佐賀県議会 2021-09-02
令和3年9月定例会(第2日) 本文
最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○ 開 議
◎議長(
藤木卓一郎君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。
○
決算特別委員会設置
2 ◎議長(
藤木卓一郎君) お諮りいたします。
決算特別委員会設置の件を本日の日程に追加して議題といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
3 ◎議長(
藤木卓一郎君) 御異議なしと認めます。よって、
決算特別委員会設置の件を本日の日程に追加して議題といたします。
お諮りいたします。
既に議題となっております乙第六十六号議案及び乙第六十七号議案につきましては、十四人の委員をもって構成する
決算特別委員会を設置し、審査することにいたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
4 ◎議長(
藤木卓一郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
○
決算特別委員会委員選任
5 ◎議長(
藤木卓一郎君) お諮りいたします。
ただいま設置されました
決算特別委員会の委員選任につきましては、
委員会条例第五条の規定により、お手元に配付いたしております名簿のとおり指名いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
6 ◎議長(
藤木卓一郎君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、
決算特別委員会の委員に選任することにいたしました。
後刻、正副委員長を互選の上、議長まで通知をお願いいたします。
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決算特別委員会委員名簿
┌───────┬────────┬───────┬───────┬───────┐
│ 自由民主党 │県民ネットワーク│ 日本共産党 │ 公 明
党 │佐賀讃花の会 │
├───────┼────────┼───────┼───────┼───────┤
│石 井 秀 夫│野 田 勝 人 │井 上 祐 輔│木 村 雄 一│一ノ瀬 裕 子│
│石 倉 秀 郷│藤 崎 輝
樹 │ │ │ │
│岡 口 重
文│ │ │ │ │
│定 松 一 生
│ │ │ │ │
│弘 川 貴
紀│ │ │ │ │
│古 賀 和
浩│ │ │ │ │
│西久保 弘
克│ │ │ │ │
│坂 口 祐
樹│ │ │ │ │
│古 賀 陽 三
│ │ │ │ │
└───────┴────────┴───────┴───────┴───────┘
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7 ◎議長(
藤木卓一郎君) 日程によりまして、一般質問を開始いたします。
通告に従い、順次発言を許可いたします。
8 ◎石倉秀郷君(拍手)登壇=おはようございます。議長に登壇の許可をいただきました
自由民主党の石倉でございます。
一番バッターではございますけれども、会派代表というよりも、
自民党議員の先生方の御配慮をいただいて、一番バッターで質問をせろという御指示をいただきましたので、しっかりと質問をさせていただきたいと思います。
ただ、災害等につきましては、私は六角川、一部の塩田川に関連する今回の災害についての質問をします。それぞれの議員の先生方、松浦川、城原川、嘉瀬川等を含め、選挙区の先生方が質問される予定でございますので、知事をはじめ執行部の皆さん方におかれましては、一番困っておられるのは生活者でございますから、政治の力をもっていち早く復旧復興ができるようにぜひ御尽力いただきたいということを申し添えさせていただきたいと思います。
質問に先立ち、八月中旬の豪雨において県内各地で被害に遭われた県民の皆さんに対し、災害の見舞いを申し上げるとともに、早急なる復旧復興ができるよう私も県議会の一員として取り組ませていただきたいというふうに思っております。
また、
新型コロナウイルスに感染し、今も入院、あるいは
ホテル療養や自宅療養をされている方が一日も早く回復されることを祈願するとともに、献身的に感染者への対応をされている
医療従事者や県庁職員の皆さん、それに携わる関係者の皆さん方には心より感謝を申し上げます。
質問に入りますが、
新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いをいたします。
七月二十三日から
東京オリンピック、続いて八月二十四日からは
東京パラリンピックが開催され、様々な障害を持った世界中の選手が活躍し、感動したところであります。特に
車椅子テニスに出場され、銅メダルを獲得された佐賀県在住の
大谷桃子選手の活躍は、同じ佐賀県に在住する者として大変誇りに思ったところであります。
大谷選手をはじめ、今回出場されておる選手の皆さん方におかれましては、努力、精神力、体力の確保、維持のためにトレーニングに日夜励まれ、プレッシャーは大変なものがあったと思います。障害者の方々に元気と勇気と希望を与えていただいていることに感謝を申し上げるとともに、今後、障害者の皆さんの御活躍をお祈りしたいと思います。
さて、佐賀県では、
新型コロナに関して今年七月下旬から、いわゆる第五波となり、特に八月からは感染者が急増し、八月十八日には百八十二名もの感染者が発生しております。
同時期の八月中旬に、県内各地で二年前の佐賀豪雨以上の大雨に見舞われたところであります。私自身も地元が豪雨に見舞われたため、その対応に議員として連日現場を回っておる中、発熱し、PCR検査を受けたところ、陽性でありました。ただ、軽症であったため、入院ではなく、
ホテル療養に入り、十日後に
ホテル療養を終えることができました。
この十日間のホテルでの療養を通して、そこに勤務されておる県庁職員や看護師の方々が、目につきにくいものの、献身的に職務を果たされておることを
ホテル療養者として実感することができました。この場を借りて、改めて感謝とお礼を申し上げたいと思います。
今回、私は感染したものの、幸いなことに軽症だったのは、ワクチンを二回接種していたからではないかと思います。また、ワクチンを接種する前に感染した方々の話を聞くと、長く高熱であったり、回復後の後遺症に悩まされるなど大変な苦労をされており、やはり
新型コロナウイルス対策として
ワクチン接種は重要であり、接種可能な方にはぜひ接種を前向きに検討してほしいと考えております。
私自身のこのような体験を踏まえて、次の点についてお伺いをいたします。
まず、
濃厚接触者についてお尋ねいたします。
新型コロナウイルス陽性と判明した際、自分が接触した人が感染していないかととても不安になります。
ついては、どのような場合に
濃厚接触者となるのか、
新型コロナウイルス感染症の
濃厚接触者の定義、及び
濃厚接触者に対する保健所の指導についてお伺いをいたします。
次に、
退院基準等についてお聞きをいたします。
新型コロナウイルス感染症と診断された場合、その治療や
感染拡大防止のために入院、療養をすることになりますが、退院基準及び
療養解除基準を正しく理解していないと、本人も周りの人も退院後や療養解除後でも感染するのではないかと不要な不安が発生すると聞いております。
ついては、どのような場合に退院あるいは療養解除になるのか、改めてその基準についてお伺いをいたします。
次に、
ワクチン接種についてですが、県内の
ワクチン接種率と今後の接種計画についてお尋ねをいたします。
国は、十二歳以上の希望する国民に対し、十一月の早い時期までに接種完了することを目標としておられます。佐賀県でも、一人でも多くの県民にできるだけ早く
ワクチン接種を推進してほしいと考えておられますが、現在の佐賀県の
ワクチン接種率はどのようになっているのか。また、今後の
ワクチン接種計画はどのようになっているのかお伺いをいたします。
三回目の接種に対する県の考え方についてであります。
ブースター接種というそうでございます。
ワクチン接種は、県内でも二月下旬から
医療従事者を対象として始まっておりますが、最近の報道等によりますと、
ワクチン接種の免疫効果は六カ月から八カ月程度とも言われております。データ等によりますと、効果率は六〇%に下がるというふうなことも数字として出ておりますが、海外ではさらなる免疫効果を高めるため、三回目の
ワクチン接種を始めた国もあります。
国内においても、三回目接種に関して検討していると聞き及んでおりますが、
新型コロナウイルスに対しては終わりのない戦いが今後も続くであろうと思っております。私としては、ぜひ三回目の接種をしてほしいと考えておりますが、三回目の接種について、県としてどのように対応していくのか、知事の明確な答弁を求めます。
次に、令和三年八月豪雨への対応についてお伺いをいたします。
議長の許可を得て説明をさせていただきますが、(パネルを示す)知事、こっちが武雄市、大町町、江北町、ここは旧北方町、佐賀鉄工、順天堂、ここに高橋川排水機場、五十トンがあります。
令和元年と今年の令和三年、水の
災害メカニズムを見ますと、水は上から下ですから、こういうふうに流れていきますけれども、そういう中で、今回は十四日の日に高橋川から、ここの北方のリムスから上流部のポンプが七カ所ございますが、この七カ所のポンプが外水氾濫のおそれがあるということで、
ポンプ停止を十四日の日にされております。
当然、外水排水をしなければ、水は内水氾濫を起こすわけですから、そうした中で、
パナソニックのところに
大町消防団がおられたそうでございます。令和元年のときには
パナソニックの前の道路はもともと高いもんですから、線路と平行してあります。令和元年のときには、ここで水が止まっております。そして、この下潟、中島、当然こういうところも浸かっているんですね。ここは大体一メートルから一メートル二十ぐらい浸水をしておるということです。
令和三年の今度の災害におきましては、
パナソニックの前に消防団の団員さんがおられたところが、一気に水かさが増えて、ここを越流して小通とか下大町に水がオーバーホールして流れてきたと。
水深高が大体一メートルぐらい、令和元年と令和三年とした場合に、水高が一メートルぐらいはかさ上げになっておるということです。そういうふうな水の流れがあったと。
これは今後、集中豪雨とかが出てきた場合には、この
メカニズムは来年もひょっとしたらそういうふうな災害があるかも分からんし、再来年もあるかも分からん。
こういうふうな原因がもう確実に分かっておるわけですから、今後につきましては、
検討委員会なりを立ち上げていただいておるということで分かっておりますから、原因は当然分かっておりますから、対策を、じゃどういうふうに対策をしていくかということを全体的に、国交省も入れて、早急に協議をして対策を立てないと、ここに令和元年、令和三年、ほとんど同じ人が商売においても、一般住宅においても被害に遭われておる。ここを何とかせんと、住民の皆さん方は地域を離れて、その地域はゴーストタウン化して、人が住まない地域になってしまうと。こういうふうな一つの
メカニズムがございますので、今のところ江北町は長崎本線のところで何とか止まっております。しかし、長崎本線の一部のところに生活道路の橋があって、ここが水道(みずみち)になって、大西地区とか、そういうところに水が流出をしておるんです。
だから、総合的に考えてみて、関係する市町、国交省、それと県、県は特に知事が音頭を取って、少なくとも一年以内には、全面的な計画はできないにしても、地域の皆さんがもう一回住もうよと、もう一回住もうというふうな気持ちになっていただくような対策を考えていくべきじゃないかというふうに思います。
この横断図は、
焼米ため池の前、ここは絞っておられます。狭くなっておる。ここの断面が、横断図が、ここは
焼米ため池の標高です。十七メートルです。この堤防は六・七メートル、線路の高さが四・一メートル、国道が四・五メートル、ここが水道(みずみち)になっています。ここを越流して内水氾濫の水がここを通って、大町、一部はひょっとしたら旧北方町のほうに行っているかも分かりませんけれども、そういう原因ははっきりしておるわけですよ。だから、何とか地域の皆さんは、もう一回、安定した生活ができるように、ぜひ県のほうで音頭を取っていただいて、市町と一体化の中で安全・安心な地域をつくっていただきたいという願いでございます。
文章的には書いておりますが、今説明をしたとおりでございまして、内水氾濫を防ぐために
ポンプアップをしたら、外水氾濫が起こると、堤防が決壊すると。ここは目に見えて分かりますので、当然、大規模災害を防ぐために、国交省としてはポンプの停止をせざるを得ないということです。
白石町においては、低平地ですけれども、知事もいろんな話を聞かれておると思いますが、直接、有明海に
ポンプアップしたらどうかという話はございます。しかし、将来的にはそのような奇策というよりも、抜本的な治水対策なり利水対策、災害対策を考えんと、ほとんどが低平地ですから、今も山口知事は献身的に県民の気持ち、県民の側に立って努力をしていただいておることは認めはしますけれども、ぜひ被害に遭われた皆さん方のことをしっかりさらに受け止めていただいて、この先、一年以内ぐらいにはできることをしっかりと取り組んでいくと。ここの右岸側においては、知事、ここにはため池がかなりあります。かなりのため池が存在しますから、内水氾濫を幾らかでも軽減するために、このため池を調整池として考えていくことも大事じゃないかと思います。こういうことは即できるわけですから、ただ、
管理監督区域が武雄市とか大町町とか土地改良区とかありますので、そこの垣根を取っ払って、いろいろ言うなと、生活者が先だと、そこが政治の力だと私は思いますから、政治は常に生活者のそばにあるのが大事だと私は思います。
そこで、六角川水系における内水対策についてお伺いいたします。
今後も必ず同様の内水被害があると認識をしております。早急に六角川水系の抜本的な内水対策に取り組む必要があります。すぐできるもの、時間がかかるもの、実現に向けての課題も多くあることは分かりますが、難しいこともあると思いますけれども、
一つ一つテーマを挙げて解決を図っていかなければ、同じような被害がいつまでたっても免れない。困るのは生活者。
例えば、他地域から内水が流れ込んでこないように堤防を整備するような、これまでの常識にとらわれないことも考える必要があるのではないかと思います。まずは広域行政の観点から県が先頭になり、国、関係市町と一体となって内水対策についてしっかりと協議し、
スケジュール感を持って答えを出していくべきと思いますので、危機管理を熟知した、四十七都道府県のトップを行く知事としての見解をお伺いさせていただきたいというふうに思います。
これに関連して農業被害への対応についてですが、かなり文言が多いもんですから、時間も三十分たとうとしておりますので……。令和元年度の被害農家に対しての対策として、被害の程度と再建方法に応じて支援金を支給する国の
被災者生活再建支援制度とか、国の制度と同様の支援を行う県独自の佐賀県
被災者生活再建支援制度があると聞いておりますが、農業者については、今回の豪雨により、武雄市や大町町、江北町をはじめとする県内各地で
農業用機械等が浸水をしたり、農地や農道が崩壊する被害が生じております。
県によると、林地被害などを含めた
農林水産関係の被害額は
令和元年佐賀豪雨を上回る百五十億円以上に達しており、まだ調査ができない箇所もあることから、今後も増える見込みというふうに聞いております。
農業関係の被害状況を見ると、
土地利用型作物では、大豆は作付面積の七割以上に当たる五千七百ヘクタールで浸冠水を受けております。中には枯死してしまった圃場も見られるなど大幅な収量低下が懸念されております。水稲も作付面積の一割以上に当たる三千三百ヘクタールで浸冠水の影響を受けており、収量の減収が見込まれております。園芸作物もそうだと思いますが、アスパラやキュウリ、コネギが被害を受けておりますので、傷んだ苗の植え替えなどを余儀なくされておりますから、そういう点についてどのように
農林水産部として考えておるのか。
さらには、大町町や武雄市北方町などでは、
令和元年佐賀豪雨に引き続き、今回の豪雨でも
トラクター等の
農業用機械が水没した農業者もおられ、営農意欲が低下しないかと危惧をしておるところでございます。再び水没の被害を受けた農業者に営農を継続してもらうためには、
令和元年佐賀豪雨の際には二分の一であった
農業用機械の再取得に対する補助率を幾らかでもかさ上げして支援を強化することが、農業県佐賀としての役割じゃないかというふうに思います。
特に、
JA佐賀中央会の
金原代表理事会長が知事に対して、令和三年八月豪雨の災害対策に関わる要望書を提出されております。内容等については私も熟読しましたけれども、確かに言われるとおりだというふうに思います。そのことも踏まえて、県では、豪雨災害で被害を受けた農業者をどのように支援していくのか、的確で前向きな、そして生産者が意欲を持って農業を継続できるような抜本的な県の支援制度を求めます。答弁をよろしくお願いします。
次に、商工被害への対応についてお伺いいたします。
令和三年八月豪雨では、武雄市や大町町では二年前の佐賀豪雨時よりも浸水の水かさが増しております。商工業の被害も大きく、また、短期間に二度目の被災を経験したことにより心が折れ、廃業する店舗も現れており、この地での事業の再開をためらう声がありますし、商工業者には地域で商売を続けたいという気持ちを持ってもらわないと、地域の活気が失われて、町が死んでしまいます。このようにならないよう、被災した商工業者に寄り添い、この地域での事業の再建支援に力を尽くすことが被災地域の自治体の責務であると考えます。
ついては、商工業者の事業再建にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。
今日の新聞やったですかね、昨日の武雄の市議会で補正を二十五億円組んでいただいております。これは早急にという言葉が当てはまる、迅速な対応じゃないかというふうに思います。今でしかできないことを武雄市はやってのけていただいております。これが住民の生活者の側に立った政策であり、僕は政治だというふうに思います。
知事、大町の
商工会御存じでしょう。あそこは階段があって二段ぐらい上がっています。令和元年のときには商工会の床から三十センチが浸水しましたと、今度は九十センチ、六十センチ上がってちょうど窓際のところまで水が来ている。その前に、
森永写真館は二メートル、低いですから。あそこは大体町部の中心部になると思いますけれども、そのような状況であったと。
だから、令和元年、令和三年、今まで大変財源厳しい中でも県として支援をしていただいております。市町もそうですけれども、県もかさ上げをしながら、ぜひ住民の皆さん方の生活の向上につながるよう取り組んでいただければ大変ありがたいというふうに思います。
最後に、佐賀空港の
自衛隊使用要請についてお伺いいたします。
佐賀空港の
自衛隊使用については、本年六月三十日から七月四日にかけて
地権者説明会が開催されました。七月三十日に地権者への
アンケートが送付され、約八割の地権者の回答がありました。八月二十七日に
有明海漁協及び県の立会いの下、
開封集計作業が行われ、今月三日に開催された
有明海漁協の
検討委員会において、防衛省から調査結果が報告されたと承知をしております。
九州防衛局の公表資料によれば、
地権者アンケートでは配備計画への理解に関する質問及び空港西側の土地の売却意向に関する質問が設けられ、売却意向に関する
アンケートでは、売却してよいが地権者の二九%、条件次第で売却してもよいが四三%、売却したくないという方が二六%。
今後、
アンケート調査結果を踏まえて、
有明海漁協では
公害防止協定覚書付属資料の変更について議論が進められていくことになるというふうに思います。
有明海漁協の
西久保組合長は、
検討委員会終了後の取材において、
アンケートの調査結果について、今後の
検討委員会で審議する材料になると話されております。今後の
検討委員会の開催について、今までのように漁期が終わってからではなく、漁期中に開く予定と重い決断をされております。
今回の防衛省の要請は我が国の国防のためということのみならず、大規模災害が発生した際に迅速な人命救助が図られるという側面も持ち合わせており、また、佐賀県の将来的な発展や有明海の再生を思えば、確実に進める必要があると私は考えております。その実現に向けて知事が積極的に関与していくことが今後は重要だと考えており、これまで知事は調整していく、見守っていくといった発言をされてきましたが、これから漁協での議論を本格化していく中、私は知事自らが漁協を訪問し、改めて考えや思いを伝える必要があると思います。このことについて知事の前向きなというよりも、県民が分かるような答弁を求めて私の質問を終わります。(拍手)
9 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。
石倉秀郷議員の御質問にお答えいたします。
まず、
新型コロナウイルス感染症対策について、三回目接種に対する県の考え方について答弁申し上げます。
まず、このコロナにつきまして、本県の最近三カ月の感染者の中で、そのほとんどがワクチンの未接種者なのであります。ただ、
ブレークスルー感染者、いわゆる二回接種された方の感染は四・五%になっています。
確かに
医療従事者ですとか高齢者など、早い時期に打たれた方がぱらぱら感染をされるという状況になっているのが現状であります。ただ、四・五%の
ブレークスルー感染者の皆さんの中に亡くなられた方だとか重症化された方は一人もおりません。石倉議員も軽症ということでございました。そういった形で軽めに済んでいる方が非常に多くて、こういったデータもそうですし、我々日々、一つ一つを丹念に追っているわけですけれども、ワクチンの効果というのは非常に大きいものだなというものを実感しているわけでありまして、現在、
最終コーナーにかかりつつあるわけですが、二回接種、これを希望されている方につきまして、昨日発表しましたけれども、県の大規模接種会場も幅広く十六歳以上を受け止めるということにしました。そういったことで二回接種を確実に進めていきたいと思っています。
そして、三回目の接種につきましては国で検討中であります。昨日、田村厚労大臣の会見の中でも、この三回目接種につきまして、今、ファイザー社やモデルナ社が臨床試験を行っているという話。それから、交差接種、別の会社のやつをまた打つということですけれども、これについても研究が進んでいるということなので、十七日、あさってに予防接種・ワクチン分科会を開催して、科学的に議論を進めるということになっているという発表がありました。
そうした国の検討が科学的知見からなされます。その有効性の話ですとか、さらにワクチンの量も確保していただかなければいけませんので、そういった体制がしっかり取られるんであれば、佐賀県としても三回目の接種に向けて、希望された方が円滑に接種できるように体制を整えて、しっかりと対応していきたいと考えています。
続きまして、六角川水系における内水対策についてお答え申し上げます。
まず、私からも被災された方々にお見舞い申し上げます。
今回の豪雨災害の特徴は、県内各地で千ミリを超える雨を観測するという、本当に一週間の間に、嬉野で言うと年間の半分降ってしまうような、そういう雨が降り続いたことによりまして、大きく分けますと土砂崩れ、内水氾濫という、この大きな二つが県内各地で発生したことであります。
そして、石倉議員から御指摘がありました内水氾濫についてなんですが、基本的に内水氾濫はどういうことなのかなということで我々もずっと検討しているわけなんですけれども、全国的にはというか、一般的には内水氾濫というのは小さな規模で終わることが多くて、基本的には市町が主体となって対応するということです。ですので、一般的な国全体として見ると、外水氾濫というか、越水する、堤防が切れて多くの家屋が押し流されると、そういったところについての対応をするというのが大きな流れなんではないかなというふうに思っているので、佐賀県は内水氾濫の規模が大きいので、特別に我々がリーダーシップを取って考えなければいけないという、まず前提があります。
何といっても、ポンプの数も日本一なのが佐賀県なのでありますし、しかも、他県のように小さい範囲ではなくて、市町を越えて、広い範囲で内水氾濫が起きるというリスクがあって、市町間の調整が必要だということ。それから、六角川もそうですけれども、低平地を蛇行していますから、しかも、それが非常に緩い勾配で走っていますから、受け止める力が弱いと。なかなかポンプで出し切れないというそもそもの難しさがありますから、内水の排水が非常に困難だというような特徴もあるので、非常に難しい県だろうというふうに認識しています。
さらに、近年は気候変動によりまして内水氾濫が起きやすくなっています。簡単に言うと三十年前の南九州のような気象条件だと言う方もおられました。そういうふうな中なので、こういった激甚化、頻発化に対する備えとして、これまでの延長ではないような考え方をしなければならないという認識に至っています。
