平成20年 7月 定例会平成20年7月定例会 平成20年7月14日 議事日程 第11日
目--------------------------------------- 1 開議 2 県政一般に対する質問 3 意見書上程、質疑・討論、採決 4 県政一般に対する質問 5
上程議案委員会付託 6 請願上程、委員会付託 7 散会平成20年7月14日(月曜日)出席議員(45名) 1番 堀江ひとみ君 2番 山田朋子君 3番 高比良 元君 5番 山口初實君 6番 金子三智郎君 7番 久野 哲君 8番 永留邦次君 9番 松島 完君 10番 浅田眞澄美君 11番 末次精一君 12番 金澤秀三郎君 13番 中村和弥君 14番 下条ふみまさ君 15番 山口壮三君 16番 江口 健君 17番 小林駿介君 18番 山田博司君 19番 高比良末男君 20番 渡辺敏勝君 21番 楠 大典君 22番 徳永達也君 23番 北浦定昭君 24番 中島廣義君 25番 瀬川光之君 26番 溝口芙美雄君 27番 押渕礼子君 28番 黒田成彦君 29番 永淵勝幸君 30番 野口健司君 31番 織田 長君 32番 吉村庄二君 33番 橋本希俊君 34番 中山 功君 35番 吉川 豊君 36番 野本三雄君 37番 佐藤 了君 38番 小林克敏君 39番 馬込 彰君 40番 田中愛国君 41番 八江利春君 42番 末吉光徳君 43番 加藤寛治君 44番 松田正民君 45番 宮内雪夫君 46番 三好徳明君
---------------------欠席議員(1名) 4番 陣内八郎君
---------------------説明のため出席した者 知事 金子原二郎君 副知事 立石 暁君 副知事 藤井 健君 総務部長 中村法道君
病院事業管理者 矢野右人君 福祉保健部長 入江季記君 こども政策 浦川末子君 局長 知事公室長 田中桂之助君 地域振興部長 清田俊二君 土木部長 桑原徹郎君 農林部長 渡辺敏則君 水産部長 広沢修身君 産業労働部長 小島 明君 防災危機 古川 弘君 管理監 文化・スポーツ 藤 泉君 振興部長 環境部長 中村保高君 県民生活部長 本田哲士君 科学技術 小林哲彦君 振興局長 交通局長 永川重幸君 地域振興部 多門勝良君 政策監 会計管理者 清水哲男君 教育委員会 御厨和子君 委員長 教育長 寺田隆士君 人事委員会 浦川 勝君 委員 監査委員 松下 清君 選挙管理委員 川村 力君 会委員 公安委員会 中村隆平君 委員 警察本部長 櫻井修一君 人事委員会 渡口成人君 事務局長 監査事務局長 滝田泰博君 労働委員会 浜永孝雄君 事務局長 教育次長 中島 洋君 選挙管理委員 山崎直樹君
会書記長---------------------議会事務局職員出席者 局長 葺本昭晴君 総務課長 網代秀人君 議事課長 若田博俊君 政務調査課長 大串近太郎君
議事課課長補佐 高見 浩君 議事課係長 天雨千代子君 議事課係長 宮崎貴久君 議事課係長 川原久春君 議事課係長 多田光儀君 議事課主査 上野康雄君 議事課主査 野口健一君--------------------- -午前10時0分 開議-
○副議長(吉川豊君) おはようございます。 ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、7月11日に引き続き、一般質問を行います。 田中議員-40番。
◆40番(田中愛国君) (拍手)〔登壇〕おはようございます。 自由民主党・県民会議の田中愛国でございます。 通告の6項目について、順次質問をいたしますので、よろしくお願いをいたします。 1、
九州新幹線西九州ルートについてであります。 長崎県政において、長い間の懸案事項であり、念願でありました新幹線建設が、平成20年、本年いよいよスタートを切りました。 私自身、佐世保市議会において、議長という立場でこの新幹線問題に取り組み、関係して以来、17年の歳月を経て、ようやくの着工であり、大変喜んでいるところであります。 思えば、平成3年、平成4年の2年間は、新幹線、新幹線の毎日でありました。当時の
県議会議長宮内先生には、大変なご迷惑をおかけいたしました。 県議会議長という立場と、地元佐世保市選出議員という相反する立場でのご苦労は、大変なことだったろうと思います。(発言する者あり) 今、当時を思い起こしてみますと、新幹線問題についての一番の苦労は、佐賀県との関係ではなかったのかなと、今は思っております。 なぜならば、新幹線のルート提示は、佐賀県の知事でありました。今の新幹線ルートの大筋の提示は、佐賀県の井本案であったわけであります。 従来のアセス案、新佐世保駅ルートが、新案では新嬉野駅を通る短絡ルートとなっておりました。 佐賀県の井本知事のところには、再三再四、抗議も含めて、4~5回はお願いに行ったと思いますが、何度行ってもにこにこして応対されるだけで、何ら反応、進展はありませんでした。
高田長崎県知事とは、1年半ぐらいの期間で20回近く陳情、要望をいたしました。最後は、我々を避けておられたようであります。(発言する者あり) 国への陳情、要望も10回以上に及びました。 国は、「一貫して地元をまとめてください」、「地元でまとまってから来てください」との一点張りでした。 原子力船「むつ」に関する念書も、コピーでしたけれども、鉄建公団に持ち込みました。「世の中、だましたり、だまされたりですね」と、けんもほろろの状態だったわけであります。 その間、佐世保市長へは、あの手この手の裏工作が進んでおったようで、平成4年11月、とうとう佐世保市もアセス案を断念せざるを得なくなり、議会は市長に対して問責決議を行い、一応のピリオドを打ったわけであります。 現在、県議の吉村議員、織田議員も、当時の市議会での同志でありました。 佐世保市民を中心とした県北民は、新佐世保駅、早岐駅のアセス案を捨て、新嬉野駅ルートの新案、短絡ルートに変更されるという苦渋の選択を強いられた中での長崎ルートでありましたが、今では長崎ルートの名称も、佐賀県に配慮して西九州ルートと衣がえをしているようであります。 短絡ルートという新案は、長崎県、佐賀県、JR九州の3者合意ということでしたが、3者おのおのが了解できる、許容できる範囲内での継ぎはぎの組み合わせた案にすぎず、当時言われたことは、今回のチャンスを逸すと、永久に長崎新幹線はできない、最後のチャンスなんだということと、佐賀県がオーケーしなければ何もできない、佐賀県案をのまなければどうしようもないということでありました。 県北については、あきらめてくれとの高田知事の言動が、今でもよみがえってまいります。 そこで、ようやく新幹線建設がスタートした今日、いま一度原点に戻り、ルートの変更はできなくても、JR九州、佐賀県との協調を図りつつも、3者気兼ねなく新幹線について論議していくべきと思うし、よりよいものに向けてスタートする時であると考えております。 本当に気兼ねなく新幹線論議ができることを、今は大変うれしく思っておるところであります。 前置きが長くなりましたが、以降、細目について質問をいたします。 (1) 武雄・肥前山口間・新鳥栖乗り入れ・諫早・長崎間について。 武雄温泉駅・肥前山口駅間の複線化については、
新幹線スキームで国に要望をとのことであるが、整備5線の新幹線建設においてははじめてのケースだろうと思うし、財源を
新幹線スキームに求めるのであれば、フル規格での要望がより望ましいと私は思っております。佐賀県の了解はとれないのでしょうか。 また、現時点においては、佐賀県の事業負担となるわけで、複線化の事業費の枠や事業費負担とフル規格整備との比較をして検討すべきと思うが、どうでしょうか。 また、新鳥栖駅での鹿児島ルートへの乗り入れについては新路線700メートルが必要で乗り入れ可能となるわけであります。このことにおいても、
新幹線スキームで財源も佐賀県が負担することで、国との関係は解決しているのかどうか、お聞かせ願いたい。 なお、諫早駅から長崎駅までのフル規格については、平成21年度合意事項でお願いをし、他の北陸、北海道ルートとの共同案件との認識で新たな財源を確保しさえすれば解決するものと思うが、どうでしょうか。 また、現時点での位置づけとしては、在来線活用は
フリーゲージ路線ということで、武雄より新鳥栖間も
フリーゲージ路線ということになっており、速度100キロ以上の速さで新幹線でありながら、踏切は現状のままで危険性はないのか等々も合わせ、佐賀県の認識について現状わかるならば、お聞かせ願いたいと思います。 (2) 事業費と県の負担について。 現時点における工事認可は、諫早・武雄間46キロのみであり、設計最高速度は時速200キロ、軌間は1.067ミリの狭軌であるが、将来、変更可能なものとなっているのかどうか疑問であります。 整備新幹線5ルートの中でも特別な内容となっているし、他の路線と同一同様な事業として進んでいるのかどうかにも疑問を感じます。 また、現計画ルートで武雄温泉・諫早間の事業費2,600億円は、両県の距離だけで案分するという内容を聞いておりますが、俵坂トンネル5,450メートル、彼杵トンネル2,060メートルを含み、橋梁も主なもので千綿川橋梁360メートル外6本、駅舎建築費等もすべて含んで、ただ単なる距離の比率のみで案分するというようになっているのかどうか、お聞きをいたします。 今後の問題として、諫早・長崎間はおおむね1,100億円となっているが、別会計で精算するのか。武雄温泉・長崎間、あわせて距離で案分するのかについても計算は違ってくると思うが、どうでしょうか。 また、
実質事業費負担額はおおむね18.3%と聞いているが、
新幹線そのものがJR管理所有の全国鉄道網の高速化と考えるならば、JR各社にもっと負担をお願いすべきだし、国策としての
高速鉄道網整備なら国の根幹を成す防衛網としての活用もでき、高速道路建設的な財源についても考えを導入すべきだと思うが、どうですか。 すなわち、各県の事業費負担は18.3%は高すぎます。10%以下に抑えるべきと思うが、選ばれた整備5線の意味もなさないのではないかと思います。どうでしょうか。 (3) ぜひ
全線フル規格建設を要望する。 全線フル規格、長崎・新鳥栖間については、正式な試算はされていないようである。おおむね118キロで、平成3年当時、
早岐回りルート140キロで5,200億円の試算から換算すると、私は5,000億円以内の事業と思います。佐賀県の協力が得られるならば、全線フル規格は十分可能と思うが、どうでしょうか。 最後に、新幹線建設については、他の4線についても種々紆余曲折があったと思うものの、現状では東北、北陸、鹿児島、
北海道ルートともに、財源の問題は残っているものの、すべてフル規格整備で順調に進んでいるものと思います。なぜ、我が西九州ルートのみが中途半端な新幹線となっているのか。ぜひここで、この時点で
全線フル規格整備の運動を展開すべきと、強く考えるものであります。ぜひ知事の見解をお聞きしたいと思います。 2、工業団地建設と企業誘致についてであります。 (1) キヤノン進出について。 今般、県の
波佐見工業団地にキヤノンが進出することになりました。大変喜ばしいことであり、その知名度、進出の規模等を考えると、画期的なニュースであります。誘致に携わった関係者の皆さんの努力に対し、深甚なる敬意を表したいと思います。 そこで、この流れを確実なものにするためにお願いしたいのは、キヤノン側の県に対する要望であります。どのようなものがあり、その要望、要求に対して県はどのように協力していこうとしているのかをお聞きしたいと思います。ぜひ具体的な形で報告をしていただきたいと思います。 次に、キヤノン進出に伴って、部品工場等の下請企業の進出は考えられないのか。その受け皿についても早急に解決すべき。県には、企業、
工業団地造成建設への支援措置も十分整っているので、波佐見町、近隣の佐世保市へ工業団地建設の要請を早急にすべきと思うが、どうでしょうか。 そこで、
市町営工業団地整備に対する支援措置、並びに
電源立地交付金及び
地域産業開発基金の運用状況についても説明をお願いしたいし、キヤノン進出が決まった現時点における現状の動きについてもわかれば、ぜひお聞かせ願いたいと思います。 (2)
自動車産業誘致のための工業団地建設について。
波佐見工業団地については、自動車産業の誘致が有力であり、4~5社程度相当進んだ話し合いもなされていたものと想定されるので、県は早急にこの自動車産業の受け皿について、次の工業団地造成に着手すべきものと思うが、どうでしょうか。 ちなみに、自動車産業の誘致については、地理的には北九州地域の生産拠点に近く、また輸出入港として実績のある佐賀県伊万里港との線上、あるいはこの両地点に近い位置がより望ましいものと思われるので、改めて県の見解をお聞きしておきたいと思います。 (3) 企業誘致の考え方。 長崎県の弱点は、働く場所、働く機会が少なく、若年層の県外流出が続いていることであります。加えて、県税収入は法人事業税等、他県に比較して劣勢にあることから、喫緊の課題となっておるものであります。そのような中で、今日のように大企業の進出があり、下請企業の進出も見込めぬものと思われる現状、近隣の市町に受け皿づくりの努力をお願いしているわけであります。 しかしながら、現実、長崎県波佐見町の位置は佐賀県と県境を接しており、雇用の面、社員住宅、
下請工場用地等を含め、佐賀県の有田町、嬉野市、武雄市等々にも大きな期待があるものと思われます。むしろ、佐賀県のための企業誘致となることも考えられるわけです。私は大いに結構と判断しておりますが、県当局の考え方についてお聞きしておきたいと思います。 3、13市10町の財政実態と合併特例債の活用について。 (1)
実質公債費比率、財政力指数で判断できることと県の指導について。
実質公債費比率17%を超えている平戸市、松浦市、対馬市、西海市、小値賀町、新上五島町については県は実態調査をしたことはあるのかどうか、まずお聞きをいたします。 次に、財政力指数0.2台と3割自治にも満たない市町、平戸市、対馬市、壱岐市、五島市、雲仙市、南島原市、東彼杵町、小値賀町、江迎町、鹿町町、新上五島町の財政実態も大変と思うので、県の対応を聞こうと思いましたけれども、長崎県の財政力指数もこれまた0.29と低いものでありまして、県の指導にも限界があるものと思い、財政力指数も低く、
実質公債費比率の高い両方に名を連ねている平戸市、対馬市、小値賀町、新上五島町の4団体についてのみ、県はどのような支援策を講じているのか、お聞かせ願いたいと思います。 (2) 合併特例債の活用実態と今後の活用について。 平成20年度を含めてもその活用率23.7%は低調であり、県下合計の残高は2,450億円の合併特例債が見込める内容となっているわけであります。その使われない原因は何であるのか分析されているものと思うので、実態についてお聞かせ願いたい。 また、昨年12月定例会で提案した
土木部所管事業での活用を図る上で、ぜひ県と市町との協議会でも立ち上げてと質問しましたが、その後どうしておられるのか、実情をお聞きしておきたいと思います。 4、県庁舎建設について。 (1) 現在地での建て替えは可能なのか。 (2) 跡地活用策は。 (3) 財源については、一括して質問をいたします。 県庁舎建設については、1日目、2日目と議論が行われましたので、その論議を踏まえて総括をしてみたいと思います。 一、現実問題として現在地での建て替えは不可能と思うがどうか。 一、跡地活用については、大いに英知を結集すべきと思います。 一、財源については、現在の積立金368億円を中心に基本的に考えると、十分建設可能と思うし、そう県財政を圧迫する要因とはなり得ないと思います。 最後に、結論を急ぐべしと思います。 議会で決定し10年以上を経過した今日、急ぐべきであるし、建設に向けて平成21年、来年コンペを実施し、平成22年から平成23年、平成24年、平成25年と4年間で建設し、平成26年の長崎国体に向けて県庁舎の完成を急ぐべきと、私は思っておりますが、見解をお聞きします。 なお、12日、早速
県庁舎整備懇話会の初会合が行われたようでありますが、初会合にもかかわらず、委員37名中、欠席が多かったと聞くがどうだったのか、あわせてお聞きをいたします。 5、石木ダム建設についてであります。 平成10年度より本格的にはじまった用地交渉は10年間が経過したわけですが、地権者については121世帯に対して99世帯が契約済みであり、家屋移転については67戸中54戸が移転という内容の報告を受けております。地権者については22世帯、家屋移転については13世帯13戸を残すのみとのことであります。 しかし、その内容を見ると、平成16年度までは順調にお願いできていたものが、その後、平成17年、平成18年、平成19年と3年間、ほとんど成果なしとの内容については、県はどのような見解をお持ちなのか、伺っておきたいと思います。 特に、川原地区の13世帯について及びその他の地権者4世帯については、具体的な実態をぜひお聞かせ願いたいと思います。 次に、平成13年6月、
石木ダム周辺整備構想検討委員会の提言について、現時点で内容は具体化しているのかどうか。あわせて協力感謝金の支払いを現実どう考えているのか、聞いておきたいと思います。 6、
社会福祉法人長崎県
障害者福祉事業団「つくも苑」についてであります。 佐世保市野崎町に在する旧県立コロニーについては、施設の老朽化や狭隘化のため、県の補助により現在地での建て替えが計画されているようであります。 しかしながら、先般、関係の福祉団体や保護者の皆さんから、「建て替えに当たっては、施設を市街地へ移してほしい。詳しくは、野崎養護学校が佐世保市竹辺町に移転統合したように、その近隣地が総合的に望ましい」との要望があったと聞きますが、私も同感であります。 そこで、統合をした
佐世保養護学校と連携しやすい市街地に総合療育機能を備えた
重症心身障害児施設を建て替えられるように強く要望し、質問をいたします。ご検討方、または見解をぜひお聞かせ願いたいと思います。 以上、壇上よりの質問を終わり、答弁の後、自席より再質問をいたしますので、よろしくお願いをいたします。 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(吉川豊君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕皆さん、おはようございます。 それでは、田中議員のご質問にお答えいたします。 新幹線について、田中議員におかれましても、大変なご苦労の上、今日こうして着工できたということで感慨ひとしおのところもあるだろうと思っております。当時は同志として一緒に戦ってきた仲でございましたが、残念ながら、我々の思いは通じることができず、こういう形になりました。しかし、長崎県に新幹線をどうしても入れたいというのが、県民の思いでございましたので、最終的にはお互い苦渋の選択をしながら理解して、今日に至ったわけでございまして、改めてお礼を申し上げたいと思っております。 それでは、肥前山口・武雄温泉間の複線化の要望についての佐賀県との連携はというお尋ねでございますが、肥前山口・武雄温泉間の複線化は、西九州ルートの効果を最大限に発揮するために必要不可欠なものと考えておりまして、これまでも佐賀県、長崎県では、政府施策要望などにおきまして、
新幹線スキームによる整備を要望してまいりました。 ただ、6月19日の
与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームの決議では、明確な内容が盛り込まれるに至っておりません。 このため、8月に予定している
整備新幹線関係18
都道府県期成同盟会による合同要望におきまして、本県といたしましても、佐賀県、福岡県と連携を取りまして、この複線化について強く要望していきたいというふうに思っております。 次に、鹿児島ルートへの乗り入れについてのいろんな結節点の整備費の負担金の問題でございまして、フリーゲージトレインの運行に伴いまして、いわゆるアプローチ線の整備費用については、西九州ルートの事業費2,600億円の中に含まれていると、国土交通省から伺っております。 新幹線事業では、路盤や橋梁、トンネル等については、施設のある県が負担することとなっておりますが、保守基地や変電施設などは両県の共通経費となります。 アプローチ線は、全国ではじめての施設でもあり、
軌間可変装置等も含むため、地元負担についての取り扱いは、今後、国等から明らかにされるものと考えております。 次に、諫早・長崎間のフル規格整備についてのお尋ねでございますが、西九州ルートは、平成14年に、武雄温泉・長崎間を
新幹線規格新線として整備する工事実施計画を認可申請しております。 諫早・長崎間の延伸につきましては、6月の
与党プロジェクトチームの会合で、他のルートの延伸とあわせて平成21年度に認可、着工ができるよう、政府に要請することが決定されております。 長崎までの延伸が実現すれば、武雄温泉・長崎間の一括開業も期待でき、フル規格への格上げを目指していくことになると考えております。 次に、
全線フル規格化についてはどうかというお尋ねでございますが、
全線フル規格化には、新たに新鳥栖・武雄温泉間の整備が必要となりますが、同区間の事業費は、平成9年の価格で4,100億円と試算されております。 この事業費の地元負担が佐賀県となりますが、その実質負担額は約750億円と見込まれ、長崎延伸後の本県負担額の1.5倍に上ります。
古川佐賀県知事は、7月3日の佐賀県議会でも「
在来線利用区間となっている新鳥栖・武雄温泉間をフル規格で整備することは考えていない」と発言されており、私としては、佐賀県の考えを尊重してまいりたいと思います。 次に、工業団地に関係いたしまして、
自動車産業誘致のため、県は早急に次の工業団地造成に着手すべきではないかというお尋ねでございます。
自動車関連産業の誘致については、引き続き積極的に取り組んでまいりますが、そのためには、企業の立地決定のスピードに応えられる、早期に整備可能な用地の確保が極めて重要となっております。 工業団地の早期整備のためには、地元の状況に精通した市町が主体となって開発を進めることが効果的であると考え、昨年度、「
市町営工業団地整備支援制度」を創設したところであり、県と市町が一体となって、できるだけ早期に優良な用地の確保を進めてまいりたいと考えております。 県営による工業団地の整備につきましては、規模も相当大きくなることが想定されることから、今後の景気動向を見極めながら検討してまいりたいと考えております。 次に、今回の企業誘致は、佐賀県のための企業誘致となる感があるがどうかというお尋ねでございますが、今回のキヤノンの
波佐見工業団地への進出は、本県にとって雇用面に止まらず、県北地域の経済の活性化や企業の技術力の向上など、大きな波及効果があるものと期待しております。 一方、このような大規模な企業立地は、県境を越えて佐賀県にも大きなメリットが及ぶものと考えております。 このことは現在、佐賀県伊万里市に立地しているSUMCOに県北地域から多くの雇用をいただいていることからもわかるように、将来、キヤノンがこの地域において発展することが、両県にとってプラスの効果になることを考えております。 このことから、今後、人材の確保などにおいて両県の協力関係も必要ではないかとも思っております。 次に、県庁舎の問題について、現在地での建て替えは不可能と思うが、いかがかということでございます。 先日、野本議員からのご質問にもお答えいたしましたが、現在地での建て替えにつきましては、平成9年2月の特別委員会での委員長報告や、同年9月に前知事が建設予定地等について表明された際に、現在地は、庁舎敷地の狭隘さから仮庁舎を必要とし、その借り上げ費用は多額に上るとされており、現時点でその経費を試算いたしますと、借り上げビルの場合で約74億円、プレハブ庁舎を建設した場合には83億円見込まれております。 加えて、ビルを借りた場合は1カ所に集約しての確保は大変難しく、分散したものとなり、建設期間中、3年から4年の間、行政サービスが著しく阻害されることや、同一敷地内に行政棟、議会棟、警察棟の建設は形成上、無理があることなどの問題点が指摘されております。このようなことから現在地での建て替えは課題が多いとの結論に至ったものと理解しております。 今後、懇話会におきましても、整備方針等を検討するに当たっては、当時のこのような判断の経過も十分にご説明をし、ご議論をいただきたいと考えております。 次に、庁舎建設の財源についてのお尋ねでございますが、これまでもご答弁申し上げたとおり、庁舎建設に当たっての全体事業費はいまだ固まっておりませんが、今後の社会経済情勢の変化や道州制の動向等を考慮しながら、行政コストの削減や組織のスリム化に取り組み、さらなる事業費の圧縮に努めることといたしております。 このため、議員ご指摘のとおり、県庁舎建設整備基金の活用によりまして、今後の財政運営に過度の負担をかけることなく建設は可能になると考えております。 次に、県庁舎の完成を急ぐべきとのお尋ねでございますが、今回、設置した「
県庁舎整備懇話会」で各界各層の方や有識者、地元関係者から幅広く意見をお聞きいたしまして、また議会での議論を深めていただき、整備方針を決定していただきたいと考えております。仮に、県議会や懇話会での議論の結果、建て替えるとなった場合には防災拠点としての整備の緊急性から、できるだけ早期の建設を進めていきたいと考えております。 次に、社会福祉法人つくも苑についてのお尋ねでございます。 私は、今後の福祉施設のあり方については、医療、教育、労働などの関係機関と緊密に連携を取りながら、入所者の地域生活への移行や就労の推進を図るとともに、地域で暮らす障害者の支援を行うほか、実習生の受け入れによる福祉人材の育成にも協力するなど、多面的な機能を持つ開かれた施設となることが必要であり、そのためには市街地に、より近い場所にあることが望ましいと考えております。 つくも苑につきましては、
社会福祉法人長崎県
障害者福祉事業団に移譲する際、県の負担によって建て替えることとして、あわせて
重症心身障害児施設を整備することとしております。 場所につきましては、ほかに適地がないかも検討しましたが、建設条件に合う土地がなく、現地建て替えといたしておりました。 しかし、先日、養護学校の保護者や障害者団体から移転に関する切実な要望があったところであり、また、ただいま議員からの貴重なご意見をいただきましたので、この際、施設の機能や移転の必要性について、入所者をはじめ、関係者のご意見を伺いながら事業団と協議してまいりたいと考えております。 残余の質問については、関係部長より答弁をさせていただきます。
○副議長(吉川豊君) 藤井副知事。
