長崎県議会 > 2019-12-04 >
12月04日-03号

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  1. 長崎県議会 2019-12-04
    12月04日-03号


    取得元: 長崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    令和 元年 11月 定例会令和元年11月定例会                令和元年12月4日               議事日程                               第8日目-----------------------------------  1 開議  2 県政一般に対する質問  3 散会令和元年12月4日(水曜日)出席議員(46名)     1番  宮本法広君     2番  赤木幸仁君     3番  中村泰輔君     4番  饗庭敦子君     5番  堤 典子君     6番  宮島大典君     7番  下条博文君     8番  山下博史君     9番  北村貴寿君    10番  浦川基継君    11番  久保田将誠君    12番  石本政弘君    13番  中村一三君    14番  大場博文君    15番  山口経正君    16番  麻生 隆君    17番  川崎祥司君    18番  坂本 浩君    19番  深堀ひろし君    20番  山口初實君    21番  近藤智昭君    22番  宅島寿一君    23番  松本洋介君    24番  ごうまなみ君    25番  山本啓介君    26番  前田哲也君    27番  山本由夫君    28番  吉村 洋君    29番  大久保潔重君    30番  中島浩介君    31番  浅田ますみ君    32番  山田博司君    33番  堀江ひとみ君    34番  山田朋子君    35番  西川克己君    36番  外間雅広君    37番  瀬川光之君    39番  中村和弥君    38番  坂本智徳君    40番  徳永達也君    41番  中島廣義君    42番  溝口芙美雄君    43番  中山 功君    44番  小林克敏君    45番  田中愛国君    46番  八江利春君-----------------------------------説明のため出席した者  知事             中村法道君  副知事            上田裕司君  副知事            平田 研君  統轄監            濱田厚史君  危機管理監          荒木 秀君  総務部長           平田修三君  企画振興部長         柿本敏晶君  文化観光国際部長       中崎謙司君  県民生活部長         木山勝己君  環境部長           宮崎浩善君  福祉保健部長         中田勝己君  福祉保健部こども政策局長   園田俊輔君  産業労働部長         廣田義美君  水産部長           坂本清一君  農林部長           中村 功君  土木部長           岩見洋一君  会計管理者          野嶋克哉君  交通局長           太田彰幸君  企画振興部政策監       前川謙介君  文化観光国際部政策監     浦 真樹君  産業労働部政策監       貞方 学君  教育委員会教育長       池松誠二君  選挙管理委員会委員      葺本昭晴君  代表監査委員         濱本磨毅穂君  人事委員会委員        本田哲士君  公安委員会委員        山中勝義君  警察本部長          迫田裕治君  監査事務局長         下田芳之君  人事委員会事務局長労働委員会事務局長併任)                 大崎義郎君  教育次長           本田道明君  財政課長           早稲田智仁君  秘書課長           伊達良弘君  選挙管理委員会書記長     井手美都子君  警察本部総務課長       多田浩之君-----------------------------------議会事務局職員出席者  局長             木下 忠君  議事課長           川原孝行君  政務調査課長         太田勝也君  議事課長補佐         永田貴紀君  議事課係長          梶谷 利君  議事課主任主事        天雨千代子君-----------------------------------     -午前10時0分 開議- ○議長(瀬川光之君) ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、昨日に引き続き、一般質問を行います。 ごう議員-24番。 ◆24番(ごうまなみ君) (拍手)〔登壇〕おはようございます。 自由民主党、長崎市選挙区選出のごうまなみでございます。 4月の統一地方選挙におきまして、多くの皆様方のご支援を賜り、今回、3期目の当選をさせていただきました。これからも女性の視点で長崎県の課題を見つめ、そして、未来をつくっていけるように頑張ってまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 改選後、はじめての県政一般質問です。通告に従いまして、一括で質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 1、県立高校教育改革について。 これからの社会では、人工知能やビッグデータ、ロボティクス等の先端技術が高度化し、あらゆる産業や私たちの生活の中にも取り入れられるなど、人の働き方や生き方を含めた社会全体の構造までもが劇的に変化しようとしています。このような時代を生きていくこととなる本県の子どもたちにとって、高校での学びは非常に重要であります。 一方で、高校生の能力、適性、興味、関心、進路等は多様化しており、高校が対応すべき教育上の課題は多岐にわたっています。 本県における中学校卒業者数は、第三期基本方針の計画期間である令和3年度から令和12年度までの10年間に、およそ1,600人が減少すると予想されています。 少子化は、将来的な労働力不足など、さまざまな影響を与えることとなりますが、少子化に伴い、本県の県立高校の現状はどのようになっているのか。また、高校教育を行ううえで課題となっていることについて、お尋ねをいたします。 「第二期基本方針の期間中に生徒減少に対して、できるだけ小規模校を維持してきた」とのことでございますが、第二期基本方針において、どれほどの学級を減じてきたのか。また、学級減を行う場合に、どのような基準で行っているのかをお聞かせください。 これからの変化の激しい社会を自立して生き、社会の形成に参画するための資質や能力をしっかりと身につけていくためには、一定規模以上の学校で切磋琢磨しながら学ぶことが望ましいと思いますが、第三期基本方針では、どのような考え方のもとで教育水準の維持、向上を図ろうとされているのか、お尋ねいたします。 2、災害対策について。 (1) 防災アプリの活用について。 災害大国である日本において、防災情報を公平かつ網羅的に住民に届けることは、極めて重要だと考えます。 このところの異常気象により、日本全国で台風や集中豪雨による災害が頻発しています。自治体としては、災害に備えるためにさまざまな手だてを講じていますが、想定をはるかに超える雨量などにより避難が間に合わず、被災される方もいらっしゃいます。 また、地域では、消防団や自主防災組織などが各家庭を訪問し、避難誘導したり、安否確認を行ったりしていますが、人手不足などもあり、かなりの労力を要しているとの声も聞いています。 そのような中、先日の自民党とNTTとの勉強会において、避難勧告等の防災情報をスマートフォンやタブレットに送信できるとともに、双方向性のデータ通信ができるアプリの紹介がありました。長崎県内の一部の市町では、このアプリを導入し、避難情報の伝達などに活用されているほか、消防団の参集確認などにも利用しています。 多くの島嶼部を有する長崎県において、双方向のデータ送信を災害時の安否確認に利用すれば、かなり有効な手段となると考えますが、県の考えをお聞かせください。 (2) 栄養士会との災害時の栄養・食生活支援活動に関する協定について。 前回の一般質問において、日本栄養士会が取り組んでいる「赤ちゃん防災プロジェクト」について質問させていただきました。 「赤ちゃん防災プロジェクト」は、日本栄養士会災害支援チームJDA-DAT)が立ち上げた災害時における乳幼児の栄養支援や、母乳代替食品の備蓄推進など、赤ちゃんとママの命を守るプロジェクトです。 また、JDA-DATは、母子だけでなく、食に対して配慮が必要な方々に向けた特殊栄養食品ステーションを開設して、きめ細やかな対応をしています。 特殊栄養食品とは、乳児用ミルク、ベビーフード、アレルギー対応食品、おかゆ、咀嚼・嚥下困難対応食、濃厚流動食などのことを指します。 日本栄養士会の調べによりますと、行政における要配慮者用の特殊食品備蓄状況は、かなり低く、地域防災計画に特殊食品の備蓄に関することが示されている自治体は33.7%、乳児用ミルクについては22.6%という結果が出ています。 母子の支援のため、長崎県でもこのような取組が行えるよう要望しておりましたところ、このたび、公益社団法人長崎県栄養士会と長崎県が協定を締結されました。本当にありがたいことだと思っております。 このことにより、県内で大規模な災害が発生した時に、管理栄養士、栄養士で構成する災害支援チームを派遣し、配慮が必要な方々の食に関する支援が行えるようになりました。 そこで、この協定を結んだことで、どのような流れで長崎県下21市町の支援を行うようにしているのか、具体的にお聞かせください。 (3) 液体ミルクの備蓄について。 今年2月の定例会でも質問いたしましたが、液体ミルクの備蓄について、お尋ねをいたします。 お湯が不要で、すぐに使用できる母乳がわりとなる液体ミルクは、昨年8月に国内における具体的な規格基準が示され、国内メーカー2社が商品化をしています。そして、今後、さらに2社が参入することが発表されています。 液体ミルクは、災害時に役立つ新たな物資としても活用が期待されているところであり、一部自治体では、いち早く備蓄を計画しているところも出てきております。 2月の一般質問の際にローリングストックの提案をいたしました。県としては、「賞味期限などがあるのでローリングストックがそぐわない」という答弁だったと思います。 しかしながら、今年10月25日、内閣府の災害担当、そして、男女共同参画局厚生労働省子ども家庭局母子保健課から各都道府県に対し、「災害時における授乳の支援並びに母子に必要となる物資の備蓄及び活用について」という事務連絡の文書が届きました。 その中で、「特に、ライフラインが断絶された場合においても、水などを使用せずに授乳できる乳児用液体ミルクを母子の状況等に応じて活用いただきたい。災害のために備蓄した育児用ミルクについては、ローリングストック等により有効に活用することが可能であり、例えば、賞味期限が間近になった育児用ミルクを保育所など施設での給食等の食材として活用すること、防災に関する訓練や啓発活動において、災害への備えとして正しい使用法等を説明したうえで活用することなどが考えられます。都道府県におかれましては、管内市町村に対し、広く周知いただきますようお願い申し上げます」と書かれておりました。 また、先進的な取組として三重県の取組なども紹介されております。三重県では、国からのプッシュ型支援が発災後4日目に届けられることを踏まえて、発災後3日間における県全体の必要量から、自助、共助による備蓄を除いたものを県及び市町の公的備蓄で対応することとしています。 そこで、長崎県において、液体ミルクの備蓄の現状と今後についてのお考えをお聞かせください。 3、SDGsの取組について。 (1) 本県の取組について。 SDGs、持続可能な開発目標は、2015年9月の国連サミットにおいて、全会一致で採択された2030年までの目標であり、先進国を含む国際社会全体の開発目標として、経済、社会、環境の課題に統合的に取り組むものです。 先日、9月24日、国連において、そのSDGsの取組を検証する首脳会合が開催され、多くの分野で進展が遅いことが懸念され、行動を加速する政治宣言が採択されたところです。 国連のグレーテス事務総長は、24日の冒頭の演説で、「我々は、あるべき姿からかけ離れている」と述べ、進捗の遅れへの危機感を示しました。 共同宣言でも、貧困撲滅や女性活躍など、多くの分野での遅れを懸念し、行動を加速する必要があるとしています。 そのことを受け、安倍総理もサミットのスピーチで、「過去4年間、全閣僚が参加するSDGs推進本部の本部長として、私自身が先頭に立ち、オールジャパンでSDGsを推進してきました。民間企業、大学、NGOなど、さまざまな団体の優良事例を表彰するジャパンSDGsアワードや、先進的取組を行う地方自治体をSDGs未来都市に選定し、日本全国にSDGsを浸透させてきました。この経験を活かし、次のSDGsサミットまでに国内外における取組をさらに加速させます」と述べています。 また、「第一の鍵は、民間企業です。日本では、ますます多くの企業がSDGsを経営理念の中核に据えるようになっています。ESG投資やイノベーションを促し、こうした民間の取組を後押しします」とも述べられました。 また、ローマ教皇の長崎での演説の際にも、「持続可能な開発のための2030アジェンダの達成」について触れられました。 SDGsを達成するためには、一人ひとりが取り組むことが必要であり、さらに、民間企業や市民、社会の役割がますます高まり、あらゆるステークホルダーが連携することが求められています。 しかしながら、長崎県においては、まだまだSDGsについての認知度は低いと認識しており、早急に取り組んでいく必要があると考えております。 長崎県がSDGsに取り組み、世界貢献を行っていくことが、長崎県の地方創生にもつながっていくものと考えます。 今回、「第二期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略」の素案において、SDGsの理念が反映され、県の取組がどのようなSDGsの目標につながるのかが示されたところですが、SDGsの目標を達成していくためには、今のスピードでは間に合わないと考えており、長崎県が、より積極的に取り組み、各市町、企業、県民への普及啓発を図っていく必要があると考えます。 そこで、県として、今後、SDGsの推進のための取組をどのように進めていくのか、お尋ねをいたします。 (2) 国連機関誘致について。 国連において、国連訓練調査研究所(ユニタール)のトレーニングセンターとして、世界各地にCIEFAR(シファール)が創設され、これらのシファールグローバル・ネットワークの中で、世界各国の政府関係者や重要なステークホルダーに向けたトレーニングが提供されています。 そのような中、先般、シファールグローバル・ネットワーク事務局より、長崎県において、平和やSDGsをテーマとする「新たなシファールトレーニングセンター創設の可能性について検討してほしい」旨の指示がありました。 前回の議会においても、前田議員に質問していただき、議論がありましたが、平和やSDGsをテーマとした人材育成を行う国連機関を、本県に誘致することは大変意義あることと考えております。 これまで、長崎、東京、ニューヨーク、ジュネーブをつないでスカイプ会議を行ったり、長崎県、長崎市をはじめ、県内の民間の方々とシファールトレーニングセンター誘致の可能性について意見交換などを行ってまいりました。 オール長崎県でSDGsを推進するに当たっては、県内におけるSDGsの認知度はもとより、国連職員等の人材育成を行う国連機関を県内に誘致することは、大変重要だと思っております。 来年は被爆75周年であり、被爆体験者の方々も年々少なくなってきております。私たち長崎県に生きる者として、このことは発信し続けていかなくてはなりません。未来に向けて発信の形も変えていかなくてはなりません。長崎が平和とSDGsを世界に向けて発信していくことには、大きな意味があると思っています。 そこで、県における国連機関誘致に向けた検討が現在どのような状況なのか、お尋ねいたします。 4、子宮頸がんワクチンの接種について。 全国的に若い女性に子宮頸がんが急増しています。予防には子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスの感染を防ぐためのワクチン接種と、検診による早期発見、治療が有効であると言われています。 日本でも、平成21年に子宮頸がんワクチンが承認され、平成25年から定期接種化されましたが、副反応の疑われる事例が相次いで報道されたことから、厚生労働省は、同年6月に子宮頸がんワクチンの積極的勧奨を中止しました。 その結果、子宮頸がんワクチンHPVワクチンは、現在でも公費負担の定期接種の対象となっていますが、接種率は、7年前は70~80%だったのが、現在は0.3%になっています。 積極的勧奨を中止した平成25年6月14日の厚生労働省健康局長通知によると、「定期接種を中止するものではないので、対象者のうち希望者が定期接種が受けられるよう、市町村対象者への周知などを行うとともに、接種機会の確保を図ること」とされています。 しかしながら、交付時に使用される厚生労働省のリーフレットでも「積極的勧奨を差し控えている」という記述が目立ち、「副作用とされるものがワクチンと因果関係はない」という記述は小さく記載されているのみであり、対象者及びその保護者に対して、正しい情報とともに、接種機会が確保されているとは言えない状況であります。 我が国では、子宮頸がんに年間およそ1万人が罹患し、およそ3,000人が命をなくしています。この数は、近年、増加傾向にあり、特に、20代から40代の若い女性の増加が著しく、本県においても同様の現状であります。 HPVワクチン接種子宮頸がん検診の徹底により、子宮頸がんへの対策がとれることは、世界の常識であります。子宮頸がんワクチン接種は、世界保健機構(WHO)も推奨しており、積極的勧奨の再開を求める意見が増えています。 私は、国に対して、HPVワクチンについて、科学的根拠に基づいた検討をさらに推進し、国民に対して適切な情報を早急に提供するように求める必要があると考えます。また、県民に対し、正しい情報を提供し、子どもたちの命を守っていく責任があると考えています。 県としては、どのように考えているのか、お尋ねいたします。 5、がん患者の妊よう性の温存について。 子どもを授かるための力のことを妊よう性と言います。妊よう性の温存とは、病気の治療等によって将来の妊娠の可能性が消失しないように生殖機能を温存するという考え方です。 手術や薬物療法、放射線療法などのがんの治療に伴い、生殖機能が低下し、妊よう性が失われることがありますが、このような場合、がん治療の前に卵子や精子、卵巣組織などを採取し、長期的に凍結保存して、治療終了後、体内に戻す「妊よう性温存療法」が可能になっています。 しかしながら、現状では、がん治療が優先され、治療後に妊よう性の喪失を知る患者も多く、あるいは妊よう性温存療法を知りつつも、経済的理由から、その治療を断念する方もいると伺っています。 卵子を採取して凍結するのに30万円程度、精子凍結で2万円、凍結保存するのに2万円から5万円程度かかります。がんの治療にもかなりのお金がかかりますので、若い世代にはかなり負担が大きくなります。 このような状況を踏まえ、全国的には「妊よう性温存療法」に対する助成制度を創設し、がん患者の支援に乗り出している自治体もあります。 「妊よう性温存」は、単に患者支援というだけでなく、少子化対策の観点からも、将来授かるであろう子どもたちを守り、育てるという意味で重要な取組であると思われます。 本県では、現在、長崎大学病院を中心に、この治療が提供されています。県内の産婦人科も積極的に取り組んでいこうとしています。 そこで、本県においても、妊よう性温存への支援を行う考えがないのか、お尋ねをいたします。 6、医療的ケア児の通学支援について。 近年、医療の進歩により、これまで助からなかった命が救われるようになりました。このことは大変喜ばしいことでありますが、反面、心身に重い障害が残ってしまい、人工呼吸器を装着したり、経管栄養や痰の吸引といった医療的なケアの必要な子どもたちが急激に増えています。 厚生労働省によりますと、医療的ケア児は、全国でおよそ2万人、10年前のおよそ2倍近くに上ります。長崎県内でも同じように重傷の医療的ケア児の数は増えています。 医療的ケアの必要な子どもたちは、在宅で家族とともに生活をしていますが、その環境の整備は、まだまだ十分とは言えず、生活はご家族の多大なご負担に支えられている現状があります。 長崎県内では、現在、人工呼吸器の必要な医療的ケア児は、学校に通うことができず、訪問教育を受けています。しかしながら、訪問教育を受けている子どもたちも、人工呼吸器を装着したまま学校に通えるのであれば、通学をしたいと希望されている方もいらっしゃいます。 また、そのほかの医療的ケアの必要な子どもたちで、スクールバスに乗車することができない子どもたちは、毎朝、保護者の方が自家用車で学校まで送っています。 長崎県内の幾つかの自治体で福祉の制度を利用して通学の支援を行っています。しかしながら、その内容については、市町それぞれで、財政上の問題もあり、全ての市町で同様の通学支援が実施されているわけではありません。また、実施されていても、なかなか使いづらい内容で活用できていない現状も聞いています。 地域生活支援事業のうち、「移動支援」は市町事業であり、県が実施の指導をするような性質のものではないことは理解いたします。 そのうえで、県内どこにいても「移動支援」を活用した通学支援が受けられるようになることについて、県の考えをお聞かせください。 7、特定複合観光施設(IR)区域整備推進について。 本県へのIR導入を勝ち取るためには、地域の合意形成が極めて重要であると考えます。加えて、制度の全体的な流れを県民の皆様にもご理解いただき、地域における合意形成をより一層深めることも大切だと考えております。 地域住民の皆さんのIRに対する理解促進に関しては、県当局も、県民セミナーの開催や県政出前講座などによる周知を精力的に取り組んでおられますが、ほかの地域においては、ギャンブル依存症や治安の悪化などマイナス面がマスコミ等で大きく取り上げられており、どちらかと言えば、余りよい印象をお持ちでない方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。 「IRはカジノだから、誘致には反対だ」、このようにお考えの国民は多くいらっしゃると思います。確かに、IRはカジノを含みますが、カジノは、IR施設全体の延べ床面積のわずか3%にしか過ぎず、そのほかの97%は家族で楽しめるショッピングモールや美術館、博物館、劇場などのエンターテインメント施設であります。 ラスベガスの来訪目的調査におきましても、第1位はエンターテインメント目的の52%であり、会議やビジネス目的が合わせて15%を占め、ギャンブル目的は4%となっています。 また、都道府県への納付金は、子育て支援や少子化対策をはじめとする社会福祉の増進、あるいは文化、芸術の振興に関する施策などの経費に充てることが法律で定められておりますので、こうした有利な財源が得られることも、広く県民の皆様に周知すべきだと考えます。 そこで、県民の皆様への周知のあり方を今後どのように考えているのか、お尋ねをいたします。 以下、答弁をいただいた後、また、再質問は対面演壇席から行わせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(瀬川光之君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 〔登壇〕ごう議員のご質問にお答えいたします。 特定複合観光施設の区域整備について、県民の皆様への周知のあり方を今後どのように考えているのかとのお尋ねであります。 IR推進に当たりましては、県民の皆様にIRの正確な情報、その高い経済効果や雇用創出効果、懸念される事項への対応策等について説明し、理解を深めていただくことが重要であると考えております。 このようなことから、平成29年10月のIR推進室設置以来、これまで離島を含む県内20市町を対象として、県民セミナーを16回、大学や経済団体主催のセミナー等への職員派遣による講演を52回実施したほか、広報誌やテレビ番組、コンビニ等へのパンフレット、ポスターの設置などの広報活動を行っているところであります。 