そうした意味で、今回、県ももう一歩前に出ろという御指摘もありました。もう一歩前に出て、内水対策に主体的に県も関与していこうという決意を持ちまして、坂本副知事の下に「内水対策プロジェクトチーム」を立ち上げて、全庁的な取組を行うことといたしました。
大きな柱は二つありまして、一つ目は内水の状況、基本的にカメラなども市町が中心なんです、今。そういったものもリアルタイムで把握、発信できるように、県もそこに関与していって、市民、町民の皆さん方と情報が共有できるような、そして住民とともに情報把握しながら避難だとか迅速な対策ができるような取組をしていきたいというのが一点。もう一つ目が、まさに内水被害を軽減する取組そのものであります。この両方をスピード感を持って検討していきたいと思っています。
既に今議会では排水ポンプ車の導入に関する補正予算を提案しています。これも短期的な対策なんですけれども、これで何とかなると思っていません。ただ、我々としてやれるオペレーションの中で、五つポンプ車を持っておくというのは非常に我々にとってありがたい。そして、大概国のポンプ車をお願いするんですけれども、最近、広域化していて、なかなか我々のほうで確保できないという悩みもあります。そうした意味で、今回ぜひ単県で五車整備させていただけないかということも提案させていただいております。
そのほか、短期的な対策としては、先ほど言いました防災カメラ映像を活用させていただくための措置ですとか、これまでもやってきたんですが、河川しゅんせつをさらに推し進めていくことですとか、それから
焼米ため池の話もありました。確かにあれは御案内のとおりもともと利水で造っているんですけれども、多くの山の水を受け止めるところ、機能もあるので、本当は早めに六角川に流してあげるということも大切だろうと、特に緊急時の直前にはですね。ということもあるので、放流施設の整備をすることによって、ため池の貯留能力の向上といったこともやっていきたいと思いますし、さらにポンプ場の耐水化ですね。これは農水大臣と話したときにも申し上げましたけれども、原状復旧して壁を造るだけではそれを乗り越えてくるので、むしろ改良復旧的な考え方でという、その先を超えるような止水板を造っておかないとという話についても御理解もいただきましたので、そういったこともやっていきたいと思っています。
そして、一定の時間がかかる対策もしっかり取組を始めなければいけないということで、河川整備による内水を受け入れる能力の強化。それから、ため池だとか調整池、田んぼダムなど、地域に内水を貯留する能力をつくっていけないかどうかという検討。そして、そこに住む住まい方ですね。働く場所とお住まいの在り方など、その他、今回、それこそ白石の話もありましたけれども、様々な御意見が寄せられていますので、そういったことを一つ一つ丁寧にしっかり検討させていただきたいと思っています。
そして最後に、石倉議員のほうから治水対策を思い切ってやれと。それが政治の力だというお話もありました。ごもっともだと思います。ただ、この問題は本当にまた佐賀県が抱えている課題で、克服すべき課題として非常に難問であることがあります。それは利水との関係なんです。我々、農業県でありますので、治水をずっとやってきた歴史もありますけれども、水を何とか確保しなければいけないという歴史の連続でもあったわけでありまして、二年前の令和元年の豪雨災害の前も、我々は実は渇水対策本部をやっていたんです。今回も実は同じ状況でありまして、渇水の対策をして、今度は治水をやるという、水との戦いで言えば非常に難治県だと思っています。ですので、そういったところの調整といったことが大きな課題だろうと思います。
この治水と利水を両立させるためには、みんなで、みんなが負担を分かち合いながら全体を考えていくという考え方、これがとても大事なんだろうと思っています。
治水の神様と言われました成富兵庫茂安は、従来の考えを覆すような新しい発想で幾多の困難を乗り越えてまいりましたので、今、まさに我々も困難に直面しております。これを克服するには、地域の総合力も試されているのではないかと認識しています。
このように、内水対策は国、県、市町、関係者が確実に進めていくということが大事ですから、県としてもリーダーシップを取って、流域全体として皆が協力し合える体制も構築しながら、六角川水系をはじめとする内水対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
続きまして、佐賀空港の
自衛隊使用要請についてお答え申し上げます。
今回の防衛省からの要請につきましては、国民、県民の生命と財産を守る国防に関する要請でありましたことから真摯に向き合ってまいりました。
私も知事就任以来、防衛省からの要請を受けて、三年半にわたって検討してまいりました。具体的には、計画の全体像、将来像の明確化、そして、米軍の利用やオスプレイの安全性、生活環境や漁業、農業などへの影響など、様々な観点から確認及び検討して、論点整理の公表ということを三年半にわたって行ったわけであります。
そうした上で、県議会における議論や決議も踏まえまして、三年前の平成三十年八月二十四日に防衛省の要請を受け入れるという判断を行わせていただきました。
その判断を行った当日に、直ちに
有明海漁協を訪問させていただいて、当時の徳永組合長に対して県の判断について説明するとともに、
公害防止協定覚書付属資料の変更についての協議の申入れも行いました。
その後、九月から漁期に入りますことから、協議については漁期明けから始めることとしまして、漁期明け直後の令和元年五月には漁協の
検討委員会におきまして、十五支所の運営委員長、そして支所長の皆様に対して、公開の場で私自身、直接説明を行わせていただいたわけであります。そこでは、有明海漁業に対する私の思いですとか、防衛省からの要請は国防上の要請であることなど、県の判断に至った経緯や理由、そして、三項目から成る防衛省との合意事項などにつきまして、約三十分ぐらいだったと思いますが、誠心誠意、自分の考えを真っすぐ向いて説明させていただいたと思っています。
そして、昨年六月末には
西久保組合長が就任されました。
西久保組合長も私の三十分の説明にもおられたわけですけれども、さらに就任直後に漁協を訪問して、その際に改めて要請を受け入れていただきたいという旨の話をさせていただきました。
私はこのように、直接、
有明海漁協を訪問して、有明海漁業に対する思いですとか、国防に対する考え方を随時お話しさせていただいておりますので、私の気持ちは漁協の皆様方に伝わっているのではないかと認識しています。
有明海漁協におかれましては、これまでの検討に加えて、先般行われた
地権者アンケートの結果などを踏まえて、まさに今月、
検討委員会で議論が行われていると思います。
これまで長い時間、検討が重ねられてきましたけれども、今が大切なときと認識しています。県としては、真っすぐに向き合ってまいりたいと考えています。
以上です。
10 ◎元村総務部長 登壇=私からは、
ワクチン接種についての質問のうち、県内の
ワクチン接種率と今後の接種計画についてお答えをさせていただきたいと思います。
本県では、今年六月末に
医療従事者などへの接種が完了しまして、七月末には六十五歳以上の高齢者への接種も九〇%を超え、希望する高齢者への接種が完了いたしました。
現在は、各市町や職域接種において、六十四歳以下の方への接種が進められております。九月十二日現在では、十二歳以上人口の七二・九%が一回目の接種、六一・八%が二回目の接種を終えている状況でございます。
現在、市町におきましては、医療機関での個別接種や保健センターなどでの集団接種により接種が進められています。また、県庁一階県民ホールにおいて県が実施しております大規模接種会場におきましては、今月十一日からこれまでの一・五倍となります一日当たり七百五十人まで接種可能な体制で接種を実施しておりまして、十八日からは基本的に対象者を限定せずに接種を進めることとしております。
国に対しましては、接種が進んでいる自治体には、さらに接種が加速するようなワクチン配分を求めているところでございます。できるだけ早く
ワクチン接種を希望する方、最後のお一人まで接種が完了するよう、しっかりと接種体制をつくっていきたいと考えております。
いよいよ
ワクチン接種も
最終コーナーに入ってまいりました。市町や医療関係者とも連携し、チーム佐賀、オール佐賀でしっかりと取り組んでまいります。
以上、答弁とさせていただきます。
11 ◎甲斐健康福祉部長 登壇=私からは、
新型コロナウイルス感染症対策のうち、二項目についてお答えをいたします。
初めに、
濃厚接触者についてでございます。
新型コロナウイルス感染症の
濃厚接触者とは、陽性となられた方と近距離、あるいは長時間接触したことにより感染した可能性が疑われる方のことでございます。
具体的には、患者さんの発症日二日前から入院、宿泊療養、または自宅療養を開始するまでの間に接触した方のうち、患者さんと同居、あるいは長時間の接触があった方や、手で触れることができる距離、目安として一メートル以内で、必要な感染予防策なしで患者さんと十五分以上の接触があった方などが該当いたします。
最終的に
濃厚接触者に当たるかどうかは、各保健福祉事務所の担当者が行動などについて具体的な状況をお伺いして、総合的に判断をしております。
濃厚接触者に対しましては、患者さんと最終接触後の十四日間は健康観察をお願いするとともに、食料品の買い出しなど生活上必要な場合を除き、不要不急の外出は控えていただくよう自宅待機をお願いしております。また、自宅待機期間中に発熱や呼吸器症状、倦怠感などの症状が現れた場合には、速やかに保健福祉事務所へ御連絡いただくようお願いしているところでございます。
続きまして、退院基準についてでございます。
新型コロナウイルス感染症については、発熱等の症状が出てから七日から十日程度たつと、感染性は急激に低下いたします。そのため、現在の退院基準、及び宿泊施設または自宅での療養が解除される基準は、症状のある方、これは人工呼吸器などによる治療を受けた方を除く一般的な有症状者についてでございますけれども、発症日から十日間経過し、かつ症状軽快後七十二時間を経過した場合、無症状者の方は検体採取日から十日間経過した場合となっています。
これらの基準を満たして退院された方、あるいはホテルや自宅での療養が解除された方から感染が広がることはございません。
今後とも、退院された方や療養が解除された方への差別や偏見がないよう正しい情報の発信に努めてまいります。
私からは以上でございます。
12 ◎寺島産業労働部長 登壇=私からは、令和三年八月豪雨災害への対応についての御質問のうち、商工被害への対応についてお答えいたします。
まずもって、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
令和元年佐賀豪雨災害からこれまで、懸命な思いで事業再建に取り組まれ、頑張ってこられた商工業者の方々が僅か二年で再び被災されたことに大変胸を痛めております。
今回被災された商工業者の事業再建の支援につきましては、まずは災害復旧に必要な設備資金や運転資金を低利で調達していただけるよう、八月十七日に災害復旧資金を発動いたしました。そして、この災害復旧資金につきましては、二年前にも被災され、そのときに借入れをされておられる災害復旧資金の償還がまだ終わっていらっしゃらない事業者もおられることから、既往の災害復旧資金の借換え、新しい融資を受けるのではなく、そのものを借り換えるということにも対応いたしますし、また、追加で融資をされる分には、それと併せて一本化するといったこともできるようにしてございます。
さらに令和元年度以降、再び被災された商工業者が災害復旧資金を利用される際は、三年間実質無利子とするための予算案を今議会にお願いしているところでございます。
今回の商工業の被害は、把握している限りで六百二十三件、約百七億円にも上っておりますことから、県だけで事業再建の支援を行うのはなかなか難しいと考えております。そのため、国に対し、令和二年七月豪雨災害の際に創設をされた「なりわい再建補助金」の発動などの支援策を要望しているところでございます。
また、石倉議員からも言及がございましたように、今回の災害からの復旧復興に当たりましては、気候変動の影響でいつまた同じような豪雨災害に見舞われるか分からないということを念頭に置いて考えることも重要であると認識をしております。こうしたことにつきまして、昨日も中小企業庁の方々にお話をし、事業者に寄り添った特段の支援策というものをお願いしたところでございます。
国におきましても、どういった支援ができるかといったことを御検討いただいておりますので、その結果を踏まえまして、県として支援策を取りまとめ、速やかに議会にお示しをさせていただきたいと考えております。
被災された商工業者の事業再建につきましては、お一人お一人、最後のお一人までという気持ちで事業者に寄り添って、全力で支援してまいります。
私からは以上でございます。
13 ◎池田
農林水産部長 登壇=私からは、令和三年八月豪雨災害への対応のうち、農業被害への対応についてお答えをいたします。
令和三年八月豪雨災害の
農林水産関係被害額は、
令和元年佐賀豪雨災害を超えておりまして、厳しい状況にある被災者に寄り添った支援が重要だというふうに考えております。
このため、
JA佐賀中央会からの要請などを踏まえまして、被災された農業者の皆様の営農の継続や再開に向けまして、次期作に必要となります苗や農作物の生育の回復に必要となります肥料などの購入経費に対する助成ですとか、大雨による施設園芸への被害を未然に防ぐための浸水防止壁や排水ポンプの整備への助成などの支援事業を今議会に提案しているところでございます。
特に、
令和元年佐賀豪雨以降に二回以上被災されました農業者や、就農後間もない新規就農者につきましては、次期作に必要となる苗や生育回復などに必要となる生産資材の購入に対する補助率を三分の一から二分の一にかさ上げいたしまして、営農再開を強く後押ししていくことといたしております。
石倉議員御指摘の被災した
農業用機械の再取得、修繕に対する補助につきましては、国の「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」の被災農業者支援型を活用することといたしております。
この事業につきましては、全国的に一定規模以上の甚大な被害が発生した場合に発動されまして、国の補助率は十分の三となっております。二年前の佐賀豪雨の場合は、油が流出するなど、本県にとりましては、極めて痛ましい被害でありましたために、県独自に十分の二を上乗せいたしまして十分の五の補助率といたしたところでございます。
こうした中で、今回の令和三年八月豪雨におきましては、国の事業は現時点で発動されていませんが、県といたしましては、二年前に続いて再び多くの機械が水没するという厳しい状況を踏まえまして、全国的な被害規模にかかわらず、事業の実施ができるよう、国に対しまして事業の発動と補助率のかさ上げを強く要請しているところでございまして、今後も様々な機会を捉えて働きかけてまいります。
今回の災害では、二年で再び被災し、心が折れそうになっている農業者の方々が多くおられますことから、そうした農業者の方々が前を向いて、また頑張ってみようと、営農を継続できるようにしっかりと支援をしてまいります。
以上、お答え申し上げます。
14 ◎石倉秀郷君 登壇=再質問をさせていただきたいと思います。
佐賀空港の
自衛隊使用要請についてですが、今、知事に答弁をいただきましたけれども、何か霧の中の答弁のごと、いっちょん分からんやったばってんが、私が言っているのは、
アンケート調査をしていただいて、漁民の皆さん方がオーケーとか、そういうことじゃなくして、少し考え方が表に出てきたんじゃないかと。それを防衛省、漁協、県、我々議会がどのように受け止めて、佐賀空港の
自衛隊使用について賛否両論ある中で、必要性についてしっかりと、わざわざ組合長も
検討委員会については漁期中であっても審議をする必要があるということですから、今月なのか、来月なのか分かりませんけれども、恐らく
検討委員会をされるというふうに私は思いますので、
検討委員会をされる前に、今日までの知事の考え方は分かっておりますけれども、さらに知事の決断というよりも思いを
検討委員会の中で伝える必要が政治家としてあるんじゃないかということで私は質問を最後にしておるわけですから、そこはしっかりと、行くのか行かんのか、行くならばどのタイミングで行くのか、それは知事自身が組合長とスケジュール調整をすることじゃなくして、事務方でしっかりと調整をしていただいて、そのタイミングが合ったときに、改めて佐賀空港の
自衛隊使用の必要性についてお願いに行くということで私は理解をしておりますけれども、そこのところを再度確認をさせていただき、再質問といたします。知事、答弁よろしくお願いします。
15 ◎山口知事 登壇=石倉議員の再質問にお答えいたします。
今まさに漁協の
検討委員会で議論が行われている状況でございます。そして、漁期中であっても審議をするとされている
有明海漁協に対して敬意を表したいと思います。
そうした漁協内での議論がされる中で、判断材料として改めて私の考えが聞きたいということであれば、そうしたタイミングがあれば説明に行きたいと考えております。
16 ◎徳光清孝君(拍手)登壇=県民ネットワークの徳光清孝でございます。
通告に従いまして順次県政の課題について質問をいたします。山口知事、そして落合教育長及び執行部の皆さん方の誠意ある答弁をよろしくお願いいたします。
まず一番目の質問は、
新型コロナウイルス感染症対策についてであります。
佐賀県内の感染状況は、七月に入りましてゼロか一桁が続いておりましたけれども、二十七日に二桁の感染が確認されて以降、徐々に感染者が増え続けました。そして、八月十六日に百十四人となり、六日連続で百人を超え、中でも十八日は百八十二人と過去最多となりました。その後も高い水準の感染が続きましたけれども、九月九日以降は二十人台、そして今週は十人台となり、落ち着く傾向は見せております。
しかしながら、感染防止を怠ると、あっという間に感染が拡大することは間違いありません。感染状況が落ち着いても、あるいはワクチンを接種したとしても、しっかりと感染防止対策を取り続けることが重要だと考えております。
そこで、質問に入ります。
最初は、保育所等での子供の感染防止についてであります。
八月以降の県内の感染状況を見ますと、十歳未満の子供の感染、あるいは十歳代の若者の感染が急増しております。八月一カ月間の十歳未満の感染は二百四十件が確認をされ、全体の一〇%を占めております。そのため、保育所や幼稚園などでは、複数の職員や園児の感染が拡大され、クラスターとなったケースが三件ありました。ただ、クラスターにはならずとも、一人や二人の感染事例がある保育所等は恐らく数多くあるのではないかと思っております。そのような中、保育所等の施設関係者や子供を持つ保護者は、子供の感染拡大に大きな不安を感じていると思います。
幼児はマスク着用を徹底させることが難しく、
ワクチン接種もできないため、保育所や幼稚園等では、基本的な感染対策の徹底が大変重要であると考えます。熊本県のあるこども園では、職員のマスク着用が徹底されていないなど、感染対策が不十分だったため、職員十四人、園児六十五人、合計で七十九人が感染をするという大変大きなクラスターが発生をいたしました。佐賀県内ではこのようなことは絶対に起こしてはならないと考えています。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
施設内での感染防止を図るため、県としてどのような指導を行っているのでしょうか。また、施設の感染防止対策に対しまして県としてどのような支援を行っているのかお尋ねをいたします。
次に、保護者が感染した場合の子供の一時保護についてであります。
第五波の感染拡大は、これまでにない爆発的な感染を招いています。そのような中で、保護者が感染した場合、子供の面倒を誰が見るのかが全国的にも大変大きな課題となっております。子供を見てくれる親族等が近くにいる場合は安心できますけれども、親族がいない場合はどうするのか、保護者の不安は大変大きいと思います。
そこで、次の点について伺います。
子供を見てくれる親族等がいない場合は、県が子供の一時保護を行うことになると思いますが、保護を行った事例はこれまであるのでしょうか。また、県はどのように対応しているのかお尋ねをいたします。
次はワクチンの確保についてであります。
新型コロナウイルス対策として
ワクチン接種は有効な手段でありますことから、国、県、市町において接種が進められています。
ワクチン接種については、まず
医療従事者への接種が行われた後、今年四月から満六十五歳以上の高齢者への接種が始まり、その後、七月頃から順次六十四歳以下の方などに対する接種が始まったところであります。
佐賀県では、早い段階から順調に接種が進んでいたところでありますが、最近は国から佐賀県へのワクチンの供給が減っているため、なかなか予約が取れないという話もよく耳にいたします。
実は私もワクチンを接種するために、まず佐賀市の集団接種を予約しようとしましたが、すぐに埋まってしまっていました。また、個別接種についても、かかりつけ医以外も受け付けますよというふうに表示をされている医療機関の幾つかに電話をしましたけれども、ワクチンが不足しているため、今はかかりつけの患者さんだけ受け付けていますとか、ワクチンが不足をしているので、今は受付を中止していますという返事が返ってまいりました。なかなか
ワクチン接種を予約することができませんでした。その後、運よく友人からある医療機関の何日が空いているよという情報をいただきましたので、すぐ電話をして予約することができ、八月下旬に一回目の接種を行うことができました。
接種を希望する方々が速やかに接種できるよう、ワクチンを確保することが重要だと考えます。現在のワクチンの確保状況はどうなっているのかお尋ねをいたします。
次に、コロナ対応体制の強化についてであります。
先ほど述べましたとおり、
新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加をし、八月十六日以降は百人前後の日が続きました。これに加えて、この時期に豪雨災害への対応も必要であったことから、コロナ対応には大変苦慮されたと思っております。コロナ対策の体制については、六月議会の総務常任委員会で私が質問した際には、一つには全庁挙げた応援体制として四月の人事異動で担当職員を増員した、あるいは他部局からの四十名程度の長期応援を行ったこと。二つ目には、患者の移送、宿泊療養施設の消毒、清掃等々の業務は民間に委託をしたこと。三つ目には、会計年度任用職員の活用などに取り組まれたとの答弁がありました。
今回の八月の爆発的な感染は予想を超えるものであり、コロナ対策の人員確保にはさらに苦労したと思いますが、どのような体制で乗り切ってきたのかお尋ねをいたします。
また、今後このような爆発的な感染は起こってほしくないけれども、起こり得ると思っています。同じような感染拡大が起こった際はどのように対応するのかお尋ねをいたします。
これまで医療現場とか保健所現場の対応が大変切迫して大変だということは度々報道もされていますが、それをサポートする県庁全体も大変な状況になっているのではないかというふうに思いますので、ぜひそのようなことも答弁をしていただいて、県民全体で気をつけていこうという共通認識を持っていただければというふうに思っております。
新型コロナ対策での最後の質問になりますが、財源の確保についてであります。
昨年度の佐賀県の
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策費は一千億円を優に超えました。さらに今年度も九月の補正予算までで約一千二百億円に達しています。
新型コロナウイルス感染症対策の財源である
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については、今現在、佐賀県では残額が三億円程度と説明を受けました。
一方、飲食店への時短営業の要請に対する協力金や、それ以外の業種への支援を一度行うだけで数十億円規模の財源が必要となります。他県の話を聞いてみますと、既に交付金はなくなって基金などを取り崩してコロナ対策に充てているとも聞いております。
そこで、佐賀県として今後のコロナ対策の財源をどのように確保していくのかお尋ねをいたします。
二番目の質問は、令和三年八月豪雨災害についてであります。
改めまして、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
八月十一日から九州付近に停滞をした前線の影響によりまして、断続的に非常に激しい雨が降り続き、十四日には四年連続となる大雨特別警報が発表されました。その後も十九日にかけて雨が降り続け、県内各地で降り始めからの総降水量が千ミリを超える記録的な大雨となりました。この結果、内水氾濫や土砂災害が多数発生をし、
令和元年佐賀豪雨に匹敵する大規模な災害となり、再び県民の多くの財産が失われました。
