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  1. 佐賀県議会 2020-09-02
    令和2年9月定例会(第2日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     ○ 開     議 ◎議長(桃崎峰人君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。     ○ 報     告 2 ◎議長(桃崎峰人君) まず、諸般の報告を行います。  上程中の議案のうち、乙第五十八号議案につきまして、地方自治法第二百四十三条の二第二項の規定に基づき監査委員の意見を求めましたところ、お手元に配付いたしておりますとおりの回答がありました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 監査第五六一号 令和二年九月九日 佐賀県議会議長  桃 崎 峰 人 様                   佐賀県監査委員 久本 智博印                   同       荒木 敏也印                   同       角  貞樹印                   同       土井 敏行印    地方自治法第二四三条の二第二項の規定に基づく意見について  令和二年九月八日付け佐議第八七九号で意見を求められた左記議案については、意見はありません。         記 乙第五十八号議案 漁業法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条          例(案)      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3 ◎議長(桃崎峰人君) 以上、御報告いたします。
        ○ 議 案 提 出 4 ◎議長(桃崎峰人君) 次に、知事から議案が提出されました。これは皆様のお手元に配付いたしております議案一覧表のとおりであります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     ○ 議 案 上 程 5 ◎議長(桃崎峰人君) お諮りいたします。  乙第七十三号議案から乙第七十五号議案まで、以上三件の議案を本日の日程に追加して議題といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 6 ◎議長(桃崎峰人君) 御異議なしと認めます。よって、乙第七十三号議案から乙第七十五号議案まで、以上三件の議案を本日の日程に追加して議題といたします。  乙第七十三号議案から乙第七十五号議案まで、以上三件の議案につきましては、既に上程中の議案と併せて審議することといたします。  お諮りいたします。  ただいま議題となりました三件の議案につきましては、提出者の説明を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 7 ◎議長(桃崎峰人君) 御異議なしと認めます。よって、以上三件の議案につきましては、提出者の説明を省略することに決定いたしました。  日程によりまして、一般質問を開始します。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 8 ◎土井敏行君(拍手)登壇=皆さんおはようございます。自由民主党会派の土井敏行でございます。令和二年九月定例県議会一般質問トップバッターを務めさせていただきます。  さて、最近は数十年に一度の災害が毎年のようにやってきます。今年も七月の豪雨災害、さらに台風九号、十号と続き、甚大な被害が発生しています。犠牲となられた方々に謹んで哀悼の意を表し、御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。  本県でも、祐徳稲荷神社の御神橋の横の浜川の氾濫が全国ニュースで何回も流れました。  また、この間、台風十号のとき、私の住む鹿島市で一人の男性が亡くなられました。亡くなられた鹿島市の男性は働き盛りの五十三歳です。  先日の佐賀新聞の囲み記事にありましたように、男性は鹿島市を代表する世界的シェアを持つ企業の会社員ですが、周囲の人望は厚く、近所の子供たちにも慕われ、奥様は、「主人は人のために尽くして働くところがあった。みんなのお父さんだった」と言われています。  弔問に訪れたある男性は、「地域のソフトボール大会や清掃行事も元気に参加して、農業も頑張っていた」と悲しんでおられたと記事に書かれております。  私も通夜に出席し、故人の勤め先の社長さんが自分の片腕と思って期待し、頼りにしていたのにと語られ、周囲の涙を誘いました。  地域の宝ともいうべき貴重な有為の人材が、突然命をなくしてしまう災害の恐ろしさに、改めてふだんからの防災対策、防災意識を高めることの大切さを感じたところであります。  故人の死が無駄にならないよう鎮魂の意を込めて質問を行います。  問いの一、一項目めは、激甚化する災害への対応についてであります。  県内に甚大な被害をもたらした昨年八月の佐賀豪雨災害の記憶もまだ新しい中、今年七月には熊本をはじめ、全国各地に甚大な被害をもたらした令和二年七月豪雨災害が発生しました。  本県においても、三年連続という大雨特別警報が発令され、県西部地域を中心に住家被害や土砂崩れなど大きな被害が発生しました。  県の調べによりますと、土木関係では県内の道路や河川などの公共土木施設で二百九十八か所の被害が発生し、農林関係においても園芸施設や畜舎等の被害のほか、農地や農道などの農業用施設の被害、また、林地や林道など森林関係被害など、県全体で約千八百か所の被害が発生したと聞いています。これらなどに必要な対策経費について、今九月議会で約六十九億円の補正予算が計上されております。  また、八月末には、ありがたいことに国で激甚災害の指定もなされたことから、県においては、一刻も早く復旧復興に取り組んでいただきたいと思います。  また、今月初め、過去最大級と言われた台風第十号では、先ほど申し上げましたように、残念ながら県内で一人の方の貴い命が失われるとともに、水稲、大豆の倒伏、梨、ミカンの落果、園芸用ハウスや畜舎の一部損壊などの農業被害がもたらされました。  今回の台風では、これまでになく多くの県民の方が避難所へ避難され、ホテルなどへ自主避難された方もいると聞いております。  一方で、報道等によると、新型コロナ感染症対策のため、避難所の定員が通常より少なくされていたことから、定員に達した避難所もあったと聞いているところであります。  七月豪雨の際は私も避難所には入れず、近所のホテルへ避難をいたしました。  台風十号に関する被害については、今後詳細が明らかになってくると思いますが、こちらについてもしっかりと対応していただきたいと思います。  このように、毎年大きな風水害に見舞われているところではありますが、今年七月の豪雨については、鹿島市では昭和三十七年に発生し、大浦地区を中心に六十二名の死者・行方不明者を出した大雨による水害、いわゆる七・八災害の規模の雨が降ったにもかかわらず、七・八災害ほどの大きな被害が発生することはなかったようです。  これは、県や市町が治山治水による災害に強い県土整備を推進されてきたことに加え、ソフト面においても、昨年の佐賀豪雨災害での教訓を踏まえた対応がしっかりとされたこと、また、被災現場においても、所管の土木事務所や農林事務所、建設業協会などによる初動対応が早かったことなども要因と考えられます。感謝申し上げる次第であります。  そして、山口知事も七月八日、いち早く被災地へ来ていただきました。市長、市議会議長、山下参議院議員ほか、土木、農林関係者と私も同行いたしました。知事の姿は被災者の皆様に力をいただいたと思います。ありがとうございました。  近年、地球温暖化による気候変動により、局地的に記録的な大雨が降るなど自然災害が激甚化しています。今後もこのような傾向が続くものと予想され、県としての災害対応の重要性が増していくものと考えます。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  一点目は、昨年の佐賀豪雨での教訓等を踏まえた災害対応についてであります。  今年の災害対応において、昨年の佐賀豪雨での教訓等がどのように生かされたのか知事にお伺いいたします。  二点目は、激甚化する災害への対応についてであります。  今後も、激甚化する災害にしっかりと対応していく必要があると考えますが、県としてどのように対応していかれるのかお伺いをいたします。  私は、大きな災害、水害を五回ほど経験しています。小さいものは数え切れません。先ほどお話ししました昭和三十七年の七・八水害、住宅や店舗の一階部分が軒下まで水没をしました。鹿島市全域がやられました。小学校三年生のときです。  次は、昭和五十一年の一夏、一月の間に二回の大水害が来ました。五十一災害です。その次は平成二年、三年の水害であります。  私の住んでいるところといいますか、地区、そして鹿島市が水害常襲地帯と言われていました。昭和五十一年の五十一災害の後、時の矢野正治市長が水害常襲地帯の汚名を返上せねばならない、古来、治山治水は政治の基本と言われました。  今、機能している市中心街を走る中川の上流の中木庭ダムの建設、鹿島川のポンプ設置、浜川の引き堤による河川拡張を決定されました。それを次の馬場市長、桑原市長、そして今の樋口市長と引き継がれ、現在、この地域を救う力になっていると思います。しかし、今の激甚化では間に合わない状態になっているのではないでしょうか。  また、災害の経験者と非経験者では行動に差が出るのは当然ですが、日頃から「備えよ、常に」の精神で、知識と思いが頭の片隅にあるか否かの差は大きいと思います。  防災意識をいかに高め、持ち続けられるか、県の今後の対応をお伺いしたいと思います。  問いの二、二項目めは、新型コロナウイルス感染症への対応についての質問であります。  新型コロナウイルス感染症の国内の感染者数は、九月十三日現在で七万五千二百十八人となっております。千四百人と言われておりましたが、詳しくは千四百三十九人の死者が発生しているようであります。  佐賀県においては、令和二年三月十三日に県内初の感染者が確認されて以降、クラスター発生などもありましたが、これまで一つ一つの事例に県庁一丸となって丁寧に対応することで徹底的に封じ込めが行われており、非常に心強く思っているところであります。  これは県の迅速な対応に加え、多くの県民や事業者の方々の御協力にもよるものと考えているところであります。  また、感染者の対応についても、県と医療関係者が連携して、佐賀大学医学部附属病院高度救命救急センター長、阪本教授を本部長に「プロジェクトM」を組織し、病床確保や入院、転院調整などの取組により、感染者が増加した場合でも医療体制が逼迫することなく、先手先手という考えの下、佐賀方式として力を入れ、佐賀県では一人の死者も出さず、県はしっかりと取り組んでいると高く評価をしているところであります。関係者の皆さんに心より感謝を申し上げるところであります。  そのような中、私たちは以前とは異なる新しい生活様式を求められ、人々の行動基準も変わり、人が密になるような行動、いわゆる三密ですね、密閉、密集、密接を避けるとともに、手洗いやせきエチケットなどの感染症対策に日頃から取り組む重要性についても改めて認識することになりました。  これから季節性インフルエンザの流行期を控え、我々自身もそれぞれが感染防止対策に取り組むとともに、県においては、引き続き迅速な治療や感染拡大防止により一層努めてもらいたいと考えております。  一方で、新型コロナウイルス感染症社会経済活動への影響は大きく、これまで県においては、全国に先駆けて金融支援を打ち出すなど業界の意見も聞きながら、独自の様々な対策が取られており、評価をしているところであります。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響は長期化をしており、支援は十分とは言えず、今後もしっかり取り組んでもらいたいと考えています。  例えば、国の雇用調整助成金は十二月まで特例措置が延長されておりますが、事業者からは十二月までには回復し切れない、年越し後にどうなるか不安という声や、この際、このまま廃業しようかという声も聞こえてまいります。  また、九月十日には地域の暮らしに密着している飲食業の団体であります佐賀県飲食業生活衛生同業組合から知事へ、厳しい状況の報告やさらなる支援について要望がされるなど、様々な事業者に影響が広がっております。  とりわけ観光業、飲食業、旅客運輸業への影響は大きいと感じており、感染拡大の防止と社会経済活動の両立は何よりも重要と認識しているところであります。  そこで、以下の点についてお伺いします。  一点目は、感染防止対策についてであります。三つお伺いします。  一つ目は、検査体制についてであります。  佐賀県では独自の基準でPCR検査を実施していると聞いています。どういう内容であるのか。また、第一波、第二波における対応を踏まえ、次なる波に備えて今後どのように対応していくのか健康福祉部長にお伺いをします。  二つ目は、医療体制についてであります。  医療提供体制を維持するため、これまで佐賀独自の取組としてどういったことをやってこられたのか改めてお伺いをします。  三つ目は、県民への情報提供についてであります。  新型コロナウイルス感染症については連日の報道で様々な情報が錯綜し、いつ収束するかも分からない状況の中、県民は必要以上に不安を抱いているように感じます。今後、新型コロナウイルスとうまく付き合いながら生活していくためにも、県民に正しい情報を分かりやすく提供すべきだと考えますがいかがでしょうか、健康福祉部長にお伺いします。  二点目は、社会経済活動との両立に向けた考えについてであります。  新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、感染拡大の防止と社会経済活動の両立に向け、県としてはどのような考えで取り組んでいかれるのか知事の所見をお伺いします。  また、このコロナ禍によって影響を受け疲弊している県内の経済界、各業界団体から生の声の一つとして、九月十日に知事へ提出された佐賀県飲食業生活衛生同業組合からの緊急要望について知事の考えをお伺いしたいと思います。  問いの三、三項目めでありますが、本日の三項目めは九州新幹線西九州ルートの問題であります。  新幹線問題は、一九七三年、昭和四十八年十一月、国が九州新幹線長崎ルートの整備計画を決定してから四十七年、大変長い時間の経過の上に今日があります。  御案内のとおり、当初は国鉄が建設主体の新幹線、フルもスーパーもミニもFGTもありません。今と違い、フルのみです。地方負担もありません。国鉄の民営化があり、JR九州になり、平成四年、一九九二年ですが、九州新幹線長崎ルート佐世保早岐経由のルートから現在の短縮ルートによるスーパー特急方式で発表された上、肥前山口─諫早間の経営分離問題で県を二分する議論を経て今日に至っております。  今年は長崎本線肥前鹿島駅が完成し九十周年の年であります。昭和九年に長崎本線が全線開通し、地元でちょうちん行列が行われたと聞いております。そのお祝いをする料亭の大広間、百畳の大広間まで造られたと今も語りぐさになっております。  今日もその歴史的思いの込もった肥前鹿島駅を八時二十五分発博多駅「かもめ六号」に乗って、そして、車窓の美しい景色を眺めながらここへまいりました。この歴史の重みを受けて質問いたします。  九月二日に新幹線問題対策等特別委員会が開催され、参考人として国土交通省鉄道局の寺田次長らが招致され、西九州ルートに関して質疑が行われました。この中で寺田次長は、フリーゲージトレインの開発に関し、安全性の確保と経済性に問題があり、安全性を低下することなくコストを大幅に削減するめどは立っていないとして、現実的な選択肢とはなり得ないと断言され、今後の開発についてもこれ以上技術開発のための予算や時間を投入することはできないと明確に否定をされています。  また、フル規格の場合のルートは、与党検討委員会の議論やJR九州の意向を踏まえると、佐賀駅を通るルートしかないと断言されており、佐賀県からほかのルートの提案があれば話は伺うとしながらも、北陸新幹線の財源確保の議論に乗り遅れないようにするためには、今年の冬から佐賀駅を通るルートについて環境影響評価に関わる調査を始める必要があるとされました。  さらに、フル規格による整備について、佐賀県が課題として挙げています並行在来線の問題に関しては、着工することが決まれば、着工までの間に関係する沿線自治体の意向なども踏まえ、営業主体であるJR九州において検討していくことになるという見解を示され、財政負担に関しても様々な議論をして議論の方向性が決まってくるような形になれば、それに合わせて必要な対応の努力をするという説明でありました。  フリーゲージトレインの導入ができなかった責任が国にあるということは鉄道局も認めています。委員会で確認もしました。しかし、そうであるならば、合意内容を変更したいと言った国が、責任を取る形で様々な課題や佐賀県が受ける不利益について対応案などを提示すべきであると思い、指摘もしました。国に責任があるということは認めつつ、何か佐賀県が悪者のように言われているところがありますが、国の責任を佐賀県に転嫁されては困りますし、私は佐賀県が何かを要望したり、条件を突きつけるような立場ではないと考えます。まして、こちらからフル規格をという立場でもありません。  大体物事の筋道から、あるいは論理的に言えば、六者合意の大前提でありますフリーゲージトレインがなくなったなら、武雄温泉─新鳥栖間ではなく、それ以前の武雄温泉─博多駅間のスーパー特急に戻るべきではなかったかという声も県内にはたくさんあります。今回の特別委員会では様々な論点について国の考え方が明らかになったところであり、県としてのこれらの受け止めや今後の国との協議に関わる方針等について県の所見をお伺いしたいと存じます。  一点目は、フリーゲージトレインの導入断念についてであります。  西九州ルートは在来線の利用が大前提であり、国が責任を持ってフリーゲージトレインを開発すると約束したからこそ、佐賀県は西九州ルートの整備に同意し、県民に対してもそのような説明を行ってきたと承知しています。  国はフリーゲージトレインの可能性がないと考えているにもかかわらず、環境影響評価の実施を佐賀県に提案していますが、私は、このことは県民に大変失礼であり、非常に不満に思うところであります。  今回、国としてフリーゲージトレインの導入を断念することを明言していますが、このことについて知事はどのようにお考えになっておられるのかお伺いをします。  二点目は、環境影響評価の実施についてであります。  六月十六日に国から提案がありました環境影響評価の実施について、当初、回答期限は七月末とされていましたが、特別委員会において、国は今月までに佐賀県の同意を得て事務作業を急げば、今年の冬からの調査に間に合うので、令和五年度からの着工を目指す北陸新幹線の財源議論に合わせて西九州ルートの財源について議論できるとの見通しを示されました。突然締切りのゴールが動いたのかと驚きました。  二つお伺いをしたいと思います。  一つは、提案に対する県の考え方についてです。  佐賀県は七月の協議の中で、担当部長から提案は受け入れられないと回答していますが、こうした国の見解に対して改めて環境影響評価の実施について県はどのように考えているのか知事の所見をお伺いします。  二つ目は、鉄道局の文書に対する県の受け止めについてであります。  さきの特別委員会で鉄道局は、同僚の木原議員の質問に対し、環境アセスの同意をもってフル規格を容認することにはならないという答弁をされました。この答弁内容を文書で提出するように求められ、鉄道局は検討するとされていました。  先週九月十一日金曜日、国土交通省鉄道局長名で「環境影響評価の提案にご同意いただいた場合であっても、それをもってフル規格などの特定の整備方式が決まることになるとは考えておりません。」とする文書が特別委員会の藤木委員長宛てに提出をされました。この文書について県はどのように受け止めているのかお伺いをします。  三点目は、今後の国との協議についてであります。  佐賀県と国の「幅広い協議」がこれまで二回行われたところでありますが、今回の特別委員会における議論において、協議の中では明確になっていなかったフリーゲージトレインやフル規格に対する国の本心が明らかになったのではないかと考えています。「幅広い協議」では五つの方式について真摯に議論をするということが前提であったと思いますが、今回、国の考えが明らかになったことを受けて、今後、国との協議をどのように進めるつもりなのかお伺いをします。  四点目は、フル規格の場合の問題点についてであります。  今議会の開会日の提案事項説明において知事はフル規格での整備について、「フリーゲージトレインを断念したからといってフル規格で整備するというのは筋が違います。在来線の利便性低下や莫大な財政負担など佐賀県が大きなリスクを負ってまで対応しなければならないものではありません。」と表明されています。  そこで、改めて県が考えているフル規格で整備する場合の問題とは、リスクとは具体的にどのようなものがあるのかお伺いします。  五点目でありますが、県民への分かりやすい説明についてであります。
     フル規格による整備については県内でも様々な議論がありますが、県民からは判断するための情報が不足している、県の考えはよく分からないといった声も多々聞きます。  フル規格の場合のメリットやデメリット、県が考える問題点などについてしっかり伝えるために、県民に対して丁寧に、分かりやすく説明する取組も必要と考えますが、いかがでしょうか。この分かりやすい説明の提供が今最も急がれる大事なことではないのかと思います。  以上、大きく三項目についてお伺いしました。執行部の明確な分かりやすい答弁を期待して質問を終わります。(拍手) 9 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。土井敏行議員の御質問にお答えいたします。  まず、昨年の佐賀豪雨での教訓などを踏まえた災害対応についてお答え申し上げます。  昨年の佐賀豪雨災害に続きまして、今年も三年連続の大雨特別警報の発表がありました七月豪雨、そして今回、台風九号、十号への対応となりました。とりわけ台風十号につきましては、我々がこれまでに経験したことのない、伊勢湾台風並みか、それ以上の台風ということが、事前に多くの報道も含めて言われておりましたので、最大級の警戒をしたところです。  台風十号は九月七日の朝に本県に最接近したわけですけれども、佐賀県では九月一日、六日前の段階で九号への備えと併せて、その後に続く十号、この時点ではまだ台風ではなかったんですが、こっちのほうがかえって危ないんではないのかということを申し上げて、災害警戒本部準備会議というものを立ち上げて、警戒していくことを申し合わせました。県がこのように早くから対応するということをしたこと、そして昨年の教訓もありました。県内の市町も含めて早くから対策いただいたんだろうと思っています。そして、三日前の九月四日に警戒本部に格上げして、九月六日、前日の午後三時、十五時に災害対策本部を立ち上げました。  この際、台風の最接近が翌朝早くということでありました。言うなれば、朝の三時から六時が要警戒という情報でありました。私自身の話をすれば、そういった早朝の段階で強風の中を登庁ということができない可能性が十分考えられたことから、前の日から県庁のほうで、私自身も対応しようというふうに決心しました。そして、前回の豪雨災害でも県庁職員が早朝に出勤することが極めて危ないんではないかと、これも我々教訓がありましたので、本庁にも百名以上だったと思いますけれども、みんなでこのまま朝まで頑張ろうということで夜通し警戒を行おうということになりました。  災害対策本部には県職員のほか、警察、自衛隊、気象台、九州電力、経済産業省のほか、日本赤十字社、そして佐賀災害支援プラットフォーム、いわゆるSPFの面々が詰めて、情報共有、災害発生に備えた様々な打合せなどを行ったわけであります。  九月一日の準備会議から過ぎ去った七日までの間に、都合十三回対策本部会議を開催しました。比べるのもなんですが、福岡と長崎は三回ずつです。  前日の午後三時に集まったときに、これから朝にかけて、三時間置きに本部を設定しようということを決めました。言うなれば、十五時、十八時、二十一時、二十四時、三時、六時、九時という形でやっていこうということになって、途中大きな被害が起きたら、もちろん三時間置きではなくて、縦断的にやっていくことになるんですが、基本的にはそのルールで警戒していこうということになりまして、気象台の台風情報、そして市町における避難の状況、停電の発生状況などを共有して、市町と連絡を取りながらの警戒となったわけであります。  特に今回は、大型で非常に強い台風ということで、昨年の千葉県で大規模な停電が発生しまして、非常に社会問題にもなりましたので、かなり強くそれを念頭に置いて、本部会議においても停電の復旧見通し、そして復旧が遅くなるとすれば、どういったことが考えられて、自治体がどういう支援ができるのかということについても打合せを再三させていただいて、大規模停電になったときについても想定した対応を行いました。  災害時における我々の最大のミッションは県民の命を守ることであります。今回の台風でも一人の死者も出さないという強い気持ちを持ってみんなと一緒にこの台風に向き合いました。そうした意味では、土井県議からお話がありましたように、鹿島で男性一人が亡くなられた、備えをされていた中で亡くなられたと、極めて残念至極であります。土井県議からも、会社のみならず、子供たちや地域の皆さんから慕われていたすばらしい方だということをお伺いしました。心から御冥福をお祈りしたいと思います。  命を守るためには、まずは県民一人一人が最大限の警戒を持って台風と向き合い、避難が必要な場合には早めに避難していただくことが重要であります。このために、県民に向けては三日前の四日の警戒本部の際に、最接近は七日の午前だから、備えは暴風域に入る前日の五日までに、遅くとも六日の明るいうちに避難を。災害弱者を抱えておられる施設は垂直避難を考えてほしい。七日は出勤しない勇気、させない判断を。台風接近中に外に出るのはやめてくださいといった警戒を呼びかけました。  そして、暴風域に入ってから、前日の夜九時の対策本部終了後にも県民への警戒メッセージということで流させていただきました。県民の命を守るために徹底的にやっていきますと、私も含めて本庁二百人体制で夜通し警戒していく。これからお休みになる皆さん、とても強い風が吹きますので、壁から離れたところで、結構それこそ傘なんかが壁を突き破るような事例も全国的にあったようですので、離れたところでお休みになっていただきたいとか、朝方、音がするからといって外に見に行くと、そこで物が飛んできて負傷することがあることを気をつけてほしいとか。コロナの話がありますけれども、コロナの心配よりもまずは切迫した命の危険に向き合わなければいけませんよというような話をさせていただきました。  今回の台風では二万人を超える皆さんが避難所に避難されました。これは昨年の佐賀豪雨が四千百二十人でしたから五倍以上の数になりました。このほかにも今回は分散避難の呼びかけ、極めて強い台風ということで、頑丈なホテルへ避難される方も多かったようであります。そして、親戚、知り合い宅へ避難された方もあったと思われます。ですので、二万人どころかもっと多くの方が行動していただいただろうと思います。私は、これだけ多くの皆さんが避難されたのは、昨年の佐賀豪雨を経験したこともあってのことであって、その経験も生かされたと思います。  私も、肩すかしやったねということをぱらぱらっと聞くこともあるんですけれども、あれだけの強風やったからですね、実は家が飛ばされたりとか洪水で水没するということが起きるというのは、実は紙一重というか、十分それは起こり得ることなので、いや、本当にみんな助かってよかったねということを県民の皆さんと成功体験として教訓化することも大切なのではないかと思っています。  そういった意味でも、今回の一人犠牲者が出てしまったことというのは本当に返す返すも残念です。その方のためにもこれから佐賀県民がこういったことの教訓化をしっかりして、そういった災害対策を考える上で生かしていかなければいけないと思いますし、そして、あの佐賀豪雨のときには、朝方の発災中の移動で亡くなられた方がおられました。今回そういった方がおられなかったということも教訓だったのかもしれません。  今回の経験を生かし、さらに県民の意識向上と災害対応力の向上を図るなど、県民の命を守るミッション達成に向けた取組を進めてまいりたいと考えています。  続きまして、激甚化する災害へのハード、ソフト両面での対応について申し上げます。  近年は頻発化の傾向です。今年は七月に熊本の球磨川での氾濫というものも非常に大変な状況となりました。災害対策はハード整備とソフト対策、両面から取り組むことが必要だと思います。  まず、ハード対策について申し上げますが、佐賀県もこれまで本当に多くの災害が、特に大水害というものに見舞われました。その被害を教訓にこれまで先人の皆様方が尽力して、河道の拡幅ですとか築堤とか、河川改修をその都度やってこられております。そして、ダム建設などのハード対策、こういったことで被害が徐々に軽減されるようになってきたのかなと認識しています。  土井県議から鹿島のお話もございました。昭和三十七年の七・八災害が大きく鹿島では心に残っておるわけで、あのときは鹿島川流域で約四千六百戸の浸水被害が発生いたしました。それを受けて、鹿島川での河川の改修、これは平成十一年度までずっと続けられました。そして、中木庭ダムの建設が実施されることになって、これは平成十八年度で完了ということがありました。本年七月豪雨、確かに鹿島、太良地域で、私もすぐにお伺いしましたけれども、随所で大きな傷跡は残しました。ただ、鹿島川の氾濫による浸水家屋というのはなかったということで、大水害に見舞われやすい佐賀県は、こうやって一つ一つ教訓化して対策を取っていくということなんだろうと思います。  現在も牛津川遊水地整備などの激特事業、そして城原川ダム建設事業などをはじめとした河川の氾濫対策、それから金立川など土砂災害防止対策ということで砂防系の工事もこれから進めなければいけないということでありまして、教訓を生かしていきたいと思います。  県民の貴い命と財産を守るために着実にハード対策を進め、災害に強い県土づくりに邁進していきたいと思います。  そして、ダムなどの既存施設ですけれども、これは造るだけじゃなくて、適切に維持管理を実施しつつ、有効に活用していくと。事前放流など様々なオペレーションがあります。そういったところについての熟度も上げていかなければいけないと思っています。  そして、ソフト対策ですけれども、やはり今回、多くの方が避難いただいたように、命を守るために早めの避難というものが大事です。県民お一人お一人の意識を高めていく、自らの命を自ら守る自助、そして地域で支え合う共助といったものについての充実も図ってまいりたいと思います。  そして、災害時には市町、消防、警察、自衛隊などの関係行政機関との連携はもとより、NPO、ボランティア団体、民間企業ともうまく連携していくことが重要です。いわゆる行政は発災当初はとにかく命を救う活動に全力を挙げたいと思っています。そして、その後、生活支援へとシフトしていくわけです。NPOなどについては、発災当初から細やかな生活支援とか、そういった観点で向き合っていただいております。そして、昨年の佐賀豪雨から今年の災害にかけて、県内ではSPFなどの災害ボランティア団体が活躍しております。実は本県の一番の誇りはこういうボランティア団体がきめ細かくやっていただいて、災害対策本部にも来てもらって連携できている、ここではないのかなと思います。  そして、県内ボランティア団体だけではなくて、県外からもA─PADジャパンですとか「おもやいボランティアセンター」、日本カーシェアリング協会とか、佐賀県だけではない国内、そして国際的な様々なボランティア団体までもが佐賀に本拠を備えようとしているこの流れというのを大切にしたいと思っております。しっかり連携を図っていきます。  さらに、今年度末には本県でも防災ヘリの運航が開始されます。今、彼ら、全国方々を回って、習熟の訓練を一生懸命しております。早い段階から、空からの情報収集による有機的な対策も可能となるわけであります。さらに、今回提案いたしております県内の七離島についても場外離着陸場を整備、着手してヘリコプターによる避難というオペレーションまで加わるということになりますので、こういったことにも力を注いでいきたいと思います。  これまでのハード整備に加え、ソフト面での災害対応の経験値の積み重ねによりまして、市町、関係機関を含めた佐賀県の災害対応力は着実に上がってきていると思っています。今後もハード面の整備、そしてソフト面の災害対応力の向上を図っていくことが重要です。県の災害対策本部が市町や関係機関と連携し、対策の的確な指示が出せるように習熟を図ってまいります。  オペレーションの習熟も必要でありますので、市町との連携、そして県民への情報提供と、こういった観点からも練度、熟度を上げていきたいと思います。  災害において一人の死者も出さない、救える命を救うんだという強い気持ちを持って、全庁挙げてハード、ソフト両面からしっかり備えていきたいと思います。  続きまして、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。  土井県議から感染拡大防止社会経済活動の両立について様々御指摘もいただきました。これは両方やっていくということが大事なんですけれども、ここにまだ難しさがあるというのは御紹介いただいたとおりです。  感染拡大防止については、いわゆる佐賀方式、念のため検査まで幅広くやって、即時入院かホテルに入っていただくということをやって、そして「プロジェクトM」が五百人分をしっかり確保しているというところです。先手先手でやっているというところで、これが機能しているんだろうと思っています。本当にこれは医療従事者の皆さん方のおかげ、たまものなんです。本当にまたこの場を借りて感謝申し上げたいと思います。皆さんのおかげです。マンツーマンディフェンスをやれているのも皆様のおかげなので、こちらのほうは今のペースでしっかり対応していこうと思います。  問題は社会経済活動をどのようにしていくのかということであります。どうしてもやはり自粛のほうが、これは大事なんですけれども、感染拡大防止の思いが強いと、やっぱり自粛の思いが県民の皆さん強くなって、なかなか町に出るといったような活動というものに対してはどうしても臆病になられているということ。本当は我々として状況はしっかり報告しているので、対応いただきたいというところもあるんですけれども、ここをどのようにこれから習熟していくのかなというところだろうと思っています。  特に第一波のときは重症化された方もおられたし、全国的にいうとお亡くなりになる方も結構多かったんですね、著名人も含めてですね。ということもあったんですが、ただ、我々として、実感としてあんまりうつらないなという感じだったんです。ところが、七月二十日の第二波からのものはほとんど軽症以下、無症状の方です。ただ、その代わりよくうつるなというか、家庭内感染も多かったし、例えば、小さなエリアでも起きますと、そこからどんどんどんどんつながっていくということが見られました。我々は全部聞き出して最後まで閉じ込めていくという作戦ですから、どうしても追っていけば追っていくだけ第二波は数が増えていくという形になっていたわけなんですが、ただ、我々にしてみると、ある程度追っている感はあったので、外に出ていただいて社会経済活動をしていただきたいという気持ちはあるんですけれども、どうしても数字が出てしまうところで自粛型になってしまいがちでありました。ここのところもこの一週間以上はゼロか一でありますし、昨日、今日もゼロでありますし、十分追えているので、今、「支え愛局面」だというふうに思いますので、ぜひ社会経済活動をしっかり動くように我々も頑張らなければいけないと思っています。  この先なんですが、やはりコロナは先がどうなっていくのかというのは誰も分からないところに難しさがあって、ウイルスも、今、見えている状況ではありません。そして、最悪の場合も我々として備えておかなければいけないと思っているので、その分の財源というところもある程度維持しながら、場合によって、最悪で、休業要請したら支援をしていくと。そういったところもパッケージとして用意しながら準備に当たるということなので、そういう先のことも見据えたような対処もしなければいけないと思っております。  これまでの対応について御案内もいただきましたけれども、佐賀県が一つヒットしたのは三月頭の資金手当てだったと思います。特に国が、佐賀県内でいうと四千件、六百二十八億円あったんですけれども、なかなかそこが行き通らないというか、そういう状況もあったので、県はいち早く、今三千件、八百四十二億円ですね。