また、現在実施中のRFCにおいて、劇場などの魅力増進施設、美術館やショッピングモールなどのエンターテインメント施設等についても提案をいただくこととしており、県民の皆様にIRの姿をより具体的にイメージしていただけるよう、こうした提案内容につきましても、しっかり説明してまいりたいと考えております。 今後とも、さまざまな機会を通して、きめ細かな広報活動を行い、IR整備に対する県民の皆様方の理解、促進を図ってまいりたいと考えております。 そのほかのお尋ねにつきましては、関係部局長からお答えをさせていただきます。 ○議長(瀬川光之君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(池松誠二君) 県立高校改革について、3点お答えをいたします。 まず、少子化に伴う高校の現状と高校教育の課題についてでありますが、少子化等による生徒減少に対して、第二期基本方針のもとで、小規模校をできるだけ維持してきたことなどによりまして、1学年2学級以下の学校が15校、全体の3割程度となるなど、高校の小規模化が進行しております。 このため、各学校に配置できる教職員が限られることとなり、生徒の多様な学習要望や進路希望等への対応が難しくなってきております。 また、小規模校においては、入学者数が減少し、少人数化も進行しております。そのような学校では、集団の中での切磋琢磨やグループ学習等での対話的な学びの充実、活力ある学校行事や部活動が難しくなるなど、高校教育の質の確保が課題となっております。 次に、第二期基本方針中、学級数を減してきたが、その数と基準についてのお尋ねですが、中学校卒業者数の減少に伴い、第二期基本方針期間中に、県立全日制高校において45学級の減を行っており、1学年2学級以下の学校が、先ほど申したとおり10校から15校に増加しております。 学級減を行うに当たっては、本県の公教育を共に担っている私立高校と協議を行い、公立高校と私立高校の募集定員比率の目安としている7対3を踏まえるとともに、地区ごとの中学在籍者数の推移や、各高校の入学者の不充足の状況、これまでの学級減の経過等を総合的に勘案し、学級減数等を決定しております。 県立高校の小規模化、少人数化が進行する中、これまでの学級減のみの対応は難しい状況となってきております。 最後に、今後、どのような考え方で高校教育の水準を維持するのかとのお尋ねですが、第三期基本方針素案では、「変化の激しい社会において、自立的に生き、社会の形成に参画する力」や、「ふるさと長崎への愛着と誇りを持ち、本県の未来を担う力」の育成を担う県立高校の魅力化の推進を重視しております。 高校の魅力化を進めるためには、「生徒の進路希望等に応じた多様な教科、科目の設定」、「学校行事を含む特別活動や部活動等の効果的な実施」、「生徒同士の切磋琢磨や社会性の育成」などが可能となる、一定規模以上の高校であることが望ましいと考えております。 そのため、全県的視点に立った統廃合を含む再編整備の検討を進めるとの基本的な考え方に立ち、学校規模の適正化と学校の適正な配置を図り、学校の機能と教育水準の維持・向上に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 危機管理監。 ◎危機管理監(荒木秀君) 双方向へのデータ送信が可能なアプリを市町が導入することに対する県の考えについてのお尋ねですが、議員ご提案のアプリにつきましては、本県では、五島市や東彼杵町が地域情報配信システムとして導入し、防災行政無線を代替、補完する役割を果たしております。 また、本アプリは、情報発信に対する受信確認機能を有していることから、災害時の住民の安否を確認することも可能となっております。 双方向通信につきましては、多世代の多様な住民へ正確・的確に防災情報を伝達し、受信確認ができる有効な手段であるとともに、防災情報の伝達以外にも、さまざまな使い方ができると思われますので、県といたしましては、既に本アプリを導入している自治体の活用事例を県内の市町に対し、周知してまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(中田勝己君) 私から、5点お答えいたします。 災害対策について。 まず、長崎県栄養士会との災害時の協定を締結しているが、具体的に体制をどのように構築していくのかとのお尋ねでございます。 避難所におきましては、配給される飲食物や調理設備が限られていることから、栄養バランスが崩れがちになることや、食物アレルギーがある方など、食事に特別な配慮が必要な方への対応等の課題がございます。 このため、去る10月18日に、県は、公益社団法人長崎県栄養士会と「災害時の栄養・食生活支援活動に関する協定」を締結し、大規模災害発生時には、災害支援チームを速やかに派遣していただき、被災者への栄養・食事相談や、要配慮者への特殊栄養食品の提供等の活動を行っていただくこととしております。 今後は、避難所を設置する市町での取組が必要であることから、県といたしましては、県栄養士会の協力をいただきながら、特殊栄養食品ステーションの設置や食品提供体制を盛り込んだマニュアルの整備などの支援に努めてまいります。 次に、県内各市町の液体ミルクの備蓄状況及び備蓄促進に向けた県の取組についてのお尋ねでございます。 昨年8月から、液体ミルクの製造、販売が可能となったことを受け、県といたしましても、粉ミルクに比べ、熱湯消毒が不要で、すぐに使用できる点など、災害時の活用に有効であるため、市町に紹介してきたところでございます。 現時点では、今年度中に現物備蓄とするのが3市町、流通備蓄とするのが9市町となっております。 なお、粉ミルクの賞味期限が18カ月に対し、液体ミルクの場合は、最大でも12カ月と短いという課題もあると認識しております。 県といたしましては、賞味期限が近づいた液体ミルクを、例えば、乳児健診等で保護者への啓発のために提供するなどの有効活用を通じて現物備蓄する方法も示しながら、引き続き、母子支援の充実に向け、液体ミルクの普及啓発と備蓄促進に努めてまいります。 子宮頸がんワクチンの接種について。 子宮頸がんワクチン接種は、積極的な勧奨の再開を求める意見が増えているが、県の考えはどうかとのお尋ねでございます。 最新の全国がん登録のデータによりますと、県内の20代、30代のがんと診断された方は、男性は72人、女性は355人と、男性の約5倍であり、そのうち子宮頸がんが6割以上を占めていることから、若い女性の子宮頸がん対策は、重要な課題であると考えております。 子宮頸がんの発症にはウイルスが関わっており、子宮頸がんワクチンは、予防接種法に基づく定期接種に位置づけられておりますが、ワクチンの接種後に重い副反応が疑われる症状の報告があり、平成25年に、国は、希望者への接種機会を確保しつつ、適切な情報提供ができるまでの間、接種の積極的な勧奨を行わないよう、通知したところであります。 県といたしましては、国において積極的な勧奨の再開について早急に結論を出していただく必要があると考えておりますが、それまでの間も副反応の可能性を含めた予防接種に関する適切な情報提供が重要と考えております。 そのためには、県や市町からの情報提供だけでなく、かかりつけ医等の専門家が本人や保護者に直接説明することが有効であると考えており、県医師会等と連携して適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。 がん患者の妊よう性の温存について。 妊よう性温存は、単に患者支援というだけでなく、少子化対策の観点からも重要な取組であると思われるが、支援を行う考えはないかとのお尋ねでございます。 医療の進歩に伴い、若い世代のがん患者は、その多くが、がんを克服し、がんとともに生きていく時代になりつつあり、治療に伴い、子どもを持つことができなくなる可能性がある場合は、生殖細胞を凍結保存し、治療後に凍結した生殖細胞で子どもを授かるという「妊よう性温存療法」が行われております。 県内では、長崎大学病院において、既に治療体制が構築されておりますが、患者だけでなく、県内の他の医療関係者にも十分に認知されていない状況であります。 県といたしましては、県内のがん診療連携拠点病院等の関係医療機関が大学病院と連携し、希望する患者の治療につながるように体制を構築しているところであります。 また、「妊よう性温存療法」は、保険適用外であり、負担が大きいことから、患者への経済的支援につきましては、国や他県の動向を注視しつつ、引き続き、検討してまいりたいと考えております。 医療的ケア児の通学支援について。 医療的なケアの必要な子どもたちへの通学支援について、県はどのように考えているのかとのお尋ねでございます。 医療的ケア児の通学支援につきましては、地域の特性に応じて市町が事業を選択する地域生活支援事業の移動支援事業として9市町で実施しており、また、2市町では単独事業としてタクシー運賃の一部を支給しております。 県としましては、地域の実情や通学に関する個々のニーズを把握しながら、丁寧な支援につなげることが重要と考えております。 そのため、各市町が平成29年度に策定した「障害児福祉計画」に基づき設置する「医療的ケア児支援の協議の場」などにおきまして、移動支援を含めた通学支援のあり方について、地域の実情に応じて丁寧に検討するよう促してまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(柿本敏晶君) SDGsにつきまして、県として、SDGsの推進のための取組をどのように進めていくのかとのお尋ねでございます。 県としましても、SDGsは重要な取組であると考えておりますけれども、国内においては、近年、ようやくその考え方が広がりはじめたところであり、一般的な認知度は、まだまだ低いものと認識をいたしております。 こうしたことから、県においても、幅広い分野にまたがるSDGsの取組を推進していく必要があるとの認識のもと、次期総合戦略及び総合計画をはじめといたします県のさまざまな計画において、SDGsの理念等を踏まえた各種施策に反映するよう取り組んでいるところであり、今後は、さらに各分野において、具体的にどのような取組を進めていくか、検討を深めていくことといたしております。 今後、県職員に対して、SDGsの理解を深めるための研修を行いますとともに、あわせて、現在、SDGsに積極的に取り組む民間団体や企業との意見交換を行っているところであり、そうした意見も踏まえながら、より効果的なSDGsの普及啓発に向け、県内における関係機関の連携強化や、県民に向けた機運醸成に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 文化観光国際部政策監。 ◎文化観光国際部政策監(浦真樹君) 本県への国連機関誘致に係る県の検討状況についてのお尋ねでございます。 県では、国連職員等の人材育成機関であるシファールトレーニングセンターの本県における創設の可能性につきまして、これまで国連職員をはじめ、長崎市、長崎大学、民間の方々など、関係の皆様との意見交換の場へ参加してまいりました。 その中で、トレーニングセンターの国連における位置づけや規模感、事業内容、長崎市や長崎大学などを含めた受け入れ体制、運営に要する経費とその効果などにつきまして確認を進めてきているところでございます。 意見交換の場におきまして、人件費などの運営経費はもとより、世界各国からの研修生の旅費も全て地元負担となり、最低でも年間1億3,000万円以上の予算が毎年必要であることが明らかになりましたが、人材育成プログラムにおける具体的な事業内容が不明であるなど、今後、県内の関係の皆様と調整を進めるに当たりましては、整理すべき難しい課題や確認すべき事項がまだ多くあるものと認識をしております。 県といたしましては、引き続き、国内外の関係機関へ聴取を行うなど情報収集に努めながら、費用対効果など、さまざまな角度からトレーニングセンターの本県誘致の可否につきまして検討してまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) ごう議員-24番。 ◆24番(ごうまなみ君) ご答弁ありがとうございました。 残り時間が20分ありますので、引き続き、再質問をさせていただきます。 まず、1点目の高校教育改革についてでございますが、現状、人口減少が進んでいる中で小規模校を維持していくことが、かなり難しくなってきているというような現実があります。そして、これまで第二期の計画の中で学級減を行ってきたけれども、それでは解決できないくらいの状況になっているというご答弁でありました。 じゃ、学級減に限界が生じてきたということでありますけれども、次期基本方針の中では、学級減以外で具体的にどのような形で再編整備をされていこうとしているのかということをまずお尋ねいたします。 ○議長(瀬川光之君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(池松誠二君) 先ほどご答弁申し上げましたとおり、小規模校が増えておりまして、特に、離島部や半島部に位置する学校が小規模化してきているという現状がございます。 しかしながら、そのような学校でも、地域に根ざした教育活動を行うことで地域から一定の評価を受けているという認識をしております。 そういったことなどを踏まえまして、第三期基本方針素案では、1学年2学級以下の小規模校のうち、入学者数の状況や将来的な見通し等を県教育委員会が総合的に判断し、指定した高校につきましては、県、それから地元の市町、学校、地元関係者等で組織する協議会を設置したうえで、当該高校の活性化策等について協議することとしております。その後、地元市町と県が一体となって、その活性化策等に取り組み、地域とともにある魅力的な高校となるよう努めてまいりたいと考えております。 しかしながら、なお、それでも少人数化の進行に歯止めがかからない場合には、先ほど申し上げたとおり、子どもたちに実施する高校教育の質の低下が懸念されますので、統廃合についても検討が必要となることもあり得るというふうに考えているところでございます。 ○議長(瀬川光之君) ごう議員-24番。
    ◆24番(ごうまなみ君) 今、地域から一定の評価を受けているので、地域とともに存続の方向に向けて検討していくというご答弁だったかと思います。 民間の一般財団法人「地域教育魅力化プラットホーム」という団体が調査をした結果が新聞に掲載されておりました。今まで統廃合で学校がなくなっていく中で、学校がある地域と学校がない地域においては、やはり10代の子どもたちの人数が少なくなっているということで、地域の存続が難しくなっていくというような現状が見えてきていると思います。 やはり学校がなくなることによる地域のデメリットというものが非常に大きいと思いますし、また、一方では、教育移住という形で、人口が増えている地域も日本の国内にはあります。ですから、地域としっかりとお話をしていただいて、魅力ある、特色ある学校づくりというものを進めていただきたいと思います。 また、これこそICTの活用というものがいろいろできると思いますし、今、分身ロボットなども出てきておりまして、島にいながら本土の学校の方に参加ができるような、そういったこともありますので、そういったICTなどの活用も含めまして、できるだけ存続することを大前提に進めていただきたいと私は思いますが、ご見解をお願いいたします。 ○議長(瀬川光之君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(池松誠二君) 先ほど申し上げたとおり、その地域の高校に地元の子どもたちが通学すること、いわゆる地元で教育を受けることによって、いろんなメリットもあると思いますが、私もその新聞記事を拝見しましたけれども、やはり一定規模の子どもの数がいないと、例えば、ご答弁で申し上げたとおり、1学年2学級クラス規模の学校であれば、開設する科目数が50というふうになります。これが例えば1学年7クラスの規模では、開設科目数か82ということで、同じ高校教育の中で、同じ県内の普通の県立高校生が学べる環境が全く差が出てくるという状況があります。 確かに、地域の活性化について、一定、高校という物理的な場所、高校という機関が担っている役割もあるかと思っておりますが、ただ、やはりそこで勉強している、いろんな部活動をやっている子どもたちにとって、そのために質が低下することが、その子たちの将来にとってどうなのかということについても、やはり我々としては考えなければいけないと思っております。 おっしゃるとおり、遠隔授業等も本県では実施しておりますので、そういう手法も使って高校の活性化を図っていきたいというふうに思っておりますが、これからの社会の中では、やはり知識の伝達だけが学校の役割ではなくて、やはりその学校の教育の中で、その知識を使って、どのように活用して、社会の中で生き抜いていくか、また、イノベーションを起こしていくか、そういう力をつけることが今後の高校教育の大変重要な役割だというふうに認識しております。 そうなると、やはり一定の子どもたちがいる中で、お互い、違う意見を聞いたり、切磋琢磨することという日常的なそういう活動も必要ではないかというふうに思っておりますので、今後、仮に統廃合を進める場合には、地元の皆さん方とよく意見を交換し、それで進めるということでありますので、今、具体的に、どこの高校を統廃合するというふうには考えておりませんが、基本方針では、そういう考え方のもとで、一定の方向性を示したということであります。 ○議長(瀬川光之君) ごう議員-24番。 ◆24番(ごうまなみ君) 人口減少の中、地方の存続と、そして、子どもたちの未来、両方をしっかりと見ていかなければいけないので大変かと思いますが、今後、しっかりとご検討いただきながら進めていただきたいと思います。 次に、液体ミルクのことについて、お尋ねでございますが、先ほどご答弁の中で、今、ローリングストックしているところが3市町、そして、流通備蓄が9市町ということで、合わせると12市町ですね、ということは、21市町の中で、あと9市町は、まだ何も対策をとっていないという理解でよろしいですか。 ○議長(瀬川光之君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(中田勝己君) 残りの市町におきましては、今いただいている回答の中で「検討中」というところもありますので、引き続き、県の方から促してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(瀬川光之君) ごう議員-24番。 ◆24番(ごうまなみ君) 前回の質問の時にも申し上げたんですが、私がなぜローリングストックを勧めるのかと言いますと、災害は非日常であります。非日常時に、やったこともないことをやれと言われてもできません。ましてや、飲んだこともないミルクを子どもは飲みません。飲ませたこともないミルクは、お母さんも飲ませません。ですから、ローリングストックをすることによって、賞味期限が切れる前に、健診や、また、保育所の給食に使うとか、そういう仕組みをつくっていただきたいんです。 そういうふうな方向性で10月25日に国から通達もきていると思いますので、それを十分ご理解をいただいたうえで、各市町にそのような方向でやっていただきたいということを推進していただきたいんですが、いま一度ご見解を。 ○議長(瀬川光之君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(中田勝己君) 私どもといたしましても、乳幼児健診等で保護者への啓発のために供する有効性ということを具体的に示しながら啓発をしているところでございますので、引き続き、そういった有効活用も具体的に示しながら各市町と協議してまいりたいと思っております。 ○議長(瀬川光之君) ごう議員-24番。 ◆24番(ごうまなみ君) ぜひ、災害はいつやってくるかわかりません。急いでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、SDGsについて、再質問させていただきたいと思います。 12月2日の日経新聞を見ますと、かなりのページを割いてSDGsのことが掲載されておりました。その中には、「SDGs経営が未来を開く」、「目標を掲げ競う時代」、「SDGsはESGと両輪」などというふうに書かれております。 これは企業だけに必要なものではなくて、企業と同じように自治体も同じことが言えると私は思っております。 このSDGsになぜ企業が取り組むのかというと、やはりそこに利益が見込めるから、そして、企業を存続させることができるからSDGsに積極的に取り組んでいるのだと思います。 そして、その新聞の中にも書いてありましたけれど、今、企業はランクづけがされるような時代になってきました。この会社はどういうことに取り組んでいるのか、環境、社会、ガバナンス、どういった取組をしているのかということによって、投資家の見る目も変わります。そして、消費者の見る目も変わります。投資がそこに入ってくるのか、消費者がその商品を買ってくれるのかということで、会社の存続に関わるからSDGsに積極的に取り組んでいるわけです。 今、大企業がSDGsに取り組んでいるということは、長崎にもその支店があります。支店の支社長さんたちとお話をしても、やはり重要だということを申されます。 大企業だけがやればいいというわけではなく、実は、中小企業も非常に重要で、大企業とともに、連携をして仕事を進めているのが中小企業です。「今後、あなたの会社のSDGsの取組はどうですか、ESGに対してはどうですか」というようなことを言われる時代がやってきます。そうなった時に、長崎県内の企業の皆様方が、それを乗り越えられるような体制をつくってあげるのも県としての役割ではないかと私は思っております。 そこで、私は、国連が目標を掲げました2030年までに達成しますよと、それが今、遅れてますよという現状がわかりました。そのことを受けて、日本国の政府が、安倍総理が、この体制を掲げて、その中で推進していきますよということを、また、さらに声を大きくしたところでありますので、ぜひ長崎県にも国がやっているような、総理が本部長をやって、各閣僚がその下にいて、そして、その中で施策をつくってやっていくというような、これを真似するだけでいいのではないかと私は思っているんですね。 今、県の中では、施策の中にSDGsにはこれとこれが当てはまりますよ、その観点をしっかりと入れながら施策を推進していきますよというようなご答弁をずっと繰り返し聞いておりますが、そうではなくて、私は、SDGsをきちんと表に出して掲げて、そこから施策におろしていくという体制をとっていただきたいというふうに思っております。 県の施策の中で推進していく、粛々とやっていくことは非常に重要なこと、しかしながら、これだけスピードが遅いと言われているのであれば、企業と、それから県民を巻き込んでいかなければなりません。そのためには旗を掲げないと、県民の皆様方は何をやっているかわかりませんので、ぜひ、長崎県はSDGsをやりますよという旗を掲げていただきたいと私は思います。 他県におかれましては、推進本部をつくっているところもあります。また、「あなたの企業ではどうですか」ということで、SDGsの認証制度を設けているところもあります。こういったものを「Nぴか」の中に取り入れてもいいのではないかというふうに私は思っております。 ぜひ、知事が先頭となってSDGsをやりますという旗を揚げていただきたいと私は思っておりますが、知事、この件について、ご答弁をお願いいたします。 ○議長(瀬川光之君) 知事。 ◎知事(中村法道君) SDGsに対する基本的な考え方については、これまでも、この議会の場でもたびたびご議論をいただいてまいりましたように、県の各般にわたる行政そのものがSDGsと密接不可分な関係にあるものと考えているところでありまして、SDGs独特の組織なり推進体制というのは、これはちょっと大きな2つの体制づくりが必要になってくる可能性もあるのではないかと思いますので、どういった推進体制が現状の施策の推進を図りつつ、このSDGsの観点も活かしながら施策を進めるうえで一番いいのか、そこは十分検討しながら進めていく必要があるのではないかと考えております。 ○議長(瀬川光之君) ごう議員-24番。 ◆24番(ごうまなみ君) 知事、ありがとうございました。ぜひ、よりよい形ができるようにご検討いただければと思います。 次に、国連機関の誘致についてですが、私は、今回、SDGsの流れの中で、この国連機関の誘致について質問をさせていただきました。これまでさまざまな会合などを開き、そして、今、県では国連の方から、検討していただけないかという指示がきましたので、それについて、いろいろと費用対効果などを含めながら検討しているという現状を今ご報告いただきました。 