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  1. 佐賀県議会 2019-12-12
    令和元年文教厚生常任委員会 本文 開催日:2019年12月12日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時 開議 ◯古賀陽三委員長=皆さんおはようございます。ただいまから文教厚生常任委員会を開催いたします。  これより質疑に入ります。通告に従い、順次発言を許可します。 2 ◯大場委員=おはようございます。通告しておりますので、順次、淡々と質問をさせていただきます。  まずは、虹の松原の再生・保全についてお伺いをしてまいります。  先日、冨田委員が一般質問でこのことについても質問されました。しっかりした答弁をいただきましたけれども、ここで私なりにきちっと押さえていきたいと思って、この項目を取り上げさせていただきました。  この項目について、執行部の方々とやりとりをしている中でいろんな話が出てまいりました。日本唯一、松原で国の特別名勝に指定されておる、佐賀県の貴重な宝である、我々地元の誇りでございます。また、私自身も虹の松原というものの中で学んだこと、いろんなことを学んだことが政治姿勢の一つの起源になっているような感じがしておるところでございます。  そして、このごろバスガイドの方々と話をする機会がございまして、その方々の御意見の中に、虹の松原を観光バスで案内しますと、遠来のお客さん、県外のお客さんたちは本当に感嘆の声を上げて、感動されるそうでございまして、観光客の方々にも大変好評ですということをお聞きいたしました。まず、このことを起爆剤にして、佐賀県の観光にも取り組んでいければなと思っておるところでございます。  これまで県のほうでも、虹の松原保護対策協議会の一員として松原の保全活動を支援するとともに、核燃料サイクル交付金を活用して、広葉樹の伐採、腐植層の除去など、美しい松原の景観の再生、保全に取り組んでいただきました。その結果、大変きれいになりました。本当に松原の中がきれいになったなと通るたびに思います。それが当たり前と今は思っておるんですけども、やっぱり手を入れていただいたおかげだと思っておるところでございまして、今後もしっかりとこの保全活動に取り組んでいかんばいかぬという思いでございます。  これまで、虹の松原保護対策協議会を中心に、地域でアダプト活動などのボランティアによる保全活動が行われてきたところでございますけれども、ボランティア活動だけでは、ここまで再生した虹の松原の景観をしっかりと維持していくことも難しいのではないかと危惧しておるところでございます。  ついては、虹の松原再生・保全の取り組みについて質問させていただきます。  これまで虹の松原の再生・保全活動にどのように取り組んできたのかお伺いをいたします。 3 ◯中島有明海再生自然環境課長=これまでの再生・保全活動についてお答えいたします。  虹の松原の再生・保全の取り組みにつきましては、平成二十年九月に佐賀県と唐津市、そして、国の林野庁佐賀森林管理署の三者で、「虹の松原の再生・保全に関する覚書」を策定いたしました。  この覚書を受けまして、虹の松原の再生活動を推進するために、国や県、唐津市、CSOなど関係機関で構成する「虹の松原保護対策協議会」におきまして、協議、連携して再生・保全活動を進めているところでございます。  具体的には、松葉かきや除草作業につきましては、虹の松原を一定の区画に分けて、その場所を市民とかボランティアの方々などが里親のように面倒を見ます、委員もおっしゃったアダプト方式と呼ばれる方式でやっております。ほかにも、年に四回実施しておりますが、虹の松原一斉清掃大作戦──KPPキープ・パイン・プロジェクトにより、みんなで虹の松原を守る活動をしております。  この虹の松原一斉清掃につきましては、次の日曜日でございます十二月十五日にも今年度三回目となる活動が行われます。前回の十月二十日には、今年度最高の四百五十名の参加がございまして、今回も予報では非常に天気もよくて、寒さも少し和らぐようですので、多数の方々に御参加いただけるものだと思っております。  しかしながら、虹の松原は広大でございます。ボランティアなどの活動が及ばない場所では、長い間松葉かきが行われなくなったり、枯れ落ちた松葉が腐植するとともに、松原の中に広葉樹や草木などが侵入し密林化するなど、景観が損なわれていました。  そのために、県はこれまで、核燃料サイクル交付金を財源としまして、毎年、計画的に広葉樹などの伐採や、腐植した松葉を含む表土の除去など、虹の松原の再生、保全のための基盤整備を行ってきたところでございます。  以上でございます。
    4 ◯大場委員=お答えいただきましたアダプト方式ですが、アダプトといいますか、そういうチームはどのくらいあるのか。  また、市民活動といいますか、ボランティア活動ですけれども、三回目が十二月十五日に開催されるということですが、私も虹の松原一斉清掃大作戦に参加したいと思っておりますが、虹の松原の再生・保全活動をやるよというような通知、そういったことはどういうふうな方法でやられておるのかお伺いしておきたいと思います。 5 ◯中島有明海再生自然環境課長=虹の松原のアダプト活動の状況でございますが、このアダプト自体が平成二十二年度から始まりまして、最初は登録団体は七十七団体で、人数は二千八百人ほどで始まりましたが、平成三十年度は二百二十一団体が登録されまして、登録人数は七千百七十六人となっております。ただ、この登録団体、登録人数とも、ここ三、四年程度は頭打ちで、なかなか伸び悩んでいるところでございます。  それと、虹の松原クリーン大作戦の周知につきましては、県のほうでは県の掲示板に載せておりますが、主には虹の松原クリーン大作戦を担います唐津のKANNE(かんね)というNPO法人が、ホームページですとか、チラシを配ったりとか、そういう広報活動によって周知をしております。  以上でございます。 6 ◯大場委員=ありがとうございます。これから先もそういったボランティアの皆さん方の活動は大事だろうと思いますので、継続は力なりと言っておりますけれども、そういった続けることが保全活動に役立っていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  松の単層林化についてお伺いをいたします。  まだまだ広葉樹が残っている場所もあるようでございます。松の単層林とするために、広葉樹を伐採すべきではないかと私は思っておるんですけれども、その取り組み状況についてお伺いをいたします。 7 ◯中島有明海再生自然環境課長=虹の松原の松の単層林化についてお答えします。  そもそも、この虹の松原全体の保全のためには、まずはそこに生えている松原の松の一本一本をしっかりと保全する必要がございます。そのためには、一番の天敵でございます松くい虫の防除対策が不可欠となるところでございますことから、毎年、国の佐賀森林管理署が、県と唐津市及び地域住民の方々などの協力を得まして、大規模な薬剤の空中散布を行っております。  この空中散布では、松原の近隣の家屋や野菜、果物などの作物への薬剤の影響が懸念されますことから、松原と隣接する居住エリアとの間に、空中散布をしなくて済む緩衝地帯として松と広葉樹がまじるエリアを残す必要があると、佐賀森林管理署から説明を受けているところでございます。  なお、緩衝地帯にも松は生えておりまして、その松に対しては、地上からの薬剤散布を行われているとのことでございます。  加えて、居住地と隣接する地区以外にも、虹の松原内にも広葉樹は少し残っております。その松原内に残っております一定以上の大きさの広葉樹につきましては、広葉樹は枝を四方八方に広く広げますので、それを伐採してしまいますと、そこにぽっかりと空間があきまして、強い風が吹き込んで、その周囲の松にも悪影響を与えることが懸念されるため、残さざるを得ないということを佐賀森林管理署のほうから説明を受けております。  以上のことから、松原全体の保全のためにも、一定の量の広葉樹が残ることにつきましては御理解をお願いいたしたいと思います。  以上でございます。 8 ◯大場委員=松くい虫の防除については本当に大切なことで、近隣住民の方々の御理解をいただいて、航空防除をしていいですよというような形で周知されてきておりまして、このごろでは松原のすぐ近くに住んである方々も、きょうは航空防除の日だからということで大体心得られて、車もちゃんとカバーをするなり、協力体制がとれてきておるように思います。  あれだけ幅広い松原でございますので、何か今の答弁では佐賀森林管理署の方がおっしゃっておる風の防風対策についてというようなことがなかなか理解しがたいような感じがいたしますけれども、そこら辺はもうちょっとやっぱり研究をしていただければと思って、松の木を見せたいなと思っております。  大きなクスノキとか、そういったものが生息しておるのはよく見ておりますけれども、そこら辺のところも、クスノキというのはやっぱり葉を散らしますもんね。そして、腐葉土になっていくというところでございますので、そこら辺もうちょっと県のほうでも、そこを何とかという部分は必要じゃないのかなと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、核燃料サイクル交付金による広葉樹伐採が終了したと言ってありますけれども、根っこも抜根してあるというのを聞いておりますが、再び根が残って、それからまた芽が出てきておる状況がございます。再び広葉樹が侵入し、せっかく再生した虹の松原、白砂青松の松原の景観が後退するのではないかと危惧するところでございますけれども、その懸念について御答弁をお願いしたいと思います。 9 ◯中島有明海再生自然環境課長=交付金によります再生・保全事業終了後の広葉樹林化の懸念につきましてお答えいたします。  委員御指摘のとおり、虹の松原は、核燃料サイクル交付金を活用しました広葉樹の伐採や腐植層の除去などの基盤整備によりまして、白い砂、青い松、いわゆる白砂青松の美しい景観を取り戻してきております。これからは、この状態を保全していく段階となると考えられます。  これまでの県の取り組みによりまして、保全活動をするための円滑な実施環境を整えたものと考えておりますが、今後は、適切な保全活動を継続していかなければ、再び枯れ落ちた松葉が腐植するとともに、松原の中に広葉樹や草木などが侵入してきて密林化するなど、何年か後には、せっかく再生した景観が後退するおそれがあると考えられます。  今の景観を後退させないようにしていくためには、やはり地元の唐津市も、自身の財産であるということを認識していただきまして、県とともに主体的に取り組んでいただく必要がございます。それで、地域協働によりまして松葉かきや草刈りなどを長期間にわたり継続的に取り組んでいくことが必要と考えております。  以上でございます。 10 ◯大場委員=そうですよね。唐津市さんもしっかり予算をつけて取り組んでいただきたいと私も思っておるところでございますけれども、唐津市との連携とか、提案とか、そういったものもこちらのほうから考えられてもいいんじゃなかろうかと思いますけども、唐津市と協働でということで、唐津市との取り組み状況について、ちょっとございましたらお願いしたいと思います。 11 ◯中島有明海再生自然環境課長=唐津市との協働の取り組みですけれども、先ほど私申し上げましたとおり、保全活動を円滑にするための基盤整備につきましては、核燃料サイクル交付金を活用しました事業で県のほうで実施してまいりました。  その保全活動をするためのNPOですとか、市民の方々が活動するための予算につきましては、県と唐津市が半分ずつ出し合って実施をしているところでございます。  以上でございます。 12 ◯大場委員=そういうことで、核燃料サイクル交付金が終わるということでございますけれども、今後もそこは県と唐津市が予算を出し合いながら活動を支援していっていただきたいと思いますが、今後の保全活動についてお伺いをいたします。  虹の松原の保全活動では、ボランティア参加者数の伸び悩み、清掃活動で生じる松葉や折れ枝の処理に多額の費用が必要となると、そういう課題もあると聞いております。  交付金による事業が終了した後、再生した虹の松原の美しい景観を維持していくために、今後、保全活動にどのように取り組まれていかれるのかお伺いをいたします。 13 ◯中島有明海再生自然環境課長=今後の保全活動についてお答えいたします。  現在、松葉かきですとか除草作業の保全活動につきましては、委員御指摘のように、広大な松原全体に及ぶ保全活動に取り組んでいく上で、ボランティア数の不足ですとか、清掃活動で生じる松葉や折れ枝等の処理費用などの問題がございます。  そのため、アダプト活動や一斉清掃活動などのボランティア活動への参加のいろんなメディアを使っての呼びかけ、広葉樹の伐採ですとか下草刈りを地区を分割して実施すること、それと、松葉や折れ枝を今のところはなかなか活用ができず、ごみとして処分している分も多いのですが、今後は資源としてさらに活用して、有価物として活用する方法の検討など、交付金による事業が終了した後も保全活動を継続していくために、今後の保全活動の進め方について、唐津市と協議を行っているところでございます。  私事でございますけれども、以前、唐房にあります玄海水産振興センターに勤めておりましたころに、海の調査に朝早くからたびたび出ておりました。そのとき、調査船に乗りまして唐房の港を出航しますと、右手に大島が遮っておりまして、次第に大島の陰から、朝もやに煙る唐津の町が見えて、それで、市街地のビルなんかは朝もやに隠れて見えないんですが、その白い朝もやに浮かぶように唐津城のシルエットだけが目に入ってきて、人工的なものは唐津城しか見えないというような、非常に幻想的な風景が見えてまいります。その左手には黒々と広大に横たわる虹の松原がありまして、その上に均整のとれた鏡山がぽっかりと浮かんでいるというような風景をいつも見てまいりまして、見るたびに感動したことを今でも覚えております。  そのような私にとりまして、変わりなく美しい唐津の自然景観を守る仕事に今携わっていることは、非常にありがたく、また、県職員冥利に尽きる次第でもございます。  この虹の松原のすばらしい景観を次世代に継承したいという私たちの思いは全く変わりございません。どういった保全の方策が適切なのかを、唐津市としっかり今後も引き続き協議してまいります。  以上でございます。 14 ◯大場委員=本当にありがとうございます。中島さんもロマンチストだなと感動しました。いいね、本当に。  そういうことをやっぱり周りの方に言っていただきたい。そして、もっと唐津へ来ていただきたいなと思っております。  答弁の中にもございましたように、松葉かき、松葉のリサイクルというような観点からちょっと物を言いますと、松葉をかいて、上場の農家の方ですけど、たばこ生産農家の皆さん方はそれを堆肥として、料金を払って堆肥をつくってあるんですね。そして、品質のいいたばこを生産されてございます。  松原からちょっとたばこの話になってきて、川久保さんの話になるんだけれども、答弁は求めませんので。  たばこを一生懸命生産してあるんですね。私もたばこを吸いよったんですけども、このごろやめてしまったんですが、たばこの生産農家の方々と、また、販売農家の方々がこの間いらっしゃいまして、県庁の敷地内にも喫煙所があったほうがいいんじゃないですかと、喫煙所をつくってくださいよというような要望をされていかれたんですね。  松原とちょっと離れてしまいますけども、本当に品質のいいたばこ生産活動をされておる。そして、税収が十億円ぐらい県のほうにも入ってきておる。そして、ばたっと敷地内を禁煙にしてしまう。もうちょっとやっぱりソフトランディングみたいな格好で、ある場所ぐらいはやっぱり喫煙所をつくってもいいんじゃないかなという感想を僕は持っておるところでございます。  山口県政は開かれた県政としてありますので、喫煙する人も佐賀県庁のほうに来ていただいて、いろんな話を聞かれ、そして、いろんな活力につながるような県庁でもあってほしいと思うし、市町の目標といいますか、市町の手本となるような、そういう県であってほしいなと思っておるところでございますけれども、川久保さんと進総務部長、連携をとって──望まない受動喫煙を防止するというのはよくわかります。そういう形で環境を整えられるようなことも考えていただきたいなと自分では思っておるところでございますので、よろしくお願いします。  最後に、県民環境部長もかわられまして、所信を伺いたいと思っております。  この県民環境部の仕事というのは、大変幅広いことを、大切なことをやっている部署だなと思っております。まなび課、人権・同和対策課、くらしの安全安心課、環境課、原子力安全対策課有明海再生自然環境課循環型社会推進課というふうに幅広い、佐賀県にとって大事な部署というような感じを持っております。特に、諫早湾干拓問題、交通事故防止対策、先ほど言った原子力安全対策、県政の重要課題や県民の命を守る事業を多く抱えている部署でございます。  十月から原県民環境部長が就任されました。県民が安全・安心に暮らせる佐賀県づくりを行っていく所信をお伺いしたいと思います。 15 ◯原県民環境部長=ただいま委員のほうから、部長としての所信を述べよというお話がございました。  今、委員のほうからも御紹介がありましたけれども、県民環境部の仕事は、その名のとおり県民の生活や暮らし、安全・安心、環境、そういったものに密接にかかわる仕事でございます。大変重要なものということで私認識をしております。  具体的には、国策にかかわる案件もございまして、玄海原子力発電所を抱え、原子力安全対策への取り組みでありますとか、諫早湾干拓問題の対応も含めて有明海の再生、さらには、喫緊の課題と最近なっております、死亡事故が多うございます交通事故防止対策への取り組み、非常に重い案件を担当させていただいております。  このほかにも、CSOの支援でありますとか、ユニバーサル社会の推進、生涯学習の推進、人権に係る施策啓発の推進、消費者行政の推進、また、ただいま御議論いただきました虹の松原を初めといたします自然環境の保護、地球温暖化防止対策への対応など、また、廃棄物処理問題への対応、非常に多岐にわたる施策に日々取り組んでいるところでございます。  加えまして、我々県民環境部だけということではなく、他の部局と連携協力しながら取り組むべき施策も数多くございまして、委員からもありましたけど、私も守備範囲がちょっと広いというようなことを痛感しているところでございます。  それゆえ、私一人で何事もやり遂げるということは非常に難しゅうございまして、私、部長に就任しました初日に、私と副部長と各課職員、皆が一つのチームになってしっかり議論をして、そして、まさにワンチームでさまざまな問題に対処していきましょうということで、今、私の後ろに座っておりますけれども、副部長、各課室長のほうに呼びかけまして意識共有を図ったところでございます。  先ほど述べましたが、県民の生活、暮らしに密接にかかわる課題が多うございます。今後、難しい判断、重い判断を迫られる場面も出てくるだろうと思っております。そのときは、県民の安全・安心な暮らしを守るということにしっかりと軸足を置きまして、私みずから現場に足を運び、そして、県民の思いに寄り添い、何が最良なのか、何が最善なのかということをしっかりみんなで議論し、そういったプロセスを大切にして、最後は私がきちっと責任を持って判断するということでやっていかなければならないというふうに考えております。  今後とも、議員の皆様と真摯な議論を重ねながら、さまざまな諸課題につきまして、部職員一丸となって全力で取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 16 ◯大場委員=ありがとうございました。最後は私が責任をとる、本当に重い言葉だなと思います。しっかりとよろしくお願いをしたいと思います。  次に二問目、幼児教育の無償化と質の向上についてお伺いをしてまいります。  ここにいる坂口委員と私は、自民党の中で組織されます佐賀県議会幼児教育振興議員連盟というところに入っておりまして、私立幼稚園の先生方といろんな会合をさせてもらって、いろんな話を聞かせてもらっております。しかしながら、あんまりようわからんとですたい。ようわからんて、坂口委員もおっしゃいましたけれども、ようわかっておらん。