佐賀県議会 2018-11-11
平成30年度決算特別委員会(第5日) 本文 開催日:2019年11月11日
最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時 開議
◯石倉委員長=おはようございます。本日は
総務常任委員会関係の質疑を行います。
通告に従い、順次発言を許可いたします。
2 ◯藤崎委員=おはようございます。藤崎でございます。早速、質問に入らせていただきたいと思いますけれども、きょうは
決算特別委員会ということで、財政についてまず質問をさせていただきたいというふうに思っております。
皆さんの仕事の最も重要な財政の管理でありますけれども、要はいかにして県民のためにお金を、財源を集めて、そして県民のためにいかに支出をしていくかと。そういう経済活動について議会の議決に沿って適正に支出がされたかということについては、監査委員さんのほうでしっかりと審議、審査をしていただいているわけであります。そういった等の意見に基づいて質問をしていきたいというふうに思っております。
監査におかれては言うまでもなく、計数は正確であるか、予算は議決の趣旨に沿って執行されているのか、経理事務は関係法令等に従い適正に処理されているのか、財産の管理運用及び取得・処分は適切に行われているのか、そういったことを主眼に関係帳簿及び証拠書類を照合し、関係者の説明を求めるとともに、しっかりと定期監査及び
例月出納検査の結果等も考慮しながらしていただいたというふうに理解をしております。
そうして審査を行った結果、平成三十年度の県決算の数値は会計帳簿などと符合していること、
歳入歳出差引残高は
指定金融機関等の預金あり高と符合して正確であることを確認していただいております。また、重要と思っております予算の執行については、議決の趣旨に沿って執行されているというふうに確認をしていただいております。
一方、収入未済、繰り越し、不用額、財産及び
財務関係事務等に関し、個別の審査意見等が出されております。きょうはそういった等について質問がされるわけでありますけれども、この意見に記載された中で特に気になった多額の不用額により実質収支が高い水準となっていること、財務事務に精通した職員が減少するなど、看過できない構造的な問題が認められる状況をどう改善するのかなどについて質問をしていきたいというふうに思っております。
そこで、早速でありますけれども、初めに平成三十年度の県決算の概要についてお尋ねをしたいというふうに思います。
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◯寺島総務部副部長=平成三十年度の県決算の概要についてお答えいたします。
平成三十年度一般会計の決算は、歳入が四千四百七十三億三千四百万円、歳出が四千三百八十六億六千二百万円となっておりまして、歳入から歳出を差し引きました形式収支から、さらに
事業繰り越しに伴う翌年度へ繰り越すべき財源を控除いたしました実質収支につきましては五十三億二千三百万円の黒字でございまして、平成二十九年度に比べ六億四千九百万円増加しております。
以上でございます。
4 ◯藤崎委員=黒字ということで、非常にそのこと自体、喜ばしいことでありますけれども、実質収支額については五十三億円と非常に多額となっております。これまで
決算特別委員会において幾度となく指摘されてきたことであろうかと思いますけれども、これまでの実質収支の推移についてであります。実質収支はどのように推移してきているのか、お尋ねをしておきたいと思います。
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◯寺島総務部副部長=実質収支の推移についてお答えいたします。
実質収支につきましては、昭和六十年度が十二億円でございましたけれども、その後、平成十五年度まではおおむね十億円台から二十億円台で推移をしておりました。その後、三十億円前後となりまして、
リーマンショック後の平成二十一年度以降を見てみますと四十億円台から六十億円台となっております。
直近五カ年で見てまいりますと、平成二十六年度が約五十三億円、平成二十七年度が約五十六億円、平成二十八年度が約四十億円、平成二十九年度が約四十七億円、そして平成三十年度が約五十三億円となっているところでございます。
以上でございます。
6 ◯藤崎委員=今、御説明いただいたように、平成二十一年度決算に五十二億円ということで急激に上がったわけでありますけれども、これは先ほども説明していただいた
リーマンショックの影響を受けた国の経済対策、県では当時、
経済総合対策ですか、をやっていただきました。そういったところの影響もあるんだなというふうに思ったわけであります。
ただ、総じて非常に高い数字が来ておりまして、このことについては何とかしなきゃならないんじゃないかというふうにも思うわけでありますが、ここで実質収支の率についてであります。本年度は実質収支率二・一%というふうな説明もありましたが、二・一%という数字は前年度の全国平均の大体ほぼ二倍に当たるわけであります。今後の財政運営を考えたときには、弾力的な運営ができるためには余剰金というのが必要かというのは十分理解できるんですけれども、財源の有効活用という観点からいえば、適切な財政運営ではないんではないかというような指摘も当たるかと思います。
そういう意味で、本県の今回出ておりました
実質収支比率の二・一%、この二・一%という数字についての見解をお伺いしておきたいと思います。
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◯寺島総務部副部長=
実質収支比率の二・一%に対する認識というお尋ねでございます。
この
実質収支比率といいますのは、平成三十年度の全国の状況というのはまだ公表されていない部分がございますので、平成二十九年度で見てみますと、今、委員からも御指摘ありましたように、本県が平成二十九年度一・八%で、東京を除きますと一・一%なんですが、東京都を含む四十七都道府県の平均でいいますと二・一%、それよりも低い水準ですが、いわゆる財政力が同程度の類似団体の平均と比べますと、同じ一・八%となっております。
委員からも御指摘ございましたように、実質収支といいますのは、多ければよい、少なければよいというものではなくて、なかなか評価というのは難しいところございますけれども、一般的には三%から五%程度が望ましいというふうなことを言われている部分もございます。そういう意味ではその範囲内にはあると思ってはおりますが、五十三億円というこの数字は決して少ない額とは言えませんので、そこはやはり縮減に努めなければならないというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
8 ◯藤崎委員=大体三%程度あればいいのではないかということですけれども、多額になっているということなんですよね。
何でここのところを下げていかなきゃならないのかというと、やっぱり一つには地財計画の中で財務省から指摘をされないように、適切にしっかりと計画に沿った形で歳出が行われるというところに重要な点があるのかなというふうに思うわけであります。
そういう意味では、全国的な平均の部分もしっかりと見据えながらやっていただかなきゃならないのかなというふうに思うわけであります。
では次に、
歳出不用額の認識についてであります。
実質収支額が
歳入歳出予算に対する
収入過不足額と不用額の合計となれば、実質収支額を押し上げる要因となる
歳出不用額が増加していることも問題だというふうに思うわけであります。こうした状況をどのように認識しているのかお伺いしたいと思います。
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◯寺島総務部副部長=歳出不用額が増加していることに対する認識ということでございます。
平成三十年度の歳出不用額は六十九億三千七百万円で、前年度の三十九億九千万円と比較いたしまして二十九億四千七百万円の増というふうになっております。
このように
歳出不用額が大幅に増加した要因でございますけれども、一つは国の二次補正予算を活用しようということで、昨年度の二月補正予算に計上した事業の中に一部国庫不採択により
歳出不用額が二十億二千九百万円生じたと、そういったものもあったということがまずございます。それから、退職手当の不用額が九億一千五百万円増加したということ、この二つが大きな要因となっているところでございます。
なお、今回、国の補正予算に伴って二次補正予算に計上した事業で多額の不用額が生じたというのは余り普通はございませんで、異例のことだったというふうに考えております。
以上でございます。
10 ◯藤崎委員=異例ということであれば、その部分がなければ大分少なかったのかというところは気にかかるわけでありますけれども、
実質収支比率、先ほど説明いただきましたけれども、これを下げていく上で実質収支額が増加をしている理由について、しっかりと分析をして改善していかなきゃならないと思うわけですけれども、ただ、先ほども説明いただいたように、ある意味、なかなか県においてコントロールできない部分も多くあろうかというふうに思うわけであります。
その実質収支額が増加をしている理由については、一つは先ほども説明いただいた
国庫認証減等に伴った歳出の不用であります。二つ目に、税収が見込みよりも増となったと、景気がよくなった、非常にいいことだということであります。三つ目に、特別交付税が二月補正に間に合わない時期に内示を受けることなど制度的な課題であります。
いわゆるこういったものは、やむを得ずということになろうかと思うんですけれども、この辺のところは、税収においては県として情報収集をするという努力等はあろうかと思います。ただ、なかなかそこは県として手の届かない部分が実は多いんじゃないかなと思うんですけど、こういう県としてコントロールできない部分についてどういうふうな見解をお持ちかお尋ねしたいと思います。
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◯寺島総務部副部長=実質収支額を押し上げる要因となっているものを幾つか委員からございましたが、委員おっしゃるとおり、なかなか県で正確に見込むことが難しい項目というのがございます。
一つには、委員御指摘がありましたように県税収入ですとか特別交付税の部分というのは、なかなかそこは正直難しい部分がございます。
例えば、県税収入であれば、さまざまな企業のほうから業績について、税政課でいろいろヒアリングをしておりますので、そういったところを丁寧にやっていくということに尽きるのかなというふうに思います。
特別交付税につきまして、総務省と密に情報交換しながら、そのあたりの状況というのをできるだけ正確につかめるように努力する以外にないのかなと思っております。
それ以外に、例えば、扶助費のような義務的なものというのは、これは不足がないようにしなければならないという部分もございます。こちらのほうも非常に見込むのが難しゅうございますので、これは関係の市町ですとか、あるいは団体ですとか、そういったところと密に情報交換をして、その状況を正確に把握するということに努める以外、抜本的なといいますか、決定的なこういうものをやればというものは見出せていない状況でございますので、引き続き、できるだけ正確な予算の把握、経費の把握に努めるということに尽きるのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
12 ◯藤崎委員=それでは、
歳出不用額の増加したことへの対応で具体的にお尋ねしたいと思いますけど、その増加に対してどう対処していくのか質問いたします。
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◯寺島総務部副部長=
歳出不用額が増加していることに対してどのように対応していくのかということでございます。
従前から私どもの
歳出不用額の縮減を図るために、各部局に対しましては予算の見積もりの精度を高めていただくということとあわせて、年度途中の予算の執行状況というのを踏まえて適切に減額補正をしていただくように求めているところでございます。
また、平成三十年度は不用額が非常に大きくなったということもございましたので、不用額の一層の縮減に向けまして、平成三十年度に不用額が多かったもの、具体的には五百万円以上と多かったものを今ちょっと絞り込んではおりますけれども、それについて一つ一つ、その要因というのを各課のほうに確認しているところでございます。
今後、その内容を踏まえまして、来年度の当初予算あるいは今年度の補正予算とかで適切な
予算見積もりになっているかどうかということについて、私どもでチェックをさせていただき、不用額の縮減に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
14 ◯藤崎委員=かつて本部制であって、今、新たに部局制にまた戻ったわけでありますけれども、そういう意味では平成二十八年度、先ほど不用額が多かった事業について、要は確認をしていくというふうな話がありました。
平成三十年度、やっていかれるんだろうけれども、要は予算査定が始まった平成二十八年度でしたか、そのときからそのことについては取り組んでいただいているんだろうというふうに思うわけであります。
