• "佐賀県民"(/)
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  1. 佐賀県議会 2022-09-04
    令和4年9月定例会(第4日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     ○ 開     議 ◎議長(藤木卓一郎君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  昨日に引き続き一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎古川裕紀君(拍手)登壇=おはようございます。一般質問三日目となりました。今日も一日、皆さん元気にお仕事していきましょう。傍聴席にお越しの皆様方もありがとうございます。  さて、天高く馬肥ゆる秋、この秋の空に負けぬよう高い志を胸に一般質問に臨ませていただきたいと思います。  では早速、通告に従いまして、大きな四項目について質問をさせていただきます。  まず一つ目の項目は、吉野ヶ里町内の国有林に埋設されている除草剤についてです。  林野庁によりますと、かつて国有林野事業において、森林整備における下草刈りなどの作業の労力軽減のために、昭和四十三年から四十五年頃にかけて、2・4・5-T系除草剤なる雑草を枯らすための農薬を国内製造業者から購入し、広く全国的に使用していました。しかし、この2・4・5-Tという成分は、その製造過程においてダイオキシン類がごく僅かに含まれることがその後判明し、世界各地で健康被害のおそれが報告されたことから、昭和四十六年四月に使用が中止されました。  ただ、使用は中止となったものの、不純物として微量のダイオキシン類が含まれた2・4・5-T系除草剤を無害化する有効な処理技術が昭和四十六年当時には確立されていなかったということもあって、当時の「毒物及び劇物取締法」に定める処分方法に基づいて、薬剤の十倍量程度の土壌、セメントなどを混合し、コンクリートの塊にして、佐賀県を含む十五道県四十六カ所の国有林の地下に埋設され、現在に至っております。そして、県内においては一カ所だけ、吉野ヶ里町内の国有林の地下に埋設されております。  この除草剤の取扱いについては、この2・4・5-Tが、いわゆる枯れ葉剤の原料の一つとして知られる成分であることから度々報道でも取り上げられております。もちろん、今議論している除草剤と、いわゆる枯れ葉剤は全く別物であり、そこに誤解があってはならないのですが、やはり不安を感じる方がいらっしゃるということは紛れもない事実であります。  なお、吉野ヶ里町内の国有林に埋設された除草剤については、地元佐賀森林管理署において安全対策を施した上で、定期点検や環境調査などを含め汚染防止に尽力されておられるとのことです。幸いダイオキシン類は水に溶けにくいという性質があり、埋設された土の中で安定した状態にあると伺っております。  その一方で、除草剤の埋設地は福岡県民の水源の一つである五ケ山ダムから直線距離でおよそ一キロ上流に所在しているということもあって、那珂川市におかれては、この除草剤の撤去を求める要望書を毎年国に提出されております。また、地元吉野ヶ里町としても過去、平成十九年、処理技術が確立された場合には早急に撤去を求めるとする要望書を国に提出されています。  特に近年の気候変動による豪雨災害が頻発している中、土砂崩れが発生したときの流出の懸念があることなどを考えれば、いかにしっかりと管理され、安定した状態にあるとはいえ、除草剤が埋設され、そこにある限りは、住民の不安を完全に払拭することができないのではないかと感じております。  そこで、次の三点について伺います。  一つ目、埋設された除草剤の現状についてです。  除草剤はどのような方法で埋設され、どのような安全対策を取られているのか、改めてお聞きします。  二つ目、除草剤撤去に向けた国の検討状況についてです。  国は、除草剤の撤去に向けた検討を行っているとの報道があっておりますが、どのような方針の下、どのような検討を行っておられるのでしょうか、お聞かせください。  三つ目、県の対応についてです。
     県は、今後どのように対応していかれるのでしょうか、その点、確認をさせていただきます。  続きまして、大きな項目の二つ目、農業水利施設治水活用についてです。  近年、本県では立て続けに大きな浸水被害が発生しております。とりわけ、私の地元である神埼市南部の低平地では毎年のように浸水被害を被っております。頻発する浸水被害に悩まされ続けている住民の皆様にとりまして、地域の浸水リスクの軽減につながる取組を一歩でも前に進めていただくことを切実に願っておられます。  以前、浸水被害が発生した直後の時期ではあったのですが、千代田町迎島の中津地区に当時の区長さんを訪れた際、田んぼ一面に植えられ、大切に育てられていた大豆が数日にわたる浸水により変色し、全てしおれてしまった様子を眺めながら、その元区長さんは、「また今年も全滅ばい、これでどがんやって来年も意欲ば持ち続けられるとね」と肩を落とし、力なく語られたことが強く印象に残っておりますし、つい先日も同地区を訪れたところ、この中津地区は、昔から水害常襲地帯であるため、どの宅地もかさ上げされているのですが、先日お邪魔したお宅ではかさ上げされた敷地内のさらに一番高いところを選んで造成し直されている最中でした。聞くと、近年の雨の降り方の変化というか、激化によって、ここ数年はかさ上げした宅地を越えて浸水してしまう状況になっているということから、「ここに家ば建てることにしたとよ、これでもう老後の資金ば使うてしもうたばい」、今住まわれている家にくっつくように、もう一段高くして家を建てられるとのことで、諦めと怒りが混じったような表情で悲しそうに笑っておられました。いいかげんに何とかしてくれという言葉にもならないような悲痛な思いをひしひしと感じると同時に、何とかしなければという決意を新たにした瞬間でした。  そのような中にあって、令和三年九月議会でも質問させていただきましたが、流域治水対策という取組の中で、低平地においてはクリークなどの農業水利施設を最大限に生かす取組を早急に進めることが治水対策として非常に有効であると考えております。  県においては、知事の力強いリーダーシップの下、昨年から内水対策プロジェクトプロジェクトIF」をスタートさせ、国、県及び市町など関係機関が一丸となって内水氾濫対策に取り組んでいただいておりまして、このことは知事、心から感謝を申し上げます。この取組に心から期待している次第でございます。  例えば、大雨時の田んぼダムクリーク、ため池への一時貯留など様々な対策を考えていただいておりますし、農業水利施設を活用したソフト対策としては、クリークの事前排水の取組について、関係各位の御努力によりここ数年でかなり精度が上がってきていることを実感しております。  これから、ソフト対策からさらに踏み込んだ対策として、大雨時の排水機能増強が必要と思われる農業水利施設の改修などハード整備を進めていくことが重要になってくる中で、河川や道路など行政が管理している施設と、地元地区によって管理されている農業水利施設とでは改修に向けた進め方、つまり、手順に違いがあることや、例えば、同じ樋門と呼ばれる施設であっても、河川にある樋門と農業水利施設の樋門とでは、同じ言葉、樋門という言葉ではありますけれども、それは排水用なのか、揚水用なのか、そういった設計思想に違いがあったりして、そこには土木と農林の文化の違いといったようなものが横たわっているように感じております。  また、本来、利水を目的として農業水利施設を整備する場合には受益者負担が発生することは理解できるのですが、事、治水対策においては、浸水被害による損害を軽減するため、つまり、マイナスをゼロに近づけるために農業水利施設を改修するという場合があったときに、利水のときと同じように受益者負担をと言われると、先ほどの私の地元、中津地区での事例を挙げるまでもなく、やはりどうしてもそこに違和感を抱いてしまいます。  こういった場合の県、市町及び農業者の負担の在り方も含めて、今紹介したような文化の違いが、流域治水の議論や対策の妨げになるようなことが決してあってはなりません。そのためにも、治水を議論するテーブルの上に限っては別の考え方があってしかるべきであり、今後検討していく必要があると考えます。  そこで、農業水利施設を活用した治水対策の取組状況と、流域治水対策として農業水利施設の改修が必要となる場合の県の考え方についてお伺いします。県の御認識をお聞かせください。  続きまして、大きな項目の三つ目、スクールソーシャルワーカーについてです。  私は、地元神埼市千代田町の千代田中学校学校支援連絡協議会という会議に委員として参加しております。年に数回の会議があっているのですが、その折に学校側と意見交換をしております。その中で、今、学校で何が一番の課題なんですかと尋ねたところ、学校長からは真っ先に、スクールソーシャルワーカーの充実を望む声が上がりました。聞くと、不登校ぎみの生徒に対するケアや家庭環境に問題がある生徒への支援など、学校では対応しきれない様々な課題に対してスクールソーシャルワーカーさんの働きが目覚ましく、学校に来られない子がいたら家庭訪問をして、生徒とも保護者とも面談をしてくれて、必要とあれば病院や施設にもつないでくれる。学校と生徒、家庭、時には医療機関とのつなぎ役として、学校の課題解決に大きく貢献していただいているということでした。  昔は学校がやっていたことかもしれないが、今は学校にそんな余裕はなく、スクールソーシャルワーカーの存在がとても貴重だとも言われておりました。  しかし、その千代田に来ていただいているスクールソーシャルワーカーさんは、実は福岡から来られている方で、当時は千代田中学校だけでなく、同時に武雄の中学校と県立高校も担当されておられるとのことで、お昼を食べる暇もないんじゃないだろうかと、校長先生が心配になるほど多忙を極められているのを見るにつけ、負担軽減と処遇改善を心配したという声も聞きました。  そうした貴重なスクールソーシャルワーカーですが、各学校には週に数時間しか来てもらえず、スクールソーシャルワーカーは学校では貴重な存在、常駐してほしいぐらいだという学校長の声に耳を傾けながら、学校へのスクールソーシャルワーカーの配置という支援体制のより一層の充実に力を入れる必要性を強く感じております。  そこで、次の三点について伺います。  一点目、スクールソーシャルワーカーの役割についてです。  スクールソーシャルワーカーはどのような役割を担っておられるのか改めて伺います。  二点目、スクールソーシャルワーカー配置状況についてです。  スクールソーシャルワーカーは、現在どのような配置状況なのでしょうか、お聞きいたします。  三点目、スクールソーシャルワーカーの今後の方向性についてです。  不登校や発達障害の増加傾向や学校運営の時代的な変化も相まって、スクールソーシャルワーカーのニーズがますます高まっており、学校現場における課題解決のため、支援体制を充実させてほしいとの思いで、今お聞きしているわけですけれども、県の今後の方向性についてお聞かせください。  最後に、大きな項目の四つ目、十八歳に達した高校生の自動車運転免許取得についてです。  ある保護者からの相談で、高校生の自動車運転免許取得について、就職が決まってから入社式までに免許取得が間に合わなかったので大変だったという話を聞きました。詳しく聞いてみますと、就職が決まれば、学校から免許取得の許可のようなものがもらえるようですが、早くて十一月くらいからであり、それもいろいろと条件があったりして、ほとんどは年明けから生徒が自動車学校に殺到するということで、実技教習の予約が取れず、車に乗れないため、結果として勤め始めるまでに免許取得が間に合わない子がたくさんいるとのこと。結局は就職してしばらくは自転車で通勤して五月にやっと取れたとか、会社を休んで免許を取りに行ったとか、そういったことが結構あるよとのことでした。  このことに対しては、生徒支援室からは自動車運転免許の取得については、就職希望者運転免許が必要な生徒等に対して学校長が判断して許可している。家庭の事情など特別な場合を除き、基本的に就職や進学が内定した後に入校申込みを行い、さらに本免許は高校卒業後に取得するなど、各学校の実情に応じてルール化しているとの説明をいただきました。  さて、お隣の福岡県ではどうだろうかと、ちょっと知り合いに聞いてみたのですが、基本的には本県と同じようなルールのようなのですが、佐賀の高校と比べると、学校からの許可が格段にもらいやすいのか、希望者は誕生日が来ると、すぐに免許を取得している学校も多いというようなことを伺いました。  やはり本県は、高校生の自動車運転免許取得について慎重過ぎるのではないかという印象があります。  一方、自動二輪運転免許取得も含めて、免許を規制する生徒指導から免許取得を前提とした交通安全教育へと大きく方針を転換した自治体があります。具体的には群馬県なのですが、群馬県では約二十年間にわたって免許取得一年以内の初心運転免許者の事故率が全国ワーストということを受けて、交通安全教育の在り方が課題になっていた中での判断だったようです。今、群馬では、生徒から希望があった場合は、教育委員会は保護者に事情や意思を確認の上、免許取得を制限しないという取組方針を県内全ての高校に周知しているとのことです。  この交通安全教育という視点で申しますと、佐賀の自動車学校においては、先ほど申したように、実際のところ年明けからということで、短期間のうちに生徒が殺到しているということで、自動車学校の経営が難しいという声もさることながら、その生徒たち免許取得までの希望の期日というものがあるわけですから、教習を行う側も含めて、何やら慌てて免許を取得しているという印象がどうしても拭えず、十分に教習したつもりでも、少し不安が残るなという声を聞いたことがあります。こうした群馬県の交通安全教育という視点で本県も検証してみることも必要なのかもしれません。  また、県では、高校生の県内就職率六五%からさらに引き上げることを目標に「プロジェクト65+」にも取り組まれ、地元佐賀で就職する高校生を増やそうと努められています。もちろん、このプロジェクト教育委員会の施策ではありませんが、県として、車が必要な地域に就職をお願いしながら、片や危ないからと免許を取ることに慎重になっているという現状を見るにつけ、佐賀で働くなら車が必須という実情、そういったことも考えれば、運転から遠ざけるような環境に生徒たちを置くのではなく、就職した初日から安全に自動車を運転できる環境をつくってやることも大切な視点だと思います。  さらに、今は十八歳成人となっております。危険だから運転免許を取らせないという子供扱いのままでいいのかという疑問が自然に湧いてきます。それよりも成人として責任感ある行動を取ることができるように指導することが、本来の教育のあるべき姿と言えるのではないでしょうか。  本県でも高校生の自動車運転免許取得について、積極的に検討し、例えば、就職希望の生徒たち、その中で免許取得を希望する生徒は、十八歳を迎えていれば、夏休みから自動車学校に入校できるよう許可するなど、柔軟な対応があってもいいのではないかと感じております。そうやって少しでも分散することで、短期間の自動車学校への生徒の集中というものも緩和していくものだと考えます。  そこで、十八歳に達した高校生の自動車運転免許取得に係る学校の対応をもっと柔軟にすることについて教育長の認識を伺います。  以上、大きな四項目について答弁をお願いいたします。(拍手) 3 ◎古賀県民環境部長 登壇=古川裕紀議員の御質問にお答えいたします。  私からは、吉野ヶ里町内の国有林に埋設されています除草剤についてお答えさせていただきます。  まず、埋設されております除草剤の現状についてでございますが、議員からもお話がありましたように、2・4・5-T系除草剤は昭和四十三年から昭和四十五年頃に国有林野事業において使用されていたものであります。それがごく微量のダイオキシンが含まれていたことが分かりまして、昭和四十六年四月に使用が中止をされました。  その際、国が未使用品として所有しておりました当該除草剤については、当時の「毒物及び劇物取締法」に定める処分方法に基づいて、全国各地、県内では吉野ヶ里町内国有林野の地下に埋設されております。  具体的な埋設方法についてでございますけれども、まず、埋設場所は飲料水の水源、民家、歩道、沢筋などから可能な限り離れた峰筋近くとし、地下水が湧き出ていない場所や風水害による崩壊のおそれがある場所などを避けるという考え方で選定をされております。  そして、埋設方法は、地面を深さ二メートルほど掘削し、そこにビニールを敷き詰め、その上に除草剤をコンクリートで固めて埋設するという方法が取られております。  そして、安全対策としましては、除草剤が漏れ出さないよう、周囲を遮水壁で囲い、上部にはアルミ板を設置し、また、立入りを防止するため、周囲を金網フェンスで囲う措置が取られております。  そして、定期的に月二回、台風や大雨の後などには臨時で、埋設場所に異状がないか確認、点検が行われ、適宜、土壌・水質検査も実施をされております。  これまでのところ異状は認められておりませんで、県も随時国に対しまして、点検等検査の結果の報告を求めておりまして、除草剤が周辺環境に影響を及ぼしていないことを確認しております。  次に、除草剤撤去に向けた国の検討状況についてでございます。  これまでの調査によりまして、国は、除草剤に含まれる微量のダイオキシン類コンクリート内に固定されているため、地中で安定した状態にあるとの見解を示しております。そうした中にありましても、災害の発生によりまして埋設物が下流に流れ出すのではないかと、そういった不安から撤去を求める声がありますことから、国は、昨年度、埋設物を安全に掘削、撤去できるかどうかについて、吉野ヶ里町を含む四カ所において現地調査を行っております。  その結果、安全に掘削、撤去できることを確認されたことから、除草剤の撤去を念頭に、さらに詳細な調査を進めることとされております。  今年度は、埋設物の成分濃度の分析や掘削範囲の確認などを行うため、埋設地周辺ボーリング調査を実施し、その結果を基に今後の対応を検討するとされております。  最後に、今後の県の対応についてでございますが、国が国有林野に埋設処分した除草剤につきましては、国が責任を持って対応していただきたいと考えておりますけれども、県としましても、撤去に向けた検討がどのように進んでいるのかなど、今後の国の対応を注視しますとともに、引き続き異常がないか確認をし、また、地元吉野ヶ里町ともしっかり情報共有、連携をしながら、県民の安全・安心を図ってまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 4 ◎山田農林水産部長 登壇=私からは、農業水利施設治水活用につきましてお答えをいたします。  近年の気候変動に伴い、浸水被害が頻発化しており、流域全体で浸水被害を軽減させるための取組として、農業水利施設が持つ洪水貯留機能を活用することは極めて重要であると考えております。  県では、「プロジェクトIF」の取組といたしまして、市町、土地改良区、農家と連携協力しながら、今年度の出水期から田んぼダムクリークの事前放流などの取組を強化しております。  私もこの夏、大雨警報が出た際に、東部地域に出向きました。「プロジェクトIF」で取り組んでいる田んぼダムが機能しているのか、それから、クリークの事前放流はしっかりできているのかを確認しに行ってまいりました。  農家の方からも話を聞きましたけども、集落全体で田んぼダムに取り組んでいるという話をお伺いして、本当にありがたく思ったところでございます。  議員御指摘の排水対策につきましては、今年度は佐賀平野の東部地域でクリークを対象とした排水のシミュレーションを行っております。また、杵島地域ではため池を対象といたしました排水シミュレーションを行っておりまして、農業水利施設が持つ洪水貯留機能を最大限に活用できるよう、現在検討を進めているところでございます。  このほか昨年の八月豪雨を含め、近年、農地の浸水被害が頻発化しております神埼市南部地区の浸水被害を軽減するため、国、県、市町、土地改良区で組織します「浮島線流域治水検討会」を県が主導して設置をいたしました。  この検討会の中で、浸水の現状把握ですとか課題を抽出しながら、ハード、ソフト両面から実効性のある対策を現在検討しているところでございます。細かいゲート操作によるクリークの事前放流など、まずは今できるところから実行をしております。  各地域の流域治水対策を進めるに当たっては、まずは農業振興面、さらに産業振興面などを図るための土地利用計画を策定していただきまして、地域の将来ビジョンを描くことが大切でございます。県は市町が策定するこのビジョンづくりをしっかり支援してまいります。  また、流域治水対策に向けた農業水利施設の改修につきましては、県が実施しております排水シミュレーションの結果を踏まえ、施設の管理者であります市町や土地改良区に対しまして、県が積極的に関与しまして技術的なアドバイスを行うなど支援をしていくこととしております。  