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令和2年9月定例会(第3日) 本文
令和2年9月定例会(第3日) 名簿

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  1. 佐賀県議会 2020-09-03
    令和2年9月定例会(第3日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     ○ 開     議 ◎議長(桃崎峰人君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。     ○ 決算特別委員会設置 2 ◎議長(桃崎峰人君) お諮りいたします。  決算特別委員会設置の件を本日の日程に追加して議題といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 3 ◎議長(桃崎峰人君) 御異議なしと認めます。よって、決算特別委員会設置の件を本日の日程に追加して議題といたします。  お諮りいたします。  既に議題となっております乙第七十三号議案及び乙第七十四号議案につきましては、十四人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、審査することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 4 ◎議長(桃崎峰人君) 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。     ○ 決算特別委員会委員選任 5 ◎議長(桃崎峰人君) お諮りいたします。  ただいま設置されました決算特別委員会の委員選任につきましては、委員会条例第五条の規定により、お手元に配付いたしております名簿のとおり指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 6 ◎議長(桃崎峰人君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、決算特別委員会委員に選任することに決定いたしました。  後刻、正副委員長を互選の上、議長まで通知をお願いいたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       決算特別委員会委員名簿 ┌───────┬────────┬───────┬───────┬───────┐
    │ 自由民主党 │県民ネットワーク│ 日本共産党 │ 公 明 党 │自民党・鄙の会│ ├───────┼────────┼───────┼───────┼───────┤ │石 井 秀 夫│徳 光 清 孝 │武 藤 明 美│中 本 正 一│稲 富 正 敏│ │八 谷 克 幸│江 口 善 紀 │       │       │       │ │大 場 芳 博│下 田   寛 │       │       │       │ │中 倉 政 義│        │       │       │       │ │池 田 正 恭│        │       │       │       │ │冨 田 幸 樹│        │       │       │       │ │宮 原 真 一│        │       │       │       │ │古 川 裕 紀│        │       │       │       │ └───────┴────────┴───────┴───────┴───────┘      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 7 ◎議長(桃崎峰人君) 昨日に引き続き一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 8 ◎冨田幸樹君(拍手)登壇=皆さんおはようございます。自由民主党の冨田幸樹でございます。  このところ、朝夕はめっきり涼しくなりまして、昔の先人から言われていますとおり、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉をこの時期になると毎年思い出すわけですけれども、やはり昔の人は偉かったな、知恵があったなという感じで考えております。  長くしゃべると時間も来ますので、早速質問に入らせていただきます。  まず一点目、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  新型コロナウイルス感染症については、令和二年一月、国内で感染者が確認されて以降感染者が増え、県内でも三月十三日に一例目の感染者が確認されました。  国は、感染者の急速な増加、医療提供体制の逼迫の懸念から、急速な蔓延による国民生活及び国民経済に甚大な影響を全国的に及ぼすおそれがある状況などを総合的に判断され、四月七日に緊急事態宣言が発せられました。  その後、感染者の発生は減少傾向に転じ、五月二十五日には国の緊急事態宣言は解除となりました。この解除により地域間の移動や経済が活発化するにつれ、再び全国的に新型コロナウイルス感染症の感染者が増加し、県内でも七月以降の感染者が増加したところでございます。  この半年間、新型コロナウイルス感染症に立ち向かい、大きな御苦労をされた上、大切な医療現場を守り抜いていただいている医療従事者の皆様に、改めて心から感謝を申し上げる次第でございます。  感染の拡大に伴い、県内の経済については、せっかく戻りかけた客足も止まり、特に八月は非常に厳しい状況であり、飲食店や宿泊施設は再び売上げも落ち込んでいるようでございます。佐賀へ来る途中も、いろんなところの駐車場ががらがら状態を確認したところでございます。  このような状況の中、県では、県内や九州域内の誘客に力を入れるとともに、「佐賀支え愛」キャンペーン等により、県民が感染防止対策を取り、県内での消費活動を促すことで地域経済を支える取組を実施されており、これまでの知事のコロナ対応や施策については、私も県民も高く評価しているところだと思っております。  現在、県内では、感染者の発生は落ち着いているものの、今後、秋の行楽シーズンを迎え、新型コロナウイルス感染症季節性インフルエンザの判断が難しくなると言われています。  そこで、感染防止対策を取りながらも地域経済を支えるために、次の点についてお伺いいたします。  まずは、新型コロナウイルス禍における県民への知事のメッセージが必要ではないかという問いでございます。  県はこの間、佐賀から福岡へ、九州へと呼びかけてはいません。やはり皆さんに福岡、熊本、県外から来ていただきたいとは言ってあります。しかしながら、県内の方々が外へ出て消費を拡大していこうという言葉は一度も聞いておりません。それはなぜかというと、やはりこのコロナ禍の中で感染症を恐れるあまりなのかなと私は思っています。  しかし、今大事なことは、県内と、それから九州一丸となって、このコロナの中で経済を回していく必要があると考えております。  そうした中で、知事から強いメッセージを出していただいて、そして、経済を回していく必要があると思います。  そこで、知事に伺います。知事は、どういうふうな形で九州圏内の経済を引っ張っていかれようと考えてあるのか、知事の所見を伺ってまいりたいと思います。  次に、検査体制についてです。  知事の演告では、新型コロナウイルスの検査体制について順次強化する、地域の医療機関でも検査できるよう調整を進めている旨の発言がありました。  検査体制の強化については、具体的にどういう内容で、また、どういう調整を進めていかれるのか、これについては健康福祉部長に聞きたいと思っております。  次に三点目、慰労金の支給についてでございます。  今議会に、新型コロナウイルス感染症に対応している調剤薬局従事者への慰労金の支給が提案されております。  さきの国の二次補正予算に基づく「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」において、医療従事者や職員に対し慰労金は支給されるが、調剤薬局に勤務する薬剤師や事務職員等は対象外とされ、支給されませんでした。  しかし、こういった中、自民党政調会には調剤薬局に勤務する方々から慰労金の対象外になっていることに対しての疑問が投げかけられてきましたし、慰労金の対象にするよう要望も強く出されたところです。そのような中、今回、県が独自に支給を提案されていることに感謝申し上げます。  薬局、薬剤師を含めた医療従事者の皆様は、この半年間、新型コロナウイルス感染症対応に大変苦労されてきたものと思っております。できるだけ早く慰労金を支給してほしいと思いますが、国が制度化した医療、介護、障害に係る慰労金の申請受付状況はどのようになっているのかお伺いします。また、支給の時期はいつ頃になるのかをお尋ねし、あわせて今回提案している調剤薬局で働く薬剤師等への慰労金は、仮に議決された場合にいつ頃支給できる見込みなのかお尋ねいたします。  大きな二番目、「SAGA2023」についてでございます。  国民スポーツ大会全国障害者スポーツ大会「SAGA2023」についてお尋ねいたします。  先日、山口知事は、今年の開催が中止となった鹿児島県での国民体育大会、また、全国障害者スポーツ大会を二〇二三年に開催し、佐賀県での国民スポーツ大会障害者スポーツ大会「SAGA2023」の開催を二〇二四年へ一年延期してほしいという鹿児島県や日本スポーツ協会、スポーツ庁からの要請を受け、二〇二三年に照準を合わせて頑張ってきたターゲットエージの子供たちや指導者のことも思いながら、重い決断をされ、二〇二四年に開催することを表明されました。  この表明をもって「SAGA2023」の延期が最終決定したわけではありませんが、延期の有無にかかわらず、県や市町、また、競技団体などが大会の成功に向け、準備を進めていかなければならないことに変わりはありません。  このような中、国スポの各競技の主催者となる市町において、競技施設の整備や競技会運営の準備のため、大きな財政負担や人的負担も見込まれておるところでございます。  新型コロナウイルス対策の実施等により、さらなる負担の増加も懸念されるところでございますので、このようなことも踏まえ、八月二十八日の市長会要望の場において、十の市長から三点ほど要望があっております。  一つ、運営費補助制度については、前例にとらわれない制度を設立すること、一つ、競技運営に対する人的支援を行うこと、一つ、競技施設整備助成制度については弾力的な運用を行うことといった三つの点について、山口知事をはじめ、執行部に要望がなされました。  そこで、お尋ねいたします。  まずは国スポの開催に当たって、競技会の主催者として準備を進める市町に対し、さらなる財政支援や人的支援が必要ではないかと考えております。県において、今後の支援についてどのように考えておられるのかお尋ねいたします。  次に、当然ながら、延期となった場合の影響は市町だけではございません。国スポ・全障スポの招致以来、長い時間をかけて大会の準備を進められてきた県においても、会期の再調整やポスター等広告物の再製作などいろいろな影響があるものと考えます。  そこで、お尋ねです。  延期になった場合、県の大会準備に対してどのような影響が出るのでしょうか。県においてどのようなことを見込まれているのか、それぞれ文化・スポーツ交流局長に答弁をお願いいたします。  続きまして、大きな三点目の九州新幹線西九州ルートについてでございます。  この西九州ルートの新鳥栖─武雄温泉間については、六月五日に国との「幅広い協議」に入ったことをお知らせいただきました。  これまでの協議の内容を見てみると、お互いの主張を闘わせるだけで、議論は平行線のままでございます。  佐賀県と鉄道局との協議がなぜ進まないのか、私なりに整理してみました。  そうした中で、知事は、今議会でもフリーゲージトレインの導入を断念し、現在の状況を招いたのは国の責任だと言われております。国も、このフリーゲージトレインの断念については国の責任ということを認めております。この点は一致しているところでございます。  次に、在来線の利便性低下や莫大な財政負担など、佐賀県が大きなリスクを負ってまでも対応しなければならない問題ではないと知事は言われておりますが、この財政問題や在来線問題については、やはり数字をしっかり見詰めて、そして国と突き合わせ、交渉していくことが大事ではなかろうかと思っております。  この財政問題についても、国は負担スキームの変更を検討するとまで言われております。この時点で協議入りすることが、県として私は最善の方法だと思っております。  しかしながら、県は、協議入りは名ばかりで、議会及び県民にも理解を得る情報は全く開示されておりません。私は、交渉には時期とタイミングが肝要で、優位なときに交渉すべきであると考えています。アセスの提案があったとき、議会に報告、協議し、受け入れるべきであったと私は思っております。  県は四、五年先にまた国から環境アセスの話があると思ってあるのかもしれませんが、アセスの受入れを今回見送れば、私は十数年この議論は遅れていくというふうに考えております。やはり佐賀県が優位に立った時点で交渉をしっかり進めていくべきだと考えております。国との協議で対立したり、国からの提案を拒否したりすることは、国との関係を考えるときに決してプラスになるとは思えません。  私は、このまま対面乗りかえが固定化することは、JR九州の経営上も問題があると考えており、整備方法の中で経済効果が最も高いフル規格による整備も想定して、時遅しではありますが、今環境アセスを受け入れ、県の負担、在来線への影響、地域振興策等の問題を国と協議しながら、そしてまた、県民に提示するとともに、今後議論を進めていく必要があると考えます。  そこで、次の点について伺います。  国との関係についてでございます。  佐賀県の国土交通省関連予算は、昨年度、事業費ベースでは、道路、河川、港湾を含めると、国の直轄で百九十七億円、県の事業で三百四十三億円、合計の五百四十億円の補助金、また、国の直轄で事業を行ってあります。国との関係が損なわれると、今後いろいろな場面で影響が出てくるのではないかと危惧しています。現に七月には知事が国土交通省への政策提案を行った際、なかなか幹部に面会できなかったと聞いてもおります。  また、国の直轄事業や補助事業について、今後、新規事業の採択が遅れたり、継続事業の進捗が遅れたりするのではないかという心配の声が、県内の建設業者や一般の方にもあることをこの場でお知らせしておきます。  知事は、現在の国との関係についてどのように感じておられるのか、そして、考えていかれるのか、知事の御答弁をお願いいたします。  二点目です。対面乗りかえの固定化についてです。  佐賀県が環境影響評価を断ったことで、フル規格による整備に必要な財源の軽減策等の議論に乗り遅れてしまいます。対面乗りかえ方式が固定化する可能性がある。対面乗りかえ方式でJR九州の採算が取れず、経営上大きな負担がかかることで、県内の在来線の赤字路線が廃止になるなどの影響を私は心配しております。この対面乗りかえ方式の固定化について県はどのように考えているのか、地域交流部長にお伺いいたします。  三点目に経済効果についてお尋ねします。  昨年の六月議会の一般質問では、西久保議員がフル規格での整備については県内企業の浮揚ということを考えると、一つの起爆剤になるのではないかという問いがありました。これに、知事の答弁は「申しわけないですけど、お話になりません。」という言葉で返されました。私は大変失礼だったと思っております。  私は、新鳥栖─武雄温泉間をフル規格で整備することによる経済効果は、建設段階だけでなく、その後の利便性の向上や来県者の増加まで考慮すると非常に大きく、やはり県内経済における一つの起爆剤になると考えています。  知事は、サンライズパークの建設の折には、我々に整備建設費で八百四十五億円の経済効果、そしてまた、管理運営十年間で百十二億円と説明し、議会の同意を得ました。このフル規格についても経済効果等を算定し、議会、また県民に示した上で県民の判断を問うべきだと私は考えます。  そこで、改めてフル規格で整備したときの経済効果の算定の実施について、考えはあるのかないのかについてお尋ねしたいと思っております。  四点目、県内西部地域の道路整備について伺います。  知事は、今議会の提案事項説明において、今は開業の果実を得るため、全力を傾注する時期です、そして開業の影響を受ける鹿島、太良などの長崎本線沿線地域の振興に力を注いでまいりますと表明されています。  地域からは、今年の七月、自民党政調会でも、鹿島、太良地域から諫早方面へ向かうオレンジ道路の高規格化、また、国道四九八号の鹿島─武雄間の道路の整備促進を強く要望されたところでございます。  新幹線では、光と影という言葉がよく使われます。私は光の部分ではなく、影の部分をいち早く救ってやることが大事じゃなかろうかと考えております。  そういったことで、ソフト事業の仕込みには大体二年ぐらいでソフト事業はやっていけると思います。しかし、道路とか、そういったハード事業については完了まで十数年かかります。そういったことを考えれば、この長崎本線地域の振興について、特に影の地域でございますので、そこに光を当てなきゃならない、そういった意味で事業をやっていく必要があると思っております。  西九州ルート開業が令和四年度に迫る中、ハード事業の整備が早期に実行できるのか、国との関係も考えるときに疑問視されます。地域の思いに対して県はどのように取り組むのかお聞かせいただきたいと思っております。知事の答弁をよろしくお願いいたします。  以上、私からの一回目の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 9 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。冨田幸樹議員の御質問にお答えいたします。  まず、新型コロナウイルス感染症対策につきまして、九州域内ということに着目して消費活動をすべきとの議員の見解に対する私の所見について申し上げたいと思います。  新型コロナウイルス感染症につきましては、四月の感染拡大期以来、これまで東京など大都市を中心になかなか感染状況が収束しないという状況が続いていました。要は全国で濃淡がありました。  そうした中、私としては九州は一つという思い、九州は一つの島なので、九州単位でこの新型コロナウイルスに立ち向かうべきではないのかなという考えを持って、九州域内での徹底した感染防止対策、そして、社会経済活動の再開を訴えてまいりました。こういった考え方は冨田議員と一致していると思います。  そうした考え方で、これまで九州知事会で二回訴えたことがありまして、一回目は五月の連休明けの八日だったと思います。この頃は九州域内でまだぱらぱらはあったんですけれども、感染経路はおおむね追えている状況になったので、知事会議で、これからは幾らか出ている福岡県を収束させたら、九州内で県境をまたぐ移動の解禁を、この九州知事会でやることを目的にしようという提案を行ったんです。その後、五月二十二日にもう一度九州知事会議がありました。このときは一週間ぐらい福岡も含めてゼロが続いていたので、ここだということで、このとき全国的には五月末までは県境をまたぐことは自粛しましょうというタイミングではあったんですけれども、九州はみんな一週間ぐらいゼロだから、先に県境移動を解禁しますということをやったらどうだと提案したんですけれども、賛同を得られたのは宮崎県だけだったんですね。やはり県境の壁は厳しいなと思って、九州だけでもお互い行き来して支え合いたいなと思ったわけです。  ということでありまして、今、じゃ、足元でどうかということですが、県では県内の観光を支える取組として、県民のみならず、九州にお住まいの方を対象に「佐賀支え愛宿泊キャンペーン」とか、平日宿泊運動を展開しています。  今、じゃ、ほかの県はどうなのかということで御紹介したいと思いますけれども、佐賀県と福岡県については、そういった独自の宿泊補助の対象者を自らの県民と九州全体、九州在住者ということで一致しているんです。ほかの熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄については、自分のところの県民さんだけというのが今続いています。長崎がちょっとよく分からないんですけれども、あれだけ五月の当時に絶対県境を越えてはいけないと、県外からの来客、来訪者の抑制と強く掲げて、のぼりまで作っていた県は、なぜか今は全国と、全国対象でオーケーだということになっているのもまた不思議なんですけども、そういったことでまちまちな状況が続いております。  私も、今ちょうど佐賀県も三日連続ゼロですし、福岡県さんもこの三日間、十四、九、七ということで数字が落ちているので、またタイミングを見て、九州知事会、最近開かれませんけれども、機会を見つけて九州は一つという合い言葉で、みんなでお互い支え合って、沖縄さんはありますけれども、一つの地続きなので、ぜひ九州各県の皆さんに佐賀に来ていただきたいということもあわせて活動していきたいと思います。  コロナ禍の厳しい経済状況下ではありますが、このようなときこそ九州は一つになり、佐賀県民をはじめ九州各県皆で支え合い、協力して乗り越えていきたいと考えています。  続きまして、九州新幹線西九州ルートについて、国との関係などなどについて御指摘いただきました。  私は、国と地方自治体、都道府県、市町村は、それぞれが果たすべき役割と責任の下に互いに連携しながらも、つかさつかさで、それぞれの判断で国民、県民、住民のために仕事をしていますし、仕事をしなければいけないと思っています。ですので、それぞれ主張すべきところは主張しなければいけません。様々な課題についてそれぞれの考え方があってしかるべきだと思っています。  例えば、先ほどの新型コロナウイルス対策についても、国も方針を立てますけれども、各都道府県の知事はそれぞれの県民と向かい合いながら、それぞれの感染症対策ですとか、例えば、緊急事態宣言の解除のときもそうでしたけれども、判断をするわけで、国にも言うことは言わなければいけないという中で、今、地方自治が営まれていますし、先ほど冨田議員から御紹介いただいた国体の件についても、これも国が鹿児島の痛みを受けてこの調整に非常に苦慮していました。そうした中で、御紹介いただいたように、私もターゲットエージのことを思うと、本当につらい決断ではあったけれども、国全体のことも考えて、そこは我々として判断をさせていただくということもあるわけでありまして、それは問題、問題について主張していくというのが、至極真っ当な民主主義だと私は信じています。  新幹線の問題については、これは国、そして長崎県、そしてJR九州さん、ともにそれぞれ自立した判断をしているんだろうと思います。私は佐賀県として、佐賀県民のことを考えて、佐賀県としての主張をしています。これは互いに敬意を持ちながら議論をしていると思っています。  七月九日の面会の件についてお話もいただきましたけれども、改めて当時のことを思い出しますと、この日はコロナの状況の中で、それでも何とか国のほうに話に行く機会をつくりたいということで、日帰りで霞が関に行った日でした。ですので、実質の活動は二時から五時の三時間しかなかったんです。その三時間の中で、相手の都合も考えながら組むのはとても大変なことで、実際に行ったところが、昨日も紹介した原子力規制庁と規制委員会の更田委員長に面会したり、経産省の牧原副大臣、それから総務省の高市総務大臣、それからスポーツ庁の鈴木長官などなどなんですが、その中に国土交通省も行きました。国土交通省はちょうど七月豪雨の直後であったので、海岸漂着物の対策を含めて二人の幹部の方とお会いして、ぜひ漂着物対策をやっていただきたいということで、一緒にやりましょうという話になったということでありまして、この三時間の中で佐賀県としてやれるべきことをやってきたというふうに私は認識しています。  そして、国との関係についてですけれども、国交省関係のことを念頭に置かれているとしたら、例えば、赤羽大臣について言えば、私は大臣とは政治家同士、一対一でこれまで二回面談して、かなりの時間様々な議論をさせていただきました。もちろん、立ち位置は違いますけれども、私はエールを送り合える関係になっていると思いますし、私は赤羽大臣を政治家として大変信頼申し上げております。  そして、もし官僚組織が、政治家でなくて、もし官僚組織が新幹線を念頭に置きながら、面会の件かよく分かりませんけれども、佐賀県に不利益なことをほのめかすなんてことがあれば、これはもう官僚の矜持を失うに等しいわけです。もし証拠があるんであれば、しっかりと公表して世の中に問うていかなければいけないと私は思います。  そもそもそんな議論をすることが、国民のために尽力している官僚の皆さん、もちろん国家のために働いている政治家である皆さん、そういう方に私は甚だ失礼なことだと思います。  続きまして、九州新幹線西九州ルートに関連して、県南西部地域の道路整備についてお尋ねがございました。  私は、この西九州ルートについては、再三申し上げておりますけれども、鹿島と太良の皆さん方、長崎本線沿線地域の大変つらい思いの上に、ぎりぎりの合意を積み重ねて着工に至ったことを忘れてはいけないと思っています。  例えば、よく比較する長崎県さんは、これからの負担なしでほとんどが受益者なんです。だから、我々は本当にそういった意味で、これまで頑張ってスーパー特急、フリーゲージトレインということで、みんなが並び立つような形で佐賀県も議論してきたんだと思います。私が知事になったのは五年前です。それまでもみんなが工夫しながら調整して考えてきた案だったんだろうと思います。ですので、我々、この問題を語るときに、非常に多くの人の痛みが伴っているということ、そしてこれから将来も多くの人の痛みを伴うリスクが大きいということに向かい合わなければいけないと思っています。
     ですので、私はこの鹿島、太良の皆さん方、西九州ルートの開業で特急列車が大幅に減るわけでありまして、この皆さん方の振興にはハード、ソフト両面から全力で取り組むことが佐賀県の大きな責務であるというふうに認識しています。  国道四百九十八号について御指摘をいただきました。  これは我々にとって、鹿島から嬉野を通じて武雄から、そして伊万里に行って、伊万里港も使えるわけで、とても大変大事な道路だと認識しています。物流にも観光にも、そして日常の出勤などの生活にも大変大事な道路です。  この鹿島─武雄間については、期成会や市長会、市議会、商工会などから様々な機会で早期整備の要望を受けておりまして、私もこの道路に対する地元の思いを重く受け止めております。したがって、整備に向けてしっかり取り組んでいきたいと思っています。  道路整備を進めるためには、地元の市町がどのような将来像を描き、地元としてどのようなルートが望ましいのかを示していただきたいなと思っています。自発の地域づくりですので、これは市をまたがっていて、なかなかルート選定など難しい問題もありますけれども、そこの生み出す努力を抜きにしてやると、せっかくの道路が生きてこないというふうに思っていますので、関係する鹿島市、嬉野市、武雄市、しっかりとスクラムを組んで検討いただきたいと私は考えております。そうした暁にはしっかり整備をさせていただきたいと思います。  詳細につきましては、担当部長からお答え申し上げます。 10 ◎南里地域交流部長 登壇=私からは、西九州ルートの御質問のうち二点お答えをさせていただきます。  まず、対面乗りかえ方式の固定化についてお答えを申し上げます。  対面乗りかえ方式による開業につきましては、昨日も御答弁をさせていただきましたように、フリーゲージトレインの開発の遅れから、鉄道局からリレー方式で開業させてほしいという申入れがあって、佐賀県は苦渋の判断で受け入れられたものでございます。  長崎県やJR九州も同意をされておりまして、長崎県は県議会で、対面乗りかえ方式においても、移動時間の短縮が図られ、本県への来訪者の増加が見込まれることから、本県の活性化に寄与するものと考えていると答弁をされております。  フリーゲージトレインの導入を断念し、現在の状況を招いたのは国の責任でございます。佐賀県から何らかの打開策を提案しなければならないようなものではございません。  昨日もちょっと御紹介いたしましたが、リレー方式で対面乗りかえが発生いたしますのは、武雄温泉駅で新幹線に接続する場合だけでございます。佐賀県内と博多方面とを行き来する場合は、鳥栖、新鳥栖、佐賀、肥前山口、武雄温泉、有田、肥前鹿島、この特急停車駅でございますが、こちらの利用者の方は乗換えは発生いたしません。むしろ、フル規格になった場合のほうが、博多方面と行き来する佐賀県民の多くの方に新たな乗換えが発生すると考えられます。そして、武雄温泉─長崎間の開業で特急列車が大幅に減る鹿島、太良など、長崎本線沿線地域はさらに不便になるというふうに考えております。  対面乗りかえ方式では、JR九州の採算が取れずに、経営上の負担がかかることで、在来線の赤字路線廃止などの影響が出てくるのではないかということにつきましては、これは論理に飛躍があると思います。  もともと国鉄分割・民営化後の新幹線でありますけれども、これは第二の国鉄を生み出さないために、並行在来線を経営することがJRにとって負担が重い場合に、整備新幹線の開業時に経営分離をしていいという仕組みでございます。新幹線を整備して、赤字の在来線にその収益を与えるということとは、まさに全く逆の制度になっています。  今日の新幹線整備は、地元の自治体が莫大な財政負担をし、在来線の利便性低下などの様々な不利益を受け入れてでも整備をしたいということで手を挙げて進められるものでございます。  佐賀県が莫大な財政負担をし、様々な不利益を受け入れ、利用者である県民の皆さんが高い新幹線料金を払って新幹線を使うことで、JRの利益を出し、それがJR九州の在来線維持に回るというのは、これは筋が違うんじゃないかと思っております。  次に、経済効果についての御質問にお答えを申し上げます。  これまでも申し上げておりますけれども、フル規格は佐賀県にとってあまりにも失うものが多い、大き過ぎるというものでございます。新鳥栖─武雄温泉間は全て佐賀県内の区間であります。長崎県の財政負担はありません。ゼロです。コストゼロで、失うものもほとんどなく、時間短縮効果がありますので、長崎県にとっての整備効果、経済効果は、これは非常に大きいんだろうというふうに思います。  一方で、佐賀県は、県民生活や経済活動において非常に大切な在来線の利便性を失いますとともに、これまで経験したことがないような莫大な財政負担を背負うことになります。  県は、福祉、教育、産業振興、県土整備、災害対応など、様々な分野で県民生活や県内経済を支えておりますけれども、フル規格となりますと、新幹線の負担金を中心とした財政運営を数十年にわたって余儀なくされます。時短効果は少なく、失うものはあまりにも大きいというものでございます。議論の本質は経済効果ではないと考えておるところでございます。  私からは以上でございます。 11 ◎大川内健康福祉部長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症対策について二点お答えをさせていただきます。  まず、検査体制についてでございます。  