まだ年数がたっておりませんから、この間、長い間、予算査定がなされてこなかったという意味では、そこのところのノウハウをしっかりと今積んであるところなのかなというふうには思うわけですけれども、この間、どういった状況であったのかお尋ねしておきたいと思います。
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◯寺島総務部副部長=今、委員からございましたように、
予算査定復活をしましてからまだ数年しかたっていない状況でございますが、この間、予算の
見積もり査定の中におきましても、
歳出不用額の多さというのは、私どもは問題意識として持ってございましたので、それぞれ予算の内容をチェックするときに、昨年度までどの事業でどういった不用額が出ていたのかといった情報というのは共有をして、それを見ながら査定はさせていただいたところでございますが、平成三十年度、またさらに大きなものが出たものですから、より詳細に分析を行おうということで取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
16 ◯藤崎委員=ここで心配といいますか、気にかかる点が一つあって、それは先日報道でありました国の新たな経済対策であります。
当然、消費税の影響、もっと言えば災害への非常に厳しい景気への影響、こういったところを適切に対応していくというのは、非常にタイムリーで大事なことだというふうに思うわけでありますけど、一方で、今議論させていただいている実質収支額について言えば、やはりこういう大きな事業が国から来たときには、どうしても年度末にそういったものが明らかになっていく中で、繰り越さざるを得ないというのが当然あろうかと思うわけであります。
当然繰り越しになれば、再度の繰り越しはできないということで補正の見直しもできないわけでありますから、となりますと、今後もっと大きな実質収支額、また入札の減などあれば不用額も生じてこようかなというふうに思うわけですね。
こういったところについて、しっかりと対応を今から──もちろんなかなか簡単じゃないというのはわかります。それは本当難しいことだろうなと察しますけれども、そこは財源の効率的な運用ということで、しっかりと取り組んでいただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。
この際、もう一つお尋ねしておきたいことがありまして、使い残し奨励制度であります。
かつて本部制のときには、いわゆる三位一体の改革、当時百四十五億円ほど基金を取り崩したのかなと思うんですけど、大変厳しい影響がありました。
二百二十億円交付税の影響があったとか、当時話があって、
交付税ショックというふうな話もありました。そういうことも受けて、本部制の中でいろんな取り組みをされたというふうに認識しております。
その一つが、今言った使い残し
奨励システムというふうに記憶をしております。
これは執行段階においても、いかに効率的に、かつ無駄がなく、そして適切な時期にその予算を執行するということで、非常に大事な、工夫という意味においても有効であるかというふうに思うわけですけれども、これは本部制がなくなって、今の制度に戻って、その後どうなったのかなというふうに思うので、この際お尋ねをしておきたいと思います。
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◯寺島総務部副部長=予算使い残し
奨励システムについてでございます。
委員からも御紹介がございましたように、以前、本部制の導入をしたときにこの予算使い残し
奨励システムというものが導入されたわけでございます。
その後、平成二十八年度に本部制から部局制に移行ということになりまして、そのときは財政上の調整の関係もございましたので、平成二十八年度当初予算におきましては、この使い残し
奨励システムというのは実施しておりませんでしたけれども、平成二十九年度からはまた復活をさせて、現在も実施しているところでございます。
この予算使い残し
奨励システムといいますのは、もちろん当初予算、補正予算というのは見積もりを適切に行う、精度を高めるというのが当然でございますが、その上で、さらに
予算執行段階でさまざまな工夫をして節減の努力をするといったもので、それで生み出されたものを次年度の予算にまた上乗せするというものでございまして、職員に対しては意識的に予算の節減に取り組むことを促すという意味で効果があるものだろうというふうに考えているところでございます。
そういうことによりまして、不用額の縮減ということにも一定の効果はあるのかなというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
18 ◯藤崎委員=相両面から指摘があるわけですから非常に悩ましいところもありますけれども、ただ、そういった姿勢というのは非常に大事なことだというふうに受けとめます。
しっかりとそういった視点において、今後も予算を執行していただきたい。そして、本県は自主財源が厳しいわけでありますから、そういったところで財源を無駄なく使う、しっかりと使うという視点でもって取り組んでいただきたいというふうに思うわけです。
この不用額について、難しいとわかっておりますけれども、やはり平成十二年、当時の井本知事が不用額について、平成十一年度決算においては
歳出不用額は十一億五千六百万円、今と比べるともっと低いわけでありますけれども、この金額において当時の井本知事が本会議場で、この問題を真摯に受けとめ、そして反省の上に立って、今後とも適切な予算を見積もり、執行管理の徹底を行うとともに、補正予算において適切な減額措置等を講じるなどして
歳出不用額の縮小に努めてまいりますというふうに答弁をされております。
今の課題に限らず、ずっとこういった問題というのは、これからも恐らく生じてこようかと思うわけですけれども、この姿勢で今後も取り組んでいただきたいというふうにお願いしておきます。
次に、
財政関係指標の認識について質問をさせていただきます。
今回、財政関係の指標として先ほども御説明いただきましたけれども、
実質収支比率、
経常収支比率、
実質公債費比率、将来負担比率及び
財政力指数等がありますけれども、この各指標の現状認識について伺っておきたいと思います。
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◯寺島総務部副部長=
財政関係指標の認識ということで、五つ、順次お答え申し上げます。
まず、
実質収支比率でございますが、これは先ほども御答弁申し上げましたけれども、若干重複いたします、御容赦ください。
標準財政規模に対する実質収支額の割合をあらわします
実質収支比率は、平成三十年度決算では二・一%となっております。先ほども申しましたが、平成三十年度の全国の状況がまだ公表されておりませんので、平成二十九年度で比較をさせていただきますと、本県は一・八%で、東京を含む全国平均の二・一%より〇・三ポイント低くなっておりますが、財政力が同程度の類似団体の平均一・八%と同じ水準となっているところでございます。
次に、
経常収支比率でございますが、こちらは財政構造の弾力性をあらわす指標ということでございますけれども、平成三十年度決算では九三・五%となっております。
こちらも平成三十年度の状況がまだ公表されておりませんので、平成二十九年度で比較をさせていただきますと、平成二十九年度は本県九三・三%でございまして、全国平均の九四・二%を〇・九ポイント下回っている。また、財政力が同程度の類似団体と比べますと、平均九五・二%を一・九ポイント下回っているという状況でございます。
それから、
実質公債費比率、将来負担比率でございますけれども、財政の健全化を示す指標でございますが、
標準財政規模に対する公債費の大きさをあらわします
実質公債費比率は九・四%、
標準財政規模に対する県債残高等の大きさをあらわす将来負担比率は一一一・六%となっておりまして、この二つの指標はいずれも
財政健全化計画の策定を義務づけられる
早期健全化基準を大きく下回っているところでございます。
また、こちらは都道府県別の速報値が出ておりますので、そちらのほうで申しますと、
実質公債費比率はよいほうから数えて八番目、将来負担比率のほうは、よいほうから数えて四番目でございまして、全国的に見ましても、本県は非常に健全な状況を保持しているという状況でございます。
それから、財政力指数でございますが、こちらは
地方公共団体の財政力をあらわすものでございますが、平成三十年度は本県〇・三四六四七%となっております。
この財政力指数というのは、一に近づくほど財政力が強いというものでございますけれども、平成三十年度は全国で四十位と相対的に低い状況にございます。
以上でございます。
20 ◯藤崎委員=今、説明を聞いていて思うのは、非常に財政運営については堅実に努力をしているというふうな評価ができるんだなと思ったわけであります。
ただ一方で、構造的な問題であろうというふうに思うわけですけれども、財政力がやっぱり厳しいと。自主財源がなかなか地方においては厳しいんだろうなというのは当然わかってくるわけですけれども、冒頭から申し上げたように、いわゆる国の経済対策もありますけれども、いざ、いいばかりじゃなくて、三位一体のような逆に交付税を減らされる可能性もいつ何どきあるかわからないということ、また、不測の事態等を踏まえれば、しっかりとした自主財源の確保に向けて財政力を強めていくということは大事だろうというふうに思うわけであります。その一層の健全化は進めていかなければならないということであります。
次に、
財務関係事務等の改善についてもこの際伺っておきたいと思います。
監査委員の意見への対応についてであります。
大変厳しく不適切な事務処理の背景ということで、財務事務に精通した職員が減少していることなどが挙げられております。これは構造的な問題があるというふうな意見が出されておりますけれども、今後どのように対応していかれるのかお尋ねをしておきます。
21 ◯藤崎行政経営室長=構造的問題があるという意見への対応についてお答えいたします。
県民から信頼される行政運営を行っていくためには、事務処理等の誤りを発生させないことが重要だと考えております。
今回、職員が減少していることなど構造的な問題があるという指摘を受けておりますが、行政サービスが複雑多様化している中で特定の分野だけに精通した職員の配置を行うことは、限られた人材の中では非常に難しいと考えております。このため、まずは職員一人一人の事務処理能力を向上させる必要があるため、従前から会計事務を初めとする各種研修、eラーニングなど職員の育成、習熟を図ってきております。
これに加え、平成三十年三月からは、会計事務チェックシートにより会計事務処理の手順を担当職員がみずからチェックし、決裁ラインでの不備、誤りがないかのチェックに活用する取り組みを行っております。
また、懸案事項や事務事業を組織として共有し、確実に引き継ぐことも、事務処理の誤り等を防止する上で重要であると考えております。そのため、昨年十月から担当者間の事務引き継ぎのマニュアル化を実施し、さらに本年九月には過去の失敗事例やその予防策を項目に追加するなど、必要に応じ運用見直しを行ったところです。
今後も各種研修等を活用し、職員の事務処理能力を向上させ、業務を一つ一つ確実に引き継ぐことで不適切な事務処理の防止に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
22 ◯藤崎委員=しっかり取り組んでいただきたいというふうに思うわけでありますけども、一方で平成十六年の三位一体の改革の折の
交付税ショックを受けて、いわゆる当時緊プロに取り組まれて職員を五百人ほどでしたか、削減をしてこられたといったところから、非常に厳しい現状もあるのかなというふうに察するわけであります。要は役割分担が明確にしていけない、補助部分がなかなかできない部分もあろうかなというふうな心配もしております。職員の数の問題はもちろん、そのとき今後の見通しを踏まえて適切にやっていかなきゃならない、ふやせばいいということじゃなかろうかとは思うんですけども、大変厳しい現実はあるんじゃないかなと思うわけであります。ただ、そういった指摘を受けて、当然ここはしっかり対応していただかなきゃならないということであります。
そういった中で、内部統制制度の検討状況についてであります。
来年四月からは、地方自治法が改正されたことを受けて内部統制制度が導入されるというふうに聞いております。法改正の趣旨、そして、現在の検討状況についてお尋ねをいたします。
23 ◯藤崎行政経営室長=内部統制制度の検討状況についてお答えいたします。
平成二十九年六月に地方自治法等の一部を改正する法律が公布されましたが、改正の趣旨は、
地方公共団体等における適正な事務処理等の確保並びに組織及び運営の合理化を図るため、内部統制に関する方針の策定等について定められたものでございます。
この改正法を踏まえまして、都道府県知事は内部統制に関する方針を定め、これに基づき必要な体制を整備すること、方針を策定した長は、毎会計年度内部統制評価報告書を作成し、監査委員の意見を付して議会に提出するということが求められております。
現在、総務省から示されたガイドラインを踏まえまして内部統制を運用していくに当たって、対象とする事務、全庁的な体制について整理、検討を行うとともに、関係部署において業務レベルでのリスク対応策の検討作業などを進めているところでございます。
