佐賀県議会 2020-09-24
令和2年農林水産商工常任委員会 本文 開催日:2020年09月24日
最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時二分 開議
◯古賀陽三委員長=ただいまから
農林水産商工常任委員会を開催いたします。
これより質疑に入ります。
通告に従い、順次発言を許可します。
2 ◯宮原委員=皆さんおはようございます。今議会もコロナ対策として予算提案がなされておるところでございまして、まだまだコロナの影響というものは大きいようでございますし、つい最近では、ニュースでも今日の感染者は何人でしたと確認できたところというようなことがなかなか報道にならないような時期にもなってまいりましたけれども、やはりまだまだ感染者はいらっしゃるわけでございまして、これから先も予断を許さないのが現状ではなかろうかと思うところでございます。いまだに死者の方もいらっしゃいますし、また医療の現場では、本当に肺炎に対する配慮というものの対策を取られているわけでございます。
初期症状のときに薬が効くものもあればということではなかろうかと思うところでございますけれども、まだまだ医療の分野の推進、それから進歩というものを遂げていかなければ、このことはなかなか収まらないのではなかろうかと思うところでございます。
これより、また皆さんの生活もあるわけでございます。命を確保し、それから、生活も私たちは確保していかなければならないわけでございまして、その分野におきまして、皆さん方から御配慮いただきながら予算を計上していただき、そして佐賀県民の皆さん方が暮らしやすさを実感していただく、生活をしていただくということの観点から、このような予算が出されたのではなかろうかと思うところでございまして、これより審議をさせていただきたいと思っているところでございます。
まず、コロナ対策として、
中小企業DXフラッグシップモデル創出事業として提案をなされているわけでございますけれども、名前を聞いてもなかなかぴんとこないわけでございまして、この概要についてお伺いをしたいと思いますけれども、どのような事業なのかをお示ししていただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=事業の内容についてお答えいたします。
今回の事業は、
新型コロナウイルス感染症の拡大を契機にDXの取組が加速している状況を踏まえ、県内の各産業分野に応じた
フラッグシップモデル、いわば参考やお手本になる事例を創出しまして、県内全体に波及させることで、
県内中小企業の持続的な発展を図るものでございます。
今回、佐賀玉屋におけるDXの取組では、実店舗、ネット店舗、外商のそれぞれのデータを連携させまして、それらデータを効果的に活用することで、品ぞろえの改善、受発注と在庫管理の最適化、実店舗と
ネットショップの連携強化、特定の顧客層への効果的な商品提案、こういったことを実現することを目指しております。
今年度は、第一弾として百貨店のDXを支援しまして、来年度以降、製造業や卸・小売業、飲食業等への支援を検討していくと考えております。
以上でございます。
4 ◯宮原委員=課長さんから佐賀玉屋への予算の提供を予定しているということでございましたけれども、まずDXについてお伺いさせていただきたいと思いますけれども、DXってどのようなものなのか御説明いただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=DXについてお答えいたします。
DX──デジタルトランスフォーメーション、この定義は様々でございます。産業分野で申し上げますと、企業がデジタル技術を活用して、製品やサービス、
ビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや組織、プロセスなどを変革することでございます。
DXの事例としまして、例えば、身近なもので御説明いたしますと、音楽や映像、こういったことがこれまではCDとかDVDなどの媒体を介して購入したり、レンタルしたりとか、そういったのが主流であったところでございますが、DXをすることによりまして、映像や音楽がデータ化されて、
インターネット上であるとか、
スマートフォンでやり取りが可能になると。あるいは月額定額制の聞き放題や見放題、こういったサービスも可能になっているところでございます。
また、ネット販売、こちらにつきましては、これまでは注文を受けた商品を販売するといったシンプルなやり取りだったものが、DXによりまして、顧客の好みを分析して顧客ごとに商品情報を提供しましたり、商品に対する購入者の評価を公開するなど、顧客優先のサービスが実現されているといったことでございます。こういった事例がありまして、DXが身近なところでも活用されているところでございます。
以上でございます。
6 ◯宮原委員=今、課長さんの御説明をお伺いしますと、新たな分野への進出という感じがせず、ふだんからあっているところに支援をするというような感じがしたわけでございますけど、もう少しこの新しくやっていくんだよというところもお伺いさせていただき、データの連携という言葉も出ていましたけれども、データの連携についても御説明いただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=データの連携について御説明させていただきます。
今回、先ほど御答弁しましたように、佐賀玉屋では、実店舗、ネット店舗、外商のデータを連携するという取組を予定しておるところでございますが、具体的な内容につきましてはこれからの検討になりますが、例えば、実店舗や外商で得られた顧客データを基に、ネット店舗の商品構成を組み立てる。あるいは今後、ネット販売によるデータが蓄積されれば、そのデータを実店舗や外商にも共有して、実店舗では品ぞろえや在庫管理を改善、外商では顧客への効果的な商品提案を実施、また、在庫管理をデータ化することで、ネット店舗の利用者の方は二十四時間、在庫状況を確認できて、スムーズな予約購入が可能になります。
そのほか、お客様と販売員や外商担当をネット上でつなぐことで、パソコンや
スマートフォンを通じて
接客サービスを提供する、こういったことが考えられます。
最近、この百貨店の新しい試みとしては、コロナ対策ということもあって、こういったリモートでの接客に新しく取り組んでおられるという百貨店も大手の百貨店ではあるところでございます。
以上でございます。
8 ◯宮原委員=今までの御説明をお伺いしますと、普通の事業者であればやっていることを、ただデジタル化するというようなことで、そのデジタル化に向けても、何ら、それが本当にデジタル化なのかというような気もするわけでございまして、もっと具体例を挙げていただかなければならないのかなという思いがしたところでございますけれども、この先も課長さんより御説明をいただきながら、この議案について確認をさせていただきたいと思っておりますけれども、その後、やっぱり効果が出なければ何もならないわけでございます。八千万円の予算化をされているわけでございますので、事業効果についてどのように思われているのかお伺いさせていただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=事業の効果についてお答えいたします。
まず、佐賀玉屋におかれましては、今回のDXの取組によりまして、新たな
ビジネスモデルを構築し、一定の経営的な成果を上げていただくということがございます。
そして、この事業を通じまして、各産業分野に応じた
フラッグシップモデルのお手本を創出しまして、県内全体にDXを波及させたいと考えております。
佐賀玉屋には、来年度以降、DXの取組における課題の洗い出しや、その解決方法、システム化の効果、組織の在り方の見直し等、企業の生の声として、県のホームページをはじめとしまして、
産業スマート化センターや商工団体のセミナーなど、様々な機会を通して紹介していただきたいと考えております。
地域経済のシンボル的な存在であり、県民にとって身近な存在でもある佐賀玉屋のチャレンジを広く発信することで、DXの必要性を多くの県内企業に理解していただき、その取組を促進したいと考えております。
以上でございます。
10 ◯宮原委員=課長さん、ごめんなさい。効果というところで、これはこの補助を受けるところが何らかの改善をされて、売上げがアップすることが効果というような形で言われました。
事業は、これから先広げていくので、そこにサンプルとして出すことが、また一つの効果のような形で言われましたけれども、この事業によって、玉屋がもっとよくなるということを、ただ売上げだけで言われても困るわけでございまして、もう少し御説明を願いたいと思いますし、また、なかなかまだまだ見えてこないのが、そのデータの連携もふだんから連携はされているはずでしょうし、それからこの事業の効果についても、先ほど言いましたとおり、もっと具体例も挙げていただきながら、売上げアップだけが効果だと言われたら、なかなかこれは理解しがたいというところではなかろうかと思いますので、もう少し説明をしていただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=委員御指摘のとおり、売上げの拡大でありますとか、収益構造の改善、こういった経営的な成果というのももちろん一つございますが、ほかにもやっぱり佐賀玉屋さん、大通りの核となる店舗でございます。ああいったところがしっかりと経営が将来的にもうまくいって、お客様が集まると、そういった施設になることで佐賀市の中心地域であるあの大通りの周辺の地域振興にもつなげたいというふうに考えております。
また、データ連携につきましてですけども、我々も今回、具体的な事業を検討するに当たって、そういった販売実店舗とかネット店舗とか外商さんとか、データがある程度連携はされているのかなと思っていたんですけれども、実際のところ、なかなかそこの連携ができておらず、それぞれの部門ごとに個別でデータを管理されているといった状況が見られました。それをやっぱり一つのシステムの中でデータを連携させることで、例えば、他部門の職員さんが簡単にほかの部門のデータにアクセスできるとか、それぞれのデータを引き取り出して編制して、それを活用するとか、そういったデータ連携が考えられるというふうに考えております。
以上でございます。
12 ◯宮原委員=ここから見える町並みですけれども、玉屋があって、その町並みができているというようなイメージをとられているのかもしれません。ただ、玉屋さんも大事ですけれども、ほかの分野のところも大切であろうし、また新しく参入していただくことも私は大切なんだろうと思います。
ただ、既存のところも大事にしていくというその姿勢も私にも分からないわけではありませんけれども、ただ、町並みがよくなることが効果と言われたら、そこを期待していると言われてもなかなか──じゃ、それはDXで何ができているんですかというようなところにまた戻らなければならないところでございますので、しっかりとした答弁を願いたいと思っているところでございます。
そのくらい課長さんのお話からすると、企業としてなかなか佐賀県内、そういった
情報システムが確立されていない企業が多いということの認識の現れなのかなという感じもしたところでございまして、多くの企業がこのDXを取り入れていただきながら、本当にデータとして、しっかりとしたチーム佐賀という形もとっていただきながら、佐賀県で全国を制覇するという勢いを持っていただければ私は幸いに思うところでございます。
これからの支援についてもお伺いさせていただきますけれども、今回その百貨店について支援をされるということでございましたけれども、これよりそれぞれの業種についてもどのようにして支援をしていかれるのか、その検討されているところをお伺いさせていただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=すみません、先ほどの答弁につきまして、ちょっと私の答弁が不十分で申し訳ございませんでした。あくまで今回の取組というのは、佐賀玉屋におけるDXの取組をしっかり推進すると。それをもって、県内のほかの企業さんにも波及して、県内全体のDXを広めていくというのがこの事業の目的です。
先ほどの地域振興みたいな話をしましたのは、やっぱり県内有数の百貨店ということもありますので、そこはしっかり我々としても支援していきたいという思いを言ったところでございました。申し訳ございませんでした。不十分でした。
先ほどの御質問にお答えいたします。
来年度以降の支援についてでございます。来年度以降の百貨店以外の業種、業態への支援につきましては、これから具体的な検討を行うことになりますけれども、こちらも事例で紹介したいと思います。
例えば、製造業では、顧客の工場に納品した機械と自社の
製造管理部門、さらには、その担当者の
スマートフォンを
インターネットでつなぎまして、リアルタイムで工場の稼働状況の監視、あるいは機械のトラブルの発生と、その原因把握などを行うことによって、迅速で効率的な顧客対応が可能になる、こういったことも考えられます。
また、事務所全般では、これまで社員の手入力で管理されていた手書きの書類や帳票を自動的に読み取ったり、コンピューターが社員に代わって顧客と会話する、そういったシステムを導入することで、これまで大量の定型的作業を人手でやっていたのを自動化することで、業務の効率化や社員の負担軽減などを実現する、こういったことが考えられるところでございます。
今回の事業を通じまして、多くの県内企業にDXの必要性や効果を認識していただきたいと考えております。
そのため、今年度、第一弾として実施する百貨店におけるDX支援は極めて重要であります。しっかりとした成果を上げられるよう、佐賀玉屋とともに取り組み、来年度以降の他の業種、業態での取組につなげてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
14 ◯宮原委員=データ連携を生かしながら、モデル創出ということで出されているわけでございます。
お伺いすると、多くの社員の皆さん方が今スマホも普及していますので、スマホでもちゃんとデータの管理ができるというようなところまでシステム的にいけばというようなお話だったのかなという感じがしたところでございますので、多くの皆さん方がデータを共有されながら、本当にその企業がますます向上されることを願うところでもございますし、そのことによって地域社会が成り立つ。そして佐賀県が浮揚するということであれば、私もそこに共感を覚えるところでもございますし、そういった佐賀県の浮揚というものを私も大切に思うところでございますので、この事業をぜひとも成功させていただきながら、大きく波及していただき、そして佐賀県が本当に連携が保てるような地域になるようにお願いをしておきたいと思いますので、しっかりとした事業にしていただきますことをお願いしたいと思います。
それでは、「後世に残したい店」支援事業についてお伺いさせていただきたいと思いますけれども、事業名を聞きますと、気持ち分からないではないんですけれども、なかなかちょっと分かりづらいといいましょうか、しっかりとしたところがつかみにくいなという思いがしたところでございまして、この支援事業について、どのような内容なのかをお伺いさせていただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=事業内容についてお答えいたします。
まず、この事業の背景としましては、県内には地域に愛されるお店が数多くありますが、特に家族経営を中心とした飲食店などでは、例えば、親族に後継者がいないので自分の代で廃業する、あるいはわざわざ親族以外の第三者に承継してまで店を残さなくてもいいという考えを持っている経営者も多くいらっしゃいます。さらには、
新型コロナウイルスの影響で、このままでは地域に愛される店、後世に残したい店の廃業が相次ぎ、地域の活力が失われていく懸念がございます。
このため、
新型コロナウイルスの感染拡大によりまして、多くの事業者が深刻な影響を受けている今、後継者不在の後世に残したい店の魅力を
ウェブサイトやパンフレットなどで情報発信することで、その価値を可視化、共有化して、地域住民の声による経営者の
事業承継意欲の喚起、あるいは後継者探しの後押しを行い、事業承継の促進を図るものでございます。
具体的には、委託事業としまして、各地域にある後継者不在の後世に残したい店を自薦、他薦問わず広く公募いたします。そして、公募により推薦された店舗の中から五十店舗程度を選定いたします。選定した店舗の取材、これは、例えば、店舗やメニューの紹介でありますとか店主の思い、顧客の声、こういったことを取材する予定でございます。そして、選定した店舗を
ウェブサイトや
パンフレット等を通して幅広く広報していくように考えております。
なお、この事業対象は、まずは
新型コロナウイルスの影響で非常に厳しい経営環境に置かれております飲食店を対象としておりますが、来年度以降は飲食店以外の直接消費者を相手にするほかの業種への展開を検討しているところでございます。
以上でございます。
16 ◯宮原委員=今、課長さんの御答弁をお伺いしますと、現行の店主の方が残したいという意向があれば、そこに当てはまるというような感じがしたわけでございますけれども、後世に残したい店については、私も選定の仕方とかお伺いをしようと思いましたけれども、私の解釈のとおりでよろしいのか、ちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、後世に残したい店というものがどういうものなのか、もう一度確認を取らせていただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=後世に残したい店についてお答えいたします。
後世に残したい店について、分かりやすいイメージとして、地域に愛されている個人経営のお店を想定しております。例えば、家族とか少人数による個人経営のお店、そして後継者問題を抱えている、そしてこの店ならではの魅力がある、この店でしか味わえない料理がある、地元住民に愛されている、イメージとしてはこういったイメージをしておるところでございます。
以上でございます。
18 ◯宮原委員=となると、一番最初に事業の説明のときに言われていた、店主が後継者がいないからどうしようかというところだけではなく、地域の皆さん方からも見ていただかないと、その店に合致しないということでよろしいのかなと思ったところでございますけれども、確認をもう一回取らせていただきますけれども、選定がどのような形で行われるのかお伺いをさせていただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=後世に残したい店の選定についてお答えいたします。
店舗の選定につきましては、公募により推薦された店舗の中から行うことにしております。この選定に当たりましては、例えば、県内の飲食業界に詳しい方でありますとかマスコミ関連の方、そして商工団体の方などから成る選定委員会を設けて選定する方向で今考えているところでございます。
以上でございます。
20 ◯宮原委員=選定がそのようにして行われるということでございましたけれども、一応目標を設定されております。五十店舗ということでございますけれども、これより多くなるかもしれませんし、少ないかもしれません。これより多くなるというようなことがあれば、やっぱり後世に残すという店をなくすということでもございますので、大変な思いもするわけでございますけれども、大体五十店舗と数字を出されていますけれども、本当に五十店舗あるのかなという思いもしますし、また五十店舗以上、本当にあるのかもしれませんけれども、大方の目安を五十にされたところをお伺いさせていただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=五十店舗という選定数についてお答えいたします。
今、目標として五十店舗を設定しております。これは選定作業がありますので、あまり選定数を大きくすると絞り込みが難しくなるということもあります。
それと、事前に県内の商工団体にヒアリングを行いまして、そのときでも我々が知らないようなお店を三十店舗ほどお聞きしました。そういった中で、なかなか県内全域には知られていないんですけれども、地域にはそういった愛されているお店というのは確実にあるということで五十店舗を選定したところでございます。
五十店舗という目標を設定しておりますので、一人でも多くの県民の声とか一件でも多くの推薦をいただけるよう推薦募集の広報、周知についてはしっかりと行っていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