県では、知事をトップとした県災害対策本部を設置し、二年前の佐賀豪雨の経験等も生かしながら、県庁全体が一丸となって災害対応に当たられてきたと聞いております。今回は幸いにして災害で亡くなられた方がいませんでしたが、相次ぐ災害から県民を守っていくためには、県の災害対応の重要性が一層増していくと考えております。
特に六角川流域の大規模な内水氾濫による浸水被害は二年前の被害を超えるものと聞いておりまして、自治体だけではなく、国も含めて抜本的な対策が必要であると感じております。
そこで、次のことについて質問をいたします。
まず、豪雨災害への対応についてであります。
今回の災害対応に当たっては、二年前の佐賀豪雨の教訓をどのように生かしながら対応に当たってきたのでしょうか。また、今回の災害対応で見えてきた課題等について、山口知事にお尋ねをいたします。
次に、消防防災ヘリの活動状況についてであります。
知事は今議会の知事提案説明の中で、「災害発生時に大切な初動対応においては、今年三月に県が運用を始めた防災ヘリ『かちどき』や、自衛隊、県警のヘリなどの航空運用調整を実施したことで、被害状況を早期に把握し、迅速な初動対応につなげることができました。防災ヘリは、孤立者の救助や透析患者の搬送など人命に関わる活動にも力を発揮した」と述べられていますけれども、具体的に、防災ヘリはどのような活動を今回の災害対応で行ったのかお尋ねをいたします。
三番目の質問は、子供の貧困対策についてであります。
二〇一九年国民生活基礎調査において算出をされています子供の貧困率は一四・〇%となっており、約七人に一人が貧困状態にあるとされています。
これまでも私は県が子供の実態調査を取り組むことの重要性を訴えてまいりましたけれども、県においても令和二年度に子どもの生活実態調査が実施をされ、三月には結果がまとめられております。それを見させていただきました。
例えば、一割程度の子育て世帯が、朝食を一週間のうち半分くらいまでは食べる、またはほとんど食べていないと答えています。また、低所得世帯では過去一年間に食料が買えなかった経験はよくあった、時々あったの合計が約二割という実態などが明らかになったところであります。佐賀県でも子供の貧困問題は重要な課題であると改めて認識をいたしました。
このような中、県内でも地域の子供たち誰もが集える子供の居場所づくりが進んでいます。子供の居場所づくりは、経済的貧困だけではなく、社会的に孤立しがちな家庭を支える重要な取組であります。また、「フードバンクさが」が確保した食料の提供先として子供の居場所が多いと聞いており、子供の貧困対策における「フードバンクさが」の活躍の場は大きいと感じています。
そこで、次の点について伺います。
まず、県の実態調査の結果の受け止めと今後の生かし方についてであります。
県において実施をされました子供の生活実態調査について、調査結果をどう受け止めているのでしょうか。また、今後、調査結果を子供の貧困対策にどう生かしていくのかお尋ねをいたします。
次に、子供の居場所づくりの現状についてでありますが、その現状はどうなっているのでしょうか。また県は、子供の居場所づくりに対してどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
この質問では最後ですが、「フードバンクさが」との連携についてであります。
子供の貧困対策において、「フードバンクさが」との連携が重要だと考えておりますが、今後どのように連携をしていくのかお尋ねをいたします。
四番目の質問は、玄海原子力発電所についてであります。
政府の核燃料サイクル構想は、使用済み燃料の再処理工場が「当初の予定よりも二十年以上遅れ、来年度上半期竣工の予定」と聞いております。これまでの計画は実に二十回以上も延期をされておりまして、今回も予定どおり竣工できるのかどうか、また、仮に運転を開始したとしても、順調に処理が進んでいくのかどうか、不透明さが残っていると思います。
私は、政府の核燃料サイクル構想は破綻をしており、計画どおりには進まないのではないかと思っています。これ以上、使用済み燃料を増やさないためにも原発の運転はやめるべきであります。
さて、再処理が進まない中、全国の原発敷地内に使用済み燃料が貯蔵されており、特に玄海原発では貯蔵のための空き容量が厳しくなっていると以前から指摘をされていました。
そのため、九州電力は、玄海原発内の使用済み燃料貯蔵容量を増やすために、一つには玄海三号機の貯蔵プールのリラッキング工事や、二つ目には新たに乾式貯蔵施設を建設する計画を進めております。玄海原発三号機のリラッキング工事については、昨年の十二月に着工したと聞いております。また、乾式貯蔵施設の設置については、今年四月に原子力規制委員会が許可をしており、今月三日には玄海町が事前了解をしています。
そこで、次の点についてお伺いをいたします。
まず、玄海原発三号機のリラッキング工事の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。また、今後の計画はどのように進もうとしているのかお尋ねをいたします。
次に、乾式貯蔵施設の事前了解についてでありますが、九州電力は玄海町と同時に県にも事前了解願を提出しております。現在の県の事前了解に向けた取組状況はどうなっているのでしょうか。また、今後の見通しについて県はどのように考えているのかお尋ねをいたします。
五番目の質問、最後になりますが、教育問題についてお尋ねをいたします。
佐賀県は
新型コロナ感染の第五波に入ってからこれまでとは桁違いの感染者が確認をされ、特に十歳代や十歳未満の拡大が急増しています。八月だけを見ましても、二十歳未満、つまり十歳未満と十歳代の感染者数というのは六百七十三人に上っておりまして、感染者全体の二八・一%を占めております。
そのような中、県内でも四つの高等学校で部活動等を中心にクラスターが発生をいたしました。今のところ、小中学校でのクラスター発生は確認をされておりませんが、恐らくどこの学校でも児童生徒が感染する事例が発生をしているのではないかと受け止めております。九月から新学期が始まり、学校での感染症対策を改めて強化しなければならないと感じております。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
まず、学校での
新型コロナウイルス感染症対策についてであります。
子供の感染拡大が続いている中で新学期が始まっております。改めて、新学期になって学校での感染症対策についてはどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
次に、感染防止に必要な物資の迅速な学校配備と、学校現場の負担軽減の取組についてであります。
学校での感染症対策を強化しなければなりませんが、その一方で、学校教職員の過重な負担とならないようにしなければならないと思います。私のもとにも学校の養護の先生、あるいは現場の先生から大変な状況であると訴える声が届いております。
感染症対応に必要な物資の配備と、教職員の負担を軽減するための人的な応援体制についてどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
次に、学校での抗原簡易キットの使用についてであります。
児童生徒の感染拡大を受けまして文部科学省は、学校にも抗原簡易キットを配布し、必要に応じて検査を行うよう通知したと聞いております。しかしながら、学校現場のその取組に関しまして混乱が生じているのではないかと私は思っております。
学校に配布された抗原簡易キットの取扱いについては、学校教職員の皆さん方に正しい共通認識を持ってもらうことが必要だと考えております。その取扱いについて、どのように学校へ周知をするのかお尋ねをいたします。
教育問題の大きな二項目めは特別支援教育についてであります。
県内の特別支援学校や特別支援学級に在籍する児童生徒はこの十年で急増をしております。そのため、特別支援教育をどのように充実していくのかが佐賀県の教育の大きな課題となっております。
県は、教育施策実施計画に多様なニーズに対応した教育の推進として特別支援教育を位置づけ、計画的に取組を進めておりますが、在籍する児童生徒数が増えたことで、教室不足が深刻になっているとも聞いております。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
まず、新しい特別支援学校の設置についてであります。
現在、県内には特別支援学校が八校と二つの分校が設置されております。その中で鳥栖・基山地区に新たな特別支援学校を設置すると聞いております。新たに設置するようになった背景とその狙い、概要はどのようなものなのかお尋ねをいたします。
最後になりますが、特別支援学級についてお尋ねをいたします。
県内小中学校の特別支援学級の児童生徒数は、令和三年度は前年度よりも小学校で二百五十七人、中学校で百十一人増えております。同じく学級数は小学校で四十五学級、中学校で三十学級増えています。このような現状を受けまして、今年の二月議会では落合教育長に、ぜひとも特別支援学級の現場を視察して、現場の方の声を直接聞いてほしいとお願いをいたしました。
そこで、現場の視察を行ったのかどうかお尋ねをいたします。また、視察を行ったのであれば、どのような声を聞き、どのような感想を持たれたのか、まずお尋ねをいたします。
最後は、特別支援学級の定員についてであります。
特別支援学級を担任している教員の方からは、定員が八名であるけれども、とても定員いっぱいの学級では十分な教育ができる環境ではない。何とか定員を減らしてほしいという悲鳴とも言える声を聞いております。質問のたびに、国に先行して県で独自に減らすことができないか、これまでも求めてきたところであります。定員を独自に減らすことができなければ、少なくとも全ての学級に特別支援教育支援員を配置するよう、強力に市町にお願いすることが必要だと感じております。その点につきまして、改めて教育長の見解をお尋ねいたします。
以上で一回目の質問を終わります。(拍手)
17 ◎山口知事 登壇=徳光清孝議員の御質問にお答えいたします。
令和三年八月豪雨災害への対応についてお答え申し上げます。
やはり災害対応では県民の命を守ることが第一だと思っております。今回亡くなられた方がいなかったこと、大変ありがたく思っています。
その際に様々な今回の気づきがあるわけですけれども、まず一点目として、実はあの八月十四日に大きな災害があったわけですが、その二日前の八月十二日に私は初盆参りをしておりました。いろいろ分析している中で、これは危ないなということで昼間でやめたんですね。県庁に引き返してきて、県民に呼びかける準備ということで、あの週は大変コロナの件数も急拡大していたタイミングであったので、ダブルの危機ということで、その日の夕刻に臨時記者会見というものを開かせていただきました。
特に、豪雨災害から命を守ることを最優先に行動することなどを呼びかけたわけですけれども、そういった意味からすると、事前に呼びかけていて、それはケーブルテレビなどでは再三流されたと後で聞きまして、それは一定の効果があったんだろうというふうに思いますけれども、ただ、NHKさんとか民放さんではそんなに流れていなかったので、これはちょっと我々も含めて、もっと調整をしておかなければいけないなと。我々の反省も踏まえて、今後、教訓になるのかなと思います。やはり我々、各方面から聞いて、様々な分析をしながら予見しているので、それこそ次は武雄と大町のS字のゾーンとか、そういった皆さんに呼びかけるとか、我々なりに呼びかけの工夫が必要なのかなというのが今回考えたところです。
そして、御指摘いただいた災害対策本部ですけれども、我々は、やはりまずは命を守るということを主眼にしておりまして、これは他県と違うのは、公開でやっていることと、メインテーブルには私と副知事がいるわけですけれども、普通の県は部長が並んでいるんですけれども、そのほかに我々は自衛隊さんとか警察さん、それから消防さん、海保とか、国交省さんとか、それから気象庁さん。気象庁はとても大事で、我々がオペレーションするときに、今後の天候がどうなのか、そして県民にどう呼びかけるのかに大変貴重な役割をしていただいております。そういうところで災害対策本部を行っているというのが我々の県の特徴ではないのかなというふうに思っています。
内閣府から来た方が言っていましたけれども、普通の県だと部隊の調整を別のところでやったりするけれども、佐賀県はここで全てやっているんですねという話もありましたから、やはり実際に運用する部隊というものが中心に組み立てるというのが我々の大きな特徴です。
そして、消防防災ヘリ「かちどき」の話もしていただきましたけれども、特に今回は、まず我々がヘリを持っているということで、ほかのヘリのこともよく分かるので、そういう航空運用の調整班ができて、その発表も対策本部でなされて、みんなで相談ができたというのがこれまでになかったことです。ですので、非常に戦略的にできたなということと、自衛隊さんをはじめ、やはり大きな部隊を動かすので、情報収集をやらなければいけません。うちのヘリが一番最初に動き出しました。やはり佐賀県のことを分かっていますから、三月からとはいえ、地形から何から分かっているヘリが一機あるというのは、これは県警さんのヘリと併せて大変有効というふうに思っています。
対策本部は命を助けるというところから、避難所の支援だとか復旧復興というふうに徐々に重心が移ってくるのが我々の特徴でありまして、その間に内閣府さんや国交省さんの機関の協力も得ますし、特に佐賀県は災害支援プラットフォーム、CSO、NPOの力が大変強くて、その皆さん方が本部にも来ていただいて、我々の話をそのまま流してくれて、自らどういう支援をしていけばいいのかというのを個別に聞き取りまでしていただいている。我々それをなかなかできないので、直接住民の皆さん方の思いというのが大変伝わってきて、非常にありがたいということであります。日本赤十字社も来ていただいて、様々な心のケアから医療関係の支援をしていただいております。
今回、二年前の佐賀豪雨の教訓も生かされた成果というところで言いますと、やはり備えを行っていただいたことです。二年前に亡くなられた方がおられたことが、我々にとって非常に大きな痛恨のことであって、できるだけ車で移動しないでくれとか、出勤しないでくれとか、そういった話は大分防災会議などで共有していたので、今回は車ごと流されるような事故がなかった。これは非常によかったと思いますし、さらに佐賀豪雨では多くの車が水没したわけですけれども、今回は遊技業協同組合と締結しておった協定に基づいて、いわゆるパチンコ店の駐車場を開放いただくことができておりました。そういったことで車の被害は二年前よりも大分減ったということでありますし、そして油被害が二年前はひどくて、油を抜くのに一週間時間がかかりましたけれども、そこはなかったということ。これはあのとき防水壁を整備して、防災訓練を町や消防も立ち会って、一緒になって対応力を高めていたことで、前回よりも浸水が深かったにもかかわらず、工場の中に浸水が入ってくることはなかったというのは本当に工場の皆さん方の大きな成果だというふうに思いますし、前回は非常に厳しい状況に追い込まれた工場が今回はみんなを救ったということで、私が現場へ行っても大変称賛されておりましたので、それは本当によかったことだなというふうに思っています。
今回、そうはいっても、たった二年でこれが起きてしまったわけでありますので、気候変動型の災害対応をぜひともしていかなければいけないということであります。石倉議員のところでも申し上げましたけれども、佐賀県は地理的特性から内水氾濫のリスクは高いわけでありますので、これから今回のような大雨が毎年来るというようなことをしっかりと意識しながら備えなければいけないと、そういう状況だというふうに認識しています。これまでの延長ではない、特別な考え方が必要だと思っています。そうした考えの下で、県がもう一歩前へ出て、主体的に対策に乗り出していこうと思ったわけであります。
武雄市や大町町は今回被災しましたけれども、もちろんそれだけではなく、多くの市町が関係することになると思います。内水氾濫被害をどうやって防ぐのかということをチーム佐賀で取り組んでいきたいと思っています。
今回の教訓を踏まえまして、「内水対策プロジェクトチーム」を立ち上げたわけですけれども、しっかり内水氾濫軽減のための対策、そして、実際起きたときの実践力を高めていく取組を行っていきたいと思います。
水位の低減のため、河川のしゅんせつやため池の貯留能力向上のための緊急放流施設整備などの対策を行っていくとともに、今議会で予算をお願いしている排水ポンプ車の導入も対策の一つであります。様々な選択肢を活用しながら、対応していきたいと思います。
また、内水氾濫が発生した場合の状況把握のために、浸水の危険性の高い場所へ防災カメラの設置を進めていきたいと思っています。これも現場に行ったときに、もっと内水氾濫の状況をビビッドに伝えるようなシステムが欲しいという事業主さんからのお話もあったので、それは市町中心にやっていたので、我々も乗り出して、カメラを設置しますという話もさせていただきましたし、早速、順天堂病院の横には県のカメラを設置してあります。
そして、今朝の報道によりますと、国のほうも低価格のセンサーで浸水観測をしていくというような話もありましたので、まさに国も我々と一緒になって、全部が内水氾濫というものに対して向き合うという姿勢がつくれればいいなというふうに思っております。ぜひそういった国の動きも連動させて、対応を取っていきたいと思います。
内水対策は、国、県、市町、関係者が確実に進めていくということが必要です。県としてもリーダーシップを取って、流域全体として皆が協力し合える体制を構築して、六角川水系をはじめとする内水対策にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
18 ◎元村総務部長 登壇=私からは、
新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、二問お答えさせていただきます。
まず、ワクチンの確保についてでございます。
本県では、市町や医療関係者の協力を得ながら、チーム佐賀、オール佐賀で取り組んだということもございまして、全国的にも速いスピードで接種を実施してまいりました。県でも、県民ホールで大規模接種を行い、市町の接種を支援してきたところでございます。
しかしながら、八月初旬に急に国がワクチンの配分方針を変更しました。これによりまして、八月三十日以降に配送されるワクチンの量が大きく減少することになったこともあり、市町では接種スピードの抑制を余儀なくされ、
ワクチン接種の予約が取りづらい状況になりました。
このため、国に対し、ワクチンの配分を強く要求し、市町が接種するファイザーワクチンにつきましては、当初の配分見込み、減らされた配分の見込みに加えて、約八万回の追加配分が実現しました。これは全国的にも多い量が追加で取れたということになります。これで、これから予約も比較的取りやすくなるのではないかというふうに考えているところでございます。
加えて、モデルナワクチンを使用する県の大規模接種につきましても、九月十一日の接種から一日当たりの接種数を一・五倍、七百五十回としております。また、期間も延長して、できるだけのワクチンを確保いたしました。
さらには、九月二十八日から唐津市において開始される大規模接種につきまして、これはモデルナワクチンを使うわけですけれども、これも県も唐津市と協力して、四千人分のワクチンを確保することができました。こうした結果、本県の全ての市町で、十二歳以上人口の八〇%を超える量のワクチンを確保することができることになります。
ただ、高齢者につきましては、一回目の接種が九割を超えております。そういったことを考えれば、さらなるワクチンの確保というものが重要じゃないかなと思っておりまして、引き続き、国に対し必要なワクチンの供給について要望し、できるだけ早く希望する方々への
ワクチン接種を進めてまいります。
次に、コロナ対策の財源の確保についてお答えします。
これまで医療提供体制の整備や医療機関などの
感染拡大防止に活用できる
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、それから、事業者支援や新しい生活様式への対応に幅広く活用できる地方創生臨時交付金、こういったものを最大限に活用しまして、感染者や医療現場を守ることですとか事業者の支援、ウイズコロナ、アフターコロナを見据えた施策を感染の状況などに応じて機動的に実施してまいりました。
またあわせて、感染拡大を受けた営業時間の短縮や、それに伴う事業者への支援が行えるように、戦略的に交付金を留保してきたところでございます。
そうした中で、今回、飲食店に対する営業時間の短縮に加え、「まん延防止等重点措置」の実施などによりまして、中小企業の皆様は非常に厳しい状況に立たされております。
これまで二回実施してきた佐賀型中小事業者応援金をさらに行うとすれば、財源としてきた交付金はほぼなくなる状況でございますが、現在、厳しい状況に立たされております中小事業者の皆様を可能な限り早期に支援する必要があるという判断から、財源的に次回の支援というものは難しいものの、このタイミングで思い切った措置を講ずることといたしました。この佐賀型中小事業者応援金などの実施によりまして、地方創生臨時交付金の残額は約三億円となります。
今後の財源確保につきましては、機動的に感染状況に応じた対策を講じていくため、国が留保している予備費による増額や、現在検討されている経済対策なども視野に、引き続き知事会などを通じて、国に対し、地方創生臨時交付金の増額を強く要望してまいります。
私からは以上でございます。
19 ◎古賀県民環境部長 登壇=私からは、玄海原子力発電所に関します質問についてお答えいたします。
まず、三号機のリラッキング工事の進捗状況と今後の計画についてお答えいたします。
九州電力は、玄海三号機のリラッキング工事を三回に分けて行う計画であります。
そのうち、第一期工事につきましては、昨年十二月から今年九月の初めまで行われまして、それにより、使用済み燃料の貯蔵容量が二百十六体増加しております。
第二期工事につきましては、来年五月から再来年、令和五年二月までの期間に予定をされておりまして、貯蔵容量を百八十四体増加させる計画となっております。
また、第三期工事につきましては、令和五年九月から令和六年八月までの期間に計画をされておりまして、貯蔵容量を二百二十二体増加させる計画となっております。以上、三回の工事によりまして、合計で六百二十二体増加させる計画となっております。
次に、乾式貯蔵施設の事前了解に関する検討状況と今後の見通しについてお答えいたします。
県におきましては、今年七月に佐賀県原子力安全専門部会を開催いたしまして、専門家から様々な観点から意見やアドバイスをいただきました。現在、そうした意見等も踏まえまして、原子力規制庁や九州電力に対しまして、審査内容の詳細な確認を行っております。
判断を行う時期につきましては、いつまでにといった期限を設けておらず、丁寧に内容の確認を進めていくこととしております。今後、内容が確認できた段階で、県として事前了解願に対する県の判断を検討することとしております。
私からは以上でございます。
20 ◎甲斐健康福祉部長 登壇=私からは、
新型コロナウイルス感染症対策のうち、コロナ対応体制の強化についてお答えをいたします。
今回のいわゆる第五波では、感染力の強い変異株の影響もあり、七月下旬から八月にかけて、かつてない勢いで感染が拡大いたしました。
各保健福祉事務所では、専用病床や宿泊療養施設が逼迫する中、保健監、保健師をはじめとして、応援職員も含め職員一丸となって、連日疫学調査、入院・入所調整、患者搬送、患者からの問合せなどに対応してまいりました。
時には対象者の方と連絡が取れない場合もありますけれども、そうした場合におきましても御自宅を訪問し、健康状態を確認するなど、県民の方の安全を第一に業務を遂行しております。
体制といたしましては、今回の感染拡大を受け、会計年度任用職員の採用のほか、長期の応援職員については、これまで三十数名だったところを八十五名に増員し、短期の応援については、多い日で六十名を超える職員を派遣するなど、全庁を挙げてコロナ対策に取り組んできたところでございます。
また、一旦休止していたバス、タクシーによる患者移送についても委託を再開させたほか、自宅療養の開始に合わせて自宅療養支援センターを設置し、順次外部スタッフを配置するなど、民間事業者の活用も積極的に進めてまいりました。
今後も、感染状況に応じた応援体制の強化や民間への業務委託を進め、次の感染拡大に対応できるよう備えてまいります。また、政策部、総務部の協力を得て、ICTを活用した業務効率化にも取り組んでいるところでございます。
現在、感染者数、病床使用率ともに大分落ち着いてきております。これは県民の皆様が県からのメッセージをしっかりと受け止めていただいている結果だと考えております。今後とも佐賀県全体で、医療関係の皆様をはじめ、県民の皆様とともにコロナ対策をしっかりと進めてまいりたいと思います。
私からは以上でございます。