今後、来年四月の制度導入に向けまして制度の詳細を詰めていくとともに、令和二年二月議会で内部統制に関する方針の説明、令和二年三月に方針の策定、公表を行いまして、四月から制度の運用開始、令和三年度には令和二年度の内部統制評価報告書の作成、報告を行っていく予定としております。
以上でございます。
24 ◯藤崎委員=非常に大変だなというふうに見ておりますけども、やっぱりきちっとした対応がしていけるように今後もそういった新たな事務にも取り組んでいただきたいというふうに思うわけであります。
ここでせっかくでありますので、この際、久本監査委員さんに、久本監査委員は当然県の業務、また、財務等は当然ですけども、改めて監査委員としてまたいろんな内容についても整理して知事のほうにも意見書を出していただいて、議会のほうにも出していただいております。全てにおいて既に整理して出されておりますけども、改めてこの際、監査委員の御意見を賜りたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
25 ◯久本監査委員=審査意見も踏まえて、平成三十年度の監査結果も踏まえて意見をということでしたので、幾つか審査意見書の中で意見を申し上げたものの中のうち、また、本日の議論の中でも出てきたテーマである不用額について私なりの考えも踏まえて意見を申し上げたいというふうに思います。
不用額が歳出予算との乖離によって生じるというところは論をまたないところだというふうに思っています。言いかえると、予算の見込みが甘かったというんでしょうか、見間違えていたということなんだろうというふうに思います。
その予算について私なりの認識を申し上げますと、予算というものは知事の政策の方針、あるいは考え、思い、そういったものをお金という形に定量化したものだというふうに思っています。そして、その原資は税金であるということ。さらに、その予算の調製過程においては、執行部の中でも、あるいは議会の中でもさまざまな議論が行われて調製されるということ。そして、最終的には県民の代表である議会の議決をもって成立するというような非常に重いものだというふうに考えております。
そうした予算に多額の不用額が生じているということについては、決算の審査意見としても申し上げてきたところであります。不用額が発生する背景については先ほどの総務部からの答弁でもるる説明がありました。一例としては、社会保障経費などの義務的経費に不足が生じてはいけないというようなことも示されました。そういったことは十分我々としても理解するところではありますけれども、監査として不用額の縮減を要請してきた中で、ここ二年連続して不用額が増加してきたという現状は、率直に言って残念という思いであります。その上で、不用額の縮減に向けては藤崎委員と総務部との中で対策が示されたところでありますので、これからの取り組みを関心を持って見ていきたいというふうに思います。
私から最後になりますけれども、予算と決算に多額の乖離が生じることで予算というものへの信頼が薄らぐというんですか、そういうことがあってはならないというふうに思っております。予算を要求する側、そして、それを受けて査定する側、それぞれが予算への精度を高めていただいて最小限の不用額、不用額が縮減することを期待しているところです。
私からは以上です。ありがとうございました。
26 ◯藤崎委員=ありがとうございます。イレギュラーでしたけども、今、意見を賜りながら、ああ、質問してよかったなと思いました。
当然、もちろん厳しい指摘でありますけども、私自身、実は今聞きながら一つ、議員になって今四期目ですけども、ずっと思っていたことがありました。それは県の事業について、やっぱり我々は議員ですから、要はただそうとするわけですね。ただしていく中で、いつも最後行き着くのは整合性、あっ、きちっと整合性がとれているんだなというのはすごいなというふうに思っていたんですね、何で整合性がとれるんだろうと。
今、監査委員さんの話を聞きながら、あ、そうかというふうに思いました。要は予算への信頼、これがまず第一だと。そして、知事の考え、思い、これをお金という形にあらわしていく、予算化をしていく。それを議会で審議をしていく。つまり、多くの皆さんの議論に基づいて物事が決まっていく。だから、当然その中で考えが違う、立ち位置が違う、いろんな思いがありますけども、やっぱり議論をしていくから、時代が移っても、振り返ってみると、あのときはこういう議論がなされてこういう結果が出たんですよという説明ができる。そういう意味で整合性がとれているんだなと。今本当にそういった意味でも話を聞いて非常によかったなというふうに思いました。ありがとうございました。
次に、佐賀県行財政運営計画について質問をしたいと思います。
この間、「佐賀県行財政運営計画二〇一五」について取り組んできていただいておりましたけども、行財政運営の土台となる計画、この二〇一五を策定して、そこに掲げた目標達成を意識してさまざまなことに取り組んでいただいています。六月議会には目標としていた財源調整用基金残高を確保するなど、行財政運営計画二〇一五の実績が報告をされました。
そこで、収支改善対策のために行われた取り組みについてですけれども、中期投資見通しについてお尋ねをしたいと思います。
収支改善対策として社会資本整備の予算について、平成二十七年度から平成三十年度までの四年間の投資総額を二千九百五十億円と設定しておられました。このいわゆる中期投資見通しの実績、成果についてお尋ねをいたします。
27
◯寺島総務部副部長=中期投資見通しの実績、成果についてお答えをいたします。
行財政運営計画二〇一五において設定をしておりました中期投資見通しに基づきまして、平成二十七年度から三十年度までの四年間の投資的経費の総額、こちらを二千九百五十億円確保しつつ、計画で目標としておりました投資的経費の抑制額百四十五億円を若干上回る百五十六億円を捻出したところでございます。
以上でございます。
28 ◯藤崎委員=投資的経費でありますけども、今後この投資的経費については、当然、今現在取り組んでおられます国スポ・全障スポの開催に伴うSAGAサンライズパークの整備を初め、空港の滑走路延長、機能強化、また、城原川ダムを進めてまいります。その他新幹線の負担もあれば、いろんな事業がめじろ押しとなっているわけであります。
一方で、大型事業でなくとも、いわゆる身近な事業、例えば、河川のしゅんせつであったり、除草であったり、また、道路の舗装など、そういう地域住民にとって身近な公共事業というものもあるわけであります。そしてまた、昨今問題となっております国が進める国土強靱化であります。要は以前と違う温暖化を受けて豪雨が非常に多くなった、そういった意味では災害対策、治水治山、しっかりやっていかなきゃならない、そういった予算も今後必要となってくるわけであります。
そのような観点から、今後の投資的経費の見通しについてお尋ねをしておきたいと思います。
29
◯寺島総務部副部長=今後の投資的経費の見通しについてお答えをいたします。
委員からも幾つか御紹介ございましたけれども、今、時代は大きな変革期にございまして、本県におきましても移住やインバウンドなど国内外からの人の流れが定着しつつあり、未来に向けた好循環が生まれつつある状況というふうに認識をしてございます。
また、本年開催されました、「さが総文二〇一九」を初めといたしまして、今後も九州新幹線西九州ルートの開業ですとか、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催など、県勢発展の絶好の機会が到来をいたします。こうした佐賀の発展にとっては重要な分岐点となります時代を迎えますことから、総合計画二〇一九に基づき、時代に即したさまざまな施策を、時期を逃さず実施していくことが肝要というふうに考えております。
このため、SAGAサンライズパークの整備ですとか、九州佐賀国際空港のターミナルビルの拡張、また、有明海沿岸道路や佐賀唐津道路を初めとする幹線道路の整備など、地域活性化のためのインフラ整備を推進しながら、委員からも御紹介がございましたように、防災・減災、国土強靱化といったもの、そしてさらには、県民生活に身近な道路や河川の改修、保全、そういったものも着実に実施していくことが重要であるというふうに考えております。
こうしたことから、今年度からの四年間におきましては将来の佐賀の発展のために必要な大型事業と県民の生活に身近な事業、これらを両立させる財政運営を行う必要があるというふうに考えてございます。
なお、投資的経費につきましては、現時点での収支試算の結果でございますが、令和二年度及び三年度におきましては一千億円を超える見込みとなっているところでございます。
以上でございます。
30 ◯藤崎委員=非常に大きな数字だなというふうに思うわけですけれども、やはり必要なものはやっていかなきゃならない、これは当然だというふうに思うわけです。そのためにも財政運営というのが非常に大変だろうなと思うわけですね。
県債残高ですけども、これは当然事業をやっていけば、全てキャッシュというわけにはいかないわけであります。やはり限られた財源を有効活用して、なおかつ国の国庫補助等をうまく活用して、そして、あわせて負担の公平感を持つためにも県債ということもあろうかと思うわけですけども、そうすれば、県債残高が今後ふえていくんだろうなというふうに思うわけであります。そのことに対する認識といいますか、受けとめ、そういったこと等についてお尋ねをしておきたいと思います。
31
◯寺島総務部副部長=県債残高が増加することへの認識ということでございます。
大型事業を実施する場合につきましては、委員からも御紹介がございましたように、国庫補助金、国庫交付金というのを最大限活用するといったこと、あるいは財政的な工夫として今保有しております基金を活用するということはもちろんしてまいりますけれども、いずれにしても、投資的経費、公共事業を行います場合には県債を発行することになりまして、それが増加していくということになります。
九月議会の際に御報告をさせていただきました収支試算の結果を踏まえまして、将来負担比率を試算いたしますと、全国順位がよいほうから今四番目でございますが、それが十番目程度にはなるのかなというふうに見込んでおるところでございまして、そういった水準でございますので、現時点では財政の健全性は一定保持できるものというふうに見込んでいるところでございます。
以上でございます。
32 ◯藤崎委員=引き続き、やはりしっかりとした財政運営に取り組んでいかなきゃならない、厳しいのは厳しいだろうというふうに思うわけですね。
そこで、自主財源をいかに確保していくかということが求められようかというふうに思うわけであります。
そこで、一つお尋ねをしておきたいと思いますけども、ふるさと納税であります。増収推進ということでこの間取り組んでいただいておりますけども、どのような状況なのかお尋ねをしておきたいと思います。
33 ◯大塚総務部副部長=平成三十年度のふるさと納税の寄附実績についてお答えをいたします。
本県ではこれまでインターネットを活用したPRや新聞広告のほか、東京県人会や関西県人会でのPRといった取り組みを行ってまいりました。
平成三十年度においては、これらに加えまして新たな寄附者を開拓するため、広島県人会や福岡市県人会等に参加しPRを行っております。また、新たに地域課題を解決する事業を行う起業家支援を目的として、ガバメントクラウドファンディングに取り組んだところでございます。
さらに、地場産業の振興につなげるため、「佐賀牛」などを組み合わせた魅力ある商品を返礼品として取り扱うことといたしました。
一方で、県民協働課が窓口となり、寄附者が指定するNPOを支援、助成するNPO支援のコースでは、NPO等の団体数の増加とともに、各団体が行うPRが功を奏しているところでございます。
このような取り組みの結果、平成三十年度の実績は寄附件数が約一万八千三百件、寄附額が七億百六十六万円となり、平成二十九年度の寄附件数が約一万九千件、寄附額が約六億六千二百五十七万円と比較いたしまして、寄附件数では約三・七%の減となったものの、寄附額では約五・九%の増となっております。
以上でございます。
34 ◯藤崎委員=このふるさと納税の趣旨からいえば、やっぱり佐賀県に対する、佐賀県が頑張っているからこそ、こういった気持ちになっていただいているんだなというふうに思うわけであります。
ただ、このふるさと納税については、当然いいばっかりではなくて、要は入ってくれば、当然逆に外への寄附もあるわけですね。そういった意味では、収支といいますか、影響をどのようにつかんでおられるのかお尋ねをしておきたいと思います。
35 ◯大塚総務部副部長=ふるさと納税に関する実質的な収支ということでお答えをさせていただきます。
ふるさと納税の対象となる自治体へ寄附をした場合、確定申告等をすることによりまして寄附額の二千円を超える額が、収入や家族構成に応じて一定の範囲内で所得税や住民税から控除されることとなっております。その控除は寄附者が居住している自治体において行われることとなります。
本県の平成三十年度の寄附受入額は約六億八千七百五十六万円となっており、それに対して控除額が約三億七千百二十八万円で今年度の住民税から差し引かれることとなります。したがいまして、実質的な収支は約三億一千六百二十八万円のプラスとなります。
なお、ふるさと納税による住民税の減収分につきましては、その七五%が交付税措置されることとなっております。
以上でございます。