県単で、しかも九州では唯一、三年間無利子の融資制度を設けておりますので、それで県分が八千万円の枠、国分が三千万円、今四千万円に上がりましたかね、というのがありましたので、あの当時で結構一億円以上借りているところも多くありました。そういった意味で、資金繰り的には何とかなってきたのかなというところがあります。  そして、三月から五月にかけて、御案内のとおり店舗型の支援金ですとか、国の対象にならないところの支援だとか、それから様々な業界に対しても対策を打っていきました。  私はこうやってできたのは、最初は二月に追加補正させていただいて、四月に専決も考えてはどうだと議会側から振り出してもらって、専決もさせてもらって、五月には臨時議会を打たせてもらって、それから六月、九月と補正をさせていただいていると。これはなかなか、私が言うのもなんですけれども、非常に議会側とのキャッチボールができてやれたのかなというふうに私は自負しております。臨機応変に様々な対応を行う、県民のためにということでできたということに関しては心から県議会にも感謝申し上げたいと思います。  問題は土井議員からお話しいただいた今後です。これまではそこそこそうやってきたんですけれども、第二波の問題として、どのようにウイズコロナ、アフターコロナも含めた上で社会経済活動を支えていくかということであります。  観光面につきましては「高・近・長」というのを打ち出して、支え愛宿泊キャンペーンをやったりとか、平日宿泊運動をやったり、今回、九月議会では第二弾も提案させていただいております。「GoToトラベル」も使えるようになっているので、それと併設した形で何とかこれはしのいでいきたいなと思っています。  そして、問題は飲食業、これがどうしても、特に私もできる限り夜回るようにしているんですけれども、個人客はそこそこだと思います。やはり団体客はぴたっといないということがどこもかしこもお話しいただきます。やはり警戒のスイッチというのが入っていて、特に会社、企業の皆さん方が会社飲みはやめようねというような声がかかっているんじゃないかという声をよく聞きます。そういった意味でも、今、会議所などと相談して、徐々に、あまりストッパーをかけないような流れで行けないものかという相談もさせていただいているところであります。  それから、やはり町に出る雰囲気が大切なので、知事からもっと直接訴えてほしいという声も聞いておりますので、最近、コロナの本部の中でできるだけそういった声というものも、我々県当局というのは感染予防もやっているので、話をするのはなかなか難しいんですけれども、それでも今は出ていくタイミングだということをさせていただいております。ナイトテラスチャレンジも、そういった意味で町に出ていいんだというところのきっかけにはなったと思いますので、これは第二弾、第三弾、今準備しております。  それから、国の「Go To Eat」です。これはみんな期待しています。今回、どういう経緯で「Go To Eat」が都道府県単位になったのか私はよく分かりませんけれども、これは私は評価したいと思っています。国全体でやるのはなかなか難しいねという話をしていたところ、各都道府県単位でということで、しかも四十七都道府県均等割ということで私も驚いたんですけれども、東京と佐賀と同じロットということになりまして、簡単に言うと一万円のチケットに二千五百円のプレミアムを、一万二千五百円分を一万円で販売するということなんですけれども、佐賀県はそのチケットを七十五億円分、一万二千五百円を六十万セットあります。六十万セットですから、県民が八十二万人ですので、大分行き届くのかなというふうに思います。いち早くそれをやる取扱店も決まっておりますので、これから「Go To Eat」というものも期待して、みんなで支え合っていくんだろうというふうに思っています。オール佐賀で飲食店を支えていきたいと思います。  そのほか、文化芸術系ですとか、非常に苦しんでおられる方、まだまだおられて、先が見えないという状況があります。「Lives Beyond」などを今やっておりますけれども、きめ細かく、しっかり県議会の皆様方の声なども伺いながら対策を打っていかなければいけないと思っています。  最近の状況はそういうことでありますので、感染の状況というのをしっかり確認しながら社会経済活動を行っていきたいと思います。具体的な支援等については関係部局長から答弁させていただきます。  続きまして、九州新幹線西九州ルートについて、フリーゲージトレインの導入断念に対する私の所見についてお尋ねがございました。  西九州ルートは、関係者で様々な合意をつくり上げながら進められてきた経緯があります。新鳥栖─武雄温泉間は在来線をそのまま利用し、国が責任を持って実用化を推進するとしたフリーゲージトレインを前提として、武雄温泉─長崎間の整備が進められています。  そのフリーゲージトレインの開発の遅れから、国が令和四年度のリレー方式による開業を提案して、佐賀県はそのときに苦渋の判断で六者合意を行いました。ここまでは、しっかりみんなで合意をしていたわけであります。  ところが、二年前ですか、その合意の後、フリーゲージトレインの導入を断念して、現在のこういう状況を招いたのは国の責任だと思います。で、フリーゲージトレインを断念したからといって、フル規格で整備するというのは筋が違うと思います。そして、土井県議からもお話しいただいたように、だから、佐賀県から何らかの打開策を提案しなければならないというのはおかしいんではないかと思っています。  続きまして、環境影響評価の実施に対してであります。  六月に鉄道局から環境アセスというものが提案されました。別にここで何かに決めるということではなくて、しっかり時間をかけて議論すればいいから、これでフルと決まったわけではないからという感じで六月に提案がなされて、ただ、県としては、えっと、何で五つ全てにアセスが必要なんだろうというふうな疑問、しかも、決定していないのにそれに乗り出すということはどういうことなのかということで、そういったことも考えて、即時に提案当日に拒否をお伝えしたところです。  その後、七月十五日の二回目の「幅広い協議」のときにもまた提案がなされて、でも、それで七月いっぱいが期限だからということがありました。ですので、七月三十一日にもまた拒否をすると、できませんと回答させていただいたわけです。  また九月というふうにどんどん延びていくわけですけれども、我々からしてみると、もうお答えをしたと思っています。佐賀県はフル規格に合意しておりませんので、環境アセスに同意することはあり得ません。こうした考え方など詳細につきましては、地域交流部長から答弁させたいと思います。 10 ◎南里地域交流部長 登壇=私からは、九州新幹線西九州ルートに関する御質問にお答えをいたします。  まず、鉄道局の環境アセスの提案に対する県の考え方につきまして、知事の答弁を補足いたします。  六月に鉄道局から提案がありました環境アセスにつきましては、五つの方式に対応できるアセスということでございましたけれども、実質的にはフル規格のためのものと言わざるを得ないということがございましたので、先ほど知事から答弁もございましたように、提案がありました六月十六日、そして、私と鉄道局との協議を行いました七月十五日、そして、鉄道局が期限とされました七月三十一日の三回にわたりまして、これは受け入れられないということを回答させていただいたところでございます。  このことにつきましては、これまでの私と鉄道局の幹線鉄道課長との協議ですとか、先日の特別委員会の審議で、一つは、フリーゲージトレインについては、国は技術的なめどが立っていない、現実的な選択肢となり得ないとしていること。それから、法令上必要なアセスはフル規格とミニ新幹線だけであること。財源確保のために、令和四年度までにアセスを終わらせたいこと。ミニ新幹線のアセスは四年前後を要し、これは間に合わないこと。そして、フル規格のアセスは、佐賀駅を通るルートであり、この場合だけ令和四年度までに終わらせることが可能であること。アセスルート以外の県北部を通るルートですとか佐賀空港を通るルートなどにつきましては、アセスに四年ないし六年かかるということで、これは間に合わないということなどが明らかになりました。  こういったことから、改めて鉄道局からのアセスの提案が、ルートを、佐賀駅を通るアセスルートと限定した上でのフル規格のためのものということが浮き彫りになったというところでございます。  佐賀県といたしましては、この提案を受け入れることは、すなわち佐賀駅を通るルートでのフル規格の整備を受け入れることと同義であると考えますので、佐賀県としてこの提案は受け入れられるものではないと考えております。  次に、鉄道局の文書に対する受け止めについてお答えを申し上げます。  鉄道局の文書では、議員からもありましたように、「六月十六日にお示しした環境影響評価の提案にご同意いただいた場合であっても、それをもってフル規格などの特定の整備方式が決まることになるとは考えておりません。」とされておりますが、鉄道局はもともとそのようなことでお話をされてまいりました。  ただ、先ほど申しましたように、中身を見てみますと、これまでの私と鉄道局幹線鉄道課長との協議ですとか特別委員会の議論から、鉄道局からの環境アセスの提案が、ルートを、佐賀駅を通るアセスルートと限定した上でのフル規格のためのものということが浮き彫りになったところであります。  佐賀県といたしましては、今回の提案を受け入れることは、すなわち佐賀駅を通るルートでのフル規格の整備を受け入れることと同義であると考えておりますので、これは受け入れられるものではないというふうに考えております。  佐賀県は様々な議論を行うことは閉ざしておりませんので、鉄道局とは今後も「幅広い協議」の場で率直に議論をしてまいります。  なお、三回目の協議を八月下旬でもともと予定しておりましたけれども、改めて日程を調整するということで御連絡をいただいております。九月議会終了後で調整をしていきたいと考えているところでございます。  次に、今後の国との協議についての御質問にお答えを申し上げます。  六月五日に「幅広い協議」に入りまして、鉄道局と率直に議論を行っております。その中で、「幅広い協議」が与党検討委員会が求めているフル規格を実現するための協議ではないこと、佐賀県の合意がない限り、方針決定を行うことはなく、環境アセスを含め、事業化に向けた手続は行わないことについては確認できました。  佐賀県は、これまでに合意をしておりますスーパー特急、フリーゲージトレイン、リレー方式については異論はありません。これまでの合意にないフル規格やミニ新幹線については、与党検討委員会での議論とは関わりなく、しっかり時間をかけて行う。そして、フルありき、スケジュールありきの協議には応じられないという考えに変わりはございません。佐賀県として様々な議論を行うことは閉ざしておりませんので、今後とも「幅広い協議」の場で率直に議論をしてまいりたいと考えております。  続きまして、フル規格の場合の問題点についてお答えを申し上げます。  まず、在来線の問題が大きな問題としてございます。  在来線に関する大きな問題点といたしまして、まず、在来線の利便性の低下というものがございます。  一般論として申し上げますと、新幹線の開業に伴いまして、在来線の特急が新幹線に振り替わりますので、在来線の特急がなくなります。新幹線ができましても、自分は在来線特急を使い、新幹線は使わないので関係ないというような声も耳にすることがございますけれども、フル規格になれば選択肢が増えるということではございませんで、いわゆる新幹線を利用せざるを得ないということになります。  鹿児島ルートの博多─熊本間では、「つばめ」などの在来線の特急が新幹線に振り替わり、全てなくなっております。  こういったことから考えますと、現在、長崎本線と佐世保線では「かもめ」などの多くの特急が運行されておりまして、例えば、鳥栖、新鳥栖、佐賀では一日当たりそれぞれ上下で八十六本、肥前山口では六十八本の特急が停車をしておりますけれども、これらの駅では「かもめ」などの特急がなくなる、あるいは大幅に減るという可能性が容易に考えられます。  それから、武雄温泉─長崎間の開業で特急の利便性が大きく低下します鹿島、太良などの長崎本線沿線地域では、フル規格になりますと肥前山口での特急がなくなりますので、さらに不便になるということがございます。  また、新鳥栖駅では在来線の特急とは別に鹿児島ルートの新幹線が一日当たり上下約百二十本、現在停車をしておりますけれども、在来線特急との乗換え需要がなくなりますので、新幹線の停車本数が大幅に減ることも考えられます。  次に、在来線の利便性の低下とは別に並行在来線の経営分離の問題がございます。  整備新幹線では、第二の国鉄を生み出さないために営業主体でありますJRに並行在来線の経営分離の判断を任せております。  一般的な例では、多くの場合、経営分離が行われておりまして、沿線の県、市町、企業・団体等が出資する第三セクター鉄道に移行して、沿線の自治体が財政負担をして支えられております。  西九州ルートでも、JR九州が肥前山口─諫早間の経営分離を表明されました。結果として、上下分離方式によりJR九州が二十三年間運行するということになりましたけれども、佐賀県と長崎県で年間約十億円を支出して維持することになっております。  また、近年増加傾向にございます豪雨災害などによりまして、この区間の鉄道施設が被災した場合は、佐賀、長崎両県の負担で対応することになります。  このように、新鳥栖─武雄温泉間について、在来線の経営分離や上下分離ということになれば、県や沿線の市町に建設費の負担とは別に莫大な負担が発生することになります。  そして、第三セクター鉄道になった場合は、利用者の運賃が上がる、これは上げざるを得ないということが一般的でございます。  そして、この並行在来線の問題につきましては、JR九州や国は、これは議員からも御紹介があったと思いますけれども、着工することが決まれば、着工までの間に営業主体であるJR九州において検討していくことになるという見解であります。  そして、先日の特別委員会でも、佐賀県にとってとても大事な在来線の取扱いにつきまして、鉄道局のほうは、大変重要な存在だと思っているので、地域とJR九州の間でよく意見交換などをして御議論を進めていただきたいという姿勢でございました。  国鉄民営化後の新幹線整備は、地元の自治体が莫大な財政負担をし、在来線の利便性低下などの様々な不利益を受け入れてでも整備をしたいと手を挙げて進められるものであります。  フリーゲージトレインの導入を断念し、現在の状況を招いたのは国の責任です。フリーゲージトレインを断念したからフル規格で整備するというのは筋が違うと考えます。  在来線の利便性低下や莫大な財政負担など、佐賀県が大きなリスクを負ってまで対応しなければならないものではないと考えております。  最後に、県民への分かりやすい説明についての御質問にお答えをいたします。  議員の御指摘も踏まえまして、今後、西九州ルート整備の経緯や新鳥栖─武雄温泉間をフル規格で整備する場合の問題点、県の考え方などを県民の皆様に分かりやすく知っていただくための取組を検討したいと考えております。  私からは以上でございます。 11 ◎大川内健康福祉部長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症への対応について三点お答えをさせていただきます。  まず、検査体制についてでございます。  県では、三月十三日に初めて感染者が確認されて以降、先手先手でという考えの下、佐賀方式で対応してまいりました。  具体的には、まず濃厚接触者について、当初の国の基準では症状がある方のみPCR検査を行うようになっておりましたが、県では当初から国の基準にとらわれず、さらに深い調査が必要と判断いたしまして、無症状の濃厚接触者についてもPCR検査を行ってまいりました。  また、濃厚接触者の定義に当たらないその他接触者に対しましても、感染の可能性を否定せず、幅広に検査を実施してまいりました。
     その結果、第一波の四十七例のうち、無症状の濃厚接触者から五名、その他接触者から十三名、計十八名の感染者を早期に発見し、早期治療につなぐことができました。このことにより、重症化予防や感染拡大防止に大きな効果があったものと考えております。  なお、国の基準につきましては、その後、無症状の濃厚接触者につきましてもPCR検査の対象となり、また、発症二日前からの接触者も調査するよう順次改正されてはおりますが、現状においても佐賀方式のほうが幅広のものとなってございます。  今後とも、念のための検査などに取り組んでまいります。  さらに、検査体制につきましても、衛生薬業センターを中心に順次体制を整備してきておりまして、現在、一日約二百件のPCR検査が可能で、今後、さらに拡充していくこととしております。  また、寒くなりますと発熱患者が増加してまいりますので、地域の医療機関へのPCR検査機器の導入でございますとか、より簡易に検査ができる抗原検査の実施に向けた準備を進めております。  今後とも、感染拡大防止にしっかり取り組んでまいります。  次に、医療体制についてお答えをいたします。  県では、感染者数が少ない段階で早め早めに先回りをして医療提供体制を整えておくことが重要と考え、四月三日に議員からも御紹介がございましたが、佐賀大学高度救命救急センターの阪本センター長をヘッドに、医師と県職員から成る「プロジェクトM」を立ち上げまして、医療提供体制の確保強化に取り組んでまいりました。  具体的には、病床及び宿泊療養施設の確保、入院、転院の調整、医療資機材の確保、配布などの取組を実施しております。  当初、感染症指定医療機関の二十四床であった受入れ可能病床につきましては、五月頃には協力医療機関も増やしまして、百二十床を確保するとともに、無症状者等の受入れ施設についても、四月下旬にはホテルを借り上げまして、二百三十室を確保いたしております。  また、各医療機関の陽性患者の受入れ状況などを関係者間でリアルタイムに把握するためのネットワークシステムを県独自に開発いたしまして、患者の状態に応じたスムーズな入院、転院の調整ができる体制も早い段階で整えております。  そして、医療用マスクやガウンなどについても、県独自に専用システムを開発し、医療機関の要望に応じて迅速に配布できる体制を整えております。  現在、受入れ可能病床として最大二百八十一床とホテル二百三十室を確保しておりますが、一たびクラスター等が発生いたしますと、一瞬で状況が悪化することも十分あり得るといった意識と緊張感を持って、今後も先手先手で対応してまいります。  最後に、県民への情報提供についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症に関する県民への情報提供につきましては、これまで対策本部会議や記者会見、ホームページ、新聞広告、あるいは県民だより等によりまして積極的に行ってきております。  例えば、県内における感染の状況、検査状況などにつきましては、毎日、ホームページで最新情報を掲載するとともに、対策本部会議では会議開催時点での感染状況について報告をしてきております。  また、各医療機関や市町に対しましても、新しい知見に基づく資料が更新されるそのたびに文書等により情報提供をしてきております。  議員からも御指摘がございましたが、報道やSNS等の様々な情報により不安に思われている方もいらっしゃると思います。県のホームページでは、県内の感染状況や最新の知見に基づく情報を掲載しておりますので、ぜひ正しい情報を入手していただきたいというふうに思っております。  なお、新型コロナウイルスの感染拡大やその影響に関して、多くの方が不安やストレスなどを感じておられるというふうにも思います。つらい気持ちを誰かに話すことや相談することで、つらさが和らぐこともございます。  県では、精神保健福祉センターに新型コロナウイルス感染症に関する心の電話相談専用ダイヤルを開設しておりますので、一人で抱えずにお気軽に御相談いただければというふうにも思います。  今後とも、県民の皆様の不安をできるだけ取り除くことができるよう、様々な機会や媒体を活用いたしまして、正しく分かりやすい情報提供に努めてまいります。  以上、お答えいたします。 12 ◎寺島産業労働部長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症への対応についての御質問のうち、具体的な取組について知事答弁を補足させていただきます。  産業面におきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を踏まえ、その時々の状況に応じて佐賀県独自の事業者支援を実施しているところでございます。  まず、感染第一波における緊急事態宣言が解除された五月下旬までの対応について、少し御説明させていただきます。  知事からも先ほどございましたけれども、まずは三月に全国に先駆けまして、保証料ゼロに加えて三年間全額利子補給を行う、そういった資金を創設いたしまして、各金融機関、そして、県の信用保証協会におきまして迅速かつ柔軟に対応していただき、強力に資金繰りを支援いたしました。  また、四月から五月にかけましては、感染拡大防止のため、休業などの要請をさせていただき、それに応じていただいた飲食店の方々をはじめとする事業者の皆様に店舗ごとに休業支援金、あるいは県境ストップ支援金を交付させていただいております。  さらに、申請手続が難しくてなかなか利用できない、利用が進まないということで、事業者がお困りでありました国の雇用調整助成金につきまして、速やかな受給による県内労働者の雇用維持を図るため、国の制度ではございますけれども、県として一歩踏み出して支援員を配置して、申請に係るアドバイスなども行っております。  そして、これも同じく国の制度でございますが、持続化給付金につきましても、様々な制約の中で対象とならない事業者がいらっしゃるということが分かりましたので、例えば、今年になってから創業したですとか、あるいは店舗を拡大されたとか、さらに任意団体の事業者は対象外とされるとか、そういったことがございましたので、前を向いて頑張っていらっしゃる事業者につきましては、県として支援をさせていただいております。  そして、緊急事態宣言解除以降につきましては、県内の経済活動を再び活性化させる局面ということで、ウイズコロナ、アフターコロナに適応するため、三密対策はもちろんですけれども、様々な分野における事業の再開への支援、さらには新しい事業展開やビジネスそのものを変革する取組など将来に向けて事業者がチャレンジする、そういった取組の支援も行っております。  具体的に申しますと、まず、ウイズコロナに対応した新たな業態の取組をスタートさせる事業者ですとか、あるいは新たなまちづくりにチャレンジされる商店街などに対しまして、その取組を支援しておりまして、その中で飲食店の方々の新たなサービスですとか感染防止対策、また、飲食イベントなども支援をしているところでございます。  それから、先ほど知事からも答弁がございましたけれども、農林水産省の「Go To Eatキャンペーン」というのがございます。  こちらは、農林水産省のほうから商工団体とか、あるいは民間事業者に対して事業を委託するというスキームになっておりまして、本県におきましては、一次公募で事業者が決定をしております。  御参考までに、お隣の福岡県、長崎県ではまだその事業者すら決まっていないという状況でございます。  今、その受託事業者のほうで、関係機関や様々なところと調整、準備中でございまして、まだはっきりと決まっていない部分もございますが、今の状況で申しますと、スケジュールとしては十月から食事券を使えるお店、いわゆる加盟店といいますか、参加店舗を募集されまして、十一月から食事券を販売する、そういったスケジュールで準備をされているというふうに聞いております。  また、今議会に提案をさせていただいておりますけれども、この新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、DX──デジタルトランスフォーメーションの取組が大企業を中心に加速する中、県内の各産業分野の参考、あるいは手本となるようなモデルを創出し、このDXの取組を県内全体に波及をさせる事業ですとか、ウイズコロナ、アフターコロナを変革のチャンスと捉えて、ものづくり企業が外部のデザイナーやクリエーターなどとコラボして行うブランディングですとか商品開発、プロモーション、こういったものを支援する事業にも取り組みたいと考えております。  感染症の拡大防止と社会経済活動の両立を図ることは非常に困難ではございますけれども、その時々の状況を踏まえ、ウイズコロナ、アフターコロナという新しい時代においても県内事業者の方々が様々な工夫、新たなチャレンジを行い、持続的に発展、そして成長していけるよう支援してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 13 ◎田中文化・スポーツ交流局長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症対策についての質問のうち、観光業に関する具体的な取組について知事答弁を補足してお答え申し上げます。  先ほど知事の答弁にありましたとおり、三月から五月の第一波におきましては、まずは、人の動きが止まり、甚大な影響を受けております県内の旅館やホテル、貸切りバス、タクシー、観光施設等に対しまして、当面の備えとなるように支援金を交付するとともに、七月から「佐賀支え愛宿泊キャンペーン」に、また、八月からは一万人に県産品が当たる平日宿泊運動にも取り組んでまいりました。  一方、感染防止を図りながら安心して旅を楽しんでいただくための取組といたしまして、県内観光事業者等に対しまして、感染防止に必要となる消毒液や体温計等の購入を支援したほか、マスク着用、手洗いへの協力等感染防止対策を分かりやすく絵文字で表示するピクトグラムを提供し、旅館等に感染予防への意識づけを行いながら、一方で旅行者に対し安心できる施設等であることをアピールする効果を狙って取り組んでいるところでございます。  知事もお答えしたとおり、今後のコロナの動きを予測することは非常に難しいことから、影響が長引くことを想定いたしまして、三密を回避しながら、新たなスタイルで開催する観光イベントへの支援とか、後に再び人の動きが止まるときがあり得ることも想定いたしまして、その際も経済活動を続けていけるように、食、物産、風景など、佐賀の観光の魅力を詰め込んだ宅配ボックスの開発も支援を進めているところでございます。  このように取り組んでまいりましたが、旅館業への宿泊状況はまだまだ厳しいというふうな状況を聞いております。  そこで、この秋から一人一泊当たり上限五千円を割り引く「佐賀支え愛宿泊キャンペーン」の第二弾とともに、新しい佐賀の観光の強みとなりますように、オープンエアでアクティビティー体験のキャンペーンを合わせて行うこととし、今議会に予算をお願いしているところでございます。  十月一日から「GoToトラベル」の地域共通クーポンが開始されると聞いております。また、東京地域の参加も検討されているという情報も入っております。秋の観光シーズンに向けまして人の動きがますます加速されていくものと考えております。一方で、冬に向けて感染拡大のおそれがさらにあるとも聞いております。  そのような中にあって、知事も申し上げましたように、まさに感染防止と経済活動のバランスを見ながら、観光関連事業を進めていく必要があると考えておりまして、各事業者には感染予防策を講じていただきながら、今後、コロナの影響が長期に及ぶことを視野に入れつつ、ウイズコロナのみならず、アフターコロナの時代でも佐賀が選ばれる地域となりますように、安心で自然豊かな佐賀、オープンエアな佐賀の魅力や、「高・近・長」、高い、近場、長期滞在の旅先としての磨き上げなどへのチャレンジを、市町とか各地域等と連携を図りながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 14 ◎土井敏行君 登壇=一点だけ再質問をさせていただきます。  先ほどの私の質問の中で、特別委員会に出された文書の質問をいたしました。この文書は鉄道局から藤木卓一郎委員長宛てに提出をされた文書であります。何か新聞によりますと、鉄道局の幹部は国会では答弁内容を文書で求められることはあるが、県議会に対して文書を提出するのは珍しいのではないかというふうなことも載っておりました。  県の考え方、立場というのはよく分かります。分かりましたが、これは議会に来ておる文書でありますので、このことについて、今、佐賀県の南里部長と向こうの課長と、お互い国を代表して、そして、県を代表して真摯に協議を始められておるところでありますので、これは儀礼としてしっかりと議会に来たやつですので、執行部として確認作業をすべきではないかというふうに私は思います。  あの文書の中身を見て、私も答弁をされた言葉と文書の内容というか言葉がちょっと変わっているなというのは少し感じましたけども、その辺もありますので、しっかりと確認作業をしていただくことが、私は今後の協議をスムーズに進められるためにも必要なことではないかというふうに思いますので、そこは紳士的にやっていただくべきではないかというふうに思いますがいかがでしょうか、御質問します。 15 ◎南里地域交流部長 登壇=土井議員の再質問にお答えいたします。  議員からお話がございましたとおり、今、「幅広い協議」ということで私と鉄道局の幹線鉄道課長との間で協議をさせていただいております。先ほど申し上げましたとおり、もともと八月下旬ということで予定はしておりましたけれども、今後もそれは当然やっていきたいと思っております。  その中で、今、確認作業をということでお話をいただきましたけれども、先ほども御答弁いたしましたとおり、そこに書いておられる文書そのものは前から鉄道局さんがおっしゃっていたことだというふうに思いますし、改めてそれを確認というのもどうなのかなという気はいたします。  ただ、いずれにしても、今後、いろんな議論は幅広く私やりますし、県として当然この協議というのはやりますので、その中でいろんな話が出れば、当然その中でしっかり率直に議論させていただければと思っているところでございます。  以上でございます。 16 ◎徳光清孝君(拍手)登壇=県民ネットワークの徳光清孝でございます。  通告に従いまして、順次県政の諸課題について質問いたします。山口知事、落合教育長はじめ執行部の皆さんの誠意ある答弁をよろしくお願いをいたします。  質問に入ります前に、大雨被害、そして台風の被害、県内でも発生をいたしました。被害に遭われた皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。  まず一番目の質問は、新型コロナウイルス感染症の対策についてであります。  佐賀県では三月十三日に初めての感染患者が出ました。それ以来、医療機関との協力の下、検査体制、あるいは医療体制について充実を図り、感染予防や治療にしっかりと当たってきたと受け止めております。  また、感染拡大によって飲食店や事業者、観光業、農林水産業など多くの分野で大変なダメージが与えられました。それらに対する支援策も独自に工夫をして実施をしてきているところであります。  そこでまず、コロナ禍における社会経済活動への支援についてお尋ねをいたします。  県では、今も言いましたとおり、様々な支援策を講じて、県民に寄り添って、事業者に寄り添って工夫をしてきたというふうに受け止めております。今回の九月議会でも実質的に第七次のコロナ関係の補正予算が提案をされていますけれども、中身を見ますと、大変きめ細かく事業者や生産者に配慮をされた事業が提案をされておりまして、こうした県の姿勢に頼もしく感じるところであります。  しかしながら、県におかれましては、そういうことはないとは思いますけれども、これまでの支援で一通り済んだとは考えないでいただきたいというふうに思います。  これまでの支援でも、例えば、飲食店に対する休業要請に伴う支援金の給付が効果的に実施をされてきましたけれども、第二波が始まったことで再び売上げが相当落ち込んでいると聞いております。これも土井議員のほうが言いましたが、先ほども飲食店関係の理事長が山口知事に直接要請をいたしました。その要請書の現況というところを読んでみますと、本当に惨たんたる状況に陥っているということが改めて分かったところであります。  また、それに伴ってタクシー業界も非常に落ち込んでいるというふうに聞いております。私も知り合いのタクシーの運転手の方に聞いたところによりますと、第二波以来、本当に飲食店の町は閑散としている、自分は夕方から翌朝までの勤務であるけれども、ひどいときは一人しかお客さんがいない。これでは本当に自分が負担しないといけない今月の社会保険料分さえも収入にならないんではないか、そんな心配の声も聞いたところであります。  さらに、例えば、従業員の方や、あるいはお客さんが感染者になったといった飲食店などに対して誹謗中傷の被害が出ていると聞いております。今後、本当に営業を続けることができるのか、あるいは営業再開しても誹謗中傷の被害がひどくなるんではないかというふうに心を痛めていると聞いております。このような誹謗中傷は絶対にあってはならないことだと思っております。  このように第二波は、再び飲食店をはじめ多くの事業者や生産者を苦しい状況に追い込んでいると感じておりまして、これまでの支援で終わりではなく、事業者や生産者がコロナ禍を乗り切っていけるよう、引き続き支えていく必要があると思います。  そこで、県として、これまでの社会経済活動支援の振り返りと、今後どのように取り組んでいくのか改めて知事の所見をお尋ねいたします。  次が、県の保健所等の体制についてであります。  新型コロナウイルス感染症の状況は、言うまでもなく、三月十三日に初めての患者が確認をされ、五月四日までには再陽性を除いて四十五例が確認されました。その後、一旦収束しましたけれども、七月二十日には七十七日ぶりに患者が確認をされて今日に至っているというところであります。  県はしっかりと検査体制の充実、医療体制の充実をやってきましたので、一人の死亡者も出ていない、ここで食い止めているということになっているというふうに思っています。  一方で、県の保健福祉事務所は、帰国者・接触者相談センターでの相談対応から、検体の採取、疫学調査、統計報告、感染者の搬送など、土日祝日の休みもなく、時には夜間に及ぶまでこの新型コロナの対応に追われていると聞いております。  これまで歴史的に見て、新型感染症への対応ということでは、記憶に新しいところではSARSとか新型インフルエンザがありました。ただ、四、五十年さかのぼってみても、これぐらい長い期間、対応しなければならなかったことはなかったというふうに思っております。現時点では幸いに少しずつ収束に向かっていると思いますが、季節性のインフルエンザの流行期と重なりますと、多数の発熱患者が発生することが想定をされます。  保健所は時代の変化によりまして、この四十年くらいで全国的な傾向ですけれども、機能や体制が縮小されてきました。佐賀県でも調べてみますと、行政職は三〇%減っています。保健師は二〇%減、様々な技師の方は半減しています。そして、用務員や運転手はゼロになっています。新型コロナの収束もまだはっきりとしない中、現場の職員の負担は重く、保健所などの業務を長期的に継続できる体制や仕組みを整えることが必要ではないかと考えます。加えて、保健所機能や検査体制、医療提供体制等々、新たな体制整備に取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、次の点について伺います。  今後、新型コロナに対応するため、保健所の体制についてはどのように考えているのでしょうか。  次に、職員の応援体制についてでありますが、他の部門からの応援体制についても常時整備をしておくことが必要になっていると思いますが、どのように考えているのかお尋ねをいたします。  次に、検査体制の拡充についてであります。  流行に伴って衛生薬業センターを中心に順次検査体制の強化が図られてきました。これまでどのように強化を図ってきたのか。また、今後の検査体制の拡充についてどのように行っていくのかお尋ねをいたします。  次に、職員の健康やメンタルヘルス対策についてであります。  新型コロナ対策に従事をしている職員に関しては、健康状況とか、あるいはメンタル面が私は大変気になっております。もう半年間、その加重な労働といいますか、職務に携わっているということになります。関係職員の健康やメンタルヘルス対策などはどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。  新型コロナ関係では、三つ目でありますが、季節性インフルエンザとの同時流行を見据えた地域の医療体制の整備についてであります。  季節性のインフルと新型コロナ、これを臨床的に鑑別することは困難でありまして、特に今シーズンはインフルエンザワクチンの需要が高まる可能性があるとも言われております。現在、国においては、優先的な接種対象者への呼びかけの実施等を検討されていると聞いております。これから季節性インフルエンザの流行期を迎えるに当たり、新型コロナとの同時流行を見据えた地域の医療体制について、県は関係機関等とも連携しながら、どのように整備をしていくのかお尋ねをいたします。  新型コロナ関係で最後になりますが、県内の観光振興支援についてであります。  観光業というのは大変裾野の広い産業だというふうに思っています。本当に観光業に携わる事業者も大変冷え込んでいる。県では五月補正、あるいは六月補正で県独自の取組を実施いたしました。また、国も七月二十二日から一兆三千五百億円を投じまして、「GoToトラベルキャンペーン」を展開するなど、冷え込んだ観光需要を回復させようとする様々な対策が講じられてきていると承知をしております。  ただ一方、例えば、小城市の清水地区ではコイの洗いが大変有名であります。話を聞いたところ、コロナ発生前はお客さんの七割、八割は福岡からのお客さんが多かった。ところが、コロナが発生した後、移動自粛がありましたので、激減をしている。何とかして地域への来訪者を増やせないかと模索をしているという話も聞いております。  このように地域資源を活用し、地域の観光を盛り上げようとしている事業者の取組への支援も必要ではないかと考えます。  県のこれまでの観光支援策の実績と県内観光業の現状はどのようになっているのか。あるいは今後の観光業の支援についてお尋ねをいたしたいと思います。  この質問をするに当たりまして、土曜日に夜の町に調査に行ってまいりました。飲みに行ったんですけれども、居酒屋に入ると、お客さんは確かに少なくて、私もカウンターに座りました。そうすると、カウンターと調理場を仕切る透明のつい立てがありまして、店主によりますと、これも県から補助をいただいて整備をしたので本当に助かりましたという声もありました。ただ、知事もおっしゃったように、二、三人のお客というのは少しずつ戻りつつあるけれども、十人、二十人というお客はほとんどない。例年と比べてやっと五割に行くかどうかということも言われていました。  それから、たまたまカウンターに理容関係の方が食事をされていたんですが、理容関係も大変今落ち込んでいると。やっぱり一番節約する部署になるんじゃないだろうか。それから、春の卒業式、入学式、あるいは結婚式等々、晴れの舞台がほとんどなくなってしまったので、これも大変な痛手ですということを言っていました。  それから、帰りに一軒だけスナックに行ってまいりました。ここもやっぱり落ち込んでいて、本当に来年まで営業を続けることができるだろうかという心配の声も聞いたところであります。  知事も「支え愛」ということで町に出ようということを再三公表していただいていますが、こういった現況をしっかりと見据えた対策をお願いしたいというふうに思います。  第二番目の質問は、九州新幹線西九州ルートについてであります。  この西九州ルートに関しては、佐賀県は福岡市から武雄市までは在来線を利用する、武雄市から長崎市まではスーパー特急、そしてその後、フリーゲージトレインを導入する。ところが、フリーゲージトレインの開発が遅れたために、国交省のほうから武雄温泉駅で乗換え方式、リレー方式によって暫定開業したいということで、これについては六者で合意をいたしました。  ところが、その後もフリーゲージトレインの開発の遅れに関して与党検討委員会では議論が続けられて、二年前の二〇一八年七月にはフリーゲージトレインの導入を断念し、新鳥栖─武雄温泉駅間の整備方式はフル規格、またはミニ新幹線のいずれかを選択する必要があると変容してきました。  さらに、昨年の八月五日、与党検討委員会は新鳥栖─武雄温泉間の整備はフル規格で整備することが適当とする方針を一方的に決定をしたわけであります。  この決定に対しまして佐賀県は、地元が求めていないフル規格整備を中央が押しつけてくるようなやり方は地方自治の観点からも大きな問題がある。フル規格を前提とした協議には応じられないという姿勢を取ってきたところであります。  そのような中、昨年十二月に赤羽国土交通大臣と山口知事が面談をされまして、新鳥栖─武雄温泉間の整備の在り方について、大臣から「幅広い協議」をしたいという呼びかけがありまして、佐賀県はこれに応じ、これまで二回「幅広い協議」が開催されたところであります。