私たちは、今、この1年ぐらい、この国連誘致の話をずっと進めているんですけれども、やはり急がないといけない状況にあります。これはSDGsと同じで、急いでやるべきことではないかと思っています。 それは、「出島メッセ長崎」が2021年11月にオープンします。それに合わせて国連を誘致することによって国際会議が開けるのではないかと私は思っております。また、こういった施設があることによって、イベント、例えば、東京ガールズコレクションなどもSDGsとコラボレーションしたイベントですので、こういったものを長崎に誘致できるのではないかというような思いから進めさせていただいております。 こういうことができることで、国連がくることによっての費用対効果は、なかなか目に見えませんが、その他もろもろのイベントの開催等、また、企業の誘致等も含めての経済効果というものはかなり大きなものがあると思っております。 それから、若い人、女性の流出が今激しい長崎県、長崎市におきましても、こういった新しいことをもうやらないと、何かこう、今までのやり方ではだめなんじゃないかというふうに思っています。 今、教育の中にもSDGsがしっかりと組み込まれておりますので、若い世代はものすごく敏感です。そして、今、企業等でも、団体でもそうですが、JCの皆さん、青年会議所の皆さんは、全国的にSDGsに取り組もうとしていらっしゃいます。 ですから、検討は十分にすることが必要ではありますけれども、もう余り時間がないというふうに私は思っておりますので、やはりお尻を決めて、いつまでに答えを出すということをしっかりと決めてやっていただきたいと思っております。 それから、今、先ほどから何度も申しますように、なぜ企業がSDGsに取り組むのか、ESG投資が進むからとか、会社の存続があるから、とにかく世界貢献をするということが会社の重要な責任となってきております。 そのような中、今、「出島戦略」ということのプロジェクトもはじまっていまして、これは2012年に提唱されたんですが、企業が「出島戦略」でイノベーションを推進していこうということで、これから今までの枠組みを超えて新たなものをやっていかないと会社の存続ができない、新たなものをつくっていく時代にきているというふうな認識のもとに、本部機能、本社から切り離したところで出島という組織をつくって新たなことをやろうとしています。 そういう意味で、この国連機関のシファールというSDGsの研修機関が長崎にあることによって、それこそ、長崎にもともとあった出島の役割を果たせるのではないかというふうに私は思っております。 目に見える費用対効果ばかりを追求する時代ではないと思いますので、目に見えない費用対効果、そして、世界への貢献、そういった観点で、ぜひ前向きに検討いただきたい、できれば少し予算をつけてでも検討していただきたいと思っておりますが、ご答弁をお願いいたします。 ○議長(瀬川光之君) 文化観光国際部政策監。 ◎文化観光国際部政策監(浦真樹君) 国連機関の誘致につきまして、費用対効果の面につきましては、今、議員の方から各種ご指摘がございました。 先ほどご答弁いたしましたように、平和とSDGs、多様性というテーマでトレーニングをやっていくということで、国連の職員、政府関係職員、民間企業の方、あるいはお話がございました大学生を含めた若い方、そういう研修をやっていってはどうかというようなご提案もあっておりますけれども、なかなかそこの具体的なところを現在協議をさせていただいているところでありますので、その辺をしっかりと検討させていただきたいと思います。 そうなってまいりますと、やはり県だけではなくて、大学等、そういったところも一緒に、どういう形で受け入れ体制をつくっていくのか、そういうことの検討も必要になってまいると思いますので、そういった点も含めまして、今後、さらに検討を進めさせていただきたいと思いますし、しっかり結果を出していきたいと思います。 ○議長(瀬川光之君) ごう議員-24番。 ◆24番(ごうまなみ君) ぜひお願いいたします。費用につきましては、行政だけに負担をさせようとは民間の方も思っておりません。みんなで一緒に、オール長崎でやろうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最後に一点、妊よう性温存について質問いたします。 先ほどのご答弁の中で、引き続き、「他県の状況などを見ながら検討していく」というご答弁だったかと思います。今、お隣の佐賀県は、例えば、ワクチンの接種についても非常に前向きで、企業とコラボレーションして、がんを防ぐための対策をとられています。また、検診につきましても、年齢を30歳から44歳の女性まで無料にするなど、そういった形で今やっていらっしゃいます。 先ほどのご答弁の中にありました、女性が355人、がんにかかっている。その6割が子宮頸がんということですね。女性が355人、がんにかかっているという、この本県の現状を踏まえた中で、妊よう性温存に助成をしていかないという、その答えはないと私は思っています。やはり人口減少をどうにか切り抜けるためには、そこにしっかりと手当てをしていく必要があると思います。そして、このことがあることで、がんと闘う意識が高まります。やはり、がんサバイバーシップにしっかりとのっとった体制をつくっていただきたい。最後にご答弁をお願いいたします。 ○議長(瀬川光之君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(中田勝己君) 現在、がん妊よう性温存療法は、12府県で既に実施しているところでございます。私どもとしても、それらの実施状況を精査して、今後、検討させていただきたいと思っております。 ○議長(瀬川光之君) ごう議員-24番。 ◆24番(ごうまなみ君) ぜひ、命、そして、未来を守っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 以上で、質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(瀬川光之君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、11時15分から再開いたします。     -午前11時2分 休憩------------------------------------     -午前11時15分 再開- ○議長(瀬川光之君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。 自由民主党、長崎市選挙区選出の久保田将誠でございます。 今日は、このような機会を与えていただき、まことにありがとうございます。 そして、お忙しい中にもかかわらず、傍聴席に足を運んでいただきました皆様には、大変感謝いたしております。ありがとうございます。 それでは、質問通告に従い、質問をさせていただきます。 1、水産業の振興について。 (1) 漁業就業者の確保について。 今年8月に2018年の「漁業センサス」が公表され、平成30年11月1日現在の漁業経営体数や漁業就業者数などが明らかとなりました。この調査は5年に一回行われておりますので、漁業就業者数について、過去からの推移を見てみますと、平成10年におよそ2万4,000人いた漁業者が、平成20年にはおよそ1万7,000人と2万人の大台を割り込み、平成25年には1万4,000人、平成30年には、前回より2,595人減って1万1,715人となっており、平成10年からの20年間で半分以下まで減少したことがわかります。 また、この減少について、減少率で見てみますと、前回調査から今回調査までの5年間で18.1%となっており、これまでの5年ごとの減少割合とほぼ同じであり、漁業者の減少に歯止めをかけるまでには至っていないようです。 さらに、この漁業就業者を年齢階層別で見てみますと、前回の平成25年の調査で65歳以上の占める割合が34.2%であったものが、平成30年には40.1%となり、着実に高齢化が進んでいることもうかがえます。 このように漁業就業者が減り、高齢化も進んでいる中ではありますが、全国における順位を見てみますと、漁業就業者の数は第2位であり、また、漁業生産量も第2位を維持しているようです。 しかし、このまま漁業就業者が減っていけば、漁業が衰退することはもちろんですが、漁村集落を維持していくことが困難となるうえ、漁業に関連する企業、例えば造船業や電気工事業も仕事を失うこととなり、ひいては、地域やまち全体の活力が失われ、疲弊していくことが危惧されます。 このような負の連鎖を断ち切るためには、漁業就業者を確保していくことが必要であると認識しており、特に、若い漁業者を漁業に就業させていくことが重要と考えます。 県では、新規漁業就業者の確保のために、どのような対策を講じているのか、お尋ねをいたします。 (2) 水産県長崎としてのアピールについて。 長崎にはちゃんぽん、皿うどん、卓上料理、カステラなど、全国的にも知名度が高くて、おいしいものがたくさんあり、長崎に来ていただいた観光客の皆様にはおいしい食事を堪能され、また、おいしいお土産をたくさん買っていただいております。 しかし、長崎には、先ほど例として申し上げたもののほかにもたくさんの魅力的なものがございます。代表的なものとしては、豊富な水産物ではないでしょうか。 長崎県は海岸線が長く、広大な漁場に恵まれており、四季折々にさまざまな種類の魚が漁獲されており、漁業生産量・生産額ともに北海道に次いで全国2位の水産県であります。 本県と同様に、水産物が豊富に水揚げされる韓国の釜山には、水揚げされたばかりの魚介類を1階にたくさん並んだ鮮魚店で購入し、2階の食堂で料理をしてくれ、新鮮な刺身や海鮮鍋として食べることができる有名なチャガルチ市場があり、私も訪ねたことがありますが、多くの観光客で賑わっておりました。 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催、2025年の大阪万博開催などによるインバウンド客の長崎への取り込み、また、2022年度の九州新幹線西九州ルート開業に伴う交流人口の拡大などを見据え、長崎の豊富な水産物をもっとアピールし、お土産に買っていただき、また、食べていただくことで漁業者の所得向上にもつながると考えておりますが、県としての考えをお尋ねいたします。 (3) 磯焼け対策について。 近年の地球温暖化の影響により、本県の沿岸地域においては、イスズミなどの海藻を食べる魚の活動が活発となり、魚による藻場の食害が問題になっていると聞いております。 藻場が減少すると、海藻を餌として生活しているアワビやサザエ、ウニなどの水揚げ減少につながることが懸念をされます。 また、藻場は、魚介類の産卵場や育成場として重要な役割を果たしていますが、この藻場が減少・消失する磯焼けの進行は、水産資源に大きな影響を及ぼすものと考えられます。 本県の沿岸漁業を振興し、漁業者の所得向上を図るためには、藻場の維持回復は非常に重要な課題と考えておりますが、県としてどのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。 2、農林業・農山村の振興について。 (1) イノシシ被害対策について。 イノシシやシカ等の野生鳥獣による農林産物の被害については、これまで一生懸命に育ててこられた作物が食い荒らされるなどの被害に遭われた生産者の方々が、そのショックで営農意欲が減退するなど、農林業生産にとどまらず、農山村の活力低下の一因となっております。 本県においても、特にイノシシについては、ほぼ県内全域で生息し、水稲や果樹、野菜などさまざまな農作物に被害を及ぼしているのみならず、近年は住宅地まで出没をしており、長崎市でも、平成30年に2件の人身被害が発生するなど、市街地においても住民の生活の安全・安心が脅かされている状況にあります。 こうした状況に対し、県では、これまで市町や猟友会等と連携をして、防護・すみ分け・捕獲の3対策を講じてきたところでありますが、県内のイノシシによる農業被害は、近年、着実に減少していると伺っております。 そこで、その3対策の具体的な取り組み内容と、その効果として、県内の被害額がどのように推移しているのか、お伺いをいたします。 また、市街地へのイノシシ出没に対して、県ではどのような取り組みを行っているのか、あわせてお尋ねをいたします。 (2) イノシシのジビエへの活用について。 本県で捕獲されている、年間3万から4万頭のイノシシの8割は埋設、または焼却処分されていると伺っております。中でも土の中への埋設処分が7割を占めており、多くの捕獲者が、捕獲した山中において、野生動物の掘り起こしを避けるため、イノシシを埋設する深い穴を掘り、埋め戻すという大変重労働の作業を行っており、また、埋設場所の確保にも苦慮されていると伺っております。 一方、国においては、平成29年4月に「ジビエ利用拡大に関する関係省庁連絡会議」を設置し、被害防止のための捕獲を進めるだけでなく、捕獲鳥獣をジビエ等の地域資源として利用する取り組みを拡大するために、ジビエ利用量を平成28年度から令和元年度に倍増させる目標を掲げ、ジビエの利用拡大を図っており、平成30年度には1.5倍まで増加しているようです。 捕獲されたイノシシの個体をジビエとして有効活用することは、埋設等の捕獲者の負担軽減を図るだけでなく、料理等を通じて地域活性化にもつながる可能性がある有益な取り組みであると考えます。 そこで、本県におけるジビエへの取り組みの状況、その課題、今後の対応について、お尋ねをいたします。 (3) 農山村集落の維持について。 イノシシによる農作物の被害対策については、山に近い農山村地域でしっかり防護・すみ分け・捕獲の3対策が実施されることが必要と考えますが、今後、中山間地域等で条件が不利な農山村集落の人口減少はさらに厳しさを増すと思われます。農山村集落が維持されていないと、3対策を実際に行う人がいなくなることから、現在、減少してきているイノシシによる農作物被害が再び増加するのみならず、イノシシの生息区域が市街地に近づくことから、餌を求めて市街地にも出没するリスクがさらに拡大し、人的被害の増加も懸念されるところであります。 加えて、農山村集落が維持されないことの影響は、農業、農山村が持つ土砂崩れや地すべりを防ぐなどの役割が失われることにもつながるのではないでしょうか。 農林部においては、農山村集落の維持のために、「新ながさき農林業・農山村活性化計画」において、地域資源を活用した農山村地域の活性化のため、地域全体でもうかる仕組みづくりに取り組んでいると伺っております。自然災害の防止の観点からも、必要な取り組みと考えますが、今後、農山村集落を維持するために、どのような取り組みを考えているのか、お尋ねをいたします。 3、インバウンド対策と国際交流について。 (1) インバウンド対策について。 人口減少に歯止めがかからず、造船業などの基幹産業が低迷している本県にとって、海外からの観光客誘致による交流人口の拡大は、県内経済の活性化にとって重要なことであります。 しかしながら、国の宿泊旅行統計によると、平成30年の長崎県の外国人延べ宿泊者数は、全国19位、九州内でも第4位と中位にとどまっております。 本県が観光県を目指すのであれば、全国はまだしも、九州内では1位になるべきであり、それだけのポテンシャルはあると思っております。ただし、長崎の場合、海外での知名度はあるが、それが訪問に結びついていないのが課題であり、インバウンドを呼び込むためには、県の取り組みについて強化する必要があるのではないかと考えております。 他県の事例になるのですが、先般、青森県に伺った際、青森と台湾を結ぶ国際航空路線が、今年の冬から、週2便から週5便へ増便したという話をお聞きいたしました。 その要因を伺ったところ、まずは、輸出実績があるリンゴで青森の知名度を上げた。さらに、台湾人が好む雪を中心に売り込んだ結果、観光客が増え、増便につながったとのことでございました。青森の事例は参考になるものであり、観光資源が豊富な本県なら、それ以上の結果を出せると思っております。 そこで、インバウンドの受け入れ拡大について、どのような取り組みを強化していくのか、お尋ねをいたします。 (2) ラグビーワールドカップのキャンプ受け入れの成果について。 今年9月から11月にかけて、全国各地で熱戦を繰り広げたラグビーワールドカップは、日本代表チームが、史上初となる決勝トーナメント進出を果たすなど、日本中で大変な盛り上がりとなりました。 このラグビーワールドカップについては、県内においても、県と長崎市がスコットランド代表の、そして、県と島原市がトンガ代表の公認チームキャンプ地としてキャンプを受け入れられ、期間中に公開練習、ラグビー教室などの公式行事のほか、空港やホテルでのお出迎えやお見送りなど、県民の方々との交流も盛んに行われたと伺っております。 また、両チームからは、長崎、島原それぞれのトレーニング環境やサポート体制を評価していただき、特に、トンガ代表チームからは、「世界各地でキャンプをしたが、島原が一番だ」と、大変高い評価を受けたとの新聞報道も拝見をいたしました。 そこで、今回のラグビーワールドカップ出場チームの受け入れにおいて、どのような成果があったのか。また今後、その成果をどのように活かしていくのか、県の考えをお尋ねいたします。 4、福祉保健行政について。 (1) 健康長寿日本一の長崎県づくりについて。 高齢化が進む本県においては、県民の皆様に健康で長生きしていただくことは、これからの活力が溢れる長崎県づくりには欠かすことのできない要素であります。 このため、本県では、昨年度から重要施策として、健康長寿日本一の長崎県づくりに取り組んでいるところでありますが、最も重要なことは、県民の皆様に健康に対する意識を持っていただき、自身の生活習慣の改善、健康づくりの実践へつなげていく機運の醸成だと考えております。 そのためには、行政の取り組みだけでは十分ではなく、県全体、官民一体となってさまざまな取り組みを展開していくことが必要であると考えますが、県の考えについて、お伺いをいたします。 (2) 生涯現役促進支援について。 人生100年時代を迎えようとする中、就労や社会参加の意欲がある元気な高齢者の方々が、その能力を十分に発揮できるよう活躍の場を拡大することは、県民の健康寿命の延伸につながるとともに、地域の活力を維持するためにも必要であると考えております。 国においても、本年6月に閣議決定した、本年度の経済財政運営等改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針2019」において、全世代型社会保障への改革の一環として、70歳までの就業機会の確保を掲げております。 そうした動きも踏まえ、県におかれても、平成29年3月には、高齢者の就業、社会参加のワンストップ窓口として、「ながさき生涯現役応援センター」を長崎市内に設置し、その後、佐世保市内と諫早市内に設置したサテライト施設とともに、生涯現役促進に取り組まれていると伺っております。 そして、現在、センター設置後2年半あまり経過したわけでありますが、取り組みの現状と、そこで明らかとなった課題について伺います。また、それらを踏まえての今後の取り組みの方向性についても、あわせてお尋ねをいたします。 (3) 外国人患者医療提供体制の整備について。 県庁からも見える長崎港松が枝埠頭をはじめ、クルーズ船が多数寄港するなど、多くの外国人観光客が本県を訪れております。 本県にとって観光は大事であり、インバウンド事業は重要と考えますが、これだけ多くの外国人観光客が来られたら、中には体調を崩される方もいるかと思われます。また、外国人観光客以外にも、仕事の関係や留学生等、本県で暮らしている外国人が大勢いらっしゃいます。 外国人が病気やけがをした場合、言葉の問題等があり、外国人患者に対する対応が必要と思われますが、県ではどのように考えているのか、お尋ねをいたします。 5、女性活躍推進について。 (1) 女性活躍推進の取り組みについて。 我が国においては、少子・高齢化が進み、生産年齢人口が減少する中、女性の活躍は非常に期待されているところであります。 近年、女性を取り巻く法的な環境は、「男女雇用機会均等法」、「男女共同参画社会基本法」、「女性活躍推進法」などにより整ってきたところでありますが、女性の活躍は進んでいるのでしょうか。 国においては、社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるように期待するという目標を平成15年に設定し、さまざまな取り組みを進めておりますが、目標年を来年に控えて、現在、その実現は厳しい状況となっているのではないでしょうか。 そこで、県はどのように女性活躍推進に取り組んでいこうと考えているのか、お尋ねをいたします。 6、土木行政について。 本県における人口減少の対応として、交流人口の拡大が必要であり、特に、広域的な道路ネットワークの形成は大変重要であります。 また、近年、全国で頻発しております豪雨や、また大規模な地震などの災害時への対策が求められており、災害に対して、安全で信頼性の高い道路網が必要となっております。 長崎南北幹線道路及び西彼杵道路は、県内の広域的な道路ネットワークを形成する地域高規格道路であり、長崎市と佐世保市の間を1時間以内で結び、県南地域と県北地域との連携強化による産業や観光の発展に寄与するとともに、災害時のダブルネットワークの確保など、大変重要な道路であります。 そこで、長崎市を取り巻く道路関係事業について、お伺いをいたします。 (1) 長崎南北幹線道路の早期事業化について。 長崎南北幹線道路の長崎市茂里町から時津町までの未整備区間については、事業化に向け取り組みが進められており、特に、この未整備区間は、並行する国道206号の慢性的な交通渋滞が大きな問題となっており、その対策としても、早期の事業化が必要であります。 ただし、この道路計画は、建物が多く立地している市街地を通過することから、地域への影響に十分配慮したルートとする必要があり、市街地の西側にある山地部を通るルートとし、トンネルの区間をできるだけ長くすれば、地域への影響を抑えられるのではないかと考えております。 前回、9月定例会の冒頭で、知事から、今後、有識者や関係諸機関によるルート選定委員会を立ち上げて、早期事業化に向けた調整を進めていきたいと説明がありましたが、現在の進捗状況について、お伺いをいたします。 (2) 西彼杵道路時津工区の現在の進捗状況と整備効果について。 西彼杵道路については、高速交通ネットワークの空白地帯である西彼杵半島に西彼杵道路を整備することで、長崎市-佐世保市との地域間交流促進による産業、経済の発展や生活基盤の強化による人口定着などの役割を担い整備を進められ、現在、時津工区が整備されていますが、整備延長約50キロのうち、約3割に満たない約14キロの供用にとどまっております。 このような大型事業の推進には、予算確保はもとより、地元の協力が必要不可欠と考えており、道路整備による整備効果を内外にアピールし、事業の必要性を理解してもらう必要があると考えております。 そこで、時津工区の現在の進捗状況と、今後見込まれる整備効果について、お伺いをいたします。 (3) 松が枝2バース化に伴う路面電車の延伸について。 長崎港の松が枝岸壁2バース化に関し、今年度、国による事業化検証調査費が計上され、新規事業化に向け、大きく前進したものと期待をしております。 長崎港には、近年、200隻を超えるクルーズ船が寄港しており、16万トンを超える大型クルーズ船も多く寄港しており、16万トンを超える大型クルーズ船には5,000人前後の乗客が乗船しております。 将来、松が枝岸壁の2バース化が実現した場合、複数のクルーズ船が同時に寄港することが想定され、多くのクルーズ客の二次交通への対応が大変重要になってまいります。 現在、県と長崎市で検討されている、2バース背後地の再開発構想の中では、国内外の観光客の快適な移動を支える交通機能の強化が掲げられており、多くのクルーズ客を市内や県内各地へスムーズに周遊させるための交通結節機能の強化の検討が進められております。 現状は、多くのクルーズ客は貸切バスでの移動がメインとなっておりますが、将来のクルーズ客の増大やニーズの多様化などに対応できるよう、貸切バス以外の公共交通との結節強化が必要であり、長崎のまちの魅力をアピールするには、路面電車を活用することが最良で、松が枝まで軌道を延伸することが必要と考えておりますが、現在の取り組み状況や実現可能性について、お伺いをいたします。 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。 これ以降は、対面演壇席でご答弁を聞かせていただき、内容によりましては、再度質問をさせていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(瀬川光之君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 〔登壇〕久保田議員のご質問にお答えをいたします。 