22 ◯宮原委員=地域に根差したといいましょうか、また印象に残る店があればというところだろうと思うところでございますし、また、後世に残したいとみんなが思ったとしても、後世に残るように繁盛しなければ残っていかないわけでございまして、根本のところは、多くの皆様方が残したいと思うなら、そこに支援をするのが当たり前。支援という形かどうか知りませんけれども、そこで商品というものを皆さん方が購入していただくことが一番の支援になるわけでございまして、したいと思うなら、やることはやっていただかなければならないわけでございますので、多くの皆様方がそこに賛同していただくことをお願いしたいと思いますし、また多くのところが飲食店になるかと思いますので、おいしく食していただければ幸いに思うところでございます。
本事業の実施について、どのような効果を見込んでいるのかもお伺いをさせていただきたいと思います。
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◯大橋産業政策課長=先ほど御答弁させていただきましたとおり、この事業では、後継者不在の後世に残したい店の価値を可視化、共有化することで、経営者の
事業承継意欲を喚起するとともに、後継者探しの後押しにつながることを目指しております。
具体的には、経営者が顧客をはじめとする周りの人たちからお店を続けてほしい、この味を残してほしいといった声を受けて、店主の方が御自身のお店の価値でありますとか、こういったファンの方がいるということを改めて気づいていただきまして、事業承継を考えていただきたいと思っております。そして、多くの人が店を知ることで、そこのお店の事業を引き継ぎたいと考える人が現れるなど、本事業で取り上げた店舗において、一件でも二件でも事業承継につながり、それが地域のにぎわいや活力につながっていくよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
24 ◯宮原委員=佐賀県に多くの皆さん方の思いの詰まった店舗というものが多くあれば、佐賀県への御来場も多くなるのかなという気がしますし、また、里帰りの折にも懐かしみを思いながらこのふるさとを思っていただく、そういったところもつくっていただくことも大切だろうと思いますので、よりよい佐賀県が成り立つように皆さん方の事業をよろしくお願いしておきたいと思います。
それでは、その次に、ものづくり企業イノベーション促進事業についてお伺いをさせていただきたいと思います。
これは製造業になっていくのかと思いますけれども、この事業についてもお伺いをさせていただきますけれども、まずは事業内容についてお伺いをさせていただきたいと思います。
25 ◯林ものづくり産業課長=事業の内容についてお答えいたします。
この事業につきましては、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によります社会情勢の変化、これを好機と捉えまして、県内のものづくり企業がものづくりにクリエーティブを掛け合わせる、こういったことによりまして、これまでの取組から一歩踏み出しまして、事業革新や新しい
ビジネスモデルを生み出すことで企業が発展していくことを目的とした事業でございます。
事業の内容といたしましては、ものづくり企業が外部のデザイナーさん、あるいはクリエーターさん、こういった方々を活用して行いますブランディング、あるいは商品開発、プロモーション等に要する経費に対して支援を行うものでございます。
具体的に申し上げますと、既存の商品に付加価値につけるような商品開発、あるいは新たな顧客を獲得するために商品の見せ方、こういったことを工夫した広報展開、それから、企業理念とかビジョン、こういったことを再構築することによります企業の総合ブランディング、こういったことを想定しているところでございます。
以上でございます。
26 ◯宮原委員=それぞれの企業に対してコンサルタント業の手助けというような感じかと受け取ったところでございますけれども、先ほどクリエーターとの掛け合わせということのお話もあっておりました。クリエーターとの掛け合わせについてどのような形で行われるのかをお伺いさせていただきたいと思います。
27 ◯林ものづくり産業課長=クリエーター等との掛け合わせ、これをどのように行うのかについてお答えいたします。
ものづくり企業の中には、既にクリエーター等と連携している企業、こういった企業もあると思いますけれども、一方で、これまでクリエーター等と連携した経験がなくて、今回の事業を契機といたしまして、クリエーターなどを探す企業もあると思っております。
こういったことから、クリエーターさんなどを探しているものづくり企業と、それからものづくり企業に自社の得意分野をアピールしたいというクリエーター等がお互いに情報交換を行えるように、県のホームページにおきましてお互いの情報を掲載いたしまして、マッチングを図ることといたしておるところでございます。
以上でございます。
28 ◯宮原委員=じゃ、佐賀県のホームページの中で見つけてくださいよということで理解してよろしいですか。
29 ◯林ものづくり産業課長=先ほど申しましたとおり、既にクリエーターさんと一緒に連携されている企業さんもありますけれども、まだ連携されていない企業さんについては、当然それぞれの企業さんで見つけてきていただいても結構ですし、もしそういったところがなかなか見つけられないという企業さんについては、県のほうでもそういった企業さんの情報をホームページで公開させていただきたいと思っておりますので、その中で見つけていただくということもあるのかなというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
30 ◯宮原委員=こういったところがなかなか進んでいないからこそ、こういったところも進められるということであろうかと思いますけれども、県内そんなに多く事業改革をされようと思って、そういったプロモーター、もしくはクリエーター、それからコンサル料を払っておられないところが多いのかなという気がしたところでございますけれども、実際そういったところ、自社性が強いというところが多いのでしょうか、確認を取らせていただきたいと思います。
31 ◯林ものづくり産業課長=今の自社性が強いというところについてお答えいたします。
なかなかやっぱり県内企業、一定下請的なところもございまして、そういったところについてはなかなかクリエーターなどとつながっていないところがあるのかなと思っております。一方で、最終製品を作っているようなところにつきましては、一定のデザイナーさんとかクリエーターさんと連携をしながら、そういった事業に取り組まれているところもあると。それぞれの業種によって様々の状況ではないかというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
32 ◯宮原委員=対象期間についてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、支援事業の対象期間がどのようになっているのかお伺いをさせていただきたいと思います。
33 ◯林ものづくり産業課長=対象期間についてお答えいたします。
この事業につきましては、緊急事態宣言の発令日であります本年四月七日から来年二月末までを事業対象期間といたしているところでございます。本議会の御承認がいただければ、速やかに募集を開始したいというふうに準備を進めているところでございます。
今申し上げました期間内でございましたら、既に実施されている、取りかかられている、そういった取組も対象とすることといたしているところでございます。
以上でございます。
34 ◯宮原委員=今の課長さんの答弁でいうと、取組を始めて完了までもちゃんと見るということで間違いないのか、ちょっと確認を取らせていただきますけれども、そのことと、それから対象期間で事業の完了が本当に終われるのか、期間は短いんだろうと思います。いろいろ連携を取ってコンサルとしてやっていくにしても、やっぱり長いスパンがかかるんだろうと思いますけれども、その点についてどのように考えられているのかお伺いさせていただきたいと思います。
35 ◯林ものづくり産業課長=対象期間と事業の完了についてお答えいたします。
対象期間につきましては、先ほど御答弁いたしましたけれども、緊急事態宣言の発令日、今年四月七日以降の取組でございましたら対象といたしたいというところでございます。ですので、既に終わっている、あるいは今継続して取り組んでいる、あるいはこれから取り組む、こういった事業があるのかなというふうに思っているところでございます。
それから、事業の完了についてでございますけれども、この事業につきましては新商品の開発などを一から行うのであれば、相当時間がかかるかなというふうに思われますけど、既存の商品の磨き上げとかコンセプトを見直す、あるいは新たなプロモーションを図るとか、そういったものでございましたら、期間内に効果を十分上げられる取組も多いというふうに考えておりまして、今回の事業では、こういった比較的短期間で効果を上げられる取組が中心になるものではないかというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
36 ◯宮原委員=それでは、広報もされながら受けられているところもあるんだろうと思いますので、支援事業の対象業種としてどのようなものがあるのかお伺いをさせていただきたいと思います。
37 ◯林ものづくり産業課長=対象業種についてお答えいたします。
この事業の対象となる業種は、広くはものづくり企業全般を考えておりますが、具体的には食料品だとか飲料、あるいは金属製品とか電子部品、陶磁器とか家具、こういったものも含めまして、様々な業種を対象にしたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
38 ◯宮原委員=多くの業種に、全部の業種に当てはまるということでございました。
事例があるならば、事例もお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、どのようなものがあるのか、お伺いできれば幸いに存じるところでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
39 ◯林ものづくり産業課長=具体的な事例ということにつきましてお答えいたします。
様々な事例が考えられますけれども、過去の似たような実例、これを申し上げさせていただきますと、お菓子を製造している企業、こちらのほうが既存商品に適した県産品を使ったジャムを開発しまして、既存商品と併せて販売するということで付加価値を高めて売上げを向上させる、こういった取組でありますとか、家具を製造されている企業がオンラインで商品を閲覧できるようなバーチャルショールームというようなものを開設することで売上げを向上させる取組だとか、あるいは自動車部品を製造する企業が企業理念とかビジョンを再構築いたしまして、ホームページやパンフレット、あるいは作業着などをリニューアルさせるということで、一般への認知度を向上させる取組、こういったものが事例として挙げられているところでございます。
以上でございます。
40 ◯宮原委員=では、効果についてお伺いをさせていただきたいと思います。
どのように効果を見込んでおられるのかお伺いをさせていただきたいと思います。
41 ◯林ものづくり産業課長=事業の効果についてお答えいたします。
この事業ですけれども、ものづくり企業が新たな試みへの挑戦を行うということで、ものづくりとクリエーティブ、これを掛け合わせて生まれますイノベーションによりまして、売上げの回復とか向上、こういったことが図られまして、企業の持続的発展、成長につながることを期待しているところでございます。
また、県内のデザイナーやクリエーターにとっても、ものづくり企業とつながりを持つ絶好の機会でございまして、今回の事業を通しまして、今後、両者の連携が発展、拡大することで県内クリエーティブ産業の活性化につながることも期待しているところでございます。
以上でございます。
42 ◯宮原委員=今、課長さんの御答弁をいただきましたところで感じたところは、その前にDXというような話もありました。本当に情報が手薄な企業が多いというような、データが不足しているというようなところが多いのかなという気が改めてしたところでございますので、またDXの普及がなされながら、そしてものづくりがより効果がなされることも願うところでもございますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。
それでは次に、新卒者の就職のサポートについてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、新たに事業を立ち上げられているわけでございますが、大学生の就職について、今、コロナ禍の中で活動状況はどのようになっているのかお伺いをさせていただきたいと思います。
43 ◯鷲崎産業人材課長=大学生の就職活動の状況について説明させていただきます。
まず最初に、大学生の就職活動の例年の流れにつきまして御説明させていただきます。
四年制の場合でございますが、まず、三年生までの間にインターンシップで企業との接触がございます。それから、三年生の学年末、三月以降に多数開催されております合同での企業説明会に参加されて企業情報を多数収集して、その中から関心のある企業にエントリーを行う。そして、その後、企業見学、集団や個人での面接、採用試験などといったプロセスを経まして、企業から実質的な内定である内々定を含め、就職内定を得ていくということが例年のおおよその実情となっております。
それが今年度につきましては、
新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの人が集まることが制限されたところでございまして、三月以降の合同の企業説明会、そういったものが中止となりまして、学生が企業との接点を失って、多くの企業情報を直接得ることが困難な状況になっているところでございます。
企業側に取りましても、学生との接点を得ることが困難になったために、その対策として、いわゆるウェブによって説明会や面接をする動きが広がってきておりまして、学生の側も、それに対応するようにウェブでの就職活動に切り替えられ、ネット上での企業へのエントリーやウェブ面接対策などを講じられている状況でございます。
加えまして、企業の側では、
新型コロナウイルス感染症の影響によって採用計画を見直す動き等もございまして、学生も目標とする業種や企業を変更せざるを得ないといった状況が生じているとも聞いているところでございます。
こうしたことなどから、就職活動の進捗にも遅れが見られ、民間就職情報会社の調査によりますと、内々定を含めて内定を得た学生の割合である就職内定率は、今年度は九月一日時点で八五%と、前年の同じ時期と比較しまして八・七ポイント低い状況となっております。
また、このような状況に加えまして、別の民間情報会社の調査でございますが、UIターンや地方での転職を希望する者の割合が二月と比較しまして一四・三ポイント増加して三六・一%となるなど、地方への就職の関心が高まっているというようなところも見られるところでございます。
以上でございます。
44 ◯宮原委員=状況もお伺いをさせていただいたところでございまして、私も就職活動をさせていただきました。なかなか試験まで行くのも大変な感じでございまして、各会社に大変多く訪問をさせていただいたのも覚えているところでございます。その活動がなかなかなっていないということで、また、薄い付き合いの中で企業を選んでいきながら就職をされるということでもございます。実際、本当にその後が長く続けられるのかどうか不安になるところもあるわけでございまして、これがまた一つの時代かもしれませんけれども、できるだけ多くの皆様方が就職をされまして、その企業と一体になって企業が盛り上がることを私も思うところでございます。
これより今、企業が地方に目を向けられているということでもお話があっておりました。私ども、この佐賀県は地方の地域でもございます。県内企業の就職がどのような形でなされているのか、就職というか、採用という形かもしれませんけれども、その状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。
45 ◯鷲崎産業人材課長=県内企業の採用活動の状況について答弁させていただきます。
まず、採用の見込みでございますが、今年八月に県内企業六十社、製造業三十社、非製造業三十社に対して、来年春の大学生の採用見込みについて電話によるヒアリング調査を実施したところでございます。
その結果を見ますと、まず製造業では、もともと大学生を採用していない十社を除く二十社におきまして、「前年より拡大」が二社で一〇%、「前年並み」が十三社で六五%、「前年より抑制」が三社で一五%、「未定・回答なし」が二社で一〇%となっております。
製造業では、売上げが落ちている企業でも、コロナ後に通常生産に戻ったときに備えて、採用計画を前年並み以上としている企業が多いといった傾向にございます。
また、前年より拡大と回答した企業には、これまで新卒の採用活動で苦労してきたことから、今回を好機として積極的に採用していきたいといった企業もございます。
次に、非製造業を見ますと、もともと大学生を採用していない六社を除く二十四社におきましては、「前年より拡大」が四社で一七%、「前年並み」が十社で四二%、「前年より抑制」はゼロ、ありませんでした。「未定・回答なし」が十社で四二%となっております。
非製造業では、製造業と比較しまして、「前年より抑制」の回答がなかった一方、コロナ禍の影響の見通しが立つまでの様子見として未定とされた回答が多いと考えられるところでございます。
また、採用活動の状況についてでございます。
採用活動につきましては、先ほど学生のところでも申し上げましたが、
新型コロナウイルス感染症の影響によって、三月以降、対面での企業説明会が中止となったことから、企業のほうにおいても多くの学生と接しまして、企業の情報を学生に直接伝えるとともに、採用候補者を確保して一定の母集団をつくるということが難しい状況になっております。
このため、ウェブによっての説明会や面接を行う動きが広がっておりまして、県内においても──すみません、定量的な把握はできておりませんが、ウェブを使った合同説明会への参加や独自にウェブを使って説明会を開催したり、面接を実施したりする企業が増えていると、そういった状況にございます。
以上でございます。
46 ◯宮原委員=サンプル結果を取られて、ある程度の事業が進められているということで──事業といいましょうか、内定も決まっているということでございました。
これまで取り組んでこられた佐賀県の状況もお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、これまでジョブカフェSAGAが取り組んでこられたこともあろうかと思います。今回また改めてこのような形で取られているわけでございますけれども、どのような事業として考えられているのかをお伺いさせてください。
47 ◯鷲崎産業人材課長=事業の内容について御説明させていただきます。
取組の契機、それからこれまでの取組との違いでございますが、まずジョブカフェSAGAにおきましては、県内就職に関する情報提供をするとともに、就職相談や面接対応指導、それからエントリーシート等の記載の指導など、主に対面を前提とした就職活動の支援をアドバイザーが行っているところでございまして、その支援対象もおのずとジョブカフェSAGAに来所することのできる県内在住者が中心となっているところでございます。
県外の人への相談等の対応は、帰省の際に来所していただいたり、そういったところが主になっておりまして少ないところでございます。
それがコロナ禍によりまして、県外、特に首都圏の若者の地方に対する関心が高まっていることや大学でのオンライン授業というものが一般的になりまして、またウェブでの就職活動というものがございまして、大学生がウェブ、いわゆるウェブ会議システム等を使った対応に慣れてきたというところもございますので、そういったウェブを活用して、県外在住者に対して県内への就職の支援をしやすくなった状況でございます。
このために、ジョブカフェSAGAにおいてもウェブを活用して県外の在住者に対しても積極的に相談対応等の支援活動をしていきたいと考えるに至ったところでございます。