     そこで、この「幅広い協議」についてお伺いをいたします。  佐賀県の立場としては、スーパー特急、フリーゲージトレイン、リレー方式については異論はありませんよと、ただ、フル規格とミニ新幹線については検討したこともないので、与党検討委員会での議論とは関わりなく、ゼロベースからしっかりと時間をかけて議論するとしております。  土井議員からもありましたが、九月二日に特別委員会を開催して、国土交通省の方に参考人として来ていただきました。私も質問に立ちました。全体の質疑で明らかになったことは、国土交通省は佐賀駅を通るルートのフル規格での整備しか考えていないということであったと思います。  まず、国土交通省から提案のありました五つの整備方式、どれにでも対応できる環境アセスでありますが、これは五つの整備方式に共通するアセスではなくて、五通りのアセスを同時に実施させるというものでありました。どうしてフル規格しか考えていないのかという理由については、先ほど南里部長が、私が言おうとしたことを全て答えられましたので言いませんけれども、結果的、参考人の答弁からすると、ずっと消去していくと、やっぱりフル規格しか残らないということであります。  また、アセス実施を急ぐ理由として、寺田参考人が述べられたのは、北陸新幹線は環境アセスの手続に入っている。新規着工する場合は複数線区を併せて議論し、必要な財源を確保してきた。新幹線は相当大きな規模の財源が必要になるので、北陸新幹線の議論に間に合うように急いでいるということでありました。新規着工には数千億円から兆単位の財源見通しをつけなければならないとも述べております。しかし、五つの整備方式で考えますと、巨額の財源が必要な整備方式はフル規格であります。他の整備方式というのは数千億円もの財源というのは必要ありません。結局急ぐのはフル規格整備に必要な巨額の財源議論をしたいからということだけであります。  そこで、お尋ねをいたします。  このように国土交通省はフル規格整備しか考えていないことがはっきりした中で、今後、県はどのように協議を進めていくのかお尋ねをいたします。  次に、フル規格の建設費負担が県財政に与える影響について伺います。  私も、今の状況で新鳥栖─武雄温泉間はフル規格での整備はするべきではないと考えております。様々な理由がありますが、やはり一番大きいのは佐賀県財政への負担の影響が過重過ぎるということであります。  まず、新鳥栖─武雄温泉間の総事業費は六千二百億円と示されております。これは現時点で示すことができる数字で計算した事業費であるということでした。そして、人件費や資機材費の上昇で総事業費が膨らむことはあると寺田参考人は認めております。また、建設費に充当されるJRの貸付料でありますが、二千五百八十億円との試算を国交省が示しましたが、これについてもJR九州が了解している額ではないし、これまでの財源スキームのルールでは考えられない数値であることも明らかになりました。  フル規格で整備した場合の佐賀県負担額を現時点で正確に示すのは難しいことでありますが、一定の条件での試算を示したいと思います。  まず、総事業費がどれくらいになるのかということなんですが、これから環境アセスに着工するとしても、終了までに三、四年、その後着工までに数年、二、三年ぐらい、着工後の工期としては通常十二年間と言われておりますので、開業するのは約二十年後となります。国土交通省が一九九九年に新鳥栖─武雄温泉間の総事業費は四千百億円と試算しました。そして、二十年後の二〇一九年には六千二百億円と大幅に増加をしました。増加率は五一・三%です。ですから、約五〇%余であります。それを基に計算すると、約二十年後の開業時には六千二百億円から増加をし、総事業費は九千三百億円になります。また、JR貸付料はどれくらい充当されるのかというと、長崎─武雄温泉間の昨年度までの総事業費に対して調べてみますと、二五・八%が充当されております。およそ二六%ということになります。  そう仮定しますと、国と佐賀県が負担する新鳥栖─武雄温泉間の事業費は、総事業費の残り七四%分ということになりますので、六千八百八十二億円となります。その三分の一が佐賀県負担なので、その額は二千二百九十四億円となります。言葉で言うので分かりにくいかもしれませんが、すみません。このうち一〇%は起債ができませんので、一般財源を充てないといけません。それが二百二十九億円。九〇%が起債できるので、起債額は総額で二千六十五億円です。その半分が一般財源で償還することになりますので、その償還額の一般財源は一千三十二億円となります。一〇%の一般財源額と合わせると、佐賀県の実質負担額は千二百六十一億円となります。  もちろん、今日お見えの皆さん方には、そんなにもなるもんかという方と、いや、もっと膨らむかもしれないよというふうに思う方もいらっしゃると思います。それは今の時点で正確に示すことはできませんが、ただ、私の試算は、これまでの経過の中で事実であったことを基に試算したということになります。いずれにしても、国土交通省が示した佐賀県の実質負担額六百六十億円ではとても収まらないのは明らかであります。  寺田参考人は、建設費は大きいけれども、現行の仕組みでは地方債を起債して対応するので、償還期間などを考えると、年間に負担する実質的な負担は抑えられるとも述べております。  そこで、私の試算を基に考えると、佐賀県財政に与える影響について、どのように受け止めているのかお尋ねをいたします。  なお、これは県財政に直接は関係しませんけれども、フル規格による整備に伴って、沿線市町の固定資産税が五百五十億円程度増加するメリットがあるという話も聞きますが、このことについて県の所見をお尋ねいたします。  第三番目の質問は、「SAGA2023」の延期についてであります。  現在、本県では二〇二三年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会「SAGA2023」の開催に向けて、選手やその指導者をはじめとした競技関係者の皆さん、各競技会場となる二十市町などと一緒に、県民みんなで一丸となって準備を進めておられます。  そのような中、先日、知事は、今年の開催が中止となった鹿児島国体・全障スポ大会を二〇二三年に開催し、佐賀での国スポ・全障スポ大会の開催を二〇二四年へ一年延期してほしいという鹿児島県や日本スポーツ協会等の要請を受け入れることを表明されました。  現時点では、佐賀県より後に開催を予定している県との調整が行われておりまして、この表明により「SAGA2023」が二〇二四年に延期になることが決定したわけではないということではありますが、二〇二三年に向けて準備を進めてきた県民にとって、とりわけ地元佐賀で活躍することを夢見て練習に励んできた選手にとっては、極めて重い判断であると受け止めております。  今年の国体・全障スポが開催できなくなったことは、新型コロナの影響によるものであり、早期の開催を期待している鹿児島県や県民の皆さんの気持ちも十分分かります。同じ九州の一員として、鹿児島県の要請を受け入れる判断も理解はできます。しかし、七月三十一日の鹿児島県知事の要請から八月十九日の要請受入れ表明まで一か月もない中での期間でありました。このような佐賀県全体にとっても重い決断をされたことには、少々唐突感を覚えたところであります。  今後、延期が正式に決定した場合には、二〇二三年の大会に照準を合わせてきた選手へのフォローが必要でありますし、新たに二〇二四年の佐賀県での大会に向けた選手力強化も必要であると考えております。気持ちを切り替えて、二〇二四年の佐賀での大会を県民みんなで盛り上げていく取組も必要だと考えております。  そこで、次の点について伺います。  まず、延期受入れの判断の経緯についてでありますが、山口知事は、延期受入れの判断に当たってはどのような思いを持ち、どのような経緯で決断をしたのかお尋ねいたします。  次に、延期になった場合の選手に対する支援についてでありますが、その場合、二〇二三年の鹿児島での大会と二〇二四年の佐賀での大会を目指す選手に対しては、どのような支援をしていくのかお尋ねいたします。  この項で最後になりますが、一年延期になった場合、改めて二〇二四年の開催となる佐賀での大会に向けた意気込みをお伺いいたします。  第四番目の質問は、SAGAアリーナについてであります。  県では「SAGA2023」を契機として、SAGAサンライズパークの施設整備が進められているところでありまして、二〇二二年秋のアリーナ完成後に外構工事など周辺工事を行い、二〇二三年の春に利用できるようになると聞いております。アリーナなど施設の整備が予定どおり進み、仮に「SAGA2023」が一年延期となれば、アリーナ開業から国スポ・全障スポ開催までに相当の期間が空くことになります。  そこで、私はこの期間をうまく活用すれば、様々なイベントを開催することが可能となると考えております。国スポ・全障スポ大会といったスポーツイベントだけではなく、例えば、文化イベントなどを行うことによりまして、SAGAアリーナが多目的に活用できる施設として広く県民に周知する、大変いい機会になると考えています。  そこで、次の点について伺います。  まず、工事の進捗状況と今後の見通しについてであります。  国スポ・全障スポ開催までの間、様々なイベントを行うためには、今の整備スケジュールに沿って、これまでどおり工事を進めていき、完成させることが前提になると考えます。しかし、新型コロナの影響あるいは梅雨時期の長雨などにより、アリーナの整備に影響があったのではないかと心配しているところであります。  アリーナ工事の現在の進捗状況と今後の見通しについてお尋ねをいたします。  次に、二〇二三年度のアリーナの利活用についてであります。  二〇二三年度にアリーナでどのようなイベントを企画運営していくのかということが、今後のアリーナの運営に当たって重要な試金石になると考えます。国スポ・全障スポが一年延期となることを想定して、二〇二三年度のアリーナ利活用にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。  第五番目の質問は、玄海原発のリラッキングについてであります。  最近、使用済み燃料の処理や保管をめぐって大きな動きがありました。一つは七月に青森県六ケ所村に建設している日本原燃の使用済み核燃料再処理工場が新基準に適合していることを原子力規制委員会が認めました。また、青森県むつ市に建設しています使用済み燃料を保管する中間貯蔵施設が規制委員会の安全審査に事実上合格したことなどであります。  しかしながら、再処理工場などは竣工時期を延期する事態が今なお続いておりまして、計画どおり、また安全に再処理ができるのか疑問視する声が強いと受け止めております。  そのような中、県は去る九月一日、玄海原子力発電所三号機の使用済み燃料プールの保管容量を増やすリラッキングについて事前了解をしました。  リラッキングは保管している使用済み燃料同士の間隔を狭めて多くを貯蔵できるようにする工事でありますが、原子力発電に慎重な学者などでは、貯蔵プール内の熱量が多くなり、温度が上がることで安全な管理や事故時の対応が困難になるとの指摘がされております。さらに、玄海三号機はプルサーマル運転を行っておりまして、これにより発生する使用済みMOX燃料は使用済みウラン燃料よりも発熱量が多いという特徴がありまして、本当にきちんと安全に管理できるのか不安があるところであります。  また、玄海原子力発電所ではテロ対策施設であります特定重大事故等対処施設が本当に期限内に完成するのかという声もあり、今回のリラッキングの工事も順調に進むのかどうか非常に疑問であります。  そこで、次の点について伺います。  まず、事前了解についてでありますが、県はリラッキングに係る事前了解に当たって、原子力規制委員会の審査内容について確認を行ったということでありますが、どのような確認を行い、またどのような考えで事前了解の判断をしたのかお尋ねをいたします。  次に、玄海原発の運転停止についてであります。  平成三十年二月、議会特別委員会における参考人質疑におきまして、リラッキングの工事が予定どおりに進まず、使用済み燃料プールが満杯になるような場合は玄海原発を停止せざるを得ないのではないかと聞いたところ、九州電力は言われるとおりですと答弁をされました。県としてそのような状況になることについてどう考えているのかお尋ねをいたします。  最後の質問になりますが、教育問題として、コロナ禍における児童生徒への対応について落合教育長にお尋ねをいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大によって、学校は一定期間の休校を余儀なくされ、授業時数の確保のため、夏季休業の期間が短縮をされております。また、学校行事の中でも重要な入学式や体育大会等においては、感染防止策を徹底しながら、時間短縮や内容の削減などの工夫をして実施していると聞いております。  このようなコロナ禍の状況において、学校行事等にこれまでのように取り組めない中であっても、子供たちには夢や希望を持って明るく生き生きと学校生活を送ってほしいと願っております。また、学校においては、子供一人一人が意欲的に取り組み、よりよく成長していくよう教育活動を充実させていただきたいと思います。  そのような中、学校現場では消毒作業を念入りに実施するなど、感染防止対策の負担が重たくなっているとも聞いております。県や市町教育委員会も学校現場の負担を軽減するためにスクール・サポート・スタッフを新たに配置するなど、対策を行っております。また、文部科学省から出されている「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」の改訂版では、様々な対策と同時に、過度な消毒作業などで現場の負担が重くならないような考え方も示されています。県教育委員会としても、常に教育現場の声を聞き、コロナ対策の充実と、一方で負担軽減が図れるよう対策を講じていただきたいと思います。  また、新型コロナについては、自分や家族が感染したらどうなるんだろうかというふうに自分自身や家族が感染する不安や家庭環境の変化による悩みなど、新型コロナに起因する悩みやストレスを抱えている子供やその家族が多くおられると大変心配をしています。さらに、感染症を理由とした差別やいじめについても危惧されるところでありまして、子供たちの心のケアの充実に一層取り組んでいただくようお願いをいたします。  もう一つ心配していますのが、コロナ感染の拡大は高等学校の入学者選抜にも多大な影響を与えるということであります。入学者選抜は受検者にとって自分の将来を左右するかもしれない大変大きな節目でありまして、それがどのような形で実施をされるのか、多くの受検者が不安を抱いていることだろうと思います。また、受検者自身やその家族などが新型コロナに罹患したり濃厚接触者となったりすることで、せっかくの受検の機会を自ら逸してしまう可能性があるのではないかということも受検者にとって大きな心配事であります。  受検者やその御家族、友人の皆さんには個人のレベルでしっかりとした感染症対策を取っていただきたいと考えますが、入学者選抜を実施する側、とりわけ県立高等学校入学者選抜を運営する県教育委員会に対しても、受検者一人一人が安心して入学者選抜の場に臨めるよう、今後様々な対策を講じるようお願いしたいと思います。  そこで、次の点について伺います。  まずは、児童生徒への心のケアの充実についてであります。  児童生徒にとりましては、突然の一斉休校に続き、緊急事態宣言による休校の延長、卒業式の規模縮小など、想像できないほどのショックを受けているのではないかと考えます。そのため、体や心に変調を来している児童生徒も多くいるのではないかと思います。  そこで、児童生徒の心のケアの充実に向けて、学校や県教育委員会はどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。  最後になりますが、県立高等学校入学者選抜についてであります。  来年に高校受検を控えている生徒や保護者の皆さんは、高校入学者選抜がどのようになるのか心配している方も多いと思います。できるだけ早めに対策を決め、生徒や保護者に周知することが重要になっていると考えております。  そこで、コロナ禍における県立高等学校入学者選抜の実施に向けての課題と対策について、どのような見通しを持っているのかお尋ねをいたします。  これで一回目の質問を終わります。(拍手) 17 ◎議長(桃崎峰人君) 暫時休憩します。     午後零時八分 休憩 令和二年九月十四日(月) 午後一時十一分 開議  出席議員    三十四名     一番  一ノ瀬 裕 子     一六番  川 崎 常 博     三一番  石 井 秀 夫     二番  古 賀 和 浩     一七番  定 松 一 生     三二番  留 守 茂 幸     三番  下 田   寛     一八番  八 谷 克 幸     三四番  木 原 奉 文     四番  古 川 裕 紀     一九番  江 口 善 紀     三五番  藤 木 卓一郎     五番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三六番  石 倉 秀 郷     六番  冨 田 幸 樹     二一番  向 門 慶 人     三八番  土 井 敏 行     七番  弘 川 貴 紀     二二番  坂 口 祐 樹     八番  井 上 祐 輔     二四番  原 田 寿 雄     九番  木 村 雄 一     二五番  岡 口 重 文    一〇番  中 本 正 一     二六番  大 場 芳 博    一一番  野 田 勝 人     二七番  武 藤 明 美    一二番  西久保 弘 克     二八番  稲 富 正 敏    一三番  池 田 正 恭     二九番  徳 光 清 孝    一五番  古 賀 陽 三     三〇番  中 倉 政 義 欠席議員    三名    一四番  井 上 常 憲    二三番  宮 原 真 一    三七番  桃 崎 峰 人 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    小  林  万里子          政  策  部  長   進     龍太郎          総  務  部  長   脇  山  行  人          地域交流部長       南  里     隆          県民環境部長       原     惣一郎          健康福祉部長       大川内   直  人          産業労働部長       寺  島  克  敏          農林水産部長       池  田  宏  昭          県土整備部長       平  尾     健          危機管理・報道局長    山  下  宗  人
             文化・スポーツ交流局長  田  中  裕  之          男女参画・こども局長   甲  斐  直  美          会 計 管 理 者    大川内   明  子          警 察 本 部 長    杉  内  由美子          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    稲  冨  正  人 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       今  村  盛  史          同    副事務局長          議事課長事務取扱     杉  谷  直  幹          総  務  課  長   吉  田     泰          政務調査課長       篠  田  博  幸          総務課副課長       横  尾  重  信          議事課副課長       花  島  良  直          政務調査課副課長     金  武  隆  守          議事課議事担当係長    中  島  達  明          同    議事担当主査  池  田  陽  介     ○ 開     議 18 ◎副議長(岡口重文君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。  徳光清孝君の質問に対する答弁から開始いたします。 19 ◎山口知事 登壇=徳光清孝議員の御質問にお答えいたします。  まず、新型コロナウイルス感染症対策に関しまして、コロナ禍における社会経済活動支援についてお答え申し上げます。  まず、議員のほうから飲食店への誹謗中傷などについて御指摘いただきました。  感染した方や御家族、関係者などの個人を特定しようとする動きですとか、差別的な扱い、誹謗中傷は絶対にしないでいただきたいと思います。  これは感染防止対策にも悪い影響があります。そして、やはり町に出る方が減ってきます。そして、何よりも人の心が傷つくものであります。よいことは一つもありません。  コロナの打開のために大切なチーム佐賀、オール佐賀になっていきませんので、本当に様々な観点から誹謗中傷は絶対にお避けいただきますようにお願いしたいと思います。  佐賀県は慈しみ合う県です。一人一人が人の痛みに敏感で、お互いを大切にするこのすばらしさをこれからも守り続けていきたいと思います。  社会経済活動支援についてであります。  感染症対策としての外出自粛や休業要請によりまして、本当に多くの事業者がこれまでに経験したことのない苦しい状況に追い込まれました。  そうした状況でも何とか前を向いていただきたいという思いで、現場に寄り添った支援に努めてまいりました。  まず、この苦難を乗り切ってもらうための事業継続支援に力を注ぎました。  他県では、国のスキームどおりであったり、国にプラスアルファする支援というものが多かったんですけれども、佐賀県では議論に議論を重ねまして、独自に様々な分野にきめ細かく手当てをしていこうと考えました。その取っかかりというか、最初にやったのが、資金繰りの支援であります。  中小企業・小規模企業者の資金繰り支援では、国の制度に先行して、保証料の負担はなく、三年間無利子の県独自の融資制度を創設いたしました。  そして、国の持続化給付金の対象にならないものに関しても、すなわち今年一月一日以降に開業した事業者への支援も創設させていただきました。  そうしたそれぞれきめ細かい支援をやってきたわけですけれども、あわせて新型コロナウイルス感染症に負けず、この感染症と向き合い、前に進む新しい取組を応援してまいりました。  例えば、感染対策としてドライブスルー型の店舗ですとか、オンラインレッスンなど新たな業態への取組、それから、業種別のガイドラインなどの遵守の取組を支援いたします新業態スタート補助金は一千件を超える申込みをいただいています。  また、SAGAナイトテラスチャレンジですが、これは全国のモデルケースとして注目されまして、国交省さんもこの取組を参考に道路占用許可基準を緩和したわけであります。これにつきましても、今週の金曜日から第二弾の実施を予定しております。  今後どのように取り組んでいくのかについてお答えします。  収束の見通しが立たない中で、私たちはこの感染症とうまく折り合いをつけていかなければいけないと思います。  例えば、今回の九月議会に提案しております「佐賀ん酒」蔵開き応援事業費は、感染症の影響で春の蔵開きが中止や延期になった酒蔵が、三密対策を工夫しながら実施する蔵開きやオンラインによるPRイベントなどを支援するものです。  できますれば、様々な事業者の皆様方、なかなか先が見えないというお訴えもよく分かりますけれども、県が支援する対象とすると、できる限り前向きに何かみんなでチームを組んでこうやってやるからというような形で仕立てていただけると、我々とすると支援に乗りやすい形なので、苦しい状況ではありますけれども、何とかみんなで前を向く、そういう形を取っていきたいと思っています。  そして、やはり佐賀は支え合いが大切です。買って、食べて、宿泊して、寄附して、いろんな形で佐賀の事業者、生産者を応援していただきたいと思っています。  「佐賀支え愛応援キャンペーン」は、県内企業、団体、市町での支援と広がっております。会社全体で県産品購入に取り組んだり、「支え愛休暇」を新設して県内の宿泊旅行を推奨したり、支え愛の広報用のバッジを購入したり、社員の皆さんがバッジをつけて営業いただくなどの支援も見られますし、最近は修学旅行のほうも、であれば県内でというような話が広がっていることも大変うれしい材料だと思っています。  県内の商工団体でも「CHANGE THE MOOD!」と銘打って、会員の企業も一緒になって、宿泊・飲食店応援プロジェクトに取り組まれておりまして、今月の四日からは第二弾が開始されたと聞いております。  県民の皆様におかれましても、感染防止対策を取りながら、ぜひ県内で食事や買物をし、宿泊を楽しむなど地元消費をしていただきたいと思います。  チーム佐賀、オール佐賀、みんなの力で佐賀はコロナに負けない、事業者や生産者の方々を支え、佐賀県の社会経済活動を支えていく取組を推進していきたいと考えております。  続きまして、「SAGA2023」の延期受入れを判断した経緯についてお尋ねがございました。  改めて、時系列的にも説明してみたいと思います。  まず、新型コロナの感染が全国的に拡大していく中で、今年三月には東京オリパラの開催延期が決定いたしまして、四月頃からでしたでしょうか、鹿児島大会の中止や延期に関する報道などが聞こえてくるようになりました。  本県としては、二〇二三年開催の最初の国スポに向けて、着実にしっかりと準備を進めていた状況下でありました。  私としては、これはどうなっていくのかなと思う反面、仮に中止にでもなると、鹿児島県も十年以上準備をしてきたと聞いておりましたので、ショックが大きいだろうなということと併せて、アスリートのみんなも大変つらい状況に──大会自体が飛ぶわけですから──というふうに思いました。  ちょうど我々とすると、SSP杯(カップ)などでアスリートの思いということに向き合っていた最中だったので、本当に大会自体がないという切なさというものについて痛感しておりました。選手、関係者のためにも、こうした問題は早く解決されるべきだなといった思いで過ごしておりました。  そうした中で、実は来年が三重でその次が栃木なんですけれども、来年三重県ということで、三重県のほうから呼びかけがありました。  三重、栃木、佐賀、滋賀というこれから続く開催四県で、そのまま開催させてほしいという共同要望をしないかという話がありました。その時点では、私もいろんな人の思いを考えると、そのままやりたい、二〇二三年にという思いがあったわけで、そこに参加したわけなんですけれども、その共同要望の中でも、私からはやはり盟友鹿児島県が本当に大変だと、そういう無念な気持ちもおもんぱからなければいけないということですとか、我々は新しい大会ということで、新国スポということで準備してきたんで、こういったところを大事にさせていただきたいと申し上げました。  非常に難しいかじ取りだなと、何とか全てのスポーツ選手が前を向いていけるような解決策、そして、こんな過程があったからすばらしい大会になったねみたいな、みんなで痛みを分かち合うようなやり方がないものかなということをずっと考えておりました。  そうしたことがどうしてもいろいろ私の行動にも出るわけでありまして、六月の上旬頃から様々意見を聞いてみようかということで、担当課を通じて各競技団体、市町の御意見をお聞きしてまいりました。  そして、六月二十二日には県のスポーツ協会の評議員会で、そして、七月二十一日の県の準備委員会総会の場でも、皆様に私の思い、鹿児島は切ないだろうしと、その延期の話というのが大分議論されているといような話を率直にさせていただいたところです。  そうした中で、鹿児島県の意向ということで、事務的にはいろいろ鹿児島の思いというのは伝わって、苦労している感じがしたんですけれども、ただ、私、佐賀県知事としてみると、七月十二日に鹿児島県知事選挙というものが予定されていて、結構誰がなるか分からないと、ここで言うのもなんですが。いずれにしても新鹿児島県知事の意向はどうなんだろうかということが気になっていたので、ちょっとその間は新知事の話が出るまでは中断しようということで止まっておりました。  七月二十八日の知事就任から一週間もたたないうちに、七月三十一日金曜日でしたか、塩田新知事が佐賀県を訪問されて、鹿児島県民の切実なる思いとともに、二〇二三年に鹿児島大会を開催させてもらえんだろうかという要請がありまして、私としてはその思いを真摯に受け止めさせていただいたわけです。  もちろん、一番頭によぎったのは、ずっとそのための準備をしてきた選手たち、競技団体、指導者のことです。  その後、八月六日には、今度は日本スポーツ協会の伊藤会長とスポーツ庁の藤江次長が本県を訪問されて、同様の要請をされました。国としてもやはりそこで譲っていただけないだろうかと、みんなで分かち合いたいんだというようなことでありました。  今回、そういった要請に対しては、それぞれの思いを真摯に重く受け止めながら、今回の問題は誰のせいでもない、新型コロナウイルスという未知のウイルスの感染拡大に起因するものだから、みんなで痛みを分かち合うべき事案であると、この問題と向き合うようになった最初から一貫して思っていたということ。  それから、選手をはじめとする県内関係者も、こうした問題は早く結論を出してほしいといった声が多かったことも事実です。ずっとずっと決まらない状況が続くのは困るということがあったので、二〇二四年に佐賀大会を開催することを早期に前向きに検討したい旨のコメントを発出させていただきました。  やはりターゲットエージと呼ばれる子供たちの思いを大切にする中で、いろいろなことを考えたわけであります。  そして、その後、延期の方向性を示した上で、再度御意見をお聞きしました。私のほうからは、国スポ・全障スポ佐賀県準備委員会の副会長などに対して、私の思い、判断に向けての方向性を伝えました。  そして、自ら直接電話で意見交換をしたり、特にターゲットエージへの思いが強かった五競技の団体の皆様とは直接面談もさせていただきました。さらに市町議会議長懇話会ですとか、GM21の場でも改めて話をするなどして意見交換を実施してきたわけであります。  多くの意見が寄せられました。やはり一番厳しい意見は、ターゲットエージたちの切実な思いです。それから、もう一回、競技力を再構築しなければいけないという意見もありました。  また一方では、延期されたほうがさらに競技力が向上するという意見や、一日も早い開催年の決定が重要だという意見ももちろんありまして、それぞれしっかりと受け止めさせていただいたと思っております。  私としては、様々な皆さん方の声を聞きながら、このチーム佐賀のみんなとであれば、この難しい難局を共に乗り越えて、一緒に前を向いていけると信じることができました。極めて重い苦渋の判断でありましたけれども、今回の要請受入れを決断したわけであります。  続きまして、延期となった場合の二〇二四年の大会に向けた意気込みについてお答え申し上げます。  我々がずっとこれから胸にしっかりと刻まなければいけないのは、今回ターゲットエージと言われる今の中三の子供たちです。この子たちはこれまで何年もの間、指導者と一緒に、君たちは佐賀国スポの選手として頑張るんだからといって、一日一日血のにじむような苦労をしながら今日の日を迎えていたわけでありまして、これまでもいろんな団体にお会いしましたけれども、私は率直に選手たちにはすまんやったと心から謝罪をさせていただきました。コロナとかという事情だったり、ある部分、大人というか、社会の状況に振り回されてしまうところがあったわけだから、それでも子供たち、一緒に前を向いていこうよと呼びかけました。人生いろんなことがあるけれども、しっかり鹿児島国体というものに向けて僕らも全力で応援するので、みんなもトップ目指して頑張ろうということで、そういうふうな形での呼びかけをさせていただきました。  そういうこととあわせて、SSPというのはSAGAスポーツピラミッドですけども、国スポだけを成功させようと佐賀県は思っているわけではなくて、みんなの人生そのものに向き合っていきたいという壮大な取組をしているので、そういったことについての説明もさせていただきました。アスリートたちの人生にも向き合っていきたいと思っています。  一年延期になった場合には、今、滋賀県が近々何らかの見解を述べるというふうに仄聞しておりますけれども、一年延期になった場合には鹿児島の大会と佐賀の大会をいわば双子の大会として、鹿児島も本番、佐賀も本番と位置づけて、両大会を通じて互いの選手や県民が地元選手のごとくエールを送り合うような大会を目指したいと思っています。これは強く塩田知事にも申し上げています。  佐賀選手団が鹿児島に行ったときには大変なエールを送っていただけるという状況になると私は確信しています。