(「僕はわかっていますよ」と呼ぶ者あり)いやいや、わかっとらんと思うけど。  そういうことでございますので、わかりやすく説明をお願いしたいと思いまして、基礎的なところから質問をさせていただきたいと思っておるところでございます。  ことしの十月一日から幼児教育・保育の無償化がスタートいたしました。子育て世代の経済的負担を軽減するという趣旨からは無償化制度は評価できると考えておりますけれども、幼児教育を提供する側、特に幼稚園の先生たちの御意見を聞いてみますと、この間、十一月二十五日に意見交換をしたんですけれども、無償化になって大変よかったというような言葉もいただいております。保護者の教育費負担が軽減され大変喜ばれていた、無償化についての保護者説明会を行った際に、保育の無償化の意義と幼児教育の重要性について理解してもらう機会を設けることができて大変よかったというような、よかった点というのはいろんなことをここに書いてございます。  また、課題に思うことということでいろんなことを書いてございますけれども、ちょっと紹介します。事務量の増大化、市町別に同じ事務を行わなくてはならないとか、事務処理の煩雑さ、二号認定希望の保護者の増大、預かり保育園児の増加に伴う保育者の確保、また、新二号や年少々の受け入れ等で保育士の不足が出てきて、働き方改革どころか、その逆で、過重の労働時間となっておるとか、いろんな課題を書いてありまして、勉強させられまして、こういった問題にどういうふうにして取り組んでいかれるのかなということでお聞きをしております。  そしてまた、その意見交換の中でも、質の高い幼児教育を提供するためには、子供と接する幼稚園教諭のスキルアップというものも大変重要であるという声も聞かれたところでございます。  そういう中で、大分県では、幼稚園教諭等に対する研修や、幼児教育アドバイザーによる現場のニーズに応じた助言、幼児教育に係る情報の収集、発信等の機能を有する幼児教育センターが設置されており、佐賀県でも将来的には、このような機能を備えられてはどうだろうかというような御意見もいただいておるところでございます。  以下、次の点について質問に入らせていただきます。  まず、幼稚園制度の概要について、どのようになっておるのかお伺いをいたします。 17 ◯豊田こども未来課長=幼稚園制度の概要についてお答えいたします。  幼稚園は学校教育法に基づく学校の一つとされており、満三歳から小学校入学前までの子供が、各幼稚園が編成した教育目標や教育課程に基づく教育を受けております。  教育時間は、一日に四時間を標準といたしまして、年間三十九週以上実施することとされており、各園の教育方針に沿って教育時間が設定されているところでございます。  幼稚園の運営形態は、大きく二つに分けられまして、平成二十七年度にスタートいたしました子ども・子育て支援新制度により、国、県、市町が支出する施設型給付費により運営する幼稚園と、新制度に移行せずに、私立幼稚園運営費補助により運営する私学助成園がございます。  また、就労する保護者の増加を背景といたしまして、いずれの幼稚園においても、保護者の希望に応じて、教育時間の前後や土曜日や日曜日、長期休業期間中に教育活動を行う預かり保育や、家庭において一時的に保育を受けることが困難になった子供を預かる一時預かりなどの事業も実施しているところでございます。  以上でございます。 18 ◯大場委員=一日四時間の教育といいますか、そういったことをなされておるということですけれども、幼稚園ではどのような教育が行われておるのかお伺いをいたします。 19 ◯豊田こども未来課長=幼稚園での教育内容についてお答えいたします。  幼稚園では、全国的に一定の教育水準を確保するために、国が学校教育法に基づき定める幼稚園教育要領に沿って、教育が実施されております。  この教育要領では、幼稚園教育において育みたい資質や能力といたしまして、知識や思考力、人間性などといった三つの柱があり、幼稚園での生活を通して幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として、自立心や協同性、言葉による伝え合いなどについて、十の姿が明確化されております。  それぞれの幼稚園で、この考えに基づきまして、さまざまな遊びや人とのかかわり合いを通して、一人では感じることができない楽しさや充実感を得ることで、小学校からの勉強だけでなく、一生いろいろなことを学び続けるために必要な生きる力の基礎を育むこととされております。  その手法といたしまして、それぞれの園では、知育遊びや運動や芸術、道徳、文化など独自の方針で特色のある教育を実施しているところでございます。  以上でございます。 20 ◯大場委員=「三つ子の魂百まで」と言われておりますので、大事な時期だなというのをつくづく思っておるところでございます。  それを続けながら、無償化となったんですけども、保護者さんや幼稚園の先生方の言葉の中に、煩雑になったというようなこともございましたけれども、幼稚園における無償化はどのようになっておるのかお伺いいたします。 21 ◯豊田こども未来課長=幼稚園における無償化の制度の概要についてお答えいたします。  幼稚園では、満三歳からの子供を対象として、本年十月から幼児教育・保育の無償化がスタートいたしました。  新制度の幼稚園では保育料の全額が、また、保育料を自由に設定していた私学助成園では月額二万五千七百円を上限として無償となったところでございます。  また、保育の必要性の認定を受けた子供は、預かり保育についても、月額一万一千三百円を上限に保育料が無償となっております。  なお、副食費(おかず代)につきましては、無償化以前においても、主食費(御飯代)と合わせまして、給食費として保護者が幼稚園に支払っておりまして、無償化後の取り扱いに変更はございません。  以上でございます。 22 ◯大場委員=さらっとおっしゃったですけど、二万五千七百円というのはどういうところから計算されて、一律二万五千七百円という数字が出てきたのかな。全員が二万五千七百円、無償化ということでなっておるのか、そこのところをもうちょっと詳しくお願いしたいと思います。 23 ◯豊田こども未来課長=住民税に応じて設定されておりまして、二万五千七百円が上限となるというところでございます。  以上でございます。 24 ◯大場委員=わかりました。住民税の設定でそういうふうな数字が設定されているということでございます。  三項目め、事務の負担軽減についてお伺いをいたします。  無償化に伴い新たに発生した事務についてお伺いをしたいと思いますけども、無償化に伴い新たに幼稚園で発生した事務として、どのようなものがあるのかお伺いをいたします。 25 ◯豊田こども未来課長=無償化に伴い新たに発生した事務についてお答えいたします。  無償化に伴いまして幼稚園が行う事務のうち、新たなものといたしましては、入園の申し込みを受ける際や、教育時間終了後も預かり保育を受ける場合は、保護者は保育料無償化に係る給付申請書を市町へ提出することになっております。その申請書の提出を促しまして、取りまとめる事務、また、市町から通知される所得の低い世帯から、給食費のうちおかず代を免除する事務、預かり保育の日々の利用時間の記録と徴収した利用料の領収書を発行する事務などが発生をいたします。  また、無償化の方法も、幼稚園が保護者から保育料を徴収して、領収証等を発行した上で、保護者が市町に無償化の相当額を請求する償還払い、幼稚園が保護者から保育料を徴収しないかわりに、幼稚園が市町に無償化の相当額を請求する代理受領の二通りの方法がございます。市町によって手続が異なるために、複数の市町から児童を受け入れている場合には、書類の提出や支払い方法など事務の手続が煩雑になるなど、現場では業務負担が発生しているものと認識をしております。  以上でございます。 26 ◯大場委員=今聞いただけでも本当に大変だなと思います。やっぱり幼稚園の園児の中には、A市、あるいはB町というようにあちこちから来ておる、そういう中で、そういうふうな申請書類が出てくるということは、本当に大変だろうと思いますけども、スタートしたばかりですので、これからいろんなことを協議、検討されながら、事務負担の軽減に努めていただければと思っておるところでございますので、無償化に伴って新たに発生した事務負担というものについて、その軽減策といいますか、そういったものにどう取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 27 ◯豊田こども未来課長=負担の軽減策についてお答えいたします。
     県といたしましては、まずは幼児教育・保育の無償化が円滑にスタートできるように、市町や事業者を対象とした説明会の実施などに注力をしてまいりました。  今後は、市町や施設との意見交換を重ね、お互いが煩雑さを感じないよう、例えば、先ほど答弁いたしました償還払いと代理受領を市町で統一していただくようなことが考えられるのですけれども、県としてどのようなフォローができるのか検討してまいりたいと思っております。  以上でございます。 28 ◯大場委員=そこのところはよろしくお願いしたいと思います。これから先のことでしょうから、十月からスタートしたばかりでしょうから、いろんな検討がなされると、運用なされると思っております。  次に、幼稚園教諭のスキルアップというようなことについて、ちょっと御意見もいただきました。  幼稚園教諭に対する研修の現状についてお伺いをしたいと思います。  全ての子供が健やかに成長するよう、質の高い幼児教育を提供することが一層求められてきておると思います。そのためには、幼稚園教諭の研修が重要と考えますけれども、現在、幼稚園教諭に対する研修はどのように行われておるのかお伺いをいたします。 29 ◯豊田こども未来課長=幼稚園教諭に対する研修の現状についてお答えいたします。  県では、幼稚園教諭に対しまして、初任者に対する研修や、在職期間や職位に応じて、さまざまな研修を実施しております。  例えば、新規採用された幼稚園教諭に対しまして、学級経営・幼児理解等に関する講義・演習や、模範となる幼稚園の参観、体験活動など、一年間を通して十日間程度の研修を実施しておりますほか、園長などを対象といたしまして、幼稚園の運営、管理に関する研修を行っております。  また、平成二十九年度から、保育士等のキャリアアップを図るとともに、キャリアに応じた処遇改善を行うための要件として位置づけられております「保育士等キャリアアップ研修」を、幼稚園教諭も対象として実施をしております。  平成三十年度でございますが、乳児保育や障害児保育などの六分野の専門分野研修のほか、マネジメント研修と合わせまして、計七分野のカリキュラムについて、研修を実施いたしたところでございます。  このほか、一般社団法人佐賀県私立幼稚園・認定こども園連合会など関係団体が実施する研修に対しても、実施に必要な経費を支援することで、幼児教育の質の向上に取り組んでいるところでございます。  以上でございます。 30 ◯大場委員=ありがとうございます。私立幼稚園の現状を見ますと、園独自の取り組み状況もありまして、保護者の人はあそこの園がいいからあそこに入れようとか、そういったことも選択するときの要素になってきておるようなところもありまして、こういう子供に育てようという県としての共通の方針とか、そういったものも私は必要じゃないかなと思っておるんですけども、園独自の文化とか歴史がございますので、あんまり求めてはいかんと思いますけども、今後の取り組みについてお伺いをします。  将来の佐賀県を担う子供の幼児期からの教育は本当に大事であると思います。県が目指すべき子供の姿を提示し、幼児教育に携わる当事者が意識を共有するような研修、先ほど述べましたけれども、そういうものがあるべきと考えます。今後、どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 31 ◯豊田こども未来課長=研修の今後の取り組みについてお答えいたします。  幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な期間でございまして、子供たちには、さまざまな経験や体験を通して学び感じ取ることで、骨太な子供として成長していってほしいと考えております。  先ほど御答弁いたしましたが、県では、幼児教育の質の向上を図るために、さまざまな研修事業を実施いたしまして、幼児期の子供たちの知識や思考力、人間性といった資質・能力が育まれるよう、教育に携わる幼稚園教諭のスキルアップに取り組んでいるところでございます。  また、幼児期の成長に大きな役割を担う幼稚園教諭にも、質の高い教育や保育の提供を通して、子供たちの人生のスタートの時期にかかわれることに、自信や誇りを持ってもらいたいと考えております。  今後も引き続き、教育現場の方々や大学、養成校の先生といった専門家からの御意見や、幼児教育の現場で働く幼稚園教諭が必要とする研修分野・内容に関する意見をよく聞きながら、より効果的な研修の実施に向けて取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。 32 ◯大場委員=ありがとうございます。この質問をするときに、冒頭述べましたように、大分県のことを思いました。  制度が変わって、非常に現場のところで混乱しているから、幼児教育センターみたいなものをつくって、一元化して、そこで全部相談に乗っていく、そして指導していく、そして教員たちのスキルアップを図っていく、そういった理想的なこども未来課であってほしいというような思いであったんですけれども、担当者の方々と話しておりますと、こども未来課というのはどういう仕事をしているのと聞いたら、随分幅広い仕事をなさっておりまして、本当に幅広い仕事をなさっておるな、大変だろうなと思いますけれども、やっぱり佐賀県を担う子供、そして、地域を担っていただける未来ある子供たちが健やかに育ってほしいと思う気持ちでございますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。  質問しておる私は、大体、親はなくても子は育つというような感じで今まで自分の子供を見てきましたもんですから、このごろは随分変わってきたなということを感じたところでございました。勉強させられました。よろしく御指導のほどをお願いいたします。  三番目の学力向上についてお伺いをいたします。  学力向上については、学校において、やっぱり先生と子供が一体となって取り組むことが一番重要ではないかと考えます。そして、家庭や地域がそれぞれの役割と責任を果たすことによって、総合的に成り立つものだと思っておるところでございます。  先日、この文教厚生常任委員会で大分県を視察したところでございます。大分県では、学校教育を主体として教員の共通認識がしっかり図られ、そして、成果を上げておられるといったようなものを感じました。  佐賀県でも、少人数指導やチームティーチング、児童生徒一人一人のために、きめ細やかな指導を行ったり、学力向上推進教員を配置したりするなど、大分県同様、学力上位県の取り組みを参考にしながら、児童生徒の学力向上対策に取り組まれております。  大分県と佐賀県の違いというのは、失礼があったら申しわけないんだけども、先生たちが取り組んでいる情熱というものを感じたんですね。そういったものがやっぱり学力向上につながっていっているんじゃないかなと思いますけれども、大分県にできて佐賀県にできないことはないと思っておりますので、佐賀県においても、引き続き学力向上に向けた取り組みをより一層推進していただきたいと思います。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  全国学力・学習状況調査の結果についてですけれども、四月に実施されました全国学力・学習状況調査の結果はどうであったのかお伺いをいたします。 33 ◯宮崎教育振興課長=全国学力・学習状況調査の結果について御説明いたします。  ことし四月に実施をいたしました全国学力・学習状況調査の教科に関する調査結果におきまして、全国の平均正答率を上回ったものは、小学校の国語のみでありまして、総合計画二〇一五の指標としておりました四つの教科区分全てで、全国平均以上という目標は達成できておりません。  これを校種別に見ますと、小学校におきましては、全国平均を上回った国語に加えまして、算数につきましても全国の平均正答率とほぼ同程度でありまして、国語、算数ともに、全国上位県との差が縮小したことから、改善が図られてきているというふうに認識をしているところでございます。  ただ一方、中学校におきましては、国語、数学に加えまして、今回初めて実施をされました英語につきましても、全国の平均正答率を下回っておりまして、また、全国上位県との差も小学校に比べると大きいものがありますので、改善に向けた取り組みがいまだ不十分であるというふうに受けとめております。 34 ◯大場委員=改善に向けた取り組みがまだまだ不十分という部分は調査をされてあると思いますけれども、そういった不十分なところを十分に満たしていくような努力というのはどのようなことを考えてあるのか、また、課題をどのように認識してあるのかお伺いをいたします。 35 ◯宮崎教育振興課長=調査結果に見られた課題、取り組みを含めて御説明いたします。  まず、調査結果から、特に中学校における改善を図る必要があると、先ほど御答弁申し上げましたとおり、中学校におきましては、基礎的、基本的な漢字の書き取り、あるいは計算問題など、知識、技能の習得状況ということについては、ある程度良好な傾向が見られているところでございます。  しかしながら、目的に応じて読み取ったり構成を工夫したりする問題でありますとか、まとまりのある内容について概要や要点を捉える問題、あるいは、複数の資料を関連づけて読み取ったことを記述する問題につきましては、調査をした各教科に共通して、全国の平均正答率との差が見られ、課題がうかがえたところでございます。  また、生徒の意識調査の結果におきましても、学習に対する興味や関心が高いとは言えない教科もございました。  加えまして、教員の指導改善の意識は見られるものの、学ぶ側の生徒自身が「できた」でありますとか「わかった」などの実感を伴う学習活動までには至っていなかったのではないかと考えているところでございます。  ですから、こういうふうに子供たちが意欲を持って取り組める、あるいは、子供たちの状況をしっかり把握して、中学校の教員が教科の枠を超えて、学校を挙げて取り組めるような、そういう取り組みが必要であるというふうに認識をしております。  以上でございます。 36 ◯大場委員=最後の質問です。  今後の取り組みについてですけれども、自分は鏡というところに住んでおりまして、鏡はどんどん人口がふえてきているんですね。  そういう人口がふえてきておる中で、新しく転入してこられた方の中に、鏡は教育レベルが高いからとか、鏡山小学校、鏡中学校に入れたら、そこを出た人たちが随分といい高校とか大学に通っているからとかいうような言葉で、そこに集まってきておるような、地域の活性化と言ったらおかしいですけど、学校が果たす地域の活性化というものの一翼を担っているようなところもございます。  そういったことで、やっぱり学力向上対策というのは本当に重要なことだと思いますので、そのところをよろしくお願いしたいと思っているところでございます。  また、大分県の視察の件ですけれども、新大分スタンダードといった言葉がございました。そして、芯の通った学校組織の取り組みというものがございました。資料は多分、皆さん方も御承知のとおりと思いますけれども、その資料を見られながら、体系的な学習指導及び学校現場において、大分県の教育が目指す姿の明確化、共通認識というものが図られておりまして、大分県では全国学力・学習状況調査でも平均よりも上回っておる結果を出してございます。  冒頭申し上げましたように、先生たちの意欲といいますか、共通認識といいますか、共通課題を認識しながら指導を行っておるというところでございました。塾にも通っておる生徒はいるんですかというような質問をしたんですけども、いや、そう多くはないですよと、そういうことで学力が向上してきておるというような言葉もいただきました。  しっかりとこの学力向上対策に取り組んでいただきたいと思いますけども、佐賀県教育委員会では、学力向上に向けてどのように取り組まれていかれるのかお伺いをいたします。 