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令和3年佐賀空港・有明海問題対策等特別委員会 本文 開催日:2021年03月16日
令和3年佐賀空港・有明海問題対策等特別委員会 名簿 開催日:2021年03月16日

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  1. 佐賀県議会 2021-03-16
    令和3年佐賀空港・有明海問題対策等特別委員会 本文 開催日:2021年03月16日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時 開会 ◯石倉委員長=ただいまから佐賀空港・有明海問題対策等特別委員会を開催いたします。     ○ 会議録署名者指名 2 ◯石倉委員長会議録署名者として、大場芳博委員留守茂幸委員野田勝人委員古賀和浩委員、以上四人を指名いたします。  自衛隊による佐賀空港使用等、及びそれに伴う有明海の海洋環境の保全に関する諸問題の調査に関する件を議題といたします。  本日の委員会は、別紙日程のとおり、防衛省関係者の参考人招致を行います。     ○ 参考人の出席について 3 ◯石倉委員長=最初に、参考人の出席についてお諮りいたします。  自衛隊による佐賀空港使用等、及びそれに伴う有明海の海洋環境の保全に関する諸問題の調査に関する件について、本日、防衛省岩元達弘氏、九州防衛局長廣瀬律子氏、防衛省角出庸一氏、同小木洋人氏、同甘粕浩司氏、同崎田祐介氏、同前川和之氏、同橋本良英氏、同梅木正造氏、同宮田洋氏、及び九州防衛局石井哲也氏、以上十一名の方々を参考人として、防衛省神田聡氏、同吉村尚輝氏、同日高翔磨氏、九州防衛局柳瀬貴文氏及び同壇敏彦氏、以上五名の方々をその補助者として本委員会に出席を求め、別紙日程のとおり、お手元に配付しております事項について意見を聞きたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 4 ◯石倉委員長=御異議ないものと認めます。よって、そのように決定し、その旨、副議長に申し出ることといたします。  暫時休憩します。準備が整い次第、委員会を再開しますので、このままお待ちください。     午前十時三分 休憩     午前十時四分 開議 5 ◯石倉委員長=委員会を再開します。  それでは、お手元の日程に従いまして、参考人から意見を聞くことといたします。  参考人として、防衛省岩元達弘氏外十名の方及び補助者として五名の方が入室をいたします。     〔参考人入場〕 6 ◯石倉委員長=皆様にお知らせいたします。
     本委員会では、新型コロナウイルス感染症対策としてマスクの着用を呼びかけておりますので、マスクの着用に御協力をお願いいたします。  それでは、出席の参考人の方々を紹介いたします。  防衛省大臣官房審議官岩元達弘氏です。 7 ◯岩元参考人=岩元でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 8 ◯石倉委員長九州防衛局長廣瀬律子氏です。 9 ◯廣瀬参考人=廣瀬でございます。よろしくお願いいたします。 10 ◯石倉委員長防衛省整備計画局防衛計画課防衛力整備計画官角出庸一氏です。 11 ◯角出参考人=角出です。本日はよろしくお願いします。 12 ◯石倉委員長=同整備計画局防衛計画課業務計画第一班長小木洋人氏です。 13 ◯小木参考人=小木と申します。よろしくお願いいたします。 14 ◯石倉委員長=同整備計画局防衛計画課体制移行室部員甘粕浩司氏です。 15 ◯甘粕参考人=甘粕と申します。よろしくお願いします。 16 ◯石倉委員長=同整備計画局施設計画課政策第一班長崎田祐介氏です。 17 ◯崎田参考人=崎田でございます。よろしくお願いいたします。 18 ◯石倉委員長=同地方協力局地方調整課部員前川和之氏です。 19 ◯前川参考人=前川でございます。よろしくお願いいたします。 20 ◯石倉委員長=同地方協力局周辺環境整備課部員橋本良英氏です。 21 ◯橋本参考人=橋本でございます。よろしくお願いいたします。 22 ◯石倉委員長=同陸上幕僚監部防衛課防衛調整官梅木正造氏です。 23 ◯梅木参考人=梅木と申します。よろしくお願いします。 24 ◯石倉委員長=同整備計画局防衛計画課体制移行室長宮田洋氏です。 25 ◯宮田参考人=宮田と申します。よろしくお願いいたします。 26 ◯石倉委員長九州防衛局企画部地方調整課長石井哲也氏です。 27 ◯石井参考人=石井と申します。どうぞよろしくお願いします。 28 ◯石倉委員長=外補助者の方々です。  岩元大臣官房審議官様をはじめとする参考人、補助者の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。  本日は御多用中にもかかわらず、本委員会のために御出席をいただき、誠にありがとうございます。  本日、参考人の方々には、佐賀空港の自衛隊使用要請に関する施設配置等について説明をお願いし、その後、委員からの質疑にお答えいただくようお願いいたします。  なお、参考人は、意見陳述の際は御着席のまま意見を述べられて結構です。  それでは、よろしくお願いいたします。  はい、どうぞ。 29 ◯廣瀬参考人=まず初めに、去る三月五日に急逝されました桃崎峰人佐賀県議会議長の御冥福をお祈りするとともに、謹んでお悔やみを申し上げます。  それでは、着席させていただきます。  資料をお配りしておりますが、資料に基づいた御説明の前に、全般的なお話をさせていただきます。  まず、陸上自衛隊が導入しているオスプレイは、固定翼機のように速い巡航速度と長い航続距離を有するとともに、高高度を飛行可能といった特徴がある極めて高い性能を有しており、我が国の島嶼防衛機能を強化する上で不可欠の装備品と考えていることを申し上げます。  また、長崎県佐世保市に創設した水陸機動団と一体的に運用できる佐賀空港が最適な候補地と考えております。  二〇一四年、平成二十六年七月に防衛大臣から佐賀県知事に対し、佐賀空港配備計画を要請させていただき、二〇一七年、平成二十九年には、佐賀県議会及び佐賀市議会から受入れ決議を、二〇一八年、平成三十年八月には佐賀県知事から受入れ表明をいただきました。  現在においては、公害防止協定の当事者であり、かつ駐屯地予定地の地権者でもある有明海漁協の御理解をいただくため、調整を重ねているところでございます。  初めに、私から現状の報告と、改めまして佐賀空港配備計画の必要性などについての説明をさせていただきます。  まず、現状の調整状況につきましては、委員の皆様御案内のとおり、昨年九月十日に佐賀県有明海漁協においてオスプレイ検討委員会が開催され、公害防止協定の見直しを議論していただく中で、防衛省側に対し、地権者説明会の実施を求められたところでございます。  地権者説明会の具体的な日程については、可能な限り速やかに開催できるよう現在調整中でございますが、地権者の皆様の御理解が得られるよう配備の必要性について丁寧に説明してまいりたいと考えております。  それでは、恐縮でございますが、お手元の資料を御覧いただきながら、改めて佐賀空港配備計画の必要性などについて御説明をさせていただきます。     〔資料403頁から405頁に掲載〕 30 ◯廣瀬参考人=一枚目を御覧ください。  左上の一項目め、オスプレイの必要性・有用性でございます。  我が国を取り巻く安全保障環境を踏まえれば、島嶼防衛は喫緊の課題でございます。その対応の一環として、防衛省は平成三十年、二〇一八年三月、水陸機動団を新編いたしました。  陸自V22オスプレイは、水陸機動団を迅速に要所に輸送するため、重要な役割を果たすものです。  陸自V22オスプレイは、固定翼機が離着陸できない島においても離着陸が可能となっております。  陸上自衛隊が現在保有している輸送ヘリコプターに比べまして、約二倍の速度、約三倍の距離の飛行が可能です。すなわち、島嶼防衛のために部隊を迅速かつ遠方まで輸送可能となっております。  高い高度での飛行が可能であり、天候の影響を受けにくいことから、悪天候を回避して急患輸送や災害対処などにおいて迅速な飛行が可能です。  二〇一六年、平成二十八年の熊本地震では、米軍オスプレイが南阿蘇村への生活物資等の輸送を実施しており、災害派遣においても極めて有用なものとなっております。  下に参りまして、二項目めの佐賀空港配備の理由でございます。  水陸機動団が所在する陸上自衛隊相浦駐屯地、長崎県佐世保市にございますが、ここから近く、島嶼部等への迅速かつ効率的な輸送に適していること。水陸両用作戦に関わる陸海空自衛隊の主要部隊が多く九州北部に所在をしていること。陸自V22オスプレイの運用に必要な長さの滑走路を有していることなどから、佐賀空港が配備先として最適な飛行場であると判断いたしました。  防衛省としては、佐賀空港への配備を何としても実現したいと考えております。  また、一昨年秋に発生しました佐賀の大雨災害におきましても、油の吸着など有明海の被害を抑えるために自衛隊は活動を行いました。  オスプレイが佐賀空港に配備されれば、災害救援の拠点として、佐賀県はもとより、九州地域の災害に対しても迅速に駆けつけ、さらなる貢献が可能であるということを追加させていただきます。  右に行きまして、三項目めのオスプレイの機体の安全性でございます。  オスプレイは、米国政府が安全性、信頼性を確認した上で量産をされたものでございます。政府は、米オスプレイの普天間飛行場への配備に先立ち、独自に安全性を確認しております。  米オスプレイと同型機の陸自オスプレイを導入することを決定した際、改めて安全な機体であることを再確認しております。操縦性能に民航機も採用している確立された技術を導入するとともに、飛行に重要な機能はバックアップ機能が幾重にも確保され、また機体整備も人的ミスを局限するために高度にシステム化されているものとなっております。  四項目めの飛行・訓練の安全性でございます。  自衛隊機は平日の朝八時から十七時の飛行を基本として、年間二百九十日程度空港を利用します。年間一万七千回程度の離着陸、一日当たりにしますと六十回程度の見込みとなっております。有視界飛行方式で離着陸する場合、空港南側の場周経路を高度三百メートル以上で飛行します。地域の事情を踏まえまして、必要に応じ住宅地、病院等の上空の飛行を制限するといった措置を講じてまいります。  一般的に行う主な訓練は、佐賀空港の飛行場内で行うホバリング訓練佐賀空港周辺空域で行う基本操縦訓練がございます。  なお、部隊訓練は演習場などで行います。したがいまして、有明海、その上空では空中給油訓練や発着艦訓練は実施をいたしません。  右下の五項目め、規模・配置計画でございます。  陸自V22オスプレイ十七機と目達原駐屯地所在ヘリ約五十機を配備いたします。隊員は約七百名から八百名程度でございます。佐賀空港西側に駐機場、格納庫、隊庁舎、燃料タンク、火薬庫などを整備します。造成面積は約三十三ヘクタールでございます。  二枚目を御覧ください。  こちらでは漁業者の皆様の御懸念事項について記述をしております。  一項目め、着陸料の支払い及び環境汚染と補償に関する協議会の設置でございます。  防衛省といたしましては、有明海漁協の方々の不信感払拭と信頼関係構築のため何ができるのか、佐賀県と鋭意協議を重ねてまいりました。防衛省として有明海の漁業振興のために何ができるのか真摯に検討いたしました結果、佐賀県に対し年五億円の空港利用の着陸料を二十年、合計百億円支払うことを合意いたしました。この着陸料は県がつくる有明海の漁業振興のための基金や補償基金に充て、漁業者の方々の御要望を踏まえて活用されるものです。  もう一つの成果といたしましては、二〇一八年、平成三十年八月の佐賀県との合意事項におきまして、佐賀空港の自衛隊使用に関する環境保全と補償に関する協議等を行うため、防衛省、佐賀県、有明海漁協等の関係機関が参加する協議会を設置することを盛り込みました。協議会を通じまして漁業者の皆様とも十分に意見交換を行い、透明性を持って対応してまいります。  下に参りまして、二項目めの万一の場合の補償等についてでございます。  防衛省の佐賀空港利用に当たりましては、まずは損失や損害を与えないよう万全の対策を講じることが大前提でございます。他方、万一、自衛隊機の運用や駐屯地の管理運営に帰する漁業や農業事業者などへの損失や損害が発生した場合、関係法令に基づきまして、その損失や損害を責任を持って補償、賠償するなど、適切な措置を講じてまいります。  右に行っていただきまして、排水対策でございます。  駐屯地からの排水につきましては、漁業者から御懸念を持っているということを伺っております。駐屯地の工事中及び完成後の排水対策につきまして御説明します。  工事中につきましては、工事現場から濁水がそのまま海に流出することを防止するため、仮設調整池などを設けます。また、コンクリートのアルカリ性分がそのまま流出することを防止するため、仮設貯水池を設置し、中和を行います。  完成後につきましては、まず雨水排水につきまして、舗装面などの表面水がそのまま駐屯地の外に流出しないように、駐屯地内に調整池や浸透ますなどを設置し、少しずつ排出するなどの調整を行います。  油脂類につきましては、直接排水をすることはございません。万が一床などにこぼした場合、雨水等と一緒に施設の外に流出しないよう、油脂類を使用する施設の排水の出口側に油分離槽を設置いたします。  洗剤や塗料につきましては、使用した場合、施設の外に流出しないよう、施設内の排水口にためます等を設け、洗剤や塗料を回収いたします。  また、汚水、排水につきましては、駐屯地内に浄化槽を設置し、排出できる基準値まで処理した後に駐屯地の外に排出をいたします。  最近の自衛隊での工事の例を挙げますと、南西地域にございます宮古島、石垣島の部隊配備事業で、掘削工事中の降雨等による濁水の流出を防止するために仮設調整池などを設置し、周辺環境に配慮し、工事を行った実績がございます。また、完成後の雨水排水の抑制につきましても対策の実績はございます。今般の駐屯地整備におきましても、適切に対策を行ってまいりたいと考えております。  その下の四項目めの米軍の配備についてでございます。  当初計画しておりました米軍の利用は、二〇一五年、平成二十七年十月に自衛隊機の利用とは切り離して要請を取り下げました。したがって、現在お願いしているのは、陸自V22オスプレイ十七機の佐賀空港への配備と目達原駐屯地からの自衛隊機約五十機の移駐のみでございます。  三枚目をお願いいたします。  佐賀県知事受入れ表明、二〇一八年、平成三十年八月以降の有明海漁協への説明、それから暫定配備の状況について御説明をいたします。  一項目めの有明海漁協への説明状況でございます。  二〇一九年、令和元年五月、佐賀県知事が有明海漁協に対して、防衛省からの要請を受け入れた経緯や公害防止協定の改定の提案について直接説明をされました。また、同年八月、防衛省からも有明海漁協に対し、陸自オスプレイ佐賀空港配備及び漁業者の皆様の御懸念事項について、本資料の一ページ目及び二ページ目により御説明をさせていただきました。さらに、八月の説明会に引き続き、九月から二〇二〇年、令和二年六月までにかけて、各支所に対して同様の説明をさせていただきました。  防衛省による各支所説明を受けて、二〇二〇年、令和二年九月に開催された漁協内のオスプレイ等配備計画検討委員会におきまして、防衛省から地権者への説明を実施してほしい旨の要望がなされました。防衛省としては、可能な限り速やかに地権者説明会を開催したいと考えており、引き続き有明海漁協と調整をしてまいります。  二項目めの木更津駐屯地への暫定配備でございます。  島嶼防衛は喫緊の課題であり、佐賀空港に配備するまでの間も陸自オスプレイを国内で運用して、要員の練度や即応体制を維持するため、暫定配備を行う必要があります。  様々な観点から検討した結果、防衛省として木更津駐屯地に暫定配備を行いたいとの考えに至り、二〇一九年、令和元年五月、この考えを木更津市長などに御説明し、同年十二月、木更津市長から陸自オスプレイ暫定配備計画に協力する旨の表明をいただきました。  この暫定配備の受入れにおいては、防衛省と木更津市との間で暫定配備期間について、陸自オスプレイの暫定配備の開始から五年以内を目標とすることで合意したところです。  二〇二〇年、令和二年七月には陸自オスプレイの最初の機体が木更津駐屯地に輸送され、五年以内を目標とする暫定配備が開始されました。  右に行っていただきまして、三項目めの陸自オスプレイの現状でございます。  陸自オスプレイは最終的に十七機配備することとしており、二〇二〇年、令和二年七月以降、順次木更津駐屯地に輸送されております。本日、三月十六日現在、三機が配備済みとなっております。  陸自オスプレイは、機能確認試験等を行いつつ、操縦士等の練度を維持・向上するための訓練などに使用されております。  二〇二一年、令和三年度からは、主に新規要員の育成を行うとともに、要員の育成状況を踏まえつつ、部隊隊員の練度を維持向上するための教育訓練を開始する予定でございます。  以上、資料に従いまして、若干口頭で申し上げた点もございますが、説明を終わらせていただきます。本日は、当方としても誠意を持って質問に回答させていただきますので、よろしくお願いいたします。 31 ◯石倉委員長=ありがとうございました。  以上で参考人からの意見陳述は終わりました。  次に、ただいまの陳述に対し質疑を行います。