事業内容でございますが、当該事業では、ジョブカフェSAGAにおける県外在住者向けの就職支援に本格的に取り組むことから、支援体制をしっかり整えるため、県外向けの専任アドバイザーを配置することとしております。このアドバイザーは、県外在住者に対して、来所できる県内在住者に実施している支援と同様の相談対応等の支援をウェブを活用して実施したいと考えております。
また、
ウェブサイトや支援申込者の登録システムについても、これまでは県内在住者を想定して構築していたものですが、県外在住者への支援も想定したものとするために、ウェブによる就職相談等ができることを情報発信していくこと、それから、支援申込者に対する必要な情報やサービスを効率よく届けるためのシステムの改修などを行うことにしております。
以上でございます。
48 ◯宮原委員=これは就職支援でございますので、UJIそれぞれの形で戻ってこられる、そのサポートでございますけれども、課長さん、お伺いさせていただきたいと思いますが、もし分かればですけれども、今年度の公務員の就職の状況で、私見で例年より上回っているかどうか、お分かりになられますか。
49 ◯鷲崎産業人材課長=すみません、公務員の就職状況を存じ上げておりません。申し訳ございません。
50 ◯宮原委員=佐賀県においては公務員になりたいという方が大変多くて、県外に行かれた方も戻ってくるときには大体公務員を希望される方が多いわけでございまして、できれば多くの皆さん方が県内に戻ってきていただくのもよろしいかと思いますけれども、やっぱり一般企業にお勤めいただいて、新しい──先ほどより自社的なところが多く、また多くの情報が不足しているというような話もあっておりましたので、企業に入っていただきながら、各地域の情報交換というものを余計していただいたほうが私はよいのではなかろうかなと思うところでもございますので、またそういった支援に対して、これからもよろしくお願いをしたいと思います。
先ほど課長さんからお話しありました、二名を採用されるということでございますけれども、その二名についてお伺いをさせていただきますが、どのような方々を採用されるおつもりなのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
51 ◯鷲崎産業人材課長=新たに配置しますアドバイザーの採用について御説明させていただきます。
新たに配置するアドバイザーにつきましては、就職のために必要な自己分析の方法やエントリーシートの作成支援、面接指導等を専門的に行うことを認定する国家資格でございますキャリアコンサルタントという資格がございますが、こういった資格の有資格者、または有資格者ではなくても、これまでの経験などから、こうした素養を身につけられている方が望ましいと考えております。加えまして、佐賀のことや県内企業のこともよく理解いただき説明いただけるような力のある方であれば、より一層望ましいというふうに考えております。
こうした人材を早く見つけまして、事業効果が十分に図られるように努めていきたいと考えております。
以上でございます。
52 ◯宮原委員=大変優秀な方を採用していただきまして、より効果が増すようにお願いをしたいと思っておりますけれども、効果についてどのように見込んでおられるのかお伺いをさせていただきたいと思います。
53 ◯鷲崎産業人材課長=本県では、高校卒業後、進学する方の八割が福岡や東京などの県外に進学されており、こうした県外への進学者等に対してUターン就職を促すことは県内企業の人材確保のために非常に重要だと考えております。
このために、これまでも県外進学者に対して大学訪問等による情報発信や企業と学生の交流会、説明会などを継続的に行ってきました。また、新たな取組といたしまして、二月には全国初となるウェブによる合同企業説明会を開催し、四月からは就職活動のために来県する交通費の補助制度を設けたところでございます。このような情報発信やマッチングの支援に加えまして、今回、ジョブカフェSAGAで県外在住者向けの就職相談の支援をさらに手厚くすることになります。
こうしたことを通じまして、八割県外に出て行かれるとございましたけど、そういった方々が県内へ一人でも多く帰ってきていただけるように努めていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
54 ◯宮原委員=このことについては、教育委員会とも連携していただきながら、やっぱり小・中・高時代にこの地域の学校に行かれた方は、この地域に戻ってきてほしいなというようなものをつくり上げていかないと、なかなかそうならないだろうと思うところでございますし、早い方は小学校から他県に出られたりしますし、中学校でも当然ながら他県に出られる方も多いわけでございますので、そうされても佐賀県にいつかは戻ってくるというような、そういった思考を植えつけなければならないわけでございます。そういったところもまた教育委員会ともお話をしていただきながら、目を向けていただければと思うところでございます。課長さんも他県の大学に行かれてから戻ってこられているわけでございますので、その点も十分にお分かりになるところもあろうかと思います。またそういったところの連携もしていただければ幸いに存じるところでございますので、この成果がなされることを心からお願いするものであります。
それでは、次にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、認定農業者についてお伺いをさせていただきたいと思います。
国では、自らの創意工夫により効率的で安定的な農業経営となるよう計画的な改善をしていく農業者を、市町村が地域の担い手として認定する農業経営改善計画認定制度が平成五年に創設されたところでございまして、それ以降、多くの方が認定農業者の登録をされているところでございます。
国の事業として進められる中で、なかなか認定農業者が増えていっていないというところにおきましては、やっぱり私はどうかなとは思いましたけれども、六十歳を超えて認定農業者、七十歳以上でも認定農業者を新規に登録される方もいらっしゃった時代もあるわけでございまして、その制度を効果的に生かすということを考えることもありますし、またその制度に対して、登録をすれば、登録者数が多ければその制度が成り立っているという解釈を取っていかれてもどうかなと思った時代もあったところでもございますけれども、これより改めて県内の認定農業者の確認を取らせていただきたいと思うところでございます。
今回、本会議一般質問の中でも八谷議員さんも言っておられました。佐賀平野がある中、平野部での水田農業の確立をこれからお願いしたいと改めて思ったところというところでお話をされておったところでございまして、認定農業者それぞれに水田農業、園芸、それから畜産もあろうかと思いますけれども、まず農家であることは水田を持っているということでもございますので、そこがまずはある程度、一定程度成り立たないとなかなか先へ進まないのではなかろうかなと。ただ、国の支援事業、それから県の支援事業では、園芸、それから畜産一本に絞ってやっていくのも一つの経営の在り方だよというような推進もされているわけでございますけれども、まずは水田を確保していきながら、この佐賀平野部を守っていくことも大切であろうと私は思うところでございますので、その点についても、これからも重点課題として置いていただきながら、佐賀県の農業発展、888運動もされております。当然ながらそれも必要かと思いますけれども、一定程度の形を取っていただければ幸いに存ずるところでございますので、お伺いをさせていただきたいと思います。
これより多くの皆さん方が、若者も、昨日もトレーニングファームにもお伺いをさせていただいたところでございます。多分あの生徒さんたちも、研修生の方たちも認定農業者の登録をされるんだろうと思いますし、今されているかどうかも分かりませんけれども、あの課程が終わってから認定農業者になられるんだろうと思っています。より多くの方々が未来に向けて計画を立てられ、そしてその事業が成功されることを期待するわけでございますけれども、現状についてお伺いをさせていただきたいと思います。
認定農業者について、制度が始まってから長い年月が経過しておりますけれども、認定農業者への主な支援内容はどのようになっているのかお伺いをさせていただきたいと思います。
55 ◯竹下農産課長=認定農業者制度の概要と支援についてお答えをいたします。
この制度は、委員からお話がありましたように、平成五年の農業経営基盤強化促進法の制定に伴い創設をされております。
具体的には、農業者自らが五年後の所得や労働時間、規模拡大、生産方式の合理化など目標を定めた経営改善計画を作成していただきまして、市町等が認定、これは有効期間が五年間で、農業者の申請により再認定も可能というようなことになっております。
主な支援の内容についてでございますが、国では、経営所得安定対策での麦、大豆等のコスト割れの補填、いわゆるゲタ対策ですけれども、それとか米、麦、大豆等の収入減少に対する補填、いわゆるナラシ対策、こういったものが講じられております。
また、経営改善に必要な農業機械施設等の整備のための長期低利資金、スーパーL資金と申し上げておりますけれども、こういったものの融資、それから、農業者年金の掛金の一部補助などがございます。
また、県におきましては、イチゴ高設栽培システムや果樹根域制限システム、さらに水稲直播用機械や大豆不耕起播種機など、大幅な省力化や低コスト化が可能な機械等の導入に対し支援を行っております。
以上、お答えします。
56 ◯宮原委員=支援の形をお伺いさせていただいたところでございますが、支援を受ける皆さんのこともお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、認定農業者の数についてお伺いをさせていただきたいと思いますし、またその数の推移、それから、経営作物についてどのような形になっているのかお伺いをさせていただきたいと思います。
57 ◯竹下農産課長=認定農業者の現状についてお答えをさせていただきます。
まず、認定者数の推移でございますが、認定を行っている市町からの報告によりますと、平成二十年度の五千三十二経営体をピークに年々減少をしておりまして、五年ごとに見てみますと、平成二十五年度は四千三百五十三経営体、平成三十年度は三千九百七十二経営体、直近の令和元年度では三千九百十五経営体というようなことになっております。
減少しております要因といたしまして、高齢化等による農業者数の減少や集落営農組織の設立に伴いまして、認定農業者がその構成員になったことなどによるものと考えられます。
また、認定農業者数を経営品目別で見てみますと、令和元年度においては、米、麦、大豆と、園芸作物や畜産等を組み合わせて経営されております、いわゆる複合経営体ですけれども、これが全体の六三%ということで占めております。単一の品目の経営体で見ますと、施設野菜が全体の約一一%、果樹類が全体の約九%、肉用牛が約六%ということになっております。
以上、お答えします。
58 ◯宮原委員=若干の減少傾向にあるということでございますけれども、機械化も進んでおりますので、面積が限られておりますので、その辺もあるのかもしれないと考えるところでございます。
また次にお伺いをさせていただきますが、新規就農者、昨日トレーニングファームにお伺いをさせていただいたわけですけれども、トレーニングファームでも指導者がいらっしゃるからこそトレーニングファームができるわけでございまして、認定農業者のような方たちがそういった指導者になるべく、その素材だろうと私は思うところでございます。多くの認定農業者からそういった後継の指導的な立場になっていただかなければ、その地域の農業というものは衰退していくわけでございまして、トレーニングファームはその次の段階の一例だろうと私は思うところでございます。
継承、継承が自然になれば、トレーニングファームも必要なかったかもしれませんが、なかなかその地域で継承がなされなかったのも現状にあるのではなかろうかと思うところでございますけれども、地域を担っていく、その認定農業者がこれからどうしてもまだまだ必要だろうと思っておりますけれども、これからどのように取り組んでいかれるのかお伺いをさせていただきたいと思います。
59 ◯竹下農産課長=新規就農者の育成に関連しまして、認定農業者をどのように育成していくのかということでお答えをいたします。
地域農業の担い手を確保していくためには、まずは新規就農者の経営をできるだけ早期に確立をいたしまして、さらに地域を担う認定農業者として育成していくことが重要ということになります。
このため、まず新規就農者の確保については、昨日一か所見ていただきましたけれども、県内四か所にトレーニングファームを設置いたしまして、栽培技術や経営ノウハウ等を習得できるよう、市町やJA、生産者など、地域ぐるみで連携して取り組んでおります。
また、新規就農者の育成ということになりますけれども、これにつきましては、農業改良普及センターにおきまして、個別訪問による濃密指導や農業の知識及び実践技術を習得するための研修会の開催、若い農業者の交流を通じて相互研さんする農業青年クラブ、いわゆる4Hクラブの活動への支援、さらには農業大学校におきまして、経営発展を目指す農業者に対する「さが農業経営塾」の開催などに取り組んでいるところでございます。
以上、お答えします。
60 ◯宮原委員=もう一つ確認を取らせていただきたいと思いますけれども、一般質問で一ノ瀬議員さんが、女性が活躍される農業を目指していただきたいというようなお話だったかと思います。認定農業者、女性の状況をお伺いさせていただきたいと思いますけれども、女性の認定農業者がどのような人数でおられるのか。それから業種的にどのような業種の方がおられるのかを確認させていただきたいと思います。
61 ◯竹下農産課長=女性の認定農業者についてお答えをさせていただきます。
女性の認定農業者数は、令和元年度で見ますと百三十四経営体ということで、全体で見ますと三・四%ということになってございます。
その中で取り組まれております事例を紹介させていただきますと、飼養頭数百二十四頭の肥育経営を営まれておりまして、肉用牛の共励会等でも上位を表彰されておられる方──これはみやき町の方ですけれども──がいらっしゃいます。
また、稲作と飼料作物に繁殖牛を組み合わせた複合経営を営む女性農業者の方、認定農業者の方、これは唐津市の方でございます。
さらに、米、麦、大豆にタマネギ、ブロッコリーを組み合わせた土地利用型の複合経営を営まれている、白石町の方ですけれども、こういった方々が各地域で活躍をされております。
以上、お答えします。
62 ◯宮原委員=課長さんは活躍されているということでございました。一ノ瀬議員さんは輝いていただきたいということでございましたので、皆さん方は輝いておられるのだろうと思いますけれども、輝いておられますよね、課長さん。
63 ◯竹下農産課長=先ほど申し上げましたように、みやき町の肥育牛をされている人は上位入賞もされておりまして、各地区で農業経営改善計画をつくられまして、伸び伸びと活躍をされているというふうに……(「輝いておられる」と宮原委員呼ぶ)輝いておられると思います。
64 ◯宮原委員=輝いておられるそうでございますので、一ノ瀬議員さんも喜んでおられるのではなかろうかと思うところでございます。
次に、御承知のように、これは常に目標を立てながら、常にそこをクリアしていくということが大切になっているわけでございますけれども、なかなか現状、そこにいかないこともあるわけでございます。
水田農業に至りましては、基本的には面積を増やしていくというのが計画になっているわけでございますけれども、御承知のように、集落営農をこれだけ進められますと、なかなか余剰の面積がございませんので、認定農業者が面積を増やしていくのはなかなか困難かと思います。
そこについては、事前に市町村が緩和をされながら、この形状で維持をされているならば、認定農業者のまま登録をどうぞということでございますけれども、しかしながら、先ほどはそこに進んでいかなければならないように私たちも取り組んでいくということでもございました。
若干矛盾する点があるわけでございますけれども、なかなかこの整合性をとれない、この面積を増やす、水田農業に至りましては面積を増やすことがなかなかできないわけでございますけれども、そこに補充してどのような取組をしていただけるのかもお伺いをさせていただきたいと思いますし、また、園芸でも、園芸も面積を増やすことも大切かもしれませんけれども、一定程度やっぱりその単収、それから坪の収入が増えていかないと面積を増やしても何もならないわけでございますので、いたずらに面積を増やしたからと言って、収入はあらかた増えますけれども、利益がそれだけ生まれるかと言えば、なかなか生まれていないのも現状にあるわけでございます。
そういったところも十分に踏まえていただきながら、いろいろと御指導もいただきながら、普及所等もちゃんとしっかりと連携を取っていただければと思うところでございますけれども、これからの合理化に向けて経営計画、そして皆さん方が取り組まれることをどのようにされていくのかお伺いをさせていただきたいと思います。
65 ◯竹下農産課長=認定農業者が作成されました経営改善計画の実現に向けた取組についてお答えをさせていただきます。
農業経営改善計画におきましては、規模拡大や新たな品目の導入などの目標が定められていることから、県では、そうした目標の達成に向けた農業経営の改善を計画的に進められますよう、市町やJA等の関係機関と一緒になりまして、農業試験研究センター等が開発をしました新品種や省力・低コスト及び高品質技術の普及、それから、農地中間管理事業を活用しました農地の集積による規模拡大の支援、収益性の高い園芸品目の導入に必要な機械や生産資材の購入に対する支援などを行ってまいります。
以上、お答えいたします。
66 ◯宮原委員=これからも多くの支援をしていただきながら、本当に農業県佐賀をしっかりと確立をしていただきたいと思います。
佐賀県はいつまでたっても農業県でございます。そこのことは皆さん御承知の上かと存じます。もともとこの平野部があって、そして水田農業が盛んになって、邪馬台国があったかどうかは分かりませんけれども、吉野ヶ里遺跡もあのようにしてあるわけでございます。この地域が水田農業から発展したということは、その弥生時代から拝察できるわけでございますので、昨日は狩猟のところも行きましたけれども、狩猟の時代から水田の時代になったわけでございますので、そういったところから地域ができてきたわけでございますので、その地域をより高めていかなければならない役割も私どもにもあるわけでございますので、その点、十分に御理解いただきながら水田農業の発展、それから、農業全体の発展を皆さん方にお願いするものでありますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。
それで、これより認定農業者が数多く出まして、その地域に農業が根づく、そして農業が発展するということが大切かと思いますけれども、これからどのようにして取り組んでいかれるのかお伺いをさせていただきたいと思います。
67 ◯竹下農産課長=今後の取組につきましてお答えをさせていただきます。
本県農業の持続的な発展を図っていくためには、繰り返し申し上げますけれども、まずは新規就農者を確保しまして、早期に経営確立ができるよう支援を行いまして、その後、地域を牽引する認定農業者として育成していく必要がございます。
このため、認定農業者が経営改善計画を達成しまして、稼げる農業を実践している姿を間近に見せることで、次の新たな担い手が生まれ育つといった好循環をつくり上げていかなければならないというふうに考えております。
経営改善に取り組む志の高い認定農業者をはじめとしまして、経営を主体的に行う女性農業者や新規就農者の育成に、関係機関・団体や地域と一体となりまして取り組んでまいりたいというふうに考えております。
以上、お答えします。
68 ◯宮原委員=先ほどは、私が佐賀県はいつまでたっても農業県だと申しました。農業の在り方はそれぞれあるわけでございます。農業県だと田舎だということはありません。昨日もあの素敵なハウス、すばらしいハウスを見させていただきました。ビルの中だって作物は存在させられるわけでございますので、いろいろな形で発展していくことが私は試みとしてあるべきだろうと思いますし、また、昨日のトマトのところは土を使っておられましたけれども、最近では土を使わない、シートによってちゃんと水分を補給しながら作物をつくっていくというような製法の在り方が確立されているわけでございます。
