佐賀県議会 2022-03-09
令和4年農林水産商工常任委員会 本文 開催日:2022年03月09日
最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時一分 開議
◯川崎委員長=ただいまから
農林水産商工常任委員会を開催いたします。
これより質疑に入ります。
通告に従い、順次発言を許可いたします。
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◯武藤委員=皆様おはようございます。
日本共産党の武藤明美でございます。
一年間、この
常任委員会で、私は防災問題や
コロナ対策など毎回質問してまいりました。昨日も有田町のため池の工事を視察いたしまして、本当に皆さんいろんな工夫をされながら、熱心に取り組んでいただいていることをありがたく思いました。関係しておられる皆さんに感謝申し上げます。
では、質問に入ります。
今日、私は五問用意いたしておりますが、順番に従って質問したいと思います。
まず初めは、
佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターについてです。
県は、令和四年度当初予算の
九州シンクロトロン光研究センターの
光源部更新のために
債務負担行為を設定しておられます。
シンクロトロン光研究センターのそもそもは、昭和五十九年に久留米・
鳥栖テクノポリス構想の下にその承認を受けて、平成四年に
九州北部学術研究都市整備構想の
主要プロジェクトとして位置づけられて進められてきたものです。当時はどんな研究がされるのか気にもなり、また、ニーズはあるのだろうかと心配もしていたところです。平成十八年二月に稼働しましたが、その後の利用状況などどうであったのか、十六年経過した今、改めてお聞きしたいと思っております。
この
研究センターが設立された目的について伺いたいと思いますが、どのようなものだったんでしょうか。
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◯林ものづくり産業課長=
県立九州シンクロトロン光研究センターの設立の目的についてお答えいたします。
委員からの御紹介がございました
九州北部学術研究都市整備構想、いわゆる
アジアス九州におきまして、久留米・鳥栖地域につきましては
クロスロードの
学術研究産業拠点都市、あるいは
研究交流ネットワークハブ都市の都市像を掲げまして、関連施策を推進することとなったところでございます。この構想の
主要プロジェクトといたしまして、この
九州シンクロトロン光研究センターの整備が位置づけられることとなりました。
このようなことから、このセンターにつきましては、兵庫県にございますSpring8とか、あるいは大学のほうに設置されております施設では学術目的という形で行われておりますけど、それとは異なりまして、地域産業の高度化、あるいは新産業の創出、あるいは科学技術の振興に寄与する目的で設置したものでございます。
以上でございます。
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◯武藤委員=先端の技術の研究というふうなこともあって、当時、どうなるんだろうかなという思いも皆さんお持ちだったと思います。
これまでの整備状況はどのようになっておりますでしょうか。
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◯林ものづくり産業課長=これまでの整備状況についてお答えいたします。
このセンターにつきましては、平成十年度に基本計画に着手いたしまして、委員のほうから御指摘がございました平成十八年二月に稼働しております。その稼働までに建物の建設だとか、建物内にまずは三本の
県有ビームラインというものの整備を行ったところでございます。また、平成十八年二月の稼働後になりますが、建物の増設、あるいはさらに三本の
県有ビームラインの整備を行ったところでございます。
現在の形となりました平成二十二年度、これまでに施設設備の整備関係の費用といたしましては、総額で約八十一億三千五百万円となっているところでございます。
以上でございます。
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◯武藤委員=この施設は、
電子線型加速器とか、
電子蓄積リングなどに係る研究施設です。多くの企業や大学、また、公設の試験施設が利用しているというふうに思いますけれども、その利用状況、その推移はどうなっているのかお示しください。
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◯林ものづくり産業課長=センターの利用状況、その推移ということにお答えいたします。
令和二年度までの過去五年間の外部利用の利用件数と利用時間数をお答えいたしますと、まず、五年前、平成二十八年度につきましては百五十四件で時間が三千二百三十九時間、平成二十九年度は百五十六件で三千二百五十九時間、平成三十年度は百四十六件で二千九百十一時間、令和元年度は百六十九件で三千二百六十時間、それから、令和二年度につきましては百五十一件で三千百三十一時間とおおむね横ばいで推移しているところでございます。
また、利用件数の内訳を申し上げますと、令和二年度につきましてですけれども、全体で百五十一件でございますが、大学のほうが七十九件で全体の五二・三%、企業による利用が五十件で三三・一%、
公設試験研究機関のほうが二十二件で一四・六%となっているところでございます。
以上でございます。
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◯武藤委員=今お示しいただいたように、順調にというか、安定的に利用していただいていると、やっぱりそれは必要とされていたんだなということが分かります。
この
県立九州シンクロトロン光研究センターの運営及び収支状況、これについてはどんなふうになっているのかお示しいただきたいと思います。
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◯林ものづくり産業課長=センターの収支状況についてお答えいたします。
収支状況、これも過去五年間の
指定管理事業の収支状況で申し上げますと、平成二十八年度につきましては、約五億二千三百万円の支出に対しまして、収入は
指定管理受託料の約四億六千百万円と
施設利用料などの約六千二百万円となっております。
また、平成二十九年度につきましては、約五億四千六百万円の支出に対しまして、収入は
指定管理受託料の約四億七千八百万円と
施設利用料等の約六千八百万円、平成三十年度につきましては、約五億三千三百万円の支出に対しまして、収入は
指定管理受託料の約四億七千万円と
施設利用料等の約六千五百万円、令和になりまして、令和元年度につきましては、支出約五億二千七百万円に対しまして、収入は
指定管理受託料の約四億五千九百万円と
施設利用料等の約六千八百万円、令和二年度につきましては、支出約五億三千六百万円に対しまして、収入は
指定管理受託料の約四億七千三百万円と
施設利用料等の約六千五百万円ということになっているところでございます。
以上でございます。
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◯武藤委員=何とかやっていっていらっしゃるというふうに思うんですけれども、この施設は、さっきも言ったように
電子線型加速器、そして、
電子蓄積リングなど放射線を発生させる装置が設置されている重要な施設だというふうに思います。安全性、安全確保、それから安心使用、そのためにも施設管理は特に大事な役割だというふうに思います。どういう管理体制になっているんでしょうか。
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◯林ものづくり産業課長=
放射線発生装置の管理体制についてお答えいたします。
九州シンクロトロン光研究センターでございますけれども、この
放射線発生装置につきましては、「
放射性同位元素等の規制に関する法律」の第三条の規定によりまして、
放射線発生装置の使用をしようとする者は
原子力規制委員会の許可を受けなければならないということになっているところでございます。
また、その許可を受けた者につきましては、同法第二十一条の規定によりまして、
放射線障害を防止するため、
原子力規制委員会規則で定めるところにより、
放射線発生装置の使用を開始する前に
放射線障害予防規程を作成して
原子力規制委員会に届出をしなければならないということになっております。
こういったことから、
県立九州シンクロトロン光研究センターにおきましても、先ほどの
放射線障害予防規程を作成しております。これはホームページにも掲載させていただいているところでございます。
この作成をしまして、
放射線安全委員会を設置したり、あるいは
放射線取扱主任者を選任したりと、こういった
放射線発生装置の取扱い、あるいは管理に関する事項を定めて、
放射線障害の発生を防止しまして、併せて公共の安全向上に努めているところでございます。
以上でございます。
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◯武藤委員=お聞きしておりますと、今お述べになったように、細心の注意を払って安心・安全に努めていってほしい、そういう施設であり、管理体制だというふうに思います。
今後の在り方についてなんですけれども、今後の在り方を検討するための委員会が設置されたと聞きました。どのような経緯で設置されたのでしょうか。私は本当に安心・安全にしっかりと細心の注意を払って頑張っていただきたいからこそ、それを思って質問しておりますので、よろしくお願いいたします。
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◯林ものづくり産業課長=今後の
在り方検討の中で、委員会の設置ということについてお答えいたします。
センターの開設以来、十六年でございますけれども、様々な利活用の促進に取り組んできました。この中で当然、安心・安全というところにはしっかり努めながら取り組んできたところでございますけれども、県内企業の利用、これを加速するために、令和元年度から
産業利用コーディネーターを配置したところでございまして、この
コーディネーターの活動によりまして、県内企業の利用件数をどんどん進めていっていただきたいということで設置したところでございますが、設置前の平成三十年度は県内企業の利用件数につきましては二十四件でございましたが、設置後、令和元年度につきましては三十四件、令和二年度につきましては四十三件と、少しずつ増加しているところでございます。
ただ、さらなる
利活用促進の余地があると考えておりますことから、外部の有識者の方に幅広く意見、助言、こういったことを伺うために、
県立九州シンクロトロン光研究センターの
サービス向上委員会というのを設置させていただきまして、先月、二月四日に第一回委員会を開催したところでございます。
以上でございます。
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◯武藤委員=検討のための
委員会構成や、どのような意味をここに持たせていくのか、それについて、この委員会についてお示しいただけたらと思います。
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◯林ものづくり産業課長=委員構成と意味づけについてお答えいたします。
この
サービス向上委員会の委員構成につきましては、全体五名で構成しておりますが、弁護士の方一名、
公認会計士の方一名、
利用者代表の方が二名、センターの類似施設の代表の方が一名ということで構成させていただいております。
この構成につきましては、まず弁護士の方につきましては、この
研究センターのガバナンスとか、あるいは公平・中立な意見をいただく。あるいは
公認会計士の方につきましては、収入などの経営面の強化とか改善、こういったところに御意見をいただくと。
あと利用者の代表の方につきましては、今後の
サービス向上につながるような気づきをいただくと。それから、類似施設につきましては、同じような施設を運営されておりますので、その運営に関する工夫とか改善点、そういったところの意見を幅広く伺うことを狙いとしているところでございます。
こういったことで、もう一度原点に立ち返りまして、県民の財産でございますこの施設をもっと有効に活用していきながら、新産業創出、これの好循環につなげていきたいというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
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◯武藤委員=この検討委員が出されたいろんな意見があると思うんですけど、それをどのように活用していかれるのか、今後どういうふうにこの施設を持っていこうとしておられるのか、そこの辺りをお聞かせいただきたいと思います。
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◯林ものづくり産業課長=委員会の意見の活用について、どのように活用していくのかということについてお答えいたします。
この
サービス向上委員会からいただきました意見につきましては、
指定管理者でございます
公益財団法人佐賀県
産業振興機構、こちらのほうに伝えまして、
PDCAサイクルを回しながら、このセンターのさらなる
サービス向上に生かしていきますとともに、令和五年度からの
指定管理者の指定の際の基本協定とか、あるいは仕様書、これに反映することによりまして、次の指定期間の運営に確実に反映していきたいというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
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◯武藤委員=この施設は、先ほども言いましたように本当に大事な施設で、おろそかな対応をするようなことであってはならないと思っております。それは皆さんも同じだと思います。
本当にそのところをやはりしっかりと認識していただいて、
指定管理者の人にも認識を共有していただいて、今後の運営に努めてもらいたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に行きたいと思います。
コスメティック構想の現状と今後について質問したいと思います。
平成二十七年から企業進出が始まったこの
コスメティック構想、
コスメ企業の誘致や地産素材の活用などに取り組んでいるというふうに聞いております。直接肌に触れるものであるために、地産の植物素材ということであれば、私たちも安心して使えるのではないかと本当に期待を持っているんです。
この前、テレビを見ておりましたら、佐賀県の白イチゴを使った
ハンドクリームのコマーシャルがあっておりました。ああ、こういうふうに使われていくのかなというふうに非常に関心を持った次第です。生産者の皆さんにとっても本当に喜ばしいことではないかなというふうにも思うんですけれども、
コスメティック構想は以前から質問しようというふうに思っていたんです。この委員会の終わりでもありますので、改めて取り上げていきたいなというふうに思った次第です。
この
コスメティック構想はどういう思いで皆さん方が取り組まれることになったのかをお示しいただきたいと思います。
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◯北村コスメティック構想推進室長=平成二十四年一月に
世界最大級の
化粧品産業集積地とされますフランスの
コスメティックバレー元会長のアルバン・ミュラー氏が唐津市を訪問された際に、豊かな自然環境と豊富な天然資源、こちらは原料植物となります。これがあること、そして、規模は小さいながらも、既に化粧品の製造や検査分析、物流といった
サプライチェーンがあること、また、成長市場であるアジアに近い立地条件などに注目されました。
その後、唐津市と
コスメティックバレーとの交流が始まり、平成二十五年四月、フランスにおきまして、唐津市と
コスメティックバレー協会との間で
協力連携協定が締結され、この協定締結がきっかけで
コスメティック構想に取り組むことになりました。
県としましては、この構想は唐津市だけでなく、県全体の地域振興や産業振興につながる可能性を十分に秘めたものであると考えましたことから、唐津市、玄海町とともに取り組んでいくこととしたところでございます。
以上、お答えいたします。
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◯武藤委員=それでは、取り組まれて以降、県内には
コスメ関係で何社が進出されたのか、お聞かせいただきたいと思います。
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◯北村コスメティック構想推進室長=これまでの
立地企業数についてお答えいたします。
これまで
化粧品原料の商社や原料加工と
化粧品製造企業、化粧品の
受託製造企業、化粧品・
医薬部外品の製造企業、そして、
化粧品パッケージの印刷企業など十二件の進出が実現しております。そのうち五件が化粧品等の製造企業となっております。
また、これらに加えまして、地産原料のコーディネートや
産地化支援を行う法人が設立されたり、
広告デザイン会社が化粧品の企画販売を始めるなど、
コスメ事業での起業や異業種からの参入も十五件実現しております。
以上、お答えいたします。
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◯武藤委員=十二社が進出したというふうな御答弁でした。立地企業の市町ですが、初めは唐津、玄海からというふうなことで取り組んだとおっしゃったんですけど、さっきのお言葉に県内でも生かしていけるんではないかというふうなことがありました。全体的に取り組んでいる、進出されている
市町別内訳はどうなっていますか。
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◯北村コスメティック構想推進室長=立地企業の
市町別内訳についてお答えいたします。
十二件の
市町別内訳は、唐津市が九件、鳥栖市が一件、神埼市が二件となっております。
以上、お答えいたします。
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◯武藤委員=もちろん唐津が多いということは分かりましたけれども、鳥栖市だとか神埼市とかにも進出しておられるというふうなことで、県内でいろんなところで条件が合えば進出してもらえるというふうな認識でいいんですね。
それで、地産素材を活用した商品についてなんですけれども、私、本当に佐賀県の生産品というのはとても優秀だし、誇れるものだというふうに思っているんですけれども、さっき御紹介したテレビで見た白イチゴ以外にどんな地産素材が使われているのか、お示しいただけたらと思います。
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◯北村コスメティック構想推進室長=地産素材を活用した商品についてお答えいたします。
これまで