21 ◎野田危機管理・報道局長 登壇=私からは、令和三年八月豪雨災害に関する御質問のうち、消防防災ヘリの活動状況につきましてお答えいたします。
災害発生時の対応におきましては、何よりも迅速な初動が大事となってまいります。それを的確に効率的に行うため、県では、防災ヘリ導入以降、県の防災航空隊の独自の訓練、これに加えまして、各消防本部をはじめ、県警や他機関との合同訓練を重ねてまいりました。
直近では、佐賀空港沖合四キロの水難救助を想定し、佐賀広域消防局と
有明海漁協との合同訓練を実施するなど、実戦さながらの経験を積んでまいったところでございます。
こうした訓練の成果もありまして、今回の災害対応に当たりましては、県警等他機関ヘリとの航空運用調整を効率的に行うことができ、迅速な救助・救急活動につなげることができたというふうに認識しております。
今回の災害での防災ヘリの具体的な活動でございますが、七度の出動で武雄、大町地区で浸水により孤立されている住民の方々の救助、そして、透析患者の救急搬送、また加えまして順天堂病院へのDMATメンバーの搬送、さらに情報収集というふうなところで、土砂災害等を伴う部分の上空からの情報収集の確認、こういった活動を行ってまいりました。天候が回復し、飛行可能な気象状況になるや真っ先に飛び立ち、活動可能な日没ぎりぎりまで救助・救急などの活動に従事したところでございます。この間、県警ヘリなどが被害状況の確認活動に当たるなど、戦略的に航空運用調整を行い、各機関のヘリとの連携の活動も実施できたところでございます。
また、知事が防災ヘリに搭乗し、上空から被害状況を確認した際には、地上からでは分からなかった嬉野の大舟地区での大規模な地滑り、こちらのほうを発見することができ、嬉野市とも連携の上、住民の方々の迅速な避難行動に結びつけることができたというふうなこともございます。
防災ヘリの運用開始から五カ月足らずではございますが、今回の活動が迅速に的確に進めることができたのは、日頃からの厳しい訓練のたまものと、関係機関の方々の理解があったからこそというふうに考えております。
今回の災害対応を通じまして、改めて県が自ら防災ヘリを持つことの有用性を痛感したところでございます。引き続き、様々な災害に対応できるよう、あらゆる場面を想定した訓練を重ね、災害への備えをより強固なものにしていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
22 ◎原男女参画・こども局長 登壇=私からは、
新型コロナウイルス感染症対策についてのうち二問、子供の貧困対策について三問、計五問御答弁いたします。
まず、保育所等での子供の感染防止についてでございます。
今回の第五波で子供の感染が急増する中、子供の感染防止対策が取りにくい保育の現場におきまして、心身ともに相当な御負担を抱えながら、強い使命感を持って子供たちと保護者のために日々頑張っていただいている皆様に、まず心から感謝を申し上げます。
感染防止を図るための指導についてでございますが、これまで県では、保育所等に対しまして、職員のマスクの着用、手洗いや消毒、定期的な換気など、基本的な感染防止対策について徹底を図りますよう、機会あるごとに要請をしてきております。
また、施設内で感染者が発生した場合を想定しまして、保護者、市町等への連絡、園内の消毒など、一連の対応について分かりやすく記載をしましたフロー図を全ての保育所等に提供するなど、施設の不安解消にも取り組んでまいりました。
さらに、今年の一月、保育所でクラスターが発生しましたけれども、食事や休憩時間などで職員がマスクを外す場面での感染が疑われましたことから、職員同士の対面での飲食やマスクなしでの会話は極力控えるように強い注意喚起も行ってまいりました。
そして、第五波に入ってからは、家庭内で家族から園児に感染したケース、こういうのも見受けられましたことから、園児の登園や職員の出勤に当たっては、本人のみでなく、その同居の家族に症状がある場合には登園や出勤を控えるよう、保護者等に理解を求めるなど、その時々の感染状況に応じた対策について保育所等に指導を行ってきているところでございます。
感染防止に対する支援についてでございます。
昨年三月から六月にかけまして、マスクや消毒液を市場で入手することが困難な状況にございましたことから、県でそれらを一括購入し、保育所等へ配布を行っております。
現在は、例えば、空気清浄機、非接触型の体温計、パーティション、そういった資機材を購入する費用、あるいは園内の消毒作業などを行う職員の雇用費用、こういったものに対しまして補助を行っているところでございます。
さらに、今年の七月からは施設内での感染リスク軽減のために手洗い場やトイレなどの水道の蛇口を手回し式から自動水栓やレバー式の水栓に切り替える費用に対する補助も行っているほか、職員が職場で発熱等の症状が現れた場合の対応として、抗原簡易キットの配布を行っております。
このほか、県が六月に設置しました
ワクチン接種支援会場におきましては、保育所等の職員も優先接種の対象に加えまして、接種の促進に取り組んだところでございます。
保育所等の現場におきましては、子供の感染防止対策が取りにくうございます。不安に感じられることもあると思いますけれども、子供たちの安全と保護者の安心が確保されますよう、今後ともしっかり施設に寄り添いながら、必要な指導や支援を行ってまいります。
続きまして、同じく
新型コロナウイルス感染症対策のうち、保護者が感染した場合の子供の一時保護についてお答えいたします。
まず、事例があるのかという御質問がございました。
保護者が
新型コロナウイルス感染症に感染し、その子供が感染していない場合、保護者は医療機関への入院や
ホテル療養となりますけれども、子供は保護者と離れて自宅などで生活していただくことになります。
その際、子供のみでは生活が困難な場合については、基本的にその子供の親族などに養育をお願いすることになりますけれども、養育可能な親族などがいない場合、これは児童福祉法に基づきまして、児童相談所が一時保護を行うこととしております。これまで七事例、十四人の一時保護を行ったところでございます。
対応でございますけれども、児童相談所は、まず保健福祉事務所が事前に保護者から聞き取った子供に関する内容、例えば、体調や服薬の状況、注意が必要な食材など、対応に特別な配慮が必要なものがないか、こういった情報につきまして保健福祉事務所からしっかり引継ぎを受けた上で、その子供をお預かりしているところです。
一時保護される子供は、家庭ではない場所で生活をすることになりますので、保健福祉事務所から引き継いだ情報などを基に、生活指導員などの専門の職員が二十四時間体制で子供の不安な気持ちに寄り添いながら、生活面、健康面のケアを行っております。また、保護者には、児童相談所から子供の体調や生活の様子、こういったものをお伝えするようにしております。
保護者御自身が感染して入院などが必要となった場合であっても、安心して療養に専念していただけますよう、その子供さんの安全な生活の確保、これに引き続きしっかりと取り組んでまいります。
次に、子供の貧困対策についての問いのうち、まず最初の実態調査の受け止めと今後の生かし方でございます。
昨年度の七月から八月にかけまして、小学二年生、小学五年生、中学二年生、高校二年生の合計六千三十五世帯を対象として、「佐賀県子どもの生活実態調査」を行いました。
結果概要を申し上げますと、生活に困窮している世帯では、そうでない世帯と比べまして、子供が毎日朝食を食べている割合、子供が毎日歯磨きをしている割合、子供が毎日入浴をしている割合、子供が塾などの習い事に通っている割合、保護者が子供と一緒に過ごす時間が十分に取れている割合、こういったことがいずれも低くなっております。
逆に、議員からお話がありましたけど、過去一年間、お金が足りずに食料が買えないことがよくあった、時々あった割合、これが高くなっております。また、独り親家庭の半数近くが生活に困窮している世帯に該当するという、そういう結果になっております。
こうした結果から、各家庭の経済状況が子供の生活習慣や環境にも影響を与えているということが明らかになったのではないかと思っております。特に独り親家庭に対します支援の重要性を改めて実感をいたしました。調査結果につきましては、昨年度末に策定をいたしました「第二次佐賀県子どもの貧困対策推進計画」に反映をし、これに基づきまして各種事業に取り組んでおります。
先ほど申し上げました、特に独り親家庭への支援というものは重要だと考えております。まず、親に対しましては、就労につながるようICTスキルの習得に向けた講座開設や資格取得に向けた給付金事業、こういったものに取り組みますとともに、今年度からは新たに養育費確保に向けた助成事業に取り組んでおります。
一方、子供のほうに対してでございますけれども、学習習慣の定着を図れるよう、学習支援の場を提供する事業にも取り組んでおります。市町の協力をいただきながら、その設置箇所の拡大に取り組んでいるところでございます。
議員から御指摘がありました日々の食事や食料の問題に関しましても、子供食堂をはじめといたします子供の居場所への支援のほか、民間で「こども宅食」活動に取り組まれておりますけれども、この活動の学校関係者などへの周知の強化、こういったことを図り、支援を必要とする家庭の利用にしっかりとつなげていけるように取り組んでおります。
このように県といたしましては、独り親家庭への支援をはじめといたします様々な事業の拡充、あるいは先ほど申し上げましたような新規事業に取り組んでいるところでございますけれども、今回の調査結果も踏まえ、充実や工夫できる点がほかにないかどうか、引き続きしっかり検討していきたいと思います。
この問題は、やはり家庭の抱える事情も様々、その原因も複合的ということで非常に難しい問題であると思いますけれども、市町、教育委員会などの関係者、さらには子供の支援に取り組まれている民間の方々、こういった方々としっかり意見交換をしながら、そして、力もお借りしながら、できるところから着実に取り組んでいきたいというふうに考えております。
次に、子供の居場所づくりの現状についてでございます。
子供向けに食事を提供している、いわゆる子供食堂でございますとか学習支援や遊びの場など、子供たちが地域の信頼できる大人たちの見守りの中で、安心して集うことができます子供の居場所、これにつきまして、県が把握しているところでは、現在、県内四十一カ所でございます。
こうした子供の居場所は、NPO法人や社会福祉法人、地域のボランティア団体、こういった方々によりまして開設、運営をされているところでございます。
県の取組でございますけれども、子供の居場所に対する支援事業といたしまして、子供の居場所そのものを拡大したいということで、新規開設や居場所の運営についての相談支援、居場所運営者向けの講習会や研修会の開催などを行ってきております。
また、平成二十九年には子供たちへの支援を目的に民間で組織されました、「さが・こども未来応援プロジェクト実行委員会」が設立されております。この団体が、今、支援事業の委託先にはなっておる形でございますが、そういった委員会の声でございますとか、居場所運営者からの声、こういったことも取り入れながら、子供の居場所への支援を行っていただける方と居場所運営者とのマッチングの支援、県内各地での交流会の開催など、さらなる取組を進めております。
こうした取組の結果、平成二十八年度は七市町、八カ所でございましたけれども、その後、年々増加をいたしまして、現在、先ほど申し上げましたとおり、十二市町、四十一カ所となったところでございます。今後も全県的にこの居場所の設置が進みますよう、市町と連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。
最後に、「フードバンクさが」との連携についてお尋ねがございました。
「フードバンクさが」は、先ほど申し上げました「さが・こども未来応援プロジェクト実行委員会」の構成メンバーに入っておられます。子供の支援に御協力いただいているところでございます。
活動といたしましては、各子供の居場所などから食料不足の相談が寄せられたときに、この「フードバンクさが」につないで、逆に「フードバンクさが」側のほうで急ぎ提供したい食材などがある場合には積極的に居場所に提供していただくという、そういうことをしていただいておりまして、県内の子供の居場所の運営の下支えをしていただいているというふうに感じております。
また、独り親家庭へのお米の提供事業として実施されております「さがお米プロジェクト」、そして、六月には県民ホールで実施をされました「フードドライブ」、これは家庭などで余ったものを持ち寄って必要なところに寄附をするという活動でございますけれども、そういったことにも県として協力をさせていただいたところでございます。
まさに「フードバンクさが」の活動を通じて貧困対策の一翼を担っているということで大変御尽力いただいていると感じております。
県といたしましては、今後とも「フードバンクさが」をはじめといたしますCSOや企業の皆様と連携しながら、また、地域の力も活用させていただきながら、子供の居場所づくりへの支援などを通じ、子供たちが健やかに成長することができますようにしっかりとこの貧困対策に取り組んでいきたいというふうに考えております。
私からは以上です。
23 ◎落合教育長 登壇=私には、教育問題について大きく二点、学校での
新型コロナウイルス感染症対策と特別支援教育についてお尋ねをいただきました。
まず、学校での
新型コロナウイルス感染症対策についてですが、初めに新学期に当たっての取組についてですけれども、今回の第五波がピークを迎えておりました七月から八月にかけて学校は夏休みだったわけですけれども、その間、先ほど御指摘もありましたように、高校での部活を中心としたクラスターが発生するなど、児童生徒の感染者数というのは第四波までとは比較できないぐらい大勢の感染者が出ました。
こういった中、学校が二学期を迎えるということについては、学校が感染拡大の大きな現場になるのではないかという心配の声が、医療関係の皆様、あるいは保健当局のほうからも、私のほうに何回もそういう御指摘をいただきました。そういった中で迎えた新学期ですので、私自身、強い危機感を持って迎えました。
非常に異例なことではありましたけれども、私のほうから呼びかけをさせていただいて、八月二十七日に県立、国立、私立の学校の全ての校長と市町の教育長に御参集をいただいて、第五波の中での感染状況の厳しさと危機感というのをみんなで共有をし、学校における感染症対策の強化を改めて確認をし合ったところであります。
そういった中で確認した対策が大きく四点あります。
まず一つ目が、これは基本的なことですけれども、基本的な感染症対策の徹底です。これは第五波のデルタ株においても有効だと専門家もおっしゃっておりますけれども、マスク着用、手指の消毒、あるいは換気、そういったことを改めて徹底することといたしました。特に始業式の五日前から毎朝検温や健康状態を確認して健康観察カードに記入すると、健康観察を見える化するという取組も行いました。
二つ目が、部活動の自粛です。夏休み中に高校の部活動で相次いでクラスターが発生したことを受けまして、「まん延防止等重点措置」の期間中全ての活動を停止いたしました。なお、重点措置の解除を受けて、九月十三日から校内の活動に限り再開をしております。
三つ目が、体育祭、文化祭での感染症対策の徹底です。体育祭での応援合戦、あるいは文化祭での合唱など、感染リスクが高い活動は練習を含めて自粛をしてもらうこととしました。私自身、幾つか体育祭を回ってみましたけれども、生徒たちはみんなマスク着用は徹底しておりましたし、あと、応援合戦でもリーダーだけが声を出すといった工夫をされておりました。我慢をしての体育祭だったと思いますけれども、元気な様子を見ると、やれてよかったなと実感いたしました。
こういった現場の取組により、幸いこれまでのところではありますけれども、高校の体育祭とか文化祭で感染が拡大したという事例は確認をされておりません。
四つ目が、学校における陽性者確認後の対応についてです。学校で児童生徒の陽性が確認された場合には、直ちに児童生徒が所属する学級やその部活動、そういったものを一旦閉鎖し、児童生徒の接触確認を行うこととしております。接触状況を確認した上で、
濃厚接触者などの出席停止、学級・学年閉鎖を行って感染拡大を防ぐこととしております。
なお、学級などを閉鎖した場合には、県立学校においては直ちにオンライン授業に移行して学びを止めないという取組をしておりますけれども、現在も何校か学級・学年停止をしておりますけど、スムーズにオンライン授業に移行ができております。今後も学校での感染拡大がないよう、最大限の緊張感を持って感染症対策に取り組んでまいります。
次に、感染対策に係る物資の迅速な配備と人的応援体制についてお答えをいたします。
物資の配備につきましては、学校においては感染症対策強化に必要となる保健衛生用品などを配置いたしております。例えば、生徒の体温を計測する非接触型の体温計やサーマルカメラの設置、出入口や手洗い場には手指の消毒ができるよう消毒液を設置、また、教室における三密対策として、換気を徹底するためのサーキュレーターの設置などにより感染症対策を実施しているところであります。
また、二学期を迎えるに当たって、先ほど申し上げましたように、学校での感染拡大が非常に懸念されましたので、一般的なマスクのうちで最も効果が高いと言われております不織布マスクの着用を県教育委員会として強く推奨するとともに、県立、市町立、国立、私立の全ての学校に対して、不織布マスクを九十七万枚でしたけれども、緊急に県教委のほうで調達し、配布をさせていただきました。
次に、人的な応援体制についてです。
教職員の負担軽減のために、希望のあった市町に対し、教員業務支援員──いわゆるスクール・サポート・スタッフですけれども──を配置しております。令和二年度は百四十三校に百三十九名、令和三年度は百三十四校に百三十七名配置をいたしました。
スクール・サポート・スタッフには、感染症対策のための清掃、消毒作業や子供の健康観察の取りまとめ、また、そういった対策以外にも資料の印刷だったり、採点業務の補助などを担ってもらうことで、教職員の負担軽減を図っているところであります。
次に、抗原簡易キットの使用に係る周知についてお尋ねがありました。
抗原簡易キットが文部科学省のほうから学校に配られておりますけど、あくまで学校の感染対策のまず原則といいますか、基本として、児童生徒、あるいは教職員に発熱などの症状がある場合には、軽い症状でも出てこないと、登校しない、出勤しないということで、ウイルスを学校に持ち込ませないという対策がまず第一であります。また、登校後に体調の変調を来した場合は直ちに下校してもらうということがこれまた重要でありまして、下校した上で医療機関を受診するということを徹底しております。
今回、文部科学省から希望する小中学校、あるいは高等学校に抗原簡易キットが配布されましたけれども、それはあくまでも補完的な対応として使用するものと文科省のほうからも説明を受けておりますし、そのように私たちのほうから学校のほうにも周知をしているところであります。
文部科学省からの通知におきましては、児童生徒が抗原簡易キットによる検査を実施する際の留意事項として、有症者、症状がある人に使用すると。症状がない人に使用しても陽性、陰性の判定がしづらいということがありますので、有症状者に使用すること。また、児童生徒、保護者の同意を得ていること。研修を受講した教職員の立会いの下で児童生徒自らが検体を採取すること。検査後は医療機関を受診できる体制を整えておくことなどが文科省のほうからも言われておりまして、そういった点について県教育委員会から県立学校及び各市町に周知をしているところであります。
続きまして、特別支援教育についてお答えをいたします。
まず、新しい特別支援学校の設置についてお答えします。
県東部は、特別支援学校あるいは特別支援学級の児童生徒の在籍率が高いなど、特別支援教育のニーズが高い地域であります。この地域における特別支援教育について、一人一人のニーズに応じたきめ細やかな教育、小学部から高等部までの一貫した教育、地域のセンター的機能の強化、また、中原特別支援学校本校及び鳥栖田代分校の教室不足、そういった課題を解決するために、令和六年三月末で閉園することとなりました九千部学園の用地及び施設を活用して、新たな特別支援学校を整備する方針といたしました。
この新しい学校では、就学区域としては鳥栖市及び基山町、障害種別としては知的障害、学部としては小学部、中学部、高等部、児童生徒数は百数十人程度を想定しておりまして、今後、関係機関との調整及び具体的な内容の検討を進めてまいります。
次に、特別支援学級についてお答えします。
先ほど議員のほうから二月議会で現場をしっかり見てくるようにと言ったけどという御指摘をいただきましたけれども、教育長就任以来、県立学校はもちろんですけれども、市町立の小中学校もできるだけ訪問させていただくようにしております。
そういった中で、学校に訪問した際には、できるだけというか、必ずといいますか、特別支援学級は参観させていただくように努めてまいりました。
最近でいいますと、今年七月に小中一貫校ですか、市立の義務教育学校を訪問させていただきました。そこでは知的障害や情緒障害、視覚障害など多様な児童生徒が在籍しておられまして、特別支援教育の専門的な先生を中心に一人一人のニーズに合った教育が丁寧に行われているなという印象を持ちました。授業を見た後に、学校の校長や、あるいは先生、また、市の教育委員会の職員さんとも意見交換をさせていただきましたけれども、特別支援教育の専門性の高い教員がその市には二人いらっしゃるわけですけれども、そういった教員が自分が所属する学校だけではなくて、市全体の特別支援教育を引っ張ってくれているというお話や、継続的にこういった教員の配置をぜひお願いしたいというふうな御意見もいただきました。また、その市でも最近、特別支援学級の児童が増えているということや、そういった中で特別支援教育支援員というのは非常に大事な存在であるというお話も聞かせていただきました。
今回の学校訪問や、そういった意見交換を通じまして、改めてですけれども、いつも指摘されている定員や教職員の数だけではなくて、地域の特別支援教育の核となるような専門的な教員の育成が非常に重要だと感じました。また、特別支援学級の担任や支援員のレベルアップ、また、そういった担任でなくても通常の学級の担任にも特別支援学級に対する理解を深めていただく、そういったところは非常に重要だと改めて感じたところでありました。
最後に、定員についてですが、議会でも常々御指摘をいただいております。現在、特別支援学級については一学級八人となっておりますけれども、そういった定員に関しては、何回もここでも答弁させていただきましたように、義務教育に関することについては国がしっかりと制度設計をしていただく必要があるということで、これまでも学級編制の標準の引下げなどについて、国のほうに政策提案をさせていただきました。今後もそういった取組はさせていただきます。
そういった中で、特別支援教育支援員の配置について強力に市町にお願いすべきではないかという御指摘がございました。
支援員の配置につきましては、地方交付税で市町のほうに財政措置をされておりますので、市町の支援員についてどこにどれぐらい配置するかというのは基本的には市町の御判断ということになります。ただ、市町の御意見を聞いても、現在、交付税措置されている額ではなかなか足りないというような御意見もよく聞いております。これまでも政策提案しておりましたけれども、さらなる財政措置の拡充について市町とも力を合わせながら国のほうに政策提案をしてまいりたいと考えております。
こういった特別支援教育における県教育委員会の役割としましては、県立の特別支援学校が、学校が立地しているその地域の特別支援教育のセンターとしていろんな機能を強化していきたいと考えております。小中学校現場からのいろんな相談にも対応していかなければなりませんし、特別支援教育の核となる、先ほども申し上げましたけど、そういった専門的な教員の養成も必要だと考えております。また、特別支援教育エリアリーダーの配置なども行いました。こういった様々な施策により、県全体の特別支援教育が充実するよう、しっかりと取り組んでまいります。
私からは以上です。
24 ◎議長(
藤木卓一郎君) 暫時休憩いたします。
午後零時三十七分 休憩
令和三年九月十五日(水) 午後一時四十分 開議
出席議員 三十四名
一番 一ノ瀬 裕 子 一六番 川 崎 常 博 三〇番 中 倉 政 義
二番 下 田 寛 一七番 定 松 一 生 三一番 石 井 秀 夫
三番 古 川 裕 紀 一八番 八 谷 克 幸 三二番 留 守 茂 幸
四番 中 村 圭 一 一九番 江 口 善 紀 三四番 木 原 奉 文
五番 古 賀 和 浩 二〇番 藤 崎 輝 樹 三六番 石 倉 秀 郷
六番 冨 田 幸 樹 二一番 向 門 慶 人 三八番 土 井 敏 行
七番 弘 川 貴 紀 二二番 坂 口 祐 樹
八番 井 上 祐 輔 二三番 宮 原 真 一
九番 木 村 雄 一 二四番 原 田 寿 雄
一〇番 中 本 正 一 二五番 岡 口 重 文
一一番 野 田 勝 人 二六番 大 場 芳 博
一二番 西久保 弘 克 二七番 武 藤 明 美