◎副知事(藤井健君) キヤノンの進出の関連で2点お答えをさせていただきます。 まず、キヤノンからどういう要望があがっているのかというご質問でございます。 現時点でキヤノン側からご要望がある事項は、まず、団地周辺の道路整備などインフラに関するものと、確実な雇用確保のために必要な協力というふうなことでございます。これらのご要望に対しましては、既に関係機関による対応策の検討をはじめたところであります。 今後とも、長崎キヤノン株式会社の円滑な操業開始のために、県としてできる限りの支援が迅速に行われるよう、地元波佐見町をはじめ関係機関とも十分連携しながら対応してまいりたいと思います。 次に、キヤノン進出に伴い、関連企業の進出はあるのかというふうなご質問でございます。 長崎キヤノン株式会社は、デジタルカメラの生産拠点と位置づけられておりますので、必要な部品の調達や加工等において、外注先となる企業を必要とすることが予想されます。 このため、今後、キヤノン側からの情報収集に努めまして、進出の可能性がある関連企業に対しては積極的に誘致を行ってまいりたいと思っております。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 地域振興部政策監。
◎地域振興部政策監(多門勝良君) 新幹線に関してのご質問でございます。 肥前山口・武雄温泉間の複線化につきまして、フル規格化した場合との比較検討はしたのかと。また、同区間について、これは佐賀県の認識でございますが、踏切等の危険性についてどういうふうに考えているのかというふうな問いだったかと思います。 まず、肥前山口・武雄温泉間の複線化につきましては、これは基本的にフル規格をどこかにするとなれば、費用及び地元負担が非常に大きくなるという話であること。それから、基本的に事業が佐賀県内において行われる事業であることという点がございまして、まずは佐賀県の意向を第一に考えるべきというふうに考えております。 その上で、佐賀県知事が今回ちょうど議会をやっておりますので、その中では佐賀県としては「高架化し、フル規格にした場合に、踏切がなくなり、列車の安全性や道路の利便性が増すことは事実であるけれども、多大な事業費が必要であるということもありまして、肥前山口・武雄温泉間につきましては、現在の線路の横に新しい線路を敷設する、いわゆる単純腹づけという方式で複線化することとしており、高架化、あるいはフル規格ということは考えておらない」というふうなご答弁をなされているところでございます。 ただ、佐賀県におきましても、当然地元住民を中心に、引き続き列車運行本数が増えるということ、それから、在来線の踏切が残存するということもございまして、沿線住民の方々からは交通渋滞や安全性の懸念というのが出ているのも事実であるようでございます。佐賀県においては、昨年12月に「
九州新幹線西九州ルート沿線踏切対策検討会」というものを設けておりまして、地元自治体との情報の共有や対応策について、課題の整理を行っているものということを伺っておるところでございます。 長崎県としては、引き続き佐賀県の意向も尊重しつつ、佐賀県との協議には真摯に応じてまいりたいというふうに考えております。 次に、事業費の地元負担軽減についてのご質問であろうかと思います。 新幹線事業につきましては、ご承知のとおり、地元の実質負担、県の実質負担が18.3%と他の公共事業に比べ、非常に有利な公共事業であるというふうに認識しております。一方で、既に整備中の他のルートでは、地元負担額が本県よりも2倍から6倍と相当多額になること、近年、非常に地方財政の事情も逼迫しつつあること、こういった事情を含めまして、全国の
整備新幹線関係18都道府県におきましても、建設費のさらなる負担軽減を要望しているところでございます。 さらに、6月の
与党プロジェクトチームの意見聴取におきましては、これは熊本県であったと思いますけれども、地方交付税の算入率の引き上げなどが具体的に要望されておるところでございます。 本県としましても、新幹線事業が地元負担がそう大きくならない範囲内できっちり進められるということは重要であるというふうに考えておりまして、関係県と連携しながら、地方負担軽減を引き続き国等に対し訴えてまいりたいというふうに考えております。 次に、これに関連して諫早・長崎間の地元負担関係についての問いがあられたかというふうに考えております。 諫早・長崎間につきましては、基本的には長崎県内のみに存する事業でございまして、新幹線の負担の原則からいたしましたら、基本的に地元負担分というのは長崎県において負担することになります。ただ、今後、国において、変電所等、共通経費に属する部分についての負担関係については別途明らかにされるものと考えておりまして、基本的には地元負担でございますが、一部共通経費となる部分も出てくる可能性があるということでございます。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(小島明君) まず、キヤノン関連企業の進出に対応する工業団地整備についてのお尋ねでございます。 今、佐世保市におきましては、市営工業団地の整備に向け、整備箇所の立地も視野に入れて検討をしていると伺っております。 また、波佐見町におきましても、町営による工業団地整備について、現在、適地調査を実施しております。 県といたしましては、現在、企業の進出決定のスピードが非常に速いことを踏まえ、できるだけ早期に優良な工業団地が確保されるよう、
市町営工業団地整備支援制度等により支援することとしており、他の市町にも積極的に働きかけをしております。 次に、
市町営工業団地整備に対する支援措置についてのご質問ですが、市町営工業団地の整備に対しましては、整備事業費から分譲収入見込み額を差し引いた額の2分の1を県が補助することとしております。 さらに、佐世保市等産炭地域の対象地域におきましては、産炭地域活性化基金の助成事業として、県補助額のさらに2分の1を上乗せ補助することといたしております。 次に、
電源立地交付金及び
地域産業開発基金の活用状況についてというお尋ねでございます。 工業団地の整備について、その財源といたしまして、
電源立地交付金及びその交付金を積み立てました
地域産業開発基金を活用しております。佐世保情報産業プラザを含む佐世保ニューテクノパーク整備には約34億円、
波佐見工業団地の整備には約2億円を充当しているほか、今後は
市町営工業団地整備支援事業の財源にも活用することとしております。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 地域振興部長。
◎地域振興部長(清田俊二君) 市町の財政実態と合併特例債の活用についてのご質問にお答えいたします。 まず、
実質公債費比率が17%を超えている市町の実態調査をしたことがあるのかとのお尋ねでございますが、市町の健全な財政運営を確保するため、長崎市、佐世保市を除く21市町を対象に、現地に直接出向き、
行財政運営全般にかかる意見交換を行う財務診断を計画的に実施しているところでございます。 ご指摘の4市2町につきましては、既に財務診断を終了いたしております。 次に、
実質公債費比率が高く、かつ財政力指数が低い市町に対して、どのような対策を講じているかとのお尋ねでございますが、ご指摘の2市2町につきましては、財務診断の結果、歳入に見合った歳出構造への転換を目指した行財政改革へのさらなる取り組み、行財政改革を計画的に進めるための財政健全化計画の策定と達成状況の検証、
実質公債費比率低減のための計画的な繰り上げ償還の実施などについて、市町長に対して助言を行っております。 次に、合併特例債の残額が見込めるが、その要因はというお尋ねでございますが、合併特例債につきましては、これまで合併市町のまちづくりの根幹となる総合計画が一部未整備の団体があったことや、三位一体改革による交付税削減等の影響などにより、活用が進まない状況にございました。 今年度は、総合計画の整備や交付税総額の5年ぶりの増加、効果的な活用への助言などにより合併特例債の発行予定額も増加しているところでございます。 次に、合併特例債の活用を検討する協議会の設置はとのお尋ねでございますが、合併市町に対する支援事業の一環として、合併市町の幹部職員との意見交換会を毎年実施し、まちづくりに対する要望、提案等の把握に努めております。 また、本年度は知事自ら市町長との意見交換会の実施や現地視察など、合併市町の懸案となっている事業や要望など、積極的にお聞きしているところでございます。 今後、合併市町から要望や提案がなされた事業に関して、対象となる事案があれば、その都度、庁内関係各課による調整会議を開催し、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 知事公室長。
◎知事公室長(田中桂之助君)
県庁舎整備懇話会の出席者についてのご質問でございました。 12日に開催をいたしました第1回の「長崎県
県庁舎整備懇話会」におきましては、委員の皆様37人のうち、29人のご出席でございました。このうち、25人の皆様に県庁舎内の現場も見ていただいたところでございます。 今回、ご案内から間もなかったこともございまして、十分な日程調整ができなかったことはまことに申しわけなかったと思っております。やむを得ずご欠席の委員の皆様には今回、ご説明をしました経過、現状、問題点等について別途十分ご説明をいたしまして、次回の会議の準備をするようにしていただきたいと思っておりますし、今後は事前に十分な日程調整を行い、委員のご出席をいただけるようにしてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 土木部長。
◎土木部長(桑原徹郎君) 石木ダムの近年の用地進捗と未契約者の状況についてのお尋ねですが、平成10年に用地交渉を開始した時には、約半数の地権者の方々しかご理解をいただいておりませんでしたが、粘り強い交渉の結果、当初話し合いを拒んでおられた方々も含め、現時点では約8割の方々からご契約をいただいております。(発言する者あり) 平成17年度以降も個別の接触を重ねており、用地の取得につきましては、新たに必要面積の4%に当たる約3万平方メートルの契約をいただいておりますが、家屋移転者との契約には至っておりません。 未契約者の状況ですが、13戸の家屋移転者の方々については、依然としてその対応は厳しい状況であります。 また、9世帯の土地所有者の方々については、13戸の家屋移転者との関係や相続問題などで解決を図られていない状況であります。 今後とも、佐世保市、川棚町と一体となり、あらゆる機会を通じて解決の糸口を見出し、石木ダムの早期着工に向け、最大限の努力を行ってまいります。 次に、ダム周辺整備と生活再建等助成金についてのお尋ねですが、石木ダム周辺整備のあり方については、学識経験者や地元代表者による委員会が、平成13年に基本理念や施策の方向性について提言しております。 この提言を踏まえ、昨年10月に設立された地元地域の委員を含む「石木ダム水源地域まちづくり委員会」において、具体化に向けた審議がなされており、8月をめどに川棚町に対して周辺整備の素案が提出される予定であります。 この素案をもとに、「水源地域特別措置法」に基づく水源地域整備計画を早期に取りまとめ、地域振興策を実施してまいりたいと考えております。 また、地権者等に約束しておりました生活再建を図るための助成金につきましては、地元関係団体に対し、今年2月に助成金に対する基本的な考え方を提示し、現在協議を進めております。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 田中議員-40番。
◆40番(田中愛国君) 再質問をいたします。 まず、新幹線についてであります。 現在の財源のスキームというのは平成29年までなんですね。だから、この間は今、認定されておるところは確保できるので、十分やっていけると。それは可能なわけですけれども、要は諫早・長崎間がどうなるのか。これが平成29年以降のスキームなんですよね。いつ決めるか別にして、財源がなければやれないわけだから、そういうことを考えるならば、後のスキームに入るために、諫早・長崎間も必要だけれども、もう一つ、肥前山口・武雄温泉間というのが大きな比重を占めていると私は思うんですよ。ここがなぜやれなかったのか、私は不思議なんです。 肥前山口・武雄温泉間までフル規格でなければ、何も肥前山口・諫早間の在来線を切り離す必要ないんですよ。新幹線は肥前山口まで行っていないわけですから。ここら辺が私はいつも疑問に思うんですよ。だから、肥前山口・武雄温泉間をフル規格でやると、ここら辺を粘り強く佐賀県を説得してほしいなと。 佐世保線のフリーゲージトレイン等々も、これがなければ何も必要ないんです。博多まですっと行くだけの話です。これがあれば、必ずフリーゲージが必要になってくるんです。そこで乗り換えなければいけない。だから、肥前山口・武雄温泉間の複線化をフル規格でということが、私は一番喫緊の課題だと思うので、これを佐賀県と粘り強くやってほしいなと。そうすることにおいて、先に続くフル規格の運動もいけるんじゃなかろうかなという考えを持っておるわけですが、いかがでしょうか。
○副議長(吉川豊君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 肥前山口・武雄温泉間は、複線化ということでお互いが同意しておりますので、フル規格という話になってくると、佐賀県側を説得するというのは難しいと思います。佐賀県の事情はおわかりでしょう。だって3年間予算がついて事業がストップして、ここまできたんですから、それをまた決まったからといって蒸し返したら、何が起こるかわからない。そういう状況の中で、あくまでも複線化ということで複線化の予算をお願いしていって、最終的にいざ工事する時どうなるかわかりませんが、現時点で最初からフル規格という話を持っていったら、佐賀県は全然乗ってきませんよ。今まで苦労して、苦労して、ようやく今回着工したんですから、ご理解いただきたいと思います。大変な苦労しているんですから。
○副議長(吉川豊君) 田中議員-40番。
◆40番(田中愛国君) 新幹線については、紆余曲折どこの路線でもあるわけですけれども、これが突破口になると思うんですね。大体今の案は井本案だから。早岐経由だったのを井本さんが新嬉野駅に持っていっただけで着工したわけですから、今回は自由な論議をして、佐賀県に譲歩してもらうことをやっぱり、長崎県は1回譲歩したんですから、今度は佐賀県に譲歩してもらわなければ。JR九州は、肥前山口・諫早間を県におろす意味がないですよ、肥前山口まで新幹線が行っていないと。ここをカットする理由ないんです。新幹線も行っていないのに。私はそう思うし、まだ決まっていないそうですけれども、仮に今のスキームで動いた場合に、在来線は何キロぐらいで走るんですか、(発言する者あり)これが問題ですよ。在来線、武雄温泉から新鳥栖まで何キロぐらいの速度で走ろうとするのか、お聞きしておきたいと思います。
○副議長(吉川豊君) 地域振興部政策監。
◎地域振興部政策監(多門勝良君) 佐賀県内の在来線、特に新幹線が途中フリーゲージ方式で走っていく新鳥栖から武雄温泉間でございますが、これは基本的には今のままでいきますと、在来線の路盤を利用して、在来線の最高速度の中で走るということになりますので、最高速度としては130キロ、部分的には路盤の関係で最高速度が制限される区間がございます。90キロ、95キロ、そういったあたりになる区間も出てくるものというふうに考えております。
○副議長(吉川豊君) 田中議員-40番。
◆40番(田中愛国君) 通常表定速度60キロと言われてきましたけれども、それを100キロ近いもので走るとすれば、これは踏切等々大変ですよ。今回やらなければ、それこそ前回は今回が最後だ、最後だとやられましたけれども、今度は逆に今回やらなければ、それこそできないと思いますよ。整備5線の位置づけがあって、なぜ西九州ルートだけがこんないびつな感じの新幹線になっているのか。北海道ルートだって粛々とやっているものと私は思います。北海道も財源の問題は大変だと思いますけれども、しかし、平成29年以降の問題としてやっぱり最優先して取り組むべきと。これは堂々めぐりになるといけませんので、要望しておきたいと思っております。 次に、工業団地関係ですが、
波佐見工業団地には我々は自動車産業がくるものと思っていました。大体そういう話も聞いていました。キヤノンがきてくれた。それは大変うれしいことです。 しかし、自動車産業の受け皿がもう一つやっぱり必要じゃないのかなと、なくなったわけですからね。波佐見町、佐世保市にお願いしているのは、下請企業といいますか、関連企業といいますか、そういう受け皿に頑張ってもらって、大きな自動車産業を引っ張り込むというのは、もう一つ県営の工業団地が必要であると、私は考えます。適地がありますから、知事見てください。私が思うのは、針尾バイパスの沿線ですよ。我田引水ですけれども。しかし、今4車線やっていますよ。(発言する者あり)4車線の山側はこれは1,000メートルぐらいの距離で250~300メートルの奥行きをやれば、これは十分な、かれこれ10万坪近い用地が確保できると思います。ぜひ、これは検討してみてほしいと思います。 佐世保市も検討の1カ所には入れてもらっているはずですから、今やっていると思いますけれども、佐世保市にはちょっと荷が重いかなと思いますので、県が次の自動車産業の受け皿としての工業団地にぜひ頑張っていただけないかと思いますが、答弁をお願いします。
○副議長(吉川豊君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 確かに、そういった20ヘクタール規模のそういった土地が必要であるということは我々も思っておるんですが、問題はどれぐらいでその団地ができ上がるかという金額的な問題が大変難しいんですよね。 先般も諫早に行きまして、諫早の皆さん方からぜひ工業団地をつくってくれという話がありましたから、諫早で工業団地をもしつくるとしたら、買収から整地まで入れて坪10万円を超すんじゃないかなと。坪10万円というと、今、企業は大体全国のいろいろな団地に数字的に示してくるのは大体平米当たり1万4,000~5,000円なんですよね。それの中で仕上げておかないと。その差額の場合は、県費が丸々丸出しとか、市費の持ち出しということになってくるので、どうしてもやっぱり買収できる土地の価格と造成費にどれぐらいかかるかといった問題。 それからもう一つは、今回の波佐見の場合は買収が本当にスムーズにいった。タイミング的にうまくいったから、あそこにキヤノンが入ってきたんですよね。自動車というのは、別にあてがあったわけじゃないんですから、自動車みたいなものをやっていけよということでやっていたわけであって。だから、そういうタイミングというのは大事だということがありますが、やっぱり企業が望んでいるような適地をどう提供できるか。 もう一つは、長崎県の場合は水が非常に少ないというので、今回キヤノンの場合はそういった水についてもあまり使わないという中で、ああいった先端産業は非常に水を使うんですが、これも限られた水の中でというふうなことで、最終的にはそういった決定をさせていただいていますので、気持ちはよくわかるんですが、なかなかそういう。 もう一つは、長崎県は正直言って、県の大型団地とか、県の団地は多いんですけれども、市がやっているのが非常に少ないんですよね。九州各県を見てください。半分以上はみんな各市とも積極的に企業誘致をやっているんですよ。財政的には厳しくても、やっぱりみんなやってきておると。そういう中で今まで市が積極的にやったのは大村市ぐらいなもので、あとはそれほど力を入れていませんね。 だから、県の金でやるのが一番楽かもしれませんけれども、地域のことを思うと、お互い県市一体となって取り組むような、そういうスキームを今度つくりましたから、佐世保市も頑張っていただくように議員からおっしゃってください、よろしくお願いしますから。
○副議長(吉川豊君) 田中議員-40番。
◆40番(田中愛国君) この質問をした後、当局といろいろ話をしたんですけれども、私、行政がおかしいなと思うのは、一つの団地として造成した場合に同じ単価で売らなきゃいかんというんですね。ただ、私が言うのは一つの団地であっても針尾バイパスの沿線、10万坪なら10万坪の1万坪はこれは商業用地として高く売れますよ。坪20万円だって私は売れると思う。背後地は工業団地として3万円~5万円で売ればいいわけですよね。ただ、一緒の単価にしなきゃ売れないんですよという話もある。しかし、それは行政の一番おかしな話で(発言する者あり)いいですか、それは民間では十分やれますよ。いいところは高く売って、悪いところは安く売る。それは行政はやりづらいそうですね。一つの団地として整備した場合に、単価をつけて、これは時間がないので、もう終わりますけれども、ひとつぜひとも検討していただきたいと思います。 それから、合併特例債の問題です。 去年の12月定例会でしたか、土木部に私は提案したんですが、もう全然聞く耳を持たないという感じですね。これは大変有利な活用方法ですよ。今県がやっている合併特例債を活用した事業については、これはあくまでも市町がやった事業についての補助です。私が言っているのはそうじゃない。県の事業を市町にやってもらうんですよ。それは県が堂々とやられればいいですよ。10年の予定にも入らないような事業、しかし、向こうさんはぜひお願いしたいという陳情がある。そこら辺を話し合ったらどうかということですよ。 先般、土木委員会で視察に行ってきまして、対馬でも厳原町の西部のトンネルは一つという話がありましたよ。ぜひここにトンネルをと。聞いてみると、それは10年間予定ないですよというような話ですよね。地元はぜひほしいと。 それから、壱岐市においては三島の橋梁ですか、これもいやお願いしたいんだけれども、県は、それはちょっと今の段階では無理ですよと。おのおの約40億円ぐらいの事業だと私は思います。離島だと地元が負担するのが45%ですね。そのうちの3分の1で済むわけですから、20億円近く負担しなきゃいかん県の事業が合併特例債を使ってもらえば6億円ぐらいで済むんですから。ただ、一方的ではいけませんよ。だから、話し合いの場をつくったらどうかということです。 佐世保市の板山トンネルについても、私は十分やれるという話をしました。しかし、これについてはまた今、長崎県は財政力指数が低いから特別の国の起債を受けられるようになったんだと。だから、例えば、40億円で20億円負担するのが、市は7億円ぐらい負担しなきゃならんのを県が立て替えをするわけですけれども、11億円ぐらいの負担でどうもできそうですよ。しかし、11億円にしたって4億円の差があるじゃないですか。もったいない話ですよ。だから、そういうものをあわせ考えるべきだし、上五島町についても、先般述べたんですけれども、県の事業を新上五島町にお願いをしてやってもらうべしと。なぜなら、新上五島町ではやっぱり失礼ながら財政力指数も低いし、それから借金もしておられるし、130億円ぐらい持っておられても裏打ちができないんです。だから、これを県の事業をおろしてやってもらって、その分負担をすればいいんですよ。一挙両得なんですよ。だから、答弁できないでしょう。この前言っても何もしないわけだから。今度は話し合いの場だけでも立ち上げてくださいよ。土木部だけでは無理だと思う。多分、今、県がやっている合併特例債を活用した事業についても、財政が相当絡んでいるなと思います。あれはしかし、若干市町には不満だと思いますよ。県が補助をやらんよりやった方がいいけど、あれをもらうと、事業そのものについて大きくなりますから。私が今言っているのは補助事業じゃなくて、県の事業をやってもらうように。そして、その応分の負担をするということなんですよ。ぜひ検討してほしいと思います。 そういうことで、答弁をお聞きしましょうかね。
○副議長(吉川豊君) 土木部長。
◎土木部長(桑原徹郎君) 議員ご提案の、例えば、県道を市道等に移管する場合でございますけれども、これは適用できる補助制度ですとか補助率、こういったものが違いますし、同一の補助でも財政力指数等によって補助率に差が出ます。 例えば、市の負担金を全額県で負担してやると。そういった場合でも地域によって異なるわけですが、例えば、板山トンネルの場合であると事業費の1.42%分、それは有利になります。また、佐須坂トンネルの場合だと9.67%、また、壱岐市の原島大橋ですと7.15%、それぞれ(発言する者あり)低くなります。
○副議長(吉川豊君) 時間です。 小林駿介議員-17番。
◆17番(小林駿介君) (拍手)〔登壇〕皆さん、おはようございます。 公明党の小林駿介でございます。 はじめに、質問通告をしていた中で4番の「県庁舎建設について」、6番の「長崎県内医療施設の高度化について」につきましては、時間がありましたら自席にて質問をさせていただきたい、ご容赦をお願いしたいと思います。 本年は、「ブラジル移民100周年」という節目の年であり、1908年6月、神戸より781名の移民が波濤逆巻く大海原を経て、新天地ブラジルに到着した記念すべき年であります。 幾多の艱難辛苦を乗り越えられ、現在ではブラジル本国の重要な担い手として、信頼厚き存在となった日系人、または県人会の皆様に心から敬意を表するとともに、このたびのブラジル訪問団員として派遣いただきましたことに、心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。 それでは、質問に移らせていただきます。各分野にわたり多くの項目となりましたが、ご容赦いただきまして、ご答弁は明快かつ簡潔にお願いをいたします。 1、知事の政治姿勢について。 本県は、全産業に占める製造業の比率が低く、雇用政策上も、製造業の本県内誘致は極めて重要であります。 そのような中、我が国の最先端企業であり、かつリーディングカンパニーであるキヤノンのデジタルカメラの製造工場が波佐見に決定、雇用も1,000人規模となることが明らかにされました。これは本県にとって願ってもない朗報でありまして、この誘致に陰で努力を重ねてこられた関係者の皆様の労を多とするものであります。 そこで、本県の産業構造を変えゆく、さらなる企業誘致にどう取り組んでいかれるか、お尋ねをいたします。 次に、