化粧品メーカーに対しまして、地産素材の提案や生産者とのマッチングなどを行ったことによりまして、ツバキ油、白いきくらげ、ミカンの花、グレープフルーツ、ホーリーバジル、エミューオイル、お茶などの地産素材を活用した商品が開発、販売されました。
具体例としまして、東京を拠点とします
ファッションブランドが初のスキンケアブランドを立ち上げ、加唐島産の
ヤブツバキを使った美容液、
ボディークリーム、
ボディーソープなどを展開されております。これらの商品は主要な
ファッション雑誌で取り上げられるなどして注目されております。
また、同じく東京を拠点とする
化粧品メーカーが唐津産白イチゴを配合した
フェイスマスクを商品化した事例もございます。こちらも
コスメ商品の専門の
口コミサイトで高評価を得ています。
このほかに、唐津市の企業が加唐島産の
ヤブツバキを使った
洗顔石けん、
美容オイル、化粧水、バームを展開しておりましたり、同じく唐津市の企業が白いきくらげを使用した石けんを展開されており、いずれも
地域資源活用の好事例として表彰されるなど注目されております。
以上、お答えいたします。
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◯武藤委員=今御紹介いただいて、いろんなところが着目してくださっているなというふうに思ったんですけど、進出した十二企業、十二社中何社ぐらいが活用しておられるんでしょうか。
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◯北村コスメティック構想推進室長=進出企業の何社が地産素材を使っているかというところについてお答えいたします。
化粧品を製造している企業が五社ございますけれども、そのうち一社が地産素材を活用した商品を製造しておられます。
以上、お答えいたします。
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◯武藤委員=いろんな活用が期待されているんだけれども、残念なことに、十二社進出された中で一社しかまだ使われていない、ほかの会社でもいろいろ注目して使ってはいただいているんですけどね。なので、ぜひともほかの会社にも呼びかけて、もっともっと佐賀県産の地産素材をお示しいただいて、PRして頑張って使っていただけるような取組をお願いしたいと思っているんですよ。せっかくいい素材を生産できる、そういう佐賀県ですので、もっと地産素材を活用して、例えば、この進出した企業を見ておりますと、研究している会社もありますし、それから、
パッケージとかも含めて、その研究開発の会社にもっとそういうものを計画して取り組んでほしいと、活用できるようなものを研究してほしいといったような働きかけをしていただいて、全体の流れとして佐賀県の素材をもっともっと活用していけるような、そういう
状況づくりをぜひ努力していただきたいなと思うんですけど、いかがでしょうか。
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◯北村コスメティック構想推進室長=委員が御指摘のように、一社しか使っていただけていないというところは私どもも非常に残念に思っておりますし、また、もっと働きかけを強めていかなければならないと考えております。
以上、お答えいたします。
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◯武藤委員=何度も言うんですけど、本当に佐賀県の地産素材ってすばらしいと思うんですよ、農林関係の方もうんうんとうなずいていただいていますけど、そこに誇りを持って、生産者の方も喜んでいただける、そういうタイアップした取組をぜひぜひ前向きに努力していただきたいと思います。
もう一度決意を、今度は部長にお願いしましょうか。
31 ◯寺島産業労働部長=コスメの関係で高品質な地産素材をもっと活用してもらいたいということで、まさに私どもそういうふうに思っているところでございます。
地産素材を活用した商品化につきましては、まさに委員の御指摘のとおりでございまして、そういった努力も私どもも重ねておりまして、今もそういった検討をしていただいている企業も出てきておりますので、そういったところは引き続きしていきたいと思っております。
またあわせまして、企業誘致というのもそうですので、進出してくださった企業への働きかけというのはもちろん引き続き行ってまいりたいと思いますけれども、一方でスタートアップの支援というのが全国的にも大変注目をされておりまして、コスメに特化したスタートアップ企業というものを今のところは佐賀に集まってくるような、そんな取組をしておりますので、そういったところの企業にも佐賀のすばらしい地産素材を使っていただけるように働きかけをしてまいりたいと思っております。
またもう一方で、先ほど研究開発のことも触れていただきましたけれども、コスメ研究のところで非常に著名な研究者の方に佐賀に今来ていただいております。佐賀大学の特任教授に就任をしていただいておりますけれども、その先生にもお願いして佐賀の地産素材を使っていただくとか、あるいはその先生がどこかの企業と共同研究をされるときにも地産素材を使っていただけるような、そういった働きかけというのも行ってまいりたいと思っております。
立地企業、それからスタートアップ、あるいは県内企業、いずれも佐賀県内の豊かな高品質な地産素材というのをもっと使っていただけるように、これからもしっかりと取り組んでまいります。
以上、お答えいたします。
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◯武藤委員=ありがとうございました。部長の力強いお言葉にますますよろしくお願いしておきたいというふうに思っております。
それでは、三番目です。新産業集積エリアの整備事業についてです。
地域経済の活性化のためにも、新たな雇用の創出や地場産業の取引機会の拡大につなげていける企業の進出、大事なことだと思っています。
今、県では、進出企業の受け皿となる産業団地の整備に努めておられますが、今日はその中で新産業集積エリア整備事業について質問したいと思います。
新産業集積エリア整備事業は、いつ、どのような経緯で始まり、どういう計画内容になっているのか、お示しいただきたいと思います。
33 ◯大久保企業立地課長=新産業集積エリア整備事業の経緯等についてお答えいたします。
鳥栖市、唐津市、武雄市、有田町の四カ所で整備する新産業集積エリア整備事業につきましては、平成十九年度から取り組んでいるところでございます。当時、県内における産業団地の未分譲地が少なくなり、大型の産業団地が不足する状況にあったこと、市町から大型産業団地の整備要望があったことなどから、県内複数箇所で大型産業団地整備に取り組むこととしたものです。
市町からの申請を基に、エリア鳥栖、エリア唐津、エリア武雄、エリア有田の四カ所を選定し、市町を事業主体に、県と市町が経費を折半する共同整備方式による整備に着手し、県が、基本設計や規制関係の調整、国等との協議など、市町が地元調整や用地交渉、造成工事など、役割分担をしながら取り組んでいるところです。
また、各エリアの計画内容につきましては、四つのエリアとも平成二十年度から測量や基本設計に着手し、市町を事業主体に順次開発を進めていくこととしており、有効面積につきましては、エリア鳥栖が約二十一ヘクタール、エリア唐津が、第一期が約十一ヘクタール、第二期が約十九ヘクタール、エリア武雄が約十八ヘクタール、エリア有田が約二十ヘクタールとなっているところでございます。
以上、お答えいたします。
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◯武藤委員=四エリアというふうに答弁いただきました。それぞれの新産業集積エリアの整備状況と分譲状況、どのようになっていますか。
35 ◯大久保企業立地課長=各エリアの整備状況についてお答えいたします。
エリア鳥栖につきましては、これまで農政局との協議や地元調整、用地交渉など、事業の進捗に時間を要しておりましたが、ようやく農地転用許可申請及び開発許可申請が可能な状態になり、今年一月、鳥栖市から農地転用許可申請書及び開発許可申請書が提出され、現在審査が行われているところです。両方の許可を得れば、造成工事への着手が可能となる状況となっております。
エリア唐津につきましては、第一期の造成工事が平成二十二年十月に完了し、分譲中となっています。これまで複数の企業から関心を示され、進出先の候補地として現地視察まで進むケースもあるものの、現時点では企業の進出に至っておりません。
エリア唐津の第二期につきましては、用地買収は完了しており、第一期の引き合い状況や景気状況を見ながら、造成について判断することとしています。
エリア武雄につきましては、平成二十三年十月から分譲を開始し、平成二十七年に完売しています。
エリア有田につきましては、用地買収が完了し、開発許可も得ています。今後、企業からの引き合いを踏まえ造成に着手することとしています。
以上、お答えいたします。
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◯武藤委員=それぞれお答えいただいたんですけど、武雄は完売できたということですね。武雄の場合は十八・四ヘクタール、有効面積が十七・六ヘクタールということで完売できているということなんですね。そして、有田地区は用地は取得しているけれども、未造成、進出が決まれば造成していくということです。唐津が一期は分譲中、二期が用地取得は済んでいるけれども、未造成だというふうなことで、鳥栖はまだまだこれからのことでというふうなことになります、今年の一月に出されたということですけど。
取り組んだのが結構早かったにもかかわらず、武雄だけしか売れていない。まだ進出がなかなか決まらないというふうないろんな状況もあるんだと思うんですけれども、それぞれ三つのエリアでこういったまだ造成もできていない、企業も決まっていないという状況をどのように認識しておられるのか、お示しいただきたいと思います。
37 ◯大久保企業立地課長=エリア鳥栖につきましては、今までかなり時間がかかっておりました。ようやく農地転用許可申請と開発許可申請がなされて造成工事に着手できる状況になったと思っております。
企業からの引き合いが多い地域でございますので、造成工事に着手し、分譲開始時期の見通しが立てば、企業の進出は進むものと考えております。
それと、未造成のエリア唐津、造成済みのエリア唐津、それとエリア有田につきましては、広い用地を必要とする企業に関心を持っていただき、地震などの自然災害の少なさ、地盤の硬さ、インターチェンジへの近さなどに対して一定の評価を得ているところです。
これまで実際に現地視察を行い、進出先の候補地として具体的な検討を進めていただいた企業も一定数ございます。
現時点では、結果として企業の進出には至っておりませんけども、複数の企業から進出先の候補地に選ばれた実績がありますので、産業団地としてのポテンシャルはあると認識しているところです。
以上、お答えいたします。
38
◯武藤委員=今御答弁いただいたんですけれども、コロナ禍であったりというふうなことでなかなか難しい面も、マッチングできないという面もあろうかと思うんですね。その中で私が気になるのが、鳥栖がなぜまだそういう状況にあるのか、手続中という状況になっているわけですね、申請は出されたとはいえ。平成二十年に整備予定地が決定されたと聞いておりますけれども、十数年、十四年ぐらいたっていますね。なぜ長引いているのか、その経緯について、これは農地の問題との絡みもあると思いますので、関係する農業サイドのところにお聞きしたいと思いますが、なぜ長引いたというふうになっているのか、その経緯について伺いたいと思います。
39 ◯土井農山漁村課長=これまでの経緯について答弁いたします。
新産業集積エリア鳥栖につきましては、平成二十年度から測量、基本設計などに着手されております。鳥栖市におきましては、平成二十八年二月から土地売買の仮契約の締結を開始されたところでございます。農地法では農地を農地以外のものにするために、所有権を移転する場合には、県知事の許可を受けなければならないと規定されていますが、鳥栖市は農地転用許可前にもかかわらず、嘱託登記による所有権移転を行ったという問題が発覚したところでございます。
以上、お答えいたします。
40
◯武藤委員=その問題を整理するための時間を要したということですか。
41 ◯土井農山漁村課長=農地転用のやり方について協議、あと、手続のやり方について協議する時間を要したということでございます。
以上、お答えいたします。
42
◯武藤委員=鳥栖市の農地転用についてのやり方に対して、県はどのような指導をされたんですか。また、どのような認識を持っておられるんでしょうか。
43 ◯土井農山漁村課長=県の認識についてお答えいたします。
今回の問題は、農地法に基づく農地転用許可を受けることなく鳥栖市が農地の所有権を取得したということでございます。現在、開発地区につきましては、造成工事は未着手であり、依然として農地の状況にあるものの、許可を受けることなく所有権移転を行っているため、農地法に違反しているという状況にあります。
しかしながら、新産業集積エリアの整備計画については、鳥栖市において九州農政局、県の関係課とも農地転用も含め既に協議済みであること、また、鳥栖市が所有権を取得した農地は造成等がなされておらず、法に基づく許可を受ける前に鳥栖市が農地の所有権を取得したことによる具体的な支障は生じていないこと、さらに、許可を受けないで行われた鳥栖市への所有権移転は農地法上効力を生じないことから、手続の順番を誤ったものというふうに認識しております。
以上、お答えいたします。
44
◯武藤委員=今の答弁の中で出てきた県の関係課というのはどこなんですか。
45 ◯土井農山漁村課長=関係課についてお答えいたします。
関係課については農山漁村課、自分のところですけど、あと企業立地課等を考えております。
以上、お答えいたします。
46
◯武藤委員=農地法違反の問題がありましたし、そういう認識も持っておられるという中で、今年の一月には申請が出されたということになっておりますけれども、それはいわゆる解決ができて申請が行われたというふうな認識でいいんでしょうか。
47 ◯土井農山漁村課長=農地法違反という状況はいまだに続いたままでございます。その中で申請が上がってきたという状況でございます。
以上、お答えいたします。
48
◯武藤委員=農地法違反の状態のままで申請が上がってきたというのであれば、なかなかそれは認可と言うには難しいんじゃないですかね、どうですか。
49 ◯土井農山漁村課長=農地法違反の状態で申請するのが難しいという質問にお答えいたします。
県としましては、所有権移転登記を元に戻した上で、農地転用許可申請を行うことが基本であると考えております。しかしながら、繰り返しになりますけど、新産業集積エリアの整備については、鳥栖市において九州農政局、県の関係課とも農地転用を含め既に協議済みであること、そして、鳥栖市が所有権移転登記をした農地は造成等がなされておらず、法に基づく許可を受ける前に鳥栖市が農地の所有権を取得したことによる具体的な支障は生じていないことといった状況があるとともに、所有権移転登記を元に戻さずに申請することについては農地法上の問題がないことから、所有権移転登記を元に戻すことが極めて困難な場合は、登記を戻さずに申請することは可能と考えているところでございます。
以上、お答えいたします。
50
◯武藤委員=今お聞きしておりますと、なかなか難しいですね。農地法違反のままの状態で、しかし、申請はするということで、でも、解決の方向に皆さん方、向かおうとしておられるんだと思うんです。そうしないと、いつまでも県で足踏みをしていくということになってしまいますのでね。
どんなふうに解決しようとしておられるのか、そちらのほうもお聞きしたいと思います、どうですか。
51 ◯大久保企業立地課長=解決に向けての質問にお答えいたします。
私たちといたしましても、着実に、また正しく進めていって、早く造成工事に着手していきたいと考えておりますので、許可権者は農山漁村課でございますが、私たちとしましては着実に事業を進めていけるように頑張っていきたいと考えております。
以上でございます。
52 ◯土井農山漁村課長=農地転用申請につきましては、鳥栖市から令和四年一月四日付で鳥栖市農業委員会宛てに農地法第五条に基づく農地転用許可申請が提出されております。そして、鳥栖市農業委員会から県に二月二十二日、同申請書が進達されております。県では、現在その申請内容について農地法に基づいて審査を行っているところでございます。
以上、お答えいたします。
53
◯武藤委員=農山漁村課としては今慎重に審査をしているというふうなことだと思うんですけど、では、今後の見通しとしては、その審査がきちっと行われる期間はどれぐらいあるのかとか、スケジュールはどうなっていくんだろうかという心配を持つわけですけど、農山漁村課としてはどんなふうな見通しを持って進めようとしておられるのかですね。そして、鳥栖市が行ったそれについてどういうふうに見解を持っておられるのか、述べていただきたいと思います。
54 ◯土井農山漁村課長=見通しについてと鳥栖市の状況ですけれども、今、申請書について農地法に基づいて審査を行っているところでございます。いつ許可をできるかできないか、その内容については今審査中でございまして、見通しについては今の時点で申し上げる段階ではございません。
鳥栖市についてなんですけど、鳥栖市につきましても県のほうとその手続についてどう進めるかについて協議をいたした上で、今回の転用許可申請を出したというふうに認識しているところでございます。
以上でございます。
55
◯武藤委員=今の説明で当分は時間がかかるんではないかなというふうに思うわけですけれども、企業立地課のほうとしてはどのように考えておられるんでしょうか。そういうスケジュールが長引くだろうなというふうなことは大前提だと思うんですけど、皆さんたちはそれを受けてどういうふうに考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。
56 ◯大久保企業立地課長=お答えいたします。
今、申請がなされて審査がなされておりますので、これについて長引くか長引かないかというのは私のほうでは申し上げられませんので、見通しについてお答えすることはできない状況にございますけれども、開発許可と農地転用の許可が下りましたら、鳥栖市において造成工事に着手できることになりますので、そうなれば一緒に事業を進めて企業の早期進出に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
57
◯武藤委員=この新産業集積エリア四地区に関して、県と市町が今までに投入してきたお金というのは大体七十億円ぐらいになるんですね。そのうちエリア鳥栖については、二十二億七千万円はあるという中で、この問題がきちっと解決できないと、そのまま塩漬けになってしまうのではないか、あるいは県負担がそのままずっと継続というか、そのまま残っていってしまうのではないかという心配も持ちますので、なるべく本当に駄目だったことは駄目だったということを厳しくきちっと鳥栖のほうにも伝えていただく、そして、県としての対応の在り方もどういうふうにしていくのかについて、時間はかかったとしてもきちっとした調整をしていかないと、これだけお金を使っているわけですので、皆さんたちも責任問われてくると思いますので、そこはちゃんとした見通しを持って進めていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