37 ◯宮崎教育振興課長=今後の取り組みについてお答えをいたします。  県教育委員会といたしましては、まず、現在取り組んでおります学力向上推進教員の配置や研究指定校での取り組みなどを一層充実させていきたいというふうに考えております。  また、学力向上対策が実効性のある取り組みとして全県展開されますよう、学校、市町教育委員会、家庭、地域と連携しながら、課題の解決に向け、これまでの取り組みの継続と徹底を図るとともに、学力向上対策評価シートの活用などによる全職員による共通理解と共通実践、授業改善リーフレットの活用などによる学習内容の定着に向けたわかりやすい授業の実践、生徒の授業評価の活用などによる授業改善に向けた校内研修等の充実、「家庭学習の手引き」の活用などによる家庭学習の充実に向けた指導の徹底、この四つの取り組みを強化することとしておりまして、その質を高めながら、総合的に学力向上を図っているところでございます。  さらに、委員御指摘のとおり、大分県を初めとしました、学力向上において成果を上げている教育委員会や学校の傾向としまして、管理職の的確なマネジメントのもと、調査結果に見られる課題状況を特定の教科のみの問題としてとどめることなく、全ての教員が自分の指導上の課題として受けとめ、同じ方向を向いて、モチベーション高く取り組んでいる姿勢が強く見られることから、こうした取り組みが主体性をもって行われますよう、各市町教育委員会や学校に助言や支援をしているところであります。  また、大分県の視察に私も随行いたしました。そこで、非常に学ぶべきものが多いということを感じたところであります。  先ほど委員のお話にもありましたが、大分県では、学校や市町教育委員会が同じ方向で一体感を持って取り組んでいる、そのための仕組みづくり、あるいは学校、市町教育委員会が主体的な取り組みをされる、そういう仕組みづくり、さらには、生徒を学習の主体者とした教育活動ができるような仕組みづくり、そういうものについては大いに学ぶべきものがあったと思っております。  そこで、随行後、また改めてうちの職員を大分県の教育委員会に派遣しまして、取り組みについて話を伺ってきたところであります。  その中で、中学校における「生徒と共に創る授業」の推進という取り組みがございました。この取り組みにつきましては、本県の学力向上対策にはなかった観点での取り組みでありまして、冒頭、委員のお話にもありました、児童生徒と教員が一体となってという取り組みに資するものであると思っています。  具体的には、学校が目指す授業の姿を教員と生徒が共有しまして、学習の主体者として生徒みずからが学習活動を振り返ることで、学習活動の改善を図ることが期待できることから、新たな取り組みとして着手したいというふうに考えております。  いずれにしましても、佐賀県で学ぶ児童生徒一人一人の学力向上に向けまして、市町教育委員会としっかり連携をしながら、先ほど御答弁いたしました全職員による共通理解と共通実践を初めとする、四つの強化する取り組みの質を高め、それぞれの学校、それぞれの教室で、教員が意欲高く授業改善が実現されるよう、しっかりと支援をしてまいりたいと思っております。  以上でございます。 38 ◯大場委員=ありがとうございます。決意も新たにされて取り組みをされていかれると期待しております。今の答弁で十分でございます。  本当に学力向上というところは、先ほども言いましたように、地域力といいますか、その元気の一つにも一翼を担っているようなところもございますので、教育県佐賀というものを目指して学力向上対策に取り組みをしていただきたい。そして、先生たちの共通課題、共通認識、共通目標というものを持たれて、しっかりと取り組んでいただきたいと思っておるところでございます。  最後の質問、教員の働き方改革についてお伺いをいたします。  学校現場が抱えるさまざまな課題や多様化するニーズに対応するため、教員が担う業務がふえている現状にございます。このため、学校現場でも働き方改革が叫ばれて、県教育委員会でも、学校現場の業務改善に取り組み、県議会でも議論がなされているところでございます。  働き方改革では、時間外勤務を縮減することが目標になっていますけれども、勤務時間を減らすことばかり言い過ぎますと、現場でのやる気、モチベーションをそぐことになるのではないか、学力向上にも影響を与えるのではないかと危惧しておるところでございます。  公立学校教員の勤務時間を年単位で調整する変形労働時間制の導入を柱とした「改正教職員給与特別措置法」が、十二月四日の国会で可決されました。  生徒児童の夏休み休業期間に休日のまとめ取りができるようになると伺っておりますけれども、新聞報道等によりますと、夏季休業期間中は部活や教員の各種研修会が実施されておりまして、教員の業務削減や多忙感の改善に資するものかと疑問視されておるようなことも書かれておりました。  今後、文部科学省の省令が施行されまして、佐賀県でも運用されることとなると思いますけれども、質の高い教育のために、日夜、粉骨砕身努力されている教員の皆さん方が数多くおられると伺っております。そうした教員が、この変形労働時間制により、教材研究や生徒指導に効率的に勤務時間を割き、より一層質の高い教育を生徒に施していただけるように、学校現場で尽力されている教員の先生の声を反映した運用を期待しておるところでございます。  これから先、そういった審議をなされていかれるだろうと思いますけれども、そういったことを思いながら、教員の働き方改革の目的についてお伺いをいたします。  教員の働き方改革の目的はどのようになっておるのかお伺いいたします。 39 ◯嘉村教職員課長=教員の働き方改革の目的についてお答えします。  県教育委員会が平成二十九年九月に策定しました「学校現場の業務改善計画」の中にも明記をしておりますけれども、教職員が児童生徒とかかわる時間や、みずからの専門性の向上につながる研修等に充てる時間、そして、みずからの心身の健康の保持につながる活動等に充てる時間、そうした時間を十分に確保するために、市町教育委員会と連携して、学校現場の業務改善を確実に図ることが重要で、教員にとって、健康的でやりがいを感じる環境を整備し、質の高い指導や児童生徒の個々の特性に応じた丁寧な指導など、健全な教育活動を推進していくこと、これが学校における働き方改革の目的、目指すところであります。  以上でございます。 40 ◯大場委員=教員の働き方改革の推進についてお伺いをいたします。  学校現場での働き方改革は、先生方のモチベーション、働き方改革で、この程度でいいやというようなことになったらいかんと私は思うんですけれども、そういうモチベーションを下げることなく進めていくことが大事だと考えます。  県教育委員会は、どのような取り組みを行っていかれるのかお伺いをいたします。 41 ◯嘉村教職員課長=教員の働き方改革の推進についてお答えします。  県教育委員会では、「学校現場の業務改善計画」の中に掲げております教育委員会と学校それぞれが行う具体的な取り組みを着実に一つ一つ実践しているところであります。  例えば、県教育委員会が行う会議、調査、研修などの縮減、精選に取り組んでいるところでありまして、例えば、研修については、令和元年度は前年度と比較して、日数で八・四%、時間数で一〇・三%の削減をいたしました。  部活動につきましては、「佐賀県『運動部活動の在り方に関する方針』」及び「佐賀県『文化部活動の在り方に関する方針』」に基づき、例えば、複数顧問制の構築や、適切な休養日や活動時間の設定など、教員の負担軽減を図っているところであります。  また、八月に開催しました県と市町教育長との意見交換会では、県と市町教育委員会が連携して行う取り組みについて協議をし、児童生徒の適正な登校時間の設定と、時間外の電話対応の取り組み、この二点について、PTA組織とも協力しながら統一的に行うこととしました。  このように、県教育委員会、市町教育委員会、そして、学校がそれぞれの立場から業務改善に向けて、さまざまな取り組みを行っているところであります。  今後も、「学校現場の業務改善計画」に掲げておりますさまざまな取り組みを継続して実行していきたいと考えておりまして、例えば、学校を対象にした会議、調査、研修のさらなる精選、ICTを活用した業務の改善・効率化などを推し進めることで、教員の事務負担を着実に軽減していこうと考えております。  また、限られた時間で、いかに教育効果を上げていくのか、これからの教員には、勤務時間を意識しながら効率的に業務を進めることが求められると考えておりまして、教員の意識改革も重要であると認識をしております。  このため、各学校では、学校の経営方針に働き方改革の視点を盛り込むなど、ワーク・ライフ・バランスを意識した働き方の浸透を図っているところであります。  働き方改革は、佐賀県の教育現場を支えている教員の児童生徒を思う気持ちや情熱を大切にしながら取り組んでいくことが重要でありますので、教育委員会と学校、学校内では管理職と教員が十分な意見交換を行い、意思疎通を図ることで、働き方改革の目的をしっかり共有しながら、実効性のある取り組みを一つ一つ推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 42 ◯大場委員=本当に働き方改革という言葉は、僕が思うには余りいい言葉じゃないなと思っているんですわ。それは教員の皆さん方の働きというか、労働時間というのは本当に大変だなというものは実感いたしますけれども、情熱、学校、教員としての誇りといいますか、そういったことがやっぱり教員の背中を押しているようなところもございますもんですから、そういったことをそがれないように進めていただければなと思っております。  最後に、落合教育長にお伺いをいたします。  唐津市からここまで通勤してありますけれども、いろんな場面で落合さんとは出会う機会がございます。特に、曳山の関係、行事あたりでは、よくあれだけの地域の方々をまとめて、「浦島」ですけれども、曳子をまとめてあるなというものを感じたりいたします。  そういった経験を生かしながら、佐賀県の教育行政のあり方とか、熱い思いとか持ってあるだろうと思いますけれども、就任に当たっての所信をお伺いします。長々と五分以上でもよかですよ、よろしくお願いします。 43 ◯落合教育長=私の教育長就任に当たっての所信を聞いていただきました。ありがとうございます。  教育長に就任しまして、約二カ月ちょっとたちました。教育委員会のほうは初めてということもありまして、まずは県立学校を全部回ろうということを目標に掲げまして、この間、年度途中の異動、就任ということで、巡航速度で走っている列車に飛び乗ったような感じで、いろんなことがありましたけれども、時間を見つけて学校現場のほうに行くようにしました。  県立学校二十校以上、市町立の小中学校も数校訪問させていただいて、現場で子供たちの様子とか先生方の様子を見させていただくとともに、校長先生と意見交換もさせてもらいました。  そういったところで、改めて思うのは、いろんな学校、それぞれ特徴があります。実業系の高校、進学校、あるいは小中学校、それぞれの特徴を生かして、そこでの子供たちの夢を実現するために、学校現場の校長を初め、教員みんな、一生懸命頑張ってもらっているなということとともに、子供たちの生き生きとした顔というのを見させていただいて、改めてそういったものを支える自分の仕事の重さを痛感したところです。  教育の方向性としては、知・徳・体、学力、道徳、体力が重要だと言われておりますけど、今の教育大綱では、その前に一番目の柱として、志を高める教育というのを掲げられています。私自身は、これは非常に重要なところで、学力を伸ばすには、勉強するにしても運動するにしても、何のためにそれをするのか、何になりたいのか、そういう目的意識というのを持っていないと効果というのは上がってこないと思っていまして、そこをしっかり重要視するような教育を今目指しているというのは大切なポイントだし、自分としてもそこにしっかり力を入れていきたいなと思っています。  校長先生と意見交換したときも、やはり子供たちの自己有用感といいますか、自分が認められている、そういうものが非常に重要だというお話をお聞きして、私も痛く共感いたしました。そういったところを目指していきたいなと思っています。  先ほど来議論がありました働き方改革ですけど、教育現場の先生たちが効果を上げていくためには、生徒一人一人にしっかり向き合っていくということが非常に重要だと思うんですけど、その時間と心の余裕があるかどうかというところが、教育の質というところに大きく影響していると思うんですけれども、現在、働き方改革が叫ばれる背景には、そういう余裕が非常にない状態に先生方はなっていると。それを何とかしないと、先生方の時間外勤務を減らさないといけないということもあるんですけれども、教育の質を高めたり、あるいはそれを維持するためにも、先生たちが教員しかできない仕事にできるだけ集中できるような環境をつくっていくというのは重要だと。
     そういう意味で、当面している課題としては、これが一番大きな課題かなと思っています。  そこはしっかり現場の人たちと意見交換しながら対応したいと思いますけど、先日、PTAの役員さんたちと意見交換した際も、自分たちの子供のための働き方改革という言い方をされていましたけど、やはり子供に対する教育をしっかりしていくためにも、先生たちの働き方改革が重要なんだという認識を保護者の皆さんも持っていただきつつあるんだなということがわかりまして、心強く思った次第です。  いろんなことに取り組まないといけないと思うんですけど、先日の変形労働時間制の導入というのは、一つのやり方なのかもしれませんけど、先生たちの勤務時間を、あるいは仕事の量を減らすものではありませんので、根本的な解決にはなかなかならないんだろうと思います。  そういった中で、どういう工夫をしていくのか、これから考えないといけませんが、大きなテーマの一つとして、部活動のあり方というのがあると思います。  今、部活動の適正化のガイドラインとかを示していますけど、そのとおりやったとしても、部活動のために月四十時間以上は使っているという状況で、そこをどういうふうに、子供たちの負担軽減、あわせて教員の負担軽減も含めて、部活動のあり方というのをしっかり考えていく必要があるだろうと。  子供たちのニーズにしっかり応えつつ、先生たちの負担を軽減し、また、国スポに向けて選手強化という面でも、特に高校の強化指定校には期待されている部分があると思いますけど、そういったものを全部考えあわせたところでの部活動の今後のあり方というのを、今真剣に議論すべきときが来ているんじゃないかなというふうに思っております。  あと、本県はICT教育を進めています。基盤整備の部分では全国でもトップという状況ですけど、実際現場を回って見ていまして、政策部の時代に、これを導入するかどうかを決めるときにも現場を幾つか見させてもらっていたんですけど、そのときと比べると、はるかにICTを活用した教育というのが進んでいるなというふうに実感しました。  その効果がどうあらわれてくるのかというのを問われている時期に来ていると思うんですけど、全国的にも政府が経済対策の中で小中学校の一人一台を進めるという方針を出しましたけれども、我々は先行している県として、そのアドバンテージを生かして、しっかり、さらに先を行けるような教育を進めていきたいなと思っています。  あと、勉強会の冒頭、謝罪したように、教職員の不祥事というのが続いています。これは一人一人の事情聴取を聞くと、何でこんなことをしたんだろうと、こういうことをすれば警察にも逮捕され、また、職を失うことになることがわかっているのに、なぜこういうことをするのかと本当に思います。  また、部活動の不適正な指導についても、ちょっと冷静に考えれば、そういう言動をすれば問題になるというのはわかるんじゃないかなと思うんだけども、そういうことが起こってしまうという状況の中で、一人一人の抱えている問題というのはあるのかもしれませんけれども、全体的に言うと、やっぱり余裕がないというのは背景としてあるんじゃないのかなと思います。  また、そういう一人一人の余裕、あるいは職場として、周りの同僚が何か気づいたりとか、あるいはアドバイスしたりとか、そういう余裕、先ほどの働き方改革とも絡みますけど、そういうことがやっぱり重要なのかなと改めて思っている次第です。  先ほど委員のほうからは、働き方改革を進めるのはいいけど、教員の情熱、誇り、そういったものが大事なんだという御指摘がありました。私もそう思います。そういった情熱や誇りを失わないで子供に向き合うためにも、働き方改革というのは重要だと思っていまして、そこが主客転倒するといけないんだろうと思います。  先生たちの仕事を見ていると、目の前に児童生徒、子供たちがいて、その仕事というのは限りがないんですよね。ここまででいいということはないんだけども、一人一人の時間というのは二十四時間、その中で仕事に使える時間は限られているわけですので、その時間の中でどれだけ効果を上げていけるか。それは、子供を目の前にした先生たちの仕事というより、仕事のやり方だったり、仕組みだったりというのを、我々県教育委員会のほうが考える責任があるんだろうと思います。そういうことを大事にしながら、教育長としての仕事を進めていきたいと思います。  以上です。 44 ◯大場委員=ありがとうございます。本当に熱い教育長の所信を聞かせていただきました。後ろにおられる方々、共通認識を持って教育県佐賀を目指して、また取り組んでいただきたいと思っております。  質問を終わります。 45 ◯弘川委員=弘川貴紀です。通告に従いまして、教育行政のうち、児童生徒に関する子供の体力向上と、県立学校における学校図書館のあり方の二項目について、順を追って質問させていただきます。  初めに、自分のことを少しだけ言わせていただきますけども、Uターンして佐賀に戻ってきて二十年になります。小学校の運動場をお借りしての社会体育をまずやりました。その後、唐津にある私立中学校の外部指導を行って、そして、高校生の躍動をわかりやすく伝える報道の立場、さらには、伊万里市のスポーツ推進委員として全世代の方々にニュースポーツを幅広く普及させるために、今まで二十年間やってきました。  これらの現場での体験で導き出された答えが幾つかあります。その一つが、筋肉と骨の貯金です。成人までのこの筋肉と骨の貯金が、人生後半の健康の鍵を握るということです。  二カ月ほど前に、体育の日を前に、スポーツ庁が体力調査の結果を発表しました。高齢者の体力は上向き傾向が続き、記録を更新したと伝えました。さらに、若いころから運動に親しみ、健康への意識が高いとの分析を報道各社は伝えました。  こうした中にあって、本県の子供たちの今を見てみますと、取り巻く生活環境を見たときに、必ずしも体力が向上するような状況にはありません。生活は格段に利便性がよくなり、地域による社会体育の機会も縮小傾向にあります。スポーツをする、スポーツをしないの二極化は広がっているようにも見てとれます。  このように、子供の体力向上につながる体を動かす機会が減少する中にあって、私は、一筋の光がぱあっと差し込んでくる出来事がありました。さきの決算特別委員会の資料でした。全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果が上向いてきており、これまでの学校における地道なかかわりの成果があらわれてきていると、うれしい報告でした。  そこで、このことを正しく評価して、その状況や取り組み、今後の方向性について、順を追って伺いたいと思います。  まず、子供の体力についてです。  子供の体力の必要性について、まずはどのように捉えていらっしゃるのかをお尋ねいたします。 46 ◯牛島保健体育課長=子供の体力の必要性についてお答えいたします。  体力は、生きる力を支える重要な要素であり、人間の健全な発達、成長を支え、より豊かで充実した生活を送る上で大変重要なものと認識しているところでございます。  また、本県小城市出身の元文部科学省教科調査官は、「体力の低下は気力の低下を、気力の低下は知力の低下を、知力の低下はさらなる体力の低下を招く」と、子供のころからの体力の必要性を示されていたところであり、体力の向上は学力の向上にもつながるものと考えております。  人生の基礎を培う時期である子供たちの心身の健全な発達、成長を図るためにも、望ましい食習慣を身につけるとともに、運動を通して体力を養うことが必要であると考えております。  