一三番 池 田 正 恭 二八番 稲 富 正 敏
一五番 古 賀 陽 三 二九番 徳 光 清 孝
欠席議員 二名
一四番 井 上 常 憲
三五番 藤 木 卓一郎
欠 員 二名
地方自治法第百二十一条による出席者
知 事 山 口 祥 義
副 知 事 坂 本 洋 介
副 知 事 南 里 隆
政 策 部 長 進 龍太郎
総 務 部 長 元 村 直 実
地域交流部長 山 下 宗 人
県民環境部長 古 賀 英 敏
健康福祉部長 甲 斐 直 美
産業労働部長 寺 島 克 敏
農林水産部長 池 田 宏 昭
県土整備部長 平 尾 健
危機管理・報道局長 野 田 嘉代子
文化・スポーツ交流局長 田 中 裕 之
男女参画・こども局長 原 惣一郎
会 計 管 理 者 大川内 明 子
警 察 本 部 長 松 下 徹
教 育 長 落 合 裕 二
人事委員会事務局長 西 岡 剛 志
選挙管理委員長 大 川 正二郎
職務のため議場に出席した事務局職員
議会事務局長 今 村 盛 史
同 副事務局長
総務課長事務取扱 吉 田 泰
議 事 課 長 岸 川 文 広
政務調査課長 篠 田 博 幸
総務課副課長 碇 一 浩
議事課副課長 原 康 祐
政務調査課副課長 西 田 里 美
議事課議事担当係長 椎 葉 奈 美
同 議事担当主任主査 池 田 陽 介
○ 開 議
25 ◎副議長(原田寿雄君) これより会議を開きます。
午前中に引き続き一般質問を行います。
26 ◎徳光清孝君(拍手)登壇=原田副議長に登壇の許可をいただきましたので、再質問を一問だけ、簡潔にさせていただきます。
特別支援学級についてであります。教育長から答弁をいただきました。
学校訪問をした際は必ず特別支援学級も視察をすると、そういった心構えというか、行動は大変尊敬できるものだと思います。
ただ、やっぱり答弁を聞いていまして、教育長がいて、校長先生がいて、地元の教育委員会がいた中では、なかなか実際の苦労話というのは出てこないのかなというのもちょっと感じました。
恐らくさっきの答弁を特別支援学級で担任している先生方が聞いたら、やっぱり納得いかないという声が、多分、私のところには届いてくるんだろうというふうに思います。
確かに義務教育ですから、財政的な裏づけはしっかり国がやらないといけませんので、国に求める、だから、県の教育委員会は資質の向上をするんだということも分かりはするんですが、現場の感覚は、資質の向上ではとても乗り切っていけないというところまで来ているんですね。
頂いた資料を見ても、特別支援学級に在籍する児童生徒の数が毎年四百人ずつ増えているんです。学級については、毎年六十学級以上増えているんです。しかも、その学級の二割が、定数が八人か七人という大変窮屈な状況で授業が行われているんです。
これを見ると、資質を向上させますとか、そういったことでは到底現場の苦しさというのは解消できないというふうに思います。
もちろん財政的なものがありますので、すぐにはできないということは分かりますけれども、一つお願いしたいのは、教育長と会うとなかなか現場の苦労がそのまま伝わらないかもしれませんので、県内小中学校、高校も含めてでもいいですが、特別支援学級の担任の皆さん全員にぜひ
アンケートをしていただきたいと思います。
どういったことで苦労しているのか、どういった状況なのか、どういったことを望んでいるのか、そういったこともぜひ検討していただきたいと思いますし、文科省が概算要求を出しました。そして、年末に向けて国の予算が決まって、それを受けながらも来年度の県の予算が決まってきますので、そういった中で何かできないのかどうか、しっかり現場に寄り添うという意味でぜひ検討していただきたいと思いますので、答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)
27 ◎落合教育長 登壇=徳光議員の再質問にお答えいたします。
特別支援教育について、私も先ほど学校現場に行って意見交換をしたお話をさせていただきましたけれども、そういう場ではなかなか本音が出ないのではないかと、そうならないようにリラックスした感じでできるように努めてはおりますけれども、ただ、市町からのそういう特別支援教育に対する御意見というのは、もちろん私が学校訪問をしたり、あるいは教育委員会とお話しする、そういった場だけではなくて、担当レベルでも日常的にそういうのは行っていると考えています。
特に県立の特別支援学校と地域の特別支援学級の皆さんとは、いろんな会議や研修の場で意見交換をさせておりますし、そういった場で現場の生の声というのはお聞きする機会はありますので、先ほどの御指摘も踏まえて、いろんな形で先生方の本音の部分の御意見というのを聞くように改めて努めていきたいと思います。
そういった中で、
アンケートというお話もありましたけれども、手段はともかく、いろんな形で本音をお聞きして、問題点をしっかり把握した上で来年度以降の取組にも努めていきたいと考えております。
以上です。
28 ◎木村雄一君(拍手)登壇=公明党の木村でございます。
今回、大きく四点にわたって通告をさせていただいております。早速質問に入ります。
まず一点目は、
新型コロナウイルス感染症対策について四点お尋ねをいたします。
最初の質問ですが、ウイズコロナの社会経済活動についてであります。
コロナウイルスとの戦いが始まって一年半、事業者のみならず、多くの県民が日常生活を取り戻すための我慢の戦いをいまだに強いられております。
政府は、十月に行動制限の緩和に向けた実証実験を行い、課題を検証した上で、全国的な緩和を進めていくようですが、国民の中には賛否両論があるところであり、私自身も慎重な判断が求められるものだと考えております。
しかし、県民の中からは、
ワクチン接種が進んだ世代である高齢者を対象とした地域の会合も中止にするところが多く、地域の活力が弱まることが心配だとか、感染対策認証店においても客足がなかなか戻らないことを嘆く声も聞いております。
知事はこれまで、「支え愛活動局面」と「巣ごもり局面」のスイッチを切り替えながら、「医療環境を守るための非常警戒措置」など感染拡大の防止と、「佐賀支え愛応援キャンペーン」や「SAGAナイトテラスチャレンジ」などの経済活動を促す施策を打ちながら、感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図る努力を続けてこられたと承知しております。
九月十二日をもって、県内に出されていた非常警戒措置、そして、旧唐津市を対象にした「まん延防止等重点措置」は解除されたわけですが、県民の中には、社会経済活動に対する萎縮したムードが抜け切れていないのではないかと懸念をしております。
今後、感染が落ち着いてきた状況下においては、過度に萎縮せず、県内の社会経済活動を元に戻していくことが重要だと考えます。
本日は、あえて胸に佐賀支え愛バッジでよろしかったでしょうか、バッジをつけて、この問いを山口知事に発したいと思います。御答弁をお願いいたします。
二項目めは、自宅療養者への対応についてであります。
全国的に自宅療養者が増える中、本人の自覚がないまま呼吸不全に陥ってしまう方が多くなっているそうであります。これは「幸せな低酸素症」──ハッピーハイポキシアと呼ばれ、感染によって酸素不足を察知する脳や首の神経が反応できなくなっていることが考えられており、重症化や死亡につながるケースの一因となっていると言われています。
今回の感染第五波のように、病床が逼迫し、
ホテル療養や自宅療養が増えた場合には、軽症、中等症患者用の抗体カクテル療法などに早い段階につなげていくことは重要ですが、それ以外にもCT検査を受けて、肺炎の有無を早めに診断しておくことも重症化予防に必要ではないかと考えております。
長崎県では、県医師会が県の補助でCT車を購入し、運用していると聞いており、本県でも同様の取組や何らかの初期対応の強化が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
御存じのように、旧唐津市では八月二十七日から九月十二日まで「まん延防止等重点措置」が取られましたが、まさにこの期間に唐津市内で自宅療養を余儀なくされた方に先日お話を伺うことができました。
急激な感染者数の増加もあり、保健所の負担も相当あったのかもしれませんが、三十九度の熱が続く中、自力で発熱外来に行ったものの、入院先が見つからず、何とか診察してくださった先生に唐津赤十字病院への紹介状を書いてもらい、発症五日目でようやく入院できたとのことで、九死に一生を得たと言われておりました。この間、手元に県からの食料などの自宅療養支援キットは届かなかったということであります。
県は、自宅療養者の生活支援のため、唐津市に対し、生活支援物資の配送を依頼したと聞いておりますが、第六波に備え、保健福祉事務所が感染対策に専念できるよう市町や民間事業者と連携を深めるなど、自宅療養者の不安を軽減する効果的な取組を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。
三点目です。事業者の資金繰り支援についてであります。
今議会には、令和元年に続いて二重に被災した事業者への支援として、災害復旧資金の借入れに対する利子補給を行うなどの支援策が提案されております。
しかしながら、コロナウイルスとの戦いが長期にわたっている事業者におきましては、飲食店の時短営業や人流減少の影響は大変大きく、「まん延防止等重点措置」が実施された旧唐津市のみならず、鎮西、呼子のホテル事業者の方からも、コロナ対策で借り入れた資金の返済が始まっていくことへの不安の声を聞いております。
そこで、事業者の資金繰り支援にどのように取り組んでいくのか、産業労働部長にお伺いをいたします。
四点目です。教職員の
ワクチン接種についてであります。
先日、兵庫県尼崎市において小学校の教員が、陽性が判明したにもかかわらず、学校に報告しないまま授業を行い、感染経路は分かっていないものの、児童二人の感染が判明したという報道がございました。
こうしたことは、学校における感染対策を図る上で論外ですが、子を持つ親としては、学校に子供を預ける上で先生方が
ワクチン接種をしていただいているということは大きな安心材料の一つだと思います。
県内のある市町では、なかなか教職員の
ワクチン接種が進まない状況があったと聞いておりますが、任意ではあるものの、教職員の
ワクチン接種について、県教育委員会としてどのように考えておられるのかお尋ねをいたします。
続いて大きな項目の二点目です。令和三年八月豪雨災害の被災者への支援についてお尋ねをいたします。
まず、今回の豪雨災害による全ての被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
今回の災害では、約三千五百棟の住家被害が発生しております。特に六角川流域の大町町、武雄市においては、内水氾濫による床上浸水や床下浸水などの被害を受けた家屋が多数に上っており、床上浸水の件数は
令和元年佐賀豪雨のときよりも多いと聞いております。
武雄市のある被災者は、公営住宅を紹介されたが、エレベーターのない高層階しか空きがなく、持病があるため入居を断念したと。それならばと、みなし仮設に入居を希望したが、自宅が全壊ではなかったため、要件を満たさず入居ができないということでした。
また、ある方は、平家建ての部屋がほとんど浸水し、何とか一部屋に家族六人で生活をしているなど大変な状況をお聞きしております。生活の基本である住まいに被害を受けるということの深刻さを感じているところです。
中には新築したばかりの家が被害に遭った方もおられますが、二年前も浸水した方が多く、住宅再建が終わったばかりだと。二年の間に再び被災をし、心が折れたという声も聞いております。これだけの浸水家屋がある中で、果たしてどれぐらいの方が何らかの支援制度の対象になり得るのか、大変心配をしております。
今回も内水氾濫が発生したわけですが、罹災証明の発行に係る調査は、土砂災害や河川氾濫による外形的な被害と違い、詳細な調査が必要であり、二年前の経験を生かして、武雄市、大町町でも人的支援を得ながら被災者に寄り添った判定がなされているものの、多くは準半壊に至らない状況だと聞いております。
被災者を支援する制度には、国や県、市町において様々なものがありますが、私は数ある制度の中でも生活再建の基礎となる
被災者生活再建支援制度が重要だと考えております。しかし、この制度の対象となるのは家屋が全壊や大規模半壊、そして中規模半壊となった世帯までで、今回の被災者への支援としては不十分だと考えております。
浸水の高さは低くとも、家電品、その他の日常生活に必要な生活物資がダメージを受けていることも含め、また内水氾濫が発生した責任は住民の方々にはなく、被災した方々の心情を酌んだ、これまでより踏み込んだ支援の拡充が必要だと考えます。少なくとも
令和元年佐賀豪雨に続き、二回目の被災となる方々に対しては、制度を拡充するなど、手厚く支援することができるようにするべきだと考えておりますが、危機管理・報道局長にお尋ねをいたします。
続いて大きな項目の三点目です。洋上風力発電についてお尋ねをいたします。
唐津市沖では現在、洋上風力発電の誘致について熱い期待が高まっており、一昨日ですが、九月十三日に経済産業省から一定の準備が進んでいる海域として唐津市沖が選定されたと聞いております。
そこで、まず最初の質問ですが、この一定の準備段階が進んでいる海域とはどういうものかお尋ねをいたします。
また、今回選定されたことを県としてどのように受け止めているのかお尋ねをいたします。
昨日の新聞によりますと、デンマークの大手メーカーが造船関連産業が多い長崎県に着目をし、転用可能な技術を持った人材やインフラを活用した洋上風力発電の基幹設備に関連する工場の建設を検討していることが報じられました。政府として、国内の生産拠点整備を支援する対象事業の一つとして、同社の日本法人への補助金支給を行うことになっているそうであります。
事業環境の厳しさから、設備の製造においては国内メーカーは撤退しており、部品供給網の構築が課題とされております。産業界としても、保守管理まで含めた洋上風力発電産業全体の国内調達率を二〇四〇年までに六〇%にする目標を掲げていると聞いております。
その保守管理についてでありますが、昨年十二月に唐津市長が県に要望書を提出され、その際、唐津港が洋上風力発電設備の保守管理を担う拠点港湾として整備されるよう要望されたと聞いております。また、唐津市佐志地区の鴻巣というところでは、バイオマス発電所が二〇二四年に操業開始となり、今後、バイオマス貨物が発生する見込みとなっております。コロナ禍でクルーズ船の寄港はしばらく見込めませんが、再生可能エネルギーの分野における唐津港の果たすべき役割について、地元では大変期待が高まっております。
県の試算では、洋上風力発電のもたらす経済効果の中で、設備の維持管理、オペレーション・メンテナンスの分野の効果は大きなウエートを占めていると聞いております。事業誘致ができた暁には、発電事業者のニーズに沿うようなO&M港としての唐津港の魅力を高め、高評価をいただけるような取組も重要だと考えております。
そこで、次の点についてお尋ねします。
県は、事業実施の経済効果をどれくらいだと試算しているのか、改めてお尋ねをいたします。
また、県内への経済波及効果を高めるために、今後どのような取組が必要だと考えているのか、産業労働部長にお伺いをいたします。
最後の項目です。四点目、コロナ禍における投票機会の確保についてお尋ねをいたします。
新型コロナウイルス感染症の感染者は、外出自粛要請が出されていることから、万が一、その期間中に選挙が行われる場合には、投票所に行き、投票することができなくなる場合があります。このため、宿泊療養施設や自宅で療養している方が郵便等を用いて投票できるよう、本年六月に「特定患者等の郵便等を用いて行う投票方法の特例に関する法律」が制定をされ、いわゆる特例郵便等投票ができるようになりました。この法律が制定された本年六月の時点におきましては、県内の感染状況はまだ少なかったものの、その後の第五波においてデルタ株による急速な感染拡大になり、宿泊療養者、自宅療養者ともに著しく増加をしたところであります。
この中で特に心配されるのが自宅療養者のケースであります。投票日の四日前までに選管に投票用紙を請求することになっておりますが、感染が判明する時期によっては間に合わないケースもあります。また、単身の方は外出制限がかかっており、自分で郵便ポストに投函しに行くこともできないなど、様々なことが感染者の投票機会を確保していく上で高いハードルとなっている実情があります。
法律の成立後に行われたさきの東京都議会議員選挙から横浜市長選挙において、選挙のことまで意識が向かず、体調が悪化している中で複雑な手続を行う人は少なく、利用は低調だったようです。入院先が見つかったり、自宅療養から地域外の
ホテル療養になったりと、選挙期間中、刻々と変わる状況を把握し、またいつ感染するかも分からない中で県民に制度の周知をし、認識をしてもらうまでにはしっかりとした取組が必要になります。
今後の第六波に備え、この特例郵便等投票について県民にしっかり周知をし、選挙時における宿泊療養者及び自宅療養者の投票機会を確保していく必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、選挙管理委員長にお尋ねをし、一回目の質問といたします。(拍手)
29 ◎山口知事 登壇=木村雄一議員の御質問にお答えいたします。
ウイズコロナの社会経済活動についてお答え申し上げます。
コロナ対策で大事なことは、まずは大切な県民の命を守ることであります。そして、めり張りをつけることも大切だと思っています。
佐賀県はこれまで、飲食店への時短要請を含む独自の「医療環境を守るための非常警戒措置」という非常警戒措置を三回実施しまして、三回とも感染を抑え込んでおります。陽性者のグラフが突き出たとんがった帽子のように、三回とも急速に下げることに成功しています。
私が一番気をつけているのは、いつもいつも、厳しい厳しいと言っていると、狼少年というんでしょうか、なかなか言うことを聞いていただけないような形になることが心配ですので、ずっとずっと、緊急緊急と言っても、なかなか言葉が届いていかないというときが、本当に本当に緊急のときにどういうふうに伝えるのかなということをいつも悩んでおりまして、そういった意味で、これまで三回とも佐賀県民の皆さん方とうまくオーケストラが組めているということを私自身も非常に誇りに思っておりますし、ここは大事にしておきたいなというふうに思っています。
今回、八月ですけれども、旧唐津市は人口当たりの感染者が緊急事態宣言下にある東京都をはるかに超える状況に、途中からこれは危ないなというふうになったんですが、そのすごい勢いのままに増えていったものですから、これをどう止めたらいいかということで非常に悩んだわけですけれども、今回、国と協議した上で、「まん延防止等重点措置」を佐賀県で初めて適用させていただきました。
これまで、私は知事会でも、まん防はお願いしてから調整が大変だし、発動するまでに日数がかかり過ぎるので、タイムラグが問題だというふうに話をしていたんですけれども、今回はタイミングよく西村大臣といろんな話を電話でしている中で、そのまん延防止の列車が二十七日に出そうだという話で、であれば、このタイムラグがほとんどない、二日ぐらいしかなかったので、これを本来のまん防のやり方である一定の区域ということを知事が決めることができたので、唐津の皆さんと歩調が合えば、これは対策がしっかり打てるんじゃないかなということで決断をさせていただきました。市長とも話をして、唐津市さんもここで抑え込まなければならないということで気持ちを一つにできたので、実施することになりました。
しかし、本当にわずか十日ほどで劇的に減らすことに成功いたしまして、唐津の皆さん方に心から感謝したいと思っています。唐津市民一丸となった取組に最大限の敬意を表したいと思います。
そして、今回、佐賀県は「まん延防止等重点措置」の解除に伴って、飲食店への時短要請は県全域で解除いたしました。これもやはりめり張りが大事だということを考えたんです。実はこれ解除するのも国のほうに結構強く要請しなければいけなくて、大変ではあったんですけれども、今回、いいということで解除になりました。
ただ、佐賀県と同じように六県が解除になったんですが、うち以外の五県は全部時短をやっているんです。うちだけが時短もすっきりやめたということで、これもやはり、私はめり張りだと思っています。ですので、対策にめり張りがなくて、ずっと締めて締めて締めてという形でやってしまうと、制限が続いてしまうと、県民だとか事業者の気持ちがもたないという話は常に承っています。他県でも時短要請だとか酒の提供、なかなか言うことを聞いてくれないという事例が非常に多くあって、熊本県でも過料を検討しているという報道も流れておりました。できれば、そういう形になりたくない、お互いが厳しいときは厳しいというふうにして、開けるときは開けるというめり張り、いわゆる県民や事業者との対話ができるような県でありたいなというふうに思っております。
問題はブレーキが非常に効きやすいことは、これまでの一年半の経験で分かっているんですけれども、木村議員がおっしゃるように、じゃ今度戻るときのスタートがなかなか起きにくいと、支え合いになりにくい環境にあると、その分、我が県民は慎重派だということで、これはこれで非常にいいんですけれども、ある部分、この戻し方というものを伝えていくのはどうすればいいのかなというふうに思っています。
どうしてもテレビをつけますと、東京中心の報道になりますので、佐賀県のニュースを見ていただけると、大分分かっていただけるんですけれども、我々としても対策本部会議やホームページ、佐賀のニュースで発信するように、これは努力を重ねなければいけないと思います。
そして、昨日の対策本部におきまして、佐賀県はステージ2に戻ったと発表させていただきました。九月十六日には「佐賀支え愛宿泊キャンペーン」の新規予約をまた再開します。十月、十一月の「佐賀支え愛」のキャンセルが結構多かったと旅館の皆さんから聞いていたので、今度の土曜日からの三連休も含めて新規予約ができますので、県民の皆さん方には、まだ今の状況では県外には行かずに、ぜひ県内のほうでお互い支え合うという余暇活動をしていただきたいなというふうに思いますし、県独自の「おいし~と食事券」も十月からは新規発行も行うことにしております。
そして、秋に予定しております県のイベント、例えば、「佐賀さいこうフェス」ですとか、伝承芸能祭も今開催を前提に内容を議論しているところでございます。
今後、
ワクチン接種も進んでいきますので、社会経済活動にとっては追い風の面もあろうかと思います。
県民の皆様方におかれましては、ぜひ切替えを大切にしていただきまして、こういう形ならやれるというような工夫をしていただきたいと思っています。
そして、もちろんこのコロナに対峙した中で一番大事なことは、県民の命を守ることでありまして、コロナの重症化を防いだり、救急医療を守るためにということがまず第一義であることは大前提としながらも、県民が社会経済活動を生き生きと、そしてスポーツや文化を楽しむ場というのも大切にしながら、これからの新たな時代を佐賀県民が楽しめるような、そんな環境もつくってまいりたいと考えております。
30 ◎甲斐健康福祉部長 登壇=私からは、
新型コロナウイルス感染症対策のうち、自宅療養者への対応についてお答えをいたします。
県では、「プロジェクトM」において、感染者数が急増した、いわゆる第五波に際し、入院が必要な患者の早期入院と、早期回復による重症化防止・病床回転率向上のため、重症化リスクの低い無症状者、軽症者の方を対象に自宅療養を緊急的に導入をいたしました。
自宅療養者の健康観察では、これまでの宿泊療養施設における健康観察のノウハウを踏まえまして、血中酸素飽和度や体温、食事摂取状況などを聞き取り、また会話のやり取りの中で、その状態も併せて把握するようにしております。
そうした数値ですとか状態の変化に応じまして入院の要否の判断、また必要に応じて医師に電話診療や往診を依頼するなど、早期に適切な医療を提供できるよう体制を整えました。
自覚症状のない肺炎というお話がございました。まずは療養者全員にパルスオキシメーターを配布して、血中酸素飽和度を定期的に測定することが基本になると考えておりますけれども、そうした健康観察に加えて、重症化の予兆を早期かつ的確に把握するために、必要なときにはCT検査を受けられるようにすることは有効であると考えております。
「プロジェクトM」では、入院不要と判断された方についても、必要時にCT検査を受けられるよう御協力いただける地域の医療機関との連携などを調整しているところでございます。引き続き自宅療養者について、適切な健康観察、また状態変化に応じて的確な判断、対応を行うとともに、専用病床の確保や宿泊療養施設の追加、臨時医療施設の早期開設に努めまして、家庭内感染防止や重症化予防の観点から、自宅療養者ゼロを目指してまいります。
続きまして、生活支援のための市町等との連携についてでございます。
旧唐津市では、感染急拡大により八月二十七日から「まん延防止等重点措置」を導入する状況となりまして、唐津保健福祉事務所の業務が増大し、逼迫したことから、八月二十六日から措置の期限である九月十二日までの期間、自宅療養者への生活支援物資の配送を唐津市のほうに依頼をしたところでございます。