58 ◯大久保企業立地課長=今後の事業の進め方でございますけれども、事業を着実に進めていけるように取り組んでいきたいと考えております。
以上、お答えいたします。
59
◯武藤委員=着実に進めていくとおっしゃったけれども、ちっとも現実的な具体的なことが見えてこないんですね。本当にこれは大事な問題ですので、そこは襟を正して取り組んでいただくべきではないかと思いますが、それについての決意をお願いしたいと思います。
60 ◯大久保企業立地課長=まず、農地転用許可と開発許可申請につきましては、許可権者のほうできちんと法に基づいて判断されますので、これについて私どものほうから言うことはできませんけれども、許可が得られれば事業を進められますので、そうなった場合には着実に事業を進めて、企業の早期進出を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
61
◯武藤委員=県民から不信が出ないようにしていただきたいというふうに思いますので、今後の取組についてきちんとお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。そういう問題意識があるということを指摘しておきたいと思います。
次に、有明海西南部地域のノリ養殖の今季の現状と対応について質問いたします。
有明海西南部の今季ノリ不作については、一般質問でも井上議員、土井議員が取り上げて、お二人から写真も示されました。御覧になったとおりだと思います。この委員会室には一般質問のときの写真を御覧になっていない方もいらっしゃると思いますのでお示ししますけど、これは西南部の沖なんですね。(パネルを示す)こういうふうに黄色い状態になっている。漁業者の方たちは金髪というふうに呼んでおられるんですけれども、真っ黒ではなくて本当に黄色ですよ。ノリそのものが痛々しく感じました。こういう状況にあって、入札には出せないとか、それから、食べていけないと、出したとしても三円にしかならないというような状況があるわけです。
私、
日本共産党県議団としても、一緒に海に出てこういった写真も撮ってきたわけですけれども、漁業者の人たちからの切実なお話を伺ってまいりました。全体のことについては土井議員も一般質問で言われ、うちの井上議員も一般質問で言いましたので多くを繰り返しませんけれども、有明海の基幹産業であるノリ養殖ですけれども、昨年はシーズンを通じて、一件の漁業者さんが、うちは三十万円やったとか、五十万円やったとか、そういうふうにおっしゃるぐらいなんです。この方たちは、本当に入札にも出せないし、油代も出ないというようなことでした。
十八年連続日本一を続ける佐賀県が誇っているノリ漁業が地域によってこんなに大きな差が出ているんだということもしっかり皆さんたち認識していただきたいと思います。
漁業者の人の話では、赤潮は西南部から中部へ、やがては東部へも被害が広がっていくんではないかという心配もしておられました。一般質問で二人の人が質問したのに、ここでも私がまた聞くというのは、やはり西南部漁業者の支援、対応について、きちんと改めてお願いしたいと思ったからなんですね。
有明海・八代海特別措置法は平成十四年に制定されています。二〇〇〇年の有明海異変が起きて、国の第三者委員会、当時、長崎大学の東先生も入っておられて、中長期的開門調査をというふうに第三者委員会では提言されたんですけれども、農水省は短期開門調査しか行わないということで二〇一〇年の福岡高裁の開門判決にも従わずに今日に至っております。
さて、正式名称は「有明海及び八代海等を再生するための特別措置に関する法律」という名称なんですけれども、いわゆる有明海特措法、これは二〇〇〇年の有明海異変が起きたときに佐賀県議会が全会一致で特措法を求め、国が決定されたものなんです。佐賀県で県議会が求めていった、これが有明海特措法だということを改めて強調したいと思います。
この特措法の二十二条には、「赤潮等により著しい漁業被害が発生した場合においては、当該漁業被害を受けた漁業者の救済について、当該漁業被害に係る損失の補填その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」と明確に国の責任を述べ、救済するとしているわけなんですね。全国一律一般的な農業共済制度で済ませるようなことではない、そういう性質のものなんです。国は共済でやれ、共済でやれと優位な共済制度をというふうによく言われますけど、そうではなくて一般的な共済制度で済ませるような問題ではない、明確に二十二条に先ほど述べたようなことがうたわれている以上は、今こそこの第二十二条を発動し、漁業者を救済するときだというふうに思っております。五十人ぐらいの組合員の中で、三十代から四十代の方たちが三十数人もおられるような地域で、もう跡は継ぎきらんばいと、もうやめようかというような声が出ているということ、こんな残念なことはありません、悲しいことはありません。
それで、部長は一般質問の答弁で、知事会等を経て、または政策提案などの機会を捉えて、このことを求めるというふうにおっしゃっていただきました。そういう機会を捉えて言うことなのか、それは今、この期間にも本当に困っているという漁業者を大変だと思って、きちんと真っすぐ言うべきなんじゃないかというふうに私は思ったんです。何かのついでの機会を捉えて言うのではなく、こちらから急ぎ機会をつくって、第二十二条に基づいて措置を求め適切に対応していただきたいと思っておりますが、部長、いかがでしょうか。
62 ◯池田農林水産部長=有明海西南部地区での今漁期の不作への対応として、国への働きかけについて答弁申し上げます。
委員御指摘のとおり、特に今漁期の西南部地区のノリ養殖におきましては、秋芽網期から断続的に赤潮が発生いたしまして、その後の小雨とも相まって、栄養塩不足による色落ちが冷凍網期まで続くなど、非常に厳しい状況となっております。
そうした中、去る三月五日、先週土曜日になりますが、金子農林水産大臣が御来県された際の意見交換におきまして、有明海漁協の西南部地区の運営委員長から、タイラギの十年連続不漁だとか、サルボウの極度の不漁、あるいは今漁期のノリ養殖の深刻な不作といった有明海の窮状を訴えられました。そして、色落ちの原因となっている赤潮が西南部地区で多発する原因の究明とか、今漁期のノリ養殖の減収補填に対し、有明海特措法第二十二条を何とか発動してほしい、そういったことを大臣に対し求められたところでございます。私もその場に同席いたしまして、漁業者の皆さんの悲痛な叫びを伺ったところでございます。
そして、山口知事からは、先ほど述べられた漁業者の皆さんの思いをぜひしっかりと受け止めてほしい、そして、国として再生への道筋をしっかり示し、漁業者の皆さんが有明海の再生を実感できるよう力を尽くしていただきたい、そういったことを金子大臣に直接国への対応を求めたところでございます。
県といたしましては、有明海の実情を踏まえた対策が講じられるよう、引き続き国に対して要望してまいります。
以上、お答えいたします。
63
◯武藤委員=三月五日、本当に知事をはじめ、漁業者の皆さんがきちんとした立場で訴えていただいたのは報道でも知りましたし、頑張っていただいているなという思いを持ちました。しかし、本当に今困っている、生活に困っていると、中長期的には再生していく、門を開けていくという私たちの願いはありますけれども、金子大臣とはそこが一致しない部分がありますので、本当に今困っている人に何らかの手を差し伸べると言ったら、共済制度もあるかもしれないけど、そうじゃなくて、この特措法をしっかり活用する、そういうときだと私は思っているんです。なので、漁業者の人たちの切実な思いを知事が同席してそういうふうに言っていただいたのはうれしいんですけれども、二十二条の発動について、やはり具体的に触れないと、国は一般的な受け止めでしかないと思うんですよ。なので、私はそういう要請をきちんとするべきなんじゃないかと、何らかの機会を捉えてではなくて、直ちに要請をしていくべきなのではないかと思うんですけど、それについてはどうなんでしょうか。
64 ◯池田農林水産部長=特措法第二十二条に関して申し上げます。
今季のノリ養殖の不作につきましては、特に西南部地区では非常に厳しい状況となっている、そこは先ほど申し上げたとおりでございます。有明海特措法の趣旨を踏まえまして、有明海の実情に応じた対策が講じられますように、引き続き国に対してしっかりと申し上げてまいりたいというふうに思います。
以上、お答えいたします。
65
◯武藤委員=いつ要請をきちっとされるんですか。引き続きと言うと今までの延長線上のように聞こえるんですね。例えば、この議会中であったとしても、あるいは議会が終わってからでも、すぐにこのことを求めに行くべきなんじゃないかと思うんですけど、それはどうでしょうか。
66 ◯池田農林水産部長=特措法第二十二条に関する要請について、すぐ行うべきではないかということに対してお答え申し上げます。
まずは先ほど申し上げましたように、三月五日の金子農林水産大臣が御来県された際に、知事から直接そこは漁業者の御意見を踏まえて、それを受け止めてほしい旨、知事が大臣に求めたところでございます。そして、具体的に県として二十二条についての要望をするかについては、そこは今後しっかりと検討してまいります。
以上、お答えいたします。
67
◯武藤委員=漁業者の苦しい状況を受けて知事がちゃんと対応してほしいというふうに言われたことは分かるんですけど、特措法だとか二十二条という言葉が入っていたのかどうなのか。報道で知る限り入っていないんですよね、言葉として具体的には。二十二条をちゃんと発動してほしいと言っていないんです。なので、私が願いたいのは、議会が一段落するなりのそのときに、二十二条を発動してくれということを求めに行ってほしいということなんです、どうですか。
68 ◯池田農林水産部長=特措法第二十二条の発動を求めることについて申し上げます。
そこは先ほど申し上げましたように、そのタイミングについても含めまして検討してまいります。
以上、お答えいたします。
69
◯武藤委員=私は、ここで本当に言わなければならないことは、金子農水大臣のことなんですね。佐賀県に来て、知事や漁業者の皆さんから本当に切実な声を、現状を聞いておきながら、その翌々日ですか、夏の参議院選挙には出ないということを記者会見で述べられました。わざわざ佐賀県の苦しみを、漁業者の声を、知事の声を聞いていながら、全く無責任だなと思ったんです。
辞める大臣が、分かったと、それなら今まで皆さんに苦労をかけてきたから開門しましょうとか、そんなことを言われることはないかもしれないけれども、そこまで潔く言ってもらえるならまだしも、そして、特措法についても分かりましたと言っていただけるならまだしも、これからの働きかけにこの特措法についてはかかっていると思うんですけれども、本当に無責任極まりないというふうに残念でなりませんでした。本当に漁業者の方も悔しい思いを口にしておられます。金子大臣何やったと、何のために佐賀に来たとねというふうな漁業者の方たちがおられます。
三月二十五日に出される判決がどういうものか、それは私も分かりませんけれども、今困っている人たちへの支援、漁業者への支援、そして、それを確実に、着実に行っていただきたいということを思っているんです。なので、本当に時期を見てお願いに行くというふうなことも含めて検討するというような部長の答弁でしたけれども、それはぜひお願いしたいんです。
同時に、金子大臣の後、どなたがなられるのか、金子大臣が退任される間のこの数カ月、どういうふうに展開していくのか分かりませんけど、それは私たち県議会は党派を超えて同じ思いでいますよ。そこは皆さんたちもしっかり受け止めて、漁業者の声を何より受け止めて頑張っていただきたいというふうに思っております。
有明海特措法二十二条に基づく措置を、救済を国に要請したとしても、しばらくはまたかかるかもしれません。しかし、当面漁業者を救済するということでいえば、まずは県で何らかの形で特別な支援をしていただくということも含めて考えていただけたらと思うんですけど、どうでしょうか。
70 ◯池田農林水産部長=県独自の支援策について申し上げます。
西南部地区では、度々大きな問題となっております赤潮が原因の色落ちにつきましては、これまでも漁協や国、大学などと連携しながら、赤潮の発生予測や発生後の拡散予測などの技術開発に取り組んでまいりました。今後も引き続き技術の開発に努めますとともに、得られた成果につきましては、速やかに漁協や漁業者に対し、活用を進めてまいります。
また、赤潮の原因でありますプランクトンを捕食し、赤潮の発生抑制に効果があります二枚貝の増殖につきましても、これまでタイラギ、アゲマキなどの稚貝の生産、放流やサルボウの稚貝を着生させるため、ササで作られた採苗器、これを漁業者に大量供給する体制整備にも取り組んできました。
近年は、豪雨災害の頻発など有明海の生物にとって厳しい環境が続く中ではありますが、このような取組を粘り強く続けてまいりますとともに、新たな取組につきましても、どのようなことがより効果的なのか、また、どのようなことができるのかなどにつきまして、漁協と十分協議いたしまして、色落ち被害の軽減に努めてまいります。
以上、お答えいたします。
71
◯武藤委員=今の御答弁は当然のこととして、被害を最小限に食い止めるための施策を考えていただける、研究していただける、そういうことだと思いますので、それはそれとして進めながらも、今困っている、救済してほしい、支援をしてほしい、そういう方への独自な支援策を打ち出してもらいたいと、そのことを私はお願いしているんですけれども、どうでしょうか。
72 ◯池田農林水産部長=困っている方に対する緊急な支援ということについてのお答えを申し上げます。
まず、今回のような漁業被害が発生することに備えまして、損失を補填することで漁業者の経営を安定させていくことを目的とした
漁業共済制度が設けられておりまして、本県有明地区のノリ養殖業者はそれに一〇〇%加入をされています。
今季の西南部地区の窮状を受けまして、共済金が早期に支払われますように、県から漁業共済組合に対し、早期支払いを要請したところでございまして、南部地区につきましては、二月に共済金見込み額の二分の一が既に支払われているところでございます。また、西部地区につきましても、三月末の支払い予定となっておりまして、そういった取組についても県で取り組んでいるところでございます。
以上、お答えいたします。
73
◯武藤委員=県で共済を早期に払ってもらうようにというふうに言っていただいているのはありがたいと思っています。しかし、特措法二十二条に関わるような、そういう今、国に求めなきゃいけない大事な時期です。なので、本当に漁業者の方たちは今必要とされる、そういう収入の面で大事な部分があるのではないかと思いますので、これはこれとしてちょっと検討していただけたらと思うんですが、どうですか。
74 ◯池田農林水産部長=先ほど委員から御指摘があったようなことも含めまして、漁協と協議してまいりたいというふうに思います。
以上、お答えします。
75
◯武藤委員=では、よろしくお願いいたします。
次に進みます。農業の担い手確保と育成についてです。
佐賀県は農業産出県として、今後も農家の皆さんに安心・安全の農業生産に取り組んでもらいたいというふうに思っております。けれども、農業従事者の高齢化、そして、減収、農産物価格の低迷や資材の高騰、さらには原油高騰などもあって、農業をめぐる情勢は一段と厳しくなっております。
こうした中で県は、「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一九」を掲げ、その中で「次世代の担い手の確保・育成」を柱の一つに掲げておられます。ここにあるように、新規就農者が意欲を持って頑張ってもらえるように、その確保と支援策が大事だというふうに考えております。今、県では「さが園芸888運動」を通じて稼げる農業を提起していく方向に動いておられます。その実現は重要なことだと考えております。
それでまず、現状ですけれども、この数年の県内の基幹的農業従事者数、この推移についてお聞きします、どうでしょうか。
76 ◯竹下農産課長=基幹的農業従事者数の推移についてお答えいたします。
県内におきまして、ふだん農業を主として仕事をされている、いわゆる基幹的農業従事者数の推移を、これは国の五年ごとの調査であります農林業センサスで見てみますと、平成二十二年は二万七千六百四十八人、平成二十七年は二万三千九百六十六人、令和二年は一万九千十五人と、担い手の高齢化による離農や就農する若者の減少などにより、この十年間で約三〇%ほど減少しております。
以上、お答えします。
77
◯武藤委員=そうですね、今、もう二万人を切っているという現状です。そして、前の五年と比較して四千人減っているというような状況にあります。
では、直近五カ年の新規就農者数の推移、これはどうなっていますか。
78 ◯竹下農産課長=新規就農者の推移についてお答えをいたします。
直近五年間の県内の新規就農者数につきましては、県が調査をしておりますけれども、平成二十九年は百三人、平成三十年は百六十一人、令和元年は百七十二人、令和二年は百六十六人、令和三年は百六十人となっております。
以上、お答えします。
79
◯武藤委員=大体百六十人から百七十人ぐらいの参入というふうに思われますけれども、この方たちが就農して、希望を持ってもらって農業に従事してもらいたいと強く願っております。
国においては、新規就農者が経営開始する場合の初期投資に対して最大一千万円支給する事業を新設することになったわけですけれども、どういう内容の事業なんでしょうか。
80 ◯竹下農産課長=国の事業の内容についてお答えをします。
基幹的農業従事者数が大きく減少する中で、本県農業の振興を図っていくためには、次代を担う新規就農者をしっかり確保し、育成していくことが極めて重要であるということで考えております。
このため県では、就農前から、就農して経営発展するまで、それぞれの段階におきまして、切れ目のない支援を行っております。
新たに就農した方に対しては、経営開始を後押しするため、最長五年、年間最大で百五十万円の資金が交付される国の農業次世代人材投資事業(経営開始型)と申しますけれども、これを積極的に活用しているところでございます。
この事業につきましては、国の情報によりますと来年度から大幅に見直しがなされることとなっており、先ほど申し上げた従来の経営開始を後押しする資金の交付と併せて、新規就農者が新たに農業機械や施設などを整備する場合、最長三年で一千万円を上限として補助するメニューが新設されることとなっております。
この新たな事業メニューの内容につきましては、対象者は令和四年度に新たに農業経営を開始しまして、経営計画を市町で認定された認定新規就農者であること、また、補助率は国が二分の一、県が四分の一の合わせて四分の三となりまして、本人の負担が少ないこと、さらには、これまで資金面の支援対象から除外されておりました親元就農者でもこの支援が受けられることなどとなっております。
現在、対象となる機械の種類や採択に当たってのポイント制の導入など事業の詳細についてはまだ定まっておりませんで、国の情報提供を求めているところでございます。
以上、お答えします。
81
◯武藤委員=この事業について、県は今後どのように活用し、取り組んでいかれる予定なんでしょうか。
82 ◯竹下農産課長=事業の活用についてお答えをいたします。
先ほど申し上げましたとおり、国の事業内容の詳細について、まだ不明な点が多いものの、今回新たに措置された国の事業につきましては、新規就農者の初期投資に対する負担の軽減ができることから、県としましては、この事業の活用を積極的に推進していきたいと考えておりまして、必要となる予算につきまして今議会で提案をさせていただいております。