県では、今年の二月五日に県の衛生薬業センターにおいて、新型コロナウイルスの検査ができるよう体制をまず整備いたしました。その後、県内での感染確認や全国的な感染者の増加を踏まえまして、順次、機器整備等により体制を整備してきておりまして、現在では一日約二百件の検査が可能で、今後これをさらに拡充していくこととしております。  また、今後、季節性インフルエンザの流行期には、発熱患者が増加することが予測されますが、新型コロナウイルス感染症季節性インフルエンザを臨床的に判別することは困難であるため、新型コロナウイルスの検査需要が増加する可能性が高いというふうに考えております。  そこで、衛生薬業センターだけではなく、医療機関においても検査が可能となるよう、三月末から順次、行政検査の委託契約を進めてきております。  さらに、感染症指定医療機関のほか、地域の医療圏の中核を担います拠点医療機関などにPCR検査機器を導入し、各地域の医療機関でPCR検査が実施できる体制を整えていくこととしております。  また、地域のかかりつけ医など、身近な医療機関においては、専用の検査機器を必要とせずに簡易に検査ができる抗原検査を実施できるよう医師会等、関係機関と調整を進めているところでございます。  このほか、医師会等と連携いたしまして、地域外来・検査センターの整備にも着手しておりまして、既に佐賀地区と唐津地区では運用が始まっております。  今後とも、医療機関等と連携いたしまして、検査体制の拡充を図っていきたいというふうに考えております。  次に、慰労金についてでございます。  さきの国の二次補正予算に基づく新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業におけます医療、介護、障害に係る慰労金申請は、医療機関や施設等で取りまとめて申請することとしておりまして、これを八月二十五日から受付を開始しております。八月末までに三百三十四件の施設等から三千八百九十五人の申請があっているところでございます。この分に関しては現在審査を行っておりまして、早いものは九月末に支給する予定でございます。  今後、順次申請を受け付け、円滑な支払いを進めてまいりたいというふうに考えております。  また、今議会にお願いしております調剤薬局従事者への慰労金でございますが、これは本県では高齢者を含む外来患者の八割以上が処方箋により調剤薬局で薬を取られているという状況でございまして、調剤薬局も病院等の医療機関とともに医療提供体制の一翼を担っていただいている、こういったことから支給したいというふうに考えたところでございます。  仮に御議決いただける場合の見込みでございますが、十一月を目途に申請を受け付けまして、その一か月後あたりから支給ができるのではないかというふうに見込んでいるところでございます。  以上、お答えいたします。 12 ◎平尾県土整備部長 登壇=私からは、九州新幹線西九州ルートについての質問のうち、県南西部地域の道路整備について、知事の答弁を補足させていただきます。  国道四百九十八号につきましては、広域幹線道路の一つとして位置づけておりまして、鹿島と武雄の間を走行性の高い道路とすることは県としても必要であると考えております。  広域幹線道路が整備されることによりまして、時間短縮効果をはじめ、様々なストック効果が得られます。例えば、産業や観光の振興、交通渋滞の緩和、交通事故の減少、災害時の避難や救援物資の輸送など、様々な効果が発揮をされるところです。  広域幹線道路を整備するに当たりましては、地元の市町がこの道路を生かしてまちづくり構想、産業や観光の振興など、どのような将来像を描くかというところは大変重要なところでございます。  国道四百九十八号の鹿島─武雄間につきましては、鹿島市から嬉野市を通り、武雄市に至るルートとなることから、沿線自治体の鹿島市、嬉野市、武雄市の三市でしっかり検討をしていただきたいというふうに考えております。  また、昨年度には、地域の課題や整備の必要性の検討などを行うことを目的に、期成会により勉強会が立ち上げられたところでございます。その勉強会に県も参加をいたしまして議論を進めているところでございます。  県におきましても、将来的な交通量の予測について今年度検討を始めることとしておりまして、引き続き、期成会と一体となりまして取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 13 ◎田中文化・スポーツ交流局長 登壇=私からは、「SAGA2023」についての御質問に二点お答え申し上げます。  まず、市町への支援についてでございます。  国スポの正式競技につきましては、会場地となる市町が主催者として、各競技会の運営、開催前年のリハーサル大会の運営を担うこととなっておりまして、会場となる市町が保有する競技施設の新設、改修や、競技会運営に係る準備を進められております。  県としては、まず市町が行う競技施設整備事業に対しまして、平成二十九年度から国スポ・全障スポ競技施設整備費補助金を創設し、補助を行っております。  この補助制度では、先催県においてもあまり例がない競技施設の新設とか、ユニバーサルデザイン化に必要な整備についてもその補助対象としておりまして、市町の施設整備に当たってはこの補助制度を積極的に活用していただきたいと考えております。  また、運営費に対する補助制度につきましては、先催県の事例を参考としながら、リハーサル大会に係る制度につきましては開催前年に、本大会に係る制度につきましては開催当年に創設する予定としておりまして、このような補助制度に対しては、八月二十八日に行われた市長会の要望におきまして、議員御紹介のありましたとおり、弾力的な運用を行うこと、前例にとらわれない制度を創設することといった要望がなされたところでございます。  こうした要望を受けまして、現在、各市町を訪問いたしまして意見交換を行っているところでございまして、そこで出された意見も踏まえながら、施設整備の補助制度については極力弾力的な運用を図るとともに、運営費の補助制度については先催県の例にとらわれない制度を創設するなど、可能な限り柔軟に対応していきたいと考えております。  また、議員御指摘の新型コロナウイルス感染症対策への対応とか、開催の一年延期に伴います財政負担など、さらなる影響に対しましても市町と意見交換を行いながら、国に対して必要な支援を要望していきたいと考えております。  なお、人的な支援の点につきましては、職員を派遣するなどの直接的な支援というものはなかなか難しゅうございますが、運営費の補助制度を検討する際の課題の一つとしてどのような支援が可能なのか、市町と一緒に考えていきたいと考えております。  次に、仮に一年延期となった場合に県が現在進めている大会準備にどのような影響があるのかというお尋ねがありました。  まず、競技運営の面では、既に日本スポーツ協会へ提出しております大会会期案のほか、これまで市町や競技団体の皆様と調整を行ってきた競技別会期案について、現行案をベースに再調整が必要となります。  また、私たちがこだわっております「SAGA2023」の愛称についても変更が必要となりまして、これまで作成してきたポスターや看板、ホームページなどへの広報物につきましても作り直し等が必要となってくると考えております。  このほか、広報活動や競技役員の養成、情報ボランティアの養成など、継続的に取り組まないといけない事業につきましても、準備期間が一年延びることによりまして相応の負担増が生じるものと考えております。  こうした延期に伴います県の準備経費に係る影響につきましても、先ほどの市町への影響と併せまして、国に対して要望できるものは要望していきたいと考えております。  このように、県としても国スポ・全障スポの舞台を整える開催の準備に関しましても少なからず影響はあるものの、市町や競技団体の関係者の皆様と一緒に、最初の国民スポーツ大会にふさわしい大会を目指しまして、チーム佐賀、オール佐賀でしっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 14 ◎冨田幸樹君 登壇=それでは、再質問させていただきます。  新幹線問題といいますか、西九州ルートについてですけれども、二点目の乗りかえ方式の固定化について、執行部はJRが赤字になることはないと言われました。確認でございますけれども、この根拠と、それから赤字になることはないという対面乗りかえ方式は、武雄─長崎間の新幹線と、今ある鳥栖─武雄温泉間の在来線の乗換えにおいての話なのかを確認させてください。  それともう一点、三番目の経済効果でございます。  この経済効果の算定とか、経済効果については議論の本質ではないと、そういうふうに答弁されました。  しかし、佐賀県の負担がどれだけあって、この経済効果がどれだけあるかは、やはり我々も知りたいし、県民の皆さんも知りたいと思ってあると思います。それについて出さないというのは私はおかしいと思います。自分たちがいい、アリーナのときだけ出して、今回は出さない、そんなことはあり得ないと思います。やはり経済効果をしっかり出して、この負担金問題を一定の方向に持っていくことが大事じゃなかですか。そして、そのほかの課題という在来線問題、それから地域の振興、そういったものをしっかり議論していくことが大事じゃないですか。やはりそういった課題を議会、そして県民に知らせないで、そのまま国が言うフル前提ではないアセスを断る、これは私はいかがなものかということを問いたい。もう一度その経済効果についての答弁をお願いいたします。(拍手) 15 ◎南里地域交流部長 登壇=再質問にお答えをいたします。  まず、乗りかえ方式に関して、JRが赤字になることはないというふうに御指摘をいただきましたけど、私はJRが赤字になることはないという趣旨での答弁はいたしておりません。  それで、乗りかえ方式がどこなのかということをおっしゃっておりましたのは、先ほども申し上げましたとおり、今回のリレー方式で申し上げると、武雄温泉駅で新幹線と在来線が乗り換えることが発生するということでございます。だから、それ以外については、リレー方式の場合では、佐賀県内と博多方面を行き来する場合については、これは乗換えが発生しないという御答弁を差し上げたということでございます。  それから、経済効果でございます。  経済効果の話とかも含めまして、様々ないろんな議論の条件、それから、数字といったものがなければ議論ができないということは、これは議会でも御指摘をいただきましたし、そういったことも踏まえまして、私どものほうから確認文書の案なども鉄道局のほうに示しておりますけれども、その中で、国のほうに、そういう議論ができるようないろんな材料を示していただきたいということをお願いしております。また、私と幹線鉄道課長との協議の中でも、そのようなことも改めて申し上げております。  したがいまして、そういったいろんな議論の前提となります条件、数字、こういったものについてしっかりお示しいただきたいということを引き続き鉄道局のほうにも申し入れ、また、それが出てきましたら、きちんと情報をお知らせしていきたいというふうに考えます。  私からは以上でございます。 16 ◎冨田幸樹君 登壇=対面乗りかえ方式の件ですけれども、なかなか私の議論と合わないのかなと思ったところもございます。  私が言いたいのは、在来線と武雄温泉駅で乗換えしますよと、そういったときに赤字が発生しないのかというようなことを問いました。部長の答弁が長くありましたので、私は総体的には赤字にはならないだろうというふうな答弁だったというふうに解釈したわけですけれども、そこが違うなら違うということで、もう一度そこの答弁を、最初の答弁をお願いいたします。  それから、経済効果の話で、JRから数字をいただいてやっていきたいということなんですけれども、JRと接点、国との接点、コロナの関係でなかなか会えませんとか、協議していませんよね。この間、こういった問題があるという認識をしているならば、やはり間髪を入れずに協議をしていくべきじゃないかと思います。  この経済効果については早急に、アリーナのときは民間の業者に委託したりして出したわけですから、国の数字を基にと言いますけれども、執行部は国の言うことは余り信用していないじゃないですか。ならば、自分のところで出したほうが一番信用なるんじゃないですか。そういったことで、しっかり数字を出していただきたいと思っております。その点について答弁をお願いいたします。 17 ◎南里地域交流部長 登壇=再々質問にお答えをいたします。  まず、武雄温泉駅での対面乗りかえ方式でJR九州が赤字にならないのかということでございますが、これはJR九州さんでしか多分分からないと思いますので、それに対して私のほうから赤字になる、ならないという答弁は、これはできないものでございます。  それから、経済効果も含めまして、いろんな数字の話がございました。先ほど申し上げましたように、いろんな試算を含めて議論するときに、いろいろな前提条件、制度がどうなのかとか、実際にどういうふうに数字がなっているのかというものがないと、これは議論はできないというふうに思いますし、今、県議会のほうでもそのような御指摘をいただいていると思います。  したがいまして、だから、こういったものについては、きちんと国なりJRさんのほうからいろんな条件なり数字をお示しいただかないと議論ができませんよということも、私どもからも申し上げておりますし、そういう議論をさせていただいているということでございます。  したがいまして、協議そのものは既に六月からやっていますし、二回やりました。そして、もともと八月末に三回目をやるようにしておりましたけれども、今後もそういう議論をしてまいりますので、そういう中で、そういう具体的な条件ですとか、数字を出していただくことを求めてまいりたいと思います。  私からは以上でございます。 18 ◎古川裕紀君(拍手)登壇=おはようございます。ただいま議長より発言の許可を得て登壇いたしました自由民主党の古川裕紀です。  それでは、通告に従いまして、三項目について質問いたします。  まず一つ目の項目は、市町議会の意見書への県の姿勢についてです。  佐賀県に限ったことではありませんが、市町の公益に関する要望や意見について、各市町議会としての意思表示の一つの形として、国会や、国や関係行政庁に提出する文書に意見書というものがあります。  私自身、市議会議員時代に、地元住民の思いをいかに施策に反映させるかを考え、その中で、市のみでは対応できないような問題や課題について、同僚議員の意見を聞かせていただきながら、また、調整をしながら、議会の議決を経て、県に対して意見書を提出させていただいておりました。  その中には、賛否せめぎ合う中で、政治的エネルギーを注ぎ込んで、苦労して取りまとめ提出した意見書もありますが、正直なところ、議決を取るまでが仕事のような意識があり、その後、県に提出された先のことまであまり気が回らなかったという反省があります。かといって、県から何かしら回答があったという印象もなく、後になって、そういえばあの意見書はどうなったんだろうかと、ふと疑問に思った瞬間があったのが今回の質問のきっかけであります。  具体的な事例を申しますと、平成二十五年の話になります。  神埼市議会において、当時、フリーゲージで進む佐賀県の新幹線議論の中で、武雄温泉─新鳥栖間には九十三か所の踏切があるのに新幹線を走らせるということは、安全面から考えても、また、開かずの踏切という問題でも沿線住民にとって好ましくないということで、また、新幹線なら関西圏まで直通であるべきだという思いを持って、フリーゲージではなく、フル規格での協議を進めてほしいとする意見書を提出しようということになりました。  その調整に入るとすぐ、県との関係への影響を心配した市の執行部から難色を示されました。このような意見書を神埼市だけ提出されては困る、そういった答えでした。  じゃ、単独で困るのならば、みんなで出そうということになって、先輩議員にも協力をいただきながら、沿線市町の各議会にて同時に意見書を提出しましょうと調整に乗り出しました。  調整は正直なところスムーズとは言えず、時には、この意見書におまえの政治生命をかけるのかと詰め寄られる場面もありながらも、結局、何とか通すことができ、九州新幹線西九州ルートのフル規格化への協議を求める意見書を平成二十五年九月議会において鳥栖市議会、神埼市議会、上峰町議会から、明けて平成二十六年三月議会において吉野ヶ里町議会から、平成二十六年六月議会においてみやき町議会から、それぞれ佐賀県知事宛てに提出をさせていただきました。そして、今日の新幹線議論に至ります。  あの意見書、採択までの道のりはあんなに大変だったんだけれども、さてどうなったんだろうかとなったわけです。それは過去の話として紹介にとどめておきます。  こういった経験もあって、私としては住民の代表である市町議会の議決を経た様々な意見書について、もちろん県においても、そこは重く受け止めていただいて、真摯に対応していただいていることとは思っておりますが、その後の対応や県の受け止め方を、市民、町民、すなわち県民の皆様にも見えるようにしてほしいという思いがあります。  そこで、次の三つの点について伺います。  一つ目は、意見書の法的な位置づけについてです。  市や町の議会が議決した意見書について、地方自治法上はどのように位置づけられているのかお聞きします。  二つ目は、これまでに提出された意見書への対応についてです。  これまで様々な意見書が市町議会から県に提出されたと思いますが、県はどのように対応してきたのか、具体的事例など挙げながらお聞かせください。
     三つ目は、今後の対応についてです。  県に提出された意見書について、その処理結果やコメントを、例えば、県のホームページに掲載するなど、見えるようにしてほしいと考えているのですが、今後、どのように対応されるのかお聞きします。  続きまして、大きな項目の二つ目です。行政のデジタル化の推進についてです。  なかなか終わりの見えない新型コロナウイルス感染症対策や、ここ数年、毎年のように連続する豪雨災害、そして、先日の台風などへの対応について、山口知事におかれましては、鮮やかとも言えるほど迅速かつ的確に陣頭指揮を執っていただいておりますこと、本当にすごいなと尊敬の念を持って拝見させていただいております。質問の途中ではありますが、改めて心からの敬意と感謝を申し上げます。  さて、コロナ禍や豪雨災害などで職場に出勤できない、集まれないといった環境が生まれる昨今、世間ではテレワークやウェブ会議などが急速に普及し、働き方が明らかに変わってきております。  また、国においては、令和二年七月十七日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針二〇二〇」、いわゆる骨太方針二〇二〇の中で、「『新たな日常』の実現」のため、次世代型行政サービスの強力な推進、デジタルトランスフォーメーション──DXの推進、テレワーク等の新しい働き方・暮らし方の定着、少子化対策・女性活躍など、変化を加速するための制度、慣行の見直しを進めるとされています。  こうした中、本県では、知事と県内全市町の首長との会議であるGM21をオンラインで行うなど、デジタル化の取組が積極的に行われている印象を受けますが、具体的にどのように取り組まれているのか、表面からだけではよく見えません。  また、ICT技術の進歩は著しく、先日、産業スマート化センターを視察させていただいて、AI、IoTなど新たな技術を目の当たりにし、今後そういった技術をフルに生かしながら、より一層デジタル化を進めていく必要があると改めて認識したところであります。  行政のデジタル化は、行政の業務継続や効率化が図られ、行政サービスの向上につながるものであり、ひいてはそのことが県民の利益になると考え、これからもますます進めていただきたいと思っております。  そこで、次の二点について伺います。  一つ目は、現状についてです。  ウイズコロナの中で、テレワークやオンライン会議で業務を行うことが当たり前の時代になってきているわけですが、県の現状はどのようになっているのか。現状と取組の中において現時点で見えている課題などについて教えてください。  二つ目は、今後の進め方についてです。  「新たな日常」構築の原動力となる行政のデジタル化について、県はどのように考え、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。  最後に、大きな項目の三つ目です。九州新幹線西九州ルートについてです。  ポストコロナ、ウイズコロナの社会では、東京一極集中から地方分散化が加速すると考えます。  実際に、ウェブ会議やリモートワークの普及により、都会に集まって仕事をする必要性が薄れ、さらに言えば、人が集まることを是としない社会が定着しつつある中、地方への移住に関心を持つ人が増えているのは間違いないことであると言えます。  県は、コロナの前からではありますが、移住を推進されており、様々な施策に取り組まれていますが、移住先として佐賀県を選んでもらうためにも、地方を拠点に生活し、また、仕事で活躍できる、そういったライフスタイルやビジネススタイルをいかにつくり上げていけるかということが重要な課題であると考えます。  例えば、コロナ禍におけるウェブ会議の普及により、多くの人が気づいたことが二つあると言われております。  一つは、オンラインによって直接会わなくても会議や仕事、交流ができるということ。毎日通勤して会社に集まる必要がない、無理をして人の集まっているところに出向く必要がないといったことに気づいたことで、都会ではなくても仕事ができるという意識が高まりました。この流れは、地方にとってチャンスであります。  しかし、そのためにもクリアしなければならないのが、もう一つの視点です。それは、会わなきゃいけないときは会わなきゃいけないということです。  例えば、佐賀県が進めているUターン、Iターン、Jターンのためのウェブ面接、就職希望者や学生、企業にも好評のようですが、最終的に採用になるかどうかは、やはり直接会ってみないと分からないという話も聞きます。面接にしろ、仕事にしろ、交流にしろ、やはりここぞというときには直接会わないといけないということです。そういったときに、すぐに会いに行ける環境をどうつくるのかが問われているのだと思います。  ふだんは地方に暮らしながら、地方で仕事をしながら、ここぞというときにすぐに都市圏に移動できる手段が充実していることこそが、これからの地方の発展のためには必要な要素なのではないかと感じております。  高速鉄道網をつなぐということの重要性は、一時期よりかえって今のほうが高まっているのではないでしょうか。  一方、トラック業界は、昨今のネット通販の拡大に加え、新型コロナの影響でテレワークなどの在宅勤務が普及し、宅配需要が拡大しています。  ただ、免許制度の影響などもあって、もともと人材不足になっていたものが、さらにここに来て、新型コロナの影響でドライバーになりたいという人も少なくなってしまった中、限られた人員の中で事業を続けていくための経営判断として、長距離輸送を捨て、ラストワンマイルを模索する動きもあると聞きます。  そして、新型コロナの影響で利用者が減少している鉄道では、先日、JR九州が大手宅配サービス会社と連携して、九州新幹線において農産物の貨客混載の実証実験を近く始めると発表しました。  新幹線による貨客混載は以前から模索されていますが、ポストコロナ、ウイズコロナの社会において、トラック輸送では物理的に実現できない高速輸送を新幹線が担う可能性があり、佐賀県でも農産物を新幹線で運べないだろうかと期待する声もあります。  そこで、次の二点について伺います。  一つ目は、フル規格新幹線の有用性についてです。  知事は、フル規格のデメリットばかりを強調され、フル規格は到底受け入れられないと発言を続けられているわけですが、県民の中には、知事はフル規格新幹線の有用性まで否定していると捉えている方もいらっしゃいます。  そこで、あくまで仮の話で本当に恐縮なんですが、今、県内にある諸問題を横に置いた話として、長崎から嬉野、武雄、佐賀を経て、新鳥栖、博多、そして、関西圏へとつながるフル規格新幹線の有用性について、知事はどのように考えておられるのかお聞かせください。  二つ目は、今後の「幅広い協議」についてです。  知事は演告の中で、二年後には武雄温泉─長崎間の開業が迫っています、今は開業の果実を得るため、全力を傾注する時期ですと語られました。おっしゃるとおりだと思います。しかし、果実を得るばかりでは将来につながっていきません。その果実を得つつ、未来に向けてできることを同時並行で進めていかなければなりません。これからしっかりと議論を進めていく必要があると思っております。  国から提案があった環境影響評価の実施について、先日の新幹線問題対策等特別委員会において、国土交通省鉄道局から来られた寺田参考人は、九月いっぱいを目途に佐賀県の同意が得られれば、今年の冬から環境アセスに関わる調査を始めることができ、北陸新幹線の財源確保の議論に合わせ、西九州ルートの財源についての議論も間に合わせることができると答弁されました。  これが何を意味するかと言えば、今回の提案に佐賀県が同意をしなければ、フル規格での整備の可能性がなくなると、そういう解釈もできるのではないでしょうか。  五択の議論をするためには、当然のことですが、五択それぞれについて可能性が残っていなければなりません。つまり、五択のフラットな議論というものがこのままでは成り立たなくなってしまうのではないかと私は懸念するところです。  しかし、県は、今回提案されているアセス受入れに難色を示されています。県は、今回の国の提案に同意しなくても、今後もフル規格を含めた五つの整備方式についてフラットな議論ができる、つまり、五択それぞれの整備方式全ての可能性は残ると考えておられるのでしょうか、その考え方も含めてお聞かせください。  以上、大きな三項目について明確な答弁をお願いします。(拍手) 19 ◎山口知事 登壇=古川裕紀議員の御質問にお答えいたします。  私には、フル規格の有用性に対する認識についてお尋ねがございました。改めてフル規格自体に対してどう思うのかというお尋ねだったと思います。  私は、フル規格はどちらかというと好きです。何でかって、それは私も昭和四十年生まれで、あの時代、ビュワン、ビュワンと新幹線すごいなと思いました。だんだん大人になっていっても、ああ、高速で大量の輸送が可能ですし、交流人口や居住人口もそれで増えてきたわけですし、環境問題にも優しかったりとか、そういうことでありますし、昔、私が、高校時代は鹿児島でしたけれども、佐賀の本家に帰るときに、五時間ぐらいかかっていたと思うんです。この前、塩田知事が佐賀県庁を訪れることがあって、そのときは、近いねと、一時間四十分、新鳥栖からあっという間に佐賀の駅に着いてしまったという話をしていて、本当に隔世の感があるなと思います。鹿児島の知事さんが新幹線をフルで引きたくなる気持ちもよく分かるわけです。長崎の立場からしてみても、それは引きたいでしょう。フルでつなげたいという気持ちも分かります。ただ、そこからなんですよ。  ちなみに、フルの有用性を使っていきたいという貨客の問題も非常に興味深い話で、佐賀県も新幹線をこれで二つ持ってしまうことになりますから、例えば、九州新幹線で言えば、新鳥栖とか船小屋とか、ああいうところというのはこれからそういったものも含めて考えていく機会もあるんだろうと思いますし、意外と今、修学旅行関係は新鳥栖から乗っている子供たちが多いんですよ、あそこから観光バスで。非常にある部分複雑なんですけれども、そんなに人が多くないというので、いわゆる高校生があそこで引渡しがしやすいということでね。だから、そういった意味で環境って変わってくるのかなと思っています。ですので、私は、国が高速交通網として新幹線をやっていくということに関してはむしろ賛成なのです。  問題は、この佐賀県の置かれている状況です。今の整備新幹線のスキームというのを分かりやすく言うとすると、県によっては石川県なんかもそうですよね、鹿児島もそうだったと思います。とってもフルが欲しい、時間短縮効果も欲しいしという代わりに、その分、在来線はJRさんがつらいから、自分たちで面倒見ますというような、大ざっぱに言ってシステムなわけです。ですので、寺田さんは僕の大学のゼミの仲間ですけど、きっとそういう思いで、在来線は地元で考えてねと答弁していましたけれども、きっとそういうスキームの中から出てきた言葉なのかなと思ったりして、ここはちょっと分かりませんけれども、というふうな気もします。  ですので、私は佐賀県知事として、これからの佐賀県民の幸せをいちずに考えている中からすると、これまでの経緯もあって、佐賀県もつらかったろうなと。先ほども冨田議員のときに答弁しましたけれども、私、まだ知事をやって五年ちょっとですけれども。でも、その前からずっとフルとならなかったわけじゃないですか、それは本当によく分かります。様々な在来線の状況ですとか、我々も検討していますので、財政的な問題、これからどうなっていくんだろうかという苦肉の策で佐賀県の先輩県議たち、そして、佐賀県の知事さんたちが、スーパー特急だったり、フリーゲージと国が言うなら、それもよかろうということで、精いっぱいそこに合わせてきた。  私がやった六者合意にしても、フリーゲージはちょっと間に合わんかもしれんから待ってくれんかと国のほうから言われて、ええっという気持ちの中で、でも、そこまでだったら何とか説明がつけられるかなということで、そこも苦渋の決断で合意をしてきたわけです。そしたら、それもできんやったから、今度はフルでと、それしかないと与党PTの中に出てきて、そうすると、これまで僕らがずっと考えてきたこともそうだし、これから将来にわたって何十年もの間、先ほど部長たちも答弁しましたけれども、そこに議論がほぼ集中します。ほかのこと、先ほどから佐賀県がいろんな施策を打てているのは、ある程度、財政の柔軟性があって、様々な声に応えられているからなんであって、ちょうど十五年ぐらい前ですか、財政難の窮乏の全国的な時期というのは、本当に査定で何から何まで全て、鉛筆一本から全部査定で削るという時代があったわけでありまして、それに近い形になるわけなんです。  ですから、私は佐賀県知事として在来線が大事だなと。例えば、佐賀駅でありますと、一日に片道四十何本走っていて、朝方の出勤時期になると、五本とか六本とか、快速も入れれば、あと二、三本走っていますから、非常に快適だと思っています。  ですので、国のお気持ちも分かるけれども、今の現行スキームの中で佐賀県知事としての判断をするということになると、フルというのはリスクだらけのボタンだし、そこに向けてのアセスというのはほぼ見えてきています。私も様々な経験をしてきていますので、大体事の流れというのは予見できるわけでありまして、今、私は、佐賀県民の全ての人たちの今後の将来ということを、非常に重くこの肩に受けているという気持ちで日々頑張っていますので、それは私としての思いとしてここは伝えさせていただきたいと思います。  佐賀県は合意したことは守るという姿勢で真摯に取り組んでおりますし、筋を通しておりますので、我々のほうから何かを提案しなければならないものではありません。そして、るるお話しいただきましたけれども、将来の在り方について様々な議論をしていくことについては否定していないわけでありまして、これから様々な面において検討の場で検討されればいいと承知しております。 20 ◎脇山総務部長 登壇=私のほうには、古川議員から二問お尋ねがございますので、まず、市町議会の意見書への県の姿勢についてお答えさせていただきます。  