36 ◯藤崎委員=ありがとうございます。また引き続き、今、災害等に対する支援、そういった寄附もありますので、また県もそれに取り組んでいただいていますので、引き続き努力していただきたいというふうに思います。
次に、もう一点お尋ねをしたいと思うんですけれども、未利用財産の売却であります行財政運営計画二〇一五におけます取り組みと成果について答弁を求めます。
37 ◯小林資産活用課長=未利用財産の売却につきまして、取り組み、成果についてお答えいたします。
未利用財産の売却につきましては、行財政運営計画二〇一五の計画期間であります平成二十七年度から平成三十年度までの四年間で四億円の売却目標を定め、取り組みました。
結果といたしましては、目標を上回る四十件、六億二千三百万円余りの売却を達成することができました。
売却に向けた具体的な取り組みにつきましては、民間への売却に当たりましては、地元の市町に利活用の意思がないことを確認した上で、一般競争入札を年に二回行っております。その入札者をふやすためには、関係者への情報提供が重要であると考えております。具体的には新聞折り込みチラシの配布、各地区の宅建業協会など不動産関係団体への情報提供、入札する県有地への看板設置などを行っております。引き続き多くの未利用財産の売却に努めていく所存でございます。
以上です。
38 ◯藤崎委員=なかなか土地が思ったように動かない時代にあって、非常に頑張っておられるなというふうに成果を評価させていただきたいというふうに思うわけであります。
ただ、一つ気になっているのは、せっかくですので、指摘をさせていただきたいのが、旧知事公舎であります。これは私に限らず、非常に多くの指摘があっておりましたし、もちろん今後の活用については議会にも説明があっておりますが、やっぱりここについては、私は本当によく考えていただきたいというふうに思っているわけであります。今現在も何もせずして年間百三十万円からの維持費がかかっているわけであります。本当に今後しっかりと有効活用していくと、そういったことについては説明いただいておりますので、あえてここでは求めませんが、引き続き努力して頑張っていただきたい。そして、議会から、ああ、そういう活用であれば本当によかったねというふうに思えるような成果をぜひ期待しておきます。
次に、自主財源の確保についてであります。
財政力指数が低い本県にとって、財政力のベースとなる自主財源の比率は、説明もありましたが四割程度と低く、やはり地方交付税に依存する体質というふうに言えます。こうした状況から脱却するため、本年三月に策定された行財政運営計画二〇一九に掲げられているように、自主財源を確保していくことが大変重要であります。どのように確保していくのかお尋ねをいたします。
39
◯寺島総務部副部長=自主財源の確保につきましてお答えいたします。
委員から御指摘がございましたように、本県の歳入に占める自主財源の割合は四割程度となってございまして、国の方針に大きな影響を受けるおそれがありますなど、県財政の安定性が確保されている状況ではございません。このため行財政運営計画二〇一九におきましては、例えば、福岡を主なターゲットとした県内への移住の促進ですとか、インバウンド対策や企業誘致、さらには人口流出対策に積極的に取り組みますとともに、人口増ですとか税収増につながるかどうかといった視点で各施策を見直し、より効果のある取り組みを推進することなどにより、税源の涵養につなげてまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
40 ◯藤崎委員=しっかり取り組んでいただきたいと思います。
では、この項の最後になりますけれども、今後の財政運営ということで質問させていただきます。
先ほども述べたように、自主財源の低い状況においては、国の影響、何度も言います
交付税ショックを契機とした行財政緊急プログラムを実施したことから、国の動向に左右されてしまうわけであります。これまでのやりとりからも県の財政状況は厳しいというふうに認識をしております。これからも引き続き健全な財政運営を行っていく、そういう強い姿勢が求められるわけでありますけど、そこで、総務部長に県財政を取り巻く状況をどのように認識していて、今後どのような財政運営を行っていくのか、伺っておきたいと思います。
41 ◯進総務部長=ただいま県財政を取り巻く状況、それからどのような財政運営を行っていくのかという点について御質問をいただきました。
まず、るる委員のほうから御指摘がありますように、まず佐賀県の財政の構造は、やはり歳入面を見ましても財政力指数が、これまで御答弁いたしましたとおり、相対的に低いということから構造的には非常に厳しい財政構造にあるなというふうに認識しております。
一方で、現時点で財政状況が本当に悪いのかという点では、借金の状況であります
実質公債費比率や将来負担比率については、先ほど御答弁いたしましたが、そこまで悪い状況ではないんではないかなというふうに思っております。
ただ、もう少し取り巻く状況について歳入面、歳出面から課題や対応もあわせてお答えいたしたいと思いますけれども、まず歳入面につきまして、一つが県税収入についてでございます。
県税収入は、
リーマンショック以降、過去最高を記録するなど、現在増加傾向にございます。また、来年度にかけては、消費税率引き上げの影響が県税収入に影響してきますとともに、地方法人課税の偏在是正措置による影響も出てまいります。なので、今後も比較的増加要因があるんではないかというふうに思っているところでございますが、これまでの県の税収状況を見ていただきますと、非常に景気の影響を受けやすい状況にもございます。
今後、国においても、このまま税収がふえていくんだろうかという懸念はずっと持っているところでございまして、景気対策もそのためにいつ打つべきかということを検討しているところでございますので、県としてもそうした景気の状況というのはしっかり見ながら、必要な対策はとっていく必要があるだろうというふうに思っております。
また、先ほど副部長が答弁いたしましたとおり、税源涵養にもしっかりと努めていかなくてはいけないだろうというふうに思ってございます。
また、県税と同時に、非常に佐賀県の歳入では大事になっております地方交付税についてでございますけれども、県税が近年ふえる中にあっても、地方交付税はそんなに減っていません。単純に考えますと、税がふえると交付税は減るんですけれども、これは地方財政計画のほうで適切に歳出を積むことによって歳出規模が少し大きくなっておりますので、税がふえても交付税が減らないという状況に現在あります。
これは骨太二〇一八で、今、地方の一般財源総額については、令和三年度までは平成三十年度の地方財政計画の水準を下回らないように実質的に同水準を確保と書いてございます。
大事なのは、この実質的にというところをしっかり確保するところでございまして、これはややもすると同額を確保というふうにもとられますけれども、同額だと、先ほど言いましたように税がふえると交付税が減っちゃうんですよ。ただ一方で、社会保障経費などふえている分もありますので、そこをちゃんと見ていかないと実質的に同水準にならないので、この実質的にというところをいかに確保していくかというのが大事になってまいります。これはなかなか佐賀県だけの努力ではいかんともしがたいところがありますので、こうした現場、佐賀県を初め、地方団体の現場からしっかりと、なかなか社会保障関係経費などふえているんだから、しっかりそこは地財計画に積んでほしいと、積むべきだという声をしっかり届けていくということが大事であろうかと思います。
それは総務省だけではなくて、やはり財務省のほうに、政府のほうに、全体にしっかりと届けていくということが大事かなというふうに思ってございまして、この点については特に我々当局では限界もありまして、県議会の先生方にも御協力をいただければというふうに思っているところでございます。
一方で、歳出面について見ていきますと、やはり社会保障関係経費が増嵩傾向にございます。こちらも国の制度に基づいているものが非常に多くて、県に裁量の余地がない分が多いために、国の制度改正によって自動的にふえていってしまうというところがなかなか苦しいところがあるところでございますけれども、改善等を行えるところはやはり現場目線であるかと思いますので、できる範囲で対応していかなくてはいけないだろうと思っております。
また、投資的経費については、先ほど副部長から答弁させていただきましたので、状況については割愛させていただきますけれども、そうした必要なものはしっかりやっていかなくてはいけないという中において、なるべく将来世代に過度な負担を残さないように、国の交付金をできる限り活用すること、また交付税措置が高い地方債、緊急防災・減災事業債や新たにつくられております防災・減災・国土強靱化緊急対策事業債などを積極的に活用すること、また地方債、県債につきましては、償還期間を少し延ばすことなども現在考えているところでございます。
今後につきましては、御答弁いたしました対応に取り組むとともに、予算査定におきましては、既存事業の必要性や効果を客観的なデータ等に基づいて検証するなど、先入観を持つことなく不断の見直しを行いまして、スクラップ・アンド・ビルドによる施策の活性化を図るとともに、集中と選択による、真に必要な施策への財源の重点配備を推進してまいります。
引き続き財政の健全性を保持し、世代間の負担の公平性を図りながら、限られた人員、財源を効果的に、かつ最大限に活用し、社会経済情勢の変化や多様化、高度化する県民ニーズに対応する財政運営を行ってまいる所存でございます。
以上でございます。
42 ◯藤崎委員=ありがとうございます。ぜひ進総務部長さん、財務省に負けんごと頑張ってください。
議会も当然国のほうにしっかりと物申していかにゃいかんけれども、そこは与党の重鎮の先生よろしくお願いいたします。
では、次の質問に入らせていただきます。
「肥前さが幕末維新博覧会」についてであります。
平成三十年の明治維新百五十年を機に開催されました「肥前さが幕末維新博覧会」は、維新博としての来場者は二百二十四万人に達し、メーン会場であります幕末維新記念館で行ったアンケート調査によりますと、満足度は九〇%を超えるなど、非常に高い評価を受けたというふうに聞いております。イベント事業としては、これは間違いなく大成功であったというふうに評価をしております。私も行かせていただきましたけど、本当にいいものでありました。オープニングから非常によかったというふうに思うわけであります。
県を初め関係各位の熱い奮闘ぶりには、これまた感動したのも事実であります。ただ、果たして「すばらしかったね、維新博」で済ませていいんだろうかという気持ちにも実はなっておりまして、そもそも明治維新百五十年事業とは何だったのかと、今なお考えているところであります。
思い起こせば、明治維新百五十年を平成三十年に迎えるということを議会で初めて議事録として残ったのは、平成二十七年九月議会の交通・観光対策等特別委員会でありました。
当時、佐賀県観光戦略に基づいた答弁でありますけれども、そのときは特定のファン層に想定されるものについて、まずはそのファン層に関心を持っていただけるような情報を集中的に発信し、そこで評判になったものについて広く周知を図るなどの工夫をすることで、佐賀県への関心を持っていただき、観光へ結びつけていく、その一つが平成の薩長土肥連合であり、明治維新百五十年を題材に薩長土肥の四県で相互に連携して観光誘客事業に取り組む、こういった内容でありました。要は明治維新百五十年、これに対する県の認識はいかに観光につなげるのか、そういったことであったんだろうなというふうに理解をしております。
その後、平成二十八年、翌年であります。二月議会におきまして、知事が輝かしい歴史をひもとき、学び直すことで県民の皆様が「佐賀さいこう」と胸を張って言えるようにするため、幕末・維新期の佐賀県の
偉人たちを顕彰することを初め、さまざまな展開を県民とともに考えていくということを議会で述べられました。
それを受けて、その年の十月には文化課内に明治維新百五十年プロモーション担当を設置され、庁内には明治維新百五十年事業推進本部が設置をされたわけであります。そして、その年、平成二十八年でありますけれども、十一月二日に明治維新百五十年キックオフイベントが開催をされました。そして、翌年の平成二十九年二月議会でありました。維新博のちょうど一年前になりますが、平成二十九年二月議会におきまして、「肥前さが幕末維新博覧会」を平成三十年三月に開催するための予算案、九億五千三百四十五万円が提出をされたわけであります。
こういったことを踏まえまして、何点か質問したいというふうに思います。
初めに、改めて「肥前さが幕末維新博覧会」ではどのような事業を行ったのか、伺っておきます。
43 ◯橋口文化課長=藤崎委員の質問にお答えいたします。
博覧会事業の内容についてのお尋ねでございました。
この「肥前さが幕末維新博覧会」、通称維新博と呼んでおりますけれども、この維新博は佐賀の偉業や偉人を顕彰し、偉業をなし遂げた先人の志を今に生かし、未来につなぎ、県民の郷土への愛着や誇りの醸成につなげることを目的として、平成三十年、明治維新百五十年を記念して開催したものでございます。
先ほど申し上げた目的を果たしていくために、幕末維新記念館などのパビリオンを整備し、また県内では唐津や鳥栖にサテライト館を整備しております。あわせて式典やイベントの開催、さが維新まつりの開催、またこの博覧会をより一層楽しんでいただくためにリレートークショーを開催するなど、さまざまな事業を組み合わせていきながら、十カ月の長期にわたり、県下全域でさまざまな事業に取り組んできたものでございます。