こうした市町との連携につきましては、自宅療養者の個人情報の取扱いが全国的にも課題となっておりましたけれども、個人の生命、身体または財産を保護するため、緊急かつやむを得ないと認められるため、本県の個人情報保護条例の規定に照らし、市への提供は問題ないと判断をいたしました。
また、民間事業者との連携についてでございますが、生活支援物資の配送について、自宅療養者の同意を得た上で、運送会社が配送を行う取組を全県域を対象に始めたところでございます。
今後も、感染者数が増えた場合にあっても、各保健福祉事務所が感染者に寄り添った業務に専念できるよう個人情報の取扱いには十分留意した上で、市町や民間事業者との連携について方策を検討してまいります。
私からは以上でございます。
31 ◎寺島産業労働部長 登壇=私からは、
新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち、事業者の資金繰り支援について、それから洋上風力発電についてお答えをいたします。
まず、事業者の資金繰り支援についてでございます。
コロナ資金を利用された事業者につきましては、その半数以上が既に元金の返済を開始しておられまして、現下の状況から今後の資金繰りに不安を抱いている事業者がおられるということは私ども承知をしているところでございます。
そのため、コロナ資金による融資が始まって一年となります今年の三月に、改めまして県内の金融機関及び信用保証協会に対しまして、既往債務の条件変更について事業者から御相談があった場合は、それぞれの事業者の実情に応じて柔軟かつきめ細やかな対応を図るということ、また、融資先の事業者に対しまして、金融面からの支援にとどまらず、定期的なモニタリング等による経営状況の把握ですとか、さらには経営支援、財務のアドバイスなどにより事業者の経営改善や事業再生の支援に努めていただくということ、この二点について要請を行ったところでございます。
信用保証協会に確認をしましたところ、条件変更の相談につきましては、ほぼほぼ承諾をされているということでございまして、現時点におきまして柔軟な対応がなされているというふうに認識をしております。
また、事業者の方が自力で返済計画の策定が難しいといったような場合には、金融機関や信用保証協会、あるいは中小企業再生支援協議会などが連携を図りながら対応しております。今後の資金繰りに不安がある事業者におかれましては、まずは遠慮なく金融機関に御相談をいただきたいというふうに思います。
引き続き県内事業者の経営状況を踏まえた資金繰り支援に努めてまいります。
続きまして、二項目めの洋上風力発電についてお答えいたします。
二点お尋ねがございました。
まず一点目は、一定の準備段階に進んでいる区域についてでございます。
いわゆる再エネ海域利用法では、地元の自治体が洋上風力発電事業に適した海域を絞り込んだ上で、利害関係者から法定協議会の開始について同意を得ているなどの条件を満たした海域を、国が有望な区域として選定をし、その中から法定協議会を設置するというふうになってございます。
お尋ねのございました今回の一定の準備段階に進んでいる区域といいますのは、有望な区域の条件は満たしていないものの、海域の絞り込みが進んでいるなど、検討が具体的に進んでいるものとして国が有識者による第三者委員会の意見を踏まえて整理し、公表しているものでございます。
今回、唐津市沖が一定の準備段階に進んでいる区域として国から整理、公表されたところではございますけれども、次の段階の有望な区域として選定されるためには、利害関係者を具体的に特定し、全ての利害関係者から法定協議会の開始について同意を得るなどの条件が整う必要がございます。そのためには、まずは関係者の皆様に洋上風力発電事業、そして候補海域などについて正しく御理解をいただくことが重要でありますことから、地元の唐津市と一体となって引き続き丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。
二点目は、洋上風力発電事業の経済波及効果についてでございます。
唐津市沖での事業計画はまだ何も決まってございませんことから、発電出力三十五万キロワットの洋上風力発電事業が実施された場合という想定で経済波及効果について試算を行っております。
試算に際しましては、運営・メンテナンス、いわゆるO&Mの拠点が唐津市内に設置されることを前提に、関連する県内産業の育成状況に応じて三つのシナリオを考えております。
一つは、特にうまく育成できたということで、投資額の約三〇%が県内企業に発注された場合を高位シナリオとしております。二つ目は、約一〇%が県内企業に発注された場合ということで中位シナリオ。三つ目は、約五%が県内企業に発注された場合ということで低位シナリオ、この三つのシナリオを考えております。
試算の結果、風車などの建設から運営・メンテナンス、そして、撤去までの投資が県内経済に与える波及効果は、二十年余で高位シナリオの場合は二千百三十九億円、中位シナリオの場合は七百五十億円、低位シナリオの場合は三百四十億円となっております。
いずれのシナリオとも二十年間にわたる運営・メンテナンス、いわゆるO&Mの構成比率が最も大きく、より高位のシナリオになるほどその比率が高くなっているため、県内への経済波及効果を高めるためには、運営・メンテナンスに関わる産業の育成が非常に重要であるというふうに考えております。
県といたしましては、再生可能エネルギー等イノベーション共創プラットフォーム、これ略称してCIREn(セイレン)と申しておりますが、このCIREn(セイレン)の洋上風力発電研究分科会の活動を中心に、産学官の連携により、関連産業の育成に取り組むこととしており、洋上風力発電の事業化を検討されている企業の協力も得て検討を始めたところでございます。
洋上風力発電事業は、実現した場合、長期間にわたり県内への経済効果が見込まれますことから、地元唐津市と一体となって事業の誘致に向けて取り組みますとともに、経済波及効果を最大限に高められるよう、県内産業の育成についても着実に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
32 ◎野田危機管理・報道局長 登壇=私からは、令和三年八月豪雨災害の被災者への支援について御答弁申し上げます。
被災者生活再建支援制度は、自然災害により生活の基盤となる住家に著しい被害を受けた被災者に対し、住家の再建等を支援するもので、一日も早い生活再建のためにも重要な制度と認識しております。
制度の支援対象につきましては、これまでも国に対し拡充するよう要望してきておりまして、
令和元年佐賀豪雨の例では、油の流出被害という特殊事情への配慮を国へ強く要望した結果、油の影響を加味し、手厚く支援をいただいたところでございます。
また、全国知事会などを通じまして継続的に対象範囲拡大について要望を重ねた結果、昨年度から支援対象が中規模半壊以上に拡大されるなど、少しずつではありますけれども、制度見直しがなされているという状況にございます。
今回の災害にあっても、棚橋防災大臣、武田総務大臣に対し、知事から直接、度重なる災害に被災者の心が折れてしまわないようにということで、
被災者生活再建支援制度の支給額の引上げ等につきましても、住宅再建に当たっての経済的支援の拡充という意味で要望をさせていただいているところでございます。
近年の気候変動に伴いまして、災害が激甚化、頻発化しており、特に今回、大町町や武雄市などにおいては、二年という短い間に再度浸水するなど、過去に例を見ないような被害が発生いたしました。今後も同様の災害が発生する可能性も十分あり得るということを前提に、
被災者生活再建支援制度の対象拡大や支給額の増額等の制度の見直しを行うよう、引き続きあらゆる機会を捉えて国へ働きかけ、被災された方々が一日も早く生活再建できるよう力を尽くしてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
33 ◎落合教育長 登壇=私のほうからは、
新型コロナウイルス感染症対策のうち、教職員の
ワクチン接種についてお答えをいたします。
ワクチンの接種につきましては、県教育委員会といたしましても発症と重症化予防に大きな効果があると認識しております。
コロナ禍の下で安心して学校運営を行うためにも、教職員の
ワクチン接種については強制ではありませんけども、積極的に接種を受けてもらいたいと考えております。
これまで市町の集団接種が本格化し始めた六月中旬、また、第五波の感染が拡大し始めた八月初旬に、所管の教職員に対して積極的な接種の推奨を行うよう、各県立学校長及び市町の教育委員会にもお知らせをいたしました。
加えて、県内の教職員を優先接種の対象としている県の
ワクチン接種会場や市の集団接種、また、大学の職域接種の案内も行ったところであります。
また、八月二十七日に県内全ての校長と市町の教育長が参集した際にも、教職員の
ワクチン接種を強く推奨したところであります。
あわせまして、希望する教職員が安心してワクチンの接種を受けられるよう、
ワクチン接種時の職務専念義務の免除制度や、接種に伴う副反応が生じた場合などに活用できる特別休暇制度の整備も行いました。
このような取組の効果と教職員の意識の高さもあって、県立学校と幾つかの市町にもヒアリングを行いましたけども、教職員の接種者は相当数に達している学校が多く、教職員の
ワクチン接種は順調に進んでいるものと考えております。
今後も、強制ではないことを念頭には置きつつも、教職員の
ワクチン接種について積極的に検討するよう、機会を捉えて推奨してまいります。
以上です。
34 ◎大川選挙管理委員長 登壇=私からは、コロナ禍における投票機会の確保について申し上げます。
議員が御指摘のとおり、
新型コロナウイルス感染症の宿泊療養者や自宅療養者には外出自粛要請が出されており、その期間中に選挙が行われる場合は投票所に行って投票することが事実上困難となっていることから、郵便等を用いて投票できるよう、本年六月に特例郵便等投票の制度が創設されたところでございます。
新型コロナウイルス感染症につきましては誰もが感染する可能性があることから、県選挙管理委員会といたしましては、特例郵便等投票につきまして県民の皆様に対する不断の周知が重要だと認識しております。
このため、市町の選挙管理委員会と連携し、特例郵便等投票につきまして、県や市町の広報誌、ホームページなどを活用し、周知広報を行っていくところでございます。
あわせて、例えば、今後予定されております衆議院議員総選挙におきましては、選挙時における啓発事業として、LINEやインスタグラム、新聞、ラジオなどを活用し、県民の皆様への周知広報に取り組んでいきたいと考えております。
また、現在、
新型コロナウイルス感染症により、宿泊療養施設に入所される方々に対しましては、施設入所時に特例郵便等投票の案内を行っているところでございます。
新型コロナウイルス感染症の先行きは見通しにくいため、県選挙管理委員会といたしましては様々な状況を想定し、
新型コロナウイルスに感染された方々が特例郵便等投票により選挙権を行使できるよう、関係機関と連携しながら今後もしっかりと取り組んでいく所存でございます。
以上です。
35 ◎木村雄一君 登壇=一点だけ再質問をいたします。
その前に、知事から御答弁をいただいた部分でありますけれども、秋に県主催のイベントについて開催をしていただく方向ということで、県内のそういった萎縮した雰囲気を払拭していくきっかけになればと期待をするところでございます。
「佐賀支え愛宿泊キャンペーン」の申込みの再開についても言及がありましたけれども、今日この時点で、今、「巣ごもり局面」ではないという認識で、「佐賀支え愛」の期間だということでございますので、私もバッジを気にかけてつけようと思うんですが、今日議場でつけているのはまだ私だけかと思います。TPOはあるかもしれませんけれども、せっかく導入をされたと思いますので、ぜひアピールしていただきたいという思いがございます。
健康福祉部長に再質問いたします。
自宅療養者への対応における部分で、市町、事業者との連携というところで御答弁をいただきましたが、ちょっと御留意いただきたい点がございます。
それは先日、唐津市職員の皆さんと自宅療養の対応の件で懇談をする機会がございました。その当時、自宅療養者の四割は唐津市内の方という状況でありまして、様々な意見交換をしたところであります。特に感染をしていない同居家族のことで、今日、徳光議員の議論でもありましたけども、中でも独り親家庭において他者との接触を避けてと言われている中で、親類等に急に預けることはなかなか難しい場合がございますし、また、お子さん以外でも家事を担っていた方が感染をすれば、家庭内でもなるべく接触をしないように気をつける点が多々ある中において、特に食事の世話に関しては厳しい状況になります。そのためにリスク軽減の観点から、感染していない御家族の分まで食料提供をされているのでしょうかと唐津市でお尋ねをしたところ、県から個人情報の問題もあって届け先の情報の詳細が知らされておりません。単に指示されたところに配達に行くだけですという回答でございました。
地元自治体に自宅療養者の家庭状況まで含め情報提供されていたならば、自宅療養者の方が困っていることにもっと寄り添えるような地元ならではの取組ができたのではないかと思っております。民間事業者に限らず、ふだんから生活困窮者、自治体と関係の深いボランティア団体の力をこういうときこそ借りるべきではないかと思っております。もっとできることがあるのではないかと感じている次第です。
大前提として、自宅療養者ゼロを目指すことが一番ではございますが、感染者が少なくなってきている今こそ、これまでの対応をしっかりと検証し、保健所だけではない地元自治体や民間団体等との連携の在り方についてしっかりと検討をしていただきたいと存じますが、再度質問をし、質問を終わります。
36 ◎甲斐健康福祉部長 登壇=再質問にお答えをします。
唐津市のほうにお願いをした自宅療養キットなどの配送の件、市町ともっと連携できるんじゃないかというような御質問だったかと思います。
確かに市町におかれましては、日頃、住民の方にとって一番身近な自治体でいらっしゃいますし、私どもが知らないところで、例えば、お子さんの相談に乗っていらっしゃったりとか、介護の相談に乗っていらっしゃったりとか、そういったことがあるかもしれません。
そういったこともございますけれども、やはり感染された方々、個人情報というのはすごく気にされる部分もございますので、そういったことにつきまして、市町とどういうふうに連携していったらよいのかということにつきましては、これからも検討していきたいというふうに考えております。
私からは以上でございます。
37 ◎古川裕紀君(拍手)登壇=
自由民主党の古川裕紀です。
早速ですが、通告に従いまして大きな四項目について質問をさせていただきます。
まず一つ目の項目は、産業廃棄物不適正保管事案への対応についてです。
さて、神埼市千代田町迎島の集落内の住宅地に、建屋の解体等を行っている業者が、令和元年七月頃から解体工事で発生した大量の瓦礫等の産業廃棄物や一般廃棄物を持ち込んで、不適正に保管しているところがあります。
見上げるような瓦礫の山の上に、さらにごみの詰まったフレコンや家具、冷蔵庫などが無造作に積み上げられております。それが集落内の民家のすぐ隣にそそり立っており、その光景はもはや異様としか言いようがありません。この光景は、現場近くの少し高いところを通る道路からも見下ろすことができるのですが、その異様さに気づいた人から、何だあれはと、私のほうに電話で問合せがあったり、解体業や建設業に関わっているような関係者のほうから、知る人ぞ知るスポットになっているよとやゆされたりすることもあります。
そして、隣の民家の住民の方は、敷地に接して見上げるように積み上がった瓦礫の山が風で崩れ、大きなコンクリートの塊が敷地内の倉庫の壁際にまで落ちてきたり、また、廃棄物の中にはクッションや衣類、畳などのごみも混ざって悪臭を放っているために窓も開けられなかったりと、大変に困っておられます。
そんな中、一日でも早く廃棄物の山が撤去されることを願い、地区役員を中心とした付近住民の皆さんが神埼市や県への要望活動を熱心に根気強く続けてこられたということもあって、県は住民との対話を重ねながら、令和三年七月一日に保管する廃棄物が周辺の民家等に飛散、流出するおそれがあるとして、廃棄物処理法に基づき産業廃棄物の撤去と支障の除去を命じる措置命令を発出し、同時に一般廃棄物を所管する神埼市も同様に命令を発出しました。
しかし、残念ながら、履行期限であった八月三十一日を過ぎてもなお措置は講じられず、現在も五メートル近く高々と急勾配に積み上げられた廃棄物は放置されたままとなっております。
当該現場については、県にはこれまで原因者への撤去指導や継続的な監視パトロール、神埼市とも協力しながらの安全確保のための対応などを行っていただいており、その点につきましては非常に感謝しているところではありますが、風雨等により廃棄物が崩れ落ちて、すぐそばの民家や通行人等に実害が出る危険性が高い状況は全く改善されておらず、住民の中には不眠等の健康被害が出ている方、そして、実際に入院された方がいらっしゃることも耳にしております。
私は、県が措置命令を発出していただいたことについて、行政のルールの中で最大限の努力をしてもらっているものと認識し、感謝しておりますし、付近住民の方々もようやく明かりが見えてきたと希望を持たれております。そして、いよいよ今回、行政代執行に係る予算を九月補正にて要求されているところであり、少しでも早く、一日でも早く付近住民の安全を確保し、不安な気持ちを解消していただきたいと強く願うところです。
そこで、次の四点について伺います。
(一)、これまでの経緯についてであります。
今回の産業廃棄物不適正保管事案に対するこれまでの経緯はどのようになっているのかお聞かせください。
(二)、今後のスケジュールについてであります。
行政代執行に向けて、当然ながら付近住民の皆さんは一日も早い執行を望まれているわけですが、今後のスケジュールについてどう考えておられるのかお聞かせください。
(三)、撤去後の対策についてであります。
今回問題となっている廃棄物をせっかく撤去していただいたとしても、住民の中には再度廃棄物を持ち込まれるんじゃないかと心配する声がありますし、私自身もそこを危惧するところです。そうさせないための撤去後の対策をどのように講じていかれるのか、お考えをお聞かせください。
(四)、知事の認識についてであります。
今回、措置命令から行政代執行に向けた予算計上へと御判断いただいた山口知事に対して、地域住民の皆さんが大変感謝されております。もちろん、そこに至るまでの判断というものは、あくまで一定のルールに基づいたものであることは理解するところではありますが、住民への思いというところも含めて今回の事案に対する知事の認識をお聞かせください。
続きまして大きな項目の二つ目、農福連携についてです。
このことは、六月定例県議会においても先輩議員のほうから質問されておりましたので、重複する表現等があろうかと思いますが、簡潔に述べさせていただきます。
今、佐賀市富士町・三瀬村、神埼市脊振町の中山間地域では、「特定非営利活動法人佐賀中部障がい者ふくしネット」やJA、佐城農業改良普及センターにおいて農福連携に熱心に取り組まれており、成果も上がっていることは、六月議会の一般質問の中で紹介していただきました。そして、この農福連携において重要な役割を果たしているのがコーディネーターであります。
ここで重要なのは、双方の事情を聞いて、簡単にマッチングするだけのような名ばかりのコーディネーターではなく、農作業の実情と障害者福祉の実情との両面を理解した上で、農業サイドと福祉サイドを丁寧につないでいただける本当の意味でのコーディネーターが必要だということです。
実際に、佐賀市においてはすばらしい成果を上げていただいているコーディネーターがいらっしゃるということも聞いております。しかし、実際のところ、一人でこなされているということ、また、その方がいつまでやっていただけるのか不透明なことなど、内情は人材不足が否めないことも伺っております。そして、そもそも佐賀市内を対象とした活動をされているため、そういった佐賀市での成功モデルを県全域に広げようにも、県全域を見られるコーディネーターが存在しないので、広げることもできないという話も聞かせていただきました。
農業と福祉が連携することにより、農業経営の発展とともに障害者の自信と生きがいを創出し、社会参画を実現するという崇高な取組である農福連携を県内にもっと広げていくためには、何よりもまず、県全域に対応するコーディネーターの育成に力を入れていただきたいというのが今回の質問の趣旨です。
農福連携の取組が県内でさらに進むことを心から期待して、次の二点について伺います。
(一)、農福連携についての知事の所見についてであります。
農福連携は、農業と福祉の双方の課題を解決する取組であることから、今後一層推進していくことが必要と考えますが、このことについての知事の所見をお聞かせください。
(二)、今後の取組についてであります。
障害者就労継続支援事業所と農家双方の間に立って丁寧な調整を行っていただける本当の意味でのコーディネーターの育成にまず力を入れることで、県内の農福連携はより進んでいくものと考えるのですが、今後、農福連携にどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。
続きまして大きな項目の三つ目、日本酒の地理的表示「佐賀」(GI佐賀)についてです。
私は、大の酒好きということもあるのですが、縁あって佐賀酒のブランディングに関わる仕事を三年半ほどさせていただいていた時期がありました。そのおかげで、県内の蔵元さんたちとも非常に仲よくさせていただいております。そういった経緯もあって、佐賀酒を愛し、心から応援する一人として質問をさせていただきます。
佐賀における酒造りの歴史は古く、十二世紀から十三世紀頃の鎌倉時代にまで遡り、「肥前酒」の名称にて鎌倉幕府に献上していたとも伝えられていますが、特に清酒造りが盛んになったのは十九世紀中頃の江戸時代末期で、第十代藩主鍋島直正公が疲弊した藩の財政を立て直すべく酒造りを奨励したことによると言われております。これは、たとえ米のない地域であっても、米が潤沢にある平野部の地域から貸し付けることによって、佐賀全域で清酒を造らせるほどの徹底ぶりだったようです。こうして佐賀における酒造りの技術は、潤沢にある米の特性を生かし、ふくよかな米のうまみを多く残すことを目指した酒造りとして県内全域で発展し、今日の酒どころ佐賀に至っております。
このように長い歴史があり、県民生活と文化に深く根づいている佐賀酒について、今年六月、特定の地域の酒類や農産物などのブランドを守るための国の地理的表示、通常GIと略して呼ばれますけれども、この地理的表示の保護制度において、日本酒の産地として「佐賀」の名称が指定されました。これは、佐賀県内からは初めてのGIの指定であり、日本酒としては九州で初めての指定であります。このようなタイミングで、日本酒での「GI佐賀」が誕生しました。
国によりますと、今回、日本酒の産地名として「佐賀」が認められた要因としては、先ほど述べた歴史的な背景に加え、県が中心となって運営している佐賀県原産地呼称管理制度の取組、さらには本県議会が全国に先駆けて議会提案で制定した「佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例」の取組など、県内の蔵元はもとより、酒販店や飲食店、県執行部や県議会など官民一体となった佐賀酒の品質向上、消費拡大、ブランド化に向けた取組を行う環境が整っていることが挙げられております。これまでの県内での様々な取組があったからこそ、このたび、「GI佐賀」として改めて評価されたことは大変喜ばしいことだと思います。
しかし、今、長引く
新型コロナウイルス感染症の影響で、酒類を取り巻く環境はこれまでにない厳しい状況にあります。お酒自体は悪くないにもかかわらず、お酒があたかも悪者のように扱われ、厳しい目が向けられていることに、蔵元、卸売業者、酒販店、そして、飲食店も大変苦しい思いをされております。
その中にあって、今回の「GI佐賀」の指定は明るい話題であり、県内の蔵元さんたちにとっても、今回の指定はコロナ収束の先を見据えた新たな挑戦の出発点であるとの意気込みを持たれているとも聞いており、私としても、佐賀酒の一層の振興を図る契機としていただきたいと大いに期待しているところです。
そこで、次の二点について伺います。
(一)、「GI佐賀」の基準についてであります。
今月七日、GI佐賀管理委員会が県内の蔵元から申請があった七十銘柄を審査する官能審査会が開催されたと伺っております。佐賀酒が「GI佐賀」を名乗るためにはどのような基準を満たす必要があるのでしょうか、お聞かせください。
(二)、「GI佐賀」を契機とした佐賀酒の振興についてであります。
県では、佐賀酒の振興について、これまでどのような取組を行い、また、「GI佐賀」を契機に、今後どのように取り組んでいかれようとしているのかお考えを聞かせてください。