いろいろな在り方で私たちが生きていくための食料というものを確保していくことが大切なわけでございますので、農業についてはそういった目をしっかりと向けていただきながら、これからの発展をお願いするものでありますので、これよりまた皆様方のお力添えを賜りながら、本当にこの地域がよりよく、そして、できますれば旬に旬のものを食べられるような時代をもう一度迎えられれば幸いに存ずるところでもございますので、その点についても十分に御理解をいただきながら農業発展を心からお願いするものであります。
以上で終わります。
69 ◯下田委員=続きまして、県民ネットワークの下田寛でございます。よろしくお願いいたします。
まずは、
中小企業DXフラッグシップモデル創出事業についてということでお尋ねしたいと思います。
この質問をするに当たって、まず前回も私、DXの質問のみをさせていただいたんですが、その後、私たち一期生で、古川議員と一ノ瀬議員と、あと先輩の徳光議員と木原議員にお声がけ人となっていただいて、佐賀県議会で
産業スマート化センターで勉強会をさせていただきました。そうしたところ、二十六人議員さんが来ていただいて、私たちもかなりびっくりしながら、
産業スマート化センターで、この佐賀県のDXの取組についてということの研修をさせていただきました。私たちだけじゃなくて、やっぱり佐賀県議会の皆さんが今後の新しいDXの取組について非常に関心を高く持っていらっしゃることがよく分かりましたし、説明を聞いている中でも、今後まだまだ進んでいくんだろうなということを実感で思わせていただきました。
そうこうしているときに、この取組がいろいろな賞を取られたということで、先日、全国知事会で、タイトル「逆境をバネに!クラウドファンディングへの成功報酬と銀行間競争の喚起」、「クラウドファンディングファンドレイザー協定及び資金調達ピッチ」という取組が全国知事会の先進政策大賞ということで、これが二年ぶり三度目優秀政策賞で商工労働部門で全国一を取られたということで、やっぱり佐賀県のDXの取組がかなり全国でも注目されているんだなということがここでもうかがい知ることができました。
また、六月の議会で私の答弁の中でも御紹介をいただいた企業さん、佐賀市のDuchamp(デュシャン)さんというベンチャー企業さんのこの方、CEOの方が難病で、やっぱり商業施設とか公共施設にあるトイレを予約できるようなシステムが開発できないかというのが九月十五日の日本経済新聞にも結構大きな記事で掲載をされていて、いや、この佐賀からいろんなものが今生まれてきているんだなということを実感せずにはいられない、この六月議会からの間、いろいろと私も勉強させていただいておりました。
そういった中で今回、この事業が出てまいりまして、先ほど宮原委員からも質問があって、私も同様に、今回、玉屋さんに八千四十万円の投資を一遍でぼんとして、それをした後どうするんだというところを私も大変気になっております。
そこで質問をさせていただきたいと思っているんですが、その前に、これは六月議会からの引き続きのテーマでもありますので、まずDXの担当室長にお尋ねをしたいところがあるんですけれど、先ほど産業政策課長から、これは佐賀市とか、そこだけじゃなくて、やっぱり佐賀県全体でのこういったDXの取組を推進していくようなきっかけにしていかなければならないという答弁の趣旨の内容があったと思うんですけれど、これはIT化じゃなくてDX化なんですよ。IT化じゃないですよ、DX化なわけなんですね。そこの整理というものをもう一度これ、今から議論していくに当たって大前提として整理をしたいと思うんですが、この点について、室長にお尋ねをしたいと思います。
70 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=IT化とDXということで御答弁申し上げます。
IT化というと、よく皆さんイメージされるように、いろいろな事務作業とか、事務に限らずですけれども、そういったものを情報通信技術を使って効率化をするということがIT化。ただ、DXというのは、IT化、業務効率化自体はあくまで手段であって、その手段を活用しながら最終的には新しいビジネスを創出する、あるいはそのための事業活動とか経営組織の改善充実へとつなげていくと。
先ほどちょっと御紹介いただいた中で、例えば、Duchamp(デュシャン)という県内、私たちの支援対象のスタートアップの例を御紹介いただきましたが、そこがやろうとしていることは、IoTを使ってトイレを有料で予約できるという新しいビジネスをつくるという取組、チャレンジなんですね。
そういったように、今までなかったマーケットをITを使って新しくつくるだとか、あるいは今まで百貨店──百貨店についてもいろんな百貨店DXの事例というのを私たちも幾つか調べたりもしましたけれども、これまでにあった百貨店はもちろんですけど、新しい百貨店の新展開といいますか、そういったものを探っていくといったようなことまで見据えて取り組むということは、DXと標榜する一つの大きな部分ではないかというふうに認識をしております。
以上でございます。
71 ◯下田委員=ありがとうございます。ビジネスそのものを刷新していくというような大きな趣旨もあると思いますし、今回、コロナ禍における九月予算でも上程ということもありまして、いわゆる今国が言っている新しい生活様式、ニューノーマル、これ、ニューノーマルよく分からなくて、新しい生活様式も私いまいちぴんとこなくて、新しい当たり前のことを今からつくり出していくということを、この佐賀県が率先して今から始めようと思っていると。
フラッグシップモデルと言われるように、要はこれを全国に先駆けて佐賀県で打ち出していきますよという、今回のこの事業というのが非常に志の高い事業の一つであるというふうにも認識をしておりますし、今回の産業労働部長の説明要旨というものを頂きましたけど、この中でも今回の事業の要旨はこの事業なんですということが明確に書いてあるわけで、それだけ今回の九月予算においては、産業労働部挙げて非常に強い意志の込もった事業の一つであるというふうに認識をしております。
そういったことを踏まえまして質問に入っていきたいと思っているんですけれども、今回八千四十万円、佐賀玉屋の対象補助となっていくということなんですが、全国では百貨店の消滅というような、非常にセンセーショナルな記事も踊っているわけで、やはり百貨店、私は鳥栖に住んでおりまして、やっぱり佐賀で一つエピソードがあって、私の親戚で玉屋のおじさんという人がいたんです。このおじさんというのが、よく分からないですけど、やっぱり当時の方々にしてみると、玉屋で就職をされたということは、やっぱり一つの尊敬の念といいますか、ステータスであるということで、私の結婚式の最後の挨拶を誰にするかというとき、玉屋のおじさんに決まっとろうもんと言って、何でと言ったら、玉屋のおじさんやけんたいとなって、ああ、そうなんだと思って、親族会議が行われていたのを私も覚えていて、最後はおじさんがちゃんと仕切ってくださったというのがあって、やはり佐賀にとっては玉屋さんというのは非常に大きな存在であると。
そこに今回、八千四十万円の公金を入れてDX化を図って、事業の刷新を図るとともに、新しいフラッグシップとして玉屋が再生したと、新しくなったと。じゃ、次につなげていきましょうと、先ほど宮原委員への答弁の中でもありましたが、次々違う業種に広げていって、佐賀県全体のDX化を図っていくというような布石になっていく、こういった事業であるというふうに思っております。
そういった前提を踏まえまして議論に入っていきたいと思うんですが、まず第一問目で、県がこの事業で佐賀玉屋を選んだ、その理由と背景についてお尋ねをしたいと思います。
72
◯大橋産業政策課長=事業主体の選定理由と背景についてお答えいたします。
県では、既に意欲や熱意のある企業を中心にDXへの取組を進めておりますが、DXについて必要性を感じていない企業、あるいはDXそのものを知らない企業も少なくないことから、さらなる取組の強化が必要と考え、来年度に向け検討を始めていたところでございます。
そのような中、
新型コロナウイルス感染症の影響について、県内各企業から聞き取りをした際に、佐賀玉屋は数年後を視野にDXの取組を検討していたところ、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による催事の中止、さらには大手アパレルの撤退など、深刻な影響を受け、一気にDXの取組を加速化する必要が生じたとのことでありました。
そのため、長年、県都佐賀市の町なかの中核を成し、地域経済のシンボル的存在である佐賀玉屋のチャレンジを支援するため、来年度からの予算化を前倒しして実施することとしたものでございます。
以上でございます。
73 ◯下田委員=来年度予算で上程する予定のものを前倒しして今回取り組んでいるということで、非常に強い意気込みの、思いの込もった事業であるというふうにも思っております。この点については、また後ほどお尋ねをしたいと思います。
この事業で県が佐賀玉屋に期待をしている、このDXというのはどういったことなのでしょうか。
74
◯大橋産業政策課長=期待するDXについてお答えいたします。
小売や百貨店のDXにおきましては、顧客の属性や販売履歴などの情報を集約、分析し、顧客増や売上げ拡大にいかにつなげるかがまずは重要だと考えております。
今回の佐賀玉屋の取組におきましては、先ほども御答弁させていただきましたけれども、実店舗、ネット店舗、外商のデータを連携させまして、それらデータを効果的に活用することで、品ぞろえの改善や受発注と在庫管理の最適化、実店舗と
ネットショップの連携強化、特定の顧客層への効果的な商品提案、こういったことなど、従来の
ビジネスモデルが大きく刷新されることを期待しております。
また、あわせまして、新たな
ビジネスモデルを効果的に運用していくために、組織の在り方や社内制度の見直し、さらにはスタッフの育成などにも取り組んでいただきまして、持続的な成長へとつなげていくことのできる仕組みと道筋を見出していただくことを期待しているところでございます。
以上でございます。
75 ◯下田委員=かなり広範囲に期待していることがあるということで、これは県だけではなくて、玉屋さんにも相当頑張ってもらわないといけないというような思いの込もった答弁であったと思います。
この目指す成果について、議案の説明資料の中では、まず第一弾は百貨店ということで、今後、先ほども答弁にありましたが、飲食や小売、製造や卸、物流や事務所等にもどんどん広げていきたいという思いが込もっているこの事業の中で、まず第一弾として、今回玉屋に取組が始まるわけなんですけれども、ここで目指している結果について、どういったものを求めているのかをお尋ねしたいと思います。
76
◯大橋産業政策課長=今回の第一弾の取組として目指している成果についてお答えいたします。
今回は、委員からありましたように、県内におけるDX推進のための象徴的なモデルを創出することが目的でございます。
このため、今回の事業によって、佐賀玉屋には、まず一定の経営的な成果を上げていただくこと。そのことをもって、県内の他の企業にDX推進を波及させていく上で、
フラッグシップモデルとして、県のホームページでありますとか各種セミナー、イベントなどでその事例や成果を紹介いただけるようになることを期待しております。それによりまして、来年度以降、ほかの業種、業態でのDXの取組につなげていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
77 ◯下田委員=今回、この
フラッグシップモデル創出というだけあって、かなりのことを結果として考えていると。まず、経営の成果を上げてほしいということ。そこでしっかり成果を上げてもらった上で、このDXを様々な分野に広げていくということですので、これは佐賀県だけじゃなくて、やっぱり玉屋さんにも相当頑張ってもらわないといけない事業であるということが今の答弁からも推察することができます。
そこで、先ほども答弁いただきましたけれども、今回、この事業は、来年の当初予算で上程する予定であったものを、今回九月議会で前倒しをしてまで着手をしようという意気込みでの予算であります。
ここの理由に関して、次年度予算を前倒ししてまで取り組む理由は何なのかというのをお尋ねしたいと思います。
78
◯大橋産業政策課長=前倒しして取り組む理由についてお答えいたします。
佐賀玉屋においては、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による催事の中止、さらには大手アパレルの撤退など、これまでの業態を変革することが喫緊の課題となっていたところでございます。
そして、佐賀玉屋の経営トップ自らが数年後を視野にDXに取り組む必要があると考え、一定程度、その方向性についても検討されていたことから、今年度の事業スタートが可能な状態にあり、前倒しで着手することと判断したものでございます。
以上でございます。
79 ◯下田委員=分かりました。玉屋さん御本人たちもトップ自らがここを着手しようと考えていたという背景もあったということでございました。
今、変革をしていくというフレーズがありましたけれども、やはり相当な思いを込めての事業であるなというのが改めて確認できます。
次の質問は事業の期間についてですが、佐賀玉屋さんは今の答弁によりますと、三年程度かけてDX化を推進していこうというようなお話でありましたが、今回九月議会で前倒しをして、さらに行政から八千万円、これは四分の三補助なので、恐らく事業費一億円ぐらいなのかなというふうに推察しますけれども、この予算をかけて果たして──佐賀玉屋さんは三年程度かけてと言われていらっしゃったそうですけれども、県としてはこの事業をあまり長くもできないわけですよね。やはりなるべく早く成果を上げてもらって、佐賀県全体に広めていかなければならないわけなんですけれども、この事業の期間はいつごろまでを想定しているのかと。また、限られた期間でやっていくというような思いなのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
80
◯大橋産業政策課長=事業期間についてお答えいたします。
委員御指摘のとおり、今回九月補正であるため、事業期間は実質半年間程度となっております。経営課題を洗い出しまして、事業の方向性を見出す基本計画の作成、その後の事業の核となりますシステム化を年度末までに完了させるのが精いっぱいかと考えているところでございます。
また、今回の事業はシステム化や、そのことによる
ビジネスモデルの刷新が、まさにフラッグシップとして県内に広く認知され、県内企業におけるDXの推進に寄与することが目的であります。
このため、来年度以降も今年度整備するシステムの利活用や、そのことによる経営的な成果の発揚につきまして、佐賀玉屋とともに取り組んでいきたいというふうに考えております。
以上でございます。
81 ◯下田委員=半年で結果を出すということなんですけれど、玉屋さん自身が三年かけてやろうと思っていたものを、県としては半年で結果を出すということなんですが、これはすみませんが、ちょっと大丈夫なんですか。
82
◯大橋産業政策課長=半年間で成果を出せるかということですけれども、もともと玉屋さんが数年、三年程度と考えられたのは、当然コロナが発生する以前の考えでございます。
そういった中で、こういったコロナが発生して、非常に百貨店は全国的にも厳しい状態にある中では、もう精いっぱい頑張って、一日も早くDXの取組の成果を出さないといけないと。これは経営トップの方の強い判断がありますので、我々としても一日も早く成果が出せるよう、佐賀玉屋さんと取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
83 ◯下田委員=分かりました。
そこで、やはり気になるのが、事業の説明要旨を見ると、コンサルが入るみたいですね。佐賀県も入ると、玉屋さんと一体となって恐らく取り組んでいくような形になるんでしょうけれど、ここで気になるのが意識の差といいますか、やはり玉屋さんは当然しっかりやりたいと思っているんでしょうけれど、要は佐賀県としても玉屋さんと一緒になって半年で成果を出すということになっているんですが、この事業は、佐賀県としても一つ言えるのが失敗できないわけですよ。冒頭少し触れましたけれど、全国でも百貨店消滅と、ここまで騒がれている中で、玉屋さん側も大きな危機感を持つ中で、佐賀県が公金を投入して一緒にDX化をやっていきましょうというようなお話で、気になるところが、やはりこれは失敗ができないわけで、佐賀県としても今、課長から答弁がありましたが、一緒にやっていくということでしたけれど、これは職員を玉屋さんにはめ込むぐらいの勢いでやらないといけないのかなとも思うんですが、その点の意識を埋めるといいますか、意識を共有していく部分について何かお考えがあればお尋ねをしたいと思います。
84
◯大橋産業政策課長=委員御指摘があった意識の差についてでございますが、さきにも述べましたように、佐賀玉屋の経営のトップがもともとこのDXの推進については強く必要性を認識されているところでございます。
また、今回のコロナ禍などによりまして、早急な取組を必要とされていることから、基本的には私どもと意識の差はないものと認識しております。ただ、御指摘の点にはくれぐれも注意するようにしたいと思っております。
また、先ほど委員のほうからは職員が玉屋内部に入り込んでぐらいのことをやらないといけないという御指摘もありましたけれども、まさにそのとおりでございまして、我々としても、あくまで事業主体は佐賀玉屋であって、主体性をもって事業に取り組んでもらう必要がありますけれども、今現在も短いスパンで佐賀玉屋のほうとは意見交換をしているところでございますので、そういった形で適宜適切な距離感を維持しながら、県としても意図した効果が高まるよう取り組んでいきたいというふうに考えております。
以上でございます。
85 ◯下田委員=よろしくお願いしたいと思います。
今後の展開に向けたねらいについてというところでお尋ねをしたいと思うんですが、今後、幅広い業種に向けて展開をしていくということでありました。
県として、全業種に横断していくための核となる思いというものがあると思うんですけれど、その点についてお尋ねをしたいと思います。
86
◯大橋産業政策課長=今後の展開に向けたねらい、核となる思いについてお答えいたします。
これまで
産業スマート化センターや実証事業などを通して、ここ数年、様々な業種、業態でAI、IoTの利活用であったり、DXの取組例が増えてきたのも事実でございます。
とはいえ、それらは意欲や関心がある企業や経営者によるものにとどまっているところでございます。しかしながら、DXの推進は、単独の企業や産業にとどまることなく、より多くの多様な企業や産業で進んでこそ、地域経済としてさらに大きな効果が見込めるものと考えております。
こうした状況にあって、今回の事業は、県内で一定のシンボルとなり得る企業などに率先してDXに取り組んでいただくことで、さらにDXの裾野を広げていくことが狙いでございます。まずは、その第一弾として成果が上げられるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
87 ◯下田委員=全業種に向けて取り組んでいくというようなお話もいただいたりして、なるほどねと思って今お話聞かせてもらいました。
ちょっと一つ疑問が出たので、これ、すみませんが、またDX担当室長にお伺いしたいところがあるんですけれども、前回の流れも踏まえて、やはり今からDXの分野が普及していく、これは民間に対してはもちろんそうなんですけれど、じゃ、その前提となる県庁はどうなのかというのも大変大事だと思うんです。点から線になって、それから面に広げていくと。前回の答弁の中でも、やっぱり点となる有志の方々をいかに育んでいくのかというようなお話もあったと思うんですけれども、民間にこれから幅広い業種に浸透させていくためには、県庁内でも当然幅広い部、局、課、係の方々もDXに対する認識をちゃんと持ってもらわないといけないということが大前提になってくると思うんですけれども、その点について、前回も議論した手前もありますので、担当室長としてはどのようにお考えかというのをお尋ねしたいと思います。
88 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=今回の取組についての、民間の幅広い分野に広げていくに当たっての庁内での連携ということでお答えしたいと思います。