以上、答弁申し上げます。
44 ◯藤崎委員=ちなみに、薩長土肥ということでほかに三県ありますけれども、ほかの三県がどういった事業に取り組んだのか、今わかる範囲で結構ですので教えていただきたいと思います。
45 ◯橋口文化課長=薩長土肥のほかの三県の取り組みについてのお尋ねでございます。
詳細はこちらで実は承知をしておりませんので、正しい形の答弁というのは難しいかと思いますけれども、例えば、高知県では坂本龍馬をフィーチャーするといいますか、中心に据えた記念館を設置するなどの話を聞いているところです。
鹿児島でありましたら、大河ドラマの時期でもありましたので、大河ドラマ館を設置したというふうに伺っているところでございます。
以上です。
46 ◯藤崎委員=他県の状況については、本来であればしっかりと踏まえて、本県も検証してもらいたかったなと思うんですけれども、例えば、山口県では花博と重ねて事業を行っておられます。これをメーンにいろんな事業をやっておられますけれども、これは来場者は百三十七万人ということで、期間は五十二日間と短かったんですけれども、収支においては四億三千七百万円の黒字であったというふうなことを以前記事で読んだことがありました。
鹿児島は西郷隆盛ということでありますし、高知については先ほど言っていただいたことですけれども、要はほかの県においては、やっぱりあくまでも観光というところに焦点を当てて、いかに県内に人に来ていただくかというところ、経済効果というものを非常に意識した取り組みをされたなというふうに思ったんですね。
一方、本県におかれては、むしろ、そういうことよりも心のありようといいますか、佐賀を誇りに思う、そういったところに非常に焦点を当てて事業を進められたのかなというふうに思うわけであります。
開催まで準備が非常に短い期間で取り組まれたわけですけれども、どのように準備を行ったのか伺っておきます。
47 ◯橋口文化課長=博覧会開催までの準備の状況についてのお尋ねでございました。
先ほど委員からの質問の中で、博覧会開催に至るまでの経緯に関して、かなり御指摘をいただいていたところでございますけれども、実際のところ、平成二十八年度当初から明治維新百五十年記念事業の検討には着手をしておりましたところでございます。委員御指摘でございましたとおり、平成二十八年の九月県議会で博覧会の実施に関して表明をしたところでございました。
その後、平成二十九年一月十日には「肥前さが幕末維新博覧会」の事務局を県庁内に設置いたしまして、博覧会開催に向け、本格的な準備を経て、博覧会自身は平成三十年三月十七日に開幕をしたという次第でございました。
このように検討の着手から開幕まで約二年間でございました。準備期間は短かったとお感じになる向きもあろうかと思いますけれども、博覧会の中では、例えば市町の日の開催など、県内の各市町にも維新博を一緒につくっていく取り組みや催しを実施していただいておりまして、いわばチーム佐賀、オール佐賀として一つになって維新博に取り組めたものと認識をしているところでございます。
以上でございます。
48 ◯藤崎委員=それでは、次に事業の妥当性であります「肥前さが幕末維新博覧会」の開催により、どういう成果があったんだろうかなというふうに思うわけですね。要は心に焦点を当てた事業というだけに、非常にこれをはかるのは難しいだろうというふうに思うわけであります。あえてその成果というのをどういうふうに捉えておられるのか、伺っておきたいと思います。
49 ◯橋口文化課長=維新博の成果に関してのお尋ねでございました。
この維新博、先ほども目的を少し紹介させていただきましたけれども、先人の志を今に生かし、未来につなげ、佐賀への誇りや郷土愛を醸成していくことを目的としておりました。
この維新博期間中ですけれども、総来場者数として、県の内外から延べ二百二十四万人の方に御来場いただいております。これら来場者の方にアンケートをとっておりますけれども、満足度も九割に及ぶなど、大変好評をいただいた博覧会であったかというふうに評価をしております。
また、メーン館でございます幕末維新記念館での来場者アンケート調査をあわせて行っておりますけれども、「佐賀に誇りを持つ」という人の割合が九四・三%に達しておりました。あわせて幕末維新記念館では、「ことのは」といって寄せ書きといいますか、来場された方の心情を記入していただくような紙があるんですけれども、この「ことのは」には、佐賀の偉業や偉人に心を揺り動かされた方、これは十万枚集まったということでございます。十万を超える思いがつづられるなど、維新博を通して県民の心には佐賀への誇りが芽生えたものと考えておりまして、一定の成果につながったものと評価をしているところでございます。
以上でございます。
50 ◯藤崎委員=それでは、事業に要したコストについてどのように考えているのか、お伺いをしておきます。
51 ◯橋口文化課長=コストについてのお尋ねでございました。
この維新博は、県内全市町の参画を得て、先ほど申し上げましたとおり十カ月にも及ぶ会期で開催をしていたところでございました。総額で、決算ベースでは二十四億円余りを要しているところでございますけれども、十カ月の長期にわたって県内全域で行っているというところで、規模、会期なども踏まえて適切な規模であったのではないかなというふうに考えているところでございます。
事業の内容も、先ほど申し上げましたとおりで、テーマ館を三館、サテライト館二館を設置しております。県内全ての小中学生には、維新博を体験していただくように措置をしていたところでございました。
あと、「さが維新まつり」の開催、先ほど申し上げました市町の日を実施したりとか、毎週末には集客イベントを行ってきておりました。事業内容はかなり多岐にわたって展開をしていたところでございました。
この維新博開催に伴いまして、経済の波及効果というものが、産業連関表というものを使いまして、約百五十一億円と推計をしております。この維新博自体は委員御指摘のとおり経済効果を主目的として実施したもの、目指したものではございませんでしたけれども、このように経済的にも、また観光面でも一定の波及効果を産み出したものと考えているところでございます。
実際に博覧会の開催中には、多くの方々がそれぞれの会場を回遊する姿が多く見られるなど、町なかの賑わいの創出にもつながっておりました。このように、事業に要した経費については有効に活用させていただいたものと考えております。
改めて、維新博の開催を通じて高まった県民の佐賀への誇りや未来への志は、佐賀が飛躍する上で土台となるべきものであると考えております。
今年八月に開催されました全国高等学校総合文化祭に引き継がれ、さらに令和五年、二〇二三年に開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会にも引き継ぐことになっております。その効果が未来につながり、さらに広がっていくものと考えているところでございます。
以上です。
52 ◯藤崎委員=ここで次の質問に移りたいところなんですけれども、やっぱり約二十四億円の事業費を要して行った事業ということで、どうしてもまだまだ何か物足りない、何か消化不良のような──私自身はですよ。聞けば本当に多くの方がよかったというふうに感動を今なお語られておられます。ですので、事業は間違いなく大成功だったというふうに評価しております。
それでもなお、私がここで申し上げたいのは、やっぱり心のありようといったところに、県が取り組んだということ。大きな挑戦であろうと思うわけですが、ここのところにずっと私は引っかかっておりました。
先ほど久本監査委員さんの意見を賜りながら、ああ、そうかと、ふと、すとんと落ちたところは、要は知事ですよね。知事がやりたいと、やるんだと、県民が誇りに思うようにしたいんだと、ここだったんだなと。私は、県民にとって必要なものは、現場からずっと上がってくると、本来佐賀がやるべき事業というのは、やはり地域が欲していること、困っていること、こういったところにしっかり手当てをしていくことだろうと思うんですね。それはなぜかというと、公費だからであります。
そういったことを受けて、そして、出先機関であったり各関係担当課であったり、そういう皆さん方が本当に決まった責任を持った範囲の中で、一生懸命情報収集して問題解決するために日ごろ努力しておられます。そういう中から政策というものは出てくるんだというふうに実は私は思っておりました。しかし、そこが今回、やはり私がどうも釈然としなかったところなのかな。つまり、私自身この県議会にいて、明治維新は大事だと、顕彰は絶対やらなきゃならないと思っておりました。しかし、このことで、要はこれだけの多額の予算を投資する事業をやらなきゃならないんだと。今の佐賀県にとって、この事業はやらねばならぬ事業であるんだというところが、実はよく理解できておりませんでした。そういう意味では、知事がこの行政目的として掲げられて、それに皆さん方が呼応されたんだなというふうに今思ったわけであります。
ここで、せっかくですので、田中文化・スポーツ交流局長に質問させていただきたいと思います。
要は、佐賀を誇りに思うようにしたい、そういった思いからの検討からこの事業に取り組まれたと思うんですけれども、本当であれば、百五十年はいつというのはわかっていたわけですから、その情報を持っていて、観光事業として、もう既に取り組まれていたわけですよね。そうしますと、その延長線上にいろんな事業があってよかったんじゃないかなと思うんだけれども、いわゆる知事からの思いの訴えに呼応する形で、改めてどういう事業をやるべきだろうかということを考えられたと思うんですね。その辺のところを、せっかくですので、振り返ってお尋ねしておきたいと思います。
53 ◯田中文化・スポーツ交流局長=藤崎委員から、その当時、他県からの情報とかもいろいろ入れながら、観光としてその延長線上に事業をすればよかったじゃないかというお尋ねだったと思います。
ちょうど私が文化・スポーツ交流局の副局長として観光の担当をしていました。その当時に薩長土肥連合というのがありまして、薩摩、長州、土佐、肥前、四県の知事会議とかもあっていまして、いろんな情報、他県でのいろんな動きの情報交換もあっていました。ただ、そのころ観光として取り組んでいたのは何なのかというと、どちらかと言えば国内観光対策というよりも、むしろインバウンド中心の対策を一生懸命やっておりまして、そういう中にあって、確かに明治維新百五十年という事業が当然ながら来るというのはわかっていたのでありますけれども、なかなかそこのときに、我々事務方から明治維新百五十年でこういうことをしたいということが、まずスタートとしては出てこなかったんです。
ただ、そのときにいろいろ知事と語る中にあって、よその県がいろんなことをやるということは知事もそういう情報を持っておられましたので、その中で明治維新百五十年として、明治維新として言えるのというのは四県だけだろうと。薩摩、長州、土佐、あと肥前、佐賀ということで四県しかない中で、なぜこういうことを検討しないのかなというような、我々に対してそういう謎かけがあったわけです。それを聞いて我々も、やっぱり確かにそうだろうと思ったというのが本当の正直な気持ちでございます。
そういう中で、知事が常々言われていたことは何なのかというと、「佐賀は何もなか」という言葉がやっぱりあちらこちらで聞かれると。例えば、タクシーに乗っても「佐賀は何もなかもんね」と、こういう言葉が聞かれると。この機会を逸してしまうと、やっぱりそういうことがなかなかベクトルが変わらない。そこを変えていけるタイミングとしては、すごく大事じゃないのかなという話がありましたものですから、私がその責任者というか、次長という立場で事務局に入りましたので、その中でどうすれば佐賀の人たちの心に佐賀のことを誇りに思うようなことを芽生えさせることができるかなというのを一生懸命考えた結果として、今のような全体像ができたということでございます。
そういう中で難しかったのは、佐賀藩のことだけ取り上げるわけにはいかないという特殊事情があります。唐津藩もありますし、基山、鳥栖の取り扱いもありましょうから、そこら辺、全県下として取り組むべきだろうということでいろいろ、企画はどんどん膨れていきまして、結果としてそういう全県下で取り組む、あと全庁で取り組むというような取り組みを広げてきまして、この大きな事業になったというのが経過でございます。
ただ、先ほどから課長が説明しましたように、アンケート調査とか経済効果も出しましたけど、いまだにやはり維新博よかったねという声は九州各県の方々からも聞いておりますし、御存じかもしれませんが、一月に入って行列が──入館するために三時間を超える行列で入館者がふえましたけれども、県外のお客様が当初はずっと多かったわけです。なかなか県民の方は来てくれませんでした。でも最終的にはやっぱり、終盤に近づくにつれて県民の方も来られまして、延べにして二百二十万人の方に来ていただいたということで、それなりの効果が、所期の目的は達成したんじゃないかと思っていまして、振り返ってみて、私たちが意図していた、佐賀の人に佐賀のことを誇りに思ってもらうということの目的は達成できたんじゃないかなと考えております。
以上でございます。
54 ◯藤崎委員=その事業自体を否定するわけじゃありませんけれども、やっぱり本当に偉人の顕彰も大事だったと思うんですね。明治維新百年のときは池田知事のときにしっかりされておられますし、当然やるべき事業であったと思うわけです。