     本日の質疑は、理事会での申合せにより、最初に各会派代表の質疑を行い、その後、フリー形式の質疑を行います。  質問者の持ち時間は質問と答弁を合わせて一時間をめどとなっておりますので、よろしくお願いいたします。  参考人におかれましては、発言の際は挙手にて委員長の許可を得て、起立の上、発言をお願いします。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっております。さらに、補助者の方は参考人から意見を求められた場合は、参考人に対し助言を行い、委員に対し発言はできませんので、御了承いただきたいと思います。  また、質問時間はおおむね十五時をめどといたしますので、よろしくお願いいたします。  それでは、質問のある方の挙手をお願いいたします。 32 ◯留守委員=自由民主党の留守茂幸でございます。  質問に入ります前に、廣瀬局長からも触れていただきましたが、我々の同僚である桃崎議長が急逝をされました。桃崎議長は国防に関して殊のほか思い入れが強うございまして、特に南西諸島の島嶼防衛を重要視されておりました。私もしょっちゅう議論しておりましたけれども、一刻も早いオスプレイ配備を望まれていました。ここに故人の御冥福を慎んで祈りを申し上げます。  さて、本日はコロナ禍の中、防衛省から岩元大臣官房審議官、並びに九州防衛局から廣瀬局長ほか、それぞれの立場で参考人招致に御協力をいただきまして、心から感謝を申し上げるところでございます。また、日頃から国土防衛に大変な御尽力をいただいておることにも心から敬意を表するところでございます。  先ほど来、廣瀬局長から佐賀空港における陸上自衛隊の配備計画の概要、そしてまた、配備に際しての懸念事項、それから知事受入れ表明以降の漁協への説明及び暫定配備の状況について詳細説明をいただきました。  そこで、これを踏まえて、幾つか質問をいたしたいと思います。  まず第一番目に、佐賀空港へのオスプレイ配備の必要性、有効性について、島嶼防衛のための水陸機動団との連携、あるいは災害救助の拠点、そういう位置づけも考慮すると、佐賀空港がオスプレイ配備に最適な飛行場であるということを平成二十六年でしたか、当初、国から申入れがあったときに、そう言われて今日に至っております。  最近、この佐賀空港の配備が駄目なら、ほかにも代替地の選定もあり得るような報道が見受けられるわけですけれども、現実、こういう報道等々について、防衛省はどういう展開を今現実、捉えておられるのかお伺いをいたします。 33 ◯岩元参考人=防衛省といたしましては、これまで陸自オスプレイの佐賀空港への配備計画を進めてまいりました。陸自オスプレイの恒久的な配備先としては佐賀空港が最適であるという、これまでの考えに変更はございません。引き続き有明海漁協から計画への御理解を早期にいただけるよう誠心誠意対応してまいりたいと考えております。  また、報道が出ました日に官房長官からも記者会見におきまして、今申し上げた同様の趣旨をお答えするとともに、佐賀空港に代わる代替地の検討に着手する方針を決定したとの事実はないというふうにお答えしているところであります。 34 ◯留守委員=佐賀空港しか配備の考え方はないということでありました。  先ほど申しましたように、今日までの一連の流れをひもといてみますと、最初、平成二十六年七月二十二日に防衛省から佐賀県に佐賀空港の自衛隊使用についての要請がありました。その内容については、オスプレイ十七機の配備と、それから今、目達原駐屯地に配備されておるヘリ五十機をここでオスプレイと同時に配備をするというような骨子でありました。それから自来、平成二十七年二月には左藤防衛副大臣が山口知事に要請、そしてその年の十月には中谷防衛大臣から、また計画全体像、将来像の説明がなされ、そして、それを受けて本県、山口知事のほうではいろんな防衛省とのやり取りを数回重ねながら、論点整理をやりました。そして、二十の論点整理について県の確認、検討状況を整理したわけであります。  それを受けて、我々議会としても、平成二十九年七月には佐賀空港の陸上自衛隊配備に関する決議案を可決いたしました。その決議を踏襲しながら今日に至っておるわけですけれども、平成三十年には今度は山口知事と時の小野寺防衛大臣が合意文書を交わしました。この内容も先ほど説明がありましたとおりでありますけれども、この佐賀空港に公害防止協定がちゃんとしたものがあるわけですね。それに附属する付属資料の一文があります。自衛隊とは共用しないという一文がありますけれども、そのことも踏まえて、知事は見直しをするということで、令和元年五月には有明海漁協に直接説明をして、協議の申入れがなされております。  それから、防衛省さんとしては、令和元年には幾度となく漁協に足を運ばれて、そして令和元年九月には漁協の十五支所でそれぞれ説明会を順次実施をされました。それから、その後、令和二年の六月でしたか、新しい西久保組合長、あるいは新しい運営委員長さん、新しい組織になって、その後、知事がいろいろ申入れをしておりますけれども、昨年の九月でしたか、有明海漁協の中に検討委員会が設けられて、その中で、この付属資料の問題、公害防止協定の見直しについても、やはり地権者の意向が先だというふうなことで、まずそれをやった後にというふうな検討委員会の確認だったと思います。  それを受けて、防衛省さんは昨年の十月二十六日でしたか、この説明会をやりたいということで、漁協さんと打合せをなされたようでありますけれども、その折の漁協さんと防衛局との話の中といいますか、打合せの中身はどういう中身でしたでしょうか。 35 ◯岩元参考人=今、委員からお話のありましたとおり、平成二十六年以降、陸自オスプレイ佐賀空港配備について、るる御説明を申し上げてきたところでございます。それで、昨年の九月、今、委員からもお話がございましたが、有明海漁協内のオスプレイ等配備検討委員会におきまして、防衛省から地権者への説明を実施してほしい旨のお話がございました。昨年の十月二十六日に地権者説明会の進め方等について、防衛省、有明海漁協及び県と調整をさせていただきました。  防衛省といたしましては、できるだけ早く地権者説明会を行いたいという考えを持ってございますけれども、漁協側からはやはりノリの漁期は大変漁業者の皆さんがお忙しいということで、地権者説明会は漁期が終わってからといったお話がございました。  そのほかの協議における議論の詳細につきましては、相手方との関係もございますので、お答えは差し控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、可能な限り早期に有明海漁協の皆様の御理解をいただけるよう、引き続き丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。 36 ◯留守委員=今、審議官からその当時の打合せの内容が披瀝されましたけれども、まさに今まだノリ漁期の最中であります。四支所、南川副、広江、早津江、大詫間と、あと二回入札がありますかね。聞き及んでいるところによりますと、四月二十日頃には支柱の撤去が全部なされて、漁期が終わるというふうなことも聞いております。  そういうことを踏まえると、さて、説明会をどの日程で模索していくかということになりますが、今日まで防衛局さんにおいても、いろんな接触をしながら、説明会の日程の調整を探ってこられたと思いますけれども、現在の調整状況といいましょうか、どのようになっておりましょうか。 37 ◯岩元参考人=先ほども御答弁いたしましたけれども、漁業者の皆様方からは、なかなかノリの漁期中は忙しくて難しいというお話はいただいてございます。防衛省といたしましては、できるだけ早期に地権者説明会を開催したいと思っておりますけれども、現時点におきましては、まだ地権者説明会をいつ行うか、どのように行うかというところは決まっておりませんで、今後、地権者の皆様方と調整をさせていただきたいというふうに考えております。 38 ◯留守委員=これからが大事な大事な局面に差しかかってくると思います。  今度は廣瀬局長にお尋ねですが、防衛局さんがそれぞれ漁協のほう、それから、各支所にも足を運ばれながら、漁家の皆さん、あるいは運営委員長さんあたりとも接触をされたかどうかは定かじゃないんですが、やっぱりこういうものはある程度根回しが効いていかないと実現はしないものです。  そういうことからすると、現場の長としてどんなことをやられたのか、局長からお伺いしたいと思いますが。 39 ◯廣瀬参考人=ありがとうございます。先ほど岩元からも御説明ございましたが、オスプレイ等配備検討委員会での決定がなされて以降、佐賀県、そして、九州防衛局、それから、防衛省の佐賀事務所とも協力をいたしまして、様々なお話をしてまいりました。  ただ、事柄の性質上、この場でその一つ一つを御紹介することは差し控えさせていただきます。 40 ◯留守委員=差し控えてはいいんですが、我々もこれを前に進めるという見地で質疑をやっております。ですから、ここで言われなくても結構ですけれども、前向きに調整が進んでおるという状況にはあるんですか。 41 ◯廣瀬参考人=御指摘ありがとうございます。私どもも誠心誠意対応させていただいております。留守委員御指摘のとおり、前向きに進めるという決意を持って臨んでおります。その点、御理解をいただきたいと思います。(「どこが誠心誠意か」と呼ぶ者あり) 42 ◯留守委員=四つの支所で説明会を、今後、日程を探りながらお願いをしていくということになりましょうが、やっぱり取りまとめは漁協、西久保組合長、親の組合ですけれども、そことの連携もしながら、漁期が終了するのは間近になってきたわけですから、その後の日程調整についても足しげく通って、そして、本所と支所、連携をさせながら日程を定かになしていくという努力をしていただかんと、ずるずるなっちゃうわけですから、ノリ漁家の皆さん方も本当に、今年も今ようやく二百億に達しようかとしておるという状況で、あと二回の入札で、大変お疲れのことなんですね。日夜を分かたず頑張っておられる。その上にお願いをするわけですから、そこは日夜を分かたず皆さん方も努力をしていただいて日程調整をやっていかんと、なかなかこれは前に進んでいかない。今までがもう六年経過をしてきたわけですから、もうここが正念場だと思います。そこは廣瀬局長の決意として受け止めておきますけれども。  次に、そしたら、地権者の説明会と並行して、当初から不安視された部分があります。それは地権者でない住民の方々に対して、このオスプレイ配備に対しての不安払拭をするためには、日頃からどこかで住民説明会なるものも私は開催して、そして、地域住民の皆さん方の御理解も頂戴していかなきゃいかんというふうに思いますが、そこに対しての考え方はどうでしょうか。 43 ◯岩元参考人=地元の住民の皆様への説明につきましては、南川副の皆様に対して平成二十八年七月に実施し、その後、さらに丁寧に説明するため、各校区ごとに住民説明会を開催いたしました。また、平成二十九年四月、土地の地権者の方々を対象とした説明会も実施しているところでございます。  これまで住民の皆様方からは様々な御意見をいただいており、防衛省としては、騒音の影響や環境への配慮事項をはじめ、皆様の御懸念の点にお答えできるよう、丁寧にお答えするよう心がけてきたところでございます。  防衛省としては、まず、公害防止協定の当事者でもあり、地権者でもある有明海漁協の御理解が重要だと考えております。まずは、有明海漁協の地権者の説明会に向けて丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。 44 ◯留守委員=これも大事だと思います。  それで、今、審議官から触れられていましたけれども、公害防止協定の見直しなるもの、この付属資料がそこにはぶら下がっているわけでありまして、ここらあたりの整理をやっていかんと、住民の払拭等々についても住民説明会についてもなかなか開催される雰囲気にはならんというふうに思いますが、ここで先ほどから申しますように、西久保組合長の下で検討委員会なるものがあって、説明会が開催された暁には、そこで知事が今要請を漁協さんにしておる見直しの中身について、審議をしていただかにゃいかんわけですね。そこらあたりのお願い等々についてはずっと逐次やってきていただいておりますかね、どうでしょうか。 45 ◯岩元参考人=漁協の皆様への説明ということでございますけれども、先ほども冒頭の説明の中でも申し上げましたとおり、平成三十年八月に山口知事から受入れの表明をいただいた後、その次の年、令和元年の八月には漁協の本所に防衛省からも御説明をいたしました。その後、十五支所にも説明に参ったところでございます。  今後とも、引き続き有明海漁協の皆様の御理解を得られるように、誠心誠意丁寧な説明に心がけていきたいというふうに考えております。 46 ◯留守委員=先ほど説明の中身に触れていくと、二枚目の万が一の場合の補償等についてというくだりがあります。これをひもといていきますと、万が一ということで捉えていくと、例えば、これはあってはならないことですけれども、もし油の流出等の事故が起こったとしたときの場合、想定をしたときに、これに関していきますとどのような対応が考えられるか、ちょっと想定なんですけどお示しください。 47 ◯岩元参考人=防衛省といたしましては、油流出などの事故を起こしてはならないというふうに考えておりますが、万が一発生した場合の対応といたしましては、例えば、流出元及び状況の把握、地元自治体や海上保安庁、消防など関係機関への報告・通報、吸着剤散布やオイルフェンス設置などの流出拡散の防止、油の回収作業などの措置を順次実施してまいります。  陸自オスプレイの配備をお願いしている佐賀空港におきましても、こうした対応を迅速に行うため、日頃からの関係部隊や地元自治体、海上保安庁、消防など関係機関との連絡体制を整えておくとともに、万一の事故に備え、事故対処マニュアルや吸着剤等の対処物品を駐屯地内に常備し、駐屯地の維持管理の任務を有する業務隊を中心とした対処体制を整えておくこととしております。  防衛省としては、万一の事故に際して周辺への影響を極小化するよう、総力を挙げて対応してまいります。 48 ◯留守委員=こういうことはあってはならないことですから、もし万が一ということがここで出ておりましたので、ちょっと聞いたところです。  次に、機体の安全確保、これは当然のことですけれども、肝腎の操縦士、あるいは整備員等々の人材育成、これも大変大事なところなんですけれども、この人材育成についてどのように行ってきましたか。また、今後、こういう操縦士や整備員の人材育成をどう強化していくのかお尋ねしておきます。 49 ◯岩元参考人陸自オスプレイの操縦士、整備員につきましては、全国の部隊に所属する操縦士及び整備員から、経験豊富でありかつ技量の高い隊員を選抜しております。特に操縦士については、飛行経験豊富で航空機の運航規則等に精通していること、大型機であるCH47の運用に習熟していることなどを考慮して要員を選抜しております。  その上で、陸自オスプレイの操縦士や整備員の養成につきましては、平成二十八年から陸自の要員をアメリカ海兵隊のオスプレイ教育部隊に派遣して、基本的な技能を取得させ、さらに、平成三十一年三月から昨年六月まで、アメリカに派遣を経験しておる基本的な技能を有する操縦士、整備員を再度アメリカに派遣し、陸自機などを用いた訓練等により、練度を維持向上させるとともに、より上位資格や高度な技術を獲得させるための教育訓練を実施してまいりました。  今後は、木更津駐屯地に暫定配備されている機体を用いて、要員の教育訓練を行うことを予定しており、あわせて、今月中に運用開始を予定しているシミュレーターを用いた訓練も実施する予定です。  さらに、来年度からは国内において操縦士等を養成する教育課程も開始することとしており、要員の教育訓練に万全を期していく考えであります。 50 ◯留守委員=この人材育成というのは大事なところでありまして、機体の事故だって万が一起こっちゃならないわけですね。そういう意味からすると、やっぱり日本の自衛隊は大したもんだということをしっかりと強化をしていただいて、不安払拭のために頑張っていただきたいというふうに思います。  それからさて、今、暫定配備が木更津、これ昨年の七月でしたか、暫定配備がなされて、これの許容年数が五年間、五年間というと、令和二年から令和七年までですけれども、木更津の駐屯地では、今、機体のどういう運用状況がなされておるのか。それと、もう既に飛行訓練なんかがあっておるのか、そこのあたりをお示しください。 51 ◯岩元参考人=現在、木更津駐屯地には三機が暫定的に配備されており、機能確認試験等を実施しております。  先ほど申し上げましたように、今後、隊員の練度向上のための訓練というものも開始する予定になっております。  なお、三機以外に米軍の岩国基地には四機のオスプレイが到着してございます。岩国基地においては、アメリカ側の要員により、アメリカから日本の海上輸送のために施されていた保護処置の解除、飛行前点検整備、試験飛行等の作業を行い、作業が終了した機体から順次岩国基地から木更津駐屯地に輸送される予定となってございます。 52 ◯留守委員=今、木更津の運用状況を触れていただきました。  五年間の中で、これからどれだけ佐賀の配備が実現するかというところになってくるわけですけれども、先ほどもちょっと触れましたが、例の公害防止協定の見直し、これがやっぱりいろんな解釈の仕方もあるんですけれども、山口知事は、これは当初、佐賀空港開設時はまさにそういう自衛隊とは共用しないという状況だったろうと。  しかし、時の流れ、あるいは国防等々の今日の状況を踏まえると、これはやっぱり見直すべきだという結論を得て、そして、有明海漁協にも、それから、公害防止協定の相手先に向けて、佐賀県としては見直しをしたいということで要請がなされて今日になっております。  これは先ほどの地権者説明会と絡んでくるわけですけれども、漁協さんにおいても、これに関して検討委員会で、先ほど触れられた九月十日の折にもやっぱり地権者の意向が先だということで、説明会をやってくれということで、今、環境整備に向けて日々努力をされておると思いますが、この公害防止協定の見直し時期を、一体防衛省さんはどこに設定をしておられるのか、ちょっとそこらあたりも今の見解を。 53 ◯岩元参考人=防衛省といたしましては、島嶼防衛能力の構築が喫緊の課題であるというふうに考えております。オスプレイの能力を最大限発揮するためには、一刻も早く水陸機動団の所在する相浦駐屯地に近接する佐賀空港に配備させていただきたいと考えております。  オスプレイの佐賀空港配備につきましては、山口知事の受入れ表明から既に二年以上が超過しているところでもあり、防衛省といたしましては、早期に地権者説明会を開催した上で、次期休漁期中の早い段階で有明海漁協と佐賀県との公害防止協定の取扱いに係る協議が調えばと考えておりますが、いずれにいたしましても、有明海漁協の御理解をいただけるよう、これからも最大限努力してまいりたいというふうに考えております。 54 ◯留守委員=この絡みになると、また先ほどの地権者説明会の開催時期に戻らざるを得ないわけですけれども、ここは本当に文書でもって約束事をしておったわけですから、それを見直すということは、やっぱりかなりのエネルギーが要るんですね。  しかし、これを佐賀県としては、時代の変遷からしても、国防に資するということからしても、知事が英断をして今日に至っております。  そこらあたりで、これからの地権者説明会が開催されたときのことに触れていきたいと思いますけれども、これはやっぱりスケジュール感を持ってかからなければ──令和七年までには佐賀空港に配備をしなければいかんわけでしょう。木更津のほうには、そう断言をされておりますか。そこらあたり、ちょっと今の状況をお聞かせください。 