この両大会の成功に向けては二〇二三年の鹿児島大会を目指す選手たちにも同様に、そして、これまで以上に強化支援を行っていきたいと思います。  こうした点、受入れ表明後もターゲットエージたちの思いを胸に、私自身、土日にできる限り時間をつくって大事な佐賀の子供たちの下に出かけております。先月末には空手、先日の土曜日にはホッケー、そして、卓球のターゲットエージたちと直接出会って、一緒に前を向いて佐賀県選手として最高の二〇二三年を目指そうといったこともお伝えしました。そして、今週末の土曜と日曜は県内の四か所でターゲットエージたちの交流会も予定しております。  なお、先週の土曜日に面談した子供たちからは、最初は残念やったけれども、僕は鹿児島大会などほかの大会に出て佐賀県の知名度を上げて、二〇二四年の国スポにたくさんの人が来るようにしたいといった泣けるような言葉をいただいたりもしております。何か勇気をいただくとともに、つらい思いをしていた子供たちが前を向こうとしていただいたことに本当にうれしく思ったと同時に、今度は我々が双子の大会に向けてしっかり支援していかなければいけないと思っています。今後さらに野球の関係の交流戦チャレンジ野球などにも出かけたいとも思っております。  二〇二四年の佐賀国スポ・全障スポに向けましては、これまでどおり、「感動する。魂が揺さぶられる。」、こうした人間の根源的な喜びを生み出す力を持つスポーツだからできることにこだわりまして、高い志で知恵と力を出し合い、最初の国スポにふさわしい新しい大会をチーム佐賀、オール佐賀で創出していきたいと思っています。  そして、この連続開催、九州の盟友薩摩と肥前佐賀が一緒になって連続で開催するわけですから、鹿児島から佐賀へ、国体から国スポへバトンをつなぐということによって、百五十年前、両県の先人たちが新しい世を切り開いたように、スポーツ文化の新時代を築くべく、全ての人にスポーツの力を届けられる大会を目指したいと思います。  今回の決断は、極めて重い苦渋の決断でありましたけれども、これからも両県の若者たちがスポーツに限らず、様々な分野で交流を重ねて、互いにエールを送りながら成長し、輝かしい未来を築き上げていくことを心から期待し、支援をしていきたいと考えております。  以上です。 20 ◎脇山総務部長 登壇=私からは、九州新幹線西九州ルートの問いに対します建設負担金が県財政に与える影響についてお答えさせていただきます。  昨年の九月議会において向門議員さんからだったと思いますが、国が試算した実質負担額六百六十億円が県財政にどう影響するかについて御答弁を差し上げた次第です。今回議員から示されました千二百六十一億円というのは前回の約二倍に相当いたします。  実質負担というのは、後年度、償還を行うための公債費のように、平準化を図り負担していくものと認識しておりますが、建設負担金の財源を償還年限三十年の県債で賄うと仮定した場合には、単純に三十年で割りますと、単年度の負担額は四十億円となります。これは県単独ソフト事業の約二五%に相当いたします。これを捻出するためには、県単独補助金を含め、人口減少対策や少子化対策をはじめとする地域活性化対策など佐賀県の発展に必要な事業を三十年間もの間、約二五%カットするということに相当いたします。財政を任されている立場から申し上げますと、カット率、期間ともいずれもあり得ないものだと考えております。財政面だけでも県民生活や県勢の発展に極めて多大な影響を与えることは明白であり、到底受け入れることはできないものと考えております。  なお、市町の固定資産税の増加についての御質問がありましたので、お答えいたします。  普通交付税の算定上、市町の固定資産税につきましては税収の七五%が基準財政収入額に算入され、結果として交付税としてはその分を差し引く仕組みとなっております。一般財源総額ベースで見ると、理論的には二五%に相当する分が増加することになります。  議員が示されました五百五十億円で計算しますと、固定資産税が五百五十億円仮に増加した場合には約四百十億円が交付税から差し引かれ、市町の収入の増加分は約百四十億円という計算になる次第でございます。  以上、お答えとさせていただきます。 21 ◎南里地域交流部長 登壇=私からは、西九州ルートに関する御質問のうち、「幅広い協議」についてお答えを申し上げます。  先ほどの土井議員の御質問に対する答弁と繰り返しになってしまいますが、まず、六月五日に「幅広い協議」に入りまして鉄道局と率直に議論を行っております。その中で「幅広い協議」が与党検討委員会が求めているフル規格を実現するための協議ではないこと、佐賀県の合意がない限り、方針決定を行うことはなく、環境アセスを含め、事業化に向けた手続は行わないことについては確認をしております。  その上で、これまでの協議におきまして私のほうから、佐賀県はフル規格ありき、スケジュールありきの議論には応じられないこと。そして、佐賀県の意向を踏まえながら幅広く協議を行うので応じてほしいという呼びかけがあり、協議に応じているので、幅広くいろんな可能性について議論をしたいなどの意見を申し上げております。そうした考えに変わりはございません。  佐賀県として様々な議論を行うことは閉ざしておりませんので、今後とも「幅広い協議」の場で率直に議論をしてまいります。  私からは以上でございます。 22 ◎原県民環境部長 登壇=私からは、玄海原発のリラッキングにつきまして二点お答えいたします。  まず、事前了解についてでございます。  玄海原子力発電所三号機の使用済み燃料貯蔵プールの保管容量を増やす、いわゆるリラッキングにつきましては、平成三十一年一月二十二日に九州電力から事前了解願が提出されまして、あわせて原子力規制委員会に対して原子炉設置変更許可申請が提出されました。  県では、事前了解願の内容確認を行いますとともに、原子力規制委員会におきます審査状況を注視してきたところでございます。その後、令和元年十一月二十日に原子力規制委員会が許可を行ったことから、県では今年三月二十七日に佐賀県原子力安全専門部会を開催し、そこでの議論を踏まえ、例えば、使用済み燃料貯蔵設備の耐震性でありますとか、その材質の強度などにつきまして、原子力規制庁や九州電力に聞き取りを行うなど、丁寧なプロセスにより審査内容の確認作業を行いました。  その結果、法令上の要求事項に適合し、技術的な問題がないとする原子力規制委員会の審査内容につきまして県として確認をすることができました。
     また、使用済み燃料の処理方針といたしまして九州電力は、県に事前了解願を提出する際に、再処理工場に搬出することが基本方針と明言されており、原子力規制委員会の審査におきましても、国内再処理事業者において再処理を行うことを原則とし、再処理されるまでの間、適切に貯蔵、管理するという方針であることが確認をされているところでございます。こうしたことから、今年九月一日に事前了解を行いました。  事前了解に当たりましては、九州電力に対し、設備設置については安全第一で確実な工事を行うとともに、工事の実施状況について地元への積極的かつ分かりやすい情報提供を行うこと、今後ともさらなる安全性の向上対策に取り組むことなどを要請いたしますとともに、県民の中には使用済み燃料について発電所内に永久に保管されるのではないかといった不安の声もありますことから、具体的な使用済み燃料対策につきまして、県民に対して積極的な情報公開と丁寧で分かりやすい説明を行うよう改めて九州電力に要請をしたところでございます。  続きまして、玄海原発の運転停止についてお尋ねがございました。  リラッキングの工事予定につきましては、今年から令和六年にかけて三期に分けて実施をされ、貯蔵容量を現状の千五十体から千六百七十二体へと六百二十二体増やす計画とされております。  三期にわたる工事の内訳といたしましては、第一期工事といたしまして令和二年十二月から令和三年十月まで二百十六体分、第二期工事として令和四年五月から令和五年二月まで百八十四体分、第三期工事として令和五年九月から令和六年八月まで二百二十二体分、それぞれ貯蔵量を増やす計画となっております。  仮にリラッキング工事が計画どおりに進まず、使用済み燃料プールが定められた容量を超えた場合には以降の運転ができないことになりますが、県といたしましては、スケジュールありきではなく、安全第一で確実な工事を進めるべきと考えておりまして、そのことを九州電力に求めております。  私からは以上です。 23 ◎大川内健康福祉部長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症対策について五点お答えをさせていただきます。  まず、保健所の体制についてでございます。  新型コロナウイルス感染症の対応業務は臨時的なものであり、また専門職の領域となる部分が多い中、該当職種の職員の数が限られ、また外部からの確保も難しいことから、特に医師や保健師を中心に大幅な負担増となってございます。  こうした状況を受け、国においても保健所の業務継続を図るために、事務事業のうち休止や延期に関する事務連絡を発出されておりまして、本県でも関係する事務の整理を行い、通常業務の縮小を行いました。  また、人員については、相談業務や疫学調査に対応する保健師については、県退職者を事務所ごとに一名ないし二名配置し、あわせて事務についても非常勤の職員を一名ずつ配置いたしました。さらに、県庁挙げて保健所業務を直接、間接に支援をしております。  今後とも、感染の発生状況により、柔軟に全庁的な応援体制を組むことや業務委託等により保健所の直営業務を減らすこと、こういったことなどによりまして、感染症対応に保健所がしっかり取り組めるようにしてまいります。  次に、職員の応援体制についてでございます。  新型コロナウイルス感染症の対応につきましては、保健福祉事務所や衛生薬業センターの職員のみならず、健康福祉部内での対応だけでは追いつかないことから、全庁を挙げて様々な形で応援を受けております。  幾つか例を挙げますと、例えば、県民からの一般的な相談に関するコールセンターの業務については全庁体制で対応しております。また、帰国者・接触者相談センターの相談業務については、第一波の業務負担が大きかった時期に、本庁等の保健師が、年度末、年度初めの休日の相談に対応しております。また、四月下旬から一か月間は本庁で夜間の相談に対応するなど、保健所の負担軽減を図っております。  また、感染者や濃厚接触者等の調査など、保健師による対応が欠かせない業務に関しましては、本庁や感染者が発生した保健所以外に勤務する保健師、あるいは退職した保健師を応援職員として活用しております。  さらに、医療機関等で採取された検体を衛生薬業センターに搬送する業務などについては、県税事務所や農林事務所、土木事務所等、こういった現地機関の職員による応援体制も構築しております。  こうしたこれまでの実績で積み上げた仕組みでございますとかノウハウを生かしながら、今後とも全庁を挙げた応援体制で取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、検査体制の拡充についてでございます。  県では、国内で患者が確認されたことを受け、二月五日から県の衛生薬業センターで一日当たり三十二検体のPCR検査を実施できる体制を整備いたしました。その後、三月十三日には、県内初の陽性者が確認され、全国的に感染者も増加したことなどから、四月に前処理を行う装置を整備することで、一日当たり四十八検体の検査を可能といたしました。さらに、五月連休明けには自動抽出装置というものを整備いたしまして、一日当たりの検査可能件数は約百件となりました。その後、七月末にはPCR検査機器を一台増設いたしまして、現在の衛生薬業センターの検査可能件数は約二百件となっております。  また、県庁内の他部局の技術職員に教育訓練を行いまして、機器だけではなく検査を実施できる人員の確保も行ってきたところでございます。  今後、施設等で大規模なクラスターが発生した場合などに備え、より多くの検査に対応できるよう衛生薬業センターの検査能力の向上に引き続き努めてまいります。  また、今後、秋、冬の発熱患者の増加に備え、医療機関でも検査が可能となりますよう、地域の医療機関へのPCR検査機器の導入や、検体採取場所ですぐに検査が可能な抗原検査の実施に向けまして、医師会等の関係機関と調整を進めているところでございます。  今後とも、県内の検査体制の拡充を図るとともに、感染拡大防止にしっかり取り組んでまいります。  次に、職員の健康やメンタルヘルス対策についてでございます。  新型コロナウイルス感染症対策に当たる職員は、通常業務に加えまして、コロナ関係の業務に当たっており、またウイルスや感染者と向き合う中で、緊急かつ慎重な対応が求められるために、業務中は常に緊張状態が続いており、職員の中にはストレスや疲労が蓄積している者も多いというふうに思っております。  体調や精神的に不安などがある職員は、産業医による面談の制度を設けておりまして、必要な者には対面により健康状況を確認しております。  面談では健康状態や時間外勤務の状況などを医師が職員本人から直接聞き取り、職員に対して指導を行うほか、必要であれば医療や心の相談につなぐなど、職員の状態に合わせた対応を行っております。また、所属長に面談の結果を伝え、場合によっては産業医が所属長と面談を行って改善の報告を求めております。  健康やメンタルヘルス対策はなかなか難しいところがございますが、まずは職員の顔が見える各所属において職員の健康状況等に注意を払ってもらうことが大事でございまして、気になる職員がいれば早めに面談等につなげていきたいというふうに思っております。また、業務が過重なところについては、全庁的な応援体制を含め、対応していきたいというふうに考えております。  最後に、季節性インフルエンザとの同時流行を見据えた地域の医療体制の整備についてでございます。  発熱等の症状のある患者に対して季節性インフルエンザ新型コロナウイルス感染症を臨床的に鑑別することは困難であるというふうに言われております。こうしたことを受け、先日、厚生労働省から次のインフルエンザ流行に備えた医療提供体制の整備として、発熱等の患者の相談、または診療・検査が可能な医療機関を地域で指定し、多くの医療機関で発熱患者等を相談、診断、検査できる体制を整備する方針が示されたところでございます。  具体的には、発熱等の症状が出た患者は、これまで保健所に設置してきておりました帰国者・接触者相談センターを介せずに、かかりつけ医等の地域の身近な医療機関にまずは電話等で相談を行い、その医療機関を含め、診療が可能な医療機関を案内してもらった上で診察を受け、必要に応じて検査を受けることができる、こういった体制を整備することとなります。現在、この新たな医療提供体制の整備について、県医師会をはじめ、各医療機関と検討を始めたところでございまして、今後、季節性インフルエンザの流行期にも発熱患者等への医療が適切に提供されるよう、その体制整備に努めていくこととしております。  以上、お答えいたします。 24 ◎田中文化・スポーツ交流局長 登壇=私からは、三項目についてお答えします。  まず、新型コロナウイルス感染症対策についての質問のうち、県内観光振興支援についてお答え申し上げます。  県のこれまでの支援策の実績及び県内観光業の現状についてでございます。  コロナ禍が始まった三月から五月、観光業界はその前年の日韓問題、豪雨災害の問題の影響下にありまして、さらにコロナ禍によって人の動きが止まりまして、甚大な影響を受けている状況でございました。  そこで、そのような県内の旅館やホテル、貸切りバス、タクシー、観光施設等に対しまして、当面の備えとなるようにまず支援金を給付いたしました。次に、徐々に人を動かしながら、観光需要を回復させる取組に着手いたしまして、七月から県内や九州域内の方を対象として「佐賀支え愛宿泊キャンペーン」と銘打ちまして、県独自の誘客キャンペーンを展開いたしました。  あわせて、安心して旅を楽しんでいただくための取組といたしまして、県内の旅館やホテル、貸切りバス、タクシー、観光施設等に対しまして、感染防止に必要となる消毒液とか体温計の購入への支援を行いましたほか、マスク着用、手洗いへの協力等、感染防止対策を分かりやすく、絵文字で表示するピクトグラム等を提供してきたところでございます。  さらに、影響が長引くことを想定いたしまして、三密回避を工夫しながら、新たなスタイルで開催する観光イベントへの支援を行ったほか、再びお客様の動きが止まるということも想定いたしまして、その場合に事業継続できるように食、物産、風景など佐賀の観光の魅力を詰め込んだ宅配ボックスの開発等への支援を進めているところでございます。  そうした県独自の取組と並行いたしまして、七月下旬から国の「GoToトラベルキャンペーン」も開始されました。ホテルや旅館は個人客を中心といたしまして、週末や連休等にはそれなりの予約が入り始めた一方で、平日におきましては、まだまだ厳しい状況とお聞きしております。そのことから、八月から十月初旬までの間、平日に宿泊した方に県産品が当たる「佐賀支え愛平日宿泊運動」を展開しているところでございます。  その結果、旅館、ホテル等のヒアリングの結果でございますが、ホテルによって少しばらつきはありますけれども、県内宿泊施設の八月の客室の稼働率はおおむね対前年比で平日は三、四割、休日は六、七割まで回復したということで、七月の状況と比べますと、平日、休日ともにおおむね一、二割程度改善しているというふうに聞いております。  今後の観光業の支援についてのうち、今後県はどのような観光業の支援に取り組んでいくのかという御質問にお答えいたします。  申し上げましたように、徐々に回復している人の流れをさらに強くするための取組といたしまして、この秋から一人一泊当たり上限五千円を割り引く「佐賀支え愛宿泊キャンペーン」の第二弾を実施することとしまして、今議会にその予算をお願いしているところでございます。  また、それにあわせて、影響が長期化する中、多くの人から選ばれる地域になるための取組といたしまして、佐賀の自然を満喫していただけるようなオープンエアでのアクティビティー体験をしていただくようなキャンペーンを実施するほか、議員から御指摘がありましたように、地域の取組への支援については、観光の担い手である地域の方々が地域資源を生かしながら、地元の観光施設とか飲食店、お土産店などを周遊するツアーを造成する取組に対する支援を行うこととしておりまして、各地域でもこの事業を活用いたしまして、地域の観光資源の磨き上げにぜひとも積極的に取り組んでいただければなと思っております。  今回のコロナ禍におきまして、観光の在り方というものも大きく変わると言われております。インバウンドの流れがいつ戻ってくるのか先行きが見えない中にあって、国内旅行に注目が移っておりまして、その在り方も団体旅行から個人旅行への動きも加速すると考えています。また、都市部を敬遠し、自然豊かな都市周辺部への旅行も注目されると考えておりまして、そのような中にあっては、福岡都市圏に隣接するこの自然豊かな佐賀は、まさに選ばれることになる要素を十分に備えていると考えております。まずはそれぞれの地域が、自分の地域にどのような魅力があるかということに気づき、それを磨き上げていくことが大事だと考えております。  今後とも、市町や各地域との連携を図りながら、オープンエアな新しい観光スタイルや高品質、近場、長時間滞在、まさに「高・近・長」の佐賀の観光の磨き上げや誘客にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、「SAGA2023」の延期についてのうち、延期になった場合の選手に対する支援についてお答え申し上げます。  佐賀国スポに対する選手の強化支援につきましては、これまで競技団体に対しまして、少年種別の選手から成年種別の選手に至るまで様々な支援活動を行ってまいりました。  成年種別につきましては、企業チームへの強化支援や就業支援などを、また少年種別につきましては、強化拠点となる中学校、高校、そして、地域クラブチームへの活動支援を、そして、全体を通して選手育成に係る支援や、一流指導者によるトップレベルの指導、練習環境の整備などを行ってきております。  今回、「SAGA2023」が一年間延期になったとした場合、二〇二三年の鹿児島での大会と二〇二四年の佐賀での大会を、知事も申し上げましたとおり、いわば双子の大会として、二〇二三年も本番、二〇二四年も本番と位置づけまして、本県の選手には両方の大会で活躍できるように、同様に強化支援を行っていきたいと考えております。  特に一年延期の影響を最も受けます少年種別の選手につきましては、二〇二三年の鹿児島大会の出場を目指す現在の中学校三年生には、鹿児島大会でも佐賀大会と同様の活躍をしてもらえるように、また、二〇二四年の佐賀大会を目指す現在の中学校二年生に対しましては、佐賀大会での主力となり得るように、必要な強化支援をしっかりと行っていきたいと考えております。  そのための事業の一つといたしまして、より機能性の高い競技用具の購入とか強豪校への遠征、強化合宿など、強化指定選手の競技力の向上を図る活躍に対しまして、一人当たり年額十万円の支援金を交付いたしますジュニアアスリート支援事業を今議会でお願いしております。  このような取組によって、両大会の出場を目指す現在の中学生が、県内の高校に進学されまして、両大会で活躍していくことをしっかりと応援してまいります。  今後とも、各競技団体との意見交換を密にし、これまでの成果や課題を的確に把握して、オール佐賀、チーム佐賀として、より効果的な取組を進めるなど、引き続き競技力の向上を図りまして、二〇二三年、二〇二四年の両大会の成功に向けてしっかりと取り組んでまいります。  続きまして、SAGAアリーナについての御質問にお答えいたします。  まず、工事の進捗状況と今後の見通しについてでございます。  SAGAアリーナ建築工事につきましては、令和二年三月に請負業者と契約いたしまして、四月から整地などの準備工事、六月五日には安全祈願祭を執り行いまして、本格的に工事に着手しております。  議員から御指摘ありました、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う工事への影響につきましては、四月に出されました国の緊急事態宣言を受けまして、四月下旬から五月上旬にかけましては、全国的に工事の一時中止の措置が取られ、それに合わせまして、SAGAアリーナ工事につきましても工事を一時中断いたしました。  ただ、本格的な工事着手前の準備工事の段階であったことや、ちょうどゴールデンウイークの──もともとゴールデンウイーク中には工事を休止する予定でございました関係上、それと重なった関係で、実際の工事中止は二日間にとどまりまして、工程への影響はほぼありませんでした。  また、梅雨時期の長雨による工事への影響につきましては、その時期の工事が雨の影響が少ない基礎ぐいを打つ工事であったことから、多少の作業の手戻りはありましたものの、現時点では工事工程はほぼスケジュールどおりに進んでおります。  今後の見通しでございます。  今後の工程では、今年十二月頃に基礎ぐいを打つ工事を終えまして、その後、基礎部分のコンクリート工事、来年、二〇二一年四月頃からは建物の骨組みを造る工事に着手します。そして、冬頃にはアリーナの大まかな形が皆様方のお目にも見える形になるようにと考えております。  現時点では、新型コロナウイルスの感染の状況が、今後どういうふうに進展していくのか予想することは困難でございますが、当初想定していなかった新型コロナウイルス感染防止のための対策や長雨、台風等により影響が出る可能性は残っているものの、現時点では二〇二三年の春には、アリーナをはじめサンライズパーク全体が利用できるよう、スケジュール感を持ってしっかりと整備を進めてまいります。  次に、二〇二三年度のアリーナの利活用について御質問がありました。  SAGAアリーナは、VリーグやBリーグなど「観る」スポーツや、これまで佐賀で実現できなかったコンサート、各種団体の全国大会、ビジネス展示会など様々なイベントを開催できる多目的アリーナとして整備しております。  オープン初年度の二〇二三年には「SAGA2023」、国スポ・全障スポの会場として利用したいと考えておりました。  仮に、国スポ・全障スポが一年延期されることが決定した場合は、アリーナの利活用については、二〇二三年夏から秋に予定されていた「SAGA2023」の大会関連のアリーナ利用はなくなることになりまして、他方、二〇二四年の夏から秋にかけては、国スポ・全障スポの大会開催のために、その他のイベント開催が難しくなることとなります。  このため、議員御指摘のとおり、SAGAアリーナのオープン予定の二〇二三年春から国スポ・全障スポの準備が本格化する二〇二四年夏までの一年間は、アリーナの利活用にとっては大変重要な時期になると認識しておりまして、当初より予定しているVリーグ、Bリーグの試合会場としての利用はもちろんですが、コンサートや様々な世代が楽しめるファミリー向けイベントなど、まずはできるだけ多くの方々がSAGAアリーナに足を運ぶことができるような各種イベントを開催できるように、指定管理者と連携いたしまして、イベントの誘致活動等に取り組んでまいりたいと考えております。  一方で、関係者からのヒアリングによりますと、開業一年目というのは、運営スタッフが不慣れであったり、大きなイベントを詰め込み過ぎることがよくありまして、そうするとなかなかうまくいかない、使い勝手が悪い施設という印象が残るというふうに聞いております。そのような結果にならないように、県と指定管理者が連携いたしまして、一つ一つ丁寧に実績を積み重ね、SAGAアリーナの評価を上げていくことが極めて重要だと考えております。  アリーナオープンまで、順調にいけば二年半となります。今回のコロナ禍の中にありまして、音楽業界とかイベント業界も日々変化していると聞き及んでおりまして、その潮流を的確に捉えまして、SAGAアリーナがスポーツ、文化、産業、国際交流など、様々な場面で佐賀に新しい風を巻き起こす「さが躍動」の象徴となり、県民に喜んでいただけるようにしっかりと育てていきたいと考えております。  私からは以上でございます。 25 ◎落合教育長 登壇=私からは、コロナ禍における児童生徒への対応について二点お答えをいたします。  まず、児童生徒への心のケアの充実についてお答えいたします。  議員からも御指摘がありましたように、児童生徒の中には、自分や家族が感染したらどうなるんだろうと非常に不安を持っている児童生徒がいらっしゃいます。正しく感染を注意するという部分は必要でありますけれども、正しい知識や認識がなく、漠然と過度に不安や悩みを持っていると、そういう子供も見受けられるように思います。また、そういった漠然とした不安というのは、感染者あるいは医療従事者に対する差別やいじめにつながるような懸念もあるというふうに考えております。  そこで、県教育委員会としましては、新型コロナウイルス感染症を正しく、きちんと認識してもらうために、その時点での最新の知見に基づいたいろんな情報、あるいは指導資料を学校に提供したり、あるいは児童生徒向け、保護者向けのチラシを配布したりという周知を行ってきているところであります。  また、こういったコロナ禍の状況の中で、これまで当たり前だと思ってきた学校に通うということがままならないという状況が続き、勉強が遅れてしまうとか、部活をもっと頑張りたいのになかなかできないとか、友達に会いたい、そういったことだったり、あるいは楽しみにしていた学校行事が縮小されたり中止されたりという中で残念な思いをしている児童生徒もたくさんいます。  一方で、六月から八月にかけまして実施しましたSSP杯(カップ)では、本当に練習不足な学校もあったかもしれませんけれども、精いっぱい全力でプレーしている生徒たちの姿というのを見て本当に感銘を受けました。  また、最近では体育祭とか文化祭とかを何校か私自身見学させていただきましたし、おととい土曜日には工業高校のロボット競技大会というのもあって、そういったものをのぞくと、児童生徒たちがこういった中にあっても一生懸命真剣に取り組んでいるという姿を拝見して心強い気持ちがいたしました。  学校では、様々な課題は抱えながらも、児童生徒が夢や目標を持って学んだり、あるいは達成感や満足感を得たりできるように、その時々の状況に応じて教育活動の内容や方法は見直しながらではありますけれども、児童生徒の主体的な活動を支援してきているところであります。  また、心のケアにつきましては、学級担任や養護教諭を中心に、児童生徒の心身の状況を把握して相談に応じたり、スクールカウンセラーによる支援、また、二十四時間体制の心のテレホンなどの心の相談窓口を紹介するなど、組織的な相談体制を整備しております。  また、これは感染事例が発生した学校の校長先生の講話を御紹介しますと、生徒たちに対して、感染者の方が、検査で陽性になった人が勇気を持ってすぐに学校に連絡してくれたこと、これが休校を最短にし、またほかにも感染が広がらないで済んだと。その人がそういう行動が取れたのは、その学校の生徒の皆さんや保護者の方々が、その人を責めたりしないと信じることができたからだと。その学校での信頼関係が非常に大切なんだという指導をしていただいております。  こういった日頃からの先生たちの学校における指導というのが、感染したり、それを不安に思っている児童生徒への心のケアだったり、あるいは学校でのいじめや差別、そういったものを防いでいくことに非常に重要なんじゃないかなというふうに考えております。  今後も、児童生徒の心のケアの充実とともに、児童生徒が安心して生き生きと活動できる魅力ある学校づくりに取り組んでまいります。  次に、県立高等学校入学者選抜についてお答えいたします。  議員からこれも御指摘がありましたように、県立高校の入学者選抜、いわゆる高校入試について、今年度はどういうふうに実施されるのか。あるいは自分自身が感染したりして、本当に無事に受検できるのかと、そういった不安を抱えている生徒は多いのではないかと思います。  現在のところ、県教育委員会としては四月二十四日に発表している日程、すなわち特別選抜については令和三年二月四日に試験を行い、二月十日に発表。一般選抜につきましては三月三日から四日にかけて試験を行い、三月十一日に発表という日程で例年どおり実施する予定であります。  今後、各中学校や高等学校、関係機関に説明会を実施するなど、入学者選抜の実施に向けて準備を進めてまいります。  また、これも非常に関心を呼んでおりますけれども、学力検査の出題範囲につきましては、八月末に県内中学校及び義務教育学校の学習状況について全校に対して調査を行っております。これによりますと、夏季休業の短縮や学校行事の縮減など、授業時間確保の努力を各学校でしていただいた結果、臨時休業による授業の遅れは取り戻すことができている、あるいは今後取り戻すことができる見通しであるということが確認されました。  したがいまして、学力検査の出題範囲につきましては、これは九月十一日に発表し、通知もしておりますけれども、教科書の一部を除外することはせず、例年どおりの出題範囲としたいと考えております。もちろん今後、長期の臨時休業が必要になったりするなど、不測の事態が発生した場合には改めてその際に対応を検討することになります。  また、新型コロナウイルス感染症などの理由で予定された日程で受検できなかった受検生に対しては、追加の検査を行い、受検生の受検機会が失われることがないよう、可能な限りの対応に向けて準備を行ってまいります。  さらに、入学者選抜における感染症対策につきましては、試験当日の受検生個々への対応、あるいは会場での感染症対策などについて、万全の備えをするよう各高等学校に対して指導、支援をしてまいります。  今年度の受検生である今の中学三年生の皆さんは、今回の新型コロナウイルス感染症の中で、授業、学校行事、部活動など、これまでの学校生活でいろんな制約を受けてきております。これから今後半年間、残りの中学校生活、充実した学校生活を送っていただきたいと思いますし、その上でぜひ佐賀県内の高校に進学してきていただくことを期待いたしましてエールを送りたいと思います。  以上です。 26 ◎井上祐輔君(拍手)登壇=日本共産党の井上祐輔です。本日、五項目について質問をさせていただきます。  まず、新型コロナウイルス感染症について質問いたします。  新型コロナウイルス感染症については、佐賀県では令和二年三月十三日に県内初の感染者が確認されて以降、再陽性を除けば、三月十三日から五月四日までの五十三日間で四十五人の感染が確認されました。その後、五月五日から七月十九日まで感染者はゼロとなっていましたが、七月二十日以降、連日のように感染者が確認され、昨日までの報告では検査総数が五千五百十七件、二百四十四の感染確認となっています。現在は少し落ち着いてきたものの、緊急事態宣言が出された春の感染拡大の状況と比較すれば五倍以上の感染者が確認されています。  私たち日本共産党は、このような状況や住民の皆さんからいただいた声を踏まえて、県内各自治体や佐賀県に対しても新型コロナウイルス感染症対策に対する申入れを行ってきました。県に対しては八月十一日に、PCR検査体制の拡充、学校や保育園など、集団感染が起こるリスクの高い施設などでのPCR検査を必要に応じて行うこと、感染が広がる中で、先が見通せない苦しい状況に陥っている飲食店などに再度支援給付金などの対応を実施することなど、六項目を要望させていただきました。  現在、県におかれては、濃厚接触者だけではなく、その他接触者に対しても感染の可能性を否定せず、前広に幅広にPCR検査が実施され、その取組については評価もしているところです。