ただ、これまで何度も述べてきましたけれども、やっぱり知識として佐賀にこういう人がおられたんだということをしっかりと言えるようにする、そういう取り組みは、大人がそれぞれ自覚を持って子供たちに教えていくべきことなんだろうというふうに思うわけであります。
そういう中で、やっぱりそれぞれ皆さん歴史上の人物で言えば好きな方がいますし、私も実は高知県の坂本龍馬が三度の飯より大好きで、龍馬との出会いがなければ恐らく政治に関心を持たなかったであろうと。また、その後のいろんな出会いもなかったろうなと自分では思うわけですね。
だから、人それぞれいろんな思いがあるわけです。子供たちにそういう体験をしていただいたこともいいことだけれども、やっぱりそこには予算を、県費を投じてバスに乗っていただいて、皆さんに来ていただいた。また、学校の先生たちにも協力をしていただいた。つまり、そういう形で体験をしてもらっているわけであります。
本当であるならば、やっぱり自分の人生の中で、そういう出会い、人との出会いもあれば本との出会い、映画もあるかもしれません。そういったところでの経験の中で、いろんな誇りとか、郷土愛とか出てくると思うんですね。
大人になったときに振り返って、ああ、よかったなと思うのは、やっぱり子供時代の友人であったり、地域の大人との関係であったり、いわゆるどういう暮らしを送ってきたか、思い出、そこが非常に大きいんじゃないかな。
先日、ディズニーのミッキーマウスが来まして、恐らく小さな子供たちはあの姿を見て喜ばれて、多分中には、家に帰って喜んでおじいちゃんやおばあちゃんに一生懸命話をされた子もおられるかもしれません。パレードを見てよかったなと言う子供たちもおられたわけであります。そういう経験が大事ですので、そういったところで、県がどこまでそれに取り組むのかということは、非常に難しいテーマだったなというふうに思うんですね。
言いたいことはいっぱいありますけれども、時間の制約もありますのでこの辺でやめておきますけれども、事業としては成功だったと思います。私は、強いて今度の事業で評価させていただきたいことがあるとすれば、それは、やっぱり人材育成ではなかったのかなと思うんですね。つまり、新しいことですよ。そういったテーマを掲げて、そしてこれまでやらなかったような、恐らくノウハウもなかったと思うんですね。そういったことに無の状況から取り組まれた、恐らく県の職員さん、物すごく皆さん全庁的に取り組まれていますけれども、とりわけ、事務的にかかわった人たち、若い人もおられると思うんですね。そういった方は、間違いなく貴重な経験を積まれたわけであります。
そういった県庁内の若い人やそういった経験を積んだ方が今後、もっと大きく、本当にいろんな事業に活躍されることは非常によかったなというふうに評価をしておきたいというふうに思うわけであります。
言いたいことの三割ほどしか言っていませんが、次の質問に入りたいと思います。
アリーナ整備についてであります。
アリーナ整備の経緯についてですけれども、二〇二三年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を契機として整備を進められているSAGAサンライズパークにおいて、新たなSAGAアリーナ(仮称)の整備が予定されています。この経緯、また、決定した後、設計や検討をどのように進めてきたのか、主な経緯をお尋ねしておきます。
55 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=サンライズパークに整備いたしますアリーナ整備の経緯について申し上げます。
SAGAアリーナ(仮称)を含みますSAGAサンライズパークの整備につきましては、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の会場地となります市、町や、施設を検討する過程におきまして、県の施設においても積極的に活用する必要がありましたことから、平成二十八年五月に佐賀県総合運動場等整備基本計画検討委員会を立ち上げ、さまざまな御議論をいただきました。
半年間に及ぶ議論の後、同年十一月に提出されました提言書には、トップアスリートやプロの試合などの「観る」スポーツに対応するとともに、三十年後、四十年後を見据え、スポーツだけの利用にとどまらず、これまで佐賀で実現できなかったコンサートや展示会など、多目的な利用が可能となるアリーナの整備が必要であると盛り込まれたところでございます。
また、同時期に佐賀県スポーツ協会や佐賀県障がい者スポーツ協会、県内の競技団体などからも、大規模アリーナ新設に関する要望が相次いで提出されたところでございます。
こうした提言や要望を踏まえまして、検討を重ねた上で整備基本計画素案を取りまとめまして、素案に関する県議会の御議論や広く県民の御意見を募るためのパブリックコメント、市町に対します意見照会などを経まして、平成二十九年三月に「佐賀県総合運動場等整備基本計画」を策定し、SAGAサンライズパークにアリーナを整備することをお示ししたものでございます。
この整備を決定した後の経緯でございますが、基本計画を具体化するため、副知事をトップとします庁内横断的な検討組織、総合運動場等整備推進本部会議を設置いたしまして、それを平成三十年一月に立ち上げまして、アリーナはもとより、陸上競技場や水泳場、並びにエアライフル射撃場などの練習施設の整備水準などにつきまして詳細な検討を進め、昨年、平成三十年十一月に、施設計画として公表をしたところでございます。
このうち、特にアリーナにつきましては、「観る」スポーツや国内のコンサート動員の実績などの集客動向を踏まえまして、座席数、規模を決定し、あわせて佐賀県のアリーナが予定しますスポーツのトップリーグ、具体的にはバレーボールのVリーグ、バスケットボールのBリーグの開催に必要なアリーナ面の面積のほか、ドーピングコントロールルームなどを初めとします諸室の配置などについて、専門家の意見を伺いながら設計を行ってきたところでございます。
以上でございます。
56 ◯藤崎委員=それでは、何点かの課題ですけれども、これまで議論が出尽くした感がありますので、簡潔で結構ですのでお尋ねをしておきたいと思います。
初めに、パーク周辺の交通渋滞対策につきましてであります。
これまでどのように取り組んできたのか、この際、改めてお伺いをしておきたいと思います。
57 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=パーク周辺の交通渋滞対策についてお答えします。
交通渋滞対策につきましては、現状を正しく把握することが重要と考えまして、平成二十九年度、三十年度に道路管理者と共同で交通解析調査を行っております。
調査の結果、これは昨年九月議会でもお答えしておりますけれども、国立病院前交差点の車両交通量につきましては、平日、休日とも夕方十七時から十八時ですけれども、これが最も多い状況でございまして、国道二百六十三号を北から南に直進する車両が当該交差点におけます左折車両の停滞──歩行者や自転車横断によります左折が待機している状況でございますが、これによって直進できず、渋滞を助長させていることが原因というふうに判明したところでございます。
こうした交通解析の結果を受けまして、国立病院前交差点の一部改良などの必要性について関係部局と議論を重ね、現在、道路管理者が取り組みを進めているところでございます。
地元住民の方の中には、国道二百六十三号の交通渋滞について心配される声があるということは承知しております。
昨年の七月、八月にサンライズパークの整備概要とあわせまして、道路拡幅などを含めた交通対策等についても説明を行いまして、地元住民の方には一定の御理解をいただいたものと認識しております。
今後も各施設の建設におけます過程の節目節目において、地元自治会などへ適宜御説明してまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
58 ◯藤崎委員=それでは、次に駐車場であります。
当然アリーナで何か大きなイベントがある場合は、車で来られる方がやっぱりあると思うんですね。そうしたときに駐車場がどうなるんだろうかという心配があります。
これまでも取り組んでいただいておりますけれども、改めてお尋ねをしておきたいと思います。
59 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=駐車場に関する取り組みについてお答えします。
これまででございますが、陸上競技場や総合体育館での大きな競技大会と佐賀市文化会館での公演などイベントが重なった場合などにおきまして、実質的に駐車場が満車になる状況が見られております。
指定管理者の報告によりますと、その日数は一年のうちにおおむね十日程度というふうにされているところでございます。
県としましては、SAGAサンライズパークの再整備において、まず何よりも地域住民の生活道路利用に支障を来すことにならないよう、一方でパーク利用者の利便性を損ねることのないよう周辺用地を確保し、現行とほぼ同規模の駐車場台数を確保することなどの取り組みを行ってきたところでございます。
また、アリーナでのイベント時においては、自家用車以外での来場を促すことが必要と考えております。
例えば、バルーン大会等で既に定着しているパーク・アンド・ライド、都市型アリーナであることを生かしてJR佐賀駅からの徒歩やシャトルバスの活用などのソフト対策により対応を進めていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
60 ◯藤崎委員=それでは、騒音対策や振動対策についてでありますけれども、会場のすぐ道路向かいが病院ということで、また、地域は住宅街でもあります。
そういった意味で騒音対策や振動対策が求められていますけれども、設計においてどのような対策を行ったのかお尋ねをしておきます。
61 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=アリーナの騒音、振動対策についてお答えします。
アリーナの隣接地には、先ほど委員から御指摘がありましたように、国立の医療機関や、さらに住宅地が近接していることから、また、佐賀平野は特有の軟弱地盤地域でございます。
そうしたことから、しっかりとした対策が必要であるというふうに認識しているところでございます。
まず、騒音対策につきましては、他県施設の状況を詳細に調査した上でアリーナの最大騒音レベルを測定し、「騒音規制法」の基準に照らしまして、屋根や壁面に遮音性の高い材料を採用することとしております。
次に、振動対策につきましては、コンサート時の観客のいわゆる縦ノリによる振動が地盤を介して近隣にどのように影響するのかなどにつきまして、建築構造にかかわります大学の専門家の意見を伺った上で、アリーナ床面の二重構造や地盤改良の実施などによって対策を講じることとしております。
以上でございます。
62 ◯藤崎委員=では、ペデストリアンデッキの必要性についてですけれども、パークでは、各施設をつなぐスペースとしてペデストリアンデッキの整備が計画されています。
また、文化会館側に国道上空をペデストリアンデッキでつなぐことを計画されていますが、どのような目的で整備をするのかお尋ねをいたします。
63 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=ペデストリアンデッキの必要性についてお答えします。
今回新たに整備いたしますペデストリアンデッキは、パークに来場される方に安全で快適に過ごしてもらうため、歩行者と車の動線を分離する、いわゆる歩車分離を実現し、安全かつ円滑な誘導、滞留を目的に歩行者専用の通路として整備するものでございます。
あわせまして、路線バスやシャトルバス利用の方々が交通量の多い国道二百六十三号の横断歩道を利用せずにデッキを利用することにおいて、安全かつ円滑に国道を横断することが可能となるよう整備することとしたものでございます。
以上でございます。
64 ◯藤崎委員=このペデストリアンデッキ、正直心配をしております。大丈夫なのかなと。
というのは、国道をまたぐわけですよね。この部分については、確かにつくった当初は真新しいものということで非常に目を引くと思うんですけれども、その後の活用方法については非常に心配をしております。
維持費の面もそうですし、今回、建設費もそこの部分は構造的にも非常に上がってくるんだろうなと思うわけです。
また、災害時等の──もちろん耐震化等は当然なされますけれども、そもそも地盤的には厳しいところでありますから、そういった面でも非常に心配をしております。
ああいう国道上、交差をしなければならない場合はやむを得ませんが、大体そういう構造物というものはつくらないほうがいいんじゃないかなというのが一般論としてあるかと思うんですけど、あえてどうしてもつくらなければならなかったのか、再度お尋ねをしておきたいと思います。
65 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=先ほどの繰り返しになる部分がございますが、国道二百六十三号を横断する、いわゆるペデストリアンデッキでございます。
これにつきましては先ほども申し上げましたが、パーク内の利用者であったり、佐賀市文化会館の利用者であったり、そういった方々が安全に国道二百六十三号の横断歩道を利用せずに移動できるということと、あわせまして、先ほど交通渋滞の話も申し上げましたが、ソフト対策としてシャトルバスの運行、また、歩いていただくということも推進していこうというふうに思っておりますが、そういった中で安全に歩行者や利用者が横断歩道ではなくて上空を利用していただくことが実に効果的であるというふうに考えところで、今回整備をすることとしたものでございます。