55 ◯岩元参考人=先ほど冒頭の説明でもございましたように、木更津駐屯地の暫定配備に当たりましては、防衛省と木更津市長との間で、暫定配備開始から五年以内を目標としてという暫定配備期間ということをお約束しているところでございます。  これにつきましては、防衛省と木更津市との間での約束ということではございますが、また、先ほども申し上げましたように、島嶼防衛能力の構築は喫緊の課題というふうに考えておりますので、オスプレイの佐賀空港配備につきましては、できるだけ早く配備させていただきたいというふうに考えております。  まずは、公害防止協定の当事者でもあり、地権者でもある有明海漁協の皆様の御理解をいただくことが重要であるというふうに考えておりまして、委員御指摘のスケジュール感も念頭に置きつつも、誠心誠意、また丁寧に御説明してまいりたいと考えております。 56 ◯留守委員=やっぱり期限設定じゃないですけれども、どうしてもこの暫定配備の許容期間が五年間ということでありますと、スケジュール感を持って事に当たらないと、これは歳月人を待たずで、どんどん過ぎていくわけですから、そんなことを考えますと、去年の七月から、もう一年たとうとしておりますね。あと四年間でということになりますと、かなり今後厳しい局面が想定もされるわけですね。  地権者の了解を得て、説明会が開催できたと想定したときに、概要説明があるでしょう。そして、あと地権者からの質疑になってくると思います。これは想定ですよ。そうしたときに、必ず、国はこの用地を一体どれぐらいで買うつもりかというふうな質疑になってくると思います。  この問題で、過去にも触れられておるんですが、実は佐賀空港ターミナルの駐車場の増設がありましたけれども、その折の単価、これは皆さん御承知のとおり、平米三千五百円で決着をしております。  まさにあの配備先の三十三ヘクタールの隣接地でありますから、当然これはベースにはなると思います。  ところが、あの川副地区の近隣にはいろんな事案がありまして、近隣の公共事業に対しての実勢価格というものが現実としてあります。  そういうもろもろをやっぱり地権者の心情からすると、これは売るものは高く売ったがいいわけですね。買うほうは一円でも安いほうがいい。  そういうところで、これから地権者説明会の折にそういう問題が出たときに、やっぱりここはしっかりとした納得のいく用地単価といいましょうか、用地の価格提示をしないと、またそこで壁にぶつかる要素もあろうかと思いますが、そういう想定されるところに関して、今どのような考えを持っていますか。 57 ◯岩元参考人=一般論として申し上げますけれども、国による公共用地の取得に際しましては、近傍類地の取引価格を基準として定めるというふうにされております。  具体的には、不動産鑑定士による不動産鑑定評価の価格を踏まえて、地権者の皆様に金額を提示させていただくということになろうかと考えております。 58 ◯留守委員=幾らかという数字なんかを私は聞くつもりはありません。  ただ、地権者が納得のいく価格提示をやっていかんと、それはなかなかそこでまた壁にぶつかるという心配があるから私は言っているんですが、ここはやっぱりしっかりとした納得のいく単価提示を旨として、前向きに検討していただきたいと思います。  当然その分、もし単価提示をされて、成約にずっとなっていった場合に、これは予算的な問題ですけれども、用地取得費の予算の確保というものは、もう既に現実的になっているんですかね。 59 ◯岩元参考人=令和三年度予算案におきましては、有明海漁協から防衛省の計画への御了解をいただいた後、遅滞なく施設整備に向けた作業を進められるよう所要の経費を確保しておく必要があるとの観点から、佐賀空港への配備のための経費、用地取得、あるいは調査、基本検討などに要する経費として必要な額を計上しております。 60 ◯留守委員=予算も確保しておるという状況ですから、やっぱりここは漁期終了後、速やかに地権者説明会が、四支所あるわけですから、一番大きなところは南川副が二百六十名程度の地権者だと思いますけれども、心情を吐露すると、ひとしく地権者それぞれに心配と期待と交錯された状況ですね。  そんなことを考えますと、防衛局の廣瀬局長は大変いろいろ御尽力いただいているのは承知をしておりますけれども、一体この用地買収をどこまでぐらいに完了したいという想定を持っておられるのか。  これもやっぱり先ほどから言っているように、ある程度はスケジュール感を持たないとずるずるいってしまう要素があるから私は言うんですね。  そこらあたり、ちょっと局長の今の考えを述べていただけませんか、これも決意になろうかと思いますが。 61 ◯廣瀬参考人=繰り返しでございますけれども、防衛省としては、一刻も早く水陸機動団の所在する相浦駐屯地に近接する佐賀空港へのオスプレイの配備をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。  その上で、駐屯地予定地の用地取得のスケジュールにつきましては、佐賀県と有明海漁協との公害防止協定の見直し協議と密接に関連をしていることもございまして、どのように進めていくかにつきまして、地権者とよく相談をしながら調整をしていきたいというふうに考えております。 62 ◯留守委員=相談事ですから、やっぱり相手があっての相談であります。  だから、誠心誠意は何度も聞きますけれども、とにかく説明責任を果たしていただいて、そして、相手があることですから、これは交渉事で簡単にはいかんと思います。  しかし、先に連なるものは、やっぱりタイムスケジュール的に先が限られてくるわけですから、ここはやっぱり廣瀬局長、正念場ですよ。本当にあなたも大変な立場にあられるというのは重々承知をいたしております。  それで、地権者説明会を想定したときに、単価の問題と、もう一つは、一体我々がここに協力したときにどういうことをやってくれるのというのが必ず出てくると思います。  これはここでも説明をいただきました。着陸料、五億円の二十年の百億円は説明いただきましたが、私は地権者説明会でもいろんな要望等々が出てくると思います。  そこらあたりは、もう既に暗に接触された中でいろんなことを想定されていると思いますけれども、例えば、漁港の話でいきますと、これは私が西久保組合長とのやり取りをしたときの話です。  いや、留守県議、漁港のかさ上げをしないと、船着場はだぶだぶしてどうしようもないもんねと、こんなので本当に辛抱しておるよと。こんなのもしてくれないとどうしようもないですよということもあり、それから、道路網の整備、環境の整備等々あります。  ここでもろもろのことが言えないとすれば、こういうことも今あっておるということをあなたが把握しておるならば、ちょっと披瀝はできませんか。 63 ◯廣瀬参考人=様々なお話合いをさせていただいている中のお話でございますので、相手側との関係もありますので、その一つ一つを御紹介というのはこの場では控えさせていただきますけれども、私ども陸自オスプレイ等の佐賀空港配備につきましては、誠心誠意御説明をしてまいりました。  有明海漁協は、駐屯地予定地の地権者ということになっております。その上で、周辺対策事業につきましては、防衛省では、防衛施設の設置、または運用によりその周辺地域の住民の生活、または事業活動が阻害されると認められる場合に、環境整備法第八条に基づき、地方公共団体が行う道路や漁業用施設等の整備のための費用の一部を補助することができるということになってございます。  今後、周辺対策事業につきましては、佐賀駐屯地──仮称でございますが──の設置、または運用による障害の実態などを踏まえまして、皆様のお話を聞きながら検討してまいりたいと考えております。 64 ◯留守委員=様々な地域振興、あるいは漁業振興等々のことが出てくると思います。これは百億円の基金も当然なんですけれども、やっぱりいろんなことが行政、自治体等の絡みで、制度に乗った事業の採択とか、そういうもろもろもあると思います。こういうものを駆使して、オスプレイ配備で犠牲的にならんなら、やっぱりこれはポジティブにやってよかったなというような結果になさないと、これは住民もしかりですけれども、漁業者にとっても将来に禍根を残す結果になります。ですから、私はここで言うんですけれども。  いずれにしましても、暫定配備の先は佐賀空港ということも審議官、断言をここでしていただきました。ならば、これは大きな英断と、政治力等々も駆使していかないと、私は並大抵のことでは現実的にはなっていかないということを心配しております。
     岩元審議官もわざわざここまで来ていただいて、我々とやり取りをしておるわけですから、もし──私は岸大臣の言葉も聞いておりますけれども、つい最近なんですが、もう佐賀空港しかないよということを大臣も断言をしていただいております。ならば、いろんな要素がこれから起こってくると思いますけれども、ぜひ住民側に立って、それから漁業者側に立った形でこれが全て実現したときに、この三十三ヘクタールの配備が実現していくということになると思います。実は、今議会で我が党が提案しておりますが、尖閣諸島周辺海域における安全確保を求める意見書案を提出しております。同僚議員の皆さん方も賛同を受けると思いますけれども、今調整中なんですが、こういうもろもろの島嶼防衛も含めて、近隣の国防を担う形になると、やっぱりここしかないということでありますから、鋭意努力をしていただくことを祈念して、私の質疑を終わります。 65 ◯武藤委員=日本共産党の武藤明美でございます。今日は雨の中をお越しいただいてありがとうございます。  私は宝の海・有明海を大変誇りに思い、愛しております。同時に、その宝の海・有明海によって日々暮らしておられる漁業者の皆さん方のなりわいを何よりも大事に、そしてこの佐賀県がノリの生産日本一と言われる、そういう日本国内においても誇れる場所だということも漁協者の方たちともお話ししながら、本当にそのことを実感する日々です。何よりもきな臭い動きは制していかなければならない、そのことを心から願っております。そのためにも、私は皆さん方のオスプレイ配備問題、絶対に反対です。  さて、そういう県民の思い、それを踏みにじってまで、とにかく佐賀空港にしかないんだという皆さん方のその思いにあきれております。二〇二〇年から千葉県の木更津駐屯地にオスプレイが暫定配備ということで今配備されておりますけれども、防衛省のオスプレイですね、今三機だというふうに説明を受けました。これは計画的に何機配備し、それがちゃんとスケジュールどおりにいっているのか、それでもって三機ということになっているのか、その辺のことをまずお聞きしたいと思います。 66 ◯岩元参考人陸自オスプレイにつきましては、全体で十七機を導入する予定でございます。委員からも御紹介がございましたように、現時点では木更津駐屯地に三機が暫定配備されております。また、米軍の岩国基地には四機のオスプレイが到着してございます。岩国基地においては、アメリカ側の要員により、アメリカから日本に海上輸送するために施されていた保護処置の解除、飛行前点検、整備、試験飛行の作業を行い、作業が終了した機体から順次岩国基地から木更津駐屯地に輸送される予定となっております。  八機目以降の輸送スケジュールにつきましては、アメリカと調整中ということで現時点では確定しておりません。 67 ◯武藤委員=防衛省にしっかりと引き渡されたという時点はいつだと考えていいんですか。岩国に着いたときなんでしょうか、それとも、アメリカできちっと手続を終えて輸送してきたということなんでしょうか。 68 ◯甘粕参考人=お答えいたします。  陸上自衛隊のオスプレイは、まず日本に来る前に三機を用いてアメリカで教育訓練に使いました。その三機はアメリカで訓練を使うときには当然日本のものとして使うので、それは自衛隊として受け取っております。この三機が今、順次岩国を経由して日本に来るんですけれども、それとは別に、昨年七月、三機以外の二機ですね、最初の陸自オスプレイを五機製造したうちの三機は訓練で使いました。二機は昨年七月に岩国を経由して木更津に来ました。その二機は木更津駐屯地で陸上自衛隊に引き渡されました。という……(「所有の話、所有」と武藤委員呼ぶ)はい、まさに木更津駐屯地で受け取って陸上自衛隊のものになりました。今、先月、五機が岩国にアメリカから来ました。この五機の中の三機は先ほど申した教育訓練で使った三機が含まれております。この三機はどっちのものですかと言われると、自衛隊のものになっています。三機のほかの二機についてはまだ自衛隊のものにはなっておりません。日本に五機来て、そのうちの一機だけが先月また木更津に来ました。この一機は教育訓練で使った三機のうちの一機ですので、今、日本のものが何機ですかと言われると、もともと昨年七月に二機あったものプラスアメリカで受け取った三機があって、五機が日本のものになっていると。でも、木更津には三機しかありませんという状況になっております。 69 ◯武藤委員=先ほど質問者の方がパイロット、操縦士の育成などのことを質問されてきちっとやっていると、今後もやっていくというふうなことだったと思うんですけど、岩国から木更津まで飛行したとき、自衛隊の方ではなくて、アメリカの方が操縦して木更津に運んだと聞きました。それだけ操縦士が足りないということでしょう。まだ自衛隊の操縦士の人が十分ではないというふうに理解していいですか。 70 ◯小木参考人=お答え申し上げます。  陸自のオスプレイにつきましては、これはアメリカとの間のFMS、いわゆる対外有償援助調達によって調達をしておりまして、調達の全体のパッケージの中で輸送ということについてもアメリカ側の責任というか、実施することとして実施しておりますので、そういう役務の提供という形で実施していただいているということになっておりますので、そこは我々が契約して実施してもらっているということですので、陸自の教育訓練の状況と必ずしも連動しているというわけではございません。 71 ◯武藤委員=それはそれとして、そういう状態だということが分かりましたけれども、ただ、先ほどの話ともかぶりますけれども、木更津とは五年間の暫定配備だという約束をされていて、そしてその五年間のうちに佐賀空港にどうしても持ってくるんだというお考えをお持ちかもしれませんが、相手があることです。五年間というスケジュールが先にありきなんでしょうか。それとも、それは佐賀県の漁業者の皆さん、地権者の皆さんとの話合いによってこそ成り立つものだと思うんですけれども、それについて皆さんたちは認識はどのようにお持ちなんでしょうか。 72 ◯岩元参考人陸自オスプレイ木更津駐屯地への暫定配備につきましては、令和元年十二月に木更津市長から協力する旨の表明をいただきました。暫定配備の受入れに際しては、暫定であるからには期間を区切るべきとの木更津市長からの御要請を踏まえまして、防衛省と木更津市との間で暫定配備期間については、暫定配備の開始から五年以内を目標とすることで合意したところであります。  防衛省といたしましては、オスプレイの能力を最大限発揮するためには、一刻も早く佐賀空港に配備させていただきたいと考えておりますが、公害防止協定の当事者であり、地権者でもある有明海漁協の御理解をいただくことなく進めていくことはできないというふうに考えております。木更津市との間の合意は、そうしたことも踏まえた上で、なお、木更津の地元の御要望にも対応する必要があったことを踏まえ、防衛省としての目標をお示ししたものであります。  いずれにしましても、防衛省としては引き続き有明海漁協から早期の御理解をいただくために説明を尽くしてまいりたいと考えております。 73 ◯武藤委員=もちろん有明海漁協や住民の人たちの理解なしには配備できないということですから、皆さん方は五年間というスケジュールを佐賀県側に押しつけるということにはならないということですね。そこのところを端的にお聞きします。押しつけはしない、スケジュール感は佐賀県側がきちんと納得しない限りは五年間という押しつけはしない、そのことをはっきり言っていただきたいです。 74 ◯岩元参考人=繰り返しになりますけれども、防衛省といたしましては、陸自オスプレイの佐賀空港への配備につきまして、できるだけ早く配備をさせていただきたいというふうに考えております。  有明海漁協との関係におきましては、有明海漁協が公害防止協定の当事者でもあり、地権者でもありますことから、有明海漁協の御理解をいただくことが大変重要であるというふうに考えております。防衛省といたしましては、できるだけ早期に有明海漁協の皆様の御理解をいただけるように誠心誠意御説明していきたいというふうに考えております。 75 ◯武藤委員=誠心誠意とはおっしゃいますけれども、佐賀県側が住民側や漁業者の方たちが受け入れない、話合いが成り立たないということであれば、五年を超えることは明らかじゃありませんか。そういうスケジュール感を持たないということで誠心誠意というふうに話がつながってくるというふうに受け止めていいわけですね。 76 ◯岩元参考人=防衛省といたしましては、陸自オスプレイの佐賀空港の配備につきまして、できるだけ早期に配備させていただきたいと考えております。  有明海漁協の御理解をできるだけ早期にいただけるように誠心誠意、また丁寧に御説明してまいりたいと考えております。 77 ◯武藤委員=同じことを繰り返さなくていいんですよ。私が聞いたことに端的に答えていただきたいんです。スケジュール感を持たないと、持てないということでしょう、どうですか。 78 ◯岩元参考人=繰り返しになりますけれども、防衛省といたしましては、陸自オスプレイの佐賀空港の配備につきましては、できるだけ早期に配備させていただきたいと考えております。公害防止協定の当事者でもあり、地権者でもある有明海漁協の御理解をいただくことは大変重要であると考えておりまして、できるだけ早期に有明海漁協の皆様の御理解を得られるように、誠心誠意、また丁寧に御説明してまいりたいと考えております。 79 ◯武藤委員=さあ、できるだけ早く御理解がいただけるかどうか、これからですよ。そういう状況にないというふうに私は感じています。  漁協の支所に、皆さん方十五の支所、全て回られたということなんですけれども、一昨年から昨年にかけて回ったということでしたけれども、どういう感想を持たれましたか。 80 ◯岩元参考人=委員のお話にございましたように、令和元年八月に有明海漁協全体に対する説明会を開催し、その後、令和元年九月から昨年六月まで有明海漁協の全十五支所の皆様方へ順次説明を実施させていただきました。  各支所における説明では、国防の観点から佐賀空港への配備の必要性や漁業者の皆様の御懸念事項などについて丁寧な説明に努めたところであります。こうした説明会を通じまして、漁業者の皆様の御理解が深まる一助となったと考えております。 