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令和元年11月定例会(第3日) 本文
令和元年11月定例会(第3日) 名簿

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  1. 佐賀県議会 2019-11-03
    令和元年11月定例会(第3日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     ○ 開     議 ◎議長(桃崎峰人君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  昨日に引き続き、一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎古賀陽三君(拍手)登壇=皆さんおはようございます。  早速質問に入りたいと思います。  まずは、AYA世代のがん対策についてということで伺います。  がんは、この佐賀県における死亡原因の第一位であり、肝がんを初めとするがんによる死亡率は全国の中でも高い割合で推移をしています。  そこで、県では、肝がんによる死亡率全国ワーストワン脱却に向けた肝疾患対策や、胃がん対策として、中学三年生を対象にピロリ菌の検査、除菌事業を全国に先駆けて実施するとともに、全国ワーストで推移している子宮がんや乳がんといった女性のがんによる死亡率の減少に向けた、がん検診の受診率向上対策に重点的に取り組まれているところでございます。  特に今年度からは、子宮がん検診において罹患率が高い三十歳から四十四歳の方を対象に、全国で初めて全県下でHPV検査が無料化されました。さらに、先日は子宮頸がん対策について、女性をがんから守る連携協定を企業と締結し、子宮がん検診の受診促進に取り組むなど、積極的に推進されているなといったようなことを感じているところでございます。  そうした取り組みの結果として、肝がんについては平成三十年の死亡率が二十年ぶりに全国ワーストを脱却するなど、着実に成果を上げているものと評価をしているところであり、引き続きさまざまな取り組みを行っていくことが大切であろうと思っているところであります。  ただ一方で、これまでの県の取り組みでは必ずしも手の届かない課題を抱えたがん患者の方もいらっしゃいます。それはAYA世代と呼ばれる方々──このAYA世代、なかなか耳なれない言葉であるかもしれません。説明をします。小児と四十歳以上の成人領域のはざまの年代、すなわち十五歳から三十九歳の若い世代のことであり、思春期及び若年成人世代、思春期のAdolescent、若年成人というYoung Adultを意味する言葉の略語のことだということでございました。  このAYA世代は、年代によって就業、就労、そして生殖機能等の状況が異なることから、患者視点での教育、就労などを初め、さまざまな面を考慮に入れる必要があるといったようなことが言われています。  従来、がんというものは、主にやや年齢の高い成人、または小児に発症するものと考えられていたときもあったようで、AYA世代はがんが見逃された世代と捉えられていたといったようなことも伺っています。  このようなこともあってか、国の第三期がん対策推進基本計画に、初めてこのAYA世代という言葉が盛り込まれ、国としては状況の把握や支援が急務の課題として打ち出されたところであります。  こうした状況を踏まえ、本県においてもこれまで行ってきたがん対策とあわせてAYA世代のがん患者にも目を向け、一人一人に寄り添った支援を行うことが必要ではないかと考えていることから、以下の点についてお尋ねをしたいと思います。  まず、AYA世代のがんへの認識についてです。  これまで知事はがん対策についてさまざまな施策を打ち出し、強い思いを持って取り組んでこられたと思っています。このAYA世代、言葉ですらなかなか知られていない現状であろうかと思います。国においても、先ほど申し上げたように、第三期がん対策推進基本計画に初めてAYA世代という言葉を盛り込むなど、ようやく国のがん対策の柱の一つになったのかなと私は思っています。その中で、AYA世代のがんに対する知事の認識について伺います。  次に、AYA世代のがん対策の課題と対応についてです。  AYA世代と呼ばれる方々ががんになった場合、就業、進学、就職、結婚、出産といった人生における多様な時期であることから、他の世代とは異なるさまざまな苦悩を抱えられておるといったことを伺っています。
     例えば、がん治療の際、放射線治療や抗がん剤の治療を行います。それに伴い生殖機能を失う可能性があるといったような精神的な負担、それに対する精子や卵子の凍結保存など、将来、子供を持つために必要な治療にかかる経済的負担、そういった問題もあります。  このような状況を踏まえ、妊孕性の温存、妊孕性というものは妊娠をさせる力であったりとか妊娠する力、そういったものを温存する支援を始めた都道府県もあると伺っておりますが、AYA世代についてはさまざまな視点に立って考えることが必要だと思います。  今挙げたのはほんの一つの課題にすぎないというようなことをぜひ御理解いただきたいというふうに思いますが、佐賀県においてAYA世代に対するがん対策の課題と対応についてどのように考えているのか伺います。  次に、組織運営についてということで伺います。  知事は常々県民の一人一人に寄り添うといったようなこと、そして世界に誇れる佐賀づくりを目指し、就任当初から「現場」「ミッション」「プロセス」を県政運営のキーワードに掲げ、実際にみずからの足で県内各地の現場をくまなく周り、地域の抱えている課題や可能性に気づき、それらを施策に反映させながら県政運営を担ってこられたと思っています。引き続きこれからの佐賀県が目指す将来の姿を実現していくために、財政運営についてはもちろんのこと、県の組織づくり、組織運営というものが県政推進の重要な基盤となるものだと認識をしているところであります。  その中で、県民一人一人に寄り添い、世界に誇れる佐賀づくりを推進していくためには、県政のさまざまな課題を解決していくとともに、グローバル化、ICT化を背景に価値観が多様化している現状において、社会の要請や時代の変化に対応できる人づくり、そして機動的、機能的な組織体制を構築していく、そういった必要があるのではないかと考えているところであります。  また、組織のもとで働く県職員にとっても、その能力を十分に発揮できる県庁組織であることが必要であり、こうした要素が相まってさまざまな成果が上がるものだと考えています。  あわせて、適正な評価に基づく人事異動を実施することは組織を活性化させる面もあり、そして職員の人材育成を図っていく効果もあるというふうに考えています。  そこで、二点伺いたいと思います。  まず、組織改正の考え方についてであります。  平成二十八年四月に本部制の見直しがなされました。ここ数年では、維新博の実施に向けて肥前さが幕末維新博事務局の設置、交通事故ワーストワン脱却に向けた交通事故防止特別対策室の設置や、がん撲滅特別対策室、私立中高・専修学校支援室SAGAスポーツピラミッド推進グループSAGAサンライズパーク整備推進課などが設置をされました。これはその時々の取り組むべき大きな事業や課題解決に向けて特化したものを設置されてきたものだと認識をいたしております。  こうした組織の設置は、実務を担う職員に対ししっかりと取り組んでほしいといった思いを伝える面もあろうかと思いますし、特に交通事故対策やがん対策といったものは、県民の命を守るといった知事の県民に対する強いメッセージのあらわれでもあると考えています。  あわせて、機動的な組織体制のために、また施策のより一層の推進といったことから、必要に応じてさまざまな職を設置されていると思っています。  このような組織づくりについては、知事の権限であるということは承知をしておりますが、一方で、新たに設置された職が一年以内に空席になると、そういった状況も見受けられています。もともと施策の推進を図るためにといったようなことで設置をされていたというふうに思っています。職の設置についてはどのような組織をつくっていくかということに連動していると思っていますが、知事の思いを踏まえ、どのような考え方で組織改正につなげているのか伺っておきたいと思います。  次に、人事異動についてであります。  平成二十八年度から四月の定期人事異動に加え、十月にも人事異動が実施をされているところであります。この人事異動に関しては評価に基づくものでなければならないことは大前提にあると思いますし、また、職員本人さんの希望というものもあろうかと思います。それは希望を出す際には、自身の体調等を踏まえ出される職員の方もいらっしゃるかと思います。  本当に県庁は大きな組織であります。ただ、組織の大小にかかわらず、そしてまた、官民にかかわらず、人がかかわることですので、なかなか百点満点の答えというものはないかというふうに思いますが、その中で平成二十八年度から実施されてきたこの十月の定期人事異動のあり方については、組織の中でもいろいろな意見もあろうかと思っていますし、職員の皆さんの捉え方、そして受けとめ方などもいろいろあるように私は感じています。  十月の定期人事異動をどのように評価し、今後それをどのように生かしていくのかお尋ねをしたいと思います。  次に、人生会議についてということで、人生会議とは何だろうというようなことを思う方もいらっしゃるかもしれません。この人生会議とは、患者や医師らが人生の終末期における治療方針、医療やケアなどを繰り返し話し合いを行うアドバンス・ケア・プランニング──ACPの愛称となっているものです。  最近では、吉本の芸人さんがポスターに採用されていていろんな物議を醸した、そういったものでありますが、それはさておきまして、国は現在、我が国における二〇二五年問題、いわゆる団塊の世代が七十五歳を超えて後期高齢者となる超高齢社会を迎えるに当たり、人生の最終段階において本人の意思、尊厳が尊重され、みずからの望む場所でその人らしい暮らしを最期まで続けていくことができる社会の実現を目指す必要があるとされています。  一方で、現状、人生の最終段階における医療、ケアについて考える機会や、本人の意思を共有する環境が整備されておらず、命の危機が迫った状態になると、約七〇%の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなると言われていて、なかなか国が目指している姿とはほど遠い状況にあるのかなといったようなことを感じています。  このようなことから、人生の最終段階において本人の意思に沿った医療、ケアが行われるようにするために、いわゆるアドバンス・ケア・プランニングの概念を取り入れた「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を平成三十年三月に改定し、本人と周囲が一度でなく繰り返し話し合いを行うこと、話し合ったことはその都度文書などにまとめて共有することといった点が重要だということが国によって示されました。  ただ、国が幾ら示したとしても、そもそもこの人生会議──アドバンス・ケア・プランニングの認知度は極めて低く、よく知っていると答えた人は一般の人で三・三%、医療・介護関係者でも一割から二割程度にとどまっているのが現状だと伺っています。  このような背景を鑑み、厚生労働省はアドバンス・ケア・プランニングがよりなじみやすい言葉となるよう、最初に申し上げたように、人生会議という愛称を設けました。かつ、より浸透するようロゴマークも制作されるなど、普及啓発を目指して取り組んでいるところです。あわせて、市町においては人生会議を推進するためのエンディング・ノートの作成、配布を行っているところもあると伺っています。  一方で、この人生会議の普及推進においては、医療者の間ですら一部には忌避感があるというふうに伺っております。  私も十月ぐらいでした。成年後見人等について話を聞く機会がありまして、帰りにエンディング・ノート「まごころの記録」、「親心の記録」というものを二冊渡されました。実際この質問をするまでは、表紙を見るだけで、開いたこともなくて、質問に当たって開いてみました。二冊あります。まずは「親心の記録」、これは何かなと思って見ましたら、この「親心の記録」は障害のある子を持つ親たちが、親なき後、子供を支援してくれる方々に子供のことを知ってもらい、子供が安心して人生を全うできるようにと作成したもので、支援者の方が活用しやすいものになるように、最初のページでは本人の基本情報と突発的なトラブルが起きたときに相談できる人の連絡先を入れてあります。  もう一つが、エンディング・ノート「まごころの記録」、実際、私も中を見ました。自分のことについていろいろ書く欄がありましたし、健康のこと、介護をしてもらいたい人はとか、介護をしてもらいたい場所、そして必要になったときの費用について、保険で賄うのかとか、息子・娘夫婦の援助で賄ってほしいのか、病名と余命の告知であったりとか、延命治療、ホスピスケアについてとか、どこで受けたいのかといったようなことをさまざま書く欄がありました。  ただ、いざ向き合ってみますと、なかなか書けたものじゃないなというようなことを正直思いました。  私の妻が以前、ことしに入ってからですけれども、私は延命治療を望まないというようなことを急に言いまして、何のことだろうと思っていましたが、やっぱり医療に従事する立場からしたら常々こういったことを考えているのかなというふうなことを思いました。  その延命治療は望まないという考えに至るまでには、いろんなプロセスを踏まえた上で延命治療を望まないという決断をしたということが、この質問をするに当たって、改めて二人で話すときにこういった考えに至ったなということを思ったところでありました。  どうしても死を結びつけてしまうといったような感じがありますが、よくよく調べてみると、人生会議は必ずしも死を前提としたものではなくて、誰でも大きな病気やけがをする、そういった可能性があると。もしかして大きな事故に遭って、しばらく意思表示をすることができない、そういった状況になるかもしれません。寝たきりになってしまうこともあるかもしれません。あらゆる年齢や健康状態の成人が対象であるというようなことを知ったわけでございます。  こういった考え方は、一人一人の希望に沿った生き方を実現するためには、これから必要になる考え方ではないかなといったことを私は正直に感じています。  その中で、これから県においても、知りたくない、考えたくない方々に十分に配慮しながら、人生会議の正しい意義や意味とともに、考え方を浸透させていくことが必要になってくるのではないかと私自身は考えています。  そこで、一点、県として、国が現在普及を推進している人生会議の必要性をどのように認識しているのか。また、その普及啓発について、県として現在どのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。  最後に、子供の居場所づくりについてということで伺います。  先日、国が新たな「子どもの貧困対策大綱」を閣議決定しました。  五年前に策定したこれまでの大綱では、貧困の改善指標として、生活保護世帯の子供の大学進学率など二十五項目が設定をされていましたが、今回、貧困の実態をより詳細に把握するため、ひとり親の正規雇用の割合や公共料金の滞納の有無など新たな指標を加え、計三十九項目とされました。  引き続き指標の一つとなった日本の子供の貧困率は、平成二十八年国民生活基礎調査によると一三・九%、実に七人に一人が貧困の状態にあるといったことが言われています。こうした子供は、医療や食事、学習、進学などの面で極めて不利な状況に置かれ、将来も貧困から抜け出せない傾向にあるといったことが指摘をなされていました。  また、生活に困っていることを周りに知られたくないため、自分から助けを求めにくいといった面もあり、子供の貧困という現実は非常に見えにくいものではないかと思っています。  こうした中、佐賀市の北川副地区、私が住んでいる地区でありますが、子供を学校に通わせるため就学援助を受けている生活が厳しい家庭に対し、地域の皆さんが昨年から宅配便で食品を届ける「こどもおなか一杯便プロジェクト」、そしてもう一つが、子供の居場所である「ふれあいハート食堂」の取り組みが行われております。  この二つの取り組みは、「ふれあいハート食堂」はたしか子供が百円だったと思います。これはカレーということでメニューが決まっていて、大人はたしか三百円だったと思いますが、ここを始めるときにお話を聞いていたら、百円を持ってきていなくてもそれは全然構わないと、それはいろんな家庭の事情があるからだと。まさに配慮がなされているハート食堂です。  一方で「こどもおなか一杯便プロジェクト」、これは本当に厳しい家庭に対し、無料で米やインスタント食品など十キロ程度の食品パックを運送業者を介して配達を行う、個別に直接対応するといった支援になっています。  このように両方の支援が行われていることから、家庭や子供にとっての選択肢を広げる、どちらも必要なアプローチのあり方だと思っていますし、地域が一体となって、孤立しがちな家庭を支える非常によい取り組みだと感じています。  そして、これに取り組む皆さんは、支援された子供たちが将来支援する側に回るようなそんな人に育ってほしいという願いを込めた未来への投資、人材育成事業といった強い思いを持って取り組まれているところであります。  現在、県においても子供の貧困対策事業として平成二十九年度から子供の居場所の支援に取り組まれていることから、以下の点について伺いたいと思います。  まず、子供の居場所の現状についてであります。  これまで子供の居場所づくりに県として取り組んでこられましたが、県内の子供の居場所の現状はどのようになっているのか伺います。  次に、課題に対する認識についてであります。  これまで県として、子供の居場所の支援に取り組む中で見えてきた課題があろうかと思っています。この課題に対して県はどのような認識を持っているのか伺います。  最後に、今後の取り組みについてでございます。  子供の居場所づくりについてさまざまな事業を実施してこられたと思いますが、子供の居場所をつくっていく中で、いかに継続していくことができるか、居場所をつくったはいいが、継続できずに居場所がなくなって困るのは子供たち、そういうことがないように取り組んでいく必要があると思っていますが、県では今後、子供の居場所に対する支援にどのように取り組んでいこうとしているのかお伺いいたします。  また現在、「『子どもの居場所を支える地域の力』マッチング強化事業」といったものが実施をされておりますが、これは「さが・こども未来応援プロジェクト実行委員会」に業務委託されていると伺っております。  この方々も支援の窓口であったりとか、さまざまに大きな役割を果たしていただいているというふうに理解をいたしておりますが、こういった組織に対しても、ある程度の段階に至るまで継続的な支援が必要だというふうに私としては考えていますが、このことについて県としての考え方を伺っておきたいというふうに思います。  以上で質問を終わります。(拍手) 3 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。古賀陽三議員の御質問にお答えいたします。  AYA世代のがんへの認識についてお尋ねがございました。  AYA世代と呼ばれております十五歳から三十九歳といいますと、古賀議員から御指摘いただきましたように、人生の基礎をつくるのに極めて大切な時期であります。  十代後半は、いろいろな夢や希望を思い描きながらも将来が定まらず、心身ともに不安定で多感な時期であります。そして、二十代、三十代といえば、社会へ飛び出し、仕事に打ち込んだり、家庭を築いたりと、人生の中でも大きな節目を迎えて、大きく花開く時期でもあります。  そうした、これからというときに突然がんと告知され、闘病を余儀なくされるかと思うと、そして、就職、結婚、子育てとか、将来への不安などを抱えるかと思うと、患者御本人やその御家族の衝撃と今後に対する不安は痛いほどわかります。  私が胃がんの告知を受けたのは、知事就任直後の、まさに人生を半分を過ぎた五十歳でありました。そうしたある程度年をとった私であっても、まさか自分がという思いですとか、進行レベルの判明まで数日あったかと思いますけれども、これはどの程度なんだろうかということで大変な不安に襲われました。  さて、本県におけるAYA世代がん罹患状況を見ますと、約七割が女性であります。そして、そのうちの約五割を乳がん、子宮頸がんが占めております。  こうした乳がん、子宮頸がんは若い世代の罹患が多いこともありまして、それらのがんについての正しい知識の普及啓発や検診の受診促進、さらに子宮がん検診の広域化など受診しやすい環境整備を行ってまいりました。  先月末には、議員から御紹介いただきましたように、子宮頸がんの正しい知識の普及啓発と検診の受診促進を目的に、知見、ノウハウを有するロシュグループの日本法人と「女性をがんから守る連携協定」を締結いたしました。  議員からお話しいただきましたように、若い世代はなかなかがんというところがぴんとこない、またそういう時期であります。しかしながら、特に女性を中心に罹患される方が多い。そして、罹患されると将来に対して非常に切ない不安な思いになるというところに我々はもっと思いをはせなければいけないと思います。  そうしたこともあって、その締結式の会場にも短期大学の女子学生などAYA世代の方に多く御来場いただきました。私は、今後もこうした世代にしっかりと検診の大切さを訴えていきたいと思います。  そして、AYA世代においては、がん治療に伴う生殖機能の温存や自宅で療養するための費用が、医療保険や介護保険などの対象とならないといった公的支援制度のはざまで生じている課題もあると認識しています。  これから進学したい、こういう職業につきたい、結婚して幸せな家庭を築きたいといった夢や希望を応援したいと思っています。そうした思いでAYA世代のがん対策をしっかりと検討して、できることから始めていきたいと思っております。 4 ◎進総務部長 登壇=私からは、組織運営について二問お答えいたします。  まず、組織改正の考え方についてでございます。  組織につきましては、限りある人員の中で、多様化する県民ニーズ社会経済情勢の変化に対応し、県民に質の高い行政サービスを提供できるよう、効果的、効率的に業務を推進できる体制を整備することが必要であると考えております。  その際には、着実に業務に取り組むため、安定的な組織体制であるということも大切な視点でございますが、議員御指摘のとおり、県民ニーズや環境の変化に対応し、時々の課題に的確かつ柔軟に対応していくためには、適時適切にタイミングを逃さずに組織の見直しを行うということも必要であると考えております。  これまでも年度途中におきまして、平成二十七年七月にはさが創生推進課、また、平成二十九年一月には肥前さが幕末維新博事務局、また、同年七月には総合運動場等整備推進室を設置するなど、効果的、効率的な業務を推進できる体制の構築を図ってまいりました。  今後とも、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を基本理念に、「佐賀県総合計画二〇一九」に基づく各施策が着実に推進されるよう、県民に質の高いサービスを提供する観点から組織編成を行ってまいります。  続きまして、人事異動についてお答えいたします。  人事異動につきましては、県民に質の高いサービスを提供するため、組織の活性化や人材育成の観点も踏まえ、定期的に行っておりまして、一般的には四月に行っているところでございますが、佐賀県におきましては、平成二十八年度からは十月にも定期人事異動を実施しているところでございます。  これは、組織として年間を通じた安定的な業務の遂行、また、環境変化への対応を実現するために導入したものでございます。  また、一般的に異動といいますと転居を伴う場合がございますけれども、佐賀県はコンパクトな県でありまして、引っ越しを伴わない異動が可能であると。特に年度途中の引っ越しですと、お子さんの転校が気がかりだと思いますが、その心配がないということも十月異動導入をした背景でございます。  具体的には、安定的な業務の遂行という点では、前年度に事業の立案、予算要求を行った職員が四月以降も事業に携わることで翌年度も責任を持って対応することとなり、迅速かつ円滑な事業の実施が可能となること。また、異動規模を分散することによりまして、一斉に多くの職員が異動することによる一時的な組織力低下が軽減できる。また、出納局など四月に業務の繁忙期を迎える所属においては、十月異動を行うことで安定的な業務の遂行が可能となるなどの利点がございます。  また、環境変化への対応という点では、年度途中における突発的な事象、例えば、災害や緊急経済対策などへの対応が可能となること。また、あらかじめ年度後半から事業量が増加する、また、逆に減少するということがわかっているような所属もございます。そうした場合に計画的に人員を配置できるなど人的資源の効果的な活用が可能となります。  十月異動につきましては、今年度で四年目の取り組みとなりました。当初想定していた効果が発揮されていると考えておりまして、組織運営上の観点から十月異動の有効性は高いものと評価しております。  引き続き年二回の定期人事異動を初め、適時適切な人事異動を行いまして、安定的な業務の遂行や、社会や時代の変化に応じた質の高い行政サービスを県民に提供できるよう努めてまいります。  以上でございます。 5 ◎川久保健康福祉部長 登壇=私からは、AYA世代のがん対策について、それから、人生会議について、大きく二つの御質問にお答えをいたします。  一問目のAYA世代のがん対策につきまして、AYA世代のがん対策の課題と対応についてお答えをいたします。  AYA世代のがんにつきましては、ほかの世代に比べて患者数が少なく、医療従事者に診療や相談支援の経験が蓄積されにくいこと、それから議員御指摘のとおり、年代によって、就学、就労や生殖機能などの状況が異なり、患者の立場に立った教育、就労、生殖機能の温存などに関する情報や相談体制が十分ではないことなど、国においても、「小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会」におきまして、現状把握や課題整理がなされている段階でございます。  県といたしましても、AYA世代のがんにつきましては、各種公的支援制度のはざまとなっていることが課題だと認識をしております。  例えば、抗がん剤治療や放射線治療などのがん治療が生殖機能に影響を与えることもあることから、将来、子供を持ちたいと希望する方には、治療前に精子や卵子などを採取いたしまして凍結保存する、いわゆる妊孕性温存治療も実施されておりますが、医療保険の対象外であることから治療費の負担が高額になると聞いております。  また、がん患者が自宅での療養を希望された場合、四十歳以上であれば、介護保険の対象となり、原則一割負担で介護ベッドなどの福祉用具の貸与、購入や訪問看護などのサービスを受けることができます。しかしながら、それより若いAYA世代は介護保険の対象とならず、自宅療養にかかる費用が全額自己負担となることに加え、介護する家族の身体的負担も大変大きなものとなっております。  県内のがん診療連携拠点病院の相談支援センターにもこうした相談が寄せられておりまして、現場の相談員からは、このような方々への支援があれば患者さんにもっと安心していただけるのにという声を聞いております。  先ほど知事からは、対策についてできることから始めていきたいと答弁がございました。AYA世代のがん患者の方々が安心して治療を受け、療養生活を送っていただけるよう、現場の医療関係者の方々の話もよく伺いまして、患者の方々の経済的負担を軽減するなどの具体的な対策について検討を始めていきたいと思っております。  なお、この世代に多い乳がん、子宮頸がんといった女性特有のがん対策につきましては、これまでも重点的に取り組んできたところでございますが、先日、「女性をがんから守る連携協定」を締結した企業とも連携をいたしまして、この世代への正しい知識の普及啓発や検診の受診促進にますます力を入れてまいりたいと考えております。  また、今県民の健康づくりに向けて「さが健康維新県民運動」に取り組んでおります。若いころから自分の健康に関心を持ち、生活習慣に気を配ってもらえるよう、AYA世代を含めた若い世代への啓発にも力を入れていきたいと考えております。  次に、二問目の人生会議についてお答えをいたします。  住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、本人がみずからの意思を伝えられない状態になる前に、医療・ケアの方針やどのような生き方を望むのかを、日ごろから周囲と話し合っておくことは大切なことだと思っております。  人生会議は、本人にとっては自分の望む形でより豊かな最期を迎えるため、家族にとっては本人の考えをあらかじめ理解しておくため、医療やケアを行う人々にとっては本人の望む最期のあり方を関係者間で共有しサポートするため、必要なプロセスであると認識をしております。  国が平成二十九年度に実施した「人生の最終段階における医療に関する意識調査」の結果によりますと、人生会議の認知度は三割以下にとどまっており、また、私の感覚といたしましても、ふだんから家族や医療・介護関係者と話し合いながら自分の意思を共有している方というのは周りにはそうはいらっしゃらないように思います。  ちなみに、私自身も、高齢ですがまだ元気な両親から延命治療は要らないというふうにはっきりと宣言されてはおるわけですけれども、もっともっと深い話し合いが必要だなというふうに自覚しております。  県といたしましては、高齢者と接する機会の多いかかりつけ医や介護関係者、これからシニア世代へ仲間入りする方、さらには、高齢者と暮らす家族などを中心に普及啓発が必要と考え、取り組みを行っております。  具体的には、佐賀県医療センター好生館に委託をいたしまして、介護施設などにおいても、本人が望むみとりを実現していただくための研修事業を平成二十八年度から実施をしております。これまでは、一カ所一圏域で実施しておりましたが、今年度から県内五圏域に拡大をいたしまして、介護福祉士、介護士、ケアマネジャー、看護師、かかりつけ医の方々に研修に参加をしていただいております。  また、今年度から新たに県医師会に委託をいたしまして、医師向けの研修会の開催及び医師向けの手引き書の作成に取り組んでいるところでございます。
     また、子から親にはなかなか人生会議について言い出しにくいという面もあることから、今年度からシニア世代の学習や交流の場である「ゆめさが大学」の「知っておきたい法律知識」の講義の中で、弁護士や社会福祉士の資格を持つ講師の方から人生会議を取り上げていただき、高齢者自身に関心を持っていただく機会をつくっているところでございます。  さらに、高齢者と暮らす家族につきましては、住民に身近な市町や地域がん診療連携拠点病院などが主体となりまして、市民公開講座の実施やエンディング・ノート、これは佐賀市の場合、あんしんノートと申しますけれども、こういったノートの発行などの取り組みが進められているところでございます。  県でも、こうした市町や関係団体の取り組み、あるいは発行している資料などを県のホームページで紹介をいたしたいと考えておりまして、今後県の広報なども活用いたしまして広く県民に関心を持っていただけるよう力を入れていきたいと思っております。  議員もおっしゃられましたとおり、人生はいつ何どき何があるかわかりません。ですから、人生会議は決して高齢者のためだけのものではないと思っております。若い人も日ごろから意識しておくことが大事だと思っております。  人生会議という名のとおり、会議でございますので、人生の最終段階を一人や二人で決めるのではなく、本人とそこにつながるたくさんの方々の間で何度も話し合いながら、本人の望む最期のあり方を共有していくことに意味があると考えております。人生会議という名に込められたこの思いも含めまして、広く県民の皆さんに知っていただき、そして、実践していただけるよう努めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 6 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=私からは、子供の居場所づくりについてお答えをいたします。  初めに、現状について申し上げます。  地域の子供たち誰もが、地域の信頼できる大人たちの見守りの中で安心して集える場所、具体的には子供食堂など食を提供する場や学習支援、遊びを行える場であります子供の居場所は、県が把握していますところでは現在県内に三十二カ所ございます。  県では、平成二十九年度から子供の居場所に対する支援を行っておりまして、具体的に幾つか申し上げますと、意見交換会や先進事例などの講演会、研修会の開催、そして、子供の居場所に関する情報を一元的に提供いたしますポータルサイトの開設や情報発信、開設を希望する団体等への相談支援や開設、運営のノウハウをわかりやすく紹介した冊子の作成、開設経費の補助、支援者の開拓や支援者とのマッチング支援や交流会などを行ってまいっております。  こうした支援に取り組んだ結果、平成二十八年度は七市町に八カ所だった子供の居場所は、平成二十九年度には八市町十四カ所、平成三十年度は十二市町二十八カ所、今年度は十二市町三十二カ所と増加傾向にございます。これとは別に不定期で行っている居場所など十九カ所もございます。  こうした子供の居場所は、NPO法人や社会福祉法人、地域のボランティア団体など、さまざまな運営主体により開設、運営をされております。  次に、課題に対する認識についてでございます。  子供の居場所はまだ全県下には広がっておらず、市町単位で見ましても、その中心部に集中するなど、地域に偏在がございます。  また、子供の居場所には、必要な資金、食材、人材など地域資源が不足しがちで、継続的な運営が難しい状況に置かれております。  これらの課題への対応として、開設意欲のある方々に対する相談支援や、不足する資源を確保するため、居場所の運営者と支援者とのマッチング支援を強化していく必要があると考えております。  今後の取り組みについてお答えをいたします。  ことし八月に子供の居場所の運営者と支援者との交流会に私も参加をいたしました。そこでは居場所を開設したい、何かできることがあればお手伝いをしたい、直接はかかわれないけれども、食材だったら提供できるなどといった御意見がございました。予定していた会場には、事前に申し込みをしていた参加者以外に当日駆けつけてくださった方が多くいらっしゃって、熱気にあふれかえっておりました。  何らかの形で子供たちや地域のために役立ちたいと考えている方々、議員から御紹介がございました「こどもおなか一杯便プロジェクト」ですとか、「ふれあいハート食堂」などをやっている方々、そういう熱い思いの方々が佐賀にはたくさん多くいらっしゃって、その思いを大切にしていきたいというふうに改めて思ったところでございます。  県では子供の居場所づくりにつきましては、地域の方々のそうした思いから取り組まれている活動を大切に、それを行政が後押しすることを基本としてまいっております。今後も官民連携の取り組みにより、地域の力を生かして子供の居場所の継続的な運営が可能となる体制づくりが必要でございます。  このため、今年度から新たに実施しています、議員から御指摘がございました支援者とのマッチング支援や相談支援等を行うマッチング強化事業でございますが、これは委託をしている民間団体がその持っているネットワーク、ノウハウを生かして取り組んでいただいておりまして、運営者や運営を考えている方々にとって力強い支えとなっているというふうに認識をしております。この事業は県としても重要な取り組みであって大切にしていきたいと考えております。  今後とも、市町や企業、CSOなど、佐賀県の地域の力を最大限に生かしまして、子供たちが安心して集える身近な居場所づくりに多くの方々が取り組んでいただけるよう支援しまして、みんなで子供たちの健やかな成長を見守っていきたい、そういうふうに考えております。  以上でございます。 7 ◎古賀陽三君 登壇=再質問をさせていただきたいと思います。  子供の居場所についてということでございますが、現在三十二カ所、平成二十八年は七カ所、平成二十九年に十四カ所、そして平成三十年に二十八カ所、そして現在三十二カ所ということで答弁をいただきましたが、これまで平成二十九年度に「子どもの居場所ネットワーク形成事業」、そして平成三十年度にも「子どもの居場所ネットワーク形成事業」、これは継続で行っていただいています。そこに平成三十年度に新たに「子どもの居場所拡大事業」ということで事業を行われました。