以上でございます。 47 ◯弘川委員=先ほど大場委員のほうから学力向上の話がありました。やはり学力と体力は相関しているというところは、私は常々思っております。  今の御答弁の中にも、体力が落ちれば気力が落ちるということもありまして、体力をある程度つけて、できない子も少しだけ頑張ることによって視界が広がって、プラスにどんどん展開していくというのが、やはり体づくり、健康づくりの大切なところだと思います。  続きまして、子供の体力の現状にはどのような特徴があるのかをお伺いいたします。 48 ◯牛島保健体育課長=子供の体力の現状、特徴についてお答えいたします。  文部省時代の昭和三十九年から続いております「体力・運動能力調査」によりますと、全国的に見た子供の体力は昭和六十年ごろをピークとして、年々低下傾向となっております。ここ数年はその低下傾向が抑えられ、ほぼ横ばい状態を保っておりますが、スポーツ庁が目標としております昭和六十年ごろの体力の水準には至っていない状況にあります。  スポーツ庁では、子供の体力の向上に係る施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることなどを目的といたしまして、中学校二年生と小学校五年生を対象に平成二十年度から「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」を実施しております。  その結果から全国的な特徴を見ますと、一週間で七時間以上、つまり、毎日一時間以上運動をする者と、一週間で一時間未満しか運動しない、余り運動をしない者、この二極化傾向が明らかとなっているということでございます。  中でも、中学校二年生女子では、運動をする者が六〇%程度であるのに対し、余り運動をしない者の割合は二〇%となっており、調査対象の中で最も差が大きくなっております。  こうした状況の中、体力においても、運動をする者と余り運動をしない者との間に大きな差が見られるようになってきております。  以上でございます。 49 ◯弘川委員=御答弁いただきました。  今、昭和六十年というお話が出ました。私が思うには、今の子供たちのちょうど親の世代が、三十年前、この昭和六十年です。それと今を比較した資料を私は持ってきました。  今の子供の親の世代、昭和六十年当時、十一歳の男子の平均身長が百四十三・二センチです。平成三十年度は百四十五・五センチ。これは身長は伸びています。体重は、同じ十一歳で三十六・五キロから三十八キロです。体格は、ずっと大きく、重くなっております。  体力テストの結果は、五十メートル走とかは意外と横ばいでした。ただ、同じ十一歳のソフトボール投げ、男子は、昭和六十年は三十四メートル、今は二十七・九メートルです。女子は、昭和六十年、平均で二十・五メートル投げているんですけれども、今は十六・八メートルです。これは大きく下がっております。  続きまして、佐賀県の子供の体力の状況についてに移りますが、まず、昨年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」結果はどのようになっているのでしょうか。 50 ◯牛島保健体育課長=昨年度の調査結果についてお答えいたします。  まず、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の体力・運動能力に関する調査ですが、スポーツ庁が示す「新体力テスト」を用いております。そのテスト項目は、握力や上体起こしなど八項目ありまして、それぞれが記録に応じて点数化され、八項目の合計が体力合計点となっております。  この体力合計点の昨年度の本県の結果は、小学校五年生男女、中学校二年生男女の全調査対象で、平成二十年度以降、初めて全国平均値を上回りました。  また、全調査対象で前年度の記録も上回り、さらに小学校五年生男女と中学校二年生女子では過去最高値を出しております。  以上でございます。 51 ◯弘川委員=今御答弁いただいたのを決算特別委員会の資料で私はお聞きして、ぱあっと、本当に光が差したような思いになりました。  ずっと生活習慣も変わって、本当にそういう意味では情報がどんどん目まぐるしく変化して、スマートフォンとか、そういう端末とかもあって、なかなか運動するような機会に恵まれないような世の中になりつつある中で、下げどまりして、さらに上向いてきたというところは、これは大きな成果だと本当に思いました。  平成三十年度は、調査開始以降、初めて全ての部門で全国平均値を上回ったということが一点です。  小学校五年生の男女と中学校二年生の女子が過去最高値を記録したということが二点目です。  そして、小学校五年生女子が、一週間の運動時間が一時間未満の割合、これは低いほうがいいに決まっておりますけれども、平成二十七年、平成二十八年は全国平均値より高かったけれども、平成三十年はかなり縮まった、二極化の改善が図られつつあるという報告も受けております。  現状認識はある程度できました。  それでは次の質問は、この十年間でどのように推移しているのかをお尋ねいたします。 52 ◯牛島保健体育課長=ここ十年間でどのように推移してきたかお答えいたします。  平成二十年度の調査開始以降の体力合計点の推移は、中学校二年生の男子については記録の上下はありますが、常に全国平均値を上回っており、女子はしばらく低下傾向にあったものの、平成二十七年度から上昇傾向に転じ、以降は全国平均値を上回っております。  一方、小学校五年生は男女とも平成二十六年度まで低下傾向が続き、全国平均値を下回ることが多い状態が続いておりましたが、男女とも平成二十七年度以降は上昇に転じ、男子は平成二十八年度から昨年度まで全国平均値を上回っており、女子は昨年度に初めて全国平均値を上回ることができたところでございます。  以上でございます。 53 ◯弘川委員=御答弁いただきました。  このような結果を踏まえて、平成二十年ぐらいから取り組まれて、それで平成二十六年、平成二十七年ぐらいから少しずつ兆しが見られて、ここ三、四年の間で、ぐっと上がってきたというところなんですけれども、体力の状況をどのように認識されていらっしゃるかお尋ねいたします。 54 ◯牛島保健体育課長=子供の体力の現状についてどのように認識しているかということです。  本県の子供の体力の現状につきましては、昨年度の調査結果から、先ほども申しましたように全国平均値を超えておりますが、昨年度の運動習慣の調査によりますと、一週間あたりの総運動時間が一時間未満の、余り運動をしない女子児童生徒の割合が、小学校五年生で約七人に一人、中学校二年生で約六人に一人となっております。  先ほど委員のほうからもおっしゃられましたけど、全国との差が近づいてはきております。二極化が改善されつつございますが、まだこういうふうな割合で、特に女子の児童生徒に課題が見られるというふうに考えております。  このように、運動をしない、余りしない子供が少なからずいるということから、当然、体力が身についていないと思われる児童生徒、こういった子供たちへの働きかけが課題であるというふうに捉えております。  以上でございます。 55 ◯弘川委員=女子に少し課題があるというところなんですけども、やはりここまで体力が下げどまりして上昇傾向に向かったということは、恐らく並大抵の努力じゃなかったと私は思います。私はずっと伊万里市に住んでいましたけど、四、五年ほど前、近くの山代東小学校とか二里小学校で、スポーツの取り組みが少しずつ大きくなって、それがどんどん広がっていくというところは肌で感じておりました。  そこのところの取り組みを、どういう取り組みでここまで来たのかというのは、やっぱり正しく分析して、正しく評価しないといけませんので、これまでの県教育委員会の取り組みについてに移りますけれども、体力の向上をどのような考えで進めてこられたのかをお尋ねいたします。 56 ◯牛島保健体育課長=取り組みに当たっての考え方についてお答えいたします。  中学校におきましては、日常的に運動部活動等で運動を行う機会がありますが、小学校にはそのような運動の機会が少ないことから、本県におきましては、小学生における体力の向上を図ることを主眼として、取り組みを進めることといたしました。  まずは、体を動かすことの楽しさや心地よさを子供に経験させることが必要であると考え、体育の授業の充実を図ることといたしました。  また、「新体力テスト」の記録にのみ一喜一憂するのではなく、運動やスポーツの楽しさや喜びを味わわせることで、子供たちが運動を好きになり、そのことが運動の習慣化につながり、結果として体力が向上するという考えのもと、子供が楽しく体を動かすことができるような取り組みを進めることといたしました。  以上でございます。 57 ◯弘川委員=よくわかりました。「新体力テスト」の記録のみに一喜一憂することなく、もっと土台で運動とかスポーツの楽しみを味わわせて、それが結果的に記録に結びつく、これはすばらしい取り組みだと思います。  続きましては、このような考え方で方針を決められて、これからが私、一番興味があるところなんですけれども、具体的にどのようなことを行ってこられたのかをお尋ねいたします。 58 ◯牛島保健体育課長=取り組みの具体的な内容についてお答えいたします。  先ほど述べました考え方に基づきまして、平成二十五年度から、子供の体力向上のための新たな取り組みを始めました。  平成二十五年度には、小学生が楽しく運動に親しみ、体力向上を図ることができるよう「スポーツチャレンジ」を開始しまして、啓発ポスターを作成、配布するなどして、県内の各小学校に積極的な参加を呼びかけました。  この「スポーツチャレンジ」は、走力、投力、体の柔軟性など、さまざまな体力要素を盛り込んだ運動七種目について、小学校の各学級で種目を選んで取り組めるようにしたものでございます。  例えば、持久力や巧みな動きを高めるため、長縄を使った「8の字跳び」や、手をつなぎ輪をつくった友達とフープをくぐっていく、柔軟性が必要となる「みんなで輪くぐり」などの種目を設定しております。これは何度でも挑戦できるものとしておりまして、その記録を学校から県のほうに報告してもらって、その結果について、県のホームページ上にウエブランキング方式で掲載するようにしております。  また、子供の意欲及び学校の取り組みの推進を図るため、先ほど申しました「スポーツチャレンジ」において、取り組み頻度の多い学校や種目別で上位の成績を上げた学級に対して、県教育長による表彰もこの年度から始めております。  平成二十六年度からは、「新体力テスト」を全児童対象に実施することにあわせまして、子供の体力の状況を記録できるカードを作成しました。この記録カードは六年間を通して使用することにしており、子供たちにとっては体力が向上していく様子が一目でわかるように工夫しているところであります。  また、子供の体力向上については、家庭との連携も欠かせませんので、記録カードについては、学校、子供、保護者が共有できるようにし、保護者の子供の体力向上への理解や関心が高まるようにしているところでございます。  平成二十七年度からは、小学校の体育の授業の充実を図るため、国の事業を活用しまして、退職教員や理学療法士、レクリエーション協会の方を授業協力者として活用しているところでございます。  さらに、平成二十九年度には、体力向上に向けてのより一層の機運の醸成を図るために、体力向上に係るキャラクターの募集を行いました。県内の小学校から三百五十五点の応募があり、翌年度から、その優秀作品四点をポスターに起用するなどして、「スポーツチャレンジ」参加への啓発を行っているところでございます。  以上でございます。 59 ◯弘川委員=「スポーツチャレンジ」という取り組みが大変よくわかりました。  このランキングというのも、集計してランキングをアップされるのは意外と大変なんでしょうけども、やっぱりそういうのが子供たち、学校の担任の先生、管理職の皆さん方も、「ああ、ここに出ている、今は何位だよ」みたいな感じでモチベーションにもなりますので、これは非常にいいことだと思います。  平成二十年からは授業の協力者、そして、平成二十九年には機運の醸成ということでキャラクターを募集されて、それで、ことしの二月八日でしたよね、教育長の表彰があって、スポーツチャレンジ賞やスポーツチャレンジエントリー賞、そして、敢闘賞まで設けられて、こういうところが広く普及させる一つの要因ではないかなと思っております。  次は、こうした取り組みの成果を現状ではどのように分析されているのかをお尋ねいたします。 60 ◯牛島保健体育課長=取り組みの成果についてお答えいたします。  これまでの取り組みによりまして、先ほど述べましたが、昨年度は全調査対象において、初めて体力合計点が全国平均値を上回るに至りました。  また、小学校で実施している「スポーツチャレンジ」への参加ですが、取り組み開始時の平成二十五年には五十八校、延べ四千学級のエントリー数でありましたが、昨年度は百二校、延べ一万二千学級がエントリーするまでに広がり、その取り組みが浸透しつつあると感じているところでございます。  取り組んだ学校からは、子供たちが目標を持って、自分たちから主体的に練習するようになった。また、できない子を非難するのではなく、できない子を励ましたり一緒に練習したりする子がふえたなど、体力向上のみならず学級づくりにも役立っているというような感想が届いているところでもあります。  以上でございます。 61 ◯弘川委員=分析されているということですね。  私もホームページを隅から隅まで読ませていただきました。「たてわりでちょうせん8の字とび」、二百九十四チームの参加、「ドッジボールラリー」、延べ千二百七十九学級の参加、「れんぞく馬とび」に至っては六百四十七学級ということなので、やはり学級単位の小さいところからやって、全校に広がっていく過程がよく見てとれます。  ただ、平成三十年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」における結果についてのうち、少し気になる添付資料がありました。それは、中学校の部活動や地域のスポーツクラブへの所属調査の中です。
     運動部所属の割合は、中二の男女とも全国平均を上回っているんです。だから、佐賀県の中学生は学校の運動クラブ、文化活動にはしっかり入っているんですけども、地域のスポーツクラブへの所属、この項目がアンケート結果では下回っている。それだけ地域が若干縮小傾向になって、子供たちの身近な社会体育の指導者が少しずつ距離を置いていっているという現状がありますので、ここら辺が少し課題かとは思いますけれども、現在まで具体的な取り組みによって、また、地道にスポーツチャレンジへの呼びかけやランキング、表彰などでモチベーションアップは正しく評価されるべきものと私は考えます。  一番大切な今後の取り組みについてに移ります。  今後はどのように進めていかれるのかをお願いします。 62 ◯牛島保健体育課長=体力向上に向けた今後の取り組みについてお答えいたします。  まず最初に、学校における取り組みについてでございますが、学校における体力向上の取り組みの中心となるのは、当然、体育、保健体育の授業であります。特に、小学校期における体育の授業が重要であると考えております。  引き続き小学校において、退職教員等を授業協力者として活用するなどして、児童が意欲的に運動に取り組む授業づくりや指導方法を現場で助言してもらうなど、体育授業の充実及び教員の指導力向上を図る取り組みを進めてまいりたいと考えております。  また、「スポーツチャレンジ」も引き続き実施していき、種目の工夫改善等を図りながら、子供たちがさらに運動に親しみを持って取り組めるものにバージョンアップしていくとともに、周知の方法も工夫して普及啓発に努めていきたいというふうに考えております。  なお、これらの取り組みを推進していくためには、教員自身が体力向上の重要性について理解し実践していくことが必要でございますから、本年度より、小学校の初任者対象の研修に「スポーツチャレンジ」などの体育実技を取り入れて、運動やスポーツの楽しさや喜びを味わうことの大切さを伝えたところでございます。  今後とも、このような取り組みを通しまして、全ての学校における体力向上の取り組みを支援していきたいと考えております。  以上でございます。 63 ◯弘川委員=問一の一番大切な一問が最後に残っておりまして、問二の方向に、午後からそっちの方向でいきたいと思いますが、委員長いかがでしょうか。 64 ◯古賀陽三委員長=もう最後まで入られても構いません。よろしいですか。 65 ◯弘川委員=はい。 66 ◯古賀陽三委員長=そしたら、暫時休憩に入りたいと思います。十三時をめどに委員会を再開します。     午前十一時五十八分 休憩     午後一時一分 開議 67 ◯古賀陽三委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 68 ◯弘川委員=今後はどのように進めていくのかというところで答弁をいただきました。  やはり小学校、中学校それぞれスキャモンの成長曲線みたいなところもありますし、小学校の低学年、中学年、高学年、そして中学校といったところで、恐らく旬があると思うんですよね。スポーツの種目というか、そこら辺も今後の工夫改善に生かしていっていただきたいと思います。  そして、来年四月からはたくさんの小学校の先生が入られますので、そこら辺の体育の実技をやるとおっしゃっていましたので、しっかりと伝えていってもらえたらいいと思います。  体力も学力もそうであるように、学校以外のところで一人で何をやるかというところがやっぱり一番大切になってくるのではないかと私は考えております。  一人で運動する、一人で勉強するといったときに、どうしてもやっていることが解いていて楽しいとか、やっていて楽しいという気持ちが、家に帰っても、歩いたり、家に帰って一人で勉強したり、そういうところにつながっていくのではないかと思っております。  それでは、最後の質問なんですけれども、先ほどから家庭と連携した取り組みということをおっしゃっておられました。  体力テストの一年から六年までの成績表を家庭に見てもらったり、自分の成長をその成績表でこれだけ伸びたとか、これだけタイムが縮まったとか、いわゆるポートフォリオ的な自分の頑張ったことへの振り返りということで、先ほど教育長がおっしゃったように自己有用感とか自己肯定感が育まれていくのではないかと思います。  その家庭と連携した取り組みは今後どのように進めていかれるのかを最後にお尋ねいたします。 69 ◯牛島保健体育課長=家庭と連携した取り組みについてお答えいたします。  繰り返しになりますが、子供の体力向上の取り組みを進めていく上で家庭との連携は必要であると考えております。  これまで取り組んできました体力の通知表である体力記録カードの活用を継続するとともに、カードに掲載しております体力に大きくかかわる食に関する事項についても理解が進むよう、その効果的な活用を広めてまいりたいというふうに考えております。  また、今年度からスポーツチャレンジの種目に「みんなでウォーキング」を新しく設定いたしました。これは、歩く機会が少なくなった子供たちが歩くことの楽しさを味わいながら、体力の向上とともに歩く習慣化を目指した取り組みでございます。  今年度は初年度であって、それと歩数計の準備等の課題もございまして、県教育委員会が把握している実施校は十三校にとどまっておりますが、実施した学校からは、登下校時に徒歩で通学する子供がふえたとか、保護者からも、ともに歩いて親子の会話がふえ、夕食もさらにおいしくなったという声があるといった報告もありました。  これは県が進めております「歩こう。佐賀県。」の取り組みにもつながるものと考えており、家庭におきましてもウォーキングアプリ「SAGATOCO」を入れた保護者と歩数計を持った子供がともに楽しみながら歩く習慣が広まっていくよう、今後とも関係各課と連携していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 70 ◯弘川委員=本当に夢のあるような取り組みというところで、大変うれしくなりました。  ホームページを見ていますと、「みんなでウォーキング」の感想が上がっておりました。今、牛島課長がおっしゃったのは、車で学校まで行く子が歩数計を持ったことで歩いていくようになったということをおっしゃいました。  