最後に大きな項目の四つ目、頻発する内水氾濫への対応についてです。
近年、本県では立て続けに大きな浸水被害が発生しており、浸水被害が頻発している地域にとって、これまで何度も水害に見舞われてきた上に、さらに、昨今の異常な雨の降り方によって、今後、さらなる水害リスクの増大はまさに死活問題であり、根本解決に少しでも近づいていけるような取組を早急に進めていくことは住民の切なる願いであり、心からの叫びであります。
特に、神埼市千代田町南端の低平地では、上流部から大量の水が流れ込んでくる地理的条件に加え、有明海の潮の干満により自然排水ができない時間帯があること。そして、そもそも大分や福岡の筑後川上流に降った雨により筑後川の水位が高ければ、干満の時間にかかわらず、排水が困難となります。
加えて、神埼市を流れる河川が筑後川に流れ込む合流地点に設置されている排水機場はどれも古く、とうに更新時期を過ぎており、極めつけは排水機場の排水ポンプが旧日本軍の駆逐艦のスクリューを利用した七十年ものと言われるものが現役で稼働している箇所もあると聞いております。さらに、古い排水機場の水を吸い込むスクリーン部には、流れ着くごみを取り除く除じん機が備わっておらず、雨の中、操作員が夜を徹して手作業でごみを引き揚げるという危険極まりない環境で排水作業に当たられている現実があります。しかも、そんな危険な思いをしながら、フル稼働でポンプを回し続けていても、くめどもくめども、一帯にどんどん水があふれていくという状況の中で、それでも排水作業を続けなければならない操作員のむなしさ、無力感といった心中を察するまでもなく、何とかしたい、何とかしなければならないという思いを強くするばかりです。
また、神埼市を南北に貫いて流れる大型クリークの一本は、筑後川に排水する末端部に強制排水施設が備わっておらず、自然排水のみのため、先ほど申したように、満潮時、もしくは筑後川の水位が高いときには全く排水されることなく、クリークを流れ落ちてくる大量の水がみるみるあふれて、周辺一帯が冠水していくといったありさまです。特に、昨今の雨の降り方に対して、内水氾濫による浸水被害が頻発し、深刻化している状況であり、自然排水、強制排水、総じて排水能力が圧倒的に不足しているのではないかとの住民からの疑問の声と早急なる対策を望む声が多く上がっております。
そして、今回の質問に当たっては、県内各地が被災していることは重々承知しているが、浸水被害が頻発している我々の地域の窮状も訴えるべく、たくさんの方からのもっと声を上げてくれといった切実な声があってのことと思いをはせていただければと思います。
とはいえ、排水ポンプの更新及び能力アップや増設といったことが一朝一夕にできるわけではありません。そこには県、市町と連携しながら、国に強く訴え続けていかなければならないと思っておりますが、並行して取り組むべきこととして、二月定例会でも質問しましたが、この内水氾濫による浸水被害を少しでも軽減させていくためには、流域治水対策をもっと踏み込んだところで進めていくべきであると改めて考える次第です。
流域治水対策の中でも、クリークやため池等の貯留能力のある農業用施設を本来の用途や目的である、クリークは農業用水の送水、貯水、排水をする施設という固定した考え方にこだわることなく、治水対策の施設として最大限に生かすことを関係者の協力の下、進めていく必要があると思います。あわせて、そのような取組を担っている市町との連携や支援についても、県として積極的に進めていっていただかなければなりません。
また、浸水被害軽減を議論している中で、今議会において排水ポンプ車導入の補正予算が計上されている点についても確認させていただきたい点があります。
そこで、次の三点について伺います。
(一)、農業用施設を活用した流域治水対策についてです。
頻発する内水氾濫に対して、浸水被害を軽減するためには、クリークやため池等の本来の用途や目的にこだわることなく、治水対策にも農業用施設を積極的に活用すべきと考えるのですが、県はどのように取り組んでいかれるのかお聞きします。
(二)、流域治水に関する市町への支援についてであります。
流域治水対策をさらに力強く進めていくために、市町に対して積極的に関わっていくことが必要だと思いますが、今行っている市町への支援の状況はどのようになっているのか。また、今後県としてどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。
(三)、排水ポンプ車の導入についてであります。
今回の豪雨災害を受け、県はこのたび排水ポンプ車を導入することとされております。今、内水氾濫対策の根本解決のための排水能力の強化を望む県民の声が日に日に大きくなっており、私もすぐにでも排水能力強化に取り組んでいかなければならないと考えるわけですが、その中にあって、このたびの排水ポンプ車の導入の目的は何なのかお聞かせ願えればと思います。
以上、大きな四項目について答弁をお願いいたします。(拍手)
38 ◎山口知事 登壇=古川裕紀議員の御質問にお答えいたします。
まず、産業廃棄物不適正保管事案に対する私の認識についてお答えします。
地球環境を守っていくために、どうしても生み出される産業廃棄物の取扱いは大切なことです。事業者は廃棄物処理の責任を負わなければなりません。排出する事業者は本来は自ら処理することが原則ですけれども、そうでないのであれば、依頼先ですね、依頼する相手、運搬業者であったりとか産業廃棄業者など、こういった皆さん方が不法投棄せずに最後まで適正に処理することを意識して、共に責任を負わなければならないと考えています。
こうした社会全体として事業者それぞれが責任を全うしなければいけない中で、不法投棄者というのは決して許してはいけない存在だと思っています。それでも今回の事案のように、周辺住民が健康被害も含めた厳しい状況に置かれたわけです。そうなると、我々は大切な県民を守る行政機関として、最後はやむを得ない権力行使として行政代執行を行使するということになるわけです。
ただ、この行使、撤去費用は当然原因者に請求するわけですけれども、回収できないケースが多々あります。私は、市民の皆さん、そして、善良な企業がお支払いいただいた税金を、こうしたことに使うことにじくじたる思いを持っています。だからこそ、今後とも、県職員も現場主義を貫いて、事前に芽を摘むように、そういったことのチェック体制をしっかりと強化しておくという努力を続けたいと思っています。
本件の具体的事案につきましては部長からまとめて答弁いたします。
続きまして、農福連携についての私の所見についてお答えします。
一言で言いますと、すばらしい連携だと思います。これは大いに推進すべきものだと思っています。
私、知事になりまして、パクチーというのが大変好きなもんですから、武雄に江口君という非常にすばらしいパクチー農家があるということで訪問したわけですけれども、そのときにちょうど除草作業をしている皆さん方が障害者の皆さん方で、江口君は彼らなしではやっていけないんだと、そして、包装作業とか、そういうことを苦もなくやってくれていてとても頼りにしているなんて言葉もあって、本当にチームで生き生きと作業をしている、そういう光景を見て非常にすばらしいものだなと、お互いがウィン・ウィンに本当になっている姿だったということがありました。
それから、農業青年・農業女子という若手の七人のメンバーとの農業懇談会みたいな場がありました。そのときに、もちろん若手農家の皆さん方がいろんな悩みとかを私に言うわけですけれども、そのうちの一つに、実は人手不足なんだという話があって、私のほうからは、実は障害者というのは極めて貴重な担い手になってくれていて、A型の事業所とかB型の事業所があって、それぞれ能力に応じて様々な派遣があってというような話もさせていただいて、あんまり皆さん知らないような感じでした、障害者を農業に使うということをですね。だから、まだまだそういったところというのは全般に意識として普及されていないのかなと、そのとき感じました。
そして、実は障害者の皆さん方というのは丹念に同じ作業を、少なくとも私にはできないような同じ作業をずっとやっていくすごい能力をお持ちの方も多くて、極めて農業とマッチングする方も私は多いと思っているわけです。
これは昨年でしたか、それこそ神埼にその参加者の一人がいたわけですね。そこは卵農家なんですけれども、行ったら、障害者の方が卵を何百個も一つ一つ丹念にずっと磨いているわけですよ。あれっ、障害者を雇ったんだと、いや、あのときの話がきっかけにという話だったわけですけれども、またこちらのほうもそれぞれやりがいがあって、賃金も払ってもらって障害者も非常にうれしいわけです。ずっと卵を磨いて大いなる貢献をするわけですから。
というようなことで、ぜひこういったことがもっともっと増えたらいいなというふうに思っているわけなんですけれども、特に担い手不足という問題、それから、障害者の問題からすれば、生き生きとやりたいわけですね。何となく義務でやるんではなくて、社会に貢献しているという思いの中でお金もちゃんともらってという世界を実現することが大事なわけなんですけれども、今、A型、B型事業所が百九十四のうち、少しでも農福に取り組んでいるのが今四十ということだから、まだまだ全然少ないと私は思っています。
といったことで、これからこの数字がもっともっと伸びていくように、農福連携チームのようなものをつくって、コーディネート機能を向上させたり、農福連携ももっともっとみんなが知ってもらったらいいと思うので、それこそシンポジウムなども開催して、それを告知して、みんなで共有化してと、そんなような取組をこれからしっかりと始めて、実績が出るような形で、私が見た生き生きとしたような姿が、佐賀県の農業現場で多く繰り広げられるように努力をしていきたいと考えています。
39 ◎古賀県民環境部長 登壇=私からは、産業廃棄物不適正保管事案への対応について知事答弁を補足しますとともに、これまでの経緯について、今後のスケジュールについて、撤去後の対策について、以上三点についてお答えさせていただきます。
まず、これまでの経緯についてでございますけれども、令和三年三月に、(75頁で訂正)県のほうに神埼市のほうから、千代田町の迎島地区の土地に
解体廃棄物を持ち込んで違法に積み上げていると、そういった連絡がございまして、連絡を受けまして現地調査をいたしました。そうしますと、民家に隣接した土地に建屋の解体工事により発生したと見られます瓦礫や木くず、プラスチックなどの産業廃棄物に加えまして、冷蔵庫などの一般廃棄物が違法に急勾配に積み上げられているということを確認いたしました。
その後、以降、一般廃棄物行政を所管いたします神埼市とも連携を図りながら、原因者に対しまして廃棄物の持込みをやめ、早期に撤去することなどの指導を継続的に行ってきました。これまで口頭指導二十二回、文書指導三回行いましたほか、保管された廃棄物の詳細を文書で求める報告徴収を二回行ったところでございます。
原因者はこうした再三にわたる指導にも応じることなく、現場の環境は一向に改善いたしませんでした。この間、急勾配に積み上がった廃棄物が隣接する住家の敷地に何度となく崩落をし、住民生活に危険が及んでいるということ、また、悪臭や不安によりまして健康被害が発生していることなどを踏まえまして、令和三年七月一日に、当該廃棄物を八月三十一日までに撤去するよう措置命令を発出したところでございます。
しかしながら、八月三十一日の履行期限までに措置が講じられず、周辺住家や住民に危険性が切迫していること、そして、隣接した住家の住民に現に健康被害が発生していること、そして、原因者による措置が期待できず、危険性の除去には行政代執行以外に手段がないと考えられたこと、こうした理由によりまして、行政代執行によって当該廃棄物を除去することもやむを得ないとの判断に至ったところでございます。
なお、住民生活の危険性を除去するための暫定的、応急的な措置としまして、神埼市とも協力をいたしまして隣接する住家との境界に崩落防止のための鉄製フェンスを設置しますとともに、飛散防止のため、廃棄物を網で覆う措置を行ったところでございます。
また、本事案の原因者につきましては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に違反するとして、警察とも連携して対応を行っているところでございます。
次に、行政代執行に向けた今後のスケジュールについてお答えいたします。
今県議会におきまして行政代執行に係る予算の議決をいただければ、速やかに業者選定等の手続に着手をしまして、一日も早くという思いを持ちまして廃棄物が早期に撤去されるよう取組を進めてまいります。
また、行政代執行に係ります費用につきましては、公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団による支援制度が活用できますことから、こうした行政代執行の手続と並行しまして協議を進めていくこととしております。
最後に、行政代執行による廃棄物を撤去した後の対策についてお答えいたします。
今県議会におきまして行政代執行に係る予算が認められれば、問題となる廃棄物の撤去に速やかに着手をしたいと考えています。その上で撤去した後につきましては、県によります巡回監視の回数を増やし、また、今回、臨時的に設置をしました監視カメラの映像を適宜確認するなどして監視体制を強化していきたいと考えております。
また、地元住民の皆様には何か心配されるような出来事があれば、できるだけ早い段階で県や神埼市に情報提供、あるいは相談をしていただくようお願いをしていきたいと考えております。
知事が申し上げましたように、今後ともその現場主義を徹底いたしまして、また、地元住民の皆様の協力をいただきながら、再度廃棄物が持ち込まれることがないように取り組んでまいりたいと考えております。
答弁は以上でございますけど、最初の答弁のところで令和三年三月に神埼市から情報提供があったというふうにお答えしましたけれども、正しくは令和二年三月の間違いでございました。訂正しておわびいたします。
以上、お答えさせていただきました。
40 ◎甲斐健康福祉部長 登壇=私からは、農福連携のうち、今後の取組についてお答えをいたします。
これまで福祉サイドとしましては、佐賀県共同受注支援窓口におけるマッチングや、双方の関係者を集めた農福連携のセミナー、ニーズ調査などを行いまして、少しずつ事例を増やしてきたところでございます。
興味はあるものの、具体的に進まないケースとして、農家サイドからは、障害者の方に具体的にどんな仕事をお任せできるのか、誰に聞いたらいいのか分からないといったことですとか、福祉サイドでも、農業のことをよく知らないので、作業内容や環境に不安があるといった、そもそもの入り口部分で止まっている場合も多く見られております。やはり農福連携を具体的に進めていくには、コーディネート機能というのが重要になってくると考えております。
今後につきましては、先ほど知事からありましたように、農業サイドと福祉サイド相互の理解が深まるよう私ども取組を進めていきたいと考えております。障害者が取り組める農業コーディネート機能を強化しまして、障害者が取り組める農作業を掘り起こし、両方のサイドの事情をよく理解し、きめ細かに酌み取りながら全県域に広げたいと考えております。
私からは以上でございます。
41 ◎寺島産業労働部長 登壇=私からは、日本酒の地理的表示「佐賀」(GI佐賀)について二点お答えいたします。
まず一点目は、「GI佐賀」の基準についてのお尋ねでございます。
「GI佐賀」を表記するために満たすべき基準は二つございます。一つは原料及び製法に関する事項、もう一つは酒類の特性、いわゆる酒の味わいに関する事項でございます。
まず、原料及び製法に関する基準につきましては、原料の米及び米こうじは国内産米であること、水は佐賀県内で採取したものであること、そして、製法は佐賀県内で醸造、貯蔵及び容器詰めが行われていることとされております。
次に、酒類の特性に関する基準につきましては、総じてふくよかな米のうまみを多く残していること、口当たりはまろやかで、口の中に米特有の甘みの広がりが感じられる芳醇な酒であることとされております。
二点目は、佐賀酒の振興のこれまでの取組と、「GI佐賀」を契機とした取組についてのお尋ねでございます。
まず、これまでの取組でございますが、佐賀酒につきましては、蔵元の皆様や酒造組合など県内の酒類関係者と連携して、例えば、佐賀県原産地呼称管理制度による「The SAGA認定酒」ですとか、県内の飲食店などでの乾杯プロジェクト、そして、香港やフランスなどでの商談会や、そういったところからのバイヤーの招聘など、様々なブランド力向上対策やプロモーション活動に取り組んでまいりました。
酒造組合や蔵元同士の強いつながりの下、一丸となってこのような活動に取り組み、酒どころ佐賀として着実にブランド化は進んでいるものと認識をしております。そして、確かな品質の下、国内の品評会や世界的なコンテストで上位入賞する銘柄も多く見られるようになったところでございます。
そして、今後の取組でございますけれども、今回、「GI佐賀」が指定されたことにより、佐賀酒の一層のブランド力の向上を期待しているところでございます。
まずは、県内外の多くの方に「GI佐賀」を知っていただくため、来月になりますが、十月一日に佐賀県酒造組合の主催により、「GI佐賀」のロゴマークと「GI佐賀」認定酒のお披露目会が予定をされております。県も一緒になって、「GI佐賀」のPRに努めることとしてございます。
なお、この十月一日というのは「日本酒の日」でございますので、コロナ前には一斉での乾杯イベントを実施しておりましたけれども、今年は家族ですとか、あるいは知人の方々とで「GI佐賀」や「The SAGA」の認定酒などで乾杯を楽しんでいただき、その様子をSNSでアップしていただくような企画を検討しているところでございます。
また、「GI佐賀」認定酒は、昔から佐賀で親しまれてきた芳醇旨口という味わいが特徴の一つでありますことから、その芳醇な味わいに合った料理とのペアリング、そして、器までトータルで提案することにも取り組んでまいります。
さらに輸出につきましては、市場規模が大きい中国ですとか、あるいはアメリカ、さらにはGIの保護制度が浸透しているEUも重点的なターゲットとして取組を進めていきたいと考えております。
議員からもございましたけれども、現在、コロナ禍の影響により酒類業界を取り巻く環境は大変厳しいものがございます。この状況を乗り越え、また、アフターコロナも見据え、今回の「GI佐賀」の指定を契機といたしまして、国内外のより多くの方々に佐賀酒の味わいや品質の高さ、また、造り手の思いに触れていただき、様々な場面で佐賀酒を楽しんでいただけるよう、県内の酒類関係者ともしっかりと連携をして、佐賀酒のブランディングとプロモーションに戦略的に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
42 ◎池田
農林水産部長 登壇=私からは、頻発する内水氾濫への対応のうち、農業用施設を活用した流域治水対策についてお答えをいたします。
流域全体での治水対策の取組といたしまして、洪水貯留機能を有します農業用施設を活用していくことは極めて重要なことだと考えております。
こうしたことから県では、大雨時における下流域の住宅や公共施設等の浸水被害軽減が図られるよう、市町や土地改良区と連携協力しながら、クリークや農業用ダム、ため池などの事前放流や低水位管理を行い、空き容量を確保しておく取組を行っているところでございます。
とりわけ、佐賀平野及び白石平野のクリークにつきましては、洪水貯留容量がトータルで約千六百万立方メートルございまして、これは北山ダムの約七割に相当する容量で、大規模なダムにも匹敵する洪水貯留機能を有しておりますことから、県では今年度、内水氾濫のシミュレーションを行い、クリークが有します機能を最大限に生かすための方策を検討していくこととしております。
こうした中、昨年に続き、今年八月の豪雨でも浸水被害が発生いたしました神埼市千代田町の南部地域の浸水被害を軽減するため、神埼市、吉野ヶ里町、地元土地改良区、そして県の東部農林事務所、東部土木事務所から成ります流域治水検討会がこのたび設置をされまして、浸水の現状を把握するとともに、クリークの流量を調節する水門の適切な操作方法などの課題を抽出しまして、ハード、ソフト両面から実効性のある対策を検討していくこととしております。
県といたしましては、流域内の市町や土地改良区、国などの関係機関と連携いたしまして、まずはやれるところから農業用施設を有効に活用した流域治水対策にしっかりと取り組んでまいります。
以上、お答え申し上げます。
43 ◎平尾県土整備部長 登壇=私からは、頻発する内水氾濫への対応についての御質問のうち二点お答えを申し上げます。
まず、一点目の流域治水に関する市町への支援についてでございます。
まず、支援の状況でございますが、流域治水の取組を進めていく上で、流域治水に活用できる施設の管理等に深く関与されております市町の取組は大きな役割を担っていることはもとより、市町を超えた流域全体で取り組む必要があると考えております。
このため県といたしましては、市町に対し積極的な支援を行うこととし、今年度から市町が行います流域治水の検討に対する県独自の支援を実施しているところでございます。
具体には、市町が行います流域治水の検討に対する調査費補助を行っております。五市町から申込みがございまして、現在、唐津、江北、白石の三市町について交付を行いまして、浸水被害の要因分析や、ため池、クリークなどを活用する対策の検討が進められているところでございます。残る二市町、神埼市、上峰町に対する調査費補助につきましては、九月補正で予算計上をお願いしているところでございます。
このほかに、実務レベルでの検討会の開催や流域治水対策に関します技術的な支援、対策事例、補助事業の情報提供などの支援を行っているところでございます。
今後の取組といたしましては、今回の豪雨により市町の流域治水に対する認識も高まっておりまして、県としても市町と連携した流域治水への取組を早急に進める必要があると考えております。
昨年度も流域治水の推進に向け、各市町を訪問いたしまして働きかけを行ったほか、今年度はGM21でも流域治水の取組の説明を行ったところでございます。今回の豪雨を受けまして、改めて各市町を訪問いたしまして、流域治水に積極的に取り組むよう働きかけてまいりたいと考えております。
市町への流域治水に関する技術的な支援や助言を行うことと併せまして、流域全体で議論を深め、リーダーシップを取って流域全体で協力体制を構築し、流域治水対策を推進し、さらなる浸水被害の軽減に取り組んでまいります。
二点目の排水ポンプ車の導入についてでございます。
今回の八月豪雨の際は、筑後川水系や六角川水系などの沿川で国土交通省に排水ポンプ車を要請いたしまして、県内で合計三十台を超える排水ポンプ車の配備をしていただいたところでございます。排水ポンプ車につきましては、所有している国土交通省へその都度要請し、配備をいただいているところでございます。
最近は、内水氾濫は九州内では広域で発生をしているような状況でございます。配備していただく排水ポンプ車が遠方から佐賀県に配備されるケースもございます。今回も宮崎や鹿児島から排水ポンプ車が駆けつけていただいたような状況でございます。こうした場合には、現地到着が遅くなる場合がございます。今回の災害時にも排水ポンプ車の早急な配備を強く望む声もございました。県が排水ポンプ車を所有することで、手配に要する時間や移動時間などが短縮されることによりまして、排水作業までの時間が短縮をされます。
排水ポンプ車の活用方法といたしましては、これまでの経験により、浸水などにより故障いたしました排水機場での代替排水ポンプ設置までの緊急の排水、また、決壊のおそれのあるため池の緊急排水、こうしたことが考えられます。県が排水ポンプ車を導入することによりまして、災害時のオペレーションの幅が広がり、浸水被害の軽減に幾らかでも寄与するものと考えております。
庁内には「内水対策プロジェクトチーム」を立ち上げました。県の関係部局はもとより、国、市町、関係団体と連携をいたしまして、ハード、ソフト両面で内水被害の軽減に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
44 ◎古川裕紀君 登壇=今答弁をいただきました。産業廃棄物不適正保管事案については、知事のほうからじくじたる思いという言葉も出てきましたけれども、その中にあっても、住民の生活、健康を守るためということで重い決断をしていただいたことを大変重く受け止め、また、当然感謝も申し上げながら、同じような事案が県内で起きないように、私なりともしっかりと尽力をしていかなければならないなと思っております。
その答弁の中で、危険除去という話があったんですが、廃棄物の山の撤去に関して、この危険除去ということでは曖昧な部分があったかなと思います。住民はあくまで全量撤去を求めているわけで、そのあたりのニュアンスの違いがはっきりしなかったので、その点についてお聞かせ願えればと思います。一点目です。
もう一点が、内水氾濫についてです。