意見書の法的位置づけということでございますが、これは地方自治法第九十九条の「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。」ということで、この条項に基づきまして、市町村議会から県に対して意見書を提出していただいているところでございます。  これまでに提出された意見書の対応ということでございますが、先ほど議員の経験としては、神埼市のほうで平成二十五年、当時、古川知事の時代でしたが、当時の知事も県議会の席でフル規格にしないということを言っていらっしゃった時代だったということで、そういう対応になったのかと思いますが、我々の今の考えとしては、まず、地域住民の代表である市町議会から提出された意見書というのは、関係部局においてこれはしっかりと受理をさせていただいて、必要に応じて知事に対応を協議するとか、そういうことで適切に対応しているところでございます。  具体的には、貴重な御意見として県政運営に反映するということはもちろんございますし、県として推進すべきと判断したものについては事業化もしておりますし、また、県だけで対応できないものは国に対応をお願いしていることもございます。  例えば、平成三十年から十件、実はそんなにたくさん県には来ておりませんで、三年間で十件ぐらい来ております。そのうちの五件は一つの案件で、それぞれの議会で提出いただいているんですが、その中で、まず、具体的に事業化されたものとしては、伊万里市議会で人工内耳への支援ということで、難聴に悩む子供さんについて人工内耳を購入する支援策を県が持っていたんですが、それを片耳難聴の方に拡大するとか対象機器を拡大するとか、そういうことの御意見をいただいておりまして、それは具体的に事業化をしております。  あるいは唐津市から、離島のごみ運搬費用の支援ということで、これは国のほうに要望してくれということでしたので、市町と一緒になってそれもしっかりと要望させていただいております。  そのほか、それぞれいろいろ意見いただいたものについてなかなか難しいものについては、個別の市町とそれぞれ協議を差し上げて対応したり、既存の分で対応できるものについてはそのことをお知らせしたりと、あるいは関係部署で具体的に検討しているものとか、それぞれ様々対応させていただいているところでございます。  今後の対応についてでございますが、議員からも御提案ございましたけども、今後はさらに市町への支援をきめ細かく行っていこうということで、今までは関係部署で全部取っていたのを全て受付窓口を市町支援課で一本化いたしまして、知事をはじめ、庁内でその内容を必ず共有させていただくと。その上で処理状況や結果の公表などをしっかりと対応していく、そういうことで進めたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、行政のデジタル化の推進についてでございます。  今回の新型コロナウイルス感染症への対応の中で浮き彫りとなりましたのが、三密を避けるといったような、そういう課題を克服するために、新たな日常を構築しなければいけないと。そのためには、より一層のデジタル化やオンライン化の取組が求められております。  これまで佐賀県は、全国に先駆けてテレワーク等を導入しておりまして、職員のワーク・ライフ・バランス、業務の効率化、災害時の業務継続等の県民サービスの向上につながる取組を行ってまいりました。  また、テレワークの導入とともに、離れた職員同士のコミュニケーションのためのオンライン会議ツールの活用を図ってきておりました。  加えて、こうしたテレワークやオンライン会議の活用は、災害等が発生した場合に、現場の状況を画像などによって迅速に把握し、的確な意思決定を行うことにも大きく寄与しております。  これは具体的に申しますと、例えば、平成二十八年の熊本地震のときには、対策本部と被災地の間で画像を見ることができて、実際の被災地の様子が分かったり、平成二十九年、鳥インフルエンザの本部のときは現場の状況を画像で見ることができるとか、あるいは令和二年七月のまさに最近の台風のときは、副知事とそれぞれの市町の副首長との間で会議を開いて今の状況を把握したりとか、そういうことで活用しております。  さらに、今回の新型コロナウイルス感染症への対応として、緊急事態宣言下におけるテレワークを活用しました職員の出勤数の抑制、在宅勤務ができますので、その辺の抑制であるとか、議員からお話がありました知事と市町の各首長との間のオンライン会議、これは二回開催しておりまして、副知事が開催した分も含めますと三回開催しております。さらに、オンライン会議を活用した県内外の事業者、県民との打合せ等を実施してきたところでございます。  一方、テレワーク、オンライン会議を活用する中で、具体的な課題が出てきておりまして、一つは、オンライン会議はすぐできそうなんですが、実は機材の準備等で慣れないとなかなか時間がかかっております。あるいはネットワーク回線を同時に使いますと、回線容量が不足をしたり、あるいは紙資料だとなかなか共有ができないもので、紙資料をより電子化する必要があると、そういう課題が確認をされたところでございます。  県といたしましても、このような課題に対応するための取組というのが必要だと考えておりますので、今後、このことについても実施をしていきたいと思っております。  続きまして、今後の進め方についてでございます。  ポストコロナ時代の新しい未来を描く中で、行政のデジタル化というのは推進が重要だと考えております。  このような中で、業務の中に具体的にデジタル化を進めるということが必要だと考えておりまして、今度予算をお願いしている中にございます、例えば、パソコン上での質問にAIが自動的に回答してくれるAIチャットボットというのがありますが、こういうものを県のホームページに設置したいと思います。これは民間企業が結構入っておりますので、ぜひそういうものをどんどん活用していきたいと思っております。  あるいは、土木工事のときに現場に行かないと完了検査ができなかったんですが、これがオンラインで行える非接触型の遠隔臨場システムと、ちょっと難しいんですが、現場の様子を確認できるようなシステムを導入したり、あるいは紙と同じように書き込みができます電子ペーパー機器、電子ペーパー上に書き込みができるような機器の導入とか、そういうことを行うための予算をお願いしているところでございます。  加えまして、最新のテクノロジーに対して、これは実はこの予算を組むときに、まさにそうだったんですが、技術が幾らあっても、実際業務にどういうふうに活用していくかということがないと、なかなか進まないもので、県職員が知見を深めて、その活用方法を自ら生み出していくという職員の機運醸成が重要だと考えておりまして、そのために職員研修等を開催いたしまして、先進事例をヒントとして各分野の行政課題に適用させるワークショップ等を行っておりまして、その中でも農業分野であるとか、畜産分野であるとか、スポーツ分野とか、いろんな意見が出てきております。このような取組を拡大することによって、AI、IoTをはじめとする新たなテクノロジーを県庁行政の、例えば、言いました農業、福祉、医療など、様々な分野に積極的に取り入れまして、佐賀県の地域が掲げております課題の解決や、佐賀県の発展に資する行政のデジタル化というのを加速してまいりたいと思っております。  以上、お答えといたします。 21 ◎南里地域交流部長 登壇=私からは、西九州ルートの御質問のうち、今後の「幅広い協議」に関する御質問にお答えを申し上げます。  昨日の一般質問でも御答弁を申し上げましたとおり、六月五日に「幅広い協議」に入りまして、鉄道局と率直に議論を行っております。  佐賀県は、これまでに合意しているスーパー特急、フリーゲージトレイン、リレー方式については異論はないこと、これまでの合意にないフル規格やミニ新幹線については、与党検討委員会での議論に関わりなく、しっかり時間をかけて行うこと、北陸新幹線など他の線区の財源確保に係る与党の議論やスケジュールの都合で協議を進めることはないこと、フルありき、スケジュールありきの議論には応じられないことを、これはずっと一貫して申し上げてまいりまして、その考えに変わりはございません。  そして、そもそも今回の協議は、佐賀県の意向を踏まえながら、幅広く協議に応じてほしいという呼びかけをいただきまして協議に応じておりますので、幅広くいろんな可能性について議論をしたいということも私のほうから協議の場で申し上げております。  佐賀県は、様々な議論を行うことを閉ざしておりませんので、「幅広い協議」の場で今後も率直に幅広く議論をしてまいります。  以上でございます。 22 ◎古川裕紀君 登壇=各市町の意見書の扱い、改めて知事部局のほうで一まとめに扱っていただいて、必ず知事とも共有していただくというお言葉、そしてまた今後、公表に向けて検討していっていただけるという答弁をいただきました。本当にありがたいなと思いますし、正直、最初の登壇の中で言っていましたけど、市議会議員、町議会議員側も意見書を取りまとめるまでが仕事のようにして、その後、あまり責任を持ってチェックしていなかったなという反省があります。そうやって県が確実に知事に共有していただく、そしてまた、結果を県民の皆様に広く知らせていただくということであると、各議会もまた議論が活性化するのかなと思いますし、そういった議論の活性化が、ひいては佐賀県全体の浮揚につながっていくのかなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございます。  さて、質問のほうですけれども、南里部長、フルありき、スケジュールありきの議論には応じない、昨日から何度もお聞きしております。今回提案されているアセスの受入れについて、国土交通省鉄道局長名にて、お示しした環境影響評価の提案に御同意いただいた場合であっても、それをもってフル規格など特定の整備方式が決まるということになるとは考えておりませんとの認識を正式な文書にて示していただいており、この議論がフル規格ありきでないことは明らかです。  また、二年半というスケジュールが出てきておりますけれども、その数字が出てきていることをもってスケジュールありきという解釈をされているのだと思いますが、この数字はあくまで北陸の財源確保の議論に間に合わせるために残された期間というだけのことであって、佐賀県の同意なしに整備方式が決まることはないと明言されている状況下において、この二年半で結論を出さなければいけないという理屈はどこにもなく、あくまで国交省側の都合であり、この数字をもって、すなわちスケジュールありきという話には決してならないと思います。つまり、フルありきでも、スケジュールありきでもないということは明らかなのです。この点、もう一度お考えをお聞きします。(「南里部長、しっかり答えんば」と呼ぶ者あり) 23 ◎南里地域交流部長 登壇=再質問にお答えを申し上げます。  今回の環境アセスの件でございますが、六月に幹線鉄道課長のほうからお話をいただいて、六月十六日もお話を伺いましたし、七月十五日にも協議の場で直接御説明も受け、お話を伺いました。  そして、七月十五日の協議の場でございましたけれども、幹線鉄道課長のほうからいろいろお話があった中でありますけれども、この提案を受けていただければ、これは五択のアセスという意味ですけれども、この協議の結果、どの方式に決まったとしても迅速にその実現に取りかかることが可能になりますと。そして、アセスをすれば即事業になるかというと、そうではないという御説明をされておりましたので、先ほど御紹介された文書の要旨等はまさにそういうことをおっしゃっていたというふうに私は承知をしております。  その上で、私と幹線鉄道課長といろんな協議もし、議論もし、また先日、特別委員会でも御審議がございましたけれども、その中でフリーゲージトレインは技術的なめどが立っていなくて、現実的な選択肢にはなり得ないといったことですとか、法令上、必要なアセスはフルとミニだけであるということ、そして、その財源確保のために令和四年度までにアセスを終わらせたいこと、これは七月十五日の協議の中でも、そういう希望を持っているということははっきり言われました。そして、ミニ新幹線のアセスは四年前後かかるので、これは間に合いません。そして、フル規格のアセスは佐賀駅を通るルートであって、この場合は令和四年度までに終わらせることができると。そして、アセスルート以外に北部を通るルートですとか佐賀空港を通るルートなどがあるけれども、これについてはアセスに四年から六年かかるので間に合わないということが、これは明らかになったと私は思っておりまして、改めて鉄道局さんが提案されている環境アセスが、ルートを佐賀駅を通るアセスルートと限定した上でのフル規格のためのものであるというふうに私たちはもう思っておりますし、そういうことが浮き彫りになったというふうに考えています。  そして、佐賀県としては、佐賀県にとってこの提案を受け入れることは、佐賀駅を通るルートでのフル規格の整備を受け入れることと同義でありますので、これは受け入れられませんということを申し上げているものでございます。  その上で、もうずっと申し上げておりますけど、佐賀県として様々な議論を行うことは閉ざしておりませんし、もう既に「幅広い協議」ということでいろんな協議をさせていただいております。鉄道局とは、今後とも「幅広い協議」の場で率直に議論をさせていただければと思っております。  私からは以上でございます。 24 ◎古川裕紀君 登壇=国は、このアセスの受け入れは、これをもってフル規格であるとは考えていないと文書で示されております。  また、九月末目途でアセスの同意が得られなければ、事実上、財源確保が難しく、フル規格での建設はなかなかもう難しいと、特別委員会の公の場でそういった発言があっております。それに対しても、いやいやと。これは佐賀駅を通るフル規格の大前提の合意を求められているんだという県の一方的な解釈を今、披瀝していただきました。公式な文書も、公での発言も、いや、それは違うと言われると、もう議論の前提が成り立たないんではないかと、そう考えざるを得ません。  くしくも、ちょうど一年前の九月議会、私、賛否は横に置いて、知事、議論を進めてくださいと一般質問させていただいた記憶があります。要らんことを言って、ちょっと騒ぎになりましたけれども。それから一年がたちました。今回も賛否は横に置いて、五択の可能性を残した上で議論する時間的猶予を確保しましょうという提案です。フルにしてくださいとは言っておりません。  また、スケジュールの話も聞きながら、昨年十一月議会において、SAGAアリーナ建設への六十億円を超える追加補正を審議しました。その金額の内訳について、入札の前だからと理由は教えていただけませんでした。当然、これで何を議論しろというんだと議会は反発しました。特別委員会の場で私も質問に立たせていただきました。  しかし、当時のことですが、二〇二三年の佐賀国スポ・全障スポの開催に間に合わないからということで、そこは協力すべきと。そのことで議案を通させていただきました。我々にはスケジュールありきの議論にも協力しろという要求があって、国はただ二年半という数字を出しただけで、スケジュールありきの議論には乗らないと。スケジュールでも何でもない数字に対して過敏に反応する、そういった国と佐賀県の議論。  先ほども言ったように、選択肢を残してフラットな議論をするために、今回の国からのアセスは再考願えませんかという提案をしているわけですけど、あまりにもかたくなな態度なんではないでしょうか。国と地方、先ほど知事がおっしゃいました。それぞれの考えがあってしかるべき。言うべきことは言う。確かにおっしゃるとおり、そのとおりだと思います。しかし、お互いに協力をしながら、共にこの日本を描いていく、そういった姿勢も大切なんではないでしょうか。こちらがかたくなでは、あちらもかたくなな態度に出られる場面も出てくるのではないでしょうか。あまりにも対立姿勢を示されていることに懸念をするところです。  鉄道局の予算は年間一千億円、そのうち新幹線に八百億円、一般の在来線二百数十億円ですね。八百億円と二百数十億円です。鉄道局内では何で新幹線にそんなに予算を組むんだと。今、災害で在来線が流失したり、いろんな問題があるんだ。一般の在来線、一般軌道にもっと予算を回してくれと鉄道局内での突き上げが実際にあっております。  また、四国の新幹線、期成会が今活発に動いていて、鉄道局に四国に新幹線をぜひ通してくださいと陳情団が訪れています。鉄道局は、そんな予算もないけん、そんな難しい話をしても困るでしょうよという話を今されているところです。  しかし、局内での予算確保の話の中でも、他地域での新幹線要望の対応でも、要らんと言いよるところがあるやろうがというような話がすぐに出てくると。そういった中でも、九州のため、西日本の浮揚のためと、国には国の正義があるわけです。当然、佐賀には佐賀の正義があります。当然のことです、言いたいことは言うべき。ただし、正義対正義であります。善と悪ではありません。その敬意をもう少し感じられるような対応が私には必要ではないのかなと思うわけです。何を聞きたいのかがちょっと私もぼやっとしてきましたので、最後に知事に思いを聞かせていただき、私の質問を終わらせていただきます。(「知事、国はうそを言っちゃいかんけど、本当のことは言わんでいいですもんね」と呼ぶ者あり) 25 ◎山口知事 登壇=古川議員の再々質問にお答えしますが、本当に国は国としてのお考えを表明されていて、我々は佐賀県民にしっかり寄り添った意見としていって、それが今開かれた場で「幅広い協議」ということでやっておるので、私はまた近々「幅広い協議」が行われると思うので、そういった中で、開かれた場で議論がなされていけばいいなというふうに思っております。  以上です。 26 ◎議長(桃崎峰人君) 暫時休憩します。
        午前十一時五十七分 休憩 令和二年九月十五日(火) 午後一時一分 開議  出席議員    三十五名     一番  一ノ瀬 裕 子     一六番  川 崎 常 博     三〇番  中 倉 政 義     二番  古 賀 和 浩     一七番  定 松 一 生     三一番  石 井 秀 夫     三番  下 田   寛     一八番  八 谷 克 幸     三二番  留 守 茂 幸     四番  古 川 裕 紀     一九番  江 口 善 紀     三四番  木 原 奉 文     五番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  藤 木 卓一郎     六番  冨 田 幸 樹     二一番  向 門 慶 人     三六番  石 倉 秀 郷     七番  弘 川 貴 紀     二二番  坂 口 祐 樹     三八番  土 井 敏 行     八番  井 上 祐 輔     二三番  宮 原 真 一     九番  木 村 雄 一     二四番  原 田 寿 雄    一〇番  中 本 正 一     二五番  岡 口 重 文    一一番  野 田 勝 人     二六番  大 場 芳 博    一二番  西久保 弘 克     二七番  武 藤 明 美    一三番  池 田 正 恭     二八番  稲 富 正 敏    一五番  古 賀 陽 三     二九番  徳 光 清 孝 欠席議員    二名    一四番  井 上 常 憲    三七番  桃 崎 峰 人 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    小  林  万里子          政  策  部  長   進     龍太郎          総  務  部  長   脇  山  行  人          地域交流部長       南  里     隆          県民環境部長       原     惣一郎          健康福祉部長       大川内   直  人          産業労働部長       寺  島  克  敏          農林水産部長       池  田  宏  昭          県土整備部長       平  尾     健          危機管理・報道局長    山  下  宗  人          文化・スポーツ交流局長  田  中  裕  之          男女参画・こども局長   甲  斐  直  美          会 計 管 理 者    大川内   明  子          警 察 本 部 長    杉  内  由美子          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    稲  冨  正  人 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       今  村  盛  史          同    副事務局長          議事課長事務取扱     杉  谷  直  幹          総  務  課  長   吉  田     泰          政務調査課長       篠  田  博  幸          総務課副課長       横  尾  重  信          議事課副課長       花  島  良  直          議事課議事担当係長    中  島  達  明          同    議事担当主査  池  田  陽  介     ○ 開     議 27 ◎副議長(岡口重文君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。 28 ◎一ノ瀬裕子君(拍手)登壇=佐賀讃花の会、一ノ瀬裕子でございます。  私、県庁舎のすぐ近くに住んでおりますので、毎日のようにライトアップされた旧県庁舎を見ております。昨日もおとといも感染の落ち着きを示すブルーにライトアップされておりました。手前の青信号のグリーン、そして、星空と相まって、心穏やかな光景でした。一頃の赤や黄色を脱して、第二波も収束に向かっていることを大変うれしく思っております。まだ気を緩めることはできませんが、発生からここまで様々に御尽力をいただきました知事はじめ執行部の皆様、そして関係いただいた全ての皆様に心からの感謝を申し上げたいと思っております。  それでは早速、コロナ関連となりますが、一問目に入ってまいります。  一問目は、新型コロナウイルス感染症に係る情報発信についてです。  新型コロナウイルス感染症は、今年一月に指定感染症に定められ、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」、いわゆる感染症法の対象となりました。  この第三条におきまして、「地方公共団体の責務」として、「教育活動、広報活動等を通じた感染症に関する正しい知識の普及、感染症に関する情報の収集、整理、分析及び提供」などが定められています。  また、第十六条におきましては、住民に対しては、収集した感染症情報の分析、発生状況、原因、予防、治療などの情報を、個人情報の保護に留意しつつ、「新聞、放送、インターネットその他適切な方法により積極的に公表しなければならない。」とされています。  このように堅苦しく申し上げるまでもなく、住民が納得する情報発信は自治の前提と言えますし、事、コロナ禍におきましては、感染予防のためにマスクをする、手洗いや手指の消毒をする、密を避ける、外出を自粛する、また、地域経済を支えようなど、一人一人の行動変容が必要であるため、一人一人に伝わる、そして、行動を変えてもらう訴求力のある情報発信が今までになく問われました。  また、過去にここまで行政が出す情報が連日連夜、住民に求められ、注目を集め続けたこともなかったのではないかと思っております。言い換えますと、行政にとっても感染予防のための行動自粛や休業の要請、支援金の申請方法などなど、あらゆる層の住民に、漏らさず、また、局面局面に応じて届ける必要性がここまで生じたこともなかったのではないかと思われます。  さて、佐賀県は県外に向けての情報発信におきましては、「ロマンシング サ・ガ」ですとか「銀魂」、「スプラトゥーン」、「おそ松さん」、「ユーリ!!!onICE」、「ヴィンランド・サガ」などとのコラボにより、全国的にも注目される成功した自治体の一つと言えます。  ここに加えまして、一人一人に伝わり、行動を促す情報発信の体制が構築できれば、コロナの感染予防だけでなく、例えば、チーム佐賀、オール佐賀で国スポを盛り上げようというときなど、今後の佐賀県の大きな礎になるとの思いでこの問いを立てました。  さて、人が行動を変える場合は、無関心期、そして関心期、それから準備期、実行期、維持期の五つのステージを通るそうです。促すためには気持ちにフィットする温度感のある働きかけが必要で、このため、コロナ禍ではトップの発信力が大きく問われました。  各都道府県知事のお顔ですとか、遠くはドイツのメルケル首相のお顔も浮かぶところですが、政治家ではないのですが、今年九十三歳になられるイギリスのエリザベス女王の「決意を持って結束すれば、この病気は克服できる。友人や家族と会える良い日々は戻ってくる。全ての人がこの困難にどのように立ち向かったかを、誇れる日が来ると信じている。」というテレビ演説は多くの人の胸を打ちました。国民の不安を和らげ、どう振る舞うのか、静かな決意へと導くもので、人が人に語りかける、その力を見る思いがいたしました。  佐賀県におきましては、山口知事からのメッセージが動画や県内外でのテレビ番組、また、定例記者会見や臨時記者会見、対策本部会議の中で発せられました。中には、日々大切に事業を積み重ねてこられた事業者さんに休業を要請するなどの難しい場面もありましたが、そうハレーションを起こすことなく県民に受け入れられたのは、精いっぱいのことはするので、県民一丸となって乗り越えようという知事の温度感のある前向きなメッセージが届いたからではないかと感じております。  また、福岡県のテレビ番組におきまして、福岡県民に対して、今は県境を越えないで、今は佐賀に来ないでいただきたいと伝えられたときも、キャスターの方が理解を示され、穏やかな雰囲気で番組が終わったのも非常に印象深いことでした。  このような知事のメッセージや感染状況など、最新の情報の発信の場として、もう一つ、対策本部会議の活用が挙げられます。  最初は会議の要素が強く、動画も記録撮影の様相を呈していましたが、最近、皆様御覧になったことはあられますでしょうか。フルオープン、ライブ中継がされるとの特性を生かし、今や記者さんだけでなく、県民へ直接情報を提供する場、一つのテレビ番組に近くなっているとの感触を得ました。  手元資料ではなくスクリーンが活用され、強調したいときにはフリップを使うなど、先日で四十回を数えたようですが、回を重ねるごとにブラッシュアップされてきました。途中からは手話通訳の方も入られ、よりユニバーサルな場となりました。フリップを出されたりですとか、ホワイトボードを引っ張ってきたりですとか、まるでアシスタントディレクターのように黒子となって動く職員さんの活躍もあり、非常に完成度が高くなってきております。  ちなみに、この対策本部会議ですが、この質問に当たりまして、いろいろ各県の状況を調べてみました。お隣長崎県は非公開で、ホームページのほうにも式次第がアップされるのみでございました。また、福岡県は簡単な会議録と写真が二枚、指示を出す小川本部長というのが一枚、そして、座っていらっしゃる幹部の方の遠目の写真が一枚、この二枚がいつもアップされるという形でした。大分県も、会議を受けての県民への伝達事項が文字のみでつづられているという状況でした。他県のあまりの無味乾燥なこの状況、そして、佐賀の差というものが衝撃的でもありました。  佐賀県の対策本部会議、これは立派な佐賀モデルの情報発信と呼べるものに育っているのではないか、佐賀県民に自慢に思ってほしい、ぜひ見てほしいとの思いを強くいたしました。  この対策本部会議ですが、ライブで付きっきりで見なくても、時を置かずして、概要版の会議録もホームページにアップされております。もちろん、長いものもそのままアップされておりますが、この概要版を見れば、そして、資料の画像を見れば大体のことが把握できるというような公開の仕方をされております。  もう少し欲を言わせていただければ、あとは画面構成に一工夫欲しいなといったところでございます。カメラがあと一台ありまして、スイッチングできる器材などがあれば、今はスマートフォンで見る方も多いと思われますので、もっと見やすくなるのではないかと思った次第です。  他県と違って、見せる対策本部会議、ユーチューブで、言ってみれば全世界に発信している対策本部会議となっておりますので、あと少し予算をかけてもいいのではないかと思っております。  先日、佐賀県産業スマート化センターを視察させていただいており、そういう動画の撮影も上手になさっておりましたので、チーム佐賀、力を合わせればレベルアップも近いのではないかと期待をしております。  残された課題は、そもそも対策本部会議がどのような場であるのかの周知です。  実は、私の周りには、私が教えるまで見たことがないという方が非常に多くございました。中身をつくり込む努力と並行して、あるいは先んじてしなければならないのが存在を知らせることであろうと思います。  番組を作ると同時に番宣、番組宣伝にも取り組むと言うとお分かりいただけるかと思いますが、ぜひ周知にも取り組んでいただきたく思っております。  個人的には、ホームページや新聞などで「対策本部って」、「佐賀ならではの念のため検査って」というようなQ&Aのコーナーがあればと願っております。どうしても時系列の情報の羅列になってしまいがちですので、中身を切り出して、そして、発信するという工夫もできるのではないかと思っております。  それでは一点目、対策本部会議と県民への情報発信についてです。  これまで県では、新型コロナウイルス感染症対策に関して、対策本部会議を公開するなどして積極的に情報発信をされていますが、どのような考え方で行っているのか。また、県民への情報発信に当たってどのような工夫を行ってきたのかお尋ねをいたします。  続きまして二点目、県民一人一人に届く情報発信についてです。  メディアを介さず、ダイレクトに県の情報が伝わることの有効性を認識する出来事がありました。七都道府県に緊急事態宣言が出され、そこから九日後、佐賀県にも緊急事態宣言が出されたときのことです。  明日から本格的にゴールデンウイークが始まるという四月二十八日、多くの事業者さんは休業するのか、それとも開けるのか、時間を区切るのか、非常に悩まれておりました。  そこにSNSの佐賀県の公式アカウントから、「(予告)知事から重要なお知らせがあります。」とのタイトルで、臨時記者会見の開催を予告するメッセージが届きました。これを、お悩みの数人の事業者さんに急ぎお知らせし、ライブで御覧いただいたのですが、終わってからどうすればいいか分かったとおっしゃり、すっきりと決断に至られました。  これは、私もSNSで予告が届いたからできたことです。登録しておけば勝手に届くSNSでのプッシュ型の発信の有効性を認識いたしました。  報道、メディアに載せてもらう時代、そして、ホームページに情報を一元化し、そこに県民に情報を取りに来てもらう時代、そして、今は県民に情報を取りに来てもらわなくても、SNSを使って行政側から届けるプッシュ型の発信ができる時代です。  ぜひこのプッシュ型の発信を活用していただきたいのですが、調べますと登録者数がなかなか伸びておりません。これは九月十三日現在ですが、一番多いツイッターで一万二千六百六十九人、次いでLINEが八千六百七十六人、フェイスブックは二千三百八十六人でした。  佐賀市と比べてみますと、フェイスブックは佐賀市の人数に対して三分の一、ツイッターは六割ほど、LINEも佐賀市の七割ほどということで、どう考えても佐賀県民のほうが佐賀市民よりも少ないということはないのですから、公式アカウントの周知方法の改善ですとか、検証が必要ではないかと考えます。  例えば、「SAGATOCO」ですと、登録者は昨日現在で四万八千七百七十三人で、一日でおよそ三十人ほど増えておりました。なぜ「SAGATOCO」の登録は伸びていくのか。  SNSでのプッシュ型の発信は、例えば、命の危険が迫る災害時に避難を呼びかけるときなども有効です。このコロナ禍で登録者数が何倍にも増えた自治体もございます。  それらの検証とともに、どの世代がどのメディアを信頼し、活用しているのかの検証、そして、効果的な広報体制の構築につなげていくことが必要ではないかと考えております。  もちろん、従来の報道メディアも欠かせません。インターネットを使わないという高齢者ですとか、WiFiの環境のない生活困窮世帯などのために不可欠と考えております。県民全方位に届く広報体制の構築を求めお尋ねいたします。