そして、再び豪雨災害が発生しても浸水被害が少なくなったと実感していただけるよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 5 ◎落合教育長 登壇=私からは二問お答えいたします。  まず、スクールソーシャルワーカーについて現場の声を基に御質問をいただきました。  まず、スクールソーシャルワーカーの役割についてお答えをいたします。  県教育委員会では、不登校対策総合推進事業の中で、平成二十年度からスクールソーシャルワーカー活用事業に取り組んでおります。この事業におけるスクールソーシャルワーカーの資格要件は、社会福祉士精神保健福祉士の資格を有する者、またはそれに準ずる者としております。  その役割は、議員からも紹介がありましたけれども、いじめ、不登校、暴力行為、児童虐待など、学校だけではなかなか解決することが難しい多岐にわたる生徒指導上の課題に対応するため、社会福祉等の専門的な知識、技術を用いて、児童生徒の置かれた様々な環境に働きかけて支援する重要なものだと認識しております。  次に、スクールソーシャルワーカー配置状況についてお答えします。  今年度は二十三人のスクールソーシャルワーカー県教育委員会が雇用をして、市町教育委員会を通じて全ての小中学校に派遣しており、県立学校には直接派遣をしております。その配置については市町教育委員会から活用の実績や要望を聞き取りながら調整をしています。  今年度におきましては、公立の小中学校の総配置時間は一万五千六百八十五時間、中学校区ごとの週当たりの配置時間では平均四・五時間となっています。これは文部科学省の予算上の基準ですけども、週三時間よりかなり頑張っていると認識をしております。  また、配置している二十三人のうち特に経験が豊富な五人をスーパーバイザーと位置づけまして、他のスクールソーシャルワーカー市町教育委員会の担当者に対し、児童生徒の支援などについての助言をしたり、後進の育成を行ってもらったりしております。  次に最後に、スクールソーシャルワーカーの今後の方向性についてお答えをいたします。  県教育委員会としては、スクールソーシャルワーカーによる支援は非常に有効だと認識をいたしております。今後とも、スクールソーシャルワーカーには「チーム学校」の一員としてその役割を果たしていただきたいと思っておりまして、支援の有効性をさらに高めるために、管理職のリーダーシップの下、その役割の周知、あるいは資質向上のための研修会の実施などに取り組んでまいります。  また、スクールソーシャルワーカー配置の拡充を図るため、国に対しては今年の政策提案におきましても、義務標準法で全ての小中学校に配置できるよう制度を創設することなどについて提案をいたしました。今後も国に対しては配置の拡充について積極的に提案をしてまいります。  次に二問目ですけども、十八歳に達した高校生の自動車運転免許取得について学校の対応を柔軟にすることについての私の認識を質問していただきました。  お答えする前に、現状を御説明いたしますと、まず、全日制の県立高等学校における、これは県立のですけども、自動車運転免許取得につきましてはそれぞれの学校の判断で一定の制限を設けております。各学校が自動車運転免許取得を許可する場合の条件としては、進路が内定していること、これは就職、進学の進路が内定していること、成績不振ではないこと、学校生活において生活態度などが良好であることなどです。  自動車学校に入校する時期の制限につきましては、就職する生徒の割合が多い専門学校などにおきましては、ほとんどの学校が進学や就職の進路が決定した直後の十月、あるいは十一月にかけて許可を行っております。  また、免許の取得につきましては、学校によりますけども、最終登校日、あるいは卒業式後としておりまして、就職先から卒業式前の免許取得を求められる場合には、保護者などからの申出によりまして早く許可するなど、生徒の進路に支障がないよう、柔軟な対応を行っているところであります。  高校生の在学中の免許取得について、各学校において制限を設けている理由としては、高校卒業に向け、学業に専念してほしいということ、交通事故の加害者にならないようにするため、そして、何より大切な命を守るためなどであります。  こうした制限の背景には、三年間預かった生徒を無事に卒業させたいという教職員の強い思いがありますし、恐らく我が子を思う保護者も同様ではないかというふうに考えております。  本来、児童生徒の学校外での活動について学校が制限を加えるということについては、必要最小限であるべきだと私は思っています。そのような考えの下で、一昨年、校則の見直しを全県立学校に指示いたしました。また、議員からも御指摘があったように、成人年齢が十八歳になり、高校生であっても法的には一人前の大人として扱われると、そういうふうになった中、法律で十八歳から認められている免許取得を学校が制限していいのかという議論も当然あってしかるべきだと思います。  しかし、万が一、事故が発生した場合の本人、あるいは御家族はもちろんですけれども、学校全体、特に友達、そういったものに対する大きなダメージを考えると、運転免許取得に対する現在の一定の制限は必要なものと考えております。  つい最近、今年七月ですけれども、唐津市内で発生した高校生のバイク事故で佐賀県立高校に通う高校生が死亡したという痛ましい事故がありました。改めて先ほどの思いを強めたところであります。  したがって、一律に禁止するのではなくて、学業や安全面、運転免許取得に要する期間、そういったものを考慮した上で、自動車学校への入校時期を定めているそれぞれの学校の現在の対応、先ほど申し上げたような生徒のニーズに応じて一定柔軟な対応をしながらでありますけれども、そういった現在の対応は、私は妥当だと考えております。  以上です。 6 ◎弘川貴紀君(拍手)登壇=おはようございます。自民党の弘川貴紀です。二月議会に引き続き、分かりやすくを最優先に、四項目四点、完全に一問一答仕立てで問いを立てて行いたいと思います。  問いの一は、地域内経済循環の促進についてであります。  本県ではこれまでに地産地消の推進や県産品の消費拡大、農産物や県産材の利活用、エネルギー自立等の取組を通して、地域内の資源循環を生かしてきています。その証拠に、食料自給率は全国平均三七%と比較して、佐賀県は九五%と非常に高く、西日本でもトップというデータが示されました。  この二年間は、コロナ禍のため広域的な移動が制限され、地域や生活圏内で消費行動を起こす頻度が増えたことに加え、「佐賀支え愛」をはじめとした様々な施策により、地域生活圏内でお金を使われているという実感は県民お一人お一人が感じられていると私は考えています。  この経済循環をさらによくするために、例えば、このような企画があります。同じ一万円を消費する場合、八〇%、八割を地元で消費し、次のサイクルでも八割、これを三回繰り返すと、一万円が倍近くの一万九千五百二十円の付加価値になります。これに対して、一万円が二割しか残らないサイクルを三回繰り返しますと、二千四百八十円しか回っていきません。三巡目にして約七・八倍の差になってくるというお話です。  県外や国外に売り込むことも当然大切な視点ではありますが、逆転の発想で、地域生活圏でこのサイクルを県全体で取り組むスケールメリットを生かせれば、ミクロ経済がマクロ経済となり、県内の経済は反転攻勢の手がかりをつかむのではないかと大いに期待しています。  今議会に提案されている「さが堆肥利活用スイッチ補助金」、定松、西久保両議員が議論されました。これも同じ論点だと思います。これまで堆肥利用が進まなかったところ、化学肥料の高騰で価格が逆転し、タイムリーな支援を行うことによって良質な堆肥が地元で循環していくのはとてもいい取組です。  加えて、プレミアム商品券やクーポン券発行事業など、そういうものを通してお金が循環していく効果をもっともっと発信していくべきと考えます。  「佐賀支え愛」局面では、一巡目では大きく地元に消費され、前進していますので、二巡目、三巡目までを広く事業者や県民の方々へ周知する必要があるのではと強く願っています。  そうすることによって、情けは人のためならずではありませんが、遠いところにあった消費による効果が、徐々に巡り巡って自分のほうに回ってくることを実感される日は近いと考えます。  一般質問でも議論された公共事業の増額や、地方債活用による積極財政で地域経済を支えるという視点、その一次効果を次の消費へつなげ、「支え愛」を、今度は深化する視点こそが、人と人の結びつきや自発の地域づくりが前へ前へ進んでいく未来の定番になり得ると確信しています。  そこで、仮称です。「”佐賀支え愛”第二弾 佐賀版ローカルファースト」、略して「佐賀支え愛SLF作戦」をささやかながら提案いたしますが、寺島産業労働部長にお尋ねいたします。  続いて、問いの二は半導体産業の振興です。  半導体は、デジタル産業を支える重要な基盤であり、安全保障にもつながる戦略技術であることから、今後、我が国の経済を支える中核を担う存在です。  世界の半導体の役割分担を俯瞰して見ますと、韓国はメモリー大国、台湾はロジック半導体を、中国はこれら二国から大量に輸入して完成品を作っています。そして、日本は製造装置と材料提供に大きな強みを持っています。「佐賀さいこうビジョン2022」の巻末での「世界に誇れる佐賀県」として、シリコンウエハー出荷額は千五百三十四億円で、全国一位というデータに示されているとおり、半導体素材の世界シェア六割を日本が占めています。
     こうした中にあって、八月二十七日に開催された「佐賀県から始まる日本の未来」というシンポジウムで、日本のインターネットの父と言われる慶応義塾大学の村井教授と、起業家として日本のデジタル社会を牽引する藤原洋氏は対談の中で、前工程の半導体製造装置は依然として強く、半導体産業の主体を後工程から前工程へ転換するチャンスである。この政策を佐賀から始めてほしいと言われました。知事提案理由説明の中でも、産業面で大切な半導体関連産業の川上部分を持っている強みを議論したとも書かれていました。  国は国家的プロジェクトとして、熊本に進出する台湾のTSMCに多額の補助金を投入しますが、日本企業、とりわけ県内企業にも、今現在やっている強い事業に少しでも並行して補助をしていくことが大変効率的と私は強く思っています。  県議会としても、県選出の国会議員の方々に、材料等を製造する県内企業の設備投資を支援するよう働きかけを行っています。  執行部サイドも六月に半導体産業の基盤強化について、国への政策提案がなされ、さらに今議会、「さが半導体魅力発信事業」という振興を目的とした事業も提案されています。県の意気込みを強く感じたところでもあります。県と県議会が束になって取り組むべき案件だと考えます。  過去を遡れば、我が国の半導体は世界シェアの半分を誇る産業でしたが、一九九〇年代以降、潮流というか、潮目を見違えました。過去の失敗を糧に国策として取り組むこととされており、将来を見据えた人材の育成、確保が必要となってきます。人手不足はあらゆる産業で課題となっており、県内だけで人材を確保することは至難の業であり、UJIターンなど、県外からも人を呼び込む視点が大切で、できれば佐賀に移住してもらい、定着に結びつけなければならないと思います。また、若い人たちに半導体産業の魅力を伝え、まずは興味を持ってもらうため、中長期的な視野での取り組みも肝要と考えます。  そこで、本県発展のために今後大きな成長が期待されるこの半導体産業が重要と思いますが、方向性について伺います。  問三に移ります。「SAGA2024」国スポを見据えた競技力向上です。  本番まであと二年となり、カウントダウンすれば、あと七百五十七日となっております。  各競技団体におかれては、本番を見定めてステップを踏まれており、県や佐賀県スポーツ協会もでき得る限りの精いっぱいの支援体制だと見てとれます。  今年は国体の予選である九州ブロック大会が無観客ということもありましたが、八月下旬に無事開催され、私も応援に熊本まではせ参じてきました。三年ぶりに栃木国体も早速明日、九月十日から会期前競技として体操や弓道などが開催される運びとなっており、佐賀県選手団には力を出し切ってほしいと心より願っています。  これまで本県は、SSP構想の下、育成システムや体制などの組織づくりは着実に大きな成果が出ており、コロナ対応と同じで、他県が簡単にまねのできない取組と高く評価しています。  加えて、今議会に提案されているSSP女性アスリート支援では、相談体制と女性アスリート外来の新設をすることにより、安心して競技に取り組める環境整備も整っていき、女子選手の躍進も期待できるようになっていくと予想されます。  さらに、SSP構想の成果は演告で示されたとおりでありますが、ワールドゲームズ・バーミングハム大会で銀メダルを獲得したスポーツクライミングの樋口選手、柔道グランドスラム・トビリシ大会の男子六十六キロ級で銅メダルの田中選手など、そして高校生アスリート、伊万里出身で多久高校の通谷律選手がクライミング世界ユース選手権で優勝するなど、インターハイ上位入賞者は大勢います。  このように、個人競技においては、場数を踏むことで、負けないしなやかさ、勝ち上がるコツを身につけたトップアスリートが多数輩出されており、国スポへの機運醸成とスポーツの力による笑顔の連鎖につながっていると考えます。  ここからが問題提起に入っていきますが、最終到達点である県が目標と掲げている「SAGA2024」国スポにおける天皇杯獲得からバックキャストした場合、二年前の現時点において、私は楽観視はできないのではないかということです。それは、得点の大きな大きなウエートを占める団体競技です。個人競技は優勝八点、二位以下は一点刻みに下がっていきます。団体競技四人以下まで優勝二十四点、二位以下は三点刻み、五人から七人の団体競技は、優勝四十点から五点刻みです。そして、八人以上の競技に至っては、優勝六十四点と大きく跳ね上がります。  天皇杯を確実なものにするためには、今、手綱を締め直すことが最重要課題で、今年、栃木国体の前のこの九月から年度末にかけて、この半年が本気で挑む最後の期間とさえ私は考えています。あと二年しかないというより、もう二年もあるというプラス思考で、年度末に向けて、例えば、栃木国体の大会直前や大会に入ってからのコンディションづくりとか、ターゲットエイジに当たる中学三年生の確保、選手層が薄い競技の成年種別選手の招聘、現役トップアスリートから本物を学ぶ取組などについて提案したいと考えます。  この半年の助走期間の滑走路で勢いつけば、ワンランク上の競技力向上につながると思いますが、どのように捉えていらっしゃるのかをお尋ねいたします。  最後の質問は、絵本を通じた「子育てし大県”さが”」の充実です。  県が二週間前に公開した動画があります。赤ちゃんの泣き声、ぷくぷくした愛らしい手で始まる動画、「佐賀での子育てさいこう」はDREAM編、FACT編ともに短い時間に凝縮していて、大変いい出来で、ほほ笑ましく見させていただきました。  佐賀の子育て情報誌が実施した子育て環境に関するアンケートにおいて、県民満足度八四%という結果にもあるとおり、認知度が高まってきており、未来に向けた胃がん対策や新刊児童書全点購入、「マイナス一歳からのイクカジ」など、約七十の事業を展開し、サポートの成果はかなり上がっていると感じています。  四年に一回実施された県民意識調査の報告書をつぶさに見させていただきました。県のプロジェクトの中で、「子育てし大県”さが”」は上位にランクされており、取組の満足度では「安心して子どもを産み育てることができる」の項目での「満足派」が「不満派」を三十一ポイントも上回る結果にもなっています。このことは、つまり、出会い・結婚から、妊娠・出産、子育てと継続的に切れ目なくサポートする事業が評価されたものであります。  今後も継続し、切れ目のない支援をさらに充実させてほしいと願いながら、一つ、事業に加えてほしい案件があります。それは、昨今の世情はじっくり待てない世の中になりつつあります。常にせき立てられている気分が充満し、コロナ禍も相まって、地域コミュニティーが少し薄れてきているせいもあってか、社会全体で子供の誕生を祝ったり、育てたりするメッセージ性も少なくなってきています。  世界では赤ちゃんに絵本を贈る活動が広がってきています。イギリスで一九九二年に始まったこの活動は、二〇〇〇年の「子ども読書年」をきっかけに、二カ国目にこの日本でスタートし、最近では佐賀県がお手本にしているフィンランドやオランダで国を挙げて始まりを見せています。  日本での取組はどういう状況にあるのか、全国を調査してみました。今年八月末の速報値を調べてみると、驚きが二つありました。一つは国内の千七百四十一自治体の何と八二%、千四百二十三自治体が、これは市町村でありますけれども、全国津々浦々で赤ちゃんに絵本が届けられていました。子育て支援は費用対効果が高い次世代への投資なのだということを実感いたしました。  もう一つの驚きは、都道府県単位で全市町に対する実施市町を集計しました。九〇%以上実施している県が十一県ありました。福井と香川に至っては一〇〇%、佐賀県はどうかというと、山口県と並んで最下位という結果に愕然としました。二十市町のうち十一市町で実施、五五%という結果でした。  さらに、掘り下げてみますと、佐賀市は平成十七年からこの事業を廃止しています。鳥栖市は平成二十年から平成二十四年の期間限定で実施となっていました。明らかに住むところで格差が生じている状況でした。  このブックスタート事業は、「心のミルク」であり、母子保健、子育て支援からひいては読書支援、さらに子育てを温かく見守ってくれる読み聞かせボランティアなどの自発のまちづくりにもつながるとてもいい政策と思います。  佐賀県でどのくらいの赤ちゃんが生まれているのか、これも調べてみました。令和二年、佐賀で誕生した赤ちゃんは六千四名、令和三年五千八百五十三名です。そんなに減っていません。出生率は佐賀県は全国七位、合計特殊出生率は一・五六は八位となっており、十五歳未満人口比は全国三位とデータも示しています。  県が、生まれてくる全ての赤ちゃんにおめでとうのメッセージを込めて絵本を家庭に届けるということはできないでしょうか。忙殺される大変な子育て、絵本を広げて読み聞かせをする親子のほほ笑ましい光景が目に浮かびます。読み聞かせボランティアをじっと見詰める母親と子供、父親と子供も想像されます。社会全体で誕生を喜び、社会全体で子育てを応援する機運づくりも生まれると考えます。全国初の取組として佐賀県が風を起こすことで、さらにさらに充実していくと思い、御提案いたしますが、種村男女参画・こども局長に答弁をお願いしたいと思います。  以上、四問とも積み上げ方式、いわゆるフロントキャスト思考では、グランドデザインにおいての到達点には行きづらいのではないかと私は考えています。未来の定番をしっかり見据えた、到達点からのバックキャスト思考で前に推し進める視点での質問です。執行部のプラス思考の答弁を求めて提案とさせていただきます。(拍手) 7 ◎寺島産業労働部長 登壇=弘川貴紀議員の御質問にお答えいたします。  私からは、二項目についてお答えをいたします。  まず、地域内経済循環の促進についてでございます。  議員から、県民や事業者の皆様がお互いに地域内で消費、取引を行うことによって、地域でお金を循環させるという取組を行ってはどうかという御提案をいただきました。その趣旨については大いに賛同するところでございます。  県内には、「佐賀牛」や佐賀のりなどをはじめといたしまして、全国や世界に誇る高品質な農林水産物、加工食品、また、伝統工芸品などがございますし、高い技術力を有する企業も数多くございます。地域経済が循環するポテンシャルは高いというふうに認識をしております。  こうしたことから県では、率先して地域内経済循環を図る取組を行っているところでございます。それは、県が推進をしておりますローカル発注でございます。これは、まさに県内企業でできることは県内企業に発注するということによって、県内企業、そして、従業員の皆さんの所得向上を狙ったものでございます。この取組は補助事業にも広げておりまして、県の補助金を活用して事業を行われる場合は、事業者においてもローカル発注に努めていただくということを補助の条件としております。  また、コロナ禍において、県民みんなで事業者や生産者の皆さんを支える「佐賀支え愛」活動として、県内の旅館、ホテルに宿泊して観光していただく宿泊キャンペーンですとか、県内の飲食店で食事をすることで飲食店や納入事業者、生産者の皆さんを支援する食事券事業などの事業に「佐賀支え愛」の名を冠して取り組んでいるところでございます。  一方、県民の皆様の間では、例えば、贈答品に県内のものではなく、県外のものを使われているといったようなお話はよく耳にしております。県産品の購入促進に、より一層力を入れていく必要があるというふうに考えております。  ただ、企業の取引、調達に関しましては、例えば、大量仕入れにより大幅にコストダウンをされているような商品ですとか原材料などを利用されている場合、それを域内調達に変えることによって、もしかすると消費者の皆様に安価な商品を提供できなくなるおそれがあるかもしれません。そういったなかなか難しい部分もあるのかなというふうに思っております。  