DX、先ほど申し上げたとおり単にITの利活用ではなくて、ビジネスの刷新、新しい価値とか成長につながる可能性を開く──分かりやすく今回の百貨店の例で言えば、百貨店におけるICTの利活用ではなくて、いろんな課題を抱えて久しい百貨店という業態で、ICTの利活用を通じて新しいビジネス的な可能性が切り開けたという形をつくっていくということが非常に大事なんだろうと。そのことが、じゃ、自分たちの業種、業態においてもICTを利活用し、そのことでビジネスを刷新していくことで新しい可能性が開けるというふうに、玉屋さんという佐賀県では誰もが恐らく知っている企業さんに取り組んでいただくことで、その起爆剤になるんだろうと。
六月のお話との関連で言うと、先ほど産業政策課長が御答弁いたしましたとおり、点の数は増えてきたが、線や面になっていない。その状況で、やっぱりこういう分かりやすいインパクトが一つ私たちとしても欲しかったというのがまずはあります。
それから、点から線、面というのは取組の中身に関してもそうでして、私たちがやっている実証事業というのは、例えば、検査工程を効率化するだとか、お店だとお客さんの動線を分析するだとか、いわば企業経営とか事業活動における点なんですよ。ただ、そのこと自体も大事なんですけど、それだけだとやっぱりビジネスそのものを変えるというところにはまだまだ至らないんですね。
今回、こういった形で玉屋さんという企業体として取り組まれることによって、先ほど委員からもあったように、全般的にといいますか、取り組むことによって、企業とか経営そのものを変えていくという意味で、企業内での点から線、面というお話がありました。ただ、そういったことをするに当たって、私たちが持っているICTとかDXについての知見とか経験というのはもちろん重要なんですけど、やっぱりそれがきちんと地についたものになるためには、導入対象となっている企業とか産業にやっぱり一定の知見がある。知見というか、いわゆるこれはドメイン知識というんですけど、そういったことも非常に重要になってきます。そこが伴わないままにツールとかシステムの導入が先行しちゃうと、よくあるパターンですけど、形だけで終わっちゃうとか上滑りしちゃう。そういったこともございまして、今回、この事業への取り組み方としても、百貨店のDXですので、もともと商業振興を担っている産業政策課が事業を所管する。
その一方で、私たちも先ほど申し上げたような県内のDX推進という意味で非常にインパクトのある事業でもありますので、その技術的な観点からいろいろ支援をさせていただくと。こういった形でやることによって、DXの推進を幅広い分野で進めていくということに当たっての一つのアプローチの方法ではないかと思って今回こういった取り組み方をしています。もちろん、それが本当にベターなのかどうかというのは、やっていく中でやっぱり考えていかなきゃいけないと思いますので、そういったことも含めてのまずはこの第一歩、やり方も含めての第一歩だと思っております。
以上です。
89 ◯下田委員=ありがとうございます。八月二十日に開催させてもらった勉強会を踏まえてですけど、恐らく新しい取組でもありますので、何かあったら多分DXの産業労働部で、あとDXの担当課に恐らく話が行く部分というのは多いのかなとは思いますが、こうやって全庁的にも共有しながら、今回は産業政策課長の担当ですけれど、もしかしたら今度は農林のほうに行く可能性も十分にありますし、ほかの分野にも行く可能性というのは十分ありますので、やはり民間の方々はもちろんですけれども、庁内としても共有していくということは非常に大切なことであるというふうにも思っております。
最後に部長にお尋ねしたいんですけれども、やはり今回のこの事業、冒頭も申し上げましたけれど、今回の九月議会の部長説明においても、やっぱりこの事業がメインというか、概要として大きな部分であるというふうに掲げられております。またこの事業の質問に当たっていろいろとお話を伺うと、かなり部長も強い思いを込められている事業でもあるというふうにも聞いております。
これから産業政策課長が中心になってこの事業を推進していかれると思うんですけれども、やっぱり佐賀県全体のフラッグシップになっていくこの第一歩の事業に向けての部長の思いを最後に聞かせていただきたいと思います。
90 ◯寺島産業労働部長=この
中小企業DXフラッグシップモデル創出事業についての私の意気込みというようなお尋ねでございます。
先ほど来、課長がるる御答弁申し上げておりますけれども、このDXにつきましては、いわゆるICTを活用するだけとかシステム化とかいうことだけではなくて、
ビジネスモデルを変革するんだと。さらに仕事の仕方、あるいは社員の意識、あるいは企業文化、そういったものを刷新していく、変革していくというもので、新型コロナの影響で様々な人々の価値観とか行動も変わりましたし、企業の行動というのも変わりつつあるという中で、まさに県内産業界にとって喫緊の課題だというふうに認識をしております。
ただ一方で、大企業では幾つか数年前から取組が実際には進んでいるようではございますけれども、残念ながら、中小企業においては多くのところで、またDXというのが本当に自分のところにとって必要なんだろうかと、どういった意義があるんだろうかというところがなかなか十分にまだ御認識いただけていないところもあるでしょうし、興味、関心はあるけれども、自分の下にIT人材がいないということもあって、実際にはどうやっていったらいいんだろうかと悩まれている経営者の方もおられるんだなというふうに思っております。その辺りは後押ししたいというのがまず一つ思いでございます。一定のシンボルとなり得るような佐賀玉屋さんの取組でまず一歩を踏み出させていただきたいということでございます。
来年度予算に向けて検討を始めたところでございますけれども、私ども佐賀県庁におきましては、他の都道府県とはちょっと違いまして、原則当初予算で予算を計上して、補正予算というのはよほどのことがない限りしないということではなくて、都度都度、状況に応じて臨機に柔軟に対応するという姿勢で臨んでおりますので、他県ほど当初予算、補正予算の違いというのはないというふうに考えております。
そういう意味で、新型コロナの影響でこの佐賀玉屋さんが、単にお客さんの数が減って売上げが落ちたということだけではなくて、先ほど課長申しましたけれども、これまで大きな売上げ拡大のツールであった催事というものが思うようにできなくなったということもございますし、今回、アパレルが非常に大きな痛手を受けておられるので、大手のところは倒産しましたし、ほかのところも撤退の動きがあるんじゃないかというような危機感が非常に高まっているというのがございます。
そういうふうな状況に玉屋さんがあるということを私自身社長さんから直接お話を伺って、これもまさに待ったなしの状況なんだということを伺っております。
このDXというのは先ほども申しましたけど、単なるシステム構築ではないんですけれども、かつてのICT化とかIT化と言われていたときも、一番大事なのはITに詳しい人がやるということではなくて、その事業、業務を持っているところがまさにオーナーシップという言い方をしますが、当事者意識、まさに自らのこととして取り組むということがなくてはうまくいきません。私の経験上もそうです。
さらに、このDXに至っては、
ビジネスモデルそのものを刷新していくわけですから、組織の中で様々なことがあるんだろうと思います。これまでのやり方を守りたいという方々もいらっしゃるでしょうし、そういう意味でトップのコミットメント、トップがやるんだという覚悟を決めるということが不可欠だというふうに思っております。
そういう意味で、今回、社長さん方からいろんなお話をお伺いする中で、佐賀玉屋さんにおかれても、私が直接トップの方、社長さんからその辺りの思いというのをお聞きして確認をしているところでございます。ですから、そういう意味では、経営トップがまさに待ったなしの状況、危機的な状況の中で、これは今やるんだというふうに決断をされたということでございます。
若干修正をさせていただきたいんですけれども、先ほど玉屋さんが三年かけてやろうと思っていたことを県からの動きでそれをきゅっと半年に縮めたみたいな、そういうふうに聞こえたんですが、玉屋さんは三年後ぐらいを少し見ながら、社内でいろいろ検討していこうかなと、三年かけてというよりも、三年後ぐらいにはやりたいなと思っていたものを新型コロナで待ったなしになってしまったということでございます。
今回、佐賀玉屋さん、地域経済のシンボル的な存在でございますので、この事業につきましては、あくまでこれは補助事業でございますから、主体は玉屋です。先ほど申しましたように、オーナーシップというのが大前提でございますから佐賀玉屋さんが本気でやる。それに対して私ども産業労働部としても全力で支援するということでございます。
この取組でしっかりと成果を上げて、これが第一歩でございますから、今後来年度以降、ほかの業種にも広げていって、この佐賀県の産業界においてDXの取組が広がっていって、本県産業の持続的な発展といいますか、成長、そういったものにつなげていきたいというふうに考えておるところでございます。
以上でございます。
91 ◯下田委員=ありがとうございます。ぜひこの先駆的な取組がしっかりと実を結んで、佐賀県全体にこのDXの取組が広まってくれる、その第一歩になることを心から私も応援をさせていただきたいと思っております。
では、次の質問に移りたいと思いますが。
92
◯古賀陽三委員長=休憩に入りましょうかね、よろしいですかね。
暫時休憩します。十三時をめどに委員会を再開します。
午前十一時五十八分 休憩
午後一時二分 開議
93
◯古賀陽三委員長=それでは、委員会を再開します。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
94 ◯下田委員=では、午後からもよろしくお願いいたします。
続きまして、農村ビジネスの推進についてという項目で質問をさせていただきたいと思います。
農畜産物の地域ブランドをつくることや稼げる農業という視点において、農業経営に六次産業化を取り入れるということは必要なことであると感じております。この動きは、平成二十二年に「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」が制定された後に、国策として全国で取り組まれてきた事業の一環でもあります。ただ、いろいろな農林水産省のデータとか民間のデータ等を見ておりますと、この六次産業と言いつつもなかなか苦戦をしておりまして、データによっては三年間継続した事業者が五%に満たないというようなデータもあったりして、佐賀県もそういった中でいろいろな取組をなされております。
そういったところで、今回この質問項目を挙げさせていただいたんですけれども、佐賀県では、この六次産業化サポートセンターというのがありましたが、今は名前を変えて農村ビジネスサポートセンターというような形でこの六次産業化を推進して、農村ビジネスに取り組む農家の方々の支援が行われております。
生産のプロである農家が農村ビジネスによって経営を多角化していくためには、生産技術以外に経営や商品開発のノウハウなどビジネス感覚を持っていきましょうというようなことも国のほうでも言われていて、なかなか様々な面において、何と言えばよいのか、稼げる農業と一くくりに言ってしまうと語弊があるのかもしれませんけれども、今回の議会においても地域における農業の活性化等も議題になっておりましたが、今後の農業の在り方において、農村ビジネスの在り方というのも一つ考えていかなければならない大変大事な視点であるというふうに考えております。
それで、今回質問させていただきますが、まず第一問目です。農村ビジネスの推進の目的についてであります。
現在、佐賀県では六次産業化の取組を独自に農村ビジネスというふうに表現をいたしておりますが、その理由は何でしょうか。また、県が農村ビジネスを推進しているその目的についてお尋ねをしたいと思います。
95 ◯金澤農政企画課長=農村ビジネス推進の目的についてお答えいたします。
本県では、国の六次産業化の考え方を基に、農産加工や農産物直売所、体験・観光農園、農家レストラン、農家民宿など、農村にある資源、魅力を生かし、生産者の所得向上と地域の活性化を目指す取組を農村ビジネスと表現しております。特にビジネスという言葉には、これらの取組が中途半端なものでなく、農業経営のしっかりとした柱の一つとなるようにとの思いを込めたところでございます。
この農村ビジネスを推進することにより、農家所得の向上はもとより、都市部からの交流人口の増加など、地域全体が活性化することを目的としております。
以上、お答えいたします。
96 ◯下田委員=ありがとうございます。
続いて、支援体制についてお尋ねをしたいと思いますが、この農村ビジネスを推進するために、どういった組織がどのような支援体制を取って、今現在推進されているのでしょうか。
97 ◯金澤農政企画課長=支援体制についてお答えいたします。
農村ビジネスを推進するため、公益財団法人佐賀県地域産業支援センター内に「さが農村ビジネスサポートセンター」を設置し、現在、経営支援のノウハウを持ったコーディネーター三名を配置するとともに、食品加工やマーケティングなど、分野ごとの専門家として二十六名のプランナーを登録しております。
また、農業大学校では加工品開発のための試作支援、さらに各地域農業改良普及センターには農村ビジネスの担当を配置するなど支援体制を整えているところでございます。
以上、お答えいたします。
98 ◯下田委員=ありがとうございます。
じゃ、その支援の内容についてお伺いしたいと思いますが、農家の皆様の取組に対して、具体的にどのような支援が行われているのでしょうか。特に新たな人材を掘り起こすということと、あといわゆるビジネス感覚を持つ農家と言えばよいのでしょうか、このような方々の育成が今後必要であるというふうにも言われているところですけれども、佐賀県としてはどのような支援が今行われているのでしょうか。
99 ◯金澤農政企画課長=支援の内容についてお答えいたします。
「さが農村ビジネスサポートセンター」では、コーディネーターによる相談対応をはじめ、新たな事業計画や経営改善戦略の策定支援、また新商品開発や販路開拓など事業計画の実現に必要なプランナーの派遣などを行っているところです。
特に、新たな人材の掘り起こしや優れた経営感覚を有する農家を育成するため、商品開発や効果的なPR手法を学ぶ研修会や経営コンサルタントによるセミナー、流通業者など異業種との交流会などを開催しております。
また、県では、加工品のパッケージデザインの開発や、販売促進のためのホームページ制作などに対するソフト面での助成、加工品の製造や農家レストラン、体験・観光農園の開設に必要な機械、施設の整備等に対するハード面での助成などの支援も行っております。
以上、お答えいたします。
100 ◯下田委員=ありがとうございます。販路や商品開発等のお手伝いやソフトの助成など、様々なことを行っていただいているということでございました。
また、昨年までは農商工連携事業とか、国の助成も使いながら、そういった取組も行っていたということで、今回は六次産業についてお話しさせてもらっていますけれども、様々な面から農家の皆さんのビジネスの推進という視点でいろいろな施策が取られているということで今お話をいただきました。
ただ、これまでの成果と課題についてということでお尋ねしたいんですが、これまでの様々な支援で新たな農村ビジネスの取組、創出をされていると思うんですけれども、その成果としてどのような事例が今あるのでしょうか。また、支援していく中で見えてきた課題があると思いますが、その点についてお尋ねをしたいと思います。
101 ◯金澤農政企画課長=これまでの成果と課題についてお答えいたします。
これまで支援してきた取組事例の一部を御紹介しますと、みやき町の酪農家がコーディネーターによるアドバイスや県単独の補助事業を活用しながら、自家産の生乳でプリンを商品化し、受注生産によるネットでの販売や大手コンビニでの定期的な販売を実現されております。
また、武雄市の梅の観光・体験農園では、体験用のテラスを整備し、カフェとしても活用することにより、収穫期間以外でも通年での営業が可能となり、来客数の大幅な増加につながりました。
令和元年度につきましては、農家レストラン、農家民宿、農産加工施設の開業をはじめ、イチゴ、アスパラガス、豚肉等を活用した新商品の開発など三十八件の新たな農村ビジネスが創出されたところです。
しかしながら、農村ビジネスの取組件数は増えているものの、経営の柱となるような成功事例はまだ少ないというのが現状でございます。
例えば、商品の魅力が乏しい、適切な価格設定となっていないなど、商品の磨き上げができていないことや、県外にも広く知られるような目標となる農村ビジネスのトップランナーが少ないといった課題が見えてきたところでございます。
以上、お答えいたします。
102 ◯下田委員=ありがとうございます。
今、いろいろな事例を示していただきました。ただ、成功事例がまだまだ少ないということとか、商品の磨き上げやトップランナーとなるような方々を今後育成していかなければならないというお話でありましたが、今後の展開についてお尋ねしたいと思いますが、農家の所得向上を図るための手段として、農村ビジネスの取組を推進していく必要というのは、今後一つの大きな軸であるというふうに思っております。
佐賀県では、この農村ビジネスを今後どのように展開していこうと考えているのかをお尋ねしたいと思います。
103 ◯金澤農政企画課長=今後の展開についてお答えいたします。
農業所得が伸び悩む中、農家の所得の向上を図っていくためには農産物の生産、販売の拡大や生産コストの低減のみならず、様々な地域資源を活用し、経営の多角化を図る農村ビジネスの取組についても一層推進していく必要がございます。
このため県では、先ほど申し上げましたとおり、コーディネーターによる相談対応に加え、商品開発や効果的なPR手法を学ぶ人材育成のための研修会や、農村ビジネスのソフト面、ハード面への助成を引き続き実施していくとともに、農村ビジネスの情報発信にも力を入れてまいります。
さらに、農村ビジネスのさらなる磨き上げを行うため、令和元年度から全国レベルでの商品開発の実績を有するクリエーターによる個別支援を実施しているところです。
これらの支援を総合的に実施することにより、県外にも広く知られるような成功事例を創出し、そうした事例を県内の他の農家にも波及させていくことで農村ビジネスの取組を増やしてまいります。
以上、お答えいたします。
104 ◯下田委員=ぜひお願いしたいと思いますが、私が疑問に思うところが少しあるのが、事前の打合せでもさせてもらいましたけど、市町との連携についてなんですけれど、例えばこの農村ビジネス、基本的には初めに事業起案がありきで進んでいくわけで、そこで該当する市町の担当者も当然来られると思うんですけれども、その程度になってはしないかなと。その程度の連携になってはいないのかなということを現場の農家の方からも相談をいただくことがありました。
ですので、この辺の状況、市町との連携について、市町が様々な取組を行っているのは分かるんですけれども、果たして県とちゃんと連携が取れながらやっているのかというと、意外と独立遊軍でやっている部分というのを農家の方から指摘をいただいた部分がありましたが、その点についてどう思われますでしょうか。
105 ◯金澤農政企画課長=市町との連携についてお答えさせていただきます。
まず、農家の方々が農村ビジネス、例えば、農産加工とか農家民宿とか、そういったものに取り組みたいなと思われましたときに、まずどちらに御相談をされるかというところで、農業経営をされている市町、あるいは農業改良普及センターと、そういったところに相談に行かれます。その相談を先ほど申し上げました農村ビジネスサポートセンターのほうにその相談が持ち込まれまして、具体的にその方に必要な支援を検討していくことになりますが、そのときにも、いろんな補助事業を活用する場合には当然市町と情報を共有しながら進めていくことになりますので、我々といたしましては、市町との連携はきっちり取れていると考えておりますし、また市町のほうで地域別の農業振興計画なるものを中山間地域の補助事業で策定をされておりますが、そこでもきちっと農村ビジネスを支援していくというのは市町も明記をされておりまして、県の現地機関とも一体となって農家の方の支援は行っているところでございます。
以上、お答えいたします。
106 ◯下田委員=県としては、市町との連携はしっかり行っているというようなお話でございました。
ただ、農家の方からは様々な意見も私自身もいただいております。去年で一応完結をしている農商工連携の補助事業というのも含めて、今後、そういった商品の磨き上げをどうしていくのかというのは、当然六次産業化も含めて、ちょっと分野は違うものになると思うんですけれども、今後いかに商品に付加価値をつけていくのかというのは大変重要なことでもありますし、当然ですけれども、農村ビジネスサポートセンターも中心となりながら、市町との連携を含めて、佐賀県の農家の魅力を高めていくというのは必要不可欠なことであると思っております。