事業の詳細が分かり次第、新規就農者はもとより、市町やJAの関係機関に対しまして、事業の十分な周知を図って、事業が有効に活用されるようしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
以上、お答えします。
83
◯武藤委員=県では、いわゆる稼げる農業の実現に向けて、「さが園芸888運動」を展開しておられます。誇りを持って取り組んでいってほしいメニューなんですけど、ここでは担い手育成を含めてどのように取り組んでいかれるのか、部長、決意を述べていただきたいと思います。
池田部長におかれては、災害対策にも尽力をしていただいたり、鳥インフルエンザの問題とか、本当に大変なこともあったと思うんですけれども、「さが園芸888運動」のことや、中でも農業県としての担い手確保、このことはとても大事なことだと思っておりますので、私は部長に対してもこれをお聞きしたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
84 ◯池田農林水産部長=稼げる農業の実現についての思いというんですか、そういったことをお答え申し上げます。
本県農業が将来にわたって受け継がれていくためには、県内各地域に農業の担い手が絶えず存在していることが不可欠でございます。そのために、農業が稼げる仕事であって、若者にとって魅力的な産業である必要がございます。通年雇用して経営規模を大きくしたり、あるいは先端技術を取り入れたり、新商品の開発など経営を多角化したりして稼いでおられる農家には、見渡してみまして、ほとんど農業後継者がおられます。
そういう中にありまして、県では、収益性の高い園芸農業の産出額拡大を目指します「さが園芸888運動」、これにつきましては、令和四年度に関連予算を大幅に拡充いたしまして、取組を一層加速化することとしております。
そしてまた、先ほど農産課長が答弁いたしました新規就農者が経営開始する場合の初期投資に対し最大一千万円を支援する事業、これに加えまして、県独自に農業経営開始後五年以内の園芸農業者に補助率をかさ上げして支援している事業などの活用も推進いたしまして、就農希望者や新規就農者を後押ししていくこととしているところでございます。
このような取組などを積極的に進めまして、園芸農業で稼げる農業者を数多く育成しまして、そうした稼げる農業経営を周りから見て、そして、魅力を感じた若者が次の園芸農業の担い手として次から次に就農していくような好循環をつくり出し、そのことによって本県農業の発展につなげていくということが私が目指している姿でございます。
以上、「稼げる農業」の実現への思いについて答弁とさせていただきます。
85
◯武藤委員=佐賀県の農産物にしても、海産物にしても、本当に誇れるものがたくさんあり、私は地産地消という立場で見ても、それから、県外に出して、佐賀県産よと誇れることも本当にありがたく思っております。
そういう中で、本当に安心・安全の生産物を生み出しつつ働く人たち、就農しておられる方たち、担い手の方たち、それから、後継者の方たちが本当に誇りを持って頑張って、意欲を持って取り組んでいける佐賀県の大きな産業として発展されることを強く願っているんですけれども、なかなかそうでない現実が横たわっている中で、皆さん方が努力して一層頑張っていただきますようにと願って質問を終わりたいと思います。
86 ◯古賀和浩委員=自由民主党の古賀和浩でございます。
本日は二問用意しております。できるだけ県民の声を皆様方に伝えるつもりで質問していきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いします。
それではまず、「佐賀支え愛食事券事業」についてです。
私は三養基郡にいるんですけれども、先日、三養基郡内の女性の皆さん方とたわいもない会話をしていると、コロナ禍の中で行事とかが全部中止になって寂しいと、どこにも行けん、楽しいことが結局食べることだけになってしまったと、そういうふうな話をしょっちゅうされております。この会話の中で必ず出てくるのが、国や、佐賀県や、市町が需要喚起策とされた食事券であります。
皆さん、あの券のおかげで少しだけぜいたくをしたとか、念願の何々を食べに行ったとか、おいしかった、我慢してきたかいがあった、古賀さん、また発行するように言ってねと、毎回このパターンでございます。感染対策はした上での話ですが、食事券は県民のおなかと気持ちを満たした上に事業者さんの支援につながり、経済が回せるという感染が落ち着いた時期にできる的確な事業だと感じております。
そんな中で、新型コロナウイルス感染症により外食の自粛等の影響を受けている飲食業に対し、消費喚起を図ることを目的として「佐賀支え愛食事券事業」の第二弾の予算案が本議会に提案をされております。
そこでまず、次の点についてお伺いいたします。
県独自の食事券、いわゆる大隈券事業の実施についてです。
これまで実施された国の「Go To Eat事業」や、県独自の「佐賀支え愛食事券事業」の第一弾、いわゆる大隈券事業により、県内の飲食店の消費を喚起したところでありますが、今年度実施した大隈券事業は、国の「Go To Eat」の後に発行された上にちょうど感染者が減っているタイミングでしたので、先ほどの話にもありますように大好評だったと聞いております。
来年度も食事券を検討されておりますが、まず最初に、今年度実施した、いわゆる大隈券事業の実施状況はどうなっているのでしょうか。
87 ◯宮原産業政策課長=県独自の食事券、いわゆる大隈券事業の実施状況についてお答えいたします。
御案内のとおり、今年度、国の「Go To Eat事業」に引き続いて、県独自にプレミアム付食事券事業を実施いたしました。この食事券は「SAGAおいし~と食事券~やっぱり佐賀が好き~」という名称で、プレミアム率は購入金額の二五%で、一冊四千円の販売価格で五千円分の利用が可能、販売冊数は四十万冊、額面総額は二十億円、食事券のデザインは大隈重信侯という内容で実施いたしました。
この食事券は、県内における新型コロナ感染の第五波が収束したタイミングとなった昨年十月一日から三回に分けて販売いたしまして、いずれも早期に完売いたしました。そして、昨年十月から今年一月までの四カ月間、加盟登録いただいた二千弱の県内の飲食店等で御利用いただきました。発行した食事券の利用実績はほぼ一〇〇%となっておりまして、長引くコロナ禍の中、飲食店とその取引業者、生産者などに対する支援として県内経済の活性化に寄与できたのではないかと考えており、県民の皆さんの支え合いの気持ちに感謝申し上げます。
以上でございます。
88 ◯古賀和浩委員=早々に完売して、一〇〇%の実績ということで、本当にタイミングもよかったし、非常に第一弾の食事券は成功したんではないかというふうに思っております。
それでは次に、食事券事業の評価できる点や課題についてお伺いいたします。
「Go To Eat事業」に比べ、使用エリアや一枚当たりの使用額を細かくしたり、そもそも大隈重信を採用して佐賀県独自の事業をアピールするなど、使用する上で様々な工夫がされておりました。しかし、券の購入に関してはすぐに売り切れた、私の地元の基山町は購入するところ、販売してもらうところが設けられず不便だと、隣の鳥栖市まで買いに行かないといけないから、ほとんど買えんやったという話も聞きました。
そこで、大隈券事業を実施して食事券事業の評価できる点とか課題、どのようになっているんでしょうか、お伺いいたします。
89 ◯宮原産業政策課長=食事券事業の評価できる点や課題についてお答えいたします。
大隈券事業は、さきに実施された国の「Go To Eat事業」での事業実績もありまして、加盟飲食店、利用者、共に大きな混乱はなく実施できたものと考えています。
また、飲食店からは、客単価が上がったでありますとか、週末に家族連れの客が増えてよかったなど、評価の声をいただいたところです。
さらに、委員からもありましたとおり、「Go To Eat事業」から改善した点につきましてもよかったとの評価の声をいただいています。
具体的には、学生などでも購入しやすいよう販売価格を四千円に設定したことでありますとか、ランチなどでも利用しやすいように五百円券の枚数を増やしたことでありますとか、イートインスペースのあるお菓子やパン小売業を含めるなど対象店舗を拡大したことのほか、取扱金融機関を一社から八社に増やしまして換金の利便性を向上させたことや、「Go To Eat加盟店」からの継続加盟手続を簡素化したことなどでよかったという評価の声をいただいています。
一方で、課題としましては、先ほど答弁したとおり、発売開始後早期に完売しましたことから、支え愛をしたいのに食事券を購入できなかったという声も寄せられました。
前回の大隈券では予想を大幅に上回る売れ行きで、三回に分けた販売のうち、二回目からは一人五冊までという制限を設けましたが、次も同様の事態が想定されるため、購入冊数の制限や抽せん制度を導入するかなど、販売方法の検討が必要と考えています。
また、新型コロナの感染拡大期におきましては、県民向けのアナウンスに難しさを感じたところです。具体的には、県の新型
コロナ対策本部会議や新聞広報等で大人数での積極的な利用は推奨できないことでありますとか、飲食店利用を控える傾向が顕著になることを踏まえ、ランチや少人数での利用、加盟飲食店でのテイクアウトなどの利用などをアナウンスいたしましたが、次回の食事券事業においても県民へのメッセージは丁寧かつ分かりやすく伝わるようにしなければいけないと考えているところです。
また、委員御指摘のとおり、前回の食事券事業では基山町においては食事券の販売店を設けることができずに大変御不便をおかけいたしました。次回は隣の市町まで行かなければ購入できないということがないよう、できるだけ販売店の確保に努めたいと思っています。
以上でございます。
90 ◯古賀和浩委員=評価できる点はすごくあったと思いますが、やはりいろいろ難しい部分、特に先ほど言われましたアナウンスの部分については、食事ということで今一番感染に注意しなければいけないようなものですので、そこら辺のアナウンスの仕方をよくよく注意していただくようによろしくお願いします。
それでは次に、食事券の利便性を向上させるための取組についてお伺いします。
県民から期待されている事業なので、もちろん前回のよかった点を伸ばし、反省すべき点は改善して、前回よりも県民に事業の効果を実感してもらい、県内経済を活性化しなければならないと思っております。
そのためには利便性の向上が不可欠だと思っております。例えば、鳥栖市などが実施するプレミアム付商品券では電子券も発行すると聞いておりますし、県での単位では神奈川県が電子券を発行されたという実績があります。食事券の利便性を向上させるための取組は考えていらっしゃるのでしょうか、お伺いいたします。
91 ◯宮原産業政策課長=食事券の利便性を向上させるための取組についてお答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、鳥栖市などプレミアム商品券事業に電子券を導入するところがございます。電子券のメリットは、利用者側といたしましては、販売店に出向く必要がなく、二十四時間購入または購入申込みが可能なことや、リアルな券と違って一円単位で利用可能なことなどがある一方で、飲食店側では、換金のために金融機関に出向く必要がないことや、管理の面では在庫管理、換金実績をデータで把握できることなど、利便性の向上やリアルタイムでの事業実施状況の把握など有利な面があり、県としても関心を持っています。
今回、食事券事業を検討するに当たり、電子券の導入も検討しましたが、支え合いを主たる目的としている事業であることから、スマホをお持ちでない利用者も含め、広く県民の皆様に食事券を御利用いただきたいこと、また、紙版と電子版を併売することとなり、事務経費の見積りが高額であったことに加え、県外の事業者への発注となってしまうこと、そして、紙版の食事券の実施に慣れており、電子券の対応が難しい店もあるのではないかという懸念から、電子券は採用しないこととしたところですが、引き続き先行実施される鳥栖市などの取組につきましては注視していきたいと考えているところです。
以上でございます。
92 ◯古賀和浩委員=やはり紙の購入となれば、購入しに行くという、日中お忙しい方が購入できないということで、どうしても紙で購入するということも、それを使うということも、日中にされている方の購入がメインになると思うんです。電子券となれば、それはほとんどがコンビニエンスストアとか、そういうところでも気軽に購入できますし、これは今の時代、電子券を使ってやっていくという今の時代もそういうふうになっておりますので、ぜひ電子券を検討していただきたい。
それと、先ほど言われましたように、スマホを持たない方もいっぱいいらっしゃいますので、これは併用をされているところもあると思いますので、神奈川県は併用でした。併用でしたので、両方されていましたので、そういう事例をよくよく見られて、これから両方、しっかり電子化を検討していただきたいと思います。
では、鳥栖市の例を今挙げましたけど、市町が行っている商品券もお聞きしたいと思います。
商品券については、ふだんよりも高いお酒を買ったり、服を買ったりすることによる消費喚起としても実施をされています。市町の商品券事業との違いについてお伺いいたします。
食事券は、コロナ禍の中、県内、特にコロナによる影響が大きい飲食店に対して効果がありますが、佐賀県内幅広い業種に効果がある事業が必要だと感じております。
先日、私、個人で事業を営んでいらっしゃる方とお話をさせてもらったんですけど、その方は、うちのような家族経営の事業所は、家族で感染者が出ると事業を休まざるを得ないと、濃厚接触者になってですね。それは経営に直結し、その間は何の補償もありませんと。私がお話ししましたので、私のような雇われていらっしゃる方とは事情が違いますと言われました。そこは飲食店ではありませんでした。
今回のオミクロン株は感染者の症状は軽い方が多いとお聞きしますけど、感染者の数としては非常に多くなっております。幅広い支援が必要だと感じました。
商品券は物を買うことによる消費喚起効果も見込めます。市町は商品券事業を実施していますが、県は食事に特化をされています。食事券事業の狙いについて改めてお伺いいたします。
93 ◯宮原産業政策課長=市町の商品券事業との違いと食事券事業の狙いについてお答えいたします。
委員御指摘のとおり、物を買うことによる消費喚起策として、多くの市町や商店街などでプレミアム付商品券事業が実施されているところです。
商品券事業は、地元のお店の消費拡大を図る目的で取り組まれておりまして、市町単位や商店街単位などの小さなエリアで実施するのが効果的であると認識しています。
一方で、県では県全域を対象にプレミアム付食事券事業を実施していますが、その狙いは、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、県民の皆さんが飲食店の利用を控える傾向にあること、また、飲食店では食材や酒類、飲料の納入業者、おしぼり業者など、取引先の裾野が広い業種でありますことから、支え合いの気持ちで県内全域の飲食店を支援しますとともに、その取引業者を含めた地域経済の活性化を図ることを目的としております。
以上でございます。
94 ◯古賀和浩委員=エリアとか、そういう物を買うのと食事をするというものの違いというのは分かりましたけど、実際のところ、やはり移動ができるとなれば、隣町にも買物に行かれます。そこでは、例えば、私は基山町に住んでいますけど、大きな物を買いに行くとき鳥栖市に買いに行きますけど、私ども基山町民は鳥栖市の券は買えませんので──買えるかもしれないけど、基本的に基山町の分を買っていますので、鳥栖市に買物へ行くとその券は使えません。必ず食事しか使えない、県の事業の食事券ということになります。
できるだけそこは、市町との往来というのをできるようになったら、そういうふうな状況は増えてくると思います。その辺りを今後考えていかれるときに、食事券にかかわらず商品券も検討していただきたいと。先ほど言いました神奈川県については商品券もついておりましたので、その辺りも今後、市町との事業のすみ分けをきちっと連携を密にしていただきたいと思っております。決して偏った事業に支援とならないようお願いしたいと思います。
それでは、令和四年度の当初予算に含まれる食事券事業の実施計画についてお伺いします。
この食事券は、先ほどから言われていますように、実施時期が大切だと思っております。県民が食事できる、食事がしたいというタイミングが重要でございます。三月六日まで「まん延防止等重点措置」があったので、飲食店等での会食は制限されていましたけど、今後、食事券事業の実施について難しい判断が求められると思いますが、この事業を待ち望んでいる事業者さんもいらっしゃいます。実施時期を含め、どう考えていらっしゃるのでしょうか、お伺いします。
95 ◯宮原産業政策課長=令和四年度当初予算案に含まれる食事券事業の実施計画についてお答えいたします。
事業の大枠は、今年度県独自に実施いたしました大隈券事業と同様の形式で実施したいと考えております。
事業の実施時期につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえて判断することとしており、具体的には、食事券の印刷でありますとか、参加店登録などの事前準備に三カ月程度要することもありまして、感染状況を踏まえた判断をしますが、最短でも開始時期は七月以降になるのではないかと考えています。
県民の皆様には、ぜひ支え合いの気持ちで食事を楽しんでいただき、チーム佐賀、オール佐賀でコロナ禍を乗り越えていきたいと考えています。
以上でございます。
96 ◯古賀和浩委員=最短で七月以降、そのときに第七波が来ないことを祈っておりますが、とにかくそのタイミングが非常に重要になっておりますので、その辺りを御検討していただき事業を実施していただきたいと思います。
それでは、今後の支援についてであります。
今後も第六波に続く新型コロナウイルス感染症によって、経済が打撃を受ける事態が想定されます。コロナの状況は今のところ見通せませんが、その都度支援策を検討すべきだと思います。
今後の事業者支援の考え方について、最後にお伺いいたします。
97 ◯宮原産業政策課長=今後の支援についてお答えいたします。
事業者の支援につきましては、国の支援策や使える財源を確認しつつ、現場を大切に、その時々の状況に応じて何が必要かを考え、実行してまいりました。
一方で、コロナで消費活動や企業活動が変化し、新しいスタイルとして定着しつつあるものもあることから、元に戻るのを待つだけではなく、その変化を前向きに捉えて、新商品の開発でありますとか、新たな販売方法の導入、業態の転換などに取り組むことも重要なことと考えており、そうした新たな取組につきましては、引き続き強力に支援してまいります。
新型コロナウイルスによる経済への影響は、依然として先が見通せない状況にありますが、引き続き今申し上げた考え方の下、支援策を検討し、自立して前を向いて進む事業者を、商工団体をはじめとした関係機関などと連携しながら支援していきたいと考えています。
以上でございます。
98 ◯古賀和浩委員=前向きに取り組んでいかれる事業者には強力に支援していくということなんですが、コロナですごく事業者さん傷ついておられて、やはり前向きに事業展開できる方は、それはやられていると思いますが、新たな事業転換はもうできませんと、もう今が精いっぱいですという事業者さんも相当いらっしゃいます。そこら辺もよくよく考えて支援を今後していただきたいと思います。