まず、新規漁業就業者の確保のために、どのような対策を講じているのかとのお尋ねであります。 漁村地域の維持活性化や人口減少対策、さらには、漁業生産力の向上等の観点から、新規就業者の確保は非常に重要な課題であると認識をいたしております。 このため、県では、平成28年度から市町、漁協等と連携して、「ながさき漁業伝習所」を設置し、情報発信や高校生の体験研修、就業前の技術習得支援等を総合的に展開しており、平成30年度は、目標を上回る183人の新規就業者を確保しているところであります。 今年度からは、さらに、若者をターゲットとした本県漁業の魅力発信や、県主催で初となる「水産業就業支援フェア」の開催、親元で就業する漁家子弟への支援を強化したところであります。 さらに、新規就業者の着業に際しましては、県の経営指導や国の漁船リース事業等の活用により、経営の安定化と離職防止に力を注いでいるところであります。 今後とも、切れ目のない新規就業者の確保対策や所得向上対策等に重点的に取り組むことによって、漁業の将来を担う人材の確保・育成に力を注いでまいりたいと考えております。 次に、インバウンドの受け入れ拡大について、どのような取組を強化していくのかとのお尋ねであります。 国内人口の減少が見込まれる中、インバウンドの受け入れ拡大は重要な施策であり、これまでもさまざまな事業を推進してきたところであります。 そうした結果、平成30年の長崎県観光統計の外国人延べ宿泊者数は約93万人と過去最高を記録したものの、九州各県と比較すると低い伸び率にとどまっており、強い危機感を抱いているところであります。 そのため、今後は、本県の魅力発信を強化するとともに、観光まちづくりの推進により、ハード、ソフト両面での受け入れ環境の質を向上させ、満足度を高めてリピーターの増加につなげられるよう、各種施策を強力に進めてまいりたいと考えております。 具体的には、国、地域別に魅力的な観光資源を提案するほか、関係機関などともタイアップしながら、現地での情報発信をこれまで以上に充実させるとともに、個人旅行化が急速に進展している中、ターゲットを絞り込んだ動画広告を配信し、効果検証を行うなど、デジタルマーケティングに基づくプロモーションに新たに取り組んでいくことといたしております。 また、観光まちづくりについては、より市場ニーズを踏まえたものとなるよう、本県を訪れた外国人旅行者の声を市町や関係団体と共有し、観光資源の磨きあげや受け入れ環境の整備などにつなげるとともに、地域が主体的に取り組む体制づくりを進めてまいりたいと考えているところであります。 そのほかのお尋ねにつきましては、関係部局長からお答えをさせていただきます。 ○議長(瀬川光之君) 水産部長。 ◎水産部長(坂本清一君) 私の方からは、水産業の振興について、2点お答えいたします。 最初に、長崎県の豊富な水産物をもっとアピールすることで、漁業者の所得向上につながると思うが、県の考えはいかがかとのお尋ねでございますが、県といたしましても、本県の新鮮で豊富な水産物を広く県内外にPRすることは重要と考えております。 現在、県外においては、大手量販店での販売フェアの開催や、各種展示会への出展を支援し、本県水産物の販路開拓と販売促進に努めております。 さらに、県内においては、長崎、佐世保、松浦の各魚市場での「魚祭り」や「水産加工振興祭」の開催を支援するなど、水産県長崎としての認知度向上に努めております。 また、長崎県の魚はどこで食べられるのかというお尋ねが多いことから、本県産の魚を積極的に提供する飲食店を「長崎県の魚愛用店」として認定し、この認定店を紹介するパンフレットを空港、観光案内所、ホテル等に配置し、県内以外の方々への周知を図っているところでございます。 今後は、交流人口の拡大も見据え、常温での保存が可能となるお土産に適した多様な加工品の開発や、いろいろな種類の魚が食べられる賑わいの場づくりなど、水産県長崎としての新たなPR手法を検討してまいります。 次に、磯焼け対策についてのお尋ねでございますが、県におきましては、藻場の機能を付加した増殖場の整備や漁業者組織を中心とした藻場の保全活動に対し支援を行うとともに、食害魚の駆除を促進するため、食用化に向けた商品開発などの取り組みへの指導、支援を行っております。 このような取り組みの結果、例えば五島市の崎山漁業集落では、網仕切りによる食害魚の防除対策に取り組み、ヒジキを復活させたことが評価され、今年度の「全国豊かな海づくり大会」において、最高位である大会会長賞を受賞されました。 また、対馬市の水産加工業者による食害魚のイスズミの食用化に向けた取り組みが高い評価を受けまして、先月17日に開催された全国コンテストにおいて、最高位である「Fish-1グランプリ」を獲得されました。 県としては、これらの新たな取り組みを広く普及、啓発し、早期の藻場回復につながるよう、今後とも、漁業者、漁協、市町等と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 農林部長。 ◎農林部長(中村功君) 私から、3点お答えをいたします。 まず、イノシシの被害対策について、具体的な取り組み内容と被害額の推移、及び市街地への出没対策に県はどのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。 県では、イノシシによる農作物被害防止対策として、地域で被害対策を指導します「イノシシ対策A級インストラクター」を450名育成するとともに、「防護」、「すみ分け」、「捕獲」の3対策を総合的に実施しており、これまで延べ1万4,000キロメートルに及ぶ防護柵設置や128カ所の緩衝帯整備、毎年3万から4万頭のイノシシ捕獲を進めてまいりました。 その結果、イノシシによる農作物被害額は、平成30年度には約1億4,000万円となり、ピーク時である平成16年度の約3分の1に減少しております。 一方、イノシシなど野生鳥獣の市街地への出没相談等につきましては、平成30年度、長崎市では626件、佐世保市では381件が住民から寄せられており、人的被害は、過去3年間で6件報告されております。 このため、平成29年度に県において作成しました「市街地出没時の緊急対応マニュアル」に基づき、市町に対して、出没の原因となる生ごみの放置等に関する住民への注意喚起や遭遇した場合の対処法の周知、出没した場合の保定用具などの資機材整備、及び追い払いの模擬演習を実施しております。 今後とも、こうした取り組みを通じて、イノシシ被害の防止や住民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、本県におけるジビエへの取り組みの状況、その課題、今後の対応についてのお尋ねでございます。 本県では、有害鳥獣として年間3万から4万頭のイノシシを捕獲しており、そのうち食肉としての利用は、自家消費を含め約18%であり、県内に14カ所あります食肉処理施設への搬入される割合は約7%となっております。 県内産イノシシのジビエ販売量は、平成28年度の15トンから、平成30年度は25トンに増加し、1.7倍の伸びとなっておりますが、今後、さらに販売量を増加させるためには、肉質の向上とロットの確保による販売対策が必要と考えております。 このため、県では、捕獲者に対し、個体の異常確認、捕獲時の血抜きの徹底、品質を損なわない運搬方法等の研修を実施しているところであります。 また、食肉処理業者に対しては、品質確保の前提となる衛生管理の徹底や解体技術等の研修会を開催し、県内食肉処理業者の技術を平準化させ、県内卸業者とのマッチングを行うことでロットを確保することとしております。 今後は、さらに、定時・定量・定質の販売対策を進め、良質なジビエの安定供給に取り組むとともに、未利用部分の加工品開発などにより、所得の向上と地域の振興につなげてまいりたいと考えております。 次に、農山村集落を維持するために、どのような取組を考えているのかとのお尋ねでございます。 県では、これまで、農山村地域全体でもうかる仕組みをつくるため、農産物直売所を販売・交流拠点として、特産物等の地域資源の情報発信、少量多品目産地の育成、農泊の推進に取り組むとともに、地域環境の保全に向けた集落ぐるみの里山林整備や農地・水路等の保全活動を支援してまいりました。 しかしながら、議員ご指摘のとおり、人口減少に伴い、集落機能が低下すると言われる10戸未満、かつ65歳以上が住民の50%以上の農業集落は、2015年の55集落から、2040年には約6倍に増加すると予測しており、これまで守られてきた水源の涵養や自然環境の保全など、農山村が持つ多面的機能が低下し、土砂災害や鳥獣被害などの拡大が危惧されるところであります。 そのため、今後は、農山村地域にさらに人を呼び込む必要があると考えており、農山村集落が川下地域やボランティアなど、多様な担い手と共同し、農地・水路等の保全活動に取り組む新たな仕組みを構築して、地域と都市部の住民等が継続的に関わる関係人口の拡大を進めてまいりたいと考えております。 また、集落の魅力や農地付き空き家、生活情報の発信など、集落自らが行う移住・定住促進に向けた取組を関係部局や市町と連携して支援し、農山村集落のさらなる維持・活性化につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(柿本敏晶君) ラグビーワールドカップのキャンプ受け入れについて、どのような成果があったのか。また、その成果をどのように活かしていくのかとのお尋ねでございます。 今回、初めて世界トップレベルのチームが県内でキャンプを行い、公開練習、パブリックビューイング、市民応援団の派遣など、多くの交流事業が実施をされました。特に、ラグビー教室に参加した子どもたちは、世界のトッププレイヤーに指導を受け、間近にプレーを体験したことで、世界を身近に感じ、国際的な感覚を養うことにもつながったと考えております。 また、キャンプを受け入れた県や市、関係団体においては、海外トップチームに対応した宿泊や練習環境の提供、輸送手配などのノウハウを、来年のオリンピック・パラリンピックのキャンプ受け入れ等に活かしてまいりたいと考えております。 さらに、長崎市においては、スコットランドチームのユニフォームに使用され、現地の登記所にも登録された「長崎タータン」のデザインを今後も活用していくことが期待をされており、また、島原市においては、トンガ出身の元日本代表選手によるラグビー教室が、今後も継続して実施をされるなど、交流の成果がレガシーとして残っていくものと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(中田勝己君) 福祉保健行政につきまして、3点お答えいたします。 まず、健康長寿日本一の健康づくりについて、健康長寿日本一に向けて、官民一体となった取組が必要と考えるが、県としてどのように考えているのかとのお尋ねでございます。 健康長寿日本一に向けては、行政のみの取組だけではなく、医療・保健関係団体や経済団体、民間企業等の協力が不可欠であると考えております。 そうしたことから、昨年11月に、81の関係団体で構成される「健康長寿日本一長崎県民会議」を設置し、多くの団体の連携により、県民運動の基盤となる枠組みを設けているところであります。 県民会議の構成団体においては、県民の皆様に健診、運動、食事のポイントをわかりやすくお示しする「ながさき3MYチャレンジ」や、具体的に健康づくりに取り組む県民の方を登録し、運動を広げていくことを目的とした「ながさき健康長寿メイト」の周知啓発などに取り組んでいただいており、県民運動を全体として展開していく活動を推進しているところであります。 今後も、県民会議の構成団体の協力をいただきながら、県民が楽しく健康づくりに取り組むことができるよう、引き続き、官民一体となって取り組んでまいります。 次に、生涯現役促進支援について、「ながさき生涯現役応援センター」の取組の現状と課題、及び今後の取組の方向性をどのように考えているのかとのお尋ねでございます。 「ながさき生涯現役応援センター」では、高齢者の就業から社会参加等への幅広い相談対応や活躍促進のためのセミナーの開催、企業訪問による高齢者雇用の働きかけなどを実施しております。 平成29年3月のセンター開設以来、本年10月末までに、延べ4,347件の相談対応を行い、1,196人が名簿登録し、350人が社会参加に向け進路決定しております。 しかしながら、名簿登録者は、センターが所在する長崎市や、サテライトが所在する佐世保市、諫早市周辺地域に偏る傾向があることや、就労・社会参加等に関心のない方が多く、いかに関心を持たせ、高齢者の活躍を動機づけることが課題であると考えております。 本事業は、今年度が国の3年間の委託事業の最終年度となっており、今後、センターのみならず市町とともに取り組みを進め、地域包括支援センター及び自治会等の協力を得ながら、高齢者に対する身近な相談や啓発活動を行う体制を県内全域で整備してまいりたいと考えております。 最後に、外国人患者医療提供体制の整備について、外国人が病気やけがをした場合、言葉の問題等の対応が必要と思われるが、県はどのように考えているのかとのお尋ねでございます。 国の調査によると、昨年度、県内の病院を受診した外国人は、延べ約1万人と推計され、本県を訪れる外国人観光客や県内に暮らす外国人の方が、安心して医療を受けられる環境を整備していくことは喫緊の課題であると考えております。 県といたしましては、県内すべての医療圏での医療体制を整備するため、多言語対応が可能で、外国人患者を受け入れることができる16の医療機関を選出し、これらの医療機関の受け入れ体制を強化するため、希望する医療機関には、翻訳タブレットを導入する際の支援を行うこととしております。 また、今年度中に、県内の主要な医療機関、県医師会、県観光連盟などで協議会を立ち上げ、外国人患者への対応等について情報共有を行うとともに、今後取り組むべき課題や対応方針等を検討していくこととしております。 引き続き、外国人患者が安心して医療を受けられる体制整備に向けて必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 県民生活部長。 ◎県民生活部長(木山勝己君) 女性活躍推進について、どのように取り組んでいこうと考えているのかとのお尋ねですが、女性が、その個性と能力を十分に発揮し活躍することは、社会経済情勢の変化に対応できる、豊かで活力ある社会の実現につながるものであり、大変重要であると考えております。 また、企業において女性の活躍を推進することは、優秀な人材の確保や女性目線での新しい商品、サービス等の創造のきっかけとなり、企業の成長力強化にもつながるものと期待されております。 このため、県では、企業における女性の活躍の機会の積極的な提供や、仕事と家庭生活の両立に資する雇用環境の整備などが必要であると考えており、企業経営者の意識改革に向けた働きかけを迅速かつ丁寧に行ってまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 土木部長。 ◎土木部長(岩見洋一君) 私から、3点お答えいたします。 まず、長崎南北幹線道路の早期事業化に向けた現在の進捗状況についてのお尋ねです。 長崎南北幹線道路は、西彼杵道路と一体となって、長崎-佐世保間の移動時間の短縮、観光や産業の振興などに大きく寄与するとともに、長崎市北部の渋滞対策に重要な役割を果たすものと認識しております。 現在、長崎市茂里町から時津町までの未整備区間の事業化に向け、9月に有識者や地元関係者で構成する「ルート選定委員会」を立ち上げ、検討を進めているところであります。 ルートの選定に当たっては、市街地への影響をできる限り低減することが必要であり、現在までに2回の委員会を開催し、市街地の西側をトンネルで通過する案が最適であるとの意見をいただいております。 なお、起点側の茂里町から下大橋付近までの区間については、地形的にトンネル構造の採用が困難であるため、さらに、ルートの詳細な検討が必要であります。 今後、地域住民の方々との意見交換なども行いながら、最適なルートの選定に取り組んでまいります。 次に、西彼杵道路時津工区の現在の進捗状況、また、どのような整備効果があるのかとのお尋ねです。 西彼杵道路の時津工区3.4キロメートルについては、これまでに用地取得がほぼ完了し、現在1.7キロメートルのトンネル工事や左底地区の橋梁工事などを進めており、令和4年度の完成を目指しているところであります。 整備効果としましては、大型商業施設の立地が進む国道206号の約1万3,000台の交通が、バイパスに転換することで渋滞が緩和されるとともに、移動時間も短縮されることから、沿線地域のさらなる活性化に寄与すると考えております。 最後に、松が枝地区への路面電車の延伸についての取り組み状況についてのお尋ねです。 県と長崎市で昨年度取りまとめました「松が枝地区再開発構想素案」に、交通結節機能の強化を目的とした路面電車の延伸を盛り込んでおり、現在、運行事業者との意見交換を重ねております。 その中で、路面電車の新たな軌道等の整備に相当な費用を要することや、松が枝から長崎駅方面に移動するためには、混雑する新地中華街電停での乗り換えが必要になるなどの課題が挙がっており、国の支援による整備の可能性や、松が枝から長崎駅へ直通運行するための軌道の新設・改良などについて、関係者とともに検討しているところです。 また、延伸に当たっては、観光客や市民も含めた恒常的な利用者の確保が必要であることから、松が枝岸壁背後において、新たな観光・交流機能の整備を図ることについても検討を進めてまいります。 ○議長(瀬川光之君) 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) 知事をはじめ関係部長のご答弁、ありがとうございました。 それでは、残り時間、再度質問をさせていただきます。 まず、漁業就業者の確保についてでございますが、県主催で初となる「水産業就業支援フェア」を開催したとの答弁がございましたが、当日のマッチングの状況やその後に進展があっているのか、お尋ねをいたします。 ○議長(瀬川光之君) 水産部長。 ◎水産部長(坂本清一君) 就業支援フェアの当日は、台風の影響がある中、41名の来場がありました。内訳は、県内高校生が19名、県外者4名を含む一般の方が22名であり、年齢層は16歳から66歳など幅広い参加がございました。 延べ140件の面談が行われまして、27名に対して、出展業者から求人交渉があっております。 このうち離島の魚類養殖業者において、既に職場体験の受け入れが決まるなど就業に向けた準備が進んでおり、今後も定期的なフェアの開催により、就業者の確保に努めてまいります。 ○議長(瀬川光之君) 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) フェアが、また次回開催する時は、前回よりももっと多くの方が来られ、盛大になるような取り組みをぜひしていただきたいと思います。 それでは、水産県長崎としてのアピールについての答弁の中で、賑わいの場づくりなどPR手法を検討したいとの答弁がございましたが、全国の水産物を販売している施設の中には、ご当地ならではの魚介類を調理して食べさせたり、料理としてメニュー化していたり、水産加工品を販売して観光客等を呼び込み賑わっているところが結構あると思います。 県は、そういった先行してうまくいっている他県の実態を把握して、賑わいの場づくりに向けた参考とされてはどうかと提言いたしますが、いかがでございますか。 ○議長(瀬川光之君) 水産部長。 ◎水産部長(坂本清一君) 他県の実態の把握に関しましては、今年度、本県での水産物の販売、PRを核とした賑わいの場づくりに向けた検討を行うため、全国の中で利用者のニーズを捉え、評判がよいとされている水産物販売拠点のコンセプトや運用状況、成功要因等を調査、分析することとしております。 ○議長(瀬川光之君) 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) 磯焼け対策について、再度質問をいたします。 先ほど藻場機能を付加して増殖場を整備すると言われましたが、近年は地球温暖化の影響により、海水温が上昇するほど環境が変わってきております。 そのような中で、効果的に藻場を造成していくためには、整備の方法も工夫が要ると思われますが、どのようにお考えでしょうか。 ○議長(瀬川光之君) 水産部長。 ◎水産部長(坂本清一君) 議員ご指摘のように、温暖化の影響によりまして、以前は見られなかった南方系の海藻が出現するなど、藻場の形成時期や構成する海藻の種類にも変化が見られますので、その変化の状況に応じ、環境に適した種類を増殖対象種に選定することが重要と考えております。 また、増殖場の整備とあわせて、藻場の回復を阻害する要因である食害魚の駆除や海藻の種を供給する母藻の整備などにも積極的に取り組んでいく必要があるものと考えています。 ○議長(瀬川光之君) 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) 次に、今後のイノシシの被害防止対策について、お尋ねをいたします。 先ほどの答弁の中で、鳥獣被害防止対策において、防護・すみ分け・捕獲の3対策の実施により、農作物の被害が一定低減されてきたことは、評価したいと思います。 しかしながら、今後、農山村集落の人口の減少が進むことにより、3対策を担ってきた地域の方々の減少も見込まれることから、これまでどおり、3対策を継続して実施することは難しくなると考えられますが、イノシシの被害防止対策について、今後どのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。 ○議長(瀬川光之君) 農林部長。 ◎農林部長(中村功君) 議員ご指摘のとおり、人口が減少していく中で、3対策を継続していくためには、省力的かつ効率的、効果的な取り組みが必要と考えております。そのため、現在、県では、ICT技術を活用した鳥獣被害防止対策のシステム開発を進めているところでございます。 具体的には、捕獲者が現場でスマートフォンを用いて捕獲個体を撮影・入力し、捕獲情報を即時に地図上に表示することで、イノシシの移動傾向を踏まえた防護柵やわなの集中設置など、市町が行う戦略的な捕獲対策に活用できるよう、令和2年度中のシステム開発を目指すほか、省力的な緩衝帯整備のための草刈りロボットの活用などについても検討してまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) 次に、健康長寿日本一の長崎県づくりについて、再度お尋ねをいたします。 トータルとしての枠組みとして県民会議を設置し、県全体で取り組んでいこうという方向性は理解いたしましたが、民間企業等との連携で何か具体的な取組は出てきているのか、お尋ねをいたします。 ○議長(瀬川光之君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(中田勝己君) 民間企業等との連携につきましては、県民の皆様の健康づくりを応援する企業や団体を「ながさき健康長寿サポートメンバー」として登録する仕組みを創設し、健康づくりに関する普及啓発などに協力をいただいているところでございます。 具体的には、事業主に向けた健康経営セミナーや県民向けの健康セミナーを開催していただいており、本年度は、現時点で合計6回開催されております。 また、従業員の健康づくりに取り組む企業の増加に向けて、協会けんぽ長崎支部と共同で実施している健康経営宣言事業につきまして、現時点で約390社が宣言を行うなど、個々の企業においても健康づくりの取り組みが進められているところであります。 さらに、健康づくりのための積極的な活動や独自の工夫で成果を上げている企業・団体等を「ながさきヘルシーアワード」として表彰を行い、優良な取り組み事例として横展開を図っていくこととしております。 今後も、引き続き、官民一体となって健康長寿日本一へ向けた県民運動を推進してまいります。 ○議長(瀬川光之君) 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) 次に、女性の仕事と生活の両立実現に向けた取り組みについて、お尋ねをいたします。 女性が仕事と生活を両立できる暮らしを実現するためには、家庭内における男性の家事や育児の参画が必要と考えますが、県ではどのような取組を行っているのか、お尋ねをいたします。 ○議長(瀬川光之君) 県民生活部長。 ◎県民生活部長(木山勝己君) 男性の家事・育児への参画には、男性の意識醸成を図るとともに、企業における育児休業等を含む雇用環境の整備のほか、男性の育児休業取得やワーク・ライフ・バランスなど、多様で柔軟な働き方の実現に向けた職場の理解促進が必要であると考えております。 