     県が発信する情報をよりダイレクトに県民に届けるため、SNSの重要性を認識し、さらなる工夫の余地があるのではないかと思っておりますが、今後、県民に向けた情報発信にどのように取り組んでいかれるのかお尋ねをいたします。  三点目、市町職員への研修についてです。  先月下旬に開催されましたGM21におきまして、市町長から、住民相談等に対応する市町職員を対象に、感染症の専門家による県内の感染状況や最新の知見など、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識について学ぶ研修の機会をとの要望のお声が上がったと聞き及んでおります。  私どもも、六月定例会の新型コロナウイルス感染症対策等特別委員会におきまして、感染症が御専門の青木洋介佐賀大学医学部教授の専門的な知見をお聞きする機会がございました。  佐賀県内の感染状況ですとか、佐賀県のPCRの検査体制、そして、今後のコロナとの付き合い方、また、高齢者施設での予防対策などなどを伺いました。  大量に降り注ぐメディアの情報に流されず、佐賀の情報を佐賀の現場を率いてくださっている専門家からお聞きするのが一番有意義だと深く実感をいたしました。この経験から、先月には、佐賀県内の女性議員の勉強会を青木先生の御都合に合わせて開催し、講師にお越しいただいたほどです。  市町職員の皆様は、住民に身近なところで相談に応じ、また、主催のイベントなどの開催の可否などにも携わっていらっしゃいます。県として、市町職員を対象に専門的な知見を提供する研修の機会を設け、市町の方々の判断に寄与していくべきと考えますが、御所見を伺います。  続きまして二問目です。ウイズコロナ時代の文化芸術の振興についてです。  私は常々、文化芸術は人の心を豊かにし、また、人にゆとり、そして潤い、また、明日への活力を与えてくれるものだと思っております。  このコロナ禍の状況におきましても、文化芸術を引き続き振興していくことは非常に重要であると考えており、多くの県民が文化芸術に触れる機会を創出していくことは、県にとって重要な役割の一つだと考えております。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行で、今年の春以降、様々なイベントや祭りが中止となっており、佐賀市におきましても、秋の風物詩、佐賀インターナショナルバルーンフェスタが中止、そして、二百年の歴史を誇る唐津くんちも、きっと落合教育長もがっかりされたことと思いますが、曳山巡行が取りやめとなるなど、多くの来場者が集まるイベントは、軒並み中止や延期となっているところです。  また、秋はお祭りのシーズンですが、各市町の地域団体が例年開催しています文化祭ですとか、国や県、市町指定の無形民俗文化財をはじめとする地域の伝承芸能を受け継ぐ場にもなっている地区のお祭りなど、伝統を継承し、また、地域や文化を振興していくことを目的に開催されているイベントについても、その多くが中止もしくは必要最低限の規模に縮小しての開催にとどまっている状況です。  私の地元の神社のおくんちもまだ未定でございまして、おみこしを担ぐ子供たちの姿ですとか、社務所での直会ですとか、懐かしく思い出されるほどです。  さらに、音楽や演劇など、様々な公演の中止も相次いでおり、このような状況が長期間続けば、地域の活力は失われ、伝統文化の継承も困難となり、このままでは文化芸術や伝統の灯が消えかねないという危機感を抱いているところです。  また、このことにより文化芸術を支える表現者、制作者、そして、イベント事業者などの活動の機会の喪失にもつながっており、ひいては多くの事業者の仕事の減少につながり、経営が圧迫され、経済的にも非常に厳しいという声も聞こえており、県内経済にとっても悪影響を与えています。  親しくさせていただいているMCと言われるイベントの司会者さんたちも飲食店でバイトを始められたり、別の仕事を紹介してもらったりと、本当に御苦労をされています。  このような状況の中、現在、県内全体としては感染防止に気をつけながら社会活動を行っていく「支え愛(合い)活動局面」に入っていることから、ウイズコロナ時代の文化芸術の振興についても、ぜひ県内市町の範となるような取組を県が率先して行うことが、演者や制作者など表現者たちを盛り上げるとともに、地域も盛り上げ、さらには経済の好転につなげていってほしいと考えているところです。  県では、今月十八日に佐賀県立博物館五十周年特別展「THIS IS SAGA」が開幕すると聞き及んでおりまして、これを幕開けに、芸術の秋、文化の秋といいますので、ほかの取組も続けてほしいと思っております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  ウイズコロナの時代における文化芸術の振興について、佐賀県としてどのように考えられるでしょうか。また、昨年度までこの時期に開催されておりました佐賀県主催の「佐賀さいこうフェス」や「さが維新まつり」、また、佐賀県伝承芸能祭などについて、今年度はどのように取り組んでいこうと考えているのかをお示しください。  続いて三問目は、女性農業者活躍推進の環境づくりについてです。  今回のこの質問を一言で言いますと、女性農業者の皆さんに生き生きと羽ばたき、伸び伸びと活躍していただくために、いまだまとわりつき覆っているベールのようなものをブロー・ザ・ウインド、新しい風を吹かせて取り払おう、佐賀らしい一歩をという趣旨での質問です。  今年の一月末、佐城地区の農業士さんの方々と県議会議員の意見交換会がございまして、私も参加をさせていただきました。御存じのことと思いますが、農業士さんは農業技術や経営手腕にも優れた農業者さんたちで、佐賀県からの認定を受け、佐賀農業の持続的な発展につなげようとの熱い思いで、若手や女性農業者の育成、指導に携わっていらっしゃいます。御自分も現場を持ち、また、幾つもの現場を回っていらっしゃいますので、意見交換はとても活発で大変有意義なものとなりました。  農業者さんの三分の一は女性でいらっしゃいまして、ああ、女性も指導的な立場で御活躍なんだなと思ってお話ししておりましたら、確かに役員登用数など増えてはいるものの、女性農業者を取り巻く環境の中にまだまだ活躍を阻む要因が根深く残っているとのことでございました。  具体的な事例の数々に、男女共同参画基本法が制定され丸二十年たつのに、昭和も終わり、平成も過ぎ、令和なのにとその実情に心底私は驚きました。これは何とかお力になれぬものかと、今年度同じく希望されておりました古賀和浩議員を押しのけといいますか、お優しく譲っていただきまして、農林水産商工常任委員会に所属をさせていただきました。六月の常任委員会での質問に引き続き、本日の一般質問でも取り上げさせていただきます。  いろんな女性農業者さんをお訪ねし、お話を伺う中で、今も農家は、農作業、家事、育児、介護など、女性の負担が大きい。研修会や説明会などの出事に出たいけど、繁忙期でなくても思うに任せないところがある。役員選出などの際に「女ば出して」と言われる。大体この三点に絞られることが分かりました。出事に出る、役員に出る、何かしら出るということに対して、振りほどきたいベールがかかったような状態です。  調べていきますと、女性農業者が連携していこうと去年初めて開催された「第一回さが農業女子サミットinうれしの」におきましても、続く今年一月の「第二回さが農業女子サミットin伊万里」におきましても、県内各地域からそれぞれ百五十人ほど女性農業者さんがお集まりになっておりましたが、参加しやすい環境づくりが大きな課題として共有をされておりました。  県では、昨年八月に策定された「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一九」におきまして、「次世代の担い手の確保・育成」を施策の柱に掲げ、女性農業者の経営参画を推進されていますが、今なお古い課題が残っている状態と言えます。  今年六月に公表されました令和元年度農業白書におきまして、女性農業者の活躍をテーマに特集が組まれておりました。その中で、働きやすさ、暮らしやすさのために、農村における意識の改革、そして、女性の活躍に関する周囲の理解の促進が必要との指摘がなされておりました。  そして、国では、今年七月二十九日に、これらの課題を解決するために、男女共同参画やワーク・ライフ・バランス、農業経営の専門家、そして、現場の農業者を委員とした「女性の農業における活躍推進に向けた検討会」が開催されました。これは平成四年に農林水産省初の女性行動計画である「農山漁村の女性に関する中長期ビジョン」が策定されて以来初めてのことで、参加の委員からも画期的な取組と評価をされております。  これらの動きを見て、この課題は佐賀県だけでなく、全国的に今も残る課題で、女性農業者の活躍を考えるとき、いまだ切り離せない問題なのだと認識を深めました。  さて、県におきましては、男女ともに参画する社会づくりを推進するため、男性の意識改革や、家事、育児への参加推進などの各種施策に取り組まれています。仕事と私生活の両立が可能な職場づくりをするイクボスを表彰したり、妻が妊娠期の男性に働きかけ、男性の家事や育児への参画を促す「マイナス一歳からのイクカジ推進事業」などが代表的なものです。  この施策の効果が農業の分野にも及んでいればと願うところですが、もともと多くの農家は家族経営で、就業と生活が密接不可分という特殊な環境です。経営主の多くは男性で、その意向や考えが農業経営だけでなく、農家の生活面にも大きく影響を及ぼし、構造的に女性が活躍できにくいのではないかと考えられます。このことから、特に重点的に取り組まなければいけない分野と言えると思います。  本県農業の振興、発展を図るためには、農業就業人口のおよそ半数、四八%を占める女性農業者により参画していただき、活躍していただくようにするのが重要です。農業白書でも、農業経営体における女性の経営への関与の割合と収益の増加には相関関係があると、右肩上がりのグラフではっきりと示されておりました。  私も女性農業者の皆様とじかに接しまして、とにかく体にいいもの、そして、おいしいものをお客様に食べていただきたい。ほら、こうすると、開けたときにうれしいでしょう。配送の箱詰めにもお手紙を入れたり、葉っぱを敷いたりと、様々な工夫をされたり、そして、お客様をリピーターに育てていくという意識をしっかりと持っていらっしゃいます。  経営面では、例えば、失恋休暇などすてきなアイデアを出され、社員を守り、そして農村を守り、すばらしい景観をつくり出されている。まさに佐賀県において太陽のような存在で、彼女たちが消費者とのつながりを見詰めながら、佐賀農業の未来を豊かにしてくれるのではないだろうかと期待をしているところです。  本県におきましては、女性農業者を育成するために、就農初期から段階に合わせた栽培技術や経営管理に関する研修会や交流会など手厚く開かれていると聞き及んでおります。そもそも活動時間の確保ですとか、研修会などへのアクセスに特有の課題が残るため、農業分野を取り巻く環境に合った一手を打ち、女性農業者が働きやすく、暮らしやすい環境整備の取組を今後さらに推進していく必要があると考えます。  そこで、次のことについてお伺いをいたします。  一点目として、女性農業者の活躍推進についてです。  六月二十二日に、知事広聴事業「山口知事のさー行こう!!」におきまして、知事と「カチカチ農楽(のら)が~る」の皆さんとの意見交換会が行われたと聞いております。  改めて御紹介いたしますと、「カチカチ農楽(のら)が~る」、「のら」は農業の農と楽しいという漢字を組み合わせたものですが、「カチカチ農楽(のら)が~る」は、農業で楽しく活躍をする女性の姿を広く周知し、職業として農業を選択する若手女性を増やそうと自発的に組織された団体で、全国でも注目を集めています。  参加された皆さんは、思いや取組を直接知事に伝えられ、これからも頑張っていく思いをさらに強くされたと伺っております。  もとより現場主義を掲げる山口県政は、現場の声を大切に敏感に取り組まれると思っておりますので、私からも環境づくりに係る現場のお声、女性農業者からの提案をお届けさせていただきます。  それはパートナー賞を創設してもらえないだろうかというものです。賞の名前は仮称です。これはサポーター賞ですとか応援賞と言い換えてもいいかもしれません。自分の活躍は、パートナーたる配偶者ですとか、御家族、社員など周りの理解と協力あってこそ、自分たちが表彰されるときには併せてパートナー賞のようなものを贈ってほしいとの御提案です。  このお声、出事に出やすくするための解決策として複数の方からお聞かせいただきましたので、私も七月に「カチカチ農楽(のら)が~る」の総会にお招きをいただいた折に「皆様はどう思われますか」と伺いました。メンバーの中にはシングルの方もいらっしゃいますし、自分が後継者となって農家を継ぐという方もいらっしゃいます。皆さん理解し、支えてくださる方は要ですので、それはいいと一様におっしゃり、いろんな意味で活動しやすくなるとお話が盛り上がりました。  これには支えてくれる、あるいは好きにさせてくれる、周りへの感謝という何とも美しい心と、もう一つ、農家さんならではの現場から生まれた妙案が詰まっております。皆様嫁いで就農された方がほとんどで、義理の御両親と一緒に作業をされたり、同居をされたりしていらっしゃいます。まず、この賞が配偶者に贈られた場合、配偶者は御機嫌になり、ますます自分たちは活動がしやすくなる。さらに、息子さんが理解ある人として立派に表彰されたなら、義理のお父様、お母様もお喜びだろう。ますます自分たちは活動しやすくなる。気持ちよく出してもらえる。妙案でございます。生きる知恵でございます。  そこに加えて、全国的に女性農業者活躍のための環境づくりが求められる中、佐賀は現場の声を生かしてこんなことをするんだよと話題になれば、なお女性農業者の活躍に向けた機運の醸成につながりますし、ああ、あの人のように行ってよかよ、行ってきんしゃい、言えばよかとねと、農業分野における男女共同参画のロールモデルが育つことにもなります。ロールモデルが出たところをモデル地区に選定してもらえたら、出席率アップを目指してさらに出やすくなるなど、お話し中、皆様の夢はさらに膨らみました。  決して自分たちがもらうわけではない。自分を応援してくれた周りの人たちのための賞の創設というのは、男女共同参画の意識改革が進まない人たちを責めるのではなく、できた人を褒めてさらに伸ばす、周りを温かく育てながら、自分たちもさらに伸びていこうというもので、日頃から現場で育てるということをなさっている皆様ならではのアイデアだなと私も感じ入った次第です。  中には、表彰式のときに知事にお伝えしたら、それいいね、やろうと言ってもらえたと、数年前のことをお話しになる方もいらっしゃいました。このような現場のお声の考えも含めて、女性農業者の活躍推進について知事の御所見をお伺いいたします。  女性農業者の皆さんの中には、ラジオを聞きながら作業をされる方もいらっしゃって、今日はこちらの中継をお聞きいただいているようですので、気持ちにぱっと花が咲くような御答弁をいただけたらと願うばかりでございます。  そして二点目、女性農業者の活躍推進に向けた環境づくりについてです。  農村地域や農業に人材を呼び込み、佐賀県農業を持続的に発展させるためには、女性の農業経営への参画と地域農業に関する方針策定への参画の推進が重要です。県では、今後、女性農業者の活躍推進に向けた環境づくりの面においてどのように取り組んでいかれるのか、農林水産部長にお伺いをいたします。  それでは最後の問い、四問目に移ってまいります。  本日の一般質問も十時から始まりまして、今現在、三時間四十分ほどが経過したところですが、この間にも二人の赤ちゃんがこの佐賀県に生まれてきてくれています。あくまで計算上なんですが、一時間二十四分に一人なんですね。出産というドラマを経て、この佐賀県に生まれてきてくれた赤ちゃん。オギャーオギャーと泣いているでしょうか。すやすやと寝ているでしょうか。  あの小さな手足を思い浮かべながら、佐賀に生まれた子供たちの、そして育児に奮闘する全てのお母さんたちの幸せを願って、四問目は産後二週間健診について質問をさせていただきます。  産後鬱という言葉が世に出始めたのが七、八年前くらいではなかったかと記憶をしております。そして五年前、エビデンスもはっきりとしてきて、NHKのニュースで、世田谷区でこれに特化した取組が始まったという報道がなされ、これは本当にいい取組だなと感心して見た記憶がございます。  それから月日は過ぎまして、先日は新聞で子供が生まれて一歳になるまでにメンタルヘルスに不調を感じる父親の割合が母親とほぼ同じくらい。両親とも不調の世帯が推計で年間三万世帯に上る可能性があると国立成育医療研究センターの調査結果が報道されておりました。  俺たちのときはそんなことはなかったばいとおっしゃるかもしれませんが、二〇一〇年以降、イクメンブームとなり、今のお父さんたちは勤務時間もそのままに家事や育児をよくなさっている。働き方改革が必要との指摘がされておりましたが、今日は、まずはお母さんたちをどうやって救うかについてでございます。  妊娠や出産は、女性にとって喜びも大きいことですが、この間、メンタル面では大きな変化をしております。妊娠したら母としての気持ちが芽生え始めるとともに、身をもっておなかの子を守らなければならないという圧倒的な責任感が生まれます。そして、予定日が近づくにつれ、出産とは母子双方の命がかかった重大な仕事だとひしひしと感じ、出産後、やり遂げたという達成感があったりなかったり、これは出産はドラマがいろいろありますので、あったりなかったりですが、無事生まれてくれてよかったと母親としての誇らしげな気分になったりするのですが、そこから生活は一変いたします。育児は予測不可能で、二十四時間休みなし。いつ泣くのかな、いつ起きるのかな、息しているかなと。疲れはたまりますが、それでもなお子供を守らなければ。泣き声に敏感になったりもいたします。また、おっぱいが出ない。よく吸ってくれないなどの心配事も出てまいります。  身体的には、ホルモンバランスが急激に変化をしています。加えて、昨今の核家族化の進展、地域のつながりの希薄化もありますし、以前と比べてシングルマザーやステップファミリーも増えるなど、家族を取り巻く環境は多様化しています。また、出産年齢も上がっているため、実母が高齢で支援を受けられなかったり、職場での人間関係のストレスなどから、もともとメンタル面の不調を抱えている方も増えています。  そうして子育てに追われる中、不眠、疲労感、気持ちが落ち着かずいらいらする。自分を必要以上に責める。子供をかわいく思えないなどの産後鬱の症状に見舞われます。日本では、少なくとも一〇%前後の産婦さんがこの病気にかかり、出産から二週間後をピークにリスクが高まることも国の調査で分かってまいりました。  現在、出産後の健診というものは生まれてから一か月後が一般的です。つまり、入院中に沐浴ですとか授乳などの指導は受けますが、退院した後は出歩くのもままならない中、家の中にぽつんと母子二人だけになることが多いんですね。産後鬱は、いわゆるマタニティーブルーと違い、対応が遅くなれば深刻な事態も考えられる疾患です。近年深刻化する児童虐待や育児放棄につながる危険もはらんでいるため、その予防の重要性が指摘をされています。  そんな中、佐賀市では、平成二十九年度から産後鬱の予防や乳幼児への虐待予防を図ることを目的として、市内の産科医療機関への委託により産婦の産後二週間健診を実施されています。  出産したお母さんたちは、出産後二週間たった頃、赤ちゃんと一緒に産科医療機関へ出かけ、赤ちゃんの発達の確認を受けるとともに、産後鬱病のスクリーニングを受けます。これは国際的に普及している「エジンバラ産後うつ病質問票」──EPDSに記入をしてもらい、産後鬱のリスクが点数化されるものですが、この質問票を用いたり、丁寧な聞き取りをされて、心身のケアが必要かどうかのあぶり出しをされます。  そこで産後鬱の傾向が高いと判断された方、また十代の産婦さんなどフォローが必要とされた方を、数日のうちに市から委託を受けた助産師さんが訪問されまして、産後ケアと呼ばれる個別支援を実施されています。授乳の指導ですとか、育児相談に乗ったり、母親に寄り添った心身のケアが行われています。こうした取組の結果、産後一か月健診で産後鬱の傾向が高い方の割合が半減、あるいは半減以上というこの事業の効果がはっきりと出ております。  御担当の市の保健師さんたちにお話を聞かせていただきましたが、産婦さんに対する聞き取りも大変丁寧なもので、家族関係などの状況の把握などもしっかりとされていて、産科医療機関から佐賀市、そして佐賀市から助産師さんと、こうした連絡を、即日ですとか非常にスピーディーに行われ、二週間健診の後、フォローが必要と判断された方にはなるべく早い時期に産後ケアが行われる仕組みが構築されておりました。  二人目を妊娠された方からは、一人目のときは助産師さんに訪問してもらったおかげで助かったと言われたとも伺いました。実は、私はこの気持ちがリアルに分かります。  これから赤ちゃんをお産みになる方にはできるだけポジティブなイメージを持っていただきたいなと思っておりますので、あまり話したことはないのですが、私も退院して実家から自分の家に戻った後、夜、眠れなくなったんですね。今、武藤議員がうなずいてくださいましたけれども、夜、汗が噴き出しまして、何も原因はないのに眠れなくなってしまいました。これはどうしたものかと。でも、やっぱり出かけたくはない時期なんですね。でも、何とかそこを家族に引っ張り出されまして、専門家とお話をさせていただく機会がございました。薬も処方されたのですが、行っただけで、お話を聞いてもらえただけでぱたっとやんだんです。この時期、リスクがあぶり出されるのは一〇%から二〇%ですが、それ以外の方が大丈夫というわけではなく、およそ七割の産婦が様々な悩みを抱えていると言われています。  今日、四人、そして二人の子を持つママさんたちも傍聴に来てくださっているんですが、お聞きしたところ、この時期、みんながメンタルがどうにかなっているんじゃないかというように言っていらっしゃいました。暗闇の中、どうすればいいか戸惑うお母さんたちを本当に救う事業だと私は思っております。  さて、令和元年十二月の母子保健法の改正によりまして、出産後一年を超えない女子及び乳児に対する産後ケア事業の実施が市町村の努力義務として法定化されました。このままいきますと、出産後一年が経過するまでに産後ケアをすればいいということになりますが、産婦さんがメンタルの不調を来すピークは産後二週間です。ここで健診を行い、不調を抱える方には早期に支援の手を差し伸べることこそが重症化を防ぐ非常に重要なポイントとなります。  重症化しますと、自殺のリスクが高まります。育児放棄や虐待にもつながると言われております。虐待を受けた子供の脳には器質的な変化が起こることが近年相次いで報告をされております。まさに二つの命を救うため、産後二週間、この健診と早期の産後ケアがセットで実施されるべきと考えております。  実施主体の市町には、マンパワーや予算などで差があるところだと推測をされますが、県として市町の後押しをしていただきたいと思います。同時に、地域によって産後ケアの中身、そして開始の時期に格差が出ないよう下支えをしていただきたいと思っております。そして、できることなら精神科医など専門医ともつなぐ県独自の体制なども構築していただければと願っております。産後二週間健診は、お母さんと子供二つの命を守る非常に重要な事業だと考えます。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  一点目、現状と課題についてです。  産後二週間健診の現状はどうなっているのか。また全市町に取組を拡大する場合の課題として何があるのかお尋ねをいたします。  二点目は、今後の取組についてです。  課題を踏まえ、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、男女参画・こども局長にお尋ねをいたします。  そして三点目、知事の思いについてです。  出産、子育てというライフイベントが生じたときに周囲から温かく受け入れられ、そして必要な支えを得られることは、出産、子育てで大変なお母さんたちに、ここに住んでよかったと心から思ってもらえることにつながると考えております。  お母さんと子供二つの命を大切にするという意識が、この佐賀県全体で深く共有され、格差なく取り組まれることは、これから結婚、子育てをしようとする若い世代が…… 29 ◎副議長(岡口重文君) 一ノ瀬裕子君に申し上げます。質問時間が残り少なくなっておりますので、質問は簡潔にお願いします。 30 ◎一ノ瀬裕子君(続)=はい。  これから結婚、子育てをしようとする若い世代が、結婚、子育てに対して前向きなイメージを持てる、そしてまた出産を迷われているお母さんたちの背中を押したり、出産したお母さんにはもう一人産みたいなと思ってもらえる、まさに佐賀県で子育てしたいと思ってもらうことにつながると考えております。  全市町で産後二週間健診を実施することは、まさに「子育てし大県”さが”」にふさわしい取組だと思いますが、知事の思いをお尋ねいたします。  質問は以上四点でございます。御答弁よろしくお願いいたします。(拍手) 31 ◎山口知事 登壇=一ノ瀬裕子議員の御質問にお答えいたします。  まず、情報発信について、様々な提言をいただきました。ありがとうございます。佐賀県政は公開で対策本部などを行っております。裏がないということで、ミスがあってもすぐ修正するということが県庁職員にしみついているのかなと思います。私はこうした姿勢が県民の信頼関係の醸成に役立っていくというか、構築できていくんではないかと固く信じております。  まず、女性農業者の活躍推進への思いについて答弁申し上げます。  この農業というのは大変なことでありまして、昔からそこに嫁ぐと大変だという話で、今もそれは大変なわけですけれども、御指摘いただいたように、就業と生活が非常に近いところで行われていますから、密接不可分であります。農家の奥さんはとても大変です。早朝から作業もあるけれども、家庭の面倒も見らんばいかぬというようなことで、大変頭が下がります。  ただ、そこにはやはり佐賀県も他県と同様にもんだ症候群、女性はこうしたことをするもんだというのがどうしてもあったのかなという気がいたします。少なからず、それは今でもあるのかもしれません。  これから佐賀県の農業を盛り上げていくためには、農業は楽しいという形を今農業に従事している皆さん方が感じて、それを発信されて、若い人たちが、じゃ、僕らもやってみたい、何か成果が出たりするし、何かサラリーマンのようにうるさい上司はいないしというようなことで、農業はいいなと。しかも、みんなに役立っていると、そういうふうな気持ちになってもらうようにするためには、そこにおられる女性の思いというものを大切にしなければ、そうした世界は成り立たないわけでありまして、私も一ノ瀬議員の思いと一緒であります。  そして、私はこうした状況の中で、農業を夫婦ともに頑張っている姿を応援したいというかねてからの思いがありました。  毎年、佐賀農業賞というのを行っているわけなんですけれども、私が知事となった以降は、経営主だけではなくて、夫婦連名で表彰したいので一緒に来ていただけないかということで、今ほとんどの方は夫婦で来られて、連名で一緒になって表彰するような形になっています。  私自身、妻が夫を支える、あるいは夫が妻を支えるという、片方のものではなくて、双方向にお互いを支え合うパートナーであってほしいという思いを持っておりまして、そういう意味では、これもパートナー賞であると思っています。  もう一方で、農業経営を支えるパートナーとしてだけではなくて、これからの時代、女性の感性や能力を生かし、そして、マーケットの状況などにも大変敏感でございますので、そういう女性農業者の活躍というものは佐賀農業の振興を図っていく上で重要だと考えています。ですので、女性が専ら経営主で、夫はサラリーマンでも全然構わないと私は思います。そういうようなことで、昨年は「女性の活躍部門」を佐賀農業賞で創設をしたわけであります。  議員から御指摘があった「第一回さが農業女子サミット」へも出席しました。それから、「カチカチ農楽(のら)が~る」も訪問しましたし、農業青年・農業女子の「男女七人『春』ものがたり」という意見交換会を実施しておりまして、若い人たちがどういう思いでこれから佐賀県の農業を支えていただけるのかというようなことを意見交換しております。  その中でも、新しい商品やサービスの開発、例えば、鶏の餌にレモングラスを給与したりとか、白いバラを灰色に染色したりというような話もありました。また、新たな市場の開拓のためにフラワーアレンジメントを男性に熱中してもらってもいいんではないかというような取組を行ったりもしています。私はこういった伸び伸びとチャレンジする女性農業者の大きな可能性を実感しております。  そして、「さが園芸生産888億円推進運動」というのを今やっておりますけれども、この佐賀県の新しい農業を目指す上でも女性農業者の活躍は不可欠だと考えています。そのために、女性を対象とした栽培技術に関する研修会による農業経営の参画の促進、さが農業女子サミットをはじめとする女性農業者同士のネットワークづくりの推進などの施策を展開して、女性農業者の支援に取り組んでいきたいと思っています。  なお、女性農業者が活躍するためには、それぞれの家庭での家事や育児の負担を軽減するなど、農業分野には着目しつつも、女性が働きやすい環境を整えることは大切だと考えています。そのための県の取組の詳細につきましては、農林水産部長から答弁させます。  続きまして、産後二週間健診の実現に向けた思いについてお答え申し上げます。
