産地となっております。 有機農業の取組拡大に向けては、生産面では、収量、品質の安定化と省力化、販売面では、コストに見合った価格で販売できる販路の確保、開拓が課題と考えております。 こうした課題の解消に向けて、県も、「南島原オーガニック協議会」へ参画し、南島原市が計画している有機農業圃場の団地化、地域の飲食店や旅館での有機農産物の利用推進、学校給食への試験的導入等の取組を進めることで、市や関係団体とともに、今後の有機農業の拡大につなげてまいります。 次に、南島原市における果樹振興についての県の考えについてのお尋ねですが、南島原市に多い中山間の条件不利地域における果樹の振興と担い手の確保のためには、省力化が可能となるような樹園地の条件整備が重要であると考えております。 そのため、園内作業道の整備、優良品種への新改植等の推進と併せて、ドローンを活用した防除作業など、スマート農業の導入も検討していく必要があると考えております。 あわせて、後継者のいない農家の樹園地を計画的に新規就農者に継承する仕組みづくりを検討するなど担い手の確保を図ることで、南島原市の果樹の振興に取り組んでまいります。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) 先ほど有機農業のことを答弁を聞かせていただきましたけれども、南島原市においては有機農業が非常に盛んであると、ただ、県においては、まだ推進が進んでいないと。 午前中、山口経正議員の有機農業のお話がありましたけれども、特別栽培も含めて、推進していかなければいけないものですので、有機農業の環境整備あたりが非常に難しいんですよね。有機栽培で育てようとする品目が増えれば増えるほど、手間や費用がかかるというふうにお聞きをしておりますけれども、その辺の支援ができるような体制をつくるようお願いしたいというふうに思っております。 農地の基盤整備の実施状況については、先ほど答弁をいただきましたけれども、こうした大規模な農地整備ばかりでなく、中山間地域に点在する小規模な団地の基盤整備も今後進めていく必要があると考えておりますが、県はどのような考えか、お伺いいたします。 ○議長(中島廣義君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 県としましては、中山間地等の条件が厳しい地域においては、市や関係団体とも十分調整を図ったうえで、地形条件に応じた簡易な基盤整備事業の活用を提案するなど、その地域の実情に合った農地の基盤整備を推進してまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) 特に、私たち南島原市には荒廃地が非常に進んでおりますので、小規模な基盤整備も今から必要かと思っておりますので、どうかよろしくお願いします。 4、水産行政について。 (1)漁業者の所得向上対策について。 漁業を魅力ある産業とするためには、漁業者の所得を向上させることが重要と考えますが、県の取組状況をお伺いいたします。 県では、現行の長崎県総合計画及び長崎県水産業振興基本計画において、漁業所得の向上と持続可能な生産体制の整備や環境変化に強く収益性の高い魅力ある漁業経営体の育成などを目標に掲げ、その達成に向けて、漁協等の関係団体、市町と連携し、経営改善に向けた計画づくりや、その具体化に向けた指導や支援に取り組まれ、一定の成果が出ていると認識をしております。 近年の不漁による経営不振などを捉えても、天然資源に依存する漁業において、安定的に経営されるのは非常に難しいことではないかと考えており、さらには豪雨や台風など気候変動の影響、またコロナ禍に加え、社会情勢の変化による燃油や物価の高騰などもあり、漁業経営の置かれた環境はますます厳しいものになっていると危惧をしているところです。 このような中、本県の重要産業である漁業を魅力あるものとするためには、経営を安定的なものとし、所得を維持、向上することが極めて重要なことだと考えていますが、県として、これまで、どのような取組を推進し、今後、さらにどのような展開を図ろうとしているのか、お伺いをいたします。 (2)長崎県における赤潮対策について。 本県は、海面養殖業の適地に恵まれており、県内各地でクロマグロ、トラフグ、ブリ等の魚類養殖が盛んに行われています。 最近では、コロナ禍の需要回復に応じ、養殖魚の国内外への出荷が順調であるとのことであり、今後も発展が期待されているところです。 しかしながら、近年、夏場を中心に県内各地で赤潮が発生し、漁業被害が生じる場合もあり、養殖業者の皆様は、現場で大変苦労されていると聞き及んでいます。 今年は、熊本県八代海で大規模な赤潮が発生し、過去2番目となる大きな被害が出ているとの報道がなされています。 赤潮については、県内において、過去に大きな被害が発生したこともあり、発生状況の把握と被害軽減のための対策が重要だと考えます。長崎県における赤潮発生状況及びその対策について、県の考えをお尋ねいたします。