こうしたことをもろもろ踏まえまして、私どもといたしましては、県産品の国内外への販路開拓により域外からお金を稼いでくるということとあわせまして、地域内経済循環につきましては、まずはできるところから県産品の消費拡大やローカル発注に取り組んでいただくよう、経済団体をはじめ関係団体などにも御協力をいただきながら、県民、そして事業者の皆様に呼びかけてまいりたいと考えております。  次に、半導体産業の振興についてでございます。  議員から大変力強いエールをいただきました。半導体は、5Gやビッグデータ、あるいはAI、IoTなどのテクノロジーが浸透したデジタル社会を支える大変重要な基盤でございます。半導体産業は、世界の市場規模が二〇二〇年時点で約五十兆円のところ、二〇三〇年には約百兆円になる、倍増するといった予測もあるなど、今後大きな成長が期待される産業と考えられております。  一方、県内に目を向けますと、高い世界シェアを誇る企業ですとか、独自の技術を生かして精密加工を行う中小企業など四十社を超える半導体関連企業がございます。半導体産業は、県内においても一定の集積が認められる産業であるというふうに認識をしております。  こうしたことを踏まえまして、先般、県内の半導体関連企業の皆様にお集まりをいただいて、会議を開きました。あわせて、個別に企業も訪問させていただき、いろいろと情報交換、意見交換をさせていただきました。  その中で企業のほうからは、例えば、半導体市場の伸びに人材確保が追いつかず苦慮しているといったお話ですとか、半導体の製造工程は非常に多岐にわたっていて、多くの企業が関わっているということもあって、特に若い世代の人たちの半導体産業に関する認知度が低いと、そういった課題が示されたところでございます。  そのため、まずは半導体関連企業の皆さんに、県が開催する合同企業説明会などへの参加を呼びかけますとともに、中長期的な視点になりますが、大学に進学する生徒さんが多い普通科高校に、半導体関連企業から講師を派遣していただき、半導体産業の現状、魅力を直接伝えていただくセミナーを今、試行的に開催をしているところでございます。  そして、こうした取組に加えまして、今議会で予算をお願いしております「さが半導体魅力発信事業」では、半導体の今とこれからといったものをよく知ってもらおうということで、半導体が切り開く未来などをテーマとした、いわゆるZ世代向けのシンポジウムを開催いたしますとともに、企業の今をリアルに知っていただくための工場見学ツアーや、社員の皆さんの働く姿やインタビューなど現場の魅力を伝える動画の制作を行いますほか、半導体業界の最新情報を共有し、企業の取引拡大につなげることを狙いとするトップセミナーを開催したいと考えております。また、人材確保という観点では、UJIターンによる人材確保のため、首都圏において「佐賀の仕事と暮らし まるごと相談会」を開催する予算もお願いしているところでございます。  半導体産業は、本県の経済を力強く牽引していくことが期待されますことから、県議会をはじめ、国、市町、関係機関・団体、そして教育界とも連携をして、さらなる成長発展に向けてしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 8 ◎宮原SAGA2024・SSP推進局長 登壇=私からは、「SAGA2024」国スポを見据えた競技力向上についてお答え申し上げます。  県では、SSP構想の下、「SAGA2024」国スポを大きな通過点として、佐賀らしい戦い方で天皇杯を獲得することを短期目標として競技力向上に努めております。  平成二十七年度に競技力向上対策本部を立ち上げまして、これまで各競技団体への活動支援を中心といたしまして、様々な強化に取り組んでまいりました。  ここ二年は、コロナ禍で国体が開催されなかったため、国体における全体的な評価は難しいところではございますが、議員から御紹介いただいたとおり、最近の活躍を見ますと、成果は着実に上がっていると認識しております。  私も、九州ブロック大会、行ける限り現地に、熊本も行きまして応援させていただきました。九州ブロックを突破した競技数も全体としては増えた一方、「SAGA2024」を見据えて、二年前となるこの時期としては、想定していたような結果が得られなかった競技も一部ございました。本番まで二年前となるこの時期、そして、三年ぶりの国体が開催され、結果が出た後の半年間は、私も「SAGA2024」に向けた強化にとって大変重要な時期であると考えております。  このため、まずは今年の九州ブロック大会、そして、栃木国体の結果をそれぞれ早急に分析することとしております。そして、全ての競技団体と意見交換を行いまして、それぞれの実情に応じて強化策を点検し、見直すべきは見直し、必要な対策を講じること、効果がある取組も油断することなく加速させることなどに取り組んでいきたいと思います。  特に団体競技につきましては、御紹介いただきましたとおり、国スポでの入賞点数の配分比重が高く、確実にポイントを重ねることができるかどうか、これが天皇杯獲得の大きな鍵となると思います。  団体競技の強化を進める上では、チームを単独でつくるのか、選抜でつくるのか。そして、選抜チームの場合、チームとしての連携をいかに強化していくのか。議員からも御提案がありましたように、選手層が薄い場合、ふるさと選手の確保や少年競技の選手発掘など、どういったことで進めていくのかなどの課題がございます。これまでも取り組んできたところではございますが、分析の結果を踏まえ、競技団体ごとの実情に応じた強化策にしっかり取り組んでまいりたいと思います。  中でも選抜チームの連携につきましては、九州ブロック大会の結果から早急な対応が必要であると認識しておりまして、県外遠征を含めた合同練習会を増やすなどの対策を実行したいと思っております。  また、議員から御提案いただいた大会前のコンディションづくりに関しましては、これまで一流指導者招聘事業において取り組んできた競技団体も一部ございますが、特に栃木国体は三年ぶりに開催される国体での実践の場となりますことから、改めて競技団体と共有いたしまして、その結果を来年、そして、「SAGA2024」へとつないでいくようにしたいと思います。  明日から会期前実施競技が始まる三年ぶりの栃木国体においては、佐賀県からは開催される全ての三十七競技に約四百名の選手が出場いたします。前回の茨城大会の三十三位を大きく上回り、今回は十位台前半を目指し、佐賀県の代表として全力で戦ってくれると期待しております。  「SAGA2024」までの二年間、今回の栃木国体の結果も踏まえ、オール佐賀、チーム佐賀で天皇杯獲得という大きな目標に向かって、気を引き締めてしっかりと競技力向上に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 9 ◎種村男女参画・こども局長 登壇=私からは、絵本を通じた「子育てし大県”さが”」の充実についてお答えいたします。  県では、楽しく子育てをしてほしいとの思いを持って、平成二十七年に「子育てし大県”さが”プロジェクト」を立ち上げ、出会い・結婚から、妊娠・出産、そして子育てといった各ライフステージにおいて様々な支援策を充実させることで、佐賀の子育て環境を磨き上げております。  議員からお話がございました社会全体で子供の誕生や育ちを喜ぶ機運づくり、これは子育て環境を充実させていく上でとても重要なことだと認識をしております。  県では昨年度、PR動画「さがウエディングストーリー」を作成いたしました。妊婦さん、長年連れ添われた御夫婦、四世代家族など様々な夫婦や家族が登場し、結婚や家族のよさを伝えるとともに、多くの県民が結婚、出産、子育てを祝福し、応援している姿を描いております。この動画には、佐賀県はみんなで結婚や出産、子育てを応援する県であるというメッセージを込めております。  また、佐賀県で生まれてくる赤ちゃんの誕生を祝福したいという思いを込めまして、佐賀県オリジナルの出生届と命名書を作成し、県内の産婦人科や市町の窓口に配布しております。大切な赤ちゃんの誕生の届出をより思い出に残るものとしてほしいと願ってございます。  さらに、子育て世帯を応援する協賛店が、割引や特典などで支援する「子育て応援の店」でございますが、これは県内約千五百ものお店に事業の趣旨を賛同いただいておりまして、子育て家庭を社会全体で応援しているところでございます。  議員から御提案がございました、生まれてくる赤ちゃんに、おめでとうのメッセージを込めて絵本を家庭に届けるブックスタート事業でございますが、これは本に親しむきっかけづくりというのはもちろんでございますが、絵本を通じた親子の絆づくりですとか、地域の人と親子をつなぐ子育て支援など幅広い役割があるというふうに思います。県内の市町におきまして、取組状況はなかなか厳しいというお話がございましたけれども、市町におきましては、赤ちゃんの誕生をお祝いするために、このブックスタート事業のほかにも地域の伝統工芸を生かしたお祝いの品を贈呈するとか、それぞれ市町で工夫をしながら子育て支援に取り組まれているものと承知をしております。  県といたしましては、議員御提案の事業、この趣旨、しっかり参考にさせていただきながら、今後も安心して楽しく子育てができるよう、県民の声にしっかりと寄り添いながら「子育てし大県”さが”」をさらに進化させてまいります。  私からは以上でございます。 10 ◎稲富正敏君(拍手)登壇=議長より登壇の許可をいただきましたので、私の一般行政に対するお尋ねをさせていただきます。  その前に、一昨日、留守議員、そしてまた土井議員より、古川貞二郎さんや京セラの創立者稲盛さんを賛嘆するお話があっておりました。とある人が私に言ったわけです。稲富君は宮崎泰茂君に大抵世話になったろう。巨星じゃなかばってん、小さな星ばってん、ヤスさんのこともちかっと触れてくれんやと言われましたので、ちょっと触れてみたいと思います。  執行部の天敵とでも言うべき宮崎泰茂、県議会の天敵とでも言うべき宮崎泰茂、(笑声)私が三期目の三年の間、議運の副委員長、理事、委員長をさせていただいたとき、とてもとてもこなされました。しかし、そういう厳しいことを言う人ですが、私に一事不再議、行き詰まったときには両論併記というアドバイスをしていただきました。私たちが議運をしているとき、古川県政の頃、たくさんのことがありました。For example、佐賀市の水道局跡地問題、「佐賀牛」がやばいドバイ、(笑声)そのたんびに古川知事の減俸問題、非常に頭を痛めました。宮崎泰茂さんは厳しいことを言いながら、何で厳しいことを言うか、裏を返せば、ある意味、弱い人間だったかもしれません。そういうふうに気づいたとき、非常に親しみを感じました。宮崎泰茂さんは、娑婆永劫の苦を捨てて西のかなたに旅立たれました。そして、次に挑戦され、また次も挑戦されましたが、ここで一句、「後ろ髪 引かれるかもな 県議会 故宮崎泰茂」。  それでは、私の一般質問に入らせていただきます。  環有明海振興策について出しております。  私たちは、今までもこれからも新幹線は佐賀空港経由と訴え続けていきます。なぜならば、日本には九十カ所以上の飛行場がありますが、いわゆる本格的なハブ空港はありません。日本で名実ともに本格的なハブ空港の可能性は佐賀空港以外にはないとのことです。もし日本領空内でよど号事件、テロ等が発生したならば、安心して着陸できる飛行場は皆無だと数十年前から聞き及んでおります。そういう状況からも日本には本格的なハブ空港の設置が必要であると訴える人あまた。ゆえに新幹線は南回りが正解であります。  新幹線路線は現在まで在来線との関係が第一で決定され続けました。しかし、新幹線佐賀空港駅設置に関しては、将来、日本国内のみならず、発展著しいアジアに対する日本の西の玄関口として位置づけ、世界的にも希有な新幹線・空港・高規格道路の結束が実現することとなり、人流、物流が飛躍的に、革命的に相乗効果を発揮することができると想像できるのではないでしょうか。  このことは佐賀南部が大化けすることは間違いありません。停滞ぎみの有明海沿岸地域が、今後、有明海沿岸道路の延伸、島原道路、熊本天草幹線道路等を結び、環有明海の繁盛、繁栄が期待されるのです。その中心地が新幹線佐賀空港駅であり、環有明海振興の中心地となることでしょう。  ここで、この思いに対して、知事、執行部の所感を伺います。  以上のように、環有明海地域は大きく成長する可能性を秘めているようです。しかし、黙って手をこまねいていても可能性はいつまでたっても可能性でしかありません。積極的に仕掛ける、動く、この姿勢が必要であります。この思いを抱いてお尋ねします。  まず、有明海観光連合についてであります。  六月五日付の地元紙において、佐賀など有明海沿岸四県の市町観光協会などが県境を越えて連携する「環有明海観光連合」が六月四日に発足したとの記事が目に飛び込んでまいりました。記事によりますと、「竹崎城址や肥前浜宿、嬉野温泉など圏内全体で外国人を含む観光客誘致を目指す。地域産品を集めた物産展の開催を検討するほか、柳川の川下りや島原城など県境を越えた観光ルートの作成やPRにも取り組む。」とされております。しかも、佐賀空港で設立総会が開催されたとのこと。  御案内のとおり、私は九州新幹線西九州ルートにつきましては、南回りの積極派であり、佐賀空港に新幹線駅ができ、佐賀空港が外国人も含めて観光客受入れの玄関口となり、その観光客が有明海沿岸道路やJR、私鉄の在来線を経由し、有明海沿岸四県の観光地に散らばり、地域が盛り上がり活性化する、そういう青写真を描いておりますが、「環有明海観光連合」の取組は、まさに私の思いと重なる取組だと、ぐぐっときました。  「環有明海観光連合」の取組は、佐賀県にとっても大変意義のある将来性のあるものと私は期待して、心躍らせ県の担当課に尋ねたところ、それは大牟田の観光協会が言い出されたことで、県はあずかり知らないとの答えでした。知事も出席されスピーチされたのに、民の活動は民だけでやれということでしょうか。県は関わらないということでしょうか。執行部の見解を求めます。  数年前、佐賀県と福岡南西部の筑後地区が連携して、このエリアの持つポテンシャル、可能性を生かして一体的な発展を目指し、様々な取組を進めていきましょうという目的で、筑後佐賀一帯圏連携事業が始められたと思います。この事業に取り組む際は、議会にもこういうことで取り組むとの報告、説明があっておりましたが、最近は全く説明もありませんし、取組がニュースに取り上げられることもありません。この政策についても私は大変期待しているところでありますが、今現在どういうことをされているのでしょうか、お尋ねします。また、今後どうやっていこうと考えているのか、執行部にお尋ねします。  ここで一言。企画課がとある課題に取り組みますとの説明はありますが、この筑後佐賀連携事業を含め、その途中経過とか結果について議会にはほとんど説明があっておりません。また、職員録を見ると、政策部には複数の調整監が配置されておりますが、議会に対し、政策調整監が何をされているのかといった説明もないし、これはどういうことでしょうか、お尋ねします。  政策部の企画チーム、昔の企画課ということですが、ここで県の将来を見据え、重要施策の企画立案及びその推進に取り組まれていると聞いております。ここまで話してきたとおり、環有明海地域の発展の伸び代は大きく広がっていきます。そして、その九州地図を俯瞰すれば分かるように、その中心となるのは佐賀空港、そして、佐賀県になることは一目瞭然であり、環有明海地域の振興が図られれば、おのずと佐賀県の発展につながっていくものと私は確信しております。  そこで、環有明海地域の振興を、企画チームが担う佐賀県の重要施策として位置づけ、さらに深掘りし、前に進めていただきたいと思います。環有明海地域の振興は、道路、鉄道、農畜産業、観光などその分野は多岐にわたり、市町や他県との調整も必要となります。そうなりますと、このミッションを担えるのは佐賀県庁では企画チームを置いてほかにないと思いますが、執行部の見解をお尋ねいたします。  次に、私たちに身近な有明海沿岸道路についてであります。  この道路は、御案内のとおり、大牟田市から鹿島までの約五十五キロメートルの自動車専用地域高規格道路です。私も、嘉瀬-芦刈間、そして、福富まで開通すると、この道路のすこぶる快適でストレスなく短時間で武雄まで帰ることができます。開通後まもなく地震(?)のために不通の期間がありましたが、県南西部の人々にどれほど寄与しているか明白であります。長崎県にも相当多大に貢献しておりますところの有明海沿岸道路の嘉瀬-大川間、また、福富-鹿島までの完成はいつ頃になるのかお尋ねします。  この有明海沿岸道路は、まず、現計画である鹿島まで早い時期に完成することが大事だと思いますが、環有明海地域を大きく飛躍させる、大化けさせるためには、鹿島から諫早方面に延伸し、同じく地域高規格道路である熊本天草幹線道路と結ぶことを考えるべきだと思いますが、執行部の見解を求めます。  次に、九州高規格道路ネットワーク計画図を何回となく見て感ずることは、数年前まで鹿島-諫早間は全く無印でしたが、最近の計画図を見てみれば、白丸の丸印で示されています。この図の中で、赤い線は供用中であり、赤い点線は事業中であり、赤い丸印の線は調査中であります。何もなかったところにともかくも白丸の丸印、つまり、構想路線に浮上したことは執行部の頑張りのたまものと敬意を表します。この路線が早い時期に調査路線となり、事業路線となり得るのか、執行部へお尋ねします。  次に、長崎本線非電化についてであります。  新聞報道によれば、地方鉄道は人口減や新型コロナウイルス禍で利用者が減少しているとして、今年七月二十五日に国土交通省の有識者検討会が地方鉄道に関する提言をまとめられ、その内容を見ると、輸送密度千人未満などの区間について、国主導で自治体や鉄道会社と協議会を設置し、バスなどへの転換を議論する仕組みの創設などを盛り込んだとされています。  民間企業であれば、経営が厳しければ事業の在り方を見直そうという動きにつながることは十分理解できますが、旧国鉄であるJR各社は果たしてそうでしょうか。JRの歴史を振り返れば、昭和六十二年に旧国鉄が分割・民営化された際の国鉄の借金は三十七・一兆円でありました。将来収支を考慮の上、JR本州三社及びJR貨物が五・九兆円を、新幹線鉄道保有機構が五・七兆円を、国鉄清算事業団が残り二十五・五兆円を継承した一方で、いわゆるJR三島であるJR北海道、JR四国及びJR九州は、営業損失が見込まれることから国鉄の長期債務を継承せず、逆に鉄道ネットワーク維持向上を図るため、収益調整措置として、その運用益によって不採算路線を含め事業全体の営業損失を補うことができるよう経営安定基金が設置されて、JR三島で一・三兆円、JR九州に限れば三千八百七十七億円が配分されています。  こうした国の手厚い支援の下、JR九州は、鉄道事業に加え、駅ビル、不動産事業等を展開しながら、着実に利益を計上するという優良会社に変貌し、平成二十七年の法律改正によりJR九州は完全に民営化されました。その際、経営安定基金の三千八百七十七億円は国庫に返還されることなく、JR九州の財産として振り替えられています。  当時の国の見解では、JR九州の自主性を確保しつつ、経営安定基金が果たしている機能、目的を実質的に確保する観点から、長期安定的な収益を有するほかの資産への振替や、将来の鉄道ネットワークの維持向上に必要な鉄道資産への投資に充当されるとされております。  その使途の具体的な取扱いとして、一つ、九州新幹線鹿児島ルートの貸付料の一括払いに二千二百五億円、鉄道資産取得のための鉄道運輸機構から借り入れた無利子借入金の償還財源の振替に八百億円、鉄道ネットワークの維持向上に必要な鉄道資産への振替に八百七十二億円とされております。JR九州としては非常に大きな財政支援であったと考えています。  このように国から手厚い保護を受けたところでありますが、民営化に際し、国はJR会社法に基づき、JR九州が踏まえるべき事業経営の指針を定めるとされており、その指針には「現に営業している路線の適切な維持」がはっきりとしっかりと明記されています。にもかかわらず、江北-諫早間の在来線特急を大幅に減らし、肥前浜駅より南側は非電化とするということはどういうことでしょうか。JR会社法に抵触、違反しているのではないでしょうか、執行部にお尋ねします。