     私は、知事就任一年目から楽しく子育てをしてほしいという思いで、これまで出会いから結婚、妊娠・出産、子育ての各ライフステージに応じた「子育てし大県”さが”プロジェクト」に取り組んでまいりました。  平成三十一年四月に佐賀とキャンプ協定を結んだフィンランド、来年オリ・パラが開かれますと、佐賀にまた来ていただくことになっておりますが、このフィンランドに訪問したときに、ネウボラ、出産・子育て家庭サポートセンターというものを視察に行きました。このネウボラというのは、フィンランド語で言いますと、助言、アドバイスという意味らしいです。そして、このネウボラは妊娠期から出産、就学前までの間、切れ目なく母子及びその家族を支援する施設を持っています。そして、妊娠期の健診、保健指導などの医療的支援を実施して、一家族を一人の保健師が担当して、長期にわたる信頼関係を構築することになっています。ですので、担当の方がずっといて、いつでも相談できるような体制になっているというところが極めて感動的というか、施設で、みんな本当にここを頼りにしているという話も承ってきました。  ネウボラのように、妊娠期から何かあったらいつでもすぐに相談できるんだという体制って、どれだけ心強いんだろうと思います。よく知っている人から切れ目なく支援してもらえるという安心感も大きいと実感しています。  一ノ瀬議員からは、メンタルの問題が非常に大きいと聞いております。いつでも聞いてもらえる人がいるって大事なんだなということを今日改めて議員からも承りました。  そして、我々は「子育てし大県”さが”プロジェクト」として、県では「マイナス一歳からのイクカジ」というのを呼びかけて、妻の妊娠期から夫も家事、育児へ参画、一緒に子育てをスタートすることを推奨しています。  えてして、私も自己反省しているんですが、子供が生まれてからだと勘違いしている男の人も多いので、妊娠したときから様々な不安というものに一緒になって向き合わなければいけないということであります。  出産不安や出産直後の子育て不安を解消するために、妊娠期から切れ目のない支援を行うことが重要です。しかも、できれば子育てが楽しいと思っていただきたいと思っています。  ただ、ここからが課題です。日本ではフィンランドと違いまして、妊娠期に健診に行くのは産科医療機関です。そして、母子手帳の交付や子育ての相談支援を直接担当するのは市町になります。市町においても、妊産婦に接する機会が少ないために、支援を必要とする方の情報が直接把握しにくい悩みがあると聞いています。  そこで、産後健診に取り組むことができれば、産科医療機関とつながりますから、支援が必要な方が早い段階で分かって、その後のサポートにつなげていくことができるわけですから、産後健診は大変重要な取り組みだと思います。今後、このネットワークをしっかり、ネットワークというか、この体制を組んでいくためには、やはりマンパワーの問題と、それがネットワークされるということが課題だと思っています。  議員御提案の産後二週間健診を含む産婦健診、そして産後ケアなど、妊婦期から産後の一貫した支援が県内に広がりますよう、県として後押しを行い、市町と一緒になって進めていきたいと思います。  今後の取組など、詳細は局長から答弁させます。 32 ◎進政策部長 登壇=私からは、県民一人一人に届く情報発信につきまして御答弁申し上げます。  新型コロナウイルス感染症対策は、県民の身体、生命、財産に関わることであり、一人でも多くの県民に適切な情報をタイムリーに届けることが重要と考えております。  そのため、まずはできるだけ多くの県民が情報にアクセスできる環境を整えるということが大切だと思っております。  そこで、県では、幅広い世代に情報を届けることができる新聞、テレビなどのマスメディアを活用するとともに、若い世代が多く利用するSNSも活用しまして、それぞれのメディアの特性を生かした情報発信を実施してきたところでございます。  その上で、せっかく届けた情報が分かりにくい、どこにあるのか分からないといったことでは、これは意味がありません。例えば、佐賀県ホームページについては、多くの情報が掲載されておりますので、今届けたい情報が埋もれてしまわないように、例えば、新型コロナウイルス感染症関連につきましては、トップ画面にバナーを貼るなどして工夫をしているところでございます。  また、県民により分かりやすく情報を届けるため、県民だよりや佐賀県公式SNS等につきましては、まずは情報の入り口として分かりやすく簡潔な表現として、その上で詳細な情報を知りたい方にはQRコードやURLを掲載することで、佐賀県ホームページに誘導するということなど、情報発信については創意工夫を行ってきました。  SNSにつきましては、よりダイレクトにタイムリーな情報が届けられますので、効果的な情報発信ツールだと認識しております。どんな内容か一目で分かるように発信タイトルをつける、また県民へのメッセージなど重大な発表を行う際には事前告知を配信するなど、より多くの方に発信した内容が分かりやすく的確に伝わるよう工夫を行っているところでございます。  ただ、議員御指摘のように、このSNSにつきましては、登録者数を増やして、より多くの方に見てもらうということが課題だというふうに思っております。  この夏に、広報広聴課に学生さんにインターンシップに来ていただいたんですけれども、二週間だったかな、来ていただいて、最後の日に報告をしてもらったんですね。その際に、今後の広報の在り方ということで学生さんの目線で報告をしてもらいました。その際にも、昔はテレビ、ニュース、新聞からウェブでというのが言われていましたけど、今はニュースなどはウェブすら見ずに、全部SNSで見ますと。例えば、観光地に行っても全部SNSで情報を見ますと。ですから、そういったところをもう少し強化してもらわないと、今の大学生に刺さりませんよというふうに言われまして、すごく何か改めて勉強させてもらったというか、今どきの感覚、感性というものを教えていただいたなというふうに思ったところでありました。  この登録者数を増やすために、県としましては、現在、SNSを活用して情報発信をしているということ自体をまず知ってもらうということはもちろんですし、県のSNSが分かりやすい、登録していると便利だなというふうに思っていただく、そういうイメージを定着して広げていくということにしっかり取り組んでいかなくてはいけないと思っております。  先ほど申しましたとおり、いろいろと取り組んでいるところではございますけれども、情報発信の方法をさらにブラッシュアップしていくことが、結果的に登録者数を増やしていく近道ではないかと考えております。  今後も、あらゆる情報発信ツールを効果的に活用し、また、届ける相手に合わせた的確な表現などの工夫を行いまして、できるだけ多くの県民に、それぞれの立場や場面場面で必要とされる適切な情報が分かりやすく届けられるよう、県民目線、受け手目線の情報発信に取り組んでまいります。  以上でございます。 33 ◎大川内健康福祉部長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症に係る情報発信についてのうち、市町職員への研修についてお答えをさせていただきます。  新型コロナウイルス感染症については、新型であるがゆえに、臆測も含めて様々な情報が錯綜している中、効果的な感染防止対策が行われるためには、一人一人が感染症に関する正しい知識を持って行動することが重要というふうに考えております。  そうしたことから県としましては、これまでホームページや新聞広告、県民だよりなど様々な媒体を活用した普及啓発のほか、団体や企業等の要請に応じて、講習会等での講師や相談対応など、そういったものを行ってきたところでございます。  こうした中、議員から御紹介ありましたが、先月、GM21で市町職員への研修についての要望がございました。その後、八月二十七日に佐賀中部保健福祉事務所におきまして、管内の市町職員も対象にして、佐賀中部保健福祉事務所の医師でございます保健監、それと、国立病院機構佐賀病院の感染管理認定看護師さん、この二人を講師に、新型コロナウイルス感染症の基礎知識や感染状況など、そして、避難所における感染症対策について研修会を開催いたしましたので、これを当日参加しておられなかった市町の職員にもぜひ聴講していただきたいというふうに思いまして、この研修会の映像をDVDにいたしまして、先週、全市町に配布いたしました。今後、各市町において、これを研修教材として活用していただくこととしております。  今後とも、こうした取組も含めまして、感染症の専門家等関係者と連携いたしまして、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識の普及に努めていくこととしております。  以上、お答えいたします。 34 ◎池田農林水産部長 登壇=私からは、女性農業者の活躍推進の環境づくりについてのうち、知事の先ほどの答弁を補足して、女性農業者の活躍推進に向けた環境づくりについてお答えをいたします。  農業の経営形態の中で主流を占めます家族経営は、家族一人一人がお互いに個性と能力を認め合い、協力して営農を行っていくことが重要でございます。そのためには、男女の隔たりなく、農作業と家事、育児、介護などの生活面につきまして、家族内で役割を明確化していく必要がございます。  こうしたことから県では、市町など関係機関と連携いたしまして、家族の話合いにより問題点を共有し、経営方針や農作業の役割分担、また給与や労働時間、休暇などを盛り込みました家族経営協定の締結を推進しているところでございまして、その家族経営協定の締結数は、平成二十年の千百七十二件から、令和二年には千三百九十八件と約二〇%増加しているところでございます。  また、農業の重要な担い手であります女性農業者のネットワークづくりや経営参画を推進するため、知事答弁と一部重複いたしますけれども、さが農業女子サミットや女性農業者グループ同士の圏域や地域を超えた交流会の開催、あるいは女性農業者のリーダーを育成するための全国や九州段階での研修会への派遣、農業改良普及センターが中心となって、女性を対象とした栽培技術や経営に関する研修会の開催、さらには六次産業化など経営の多角化への支援、こういったものに取り組んでいるところでございます。  こうした取組に加えまして、今後は主に経営主でございます男性側の意識改革も重要でございますことから、地域のリーダーである農業士による経営主に対する啓発活動、さが農業女子サミットへの男性農業者の参加促進、女性農業者の経営参画を推進するモデル地区の設置などにも取り組みまして、女性農業者が働きやすい環境づくりをしっかり進めてまいります。  以上、お答えいたします。 35 ◎山下危機管理・報道局長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症に係る情報発信についての質問のうち、対策本部会議と県民への情報発信についてお答えをいたします。  この対策本部と名がつくものは、コロナに限らず様々あるわけでございます。そして、対策本部会議といいますのは、基本、知事、副知事以下、全部局長が出席し、現状についての情報共有や対策等の協議を行う場ということになりますけれども、加えて佐賀県におきましては、災害対策本部会議もそうですけれども、全て公開ということでやっておりまして、これは公開することで県民への情報発信、県の思いや考えを県民に伝える重要な場ということにもなってまいります。  これまで四十回、コロナ対策本部会議を開催してきましたけれども、常に県民への情報発信ということを意識して開催してきました。  新型コロナウイルス感染症は、県民の命や身体に関することでありますので、県内の感染状況や県の対応、県民の皆様にお願いすることなどはできるだけ迅速に、そして、丁寧に分かりやすく伝えることが重要になってまいります。  対策本部会議の情報発信につきましては、当初不十分で、反省すべきところもいろいろございましたが、回を重ねる中で改善してまいりました。  具体的には、議員からも紹介がありましたけれども、対策本部会議の様子は、市町向けには防災行政無線で、県民向けにはユーチューブ等を活用して、リアルタイムで配信してまいりました。そして、資料は文字ばかりでなく、できるだけグラフやイラストを用いて分かりやすくする。特に重要なものはフリップを使う。感染状況を知らせるコロナウイルスボードは数字だけでなく、色でも周知をする。そして、会議終了後は速やかに県のホームページのトップ画面にこれらの情報を掲載するなど、工夫をしてきたところでございます。  また、聴覚障害者団体からの要望もありまして、手話通訳の導入、会議録の全文掲載と併せて、要約筆記による要約版を高齢者にも読みやすい大きな文字で県のホームページに掲載するなど対応し、団体のほうからも一定評価をいただいているところでございます。  新型コロナウイルス感染症対策は、県民の皆様の協力なしに効果的な対策を行うことは難しいと考えています。今後も県民の皆様と情報を共有しながら、これに対応していくため、スピード感、分かりやすさに意を用い、様々工夫もしながら、情報発信に努めてまいります。  私からは以上でございます。 36 ◎田中文化・スポーツ交流局長 登壇=私からは、ウイズコロナ時代の文化芸術の振興についてとの御質問にお答え申し上げます。  まず、ウイズコロナ時代の文化芸術の振興にどのように取り組むのかという点でございます。  議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で文化芸術の催しが立て続けに中止、縮小されており、発表の場を奪われていることは全国的な傾向でございます。  文化芸術に携わる方々のみならず、それを支える音響、照明などの業界関係者の方々、そして、何よりも文化芸術に触れることを楽しみにされている皆様にとってつらい状況が続いておりまして、このことは本県でも同じ状況であると認識しております。  文化芸術は、人々に楽しさや感動、精神的な安らぎや生きる喜びをもたらしまして、ゆとりと潤いを実感できる心豊かな生活を実現する上で不可欠なものであると考えております。今のコロナ禍の中にあっても文化芸術の灯を絶やさず、未来につないでいけるようしっかりと環境づくりをしていきたいと考えております。  このことから、コロナ対策予算の一つとして、五月議会で「新しい文化芸術表現モデル創出事業」をお願いいたしました。  コロナ禍という困難な中にあっても、それを越えて、文化芸術の力で私たちの豊かな暮らしを取り戻していこうというメッセージを込めまして、「LiveS Beyond」と命名し、現在、無観客や少人数の観客を入れて行うライブや公演と、生配信や録画配信などのインターネット配信を組み合わせまして、リアルとオンラインを融合させた文化芸術祭として展開しています。  クラシック、ロック、ジャズ、佐賀にわか、能、キッズミュージカル、吹奏楽など、現在、県内でエントリー数は百十ございまして、現在、三十プログラムを配信しております。  次に、この秋の「佐賀さいこうフェス」などのイベントについてどう取り組むのかというお尋ねがございました。  毎年十月に開催しています県主催の「佐賀さいこうフェス」、「さが維新まつり」につきましては、例年たくさんの方を集めております。  今年度につきましては、さすがにこのようなコロナ禍の中にありまして、やるかやらないか、本当言うと正直悩みました。  ただ、県内外の感染拡大の状況を慎重に見極めながら、規模を一定程度縮小する、時間を短くする、事前予約制を取る、三密を避けるなど感染防止策に留意しながら、また、工夫しながら開催することにいたしまして、現在準備を進めております。  このコロナ禍の中にあっても、多彩な文化芸術にリアルに触れる機会をつくり出すことにチャレンジし、イベント継続に向けた一つのモデルケースとしてお示しできればなと考えております。  また、十一月に開催を予定しています佐賀県伝承芸能祭、これにつきましては、地域の祭り自体が開催されなくなったことで地域での練習ができなかったなどの理由から、当初出演予定だった十五団体を現在十一団体に縮小いたしまして開催するように準備を進めております。三密に注意しながら、十一月二十三日に佐賀市文化会館大ホールで開催する予定でございます。  一方、今年度は県立の各博物館等が開催いたします各企画展につきましては、基本的に開催をしております。先ほど議員から御紹介がありました県立博物館開館五十周年の展覧会でございますが、「THIS IS SAGA」と銘打ちまして、「二つの海が世界とつなぎ、佐賀をつくった」という副題で、今週の金曜日、九月十八日から開会することとしております。  既に県内の小中学校の社会科見学とか、修学旅行等での見学予約が五十校程度入っておりまして、三密とならないように十分に配慮しながら対応を図っていきたいと考えております。  新型コロナウイルス感染症の影響は今後どのようになるのか、先が見通せないような状況ではございますが、文化イベントをはじめとした文化芸術の振興につきましては、感染状況の大きな変化がない限りにおきましては、感染拡大防止策を適切に講じながら様々な工夫を行って、チャレンジする意識を持って積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 37 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=私からは、産後二週間健診についての御質問のうち、現状と課題、今後の取組についてお答えをいたします。  初めに、現状についてです。  産後二週間健診は、出産後間もない産婦の身体的機能の回復や授乳の状況の把握、議員からも御紹介がありましたように産後鬱に関する質問票を用いました精神状態の把握などを行うもので、県内では現在、佐賀市、基山町、みやき町の三市町が費用の助成を行っており、産科医療機関に委託し、実施をされております。  健診を通して支援が必要な産婦を把握した後に、心身の不調や産後鬱の傾向がある方、それが深刻な状況になることを防ぐために、その支援が必要とされた方に対して、心身のケアや育児サポートを行う産後ケアと併せて実施することが重要となります。  議員から御紹介のあった佐賀市では、健診後の産後ケアにも取り組まれており、産科医療機関や小児科、助産師会などの関係機関と連携して実施することで、お話にあったような効果が出ていると私どもも聞き及んでおります。  このような佐賀市の取組は、妊娠期から子育て期への切れ目のない支援の県内の先進例として大変参考になると思っています。  今年二月に県内の全市町の母子保健担当者、県の産婦人科医会長、助産師会長などによる会議を開催しまして、佐賀市から取組の報告をしていただき、産後二週間健診や産後ケアについて意見交換を行ったところです。  取組に向けた課題についてですが、産後ケアをやりたいと思っても、市町によっては活動できる助産師が不足している。市町によって体制が異なり、保健師も不足しているところがある。産後二週間健診や産後ケアに関わるスタッフの人材育成が必要である。妊産婦の支援を行う民間施設等の社会資源の不足や偏在があるため、実施するためには市町の域を超えた契約の広域化が必要といった意見がありまして、これらが課題というふうに認識をしております。  今後の取組についてですが、現在、市町や関係機関から取組に向けての意向を聞き、意見交換を行っているところです。  先ほど申し上げました人材不足などの課題に対して、また、関係機関とのネットワーク構築に向けて、県としてどういった支援ができるか、どういった後押しができるかを考えまして、産後二週間健診をはじめ、妊産婦への切れ目のない支援を行い、その支援が県内で広がるよう環境を整えてまいりたいと思います。  私からは以上でございます。 38 ◎八谷克幸君(拍手)登壇=自由民主党の八谷克幸でございます。  質問に入ります前に、まずは新型コロナウイルス感染症の対策に日夜御奮闘されております医療関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。と同時に、昨年の八月の豪雨災害、そして、この感染症、今年の大雨災害と、日夜またいろんな御苦労をいただきました県職員をはじめ、関係行政機関の皆様に対しましても厚く御礼を申し上げます。大変お疲れさまでございます。  それでは、私も五つの項目を通告をしておりましたが、やはりコロナ関係のことが中心でございます。まず第一点目に、コロナ発生後の農業振興についてお尋ねをいたします。  我が国の農業は、四百四十万ヘクタール、平均年齢六十七歳の百四十万人の基幹農業従事者によりまして、国民の命を育む食料の生産を含みます農業生産額九兆一千億円のほか、洪水防止をはじめとして、水源涵養、水質浄化、気候緩和、生物多様性、景観の形成、文化の伝承などなど、様々な多面的な機能を有していることは、改めて申し上げるまでもないと思います。  しかしながら、昨今の農業経営を取り巻く環境は、高齢化や後継者不足のほか、販売価格の低下、生産価格の上昇など厳しい環境にあります。  そして今、何よりも昨年末の中国湖北省の武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症の拡大は、インバウンドの減少や各種イベントの中止、飲食店などの営業自粛等により、一部の農産物では需要が減少し、価格が大幅に下落していることから生産農家の経営は誠に厳しい状態にあります。  このような事態に対処するため、県では国の事業を活用しつつ、県独自にタマネギや花卉、肉用牛を生産する農家に対する支援などを実施され、農業経営の下支えに努められているところであります。  一方、新型コロナウイルス感染症の拡大は、国民や県民の生活に大きな変化をもたらしました。  例えば、国では新型コロナウイルス感染症専門家会議の提言を踏まえて作成した新しい生活様式の実践例において、三密(密集、密接、密閉)の回避、「人との間隔は、できるだけ二メートル空ける。」、ソーシャルディスタンス、フィジカルディスタンス、また、「オフィスはひろびろと」などを示し、日常生活に取り入れてもらいたいと提案をされております。  しかし、そうした働き方のスタイルは、まさに農業の現場にこそ、その環境があると思っております。  ここ数年、都会の若者を中心に田舎や自然環境への憧れ、また、人が多く密集している都会から地方への人の流れ、いわゆるふるさと回帰という動きが生まれました。  特に、この佐賀県には移住希望者が増加するとともに、海外の中国からは佐賀の桃源郷を求めて、PM2・5などで汚れた肺をきれいにすることを目的にシーフェイ遊として大勢の観光客が訪れられたことは耳目に新しいところであります。  さきの日本農業新聞の首都圏での街頭調査によりますと、国内農業への意識がコロナ禍以前より大切に思うようになったと約四〇%の人が回答され、新型コロナ禍が農業や食料について深く考える契機となり、食生活に変化が現れているとのことであります。  また、輸入農産物に頼るのではなく、安全・安心な国産農産物を積極的に購入しようという動きも出てきております。まさに国内回帰、田園回帰、人間回帰の流れの中で、農業が生命産業として見直されております。  私は、このような新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとした動きを捉えて、本県農業の一層の振興を図っていくべきと考えております。  知事は、コロナ発生後の農業振興についてどのように取り組まれるのか、改めてお伺いをいたします。  次に二項目めは、水田農業の振興についてお尋ねをいたします。  農業の生産活動が県民生活に果たす役割や機能につきましては先ほど述べたとおりでありますけれども、農業の生産現場におきましては、その従事者の減少が深刻な状況にあります。中には農業者だけでは地域の農業を維持していくことは困難と思われるようなところも出ております。  こうした状況は、食料の安定供給だけでなく、農業の営みによる農村や集落の維持、特に畦畔管理などに見られるような収入とはかけ離れた景観維持作業、あるいは代々引き継いできた農業や農村の伝統的な文化や風習なども、これから維持、継承していくことは困難となっております。  また、最近では大雨、台風、相次ぐ気象災害に加えまして、従来ウンカ被害の出なかった北部の山間地域において被害が広がっているとの報道が八月の初めにあったところでございます。私も先週と、それから一昨日、管内の神埼市や吉野ヶ里町を視察いたしました。南部の平野部では防除作業は行われておりましたものの、顕著な被害はまだ見られませんでしたが、山間部におきましては目を覆いたくなるような悲惨な状況を目の当たりにし、ウンカ対策の緊急性を痛感したところであります。  今後、県において現地を確認の上、なぜこのようになったのかの原因究明と被害を軽減する対策をぜひともお願いしたいと思っております。  ここで議長の許可をいただきましたので、その惨状の写真を見ていただきたいと思います。(写真を示す)田面全部ですよ、一面。二枚ありますけども、全然一粒も取れません。皆さんにもぜひ見ていただきたいと思いまして、あえて出しました。いわゆるウンカの被害というのは、私も昨年やられましたけど、爆弾が落ちたような、まさに田の中にぼっと出てきます。そういうところに見えたら、対策をして防除作業をするわけですけども、今年はとてもとても、六回も七回もしたばいという山間部の状況ですが、今年の米、自家消費米がないと言われるような本当に異常なところといいますか、災害が本当にひどいというか、ウンカの世界では働き方改革は出されておりませんので、二十四時間営業でございますので、とてつもない速さで被害が進むわけでございます。ぜひとも対策をお願いしたいということ。  そして、いわゆるこれから先、集落維持が困難になるほど減少した農業従事者を確保するためには、県では今後、米、麦、大豆を中心とした水田農業の持続的な発展を図っていくためには、やはり所得をしっかりと確保できる経営体を育成していくとともに、一方では、小規模な家族経営農家が支え合って農村地域を守っていく取組も重要ではないかと考えます。  「さが園芸生産888億円推進事業」でも所得額アップ、「稼げる農業」を目指していただきました。しかし、基本的には主要農作物であります米、麦、大豆で何とか経営が成り立つような、そういったことをお願いしたいということでございます。その取組をぜひともお願いしたいということでございます。  そして、水田農業担い手につきましては、国におきましては青年就農支援の政策として、農業次世代人材投資資金、昔の青年就農給付金ですね、これだとか、例えば、外国人技能実習生の受入れ、企業の農業参入、あるいは農福連携などの施策を展開中でありますけども、水田農業の担い手確保が待ったなしの佐賀県農業において、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。  次に、農業基盤整備の再整備についてお尋ねいたします。
     担い手の確保に当たりましては、今後は農業基盤の再整備が必要と考えております。本県では、これまでに米、麦、大豆の作付を中心とした水田農業の振興を図るため、圃場整備事業等により区画整理や農業用用排水施設の整備が実施されてきました。私の地元であります神埼市小鹿地区では、地域の担い手である集落営農法人が区画の拡大や暗渠排水の再整備に取り組み、水稲の直播やキャベツの栽培、さらには六次産業化に取り組むなど、所得向上が図られているところがあります。  今後とも、水田農業の担い手を支援するためには、大型機械やドローンなどの先端技術を効率よく使用できるよう、圃場の区画を拡大するなど農業生産基盤の再整備が必要と考えますが、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。  三点目の質問でございます。高齢者のインフルエンザ予防接種の無料化についてお尋ねいたします。  地球規模で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染は、暑い夏を過ぎてもいまだその勢いは衰えず、感染拡大の一途をたどっております。一方、インフルエンザは例年十二月から三月にかけて流行しており、厚生労働省では今冬のこのコロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行を見据え、六十五歳以上の高齢者などの重症化しやすいリスクの高い人や医療従事者に対してワクチンの優先的な接種を呼びかけています。  一般的に六十五歳以上の高齢者や六十歳以上六十五歳未満の者であって、心臓、腎臓、または呼吸器の機能に障害があり、生活に極度に制限がある人などは重症化するリスクが高いとの報告があります。インフルエンザ流行前の高齢者のワクチン接種については、死亡の危険が五分の一、入院の危険が三分の一から二分の一まで減少することが期待できるとのことであります。  したがって、重症化のリスクの高い高齢者などには予防接種法に基づく定期接種として、本人の希望により、接種費用の一部を負担した上でワクチンが接種できることとなっており、県内では各市町で今年度設定している五百円から千五百円の自己負担額により接種が可能となっております。  現行ワクチンの安全性は極めて高いと評価されており、インフルエンザを予防する有効な方法とされておりますものの、この自己負担がネックとなってワクチンの接種率に影響があるとすれば、何とかその対策を講じる必要があると考えます。  先日の報道によりますと、大阪府では高齢者の重症化と患者の増加に伴う医療提供体制の逼迫を防ぐことを目的として、六十五歳以上の高齢者らに対し、インフルエンザワクチンの予防接種を無償化し、自己負担なしとすることが発表されたところであります。また、神奈川県も高齢者の無料化を追加補正の予定。岡山県も高齢者の費用助成を九月補正予算に計上する予定。あわせて、十三歳未満の子供を対象に全額補助といった取組がなされております。  つきましては、コロナ禍におけるインフルエンザの流行を防ぐためにも、佐賀県でも高齢者のインフルエンザの定期接種を無料化すべきだと考えますが、考えをお尋ねいたします。  次に、四番目の項目です。コロナ禍における自転車を活用した観光施策についてお尋ねをいたします。  私は、県議会に籍をいただきましたときから、佐賀県では自転車を利用した観光振興ができないものかと取り組んでまいりました。現在、我が国では自転車の保有台数は約七千二百万台と言われており、ほぼ自動車の台数と同程度と言われております。  その利用目的は、通勤通学をはじめ買物などの日常生活での利用、あるいはスポーツ、健康増進、環境保全など、その保有は増加の一途をたどっております。  平成二十八年十二月九日、議員立法による自転車活用推進法が衆参ともに全会一致で成立し、翌平成二十九年五月一日から施行され、これを受けて佐賀県においても現在、自転車活用推進計画のパブリックコメントが実施されるなど、自転車施策の大きな転換期を迎えていると考えております。  また、現在では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、先日も佐賀県生活衛生同業組合連合会から要望がありましたように、県内における観光業、ホテル、旅館、飲食業、交通をはじめとした各業界への影響は大きく、多くの事業者から切実な御意見、御要望をいただいているところであります。  私としては、今回のコロナの影響により観光客の観光に対する価値観といったものも少なからず変わってきていると考えており、密になりがちな都会に比べて地方が好まれることや、個人旅行などもより加速すると考えております。  このような中、自転車を活用した観光施策であるサイクルツーリズムは、地形的に平地も多く、適度な山と豊富な食を持つ佐賀のよさを十分に発揮することができると考えており、健康志向、地方回帰といったニーズがある今だからこそ、しっかりと情報発信をしていく必要があると考えております。  