81 ◯武藤委員=理解が深まる一助となったとおっしゃいましたけれども、簡単に受け入れてもらえるというふうに感じられたんでしょうか。それともこれはちょっと難しい、しばらくは何回か通わんといかぬというふうに思われたのか。それを端的にお答えください。 82 ◯岩元参考人=先ほど申し上げましたように、令和元年九月から昨年六月まで十五支所への説明を実施させていただきました。その後、有明海漁協におきましてはオスプレイ等配備検討委員会が開催されまして、昨年九月、まずは地権者に対する説明を防衛省から行ってほしいという求めがございました。それを踏まえまして、今後、有明海漁協の、まず地権者の皆様への説明を行いたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、できるだけ早期に有明海漁協の皆様の御理解が得られるように努力してまいりたいと考えております。 83 ◯武藤委員=皆さん方が各支所で説明したことに対して、お聞きになった参加者の人たち、大変怒っておられました。それはなぜか。それは自分たちが何か物を欲しがっているかのような、そんな捉え方をしているんじゃないか、漁業者を軽く見ているんじゃないか、そういう怒りです。  例えば、基地周辺対策事業、これを基に民生安定助成事業というのがあるようですが、これは基地に嫌な思いを拭ってもらう、そういうための気持ちの緩和策というようなことで、例えば、漁港修復だとか、漁場の整備だとか、それから船揚げ場とか、漁協研修施設、それから倉庫、そういったものを造りますという事業なんだそうです。これは防衛省の事業だと補助率は三分の二でやってあげる。一般の農水省の事業では補助率は二分の一かかるんだというような中身だったというふうなことを、パンフレットを見せていただきました。  こういうこと、まさしくお金や物で人の心を釣っていくような説明のやり方。漁業者の皆さんは、そんな交換条件的なことで自分たちが納得するとでも思っているんだろうか。豊かな海、大事な大事な有明海、これをオスプレイ等の基地にするということを簡単に納得すると思っているのか。防衛省のこのやり方は本当に失礼極まりない、そんなことをおっしゃったんです。どんなふうに感じますか。 84 ◯岩元参考人=防衛省は、防衛施設の設置または運用により、その周辺地域の住民の生活、または事業活動が阻害されると認められる場合に、環境整備法第八条に基づき、地方公共団体が行う漁業用施設等の整備のための費用の一部を補助することができることとなっております。  同法第八条による補助につきましては、佐賀駐屯地の設置または運用による障害の実態や、地方公共団体が行う事業の計画を踏まえ、検討することとなります。  支所の説明会におきましては、こうした法律に基づく制度が存在するということを丁寧に御説明させていただいたところであります。 85 ◯武藤委員=そういう事業で人の心を操ろうというような考え方。そして、漁業者にこういうメニューを見せれば、漁業者もそうかと協力してくれるんじゃないかという見方。それに対して漁業者の人たちは納得できないと、自分たちの大事ななりわいの場、有明海を守るために自分たちはこれまでも頑張ってきたのに、イエスと言ったらこんなことをしてやるぞと言わんばかりの態度に怒りを持っておられるんです。皆さんたち、そういう認識が、人の心に対する思いが欠けているんではないかというふうに思いました。  そういったことは、まさしく知事が二年前に了解をしたので、早くあなたたちも従って、スケジュールも早く決めていこうよという焦りが出ているんじゃないですか。  もう一つお聞きします。  地元住民の代表の方たち、つまり自治会長さんたちが求めておられる地元説明会について、どう対応されるお気持ちなんでしょうか。 86 ◯岩元参考人=昨年、川副町自治会の代表の方々などが九州防衛局を訪れ、オスプレイの佐賀空港配備計画に関する住民説明会の開催について要望をいただきました。オスプレイの佐賀空港配備計画につきましては、平成二十六年七月に防衛大臣から佐賀県知事に対し要請させていただいた後、佐賀県、佐賀県議会、佐賀市議会や有明海漁協、住民の皆様に対して累次にわたって説明するとともに、質問や照会事項に対しては文書による回答を実施させていただきました。その上で、平成二十九年には佐賀県議会及び佐賀市議会から受入れ決議を、平成三十年八月には佐賀県知事から受入れ表明をいただきました。  防衛省としては、まずは公害防止協定の当事者であり、かつ駐屯地の地権者でもある有明海漁協の御理解をいただきたいと考えており、先般、御要望いただいた住民説明会については、現時点において直ちに行うことは考えておりませんが、今後、佐賀県とも相談しつつ対応を検討してまいります。 87 ◯武藤委員=先ほどから県議会の決議のことを言われますけれども、あの決議は全会一致じゃないんですよ。賛成多数ではあったかもしれないけれども、やっぱり県民の気持ちをしっかりと示すためにも反対した議員もおりました。そのことをあたかも全会一致であるかのごとく勘違いはしないでいただきたいということも言っておきたいと思います。  地元自治会の皆さんたちの会ってほしい、自分たちにも説明してほしいという、その要求は当然のことだと思います。一般的に言えば、何らかの事業が持ち上がる、そういう構想ができたとする時点で、当該地域の住民の皆さんたちにお知らせをする、お示しをする、説明をする。事業が本格始動しない前にもそういうことはあると思うんです。ところが、これは地元の自治会の人たちは後回しにされている。その辺についてはどういう手順でこんなふうになったんでしょうか。 88 ◯岩元参考人=地元の住民の皆様への説明につきましては、南川副の皆様に対しては平成二十八年に、さらに丁寧に説明するため、各校区ごとの住民説明会も開催させていただきました。また、平成二十九年四月、土地の地権者の方々を対象とした説明会を実施したところであります。  これまで住民の皆様方からは様々な御意見をいただいており、防衛省としては騒音の影響や環境への配慮事項をはじめ、皆様の御懸念にお応えできるよう、また丁寧にお応えできるように心がけてきたところでございます。  防衛省といたしましては、まずは今後予定している地権者説明におきまして、有明海漁協の御理解をいただけるよう丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。 89 ◯武藤委員=今度防衛局長にお聞きしたいんですけど、昨年、地元の自治会長さんたちが局長に会いたいというふうに事前にアポを取って会いに行かれたんですけれども、その際、局長は何か用事があると言って、自治会長の来た場に同席されなかったというふうなことで自治会長さんたちは心証を悪くしておられます。  防衛局長は、こういう自治会長さんたちが会いたいと言ったこと以上に重要な会合があったんでしょうか。どうしてこの自治会長さんたちの申出の会いたいというときに会わなかったんでしょうか、局長さん説明してください。 90 ◯廣瀬参考人=昨年十一月、川副町自治会の代表の方々などが九州防衛局を訪れ、オスプレイの佐賀空港配備計画に関する住民説明会の開催について御要望をいただきました。様々調整させていただきましたけれども、結果的に御同席しなかったということでございます。 91 ◯武藤委員=皆さんたちはさっきから誠心誠意を持って対応していくとおっしゃっています。ところが、局長はアポで約束していたにもかかわらず、ほかの用事を優先された。誠心誠意とはとても言えないんじゃないですか、どうですか。 92 ◯廣瀬参考人=繰り返しになりますけれども、昨年十一月に川副町の自治会の代表の方々などが九州防衛局を訪れ、オスプレイの佐賀空港配備計画に関する住民説明会の開催について要望いただいたところでございます。(「それは分かっています」と武藤委員呼ぶ)様々調整をさせていただきましたけれども、整わなかったということでございます。 93 ◯武藤委員=大事な地域住民の代表である自治会長さんたちのアポを差し置いてまで行かなきゃいけないような大事な用事、つまり、自治会長さんとの面談は軽んじられたというふうに皆さん思っていらっしゃるんですよ。そのことをあなたがちゃんと自覚していただかなきゃ誠心誠意という言葉は空文句に過ぎません、そのことを指摘しておきます。  それから、地権者への説明についてお聞きいたします。  地権者への説明をすることになった経緯は、先ほどから漁協とも相談した中で地権者に説明しようというふうなことになったということなんですけれども、改めて聞きます。いつ頃開く予定ですか。 94 ◯岩元参考人=昨年九月、有明海漁協内のオスプレイ等配備計画検討委員会におきまして、防衛省から地権者への説明を実施してほしい旨の要望がなされたことから、現在、この御要望に早期に対応できるよう、漁協や佐賀県と調整しているところであります。  地権者説明会につきまして、漁業者の皆様からは、ノリの漁期中はなかなかお忙しいということで、漁期明けに行いたいという話をいただいております。具体的な日程、開催の方法につきましては、今後、地権者側と調整するということで、現時点においてはまだ決まっておりません。 95 ◯武藤委員=現実的には、日程はまだ決まっていないということではあるんですけれども、皆さんたちの地権者説明会に対する考え方、それをお聞きしたいと思うんですが、どういう規模で開こうと考えておいでなんでしょうか。 96 ◯岩元参考人地権者説明会をどのように開催するのかということにつきましては、地権者側と御相談しながら今後調整してまいりたいと考えております。 97 ◯武藤委員=こういうコロナの時期でもあります。皆さんたちもそれなりに気を遣った形になるであろうというふうに思いますけれども、ただ、お聞きしたいのは、皆さんたちが必要としている三十三ヘクタールの地権者が対象なのか。それとも、空港の西側にある各漁協支所が持っている、そういう土地が対象なのか。それとも、南川副漁協の所有である約五十七ヘクタール、つまり南川副漁協の土地管理委員会が管理している土地のことなんですけれども、そういうふうに考えておられるのかどうなのか、その辺りをお示しいただきたいと思います。 98 ◯岩元参考人=地権者説明につきましては、関係する四つの支所の地権者の皆様に対して説明を行う予定でございます。 99 ◯武藤委員=おかしいじゃないですか。皆さんたちは三十三ヘクタール要ると言っていながら、そこの対象地域は南川副なんですけど、四つの地域の漁協支所とも話し合いたい──あなたたちは地権者の範囲をどんなふうに思っているんですか、なぜ四つなんですか。 100 ◯岩元参考人=現時点で陸自オスプレイの配備を予定している空港の西側における施設配備計画につきましては、御説明しておりますとおり、三十三ヘクタールを予定しております。さらに、空港西側の駐屯地予定地のさらに西側の土地についてどうするのかということにつきましては、地権者の皆様の御意向も伺いながら、また、防衛省のニーズも踏まえまして今後御相談をさせていただきたいと思っております。  そういう意味で、地権者説明につきましては、四支所の地権者の皆様に対して御説明をさせていただきたいというふうに考えております。 101 ◯武藤委員=じゃ、およそ九十ヘクタールを全部視野に入れているということなんですか。 102 ◯岩元参考人=現時点では、施設整備に必要な三十三ヘクタールプラス保安用地ということでございますけれども、今後、さらに駐屯地予定地の西側の土地につきまして、地権者の皆様がどういう御意向なのかということもお伺いしながら、また防衛省のニーズも踏まえまして検討していきたいというふうに考えております。 103 ◯武藤委員=防衛省のニーズも検討する──どういうニーズですか。 104 ◯岩元参考人=今後の検討ということになりますけれども、例えば、訓練をする場として、施設整備は行わずに訓練のための用地として取得することが検討の対象となるというふうに考えております。 105 ◯武藤委員=じゃ、前から言ってきた三十三ヘクタール以外に用地を広げると考えているということなんですね。 106 ◯岩元参考人=現時点におきましては、施設整備に必要な面積につきましては三十三ヘクタールと考えてございます。また、駐屯地予定地の西側の土地につきましては、地権者の皆様の御意向を伺いながら、また、防衛省のニーズを踏まえまして検討していきたいと考えております。 107 ◯武藤委員=三十三ヘクタールにとどまらないということが今の答弁で示されたというふうに思うんですね。地権者の人たちは、三十三ヘクタールだろうか、それとも南川副の五十七ヘクタールだろうか、いろいろ思っておられるんだけど、今の答弁を聞いたら、西側の広江だとか、大詫間だとか早津江が持っておられるところも全部視野に入っているということですね。 108 ◯岩元参考人=繰り返しになりますけれども、現時点におきましては、佐賀空港の西側、三十三ヘクタールにおいて施設整備を行いたいと考えております。駐屯地予定地の西側の土地につきましては、地権者の御意向も伺いながら、防衛省のニーズも踏まえて検討していきたいと考えております。 109 ◯武藤委員=同じことを何度も繰り返さないでください。すっきりはっきり答えてください。 110 ◯岩元参考人=繰り返しになりますけれども、(「繰り返しなら要らない」と武藤委員呼ぶ)佐賀駐屯地に必要な土地は、駐機場や格納庫などの施設を配置する約三十三ヘクタールに火薬庫周辺に必要となる保安用地の二ヘクタールを含めた約三十五ヘクタールであり、現地点において新たな施設の設置を念頭に置いた駐屯地の拡張は考えておりません。  なお、駐屯地予定地の西側の土地につきましては、それぞれの地権者のお考えを伺いつつ、防衛省としてのニーズも踏まえながら検討していきたいと考えております。 111 ◯武藤委員=繰り返し同じようなことしかお答えにならないけど、三十五ヘクタールのほかに、西側の土地も視野に入れているということが今の答弁で明らかになりました。南川副だけなく、大詫間、広江、早津江、全ての漁業者の人たち、今の答弁でお怒りになると思いますね。  それでは、次に進みますが、二〇一八年八月の合意事項に関する質問をしたいと思います。  この合意文書の理由付けですね、根拠、なぜこの合意事項を提案したのか、それについてお聞きしたいと思います。 112 ◯岩元参考人陸自オスプレイ佐賀空港配備について、防衛省から丁寧な説明を実施していた過程において、佐賀県からは漁業者の不信感の払拭と信頼関係の構築が必要であるとの御指摘をいただいておりました。  防衛省としては、この御指摘を重く受け止め、佐賀県との間で協議を重ね、平成三十年八月、防衛大臣と佐賀県知事の間で漁業者の不信感を払拭する取組等について合意事項の確認を行いました。  この合意は、それまでの漁業者の皆様への説明に際して、防衛省として漁業者の皆様が周辺環境等に影響が出た場合、防衛省はきちんと対応するのかなど、様々な御懸念、御意見をお持ちであると受け止め、漁業者の皆様の御理解を得るために何ができるかという観点から、佐賀県と鋭意協議を重ねた結果として行ったものであります。  佐賀県との間で確認した合意事項には、有明海漁協の漁業者の皆様の御理解につながるよう、防衛省として対応できる最大限の措置を盛り込んだものであり、引き続き丁寧な説明を尽くしてまいりたいと考えております。 113 ◯武藤委員=この文章の中に、環境保全と補償に関する協議会を設置するというふうに書いてあります。私、これについて県当局にも質問をしたんですけれども、その答弁と皆さん方がどういうふうな認識をお持ちなのか、ちょっと比べたいのでお聞きしたいと思うんですが、環境保全は当然のこととして、何かあったときの原因究明、そして補償されるべきは補償するというふうなことのために協議会をつくると言うんですけれども、そういう認識でいいですか。 114 ◯岩元参考人=協議会の設置につきましては、それまでの漁業者の皆様への説明の中で、漁業者を含む佐賀県民の方々が、佐賀空港における自衛隊機の運用等によって周辺環境等に影響が出た場合に、防衛省が適切に対応するのかとの懸念を有されていると認識いたしました。  したがって、佐賀空港における駐屯地の建設工事や自衛隊の運用による周辺環境等への影響について、佐賀県民の皆様に透明性を持って説明することを目的とする協議会を設置することについて合意したところでございます。  協議会においては、周辺環境の環境モニタリング調査に関する協議や漁業者等の求めに応じて、漁業等への影響に関する協議を行うことを想定しております。 115 ◯武藤委員=何かあったときの原因究明、それが分からない、自衛隊の基地のせいだとは分からないようなときは、補償は受けられないということにもなるわけでしょう。諫早湾の堤防締め切りのときに、原因究明がはっきりしないと補償は出せないという考え方と同じだなと思って聞いておりましたけれども、原因究明をした上で、それができなかった場合、自衛隊の基地関係ではなかったと、もしくは分からなかったという場合に、その補償はできないということになってしまうんじゃないですか、どうですか。 116 ◯岩元参考人=自衛隊の行為に伴い補償を行う必要があるか否か、また、補償すべき場合の金額について、関係法令等に基づき防衛省が決定することとなっております。  一方、防衛省としては、地元の皆様の不信感を払拭するための対応として、防衛省、自衛隊と佐賀県、関係機関で構成する協議会を設置し、漁業者の皆様とも十分に意見交換するとともに、必要に応じ、有識者等を交えて科学的かつ客観的に検証するなど、調査や因果関係の認定については透明性を持って対応してまいりたいと考えております。 117 ◯武藤委員=何ともすっきりしない、分かりづらい答弁だったと思います。  それから、二つ目の基金の問題です。  着陸料百億円を原資として、年間五億円の二十年ということで、二十年過ぎたらどうなるのかという問題、それから、その中から漁業振興のための五十億円の基金、それから、補償基金五十億円つくるということですけど、この補償は一でいうところの補償とどういうふうに違ってくるのか、また、どういう折り合いがつくのか、それについてお聞きします。 118 ◯岩元参考人=説明資料の二枚目にも基金について説明させていただいております。  平成三十年八月の合意事項の中には、着陸料を原資として合計で百億円を支払うこと、また、これを原資といたしまして、県のほうでは有明海の漁業振興のための基金や補償基金に充ててまいるということがうたわれております。  この百億円の基金を漁業振興のための基金と補償基金にどういうふうに充てるかというのは、今後、県におきまして、漁協の皆様とも御相談しながらということだとは思っております。  それで、この補償のための基金につきましては、資料にございますように、環境への影響、事故等による補償の対象になる事案が発生した場合、国が責任を持って補償を実施するということになりますが、国から補償が行われるまでの間、補償金の一部をこの基金によって一時的に立て替えるというふうに承知しております。 119 ◯武藤委員=漁業者の皆さんは、この百億円の基金、五十億円、五十億円のこの考え方についても怒っていらっしゃるんですよ。  先ほども質問者の方が、ノリの漁期もだんだん最盛期になって、もう二百億円は超えると。そして、あと二回入札が残っているというふうなことを言われたんですけど、一漁期で二百億円以上を生産する漁業者の方がお金の問題ではない。しかし、百億円と足元を見られたような、そんなお金の示し方はないだろうと。  自分たちはこんな百億円なんてもらわなくても、毎年毎年二百億円以上のノリ生産で頑張っているんだと、こういった考え方そのものがおかしいじゃないかと。こんなことをしなければいけないぐらいなら、なぜオスプレイを佐賀空港に持ってくるんだ、絶対自分たちは納得できないという思いなんですよ。