以上でございます。
66 ◯藤崎委員=事業として進んでいますので、歩車分離という面では理解できますけど、本当にこの維持費とか後々のメンテを考えたときに、非常に私は心配をしているわけであります。
それでは、施設の運営についてであります。
次期指定管理者についてでありますが、しっかりとした事業計画に基づいて運営するということが重要であります。
今、議会でも多くの議員さん方から意見が述べられてきておりますけれども、それだけ運営体制をしっかりと構築することが極めて重要だというふうに思います。
そうした中で、現在、次期指定管理者の公募が行われていますが、どのような視点で進めてきたのか伺っておきます。
67 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=サンライズパークの次期指定管理者についてお答えいたします。
サンライズパークは、スポーツや文化などさまざまな機能を持った施設として整備を進めております。
中核施設となりますアリーナについては、「観る」スポーツやコンサートの開催など県内外から多くの観客を集めるなど交流を生み出す拠点機能を担う施設となります。
そのため、施設運営に当たりましては、民間企業の持たれております強みや機動性を生かし、効果的、効率的な運営を図り、利用者サービスの一層の向上、パークの持続的な魅力の向上を図ることはもとより、交流の効果を面的に広げていくことが重要であるものと認識しております。
そこで、今後の運営を担う次の指定管理者には、十年以上の運営期間を設けることで長期的な視点による安定的な運営を確保し、その上で大きく四つの視点を持った運営体制を求めることとしております。
一点目は、民間ならではのネットワークとノウハウを生かしたアリーナの利活用促進の展開、二点目は、パークの付加価値を高めるようなスポーツ、健康といったテーマ性を持つ店舗の展開、三点目は、SSP構想で掲げます育てる拠点としてスポーツ医科学的な機能、それから四点目は、パークが都市型施設であるという強みを生かし、地域住民や企業などさまざまな主体を巻き込んで交流を拡大し、点による活動を面的な活動に拡大し、地域活性化につなげるエリアマネジメントの取り組みでございます。
いずれにしましても、運営を担う指定管理者と県が連携し、アリーナを初め、パークの利用促進に持続的に取り組み、地域の活性化を図ってまいりたいと思っております。
以上でございます。
68 ◯藤崎委員=ぜひコストセンターじゃなくて、プロフィットセンターというんですか、そういうふうに利益を上げる施設として運営されるよう、しっかりと連携してやっていただきたいというふうに思います。
次に、佐賀市との連携であります。
アリーナをつくるという上では、やはり拠点としたまちづくりにもつなげていただきたいというふうに思うわけでありますが、その際、地域でありますと佐賀市との連携は必要不可欠となります。
佐賀市との連携に関する取り組みを伺います。
69 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=佐賀市との連携についてお答えします。
アリーナへの来場やサンライズパークと市文化会館の近接性から生まれる相乗効果によりまして、地域の活性化やにぎわいの創出を図っていくことは重要だと考えておるところでございます。
こうしたことから、県と佐賀市のより一層の連携と協力関係を構築するため、「SAGAサンライズパークに関する連携会議」を設置したところでございます。
ことし六月にキックオフ会議を行いまして、県と市の整備計画の現状や課題についての共通認識を持つとともに、今後必要となるハード、ソフト両面の対策について検討を行い、協力して取り組んでいくことを確認したところでございます。
その後、個別の課題につきましては関係課を中心としたワーキングということで、交通対策やパークを核とした地域の活性化について意見交換を進めているところでございます。
引き続き意見交換を進め、アリーナを初めとして、パークへの交流の効果が面的に広がっていくよう検討を進めてまいります。
以上でございます。
70 ◯藤崎委員=しっかりお願いいたします。
あわせて心配な点が、目の前に大きな病院がありますが、患者さんもおられるわけであります。
その病院側のいろんな心配されている点とかも解消していかなければならないと思うんですが、どういった連携をされているのかお尋ねしておきたいと思います。
71 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=国立病院機構佐賀病院との連携ということでございますが、これまで国立病院へは、必要に応じて適宜サンライズパークの整備などに関しまして状況説明や意見交換を行ってきたところでございます。
また、パークのコンセプトでございますスポーツ、健康に関連しまして、国立病院との連携について協力いただけないかといった御依頼も行ってきたところでございます。
現時点において、特段クレームとか、そういった御意見等はいただいていないところでございますけれども、今後とも適宜状況説明、意見交換を行うなど引き続き丁寧に対応していきたいと思っております。
以上でございます。
72 ◯藤崎委員=やっぱり交通渋滞したときに救急車両の時間がおくれるとか、そういった点も心配されます。また、入院されている患者さんもおられますので、そういったところもぜひ配慮しながら、そこはしっかりとよく意見を聞いて解消に努めていただきたいというふうに思います。
それでは、今後の取り組みについてでありますけれども、いろんな課題についてもお尋ねいたしました。
財政も限られている中でこういう大型事業を進めていくというのは、引き続き丁寧に説明をいただかなければならないというふうに思っております。
今後、アリーナやSAGAサンライズパーク整備を進めていくに当たってどのように取り組んでいくのか、改めてお尋ねをいたします。
73 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=サンライズパーク整備に関する今後の取り組みについてお答えいたします。
御指摘のように、サンライズパークやアリーナの整備につきましては、県民の大きな関心を集めている事業であるというふうに認識しております。
これまでも整備計画や周辺の交通の影響などについて、地元の皆様への説明や意見交換を行うなどしてきたところでございます。
加えまして、ボクシング場、フェンシング場、エアライフル射撃場、水泳場など個々の施設の工事を進めるに際しても、地元説明会を実施するなど丁寧な説明に努めてきているところでございます。
今後とも、地元の皆様方を初め、県議会や県民の方々に丁寧な説明を行うなど、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。
74 ◯藤崎委員=ありがとうございます。
私のほうから質問しないとなかなか答弁できない事案であろうかと思うんですけど、今、まさに議会側、県民が心配しているのは、先日のアリーナの不落であります。
要は入札に応じたところはあったんだろうと思うんですね、不調じゃありませんので。ただ、予定価格を上回ったんだろうと思うわけですけれども、その不落の状況、内容について御説明いただきたいと思います。
75 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=先日のアリーナ入札の不落について御質問がありました。
委員御発言いただきました建築工事の不落につきましては、皆様に御心配をおかけしているところでございます。
とにかく我々としましては、そうした事態に至った要因、理由につきまして分析を急いでいるところでございます。
その上で、できるだけ早く今後の対応策をお示しできるよう取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
76 ◯藤崎委員=一週間たつわけですから、詳細はわからなくとも要因はわかっているはずなんですよね。
ちなみに業者側ともヒアリング等とかをなされたのか、ちょっとお尋ねしたいんですが。
77 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=まだ詳細というところまで至っていません。要因という部分についても、我々としてもどういったところがというのは、今、本当に分析を急いでいるところでございます。
応札した業者というところにつきましては、随意契約協議という形での意見交換といいますか、依頼というものはしたことがございますけれども、内容についてはそこまでお聞きすることができませんので、そういったところについてはまだ詳細は不明ということでございます。
以上でございます。
78 ◯藤崎委員=ちょっと聞き漏らしたんですけど、随意契約の何と言われましたか。
79 ◯武富文化・スポーツ交流局副局長=お答えいたします。
先ほど課長が申しましたのは、随意契約の協議を、入札が不落になりました場合、最も低い価格を示したものと協議をすることができるというふうにされてございます。
そういった趣旨を踏まえまして、県との不落随契協議といったものを実施していただけるかというふうなことについて確認をするということはございましたものの、その内容とか、そういったことを伺うことはできないというふうなことを御説明したものでございます。
以上でございます。
80 ◯藤崎委員=今後どういうふうになっていくのかなというのは、一つには、要は今のタイムリーな事業だったんですよね。なかなか通常であれば厳しい事業だと思うんです。
ただ、スポーツの裾野を広げていくという大きな流れであったり、また、スポーツを通じた感動、まさにこれは心の問題ですけど、感動を通じたスポーツによる観光であったり、そういったところでタイムリーな事業としてアリーナが整備されるというふうに理解をしております。
そうしますと、佐賀国スポがあるわけですし、通常であれば国スポに向けたプレ大会ということで、一年前、恐らく予定も国スポにあわせた一年前の九月に設定をしてあったのかなというふうに思うわけですけど、通常であれば再入札──どの程度の金額の差額があったのかわかりませんけど、普通に考えれば選択肢は幾つかあると思うんですね。
今のように随意契約という内容で協議をして落ちつくところに落ちつくのか、もしくは二点目としては再入札、新たに入札をすると。そうしたときには当然仕様書、設計書を書きかえるのかどうか。
もっと言えば、これはWTO案件ですので、入札応募期間、公告期間が四十日必要なわけですね。そうしますと、設計をやったり公告の期間を入れれば、また数カ月時間が必要となってまいります。
議会の同意も必要ですので、当然工事の期間が先延ばしになって、いわゆる工期の竣工、完成が先に延びるわけですね。ですから、そういったところの工事への影響等も出てくるのかなと。そういう意味での再入札。
三つ目が、この事業については断念をすると。一番よくない最悪のことなのかもしれませんが、断念と。
そういう三つの案件があるのかなと思うんですけど、その選択肢としてこの辺についてはどうなんでしょうか。
81 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=先ほど藤崎委員のほうから幾つかお示しいただきました。どういった対応をしていくのかということについて、先ほどの繰り返しになりますけども、現在本当に至った要因について分析を進めているところでございます。そういった分析結果を踏まえまして早期に対応策を検討していきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
82 ◯藤崎委員=二〇二二年九月に予定していたわけですよね、果たしてそういうことで間に合いますかね。これは間に合わないということが前提になってくるんじゃないかと思うんですけど、どうでしょうか。
83 ◯田中文化・スポーツ交流局長=藤崎委員から今、国スポへの影響があるんじゃないかというお尋ねだったと思いますが、今、課長とか副局長からるる説明いたしましたけど、実際問題、現状としてどういう対応をするかというのは一生懸命情報を集めて検討しているところでございまして、そんなに時間をかけずに方向性としては出さないといけないと思っております。
ただ、今回の不落事案によりまして一定のおくれというのは避けられない状態であるだろうと思っておりまして、しっかり検証いたしまして対応策について検討を行いまして、国スポ・全障スポの開催には影響が出ないように全力で取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
84 ◯藤崎委員=そこは当然だと思うんですよね。もっと言えば、プレ大会ですよね。そこに間に合わないんじゃないかと思うんです。逆に言うと、そこを工期を設定しているがために、いわゆる受注者側も非常にリスクがあるわけですよね。大体が今いわゆる人不足であります。技能者も不足しております。もっと言えば、特殊な工事ということでいろんな資材関係についても通常の価格よりも上がって普通だろうなと素人は思うんですね。ああ、高いんだろうなと普通に思うんですよ。そういったことを思うと、当然入札して、随契なのかどうかわかりませんが、どっちみちこれはおくれますから、工期というのは間違いなく間に合わないと思うんですね。確保できませんから。そうすると、プレには間に合わないということになってこようかと思うんですけど、ここのところは特にこだわっているということはないんでしょうか。要は国スポに間に合えばいいというふうな理解でよろしいんでしょうか。