私も過去、自宅から佐賀市まで自転車で通勤した経験がありますが、大型貨物トラックが通る道路での走行は危険や不安があることから、安全・安心に走行できる自転車道の整備であったり、長距離の移動の補完や自転車で回る範囲を大きく広げることができるサイクルトレイン、いわゆる自転車列車、さらには広域の市町においてどこでも乗り捨てが可能となるレンタサイクルなど、自転車利用を取り巻く受入れ環境をしっかりと整備していくことが、自転車を活用した観光の振興に重要であると考えております。  今後、観光におきましては二年後の二〇二二年、令和四年、JR及び長崎県と連携したディスティネーションキャンペーンも控えており、佐賀の田園風景を楽しみながら観光していただけるよう、長崎県にはないレンタサイクル整備やサイクルトレインの運行も誘客のツールとして検討することが大事だと考えております。  そこでまずは、自転車観光に対する県の認識についてでありますが、コロナ禍において、屋外で少人数でも楽しめる自転車は、単なる移動の手段ではなく、平地が多い佐賀県にとって、例えば、バルーン大会と唐津くんちと有田ちゃわん祭りなどとの組合せ、吉野ヶ里遺跡の古代、名護屋城跡の中世、幕末から近代にかけての佐賀市、そういったトライアングル、そういった自転車観光コースの設定など、全国に強くアピールできるチャンスと考えており、今後、県の自転車活用推進計画において自転車の活用に大いに期待するところでありますが、自転車観光に対する県の認識をお尋ねいたします。  また、今後の自転車を活用した観光振興についてでありますが、佐賀県には日本一を誇る二条大麦をはじめとした春の麦田の緑、同時に菜の花の黄色、そして、広く青い空、そういった緑、黄色、青、そして、麦の収穫期の麦秋、田植後の早苗田や黄金色に輝く稲穂の広々とした景観、あるいは有明の干潟、虹の松原の白砂青松などなど、よそにはない風景を年間を通して展開できます。  今後、自転車を活用した観光施策について、県はどのように取り組んでいく所存かお尋ねをいたします。  最後の五項目めは、交通死亡事故防止に対する知事メッセージについて提案をいたします。  交通事故の発生は、まさに一瞬の気の緩みや先を急ぐあまりの注意散漫による追突事故が多いと聞きます。事故の発生現場を見ると、こんなに見通しのいい交差点でなぜと。そういう疑問を感じているのは私だけではないと思います。  佐賀県の人身交通事故発生件数は、人口十万人当たりの件数では過去全国ワーストワンが続いておりましたが、平成二十九年以降、前年比一〇%以上の減少を続け、三年連続で人身交通事故発生件数全国ワーストワンを脱却しています。これは、これまでの街頭活動をはじめとした関係者の取組や、県がこれまで取り組んできた歩行者への反射材着用促進、「SAGAブループロジェクト」など、幅広い取組の効果の現れではないかと考えます。  一方で、今年の交通事故死亡者数は前年に比べ大きく増加しております。特に高齢の歩行者が犠牲になる死亡事故が大きな割合を占め、大変憂慮しているところであります。県及び警察本部では今議会においてさらなる取組の強化を図るため、県民への事故防止の呼びかけを行うテレビCMの放送や新聞広告の掲載のための予算と、横断歩道や一時停止線等の更新予算を要求されているところでありますけれども、交通事故を減少させるためには県民一人一人の心に響くようなインパクトのある知事の強いメッセージも必要と考えております。  県においてはこれまでも、本県で多い追突事故の防止のため、三分前の出発、三秒間の車間距離、三秒・三十メートルルールの徹底の「みっつの3」運動に取り組まれてきたところでありますが、この呼びかけをさらに強化する、例えば、五分前行動などといった県民が一体となって県民運動として取り組むようなインパクトのある強い発信が効果があると考えます。  私はこの五年間、神埼市の交通指導員として交差点での通学児童の指導に当たってまいりましたが、速度制限を超えたり、横断歩道のぎりぎりまで停止しない乱暴な運転を目の当たりにしたり、あるいは救急車に同乗したときに感じましたが、速度を落としたり、脇に寄る運転をするドライバーが少ないことを何度も経験いたしました。自分自身が年齢を重ねた今感じることでありますけれども、五分早めに行動すれば、自動車の運転のみならず、随分とゆとりある行動ができると思います。このような私の考えも含めて、五分前行動、アクションファイブといった交通死亡事故防止に対する知事の熱いメッセージを発する考えはないのかお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 39 ◎山口知事 登壇=八谷克幸議員の御質問にお答えいたします。  まず、コロナ発生後の農業振興への思いについてお答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染症は社会のありよう、そして人々の考え方を大きく変えました。例えば、ふるさと回帰の動き、消費者ニーズの変化、デジタルトランスフォーメーションの広がりなど、これまでの画一的な価値観ですとか、都市への過度な集中に問題があることなど、様々なことに人々が気づき始めたのかなと思っています。  では、佐賀県の基幹産業である農業はこれらの変化にどう対応していくべきかといったことが大切な課題だと思っています。  まず、ふるさと回帰の動きでありますが、八谷議員からも御指摘いただきました。本県の豊かな自然に恵まれた環境は評価されています。そうしたことを含めて、「OPEN─AIR佐賀」という取組を今始めております。こうした中にまた農業も取り入れながら、今、都市部から地方へ人の流れが促進しているのはチャンスだと思っています。  農家においても、意欲ある担い手の確保をさらに進めるために我々もこれまでも取り組んでいたわけですけれども、トレーニングファームの取組も、もともと非農家出身者でも技術、経営ノウハウを習得できるという、これまではどちらかというと親方というか、しっかり技能を持った、蓄積された方の指導をということだったんですが、それをデータ化して、定量的にパソコンなどで環境制御しながらやっていくというようなやり方、これは都市の皆さんでも比較的習熟しやすいんだろうと思います。  それから、やっぱり初期投資が非常に厳しいので、リース方式の園芸団地の整備をしていくということも、新しい農業の仲間を増やすのにはいい方法かなと思いますし、それからやはり農地のあっせん、それから生活も含めた空き家の紹介というのは、なかなか本県ではある程度縁故というか、なれた人でないと、ぱっと出の人にというわけにはなかなかいかない実態がありますので、こういった面での相談対応というものも課題になってこようかと思います。ですので、これまでやってきました県内外の就農希望者が就農しやすい環境づくりを、さらに加速化して強化しなければいけないと思っています。  それから二点目ですが、消費者ニーズの変化を捉えて稼げる農業を実現していくということです。  これについては一ノ瀬議員のときにも女性に頑張っていただくというのも一つの方法だということも言いましたけれども、今回、コロナ禍で家庭での食事の機会が激増いたしました。本県のみならず、いわゆる業務用のお米が全く出ていかなくて、非常に需要が減ったということが大きかったんだと思っています。  それに代わって、安全・安心な国産野菜の需要が増加。やっぱり家庭の中で食べるということになると、大変みんな吟味しますので、そういった需要の増加、変化ということで、消費者ニーズは変化しております。我々が今推進している「さが園芸生産888億円推進運動」、これをしっかり加速して、ここに皆さんが入り込めるような環境をつくっていくということも大事なんだろうと思っています。  そしてもう一点、菅総裁もコロナ禍の中でデジタル化を加速すると表明もしています。デジタル庁というのもできていくんだろうと思いますけれども、我々の農業者においてもスマート農業を推進していかなければいけないと思います。デジタルトランスフォーメーション、それからSociety5・0の動きを捉えまして、我々の農業分野においても、先ほど申し上げました農業未経験者でもトップクラスの収量を上げることが可能になっていくような環境制御技術ですとか、畜産分野においては分娩予知システムを今実証しておりますので、そういったところを進めていったりとか、労働時間を大幅に短縮できるドローンですとか収穫ロボットなど、最先端技術を活用したスマート農業をさらに推進していくということで、ドローンの前から我々が次世代の佐賀県の農業のために取り組んでいることという方向性自体がある部分いい方向だったのかなと思いますし、それをもっと加速していかないと時代の変化に間に合わないんじゃないかなという、今気持ちでおります。  ウイズコロナ、アフターコロナの社会に向き合いながら、これからの新しい農業の姿を我々佐賀県からつくり出していきたいと思っています。  続きまして、交通死亡事故防止に対する知事のメッセージについてお答え申し上げます。  御指摘いただきましたように、発生件数自体は今年も二八%減ということでありまして、全体として効果は出ているんだけれども、起きたときの死亡事故が増加しているということに本当にじくじたる思いでありまして、人の命を人一倍大切にしている本県の取組の中では非常に心が痛むわけであります。かけがえのない人命が失われ、やるせない気持ちになります。憂慮すべき事態であります。  死亡事故の多くは、横断中の歩行者がはねられることによるものでありまして、私は、交通事故を起こさないためには運転する際に、一瞬で自分が加害者になってしまうんだ、人をひき殺すということが起きてしまうことを強く意識しなければいけないと思いますし、見ていて、やはり誰かが急に道路を渡るかもしれないという危機意識が弱いのではないか。出てきたほうが悪いという意識の中で運転してしまうと、どうしてもスピードが出ますけれども、もしかしたら出てくるかもしれないという意識で危機を予測することが大事だと思いますし、もっと前をよく見てスピードを抑えた運転をすることも大事だと思います。  そういったことを感じながら、定例会見などで県民に対して直接その思いをメッセージとして発しておりますし、街頭に立って緊急事故対策のメッセージを発したりとかしています。  最近、私の感覚では、幾らか止まる車が増えているような実感もあります。昔は横断歩道の前に立っていてもほとんどスルーされていたんですけれども、ちかっと止まってくれる車が出てきたのかなということを大変うれしく思っております。  JAFの調べによりますと、本県の車両停止率は二〇一八年が八・〇%で、二〇一九年が二〇・九%ということですから、これはみんなで目標にする数字としてはなかなかいい数字だと思います。本来、これは一〇〇%でなければいけないわけですから──という意識です。  そこで、八谷議員から御指摘いただきました県民の心に響く強いメッセージというものは、私も常に考えておるんですけれども、実は私はそれなりにそういったところをいろいろ考えていて、例えば、「佐賀さいこう!」とかSSP、SAGAスポーツピラミッド構想だったり、「子育てし大県”さが”」とか、ひらめき、結構いけるほうだと思っているんですけれども、交通事故に関して「ううっ」とうなっていまして、なかなか言葉が出てこなくて、それこそ「やめよう!佐賀のよかろうもん運転」、これは落合教育長が考えたんですね。そこそこヒットはしているみたいですけれども、これはちょっと本当に県議さんの中でもこれが刺さるぞという言葉があったら、ぜひ御指摘いただきたいなと思います。  八谷議員からアクションファイブ、五分前行動という提案をいただきました。これもすばらしい言葉だと思います。常に時間と心にゆとりができるようにという早めの出発の重要性ということで、我が家でも八谷家と同じように妻が子供にかけるキーワードになっておりますけれども、これももしかしたら五分前行動、アクションファイブということによって事故が減ってくる可能性が十分あると思います。  こうやってみんなでいろいろ関心を持っていただいて、標語がいろんな人から出てくるということ自体も非常に価値のあることかなと思います。ぜひ交通事故を自分ごととして考えてもらうようなそういう習慣にしていかなければいけないと思いますし、それ自体が県民運動として広がりのある取組になってほしいと思います。  交通事故防止対策というのは終わりがないものだと最近思うようになりました。これはゼロになかなかならないと思います。常に県民の心に響くメッセージを考え、それを発信しながら交通事故の人ごとではない、自分ごとが図られるように粘り強く実直に取り組んでまいりたいと思います。 40 ◎大川内健康福祉部長 登壇=私からは、高齢者のインフルエンザ予防接種の無料化についてお答えをさせていただきます。  高齢者のインフルエンザの定期接種は、本人の重症化防止や医療機関の逼迫を招かない観点から奨励すべきいいことだというふうに考えております。県といたしましても、早めの接種について呼びかけていきたいというふうに考えております。  接種料金についてでございますが、議員からも御紹介がございましたが、高齢者については二十市町全てにおいて補助が行われておりまして、高齢者の方の御本人負担はおおむね五百円から千五百円程度となっているようでございます。  自己負担額と接種率の関係をちょっと調べてみましたが、平成三十年度の高齢者のインフルエンザ定期接種の接種率、これは県全体で五五・七%でございましたが、自己負担額別に見てみますと、自己負担額が五百円の市町での接種率は五六・六%、千四百円の場合が接種率五七・八%、千五百円の場合で五三・五%というような状況になっております。こういったことから、自己負担額が接種率に大きな影響を及ぼしてはいないように思ったところでございます。  このため、まずは接種の呼びかけに注力することが接種者を増やすことにつながるのではないかというふうに考えているところでございます。  また、無料化を表明しております大阪府や愛知県など、こういったところは感染者数が多くて、インフルエンザによる重症化で医療体制が逼迫する懸念があることが無料化の主な理由というふうに考えられますが、本県においては必ずしもそういう状況ではないというふうにも思っております。  こうしたことから、現時点におきましては高齢者のインフルエンザ予防接種について無料化は考えていないところでございますけれども、今後とも、新型コロナウイルス対策については、感染状況等に対応して様々な取組を総合的に検討してまいりたいというふうに考えております。  以上、お答えいたします。 41 ◎池田農林水産部長 登壇=私からは、水田農業の振興について二項目お答えをいたします。  一つ目の項目、水田農業の担い手についてお答えいたします前に、御指摘がございましたトビイロウンカについて申し上げます。  トビイロウンカにつきましては、毎年成虫が中国大陸から飛来してきて、日本で世代交代をしながら増殖し、水稲の茎から養分を吸い取って被害をもたらす害虫でございます。  佐賀県への最初の飛来は、平年は六月末頃でございますが、今年は六月十日頃ということで大分早かったことに加えまして、飛来量が過去十年で最も多いと推察されること、発生株率が平年や前年よりも高かったことなどから、県の農業技術防除センターが七月二十二日に注意報を、そして八月二十日に警報を発出いたしまして、最大限の警戒と適切な防除の徹底を呼びかけてまいりました。  本年産では、これまでウンカによる著しい被害は発生してこなかった北部山間地域を中心に被害が多発いたしまして、議員から写真を見せていただきましたように、被害の程度もひどかったことから、県といたしましては、今後、まずはJAなど関係機関と一体となって詳細な調査を行いまして、何が被害の拡大につながったのかなどの要因解析を行った上で、次年産以降の栽培・防除技術などの対策につなげていきたいというふうに考えております。  水田農業担い手についてお答えいたします。  水田農業の持続的な発展を図っていくためには、個別の大規模な農家や、複数の家族経営農家で構成される集落営農組織の双方がまずはしっかりと所得を確保し、その姿を間近に見てもらうことで親元就農や定年帰農などを促進し、水田農業の担い手の確保、育成につなげるといった好循環をつくり出していくことが重要でございます。  まず、個別大規模農家につきましては、消費者や実需者が求める高品質な米、麦、大豆の安定生産はもとより、作業効率を向上させるため、農地中間管理事業を活用した担い手への農地の集約化、高収益が期待できる露地野菜等の園芸品目の導入などを推進していきます。  また、集落営農組織につきましては、将来の経営ビジョンを持つ組織として発足させるため、法人化を含め、今後の担い手や農地の利活用の方向性について、組織内での話合いを積極的に進めているところでございます。  例えば、神埼市の「農事組合法人小鹿ファーム」におきましては、経理を一元化し、非農家の方々を含む集落内の労働力を効率的に活用した農作業の共同化や、高菜、キャベツなどの園芸品目の導入、女性によるみそ加工など、六次産業化の取組などによりまして、稼げる効率的な経営を実践されておりまして、県内の優良な事例として研修会等で紹介し、ほかの組織へもその取組を広げていきたいというふうに考えております。  今後とも、関係機関・団体等と一体となって、稼げる水田農業を確立し、担い手の確保、育成につながるようしっかり取り組んでまいります。  続きまして、水田農業基盤の再整備について申し上げます。  担い手への農地の集約化や省力化を図り、米、麦、大豆やタマネギなど露地野菜を適切に組み合わせた生産性の高い水田農業を展開していくためには、圃場の区画の拡大や暗渠排水の機能回復など農業生産基盤の再整備は極めて重要と考えております。  圃場の区画拡大につきましては、平成二十五年度から神埼市など八市町において約四十ヘクタールの水田で、また、暗渠排水の機能回復につきましては、平成十六年度から白石町など十八市町において約一万六千ヘクタールの水田で取り組まれてきました。  これら農業生産基盤の再整備による効果を申し上げますと、議員から御紹介いただきました神埼市の小鹿地区のほかに、そのほかの事例といたしまして、嬉野市の塩田東部地区におきましては、約十七ヘクタールの水田で圃場一筆当たり平均面積〇・三ヘクタールを〇・六から〇・九ヘクタールに区画を拡大したことで大型農業機械を使用できるようになりまして、農作業の省力化が図られたところでございます。  また、その地域では暗渠排水の機能回復にも取り組まれ、水田の乾田化が図られたことで、嬉野温泉湯豆腐の原料となる大豆やキャベツなど露地野菜の作付が拡大したところでございます。  このように、圃場の区画拡大や暗渠排水の機能回復によって圃場の条件が改善し、農業所得の向上につながっておりますことから、県といたしましては、農業生産基盤の再整備の事業効果につきまして、市町や土地改良区、農家へ広く周知してまいりたいと考えております。  そしてまた、農業生産基盤の再整備に当たりましては、国の補助事業を活用することになりますことから、国への政府提案など様々な機会を通じまして、その必要性や効果などを国に説明するなど予算の確保にも努めてまいります。  今後とも、市町や土地改良区などと連携いたしまして、農家の理解と協力を得ながら、水田農業の持続的な発展が図られますように農業生産基盤の再整備をしっかりと推進してまいります。  以上、お答えいたします。 42 ◎田中文化・スポーツ交流局長 登壇=私からは、コロナ禍における自転車を活用した観光施策について二点お答え申し上げます。  まず、自転車観光に対する県の認識についてでございます。  議員御指摘のとおり、自転車につきましては、車ではない自転車のスピードだからこそ見えてくる景色、五感で感じながら、自転車で風を切って走ることの爽快感、行動範囲が広く、車が入れないところも巡ることができるなど、県が取り組んでおります歩くライフスタイルの趣旨にもかなうものでありまして、ウイズコロナ時代の魅力的なツールの一つとして捉えることができると考えています。  また、単なる移動手段にとどまらず、例えば、スポーツサイクルの自転車等であれば、乗ること自体がアクティビティーとして動く楽しみとなり得ること、ガイドツアーであれば、徒歩での散策と異なりまして行動範囲も広がり、地域丸ごとを案内することもできることなどといった良さもありまして、「OPEN─AIR佐賀」を発信していくウイズコロナ、アフターコロナ時代の佐賀の重要な観光コンテンツの一つとしてなり得るものと認識しています。  次に、今後の自転車を活用した観光振興についてでございます。  サイクルツーリズムは、自転車は県境を越えた広い範囲の観光を可能にすることから、平成三十年五月に開催されました山口、沖縄、九州各県で構成されます地域戦略会議におきまして、各県連携して取り組むことで合意されました。現在、各県と協議を行いながら、サイクリングルートの設定等を進めているところでございます。  また、本県では、観光会社や海外のサイクリストを招聘いたしまして、虹の松原や波戸岬、オレンジ海道をはじめといたします佐賀の自然を体感できるサイクリングルートを自転車で走って案内することなどにも取り組んでおりまして、それらのルートにつきましては、高い評価をいただいているところでございます。  このような動きの中、今年度におきましては、庁内関係課や市町、サイクリスト等の関係者と意見交換を行いながら、職員自ら何十キロも走りながら、比較的交通量が少なく、安全に楽しく走れるルートの設定とか、県観光連盟のホームページ等を用いまして、佐賀での自転車を使った楽しみ方の発信を行いましたり、サイクリストへのおもてなしの観点から、受入れ環境整備といたしまして、飲食店等に自転車を置くための専用のスタンド、サイクルラックの設置等にも取り組んでいるところでございます。  さらに今後は、例えば、自転車を使ったガイドツアーなどの着地型旅行商品造成のための支援など、地域のニーズを把握いたしながら、観光客に地域をゆっくり楽しく巡ってもらい、消費に結びつけていくような仕掛けを市町や民間事業者と連携して取り組んでいきたいと考えております。  二〇二二年には佐賀・長崎デスティネーションキャンペーンも控えております。  佐賀県と長崎県の魅力を十分に生かすため、特に先ほど御紹介がありましたように、広い空、田んぼの緑という佐賀の強みというものを生かすために、サイクルツーリズムも一つのツールとなると考えておりまして、今後、長崎県とも協議してまいりたいと考えております。  なお、議員から御提案いただいた乗り捨て自由な広域のレンタサイクルとか、サイクルトレインというものにつきましては、サイクルツーリズムを今後推進していく上では非常に重要なことと考えておりますが、まずはしっかりと自転車で佐賀を楽しむ観光客を増やしていき、県内の各地域にサイクルツーリズムを浸透させていくことで、受入れ環境の一層の充実を目指してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 43 ◎副議長(岡口重文君) 暫時休憩いたします。     午後三時十四分 休憩 令和二年九月十五日(火) 午後三時四十六分 開議  出席議員    三十六名     一番  一ノ瀬 裕 子     一六番  川 崎 常 博     三〇番  中 倉 政 義     二番  古 賀 和 浩     一七番  定 松 一 生     三一番  石 井 秀 夫     三番  下 田   寛     一八番  八 谷 克 幸     三二番  留 守 茂 幸     四番  古 川 裕 紀     一九番  江 口 善 紀     三四番  木 原 奉 文     五番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  藤 木 卓一郎
        六番  冨 田 幸 樹     二一番  向 門 慶 人     三六番  石 倉 秀 郷     七番  弘 川 貴 紀     二二番  坂 口 祐 樹     三七番  桃 崎 峰 人     八番  井 上 祐 輔     二三番  宮 原 真 一     三八番  土 井 敏 行     九番  木 村 雄 一     二四番  原 田 寿 雄    一〇番  中 本 正 一     二五番  岡 口 重 文    一一番  野 田 勝 人     二六番  大 場 芳 博    一二番  西久保 弘 克     二七番  武 藤 明 美    一三番  池 田 正 恭     二八番  稲 富 正 敏    一五番  古 賀 陽 三     二九番  徳 光 清 孝 欠席議員    一名    一四番  井 上 常 憲 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    小  林  万里子          政  策  部  長   進     龍太郎          総  務  部  長   脇  山  行  人          地域交流部長       南  里     隆          県民環境部長       原     惣一郎          健康福祉部長       大川内   直  人          産業労働部長       寺  島  克  敏          農林水産部長       池  田  宏  昭          県土整備部長       平  尾     健          危機管理・報道局長    山  下  宗  人          文化・スポーツ交流局長  田  中  裕  之          男女参画・こども局長   甲  斐  直  美          会 計 管 理 者    大川内   明  子          警 察 本 部 長    杉  内  由美子          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    稲  冨  正  人 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       今  村  盛  史          同    副事務局長          議事課長事務取扱     杉  谷  直  幹          総  務  課  長   吉  田     泰          政務調査課長       篠  田  博  幸          総務課副課長       横  尾  重  信          議事課副課長       花  島  良  直          議事課議事担当係長    中  島  達  明          同    議事担当主査  池  田  陽  介     ○ 開     議 44 ◎議長(桃崎峰人君) これより会議を開きます。     ○ 報     告 45 ◎議長(桃崎峰人君) まず、報告を行います。  本日の決算特別委員会において互選の結果、     大 場 芳 博 君が委員長に、     八 谷 克 幸 君が副委員長に それぞれ当選された旨、通知がありました。  以上、御報告いたします。  次に、休憩前に引き続き一般質問を行います。 46 ◎八谷克幸君 登壇=二点再質問をさせていただきます。  一点は知事に、一点は健康福祉部長にお尋ねをいたします。  まず、農業振興について知事に先ほど答弁をいただきました。農業は国の礎です。知事も就任以来、農林水産業の振興なくして県勢の浮揚なしということで、当初から農業には理解をいただいております。ただ、先ほどの質問の中でも取り上げましたように、非常に米ではウンカの被害で、本当に自家消費米も取れないとか、来年の作付はやめようかとか、そういった状況も聞かれますし、片方、大雨災害によって平野部のほうでも大豆の内水面被害、いわゆる筑後川の水位が下がらなかったために三日間つかったというふうな状況でございまして、非常に農業現場においてはマイナス面ばかり出ておりますけれども、ただ、知事にはぜひとも、一つは、ふるさと回帰支援センターの中にもありますけれども、平成二十五年から、電話相談だけではなくて、面談、セミナー参加の増加が極端に急増したということです。その中で、佐賀への移住者が一昨年度十位から八位に大きく増えたということが一つございます。  それからもう一つは、農水省が昨年、ウェブでアンケートをいたしました。多面的機能をどう考えますかということでございまして、今後、何もしなければ二十年で約一〇%の機能が損なわれます、基金をつくって皆さんお金を出していただけませんかという問合せの中で、何が一番かというと、雨水を一時的にためて洪水を防ぐこと、それから、多様な生き物のすみかになることといったことが多面的機能の中では興味が深くて分かりやすいという言葉があったようでございまして、先ほど申し上げました、これから先の基金をつくって、お金を出すとすれば幾らぐらい出していただけますかということのナンバーワンは、一世帯当たり年間五千六百十九円、比較のしようが、対比がありませんけれども、五千六百十九円は出していいですよというのがナンバーワン、それは何かといえば、生き物のすみかという回答が一番多いということなんですね。やはり農業の多面的機能の中で、いわゆる生き物のすみか。そして次は、景観を保全することには二千三百八十五円出していい。あと、先ほど一ノ瀬議員からもありました文化の伝承だとか、あるいは癒やしや安らぎ、そういったもののためにお金を出していいと。そういう国内の動きが、ふるさと回帰支援センターなり農水省のウェブアンケートの中でも、一般の国民の方々は農業に対して非常にそういう思いがあります。  そういった意味で、何よりも、先ほど知事答弁をいただきました、トレーニングファーム、「さが園芸888運動」、そしてもう一つは、青年就農給付金も今年から六百万円のハードルが、前年の所得制限があって、それで断念したと言われる件数が全国でかなり見られておるようでございますけれども、制度としてはそれぞれの実情に応じてということもありますので、そういうきめ細かい対応をしていただいて、何とか青年の就農があり、そして「さが園芸888運動」の成功、トレーニングファームで卒業された方がこれだけしているよという成功事例を少しでも出していただきたい。そして、その中では、やはり主要作物の米、麦、大豆で何とかそういう成功者を出していただきたいために、もう一回知事に御答弁をお願いいたします。  それからもう一点は、ワクチンの無料化の問題です。  これは大阪府の場合も、日本全国がそんなことをしたらワクチン量が足りませんよというのは、大阪府も当初検討していた妊婦や若年層を対象から外して高齢者に限定したということでございました。対象者数は二百四十万人の予算二十億円。二百四十万人だから、佐賀県の規模と大分違うし、岡山県は十三歳未満の子供、七割接種で、対象が二十万二千人余で、予算額九億五万円弱。  そういった中であるので、量としては佐賀県で高齢者を無料化してもワクチンの不足には、いわゆる前年の実績に応じてワクチンの配布があるということではございますけれども、逼迫まではいかないんじゃないかということで、対象者数も少なく、予算もよそほどはかかりませんので、何とか無料化、今の答弁の中では、お金とは相関関係ありませんということの冷たい答弁がありましたけれども、そうじゃなくて、いや、それがお金のかかるもんねということで、しよんさなか人がおられるとすれば、何とかそういった高齢者のために、足を運んでくださいというふうなことで手を差し伸べていただきますように、ぜひとも検討をいかがかということで再質問とさせていただきます。 47 ◎山口知事 登壇=八谷議員の再質問にお答えします。  農業振興についてのお尋ねでございました。  