このため、県におきましては、「Nぴか」の取得促進やイクボスの普及啓発、経営者等を対象としたセミナーの実施など、男女がともに働きやすい環境づくりの推進に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) 次に、女性活躍推進に向けた今後の取り組みについて、お尋ねをいたしますが、近年、女性の県外転出が拡大傾向にあり、大変懸念されるところでありますが、一つの取り組みとして、県内就職の促進なども有効ではないかと考えております。 県内における女性の活躍を推進するに当たり、今後、県ではどのような取組を考えているのか、お尋ねをいたします。 ○議長(瀬川光之君) 県民生活部長。 ◎県民生活部長(木山勝己君) 本県におきます女性の県外転出は、20歳から24歳に多く見られていることから、就職などにより転出されている方が多いのではないかと推測をいたしております。 このため、県内企業に対し、女性が働きやすい職場環境の整備につながります「一般事業主行動計画」の策定を働きかけていきますとともに、女性に特化した就職説明会や、福岡県を中心とした看護・介護・保育などの学生のUIターン就職等の取り組みにより、女性の県内定着を図ってまいります。 また、加えて、就職活動前の女子大学生による県内企業訪問や女性社員との意見交換等により、企業の魅力を肌で感じることで、就職活動の際の県内企業の選択につなげてまいりたいと考えております。 今後とも、庁内関係部局並びに関係団体と連携しながら、県内における女性の活躍を推進してまいりたいと考えております。 ○議長(瀬川光之君) 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) 次に、西彼杵道路について、再度お尋ねをいたします。 西彼杵道路の整備により、企業誘致や観光振興などにおける整備効果が期待されていますが、人口減少と県民所得の低迷が大きな課題となっている本県にとって、西彼杵道路のストック効果を最大限に発揮させるため、全体をつなぐことが必要であり、未整備区間の早期着手が必要不可欠と考えております。 このような中、未整備区間の早期着手に向けた取り組みについて、お伺いをいたします。 ○議長(瀬川光之君) 土木部長。 ◎土木部長(岩見洋一君) 未整備区間の西海市大串から時津町日並間約23キロメートルについては、時津工区の完成後、速やかに着手できるよう、概略ルートやインターチェンジの位置、整備の優先順位の検討を進めるため、有識者で構成する西彼杵道路計画検討委員会の第1回目を11月に開催したところです。 今後、検討を進め、来年度中には取りまとめを行うこととしております。 ○議長(瀬川光之君) 久保田議員-11番。 ◆11番(久保田将誠君) 知事、そして関係部長の答弁、ありがとうございました。 さまざまな取組をされておられますけれども、ぜひともそういった取組を推進していただきまして、成果、そして効果が出るように、ぜひとも強く要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(瀬川光之君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、1時30分から再開いたします。     -午後零時16分 休憩------------------------------------     -午後1時30分 再開- ○副議長(西川克己君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) (拍手)〔登壇〕自由民主党・県民会議、大村市選挙区選出の小林克敏でございます。 一般質問をする前に、本日も傍聴席いっぱいに皆様方にご出席をいただき、大変ありがたく、本当に感謝にたえないところであります。 皆様方には、1,000円というお金を払っていただきながら、たくさんあるバスの会社の中で県営バスを選び、交通局長、そういう形で皆さん方にお越しをいただき、しかも、この傍聴席に入れずに1階のロビーのテレビで、実はご覧をいただいている方もたくさんいらっしゃるわけであります。ご出席いただきました皆様方に心からお礼を申し上げ、今後ともよろしくお願いをしたいと思います。 私は、自分でいつも感じておりますが、いろんな会合をする時に、いっぱい人が参ります。その割に選挙で票が出ないのではないかと、(笑声)こんなようなことを言う方もいらっしゃいますが、私の運動不足であのような結果でございますが、また、これからもお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。 皆さん方にとって私の右側にいらっしゃるのが、あの有名な中村法道知事、本物でございます。それから、その横が上田副知事、農林部長とか総務部長をおやりになりました。その次が平田副知事、国土交通省からお見えでございまして、将来の大物でございます。また、こちらは教育委員会教育長、下を向いていますが、あの方が教育委員会教育長、交通局長、バスの社長さん、そういうような方がいっぱいここに並んで、この皆様方の指導のもとに県庁が動いているわけであります。これからお世話になりますが、よろしくお願いしたいと思います。 1、ローマ教皇のご来県について。 先月の11月24日、実に38年ぶりにローマ教皇がご来県いただいたのであります。 私も爆心地公園で行事に参加しましたが、教皇が花を手向けられる際に、「焼け場に立つ少年」の、あの写真の横に立たれ、雨の中にもかかわらず、かなりの時間をかけてお祈りを捧げられ、その後に核兵器廃絶を世界に向けて訴えられたのであります。 ローマ教皇は、世界に13億人を超えるカトリック信者の頂点に立つ最高指導者であるとともに、世界の180の国・地域との外交関係を持つバチカン国の元首でもあられるわけであります。 ローマ教皇の被爆地長崎から世界に向けて核兵器廃絶のメッセージが発信されたことは、我々長崎県民にとって、これ以上の感動はないのであります。 ローマ教皇を迎えるに当たり、かねてより「ローマ法王来県受入連絡会議」を立ち上げ、さまざまな準備をなさってきた長崎大司教区、県警察本部をはじめとして、長崎県及び市当局、そして、たくさんのボランティアの皆様方のご尽力に心からの感謝と敬意を表するものであります。 知事は、ローマ教皇の38年ぶりのご来県をどのように受け止めておられるのか。また、今後、核兵器廃絶に向けて、どのように取り組んでいくのか、まずお尋ねをしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 〔登壇〕小林議員のご質問にお答えいたします。 ローマ教皇が世界に向けて発信されたメッセージを受けて、今後、核兵器廃絶にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。 ローマ教皇フランシスコ台下には、これまでも被爆地長崎に心を寄せていただいており、また「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録にもお力添えを賜る中で、機会あるごとに、ご来県をお願いしてきたところであります。 今回、ご訪問が実現し、多くの県民の皆様方が歓迎される中、教皇台下が全ての行程を無事に終えられましたこと、大変うれしく思っております。 教皇台下は、原爆落下中心地において、核兵器のない世界が可能であり、必要であるとの確信を持って核兵器廃絶に向けたメッセージを発信され、平和を願う全ての人々に大きな勇気と励ましを与えていただきました。 県では、これまでも、長崎を最後の被爆地にとの願いを込めて、国内外へ原爆の悲惨さと非人道性を訴えてまいりましたが、教皇台下のメッセージに触れ、改めて、長崎から被爆の実相を強く発信していかなければならないとの思いを持ったところであります。 来年は、被爆から75年の節目の年であり、県としては、核兵器のない平和な世界の実現を目指し、長崎市や関係団体と連携しながら、今回のローマ教皇の平和のメッセージや長崎ご訪問の状況を世界に向けて発信してまいりたいと考えております。 以後のお尋ねにつきましては、自席からお答えをさせていただきます。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) ローマ教皇がお越しをいただきましたことに対する知事の熱意ある答弁をいただき、ありがとうございました。 この原爆の長崎から世界に向けて発信されたメッセージ、かなり効果があり、またマスコミも大きく世界的に報道されたそうであります。 今後とも、核兵器の廃絶を目指し、世界の平和を願いながら、我々長崎県政もぜひとも推進をしていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 2、十八銀行と親和銀行の合併について。 既に、報道されているとおり、地元十八銀行と親和銀行が来年10月1日に合併することが決定し、残り一年を切ったのであります。 両銀行は、合併に向けて、さすが銀行と言われるほどの戦略とスピード感を持って着々と準備を進めているのであります。 言うまでもなく、これまで十八銀行と親和銀行は、率直に言って、ライバルとして激しく競争を繰り返しながら県内経済を支え、牽引してきたのでありますが、今日のような人口減少をはじめ、数多くの課題が山積する中、経営環境の悪化を見通し、苦渋の合併の経営判断をなされたものと考えているのであります。 十八銀行と親和銀行の合併に伴い、県内に上場企業がなくなったなどと悲観的な論評をする人も若干見られますが、この合併によって、本県経済史にしっかりと刻み込まれるような取組が展開されるものと期待したいと思います。 ①県の認識について。 改めて知事にお尋ねいたしますが、来年10月の合併まで一年を切った今、長崎県として、この両行の合併をどのように受け止めておられるのか、まずお尋ねをしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 両行におかれましては、低金利の長期化等で、地方銀行を取り巻く環境が厳しさを増す中、今後も、住民生活や地域経済をサポートする役割を担い続けるために、経営効率化と経営基盤の強化を図る観点から、合併という大きな経営判断を行われたものと理解をしているところであります。 新銀行には、安定的な経営体制のもとで、県内全域における店舗ネットワークを維持され、県民生活を支えていただくとともに、グループの総合力を活かして、県内各地域の産業活性化に貢献されることを期待しているところであり、今回の合併を前向きに捉えているところであります。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) ありがとうございました。 ②新銀行に期待することについて。 産業労働部長に、この件でお尋ねをしたいと思います。 ただいま、知事より、この合併を前向きに捉えているとのご見解をいただいたところでございます。 これから、最も大事なことは、県庁として、新銀行に何を期待するのか、この点であります。 ご存じのことと思いますが、現在、十八銀行が98店舗あります。親和銀行が87店舗あります。計185店舗あります。県民の利便性を考えて、県内隅々に両行の店舗が張りめぐらされているのであります。 令和3年となって、5月から、185店舗のうち先行分も合わせて県内63店舗、県外8店舗の計71店舗を順次統合し、114店舗となることが明らかになっております。 さらに、両行の社員数は、十八銀行が1,287人、親和銀行が1,177人の計2,464人ですが、店舗の統合によって約350名の余剰人員が生じることを両頭取は明らかにしながら、「余剰人員を成長につながる事業に配置して、県経済の発展につなげたい」と、力強く語っているのであります。 合併によって銀行の経営力が高まる中、県は、新銀行にどのような期待をしているのか、改めてお尋ねをしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(廣田義美君) 新銀行には、さまざまな分野の産業の活性化や、県内企業の成長、発展に向け、将来にわたり、地域に根ざした金融機関として貢献されることを期待しております。 例えば、グループが海外に有する8つの拠点を活かした中小企業の海外展開支援をはじめ、九州各県に有する営業ネットワークを活用したビジネスマッチング、創業、事業承継等へのコンサルティングなど、県内企業のさまざまな課題の解決に向け、伴走型の経営支援をさらに強化していただきたいと考えているところでございます。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) そういうような期待感が、知事からもお話があったし、また、担当部長からもそういうお話をいただいたわけであります。 ③合併後のサービス低下への懸念について。 知事、これまでは、両銀行の、よい意味での競争があったと、結果として、県内事業者や県民に対するサービス向上が図られてきたと思います。やっぱり競争があるから、そういう意味でサービス競争もやっぱりやっていただいたわけであります。 そうすると、合併をいたしますと、競争相手がなくなり、いわゆるお客様サービスが低下するのではないか。例えば、一番はやりの言葉であえて言わせていただくと、貸し渋りや貸しはがしなど、県内中小企業などへの融資態度の変化が、まさかあるとは考えられませんが、そういう心配の声も若干聞こえてくることも事実であります。 現在、長崎県庁は、十八銀行に幾ら預金をしているか、調べてみました。424億円を長崎県庁の名義で十八銀行に預金をしております。親和銀行に幾らかというと、411億円であります。十八銀行に424億円、親和銀行に411億円、うまく分けて、2つの銀行に835億円預けておりますが、では、この2つの銀行に幾らぐらいの借り入れをしているかというと、現在、両銀行から5,644億円を借り入れしています。 こういうような状況を見て、大口の顧客として、合併後のサービス水準の維持について、県としてもしっかり関心を持っていくべきと考えますが、知事の見解を求めたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 今回の合併に際して、両行からは、合併によって生じる資本や資源は、県内に還元するとお聞きしているところであります。 ただ、一方で、ご指摘のような合併による独占への懸念が、公正取引委員会による審査が長期化した理由でありましたことから、両行におかれては、第三者機関の設置等により、不当な金利の引き上げや貸し渋りといった取引先の不安や懸念の払拭をモニタリングできる仕組みを設けているところであります。 合併によって、県内最大の金融機関が誕生することになりますけれども、県といたしましても、事業者や県民へのサービス低下を招かないように、また、本県経済の発展に、より一層貢献していただけるように、しっかりと注視してまいりたいと考えているところであります。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) 知事から、この新合併についてのいわゆる考え方、大変ありがたく、しっかり考えていただいていることがよくわかりました。 要するに、こういう新銀行が合併することによって競争力が低下し、サービスがなかなか向上していかないと、貸しはがしとか、貸し渋りとか、そんなようなことはとんでもないことであります。 そういうようなことでございまして、これから、やっぱり合併することによって、この両行の力はどんどん大きく増していくわけであります。 そういうことから考えてまいりますと、今、長崎県が抱えているところの人口減少問題、また、造船に代わるべき成長産業等々にも大変な力を借りて協力をしていただくような、そういうお願いもしていかなければいけないのではないかと、こういうふうに考えておりますので、今後とも、両銀行の合併におけるところの活動について、関心を持ちながら、これから進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 3、ミライon図書館について。 ①現状と今後の取組について。 県都長崎市に100年以上の歴史を持つ長崎県立図書館が、大村市立図書館と一体型となって、図書館名も「ミライon図書館」と命名され、10月5日に開館いたし、ちょうど2カ月が経過したのであります。 そこで、まず、教育委員会教育長にお尋ねいたしますが、先月11月末の約2カ月間で来館者はどれくらいになっているのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(西川克己君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(池松誠二君) 10月5日の開館から11月末までに、約12万人という多くの県民の皆様にご来館いただいております。 開館日は、年間通じて286日となりますが、開館後、11月末までの48日間で、1日当たりにすると約2,500人の方々にご来館いただいているということになりますので、順調なすべり出しとなっているというふうに考えております。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) 今、教育委員会教育長の答弁で、改めて確認いたしますが、この約2カ月間で12万人の来館者があったと、1カ月に約6万人で12万人、県立・市立一体図書館の「ミライon図書館」は、年間365日の中で286日が開館であります。その286日の開館という前提に立って、2カ月間で12万人、1日大体2,500人が来館していただいているということ。 後でも質問いたしますが、この「ミライon図書館」については、今、年間60万人の来館者を実は希望しているところであります。その目標に近づくためには、ざっとした計算でありますけれども、1日大体2,100名来れば、60万人ぐらいに一年間でなるのではないかと、こういうことです。 その2,100名が、今、2,500名ということで、かなり予想を上回って来館者がたくさん来ていただくということは、大変ありがたいことでございますので、今後ともよろしくお願いをしたいと思うのであります。 さて、県立図書館が県都長崎市を離れることに対し、率直に言って相当な反対もあったのであります。しかしながら、県土の均衡ある発展を旗印に、大村市に新築、整備していただいたのであります。 旧県立図書館は、年間の来館者は30万人と言われました。旧大村市立図書館は20万人でありました。「ミライon図書館」は、年間の来館者の目標を60万人にしています。県都である長崎市を離れ、県央の大村市に整備したことで、どのような効果があり、さらに、どのような効果が見込まれているのか。 また、県と市が一体化することによって、県と市の職員間で意見の違いがあって運営に支障が出てくるのではなかろうかと心配する人もいましたが、その点はどういうことでございますか。その点は何の懸念もないのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(西川克己君) 教育委員会教育長
    教育委員会教育長(池松誠二君) 交通アクセスにすぐれた大村市の広大な敷地に移転したことで、全国でもトップクラスの収蔵能力と125万冊の資料を有し、県民の幅広いニーズに応えられる機能が充実したこととともに、駐車台数も、旧県立図書館の約9倍の205台を整備し、県内各地から自家用車でも気軽に来館できる環境を整えることができたと考えております。 また、県立・市立一体型図書館として、双方の人的・物的資源を有効活用することにより、効率的な運営が図られることから、来館者サービスや県民への広域的支援のさらなる向上につながるものと見込んでおります。 また、図書館の運営につきましては、県職員18名と、市の職員9名を含む64名で運営に当たっております。職員が一体となって運営に当たられるよう、県・市の職員を、区別なく各グループに配置し、開館以前から合同の研修会や、毎週1回の館内会議等を行うことにより、相互理解を深めております。 さらに、館長は、地方図書館長の経験もある図書館の専門家を国から招聘し、俯瞰的にマネージメントを行うことにより、県・市一体となって一つの図書館として円滑な運営ができており、運営上の支障は現在のところ生じておりません。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) 教育委員会教育長の話、県立図書館の今の運営の中身について、また、将来の経営展開をしっかり話をしていただきまして、大変心強く思ったところであります。 今、こういう状況の中で、職員数が全体で64名おると、その中で県から18名、そして市から9名のトータル27名が正職員として頑張っていただいていると。 そういう県立・市立一体図書館に来館された方々のご意見を聞きますと、「非常に対応がすばらしい」と、確かにすばらしい内容の図書館ができているわけであります。これからも60万人を超えるような形の中で、ひとつ大いなる取組を期待したいと思います。 今言うように、これから、来館者を年間60万人達成するためには、しかしながら、簡単なことではないのであります。どういう取組をやっていくかということが大事であります。 それから、もう一つ、離島や遠隔地の方々にとって、「ミライon図書館」まで、なかなか行くことができない方もたくさんいらっしゃることと思います。このような県民の皆様に対して、どのようなサービスが提供できるのか、お尋ねをしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 教育委員会教育長。 ◎教育委員会教育長(池松誠二君) 「ミライon図書館」では、県民の皆様方のさまざまなニーズにお応えすることができるよう、125万冊の豊富な資料を所蔵しております。また、専門的な調査研究や、ビジネス支援などのためのデータベースを充実するとともに、国立国会図書館や公益財団法人放送番組センターが公開するデジタル資料なども利用できるようになっております。 さらに、毎月1回行っております開館記念講演会とともに、関係機関と連携して、県民や地域の課題解決のためのセミナーや相談会等を開催し、新たな利用者層の掘り起こしも行っているところであります。 これらの取組を通して、より多くの県民に、「ミライon図書館」の魅力や必要性、有用性を認識してもらい、リピーターとして継続して来館していただけるよう、引き続き、努力していきたいと考えております。 次に、離島や遠隔地の県民の皆様方に対するサービスにつきましては、地元の図書館で「ミライon図書館」にしかない資料を取り寄せ、地元の図書館で貸し出し、返却できる協力貸し出しを実施しております。 この協力貸し出しについては、利用者の利便性を高めるため、自宅のインターネットから資料の申し込みを可能にする「インターネット協力貸し出し」のシステムを現在構築しているところであり、今後、市町立図書館の協力を得ながら、広域的なサービスの充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) 離島や遠隔地の皆さん方に対する、インターネット等を使いながら自分の家から申し込みができると、そういう利便性を非常に考えていただいて、それをこれからやっていくんだと、そういうことでございますから、相当離島、遠隔地の皆さん方はお助かりになると考えるわけであります。 今、いろいろとこういう取組の中身の内容が、非常に私は充実していると思います。今まで教育委員会教育長の答弁をたくさん聞いてまいりましたが、ほとんど上手に語られますけれども、今までの中で一番よかった。 そういうような形の中で、これを実行していただくということを重ねてお願いし、ぜひ県立図書館、市立一体型図書館が大村に来てすばらしかったと言われるように、何といっても県都を離れているわけでありますから、その点のところをよろしく重ねてお願いしておきたいと思います。 4、IoT関連産業の振興について。 私は、つい先日の11月17日、予算決算委員会の総括質疑に立ち、大手造船が苦戦を強いられている中で、次代が求める新たな基幹産業の創出に向けた航空機やロボット、IoT関連など、成長分野の取組について、どのような成果が出てきているかをお尋ねしたところであります。 ①最近のIoT関連産業の立地決定について。 このような中、10月末に、諫早市にあるソニーから、なんと1,000億円の規模を投じて、半導体画像センサーの新工場を建設するという発表がありました。 半導体画像センサーは、次世代通信規格、いわゆる5G時代の到来を迎え、IoT分野での需要拡大が見込まれており、そのような点から考えても、本県にとっては、またとないビッグニュースであり、また、ビッグチャンスでもあります。