九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)も、武雄温泉・諫早間が本格着工に至り、一歩前進となったところであります。しかし、長崎駅までの新幹線の延伸が、西九州ルート成就の要であり、星であります。 同僚議員の質問に対する答弁もあったようでありますが、延伸の取り組みと新幹線対応の新しい長崎駅舎の建設のタイムリミットについてお尋ねをいたします。 2、観光行政について。 (1) コンベンション誘致推進。 長崎市内では、本年5月に1万2,000人で開催されました「日本外科学会」の経済波及効果が各分野に及び、よい反響を聞いております。 コンベンションは、3~4日間の宿泊が常であり、アフターコンベンションとセットで地域への貢献大なるものがあります。 (2) スポーツ合宿の誘致策。 スポーツ合宿も同様に、なかんずくプロ級の春季合宿などは、波及効果が著しい。 例えば宮崎県においては、1万人の選手の合宿に熱烈なファン56万人が訪れ、その経済波及効果は124億円に上っております。 長崎県におきましても、コンベンション協会をはじめ、各担当部署が鋭意その誘致に取り組んでいるところと思いますが、コンベンションとスポーツ合宿の取り組みについてお聞かせを願いたいと思います。 (3)「長崎を歌詞う・全国歌謡祭」シリーズの立ち上げ。 長崎は、「行ってみたいところ」で、常に全国5位に入るところと言われます。また、長崎には、ある調査によれば、長崎ゆかりの曲が1,000曲を超えると言われています。 そこで、「長崎を歌詞う・全国歌謡祭」シリーズを立ち上げてはどうか、県当局のご所見をお聞かせください。 (4) 長崎空港のさらなる利便性の向上について。 羽田空港の拡張をにらんで、誘客の一環として長崎空港ビルのリニューアルが進行中であります。どのように変わるか、簡潔にお示しを願いたいと思います。 3、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の放映決定について。 (1) 長崎における「龍馬伝」の文化的意義について。 坂本龍馬と同じ土佐藩出身で三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎、この二人を中心とした展開になると聞いておりますけれども、いずれも傑出した人物であります。 歴史的にも有名な二人が、改めて彼らに関する史実とその歴史的意義について、学術的なレベルから一般の視聴者のレベルまで整理し、広く周知すべきであると思いますが、いかがでありましょうか。 (2)「亀山社中」と「海援隊」を結ぶもの。 高知県に、「県立坂本龍馬記念館」があり、そこで「亀山社中」と「海援隊」の結びつきに関連する情報が少ないという話を聞きました。 このように、まだ一般には広く知られていないさまざまな興味深い情報があると思われるわけであります。 また、世代や地域を越えて、熱心な龍馬ファンが全国にたくさんおられます。そのような多くのファンに長崎に来ていただくためにも、このような歴史的な事実を整理し、広く情報発信することが大事ではないか。「龍馬伝」の文化的な意義とあわせてご答弁いただきたいと思います。 (3) 県・市・マスコミ・民間各団体挙げての協力体制の構築。 先般、参考のために、天璋院「篤姫」の放映1年前、つまり昨年のイベントを調査しますと、例えば「第3回九州焼酎フェア物産観光展」、あるいは「幕末のファーストレディ篤姫展」、また、「第11回RKBラジオ祭り」等々「篤姫」の紹介コーナーを併設し、県外のお客様を篤姫の里へ呼び込む仕掛けがさまざまにされています。 そこで、このようなイベントを含め、長崎県内の各種各層のあらゆる団体を包含する支援団体の立ち上げも急がれるのではないかと思いますけれども、ご所見をお聞かせください。 4、ジャトロファの本格的検討について。 (1) 原油(化石燃料)の代替燃料。 「ナンヨウアブラギリ」の和名を持つジャトロファは、少々毒性があり、非食用で、すぐれたバイオ燃料が効率よく取れる実のなる木であります。 ただいま本議会においても、県内漁業、農業関係者の異常な燃油高騰に対する悲鳴と憤りに満ちた声が紹介され、知事も緊急対策本部の立ち上げを表明したところであります。 本員は、このような燃油の際限極まりない高騰に対処すべく、150万人の県民生活を預かる県として、開発可能な代替エネルギーに本格的に取り組むべきではないかと思うわけであります。 先日の朝日新聞の報道によれば、「日本航空は、本年秋までに、ジェット燃料とジャトロファを中心としたバイオフィーエルを2割程度混合し、ボーイング747型旅客機を使い、国内で試験飛行を実施する。そして、今後の商用運航に活かす」とありました。研究室段階をはるかに越えて、実用化試験を行うというのであります。 県は、この記事を精読されて、どのような見解をお気持か、お尋ねをします。 また、本県は、離島も多く、県内での製品化が可能となれば、化石燃油の代替たり得ると考えますけれども、この観点から本格的に検討してみてはいかがでありましょうか。 「長崎県内医療施設の高度化について」は、自席より時間があれば質問させていただきます。 5、長崎・上海友好館の建設について。 平成16年、上海市の「東方緑舟」を、知事を団長とする訪問団が視察したことが契機となり、長崎県産材による長崎・上海友好館の建設が浮上し、いよいよ純和風の館が着工することとなり、当時を思い起こし、訪問団の一員として感慨を深くしている次第であります。 そこで、今回の長崎・上海友好館の(1)着工の意義について、(2)今後のさらなる長崎・上海間の友好促進について、ご所見をお聞かせください。 6、学校図書館への司書配置事業の成果について。 児童生徒の読書活動の中心的な活動の場である学校図書館は、豊かな心を育てる場であるとともに、自ら学び、考える場として、学校教育には欠くことのできないところであります。 児童生徒の読書活動の重要性を踏まえた上で、読書センター、学習情報センターとしての学校図書館を活性化し、児童生徒の読書活動の促進を通して、豊かな心の育成を図ることを願い、平成17年度より当時の立石教育長の英断により、学校図書館への司書配置事業が開始され、いろいろな成果が出てきておると仄聞しておりますが、具体的成果についてお尋ねをいたします。 また、今後の司書配置事業における予算措置についてのご所見をお聞かせいただきたい。 7、県によるペアマッチングイベントの開催について。 宮崎県では、少子化及び晩婚化対策として、「独身男女による台北出会いの旅」を県が後援して実施され、6組のカップルが成立したと報道されておりました。 本県でも、少子化対策の一環として、未婚の男女に出会いの場を提供する「ながさきめぐりあい事業」が実施されていますが、その成果についてお尋ねをしたいと思います。 8、住宅用火災警報器の設置義務化に向けた現状と対応について。 「消防白書」による平成16年度の建物火災による死者のうち住宅火災による死者数が89.6%、すなわち10人のうち9人を占めております。さらに住宅火災による死者を原因別に見ると、逃げ遅れが最も多く、全体の62.2%を占めているわけであります。 具体的に述べますならば、全国で住宅火災で平成16年度に1,038人が亡くなられました。うち646人の方が逃げ遅れによって亡くなられたわけであります。10人のうち6人が逃げ遅れによって亡くなっているわけであります。その時間帯は、就寝時間中がほぼ半分を占め、焼ける臭いや音に気づかれた時は、既に遅かったというケースが約半分であります。 そこで、消防庁で広く国民の皆さんの生命と類焼による被害を防ぐために、法律を改正し、新築の住宅においては、平成18年より警報器の設置を義務づけるとともに、古い住宅においても、平成21年6月より住宅用警報器の設置が義務づけられるわけであります。現状と今後の対応についてお尋ねをいたします。 9、重度障害者施設に関する諸問題。 (1) 福祉サービス第三者評価のあり方(つくも苑の事故を受けて) 去る5月18日、佐世保のつくも苑において、職員の誤投薬により入所者が死亡するという事故が発生をしました。 この事業所に対し、県が推進する第三者評価機関は、A・B・CのうちA評価を与え、県民に広く周知する中での事故の発生でありました。第三者評価機関の評価項目とその報告書をつぶさに検討してみました。特に感じるのは、評価項目83のうちほとんどが一室内の対面聞き取り調査で済ませる内容であるということ。 さらに、最も大事な入所者の生命を守るには、まず何を最も重視すべきかとの観点が欠けているということであります。 つくも苑内の管理に問題があるのは当然とした上でお尋ねいたしますけれども、評価項目のあり方に欠く点があるのではないか。 もう一点は、諮問機関としての「第三者評価機関認証委員会」並びに「第三者評価基準等委員会」の機能が形骸化しているのではないかとの疑念を抱かざるを得ないのでありますけれども、いかがでありましょうか。 10、有明地区地下水汚染対策のその後。 前回の有明地区の重層的かつ特異的な地下水汚染の実態が明らかとなり、県としても約1,100万円の税金を投入し、これ以上の環境破壊をしてはならじと島原半島窒素負荷低減対策を講じたところであります。その後、約1年間は何事もなく平穏に推移してきたのであります。ところが、6月末に有明地区の方から電話にて、次のような報告が入りました。 牛肥の生産組合堆肥工場の隣地より、大量の牛のし尿類が畑地を通じて放流され、下流域で大変な異臭が発生したと。生産牛の排泄物は、紛れもない産業廃棄物であり、これを規制する法律は年経るごとに厳しくなっております。 そこで、お尋ねいたしますが、当該箇所を含む土壌の分析を、大村の旧公害衛生研究所にて直ちに実施することを要請したいと思うが、いかがでありましょうか。 その意図は、土壌の分析によって恒常的に放流した形跡があるか、生産組合の家畜排泄物の適正管理が実施されていたか、補助事業採択認可後の担当課の職責が果たされていたかを調査するためであります。よろしくお願いします。 11、小型レントゲン装置の設置基準の緩和について。 医学界の進歩は目覚ましく、「神の手」と呼ばれる先生たちによって、死の淵より生還し、お元気で生活されている映像を目にすると感動すら覚えるものであります。 その一方で、日常生活では、骨折や脱臼等で外科医や整骨師に担ぎ込まれるケースも多々あるわけであります。 外科医の骨折治療では、エックス線検査後、その患部を切開し、金属プレート等を埋め込み固定し、一定期間経過後、再度切り開き、固定を取り除く措置が多いのに対しまして、柔道整復師は、自然治癒力を応用した徒手整復にて治療するため、2度にわたる手術そのものを必要としないわけであります。しかしながら、より的確かつ正確な治療を施すための簡易なエックス線検査を希望するのは、受診に来られる患者の方々であります。 そこで、困難な法的問題とは認識しておりますけれども、次の2点についてお尋ねをしたいと思います。 1つは、同じ骨折の対応の場合、外科医での治療費と柔道整復師での治療費との差異について。また、柔道整復師を第15条、第17条の改正による簡易レントゲン使用についてどのような見解をお持ちか、お尋ねをいたします。 以上をもちまして、本壇よりの質問を終わらせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(吉川豊君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕小林駿介議員のご質問にお答えいたします。 企業誘致へのお尋ねでございますが、今回、キヤノンの立地が実現したのは、企業のニーズに合致した工業用地の提供が大きな要因となっていることからも、今後、誘致を進める前提として優良な用地の確保が必要と考えております。 その上で、これまで
波佐見工業団地への誘致を進めてきた複数の企業に対しては、立地可能な用地を紹介し、さらに働きかけを続けてまいります。 また、キヤノンの関連企業に対しても、進出の可能性があれば積極的に誘致に取り組むことによりまして、これまで本県にない技術を有する企業の集積を進め、産業構造の多様化を図ってまいります。 次に、長崎延伸の取り組みと新幹線対応の長崎駅舎建設のタイムリミットについてのお尋ねでございますが、交流人口の拡大と観光振興による地域経済の活性化は、本県の重要な課題であり、西九州ルートの長崎延伸は必ず実現させなければならない課題であります。 また、観光長崎の玄関口である長崎駅は、新幹線駅を見据えて、連続立体交差事業や土地区画整理事業などの周辺整備事業が動き出していることからも、駅部の整備を含めた長崎延伸を、これらに遅れることなく実現していくことは不可欠であります。 去る6月19日の「
与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム」では、諫早・長崎間を含む全国の新規3区間については、平成21年度中に認可・着工ができるよう政府に要請することが決定しました。 平成21年度中の認可・着工が実現すれば、武雄温泉・諫早間の整備に遅れることなく、一括全線開通も期待できます。 県としては、これまでも政府施策要望などで、長崎までの早期認可・着工を要望してまいりましたが、今後、長崎市や経済界の活動の活発化にあわせ、引き続き県民と一丸となって強く国等へ要望してまいります。 次に、コンベンション誘致に関してのお尋ねでございますが、コンベンションの誘致は、多くの宿泊客やアフターコンベンションの実施など経済的な波及効果が大きいことから、重点的に取り組むべき分野であると認識しております。 このため、専任の職員を旅行会社から県観光連盟に派遣をいただき、関係市町コンベンション協会等と連携しながら、誘致活動に取り組むとともに、助成制度の充実を図っております。 コンベンション誘致には、学会等からの情報収集とともに、大学教授や団体幹部等のキーパーソンへの的確な情報提供、誘致の受け皿となる地元団体等の受け入れ機運の醸成が必要であります。 今後、さらに効果的な誘致を進めるため、本県が持つ近代科学技術や医学など、我が国の学問・文化の発祥の地であるという特性を全面的に打ち出しまして、県内大学等との連携を強化し、他県との差別化も図りながら、誘致拡大に努めてまいりたいと思います。 次に、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」の放映決定につきまして、いろいろな民間の団体も巻き込んで広がりを持った協力体制の構築が必要ではないかというお話でございますが、NHK大河ドラマの「龍馬伝」の放映は、本県の魅力を全国に発信し、多くの皆様に本県を訪れていただく絶好の機会と考えております。 既に、特にゆかりの深い長崎市とも協議をはじめており、経済界など各方面の皆様と一体となって推進する協議会を早急に立ち上げまして、情報発信やロケ支援等を行うとともに、本県の活性化につながるように積極的に取り組んでまいりたいと思います。 次に、長崎・上海友好館の建設についてのお尋ねでございますが、長崎・上海友好館は、上海市郊外の「東方緑舟」に建設する青少年教育施設であり、本県と上海市との深い友好交流をあらわす新たなシンボルの一つとして位置づけております。 利用に当たりましては、本県からの修学旅行や語学研修生等と中国青少年との交流、県内市町や各種団体等が行う文化交流、本県の観光物産を紹介する場などとして幅広く活用し、今後の両県・市の友好親善に役立てていきたいと考えております。 今後の上海市との交流についてのお尋ねでございますが、本県と上海市におきましては、ご存じのとおり、1996年に友好交流関係を樹立しまして、これまでも「上海観光フェスティバル」への参加、県産品の食材フェアや産業交流会の開催、中国語教師の受け入れや留学生の派遣など、観光、経済、教育をはじめ、広い分野にわたりまして友好交流を進めてまいりました。 上海市は、2010年に、「上海万博」が開催されるなど、将来に向けて飛躍的に発展しており、長崎県としては、今後とも相互の連携を密にするとともに、長崎・上海友好館も活用しながら、経済交流や人的交流などを今後積極的に進めてまいりたいと思います。 残余の質問については、関係部長より答弁をさせていただきます。(発言する者あり)
○副議長(吉川豊君) 文化・スポーツ振興部長。
◎文化・スポーツ振興部長(藤泉君) まず、観光行政のうち本県のスポーツ合宿の誘致活動の取り組みと今後の方針についてのお尋ねでございますけれども、本県におきましては、昨年度からモデル事業といたしまして、島原、大村、雲仙の3市及び競技団体等で構成する「誘致連絡調整会議」を設置いたしまして、県外の実業団等のトップチームを対象に、誘致種目もサッカーやバスケットボールなど5種目に絞って、誘致活動に取り組んできておるところでございます。 昨年度は、Jリーグのモンテディオ山形を初めといたしまして6団体を、また、今年6月にはバスケットボール女子日本リーグの2チームを誘致することができました。 今後は、誘致団体数を増やすため、関係市や競技団体等と一層の連携を図りながら、複数チームによる合同合宿や競技大会を組み合わせた合宿のやり方を検討していくとともに、施設・設備の充実や受入体制のノウハウの蓄積などを踏まえて、より効果的な誘致活動を積極的に行ってまいりたいと考えているところでございます。 次に、「長崎を歌詞う・全国歌謡祭」シリーズを立ち上げてはどうかとのお尋ねでございますけれども、音楽によるにぎわいの創出と人材育成を目的といたしまして、昨年から、「ながさき音楽祭」を開催しております。 県内各地で、さまざまなコンサートやイベントを行っておりますが、今年は新しい取り組みの一つといたしまして、県内各地に伝わる民謡や長崎を舞台とした歌謡曲などを中心とする「長崎の唄、長崎の音」を開催することといたしております。 このコンサートは、室内楽や合唱などの演奏に加え、踊りや「がんばらんば体操」の実演、さらに教会の鐘や祭りのシャギリ、潮騒など、長崎らしいいろいろな音や映像を交え、本県の魅力を楽しんでいただくことをねらいといたしております。 まずは、このような取り組みからはじめ、県外からも多くの人に来ていただけるような長崎の特徴を活かした魅力のあるコンサートに育てていきたいと考えているところでございます。 次に、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の放映決定について、長崎における「龍馬伝」の文化的意義と、「亀山社中」と「海援隊」を結ぶ情報など、事実を整理し、広く情報発信することが大事ではないかとのお尋ねでございますけれども、坂本龍馬や岩崎弥太郎をはじめ、長崎を訪れた多くの遊学者と長崎からはじまった日本の近代化の足跡については、長崎歴史文化博物館におきまして、常設展示やデータベースとして整理、展示するとともに、歴史ガイドブック「旅する長崎学」の「近代化ものがたりシリーズ」においても、広く紹介しているところでございます。 なお、「亀山社中」と「海援隊」との結びつきを含め、当時の歴史的事実については、まだ解明されていない部分も残されておりますので、これを機に、坂本龍馬や岩崎弥太郎などに関する専門的な調査研究をさらに進めてまいります。 NHK大河ドラマ「龍馬伝」につきましては、観光のみならず本県の歴史文化の全国へのPRという意味において、絶好の機会であるととらえ、NHKへの情報提供や、首都圏や福岡などでの「旅する長崎学講座」、さらに長崎歴史文化博物館での講座などを通じて、長崎固有の歴史文化の情報発信に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 地域振興部長。
◎地域振興部長(清田俊二君) 長崎空港ビルのリニューアルについて、どのように変わるのかとのお尋ねでございます。 長崎空港ビルディング株式会社では、現在、羽田空港の再拡張工事に伴う国内線の発着枠の拡大を視野に入れ、空港ビルのリニューアル工事を進めておりまして、本年12月にはグランドオープンする予定でございます。 工事の主な内容は、繁忙期や大型団体客の利用に対応するためのロビースペースの拡張、バリアフリー化を推進するための高齢者などに配慮したエスカレーター、多目的トイレの設置、エレベーターの増設、サービス施設を充実するためのビジネスサポートセンター、書店、ラウンジ、キッズコーナーの新設などとなっております。 また、リニューアルオープンに先駆け、去る7月1日から、地方空港でははじめて大手コーヒーチェーンが出店するなど、空港の利用者に対する利便性の向上に努めているところでございます。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 農林部長。
◎農林部長(渡辺敏則君) ジャトロファに関しまして、日本航空の試験飛行の記事に関する見解、代替エネルギーとして利用を本格的に検討してみたらどうかというお尋ねでございますけれども、ジャトロファに関しましては、中南米原産の低木でございまして、種子に油を含みまして、乾燥に強く、荒れた土地でも成長が早いということなどから、東南アジア等で栽培されておりまして、議員のご指摘のように、日本航空が試験飛行を予定している第2世代バイオ燃料の原料の候補にもなるなど、代替燃料として非常に注目されているということは承知いたしております。 県といたしましても、燃油高騰対策のほか、耕作放棄地の活用や新たなアグリビジネスとしての可能性について、検討すべき対象の一つというふうに考えております。 しかしながら、正確な情報に乏しく、本県の気候に適しているのか、また、収量やコスト、毒性の問題など不明な点も多々ございます。今後とも、情報収集に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 教育長。
◎教育長(寺田隆士君) 学校図書館への司書配置事業の成果などについてのお尋ねであります。 学校司書は、子どもと本とを結ぶ大切な存在と認識しております。小中学校への司書の配置は、本来、設置者である市町によって行われるべきものですが、県では、その重要性にかんがみ、配置促進を図るため、モデル事業として取り組んでまいりました。 本事業により、司書を配置した学校においては、本の展示や書架のレイアウトなど図書館の環境整備が進んだことで、子どもたちの読書意欲が向上し、貸し出し冊数が大幅に増加しました。また、読書量が増えたことで、子どもの情緒の安定、自ら学ぼうとする意欲の増進、さらには基礎学力の向上が見られるなど、一定の成果が上がったものと考えます。 一方、市町が独自に司書を配置した学校も、平成17年度37校から平成20年度60校にまで増加しております。 県教育委員会といたしましては、これらの成果を踏まえ、学校司書の配置が積極的になされるよう、市町に対して啓発を行うとともに、現在、策定中の「第二次長崎県子ども読書活動推進計画」に沿って、新たな事業の展開も含めた読書活動の一層の推進に努めたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) こども政策局長。
◎こども政策局長(浦川末子君) ながさきめぐりあい事業の成果についてのお尋ねでございます。 ながさきめぐりあい事業は、独身男女に出会いの場を提供するため、応援企業が企画するイベントを広くホームページやメールマガジンでお知らせし、気に入ったイベントに費用を払って参加していただく仕組みを、平成18年度から実施しています。6月までに約2,000人のメルマガ登録があり、レストランでのパーティーなどのイベントが188回行われ、3,616名の参加を得て、232組のカップルが成立しております。 当初2カ年は、県が実施主体となり、運営をNPO等へ委託して実施してきましたけれども、事業が軌道に乗ったこともあり、今年度からは運営費用の一部を参加者にも負担していただくこととし、公募により選定された長崎県青年団連合会が運営する事業へ助成を行っております。 今後も、43団体ある応援企業の拡大に努め、独身男女の皆様が気軽に安心して参加していただける場を、県内各地で積極的に提供してまいります。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 防災危機管理監。
◎防災危機管理監(古川弘君) 住宅用火災警報器の設置義務に向けた現状と今後の対応についてのお尋ねですが、住宅用火災警報器の設置状況は、長崎市消防局管内での推計値が21%であり、今後、県内全域における設置促進が必要な状況であります。 県といたしましては、これまでチラシの配布等により普及に努めてまいりましたが、来年6月の設置義務化に向け、さらに市町及び消防本部と連携しながら啓発するとともに、消防団、婦人防火クラブ等の団体にも引き続き協力を呼びかけ、共同購入等により、設置促進を図ってまいります。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(入江季記君) 福祉サービス第三者評価制度のあり方についてのお尋ねでございますが、福祉サービス第三者評価事業は、福祉サービス事業者が主体的に第三者評価機関の評価を受けることにより、自ら提供するサービスの質の向上を図るとともに、利用者がサービスの選択を行う時の判断材料となることを目的とした制度でございます。本県におきましては、平成18年度から実施をしております。 評価機関の認証及び評価基準につきましては、国のガイドラインに沿って、学識経験者等で構成される諮問委員会の審議を経た上で、県において決定をしております。 つくも苑につきましては、昨年12月に評価を受けておりますが、評価方法は、書類による事前審査の後、評価機関の2名の職員が2日間にわたり現地に赴き、理事長ほか関係職員へのヒアリングを行うとともに、診療所をはじめとする施設内の状況確認など、83項目について評価が行われております。 しかしながら、過去に投薬ミスがあったかどうかについては、評価の着眼点としていなかったため、今回の評価となったものと考えられます。 諮問機関である「第三者評価基準等委員会」に新たに医療関係者を加え、充実を図った上で、今月中に開催し、評価項目や評価の着眼点のほか、利用者の声を評価に反映させる仕組み等、全体的に検討を行い、サービスの実態を正しく反映した評価となるよう早急に見直しを行ってまいりたいと考えております。 次に、東洋医学と西洋医学の治療費用の差異、並びに「柔道整復師法」の改正提案についてのお尋ねでございます。 骨折時の治療につきましては、症状等によって柔道整復師による施術と外科医による治療は異なるため、治療費用を単純に比較することは困難でございます。 また、「柔道整復師法」第15条の改正により、柔道整復師に診療エックス線業務を認めること、また、同法第17条の改正では、医師の同意なしに脱臼、または骨折の施術ができるようにしてほしいというご趣旨かと思いますが、現行法上、人体に害を及ぼすおそれのある行為につきましては、放射線や医学の専門知識等がある医師などの有資格者に限定されている以上、難しいご提案かと思います。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 環境部長。
◎環境部長(中村保高君) 島原市有明地区での家畜排泄物の流出事案における土壌検査についてのお尋ねですが、今回の事案につきましては、県及び市による調査の結果、牧草地に施肥した牛の尿が河川へ流出したことを確認しております。 このため、県においては、適切な施肥を指導するとともに、「廃棄物処理法」に基づく報告の徴取を実施したところでありまして、土壌などの検査については、既に実施に向けて関係機関と協議を進めております。 今後とも、島原半島の地下水汚染対策を進めるため、窒素負荷低減計画に基づく取り組みの徹底を改めて関係機関に強く求めてまいります。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 小林駿介議員-17番。
◆17番(小林駿介君) それでは、県庁舎建設について質問通告をしておりました。 県庁舎は、耐震診断をした結果、大変厳しいということが診断をされたわけでございますけれども、私は長崎市役所においても非常に危惧をしておるわけでございます。 そういった意味で、1つは、長崎市役所の耐震診断についてはどうなのかなと。 そしてまた、もし耐震診断が厳しい結果となれば、例えば長崎県庁舎と長崎市役所との合同庁舎を建ててはどうかと、このようなことも考えるものですから、ここでお尋ねをしてみたいということでございます。それについてはいかがでございましょうか。