    ○議長(中島廣義君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 私から、2点お答えいたします。 漁業者の所得向上対策について、県の取組状況及び今後の展開についてはとのお尋ねですが、県では、平成27年度から、系統団体や中小企業診断士と連携した支援体制を構築し、個々の漁業経営の内容に踏み込んだ経営指導を行い、優良経営体の育成を進めてまいりました。 この結果、令和3年度までに692件の経営計画を策定し、新たな漁法の導入による生産性の向上や最先端の漁労機器の整備による操業の効率化、コスト削減などの取組が進められ、コロナ禍で大変厳しい状況の中ではありますが、収支の確認ができた方のうち、約5割が所得の向上につながっております。 今後は、優良な経営計画に基づく取組を広く若い世代に波及させながら、ICT技術を活用したスマート水産業や6次産業化、海業の導入を推進することで、漁業者のさらなる所得向上を図ってまいります。 あわせて、優良な経営体の情報をSNSなどで広く発信し、本県水産業を魅力ある職業として就業希望者にお伝えすることで、新規就業者の確保につなげてまいります。 次に、長崎県における赤潮発生状況及びその対策についてのお尋ねですが、赤潮は、栄養塩や日照、水温、流れなどの環境要因が複雑に関係し、プランクトンが増殖、集積することにより発生します。 本県では、平成29年度に約6億円の被害を受けた伊万里湾など、主要産地で、養殖業者や漁協などが連携して漁場監視体制の整備を中心とした「赤潮対策ガイドライン」を策定し、発生状況、迅速な餌止めや防除剤散布などの情報をSNSで共有しながら、被害抑止に取り組んでおります。 今期も、伊万里湾や橘湾などで赤潮が発生しましたが、こうした被害抑止の取組により、大きな被害には至っておりません。 引き続き、養殖業者などと構築した連携体制を強化し、赤潮対策に努めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) 先ほど、所得向上対策ですけれども、やはり所得があってからこそ、若い後継者、それとか若い力が必要となってきますので、これからも、さらなる行政としての役割を果たしていただきたいと思っております。 次に、赤潮における再質問ですが、ICTやAIを活用した生産活動の省力化や生産性向上などのスマート化が進められていると聞いております。 本県で赤潮対策に取り組むに当たり、このような先端技術を用いた赤潮の情報収集や体制の整備が有効であると考えますが、現状と今後の取組について、お伺いをいたします。 ○議長(中島廣義君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 県では、赤潮の早期発見を目的に、漁協などと連携して、養殖産地14か所に、自動で水質を観測できる機器を設置しており、観測結果は、県のホームページへ自動送信され、リアルタイムで公表をいたしております。 また、漁場の海水を自動で採取し、赤潮原因プランクトンの種類を遠隔で推定できる技術や、大学などと連携して、潮の流れなどから赤潮の移動を予測する技術を開発しているところであり、今後とも、先端技術を活用した赤潮監視体制の強化に取り組んでまいります。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) しっかり取り組んでいただきますように、よろしくお願いいたします。 5、防災・減災対策について。 (1)緊急浚渫推進事業債について。 県内には、土砂の堆積や樹木等の繁茂により河川断面を阻害している河川が多く、大雨時には、護岸を越水し、家屋や農地に被害を及ぼすおそれがあるのではないかと懸念をしているところであります。 このような中、国においては、昨今の相次ぐ河川氾濫などを踏まえ、危険箇所を解消できるよう、国土強靭化のための5か年加速化対策では、新たに緊急浚渫推進事業債が創設をされ、毎年1,000億円の規模の予算が確保されていることから、本地方債を積極的に活用し、河川に堆積した土砂撤去など、しゅんせつ工事を推進する必要があると思われます。 現在の工事の実施状況について、お伺いいたします。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 緊急浚渫推進事業債についてのお尋ねですが、本県が管理している河川については、令和2年度の緊急浚渫推進事業債創設から、これまでの3か年において、約35億円の事業費を確保し、土砂の堆積状況や人家への危険度に応じて、緊急度の高い箇所から優先的にしゅんせつ、伐木などを実施しています。 