そして、何よりも大事なことは、若者の社会減少対策にも期待ができるものであります。 造船が下火になってくる中、造船に次ぐ新たな基幹産業を創出するため、知事が先頭に立って取り組んできた航空機やIoT分野において、早くも具体的な成果が出はじめていることに対し、改めて敬意を表したいと思うのであります。 ソニーの1,000億円規模の投資は、本定例会の冒頭に知事が説明されたとおり、1,000人規模の新たな雇用が期待される大きな内容であり、本県の人口減少に少しでも歯止めをかけることができればと考えますが、ソニーの新たなこの新工場の建設のビッグニュースを知事はどのように受け止めておられるのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(西川克己君) 知事。 ◎知事(中村法道君) ソニーにおかれましては、これまでも地域に多くの雇用の場をご提供いただきますとともに、地域経済を支える重要な役割を担ってきていただいたところであります。 今回、新設される工場では、世界のトップシェアを誇る半導体画像センサーが生産されることとなりますが、若い方々にとっても希望が持てる魅力的な仕事であると思われますことから、当社の人材確保に当たっては、県内の新卒者はもとより、進学や就職などで県外におられる方々、あるいはその保護者の方々に対しても、全世帯広報誌や県内就活情報誌「NR」などを活用して情報発信をするなど、積極的に支援してまいりたいと考えているところであります。 今後とも、良質な雇用の場を創出することで、若者の県内定着、あるいはUIターンを促進し、本県の人口減少に歯止めをかけることができるよう、全力を注いでまいりたいと考えているところであります。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) 確かにおっしゃるように、今回のソニーの1,000億円規模の投資、そして1,000人を雇用と、こういうビッグニュースは、最近にない、本当にありがたい話であります。 そういう点から、全面的な支援をしていきたいと、そういう決意を知事がお持ちであるということ、これはぜひともそういう形の中で、人口減少対策、若者定着に大いなる希望が持てることでありますので、よろしくお願いしたいと思います。ただいま答弁がありましたように、ぜひ積極的に進めていただきたいことを重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。 さて、IoT分野については、昨今、富士フィルムをはじめ、京セラ、デンソーなど、有名な名だたる大手企業のIoT関連会社が、次々と本県に進出を決定するなど、好調に企業誘致が進んでおります。 こうした動きは、ソニーと同様に、県内の若者に大いに夢と希望を与えるものであり、若者定着に大きな期待が寄せられています。 IoT関連企業の本県進出が続いている背景や立地決定の要因をどのように考えているのか、お尋ねをいたしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(廣田義美君) 企業においては、震災や豪雨災害を経験し、災害対応意識が高くなっており、また、AIやIoTなどのデジタル技術をあらゆる産業に取り入れ、さまざまな社会課題を解決するソサエティ5.0の実現に向け、取組が急速に進んでいるところでございます。 一方、近年、労働人口の減少等により、人手不足が深刻化する中、特に、IT系人材については、大企業においても都市部での採用が厳しい状況が続いております。 こうした中、県におきましては、平成27年度に、「長崎金融バックオフィス構想」を打ち出し、クレインハーバー長崎ビルの整備を行う一方、県立大学の情報セキュリティ学科の開設や、来年4月の長崎大学に情報データ科学部の新設により、専門人材が育成されることを踏まえて、金融・保険、BPOサービス、さらに情報通信関連企業の誘致を強化してまいりました。 直近に立地を決定いただいた企業からは、本県の強みであります「自然災害の少なさ」、「情報系教育機関の充実」、「優秀な人材の確保が期待できる」などが決め手になったというお話を承っているところでございます。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) 今、答弁をいただきましたように、こういう大手のIoT関連企業が次々に長崎に進出をしているのであります。 大体ですね、ソニーというのは、世界のソニーでありますけれども、どれぐらいの売り上げを、年商を上げているかというと、調べてみたら、なんと一年間で8兆6,000億円をソニーグループで上げているわけです。それから、デンソーが5兆3,000億円、富士フィルムが2兆4,000億円、京セラが1兆6,000億円と、本当に考えられないぐらいの大きい数字を年商として売り上げを上げているわけであります。 皆さん、ご存じですか、1兆円がどのくらいのお金かということを、1兆円のお金、(発言する者あり)山田博司君がわからないと言っているから教えます。 1兆円のお金、どのくらいのものかというと、毎日100万円を使って何年間でなくなるかと、なんと2,740年ということです。(発言する者あり)毎日100万円使って、2,740年かけて、やっと1兆円がゼロになると、これぐらいの大きいものです。 だから、ソニーの年商8兆6,000億円、デンソーの5兆3,000億円、富士フィルムの2兆4,000億円、京セラが1兆6,000億円、こういう大型の名だたる有名な企業が、この長崎県に来ているということ、これは大変なことであります。 知事、私は日本経済新聞を見てまして、「ITの開発拠点を長崎進出の波」と、この新聞記事、日本経済新聞が、これだけの大きい記事をですね。「IT開発拠点、長崎進出の波」、すごいじゃありませんか。「ソニー、5Gにらみ攻勢、画像センター1,000億円で工場」、「IT人材、長崎に集める」、小森社長がこんなことを言ってくれております。「京セラICT拠点開所」、これは京セラに関する記事です。そして、「知事、1,000人雇用期待、ソニーの長崎新工場に」と、知事とは中村知事のことです。これも日本経済新聞です。それから、「1,000人程度、新たな展開。ソニー、諫早工場建設。知事、採用へ支援へ」と、これは長崎新聞。 こういうような形で、大手の新聞、地元の新聞が、ありがたいことに大きく報道していただいているわけであります。 私は、日本トップ企業のIoT関連会社が長崎の地を選んだ、その取組を、今、部長が説明をしました。その説明を聞いて、我々議会ももっと関心を持ち、若者定着の最も大事な、良質な企業で働きたいとの希望をかなえられるように努力をしていかなければならないと考えます。 ソニーには、長崎大学工学部の学生が、富士フィルムや京セラ、デンソーなどへは県立大学の情報セキュリティ学科の学生や、来年4月に新設される長崎大学情報データ科学部の学生たちが、生き生きとして、そこで働いている姿を想像するだけでもすばらしいではありませんか。 県外に出た人たちがUターンするきっかけになることも大いに期待しながら、今後とも、産業労働部企業振興課を中心として、しっかりと取り組んでいただくことをお願いして、これからを期待していきたいと思います。 5、人口減少対策について。 特に、県下21市町の取組について、お尋ねをいたしたいと思います。 我々の長崎県政にさまざまな問題が山積する中、最大の重要課題は、何といっても人口減少対策であります。 県として、人口減少対策にどれだけの予算を投入しているのか、調べてみました。 平成31年度、今年度の当初予算を見てみますと、雇用促進、若者定着に96億6,200万円、移住対策に7,000万円、結婚・妊娠・出産・子育て支援に54億7,000万円、そして集落維持に4,350万円など、計230億円が計上されているのであります。 また、人口減少対策が本格的に始まった平成28年度から平成31年度の4年間で、人口減少対策費はどれぐらいになっているかと調べてみると、何と888億円が投入されてきたのであります。 これだけの県民皆様の税金や国の支援を受けながら、社会減、自然減の対策を懸命に行いながらも、残念ながら、人口減少に歯止めがかかる気配すら見えてこないのが現状であります。 平成30年度、最近の直近の社会減少及び自然減少はどのくらいの数字になっているのか、これも調べてみました。 昨年、平成30年度の社会減少数は、なんと6,056人であります。15歳から24歳の最も活力があり、長崎県の故郷に残って将来を支えてもらいたい若者が、進学や就職のために県外に転出し、社会減の8割ぐらいが15歳から24歳ぐらいの若者となっているのであります。 一方、自然減は7,531人、つまり死亡数1万7,713人から出生数1万180人を差し引いた数字が7,531人であります。社会減が6,056人、自然減が7,531人、合わせて1万3,587人が昨年の人口減少数となっているのであります。 毎年、1万人を超える長崎県の人口が減り続けている。この厳しい大変な現実を、全ての県民皆様と共有することが、とても重要と考えます。全ての県民の皆様が、人口減少を自分のことと受けとめてくださるよう、もっと働きかけていく必要があることを強く訴えたいと思います。 さらに、この人口減少に歯止めをかけるためには、企業や教育機関等と一体となって対策を進めることが重要であり、特に私が強く訴えたいことは、県下21市町の取組であります。 これは、市町においても、毎年、我がまちの人口が軒並みに大幅に減少しているわけでありますから、県と同じ程度、あるいはそれ以上の危機感を持って人口減少対策を前面に打ち出し、取り組んでもらいたいと考えます。 そこで、企画振興部長にお尋ねいたします。 ①市町の人口減少対策について。 私が県下21の市町の人口減少の実態を調べてみて、長崎市及び県都に近い長与町、時津町の社会減が、住民基本台帳に基づいて、全国ワーストの上位になっているようですが、いかがですか。どのようになっているのか、明快にお答えをいただきたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(柿本敏晶君) 総務省公表の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によりますと、平成30年の長崎市の社会減少数は2,663人で、全市区のうち、多い方から1番目、全国の市や区の中で最も多いという厳しい状況になっております。 また、長与町の社会減については440人で、全国の町村の中で最も多く、時津町の社会減は261人で、多い方から6番目という厳しい状況になっております。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) ただいまの答弁で、長崎市が実は上位になっていると、ただいまの答弁のとおり、私の調査でも、住民基本台帳に基づく人口動態で、社会減少数が最も多い自治体は、全国793の市と区の中で、なんと長崎県の県都長崎市がワースト1位となっているのであります。 また、町村では、全国に926の町村があります。この926の町村の中において、本県の長与町がワースト1位、そして時津町がワースト6位となっているのに驚きます。特に、長崎市の社会減少数は2,663名、ワースト2位の大阪府寝屋川市が1,421人ですから、長崎市の2,663人は、かなり突出した数字であります。 他県においては、県庁所在地の県都のまちが人口のダム機能を一定果たしているんですが、残念ながら、長崎市ではダム機能を果たしていないのが現実であります。 また、町村の社会減少数の全国ワースト1位が本県の長与町、ついこの間までは人口が増えていた町でありますが、今や、本県の長与町は全国のワースト1位になってしまった。そして、ワースト6位が時津町となっているのであり、人口減少対策について、各市町の取組や実績については、率直に言ってばらつきがあり、危機感に温度差がかなりあると思えてならないのであります。 やはり県下の市町も、自らのこととして、県と一体となって人口減少対策にもっともっと取り組んでいただきたいと強く要望したいのですが、これに対して知事の見解を求めたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 知事。 ◎知事(中村法道君) この人口減少問題につきましては、もとより県の施策だけで解決できるものではなくて、県と市町と危機意識を共有しながら一体となって取り組まなければ、具体的な成果に結びつかないものと考えているところであります。 しかしながら、地域によって人口減少に対する取組や実績などに差があることは、今、議員がご指摘のとおりであります。例えば、離島地域においては、有人国境離島法に基づく交付金の積極的な活用などもありまして、社会減に改善傾向が見られているわけでありますけれども、今、お触れいただきましたように、長崎市等においては、転出超過数が拡大傾向にあるなど、全体として人口減少にいまだ歯止めがかからないという状況であります。 こうしたことから、これまでもスクラムミーティングなどの機会を捉えて、県としての考え方を説明し、市町に対して人口減少対策への取組を働きかけてきたところであります。 今後とも、こうした取組に加えて、県、市町が共に策定を進めております次期総合戦略の実施に向けて、県、市町の役割分担を明確に示しながら、移住施策、少子化対策、ふるさと教育の充実、地元企業への就職促進など、重点的に取り組んでいただきたい施策等の推進を、さらに市町に積極的に取り組んでいただくとともに、人口減少対策支援チーム等によって、これまで以上に積極的な支援に努めてまいりたいと考えているところであります。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) 確かに、人口減少対策に対して、県はこの4年間で888億円、これだけの財政をもって対策を講じてきたわけであります。また、今年度も、なんと230億円ぐらいの予算を人口減少対策に充てているわけであります。 そういうようなところから、知事も市町の代表の皆様方とスクラムミーティングをやりながら、やっぱりきちんとお願いをされているわけであります。 県は、一生懸命やっている、同じレベルで市町もやっていただきたい。こういう状況の中でありますけれども、私が触れましたように、率直に言ってばらつきがあるのではないか、危機感に対して温度差があるのではないか。人口減少対策は県がやるものだと、市町でそういうような考え方の人がもしおるとすれば、それは大変な間違いだと思います。 やっぱり市にしても、町にしても、目の前に住民の大事な暮らしがあるわけであります。そこがやっぱりこうやって減少しているということについては、関心を持たないのがおかしいわけであります。 私は、県もこれからしっかり取り組むと同時に、市町の人口減少対策の支援チームを濱田統括監が立ち上げて、約30名の方たちが市町を訪れて人口減少対策について強くお願いをしているではありませんか。 せっかくこれだけのことをいろいろやりながらでも、なんでそうやって効果が出ないのかと、この辺のところについてはしっかり、例えば、県も自然減、社会減は公表されておりますが、各市町でも社会減と自然減がどういう動きになっていると、こういうのは毎回明らかにすべきではないかと思うんです。 我々も、県議会の立場の委員会において、例えば、どこの市が、どこの町が、どれくらいの人口の状況になっているか、この動態の推移を明らかにすることは、決して内政干渉とか、そういう意味じゃなくして、県も、市も、町も、みんなで取り上げていくんだという、そういう気持ちの中でこれからもやっていきたいと、こういうふうに思っているわけです。 長崎の方々には申し訳ないが、今、長崎市の社会減少数は2,663名、これはいわゆる転出をした人、転入をした人、転出と転入を引いて2,663名でありますから、入ってくる人も結構おるけれども、出て行く人の数は、もっとすごいと、こういうことがいわゆる全国で第1位という形になっているわけですから、もう少しダム機能を発揮していただくような、そういう取組をぜひともお願い申し上げると同時に、市町については、同じレベルで今後とも取り組むことをぜひともお願いをしたいと、こういうように思っているわけでありますから、よろしくお願いしたいと思います。 次に、人口減少の社会減少対策として、県が最も力を入れて取り組んでいるのが若者定着の対策です。 今年、平成31年3月の高校の卒業生は、全体で1万2,289人です。平成31年3月に卒業された高校生が1万2,289人です。そのうち県内の大学や専門学校に進学する人、また、県内で就職する人の数を合わせた人数は5,927人、全体の49%となっています。県内に残る方、県内の大学や専門学校に進学する人、また、県内で就職する人を合わせて約6,000名ということであります。 一方、県外に就職を求め、進学する人の数は6,141人の51%、県外に就職を求め、進学する人の数を合わせて6,141人の51%となっています。県内高校から進学先、大学や短大の上位3位はどこの県か、進学人数はどのくらいになっているのか。また、同様に就職先の上位3位はどこか。こういうようなことをお尋ねをしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 産業労働部政策監。 ◎産業労働部政策監(貞方学君) 平成31年3月に県内高校を卒業し、県外に進学した生徒の転出先は、福岡県が最も多く1,266人、次いで東京都が385人、熊本県が283人となっております。 また、就職先としては、福岡県が411人、次いで愛知県が218人、東京都が213人となっております。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) 今、答弁を聞いて誰もが気づいたと思いますが、長崎県の生徒の方々は、卒業して、進学するにせよ、就職するにせよ、どこに行っているかというと、実は、福岡県が一番多いということが今も明らかになったところであります。福岡県への進学先は1,266名、東京都が385名です。熊本が283名、ここに進学組が行っているわけであります。 では、県外の就職先はどこに行くかというと、福岡県が411名、愛知県が218名、東京都が213名、この実績から見て、福岡県への転出がいかに多いかということは、福岡と長崎の距離はあんまり遠くもないし、近いわけでありますから、これからいろいろと福岡県の学生の方も、あるいは就職している方も、県の関係のそういう方からしっかりお願いをし、卒業したら長崎県で就職してもらいたい、あるいはUIターンの先鋒を切っていただきたい。 こういうようなことの中で、やっぱりその対策をもって、出て行った人を長崎県に戻すような、そういう対策をやるべきと思いますが、この点はいかがですか。 ○副議長(西川克己君) 産業労働部政策監。 ◎産業労働部政策監(貞方学君) 県外進学者に対するUターン就職促進につきましては、本年度から新たにSNSを活用し、県内トピックスや、ふるさとで働く魅力等を発信するとともに、首都圏や福岡地区担当のキャリアコーディネーターを配置し、県外大学との協力関係を構築しながら就職相談会等を実施しているところであります。 特に、本県からの進学者が最も多い福岡地区については、去る10月に福岡市内に県職員1名が常駐する「ながさきUIターン就職支援センター」を設置し、県内企業と学生との交流会や県内企業見学バスツアーなど、学生に対する働きかけの充実、強化を図っております。 今後は、これまでの取組に加え、福岡における本県出身学生による県人サークルの立ち上げや、看護、介護等の専門学校への働きかけ、一旦、福岡で就職したものの、早期に離職された方の対応、移住相談など、一人でも多くの若者に戻ってきていただけるよう対策を強化してまいります。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) 率直に言って、今の答弁を聞いて、過去になかった取組が行われ、福岡に事務所を設けている。その関係の職員とコーディネーターを専門として一人入れて、そうやってわかりやすく長崎県に戻っていただくこと、長崎県で就職していただくこと、こういう働きかけをやりながら、これから実績を上げていきたいと、こういう取組が始まっております。 大変ありがたい取組だと思います。ぜひこれを、実績をもって我々に勇気を与えていただくような、そんな状況を考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 6、特定複合観光施設(IR)について。 ①IRを誘致する真の目的について。 まず、お尋ねしたいことは、IR導入の意義であります。 率直に言って、IRと聞けばカジノ、カジノイコールギャンブルという印象を持たれている人が多いと思います。 我が国におけるIR導入の意義は、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現」となっていますが、長崎県が九州地方知事会の全面的な支援を受けながら、佐世保市とともにIR誘致に取り組む真の目的は一体何なのか、広く県民の皆様方に十分伝わっていないのではないかと思いますので、改めてIRに取り組む真の目的は何なのか、お尋ねをいたしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(柿本敏晶君) 人口減少に歯止めがかからない中、本県において、地域振興や地方創生を実現するためには、交流人口の拡大を図り、地域経済を活性化することも重要と考えております。 IRは、世界中から観光客を集め、交流人口を大きく拡大するとともに、地域経済に大きな波及効果をもたらすものであり、本県としては、新たな雇用や質の高い雇用を生み出すことで、若者の地元定着の機会を拡大するとともに、進学や就職で県外へ転出した若者が地元長崎へ戻ってくる受け皿をつくることが必要でありますことから、このIR誘致に力を注いでいるところでございます。 ○副議長(西川克己君) 小林議員-44番。 ◆44番(小林克敏君) そういうIRの真の目的が健全で、いわゆる長崎県の歴史が物語るような、そういう滞在型のリゾート、そういう観光に力を入れているんだと、こういうことを正しく流してもらいたいと思っております。 IRといえば、今言ったようにカジノ、カジノイコールギャンブル、そんなものをなぜ長崎県に誘致するのかと、そういう正しい、本当の長崎県の浮揚につながる。こういうIRの真の目的がしっかり伝わってないということは、これからでありましょうけれども、もっともっとアピールしていかなければいけないと、こういうことで、率直に言ってIRとは何ぞやと。ただ、カジノイコールギャンブル、これだけしか通らないということは、やはりいかがなものかと。この長崎県が絶対に避けて通ることのできないIR、この誘致実現のために、もう本当に県民挙げて取り組むような、そういう一つの方向性をしっかりお願いしたいと思うのであります。 ②交通インフラの整備について。 私は、長崎県への誘致を実現するためには、陸・海・空の交通アクセス、これが何といっても大事だと思います。陸についても、海についても、空についても、それぞれの交通アクセスの改善がIRの誘致の生命線であるということを県の関係者は強く受け止めてもらいたいと思います。 もう時間がなくなりましたが、私が最後に申し上げたいことは、空港は今のままでいいのかということです。IRを迎えるだけじゃなくして、この大村の長崎空港が一ローカル空港みたいな形の中で、今、ねまってしまっていることはいかがなものかと。確かに、国内線は乗降客が320万人ぐらいになってまいりましたが、しかし、国際線は、まだまだ九州では最下位ではありませんか。なんでこれだけの長崎空港が、3,000メートルの、これだけの一番大きな滑走路を持ちながら、今の状況の中に慣れ親しんでしまっているということは、いかがなものか。 平田副知事に答弁をしてもらいたいと思ったんですが、そういうことで今後ともよろしくお願い申し上げ、終わりたいと思います。 ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西川克己君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、2時45分から再開いたします。     -午後2時30分 休憩------------------------------------     -午後2時45分 再開- ○副議長(西川克己君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。 佐世保市・北松浦郡選挙区選出、改革21、宮島大典でございます。 本日最後の質問となりますが、よろしくお願い申し上げます。 このたび、質問の機会を与えていただき、心から感謝を申し上げます。 