私は、食事券事業や商品券事業はコロナで痛んでいる飲食店さんや小売サービス業者さんにとって大変ありがたい事業であり、事業者と利用者が共にウィン・ウィンとなるような事業の進め方をしていただきたいと考えております。執行部の皆様には知恵と工夫を出して、今年度よりもさらに県民に寄り添った事業、いろいろ工夫してやってもらいたいと思っております。
それでは、次の質問に移りたいと思います。森林・林業の再生についてです。
実は、前回の定例会の後、森林保護や林業について質問しようと前々から考えていたんですけど、何となく森林が荒れているから質問せんといかぬかなというぐらいの気持ちだったんです。しかし、今年になってある出来事が起きまして、その気持ちが完全に固まって質問しようということを決めました。
それは、私が中山間地区の集落を回っているときに、ある方からうちの杉の木が倒れかかっているので切ってもらいたいというお話を聞きました。その杉の木を見てみると、斜面に植えられておりましたので根元の土が崩れかかって、長年の風雨にさらされて斜めになって倒れそうになっておりました。その杉が倒れると、ほかの民家に当たってしまう、そういう困った状態でした。すぐにでも対応せねばなりませんが、業者さんに一本の対応はちょっと頼みにくいということでしたので、私は知り合いの林業研究会や個人で林業をされている方に連絡して、民家にかからない方向に引っ張りながら切り倒してもらいました。特別な事案かなと思いましたけど、山を見てみると、整備されていない森林が非常に多いことに気づきました。このままにすれば様々なリスクが発生して、森林保全整備は急務であると思い、いろいろな林業関係者に相談をして、地元の基山町林業研究会の講義を受けたり現地視察をしたりしました。その際、研究会のメンバーの方から、森林を守るためには、林業事業体に任せるだけではなく、森林所有者が自ら自分の山の手入れをしないと、結局は山が荒れてしまうということになると言われました。
また、日本書紀では、私の地元の基山町は、実は植林の発祥地と書かれております。そういうこともありますので、やっぱりいろいろな現場の声にできるだけ応えられるような答弁をお願いしたいと思います。
我が国は世界有数の森林国と言われております。国土の六六%が森林で、人工林は三十四億立米もあり、そのうち五十年を超えている人工林が何と半分を占めていると言われております。
そんな中、佐賀県の森林は戦後を中心に造成され、現在、佐賀県も国と同じく半数が収穫時期を迎えていると聞いております。
まず、森林の状況についてお伺いいたします。森林の面積についてです。
佐賀県の森林の中で、国が所有する国有林と県民などが所有する民有林はどのくらいあるのでしょうか。また、その民有林は誰がどのくらい所有しているのでしょうか、お伺いいたします。
99 ◯小山田林業課長=森林面積についてお答えいたします。
県内の森林面積は県土の四五%に当たる約十一万ヘクタールです。その内訳は、国が所有し管理する国有林が一四%に当たる約一万六千ヘクタールとなっています。国有林以外が民有林でございまして、八六%に当たる約九万四千ヘクタールとなっています。
また、民有林には県民が所有する私有林と、県や市町などが所有する公有林がありますが、私有林はその八七%に当たる約八万二千ヘクタールを占め、公有林は一三%に当たる約一万二千ヘクタールとなっています。
以上でございます。
100 ◯古賀和浩委員=それでは、人工林についてお伺いいたします。
民有林の中での人工林の割合はどのくらいでしょうか。また、樹種──木の種類や林齢、どのくらいの年数がたっているか、その辺りはどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
101 ◯小山田林業課長=人工林についてお答えいたします。
本県の山は比較的低く、人が入りやすく作業がしやすいなどの特徴から、民有林におけます人工林の割合は全国で最も高い六七%となっております。
また、人工林を樹種別で見ますと、杉が最も多く六〇%、次に、ヒノキが多く三七%、この二つで九七%を占めます。残りはクヌギなどの広葉樹三%となっております。
さらに、人工林を育った年数、林齢で見てみますと、その多くが戦後に植林されているために、収穫期を迎えました五十年生ぐらいが最も多いピラミッド型となっておりまして、このような五十年生以上の人工林が約六割を占めております。
以上でございます。
102 ◯古賀和浩委員=やはり佐賀県の山間部は民有林が多くて、民有林で人工林で、さらに、杉やヒノキの森林が多いということですね。
私が林業関係者にちょっとお話を聞いた中で、山は大体放っておくと、杉やヒノキは広がらないそうです。西日本では、大体シイとかカシとか楠とかなどの照葉樹林になって、東日本は、ナラとかブナとかの落葉樹林になってしまうというふうになっております。照葉樹では宮崎県の綾町が照葉の森と言って有名なんですけど、そのくらい手つかずの山は少ないということだと思います。
このように、山の近くに住む人は、人が山に手入れをし、植林をして育林をして、木材として活用し、木とともに生活をしてきたと思います。森林は木材の生産のほかに、県土の保全や水源の涵養などの機能を有し、県民一人一人がその恩恵を受けております。このため、適切な林業生産活動を通じ、森林整備をしていくことが重要だと考えております。
103
◯川崎委員長=暫時休憩します。十三時をめどに委員会を再開いたします。
午前十一時五十五分 休憩
午後一時一分 開議
104
◯川崎委員長=委員会を再開します。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
105 ◯古賀和浩委員=午前中に引き続き、森林のことを質問していきたいと思います。
午前中の最後のほうに言いましたけど、やはり森林は人の手で育てていかないと荒れ放題になってしまったり、照葉樹林になったりしていくと。佐賀県としては、杉、ヒノキの人工林の植樹が多いということで、森林は、木材の生産のほかに県土の保全や水源の涵養などの機能を有し、県民一人一人がその恩恵を受けています。このため、適切な林業生産活動を通じ、森林を整備していくことが重要であると考えています。
それを踏まえて、森林整備の状況についてお伺いいたします。
まず、森林整備の推移についてお伺いします。
佐賀県は、民有の人工林が多いんですけど、昔から山は集落の入会地、言うなれば共有地でありました。そこを生産森林組合という組織をつくって管理をされていました。そのほとんどが山の麓の農家の方で、いわゆる半農半林でした。昭和四十年前後が一番植林をされておりましたが、昭和五十年代をピークに木材価格は下落して、生産森林組合は解体されたところもあり、個人所有の小さな面積になった森林は整備されなくなったと言われております。
そこで、これまでの植林及び間伐の実績はどのように推移してきたのでしょうか、お伺いいたします。
106 ◯小山田林業課長=森林整備の推移についてお答えいたします。
戦時中、大量の木材が利用され、戦後も日本の復興のために木材需用が急増しました。
このような中、本県におきましては、将来の木材供給を見据えまして、荒廃した山林を中心に、昭和三十年代には毎年約三千ヘクタールもの杉やヒノキなどの植林が進められました。
その後、植林する箇所がだんだん減少してきたことや昭和五十五年をピークに国産材の価格が下落したため、林業生産活動が停滞し、伐採が進まず植林する箇所が減ってきたことから、平成二十年代以降、五十ヘクタール程度の植林実績となっております。
一方、間伐につきましては、戦後植林された人工林が成長してきました昭和四十年代後半より始まりまして、ピークの昭和六十一年では年間二千三百ヘクタールもの間伐が実施されております。
近年では、収穫できる五十年生以上の人工林が増えてきたことから、間伐適期の二十年生から四十年生の人工林が少なくなってきておりまして、年間六百ヘクタール程度の間伐実績というふうになっております。
以上でございます。
107 ◯古賀和浩委員=そしたら、森林整備を促進する対策についてでございます。
福岡県では、自伐型林業推進協会という組織をつくられて、自伐林家、自分のところの山で生活をしていくというような自伐林家を支援されています。
しかし、佐賀県では、福岡県のように広大な森林を個人で所有されている方がおらず、自伐林家は皆無と言えます。よって、間伐や下草刈りなどの育林や皆伐──完全に伐採する──、また、植林などの森づくりを行うのは、森林所有者、生産森林組合及び森林組合を含む林業会社です。これらの組織が、植林及び間伐を促進するために、これまでどのような対策を行ってきたのでしょうか、お伺いいたします。
108 ◯小山田林業課長=森林整備を促進する対策についてお答えいたします。
植林や間伐は国庫補助事業の造林事業を活用して推進しております。具体的には、植林や間伐の経費に対しまして、国が二七%、県が九%、合わせて三六%の補助を行っているところでございます。
また、手入れが必要な森林を集約化して五カ年の森林経営計画を策定した上で、計画的に植林などを行う場合は、国が五一%、県が一七%、合わせて六八%の補助を行っているところでございます。
なお、植林などに必要な作業道を造る経費に対しましても、国、県、合わせまして八五%の補助を行っているところでございます。
以上でございます。
109 ◯古賀和浩委員=国と県とそれぞれ補助をいただいているということでありました。
このパーセントを見る限り、やっぱり集約をして森林管理をしていかなくちゃいけないということが分かりました。
「さがの林業再生プロジェクト」の第二弾の集約化、やはり集約化が大事だということが分かりました。様々な対策を行ってきてもらったと思います。ですけど、森林はまだ荒廃したところが結構あるのが現状でございます。よって、荒廃した森林についてお伺いいたします。
冒頭の整備されていない森林や、また、侵入竹林、竹が結構身近に見られます。森林については、前述の木材価格の下落によって林業が低迷し、それによって、森林保全の意欲の低下によるものだと思います。侵入竹林も結構問題になっています。
竹が森林に入ると木は枯れると言われていたんですけど、やっぱりヒノキが一番枯れるというふうにお聞きしました。このまま林業の低迷が続けば、森林所有者の山への関心が低くなり、荒廃した森林が増加するのではないかと懸念しております。
県内には、適切な森林整備が行われず、荒廃した森林がどのくらいあると考えられているのでしょうか。また、荒廃した森林を減らすためにどのような対策を行っているのでしょうか、お伺いいたします。
110 ◯小山田林業課長=荒廃した森林についてお答えいたします。
県では、平成二十三年度に航空レーザー測量を行いまして、県全体の森林における立ち木──立っている木の高さや本数、地形などを調査したところでございます。
その結果、ヘクタール当たりの立ち木の本数が多く、間伐などの手入れが遅れた森林一万五千三百ヘクタール、これを荒廃森林と位置づけたところでございます。
これらの荒廃森林の整備を図るため、県では、県の森林環境税事業を活用いたしまして、荒廃した環境林などの間伐、それから治山事業を活用しまして、荒廃した保安林の間伐を実施しているところでございます。さらには、荒廃森林において行われます植林や下刈りに対する上乗せ支援というのを実施しているところでございます。
こうした取組の結果、令和二年度末までに解消された荒廃森林は約一万一千二百ヘクタール。現在、残り約四千百ヘクタールの荒廃森林の再生に取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
111 ◯古賀和浩委員=様々な対策を取っていただいて、荒廃森林は残り四千百ヘクタールですか。ただ、四千百ヘクタールもあると見ていただいて、しっかり荒廃を止める形をしてもらわなくちゃいけないと。
また、林業の衰退を止めるのには、やはりまず人の力が必要だと思います。林業事業体の担い手の確保及び地域の森林所有者の中から、森づくりをしようという思いがあるような担い手の確保が大切だと思います。
次に、担い手の状況についてお伺いいたします。
まず最初に、担い手の推移についてです。
木材価格の低迷で林業に従事する方の人数はずっと落ち込んできました。林業を再生するためには、林業で生活できる担い手を増やさなければなりません。森林組合等の林業事業体で働かれている方の人数は、どのように推移しているのでしょうか。また、年間を通じて雇用されている方の割合や若い方の割合はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
112 ◯小山田林業課長=担い手の推移についてお答えいたします。
現在、県内の森林組合などの林業事業体で働かれている林業就業者は、県が調査しておりますけれども、年々減少傾向にございまして、平成二十二年度では四百四十三人でございましたが、令和二年度では二百五十三人となりまして、ここ十年間で百九十人減少しているところでございます。
なお、林業就業者のうち、年間を通じて雇用されている方の割合は、平成二十二年度では五八%でしたが、令和二年度では九一%と増加し、臨時雇用から通年雇用へと変化しております。
また、若年層の割合でございますが、三十九歳以下で見てみますと、平成二十二年度では二八%でしたが、令和二年度では三〇%と、若干ではございますけれども、増加しているところでございます。
以上でございます。
113 ◯古賀和浩委員=それでは、担い手の確保・育成対策についてお伺いします。
担い手を確保、育成するために、これまで、県はどのように取り組んできたのでしょうか、お伺いします。
114 ◯小山田林業課長=担い手の確保・育成対策についてお答えいたします。
現在の担い手を確保する取組を四つ挙げますと、一つ目は、
公益財団法人佐賀県森林整備担い手育成基金と連携した、新たな担い手の掘り起こしを目的とする「森林(もり)の仕事体験会」の実施。二つ目は、同じく担い手育成基金と連携いたしまして、林業就業者の雇用主が負担します健康保険などの社会保険に係る経費に対する支援。三つ目は、高校生を対象といたしました林業事業体でのインターンシップの実施。四つ目は、林業の魅力を広く県民に知ってもらうための「SAGA伐木チャンピオンシップ」の開催などに取り組んでおります。
次に、担い手を育成する取組を三つ挙げますと、一つ目は、佐賀県森林組合連合会と連携いたしまして、新規就業者の技術を向上させるためのOJT研修の実施。二つ目は、経験を積んだ林業就業者を対象といたしました、高性能林業機械や作業道整備などの技能研修の実施。三つ目は、森林組合の経営改善を指導するコンサルティングへの支援などに取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
115 ◯古賀和浩委員=今、確保と育成の事業をお聞きしましたが、一番最後の経営のコンサルティング、林業事業体がいっぱい人を雇えるような、経営として成り立っていくようなことが一番大切かなと。林業で働きたいという人がちゃんと生活できるということになれば、人も自然に集まってきていただいて、育成もできてくるのかなと、そこが一番大切かなと思います。
実際に山で働く人にいろいろ聞いたんですけど、山に入ると危険な分もありますし、生活するのが大変だという話なんですよね。だから、一般的に会社で働くほうが安定していますし、将来の不安というようなところもないので、山は愛しているけどなかなか働けないと、そういうお声を聞きましたので、さっき言われた七つの事業は強力に進めていっていただきたいと思います。
それでは、森林所有者に対する支援についてお伺いします。
前述の基山林業研究会の皆様にお聞きすると、森林所有者が森林整備のために業者さんに間伐などを委託だけしていると、森林は結局荒れてしまう。森林所有者は、年に二十日ぐらいでいいので、自分の山に入って手入れをすれば森林は全然違うと言われておりました。もちろん、それについては地元の林業研究会や生産森林組合と一緒になって共同で活動しなければいけない部分もたくさんあるとは思いますが、そういうふうに、二十日ぐらい入れば大丈夫かなというふうに言われておりました。
森林所有者が自ら自分の山を手入れする場合には、どのような支援があるのでしょうか。また、そのような方々が、伐採技術や安全作業を身につけることが必要だと考えますが、どのように取り組んでいっていらっしゃるのでしょうか、お伺いいたします。
116 ◯小山田林業課長=森林所有者に対する支援についてお答えいたします。
県では、個々の森林所有者や地域で林業を営んでおられます一人親方に対しましても、国の造林事業を活用して、間伐や植林、下刈りなどに対して支援を行っているところでございます。
さらに、県では、このような方々が行う間伐を強力に推進するために集約化せずに間伐を行う場合におきましても、林業事業体と同様に、県独自に六八%の高率補助の支援を行っているところでございます。
また、地域の方々が人工林に侵入してきました竹の伐採、その後の広葉樹の植栽、下刈りなどの作業を行う経費に対しましても支援をしているところでございます。
加えまして、これらの作業を安全に行うため、県の林業試験場では、森林所有者などからの個別の要望に応じまして、チェーンソーや刈払機のメンテナンスでしたり、伐採の方法などを教えます出前講座を実施しているところでございます。
以上でございます。
117 ◯古賀和浩委員=県独自で間伐などの補助をしていただいていると。そのことはしっかり広報していただいて、やはり知らないと思うんですよね、うちは小さいからちょっと入り切らん、間伐しても自分じゃできんという方が結構いらっしゃったので、小さな面積でも、そういう補助が頂けるというところでしていただくことが大切かなというふうに思っております。よろしくお願いします。
それと、林業を再生するためには、担い手のほかに機械化をしないとコストが下がらんで、国際競争力には勝てないと思うんです。日本の森林の多くは急勾配なところにあって、大型の機械が入れなく、手入れもやっぱり人の手だけになってコスト高になるという傾向になり、結局、外国産の安い木材に負けて、目の前にある宝である森林を木材として使用する頻度が減りました。
議会では、よく有明海のことを宝の海と言われていますが、私は宝の佐賀の森林と思っております。そういうことでも、以前は林道が少なかったために機械が入れないところが多かったんですけど、最近はかなり林道も整備されて、機械も入れるようになったと思っております。やはりコストを下げるには機械化が必要だと思っております。
そこで、機械化の状況についてお伺いいたします。機械化の推移についてです。
森林内での伐採作業や丸太の運搬作業等に使われている大型の高性能な林業機械の数はどのように推移しているのでしょうか、お伺いいたします。
118 ◯小山田林業課長=機械化の推移についてお答えいたします。
山に立っている木を伐採し、枝を払って、玉切りまで行いますハーベスターなどの高性能林業機械は、作業の効率化のため、平成五年度に四台が導入されたのを皮切りに、森林組合などの林業事業体を中心に徐々に導入されてきました。
令和二年度では、ハーベスターのほか、伐採した木を引き寄せるスイングヤーダですとか、作業道から林道まで木材を運搬するフォワーダ、こういったものがトータルで百台導入されておりまして、県内各地で間伐や主伐などの作業に使用されているところでございます。
以上でございます。
119 ◯古賀和浩委員=先日、私が山に入ったときも、フォワーダで木材を運びました。フォワーダに乗せるまでにチェーンでつって、木材をずっと上げて、そこに乗せる技術がやっぱり要るんですね。その辺りは、農林事務所の方と一緒になってずっとやっておりましたけど、その機械を使うということもしっかりやっていかなければいけないと思います。