     皆さんたちはどんなふうに考えておられるのか分かりませんけど、こういう漁業者の方たちの、地域住民の方たちのお気持ちが分からないで、何で国防だとか簡単に言えるんでしょうか。 120 ◯岩元参考人=自衛隊機の運用に当たりましては、何よりも安全が第一だと思っておりまして、事故が起きないように機体の整備や、あるいは人材の養成につきまして万全の対応を取ってまいりたいと考えております。  その上で、万が一、事故が起きた場合につきまして、その補償が必要な場合については、誠心誠意対応してまいりたいと考えております。 121 ◯武藤委員=私たち県民は、そして日本国民は、名護市でのオスプレイの墜落事故、あれはみんなテレビの画像で見ているんですよ。  もし有明海でああいうことが起こったら、その年、ノリは全然駄目だと、買ってもらえないと。細かい繊維から、ごみから全部取り除く作業をしないといけないし、あんなことになったら、生産はその年は駄目だということを皆さん肌で感じていらっしゃいます。  だから、そういうことはやめてほしい、オスプレイなど配備するのはやめてほしいというお気持ちなんですよ。  皆さんたちにお聞きしますけど、公害防止協定の問題について、これがあるから皆さんたちはなかなかはかばかしくいかないということで焦っておいででしょうけれども、県は漁業者と公害防止協定覚書付属資料で自衛隊との共用はしないと約束しているんです。  防衛省は外交問題をまともに取り組まないでいて、オスプレイを配備する。島嶼防衛だということをしきりに言われるんですけれども、国防のためとやたら連発して、きな臭い方向に持っていこうとしておられますけど、そんなにまでして、国防、国防と言い立ててオスプレイを配備したいんでしょうか、どうですか。 122 ◯岩元参考人公害防止協定についてのお尋ねでございますが、佐賀空港が建設時に自衛隊の配備についても県と有明海漁協との間で様々な議論が行われ、地元の皆様方が相当な御苦労を重ねた上で、自衛隊と共用しない県営空港として発足した経緯を有することを十分に認識しております。  防衛省としては、その上で、公害防止協定が締結された平成二年当時と比べて大きく変化している安全保障環境を踏まえ、島嶼防衛に万全を期す必要があることから、水陸機動団と一体的に運用する上で最適である佐賀空港に陸自オスプレイを配備させていただきたいと考えております。  有明海漁協の皆様の御理解を得るために、陸自オスプレイ佐賀空港配備の必要性、有用性について丁寧な御説明が何よりも大切であると考えており、また、漁協の皆様の御懸念、御心配についても応えられるようにしっかりと対応してまいりたいと考えております。 123 ◯武藤委員=安倍政権においては、国民からの非難を浴びて、イージス・アショアを撤回しました。しかし、その代わりに敵基地攻撃能力の保有を後継政権である菅政権に求めています。  島嶼防衛用高速滑空弾、それから、島嶼防衛用新対艦誘導弾、こういった研究や軍用化を求めているわけですね。まさに攻撃のためにこういったことをしようということを菅政権はそのまま受け継いでいます。  中国は、もちろん今、ひどい状況です。南シナ海、東シナ海などで、力ずくで現状を変えようとする、そういう覇権主義の下で、香港やウイグルなどで人権侵害を行う、そんなひどいことをやっています。危険な国だと思っています。  さらには、最近、国際法違反の「海警法」をつくり、中国が自分で管轄地域と決めたところには勝手に武器の使用はできるというふうにしています。大変危険です。尖閣諸島周辺で日本の漁船に接近するような、看過できないような事態まで今起こっています。もちろん国際法違反ですから、直ちにこれは撤回されるべきものなんです。  今、大事なことは武力対武力ではなく、中国は国際法を守れという外交の力が必要です。しかも、国際社会が協力し合って中国の無法をやめさせる、こういう動きになっていかないといけないのに、日本政府はそのことには目を背けて、島嶼防衛だ、攻撃能力だ、そんなことばかりを言っている。本当の外交力は発揮できないんじゃないでしょうか、真の解決にはなり得ません。  日本も国民の声、漁業者の声を聞かないで、こういったことをまっしぐらに進もうというのは、今の中国と同じようなことになりはしないのか、そう言えるのではないかとさえ危惧しております。  佐賀空港ができるときに漁業者も佐賀県当局も、戦争の生々しい記憶から危険で恐ろしい戦争の状態をもたらしてはならないということで公害防止協定覚書付属資料をつくり、県と約束をした、それが漁業者の思いです。地方自治体がその約束を破ってでも防衛省のいうオスプレイの基地を造ってほしいというのがあなたたちの姿勢ではありませんか。  住民と結んだ約束、これは重いものです。しっかりと漁業者の人たちも地権者の人たちも、このことを胸に置いて、オスプレイは配備させない、土地は売らない、その思いで今頑張っておられます。だからこそ、皆さんたちもなかなか誠心誠意と言葉で言っても焦りが見えている。そして、何とかしないといけないと思いつつ、なかなか進んでいない。国民の苦しい思いに心を寄せない、耳を貸さないからこういうことになっているんじゃないでしょうか。  私は、漁業者の皆さんの思い、県民の皆さんの思いとともに、引き続きオスプレイは配備するなという立場で進めていきたいと思っています。  以上です。 124 ◯石倉委員長=暫時休憩します。十三時をめどに委員会を再開いたします。     午後零時三分 休憩     午後一時一分 開議 125 ◯石倉委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 126 ◯江口委員=県民ネットワークの江口善紀と申します。参考人の皆様におかれましては、東京や福岡から遠路、佐賀県議会まで御足労いただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  では初めに、漁協の十五カ所へ実施した説明会のことについて質問させていただきたいと思います。  約一年間をかけて十五カ所の支所への説明会を行ったということでございますが、実施した説明会の感想、また説明した側として、その受け止めというのはどういったものだったのでしょうか、まず、その辺から御答弁いただけないでしょうか。 127 ◯岩元参考人=防衛省といたしましては、陸自オスプレイの佐賀空港への配備に関して、令和元年八月に有明海漁協全体に対する説明会を行いました。引き続き、令和元年九月から昨年六月まで有明海漁協の全十五支所の皆様方へ順次説明を実施させていただきました。  各支所における説明では、国防の観点からの佐賀空港への配備の必要性や漁業者の皆様の御懸念事項などについて丁寧な説明に努めたところでありまして、漁業者の皆様の御理解が深まる一助となったと考えております。 128 ◯江口委員=各支所での参加者はその支所の役員さんを主として、そんなに多い人数ではなかったというふうに伺っておりますけども、参加者の反応はどのような感じだったでしょうか。 129 ◯岩元参考人=説明会では、防衛省側から先ほど申し上げましたような事項につきまして御説明をいたしまして、御参加された皆様方から質問等いただきました。議論の詳細については非公表を前提としているものでお答えを差し控えたいとは思いますが、漁業者の皆様の御理解が深まる一助となったものと考えております。 130 ◯江口委員=質問が出たということですけども、大体どういったことに関心があった、どんな質問が出たのか、もしよろしければ、御答弁いただけますか。 131 ◯岩元参考人=各支所への説明につきましては非公表を前提としております。また、先方との関係もございますので、お答えは差し控えたいと思います。 132 ◯江口委員=説明会が行われて、新聞報道でもありますけども、特に最後残った南川副支所と早津江の支所に関しては結構新聞報道も多かった感じがいたします。見出しのほうでいきますと、「漁協南川副支所で防衛局説明会 委員長、反対姿勢崩さず」、「漁業者淡々 質問も出ず」と、南川副説明会では。しかし、防衛省や県は開催を重視したと。漁協南川副で説明会、同支所の田中浩人運営委員長は計画反対の姿勢は変わらないとした上で、今後の対応を支所で幹部で話そうとしたと。  また、別の新聞ですと、「『アメ玉』漁業者ら憤慨」とかという結構大きな見出しも出て、「補助金次々・着陸料百億円… 防衛省の漁業振興策は」とか、いわゆる「一部で『アメ玉』とも例えられ、お金で釣るようなやり方に憤慨した漁協は抗議もしたという。一体どんな内容なのか。」ということで、この説明会に関しては、山口知事や、あるいは当時の漁協の徳永組合長も、防衛省は受け入れたらこういうふうな事業ができる、そういったことの説明が多くて、もっと本当防衛にとって大切なことというのをしっかり説明してほしい、そういったコメントが出されたりとかしましたけども、聞くところによりますと、ここで配られていました有明海再生の取組と周辺対策事業の活用についてという紙資料ですね。南川副支所と早津江支所の説明会では配られなかったというふうに聞いたんですけども、それは事実でしょうか。 133 ◯岩元参考人=十五支所の説明会につきましては、基本的に本日のスライドにもございますけれども、三枚紙の資料の一枚目、二枚目の資料を中心に、国防の観点からの陸自オスプレイ佐賀空港配備への必要性、あるいは漁業者の皆様方が御懸念されている事項についての対応などについて御説明させていただきました。  あわせまして、防衛省としましては、防衛施設の設置、または運用により、その周辺地域の住民の生活、または事業活動が阻害されると認められる場合に、環境整備法第八条に基づき、地方公共団体が行う漁業施設等の整備のための費用の一部を補助することができることとなっておりますが、こうした法律の規定に基づく制度などについて御説明をさせていただいたところであります。 134 ◯江口委員=今御答弁いただいた何とかを阻害される云々というくだりをもう一度教えていただけますか。 135 ◯岩元参考人=防衛省は、防衛施設の設置、または運用により、その周辺地域の住民の生活、または事業活動が阻害されると認められる場合に、環境整備法第八条に基づき、地方公共団体が行う漁業用施設等の整備のための費用の一部を補助することができるとなってございます。 136 ◯江口委員=じゃ、それが基地周辺対策事業、この防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律などと書いてある、これのことでしょうか。 137 ◯岩元参考人=おっしゃるとおりでございます。 138 ◯江口委員=そうすると、この紙資料には、事業実施に当たっては防衛施設との因果関係が必要となりますと、ただし書が書いてありますけど、この言葉の持つ意味というのは具体的にどういう意味なんでしょうか。 139 ◯岩元参考人=環境整備法第八条による補助、いわゆる周辺対策事業につきましては、佐賀駐屯地の設置、または運用による障害、これが起因されているかどうか、そういった実態、あるいは地方公共団体が行う事業の計画を踏まえて実施するということになってございます。 140 ◯江口委員=少し分かりやすく言うと、防衛省の活動か、そういったもので地域の経済活動とか、騒音とか何かいろいろ迷惑が発生したというふうに理解すればよろしいんでしょうか。 141 ◯岩元参考人=先ほども御答弁いたしましたけれども、防衛施設の設置、または運用により、その周辺地域の住民の生活、または事業活動が阻害されると認められる場合に、この第八条に基づく補助を行っているというものでございます。 142 ◯江口委員=その阻害される云々というのは、認められるというのは、誰が判断するようなことなんでしょうか。 143 ◯岩元参考人=それは客観的にそういうことが認められるという場合になるかと思います。 144 ◯江口委員=例えば、民家の方が、ヘリコプターだ、航空機の音がうるさいとかクレームを出されたときに、それで何か客観的に、あなたのところは騒音があるから、窓の二重化とかエアコンとか、そういうのは客観的にどういうふうな判断になるんでしょうか。 145 ◯廣瀬参考人=若干繰り返しになりますけれども、防衛省の周辺対策事業は、この場合は佐賀駐屯地(仮称)でございますが、設置、または運用による障害の実態、それから、地方公共団体が行う事業の計画を踏まえて検討することとなってございます。 146 ◯石倉委員長=廣瀬局長、ちょっと声が低いから質問者が聞き取りにくい、もう一回お願いします。 147 ◯廣瀬参考人=防衛省の周辺対策事業は、佐賀駐屯地の設置、または運用による障害の実態や、地方公共団体が行う事業の計画を踏まえて検討することとなってまいります。 148 ◯江口委員=ちょっと私の理解力が足らないのか、分かりにくいかなという気はするんですけども、一昨年、県議選挙をやっているときに、川副町の南川副中心部である犬井道という地区で幼稚園生ぐらいのお子さんを連れたお母さんとお話ししました。そのお母さんにオスプレイのことを話したら、私はオスプレイ賛成よと。どうしてですかと理由を尋ねたら、だって、オスプレイが来たら、家のエアコンをただで新品に替えてもらえると聞いたからと即答されました。  そこから佐賀空港まで直線距離で約五キロほど、犬井道というのは南川副の中心市街地なんですけども、そんなことが果たして現実にあるんだろうかと疑問に思いましたけども、せっかくなので、個人宅のエアコンの更新とか、そういったもの、何か見解がございましたら、答弁いただけますか。 149 ◯石井参考人=お答え申し上げます。  佐賀空港のオスプレイ配備が決まって、その運用の実態を把握し、例えば、住宅防音の必要性が出てきたというような場合であれば、そういった住宅防音の補助、あるいはエアコンの補助、そういったことになろうかと思いますけど、現時点ではまだその運用の実態が把握できておりませんので、そこは今お答え申し上げることは困難であるということを御理解いただきたいと思います。 150 ◯江口委員=今そこのディスプレーに飛行安全性とかで場周経路は有明海のほうを飛ぶというふうにメインに従前から説明を受けているんですけども、川副の方も漠然と、基地を受け入れたら、何かいろいろ本当に我が家のエアコンを新品にしてもらえる、そういうことをまことしやかに言われて、本当に私はびっくりしたんです。  ただ、私も責任ある立場でありませんので、否定も肯定もできませんけども、空港から約五キロ離れているし、そういう民家の個々のエアコンが更新されるというのが防衛省のそういった施策であるのかというのは非常に疑問に思ったんですけど、ただ片や、なかなか一般の方々の理解というのは幅が非常に広いんだなと。そういうことを本当に真顔で信じていらっしゃる方もいらっしゃる。現実は、正しい理解というか、情報がどこか伝わっていない部分もあるのかなというのもかいま見た部分であります。  少しずれるかもしれませんが、特定防衛施設周辺整備調整交付金、特防交付金というのは、この佐賀空港の事業には何か関係することはあるんでしょうか。 151 ◯廣瀬参考人=委員御指摘の特定防衛施設周辺整備調整交付金につきましては、「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」第九条の規定に基づき、特定防衛施設の関連市町村に対して防衛施設の面積や運用の実態等を考慮して、年度ごとに交付をしていると、そういうものでございます。  佐賀空港のオスプレイ配備につきましては、先ほども申し上げましたとおり、まだ運用の実態が明らかではございませんので、現時点では結論を得ておらず、お答えできる段階にはございません。 152 ◯江口委員=今九条とおっしゃったんでしょうか。 153 ◯廣瀬参考人=九条でございます。 154 ◯江口委員=先ほど岩元参考人がおっしゃったこちらに関しては、八条ということですね、なるほど分かりました。じゃ、これは空港の部隊の運用とか、そういったもので変わってくると、佐賀空港の皆さんの計画に、実態にならないと分からないということで。  ただ、私、さきおととい、ネットを見ていたら、九州防衛局の特防交付金ずさん検証というのをヤフーニュースで見かけて、昨日、西日本新聞の実物を見たら、(資料を示す)一面に上がっていたので、ちょっと驚いたんですけども、要はいろんな交付金事業をされていて、事業のレビューをしていると。それが自治体からどういった事業効果があったかというのを検証したものが、実は同じ文章が、AとBというのが同じ事業の検証が貼ってあって、おかしいじゃないかという、そういうふうなホームページの誤記載が改善されていたりということで、こういった交付金というのはしっかり目的に対して適正に交付され、そして、その事業というのはしっかり確認、検証しなきゃいけないと思うんですけども、佐賀空港の計画と関係するかどうか、実際の運用が関わるというふうにおっしゃったんですけども、もしも佐賀空港の運用でこういった交付金が出て、そういったものがずさんなことになってしまっては佐賀県としては非常に不名誉なことになるんですけども、こういった今回の件は何か特別な問題だったんでしょうか。それとも、たまたまの瑕疵だったんでしょうか、参考までに。 155 ◯廣瀬参考人=委員御指摘の報道でございますが、特定防衛施設周辺整備調整交付金に係る事業評価につきましては、交付金の適正な運用を図るため、内部規則に基づいて行っているものでございます。  このうち、事業評価書につきましては、補助事業者である自治体が作成の上、防衛省に提出をすることとなっております。地方防衛局による確認の後、交付金の効果の向上及び周知を図る観点から公表してございます。  