それで、「歩数計をちゃんと持った?」と友達から言われるという機会もホームページには書かれておりました。そして、帰宅後に父親と一緒にウォーキングして、父親との会話がふえたということも書いてありました。  逆に子供のほうから父親に対して一緒に歩こうみたいな感じで言われると、これは親としたら本当にうれしい限りでございまして、子供との会話というのが少しずつ広がればいいなと思っております。  さらに言うならば、外遊びをしなかった子が外で遊ぶようになった。これが一番体力向上の──あくまでも平均ですので、二極化でほとんど外遊びをしない子がすることで、ぐんと体力向上が図れるものと思っております。  やはり子供たちの歩きの意識化が逆に親への触発や相乗効果として、私も一般質問で申しましたけれども、「SAGATOCO」と歩数計の連携を十分にとっていただいて、ますます体力が向上して、ひいてはそれが必ず学力向上につながるものと信じております。  そして、冒頭に申しました筋肉の貯金、骨の貯金ということが二十年後、三十年後、本県の学力向上や健康増進につながっていくことを期待して、次の項目に行きたいと思います。  二問目は、県立学校における学校図書館のあり方についての質問です。  本県は二十年前、先ほど教育長も言われたように、ICTの先進県を地で行く、九州で初めてとなる学校図書検索ソフト「探検隊」というのがありますけれども、それを全ての県立学校四十四校に導入して、県立学校図書館の充実を図られてきました。  学校図書館の機能と役割は次の三点に集約されると思います。  一つは、児童生徒の読書センター、学習センター、そして情報センターの役割です。  二つ目は、教員の授業改善や資質向上のための教員サポート機能です。  そして三つ目は、子供たちの居場所の提供という役割があると思います。  こうした機能が明確に位置づけられたのは最近のことですが、現在、全国の多くの県立学校図書館は読書センターに特化して展開されているようにも見受けられます。  近年、時代の節目が大きく変わり、オープンイノベーションや地方創生の観点から、求められる図書館のあり方も転換点を迎えています。  こんな折に、十一月十六日の土曜日、県立図書館に行ってまいりました。第二回目のワークショップでした。私も参加したかったんですけれども、締め切りに間に合わずに見学だけという形になりましたが、みんなが利用したくなる図書館への改善というのが大きなテーマでした。有意義なディスカッションの場であって、本当に若い子から御年配の方まで、あらゆる多様性に富んだ図書館愛にあふれた方々の集まりでした。  最後に四グループから発表があったんですけれども、四グループの三人が高校生と大学生でした。非常に若い方々が自分たちのグループの意見を集約して、きちっと言われる見事なプレゼンテーションでした。  その中では、やはり情報と人、人と人をつなぐ利活用が満載でした。そして、ソフト面とハード面、双方の課題をきちっと抽出して、具体的な解決策まで示していただきました。  私は、そこのワークショップに参加して、それからどういうあり方がいいのかというのをずっと考えていました。そこで、ワークショップでのヒントとか気づきから県立学校図書館への問いが立ち上がったわけです。  今ある資源で効果的、効率的なやり方はないのか。アクティブゾーンを片隅につくれないだろうか。最後は、子供たちの図書館、子供たちのものです。それを囲む我々大人が大人の役割を果たすべきという問いです。  質問に入ります。  図書館資料の整備状況についてです。  県立高等学校及び県立中学校の図書館資料の購入額はどのように推移しているのかをまずお伺いいたします。 71 ◯野田学校教育課長=図書館資料の購入額の推移についてお答えいたします。  図書館資料の購入額につきまして、過去三年間を見てみますと、一校当たりの平均額でございますけれども、平成二十八年度がおよそ四十四万七千円、平成二十九年度はおよそ四十二万一千円、平成三十年度はおよそ四十七万七千円となっておりまして、年度ごとの大きな変化というのはないところでございます。  また、学校ごとに見てみますと、平成三十年度でございますけれども、最も多い学校では七十七万六千六百二円、最も少ない学校で二十五万円ちょうどとなっているところでございます。  以上でございます。 72 ◯弘川委員=今、三年間の購入額を示していただきました。  二〇一九年度、今年度の学校図書館用の図書平均単価を調べさせていただきました。  直近の大体おおよそこのぐらいの目安ですよという図書購入費、小学校とか中学校とか高校はこの平均額を換算して予算に反映したり、これだったら幾らぐらい、何冊買えるだろうかというおおよその目安です。  中学校は千八百二十九円でした。高校は千九百七十三円、これが直近、最新の図書平均単価です。いずれも本体価格ですので、大体一冊二千円と見ればいいんじゃないかと思います。  したがって、仮に一校当たり五十万円としますと、おおよそ二百五十冊、いろいろ図書とかCDとか視聴覚とか、そこら辺の若干の開きはあると思いますけれども、大体そのぐらいの感じです。  そして、佐賀県議会で学校図書館ということで過去に議論があったのかどうか、ずっとさかのぼって調べさせていただきますと、過去の議会の議事録で、これは多分トータルだと思いますけれども、平成八年が三千五百万円、平成九年が三千九百万円、平成十年が四千百万円という議事録の内容でした。  次の質問は、図書館資料はどのような方針で選定を行い、さまざまなニーズをどのように反映されているのかをお尋ねいたします。 73 ◯野田学校教育課長=図書館資料の選定方針についてお答え申し上げます。  学校図書館におきまして図書館資料を十分に備えることは非常に重要なことでございまして、その選定は図書館の運営におきまして大切な要素の一つであると考えております。  各県立学校におきましては、学校の教育目標や、あるいは学校の特色を踏まえまして、図書館資料の選定を行っているところでございます。  例えば、佐賀工業高等学校では、心身ともに健全でたくましい工業技術者を育成することを目標として掲げておりまして、工業系の内容に関する書籍を多く選定しております。  また、唐津東高校では、地域や国際社会の発展に貢献する、高い知性と志を備えた心身ともにたくましい生徒を育成することを目標として掲げておりまして、進学の際に必要となってまいります小論文研究などに役立つ図書を充実させているところです。  また、神埼清明高校は、佐賀県教育委員会が「がん教育総合支援事業推進校」に指定していることもあり、がんや、がんの治療に関する書籍を多く取りそろえています。  一方で、図書館資料の選定に当たりましては、生徒が読みたい本や教師が生徒に読ませたい本を備えることも重要でございます。  そこで、生徒や教職員のさまざまなニーズを捉えまして、それを図書の選定に反映させていくために、購入を希望する本につきましてアンケートを実施したり、あるいはリクエスト用紙で希望を募ったりするなどして、図書館資料の選定に反映させているところでございます。  以上です。 74 ◯弘川委員=しっかり取り組んでいらっしゃるというところが答弁でわかりました。  普通校もあれば実業高校もあります。それぞれの学校の特色を生かして、目標から逆算してこういう図書を選定されているというところで、いいと思います。  それでまた、アンケートを実施、リクエスト用紙、そこら辺も十分にやられているとは思うんですけれども、やられているところは恐らくしっかりやっていらっしゃると思います。やっぱりそこら辺の各学校による若干の温度差はあると私は思います。  この二つの質問をしたのは、次のような背景があります。  平成十三年、「子どもの読書活動の推進に関する法律」が制定され、おおむね五年に一度、子供の読書活動の推進に関する基本的な計画を策定されます。  二年前に行われたその有識者会議の検討事項は三つありました。その三つの中の一つに高校生が読書をするようなきっかけづくりという項目があって、それに対して有識者が会議で検討をしております。  その検討結果をもとに第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」が平成三十年、昨年の四月、閣議決定されました。  その概要版には、情報通信技術の普及によるスマートフォンの保有率の急増など子供を取り巻く環境の変化が見受けられ、子供の読書について高校生の不読率の上昇が課題とあります。不読率というのは、先ほどの体力のところでもありましたけれども、一カ月に一冊も本を読まない割合のことです。  割合が低ければ低いほど読んでいるということなんですけれども、ちなみに平成二十九年の数値は、小学生は五・六%です。ほとんど読んでいるということです。中学生で一五%、高校生に至っては五〇・四%です。半分の高校生が一カ月に一冊も本を読んでいないという実態が明らかになっています。  また、その概要版での推進体制として、高校を所管する立場から高校生の不読率改善に関する取り組みを都道府県は実施してくださいとあります。  次の質問は、学校図書館の運営体制と生徒のかかわりについて質問させていただきます。  まず、運営体制はどのようになっているのかをお尋ねいたします。 75 ◯野田学校教育課長=学校図書館の運営体制についてお答えいたします。  各県立学校では、学校図書館の運営を行う校内組織を設けております。この組織は、司書教諭や司書などによって構成されておりまして、校長の指導監督のもと、円滑な図書館の運営に当たっているところでございます。  以上です。 76 ◯弘川委員=意外とそっけない答弁でした。もう少しいろんなことをやっていらっしゃるのかなと私は期待をしておったんですけれども、いわゆる校長先生のリーダーシップのもと、これは恐らく長年の積み重ねでしっかりとした運営体制が育まれて、それを踏襲してやられているということで理解いたします。  そしたら、次は学校図書館の活動に生徒はどのようにかかわっているのかお尋ねいたします。 77 ◯野田学校教育課長=学校図書館の活動における生徒のかかわりについてお答えいたします。  学校図書館における活動といたしましては、図書館資料の選定や貸し出し、蔵書の整理、生徒の読書指導、広報活動、また、図書館自体の環境整備など多岐にわたることがございます。これにつきまして、各クラスの代表などから組織されました生徒図書委員会などが、それらの活動に主体的に携わっているところでございます。  具体的には、昼休みや放課後の図書館資料の貸し出し業務や、校内読書会などの行事の企画、あるいは運営などに携わっておるところ。また、季節の行事に合わせて館内のレイアウトや、あるいは読んでほしい本につきまして手書きのポップで紹介をするとか、新刊案内のコーナーを工夫して設置するなど、生徒が自然と図書館に向かいたくなるようなアイデアも見られるところでございます。  以上でございます。 78 ◯弘川委員=数々の学校によって、やはり図書館を愛する若干の温度差があると思うんですけれども、私は高校のホームページを全て見させていただきました。  学校だよりがあるところが武雄高校と小城高校でした。もしかしたら、もう一校か二校ぐらいあるかもわかりませんけれども、武雄高校の図書館だより、平成二十九年四月号からしかありませんでしたので、非常に残念だったんですけれども、ここは本当にすばらしい、引きつけるような、読みたくなるようなホームページ、図書館だよりでした。
     例えば、図書委員一押しの本を紹介、貸し出しが多かった本、これは先ほど申しました「探検隊」というソフトである程度ばっと集計が出ますので、ICTをいち早く取り入れられた成果がこういうところにあらわれていると思います。  新着文庫の紹介、先生のお勧めの本、そして、平成二十九年は芥川賞、直木賞の受賞作。そして、これなんかは生徒が図書館に行ってみようかなと思うんでしょうけど、映画化された本のコーナーをつくりましたという企画ですね。あとは年度のクラス別の貸し出し数もありました。  さらには先輩から後輩へお勧めの本、これもいいですよね。高校三年生が新入生に向かってお勧めの本。あとは新任先生を紹介するとともに、その新任先生に本を一冊紹介してくださいということですね。  あと一、二年生の探究二の学習の参考図書の案内、クラス読書会の案内、あとは恋愛小説に特化した企画、高校時代に読んでおきたい本などといったすばらしい取り組みを武雄高校はされております。  小城高校を紹介しますと、タブレットPCに図書委員がたくさんの新聞記事を配信されています。  こういったように、学校によっては本当に図書館に行きたい、そういう情報提供を本気でやっていらっしゃるところもありました。  牛津高校などは服飾関係がありますので、ファッション関係の雑誌が多くあるみたいです。  さらに、私の地元の伊万里高校では高校生のビブリオバトルを数年前から取り組まれて、自分が読んだ本をしっかり紹介して、書評合戦をやられているそうです。  こういったように、それぞれの学校で特色を生かしていろんな取り組みがされております。  次は、その現状を踏まえて、学校図書館のさらなる充実に向けた今後の取り組みです。これが大切になってくるかと思います。  先ほど図書購入費の予算を教えていただきましたけれども、私は決してその金額が少ないとは思っておりません。したがって、図書購入費の増額は全く求めていません。限りある財源、限りある資源でいかに効果的、効率的にやっていくかというところがこれからは大切になってくるのではないかと思っております。  先ほど申しましたように、不読率を今より低くするためには、先ほど申されましたが、いま一度ニーズを把握する必要があるのではないかと私は思っております。  冒頭に言いました教員の授業改善や資質向上のための教員サポート機能を強化するとともに、進学校、工業校、商業校、情報、農業、服飾などの特色を生かした学校カラーにいま一度求められる──例えば、先生のこういうのを買ってほしいという要望ニーズが潜んでいると思われます。生徒や教員の新たなニーズをすくい上げることも、今までと違ったやり方も必要ではないかと思うわけであります。  また、佐賀県立図書館では、高校生のためのブックナビとしてサポート体制もとられています。高校生のための県立図書館通信、これは私、調べるまで存じ上げておりませんでした。こういう県立図書館との連携もしっかりやられているということです。そして、県内の高校などの図書館へ図書貸し出し、これもやられています。そして、高校読書支援図書セットというのがあるそうです。これも貸し出しがあります。  こういったところをしっかり情報共有というか、お互いに支援し合いながら、特色を持って充実した活動やアクティブスペースを創造するためにどのようにこれから取り組んでいかれるのかをお伺いいたします。 79 ◯野田学校教育課長=学校図書館の充実に向けた今後の取り組みについてお答えいたします。  先ほど御説明いただきましたとおり、学校図書館の持つ読書センター、学習センター、情報センターの三つの機能、あるいは教員のサポート等々、これらをさらに充実させていくということにつきましては、非常に大切なことであるというふうに捉えております。  そのことを踏まえまして、各県立学校では、生徒や教職員のニーズをしっかり反映させた図書館資料の選定、今までも行ってはきております。あるいは広報活動、これらについても行ってきております。このような図書館の運営をこれまでも行ってきているところではございますけれども、このような取り組みを引き続きさらにしっかりとした形で実施を促してまいりたいと考えております。  また、新刊の紹介や図書館内のレイアウトの工夫など図書館に向かいたくなるような企画、あるいは図書館の活性化に資するイベントの開催などすぐれた事例につきましては、学校訪問などの機会を捉えまして、情報を私どもで収集し、情報提供にも努めてまいりたいというふうに考えております。  今後とも、学校図書館における図書館資料や環境の整備状況、活動の状況などを把握するとともに、適切な運営となるよう指導助言を行ってまいりたいと考えておるところでございます。  以上です。 80 ◯弘川委員=さらなる取り組みをよろしくお願いしたいと思います。  個人の能力を最大限に引き出すために惜しみない援助をするところがやっぱり図書館だと思います。図書館に行って、歴史とか、本当にその方が何十年かけて生きてこられたエッセンスが一行、二行で凝縮されている言葉に出会うことで、子供のすごい力になって、やっぱり人間関係だけではなくて、本からそういう自分の生き方というのを選択して、それを絶えず頭に浮かべて生きていくという子供たちも必ずいると思いますので、さらなる充実をお願いしたいと思います。  最後の質問は教育長にお尋ねさせていただきます。  二〇一六年に示された学校図書館ガイドラインの運営の項目があります。イの一番に、最上段にあるのはこういう文章です。「校長は、学校図書館の館長としての役割も担っており、校長のリーダーシップの下、学校経営方針の具現化に向けて、学校は学校種、規模、児童生徒や地域の特性なども踏まえ、学校図書館全体計画を策定するとともに、同計画等に基づき、教職員の連携の下、計画的・組織的に学校図書館の運営がなされるよう努めることが望ましい。」、控え目な文章なんですけどね。最後に、「例えば、教育委員会が校長を学校図書館の館長として指名することも有効である。」ということです。だから、それぞれの教育委員会が自由裁量もあると思われます。そういうことも踏まえた上で、よかったら指名することも有効ということが、やっぱりそうしてほしいなという意図が隠されているのかなという感じです。  今まで話してきましたように、今ある資源、今ある予算で効果的な運営面、そして、アクティブゾーンを片隅に形成したり、大人は大人の役割を果たす意味で、校長の果たす役割は極めて大きいと私は思います。これについて、教育長の御所見をお願いしたいと思います。 81 ◯落合教育長=私のほうには、学校図書館の運営における校長の役割についてお尋ねがありました。  学校を訪問するに当たって、図書室、図書館というのを見させてもらうようにしています。やはり学校の中では一種独特の雰囲気があって、そこが先ほど御指摘があったような読書センター、学習センター、情報センター、物理的にそういう条件を今の県立学校の図書館、図書室が十分備えているかというと、心もとない面はありますけれども、そういう機能を担っていかなきゃいけないなというふうに思っています。  先ほど御指摘がありました高校生の不読率が五〇%というのは、我々は非常に危機感を持たないといけないと思います。そういった中で、高校生に読書を勧めていくに当たって、身近にある学校の図書館というのを十分活用していくというのは有効だろうというふうに思います。  先ほど委員のほうから、校長がそのリーダーシップを発揮すべきという御指摘がありました。文科省のガイドラインには、確かに校長を館長として指名することも有効であるということが記述されております。意味するところは、館長という職を充てるかどうかは別にして、しっかりと校長がイニシアチブを持ってその図書館の運営にかかわる、責任を持つということなんだろうと思います。  いろんな学校を回って、それぞれの学校の特色に応じた、例えば、実業系の高校であればその専門の蔵書が充実していたり、あるいは最近の佐賀を誇りに思う取り組みを受けて、そういった関連の図書をコーナーを設けて紹介されているような学校もありましたし、いろんな取り組みのやり方があるんだろうと思います。  また、先ほど御紹介がありました、学校でつくられている図書だよりですが、先ほどみたいな非常に充実したものになれば、生徒を読書のほうにいざなう有力なツールになるんだろうと思います。  そういういろんな取り組みをするに当たっても、それぞれの学校においては校長がしっかりとリーダーシップを発揮してもらわないといけないと思います。そういう点については、県の教育委員会としても各学校のほうにしっかり働きかけをしてまいります。  以上です。 82 ◯弘川委員=今おっしゃったように、不読率というのに私は少し危機感を抱いております。管理職の方が図書館に目を向けてもらうというだけで、私は随分変わると思われます。例えば、校長先生が全校集会のときに本のことを一文だけでもおっしゃったり、ビブリオバトルの催しとか読書会の催し、学校内の催しに、お忙しいとは思いますけれども、ちょっと教室の中をのぞかれると、やっぱり教職員が、校長みずから来られているからということもあるでしょうし、そこら辺が今後の学校図書館のあり方で、管理職の方に目を向けていただくというのが大切と思われますので、その取り組みをぜひよろしくお願いします。  