○副議長(吉川豊君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 長崎市の耐震診断についてお尋ねしましたところ、市庁舎の本館、別館及び議会棟は、昭和30年代から昭和40年代に建造された、いわゆる旧耐震基準による建物でありますが、耐震診断については実施しておらず、今後検討するということを伺っております。 長崎市としても、一応建て替えのために、たしか基金を100億円ぐらい積み立てていると思うんですね。したがいまして、いずれはやっぱり建設を考えているとふうに私たちも思っておりますので、県庁舎移転に関しては、跡地の活用を含めて、今後、長崎市全体のまちづくりをどうするのか。 駅周辺のまちづくりにしましても、これはもう特に区画整理を長崎市がやりますから、あそこにどういうふうな形をつくり上げていくかということは、長崎市にとって大きな問題でございますので、今後、こういったことを含めて長崎市と十分連絡をしていきたい。 実は、内々では、お互い協議会をつくって、先般、うちは副知事、向こうは副市長さんに来ていただいて、そういった話についていろいろとお互いの意見交換を関係部局も全部集まってやりましたので、今後は定期的にそういった会を開くことによって、お互いの意思疎通を図っていきたいというふうに思っております。
○副議長(吉川豊君) 小林駿介議員-17番。
◆17番(小林駿介君) 県庁舎につきましては、これから議会の方におきましても、さらに論議を重ねていくところでございますが、今、知事がおっしゃった長崎駅周辺との兼ね合い、これを一つ長崎の大きな発展の契機にしていかなくてはならない。それは新幹線を含めて、駅再開発を含めて、こういったことを総合的にやっていかなくてはならないと思っております。 それでは、再質問に入らせていただきたいと思います。 観光行政でコンベンション誘致について、民間からの人材も投入しながら力を入れていきたいということでございますので、それぞれ国内、国外のキーパーソンというのがいるわけでありまして、この方としっかり連携を深めながら取り組んでいただきたいと思います。 それから、スポーツ合宿でございますけれども、モデル事業としてようやく立ち上がった。そして、その成果が徐々にできつつあるわけでございますが、本壇からお話しましたように、宮崎県は、そのファンの皆さん方が、選手は1万人しか来ないのに、観客の方は56万人ついてこられると、これは非常に大きな魅力でございまして、本格的な取り組みをお願いしたいと、要請をしておきたいと思います。 それから、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」についても、この協議会を立ち上げたいということでございますので、期待をしたいと思うんですけれども、時期について、いつごろこの協議会を立ち上げることになるのか、もしわかっておればお尋ねをしたいと思いますが、いかがでしょうか。(発言する者あり) もう一度、この協議会を早急に立ち上げたいというご答弁があったわけでございますが、大体いつごろ立ち上げるということがもしわかっておれば答えをお願いしたいと思います。
○副議長(吉川豊君) 藤井副知事。
◎副知事(藤井健君) 「龍馬伝」の関係の協議会でございますが、今、関係の長崎市、それから観光連盟、市長会、町村会、そういうところとお話を進めさせていただいております。 議員のご質問にもございましたように、前の年からさまざまなイベントも実施しなきゃいけないというふうなことでございますので、まだ具体的な日程は申し上げられませんが、早急に立ち上げるようにしたいと思っております。
○副議長(吉川豊君) 小林駿介議員-17番。
◆17番(小林駿介君) しっかりとお取り組みをよろしくお願いしておきたいと思います。期待をいたしております。 それから、ジャトロファの件につきまして、農林部長から、いろいろ未確認情報がまだ多いので、研究というところまでいかなかったように私は受けたんですが、実は長崎市におきましても、こういうことが取り上げられまして、わずかでありますけれども、栽培をやってみたいと、こういう話ですね。 それから、八丈島は、東京都下でありますけれども、距離が非常に離れているということでありまして、自分のところで栽培をし、収穫をし、そして自分のところの、島内の燃料に何とかできないかと、いわゆる本格的な取り組みに向けて動いているところでございます。今、その成否については若干うまくいっていないということも、ちらっとお聞きしております。 しかし、片や、これほど大型のジェット燃料を使う、そして燃油高騰がもろに響いてくる、だれも知らない人はいません大型の日本航空が、ジャンボ旅客機を使って国内で本年度中に、秋までにはと聞いていますけれども、試験飛行も行うと。半端なことじゃないわけですね。 そういった意味では、確かに今手に入っている情報はまだまだ少ないかもしれませんけれども、もう少し私は前向きの答弁が出てくるのではないかと期待をしておるんですけれども、農林部長、いかがでしょうか。
○副議長(吉川豊君) 農林部長。
◎農林部長(渡辺敏則君) 長崎市の方で、栽培実験をされているという話は承知いたしております。また、県内では、ほかに壱岐市でも一部ハウスで栽培試験をしているという話も聞いております。確かに、日本航空がバイオ燃料の候補の一つとして挙げているという非常に注目された植物でございます。 先ほど答弁した内容と重複いたしますけれども、コストの問題とか、なかなかはっきりした情報がわかりませんけれども、本県の離島の耕作放棄地等で栽培されて、採算が取れれば、これは非常に有効な作物でございましょうし、燃料としても活用するということであれば、こういう燃油高騰の折、非常にすぐれたものであるというふうに認識いたしております。 今後とも、情報収集に鋭意努めてまいりたいというふうに思っております。
○副議長(吉川豊君) 小林駿介議員-17番。
◆17番(小林駿介君) 学校図書館への司書配置事業の成果についてお尋ねをしましたところ、かなりの成果が上がっておると、学力向上にも資しておるということでございまして、新しい事業の中で、またやってみたいという前向きのご答弁でございましたけれども、当然、予算要求をされての前向きの事業ということに理解してよろしいでしょうか、教育長。
○副議長(吉川豊君) 教育長。
◎教育長(寺田隆士君) 司書の配置事業については、先ほど申し上げましたように、モデル事業としてさまざまな成果を上げて、平成17年度に開始され、本年度をもって終了をいたします。 ただ、予算措置につきましては、現段階で来年度の措置について申し上げることはできませんが、今後も、その事業で得られた成果をもって市町への啓発は行っていきますし、新たな読書推進事業として、司書の配置促進を含めてどのような手だてがあるかということを考えてまいりたいと思っております。
○副議長(吉川豊君) 小林駿介議員-17番。
◆17番(小林駿介君) 今、現段階では、精いっぱいのご答弁かなということで了としたいと思いますが、どうぞ教育長、自信を持って、また、角度を変えて予算措置を要求しながら、また、教育委員会としましても、ぜひともこの事業に深いご理解をいただきながら推進をしていただきますように心からお願いをしておきたいと思います。 次に、住宅用火災警報器の設置義務化に向けた現状と対応についてということで、現在約2割の家庭で、既設住宅でございますけれども設置をしておると。しかしながら、これは非常に重大な問題と思うわけです。できれば罰則規定をかけても、これは半強制的にでも急いでやっていただきたいというような私は思いでおります。それだけ実際は逃げ遅れによる悲しい犠牲者の方がかなりの数おられますし、これを防ぐにはどうしたらいいかということで、明年からは自治会等で共同購入というお話も出てきましたけれども、これは粘り強く、そして、本当にうまくいっているところの話をどんどんアピールして多方面にも広げていくというような形を取りながら、ぜひとも啓蒙を進めていただきたい、このようにご要望を申し上げておきます。 それから、重度障害者施設に関する諸問題につきましては、ただいまの福祉保健部長のご答弁よりもすばらしい答弁が、長崎新聞の7月13日(日曜日)版にかなりの紙面を割いて載っていたわけでございます。その中で、もう的確に指摘をしてありますし、そして、県としては見直しをちゃんとやりたいということも、実はもう既にこの新聞紙上でお答えになっているわけですね。 私も、この報告書をつぶさに見て感じたことは、いわゆる机上の審査に陥っているのではないかということを痛感をしたわけなんです。 これは、それを定めた国にもやはり少し足りない部分があるかなと思いつつ、また、県においてこういう評価基準をみんなで決めて、これでよかろうと、そういう認定をした認定委員会の皆さん方にも、私はちょっと反省をしていただかないといかんなということを感じたもんですから、今回、質問で取り上げさせていただきました。これからそういった方向に、基準見直しということになっていくということでございますので、どうか施設の皆さん方がそれを遵守する、また、その評価基準を見て、今度は利用者の家族の皆さんが、その評価基準どおりに安心して選べるように、そういった体制に持っていきますように、くれぐれもお願いをしたいと思います。 次に、有明地区の地下水汚染対策のその後でございますけれども、1年ぐらいは、いわゆる養豚関係のことがおさまりまして本当に平穏にきておったと。ところが、今回は牛なんですよ。 それで、私も現場に行きまして、ご本人とやりとりしました。ご本人さんは、「いや、放流したのは、今回が実は初めてなんです」と、そして最後は、「申しわけありませんでした」というおわびはされました。しかしながら、その有明地区の住民の方によりますれば、これまでも何回かそういった大変な異臭がして、どうしたことかと、あれだけお願いして、ちゃんとおさまったはずなのにということで山の中に入っていったけれども、その場所に行き当たらなかったと。今回ようやく、ここがはっきりと放出源ということがわかったわけなんです。 ですから、草地の施肥という考え方もありますけれども、私が本壇で申し上げましたように、これは産業廃棄物なんです。それによる取り締まりということをやはり一面では考えていかないと、どこまでも地下水、あるいはその土地の土壌の汚染、これまでも厳しいそういったものが出てきましたけれども、これからさらにそういったことを私は許してはならない。 そういった意味で、畜産業の振興は大事であります。大事でありますけれども、片ややっぱり自然の、これ以上のそういった環境負荷をやっぱり抑えなきゃいかんということで、こうした1,000万円のお金をかけて、会議も開いて、対策もやっておられるわけですから、このことについてはっきりとさせて、そして、あくまでもそういう違反をするのであれば、もっと厳しい措置をとらざるを得ないのではないか。 そういう意味でも、先ほど環境部長が、もう既に準備にかかっておるということでございますので、早急にこの分析結果を、また発表していただきたいと思います。 そして、もう一つ忘れてはならないのは、これからも補助事業に取り組まれると思うんです。いいことです。今までのひどい環境よりも、補助事業によってさらに軽減するわけですから、いいことでありますけれども、その申請自体の設計の中におさまっておればよしとするのではなくて、これまではそうだったかもしれませんけれども、その認可をしたそこの施設が、設計どおりに自然に過重な負担がかからないようにちゃんと守られているかどうかというチェックを必ずやるべきだと、それが税金の使われ方として最低の守られ方だと私は思うんですよ。畜産課につきましては、そういった補助事業の認可をした後の管理において手薄だったのではないかと、このように思うわけでありますけれども、農林部長、見解をお聞かせください。
○副議長(吉川豊君) 農林部長。
◎農林部長(渡辺敏則君) 今回の施設につきましては、国の基準等にのっとり審査をし、認可をしたわけでございますけれども、(発言する者あり)その後の子牛農家等の要望等もありまして、施肥の内容が、副資材をのこくずからバーク材、これは木の皮でございますが、それに変えたと。それによって家畜の尿が余りまして、一部を液状きゅう肥として有効利用したと。その結果、今回、意に反して、ほ場から河川の方に流れ出たということでございます。 我々としましては、その施設の整備の際、あるいはその後にも適正な施肥について指導してきたつもりでございますけれども、結果として、こういうような事態が発生したということは、指導が不十分だったと言わざるを得ないと思います。そういった意味でも、まことに遺憾でございます。今後とも、さらなる意識改革を含めて指導を徹底してまいりたいと思います。 今回の件に関しましては、早速、当該事業者に対しまして指導を行っておりますし、また、具体的な改善計画も提出するように指示いたしております。また、周辺の農家に対しても、改めて注意を喚起いたしたところでございます。 今後とも、さらに一層指導を徹底してまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。
○副議長(吉川豊君) 小林駿介議員-17番。
◆17番(小林駿介君) 農林部長からしっかりと取り組むという答弁でございますので、その言を信頼して、ぜひともやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、小型レントゲン装置の設置基準の緩和について。 これは、法律上のいろんな規制があることでございますし、難しい問題ということは重々承知の上でございます。決して現在の外科医がどうこうというのではありませんけれども、これまで長い間、蓄積をされてきました東洋医学といいますか、自然治癒力を応用した徒手整復の中で、そこに小型のレントゲンが使えるようになりましたら、その正確な治療の方針を見た上で、実際の保険点数でいいますと随分差異が生まれるわけなんです。 そういった意味で、私はこのことについて資料も一部差し上げてございますけれども、今後検討していただきまして、そういったこともあるのかなと、1回じゃやってみようかなということで、ぜひとも内部で学習研究をしていただきたいということをご提言申し上げておきたいと思います。 私の質問に対しまして、それぞれ期待するご答弁がほとんどでございますので、以上をもちまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(吉川豊君) これより、関連質問に入ります。 江口議員-16番。 〔関連質問〕
◆16番(江口健君) 同僚小林駿介議員の質問に関連をして、その中でも知事の政治姿勢の中の新幹線の問題に関連をして、西九州ルートに導入が予定されているフリーゲージトレインについて質問をさせていただきます。 今朝の前段でも、全線フル規格でという話もあっておりました。このことについては、佐賀県の実情のことも考えて、全線フル規格がなかなか厳しいという話があっておりますけれども、西九州ルート(長崎ルート)については、フリーゲージトレインを導入するということで、2004年に政府与党が合意に達しておりますけれども、7月10日付の朝日新聞の記事に、実はフリーゲージトレインの導入がなかなか厳しい旨の報道がなされております。特に、今まで走行試験がずっと行われております、特に、第一次試験の車両、もしくは第一次試験車両の欠陥も、ずっとこれまで精査をしながら、昨年の3月に完成をした第二次試験車両を使っての走行試験が行われております。では、この走行試験がいつまで続くのか、国土交通省が大体いつぐらいをめどになされておるのか、まず、そのことについてお尋ねをしたいと思います。 それから、もう一つは、フリーゲージトレインについては非常にコストが高いと言われておりますが、これは当然であります。全国でも西九州ルート以外にフリーゲージトレインが導入されるところは、今のところないわけですから、単価が高くなることは当然であります。 それにしても、1両の値段が約30億円とかと言われておりますし、既存の新幹線、もしくは既存のスーパー特急みたいなことになると、1両の値段が2億円から3億円とか、そういう話でありますので、そういうコスト面を比べてみても、果たしてフリーゲージトレインの導入が可能なのかどうかですね。 最初に質問しました走行試験の期間が、いつぐらいをめどにされているかということと、コストの面をあわせて、果たしてこの導入が可能かどうかについてお尋ねをします。
○副議長(吉川豊君) 地域振興部政策監。
◎地域振興部政策監(多門勝良君) 車両製造のコストと今後の実用化に向けた試験の工程、めどについてのお尋ねであると思います。 新聞報道におきましては、車両の製作費用がかさむのではないかと、コスト面の問題が指摘されております。記事で示されております1両30億円という価格は、単純に国がこれまで投じた研究予算の累計を1編成の車両数6両で割ったものというふうに考えられます。ただ、フリーゲージトレインの研究開発というのは、全額国費で進められておりまして、現時点では、研究開発コストが車両価格に直接反映するものとはなっておりません。 このため、今後、フリーゲージトレインの実用化のめどがたった時点では、研究開発コストを直接は含まない量産ベースで、実際の車両価格が設定されるのではないかということで、今後さらなるコスト低減は期待できるものというふうに考えております。 それから、今後の開発実用化のめど、あるいは手順でございますけれども、国土交通省も2~3年後にはめどを立てたいということを明言されております。 現在までに改良を加えられたご指摘の二次試験車両につきましては、日豊本線西小倉~城野間で速度向上試験が実施されたところでございますけれども、今後は在来線での時速130キロまでの高速走行試験を実施した後、実際の新幹線区間、九州新幹線の既開業区間等を活用することになると思いますけれども、そういった箇所での走行試験を実施して、実用化のレベルに、2~3年中に達するというふうに聞いております。 本県としては、ご指摘のように平成16年12月の申し合わせで、国の方針として、西九州ルートについてはフリーゲージトレインを導入すると、きっちり間に合うように、国において計画的に研究開発が進められているというふうに認識しております。
○副議長(吉川豊君) 江口議員-16番。
◆16番(江口健君) 今、地域振興部政策監から答弁がありましたけれども、今まで日豊本線で走行試験をされております。 今後、鹿児島線の新八代から鹿児島中央間について、実際に可変の変動も含めて実地試験をやるという、これは皆さんがつくられたパンフレットに載っております。鹿児島のルートが平成23年開業ですけれども、そういう実際の実地試験ができるのかどうか、このあたりはいかがですか。
○副議長(吉川豊君) 地域振興部政策監。
◎地域振興部政策監(多門勝良君) ご指摘の、特に既開業区間の新八代のアプローチ線の実験線を使ってということになろうと思いますが、そこは比較的すいている時間帯、既存の運行を邪魔しない時間帯でやるというふうに聞いておりまして、十分可能であるというふうに考えております。
○副議長(吉川豊君) 織田議員-31番。 〔関連質問〕
◆31番(織田長君) 同僚小林駿介議員の重度障害者施設に関する諸問題ということで、つくも苑の件でお話がありました。人一人亡くなったという大変重い事件でございました。 これも、県がコロニーとして県立でずっとやってきた中で、これまでもいろんな問題も指摘されてまいりました。診療のあり方、不正請求といいますか、そういったことも出てきておりました。いろんな課題がある中に、先ほどのお話だと、まだ監査も入っていますので、きちっとこれから対応していくというふうになっていますけれども、あくまで入っている入所者の皆さんの思いをしっかり受け止めていただいて、これまでいらっしゃった方から、出られて新たに生活なさっている方の声を聞くと、いろんな課題があった。だけど、そのままになってきたというお話も聞いておりますので、県が手放したとはいえ、県の責任のもとで、しっかりここは取り組んでいくことも、もう一回改めて考えていただきたいというふうに思っております。 加えて、これから先のつくも苑について、午前中、田中議員からもお話がございました。私も知事から答弁がありましたとおり、今後のつくも苑のことを考えた時に、特に重度心身障害者の皆さんの施設を今回後々にきちっとつくっていく、また、機能を充実していく、また、できるだけ生涯、一生という意味ですね、一生涯にわたって、こういう人たちをサポートしていく体制がこれから必要だと、しっかりこれから協議していって、もう一回今後のあり方を検討すると、こういうお話を知事からいただきました。 これは、知事、政治家として、これから先のことを見通して判断なさった英断だと私も同じ考えを持っております。ぜひこのことを具体的に進めていただきたいと思っております。 というのは、「障害者自立支援法」は、ご存じのように今後3年かかって見直しが進められていきます。その中で重度の皆さんへの対応をどうするかというのは大きな柱になっています。 また、教育も、今、特別教育支援事業ということで新たな展開がはじまっております。いろんな時代の変化の中で新しいものを織り込んでいかなければならない、こうなっております。 したがって、今までの形態じゃなくて、新しいこれから先のことを見通して対応するということはとても大事なことだと思っております。 そういう面で、改めて知事に、この考えについてのご所見をまとめてお話しいただきたいと思っております。
○副議長(吉川豊君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) つくも苑の件につきましては、まず、お亡くなりになった方に対して心からご冥福をお祈りしたいと思っております。 これは、事業団になりましても、理事長を県から派遣しておりましたから、県の責任の中で運営していたというふうに私は思っております。ただ、これだけの改善命令が出ているということは全く私も存じませんで、これは私も非常に責任を感じております。 特に、つくも苑の問題については、事業団化する時に私自身が出て行って、出向いて、入居者の皆さん方とお話し合いをして、最終的には入居者の皆さん方のご理解をいただいて、そして、事業団形式に推移していったという経過もありますので、今回の事件、今回のいろいろな中身を見まして私も非常に責任を痛感しておるわけでございます。 そういったもろもろのこともあり、今までみたいに理事長として1年、2年派遣されるようなやり方では運営に責任は持てない。やっぱりこれは責任を持って、長期にわたってやっていくような人物を派遣してやらなければいかんということで、先般、退職しました方を理事長として派遣して、そして、これから本格的にやっていこうという矢先にああいった事件が起こったわけでございます。 施設につきましては、20数億円かけてやるわけでございますから、やっぱりこれは県がこれだけの金を投資する以上は、将来モデルケースになるようなものをやっていかなければいかん。閉鎖的なものはだめですよ。オープンで、多くの方々が、この施設を見て、さすが県の関係の事業団がやっているというような入居者の立場に立ったそういう施設を運営していかなければいかんというように思っていますので、これからもまた議会の皆さん方をはじめ、議員のご指導をいただきながらやっていきたいと思っております。
○副議長(吉川豊君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、1時30分から再開いたします。 ご苦労さまでした。 -午後零時10分 休憩---------------------- -午後1時30分 再開-
○議長(三好徳明君) 会議を再開いたします。 この際、宮内雪夫議員ほか26名より、「国営諫早湾干拓事業に関する今回の大臣談話に対する意見書案」が、お手元に配付いたしておりますとおり、提出されておりますので、これを議題といたします。 提出者を代表して、馬込議員が朗読をいたします。 馬込議員-39番。
◆39番(馬込彰君) 〔登壇〕 〔朗読〕--------------------------------------- 動議 国営諫早湾干拓事業に関する今回の大臣談話に対する意見書案を別紙のとおり提出する。 平成20年7月14日 議員 宮内雪夫 議員 松田正民 議員 加藤寛治 議員 末吉光徳 議員 八江利春 議員 田中愛国 議員 馬込 彰 議員 小林克敏 議員 佐藤 了 議員 野本三雄 議員 吉川 豊 議員 中山 功 議員 織田 長 議員 野口健司 議員 永淵勝幸 議員 黒田成彦 議員 押渕礼子 議員 小林駿介 議員 溝口芙美雄 議員 江口 健 議員 瀬川光之 議員 中島廣義 議員 北浦定昭 議員 徳永達也 議員 下条ふみまさ 議員 中村和弥 議員 金澤秀三郎 長崎県議会議長 三好徳明様 国営諫早湾干拓事業に関する今回の大臣談話に対する意見書(案) 去る6月27日に、佐賀地方裁判所において下された、諫早湾干拓事業に係る「工事差し止め等請求事件」の判決に対して、国では7月10日に控訴した。 長崎県議会としては、判決に従って開門調査が実施されることにより、諫早湾地域の防災機能や、干拓地や周辺農地での営農及び諫早湾海域の漁業に重大な事態が発生することを憂慮し、去る7月4日には、農林水産大臣はじめ関係国会議員の皆様に対して、開門調査がなされることがないよう強く要望したところである。 今回、国が控訴を決断されたことは、このような地元の実情に真摯に耳を傾けていただき、十分に理解いただいた結果であるものと思う。 しかしながら、大臣談話によると、開門調査のための環境アセスメントを行い、その結果を踏まえ、開門調査を含めた方策について、関係者の同意を得ながら検討していくということが併せて示されている。 国からは、今回の大臣談話は、「開門調査を前提としたものではない」という説明があり、これまで、防災機能の発揮により、安心した生活や農業を営んでいる背後地等諫早湾地域の皆様や環境保全型農業の実現に向けて懸命に取組んでおられる農業者の方々、また諫早湾の漁業者の皆様などに支障が及ぶようなことは絶対にあってはならないものである。 したがって、国においては、開門調査を絶対におこなわないよう長崎県議会としてここに要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。 平成20年7月14日 長崎県議会--------------------------------------- 以上でございます。 よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(三好徳明君) これより、質疑・討論に入ります。 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君) 〔登壇〕日本共産党の堀江ひとみです。 ただいま議題になりました「国営諫早湾干拓事業に関する今回の大臣談話に対する意見書案」については、以下の理由で反対いたします。 本意見書案は、開門調査を絶対に行わないよう要望しています。 しかし、忘れてはならないのは、裁判所が農水省に対して中・長期開門調査の実施を求めたのは、今回、3度目であるという事実です。 2004年8月、工事差し止めの仮処分決定、佐賀地裁は、「国は、ノリ不作等検討委員会が中・長期開門調査を提言したにもかかわらず実施していない状況であり、調査が行われていないことで生じた、より高度の証明が困難になる不利益を漁民らにのみ負担させるのは公平とは言いがたい」と指摘しました。 翌年5月、工事差し止めを取り消した決定、福岡高裁も、「九州農政局は、ノリ不作等検討委員会が提言した中・長期開門調査を含めた有明海の漁業環境の悪化に対する調査、研究を今後とも実施すべき責務を有明海の漁民に対して一般的に負っている」と求めました。 それぞれ判決や決定の内容は違っていても、「国は、中・長期開門調査を行う責務を負っている」という司法の立場は一貫しています。 それでもなお、開門調査を実施しようとしない農水省に対し、今回の判決が、「もはや立証妨害と同視できると言っても過言ではなく、訴訟上の信義則に反すると言わざるを得ない」という最も厳しい判決を行ったのはそのためです。今度こそ、国と長崎県は対策を尽くして開門調査を行うべきです。 佐賀、熊本、福岡の各県議会は、これまでに中・長期開門調査の実施を求める意見書を決議してきました。 今回の判決後、佐賀県議会は、再度、開門調査を求める決議を行い、農水省に、控訴しないよう要請しました。佐賀県知事も、農林水産大臣に対して開門調査の実施を求め、控訴しないよう要請しました。 熊本県議会は、佐賀県と同一歩調をとり、国に開門調査の早期実施と控訴断念を求めていくと決定し、熊本県知事、福岡県知事が、開門調査は必要と表明しています。 こうして、諫早湾干拓事業の被害が及んだと見られる県が、議会も、知事も一斉に開門調査を求めている時に、原因と見られる事業の地元である長崎県だけが、いつまでも反対の態度をとるべきではありません。長崎県議会も、漁業と農業とともに栄える道を進めるべきです。干拓農業者、地元住民、漁業者も見通しが持てる有明海の再生のために、まずは開門し、調査を行うべきです。 以上、討論といたします。(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 北浦議員-23番。