また、本日は、時間を割いていただきまして、わざわざ傍聴にお越しくださいました皆様方に心から感謝を申し上げます。 私が、前回、県議会で一般質問を行いましたのが、平成6年の3月定例会のことであります。したがって、25年と9カ月ぶりに(発言する者あり)登壇をさせていただくこととなりました。周りを見渡しますと、議場は新しく立派に生まれ変わりました。 また、理事者の皆様方におかれましても、ご紹介は割愛をさせていただきますけれども、すっかりお顔ぶれも変わられまして、まさに隔世の感極まれりという感じがいたします。 しかしながら、この春の選挙で、有権者の皆様方からいただきましたご負託にしっかりと応えられるように、また、これまでの紆余曲折ありました長い政治生活というものを糧といたしまして、県勢の発展のために微力を尽くしてまいりたいと思っております。 議員の皆様方、また、理事者各位におかれましても、何とぞご指導を賜りますよう、改めましてお願いを申し上げます。 さて、これから質問に移らせていただきます。 1、新幹線建設等鉄道整備について。 (1) フル規格建設について。 九州新幹線長崎ルートにつきましては、平成30年にフリーゲージトレインが導入を断念されてから、新たな局面を迎えております。 これまで、国の与党のPTにおきましても、フル規格の建設というものの方向性が示されましたし、また、それに先立ち、県においてもフル規格建設というものを目指してこられております。 また、最近では、来年度の予算に関わる動きや、あるいは佐賀県知事と国土交通大臣、また、鉄道局長との会談の話もあり、また、そのことについて、昨日も質疑があったところであります。 ここで、まずお尋ねをいたします。 現状のこの新幹線問題に対しての認識と、そして、全線フル規格建設実現に向けての知事の決意を改めてお伺いいたしたいと思います。 以降の質問につきましては、このまま傍聴席を向きながら質問をしたいわけでありますけれども、通告に従いまして、対面演壇席より質問をさせていただきたいと思います。 なお、本日は、質問に直接関わりのある地域の皆様方も多く傍聴に見えておりますので、理事者の皆様方には明快なご答弁をよろしくお願い申し上げます。 ○副議長(西川克己君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 〔登壇〕宮島議員のご質問にお答えいたします。 フル規格建設に向けた決意についてのお尋ねでございます。 国土の西端に位置し、人口減少が進む西九州地域において、高速交通体系を整備し、都市間移動の利便性を向上させ、交流人口を拡大することは、地域の活性化を図るうえで極めて重要であると考えております。 この西九州ルートの全線がフル規格で整備されますと、全国の高速交通ネットワークに接続され、関西・中国圏までの直通運行が可能となることで、大都市圏の活力を呼び込み、九州の一体的な浮揚、地方創生の実現も可能になってくるものと考えております。 さらに、フル規格は、災害に強く、専用の高架を走行するため、輸送障害も少なく、安定した運行が可能な交通手段でもあります。 そのため、100年後の西九州地域、ひいては九州の将来を見据える時、武雄温泉~長崎間のインフラを最大限活用でき、整備効果が高く、県民の悲願でもあります全線フル規格による整備が必要不可欠であると考えておりますので、今後とも、その実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えているところであります。 この後のお尋ねにつきましては、自席からお答えをさせていただきます。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) ただいまは、中村知事の方から、並々ならぬ、この全線フル規格建設に向けての決意をお聞かせいただいたと思います。 実は、私が最初に県政一般質問をいたしましたのが、平成3年の9月定例会でありました。その時ちょうど新幹線問題を私は取り上げました。と申しますのも、当時、井本佐賀県知事の方から、短絡ルート案というものが突如発表されまして、新幹線問題が実は大きく揺れた時期であったわけであります。 以来28年が経ったわけでありますが、多くの関係者の皆様方のご努力によりまして、今、目に見える形で新幹線の建設が進んでおり、高架橋ができ、また、トンネルがほがされ、また、長崎駅の様相もうかがうことができるようになったわけであります。 これまでの関係者各位の皆様方のご努力に対しまして、改めて敬意を表したいと思います。 しかしながら、一方で、28年経った今でも、この新幹線が開通に至っていないと、このことを見る時に、やっぱり政治の難しさというものを感じると同時に、政治のスピード感の欠如、これを痛感せざるを得ないところであります。 この新幹線問題につきましては、私も浪人生活が長かったものですから、随分忘れているところが多いので、ここで少し過去を振り返りながら、この問題を検証させてもらいたいと思います。 九州新幹線長崎ルートのはじまりは、昭和46年、「長崎県鉄道整備促進期成会」の設立に端を発しております。そして、昭和48年に整備計画路線として計画がなされております。 しかしながら、その計画路線が、大きな進展が図られたのは、ご高承のとおりに、あの原子力船「むつ」の佐世保入港にあるわけであります。 昭和49年に放射能漏れ事故を起こして、母港に帰港することを拒否され、また、洋上に漂流を余儀なくされた、あの原子力船「むつ」の受け入れを表明したのが佐世保市、そして、当時の辻 一三市長であります。 また、当時の久保勘一知事は、封印された原子炉の鍵を預かるという県の条件提示というものを佐世保になされて、そして、正式に昭和53年に「むつ」が佐世保に受け入れがなされたところであります。 そして、その時の第一条件というのが、新幹線の早期着工であったということでありまして、この長崎新幹線というのは、まさに政治路線であるわけであります。 その後、その経由を尊重しまして、佐世保早岐経由のアセスルートというものが公表されまして、その後、民営化されたJRより、収支改善効果がこのルートではとれないという意見があって、先の井本佐賀県知事のあの発言表明につながったということでありました。 当時のことを私もよく覚えておりますけれども、県北・佐世保地域の反発というものはすさまじく、市議会、市民の皆様方が県庁の前に大挙して押しかけて座り込みをし、抗議をなされたところでありました。 私も最初の県政一般質問の中で、当時の高田知事に対しまして、「これまでの新幹線の経緯を考えるのであれば、終点は佐世保にすべきである」と、このようなことを実は高田知事に注文をいたしました。 当時、県南の先輩議員たちからは、罵声のようなやじを随分浴びたという記憶があるわけであります。しかし、それぐらい県北・佐世保の思いというものは強かったということであります。 その後、スーパー特急からフリーゲージトレインの導入へと推移をいたしまして、いろいろと紆余曲折がありましたが、今日の建設が進んでいる、このような状態にあるわけであります。 さて、これまで、歴代知事はじめ、多くの皆様方がこの問題に携われてこられたわけでありますが、中村知事におかれましては、終始、庁内におられて、この問題というものの経緯を見てこられて、また、これまで、重要な役割でいろいろな問題に当たってこられたと拝察をいたします。 これまでの歴史を考えると、大変なご苦労があったというふうに思いますけれども、この問題につきまして、この歴史についての感想なりがあれば、お聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 知事。 ◎知事(中村法道君) この九州新幹線西九州ルートにつきましては、今、議員もお触れになられましたけれども、昭和48年に整備計画路線として決定され、歴代の知事はじめ、関係者の皆様方の大変なご尽力により、およそ半世紀の年月を経て、ようやく令和4年度の開業を迎えようとしているところでありますが、これまでさまざまな課題に直面してきたところであります。 昭和62年には、国鉄の分割民営化により発足いたしましたJR九州が、「佐世保寄りルートは収支改善効果があらわれない」と表明したため、先行きが不透明な状況となりました。 こうした事態を受け、生き残りをかけて、佐賀、福岡、長崎の3県で協議、調整を重ね、短絡ルートを地元案として決定することができましたのも、県北地域の方々のご理解と苦渋の決断によるものであったと考えております。 さらにまた、長年続いた並行在来線の問題については、佐賀県やJR九州との調整の結果、平成19年に、上下分離方式で運行することで基本合意に至り、平成20年に念願の認可、着工に至った次第であります。 また、平成24年には、フリーゲージトレインの山陽新幹線への直通運行を前提として改めて認可をいただき、県民の期待も高まっていたわけでありますが、それにもかかわらず、平成30年には、国の技術開発の遅れなどから、この導入が断念されるに至り、紆余曲折の経過をたどって今日に至っているところであります。 この間、県議会をはじめ、関係者の方々と協議を重ねながら、さまざまな課題の解決を図り、暫定的な姿ではありますが、令和4年度の開業を迎えることができることを喜ばしく思っているところであります。 しかしながら、新鳥栖~武雄温泉間の整備については、いまだに多くの課題が残されているところであります。 私も、常にこの西九州ルートの整備を、県政の最重要課題の一つとして力を注いでまいりましたけれども、今後とも、開業効果の最大化、さらには、全線フル規格化の実現に向けて、しっかりと取り組んでいかなければならないと考えているところであります。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) ただいまは、知事の長年のご苦労に対しましても一部お触れをいただきましたけれども、重ねて敬意を表したいというふうに思います。 また、先ほど知事もお触れになられましたけれども、平成30年に、「フリーゲージトレインでは収支改善効果が得られない」、「山陽新幹線への乗り入れが困難」と、こういう理由で、実は西九州ルートでの受け入れというものが断念されたということも実は大きな転換点となっております。 このフリーゲージトレインにつきましても、佐世保では、商工会議所にその実現に向けての垂れ幕というものが掲げられたり、また、駅前にも大きな立て看板が立てられるということで、大変期待も大きかったわけでありまして、そういう意味では、重ねて残念な思いがしているところでもあります。 しかしながら、一方で、このためのさまざまなレビューを行うということが必要になって、現在、逐次見直しが行われているところであります。 (2) H4“九州新幹線(長崎ルート)等の整備に関する基本的な考え方”に基づく、JR佐世保線の輸送改善にかかる合意について。 その一つであります佐世保線の輸送改善につきましては、平成4年の11月につくられた「九州新幹線長崎ルート等の整備に関する基本的考え方」、これに沿って、JR、佐世保市と協議がされてきたものと、このように承知をいたしております。 そして、この3月には、佐世保線の輸送改善についての合意がなされたわけでありますけれども、改めてその合意内容と現状について、お伺いをしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(柿本敏晶君) 九州新幹線西九州ルートにつきましては、平成4年11月に短絡ルートへの変更が行われた際に、県として基本的な考え方をお示ししたところでありまして、この考え方における佐世保線の輸送改善について、佐世保市やJR九州と協議を重ね、また、高速化のための調査結果等を踏まえて、本年3月に、JR佐世保線の高速化対策の具体的な内容について合意に至っております。 この合意におきましては、「県は、佐世保~有田間の高速化に必要な線路などの整備を進めること、JR九州は、佐世保~博多間に振り子型車両を導入すること、これらの実施時期は、西九州ルート長崎~武雄温泉間の開業時期を原則とすること」との内容でありまして、この合意と、新幹線事業による高橋~肥前山口間の整備と併せて、佐世保~博多間の所要時間を約8分短縮することとしております。 また、この高速化工事に要する経費については、平成4年の基本的考え方を実現するとの立場から、県が全額を負担することとしており、8月にはJR九州との間で、工事に係る基本協定や実施協定を締結し、既に着手をしているところであります。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) ただいま、部長の方からご説明をいただきました。総額につきましては、約14億円の対策費でありますけれども、この対策につきましては率直に評価を申し上げたいと思います。 また、この合意によりまして、基本的考え方の中にあります佐世保線において、列車の最高速度を時速130キロにするための整備改良を行うということにつきましては、一定のクリアができたと、このように考えるところであります。 しかしながら、「将来、長崎市~福岡市間にフル規格の新幹線が運行されるようになった時には、佐世保市にもフル規格新幹線鉄道網への直通運行が可能となるよう、その実現に努める」という条項につきましては、今後の課題となっております。 先ほど来のお話のとおりに、県北の苦渋の決断、あるいはフリーゲージトレインの断念等のいきさつを考えれば、この部分につきましては、必ずや、検討、努力、いや、私は実現をしてもらわなければならないと、このように考えますが、県の所感をお聞きしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(柿本敏晶君) 平成4年に県が示しました基本的考え方の中で、佐世保線等の輸送改善に係る3つの項目を掲げておりまして、この3つの項目のうち、本年3月に関係三者において合意した中で、「スーパー特急やフリーゲージトレインの佐世保市への直通」の項目については、フリーゲージトレインの導入断念により解消すること、「設備改良による高速化」の項目については、今回の合意により完結することを確認をいたしております。 議員ご指摘の「将来、長崎市から福岡市間にフル規格の新幹線が運行されるようになった時は、佐世保市にもフル規格新幹線鉄道網への直通運行が可能となるよう、その実現に努める」との項目につきましては、従前と変更ないということについても、併せて確認を行っているところでございます。 県としては、将来を見据え、西九州ルートの全線をフル規格で整備をすることが必要不可欠であると考えており、現時点においては、その実現に向けて全力で取り組みますとともに、JR佐世保線の高速化対策についても、着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) よろしくお願いいたします。 先ほど、知事もおっしゃいましたとおりに、これからの新幹線問題の課題を解決していくためには、知事を先頭に、県民一丸となって、この問題に取り組んでいかなければならないと。 そういう意味では、佐賀県への対応という難しい問題というものがありますが、県民一丸となるためには、この県北対策というものをやはりしっかりととっていただかなければならない。 佐世保は、ご承知のとおりに、佐賀との人脈的な関係も非常に深い地域でありますので、この対応をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。 (3) 肥前山口~武雄温泉間の部分複線化について。 ここで一点、先ほど部長もお話になられました、新幹線事業における肥前山口~武雄温泉間の複線化、これは大町~高橋間に限定されるということになったわけでありますけれども、このことの経緯と、佐世保に対する影響はないのか、このことについて、お尋ねをしたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(柿本敏晶君) 西九州ルートの工事実施計画に基づきます在来線の改良につきましては、高橋~肥前山口間の11.7キロメートルで高速化工事が実施され、このうち、高橋~大町間の6.9キロメートルでは、複線化工事も併せて行われているところであります。 平成24年に認可された、当初の工事実施計画では、フリーゲージトレインが新大阪まで直通運行することが前提とされており、在来線区間での遅れが新幹線ネットワークに支障を及ぼさないよう、ダイヤの回復や安定性を図るため、武雄温泉~高橋間のアプローチ線を含めて、武雄温泉~肥前山口間の全線の複線化が計画されていたものであります。 しかしながら、フリーゲージトレインの西九州ルートへの導入が断念されましたことを受け、本年4月に工事実施計画が変更され、武雄温泉~博多間を運行する特急列車のダイヤの安定性を一定確保することが可能な高橋~大町間の複線化とされたものであります。 整備内容ごとの具体的な運行ダイヤなどが公表されておりませんことから、複線化部分が限定されたことの影響は不明ではありますが、現在と比較しますと、高速化工事などにより所要時間が短縮し、利便性が向上するものということで考えております。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) 基本的考え方の中には、並行在来線問題についても記載があるわけであります。 (4) 在来線問題について。 県が求めている全線フル規格が実現をする場合には、新鳥栖~武雄温泉間が並行在来線となり、JRから経営分離されるおそれがあると、このように県北地域では心配をしております。 その場合、佐世保線の利便性が低下するという懸念が出てくるかと思うわけでありますが、このことについて、県はどのように考えているのか、お聞かせください。 ○副議長(西川克己君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(柿本敏晶君) 新鳥栖~武雄温泉間がフル規格により整備されることになりますと、並行在来線としての取り扱いが検討される可能性がありますが、この区間は、佐世保線と直結している重要な路線であると認識をいたしております。 一日当たりの平均通過人員につきましては、鳥栖~佐賀間が約3万1,000人、佐賀~肥前山口間が約2万1,000人と多くの方が利用されており、住民生活を支える路線として、また、佐世保から博多間など都市間ネットワークを形成する路線として、重要な役割を担っております。 県としましては、これまでJR九州による経営を維持していただくよう、与党PT西九州ルート検討委員会でのヒアリングや、政府施策要望などにおいて重ねて要請をいたしますとともに、JR九州に対しても、機会を捉えて、直接、本県の思いを伝えているところであります。 また、JR九州は、去る11月24日の佐賀県議会議員への説明において、フル規格で整備する場合の並行在来線の取り扱いについて、四者協議の中で真摯に協議するとし、経営分離を前提とせずに、協議に応じる姿勢を示されたとのことでございます。 こうしたことから、県としましては、引き続き、フル規格化の実現と併せ、JR九州による在来線の維持につきましても関係機関へ働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) 最近の一部報道では、この区間につきまして、JRは、「経営分離を前提としない」というような報道もありました。こういう報道が現実であれば、一歩前進ということになろうかと思いますし、県北にとっても、また、この区間を有する佐賀にとっても、非常にいいことだというふうに思います。 したがって、先ほど部長もおっしゃいましたとおりに、今後も、ぜひ県として、しっかりとした働きかけをお願いしたいというふうに思います。 なお、この後、長崎本線のいわゆる維持管理費用の問題について質問をする予定でありましたけれども、昨日質問がありましたので、省略をさせていただきたいと思います。 2、安全保障政策について。 (1) 基地との共存共生について。 今年、佐世保市は、鎮守府開庁130年の節目の年を迎えております。約130年前、長崎や伊万里などもその候補地として挙がったようでありますが、天然の良港であるということやら、あるいは地域の実情を加味して佐世保に決定をされたということであります。 それから、西の端のあの一つの寒村というものが、明治22年の鎮守府開庁によりまして、そのわずか13年後には、村から一気に市というふうに昇格をし、発展を遂げてきたところであります。 その後、先の大戦などもあり、長い歴史を経ましたが、今なお、我が国の防衛の重要な拠点として位置づけられております。 また、長崎県全体を見ましても、佐世保以外にも、大村市、五島市、対馬市と、陸・海自衛隊の部隊が置かれ、県民として約1万1,000人から2,000人ほどの自衛官が住まわれ、また、そのご家族も合わせて居住をされているところであります。 さらには、先の「防衛大綱」にも、南西地域の防衛態勢の強化というものがうたわれておりますが、これまでの北朝鮮のミサイル発射、あるいは中国の海洋圏域への進出を鑑みましても、いわゆる西方重視の考え方というものは、より一層強まっているということでありまして、極東アジアの現状の不安定さを考えれば、今後も、やはり本県の防衛の拠点としての役割は、高まりこそすれ、低くなるということは決してないと、このように予想をするところであります。 これまで、自衛隊の部隊がある各自治体では、自衛隊、あるいは米軍基地と共存共生というものを長きにわたって訴え続けておるわけでありますけれども、県は、この基地との共存共生について、どのような考えをお持ちか、お聞かせてください。 ○副議長(西川克己君) 危機管理監。 ◎危機管理監(荒木秀君) 佐世保市におかれては、基地施設と市民との互恵関係に基づく「基地との共存共生」を市政運営の基本姿勢として、市の発展に向けて努力されているところであります。 これは、国家的要請である防衛施策について、可能な限り協力する一方、市民の方々の生活に支障が出ないよう負担軽減等を図るとともに、佐世保港における米海軍及び自衛隊機能と商工・産業機能のすみ分けや、防衛関係事業にかかる地元受注機会の拡大など、双方にとって互恵的な関係を構築していることと認識をしております。 県としましても、こうした考えを念頭に置きつつ、政府施策要望を通し、佐世保港のすみ分けの早期実現等の要請を行うほか、自衛隊に対する地元企業への受注促進の働きかけなどを積極的に行っているところであり、引き続き、佐世保市と連携を図りながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) (2) 基地経済へのアプローチについて。 自衛隊の部隊、あるいは米軍が発注する工事や契約物品につきましては、かねてより、地元での発注の要望を各市や町や経済団体などで行ってきたところでありますが、県議会におきましても、平成20年に意見書が採択をされ、また、県もこれまで働きかけを行われたと、このように承知をいたしております。地元経済への受け入れ促進等につきまして、これまで県はどのような取組をされてきたのか、そのことについてお聞かせください。 ○副議長(西川克己君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(廣田義美君) 県におきましては、県内需要の創出による景気の維持、拡大を図り、経済の活性化を促進するため、県内製品、県産品の優先使用等基本方針を定め、県内製品、県産品の優先使用と県内企業への優先発注について、推進を行っているところでございます。 そのような中、県といたしましては、県自らが県内企業への優先発注に取り組むとともに、民間団体や国の各機関等に対して、毎年要請を行っているところであり、とりわけ、防衛省関連の発注につきましては、政府施策要望等において、防衛省や九州防衛局へ要望を行うとともに、県内に所在する自衛隊の各部隊等に対しても要請を行っております。 加えて、佐世保商工会議所が実施しております海上自衛隊、陸上自衛隊発注案件に係る地元企業受注促進の取組に対しましても支援を行っているところであります。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) これまでのそれぞれの働きかけの成果や、あるいは自衛隊自体もオープンカウンター方式などを導入されるなどして、各年の増減の経緯というものはありますけれども、近年、受注率というものが着実に向上しているというのは、大変いい傾向だと思っております。 ここに佐世保市が取りまとめた九州防衛局、あるいは海上自衛隊、陸上自衛隊、そしてまた、米軍の発注、いわゆる受注率、この推移についてまとめられた資料というものがありますが、数字というものは一つひとつ挙げませんが、着実にこの数字というものが上がっているということを見てとれるところであります。 