このうち、南島原市内の有馬川、堀川などについては、過去の同規模の豪雨に対しても浸水被害が軽減されるなどの効果が得られていることから、今後も引き続き、緊急浚渫推進事業債を活用し、河川の治水安全度の向上に努めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) 昨日2日前と昨日の台風でも、私も満潮時に、夜の12時ぐらいだったんですけれども、ちょっと回ったんですけれども、非常にぎりぎりのところで、ちょうど護岸工事のかさ上げ工事をやっておりますので、この事業は非常に効果のある事業だというふうに思っております。あと2か年、あと5年、6年ですか、時限立法ということですので、予算を取って、樹木の繁茂の消滅とか、そういうものに力を入れていただきたいと思います。 また、この事業としては令和6年度までですけれども、途中の繰越はできると思いますが、最後の令和7年度までの繰越ができるのか、お尋ねをいたします。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 事業最終年度においても年度内執行に努めてまいりますが、やむを得ず繰り越した場合においても、当地方債の充当は可能と考えています。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) 先ほど、5か年対策に関連した単独事業債を積極的に実施されていくことはよくわかりました。 しかしながら、河川内のしゅんせつは地元からの要望が年々増えている状況であり、また地域住民が安心して生活するためには、この緊急浚渫推進事業債は今後も必要不可欠な事業であると思われますが、5か年加速化対策の事業完了後、県としてはどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 気候変動の影響により水害が激甚化、頻発化する中、流下断面の確保等の河川の維持管理を確実に実施することは、防災・減災への取組として、喫緊の課題です。 このため、緊急浚渫推進事業債の令和6年度の終了以降についても、国に対して、本事業債の恒久的な継続を要望してまいります。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) 緊急自然災害防止対策事業債についても同様だと考えていますが、国へ強く要望していただくようにお願いをしておきます。 6、島原半島の振興について。 (1)南島原市の諸課題について。 ①史跡原城跡の地域振興への活用について。 原城跡については、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つとして、平成30年7月に「世界文化遺産」に登録をされたところであります。 世界遺産に登録された際、地元県民の皆様は、原城跡を観光、物産振興にも活用することで、急激に進む人口減少や過疎化から地元を守るため、起爆剤として、大きな期待を寄せていたところであります。 しかしながら、登録後間もなくして、コロナ禍の影響などから、団体旅行、また、一般の観光客も、登録直後と比べ、相当減少しているのが現状であります。 このような中、南島原市においては、世界遺産の価値を発信するとともに、観光案内や物産販売の機能、市民の憩いの場ともなる「原城跡世界遺産センター」を令和8年度にオープンしようと計画し、南島原市議会において、基本設計の業務を3,200万円で委託し、承認をされております。 また、現在、原城跡の価値を理解していただけるよう、整備基本計画も策定していると聞いています。これらの整備は、原城跡のみならず、県内のほかの構成資産にも足を運んでいただくきっかけになるものと考えております。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の理解促進や県全体の観光振興にもつながっていると考えております。 そこで、お尋ねをいたしますが、こうした地域の宝である世界遺産原城跡を活かした振興策については、まずは南島原市で取り組むものと認識をしておりますが、県当局も、こうした取組に対し、積極的に関与、協力すべきであると考えますが、いかがお考えか、お尋ねをいたします。 ②昨年8月の大雨による南有馬町夏吉地区の災害復旧について。 南有馬町夏吉地区においては、昨年8月13日の大雨により、幅60メートル、延長125メートルにも及ぶ大規模な地滑りが発生し、地区内を通る幅員5メートルの市道が100メートルにわたり被災して、現在も通行止めになっていることから、地域住民の方々は、大きく迂回を余儀なくされ、支障を来している状況となっております。 