◆23番(北浦定昭君) (拍手)〔登壇〕私は、自由民主党・県民会議を代表して、「国営諫早湾干拓事業に関する今回の大臣談話に対する意見書案」について、賛成の立場で意見を述べさせていただきます。(発言する者あり) 去る6月27日、佐賀地方裁判所で出されました工事差し止め等請求事件の判決は、「判決確定の日から3年を経過する日までに、防災上やむを得ない場合を除き、北部及び南部の排水門を開放し、以後、5年間にわたって同排水門の開放を継続せよ」との判決でありました。 諫早湾干拓事業は、本年3月に、計画変更や幾多の困難に遭遇しながら、ようやく完成の日を迎えたのでありますが、この判決は、長年、災害という危機に常にさらされている中から、やっと安心して生活することが可能となった地域住民の皆様方をはじめ、21世紀の長崎県の農業の先端を担うため、多くの困難を抱えながらも、強い意思と夢を持って入植された農業者の皆様方や、排水門の外側で懸命に漁業に従事されている皆様方などの思いを一気に打ち砕くような内容であり、私ども長崎県議会といたしましては、排水門の開門を行わないよう、直ちに農林水産大臣に対して意見書を提出し、議長自らも大臣にお会いして、本県の実態を訴えたところであります。(発言する者あり) おかげで国は、去る7月10日に、控訴することを決定いたしましたが、このこと自体は、長崎県のこれまでの実情や、今後の取り組みに対し理解していただいた結果であるものと思います。 しかし、今回の大臣談話にある、開門調査のための環境アセスメントの実施につきましては、関係者の同意を得ながら検討を進めていくということであり、開門調査の実施を前提としているものではないかとの見解が示されています。 しかしながら、地元の皆様方にとりましては、いかがなものでありましょうか。やっと枕を高くして寝られるという安堵感を持たれていた地域の住民の皆様、「本当の有明海の再生は、排水門の開放ではない」と水産振興を訴えておられた諫早湾の漁業者の皆様、そして、干拓地の営農者の皆様たちの不安、干拓地の入植者の多くの方々は、後継者や設備投資など、今後の農業振興のための課題の克服に尽力され、今やっとスタートラインに立たれたばかりであります。(発言する者あり) それが、数年先に訪れるかもしれない開門調査への不安は、これから先、日一日と増幅され、農業経営への集中すらままならなくなるのではないかと強く危惧をいたしております。(発言する者あり) このようなことでは、絶対あってはなりません。(発言する者あり)県議会一体となって、地域の皆さんの財産や生命を守っていかなければならないと思います。それが、私ども県議会に与えられた使命であることを一人ひとりが心に刻み込んでいかなければならないと思うからであります。(発言する者あり) 私は、このような地元諫早湾地域の防災機能、背後地や干拓地の営農、諫早湾の漁業への被害や支障が絶対あってはならないということから、「国営諫早湾干拓事業に関する今回の大臣談話に対する意見書案」提出動議に対する賛成意見を申し述べ、議員各位のご賛同を賜りますよう、心から、心からお願いを申し上げまして、賛成討論といたします。 ありがとうございました。(拍手・発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 質疑・討論をとどめて、採決いたします。 本動議は、可決することに賛成の議員の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(三好徳明君) 起立多数。 よって、本動議は、可決されました。 これより、午前中に引き続き、一般質問を行います。 末次議員-11番。
◆11番(末次精一君) (拍手)〔登壇〕佐世保市選出、創爽会代表、兼切り込み隊長、末次精一でございます。(拍手・発言する者あり) 今日の一般質問は、1年ぶりの登壇でございます。 この1年間、ご指導いただきました先輩議員の皆様、同僚議員の皆様、そして、知事はじめ理事者の皆様、ご指導、本当にありがとうございました。(拍手)創爽会の二人も、ありがとう。(発言する者あり)この場をかりまして、心から感謝申し上げる次第でございます。 また、本日は、傍聴においでいただきました皆様、ありがとうございます。佐世保からも、遠路はるばるおいでいただきました。本当にありがとうございます。(発言する者あり)石本先生も、ありがとうございます。(発言する者あり) 議員になってからのこの1年間は、本当にいい経験をさせていただきました。(発言する者あり)まだまだ浅薄な私でございますが、(発言する者あり)愚直に、そして謙虚に、長崎県議会議員の一員であることに誇りを持って精進を重ねてまいります。 今後とも、ご指導、ご鞭撻、よろしくお願いいたします。(発言する者あり)特に、小林先生、よろしくお願いいたします。(発言する者あり) 質問に入ります前に、今年の4月11日、三重県におきまして、「全国自治体議会改革推進シンポジウム」が開催され、私も参加してまいりました。 そこでは、新分権時代の議会改革に取り組む多くの事例や討議がなされました。長崎県議会においても、今、議会改革が行われておりますが、上には上がいるもので、三重県議会におきましては、定例会を年4回から2回に減らすかわりに、その開催期間を倍の200日にして、そして、その期間は、議長権限でいつでも議会が開けるように、そしてまた、決算特別委員会も常時行い、議会のチェック機能を高めるという改革に取り組んでいるというお話がありました。 そのほかにも、議会として政策提案を積極的に行い、議会提案の条例を制定している、そういうたくさんの事例も紹介されました。 また、基調講演をされました鳥取県の片山元知事は、自分が知事の時に、知事提案の予算案について、議会の方に修正を求めるように、知事自ら積極的に働きかけていた。これは二元代表制の確立のために、知事自らそう行動されていたという話も伺いました。 このような話を聞き、自治体改革の大きなテーマである、知事・理事サイドと、そして議会の二元代表制の必要性というものを改めて強く感じたわけでございます。そのような思いを持って、本日、質問をさせていただきます。 なお、先輩議員のご意見に対し、私なりの意見をおそるおそる言わせていただきますが、そこは、すべて県民の幸せを願ってということで、大きな愛を持ってご容認いただければと思います。 それでは、質問通告に従って、質問をはじめさせていただきます。 1、県民が求める知事像とは。 今日の日本は、社会・経済のさまざまな分野で大きな変革期の流れの中にあり、地方自治を取り巻く状況も、財政再建や経済の活性化、少子・高齢化への対応など、あらゆる課題に直面しています。 そのような中で、全国の新しい知事を見ますと、大阪府の橋下知事や宮崎県の東国原知事のように、従来の知事のような政治家や官僚出身でなかった人が当選し、自治体改革に取り組んでいます。そして、市民の支持も高く、その状況からすると、市民は変化を求めていることがうかがえます。 また、昨年5月の記事ですが、日経新聞のアンケートで、「県民が求める知事像」ということでアンケートをとった結果、経営者としての知事像を求める答えが第1位でありました。 そこで、知事にお伺いしますが、自治体のご多分に漏れず、厳しい環境にある我が長崎県において、今、県民がどのような知事像を求めていると感じているのか、ご所見をお聞かせください。 2、地方分権と道州制について。 戦後、日本の地方自治は、「執行あって経営なし」と言われてきたように、自治体は、中央集権のもとで事業官庁に徹してきました。 その後、地域づくりに多様性が求められるようになり、明治時代以来の中央集権体制は制度疲労を起こし、省庁の縦割り行政では、地域の課題に対応できなくなってきました。 そして、2000年の地方分権一括法の施行により、地方分権の歩みがはじまりました。今年の5月30日には、政府の地方分権改革推進委員会は、福田首相に第1次勧告を提出し、その中には、都道府県から市などへの権限移譲359件が盛り込まれています。 そこでお尋ねしますが、我が長崎県においても、平成18年12月に打ち出した、「長崎県権限移譲推進方針」により、県内での分権化を進めてきましたが、今回の第1次勧告を見て、今後、県内の分権化による長崎県政のスリム化をどのようにお考えでしょうか。 平成22年度までに制定される予定の新分権一括法の内容によるところもあると思いますが、5年後、10年後のビジョンをお聞かせください。 また、道州制は、いわゆる地方分権の完成形であり、金子知事も、九州知事会の会長として、「九州はひとつ」ということで実現に向けて行動されてきました。なぜ道州制かということは、本会議において何度も取り上げられましたので、詳細は省略しますが、いずれにしても、廃藩置県以来の国を挙げての大改革であることは間違いありません。 道州制に関しての提言は、今まで何度か行われてきましたが、7月4日に、自民党道州制推進本部が、2015年から2017年をめどに、道州制の導入を目指すべきとする第3次中間報告をまとめ、政府の道州制ビジョン懇談会と日本経団連も、3月に中間報告をまとめています。 そこで、知事にお伺いしますが、これらの中間報告を見て、どのような感想を持たれているか、また、今後の課題をどのようにお考えか、ご所見をお伺いいたします。 3、県庁舎の建設について。 県庁舎の新築移転・整備については、本会議でも6名の議員が質問されましたが、まだ疑問点がありますので、質問させていただきます。 県庁舎の建設については、地元商店街からの大きな反対があり、また、我々の全県的アンケートによると、他地域でも反対の声が多く挙がっています。 それにもかかわらず、本7月定例会の冒頭の知事説明では、「県議会や県民の皆様のご意見を賜りながら」としながら、「整備方針を決定の上、引き続き県庁舎の規模、備えるべき機能等について検討を進め、できるだけ早い時期に庁舎建設の基本構想等を策定したいと考えております」と、あたかも決定を前提とした発言をされています。 そこでお尋ねしますが、反対の声が挙がっている耐震化、道州制、財政問題について、県民が納得する検討が十分されたとお考えなのか、建設ありきではないのか、本会議冒頭説明の真意をお伺いします。 4、中小企業の支援策について。 そもそも民間の企業経営に官が支援することは、市場の競争原理からすると、望まれるものではありませんが、景気の波が後退してきたとき、その下がり幅を小さくすることや、市場メカニズムの矛盾、いわゆる市場の失敗に対して支援を行うことは官の役割であると考えます。 長崎県においても、中小企業の経営環境は、個人消費の落ち込み、原油の高騰、原材料の値上がりなどの要因により、ますます厳しくなっています。 そこで、中小企業の支援策が有効に利用されることが望まれますが、支援策は、国、県、市町、商工会など多岐にわたり、利用者からすると、逆に利用しにくい構造になっていることも否めません。 そこでお伺いしますが、すべての支援策を一つの窓口で利用できるワンストップサービス的なシステムの構築はできないか、その可能性をお聞かせください。 また、中小企業で働く人の側からの支援策に、ワーク・ライフ・バランスがあります。この件に関しては、昨年の私の一般質問でも、産業労働部長から、「啓発を図っていく」との答弁をいただきましたが、その浸透度は、まだ初期段階にあります。 昨年の12月に、内閣府から、浸透のための憲章が出されましたが、その憲章を受けて、県はどのように浸透を広げていこうとするのか、その方針をお聞かせください。 5、県(福祉保健部)の監査指導のあり方について。 福祉保健部の監査指導の対象は、県内の社会福祉施設や保育園があり、「県の監査指導は厳しい」との話も聞きますが、先般のつくも苑での事故を防げなかったことや、数年前に起こった島原の児童養護施設のわいせつ事件など、このように監査の目が行き届かない事例もあります。 監査指導に完全性を求めるのは限界があるのかもしれませんが、お年寄りや障害者、子どもたちなどの健康や生命を最終的に守ってあげることの使命を考えると、監査指導は、常にそのあり方を改善していくことが求められると考えます。 そこでお尋ねしますが、最近の不祥事を受けて、今後の県の監査指導のあり方についての考えをお聞かせください。 以上で壇上からの質問を終わり、ご答弁の内容で、改めて自席から再質問させていただきます。 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕末次議員のご質問にお答えいたします。 県民がどのような知事像を求めていると感じるかというお尋ねでございますが、私は政治家、とりわけ首長というものは、常に、10年、20年先を見据えた先見性と大局観を持って政策を実行していく強いリーダーシップ、そして、情熱と責任感が求められているものと考えております。 地方分権の進展や、国、地方を通じた財政構造改革など、我が国全体の社会経済が大きく変わりつつある中、私は、地方分権の時代にふさわしく、自立した長崎県づくり、市町村づくりを目指して、前例にとらわれることなく、さまざまな改革に取り組んでまいりました。 これは、財政状況がますます厳しくなる中にあって、従来のような発想、あるいは行政システムでは、今後、本県の将来は切り開けないとの強い思いから、地方自治の原点に立ち返って進めてきたものであります。 そして、こうした時代の転換期にあって改革を進めるために、徹底した情報公開と県政への県民参画を進めるとともに、民間活力の導入や行政コストの縮減など、行財政改革を断行してまいりました。 また、政策評価制度の活用などによりまして、成果重視の行政運営の転換を進めてまいりました。 さらに、県職員に対しましては、県民のための県政であることを繰り返し訴え、県民の目線に立って考え、コスト意識とスピード感を持って仕事に当たるよう、意識改革を促してきたところであります。 市町村合併については、私が自ら先頭に立ち、全国に先駆けて積極的に推進してまいりましたが、これは地方分権の進展や、国、地方の厳しい財政状況を踏まえれば、将来にわたって持続可能なサービスを提供するためには、市町村の行財政基盤の強化が不可欠と考えたからであります。 改革は、一時的には痛みを伴いますが、本県の将来を考えれば、避けて通れないものであり、私はこの間、不退転の覚悟で取り組んでまいりました。 そして、これらの改革により捻出した財源は、県民のニーズを踏まえつつ、放課後児童保育の充実、こども医療福祉センターの整備、乳幼児医療費助成の拡大、さらには、ドクターヘリの導入など、県民の安全・安心を向上させる福祉や医療の分野の施策の充実に積極的に活用してまいりました。 行財政基盤が強化された合併市町でも、地域の特徴を活かした新しいまちづくりがはじまっております。 また、県民の視点に立った県民本位の行政を推進するため、さまざまな機会をとらえて県民の皆様の声を直接お聞きすることを旨とし、今現在も、県内各地域に自ら足を運び、意見交換会等を実施しております。 県内景気の低迷に加えて、ガソリン高騰などの厳しい状況の中にあっても、自分たちの仕事や生活、ふるさとのまちづくりのために、懸命に頑張っておられる方々の様子を拝見しまして、私自身も大変勇気づけられるとともに、改めて知事の責任の重さを痛感しております。 常に申し上げていることですが、県民の負託に応えるべく、常に県民の目線に立ってふるさとを思い、ふるさとの発展を願って、私心を捨てて、公平で公正な県民本位の県政に全力で取り組んでまいります。 そして、県民の皆様と手を携えて、各種施策を積極的に推進していくこと、それが私に求められているという認識のもと、引き続き、将来に夢の持てる元気な長崎県づくりを目指してまいりたいと考えております。 次に、県内の分権化による県政のスリム化の将来ビジョンについてのお尋ねでございます。 これからの地方分権の進展等を考えますと、国と地方の役割分担の見直しにより、国から県、県から市町への権限の移譲がより一層進んでいくものと考えております。 住民に身近な行政は、住民に身近な市町が行うことを基本として、住民の安全・安心や保健・福祉など、地域に密着した住民サービスは、基礎的自治体が担うこととなり、その一方で、都道府県はより広域的な自治体として、広域にわたる危機管理や高等教育、科学技術の振興などを担うことになるものと考えております。 このような考えに基づき、本県では、平成18年度に「長崎県権限移譲推進方針」を策定し、複数市町にまたがる事務や、県全体で調整を要する事務などを除き、住民の利便性や行政効率の向上などにつながる事務、約130項目、1,300事務を市町へ移譲することとし、関係市町と積極的な協議を進めてきたところであります。 その結果、策定以前の取り組みとあわせまして、これまでに78項目、501事務の移譲を行ってまいりました。 今後は、現在、検討が進められている地方分権改革の議論を十分見極めながら、市町へのさらなる権限移譲に取り組んでまいります。 また、合併により、県内の市町は規模を拡大し、その体制も整備されてきたことから、県の役割、特に、地方機関の果たしてきた市町に対する支援、補完の機能は、二重行政の解消の観点から、そのあり方を見直す必要があると考えており、県本来の役割である広域的・専門的機能をこれまで以上に発揮できるよう、地方機関の再編を行い、さらに効率的な行政運営を目指してまいります。 次に、道州制に関する報告や提言へ感想と今後の課題についてのお尋ねでございますが、今年の3月以降、道州制ビジョン懇談会、日本経団連、自由民主党が相次いで報告書を発表いたしました。 これらの報告書などで掲げている中央集権システムの改革、地方分権型社会の実現、東京一極集中の是正などの理念や基本的な考え方については、九州地域戦略会議におけるこれまでの議論と方向性を一にするものと評価しております。 一方、国、道州、市町村の役割分担や税財政制度などにおいて、九州の考えと異なる部分も見受けられますが、各界で道州制についての活発な議論が展開され、多様な選択肢が示されることは国民世論を喚起し、国民が道州制について真剣に考えていくためのきっかけとして望ましいことだと考えております。 道州制は、国と地方のあり方を抜本的に見直すという、憲法改正にも匹敵するほどの国家的な問題だと認識しておりまして、地方の取り組みのみで実現できるものではありません。 そこで、今後、道州制の導入を進めていくに当たりましては、政府や国会が強力なリーダーシップを発揮し、主体的な取り組みを行うこと、道州制導入によって我が国の姿、住民の暮らしがどうなるかなどについての具体的なイメージを青写真として示して、住民の議論を喚起し、国民世論を高めていくことなどが必要不可欠だと考えております。 また、国、地方の役割分担とそれに応じた税財源のあり方、国のあり方、市町村との関係など、さまざまな課題について具体的な検討を進めていくことも必要であります。 このたび、道州制ビジョン懇談会の報告などを契機として、今後、道州制に関する国民的議論が高まり、政府や国会における取り組みが前進することを期待しております。 次に、県庁舎の建設についてのお尋ねでございます。 県民が納得する検討が十分されたのか、建設ありきではないのかというお尋ねでございます。 現庁舎は、耐震診断の結果、震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する危険性が高いことが判明しているため、庁舎の耐震化は放置できない問題であり、また、建設後約55年を経過しており、老朽化や狭隘化により、県民サービスや効率的な行政運営の面で多大な支障を来しています。 これらの問題をできるだけ早く解決したいという趣旨で、「できるだけ早い時期に」と申し上げてきたところで、県議会や県民の皆様のご意見は十分にお聞かせいただきたいと考えております。 その一環として、「
県庁舎整備懇話会」を設置することとし、去る7月12日に第1回会議を開催いたしましたが、委員の構成につきましては、広く県民やまちづくりの専門家の意見を反映させるため、公募委員を含む県内外の各界各層の方々や有識者、地元関係者等地域バランスにも配慮して選定をさせていただいたところであります。 今後、ご指摘の耐震改修の問題、道州制への対応、財政問題等を含め、これまでの検討経緯を十分にご説明した上で、県議会や懇話会から幅広くご意見をいただきながら検討を進めてまいりたいと考えております。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁させていただきます。
○議長(三好徳明君) 藤井副知事。
◎副知事(藤井健君) 中小企業の支援についてのワンストップ的なサービスができないかと、こういうふうなご提案でございます。 中小企業経営に関する各種支援につきましては、長崎県産業振興財団のほか、商工会議所、商工会などがそれぞれの機関で創業、資金調達、経営革新などさまざまな内容の相談に、ワンストップで対応しているところでございます。 特に、長崎県産業振興財団では、中小企業から相談があった場合はすべて受け付けるということにしておりまして、相談内容によっては、金融機関や関係機関を紹介するというふうな対応をさせていただいております。 平成19年度の相談件数は2,848件というふうになっております。 今後、さらに、支援機関相互の連携を密にしながら、支援情報の共有化を徹底いたしまして、実質的にワンストップサービスの効果が上がるように努めてまいりたいと思います。 以上でございます。
○議長(三好徳明君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(小島明君) ワーク・ライフ・バランスをどのように浸透させていくのかとのお尋ねでございます。 議員ご指摘の「仕事と生活の調和憲章」、いわゆるワーク・ライフ・バランス憲章は、個々の企業において、労使が協調して生産性を高めていく、このことが基本でございます。これを定着させることは、職場だけでなく、社会全体にとって大切なことであると考えております。 この憲章を推進することによって、働く方々のふるさと長崎県を愛する気持ちが深まり、ひいては、人材の流出を防ぎ、地域の活性化にもつながるものと考えております。 このため、県といたしましては、育児・介護休業をとりやすい職場環境づくりのため、就業規則の作成や改正について、アドバイザーの派遣や研修会の開催、啓発活動などに積極的に取り組んでおります。 今後とも、他県に先駆けまして、ワーク・ライフ・バランスの浸透、定着に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(三好徳明君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(入江季記君) 監査指導のあり方は常に改善していくことが求められるが、今後の監査指導のあり方についてはどうかというご質問でございます。 本県は、社会福祉施設等に対する指導監査の組織を、他県に先んじて、平成16年度に1課に集約して一元化し、機能の強化を図っております。 平成17年度には、その当時発生した不祥事等を受けて、迅速な対応、職員、入所者からの聞き取り、不祥事案につながりやすい事項の監査の徹底などを内容とする不祥事案の処理方針を定めております。 平成19年度からは、これまで行っておりました書面指導を廃止し、施設等に訪問して行う実地指導のみといたしました。 また、毎年度、前年度の監査結果等を考慮して、指導監査の重点項目を定めており、平成20年度も、誤薬事故を受けまして、事故対策を重点的に指導することとしております。 このように、ご指摘のとおり、状況に応じた監査を行うよう、見直しに努めているところでございます。 今後とも、社会福祉施設等の適正な運営を図るため、厳格に指導監査を行ってまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(三好徳明君) 末次議員-11番。
◆11番(末次精一君) ご答弁ありがとうございました。 それでは、再質問させていただきます。 道州制については、知事は、地方の取り組みでは限界があるということでご答弁いただきました。 道州制については、我々も理解を深めるために、今年の5月12日、会派の勉強会として、我が会派「創爽会」、宮崎県の「愛みやざき」、広島県の「つばさ」、これはいずれも我々と同じ無所属新人の会派ですけれども、このメンバー10名で、東京の自由民主党本部の自由民主党道州制推進本部にて、合同勉強会を行いました。 講師は、推進本部の役員の方、金子知事もよくご存じの方です。内閣府の地域活性化統合事務局の参事官の方でした。 まず、知事は、先週、改革21の渡辺議員の質問に対する答弁で、道州制には相当な期間がかかるという理由で、「国民の関心が低い、また、国民的合意を得ることは必要だから、相当な期間がかかる」と言われました。しかし、今や本格的な議論がはじまっているわけですね。 それに、今、国の借金は800兆円あるわけですけれども、財政の健全化を示す