また、補助事業者、自治体でございますが、補助事業者は事業評価書の作成に際して、類似の事業に関する公表済みの評価書も参照することもございます。したがいまして、異なる事業でございましても、成果などについて同様の記載、表現を記述することがあると承知をしております。その上で、個々の事業につきましては、計画実施段階から地方防衛局と補助事業者であります自治体との間で調整を行い、審査や確認など事業目的を達成するように努めているところでございます。そのプロセスの一環として事業評価についても適切に行われているということでございます。  防衛省としましては、引き続き補助事業者と緊密に連携をしまして、本交付金の適正な運用のため、個々の事業評価についてしっかりと取り組んでまいります。 156 ◯江口委員=自治体が作成した評価書に一言一句同じ成果が書かれたケースが複数見つかったということで、何かしら事務の手違いがあったんだと思いますけれども、やはり交付金とか、そういうのは自治体も地域の住民の方も非常に関心の高いことでございますので、交付金事業というのは本当に透明性を高めてやっていかないと、国民の信頼を失う、納税者のほうも、そして交付を受ける自治体に対しても迷惑をかけることになると思うんですね。佐賀県の場合、吉野ヶ里町の支援教員の人件費ということで交付金が入っているというふうに別の日の記事でもございましたけれども、ぜひそこの辺の管理をしっかりお願いしたいと思います。  それでは次に、地権者説明会の実施に向けた調整状況ということでお尋ねしたいんですけれども、結局四月の中旬、支柱を抜いたりとかという作業があって、いつぐらいに地権者の説明会を行うかというのは、作業が全て終わってから相談を始めるのか、それとも今から、作業が終わる前から相談を始めるのか、その二つでいうとどちらになるんでしょうか。 157 ◯岩元参考人地権者説明会の日程についてでございますけれども、今後、地権者との間で御相談をさせていただきたいというふうに考えております。 158 ◯江口委員=そしたら、既にもう調整は始まっていると思ってよろしいんでしょうか。 159 ◯岩元参考人=防衛省といたしましては、地権者説明会をできるだけ早く行いたいというふうには考えております。昨年十月二十六日にも防衛省と有明海漁協、県との間で御相談をさせていただきました。先ほども申し上げましたけれども、ノリの漁期中というのはなかなかお忙しくて受けられないというお話でございました。今後、具体的な日程につきましては、地権者の皆様と御相談をさせていただきたいというふうに考えております。 160 ◯江口委員=分かりました。  では、次の問いに進ませていただきますけれども、その前に、今日、御説明でいただいたこの資料なんですけれども、この資料の中でちょっと幾つか教えてほしい部分、確認したい部分がありますので、お尋ねしてよろしいでしょうか。  まず、一ページ目に、オスプレイの必要性・有用性ということで御説明があります。防衛省のほうから提出された資料ですから、セールスポイント、非常に有効な部分というのが載っていると思いながら、陰と陽、メリット、デメリット、自分の中でも反すうしながら聞いておりました。  例えば、陸自V22オスプレイは、陸上自衛隊が現在保有している輸送ヘリに比べ約二倍の速度、約三倍の距離の飛行が可能ですということで、CH47と比べればこれぐらいの数字になると思うんですが、ただ、逆に私の頭の中でそろばんが動いて、しかし、CH47の二倍から三倍ぐらいの機体価格、また整備や一時間当たりの──今、装備品は一時間当たりどれぐらいのコストがかかるというのは非常にシビアになってきている中で、オスプレイは非常に維持管理、運用にもお金がかかるという記事を読んだことがありますので、そういった部分も思いながら説明を聞いたところです。  あと、高い高度で飛行が可能であり、天候の影響を受けにくいことから、悪天候を回避して急患輸送や災害対処などにおいて迅速な飛行が可能。  川副町の方から、ちょっと江口さん、こいどがんなっとるね、どうなっていると聞かれたのが、岩国から一機目と二機目のオスプレイが木更津に移動するときに、天候不順により移動が数日延期されたということがあったと思うんですけれども、あれは天気が悪いのに飛ばないんだったら、本当に使えるのねというふうな素朴な町民から質問を受けたんですけれども、これはどのように解釈したらよろしいんでしょうか。 161 ◯小木参考人=お答え申し上げます。  陸自オスプレイの米軍岩国基地から木更津駐屯地までの輸送については、米側の責任において実施しておりますので、いつどのように飛ばすのかというのは、基本的に米側の判断で実施しているものですから、防衛省からのお答えというのは困難というか、差し控えさせていただきます。 162 ◯江口委員=それと、右側、オスプレイの機体の安全性ということでるる書いてございますが、我々、平成二十七年ぐらいにオスプレイの安全性のことを説明されるとき、必ず防衛省の方は事故率という数字を非常に引き合いに出されて、米軍が使う二十数種類の航空機の中で最も低い事故率というのを胸を張って回答されていらっしゃいましたが、その後、オーストラリアや沖縄で墜落して事故率が跳ね上がり、もう事故率という数字が出てこなくしまったなと思いながら見ておりました。  また、四、飛行・訓練の安全性、これは朝八時から十七時までを基本として年間二百九十日程度、年間一万七千回、一日六十回ということは、ざっくり十時間として一時間に六回、十分に一回、我々特別委員会で木更津基地を五、六年前に視察させていただきました。あちらも六十機規模の基地だと思うんですけれども、ひっきりなしに日中、離発着を繰り返す中で、ホバリングの訓練をされたりしていたというのを思い出しました。それよりも十機も多いんだからという、規模の大きさを体感したわけでございます。  また、有視界飛行方式で離着陸する場合の海側の場周経路ということで、最初、この計画をお持ちになられたときに、場周経路は海のほうを飛びますから御心配なくというふうな御説明があったのに対して、漁業者の方から一斉に猛反発がありまして、俺たちは年の半分は海の上で何百人と作業しているんだけどと、あの説明は一体何だというお叱りを受けた、代わりに怒られてしまった覚えがよみがえってまいりました。  それと、二枚目の排水対策なんですけれども、仮設調整池等で排水対策を万全にするということなんですが、この貯水池というのは、容量とかはもう大体分かっているんでしょうか。 163 ◯崎田参考人=お答えいたします。  まだ、今後設計等を行う中で具体的な数量というのは決定していくことになります。 164 ◯江口委員=佐賀県も三年連続大雨特別警報が出るような、今までの知見が通用しない大雨、また内水氾濫で本当に甚大な被害が去年もおととしも出ております。そういったことへの懸念というのが非常に根強いということをぜひ覚えておいていただきたい。特にノリに関しては、先ほど御答弁の中にありましたけれども、アルカリ関係も非常に敏感でございます。  そして、四番目、その下の小さい部分、米軍の配備についてなんですが、取り下げられたということでありますが、大臣は全国の空港で横並びでということを付言されておりましたが、このことがここの中に書いていない。これは佐賀県の立場にとっては、全国の空港と横並びでというのは非常に引っかかることなんですよね。あるのかないのかじゃなくて横並びでというのは、つまりどういうことなのか。あるということだよねという受け止め方と、県の執行部とかでは、それはないということで分かれているんです。これはもう一度よかったら説明いただけますか。 165 ◯岩元参考人=政府といたしましては、沖縄の負担を全国で分かち合う、できることは全て行うとの基本的な考え方に基づき、これまで全国各地におけるMV22オスプレイの県外訓練等の実施に取り組んできたところでございます。全国の他の空港と同様に、佐賀空港についてもオスプレイの県外訓練等に係る利用を考慮させていただきたいと考えております。  これまでの米軍オスプレイの県外訓練等の実績について申し上げれば、米軍の単独訓練は平成二十八年五月以降、静岡県、山梨県で、自衛隊との共同訓練は平成二十五年十月以降、滋賀県、熊本県、長崎県、新潟県、群馬県、北海道、宮城県、大分県、香川県、宮崎県、鹿児島県で行っております。また、オスプレイが参加する防災訓練は平成二十六年十月以降、和歌山県、宮城県、長崎県で行っております。  御指摘の横並びという点につきましては、沖縄の負担を全国で分かち合う取組は既に進行しているところでございます。したがって、佐賀空港に米軍オスプレイの県外訓練等が集中することを想定しているわけではございません。  いずれにせよ、今後、沖縄の負担軽減の一環としてオスプレイの県外訓練等による佐賀空港の利用を改めてお願いすることとなる場合には、より丁寧な説明に努めていきたいと考えております。 166 ◯江口委員=横並びでほかの空港も順々に協力しているんだから、佐賀空港にも当然順々横並びで来るんだろうと、それはそう読むのが私は普通だと思うんですが、なかなかこれが、いや、それで米軍はなくなったんだみたいなふうな論調があるので、ここは県民の方も非常にやきもきしているところ、そういう理解の現状があるということをお伝えしたいと思います。  普通に思えば、佐賀だけは絶対来ないとか言っているわけじゃなくて、横並びで来るんだと、考慮されているということで私はそういうふうに受け止めております。なので、今の岩元参考人の答弁もそれと同じような認識というふうに受け止めております。  それで、計画の配置図に関して、今日の中にも小さく配置図が載っていますけれども、三十三ヘクタールの配置図に関して、これは将来的に十分な基地機能を果たせるのかという質問は、以前の参考人招致でも、あるいは佐賀県との間の論点整理でも交わされておりますが、現段階ではこれが整備の全てであると、そういったふうな答弁だったかと思うんですけれども、これは以前も聞きましたけれども、目達原駐屯地は五十機に対して格納庫が六つ、三万平米、この佐賀駐屯地案は七十機に対して格納庫が三つで二万平米、七十機のうち三つの格納庫には何機ぐらい収納できるのかと聞いたら、大体三十から三十五機ぐらいだろうという答弁を以前いただきましたが、その認識は今でも変わりませんか。 167 ◯岩元参考人=佐賀駐屯地にはオスプレイ十七機と目達原から一応考えております約五十機を配備する予定でございます。その格納につきましては、格納庫及び駐機場に駐機するという予定になってございます。
    168 ◯江口委員=約半分の機体は格納庫に夜間格納できるけれども、約半分の機体は駐機場に露天駐機するということですね。 169 ◯岩元参考人=格納庫の中に何機入るかというのは、能力を現すことになりますので、お答えは差し控えたいと思います。 170 ◯江口委員=議事録を見ていただければ分かりますけど、大体三十機から三十五機というふうに川嶋防衛局長の時代に御答弁をいただいているんですけれども、それを取り消されるということですか。 171 ◯岩元参考人=ちょっと手元にございませんので、確認をさせていただきたいと思います。 172 ◯江口委員=私が懸念しているのは、目の前は海でございまして、天気がいい日もあれば、雨の降る日も海風に当たることもあると。一機、AH1で十五億円、UH60で三十六億円とか、CH47も五、六十億円、オスプレイに至っては百数十億円という高価な機体ですけれども、海風に当たるようなところに置いていれば、さびも出るだろうし、故障の原因にもなるんじゃないかということで非常に懸念の質問をさせていただいたことがあります。  その当時、担当参考人の方は、いや、七十機が常にいるわけじゃないと。訓練でほかの県に行ってしまったり、あるいは検査、IRANでしょうか、そういったもので基地外にいることもあるので、夜間、露天に駐機するのはそう多くないというふうにおっしゃいましたが、陸上自衛隊の防衛省の航空機は基本それぞれの駐屯地で格納庫に夜は全て収納されるんじゃないかというふうに私は認識しているんですけれども、ほかの駐屯地で恒常的に、夜、駐機場に路駐しているという、そんな駐屯地があるんでしょうか。 173 ◯岩元参考人=他の駐屯地におきましても、格納庫、あるいは駐機場に駐機しておくという例はあると思いますけれども、具体的にどこの場所がそうだということをお答えするのは差し控えたいと思います。 174 ◯江口委員=私、目達原駐屯地の周年行事や春の観桜会は必ず可能な限り出席させていただき、現場の隊員の方々の頑張りとか、装備品とか、展示を毎年楽しみにしております。ほかの駐屯地からも航空機が来ますし、隊の方によく聞きます。夜はどうしているんですか。あっ、こっちの格納庫です。夜はどうしているんですか。あっ、格納庫です。夜はどうしているんですか。あっ、格納庫です。でも、地震が来たらすぐ飛び立たなきゃいけないですね。それは伝送のやつはすぐ出せるようにして、基本全部格納庫です。私、外ですと言われた隊員さんは一人もいないんですけど、とても佐賀駐屯地はちょっと特殊なのかなというふうに思いながら非常に不安を覚えております。  佐賀駐屯地と言っていいのかな。この計画の説明会の地域の資料、防衛省の、これは平成二十八年七月の南川副公民館で配られた資料なんですけれども、燃料タンク、航空機燃料の貯蔵施設千二百キロリットル掛け二カ所というふうになっているんですが、ちなみに現在約五十機の配備をされています目達原駐屯地の燃料タンクの貯蔵施設の個数と容量はどのようになっているでしょうか。 175 ◯岩元参考人目達原駐屯地の燃料タンクの貯蔵量につきましては、目達原駐屯地は現在運用中の駐屯地であることから、お答えは差し控えさせていただきます。 176 ◯江口委員=先ほど申し上げたように、周年行事とか観桜祭で私駐屯地に参りまして、駐屯地の中、いろんなところにいろんな展示がしてありますので、かなり自由に歩き回ることができます。タンクには重油のタンクとか書いてあるし、容量も書いてあるし、今、昨日、グーグルアースで見たら非常に細かく見える。現場に行って確認しようと思ったら確認できるような情報だと思うんですけれども、なかなかこの情報は出しにくいということでしょうか。 177 ◯岩元参考人=繰り返しになりますけれども、目達原駐屯地は現在運用中の駐屯地であることから、お答えすることは差し控えさせていただきます。 178 ◯江口委員=私が着目しているのは、やはり七十機の大きな駐屯地にしては施設が小さ過ぎるという点が非常に不自然でなりません。格納庫は三つだし、これは平成二十七年七月の説明会のときにお配りいただいたイメージ図ですけど、(資料を示す)ここは四つ、大型の格納庫が三つとちっちゃいのが、四つあるんですけれども、イメージ図だからイメージ図だと思うんですが、これからさらに一つ減っちゃったのかと思うと非常に残念に思います。  できれば私は、配備されている航空機が、海の前ですから、ちゃんと格納庫に入れないと、さびたり、故障したり、事故の原因になるんじゃないかと思って非常に不安でなりません。本当にこの計画、三十三ヘクタールの配置図が妥当なものなのかというのはいまだに私は腑に落ちないんですけれども、この気持ち、何か納得させていただけるような御答弁とかいただけますか。 179 ◯岩元参考人=現在の施設配置案におきましては、駐機場、格納庫、隊庁舎、厚生棟、燃料タンク、火薬庫などを配置する計画としており、陸自オスプレイ部隊などを配備することができる施設を有した配置案としており、駐屯地としての機能を果たせるものとなっていると考えております。 180 ◯江口委員=まずは三十三ヘクタール、まずは三十三ヘクタールという言葉を今まで参考人招致のときでも現場の視察でも何度も聞きました。御承知のとおり、藤丸政務官、当時の政務官が佐賀の商工業者を対象にした商工会講演会で、三十五ヘクタールを超えると県の環境アセスがあるから、それ以内の三十三ヘクタールで計画をするんだ。それから西に増やせばいいんだというのを、これは録音も流れたし、当時、結構な話題になったニュースだと思いますが、その後、防衛省はあれはあくまで藤丸氏個人の発言だったからということで否定されましたが、非常に正直なコメントじゃなかったかなというふうに思って、その辺は私も含めて、佐賀県民の中でも今でも懐疑的な目で見られているというふうに思います。  反対を恐れて小さく造り、それからうやむやのうちに広げていくというのは非常にこそくなやり方だと思うので、ちゃんと最初から将来像、特に後から後から必要な施設とか出てくるはずですから、そういった拡張性がないというのはある意味、駐屯地のデザイン、設計としては僕は欠陥に値するんじゃないかと思うんですけれども、ぎゅうぎゅう詰め過ぎて余裕がない、バッファーがない。本当にこの計画図でよろしいんですか。 181 ◯岩元参考人=新しい駐屯地に必要な土地は、駐機場や格納庫などの施設を配置する約三十三ヘクタールに、火薬庫周辺に必要となる保安用地の約二ヘクタールを含めた約三十五ヘクタールであり、現時点において新たな施設の設置を念頭に置いた駐屯地の拡張は考えておりません。 182 ◯江口委員=現時点におきましてはというのが僕はキーワードだと思います。これは我が党の某代議士にこういうふうな答弁でしたと言ったら、それは現時点においてだろうと。将来は分からないという意味だよというふうにやっぱり言われますので、法律も逆読みするものでありますので、今の御答弁を額面どおりに受けていいのか、将来的に非常に不安を感じながら次の問いに進みたいと思いますが、計画地の土地の取得に関連する質問です。  過去の地権者向けの説明会の際に、質疑応答で用地の強制収用はしないとのやり取りがあったとの新聞記事がございます。それを引用した委員会、特別委員会での参考人招致はありましたけれども、直接的に用地の取得方法について改めて確認でお尋ねしたいと思うんですが、用地の取得方法について基本的な方針をお聞かせ願います。 183 ◯岩元参考人=佐賀空港への自衛隊配備における用地の取得に当たりまして、防衛省は土地の強制収用は行わない考えであります。 184 ◯江口委員=防衛省が施設を造る際に、過去に用地を強制収用した例はありますか。 185 ◯岩元参考人=「土地収用法」第二条におきまして、「公共の利益となる事業の用に供するため土地を必要とする場合において、その土地を当該事業の用に供することが土地の利用上適正且つ合理的であるときは、この法律の定めるところにより、これを収用し、又は使用することができる。」という規定がございます。  自衛隊施設の建設を目的として、同法の規定に基づき土地を収用した実績はございません。 186 ◯江口委員=第二条、「土地の収用又は使用」ということで、法律には大体どういったものがその対象になるのかというのが調べれば出てきますけれども、防衛施設というのは、私も結構調べましたが、この一覧表の中には出てきません。  