一問目は筋肉と骨の話をしましたけれども、筋肉は鍛えたら外から見えるんですよね。でも、骨は外から見えません。読書というのは、ひいては骨の栄養に届くであろうし、恐らく心の片隅の大事なポケットにしまうような、そういう効果があると私は信じておりますので、遠い将来、必ずその子の力になると信じて質問を終わろうと思ったんですけど、一個だけ最後につけ加えさせていただきます。  質問のやりとりのときには、私は全くこういうことは思い浮かばなかったんですけれども、今週になって、やっぱり同じことをずっと考えると、天からヒントがぽっとおりてくる瞬間があるんです。言葉もおりてきます。そうなったときに、県立高校の学校図書館はどうしたらいいんだろうかみたいな感じでずっと自問自答していたら、ふっとひらめいたことが、各学校がそれぞれのやり方をされていらっしゃいます。それで、一生懸命やられても、やはりどうしても壁というか、そういうところにぶち当たります。そしたら、例えば一人、県立高校、県立中学の統括司書を置いて、ずっと回られたら、これはうまいことずっと光が当たっていくのではないかなという気がしたんです。  先日の県立図書館のワークショップでファシリテーターをされた岡本さんという方がいらっしゃいます。この方は八面六臂の活躍で、至るところで図書館の活性化に火をつけていらっしゃる方です。たまに私もメッセージでやりとりをさせていただくんですけれども、やっぱり人でしかなかなか変わらないよと、そういうことが一つのヒントになりました。全国を回っている岡本さんは、佐賀県は全国の中でも司書がすばらしく優秀な県ですとおっしゃっていました。これは間違いないことだと思います。  だから、図書館は、最後は人の企画力とか提案力にかかっていると思うんです。だから、統括司書というのをある程度近い将来置かれて、一時間以内で佐賀市からほとんど行けますので、その方にずっと指導していただくとなれば、さらにもっとアクティブスペースが展開されるのではないかとちょっと思いましたもので、質問のやりとりの中では浮かばなかったので、一応提案として言わせていただきました。これで質問を終わります。 83 ◯下田委員=下田寛でございます。今回、大きく二問、里親制度と骨髄移植に関する支援についてという項目で質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  まずは、里親制度について質問をさせていただきます。  この件については、今議会で佐賀県家庭的養護推進計画(仮称)の策定状況について報告がなされておるものを踏まえての質問でございます。  これによると十二月中にパブリックコメントを行い、今後推進をしていくという流れになっておりますけれども、その背景として、平成二十八年に児童福祉法の改正があって、子供を家庭で養育するという理念がここで明確になっております。そして、平成二十九年八月に厚生労働省から「新しい社会的養育ビジョン」が発表されまして、ここで家庭養育優先原則の実現に向けた里親委託率の目標や、里親に関する業務、いわゆるフォスタリング業務の包括的な実施体制の構築に向けた計画を策定することが明記されております。  そこで、この国のビジョン等を拝見しておりますと、これから里親の数、あと里親委託率を一気にふやしていきましょうというような方針であるんですけれども、これだけふやすと、いやいや、ちょっと待てと、現場は本当に大丈夫なのかというような不安もよぎりましたことから、今回はそこの里親とフォスタリング業務のところに焦点を当てて質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。  まず一番目に、「新しい社会的養育ビジョン」について、この概要はどのように捉えていらっしゃるのかの説明をお願いしたいと思います。 84 ◯塚原こども家庭課長=「新しい社会的養育ビジョン」の概要についてお答えいたします。  御指摘のとおり、平成二十八年に児童福祉法の改正がございまして、子供が権利の主体であるとともに、家庭養育優先の理念が法で規定されております。家庭では愛情を持って養育されることが基本でございますけれども、それがかなわない場合には、家庭と同様の環境において児童の養育を推進することとされております。  「新しい社会的養育ビジョン」では、この法の理念を具現化、具体化するために、厚生労働大臣のもとに設けられました「新たな社会的養育の在り方に関する検討会」によりまして、平成二十九年八月に取りまとめられたところでございます。  このビジョンの概要につきましては、意義、それから骨格、実現に向けた工程の三構成から成っております。  実現に向けました工程は九項目から成っておりまして、「市区町村の子ども家庭の支援体制の構築」、「児童相談所・一時保護改革」、それから、委員が申し上げられました「里親への包括的支援体制の抜本的強化と里親制度改革」などが示されております。  里親の部分に関しましては、里親の開拓から、子供の委託、措置解除に至るまでの一連の里親支援業務におけます質の高い実施体制の確立を含めました充実強化、それから、専門性の高い一時保護里親、専従里親といった新たな里親類型の創設、乳幼児の家庭養育原則の徹底などが示されております。  以上でございます。 85 ◯下田委員=ありがとうございます。  それでは、それに関して佐賀県の現状と課題についてをお尋ねしたいと思いますが、この新ビジョンに関して、佐賀県の現状と課題をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。 86 ◯塚原こども家庭課長=新ビジョンにおけます佐賀県の里親制度の現状と課題についてお答えします。  先ほど申し上げました里親支援業務における質の高い実施体制の確立についてでございますが、里親支援業務におけます質の高い実施体制の確立を含めた充実強化につきましては、児童相談所に里親・ファミリーホーム班を設置いたしまして、県内の児童養護施設、里親会などの民間団体との連携を含めまして体制を構築し、里親研修、それから委託中の里親に対する心理的ケアなどの業務を実施しております。  それから、専門性の高い里親の創設ですけれども、近年、県内におきましても里親の一時保護委託が見受けられます。ビジョンに示されておりますとおり、一時保護委託に対応できる里親の確保と、その支援や研修の充実を図る必要があると認識しております。  また、虐待を受けました子供さんや障害のあるお子さんなど専門的な対応を行う専門里親がございます。県内では四人の登録となっておりまして、まだ十分とは言えないと認識しております。このビジョンに示されておりますように、医療的ケアの必要な子供や行動障害のある子供を対象として、一定の専門性を有しました養育に専念する専従里親の導入が検討されておりまして、県としてもその動向を注視していきたいというふうに思っております。  それから、乳幼児の家庭養育原則の徹底についてでございますけれども、乳児期というのは愛情関係の基礎をつくる時期でございまして、子供が安心できる、温かく安定した家庭で養育されることが重要でございます。  県内の里親委託率を見ますと、全体平均で三一・一%となっておりますけど、三歳未満は三一%となっております。今後、乳幼児に対しまして、里親・ファミリーホームへの委託をさらに推進していく必要があると認識しております。  以上でございます。 87 ◯下田委員=今、さまざまな現状と課題について示していただきました。  一つ概論として言えるところは、専門性を高めていかなければいけないというところは大きくあるだろうなということを改めて認識いたしました。  例えば、児童養護施設においても、これから里親にどんどん出していくというような方向性が示されておりますので、児童養護施設の中には、やはりさらなる養育というか、そういった課題を解決できるような職員がより多く配置されたりとか、専門性の高い職員を確保していくということが一つ挙げられると思いますし、乳幼児に関しても今お示しをいただきましたけれども、その点についても佐賀県として取り組んでいくというようなお答えをいただきました。  続いてお伺いしますけれども、それでは、里親研修の現状についてというところでお尋ねをしていきたいと思います。  冒頭申し上げましたけれど、佐賀県は今、全国平均を上回る形で里親の数、委託率が順調に伸びておりますけれども、国の方針においてはさらに伸ばしていくというような方針が示されております。となると、やはりそれを支える側のサポート体制も当然充実していかなければ、果たして今の現状で今後伸びていく目標に対しての対応ができるのかというところも課題となっていくはずですので、まずはこの里親研修の現状について、どうなっているのかをお尋ねしたいと思います。 88 ◯塚原こども家庭課長=里親研修の現状について御説明いたします。  まず、里親制度の中心となります養育里親を中心に説明したいというふうに思います。  養育里親の研修につきましては、平成二十一年四月から義務づけられておりまして、登録までに必要な研修としまして、基礎研修、それから登録前研修がございまして、登録後も五年ごとに登録更新の研修を受けることとなります。  まず、基礎研修でございますけれども、里親の希望者は、児童相談所などにおきまして里親制度についてガイダンスを受けまして、里親制度及び要保護児童を理解するための基礎研修の講義や先輩里親の体験談を受講することとなります。  それから、登録前研修でございますが、基礎研修を終えまして、養育里親になる意思を確認した上で、登録前研修の受講となります。  登録前研修では、里親が行う養育に関する最低基準、それから、子供の権利擁護、子供の心や体の発達などに関する講義や演習、児童養護施設などの実習を受けることとなっております。  それから、更新研修ですが、五年ごとの研修では、社会情勢や関係法の改正、子供の行動の理解、養育上の課題への対応などの講義を受けることとなります。  このほか、更新研修まで期間がありますことから、子供を委託しております里親を対象にスキルアップ研修を実施し、里親の養育能力の向上に努めているところでございます。  以上でございます。 89 ◯下田委員=現状についてお尋ねをいたしました。  続いて、里親支援業務のあり方についてということでお尋ねをしたいと思います。  いわゆるフォスタリング業務の概要についてなんですが、御承知でありますけれど、里親支援業務の包括的な実施体制の構築に向けた計画を策定することということが国から明確に示されているんですけれども、まず、この概要についてどのようになっているのかお尋ねしたいと思います。 90 ◯塚原こども家庭課長=里親支援業務の概要についてお答えいたします。  国のガイドラインにおきましては、里親支援業務──フォスタリング業務としては、里親のリクルート、これは新規開拓に当たります。それから、里親としての適正評価──アセスメント、それから里親の研修、子供と里親家庭のマッチング、委託中の里親に対する支援、里親委託が終了した後における支援、これは委託されていたお子さんが離れた後の里親の喪失感などをフォローするようなものですけれども、そういったことを挙げております。  この一連の業務につきましては、里親の強みと課題を理解し、里親や子供との間の信頼関係を築く観点から、一貫した体制のもとに継続的に提供されることが望ましいとされております。  以上でございます。 91 ◯下田委員=ありがとうございます。  リクルートから研修、トレーニング、マッチング、委託後の支援と交流といいますか、そういったところを一貫して包括的に見ていきましょうというようなことが、今、国から示されていると。課長の答弁では、望ましいということで国から示されているというお話でありました。  それでは、それを踏まえた上で、佐賀県の里親支援業務の現状というのがどのようになっているのかをお尋ねいたします。 92 ◯塚原こども家庭課長=佐賀県の里親支援業務の体制及び現状についてでございますが、里親支援業務につきましては、中央児童相談所に里親担当の児童福祉司一名を配置しておりまして、里親委託等推進員、これは非常勤職員ですけれども、四名から成る里親・ファミリーホーム班を置いております。それから、児童養護施設や乳児院には里親支援専門相談員や、里親制度の普及啓発を目指す里親会等との連携を含めまして、里親の新規開拓──リクルート、それから里親の研修、委託中の里親に対する支援などを行っているところでございます。  以上でございます。 93 ◯下田委員=今お話をいただきましたけれど、国が示している包括的な実施体制ということが果たして言えるのかというところは一つ課題としてお尋ねしたいところなんですけれども、そのような里親に対する──先ほど里親の研修についてもお尋ねしましたけれども、研修の実施体制なども含めて、今以上に厚くしていく必要があると思います。  その点も含めて、今、佐賀県の現状をお伝えいただきましたけれども、果たして国が示しているような包括的な実施体制ということが、今の現状の佐賀県としてどうなのかという点も踏まえて、現状における佐賀県の課題をどう捉えているのかをお尋ねしたいと思います。 94 ◯塚原こども家庭課長=研修体制を含めました佐賀県の課題についてお答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、里親研修につきましては、中央児童相談所の里親・ファミリーホーム班が民間機関の里親支援専門相談員と連携しながら実施をしております。  冒頭述べましたように、家庭養育優先の理念とともに推進計画を定めることとしておりますので、さらなる里親を確保する必要があるかと思います。委員御指摘のとおり、その確保のため、今後いろんな事情を持ったお子さんに対応できますように、社会的養護の子供を受け入れることの大事さやかかわり方など真の理解を得られるような、効果的な研修をする必要があるかと思います。  研修につきましては、中央児童相談所だけではなく民間の方とも連携しておりまして、平成三十年度までは児童相談所の職員がやっておりましたけども、平成三十一年度からは民間の方のお力をかりて、専門的な研修を受けられた方に来ていただいて、より効果的な研修などを受けておりますけど、まだまだ課題はあるかと思っております。  それから、本年四月に改正された児童福祉法施行令によりまして、本県においても、里親担当の児童福祉司を令和四年度までに二名新たに配置することとなっております。この里親担当の活用によりまして、委員御指摘の包括的な里親支援の評価を行いながら、しっかり実施していきたいというふうに思っております。  以上でございます。 95 ◯下田委員=国の指針も踏まえて佐賀県の課題に、人員の増員等も踏まえてやっていくというような御答弁であったと思います。  今後の対応についてというところで、国の指針を受けまして、里親の支援業務を今後どのように対応していこうと考えているのかをお尋ねしたいと思っております。  国は、とにかく包括的なシステムでやりましょうという大方針を出しておるんですけれど、そのガイドラインを見ると、事業の全部または一部を委託可能ということで、その自治体の現状に見合ったところを大前提とした上で、包括的な支援システムに取り組んでいただきたいというふうに私は理解をしているんですけれども、果たして今後、佐賀県として、国の方針を受けて、フォスタリング業務についてはどう対応を考えているのかをお尋ねしたいと思います。 96 ◯塚原こども家庭課長=里親支援業務の今後の対応でございますけれども、まず、改正児童福祉法で示されました家庭養育優先原則を実現するためには、まず、受け皿となります里親をふやす、量の拡大が一点、それから、質の高い里親養育を提供する質の向上が必要と思っております。  委員御指摘のように、新たな里親の開拓、あるいは研修、支援などを行うフォスタリング機関を実現する必要がございますが、法の改正によりまして、里親の開拓から児童の自立支援まで一貫した里親支援業務は、まずは児童相談所の本来業務に位置づけられたところでございますので、そこを基本に今後検討していきたいというふうに考えております。
     以上でございます。 97 ◯下田委員=まずは児相を中心に検討していくというお答えであったと思います。  四の最後の二番の包括的な実施体制についてお尋ねしたいと思います。  やはり国からは包括的な体制でということを示しているものだと私は認識しております。当然、佐賀県は今一生懸命やっていただいて、順調な伸びを見せていて、今後もそういった方針で、今、増員のお話もありましたけれども、しっかり進めていくということを言われていらっしゃるんですが、パブコメが終わって計画が決定していったら、恐らく委託の話とかも出てくると思うんですよね。それは発注の話とかになるので、ちょっとまだできないと思うんですけれども、国が今後は包括的な支援体制でいきましょうと言っているのであれば、佐賀県の現状も踏まえた上ですけれども、将来的にそういった体制に持っていくということをしていかなければいけないだろうなと思っているんですが、その点について、県では今後の包括的な実施について、どのように考えているのかをお尋ねしたいと思います。 98 ◯塚原こども家庭課長=今後の県の対応でございます。  先ほども述べましたけれども、まず、二名の里親担当の児童福祉司が配置されることになっておりまして、フォスタリング機関としては児童相談所が体制強化を図り、重要な位置づけになると考えております。  包括的なことをどういうふうに捉えるかでございますが、現在も民間の児童養護施設の皆様と里親会の皆様と一緒にやっておりますけれども、そういったものもどうやってやっていくのか、国からガイドラインを示されているように、民間のフォスタリング機関に全部委託する、あるいは一部委託するというのもございますし、国からは積極的な活用を促されております。  ただ、今後の包括的なフォスタリング機関に関しましては、本県の実情をしっかり分析する必要があるかと思っております。市町における里親の登録状況、あるいは担い手となります民間企業の強み、弱みなども含めまして、最も効果的で、子供にとって一番いい包括的な実施体制を検討していきたいというふうに思っております。  以上でございます。 99 ◯下田委員=当然、子供にとって一番最適な包括的なやり方を検討していきたいという御答弁をいただきました。  私、いろいろ現場の皆さんとお話させていただくと、果たしてこれから現場がどうなっていくのかというところが、やはり子供を守る体制、子供を育む体制を守りつつ、さらに専門性も上げていくという点からすると、今回の国の方針が本当に大丈夫なのかというような懸念がまだまだ聞かれるわけですよね。  今の答弁を聞くと、制度の設計自体が今からだというようなお話であると思います。なので、当然現場の方々の意見をしっかりと尊重していただきながらやってくださっているものだと思うんですけれども、子供にとって一番最適な佐賀県のシステムを、国の流れにも沿った中でやっていかなければならないでしょうから、そういった点は十分注意をして進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  では、次に移りたいと思います。  次は、骨髄移植に関する支援についてということで、これは済みません、一般質問に引き続いての流れの中での質問をさせていただくんですけれども、今回また改めて委員会の中で取り上げさせていただきたいと思っております。  それで、今回は、骨髄移植に関する支援についてということで、大きく三点お話をさせていただきたいと思っております。  昨年、県民ネットワークの江口議員からもこの骨髄移植に関する助成制度について質問が行われております。私も骨髄移植推進のために、若い世代への骨髄移植の正しい知識の普及啓発とか、ドナーにとって休暇しやすい環境制度を整えることとか、そのような制度というものはやはりさまざまな視点から考えていかなければならないというふうに思って質問をさせていただいております。  まず、(一)の骨髄移植の普及啓発についてというところで、現在、骨髄ドナーの全国の登録者数の状況についてという視点ですが、今、登録者の高齢化が進んでおります。骨髄移植を進めるためには、特に若い世代の骨髄ドナーの登録者をふやす取り組みが必要であるというふうに考えておりますけれども、まずは全国の状況についてお尋ねをしたいと思います。 