     以上のことは平成十九年、古川前知事の時代で、佐賀県、長崎県、JR九州の三者合意で決定したことであり、今さら蒸し返してもという思いもありますが、ここで残念なことは、当時の知事はじめ執行部は、なぜもっと強者に対し弱者の声、田舎の声、ひなの論理を主張されなかったかということです。その主張された足跡が見聞されないことです。  廃線と言われれば、JR会社法に違反しますよ。上下分離と言われれば、八百七十二億円もらっているじゃないですかという主張が全然されていないように思います。まるで丸飲みです。平成十九年当時の知事がもし山口知事だったら、どういう判断、対応をされたのでしょうか、この内容で合意されたでしょうか、お尋ねします。  また、江北駅から諫早駅までの間は、上下分離方式により新幹線開通後二十三年間はJR九州で運行するとなっておりますが、二十三年経過したら誰が運行するのでしょうか。JR九州は手を引きたくて仕方ないだろうと思いますが、JR九州の民営化までの経緯、JR会社法を踏まえると、JR九州が引き続き運行すべきだと思います。  そこで、JR九州が運行したくなるような環有明海振興を図っていくことが重要ではないかと思います。そうすることが非電化を解消し、JR九州が自ら運行しますというような地域づくりこそが重要ではないでしょうか、執行部の見解を問います。  次、食と農と漁を生かしたイノベーションについてであります。  とにもかくにも有明海太良方面は、太陽はさんさんと輝く海辺の町なのに、ひなの地としてとどめを刺したのは非電化ではないかと思われて仕方がないのです。この地域は真実の意味で日の当たるところ、地球の引力、ドラマが実感されるところ、四季折々の海の野鳥の楽園、のどかな塩の味のする温泉、ミカンの花咲く海岸線、神様がお通りになる海中鳥居はとても伝説豊かです。この地域に、県の底力による光を与えていただきたくお尋ねします。  つまりは佐賀県でおいしいものを食べさせる一大拠点づくりについてであります。  北大西洋に面したフランスとスペインにまたがるバスク地方とかバスク自治区とかは、スケールは小さいですけど、有明海沿岸と似通ったところがあるようです。  このバスクは、日本ではバスク風チーズケーキで有名です。ヨーロッパでも有数の美食の地として知られ、多くの観光客でにぎわっているとのことです。中でも美食の町として世界にその名をとどろかせているのがサン・セバスティアンです。町なかにはミシュラン星つきのレストランが多く点在しています。バル街には物すごい数のバルが軒を連ねているとのこと。私も一度行ってみたいと思うと同時に、佐賀県にもこういう町があればいいなと思っておりました。そういう思いの中でのお尋ねです。  皆さん、コハダという魚を御存じだと思います。コハダは江戸前ずしの高級ネタの一つとして知られています。このコハダですが、関東の市場で全国一の取扱量を誇っているのが太良町の大浦漁港で水揚げされるコハダです。大浦漁港で水揚げされたコハダは空輸で東京豊洲市場に運ばれ、江戸前ずしとなり、東京をはじめとした関東の方々の食通をうならせているそうです。  それでは、そのコハダを佐賀県で食べようと思ったら食べることはできるでしょうか。残念ながらほとんど食べることはできません。佐賀県で水揚げされる魚を佐賀県民が食べることができないなんて何と寂しいことでしょうか。脱皮カニの天ぷらや須古ずしなども珍味中の珍味であります。同じようにそうめん、神埼地方はそうめんの産地として知られています。夏場の冷やしそうめんはどこの家庭でも定番です。そんなそうめんですが、例えば、カレーをかけたり、パスタ風にしたりと、ちょっとした工夫で何倍も何十倍もおいしく食べることができます。佐賀県は食材に事欠かないわけですから、いろんなそうめんを提供できるのではないでしょうか。そういういろいろなそうめん料理が楽しめる場所があればいいなと思いませんでしょうか。  佐賀県は有明海と玄界灘の二つの海に面しています。有明海のノリやカニやカキ、ムツゴロウ、玄界灘のイカ、タイ、クルマエビ、アワビなど、おいしい食材が水揚げされています。これも佐賀県ならではの特徴です。有明海産、玄海産のおいしい食材を使った料理が同じところで提供される場所があればいいなと思います。  太良、鹿島には元気な畜産農家がまだまだおられますが、同じようなことが、その人たちが生産される牛肉、豚肉、鶏肉、野菜ではタマネギやレンコン、お茶などにも言えます。つまり佐賀県の農産物、海産物、「佐賀牛」、「若楠ポーク」などを利用したメニューを西九州大学に提案してもらうのも一つの方法ではないでしょうか。  そして、佐賀県には何よりも世界に認められたおいしい酒があります。私は酒は飲めませんが。  この質問の最初にバスクのことを紹介しましたが、もちろん売り方にもよりますが、食は世界中から観光客を呼び込むことができる要素となり得るものです。佐賀県には十分その能力が備わっていると思います。中でも鹿島・太良地域は特にその潜在能力が高いと思います。浜駅から先に人を呼び込むため、太良町に佐賀県のおいしい食が一堂に会し、提供される拠点をつくってはどうかと思いますが、執行部の見解をお尋ねします。  最後に、今回の登壇の趣旨は、もっともっと西の方面に施策をと訴えたかったのです。私の一夜漬けの案ではなく、目からうろこが落ちるような案がないものか最後に執行部へお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手) 11 ◎議長(藤木卓一郎君) 暫時休憩します。     午前十一時五十四分 休憩 令和四年九月九日(金) 午後一時三十分 開議  出席議員    三十五名     一番  下 田   寛     一六番  古 賀 陽 三     三〇番  徳 光 清 孝     二番  桃 崎 祐 介     一七番  川 崎 常 博     三一番  中 倉 政 義     四番  古 川 裕 紀     一八番  定 松 一 生     三二番  石 井 秀 夫     五番  一ノ瀬 裕 子     一九番  江 口 善 紀     三三番  留 守 茂 幸     六番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  木 原 奉 文     七番  古 賀 和 浩     二一番  八 谷 克 幸     三七番  石 倉 秀 郷     八番  井 上 祐 輔     二二番  向 門 慶 人     三八番  土 井 敏 行     九番  木 村 雄 一     二三番  坂 口 祐 樹    一〇番  中 本 正 一     二四番  宮 原 真 一    一一番  野 田 勝 人     二五番  原 田 寿 雄    一二番  冨 田 幸 樹     二六番  岡 口 重 文    一三番  弘 川 貴 紀     二七番  大 場 芳 博    一四番  西久保 弘 克     二八番  武 藤 明 美    一五番  池 田 正 恭     二九番  稲 富 正 敏 欠席議員    二名     三番  田 中 秀 和    三六番  藤 木 卓一郎 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    南  里     隆          政  策  部  長   進     龍太郎          総  務  部  長   甲  斐  直  美          地域交流部長       山  下  宗  人          県民環境部長       古  賀  英  敏          健康福祉部長       久保山   善  生          産業労働部長       寺  島  克  敏          農林水産部長       山  田  雄  一          県土整備部長       大  呑  智  正          危機管理・報道局長    野  田  嘉代子          文化・観光局長      實  松  尊  徳          SAGA2024・          SSP推進局長      宮  原  耕  司          男女参画・こども局長   種  村  昌  也          会 計 管 理 者    元  村  直  実          警 察 本 部 長    松  下     徹          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    古  賀  千加子          選挙管理委員長      大  川  正二郎 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       今  村  盛  史          同    副事務局長          政務調査課長事務取扱   吉  田     泰          総  務  課  長   碇     一  浩          議  事  課  長   篠  田  博  幸          総務課副課長       田  中  信  二          議事課副課長       原     康  祐          政務調査課副課長     西  田  里  美          議事課議事担当係長    椎  葉  奈  美          同 委員会担当主査    井  原  諒  子     ○ 開     議 12 ◎副議長(宮原真一君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。  稲富正敏君の質問に対する答弁から開始いたします。 13 ◎山口知事 登壇=稲富正敏議員の御質問にお答えいたします。  JR九州についての考え方、長崎本線の減便、非電化、そして、沿線地域、県西部地域の振興など様々な点についてお尋ねをいただきました。順次お答えしたいと思います。  まず、JR九州についての考え方です。  JR九州は、もともと国民の税金の塊で造った国鉄の資産を受け継いで、経営安定基金三千八百七十七億円で支えられてきた会社であります。私鉄とは成り立ちが違うわけであります。そして、JR九州は経営が厳しい、言い方を換えますと不採算路線を多く抱える、いわゆる三島会社の一つです。三島会社というのは言うまでもなく、JR北海道、JR四国、JR九州、この三島。この三島は、そもそも経営が厳しかろうということもあって、国鉄から継承されるときに、例えば、固定資産税においても三島特例だとか承継特例という制度で軽減策が取られたという会社です。  そして、私が思うには、昭和六十二年の国鉄民営化の際に、このJR九州を含めた少なくとも三島会社においては、将来にわたって公的関与を担保する方策を講じておくべきだったんではないかと私は思います。  そして、JR九州が上場した際、これは平成二十八年になりますけれども、沿線自治体が出資することなどによって、経営の在り方について意見することができるようなことも行っておくべきだったのではないかと私は思います。  JR九州は、上場して駅ビル、不動産事業を中心に収益性を確保しておりますけれども、上場会社ということであれば、通常収益を重視して株主に還元しようとするのは、ある意味やむを得ない、なので、JR九州が外国の資本家などなど、そういったところの意向を考えるということは、これは経済の趨勢からしてやむを得ない面もあるのかなと今となっては思うわけであります。  ただ、やはりJR九州には、先ほどるる述べたようにそもそもの成り立ち、民営化の経緯などから、そして、例えば、災害対策基本法には指定公共機関としての公的役割も課せられているわけであります。そういった自らの社会的責任、公共的役割をしっかり果たしていただきたいと思います。  長崎本線の上下分離区間における特急列車の大幅な減便や非電化については、西九州ルートの整備に当たって、平成十九年、古川前知事のときに合意した佐賀県、長崎県、JR九州の間での三者基本合意を受けて、翌平成二十年に確認されたものです。  大臣指針についてお話がありました。これは自治体も含めた三者基本合意であるものですから、いわゆる稲富議員がお話しになる会社法に基づく大臣指針に反するものとは、今となっては言えないんではないかなと、地元も同意しているわけですから。ただ、稲富議員がおっしゃるように、その前に十分な議論を尽くせたのかということについては私も同感でありまして、その決定の前に県庁の内部で、そして県議会で、このJR会社法の趣旨も含めて十分な議論を行ったのかどうか、このプロセスは必要であったのではないかと私は強く思います。  そして、この西九州ルートの整備については、平成十六年十二月に当時の知事が、整備新幹線の財源議論に乗り遅れないためにという理由から、長崎本線沿線の自治体が反対する中、並行在来線のJR九州からの経営分離はやむを得ないと判断したことから大きく動き出しています。その後、並行在来線の沿線自治体の同意が取れないことから、いわばウルトラCとも言える上下分離でJR九州が運行することで沿線自治体の同意を不要とする判断となったわけです。  私が当時の知事であったならばどう判断したかというのは、仮定の話でありますが、お尋ねなのでお答えしたいと思います。  長崎本線沿線の自治体が反対する中で、説明責任はそこから果たしていくという、そのような地域の思いを置いたまま、時間をかけずに決めていくという判断は、私はしなかったであろうと思います。そして、少なくとも、上下分離でJR九州が運行することで沿線自治体の同意を不要とするような判断を、県議会との議論を行わない中で決定されたことは、私の政治姿勢とはこの点においては異なるものと言っておきたいと思います。  沿線地域の振興についてお答えします。  長崎本線の肥前山口-諫早間の鉄道が二十三年後になくなるということは、あってはならないことだと私は思っています。これは、これからも長崎県に常に言っておかなければいけないことだと思います。  そして、議員からお話がありましたように、本物の地域資源と地域の力があれば、バスク地方のように人は必ずやってまいります。二十三年後ですから、科学技術も大いに進展しているでしょうし、SDGsの必要性というのはもっともっとこれから高まっている時代になっているというふうに思います。そういう全く新しい時期、そういったことというものを我々は考えていかなければいけないと思います。  県としても、この地域を官民一体となって、二十三年後には、もちろん現状の鉄道の維持はもとより、様々なアクセス手段やアクセスルートを構築したいと皆さんに考えていただけるような、そんな地域となるようにさらに盛り上げていきたいと考えています。  あわせて、県の西部地域をどうしたいのかというお話もございました。私は、地域に根づく資源に事欠かないのが、先ほどるるお話がありましたけれども、県の西部地域だと思っています。サン・セバスティアンのように多くの皆さん方が、その食材、そして料理人を訪ねてくる。そして、我々にとってはさらに器まである。そういうような地域を構築していきたいと思います。  せんだって来ていただいたスペインのホルヘ大使も、嬉野から太良、鹿島地域に回っていただいたときに大変興奮していただいた。こんなすばらしい地域があるのかと驚嘆の声を上げて、すぐに連携しようというお話をいただいて、連携協定が結ばれたわけであります。今、コロナで止まっていますけれども、この辺りが幾分緩和されたら、スペインと佐賀県との交流というものもこれから広がっていこうと思います。  そして、地域に密着した資源に磨きをかけまして、今後の潮流になると思われる心満たされる豊かなエリアとなるべく、全力を尽くさせていただきたいと考えております。
    14 ◎進政策部長 登壇=私からは、環有明海振興策に関しまして四点、私に対して三ついただきましたのと、知事答弁の関連で一問お答えをいたします。  まず、筑後佐賀エリア連携の取組について御質問をいただきました。  筑後佐賀エリア連携事業は、筑後川を挟んで密接な関係にある福岡県筑後地区と佐賀県の筑紫平野エリアを中心に、経済、文化など幅広い分野で、さらなる交流・連携を図り、一体的発展を目指して取り組んでいるものでございます。  平成二十九年二月に県と九州佐賀国際空港活性化推進協議会との共催で柳川市において開催しました筑後圏域交流会、これをきっかけにスタートいたしまして、平成三十年八月には関係自治体の副首長による意見交換の場としてプレフォーラムを開催し、今後の取組について意見交換を行うとともに機運醸成を図ってきたところでございます。  このフォーラムにおきましては、エリアには地域資源が豊富にあること、通勤通学をはじめ、地域住民の行き来が日常的に多いこと、また、国道三百八十五号や有明海沿岸道路等の整備が進み、距離感が非常に近くなっているなどの意見が出されるとともに、これだけ密に行き来があるのに、情報が県をまたいでどうしても伝わりにくい面があるので、情報交換を密にすべきだ。また、空港と道路との交通体系をさらに活性化、大切にしていこうという話。また、有明海沿岸道路を活用した振興策を考えてはどうか。また、広域連携を図って観光資源の魅力発信と交流人口の増加を図っていくべきではないかなどの提案もなされました。  このフォーラムを受けまして、まずは九州佐賀国際空港を拠点としたインバウンドの誘客に取り組むこととし、同年には九州佐賀国際空港の国際路線である台湾便の現地プロモーションを共同で実施し、令和元年度には広域観光マップの作成にも取り組んだところでございます。  その後、令和二年度、三年度につきましては、残念ながら、新型コロナウイルス感染症の拡大もありまして、取組を本格化することができませんでした。セミナーをオンラインで開催することで機運醸成を図ってきたところでございます。  今年度に入りましては、西鉄の観光列車を活用し、筑後エリアや佐賀県が誇る食材、日本酒、有田焼の器などを取り入れた「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO×SAGA」の運行を行い、その列車運行とあわせまして、筑後と佐賀の観光スポットを織り交ぜたツアーも実施しております。  議員御指摘のとおり、筑後佐賀エリアはおいしい食材や日本酒、観光スポットなどすばらしい地域資源を有するとともに、鹿島・太良地域から熊本県荒尾市までの筑後佐賀エリアは、人口、また域内総生産で北九州都市圏に匹敵する規模となります。今後は国内外にわたって人の交流が活発化することが見込まれますので、まずは広域観光に取り組むとともに、このエリアが持つポテンシャルを最大限に生かし、九州有数の経済文化圏形成を目指して取り組んでまいりたいと思います。  なお、議員から御指摘がございましたけれども、こうした大切な取組ですので、議会への情報提供につきましても、タイミング、タイミングで行ってまいりたいと思います。  続きまして、有明海地域の振興に係る政策部の役割についてお答えいたします。  今御答弁申し上げましたけれども、本県の有明海地域にはノリやカニ、カキなど有明海の幸をはじめ、レンコンやタマネギ、かんきつ類、ブランド豚などの農畜産物、海外でも高い評価を得ている日本酒、さらに東よか干潟のシチメンソウや祐徳稲荷神社、海中鳥居など大変魅力ある資源を有しております。  また、九州佐賀国際空港を中心に、今後、有明海沿岸道路で結ばれる予定である鹿島・太良地域から荒尾までの筑後佐賀エリアは大きな経済圏にもなり、非常に高いポテンシャルがあると認識しております。  このポテンシャルをどう生かしていくのか、グランドデザインを描いたり、鳥瞰的な視点から新しいアイデアを考えたり、様々な分野の施策を有機的に結びつけていくことが必要となってまいります。  各分野でも、道路整備でありますとか、地域の自発的な取組の支援でありますとか、トレーニングファームの運営でありますとか、様々な取組をしておりますけれども、こうしたそれぞれの取組を有機的に結びつけていくことが政策部に求められている役割だと思っております。  また、県、市町、企業、団体など、プレーヤー関係者も様々おりますので、その調整も全体のディレクターとして政策部がしっかり役割を果たしていくべきだと考えております。  この筑後佐賀エリアがますます発展するよう、幅広い視野でこれまで発見できなかった視点を見いだしたり、各部局の施策や市町の取組などを有機的に掛け合わせすることにより、県として取組をしっかりと進めてまいります。  また、県西部地域の取組ということで、議員からは佐賀のおいしい食が一堂に会し提供される拠点というアイデアもいただきました。なかなか目からうろこというのはまだ考えられておりませんけれども、この地域の魅力を体感できる、体験できる、そういう仕組み、仕掛けというのは非常に効果的だと思っております。  議員から御紹介いただきましたスペインのサン・セバスティアンは人口十八万人でございます。世界中から食を求めて観光客が七十万人訪れておりまして、世界一の美食の町と呼ばれております。世界一密集している星つきレストランが多数あるわけですけれども、一つ一つはすごい小さいレストランでございますが、そこでトップシェフによる極上の食を味わうことができる。また、旧市街地には百軒以上のバルがあり、新鮮な食材とぜいたくなピンチョスを気軽に楽しめる文化もある。ここに人が集まっている理由としては、やはり地元の新鮮な食材を、地元の料理人が調理しておもてなしをしているというところであり、今、世界の食のトレンドはこのようなローカルガストロノミーでございます。  県西部地域は大変魅力的な資源にあふれ、例えば、白石のタマネギやレンコン、武雄のパクチーやジビエ、嬉野のお茶や温泉、鹿島・太良のカニ、カキ、かんきつ類や畜産物などがございます。こうした地元の食材を活用し調理をしておもてなしをしていくということは非常にいい取組だと思っており、考えていきたいと思います。  また、有明海はスペイン、サン・セバスティアンのラ・コンチャ海岸のような雰囲気を持っていると先ほど知事からも紹介がありましたけれども、スペインのホルヘ前大使もおっしゃっておりました。  また、バスク地方にはバスク鉄道というのがあります。これは線路の幅は狭軌、狭い軌道となっておりますけども、実はスペインのほかの地方は標準軌なんですね、そのエリアの軌道の幅だけ違う鉄道となっております。そして、列車の本数も少なくて、ゆったりとした旅を提供するんだということでこの狭軌のまま運行しているということでございます。まさにこの西部地域にとって非常に参考になるエリアではないかと考えております。  