確かに防衛施設は、国民のために、国民の命、生命、財産を守るためのものですから、やはり地域の方と協力関係にあるべきもので、強制収用するなんていうことはあってはならないと思います。  でも、これなんか以前、地域の住民説明会とか──地権者説明か、こういうふうにおっしゃったのは、防衛省が紳士的な態度で慈悲深いから強制収用はしませんよというふうに言っているように聞こえるんですね。できるんだけど、しないんだよという言い方に聞けて、本当にその権限はあるのかなと、過去に例はあるのかなと、これはミスリードじゃないのかな、誤解を招いていないかなというふうな疑問を持ちましたので、あえてこういった質問をさせていただいたんですけれども、やっぱり土地の取得、防衛施設、それは地域の理解が最優先ですから、そういった例はあり得ないと思うし、今するつもりもないし、例もないということを確認のための答弁として受け止めさせていただきます。  次に、住民説明会の要請への対応についてであります。  先ほどの質疑でも出ましたが、昨年十一月十六日、自治会長らが廣瀬防衛局長へのアポイントを取った上で、面談に九州防衛局に訪問し、現地で防衛局長の不在を言い渡された件について、先ほど御答弁をいただきました。  これは防衛局長、そんなに急で大変な所用が入ってしまったんですか。 187 ◯廣瀬参考人=昨年十一月、川副町自治会の代表の方々などが九州防衛局を訪れ、オスプレイの佐賀空港配備計画に関する住民説明会の要請について要望いただきました。  調整を重ねましたが、最終的に調整が整わなかったということでございます。 188 ◯江口委員=実際にそこに行かれた南川副の中溝自治会長さんと中川副の江頭自治会長さんのお二人に私お会いして、お話を聞いてまいりました。  石井さんがたしか御対応いただいたんじゃないかと思うんですけれども、九州防衛局の十階ですか、会議室まで行って、そのお部屋で防衛局長が会えないというふうな話を伺ったということですが、そういう状況だったんですか。 189 ◯石井参考人=お答えいたします。  委員御指摘のとおり、その場で住民の皆様に説明したとおりでございます。 190 ◯江口委員=中溝会長さんから、私こういうふうに言われました。急用は、それは仕方がないかもしれないけど、廣瀬防衛局長に会える時間を数日前から調整した上で、その日のその時間、その場所ということで福岡まで、会って直接要請を出せることを非常に楽しみにして行ったと。局長の都合が悪くなったのなら、それが分かった時点で前の夜でも当日の朝でも何で連絡をくれないんだろうかというふうなことを私におっしゃいました。  そういった対応を取ろうと思えばできたと思うんですけれども、どうしてそういった事前の連絡もなく、その会議室まで来ていただいた上で防衛局長は会えませんというふうな段取りになってしまったのか、その理由の御説明は可能でしょうか。 191 ◯廣瀬参考人=繰り返しになりますけれども、様々な調整を行った中で、結果的に整わなかったということでございます。 192 ◯江口委員=九州防衛局長、岩元参考人も、今日は非常に誠心誠意ということで、何度もこの委員会で、キーワードで出ております。恐らく一番出た回数が多いのが誠心誠意という言葉じゃないかと思います。その次の言葉は、恐らく丁寧という言葉じゃないかと思うんですが、こういうふうにも書いてあります。  オスプレイの佐賀空港使用要請というのは、防衛省にとって非常に大きな九州のプロジェクトだと思うんですが、それ以上に重要な急用が入ったんですか。何日も前からその時間を決めていたにもかかわらず、それ以上のどんな急用があったんだろうなと聞かれましたもので、機会があったら私尋ねてみますということで預かっていますので、その点についてお答えいただけますか。 193 ◯廣瀬参考人=繰り返しになりますけれども、様々な調整を行った結果、整わなかったということでございます。 194 ◯江口委員=先ほどここに、二枚目の左上なんですけれども、「防衛省としては、有明海漁協の方々の不信感払拭と信頼関係構築のため何ができるのか、佐賀県と鋭意協議を重ねてきました。」と。漁業者の方々や、こういった地域住民の方が防衛省としても不信感を持っていらっしゃるという認識だと思います。不信感を払拭しなければならないと書いてありますので。  防衛省は、どういう不信感を持たれているというふうに御自分のほうで思っていらっしゃるんでしょうか。 195 ◯岩元参考人=この佐賀空港配備に関する説明は、長い年月をこれまでも続けてまいりました。  それで、ここに書いてございます有明海漁協の方々の不信感ということでございますけれども、やはり漁協の皆様方は過去の様々な経験がおありだというふうに伺っております。例えば、諫早湾干拓の問題ですとか、あるいは佐賀空港の建設時においても、海に対しての影響がないようにとか、昔の筑後大堰(おおていと発言)でありましたでしょうか、そういった公共事業に対して、いかに有明海の海を守るのか、そういった様々な努力をされてきたということがあるかと思います。  そうした中で、実際、平成二十六年以降、陸自オスプレイ佐賀空港配備についてのお願いの説明をする中でも、国というのはなかなか信用ができないんだと、いざ何かあったときに補償とかしてくれないんじゃないかと、そういった不信感があるということを認識するに至りまして、そういった不信感払拭、あるいは信頼関係の構築のために防衛省として何ができるのかということを佐賀県とも協議いたしまして、ここに記載してあるような点について合意をしたというものでございます。 196 ◯江口委員=そういうふうに佐賀県と合意して協議を重ねてきたということで、不信感の払拭、信頼関係構築というのは、非常に道のりが長そうな感じを受けます。  先ほど口にされた言葉で、「ちくごおおぜき」と呼びます。敵を知り己を知れば百戦危うからずといいます。  佐賀空港に関しては、公害防止協定というローカルルールといいますか、そういった約束があるというのを武田防衛副大臣が来たとき、その日に知ったというふうに後の答弁で伺いましたけれども、そういった現地の状況、特殊なのかもしれませんが、そこの特異なルール、そういったものがある。佐賀県の佐賀空港というのは、そういったルール、縛りがあるというのをもう分かってくださっているんじゃないかと思ったんですが、なかなか難しいのかな。  ここに、私が手に持っていますのは、平成二十九年に佐賀県議会の議会事務局、そして、当時の佐賀県議会議長、石倉議長と佐賀県議会佐賀空港・新幹線問題等特別委員長宛てに佐賀県有明海漁業協同組合南川副支所運営委員長田中浩人氏と佐賀空港への自衛隊オスプレイ等配備反対地域住民の会会長古賀初次氏の連名で来た要望書です。(実物を示す)  これは全議員に既に配られているものですけれども、佐賀空港・新幹線問題等特別委員会において取り組まれていることに感謝いたしますと。  地元地権者に四月、防衛局の説明会がありました。しかし、その内容は非公開であったため、議員の方々には地元地権者の生の声、特に防衛省計画の駐屯地予定地区地権者である漁協南川副支所の意見が届いていないと思慮されます。よって、ここに四月開催の説明会における地元地権者の生の声を下記にて送りますと。  委員会のほうで審査、調査をお願いしたいということで、ここに書いてありますのは、「一、南川副支所運営委員長の挨拶」、「一、平成二十六年七月この問題が起こった後、南川副支所は運営委員会において、全会一致で『オスプレイ配備及び自衛隊の佐賀空港利用』を反対決議している」と。「二、昨年八月の国造搦六十ヘクタール管理運営協議会の総代会においても、南川副支所として反対表明している。三、その後、九州防衛局と佐賀県からの説明を受けた際にも常に反対意見を申し上げている。」。  「質疑応答における地権者の意見」として、「国は諫早湾干拓の問題にしても、解決が何もなされていない。また孫の代に、なぜ反対をしなかったのかと言われないようにしたい。佐賀はバルーンが飛ぶような地域で、これから先々もそうあってほしいと心から思う。二、意見という事で、はっきりと反対と申します。また、防衛局側との質疑応答を聞いていると、全ての回答において、『分かりました』その後に『でも、しかし』との回答で信頼がおけない。三、漁協も住民も反対の意見に対して、国は土地の強制執行はしないのであれば、自衛隊の佐賀空港利用は諦めるしかないのではないか。四、ノリは淡水に非常に弱い。空港滑走路ができたことにより、排水が一度に流れて、ノリ芽が消えやすい状況になり、バリカン症のリスクが高くなっている。加えて、三十三ヘクタール分の施設及びエプロンとなると、温暖化の影響もあって、雨量次第では排水管理が非常に難しいと感じる。ノリ被害が出てからでは遅い、ノリ漁師の死活問題が起こる。」。  最後です。「五、国は、諫早干拓に関して、一切その責任を認めていない。何かあったら補償するとの説明だが口約束では信用できない。また、公害防止協定の中で自衛隊との共用はしないと明記されている。この事も整理しないで話を進めるのは納得がいかない」と。  こういう要望書が平成二十九年六月十九日の日付で来ております。  今の一連の漁業者の直接の声に対して、防衛省として今どのような答弁ができるか、お願いします。 197 ◯岩元参考人=漁業者の皆様にはいろいろな御不安、御心配があるだろうというふうに考えてございます。  防衛省といたしましては、これまで地権者説明会、有明海漁協への説明会等において漁業者の皆様方から様々な御意見を伺うとともに、漁業者の皆様の御懸念について丁寧にお答えするように心がけてまいりました。  県議会におきましても、これまで議員の皆様から漁業者の皆様が御懸念されている、あるいは御心配されている点を含めて、様々な御質問をいただきまして、これに対して真摯にお答えさせていただきました。議会での質疑を通して、県民の皆様の御理解が深まることに資するのではないかと思っております。  佐賀県からも漁業者の皆様の御不安、御懸念を踏まえ、多くの質問をいただき、文書で回答させていただきました。県におきましては、防衛省からの回答を踏まえて、オスプレイの安全性や漁業への影響など二十の論点について整理を行っていただき、論点整理として公表することによって、漁業者を含む県民の皆様に情報提供を行っていただいていると承知しております。  今後、公害防止協定の当事者であり、地権者でもあります有明海漁協の御理解をいただくことは大変重要だと考えております。オスプレイの佐賀空港配備の必要性について丁寧に御説明するとともに、御心配の点、御懸念の点についても丁寧にお答えするように努めてまいりたいと考えております。 198 ◯江口委員=まとめの答弁ありがとうございました。  時間がないので、率直に申し上げます。  南川副漁協、約二百五十人ほどの地権者のうち、現職の漁師さんが百五十人ぐらいということで、私は今年になって何人もの地権者の方にお会いしておりますが、有明海漁協、支所も含めて全会一致という気質があります。昨年、漁協の組合長を決めるときも討議に討議を重ねて、全会一致でされました。南川副漁協が全会一致で防衛省の皆さんに今伺ったような答弁を基に理解をして、土地を売ることに全会一致で賛成するということは極めて私は非現実的だと思っています。絶対反対する方──後ろに地権者の方、地元の方が来ていらっしゃいますけれども、古賀初次さんは本当に子供たちの浮立の指導ですとか海童神社の総代会とか、本当に地域のことにもよくしてくださって、古賀初次さんがやっていらっしゃるあれねということで物すごい人望を感じるんです。子供たちにきれいな海を残さなきゃということで頑張っていらっしゃるんですが、その南川副漁協が全会一致で──何割の方が反対すれば全会一致になり得ませんから、非常に望み薄だと思います。それでも防衛省としては今でも南川副、この土地に固執されていらっしゃるのか。僕は引き際の見極めは大切だと思うんですよ。本当にこれは実現可能だと思っていらっしゃるのか、どうなのか、その点に関して最後に問いたいと思います。 199 ◯岩元参考人=防衛省といたしましては、島嶼防衛の能力の構築が喫緊の課題だと考えております。そのため、水陸機動団がございます相浦駐屯地から近傍の佐賀空港への配備をできるだけ早期に認めていただきたいというふうに考えております。そのためには、何よりも有明海漁協の皆様の御理解が非常に重要でございますので、今後の地権者説明会などにおきまして丁寧に御説明をし、理解をいただけるように努力してまいりたいと考えております。 200 ◯江口委員=では、丁寧に説明するというのは、もう少し分かりやすくいうと、どういうふうなことをなさるおつもりなんでしょうか。 201 ◯岩元参考人=漁業者の皆様には、まだなおかつ、御不安、御懸念の点がおありだろうと思います。そういった点について、丁寧に御説明をするとともに、オスプレイの佐賀空港の配備につきまして国防の観点からの必要性や有用性について丁寧に御説明をしたいと思っております。 202 ◯江口委員=本当に私は国防は大切だと思っています。現場のいわゆる制服組の方々は、本当に一生懸命災害派遣活動も含めてやっていらっしゃると思うんですが、背広組の官僚の皆さんのもう少し心の通った答弁とか人を動かすための言葉を使わないと、僕はなかなか川副の方々の心は開かないと、そういうふうに今日は感じました。とても残念な気持ちです。もう少し建設的な議論をしたかったんですが、私も最後はこういう口調になって非常に残念なんですけれども、皆さんも本当に繰り返しの答弁、本当をいうと良心の呵責があられるのかもしれませんが、佐賀県の人にちゃんと向き合ってほしいと思います。今のような状況では、私は非常に難しいと思います。また、機会を設けていただき、こういった論議をできる機会をいただいて論議させていただければと思います。  以上で質問を終わります。 203 ◯石倉委員長=これからフリー形式の質疑を行います。  質問のある委員の挙手をお願いし、こちらから指名の後、指名された委員は自席から質問をお願いいたします。  それから、質問時間はおおむね十五時までを目途に予定しておりますので、多くの方が質疑していただけるよう簡潔明瞭にお願いをいたします。  それでは、質問のある方は挙手をお願いいたします。 204 ◯稲富委員=今日、十六名か何人か出席していただいて説明をされました。防衛省は、県とか有明漁協にはいっちょん来んばってん、なし今日はがんよんにゅう来んさったとやろうか。あなたたちは一人一人オスプレイに関する仕事は何をしておるか言うてんや。今日、こういう資料をやってオスプレイが必要だという話をされました。オスプレイの必要性、水陸機動団の必要性を説明されましたけれども、特に廣瀬局長のレポートを書いたような答弁では、私たちの胸を打たないわけです。私たちの胸を打たない、地権者の胸を打たない、県民の胸を打たない、そういうふうな説明であなた方は本当にこの水陸機動団、オスプレイを佐賀空港にやろうという認識があるのかどうか分かりません。  そこで、ちょっと話題を変えてお尋ねします。  北方領土について、九州防衛局長はどのような認識をお持ちでしょうか。 205 ◯廣瀬参考人=お答えいたします。  北方領土は我が国固有の領土でございます。 206 ◯稲富委員=そのくらいですか。そのくらいの感覚で私たちに、あるいは地権者に説明しようと思っておるの。  竹島に対する認識について、岩元審議官はどのようにお考えでしょうか。 207 ◯岩元参考人=竹島につきましても、我が国の固有の領土であると考えております。 208 ◯稲富委員=竹島の問題については、こういうふうな参考資料がいっぱい出てくるわけですよ。(資料を示す)こういうふうな参考資料で、竹島の働きよった漁民の方がどういうふうな犠牲に遭うたか、そして漁労長が射殺されておるでしょうが。そういうことに対しても、防衛省の職員として、我が国固有の領土だと思っています、そのくらいの感覚でオスプレイを佐賀空港に呼ぼうと思っておるの、誘致しようと思っておるの。もう一回答えてんしゃい。 209 ◯岩元参考人陸自オスプレイ佐賀空港配備の必要性につきましては、我が国を取り巻く安全保障環境が非常に厳しくなってございます。島嶼防衛は喫緊の課題でございますので、そうした観点から水陸機動団の近辺にございます佐賀空港にぜひともオスプレイの配備をお願いしたいというふうに思っているところでございます。 210 ◯稲富委員=次に、尖閣諸島について九州防衛局長はどのような認識をお持ちでしょうか。また、安全保障環境という面でどういうふうな状況にあるとお思いでしょうか。 211 ◯廣瀬参考人=お答えいたします。  我が国を取り巻く安全保障環境は非常に厳しいものとなっております。島嶼防衛につきましても喫緊の課題でございまして、尖閣諸島につきましてもそのような喫緊の課題の一つであるということを認識しております。 212 ◯稲富委員=そのくらいの答弁──納得しとらんばってん、何ば言いたいかというと、自らの言葉で地権者に、県民に説明をしてくださいよというお願いなんです。北方領土及び竹島は、我が国固有の領土にもかかわらず、第二次世界大戦末期、一九四五年八月九日、ソ連は日ソ中立条約に違反し、対日参戦し、北方四島を全て占領してしまいました。当時住んでいた一万七千人の日本人を強制退去させ、今日に至るまでソ連、ロシアによる不法占拠が続いております。  竹島はといいますと、歴史を振り返っても、我が国固有の領土であることは間違いなく、第二次世界大戦のサンフランシスコ条約でも改めて日本の領土として確定されましたが、一九五二年一月十八日、韓国が李承晩ラインを、一方的に宣言し、日本海などの公海上に線を引き、竹島を自国領土に含めてしまいました。日本政府の再三の抗議にも関わらず、韓国の実効支配が続いています。これまで多数の日本漁船が韓国により拿捕され、一九五三年に漁労長が射殺されるという事件も起きております。我が国固有の領土である北方領土、竹島とともに、一方的に占拠・実効支配されているというという現実が横たわっていますが、この現実に対して端的に言うと、我が国はどうすることもできないという状況が続いております。  尖閣はといいますと、中国の海警船が尖閣諸島の領海に侵入し、操業中の日本の船を追尾するということが頻繁に行われています。こうしたことから、尖閣諸島も非常に危ない状況にあると思います。このままでは我が国固有の領土である尖閣諸島も外国(中国)から不法占拠、実効支配されるのではないかと心配しております。  私は、そうならないために水陸機動団とオスプレイが必要だと理解しております。このように水陸機動団とオスプレイの必要性について分かりやすくかみ砕いて説明しないと、地権者にはなかなか伝わらないと思いますが、九州防衛局長、何か反論はありますか。 213 ◯廣瀬参考人=尖閣諸島などにつきまして、ただいま委員の御紹介をいただいたことはそのとおりかと存じます。私どもはオスプレイの必要性ということにつきまして、安全保障環境、それからV22オスプレイの役割、なぜ佐賀空港に配備をするかなどなどにつきまして、丁寧な御説明を行ってまいりました。今後も丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。 214 ◯稲富委員=頑張って丁寧な説明、誠実にお願いします。  昨年九月十日の有明海漁協検討委員会決定の受け止めについてお尋ねします。  九月十日に有明海漁協が公害防止協定覚書資料付属資料の変更に応じるかどうかについては、防衛省に地権者説明をしてもらい、地権者の意向を確認した上で判断したいとの決定をされました。これは、地権者が防衛省に土地の売却するのかしないのか、漁協として先にそのことを確認したいということと理解されます。当然と言えば当然かもしれません。仮に漁協が協定見直しをオーケーとしても、地権者が土地を売らなければ計画は実現しません。頓挫するわけです。そういう意味では、ノリの漁期が明けたら行われる地権者説明会は、いわば天王山、計画が実現できるかどうかの分水嶺となる重要な説明、そして交渉になると私は認識しています。  防衛省は何としても地権者に首を縦に振ってもらわなければなりません。防衛省は背水の陣で臨まなければならないと認識しておりますが、防衛省としても同じ認識でいるのか、まず岩元審議官にお尋ねします。 215 ◯岩元参考人=今、委員から御紹介がありましたとおり、昨年九月の有明海漁協の中のオスプレイ等配備検討委員会におきまして、まずは防衛省から地権者への説明をしてほしいという御要請をいただきました。これからノリ漁が明けました後に地権者説明を行うことになるかと思いますけれども、地権者の皆様方の御理解が得られるように、佐賀空港配備への必要性、有用性についての御説明、また御心配、御不安に対する対応などの御説明について、丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。 216 ◯稲富委員=次に、九州防衛局長はどのような認識をお持ちでしょうか。 217 ◯廣瀬参考人=お答えいたします。