     今後、新型コロナウイルスの感染拡大を防止し、安全・安心の社会基盤をつくるためには、防疫を目的に無症状者を含めてPCR検査などを実施し、感染力のある人を見つけ出し、隔離、保護することが必要であると思います。  この間、県民の皆さんから伺ってきた声なども踏まえて、質問をさせていただきます。  まず、感染状況の認識についてです。  七月下旬以降、感染が急速に広がった状況の要因について、県としてどのように認識をされているのか、健康福祉部長にお伺いをします。  次に、PCR検査について伺います。  先日、ニュース番組で、保育施設で園児や保育士など三十人を超える大規模なクラスターが発生したとの報道を目にしました。  幸い県内では、医療機関や学校など集団感染のリスクが高い施設でのクラスター感染は確認されていません。これも関係者の皆さんの対策や努力によるものが大きいのではないかと思います。  検査体制については、今後、さらなる拡大が行われる予定ですが、検査の役割、考え方が非常に重要であると思います。  私は、検査の目的は、一つ目に、陽性の方を隔離、保護し、治療を行うこと、二つ目に、さらなる感染拡大を防ぐことであると考えています。症状がある方の診断と同時に防疫という観点からも、その検査を点ではなく、面で行う必要もあるのではないかと思います。県が行う念のため検査もこれに当たると思いますが、現状としては、感染者とその周りの方に検査をされています。  今後、感染拡大を防止するためには、集団感染のリスクが高い医療機関、介護施設、学校、幼稚園、保育園等において、定期的に必要な検査を行うべきと考えますが、県の見解をお伺いします。  三点目に、保育業務に対する支援について伺います。  先日、新型コロナウイルスの対策について、保育士の皆さんと直接お話しする機会をいただきました。  保育所や認定こども園は、緊急事態宣言中であっても新型コロナウイルスの感染防止に特別な努力を払いながら、継続して園の運営が行われてきました。  私も子供を保育園に預けさせていただいていますが、保育所等の社会的な役割の大きさを改めて感じるとともに、子供たちが安全に過ごせるように、また、保護者が安心して子供を預けることができるように、日々尽力されている保育従事者の皆さんにも改めて感謝申し上げたいと思います。  今後も、保育所等が感染防止を行いながら継続して運営ができるように、私は県としてもできる限りの支援をしていく必要があると考えているところです。  そこで、三点伺います。  まず、保育所等の対応と課題についてです。  今後の対応に備えるために、この間のコロナ感染に関わる保育所等の対応状況を行政として把握し、検証する必要があると思います。さらに、出された課題については共有しながら、今後の対応に生かすべきだと思います。  新型コロナの感染期における保育所等の対応状況と課題について、県としてはどのように認識をされているのかお伺いをします。  二つ目に、必要な資機材と人員の確保についてです。  新型コロナへの対応で、通常では必要のない消毒業務や子供たちの一人一人のフェースガードの管理など大変な業務が負担になっているという声がありました。  学校などでは、スクール・サポート・スタッフなど体制の強化を行い、教員の皆さんの業務負担を軽減する取組が実施されています。保育などの現場でも、保育士の資格者以外でもできる仕事は、業務をサポートする体制整備をするなどの支援が必要ではないかと思います。  保育所等で必要となる消毒液やマスク等の資機材及び消毒業務等を行う人員体制を確保するに当たり、県はどのような支援を行っているのかお伺いをします。  三点目に、保育従事者への慰労金についてです。  今議会では、薬剤師の方々へも慰労金支給の予算が組まれていますが、これは感染者の対応をしたかどうかにかかわらず支給をされるものと認識をしています。  保育関係者は、緊急事態宣言の中でも感染リスクがある中で奮闘し、社会的活動を支えるために多大な貢献をしていただいていると思います。保育所等の職員の皆さんに応えるためにも、慰労金の支給を県としても行うべきではないかと考えますが、県の考えを伺います。  この質問の最後に、飲食業への支援について伺います。  今後の対応については、先ほども問題は飲食業という答弁もありました。飲食業などに対しては緊急事態宣言の中、自粛の効果を高めるために、自粛と補償はセットでとの考えの下で佐賀型店舗支援金が実施されたことは、事業者からも大変喜ばれ、よい取組であったと感謝しておられます。  一方で、国が出された緊急事態宣言であるのに、自治体によって支援規模や対策にばらつきが出たことには課題があり、早急に国会を開き、見直す必要があることも指摘をしておかなければなりません。  唐津市内の飲食関係者のお話では、緊急事態宣言が明けた五月に入り、徐々に客足が戻ってきた。そのように思ったときに再度感染者の確認があり、大変厳しい状況に立たされている、そういったお話がありました。  例年、多くの観光客でにぎわう唐津くんちなど、地域のお祭り、行事も軒並み中止となり、飲食業者の中には、いつ客足が戻るのか不安を抱えている方々も多くいらっしゃいます。  持続化給付金の再交付など、本来国がやるべきことだとは思いますが、県としてこのような事業者の方々に対し、何とか踏ん張ってほしい、このようなメッセージを込め、支援金を交付してほしいと考えていますが、どのように考えておられるのかお伺いをします。  大きな二項目め、玄海原発について伺います。  知事は、原子力発電については、依存度をできる限り下げるべきと言われています。  その具体的な施策を進めていく必要がある一方で、玄海原子力発電所については、知事が再稼働を容認して運転が続けられています。このことは、使用済み燃料などの処分が困難なごみをさらに増やすことになりますし、緊急時の避難についても、新型コロナウイルスの中でさらに困難な課題を県民に与えることとなってしまいます。  先月の八月二十一日には、六ケ所再処理工場は完成時期をさらに一年延期することとなり、二十五回目の延期となりました。知事は六月議会でも、二〇二一年上半期に竣工予定だと日本原燃に確認したとの答弁をされましたが、答弁とはまた違う状況となってしまいました。  私は、国が進めている核燃料サイクルは既に破綻していると考えています。(「そうだ」と呼ぶ者あり)このような状況が繰り返されれば、使用済み燃料の搬出先は当てがなく、佐賀県内に永久に保管されるのではないかと多くの県民が不安を抱えています。このような状況の中で、玄海原発の再稼働を容認された知事の責任は大変重いと考えます。  佐賀県を核のごみ捨て場にさせない、このような強い決意を持ち、安心・安全な暮らしを守るためにも、解決できない様々な問題を抱えた原子力発電は直ちにやめるべきだと思います。  そこで、知事に三点伺います。  一点目に、使用済み燃料の搬出についてです。  使用済み燃料については、青森県六ケ所村の再処理工場に搬出するとされていますが、完成が二十五回目の延期をされるなど完成のめどは立っておらず、永久保管されるのではないかとの不安の声があります。  知事は、九州電力に対して、使用済み燃料は必ず玄海原子力発電所から搬出する、このような文書を提出させて、約束をさせるべきではないかと思います。見解をお伺いします。  二点目に、核燃料サイクルについてです。  六ケ所再処理工場については、二十五回目の完成延期が発表され、二〇二一年度上期へと完成時期が変更されました。  工場は一九九三年から建設されていますが、建設費は当初約七千六百億円と言われていました。それが一九九六年には一兆八千八百億円、一九九九年には二兆一千四百億円と二倍、三倍と高騰してきました。ところが、建設開始十年後の二〇〇三年、突然、電気事業連合会は六ケ所再処理工場の総費用は約十一兆円だと公表しました。公表された内訳は、建設費約三兆三千七百億円、運転・保守費約六兆八百億円、工場の解体・廃棄物処理費約二兆二千億円です。  建設費だけでも当初計画の四・五倍となっています。そして、それまで一切説明されなかった運転・保守費、工場の解体・廃棄物処理にも膨大な費用がかかることが明らかとなりました。  その後もコストは年々上昇し、二〇一八年時点では十三兆九千三百億円と見積もられています。  この試算は、工場が四十年間、一〇〇%フル稼働、無事故で動くというあり得ないような前提での試算であり、実際はこれ以上の額になることは簡単に想像できます。これは、使い道のないプルトニウムのための費用であるにもかかわらず、数世代にわたり、国民一人一人が負担することとなってしまいます。  また、青森県むつ市に建設されている中間貯蔵施設についても、中間貯蔵期間が終わった後の使用済み燃料の搬出先が決まっていない。最終処分についても決まっていません。  私は、核燃料サイクルは既に破綻していると考えていますが、知事の現状認識はどうなのかお伺いをします。  三点目に、玄海原子力発電所に隣接する資材置場について伺います。  九州電力は、玄海原子力発電所の隣接地に資材置場の造成を進めていますが、今後、玄海一号機、二号機の廃炉作業に伴い発生する放射性廃棄物や、将来的にさらなる使用済み燃料の貯蔵施設を設置するのではないか、地元住民から懸念の声があります。  知事は、県民の思いを受け止め、九州電力に対して、この資材置場を廃棄物の処分場や使用済み燃料の貯蔵に使わないという文書を提出させて約束をさせるべきだと思いますが、いかがでしょうか。  この項目の最後に、原子力防災訓練について危機管理・報道局長に伺います。  原子力災害時の避難については、通常時であっても大変困難な状況があります。コロナ禍にある今は、その困難性はより大きくなっているのではないでしょうか。  知事は、玄海原子力発電所の再稼働に当たっては安全性の確保を条件とされていましたが、新型コロナウイルス感染症が流行する中であっても十分な安全が確保できるのか検証する必要があると思います。  そこで、二点について伺います。  一つは、訓練の検討内容についてです。  十一月七日に開催される今年度の原子力避難訓練の内容については、市町と協議しながら現在検討がされていると伺っています。新型コロナウイルス感染症が収束していない中で実施する訓練はこれまでとは違った訓練になると思いますが、どのような検討をされているのか伺います。  次に、参加者以外への訓練の周知についてです。  訓練の実施に当たっては、訓練参加者には十分な周知が行われると思いますが、訓練に参加をされない住民に対しての周知についてはこれまでの訓練でも十分であるとは言えないと感じています。しかし、現在、新型コロナウイルス感染症が収束をしていないこれまでと違った状況の中で、訓練に参加をされない住民に対しても、コロナ禍の中でどのように避難するのか、避難訓練や避難計画の周知が必要だと思います。県はどのように周知をされるお考えなのかお伺いをします。  大きな項目の三項目め、洋上風力発電について伺います。  私は、原子力発電には多くの解決されない課題が山積みであり、一刻も早く再生可能エネルギーの普及に向けて推進していくべきと考えています。  県では、多様な再生可能エネルギーの資源活用の一つとして、洋上風力発電事業の実現に向けた取組を開始し、昨年度は唐津市の馬渡島や玄海町で住民説明会を開催されています。私も二月の定例県議会でも取り上げましたが、知事は海域利用者や地元となる唐津市及び玄海町の意見を大切にしながら誘致の可能性を検討していきたいと述べられました。  そのような中、本年八月、県は唐津市呼子町において漁業関係者を対象に説明会を開催されましたが、洋上風力発電は大規模な開発となることが予想され、地域住民等へも影響を与えかねない大事業であるにもかかわらず、住民に対して、これまで説明会では十分な説明がされてきたと言えないのではないかと私は感じています。  私は基本的には再生可能エネルギーの開発には賛成の立場でありますが、これが住民の理解がない中で進められる事業であってはならないと考えているところです。このような大規模事業の誘致に当たっては、対象者を絞った説明会ではなく、様々な方が意見を述べることができる場を設け、理解を深めていくべきであると思います。  そこで、三点伺います。  まず、呼子町における説明会についてです。  八月十九日、唐津市呼子町で初めての説明会が開かれ、多くの県会議員の皆さん、そして、市会議員の皆さんも参加をされていました。今回、呼子町における説明会の開催経緯や説明内容、参加者からはどのような意見があったのか、このことについて伺います。  次に、開かれた住民説明会の開催についてです。  玄海町での住民説明会の際にも、住民からは広く案内をして様々な立場の方が自由に発言できる機会をつくってほしい、このような要望もあったと認識をしています。幅広く洋上風力発電について知ってもらうこと、また、意見をいただくことは大切だと思います。このような対象者を絞らない住民説明会の開催について県はどのように考えておられるのかお伺いをします。  最後に、今後の進め方についてです。  今後、県はスケジュール感も含めどのように取組を進めていかれるのかお伺いをします。  大きな項目の四項目め、気候非常事態宣言について伺います。  午前中も土井議員からも激甚化する災害への対応について質問がありました。SDGs──持続可能な社会を実現するためにも、気候変動について改めて認識をし、自分事として捉え、行動することが大切であると思います。  近年、平成三十年七月の西日本豪雨、昨年八月の佐賀豪雨、そして、今年も七月の熊本県を中心とした豪雨や台風十号など、何十年に一度と言われるような異常気象や、それによる甚大な災害が頻発する状況が続いています。お亡くなりになられた方々、被災をされた皆さんに哀悼の意を表するとともに、お見舞いを申し上げます。  このような状況は地球温暖化などの影響とも言われています。そのような中で国内でも気候非常事態を宣言し、地球温暖化対策のさらなる推進に取り組む自治体が急速に増えてきています。  自治体で初めて気候非常事態宣言を表明したのは隣の県の長崎県壱岐市が二〇一九年九月、都道府県単位では長野県が昨年十二月、神奈川県が本年二月に宣言しています。各自治体でその内容や取り組み方に多少の違いがあるものの、現在の異常な気候について、気候変動ではなく気候危機であることを宣言することにより認識を共有することを目的とされています。  国会においても地球温暖化対策に取り組む決意を示そうと、気候非常事態宣言の決議を目指す超党派の議員連盟が発足をしています。この超党派の議員連盟は、私たち日本共産党をはじめ自民党や公明党、立憲民主党、社民党など、与野党の約四十人の国会議員が発足をさせたものです。新型コロナの影響により、さきの国会で決議は見送られたものの、次の臨時国会で気候非常事態宣言の決議を目指されています。  議員連盟の共同代表幹事を務められている自民党の鴨下元環境大臣は、「大型台風、暖冬などで国民が抱く不安を国会が捉え、立場の違いを乗り越えて対応する意思を示すことが重要」、「国会が決議することで、政府や国民に具体的な動きが出てくればと期待している」と述べられています。  本県においても気候非常事態であるという認識を共有しながら、県民、事業所、行政が一体となって地球温暖化対策にこれまで以上に取り組むためにも、佐賀気候非常事態宣言を表明するべきではないかと考えているところです。  そこで、三つお伺いをします。  一点目に、気候変動に対する知事の認識についてですが、知事はどのように認識をされているのかお伺いします。  二点目に、地球温暖化対策についてですが、県としてどのように取組をされてきたのか。また、今後どのように取組をされるのか県民環境部長にお伺いします。  最後に、気候非常事態宣言について伺います。  地球温暖化対策を推進するためには、県民一人一人の気候変動に対する危機意識の共有が必要であると思います。このためにも知事が佐賀気候非常事態宣言を出すことが県民の意識醸成につながり、地球温暖化対策のさらなる推進にもつながると考えますが、知事の所見をお伺いします。  最後の五項目めです。子供の医療費に係る県外医療機関の受診について伺います。  子供の医療費拡充については、この間、日本共産党県議団としても拡充を求め、就学前までとなっていた現物給付が就学後にまで拡充をされるなど前進してきたことは大変うれしく思っています。これは県内医療機関での受診の話ですが、何らかの理由で県外から県内に移住をしてこられたり、高度医療が必要で県外医療機関を受診される場合などでは条件が変わってきます。  もし就学前の乳幼児が県外の医療機関を受診する場合、一部の医療機関については現物給付で受診できるものの、その数は限られています。  新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、今、地方移住への関心が高まっています。県はそれらを踏まえ、首都圏や隣県に向けた情報発信を強化することなどによって、本県へのさらなる人の流れを創出するとして、移住促進事業にも取り組まれています。  昨年度県内移住された方で一番多い地域が福岡県で全体の四九%、次いで長崎県が一六%となっており、六割以上が隣県からの移住者となっています。  世帯主、年代別で見ても、二十代が二九%、三十代が四五%で七割を超えています。  実際、九州大学病院で慢性疾患の治療をされているお子様を持つ親御さんから、福岡県では現物給付で受診できていたが、福岡県から佐賀県に転居したことにより償還払いとなったために、検査や手術などにかかる高額な医療費を一旦負担しなければならなくなり、大変困っている、このような声を伺いました。  移住者や移住希望者の方々にも佐賀県が子育てしやすい県であると思っていただくためにも、県外の特定医療機関でしか治療ができないケースにも対応できるよう、受診しやすい環境づくりをより一層進めていくべきだと考えているところです。  そこで、二点お伺いします。  まず、現状と課題についてです。  子供の医療費の現物給付に係る県外医療機関との契約の状況と追加する場合の課題は何なのかお伺いをします。  二点目に、今後の取組について知事に伺います。  県内の市町でも契約医療機関の拡大や拡充を望む自治体もあるのではないかと思います。そのような各市町の意向をまずは把握することも大事なことだと感じています。特定の疾病に対応できる県外の医療機関を対象にしていただくとともに、現在の乳幼児のみでなく、就学後の児童についても対象としていく必要があると考えていますが、どのように考えておられるのかお伺いをします。  以上、一回目の質問といたします。(拍手)
    27 ◎山口知事 登壇=井上祐輔議員の御質問にお答えいたします。  まず、玄海原子力発電所の使用済み燃料の搬出についてでございます。  国のエネルギー基本計画において、原子力発電所で発生する使用済み燃料については、「資源の有効活用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針」としています。  九州電力は、この基本的方針に沿って使用済み燃料を一定期間冷却した後、再処理工場へ搬出する方針をこの県議会においても明言されています。  一方で、使用済み燃料が永久保管されるのではないかとの不安の声があることも承知しています。  九州電力に対しては、使用済み燃料対策の具体的な対応について、県民への丁寧で分かりやすい説明を行うことを引き続き強く求めていきたいと考えています。  詳細につきましては担当部長からお答え申し上げます。  続きまして、核燃料サイクルに関する現状認識についてお答え申し上げます。  六ケ所再処理工場については、本年七月二十九日に原子力規制委員会より新規制基準への適合性に係る事業変更が許可されています。許可を受けた日本原燃株式会社では、安全性向上対策の実施に必要な工程を精査した結果として、本年八月二十一日にこれまで二〇二一年度上期としていた竣工時期を二〇二二年度上期に変更しております。これは井上祐輔議員がお話しいただいたとおりです。  私の強い問題意識として、国はエネルギー政策として核燃料サイクルを推進しているものの、この再処理工場はずっと竣工が遅れておりまして、順調に進んでいるとはとても言えない状況だということはかねてよりこの議会でも申し上げております。私もそういう問題意識を持っているので、今年の七月九日でありました、国に様々な政策提言をしましたけれども、このときは、コロナ感染対策の関係で滞在が数時間にとどまる中で、原発関係の二か所は訪問させていただきました。  一点は、簡単に言いますと、原子力規制庁と更田委員長のところに行って、抜き打ち検査についてしっかり実効性を確保するために県にボタンを押すというやり方をこれから考えたらどうだという提言をしに行きました。  もう一点が、経産省の牧原副大臣のところに行きました。ずっとみんな異動で様々な政府のメンバーも替わっていくんだけれども、この問題はしっかりやらなければいけないんじゃないかという話です。「現在の状況を明確にした上で、具体的な期限を含む実行可能な工程を早急に示して、責任を持って核燃料サイクル政策を進めること。」を提言させていただきました。  国に対しては、核燃料サイクル、エネルギー政策に真剣に取り組み、しっかりと結果を出してもらいたいと強く思っておりまして、今後もこうした旨を強く求めていきたいと考えています。  続きまして、玄海原子力発電所に隣接する資材置場についてお答えを申し上げます。  玄海原子力発電所に隣接する土地については、九州電力からは、廃棄物の処分場や使用済み燃料の保管場所ではなく、資材置場や重大事故が発生した場合の対策要員などの受入れ場所として活用すると聞いています。  詳細につきましては、担当部長からお答えします。  続きまして、気候非常事態宣言についてのうち、気候変動に対する私の認識についてお答え申し上げます。  こちらも井上祐輔議員のほうからお話、御指摘がありました。本当に異常気象が発生して、特に豪雨については何十年に一度と言いながらも、毎年のように線状降水帯ができたりとか、今年も球磨川の災害があったり、台風も大変に熱量を帯びて大きなものになっているという、せんだっての台風十号の話もございました。そして、記録的な暖冬の話もあります。世界を見ても、フランス南部の記録的な高温ですとか、ベネチアがいつも高潮で毎回のように沈んでいるという報道もよくあります。南アフリカの南部ではサイクロン、そして南極の海氷、氷の面積が観測史上最低値を示すとか、世界中でいろんな異常気象が起きていると思っています。  これは世界を見てみますと、アメリカ、中国の問題に加えて、急成長を遂げているBRICS諸国ですね。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカなどなんですけれども、自国の経済活動を優先した資源の消費活動を続けることで、CO2排出量が増加傾向なんです。簡単に言うと、新興国ですから、これから僕らだって同じように経済発展させてくださいということで、例えば、多くの森林を持っている国が経済発展を優先させるということで、CO2の吸収力が落ちるということになるわけです。そういった形での大規模な開発行為が森林破壊を招いたり、当然森林はCO2を吸収してもらいますので、最近起きている大規模火災においても非常に大きな問題が起きていると思っています。  さはさりながら、世界のCO2排出量を減らす様々な取組の中で、排出量が最も大きい中国さんやアメリカさんは、その削減に向けた取組、それから枠組みづくりに積極的とは思えないような今状況にあると思っています。こうした要因が重なり合って、地球規模で大きな気候変動が起きていると私は考えています。  ちょっと言い方を変えますと、私たちが住む地球の空気の層というのを、地球をリンゴに例えますと、皮一枚の層に我々は生きています。せんだって、JAXAの山川理事長による講演、武雄の宇宙シンポジウムで話しておりましたけれども、もう百キロぐらいしかなくて、その先は宇宙で、もう百キロぐらい上、空に行くと空気がなくなっていくということです。地球の中心までは、リンゴの中心まで行くには六千キロありますから、たった百キロって本当に薄皮まんじゅう、百キロというと、ここから北九州ぐらいですかね、というぐらいのすごく薄い隙間に我々は暮らしているわけでありますから、そこが変動するというのは、CO2対策ができていないと、薄い層がおかしくなってしまうというのは容易に想像ができるわけです。  将来の世代も豊かに生きていける環境をしっかり守っていくためにも、人類の生活基盤を脅かす気候変動への対応として、地球規模で地球温暖化対策を行っていく必要があると強く考えています。  続きまして、県として気候非常事態宣言についてどう考えるのかということです。  今お話ししましたように、私は現在の状況はもう既に危機的な状況にあると危機感を持っています。そして、既に多くの佐賀県民もこのような災害を目の当たりにして、温暖化などによりまして気候がおかしくなっているんじゃないかというのは、私は肌で感じておられると思っています。これについては、現在、世界で様々なところで科学的分析が行われておりますけれども、私は明確な因果関係の証明などなされなくても、地球人が同時並行的にやらないと、とてもじゃないけれども、間に合わない状況になってしまうんではないかという危惧を持っています。  本県では、既に地球規模で気候変動が起こっているということをもう既に前提として、CO2削減のための緩和策、河川改修などの様々な適応策に取り組んでおります。特に私自身が強い思いを持って取り組んでおります、佐賀の豊かな森、川、海を未来につなげるための「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」は、まさに山を大切にする、CO2吸収源となる森林の保全につながるものだというふうに思っていて、私はもちろん宣言もいいのかもしらんけれども、実効性が大事だと思っているのです。ですので、九州知事会が佐賀で行われたときも、これを真っ先に取り上げて、佐賀宣言の中にも入れて、みんなで取り組みましょうというような話をさせていただいたところです。  本来、地球温暖化問題は地球規模の問題でありまして、全ての国や地球に住む全ての人が、国境や地域に関係なく、地球規模の問題であると認識した上で、一緒になって真剣に取り組むべきことです。  先ほどの山川理事長も、宇宙から見ると、環境問題に国境なんて関係ないんだよ、各国が協力してやらないといけないと、切ない気持ちになるという話をしてありましたけれども、まさにそれが求められていると思います。  佐賀県は地球全体から見れば、小さな存在ですけれども、地球の一員として、また県として使命感を持って地球温暖化対策に取り組んでおりますが、これからも実効性があるように、地に足をつけて進めていきたいと考えております。  続きまして、子供医療費関係で県外医療機関の受診に関する今後の取組についてお尋ねがございました。  子供の医療費助成に関しては、私も県民の声を受けて、知事に就任してすぐに手がけた大きな仕事の一つだと思っています。GM21ミーティングのまだできたばかりの第二回だったと思います。平成二十七年に現物給付化について私から各首長に提案して、みんなで取り組みたいという話をさせていただきました。  市町、関係機関から、いろいろありましたけれども、賛同を受けて、平成二十九年四月から県内全ての医療機関において就学後の子供についても現物給付が実現できたわけであります。  そして、井上祐輔議員からお話しいただいた就学前の乳幼児の県外医療機関の受診についてです。  様々な事情がありまして、佐賀県内でなくて県外の医療機関を受診せざるを得ない方がおられると私も思います。例えば、特定の疾患で、その病院でしか対応できないんだとか、県外から移住したばかりで、その専門病院がかかりつけになって通っているんだという話もあろうかと思います。  現物給付化に当たっては、医療機関にも相応の事務負担が生じるわけでありまして、県外であるにもかかわらず、佐賀県のほうから特別にお願いをし対応してもらっているのが現在五医療機関、就学前の子供を対象にしております。福岡市のこども病院、久留米の聖マリアと久留米大学病院、佐世保の共済病院と総合医療センター、この五つでございます。  議員御指摘の九州大学病院についてなんですが、我々も調べましたけれども、これまで担当部局でも気づいていませんでした、正直申し上げて。ですので、大変いい御指摘をしていただいたと思っています。今、年間延べ二百件程度の乳幼児受診がなされているようなので、お願いに行きたいと思っています。そして、ほかにも追加でお願いしたい医療機関がないかも調べさせていきたいと思っています。  ということで、就学前につきましては、県内市町の制度が、佐賀県内の制度が統一されておりますので、県外医療機関にとっても比較的理解が得やすいものだと思います。  そして、今度は就学後なんですが、就学後になりますと、就学前と異なりまして、市町によって現物給付の対象年齢と自己負担額がまちまちになっています。これがなかなか厄介な問題でありまして、県内でもばらばらなものを県外の医療機関にそれぞれ精査してやっていただくという事務負担を考えると、これはなかなか実現のハードルは高いものだというふうに認識しています。こちらのハードルの問題などにつきましては、男女参画・こども局長から答弁させたいと思います。  以上です。 28 ◎原県民環境部長 登壇=私のほうからは、玄海原発についての問いのうち、使用済み燃料の搬出について及び玄海原発に隣接する資材置き場について、知事答弁を補足いたしますとともに、気候非常事態宣言についての問いのうち、地球温暖化対策について御答弁を申し上げます。  まず、使用済み燃料の搬出についてでございます。  今年九月一日でございますけど、リラッキングの事前了解をする際に、九州電力は使用済み燃料の管理と運用の方針につきまして、使用済み燃料は六ケ所再処理工場に搬出する方針であり、できる限り早く搬出したいと明言をされたところでございます。  また、令和元年九月議会の有明玄海・原子力安全対策等特別委員会の参考人質疑におきましても、再処理工場に搬出することが基本、再処理工場の稼働状況を見ながら条件が整い次第、搬出していくと答弁をされておりまして、こういった議会での発言は非常に重いものと考えております。  続きまして、資材置場関係で補足をいたします。  玄海原子力発電所に隣接する土地につきましては、現在も土地の造成が行われております。その目的につきましては、緊急時に外部からの支援資機材を受け入れる場所及び作業員の詰所設置場所等として使用する。定期検査の資機材、予備品などを保管する場所としても使用し、そのための建屋も造るとされております。  平成三十年六月の原子力安全・防災対策等特別委員会の参考人の質疑におきましても、委員のほうから、「もしかしたらその大きな土地が使用済み燃料の置き場にされるんじゃないかと、そういう心配をされている方々もいらっしゃいます。(中略)その土地については、資材置き場として活用していくと、このことについては変わらないのかどうかお伺いします。」という問いに対し、九州電力は、「当該の場所につきましては、おっしゃるとおり資材置き場、あるいは重大事故等があったときの安全要員とか資機材の受け入れ場所として活用する」と御答弁をされております。繰り返しになりますけれども、県議会におけますこうした答弁は大変重いものであると我々は考えております。  次に、気候非常事態宣言についてのうち、地球温暖化対策について御答弁いたします。  県では、地球温暖化対策を推進するため、平成十六年にCO2などの温室効果ガス削減目標及び総合的な対策などを定めました佐賀県地球温暖化防止地域計画を策定いたしまして、以来、様々な施策に取り組んでまいりました。  平成三十年に改定いたしました現計画では、二〇一三年度比で二〇三〇年度までに温室効果ガスを二七%削減するという目標を掲げ、「温室効果ガス排出削減策と吸収源対策」、「気候変動の影響への適応」、「環境を考えて行動する人材・人づくり」、この三つを柱に据えまして施策を進めております。  「温室効果ガス排出削減策と吸収源対策」といたしましては、例えば、エネルギー効率の高い設備や機器の導入でありますとか、燃料転換などの促進。また、森林の持つCO2吸収機能の維持向上を図るため、森林整備や林業の振興などに取り組んでおります。先ほど知事が答弁いたしました「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」もまさにCO2吸収源となる森林保全にもつながる取組でございます。  次に、「気候変動の影響への適応」といたしましては、例えば、災害関係でいいますと、洪水や高潮から生命、財産を守るための河川改修や海岸堤防の整備でございますとか、農業関係では高温条件に対応した農作物の品種開発、こういったことなどに取り組んできております。  また、「環境を考えて行動する人材・人づくり」といたしましては、子供たちの環境を大切にする気持ちを育てる環境教育、環境学習の推進でございますとか、そういった子供たちにしっかり指導していただくために、環境教育指導者の育成などに取り組んできているところでございます。  こうした施策の推進に当たりましては、県、市町と民間団体の連携組織を設置いたしまして、県民、事業者及び行政といった全ての主体が一丸となって積極的に取り組んでいるところでございます。  CO2を含めました温室効果ガス排出量は、基準年の二〇一三年度と比較すると、二〇一七年度の数値でございますけれども、約一三%削減というところまでできているところでございます。今後も県民、事業者及び行政のしっかりした連携の下で、地球規模で既に気候変動は起こっているということを前提といたしまして、実効性のある地球温暖化対策の取組を今後も着実に進めてまいりたいと考えております。  私からは以上です。 29 ◎大川内健康福祉部長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症について二点お答えをさせていただきます。  まず、感染状況の認識についてでございます。  七月下旬以降の県内の感染状況の特徴といたしましては、まず福岡市内のクラブを利用した二十歳代以下の若者の感染者が増加したこと、その後、県内の飲食店等におけるクラスター等の発生もございました。また、家族内感染でございますとか職場内感染、こういったものが四月に比べて大変多かったといったことが挙げられます。感染は八月上旬をピークに減少しているところでございます。  感染が急速に広がった状況の要因といたしましては、一定期間、感染の発生が落ち着いたことなどによって人の動きが活発化したことのほか、専門家にも伺いましたところ、ウイルスが変異し感染力が上がった一方で、弱毒化している可能性も考えられるというようなこと。また、PCR検査体制が拡充され検査件数が多くなったことによって感染者の確認が増えたこと、こういった要因が複合的に関係しているのではないかというような御意見でございました。  次に、PCR検査についてでございます。  これまでも集団感染のリスクが高い、例えば、介護施設等で感染が確認された場合には、国の基準にとらわれずに、濃厚接触者に加え、感染者と接触をしていない施設の職員や施設利用者など、いわゆるその他接触者についても感染の可能性を否定せず、幅広にPCR検査を実施してきております。ちなみに、七月発生当初の事例では、唐津市の高齢者施設で入所者と職員の合計九十七人のPCR検査を実施したこともございます。  こうした中、今回、令和二年八月二十八日に国の新型コロナウイルス感染症対策本部で決定された今後の取組というものの中で、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関や高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に一斉・定期的な検査の実施を要請されたところでございます。  このため、これまでの幅広の念のため検査に加えまして、今後、県内で感染者が多数発生した地域やクラスターが発生した地域においては、その期間、必要に応じて医療機関や高齢者施設など、感染により入院・入所者の重症化が懸念される施設については、定期的な検査等の実施についても検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 30 ◎寺島産業労働部長 登壇=私からは、新型コロナウイルス感染症についての御質問のうちの飲食業への支援についてと、それから、洋上風力発電についての御質問にお答えいたします。  まず、飲食業への支援についてでございます。  新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、先が見通せない状況の中で、飲食店をはじめ事業者の方々の痛みや不安はいかばかりかと思います。  去る四月から五月にかけての緊急事態宣言下におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために、飲食店をはじめとする特定の範囲の店舗、施設に対し、県から休業要請ですとか夜間営業の時間短縮を要請させていただき、その要請に応じていただいた事業者の皆様に、少しでも前を向く力になればという思いを込めて、店舗ごとに休業支援金、あるいは県境ストップ支援金を交付させていただいたところでございます。  一方、現在、県内におきましては感染拡大は収まっており、感染は落ち着いているという状況にございます。私どもの「支え愛(合い)活動局面」にあるというふうに考えております。  このような状況のときには、厳しい状況に置かれている飲食店の方々を、県民の皆様に支え合いの気持ちで御利用していただき、応援をしていただくといったことが重要であると考えており、そうしたことをマスコミなどの御協力もいただきながら呼びかけているところでございます。  その一つとして、商工三団体におかれましても、「CHANGE THE MOOD!」プロジェクトというふうに銘打って、リレー方式で各企業に県内での会合、会食を呼びかけるという形で、飲食店の方々の応援の輪を広げる取組をなさっておられます。  また、県の支援策といたしましては、今月中旬からは、今週末ですが、店先にテラス席を設けて屋外で飲食を楽しんでいただく「SAGAナイトテラスチャレンジ」の第二弾、あるいはその後は第三弾ということで実施をする予定にしてございます。この取組によりまして、町ににぎわいを取り戻しますとともに、ウイズコロナに対応した飲食店の方々の新たなチャレンジを応援してまいります。  また、六月補正予算で計上させていただきました「新たなまちづくりチャレンジ支援事業補助金」によりまして、複数の事業者が協力し合って行う飲食イベントなども支援することといたしております。  そして、これから国の「Go To Eatキャンペーン」もスタートいたします。これは県内飲食店で利用できる二五%のプレミアム付食事券を県内で六十万セット、七十五億円分発行するというものでございまして、これは飲食店の皆様にとっても非常に大きな支援になるものと私ども期待をしております。県民の皆様にも積極的な利用を呼びかけていきたいと思いますし、飲食店の皆様には、ぜひこの参加店舗として参加をしていただきたいというふうに思っております。  今後とも、飲食店の皆様からも様々な御意見ですとか、あるいはアイデアをいただきながら、多くの県民の方々が飲食店を利用されるように取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、洋上風力発電について三点お答えいたします。  まず、呼子町における説明会についてでございます。  呼子町における説明会につきましては、地元の唐津市及び佐賀玄海漁業協同組合からの要請により、唐津市内の漁業関係者を対象に唐津市との共催により八月十九日に開催したものでございます。  説明内容につきましても、唐津市及び佐賀玄海漁業協同組合との協議によりまして、洋上風力発電事業誘致に関する県の考え方や取組、そして、洋上風力発電の必要性や仕組みなど洋上風力発電の全般的な概要、また、洋上風力発電設備が建設されることで漁業にどのような影響があるのか、これは欧州の実態を説明させていただきました。また、候補海域で開発を検討している事業者の事業内容、こういったことについても説明をさせていただいたところでございます。  そして、参加された方々からいただいた御意見でございますけれども、幾つか御紹介いたします。  風速六十メートル級の台風が来た場合の設備の安全性ですとか、複数の洋上風力発電が建つことによる潮流への影響、また、事業実施の可否判断のタイミング、これは法定協議会設置の前なのか後なのかといった御質問、こういったものがございました。  次に、対象者を絞らない開かれた住民説明会の開催についてでございます。  洋上風力発電事業の誘致検討に際しましては、地域住民の方などを対象に丁寧な説明をさせていただき、様々な御意見を伺いながら進めていくべきであると認識をしております。そうした考え方から、昨年度は馬渡島と玄海町で住民説明会を開催させていただいたところでございます。  一方、利害関係の大きい方などへの説明に当たりましては、御関心の内容に合わせた具体的な説明が必要と考えており、対象者を限定して的を絞った内容とするなど、必要に応じて説明の内容ですとか形式、あるいは対象者などを工夫して説明会を開催することも重要であるというふうに考えております。  今後も、地元の唐津市や玄海町などとも協議をしながら、対象者を絞らない住民説明会も含めて開催を検討したいと考えております。  最後に、今後の進め方についてでございます。  洋上風力発電事業の誘致につきましては、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」、いわゆる再エネ海域利用法に基づき、国が示した手順に沿って取り組んでおります。  国から示されている手順を申し上げますと、まず、都道府県が発電事業の候補地となる海域の情報を国に提供いたします。その提供を受けた海域から国が有望な海域を選定し、選定した海域を対象に国が法定協議会を設置いたします。そして、その法定協議会における議論を踏まえて、発電事業を認める海域を国が促進区域として指定をいたします。そして、その促進区域における発電事業の計画を国が公募し、実際に発電事業を実施する事業者が国において選定されるという流れになっております。  洋上風力発電事業の誘致につきましては、法定協議会の設置が実質的なスタートラインということになりますことから、県といたしましては国によるこの法定協議会の設置を目指して検討を進めているところでございます。  法定協議会の設置に向けましては、海域利用者をはじめ地元の唐津市及び玄海町の関係者や地域住民の方々に対し、洋上風力発電の意義や必要性、効果あるいは課題などについて丁寧に説明を行うことが必要であると考えており、今後もそうした考えの下に、引き続き取組を進めてまいりたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 31 ◎山下危機管理・報道局長 登壇=私からは、玄海原発についての質問のうち、原子力防災訓練についてお答えをいたします。  まず、今年度の訓練内容についてお答えをいたします。  今年度の訓練では、感染症流行下での屋内退避や避難などの防護措置の基本のところをやってみたいと考えております。  新型コロナウイルスなどの感染拡大防止対策を盛り込んだ原子力災害時の避難計画としましては、先行して取りまとめられました「女川地域の緊急時対応」というのがありますので、これを参考に、バス乗車前に体温測定を実施する、発熱等の症状のある方とそれ以外の方の車両を分ける、車内では座席の間隔を空けるなど、対策の確認をしたいと思っています。  一方、こういう状況下ですので、訓練実施に当たっては密を避けるなどの必要もあります。訓練実施に伴って訓練参加者が感染しないよう、参加する住民の数を制限するほか、重症化リスクの高い高齢者施設や障害者施設などでの移動を伴う訓練の見送り、医療従事者及び保健福祉事務所の職員の訓練参加者数の制限など、訓練におけるコロナ対策も併せて行うことを検討しております。  具体的なところは、今、関係市町や関係機関と協議を行っているところですけれども、今回の訓練でコロナ禍における避難の在り方の基本的なところを確認したいと考えています。  そうした一方で、本当に切迫した命の危険があるときには、その命を守ることが大事ということも関係者で共有したいと思っています。新型コロナウイルス感染症など他の要因を意識するあまり、命を落とすようなことがあっては決していけません。避難が必要なときにはしっかり避難していただく、場合によっては、まだコロナ対策が十分できていなくても、切迫した命の危険があるときにはちゅうちょなく避難していただくということを関係者で共有したいと考えています。  続きまして、訓練参加者以外への訓練及び避難計画の周知についてお答えをいたします。  まず、訓練の周知についてでございます。  原子力防災訓練の実施に当たっては、訓練参加者のみならず、広く県民の皆様にも知っていただくため、県民だよりやホームページ、新聞広告などによる周知を図っているところでございます。特に玄海町、唐津市、伊万里市の住民に向けては、新聞の折り込みチラシによる周知も併せて行っております。