100 ◯大川内健康増進課長=骨髄ドナーの全国の登録者数等の状況についてお答えします。  公益財団法人日本骨髄バンクのデータによりますと、全国の骨髄ドナー登録者数の状況は、平成三十年十二月末に四十九万三千六百二十七名であったものが、本年二月末に五十万人を超え、十月末現在、五十二万六千二十二名となっております。  これを年齢区分で見ますと、本年十月末現在で、十代が五千四百八十八名で登録者全体の約一%、二十代が八万一千五百二十四名で同じく約一五%、三十代が十三万九千五百五十七名で同じく約二七%、四十代が二十二万三千六百四十九名、同じく約四三%、五十代が七万五千八百四名で同じく約一四%となっております。  なお、十代は十八歳、十九歳が対象であり、五十代は五十四歳までという年齢制限がございます。  このように、四十代が約四三%を占めているのに対し、若年層の二十代以下は約一七%と割合が低い状況にあります。  以上でございます。 101 ◯下田委員=ありがとうございます。  では続いて、県内の登録者数の状況、特に若い世代の登録状況がどのようになっているのかをお尋ねします。 102 ◯大川内健康増進課長=骨髄ドナーの県内の登録者等の状況についてお答えします。  県内の骨髄ドナー登録者数の状況は、本年十月末現在で四千九百六十九名で、対象人口千人当たりにおける登録者数は十五・二人であり、全国十位となっております。  年齢区分を見ますと、本年十月末現在で十代が十四名で、これは登録者全体の約〇・三%、二十代が六百六十三名で同じく約一三%、三十代が千四百八名で同じく約二八%、四十代が二千二百六名で同じく約四四%、五十代が六百七十八名で同じく約一四%となっております。  これを割合で見ると、四十代が約四四%を占めているのに対し、二十代以下が約一四%となっており、全国の状況と変わらず、若年層のドナー登録者の割合が低い状況となっております。  以上でございます。 103 ◯下田委員=では、今後、若い世代の登録者をふやすために何らかの取り組みが必要ではないかと思っておりますが、その点について何か取り組んでいく予定等があればお答えをお願いしたいと思います。 104 ◯大川内健康増進課長=若年層への普及啓発の取り組みについてお答えします。  骨髄移植の普及啓発につきましては、毎年十月に骨髄バンク推進月間というものがございますが、これを中心に、県内五つの保健福祉事務所や市町の窓口で、ポスターの掲示やパンフレットの配布等を行っております。  また、若年層のドナー登録を進めるための取り組みとして、県内全市町の新成人に対して、成人式の際にドナー登録のパンフレット等を配布しております。  さらに、日本骨髄バンクや佐賀県赤十字血液センターなどの関係団体と連携して、毎年実施されます「はたちの献血」キャンペーンにあわせて、啓発リーフレット等を配布して若年層の方への登録の呼びかけを行っております。  ことしも一月十四日の成人の日に、県内の大型商業施設におきまして、約二千部の啓発リーフレット等の配布を行うとともに、ドナー登録の受け付けも行ったところでございます。  このほか、県内の大学の学園祭などのイベントに合わせて実施されます献血会、これは献血バスを出向かせて実施されますけれども、この献血会に合わせたドナー登録会を開催しているところでございます。  今後とも、一人でも多くの県民の方に骨髄移植に対する正しい知識と理解を深めていただくために、これまでの取り組みを実施・充実していくとともに、若い世代への効果的な呼びかけの方法につきまして検討し、若年層のドナー登録者をふやす取り組みを進めてまいりたいと思います。  以上でございます。 105 ◯下田委員=とにかく現状の取り組みを引き続き行っていくというようなお話であったと思います。  次に行きます。骨髄ドナーへの助成制度についてというところで、冒頭申し上げましたけれど、昨年の県議会の一般質問で、江口議員からドナーへの助成制度について質問が行われています。この概要は、大体ドナーの方が手術するのに二泊三日ぐらい、これに対して何とか行政から企業等に助成することはできないのかというのが大きな概要で、現在、全国でも徐々に浸透というか、導入が進んでいて、大体二、三十万円ぐらいの予算で全国どこでもやっているような制度で、これを佐賀県でも導入できないでしょうかというようなお話であったと思いますが、当時、執行部から、効果的な方策について、まずは研究してまいりたいというような答弁であったというふうに議事録には載っております。  その答弁を踏まえて一年たったわけなんですけれども、現在どのような状況になっているのかをお尋ねしたいと思います。 106 ◯大川内健康増進課長=骨髄ドナーへの助成制度についてお答えします。  昨年の江口議員からの質問を受けまして、ドナー助成制度を導入している自治体の状況などを調べてみました。  まず、日本骨髄バンクによりますと、全国のドナーへの助成制度の導入状況は、平成二十六年には埼玉県のみの一県、それと、四十四市区町村で導入されていましたが、現在では二十二都府県、六百五市区町村で導入されております。  この中で、管内全市町村で導入している六府県に確認をいたしました。お尋ねをしましたところ、助成制度創設後、これまでの傾向と比べて大きくドナー登録者や骨髄提供者が増加したということはなく、事業の効果があったのかどうかの評価が非常に難しいという意見が多くありました。  また、先ほど申しましたように、全国でドナーへの助成制度を導入する自治体がふえたにもかかわらず、全国の骨髄等の移植数の年次推移を見ますと、平成二十六年、千三百三十二件、ちょっと飛びまして平成二十八年、千二百二十八件、平成三十年、千二百十六件と横ばいで推移し、その効果の評価が難しい状況にございます。  この移植数が横ばいで推移している要因としましては、出産時のへその緒から取る臍帯血移植数が骨髄移植数を上回ってきていることや、移植以外の治療の進歩などがあると思われるところでございます。  なお、ドナー候補となった方がドナーとなることを応諾されない理由としましては、仕事が休めない、あるいは子育て中である、家族の同意が得られない、ドナーとなることに不安があるなどさまざまな要因がございます。  そのため、ドナーが骨髄等の提供に至らない理由や求める支援をまずは国において把握、分析した上で、さらなる提供率の向上につながる総合的な施策を推進するよう、国に要望しているところでございます。  以上でございます。 107 ◯下田委員=ありがとうございます。いや、そこなんですよね、難しいところは、なかなか伸びないというところ。  さっきの若年層への普及啓発も含めてになるんでしょうけれど、同じ課題を含んでいると思うんですが、何か有名人の方がこういった病気になったら一気にドナーがふえたりするんですけれど、じゃ、移植手術まで至るかというと、今の現状の数字なわけですよね。なので、やはり正しい知識をいかに伝えていくのかというところは一つの視点としてかなり重要ではないかなというふうには私自身思っております。  そういったところも踏まえて、佐賀県としてはそういう現状であったというお話なんですけれど、今後、骨髄移植を推進するために、どのような取り組みを進めていくのかという点についてお尋ねをしたいと思います。 108 ◯大川内健康増進課長=今後の取り組みについてお答えします。  これまでの状況も踏まえ、骨髄移植を進めるための効果的な方策につきまして、日本骨髄バンクの地区普及広報委員の方と意見交換を行いました。  そこでは、骨髄移植の内容を十分理解してもらった上でドナー登録者をふやすこと、それから、骨髄移植について専門的な知識を有する説明員を育成することなどが必要であるとの意見をいただきました。  そこで、佐賀県としては、専門的な知識を有するボランティアの説明員を育成していきたいと考えまして、来年一月に県庁におきまして、「ドナー登録説明員」養成研修会を開催することといたしました。  今後、ドナー登録者や骨髄提供者をふやすため、説明員を養成しまして、その説明員の方に、献血会場でのドナー登録から骨髄提供までの流れに関する説明や登録手続の支援をしていただくことで、骨髄移植の内容を十分理解した上でのドナー登録が進むよう、関係機関と連携協力しながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 109 ◯下田委員=ドナー登録説明員を養成していくというようなお話であったと思います。骨髄ドナーへの助成はひとまず置いておいて、そっちのほうにかじを切って、骨髄バンク、骨髄移植に関しての普及啓発を、知識をしっかり伝えていただく人たちを養成するというようなお話であったと思います。  助成制度ができないことは、個人的には残念なところはあるんですけれども、佐賀県として、ドナー登録説明員をしっかりと養成して、骨髄移植の普及啓発につなげるという方針であるということで、これはまた一歩前進することになるものだというふうに認識をしておりますので、しっかりとお願いしたいと思います。  続いて、骨髄ドナー休暇制度についてお尋ねをしたいと思います。  先ほどのにもかかるんですけれど、就労しているドナーの方というのは、休暇をとって移植手術に当たるわけです。その方々のほとんどが大体有休をとって行く方というのが多いんですけれども、ここを支援する制度として、ドナー休暇制度というものがあるんですが、全国及び県内のドナー休暇制度の状況についてお尋ねをしたいと思います。 110 ◯大川内健康増進課長=ドナー休暇制度についてお答えします。  日本骨髄バンクを介して骨髄等を提供する場合には、事前、事後の健康診断や、採取のための三泊四日程度の入院など、合わせて十日間ほどの休暇が必要になります。  勤務先がその休暇を特別休暇として認めるドナー休暇制度を導入している企業、団体は、日本骨髄バンクで確認がとれている限りでは、本年十一月十四日現在、全国で四百八十一社となっております。そのうち、県内に本社がある企業、団体につきましては、一団体のみとなっております。  ちなみに、佐賀県庁及び県内全市町では特別休暇としてのドナー休暇制度が導入されているところでございます。  以上でございます。 111 ◯下田委員=ありがとうございます。佐賀県庁もドナー休暇制度として取り扱うというお話もいただきました。  佐賀県内では一団体だけということで、これは事前に調べましたけれど、佐賀大学ということでございました。  この状況について、先ほど質問いたしました骨髄移植について、骨髄バンク、ドナーについて正しい知識を普及啓発するという視点においても、このドナー休暇制度をしっかりと企業、団体に広げていくことは非常に大切なことではないかなと思っているんですけれども、今後、この制度について、佐賀県でもぜひとも導入促進に向けての取り組みをするべきではないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。 112 ◯大川内健康増進課長=ドナー休暇制度の導入促進についてお答えします。  勤務先にドナー休暇制度があることは、ドナーの方にとって、休みをとりやすいなど心理的な負担軽減につながると思われることから、ドナー休暇制度の導入を進めることは重要であると考えます。  日本骨髄バンクでは、企業等へのドナー休暇制度の導入を進めるため、今年度から専任の担当者が配置されまして、全国の企業、団体への働きかけが行われております。  県としても、日本骨髄バンクと連携しながら、県内でもドナー休暇制度を導入する企業、団体がふえるよう、県ホームページ等の活用や、経済団体、さらには献血を熱心に行っていただいている企業への働きかけといったものを行っていきたいと考えております。  なお、国に対しても、骨髄ドナー特別休暇制度の普及拡大について要望を現在しているところであり、引き続き要望をしていくこととしております。  以上でございます。 113 ◯下田委員=わかりました。ぜひこちらのほうも力を入れてやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  最後、協力企業の周知についてというところで、これは私が日ごろから懸念していることでありまして、この考えについてどう思われるかというところを部長にお尋ねしたいと思っているんですけれど、今、ヘルプマークがあるじゃないですか。これって、いろんないわゆる困り感を持っている、障害だとか、さまざまなことに関して、何かある方がヘルプマークを持っていると。なので、このマークを持っていれば、ああ、この人は何か困っているんだろうなとか、このマークを持っていれば、電車に乗っていたら席を譲ってやらないかんなとか、そういった指標にもなりますし、ヘルプマークを持っている人には何かあったら声をかけてやらないかんというような、導入促進にもなるようなマークであるというふうに思っております。  まだまだ将来的な話になるんでしょうけれど、骨髄ドナー、この骨髄移植に関してもそうなんですけど、さまざまな方がさまざまな困っている感覚を持っていて、そのさまざまな人たちがいろんな分野で熱心に自分たちの取り組みを伝えようと努力をしていらっしゃるわけですね。障害にしても障害者のバッジがありますし、難病の方々も難病の取り組みをやって、県庁でも登録制度があったりして。この骨髄バンクもそうで、あと、子育て支援なんかにしてもそうです。  一つ一つやっているんですけど、やっぱり労力がかかる。それで、認知促進に一生懸命やっているんですけれど、本当に微々たるもので、少しずつ少しずつ広めていくしかできない。それは当然と言えば当然なんですけれども、なので、そういったものをヘルプマークのようなイメージで、逆提案で、私たちの企業はこういうさまざまな困った人たちに対して理解のある企業ですよというものをお伝えできるような、そういったマークではないですけれど、シンボルのようなものをつくることができないかなと思っています。  よく国において、何とか遺産、世界遺産に佐賀県で登録できましたとかあるじゃないですか。何かもうそういう時代じゃないと思っていて、佐賀県でいろんなことに困っている方々、手を差し伸べるべき方々に対して、私たちはこんな意思を持っていますよというのを逆に伝えていけるような仕掛けづくりをして、それを全国に伝えてやったらいいんじゃないかなというふうに僕は思っているんですよ。  そういった取り組みというのが、今後──今回は骨髄移植の話をしましたけれど、さまざまなそういった困っている人たちを一括して、こういった障害に私たちは理解がありますというのをちゃんとお伝えができる、そういったものを将来的に創設することはできないかなというふうに思っているんですが、その点について、部長どうでしょうかというのをお尋ねしたいと思います。 114 ◯川久保健康福祉部長=協力企業の周知についてという御質問の中で、ヘルプマークのように、逆に企業側からこんな意思を持っているんだと、こういうことがお手伝いできるというふうなことを伝えるようなシンボル的なマークが創設できないかというお尋ねでございました。  県では今、県の施策の推進に御理解、御協力、御支援をいただいている企業、団体の皆様に対しまして、幾つかの表彰や登録制度を設けております。  例えば、障害者雇用に積極的な障害者雇用優良事業所でありますと、そこは表彰という形で。あるいは、例えば、健康経営に積極的に取り組まれている「さが健康企業宣言」事業所、それから、子育て支援に熱心な企業様におかれましては、「さが子育て応援事業所」、それから、例えば、がん対策の推進ですね、いろんな面で御支援をいただいている「がん検診向上サポーター企業」、そういったところは登録制度というふうなものがございます。  また、このほかに「佐賀さいこう表彰」というものを設けておりまして、これは他の模範になるような、非常にすぐれた取り組みをしていただいている企業につきましては、これは例えば、がん対策部門とか、健康経営部門とかございますけれども、そういったところで団体や企業の取り組みを顕彰しているところでございます。  県といたしましても、こういった企業や団体の皆様に感謝の意を伝えるため、あるいは、ますます今後そういった取り組みの励みとしていただきたいということで、例えば、社内のお客様をお通しするようなお部屋とかに置いていただいたり、あるいは掲示をしていただく、あるいは社のホームページで紹介をしていただくというふうなことに使っていただきたいということで、登録証でありますとか、表彰状でありますとか、それから、いろいろ地場産品を使いました記念品でありますとか、そういったものを交付させていただいて、そして、対外的なPRにも使っていただきたいというふうに思っております。  ですので、今すぐにそういった企業の皆様方のいろんな取り組みについて、何か統一的なといいますか、何かアピールするようなマーク、そういったものが必要かどうかというふうなことにつきましては、それぞれ企業さん方の思いがあられると思います。例えば、経営者の方が、御自分ががんに罹患されまして、なので、従業員のがん対策とか、県のいろんながん対策について協力したいというふうな気持ちを持ってあるところもありますし、あるいは、若い人材確保という観点から子育て支援に力を入れているという企業さんもいらっしゃいます。  そういった取り組みを包括的に表現するようなマークを希望されるかどうかといいますのは、それは企業の皆様方がどういうふうにお考えになるのか、そういったお声を、機会を捉えましてお尋ねしてみたいというふうに思っております。むしろ、ほかの企業にはない取り組みを自分たちの企業の特色としたいと思われているところもあるかもしれません。  そういったことでございますので、何か手助けをしますよ、こういうふうなことに自分たち企業は取り組んでいますよというふうなアピールをどんどんやっていただくことは非常に歓迎すべきことですし、県も後押しはしていきたいと思いますので、機会を捉えまして、いろんな企業様とお会いする機会もありますので、私もちょっとお尋ねをしてみたいと思っております。  県や市町だけでは県の施策は進みません。多くの企業、団体の皆様の御協力が必要でございますので、今後ともそういった御意見などをお伺いしながら、いろんな検討を県としても進めていきたいと思っております。  私からは以上でございます。 115 ◯下田委員=私の漠然とした思いを受けとめていただいて、ありがとうございます。  とにかく、そういった点はこれから絶対必要になってくると思うんですよね。SDGsのマークとか、うまくできているなと思うんですよ。全ての方々がやっぱり共通項で納得できるし、今後、絶対必要だなと、多分否定する方はいらっしゃらないと思うんですよね。  そういった形で、今私が言ったようなものというのは将来的には必要になってくるものであると、私勝手に確信を持っております。なので、また機を見て私も相談させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  では、今回の質問はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。 116 ◯江口委員=県民ネットワークの江口善紀でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  今回、佐賀県立点字図書館の整備について取り上げさせていただきたいと思います。