県でも、魅力的な食材、有田焼や唐津焼など世界に誇れる器、そして、料理人がコラボレーションして魅力的な料理として県内外に発信する「SAGAマリアージュ」の取組も実施しております。先ほど御紹介した「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO×SAGA」もこうしたコンセプトの下にプロモーションを行っているところでございます。  県西部地域の地元の食材やその他の歴史、文化などの地域の力を合わせ、県内外から多くの方に訪れていただけるような地域となるように取り組んでまいります。  最後に、政策調整監の役割に関する御質問もございました。  現在、政策部には、調整監、デザイン推進監を除きまして、六名の政策調整監が配置されております。政策調整監の役割としましては、新しいアイデアを考えて具現化していくということが一つ、また、各部にまたがる施策を調整していくと、重要な施策を調整するということ、この大きく二つであると考えております。  この新しいアイデアを考えるということでは、政策調整監には比較的自由に動いてもらうようにしておりまして、様々な人との出会い、それから、現場にも積極的に行ってもらい、現場での触れ合いを通して、自らアイデアをいろいろと膨らませていく、そういうことを求めておりますし、また、知事や副知事が様々なところでいただいてきたアイデア、もしくは自ら考えられたアイデアを具現化していく、プロジェクト化していくということも役割として求めているところでございます。  また、実は政策調整監が座っているところはフリースペースにしております。自由に考えて、また、意見交換をして知恵出しする環境を整えて、そうしたこともどんどんやってもらいたいというふうに思っております。  今後とも、将来の佐賀県に向けて様々検討、知恵出しし、具体的なプロジェクトを動かしてもらうよう、私も一緒になって頑張っていきたいと思います。  以上でございます。 15 ◎山下地域交流部長 登壇=私からは、九州新幹線西九州ルートの佐賀空港ルートに関して答弁をいたします。  鉄道局との「幅広い協議」におきましては、フル規格を議論するのであればルートからということを申し上げておりまして、現在、三つのルート、鉄道局が主張します佐賀駅を通るアセスルートのほか、佐賀市北部を通るルート、佐賀空港を通るルート、この三つのルートについて鉄道局としてどう考えるのか、そのメリットや将来展望など大きな視点からの考えを求めているところでございます。  鉄道局は、フル規格については佐賀駅を通るルートしかないと言われておりますけども、一方では西九州ルートについてはアジアの成長を取り込むんだ、あるいは九州全体の視点で考えているというふうなことも言われております。  現在、国から、三つのルートについて、こちらが求めたものが示されるということにはございませんけども、この地域には高速道路や有明海沿岸道路、空港、港湾など重要なインフラがございます。そうしたものが関係し合う中で地域がどう発展していくのか、単に時間短縮効果がどうということではなくて、九州の発展ということで、そういう大きな視点を持って議論をしていきたいと思っております。  私からは以上でございます。 16 ◎大呑県土整備部長 登壇=私からは、環有明海振興策に関しまして有明海沿岸道路についてお答えします。  有明海沿岸道路は、沿線市町の魅力があふれる資源をつなぐ本当に必要な道路でございます。有明海や筑後川を挟みまして密接な関係のある筑後佐賀エリアに、小城市、白石町、鹿島市、太良町を加えますと、大きな経済圏となります。この大きな経済圏の一つの軸となるのが有明海沿岸道路と考えております。  議員からは、嘉瀬-大川間、福富-鹿島間の完成時期についてお尋ねがございました。これらの区間の現状につきまして申し上げます。  嘉瀬-大川間でございますが、県で行っております佐賀福富道路につきましては令和三年度までに嘉瀬南インターから福富インターまで開通いたしております。現在、有明海沿岸道路と佐賀唐津道路が接続しますエリア、Tゾーンの整備を重点的に進めております。  国で行われております大川佐賀道路につきましては、諸富インターチェンジ周辺の工事が進んでおります。令和四年度には大野島インターチェンジから諸富インターチェンジ間が開通する予定であり、いよいよ福岡から佐賀につながります。現在、その先の県内区間につきましても用地買収や工事が進んでいるところでございます。  福富-鹿島間の福富鹿島道路につきましては、昨日、知事が答弁しましたとおり、全体を早くつなげるとの観点から、鹿島側の区間について先行して道路のルートを示し、現地での測量に着手してまいります。  これら区間の完成時期でございますが、完成時期を示すためにはそれぞれの区間の用地買収や工事の進捗状況などを踏まえ判断することとなります。現状ではまだ完成時期をお示しできませんが、早い完成に向け、今後も引き続きしっかりと整備に取り組んでまいります。  また、議員から、有明海沿岸道路を鹿島から諫早方面に延伸し、熊本天草幹線道路と結ぶことを考えてはどうかと御提案いただきました。  道路で有明海沿岸地域の市町がつながることは、人や物の交流が深まり、有明海を中心とした沿線市町の飛躍につながるものと考えております。御提案につきましては、整備の効果などについて広域的な観点から考えていくものと認識をしております。  最後に、構想路線鹿島-諫早間が早い時期に調査路線となり、事業路線となり得るのかとのお尋ねがございました。  鹿島-諫早間につきましては、佐賀県新広域道路交通計画の中で構想路線に位置づけたところでございます。道路計画を進めるに当たりましては、沿線市町がこの道路を生かしたまちづくり構想や、産業、観光の振興など将来像を描いていくことが必要でございます。調査段階、事業段階へとステップを踏んでいくには一定の時間がかかるものと考えております。  議員からは、環有明地域を大きく飛躍させることへの熱い思いを伺いました。有明海沿岸道路は沿線の地域や人、物を一つにつなぐ役割を果たすものでございます。それぞれの地域のポテンシャルを最大限生かしていくためにも、現在の整備をしっかりと進め、一日も早い効果発現に努めてまいります。  私からは以上でございます。 17 ◎實松文化・観光局長 登壇=私からは、「環有明海観光連合」への県の関わりについてお答えいたします。  有明海沿岸エリアは、豊穣の恵みをもたらす有明海や、福岡、佐賀両県にまたがる筑紫平野といった豊かな自然環境、世界文化遺産である三重津海軍所跡や三池炭鉱関連資産などの「明治日本の産業革命遺産」、さらには肥前浜宿、竹崎城址、島原城など、数多くの魅力ある観光資源を有しております。  また、東アジアに近いという地理的優位性もありますし、このエリアの中心に位置する九州佐賀国際空港をはじめとする交通インフラも整ってきており、大きなポテンシャルを秘めた大変楽しみなエリアであるというふうに考えております。  こうした魅力あるエリアにおいて、有明海沿岸道路の整備が進んでいることを契機に、今般、「環有明海観光連合」が設立をされました。この連合は、広域に連携して観光事業の普及振興を図ることを目的に十一の観光協会等が加盟して設立されたもので、民間が主体的に一体となって観光事業の普及振興に取り組まれるという大変すばらしい取組であると思っております。  「環有明海観光連合」においては、まずは会員が有する商品を連携して売り出していくというふうにされておりますが、有明海を巡るルートを舞台とした体験ツアーの開発にも取り組むこととされており、地域資源の魅力を生かした新たな観光コンテンツの創出に期待をしているところであります。  昨日の土井敏行議員の質問に対する知事答弁にもありましたように、県では、筑後佐賀圏域に県南西部地域を加えた経済圏、具体的には鹿島・太良地域から荒尾までの筑後佐賀エリア経済圏は、北九州都市圏に匹敵するくらいの大きなポテンシャルを秘めた魅力的なエリアであると考えております。  また、先ほど進部長からもありましたけれども、筑後佐賀エリアについては、インバウンド誘客や食など様々な分野において一体的発展に向け、関係自治体等と連携を行っております。今回、「環有明海観光連合」の活動エリアや活動の内容を見ますと、県のそうした取組と重なる部分が多いと思っております。そのため、その連合の活動の情報などを、まずは庁内、関係自治体と共有するとともに、必要に応じてそうした活動とも連携し、国内外から多くの観光を呼び込めるよう応援をしてまいりたいというふうに考えております。  私からは以上です。 18 ◎岡口重文君(拍手)登壇=皆さんこんにちは。自民党の岡口でございます。  今回は四項目質問を挙げておりますので、順次質問に入りたいと思います。  まず第一項目めでございますが、JR筑肥線の利活用について伺いたいと思います。  JR九州は、二〇一九年度から一日当たりの輸送密度が二千人未満の線区別収支を公表しており、私の地元であります伊万里市を通る筑肥線も公表開始から三年連続でその対象となり、赤字の状況が続いております。直近の二〇二一年度でも伊万里-唐津間の輸送密度は百八十四人、営業損益は一億四千六百万円の赤字と、県内で最も厳しい状況にあります。  全国のローカル鉄道においても、沿線人口の減少や少子化の進展はもとより、マイカーへの転移等により利用者数が大幅に減少し、さらに長引くコロナ禍の影響により鉄道事業者の経営状況が急激に悪化し、危機的な状況にあるとして、今年七月には国の有識者検討会において、ローカル鉄道の再構築を含めた在り方に関する提言が示されたところであります。  地元では、筑肥線の利用促進のために取り組んではいるものの、人口減少が進む今、鉄道利用者を大幅に増やすことは大変難しく、このままでは筑肥線が廃線になるのではないかといった不安の声が日増しに聞こえてくる状況であります。  鉄路は一度廃線となれば、二度と元に戻ることはありません。先人たちが残してきた筑肥線は地元の人にとって、生活の足、通勤通学の足であり、人々の暮らしを支える大変重要な基盤であります。この筑肥線を存続させていくためには、何よりも利用することが大切で、一過性のイベントなどばかりでなく、行政と地元が一緒になって利用促進に取り組むことが必要だと思います。  私見ではございますけれども、鉄道は、本来、道路や空港などほかの交通インフラと同様に公費で整備されるべきであり、赤字で当たり前だと思います。また、交通は、教育と同様、赤字、黒字関係なくやるべきだと私は思っております。  そこで、JR筑肥線の利活用については、県はこれまでどのように取り組んできており、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、第二項目めでございますが、園芸農業の振興について伺います。  本県では、温暖な気候や肥沃な土壌などの恵まれた自然環境を生かし、米、麦、大豆を組み合わせた生産性の高い水田農業や野菜や果樹といった収益性の高い園芸作物などの生産が、厳しい中、行われております。  特に私の地元であります伊万里市では、梨やブドウなどの落葉果樹が栽培され、また隣の唐津地域ではハウスみかんの生産が行われるなど、それぞれの地域で産地づくりが進められております。  このような中、県では令和元年七月に策定されました「佐賀県総合計画二〇一九」において「稼げる農業の確立」を柱として位置づけ、園芸農業の振興に一層の力を入れていくこととし、令和元年度から生産者をはじめ市町やJAなどの関係者と一体となって、令和十年の園芸産出額八百八十八億円を目標とする「さが園芸888運動」が展開されております。  この運動は、今年で四年目に入り、関係者の積極的な推進により、これまで園芸団地の整備や水田へのミカンの導入など、新たな取組が芽生え、徐々に成果が現れており、今後の取組について私も大いに期待しているところであります。  私は、本県農業を将来にわたって発展させていくためには、生産者の方々にこの運動を一層根づかせていくことが重要と考えます。  この「さが園芸888運動」において、伊万里地区では、県が育成した「いちごさん」、これがJAグループの販売実績において、十アール当たりの生産量四・八トン、販売額六百七十七万円で県内トップになっており、生産農家の所得向上に大きく寄与しております。  また、キュウリについては、若手生産者グループ「胡青会」を中心に、収量の向上や規模拡大への意欲が高く、今年度、国や県単独の補助事業を活用し、九名のキュウリ農家がハウスの整備を行うこととしており、大変頼もしく思っております。  その一方で、果樹については、生産者の高齢化の進行や担い手不足、また肥料や燃料、ハウス骨材の生産資材価格が高騰するなど、農家の経営は大変厳しく、産地は縮小傾向にあるなど、大変課題も多いと感じております。  そこで、次の点についてお尋ねをいたします。  まず、「さが園芸888運動」への知事の思いについてでありますが、「さが園芸888運動」については、山口知事就任二期目からスタートした農業関係の重要施策であり、今後も園芸振興をしっかりと前に進めていく必要があると考えます。この運動に対する知事の意気込み、思いを伺わせていただきます。  次に、果樹の生産振興について伺います。  果樹は永年性作物でありまして、技術習得に長期間を要することや定植してもすぐに収益につながらない、いわゆる未収益期間があることから、後継者や新規栽培者が十分に育っていないと思われます。  また、県では、「いちごさん」や「にじゅうまる」など、県独自品種を育成し、産地振興を図られておりますが、伊万里ナシにも同様に県のブランドとして光が当たるような取組を実施していくことが必要だと考えます。  梨生産者からは、ぜひ他産地に後れを取らないように、県で果樹試験課を設置して、佐賀県独自の新品種開発を望む声も多々ございます。そういうことを踏まえて、この「さが園芸888運動」を展開していく中で、今後、伊万里ナシを含む果樹の生産振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。  三項目め、国際物流拠点としての伊万里港の発展について伺います。  昨年六月議会において、「伊万里港は、成長著しいアジアの活力を取り込める可能性に満ちた港であり、今後もハード、ソフト両面での利便性を高め、国際物流拠点港としてさらなる発展を図っていく決意であります。」と山口知事から答弁をいただきました。  伊万里港においては、国直轄事業で整備されました地元に大変待望久しかった臨港道路七ツ島線がつい先月末、八月二十八日に供用開始をされ、知事も参加していただき、地元は大変喜んでいる事業でございました。これもすぐ活用させていただき、またガントリークレーン二号機、これも知事が名前をつけられたと思いますが、「まりん」という名前をつけていただきまして、大変親しみを持って、十一月稼働に向けて今準備が進まれていて、大分基盤整備が整ってきていると私は思っております。  今後は、新規航路の誘致や取扱貨物量の増加など、利用促進に力を入れることで、アジアの物流拠点を目指して育てていくことが重要だと考えます。  また、新たな投資が必要になる場合に備えて、浦ノ崎埋立地においても風力発電なども含めて将来の利活用の可能性について継続的に探っていくことも重要であります。  また、官民で組織する伊万里港振興会の下で、昨年四月にワーキンググループが設置されていると聞いております。地元自治体や港湾関係者の意見も取り入れながら、継続した検討、活用が必要だと考えます。  臨港エリアでは、SUMCOの工場増設やバイオマス発電所の建設なども進んでおり、伊万里港の将来につながる新たな動きとして期待しているところであります。  そこで、県は、各部局連携をして知恵を出し合い、よりリーダーシップを発揮すべく、国際物流拠点港として、今後どのように伊万里港を発展させようとしているのか伺います。  最後に四項目め、県立高校における普通科の在り方について伺います。  私は、この先さらに少子化が進み、県内の県立高校が小規模化していくことに危機感を抱いております。今年度の高等学校入学者選抜を見ても、昨年度より若干改善したとはいえ、半数近くの県立高校が定員割れの状況であり、佐賀県の高校はよい方向にいっているのか心配をしています。  私の地元でも伊万里高校が大きく募集定員を割り込みました。理由の一つとして、伊万里地区の小学生が中学校入学時に他地区の公立中高一貫校に進学することが挙げられます。県内に公立の中高一貫校が設置されて以来、進路選択幅が拡大し、進路の多様化は促進されたかもしれませんが、私は公立中高一貫校にどれだけの意義があるか疑問であります。  また、普通科の高校では進学実績、特に国公立大学の合格者数を目標にしているとよく聞きます。最近では専門高校でも大学等への進学にも力を入れ、実績も残しているなど、普通科の高校の強みも薄れてきているのではないかと感じております。  私は、佐賀県の教育の在り方として、子供たちは地元の高校で学び、地域も学校、生徒を育てることが望ましいと考えています。  地元の高校への進学を促進するためには、それぞれの高校の魅力を高めて、その魅力を地域の子供たちに発信していくことが重要であります。  例えば、伊万里高校では、夏休みに小学生の宿題をサポートする「伊高寺子屋」や、地域と協働して様々な活動を行っている「#キセキ部」の取組などが話題になっています。普通科の高校で特色を出すことが大変難しい中、生徒も先生も様々な工夫をして頑張っていますが、志願倍率につながっていないのは非常に残念であります。  これからの普通科高校としては、他の普通科にはないような魅力づくりを行い、そのことを積極的に発信していくことが必要であると考えます。  県教育委員会では、「唯一無二の誇り高き学校づくりプロジェクト」に取り組まれているところでありますが、県立の普通科高校の魅力づくりについては具体的にどのようなことに取り組んでいるのか、また、この先どのように注力しようと考えているのか強い関心を持っております。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  唯一無二の学校魅力づくりについてであります。  県教育委員会では、今年度より「唯一無二の学校魅力化実践事業」に取り組まれておりますが、具体的に普通科の高校ではどのようなことに取り組んでいるのか伺います。