     委員おっしゃるとおり、地権者説明会、これはオスプレイ等配備計画検討委員会で防衛省に要望された地権者説明会でございますが、非常に重要な説明会になるというふうに認識をしております。  先ほど御説明しましたとおり、オスプレイの必要性、有用性、それから漁業者の方々の御不安、御心配の点を払拭するような御説明、こういったことに努めて御理解を得たいと、そのように考えております。 218 ◯稲富委員=お二人の答弁をいただきましたけど、どうもぱっとしない答弁で、そういうふうな責任者で、本当にオスプレイができるのかどうか、甚だ疑問であります。  結論から言えば、防衛省には緊張感というか、やる気がないということだということがよく分かりました。自分たちの置かれている現状認識さえもちゃんとできない、重い責任者の下でこの計画の明るい未来はないのではないかと思います。  審議官さん、局長さん、もう少し緊張感を持って、気合を入れて取り組んでいただかないといけないと思います。  あなたたちが頑張らなければ誰が頑張るんですか。県ですか、県議会ですか、漁協ですか、違いますよね。地権者説明であなたたちが頑張りさえすれば道は開けるんです。あなたたちの頑張り次第なんです。あと一歩、あと半歩なんです。もしあなたたちが地権者説明会で変な説明をするようなことになれば、この計画は頓挫することになるのです。その責任認識をしていますか。恐らく説明役になられると思います九州防衛局長にその責任の重さについて分かっておられますでしょうか。九州防衛局長に改めて現状認識についてお尋ねします。 219 ◯廣瀬参考人=お答えいたします。  オスプレイ配備につきましては、これまで年月をかけて調整をしてまいりました。そして、オスプレイ等配備計画検討委員会でぜひ防衛省に地権者説明をしていただきたいと、そういう要望を受けまして、今回、地権者説明会に臨むことになっております。  委員御指摘のとおり、非常に重要な説明会だということは私どもも重々認識をしております。これまで以上にオスプレイ配備につきましての必要性、有用性、それから漁民の方々の御不安、御心配を払拭するような説明に努めて、ぜひ御理解をいただけるよう努力をしてまいります。(発言する者あり) 220 ◯稲富委員=また防衛局長にお尋ねしますけれども、局長さんは佐賀市の出身と聞いております。ということは、佐賀のことには大変明るいお方だと思います。漁協の本所や支所の所在確認は問題ないかと思います。九州防衛局長さんは今福岡にお住まいだと思いますが、昨年九月十日に有明海漁協がまず地権者説明をしてほしいと決定されましてから、あなたは何度漁協の本所や関係支所に出向かれましたか。 221 ◯廣瀬参考人=お答えいたします。  陸自オスプレイ等の佐賀空港配備につきましては、防衛省としてこれまで御理解、御協力をいただくために対応してまいりました。その中で、私も機会を捉えて漁協を訪問し、関係者の皆様に直接本計画の重要性、漁業者の皆様の御懸念事項などについて説明を実施してきたところでございます。  以上でございます。 222 ◯稲富委員=何回か行きましたかと聞きました。 223 ◯廣瀬参考人=お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、私も機会を捉えて漁協を訪問し、御説明をしてきたところでございますが、相手方との関係もあり、この場で訪問についての詳細をお答えすることは差し控えさせていただきます。 224 ◯稲富委員=廣瀬局長さん、私は今の答弁を待っとったとよ。答弁を控えさせていただくということは、答弁できないということです。つまり、行っていないということに理解をしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。  ついでに、岩元審議官にも同じ質問をいたします。漁協及び本所、支所に何度足を運ばれましたか。 225 ◯廣瀬参考人=お答えいたします。  繰り返しになりますけれども、私も漁協を訪問して御説明を実施してきたところでございます。防衛省と漁協及びその支所との逐一の面会日時や面会内容についてお答えすることは差し控えさせていただきます。 226 ◯岩元参考人陸自オスプレイ佐賀空港配備につきまして、有明海漁協の皆様の御理解をいただくため、防衛省として誠心誠意対応してきたところでございます。私も機会を捉えて漁協を訪問し、御説明を差し上げてきたところでございます。  また、防衛省はこの計画の重要性に鑑みまして、本省のしかるべき立場の者が直接連絡、調整を当たる必要があると判断し、佐賀事務所に本省室長級の職員を派遣しております。佐賀事務所や九州防衛局の職員は頻繁に有明海漁協の関係者を訪問してまいりました。このように足しげく漁協を訪問することによって、漁協関係者との間では一定の信頼関係を築くことができたと考えております。  防衛省としては引き続き有明海漁協から早期の御理解をいただくために説明を尽くしてまいりたいと考えております。 227 ◯石倉委員長=稲富委員に申し上げます。多くの方が質問できるように簡潔にお願いします。 228 ◯稲富委員=まだよんにゅうあるもん。やめた、ふざけるな。 229 ◯八谷委員=自由民主党の八谷克幸でございます。  私も近隣諸国の領空・領土・領海侵犯につきましては、非常に懸念をしておるところでございまして、やはり島嶼防衛の重要性をかんがみますと、抑止力のためのオスプレイの一日も早い配備、特に相浦水陸機動団との連携した島嶼防衛というのは必要だと、オスプレイの配備が必要だと思いますので、先ほどの話のように、しっかりこれから漁協関係者、地元町民の皆様、熱を込めてしっかりした説明をお願いして進めていただきたいと思います。  私も二点質問しようと思っていましたが、先ほど江口委員からありました雨水の対策ですね。これは工事上はもちろんですけれども、雨水がどれくらいできるかというのは、先ほど答弁もありましたが、やはりこれまでの激甚、大雨災害がありますと、これまでの数字、知見の数字ではやっぱりできない部分があると思います。有明海は宝の海と言われます、日本一の共販高を誇りますノリがあります。そして漁船漁業もあります。日本一の宝の海を守るためには、ほかの基地とは違う、そういう条件の下にあるというところで、一滴の水も漏らさない、そういった対策を私からもぜひお願いしておきたいと思います。  それからもう一点は、目達原駐屯地から五十機のヘリ、そして九州補給処はそのまま残るということでございましたが、目達原駐屯地の補給処と別に基地としての機能はまだまだ残るということでございましたので、この五十機も含めて、今後、佐賀空港と目達原駐屯地との位置関係はあるのかどうか、そしてそれは空路があるのか、しかも陸路をするのか、陸路があるとすれば、新しい道路が緊急用には必要だと思いますけれども、そういった計画はあるのか。特に空路に関係しましては、自衛隊機の事故がありました。目達原と佐賀空港を結べばあのちょうど沿線上になるんですね。そういったことで、私は目達原の地元でございますので、そういった住民の心配、懸念が多分にありますので、そこをお尋ねしたいと思います。 230 ◯岩元参考人=まず、駐屯地からの排水につきましては、佐賀県ともよく調整を行い、今後行う調査設計の業務において、佐賀空港建設時の事例や関係法令を踏まえつつ、周辺環境に影響が生じないよう適切な措置を検討してまいりたいと考えております。  例えば、駐屯地の開設後でございますけれども、雨天時に大量の雨水が海に流入しないよう、雨水の流出量を抑制する調整池を設けるなどが考えられます。  それから、目達原のヘリ部隊が移転した後どうなるかという御質問でございますけれども、目達原駐屯地のヘリコプターが移駐する場合、九州補給処など後方支援機能を担う部隊につきましては、引き続き同駐屯地に残るということになります。  なお、ヘリコプター部隊が移駐した後の目達原駐屯地の利用状況などについては、現時点で結論を得ておらず、お答えできる段階にはございません。  佐賀空港と目達原駐屯地の間の道路についてのお尋ねがございました。  防衛省は環境整備法に基づき、地方公共団体が行う道路整備事業への補助について、自衛隊等の車両の頻繁な通行により支障が生じている場合や航空機事故等が発生した際に起きる住民の緊急避難、または消防活動のための経路となる場合、道路整備の補助を行っているところであります。  その上で、今お話がありましたような道路につきましては、障害の実態や地方公共団体が行う事業の計画を踏まえ、環境整備法に基づき可能な措置を検討していくことになると考えております。 231 ◯古川委員=自民党の古川裕紀です。  本日は、参考人招致に御対応いただきましてありがとうございます。  私も、地元吉野ヶ里町の目達原駐屯地、佐賀県への要請の二つ目の部分ですね、ヘリ部隊の移駐の件に関してお聞かせいただければと思っております。  目達原駐屯地のヘリ部隊は五百名程度と聞いておるんですけれども、当然吉野ヶ里町のほうに居住されていまして、結構な隊員の皆さんが吉野ヶ里町に居を構えられて生活をされているという状況になっています。  そして、このたび、佐賀空港への移駐ということになったときに、楽観的には居を構えておるからあまり変わらんという人もいらっしゃれば、悲観的に見る人は、急に家族も含め千人とか、そういう人が転出するのではないのかと。  そうなってくると、税収のこと、これまで来ている交付金がどうなるのかとか、あとは子供たちも減ることになって、小中学校がどうなるのかとか、いろんな想定が考えられるわけですけれども、そういったいろいろ要望的なところはあるんですが、何を置いても情報がないということが一番の懸念材料としてあるということをおっしゃられます。  町のほうから佐賀県に問い合わせたところで、佐賀県自体も情報を持っていないものですから、何も答えられないというのが現状ありまして、そういった意味において、吉野ヶ里町への情報の提供というものをどうお考えなのか。  例えば、情報がなければないでいいので、年に四回とか、半年に一回とか、そういったふうに定期的に意思の疎通が図れるような、信頼関係をつくっていただけるような、そういったことが考慮していただけるのかどうか、その点についてお聞かせください。 232 ◯廣瀬参考人=お答えいたします。  御要望の防衛省との地元の情報交換の場というものは、現在も機会があれば対応させていただいているところでございます。  引き続き、地元の皆様の御不安を払拭するように努めてまいります。 233 ◯古川委員=ありがとうございます。  折を見てとか、適時とか、そういった相手合わせの話ではなくて、信頼関係をつくりながら、進捗なくても、定期的にそういうふうな意思の疎通があれば、実はこういう不安があるんですよとか、そういう不安感の払拭とか、信頼関係の構築という意味で、もうちょっと何かやりようがあるのかなと。グランドデザインが描けないというか、本当に町としては困っていらっしゃるので、そういった意味ではもう少し踏み込んだところで検討をいただければと思います。  もう一回お聞かせください。 234 ◯廣瀬参考人=お答えいたします。  ただいまのところ、防衛省と地元との情報交換というのは、陳情などの場を借りまして対応させていただいているところですけれども、地元の皆様の御不安を払拭するような、そういうことを努力してまいりたいと思います。(「よろしくお願いします」と古川委員呼ぶ) 235 ◯野田委員=県民ネットワークの野田と申します。  本日はどうもありがとうございます。  一点だけお伺いいたします。  数年前に佐賀空港に一機のオスプレイが来て、デモフライトをしていただきました。  そのときは米軍のオスプレイ、沖縄のほうから来ていただいたというふうに伺っています。かなり調整をしていただいたということでございました。  現在、自衛隊さんに三機のオスプレイがあるというお話でございました。  地元、もしくは県のほうで、もう一度そういったデモフライトの要請があった場合には、そういうことにお応えしていただけるかどうかお尋ねいたします。 236 ◯岩元参考人=佐賀空港におけるオスプレイのデモフライトにつきましては、以前、平成二十八年十一月だったかと思いますけれども、オスプレイの騒音についての御関心が高かったことを踏まえまして、実際にオスプレイの音を体感していただくことを目的に、米軍のオスプレイにより実施したところでございます。  防衛省といたしましては、当時のデモフライトにより地元の皆様にオスプレイの音を体感していただく目的は達成できたというふうには考えてございます。  陸自オスプレイは、アメリカのオスプレイと同型の機体であることから、現時点において再度実施することは考えてございません。  現在、木更津にあるオスプレイでございますけれども、まだ木更津駐屯地において機能確認の試験等を行っているところでございます。  今後は、まだ操縦士の練度を維持向上するための訓練を行っていく予定でございますので、現時点においてはなかなか難しいのかなというふうには考えてございます。 237 ◯野田委員=現時点においてはというお答えもいただきましたけれども、オスプレイの訓練の中に、最終的には十七機というようなお話もございます。編隊飛行訓練なんかもあるかと思うんです。  ましてや輸送機、何といいますか、災害時の物資運搬となったとき、一機のオスプレイの運航だけで判断できない部分もあるんじゃないかと、やはり疑念を持ったままというようなこともあるんじゃないかというふうに思うんです。  そういったところの丁寧な説明の中にも入るんじゃないかと思うんですけれども、御検討をぜひお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。 238 ◯岩元参考人=先ほども申し上げましたように、現時点においては、木更津飛行場において機能確認試験を行っております。また、今後も操縦士等の練度向上を図る訓練を行うという段階でございます。現時点で、何ともお答えは難しいかなというふうには思っております。 239 ◯野田委員=現時点でということであれば、ぜひこれは検討の中に入れていただきたいというふうなことでお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。 240 ◯岩元参考人=オスプレイがある程度操縦士等の訓練も一段落がついている、そういった状況になって、地元の皆様方の御要望を踏まえて、また県とも御相談をさせていただきたいというふうに考えております。 241 ◯石倉委員長=ほかにはいらっしゃいませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕 242 ◯石倉委員長=質問はないようですので、これで質疑を終了します。  以上で岩元参考人及び他の参考人に対する質疑を終了いたしました。  岩元参考人及び他の参考人の方々には、御多忙中、長時間にわたり貴重な御意見を述べていただきまして、誠にありがとうございました。  参考人及び補助者は御退席されて結構です。どうもありがとうございました。     〔参考人退場〕 243 ◯石倉委員長=以上をもちまして、本日予定していた参考人からの意見聴取を終了いたします。  本日の委員会において参考人から述べられました意見につきましては、今後の委員会審議に十分反映させたいと存じます。  なお、本日の委員会での説明及び質疑応答などについて、数字または字句の誤り及び不適切な表現などがありました場合は、適宜、委員長の手元で精査の上、訂正などを行うことに御承認を願っておきます。     ○ 継 続 審 査 244 ◯石倉委員長=お諮りいたします。  自衛隊による佐賀空港使用等、及びそれに伴う有明海の海洋環境の保全等に関する諸問題の調査に関する件につきましては、重要な問題が残されておりますので、閉会中もなお継続審査に付する必要がある旨を副議長に申し出ることにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 245 ◯石倉委員長=御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  これをもちまして、佐賀空港・有明海問題対策等特別委員会を閉会いたします。御苦労さまでした。     午後二時三十五分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...