     また、避難計画の周知につきましては、玄海町、唐津市、伊万里市の三市町において、避難先や避難ルートなどを記載したガイドブック等を作成し、市内、町内の全世帯に配布をされております。  県におきましても、原子力災害時に取るべき行動など対応の基本などを分かりやすく解説した「原子力防災のてびき」を毎年度県内全世帯に配布をしておりますけれども、今年度は新型コロナウイルスなどの感染症対策に関する内容を加えて、三月頃に配布したいと考えております。  こうした原子力防災に関する住民への周知については繰り返し繰り返し行うことが大事と考えております。引き続き市町と連携しながら住民への周知に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 32 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=私からは、大きく二つの問いについてお答えを申し上げます。  まず大きな問いの一つ目、新型コロナウイルス感染症についてのうち、保育業務に対する支援についてでございます。  日頃から、また、緊急事態宣言発令時においても、感染防止に気を配りながら保育業務に従事いただいている全ての皆様に心から感謝を申し上げます。  これまでの保育所等の対応についてでございますが、保育の現場では感染防止対策として、職員や園児の体温管理、登園・降園時の混雑の回避、三密をできるだけ避けるための日々の保育や活動内容の見直し、室内や遊具、おもちゃの小まめな消毒など、常に感染防止に気を配りながら業務に従事いただいております。また、利用を控えている子供や保護者の支援のほか、園内で感染者が発生した場合の対応手順の想定も準備されてきたところでございます。  県においては、感染防止対策や休園や登園自粛の考え方、職員や園児が感染した場合の対応などについて、国からの通知をフロー図に整理して示すなどして分かりやすくお伝えをしてまいりました。  保育所で感染防止対策を行うに当たっての課題としましては、保育所の利用者がゼロ歳から小学校入学前の子供でありますことから、マスクの着用は熱中症のおそれや息苦しさなどから着用の徹底が困難であること、また、二歳未満の子供にマスクの着用は推奨されないこと、幼児期の子供は子供同士の関わり合いの中で育まれていくものですから、密接を完全に回避することは困難であることといったことが挙げられます。  次に、必要な資機材と人員の確保についてでございます。  先ほど申し上げました課題に対応するため、県ではこれまで保育従事者が着用するマスクや消毒液を確保してきました。今年三月から六月にかけては、マスクや消毒液を市場で調達するのが困難な状況にあったことから、県で業者から一括で購入したり、国の優先供給スキームを活用することにより現物を確保し、配布を行ってまいりました。また同時に、空気清浄機や非接触型の体温計など保育所の運営に必要な資機材を購入した経費に対し補助を行い、支援をしているところでございます。  次に、人員体制についてでございます。  議員からお話がありましたように、保育の現場では頻繁に室内を消毒することなどによりまして業務量が増加しております。それらの業務全てを保育士が行うとなると負担が大きく、職員を新たに雇い入れて業務を行う体制を取ることも考える必要があると思います。  県では昨年度から、おもちゃや遊具などの消毒や清掃、給食の配膳、後片づけなどの保育の周辺業務を担う保育支援者を雇用する施設に対して、その経費の一部を補助しておりまして、保育士の業務負担の軽減を図るため、この事業の活用を御検討いただきたいと考えております。  次に、保育従事者への慰労金についてでございます。  保育の現場では、これまで県内では園内で感染が広がる事例は発生しておらず、これも関係の皆様の日頃からの御尽力によるものと感謝しているところでございます。  国においては慰労金の対象を、新型コロナウイルス感染症の感染による重症化リスクが高い高齢者等の患者や利用者と継続して接触を行う方とされているところです。  保育の従事者の皆様におかれても、心身に御負担がかかる中、休園せずに使命感を持って保育に御尽力いただいております。  ただ、先ほど申し上げました重症化するリスクの高い高齢者の方々などが利用される施設とは異なるものでございますので、慰労金の支給を行うという判断には至っていないところでございます。  密接が避けられない保育の現場に対しましては、今後とも必要な資機材の確保、人員体制の確保の支援を行いながら、安全に保育が実施できるよう支援してまいりたいと考えております。  続きまして大きな問いの二つ目、子供の医療費に係る県外医療機関の受診について、知事答弁の補足と併せてお答えをいたします。  まず、県外医療機関との契約の状況でございます。  小学校就学前の子供の医療費について、現物給付に係る契約を行っている県外の医療機関は、先ほど知事の答弁にありましたように五か所ございます。いずれも特定の疾患などに対応できる高度な医療機能を有する医療機関や小児総合医療施設などでございます。  選定に当たりましては、未熟児の養育医療に対応していること、高度な医療機能を有していること、県内在住の乳幼児の多くが受診していること、県内の市町が指定を希望していることという四つの要件全てに該当する医療機関を選定して、契約をお願いしているところでございます。  新たに、県外の医療機関を追加してお願いする場合の課題として、県内の市町や、現物給付に係る審査支払い事務を委託している国保連合会のほか、当該医療機関においてシステム改修が必要となる可能性があります。また、当該医療機関の会計事務の負担が増えるといったことが考えられます。  先ほど知事より、小学校就学後については市町により現物給付の対象年齢や自己負担額がまちまちで、ハードルが高いことについて申し上げました。これについて、平成二十九年四月に小学校就学後の現物給付を導入する際に、既に就学前に御対応いただいている県外の医療機関から、さらなる事務負担となるため、また、医療費を精査するのが困難であるため、小学校就学後の現物給付化への対応はできないと言われた経緯がございます。  就学前につきましては、県内の市町の制度が統一されており、既に御対応いただいている医療機関もありますことから、新たな医療機関にも比較的御理解をいただきやすいのではないかと考えておりまして、まずはここからお願いしてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 33 ◎副議長(岡口重文君) 暫時休憩します。     午後三時二十八分 休憩 令和二年九月十四日(月) 午後四時一分 開議  出席議員    三十五名     一番  一ノ瀬 裕 子     一六番  川 崎 常 博     三一番  石 井 秀 夫     二番  古 賀 和 浩     一七番  定 松 一 生     三二番  留 守 茂 幸     三番  下 田   寛     一八番  八 谷 克 幸     三四番  木 原 奉 文     四番  古 川 裕 紀     一九番  江 口 善 紀     三五番  藤 木 卓一郎     五番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三六番  石 倉 秀 郷     六番  冨 田 幸 樹     二一番  向 門 慶 人     三七番  桃 崎 峰 人     七番  弘 川 貴 紀     二二番  坂 口 祐 樹     三八番  土 井 敏 行     八番  井 上 祐 輔     二四番  原 田 寿 雄     九番  木 村 雄 一     二五番  岡 口 重 文    一〇番  中 本 正 一     二六番  大 場 芳 博    一一番  野 田 勝 人     二七番  武 藤 明 美    一二番  西久保 弘 克     二八番  稲 富 正 敏    一三番  池 田 正 恭     二九番  徳 光 清 孝    一五番  古 賀 陽 三     三〇番  中 倉 政 義 欠席議員    二名    一四番  井 上 常 憲    二三番  宮 原 真 一 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    小  林  万里子          政  策  部  長   進     龍太郎          総  務  部  長   脇  山  行  人          地域交流部長       南  里     隆          県民環境部長       原     惣一郎          健康福祉部長       大川内   直  人          産業労働部長       寺  島  克  敏          農林水産部長       池  田  宏  昭          県土整備部長       平  尾     健          危機管理・報道局長    山  下  宗  人          文化・スポーツ交流局長  田  中  裕  之          男女参画・こども局長   甲  斐  直  美          会 計 管 理 者    大川内   明  子          警 察 本 部 長    杉  内  由美子          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    稲  冨  正  人 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       今  村  盛  史          同    副事務局長          議事課長事務取扱     杉  谷  直  幹          総  務  課  長   吉  田     泰          政務調査課長       篠  田  博  幸          総務課副課長       横  尾  重  信          議事課副課長       花  島  良  直          政務調査課副課長     金  武  隆  守          議事課議事担当係長    中  島  達  明          同    議事担当主査  池  田  陽  介     ○ 開     議 34 ◎議長(桃崎峰人君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。 35 ◎井上祐輔君 登壇=再質問をさせていただきます。  その前に、子供の医療費に係る県外医療機関の契約については、昨年度の実績が九州大学においては延べ二百件ある、そういったところで今後お願いをしに行くという御答弁をいただきまして、本当にうれしく思っています。  私自身も、より「子育てし大県”さが”」となるように、県民の皆さんの声を聞きながら努力もしていきたいと思います。  それで、再質問ですが、まずは原発について伺います。  使用済み燃料の搬出、そして、資材置場について御答弁がありましたが、議会での発言は重いということで、知事、そして部長からも答弁がありました。  しかし、今の状況の中で資材置場にしても、使用済み核燃料、そういったものを置かないというふうに言われていても、せっぱ詰まって状況が変わった状況であれば、状況が変わったということを言われかねないのではないかというふうにも思います。  私は、今やらないというふうに言われている時点でも、文書などでしっかり約束をしておくべきだというふうに思います。  そして、知事自身がその点についてどのように思っているのか、再度伺いたいと思います。  二点目に、洋上風力発電について伺います。  私自身も、玄海町での二回の説明会、そして、呼子での説明会にも参加をしてきました。この間、県の説明の姿勢について、私自身は若干姿勢が変わってきているのではないかなというふうに感じているところでもあります。  部長は、丁寧に説明をしていきたいというふうにも言われています。
     そして、昨年の農林水産商工常任委員会、ここでも私はこの質問をさせていただきましたが、そのときにも洋上風力発電事業については理解を深めるべく、地元説明会などを行っていく必要がある。その上で、一定の理解が得られた候補海域を対象として、国のほうに法定協議会の設置を要請していく。その手順で進めていくという御答弁が課長からありました。  しかし、今回の呼子での説明会では、初めてこの洋上風力発電について説明を受けられた漁業者の方たちに対して県の説明では、これまでの取組と同時に、最後に法定協議会の立ち上げに対して理解をお願いしたいというふうに言われています。  今、部長が丁寧に説明をしていきたい、その理解が深まった上で法定協議会の立ち上げをというこの順序とは、現場では明らかに私は違ってきているのではないかというふうに感じたところでもあります。  その点について、再度、部長の答弁をお願いしたいと思います。  三つ目に、保育業務について御答弁をいただきました。  慰労金については、国の二次補正では新型コロナウイルス感染症対策における医療、福祉従事者への慰労金給付の対象外というふうに、今、保育関係の方はなっています。  しかし、子供と直接的な接触が避けられない、そういった職場で感染リスクを抱えながら、社会機能を維持するために働き続けてこられた保育関係者の皆さんに感謝の意を込めて支給をする、そういった自治体が今、全国に広がっています。  支給方法、また、対象などは自治体によって異なりますが、慰労金、また応援金などの名目で支給を決めています。  例えば、山形県では、保育所、放課後児童クラブ、幼稚園、児童養護施設などで働く約一万三千人の方に一人当たり五万円の支給が決められています。  岡山県の倉敷市では一人最大五万円、大阪府内の自治体では、約九百人の関係者に対して二万五千円分の商品券の配布がされるというところもあるようです。  また、一人当たりにそういった支給をしなくても、愛知県では保育所など児童関係の施設に応援金として十万円を給付するという方法、それに対して県内の市町で十万円、五万円など上乗せをして応援金を出しているところもあります。  そういった応援金を活用しながら、ある園の先生は、賃金が減った非常勤職員の方に何らかの形で支払えないか検討中であるというふうなことも述べられています。  厚生労働省のほうでは、全国の児童福祉施設で約四十件のクラスターが発生しているとも言われています。  こういった感染リスクと隣り合わせ、社会機能の維持に欠かせない大事な役割を果たしていただいている、そういった保育業務に関わっている方々に対して、やはり県としても額の大きさは別として、支援金として、慰労金として、そういった形での支給が私は必要ではないかというふうに考えています。もう一度、答弁をお願いしたいと思います。  そして、人員確保については、昨年制度をつくられて、それが活用できるというお話がありました。そういった制度についても、各保育園、施設がこの制度を知らなければ活用することができません。せっかくつくられた制度ですので、コロナの状況の中でもその制度がしっかり活用できるんだということを、改めて各園などに周知徹底をお願いしたいと思います。その点についての御答弁を伺いたいと思います。 36 ◎山口知事 登壇=井上祐輔議員の再質問にお答えいたします。  私に対しましては、玄海原発についての姿勢などについてお尋ねがございました。  私も、この原発問題に緊張感を持たなければいけないと常に思っていて、例えば、実際に今日原発が稼働しているのは、玄海原発と、あと福井県だけなんです。今、鹿児島は特重の関係があったと思いますし、愛媛は仮処分の関係があって動いていない状況だと思いますけれども──ということで、非常に原発行政に関して緊張感を持って、しっかりと言うべきことは言いながら、対峙しなければいけないと常に誓っています。  そして、九州電力と向き合っているわけですけれども、やはり九州電力さんにとっても、今、信用を失うことは大変困ったことになるということは彼らもよく認識していると思っています。  ですので、これからずっと九州電力さんも緊張感を持って、しっかりと説明責任を果たしていくこと、そして、我々県当局もしっかり緊張感を持って向き合う。そして、その関係に緊張感をずっと続けていくということを維持しなければいけないと思っています。  こういう観点からしてみて、我々は九州電力の言葉一つ一つ、変わっていないだろうか、その変わる端緒が何か見えたりしないか、気の緩みがないかということ、一言一言にしっかりと注視していかなければいけないと思っておりますので、九州電力さんが県議会で発言されている一つ一つ、そして、地元での活動や発言、そういったものにしっかりと注視していかなければいけないというふうに思います。  九州電力の姿勢、これからも常に注視していかなければいけないし、今後ともしっかりそれをチェックしていかなければいけないと、そういう姿勢で臨んでいきたいと考えています。 37 ◎寺島産業労働部長 登壇=私からは、洋上風力発電誘致の進め方についての再質問にお答えをいたします。  説明会での私ども県の説明の仕方、その姿勢が変わっているのではないかといった御指摘、そして、先日の説明会で、県の説明の中で法定協議会の立ち上げに御理解をということがあったということに対しての疑問だろうというふうに思います。  私は、先ほど答弁いたしましたとおり、今回、漁業関係者の方に対象を絞って説明会をさせていただきました。  その中で、先ほど答弁申し上げました再エネ海域利用法の幾つかの手順がございますので、そういった手順について御説明をして、そういう内容を説明した後に、法定協議会の設置というのは実質的なスタートラインに立つことになるという認識でございますので、一つそこがポイントになるということで御説明をさせていただいたところでございます。  ただ、この説明会でもって皆さんこれでいいですかということを意図したものでは全くなく、今回は漁業関係者の方への御説明ということですので、最も利害関係のある漁業をされている方々、その漁協の中で洋上風力発電についていろんな御議論をいただきたいというふうに考えておりまして、そのきっかけになればということで御説明のほうをさせていただいたものでございますので、一回、二回の説明で、これで皆さん分かってくださいということは全くございません。  以上でございます。 38 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=私からは、保育業務に対する支援についての再質問にお答えをいたします。  今般のコロナ禍で保育所が社会機能を支える大きな役割を担っていらっしゃるということで、改めて認識されると思いますし、私どもも年少のお子さんたちに密接に関わる保育士さんの業務の大変さにつきまして、改めて感謝を申し上げたいと思っております。  また、議員のほうから他県の事例も御紹介がございましたけれども、重症化リスクのある利用者かどうかといった観点は、様々な業務を通じて社会機能を支えてくださっている方がたくさんいらっしゃる中での一つの判断というふうに考えております。  先ほど賃金が減った保育士さんのお話がございましたけれども、保育所に対する運営費というものは減額をしておりませんので、何らか規定を設けるなどして対応いただけるものかというふうに思います。そういったところが分かりにくかったのかもしれません。  また、例えば、保育所で業務時間外に消毒、清掃などを行った場合は時間外勤務手当が発生しますけれども、そういった手当につきましては、かかり増し経費として補助金の対象とすることができます。  また、人員確保についても、改めて周知をというお話をいただきました。  市町なども通じまして、改めて皆さんの御負担が少しでも減るように活用を呼びかけるなど、今後とも必要な情報、それから必要な支援というのを、子供たちのために頑張っていらっしゃる現場を支えるために行ってまいりたいと思います。  私からは以上でございます。 39 ◎井上祐輔君 登壇=原発について一点、知事答弁いただきましたが、言うべきことは言っていく、緊張感の中でしっかりと注視をしていく、そのことについては当然のことであるというふうにも思いますが、県民の皆さんの思いを知事がどのように受け止めて、またそれを形にしていくかの問題ではないかというふうに思うんですね。知事自身も緊張感を持って、また県職員の皆さんも緊張感を持って九州電力と関わっていただいているというふうに感じますけれども、その県民の立場として、九州電力に対してもそういったことは絶対にしないという、ぜひ確約をしていただきたいというふうに思っているんです。その点についてもう一度答弁をいただきたいと思います。  それと、保育についてですけれども、保育業務に対する支援の慰労金についてなんですが、全国ではこの保育士関係者の方々が国の第二次補正予算の中で慰労金の対象になっていないと、そういった状況の中で、「日本創生のための将来世代応援知事同盟」というものが十七県の知事で構成をされているんですが、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、福井県、山梨県、長野県、三重県、滋賀県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、高知県、宮崎県ということで、この十七県の知事で構成をされる、そういった団体が国に対しても保育関係者への慰労金、国の対象にしっかりとやってほしいんだと、そういった要請が行われています。  なかなか限られた県の財政状況の中で、このような慰労金や応援金を出していく、そういったものが厳しいという状況もあるのかもしれません。しかし、先ほど来お話をしていますように、この社会機能を維持させていくためにも大変重要な役割を果たされている、そういった保育関係の皆さんへの働きに応えていくためにも、やはりこういった慰労金や応援金について、県としても国に対して要望をぜひしていただきたいというふうに思います。その点についての答弁をいただきたいと思います。 40 ◎山口知事 登壇=井上祐輔議員の再々質問にお答えします。  緊張感を持ってやるという考え方とか、そういったことについては井上祐輔議員と共通だと思っています。ただ、これは手法の問題でありまして、私は知事就任以降、九州電力には本当にうそをついたらいかんよと、風通しよくしなければいけないよと、それがもし見えたら大変なことになるよということは再三、毎回言っているわけで、そういうような端緒が見えたときには、いわゆる佐賀県が非常に強い態度に出るということはもう十分分かっていらっしゃると思うんです。ですので、彼らが一言一言を表明するときには、そういったことも含めて緊張感を持って僕は話してもらっていると思っているし、少なくともこれまでの間、九州電力はその信頼関係をつくっていかなければいけない、県民を裏切ってはいけないということに真摯に向き合ってもらっていると今の時点では思っているわけです。  ですので、彼らが話したことについて、あまり信用ができないから文字化してくれないかというような形のやり方は今の段階では考えていないということを申し上げております。 41 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=保育士への慰労金の再々質問についてお答えをいたします。  先ほど議員のほうから十七県知事から提言がというお話がございました。この内容につきましては、全国知事会として緊急提言ということで国のほうに既に提言をされているものでございます。働きに応えるためにということで提言をなされております。そうした上で、県としてどうするのがいいのかということについては考えたいと思いますけれども、既に知事会のほうで提言をなされているものというふうに承知しております。  私からは以上でございます。 42 ◎木村雄一君(拍手)登壇=公明党の木村でございます。質問に入ります前に、まずは御礼を申し上げたいと思います。  今九月定例県議会補正予算案におきまして、前回一般質問で取り上げさせていただきました高島航路のしゅんせつに係る予算を計上していただきましたことに対しまして深く御礼を申し上げたいと思います。  十数年前から一度しゅんせつをして以来、この問題に対して諦めかけておられました島民の皆様の声を聞いてきた者の一人として、このたびの県の唐津市への御支援に大変に感謝をしたいと思います。動かなかった時計の針がやっと動き出した思いでございます。今後とも県とともに、私も島民の皆様の声にしっかりと寄り添っていく決意でございます。  それでは、一項目めの質問をさせていただきます。九州新幹線西九州ルートについてでございます。  国からの環境アセスメントに関する県のこれまでの対応については、今日質問者の方が何度も触れておられますので、大きく割愛をさせていただきますが、県議会宛てに出された文書につきましても、県としての受け止めが今日発言をされたところでございます。  フリーゲージトレインの導入断念など、現在に至る経緯を考えれば、国に対して抱く不信感から来る、これまでの県の対応も理解できないわけではございませんが、赤羽国土交通大臣は八月四日の会見で、五つの整備方式のいずれの方式においても対応可能な環境影響評価の手続きを進め、その間に、佐賀県が求める腰を据えた協議が可能となり、佐賀県にとってもメリットがあるものと考えていた。この提案の趣旨を御理解いただけていないことは大変残念と述べられています。  「幅広い協議」は赤羽大臣と山口知事の信頼関係をもとに協議が始まりました。そして、いつの日か必ず五択のいずれかを選択しなければなりません。国と県が五択をゼロベースで議論していくという認識のもとで協議入りをしたことについては評価しておりますが、時間をかけてじっくりと議論をしていくということはリレー方式の長期化にもつながってまいります。この点について、県内では佐賀県の将来についてどうなのかという声もいまだにあります。  そこで、二〇二二年の開業後も五択の中のいずれかを選択するまでに事実上、多くの時間が流れていくことに対し、県民の中に不安の声もあることについて、県としてどのように考えているのかお伺いをいたします。  次に、令和四年度の開業効果を高めるための県の取組についてお伺いをいたします。  山口知事は今定例会初日の演告におきまして、二年後に迫った武雄温泉─長崎間の開業に向け、その秋には全国規模で誘客を図る佐賀・長崎デスティネーションキャンペーンの開催も決まっており、開業の果実を得るため、全力を傾注する時期と述べられ、さらに西九州ルートの開業により特急列車が大幅に減ることで影響を受ける鹿島や太良などの長崎本線沿線地域の振興に力を注いでまいりますとの思いを語られています。  一方で、武雄温泉駅や嬉野温泉駅では開業に向けて駅舎や駅周辺の整備が順調に進んでおり、駅周辺から観光地へ回遊するコースの設定など、開業の果実を最大化するための取組も進んでいるようであります。  しかし、開業により上下分離される長崎本線沿線地域の皆様は複雑な思いであります。二〇二二年の開業により肥前鹿島駅の特急列車の運行本数は三年間は上下合わせて十四本程度、その後は十本程度になり、普通電車については現行程度を維持できるとされているものの、佐賀、福岡、長崎方面のアクセスがどうなるのか、大きな課題とされています。  去る七月三十一日に新幹線問題対策等特別委員会が鹿島市を訪問し、市や市議会、商工会議所、観光協会の皆様との意見交換会が行われ、私はその際の議事録を拝見いたしました。冒頭、挨拶に立たれた鹿島商工会議所の会頭は、かつて佐賀県は、西九州ルートは西九州における一体的な発展に必要な一つと説明され、佐賀県南西部に光と影はつくらないとのことでしたが、今の状態は影になってきているのではないかと思います。我々の犠牲の上に新幹線が通ると多くの市民が思っているのが現実でありますと述べられるなど、多くの方々から、新幹線整備による上下分離によって地域が置き去りにされるとの切実な声を上げられています。特に鹿島市では平成二十八年の六者合意を受けて、まちづくりに取り組まれており、フリーゲージトレインが変わってしまうと、まちづくりの考え方が違ってくる不安があると述べられています。  西九州ルートは、こうした皆さんの大変つらい思いの上に着工に至ったことを忘れてはならず、そうした意味において長崎本線の利便性が維持向上できるよう、県としても最大限の支援を行うことが大切と考えております。また、私は、西九州ルートの沿線だけではなく、長崎本線沿線地域や県内全体においても、二〇二二年の開業効果がしっかりと実感できるような取組も非常に重要だと考えております。  そこで、県は、二年後に向け、開業効果を高めるためにどのように取り組んでいくのか、以上大きく二点、地域交流部長にお伺いをいたします。  続いて大きな項目の二項目め、洋上風力発電についてお伺いをいたします。  先ほども質問があっておりましたが、私も質問させていただきたいと思います。  政府は現在、脱炭素社会の実現を目指し、非効率な石炭火力発電を段階的に減少させるとともに、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた検討を進めております。その柱の一つとして有望視される洋上風力は、夜間や曇天でも風さえあれば発電できるため、太陽光よりも天候に左右されにくいという特徴があり、発電設備に必要な部品数は一万から二万点に及ぶため、自動車産業に匹敵するほどの関連産業があり、多くの雇用を創出し、地域活性化の起爆剤となるような経済効果も期待できると聞いております。  本県でもこうした点に着目し、唐津市沖での洋上風力発電事業の誘致を検討されていると承知をしており、私も唐津・東松浦地域の発展のために、また地球温暖化を抑止していくため、二酸化炭素の排出削減が急がれる中、再生可能エネルギーの普及はSDGsの理念に合致するという観点からも大いに期待をしているところであります。  他方で、唐津市はマリンスポーツが盛んな地域です。今回、特にサーフィンに触れておきたいのですが、唐津市の立神岩周辺地域は玄人好みの良質の波が来ることで知られる冬のサーフスポットであり、九州のサーフィンの歴史が始まった地と言われているそうであります。来年に延期となった東京オリンピックでは、サーフィン競技は新種目となるわけですが、ここで育った女子選手がオリンピック強化指定選手に選ばれるなど、そういった意味でも注目される地域であります。  しかしながら、サーフィン愛好家の方々にとっても、かけがえのないこの海に洋上風力の風車が設置されることで、波の変化が生じるのではないかとの強い懸念の声も上がっており、私は漁業者だけではなく、こうした声にもよく耳を傾けつつ、着実に事業を進めていただきたいと思っております。  そこで、県として、マリンスポーツへの影響をどのように認識しているのかお伺いをいたします。  先日の唐津市内で開かれました漁業者への説明会では、県は法定協議会の設置への理解を求めたとのことであります。この協議会は促進区域における利害関係者等による様々な議論が交わされる場であると認識しておりますが、設置されるまでにどのような手続が必要なのか、また、協議会メンバーの構成についてはどのように想定をされているのかお伺いをいたします。  私の地元唐津市では、特に物流業や港湾関係の企業の方々から洋上風力発電事業への熱い期待の声が聞こえてまいります。実際に事業が決まれば、唐津港から風車の建設のために多くの部品が運ばれ、完成してからはメンテナンス業務に多くの地元企業の参入が見込まれ、かなりの経済効果が発生するのではないかとの期待感であります。  昨年暮れに、いわゆる再エネ海域利用法に基づく促進区域第一号に指定された長崎県五島市沖では、既に国による事業者の公募が始まっておりますが、長崎県として幅広い業種の地元企業の参入を促進することなどを含むロードマップを策定し、単年度の売上高の目標を五年目に九十一億円、十年目に二百八十九億円と掲げているそうであります。  そこで、お尋ねをいたします。佐賀県としてはどのような経済波及効果があると考えているのかお伺いをいたします。  この項目の最後の質問ですが、県は今後、誘致による効果を最大限に享受していくため、どのように取り組んでいくのか、以上、産業労働部長にお伺いをいたします。  続いて三項目め、流域治水についてお伺いをいたします。  地球温暖化の影響によりまして、河川の氾濫リスクは年々高まっております。国交省によりますと、氾濫危険水位を超えた全国の河川数は二〇一四年におきまして八十三河川でしたが、昨年の二〇一九年は四百三河川と、五年間で約五倍に増加しているとのことであります。  また、二〇一八年の西日本豪雨では複数の河川が西日本全体で同時に氾濫するなど、これまでの河川整備計画が一つの河川を前提としていただけに、まさに想定外の事態も起きております。  