そして令和元年度に「『子どもの居場所を支える地域の力』マッチング強化事業」ということで現在も行われていると思いますが、当初、たしか平成三十年度の「子どもの居場所拡大事業」では、五十カ所を目指すといったような答弁をいただいたというふうに記憶をいたしておりますが、五十カ所に届くにはまだまだ非常に厳しいのかなという反面、ほかでは十九あるということで、トータルすれば五十カ所に届く数字というものはあるかと思いますが、そもそもこの「子どもの居場所拡大事業」での実績というものはどのようになっているのかということをお答えいただきたいというふうに思います。  先ほどNPO、社会福祉法人とかCSOということで、やっぱり民間の方々が非常に頑張っていただいているなといったようなこともありまして、ある程度すみ分け、行政がかかわることで支援者、運営者の皆さん、お互いの信用度合いというものも高まってくるというふうに思います。ただやっぱり行政にもある程度の限界があるのかなといったようなこと、例えば、数をふやしていくというようなこと、専門的な部分はしっかりと民の皆さんに任せて、そこをいかにしっかりと支援していくかということを考えたほうがいいのかなというようなことを思いますし、平成二十九年度、平成三十年度と令和元年度ということで事業を行っていただいていますが、継続性ということが一番大切なんだろうというふうに思います。  こうして言葉は悪いかもしれませんが、事業が変わるということ、きちんとした分析をした上で行政として何が足りなかったのか、そういったことを踏まえながら事業を考え、そして実施していく必要性というものをぜひ頭に入れながら、この「子どもの居場所ネットワーク形成事業」に関しては取り組んでいただきたいというふうに思います。そうしなければ、困るのは子供たちです。  居場所はつくったはいいけど、なくなってしまうというようなことにもなりかねませんので、引き続きの継続等を含め、また、この事業名がずっと変わっていますけれども、いろんな検証をなされたと思いますが、どういった考え方に基づいてこうして事業を変更されてきたのかということもあわせてお答えいただきたいというふうに思います。  以上で質問を終わります。 8 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=再質問にお答えをさせていただきます。  平成三十年度の「子どもの居場所拡大事業」の実績は、という御質問がございました。  平成三十年度の「子どもの居場所拡大事業」といいますのは、当時、居場所を運営されている方々と情報交換をする中で、子供の居場所の開設に向けた支援を望む声が上がっておりました。それを受けて平成三十年度に事業化したものでございます。  そのときの県内アンケートでは、NPO法人や社会福祉法人など、約五十の団体が関心を持っておられましたので、五十団体を見込んで予算をお願いさせていただいて実施をしました。  事業開始当時は、少しでも子供の居場所づくりが進みやすいようにということで、そうしたニーズに応えようということで数多くの補助を活用していただきたいと、そういうふうに考えておりました。しかし、実際にやってみますと、開設自体は自分が準備できる範囲で何とかできても、その後の継続が見通せないとできないと、そういったお声がございます。実際のニーズに合っていないというところもあったと思っておりまして、実際の利用件数は四件でございました。  そこの中から見えてきた課題としましては、例えば、食材や人材などが不足していたり、困ったときに相談できる人がいないなど、継続していく上での課題、そこへ対応する必要があるということでございます。このため、継続的な運営を支援することができるよう事業の見直しを行いまして、今年度からは支援者とのマッチング支援、相談支援等を中心とした内容で実施をすることといたしております。  行政がかかわること、継続性が大事という御指摘、また、何が足りなかったのかというのをきちんと検証することという御指摘をいただきました。私どもも、子供の居場所というのは、本当に子供にとって身近にたくさんあってほしいと思っていますし、善意の中で始まった事業が、できるだけ続けていっていただきたいという思いを持っておりますので、行政はその後押しをしていきたいと。現場のニーズをちゃんと把握いたしまして、行政としてできる部分というのを対応して、しっかり支えていきたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 9 ◎弘川貴紀君(拍手)登壇=こんにちは。SDGsの会、弘川貴紀です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  師走のこの時期になりますと、来年の予測やキーワードが躍っています。とりわけ私が気に入っているのは、大手広告代理店が言っている、それは「変化本番」という言葉です。これまであった小さな変化が大きくなり、本流になり始める年になるという、言い得て妙だと腑に落ちました。  翻って佐賀県を見てみますと、循環のサイクルが好転している、いわゆる好循環の兆しが数多く見出されています。今回はこの好循環というキーワードで四項目を取り上げたいと思います。  まず、佐賀国スポに向けての競技力向上についてです。  茨城県で開催予定であった第十九回全国障害者スポーツ大会は、台風十九号の接近で史上初の中止となりました。本番に向けて練習を積まれてきたのに残念であったと選手の一人が申されておりました。昨年の開催地である福井県の、何と八十八歳の方がフライングディスク競技に、もし大会が開催され出場されていれば、全国最年長記録の更新がかかっていたそうです。  「さが総文」から受け渡されたバトンを引き継ぎ、九月末からの「いきいき茨城ゆめ国体」には佐賀県から約四百人の選手、監督などが参加し、日ごろの血のにじむような練習の成果を発揮されました。  昨年の福井国体では八百二十六・五点と比較すると、四点加算し、八百三十・五点を獲得し、同じ三十三位でありました。お家芸のラグビーと新体操はもとより、レスリング、ライフル射撃、スポーツクライミングでは堂々の優勝。入賞競技が昨年より三競技ふえ、入賞種目も五種目あり、二十一競技四十四種目となっております。  また、バスケットボール少年女子が佐賀国体以来、四十三年ぶりとなる五位入賞、ボウリング少年女子が初の入賞を果たすなど、今後に向けて明るい話題の多い大会でありました。着実に競技力向上に取り組まれている成果があらわれていると私は思っています。また、少年種別の活躍が光り、女性の躍進も好材料でした。  当然、国体に出場するためには予選があります。この夏、八年ぶりに九州ブロック大会が本県で開催され、私も数競技応援させていただきました。本戦の国体に出場のかかった決勝で涙をのんだチームや選手が多くありました。捲土重来の糧とされています。仮に本戦出場されていたら、私の計算ではポイントは八十点ぐらい加算されて、恐らく九百十点ぐらいになったと思われます。この得点は、佐賀県が目標としていた二十位台の前半です。二十四位であった茨城国体の山口県の得点は九百八点です。このことから、競技力向上に一定の成果があらわれていると私は分析しています。  佐賀国スポで天皇杯獲得という大きな目標を達成するためには、今回の国体の成績を正しく評価し、今後の貴重な材料にしていくことは極めて大切と思われます。  先催県の事例を見てみますと、名前は多少変わりますけれども、スポーツ専門員とか、スポーツ特別コーチとか、そういう存在が今から大きく左右してきますが、この件に関しては機が熟してからといたします。  そこで、三点について伺います。  一点目は分析です。  あと四年に迫り、来年は充実期の最後の年です。茨城国体の結果から、これまでの取り組みが生かされた点や、今後さらなる育成を図る点など、さまざまな気づきがあったと思われます。結果をどのように分析されているのかをお尋ねいたします。  二点目は、スポーツ科学の活用についてです。  昨今、スポーツの世界では選手の動作解析やデータ分析などICTを活用して競技力アップや戦法、ひいては戦術に生かすケースがふえています。今後は活用することが当たり前であり、活用しないチームは逆に大きなビハインドを抱えます。ICTに限らず、栄養学、フィジカルトレーニングやメンタル面など、スポーツ科学の進展は目覚ましいものがあります。競技団体の指導者は、十分な情報を持っている方々ばかりではないと私は推察いたします。  国スポの結果のみならず、SSP構想のもと、中長期にわたり、佐賀県がアスリートや指導者に寄り添った地方の地域となるためには、県内の指導者にこのスポーツ科学についての知見や活動機会を提供することは、県の重要な役割だと考えます。また、こういう支援は県でないとできないとさえ思っています。好循環を生むためにどのように普及定着させ、支援しようとされているのかをお尋ねいたします。  最後は、競技間の指導者及び選手の交流についてです。  十月末にスポーツ振興対策等特別委員会の県外視察で岡山県スポーツ協会を視察させていただきました。岡山は十四年前に国体を終えていますが、開催後も十位台前半を維持、キープしている、大都市を除き、異例の強さの県です。  女性アスリートサポート事業や医・科学サポート、特に歯科の歯のサポートもやっていらっしゃいます。メニューは豊富でしたけれども、その中でも目を引いたのが異なる競技の指導者や選手が集まる競技間交流事業でした。専門の競技だけではなく、他の競技との交流で、クロストレーニングや指導者は勝利に対しての共通な考え方を共有することができ、また選手についてもチーム岡山、オール岡山の機運の醸成に大きく寄与していました。  そこで、競技の垣根を越えた指導者や選手の交流について、県としてどのように取り組んでいかれるのかをお尋ねいたします。  二項目めは、県民の健康づくりの推進についてです。  本県ではことし十月七日に「さが健康維新県民会議二〇一九」を開催し、県内の企業、団体などが参加して生活習慣病の予防と健康づくりに向けた県民運動をスタートさせました。その健康づくりの一つとして、ウオーキングアプリ「SAGATOCO」を活用し、一日の歩く目標、そして健診やイベント参加によるポイント取得を楽しむということを通して、歩く習慣づくりに貢献しようというものです。  私も四年ほど前からこういった健康ポイントに注目して調査研究をずっとしておりました。自分のために始める運動やイベント参加がポイントとなり、そのたまったポイントを、例えば、近くの保育園や幼稚園に寄附をするといった、そういう徳の循環が持続可能なまちづくりに一役買うのではないかと思っており、この「SAGATOCO」は願ってもないすばらしいツールであります。  早速ダウンロードして、十月から十一月にかけて地区の祭りが多くありました。そこでの挨拶で、会う人、会う人に普及を進めてまいってきました。今後ともこの「SAGATOCO」を一つのきっかけとして、健康に関心を持っていただき、県民一人一人のコミュニケーションツールや共通言語として双方の距離を縮める役割に寄与していくことと思います。  当面は加速度的に参加者をふやすことが大切と思われますが、近い将来をイメージしますと、健康寿命の延伸による医療費抑制や、ポイント消費による地域内経済循環の指数や、地域内乗数効果の向上も視野に入ってくるものと確信しています。好循環の絶好のチャンス到来です。  そこで、次の三点についてお尋ねいたします。  一点目は、本県にはどのような健康課題があり、「SAGATOCO」を開発することに至ったのか、その背景です。  二点目は、歩く習慣づくりのためには「SAGATOCO」を一層普及させる必要があります。そのためには魅力あるものとする必要がありますが、どのように機能を充実させていかれるのか。また一方で、スマートフォンを持たない方々については歩く習慣づくりをどのように働きかけていくのかをお尋ねいたします。  三点目は、歩くことを習慣化する取り組みだけでは健康課題の解決には結びつかないと思われます。今後、県民の健康づくりを推進し、健康長寿の社会を目指すためにどのように取り組んでいかれるのかをお尋ねいたします。  三項目めに移ります。キャリア・パスポートの導入についてです。  四カ月後の令和二年四月から、英語とプログラミング教育と同時期に、文科省が小・中・高校生に対し、学習や学級生活の目標を設定し、達成度を自己評価するキャリア・パスポートを導入します。  これからの世の中は、知識、情報、技術をめぐる変化が加速度的に増していく社会であり、児童生徒はその予測できない変化に受け身ではなく主体的に向き合い、その過程を通してみずからの可能性を発揮し、よりよい幸福な人生のつくり手となっていかなければならないと考えます。  また、新学習指導要領において、小中学校、高等学校など、全ての校種において、社会的、職業的自立に向けて必要な基盤となる資質、能力を身につけていくことができるよう、キャリア教育の充実を図ることが明示されました。このような中、「学校、家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て、学んだことを振り返りながら、新たな学習や生活への意欲につながり、将来の生き方を考えたりする活動を行うこと。その際、児童生徒が活動を記録し蓄積する教材を活用すること」として、文部科学省は先ほども申し上げましたように、令和二年度からキャリア・パスポートを導入することにしました。  このキャリア・パスポートは、全ての校種において学年ごとに学校内外での活動等を記録したシートを児童生徒みずから作成し、蓄積していく教材であり、学習や学校生活の目標を設定しながら達成度を自己評価するための教材であると理解していますけれども、今後のキャリア教育の有効な取り組みになるのではないかと私は期待しています。  先行実施をされている秋田県では、自己肯定感が全国と比べて七ポイントから十一ポイント高いと高く評価されています。効果は少し先になると思われますが、蓄積したシートにより自分を振り返ることが自己肯定感に寄与して、昔はこんなことを頑張っていたんだなと振り返ることで迷いが消えていくのではないかと私は思っております。  そこで、二点御質問させていただきます。  キャリア・パスポートの目的と、どのようなものかをまずお伺いいたします。  二点目は、キャリア・パスポートの円滑な実施のため、県教育委員会としてどのように取り組んでいかれるのか、以上の二点を教育長にお尋ねいたします。  最後の四項目めは、犯罪被害者等支援についてです。  平成十九年十一月八日、武雄の病院で悲惨な事件がありました。最愛の夫を亡くされた宮元篤紀さん、御縁があって八年前から存じ上げております。息子同士が中学の同級生で仲がよく、今でも肝胆相照らす仲です。  宮本さんは警察本部が主催し、「被害者支援ネットワーク佐賀VOISS」が企画運営している「命の大切さを学ぶ教室」などでお仕事の傍ら、講演活動を続けられています。  西唐津中学校で、「痛みが教えてくれたこと」と題してお話をされた中で印象的なお話があります。  事件当時、お子様は小学校三年生と四年生。男の子二人が通う学校に当日電話を入れ、次のように言われたそうです。どうか、彼らにこのことを言わないでください。私の口から伝えます。きょうが彼らが普通の小学生として学校で過ごす最後の一日となります。きょう一日だけ当たり前で普通の生活を過ごさせてあげてください。  さらに、中学生に向けて、自分にも起こり得るかもしれないって想像することで、もしかしたらすぐ目の前にある幸せや大切なものに気づけるかもしれません。大切なもの、自分の中にある何かを揺さぶろう。みんなの心にはもう最初からちゃんとあるものです。それは磨けるものだから磨いてと講演を締めくくられました。  先日、十九日に佐賀市のアバンセで開催された「犯罪被害者支援フォーラム二〇一九」にこの議場にいらっしゃる先輩議員、同僚議員十一名で出席しました。小林副知事と杉内警察本部長、お二人の挨拶で始まり、支援のあり方や、これからの方向性についてパネルディスカッションが行われました。現在、四十七都道府県において全ての自治体で犯罪被害者等支援条例が制定されているのは、佐賀県を含め全国で五つの県のみであり、佐賀県は支援する体制が早期に整えられています。  フォーラムでは、欧米より日本は二十年おくれていると言われました。どこに相談してよいか、二次被害を生むおそれがあるとか、また支援を決めるのは被害者自身であってほしい、さらに大分県の「支援ノート」というものがあるのですが、その「支援ノート」を見れば、どの機関がどのような支援をしているかが一目でわかると弁護士の方は言われるなど、佐賀県としてもう一歩進んだ取り組みはできないものかと考えていくべき課題だと私は感じたところです。  この県議会でも、先輩の木村議員や池田議員も取り上げられています。直近では、さきの決算特別委員会で西久保議員から市町の対応のあり方や研修のやり方などが議論されたように、実効性のある条例にするためには、今後の取り組みが重要であると感じます。  他県においては、被害者に対する新たな補助制度などにより支援の充実が図られている地域もありますけれども、支援のあり方として予算を伴わずとも取り組めるものもあり、当事者の声を聞きながら、県及び県警察を初めとした関係機関のさらなる連携や知恵の出し合いが必要と考えます。  そこで、次の二点についてお尋ねします。  県における犯罪被害者等支援の取り組みについてです。  今後、県においては犯罪被害者等支援をどのように進めていくお考えかをお尋ねいたします。  そして最後に、杉内警察本部長は、警察庁入庁後に、この被害者支援の立ち上げに携わられたこともあり、この犯罪被害者等支援について思いを持たれていると考えます。今後、県警察においては、犯罪被害者等支援をどのように進めていくお考えか、所見を聞いて、私の質問といたします。(拍手) 10 ◎原県民環境部長 登壇=弘川貴紀議員の御質問にお答えいたします。  私のほうからは、犯罪被害者等支援についてのうち、県におけます支援の取り組みについてお答えいたします。  私たち誰もが、ある日突然犯罪や事故に巻き込まれ、平穏な暮らしが一瞬にして奪われるおそれがございます。記憶に新しいところでは、京都のアニメ会社の放火事件がございました。本当に悲しい、非常に心が痛む事件でございました。思いがけずにそうした犯罪に巻き込まれ、生命を奪われたり、家族を失ったり、障害を負ったりいたします。不幸にしてつらい思いも抱えることとなった被害者御本人、御家族の関係者の方々をしっかりと支援すること、これは我々県に与えられた責務だと、そのように感じております。  犯罪の被害に遭われた方は、直接的な被害だけではなく、収入の減少、治療費の負担、そういった経済的な問題もございます。周囲の無理解や心ない対応によります精神的な苦痛、そのほか住まいの確保でありますとか、子供の教育など長期間にわたりさまざまな問題に苦しんでおられるところでございます。  そのため県といたしましては、犯罪被害者等から意見を聞いて、被害者の思いをしっかり受けとめ、真に寄り添った途切れのない支援を行いますとともに、犯罪被害者の方々の実情を県民の方にしっかり伝え、理解を深め、その支援の輪が広がっていくような取り組みを進めております。  具体的には、裁判所や警察などへの付き添いなどを行います犯罪被害者支援ボランティアの養成でありますとか、これは直接被害者の方から聞いたお話でございますが、収入の多寡にかかわらずに無料法律相談を受けられるようにしてほしいというような声もございまして、平成三十年度からは法律相談費用の補助も始めております。また、被害者の方の最も身近な行政の窓口となりますと、やはり市町になります。そういう市町の職員の方にも、やっぱり自分たちのことを理解していただきたいというお話もございましたので、市町職員のスキルと意識を高めるための研修会の開催、コーディネーターを派遣しての出前講座、そういうことなどに今取り組んでおるところでございます。  また、県民の方の理解促進のために、先ほど議員から御紹介がございましたけれども、県警察などとの共催によります犯罪被害者支援フォーラムの開催など、こういったことに取り組んでおります。  今後でございますけれども、ただいま申し上げました取り組みをしっかりと進めることはもちろんでございますが、先ほど議員から御紹介がありました「支援ノート」ですね。私は、大分ではございませんけれども、京都府がつくられた支援ノートの実物を拝見させていただきました。最初どういったノートかわからなかったんですけれども、それを見て、ああ、こういういろんな記録をずっと残していって、相談した先にもいろいろ記入をしていただいて、自分の記録としてずっと残るという、非常にすばらしいものだなと思いました。  やはり被害者の方は、警察の事情聴取でありますとか裁判、いろんな行政手続で同じことを繰り返し繰り返し説明しなければならないというような非常に負担があられるということで、そういった記録をきちっと残しておけば、そういうことをせずにそのノートをぱっと見せれば、皆さんすぐにそれを読めば理解していただくというようなことでございますので、我々もこのノートの作成の検討を始めたいというふうに考えております。  また、これも先ほど議員からお話がありましたが、全市町で条例を制定しております。これはやはり我々の、本県の強みだと思います。県民のさらなる理解促進に向けまして、地域においてもそういう被害者の方の話を直接聞くような機会を設置していただくように、我々は市町のほうに積極的に働きかけていこうと考えております。そうすることで、県民の方々が、他人ごとではなくて自分たちのことだと、自分ごとだと、自分たちにも起こり得ることだということをしっかり理解していただければ、いわゆる二次被害も少なくなっていくのではないかと考えております。積極的に働きかけていきたいと思います。
     我々が目指しますのは、犯罪被害者の方が県内のどこに住んでいても適切な支援を途切れなく受けることができて、再び平穏な生活を営むことができるようにすることでございます。  県といたしましては、それに向けまして、県警察、市町、民間の支援団体などとしっかりと連携をとって引き続き全力で取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 11 ◎川久保健康福祉部長 登壇=私からは、県民の健康づくりの推進につきまして三項目お答えをいたします。  初めに、「SAGATOCO」を開発した背景等についてでございます。  佐賀県では、近年、メタボ予備軍及びメタボ該当者の割合が急増しており、また、糖尿病及び糖尿病予備軍の割合が全国一高いことなど、そういったことが県民の健康課題として挙げられ、これまで以上に対策が必要と考えております。糖尿病などの生活習慣病を予防するためには、歩くなどの適度な運動と正しい食生活の実践などが必要でございますが、佐賀県民の一日当たりの平均歩数は男性で七千二百八十三歩、女性で六千六百三十五歩と、東京都民と比べますと男性で約千三百歩、女性で六百歩少なくなっておりまして、また、運動習慣のある方の割合も全国と比較して低くなっております。  その要因の一つといたしましては、県民の自家用車への依存度が高く、近くでも車を利用してしまうと、そういったことで歩くことなどの毎日の適度な運動が実践されていないのじゃないかというふうに考えております。  歩く習慣があると、脳の活性化や心肺機能のアップ、肥満の解消、ストレスの解消など、さまざまな効果がございます。生活習慣病の予防のためには、特に運動習慣のある者の割合が低い働き盛り世代へのアプローチが必要と考えました。  議員からは、経済の好循環の絶好のチャンスというお話もございました。確かに県民みんなが町なかを歩きますことで、人との会話がふえ、交流が生まれ、お店への立ち寄りもふえ、町のにぎわいづくりにもつながること、そういったことを大いに期待いたしております。  こうしたことから、県民に楽しみながら町なかを歩いてもらい、健康づくりのきっかけにしていただきたいと考えまして、現在、全庁的に推進しております「歩こう。佐賀県。」、これは電車などを利用して歩くことへの転換を呼びかけている取り組みでございますが、この取り組みの一環といたしまして「SAGATOCO」を開発し、誰でもどこでも気軽に歩くことに取り組んでもらえるようにしたところでございます。  次に、「SAGATOCO」の普及推進等についてお答えをいたします。  「SAGATOCO」は本年十月十六日の配信開始から、知事以下、全庁を挙げて周知に努めたこと、また各団体、企業、市町の皆様の御協力によりまして、けさ確認しましたところ、もうすぐ一万五千件に迫るダウンロード数に伸びております。これは既にウオーキングアプリを導入している近隣県と比較いたしましても、二倍から三倍の速さで一万ダウンロードに達しておりまして、県民の皆様に非常に御好評いただいているのではないかと考えております。  「SAGATOCO」の配信後、非常に見やすくて、さくさく動く、職場でお互いに歩数を話題にして盛り上がることがふえた、社員の健康づくりにぜひ活用したいなどという声を聞いております。  県庁でも以前から昼休みに周辺を散歩している職員がおりますが、その職員によりますと、最近とみに新顔がふえたと、お仲間がふえたというふうに聞いておりまして、職員の意識も高まっているものと実感しているところでございます。  「SAGATOCO」を一層普及させていくためには、さらに企業への働きかけや県民への周知を図りますとともに、魅力あるアプリとするための機能の充実が必要であると考えております。このため、十二月二日から新たな機能といたしまして、歩くことやイベントなどの参加によりましてポイントをため、協力店でのドリンクの提供や割引に利用できるサービス、それから企業内での個人の順位や企業ごとの順位を示すランキング表示、これを追加したところでございます。  また、今後、サービスを提供していただく協力店をさらにふやしていきまして、魅力ある店にたくさん参加いただきたいというふうに考えております。また、車椅子の利用者の方も活用できる機能の追加、あるいはバーチャルウオーキングコースの追加、それから仲よしグループでのランキング表示ができる機能の追加などに取り組む予定としております。  県民の皆様が「SAGATOCO」を活用して、楽しく歩きながら健康づくりを継続してもらうように引き続き機能を充実してまいりたいと思っております。  それから、スマートフォンを持たない方への対応についてのお尋ねもございました。  生活習慣病の予防を目的とした取り組みの主な対象は、二十代から五十代の働き盛り世代でございまして、この世代のスマートフォンの保有率は八割から九割と高いことから、このスマートフォンアプリを活用することにいたしたところでございます。  県といたしましては、スマートフォンを持たない方々にも、例えば、歩数計を活用したり、毎日このくらいの距離を歩けば何歩になるなというような、そういった感覚を意識していただいて、歩く習慣を身につけてほしいと呼びかけていきたいと考えております。そのためには、健康増進にもたらす効果を県民だよりなどの広報で周知いたしますとともに、「さが健康維新県民会議」の構成団体が実施いたします取り組みの中でもしっかりと伝えてまいりたいと考えております。  次に、今後の健康づくりの取り組みについてでございます。  今年度から始めました、「さが健康維新県民運動」は、関係団体や行政が一緒になりまして、健康に無関心な方々や健診の機会が少ない方々を含めた県民の健康づくりを社会全体で進めていくことを目的としておりまして、四つの柱、すなわち「歩く・身体活動」が一つ目、それから「食と栄養」が二つ目でございます。それから、三つ目が「歯と口の健康」、そして四つ目に「たばこ対策」、これを柱といたしまして、今後四年間でこれらを重点的に取り組んでいくこととしております。  具体的には、「歩く・身体活動」につきましては、この「SAGATOCO」の活用、そして「食と栄養」につきましては、佐賀県民の一日当たりの野菜の摂取量は全国と比べてあと一皿分少のうございます。ですから、野菜の摂取をふやすことを重点的に取り組んでいきたいと思っております。  「歯と口の健康」につきましては、歯周病と糖尿病との関連が深いことから、かかりつけ歯科医の普及と、歯科と医科の連携の推進を図っていきたいと考えております。  「たばこ対策」につきましては、健康増進法に沿った受動喫煙対策と、小学校の六年生、それから中学一年生に対する防煙教育の実施などに取り組んでまいります。  これらの取り組みを通しまして、健康で長生きの佐賀県を目指すとともに、さまざまな分野の関係団体、企業の皆様が自主的に健康づくりの取り組みを進めていただきまして、県民一人一人が健康に関心を持っていただきたいと思っております。多くの方が町なかを歩くことで、にぎわいが生まれる、そういった元気な佐賀県にしてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 12 ◎田中文化・スポーツ交流局長 登壇=佐賀国スポに向けての競技力向上につきまして三項目お尋ねがありました。  まず、茨城国体の分析についてお答え申し上げます。  議員から御紹介がありましたように、ことし開催されました茨城国体における天皇杯順位は三十三位でありまして、目標とする二十位台前半には届きませんでした。  この結果をカテゴリー別に見ますと、レスリング少年男子一位が二人、二位が二人、三位が一人、ラグビーフットボール少年男子が二位など、少年種別の成績が昨年より大きく伸びております。  また、ボウリング少年女子が四位、バスケットボール少年女子が五位、新体操少年女子が六位というように女性の活躍も目立つ結果となっております。  こうした少年種別の躍進は、従来までの競技力向上の取り組みに加えまして、「一流指導者活用等長期育成プログラム」、これは競技ごとに県内指導者と国内トップレベルの指導者による指導チームを結成いたしまして、指導方針を設けたり、強化練習を行うものでございますが、そのようなSSP構想による新たな取り組みの成果が徐々にあらわれ始めたものと考えております。  一方、成年種別では、国体での入賞の期待の高かったホッケーや軟式野球が、僅差で九州ブロック大会の突破を逃してしまったことなどが、今回、天皇杯順位を引き上げることができなかった要因であると分析しております。  こうした茨城国体の成果を踏まえまして、さらに競技力を向上させていくためには、今後ともSSP構想の各種取り組みによる底上げに着実に取り組んでいくことのほか、特に団体競技種目の県選抜の合同練習の機会をふやすことによるチーム力の向上とか、最新の知見に触れる機会をふやすことによる指導者の指導力向上、そのような取り組みが重要であると考えております。  次に、スポーツ科学の活用についてお答え申し上げます。  スポーツ科学の活用につきましては、選手、指導者の人材育成を進める上で極めて重要であると考えております。  「SSP構想基本方針二〇一九」におきましても、最新の知見を指導者が学び続ける仕組みの構築や、スポーツ医科学の普及定着を明記したところでございまして、具体的には、今年度創設いたしました「SSP競技伴走育成交付金」におきまして、競技団体やスポーツ医科学の専門家による指導とか、ICTなどを活用する際に県が補助する制度等を設けたところでございます。  これを活用して、例えば、テニスではサーブのスピード、回転数などを計測し、選手の状態を客観的に把握し選手を育成することとか、ラグビーでは試合の映像分析アプリを導入いたしまして、試合の分析や戦略づくりに生かすとか、また、女子新体操、ハンドボールではスポーツ栄養学の講師を招きまして、それぞれの競技に応じた指導を受け、日々の食生活に反映することなどに取り組んでいるところでございます。  また、ことし十月には株式会社LIGHTzという法人とサガン鳥栖、県の三者で連携協定を提携いたしまして、AIを活用したサッカーの指導、育成ツールの開発や普及に着手したところでございます。  今後は、先行して実施している競技団体の取り組みを他の競技団体に紹介するほか、日進月歩で進展しておりますスポーツ医科学分野の民間企業の取り組みなどを公益財団法人佐賀県スポーツ協会とかに紹介いたしまして、スポーツ医科学委員会とか指導者研修会でそれらを議論させていただきまして、スポーツ医科学の普及定着に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  最後になりますが、競技間の指導者及び選手の交流についてお答え申し上げます。  選手や指導者が自分の種目に一生懸命になるという姿はもっとものことですし、大切なことと考えておりますが、ややもすると狭い視野に陥ることにもなりかねないものと考えております。  また、別の競技の練習が自分の競技でも参考になったという意見もよく耳にするところでございまして、異なる競技間で選手や指導者の交流を深めることは大きな意味があると認識しております。  このため、これまでも佐賀県スポーツ協会が主催いたします会議や研修会等におきましても、指導者同士が交流できるような機会を設けることも行ってきておりますが、一方で選手の交流につきましては、これまでは各競技団体の自主的な取り組みに委ねてきたところでございます。  選手の交流を進めることで互いに学び合う環境を高めるだけでなく、オール佐賀、チーム佐賀の意識をより一層強めることにも貢献することですから、県スポーツ協会や競技団体と協議いたしまして、選手の交流を深める取り組みを来年度から実施できるように検討を進めていきたいと考えております。  私からは以上でございます。 13 ◎落合教育長 登壇=おはようございます。教育長として初めて答弁をさせていただきます。  私のほうからは、キャリア・パスポートの導入についてお答えをいたします。  まず、キャリア・パスポートの目的、また、どういったものかというお尋ねがございました。  キャリア・パスポートにつきましては、先ほど議員のほうからかなり詳しく御紹介をいただきましたけれども、その中にもありましたように、新しい学習指導要領の中で示された、キャリア教育の充実を図るためのツールといいますか、教材でありまして、来年四月から全ての小中学校や高等学校で導入することになっております。  もう少し具体的に言いますと、キャリア・パスポートは、学年や学期の初めに将来の夢や目標を記入したり、また、活動や学習の前に目標を立てさせるなど見通しを持たせる項目、また、年度末や学期の終わりにそれまでの学習や活動を振り返る項目、そういった構成になっておりまして、形としてはA4で一学年当たり五枚以内となっておりまして、それを小学校から高等学校まで学年や学校をまたぎながら引き継いでいくということで、自分自身のその間の変容や成長を自己評価できるようなキャリア教育の記録集として活用されることが期待されております。  その目的ですけれども、小学校から高等学校までを通じまして、児童生徒にとりましては、みずからの学習状況やキャリア形成を見通したり、振り返ったりして自己評価を行うとともに、主体的に学びに向かう力を育み、自己実現につなぐということにあります。  また一方、教師にとりましては、その記載されている内容をもとに対話的にかかわることによって、児童生徒の成長を促し、系統的な指導に資すると、そういった目的がございます。  冒頭議員のほうから好循環というキーワードが示されましたけれども、こういった自分の成長を小学校から高校まで通して振り返ることで、自分の人生の好循環につなげていくようなものになってほしいと思いますし、そうしていきたいというふうに考えております。  次に、キャリア・パスポートの導入に向けた県教委としての取り組みについてお答えいたします。  県教育委員会では、ことし四月に県立学校のキャリア教育担当者を対象としキャリア・パスポートについての説明を行っております。  さらに十一月には、全ての小中学校、高等学校で使用できる県立学校キャリア・パスポートの標準様式を作成しまして、県立学校に通知するとともに、市町の教育委員会のほうにも情報提供を行っております。  標準様式を作成する際には、学校側の負担軽減のために活用の留意点とか活用方法についても簡潔な手引を作成しまして、様式とともにお示しをしております。  今後、県立学校や市町の教育委員会ではこの標準様式を参考にして、それぞれが創意工夫を重ねてキャリア・パスポートを作成して、来年四月からの実施に向けて準備を進めていくことになります。  県教育委員会としては、このキャリア・パスポートがキャリア教育の推進につながる有効なツールになるように、県立学校や市町立学校の準備状況を把握しながら、来年四月の導入に向けた支援をしてまいりたいと思っております。  以上です。 14 ◎杉内警察本部長 登壇=私からは、県警察におきます犯罪被害者支援の取り組みについてお答えいたします。  県警察におきましては、犯罪被害者支援を捜査と両輪で行うべき重要な任務と捉え、警察署等において、あらかじめ指定した警察職員が被害者やその御家族からの相談への対応や、事情聴取等への付き添いなどを行う被害者支援要員制度や、被害者等の方々が医療機関を受診した際の初診料等を公費から支出する公費負担制度などの制度を設け、被害者等の方々のニーズに応じた支援活動を行っているところでございます。  しかし、被害者等の方々が平穏な生活を回復するためには、被害直後から中長期にわたる多様なニーズに応じた支援を行う必要がありますことから、被害者支援に携わる関係機関・団体との連携を強化し、支援体制の構築を図りますとともに、被害者等の方々が安心して援助を求めることができるようになり、また、社会全体で被害者支援に関する機運と連帯共助の精神が醸成されるようにするための広報・啓発活動を実施していく必要があります。  このため県警察では、県や県弁護士会など十九の関係機関・団体の担当者を会員とした「犯罪被害者等に対する支援のための連絡協議会」、通称VS協議会と申し上げておりますが、こうしたものや、各警察署管内の市町や学校の担当者などを会員とした警察署ネットワーク会議を設置し、関係機関・団体との連携を図ってきたところであります。  また、県内の中学校や高等学校において「命の大切さを学ぶ教室」を実施しておりますほか、議員の御質問や県民環境部長の答弁にもございました県や民間の犯罪被害者等早期援助団体との共催による犯罪被害者支援フォーラムを開催するなどの広報・啓発活動も行ってきたところであります。  今後、県警察といたしましては、関係機関・団体とのさらなる連携を図りますため、先ほど申し上げました協議会等を活用しまして、事件や事故の想定事例などをもとに、県警察を初め、関係機関・団体に求められる支援の内容を確認、検討し、相互の役割分担や連絡方法等の共有を図りますとともに、社会全体で被害者等の方々を支える意識を涵養しますため、広く県民の皆様に向けた広報・啓発活動を続けていきたいと考えております。  私といたしましても、警察庁において被害者支援の立ち上げ期に携わりました経験から、被害者支援の重要性については十分認識をしているところでございますので、今後も、関係機関・団体と相互の連携を深めながら、支援の輪がさらに広がるよう努めてまいりたいと考えております。 15 ◎議長(桃崎峰人君) 暫時休憩します。     午前十一時四十六分 休憩 令和元年十二月五日(木) 午後一時一分 開議  出席議員    三十五名     二番  古 賀 和 浩     一六番  川 崎 常 博     三〇番  中 倉 政 義     三番  弘 川 貴 紀     一七番  定 松 一 生     三一番  石 井 秀 夫     四番  下 田   寛     一八番  八 谷 克 幸     三二番  留 守 茂 幸     五番  古 川 裕 紀     一九番  江 口 善 紀     三四番  木 原 奉 文     六番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  藤 木 卓一郎     七番  冨 田 幸 樹     二一番  向 門 慶 人     三六番  石 倉 秀 郷     八番  井 上 祐 輔     二二番  坂 口 祐 樹     三八番  土 井 敏 行     九番  木 村 雄 一     二三番  宮 原 真 一    一〇番  中 本 正 一     二四番  原 田 寿 雄    一一番  野 田 勝 人     二五番  岡 口 重 文    一二番  西久保 弘 克     二六番  大 場 芳 博    一三番  池 田 正 恭     二七番  武 藤 明 美    一四番  井 上 常 憲     二八番  稲 富 正 敏    一五番  古 賀 陽 三     二九番  徳 光 清 孝 欠席議員    三名     一番  一ノ瀬 裕 子    三三番  石 丸   博    三七番  桃 崎 峰 人 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    小  林  万里子          政  策  部  長   大川内   直  人          総  務  部  長   進     龍太郎