この基地経済の経済波及効果というものは、最大1,200億円にも上ると言われておるわけでありますが、なかなか将来の見通しが不透明な本県経済というものを見れば、この効果というものを活かさない手はないというふうに思います。 したがって、県としても、この数字というものを、しっかりと把握しつつ、さらに対策を打つべきであると、このように考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(西川克己君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(廣田義美君) 自衛隊からの県内企業への発注実績につきましては、その正確な数字を把握するためには、それぞれの自衛隊にお尋ねする必要があります。 そのような中、自衛隊の部隊が所在する市の中には、自衛隊から発注実績の提供をを受け、把握を行っているところもございます。そういうこともあり、今後、地元市町と相談をしながら検討してまいりたいと考えております。 地元への発注を増やしていただくことは、さらなる地域経済の活性化に有効であると考えておりますので、引き続き、国や自衛隊等々への要望、要請を行うとともに、地元商工団体の受注促進の取組に対しましての支援についても、引き続き行ってまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) (3) 人材の活用について。 一般の職種と異なりまして、その職務の性質上から、自衛隊では、若年定年制というものが実はひかれております。来年から定年年齢が順次引き上げられるということになるわけでありますけれども、現在の労働人口の著しい低下というものを考えれば、この有能な、また、若い人材というものを活かさせない手はないというふうに考えます。殊に、長崎県の場合は、働く自衛官の皆さん方、例えば佐世保が調査をいたしましたら、約7割の皆さん方が、そのまま佐世保で働きたいというような意向を示されておるようでありますけれども、そのような意思を、やはりしっかりと大切にしていかなければならないと思います。 そこで、佐世保市では、「退職自衛官再就職促進等連絡会議」というものを結成されまして、市と商工会議所、そして、佐世保防衛経済クラブ、また、そこに海上自衛隊地方総監部、また、自衛隊の長崎地方協力本部、最近では、陸上自衛隊も入って、定期的な会議を持ちながら、官民一体となって、この施策というもを推進しているということであります。 全国でも、このようなやり方というものは、私はなかなか類を見ない取組であろうかと思いますし、県としても、こうした取組に対して、サポートをしたり、全県的な範囲で取り組むべきことだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。 ○副議長(西川克己君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(廣田義美君) 平成30年度において、県内で退職された自衛官は456名で、その内訳は、定年退職者が358人、20代半ばまでに退職する任期制の退職者は98人となっております。 このうち、県内に就職された方は、定年退職者では5割を超えているところでございますけれども、任期制の退職者につきましては、約7割が県外出身者ということもあり、10%台半ばにとどまっているところでございます。 現在、県におきましては、退職自衛官の県内就職を促進するため、職員自らが県内主要部隊を訪問して、関係者と情報交換を行うとともに、退職予定者に対し、直接、県内就職の魅力について説明を行っているところでございます。 加えて、県の総合就業支援センターによる出前セミナーや、自衛隊主催の合同企業説明会における県の単独ブースを設けての職業個別相談、「Nなび」の登録促進などを実施しているところでございます。 議員からお話がございました県内の産業人材の確保という観点もございますので、今後とも、自衛隊長崎地方協力本部との密接な連携のもと、退職予定者に対し、県内就職を積極的に働きかてけてまいりたいと考えております。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) よろしくお願いいたします。 人材活用について、もう一点。 昨今、自然災害が頻発し、各市や町では防災対策が強化される中で、防災担当職員として退職自衛官を登用するケースというものが多く見られております。 各地域での災害発生はもとより、大規模災害の場合などは、県と市、町、そしてまた、自衛隊、この連携が取りやすくなるということを考えれば、各市や町に防災担当としての退職自衛官を置くことを県としても推奨すべきだと、このように考えますけれども、現状と、この考え方についていかがか、お聞かせください。 ○副議長(西川克己君) 危機管理監。 ◎危機管理監(荒木秀君) 自衛隊長崎地方協力本部によりますと、本県及び市町に防災担当職員として在籍する退職自衛官は、県に6名、9市に12名の計18名となっております。 議員ご指摘のとおり、発災時の危機対応や、自衛隊の迅速な災害派遣要請など、退職自衛官の知識や経験は大変有益であると考えております。 国においては、地方公共団体が防災の専門知識を有する退職自衛官等を雇用した際、特別地方交付税措置を講じる「地域防災マネージャー制度」を平成27年度に創設しておりますので、市町に対し、この制度の活用を促してまいります。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) (4) 平和と防衛の共存について。 少し理念的なお話をさせていただきたいと思います。 県都長崎市は、言わずと知れた被爆地であり、平和のまちであります。一方、県下第2番目の都市佐世保市は、基地のまちであります。しかし、私は、ここに市民感覚の大きな隔たりというものを、過去の選挙等を通じて感じることがままありました。 平和というのは、人類究極の理想であり、防衛は、不安定な世界情勢を実力で守るという、ある意味現実であります。 私は、原爆の恐ろしさというものを世界に発信するということは、歴史上の本県の大きな役割であるということを考えますし、また一方で、基地があっても平和主義であるということは変わりがないというふうに思います。 また、現実から、いかに理想に少しでも近い形に近づけるか、これが私は、この仕事が政治の役割だというふうにも考えるところであります。 長崎県は、まさに数少ない平和と基地、いわゆる理想と現実が共存をする地域だというふうに思いますけれども、この平和と基地について、どう知事はお考えになるのか、お聞かせください。 ○副議長(西川克己君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 我が国における平和と安全は、国民が安心して生活し、あるいは国家が発展と繁栄を続けていくうえでは、必要不可欠であると考えているところであります。 一方、また国の独立は、政治や経済、社会のあり方を自ら決定し、その文化や伝統、価値観を保つためには、何としても守っていかなければならないものであると考えているところであります。 こうしたことから、国においては、防衛とともに、外交努力や国際社会との協力等の安全保障に係る施策を総合的に講じられているところであり、その中で佐世保市におかれても、この国の防衛施策に対し、積極的に協力する立場から、重要な役割を担ってこられたものと理解をいたしているところであります。 確かに、現実と理想、あるいは理念との隔たりというのはあるのかもしれませんけれども、こうした平和を追い求めていくためにも、しっかりとした国家としての存立基盤、これは必要不可欠なものであると考えているところであり、長崎市におかれても、そうしたうえに被爆都市としての核兵器廃絶、世界恒久平和の実現に向けた活動を進めておられるものと理解をしているところであり、そういう意味で、平和と安全を願う思い、これは同じものではなかろうかと考えているところであります。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) ありがとうございます。 (5)外国資本の法人等による土地取得について。 少し毛色は変わるかも知れませんけれども、外国人の土地取得について、お尋ねしたいと思います。しかし、この問題も、ある意味、安全保障上重要な問題だというふうに私は考えます。 今年の地価公示価格の発表があったわけでありますが、地方圏の地価が一部上昇したという報道がありました。このことにつきましては、銀行の貸し出し促進や、あるいはインバウンド需要の増加というというマクロ的な要因も挙げられていたわけでありますけれども、私はここに、外国からの投資もその一因としてあったのではないかなというふうに考えております。 投機的な行動であれば何の問題もありませんけれども、仮に、国家戦略の一環として土地の買収というものが行われているということであれば、これは看過できない問題であります。 特に、安全保障上、自衛隊、米軍関連施設の隣接地については、しっかりと監視をしておく必要があり、また、市民生活においては、水源地などライフラインに影響する可能性がある地域についても、やはりウォッチしておかなければならないと思います。 これは、私は、一義的には国が対策をとるべき問題だというふうに思いますが、国境離島を有する本県にとりましては、国にも先んじて、この対策をとる必要があると、このように考えますが、県の見解をお聞かせください。 ○副議長(西川克己君) 危機管理監。 ◎危機管理監(荒木秀君) 国においては、国境離島や防衛施設周辺等における外国資本等による土地の取得に関し、国家安全保障に関わる重要な問題であると認識がされております。 例えば、防衛省では、平成25年度から平成29年度の5年間で、防衛施設の隣接施設所有者について、登記簿確認調査を行い、運用に支障がないことが確認されており、現在、2巡目の調査が行われております。 このほか、国境離島地域や水源の保全等の観点からも国の調査が行われており、加えて、土地利用等のあり方についても検討することとされております。 県としましては、国の調査等の状況を注視するとともに、国及び関係市町と情報共有を図るなど、適切に対応してまいりたいと考えております。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) なかなか一つの県で対策するというのはいろいろ難しいこともあるかと思いますけれども、国も対策を検討しているという話もありますので、国の状況というものも、動向も注視をいただきながら、高い意識を持って、この問題というものを捉えておいていただきたいと思います。 (6)組織体制の見直しについて。 現在、安全保障関連の案件につきましては、危機管理監、今、答弁をいただきましたけれども、危機管理監がその任に当たっておられますけれども、非核を含んだ基地対策というものは、危機管理監の中の一つの班で対応をしていただいております。 さまざまな想定外の災害が起こる中で、危機管理を前面に押し出した編成というものには一定の理解を示すところでありますけれども、質問のとおりに、基地経済や人材の登用等、平時の部分の対応というものもあります。安全保障には有事と平時というものがあるように、双方を司るという意味では、危機管理の枠を超えての対応が必要であると、したがって、基地対策というものを、例えば室なり、あるいは課にして対応をすべきではないかということを考えるところでありますけれども、このことについて、いかがお考えでしょうか。 ○副議長(西川克己君) 危機管理監。 ◎危機管理監(荒木秀君) 米軍基地や自衛隊への対応につきましては、米海軍佐世保基地や陸・海・空の全ての自衛隊が所在する、本県ならではの極めて重要な課題であると認識をいたしております。 特に、佐世保港のすみ分けの早期実現等につきましては、県政の重要な課題と位置づけ、政府施策要望の重点項目として、また、渉外知事会等の機会を捉え、国に対し要望活動を行っているところであります。 一方、基地対策等に係る担当課・室につきましては、たびたび組織化についてのご提言をいただいてきた経過もございますが、常時の業務量等から現状に至っているところであり、ご理解をいただきたいと思っております。 今後とも、基地対策につきましては、佐世保市と思いを共有し、また、自衛隊が所在する自治体と連携しながら、しっかり対応していきたいと考えております。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) 行革の問題もありますので、なかなか簡単にいかないところもありますけれども、しかし、いわゆる看板も大事ではないかなというふうに思います。 要は、県として、いかにこの基地問題に取り組むかという姿勢を示すためにも、この構えというものが必要ではないかというふうに思いますので、要望をいたしておきたいと思います。 3、観光物産振興について。 (1) 観光振興策について。 観光振興策につきましては、現在、国において、2012年の日本経済の再生を最優先課題として取り組み、地方の所得を引き上げ、日本全体の活力を上げるということを目的とした地方創生という政策が今進行しているところであります。 そして、その地方創生の中で、この観光政策というものが、その戦略の重要な柱となっております。 以降、その政策に基づきまして、昨年、訪日客数は3,119万人を突破し、消費額も2012年の1兆846億円から、一気に4兆5,000億円を超えるという状況にあります。 いよいよ来年はオリンピックイヤーになるわけでありますけれども、高い目標が掲げられ、目標4,000万人、旅行消費額も8兆円を目指すという、この目標をもとに、今、さまざまな政策が展開されておるところであります。 この国策の大きな流れの中で、本来の地方創生の主役であります地方の頑張りというものが望まれています。 本県においても、観光政策を重点政策と位置づけて取組を行ってきておりますけれども、殊予算だけを見ると、ななか観光予算だけを括るというのは難しいようでありますけれども、伸びているということも言いがたいような状況にあるのではないかと思います。 そこで、県として、今後に向けて、予算を含めたところの観光振興策というものをどのように展開をしていくのか、そのことをお聞かせいただきたいと思います ○副議長(西川克己君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(中崎謙司君) 本県の観光産業をさらに発展させ、良質な雇用の拡大を図るためには、観光関連企業の成長に不可欠な生産性の向上や、人材育成の支援に取り組むとともに、各地域の多様な関係者が一体となった魅力的な観光まちづくりを推進し、観光消費の拡大に結びつけていく必要があると考えております。 新年度の予算に向けましては、観光客が旅先で期待する観光コンテンツである「食」の取組を強化することとしており、長崎ならではのメニューを味わうことができる店舗や固有の食文化の情報発信、地域特有の食材のブランド化、生産者と宿泊事業者のマッチングなど、「食と観光」の連携による観光まちづくりを進めるとともに、さまざまなプロジェクトが進みつつある長崎地域で、観光客に「食の魅力」を体感していただける場の提供等についても、長崎市などと連携をしながら、検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) ただいま、各事業についてのご説明もありました。人材育成についてもお話がありましたけれども、この夏には、観光の「ミライ☆ニナイ」塾などという、いわゆる長い目で見た人材育成というものも掲げられておりますし、また、現在の観光業の人材不足についても、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、観光振興につきまして、プロモーションの役割というものが非常に重要というふうに私は考えます。 昨日も、このプロモーションの手段につきまして、いろいろとお話がありましたけれども、改めて、これからの観光プロモーションの手段と予算の確保について、お聞かせをいただきたいと思います。 ○副議長(西川克己君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(中崎謙司君) 旅行サイト「じゃらんnet」によりますと、本県は、潜伏キリシタン関連遺産の世界遺産登録で注目を浴びたことなどにより、昨年の年末年始の期間中の取扱高の前年比伸びは全国1位となっております。 このようにさまざまな媒体での露出機会を増やすことが有効なプロモーションになるものと考えており、全国ネットの旅番組や旅行雑誌への特集記事の掲載、WEBやSNSを活用した発信に取り組んでいるところでございます。 また、限られた予算を活用して最大限の効果を上げられるよう、WEB等での発信に際しては、本県への旅行意欲が高いと考えられている層に向けて発信した後、その結果を分析し、次の展開に活かすなどの手法も取り入れているところでございます。 引き続き、ターゲットを絞った訴求力の高い観光プロモーションを検討し、予算の有効活用を図ってまいりたいと考えております。
    ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) 観光プロモーションについては、なかなかその効果というものがあらわれにくいということもあって、予算もなかなかとりにくいところもあるのかもしれませんが、しかし、言うように、この観光プロモーションというのは非常に重要な役割を担っているし、また、今や、いろいろなツールというものが存在をするというふうに思います。そのことをしっかりと考えながら、予算の確保を含めて、しっかりと取り組んでいただきたいと要望を申し上げたいと思います。 (2) インバウンド対策としての県北振興策について。 大型観光クルーズ船の本県入港というものが、これまで大変注目をされてきたところでありますが、今後、佐世保では、浦頭への誘致なども図られ、さらに、この促進というものが加速をするという状況にあります。 ただ、一方で、その経済効果については、まだまだ不十分であるというような声が高く、平たく言えば、どうやってお金を地元に落としてもらうかというのが、今後の政策の鍵ではないかというふうに考えます。 そこで、今後も観光クルーズ船の経済効果を高める政策につきまして、それと併せまして、やっぱりその中で県産品というものをしっかりと売り込めるような、そのような状況というものをつくっていただきたい。 なかなかお聞きすると、その販売についても苦慮をされているということをお聞きいたします。 中国の販売ビジネス網などに参画、入り込んでいくというものは、なかなか困難であるというふうに思いますけれども、昨今では国内の大手企業などは、電子商取引、いわゆるECサイト、これを越境ECサイトや、あるいは中国の国内のECサイトなどを活用して、消費者の囲い込みというものを図っていく、このような手段というものに取り組んでいるようであります。 こういう手段を引用しながら、例えば、この日本では、ふるさと納税、県産品の売り込みなどというものもあるわけでありますけれども、いろいろな形でこの県産品の販売促進というものを図るべきと考えますけれども、県はどのようにお考えでしょうか。 ○副議長(西川克己君) 文化観光国際部政策監。 ◎文化観光国際部政策監(浦真樹君) クルーズ船の入港を経済的な効果につなげていきますためには、まずは寄港地における周遊性を高めていくこと、これが必要だと考えております。 このため、クルーズの港がある市町における周遊対策はもとより、県では寄港地ツアーを企画する旅行会社を観光地に招く、いわゆるファムツアーを実施するなど、例えば、長崎港から島原半島へ、あるいは佐世保港から県北地域へといった広域周遊となるような商品開発を働きかけているところでございます。 また、県産品の販売促進のためには、現在、地元食材の船への供給拡大、あるいは船会社や船舶納入業者への県産品の紹介なども行っておりますが、そのほか、クルーズ乗船客向けに、ネット上で商品を販売する仕組みを地元企業とともに構築を進めているというところでございます。 さらに、県内で宿泊を伴うクルーズ商品の造成に関しまして、船会社、チャーター旅行者への働きかけも行っているところでございます。 それから、もう一つ、県産品の販売促進につきまして、現在、中国の発着クルーズで申し上げますと、多数のツアーが日本の旅行会社、それから免税店との送客契約によるところがございまして、特定の免税店への訪問が常態化しているということで、なかなか多様な寄港地ツアーの造成、あるいは県産品をはじめとする県内消費が難しいという状況になっております。 そのため、先ほど申し上げました県産品を中国人のクルーズ客向けにネット上で販売する目的で設立された地元企業に対し、県産品の紹介などを取り組んでいるところでございます。 具体的には、商品販売の仕組みといたしまして、中国人旅行客が乗船する前にネット上で注文し、ツアー後の長崎港、あるいは佐世保港で、県産品等の商品を受け取り、キャッシュレスで決済をするというような仕組みでございまして、年度内の事業開始を見込んでいるところでございます。 今後とも、クルーズ船の経済効果を高める、そして県産品の販売拡大につながるような取組に力を注いでまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(西川克己君) 宮島議員-6番。 ◆6番(宮島大典君) ただいま、政策監の方からは、観光クルーズ客の周遊性を高めていくというお話がありましたが、そのためには、新たな観光スポットの開発が必要であると思います。県北・佐世保では、ハウステンボスのほかに、やっぱりその目玉が要る。私は、それはやはり西海の景観や海を活かした開発、これが重要であるというふうに認識をいたします。 現在、ご承知のとおりに、つくも苑跡地を活用した観光公園の開発が進んでおります。 少し歴史を振り返れば、昭和45年当時に、久保知事が福祉村構想を立ち上げられまして、その後、昭和49年、県立コロニーを開設し、その時には特養老人ホームや母子住宅、看護学校、そうしたものの建設が予定されておった。私は、久保知事は非常に先見の明があったなというふうに思うのは、こうした県を代表するような風光明媚な場所で、社会的弱い立場の方々が集える施設をつくろうと、長崎空港、あるいは先ほどの「むつ」の入港の話もありましたけれども、そういう先見の明があったというふうに私は思います。(発言する者あり) 地元の皆さん方は、このすばらしい構想というものを評価して、実はこの構想に全面的な協力をし、地権者の皆様方も安く土地を提供している方も多くいらっしゃるわけであります。 そういうことでありますけれども、これから県のサポートというものが必要であろうかと思いますので、そのサポートというものはどのようにしているのか。 今回、県の所有地が30ヘクタール以上ありますけれども、13ヘクタールが活用されます。まだまだ活用できる場所がありますので、今後もサポートをしていただきたい。 そして、併せて質問させていただきますが、その最大のサポートというものが、いわゆる交通アクセス、県道俵ヶ浦日野線の整備にあろうかと思います。この県道俵ヶ浦日野線、現在でも観光バスの大挙の来訪で渋滞というものが頻発いたしておりまして、地元住民にとって、また、観光客にとっても非常によくない状況となっております。 したがって、県の抜本的な改良というものが望まれるわけでありますけれども、この考えについてお聞かせいただきたい。 そして、もう一点、併せて、この道路というものは、観光の道路というだけではなくて、実は防衛の役割を占めております。実は、なかなかこの道路を通っていてもわかりにくいんですけれども、この道路の周辺には、米軍の赤崎貯油所、庵崎貯油所、また、船越の医療用倉庫、また、原子力潜水艦がたびたび泊まる赤崎岸壁というものがあります。いわゆる防衛道路であるわけであります。 したがって、この道路の建設につきましては、いわゆる基地対策経費、また、防衛予算を活用すべきだというふうに考えますけれども、答弁をお願いいたします。(発言する者あり) ○副議長(西川克己君) 土木部長。 ◎土木部長(岩見洋一君) 一般県道俵ヶ浦日野線につきましては、地元からも要望が出されているところでございまして、県としても、この整備の必要性について十分認識しておりまして、今後、予算を確保して、効果的な整備手法の検討を進めていきたいと考えております。 基本的には、社会資本整備総合交付金を基本として考えておりますが、防衛施設等の補助金の可能性も含めて、関係機関と協議してまいりたいと考えております。 ○副議長(西川克己君) 本日の会議は、これにて終了いたします。 明日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。 本日は、これをもって散会いたします。     -午後3時45分 散会-...