本県においては平成三十年七月の豪雨による県東部地域での浸水被害、昨年八月の佐賀豪雨による六角川水系や佐賀市内などにおける浸水被害に続き、今年も七月の豪雨で鹿島市や太良町などで河川の氾濫による被害が発生しております。  県としても新しい取組として、今出水期から県管理ダムを活用した洪水調節機能強化の取組を始めておられ、先日の台風十号でも事前放流も視野に入れた対策を図られるなど、これまでにない取組を行っていただいていることは承知をいたしております。  しかし、これまで行ってきた河川整備は、予想し得る最大の豪雨を念頭に、河道掘削や堤防のかさ上げなどを行ってきており、流下能力が高まり、洪水が起きるリスクが下がる反面、今まで以上に洪水のエネルギーが河川の中に閉じ込められ、それが耐え切れずに堤防決壊に至った際には壊滅的な被害につながってしまうとも言えます。  そうした意味でも、河川が持つ危険なエネルギーの勢いを減らし、広域的に分散させることは災害発生のリスクを軽減していくことにつながる大変重要な取組であります。  国においては平成二十七年九月の関東・東北豪雨の際に鬼怒川が氾濫し、多数の孤立者が発生したことを契機として、施設の能力には限界があり、防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものとの意識変革をし、社会全体で洪水に備える「水防災意識社会」の構築を打ち出し、さらに、本年七月にはこの考え方を進化させ、流域全体で対応する流域治水という概念を打ち出したと聞いております。これは河川、下水道、砂防、海岸等の管理者が主体となって行う治水対策に加え、雨が降って流れ込む集水域と、それが流れる河川域、洪水によって影響を受ける氾濫域を一つの流域として捉える考え方で、三つの取組があります。  一つは、「氾濫をできるだけ防ぐための対策」、具体的にはため池やダムなどの既存施設の有効活用や堤防などのハード整備。  二つ目に、「被害対象を減少させるための対策」として、土地利用の規制やリスクが高い地域からの移転を促進すること。  三つ目に、「被害の軽減・早期復旧・復興のための対策」として、確実な避難を促し、水害が発生しても素早く立ち直れる施策に取り組むというものであります。  この流域治水の考え方に呼応し、既に不動産取引の分野においては、先月、宅建業法の施行規則が改正され、不動産取引業者は住宅購入や賃貸契約の際にハザードマップに基づいて水害リスクの説明をするよう義務づけがなされました。  このように従来の河川管理者が行う施設整備主軸の取組から、流域自治体や企業、住民らが連携したまちづくりを進めていく総合力で安全・安心を図っていく具体的な取組として、国においては全国百九の一級河川で都道府県と連携して協議会を設け、「流域治水プロジェクト」を今年度中に策定する方針と聞いております。  そこで、質問ですが、本県におきましてもこのような流域治水の取組を推進し、地域の安全・安心を確保していくことは大変重要だと考えておりますが、今後どのように取り組んでいくのか県土整備部長にお伺いをいたします。  続いて大きな項目の四項目めです。一時保護専用施設についてお尋ねをいたします。  全国の児童相談所が今年の一月から四月に児童虐待として対応した件数は約六万六千件に上り、前年同期比で一二%増えたそうであります。その中には新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う自粛生活のストレスから虐待に及ぶケースも報告されているそうであります。  児童相談所は、虐待の通報を受けた場合、四十八時間以内に目視で安全確認を行い、必要な場合には児童の安全を迅速に確保し、適切な保護を図る緊急一時保護、または児童の状況を把握するためのアセスメント保護を行います。  この一時保護は、子供を一時的にその養育環境から切り離す行為であり、子供にとっては養育環境の急激な変化を伴う精神的な危機的状況をもたらす可能性が高いことから、子供の権利擁護が図られ、安全・安心な環境で適切なケアが提供されることが不可欠とされています。  このため、平成三十年七月に国では一時保護を適切に行い、実効性ある見直しを進めることを目的に、「一時保護ガイドライン」が発表され、本県ではこれを受け、令和二年三月に策定した佐賀県社会的養育推進計画の中で、一時保護改革に向けた取組において一時保護専用施設について言及しております。  一時保護専用施設とは、一時保護児童に対して家庭的な環境におけるケアを実施する専門施設のことですが、本県内にはまだ存在しておりません。国のガイドラインによりますと、できる限り通っている学校、いわゆる原籍校への通学が可能となるよう、里親家庭や一時保護専用施設など一時保護の場の地域分散化を進めることが望ましいとされています。  先日、公明党会派で佐賀県の一時保護所を視察させていただきましたが、その際、一つの違和感を覚えました。それは非行が要因で入所した子供と、虐待を受けたことが要因で入所した子供が同じ空間で生活をしているという点です。これを混合処遇と言うそうですが、不安を感じる子供さんがいるのではないかと感じたところです。  県の説明では、子供の自由な外出を制限する閉鎖的な一時保護の期間ができるだけ短くなるよう、早期に里親や児童養護施設への委託を図っているとのことでした。  そこで、お伺いをいたします。  県としては、家庭における養育環境と同様の養育環境である里親への委託を推進する立場から、まずは、里親への一時保護委託を優先して判断しているとのことでございますが、現在の委託の状況はどのようになっているのかお尋ねをいたします。  次に、一時保護所での混合処遇についてお伺いをいたします。  国のガイドラインでは、混合での支援等を回避し、全ての子供に適切な支援を行うことが必要であると記されておりますが、現状をどのように考えておられるのかお尋ねをいたします。  次に、一時保護専用施設についてお尋ねをいたします。  虐待等を受けた子供の心のケアや、強制的引取りといった行動に出る親への対応など、ノウハウを持った児童養護施設に専用施設を設けることで、より家庭的な小規模化された生活環境の中で安心して生活ができ、原籍校への送迎もできるなど、多くの利点があるため、私は施設設置の必要性を強く感じております。県内の児童養護施設の中には、子供たちのためにとの思いで専用施設としての役割を持つことに意欲的な施設もあると伺っております。
     そこで、児童養護施設への一時保護専用施設の設置についてどのように考えておられるのか、以上三点、男女参画・こども局長にお伺いをいたします。  最後の項目、五点目です。県立高校におけるエアコンの空調の適切な使用についてであります。  私ごとで大変恐縮でありますが、先日、私の家族が夜中にランニング中に熱中症になり、入院することになりました。幸い大事には至りませんでしたが、倒れた現場に駆けつけた際には、右手が曲がったまま硬直し、呼吸は荒く、受け答えができない状態でありました。すぐさま近くの病院に運んだわけですが、対応してくださった医師いわく、夜でも熱中症になる方が多く、特に連日体温に迫る気温や高い湿度も関係し、重篤な状態になる場合もあると言われ、背筋が凍る思いでございました。早期の治療によりまして意思疎通ができたとき、手が折れるかと思うほど激しい痛みがあったと言っておりましたが、私自身、熱中症の症状を初めて目の当たりにし、話には聞いておりましたが、初めてその恐ろしさを実感した次第です。  医師の話では、日常生活の中でマスクを使用する時間が増え、ついつい水分を取ることを忘れがちになることも熱中症を引き起こす原因になっているとのお話でありました。  話は少し飛躍し過ぎたかもしれませんが、新型コロナウイルス感染症の影響による休業期間を経まして、県内の多くの学校は五月より再開をいたしました。学びの機会が戻ってきたことに子を持つ親としても大変安堵したわけでございますが、体育などの運動をしている時間以外はマスクをつけての学校生活です。ウイズコロナ時代の学校生活と言えるかもしれませんが、一か月ぐらいたった頃、気温が三十度を超える日が続き、県立学校に通うお子さんを持つ方々から、教室内が暑く、勉強に集中できる環境ではないとの相談を複数受けるようになりました。詳しく聞きますと、生徒が頼んでもなかなか空調を入れてもらえないというお話でありました。  さきの六月議会におきまして、普通教室への空調が未設置となっている県立高校四校について公費での設置が決まり、県内全ての県立高校の普通教室に空調が整備されることを大変喜ばしく感じていただけに、お話を聞いたときは大変驚いたわけでありますが、設置を渇望している学校がある一方で、せっかくあるのになかなか使用しないケースがあるというこの落差に大変違和感を持ったわけであります。  学校内の温度管理については文部科学省において学校環境衛生基準が出されており、教室等における望ましい温度の基準が十七度以上二十八度以下となっているそうですが、特に今年は新型コロナウイルス感染症対策として換気のために空調を使用しながらも換気することが必須となっているはずですので、通常より低めの温度設定や風量設定が必要だったのではないかと思っております。  ある学校では生徒が空調の使用を願い出たところ、まだフィルターの清掃が終わっていないのでつけられないとのことで、父兄からは休業期間中のメンテナンスはなぜできなかったのかという疑問の声も上がっておりました。  また、生徒の方の声として、担任の教師にエアコンの使用を願い出ても、権限は学校長にあるため取り合ってもらえない状態もあったと伺っております。  私は今回このような相談を受けまして、県内の県立高校におきまして、コロナ禍における空調の運用が適切になされていたのか疑問に感じたところであります。  この質問の冒頭で熱中症に触れましたが、そこまで行かないにしても、体調不良につながったりしないように、また、学習に集中できる環境整備のために対応していただきたいと考えております。  コロナ禍の中、マスクの着用もしばらく続き、地球温暖化による早い時期からの夏日や猛暑日の日が毎年続くことも容易に想像できるわけでありますが、そこでお尋ねをしたいと思います。  県教育委員会として、県立高校における空調使用について、生徒や保護者からの声を把握していたのか。また、把握していたとすればどのように対応していたのか、教育長にお伺いをし、一回目の質問といたします。(拍手) 43 ◎南里地域交流部長 登壇=木村雄一議員の御質問にお答えをいたします。  私からは、九州新幹線西九州ルートの御質問にお答えをいたします。  まず、リレー方式の長期化についての御質問をいただきました。  リレー方式、いわゆる令和四年度の武雄温泉駅での対面乗りかえ方式での開業でございますが、これはフリーゲージトレインの開発の遅れから、鉄道局のほうからリレー方式で開業をさせてほしいと申入れがございまして、佐賀県としては苦渋の判断で受入れをしたものでございます。  その上で、今回、唐突にフリーゲージトレインの開発が断念されたということがありましたために、リレー方式の利便性、特にこの乗換えですね、こういったことに対して漠然と不安を感じておられるのではないかというふうに思います。  初めに、このリレー方式について少し説明をさせていただきます。  まず、リレー方式での開業後に対面乗りかえが発生いたしますのは、武雄温泉駅で新幹線に接続する場合だけでございます。  博多から長崎方面に向かわれる方につきましては、武雄温泉駅で乗換えとなりますけれども、その到着した同じホームの反対側に新幹線が待っていて、すぐ乗り換えることができて、現在の所要時間より約三十分短縮されることになります。  これについては、長崎県も県議会で、対面乗りかえ式においても移動時間の短縮が図られ、本県への来訪者の増加が見込まれることから、本県の活性化に寄与するものと考えているというふうに答弁をされております。  一方で、佐賀県内で一番利用が多い佐賀県内と博多方面とを行き来する場合を考えますと、現在の特急停車駅は、西から申し上げますと有田、武雄温泉、肥前山口、佐賀、新鳥栖、鳥栖、そして、この武雄温泉─長崎間の開業後に特急が大幅に減ってしまいます肥前鹿島でございます。  リレー方式でありましても、これらの駅の利用者の方が博多方面と行き来される場合は、これは乗換えは発生いたしません。  このうち、武雄温泉駅におきましては、現在、上下三十二本の特急が止まっておりますけれども、これが大幅に増えると。恐らく三倍ぐらいになるんじゃないかと思っております──ということでございます。  一方で、肥前鹿島駅では、これはリレー方式とは関係なく特急が大幅に減りますので、肥前鹿島駅を利用されている方は肥前山口駅まで行っていただいて、特急に乗車していただく場合が発生をいたします。  それで、これが今回議論になっております佐賀駅を通るアセスルートのフル規格になった場合でございますけれども、在来線の特急が新幹線に振り替わってなくなりますと、例えば、有田駅を利用される方は武雄温泉駅まで行って新幹線に乗り換えることになると思います。そして、肥前山口駅を利用されておられる方は、同じように佐賀駅まで行って新幹線に乗り換えることになります。そして、鳥栖駅を利用される方も、これも長崎本線の特急がなくなりますので、普通列車で博多に行かれるとか、新鳥栖駅に戻って新幹線に乗り換えるとかということもあるということであります。  武雄温泉─長崎間の開業で利便性が低下することになります肥前鹿島駅の利用者の方は、肥前山口駅での特急がなくなりますので、佐賀駅まで普通列車で行って新幹線に乗り換えなければならないということになりますので、これはさらに利便性が低下するということになります。  このように、むしろフル規格になった場合のほうが、博多方面との行き来をされる佐賀県民の方の多くは新たに乗換えが発生すると考えております。  フリーゲージトレインの導入を断念し、現在の状況を招いたのは国の責任でございます。  佐賀県は、これまでに合意しておりますスーパー特急、フリーゲージトレイン、リレー方式については異論はございません。  リレー方式の長期化は避けるべきということで、国や長崎県、JR九州がフル規格の一択を佐賀県に迫るというのは筋が違うと思います。  佐賀県が何らかの打開策を提案しなければならないようなものではないと考えております。  佐賀県は、様々な可能性について議論することは、これは閉ざしておりませんので、「幅広い協議」の中でしっかりと腰を据えて幅広く議論したいと考えております。  次に、開業効果を高める取組についてお答えを申し上げます。  二年後には武雄温泉─長崎間が開通いたしまして、西九州ルートが開業いたします。  武雄温泉駅には新幹線と在来線の全ての列車が停車しますので、停車本数が大幅に増えることになります。鉄道がなかった嬉野市に新幹線の駅が新たにできるということでございます。  武雄温泉駅や嬉野温泉駅、これは仮称でございますが、こちらから長崎方面にちょっと目を向けますと、九州有数の温泉地であります武雄温泉や嬉野温泉と、年間約六百九十万人観光客が訪れております長崎市が鉄道によりまして二十五分前後で結ばれることになります。  例えば、長崎で会議や観光をした後に武雄温泉や嬉野温泉に泊まっていただくなど、多くの観光客を呼び込む大きなチャンスだというふうに考えます。     ○ 時 間 延 長 44 ◎議長(桃崎峰人君) 時間を延長します。 45 ◎南里地域交流部長(続)=令和四年秋にはJRグループ六社と地方自治体、地域の関係者が協力して、全国規模で集中的に観光誘客を行いますデスティネーションキャンペーンが佐賀県及び長崎県で開催されることが決定をしております。  全国に向けた情報発信や魅力的な観光地づくりに取り組みまして、県全域において観光客の誘客拡大につなげていきたいと考えております。  また、人の流れを呼び込むためには、多くの人がそこを訪れてみたい、そこに住んでみたいと思われるような魅力あるまちづくり、地域づくりこそが何よりも重要と考えております。  武雄温泉─長崎間の開業によりまして特急が激減する鹿島、太良などの長崎本線沿線地域の振興と合わせまして、開業に向け、市町と連携し、一体となって地域の取組を支援しながら、観光、移住、地域の魅力づくりなどに全力を挙げて取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 46 ◎寺島産業労働部長 登壇=私からは、洋上風力発電について四点お答えをいたします。  まず、マリンスポーツへの影響の認識についてでございます。  洋上風力発電事業の誘致を具体的に検討する海域として、県では四海域を現在抽出しておりますが、そのうち、現在優先して誘致の検討を進めております馬渡島周辺及び玄海町北西の二つの海域につきましては、マリンスポーツが盛んな海域から十分に離れておりますことから、洋上風力発電設備が建設されたとしても特段の影響はないものと考えております。  他の二つの海域、小川島東側海域、それから神集島の東側海域、これらにつきましては、マリンスポーツの愛好者の方々から影響を懸念する声があることは承知をしております。  そのため、この小川島東側海域及び神集島東側海域において洋上風力発電事業の誘致に取り組みます場合は、マリンスポーツに与える影響につきましても考慮し、その点についても丁寧な説明が必要になってくるものというふうに考えております。  次に二点目、法定協議会の設置までの手続及び構成についてお答えをいたします。  国が示した「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域指定ガイドライン」によりますと、まず、国が、促進区域の指定を希望する都道府県から候補となる海域について情報提供を受け、国は提供のあった都道府県の海域情報などから、法定協議会の構成員となるべき利害関係者が特定されており、かつ法定協議会を開始することに同意が得られている海域を対象に法定協議会を設置するというふうにされております。  また、法定協議会の構成員につきましては、再エネ海域利用法におきまして、まず一つは経済産業大臣、国土交通大臣及び関係都道府県知事、そして、二つ目に農林水産大臣及び関係市町村長、そして、三つ目に関係漁業者が組織する団体その他の利害関係者、学識経験者等というふうに規定をされております。  一例を挙げますと、令和元年度に設置されました秋田県由利本荘市沖の海域に係る法定協議会では、関係市町村長として由利本荘市長、利害関係者として漁業協同組合の副組合長理事と運営委員、それから東北旅客船協会の専務理事、有識者といたしまして、学識経験者といたしまして秋田大学大学院の教授、秋田県立大学の教授、東京大学の客員准教授などの方が構成員となっておられます。  本県において法定協議会が設置されるということになりました場合も、こうした秋田県などの先行事例と同様に国が構成員を選考されるものと考えておりまして、利害関係者としては漁業協同組合や旅客船等の関係者が、また、学識経験者、有識者としては大学の教授などが構成員になるものというふうに想定をしているところでございます。  次に三点目、地元への経済波及効果などについてでございます。  議員からも一部御紹介がございましたけれども、洋上風力発電事業は発電設備の部品数が一万から二万点と多く、事業規模も数千億円に上るとされておりますため、産業分野としての裾野が大変広く、洋上から陸上まで幅広い産業分野に波及する可能性があり、特に発電設備の維持管理につきましては、二十年以上の長期間にわたって県内経済への波及効果が期待されるところでございます。  具体的に申しますと、土地の賃借料ですとか維持管理費、税収、こういった直接的なものから、例えば、リアルタイムでの海況情報の提供ですとか、風車基礎部の人工魚礁化などによる漁業の高度化ですとか、環境学習や視察、また観光、こういったものの収入増など間接的な経済波及効果も期待されるところでございます。  なお、具体的な経済波及効果につきましては、今年度中に分析し、試算をすることとしてございます。  最後、四点目、今後の取組についてでございます。  昨年十月に佐賀大学と共同で設置いたしました「再生可能エネルギー等イノベーション共創プラットフォーム」、私どもはこれをCIREn(セイレン)というふうに申しておりますけれども、こちらにおきまして、「洋上風力発電分科会」を立ち上げておりまして、産学官による研究開発に取り組むことで洋上風力発電関連分野に進出する県内企業を育成していきたいというふうに考えております。  また、特に発電設備の維持管理につきましては、先ほども申しましたが、二十年以上の長きにわたり継続して県内経済への波及効果が期待されますことから、県内の海域において事業化を検討している企業ですとか、風力発電設備のメーカーなどから情報収集し、人材の育成についても検討を進めていきたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 47 ◎平尾県土整備部長 登壇=私からは、流域治水の取組についてお答え申し上げます。  近年、気候変動により全国各地で毎年のように甚大な被害をもたらす水害が発生しております。  議員からも紹介がありましたように、佐賀県内においては、平成三十年七月、昨年の八月、今年の七月と豪雨による被害が発生をしているような状況でございます。水害リスクの増大に備えるため、これまで河川管理者などが行ってきました治水対策を一歩進め、流域に関わる関係者が協働し取り組む流域治水を進める必要があると考えているところです。  流域治水は、これまで進めてきた河川整備やダム建設などのハード対策、水位や映像などの情報提供による住民避難のためのソフト対策に加え、流域全体のあらゆる関係者による対策を取り入れたものでございます。  例えば、昨年八月の佐賀豪雨を受けて策定いたしました六角川水系緊急治水対策プロジェクトにおきましては、クリークから事前排水を行うことによる大雨時の一時貯留ポケットの確保など、流域治水の考えを先取りし、流域全体で水害の軽減、防止を図る取組を進めているところでございます。また、今年度から運用を開始しております既存ダムの事前放流なども流域治水の一つでございます。  県営の十三ダムでは、利水者の協力を得まして、今年六月からあらかじめ通常より水位を下げ、ダムの洪水調節容量の拡大を図る運用を行うとともに、今年七月の豪雨や台風十号の際には必要に応じて速やかに事前放流が実施できるよう、予測される降雨量を監視し、河川氾濫による被害軽減に備えたところでございます。このように可能なものから取組を進めているところでございます。  県内の一級水系である松浦川水系など三つの水系においては、流域治水について議論するための国、県、市町で構成いたします協議会の設置が進められており、具体的な取組について検討してまいります。また、県が管理いたします二級水系においても、一級水系に引き続き検討を行っていきたいと考えているところでございます。  今後、ダムやクリークの活用に加え、ため池の有効活用や水害に強い地域づくりに向けた住まい方の工夫など、流域治水の様々な方策について、県の関係部局はもとより、国、市町、企業などとも連携をいたしまして検討を進めてまいります。  災害から県民の生命と財産を守り、安全・安心に生活が送れるよう水害の軽減防止にしっかり取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 48 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=私からは、一時保護専用施設についてお答えをいたします。  まず、里親への一時保護委託についてでございます。  平成三十年度に一時保護委託した子供は百三十三人で、このうち里親への一時保護委託は八人となっています。  県においては、議員からのお話にもありましたように、家庭的な環境である里親への措置委託を優先しており、登録里親数もこの五年間で六十九人から百三十二人に倍増するなど大きく増加しております。  その一方で、一時保護委託が可能な里親はまだ少なく、一時保護委託も対応できる里親を増やす取組を推進する必要があると考えております。このため、これまで児童相談所だけで担っていた里親の開拓や研修、支援などを行う、いわゆるフォスタリング機関としての業務の一部について、今年度から専門的なサポート技術が期待できる社会福祉法人へ委託を行い、取組を強化したところです。  里親への一時保護委託はハードルは高いと思いますが、こうした民間の力を活用しながら、登録里親を増やし、また研修によるスキルアップを図り、一時保護委託を受けることが可能な里親を増やしていきたいと考えています。  次に、一時保護での混合処遇についてでございます。  一時保護所では非行や虐待など様々な理由で入所した子供が共同生活を行っています。ここでは子供たちが学習支援を受けたり、スポーツなどのレクリエーションに参加したりしながら、日々の活動を通じ精神的な落ち着きや生活のリズムが取り戻せるよう安心して過ごせるよう、指導員が支援を行っております。  例えば、非行で入所した子供も家庭で虐待を受けているケース、虐待で入所した子供も行動上の課題を抱えているケースなど、それぞれ複雑な背景を抱えていることも多く、お話にありましたように、どの子供たちにとっても入所は大変大きな環境の変化でございます。混乱した状態である場合などは、刺激の少ない個室で落ち着けるようにしたり、子供が安心できるよう向き合い、ケアを行っていく必要がございます。  一時保護所の指導員は専門の資格を持った職員ですが、さらに専門的な研修を全員受講し、資質を高め、子供の気持ちに寄り添い、また異なる年齢や行動様式の子供たちの間でトラブルが起きないよう、一人一人の状況に応じた支援、ケアが行えるよう取り組んでいるところです。  今後とも、子供たちに適したケアで、安心感を与えることができるよう努めてまいります。  次に、一時保護専用施設の必要性についてでございます。  一時保護所では、子供の安全確保の観点から、原則として外出や通学が制限される閉鎖的な側面がありますが、一時保護委託を行えば、外出や通学も可能となり、より家庭での生活に近い環境となります。また、児童養護施設へ一時保護委託する場合は、既に長期に入所している子供と同じホームで生活することが一般的ですが、一時保護専用施設の場合はそうした子供と混在しないため、双方が影響を受けず、より安定したケアが受けられる利点があると考えております。  一時保護専用施設の設置に係る国の要綱では、一時保護所の入所率が高いこと、一定数の一時保護児童を安定的に受け入れるため、委託先の確保が必要な地域であることという地域性が要件として求められております。  本県の状況を見ますと、現在、一時保護所の定員は二十八人で、平成三十年度の一日当たり平均在所人数は十二・九人となっており、現状では一時保護所の入所率が高い状況ではないと認識しております。  また、一時保護委託の一日当たり平均は九・一人、そのうち児童養護施設への委託は佐賀県全域で三・六人となっておりまして、四人から六人定員となる一時保護専用施設を県内に複数配置することは難しい状況にあります。仮に一か所とする場合も、どの地域に置くのが子供たちにとってよりよい環境となるのか、考えていく必要がございます。  今後も、一時保護児童数の推移や子供たちの状況、一時保護委託ができる里親など地域の状況を見ながら考えていきたいと思います。  今年三月に佐賀県社会的養育推進計画を策定したところですが、策定後も、毎年度、進捗の確認、評価を行うこととしております。会議などの機会を捉えまして、日頃から一時保護に御尽力いただいている関係施設の皆様の御意見や、アンケートで子供たち本人の声も聞きながら、どのような在り方が子供の最善の利益につながるのかを第一に、一時保護の在り方について今後とも検討してまいります。  私からは以上でございます。 49 ◎落合教育長 登壇=私からは、県立高校における空調の使用状況についてお答えをいたします。  議員のほうから、学校における空調の使い方について非常に厳しい御指摘をいただきました。そういった声、夏場の温度設定が非常に高いと、暑くて授業にならないとか、特に今年はマスクをしているので非常に暑いと、そういった声は私のほうにも届いており、県教育委員会としても認識をいたしておるところでございます。  学校における空調につきましては、先ほど議員からもありましたように、文部科学省が定めております学校環境衛生基準を踏まえまして、各学校において空調の運転期間、運転の基準となる気温や湿度などについて基準や要領として定めておりまして、それに基づいて運用されており、当然ながら、その基準の中には十七度以上二十八度以下とするようにというふうになっているわけです。  今年は特に新型コロナウイルス感染症感染防止対策として、学校でのマスク着用など指導しておりましたので、特別な対応が必要ということで、県教育委員会のほうから各学校に対し、教室等の小まめな換気の実施に合わせて、空調や衣服による温度調節を含めた温度、湿度の管理に適切な措置を講じるよう要請をしております。  また、六月二十九日には「夏期における適切な空調管理について」の通知を発出して、各学校長に対し学校環境衛生基準に基づく空調の適切な管理、すなわち教室の温度が二十八度以下になるように、これは設定温度が二十八度ということではなくて、教室の実際の温度が二十八度以下になるようにということで、再度周知徹底をいたしております。  また、今年は特に感染予防のために教室の窓を開けて換気をよくするということも言っておりますので、例年より設定温度を下げる運用ということも伝えております。  しかしながら、先ほど議員からも御指摘がありましたように、非常に現実の温度は高いという声をたくさん聞きます。なぜそういう実態になっているのかということなんですけれども、各学校では電気料金の基本料金を抑えるためにデマンド監視装置というのを設定していまして、ピーク時に、あるリミットより超えないような運転というのをこれまで節電の関係もありますし、地球温暖化を意識した環境面での取組も含めて、そういう運用をやってきているという中で、そのピーク時にリミットを超えそうなときには、職員室などの運転を一時的に止めたり、あるいは温度設定を少し高めに設定したりというのが実態的に行われてきておりまして、現実、教室の中の温度というのが、先ほど申し上げたような基準より高くなっているという実情があるために、そういう声をよく聞くということなんだというふうに思っております。
     先ほど申し上げましたように、今年度、県教育委員会のほうから、各学校に重ねて実際の温度が二十八度以下になるように、電気代を気にせずにそういう運転をしてくれということは伝えてはいたんですけれども、長年のそういう運用の中でそういう実態が今年もあったのかなというふうに想像をいたしております。  こういった暑い夏というのは、地球温暖化の影響もあり、来年度以降も続きます。コロナ感染症対策が来年どうなるかはともかくとして、夏場の気温というのは来年度以降も高い日があると思われますし、また、今は少し涼しくなっていますけれども、また冬の空調というのもあります。生徒の学習環境の確保を図る観点からも、空調の適切な運用について改めて学校への周知徹底を図ってまいります。  以上です。 50 ◎木村雄一君 登壇=一点だけ再質問させていただきます。  一時保護専用施設についてであります。  この専用施設があることについての利点は、私も申し上げましたし、先ほど局長も触れていただきました。さらに加えて申し上げますと、最近では専用施設について、子育てに困った家庭の支援策でありますショートステイ、またトワイライトステイという市町が行う子育て短期支援事業の受入先としても機能が期待されるというお話も伺ったところであります。  国の求める基準に達していないということで、そういった不遇な環境に置かれるお子さんが増えることを私は望んではおりませんが、一人でも原籍校に通えるだとか、専門的ケアが享受できる。また、厳しい状況にあります一時保護を引き受けてくださる里親さんの開拓が非常に難しいという状況であるならば、必然的に今、児童養護施設への保護委託という状況になっております。この一時保護、児童養護施設に一時保護を委託する場合も混合処遇はなるべく避けなさいという国のお話もございます。  私は、この「子育てし大県”さが”」を標榜する佐賀で、一時保護の在り方については先進的にこういった運用をしていますということで、子供に寄り添ったチャイルドファーストの取組が必要だと思っております。  先ほど最後のほうで検討するというお話でございましたので、これは提案でございますが、佐賀県の一時保護所の状況について、自分たちで判断をする、評価をするのではなくて、第三者の目も入れていただいて、この状況をよくよく調べていただいて、その上で一時保護所、そして専用施設の設置について検討する考えはあるのかどうかお尋ねをいたしまして質問を終わります。 51 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=再質問にお答えをいたします。一時保護専用施設についてでございます。  先ほど御答弁申し上げたように、私も一時保護専用施設のメリット、利点については十分理解しているつもりでございます。  こういった一時保護の在り方を考えるに当たっては、子供の最善の利益、また議員からお話がありましたように、権利擁護の視点というのは大変重要になってくるというふうに思っております。  先ほど国の地域性の話も申し上げました。私ども単に数ありきというふうには決して思っておりません。ですが、地域の状況とかというのはしっかり見て検討していきたいというふうに思っております。  御提案がありました一時保護所の評価でございますけれども、これにつきましても、私どもの社会的養育推進計画の中にも考えていくというふうに入れておりまして、自分たちだけで考えるのではなくって、外からの意見というのも取り入れながら、そして児童養護施設の方々、本当にその専門性を生かして、子供たちのケアに当たっていただいております。そういった方々のお話もお伺いしながら、これにつきましてはどういった一時保護の在り方がいいのかということについて考えてまいりたいと思います。  私からは以上でございます。 52 ◎野田勝人君(拍手)登壇=本日最後となりました。議会改革検討委員会の一員として、この時間になると非常に先々の時間の在り方を気にしておりますし、皆さんの顔つき、目つきを非常に気にしながら質問に入らせていただきたいと思います。  本当に先の見えないコロナウイルス対策に関しまして、人に寄り添う知事をはじめ、県の皆様方の御足労、そして現場で対応なさっている皆さんに心より感謝申し上げる次第です。  反面、感染者の自宅に投石があったり、非難したり、誹謗中傷、こういったことがあっていることに非常に残念に思う次第であります。自らが手を挙げて好きでなったものではございません。もし、そういった誹謗中傷をなさっている方が万が一かかった場合にどういう立場をとられるのかなと考えたときに、本当にこういったことは慎むべきだなというふうに考える所存であります。  多久では論語が盛んです。恕の心を持って、いわゆる人の思いに沿って優しく、そして「己の欲せざるところ人に施すなかれ」、まさにこれに尽きると思います。  それでは、今回四つの質問に入らせていただきます。  まず、生活保護世帯から自立する高校生の支援についてであります。  厚生省の昨年十月時点の生活保護受給世帯数は約百六十四万世帯、受給者数は約二百七万人であり、社会全体の高齢化そのものに加え、単身高齢世帯の増加を背景とする高齢者世帯の増加が続いている一方で、雇用情勢が良好であることに伴い、平成二十五年二月をピークに十五万世帯減少している状況であります。  生活保護制度は、皆さん御存じのとおり、世帯全員の収入では生活が困難になったとき、健康で文化的な生活を送るために最低限必要な保護費が条件に応じて支給される制度であります。  私は、四年前の文教厚生常任委員会において、ボランティア活動の中で気になった生活保護受給世帯の高校生の就職時の支援についてお尋ねいたしました。  そのときは、ケースワーカーの方にくまなく支援事業制度の周知をしていただくようお願いをいたしました。高校を卒業し、進路が進学であれ就職であれ、未来に向かう若者には心細さもありましょう。しかし、大きな志と夢を持って一歩を踏み出す自分なりの将来に対し、期待感は必ず持っているはずです。  そんな人生の一つの大切な節目であるこの時期は、特に生活保護からの脱却に向けた支援の中でも、子供に対する自立時の支援を差し伸べるのは重要であることを、今まで自分なりに問題視してまいりました。自立していくためには、できれば寮なりアパートなり別世帯として住居を構え、心身ともに新しい環境の下、自ら生計を立てていくことはとても大切なことであると思います。  現在の制度では、生活保護世帯の高校生が就職しようとする場合、生活保護制度では就職支度費が支給されますが、基準額は三万二千円であります。この金額では、スーツや靴しかそろえることができず、十分とはいえません。例えば、親元を離れ寮に入るとなると、布団や電化製品など一通りの家財道具をそろえる必要があります。そのために、アルバイトでお金をためようとしても、アルバイト収入の一部は世帯の収入として認定され、家庭の保護費が減額されてしまいます。また、子供が稼いだわずかな額なのに、本人にとっても自由に使えるお金が制約されることになるのです。