             地域交流部長       南  里     隆          県民環境部長       原     惣一郎          健康福祉部長       川久保   三起子          産業労働部長       澤  田  斉  司          農林水産部長       池  田  宏  昭          県土整備部長       逢  坂  謙  志          危機管理・報道局長    山  下  宗  人          文化・スポーツ交流局長  田  中  裕  之          男女参画・こども局長   甲  斐  直  美          会 計 管 理 者    尊  田  重  信          警 察 本 部 長    杉  内  由美子          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    稲  冨  正  人 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       脇  山  行  人          同    副事務局長          議事課長事務取扱     杉  谷  直  幹          総  務  課  長   吉  田     泰          政務調査課長       島  内  直  樹          議 事 課 参 事    篠  田  博  幸          総務課副課長       川  崎  和  博          議事課議事担当主幹    原     康  祐          同    議事担当主査  池  田  陽  介     ○ 開     議 16 ◎副議長(大場芳博君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。 17 ◎武藤明美君(拍手)登壇=日本共産党の武藤明美でございます。私は五問通告をいたしております。順番に従って質問いたしますので、よろしくお願いいたします。  まず、佐賀空港へのオスプレイ等配備問題についてです。  佐賀空港へ飛行機で着陸するとき、この時期ならではの光景に目を奪われます。カラフルなノリ網が有明海に広がり、日本一のノリを生み出す有明海に生きる人々を思い、佐賀県民であることをうれしく思います。  防衛省は、この佐賀空港に基地を設け、自衛隊はもとより、オスプレイを十七機も配備する計画を持ち、有明海漁協の支所へ説明に回っています。支所の皆さんたちは話を聞きおくだけという立場で、防衛省の言い分を認めているわけではありません。コノシロ漁の調査では影響が大きいことが明らかになりました。日本一のノリ漁場を宝の海として守る人たちも、土地は絶対に売らない、防衛省の要請は受け入れられないとかたく決めておられます。  佐賀空港を自衛隊とは共用しないという公害防止協定の重い約束もある中で、ノリ漁期の大切なこの時期に、知事が十一月二十六日に有明海漁協を訪問し、受け入れ要請を求めましたが、漁協や漁業者を急がせるような対応はいただけません。慎むべきではありませんか。  また、最近出された米国防監査官の発表では、MV22オスプレイの安全性を確保することについて九年間研究してきながらも、リスクは変わっていない、今後も問題解決できる見通しがないと結論づけています。  知事は、防衛省の肩がわりのような県漁協への要請ではなく、そうした危険性の問題を防衛省に確認することこそ行うべきではありませんか。  千葉県木更津市のように、もともと自衛隊基地のあるところでさえ、オスプレイ反対の声が上がっているくらいです。佐賀空港ではなおさら県民、地元住民が反対するのは当然のことです。  これらを踏まえ、昨年八月の受け入れ容認発言を撤回すべきですが、いかがでしょうか。  二番目に、原発行政についてです。玄海原子力発電問題に関して幾つか質問を行います。  まず、防災訓練の参観についてです。  原発立地県として毎年行っている原子力防災訓練がことしは十一月三十日に行われました。PAZ、UPZの地域の人でも、訓練の対象とそうでない人もおられますが、その人たちに当事者として知っていただきたいと思っています。それ以外のところに住む県民の方にも関心を持っていただきたいのですが、今回の訓練では一般県民の見学、視察、参観はありませんでした。万が一のとき、どうしたらいいのか。それはこういう訓練を見ておくことが参考になると思います。次の避難訓練は県民に開かれた訓練であってほしいと願いますが、いかがでしょうか。  次に、使用済み燃料貯蔵施設の増強、いわゆるリラッキングについて質問いたします。  九州電力は使用済み核燃料を保管する燃料プールをリラッキングするとしています。国の原子力規制委員会は去る十一月二十日に許可をしましたが、県はこのことでの事前了解願について、いつ了解か否かの判断をするのでしょうか。  次に、使用済み燃料プールの冷却機能の強化についてお聞きします。  リラッキングによって使用済み燃料プールの貯蔵がふえるため、その分、プール内での発熱量がふえることになります。冷却機能を強化しなければ、水温が上昇し、危険なことになりかねません。九州電力は使用済み燃料プールの冷却機能の強化についてどのような計画を持っているのでしょうか。  これまで九州電力は玄海原発で発生した使用済み燃料は青森県六ケ所村の再処理工場に搬出する方針だと言ってきました。再処理工場は二〇二一年度上期に完成予定とされています。ここへの搬出が確実に実施されるのなら、リラッキングを行う必要はありません。リラッキングの完成は二〇二四年度と言われているからです。矛盾しているのではないでしょうか、どうお思いになりますか。再処理工場の完成がおくれることを前提にしておられるんではないでしょうか、どうでしょうか。  次に、緊急時対策棟についてです。  十一月十八日、九州電力はことし十二月に予定していた緊急時対策棟の完成がおくれ、二〇二三年九月完成予定だと佐賀県に説明しました。今はとりあえずの代替緊急時対策所がありますが、この緊急時対策棟をつくるまでの代替施設にしかすぎません。代替施設と緊急時対策棟はその規模が違っています。あと四年もかかることについて県はどう思っているのでしょうか。この四年間で事故がなければ幸いですが、万が一事故が起きたときには、今ある代替緊急時対策所ではとても対応できないのではないでしょうか。緊急時対策棟が完成延期をするなら、稼働をストップすべきですが、いかがでしょうか。  次に、新検査制度についてです。  来年四月から原発の新しい検査制度の本格的な運用が開始されます。これまで国が行ってきた検査のほとんどを電気事業者みずからが検査することになります。また、これまでの定期点検から次の定期点検までの運転期間は十三カ月とされてきたのが、最大二十四カ月まで運転していいとされています。これは事業者側にとっては都合がいいでしょうが、県民にとっては安全面で大きな不安、心配を生むことになります。佐賀県は新検査制度になっても厳しい対応をしていくべきだと思いますが、どうお考えでしょうか。  最後に、関西電力等の金品受領問題に関してです。  関西電力と地元自治体のマネー環流の問題は国民の関心事となりました。関電と立地町助役の関係だけでなく、福井県庁にも及んでいます。九州電力はこの問題に関連し自社内の調査をして、結果的には何もないとのことでした。県でも他山の石とせずに、県庁内での聞き取りなどすべきではないでしょうか。その上で何もないなら、それがいいと思います。県民から見たら、襟を正してほしいという思いがありますので、御答弁をお願いいたします。  三問目があたたかい保育行政についてです。  女性の就業率の上昇とともに保育所の利用もふえ、待機児もふえている現状があります。県もその対策などで潜在的保育士さんへのアンケートなども取り組んでこられました。私は保育士の処遇改善についても求めてまいりましたが、保育所に関する課題は幾つもあります。今回は十月からの無償化問題に関して何点か質問したいと思います。  政府が消費税増税と抱き合わせに打ち出した保育の無償化は、多くの矛盾と批判を巻き起こしました。当初は全額国庫負担で行うと言っていたのに、約七千七百億円必要として負担割を決め、国三千億円、都道府県千五百億円、市町村三千百億円余りの負担を求めることになりました。この法律には消費税が財源とは一言も書かれていないようです。  そこで、質問いたします。無償化の取り組みについてですが、十月からの制度については、ゼロ歳から二歳は住民税非課税の子供しか国の対象にはなっていません。三歳から五歳は無償化とのことです。佐賀県には現在ゼロ歳から二歳の対象児童は何人おられるでしょうか。また、三歳から五歳の対象児童は何人いますか。  県内では負担割に応じた所要額はどのようになっていますか。ことしの六カ月間の無償化とされている分については国の財政措置はどうなりますか。実質ことしの十月から来年三月までの無償化期間ですが、来年四月からはどういう扱いになるのかお示しください。  ことしの無償化は全ての子供が対象ではなく、六カ月間のみのもので、保護者にとっては納得がいきません。来年四月からは自治体負担は地方交付税で対応するとのことですが、自治体の財政状況によっては公立園の廃止や民営化が進むのではないかとも心配されています。特に企業主導型保育施設には自治体からのお金は出さなくていいので、認可外のこの企業主導型が進出しやすい条件を広げていくのではないかと心配です。それについてはどうお考えでしょうか。  次に、給食についてです。  これまで国基準で保育料に含まれていた三歳から五歳児の給食のおかず代は実費徴収となりました。副食費、土曜日込みで月四千五百円を国の基準として保護者から徴収します。生活保護世帯や年収三百六十万円未満の世帯は給食費無償となりますが、新たな実務が園に発生することになります。もし、未納が起きたら、それは保育所がリスクを負うことになるのではないでしょうか、どう対応したらいいのでしょうか。  また、食育を大事に考えている保育所や園は、これでも運営費の中から食費をやりくりして給食やおやつを充実させてきました。そういうところでは国の基準四千五百円、一日平均二百二十五円という額ではとても賄っていけないとの声も上がっています。  子供の体と心をつくっていくこの時期、遊びと給食は保育にとって一番大事なことです。保護者が仕事でばたばたしている中で、保育所でのバランスのとれた給食、味覚を養い、何でも食べることができるようとの願いで、単に食事ではない、給食本来の目的が生かされるように心配りがされています。味つけも濃くなく、おだしをしっかりとって、お魚、野菜、そういったものを好き嫌いなく食べられるように配慮しておられます。おやつも手づくりプリンやいりこ、温野菜、おだんご、お好み焼き、焼き芋など、甘い物に偏らずに、かむ力が育つようにも工夫をされています。国の基準では足りないと保護者とも話し合い、これからの給食のことを考えていこうと独自に努力をしている保育所も出てきています。県としては、給食やおやつが子供に果たしている役割などどう考えておられるのかお示しください。  今後、県が給食費について独自に基準を上乗せするなどの努力や、さらには、無償化の方向へと足を踏み出す考えはないのか質問いたします。  次に、四番目です。自分らしく生きられる社会のためにジェンダー平等について質問いたします。  日本国憲法に女性の権利が盛り込まれて七十三年、それでも日本は世界におくれた性差別、ジェンダー差別があります。特にこの一、二年、当事者たちも立ち上がりました。性的マイノリティーの問題、セクシャルハラスメント、性暴力の被害などで声を上げる人たちもわずかずつですが、目に見えるようになってきました。特にジャーナリストの伊藤詩織さんやテレビ朝日の女性記者が立ち上がったことにより、全国的にも支援の輪が広がりました。「#MeToo」、「#With You」など、フラワーデモの取り組みも始まっています。  人権の尊重に基づいたジェンダー平等の取り組みや教育の実現は、二〇三〇年をめどとした国連の持続可能な開発目標であるSDGs十七項目の五番目に挙げられています。ジェンダーの課題は働く場での雇用、賃金、地位、民法、戸籍法における差別規定の一掃、性暴力と刑法、LGBTやSOGIの権利保障などあらゆる分野に及びます。  このジェンダー平等社会の推進は、今日的に人権の問題として捉える必要があります。佐賀県はジェンダー平等社会の推進にどう取り組んでいかれるのでしょうか、基本的な立場をお示しください。  また、性暴力やDVなど許さない社会にしていくことが望まれます。二〇一七年の刑法改正は、強姦罪に加え、それまで強制わいせつ罪とされてきた被害者を女性以外にも拡大すること。強制性交等罪に名称を変更し、法定刑の下限を三年以上とから五年以上に引き上げました。また、被害者の告訴がなくても起訴できる非親告罪にする。十八歳未満の子供に対して親などの監護者が性交等を行った場合、暴力、脅迫がなくても罪に問うことができるようになりました。百十年ぶりの法改正でした。  しかし、暴行や脅迫の要件に問題が残されていて、同意していると思ったなどと加害者が言えば、それが通るような状況に置かれ、加害者が無罪になるケースも今なお多くあります。性暴力、DVの根絶のためにも、さらなる刑法改正が必要ではないでしょうか、どうお考えでしょうか。  また、被害に遭っても親にもどこにも相談できず、心身への打撃は長期に及ぶ深刻なものとなります。被害者の身体的、精神的ケアのための相談、支援体制についてどう取り組んでおられるのかお示しください。  次に、ハラスメント対策です。  ハラスメントといってもいろいろありますが、ここではセクシャルハラスメント、マタニティハラスメントに絞ります。  セクハラやマタハラは、たとえ言葉だけでも人間の尊厳を傷つける許せない人権侵害です。各県労働局へのこの分野での相談件数はトップとなっていて、女性労働者の少なくない人たちが経験したと回答しているようです。佐賀県内での実態をどうつかんでおられるのか、その対策についてはどのように取り組んでおられるのでしょうか。  次に、性的マイノリティーの人権保障についてです。  国立社会保障・人口問題研究所が既婚女性六千人を対象にして昨年行った全国家庭動向調査では、同性カップルにも何らかの法的保障が認められるべきとした人は七五・一%、同性婚を法律で認めるべきとした人は六九・五%でした。国の制度化が進まない中、同性のパートナーシップ制度を条例や規則などで認める自治体も生まれています。また、LGBT差別禁止条例をつくった自治体も生まれています。  佐賀県としては、性的マイノリティー、LGBTの人たちの人権保障についてどう考えているのかお示しください。  次に、教育の場におけるジェンダー平等についてです。  私は、昨年も教育の場における性的マイノリティー問題を取り上げ、その対応について質問しました。引き続き大事な問題だと考え、今回も質問いたします。  違和感を持ち、悩んでいる生徒たちへの相談などの対応は必要なことです。現在、どういう体制で臨んでいるのか。また、実際にどのくらいの相談があっているのかお示しください。  また、当事者だけでなく、子供たち全体へマイノリティー理解のための人権感覚を育てていくことも大事です。当時、教育長は、学習資料を作成するとのことでしたが、その取り組みがどうなっているのかお示しください。  学校における制服についての取り組みをお聞きします。  選択型制服は、全国的にも広がっています。県内において導入したところもあります。来年度から導入予定や導入に向け検討中など、どういう状況にあるのか明らかにしてください。  混合名簿についてもお聞きします。  入学式や卒業式において、混合名簿を目にすることが多くなってきました。現在、どのくらいが混合名簿を実施し、今後どのように実施、検討されていくのかお示しいただきたいと思います。  五番目、最後に教育行政についてです。  私はこれまでも学校へのエアコン設置を求めてきました。毎年のように猛暑日がふえ、児童生徒たちは劣悪な環境で過ごしています。暑さに負けずに頑張れというだけでは到底おさまらない人の命の問題ともなっています。  平成三十年三月三十日改正の学校環境衛生基準でも教室等の環境で温度は「十七度以上、二十八度以下であることが望ましい」と示されています。小中学校においては改善が進み、ほぼエアコンが設置されてきましたが、唐津市と上峰町においては、大幅に取り組みがおくれています。上峰町はめどが立っているようですが、唐津市はいつまでに設置されるのでしょうか。県立学校では五つの学校の普通教室には一切エアコンがなく、ほかの設置されているところでも特別支援学校以外は県立中学校も県立高校もほとんどがPTA、保護者会による私費設置です。県立学校がエアコンありとエアコンなしという分け隔てがあっていいのでしょうか。  新潟県や福岡県では、私費設置から取り残されていた高校への県費による設置へと踏み出しました。佐賀県でもそうすべきではないでしょうか、お答えいただきたいと思います。  次に、教員の働き方についてです。  子供たちが楽しく学び、安心して通える学校づくりのためには、先生たち、教職員が健康で子供たちとしっかり向き合える教育環境が必要です。これまで何度も改善を求めている教職員の働き方については、国からの働き方改革が示され、県としても業務改善計画の策定、夏休みの閉校日設定、部活動のあり方などの取り組みも始まっています。  ところが、平成三十年度で月百時間以上の時間外勤務を一カ月でも行った教員は、小・中・高校の合計で八百十八人もいます。前年度から六十人の増となっているんです。平成三十年度で現職死亡者五人、病気休職者六十三人、そのうち精神的疾患が七一・四%を占めています。ここに教育環境の過酷な状況が示されていると思います。業務改善計画に取り組みながら、なぜこういう健康問題が悪化しているのでしょうか。何が問題だとお考えでしょうか。私は教職員の多忙化解消、長時間勤務解消を一層強めなければならないと思います。それは業務を減らすことと教員の数をふやすこと、この二つが基本的に行われなければならないと考えています。今、教員をサポートする職員や教員増のための取り組み、どう考えておられるのかお示しください。  佐賀県は臨時採用教員で対応している部分も多く、待遇改善が進まなければ臨採不足とともに採用試験受験者減をとめることは難しいと考えます。  例えば、福岡県では、常勤講師月額二十二万四千円、日給の非常勤講師でも月に直すと十七万三千円です。福岡市では常勤講師月額二十三万四千円、同じく日給の非常勤講師、月額にして二十万六千円という状況ですが、佐賀県では常勤でやっと月額二十万円を超えたところです。福岡市ではさらに、講師をしていると、採用試験では筆記試験の全額免除や、教員免許状の更新講習を無料で受けられるなどのメリットも示しています。佐賀県から教員や臨採のなり手がほかの県へいってしまうのではないでしょうか。臨採確保に苦労しないためにも思い切った待遇改善を求めますが、いかがお考えでしょうか。  こういう学校現場の深刻な実態があるにもかかわらず、給特法一部改正法案の名で一年単位の変形労働時間制が国会で強引に可決されてしまいました。繁忙期に一日十時間労働までを可能にして、閑散期と合わせて平均一日当たり八時間にすればいいというような制度です。ざっくり言うと、日本の日常の退勤時間を延長し、それにかわって夏休みのまとめどりをしたらいいのではないかというものなんです。これは学校現場の実態を知らない考え方の押しつけです。  連日、繁忙期に退勤時間が長くなれば、疲れはとれません。変形労働時間制が導入されれば、先生たちは今でさえ病気になって心の病気もふえているのに、さらに退勤が遅くなり、毎日の疲れがとれにくい状態になります。夏休みの休暇だって今とりづらいのに、一層疲れがたまり、さらに健康問題も悪化するのではないでしょうか。この変形労働時間制の内容と現在の教職員の働き方を改善する方向は矛盾すると思いますが、いかがでしょうか。  現行法では制度導入に、職場ごとの過半数の同意が必要ですが、これは各自治体の条例で定めることになっています。条例制定に当たっては、教職員の声をしっかり反映し、慎重な対応をしてほしいと思いますが、佐賀県はどういう考え方で臨まれるんでしょうか、お示しいただきたいと思います。  以上、第一回目の質問といたします。(拍手) 18 ◎山口知事 登壇=武藤明美議員の御質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港の自衛隊使用要請について、私の表明を撤回すべきだと思うがどうかとのお尋ねでございました。  今回の防衛省からの要請は、国民、県民の生命と財産を守る国防に関する要請であったことから、真摯に向き合ってまいりました。だからといって、国の説明をうのみにするのではなくて、県民の安全・安心にかかわることでもありましたことから、さまざまな観点から三年半にわたる検討を行い、そして県議会決議なども踏まえ、熟慮に熟慮を重ねまして、昨年八月に県としては「防衛省からの要請を受け入れ、公害防止協定覚書付属資料の変更について有明海漁協と協議させていただく」との判断を行ったところでありまして、撤回することは考えておりません。  続きまして、原子力発電関係につきまして、まず原子力防災訓練の参観についてお尋ねがございました。
     例えば、ことしの令和元年佐賀豪雨の災害対策本部会議であっても、全てマスコミフルオープンで行いましたように、山口県政はすべからく開かれたところで行おうというふうに考えています。もちろん、これまでの原子力防災訓練においても、一部の福祉施設における訓練を除きまして、参観者の訓練会場への入場制限は行わずに実施してまいりました。しかしながら、昨年度の訓練において、一部の会場で、原発そのものに対する主張、原発の是非など、そういったことをされる方々がおられまして、訓練を妨げるような行為というふうに判断させていただきました。このため、今年度の訓練では、やむなく入場制限を実施させていただいたところです。  私は、この原子力防災訓練はとても重要と認識しております。その練度と精度を向上させるためには、訓練参加者の皆さんにはぜひ訓練に集中してもらう必要があります。その妨げとなるような行為はすべきではないのではないかと考えています。廃炉をするにしてもこれから三十年以上ありますし、我々は常にそのリスクというものを考えなければいけない。そうした中で、訓練はやっぱりしっかりやりましょう、訓練に集中しましょうと私は思います。来年度以降の訓練参観のあり方につきましては、そうしたことが理解されて守られるのであれば、私はこれまでのようにオープンにしてよいと思っています。  ただ、これはそこをどう担保するのか。そして、この訓練は関係市町と共催して実施しておりますので、両者で検討してまいりたいと思います。今回の具体的な経緯につきましては担当局長からお答えいたします。  続きまして、リラッキング関係につきましてまとめてお答えいたしたいと思います。  三号機のリラッキングにつきましては、去る十一月二十日、原子力規制委員会から九州電力に対しまして、原子炉設置変更許可がなされたところであります。現在は原子力規制委員会の審査結果について、その内容の確認を行っているところであります。事前了解の判断時期について、いつまでにという考えはございませんけれども、今後、専門家の御意見も伺いながら県としての判断を行うこととしております。  また、リラッキングの必要性につきましては、九州電力において、現在の玄海原子力発電所の使用済み燃料の貯蔵状況や、今後の運転計画などを総合的に勘案し、判断されたものと承知しております。  緊急時対策棟関係につきましてお答え申し上げます。  玄海原子力発電所で計画されております緊急時対策棟については、去る十一月十八日、九州電力から小林副知事に対しまして、完成時期の変更の説明がなされたところであります。現在、玄海原子力発電所では、原子力規制委員会の審査で基準に適合していると判断された代替緊急時対策所が運用されておりますので、玄海三、四号機の運転停止を求めることは考えておりません。  今回、新たに設置される緊急時対策棟につきましては、この代替緊急時対策所の機能を拡充したものでありまして、さらなる安全性向上につながるものであることから、完成時期変更の説明があった際にも小林副知事から九州電力に対しまして、着実に実現していくことを申し入れたところであります。  原子力発電に関する新検査制度についてお答え申し上げます。  原子力規制委員会で検討が進められている新たな検査制度につきましては、来年の四月から本格的な運用開始に向けて現在準備が進められていると聞いております。私は、原子力規制委員会が事業者に対して行う審査や検査については、さらなる安全性向上のため、より厳格な審査や検査となるよう改善し続けていただきたいと申し上げてまいりました。チェックが緩むようなことはあってはならないと思っています。  今回の新たな検査制度では、検査官がいつでもどこでも抜き打ちで検査ができるようになりますフリーアクセスなど、さらにしっかりと事業者の活動を監視できるようになると聞いていますけれども、今後とも原子力規制委員会の安全性向上のための不断の取り組みについて注視していきたいと考えています。  原子力規制委員会においては、県民の不安につながることのないように、新たな検査制度の趣旨、目的、そして制度の見直しによる効果などについて、しっかりと説明責任を果たしていただきたいと考えており、県としてはその旨、原子力規制委員会に申し入れてまいりたいと思います。  こうしたリラッキング、緊急時対策棟、新検査制度など、原子力関係の詳細につきましては担当部長から補足させたいと思います。  最後に、関西電力などでの金品受領問題についてお話がございました。  まず、原子力発電業務に携わります関西電力の職員、県職員ではなくて関西電力の職員が関係者から金品を受領していたという事案については、当の関西電力のみならず、原子力発電に携わる者全てに対する信頼、そして原子力政策そのものに対する国民、県民の信頼を損なうもので、私はあってはならないものと考えています。  私は、原子力発電所が立地する県の知事として、県民の安全を大切に玄海原子力発電所と真摯に向き合うこと、県も含めて関係者の中に緩みがあってはならないこと、県民の疑惑や不信を招くような行為をしないこと、こうしたことをしっかり守る、そうした思いで常に緊張感を持って臨んでおります。そして、このような姿勢がさまざまな信頼関係を築き上げることにつながるものと強く意識しなければいけないと思いますし、こうしたことをこれからも九州電力、そして県職員の関係の者にも常に求め続けていきたいと思います。  なお、福井県の問題につきましては、元助役などから金品を受け取った職員は、私は昨日聞いたばっかりなんですけれども、原子力行政にかかわる職員ではなくて他の分野の職員という報告を受けているそうであります。その他、詳細につきましては総務部長からお答えしたいと思います。  以上です。 19 ◎進総務部長 登壇=私からは、原発行政につきまして、関西電力などでの金品受領問題について御答弁申し上げます。  福井県が設置いたしました調査委員会の報告書によりますと、今、知事からも答弁申し上げましたけれども、高浜町の元助役から金品を受け取ったという職員の中には原子力行政にかかわる職員はいなかったと。受け取ったのは他の部署の職員であったということでございました。  ただ、当然のことながらではありますが、そもそも県職員が利害関係者から金品を受領するような県民の疑惑を招く行為はあってはならないと考えております。  このため、これまでも本県では平成十九年三月にコンプライアンス基本方針を定め、各所属において四半期ごとに法令遵守や説明責任等、コンプライアンスに関するチェックシートによる検証を実施してきております。  この検証におきましては、利害関係者からサービス供与、金銭、物品の供与を受けていないなど、県民の疑惑を招く行為を行っていないかについても確認をしておりまして、現時点において該当者はいないと把握してございます。  なお、今月中に次回のチェックシートによる検証を予定しておりますけれども、その際には、今般、福井県の事例が明らかになりましたので、コンプライアンスを改めて徹底するために、こうした事例について注意喚起を行いたいというふうに思っております。  今後とも、こうした検証を行いながら、県民との信頼関係が県政運営の基本であるという姿勢のもと、法令遵守は当然のこととして、さらに業務を通して県民の皆様からの信頼を得ながら県民満足度の向上を実現していきたいと考えております。  以上でございます。 20 ◎原県民環境部長 登壇=私のほうからは、玄海原発行政のうち、使用済み燃料貯蔵設備の増強、リラッキングについて、緊急時対策棟について、新検査制度につきまして知事の答弁を補足いたしますとともに、ジェンダー平等についての問いのうち、性的マイノリティーの人権保障について御答弁いたします。  議員から御指摘のありました使用済み燃料プールの冷却機能につきましては、原子力規制委員会におきまして、現行の冷却設備や注水設備を使用することで、通常時はもとより、事故時においても燃料の損傷防止機能を有するということを確認しています。  同委員会の審査におきましては、この冷却機能のほかにも、使用済み燃料貯蔵プールの耐震性や放射性遮蔽機能などが審査をされておりまして、県といたしましては、現在、その詳細について確認を進めているところでございます。  また、リラッキングの必要性についてのお尋ねがございました。  九州電力においては、使用済み燃料貯蔵プールの空き容量があと数年で満杯になることや、二〇二一年度上期とされております六ケ所再処理工場の本格稼働開始時期も含め、総合的に勘案した結果、貯蔵設備の余裕を確保するためにリラッキングを計画されているものと認識をしております。  その必要性を含め、みずから計画している使用済み燃料貯蔵対策の内容につきましては、九州電力が積極的な情報公開と丁寧な説明を行っていくべきものと考えておりまして、県としては、九州電力に対し、そうした取り組みを求めてまいります。  次に、緊急時対策棟につきましては、現在、整備済みの代替緊急時対策所の機能に加えまして、機械室や医務室などの支援機能が追加され、また会議室や休憩スペースも拡充されるなど、作業環境の改善が図られ、玄海原子力発電所のさらなる安全性向上につながる施設であると認識をしております。  県といたしましては、さらなる安全性向上のために着実に緊急時対策棟を整備していただきたいと考えておるところでございます。  次に、新検査制度についてでございますが、現在、原子力規制委員会におきまして、来年四月からの施行に向けて検討が進められております新たな検査制度につきましては、現行の検査制度に関する国際原子力機関──IAEAからの指摘や諸外国の取り組みなども踏まえた、より実効性の高い規制を実現するための見直しとされているところでございます。  制度の見直しの目的の一つとしては、あらかじめ定められた項目、頻度で行います、いわゆるチェック型の検査は事業者に行わせ、原子力規制委員会は、事業者の取り組み状況をいつでもどこでも検査できるフリーアクセスを行えるようにし、また安全への影響が大きな事項については、追加的な検査を行うことなどとされております。  また、議員からは、定期検査と次の定期検査の間の運転期間、いわゆる一サイクルの運転期間についてお話がございました。  現行の法令では、一サイクルの運転期間は十三カ月を超えないこととされております。仮にこれを超える運転を行う場合には、原子力規制委員会による特別な審査、確認を得る必要がございます。全国のプラントでこれまでに十三カ月を超える運転をしたところはございません。  この制度につきましては、現行の法令で定められておるものでございまして、来年四月の制度改正とは関係がないものでございます。  原子力規制委員会におきましては、その規制制度、検査制度に関しての説明責任を有しており、県としてはわかりやすく、丁寧な説明を求めていきたいと思います。  続きまして、次の問い、ジェンダー平等についてのうちの性的マイノリティーの人権保障について御答弁いたします。  県におきましては、平成十年に制定いたしました「佐賀県人権の尊重に関する条例」に基づきまして、人権教育・啓発基本方針というものを定めて、啓発活動を推進しております。  現行の基本方針の一つ前の基本方針になりますが、これは平成十八年度に改定をしたものでございましたけれども、その一つ前の基本方針におきましては、性同一性障害を人権課題の一つとして掲げておりました。そういった中、平成二十七年度に民間企業が実施しました調査では、日本の総人口に占めるLGBTなどの当事者の割合が七・六%という調査結果が出ておりました。昨年また同じ調査では、今度八・九%と一ポイント以上ふえたという結果が出ております。これは百人のうち八人から九人はおられるという割合でございます。