農業、それから農村、中山間地域、こういったところに今注目が集まっていて、議員御指摘いただきましたように、多面的機能であったり、景観だったり、それから文化の伝承、そういった意味で、このコロナ時にあって、人の豊かさだったり、人生そのものの深さだったり、自然の大切さだったり、そういったものに注目が集まっているんだろうと私も思っています。  そういった意味で、これまで佐賀県の農業を大きく支えてきた米麦、大豆、こういった基幹的な作物というものが、今非常にトビイロウンカですとか、御指摘いただいたように大豆が、筑後川内水面がやられているというようなお話もありました。こういったところをしっかりと対応しなければいけないというふうに思うのと同時に、農業を守っていくという意味で、そのためにはやはり所得を上げていくというところも大事なので、888運動をしっかりみんなでやっていきましょうということを提唱させていただいたわけであります。  これを実現するためには、いろんなやり方がありますが、もちろん経営体というものが大きなものになっていかなければいけないとか、経営力を向上させなければいけないというところもあるんですけれども、今何よりも私が必要だなと思っているのが、農業人口を増やしていくというか、新規就農者をしっかりと確保するということが急務なんだろうと思っています。  新しい担い手をどのように増やしていけばいいのかということで、せんだってもピーマンとナスの農家の皆さんと意見交換したことがあって、やはり一番の悩みは、自分たちはそこそこ収入があっても、先細りというか、せっかく作ったその地域を引き継ぐ人を増やしてほしいから、例えば、大分県はピーマンのトレーニングファームみたいなものがあるみたいで、そういったものを考えてもらいたいとか、結構切実な声としては、やはり後継者問題、跡を継いでもらう人間が入ってもらえんかなということだったというふうに思います。  今、888運動で成功例というと、ぱっと思いつくのが「いちごさん」なんですね。でも、この「いちごさん」においても、みんな「さがほのか」から「いちごさん」に大分移っていただいて、収量も上がって、単価も上がってということでいいんですけれども、こちらはこちらでまた後継者の問題も抱えているわけでありまして、キュウリも環境制御技術によって、今いい調子になったりもしておりますけれども、こちらのほうもトレーニングファームなどで新しい就農者が増えておりますけれども、これをどのように増やしていくのかということが大きな課題で、先ほど申し上げたように、コロナ後というのはチャンスなのかなと思っています。  888運動については、まだまだ緒についたばかりで、これからのことになろうかと、道はまだまだこれからであります。先ほど申し上げた園芸団地ですね、初期投資が要らないリース方式のものを拡大していくとか、トレーニングファーム自体、非常に成功例としてなっておりますので、これを充実して確保、育成していくということ。それから、やはり露地野菜がどうしても佐賀県の場合、近隣県と比較して作付面積が小さくなっているので、こういったところを拡大していく努力をしていくことなどによりまして、これまで大事にしてきた米麦、大豆、ただ、こちらのほうは大分年配の方が多いので、なかなか切替えというわけにもいきませんから、その方々ともよく話合いをしながら、いい感じで888につなげていくというところが求められているんだろうと考えております。 48 ◎大川内健康福祉部長 登壇=八谷議員の再質問にお答えいたします。  インフルエンザの予防接種のことでございます。  私も理屈で返すのは非常に忍びなかったのでございまして、決して冷たい答弁をしたつもりではございませんので、その点はお含みおきいただければと思います。  という片方で、またすぐ数字を挙げて非常に恐縮なんでございますが、本県の状況を申しますと、六十五歳以上の高齢者数が約二十四万五千人、接種料金がおおむね四千五百円ということで、単純にこれを掛け合わせますと十一億円ぐらい。だから、県が全額負担し、全高齢者が受けるとなると十一億円ぐらい必要になるという数字がございます。  また、市町が既に補助をしておりますので、市町の補助分はそのままにしておいて、県がその上乗せをするとした場合においても、仮に全員受けられれば、約三億円強の予算が必要となるような数字となります。これを実現するとした場合、財源として考えられますのは地方創生臨時交付金だろうと思うんですが、この交付金の現時点の残額から見ると、これも非常に厳しい状況でございまして──そういうことでございます。  いずれにいたしましても、コロナ対応につきましては、最初の答弁で申しましたとおり、議員の皆様からもいろいろ御意見を賜りながら、総合的にその都度その都度の状況に応じて考えさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。(「じゃ、知事、前向きに」と呼ぶ者あり) 49 ◎藤木卓一郎君(拍手)登壇=本日最後の登壇者となりました自民党の藤木卓一郎でございます。前語りはありません。しっかりと頑張りますので、皆さん御拝聴のほどよろしくお願いをいたします。  新型コロナウイルス感染症対策についてということであります。  新型コロナウイルス感染症対策及びその経済対策において最も重要なことは、この病気の症状及び影響等に関する情報をいかに正確に伝え切るかにあると言えます。間違った情報を基に恐怖感を抱かせたままでは、どのような経済対策を講じても効果は上がってまいりません。正しい知識を基にしっかりとした安心感を抱かせれば、多少危険があっても人は移動を開始し、人との交流をより活発化させ、その結果として経済行為につながってまいります。  地雷原の中を歩けと言っても歩けませんが、この一メートル幅の枠の中で一キロ突き進めば、それは地雷に当たることはないと分かってさえいれば、その一メートルをてくてくと人は歩み、歩み切りますね。地雷原の中とて行くことはできる。  佐賀県がなすべきことは、間違った情報を正し、不足する情報を補う、過度な情報には制限を加えて、県民に対する情報をしっかりコントロールすることにあると思っています。  今、県民にとって一番の問題点は、県では日々の感染者の情報をマスコミに公表しておりますが、これにより家庭の食卓や職場、地域の会食や、ママ友やふだんのお付き合いの会話の中で感染者が特定され、その結果、その患者家族は今まさに流言飛語に基づく偏見や差別などの社会的制裁を受け続けております。現在、本県もまさしく第二波のさなかであるだけに、どの町でもその町中、悪意に満ちたうわさで持ち切りであります。  また、何でこのような流言飛語、悪意に満ちたうわさが飛び交っているかといえば、新型コロナという未知なるウイルスに対する恐怖ゆえのものであり、今度は逆に、新型コロナウイルスに対する正しい知識が、県及びマスコミを通じて提供されていないという側面に起因するものであります。  その点、私が本県健康増進課を通じて調査したところ、現在、新型コロナウイルス感染症は、これも当初から、未知なるウイルスへの過剰なる恐怖ゆえか、指定感染症として危険度が二番目に高い、例えば、結核や鳥インフルエンザと同等、赤痢やコレラより上位に位置する二類相当として扱われておりました。しかし、実際は高齢者や基礎疾患のある人でなければ、多くは軽症か無症状であるということが分かり、国では近く類型の見直しが検討されているようであります。  また、このような状況で、本来、ただの風邪で病院に行こうにも、その医療機関の判断いかんでは新型ウイルスと診断されたその後に去来する様々な出来事に身をすくませ、結果、受診も控えられ、かえって感染者の潜在化が進み、これが感染拡大に影響するのではないかとも考えられます。何より必要な医療が得られにくくなってしまっております。  改めて申しますが、このような問題は、本来、県民に対して必要かつ身近な情報が周知されておらず、かえって県民を混乱させるような不必要な情報が発信されていることから起こっているように思えてなりません。  そこで、次の点について伺います。  一つ、新型コロナウイルス感染症に対する現在の知見についてであります。  当初、新型コロナウイルスは、政府において鳥インフルエンザや結核と同等の極めて危険な感染症と位置づけられました。だから、地方を巻き込んで三密の回避、ソーシャルディスタンス、全国民に対するマスクの着用奨励、ほぼ全ての行事の中止、移動や交流に関わる経済活動の自粛要請や長期にわたる休校、ひいては戦後始まって以来の緊急事態宣言の発令など、大きな大きな対策が施されてきたわけであります。本県議会においても、今、目の前にこういうシールドというか、アクリル板があるのもそのようなことなんだろうというふうに思います。  あれから、世界的には二千九百万人もの人が罹患され、九十二万人もの人が亡くなっておられます。我が国でも七万五千人もの人が罹患し、千四百人もの人が亡くなられました。その結果として、医療情報の集積と研究の進展は大きく進んでまいりました。新たな知見も更新され続けております。今では未知のウイルスとしてやみくもに恐れるものではなくなりつつあるように思います。  ここで改めて風邪やインフルエンザなどと比較しながら、少し時間を使っていただいて結構でございます。この新型ウイルスに関する最新の知見を分かりやすくお示しいただきたいと思います。  二番目、陽性となった場合の対応についてであります。  PCR検査の結果、陽性となり発症した場合、以前は一か月ほど入院し、PCR検査において連続二回の陰性証明が必要だったと記憶しています。現在、PCR検査の結果、陽性となり発症した場合、その患者はどうなっていくんでしょうか。また、ただの陽性者の場合、ホテルに滞在することになっているようですが、その場合もお示しください。  また、自分自身が陽性者、または発症者になれば、会社が二週間閉鎖状態になったり、部活動も停止になったり、クラスも閉鎖になったり、発症者が病院を受診した場合も同じように、その病院が二週間ほど閉鎖されると思っておられる方も現在多数おられます。自分自身が陽性者及び発症者になった場合、今後、受診した病院をはじめ、自分自身や自分が帰属する社会、学校や職場などはどのような対応を求められることになるのかお示しください。  三、県民への情報の提供についてであります。  佐賀県は慈しみ合う県であり、感染された方、その御家族、濃厚接触者などに対する情報の詮索、不当な差別、偏見、いじめというのが決してないようにと県民にメッセージを発しておられますが、このようなメッセージだけでは、社会的な偏見や差別を生む原因となっている県民の不安や恐怖に根差した差別や偏見の抑止力には全くなっておりません。  今そのために必要な対策とは、PCR検査で陽性となった場合、実際に本人や家族の生活環境がどのような状況になって、また、自分が勤める会社や取引先などの関係者にどのような影響を及ぼすのかといった情報を具体的に提供することで、本人や周囲の人々にも、検査結果が陽性となること、また、陽性者の存在自体を不必要に恐れることはないと伝えることであります。  県は今後、新型コロナウイルスに関し、県民だよりはもとより、市町や各種団体、または各業界の広報誌などを通じて、県民にとって必要かつ自分の暮らしに関わる身近な情報を県民に積極的に提供すべきと考えますが、健康福祉部長の御所見をお伺いします。  最後になりますが、四番目、個人の特定につながる情報の公表についてであります。
     県では現在、感染者の情報として居住市町、年代、性別などといった情報をマスコミに公表しておりますが、これにより中小規模の町などでは容易に個人の特定につながり、感染者は様々な誹謗中傷や流言飛語の対象になっております。本来、感染拡大防止に直接つながるとは思われない地域や年代や性別などの情報は、医療関係者内で共有できておれば済むことなんであって、殊さらマスコミや一般市民に公表するべき公益的な価値があるとは思えません。  よって、県は今後、これら居住市町、年代、性別などの情報は個人情報保護法の観点から非公表にすべきと考えますが、健康福祉部長の御所見を重ねてお伺いいたします。  次に、九州新幹線西九州ルートについてであります。  私も昨日の質疑に対する答弁をテレビで見ました。南里部長に私は苦言を呈したいんですね。莫大な、昨日からずっと莫大な費用がという言葉が、この議会壇上で発言をされています。数字は確定しているわけでもなければ、協議入りの結果として、さした協議があっていないがゆえに数字も確定していない、その状況の中で、地元負担が莫大である、莫大である、これはまるで印象操作のように思えてなりません。この新幹線のフル規格の問題がもっとフラットに、県民にとってどんなふうなものであり、それがどれぐらいの金額であって、自分自身の購入する感覚において莫大なのか、意外と安かったのか、それはどこまでいっても主観の世界であります。  ですから、まだ数字がはっきりと特定もしていない段階で、県が自らの試算において莫大だ、莫大だと県民に対して物を言うことは、結局その印象操作につながって、このフル規格ということについての印象操作につながるにすぎないと私は思えてなりません。そのことを私は強く言いたかった。なぜかというと、勉強会で、SAGAアクアは飛び込みプールに十八億円使いました。利用されている方は十数人だそうです。一人一億円。私たちはこれを認めています。これを莫大な投資ということを強く言うこともありませんし、そういう経緯の中で今後これを進行していくということです。六十億円の補正が莫大か、莫大だと思いました。しかし、今それは必要なことだとして、そのことを莫大だというふうに言ってもおりませんしね。  前語りはその程度にしまして、九州新幹線西九州ルートについて今から問います。  六月定例県議会終了後、新幹線問題対策等特別委員会では、理事はじめ委員各位の御協力を得、三度にわたって閉会中審査をさせていただきました。  そこで、閉会中審査及び私自身政府とやり取りする過程で多くの事実が判明いたしました。ランダムに言います。  さきの議論で上下分離された鹿島地域の自治体幹部、議会及び経済団体の方々は、異口同音に、鉄路の未来には大いに不満は残るけれども、道路の整備こそ強く望んでいるということ。  一つは、FGTは五百億円もの巨費を投じたものの、安全性、経済性の両面から開発の見通しが立たず、断念せざるを得なくなったということ。そして、その責任はひとえに政府にあると表明されたこと。  そして、この新幹線整備に関する総責任者は国土交通省ではなく、与党検討委員会にあり、その代表者たる山本幸三委員長は正式にFGT断念の報告に佐賀県に来佐されているということ。  また、貸付料は過去に整備した長野新幹線等の返済に充当するため、そもそも当時の新設区間、鹿児島新幹線及び現下の九州新幹線西九州ルート、長崎─武雄温泉間の整備に充てずに建設されているということ。ところが、平成二十三年度の長野新幹線の返済が完了した後は新線区の建設財源に使用することが可能となり、最初から当て込んではいなかったから、私たちはその種の印鑑を打つというか、議決したんだけれども、だけども、長野新幹線の返済が完了した平成二十三年度から後というのは新線区の建設財源に使用することが可能となった結果、今では今年度の見込み二百九十四億円まで入れると、総額千四百三十六億円が充当されているということ。  そして、今回の武雄温泉─新鳥栖間は年八十六億円の三十年間、二千五百八十億円は制度的に半ば担保された数字なんだけど、これを確定できないのは、建設費に充てる貸付料総額は制度的に新幹線建設着工時に正式に決めることになっているから、現段階では仮定の数字と言わざるを得ないということ。  また、現在、我が国の経済政策の目標はデフレからの脱却であり、つまり、物価を上昇させること、物やサービスの価値を高めることで消費を促し、結果として生産を起こす。そして、雇用を安定させ、賃金を上昇させる。確かに新鳥栖─武雄温泉間の六千二百億円の数字は最終的にどれくらいか上がっているかもしれないが、しかし、それは私たちの政府及び国民がデフレから脱却するために求めた経済政策の成果であり、結果として建設費の上昇に比例して労務や資材の単価が上昇しているだけではなく、私たちの所得も県や国の歳入もひとしく上昇していると見るべきだということ。  そういう意味では、政府の数字が確定していない数字というのは、確定していない数字というのは妥当だけれども、仮定に仮定を積み重ねた数字であるというのは、あまりにも極端で、先ほどの莫大な、莫大なという答弁と同じようで、印象操作にも近い失礼な表現であるということ。  また、本県の建設費負担軽減のためのスキームの変更は、県との協議の場において政府が努力をすると表明したこと。  ほかにも、沿線自治体には三十年で五百億円の固定資産税が自主財源として入ること。仮にその分が交付税において減額されたとしても、やはり大きなプラスであることが分かりました。ほかにもまだまだあります。  最後に、このアセスの期限の意味ですが、二〇二三年には北陸新幹線が着工します。その際にこの建設資金、つまり、財源の議論が始まります。  ここは一地域、一区間に数千億円、あるときは数兆円もの巨費をいかに確保するかの場です。条件は、この議論に参加できる対象線区であること。そして、その議論のとき、つまり、二〇二三年にアセスが終わるためのぎりぎりのタイミングが今年の秋口、十月中旬、分かりやすく政府は九月三十日だと言っていますが、九月三十日だということ。そして、間に合わなければ取り返しがつかず、その時点でフル規格は実質消滅するということなのです。  時既に遅しの感もありますが、県議会でも新幹線問題の概略が、少しずつだけど、だんだんやっぱり分かってまいりました。  そこで、次の点について伺います。  環境影響評価についてです。  ここが一番言いたかったんですが、私たちのフル規格案がほかの線区、北陸新幹線ですが、これとの決定的な違いは、政府によるFGT断念の責任を取るための補償線区だということです。  だから、県から要望があれば負担軽減についても応じたいとの答弁が鉄道局寺田次長から公式にありましたし、与党西九州ルート検討委員会の最高責任者である山本幸三委員長も、マスコミを通じてそのようなメッセージを発しておられます。  そういった立場でフル規格案について協議すれば、大枠で三つあります。  一つは建設費負担軽減の問題、そして並行在来線の問題、最後に地域振興の問題であります。  これらは私が個人的に勝手にイメージする話でありますので、ああ、こういう考え方もあるのだというふうに参考的に思っていただければ結構で、何も確定した──私が思う条件です。  本県の実質負担総額は六百六十億円、交付税措置分を含めて千二百十億円という基準となる数字が政府から出ております。本県の実質負担総額が六百六十億円、交付税措置分を含めて五〇%という話、千二百十億円という基準となる数字が政府から出ています。  そのうち九割は起債ですが、先に百二十億円払うとしても──ここは結構痛いですね、百二十億円払うというのは。百二十一億円払うとしても、残り千八十九億円、これを三十年で払うと交付税措置分を除き年間約十八億円。これを高いと佐賀県さんは言っておられます。しかし、条件をつけて、五十年で払えば年間十一億円になります。  また、交付税措置は現在五〇%ですが、何と長崎県は七〇%です。長崎並みに七〇%にしてもらえば三百二十七億円。これに頭金三十三億円を入れて、五十年払いで年間六億円ということになります。  同じようなデータを皆さんたちは持っておられるので、この計算式に当てはめてやっていくとそういう数字になるのはもう間違いありません。  また、JRは貸付料の支払いを三十年から五十年に繰り延べることを主張しています。  長崎県の交付税措置は実際七〇%になっています。非現実的な話だとは私は思いません。  また、並行在来線の問題とて、JRとの協議の過程で国土交通省、与党検討委員会の皆さんに間に入ってもらって、最低でも上下分離方式にしてもらって佐世保線を残すとします。特急みどり及びハウステンボス号が残れば、有田も伊万里も現在と変わらないし、肥前山口駅も辛うじて長崎本線の分岐機能の一部は残るし、結果、肥前鹿島駅も何とか利便性低下の歯止めにはなります。  そして、その維持管理負担を佐賀県と長崎県で先例に従って二対一の割合で負担する。いよいよのときは長崎県に全額負担をしていただく。これも長崎県に佐世保線を残したい意向があるやに聞いておりますので、あるとないとに関係なく、私どもはしっかりと長崎県に要求するべきかと思います。  また、地域振興ということであれば道路の建設です。  さきの議論で影響を受ける結果となった鹿島地域の皆さん方のために、国道四九八号の高規格化はもとより、有明海沿岸道路における鹿島─諫早間の整備区間の格上げ、国土交通省による佐賀唐津道路、多久佐賀II期の整備、また、国道三号線及び国道三十四号線、そして、国道二〇三号線の道路改良の大幅整備促進です。  そもそも福岡、長崎など九州の他県と比べても大変な遅れを見せている本県の道路事業から見ても、無理な話ではありません。  最後に、知事がアリーナ建設で算定したように、そもそも鉄道需要だけでは費用対効果が小さいのだから、鉄道建設の経済効果もアリーナのときと同じように費用対効果の中に入れ込めばいい。つまり、六千二百億円分の鉄路建設の元請、下請を可能な限り佐賀県の業者に任せてもらう。  僕は、この問題を解決するに当たって協議の勝利者は誰もいないと思っています。だって、フリーゲージトレインであれば、私たちは歳出するお金はあっておりませんでした。  しかし、高かろうが安かろうが、六百六十億円という基準が出ています。この条件において、これをいかに下げるか。いかに下げてもゼロではないということは、我々は血を流すことになります。  うちも血を流すが、政府も長崎も機構もJRもみんなひとしく血を流してもらう。三方一両損の精神で痛みを分かち合いながら、一致団結して、この西九州ルートをつくり、育て、それぞれの地域や国土、企業の発展に期していく、僕はそういうことだと思います。  知事に直接言いたい。私は政府に対しても、与党に対しても、JRに対しても、長崎県に対しても、逃げも隠れもせず──逃げても隠れてもいないのかもしれないが、そんなふうに見えるのは私だけかもしれないけれども、腰を据えて、堂々と正面から向き合って話し合っていくべきだと思います。  そして、その話合いの果ての最終最後、つまり、今から二年と半年後、相手に誠意が感じられない──交渉相手はまた、まさに私たちに対して、悪意であったことではないのかもしれないが、結局私たちはだまされてしまったような形になっちゃったものだから──相手に誠意が感じられない、このような条件では必ず県民に夢と満足を与えられない、そう知事が本気で確信したのであれば、そのときこそ議会と共同して責任を持って破断にすればいいと思います。  しかし、それまでは、現在のフル規格案については、地域振興も含め、実際的な協議を続ける価値は十分過ぎるほどあります。話をしてみなきゃ分からんやろうもん。相手の答えを聞いてみなきゃ分からんし、重ねて改めて気持ちをぶつけていく過程の中で一つの結論を得るということは、政治をやり続けているわけであります。  それを、アセスの受入れを今回しなかった程度のことで、アセスはフル規格の着工と同義ではないとのお墨つきまで持っているのに、実質的な協議の機会をまさに失ってしまいます。  あと二週間後にこれから提示されるはずであった県民の多くの夢が詰まった条件の全てを失う愚を犯してほしくない、そう心から思います。  改めて知事におかれましては、環境アセスの実施に同意すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  二、対面乗りかえ方式の固定化についてということでありまして、今日、冨田議員か古川議員のほうから話があったと思うんだけれども、同じような話です。  もしこのまま知事がアセスを受け入れないとの選択をすれば、武雄温泉駅での対面乗りかえの固定化を選択することになります。  なぜかFGTの開発に見通しがなく──ないということです。開発ができないと。何か見通しがあれば、あと五百億円投入すれば何とかなるかもという何かの見通しがあれば、費用対効果の観点からでも何とか頑張ってほしいということなんだけれども、その見通しが立たないから先に行けない。  だけど、その見通しを立てるために──ためにかどうか私は分かりません。政府は永続的ですし、私たちの暮らしはもっともっと先まで続くんだから、近畿鉄道等の話がその開発の過程の中で思わぬ拾い物、発見をするかもしれないし、発明するかもしれない。そうしたときに、FGTが高速交通ネットワーク網に大量輸送機関として、車両として、今の三分の一ぐらいの価格でできるかもよなんて話になれば、そのときは改めての話です。  しかし、今、現段階においては、本格的に投資することができる状況にないという、その見通しがなく、スーパー特急方式は建設工事の抜本的なやり直しで、まさしく無駄な公共事業の典型となり、国会や国民がこれを許さないと思うんですね。出来上がったばかりなのにもう一回やり直す、つまり、結論はリレー方式ということになります。  その場合、JR九州は経営上、大きな負担がかかることで──そもそもJRという会社は、その鉄道部分は本質的に赤字です。赤字だそうです。  ホテルや不動産でもっているような会社なのに、収支改善効果が見込めないのであれば、赤字路線の廃止、縮減というふうで、既存の在来線が維持できなくなるといったことを僕は大変心配しています。中長期的にですけどね。  今、「半沢直樹」というテレビドラマが大流行ですが、帝国航空再建に尽力するあの半沢直樹も、公共輸送に対する責任という美名の下に赤字路線の垂れ流しは経営再建最大の障害であると申しておりましたが、JRとて同じです。同じような状況になれば、必ず同じようなことをする。そうなれば、利用者である沿線自治体の住民が最も不利益を被ることになります。  地元自治体の一番の心配は在来線の未来だということ。対面乗りかえ方式が固定化した場合は、佐賀県が結果的に全責任を負うことになると考えますが、本県は現在の赤字路線を守っていくべく、沿線自治体の住民にどのように説明するのか知事にお伺いします。  もう終わりに近いので、ちょっと余談ですが、対面乗りかえ方式だと博多から長崎に行く場合は必ず武雄温泉駅で乗り換えなければならなくなります。行く当てのない旅ならば、ぶらり武雄と、散歩してみるかということになるのですが、実際の観光でもそんな人はおりません。観光にも目的地があるからであります。  今、「かもめ」で長崎─博多間は直通ですが、必ず一旦降りるこの煩わしさ、足腰の悪いじいさん、ばあさんも、障害者も、子育て中の親子も、荷物の多い人も、車中で寝ていた人も、みんな途中で降りるこの煩わしさ、それが年間三百万人もの人がいるということです。余談ですが、佐賀県や武雄温泉駅の印象が本当に悪くなるようで、これまた私の心配の種の一つであります。  三番目、国との関係修復についてです。  かつて、安倍総理に対する周囲の忖度が過ぎると政治課題になっておりました。知事に忖度し、おもねった物言いばかりでは議会の仕事は務まらないと思い、佐賀県のためにならないと思うがゆえに言わせていただきますが、今回のアセスの件で感じたのは、知事は国と必要以上に対決の姿勢をあおっているのではないかということです。  政府が五つの整備方式に関するアセスを提案してきたときに、同じ断るにしても、一旦受け入れて、後日返事させていただきますとか、儀礼上でも慎重に検討させていただきますとか、普通言うべきところを、即日むべなく断ってしまった。それは、国土交通省なりの事態解決への思いを込めた提案だったかもしれないのに。  また、鉄道局長が佐賀県の不安を払拭するためにせっかく出してくれた今回の公文書も一顧だにせず──僕は昨日の答弁、知事の対応を見ていました、生で。まるで木で鼻をくくったような態度であり、このような公文書は全く信用に値しないとばかりに、公文書の内容とは全く真逆の答弁で、アセス受入れはフル規格の受入れと同義であるとちゅうちょなく答える。そういうことになれば、佐賀県知事は国土交通省鉄道局長に公にうそつきだと言っているようなもので、先様はどう思うんだろうということですね。残念を通り越して、怒りや恨みが残っても仕方ないんじゃないでしょうか。これでは初手から対決であり、けんかを仕掛けているようなものであります。  ほかにもそのようなことは様々にあって、この場では伏せておきますが、実際、私自身も地元の用務で九州地方整備局に陳情に行った際、そこはプライベートな部分でしたが、ひたすら知事の態度はあんまりだと、失礼じゃないかと、激烈に不満を述べる方もおられました。霞が関や地元では既に有名な話のようであります。霞が関のとある中堅幹部は、随分とこの種のうわさが広まっていて、このままでは国土交通省はもとより、霞が関の中で佐賀県の味方をしてくれる人がどんどん減っていくような感じだけど、本当に大丈夫なんですかと心配してくれる方すらおりました。それは事実かどうか分かりません。先様も丁寧で大人の対応をされるわけですから。  そういう意味からすると、今では自民党本部、国土交通省、農林水産省などでは、面会を申し入れても、上手に、ていよく断られて、関係者に会うことができない日々が続いているとも聞き及んでおります。  私は、九州新幹線西九州ルートの件では、たとえ意見を異にするにせよ、本県県民のために、知事と政府、知事と与党との信頼関係が損なわれることを大変恐れています。  この点に関する知事の受け止めと、もしそのように感じておられるのであれば、現在の国との関係をどのように修復するつもりなのか、知事の御所見をお伺いします。  四番目、国会議員の役割についてであります。  整備新幹線のような国策事業で、国と県の協議が不調となっている場合は、国会議員がその間に立って一定の役割を果たすべきではないかと考えています。県と市の間でトラブります。佐賀土木事務所も中部農林事務所もなかなかうまいこといかないことが多々あります。やっぱり皆、公務員、丁寧に丁寧に仕事をしていても失敗はあるもので、そういうときに、ここにおられる全ての県議会議員さんたちは必要があれば、またお誘いがあったりすると、その間に入って調整して、どがんしたとねという話。県側の立場に立つときもあれば、市町側に立って県を指導するときだってあるだろう。そういうようなことを私たちはなりわいとして政治活動をやっているはずであります。  特に、そういう意味からすると、今回は国と県との間があまりにも不調です。協議が不調となっています。誰か間に入ってあげなきゃと私は本当に思っていて、その役割を果たすべきではないかと考えていて、特に前知事である古川康衆議院議員は、FGTを受け入れるときの知事でありました。僕もここで議論をさせていただきましたけど、結果として導入を断念しました。その結果として今の状況を古川代議士は、随分やっぱり心配もされているし、じくじたる思いをされているようであります。  そしてもう一人は、衆議院議員の今村雅弘先生であります。先生は、御承知のとおりJR出身でもありますし、何より大臣経験者で、県内国会議員の中でも最長老。特に、与党PTの有力メンバーでもあります。大変適任かと思いますが、県はこれまでに国会議員に対して働きかけや相談をしてこられたのか。また、今後どのような働きかけをするおつもりなのかお示しをいただきたいと思います。  最後になりますが、この前も質疑をさせていただきましたが、そのときは知事からしっかりした答弁をしてもらえなかったので、もう一回言いますね。さきの議会でも申し上げましたが、改めて問いたいと思います。  国との協議はマスコミ公開の下で行われておりますが、衆人環視の中では自由闊達な議論はできないと思います。