次に、機械化を促進する対策についてお伺いします。
高性能林業機械の導入の促進のため、これまでどのように取り組んできていたのでしょうか。
120 ◯小山田林業課長=機械化を促進する対策についてお答えいたします。
高性能林業機械の導入を促進するため、県では、国の補助に加えまして、平成十八年度からは県単独のかさ上げを行いまして、合わせて六〇%の補助を行っているところでございます。
なお、高性能林業機械の導入によりまして、ここ十年間で間伐の生産性は二・五倍アップしております。また、主伐の生産性は一・八倍アップしているところでございます。
以上でございます。
121 ◯古賀和浩委員=やっぱり担い手がいるかどうかと、機械化ができているかというのは直接価格に跳ね返ってきます。
ここで木材価格に目を向けますと、高度経済成長以降、大量に輸入された外材により国産材の価格が低下するなど、長らく低迷していたと感じております。
このような中、このたびのウッドショックにより木材価格が高騰し、一時期のピークは過ぎましたが、依然として高値が続いており、森林所有者の山への関心が高まってきております。
そこで、次の木材価格の状況についてお伺いいたします。
県内の木材価格はどのように推移してきたのでしょうか。また、昨今のウッドショックによる木材価格の状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いします。
122 ◯小山田林業課長=木材価格の状況についてお答えいたします。
県内の木材価格は、昭和五十五年のピーク時には、一立米当たり杉が三万九千四百円、ヒノキが六万一千三百円でございました。
その後、年々下落いたしまして、令和二年では一立米当たり杉が約一万一千円、ヒノキが約一万四千円となっておりまして、長期にわたり価格が低迷してまいりました。
令和三年になりますと、コロナ禍でアメリカの住宅市場の活況等に伴いまして、世界的な木材価格の高騰と品薄、いわゆるウッドショックによりまして、七月では一立米当たり杉が二万円、ヒノキが三万一千五百円で、令和二年と比べまして、それぞれ一・八倍、二・二倍に上昇しました。
その後も、日本に入ってくる外材が少なくて、今年一月ですけれども、県内の木材価格は一立米当たり杉が一万四千二百円、ヒノキが二万六千四百円で、令和二年と比べまして、それぞれ一・三倍、一・九倍と高止まりをしている状況でございます。
以上でございます。
123 ◯古賀和浩委員=ウッドショックで価格が低迷していたのが上がったということで、確かにチャンスではあるんでけど、ちょっと調べましたけど、やっぱりこれって外国産のように真っすぐな直材が対象であります。先日訪問した林業研究会の方に伺うと、荒廃した森林の木を、伐採を行ってもほとんど大曲がり、曲がった木だとお聞きしました。昔は大工さんが家を建てるときに、曲がっていても加工したり工夫したりしてはりなどに使われていたんですけど、現在はプレカット工法、いわゆる真っすぐな長さ四メートルの直材を使用目的ごとに機械でカットするというふうな工法で家は造られておりますので、このプレカット用の機械に入らない大曲がりの木というのが建築材としては非常に難しい部分があって、これは野田委員も言われておりましたけど、ほとんどがチップになってしまうと。この大曲がりの木は、杉もヒノキもチップになれば立米七千円前後で、今も昔も変わらず四メートルで直径二十センチの丸太一本で千百二十円しかならない、悲しいかな、ウッドショックとは関係ない世界です。五十年木を育てた後に大曲がりだったら結局こういうふうになります。
これは売値で、この金額から運賃や手数料、また、はい積み料金といって、選別料金も引かれます。よって、機械化して大量に扱ってコストを抑えないと、こういう一本当たりの金額というのは、手数料とかが小さくなっていけないと。何でこういうことになるかというと、植樹された木は正直で、下草刈りや枝打ちや間伐などを行い育林をしないと、大きくはなりますけど、光を求めて曲がっていきます。担い手がしっかり育林をしないと、木は光を求めて成長しますので、大曲がりになって、本会議でも言われた「サガンスギ」、今話題になっている「サガンスギ」も、育林しなければ三十年後チップです。林業を再生しないと「サガンスギ」もチップになってしまうと。担い手と機械化が重要だと私はそういうふうに思っております。
森林・林業の再生に係る課題についてお伺いします。
今までお伺いした森林整備の担い手や機械化について、それぞれ課題を佐賀県ではどのように捉えていらっしゃるんでしょうか、お伺いします。
124 ◯小山田林業課長=森林・林業の再生に係る課題についてお答えいたします。
森林・林業の再生に係る課題は、大きく三つ捉えております。
一つは、伐採した木材が市場で高い価格で取引されるためには、先ほど委員がおっしゃられましたとおり、真っすぐな木を育てるということが必要ですので、間伐などの森林整備が必要だというふうに考えております。
二つ目は、作業の効率を高め、収益をアップする機械化が必要だというふうに思っております。
三つ目は、森林整備に係る作業を担う人材をしっかり確保し、育成することが必要だというふうに捉えているところでございます。
以上でございます。
125 ◯古賀和浩委員=課題はたくさんありますが、ただ、ウッドショックもですけど、最近はカーボンニュートラルに寄与する森林管理の重要性というのも話題になっております。
森林を適正に管理して林業、木材産業の持続性を高めながら成長させるという、森林・林業・木材産業のグリーン成長、これは林野庁から出されているんですけど、そういう考えがあります。
今議会でも、「さがの林業再生プロジェクト」の第三弾として林業再生アカデミーを開校されて、林業を大いに盛り上げていただいていますが、今まで私がしゃべって質問したことを念頭において取り組んでもらいたい。森林・林業に関心が高まってきているこのとき、しっかり林業の再生を図り、適切な森林環境につなげてもらいたいと思っております。
最後に、「さがの林業再生プロジェクト」についてお伺いします。
令和三年六月の補正から始まった林業機械の導入支援、森林施業の集約化の支援、そして、令和四年度当初予算に挙げられている林業アカデミーと続く「さがの林業再生プロジェクト」について、佐賀県の熱い思いを、池田部長に熱く答弁をお伺いいたします。よろしくお願いします。
126 ◯池田農林水産部長=「さがの林業再生プロジェクト」についてお答えいたします。
先ほど林業課長が答弁いたしました。森林・林業の再生に係る三つの課題、これを解決し、佐賀の山を守り、育てるため、本年度から「さがの林業再生プロジェクト」に取り組んでいるところでございます。
その第一弾として、六月補正におきまして、伐採や搬出作業の効率化を促進するため、国庫補助の対象とならない木材をつかむグラップルや、運搬に使いますトラックなどの林業機械の導入支援措置を講じたところでございます。
また、第二弾といたしまして、九月補正におきまして、森林整備を促進するため、小規模で分散している森林や所有者をまとめ、効率よく間伐や伐採、植林、下刈りなどを行うための集約化に対する支援措置を講じたところでございます。
さらに、第三弾として、令和四年度から林業アカデミーを開校し、即戦力となる担い手の確保と育成に取り組むことといたしまして、必要な予算を今議会にお願いしているところでございます。
これらの取組によりまして、作業効率の向上を通じ、林業従事者の経営基盤の強化や林業従事者の待遇改善を図り、一人でも多くの新たな林業就業者を確保してまいりたいというふうに考えているところでございます。
今後とも、こうした「さがの林業再生プロジェクト」の取組と併せまして、県の林業試験場が五十六年の歳月をかけて開発しました、成長が早く、強度があり、花粉が少ない三拍子そろった「サガンスギ」を使った新しい森づくり、そして、販売価格を上昇させるための県産木材の幅広い用途での利用拡大も進めまして、効率的な伐採から植林、育林、そして、次の伐採と利用、そういったスムーズなサイクルをつくることによりまして、佐賀の林業の再生を図り、適切な森林整備につなげてまいりたいというふうに考えております。
以上、お答えいたします。
127 ◯古賀和浩委員=ありがとうございます。山は佐賀県を守ってくれていると、私はそういうふうに思っております。山が管理され、川につながり、そして最後に海につながっておりますし、また、そこに暮らす人も支えていると思っております。
佐賀県の方々が山を大切に思い、森林・林業の希望が見えてくるような事業をこれからも何とぞよろしくお願いします。
私の質問を終わります。ありがとうございました。
128 ◯野田委員=皆さんこんにちは。県民ネットワークの野田でございます。
今回、二問質問をさせていただきます。
一覧表を見ますと、簡潔に終わりそうなので、簡潔に進めていかれればというふうに思います。簡潔な御答弁をよろしくお願いいたします。
質問の前に、一般質問でちょっとお話しさせていただいたところにちょっとだけ触れさせてください。
今、佐賀県では「人を大切に」、あるいは「人に寄り添う」という言葉が度々出てまいります。そういう基本方針にのっとられて山口知事をもとに進められているということで、私たちも非常に、地元におる人たち皆さんが期待をしているところです。
そういった中で、一般質問の最後にお話ししましたけれども、市町の職員さんというのは非常に厳しい立場というか、地域の方と顔の見える関係イコール力関係のところにいらっしゃるんですね。どうしても定年がはるかに遠い若い人だと、地域の方々から厳しい言葉で言われる。
そういった中で、やっぱりその人たちにもしっかりと届く支援をしていただきたい。支援というよりは、この間の言葉で申し上げますと、鶴の一声、県の方がこうおっしゃっていますから仕方ない、こうやって皆さん御協力をお願いしますという、これがどれほど助かるかというような言葉を、今回、市町の役場の方からお伺いいたしました。
ぜひ、そういった県民の皆さんとなると非常に全体像で現場の方々なんかを思ったりするんですけれども、市町の役場の御担当の皆さんも、そういった意味では背中を押してやる大事なポジションに、皆さんの一言があれば安心した動きができるということを本当に切実にお話ししてくださいました。
どうぞ、これからもそういった御支援をいただきながら、しっかりと県民に寄り添う事業を進めていただきたいなというふうに感じている次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、第一問目に入らせていただきます。
まず、若年者の就職支援についてお尋ねいたします。
この件につきましては、私二〇一五年に一度、ジョブカフェについての支援の内容なんかをお尋ねしております。
今回また、学校で、ある言葉を機会に、じゃ、こういったことで質問させていただこうと思いましたので、質問に入らせていただきます。
石の上にも三年とのことわざがあります。成功を願うなら、一定の忍耐や辛抱とか、初めはうまくいかなくてもしばらく我慢する覚悟を持てという意味の格言や教訓として使用されているところであります。これを職に当てはめますと、いろいろなことがあっても三年は耐えなさい、人間性が疑われたり、どこに行っても通用しないと言われ、辛抱するのが当たり前とか、それが美徳とかいう風潮がありました。ちなみに、ことわざでいう三年とは、三年間という意味ではない、長い間ということであります。
二〇二〇年二月、電通が全国の大学生を対象に調査した結果があります。就職した企業で仕事にやりがいを感じられなかったら八四%もの学生が三年以内に退職すると考えておられるということでした。一年以内、これはもう私に合わないと、一年以内では四五%もの人が退職するという調査結果になっています。今の若者は、石の上に三年は待てないとのことであります。
一方、企業側から見ますと、年功序列制度や終身雇用制度などは、会社への貢献度が高くなるといった観点からの合理的な人事制度と評価はあるものの、少子・高齢化が進む中、二十代、三十代の若手社員の数は減少しており、中小企業では人材確保が難しく、年功序列の維持は、企業側の人件費の高騰が経理圧迫することや、派遣社員制度の導入による年齢のバランスや恩恵が受けにくい体制であり、よって、成果主義寄りに移行していると伺っているところです。この学生の思いと会社の実情ですね。
この求める側、求められる側を踏まえ、就職活動において、企業が学生を選ぶ構図ではなく、企業も生徒も対等な立場で合う、合わないを判断できる場をつくっていく必要があるということでありました。世相、価値観は変わってまいります。正しく、ここにジョブカフェの存在ありではないかと思った次第であります。
昨年、十一月議会の折の現地視察では、県が設置しているジョブカフェSAGAや、併設している国のヤングハローワークSAGAなどを訪問し、求職者に対する様々な支援について見聞することができました。ジョブカフェは、正式名称で「若年者のためのワンストップサービスセンター」であり、その名のとおり、佐賀では三者が一体となって若年者の就職支援を行われているところであります。
ジョブカフェSAGAでは、求職者の適正を把握するための職業適性診断、就職に役立つセミナーの開催や、企業とのマッチング支援を行っていることは周知のとおりでありましたが、二〇一五年に訪問したときより会場のレイアウトや資料の掲示など、見せ方に工夫がされており、かつ、実施されているセミナーの充実ぶりにも改めて感心させられたところであります。
私は先日、地元の高校を訪問した際、学校長から、当校はここ数年、生徒や保護者の就職に対する意向が県内に向きつつあり、現在では就職希望者の八〇%以上が県内企業への就職をしているという話をお伺いいたしました。
県内全体を見ても、令和三年三月、新規高卒者では県の施策の浸透も進み、十八年ぶりに県内就職率六五%を達成したとのことであり、大変喜ばしい成果となっております。
一方で、このような話がありました。学校では、卒業生が希望を抱いて職に就いたが、思っていたような内容とかけ離れていたので退職し、佐賀に戻り就職の相談に来た事例を挙げ、学校に相談に来る生徒はいいが、もう帰って来たのかと思われるのが恥ずかしいものと捉えた生徒は来ない、もっと気軽に来てもらい、相談をしてもらいたいとの話も伺ったこともあり、対策と浸透性が必要と思ったところであります。
そして、進学では、高校卒業後、約八割の生徒が県外に学びの場を求めており、こうした方に佐賀に戻ってきてもらうためには、佐賀には前述のようなジョブカフェSAGAなど、すばらしい施設があり、不安なく就職活動が行えるといったことをしっかりと伝えることが肝要だと思っているところです。
若者に佐賀での就職を選んでもらうためには、県内外に対して、佐賀ではしっかりと就職活動をサポートしているという情報を発信していくことが重要と考えているところであります。
そこで次の点について、お伺いいたします。
まず、高校生への情報提供についてであります。
高校在学中にジョブカフェSAGAのような施設があることを知っておくことは大変意義深く、よいことだと思っています。高校生に対する情報提供をどのように行っているのか、まずお尋ねいたします。
129 ◯藤崎産業人材課長=高校生への情報提供についてお答えいたします。
高校在学中は、学校を通じて様々な情報を生徒に届けることができるため、県の取組等を伝えることは極めて重要なことと考えております。
そのため、教育委員会等とも連携しまして、就職希望者の多い専門学科・総合学科高校の生徒に対して、学校に配置された就職支援員の紹介と併せて、ジョブカフェSAGAを含めた県の就活支援情報を掲載したチラシ等を一、二年生に配布ですとか、生徒が進路について考え始める二年生の十二月に合わせて開催する県内企業合同説明会において、ジョブカフェSAGAのチラシを配布するなど取り組んでおります。
また、進学する生徒についても、将来の就職活動の際に佐賀での就職活動を考えてもらう必要があることから、専門学科・総合学科高校だけでなく、普通科高校にも情報を届けることも重要と考えております。
このため、例年一月末頃に、県内企業の魅力や佐賀の暮らしのよさなどの情報に加え、ジョブカフェSAGAなどの就活支援施策を掲載した広報誌を県内の全ての高校生にも配布しております。
さらには、高校生の進路決定に大きな影響を与える保護者を通じても生徒に情報が届くよう、三年生の七月に行われます進路決定の三者面談の時期に合わせて開催する保護者向けの県内企業合同説明会の際にも、県内企業やジョブカフェSAGAの情報等を届けております。
このように、高校生に直接情報を届けるだけでなく、保護者を通じて間接的にも情報が届くよう、様々な機会を通じて情報提供を行ってきたところでございます。
以上でございます。
130 ◯野田委員=いろいろ対策をお伺いいたしました。
私もちょっと質問しようかなと思っていたんですけれども、保護者にも情報提供を行っていただいているということでございました。
実は、県内企業への就職が増えてきているというのは、子供さんが少子化で少なくなったので、手元に置いておきたいという親御さんの思いも非常に強くなってきている感じだということはちょっと聞いたことあるんです。非常にそういった意味での親の意見というのも、今の子供さん、学生さんは非常に真面目なんですね。もう少し元気出せよと言いたいぐらいに高校の役員をしておりますと、その謙虚さというか真面目さが非常にすごいなと思っているところなんですけれども、それゆえ、やはり保護者の方の意見も大切に聞くところがあるということが私も伺ったことありますので、そういったところへもしっかりとしていただいているというところに安心した次第でございます。
それでは、県外の大学などに進学した学生への情報提供について、高校卒業後、県外の大学などに進学した方にも、佐賀にはジョブカフェSAGAというすばらしい就職支援施設があるということを知ってほしいと思っているところですので、県外に進学した学生に対してどのように情報提供を行っているのかお尋ねいたします。
131 ◯藤崎産業人材課長=県外の大学等に進学した学生への情報提供についてお答えします。
コロナ禍における若者の地方での就職意識の高まりを受けて、ジョブカフェSAGAでは、令和二年十月から本格的に県外の学生に対する支援を開始しました。
まずは、県外学生もジョブカフェSAGAを利用できることを知ってもらうため、県内からの進学者が多い九州内の大学等にチラシを配布するとともに、近隣の大学には、訪問してキャリアセンターにも協力をいただきながら、大学内に相談窓口を設置し、学生に直接情報を届けております。
また、遠方に進学した学生に対しては、県内に在住されている保護者や親類を通じても情報を届けることができるよう、お盆の帰省時期や就職活動が解禁となる三月に合わせて、県内企業の魅力や佐賀の暮らしのよさの情報に加え、ジョブカフェSAGAなどの就活支援施策を掲載したタブロイド紙を発行したり、東京、大阪、福岡など都市部の公共交通機関のデジタルサイネージを活用した広報等を行っております。
さらに、若者は情報の多くを、ウェブ、特にSNSを介して取得していることから、検索ワードに連動して検索画面の上部に表示されますリスティング広告ですとか、ユーチューブ、LINE、ツイッター、インスタグラムなど様々な媒体を通じた情報発信を行っております。
特にツイッターを利用してデジタルギフト付きのキャンペーンを実施したところ、現在約一万九千フォロワーとなり、より多くの方に情報発信できるツールの一つとなったところでございます。
そのほか、SNSでのフォロワーが多く大きな影響力を持つと言われるインフルエンサーも活用するなど、様々な工夫を行っているところでございます。