まさに身近なところに実はおられるという存在でございます。  一方、平成二十七年、同じ年に国立社会保障・人口問題研究所などのグループが行った意識調査で、友人が同性愛者だった場合の抵抗感について調査がありまして、男性の同性愛者だった場合が五三・二%、女性の同性愛者だった場合が五〇・四%といずれも半数を超えるという結果が出ておりまして、そういう状況を見ますと、性の多様性の理解が進んでいないということがわかったわけでございます。  そういう状況でございましたので、佐賀県といたしましては、平成三十年に基本方針を改定いたしましたけれども、その改定の際に、当事者団体の意見なども聞きながら、それまで性同一性障害ということで課題としておったものを、性的指向・性自認等、いわゆるLGBTということで人権課題の一つに掲げたところでございます。そして、当事者の方々が自分らしく生きていく権利が尊重される社会、これを目指すということでこれまで取り組みを進めてきました。  その社会の実現のためには、社会全体に性の多様性についての理解がしっかりと浸透していくこと、また、生きづらさや精神的な悩みを抱えておられる当事者の方々にしっかり寄り添う体制の整備、これが必要であると我々は認識をしております。  そこで、県では、LGBTなどの当事者を招いて、県民向けの講演会でありますとか、あるいは会社の幹部の方、そういった方々への研修会を実施いたしますとともに、県の精神保健福祉センターでありますとかアバンセなどに相談窓口を設けまして、多様な相談に対応して、しっかり寄り添っているというところでございます。  今後も、当事者団体でありますとか学識経験者などともしっかり連携をして、社会全体の理解促進に向けて引き続き啓発に取り組みますとともに、当事者にとってより身近な相談窓口となりますと、やはり市町の担当者の理解度をさらに深めなければいけないと思っておりまして、新たに市町の担当者向けの研修会などに取り組みたいと考えております。  今後も、性の多様性が当然のこととして認識され、当事者が自分らしく生きていくための権利が尊重される社会の実現に向けて、必要な施策にしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上です。 21 ◎山下危機管理・報道局長 登壇=私からは、今年度の原子力防災訓練におきまして、一般の参観を制限することとなった経緯について知事の答弁を補足させていただきます。  先ほど知事から答弁がありましたように、これまでの原子力防災訓練では、一部の福祉施設における訓練を除き、参観者の訓練会場への入場制限は行わずに実施をしてきました。  しかしながら、昨年度の訓練におきまして、住民の避難先会場で避難住民の方を対象に行っていた防災講話の質疑応答のときに、訓練参加者ではない方がマイクを取り、訓練や原子力防災に関することではなく、原発に反対する自分の考えを長時間にわたって述べられるなど、講話の妨げとなる行為がありました。  そして、このことで避難住民の方々の帰りのバスの出発がおくれるなどありまして、訓練参加者の方から苦情もいただきました。  また、参加者数名の方が訓練を参観する知事を囲むようにして、原発反対を訴えるという場面もありました。  そうしたこともあって、今年度の訓練では避難退域時検査の状況やバスによる避難の状況などについてはこれまで同様に見てもらえるようにしましたが、昨年度の訓練で妨げがありました住民の避難先会場については、やむを得ず報道機関や事前に案内をしていた方々を除き、関係者以外は立ち入りを禁止するという対応をとらせていただきました。  いろんな意見があっていいと思いますけれども、ただ、訓練の場でやるのは少し違うんじゃないかなと思っています。  来年度どうするかについては、先ほど知事からもありましたように、市町と共催でやっておりますので、関係市町と話をしてみたいと思います。  私からは以上でございます。 22 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=私からは、大きく二つの質問についてお答えをいたします。  初めに、あたたかい保育行政についてでございます。  まず、無償化の対象児童数について申し上げます。  令和元年十月一日時点において、幼児教育・保育の無償化の対象児童数は、三歳から五歳児で二万一千八百八十名、ゼロ歳から二歳児は住民税非課税世帯の千五十一名、合計しますと二万二千九百三十一名となっております。  次に、無償化に関する国、県、市町の財政負担についてでございます。  まず、財政負担割合につきましては、無償化に伴い必要となります費用は、幼稚園、保育所、認定こども園等で教育・保育を受ける「子どものための教育・保育給付」というものと、私学助成の幼稚園、認可外保育施設等に関する「子育てのための施設等利用給付」の二つがございまして、その財政負担割合は、国二分の一、県四分の一、市町四分の一でございます。  次に、佐賀県における今年度、令和元年度の所要額について申し上げます。  予算額ベースで、国が約十二億二千万円、県及び市町がそれぞれ約六億七千万円となっております。  なお、今年度は県及び市町負担分につきましては、「子ども・子育て支援臨時交付金」を交付することにより、国が全額を負担することとなっております。  次に、令和二年度以降の地方の財政負担について申し上げます。  先ほど申し上げた二つの給付費につきましては、令和二年度以降も国二分の一、県四分の一、市町四分の一の負担割合となっております。  この地方負担に係る財政措置について国が言っておりますのは、無償化に要する費用を地方財政計画の歳出に全額計上し、地方消費税や地方交付税などの一般財源総額を増額確保するということ、その上で個別自治体の地方交付税の算定に当たっても地方負担の全額を基準財政需要額に算入することにより講ずると、そういうふうに言っております。  次に、保育行政の今後についてでございます。  初めに、公立保育所の民間移譲について御質問がございました。  公立保育所につきましては、民間では難しい障害児の受け入れや公的ネットワークを通じた子供や家庭への個別支援など、公立保育所ならではの役割があると承知しております。  市町は、子ども・子育て支援事業計画により保育の需要を適切に見込み、保育の量を確保しなければなりませんので、保育の供給が過剰にならない限りは公立保育所を休園や廃園とすることはないものと考えております。  また、民営化につきましては、低年齢児の児童数の増加や一時預かり、あるいは休日保育等の保育ニーズが多様化しておりまして、子育ての環境が大きく変化しております。そういった中で、それら多様な保育ニーズに対応するために、柔軟な運営ができる民間の活力を取り入れることにより行われているものと認識しております。  民営化につきましては、その保育所を運営する市町において、まずは保護者の十分な理解を前提として地域の事情を踏まえながら判断されるべきものと考えておりまして、県としましては、保育所の設置認可権者として、質の高い保育サービスが引き続き確保されることを第一に、市町への助言を行うなど真摯に対応してまいりたいと考えております。  次に、副食費の未納についてでございます。  無償化に伴い、三歳から五歳児に関して、これまで保育所が提供してきた給食のうち、おかず代、副食費は保護者が市町に納付する保育料に含める形で負担してきましたが、これからは保育所が設定した金額を保育所に直接支払うこととなりました。  あわせて副食費の免除世帯が年収三百六十万円未満の世帯まで拡充され、所得の低い世帯に対する措置も行われております。  副食費の未納が発生した場合、保育所は未納世帯に対して支払いを求めていくことになるわけですけれども、この場合、市町におきましては、副食費の滞納がある保護者から事情を聞き、保育所へ支払いを促したり、保護者からの申し出により児童手当から徴収を行うなどといった支援を行うことが考えられます。  無償化がスタートして二カ月余り、現在のところ、副食費の未納に関して悩んでいるという声は聞いていないところでございます。  次に、保育所における給食の役割についてでございます。  議員御指摘のとおり、乳幼児期の子供にとって食事というのは非常に大切なものだと思っております。子供たちは食事を通して、食事をみんなで楽しむ、調理のプロセスを日々感じたり、さまざまな食材に触れるなどの経験を積み重ねることによって五感を豊かにし、心身を成長させていくものだと思っています。  保育所は、子供にとっては家庭と同様に生活する場であり、給食は心身両面からの成長に大きな役割を担っていると認識しております。  各保育所におかれましても、食育を推進したり、さまざまな工夫をやりながら取り組まれているというふうに思っております。  次に、副食費に係る県独自の支援策についてでございます。  県としましては、子供たちが食べることを楽しみ、保育士や友達みんなと一緒に食事を楽しみながら健やかに成長していってほしいと願っております。  所得が低く、副食費の支払いが困難な世帯については免除措置がございます。副食費は従来から保育料に含めて保護者が負担してきたものでございまして、無償化に伴い、免除の対象となる所得の引き上げも行われておりますことから、県独自の副食費の支援策については現在のところ考えておりません。  あと、質の低下の件について懸念をお示しなされました。  県内の各園の状況を見ておりますと、県産農産物や有機野菜など、そういった食材を利用することなどの理由によりまして、五千円台で設定されている園や六千円を超えて設定されている園もございます。その内容については、保護者に説明をされて、保護者の方も同意されて、そういった設定をされているというふうに伺っております。  無償化がスタートして二カ月余り経過いたしました。県としましては、保育の現場で何が起きているか状況の把握に努めまして、行政として何をすべきか、今後もしっかり考えていきたいと思います。  次に、大きな項目の二点目、ジェンダー平等についての質問のうち、三点お答えをいたします。  初めに、ジェンダー平等社会の推進についてでございます。  ジェンダー平等社会、男女共同参画社会とも言いますけれども、男女共同参画社会は、男女が社会の対等な構成員として、みずからの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保される社会であり、全ての人々が自分らしく生きることができる多様性に富んだ豊かな活力ある社会を実現するため、その推進は重要なものだと考えております。  県では、平成二十八年度から五年間の第四次佐賀県男女共同参画基本計画を策定し、男女共同参画意識の形成、女性の活躍推進、男女間のあらゆる暴力の根絶などに取り組んでいるところでございます。  特に、男女共同参画社会が進まない要因の一つで、男女ともに根強く残っている性別に基づく固定的な役割分担意識を解消することが重要と考えておりまして、男女それぞれの意識啓発に取り組んでいるところです。  性別にかかわりなく、一人一人がその能力を十分発揮できる社会づくりはダイバーシティの推進につながり、本県の地域社会経済の持続可能な発展や企業の活性化という点からも極めて重要であり、引き続き取り組んでまいります。  次に、性暴力やDVを許さない社会づくりについてでございます。
     性暴力やDV──ドメスティック・バイオレンスは、被害者の人格や尊厳を著しく侵害するものであり、男女共同参画社会を形成していく上で克服すべき重要な課題でございます。  県では、佐賀県立男女共同参画センター「アバンセ」に設置した佐賀県DV総合対策センターを中心に、DV防止のための講演会やお届け講座の実施など、性暴力やDVを許さない社会づくりのための啓発に取り組んでおります。  特に、将来の被害者や加害者をつくらない取り組みとして、中学生を中心に、小学生から大学生までの若年層を対象に、その年齢に応じた内容の予防教育を重点的に実施しているところでございます。  被害者支援としましては、県では、佐賀県DV総合対策センターと婦人相談所を配偶者暴力相談支援センターと位置づけ、DV加害者からの相談に応じており、医師会や弁護士会、DV被害者支援の民間グループ、警察などの関係機関との連携を図りながら被害者支援を行っております。  また、性暴力被害者への支援につきましては、被害状況を踏まえた上で迅速かつきめ細かに対応することが重要であります。  本県では、佐賀県医療センター好生館に「さがmirai」を設置しまして、医療ソーシャルワーカーのコーディネートのもと、被害者の状況に応じて身体的治療、緊急避妊薬の処方、性感染症の検査等の医療支援を行っています。また、臨床心理士によるカウンセリング等の精神的支援、それらの費用負担の軽減などの経済的サポートも関係機関と連携して行っているところでございます。  刑法改正についてのお尋ねがございました。  性犯罪被害者保護の観点から、強制性交等罪の暴行、脅迫要件の緩和を求める声があることは承知しております。  平成二十九年に刑法が改正されましたけれども、御指摘の強制性交等罪における暴行、脅迫要件の緩和について、法務省の「性犯罪の罰則に関する検討会」や法制審議会などさまざまに議論されて、現在の形で国会で成立したものと承知しております。  今回の改正においては、附帯決議がなされております。「暴行又は脅迫」及び「抗拒不能」の認定に関して、関連する心理学的、精神医学的知見等について調査研究を推進するとともに、関係する司法警察官、検察官及び裁判官が性犯罪に直面した被害者の心理等についての研修を行うことが示されています。  関係者が知見を深めることで、被害者と相手方との関係性や被害者の心理をより一層理解し、適切に踏まえて対応されるものと考えております。被害に遭われた方が何重にも傷つくことがないよう真摯に取り組まれることを願っております。  次に、ハラスメント対策について申し上げます。  まず、県内におけるセクシャルハラスメントやマタニティハラスメントの相談の状況ですが、平成三十年度は佐賀労働局への相談件数が二百十九件、県の産業人材課への相談件数が一件、佐賀県立男女共同参画センター(アバンセ)のほうへの相談件数が十件となっております。  次に、対策についてですが、こうしたハラスメントの防止に向けて、佐賀労働局では、相談の受け付けを初め、労働者と事業主との間で生じたトラブルの解決に向けた援助──助言、指導、勧告──や、弁護士や学識経験者などの専門家による調停が行われているところでございます。  県におきましては、相談を受け付けるほか、相談内容に応じて佐賀労働局や弁護士会、警察などを紹介し、関係機関が連携して解決につなげるよう取り組んでいるところでございます。  また、学校や企業を対象にハラスメントの基礎知識や予防対策、デートDVなどをテーマとした出前講座や研修の実施、県と佐賀労働局と共催で、職場におけるハラスメントへの意識啓発を高めることを目的に講演会などを開催しております。  今後も引き続き関係機関と連携しながら、しっかり取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 23 ◎落合教育長 登壇=私からは、ジェンダー平等の教育についてと教育行政についてお答えをいたします。  まず、ジェンダー平等の教育についてですが、性的マイノリティーの児童生徒からの相談件数についてお尋ねがありました。  昨年度の実績で言いますと、これは二月時点での調査ですけども、中学校六校において七件、高等学校二校において三件、合計八校において十件の相談があっております。  次に、性的マイノリティーの児童生徒の相談体制についてお答えいたします。  学校現場におきましては、教職員が日ごろから児童生徒との信頼関係づくりに努め、相談しやすい環境づくりに取り組み、悩みを抱えた児童生徒は、担任、養護教諭及びスクールカウンセラー等に相談できる体制をとっております。  児童生徒の性的マイノリティーに関する相談につきましては、デリケートな問題ですので、相談を受けた教職員は、管理職や養護教諭など限られた一部の教職員と情報共有を行い、共有したメンバーの中で本人の意向も確認、尊重した上で、協議を重ね、対応に努めているところでございます。  また、県教育委員会におきましては、性的マイノリティーの児童生徒からの相談に適切に対応できるよう、管理職や養護教諭、人権・同和教育担当者などを対象とした研修会を開催して、相談体制の充実を図っているところであります。  次に、性的マイノリティーやジェンダー平等に対する取り組みについてお答えいたします。  先ほど県民環境部長のほうから平成二十七年度の調査の結果がありましたけども、同じ調査の昨年の調査結果として、全国六万人を対象として実施された調査によりますと、性的マイノリティーに該当する人たちは人口の八・九%、十一人に一人存在するというデータがございます。相談があるかどうかにかかわらず、どの学校にも数十人、数百人の児童生徒がいるわけですので、そういった生徒がいるという前提で学校で取り組みをしなければならないというふうに考えております。  ジェンダー平等については、男女共同参画という観点、視点から取り組んでおります。  具体的には、児童生徒の性的マイノリティーや男女共同参画に対する理解を促進するため、授業実践例を作成し、毎年発行しております「人権・同和教育資料」に掲載し、県内の全教員に配布をしております。  また、男女混合名簿につきましては、地区別の小中学校の校長会及び県立学校長会に出向き、その教育的効果を周知するなどして、男女別名簿から男女混合名簿への転換を促してまいりました。こうしたことから、昨年度の公立学校における名簿の男女混合名簿の導入率は、小学校で七七%、中学校で一四・三%、全日制の高等学校で一〇・〇%でありましたけども、今年度は同じく小学校で九〇・七%、中学校で三〇・八%、全日制高等学校で二七%と増加しておりまして、来年度からは全ての公立学校で男女混合名簿になる見込みとなっております。  また、制服につきましては、これは各学校で決めるべきところではございますけども、県教育委員会としても性別違和のある児童生徒はもとより、全ての児童生徒が自分らしく安心して学校生活を送る上で自由に選択できる制服などの導入は望ましいと考えておりまして、地区別の小中学校の校長会及び県立学校長会を通じて検討を促してまいりました。  こうしたことから、既に公立の小・中・高等学校で導入した学校が三校あります。来年度から導入を予定している学校も三校ございます。また、導入時期は未定ですけども、検討している学校も増加している状況にありまして、次第にそういった取り組みが進んできているのではないかというふうに考えております。  県教育委員会としましては、今後も引き続き各学校や市町教育委員会とも連携しながら、性的マイノリティーや男女共同参画に対するさまざまな取り組みを推進してまいります。  続きまして、教育行政についてですが、まず、空調の整備についてお答えいたします。  市町立小中学校における整備の状況ですが、令和元年九月一日現在で県内の市町立小中学校の普通教室の空調の整備率は、小学校の普通教室二千二百六十七教室のうち整備済みが千九百二教室、八三・九%。中学校では普通教室八百五十三教室のうち整備済みが七百七十教室、九〇・三%となっております。  小中学校の空調整備につきましては、昨年度、国の補正予算において臨時交付金が創設されたこともございまして、県内の市町立小中学校においても整備が進みました。現時点で二十市町のうち十九市町でほぼ整備が完了しております。残り一市につきましても順次整備されておりまして、今後大規模改造、あるいは改築を予定している学校を除いて、中学校においては本年度、小学校についても来年度までに整備されると聞いております。  次に、県立学校への公費による空調の整備についてお答えいたします。  県立学校では、中学校、高等学校、特別支援学校、合わせて四十八校のうち四十三校で普通教室の空調が整備済みであります。このうち公費による整備が十校、PTAなどの私費による整備が三十三校となっております。  これまで、公費による教室等の空調の整備については個別の判断により行ってまいりましたが、例えば、保健室や図書室など、保健処置やとりわけ快適で落ちついた環境が必要な部屋、特別支援学校や厳木高校、太良高校など、障害などにより体温調整が難しい生徒が多く在籍する学校の普通教室、コンピューター教室や家庭科実習室など発熱体がある特別教室などに整備を行っております。  夏の猛暑など昨今の気象変化を鑑みれば、生徒の健康を守る対応はきちんととっていかなければならないと考えておりまして、現在のように、学校間で差が生じているということは問題だというふうに認識をしております。  しかしながら、公費による整備につきましては、これまでPTAなど私費による整備をしてきたこと、また、そういった既設の設備の取り扱い、維持管理方法、整備手法など、さまざまな課題がございますので、今後できるだけ早い時期に今後の空調整備のあり方について方向性を出していきたいというふうに考えております。  なお、特別教室への空調整備については、先ほども申し上げましたような個別の事情を個別に判断をしていきたいと、必要性を個別に判断していきたいというふうに考えております。  次に、教職員の働き方についてお答えいたします。  まず、現状ですけども、県教育委員会では「学校現場の業務改善計画」を策定し、市町教育委員会と県立学校に通知を行い、教育委員会や学校が行う具体的な取り決めを周知徹底し、実践をしております。  例えば、長時間労働の解消については教職員が休暇を取得しやすい環境を整備するために、夏季休業中に学校閉庁日の設定などを行っております。  また、県教育委員会が行う会議や調査などの縮減を図るとともに、研修の精選、厳選を行い、令和元年度の実績で申しますと、前年度と比較して日数で八・四%、時間数で一〇・三%を削減しております。  また、部活動につきましては、「佐賀県『運動部活動の在り方に関する方針』」と「文化部活動の在り方に関する方針」に基づきまして、例えば、複数顧問制の構築、適切な休養日や活動時間の設定など、教員の負担軽減を図っているところであります。  また、学校現場や市町教育委員会と連携した取り組みについても推進をしております。  私自身、教育長に就任直後、学校現場の校長と学校における働き方改革について意見交換を行いました。また、PTA組織の役員さん方とも児童生徒の適正な登校時間の設定、あるいは時間外の電話対応の取り組み、そういったことについて学校が行う業務改善や効率化の取り組みへの協力要請を行ったところです。  このように県教育委員会、市町教育委員会、学校が、それぞれの立場から業務改善に向けてさまざまな取り組みを行っております。しかしながら、一方で議員からも御指摘がありましたように、多忙化が解消されないという状況もあります。  要因としては、学習指導要領の改訂によって授業時数の増加があったということ。また、経験年数の浅い教員が今ふえておりますけども、指導力をつけるために授業研究、研修に時間をかける必要があること。中学校、高等学校におきましては、授業準備や個別指導に加えて部活動指導があって、平日の放課後や土日に、改善は図られているものの、依然として多くの時間を部活動指導に充てているといった要因が考えられます。  今回、県教育委員会では「県立学校の教育職員の勤務時間の上限に関する方針」を十一月に策定し、その中で勤務時間の考え方や上限の目安時間を掲げて、各県立学校及び市町教育委員会に通知をいたしました。  また、新教育情報システムを含めたICTの活用による業務の改善、あるいは効率化を図っていきたいというふうに考えております。  さらに、教職員の働き方改革を行うためには、やはり保護者、あるいは地域の方々の御理解、あるいは支援というものが必要だと考えております。そういったPTA組織との連携や広報、地域の方々への情報発信、そういったものに積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、教職員の働き方改革は重要な課題であると思っておりまして、引き続き学校現場や市町教育委員会と連携しながら、教職員の負担軽減に実効性のある取り組みを重ねていきたいというふうに考えております。  次に、教職員の負担軽減についてお尋ねがありました。  県及び市町の教育委員会では、学校が抱えるさまざまな課題に対応するために、事務補や用務員など従来から配置している職員に加えまして、近年専門分野で教員をサポートする職員を新たに学校に配置しております。  具体的には、障害のある児童生徒の日常生活動作の介助や学習活動上の支援を行う特別支援教育支援員を市町立小学校に四百十九人、市町立中学校に百人、県立学校に十人。また、ICT機器の管理や授業等での活用のための支援を行うICT支援員を市町立小中学校に五十二人、県立学校に二十二人配置をしているところです。  これらの支援員につきましては、地方交付税による財政措置が講じられておりますので、市町においては今後も実情に応じて配置していただきたいというふうに考えております。  次に、部活動指導員につきましては、県と市町が連携し、部活動指導員活用研究事業として今年度は四十八人を配置いたしております。これは教員の負担軽減に効果が出ているというふうに考えております。来年度以降につきましては、市町教育委員会とともに検討していきたいというふうに考えております。  さらに、県では、児童生徒が抱える問題の解決、解消を図るために、スクールソーシャルワーカーを各学校に派遣しておりますけれども、今年度は十九人を教育事務所及び支所に配置しておりまして、学校の状況や市町の要望等を勘案しながら、配置ができるように努めてまいります。  このように、県教育委員会といたしましては、市町の教育委員会と連携して、教員をサポートする職員を学校の実情において配置することで教員の負担を軽減し、あわせてそういった制度の拡充について国のほうに要望していきたいというふうに考えております。  次に、講師の処遇改善についてお尋ねがありました。  これまでも講師の処遇改善に取り組んできております。最近では平成二十六年度から給与上限額の引き上げ、平成二十七年度から定期健康診断の受診費用負担の軽減、平成二十八年度に年次休暇の繰越制度の整備、今年度から任用期間の延長、そういった改善を図ってきております。今後も講師の処遇改善については努めてまいりたいというふうに考えております。  最後に、一年単位の変形労働時間制の導入についてお答えいたします。  この制度につきましては、昨日、十二月四日の参議院本会議において、教職員給与特別措置法、いわゆる給特法の改正が可決、成立いたしております。  学期初めや年度末などの繁忙期の週当たりの就業時間をふやして、その分の時間を長期休業中などの閑散期に休日としてまとめ取りすることを可能にするといったもので、制度の運用の詳細については文部科学省令で定めることとされております。  実施については、各都道府県で条例を制定して選択的に導入をすることが可能となっております。  学校現場からこの制度の導入につきましては、先ほど議員のほうからも御指摘がありましたように、さまざまな意見が出されていることは県教育委員会としても承知をいたしております。  また、この変形労働時間制そのものが教職員の業務量や労働時間自体を縮減するものではありません。導入の前提として、閑散期における教職員の業務量を削減するなどは考えられておりますけれども、長期休業中においては、現実といたしましては、研修とか部活動の指導など教職員としてやっている業務がございますので、大きく削減することはなかなか難しいという実情もございます。  また、育児や介護など家庭の事情により労働時間延長が難しい職員も少なからずおりますので、そういった個別事情を踏まえて適用していくことが必要になると考えております。  いずれにいたしましても、改正法案が昨日成立したばかりであります。文部科学省令につきましても今後策定されることになりますので、県教育委員会としては関係機関、市町教育委員会、議員から御指摘がありましたように学校現場ともしっかり意見交換しながら、慎重に検討を行ってまいります。  私からは以上です。 24 ◎武藤明美君 登壇=それぞれ御答弁をいただきましたが、再質問をさせていただきます。  まず、知事に、オスプレイの問題、撤回はしないというふうにおっしゃったわけです。私、このノリの最盛期に知事がわざわざせかすように漁協に行って組合長に要請をすることそのものが、ノリ漁業者の皆さんのことをわかっていないというふうに思いました。県民に心を寄せていないという、こういったやり方では、やはり漁民からますますの、あるいは地権者からますますの反発があるんではないかというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。  それから、私が先ほどの質問の中でも指摘したんですが、コノシロに関しても影響が大きい。それは漁にとっても影響が出るということははっきりしているんですが、ところが、防衛省は運用してからじゃないと詳しいことはわからないと。だから、まず運用してからと。本当に許せない言い方ですよ。運用先にありき、こういうことではないでしょうか。  諫早干拓をつくるときも、漁業被害が出たら補償すると言っていたんですけれども、潮受け堤防がいろんな原因じゃないかということを漁業者の人たちが幾ら言っても、潮受け堤防が原因だとはわからないということで漁業被害を放置しているわけですね。こういう国だからこそ、県民の人たち、漁業者の方たちは信用できないというふうに言っているわけです。  佐賀空港に基地をつくられて、被害が出てきても、これが原因だとは認められないと、コノシロ漁の方たちに言うんですか。本当に今の国のこういった常套手段は許せないというふうに思うんです。諫早干拓の二の舞はしてほしくないというふうにも思っています。その問題をなぜ知事がわかっていただけないのか不思議でなりません。問題が起こっています。コノシロにしても影響が大きいということがわかっています。だったら知事、このときにやっぱり一歩立ちどまって、おかしいじゃないかと国に言うべきなんじゃないですか。  それから、米国防監査官がオスプレイの危険性についての問題解決が見通せないというふうに言っているわけですから、知事は昨年受け入れ表明したとしても、こういう状況があるということがわかったからには、やはり一旦立ちどまる、そういったことも必要なんじゃないでしょうか。  昨年の八月に三つの提案を受け入れて、じゃ、受け入れ容認をするという経過がありましたけれども、私はこういったことを本当に真剣に考えていただきたいというふうに思います。急がせるということではなくて、気持ちの溝が深まるようなことばかりをしないで、本当に一歩とまって、防衛省や、それからアメリカなどについてもきちっと確認をするというようなことも必要なんじゃないかと思いますので、そのことについても改めて聞きたいと思います。  それから、原発行政についてです。  使用済み燃料プールの冷却機能の強化の問題ですけれども、規制委員会で現行のものを使うと言っているという御答弁だったと思いますが、本当に使用済み燃料がふえたらふえただけ温度が上がって危険な状態になるということを県民みんなが心配しています。そういったことが科学的にもいろいろ専門家から指摘もされているんですけれども、今のままで使うということをそのまま許していいのか。県民にとっては本当にますます危険が増すというようなことになっていくんではないかと思うんですね。  六ケ所村の再処理工場が完成しなければいけないと思うんですけれども、もしそれができなかったら、リラッキングした使用済み燃料を乾式貯蔵にして永久に玄海町に置くということにつながっていくんではないかと思いますので、そのことをお聞きしたいし、また、再処理工場がさらにおくれるという認識に立っておられるのかどうか、そこについてもお聞きしたいと思っています。  それから、緊急時対策棟の問題です。  知事もおっしゃったように、現在ある代替施設と比べて、本当に規模も大きいし、地下層だとか、たくさん人が入れるような状況もありますし、シャワーも常設したものがあるということで、今ある代替施設とは比べ物にならないぐらいに大きいんですけれども、これができるまでの間、もし何かあったときはどうなるのかということをみんな心配しているんです。今、九州電力はこの施設のほかに、別にテロ対策の特重施設もつくるということになっていて、原子力規制委員会からは、この特重施設については期限までに完成しなかったら原発は休止するというふうに言われているんですよね。特重施設がそう言われるようなものであるならば、この緊急時対策棟についても同じようなことだと言えると思うんです。ですから、やはりこれは停止させておくんだというようなことをなぜ九州電力に言えないのか、そうしてほしいということが言えないのか、そのことを明らかにしていただきたいと思います。  新検査制度については、IAEAの指摘もあっていると思うんですけれども、稼働期間が十三カ月を超えないというものが、これまで前例はないとのことですけれども、二十四カ月まで、つまり二年間はずっと動かし続けてもいいということが言われていますので、それを九州電力がするとなれば大変なことになりますけれども、そういう確約がとれないのか。とにかく今の一サイクル十三カ月を超えないということを、ちゃんと九州電力がやっていけるのかどうなのか、そこを確認していただきたいというふうに思います。  それから、保育行政については、おっしゃっていることについては給食の問題にしても了解はしました。ただ、この無償化の取り組みがたったの六カ月しか臨時交付金は出ない、あと地方交付税の算入だというふうなことになると、保育の無償化と大々的に宣伝されながらも、実態は何だこんなものかというふうに、そういった実態であるということがわかりました。これは答弁要りませんけれども、今の安倍政権の手法がここの部分にも見えているなという感想を述べておきたいと思います。  次に、ジェンダー平等の問題についてです。  本当に自分らしく生きていける、そういう社会のために、男性も女性も本当にお互い理解し合って、リスペクトもし合っていく。しかし、人権の問題としてはやっぱり厳しい対応をしていただかなければならないと思いますので、先ほどから県民環境部長であれ、男女参画・こども局の甲斐局長であれおっしゃったように、県民が自分らしく暮らしていける、そういう県行政であってほしいということを願っておきたいと思います。  それから、教育行政についてです。  おっしゃったように、本当に分け隔てがあってはいけないと、学校間で差があるのはどうかというふうにも思うという教育長の言葉を信頼し、そして今後、エアコンがついていない学校にできるだけ早い時期にちゃんとつけていくという立場をとっていただきたいと思います。できないことの理由は、前に質問したときにお聞きしたことと同じなんです。ちっとも進歩していないんです。ですから、もっと抜本的にしていくという立場をとっていただきたいと思うんですよ。だって、普通教室であの真夏日に十七度から二十八度以内に保たれているのか。そういう状況ととても言えないし、これを放っていていいということにはならないと思うんです。  文科省は、私も井上議員もですけど、一緒に夏に要請に行ったときに、県立学校にもエアコンが設置できるよう毎年交付税措置をしているというふうに述べています。その交付税措置をしっかり生かして設置していただきたいと思いますので、そのことについて改めて決意をお聞きしたいと思います。  それから、業務改善計画の中でいろいろ取り組みはされているんですね。  先ほど教育長のほうからも、時間外の上限の方針も示されているというふうなことをおっしゃいましたけれども、業務改善計画での目標は、時間外勤務、病気休職者数の縮減を実現するためのものなんですね。  これは平成三十年度から令和二年度までの三年間で時間外勤務を月四十五時間以下にするというふうになっているんですけれども、来年一年間で時間外勤務を四十五時間以内に本当にできるのか、そういう見通しがあるのかということを改めてお聞きしたいと思います。  県立学校で月四十五時間以下にするとなれば、市町の教育委員会もそれに準ずるというふうに思うんですけど、その具体化が足りないから今、百時間超えの先生たちが八百十八人いらっしゃるし、六カ月間で平均して八十時間を超える人たちが四百八十二人もいらっしゃるという実態を考えてみても、皆さんたちが三年間で時間外勤務を月四十五時間以下に本当にできるのか、来年一年間で本当にそれができるのか、そういう見通しのためにはもっと抜本的なやり方をしていただきたいと思います。  一つは、抜本的に教員をふやすということが大事です。それについてどのようにお考えでしょうか。  また、教員をサポートする職員を今ふやしていただいています。確かに部活をサポートする方たちもふやしていただいているんですけど、特に特別支援教育支援員、この人たちをもっとふやしていかなければいけないんじゃないかと思いますけど、それについてはどうでしょうか。  それから、臨時講師の待遇改善について述べていただきましたけれども、今お聞きしてみると、処遇改善とはいっても、お金のかからないようなやり方はしておられるんです。  県内東部方面で、九月に講師が給料が少ないとやめたケースもあるんです。給料が少な過ぎるからやめたんです。福岡では毎年昇給するとのことでした。先ほど福岡県、福岡市と佐賀県の違いを指摘したんですけれども、毎年昇給するよその県があり、佐賀県では三年たたないと昇給はないという現実があり、佐賀県では最近、採用試験の年齢上限は撤廃されたわけですけれども、もっと抜本的に給与を引き上げていく、昇給についても毎年が無理なら、せめて二年に一度は上げていく。こうしないと、今、臨時教員さえも人手不足で、何とかしないといけないというふうなことに終わってしまうんじゃないか、今の現実から少しも変わらないんじゃないかというふうに思いますので、それについてどのように対応しようと考えられるのかをお聞きしたいと思います。