また、九州全体から見ると、佐賀県は九州の食料庫と言っても過言ではない地域でもありますので、今後一層佐賀が輝けば九州全体が輝いていく、そういった思いを持って、私も今後も質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
では、次の質問に移らせていただきたいと思います。
続いて、「佐賀牛」の生産振興についてお尋ねをいたします。
今回の勉強会資料の中で、「さがの食と農を盛んにする県民条例」に基づいた「佐賀県『食』と『農』の振興計画」の中間報告、実施状況報告をいただいております。この状況報告の中で今回取り上げさせていただくのが「佐賀牛」ですね。「佐賀牛」の生産基盤の強化ということで報告をいただいている部分について質問をさせていただきたいと思っております。
ちょうどこの時期にやっぱり「佐賀牛」、とても大切な佐賀のブランドでもあって、私自身も食事のとき楽しませていただいたり、仲間たちと食べさせていただいたりしておりますし、この前の九月十二日、ちょうど質問取りをさせていただいているさなかに、これは佐賀新聞の記事ですけれども、肥育農家の安定交付金が過去最高であるというような記事も載るなどしまして、非常に農家全体、今回のコロナで被害を受けておりますけれども、この「佐賀牛」も例外ではない。非常に大切な問題であるというふうに認識をしております。
また、今回、オリンピックの影響等もあってインバウンドの影響も強く受けておりまして、やはり「佐賀牛」を、このブランドをいかに守り育てていくのかというのは、こういった状況であるからこそ非常に大切な視点であるというふうに思っております。
そこで、次の点についてお尋ねをしたいと思います。
まず、肥育農家の現状についてお尋ねをします。
新型コロナウイルス感染症の影響で下落をしてしまいました枝肉の価格はどのように推移をしているのでしょうか。また、肥育農家はどの程度の影響を受けているのでしょうか。
107 ◯森畜産課長=肥育農家の現状についてお答えをいたします。
まず、枝肉価格の推移についてでございます。
本県産肉用牛の枝肉価格につきまして、JAグループ佐賀の販売実績で見ますと、令和元年は平均で一キログラム当たり二千四百円前後で推移しておりましたものが、今年に入ってから徐々に下がり始めたところでございます。
特に国内での
新型コロナウイルス感染症拡大が顕著となり始めていた今年三月は、一キログラム当たり千九百五十二円で、前年同月比八三%と大きく値を下げ、その後の一キログラム当たりの枝肉価格も四月は千八百四十八円で前年同月比七六%、五月は千八百七十一円で前年同月比七九%、六月は千八百五十三円で前年同月比七八%、七月は二千十八円で前年同月比八三%、そして八月は千九百九十二円で前年同月比八五%と、前年を約二割程度下回る価格で推移をしているところでございます。
それから、肥育農家への影響でございます。
現在、出荷されております肥育農家の素牛の導入時、今から約二十か月ぐらい前の子牛価格は非常に高い時期でございまして、約七十五万円前後しておりました。そういった状況であること、それから飼料代などの生産コストも安くなっているわけではないため、枝肉価格の下落分がそのまま肥育農家の経営に影響を与えております。肉用牛一頭の枝肉重量を五百キログラム、国からの補填金等がないと仮定して計算いたしますと、令和元年度と比較いたしまして、一頭当たり約二十万円から三十万円の減収になると推測されるところでございます。
以上、お答えいたします。
108 ◯下田委員=ありがとうございます。
今、データで示していただきましたとおり、大分下落して、若干七月は盛り返したものの、やっぱり減ってしまっていると。一頭当たり約二、三十万円ほどの減収となっているというようなお話でございました。
こういった中、肉用牛肥育経営安定交付金、いわゆる牛マルキンが発動されているわけなんですけれども、これは新聞の記事等でもあっておりましたが、この発動状況というのは今現在どうなっているのでしょうか。
109 ◯森畜産課長=牛マルキンの発動状況についてお答えをいたします。
肥育牛の販売価格が生産費を下回った場合、その九割を補填する肉用牛肥育経営安定交付金、いわゆる牛マルキンにつきましては、令和元年七月販売分から毎月発動している状況にございます。
そうした中で、本県で多く生産されております肉専用種の一頭当たりの交付単価を見ますと、今年三月が十七万七千四十五円、四月が二十四万六千九十二円で過去最高。それから五月が十七万五百五十五円、それから六月が十六万四千七百三十三円、七月が十三万四千百一円となっております。
なお、五月以降の交付単価が下がってきておりますけれども、これは、牛マルキンの原資は国からの交付金がそのうちの四分の三、生産者の積立金が四分の一となっておりますけれども、五月交付分から生産者からの積立金が不足し、国からの四分の三のみの交付となっていることによるものでございます。
以上、お答えいたします。
110 ◯下田委員=ありがとうございます。これはまたきつい状況ですね。そこからも読み取ることができます。
また、こういった状況に関して、佐賀県としても独自の支援策を出されております。これは
インターネットに書いてあるものそのままなんですけれども、佐賀牛等肥育素牛導入緊急対策事業として、これは佐賀県が出している政策です。
まず、この事業、
インターネットのをそのまま読みますと、「肉用牛肥育農家に対し、令和二年三月から九月までに出荷された肉用牛の販売頭数に応じて、肥育素牛の導入に係る奨励金(肉専用種二万円、交雑種一万円、乳用種五千円)を交付します。」というふうになっておりますけれども、この事業の進捗状況についてお尋ねをしたいと思います。
111 ◯森畜産課長=佐賀牛等肥育素牛導入緊急対策事業の進捗状況についてお答えをいたします。
先ほど委員から御質問いただきましたとおり、本事業の目的でございますが、本事業は肥育農家の皆さんがコロナ禍の厳しい経営状況にあっても前を向いて取り組んでもらえるよう、先ほど御説明いただきました令和二年三月から九月に出荷された肉用牛の販売頭数に応じて、次の肥育素牛を導入するための奨励金を交付する事業として、本年五月の臨時議会において措置をさせていただいたものでございます。
その事業の進捗状況についてでございますが、これまでに今年三月から六月に出荷された肉用牛六千五百八十六頭分、額にして一億三千四万五千円の奨励金を肥育農家に交付をしておるところでございます。
具体的には、三月分が千五百五十九頭で三千七十万円、四月分が千七百八十二頭に対して三千五百十四万円、五月分が千五百九頭に対して二千九百八十六万五千円、六月分が千七百三十六頭に対して三千四百三十四万円となっておりまして、おおむね計画どおり進めておるところでございます。
以上、お答えいたします。
112 ◯下田委員=ありがとうございます。
一つ気になるのが本事業なんですけれども、対象期間が一応九月までということでなっておりますが、これは十月以降も継続をすべきだと思っておりますが、この点についていかがでしょうか。
113 ◯森畜産課長=事業の継続についてお答えいたします。
先ほどの繰り返しになりますが、本事業は
新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、枝肉価格が暴落し、経営に大きな影響を受けた肥育農家の皆さんを支援するために緊急的に措置した事業でございます。
十月以降に出荷される肉用牛も奨励金の交付対象にするかどうかにつきましては、今後の牛の枝肉価格や肥育経営の動向、さらには国の
新型コロナウイルス感染症対策の措置状況なども踏まえながら検討していく必要があると考えております。
以上、お答えいたします。
114 ◯下田委員=現状を踏まえて、ぜひとも前向きに御検討いただきたいと思っております。
次の質問ですが、ゲノム育種価を活用した
牛群改良についてということで、これも今回の勉強会資料の中の報告で挙がっておりました。ゲノム育種価を活用した繁殖について、要は遺伝的能力を推定するゲノム育種価の評価を農家所有の繁殖雌子牛の五百二十五頭で実施をするというもので、これは事前に資料等を頂きました。(実物を示す)こういった冊子を頂きまして、要は遺伝子レベルで、ゲノミック評価報告書、大変興味深いなと思って、今、「佐賀牛」はこういった形で、遺伝子レベルでいい肉を育てるための手段が取られているんだなというのを改めて教えていただきまして、「佐賀牛」のために、農家振興のためにいろいろしてくださっているんだなというのをとても教えていただきました。
また、時期を同じくして、九月十七日の日本農業新聞なんですけれど、ゲノム育種価を採用ということで、これは大分県がやっている取組が日本農業新聞で掲載されておりまして、ああ、これと同じことが佐賀県でも行われているのだなということで、新聞に掲載されておりました。
まず、これはあまりなじみのないものでもありますので、今後の「佐賀牛」を発展させていくためにも、恐らくこれは中の文章を読み込むと、要はより優秀な「佐賀牛」を育てていくというような視点であると思うんですが、そもそもゲノム育種価とはどういった技術なのかというのをお尋ねしたいと思います。
115 ◯森畜産課長=ゲノム育種価についてお答えをいたします。
ゲノム育種価とは、牛の尻尾の毛の毛根などの細胞から採取した遺伝子情報、いわゆるゲノム情報を調べまして、牛の増体量や肉質などの生産能力がどれくらい優れているか、また劣っているかの程度を過去の膨大な肉用牛データを基に編み出した計算式を使って数値化をしたものでございます。
この育種価という考え方、またそれを基にした改良方法というものは以前からございましたが、これまでの育種価はある牛を評価するためには、その子供の肉質などを調べなければならず、五年程度の期間が必要でございました。
これに対してゲノム育種価は、生まれたばかりの牛でも従来の育種価よりも高い精度でその牛の能力を知ることができることから、牛の改良スピードを大幅に短縮できる画期的な技術と言われております。
以上、お答えいたします。
116 ◯下田委員=ありがとうございます。このようなものが今佐賀県でも活用されているということであります。
現在の取組についてなんですけれども、最新の技術でありますゲノム育種価を活用して、現在どのような取組が実施されているのかをお尋ねしたいと思います。
117 ◯森畜産課長=現在の取組についてお答えいたします。
県では、現在、ゲノム育種価を繁殖雌牛の改良や優秀な種雄牛の造成に活用しているところでございます。
まず、繁殖雌牛の改良に関しましては、繁殖農家にとりまして、生まれた雌の子牛を母牛として自分の経営内に残すかどうか、保留するかどうかを判断する段階で、その牛の能力を知ることができるのは経済的にも大きなメリットがございます。
こうしたことから、農家の皆さんにとって、それまでなじみのなかった新しい技術ではあったものの、県では平成三十年度から今年度までの三年間を試行期間といたしまして、繁殖農家が所有する雌の子牛について、毎年約五百頭のゲノム育種価を評価し、その結果を農家にフィードバックする取組を実施してきておるところでございます。
あわせて、新技術に対する農家の皆さんの理解を深めるため、農家向けの研修会の開催やJAを主体とした指導チームによる現地指導、それから委員お示しいただきましたゲノム育種価を活用した交配の考え方、これには例えば、ゲノム育種価が判明している繁殖用の雌牛には形質を補う育種価を持つ種雄牛を交配する例を具体的に示すような情報を盛り込んだパンフレットを作成いたしまして、全ての農家に配布する取組も実施をしております。
このような取組の結果、繁殖農家においては、ゲノム育種価が高い優良な雌の子牛を自己の経営の中に保留をされたり、ゲノムの相性がよい交配先の種雄牛を選定したりすることができるようになってきておるところでございます。
また、優秀な種雄牛の造成に当たりましては、ゲノム育種価が特に優秀な雌牛を選抜して交配を行うことにより、改良の効率化にもつなげているところでございます。
以上、お答えいたします。
118 ◯下田委員=ありがとうございます。
実際に平成三十年から三年間の試行ということでやられていて、効果が出ているというようなお話をいただきました。
今後の取組についてお尋ねしたいのですが、今年度まで試験的に実施されているということですが、繁殖農家の方々からも評価も高くいただいているというお話でございました。
今後も、ぜひともこういったことであれば、継続をしていくためにも農家の皆さんが活用しやすい制度を構築していくべきではないかと考えておりますが、その点についていかがでしょうか。
119 ◯森畜産課長=今後の取組についてお答えをいたします。
これまでの試行的な取組や周知に努めてまいりました結果、この取組を行った繁殖農家へのアンケートによりますと、ゲノム育種価の評価に取り組んでよかったという回答が九割近くに上り、このほかにも雌子牛の能力が把握でき、保留するかどうかの目安となった。それから、相性がよい交配種雄牛が選定できた。あるいは検査料が有料になったとしても継続して取り組みたいなど、ゲノム育種価の活用に対して前向きな回答が多くあったところでございます。
このようにゲノム育種価につきましては、一定程度浸透してきておりますこと、また利用する農家にとっても経済的なメリットもありますことから、今後どのような方法で推進すれば農家にとってより活用しやすいものとなるのか、JAなど関係団体とも相談しながら検討してまいりたいと考えております。
以上、お答えいたします。
120 ◯下田委員=ぜひとも農家の皆さんからの評価も高いと、今データでも示していただきましたので、そういった点も踏まえて、関係の皆さんとも御協議をいただきたいと思います。
次に、最後の質問ですけれども、「佐賀牛」の生産振興に向けた県の取組についてお尋ねをいたします。
新型コロナの影響はまだまだ先が見通せない状況でございます。ただ、将来にわたって、このブランドであります「佐賀牛」を維持発展させていくことが必要であって、県はその生産振興にどのように取り組んでいくおつもりでしょうか、御答弁お願いします。
121 ◯森畜産課長=「佐賀牛」の生産振興に向けた県の取組についてお答えをいたします。
現下の厳しい状況にありましても、将来にわたって銘柄「佐賀牛」としての地位を確保していくためには、「佐賀牛」は安定的に生産、供給されるようにしていかなければならないと考えております。
そのためには、引き続き高品質化対策や徹底した防疫対策に取り組むことはもとより、今なお「佐賀牛」のもととなります肥育素牛の多くを県外に依存している状況を変えていくことが何より重要というふうに考えております。
このため、県では「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一九」におきまして、本計画期間中に特に力を入れて取り組むべき項目として「佐賀牛の生産基盤の強化」を重点項目として定め、キャトルステーション、ブリーディングステーションの整備推進や、AI、ICT等の先進技術を活用した管理作業の省力化技術の普及による繁殖農家の規模拡大や繁殖肥育一貫経営の取組拡大、それから、先ほども申し上げましたゲノム育種価を活用した繁殖雌牛の改良や優秀な県産種雄牛の造成による「佐賀牛」の出荷頭数の拡大などに取り組んでいるところでございます。
今後とも、こうした取組を生産者はじめ、市町、農業団体等と一体となって進め、「佐賀牛」の生産振興を図ってまいりたいと考えております。
以上、お答えいたします。
122 ◯下田委員=ありがとうございます。
佐賀県の誇りとも言える「佐賀牛」の振興をぜひともよろしくお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
123 ◯徳光委員=皆さんこんにちは。県民ネットワークの徳光清孝でございます。今日は三つ質問したいと思いますので、よろしく答弁をお願いいたします。
まず、問いの一は佐賀コロニー跡地の産業団地開発についてお尋ねをいたします。
県では、佐賀市大和町の佐賀コロニー跡地を県営の産業団地として利活用する方針を決定いたしまして、周辺農地を含めた開発事業に着手をされております。
若者を中心とした雇用の場を県内で確保して、地域の活性化を図るために、私としてはなるべく早く完成をさせて企業の誘致に取り組んでいただきたいというふうに考えております。
そこで、次の点についてお伺いをいたします。
まず、産業団地開発計画の全体の概要についてなんですが、今回の開発計画で大体どのくらいの面積を計画しているのか、あるいは当然ながら、どのような企業を念頭に置きながら誘致をしたいと考えているのかお尋ねをいたします。
124 ◯江副企業立地課長=佐賀コロニー跡地の産業団地開発計画の概要についてお答えいたします。
まず、開発計画における面積につきましては、佐賀コロニー跡地が約九・四ヘクタール、そして佐賀コロニー跡地北側の民有地取得部分が約四・八ヘクタール、それに里道や水路を加えまして全体の開発面積は約十四・五ヘクタールとなっております。
現在、開発区域内におけます企業への分譲用地や調整池などの土地利用計画図を作成しておりまして、地元と協議を行っているところでございます。
また、誘致する企業につきましては、県としましては、人口減少が進行する中、地域の活力を向上させるためには、本県産業の成長を牽引する企業、地元企業とともに発展していく企業、県内高校生や大学生などの地元就職やUJIターンを誘引する企業など、魅力ある企業の誘致を目指しているところでございます。
開発区域は、佐賀大和インターチェンジからも近く、大規模な用地を求める企業のニーズに対応できる面積を有しております。よって、区域内に細かい区画割を設定することはなく、大規模な企業の誘致が可能な区画を設定することで、優良で地元雇用を多く生む企業を誘致したいと考えております。
なお、開発に当たりましては、立地可能な業種などを定める地区計画を策定する必要がありますので、雇用効果や投資効果が大きい企業の立地につながる地区計画となるよう、佐賀市や地元と一緒になって検討していきたいと考えております。
以上でございます。
125 ◯徳光委員=細かく区分けするんではなくて、できるだけ一社とか二社とか、大きな企業で雇用効果があるような企業を念頭にということなので、ぜひ頑張っていただきたいと思いますが、コロニー跡地だけではなくて、民有地を買収するということで、本議会でも議案が一つ提案をされております。それから、六月だったですか、一回目の民有地の買収についても提案がされていました。
その用地買収の進捗状況はどのようになっているのか、また今後どのように進めていくのかお尋ねをいたします。
126 ◯江副企業立地課長=用地買収の状況についてお答えいたします。
開発区域にある民有地につきましては、今年度から地権者との協議を進めておりまして、一万二千四百六十八平方メートルにつきまして、六月議会で財産の取得議案の議決をいただき、取得が完了しております。
さらに、一万二千九百八十五平方メートルにつきまして、地権者との協議が調いまして、仮契約を締結させていただいたことから、今議会に議案を上程させていただいているところでございます。
今議会で議案の承認をいただけましたら、取得面積は合わせて二万五千四百五十三平方メートルとなり、全体計画面積四万七千七百四十七平方メートルの約五三%の取得が完了することになります。
残り約半分の取得が完了しておりませんので、引き続き地権者との交渉を進めながら用地の取得を行うこととしておりまして、早期に全ての用地が取得できるよう努めていきたいと考えております。
以上でございます。
127 ◯徳光委員=ありがとうございます。
それでは、次なんですが、上下水道の整備です。
当然ながら、工場が来た場合、企業が来た場合、上下水道というのが重要になります。以前ほど最近の工場、企業というのはあまり多く水を使わない、あるいは水を使ったにしても自社で循環させて再利用するといったような企業が多くなっているというふうには聞いていますものの、上下水道というのは誘致する場合においても整備というのが大変重要だというふうに思いますが、その上下水道の整備については現在どのように計画をされているのかお尋ねをいたします。
128 ◯江副企業立地課長=上下水道の整備についてお答えいたします。
現在、産業団地の実施設計に着手しているところでございますが、実施設計の中で関係機関と協議しながら、上下水道の整備方法を決めていくこととしております。