クリークの中で事前排水が行われているというのは重々承知しておりますし、ここ二、三年の中で、だんだんと連度というか、連携力が上がってきて、大雨の前にしっかりと水面が下がっていることは承知しております。土地改良区の職員であったり、地域の方に、一生懸命に説明をして回って協力をいただいているのだなという思いがあります。
ただ、今回の質問の中では、私はクリークの本来の用途、目的にこだわらずということを強調させていただきました。要はクリークは送水、貯水、排水をする施設だというところから、どうしてもまだ脱却できていないような感じがします。事前排水をして、このクリークというもともとある機能を使って、どうぞ治水対策をしてくださいという視点、ポジションが抜け切れていない感じがして、やはりクリークであってもあふれさせないという視点が必要なんだろうと思います。
この流域対策の中で、クリークをあふれさせないという視点も、そのクリークが主体的となって向かい合っていく、その姿勢についてもう一度部長のほうから答弁を願えればと思います。
農福連携については、知事の実感のこもった話とか、コーディネート機能を有した推進チームの話、また、周知を図るシンポジウムなどを県全域に広げていくというような話もいただいて、大変感謝しております。
この点についてはお願いとしまして、以上、再質問とさせていただきます。
45 ◎古賀県民環境部長 登壇=古川議員のほうから、危険性の除去ということで、全量撤去なのかどうなのかはっきり答弁というか、明らかにしてほしいという御質問だったと思います。
県としましては、全量撤去するということで、そういう思いを持って取り組んでいくつもりでございますので、今議会の予算案につきましても、全量撤去するということで予算をお願いしておりますので、そういう思いで取り組んでまいります。
以上、お答えさせていただきます。
46 ◎池田
農林水産部長 登壇=古川議員の再質問にお答えいたします。
クリークの本来持っている目的や用途にこだわらず、治水対策にしっかり活用すべきではないかという御意見でございました。
今回、神埼市千代田町の豪雨災害につきましては、八月十一日からクリークの事前放流開始がなされておりまして、その翌日ぐらいまではその効果がしっかりと発揮されていたと聞いております。しかしながら、今回、クリークが持つ容量を上回るような大雨が降り続いたことで、地域に浸水被害がもたらされたというふうに聞いているところでございます。
クリークの本来の目的、用途につきましては、平常時は農業用水を貯水、送水するということでございます。また、農業用水を排水するという用途でございますが、近年のように豪雨災害が発生している状況を踏まえますと、やはり流域治水のためにクリークをしっかりと最大限に活用していくということが重要だというふうに考えております。そういうことから、それぞれの地域にございます河川、それと、クリークと連携しながら、地域に水をできるだけあふれさせないような仕組みというんですか、それを先ほど申し上げました検討会などで十分議論してまいりたいというふうに考えております。
以上、お答えといたします。
47 ◎副議長(原田寿雄君) 暫時休憩します。
午後三時三十九分 休憩
令和三年九月十五日(水) 午後四時十五分 開議
出席議員 三十五名
一番 一ノ瀬 裕 子 一六番 川 崎 常 博 三〇番 中 倉 政 義
二番 下 田 寛 一七番 定 松 一 生 三一番 石 井 秀 夫
三番 古 川 裕 紀 一八番 八 谷 克 幸 三二番 留 守 茂 幸
四番 中 村 圭 一 一九番 江 口 善 紀 三四番 木 原 奉 文
五番 古 賀 和 浩 二〇番 藤 崎 輝 樹 三五番 藤 木 卓一郎
六番 冨 田 幸 樹 二一番 向 門 慶 人 三六番 石 倉 秀 郷
七番 弘 川 貴 紀 二二番 坂 口 祐 樹 三八番 土 井 敏 行
八番 井 上 祐 輔 二三番 宮 原 真 一
九番 木 村 雄 一 二四番 原 田 寿 雄
一〇番 中 本 正 一 二五番 岡 口 重 文
一一番 野 田 勝 人 二六番 大 場 芳 博
一二番 西久保 弘 克 二七番 武 藤 明 美
一三番 池 田 正 恭 二八番 稲 富 正 敏
一五番 古 賀 陽 三 二九番 徳 光 清 孝
欠席議員 一名
一四番 井 上 常 憲
欠 員 二名
地方自治法第百二十一条による出席者
知 事 山 口 祥 義
副 知 事 坂 本 洋 介
副 知 事 南 里 隆
政 策 部 長 進 龍太郎
総 務 部 長 元 村 直 実
地域交流部長 山 下 宗 人
県民環境部長 古 賀 英 敏
健康福祉部長 甲 斐 直 美
産業労働部長 寺 島 克 敏
農林水産部長 池 田 宏 昭
県土整備部長 平 尾 健
危機管理・報道局長 野 田 嘉代子
文化・スポーツ交流局長 田 中 裕 之
男女参画・こども局長 原 惣一郎
会 計 管 理 者 大川内 明 子
警 察 本 部 長 松 下 徹
教 育 長 落 合 裕 二
人事委員会事務局長 西 岡 剛 志
選挙管理委員長 大 川 正二郎
職務のため議場に出席した事務局職員
議会事務局長 今 村 盛 史
同 副事務局長
総務課長事務取扱 吉 田 泰
議 事 課 長 岸 川 文 広
政務調査課長 篠 田 博 幸
総務課副課長 碇 一 浩
議事課副課長 原 康 祐
政務調査課副課長 西 田 里 美
議事課議事担当係長 椎 葉 奈 美
同 議事担当主任主査 池 田 陽 介
○ 開 議
48 ◎議長(
藤木卓一郎君) これより会議を開きます。
○ 報 告
49 ◎議長(
藤木卓一郎君) まず、報告を行います。
本日の
決算特別委員会において互選の結果、
岡 口 重 文 君が委員長に、
坂 口 祐 樹 君が副委員長に
それぞれ当選された旨、通知がありました。
以上、御報告いたします。
次に、休憩前に引き続き一般質問を行いたいと思います。
50 ◎川崎常博君(拍手)登壇=初日しんがりを務めます
自由民主党の川崎と申します。
月曜日に時短が明けたということで、私も早速、月曜日から飲食店支援に回ってきましたが、なかなかやっぱり人の戻りが少なくて、「支え愛」ということですので、財布の中身が空っぽになるぐらい私も頑張りたいと思いますけども、県庁にもたくさんの職員の皆さんがいらっしゃいますので、今はみんなで支え合いましょう。
最終ランナーになると、皆さんのお顔を見ていると、分かった、早うやれというようなお気持ちも重々伝わってきますし、私、生まれつき小心者ですから、皆さん方の意に沿うように、短く、しかも二問だけ今回はさせていただきたいというふうに思います。簡潔な答弁をお願いします。働き方改革にも資する時間配分でやりたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、医療的ケア児の支援体制の構築に向けた取組について質問をさせていただきます。
私がこの問題に取り組んできたのは平成二十三年当選した直後でありました。特にレスパイトの件について当初から約十年間取組をしてきました。最初は本当に細々とレスパイト施設が運営をされておりまして、なかなか思うように子供さんなり、障害者の皆さんを預けることができないというような現状でありました。以来、事あるごとにこの質問をしてきましたが、徐々に徐々に定員も増えて、需要も伸び、一定程度の成果は出たかなというふうに思っております。
平成二十三年の十一月の定例会で質問したときに、問題点ははっきりしておりました。まず、福祉型の事業所においては医療型の事業所に比べて報酬単価が低いという現状がありますので、看護師や介護職員の確保が難しい。ゆえに、なかなか事業所が多くならないという現状。そのために定員が増えないというようなことでありました。
もう一点大きな問題点が、障害保健福祉圏域ごとにあるべきレスパイトの施設、要するにお住まいの地域の近くにこういった施設があるべきなのに、当時、伊万里及び杵藤圏域には事業所が一カ所もないという現状でありました。これも平成二十七年にやっと一カ所その地域に事業所がつくられ、この問題は一旦解消をしたと。まだまだ数的に足りているかどうかというところはちょっと疑問ですが、全ての圏域に事業所が整備をされたということであります。
それから、平成三十年、平成二十九年度ですけども、この年から医療的ケアが必要な障害児・者を受け入れる事業者の体制整備を支援する事業、それから、小児慢性特定疾病児童等へのレスパイト訪問看護事業が始まりました。
様々なニーズに合わせて、こうやって一つずつ段階を踏んで医療的ケア児に対する支援が大きく、手厚くなってきたのも事実であります。
そのような中、今年六月に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が制定をされ、今月十八日に施行になります。
そこでですが、先ほどレスパイト事業に対する取組を説明させていただきましたが、数多くあるそういう医療的ケア児、また、その御家族に対する支援のほんの一部、一つの事案だけであります。患者の皆さん、それから御家族の皆さんは、それ以外にも多くの困難を抱えながらいまだに生活をされています。
この法律が国会で超党派でいろんな先生方の努力によって成立をしました。関係者の皆さんはまさに錦の御旗を手にしたような感慨深いものがあるだろうし、私自身も非常に喜んでいるところであります。
そこで、今後さらにいろんな取組を進めていかなければならないんですが、ちょっと紹介しますと、この立法の目的ですけども、まず、どういう背景があるかというと、医療技術の進歩に伴い、医療的ケア児が年々増加をしています。その心身の状況に応じた適切な支援が受けられるようにすることが重要な課題だということで、「医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資する」、それから、「安心して子どもを生み、育てることができる社会の現実に寄与する」ということがうたわれております。
いろんな理念が掲げられております。医療的ケア児の日常生活、社会生活、社会全体で支援する、個々の医療的ケア児の状況に応じて切れ目なく行われる支援、それから、医療的ケア児でなくなった後にも配慮した支援、医療的ケア児と保護者の意思を最大限に尊重した施策、居住地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられる施策等々、また、国や地方公共団体の責務や、保育所、学校等の設置者にも責務が課せられています。
先ほども申しましたように、医療的ケア児、また、その御家族に対する支援はまだ緒に就いたばかり、まだまだ様々な問題点が横たわっています。私も日々、現場、その御家族、主にお母さん方が多いですけども、いろんな苦しみ、つらさをお聞きします。
県はこれまでレスパイト一つ取ってみても、古川前知事のときもそうでしたが、山口知事になってからもそれを引き続き、また、それ以上に進めて支援をしていただいてきました。ある意味、他の県と比べても先進的な取組をしていただいておるというふうに思います。
その一つが、平成三十一年に私が質問をしましたときに、当時、川久保部長でしたけども、医療的ケア児等支援連絡協議会を立ち上げていただきました。この協議会、私もこういった協議会が早くできればなというふうに思っていたところです。
今回の法の施行においても、医療的ケア児支援センターを立ち上げなさいというようなことも盛り込まれています。そういったことを踏まえてケア児の日常生活、社会生活をやっぱり全体で支えていくべきだと。
この子供たちがいろんなライフステージの中で様々な課題に直面をし、その解決のために御家族の皆さん方が非常に苦労をされているという現状を考えると、県、市町はもちろん、支援に関わる様々な団体であったり、いろんなところと連携をしながら、この問題解決に向けてさらなる取組を進めていかなければならないというふうに思いますが、県はどのように取り組んでいかれるのかお伺いをします。
次に二点目、県立学校の施設整備について教育長にお伺いをします。
県立高校の施設整備といっても様々な施設整備がありますが、ここではちょっと絞ってやっていきたいと思います。
タッチレス水栓ですかね、水栓の自動水栓化というのが話題に出てきましたけども、佐賀県ではおかげさまで交付金によって、コロナ対策ということでこれをいち早くやっていただきました。全国的にはまだ半分ぐらいの進捗率だというふうに聞いています。
これも早めに進んでよかったなというふうに思っているところですが、片や、今の子供たちが今の御家庭での生活スタイルに照らし合わせたときに、やっぱり学校もトイレを洋式化するべきだというふうに私は常々思っています。
このトイレの洋式化については様々な御意見があるのは分かっています。例えば、公共の施設で一部和式が残っているから、教育上、その和式を使わせることも必要だとか、何かいろんな意見があるようでございますが、やはり感染症対策を鑑みても床の乾式化であるとか、そういったことが必要ですので、洋式化を進めていくべきだというふうに思っています。
このトイレの洋式化なんですけども、TOTOなどトイレ関連企業六社でつくる「学校のトイレ研究会」というのがあるそうで、そこの自治体に対する
アンケート調査でも、全国的に見ても、多くの学校現場が水栓の自動化やトイレの洋式化を進めている、または進めた、今後進めていくというような調査結果が出ています。ぜひここは進めていただきたいというふうなことであります。
もう一つが、先般、県立高校においては普通教室のエアコンの設置を公費で進めていただきました。私も二人の子供を合計六年間高校へ通わせましたけども、全て自費で払いました。残念だったな、間に合わんやったなという感じですけども、非常にありがたいことだなというふうに思っています。これによって生徒さんの数であったり、保護者の数の差によって、できるところとできないところがあったという現状を回避していただきました。
これからなんですけども、せんだって報道に、特別教室のエアコンの設置率が三割ぐらいということでまだまだ進んでいないということであります。特別教室も子供たちが学習する場であります。すべからく子供たち本人も保護者もやっぱりきちっとしたすばらしい環境で学習をしてほしいという願いであります。
この二つ、洋式化、またエアコンの件ですけども、県立学校ではさきの豪雨災害でも避難所に指定をされたというような話も聞いておりますので、このような御時世、やっぱり夏場にエアコンがないとか、トイレが和式で暗いとかというようなことは、避難所の設営の観点から見ても、ますますここは早急に進めていかなければならないというふうに思っていますので、二点お伺いします。
教育委員会では、これまでもトイレの洋式化及び教室の空調整備を進めていると思いますが、進捗についてどのようになっているのかお伺いをします。
今後どのように進めていくのかということで、整備計画とか改修計画とかがあって、段階的には進めていらっしゃるんでしょうが、せんだって見せていただいた神埼高校も本当に明るくてすばらしいきれいなトイレを、新築ですから当然ですけども、整備をされています。学校間で格差があるのもあんまりよろしくないというふうに思いますので、ここは早急に進めていただきたいと思いますが、その件について教育長にお聞きをして、取りあえず質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
51 ◎甲斐健康福祉部長 登壇=川崎常博議員の質問にお答えをいたします。
私からは、医療的ケア児の支援体制の構築に向けた取組についてでございます。
医療的ケアが必要なお子さんをお持ちの御家族の皆様は、精神的にも身体的にも大きな負担を抱えておられ、大変な思いを日々なさっていることと思います。お子さんそれぞれに病気の種類や必要なケアの内容、御家庭の状況は違い、また、ライフステージによっても必要な支援が変化してまいります。
今回、御紹介がありました、いわゆる医療的ケア児支援法が施行されまして、私ども日常生活、社会生活について地域全体で支援が進むよう、一層力を入れて取り組んでいきたいと考えております。
県ではこれまで、介護者が一時的に休息が取れるための環境づくりや、御紹介のありました連絡協議会など協議の場の設置、介護を行う上でのアドバイスや支援者間の連携調整を担うコーディネーターの養成などに取り組んでまいりました。
今年七月には、御家族などが在宅生活での困り事や悩み事などを相談できる専用窓口、佐賀県医療的ケア児在宅生活ホットラインを開設いたしました。お電話のほか、LINEでも気軽に御相談ができるような体制を取っております。また、御家庭の状況や支援のニーズなどについて、具体的に個別に把握できるよう実態調査を実施しているところでございます。
川崎議員がこれまで御質問に取り上げてくださったことは大変ありがたく思っておりまして、おっしゃいますように医療的ケア児に対する支援は、その御家族も含めて寄り添ったきめ細かなものでなければならないと思っております。そのために、まずは医療機関との連携により入院生活から在宅生活に移行する最初のタイミング、あるいは診断を受けた直後から適切にフォローアップできる体制をしっかり整えることが重要と考えております。
また、お子さんの成長に伴って、就園、就学などに当たって様々な課題も出てまいります。支援法で県に設置が求められております医療的ケア児支援センターにおいて、各地域のコーディネーターや市町と連携しながら、一つ一つ具体的な解決を目指していきたいと考えております。
こうした支援体制を構築し、それを充実させていくために、関係機関が集まる協議の場を、情報共有のみならず、ケーススタディーを交えた、より実践的な機会としていくほか、支援者の養成確保などにも取り組んでまいります。
医療的ケアが必要なお子さんを、御家族が日々懸命に支えておられるように、県としましても、市町をはじめ、医療、保健、福祉、教育などの各分野の現場で活動する多くの支援者と一緒に、そうした御家族の思いに真に寄り添いながら、お子さんの成長を支えられるよう精いっぱい支援してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
52 ◎落合教育長 登壇=私には、県立学校の施設整備について、特にトイレの洋式化と空調設備について御質問をいただきました。
まず、これまでの整備状況についてです。
現状ですけれども、トイレの洋式化につきましては、県立学校におきましては、老朽化したトイレの配管交換とか、乾式トイレ化などの改修をする際に合わせて、和式便器を洋式に逐次変更する形で整備をしてきております。
県立学校のトイレは、全四十四校で三千百九十七カ所、これは便器ベースの数字ですけれども、そのうち洋式トイレは千六百二十四カ所で、昨年九月現在ですけれども、洋式化率は五〇・八%となっており、全国の都道府県立学校では五一・八%ということですので、大きく遅れているわけではないですけれども、ちょっと遅れているという状況です。
また、空調整備につきましては、県立学校の普通教室に関しましては、これまで保護者の皆さんの負担で整備をしていただいておりましたけれども、昨年度、県の設備として譲渡を受けまして、今後は県による整備と維持管理をしていくこととしております。未整備だった四校につきましては、県が整備を行い、今年七月に完了したところでありまして、普通教室の空調の整備率は一〇〇%となっております。
一方、御指摘をいただきました特別教室ですけれども、学校からの要望を受けて、その必要性を精査しながら進めてきておりますけれども、現在、千五百五教室中、六百十教室で空調が整備されておりまして、整備率は四〇・五%となっております。
次に、今後の整備の進め方、考え方ですけれども、校舎などの学校施設につきましては、生徒が一日の大半を過ごす活動の場でありまして、社会状況や気象条件などの変化も踏まえて、時代に即した施設整備を進めていく必要があると考えております。
まず、トイレに関しましては、安全・安心な学校施設となるよう補修、改修を進める長寿命化計画に基づいて学校の施設を順次整備しておりますけれども、この計画を進める中で順次安全で快適な洋式トイレ化を進めたいと考えております。
また、特別教室の空調整備につきましては、教室の使用状況を踏まえながら、例えば、熱源のある調理室や防音対策が必要な音楽室、また、使用頻度が高い特別教室、そういったものを優先させながら、必要性を学校とも協議して計画的に整備していきたいと考えております。
また、御指摘があった災害時の避難所、県立学校の多くが市町の避難所としても位置づけられておりますけれども、今後は大きな災害が起きることを前提にした様々な対策が求められると思っておりますので、教室棟を避難所としても活用していく、そういったことも視野に入れながら、洋式トイレや空調の整備ということも今後考えていく必要があると考えております。
県教育委員会としましては、学校現場、あるいは地域の声をしっかり聞きながら、生徒の快適な生活・学習の場、地域の拠点としての学校施設の整備を進めてまいります。
以上です。
53 ◎川崎常博君 登壇=一点だけ、再質問をさせていただきます。
まず質問の前に、学校現場の施設の改修については、避難所の性格というところも鑑みて、今後、例えば、体育館のエアコンであったりというところまで問題が派生してくる可能性もあります。そういったところも考えながら、地域によっては避難所が学校しかないというところもあるかもしれませんので、そこは計画的に順次やってほしいというふうに思います。よろしくお願いします。
医療的ケア児に関して、支援センターについてですけれども、都道府県において医療的ケア児支援センターを立ち上げなさいということが求められております。県自ら、もしくは社会福祉法人等を指定ということになっておりますが、これについて現状でどういうふうな進み方でやっていくのか。県がやるのか、どこかの団体を指定するのか、また、そのスケジュールはどうなのか、現状で分かるんであれば、そこまで突っ込んだお返事をお聞きしたいと思います。
それと、先ほどライフステージによって、様々な場面でというふうに申し上げました。部長からも、その点に触れていただきました。
子供さんは日々成長していきます。一日一日成長していくわけですね。で、保育が必要になったり、小学校に通い出したり、または中学校、高校と、中には特別支援学校もあるでしょう。そのたんびに、今までは保護者の皆さんが何年という時間をかけて学校現場と協議をして、やっとこさ、普通の地元の学校に通える子、障害の程度によっては通えない子もいたかもしれません。そういったことを保護者自らが長年取り組んで、やっとハードルを越えてというのが私は問題だというふうに思うんですね。
で、法律もできました。国や地方公共団体の責務も課せられました。ここは一歩進んで、そういった御相談に乗りますというのも分かりますけれども、あの子はもうそろそろ入学だよね、小学校入学だよねと、自ら御意向をお聞きして、一歩進んで攻めの支援をぜひしていただきたいというふうに思っています。
その点については、コーディネーターさんを育成するなら、ぜひマンツーマン、一対一でその子に張りついて、ずっと成長の過程で支援をしていただきたいということも平成三十一年に申し上げてきました。その点について、現状でお答えできる部分で結構です、部長の思いでも結構ですから、御答弁をいただきたいと思います。
以上で終わります。
54 ◎甲斐健康福祉部長 登壇=再質問にお答えします。
初めに、医療的ケア児支援センターについてということでございました。
今年七月に私どもがつくりました相談窓口、こちらは法人のほうに委託をしまして、コーディネーターさんとか専門のスタッフがいっぱいいらっしゃって、そういった充実している施設で、これまでも寄り添った支援をなさってきた団体でいらっしゃいますので、そちらのほうに委託をしてつくっております。そうした部分と、法律のほうで決められている医療的ケア児支援センターというのは、内容的にも非常に似ているものだというふうに思っております。
法律のほうでは、特段基準とかということはないんですけれども、私どもとしてはここを充実させていくのが一つあるのではないかと。まだ検討の段階ですけれども、機能というのをしっかり充実させていって、一つ一つの課題解決に具体的に当たっていけるようにしたいというふうに思っております。
あと、ライフステージに応じて様々な課題が出てくるとおっしゃっています。確かにこれまでは、保護者の方が一つ一つ窓口はここかしら、ここかしらといって尋ねて切り開いてきた部分があったかと思います。これからはそうした相談支援の窓口でありますセンターですとか、あと地域のほうに、コーディネート研修を受けた相談支援員の方々もいらっしゃいます。市町のほうも、これは子育て支援の窓口なんですけれども、「子育て世代包括支援センター」といって、母子保健のほうで寄り添って対応していくというような窓口もございます。そうしたところともしっかり連携しながら、どこの地域におられてもそういった支援をして、課題の解決に結びつけていくというような体制をつくっていきたいと思っております。研修を受けられたコーディネーターの方々の活用もしっかりしていきながら、寄り添った支援につながるよう取り組んでまいりたいと思います。
私からは以上でございます。
55 ◎議長(
藤木卓一郎君) 本日の会議はこれで終了いたします。明日十六日は引き続き一般質問を行います。
本日はこれで散会いたします。お疲れさまでございました。
午後四時四十六分 散会
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