     それから、変形労働時間制、きのう成立したばかりでということでおっしゃいましたけど、確かにそういう点はあると思います。  省令で細かい定めがあるから、それに基づく条例にという形になっていこうかと思いますけれども、長期休業中でも先生たちは研修があったり、部活があったりということで、この変形労働時間、単純に繁忙期は十時間まで働いてというふうなやり方が、今のような佐賀県の先生たち、病休者だとか、現職死の方たちだとか、精神的な疾患がふえている中で、こういった変形労働時間制がやられてしまうなら、ますます先生たちは大変な事態になり、過労死がふえていくというふうに恐れておられる方たちもいらっしゃいます。  だから、この条例をつくるに当たっては、本当に現場の声を聞き、佐賀県の現状に合ったものにしていただきたいというふうに思いますので、そのあたり、これはお願いにしておきますけれども、それ以前のことは質問ということでお答えをいただきたいと思います。 25 ◎山口知事 登壇=武藤議員の再質問にお答えいたします。  まず、自衛隊の佐賀空港への使用要請に関しまして、私が漁協をせかしているのではないかというお尋ねがございました。私はせかしておりません。  ちなみに本日も秋芽の初入札の日でありまして、生産者の皆さん方が本当に頑張ったので、早朝に、商社の皆さん方が五十社以上来られていたので、ぜひ高く応札していただきたいと、みんなの努力に報いていただきたいという話をさせていただきました。一切この使用要請の話は組合長ほか、誰にもしておりません。(発言する者あり)特に最盛期であってもせかしておりません。  というのも、今回の事業主体はあくまでも国、防衛省であります。常々申し上げておりますとおり、私としてはスケジュール感は持っておらない。ただ、いたずらに先延ばしすることにはならない。これは国防だからという姿勢で真摯に向き合ってまいりましたし、今後もそれは変わりません。  二点目、コハダ漁に関する再調査の最終報告についてお尋ねがございました。  今回、防衛省がまとめた最終報告では、ヘリの飛行によってコハダが反応する、沈むということ、コハダ漁の操業全体に与える影響の程度については、実際に運用が開始された後に運用前後の漁業実態を見て確認するとされております。  このことにつきましては、大浦支所の漁業者の皆さん方も了解されていると聞いておりまして、防衛省との間でも共通認識ができているというふうに伺っております。  三点目についてですが、米の国防監察官が発表したオスプレイの安全性に対する指摘など、そうしたものにしっかり耳を傾けろということですけれども、私もこの問題に関しては、特に安全性に関しては、武藤県議ほか県議会のさまざまな声ですとか、それから、さまざまな団体の皆さん方もいろいろ御指摘いただいております。  これからもそうした一つ一つの疑問については、みずから調べたり、そして防衛省に確認したりと、そういったことをしっかりとやっていきたいというふうに思います。  このMV22に関する報告書につきましては、担当部長から答弁させたいと思います。 26 ◎大川内政策部長 登壇=私からは、米国防監査官が発表したオスプレイの安全性について知事の答弁を補足させていただきます。  このことにつきましては、先月二十八日に日本共産党佐賀県委員会から要請書を受け取った際にお話がありましたことを受けまして、私どものほうから防衛省に確認をいたしております。  昨日も状況を確認いたしました。ただ、その結果につきましてはまだ出ておりませんで、今後、防衛省から説明がありましたらお伝えをさせていただきたいというふうに考えております。  なお、先ほど知事からもございましたけれども、オスプレイの安全性につきましては、今回の件に限らず、疑問や不明な点が生じれば、その都度、防衛省に確認をしていく所存でございます。  以上、お答えいたします。 27 ◎原県民環境部長 登壇=私のほうからは、玄海原子力発電所関連で再質問が何点かございましたのでお答えいたします。  まず最初に、使用済み燃料プールの冷却機能、今の冷却装置を使うと温度が上がって大丈夫なのかという問いがございました。  原子力規制委員会の審査におきましては、補給用水中ポンプによります注水で対応するということについて、これは審査の上で許可がなされております。  作業環境に支障のない温度として設定された評価基準温度、これは既存の冷却機能を使用した場合であってもしっかりと基準内で冷却できるということで許可がなされたというところでございます。  続きまして二点目の問いは、玄海原子力発電所に使用済み燃料がこのままふえ続けていくのではないかというようなお話がありました。それにあわせて、六ケ所村の再処理工場の完成がさらにおくれるのではないかという御質問がございました。  原子力発電所で発生します使用済み燃料は、一定期間冷却した後に青森の六ケ所村にあります再処理工場へ搬出いたしまして、再処理されるということが国の基本方針でございますし、九州電力としてもそのように対応されるところでございます。  さまざまな不安に対しては、まずは事業者であります九州電力において丁寧でわかりやすい説明を行うことが重要であろうと、そのように考えております。  また、再処理工場の操業がおくれるのではないかというお話でございますけれども、国のエネルギー基本計画におきまして、原子力発電所から発生する使用済み燃料は再処理することを基本方針とされているところでございまして、日本原燃の六ケ所再処理工場につきましては、二〇二一年度上期の操業開始に向けて取り組んでいるということで我々は聞いておるところでございます。  それと、三つ目でございます。  緊急時対策棟につきましてですが、現在の代替緊急時対策所が狭くて、何かあったときには対応ができないのではないか、そういうことを考えれば玄海三、四号機をとめるべきではないかという御質問がございました。  現在あります代替緊急時対策所につきましては、原子力規制委員会によりまして基準への適合が確認をされ、現在運用されているものでございまして、必要な機能は備えているものと我々は認識をしております。  面積がかなり広くなるというお話もございましたけれども、機械室でありますとか倉庫、医務室などが広がるということでございます。そういうスペースが今の代替緊急時対策所では確保されていないところでございますけれども、既設の建屋の中で同様の対応を行うことができるというふうに聞いております。したがいまして、我々といたしましては、三、四号機の停止を求めるということは考えておりません。  最後に、新検査制度に関しまして、定期検査間隔が二十四カ月まで延びるのではないかというようなお話がございました。九州電力は十三カ月を超えないでやっていけるのかというお話がございましたけれども、これは先ほど御答弁させていただきましたが、現行の法令では十三カ月を超えるような運転をするためには原子力規制委員会によります特別な審査確認、これを得る必要がございます。全国のプラントで、これまでに十三カ月を超える運転をしたところはございません。  また、九州電力におきましては、現在、玄海原子力発電所において定期検査の間隔を延長するような計画はないというふうに聞いております。  繰り返しになりますが、原子力規制委員会に対して、県民の不安につながることがないように、現行の法令を含めました規制制度や検査制度に関するわかりやすい丁寧な説明を求めていきたいと考えております。  私からは以上でございます。 28 ◎落合教育長 登壇=私のほうに何点か御質問がございました。なかなかこの場では答えにくい質問もありましたけれども、お答えさせていただきます。  まず、普通教室への空調の公費での整備についてお尋ねがございました。  確かに最近の非常に暑い夏場の猛暑を考えますと、今、五校の整備が済んでいないわけですけれども、そういったところをどうしていくのかというのは検討しなければならないと思っております。他県の状況なども情報収集を行ってまいりましたけれども、整備の手法、それまで私費で設置された空調の取り扱い、その後の管理方法、さまざまな課題がございます。そういったことについて引き続き検討を行って、できるだけ早い時期に方向性を出したいというふうに考えております。  次に、業務改善計画、時間外勤務月四十五時間以下というのを来年度までに達成できるのかという御質問がございました。特に教職員をふやして対応していくべきではないのかという御指摘もございました。  教職員の定数増につきましては、これは毎年度国のほうにも要望しておりまして、学級編制基準の順次改定などを要望しておりますし、これは引き続き要望していきたいというふうに考えております。  先ほども申し上げましたようなさまざまな業務改善の取り組み、特に夏季休業期間中にしっかりとれるように休校日を設定したり、有効だと思える取り組みはいろいろやってきております。四十五時間以下を目指して、引き続き取り組みたいというふうに考えております。  次に、サポートする職員のことについて、特に特別支援教育支援員についてのお尋ねがございました。  基本的には特別支援教育支援員につきましては、市町に対する地方交付税のほうで措置されておりまして、市町のほうで配置をされております。  県としては、それだけでは十分ではないという声はもちろん聞いておりますので、国に対して支援員の配置に係る地方財政措置の拡充、それと、学級編制基準の引き下げ及び教職員定数の改善、そういったことを強く要望してまいりたいというふうに考えております。  次に、講師の待遇改善についてお尋ねがありました。  本県においても、採用試験において、学校での講師経験が通算二年以上の講師には一般・教職教養試験を免除しているなど、これはかなり以前からやっておりますけど、さまざまな待遇改善に取り組んできたところではございます。  最近なかなか人材確保が難しい、これはいろんな職場であることですけれども、この講師についても確保が難しい状況は先ほども御指摘がありましたようにあります。講師の待遇改善というのは問題意識を持って、引き続き検討させていただきたいというふうに考えております。  最後に、変形労働時間制の導入についてです。  現場の声を聞くということについては御質問ではありませんでしたけれども、これについてはしっかりと関係機関、特に現場の声というのは聞きながら、県の条例化に当たっては検討していきたいというふうに考えておりますけれども、そもそも夏季休業中にちゃんと休めるのかなど、いろんな心配がございます。そういったことについては我々も問題意識を同じくしておりまして、部活動指導のあり方など業務改善計画の中で示しているいろんな取り組みをしっかり取り組まなければ、時間外はなかなか減りませんし、この変形労働時間制によって余裕を持って夏休みのほうでまとめて休みをとるというようなことも実現しないだろうと思いますので、そういった取り組みをしっかり今後も行っていきたいと考えております。  以上です。 29 ◎武藤明美君 登壇=三回目の質問をいたします。  原発問題についてなんですが、県民にも説明していただきたいと思うのは、国の基本方針で九電も丁寧にやっていくというようなことで、使用済み燃料プールの話なんですけれども、それと、リラッキングの際のことなんですが、注水で対応していくんだというふうなことをおっしゃいました。そのことは基準の温度内でやっているということだったんですけれども、基準の温度とはどういう温度になっているのかということと、それから、こういう問題で県民の間に不安がありますので、ちゃんとこの問題についても、国の基本方針や九電の方針を丁寧に県民に説明していく場を設けるように言っていただきたいんです。皆さんたちも九電に丁寧な説明を求めると言われているわけですから、県民にもそうするように求めていただきたいと思います。  リラッキングもちゃんと定まった手法でやっているから問題ないんだというふうなこととかで、規制委員会が許可したわけだから、県もそういったことを専門家に聞いて判断していくんだということもおっしゃっていましたけれども、こういったことも含めて県民に説明会をしてほしいと思っておりますので、皆さん方が九州電力に説明を求めるのと同じように、県民にもそういった説明をするようにお願いしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  それから、緊急時対策棟の問題です。  先ほどから、今の代替施設と緊急時対策棟の違いもおっしゃっていただきました。ただ、私自身思うのは、この緊急時対策棟ができるまでの間の代替施設のあり方ですが、ここは飲料水もペットボトルで対応する、生活雑排水は仮設トイレで対応する、そして、放射性の排水については除染用の簡易シャワーしかないと。要するに紙で拭いて捨てるというふうなことだと思うんですね。  ところが、緊急時対策棟の場合は常設シャワーに常設トイレもあって、除染用のシャワーも簡易じゃなくてちゃんとあるんだという違いがあったり、場所が広かったり、中に入って仕事をする、あるいは収容する人たちの人数が片や百人だけれども、緊急時対策棟は三百人までは入れるというようなことも違いとしてあります。  同時に、もう一つつくる予定のテロ対策の特重施設は、どんなものなのかはまだ私たちに明らかにされてはいませんけれども、それができるまでの間、運転は再開できないんだというふうなことを規制委員会も指摘しています。  ですから、この特重施設と同様に、緊急時対策棟が完成するまではやはり原発を動かすわけにはいかないんじゃないかと思います。この緊急時対策棟がいつまでにつくられようとしているのか、期限はいつまでなのか、そこらあたりも明らかにしていただきたいというふうに思っています。  最後に、教育長にもう一回お聞きします。  教員増については国にも言っているということをおっしゃっていただきました。  しかし、臨時講師、臨時教員の待遇改善は県でも独自にやれることです。本当に給与をもっと上げていくということ、その努力なしには、今の佐賀県の教育の現状、学校の現状を大きく変えていくことはできないんじゃないか。いつまでたっても教員不足、不祥事があると教員はやめなきゃいけない。あるいは講師が足りない、今でさえ足りないから、子供たちは自習をしなくちゃいけない、そんな現状があるじゃないですか。これを本当に心痛めて改めていくということであるならば、やはり抜本的に給与改善、見直していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。  以上です。 30 ◎原県民環境部長 登壇=三点ほどお尋ねがございました。  まず一点目が、使用済み燃料プールの冷却の関係でございましたけれども、私が先ほど評価基準温度という言葉を使いましたけれども、これは原子力規制委員会の審査の中で作業環境に支障のない温度として設定された温度ということで、五十二度となっております。既存の冷却機能を使用した場合であっても、この基準内で冷却可能だということで許可がなされたものと理解しております。  二点目、九電に対して県民に説明をする場を県から求めるべきだというお話がございました。  これにつきましては、議員からそのようなお話があったということは私のほうから九州電力にはお伝えしたいと思います。  三番目、最後でございますけれども、緊急時対策棟のお話がございました。  緊急時対策棟は、現在の代替緊急時対策所よりも居住条件がよくなるということで、緊急時対策棟ができた暁でないと原発を動かしたらだめだ、それまでは危ないからとめたほうがいいのではないか、それは特重施設もそういうふうになっているんじゃないでしょうかという御質問だったと思います。  これにつきましては、また繰り返しにはなりますけれども、現在あります代替緊急時対策所につきましては、原子力規制委員会によって基準への適合がしっかり確認をされております。必要な機能はしっかり備えていると認識をしております。  しかしながら、新たに設置されます緊急時対策棟につきましては、現在の代替緊急時対策所の機能を拡充したものでございますので、さらなる安全性の向上につながるものでございます。そういうことで、完成時期変更の説明が九電からあった際には、県のほうからも九州電力に対し着実に実現できることをお願いしたいということを申し入れをしております。  なお、緊急時対策棟につきましては、九州電力の説明によりますと、令和五年度の九月に完成予定ということでお聞きしております。  私からは以上です。 31 ◎落合教育長 登壇=武藤議員の再々質問にお答えいたします。  講師の給与を引き上げる必要があるのではないかという御指摘がございました。  講師の不足というのは全国的な状況でありまして、要因はさまざまありますけれども、退職者の数が多くて、多く採用する必要があるということと、あと特別支援教育の学級数が全国的にふえている、そういったことで教員の数が不足し、その中で講師の数も不足しているという状況がございます。  したがいまして、本県におきましても講師を確保していくというのは課題になっているというふうに認識をしております。その処遇改善につきましては、先ほど答弁いたしましたけれども、私たちとしても必要性を認識しておりまして、引き続き検討させていただきます。  以上です。 32 ◎副議長(大場芳博君) 暫時休憩します。     午後三時六分 休憩 令和元年十二月五日(木) 午後三時四十一分 開議  出席議員    三十六名     二番  古 賀 和 浩     一六番  川 崎 常 博     三〇番  中 倉 政 義     三番  弘 川 貴 紀     一七番  定 松 一 生     三一番  石 井 秀 夫     四番  下 田   寛     一八番  八 谷 克 幸     三二番  留 守 茂 幸     五番  古 川 裕 紀     一九番  江 口 善 紀     三四番  木 原 奉 文     六番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  藤 木 卓一郎     七番  冨 田 幸 樹     二一番  向 門 慶 人     三六番  石 倉 秀 郷     八番  井 上 祐 輔     二二番  坂 口 祐 樹     三七番  桃 崎 峰 人     九番  木 村 雄 一     二三番  宮 原 真 一     三八番  土 井 敏 行    一〇番  中 本 正 一     二四番  原 田 寿 雄    一一番  野 田 勝 人     二五番  岡 口 重 文    一二番  西久保 弘 克     二六番  大 場 芳 博    一三番  池 田 正 恭     二七番  武 藤 明 美    一四番  井 上 常 憲     二八番  稲 富 正 敏    一五番  古 賀 陽 三     二九番  徳 光 清 孝 欠席議員    二名     一番  一ノ瀬 裕 子    三三番  石 丸   博
    地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    小  林  万里子          政  策  部  長   大川内   直  人          総  務  部  長   進     龍太郎          地域交流部長       南  里     隆          県民環境部長       原     惣一郎          健康福祉部長       川久保   三起子          産業労働部長       澤  田  斉  司          農林水産部長       池  田  宏  昭          県土整備部長       逢  坂  謙  志          危機管理・報道局長    山  下  宗  人          文化・スポーツ交流局長  田  中  裕  之          男女参画・こども局長   甲  斐  直  美          会 計 管 理 者    尊  田  重  信          警 察 本 部 長    杉  内  由美子          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    稲  冨  正  人 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       脇  山  行  人          同    副事務局長          議事課長事務取扱     杉  谷  直  幹          総  務  課  長   吉  田     泰          政務調査課長       島  内  直  樹          議 事 課 参 事    篠  田  博  幸          総務課副課長       川  崎  和  博          議事課議事担当主幹    原     康  祐          同    議事担当主査  池  田  陽  介          同 記録担当非常勤職員  濟  木  康  子     ○ 開     議 33 ◎議長(桃崎峰人君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。 34 ◎八谷克幸君(拍手)登壇=自由民主党の八谷克幸でございます。議長に登壇の許可をいただきましたので、通告をいたしておりました五問について順次質問をいたします。  まず最初は、近年、本当に全国至るところで、あらゆる災害が頻発をしております。特に集中豪雨によります大雨災害につきましては、その一因として地球温暖化が言われておりますけれども、そうなりますと、これは拡大するばかりでありまして、一向に縮小ということは考えられず、毎年のように発生するんではないかと。そういう意味におきまして、これからの大雨災害につきましては、やはり備えと申しますか、その対策をしっかりとる必要がございます。  こうした国民生活や社会経済活動に大きな影響を及ぼすような自然災害が多発する事態を受け、国では平時から万全の備えのためにあらゆる重要なインフラに対する緊急点検を行い、その結果をもとに緊急的に実施すべき対策として、昨年十二月に「防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策」が取りまとめられ、本県でも昨年七月豪雨災害からの復旧とともに国土強靱化に向けた三カ年の緊急対策の取り組みも進められております。しかしながら、その道半ばにあって、本県では七月と八月の二度にわたり、大規模な豪雨災害が発生したところであります。  特に八月豪雨におきましては、平成二年以来、約四十年ぶりというような大雨となり、六角川や牛津川の沿川市町、また、佐賀市街地などを中心に、広範囲にわたり家屋や店舗などが浸水し、山間部では大規模な土砂災害で家屋が損壊したところでございます。ここに改めて犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。  このようなことから、近年、年ごとに激甚化している大規模な豪雨災害に備えるためにも、ことしの豪雨災害の経験を生かし、ハード、ソフトの両面から今後の取り組みにつなげていく必要があると考えております。  そこで、次の点をお伺いいたします。  まず一点目は、国土強靱化のための三カ年緊急対策の取り組み状況についてであります。  国土強靱化に係る取り組みにつきましては、河川や砂防、道路、港湾、農業、幅広い取り組みがなされるようでありますけれども、特に県民の生命に直結する河川や砂防の取り組みは重要であります。八月二十七日の大雨時の神埼市の城原川では、夕方の十七時半の時点ではさほど脅威を感じなかった水位も、わずか一時間半後の十九時には一気に恐怖を覚える水位となりましたが、そのときに河川内の堆積した土、あるいは樹木、アシ、そういったものが流水を阻害していることに気づきまして、改めて流量を確保することが重要だと感じたところであります。  こうした対策を含め、三カ年緊急対策の県における取り組み状況はどうなっているのかお伺いをいたします。  次に、緊急対策後の予算の確保でありますけれども、国土強靱化の取り組みにつきましては、緊急対策として令和二年までの三カ年という短期間であり、これではまだまだ不十分と考えております。緊急対策後の国土強靱化に必要な予算の確保について、国へ強く働きかけてほしいと思っております。知事の所見をお伺いいたします。  次に、ソフト対策の取り組みについてであります。  今回の国土強靱化三カ年緊急対策では、人命を守るための重要インフラの機能維持を一番に掲げられておりまして、国及び県管理の約二千三百四十河川について緊急対策を講じることが明記してございます。河川以外にもそれぞれの分野に取り組んでいくことが必要でございますので、ハード対策では限界があると考えられるため、これまで以上にソフト対策をしっかりと取り組む必要があると考えております。  今夏の災害におきましても、車や家の中での被害が目立ち、早目の避難、二階など縦への避難、あるいはハザードマップの有効活用などが指摘されておりまして、改めて一刻も早い情報伝達や地域コミュニティーによります共助の大切さが重要と思われます。県としてどのようにソフト対策に取り組んでいくのかお伺いをいたします。  次に、令和元年佐賀豪雨災害における災害対応での課題等についてお伺いをいたします。  令和元年佐賀豪雨では、県内で大きな被害が発生し、約三十年ぶりに知事をトップとした災害対策本部が立ち上がり、県内市町、国、関係機関と連携し、災害対応に当たったと聞いておりますけれども、その中で見えてきた課題等についてお伺いをいたします。  次に二項目め、脊振町の振興についてお伺いをいたします。  これまで五十年近くにわたって議論をされてまいりました城原川ダムの建設につきましては、やっと昨年から建設段階に入り、現在、事業の推進が図られているところでありますけれども、他の中山間地区と同様に、脊振町も人口減少と少子・高齢化の課題を抱え、地域活力の衰退が懸念されているところであります。  また、ダム建設に伴い、水没地域の方々が移転されることになると、一層地域が衰退するのではないかとの危惧とともに、周辺地域の住民の方々からも、ダム建設によって地域が分断され、生活の利便性が低下するのではないかとの心配の声も寄せられております。特に脊振町の骨格を形成する県道三瀬神埼線につきましては、水没するダム建設区間について、いまだに具体的なつけかえ計画が示されていないことへの不安の声も聞こえているところであります。  城原川ダムの建設に当たりましては、水没地域住民の生活再建が果たされることは当然のことでありますけれども、ダム建設に伴い、生産機能や生活環境などが著しく影響を受ける周辺地区におきましても、地域活力の維持発展を目指して、地域振興と活性化の対策が図られる必要があると考えております。  そこで、次の点をお伺いいたします。  城原川ダム建設の進捗状況と今後の見通しについてでありますけれども、城原川ダムは一日も早い事業完了が望まれております。八月の大雨のように警戒水域を越えた沿川住民の期待はもとより、水没地域のこれからの生活再建の見通しや取りつけ道路の場所など、現在の進捗状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。  次に、地域振興に関する検討状況についてお伺いをいたします。  脊振町の住民の方々にとりまして、ダムの完成を一日も早く願うことはもちろんのことでありますけれども、ダムの概要を早くつかんで、設備投資をするべきかどうか、事業承継をどうするかといった不安を抱えておられる事業者もあり、これからの脊振町の振興計画の策定が望まれるところであります。  城原川ダム建設に伴う地域振興につきましては、先月、神埼市により神埼市水源地域振興対策検討委員会が発足したと聞いておりますが、地域振興に関する検討状況と、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  次に、三項目めの森づくりの重要性、森林づくりの重要性という立場から、森林・林業の活性化についてお尋ねをいたします。  知事は一期目の終わりころだと思いますが、折に触れ山の重要性を唱えられていました。先の開会日の知事提案事項説明要旨の中でも、「海への恩恵をもたらす源流である山を大事にしなければ」と、山への思いを述べられました。  神埼市脊振町におきましても、山を大事に思う取り組みが行われ、「脊振を愛する会」の会員の方々が中心となって、三千ヘクタールに及ぶ国有林の払い下げを受け、村民総出で植林を進められた、「造林の父」と言われた元脊振村長の徳川権七翁を顕彰したり、中学生の脊振山登山をリードしたり、山を愛する子供たちの育成に力を注いでおられます。  申し上げるまでもなく、中山間地域の多くを占める森林は、国土保全や環境保全、生物多様性保全、水源涵養などのほか、あぜ草がきれいに刈り込まれた棚田は人に癒やしを与えてくれるなど、多面的な機能を有しております。その効果は金額換算で約七十兆円にも上ると言われておりまして、山に暮らす方々だけではなく、下流域の住民を含めた全ての国民、県民が恩恵を受けております。  私は、ことしも森林・林業活性化促進議員連盟の研修の一環として、長崎市で開催された森林・林業・林産業活性化九州大会に参加し、大学教授の基調講演や林業、木材産業に携わる方々の事例発表を聞いて、改めて森林の大切さや森を守っていくことの重要性を改めて感じたところであります。  しかしながら、現実は、私たちが利用している多くの木材が海外からの輸入に頼っており、国内の林業を取り巻く状況は一層厳しいものとなり、森林の荒廃や竹の侵入などに直面しているのが実情であります。  私はこれまで、森林を守るためには木を切ってはいけない、木は切らないことが大切だと思っておりましたが、中山間地域の森林を将来にわたって守っていくためには、もっと山に目を向けて、山の資源である木材をこれまで以上に生産し、国産材を使った割り箸を積極的に利用するなど、活用の幅を広げていく必要があると思います。  生産された木材にはさまざまな用途、効能があり、例えば、神埼市の保育園では、壁などの内装に木材がふんだんに使われており、肌ざわりがよく、子供たちも温かみのある雰囲気の中で過ごしているのを目の当たりにしており、また、まきストーブの暖房は肌を刺すような化石燃料の暖房と違い、ふわっとしたやわらかい空気で、芯から体を温めてくれると同時に、気持ちも和ませてくれ、子育てにもよいと感じたところであります。  さらに、木材は、管理によりましては、例えば、法隆寺のように千年以上も前に建てられた木造建築物が立派に現存しております。そして、古くなりましても、資源として再利用することができるなど、その効能には際限がありません。  近年、県内におきましても木造住宅への利用だけでなく、小中学校の内装に木材が多く使用されたり、板と板を張り合わせた集成材などを使って民間企業の社屋が建てられるなど、比較的大きな規模の建築物にも木材が使われるようになってきたと聞いております。  そこで、次の点についてお尋ねをいたします。  森林を守る活動についてでありますが、森林の大切さを広く周知し、適切に森林を守っていくためには、森林所有者のみならず、幅広く多くの県民の方々の力をかりて、森づくりなどの活動を進めていく必要があると考えますが、県ではどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。  次に、県産木材の生産拡大でありますが、年々着実に成長し、蓄積を増している森林において、間伐を進め間伐材を生産するとともに、伐期を迎えている森林の主伐を進め、これまで以上に木材を生産することで、山に暮らす方々の収入を確保していく必要があると考えますが、県では今後、林業従事者が不足する中、県産木材の生産拡大についてどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  三点目に、県産木材の需要拡大についてお尋ねをいたします。  ことし建築基準法が改正され、耐火規制の見直しにより、三階までの建築物も木造で建てることが可能になったと聞いており、今後の木材需要の広がりに期待しているところであります。山に暮らす方々の収入を確実に確保するためにも、生産された県産木材を住宅や公共建築物などへこれまで以上に利用していくことが重要であると考えております。  そこで、現在、県産木材の流通はどうなっているのか。また今後、県ではこの県産木材の需要拡大について、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  四項目めの問題は、今地球規模で問題となっております廃プラスチック問題についてお尋ねをいたします。  プラスチックは、今や私たちの日常生活ばかりでなく、あらゆる産業においてもなくてはならないものとなっております。一般社団法人プラスチック循環利用協会によりますと、平成二十九年の国内プラスチック生産量は千百二万トン、廃プラスチックは九百三万トンに及んでおり、そのうち、約八六%に当たる七百七十五万トンが熱回収を含め再利用され、残りが焼却や埋め立て処分されているとのことであります。  中でも、海へ流れ出た廃プラスチックが一番の問題であります。この日本から海洋に流出した廃プラスチックの量は、少し古い統計でありますけれども、平成二十二年には二万トンから六万トンとの推計も出ております。  その廃プラスチックが今世界的に大きな問題となっております。特に、この海洋廃プラスチックは、地球環境の脅威であり、鼻にプラスチックのストローが刺さって苦しむウミガメを救助する動画につきましては、皆さんも見られたことと思います。  あるいは、フィリピンの海岸でクジラの胃から四十キログラムものビニール袋が出てきたり、鎌倉の海岸では、クジラの赤ちゃんの胃からプラスチックのごみが出てきりと、海の生物の中には海洋廃プラスチックに絡まったり、誤って摂取したりして傷ついたり死んだりしている事例がたくさんございます。  また、問題は魚が摂取したマイクロプラスチックの食物連鎖による人体への影響も今後の大きな問題として懸念されております。  この海洋廃プラスチックの問題は、国民全体が問題意識を持って取り組んでいかなければならないと強く思ったところでありますけれども、今、スターバックスコーヒーやマクドナルドなど、大手の外食チェーンでは、プラスチック製のストローから環境に配慮した代替品を使うようになってきたり、プラスチックコップから紙などへの転換が進んでおります。今後ますます脱プラスチックの流れが加速していくものと考えます。  しかし、私たちの周りではいまだにごみのポイ捨てが後を絶たない状況であります。私たちの周りでも年二回クリーン作戦として地域の人が総出でプラスチックごみや空き缶拾いを行っておりますが、一向に減っておりません。また、私は農業をしておりますけれども、田んぼや水路に廃プラスチックなどをポイ捨てしている人や、信号待ちしているときに車から道路にポイ捨てしている人も見かけます。これらの廃プラスチックが側溝から川へ、川から海へと流れ込んでいるところに大きな問題があり、世界では海へ流れ込むプラスチックごみは約八百万トンとも言われ、二〇五〇年にはその量は魚の量を上回るとも言われております。子供から大人まで、この廃プラスチック問題についてみんなが自覚し、さらに取り組んでいく必要があると私は考えております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず、この廃プラスチック問題に対する知事の所見についてであります。  有明海と玄界灘を擁する本県におきましては、海洋廃プラスチック問題は今すぐにでも対応すべき問題と考えております。廃プラスチック問題について、知事はどのように捉えられておられるのか、その所見をお伺いいたします。  次に、廃プラスチック問題への県の対応についてお伺いをいたします。  プラスチックの海洋流出を防ぐためには、廃プラスチック自体を少なくする取り組みや河川などに容易に捨てないよう、私たち一人一人が心がけていくことが大切だと思います。特に次の世代を担う子供たちにごみを捨てないという気持ちを持ってもらうことが将来ポイ捨てをしない世の中につながり、廃プラスチックの海洋流出の減少にも寄与していくと思いますけど、県はこの問題についてどのように取り組んでいくのか、対応していくのかお伺いをいたします。  最後の項目であります。神埼高校の移転についてお尋ねいたします。  神埼高校はことしで創立九十周年を迎え、去る十一月九日には記念式典が開催されたところであります。当日は知事にも出席をいただきまして、卒業生の一人としてお礼を申し上げます。  これまで歴史と伝統ある県東部の普通科高校として県内外、各分野で活躍する多くの人材を育成してきた神埼高校でありますが、現在の校舎は昭和四十四年に建築され年月も経過しており、現行の耐震基準を満たしていないことから、平成二十七年度から耐震改修事業に着手し、令和三年度の移転を目指して移転改築事業に取り組まれております。昨年度は建設予定地の造成が行われ、今年度におきましては、さきの六月議会や九月議会で移転改築に係る教室棟や体育館等の建築工事の請負契約の議案が議決されるなど、現場の工事も順調に進んでいるようであります。  また、新設される神埼高校の体育館は、令和五年に本県で開催される国民スポーツ大会のハンドボール競技の会場ともなっているなど、神埼高校の完成は地元としても大いに期待しているところであります。  そこで、以下の点についてお尋ねをいたします。  まず、工事の進捗状況についてでありますが、建築工事に当たりましては、移転先の地元から排水、騒音などの懸念が示され、その都度、地元調整を図りながらこれまで進められてきたと聞いておりますが、こうした地元調整を含め、現在の工事の進捗状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。  次に、学校の魅力づくりについてお尋ねをいたします。  新天地の移転も見据え、神埼高校の魅力や活力をこの機を捉えてさらに高めていくことが重要であります。神埼高校の魅力を高めるために、どのような取り組みが行われているのかお伺いをいたします。  三点目は、学校運営における神埼清明高校との連携についてであります。  神埼高校は神埼清明高校の隣接地に移転することとなりますが、神埼市内の高校として両校が学校運営において連携することで、よりよい相乗効果が生まれるのではないかと期待をしております。隣接する神埼高校と神埼清明高校の連携について、どのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。  次に、通学時における生徒の安全確保についてであります。