実質公債費比率で比較すると、長崎県は10.9%、破綻した夕張市が38.1%ですが、国は、何と80.4%にもなるわけです。 このように、国は財政破綻の限界を大きく超えているわけですが、いずれにしても、国も公務員を3分の1ぐらいに減らさないと財政再建は不可能な状況にあるので、国家としても道州制は必要だということです。 このように、道州制にしないと、地方も、国家も沈没するところまできているわけです。この点は、自由民主党道州制推進本部の方も強く言われていました。道州制の導入時期にしても、増田寛也道州制担当大臣が、「10年以内に実現する。20年、30年かけてやると言っても、だれも信じない」と言われていますし、自由民主党道州制推進本部も、政府の「道州制ビジョン懇談会」も、日本経団連も、10年後をめどに導入と言っているわけでございます。 そもそも知事が「相当な期間がかかる」と言うのは、私は、政治的にできないという意味に近いと思いますけれども、九州知事会の会長であられる方で、「九州はひとつ」とさんざん答弁されてきた方が、本会議という外に向けた公式の会議で、国民は道州制を望んでいないような発言をされたことに驚きすら感じるわけでございます。このことについては解釈の違いなので、ご答弁は結構です。(発言する者あり) それで質問に入りますが、そもそも私が県庁の建設に疑問を感じるのは、道州制になれば県がなくなるんでしょうから、そうなれば、せっかく約500億円もかけてつくった県庁が無駄になるのではないかと思うからです。 実際に、北松浦郡の旧田平町役場、これは、今合併して平戸市になったわけですが、平成17に合併したわけですが、合併協議をしている平成15年に役場を新築したわけです。その後、合併してどうなったかというと、3階建ての田平町役場は、1階は平戸市の支所として使っているものの、2階、3階はがらがらという状況になっている。 長崎県も、県庁は建てたものの、10年後に道州制になったときに、このような状況になるのではないかと、まず、これを私は心配するわけです。 そういうことで、伺いますけれども、まず、知事は、当本会議で、先週、野本議員の質問に対するご答弁の中で、「道州制が導入された後についても、長崎地域に多極型九州の形成に必要な中核施設を設ける必要はある」と答弁されていますが、要するに、具体的に、例えば教育庁は長崎県に、議会は熊本県に、土木部は鹿児島県にということでしょうが、私は逆に、機能的ではないと思いますが、そのねらいというか、その辺を知事にご所見を伺いたいと思います。
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) まず、道州制について、私が否定的だということについては、決してそういうことではございませんので、ご理解をいただきたい。 私は、率直に、ただの法律改正とは違うんですよ。国のあり方を本当に変えるんですよ。単に財政的に厳しいからやるのではなくして、要するに、今以上に、道州制をとった方が日本にとってもプラスになるし、地域にとっても発展性があるという前提の中で道州制をやっていくわけですから、正直言って、今の仕組みというのは、ある程度国が決めて、画一的なものでいろいろな事業をやってきた。最近、大分地方からの声というものを行政府も、国の機関も聞くようになりましたけれども、しかし、制度、仕組みからいくと、まだそこまで至っていない。それを抜本的にどこまで国がやるか、道州はどこまでやるか、基礎自治体がどこまでやるかということについては、まだはっきりしておりません。九州戦略会議の中では、ある一定の方向づけは示しております。しかし、これもまた、経済連によっては違うし、自民党によっては違います。これは正直言って、外国の例をいろいろ参考にしながら、それぞれがいろいろな案をつくっているけれども、これがベストというのはなかなか出てこないと思うんですよ。恐らく私は、自民党が今つくっておる案でもベストとは思わない。例えば、ほかの皆さん方から見れば。 そういう中で、これから一つのたたき台をつくってやっていくためには、まず大事なことは、道州制で国が二分することはだめです。例えば何かのいろいろな問題で、国が二つに分かれて、国会が二つに分かれて、ああいうふうなことをやっていくような法案ではないんです、この法案は。国家に関する基本なんですよ。この前もお話したように、憲法改正より、かえって重いかもしれない。全くあり方が変わるんです。 だから、その辺の発想がわかってないんじゃないかなと、逆に私から言わせれば、この道州制というものを。今までの行政とは全く違うものだということの考え方を持たないと、この道州制というのは実現しないし、やっても意味がない。そういうふうな中身的なものの議論を深めていけば深めていくほど、それは10年でやれれば理想です。しかし、拙速はいけないと思っている。拙速して、また、急いでやるべき問題ではないと思っている。これは国民的合意というのを取りつけない限りは、絶対だめだと思っている。合併とは違う。 やっぱり国が基本ですよ、国会が。国会が国の基本を決めていくわけですから、国会議員が。そうすると、国会の中にやっぱり調査会を置いて、委員会でもいいし、そして、お互いが案を、それぞれ各界各層から出た案を持ち合って成案をつくるべきですよ。最終的には、国民投票すべきですよ。そういう手続論を考えていった時に、10年でできるかといったら、到底できないでしょう、法律的な問題を考えていって。 そういう意味を率直に私は言っているんですから、別に、私がやりたくないから言ってるわけではない。私はまだ正直です。私は、やった方がいいと思っている。長崎県の財政から言って、地方分権がどんどん進んで税源移譲されたら、うちはもたない。うちは正直言って、今の長崎県の財政基盤が、どうにか10.幾らできているのは、交付税措置と国からの出資金があるからなんですよ。依存度が高いからなんですよ。(「わかりました。答弁に戻ってください」と呼ぶ者あり)いや、答弁じゃない、大事なことなんだよ。自分が言いたいことだけ言って、一方的に言ったらいけない。(笑声)やっぱり議会というのは、お互い公平公正で議論を交わして、まあ、抑えていきますが、(笑声)だから、私はあくまでも私の考え方で、だから、そういう考え方でいますということを前提に考えてください。 それから、じゃ、州都をどうするかといった時、福岡県にいったら、また一極集中ですよ。だから、やっぱり分散させるというのは、今やIT時代ですから。確かに機能的という意味で、いろいろなものを考えるけれども、例えばまだ、道州という、政府がどういうものを管下するかわかっていない。中身がわからないと議論できないけれど、今、地方のそれぞれの出先機関がやっているものは、恐らく道州になるのかなというぐらいしか、まだはっきりしていない。でも、私はできるだけ基礎自治体に思い切って権限移譲した方がいいと思っているんですよ。しかし、税財源は、これは道州で徴収しないと、正直言ってばらつきがあって、うまくバランスがいかない。 私は、この前たまたま、ある経済界の人と話をしていたら、(「簡潔にお願いします」と呼ぶ者あり)九電というのは、結果的には九州で電力を売って、バランスとってやっていると、こういう発想で物事を考えなければいけないんだ。ああ、そういうものかなと。 だから、そういういろいろなことを考えていくと、やっぱり一極集中的な州都を考えるよりも、多極分散的な考え方でやっていくという考え方も出てくるのではないかと。だから、決して県庁舎をつくりたいがために言ってるんじゃなくて、冷静な判断のもとに、冷静な議論をしているわけでございますので、どうぞまた、いろいろご意見があるだろうと思いますから、お互いに意見を闊達にして、そして、県民の皆さん方のご理解をいただくように、お互いに努力していかなければいかんと思っております。
○議長(三好徳明君) 末次議員-11番。
◆11番(末次精一君) 一極集中を避けるためにと言われていますけれども、州都は別に福岡県と決まっていないし、福岡県でなくてもいいわけですね。何か、聞くところによると、熊本県が非常に意欲的で、宮崎県も同調していると聞きますし、鹿児島県も立候補しているらしいんですけれどね。 それに、今知事が、「IT時代だから分散化した方がいい」とおっしゃいました。そうしたら、県庁も分散化したらどうでしょうか。例えば土木部は諫早市にとか、教育庁は長崎市にとか、農林部は島原市にとか、水産部は平戸市にとか、3推進本部は佐世保市にいただきたいんですけれどね、(笑声・発言する者あり)そういうことも可能じゃないですか。そうしたら、県庁は要らないじゃないですか。今の知事のお考えからすると、県庁もその可能性はあるわけですよ、IT時代ですから。いかがでしょうか。
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 中身が違うんだな。教育といったら、国がやっている教育業務の全部を移すわけですから。建設といったら、国家的事業をやるということと、県の道州がやるというのは、おのずから限られてくるでしょう、九州全体の共通の事業とは。今、県がやっているものとは、ちょっと違います。 ただ、私の考え方としては、できるだけ県の権限を、これから縮小していこうということで、例えば対馬とか、壱岐とか、五島みたいに、一つでひとつの市になったところは、県の出先機関はできるだけなくしていこうというような考え方でやっていますよ。そういう意味での編成をやっていってる。 ただ、事業が、今は事業は、県の事業とか、国の事業とか、地方の事業と分かれているから、なかなかそれがない。だから、そういったことを考えながら、絶えずやらせていただいております。
○議長(三好徳明君) 末次議員-11番。
◆11番(末次精一君) 九州府の分散化は、県庁の分散化ではないと、私は、今伺った範囲では、その意味があまりわかりませんけれども、ちなみに、九州府、府庁分散のことを自由民主党道州制推進本部の役員の方に質問してみました。その方は非常に厳しい顔で、「それは賛成しないと」という答えが返ってきたことをご紹介しておきます。 次に、耐震化についてお伺いいたします。 まず、先週の本会議で藤井副知事が、「魚市跡地の埋め立てについて、技術的な処理をすれば液状化は起こらない」というご答弁をされました。その技術的な処理の方法というのと、一体それをすると、今建設予定とされているAブロックにその処理をすると、一体幾らぐらいかかるのかというのをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(三好徳明君) 藤井副知事。
◎副知事(藤井健君) 先週のご答弁で私が申し上げましたのは、平成9年時にボーリング調査を行いまして、12カ所でボーリング調査を行っておりますけれども、その時の結果が、液状化の心配はあまりないと、こういうふうなご答弁を申し上げました。 それは、その際にもご答弁いたしましたけれども、まず、地盤が、20メートル下のところに固い地盤があったと、それから、砂の分散がごく少なく、まばらだったと、こういうふうなことがございます。 これに対する地盤改良の工法としては、大きくは3つほど工法があるというふうに言われております。まず、1つは、圧力をかけてしめ固める方法で、通常「しめ固め工法」というふうなものだそうでございます。これが1つ。それから、要するに砂のところに水を含んでしまうので液状化をしますから、非常に砂が少ないんですけれども、その砂の層の水を吸い上げる工法ということで、「間隙水圧消散工法」というものがあるそうです。それからもう一つは、薬剤によりまして砂のところを固めてしまう方法、「固結工法」という工法でございますが、大きくは、こういう3つの工法があるというふうなことでございます。 これらの工法で対応が可能だというのが、当時の技術的な検討の結果だったということでありますけれども、具体の工事費が幾らかかるかというところの詳細までは積算はしておりません。 以上でございます。
○議長(三好徳明君) 末次議員-11番。
◆11番(末次精一君) ありがとうございます。 これも、私も調べてみました。ボーリング調査とか、そういう地盤改良をやっている会社に、実際いろいろ聞いてきました。 今、藤井副知事がおっしゃったようなしめ固め、いわゆる高圧噴射のほかに、スラリーかくはんというものがあると。そもそも私も、ボーリング調査の調査結果、これは県からいただきました。おっしゃるように、20メートル下は、いわゆる地盤の固さを示す「N値」というのは50あって、20メートル下は固いと。しかし、その上の埋立地については、N値は約5、有明海の潟とかは2ですから、ほとんどどろどろなわけです。だから、液状化対策のために処理をしなければいけないということでしょうが、今、成分表を見ても砂は少ないとおっしゃいましたが、20%~80%の間でばらつきがありまして、この調査結果を見る限り、砂は多いということです。逆に、石ころ、「礫」が多いと、液状化処理というのは高くなるわけですね。 一体幾らかかるのかということで、ざっと伺ったら、1立米当たり、高圧噴射とか、スラリーかくはんというのは2万円~8万円かかると言われました。おっしゃったような、液状化対策は、ああいう広いところには、普通やらないそうです。もしこれをやると、8万円以上かかってしまう。そうすると、いわゆるAブロック、縦が約180メートル、横140メートル、深さが20メートル、これを掛けると43万2,000立米、これに2万円をかけると86億4,000万円、8万円を掛けると345億円、これがAブロックだけですよ。A、B、Cやると、3倍かかるわけですね。とすると、安く見積もっても約300億円、(発言する者あり)高く見積もると1,000億円ぐらい、この埋立地の処理にかかるんですよ。(発言する者あり) 知事も、これから幾らかかるかというのは検討していくということですけれども、これはかかり過ぎじゃないかと、一番気になるところではないかと。なぜならば、防災拠点を建てるわけですね。一般的に、埋立地に防災拠点は、普通建てないそうです。この辺は、知事は幾らかかるんだろうかなと、そういうふうな調査の依頼は理事者の方にされなかったんでしょうか。
○議長(三好徳明君) 藤井副知事。
◎副知事(藤井健君) まさに数字をきちんと積算しなければいけないというところがございます。ですから、今回、2月に計算をする時にも、そういうことをこれから計算していくというふうなことになっているわけでございます。 ただ、平成9年にボーリング調査をした時の結論というのは、砂のところで部分的には液状化が起こるだろうと。問題は、液状化が全面的に起こるということになりますと、そこにアプローチできないという問題があるわけです。しかし、ここは全面的に起こるようなことはないと、砂の分布からしまして、そういうふうなことがわかっているわけでございます。それから、建物は、先ほど言いましたように、そのことによって影響が出ることはないというふうなことがわかっておりますので、その工法について、どこまでやるかというところまで詳細に詰めていませんから、ある程度の工法をやれば、技術的に対応可能だというふうな結論をその当時は出しているということでございます。
○議長(三好徳明君) 末次議員-11番。
◆11番(末次精一君) 技術的に可能なのは結構なんですが、要するに、幾らかかるかということなんですね。 そもそも、先週行われました懇話会で、知事は、議会が魚市跡地ということで決定していると、既にそういう既定路線の発言をされたと聞きます。議会が決定しているから、調べなくていいんじゃなかろうかと、何かそういう発想になってはいないかなと思いますけれども、これは、ちょっとおそるおそる、後ろの方を気にしながら伺いますが、(発言する者あり)10年前に決定した議会の決定というのは、そこまで重視されるんでしょうか。知事としては、もう変更されないと、そういうお考えなんでしょうか。(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 末次議員は、何か私を誤解しているみたいね。(発言する者あり)私は10年間、自分で非常に、各部長とか課長の答弁でも納得いかないところは徹底的に調査をさせたり、物品調達の時でも、再度させたのは私なんですからね、言っちゃ悪いけれども。(発言する者あり) だから、例えば今回の問題でも、そういう地盤の問題についてどうこうというようなことではなくて、逆に調べなさいと、徹底してということはちゃんと指示しています。だから、そういうふうな、何か既成事実をつくって、できるだけそういったところは、悪いところは隠したなんていうことは一切しませんよ。そんなことをするぐらいだったら、建てませんよ。(発言する者あり) 議会の議決がどれだけどうこうということは、議会の皆さん方にお伺いしてみてください。だって議会議員でしょう、あなたは。(発言する者あり)議決はしていません。議決はしてないけど、埋め立ての議決はしています。埋め立ての議決というのは、当然、埋め立てする前提、建設の前提です。(発言する者あり)だから、議決は議決です。 だから、そういうふうな議決をしてきた議会のそういった議決、また報告というものがどういう重みがあるかということについては、私から言うよりも、議員の皆さん方で考えていただいた方がいいんじゃないでしょうか。私が言うからというのは、僭越でしょう。私は、大変な重みがあると思っていますよ。皆さん方だって、自分たち議会で決めたことを、このとおりしないからといっていつも言うでしょう。議会というのは、壇上から説明したときに、理事者側と議会は大事だから、この2つが機能しないといけないから、どこかの知事は、議会に修正案を出せとか、そういうような話をしたでしょう。(発言する者あり)それは、議会がいかに大事であるかということを証明するためにお話したんでしょう。それを今、そういう質問をするというのは、私は意外だなと思っているんだな。まあ、どうぞ。(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 末次議員-11番。
◆11番(末次精一君) 私は、そういうことを聞いているんじゃないんですよね。「手続上、議会の決定は重い」と、今そう言われたわけですよね。 ただ、私が不思議に思うのは、今回、上程もされていますけれども、例えば鷹島肥前大橋有料道路については、前回、去年の議会で有料ということで議会は議決しているわけですよ。確かに今回は、議会の議決を得ようとされていますけれど、既に無料ということで決まっているじゃないですか。(発言する者あり)発表されたじゃないですか。通ってないですけれどね。だから、鷹島肥前大橋は議決した、でも、無料と発表された、それで承認をもらうと。魚市跡地については議決が決定されたと、10年前に。(発言する者あり)それで、そのとおりやりますということですね。新聞記事にも既定路線ということで載っていましたけれども、自分がやりたいことがある時に、都合のいい時に議会の決定を持ち出している、(笑声・発言する者あり)そういうふうに聞こえるわけですよ。10年前の決定を持ち出して。それとも、10年前の議会の決定は重いけれども、現在の三好議長、小林議会運営委員長率いる今の議会の決定は谷より低いと、そういうふうにお考えかなとすら思ってしまうわけです。そういうことを申し上げたわけでございます。 それでもう一つ、震度6強の根拠についてお伺いします。 ここに震度6強の揺れが起こると崩壊するということでしたが、そもそもどういう根拠で震度6強の揺れが起こるということで解析されていますでしょうか。
○議長(三好徳明君) 藤井副知事。
◎副知事(藤井健君) 先般からお答えしております、「Is値」というふうなことでございます。 そもそもIs値の考え方が、例えばIs値の値が0.3未満でありますと、倒壊、または崩壊の危険性が高いというふうな基準になっているわけでございます。ですから、震度6強の根拠ということではなくて、震度6強の地震がきた時に、この建物がもつのかどうかということで耐震基準の診断をしたというふうなことでございます。
○議長(三好徳明君) 末次議員-11番。
◆11番(末次精一君) 私も、要するに震度6が起きるかという可能性を調べるために、京都大学防災研究所地震災害研究部門強振動研究室、岩田教授、これは名前を出していいと言われましたので、お話を伺いました。結果的には、その辺は詳細に検討するというお話でした。 何でかというと、そもそも地震の揺れというのは、マグニチュード6.9というのが、今想定されているんですが、固い地盤のところを通ると、揺れは小さいんですよ。やわらかい地盤のところで波が増幅されて揺れが大きくなるわけですね。 調べてみたら、私も東京地学協会から地質図を取り寄せて見たら、このあたりは、何かしらないけれど、岩盤になっているわけですよ。よくよく聞いてみたら、地下6メートルを掘ると、確かに岩盤になっていると。そういう固い岩盤の上に建っている建物が震度6強揺れるかということです、マグニチュード6.9の時にですね。だから、そのあたりは詳細に検討する必要があるというお話でした。 それで、実際に起こったらどうするかというような反論もあると思いますが、岩田教授がもう一つ言われていたことが、最悪のケースを想定した防災対策を考えるのは好ましくないと言われていました。つまり、最悪を考えると、何でもしないといけないわけですね。実際に、国の「防衛白書」も東海地震を想定しています。10年間で想定される今の死者を9,200人から4,500人に削減しようとしております。それでも、4,500人は死ぬということで割り切っているわけですよ。 知事は、地震が起こった時の防災拠点と言われますけれども、新館に実際に防災センターができていますし、それでも、知事に万一が起こったらまずいので、例えば県庁の中庭に新しいビルを建てて、そこに知事室や災害時に必ず必要な部署を入れるという対策もあると思うわけです。そうすると、万が一何が起こっても、県庁の心臓部は守られるわけですね。(発言する者あり) 耐震補強にしても、藤井副知事は内張りと言われますけれども、外張りの方法もあるし、前面で巻く、部分補修の方法もあると、調べた限り聞いておりますと。このあたりの議論は、時間もないので、またの機会にと思うんですけれど、いずれにしても、耐震に関してはまだまだ検討項目は多いなと思っております。 まだまだお伺いしたいことはたくさん残っていますし、検討すべき課題は、今私が質問した以外、まだあるんじゃないかと思います。県の方でされている調査についても、肝心なところは隠して、やっぱり建設ありきで行っているという疑いすら持ってしまうわけです。 今回の質問で申し上げましたように、ここ数年で長崎県政を取り巻く環境は大きく変わるということは間違いないわけですね。しかも、流動的である、地方分権も、道州制も、地方の財政にしてもそうです。 例えば財政に関してちょっと言うと、全国知事会では、地方自治体の財源は、今後、7.8兆円の不足が見込まれ、このままでいくと、住民サービスの水準を切り下げても、平成23年には地方財政は破綻すると言われています。それで、地方消費税の増額も検討はされていますけれどもね。 そういう中において、県の方は、長崎県の
実質公債費比率は低く健全な財政だから、県庁はつくれるということで説明されていますが、そもそも比較の対象は、倒産しそうなところばかりで、そこで比較したって何の意味があるのかというわけです。 それで冒頭に、県民が求める知事像ということで、経営者の感覚で県政を運営してほしいというアンケートが1番とお話しましたが、例えば経営者の感覚というのはいろいろありますけれども、すぐれた経営者の条件は、環境の変化に機敏に対応してかじ取りを行うということが大切であると言われています。 そのことから考えると、地方分権も、道州制も、2年、3年後に、しかし、姿が見えてこないと。県庁と一体となった駅前再開発の目玉である新幹線の長崎ルートにしても、決まるのは、早くて来年度と聞いております。財政も、これから深まった議論がされていく。その点から考えると、知事はできるだけ早い時期にということで、聞くところによると、今年度中に結論を出すと言われていますが、その点から考えると、県庁の建設は、県民が求めるこういう経営者の感覚からすると、2、3年先に考えることが最も適していることではないかと、やっぱり思うわけですよ。 先ほど金子知事も、5年、10年先を見据えて政策を行わなければと言われたばっかりですよね。そもそも知事は4選に出馬されると言われていますから、(笑声・発言する者あり)4選の公約に掲げて、4選当選後にこれをゆっくりやられる方が一番、皆さんの理解が得られると思っておりますが、本当に出られるんだったらですね。(発言する者あり) 県庁整備懇話会の方にも一言申し上げたい。こんな重要なテーマを、今の状況で本当に決めていいと思っているのかと思います。 最後に申し上げますが、二元代表制を目指す時に、見直す行政の考え方も必要であると強く思うとともに、真に県民の視点に立った県民本位の県政が行われることを願い、私の質問を終わります。 以上、曲がったことが大嫌い、末次精一でした。(笑声・発言する者あり)
○議長(三好徳明君) これより、関連質問に入ります。 松島議員-9番。 〔関連質問〕
◆9番(松島完君) それでは、末次議員の県庁舎整備に関連して質問をさせていただきます。 私独自の整理かもしれませんが、独自の視点かもしれませんが、一応耐震化というのは、大方イエスだと、必要であると、これはあると思います。こっちが建て替え、こっちが現在地の改修という選択肢が、わかりやすく言ったらあるかと思います。今、建て替えという方に魚市跡地というのがベターではないかということだったと思うんですが、左手の方の現在地の改修に関して、まだ疑問点が残ります。 大変稚拙で恐縮ですが、私なりにリサーチしたところ、いろんな工事のやり方もあると。そこで、今県が出されている試算というのが、耐震補強工事と言われるもので、いわゆる壁や柱の補強をすることによって地震への耐震性を備えると。私が目についたのが、免震工法というやり方、免震工事でもいいんでしょうが、それは、基礎となる部分に免震装置をつけることによって耐震を図ると。なるほど、これはおもしろいなと。今まで何で全く出てこないのかが疑問だなと、県の議論でもですね。今まで、もしかしたらそういう経緯があったのか、議論があったのか、お尋ねします。
○議長(三好徳明君) 藤井副知事。
◎副知事(藤井健君) まず、免震工法については、免震ですから、横に揺らして地震の被害を防ぐということでございます。 ですから、そのためには、免震工法を実現するためには、建物が横に揺れるスペースがないと、まずいけないということがございます。それから、建物の形状が、実は県庁舎は変則五角形になっております。免震工法は、建物の形が成形ですと、割と工事がしやすいんですが、こういう変則五角形で免震構造をつくるということになりますと、非常に難しいというふうな側面もあると聞いております。 そういうことから、耐震の補強で免震工法にするということになると、多額の経費が予想されるということから、免震工法の具体的な検討は行っていないと、こういうふうなことでございます。