     また、県立高校の普通科の在り方についてでありますが、県立高校の普通科は進学実績以外でも魅力を出す必要があると考えています。県教育委員会として、今後の普通科の在り方についてどのように考えているのかお伺いして、質問を終わります。(拍手) 19 ◎山口知事 登壇=岡口重文議員の御質問にお答えいたします。  「さが園芸888運動」への私の思いについてお答えします。  農業は、佐賀県の基幹産業でありまして、我々の誇りであります。農業を守り育てていくことは極めて大切だと思います。私も知事就任時から、「農業の振興なくして県勢の浮揚なし」と申し上げております。  戦前戦後の食糧難の時代から高度経済成長期に至るまで、佐賀県は、水田での佐賀段階、そして新佐賀段階など米の取れる量を少しでも増やそうと全力を尽くしてまいりました。そして、それは国民への食料供給基地として、そして、収量アップのリーダーとして我が国の農政に大きく貢献してきたと思います。これは我々の先人の大きな成果であり、今も我々の誇りとして根づいております。  ただ、佐賀県の農業産出額というものを見てみますと、昭和五十九年の千八百六十五億円がピークでありまして、令和二年には千二百十九億円まで減少しております。これは、昭和五十九年には九百億円を超えていた米、麦、大豆の産出額が米価下落などにより令和二年には二百億円台まで落ち込んだことが主な原因であります。園芸や畜産の産出額がどうかといえば、伸び悩んでいて横ばいのような状況です。  私は、このままでは佐賀県の農業の稼ぐ力が衰退し、これまで培ってきた伝統が将来につながっていくのかどうか危惧をしております。時代は変わりつつあります。これから将来にわたって佐賀県の農業を発展させていくためには、先人が築き上げてきた水田農業、そして、そうした技術を大切にしつつ、量から質へと転換しながら、若い人や新規参入者を中心に、園芸農業や畜産、そして、加工などの六次産業化へ軸足をシフトしていく必要があると思っています。こうした考え方の下、さらに果樹王国、野菜王国となっていただくべく、伊万里の役割は大変大きいものだろうと思っています。  せんだって、岡口議員と訪問させていただいた瀬戸新田でも園芸を志そうという話も承りました。大変心強く思ったわけであります。私は、そうした現場で努力をされる皆さん方に支援を惜しまないという気持ちです。  令和元年度に「さが園芸888運動」をスタートしました。佐賀らしい園芸振興の取組としては、県内四カ所にトレーニングファームがあります。今年度は、五カ所目のピーマンのトレーニングファームを神埼市の脊振町に整備する予定です。  先行した武雄のキュウリでは、最新の環境制御システムを駆使して、新しく農業に携わった者でも稼げる農業が実践できるように取り組んでいます。これまでの何年もかけて名人芸を見いだすというものとは打って変わって、パソコンをたたきながらキュウリを作るという状況になっています。  そして、稼げることが実感できるために、研修生の営農意欲が高く、将来の担い手として非常に頼もしく感じております。私はこうした皆さんにできるだけ園芸農業に取り組んでいただきたいし、できる限りの支援をしたいと思います。  さらに稼げる農業の実現のためには、「いちごさん」、「にじゅうまる」といった県の新品種をうちの試験場が打ち出していく、そういう環境も大事だと思っています。私も知事に就任して以来、「SAGAラボ10+G」ということで、まめに試験場の研究員たちの成果について話を聞くようにしました。やはりここのモチベーションというものが佐賀県産業の命綱だと思っています。  さらに加えて、知的財産の問題が大変大事だと思います。ブランド化していくということは、これを守り育てることが大変重要であります。最近もいろんなニュースがありますけれども、一旦不正栽培、県外流出、国外流出が起きますと、育成に要した長年の努力の成果、そして、その稼げる力が一瞬にして奪われてしまいます。このため、六月には知的財産を守り育てるための条例を制定し、七月の「さが園芸888運動」の推進大会の中では日本弁理士会と連携して分かりやすい寸劇を県職員が上演したり、県全体で知的財産を守り育てる機運を高めていきたいと思っています。  新しいもの、価値あるものを生み出して、それを大切に守っていくことで次の世代に農業をつなげていく。そのことが我々の子供世代、孫世代を守ることになると信じています。佐賀県を盛り上げていくため、オール佐賀で「さが園芸888運動」を推進し、今後さらに磨き、稼ぎ、つながる農業を目指していきたいと考えています。 20 ◎山下地域交流部長 登壇=私からは、大きく二項目についてお答えをいたします。  まず、JR筑肥線の利活用についてお答えをいたします。  在来線は、通勤通学の足としてとても大切なものです。また、車の運転ができない高齢者などにとっては、バス、タクシーとともに通院や買物など、日々の暮らしの移動手段としてなくてはならないものだと思っています。しかしながら、鉄道を取り巻く環境は厳しく、人口減少やマイカーへの転移、長引くコロナ禍等により利用者数は減少しており、鉄道事業者は列車の運行形態や駅体制の見直し等により経営の合理化を進めるという流れにございます。  議員から話がありましたJR筑肥線につきましては、輸送密度が県内の線区で最も低く、赤字が慢性的に続いているという厳しい状況にございます。このため、令和元年度から県、伊万里市、唐津市、そしてJR九州による、活用に関する検討会を開催し、持続可能な線区とするための効果的な利用促進策を検討、実施してきたところでございます。  具体的には、市町の担当者やまちづくり団体等を対象とした鉄道の利活用に関するセミナーを開催したり、イルミネーション列車などの企画列車を運行し、それに合わせて沿線自治体や地元などと連携したおもてなしイベント等を実施し、利用促進を図っているところでございます。  特にイルミネーション列車につきましては、昨年も親子連れを中心に多くのお客様に御利用いただき、大変好評でございました。また、今年十月八日に全てのラッピング列車が出そろう「ロマ佐賀列車」の運行に当たっては、JR九州とも連携し、お得な周遊きっぷを販売することとしておりまして、こちらのほうも多くの方の利用が期待されるところでございます。  ただ、こうした企画列車の運行は乗ってもらうためのきっかけづくりであり、一度沿線の魅力に触れていただく機会をつくろうというものでございます。喜びや感動があれば、その後も機会を捉えて利用していただくことはあろうかと思いますが、今の厳しい状況を変えるためには、日常的なふだん使いをいかに増やしていくかが重要だろうと思っています。  地元利用を増やすことについては、強い危機感を持って、公共交通機関をみんなで乗って支える意識の醸成、またそのための取組を、そして、観光利用などを増やすことについては、わざわざ行きたくなる魅力的な地域としての磨き上げと乗りたくなる仕掛けを考えていくことが必要だろうと思っています。今後も、JR九州や沿線自治体とも連携し、また、地域も一緒になって乗って支える取組を進めてまいりたいと思います。  続きまして、国際物流拠点としての伊万里港の発展についてお答えいたします。  伊万里港における国際コンテナの取扱量は堅調に増加しておりまして、令和二年に過去最高の取扱量、初の四万TEU超えを達成しております。そして、令和三年につきましても、コロナ禍の厳しい環境ではございましたが、過去二番目の取扱量と高い水準を維持しているところでございます。  こうしたコンテナ取扱量の増加に対応するため、これまでハード面の整備としまして、七ツ島地区においてコンテナヤードの機能強化に取り組んできたところでございます。  具体的には、空コンテナ置場として五千平米の用地を整備したり、あるいはコンテナ置場内に五レーン目のヤードを整備したりというふうなことをやってきております。  そして、今年度につきましても、先ほど議員からもありましたけれども、コンテナターミナルがあります七ツ島工業団地にアクセスする臨港道路七ツ島線が八月二十八日に供用開始となり、また、十一月には二基目のガントリークレーンの供用も予定しているところでございます。  一方、コンテナ貨物の取扱量拡大につきましては、新規荷主獲得や航路拡充のため、官民連携によって積極的にポートセールスを行っております。航路につきましては、今年八月に上海航路が週一便から週二便に増便され、現在、週に五航路、九便が運航されるまで充実してきたところでございます。  また、さらなる飛躍のためにガントリークレーンが二基体制となることを踏まえ、今年度から新たに東南アジア、台湾との間に直行航路を誘致することを目指し、助成制度を設けたところでございます。  今、精力的にポートセールスを行っておりますけれども、荷主さんの反応はよく、これまでに二十一社が新たに伊万里港を利用していただけるようになっております。利用いただける荷主さんがさらに増える見込みでありましたことから、今議会で予算の増額をお願いしているところでございます。  伊万里港は、成長著しいアジアの活力を取り込める可能性に満ちた港でございます。引き続き港湾機能の強化とコンテナ航路の拡充といったハード、ソフト両面の充実を図るとともに、庁内の関係部局、そして、伊万里市ともしっかり連携を図りながら、伊万里港が国際物流拠点として発展するよう取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 21 ◎山田農林水産部長 登壇=私からは、「さが園芸888運動」の中の果樹の生産振興につきましてお答えをいたします。  果樹につきましては、本県園芸生産額の約三分の一を占めており、「さが園芸888運動」の目標を達成するためにも、その振興は極めて重要でございます。しかしながら、後継者不足などによりまして、栽培面積につきましては年々減少しており、本県果樹産地の維持発展を図っていくためには、高品質な果実の生産拡大によります収益性の向上はもとより、作業の省力化、担い手への優良園地の集積による規模拡大、さらには産地を支える新たな担い手を一人でも多く確保していかなければならないと考えております。  現在実施しております主な取組を申し上げますと、県の育成品種であります「にじゅうまる」ですとか、近年需要の高いシャインマスカットなどの優良品種の生産拡大ですとか、複数の木を直線状につなげ、省力化を図ります梨のジョイント栽培の導入、さらには伊万里では立川集落などで見られるように、農地中間管理機構を活用した担い手への優良園地の集積。  さらに新たな担い手の確保対策といたしましては、県外からの移住の希望者を含めまして、就農を希望する方を対象にした就農研修会、このセミナーは「やってみようセミナー」と言っておりますけれども、果樹だけじゃなくて野菜の品目ごとに各地域で開催をしております。  それから、議員からも御意見がありましたけれども、梨の苗を定植してから実がなるまでの未収益期間を解消するために、JAや各部会が将来の新規就農者の入植園地を事前に整備する事業などを積極的に推進をしているところでございます。  特に伊万里ナシにつきましては、全国に先駆けてハウスやトンネル栽培によります早出しの作型を導入され、六月末頃から収穫される幸水、それから豊水、あきづき、甘太、王秋などといった、わせからおくてまでの品種をリレーで出荷することでブランドを確立されております。  議員御指摘の梨の品種開発につきましては、これまで国の研究機関で積極的に行われてきたことから、本県では温暖な気候を生かした幸水の早出しに係る技術開発や、国が開発した新品種の現地適応性試験に注力し、独自の品種開発は行ってこなかったところでございます。  一方、近年では温暖化によりまして、関東産の梨の出荷時期が早くなるなど、佐賀県の西南暖地という本県の優位性が薄れてきていることもまた事実でございます。  本県産梨の起爆剤となるような県独自の新たな品種開発につきましては、その必要性も含めて、現場の声をよく聞きながら、産地と一緒になって議論をしていきたいと思っております。  「さが園芸888運動」を進めるに当たっては、高品質果実の大規模生産ですとか省力化技術の導入によって稼げる農業者を育成し、その姿を見せることで次の就農者の確保につながる好循環をつくっていくことが重要でございます。  今後とも、市町やJAなど関係機関・団体と連携しながら、伊万里ナシを含む果樹の生産振興にしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 22 ◎落合教育長 登壇=私からは、県立高校における普通科の在り方についてお答えをいたします。  まず、一般的に普通科高校と言いますけれども、法令上、高等学校において「普通教育を主とする学科」を普通科高校、また「専門教育を主とする学科」を専門科高校とか専門高校と呼んでいますが、私としては普通科と、あるいは普通ということに物すごく抵抗を感じます。現在、佐賀県では県立高校唯一無二の学校づくりということで、それぞれの学校の誇り、特徴、強み、そういうものを最大限磨き上げて勝負していこうと考えている中で、そういったことと普通というのは全く相入れない話でありまして、県立高校の校長には日頃から、ほかの学校にはない唯一無二の魅力ある教育を行うよう、ある意味普通ではなくなるようにやろうじゃないかということで機会あるごとに話をしております。  そういう前置きをした中で、まず唯一無二の学校魅力づくりについてお答えいたします。  県教育委員会では、全ての県立高校において学校の魅力や強みを徹底的に磨き上げ、積極的な情報発信により県内外の生徒、保護者から選ばれる高校を目指す「唯一無二の誇り高き学校づくりプロジェクト」を行っておりますけれども、その中で今年度から、唯一無二の学校魅力化実践事業に取り組んでいます。  その中で、いわゆる普通科を持つ高校の具体的な取組としては、SAGAコラボレーション・スクール、これは九校指定していますけど、このうちいわゆる普通科は五校ですが、地域の住民の協力の下、フィールドワークを通した地域の課題発見や解決のための探究活動を実施したり、CSOを支援する団体の代表などの地域人材によるキャリア教育を行ったり、また高校生が講師となって小学生を対象としたスポーツ教室や学習支援など、こういった取組を行っています。  また、SAGAスマート・ラーニング、これは指定校八校、このうちいわゆる普通科が四校、これは伊万里高校も含んでおりますけれども、ここでは大学と連携したエネルギー問題や宇宙をテーマとした探究プログラムの実施とか、あるいは伊万里高校では高校を軸とした産学官協働の新しいまちづくりをテーマとして、先ほど議員のほうからも御紹介がありましたけど、「#キセキ部」の活動とか、小学生への学習支援、「伊高寺子屋」と呼ばれる取組などを行っておられます。  次に、県立高校の普通科の在り方についてということですが、「唯一無二の誇り高き学校づくり」を目指す中で、いわゆる普通科の高校において、脱普通科を目指して、既に教育内容の具体的な見直しを進めている学校もあります。  例えば、ある学校では、これまで希望進路別であったクラス編制を、生徒の問題意識に応じた課題テーマ別のクラス編制として、自ら設定したテーマを深く探究することができる教育課程を設置したり、別の学校では、二年次から地域探究を中心に据えた学習を実践するコースを設置したり、こういったことを検討いたしております。  これからは、佐賀県立高校の全ての普通科を、普通でない唯一無二の特別なものにすることを目標として取り組んでいきたいと思っています。  本県のいわゆる普通科を含む全ての高校には様々に創意工夫を凝らして、学校独自の個性、特徴を打ち出し、生徒や保護者から学びたい、学ばせたいと思ってもらえる、選ばれる学校となってもらいたいと思っております。  県教育委員会としては、「唯一無二の誇り高き学校づくり」に意欲的に取り組む学校を全力で応援してまいります。  以上です。 23 ◎副議長(宮原真一君) 暫時休憩します。     午後二時四十四分 休憩 令和四年九月九日(金) 午後三時十五分 開議  出席議員    三十六名     一番  下 田   寛     一六番  古 賀 陽 三     三〇番  徳 光 清 孝     二番  桃 崎 祐 介     一七番  川 崎 常 博     三一番  中 倉 政 義     四番  古 川 裕 紀     一八番  定 松 一 生     三二番  石 井 秀 夫     五番  一ノ瀬 裕 子     一九番  江 口 善 紀     三三番  留 守 茂 幸     六番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  木 原 奉 文     七番  古 賀 和 浩     二一番  八 谷 克 幸     三六番  藤 木 卓一郎     八番  井 上 祐 輔     二二番  向 門 慶 人     三七番  石 倉 秀 郷     九番  木 村 雄 一     二三番  坂 口 祐 樹     三八番  土 井 敏 行    一〇番  中 本 正 一     二四番  宮 原 真 一    一一番  野 田 勝 人     二五番  原 田 寿 雄    一二番  冨 田 幸 樹     二六番  岡 口 重 文    一三番  弘 川 貴 紀     二七番  大 場 芳 博    一四番  西久保 弘 克     二八番  武 藤 明 美    一五番  池 田 正 恭     二九番  稲 富 正 敏 欠席議員    一名     三番  田 中 秀 和 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    南  里     隆          政  策  部  長   進     龍太郎          総  務  部  長   甲  斐  直  美          地域交流部長       山  下  宗  人          県民環境部長       古  賀  英  敏          健康福祉部長       久保山   善  生          産業労働部長       寺  島  克  敏          農林水産部長       山  田  雄  一          県土整備部長       大  呑  智  正          危機管理・報道局長    野  田  嘉代子          文化・観光局長      實  松  尊  徳          SAGA2024・          SSP推進局長      宮  原  耕  司          男女参画・こども局長   種  村  昌  也          会 計 管 理 者    元  村  直  実          警 察 本 部 長    松  下     徹          教   育   長    落  合  裕  二
             人事委員会事務局長    古  賀  千加子          選挙管理委員長      大  川  正二郎 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       今  村  盛  史          同    副事務局長          政務調査課長事務取扱   吉  田     泰          総  務  課  長   碇     一  浩          議  事  課  長   篠  田  博  幸          総務課副課長       田  中  信  二          議事課副課長       原     康  祐          政務調査課副課長     西  田  里  美          議事課議事担当係長    椎  葉  奈  美          同 委員会担当主査    福  島  友  絵     ○ 開     議 24 ◎議長(藤木卓一郎君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。 25 ◎大場芳博君(拍手)登壇=皆さんお疲れさまでございます。九月定例議会一般質問最後の質問者となりました。本当にお疲れのところ最後までよろしくお付き合いをお願いいたします。  質問に入ります前に、一言、九月五日のあってはならない悲劇がまた起きてしまいました。静岡県の幼稚園でのことでございます。私は先週の土曜日、九月三日に、私の孫が唐津の昭和幼稚園に行っていますもんですから、その日、じいちゃんとばあちゃんの参観日というのが予定されておりまして、参観日に行ってまいりました。そのことを思うと、本当に痛ましい事故、本当に悲しく、胸が締めつけられるような思いでございました。二度とあってはならないことだと思います。そのことを申し上げまして一般質問を始めさせていただきます。  私たちが誇る唐津市・玄海町は風光明媚で歴史と文化が深く、人情に厚い土地柄で、そういう豊かな感性を持った人々が住まいするところと自負しております。若い人たちは勉学に励み、夢と希望を持って仕事を継ぎ、家を守り、活力ある地域をつくり出し、地域の中心となって祭りや習俗を継承し、美しいふるさとの山・川、そして、宝の海・玄海や七つの島を当たり前のように守り続けているところでございます。  ところが、新型コロナウイルス感染症の拡大から始まり、ロシアのウクライナ侵攻、中国の尖閣諸島や台湾への脅威など、世界を取り巻く政治への不安が社会経済にも及んでいます。燃料の高騰から始まり、原材料の高騰、そして円安が、経済、暮らしを直撃し、しかも、先行きへの不安は長期化しそうな雰囲気でございます。  若い人たちが地元に残り、夢と希望を持てるような地域にするためには、機動的な対応、あるいは中長期的な計画、そういうことを唐津市・玄海町にも向けてもらいたいと、そういう願いを込めながら、随時、質問をいたします。  質問者の最後になりますと、本当に議員の皆さん方のここでの熱い質問、本当に佐賀県というのはいろんな課題、いろんな問題がずっとあるんだなというものをしみじみ思いますし、佐賀県の均衡ある発展という言葉を八谷議員がおっしゃいましたけども、佐賀県が光り輝くような、そういうことを願いながら質問をさせていただきます。  まず最初に、農業振興についてでございます。  現在、農業をめぐる情勢は、農業従事者の高齢化や減少、農産物価格の低迷や、燃料や肥料等の生産資材の高騰など、大変厳しい状況となっています。特にコロナ禍にあって、私の地元でも農業者の集まりとか研究会とか、そういったのが少なくなりまして、元気が失われてきているような感じをしています。  こうした中、県では令和元年八月に「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一九」を策定され、「稼げる農業の確立」と「活力ある農村の実現」の二つの大きな柱の下、施策を展開されてございます。  とりわけ本県農業が持続的に発展していくためには、収益性の高い園芸農業の振興が必要であることから、園芸農業の産出額向上のため、各般にわたる「さが園芸888運動」と銘打ち、この計画の中心的な取組として進められているところでございます。  私はこうした取組を進めることによって、若い人たちが農業を継いで地域に残り、活気づくことを期待しておるところでございます。そこで、次の点についてお伺いをいたします。  まず、「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一九」における施策の進捗状況についてでございます。  この計画においては、施策の進捗状況を確認するため、それぞれの施策ごとに成果指標を定められ、取組が順調に進んでいるのかを随時確認されていると認識しております。今年度は計画の中間目標年度に当たりますが、令和三年度の成果指標の達成状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。また、今後どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。  次に、「さが園芸888運動」の今後の取組についてお伺いをいたします。  先ほど岡口議員からも質問がございましたけれども、私の地元は「いちごさん」とか「にじゅうまる」とか、施設園芸の主力のところでもございますので言わせていただきます。  