県においては、地滑り災害復旧工事に迅速に取り組んでいただき、現在、計画どおり地滑り対策工事は進められると伺っていますが、災害発生から一年が経過しており、地域住民のためにも、市道を含めた一日も早い復旧が必要であります。 市道の復旧は、当然、南島原市が実施するものでありますが、県の災害復旧工事の進捗を見て、市道の復旧工事へ着手すると聞いていることから、県の地滑り災害復旧工事の進捗と今後の予定をお伺いいたします。 ③「みずなし本陣ふかえ」の撤退による道の駅の今後の方向性と、休暇村「雲仙」閉館による今後の存続について。 市の玄関口である道の駅「みずなし本陣ふかえ」が昨年11月末をもって営業を終了し、9か月がたとうとしております。 平成11年に道の駅としてオープンした当初は、初年度には64万人、最も多かった平成14年度は89万人を数えるなど、多くの来場者でにぎわっていたのですが、その後、減少に転じ、令和元年度には約30万人、そしてコロナ禍の令和3年度には10万人まで落ち込み、営業困難な状況により、閉館したところであります。 道の駅としては、休憩施設、情報提供施設、地域連携機能として「土石流被災家屋保存公園」があり、道の駅として登録要件は満たしていると思われますが、周りは非常に閑散な状況でもあります。道の駅として魅力向上が島原半島並びに南島原市の地域振興には欠かせないものと考えております。 基本、撤退した「みずなし本陣ふかえ」の事業承継については、民間ベースでの話であることは承知していますが、道の駅としての活性化に向け、県として、また地元南島原市とどのように協議して検討されていくのか、お尋ねをいたします。 また一方で、反対側の小浜、北有馬地区の玄関口でもあり、観光地の拠点でもある雲仙国立公園の諏訪の池公園においても、休暇村「雲仙」が昨年3月に閉館し、1年6か月がたとうとしております。 広大なキャンプ場、ボート場も閉鎖されるなど、一大観光拠点として、また、雲仙を訪れる観光客にとって、途中で立ち寄ることがない状況でもあります。 当然、これも民間ベースではありますが、島原半島の周遊観光として重要な施設であると考えており、観光立県長崎として、今後の存続、方向性について、もう少し県も関与すべきと思いますが、現状を見て、周辺整備と環境整備について、どのように思われるのか、お尋ねをいたします。 ④堂崎港埋立地の取り付け道路の進捗状況と埋立地の状況について。 堂崎港埋立地においては、一部を完成し、県より南島原市へ売却、その後、市よりJA島原雲仙へ売却し、集出荷場などの整備が進められ、来年4月に完成の予定であります。 計画から30年を経て、雲仙・普賢岳の噴火土石流に伴い発生した土砂の処分として、現在、133万立方メートルを搬入し、98%を埋め立てているとお聞きしております。市としては、人口流出の歯止めがきかない状況で、一刻も早く完成し、企業誘致したい考えであり、地域経済浮揚の切り札として、早期の完成を願っております。 排土がかなり出てきているものとお聞きしておりますが、残り2%、2万立方メートルを前倒しで完成できないものか、お伺いいたします。 また、県が整備を進めている国道からの取付道路の進捗状況についてもお伺いいたします。 ⑤島原半島の幹線道路網の整備状況について。 過疎地域における道路網の整備については、産業の振興や交流人口、関係人口の拡大に当然必要なものであります。現在、半島地域においては、高規格道路である島原道路の整備が進められており、今月10日には、島原市内で建設促進大会が開催されるなど、地元の期待も大きく、早期の完成を心待ちにしています。 そこで、現在、半島内で県が進めている3つの工区の進捗状況と完成の見通しについて、お尋ねをいたします。 一方で、島原半島南部地域においては、南島原市深江町から口之津町間のアクセス向上も重要な課題の一つであります。 前回の議会においては、道路整備の方向性について、関係市との意見交換を行うこと等でありましたが、現在の検討状況について、お伺いいたします。 次に、県道の整備について、お尋ねします。 まず、主要地方道小浜北有馬線の大亀矢代工区についてですが、平成23年度に事業に着手され、なかなか進捗が図られていないように感じておりましたが、今回、ようやくトンネル工事の契約案件が本会議に上程をされております。 地元は、一日も早い開通を待ち望んでいるところでありますが、現在の進捗状況と開通時期について、お尋ねをいたします。 次に、地域の生活道路として利用されている山口南有馬線の井手清水地区においては、道路幅員が非常に狭く、すれ違いが困難な状況となっております。 今年度から整備に着手されたところですが、現在の状況について、お伺いいたします。 ○議長(中島廣義君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 原城跡を活かした振興策について、市の取組に対し、県として関与、協力していく考えがあるのかとのお尋ねでございます。 「島原・天草一揆」の舞台となりました原城跡は、世界遺産のストーリーの出発点となる大変重要な史跡と考えております。 また、島原市が計画しております「原城跡世界遺産センター」は、その価値や魅力などを発信する拠点として、周辺の様々な資源を活用しながら地域振興にも貢献するものと期待をいたしております。 県としましても、引き続き、保存と活用の両面から助言を行うなど、積極的に協力してまいりたいと考えております。 10月下旬には、南島原市におきまして、県、市、民間事業者の共催で、長崎歴史文化博物館と有馬キリシタン遺産記念館が連携して講演会やスタディーツアーを実施する予定といたしております。 今後とも、南島原市をはじめ、関係市町と連携しながら、文化観光資源の魅力増進や周遊促進のの取組を積極的に進めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 夏吉地区の地滑り災害復旧工事の進捗状況と今後の予定についてのお尋ねですが、夏吉地区の災害復旧工事については、地元の皆様のご理解とご協力のもと、計画どおりに進捗しているところです。 現在、再び地滑りが起きないように、被災した市道を含む地滑り箇所の上部の土砂の除去を優先して実施しており、本年9月末の完了を予定しております。 その後、県において、工事箇所の土砂移動の有無などを2月末まで継続して観測し、斜面の安定が確認された後、南島原市が市道の復旧手続に入る予定となっております。 なお、当地区全体の地滑り対策工事は、令和5年度中の完了を目指しており、今後も、早期復旧に向けて、市と連携して取り組んでまいります。 ○議長(中島廣義君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(早稲田智仁君) 私から、道の駅「みずなし本陣ふかえ」の活性化に係るお尋ねについて、お答えいたします。 県が所有する土石流被災家屋保存公園は、雲仙岳噴火災害の教訓を伝承していく観点から、道の駅の機能の一つとして、今後も保存、活用することとしております。 そのため、例えば、この保存公園や近隣の雲仙岳災害記念館、ジオパークといった噴火災害関連施設を周遊する教育旅行の充実などにより、道の駅の活性化を図ることも、地域振興につながるのではないかと考えております。 今後、このような取組を含め、道の駅の活性化に向け、記念館を含めた広域的な周遊促進策などについて、地元南島原市や関係者と協議を行い、地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(中島廣義君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(貞方学君) 南島原市の諸課題のうち、閉館した休暇村「雲仙」の今後の存続について、県も関与すべきと思うが、どのように考えているのかとのお尋ねでございます。 休暇村「雲仙」につきましては、現在、施設の譲渡説明会に参加した民間事業者との意見交換を踏まえ、本館建物やキャンプ場など、諏訪の池地区全体を対象に、利活用希望者を公募する方向で、施設を所管する環境省、地元雲仙市が中心となり、検討がなされております。 県といたしましても、豊かな自然環境を身近に利用できる当該地区の機能が維持され、島原半島全体の周遊観光に資することは重要であると考えており、今後の関係者間の議論に加わるなど積極的に関与をしてまいります。 ○議長(中島廣義君) 土木部長。 ◎土木部長(奥田秀樹君) 堂崎港埋立地についてのお尋ねですが、堂崎港埋立地は、雲仙・普賢岳からの堆積土砂や港湾しゅんせつ土の処分地として整備された埋立地です。 処分される堆積土砂などの建設発生土については、リサイクルを原則としていることから、まずは近隣の公共工事に活用したうえで、残った土を埋立地などで受け入れることとしています。 一方で、整地を行うことが活用できる未竣工の区画があることから、早期に埋立ての部分竣工ができるよう取り組んでまいります。 また、県が整備を進める国道からの取付部及び場内幹線部の道路については、今年度末の工事完成を予定しています。 次に、島原半島の幹線道路網の整備状況についてのお尋ねですが、島原道路のうち、出平有明バイパスについては、全面的に工事を進めており、今年8月には、出平地区においてインターチェンジ工事のための農道の切替えが完了したところです。 有明瑞穂バイパスについては、有明地区における年内の用地取得の着手に向けて、測量や設計を進めています。 