     国道三十四号の協和町交差点付近から県道佐賀外環状線にかけましては、朝夕の時間帯は混雑が見られます。神埼高校が移転した後は、徒歩や自転車利用による通学生徒が大幅にふえることから、通学時の生徒の安全が懸念されるところでありますけれども、通学時における生徒の安全確保についてどのように考えているのかお尋ねをいたします。  最後に、移転後の跡地活用についてであります。  現在の神埼高校は、JR神埼駅や国道三十四号のバス停にも近く、神埼市の中心部に位置しておりまして、敷地面積も約四万平方メートルと広大でありますことから、その跡地活用につきましては、神埼市のまちづくりの観点から、地元も強い関心を持っているところであります。  そこで、神埼高校の跡地活用について、地元協議を含めどのように検討しているのかお伺いをいたします。  以上で質問を終わります。明快な回答をよろしくお願いをいたします。(拍手) 35 ◎山口知事 登壇=八谷克幸議員の御質問にお答えいたします。  八谷議員のほうからは、異常気象のお話もございました。私が山を大切にすると申し上げておりますのも、本当に地球温暖化、そして温室効果ガスの削減が必要だというこの状況の中で、山を大切にしていくこと、そしてCO2排出を削減していくということ自体が災害を起きにくくする、そして災害が起きてもその被害を少なくするということにも大きく寄与すると思うからでもありますし、そのためには我々は山を放置するんではなくて、しっかり手を入れて木材の利用をしていったり、間伐材を活用していったり、そういうことを下流域のみんなが考えていくべきときだというふうに思っております。  私には、三カ年緊急対策後の予算の確保についてお尋ねがございました。  本県は山から海までの距離が短こうございます。降った雨が一気に下流域まで届きます。そして、低平地であります下流域では有明海の潮位の影響を大きく受けまして、自然排水が困難なために大雨による河川の氾濫などによって浸水被害を受けやすいという、そもそもの地形的特性があります。  このような脆弱な地形でありますけれども、先人の皆様方の大いなる努力によりまして、八月豪雨においても、河川改修、ダム、排水機場などの整備、こうしたものが被害の軽減につながるなど、整備効果を強く発揮したところだと認識しています。  また、本県は実は人口密度十六位であります。戦後は十二位だったり、私が生まれた昭和四十年は十三位だったりしまして、大きく水をあけていた滋賀や奈良に抜かれまして、逆に長崎を抜き返したりしているんですけれども、そういったことで今十六位になっている。要は可住地面積が広がっている、ただ、特定の町に人口が集中しているのではなくて、どこにでも人が住んでいる、いわゆる特定都市に集中しない、いわゆる都市点在県と言ったほうがいいんでしょう。こういう県でありますから、これらの都市を結ぶ幹線道路ネットワークの整備というものは、都市間の交流促進もそうですし、災害時には命をつなぐ道になったりと、整備効果が極めて高いものと思います。  本県はハード整備の効果が高く、県民の安全・安心を守るハード整備を中心とした国土強靱化の取り組みが有効な地域だと思っています。現在、実施しております三カ年緊急対策につきましては、昨年七月の豪雨災害などを契機とした緊急点検を踏まえまして、特に緊急性が高い箇所について集中的に対策を行っているものであります。  このような三カ年の取り組みは限定的なものでありまして、国土強靱化対策としてはまだまだ不十分だと思っております。このため、この三カ年緊急対策後は、本格的な取り組みを行う必要があると思います。また、国土強靱化の取り組みを県全体で推進していくためには、市町においても国土強靱化地域計画を策定した上で取り組んでいく必要があると思っています。  このために、ことし五月のGM21では、市町の首長さんに地域計画策定の働きかけを行い、全県下、私も含めて二十一人の首長でスクラムを組んで取り組もうと申し合わせました。今後とも、県全体で国土強靱化の取り組みが推進されるように市町を支援してまいりたいと思います。  三カ年緊急対策後、本格的な国土強靱化対策に取り組むためには、予算と財源の確保が必要でありますので、効果的な時期を見定めて、県議会の皆様、市町の首長の皆さんとともに、財務省を初め、関係省庁に対して積極的に提案活動を行っております。今後とも機会を捉えて、私自身も先頭に立ちまして、県議会、市町と一体となって国に対して強く働きかけることなどにより、必要な予算の確保に努めながら、人命の保護、社会の重要な機能の維持など、国土強靱化の基本目標の実現に向けて全力で取り組んでいきたいと考えています。  続きまして、廃プラ問題に対する私の所見についてお答え申し上げます。  大陸から近い九州の沿岸部では大陸からの漂着ごみが多うございます。ということで、本県は大陸の目前にありますので、例えば、七つの島、馬渡、加唐などの離島もそうですし、例えば、波戸岬だとか、相賀の浜などにも、ちょっとほっとくと多くの漂着ごみが見られたりということで、大変憂慮しているところです。その中には多くの廃プラもまじってございます。  二〇一六年にスイスのダボスで開催されましたダボス会議で世界では毎年少なくとも八百万トンもの廃プラが海に流れ込んでいるとの報告がされました。  海には既に一億五千万トンもの廃プラがあり、このまま対策を講じなければ、二〇五〇年にはそれが海にいる魚と同じ量にまでふえると予想されています。恐ろしいことです。魚のトン数とプラスチックのトン数が海の中に同じだけ混在している、そうしたものを食べたら、どうなるんだろうかというような、それで、魚も食べているわけですから、人体、生態系への影響というものは、必ずしも解明されておりませんけれども、我々としてこれをしっかり今、警鐘として胸に受けとめなければいけないと思います。  今や地球への脅威となりつつある海洋廃プラスチックの問題を解決して、豊かな海を次の世代に残していくことが我々に課せられた責務であると認識しています。  そのためには、我々ももちろん身近なところから生活スタイルを見直したり、改めて考えなければならないことが多いんではないかと思っています。プラスチック製品を日々利用しているお一人お一人がマイバッグやマイボトルを持ち歩き、レジ袋、ペットボトルの利用を減らしていく、うちの田んぼや畑にも多くのレジ袋やプラスチックボトルが放置されているというか、捨てられているのをよくお見受けします。ポイ捨てをしない、使い捨ての習慣を見直すなど、できることからすぐにでも取り組んでいくことが必要です。  また、廃プラスチックの問題は消費者と企業が利便性を追求し続けてきた結果でありまして、廃プラスチックの問題にとどまらず、私たちはどこまでこれまでのように利便性を追求していくのか、今、本当に立ちどまって考えなければいけないときではありませんか。  県では、森、川、海の関係者が相互に連携して、豊かな自然環境を未来につなげる「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」に取り組んでおります。その中で有明海のクリーンアップ作戦などさまざまな環境保全、相互理解の取り組みを行っております。  廃プラスチックの問題も含めて、環境問題も含めて、私たち一人一人が今の便利過ぎる生活に甘えていては何も変わりません。我々は今まで利便性をややもすると追求し過ぎているのかもしれない、そして、モラルも失いつつあるのかもしれない、そういう自分たちをしっかりと戒めながら、次世代に豊かな地球を残すために、自分たちのライフスタイルを見詰め直すときが来ているものと考えております。  以上です。 36 ◎進総務部長 登壇=私からは、神埼高校の跡地活用について御答弁申し上げます。  県有財産につきましては、県における特定の行政目的を達成するために使用しておりますけれども、目的の達成、もしくは社会情勢の変化などによって、それを使用しないこととしたときには、幅広い観点から県にとって必要となる有効な活用策を検討する必要がございます。  令和三年の夏季休業期間中に移転を予定しております神埼高校の現在の所在地につきましては、議員からも御指摘がございましたけれども、非常に神埼駅から近く、通りを真っすぐ行った周りは住宅が非常に密集する町なかにあります。また、敷地面積も約四万平方メートルと広大であるといったようなことから、非常に重要な県有財産であると考えております。  そのため、地元のまちづくりや地域経済の活性化の観点を初め、どのような活用が県勢発展に資するかという観点から、さまざまな検討が必要であると考えております。  こうしたことから、現在、庁内各課に対するヒアリングを初め、全庁的な議論を行っているところでございますけれども、地域住民の方々の関心も高いということから、地元神埼市ともしっかりと意見交換をしながら、よりよい利活用策となるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 37 ◎原県民環境部長 登壇=私のほうからは、廃プラスチック問題のうち県の対応につきまして御答弁申し上げます。  廃プラスチックの海洋流出を防ぐには、廃プラスチック自体を減少させる取り組みとともに、先ほど議員からも御指摘ありましたが、特に子供のころからポイ捨てをしない、ごみを捨てない、環境を大切にする、その意識をしっかりと植えつけて、環境保全意識が共有された社会、そういうことを実現することが大変重要であると考えております。  県では、廃プラスチック自体の量を少なくするために、いわゆる3R、リデュース──発生抑制、リユース──再利用、リサイクル──再生利用、これを推進しておりまして、例えば、レジ袋削減のためのマイバッグ・ノーレジ袋運動でございますとか、産業廃棄物税を活用した廃プラスチックをリサイクルする施設整備への補助、こういったことに取り組んでおります。  次に、環境教育でございます。  子供たちに環境を大切にする意識を持ってもらうことが大変大事だということは、まさに八谷議員おっしゃられるとおり、私もそういうふうに思っております。その取り組みといたしまして、県内全ての小学五年生に環境副読本「みんなで考えよう わたしたちの環境」というものを配布いたしまして、それを教材として活用し、私たちの暮らしと環境とのかかわりや、環境を守ることの大切さを学んでもらっています。  あわせて、県が委嘱しました環境サポーターの方を派遣して、子供たちに参加体験型の講座を実施したり、子供たちと直接向き合っておられる保育園や幼稚園、小中学校の先生などを対象にした環境教育指導者育成研修会も開催し、子供たちが就学前から小学校、中学校と通して、環境教育に触れることができるように取り組んでいるところでございます。  特に環境副読本でございますけれども、子供たちには課題を見つけて調べ学習をするときに活用していただいたり、県内の環境に関する資料が大変参考になったといった先生の声も聞いているところでございます。私も実際それを手に取って見ましたけれども、写真でありますとか、図表が多く使われ、手前みそだと言われるかもしれませんけれども、非常にわかりやすい本になっていると思っております。  ただ、そのまとめ方といいますか、整理のやり方が佐賀県の環境という観点でちょっとまとまっておりまして、議員から御指摘のありました廃プラスチック問題につきましては現行の副読本では特に記載をしていないところでございます。  今後の環境問題を子供たちにしっかり考えてもらう上では、この廃プラスチック問題は大切なテーマであると考えておりますし、子供たちに世界的な環境問題としてしっかり意識を持ってもらう、そのためにも次のこの副読本の改定の際には、この廃プラスチックに関する問題につきましてもしっかりと取り入れていきたいというふうに考えております。  こうした取り組みを通じて環境問題を身近な問題と捉え、一人一人が自然や環境を守ることの大切さを感じ、環境への影響が少ない行動をとれるような子供たちを育んでいきたいと考えております。そうすることで、その子供たちが大きくなって、その次の世代の子供たちにも環境を守るための大切さを伝えていくという好循環が生まれ、環境保全意識の社会的な共有につながっていくのではないかと私は思っております。  豊かな海、豊かな環境を次世代にしっかりと伝えていけるように、引き続き廃プラスチック減少のための取り組み、環境教育の充実に取り組んでまいりたいと思います。  私からは以上です。 38 ◎池田農林水産部長 登壇=私からは、森林・林業の活性化についてお答えをいたします。  まず、森林を守る活動について申し上げます。  議員御指摘のとおり、多様な機能を有し、県民共有の財産であります森林を将来にわたって守っていくためには、森林所有者のみに任せるのではなく、森林ボランティアや県、市町、社会全体で支えていく必要があると考えております。  そうした森林は平野部の暮らしを支え、海への恩恵をもたらす源流でありますことから、県では、森、川、海のつながりや管理の必要性などを県民に広く周知するとともに、県民お一人お一人の意識の醸成やその保全活動につなげるため、先ほど廃プラスチック問題に関する知事の答弁にもございましたように、「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」に取り組んでいるところでございます。このプロジェクトの一環といたしまして、森づくり活動を進めているところでありまして、森林所有者はもとより、森林組合などの森林事業体や森林ボランティア、県、市町が役割を分担しながら取り組んでおります。  具体的には、森林所有者は自発的に自己所有林の間伐を実施する。林業事業体は、国の造林事業を活用して、間伐、植林などを実施する。森林ボランティアなどのCSOは、県独自事業であります県民参加の森林(もり)づくり事業を活用して侵入竹林の伐採や広葉樹の植栽を実施する。さらに、県、市町は「さがの森林(もり)採光事業」や「ふるさとの森林(もり)づくり事業」などを活用して人工林の間伐や竹林などの伐採を実施する、そういった関係者や関係団体がそれぞれの取り組みを行っているところでございます。  今後さらに「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」の趣旨に賛同いただける企業、団体を「チーム森川海人(もりかわかいと)っ」として登録するなど、森林所有者のみならず、多くの県民の皆様に広く働きかけながら、森林(もり)づくり活動への取り組みの輪をさらに広げてまいりたいと考えております。  続きまして、県産木材の生産拡大についてお答えいたします。  県内の森林は樹木の成長に伴いまして年々その資源が増加しておりまして、年間の森林資源の増加量は、樹木の標準的な成長から推計いたしますと、約六十万立方メートルとなっているところでございます。  一方、間伐や主伐を通じて森林から切り出される木材の量は、近年では年間十四万から十七万立方メートル程度となっております。  このように森林資源の増加量に対しまして切り出し量が少ないことに加えまして、森林の多くが樹齢四十年生以上の伐採可能な時期に達しておりますことから、間伐や主伐を進め、これまで以上に木材の生産を促進していく必要があると考えております。  このため県では、森林所有者に対しまして、国の造林事業などを活用し、間伐、それと、間伐した木材を林道まで搬出する経費に対する支援、あるいは主伐後の植林や下刈りなどに対する支援を行っているところであります。  また、森林組合などの林業事業体が行います間伐や主伐の作業の効率化を図り、木材の生産経費をできるだけ低減するために、高性能林業機械の導入やレンタル費用に対する支援、あるいは機械などを使って効率的に作業を行う現場技能者の育成などを行っているところであります。  今後、さらに主伐と植林を同時に行うことで、運搬機械などを効率的に利用します伐採、植林の一貫作業システムの導入の推進、あるいは植林の下刈りなどの管理経費を一層低減することができる、成長の早い杉品種の開発や普及などに取り組みまして、山に暮らす方々の収益の確保を図りながら、これまで以上に県産木材の生産拡大に努めてまいりたいと考えております。  最後に、県産木材の需要拡大についてお答えをいたします。  県内で生産される木材は、県内四カ所の木材市場に運ばれ、市売りを経て、県内外の製材工場などに流通しております。  木材の流通量を国の木材需給報告書で見てみますと、平成二十八年の実績で、県内四カ所の木材市場に運ばれてきた県産木材は約十七万立方メートルで、そのうち県内に流通した木材は約五割の九万立方メートルとなっております。  一方で、県内の製材工場が利用した木材は約二十三万立方メートルで、そのうち県産木材の割合は約四割にとどまっておりまして、今後、県産木材の一層の需要拡大を図ることが重要な課題となっているところでございます。  こうしたことから県では、まず建築物における県産木材の需要を拡大するため、県産木材を使用した木造住宅の建築に対する支援、あるいは自治公民館等の公共施設の県産木材を使用した木造化、あるいは内装木質化に対する支援などを行っているところでございます。  また、消費者が求める品質が高い製材品の低コスト生産や安定供給を促進するため、県内の製材工場の施設整備に対する支援、あるいは大工、工務店が求める乾燥木材の生産に対する支援などに取り組んでいるところであります。  今後は、さらに家具や木製品、あるいはバイオマスなどへの多角的な利用、あるいは規模が大きい木造建築物を建てることができる設計士を育成するセミナーの開催などに取り組みまして、これまで以上に県産木材の利用を推進いたしまして、県産木材の価値の向上による森林所有者の利益の確保を図り、ひいては県内の森林整備が促進されることで水源の涵養などの森林が有する公益的な機能の向上につなげていきたいと考えております。  今後とも、県といたしましては、県民お一人お一人が恩恵を受けている大切な森林を未来に引き継いでいけるよう、森林の大切さの理解醸成と、県産木材の生産拡大及び需要拡大に取り組みまして、森林資源の循環利用を進め、森林・林業の活性化に努めてまいります。  以上、お答えいたします。 39 ◎逢坂県土整備部長 登壇=私からは、大きく二項目の質問についてお答えをいたします。  まず、一つ目の項目でありますが、大雨災害防止対策についての質問のうち、国土強靱化のための三カ年緊急対策の取り組み状況についてお答えいたします。  国土強靱化の基本理念は、大規模な自然災害から県民の生命、身体、財産を保護し、県民生活や県民経済に及ぼす影響を最小化することであります。このため、県の国土強靱化地域計画におきまして、人命の保護、社会の重要な機能の維持などを基本目標に掲げ、総合的、計画的な施策の推進を図っているところでございます。  議員からもお話がありました「防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策」につきましては、これは平成三十年七月豪雨や北海道胆振東部地震など近年激甚な災害が頻発していることを契機に、全国的に重要なインフラの機能確保に関する緊急点検が実施されて、その結果に基づき、この三カ年緊急対策が取りまとめられたところであります。  本県でも、平成三十年度二月補正予算から対策に取り組んでいるところであります。  この取り組みのうち、県が行います河川事業の主な取り組みとしましては、洪水の氾濫を防ぐための河道内の樹木伐採や土砂の掘削、越水による堤防決壊までの時間を引き延ばすための堤防強化などにつきまして、県が管理している河川のうち、特に過去に浸水被害があった河川や県民の生命、財産に甚大な被害が想定される河川などにおいて、緊急的な対策が必要な七十八河川で取り組んでいるところであります。  加えまして、県が行う砂防事業の主な取り組みとしましては、砂防堰堤の整備を実施している箇所のうち、土砂災害のおそれのある区域内に公共施設や避難所がある箇所、また、保全すべき人家が多く、甚大な被害が想定される箇所など緊急的な対策が必要な六カ所において取り組んでいるところでございます。  県民の安全・安心な暮らしを支え、今後も起こり得る大規模災害に備え、真に災害に強い県土を次世代につなげていくためにも、国土強靱化のための三カ年緊急対策の取り組みを引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、二つ目の項目であります脊振町の振興についての質問であります。  まず、城原川ダム建設の進捗状況と今後の見通しについてお答えいたします。  城原川ダムは、昨年度から建設段階へ移行し、現在、ダム本体の詳細設計に必要な地質調査や環境調査などが実施されております。  事業主体であります国によりますと、現在、ダムの位置及び高さの確定に向けた検討を行っており、来年度には用地調査に着手することを目標に作業を進めているとのことでございます。  現時点でその具体的な時期は示されておりませんけれども、ダム本体の計画が決まりましたら、つけかえ道路など関連する計画も決まっていきますので、具体的な工事計画や用地買収の範囲が明らかになってくるものと考えております。  次に、地域振興に関する検討状況についてお答えいたします。  ダム建設に当たりましては、水没地域だけでなく、周辺地域の生活環境への影響も大きいことから、県といたしましても、その影響を緩和し、地域が疲弊することがないような対策を地元神埼市とともに検討していく必要があると考えております。  ダム周辺地域の振興につきましては、昨年度から国において地域振興に係る調査費が計上されまして、神埼市が事業を受託し、取り組みを始めているところであります。  昨年度は、基礎資料の収集やダム周辺地域住民を対象にしたアンケート調査が行われました。  今年度は、地域住民や学識者などから成る「神埼市水源地域振興対策検討委員会」が去る十一月十一日に発足し、今後、ダム周辺地域の活性化に向けた地域振興計画の策定に必要な検討が進められます。  具体的には、今後、住民ワークショップを開催し、広く住民の意見を集め、まずは地域の魅力と課題の整理を行い、現状と課題を踏まえた地域振興のあり方について検討がなされる予定となっております。  県としましては、地域にふさわしい振興計画が策定され、ダムの建設とあわせて地域が活性化されるよう、神埼市が行う取り組みを支援してまいります。  また、この地域振興計画はダム建設計画などとあわせて検討していく必要があることから、事業主体である国に対しまして、一日も早くダム事業の全体像が示されるように働きかけてまいります。  いずれにいたしましても、県としましては、水没地域はもとより、周辺地域の方々の思いに寄り添い、よりよい地域振興がなされますようしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 40 ◎山下危機管理・報道局長 登壇=私からは、大雨災害防止対策についての質問のうち二項目についてお答えします。  まず、防災対策におけるソフト対策の取り組みについてお答えをいたします。  災害時においては、まずはみずからの命はみずから守る自助が重要であり、県民一人一人が防災意識を高め、いざそのときに率先して命を守る行動をとっていただくことが大事だと考えております。  そして、命を守るということでは、大雨や台風などのような災害の場合には、早目に避難をするということが極めて有効でございます。  また、今避難ということで伝えていますのは、先ほど議員からもありましたように、避難所へ行くばかりが避難ではないということ、夜間の暗い時間帯の移動や短時間での記録的な大雨により道路が冠水した場合など、避難所へ移動することがかえって危険な場合もあります。  そうした場合には、建物の二階などの高く安全な場所へ移動する垂直避難や、土砂災害が心配される場合にはその危険箇所からできるだけ遠い部屋へ移動するということもあります。  また、例えば、自分の住まいが河川の近くなのか、土砂災害のおそれがあるようなところなのか、水害の浸水想定はどの程度なのか、家族はどうなのか、一人一人自分で避難することができるのかなど、それぞれ居住環境や抱えるリスクなどその状況というのは異なってまいります。  まずは、市町が発行するハザードマップなどで自分が住んでいるところのリスクや避難先、避難経路などを確認し、災害時に自分がとるべき行動をあらかじめ考えておくことが大事だと考えております。  近年、数十年に一度の災害が頻発しています。また来年もあるのかもしれません。そんなことを考えながら、引き続き市町とも協力しながら、県民の防災意識の向上と災害発生時に住民がとるべき避難行動の周知、また、共助の充実として地域防災リーダーの育成、自主防災組織の活性化など、防災のソフト面の対策についてもしっかりと取り組んでまいります。  続きまして、令和元年佐賀豪雨災害における災害対応での課題等についてお答えをいたします。  令和元年佐賀豪雨では、約三十年ぶりとなる災害対策本部の設置となりました。初動段階での情報収集、避難の呼びかけ、被災者の救出救助、市町や関係機関との連携、避難所の運営、被災者の支援、災害ボランティアの対応など多くのことを経験し、それぞれさまざまな気づきはありますけれども、一番考えたのは、命を守るという部分がどうであったかということです。  災害時における県や市町の最大のミッションは、県民の命、住民の命を守るということにあります。そして、この命を守るということでは、初動段階の対応が非常に大事になってまいります。この部分につきましても、今回、ヘリの有用性、トップのリーダーシップ、現場重視など多くの気づきや学びがありました。
     一方、課題として重く受けとめているのは、やはり三名のとうとい命が失われたことにあります。今後、そうならないようにするためにどうするのかということが大きな課題だと考えています。  今回亡くなられた三名のうち二名の方は、車で移動中に被災されています。報道等によれば、台風十九号においても、車で避難の途中に水没したり流されたりする車中死が多いとされています。  今回の災害対応においては、知事みずから県民に向け、不要不急の外出を控えるよう呼びかけを行いましたけれども、まさに災害発生時にはそうした不要不急の外出を控えるということが大事であります。ただ、それがどうしたら伝わるのかということも考えなければなりません。  また、三名のうち一名の方については、高齢者で、浸水した自宅内で被災されており、改めて避難行動の重要性を認識したところであります。  早目の避難の呼びかけや避難の際の隣人等への声かけ、そういった地域の取り組み、市町における避難行動要支援者の個別支援計画の作成など、こうした取り組みを推進していく必要があると考えています。  現在、個別に市町などを訪問し、佐賀豪雨災害への対応についてさまざまな意見交換をしているところでございます。今回の災害対応で得られる課題、教訓、気づきを市町とも共有し、災害から県民の命を守るための取り組みに生かしてまいります。  私からは以上でございます。 41 ◎落合教育長 登壇=私のほうからは、神埼高校の移転についてお答えをいたします。  神埼高校につきましては、先ほど議員のほうからも御紹介ありましたように、昭和四年に地元の強い願いと熱い期待により開校し、ことしで創立九十周年を迎える歴史と伝統ある高校であります。十一月九日の創立記念式典には私も出席させていただきまして、同窓生の皆様や地元の皆様の学校に対する思いというものに触れさせていただきました。  校訓である「至誠 尚学 進取」のもと、数多くの人材を輩出してきておられますし、また、部活動においても今年度は女子サッカー部やカヌー部、放送部が全国大会や九州大会への出場を果たすなど、文武ともにすぐれた高校だと考えております。  まず、お尋ねにありました移転工事の進捗状況についてお答えいたします。  神埼高校の移転改築事業につきましては、ことし二月に造成工事が完了したことから、今年度から建築工事に着手しております。このうち、校舎等の建築につきましては、七月十日に住民説明会を実施した後、工事に着手し、令和二年十一月に完成予定となっております。  また、体育館の建築工事につきましては、十月から工事に着手し、令和三年一月に完成予定となっており、これらの工事につきましては、現段階では順調に進んでおります。  今後は、体育館北側に建設いたします柔剣道場・弓道場の建築工事を来年一月に、また、グラウンドの整備工事や外構・植栽工事については来年度に着手することといたしておりまして、令和三年の夏季休業期間中の移転を目途として事業を進めております。  議員のほうからお尋ねがありました地元との調整状況ですけれども、地元横武地区からの要望で、敷地西側の市道の拡幅の実施、これは平成三十年度に実施いたしております。また、新校舎の正門前に生徒送迎用の乗降スペースを設置する予定と、これは要望を受けて安全対策も含めて設置をする予定となっております。これは令和三年の外構工事に合わせて実施する予定となっております。  また、排水につきましては、地元から神埼市のほうにあっているようでありまして、神埼市のほうで対応されるというふうに聞いております。  次に、学校の魅力づくりについてお答えいたします。  神埼高校では、変化の激しいこれからの時代を生き抜く人材の育成を目指し、歴史と伝統ある神埼高校の魅力がさらに高まるよう、本年度から「地域とつながる高校魅力づくりプロジェクト」として、魅力と活力ある高校づくりに取り組んでおられます。  具体的には、神埼市や神埼市商工会などとの協働により、神埼市内のさまざまな施設や企業を生徒が訪問し、課題を考えるフィールドワークや、商工会によるまちづくり講演会などを行っております。  フィールドワークでは、地域の課題を知るということを目的に、生徒が事前に市役所を訪問して、市役所の職員の助言を得ながらですけれども、フィールドワークの訪問先として、子育て支援センター、高齢者教室、製麺所、小学校など自分たちでどこに訪問するかを決め、その後、各施設を訪問して現場の状況を直接見て話を聞くことで、地域への理解を深めるとともに、課題を認識しています。  その結果、九月の学校祭でポスターにまとめて発表し、現在、その地域課題の解決策の提案に向けて取り組んでいるというふうに聞いております。こうした活動を通じて、学校と地域の関係がこれまで以上に強いものとなっております。  地域と協働した活動により、生徒が地域の生きた課題の解決策を地域の方々とともに考える中で、コミュニケーション能力や課題を解決する能力を磨くことはもとより、地域を愛して誇りを持つ、そういう人材の育成も期待ができるということで、そのような生徒の学びの姿勢や活動を通した生徒の成長が、この神埼高校のさらなる魅力アップにつながるものと考えております。  次に、学校運営における神埼清明高校との連携についてお答えいたします。  両校は神埼地区の高校として、これまでも神埼地区中高連携研究会での公開授業、授業研究会といった教員の授業研究会等での連携、吹奏楽部、美術部等の合同活動などの部活動での連携、芸術鑑賞会の合同開催など学校行事での連携等を行ってきております。  神埼高校が神埼清明高校の北側に移転することにより、両校は隣接することになりますので、両校が学校運営において連携することで、それぞれの教育活動の充実を図り、教育効果や学校の活力を高めていくことができると考えております。  このため、平成二十八年度に、両校や神埼市内の関係者で構成する「神埼地区高等学校の学校運営在り方検討会」を設置し、検討をしてきているところでございます。  検討会では、これまでの連携した取り組みに加え、地域活動などの課外活動や資格試験等での連携について検討が行われていると聞いておりまして、効果的なものにつきましては、神埼高校の移転を待たずに実施していきたいというふうに考えております。  最後に、通学時における生徒の安全確保についてお答えいたします。  県教育委員会では、県内全ての公立学校に対して、年度当初に安全対策の実施について通知をし、その中で学校安全計画を策定すること、児童生徒及び職員に対する交通安全教室を年一回以上実施することを求めております。  移転する神埼高校におきましては、隣接して神埼清明高校もあることから、特に朝の登校時間には、議員からも御指摘がございましたけれども、学校周辺における一般交通や徒歩、自転車による通学者の混雑も予想されます。  そのため学校では、近隣の小学校や中学校の通学路を極力避けて、より安全に通学できる経路の選択、神埼清明高校の敷地も共有してお互いに通行可能にするなど、学校間はもちろん、警察との連携を図りながら、通学時の安全対策の協議を進めております。  今後も、交通安全教育を確実に実施するとともに、地域の関係機関と連携を図りながら、通学時における生徒の安全確保に取り組んでまいります。  私からは以上です。     ○ 時 間 延 長 42 ◎議長(桃崎峰人君) 時間を延長します。 43 ◎八谷克幸君 登壇=一点だけ再質問をさせていただきます。  国土強靱化の三カ年緊急対策後の予算の確保について、知事からは議会、あるいは市町の首長さんたちと一緒にしっかりと取り組んでいくという答弁をいただきましたが、実は十月三十日に国道三十四号の期成会の皆さんたちと一緒に、神埼─鳥栖間の混雑解消の、いわゆる国道整備の期成会で要望活動を行いました折に、財務省からはこの国土強靱化三カ年計画のその後の予算については厳しい対応でございました。  ところが、十月三十日と申しますが、十月十六日の参議院の予算委員会におきましては、首相が今後もやりますという答弁をしっかりとされておったんです。首相の答弁はこういうふうに、国土強靱化基本計画に基づき必要な予算を確保した上で、国の緊急対策後のことですけど、オールジャパンで国家百年の大計として災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げるという答弁をされておりました。この答弁があった後に、財務省として、財政当局としては非常に厳しい御意見があったもんですから、これはやはり地方全体が声を上げて、九州全体、あるいは全国知事会等を通じた形で、まだまだ整備が進んでいない地方の危険な箇所についての整備をしっかりと強く言っていただきたいということで、もう一度知事からのお答えをお聞きしたいということでございます。  それともう一点、これは質問ではございませんが、廃プラの問題で、実は東京都東久留米市に「柳久保小麦」という地域の小麦があって、その中で麦わらストローをつくっておりますことと、福井県が六条大麦の日本一の生産量でございまして、そこでも麦わらストローが平成二十二年ぐらいからつくられておるようでございます。  