新しい品種が開発されたことによりまして、生き生きと農業に取り組む若者が少しずつ増えてきてもおります。将来に向けて明るい兆しも見えており、引き続き「さが園芸888運動」を推進していくことで農家の所得向上や産地拡大につながるのではないかと期待をいたしております。また、「さが園芸888運動」に関連してハウス整備などを支援する県単事業の「さが園芸生産888億円推進事業」につきましては、多くの農業者の方々からありがたいという声を耳にしております。本年度が最終年度と聞き及んでおります。生産資材が高騰している中でも、栽培面積の拡大など、若い農業者の前向きな取組に対して積極的に支援できるよう、事業の継続や拡充が必要と考えています。  県では、「さが園芸888運動」に今後どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。  この「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一九」を改めて開いてみました。その中に私と同じようなことがここに書いてあったんですね、本当にうれしかったんです。  「第三章 計画の目指す姿」、「農業の担い手が夢と希望を持って働き、稼げる農業を実践している。また、それぞれの地域が人・農地などの資源を活かし、活力ある農村になっている。」、これを目指してこの計画が進められております。  そういう中で、今までの取組についてるる御説明があろうかと思いますけれども、さらにこのことを進めていただきたいと思っております。  もう一つ、片方で、日本農業の政策といいますか、私たち、佐賀県農業・農村振興議員連盟で農水省に、あるいは自民党の農林部会等に要望活動を行いますけども、そこでは大体規模拡大を推進しておるような施策が執り行われております。これからは、中小、家族経営等、多様な担い手が共存し、それぞれが適正規模でやっている人たちを守るというか、そういった方向にも目を向けなければならないと考えますので、そういう人たちが農村の地域を守り、農道の草刈りや水路の管理等々に汗をかいてくださるので、農村の維持管理といいますか、活力を帯びるために、そういったところにも目を向けていただきたいと願っておるところでございます。  問二、企業誘致についてでございます。  私は、ある高校の就職する生徒たちの就職アドバイザーというものをしておりまして、その就職する生徒たちの模擬面接の面接官になっていろんな話を聞かせていただいておるところでございます。  就職する人たちが口をそろえて言うのは、唐津に残りたいんだけど、地元にも残りたいんだけども、なかなか就職先がないんですよねという言葉を言うんですね。そういうこともあって、この企業誘致についてを選びました。  もう一つ、ここに高校生の就職に関するアンケートというのを唐津市が行いまして、これは令和三年十二月十七日から十二月二十三日までかけて実施されまして、対象者数が千百七十八名、回答者数千百四十二名、回答率が九六・九四%の回答率で、このデータを頂きました。  その中で本当にいろんな設問があるんですけども、やっぱり子供たちというか、生徒たちの不安な気持ちというのがあるんだなというものを感じます。  進路の影響については、第一位が自分の希望ともありますけれども、第二位が保護者の助言というのがありました。やっぱり知らず知らずのというか、家族のところに相談をして、そして、どこに就職しようかと相談をしているんだなというものを思います。  それから、最後ですけれども、就職先の希望と現実についてというところで、当初の希望先のままに就職をした生徒が大半であった。当初の勤務地が特にない生徒もいるため、いかに唐津市の企業に魅力を感じて就職してもらうかが課題であるというところで結んであるんですね。  そういうことで企業誘致、唐津にもいい企業が来てほしいな。アサヒビールさんでなくてもいいんだけども、いろんないい企業が来てほしいなと思って、このことを質問いたします。  西九州自動車道が整備されたことにより、福岡からのアクセスが向上し、沿線を中心に人口も増えてきました。そのことは大変喜ばしいことでございます。同時に、その子供たちが地元にとどまり、夢と希望を持って働いてくれることを願っております。  そのためには、若者を中心とした新たな雇用の場を創出する必要があり、企業誘致は有効な手段だと考えられることから、これからも積極的に推進してほしいと願っておるところでございます。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  これはずっと言っております。六月定例議会で冨田議員も質問をしてくださいました。新産業集積エリア唐津に係る企業誘致の取組についてであります。  新産業集積エリア唐津については、交通アクセスもよく、分譲面積も広く、大型の企業誘致も期待されているところでありますけれども、いまだ企業の進出に至っておりません。新産業集積エリア唐津への企業誘致の状況はどのようになっておるのか。また、誘致実現に向け、県はどのように取り組んであるのかお伺いをいたします。  これは冨田議員も肌身に感じてあると思いますけれども、厳木町や相知町というのは人口減少が激しいところなんですね、だんだん人が減ってきておる。そこに企業が来たら、若い人が残って地元を見てくれるような、そういった効果も現れると思いますので、ぜひとも唐津市とタッグを組んで企業誘致をお願いしたいと思っておるところでございます。  次に、県北部地域への企業誘致の取組についてであります。  若者の域外流出を防ぐため、若者が夢と希望を持ち、地元で活躍できる受皿となるような企業の誘致を進めてもらいたいと思っておりますけれども、今後、県では県北部地域への企業誘致についてどのように取り組まれるのかお伺いをいたします。  問三、県北西部の幹線道路の整備についてお伺いをいたします。  唐津の魅力は、冒頭申し上げましたけれども、最近ではコスメティック関連企業の立地も進んでおり、こうした魅力ある地域において若い人たちが地元で働き、活力ある地域をつくっていってほしいと強く願っておる思いでございます。  その思いで、高規格道路を唐津市と福岡や佐世保、佐賀へとつなげていき、行き来できるようになれば、時間短縮や定時性の確保により、利便性が向上し、企業誘致や観光振興が促進されることから、特に若い人が地元に残ることにつながるのではないかと考えます。  西九州自動車道を例に挙げますと、平成二十七年度までに唐津市内の全線が供用され、浜玉インター、唐津インター周辺では人口が急激に増加し、その地域にある、私の地元でありますけれども、鏡山小学校の在籍児童数は佐賀県で一位となっています。未整備となっている前原インターチェンジ、二丈鹿家インターチェンジを今調査して建設する準備が進められておりますけれども、それが供用すればさらなる活性化も期待できるところでございます。ですから、今からでも鹿家インターから唐津インターまで、四車線に向けて要望活動等に汗を流していかんばいかぬと思っております。  幹線道路が一本できると地域は変わると感じているところであり、今後、唐津市を中心とした県北西部地域をさらに活力ある地域にしていくためには、まずは幹線道路の整備が重要であると考えます。  現在、国や県において、西九州自動車道や佐賀唐津道路をはじめ、様々な道路事業が進められておりますけれども、その中で次の二点についてお伺いをいたします。  まず、佐賀唐津道路の唐津-相知間についてでございます。  佐賀唐津道路の整備により、佐賀市と唐津市を結び、佐賀-唐津間の交流を促進させることで、県北西部地域全体の経済、観光、文化などの活性化につながることが期待されます。  現在、佐賀唐津道路は唐津市側から厳木バイパス、厳木多久有料道路、東多久バイパスが暫定二車線で供用され、多久-佐賀間については多久佐賀道路(I期)が国において、また佐賀道路が県において事業が進められております。唐津-相知間についても早く進めていただきたいと考えておりますが、今後どのように取り組まれていくのかお伺いをいたします。  せめてといいますか、調査費ぐらいはつけていただいて、どういうふうなルートで道路を通していくかというような研究もあってもいいんじゃないのかと思っております。それにはやっぱり唐津インターに向かって目標をそこに設定して、そこに向かっていくためにはどういうルートで行けばいいのかという調査といいますか、そういったことも佐賀県として取り組んでいただければと願うところでございますので、そこのところも含めてお願いを申し上げたいと思います。  次に、西九州自動車道のアクセス道路についてお伺いをいたします。  県道唐津北波多線及び肥前呼子線は、西九州自動車道北波多インターから唐津市各所へのアクセス道路として重要な道路でありますけれども、幅員が狭く、急勾配や急カーブ区間が存在し、歩道も整備されていないことから道路整備が進められております。それぞれの道路について工事も進められておりますけれども、竹木場や北波多の方々からは早期供用に向かってしてほしいというような言葉を聞きます。今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  私はいろんなところでこういう話を聞きますものですから、土木事務所とか、道路課長さんとかに、いつなるとねとか、そういったことを一生懸命強く言いますけれども、大体令和六年度ぐらいじゃなかろうかというような言葉があったものですから、地元の皆さん方には、令和六年度を目標に今頑張っとるけんということを、今言っているところでございます。早く供用開始がなされて、その地域がますます発展することを願っておるところでございます。  問四、観光振興についてお伺いをいたします。  九月二十三日には西九州新幹線が開業し、十月一日からは「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」が始まります。DCといいますか、始まります。このデスティネーションキャンペーンは国内最大規模の誘客キャンペーンであり、この機会を最大限に生かし、県外から誘客促進につなげてもらいたいと願っておるところでございます。  今回のキャンペーンで佐賀に来られた観光客に、いかに県内全域を周遊してもらうのか、新幹線沿線だけではなく、県全体へ広げるような取組も必要だと考えます。  先日、自民党の唐津・東松浦の政調懇談会で、呼子、鎮西町の方がこういう言葉を言われました。呼子、鎮西町、玄海も含めてですけれども、ここは佐賀県のランドマークとも言えるようなところであるということで、その言葉を聞きました。まさにそのとおりだなと僕は思っております。呼子のイカ、あるいは海、そして、鎮西町の名護屋城のところで、今、いろんなイベントに取り組んでいただいております。そういったランドマークである我が唐津市のほうにも来ていただければうれしいなと思っておるところでございます。  そのことは、地元唐津というところの交流人口を増やして、そして、活性づかせるということを常に思っておりますものですから、このキャンペーンを通じて幅広い層の観光客が唐津に来られ、唐津の魅力を自ら情報発信してもらい、唐津っていいねと思う人が増えたり、リピーターになってもらって、そして、唐津に連泊をしてもらって、ひいては唐津に移住してもらえればと、そういう願いでこのキャンペーンを見ております。各地で認知度を上げ、キャンペーン後もその魅力の発信を継続して続けられることが大切だと思います。  一方、長引くコロナ禍によって旅の手法、価値観が変わってきたと聞いております。感染リスクの少ない家族や少人数での旅行スタイルが好まれ、本当に魅力がある場所には、費用は少し高くても実際に訪問される。今後のアフターコロナを見据えて選ばれる観光地となるよう、観光事業者も自らの魅力を高める準備をしっかりと行い、県もこのような事業者の受入れ環境整備などをサポートしていただくことが必要であると考えます。  今、やっぱり旅行業者、旅館、ホテルは、コロナで大変傷んでいる状況にございますが、次の点についてお伺いをいたします。  まず、「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」についてであります。  全国から佐賀に来られた観光客をどのようにして県内周遊させようと考えているのかお伺いをいたします。  二番目、アフターコロナに向けた今後の取組についてであります。  コロナ禍を受け、観光の在り方や旅行者の意識も変わっていく中、県として、今後の観光振興のためにどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  今、一生懸命このパンフレットを読んでおりますけれども、(資料を示す)本当にいいパンフレットができておるなと思っておりますし、いろんな方にこのパンフレットを見ていただいて、佐賀県内を周遊していただければと思っておるところでございます。  最後の質問でございます。投票率の向上についてお伺いをいたします。  昨今の選挙においては、投票率が右肩下がりで低下しており、直近の佐賀県知事選挙や佐賀県議会議員選挙では投票率が戦後最低となりました。また、先頃行われた参議院議員通常選挙では、佐賀県の投票率が全国平均を下回ってしまいました。誠に憂慮するところでございます。  投票率の低下は、有権者が一票を投じたいと思う候補者がいないということ、または新聞、テレビ、マスコミ等で政権与党の批判をしてありますけれども、政権与党ですから批判を受けるのは甘んじて受けなければいけないと思いますけれども、それに乗じて、インターネット社会における批判を含めた様々な情報に触れた有権者が、政治と距離を置いていることなどが要因ではないかと考えられます。  選挙は、有権者が政治に参加し、その意思を反映させることができる重要な機会であることから、私は全ての有権者にまずは投票所へ行ってもらい、投票してもらいたい。書く人がいなければ白紙になるのか、それはあまり推奨したくないんですけれども、やっぱり自分の意思を、こういう中でこの人を選びたいということを考えて投票してもらいたいと思う気持ちでございます。  投票率の向上のためには、有権者に日頃から地域の課題や政治に関心を持っていただくことが重要であり、そのためには、各候補者が有権者に対して自分が実現したい政策等についてしっかりと訴えかけていくことがまずは必要であります。候補者の取組と併せて、選挙管理委員会が実施する投票率向上に向けた選挙啓発もまた重要であると思います。  私自身、戦後に行われたいろんな各級選挙の投票率というものを調べてみました。ちなみにですけど、大変悪いんですけど、知事選挙の投票率についてちょっと言わせていただきます。私が知事選挙で一番最初に投票した人は池田直さんでした。昭和四十六年にその選挙がございました。その当時、八二・八七%。その次、香月熊雄さんが知事に出られまして、そのとき選挙がございまして、八四・九二%。香月さんの一番最後は七二・三九%でしたけれども、七〇%を超える投票率でありました。そして、井本さんの県政になりましたけれども、井本さんの投票率を見ましても六八・二四%、六四・三四%、六六・五一%、そういう高い投票率でありました。佐賀県の知事選挙で一番高かった投票率は、昭和二十六年四月の投票率で九三・三二%です。それが今や、本当に四〇%を切るような投票率になってきている。しかも、全国平均より佐賀県が負けておるというような、そういうことは本当に嘆かわしいというか、もっと投票率を上げて、選挙に関心を持ってもらいたいと、そういう思いでいっぱいでございますものですから、このことを取り上げております。  全国的に国政選挙の投票率が落ち込みつつある中で、山形県では平成二十九年十月の衆議院選挙から令和三年の衆議院選挙にかけて、三回の国政選挙で連続して投票率全国一位となってございます。特に平成二十九年の衆議院選挙では、山形県の十代の投票率が六四・一%と非常に高く、十代の投票率として見ても全国で一位であります。ここは大事なところだと思います。一番最初選挙に行った人は、当たり前のような思いで行ったんですけれども、行かなかった人は、ああ、行かなくても変わらんじゃないかというような思いをするかもしれません。ですから、十代の高校生、投票権が十八歳以上になりましたので、この十代の投票率というものを高めていかんばいかぬと思っております。  その山形県の中でも特に投票率が高い金山町の高等学校では、社会科の授業などを通じて、生徒が候補者となり、練り上げた自らの施策を本物の選挙さながら全校生徒に訴え、全校生徒がその中から高校生議員を選ぶという模擬選挙の取組を行っていると聞いております。町の課題を高校生たちが調べ、自分たちで考えた解決策を直接に提案する模擬議会の取組では、高校生議員が実際に町議会で一般質問を行い、その中から町が実際に予算化した事業もあると聞いております。  このような山形県の取組を見ますと、子供たちが自ら主体的に社会に関わり、その取組が実際に社会の変化につながるという経験をしたことが、各級選挙に対する意識を高め、投票率の向上につながっているのではないかと考えられます。  今年十二月には佐賀県知事選挙、来年四月には県議会議員を含む統一地方選挙が行われます。今後、県民にとって非常に身近な選挙が控えておる中で、十八歳から高齢者にかけて、いかに投票意識を高めていくかが重要であると考えまして、次の点についてお伺いをいたします。  まず、県内の投票率についてであります。  近年の選挙における県内の投票率はどのようになっておるのか。  二番目、投票率向上への取組についてであります。  近年の投票率低下を踏まえ、選挙管理委員会は投票率向上に向けてどのような取組を行ってきたのか。また、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  三つ目は、学校での取組についてであります。  十八歳選挙権の導入後、高等学校においてはどのような投票率向上の取組を行ってきたのか。また、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  以上、今回の私の質問でございます。地域の活性化のために未来を担う若い力が必要であり、若い人たちに地元に残りたい、住みたいと思ってもらえるような魅力ある地域づくりを、みんなで協力して進めていかなければならないという強い思いが根底にございます。今議会の演告においても言われたように、私もコロナ後の社会を見据え、地域のために様々な新しい取組にチャレンジし続けていく必要があると考えます。すぐにでもできるものもあれば、道路や企業誘致のように時間がかかるのもあるとは思います。ただ、唐津・玄海、ひいては佐賀県全体の活性化のため、令和五年度の予算の中に入れていただくとか、政策に反映してもらうとか、一日でも早く実現できるように願いを込め、最終日最後の私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 26 ◎寺島産業労働部長 登壇=大場芳博議員の御質問にお答えいたします。  私からは、企業誘致について二点お答えいたします。