知事の言う開かれた場は、開かれ過ぎて、かえって閉ざされた場になってしまっております。私はこの協議の一部を非公開にするなど、腹蔵なく議論ができる環境をつくる工夫も必要と考えますが、どうかということ。  また、協議の実効性を高めるため、僕らはこの協議の行方を大変期待をしながら、本当に期待をしながら、多くの人たちがこの結果を楽しみに待っています、はらはらしながらですね。  だから、そういう意味においては、協議の実効性を高めるためには、知事は国土交通大臣や与党検討委員会の委員長及び長崎県知事、JRの社長らと必要に応じて面会して、協議の大枠や本質的部分については直接対話をすべきと考えますが、重ねて知事にお伺いします。  これで私の第一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)(「知事、冷静に、鋭く答弁せんば」と呼ぶ者あり) 50 ◎山口知事 登壇=藤木卓一郎議員の御質問にお答えいたします。  まず、環境影響評価に同意すべきとの考えに対する私の考えであります。特に、後で判断すればよいではないかと御指摘いただきました。  平成十六年十二月に、当時の古川知事は、現在の西九州ルートの整備について、財源議論に乗り遅れないためにということから、当時、長崎本線沿線の自治体が反対される中、時は今として、整備に向けた財源確保のため、並行在来線のJR九州からの経営分離はやむを得ないと判断されました。そのときの言葉が、「限られた時間の中、今回はバスに乗るのではなく、バスの切符を買った」、「費用対効果の検証は続ける。説明責任はこれから果たしていく」ということでした。  地域の思いを置き去りにした拙速な判断が、その後の県内の混乱、その後、上下分離という流れになりました。そして、地域に光と影、分断を生みました。このようなことは二度と行われるべきではありません。  そして今、フリーゲージトレインの導入が断念され、財源確保のタイミングということで、アセスを先行してやりたいとされています。再び同じ轍を踏むのでしょうか。私は見切り発車はすべきではないと思っています。そして、佐賀県は様々な議論を行うことは閉ざしてはおりません。「幅広い協議」も続けたいと思っています。  フリーゲージトレインの導入を断念して現在の状況を招いたのは、これは国の責任です。これは国も認めています。佐賀県は筋を通して議論に向き合っています。これは佐賀県のほうから何らかの打開策を提案しなければならないものとは思いません。この間、国、JR九州、長崎県は、フル規格を求めることはあれど、何か具体的な提案はあったでしょうか、確たるものはないと思います。検討するとか、そういったことはあったかもしれませんけれども。  六月に、鉄道局が提案した環境アセスは、せんだって、例えば、FGTは選択肢にないとまで明言されまして、実質的には、佐賀駅を通る、いわゆるアセスルートでのフル規格のためのものと認識しています。  繰り返し申し上げます。在来線の利便性低下や莫大な財政負担など、佐賀県が大きなリスクを負ってまで対応しなければならないものではないと考えています。提案は受けられるものではありません。  対面方式の固定化に対する考えです。  フリーゲージトレインの開発の遅れから、国がリレー方式による開業を提案して、佐賀県は六者合意を行いました。これは長崎県、JR九州も同意しています。私はこれまで、冒頭申し上げた平成十六年からの経緯もありますけれども、それはそれとして、佐賀県は約束をしてきたことというのは履行しなければいけないということで、六者合意まではその流れの中で最大限の努力をしてまいりました。それがFGTができないということで現状を招いているわけです。そこを多くの皆さん方が分かっていただいていると私は思っています。  議員から、リレー方式ではJR九州の経営が赤字で厳しくなる、そうなるとJR九州は在来線を維持できなくなる、そうなると沿線の住民が不利益を被る、そうなると、そうなったのは佐賀県の責任だといったような流れだったような気がしますけれども、私はそれは論理が飛躍しているんじゃないかなと思っております。JRが厳しい会社であるのはそうかもしれませんが、その責任を負うのは佐賀県とは考えておりません。  国との関係についてもお話しいただきました。  政治家も官僚もそれぞれの役割と責任の下に、志と矜持を持って仕事に取り組んでいると私は思っています。そして、佐賀県は佐賀県として、地域、県民に根差して、志を持って仕事をしています。  官僚組織が新幹線を念頭に置きながら、佐賀県に不利益なことをほのめかすようなことがあれば、これはもう官僚の矜持を失うに等しいと思います。私は証拠があればしっかり公表して、世の中に問うていきたいと思っています。それぞれの立場で主張し、協議をしており、国から佐賀県が不当な取扱いをされるかもしれないというのは、天下国家のために働いている政治家である大臣ですとか、大臣を支え、国民のために日々尽力されている官僚の皆さん方に甚だ失礼だと私は思います。  国会議員の役割について、特に本県選出議員についての認識に対する質問がございました。  国会議員は、国全体の利益のための奉仕者であるということが一義であろうと私は思いますけれども、地域から選ばれてもおりますので、地域の実情を代弁していただくという役割を果たしていただきたいというところも感じるわけであります。その地域が集まっての国家であります。佐賀県選出の国会議員の皆さん方は、地域の実情をよく分かっていただいていると思いますので、それを踏まえて御活躍いただきたいと考えています。  国等との協議の在り方についてお話がありました。  特に、議論はオープンなばかりではいけないのではないかというお話をいただきましたけれども、県民生活に大きな影響を及ぼす問題なので、議論はオープンでしたいと私は思っています。今回、いろんな議論がしやすいように、県民にもっと情報提供すべきだというお話もいただきましたので。私は佐賀県からこれを打開して、何かプロパガンダみたいな形をするのはどうかなと思っていたんですが、今回、議員のほうから、県民に我々なりの話をしたらどうだということをいただいたので、それは試みてみたいと思います。  いずれにしろ、佐賀県は本当に県民に開かれて、県民から信頼されるような、そんな地方自治体を目指したいと心から思っています。それは、よその県がどうだからとかそういったことではなくて、しっかり筋を通す、そういう佐賀県でありたいと思っています。ですので、議論はオープンに、そして、協議の場というものもオープンに議論を闘わせていただいて、そこではっきり言っていただいたらいいと思います。  国のほうも、確かに幹線鉄道課長さんは、こういうのは初めてだけれども、やってみると、何かそれなりにできるもんだというふうに言ったと聞いております。その足立さんという立派な課長さんにしてみると、こういうやり方もあるんだなということで、きっと参考になったのかなというふうに思います。ぜひオープンな議論の中で、様々な議論を闘わせていただきたいと思います。  そして、JRとか長崎県とか、多くの方と話し合って決めればいいんではないかというお話もいただきました。私は自ら、今の状況を佐賀県が打開するために何か案を出していくというのはどうかなと思います。  別に、お会いしたいという方を断っていることはなくて、ただ、例えば長崎県知事にしても、新しい話はありますかという確認を秘書課長に必ずさせています。そしたら、新しい話はありませんと言われるので、それであれば何か要望される、同じことをされるだけなのかなということなんです。  ですから、JRさんであっても同じことです。特に私に伝えたいことがあってということであれば、それは当然お会いして、お話をさせていただくということになります。  以上です。
        ○ 時 間 延 長 51 ◎議長(桃崎峰人君) 時間を延長します。 52 ◎大川内健康福祉部長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症対策について四点お答えをさせていただきます。  まず、新型コロナウイルス感染症に対する現在の知見についてということでございます。  新型コロナウイルス感染症の特性につきましては、発症前でも感染させることなど新たな知見もございますが、いまだ分からないことも多く、性質等において、インフルエンザと比較する材料はあまり多くございません。  ということで、発生状況等を中心にお答えをさせていただきます。  国内での新型コロナウイルス感染症の感染者数は、現在約七万五千人となっております。そのうち死亡者は約千四百人でございまして、致死率は一・九%となっております。これは他国と比べて低い傾向にあって、また、死亡者の約八五%以上は七十歳以上の高齢者でございます。  また、東京都の六月三十日までの新型コロナウイルス感染症の死亡者三百二十五人について見ますと、死亡者の平均年齢は七十九・三歳、高齢者や基礎疾患がある方、これは糖尿病とか心不全、呼吸器不全、こういったものでございますが、こういった方以外で亡くなられた事例はほとんどなくて、ちなみに、二十代で亡くなられたのは基礎疾患がある方、この方は力士だったと思いますが、この方だけのようでございます。  一方、季節性インフルエンザの感染者数については、例年、国内で推定約一千万人と言われておりまして、そのうちインフルエンザによる年間死亡者数は約一万人と推計されております。  また、インフルエンザについてはワクチンもありますし、リレンザやタミフルなどの治療薬がありますが、新型コロナウイルス感染症についてはまだ現在開発中の段階でございます。  今後、冬に向かって新型コロナウイルス感染症がどのような発生状況になるかはまだ分かりませんけれども、少なくとも現時点においては、インフルエンザと比較しますと、感染者数、死亡者数は絶対数としては少ない状況にございます。  次に、陽性となった場合等の対応についてでございます。  長くなってもいいということでございますので、少し長くなりますが、新型コロナウイルスの検査の実施については、医師が総合的に判断することとなっております。医療機関で新型コロナウイルス感染症が疑われた方は新型コロナウイルスの検査を受けることとなっております。  なお、これまで発熱等の症状が出た患者の相談先として帰国者・接触者相談センターを保健所に設置しておりますが、今後はこれを介せず、かかりつけ医などの地域の身近な医療機関にまずは電話などで相談を行い、その医療機関も含め診療が可能な医療機関を案内してもらった上で診療を受け、必要に応じて検査を受けることができる体制を整備するようになっております。  その後、検査によって陽性が確認され、新型コロナウイルス感染症の患者となった場合、感染症法に基づいて県の保健福祉事務所が医療機関への入院の勧告でございますとか就業制限を行うことになります。入院に当たりましては、必要に応じて自宅から医療機関まで患者の方の搬送を保健福祉事務所が実施しております。  また、入院による治療が必要のない軽症者や無症状の方、これらについては御家族や身近な方などに感染させないよう、県が用意した宿泊施設において療養をお願いしております。  宿泊療養施設では、毎日の健康観察を行うとともに、万が一、症状が悪化した場合には、医師が診察をし、必要があれば医療機関を受診、入院できる体制を整えております。なお、入院や宿泊療養に当たっての費用、入院費や宿泊費、こういったものは自己負担はございません。  また、感染が確認された方には、保健福祉事務所から聞き取りをさせていただいておりまして、これまでの行動歴などを確認しながら、濃厚接触者の有無や感染源の特定など、こういった疫学調査を行っております。  さらに、これらの調査の中で判明した情報から、濃厚接触者や幅広に捉えたその他の接触者の方々に対してPCR検査を実施することで、それらの方々の感染の有無の確認を行っております。  なお、現在の退院のための基準といたしましては、症状がある方の場合では、発症日から十日間経過し、かつ症状が軽くなった後、症状が軽快後七十二時間経過した場合、または症状軽快後二十四時間以上間隔を空けて二回のPCR検査で陰性が確認された場合、退院です。  症状がない方の場合は、検体を採取した日から十日間経過した場合、または検体採取日から六日間経過し、二十四時間以上間隔を空け二回のPCR検査で陰性が確認された場合が退院となります。  これらの基準を満たすことで退院することができることとなっておりまして、宿泊療養の方についても同じ基準でございます。  なお、議員から関連する会社等のことについても幾つかお尋ねがありましたが、会社の社員や医療機関の従事者や患者から一名でも陽性者が出たからといって、その会社や医療機関に対し二週間の休業をお願いすることはございません。まずは必要な調査への協力や必要に応じ消毒作業の実施をお願いしております。  また、濃厚接触者の方の勤務先や学校及び所属する部活動など、こういったものも、それをもって休業や休校、部活動を停止するということにはなりません。  また、調査により濃厚接触者となった方は、その後のPCR検査が陰性であっても、陽性者との最終接触日から二週間は行動自粛をお願いしておりまして、その間は出勤や登校はできるだけしないようにお願いしているところでございます。  次に、県民への情報提供についてでございます。  議員御指摘のとおり、県民が感じます不安や恐怖を解消し、偏見や差別をなくしていくためには、新型コロナウイルス感染症についての正しい情報を県民に届けることが重要であるというふうに考えております。また、偏見や差別が起こっている社会では、人々は感染の事実を恐れ、検査をためらい、これが感染拡大につながる可能性もございます。  今後、議員から問題提起されたような具体的疑問等について、Q&Aを作成し、県民にお示しすることなど、県民の新型コロナウイルス感染症に対する様々な誤解が解消できるよう、広報誌などいろんな手法を用いながら、正しく分かりやすく情報提供していきたいというふうに考えております。  最後でございますが、個人の特定につながる情報の公表についてでございます。  感染された方の情報をどこまで公表するのか、これについては我々も、本当にいつも常に悩み、葛藤しているところでございます。我々のところにもいろんな話が届いております。例えば、感染者と特定された、またはそう思い込むことで、これからの仕事のことなどに深く悩んで精神的に追い込まれた、そういう方のお話も複数耳にしたことがございます。こうしたことを聞くたびに、我々も悩み、みんなでかんかんがくがくの議論をし、報道機関の記者とも何度か議論をしたこともございます。  現在、感染者の年代、性別、居住地を公表しておりますが、本来この三つの情報だけで個人が特定されることは考えにくいと思っております。もしそれでも特定されているとすれば、それは残念ながら、周囲の方が特定しようとしたり、うわさなどをSNSなどで広めるというような、本来あってはならない残念な行動によるものと思っております。ぜひ自分が感染したときのことを想像して、そういう行為は慎んでいただきたいというふうに思います。  そういう行動がもし止められないのであれば、感染者の年代、性別、居住地、これらの情報を公表しなければいいという考え方もあろうかとは思います。確かに公表しなければ個人の特定にはつながりにくいかもしれません。しかし、例えば、本日、県内で三例の感染がありましたとだけ公表した場合、県民は自分の近くではないんだろうかとか、逆にそういった不安を抱えることにもなろうかというふうに思います。また、感染拡大防止の観点からも、感染者の年代や居住地などを公表することで、より具体的な注意喚起ができるというふうに考えております。  例えば、第二波では当初二十代の若者が福岡市のクラブなどを利用する中で感染が広がりましたが、これも二十代であることや福岡市に近い唐津市のほうから始まったことなど、こういったことを具体的に示すことで、そのときの感染拡大防止を呼びかけることができたというふうに思っております。  さらに、次第に高齢者にも感染が広がったり、家庭内の感染が広がるなど、当初とは全く感染の状況が変わってきており、こうしたことについても年代などを言わなければ注意喚起ができなかったのではないかというふうにも思っております。  さらに、佐賀市の繁華街や小城市内での感染拡大もありました。やはり感染が確認されている地域をその都度示すことは必要だと考えております。それは感染が少しずつ長期にわたって確認されている場合、その都度居住地を言わなければ、結果として数日後に拡大地域と分かってから地域名を言うことになります。それでは感染防止にとって後手を踏むことになるのではないかというふうに考えるからでございます。  他県においても公表の在り方については、同じように試行錯誤しているようでございまして、ある県では一旦居住地を言わないことにしたところ、県民からどこか分からないと不安でたまらないという声が上がり、またその問合せの電話で保健所が忙殺され、保健所の感染症対応業務に支障を来したため、再び居住地を公表するようにしたという事例もございます。  なお、季節性インフルエンザについては、こういうふうな内容の公表はしていないので、今後、新型コロナウイルス感染症のことがいろいろと分かってきて、不安や心配が小さくなってくれば、インフルエンザのような形に情報の出し方も変わってくることも考えられると思います。  議員御指摘の問題は、冒頭申しましたとおり、我々も常に真剣に悩み議論をしております。今後も感染者の立場と感染拡大防止に必要な情報、あるいは社会的な要請など、こういったもののバランスをしっかりと考えながら、その時々の状況に応じて最善の公表の在り方について考え続けてまいりたいというふうに考えております。  以上、お答えいたします。 53 ◎藤木卓一郎君 登壇=それでは、再質問をさせていただきます。  まず一つは、アセスの件についてです。  「環境影響評価の提案に関する認識について」、国土交通省鉄道局長からペーパーが来ております。皆さんのお手持ちの資料のとおりですね。「国土交通省鉄道局としては、六月十六日にお示しした環境影響評価の提案にご同意いただいた場合であっても、それをもってフル規格などの特定の整備方式が決まることになるとは考えておりません。」と公印つきでペーパーが来ました。  この文書を読んで、なぜ──同じものを見ているんですよ。なぜアセスの同意がフル規格の着工と同義であるという解釈になったのか。そう理解した根拠をお示しください。  それで、木原委員の質疑は、アセスをしても、我々は着工したことではないというあかしを示してほしいと。だから、このペーパーが来て、よかですよと。  そもそもアセスをしたからといって構造的に着工することはできません。構造的に、アセスをしたからといって着工することなんてそもそもできないんです。  何でかというと、実際作業をするに当たっては県と一緒に工事実施計画書というペーパーを作って、工事のプロセスを一緒にやるんですね。そのとき、同意している状況じゃないと工事実施計画書なんていうのは作れないし、第一、こちらが同意しなければ、お金の負担を払わないだろう。  同意もしていないのに勝手に着工してから請求書だけ来て、えっ、これ払うんですか、同意もしていないのに、これは押売ですかみたいな話になっちゃうので、そもそもアセスをしたからといって着工と同義ということにはならないんです、実質的に、物質的に、実利的にですね。  だけど、そういうことであったにしても、着工と同意だというふうにはみなしませんよというペーパーを、同じものを見ているのに着工と同意ですと、こう出ると、何でと、僕はそこがよく分からない。  もう一つ、知事はそれだけ、このペーパーを見てもそうならば、政治家として赤羽大臣が信頼できる大臣だということであれば、こんな重要なペーパーですよ。局長印を信頼できないんだったら、大臣に直接電話して、これはどういうことですかと、真逆のことを言っちゃっていますけど、真逆の認識をしているんですけどどうですかと大臣にでも聞けば、同意なのか、同意じゃないのか一発で分かる話でね。  もう一つは、ここも私はよく分からない。FGTの断念の責任は政府にある。その責任に対する補償、負担軽減や振興策とその提案は政府側がなすべきである。私どもが要望、提案するべき立場にないと再三にわたって主張されておりますが、僕も佐賀県政に深く関わって、そこそこ長いので、似たようなケースに立ち至ったときには、県は必ず──県の失政によって住民が困っているときは必ず、おまえたちが失敗したっちゃけん、補償の在り方はおまえたちが考えてこじにゃなんて公民館でよく言われます。僕は間に立ちます。  だけど、いや、そこはすみません。勘弁してください。そちらのほうから要望を上げていただければ、こちらとしても最大限考慮しますので、天井があるかないかなんですね。  加点方式でいくのか、減点方式でいくのか。先に要望を出して、上限を決めてさえしまえば、できる、できないはどんどん小さくなっていくんだけれども、加点方式になると、こちらから言っちゃうと、それだけじゃ駄目、これだけじゃ駄目とどんどん増えていく。  だから、基本的には行政側の失政に対する補償の在り方というのは、どちらかというと、先に上限を決めて要望を出させて、これはなかなか難しいですよ、もうちょっと待ってみたいなことで、全体の枠を決めていくという政策決定のシステムがあるんですね。  そのことはみんな分かっているんです、みんな分かっている。だけど、これだけの内容、内実があるのに、条件を出せば何とかなるかもしれないという、せっかく最大の、今、高値で売れるチャンスのようなときが来ているのに、ひたすらに私どもは要望、提案するべき立場にありませんと言って、そのタイミングを逸し続けていると私には思えてなりません。  私どもは政府側にその要望、提案をなすべき立場にはないとなぜ言い続けるのか、こだわるのか、その根拠を改めてお示しいただきたいと思います。  あと四分ありますので、ちょっと僕は自民党党員として、ここの会派の中の一人として、今、質問しているわけですけれども、自民党佐賀県連の代表役員会の一人で、この問題について代表役員会として知事のところに要請活動に行こうということになって、要請活動に行くことにしました。結果的にはお断りされましたけど。  県議会で昨日でしたかね、議長経験者、顧問団の皆さんたちがこの問題について話をしに行こうと、非常に緊迫した空気の中でですね。  僕らは、一個人として藤木卓一郎がいるわけではなくて、機関としてここに存在しています。法的権限を持った特別な存在です。これは県民の声を代表する者として、僕はこの議会壇上に立っていて話をしています。その人々が、県民の声を代表する多くの者たちが真摯に考えて、考え抜いた気持ちを、きちんと正式に思いを伝えに行く。それは部屋ですから密室かもしれない。余人を介さないのかもしれない。しかし、結局、昨日の議長団の皆さん方の要請活動についても来ないでくださいということ。理由は、この議場で私の気持ちは伝えますからということだった。  私どもは、深刻かつ重大な問題を知事にはこうやってこの公開の場でしか話ができないという今のありようというのは、僕は異常な関係だと思っています。「何やったですか」といろんな話をします。いろんな話ができる関係。僕も仕事だから、こういうことを言っています。そういうような人間関係、信頼関係に基づいた議会と知事との関係であって、丁々発止、そういう議論ができる場であってほしいです。  議会壇上じゃなくても、どこであっても、ちゃんと真剣な話がお互い胸襟を開いてできる関係。自分の考えとは違っていても、お互いの意見を認め合いながら、何とか妥協点を見つけんばいかんですねと話ができる、そういう本当にしっかりした信頼関係を築いていただきたいと思います。  その点についても御所見をお伺いして、私の質問を終わります。(発言する者あり) 54 ◎山口知事 登壇=藤木議員の再質問にお答えいたします。  まず、アセスの件について、さらにお尋ねがございました。  私はまず大原則として、アセスというのは、例えば、今回の新幹線の話でいうと、本来、佐賀県の同意があって、ルートができて、決まった後にアセスというのは行うものかなと思っています。ですので、そもそもこのような議論をしている中で、その先にアセスがあるということ自体がまず不自然ではないかなと思っています。  そして、今回の県議会へ提出された文書というものにつきましては、言い回しが幾らか違うというふうに聞いておりますけれども、その具体的な内容につきましては、私はしっかり分析しておりませんので、これにつきましては地域交流部長のほうから答弁させたいと思います。  そして、県議会との関係についてお尋ねがございました。  私は、開かれた中でいろいろ議論したいと思っています。ですので、別に通常期に県議の皆さん方が私とフラットに意見交換したいということについては歓迎です。  今回の一般質問をやっている議会中というのは、とても私は、いわゆる議員さん全員おられるわけですから、県民の皆さん方にどうしてなんだというところで説明責任が果たせないような状況というのはあまりよろしくないなと思っています。ですので、内容次第でもあるんでしょうけれども、極力、特にこの三日間というところはそういったところを大事にしたいなと、これは私の感覚ですけれども、思っています。  その中で、それぞれ県議さんも御都合とか、いろいろ立場もおありでしょうから、そういうときに関していえば、例えば、お一人で来ていただくとか、そういうことでしっかり、私が説明できることに関してはそういう機会もつくっていきたいなと。  いずれにしても、私は県議会の議場というものを極めて神聖と思っているので、その期間中についての行動については自らを律しなければいけないと思っているということでございます。  以上です。 55 ◎南里地域交流部長 登壇=私からは、環境アセスの御質問に関して知事の答弁を補足させていただきます。  まず、「幅広い協議」の中で、いろいろ私と幹線鉄道課長さんとやり取りをさせていただいておりますが、そういった議論も通じてでございますけれども、鉄道局のほうも、通常はこういう環境アセスというのは、当然整備方式とか、整備をするということは決まってから行うというのが通常である、あるいは一般的であるということでお考えだと思います。ただ、今回はいろいろ財源的な話があるので、アセスを先行させてほしいというお話が来ているというふうに認識をしております。  そういう中、鉄道局の幹線鉄道課長さんとの話の中では、例えば、七月十五日の協議でございますけれども、この中でこの提案を受けていただければ、協議の結果、どの方式に決まったとしても迅速にその実現に取りかかることが可能になります。いわゆる五択アセスを全部やっておけば、どれかが決まればやれますということをおっしゃったのと、もう一つ、アセスをすれば、即それが事業になるかというとそうではないというふうなお話をいただいておりますので、今回の文書に書かれていることと内容的には違いはないのかなと私は思います。  ちなみに文書で拝見してみますと、「国土交通省鉄道局としては、六月十六日にお示しした環境影響評価の提案にご同意いただいた場合であっても、それをもってフル規格などの特定の整備方式が決まることになるとは考えておりません。」と書いてありますので、それは最初からそういう趣旨で御説明はいただいていたというふうに理解をしております。  その上で、今回、私どもがこれはちょっと佐賀県としては受け入れられないということを申し上げておりますのは、まず、国のほうから五つの整備方式の全てに対応できるアセスの実施ということで提案がございました。  最初、私は何か共通するものがあるのかなとか思ったんですけど、結果そうではないということで、それぞれについてアセスをやるという提案でございました。  その中で、いわゆるリレー方式についてはそもそも必要がないということでありますので、実質的には四つの方式についてのお話だったということが分かったわけでございます。  そして、そういう議論の中で鉄道局さんからは、どうしても北陸ルートの財源の議論に間に合わせたいというお話が度々ございまして、(発言する者あり)そういうことで御説明をいただきまして、内容的には二年後の北陸ルートの財源議論に間に合うようにしたいという説明をいただいたということでございます。  ということで、我々としては、二年後の財源議論に乗り遅れないという前提の話の中で、そこで対面乗りかえとか、スーパー特急とか、フリーゲージトレインとか、そういったいろんな話があったわけで、それに関係するのかということをお伺いしましたけれども、回答は要らないと。先ほど申し上げた分には要らないということで、これは財源議論とは関係ないということが分かったわけでございます。  そして、法律上要るのはミニ新幹線とフルということで、今回の答弁でも御説明させていただいておりますけれども、ミニは四年以上かかるので間に合わないと。それから、いわゆるアセスルート以外のフルルートについては四年から六年かかると。したがって、二年半でやれるのは、この鉄道局からお話があっている国鉄時代のアセスルートだけが間に合うという話であったということでございます。  したがいまして、そういうお話をずっと伺ってはおるものの、中身として、鉄道局が財源議論に間に合わせたいということでおっしゃったのが、結局は佐賀駅を通るアセスルートのフル規格だけということでありますので、佐賀県としては、このアセスの提案は佐賀駅を通るルートのフル規格を認めるということと同義であるというふうに考えております。したがいまして、これは受け入れられないということを申し上げたということでございます。  私からは以上でございます。(発言する者あり) 56 ◎藤木卓一郎君 登壇=答弁漏れを指摘させていただきたいと思います。  質問の趣旨は、なぜこちらから提案というか、要望というか、こういうような条件で何とかなりませんかというような提案とか要望をしないのかと。そういう立場にありませんと言い続けていらっしゃるその根拠をお示しくださいということを申しておりました。 57 ◎山口知事 登壇=失礼いたしました。  藤木議員に対する答弁が一部漏れておりました。  私は、フリーゲージトレインということについて、それができなくなったということで、これはもう国の責任だということで国のほうもお話しいただいておりますので、我々のほうから打開するというようなことの必要はないと思っています。  ですので、我々から何かボールを投げていくということ自体ではなくて、そして、常に我々はリレー方式、それから、スーパー特急とフリーゲージについては、すぐに合意する用意があるとしているわけです。ですから、これについては、我々として球は投げている形になります。  ほかの二つについては、じっくり協議をさせていただく、協議の場もありますからというのが我々の見解で、常に回答しているということなんです。  ですので、今のままでその選択が我々の投げかけた三つの中で、このままいくとリレー方式が続くということになるわけですけれども、そうであるならば、我々は二年後に迎えますから、リレー方式の開業効果を最大限生かすような施策に邁進するということが我々の気持ちだということでございます。 58 ◎議長(桃崎峰人君) 本日の会議はこれで終了いたします。明日十六日は一般質問及び議案の委員会付託を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後五時二十三分 散会 Copyright © Saga Prefectural 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