以上でございます。
132 ◯野田委員=二〇一五年にお尋ねしたときに、情報の発信のやり方が一番課題みたいな答弁をいただいているところでした。再度お伺いいたしまして、高校あるいは大学をはじめ、いろんなところへの情報発進、直接足を運んでやっていただいているというようなこともございました。大変頼もしく感じた次第であります。その辺りもちょっと後で質問しようと思っていましたけれども、御答弁いただきました。ありがとうございます。
それでは、これまでの実績についてお尋ねいたします。
様々な方法での情報提供が行われているところでありますが、ジョブカフェSAGAのここ数年の利用実績、どうなっているのかお尋ねいたします。
133 ◯藤崎産業人材課長=ジョブカフェSAGAのここ数年の利用実績についてお答えいたします。
過去三年間の延べ利用者数は、平成三十年度は一万五千九百三十三人、令和元年度は一万六千七百三十人、令和二年度は一万五千六百五十三人となっております。
令和二年度については前年と比較して利用者数が減少しておりますが、これは新型コロナウイルス感染症の影響によるセミナーの中止や外出自粛の影響を受けたことによるものでございます。
令和三年度については、先月二月末までの利用者数として、一万六千三百五十三人となっておりまして、本年度はオンラインの活用も軌道に乗ったこと等により、既に昨年度の利用実績を上回ったところでございます。
以上でございます。
134 ◯野田委員=大体一万五、六千人、この辺りということですけども、オンラインも軌道に乗ったということで、来訪される数よりもこのオンラインという割合のほうが大きかったということでしょうか。
135 ◯藤崎産業人材課長=オンラインの割合についてお答えいたします。
オンラインについては、昨年度は一万五千六百五十三人のうちに五百十三件、今年度は、二月末の数字ですが一万六千三百五十三件のうち七百七十件という形になっております。
以上でございます。
136 ◯野田委員=七百七十件、まだ伸び代がこれからもあるんじゃないかと思うんですけれども、でも、この内容柄、やはり私は少しでもジョブカフェSAGAの皆様のところに出向いたほうがより細かなサービスが受けられるという体制がありますので、困っていらっしゃる方はオンラインでもいいんじゃないかとは思うんですけれども、非常に今後の動きに期待するところであります。
それでは、課題についてお尋ねいたします。
これまでの取組を伺ってまいりました。情報が届いていない若者もいるというふうに私は考えているところでもあります。情報発信についての課題はどういったところがあるんでしょうか、お尋ねいたします。
137 ◯藤崎産業人材課長=情報発信に当たっての課題についてお答えいたします。
若者への情報発信に当たっては、工夫を凝らしながら取組を行っているところでございますが、幾つかの課題があると考えております。
現在では、SNSなど広報手段も多様化し、それぞれに特徴を持っていることから、目的によって使い分け、若者により効果的に情報を届ける必要があります。
また、SNS等を活用することで、比較的簡単に情報を届けることができる一方で、情報過多になっており、情報を受け取る側も取捨選択する時代になっております。
このため、若者の目にとどまるような付加価値のある情報を届けるために、コンテンツを充実させる工夫が求められております。
さらに、県外にいる若者に対しては、情報が届きにくいという面があるため、保護者に対しても情報を届けるなど、様々な手段で情報発信を行う必要があると考えております。
以上でございます。
138 ◯野田委員=効果的にということがありました。確かに、SNSというのは今、情報過多ということは誰もが認めるところだと思っています。
その中で、いま一度ございました、保護者への情報という、ここ本当先ほども申し上げましたけれども、一番の応援団じゃないかなというふうに私は思っているところです。保護者を味方につけるという、どんどん保護者向けの情報発信をしていただきたいと思います。
そういったときに、例えば、学校との連携というところ、先ほど支援員の話してくださいました。私も支援員という制度に関しては一度お尋ねしたことがあるんですけれども、非常にやる気があってやりがいがあるというような方々で、楽しいというようなことをおっしゃっていたんです。そういった方々も非常に前向きな姿勢で仕事をなさっておられましたので、私はやっぱりそういった方々をどんどん活用、応援していただく糧にして結構じゃないのかなと思うんです。
こういう話をすると、今回もちょっと感じたところなんですけれども、教育委員会は教育委員会でやり方がありますから、越権行為というような言葉がちょっと出てきたりもしました。そんな、人を押しのけてやるようなことは、もう皆さんされているようなことはないと思うので、越権行為という言葉がすっと出てくるというのは、どこか縦割りの線引きというか、境界を自らつくっていらっしゃるところがまだ風潮としてあるんじゃないかなというふうに私は感じたんですね。じゃ、学校でどういったところが本当に情報として浸透していくんでしょうかとお尋ねしたときに、学校のほうからのお話を伺うと、じゃ、こういった資料を作ってこうやって渡してくださいというふうなことも十分できると思うので、そういった意味での連携というところに対する思いだけちょっと聞かせていただければと思います。
139 ◯藤崎産業人材課長=教育委員会等や学校等の連携についてお答えいたします。
今、教育委員会との連携を果たしておりまして、支援員さんについてもなんですけれども、委員が先ほど述べられました離職率の高さなどもありますが、そういった定着に係るセミナー等には支援員の方に来ていただいたりとか、県内企業を訪問する際には学校の方にも一緒に参加していただいて、そういった目で実際に見て体験していただいたようなことを生徒に伝える取組ですとか、そういったものを一緒にしておりまして、いろんな施策を進めるに当たって意見交換をしながら情報共有して連携して取り組んでおります。
以上でございます。
140 ◯野田委員=ぜひ自ら線を引くとか、そういったことで先ほど言葉で申し上げたんですけれども、しっかりと一人でも取りこぼさないというような思い、そして、こうやって学校を頼ってきたというような生徒、あるいはこういったことを知らずに学校に来ない生徒、恥ずかしがる生徒、いろんなことがあるかと思うんですけれども、いや、やっぱり学校に行けばこういった情報提供をしていただけるんだというようなところが、私はやっぱりもう周知徹底していくべきだというふうに思いますので、どうぞその辺りの連携という言葉でありますけれども、しっかりと、主役は若者ですから、そこに力を注いでいただきたいと思います。期待しております。よろしくお願いします。
では、今後の取組ついてお尋ねいたします。
若者は、しっかりした定職に就いて将来を見据えた生活を送っていただきたいとの思いは、五年前も今も変わりません。多くの若者にジョブカフェSAGAを知ってもらい活用してほしいと考えています。
課題を踏まえ、今後情報発信にどう取り組むのかお尋ねいたします。
141 ◯藤崎産業人材課長=情報発信における今後の取組についてお答えいたします。
情報発信に当たっては、目的や対象に応じて手段やコンテンツを工夫しながらタイムリーに行うことが重要であると考えております。
様々な媒体を活用して情報発信を行っておりますが、例えば、インスタグラムではセミナーの様子や面接指導の様子など、現場の状況を写真や動画で投稿することで視覚的な情報を伝えることができるですとか、ツイッターの場合は、百四十文字以内の文章の書き込みが可能なため、各種イベントの告知など、文字での情報発信に適しているなど、それぞれの特性があることから、媒体を使い分け、効果的な広報となるような工夫をしていきたい。
また、県内企業や佐賀県の暮らしの魅力を伝える工夫を行っておりますが、広報誌を見た若者からは、自分に年代の近い若い社員へのインタビュー記事に共感が持てたですとか、佐賀県の統計データも記載があり、佐賀での暮らしをイメージしやすかったといった声が寄せられており、こうした声も参考に、若者に響く広報を心がけたいと考えております。
さらに引き続き、移住支援などを担当する地域交流部などとも連携し、移住者向けのセミナーや各種相談対応を行っている東京の有楽町にありますふるさと回帰支援センターの活用ですとか、県外の大学・短期大学とも連携した取組等を行い、県外の方に対しても積極的に発信していくこととしております。
多くの若者が佐賀県で夢を実現し活躍できるよう、いろいろと工夫をしながら情報発信を行うとともに、しっかりと就職支援を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
142 ◯野田委員=ぜひよろしくお願いします。
先ほど私、しっかりとした定職に就いて将来を見据えた生活を送っていただく、こういった思いということで申し上げました。本当に若い方がこんなつもりじゃなかったということで帰省されて、そして、派遣社員を点々とされているというようなことを見ますと、本当にこの方の将来の生活設計って立つのかなという思いを心配したことがあります。
そういった中で、このジョブカフェSAGAの皆さんの取組というところが、若者が本当に佐賀に生まれて佐賀に帰ってきてよかったと、そういうふうに心強い一つの手段になるものと私は思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、以前の質問で、正社員としての就職の実現に向け、しっかり支援に取り組むという心強い回答をいただいているところです。その方向性を持って今も取り組まれているという思いは感じました。その取組の状況について、よろしかったらお尋ねいたします。
143 ◯藤崎産業人材課長=正社員に向けての取組ついてお答えいたします。
一人でも多くの若者が正社員として就職していくということは我々も応援しておりまして、以前よりもミニ合同企業説明会ですとかカウンセリング、また就職応援セミナーなどを開催しておりましたけれども、仕事というのは各業界によって様々形態が異なりますので、なるだけ若者にイメージしやすいものというのを経験してもらうことが重要だと考えておりまして、業界研究セミナーと銘打ちまして、大学三年生以上を対象に業界ごとに研究を深める取組なども行っております。
また、そうした企業の方の話を聞いたりですとか、ディスカッションなどを通じて実際に仕事のイメージを持ちやすいような取組ですとか、ジョブカフェSAGAの施設の中で、現場の方に組立てをしていただいたりとか、そういった仕事をした後のイメージというのをつきやすいような取組とかも含めてやっております。そういった活動を進めまして、一人でも多くの若者が正社員となりますようにきめ細やかな支援を行ってまいりたいと思っております。
以上でございます。
144 ◯野田委員=心強い御回答いただきました。
支援についての認知度、ハローワークなど知っている機関はないと答えた方が二九・四%いらっしゃいます。それよりびっくりしたのは、支援機関の利用希望、利用したいと思わないという方が六九・七%という数字が出ているんですね。これにはびっくりしたんです。これはたしか総務省か何かの調査だったと思うんですけど、これを見てびっくりしたんですね。その便利さとかよさを知らないからと思うんです。あるいは今の若い方は非常に人にお願いするという行為自体を余りされないんですね。言葉を発されない方が多いというふうに私は本当感じているんです。
そういったこともございますので、本当に今おっしゃった取組をしっかりと若者に届ける、その熱い思いを持って頑張っていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に入らせていただきます。
まず、ここに写真があります。(写真を示す)後ろの方は多分見えないと思うんですね、これは田んぼです。田んぼに何か点々と見えます。少し大きくなりました。こういう写真です。これはここにカモが見えます。ここに鳥が来ないような、風が吹くとタカが舞い上がって動くような防御のためのやつがあるんですけど、全く気にせず食べているところです。
じゃ、何というカモがおるんだということで大きく、カルガモです。後ろの羽のところに白くあって、よく見ると、青いラインがぴっと入っているんですね、これはカルガモです。
カルガモは調べてみますと、私も簡単にしか思っていなかったんですけど、カルガモは渡り鳥じゃないんですね、一年中いるカモということで、でも見ないよと、国内を飛んで移動しているんじゃないかという説もあります。
それでは早速、質問に入らせていただきます。
鳥類の被害対策についてであります。
農作物に被害を及ぼす鳥獣は、イノシシだけでなく、タヌキやアライグマ、アナグマなどの中型哺乳類、カモやカラスなどの鳥類と様々でありますが、これまでのイノシシの被害に加え、一年前から地元多久ではカモの被害をよく見かけるようになりました。
カモと言えば、有明海ノリや沿岸の大豆の食害は聞いていたところであり、以前、有明海ノリ養殖の現状を船から視察させてもらった折には、ノリの現状はさることながら、私はカモの多さには驚いた次第で、大変だろうなと強く感じた次第であります。カモ被害は海際の話だと思っていました。
こうした中、先日、多久市役所から地元猟友会に対して、有害鳥獣捕獲としてカモを駆除してほしいとの依頼がありました。これまで鳥類での有害鳥獣捕獲の依頼はカラスだけであり、年間を通して実施しているところであります。特に多久では初夏のビワの特産品出荷時期に集中した駆除活動をしているところでありました。このたび、カモの捕獲を依頼されたのは初めてであったことから、改めてカモによる農作物被害が増えているのだろうと感じたところであります。
市役所から有害鳥獣捕獲の依頼はあったものの、私もカラスで経験しているように、鳥は猟友会の人の姿を見るとすぐに逃げてしまいます。例えば、駆除活動が六時から始まると、納所地区から牛津川を渡り、対岸の小城の牛尾梅林の山へ飛び立っていき、活動が終わり、解散して車が動き始めると戻ってまいります。人や車を覚えていると猟友会では語られており、大変苦慮しているところでもあります。鳥もまた学習能力が高いと言われております。それだけに農家の方が追っ払ってもすぐに戻ってきたりするなど、なかなか被害防止対策は難しいのが現状であります。
そこで、鳥類の被害対策について、次の点をお伺いいたします。
農作物の被害状況についてであります。
有害鳥獣による直近の農作物の被害額はどうなっているのでしょうか。また、そのうち鳥類に占める被害額、これはどのようになっているのかお尋ねいたします。
145 ◯川崎生産者支援課長=有害鳥獣による農作物の被害額、また、そのうち鳥類の被害額についてお答えいたします。
有害鳥獣による農作物被害額は、直近の令和二年度におきまして全体で二億一千百万円となっております。最も被害が大きかった平成十四年度、このときは七億円ですけども、その三〇%程度まで減少しております。
また、令和二年度の被害額のうち鳥類による被害額につきましては、二五%程度となる五千二百九十万円となっておりまして、これはイノシシに次ぐ被害額となっております。
以上、お答えします。
146 ◯野田委員=それでは、この四分の一を占める鳥の中でもカモが大きいということでしたけども、鳥の種類ごとの被害状況についてお尋ねいたします。
鳥の種類ごとの農作物の被害、これは五年前に比べるとどのようになっているのでしょうか、お尋ねいたします。
147 ◯川崎生産者支援課長=鳥の種類ごとの被害状況についてお答えします。
県内で農作物に被害を及ぼしております鳥類は、カモ、カラス、ヒヨドリ、ハト、スズメなどとなっております。
これらの鳥によります被害額を直近の令和二年度と五年前の平成二十七年度で比べますと、まず、カモで平成二十七年度は一千百万円であったものが、令和二年度には三千五百五十万円と増加しております。また、ヒヨドリは百七十万円であったものが五百五十万円と増加しております。あと、委員からお話のありましたカラスにつきましては、五年前に千九百七十万円であったものが一千七十万円と減少しております。このほか、ハト、スズメなどその他の鳥類で五年前に二百十万円であったものが百二十万円と減少してございます。
このように、五年前までは鳥類の中ではカラスによる被害額が最も大きかったんですけども、直近ではカモによる被害額が最も大きくなってございます。
以上、お答えします。
148 ◯野田委員=先ほども申し上げましたように、カラスは駆除というのが行われております。全県下一斉というようなときにもカラス駆除をやったりしているところなんですけども、カモの被害はこういうふうに大きくなっているとは私も正直驚きました。
では、そのカモによる被害状況についてお尋ねいたします。
カモは本当なじみの深い鳥です。昔、テレビで見た東京の皇居から道路を横断してすみかを移動するカルガモ一家の引っ越し、皆さん御存じだと思います。しかし、今先ほど伺ったように、カモによる食害を受けられている農家については本当厄介な鳥であります。
カモで被害を受けている農作物にはどういったものがあるのかお尋ねいたします。
149 ◯川崎生産者支援課長=カモによる被害状況についてお答えします。
カモによる被害を作物別に見ますと、令和二年度では麦での被害が最も大きく、次いで野菜、これはほとんどレンコンですけども、あと、水稲となっております。麦と野菜での被害額がカモによる被害の九割以上を占めているといったような状況でございます。
被害を受ける状況なんですけども、麦につきましては、十二月から二月上旬にかけてカモが圃場に飛来して若葉を食害するといったことがあったり、野菜では、十一月から三月にかけてレンコンが食害されたりといった被害が発生しております。また、水稲、稲では田植直後の苗が食害されたり、また、田植直後の苗を踏み荒らすといったような被害が発生しているところです。
以上、お答えします。
150 ◯野田委員=レンコンの被害もあっているということです。恐らくレンコンは若い芽じゃないかなというふうに感じたところです。
先ほどの写真も麦の新芽、若葉を食べているところであります。今日来るときも、朝、一生懸命皆さん食べていらっしゃいました。本当ああいうのを見ると散弾銃で駆除したくなるんですけど、バックストップという、撃って弾がどこにでも飛ばない、そういうところでないと撃てないので、なかなか駆除する側としては歯がゆい思いで今日も見てきたところなんです。
こういった被害というのが、恐らくカモというのは日本には三十種類ぐらいいるというふうに伺っているところです。県内でこういった食害、害を及ぼしている鳥は何種類ぐらいいるのでしょうか、お尋ねいたします。
151 ◯川崎生産者支援課長=農作物に被害を与えるカモの種類でございますけれども、カモの食害については、市町とか、普及センターの方の情報とか、カモに関する文献によりますと、麦ではマガモやコガモ、ヒドリガモ、これは渡り鳥になりますけども、それとあと、先ほどおっしゃっていた留鳥であるカルガモですね、こういったものが被害を与えている。あるいはレンコンでは、マガモやヒドリガモ、そして、カルガモなど。水稲ではカルガモが多いというふうに報告されておりまして、現場で見て、これがこの種類だと明確に分かる人と分からない人もいますので、種類、数は分かりませんけれども、そういった種類のカモが農作物を食害するとして報告を受けているところでございます。
以上でございます。
152 ◯野田委員=マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモという大体四種類だというふうに伺いました。