     まず、新産業集積エリア唐津に係る企業誘致の取組についてでございます。  新産業集積エリア唐津につきましては、これまで複数の企業から様々な点で高い評価をいただいております。  具体的に申しますと、地震の発生リスクが少なく地盤も固いでありますとか、高台にあるため浸水のリスクも少ない、そして、高速道路とつながる高規格道路のインターに近接しており交通アクセスに優れているなどでございます。そして、最終候補地として選定されたこともございましたけれども、残念ながら現時点では成約に至っていないという状況でございます。  理由は様々でございますけれども、工業用水がないことによる水道料金のランニングコストを課題として挙げられた企業もございました。  企業が進出先を検討される場合、まずは必要とする面積が確保できるのかどうか。その上で交通アクセス、そして、水や電力などのインフラの整備状況、加えて、このところ課題として挙げられることの多い人材確保など、様々な観点から検討され、そして、複数の候補地と比較を行われた上で最終の候補地を選定されているという状況でございます。  これまでの誘致活動の中で新産業集積エリア唐津につきましては、特にBCP、事業継続計画を重視される企業のほうから高く評価をいただいておりますことから、この優位性を強くアピールしながら、企業への訪問活動と広報活動を積極的かつ重点的に展開をしているところでございます。  新産業集積エリア唐津への企業進出は、地域の振興に大きく寄与すると考えております。早期の企業誘致の実現に向け全力で取り組んでまいります。  次に、県北部地域への企業誘致の取組についてでございます。  県北部地域は、西九州自動車道の整備により、交通アクセスが大きく向上しており、また、佐賀唐津道路の整備推進によって、さらなる向上が期待できます。  こうした交通アクセスですとか、BCPの観点での優位性、また、自然や文化を含めた北部地域の持つ地域の魅力、こういったものをアピールしながら企業誘致を積極的に進めてきたことによりまして、これまでにコスメ関連などの製造業ですとかIT関連企業などの誘致が実現をしております。  幾つか御紹介をさせていただきますと、化粧品原料の国内大手商社でございます「岩瀬コスファ」さん、また、木材プレカット最大手の「ポラテック西日本」さん、また、IT関連ではふるさと納税管理システム大手の「シフトプラス」さん、こういった企業に進出をいただいているところでございます。  県北部地域につきましては、まずは先ほど申し上げました新産業集積エリア唐津への誘致を実現することが最優先の課題でございますけれども、その後のことも念頭に置きつつ、今後とも地元の市町と連携、協議をしながら、特に若い人たちが地元に定着し、活躍できるよう、多様で魅力ある企業の誘致に注力してまいります。  私からは以上でございます。 27 ◎山田農林水産部長 登壇=私からは、農業振興につきまして二点お答えいたします。  まず、「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一九」の令和三年度の進捗状況でございます。  この計画につきましては、推進項目ごとに二十一の成果指標を設定しております。その指標につきまして基準年の平成三十年と令和三年を比較いたしますと、二十一の指標のうち、約五割に当たる十一の指標がほぼ順調に推移をしております。  具体的には、肥育素牛の県内自給率でございますけども、二八・六%から三〇・四%と増加しております。また、優良園地の継承など地域ぐるみで農地の集積・集約化に取り組む地区数につきましても六地区から十地区ということで増加をしております。また、農村ビジネスの新たな取組数につきましては、この三年間で百十四件と増加しているところでございます。  一方、露地野菜の作付面積ですとか、イチゴの十アール当たりの収量、さらには年間の新規就農者数など、九つの指標で伸び悩んでいるところでございます。  進捗が順調である項目につきましては、さらに成果が伸びるように取り組んでいくこととしておりまして、具体的に三つ例を挙げますと、肥育素牛の生産拡大に向けては、「佐賀牛」の主産地であります唐津地域におきまして、肥育素牛の生産拠点となる全国最大級のブリーディングステーション「佐賀牛いろはファーム」の整備であったり、担い手への農地の集積・集約に向けては、農地中間管理機構を活用した園芸団地の整備推進、六次化による農村ビジネスの取組拡大に向けては、デザインの視点を取り入れた本県の稼げる農村ビジネスのトップモデルとなる農家の育成などに取り組んでいるところでございます。  一方で、伸び悩んでいる項目につきましては、さらに取組を強化しなければなりません。これも三つ例を挙げますと、露地野菜の面積拡大に向けては、新規作付や面積拡大への経費助成、さらには集落営農組織等での作付の推進、大型コンテナを活用した省力集荷体制の確立、こういうものに取り組んでいくこととしております。さらにイチゴの単収向上に向けては、収量性の高い「いちごさん」の普及拡大ですとか、高収益栽培技術の導入、さらには労力不足に対応するためのパッケージセンターの導入推進。さらに新規就農者の確保に向けては、今年度神埼市脊振町に新たに五カ所目となるピーマンのトレーニングファームの整備を進めております。また、トレーニングファームが整備されていない地域ですとか、品目につきましては、JAの部会などが主体となって栽培技術や経営手法を教えるトレーナー制、この取組の拡大などに取り組むこととしております。  近年、肥料、燃料をはじめとした生産資材の高騰、それから、米価の低迷などによりまして、農家経営は非常に厳しい状況にございますけども、「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一九」に掲げる稼げる農業の確立と活力ある農村を実現することで本県農業が将来にわたって発展していけるよう、関係者が一丸となって取組を進めてまいりたいと思っております。  続きまして、「さが園芸888運動」の今後の取組につきましてお答えをいたします。  県では、「さが園芸888運動」の推進のため、これまでに様々な取組を実施してきたところでございます。  具体的に四つ申し上げますと、就農希望者の円滑な就農や農家の規模拡大につながります園芸団地の整備、さらにはミカンの高品質化、省力化につながります根域制限栽培の水田への普及拡大、また、集落営農組織や例えば上場地域の葉たばこの廃作者などによりますブロッコリーなど新たな露地野菜の産地づくり、さらに「いちごさん」や「にじゅうまる」など新品種の導入や生産拡大などに取り組んできたところでございます。  農家の高齢化が進む中、「さが園芸888運動」をさらに前に進めるためには、意欲ある農家の経営規模の拡大、新規就農者、新規作付者などの担い手の確保、農地の集積や基盤整備によります園芸用地の確保、創出などに今後一層力を入れていく必要がございます。  こうしたことから、今後はこれまでの取組に加えまして、新たに先進農家ですとか、トレーニングファームでの研修を終えた新規就農者が、期間を空けることなくスムーズに地域内の園芸団地に入植できるようにするための仕組みづくりですとか、農業法人などのニーズに応じたオーダーメード型の基盤整備の推進、こういうものにも取り組むこととしております。  また、この運動を推進するため、県独自の事業であります「さが園芸生産888億円推進事業」を実施し、ハウス施設の整備ですとか、省力化機械の導入など、農家の前向きな取組に対して支援しているところでございます。  この事業につきましては、議員からもありましたけども、今年度が事業実施期間の終期となっております。これまでの事業成果や課題等を十分検証し、また、新たな課題への対応も検討した上で、農業者をはじめ、市町、農業団体など、現場の意見を聞きながら、意欲ある農業者の経営発展につながる施策となるよう検討を進めてまいりたいと考えております。  本運動がスタートして四年目となり、県内各地域において新たな取組が芽生え、明るい兆しも出てきております。この流れをさらに加速させ、稼げる農業、つながる農業を実現し、本県農業が将来にわたって発展していくよう、「さが園芸888運動」に全力で取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 28 ◎大呑県土整備部長 登壇=私からは、県北西部の幹線道路の整備について二点お答えします。  まず、佐賀唐津道路の唐津-相知間についてでございます。  佐賀唐津道路は、有明海沿岸道路や西九州自動車道とともに、本県の広域幹線道路網を形成する重要な道路でございます。  この道路の整備によりまして、県北西部地域と県都であります佐賀市などとの都市がつながり、物流の効率化、観光による地域活性化などが期待されております。  佐賀唐津道路の一部となります唐津-相知間につきましては、県としてこれまでも早期事業化について国への政策提案などを実施しており、今年六月にも国土交通省や財務省に対し提案活動を行っております。  また、佐賀唐津道路の中でも唐津-相知間に特化した活動に取り組むため、令和二年一月に、唐津市、多久市及び玄海町によりまして、佐賀唐津道路唐津・多久間整備促進期成会が設立され、国への要望活動を実施されております。県も早期事業化への思いから要望活動に同行しているところでございます。  期成会では、さらに効果的な提案活動となるよう工夫を重ねるため、勉強会を開催することとされております。この勉強会に県も参加し、これまで得てきた知見を提供しながら期成会とともに議論を進めてまいります。  新たな道路ができますと、企業誘致や観光振興などと相まって、地域の振興への寄与は大きいものがございます。このようなこともあり、地元の唐津-相知間の整備に対する思いというものは十分認識しているところでございます。  同じ唐津市内を通ります西九州自動車道の唐津千々賀山田インターチェンジ付近では、道路の開通後、企業の進出が見られているところでございます。  先ほど議員から調査費をつけてルートの検討もというお話がございました。できるだけ早くそのような段階となるよう、唐津-相知間の早期事業化に向けた道筋ができるだけ早く示されるよう、引き続き期成会と連携し、議論を進め、国へ働きかけてまいります。  次に、西九州自動車道のアクセス道路についてでございます。  議員御指摘のとおり、県道唐津北波多線や県道肥前呼子線は、上場地域と西九州自動車道北波多インターチェンジを結ぶ重要なアクセス道路でございます。  県道唐津北波多線につきましては、現在、唐津市重河内から竹木場の国道二〇四号までの約二キロ区間について現道の拡幅と部分的なバイパスによる道路整備を進めております。整備効果を早期に発現するため、これまで北波多インターチェンジ側の現道拡幅部から順次整備を進めております。課題でありました地滑り対策を終え、道路改良工事を進めているところでございます。今年度も引き続き、現道拡幅部の改良工事を進め、できるだけ早く完成するよう、しっかりと取り組んでまいります。  県道肥前呼子線は、唐津市の竹木場の国道二百四号から梨川内を経由いたしまして玄海町境の大良までの約五・五キロメートル区間について現道の拡幅と部分的なバイパスによる道路整備を進めております。  整備延長が五・五キロメートルと長いことから、幅員が狭い区間でありますとか、線形が悪い区間といった整備効果の高い箇所を優先して整備を進めてまいりました。幅員狭小区間でありました玄海町側の八永地区につきましては令和三年度末に供用しており、今年度も竹木場地区や梨川内地区の改良工事を進め、事業進捗に努めております。  事業をより円滑に進めるため、これまでも、県、唐津市、玄海町の三者で進捗状況を共有し、地元調整などに取り組んでいるところでございます。これらの道路の整備によりまして、地域の方々の利便性が向上するだけでなく、農畜産物や水産物の輸送の効率化をはじめ、観光客誘致など地域の発展に大きく寄与するものと考えております。  今後も、県北西部地域の観光産業のポテンシャルを生かし、さらに活力ある地域となるよう、県北西部地域の道路整備にしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 29 ◎實松文化・観光局長 登壇=私には、観光振興について二点御質問いただきました。  まず、「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」における県内周遊の取組についてお答えをいたします。  「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」は、西九州新幹線開業と合わせ、多くの観光客を県内に呼び込む絶好のチャンスであるというふうに捉えております。  キャンペーンでは、全国の主要駅に佐賀・長崎の食、温泉などをテーマにしたポスターを掲示するとともに、観光情報を掲載した公式ガイドブックを無料配布することとしています。先ほど議員からも公式ガイドブックの御案内をいただきましたけれども、二十市町の観光情報を掲載しております。あわせまして、旅行業者に西九州新幹線を利用した旅行商品造成の働きかけを行うなど、全国から佐賀への誘客を図ることとしております。  そして、キャンペーンで佐賀を訪れた皆さんに県内全域を周遊していただけるよう、キャンペーン期間に合わせて佐賀の地酒を三右衛門の器で楽しむ「唐津ちょこバル」体験や呼子でのイカ刺しつくり体験、有田の泉山磁石場を巡るツアーなどの特別企画を開催するとともに、それらを巡るデジタルスタンプラリーも開催することとしております。  また、キャンペーン以外にもJR九州と連携し、唐津線、筑肥線の山本-伊万里間を走る全ての車両をロマンシング佐賀のデザインでラッピングし、あわせて、「ロマ佐賀列車周遊きっぷ」を発売するなどしまして、キャンペーン期間の県内周遊をさらに推進することとしています。  県内では、これまで各地の体験コンテンツの充実を図ってきています。吉野ヶ里遺跡では発掘再開を機に、発掘体験会を開催することとしています。また、名護屋城博物館では黄金の茶室内で呈茶体験ができます。このほか嬉野のティーツーリズムや有明海の干潟体験などもあります。  これらの佐賀だからできる本物の体験を堪能していただき、議員からもありましたように、また佐賀を訪れたいと思っていただけるように取り組んでまいります。  次に、アフターコロナに向けた今後の観光振興の取組についてお答えをいたします。  議員からもありましたように、コロナ禍を契機に観光の在り方や旅行者の意識が変わってきていると認識をしております。旅行の形態はかつての団体旅行から個人旅行への流れが加速していますし、また有名な観光地を巡る物見遊山的な旅から、地域に根差した伝統や文化、歴史、自然、人の思いを共感、体感する旅にシフトしているというふうに思っております。  こうした変化は、澄み渡る空の下、ゆっくりと歴史や文化、自然を満喫できる佐賀の観光にはむしろチャンスであるというふうに思っております。  森林の中のアウトドアパークやサイクルツーリズム、SUPなどのマリンアクティビティが注目を集めていますが、これらの多彩な自然体験を満喫できる「OPEN-AIR佐賀」は本県観光の強みであります。その強みを積極的に全国にPRするとともに、県内事業者の新たな観光コンテンツづくりの支援にも力を入れていきたいというふうに考えております。  一方、旅館、ホテルなどの事業者においても旅行形態の変化に対応することが必要であると考えております。そのため、将来を見据え、施設の高付加価値化にチャレンジする事業者を応援したいという思いで、ハード面の支援を行う「佐賀型観光未来チャレンジ補助金」を今年度創設いたしました。客室を個人旅行で好まれる露天風呂つき客室へ改修したり、宴会場を個室化するなど、新たなニーズを踏まえて施設の高付加価値化を図る事業者を支援し、観光地としての魅力をさらに高めていくこととしています。  また、ソフト面では、地域の観光イベントなどが持続可能なものとなるよう、収益化の仕組みづくりが必要であるというふうにも考えております。そのため、専門家の招聘や収益システムの初期投資などを支援し、稼げる観光への後押しもしていくこととしております。  アフターコロナの観光、海外からのインバウンド誘客再開を見据え、市町や地域の方々と連携をさらに強化し、地域の魅力づくりをサポートすることで将来の佐賀観光が飛躍的にステップアップできるようしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 30 ◎落合教育長 登壇=私からは、投票率の向上について、学校での取組についてお答えをいたします。  高等学校における投票行動を促す取組につきましては、主権者教育の一環として、教科の公民や特別活動を中心として行っております。主権者教育は生徒の主権者としての意識を高め、主体的に政治や社会に参画しようとする態度の育成を目指しているものです。それに加えて、平成二十七年の公職選挙法の改正により、生徒が在学中に選挙権を持つようになってからは、各高校では選挙が実施される年やその時期には生徒たちに投票行動を促すことにも取り組んでおります。  関係機関と連携した取組の例といたしましては、選挙管理委員会による出前授業や模擬選挙、高校生が地域の課題を調べ、自分たちで考えた解決策を自治体や議会へ提案する学習活動なども見られております。  こういった主権者教育や取組の成果が、生徒の投票行動につながったかどうか正確には分かりませんけれども、公表されているデータ、これは平成二十九年に実施された衆議院選挙のデータで、総務省が全数調査を行った直近のものということになりますけれども、そのデータによりますと、県内での十九歳の投票率が約三三%であるのに対して、高校生が含まれる十八歳の投票率は約五二%、全国でもこれは十番目ということですけれども、ということで、これを見ると、学校での指導の成果というのは一定上がっているのではないかというふうに考えられます。  もちろん十九歳の投票率が低いと、その後の選挙結果を見ても十代が二十代よりは高くはなっておりますけど、二十代で下がる。これはやっぱり教育効果としてはしっかり高校生のときに教育をして、十代、二十代の若者も選挙に参加していくと、そういう意識を醸成していく必要があると考えております。  県教育委員会といたしましては、今後も先進的な取組なども参考にしながら、投票という最も基本的な政治参加の意識を持った人材を育成できるよう学校での主権者教育を充実させてまいります。  以上です。 31 ◎大川選挙管理委員長 登壇=私のほうからは、投票率の向上について二点ほど申し上げます。  まず、県内の投票率についてでございますが、直近の国政選挙や知事選挙、県議会議員選挙における投票率を見ますと、平成三十年十二月の知事選挙では三五・二六%であり、前回から一九・三五ポイント低下しております。平成三十一年四月の県議会議員選挙では四六・一二%であり、前回から四・八〇ポイントの低下があります。昨年十月の衆議院議員総選挙では五八・四九%であり、前回から〇・九七ポイントの低下でした。今年七月の参議院議員通常選挙では五一・一二%であり、前回から五・八七ポイント上昇しておりました。  以上のような状況でございました。  大場議員から御指摘がありましたように、投票率が全体として低下していることは大変憂慮すべき問題であると私どもも受け止めております。  次に、投票率向上への取組について申し上げます。  これまで、県選挙管理委員会では様々な手法を用いて選挙啓発を行ってきたところではございますが、従来から実施しているものといたしましては、小・中・高校生を対象とした「明るい選挙啓発ポスターコンクール」、それから、コロナ禍によりここ数年は実施できておりませんが、多くの人が集まるショッピングセンターなどで選挙啓発グッズ、例えば、ポケットティッシュなどでございますが、そういったものを配布し、投票を呼びかける街頭PRなどを行ってまいりました。また、他の年齢層に比べて投票率が低い若年層への効果的な啓発や政治への関心の向上のために、中学校、高校の生徒会役員選挙で使用される物品の交付、貸与や選挙出前授業を行う学校選挙支援事業、それから、LINEやインスタグラムなどのSNSを活用したPRなどを行っており、随時、必要に応じて新たな手法を導入してきております。  中学校、高校などで実施しました選挙出前授業では、本物の投票箱を使って生徒会役員選挙を行い、選挙を身近に感じることができた、政治が自分たちの生活に密接に関係していることが分かった、よりよい生活環境にするために必ず投票に行こうと思ったなどの反応が寄せられており、県選挙管理委員会としても主権者意識の醸成につながっていると感じているところでございます。  今後は、若年層の投票率向上に向けて、県内の高校、大学、短大等の協力を得ながら、学生、生徒に対する効果的な選挙啓発を考えていきたいと思っております。  さらに、県内市町における投票率向上に向けた優良事例、例えば、大学内での期日前投票所や、バスなどで投票所が遠い地域を巡回する移動期日前投票所の設置、アニメ風のオリジナルキャラクターをデザインした啓発ポスターの制作などについて、他県の優良事例とあわせて、県内市町の選挙管理委員会や「明るい選挙推進協議会」と共有し、県内における同様の取組の普及促進を図っていこうと考えております。  また、現在、県選挙管理委員会が選挙当日に公表している推定投票率につきましては、前日までの期日前投票分を含まないものであるため、期日前投票制度が普及した現状にありましては実際の投票率よりも低いものとなっております。このため、今後は選挙当日の推定投票率に期日前投票率を合算して公表できないか検討してまいる予定でございます。  これによりまして、選挙当日に公表する推定投票率が投票の実態により近いものとなれば、みんなが投票に行っているから私も行かなければといった機運が高まるのではないかというふうに考えております。  いずれにいたしましても、近年の投票率の低下は大きな問題であると認識しており、近く執行が予定されている佐賀県知事選挙や佐賀県議会議員選挙では、より多くの有権者に選挙に関心を持って投票所へ足を運んでいただけるよう、市町選挙管理委員会などとも連携しながら、引き続き投票率の向上にしっかり取り組んでまいりたいと思います。  以上で終わります。 32 ◎議長(藤木卓一郎君) 以上をもちまして一般質問を終了いたします。     ○ 委 員 会 に 付 託 33 ◎議長(藤木卓一郎君) 次に、上程中の議題となっております甲第四十一号議案から甲第四十六号議案まで六件、乙第五十四号議案から乙第七十一号議案まで十八件、以上二十四件の議案を皆様のお手元に配付いたしております議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託をいたしたいと思います。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 34 ◎議長(藤木卓一郎君) 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  明日十日及び十一日は休会、十二日及び十三日は議案審査日、十四日及び十五日は各常任委員会開催、十六日は議案審査日、十七日、十八日及び十九日は休会、二十日は特別委員会開催、二十一日は本会議を再開して委員長報告を行います。  本日はこれで散会いたします。お疲れさまでございました。     午後四時二十九分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...