翻って、本県は日本一の二条大麦の生産地であります。たまたまきょうポケットの中にストローが入っておりましたので、参考に。(実物を示す)これは二条大麦のはるか二条、こちらの小さいほうは小麦ですけれども、小麦はチクゴイズミという品種ですが、やはり二条大麦のこのはるか二条は、ちょっとさわりましたので少し歪んでいますけど、立派な立派なかたい、乾燥しますと非常にかたくなりますので、絶対に使えるということでございますので、そこを知事にしっかりと認識していただきたいという意味で、これは提供しますので、そういうことでございますので、一点だけ再質問への答弁をよろしくお願いいたします。 44 ◎山口知事 登壇=八谷議員の再質問にお答え申し上げます。  三カ年緊急対策後の予算の確保をしっかりやっていこうと、国土強靱化はまだまだ続くという話なんでございますが、本当にこれはまさに佐賀県がワンチームでタッグを組んでみんなでやっていくということだと思います。  もちろん佐賀県自体も強靱化計画をつくってPRをしていくんですけれども、先ほど八谷議員がお話しいただいたように、国全体として予算を取っていかなければいけない。枠組みをつくっていかなければいけませんので、ということになりますと、我々といたしますと、訴える先は当然、マル政、いわゆる政治のチーム、そして霞が関でいうと、国交省さんに頑張っていただくことと、そこに予算づけをする財務省、佐賀県は比較的財務省にも訴えて、特に主計局のほうには毎回要望活動のときには財務省に極力寄るように、アポとりをしながら、佐賀県の実情を訴えているわけでございます。  ですので、これから我々も県議会の皆様方とあわせて、そして関係国会議員も含めて、これはワンチームとして佐賀県の実情を訴えていくということ、そして災害に対して、例えば、嘉瀬川ダムが非常に大きな役割を果たしながら、最近の豪雨災害でいうと、嘉瀬川ダムの状況と、それから川の水位というものが常に我々のチェックポイントになっておりますし、そうしたところで結構ぎりぎりで救われたというところも我々は感じるところでありますので、そういったことも含めて、神埼には城原川ダム、これは脊振の上流のところからずっと流れて、皆さん方の命を守る大事なダムでありますので、そうしたことも踏まえて事業進捗を図りながら、そして地域の皆様方と地域振興も含めた情報交換をして、意見交換をしながら進めていくということも含めて精力的にやっていきたいと思います。  あわせて、二条大麦、ビール麦は、栃木をちょうど抜いたあたりだったと思います、いつも競っていますから。今たしか日本一にまた戻ったと思いますけれども、我々にとってかけがえのない財産でありますので、しっかりと認識した上でPRもしていきたいと思います。  以上です。 45 ◎坂口祐樹君(拍手)登壇=自由民主党の坂口祐樹と申します。  生きる者は食べるものによって一定性格が変わってくるものだと思っています。人間もしかりです。肉食になると、より攻撃的になるだろうし、草食になると、より温厚になるんだろうと思います。私はけさ、意識をして野菜を多く食べてきました。今議会、全六項目、冷静に議論をさせていただきたいと思います。  時間を見ると、五時を過ぎようとしています。議員の皆様におかれましても、県庁執行部、あと執行部の後ろの皆さんには、今、働き方改革が叫ばれる中で大変恐縮をいたしておりますけれども、その原因は私にはありませんから、どうか御容赦いただきながら御清聴いただければと思います。  それではまず一項目め、西九州新幹線の整備についてであります。  全四点お伺いをいたします。  まずは一点目、上下分離後の維持管理についてであります。  今から約三年後、西九州新幹線は暫定的に開業することになります。それに合わせて、経営分離ではなくて並行在来線、肥前山口から諫早まで上下分離方式なるものが採用されます。  上下の上は上物です。走る列車のことです。上下の下は下物です。鉄路とか駅舎の施設のことです。  上下の下、このレール等については、沿線自治体、佐賀県と長崎県が責任を持って維持管理をしていかなければならないということになります。当初一年間に二・三億円かかりますというお話でした。  私は実は、沿線住民の一人なんですね。ですから、大変恐縮に思っていました。ああ、佐賀県に二・三億円負担をしてもらわなければならない。大変恐縮をいたしておりました。しかし、かんかんがくがくの議論があって、平成十六年、佐賀県は経営分離に同意をした。私は絶対反対だった。しかし、約三年間の議論の中で、私自身も反対から賛成に転じました。紆余曲折がありました。  その過程の中で、長崎県側が二対一の負担、二・三億円の三分の一を佐賀県が負担する、三分の二を長崎県が負担する。この提案は誰がされたのか。  佐賀県側が長崎県側にお願いをしたんですか。いや、そうではなかったはずです。よりメリットの多い長崎県側が苦労している佐賀県側に対して、この二対一の提案をされたと私は認識をしています。  そういう状況の中で、この二・三億円が七・三億円に上振れしそうですということでした。そういう状況の中で、長崎県側から二・三億円からこの上振れした分については、二対一の割合ではなくて折半してくださいという提案があったそうです。びっくりしました。  きのうもこのことについて多くの議論がなされて、私は皆さんと同意見です。じゃ、これから佐賀県はどういう対応をしなければならないのか。  ある新聞報道で実務者協議──今、実務者でずっと月に一回、二回協議をされている中で、長崎県は長崎県の主張、佐賀県は佐賀県の主張をされる中で決着を見出すことができない。そういう状況の中で、長崎県側からでしょう。次は実務者ではなくて副知事レベルの協議をという報道がなされていました。  知事は副知事に対してどういう指示をするのか。私の立場は協議に応じるなであります。もう合意をしたもの、この合意を超える新たな合意なんかあり得ないということを考えれば、協議をする必要がない。これが佐賀県の立場だと思います。知事の見解をお伺いいたします。  二点目です。維持管理業務の委託先についてであります。  そもそも二・三億円の試算を行ったのは誰か。JR九州です。そして、今回七・三億円の試算を行ったのは誰か。同じくJR九州です。  資材高騰等、お話もありました。しかし、一番の要因は何か。それは委託先です。  そもそも十年ちょっと前、二・三億円の根拠は何か。それは松浦鉄道です。松浦鉄道に委託をされれば約二・三億円でしょうという試算だったと認識をしています。  しかし、今、委託先はどこになっているか。JR九州です。なぜJR九州なんですか。安全性を確保するためですという一文でした。  長崎県の知事さんは、実務者協議の途中に佐賀県側が誰かにお話をしたか何かといって怒っておられましたけど、私は逆の立場なんですね。決まる前に情報を開示してほしい。JR九州に委託したというのは決定ですか。なぜ事前に協議の過程を説明しないというのが私の立場なんですね。  私はまだ間に合うと。あと三年間あります。委託先は絶対にJR九州でなければならないのかというのが私の思いなんですね。松浦鉄道ではだめなんですか。長崎県側の島原鉄道ではだめなんですか。絶対に安全を確保するためにはJR九州じゃないとだめなんですか。私はそうは思えない。  並行在来線、肥前山口から諫早間は、肥前山口─鹿島間については一部特急が走りますけれども、あとはもう走りません。新幹線どころか、特急も走らない。そういう状況の中で、本当にJRしか委託先がないのかと私は思う。沿線住民の一人として、佐賀県、長崎県側に負担してもらうのをすごく恐縮しているから、私はこういう提案をしているんです。  それはこれまで同様、JR九州に委託すると楽ですよ、委託者は。しかし、これも県民の税金です。  そして、私は、この並行在来線を、いかに利便性を高くして残すかという話の中で、ダイヤを守る、新駅をつくるという提案をずっとさせていただいております。太良高校の前に駅をつくりたい。この二・三億円が七・三億円になった場合、またできない可能性が高くなるんですね。そういう状況を私は放置することができない。  まだ三年間あります。ですから、委託先をJRに固定するのではなくて、公募や、松浦鉄道と協議をしましたか。私はしていないと思う。しているんであったら、経緯を示してほしい。  私は、委託先については再考する必要があるというふうに思っています。見解を求めます。  次、三点目です。四者協議へのスタンスについてであります。  私たちはこの県議会において、佐賀県の方向性を決めるべく、約三カ月ごと議論をさせていただいているんです。三カ月前もこの議論をしました。  そして、きょうまでの三カ月間、この四者協議に対して何らかの変化があったか、佐賀県に対して誰かが歩み寄ってきたのか、歩み寄るための新たな提案があったかというと、私はなかったと認識しています。  四者協議を望む政府・与党、新幹線の整備を進めようとする与党検討委員会は新たな提案をされましたか。長崎県は、長崎県は歩み寄るどころか、逆切れされています。国交省はどうか、国土交通大臣に知事は会われて、そのような突っ込んだお話はなかったと聞いています。  そして、佐賀県議会自民党県議団に対して鉄道局次長さんが二回お見えになっていただきました。いろんな報告をいただきました。しかし、それはこれまでの説明以上のものではありませんでした。  フリーゲージトレイン導入断念の経緯であったり、JRの採算性であったり、佐賀県の負担であったり、他線の話にもなりました。北海道新幹線が、北陸新幹線が整備されようとする中で、佐賀県さん、今着工しないと、次予算はいつとれるかわかりませんよ。不安をあおるような話もあった。  JR九州はどうか。今定例県議会の開会日前日、十一月二十七日、JR九州副社長さんが佐賀市においでになって講演をされるということを聞きました。私も暇な人間ではありません。しかし、今議会も多分この議論をしなければならないという状況の中で、JRが新たな提案をするかもしれないという期待感を持ってその会場に臨みました。しかし、残念ながら、これまでのJRの立場であるとか、JRの考えを述べたにすぎないと私は受けとめました。  これまでの三カ月間、佐賀県に対して何らかの歩み寄り、そういう提案があったかというと、残念ながらノーということを考えれば、この四者協議への佐賀県の参加、不参加、スタンスについては、私は参加するに当たっては時期尚早と言わざるを得ない。知事の見解を求めます。  最後、四点目、対面乗りかえ方式の活用についてであります。  そもそもこの対面乗りかえ方式は、三年間限定したものだったと思います。フリーゲージトレインを開発している段階で、車軸にひびが入った。三年間、試験走行を終えるまでにもうしばらくかかります。三年間延長させてくださいという状況の中で、じゃ、その三年をどうするか。対面乗りかえ方式ということに決まりました。そして、佐賀県もそれを受け入れた。  しかし、残念ながら、フリーゲージトレイン導入を断念されたという状況の中で、これからどういう議論が起こるかはわかりませんけど、間違いなくこの固定化はしばらく続くということになります。  ピンチをチャンスにしなければならない。武雄市さんはもう動かれています。交流人口をふやすチャンスですね。  長崎から福岡の間、多くの皆さんたちが一回ホームにおりるんですよ。ホームにおりるだけではなくて、できれば駅を出て、町を散策してほしい。武雄はすばらしい町です。図書館や温泉に限らず、見るものがたくさんあります。そして、佐賀県の責任はもう少しそれを広域化することだと思っています。武雄に限らずです。  車を二十分走らせると有田焼があったり、その先にはおいしい伊万里牛がある。その先には大自然の唐津もある。そして、南下すると鹿島にはおいしい酒があって、日本一の竹崎カニもあるんですね。  佐賀県は交流人口をふやす、その努力をしなければならないと思っています。対面乗りかえ方式の活用についてお伺いをいたします。  次、二項目めです。ミカンの生産振興についてであります。  私のライフワークの一つです。皆さんには余り関心がないかもしれませんけど、私の周り、私の家から三百六十度見渡すと常にミカンが見えます。そして、十人に一人はミカンの仕事についておられます。ミカンが潤えば、私の地域は潤うんですね。ですから、ミカンが大事。  そういう状況の中で、ミカンの質問は、過去を調べてみましたら四年半ぶりでした。なぜ四年半ぶりなのかというと、過去四年間、ミカンの価格が安定していたからです。  私たちには比較的厳しくなるといろんな要望があるんですね。もっとこうしてください、頼みますよと。しかし、いいときは何にもおっしゃってこない。だから、静かなときが平和ということなんです。  ことしは長雨が続きましたので、ミカンの糖度が少し足りなかったという状況の中で、価格も五年前と比べれば安定はしているんですけれども、過去四年と比べるとことしは少しきつかったねというお話なんです。  しかし、私は十年、二十年後を危惧しています。私の周りのミカン農家の多くは六十代、七十代です。若手の担い手として頑張っている方もいらっしゃいますけれども、数でいうと六十代、七十代が圧倒的に多い。十年先、二十年先はどうなるんだろうか、とても心配です。そして、やめる方もこれからふえていくでしょう。私たちは何をしなければならないか。  農家の後継者が十八歳になって、農家を継げるように、継ぎたいと思えるように、そして一旦離れたけれども、帰ってきたいと思えるように、要は安定した所得があれば継ぎたい方はたくさんいらっしゃるんです。しかし、これまでなかなか安定することができなかった。しかし、今の状況を見ると、努力をされている方がたくさんいらっしゃって、ミカンは年々においしくなっています。  マルチ栽培であったり、水を制御するということですね。あとは根域制限、すばらしい先進的な技術で頑張っている方がいらっしゃいます。その技術を多くの皆さんが導入すると、間違いなく農業所得、ミカンの皆さんの所得は安定していくはずです。そうやって、できるだけ生産者を確保していかなければならないと思っています。  佐賀県はトレーニングファームに取り組んでいます。すばらしい制度、私はうらやましいなと思っているんです。  露地ミカンでも、これをできんですかというお話をしています。しかし、ミカンは苗木を植えてから収穫するまで四年かかります。ですから、なかなかミカンは厳しいかもしれません。  しかし、先進的な技術が確かにある。その技術を若い担い手の皆さんたちに教えていくんです。新規就農の可能性の皆さんたちに教えていく、そういう取り組みができればいいなというふうに思っています。
     次に、三項目め、県産果物の学校給食への利用拡大についてであります。  これもミカンとセット、四年半ぶりの質問でございます。  四年半前は古谷教育長さんから前向きな答弁をいただきました。基本的に学校給食は市町が実施するものであって、佐賀県が関与するものは栄養士の皆さんのお給料です。ですから、栄養士の皆さんたちの研修会等々でそういう啓発をしましょうということなんですね。  私の本心は、要はミカンを出してくださいということなんですけれども、これは声を大にしてなかなか言えないですもんね。ですから、県産の果物をできるだけ提供してくださいと。おいしい果物が県下にはたくさんある。  そして、学校給食法なるものがあって、そこには都道府県の知事と教育長さんに対して通達がなされているんですね。「地場産物や郷土に伝わる料理を積極的に取り入れ、児童生徒等が郷土に関心を寄せる心を育むとともに、地域の食文化の継承につながるよう配慮すること。」というふうにうたわれていますし、一方で、農水省は「毎日くだもの二百グラム運動」、人間が心身ともに健康であるためには一日果物を二百グラム摂取したほうがいいですよ、それも毎日です。  そういう状況の中でデータを見ると、多くの日本国民は百グラムすら摂取していない状況にあるんですね。  そして、より若い皆さんたちが摂取していない、果物を食べていない。要は若いときに食べる習慣がないと、年をとってからも食べないということです。子供のころにずっとお菓子ばっかり食べていると、大人になってからもなかなか果物をとらないということです。  学校給食はどうか。ジュースやゼリーは出しています。あえものにも使っていますということなんですね。じゃ、子供はスーパーに行ったときにジュースとかゼリーを手にとるんです。生果をとらない。  ミカンなんかむいてすぐ食べれます。学校給食に出してください。いやいや、消毒がかかっていますから洗わんばいかんですもんねとか、ミカンの大きさの一個一個違うけんが、子供がけんかになりますよという話なんですね。意味がわからん。  じゃ、学校給食は何でもかんでもあえものですか。形あるものは全部個体差というのはあるんですよ。魚も肉も全て同じものはない。部位によって違うんです。じゃ、全部あえものを食べさせるつもりですかという話。  実は、これは僕が町議会のときから二十年間ずっと言っています。一切変わらない。四年半前に、じゃ、学校給食で週に何回果物を出していますかと、〇・七五回ですと。週に一回も果物の固体を出していないということなんですね。  僕は、こうやって四年半前に同じような趣旨の話をしました。四年半たって少しは上がっているだろうなと思ってデータを見たら、〇・六二でした。マイナスです、残念。要は平等性の中で、あえものにたくさん活用されているのかもしれない。固体として果物が提供されていない状況が続いている。悲しいですね、どうにかしたい。  しかし私は、提案はすることができますけど、実行することができない。この中で実行に結びつけることができるのは落合教育長です。落合教育長が熱心にこのことに対して努力を続けるならば、市町の皆さんの心を動かし、栄養士の皆さんがさらに努力を続けていくと思います。──努力をしていないということではないです。  県内農林水産物の利用率というのは格段に上がっています。佐賀県産の農産物や魚等を使う努力をされている。今、四〇%を超えました。すばらしいことだと思います。しかし、果物についてはなかなか私の思うところではないということでございますので、教育長の見解を求めます。  次に、四項目めです。幼児教育・保育の無償化についてであります。  全部で三点お伺いいたします。  まずは保育士の確保についてであります。  これはもう、ここ三年前後、幼稚園や認定こども園や保育園の皆さんから、職員が足りませんという話をずっと私たちは聞いてきました。  そして、こども未来課、県庁の皆さんも私は努力してきたと思う。しかし、やっぱり限界もまたある、相手がいらっしゃることですから。  そして、十月一日から無償化が始まりました。しかし、無償化が始まったといえども、今、年度途中です。私は来年度初め、再来年度初め、子供の数は減っているかもしれないけれども、預ける数は間違いなくふえていくと思います。  そういう状況の中で、保育士の確保ってどうするんだろうというふうに思っています。何ができるかはわかりませんけれども、見解をお伺いいたします。  二点目、事務負担の軽減についてであります。  これも幼稚園、認定こども園、保育園の皆さんから御相談をいただきました。切実なる御相談、事務負担が大変ですと。  無償化で喜んでいるのは保護者、それは保護者は助かりましたよね、無償なんだもん、こんないいことはない。経済負担が減って子供がふえることを願うばかりです。  しかし、やっぱり園の皆さんたちは大変です。無償化するかわりに副食費、おかず代は徴収してくださいであるとか、延長分はと言って、十人いれば十人分だけその請求金額が違うんですね、徴収金額が違う。事務が大変ですよ、より公平に扱おうとすればするほど事務が大変。  私もその一覧表を見せていただきました。残念ながら理解できませんでした。だから、皆さんに対しても説明することができません。それだけ複雑だということです。  やっぱり事務負担の軽減については、県庁の皆さんに努力をしてもらわなければならないと思っています。  三点目です。家庭保育への支援についてであります。  来年、再来年も間違いなく、無償になったということをきっかけに預ける皆さんはふえると私は思っています。それはいいことなんでしょうか。一見いいことですね、結果的に生まれる子供がふえればすごくいいことです。しかし、まだよくわからない。何となく、預けたが得よねとか、幼稚園、保育園、認定こども園の施設に光が当たるわけですから、私は光が当たれば当たるほど、当たったところに人は流れると感覚的に思っているんですね。ですから、今まで家庭で保育をしていた人が、この無償化をきっかけに預ける人がふえるんではないだろうか。  預けなければならない人は当然預けなければならないし、預けたい人もどうぞ預けていただいて結構。しかし、家庭で保育をしたいと思っている方もいらっしゃいます。そして、できるならばゼロ歳児、ゼロ歳ぐらいまではやっぱり家族と過ごしたほうが子供にとっていいと私は思っています。  そういう状況の中で、家庭保育と幼稚園、保育園、認定こども園、共存共栄であるべきだと私は思っているんですね。そして、家庭保育にも光を当てるべきなんです。これは強制ではありません、できる限りという話です。やっぱりそれぞれ需要があります。じゃ、何をしなければならないか。  例えば、ゼロ歳児、ゼロ歳児を保育園に預けたら幾ら費用がかかるか。二十一万百円だそうです。そして、保護者の皆さんは所得に応じて保育料や幼稚園の費用を支払うことになります。一番高い人で六万円ぐらいだそうです。ゼロ円から六万円ぐらいを皆さんたちが負担をする。あとの残った分について国が二分の一、県が四分の一、市町が四分の一ということであります。市町によって補助率は違ってきます。  そういう状況の中で、もし預けない人がいたら、国と県と市町は二十万円負担しなくていいわけですよ。ということを考えれば、一定その使わなくてよかったお金を、家庭で保育を頑張る皆さんに提供したらいいと、支援金としてお渡しすればいいというふうに思う。  もしおじいちゃん、おばあちゃんが面倒を見てくれたら、そのおじいちゃん、おばあちゃんに手渡せばいいと思うし、やっぱり現実的にはお母さん、例えでいうと、お母さん一人、お子さん一人でいうと、それはお母さんは大変ですよ。そういう状況の中で、その家庭に対して支援をすることができるのか。  どこまでできるかはわからない。例えば、近くにそういう子供サークルがあったらどれだけ助けになるだろうかと、いろいろなことを考えます。  私は施設だけではなくて、家庭保育にももう少し目を向けて力を入れるべきだという持論を持っていますので、御見解をお伺いいたします。  次に、五項目めです。有明海の再生についてであります。  まずは、調整池からの排水についてであります。  今から九年前、あしたになるとちょうど九年前ですね。二〇一〇年十二月六日、福岡高裁は三年以内に五年間の開門調査をせよという判決を下しました。私たちは喜んだ。しかし、残念ながら開門調査は行われていません。そして、今何が起こっているか。  昨年七月、同じ福岡高裁が開門をしなくてもいいという判決を下しました。そして、ことしの九月、最高裁は、開門しなくていいという福岡高裁の判決を破棄して、もう一回審理をし直しなさいという差し戻し判決。そして、来年二月から再度審理が始まる。どういうことか、まだ裁判は続くということでございます。そういう状況の中で私たちは何ができるんだろうか。  できるだけきれいな水を、有明海にあんまり負荷をかけないように排水をしてください。そして、小まめな排水が実施されています。これは九州農政局、そして管理をしていただいている長崎県側に感謝をしなければならないんでしょう。努力をしていただいている。小まめな排水の定義が百万トン以下とするならば、ほぼ百万トン以下で排水をされている状況にあります。このことはありがたく思っています。  しかし、それだけでは足らないという状況の中で、水はたまれば腐る、たまった水は当然流さなければならない。そういう状況の中で有明海が苦しんでいる。一番きれいな水はどこか、それは本明川の水ですよ。一級河川の本明川を直接流すような工事をしてください。大金がかかります、できませんというお話。  じゃ、次は何ができるんですか、水を浄化してから流してください。あそこの道路を通った人はみんなが気づいているんです。何でこれだけ水の色が違うんですかと。ここの海水とここの調整池、なぜ違うのか。水はたまれば腐るからです。  富栄養化した水を強制的に定期的に流す。確かに長崎県さん側も議論はされています。当然それでいいと思っているわけではないんですね。しかし、残念ながら水は簡単に浄化できません。あそこは広大な調整池です。簡単にはいかない。  要は私たちは、あの調整池に海水を入れることが開門調査の目的なんですね。あそこの調整池に海水を入れない限り、残念ながら調整池の浄化は私は厳しいと思っています。  開門に反対するんであるならば、佐賀県知事さんは、長崎県知事さんに対して、流すのであるならばきれいな水を流してください等々の話をきちっとしなきゃならないと私は思う。できなくてもですよ、できなくても言わなければならないというのが私の立場です。  次に、有明海の漁業振興についてであります。  これは少し私個人的な話になりますので、余り聞かなくてもいいと思います。  まずは、タイラギ資源の回復に向けた取り組みについてであります。  今、有明海の異変の象徴は何かといいますと、それは海底にあります。  魚とかは、例えば、そこに赤潮だ、貧酸素だというときに逃げることができます。しかし、タイラギであったりアサリであったり、モガイであったりは逃げることができないんですね。そういう状況の中で、海底に異変があるんです。  ということで、この海底を改善するための事業に取り組んでいただいています。ありがたい。海底耕うん、海底を耕うんする。そして、モガイの殻を散布する。これはタイラギの種苗というか、泳いでいるものが付着するようにですね。そして、二枚貝を食べるナルトビエイを駆除する。この三点セットで努力をしていただいている。  実は十年ぐらい前に久しぶりにタイラギが立ったんですね。私たちは、この漁場改善事業、海底耕うんのおかげでタイラギが立つようになってありがとうと言いました。しかし、残念ながら今効果が薄れているというか、なかなか見受けられない状況にある中で、新たなものが生まれればいいんですね。いや、もっとこういう事業を取り組めばいい。しかし、私もなかなか具体的なものを提案することができません。そして、多くの皆さんたちが苦しんでいる。  そしたら、この漁場改善事業の内容をより改善していくしかないというふうに思うんです。いろいろ担当課の皆さんも模索をしていただいています。  例えば、こういうこともありました。漁業者の皆さんが、今、実はモガイという小さな貝を粉砕して散布しているんですね。要は空き地にモガイ殻を集めて、ないときはカキ殻を集めて、そこにユンボで乗り上げて砕くんです。砕いたものを袋に入れて、海に持っていって散布をする。  そういう状況の中で、何でこれをわざわざ砕かんばいかぬと、砕かんでようなかろうかというお話なんですね。むしろ砕かないほうが、そのままのほうが有明海にとってはいい効果があるんではないですか。効果が大きいと思いますよという御相談なんですね。そして、県庁にこういう意見があるけれどもと提案します。しかし、それは漁業者の皆さんのあくまでも感覚です、私たちは科学的なデータを持っていますと。粉砕したほうがより効果があるということでございます。悩ましい、私も感覚的にはそのまま。  有明海、海をきれいにしよう、きれいにしようという状況の中で、何となく、結果的に魚や貝類がとれない状況もあるのかなと思うんです。  例えば昔、私の実家はカニ旅館なんですね。カニをたくさん食べてもらって、海に大体捨てたんですよ、残飯。私がまだ学生のころでした。そういう時代だったんでしょう。魚もたくさん釣れたし、貝もたくさんとれました。しかし、もうそういうことは当然したらいけない、環境的にいけませんと。  タイラギ貝もそうですね。例えば、モガイ等については、貝のまま、そのまま陸揚げします。しかし、タイラギは別です。数が多いものですからむいて身をとって殻は捨てていたんですね。  しかし、ある日突然、多分法律は、水産法自体は変わっていないはずです。ですから、取り締まりが厳格になったのかは知りません。私は昔、その殻を海に捨てたらいけないということを知りませんでした。今どうやって捨てているか。砕いたらいいですよと。船の上で足で踏んで砕いたら資源を保護するための材料ですと、そのまま捨てたら産業廃棄物という話なんですね。意味がわからん。海にとって、昔のようにそのまま散布したほうがいいんじゃないのかなというふうに私は思うんです。私も漁師の皆さんとの肌感覚と多分近いんでしょう。  そういう状況の中で、モガイの散布にしても海底耕うんにしても、もう少し何か改善の余地があるんではなかろうかというのが問題提起です。  次に、ガザミ資源の回復に向けた取り組みについてであります。  ガザミ、佐賀県でいうと日本一の竹崎カニです。実はさまざまな場所で、さまざまな人が、さまざまな努力をしていただいています。  例えば、県においても種苗放流、カニの卵、生けすでカニの卵をふ化させ、ふ化させた種苗を一センチとか二センチに大きくして、そして海に持っていって放流するんです。とてもありがたい。  しかし、それでもなかなか厳しい状況がある中で、禁漁区間なるものが設定されてあって、そして基本的にここは、佐賀県有明海漁協というのは十五支所ありますけれども、十四支所は基本的にノリ養殖に力を入れられて、漁船漁業というのは唯一大浦だけなんですね。大浦組合にしても、本来土曜日だけが船どめ、休みなんですけれども、しかし、自分たちでカニの資源を守るために、育てるために、春先に禁漁区間なるものを数年前から設けられました。それからカニがまたとれるようになりました。要は動けば効果が出るということです。  そして、最近になると放卵、卵は放卵しますので、卵をそのまま、旅館の皆さんとかが力を合わせて、内子、内子はおいしいですもんね。けど、内子から外子になるんです。放卵する前は外子。外子は実はおいしくありません。しかし、その外子をきちっと放卵させてから海に帰すという努力もしていただいています。  私が今回提案したいのは、大きさです。カニの大きさ制限。佐賀県は十五センチと決まっています。しかし、この議論の難しいところは、有明海は四県にまたぐんですね、あんな小さな海なのに四県にまたぐ。そして、危機意識というのは温度差があります。佐賀県はどちらかというと、水揚げとしての資源ではなくて、お客さんに提供するための資源として捉えていますので、ただとるだけじゃだめなんですね。おまけに十五センチでとっても何百円かなんですね。これが二十センチ、三十センチになると何千円にもなるんです。正月前になると五千円、六千円にもなったりするんですね。  しかし、これが農業と漁業の違いなんですね。農業者は自分たちの農地を管理しながら、適正に、そして一番の収穫期のところで収穫をして、一番いいときにお客さんに高く買ってもらう。  しかし、漁業者の皆さんたちは狩猟民族です。自分が今とらなければ誰かが次にとるんですね。そういう意識のもとで一網打尽にとってしまう。当然、道具であったり、技術は上がっていますから、とればとるほど来年、再来年いなくなるんです。ずっとそれを私たちは見てきた。そして議論をしてきた。しかし、これは佐賀県は言っていますけれども、なかなかよそがですねというお話なんですね。  しかし、有明海というのは大きな生けすですよ。とることを制限したり守ったりしなければ、資源は先細りする。当たり前の話です。もうそろそろ佐賀県が主導して、もう少し強引につくり育てる漁業を推し進めていただきたいと。実は私は十五センチでも小さいと思っているんですね。見ればちっちゃいです。やっぱり二十センチ以上ぐらいの制限をしなければならない。それを四県で共同で取り組むことができないか。それが後世の皆さんのためです。もうそろそろ強力に実行に移してほしいと願っています。  次です。南西部地区におけるノリの安定生産に向けた取り組みについてであります。  実は、ノリ養殖は秋芽ノリと冷凍ノリの二期作なんですね。地域性があって、南西部の皆さんは比較的秋芽で収穫をされる。そして東部の皆さんは比較的冷凍の時期に収穫をされる。  そういう状況の中で、一元管理をされているんですね。一斉に種つけをします。そして秋芽を終わる時期を決めて一斉に撤去しますという状況の中で、南西部は発育が遅いんですね。  実はさっき、きょうが一回目の入札会でしたと知事がお話をされました。種つけ後、赤潮が発生し、栄養塩が足りませんでした。ノリの伸びが悪いよというお話を聞いていました。そしてその後、何となく順調に育ってきたというお話も聞いて安心をしていました。  しかし残念ながら、私の地元のたら地区と大浦地区においては、きょうの入札会に出品できませんでした。なぜなら、きのう初めて収穫をされたからです。東部地区の皆さんと比べると一週間収穫ができなかった、遅かったんですね。それだけノリの生育に差があるということです。  ということを考えれば、多くの南西部の皆さんたちが訴えています。もう少し秋芽の時期を後ろに延ばしてもらえんやろうかというお話なんですね。それは漁協が決めることです。当たり前の話ですね。  しかし、そうではないんです。漁協が最終的には決めなければならないけれども、東部の皆さんがなぜそれに反対をするか。それは病気です。病気の発生をおそれているから、そういう一斉撤去になるんですね。  ですから、県が技術力をもって研究をして、病気が出ないような、そういう技術を開発することができれば、秋芽ノリを揚げる時期をずらすことができるかもしれないと私は思っているし、そうしてほしいと思っているんですね。  漁協は漁協の中で私は議論が起こるんだと思います。きょうのような結果を見ると当然です。そして、佐賀県は佐賀県としてそこに寄り添っていただきたいということでございます。  次に、漁港施設のしゅんせつへの支援についてであります。  漁港というのは当然、定期的にしゅんせつをしなければなりません。  そういう状況の中で、実は私の地元の二つの港で、国の支援、県の支援を得て、そして町がしゅんせつを行うんですね。  そういう状況の中で、前回はいつかというと、平成十二年にしゅんせつをしていただきました。国は二分の一の負担をして、当時の佐賀県の負担は三割でした。そして十九年たった今、佐賀県の負担は一五%、半減されました。  そういう状況の中で、地元負担が大きくて、なかなか地元が手を挙げることができない状況が続いていますけれども、何とか、そして地元の漁業者の負担も四%、今回九千万円でしたから、三百六十万円です。漁業者の数は、平成十二年は四百人いたけれども、今は二百三十件、ほぼ半減しそうです。そういう状況の中で県の補助は減る、漁家の数も減る中で、負担金はふえる状況が続いている。  そういう状況の中で、漁業者の皆さんが、なかなか水揚げが不安定な中であんまりきつかばいと、よし、あと一・五%太良町が今回上乗せしますからということで、この前、町長さんにお会いしたら、町も上乗せで負担すっとやっけんが、県も少ししてくれるごと言うとってくださいということなんで、その代弁をさせていただきます。  最後、六項目めです。佐賀空港の自衛隊使用要請についてであります。  今回は、コハダ漁調査の最終報告について知事の見解を求めさせていただきます。  五年前に防衛省から、オスプレイ、そしてヘリ部隊五十機の受け入れ要請があって、地元のコハダ漁の皆さんが不安に思いました。騒音で浮いている魚が沈む。  そういう状況の中で、防衛省は一昨年、二日間にかけて調査をしていただきました。当時の報告は何だったか。影響の有無を断定することが困難ですと、できませんということでした。漁業者は反発して、私も反発しました。  そういう状況の中で、ことし五月から十月にかけて九日間調査をしていただきました。この二日間と九日間、計五十四例、コハダの群れと遭遇して反応を確認することができました。そのうちの四十七回、大半は、コハダは逃げるないし沈んだ、要は反応したということです。ヘリコプターCH47が上空を飛んだときに、この騒音に対してコハダは反応した。しかし、十秒ないし二分三十秒の間で再度、再浮上して確認することができました。これが四十七例。そして、たった一つの例かもしれませんけれども、沈んだまま帰ってきませんでした。そして、反応がなかったというのが六例でございます。  そういう状況の中で、防衛省の皆さんが再調査をしてくれた。そして、コハダ漁をされている漁業者の皆さんたちは、大体絶対反対です。コハダに影響があると思っているからです。影響があるのに賛成できるはずがない、当たり前の話です。しかし、漁業者の皆さんは防衛省に協力をされた。苦渋の決断です。  反対と言い続けているのが楽なのかもしれない。しかし、国防を担う防衛省が、本当に佐賀空港にオスプレイを受け入れなきゃならない。その要請に対して佐賀県も頑張っている、努力をしている、いろんな方々が議論をしている、そういう状況の中で、反対反対ではなくて、調査に協力をされました。  そして、今どういう状況にあるか。途中、中間報告があって、議会開会日の前の日、二十七日に最終報告が漁業者になされました。実はその時点で、最終報告の案なるものが作成されていて、私にも説明がありました。当然、私は無責任な説明をしてほしくない立場でございますので、確認をしなければならない。そして、最終報告を見ました。そして私は一定意見交換をする中で、その説明でいいというふうに理解をしました。  要は、こう確認したんですね。コハダは反応しましたか。反応しました。じゃ、漁に影響があるということですね。そうです、影響があるということです。ただ、まだオスプレイは配備されると決まっていません。そしてあんまり先走っても、まだ反対されている方もいらっしゃいますので、詳細については配備が決定した後、配備が決定したとしても、駐屯地等整備をしなければなりませんから、実際配備されるまでは数年かかります。その間で詳細については議論をしていくことになると思います。私はそれでいいと思いますと言いました。  そしたら、びっくりしました。二十六日です。二十七日に説明会があるんですよ。その前の日に新聞報道がなされたんです。タイトルは「コノシロ漁影響評価せず」です。二十六日の朝、私の妻が私に対して、コハダに影響のなかて書いてあるよと言うんですね。僕はそんなことはあるはずがない。僕は事前に説明を受けていましたので、いやいや、そんなことはないよと、影響は認めているからと。しかし、見出しは「影響評価せず」。  そして中を見ると、間違いではないけれども、これは明らかに漁業者と防衛省の対立を促そうとしているのかもしれない。まだ説明会前ですよ。なぜこんな記事が出るのか。あと二日間なぜ待てなかったのか。  私も確認をしました。何か影響のなかて言いよっとやろうと。いや、そうじゃありませんと。防衛省の説明を冷静に聞いてくださいと。そして疑問点があったらちゃんと質問をしてくださいと。私は一定その説明に理解をしていたからです。しかし、二十六日の新聞の見出しにリードされたのか、ほかの新聞もそういう論調でした。私は残念でした。  漁業者の皆さんたちが苦渋の選択で、苦渋の決断で協力をしている。反対だけれども、配備をされたときに自分たちの後継者が困らなくていいように、きちっと対策をしてもらえるものについては対策を、影響があるものについては補償をしてもらわなければならない、当たり前の話です。私はその橋渡し役なんですね。しかし、マスコミの皆さんは分断を図ろうとしているのか、よくはわからないけれども、何となく事実と違うような報道。  私は二十七日、説明会が終わった後にすぐ電話をして漁業者に確認をしました。どがんやったねと。うん、何か融和的なムードで説明もある程度理解できたし、自分たちも反対は反対、来てほしくはないけれども、ある程度防衛省の説明に対しては理解したよというお話でした。私も一定安堵感を覚えました。  しかし残念ながら、マスコミですね。そこはオフレコですから、中の協議についてはマスコミは入っていませんから。そしたら漁業者が出てくると、当然漁業者は、私たちは反対ですという話をする。そして防衛局長さんは何と言うかというと、物すごく、これがマスコミに隙を与えた最終報告のまとめなんですね。コハダの行動の変化を示す、要はコハダに影響があるということは認めているけれども、漁、操業自体に影響があるということをうたっていないんですね。濁しているんですね。「影響の具体的な内容と程度等については、実際に運用を開始した後の実態を踏まえて確認する必要がある」と。