具体的には、上水道の整備につきましては、供給可能水量を含め、佐賀市上下水道局と協議を進めながら決めていくこととなります。また、下水道につきましては、開発用地が公共下水道のエリアに入っておりませんので、合併浄化槽や立地企業が工場内に設けられる浄水施設によって処理された水を産業団地の外に排水するということになります。
なお、排水先につきましては、水路管理者の同意が必要になりますので、今後協議を行いながら排水計画を決めていくこととしております。
以上でございます。
129 ◯徳光委員=佐賀市と協議をしながらということで、上水道は当然新たに結構大きな管を引かないといけないだろうというふうに思いますし、大和はなかなか水が足りない地域ということもちょっと聞いたような気がします。当然ながら、下水道は公共下水道の地域に入っていませんので、今答弁いただいたように、合併浄化槽、あるいは自社で浄化させて排水をするということで、今後排水河川の利水というか、その関係でまた協議が必要ということになりますので、その辺は結構環境面とか水量の問題とか、かなり細かな協議が必要になってくるんではないかなというふうに思っています。
ただ、これは大変重要なことですので、関係機関、佐賀市、あるいは周辺住民の方々としっかり協議をしながら、スムーズに整備を進めていっていただきたいなというふうに思っています。
次に、取付道路の整備なんですが、課長、最初答弁いただきましたように、大和インターに物すごく近いということで、大変立地条件としては有利だというふうに思います。ただ、そこまでの道路をどのように考えていくのかとか、それから、あそこの地区は去年の大雨のときも川上コミュニティセンターですかね、あそこがかなり浸水をしたといったようなことも聞いていますので、そういった土地柄というのも考えないといけないのかなというふうに思っています。そんな意味で、産業団地の取付道路についてはどのように計画をしているのかお尋ねをいたします。
130 ◯江副企業立地課長=取付道路の整備についてお答えいたします。
産業団地を整備するためには、九メートル以上の道路と接続している必要がございます。現在、開発用地と接道している道路は幅員が狭く、取付道路の整備が必要となっております。
そこで、佐賀市と協議を行いまして、既存道路や周辺の状況を勘案いたしまして、佐賀コロニー跡地の東側を通る市道大願寺上戸田線でございますけれど、こちらが最適であるというふうに判断をいたしまして、拡幅により対応することといたしております。こちらは先ほど委員から御指摘のありましたコミュニティセンターがある道路になります。
なお、この取付道路につきましては、道路管理者である佐賀市が整備を行うこととなります。整備に必要な現地測量や道路設計を行うとともに、地元や地権者と協議を行いながら整備が進められていくこととなります。
取付道路につきましては、今後も佐賀市と一体となって、産業団地分譲までに整備が完成するように進めていきたいと考えております。
以上でございます。
131 ◯徳光委員=九メートル以上の道路となると、相当拡張も必要になってくるのかなというふうに思いますし、当然地権者等々がいらっしゃいますので、しっかり協議をされて、遅れないようにしていただきたいなというふうに思っています。
それから、地区計画の策定なんですが、これも課長からも最初に答弁がありましたが、市街化調整区域内でありますから地区計画の策定が必要だということになっています。現在、地元と協議を行っているということなんですが、その状況についてはどうなっているのかお尋ねをいたします。
132 ◯江副企業立地課長=地区計画の策定につきましてお答えいたします。
委員御指摘のとおり、開発用地は市街化調整区域内でありますので、開発に当たりましては、まずは地元の同意を得ながら地区計画を策定する必要がございます。
そこで、佐賀市や地元と協議しながら、地区計画の内容を固めていくこととしておりまして、今年六月、川上校区自治会長会に開発区域内の配置計画案を説明しております。
その後、産業団地開発に関する協議、検討の場といたしまして、地元に検討委員会が立ち上げられまして、御説明や意見交換を実施しております。
その中で、地元からは、大雨による浸水被害を受けやすい地域であることから、産業団地の開発に伴い浸水被害を軽減する対策というのを強く求められておりまして、現在、調整池の大きさや構造をはじめ、どのような方策が可能か、鋭意検討をさせていただいているところでございます。
今後とも、地元や地区計画を所管する佐賀市との調整を図りながら、整備の内容や建築制限の内容などを固めていき、早期の地区計画の策定を図りたいと考えております。
以上でございます。
133 ◯徳光委員=ありがとうございます。
今までずっとお聞きをして、まず民有地の買収がまだ残っている。それから、上下水道の整備についても佐賀市との協議もこれから。取付道路、拡張が必要になってきている。それから、地区計画も今、地元の方と十分協議を行っているということで、かなりいろんな方面で協議が進まないと、この産業団地の開発というのはうまくいかないということになります。
そんな意味では、今現在で、どれぐらいのスケジュール感でできるかという明確な答えはできないかもしれませんが、今後、どのようなスケジュールで開発を進めていくのかお尋ねをいたします。
134 ◯江副企業立地課長=今後のスケジュールにつきましてお答えいたします。
開発の大まかな流れといたしまして、地元との調整を図りながら、早期に地区計画を策定し、その後、開発行為等の諸手続が完了してから造成工事に着手するという流れになります。
地元の要望などを踏まえて、地元の同意を得ながら地区計画を策定する必要があることから、一定の期間を要すること、また現在行っている実施設計の中で工事の期間などが見えてくることから、現時点では分譲開始時期は未定となっております。
なお、スケジュールの目安といたしまして、地元の同意をいただき地区計画案を策定した後の手続に約一年、それから、造成工事につきましては二年程度かかるものと想定しております。
現在、企業の受皿となります産業団地が不足していることから、できるだけ早く造成工事に着手し、分譲を開始したいと考えております。
以上でございます。
135 ◯徳光委員=まだ結構かかりそうだなというふうに受け止めました。
それと、造成工事自体に二年間かかるということになりますと、ちょっと想像ですが、その間、結構大型ダンプも行き来したりということもあるのかなと思っています。そうなると、大和中とか、川上小はもうちょっと南のほうになりますけれども、学校も近いということもあります。そんな意味では、周辺の交通安全といいますか、その辺等も十分配慮しないといけないと思うんですが、その辺はどのように今後協議をしていくんでしょうか。
136 ◯江副企業立地課長=当然地元の学童の方とかが使われる道路もございますので、地元の皆様と十分協議をしないといけませんが、まずは佐賀コロニーの解体工事のときに使いました道路が、現在取付道路と予定しております西側にございまして、そちらは公園の中を通る道路になっておりますので、なるべくそういった学童の方たちが通るような通学路等は避けたり、あとサインをしっかり出して、そこの道路をダンプが通るときに人を配置して、きちんと交通対策を行った上で造成工事等を進めていく予定にしております。
以上でございます。
137 ◯徳光委員=地元の皆さんもいろんな期待もあるし、不安もあるというふうに思いますので、しっかり協議をされて開発を進めていただきたいというふうに思います。
それでは、二番目の問いですが、スマート農業の推進についてお尋ねをいたします。
本県の農業というのは、以前から高齢化が進んでいるということで、担い手の減少というのが大きな課題になっていますし、あるいは中山間地域における耕作放棄地の増加等によりまして、生産の縮小、産出額の伸び悩みなど、大変厳しい状況にはあります。
特に担い手の減少に関しましては、トレーニングファームの運営、昨日、委員会で鹿島のトマトを見に行ってきました。それから、リース方式での園芸団地の整備、新規就農者の施設整備などに対する支援により積極的に対応されているところでありますが、その解決は本県農業の喫緊の課題となっています。
一方、担い手の減少にも対応し得る技術としまして、最近注目されているものにスマート農業というのがあります。
私も以前、多分この委員会、何年か前のこの委員会だったと思うんですが、佐賀大学に本店を置く株式会社オプティムで話を伺ったことがありますが、例えば、大豆などで害虫被害が発生したときに、ドローンでいち早く害虫被害がひどいところを見つけて、ピンポイントでそこに無駄なく的確に農薬を散布するといったドローンの開発などを見学したところであります。こういった技術が実用化されることによりまして、大幅な省力化や収量や品質の向上が見込まれていくというふうに思っています。
こうしたスマート農業が中山間地域をはじめとする県内各地に広まっていくことで、担い手の減少や農業所得の伸び悩みなどの本県農業が抱える課題を解決する一助になるのではないかと期待をしているところであります。
また、今議会では農業大学校において就農のための研修に使用するスマート農業機械を導入する事業費として八千七百万円余りが提案をされております。
就農を目指す農業大学校の学生が最先端のスマート農業機械を用いて実習することは、将来の本県農業を担う青年農業者の育成にとって非常に有意義なことと考えているところでありまして、こういった取組にも大いに期待をしているところであります。
今日の農業新聞に来年度の政府予算、農水関係の概算要求の記事がありました。およそ二兆七千七百三十四億円を概算要求しているということです。その目玉はコロナ対策とスマート農業に対応したやつというふうに書かれていまして、例えば、スマート農業総合推進対策は四十億円増の五十五億円を盛り込んでいるとか、かなり来年度の農水予算の目玉としてスマート農業というのも捉えているようですので、しっかり佐賀県でもそういったものが実現していけばいいなというふうに思っています。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
まず、スマート農業の現状についてです。
スマート農業の技術についてですが、スマート農業とはどのようなものなのか、あるいは具体的にどのような技術があるのかお尋ねをいたします。
138 ◯金澤農政企画課長=スマート農業の技術についてお答えいたします。
農林水産省に設置されております「スマート農業の実現に向けた研究会」において、スマート農業とは、ロボット技術やICTなどの先端技術を活用し、超省力化や高品質生産などを可能とする新たな農業とされております。
具体的な技術としまして、水田農業では、GPS自動走行システムを導入した農業機械や自動での水管理などによる超省力・大規模生産技術、また施設園芸では、センサーで計測した二酸化炭素濃度や温度、湿度などに基づくきめ細かな栽培管理による飛躍的な収量向上、高品質化技術、畜産では、体温や行動データに基づく固体ごとの生育状況や健康状態の把握による生産性の向上や餌やり、掃除の自動化による超省力・大規模生産技術などがございます。
以上、お答えいたします。
139 ◯徳光委員=それでは、改めてお尋ねをしますが、スマート農業がどうして必要なのか、スマート農業を推進する背景及び目的についてお尋ねをいたします。
140 ◯金澤農政企画課長=スマート農業推進の必要性についてお答えいたします。
スマート農業を推進する背景としまして、先ほど委員からも述べられましたとおり、担い手の減少や高齢化、新規就農者の減少、農業所得の伸び悩みなど、本県農業が直面する課題に的確に対応するためには、産業分野で広がりを見せておりますAIやIoTなどの活用が農業分野においても必要であることが挙げられます。
推進する目的としましては、スマート農業の実践により、農作業の大幅な省力化や労働力の負担軽減をはじめ、施設園芸における飛躍的な収量の向上や高品質化、また生産コストの大幅な削減などを実現し、担い手不足に対応するとともに、農業所得の向上を図りたいと考えております。
以上、お答えいたします。
141 ◯徳光委員=それでは、次にスマート農業機械の導入に係る経費なんですが、こういったスマート農業の機械というのは、ロボット技術とかAIとかIoTといった最新技術を活用することから、従来の農業機械に比べて恐らく高価なものになるというふうに思っています。そんな意味では、スマート農業機械の導入にはどれぐらいの費用がかかるのかお尋ねをいたします。
142 ◯金澤農政企画課長=スマート農業機械の導入に係る経費についてお答えいたします。
具体的な導入経費を見てみますと、自動走行トラクターはGPS受信装置や自動操縦システム、障害物感知システムなどの装置が追加されますことから、六十馬力で約一千万円で、同能力の従来型の機種と比較しますと四百万円ほど高くなります。
複合環境制御システムは、十アールのキュウリハウスの実例で見ますと、二酸化炭素濃度や温度、湿度などの環境を高度に制御するための制御盤と設備の整備に約二千五百万円が必要となります。
また、牛の発情発見・分娩予知システムは、五十頭規模の繁殖農家を想定しますと、牛に取りつけるセンサーとデータの送受信装置で約六十万円が必要などとなっております。
以上、お答えいたします。
143 ◯徳光委員=聞いただけで頭を抱えるほど、かなり高価なんだなというふうに思っています。
昨日視察に行ったトマトでも相当な設備投資が必要で、リースということで、少しでも農業者の負担を軽減するような方法が考えられていますが、後でも出てくるのかもしれませんが、導入するからにおいてはかなりの補助、国も含めた補助とか、そういったものがないと現実的には導入できないようなことにもなりかねないとは思うんですね。恐らく補助制度の創設というのが今あるのか、あるいはこれから十分考えられていくのかはちょっと私も知りませんけれども、その辺もしっかり国を含めて考えていかないと、実際の導入には難しい面が出てくるんではないかなと思いますが、その点、今分かる範囲で答えていただければと思いますけれども。
144 ◯金澤農政企画課長=スマート農業導入に係る補助制度についてお答えさせていただきます。
令和元年度における本県での環境制御装置の補助事業での導入実績についてですけれども、国の産地パワーアップ事業を活用して複合環境制御盤の装置を整備した事例が十件、それから園芸生産888億円推進事業、県の補助事業を活用してキュウリ、アスパラガス、トマトなどでそういった複合環境制御装置、また省力施肥かん水装置などを整備した事例としまして十一件ございます。
以上、お答えいたします。
145 ◯徳光委員=恐らく今の答えは次の問いではないですね。分かりました。
農業新聞を見てみますと、最近スマート農業についていろんなことが書かれていました。鹿児島県の曽於地域では、自動操舵システムつきのトラクターとかロボットトラクターの実演会をやってみたりとか、あるいは施設園芸も、これは武雄かどこかで業者が最近講演会か何かやっているんですかね、キュウリの管理で温度、湿度、CO2の濃度だけではなくて、画像を用いて的確に判断するようなものとか、それからドローンについて、ドローンが一番導入の最先端を行っているんだと思いますが、ドローンの開発が今物すごく、企業もいろんなドローンを開発している。通常十分ぐらいしか飛行できないと言われているけれども、電池を多くすることでもっと飛行時間を延ばすとか、様々な形態のドローンも開発をされているというふうに聞いています。
何か最近テレビを見ていたら、コーヒーメーカーか何かの宣伝で、田舎でおじいちゃんが一生懸命ドローンを操縦しながら農業をやっているようなCMがあったんですけれども、そんな意味では、まだまだ開発途中ということもありますけれども、普及し始めたというところもあると思いますが、県内で取り組まれている事例、さっきの答えじゃないですね、──についてどのようなものがあるのかお尋ねをいたします。
146 ◯金澤農政企画課長=県内での取組事例についてお答えさせていただきます。
先ほど申し上げました国や県の補助事業を活用しまして、施設園芸農家で、令和元年度で二十一戸の生産農家に導入されております事例のほかに、畜産農家では発情発見・分娩予知システムが約六十戸の肉用牛繁殖農家で導入をされております。
次に、実証段階の事例としまして、白石町において自動走行トラクターによる耕うん、代かきや、ドローンの自動飛行による防除、自動での水管理など、米の生産全般にわたるスマート農業技術の現地試験を行っているところでございます。
以上、お答えいたします。
147 ◯徳光委員=ありがとうございました。
それでは、本議会に提案をされています農業大学校での取組についてお尋ねをしたいと思いますが、農業大学校においてスマート農業機械を導入する目的は何なのか、まずお尋ねをいたします。
148 ◯竹下農産課長=スマート農業機械を導入する目的についてお答えをいたします。
県内の農業従事者が高齢化、減少しておりまして、次世代の担い手の確保は重要な課題となっております。
また、農業分野でのAI、IoT等の先端技術を活用した営農システムは、県内にも普及をし始めておりまして、大幅な省力化や高品質、高収量の生産が可能となる有効な手段の一つであることから、スマート農業機械の導入を推進していく必要がございます。
こうした中、農業大学校におきましてスマート農業機械を使った農作業の省力化や効率化を学ぶ環境を整備いたしまして、それらを実習で活用することにより、将来の佐賀農業を支える若手農業者を育成することを目的としております。
以上、お答えします。
149 ◯徳光委員=ありがとうございます。
それで、次に、今回導入を計画されている農業機械、勉強会の資料を見ますと、かなり多種な機械が導入をされようとしていますが、そのうち主なスマート農業機械はどのようなものなのかお尋ねをいたします。
150 ◯竹下農産課長=導入を予定しておりますスマート農業機械についてお答えをいたします。
今回導入する主な農業機械につきましては、GPS機能を備えました直進アシスト機能によりまして、これは直進作業というのは神経を集中する必要があるんですけれども、この労働負担を軽減したり、作業のオペレーターですけれども、十分に習熟していないようなオペレーターの方にも容易に交代もできるというような田植機やトラクター、そういったものを予定しております。
また、圃場ごとの収量やたんぱく含量をデータ化し、次年度の施肥改善につなげることができる収量と食味が刈取り時に測定できますコンバイン、このほか、農薬や肥料を散布できるドローンや設定した範囲を自動で運転することにより雑草を刈り取りするロボット草刈機などを予定しているところでございます。
以上でございます。
151 ◯徳光委員=いろんな機械が今開発されて、実用化をされて、それを農業大学校で導入をするということなんですが、このスマート農業機械を農業大学の学生の教育にどのように今後活用していくのかお尋ねをいたします。
152 ◯竹下農産課長=スマート農業機械の活用についてお答えをいたします。
農業大学校では、農業に関する知識や実技を習得させるため、講義と実習を組み合わせたカリキュラムを組んで学生の指導を行っております。
まず、講義では、スマート農業機械ごとにその特徴や機能について理解をさせまして、導入による生産性や品質の向上効果、さらには経営における費用対効果などを学習させるようにしております。
また、実習では、農場等の現場におきまして、スマート農業機械を安全に点検、整備、操作ができるように機械ごとに理解をさせるようにしております。
こうした教育によりまして、農業大学校生にスマート農業機械を実際に体験させまして、農業経営改善の感覚を養うこととしております。
以上、お答えします。
153 ◯徳光委員=今後の取組についてなんですが、今まで答弁いただきましたように、スマート農業というのは担い手不足、高齢化にも対応できるし、あるいは所得をしっかり確保するということにも対応できるというふうに認識をしています。その意味では、ぜひ県内農業でしっかり導入を進めていただきたいというふうに思っています。
滋賀県が農水省のスマート農業実証プロジェクトに参加をしていまして、いろんな機関とか農業大学校とか、県が一緒になってプロジェクトをつくって、いろいろ今やっているんですが、最近の農業新聞に、一覧表を作ったと。例えば、この機械はどんな効果がありますよ、この機械はどんな効果があります、これは省力化の効果がありますよとか、何か一覧表を作って発表したというのがありました。これは何で作ったかというと、一般的にこんな機械ですよと言っても、農家の方が、いや、そんなの俺は必要なかとか、あまり理解を示さないということであれば、なかなか実用化にならないということ。だから、現実にこういった機械はこんな効果があるんですよということで、まずしっかり農家の方に理解をしていただくということのためにつくったというんですね。