このため、保護世帯の中には子供にアルバイトをしないように言うケースがまさにありました。その子の夢は打ち壊されてしまいます。  一方、高校生が進学する場合は、二〇一八年より進学準備給付金が支給され、支給額は転居を伴う場合三十万円、転居しない場合でも十万円となっているところであります。まだまだ進学率は一九%と低いものの、期待とともに今後増えていくことが予想されます。  このように、生活保護世帯の高校生が就職し、独り立ちしようとする場合、普通の家庭の高校生に比べ制約が多いことから、結果として独り立ちができず、生活保護を受け続けるという負のスパイラルに陥ってしまうおそれがあります。果たして生活保護世帯の子供は、自分の将来について自立して人生を送ることができるのだろうかと考えさせられたところがここにあります。  生活保護に至ったことについて、子供には何の責任もなく、できるだけ早期に生活保護世帯から独立できるよう支援していくことは重要でないかと考えます。  生活保護制度は国の制度であるために、それを県独自の形に変えるということは難しいと思います。給付金や貸付金など、自立に向けての支援策は現状を見ると必要と強く感じるところです。  そこで、次の点についてお尋ねいたします。  生活保護世帯の現状についてお尋ねいたします。  生活保護世帯の現状はどうなっているのでしょうか。そして、生活保護世帯の高校生は何名おられるのか。その高校生の卒業後の進路はどのようになっているのか、現状についてお尋ねいたします。  また、生活保護世帯の高校生が自立するときの支援についてお尋ねいたします。  生活保護世帯の高校生が自立するときの支援制度にはどのようなものがあり、どう支援されておられるのかお尋ねいたします。  三番目です。生活保護世帯の高校生の自立についてです。  子供は、残念ながら親を選べません。生活保護世帯で生まれ育った高校生がこのタイミングをもって自立することは、負のスパイラルを断ち切る意味で非常に重要なことと考えるところです。  しかし、独り立ちを目指した就職の場合には、先ほども申し上げましたように、進学に比べ給付額に大きな開きがあります。  進学で転居を伴う場合は三十万円の給付金、就職の場合は三万二千円の就職支度金となっています。私に限らず、誰でもここに理不尽さを感じるのではないでしょうか。社会人として志を持って頑張ろうとする若者に対し、就職する場合、県独自の支援策が必要と考えるところですが、知事の御所見をお願いいたします。  続きまして、二番目です。狩猟行政についてです。  私は、狩猟といいますか、自分では有害鳥獣駆除活動をやっているという立場を持っている一人です。間もなく十年になりますけれども、だんだんといわゆる猟場、現状は荒れているというふうに感じてきております。今日はそこについてお尋ねいたします。  イノシシ、アライグマなどにおいて、急速な生息数の増加と生息域分布の拡大は、生態系の変化や農業への被害はもちろん、あらゆる生活環境において被害の深刻さが問題となって久しくなるところであります。これらに対しては、捕獲や保護など、生態系全体の保全を考慮した個体群管理が不可欠です。  そこで、平成二十五年に制定された「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」において、イノシシ、ニホンザル、カワウなどでは、十年後の──この資料ではもともと平成三十五年ですけれども、令和五年までに半減することが目標となりました。  こうした状況に対応するために、佐賀県でも策定しておられます第十二次鳥獣保護管理事業計画では、鳥獣保護区の指定、傷病鳥獣の保護、狩猟鳥類の保護繁殖のためにキジ放鳥などの鳥獣の保護に関することや、銃などによる猟を制限すること。地域の指定に関することや、さらに農作物に被害を及ぼす鳥獣の適正管理に関することなど、様々なことを定められているところです。  特にイノシシについては、第十二次鳥獣保護管理事業計画に基づき策定しております第二種特定鳥獣管理計画において、毎年二万頭以上捕獲することを目標とされておられます。  こうした中、県では捕獲対策を進められ、狩猟と有害鳥獣捕獲を合わせると、県、市町に加えて国からの捕獲報償金の制度も充実し、ここ数年は毎年二万頭を超えるイノシシが捕獲されており、令和元年度も二万二千頭を超えるイノシシが捕獲されています。  イノシシの捕獲方法には、銃による捕獲のほか、箱わなやくくりわなによる捕獲など様々な方法がありますが、わなの仕掛け方や殺処分、いわゆる止めさしの仕方によっては、狩猟者や同業者が危険な目に遭うことがあり、大きなけがにつながっています。また、わなの設置場所によっては、周辺住民への危害が及ぶことも想定されるところです。  さらに、十一月からの狩猟期には、イノシシなどを捕るために例年百九十名から二百名余りの方が佐賀県に登録されており、昨年も百九十名の県外狩猟者が狩猟のために佐賀県に来ておられます。  当初は捕獲していただいている感覚でしたが、マナーに関しては眉をひそめるところです。近年、地元でトラブルを起こしている事案を度々耳にするようになりました。  トラブルの原因は、例えば、道路の脇にわなを仕掛ける。しかも、通常は立ち木に固定するのでありますが、移動ができる、また、子供でも振り回すことができるような棒切れなど、道路の脇など危険極まりないわなのかけ方があります。  また、イノシシが数日わなにかかって放置されていたり、裸銃で道路を歩いていたり、地元猟友会が声をかけると逆に食ってかかってきたとの事例があります。また、近々では、そういった地元の方々からの投書や苦情、そういったものも実際に挙がってきております。  こういったことは、県外からの一部の者の仕業でしょうが、地元で暮らす住民にとっては極めて不安な材料です。いつ事故が起こってもおかしくはありません。現に手負いイノシシから狩猟者がけがを負う事故は毎年のように起こっているのですから。  今後とも、狩猟を楽しむには、安全を心がけるとともに、狩猟する場所の周辺住民の方の理解を得ることが重要であり、そのためには県外、県内を問わず、狩猟者がマナーを守っていくべきことは重要であり、その土壌づくりに努力せねばなりません。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず、狩猟に伴う事故防止の取組についてであります。  私も猟友会事務局として幾つかの事故案件に携わり、鉄砲はもちろんのこと、わな猟においても、ワイヤを切ったり、手首、足首がちぎれたイノシシが突進してくる事故が多いように思われます。また、道なき雑木林や山などが現場なために滑落なども起こります。  安全な狩猟が行われるよう事故防止について指導を徹底すべきだと思いますが、県ではどのように取り組んでおられるのかお尋ねいたします。  次に、狩猟の適正化に向けた取組についてであります。  鳥獣の被害拡大に伴い、法律や制度の拡充もされてまいりました。  平成十四年、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の制定、平成十九年には鳥獣被害防止特措法の制定、そして、鳥獣被害防止総合対策交付金の制度が出来上がり、報償金の支払いが始まりました。  この報償金制度は捕獲する意欲を奮い立たせ、狩猟人口の増加にもつながり、捕獲成果に大きく貢献しているところであります。  しかし、反面、設置わなには名札の義務づけを怠ったり、設置場所、設置数、鉄砲に関することなどの違法性に対しても、猟友会の内部で不信、不満などの声が上がるようでは、安全・安心な狩猟にはつながらないと思います。  大きな事故につながらないためにも、猟場という現場での管理監督、指導に努めていただきたいと願うところであります。  県は、狩猟違反に対してどのように指導されているのでしょうか。また、違法ではないものの、マナーに問題がある狩猟に対して県はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。  問いの三番目であります。  佐賀県食肉センターの再整備についてお尋ねいたします。  再整備というよりも、再整備後の活用についてが主体となります。  佐賀県の平成三十年の農業産出額一千二百七十七億円の約二八%に当たる三百五十一億円は畜産であり、そのうち、肉用牛が半分の百七十二億円を占めていることから、畜産、特に肉用牛の振興は佐賀県農業の振興を図る上で極めて重要となっています。  中でも、「佐賀牛」は全国に誇れるブランドとして認知されているところであり、その歴史は昭和三十六年から関西方面の食肉市場への出荷がスタートし、昭和五十九年に大阪市食肉市場株式会社において「佐賀牛」と表示して販売されるようになったと伺っているところです。  その後も生産者や関係者のたゆまぬ努力により、肉質の向上やブランド化が進められ、今や「佐賀牛」はその肉質のすばらしさで全国的に名だたる銘柄牛の一つとなったところであります。  その結果、現在、国内の高級焼き肉店などで使用されていることはもとより、トランプ大統領の来日の際の晩さん会での一品として提供されるという名誉あることにつながったり、また、「佐賀牛」を求めて国外から来県されるような、いわゆる佐賀県でのインバウンド需要の創出にも大きな役割を果たしてきたと思います。  一方で、「佐賀牛」など海外へ輸出される本県産牛肉は、全て鹿児島や大阪をはじめとする県外の屠畜場で処理されています。現行の佐賀県食肉センターが輸出対応型の施設ではないためであります。  そこで、現在、再整備が進んでいる新たな食肉センターには、「佐賀牛」の輸出拡大など、今後の畜産振興施策の展開に必要な機能も備えた施設として大いに期待しているところであります。  地元では、食肉センターと呼ぶより畜産公社として一般的に呼ばれております。私は、この畜産公社に対して誇りを持っております。世界に誇るブランド化された製品がこの畜産公社から全国に出荷されるという自負があったからであります。  このたびの食肉センターの新施設への取組に関し、地元説明会に何度か参加させていただく折、耳を疑うようなことがありました。  それは、現施設における地元地区住民の食肉センターに対する思いは、残念なことに排他的でありました。鳴き声、臭い、ハエやカラスなどが日々生活圏内の方々に与える影響は迷惑であるがため、遠い存在であり、ウェルカムではなかったのです。  確かに老朽化した施設がゆえ、地元の方にしか分からぬこととは理解をしながらも、私は皆さんの思いについて、また、地元としての愛着、誇りの醸成について深く考えさせられたところであります。  現在の新設工事を経て、海外への輸出向け製品、そして、国内向け全てを処理できる、名実ともに「佐賀牛」の出荷の起点と生まれ変わります。この施設が多久市に完成することは、地域の活性化にも大きく貢献するものと考えております。そして、これを機会に新たな食肉センターが、地元や市民の方々に誇りと愛着を持てる施設にチェンジしていただきたいと強く願います。  他の食肉センターに比べ、地域との関連したイベントをしていない。これは、ここに長年お勤めになった方の言葉です。この声を聞いたとき、愛着や誇りにつながっていないのではないかと強く感じた次第であります。  そこで、例えば、「佐賀牛」即売会の実施や、B級、C級グルメ商品の販売、直販所の開設、地域でのイベント開催など、地域との触れ合いなどにぜひ取り組んでいただきたく、呼子のイカのように、多久は肉と言われるような中心的施設になってもらいたいと願っているところであり、地域にはそれを切実に願っている方々もいらっしゃいます。  確かに、この食肉センターの施設としましては、得意先が持ち込まれる牛、豚の解体が主体の事業所ではありますが、地域貢献や食肉拡販の振興、そして、農業の振興にもつながる要素を持っている宝であります。やはり宝なら磨きたい、こういう心境であります。  新たな食肉センターが果たす役割について、県はどのように考えておられるのかお尋ねいたします。  最後であります。教育現場を支える人材の育成についてであります。  いろいろと教員の信用失墜行為が何かと話題となっているところです。今回はその方面からではなく、また違う角度からの質問をさせていただきます。  学校現場において、次代を担う子供たちが国際化や情報化など社会情勢の進展に対応し、高い志と理想を持って困難に立ち向かい、克服する力を身につけることができるよう、様々な制度の改正や教育の充実に向けた取組が進められております。それに伴い、教職員の受け持つ職務は社会の多様なニーズに対応するために多岐にわたり、おのおのに適切に対応していく必要があります。  今、学校現場では、組織体として存在する学校の維持発展を図り、学校教育本来の目的を効果的、効率的に達成させ、統括的に持っていくように、学校経営の考えの下、トップリーダーの校長先生をはじめ、先生方の一丸となったチームとしての学校が提起され、教員の連携、協働を基盤に多職種の専門能力スタッフとの協働へとかじを切られていると伺っております。  そのような中、一方では、指導力やコミュニケーション力などに課題があり、十分に職務の遂行ができない教員が学校組織の中に一定数存在するという話がありました。長年教壇に立ってきた教員の方の話であります。学校現場には切実な問題があります。誰が見ても教員に向いていない方の存在であります。  学校の中では教員の配置として人数に余裕があるわけでなく、少数精鋭の勤務体制の中、その存在に対して現行ではこれといった対処ができないものであるとの話でありました。  もし自分の指導力不足を自覚し、自分は教師に向いていないと悩み、追い込まれながら働いている教員から指導を受ける子供たちがいるとすれば、その教員にとっても、また、子供たちにとってもお互いに不幸なことと言わざるを得ません。  生徒や学校は新年度になり、先生を替えることができても、先生は生涯現役をたどるとなると、どのような思いと心境で向かい合われているのでしょうか。児童生徒の育成に直接関わる立場の教員が、このような状況に陥る前に、教員の実践的指導力を見極め、効果的に改善につなげていくことが必要であります。  ある自治体の教育委員会が、教員向けに行われたアンケートでは、教員となり、想像していた教員像と現実には違いがあったという意見が大半を占めたり、大切にしたいと思った指導や支援ができないと感じたことなど切実な実態も浮かび上がり、どこにでもある話だなと感じた次第であります。  情熱を持ち、勉学に励み、教員として厳しい難関をくぐり抜けて就いた道であります。もともと優秀な要素を持った人材と思います。手厚い研修制度の充実はもちろんのこと、でき得る学校現場の問題解決を願う所存であります。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  教員として求められる資質、能力と人材の確保、育成についてであります。  文部科学省として、教員が備えるべき資質条件として三つが示されています。「教育的な情熱・真剣さ」、そして、「教育的力量を身につける姿勢」を持った人、三つ目は「総合的な人間力を高める姿勢」であります。  教育現場を支える教員の資質、能力として、県としてどのような人材を求めているのか。また、そのような人材をどのように確保し、また高めていくためにどのような育成をされておられるのかお尋ねいたします。  二つ目です。指導力に課題がある教員への対応についてであります。  実はここが最も解消していただきたい現場の切実な願いでもあります。手厚い指導、研修にもかかわらず、教育現場の課題に適切に対応するためのスキルを十分に身につけることができていない教員に対して、どのように対応していくのかお尋ねいたします。どうぞ建設的な答弁を期待しております。  これをもちまして、第一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    53 ◎山口知事 登壇=野田勝人議員の御質問にお答えいたします。  私に対しましては、生活保護世帯の高校生の自立についてお尋ねがございました。  誰もが病気、そして思わぬ事故など、やむを得ない様々な事情で生活に困窮する可能性があると思っています。国の生活保護制度は、そういった状況にある方々を、社会全体で支え合うとても大切な制度であると認識しています。そして、私は生活保護世帯であってもなくても、子供たちには前を向いて自立した大人になってほしいと願っています。この場合の自立とは、金銭面のみならず、精神的にもでございます。また、負のスパイラルといった言葉を生まないような社会であってほしいとも思います。  現状について触れさせていただきます。数字については、部長が細かく答弁すると思いますけれども、令和元年度で生活保護を受けている世帯の中で、令和元年度に高校を卒業した生徒は三十名おられます。この進路について、県と市の福祉事務所で聞き取りを行いました。就職した方は三十名中十八名、進学した方が七名、その他五名で、この方々はアルバイトで一時的な就労ですとか、障害などがあって、就労自体がなかなか難しい方も含みます。ということで、厳しい環境の中であっても頑張られているんだなと私は素直に感じました。  また、就職をした十八名でございますが、家族と別居している方が十二名、そして、そのまま同居されている方が六名であります。この六名について、同居の理由を聞き取りをさせていただいたところ、自宅から就職先が近いんだという話ですとか、初めての一人暮らしに不安があるとか、そういった理由で同居を選択しておられます。  少なくとも今回聞き取りをしましたケースにおいては、就職に当たって経済的負担が要因だというような理由ということはなかったと聞いています。  さらに、この同居の六名の世帯のうちですが、四世帯が高校生の子供の就職を機に保護世帯ではなくなっているようでございます。  これはあくまで今回聞き取らせたケースなのでありまして、これは生活保護世帯というのは、過去から様々な、それぞれの家の事情があったと思います。ただ、現在は、昨今の経済、就労状況などもあって、ちょっとコロナでもうちょっとこれからはよく見なければいけないと思いますけれども、昨今の県内の保護世帯の高校生は着実に歩みを進めているという方向ではないかと認識しています。  なお、野田議員が御指摘されたように、保護世帯の子供の就職の際には、就職支援金というものが三万二千円出るわけですけれども、確かに進学よりはとても安いという状況です。これは恐らく就職と違いまして、学生さんになると給与が入ってこないと、そういった問題などもあるのかもしれないと思っていますけれども、それでも個々の事情によって、その三万二千円で不足する場合には、限度額五十万円の県の社会福祉協議会による貸付制度というものを利用することができるということであります。  この制度について、周知の問題などなど、現状を詳しくは健康福祉部長に答弁させたいと思っています。  生活保護は、冒頭申し上げましたとおり、誰もが必要となる可能性があって、そういったときには社会でお互いが支え合うシステムなんだということをみんなが共有しなければいけないと思っています。  県としても、市とも連携して、保護世帯の状況を把握し、検証もしていきたいと思います。そして、様々な御意見や要望にきちんと耳を傾けて、制度的課題などありましたら、国に提案してまいりたいと考えています。  以上です。 54 ◎大川内健康福祉部長 登壇=私からは、生活保護世帯から自立する高校生の支援について二点、それと知事の答弁を補足させていただきます。  まず、生活保護世帯の現状についてでございます。数字については幾らか知事の答弁と重複するところがございますが、御答弁させていただきます。  県内におけます生活保護世帯数及び生活保護受給者数は、令和元年度平均で六千五百二十三世帯、七千八百四十四人となっております。  また、生活保護世帯のうち、平成三十一年四月一日現在で特別支援学校を含む高等学校の在籍者数は百九人となっておりまして、令和二年三月末に卒業した高校生は三十人となっております。  卒業された方のうち、就職が十八名、大学等への進学が七名、その他が五名でございます。  就職者の内訳は県内に就職された方が十一名、県外が七名となっておりまして、県内に就職された方のうち、引き続き御家族と同居されている方が六名、自宅を出て独立されている方が五名でございます。  さらに、御家族と同居されている方六名のうち、生活保護を継続して受給されている世帯が二世帯、収入が増加したことに伴いまして生活保護の対象から外れられた世帯が四世帯となっております。  次に、生活保護世帯の高校生が自立するときの支援制度でございます。  議員の御質問にあったとおり、就職する場合には、就職に直接必要となる洋服や靴など、こういったものの購入費用といたしまして、就職支度費が三万二千円を限度に支給されます。  一方、進学する場合には、新生活の立ち上げ費用として、転居を伴う場合は三十万円、転居を伴わない場合は十万円の進学準備給付金というものが支給されることとなってございます。  この進学準備給付金は、生活保護世帯の子供が大学等へ進学する場合、その進学率が全世帯の子供より著しく低いことを踏まえまして、貧困の連鎖を断ち切り、生活保護世帯の子供の自立を助長するために、平成三十年六月に創設されたものでございます。  この就職の場合と進学の場合の支給額が異なっているのは、先ほど知事からもありましたとおり、就職をすれば給料等が入ってくるというような考え方に基づくものでございます。  また、知事から答弁がございました就職に係る貸付制度でございますが、これは生活保護制度以外の支援といたしまして、県社会福祉協議会による生活福祉資金の低利貸付制度でございまして、就職の支度に必要な経費として、五十万円を限度に貸付けを受けることができるようになっております。  貸付利子は連帯保証人がある場合は無利子、ない場合は年一・五%、措置期間は貸付けの日から六カ月以内、償還期間三年というふうになっております。  生活保護世帯の高校生の就職や進学に当たっては、このような制度を活用しながら支援を行っているところでございますが、先ほどの貸付制度も含めて、周知が行き届いていないがためにそういった制度を利用できないということがあってはいけませんので、そういった支援制度の周知を含め、生活保護世帯の自立を引き続き支援してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 55 ◎池田農林水産部長 登壇=私からは、狩猟行政についてと佐賀県食肉センターの再整備についての二項目についてお答えいたします。  まず、狩猟行政についてのうち、狩猟に伴う事故防止の取組について申し上げます。  狩猟に伴う事故には、銃の暴発や、わなにかかって暴れたイノシシによる負傷、それと山での滑落など、様々なケースがございますが、環境省の調査によりますと、昨年度の狩猟及び有害鳥獣捕獲に伴う事故件数は、国内で三百五十六件、県内で三件となっておりまして、県外では痛ましい死亡事故も発生しているところでございます。  こうした事故を未然に防止するため、県では佐賀県猟友会に委託しまして、事故防止研修会や実技研修会を行っているところでございます。  事故防止研修会は、狩猟登録者を対象に猟友会の二十支部全てにおきまして、警察署や市町、関係団体等の協力を得て開催しております。  また、実技研修会は、狩猟免許取りたての猟友会の会員を対象に、銃やわな等の安全な取扱いを習得してもらうために年三回開催しております。  さらに県では、地域住民への危害を未然に防ぐために、鳥獣保護管理法に基づきまして、市街地などを中心に、散弾銃等の銃器や一部のわなの使用を禁止します特定猟具使用禁止区域を県内に四十六か所、面積で約二万三千ヘクタールの指定を行っているところでございます。  この指定区域以外でも、住居が集合している地域や、広場や駅、学校の周辺等では鳥獣保護管理法において銃による猟が禁止されておりますことから、今後とも研修会において周知徹底してまいります。  狩猟の事故は、まさに人命に関わることでありますことから、今後とも関係機関・団体と協力しながら、事故防止に向けた狩猟者への指導を徹底してまいります。  次に、狩猟の適正化に向けた取組について申し上げます。  狩猟において使用できるわなは、人の生命または身体に重大な危害を及ぼすおそれがないものとされておりまして、とらばさみやかすみ網、つり上げ式くくりわな等は使用することが禁止をされております。  こうした違法わなが設置されていないか見回り監視するために、県では鳥獣保護管理法に基づき、市町から推薦された鳥獣保護管理員を三十四名任命いたしまして、それぞれの所管の地域において従事していただいているところでございます。  仮に違法わなが設置されていた場合には、鳥獣保護管理員や県の農林事務所、市町等が現地確認を行いまして、設置者にわなの撤去等を指示した上で、今後は法令を遵守することを誓う誓約書を徴収いたしまして、二度と違反しないように指導することとしております。  次に、違反ではないものの、マナーに問題がある狩猟につきましては、議員御指摘のとおり、県内の狩猟現場において、地元でトラブルが発生していることは聞いているところでございます。  県では、これまでも毎年、狩猟登録の際にマナーの遵守について、県内外の登録者に文書を送付して注意喚起を行ってまいりました。また、三年ごとに行われる狩猟免許の更新講習の折にも、法令を遵守するよう県から説明するとともに、県猟友会に狩猟の心得などについて講演をお願いいたしまして、狩猟マナーの向上に努めているところでございます。  それでも実際にマナーに問題がある事例が発生した場合は、農林事務所や市町、鳥獣保護管理員などと協力して、わなの設置者に対して指導することとしております。  昨年度の指導事例といたしましては、林道のそばで、くくりわなにかかったイノシシが暴れ、土砂が林道に崩れ落ちているとの通報があったために、わなの所有者に至急連絡を取り、林道に落ちた土砂の撤去を指導したところでございます。  今後とも、市町や猟友会などとの連携を密にいたしまして、狩猟の適正化が図られるよう努めてまいります。  次に、二項目めの佐賀県食肉センターの再整備、そして、再整備後の活用についてお答えいたします。  佐賀県食肉センターは、本県で唯一、牛を屠畜できる施設でございまして、また、県内食肉卸業者の多くが仕入先として利用するなど、肉用牛の生産や食肉の安定流通を図る上で重要な役割を果たしておりまして、本県畜産を振興するためには不可欠な施設でございます。  一方、現在の施設は老朽化が著しいことに加えまして、施設の一部を牛と豚で共用しており、構造的に海外輸出に対応できないなどの課題がございます。  このため、牛処理施設につきましては、EUやアメリカ等への輸出に対応できる施設として新たに整備するとともに、豚処理施設につきましては、高度な衛生管理が可能となる施設に再整備することといたしておりまして、現在、用地造成工事や施設設備工事の入札手続等を進めているところでございます。  県といたしましては、食肉センターの果たすべき役割は、再整備後でも変わることなく、さらに海外への輸出が可能となることで、今まで以上に本県畜産の発展に寄与する施設になると考えております。  また現在、運営主体でございます佐賀県畜産公社では、周辺住民の方々に対する日頃の感謝の気持ちを込めた即売会の開催ですとか、近隣地区や多久市で開催されるお祭りやイベントへの参加など、地域との交流を深める活動にも積極的に取り組まれているところでございまして、こうした取組を続けていくことは、地域の活性化にもつながるものと考えております。  なお、議員から御提案いただきましたような直販店の開設とか、あるいは地域イベントの開催、こういった新たな取組につきましては、再整備後の食肉センターの運営を見極めながら、畜産公社とも連携して何ができるのか検討してまいります。  今回の再整備によりまして一新される食肉センターが、本県畜産はもとより地域の発展にも資する、地元の方々に愛着と誇りを持っていただけるような施設となるように取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 56 ◎落合教育長 登壇=私からは、教育現場を支える人材の育成について二点お答えをいたします。  まず、教員として求められる資質、能力と人材の確保、育成についてお答えをいたします。  どういった人材が教員として欲しいのかと、求めているのかというお尋ねがありました。  教育に対する使命感、情熱、豊かな人間性、実践的な指導力、粘り強く取り組むたくましさ、そういったものを備え、大きく社会が変化する中で、子供たちが自らの将来を主体的に創造できる力を育んでいく、それに導いていける、そういう人材を求めております。  非常に高い理想を申し上げましたけれども、ぜひ多くの人に佐賀県の教員にチャレンジしてもらいたいと思っています。  そういう人材を確保するために、どういった採用試験を行っているかということですけれども、教員採用選考試験において、面接試験におきまして、実践的な教科指導力を見るための模擬授業を含んだ面接をやっております。また、コミュニケーション力や職業観を見るため、民間の方にも面接に入っていただく面接も行っておりまして、こういうふうに二回に分けて面接を行うなど、人物重視の観点で教員の選考を行っております。  加えて、講師経験や民間企業などでの勤務経験を有する者に対する免除制度や、特定の免許や資格、経験などを有する者に対する加点、採用試験における加点制度など、毎年度、選考方法の工夫や改善を行って、様々な課題に適切に対応できる教員の採用をしたいというふうに努めているところであります。  採用後の育成につきましては、県内の大学やPTA、校長会などで構成しております教員育成協議会で策定した教員育成指標というのをつくっておりまして、それを踏まえて教員の研修計画を毎年度策定しております。  教員のキャリアステージに応じた研修や教育課題に応じた研修などを実施して、教員の資質や能力の向上に取り組んでおります。  また、社会人としての広い視野、柔軟性に富む職務遂行能力など、教員としての資質及び指導力の向上を図ることを目的に、民間でも研修しておりまして、若手教員の経験年数別研修における企業・福祉施設等体験研修などを実施しているところです。  職員研修につきましては、毎年研修の精選に努めて、内容の充実に努め、引き続き多様化する教育課題に応じて、内容などを見直して充実に努めてまいります。  次に、指導力に課題のある教員への対応についてお答えいたします。  学校現場では複雑化、多様化したいろんな問題に適切に対応する必要があり、教員にはそのような能力が求められておりますけれども、非常に残念でありますが、教員の中には、解決に必要なスキルが十分でない、適切な指導を行うことができない教員が少数でありますけれども、存在していることも事実であります。そのような教員に対しては、指導力を向上させるための取組が必要であります。  具体的には、例えば各学校において管理職の指導の下、生徒の反応を見ないまま、工夫することなく授業を進めてしまうような教員に対して、教科指導力に優れた同僚の授業を参観させ、指導のポイントを学ばせたり、生活面の指導をする上で、児童理解が不十分なまま一方的な指導を行い、子供や保護者との信頼関係を築けないような教員に対して、学年主任などと一緒に指導に当たらせる体制をつくって、適正な指導の在り方を学び取らせるなど、学校全体でそういった教員への指導や支援を行っているところであります。  県教育委員会におきましては、市町の教育委員会と連携しながら、継続的に指導主事などを学校に訪問させ、当該教員に対して直接指導や支援を行うとともに、当該学校の管理職に対して学校のサポート体制の構築についてアドバイスを行うなど、改善を図っているところです。  それでもなお、改善が見られない場合には、同僚職員に過重な負担がかかってきますので、学校運営に支障が出る状況も考えられるため、学校全体の指導体制の強化に向けて、さらなる支援というのが必要になってきます。  具体的には、学校の教育課題の解決に向けた適材適所の人事配置や、指導力に課題のある教員が、改善に向けての指導、助言や研修を受ける体制をつくることができるように、非常勤の職員を配置したりするなど、指導や支援体制の強化を図っております。  今後とも、指導力に課題のある教員の対応につきましては、県教育委員会として、学校や市町の教育委員会と連携しながらしっかりサポートしてまいります。  以上です。 57 ◎野田勝人君 登壇=すみません、時間と皆さんの顔色を見ると、早々にというふうに思いました。しかしながら、二点、申し訳ないです。  一つは、高校生の独り立ち支援についてであります。  この件につきましては、実はこの日本経済新聞を見ますと、二〇二〇年四月から大学の無償化、低所得世帯の七十五万人支援、そういうふうな形で、どんどんと進学に関する支援というのはよくなってきているんですね。いろんな形で社協の貸付制度がありますというようなことでございました。そういうことを周知していきたいということでありました。  実は、周知というところに一つ引っかかったんです。市町の職員さん、そしてケースワーカーさんが全て人的に行う形で周知されるんじゃないかなというふうに思っています。実は私が持っていますこのイラスト入りは、神奈川県の「高校生のみなさんへ」という、学生さん向けにきっちり分かるような、誰にも聞きにくいよねというようなことに対して、分かりやすくイラストで、そして、いろんな分野でのことが実は県庁のホームページに載せてあるんです。(資料を示す)  こういったことに対する周知の徹底、人に寄り添う、そういった面での周知の仕方について、やはり工夫をしていただきたいなというふうに願う所存です。御所見をお願いします。  それともう一つ、学校の先生の件は常任委員会でもお話しできますので、ここは省かせていただきます。  狩猟行政に対する事故防止です。  実は確かにあっておりますけれども、これはほとんどが銃に対しての事故防止研修です。事故に対する農林事務所の指導、あるいは警察からの指導とか、いろんな形で実際にあっています。しかしながら、そういうわな、写真がありますけれども、特に、道脇に置いているわななんかは足首をちぎってでも人に目がけて突進してくるわけですね。そういった意味での事故防止の研修というのは、実は行われておりません。事故は、佐賀の場合、銃の事故よりもわなの事故のほうが多いと思います。そういった意味での指導、そして、狩猟の適正化、いろんなことをされているということでした。注意もやっているということでした。しかしながら、目に余る違法、マナー違反というのがあっています。じゃ、そういったことを聞いたときに、やはり動作に移っていただきたい。  十一月から始まる狩猟登録をするための事務担当会議の折に、こういった案件を県に申し上げたけれども、その後どうなったかという質問がありました。そのときに残念ながら県の方はお答えできませんでした。こういったちょっとしたことに対しても、いや、県はこういう態度で臨んでいますというような言葉が欲しかったんですけれども、要は、やっています、やっていますじゃなくて、起こったときにタイムリーに、都度、何らかの形での指導をお願いしたいと思ってのこの質問です。県の所見をお願いいたします。  以上です。 58 ◎大川内健康福祉部長 登壇=野田議員の再質問にお答えいたします。  高校生の自立支援のことでございますが、まずはケースワーカーがその現場現場で、そのケースに応じて制度をきちんと説明するということが大事だろうというふうに思っております。  その上で、生活保護の事務を担っておりますのは県と市でございます。県につきましては、今のホームページ等、どういったものがあるのか点検をいたしまして、必要な情報をより分かりやすいものにしていきたいというふうに思っております。また、市につきましても、同じような趣旨で働きかけをしていきたいというふうに思っております。  以上、お答えいたします。 59 ◎池田農林水産部長 登壇=野田議員の再質問についてお答えいたします。  事故防止研修会は、銃に係るものだけではないのかというような御指摘がございました。ここに武雄の事例の資料がございますけれども、武雄での研修会の折には、武雄警察署から銃とわなの取扱いについての事故防止について講演をいただいているというような事例はございます。  それと、実際に事故等が起こった場合での現場の対応でございますけれども、県の農林事務所がいろんな違反とか、あるいはマナー違反とか、そういったことが起きた場合の対応といたしましては、例えば、標識のない箱わなが確認されたとか、あるいは猟期以外の時期に箱わなが設置された疑いがあるとか、そういったもろもろの違反とか、あるいはマナーが悪いとか、そういった通報をいただいた折にはそれぞれ対応してきておりますけれども、それが十分でないという議員からの御指摘も受けましたので、今後は一層しっかりとした対応をしていきたいというふうに考えます。  以上でございます。 60 ◎議長(桃崎峰人君) 本日の会議はこれで終了いたします。明日十五日は引き続き一般質問を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後六時二十分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...