また、瑞穂吾妻バイパスでは、用地取得に努めながら、瑞穂地区と吾妻地区において、橋梁などの工事を進めているところです。 引き続き、地域の皆様の協力を得ながら、島原道路の一日も早い完成に向けて全力で取り組んでまいります。 次に、南島原市深江町から口之津町間における道路整備の方向性についての検討状況のお尋ねですが、南島原市深江町から口之津町間を含め、島原半島南部地域の道路整備については、昨年度から、地元関係市と意見交換を行いながら整備の方向性について検討を進めています。 これまで2回の意見交換を実施しており、今年5月には、地域や道路を取り巻く課題について、関係市の意見を聞いたところです。 引き続き、地域の意見をしっかりとお聞きしながら、将来の島原半島南部地域の道路整備の方向性について検討を進めてまいります。 次に、小浜北有馬線の大亀矢代工区の進捗状況についてのお尋ねですが、主要地方道小浜北有馬線の大亀矢代工区については、全面的に工事を進めており、今年度から、トンネルや橋梁上部工に着手する予定です。 また、一般県道山口南有馬線の井手清水地区については、県単独事業により今年度事業化し、現在、測量や設計を実施しています。年内には地元説明会を開催したいと考えており、一日も早い完成に向けて事業推進に努めてまいります。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番。 ◆15番(中村一三君) それぞれのご答弁ありがとうございました。 堂崎港の埋立工事、あと2%ですので2万立方メートルですよね。今まで30年間埋め立ててきたんです。133万立方メートル、1年間で約4万立方メートル埋めてきたんです。それをあと3年間で埋め立てるというのは、私たちとしては、いかがなものかなというふうに考えております。 というのは、南島原市は、企業誘致をしないと、人口減少が非常に著しいんですよね。だから、2万立方メートルだから、1年でも私はできるというふうに思ったんですけれども、担当者といろいろやりとりをしましたけれども、なかなかそういうふうにはいかないというようなことを聞いておりますけれども、多以良港の埋立地もまだ50%いっていないのですから、そちら側に入れたら、こちらをまず完成させて、そして、南島原市が企業誘致、市の方にはちょくちょく来ているらしいんですよ。一括してしていかないと、あと残り14ヘクタール、そこを私は、一生懸命市の方としてもしているんですけれども、なかなか県の方の答えがこないというようなことでしたので、部長、ひとつその辺もよく考えてください。よろしくお願いします。 それと、原城跡の件ですけれども、原城跡も駐車場の問題が今、非常にひどいんです。3記念館ができても、そして来年4月に、世界最大規模のマリア像ができます。駐車場から本丸まで約15分から20分かかるんですよ。そこで、やはり乗降をするスペース、今は全部素通りなんですよね。それで、大型バスは行かない。歩いて身体障害者の皆さん、老人の皆さん、子ども連れ、バッグを持って行けますか。それが行けないのが現状です。確かに世界遺産というのは保存、整備するというのが第一の目的でありますけれども、私たち地元にいる人間としては、やはり観光というのも非常に一つのあれなんですよね。その辺も前向きに検討をしていただきたいというふうに思っております。 最後に、6月定例会の同僚議員の質問で、島原天草長島3県架橋構想と大村湾クロスロードの優先順位の高いのかとの質問に、知事は、この場で、「どちらが優先順位が高いということは申し上げることはできないと思います。3県架橋について、構想としてあるということは事実であります」との発言がありましたが、今もそういうお考えでお変わりありませんか。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 3県架橋が構想であるということは事実であるという認識で変わりはありません。 ○議長(中島廣義君) 中村一三議員-15番 ◆15番(中村一三君) ということは、大村湾クロスロードと同じような考えですかと私は聞いているんですけれども。 ○議長(中島廣義君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 位置づけとして、3県架橋が構想路線であるということで、クロスロードとは異なるということだと思います。 ◆15番(中村一三君) ありがとうございました。(拍手) ○議長(中島廣義君) 本日の会議は、これにて終了いたします。 明日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行します。 本日は、これをもって散会いたします。     -午後3時43分 散会-...