     私が佐賀に平成十四年十二月十六日にUターンで帰ってきまして、それから、国政選挙のときとかにマニフェストの点字版とか、そういったものを点字図書館にお届けするようになったのが私にとっての点字図書館との出会いのきかっけみたいなものです。  もっとも高校のころから自転車であの辺を走っていたら、ピンポンとか鳴って、ライトハウス、何だろう、この建物はという、看板だけは見たような覚えが若いころにありますが、点字図書館にちゃんと訪問してから十数年たち、そのころから既に老朽化の話は聞いて、建てかえの話も聞いて、十数年たって、どうなるんだろうと思っていたところ、もう十数年たってしまっていたところがあります。  そんな中、県議会におきましても、この点字図書館の件がおととしぐらいから動き出しました。その点をちょっと振り返りながら質問させていただきます。  この点字図書館は昭和四十七年に建築をされたということで、約五十年近く経過いたしております。老朽化も大変進み、シロアリの被害とか、そういったものもあって、建てかえや整備はどういうふうになるんだろうかといったことが懸念されておりました。  また、バリアフリーへの対応など、ハード面での課題があったということで、現在の点字図書館につきましては、平成二十八年度から、学識経験者や関係団体、利用者等で構成するあり方検討委員会での議論を経て、現地で建てかえることや、建てかえ期間中は旧総合保健会館に仮入居することを決定し、平成三十年九月定例県議会で報告をされました。  このあり方検討委員会の報告書を読みましたら、かなりいろんな角度から検討されて、丁寧にいろんなことが検証されているなというふうに感じました。  その後、平成三十一年度に新たな点字図書館の設計や現建物の解体、旧総合保健会館への仮入居等を行うための関連予算四千四百九万八千円が平成三十一年二月定例県議会に上程、承認され、現在、整備が進められているところであります。  新しい点字図書館は、従来からの点字図書や録音図書の製作、貸し出しなどに加えて、相談対応や交流の場としての機能が充実されると聞いております。視覚障害者の方や点訳、音訳等のボランティアの方など、いろんな利用者にとって利便性の高い施設となるように、県にはしっかりと整備に取り組んでいただきたいと思っているところであります。  そこで、何点か質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず一点目が旧総合保健会館への仮入居についてであります。  昨日、この常任委員会の一日目の現地視察で、委員会全体で視察をさせていただきました。点字図書館の真向かい、南隣にあります旧総合保健会館へ仮入居される点字図書館の移転作業が近く行われると伺っております。どのような経緯で旧総合保健会館が活用されることになったのか、おさらいの意味も含めまして、まず、この点から御答弁をいただきたいと思います。 117 ◯森障害福祉課長=旧総合保健会館への仮入居についてお答えいたします。  先ほど委員から、「佐賀県立点字図書館のあり方検討委員会」の話が若干ありましたけれども、平成二十九年三月にその委員会の報告書が提出されております。  その中では、設置場所に関しまして、利用者が視覚に障害があり、移動に制約がある点を考慮すると、現在地での単独施設としての建てかえが最も望ましいとされております。その趣旨を踏まえまして、平成三十年度に現在地での建てかえの方針を決定したところでございます。  現地建てかえとしたことによりまして改築工事期間中の仮移転が必要となったことから、仮入居先を検討していたところ、点字図書館の南側に隣接します旧総合保健会館の一時的な利用が可能であり、距離的にも近うございますので、視覚障害のある利用者の利用環境も大きくは変わらないことから、仮入居先として活用することとしたものでございます。  以上でございます。 118 ◯江口委員=ありがとうございます。確かに、点字図書館の利用者は視覚に障害をお持ちの方が多いですし、場所が現地の隣ということで、そういった意味では、歩いてこられる方や公共の交通機関を使ってこられる方にとっても、大きく場所が変わるよりは非常にありがたい、目の前の建物への一時的な移転ということで、そういった意味ではありがたいことだったというふうに感じております。  さて、それでは、その関連で、周囲のことについてなんですけれども、二点目、隣接する六星館への対応についてということでお尋ねいたします。  この点字図書館に隣接している就労継続支援B型事業所であります佐賀ライトハウス六星館というものが立地をいたしております。ここは、この点字図書館の指定管理者であります。  選定に関しては、非公募の形になっております。というのも、いわゆる「指定管理者制度に係る運用指針」の非公募条件の「施設の主たる利用者からなる団体や利用者支援の事業を行う団体等に管理運営を行わせることが最適な場合に該当するため。」というふうなことになっておりまして、この社会福祉法人佐賀ライトハウスですけれども、もともとは佐賀県盲人会連合会の運営による九州点字出版所として創設をされ、昭和五十四年に法人格を取得されたということで、事業内容としては、佐賀県立点字図書館の運営はもとより、就労継続支援B型事業所ということで、視覚に障害をお持ちの方や、精神や知的といった障害をお持ちの方、約二十名ぐらいの方が通所されて、市報ですとか選挙広報、佐賀県民だよりとか、そういったものを点訳されて、また、その発送業務を行われたりとか、そのほかにも視覚障害の更生相談など、いろんな事業をされているということで、この点字図書館のお隣に立地をしているわけであります。  この点字図書館に隣接している六星館の利用者の方は、ちょっとデリケートな方々もいらっしゃいますので、建てかえ工事期間中、六星館の利用者への影響を危惧されているという声もあるというふうに聞いております。  視覚障害や、あるいは知的、精神等の障害をお持ちの方にとっては、工事の音の影響とか、とても大きく感じる方が中にはいらっしゃるというふうなことを伺っておりますけれども、この六星館に関しまして、今後の整備を通して、どのように対応しているのでしょうか。その点についてお願いいたします。 119 ◯森障害福祉課長=隣接します六星館への対応についてお答えいたします。  ただいま委員のほうから御紹介いただきましたとおり、社会福祉法人佐賀ライトハウスが運営しております六星館は、さまざまな障害のある利用者が点字に関する出版等の作業を行う就労継続支援事業所であり、主に視覚に障害のある方が利用されております。  委員御指摘のとおり、障害のある方が落ちついて作業を行う上で、特に視覚障害がおありの方は音の影響が大きいことから、利用者の保護者の皆様などから現建物の解体、あるいは建てかえ工事期間中の騒音ですとか振動等を心配する声があったところでございます。  このため、公共工事で通常行われます防音シートの設置等の対策に加えまして、障害特性に配慮した六星館の二重窓化を補償することとしたほか、特に音や振動が大きく心配される期間中に臨時的に使用できるスペースを旧総合保健会館内に確保いたしまして、そういった対策を講じたことで御理解をいただいたところでございます。  このほか、工事期間中に出入り口の制限が出てまいりますけれども、旧総合保健会館敷地から六星館への出入り口を、利用者が使用するマイクロバスが進入できるように広目にとってほしいとか、そういった個別具体的な要望も受けておりまして、その都度柔軟に対応してきたところでございます。  今後とも、関係者の皆様からいただいた御意見に対しては丁寧に対応いたしまして、六星館の利用者が安心して作業に従事できる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 120 ◯江口委員=御答弁ありがとうございます。  伺うところによりますと、平成二十一年六月ぐらいにこの六星館の改修工事を行った際に、業者の方は特段、振動とかそういうのは心配なくというふうな話だったらしいんですけれども、突然始まる騒音とか、天井から粉じんとかが降ってきて、その振動に非常に利用者の方々が不安定になって、中にはそれから一月ぐらい六星館に出てこれなくなった方もいらっしゃったとかいう話も伺いまして、工事の音がするときとしないときといろいろあると思うんですけれども、その辺のことも懸念があり、六星館側として非常に気配りをされるというふうな話をされておりました。  そういったことで、工事の工程等、利用者の方はいろんな症状が個別に違うと思いますので、工事の計画等、コミュニケーションを図っていただいて、なるだけ利用者の方々に不安が及ばないように配慮をお願いできればというふうに思っております。  それでは、次に、施設整備計画の見直しについてお尋ねをいたします。  ことしの八月の大雨の際に、点字図書館の敷地や建物が浸水をしたということでニュースでもあった中で、確かにあの辺は部分的に低いエリアでもありますので、浸水を受けました。  令和三年度の開館予定で進められたこの整備計画ですけれども、これをちょっと見直して、新点字図書館の開館が令和四年度になるということで報告を受けました。(資料を示す)この件については、十月二十五日の佐賀新聞にこういうふうに記事が出ていたのでごらんになった方も多いと思います。  では、今回の議会に提案があっております事業の見直しについて、どのような見直しの内容になっているのか、まず、その点から御答弁をいただきたいと思います。 121 ◯森障害福祉課長=計画見直しの内容についてお答えいたします。  本年八月に発生いたしました大雨によりまして、点字図書館の敷地が冠水し、建物にも浸水被害があったことを踏まえまして、防災対策として建物及び駐車場敷地のかさ上げ工事を追加で行うこととしたものでございます。  また、建物東側の水路に面しました一部護岸のない箇所がございますが、その箇所について、今回の大雨を受けまして設計業者等に意見を聞いたところ、将来的に図書館敷地への侵食が進む可能性もあるというような御意見をいただいたこともありまして、建物解体後に護岸工事を行うことといたしました。  こうした必要な防災対策を行うため、令和三年度としていた新たな点字図書館の開館を令和四年度へ一年間延期する内容でございます。  以上でございます。 122 ◯江口委員=護岸工事についてということで、昨日、この文教厚生常任委員会で現地を視察してまいりました。通常でしたら、こういった施設整備の視察というのはでき上がったところを見に行くというのがよくあることなんですけれども、今回は建てかえの前に行かせていただきました。  というのも、私よく質問するときに、この件はどうでしょうかといったら、それは次の議会か、次の次の議会ぐらいになったらまとめてお出しできると思うんですがというふうによく言われるんですけれども、議案として出てきたときというのは、予算も含めてほぼでき上がっていて、そこからいろんな議論をしても、全部論破されて、ほぼ原案どおりにいってしまう。そのかわり、しっかりそこまで練り上げて、いろんなことを考慮された上で議案として出てくるということがもちろんほとんどなんですけれども、今回、整備の計画も一年ぐらい延びるということで、現地に何度か足を運び、いろんな今までの経緯を伺った中で、今後、来年度の当初予算に事業費はまた上がってくると思うんですけれども、その前段階で、幾つか課題に思う点ということで質問させていただいています。  その中で、護岸工事について、建物東側の護岸工事は当初から必要だったのではないかというふうにも思われます。きのう見に行ったときに、そういった声もほかの委員の方からもストレートに出ておりましたので、確かにそうだなと思いながら、この点についてお尋ねさせていただきたいと思います。どのように考えていらっしゃるのでしょうか。 123 ◯森障害福祉課長=護岸工事についてお答えいたします。  平成三十年度に点字図書館の整備計画を検討するに当たりましては、建物を移転するのか、あるいは現地建てかえとするのかといったことを重点的に議論しておりまして、建物以外の周辺環境でございます護岸工事の必要性に関しての議論が十分にできていなかったというのは事実でございます。  今回、これまで経験のないような大雨が降って冠水被害が生じましたことで、改めましてこれまで以上に災害対策の必要性の議論が求められることを再認識したところでございます。  以上でございます。 124 ◯江口委員=佐賀市内中心部の冠水というのは、二〇一〇年でしたか、あのとき駅前が冠水した、二〇〇九年か二〇一〇年のときよりももっとひどかったと思います。今回の冠水で点字図書館も五センチぐらい床上浸水したということで、ことしこれを経験していたおかげでかさ上げということに気づいた、あるいは護岸については、確かにこの冠水がなかったら見落として、建物だけが建てかわっていたのかもしれないということを考えると、ことし一応気づいて、ちゃんと護岸まですることになったということは、ある意味見落とされずに済んでよかったのかなという気はします。  隣の六星館のほうは十年後に建てられているので、ちょっと高いし、前の旧総合保健会館はまたさらに一段、二段高くつくられているなというのを現地に行って感じたところであります。  では、今後、そういうふうに整備の内容について見直しをされた上で、点字図書館は視覚障害者等の利用者の方、毎日利用されているし、また、点訳や音訳等のボランティアの方なども出入りをされていらっしゃいます。点字図書館の整備に当たりましては、これら障害者の方や利用者に配慮しながら進めていく必要があると思います。  指定管理者である社会福祉法人からは、設計事務所が見えたときに、どういった希望があるかということで一緒に見ながら、一緒に話して要望などを伝えているときに、避難用の外階段もぜひあったほうがいいのではないかとか、そういった声も述べられたというふうに伺っております。  普通の施設と違って、利用される方に視覚障害が多いということを勘案した上で、いろんな細かい要望があると思うんですけども、そのような要望に対してどのように対応しようと考えているのか、その点についてお願いいたします。 125 ◯森障害福祉課長=視覚障害者等の利用者に配慮した整備についてお答えいたします。  指定管理者であります社会福祉法人佐賀ライトハウスからは、委員御指摘のとおり、建物二階に火災等が発生した場合の緊急避難用として外階段の要望をいただいております。  新点字図書館では、消防法上は必ずしも外階段を設置しなければならないものではないというふうに聞いてはおりますけれども、きのう見ていただいたとおり、現在の点字図書館にも外階段が設置されていますことを考えれば、視覚障害者等の利用者の皆様が安心して利用できるようにするためには、県としても必要なものと理解をしております。  このほか、建物の実施設計を進めるに当たっては、幾つか意見、要望等を受けているものがございますが、法令等による設置義務がどうかというだけではなくて、視覚障害者が利用する施設であるという点字図書館の特性に十分配慮しながら、その必要性等についてしっかりと検討してまいりたいと思っております。  以上でございます。 126 ◯江口委員=ありがとうございます。  今、現状の点字図書館も玄関のすぐ左手のほうに金属製の外階段ができています。私、ふっと思ったんですね。これはいつからできたっちゃろうかと思って、今回、改めて伺ってみたら、九年ぐらい前につけられたというふうなことであります。振り返ってみると、たしかあのころは、老人福祉施設とかで火災があったりとか、経済対策とかでそういった福祉関係の施設にスプリンクラーをつける事業だったりとか、いろんな事業があっていたころかなということを思い出しまして、県のほうであの金属製の外階段を追加で、八年か九年ぐらい前につけていただいたというふうな話でございました。  確かに視覚障害の方、今回の整備に当たっては、エレベーターも新しくつくということでありますけれども、エレベーターと階段だけでは、火災のときの煙は階段を伝って上がってくるということを考えれば、そういった外階段というのは何とかならないだろうかと、今あるのに今度なくなるというのはどうかといった強い要望、声があったということだったので、ちょっとお伝えをさせていただきました。  細かい要望みたいなのはそれぞれあると思うんですけれども、今回、何度か点字図書館や六星館にいろいろ話を伺う上で、結局、配慮というか、コミュニケーション、そういったものなのかというのを少し感じたんですね。森課長もことしの四月に異動で担当になられたし、結構、部内の方も異動などで人事がかわられているというふうなことも伺っております。  結局、県と指定管理者というのは、県が今度こういうふうな事情だから工期が延期になりますとか、おくれますとかというのは、指定管理者としては県がおっしゃるから受けるしかないのかなというふうなニュアンスをちょっと話していて感じたんですね。やっぱり県のほうが立場が上なのかなといったことを感じました。  なので、指定管理者の方の要望を全て聞くわけにはいかないと思いますけれども、ただ、利用者が視覚障害者の方でいろんな事情があるということをしっかりとお話いただいて、今御答弁いただいたような配慮をしながら、せっかく十何年かけてやっと整備にこぎつけたわけですので、工事に際しても関係者、利用者の方等の不安をなるだけ抑えられるように、そして、でき上がったら、二年かかったけど本当にいいものができたと、皆さんに喜んでいただける施設にぜひしていただきたいという思いを込めて、今回、質問を取り上げさせていただきました。  最後の問いでありますけれども、今後の施設整備についてであります。  そういった事情、経緯を踏まえた上で、新しい点字図書館が時代に合った施設として今後生まれ変わることを大いに期待いたしております。県として、今後、どのようにこの整備に取り組んでいくのか、最後にこの点について御答弁をお願いいたします。 127 ◯森障害福祉課長=今後の施設整備についてお答えをいたします。  現在の点字図書館は、今月から解体に着手いたしまして、来年度から護岸工事や改築工事を行うこととしておりまして、次回の二月定例県議会に、整備に必要な関連予算をお願いすることとしております。  新たな点字図書館につきましては、視覚障害者にとどまらず、高齢などで見えにくい人などにも広く利用していただけるようにしたいと考えております。また、悩みや不安軽減などのための相談支援機能を持たせるほか、視覚障害者や家族などが集まる交流スペースを確保したり、県や市町の図書館との連携を図るなどいたしまして、利用者にとって利便性の高い施設にすることとしております。  今後とも、視覚障害者等の利用者や関係者との意見交換を丁寧に進めまして、利用者の皆様から新しい点字図書館になってよかったと喜んでいただけますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。 128 ◯江口委員=山口県政にかわって、聴覚障害者のためのセンターができたり、あるいは補聴器の購入の補助だったり、センターが整備されたことによってメディアでも取り上げられたりして、あるいは新しいボランティアの方、新しい利用者がふえたりして、手話も言語として今もう一度見直されております。普及啓発されております。  そういった意味で、今回の点字図書館の建てかえの後に、視覚障害者の皆さんにとって使いやすく、また、視覚障害者に対する社会の認識とか配慮、そういったものがますます高くなっていくこと、普及していくことを切に願い、この質問を終わらせていただきます。  今後とも、施設整備のほうをしっかりと取り組みをお願いし、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 129 ◯古賀陽三委員長=これで質疑を終了いたします。  暫時休憩します。     午後三時二分 休憩     午後三時三分 開議 130 ◯古賀陽三委員長=委員会を再開します。  これより討論に入りますが、ただいまのところ討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し直ちに採決に入ります。     ○ 採     決 131 ◯古賀陽三委員長=まず、甲第四十三号議案中本委員会関係分、乙第八十五号議案、乙第八十六号議案、乙第九十一号議案、乙第九十四号議案から乙第九十六号議案まで三件及び乙第百号議案、以上八件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 132 ◯古賀陽三委員長=全員起立と認めます。よって、以上八件の議案は原案のとおり可決されました。     ○ 継 続 審 査 133 ◯古賀陽三委員長=最後に、九月定例会から引き続き審議中の 一、県民環境行政について 一、健康福祉行政について 一、男女参画・子育て行政について 一、教育の振興について  以上四件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 134 ◯古賀陽三委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の四件についての継続審査を議長に申し出ることにいたします。  以上で本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。  以上をもちまして文教厚生常任委員会を閉会いたします。お疲れさまでした。     午後三時五分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...