ですから、今後、ぜひ導入を進めていってもらいたいと思うんですが、いろんな機械が出てくると思いますので、用途、用途に合った有効性というのもしっかり農家にアピールすることも今後スマート農業を推進する上で大変大切なことかなというふうに思っています。
そこで、県では、今後のスマート農業の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。
154 ◯金澤農政企画課長=今後の取組についてお答えいたします。
スマート農業は、日進月歩で常に新しい技術が開発されておりますことから、農業試験研究センターに設置しておりますスマート農業研究担当を中心に情報収集を行うとともに、本県での活用が見込まれる技術につきましては、速やかに試験導入や実証試験を実施することとしております。
その上で、導入効果が見込めるものにつきましては、研修会の開催などを通じ、技術の詳細や導入に適した経営規模等の情報を農家へ提供するとともに、必要に応じ補助事業も活用しながら、その導入を後押ししてまいります。
繰り返しになりますが、スマート農業は、超省力化や高品質、高収量の生産が可能となりますことから、担い手の確保や農業所得の向上を図る上で非常に有効であると考えております。
先人たちが築き上げてこられた佐賀農業に、スマート農業などの新しい取組を取り入れながら、稼げる農業の実現を目指してまいります。
以上、お答えいたします。
155 ◯徳光委員=ありがとうございます。
それでは、最後の問いになりますが、コロナ禍が県内雇用に与える影響についてお尋ねをしたいというふうに思います。
県内の雇用関係の最近の指標を見ますと、例えば、七月の有効求人倍率ですが、一・〇三となりまして、前月からプラスに転じております。全体的に雇用状況が急速に悪化をしているというような状況ではないとは受け取っています。あるいはリーマンショック直後のような失業者が急増しているような局面ではないというふうに思っています。
また、企業の倒産なんですが、ホテル関係で武雄とか嬉野で旅館等の倒産があったと聞いていますが、これも倒産件数自体が急増している、そういった傾向に現時点ではないのかなというふうに受け取っています。
ただ一方、私自身も最近も飲食店に出かけました。お店に行ったら、そこの板前さんだけがやっていて、以前ですと、アルバイトの人が二人ぐらいいたんですが、もう一人でやっていると、なかなかお客さんが来ないので、アルバイトまで雇う余裕がないといったようなことも言われていました。特に
新型コロナウイルスの第二波が始まったことで、飲食店とか宿泊業においては客足が遠のいて、今後、県内の雇用者に対してじわじわと影響が出てくるのではないかなというふうに心配をしているところであります。
先ほど言いましたように、こういった雇用状況を示す統計の数値としては大きな変化がないようには思いますが、今後の雇用情勢の見通しが立てにくいというのも事実だろうというふうに思っています。
新型コロナウイルス感染症の影響は今後も本当に長く続くというふうに考えています。今現在の雇用情勢に関する基本的な事項をここで確認をしておきたいなというふうに思います。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
まず、県内企業倒産の状況についてなんですが、県内の雇用情勢に大きな影響を与える企業倒産について、これまでの状況とそれに対する県の受け止めについてお尋ねをいたします。
156
◯大橋産業政策課長=県内企業倒産の状況についてお答えいたします。
県内企業倒産の状況につきましては、平成二十九年は三十三件、平成三十年は三十四件、令和元年は三十一件、令和二年は七月までで二十四件となっております。
また、
新型コロナウイルス感染症の影響による県内企業の倒産件数につきましては、民間調査会社の調べで、四月一件、八月一件、九月三件で、合計五件となっております。
現時点で
新型コロナウイルス感染症の影響による倒産が急増しているような状況にはなく、県内経済は引き続き弱い動きが見られるものの、全体としては持ち直してきていると考えておりますが、今後とも状況の推移を注視してまいりたいと考えております。
以上でございます。
157 ◯徳光委員=それでは次に、有効求人倍率なんですが、これは雇用情勢を示す大変代表的な指標であるというふうに思っていますが、この推移はどのようになっているのか、また、産業別の求人状況など特徴的な傾向があるのかお尋ねをいたします。
158 ◯鷲崎産業人材課長=有効求人倍率等の状況につきましてお答えさせていただきます。
まず、有効求人倍率の状況でございますが、本県における有効求人倍率は、平成二十一年七月、リーマンショック後に最も低い〇・四倍となりましたが、その後、次第に上昇し、平成二十七年十二月に一倍を超え、一・〇二倍となり、平成三十年七月に最高となる一・三四倍まで上昇しております。
その後、昨年十二月に一・二八倍となるまでは若干の上下動を繰り返しながら低下するものの、一・二倍台の後半を維持してきておりました。それが本年一月に一・二二倍となり、二月一・二〇倍、三月一・一七倍、四月一・一三倍、五月一・〇八倍、六月一・〇一倍、七月一・〇三倍と一倍台は維持できておるものの、大きく低下をしているような状況でございます。
また、産業別の求人状況でございますが、三月から七月までの新規求人の状況を産業別に前年と比較してみますと、宿泊業、飲食サービス業が三月から六月までの各月において対前年同月比がおおむね五〇%から六五%の減少、製造業が四月から七月までの各月で、対前年同月比がおおむね三五%の減少、運輸業・郵便業や生活関連サービス業、娯楽業については、対前年同月比が四〇%を超えて減少している月が複数ございます。こういった業種におきまして影響が大きいと考えているところでございます。
以上です。
159 ◯徳光委員=やっぱり一番コロナによってダメージを受けている分野での求人状況が前年と比べると相当落ち込んでいるということが明らかになっているというふうに思っています。
そこで、次に、
新型コロナウイルス感染症の雇用への影響なんですが、厚生労働省が最近発表している数値で、
新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報というのがあります。
これは厚生労働省が都道府県労働局の聞き取りやハローワークに寄せられた相談とか報告等を基に把握をしました「雇用調整の可能性がある事業所数」と「解雇等見込みの労働者数」を発表しているものであります。ほぼ毎週、ホームページにて公表されています。
この調査における全国と県の「雇用調整の可能性がある事業所数」及び「解雇等見込み労働者数」の推移はどうなっているのか。また、そのうち正規雇用労働者数と非正規雇用労働者数の内訳というものがどうなっているのかお尋ねをいたします。
160 ◯鷲崎産業人材課長=厚生労働省発表の
新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報につきましてお答えさせていただきます。
まず、「雇用調整の可能性がある事業所数」として厚生労働省が把握しているものでございますが、全国におきまして、五月末の五月二十九日時点で三万二百十四事業所、六月末の六月二十六日時点で四万九千二十事業所、七月末の七月三十一日時点で七万五千五十七事業所、八月末の八月二十八日時点で八万四千二百二十事業所となっており、直近の九月十一日時点では九万三千九百二十九事業所と九万事業所を超え、五月二十九日当初の時点と比べると約三倍となっております。
それと比較しまして、佐賀県におきましてでございますが、五月二十九日時点で百六十四事業所、六月二十六日時点で百七十四事業所、七月三十一日時点で百七十五事業所、八月二十八日時点で百七十六事業所で、直近の九月十一日時点では百七十九事業所となっており、五月二十九日時点と比べると十五事業所増加しているものの、全国のような大幅な増加とはなっていない状況でございます。
次に、厚生労働省が把握しております「解雇等見込み労働者数」の推移でございます。
これも全国でいきますと、五月二十九日時点で一万六千七百二十三人、六月二十六日時点で二万八千百七十三人、七月三十一日時点で四万一千三百九十一人、八月二十八日時点で四万九千四百六十七人、直近の九月十一日時点では五万四千八百十七人と五万人を超えまして、五月二十九日の時点の約三倍となっております。
一方、佐賀県におきましては、五月二十九日時点で二百四十八人、六月二十六日時点で三百六十人、七月三十一日時点で四百三十八人、八月二十八日時点で四百五十二人、直近の九月十一日時点では五百三十九人となっております。五月二十九日時点と比べますと約二倍と、増加率は全国ほどの増加にはなっていない状況でございます。
また、正規と非正規の内訳でございますが、「解雇等見込み労働者数」のうち、正規雇用労働者数と非正規雇用労働者数の内訳は、九月十一日現在を取りますと、全国では解雇等見込み労働者数五万四千八百十七人のうち非正規雇用労働者数が二万五千三百三十四人で四六・二%となっております。
佐賀県においては、解雇等見込み労働者数五百三十九人のうち非正規雇用労働者数は三百六十九人で六八・五%となっており、佐賀県のほうが全国よりも非正規雇用労働者数の割合は高くなっている状況でございます。
以上でございます。
161 ◯徳光委員=九月十一日現在ということで、先ほどお昼のNHKのニュースを見ていますと昨日現在のやつが発表されていまして、全国でいうと六万人を超えたというふうにありました。
私もすぐ厚生労働省のホームページを見たんですが、まだアップされていなかったので、県の状況はちょっと分からなかったんですが、恐らく先ほど九月十一日が県内は五百三十九人ということでしたので、若干増えているのかなというふうに思っています。
ですから、これは聞き取り等による調査数なので、実際に離職をしたりとか、解雇された方というのは、ニュースでは恐らくこれを上回るだろうとありましたが、いずれにしても、まだ影響がじわじわと続いているということだと思います。
そこで、統計としては、雇用保険の受給資格の決定件数というのを見ると、現実的に離職なり解雇されて雇用保険を給付している件数ということなので、これが一番反映すると思うんですが、この件数が増加すると当然失業者が増えているということになりますが、その推移というのはどうなっているのか、あるいは前年と比べてどのようになっているのかお尋ねをいたします。
162 ◯鷲崎産業人材課長=雇用保険受給資格決定件数の推移についてお答えさせていただきます。
本県における令和二年の雇用保険受給資格決定件数の推移及び昨年同月との比較につきましては、一月の件数が八百六十六件で前年同月比三・九%の減少、二月は七百二十九件で前年同月比一四・六%の減、三月は八百六十件で前年同月比七・八%の増、四月は千七百六十四件で前年同月比八・八%の増、五月は千二百五十四件で前年同月比八・七%の減、六月は九百六十五件で前年同月比六・三%の増、七月は八百七十二件で前年同月比五・三%の減となっております。
一月から七月までの七か月間で、昨年と比較して増加した月が三月、減少した月が四月で、中を見ましても目立った増減はなく、七月までの累計を計算してみましても、昨年と比べ六十七件、〇・九%の減少となっております。
なお、全国におきましては、三月から七月まで五か月連続で前年同月を上回っておりまして、五月は一五・九%の増、六月は四七・二%の増、七月は一六・五%の増と各月の増加率も大きくなっているところでございます。
このような国との比較も含めまして見てみますと、佐賀県におきましては、現時点では全体として雇用の維持が図られていると見ることができると考えているところでございます。
以上でございます。
163 ◯徳光委員=ありがとうございました。
全国的な傾向を見るのは、全国の統計で見るのが一番実態を表していると思いますので、雇用保険を受給する人というのはかなり増えているということなんですね。
リーマンショックの頃も言われたんですが、バブルの頃の恩恵も地方はそこまで多くなかったし、リーマンショックの被害もそこまでなかったんだといったようなことも一時期言われていました。そんな意味では、極端な増減というのは、地方の場合、県によって違うとは思うんですが、そこまで響かないのかなとは思っています。
ただ、恐らく皆さんもそう感じていらっしゃると思うんですが、コロナ禍というのはそう簡単に収まるような状況ではないと思っています。むしろ、今は持続化給付金とか、あるいは家賃補助だとか、そういったいろんな支援金でしのいでいるといったような中小企業だとか、飲食業とか、宿泊業というのは実は多いんだろうというふうに思っています。ただ、その支援が途切れたときに、一気に倒産になったりとかいうことが出てくるんじゃないかなと思うんですね。
先ほどの雇用の統計数値になかなか表れにくいのは、やっぱりアルバイトの解雇された人、離職をされた人というのは、なかなか統計上、この数値には反映がされません。アルバイトの人で雇用保険を掛けているというのはあまりないというふうに思うんですね。
そんな意味では、佐賀の場合は非正規の割合が全国平均よりも多い。非正規が解雇される前に、非正規の中でもアルバイトの人がやっぱり先に解雇されるというふうに思うんですね。
先日、フードバンクさがが、佐賀大学だったと思うんですが、学生にアルバイトができなくなって生活が大変だろうということで、食品を提供するといったことがニュースとなりました。ですから、恐らく学生でアルバイトができなくなって困っているという方は相当多いんだろうと思うんですね。
そんな意味では、県内大学の学生課のヒアリングをしてみるとか、そんなことも今後必要になるのではないかなというふうに私自身は受け取っているところであります。
リーマンショックのときは企業ごと倒産というのが結構多かったので、その再就職に対しては、県も含めて相談窓口を設けたりとか、あるいはハローワークの中にワンストップ窓口ということで、就職の相談、雇用保険の相談、それに加えて生活保護の相談とか、いろんな窓口を一つにそろえて対応するといったようなことも行われたというふうに記憶をしています。
そんな意味では、今はまだ数値を見る限りでは何とか持ちこたえていますけれども、今後、一気に倒産件数が増えたり、解雇される正規労働者が増えたりということも、私は十分心配しないといけないのではないかなというふうに思っています。
そういったことも含めまして、今後の取組の考え方等について産業労働部長にお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
164 ◯寺島産業労働部長=現在の状況を踏まえて、今後どうしていくのかといったお尋ねでございました。
委員からも御紹介がございましたし、それぞれの課長からも御答弁させていただきましたとおり、現時点においては、新型コロナの影響で企業倒産が急増しているとか、あるいは連鎖倒産が発生しているという状況にはございませんで、企業、事業者の皆様が、国、県、それから市町の支援策はいろいろございますが、そういったものを活用しながら、何とか持ちこたえておられるんだろうなというふうに認識をしております。
また、雇用につきましても、求人倍率、新規求人の状況をるる御答弁させていただいております。
そういったものを見ますと、確かに雇用不安の要素というのがあるなというふうには思っておりますけれども、委員からもございましたように、離職の状況というのは雇用保険の受給資格決定件数で見ることができますが、それを見ても、失業者の方が昨年と比べてたくさん発生しているという状況にはございませんので、現時点においては、全体としては雇用の維持が図られているのかなというふうに思っております。
ただ、今後どうなっていくのかというのももちろんございますので、今後とも、まず事業者の事業の継続というものが図られる、そして、従業員の方の雇用の維持が図られるといったことについて、経済指標などももちろん全体の把握として見ながら、そうした数字だけではなくて、事業者の声、あるいはそこで働いていらっしゃる方々の声といったものにもしっかりと耳を傾けて、市町、国、あるいは関係団体の皆様と連携をしながら、資金繰り対策、あるいは雇用対策、そして、ウイズコロナでの新たな事業者のチャレンジをしっかり支援すると、そういったものを含めて、その時々の状況というものにしっかりと対応して取り組んでいきたいというふうに思っております。
新型コロナの収束の見通しというのがなかなか立たないという中で、感染症と社会経済活動をうまく折り合いをつけていくしかないというふうに思っております。
本県のように、今、感染が一定抑えられているといったときには、やはり県民みんなで、もちろん感染防止対策というのはしっかりと行った上でではございますけれども、県内のものを買って、食べて、あるいは宿泊して地元消費をする、県内でお金を回していくといったことができるような──私どもは支え愛というふうに呼んでおりますけれども、そういった支え愛の活動でもってしっかりと経済を回していくということが重要だというふうに考えておりますし、私どもとしてもそういったことが行いやすいような環境づくりといったものにも引き続き取り組んでいきたいというふうに思っております。
事業者の皆様が安心して事業を継続していただけるように、そして、そこで働いていらっしゃる皆様が安心して働くことができるように、事業の継続と雇用の維持のための直接的な対応策というのももちろんいろいろございますし、私どもこれまで打ってきておりますけれども、そういったものはもとより、支え愛のようなオール佐賀で事業者の方、生産者の方、労働者の方を支えていくような環境づくりを含めまして、必要な対策を今後臨機応変にしっかりと講じていきたいというふうに考えております。
私からは以上でございます。
165 ◯徳光委員=ありがとうございました。
ぜひしっかり現在の状況を注視していただいて、あらゆる対策を打っていただきたいというふうに思いましたし、支え愛ということで、六月時点ですかね、県庁の皆さんもいろんな支え愛をやって、軽く百万円突破したということも存じております。私たちも微力ながら、少しは買いましたけれども。
お酒の質問を六月にちょっとしました。もうすぐ秋の認定酒の品評会があって、認定酒が決まって、ナイトテラスの第二弾で秋の認定酒を、少し振る舞い酒で置くということも先ほど担当課のほうからお聞きをしましたので、私たちも含めてですが、ぜひ皆さん方も町に出ていただきたいと思います。
部長はお酒を飲めないんですけれども、そういう方は食事だけでも結構だというふうに思いますので、二十人、三十人で行くというよりも、それぞれ何人かのグループでしっかり町の様子も見ていただいて、ここはしっかり支え愛で乗り切っていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
166
◯古賀陽三委員長=以上で質疑を終了いたします。
暫時休憩します。
午後二時三十八分 休憩
午後二時三十九分 開議
167
◯古賀陽三委員長=委員会を再開します。
これより討論に入りますが、ただいまのところ、討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し直ちに採決に入ります。
○ 採 決
168
◯古賀陽三委員長=まず、甲第四十五号議案中本委員会関係分、乙第六十三号議案、乙第六十四号議案、乙第六十五号議案及び乙第六十八号議案、以上五件の議案を一括して採決いたします。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
169
◯古賀陽三委員長=全員起立と認めます。よって、以上五件の議案は原案のとおり可決されました。
○ 継 続 審 査
170
◯古賀陽三委員長=最後に、六月定例会から引き続き審議中の
一、産業労働行政について
一、農林水産行政について
以上二件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
171
◯古賀陽三委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の二件についての継続審査を議長に申し出ることにいたします。
以上で、本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。
以上をもちまして
農林水産商工常任委員会を閉会いたします。皆さんお疲れさまでした。
午後二時四十一分 閉会
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