     私はこのことについては、いやいや、漁に影響があると、操業に影響があると、水揚げに影響があるということを認めているということを前提に、詳細については運用後ねと。それはそうですよ、CH47が一機飛んだぐらいじゃわからない。実際にオスプレイが十七機、ヘリ部隊五十機が一日六十回飛んでみないとわからないことはいっぱいあります。ですから、詳細については運用後。そして漁業者の皆さんたちもそういう認識なんですね。  委員長さんのコメントも出ていますね。「操業への影響があるというのが共通認識だ」、これは、防衛省と漁業者の皆さんの共通認識とおっしゃっているんです。会議の席ではそういう話をしているんです。しかし、防衛省が、マスコミにはそういうことをはっきり言わない。漁の操業に対して影響があるということを防衛省がマスコミに言わないんです。なぜ言わない。まさか、運用後、何かあったときに逃げ道を用意しているんではないでしょうかということを不安に思ったんです。最初は思っていなかったけれども、こういうマスコミの記事を見ると。私は、その逃げ道をふさがなければならないんですね、きちっと。コハダの行動に対しても、漁の操業に対しても影響があるということを、きちっと公の席で防衛省は言うべきだというふうに思っているんです。その言動を知事が引き出さなければならないというふうに思います。知事の見解を求めて私の質問を終わります。(拍手) 46 ◎山口知事 登壇=坂口祐樹議員の御質問にお答えします。  まず、西九州新幹線の整備に関しまして、上下分離後の維持管理についてお尋ねがございました。  維持管理経費の負担割合につきましては、当時の長崎県の金子知事が、長崎県の誠意として、いわゆる応分の負担を表明されまして、最終的に佐賀県が一、長崎県が二とすることで確認されたものであります。  そして、金子前知事は、この負担割合の根拠について、「これは、並行在来線の費用負担が新幹線整備に伴うものであり、これと一体的に取り扱うことが適当との考え方から、新線の区間延長比が概ね一対二であること。また、並行在来線の利用機会という点から、沿線人口比も概ね一対二であることに基づくものであります。」と、長崎県議会において説明されております。  これは、両県で確認したのは、負担の割合です。もしどこかにリミッターをつけるなら、数字を入れるはずです。要は、この説明にありますように、区間延長比だとか、人口比だとか、そして、その誠意を見せるという意味で一対二というところ、この割合に意味があると私は思いますけれども。ですので、それをオーバーして災害のときはまた別の考え方を示しましょうねというのは、よくつける規定です。ただ、普通の形で言えば、かかった費用を一対二で割ろうという話じゃないんでしょうか。佐賀県はこれまで、合意したことは守るという姿勢で真摯に取り組んでおりますので、長崎県に対しても、これまでの合意を踏まえ、誠意を持って対応していただくことを求めていきたいと思います。  そして、長崎県の中村知事は、お互いの担当というか、部同士で協議しているものを佐賀県が表に出したことに違和感を覚えるという話がありますけれども、私はその発言に違和感を覚える。これは、留守県議からもお話をいただきましたけれども、そもそも、これは議会も含めていろんなことで絡んで約束したことですよ。それを、下交渉か何かで変えようなんて協議をしていいものでしょうか、いけないですよね。それは、これこそ、もしそのルールを変えたいというなら表から申し入れてくるべき話でありますし、その交渉を人が知らないところで陰ながらやっていくというのは、私は問題だと思いますし、それこそ議会軽視じゃないかと思います。  ですから、私もよく佐賀県議会の皆さん方からお叱りを受けますけれども、ぜひそこは表に立って、正々堂々と議論していただくというところが議会制民主主義のあり方だというふうに私は認識しております。  続きまして、四者協議のスタンスについてお尋ねがございました。  私は、将来の新鳥栖─武雄温泉間のあり方について、さまざまな可能性を議論することは閉ざしておりません。一方、新鳥栖─武雄温泉間については、これまで在来線を利用することを関係者で合意しておりまして、佐賀県としては新幹線整備を求めておりませんので、こちらから何かを提案したり求めたりすることは考えておりません。  フルありき、期限ありきの議論には応じられませんが、期限を定めて一方的に結論を押しつけるような議論の進め方でなければ、協議すること自体を否定するものではありません。ただ、協議にフル、ミニというものを含めるのであれば、整備ありき、期限ありきではなく、まさにゼロベースからしっかり時間をかけて議論する必要があると思っております。  坂口議員からは時期尚早というお話をいただきまたしたけれども、私は、今後の関係者との協議については、まずは国土交通省が考えられる協議の進め方というものがどういうものなのか、確認しなくてはならないものと考えております。  続きまして、対面乗りかえ方式の活用についてお尋ねがございました。  せんだっての答弁で、私が佐賀から新鳥栖まで特急で十三分だったというお話をさせていただきましたけれども、では、武雄温泉から新鳥栖間は特急で何分かと申しますと三十六分、抜群のアクセスを誇っております。  これを例えてみますと、千葉市は百万人ぐらいいますけれども、千葉から新幹線に乗ろうとすると、快速で四十分かかります。逆に言えば、幕張メッセという国際的な展示場があります。ここは海浜幕張駅というところですけれども、こちらのほうも東京駅まで約四十分かかるわけです。ですから、新幹線に乗るために、四十分かけてそこにみんな集まっているという位置関係にあるわけです。そうしたことも考える。東京駅から、中央線、総武線のほうに引っ張りますと、おおむね三鷹の距離です。大体、東京で考えていただくと、千葉や三鷹の人が自分のところまで新幹線引っ張ってこいと言いますか。ということも含めて、これはいろんなことを議論しなければいけないというふうに思います。  そして、本当にフリーゲージでやるということで我々は合意したわけですけれども、これがなかなか厳しいということ。令和四年度の開業は迫ってきている。そして、武雄温泉駅には、全ての新幹線と在来線の列車が停車することから、停車本数が現在よりも大幅にふえます。長崎県からはフル新幹線がやってきて、佐世保のほうからもやってくる。そして、鹿島市と太良町のつらい思いをした分まであっちまで回っていく。そして、嬉野市には新たに新幹線駅ができるという状況です。私は、武雄市や嬉野市にとっては、そのポテンシャルを生かす大きなチャンスがやってくるというふうに思いますし、とりあえずこのリレー方式でスタートしますけれども、当分の間、これが続くことになります。我々がここで議論している、我々のメンバーでやっている間というのは、ほとんどこの期間だと思います。このリレー方式、武雄市、嬉野市を盛り上げる運動をぜひ議論するべきだと私は思います。そのほうが生産的だと思います。  ただ、新幹線ができたから、列車本数がふえたからといって、直ちに地域の活性化が図られるわけではありません。多くの人が訪ねたくなるような魅力ある地域づくり、まちづくりを進めていくことが、何よりも重要でありますので、もちろん、ルート沿線の武雄市、嬉野市はもとより、鹿島市、太良町などの長崎本線の沿岸地域に、坂口議員からもお話があった、唐津市、伊万里市、有田町、県北西部、佐賀市、鳥栖市、こういった本物の地域資源があるところをしっかりとリンクさせたような取り組みをするべき時期ではないかというふうに思います。  県内のさまざまな地域で魅力ある地域づくりが行われ、それぞれの地域の取り組みが相乗効果を発揮し、地域間の連携が生まれ、佐賀県全域の地域振興につながるように、そして自発の地域づくりに取り組む地域と連携して、しっかりと県として支援をしていきたいと考えています。  続きまして、有明海の再生に関係いたしまして、調整池からの排水による海域への負荷軽減についてお答え申し上げます。  議員が御指摘のように、開門調査の実施は依然として厳しい状況が続いております。そして、有明海の再生のためには、開門調査を含む環境変化の原因究明が必要だという思いはいささかも変わっておりません。そして、漁業者の皆さんは、調整池からの排水が赤潮や貧酸素水塊の発生原因ではないかと懸念し、こまめな排水など、できるだけ自然な川の流れに近い形での排水を求められております。よくお気持ちがわかります。本明川の水を清らかなままそのまま流してほしいというのが、もちろん、議員のおっしゃるように第一義でしょう。そうでなければ、そのよどんだというか、そういった水を浄化してほしいと。そのときに、調整池は大分広範囲でありますから、それがなかなか簡単にはいかないというのも議員御指摘のとおりなのかもしれません。  私は、少なくともこのこまめな排水ということに関しての漁業者の思いというものは受けとめて、例えば百万トンをちょっと超えたりした時期もありましたけれども、そのときには、中村知事に何とかしてくれと、そこは国だと言われましたけれども、そうは言ったって長崎さんでやれるはずだからということも言いながら、調整してもらって──調整したと言えないんでしょうけれども、配慮していただいたと。数字がいいときにはありがとうというふうにも申し上げております。ということで、ここはしっかりと対応しなければいけない、後押しをしなければいけないところだと思います。  一方、この調整池の水質改善というのは、長崎県さんにとってもしっかり取り組まれるべき対策の一つだと私は思います。水質改善について、国、長崎県などの関係者が取り組みを進めておりますけれども、調整池の水質は目標値まで改善しておりません。これは、先ほど言ったようになかなか困難なのかもしれません。ただ、長崎県にとっても、これは喫緊の課題だというふうに思います。  今後とも、開門調査を含む有明海の環境変化の原因究明を国に求めつつも、調整池からの排水による海域への負荷軽減について、国及び長崎県の責任において主体的に取り組まれるように求めてまいりたいと思いますし、中村長崎県知事にもこういった話は、折々、お話しさせていただきたいというふうに思います。  佐賀空港の自衛隊要請に関しまして、コハダ漁のことについてお答え申し上げます。  今回、防衛省がまとめた最終報告では、ヘリの飛行によりコハダが数十秒から数分間沈むことが確認されたという結果になっておりまして、コハダは音に敏感に反応するという大浦支所の漁業者の皆様の考えが裏づけられるとともに、防衛省との共通認識ができたと受けとめております。  また、当たり前のことでありますけれども、漁獲量の変化など、コハダ漁全体に与える影響の程度につきましては、仮に今回の防衛省の計画が実現すれば、佐賀空港における自衛隊機の運用開始前後の漁獲量等の実態を踏まえて確認することとされており、このことについても、漁業者と防衛省の間で認識は一致していると受けとめております。  そのような中で、今回の最終報告に関する多くの報道が、漁業者と防衛省との間で認識のそごがあるような報道になっていることについては、私も非常に残念に思っています。  漁業者と防衛省の間でせっかく認識が一致したにもかかわらず、このような報道となったのは、防衛省が最終報告として公表した資料の、先ほど御提示されたまとめの部分に、ヘリの音がコハダ漁に影響を与えるということをはっきりと明確に書かなかったことが原因ではないかと私は考えております。  防衛省は、漁業者はもちろん、県民に対して誤解を与えることがないように、わかりやすく丁寧に説明すべきでありまして、そのことが漁業者、県民の信頼を得ることにつながっていくと考えております。  先ほどの県議のお話も聞いておりまして、お互い言葉ではわかり合ってやっていることが、最近のいろいろな国の動きを見ていても、どうしても形になると、例えば、相手の言葉だとか相手の気持ちに反応した立場に立ったような字が出てこない。そういったところに非常に官僚の矜持というか、胆力というか、そういったものが大分なくなってきたのではないかなということで、私は非常に危惧しています。  こういう交渉も含めて、いろんなお互いのやりとりというのは、相手があって、そして、その上でできた言葉というものがどれだけ大事なのかということを考えますと、普通でありますと、今回の一つのポイントは、防衛省が音がコハダに影響を与えたということをこんなにも認めてくれたということが大きなポイントですね。そこをしっかり書く、お互いで共有できたということをしっかり書いてあることが一番の信頼のあかしだというふうに思います。  当然、実際に飛ぶヘリはオスプレイが飛んだわけではありませんから、そこについての数字というものについて、実機でやるということについては、これは誰でもわかることだから、そこはそうやって書いておけばいいわけでありまして、人と人が仕事をしていくという意味で一番大事な部分については、ちゃんと言葉で説明する、ちゃんとこういった文書には明記するということが大事だというふうに私は強く認識しておりますので、これにつきまして、しっかりと防衛省に申し伝えたいというふうに思います。  以上でございます。 47 ◎南里地域交流部長 登壇=私からは、西九州新幹線の整備についての御質問のうち、上下分離後の維持管理業務の委託先についてお答えをいたします。  議員からは、委託先を再考すべきという御意見をいただきました。  この肥前山口─諫早間の鉄道施設につきましては、上下分離によりまして、佐賀県と長崎県または両県が設立する法人が保有、管理することになりましたために、国への鉄道事業許可申請が必要となりました。  このため、平成二十八年度にそのさまざまな手続等について国のほうに相談をいたしましたところ、鉄道施設の維持管理については、安全確保の観点から運行事業者が維持管理を行うことが基本であるとの見解が示されたところでございます。これが一つです。  それから、列車の運行を見てみますと、車両の運用でございますとか、電力の供給、それから信号とか通信、そして施設設備の管理、こういったさまざまな業務が統合された鉄道システムとして今管理をされております。いわゆる大きな全体が一つの鉄道システムになっているということでございます。  そうしたことを考えますと、施設設備の管理といったものも、これは基本的には一体的に行われるのが望ましいだろうなというふうに考えております。  それからもう一つ、佐賀─博多間につきましては、特急を運行していただくという約束がございますし、きのうもちょっと議論になりましたけれども、普通列車の肥前山口から佐賀、鳥栖方面への乗り入れといったものも直通運行の確保がございますので、そういったもろもろの全体のことを踏まえますと、維持管理業務につきましては、上下分離後も列車運行を担うことになりますJR九州に委託することが適当というふうに判断をしたところでございます。  上下分離後の業務委託に当たりましては、これは毎年鉄道施設の維持管理に要した費用を実績で精算することになります。  JR九州に対しましては、安全性の確保を大前提といたしまして、可能な限り、コスト縮減に努めていただくことを求めてまいります。  私からは以上でございます。 48 ◎池田農林水産部長 登壇=私からは、ミカンの生産振興と有明海の再生の二つの項目についてお答えをさせていただきます。  まず、ミカンの生産振興について申し上げます。  ミカンは、中山間地域農業の基幹となる品目でありまして、多くの生産農家の経営を支えていますことから、今後とも消費者から選ばれる高品質なミカンの生産や経営規模の拡大を進めるなどして、生産農家の所得の向上を図ることで後継者の就農につなげる好循環をつくっていくことが重要と考えております。  このようなことから、県ではまず、高品質なミカンの生産を拡大するため、国の事業や県単独事業を活用いたしまして、議員から御紹介いただきました土壌水分を調節して糖度を上げるマルチ栽培や根域制限栽培の導入、あるいは食味や貯蔵性にすぐれた県育成品種佐賀果試三十五号など優良品種への改植、さらには品質が上がりにくい極わせ品種からわせや普通品種への改植などの取り組みを推進しているところでございます。  また、生産農家の経営規模を拡大するため、効率的な作業を行うための園内道の設置や、園地の傾斜を緩やかにするための簡易な基盤整備、地域で生産を継続する残すべき優良園地のゾーニングを行い、農地中間管理事業を活用した担い手への園地の集積などの取り組みを推進しております。  さらには、ミカンの生産農家の後継者を確保するため、就農希望者が早期に生産技術を習得できるよう産地の優良な農家での研修を行う取り組み、規模縮小あるいは離農を予定されているミカンの生産農家が持っておられる園地や栽培技術、農業機械などの資産を就農希望者に一括して継承する取り組みなどを推進しております。  県では、今年度から新たに園芸生産農家を初め、市町や農業団体と一体となって「さが園芸生産888億円推進運動」を展開しておりまして、ミカン産地におかれましても、この運動に積極的に取り組んでもらうことで、稼げる生産農家を一人でも多く育成し、ミカンの農業産出額が向上するよう、その生産振興にしっかり取り組んでまいる所存でございます。  続きまして、有明海の再生についてのうち、有明海の漁業振興についてお答えをいたします。  まず、タイラギ資源の回復に向けた取り組みについて申し上げます。  タイラギ資源の回復は、県としても喫緊の課題と認識しておりまして、稚貝の定着を促進することなどを目的とする漁場環境の改善に取り組んでまいりました。  具体的には、まず海底をケタと呼ばれる鉄製の道具で耕しまして、酸素を含んだ新鮮な海水を送り込むことによりまして、漁場の底質を改善する海底耕うんにつきましては、平成十三年度から平成三十年度までの十八年間において、約三万二千七百ヘクタールで実施しておりまして、今年度は約六百ヘクタールでの実施を予定しております。  また、モガイの貝殻を海底に散布し、ケタを使って海底の泥とまぜ込むことによって、タイラギの稚貝の定着を促進するモガイ殻等散布耕うんにつきましては、平成二十六年度から令和元年度までの六年間において約四十五ヘクタールで実施いたしました。  これらの取り組みに加えまして、平成三十年度からは、新たに効率的に漁場環境を改善する技術といたしまして、モガイの貝殻を薄く、かつ広範囲に散布する技術の開発にも取り組んでいるところでございます。  そして、この技術の効果が最大限に発揮されるエリアを特定するため、有明海沖の二百の地点におきまして底質の調査を行い、タイラギの着底を妨げ、そして生育にも悪影響を及ぼすふわふわした泥、いわゆる浮泥ですね、その分布や厚さの状況を把握しているところでございます。  今後とも、これらの漁場環境の改善に取り組みながら、タイラギを食害するナルトビエイの駆除とか、稚貝を移殖し、成長させることで卵を産む母貝集団をつくり出すとともに、国や関係県と連携した種苗生産技術の開発にも積極的に挑戦するなど、一日も早いタイラギ漁業の再開に向け、粘り強く取り組んでまいる所存でございます。  続きまして、ガザミ資源の回復に向けた取り組みについてお答えいたします。  有明海でとれるガザミは竹崎カニとして定着しておりまして、水産資源としてだけではなく、観光資源としても重要な魚種でありますことから、県ではこれまで種苗放流や資源管理等に取り組んでまいりました。  そのうち、種苗放流につきましては、昭和五十四年度から取り組んでおりまして、平成二十一年度からは資源を共有する有明海沿岸四県が連携いたしまして、効果的な放流技術の開発を進めてきたところでありまして、これまでに六月から七月にかけて有明海の湾奥部に放流することで高い効果が得られるということなどが明らかになってきたところでございます。  また、資源管理につきましては、国や有明海沿岸四県及び漁業団体において定めた有明海ガザミ広域資源管理方針に基づいて実施しているところでございます。  この方針によりまして、四県共通の取り組みとして、議員から御指摘がありましたとおり、卵を抱いているガザミの保護とか、あるいは小型ガザミの再放流に加えまして、産卵時期、これは六月から八月ですが、その期間における十五日間のすくい網漁の禁止などに取り組むとともに、本県の漁業者におきましては、自主的に毎週土曜日を休漁とするなど資源の回復につながるよう積極的に取り組まれているところでございます。  県といたしましては、今後とも引き続きガザミ資源のさらなる回復に向けて、資源を共有する有明海沿岸三県と一体となりまして、種苗の放流や資源の管理などにしっかりと取り組んでまいります。  続きまして、西南部地区におけるノリの安定生産に向けた取り組みについてお答えいたします。  西南部地区におきまして、ノリ養殖の生産安定を図るためには、ノリの色落ち対策や赤腐れ病などの病害対策を適時適切に実施していくことが重要であると認識をしております。  そのため県といたしましては、漁期中のモニタリング調査を密に行いまして、漁業者に対し、赤潮や病害の発生などの的確な情報提供や適切な養殖管理の指導に努めてきたところでございます。  さらに色落ち対策といたしましては、原因となる赤潮プランクトンについて、大学と連携しながら発生予測技術の開発を進めております。  その情報を活用いたしまして、海域に不足した栄養塩を添加する適切なタイミングですとか、あるいは赤潮の発生時期が、最も良質なノリがとれる冷凍網期の初めての摘採時期に重ならないように、秋芽網の撤去とか冷凍網の張り出しの時期、そういったものを調節するなど、色落ち被害を少しでも軽減できるように努めております。  また、栄養塩が比較的多い秋芽網期の生産を安定させるため、赤腐れ病対策にしっかり取り組むことも重要でございます。  そのため、乾燥に弱い赤腐れ病を駆除するため、ノリ網を海面から干し上げるとか、病気の蔓延を予防するため早期の摘み取りを行うこと、そういった養殖指導をこれまで以上に徹底することとしているところでございます。  こうした取り組みをしっかりと行うことによりまして、秋芽網期の延長についても、生産安定のための効果的な取り組みの一つとして検討できるようになると考えております。  引き続き、漁業者や有明海漁協と十分連携いたしまして、西南部地区におけるノリ養殖の生産安定につながるよう全力で取り組んでまいります。  最後に、漁港施設のしゅんせつへの支援についてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、有明海沿岸の漁港におきましては、干潟を形成する細かい粒子であります、いわゆる浮泥の堆積が著しく、漁船が停泊する泊地や航路のしゅんせつは地元漁業者にとって大きな負担になっているということは承知しているところでございます。  漁港の管理者であります市町が行います泊地や航路のしゅんせつにつきましては、現在、国庫補助事業であります市町営漁港施設ストックマネジメント事業を活用して実施されております。  議員からは、平成十二年度に行った事業では、国二分の一、そして、県三割の補助があったと御指摘がございました。その後、活用できる事業の種類が変わったりするなどの変遷をたどりまして、先ほど申し上げました市町営漁港施設ストックマネジメント事業のしゅんせつにつきましては、平成二十四年度から昨年度までは県費補助は行っていなかったところでございます。それを今年度からは県費一五%の補助を行うようにいたしまして、地元漁業者の負担軽減を図っているところでございます。  また、これまでのしゅんせつにつきましては、浮泥が堆積し、漁船の停泊や航行に支障を来すようになってから実施をされておりまして、そのために相当な費用を要しておりました。それを定期的に実施することが経費の節減につながりますために、今後は漁港ごとに策定された機能保全計画に基づいて、計画的に実施されますよう市町を指導していくことといたしております。  一方で、しゅんせつ以外の取り組みといたしまして、佐賀市などの漁港では、佐賀県有明海漁協が船のスクリュー回転を利用いたしまして、桟橋付近の浮泥が堆積しないように攪拌、除去作業に取り組まれております。また、県管理の福所江漁港などにおきましては、浮泥の堆積を軽減させるために、漁協の協力を得ながら、水中ポンプで海水をくみ上げまして、桟橋から放水することで、泊地に堆積した浮泥を押し流す取り組みを行っているところでございます。  こうした取り組みは、漁港の立地や施設の配置によりましては効果や費用などに課題もありますことから、今後、より有効的な対策となりますように、関係市町や漁協などと一緒になって検討していきたいと考えております。  今後、漁港におきますしゅんせつや浮泥対策につきましては、関係市町や漁協などと連携いたしまして、地元漁業者の負担軽減につながるように取り組んでいきたいと考えております。  いずれにいたしましても、県といたしましては、タイラギやガザミを初めとする水産資源の回復、あるいはノリ養殖の安定生産のための取り組み、さらには漁港の適切な管理など、さまざまな対策に漁協や漁業者、国、関係する県、市町などとしっかりと連携いたしまして、有明海の漁業振興に努めてまいる所存でございます。  以上、お答えいたします。 49 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=私からは、幼児教育・保育の無償化についてお答えをいたします。  初めに、保育士の確保についてでございます。  幼児教育・保育の無償化に伴い、保育ニーズが増加する傾向にありまして、保育士の確保は重要でございます。  これまでの取り組みについて申し上げます。  今年度は、昨年十一月に実施した保育士意識調査において、条件が合えばすぐにでも保育士として働きたいと回答された潜在保育士、県内に約百八十名いらっしゃいますけれども、そういった方々に対するアプローチに重点的に取り組んでいます。  具体的には、潜在保育士に対してダイレクトメールを送付し、保育士・保育所支援センターの案内ですとか、就職準備金の貸し付け、トライアル雇用制度等の支援を紹介したほか、その方が居住されている市町独自の支援策などを案内してまいりました。  また、ミニ就職説明会を佐賀市など九市町で九回、十月と十一月に「保育と介護のJOBフェア」を佐賀市と神埼市で開催いたしました。  このほか、保育士を目指している学生に対しましては、県内外の保育士養成施設に対して、保育団体が行う就職説明会の案内を行ったほか、福岡県と長崎県の保育士養成施設二十一校を訪問し、県と市町が実施している保育士確保策の説明と求人票を提供しております。  これから学生の就職先が決まる時期であり、また、保育士・保育所支援センターを通じた就職も、例年、年度末に向けてふえていきますことから、現在、取り組みを加速しているところです。  また、県内の保育施設で必要としている保育士の数を調査しまして、求人を開拓するとともに、働く意向を示したものの、就職に結びつかなかった潜在保育士について、その理由を把握し、雇用のミスマッチを解消すべく、引き続き丁寧なマッチングを行ってまいります。  次に、事務負担の軽減についてでございます。  無償化に伴いまして、御指摘がありましたように、新たに副食費、おかず代を徴収することになった施設ですとか、副食費が免除される子供と徴収すべき子供の特定、保護者への領収書等の発行業務、また、複数の市町から児童を受け入れている場合には、例えば、一時預かりの利用料金の取り扱いなど、書類の提出や支払いの方法など事務手続が市町によって異なるケースが発生します。こういったように、保育の現場ではさまざまな業務負担が発生しております。  県では、平成二十九年度から、保育士が行う保育の補助や保育日誌の記録等を行う保育補助者を雇用することで、職場環境の改善に取り組む保育施設への経費の補助のほか、今年度からは、おもちゃや遊具などの消毒・清掃、給食の配膳・後片付けなどの保育の周辺業務を担う保育支援者を雇用する保育施設に対して、その経費の一部を補助しておりまして、これらの事業の活用により、無償化に伴う保育士の業務負担の軽減を図っていただきたいと考えています。  無償化が決まってからこれまで、まずは十月を円滑にスタートさせることに注力してきましたけれども、これからは市町や施設との意見交換を重ね、お互いが煩雑さを感じないよう、県もどのようなフォローができるのか検討してまいりたいと思います。  次に、家庭保育への支援についてでございます。  女性の社会参加が進み、勤労者世帯の過半数が共働き世帯になるなど、ライフスタイルが変化、多様化し、価値観もまた多様化しています。そうした中、議員も御発言ありましたとおり、子供が小さいときは保育所に預けずに家庭で子育てをしたいというお考えの方も多くいらっしゃると思います。子供の成長を身近で感じ、子供がさまざまな体験ができるよう丁寧に子育てをしていらっしゃって、すばらしいなというふうに思います。
     また、保育所に預けていらっしゃる場合も、保育の専門である保育士ですとか多くの大人、多くの友達と過ごすことも、また子供の成長にとってよいものだと思います。どちらの子育ても応援していく必要があると思っています。  家庭で保育を行う保護者への支援につきましては、保育所などへ通っている家庭と比べまして、子育てのアドバイスを受けたり、気軽に相談したりする機会が少ないのではないかと思います。悩みなどを一人で抱え込まないよう、行政がサポートすることが大切だと考えています。  今行われている具体的な支援を幾つか御紹介しますと、認定こども園、幼稚園や保育所などでお子さんを短時間お預かりする一時預かりですとか、子育ての不安や悩みを相談したり、相互に交流できる場である地域子育て支援拠点、これは地域によって子育て支援センターですとかサロン、広場といった愛称がそれぞれついております。それから、保護者が病気や仕事などの理由により一時的に子供の養育が困難になった場合に、児童養護施設などで子供を預かるショートステイ、育児の援助を受けたい方と行いたい方を仲介するファミリー・サポート・センターなど、こうした子育て支援サービスがございます。  県では、こうした子育て支援サービスの概要や施設の場所を初め、役立つ情報を「子育てし大県”さが”」のポータルサイトに掲載するほか、フェイスブックでも地域で子育て支援に取り組む団体の紹介を発信しています。  また、子育て中の家庭が買い物などで店舗を利用するときに割引やサービスを受けられる「子育て応援の店事業」を行っておりまして、これは登録いただいた会員の皆様に定期的に配信しているメールマガジンがございますけれども、子育てに関連した役立つ情報を発信しております。  家庭で保育を行う保護者にこういった支援や団体があることを知ってもらえるよう、必要な情報がきちんと届くように、今後とも、工夫を重ねながら取り組んでまいりたいと思います。  家庭で保育を行う保護者も大切に、多様な子育て家庭を応援していきたいと考えております。  私からは以上でございます。 50 ◎落合教育長 登壇=私には、県産果物の学校給食への利用拡大について、四年半ぶりの御質問をいただきました。  先ほど議員からも少し触れていただきましたけれども、毎年行っております「学校給食における県産農林水産物等の利用状況調査」によりますと、学校給食における県産農林水産物等の利用割合は、平成二十三年度では四〇・一%だったところ、平成三十年度には四三・四%と、飛躍的にとはいきませんけれども、着実にここ数年は伸ばしてきているという状況であります。これは学校給食関係者などの積極的な取り組みがあってのたまものだというふうに考えております。  一方で、残念な結果でありますが、果物の利用状況につきましては、これは一週間に果物を単品で利用した回数が何回かという調査なんですけれども、毎年十一月に定点的に調査をされていますが、先ほど御紹介もありましたが、平成二十七年には〇・七五回だったものが、平成三十年には残念ながら〇・六二回と減少しております。  どうしてこういうふうに減少するのかという理由を市町の教育委員会のほうに聞きましたところ、野菜に比べて果物は高い、あるいは先ほど議員も触れられましたが、提供するには三回以上洗浄する必要がある、また、果物に対するアレルギーを有する児童生徒への対応が必要になるといったような事情で、慎重に取り扱っているということがあるようでございます。  なかなか給食で取り組みが進まない、こういう状況の中で、学校においては、子供たちが健康な体づくりに必要なビタミン、ミネラルが多い果物について理解を深め、食べる習慣が身につくよう、積極的な食育には取り組んでいるところでございます。  例えば、小学校の社会の授業らしいですけれども、地域で生産されているミカン等について、生産者の方から直接話を聞いたり、実際にミカンの収穫を体験して生産者と一緒に食べる交流の場を設けたりするなど、子供たちに地域の食材や、それにかかわる人々をより身近に感じさせるような取り組みを行っている学校もあります。こういった取り組みはぜひ広がってほしいなと私も思います。  県教育委員会といたしましては、果物を初めとする県産食材の学校給食への利用拡大を、市町教育委員会に働きかけるとともに、学校における食育の充実を図り、子供たちが果物を食べる習慣を身につけるための取り組みを進めてまいります。  以上です。 51 ◎議長(桃崎峰人君) 本日の会議はこれで終了いたします。あす六日は一般質問、請願上程、議案及び請願の委員会付託を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後六時二十五分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...