○議長(三好徳明君) 松島議員-9番。
◆9番(松島完君) 免震工法も難しいと、試算もいっぱいかかるというのもぜひ公表して、県民の皆様に出していただければと思います。 なぜ私が免震工法に目をつけたかというと、三重県がそれでやったんです。まず、同じような財政状況、どこも財政は悪いと思いますが、財政が悪い中で三重県がやったのは、最小の投資で最大の効果を出すために、三重県が概念として持ち出したのが、ファシリティー・マネジメントという概念です。施設をマネジメントしようと。これは一つの分野になっていますので、それはそれで研究していただきたいんですが、その中で出てきた免震工法というのを三重県は使ったと。なるほどおもしろいなと、工事自体は、もう終わっているんですよね。 もうちょっと調べてみますと、幾つか庁舎があって、本庁舎は四日市とかにあるんですが、そのうち4つの庁舎の本庁舎を含めた3つの庁舎でこの免震工法を利用して、格安に抑えたんですね。残りの一つは、いわゆる県が今試算している補強、耐震補強というのをやっています。 何で三重県がこれを利用したかといったら、格安なんですね。そういう試算を出して、なおかつ、ここにいたまま工事ができる。下の整備なので。コストが安い、引っ越さなくていい、工期も短いと、そういう利点で三重県がそういう手法をとった。 答弁はちょっといただけないですが、そういうのもひとつ頭に入れていただいて、全県民的に議論ができればと思っております。 ありがとうございました。
○議長(三好徳明君) 浅田議員-10番。 〔関連質問〕
◆10番(浅田眞澄美君) 県庁舎に関して、私も関連質問をさせていただきます。 私は、さきの懇話会に出席をさせていただきましたが、終始驚きを隠せませんでした。なぜかというと、県下全域から集まってこられた懇話会の委員の方々にとても失礼なのではないかとさえ感じました。 県の方におかれましては、今の現状をきちんとお知らせせねばならないというような現状だったとは、いたし方なかったと思いますけれども、新築移転ありきの説明に終始していたのではないかと思います。あれだけ悪いところを言われて、暗いところ、狭いところを案内されれば、人は、「新築がいいんじゃないか」と、普通思うのではないかという気がしました。 しかしながら、逆に私は懇話会の方々に、この県庁にいらっしゃる職員の方々は、この暗くて狭い、古いところで頑張っているんだという姿勢こそ見ていただければなというふうに考えました。 そして、その場におきまして、知事は、先ほどの答弁と違いまして、「議会で決まったことです」というふうに明言した際に、メンバーの方々は、なぜ私たちはこの懇話会のメンバーとして、今集められているのか、不安だし、疑問だし、何なんだろうという方々がたくさんおられました。 先ほど知事は、強いリーダーシップとして、前例にとらわれず県政に取り組んでおられるとおっしゃっておりましたのに、なぜかこの県庁舎に関しましては、「前の知事が決めたことを粛々と、粛々と私はやっている」と、いつもいつもおっしゃいます。そして、それとともに、議会が決めたことだともおっしゃいます。もしかして今回は、この懇話会の37名が決めてしまったことだからというふうにおっしゃるのではないかなということを私は心配をさせていただいております。聞いていると、何かいつも知事は、「だれかが」、「だれかが」とおっしゃっていて、私がやりたいのではない、私が決めたんではないよということをこの間、議場でも言われましたけれども、それでいいのかなというのが不思議でなりません。 私は、この議場の中で、前回、「あなたは過去の歴史をもっと調べた方がいい。議会軽視をしているのではないか」というおしかりを知事に受けましたが、決してそのような思いはありません。過去のことを勉強した際に、こちらは、そのときには耐震ではなかったから魚市がいいと思ったというお話、そして、その時は道州制という話がなかったから魚市がよかったというようなことさえ聞かせていただいております。そして、そのような状況の中で、私は、今後この長崎で50年間は、多分生きていけるんじゃないかなと思っていますので、先の長崎をずっとずっと考えると、今の現状のまま、無理やり押し切ってしまうのでいいのかなと、もっともっと立ち止まる勇気が、今こそ必要なのではないかというふうに考えております。ですから、議会軽視というのは私ではなく、知事が、このように4年に一度、選挙を戦い抜いてこの議場に集まっているメンバーに、前に決まったことを粛々とやってくれと言っているような感がして否めません。私のように、特に新人議員としては、過去のことを粛々とやるだけでは、何のために議員になったのかわかりません。議員になったからにはやるべきこと、今県民が望んでいること、そして、未来に県民が長崎をどうつくっていきたいかということを考える、そのような思いを持っていただきたいという思いで戦っております。それは、今議場におられる、ほかの45名の議員の皆様方も同じだと思います。ですから、軽視ではなく、そのあたりのことを知事にもおわかりいただきたいと思います。 それと同時に、この間の懇話会の中で、例えば道州制に関しましても、廃藩置県以来のとても大事なことだから、国民にきちんと問うべきと知事はおっしゃっておりました。ならば、この県庁舎移転に関しても、もっともっときちんとした形で県民に問うべきではないでしょうか。それは何も自分たちが好き勝手、今こういう状況ですよ、こういう悪いところがたくさんありますよということだけを示すのではなく、耐震、そして建て替え、移転、すべてのよいところ、悪いところを出して…。
○議長(三好徳明君) 答弁の時間がございません。
◆10番(浅田眞澄美君) ちゃんと県民に問うべきだと思っております。その問い方というのは、県民投票という形があるのかどうかをあわせてお伺いできればと思っております。 どうぞよろしくお願いします。(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 時間がないですな。(笑声・発言する者あり) 私は、流れ、経過というのはやっぱり説明しなければいかんと思うから、議会でこういった状況でしたよという話をしているのであって、私は、当然それを引き継いで、今の案がベストと思って、一応提案をさせていただいているんですが、ただ、何をやるにしてもたたき台がないとだめなんですよ。今度も、はじめてたたき台が出たから、議論が活発になったんですよ。抽象的に、建てるか建てないかと議論したって、身が入らないでしょう。皆さんも、案が出たから真剣になったんでしょうが、よかったじゃないですか。(笑声・発言する者あり)だから、真剣に議論しましょうよ。
○議長(三好徳明君) 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君) (拍手)〔登壇〕日本共産党の堀江ひとみです。 最後の登壇であり、既に同僚議員が取り上げた項目もありますが、確認したい点もありますので、通告に基づき、以下質問いたします。 1、学校など耐震化の促進についてです。 耐震化の促進は、県政の最優先課題です。 中国四川大地震では、校舎倒壊で、無数の子どもたちの命が失われました。多くの県民が心を痛めました。 岩手・宮城内陸地震でも、多くの校舎に被害が出ました。同地震の発生が土曜日でしたから、児童生徒の人命にかかわる被害はありませんでしたが、平日なら、重大な被害が出た可能性が指摘されています。 相次ぎ地震の被害が報道される中、本県小中学校校舎の耐震化が2年連続全国最下位の実態は、多くの県民に不安を与えています。保育所、幼稚園は大丈夫かとの声も寄せられています。 知事は本会議初日、一日も早い耐震化を強く求められている、計画の前倒しを一層進めて耐震化を促進したい、市町や私立学校に対し、強力に要請したと説明しました。 寺田県教育長は、6月の定例教育委員会で、各市町を直接訪問し、耐震化推進を要請する考えを示したと報道されています。 耐震化を促進するために、県として、市町への要請だけでは、行政の最優先課題とはとても言えません。耐震化診断で県の補助を創設するなど、具体的な支援策を検討すべきです。 見解を求めます。 2、
九州新幹線西九州ルートについてです。 1970年に制定された全国新幹線鉄道整備法に基づけば、新幹線とは、主たる区間を列車が時速200キロ以上で走行できる幹線鉄道となっています。 さらに、在来線と別ルートで線路を敷くこと、線路の幅は在来線より広い幅であること、踏切をつくらないこと、カーブを大きくし、急傾斜をつくらないこととなっています。 これに対して、長崎新幹線と呼ばれる西九州ルートはどうでしょうか。 仮に、フリーゲージトレインが完成したとして、博多から新鳥栖までは鹿児島新幹線の線路、時速200キロ以上で走ります。新鳥栖から武雄温泉区間は在来線。スピードは出せません。 武雄温泉から諫早、今回着工許可がおりた区間は、新幹線幅の広い線路ではなく、在来線幅の狭い線路を敷く予定です。ここでもスピードは出せません。(発言する者あり) 諫早から長崎、今のところ、財源の見通しはありません。在来線を走りますから、ここでもスピードは出せません。 仮に、諫早から長崎の着工許可が実現しても、新鳥栖から武雄温泉区間は、新線の計画すらありません。 長崎県は、全国の新幹線ネットワークに直結と宣伝していますが、新幹線幅の線路ではつながらないのです。結局、博多から長崎までの間、全国新幹線鉄道整備法による時速200キロ以上で走る区間は、博多から新鳥栖だけになります。どうしてこれで新幹線と言えるでしょうか。まさに、名ばかり新幹線なのです。新幹線といえば、県民だれもが、のぞみ、ひかり、こだまを思い浮かべますが、西九州ルートは、のぞみ、ひかり、こだま型のフル規格ではありません。フリーゲージトレインという車輪の幅を線路に合わせて調整する車両です。しかも、実現の見通しはいまだありません。仮に実現した場合、長崎から博多間の運賃は確実に値上げになります。「ゴールは長崎まで」のかけ声があります。仮に、諫早から長崎に新たな線路が敷かれたら、長崎市内北部地域の人たちは、かもめより不便になります。なぜなら、かもめは長崎市内浦上で停車しますが、西九州ルートは浦上で止まらないからです。西九州ルートは、停車駅をかもめより少なくします。 莫大な事業費をかけるのに、時間短縮効果は26分は疑問、10数分と指摘されています。こうした西九州ルートの計画が県民に知らされておりません。計画を明らかにすることを求めます。何より、フリーゲージトレイン実用化のめどが立っていない段階で、着工だけ進めるとは、ずさんとしか言いようがありません。ずさんな計画は、きっぱりと中止すべきです。 見解を求めます。 3、国営諫早湾干拓事業についてです。 佐賀地裁判決を不服として、国は控訴しました。私は、国に強く抗議します。 国の控訴は、深刻な漁業被害により、もはや抜き差しならないところまで追い込まれている漁民の切実な願いを踏みにじった暴挙です。控訴をして、問題が解決するでしょうか。有明海の漁業被害は一層深刻化し、漁業者と農業者の対立をあおるばかりではないでしょうか。漁業と農業と、ともに栄える道を進めるべきです。こうした立場から、金子知事は、佐賀県、熊本県、福岡県も求めている潮受け堤防の開門を行うべきです。 知事の見解を求めます。 4、後期高齢者医療制度についてです。 今年4月から実施された後期高齢者医療制度について、県民の怒りと、廃止を求める声が広がっています。 61歳女性。 94歳と87歳の両親の介護をしている。後期高齢者医療制度は、年金からの保険料の天引きと75歳から線を引くことが大きな問題だ。高齢者は、今まで一生懸命働いてきている人ですよ。戦争にも行って苦労して、しかも寝たきりで体も全く動けない人からも保険料を取るなんて。 79歳男性。 ろくな説明もなしに一方的に天引きすることは納得できない。年金は、戦後の苦しいときから老後のために積み立ててきた生活費だ。私の金を黙って取り上げるのは泥棒じゃないか。学徒動員で、知覧の特攻隊に行った同級生もいる。食うや食わずで歯を食いしばって働いて、この国をつくってきた。余りの仕打ちだ。 75歳女性。 子どもの扶養家族となっている。年金は2カ月で3万800円。9,000円余りの介護保険料だけでも大変なのに、後期高齢者の保険料が取られたら、手元に残るお金では暮らしていけない。子どもにも、これ以上出してもらうわけにはいかない。迷惑はかけられない。 制度を廃止してほしいなどなど、長崎県社会保障推進協議会の電話相談に寄せられた声です。 知事は本会議初日、国においては、制度の見直しや新たな保険料軽減措置等の導入が検討されており、今後とも、国民の皆様に理解が得られるよう国に働きかけたいと述べました。 新制度がすぐに見直しでは、制度そのものが欠陥であることの証明です。 後期高齢者医療制度は、75歳という人生を重ねただけで、これまでと同じ医療が受けられません。 介護保険料に加えて、後期高齢者医療保険料も年金から天引きされます。 私は、高齢者を差別する後期高齢者医療制度は、すぐに廃止すべきと考えます。 県内の自治体でも、長崎市、時津町、長与町など、廃止を求める請願が採択されています。 国に対し、制度廃止を求めるべきです。 見解を求めます。 5、被爆者の立場に立った原爆症認定の運用についてです。 長崎地方裁判所は、6月23日、原爆症認定集団訴訟で、原告27人のうち、20人は勝訴の判決を出しましたが、7人の訴えは認めませんでした。この訴訟は5年間に及び、提訴後、8名が亡くなりました。被爆者には時間がありません。原爆症と認められた被爆者は、被爆者全体の1%もおりません。 生涯いやすことのできない傷跡と後遺症に苦しみ、不安の中での生活を強いられている被爆者に対し、国は、原爆症と認めるべきです。 6月27日、国は、判決を不服として控訴しました。 7月7日、原告全員も、国家賠償請求を棄却した点を不服として控訴しました。 知事は、本議会前の定例記者会見において、国に対し、一日も早い解決を要望したいと発言しています。 また、7日、原告弁護団の要請に対して知事は、一日も早い解決を要望したいと対応したことが報道されています。 具体的な対応について、示していただきたい。 6、原油価格の高騰対策についてです。 県内のある漁業組合長は、「ただでさえきついのに、燃油の値上がりはきつい。漁業が構造的に厳しい中で、燃油の値上がりが追い打ちをかける。船のスピードを落として漁場まで行く」と私に訴えられました。 赤旗記者が、対馬市美津島町漁協、豊玉町漁協を取材したとき、「燃油以外に、イカをおさめる発泡スチロール箱も値上がりしておる。みんな赤字覚悟で漁に出る。やれんです」と訴えられました。 「このあたりの漁師は、互いにローンの連帯保証人になっている。迷惑はかけられないから廃業を決断した」と、燃油高騰で廃業した漁師もいました。 明日15日は、全国の多くの漁業者が一斉に漁を休み、漁民の窮状を訴えます。 原油高騰は、漁業だけでなく、農業、運送業者、クリーニング店などなど、これでは経営が立ちゆかないと、悲鳴が上がっています。 県民生活にも重大な影響が出ています。 原材料費や穀物価格の高騰とも相まって、食用油、即席めん、マヨネーズなど、食料品から日常生活用品に至るまで、価格上昇を招き、消費者物価全般に波及しつつあります。 本県が石油製品価格高騰対策緊急検討会議を開催していることは承知していますが、離島の各市町と関係部だけにとどめず、対策本部を立ち上げて、各部局連携しての緊急の対応が求められていると思います。 見解を求めます。 以上、県民の切実な要望をもとに質問いたします。 知事の誠意ある答弁を求めます。(拍手)
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕堀江議員のご質問にお答えいたします。
九州新幹線西九州ルートについて、計画は中止すべきだというお尋ねでございますが、整備新幹線は、国の公共事業としては、年間公共事業費の1%にも満たない額であり、そうした乏しい財源の中で、地域の実情や予算の制約に応じ、フル規格以外にも、スーパー特急方式など、さまざまな整備手法を組み合わせながら進められてきました。 既に開業している他のルートも、当初、スーパー特急方式での認可を受け、その後、より整備新幹線の効果を発揮するために、フル規格による整備が望ましいと判断された場合には、政府・与党の着工条件等の検討を経て、フル規格への変更が段階的に行われてきたところであり、決してずさんな見通しで進められたものとは考えておりません。 また、整備新幹線の整備計画の検討手続につきましても、政府・与党で整備のための財源見通しを確保して、収支採算性や投資効果等を十分に吟味した上で、整備新幹線各ルートの延伸についての検討が行われています。 認可は、このような公正で厳格な手続を経て、行われております。 西九州ルートについては、現時点では、フリーゲージトレインの技術開発が完了していないため、既存技術によるスーパー特急方式での着工認可となっています。 現在の着工認可区間は武雄温泉・諫早間でありますが、本県としては、整備新幹線の効果を最大限に発揮するためには、長崎までの延伸が必要不可欠であると認識しており、機会あるごとに、国等へ強く要望しているところであります。 こうした中、去る6月19日の
与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームの会合で、諫早・長崎間を含む全国の新規3区間について、平成21年度中に認可・着工ができるよう政府に要請することが決定されております。 これからも、長崎までの延伸が実現するように、全力を傾注してまいります。 また、フリーゲージトレインの開発につきましても、国土交通省が「2~3年後にはめどを立てたい」と明言されており、現在、全力を挙げて走行試験を行っており、西九州ルート開業には十分間に合うものと考えております。 したがって、西九州ルートも他のルートと同様に、将来的には、長崎延伸やフリーゲージトレインの実用化にめどがついた段階で、武雄温泉・長崎間につきましては、フル規格への格上げを目指していくことになると考えております。 地理・地形的に不利な長崎県にあって、高速交通基盤の整備の遅れは、観光や企業誘致にとって、死活問題だと言えます。 西九州ルートの整備は、長崎県の次の時代を担う子どもたちが県内で就業し、元気に活躍できる大事な手段であることをぜひご理解いただき、長崎県の将来に向けてご協力いただけるように、お願いを申し上げます。 次に、国営諫早湾開拓事業についてのお尋ねでございますが、排水門を開放してはどうかというお尋ねでございます。 漁業も農業もともに栄えるべきとの立場は、私も同じであります。ただ、そのために、なぜ排水門を開放しなければならないのか、わかりません。(発言する者あり) 現在、排水門での水量調整によって、調整池の水位は標高マイナス1メートルに保たれておりまして、そのことにより、防災機能が発揮されております。 排水門を常時開放いたしますと、調整池の水位は、諫早湾海域の潮の満ち引きの影響により変動するため、大雨のときにおいては、周辺地域からの雨水を一時的に調整池にためる能力に支障が生じ、洪水被害の危険性が大幅に拡大します。 また、背後地から調整池への日常の排水につきましても支障を来し、麦、大豆、ハウス野菜等の営農に多大な被害をもたらします。 さらには、潮受堤防内側の既設の旧海岸堤防に設置された排水樋門の前面や河川の河口部に潟土がたまり、締め切り前のように、地元の方々の人力による潟土の排除作業が再び必要になってきます。 また、新たな干拓地での営農面におきましては、調整池が塩水化すれば、調整池の水は干拓地での営農用水としては使用できなくなりますし、雨が降らない日が続けば、塩分遡上によりまして、干拓農地そのものが使用できなくなることが危惧されます。 また、背後地の3,500ヘクタールの農地も、台風時などは、潮風害の発生が危惧されます。 一方、潮受堤防排水門の周辺では、開門によりまして、大きな流速が発生し、潟土が巻き上げられて、その濁りが諫早湾、さらには有明海へと拡散する可能性があり、諫早湾内はもとより、有明海全域の漁業への多大な影響が心配されます。 また、平成9年の締め切り以降、調整池やその周辺で新しい、豊かな環境が生まれてきておりますが、海水導入が行われますと、淡水でしか生きることのできない生物を死滅させ、この淡水系の生態系が破壊されることになります。 このように長い間の水害の不安から解消された背後地の住民の方々、希望を持って新たに入植された方々、さらにアサリやカキの養殖等に取り組まれている湾内の漁業者の方々の思いを考えますと、開門を行うことは、到底容認できるものではないと思っておりますし、去る7月10日に、このような地元の実情を理解していただいた結果として、国が控訴を行ったということだと思います。 なお、今回の控訴に当たりましては、「開門した場合の影響について環境アセスを実施する」、「その後、開門調査を含めて、関係者の同意を得ながら検討を行う」との条件が付されておりますが、これも「開門を前提として行うものではない」と国から説明を受けております。 いずれにしましても、本事業は国の事業ですから、諫早湾地域の防災機能や干拓地及び周辺農地での営農、諫早湾海域の漁業、これらすべてに絶対に支障を及ぼすことがないよう、国の責任ある対応について、今後とも、強く申し入れていきたいと思います。 次に、後期高齢者医療制度の廃止についての県の見解についてのお尋ねでございますが、後期高齢者医療制度は、少子・高齢化が進む中で、高齢者の方に必要な医療を今後も安定的に確保するため、現役世代と高齢者の負担を明確にし、国民全体で支えることを目的とした制度と認識しております。 これまでの老人医療制度は、世代間の負担が明確ではなく、また高齢者の方においても、加入している医療保険によって負担が異なる仕組みとなっておりました。 こうした点を見直しして、これまでの医療給付の内容を維持しつつ、すべての方に、所得に応じて公平に負担していただくことで、今後必要とされる高齢者の医療を確保するという趣旨で導入された制度であり、これからの高齢化に対応するために必要な制度であると考えております。 こうしたことから、国に対して、制度の廃止を求めることは考えておりません。 制度導入に当たり、国における制度の周知や保険料の負担軽減措置などに不十分な面がありましたが、地方からの要望や施行状況の検証を踏まえ、所得が低い方へのさらなる保険料の軽減対策、保険料の口座振替対象者の拡大など、国による制度の見直しが行われたところであります。 県といたしましては、長崎県後期高齢者医療広域連合や各市町と協力をいたしまして、制度が円滑に運営されるよう努めてまいりますとともに、必要な場合には、制度の見直し等について、知事会等とも連携を取りながら、国に働きかけてまいりたいと考えております。 次に、原爆症認定の運用についてのお尋ねでございます。 原爆症の認定については、今年の4月から審査基準の見直しが行われ、対象疾病や被爆距離など、一定の条件を満たす場合には、より幅広く、積極的な認定を行うこととされたところであります。 去る6月23日は、原爆症認定長崎訴訟判決がありまして、原告27名のうち、20名が認定されたところでありますが、この中では、積極認定以外の疾病である肝機能障害などについても認定されており、被爆者にとっては、一定の成果があったと認識いたしております。 国と原告は、ともに控訴いたしましたが、県といたしましては、被爆者の高齢化が進み、健康障害に苦しむ被爆者が多いことから、一日も早い解決を望むものであり、去る7月8日、私が直接、町村官房長官と厚生労働省に対しまして、被爆者の立場に立った原爆症認定の運用について、要望を行ったところであります。 さらに、明日15日には、長崎県・市、広島県・市で構成する「広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会」、いわゆる8者協においても、国に対する要望活動を行うことといたしております。 ところで、現在の認定審査の状況は、4月以降、3,000件を超える申請があり、厚生労働省では、4つの審査部会を設置して審査の迅速化を図っておりますが、7月11日現在では、459名の被爆者が原爆症の認定を受けており、この3カ月間の認定数は、過去の年間認定数の約3倍になっております。 国に対しては、今後とも、あらゆる機会をとらえて、高齢化し、一刻の猶予もない被爆者の立場を訴えるとともに、被爆者援護法の趣旨を踏まえた審査の迅速化と原爆症認定問題の早期解決を要望してまいります。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。
○議長(三好徳明君) 教育長。
◎教育長(寺田隆士君) 学校校舎の耐震化診断に県の支援策の検討をというお尋ねであります。 本県の平成20年4月1日現在の学校の耐震化の状況につきましては、初日及び2日目に答弁したとおりですが、本日、保育所、幼稚園のことが出てまいりました。 公立幼稚園に関しては、その耐震化率は21.3%と、やはり非常に低い水準になっております。 学校、幼稚園は、子どもたちが一日の大半を過ごす学習、生活の場であり、安全・安心な施設でなければならないことは、議員ご指摘のとおりでございます。 また、学校は、その多くが地震などの非常災害時の応急避難場所になることから、耐震性のある施設となるよう、計画的に整備していくことが重要です。 既に申し上げましたように、県立学校については、現在実施中の耐震化推進事業を前倒しして、平成24年度末に耐震化を完了できるよう、検討を進めているところです。 今般、「地震防災対策特別措置法」が改正され、公立小中学校への補助率が2分の1から3分の2に引き上げられるとともに、地方財政措置が拡充されたところですが、この嵩上げ措置は、新たに公立幼稚園にも適用されております。 これにより、震度6強で倒壊する危険性の高い建物の耐震改修工事に当たって、市町の負担は、これまでの約31%から、13%ほどに軽減されることになります。 市町にあっては、学校の施設設備についての県と市町のそれぞれの役割に基づく費用分担のあり方から、今回拡充された国の財政措置を十分に活用して、耐震化に取り組んでいただきたいと考えております。 先般、各市町を直接訪問し、拡充された国の助成措置を活用して、耐震性が低いとされた施設や避難所となっている施設など、緊急性の高いものから、計画的に耐震化を進めていただくようお願いしました。 そのお願いをしたところ、市長、そして町長さん方からはいずれも、「極めて重要な課題であり、できる限り計画を前倒しして実施したい」とご回答をいただいております。 県教育委員会としましても、市や町が耐震化を円滑に促進することができるよう、土木部とも連携して、設計者への講習会を実施するなど、耐震2次診断を実施する体制の強化や、もう一つ、耐震診断判定委員会の機能の充実を図って、審査件数を増やすなどの支援をしてまいります。 今後とも、市町と連携を図りながら、学校施設の耐震化の推進に取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(三好徳明君) 総務部長。