狩猟期間になりますと、このカモを撃つ方々の標的は、大体マガモとカルガモなんですね、大きさは結構大きい。これは例えば、もっと来たときには駆除する必要性があるなというふうに強く思いました。ヒドリガモは別名レッドヘッドとか言いまして、ちょっと頭が茶色い鳥なんですね。この辺りは撃ってもおいしくないということで皆さん撃たない傾向にあるので、これも何とか駆除する傾向に行かないといかんがなというふうに感じました。コガモは本当に小さいんですね、コガモは小さくてなかなか当たらないという、ここは狩猟者の腕にかかってくると思います。
それでは、カモによる被害額が増えた要因についてお尋ねいたします。
カモによる農作物被害が増えた要因、どのようなことが考えられるのかお尋ねいたします。
153 ◯川崎生産者支援課長=カモによる被害が増えた要因についてお答えします。
カモによる被害が増えた要因としましては、大きく三つのことが考えられます。
まず一つ目は、環境省の調査、ガン・カモ類生息調査と言いますけども、この調査によりますと、本県で一月中旬に生息が確認されますカモの個体数は、十年ほど前の平成二十二年度は約二万二千羽であったものが、令和二年度では約五万二千羽と二倍以上になっており、被害を与えているカモの総数が増加しているんではないかなと一つ考えられます。
二つ目につきましては、狩猟者の方が高齢化等もありまして減少していることによりまして、近年、カモの捕獲数が減少しているというのがございます。このカモの捕獲については、追い払いの効果もあります銃での猟もありましたけれども、その機会が減ったということで、カモが農作物に近づきやすくなっているんではないかと考えられております。
三つ目につきましては、鳥類の専門家、新潟県の長岡技術科学大学の山本准教授ですけども、佐賀市の鳥獣防止対策研修会におきまして言われたのが、鳥は餌場に対する執着心が強いということもあって、餌場を記憶する能力が高いということがあります。それで、佐賀平野で麦やレンコンを食害したカモが圃場を餌場として認識をいたしまして、記憶していまして、翌年もまた同じ場所に群れを率いてやってくるといったことで、そういったことでも被害を及ぼすカモが年々増加している可能性があるとのことでした。
これらの主な三つの要因が合わさってカモによる農作物被害額が増加しているものと考えられます。
以上、お答えします。
154 ◯野田委員=カモの増加、それに比べて銃猟による方々の減少ですね。このまま行きますと、本当カモに押されて狩猟する人のほうが早く滅亡してしまう状況みたいなお話でありました。それと、餌場を記憶すると、やはり記憶力というのがここでも出てきた次第です。
それでは、カモの被害対策の取組についてお尋ねいたします。
カモによる農作物の被害防止対策として、現場ではどのようなことが実施されておられるのか。また、県はそれらの取組をどのように支援なさっていらっしゃるのかお伺いいたします。
155 ◯川崎生産者支援課長=カモの被害対策の取組についてお答えいたします。
カモによる農作物の被害を防止するために現場で行われている対策としては、麦において、用水路から圃場にカモが侵入するのを防ぐための畦畔へのテグスや網の設置、それと、カモを近づけないようにする黒マルチを活用した吹き流しの設置、それとあと、先ほど委員から写真がありましたカイトなんかを圃場に設置するというものもされております。そういったことが行われており、一方、レンコンにつきましては、圃場全体を防鳥ネットで被覆するというような対策が行われております。
また、カラス対策と同じように、市町や有害鳥獣対策協議会から委託されました猟友会によります、銃器を使った定期的な追い払いだとか捕獲の実施などが行われております。
県では、こうした取組が県内に広がりますよう、農業改良普及センターによる現場への侵入防止対策の推進なり、県のホームページによる取組事例等の紹介などを行うとともに、国庫事業や県単事業によりまして、猟友会が行う追い払いなどに必要な資材だとか活動費などの支援を行っているところでございます。
以上、お答えします。
156 ◯野田委員=いろいろ対策としてお伺いしたところですけども、一つは侵入を防ぐ対策、そして、一つは追い払いということですけども、特に鳥の場合は恐怖を与えて近づけさせない、恐怖を与えるという、これが銃による音であったりとは思うんですけども、かといって、よくプロパンガスなんかでボーンと朝夕に、定期的に鳴るやつは駄目らしいですね、人為的で予測がつかないような音の出し方をしなさいというようなことが効果的であるということでありました。やはりそこでも、あっ、もうすぐ鳴り始めるよねという学習が働くらしいです。イノシシでもそうです。そういった防御とすみ分けと、そして、捕獲ですけれども、鳥も防御と──すみ分けはちょっとできないと思うので、追い払いだと思います。
じゃ、カモを有害鳥獣に指定して駆除してくださいと指定しておりますと、大体狩猟では一日五羽とか決まっているんですね。ところが、有害鳥獣駆除されますと、五羽の制限を超えて捕獲ができます。こういったことも非常に効果があるんじゃないかというふうに思うところですけども、このカモを有害鳥獣駆除ができるように指定している市町というのはどういったところがあるかお尋ねいたします。
157 ◯川崎生産者支援課長=カモに対する有害鳥獣捕獲の許可を出されている市町についてお答えいたします。
カモの有害鳥獣捕獲の許可を出している市町につきましては、現在、県内で十六市町ございます。このほとんどが麦やレンコンの作付が比較的多いところですね。あとの残りの四市町につきましては、唐津市や玄海町、基山町、有田町など、麦の作付が少ないところになってございます。
以上、お答えします。
158 ◯野田委員=ほとんどが指定しているというところでした。多久もこの中に初めて入ったと思います。特に先ほど述べましたように、有明海に船で出てみますと、本当に目を覆うくらいのカモが飛来してきています。カモはノリも食べていますよね。ただ、被害は分からないらしいですね。野菜だと上がなくなるんだけれども、ノリだともう全然分からないということで伺ったところです。本当はもっと被害額はノリも加算すると大きくなるような現状じゃないかなというふうに思いました。
それでは、今後の取組についてお尋ねいたします。
カモによる農作物被害を軽減するために、今後、県ではどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
159 ◯川崎生産者支援課長=今後の取組についてお答えいたします。
カモによる農作物の被害が近年増加傾向にある中、現場における被害防止対策を被害の軽減に向けてより効率的、効果的なものにしていくには、被害を及ぼしているカモの種類や被害の程度などの詳細な被害状況を把握することが必要であるとしまして、県では、佐賀大学や猟友会との連携によりますカモの胃の内容物を調査する食性調査だとか、佐賀市との連携によりますカモの被害が大きい久保田町での被害状況調査などを現在実施しているところでございます。
また、先ほど申しました銃を扱う狩猟者が減少しているということで、それによってカモの捕獲数も減少しておりますことから、鹿島市猟友会と連携しまして、銃猟に代わる網猟などによるカモの捕獲実証試験に昨年度から取り組んでいるところでございます。
それと、先ほどいろんな情報を集めていると言いましたけども、先ほど麦の食害もございましたけれども、あるデータによると、二月の上旬ぐらいまでに麦の葉を一旦全部食べられたとしても、その年の天候にもよりますけども、収量には一割ほどしか影響しないとか、そういうデータもあって、いつ食べられる、多分三月に食べられるのは非常に影響がある、二月に食べられるのはそこまでないかも分からないとか、そこら辺もよく分かってございませんので、そうしたことも踏まえて調査だとか、先ほどの網猟とかでの実証試験の結果だとか、あるいは関係機関・団体などからの情報を踏まえまして、今後より効果のある時期だとか場所での追い払いや捕獲対策などの被害軽減対策を検討していくということにしております。
委員もおっしゃったとおり、鳥類は空中から飛来して農作物に被害を与えるということから、その防止対策は難しい点も多いものですけども、今後とも、猟友会だとか市町、JAなどの関係機関・団体と一体となって、現場の実情に即した対策を講じて、農作物の被害が軽減されるように取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。
160 ◯野田委員=イノシシは、捕獲しましたので、お肉要りませんか、いや、イノシシは要らないという方々は多いんですけど、カモは毛はむしってありますかって、むしってあったら要るっていう、案外とカモはもらい手が多いんですね、需要があります。
十一月十五日から狩猟解禁です。でも、カモは撃つな、まだ趣味の世界のときですね。何でかというと、飛来してきたばっかりで痩せておるけんが、撃ってもおいしくないということらしいです。でも、そういったところが、先ほどお伺いしますと、十六市町が駆除の対象になっているということで、あっ、そこはあんまりないんだなと私は感じたんですけれども、駆除に努めている方はそういったことで頑張られていると思いますけれども、昔からの本来のカモ猟というのはもっと寒くなってから、大豆を食べたカモがおいしいとか、そういうふうな話もありますので、比較的一月がおいしいとかという話なんですね。でも、そういったことを言っていますと、本当に被害が増大してまいりますので、佐大とか、いろんなところと連携していかれるに当たっては、そういう猟友会のしきたりはちょっと置いておいてということで、ぜひしっかりとした鳥獣対策を取っていただきたいというふうに感じるところです。よろしくお願いいたします。
それでは、質問はこれで終わらせていただきますが、一言発言をさせていただきたいと思います。
池田農林水産部長におかれましては、本年度で御勇退と伺っております。
経歴をお伺いいたしましたところ、昭和五十九年四月、農業経済課に技師として県庁に入庁されました。これを皮切りに三十八年間、県内農林事務所勤務を経て、佐賀の農政畑の要職を歴任されてきたと御拝察いたします。
農政企画課では、本庁勤務となった翌年、平成八年から始まった佐賀農業・農村むらぐるみ発展運動の立ち上げから携わられ、機械利用組合などによる効率的な地域営農づくりをはじめ、直売所や農産加工の取組の活性化による魅力あるむらづくりの展開に御尽力をいただきました。
平成十八年四月からの三年間は大阪事務所、現関西・中京事務所では副所長として関西・中京地区への県産農水産物の販売促進に力を発揮していただきました。
帰佐されてからの園芸課では、イチゴ次世代品種緊急開発プロジェクトの立ち上げから携わられ、農業団体や生産者と一緒に新品種開発を進める体制づくり、その後の「いちごさん」デビューに大きく貢献してくださいました。
そして、今、県が真っ正面から取り組んでいます「さが園芸生産888億円推進運動」を立ち上げ、高い収益が見込まれる園芸農業の推進により、稼げる農業の実現を牽引してこられているところであります。
まさに佐賀県の基幹産業である農林水産業の振興一筋に取り組んでこられました。ありがとうございます。
実は池田部長と私の自宅は隣の地区同士でございます。町民運動会では同じ三班というグループです。私は分館長を十年間やっておりましたが、そういった運動会の選手のお世話をするんですけども、残念ながら部長さんを拝見した記憶がない気がします。議員となり、池田部長の要職歴任の認識の下、改めて理解ができたところであります。休みといえども、現場回りをなさってくださっていました。県の部長さんが来てくださったという幾度か安心感の声を伺ったことがあります。その行動と気配りが地域農業のやる気を支えてくださっていました。
今後、この思いは後輩の皆さんに引き継がれていくものと固く信じております。これまでの長い間の県庁生活に心から敬意と感謝を表します。お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
これで私の質問を終わらせていただきます。
この後、ぜひ部長様のほうに三十八年間を振り返った思いを語っていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
161 ◯池田農林水産部長=これまでの県庁生活を振り返っての思いをお答えさせていただきます。
私自身、現役最後の
常任委員会と、この場で発言する機会を与えていただきまして本当にありがとうございます。
先ほど野田委員さんからは過分のお褒めの言葉を頂戴しました。本当に大変恐縮をしております。
一部経歴を御紹介いただきましたけれども、私、昭和五十九年四月に農政職員として採用されまして、それから三十八年間、そのうち本庁に二十八年、農林事務所に七年、大阪事務所に三年勤務をしてまいりました。その間、様々な業務に従事してまいりましたけれども、そのうち三つの職場での業務に関しましての思いを述べさせていただきたいというふうに思います。
まず一つ目は、新採職員として配属されました農業経済課の農業共済係での業務についてでございます。
水稲共済などの基準単収算定の基となります十アール当たり収量を農業共済組合に対し指示する業務を行っておりました。
当時、農業共済組合は千代田町とか脊振村など、まだ旧市町村の区域を範囲とする組合が多く残っておりまして、農業共済事業を行政自ら行っていました佐賀市を含めますと、二十四組合等がありました。全国的な一県一組合化の動きの中で、本県では令和二年四月に七つの組合が合併いたしまして、県域の佐賀県農業共済組合が誕生したところですけれども、合併する前の年に行われました合併予備契約調印式に県を代表して私が出席できたことは好運な巡り合わせだったというふうにうれしく思った次第でございます。
近年、激甚化、局地化する集中豪雨などによる想定を超える被害の発生ですとか、新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な収入減少など、経営リスクへの備えとして生産者の皆さんは農業共済や収入保険への加入がますます重要になっているところでございます。
二つ目は、米政策改革の準備期間と位置づけられていました平成十五年度から二年間、農山普及課の米麦振興係長として携わった業務に関してでございます。
平成十六年度以降、米の需給調整がそれまでの作らない面積、いわゆる減反面積を配分する方式から、作る数量、いわゆる生産目標数量を配分する方式へと転換されました。あわせて、助成金の体系なども大きく変わったところでございます。
本県での米の需給調整が新たな方式にうまく移行できるよう、担当係長として思わぬミスですとか、事務の遅れで生産者や関係者の方々に迷惑をかけることは絶対に避けなければならないという思いで仕事に向き合った覚えがございます。
農政が大きく転換するという大きな節目となりました、その時期に居合わせていた二年間は特にやり遂げた感がございます。
米の消費量が年々減少しており、これからも需給調整は避けられないでしょうから、米と転作作物を組み合わせ、農家の総所得を上げていくために、転作の基幹作物であります大豆の収量向上や高収益作物の作付拡大などを一層進めていく必要があると考えております。
最後の三つ目は、農林水産部長を務めた令和元年度から本年度までの業務についてでございます。
この三年間、令和元年佐賀豪雨、そして、令和二年七月豪雨、令和三年八月豪雨などによりまして、本県の農林水産業は毎年大きな被害に見舞われたところでございます。また、令和二年度は特に新型コロナウイルス感染拡大によりまして、本県の農林水産業は牛肉や中高級の魚種、花卉類、タマネギなどの価格が大幅に下落するなどの影響を受けたところでございます。
県といたしましては、豪雨による被害や新型コロナによる影響を受けられた生産者に対し、その都度、支援策を講じてきたところでございます。生産者の方々はそうした支援策を活用しながら、しっかりと前を向いて経営を立て直しておられます。物すごい力強さを感じているところでございます。
本県の農林水産業が永遠に受け継がれていくためには、県内各地域の農山漁村に絶えず担い手の存在が不可欠でございまして、農林水産業を若者にとって魅力的な産業にしていく必要がございます。
今議会では、高収益が期待できる園芸作物の生産拡大を目指します「さが園芸888運動」の推進、あるいは「佐賀牛」の欧米などへの輸出が可能となります高性能食肉センターの整備、さらには、内水対策プロジェクトや「さがの林業再生プロジェクト」の実施、玄海と有明海の水産資源の回復などに必要な予算をお願いしているところでございます。
県議会の議員方には、これまで本県農林水産業の振興に対し力を込めて後押しをしていただきました。これから先も変わらぬ御支援、御指導のほど、どうかよろしくお願い申し上げます。
以上、私の農林水産業への思いとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
162
◯川崎委員長=これで質疑を終了いたします。
暫時休憩します。
午後二時四十四分 休憩
午後二時四十五分 開議
163
◯川崎委員長=委員会を再開します。
これより討論に入りますが、ただいまのところ、討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し直ちに採決に入ります。
○ 採 決
164
◯川崎委員長=まず、甲第二号議案「令和四年度一般会計予算」中本委員会関係分について、乙第十号議案「佐賀県地域農業改良普及センター条例の一部改正」、以上二件の議案を一括して採決いたします。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
165
◯川崎委員長=起立者多数と認めます。よって、以上二件の議案は原案のとおり可決されました。
次に、甲第五号議案、甲第六号議案、甲第十号議案から甲第十二号議案まで三件、甲第十八号議案、甲第十九号議案中本委員会関係分、甲第二十一号議案、甲第二十二号議案、甲第二十六号議案から甲第二十八号議案まで三件、甲第三十四号議案、乙第八号議案、乙第九号議案、乙第十一号議案、乙第二十一号議案及び乙第二十五号議案から乙第二十七号議案まで三件、以上二十件の議案を一括して採決いたします。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
166
◯川崎委員長=全員起立と認めます。よって、以上二十件の議案は原案のとおり可決されました。
○ 継 続 審 査
167
◯川崎委員長=最後に、十一月定例会から引き続き審議中の
一、産業労働行政について
一、農林水産行政について
以上二件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
168
◯川崎委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の二件についての継続審査を議長に申し出ることにいたします。
以上で、本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。
なお、本日の委員会での質疑応答において、数字または字句の誤り、及び不適切な表現などがありました場合は、適宜、委員長の手元で精査の上、訂正などを行うことに御承認を願っておきます。
これをもちまして
農林水産商工常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。
午後二時四十八分 閉会
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