◎総務部長(中村法道君) 学校などの耐震化につきまして、私立学校にかかわる部分についてお答えをさせていただきます。 私立の小学校、中学校、高等学校の耐震化につきましては、これまでにもお答えを申し上げましたように、各学校法人に対しまして、国の補助制度等を活用した耐震化の推進をお願いしてまいりました。 また、私立学校など民間の特定建築物を対象とした耐震診断費用の一部を支援する制度を今年度、新たに創設したところでございます。 県といたしましては、今後とも、これらの制度の活用による耐震化への取り組みを一層強力に働きかけてまいりますとともに、今回改正されました「地震防災対策特別措置法」の趣旨にかんがみまして、国の動向を十分見極めながら、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(三好徳明君) こども政策局長。
◎こども政策局長(浦川末子君) 保育所及び私立幼稚園にかかる耐震化診断について、同様のお尋ねです。 私立幼稚園につきましては、ただいまの総務部長答弁と同様の対応を行ってまいります。 一方、保育所につきましては、今回の法改正の対象とはなっておりませんが、子どもの安全確保を図るためには、幼稚園と同様に、耐震化を進める必要があります。 このため、公立保育所におきましては、市町の責任において、学校と同様な対応を求め、民間保育所につきましては、私立幼稚園と同様に、国や県の補助制度等の活用による耐震診断及び耐震化の取り組みを、今後とも強く働きかけてまいります。 以上でございます。
○議長(三好徳明君) 地域振興部政策監。
◎地域振興部政策監(多門勝良君)
九州新幹線西九州ルートにつきまして、計画の全容を明らかにというお尋ねでございますが、西九州ルートの計画内容にかかる広報につきましては、武雄温泉・諫早間の線路幅の問題ですとか、福岡、博多駅でございますが、対面乗り換えなどについても、各種、これは県政の全世帯広報誌、あるいは広報誌「ながさき夢百景」等、そういったものがございます、テレビ、新聞、ラジオ、パンフレットなどを通じて、主に、県や期成会で行ってきたところでございます。 3月26日に国から認可をいただきました武雄温泉・諫早間の整備につきましては、橋やトンネルなどの構造物はフル規格で整備をされ、レール幅は狭軌で敷設をされるということになってございますが、長崎まで新線が延伸されることになった場合には、これは知事答弁でもございましたが、開業までの間に、フル規格、標準軌への格上げを目指していくことになるというふうに考えております。 現在認可いただいている西九州ルートの計画の内容でご説明いたしますと、博多から新鳥栖までは、鹿児島ルートと共用いたしまして、その間は標準軌を最高時速270キロで走行することを目指しているところでございます。 新鳥栖駅でのアプローチ線上において、狭軌へと軌間変換を行いながら、佐世保線に乗り入れ、武雄温泉駅まで、最高時速130キロで走行することとなります。 その後、武雄温泉・諫早間は、今回整備をされている新線を走行するということになります。 この間は、現在の認可内容では、狭軌で整備される予定ですが、最高時速は200キロで走行するという内容になっております。 さらに、延伸を目指している諫早・長崎間については、現在の認可では、市布経由の在来線を走行いたしまして、最高時速130キロで走行するということになります。 ただ、新線が長崎まで延伸をされ、標準軌へ格上げがなった場合には、武雄温泉・長崎間すべてを最高時速270キロで走行していくということも期待できるという状況でございます。 それから、福岡で乗り換えが必要であるというご指摘でございますが、対面の乗り換えでありましても、現在の博多駅の在来線ホーム、新幹線ホーム間の乗り換えに比べれば、大幅な時間短縮とバリアフリー化が可能となります。 また、国が目指しているフリーゲージトレインの時速270キロ以上の走行性能が確保されれば、大阪方面への直通運転も可能となりますので、実現に向けて、働きかけをしてまいります。 今回の認可着工を機に、建設主体である鉄道・運輸機構による地元説明会や大村市による「大村市の新幹線を活かしたまちづくり懇話会」、こういったものが開催されております。 また、諫早市におきましても、諫早駅周辺整備事業に関する検討委員会の設置が予定されているといった状況でございます。 このように、沿線の地元市、あるいは建設主体を中心として、具体的な動きが既にはじまっております。 県民の皆様に対しては、我々の広報に加えまして、事業主体や沿線市からも直接情報を発信する、あるいは議論をする機会が増えてきていると思います。 県としては、今後は、このような団体、機構とも十分に連携しながら、より具体的で、わかりやすい、丁寧な広報に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(三好徳明君) 県民生活部長。
◎県民生活部長(本田哲士君) 原油価格の高騰対策についてのお尋ねでございます。 水産業をはじめとして、さまざまな分野に厳しい影響があらわれている、対策本部を立ち上げて、緊急に対応をするべきではないかとのお尋ねでございますが、引き続く原油価格の高騰によりまして、ガソリン等の石油製品の空前の高値が続いており、農林水産業、運輸業、中小企業等の経営を大きく圧迫するなど、県民生活全般にわたり、深刻な影響を及ぼしております。 県としては、農林水産業の省エネルギー化への支援や中小企業への融資、離島航路や地方バスへの支援をはじめ、ただいまご指摘をいただきました「県石油製品価格高騰対策緊急検討会議」を設置し、本土と離島との価格差の縮減対策について検討するなど、現在、関係部局が連携を図りながら、全庁を挙げて取り組んでおり、今後、対策本部を立ち上げることとしております。 今般の原油価格の高騰は、中国やインドなどの需要の拡大や投機的な動きなどが要因であり、国における対策が不可欠であります。 このため県としては、先月、農林水産業や中小企業者等への対策の充実強化について、政府施策要望を行ったところであり、さらなる対策が必要な分野については、今後も引き続き、国における支援を強く要望してまいります。 今般立ち上げることとしております対策本部におきましては、関係部局間の情報の共有化や連携を強化し、国等への働きかけ等についても、より効果的に行うことを目指しており、原油価格高騰に対する農林水産業、運輸業、中小企業をはじめとした県の取り組みについては、市町や関係団体等とも連携して、事業者や県民の皆様に、より一層周知するよう努めてまいります。 以上でございます。
○議長(三好徳明君) 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君) 一通り答弁をいただきましたので、再質問をいたします。 諫早湾開拓事業の問題について、再質問したいと思います。 知事は、私が、農業も漁業もともに栄える道をと言ったことに対しまして、私も同じだと言いました。同じ立場でありながら、私は開門しなさいと言う、知事は開門するなと言う。そこで、なぜそこまで開門するなということに固執するのか、この点を再度質問したいと思います。 今回の佐賀地裁の判決を常識的と支持する声が政府・与党内にもあるのは、ご存じだと思います。 かつて農林水産大臣をされた谷津義男自民党総合農政調査会会長代行です。 今月3日付のマスコミインタビューに、次のように答えています。 判決について驚きはしない。私が農水相のとき、短期間は開門させて調査させたから、ようやく司法が私と同じ判断をしたとの思いだ。干拓と漁業不振の因果関係を不明なままにしておくのは問題だ。2001年に私が設けた有明海のノリ不作の原因を探る第三者委員会でも、中長期の開門調査が提言された。国は、判決に従い、因果関係の有無の立証に乗り出すべきだ。まず開門して結果を見る、その後、対策を打つ、それが常識だろう。 有明海で農・漁業が両立する方策を構ずべき時にきており、いつかは開門調査しなければならない。 まず開門をして、結果を見る、その後、対策を打つ、これが常識だというわけです。 もう一人、今度は宮入興一愛知大教授の今月11日付新聞に掲載をされたコメントです。 次のようにコメントされています。 有明海の異変の原因について、漁民の実感からも、科学者からも、諫早湾干拓事業が限りなくクロに近いという指摘は以前からあった。いつまでも限りなく黒に近い灰色のままより、シロ、クロつけた方が農林水産省のためだ。開門調査をやらないのは、やるとクロになってしまう懸念があるのではないかと思われても仕方がない。 開門するなと、なぜそこまで固執をするのか、知事の答弁を求めます。
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 開門して結果を見るというんですが、結果を見る前に、農業はもうだめになってしまいますよ。入植地の干拓地の農業というのは、ようやく10年たって塩抜きができているわけなんですよ。それがまた塩を入れて5年間、3年間でも置いたら、すべてもとへ戻ってしまうということになるんですよ。だから、農業をやっている人、特に入植者の皆さん方、そういう方々は、ほとんど農業というか、今、投資したものが、すべて無駄な投資になることになると思いますよ。だから、そういう現地の状況を知らない方がそういうふうに言っていると。 それから、これは地先干拓でやっている福岡県、佐賀県、熊本県を飛行機の上から見てみてください。すべて米ですよ、米。要するに、米の場合は、ある程度、塩害に強いんですよ。しかし、野菜とか、いろいろな果物とか、ハウスとかというのは、これは塩害に弱いということははっきりしている。 したがって、背後地の人たちも、今まで米しかつくれなかったものが、あの締切堤防ができたことによって、ハウスとか、ほかの作物を盛んにつくるようになってきたんですよ。形が変わってきた。そういうことをご存じなんですか。知った上でおっしゃっているの。いろいろな方が、いろいろな話をするんだけれども、現地の事情を知った上で言っているのか。そういうことについてはどういうふうにお考えか、こっちが質問するわけにはいかないんでしょうけれども、そういうふうないろいろなことがあると。 だから、例えば……(「簡潔に」と呼ぶ者あり)(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君) 知事は、農業も漁業も両方成り立つ立場に立つと言われました。 でも、今、知事が答弁したことは、いろいろ言いましたが、平たく言えば、営農、防災のことを言ったというふうに思っております。 そこで、開門すると、営農、防災の影響を強く主張されますが、では、開門しないことへの漁業被害をどう見ているのか、この点を質問したいと思います。 私が先ほど反対討論で述べましたように、司法の判断は、一貫して開門調査を求めています。 2005年の5月、福岡高裁決定は、佐賀地裁仮処分命令を取り消したものの、諫早湾開拓工事と有明海の漁業環境悪化との関連性は否定できないとしました。 さらに踏み込んで、ノリの生産額に限って見ても、大不作の平成12年と平成16年との差は、実に176億円に上る。 これに対し、諫早湾干拓による計画農業粗生産額は、事業費総額約2,460億円という巨費の2%にも満たない45億円である。費用対効果という面からも、調査の必要性は大きい。 私は今、判決の内容を紹介しましたが、費用対効果という面からも、干拓農地での生産額は45億円、ノリの生産額だけ見ても、あの当時、176億円のマイナス。 漁業被害は、この当時から、もっと深刻です。もはや抜き差しならないところまできている。 諫早市小長井町の漁民の皆さんは、排水門をあけろ、ついに裁判を起こしました。 私が質問をしているこの時間、同じ時刻、長崎地方裁判所で第1回の審理が行われています。 開門調査をしないことでの漁業被害をどう見ているのか、知事の答弁を求めます。
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) ノリの被害は、平成12年度以外は、すべて順調ですよ。あけたらどうなるかわかりませんよ。(発言する者あり) ほかの漁業の状況というのは、あれは締め切る前からずうっと海面漁業は厳しくなっていっているんですよ。あの干拓をスタートするときには、環境影響調査をして、それから被害も想定して、いろいろと漁業補償したんでしょう。そういう前提の中でやったわけであって、何にもしないでやったわけじゃないんですよ。 そういったことは全く抜きにして、(発言する者あり)今の話だけをしていたら、いかにも外から聞いている人は、ああ、そうかなと思うかもしれないけれども、そういう過程をおいて今日があるわけですから。(発言する者あり) 締切堤防ができた時点で、ある意味では、あそこはもう完成したんですよ。(発言する者あり) そこをよく考えていただいて、後戻りするということになったら、莫大な費用がかかるということはご存じでしょう。(発言する者あり)それをやってもやるわけ。 裁判所の判断は判断として、我々も受け止めなければならないけれども、そういった実情、実態があるということもまた我々はこれから訴えて。 それからもう一つは、国が、例の短期、中期、長期の開門調査をしていたときに、結果的には、短期だけで1カ月やって、中長期は国としてはやる必要がないと判断したんですよ。やっても、結果、原因はわからないということをはっきり言った国が、そういう結論を出して、結果的には中長期はやっていないんですから。それはまたもとに戻るんですか。我々地元からすると、そういうふうな中で今日の干拓は完成したから、これからは環境型にやさしい農業をやっていこう、地域の皆さん方も、これで安心して生活ができると。さっき、お金の話ばかりしたけれども、じゃ、生活権というか、そういう生命、財産に対する金の評価というのはどういうふうに考えていらっしゃるの。(「答弁だけにしてください」と呼ぶ者あり)そういった問題もいろいろ考えなければいけないでしょう。それは答弁だけといったって、こっちもある程度は意見は言わなければいけないでしょう。(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君) 国が控訴したことに対しまして、
古川佐賀県知事は、マスコミのインタビューに、次のように答えました。 「控訴は残念で、開門調査を明言してほしかった。営農、防災と漁業が両立できる調査を今後も国に提案していく」と話しています。 知事は先ほど、諫早湾干拓事業の問題について、最初の答弁の際に、漁業も農業も、この立場は同じだと言われました。 しかし、この2回の再質問の中で、知事は、防災と、そして営農だけしか言っていない。 漁業の被害については、これは前からあったんだとか、ノリはあのときだけだとか、そういう答弁で、私は、漁民の皆さんの思いを知事が酌んでいるとはとても思えません。 私は、今の知事の姿勢では、漁民に--と言っているのだと同じだと思います。水産県長崎の知事が漁民を--にするのか。もう少し、水産県長崎の知事であれば、漁民を守る立場でやっていただきたい。 それがあなたが最初に言った、農業も漁業もともに栄える道をということではないんですか。そのためには、まず開門するべきです。 知事の見解を求めます。(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 私は漁業者を大事に思っていますよ。(発言する者あり) あのノリのときは、それは私たちも本当に必死だったですよ。あれだけの狭い区域の中で、年間500~600億円の漁獲高といったら、今、これだけ温暖化で、漁業の養殖を含めて、一般の海面漁業が厳しくなった中で、これは大変貴重なものと思う。 そういった中で、有明の特措法という新しい法律をつくって、そして福岡県は覆砂をしたり、長崎県もいろいろな漁業の対策をしながら、漁業者のそういった環境整備に努めてきていますよ。(発言する者あり) だから、一方でできないものについて、開門でできない、そこは漁民の皆さん方も大変だというので、できることは、いろいろな施策をやってきているわけですから、何にもやってきていないみたいな、そんな言い方をして。私は、漁業者の気持ちはよくわかる。そういう中で、こういうふうな形にならざるを得ないということについて、ご理解をいただきたいと思いますね。
○議長(三好徳明君) 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君) この佐賀地裁の判決については、さまざまな方たちがコメントされていますが、その中で7月10日、マスコミに、経塚雄策九州大教授が次のようなコメントをしています。 「中長期の開門によって干潟を再生し、潮流を回復させれば、干拓事業が漁場環境に与えた影響がはっきりすると思われる。干拓地での営農と諫早湾や有明海での漁業がともに持続的に成り立つ両立を目指すことが、この地域にとっても最も望ましい姿であり、開門調査はその一歩になるはずだ」と、こういうコメントを出しています。 私は、専門家の方のコメントとして、納得をしたわけですけれども、知事は、私と同じように、漁業も農業もともに栄える道を選びたいと言いました。 そうであるならば、その一歩として、開門調査をするべきだ。そこから出発しない限り、開門調査を求めて、そのことに対するときに、防災や営農に対する不安だけをあおるような、そういうことでは私はいけないというふうに思います。 もう一度、知事の答弁を求めます。(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 責任がない方はいろいろ言えますわ、(発言する者あり)正直言って。(発言する者あり) 私なんかは、地域の皆さん方の生命、財産を守りながら闘っているんですよ。(発言する者あり)そういう方と、いろいろな方のコメントと一緒にしてもらっては困る。(発言する者あり) それは正直言って、皆さん方のいろいろなそういったご意見もよくわかりますけれども、私どもとしては、そういう地域の実情、実態、地域の声、そして現状を見た上で判断をしておりますので、ご理解いただきたいと思います。
○議長(三好徳明君) 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君)
古川佐賀県知事は、営農と防災と漁業が両立できる調査を今後も国に提案をしていくという話をされています。(発言する者あり)だから、私が言うのは、
古川佐賀県知事だって責任ある立場ではないですか。(発言する者あり) こういうふうに、そのためにどちらも成り立つことを国に提案していくと言っているでしょう。(発言する者あり)そういう立場に立ってほしいというふうに私は求めているんです。(発言する者あり) このことをぜひ強く申し上げておきたいというふうに思います。(発言する者あり) 次の質問に移りたいと思いますが、原油価格の高騰対策について、これは結局、対策本部を立ち上げるというふうに理解していいのか。 一般質問の2日目に、金子議員の質問に対しまして、立ち上げを指示したいと知事があのとき言いましたですね。 そして、今、私の質問に対して、立ち上げと言われたんですけれども、これは具体的に、どのような協議がされたのか、これは今からですか。 緊急性ということでは、知事があのときに本会議場で立ち上げを指示したわけですから、どういう協議がされたのか、その点を教えてください。
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) 金曜日に、金子議員からそういったお話がありまして、確かに我々もそこら辺について、十分じゃなかったなと思っていましたので、今日夕方、この終わった後、4時半に立ち上げを予定いたしております。
○議長(三好徳明君) 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君) 今の答弁は、非常に了としたいというふうに思っておりますので、(拍手・発言する者あり)ぜひ立ち上げを進めていただきたいというふうに思っております。(発言する者あり) 次の質問に移りたいというふうに思いますが、学校など耐震化の促進の問題で、2日目の一般質問で、同じく金子議員の関連質問を行いました山田朋子議員に対しまして、知事は、次のように答弁をいたしました。 耐震化推進で県はやっていると。公立は、市町の責任だというふうに言われました。 この答弁の意味なんですが、確かに公立の小学校、中学校、これは市町がやらなければいけないという部分はあります。 しかし、私の質問としては、ただお願いをする、それだけでは、これはいろんな意味で進まない。そういう意味では、さまざまな県としての具体的な対応策がないといけないではないかというふうに思うんですね。 先ほど、少し具体的な2次診断のこととかは言われましたけれども、そういうふうに県としての具体策がなければ、耐震化は進まないというふうに思うんです。 そこで、2日目の質問のときに言われた、県はやっている、公立は、市町の責任だという、この意味の真意を改めてお尋ねしたいというふうに思います。 私は、県は何もしないのかというふうにとってしまったものですから、私が誤解をしていたら指摘をし、答弁をしていただきたいと思います。(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) この耐震の問題は、ご承知のとおり、小中学校の場合は、市とか町の責任でやるということになっていますね。 今度、国が特別な補助措置も嵩上げいたしました。 実は、そういうふうなものがされる前から、既に整備をしたところもあるんですよ。 ただ、これはやっぱりその首長、市長さんの責任じゃないでしょうか。(発言する者あり) やっぱり耐震、これはやらなければいけない。平成17年のあの福岡県西方沖の地震、私たちは、早速取り組みました。それを考えて取り組んだ市とか町もあるんですから、それはそのときの市長とか、みんなが、そういう気持ちで行政というのはやっていかないと、県がインパクトを与えなければやらないとかというような話をしていたら、じゃ、何のためにその行政の長はいらっしゃるんですか。 各県でも、みんなそういった県のインセンティブを与えないでもやっているところとやっていないところ、たくさんありますよ。 だから要するに、確かに長崎県は地震が少なかった。そして、九州は少ないところもあったけれども、ほかの地域は進んでいる。それはやっぱり小学校、中学校の耐震化というものを、その地域の市長さんが政策としてどう考えているかだと思うんです。 やっぱりそういうところは厳しくやっていかないと、それは財政的にどうしても厳しいというところも、私は、借金してやったらいいと思うんですよ。だって国が、13%しか地元負担はないんですから。 私たち県がやる仕事は、半分以上は県が真水で見なければいけないけれども、私たちもやっているんです、財政的に。
○議長(三好徳明君) 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君) そうしますと、知事の今の答弁は、公立中学校の耐震化、これは全国最下位ということで、多くの県民の皆さんが不安になっている。しかし、県としては、それではこれは何にもしないという答弁ですね。 確かにこれは市町の責任なんですよ、おっしゃるとおりに、ルールどおり。だけれども、県は何のためにあるんですか。だから、そこら辺を、私は私の立場からすると、1分間縮めるのに104億円も使う新幹線の費用があったら、出しなさいよ、耐震化のために。全国では、そういうふうに県がやっているところもあるではないですか。県がさまざまな援助をして耐震化を進める、そういう立場に立たない限り、それは市町の責任だから、市町でやりなさいというだけでは、私は、これは進まないというふうに思います。 知事の答弁を求めます。
○議長(三好徳明君) 知事。
◎知事(金子原二郎君) それは見解の相違でしょう。 地方分権とか、これから責任を持って地域、地域でいろいろな責任の中で行政をやっていきましょうという時代に入ってきたんですよ。そういう時代の中でどう判断するかというのは、どうしても財政的に難しいところは私たちも考えなければいけないけれども、それはやり方は幾らでもあるんですから。やり方は幾らでもあるんですから。県がバックアップした分は、国からの補助金はこないんですから。だから、そこをよく考えてやっていかないと。新幹線とはちょっと違うと思いますよ。
○議長(三好徳明君) 堀江議員-1番。
◆1番(堀江ひとみ君) この学校耐震化の問題は、県民が一番不安に思っていることですので、単に市町に任せることなく県が対応することを求めて、私の質問を終わります。 〔「23番、議事進行について」と呼ぶ者あり〕
○議長(三好徳明君) 北浦議員-23番。
◆23番(北浦定昭君) ただいまの1番議員の一般質問中、我が県議会において、諫早湾干拓地域における農業、漁業の再生を目指して、全員で好意的に議論をしている中において、漁民を--にするのかという発言は、私にとっては、大変不穏当な発言というふうに感じております。 発言者、議長の間において、適正な措置をお願いいたします。
○議長(三好徳明君) わかりました。 ちょっとお待ちください。 松田議員-44番。
◆44番(松田正民君) 今の北浦議員の、漁民を--にするのかということについては、やはり不適切な発言だというふうに思います。 私も同感であります。 議長の方で整理をお願いしたいというふうに思います。
○議長(三好徳明君) ただいま北浦議員から、休憩の動議が提出され、松田議員の賛成がありましたので、動議は成立しました。 よって、本動議を直ちに議題とし、採決をいたします。 本動議に賛成の議員の起立を求めます。(発言する者あり) 北浦議員-23番。
◆23番(北浦定昭君) 誤解のないように申し上げますけれども、私は、動議は発言いたしておりません。 議事進行という中において、議長において、議事録の精査をお願いしたところでございますので、後でもってでよろしゅうございますので、発言者と協議の上、議事録を精査していただきたいと思います。(発言する者あり)
○議長(三好徳明君) では、後刻、会議録を精査の上、またご返事をいたします。 以上で、県政一般に対する質問を終了いたします。 さきに上程いたしました第76号議案ないし第87号議案及び報告第1号ないし報告第15号並びに認定第1号ないし認定第3号につきましては、お手元の議案付託表のとおり、それぞれの委員会に付託いたします。 次に、第5号請願「最低賃金の引き上げと制度のさらなる改正、中小企業支援を求める請願」外2件が提出されておりますので、これを一括上程いたします。 ただいま上程いたしました請願につきましては、お手元の請願付託表のとおり、経済労働委員会及び厚生環境委員会に付託いたします。 次に、各委員会は、お手元の日程表のとおり、それぞれ開催されますようお願いいたします。 以上で、本日の会議を終了いたします。 明日より7月24日までは、委員会開催等のため、本会議は休会、7月25日は、定刻より本会議を開きます。 本日は、これをもって散会いたします。 お疲れさまでした。 -午後4時0分 散会-...