85
◯石倉委員長=局長、暫時休憩すっけんが、内部で一回協議したら。したがいいよ。とりあえず暫時休憩します。
午前十一時五十分 休憩
午前十一時五十一分 開議
86
◯石倉委員長=委員会を再開します。
87 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=SAGAサンライズパーク全体の影響といいますか、国スポ・全障スポへの影響ということで御質問いただきました。
現在SAGAサンライズパークの全体の完成目標につきましては令和四年九月としているところでございます。先ほど局長からも答弁ありましたように、今回の不落によりまして一定のおくれが出ることは否めないというふうに認識しておるところでございます。
ただ、本大会の前に行いますプレ大会というものについては現時点でどういったものをプレ大会と位置づけるかというのが決定しておりませんので、その関係課と協議しながら進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
88 ◯藤崎委員=ということは、工期については、当然普通に考えれば、延びていくわけですよね。そういう認識でよろしいんですよね、完成するのは延びるというのは。普通に考えても、これは間違いなく三カ月はかかると思うんですよね。十一月議会には間に合わない。そういう認識でよろしいんでしょうか。
89 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=繰り返しになりますが、先ほど御答弁いたしましたように、対策、要因について検証しているところでございます。それに応じまして対策をお示ししたいと思っております。そういうところで御了承いただきたいと思います。お願いします。
90 ◯藤崎委員=水かけ論になりますけども、局長、普通に考えたら、これは入札は三件あっているんですね。ほかの機械、設備等、あと電気関係でしたか、は落札しているんですよね。建屋が落札していないというのは要因が大体想定できると思うんですよ。積みますから。当然設計が積んでいるわけですよね。鉄骨がどれだけ必要だと、何が必要だというのは積んでいるわけですよ。それでも合わないということは、これは間違いなく設計の内容を変えていかなきゃならない。変えずに金額が折り合うのかというと、難しいんじゃないかなと思うんですよ、普通に考えれば。そうすると、本来、今度の十一月議会にこれは議案として提出される予定だったと思うんです。これはまずできないというふうな認識でいいのかなと思うんですけど、どうでしょうか。
91 ◯田中文化・スポーツ交流局長=真坂課長からもずっと繰り返し答弁いたしましたけど、実際どういう原因かというのを設計事務所も含めて検討しているんですよ。ただ、なるべく早くにその原因というのを明らかにして、どういう対応をするかというのは早々に一回御報告を差し上げたいと思っていますので、現段階ではちょっと今のところ答弁できない状態になっていますので。
ただ、さっき言われましたように、電気工事、設備工事のほうは本体工事に合わせて工期の延長というのは当然ながらやらないといけませんでしょうから、工期の延長について本体部分もするかどうかというのはあわせて協議しながら進めていきたいと考えております。
以上でございます。
92 ◯藤崎委員=とにかく本体が設計内容、仕様書が変われば、電気も設備も影響が出てくるかなと思うんですね。だから、本当にこれは大変大きな問題だというふうに思うんですね。何でこうなったんだろうか。責任はどこにあるんだろうか。本当そう思うんですよ。きちっとした数字を拾い上げていたんだろうか。もちろん設計は大手ですけども、すごいところですけども、逆に言うと、調達についてこの佐賀県内の、九州内のいろんな情報というのが入っていたんだろうかというふうにも思うんですね。
今後の影響があると、まずは、十一月議会、これは普通に考えたら間に合わんですよね。いかがですか、間に合わないでしょう。そこだけ。
93 ◯武富文化・スポーツ交流局副局長=お答えいたします。
先ほど委員からもございましたように、電気設備工事、それから、機械工事につきましては、これは落札いたしております。一方で、建築本体といったものが落札に至っておりません。そういう状況の中で建築議案をこの十一月議会に御提案するというのは非常に難しい状況になっているということでございます。
以上でございます。
94 ◯藤崎委員=そうすると、少なくともその次の議会は二月議会ですから、当然その分、後ろに数カ月押していくと、当然それをしないと、仕事は契約を結べないわけですから、おくれていくというふうな認識を持ったところであります。大変大きな影響だというふうに思いますので、早急に原因を突き詰めて、把握して、そして、議会側、県民側にもぜひそのことについては情報提供をしっかりとやっていただきたいということをお願いしておきます。
最後の質問に入らせていただきます。移住促進についてでありますけども、時間がありませんけども、午前中やらせていただきたいというふうに思います。申しわけございません。
先日この委員会で視察に参りました。白石のトレーニングファーム、イチゴをつくっておられました。その中に就農に向けて努力されてある方の研修生の中に実は神奈川出身の方がおられて、その方はいろんなことがあって、それで福岡に行こうかなと思っていたところ、東京のほうのそういう移住支援の取り組みのところに行き着かれて話を聞いているうちに、ああ、佐賀おもしろそうだなと思って、そして、そういうトレーニングファームのことを教えていただいて実際に見えられた、そして、今研修に取り組んでいる。そういう話を聞いて、ああ、よかったなと、またあわせて、県は頑張っているんだなというふうに思った次第であります。そして、税収確保に向けても移住支援というのはしっかり取り組まなきゃならないということは先ほど答弁でもありました。
そこで、移住促進に関してこれまで県としてどのような取り組みを行ってきたのか。あわせて、相談者数及び移住者数の推移、県外からの状況はどうなっているのか。二項目お尋ねをいたします。
95 ◯副島さが創生推進課移住支援室長=御質問にありました移住促進についてお答えさせていただきます。
まず、移住促進のこれまでの取り組みについてでございます。
委員からもございましたように、若い世代の都市部への流出や出生率低下等による人口減少社会を迎える中、本県への新しい人の流れをつくるため、平成二十七年七月から移住促進に積極的に取り組んできたところでございます。
具体的な取り組みとしましては、メーンターゲットを福岡都市部の子育て世代などとし、佐賀県の魅力を知ってもらうための情報発信、移住相談の窓口である「さが移住サポートデスク」を平成二十七年七月に佐賀、平成二十八年七月に東京、平成二十八年八月に福岡に拡充し、きめ細やかな相談対応を行ってきたところです。また、県内での生活を具体的にイメージしてもらうための市町と連携した移住相談会を進めてきたところです。
このうち情報発信につきましては、佐賀に住むことでかなえられる豊かなライフスタイルをコンセプトに「人生のS暮らすSAGA」としてテレビ番組による魅力発信を行い、同放送時間帯の情報番組などよりも高い平均視聴率を獲得し、一定のPR効果があったと認識しております。また、東京において市町と連携した移住セミナーなども積極的に開催してきたことから、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが公開している二〇一八年移住希望地域ランキングにおいて二十位圏外から初めて十位にランクインしたところでございます。
続きまして、相談者数及び移住者数についてでございます。
相談者数の推移については、延べ人数で平成二十七年度が千二百名、平成二十八年度が千五百四十三名、平成二十九年度が二千二十六名、平成三十年度が二千七十二名となっております。また、県や市町の移住支援を受けて移住された移住者数の推移につきましては、平成二十七年度が二百五十三名、平成二十八年度が三百六十七名、平成二十九年度が六百三十六名、平成三十年度が五百七十四名となっております。
続きまして、平成三十年度における県外から県内市町への移住状況につきましては、先ほど申し上げました平成三十年度の五百七十四名のうち、主な移住先としまして、佐賀市が百四十六名、基山町が百名、みやき町が七十一名などといった状況にあります。
96 ◯藤崎委員=ありがとうございます。本当にしっかり取り組んでいただいているというふうに思いました。
そこで、移住相談者からはどんな相談があっているのか何点かお示しいただきたいと思います。
97 ◯副島さが創生推進課移住支援室長=移住者からの相談状況についてでございます。
平成三十年度の三つの移住サポートデスクにおける相談件数は、メール、電話、面談の合計で二千二百六件でありました。相談内容につきましては、仕事に関することが全体の約五割、住まいや子育て・地域の情報など暮らし全般に関することが約五割になっております。
具体的な相談事例としまして、仕事に関することにつきましては、薬・化粧品の開発や品質管理の求人情報はあるか、システムエンジニアなどこれまでの職務経歴を生かせる仕事はあるかといったことでございます。
次に、暮らしに関することにつきましては、市町で整備している空き家バンクや家賃、住宅改修の補助制度を紹介してほしい、地域の保育園や子育て支援の情報を教えてほしい、災害が怖いので、災害の発生が少ない佐賀県に移住したいなどのさまざまな相談が寄せられたところでございます。
98 ◯藤崎委員=それでは、移住促進に向けた支援策についてでありますけども、県と市町でそれぞれ移住希望者に向けた支援策をどのように進めているのか、また、その際、移住促進に向けて県と市町はどのように連携しているのかお伺いをいたします。
99 ◯副島さが創生推進課移住支援室長=移住促進に向けた支援策についてでございます。
県と市町の役割としまして、県は佐賀県の全体のPRにつながる情報発信や市町と移住希望者をつなげる窓口の役割、市町は移住希望者のニーズにしっかり対応できるよう住まいや暮らしなど受け入れる上での環境整備を進めるという役割を担っております。
具体的な支援策について、県では住まいや仕事探しのためレンタカーを使う場合の経費の補助や移住の際の引っ越し費用の割引などの特典が受けられる「SAGA SMILEカード」を発行しています。また、市町では空き家バンクや移住体験住宅、住宅を購入する場合の費用の助成など実際に住むことを意識した支援策を講じております。
県と市町の連携については、県のサポートデスクで対応した移住希望者にとって希望するライフスタイルに応じた市町への引き継ぎ、移住者の身近な相談役である佐賀県地域移住サポーターの委嘱、イベントなどの情報発信や相談会の合同開催など、密接に連携を行っているところでございます。
100 ◯藤崎委員=あわせて県庁内においても関係課との連携が必要だと思います。その辺についても取り組んでいただいていると思いますが、答弁を求めたいと思います。
101 ◯副島さが創生推進課移住支援室長=県庁内での関係課との連携については、移住イベントにおけるこども未来課との合同開催や東京での移住セミナーでは幅広い層に佐賀暮らしのよさを伝えるため、多様なテーマを設定しており、経営支援課との事業継承セミナーや企業立地課とのIT起業セミナー、農産課、林業課、水産課との新規就業セミナーなどを行っており、農業関係につきましては移住体験セミナーにおいてトレーニングファームの見学を行うなど農産課との連携も実施しております。
以上です。
102 ◯藤崎委員=それでは、最後の質問ですけども、今後の取り組みについてであります。
令和四年度に九州新幹線西九州ルートが開業するということになっておりますけども、武雄温泉駅から長崎駅まで二十五分程度で移動が可能ということになります。通勤通学が可能な圏域が拡大をするわけでありますが、このため、今後、交通の結節点となる武雄市などへの移動については長崎方面への取り組みもさらに必要というふうに考えております。今後、移住を促進するためにどのように取り組んでいくのか最後お尋ねをいたします。
103 ◯副島さが創生推進課移住支援室長=今後の取り組みについてでございます。
まず、平成三十年度の前居住地別の県外からの移住状況についてでございますが、先ほど申し上げました移住者五百七十四名のうち、福岡県からが二百九十七名、長崎県からが九十三名、東京都からが三十三名などといった状況にあります。引き続き福岡都市部をメーンターゲットに本県の暮らしやすさを知っていただくための情報発信を継続して行っていくことが重要だと考えております。
長崎県からの移住者は福岡県に次いで多い状況であり、また、武雄市や嬉野市が令和四年度に予定されている九州新幹線西九州ルートの開業を見据え住宅改修の補助など移住施策についても積極的に取り組まれていますことから、県と市町が連携しながら長崎県からの移住促進についても力を入れていきたいと考えております。
移住促進に向けては今後も庁内関係課や市町と一緒になって佐賀の暮らしやすさや豊かな自然環境などの魅力を積極的に情報発信し、きめ細やかな対応をしっかり進めていきたいと考えております。
以上です。
104
◯石倉委員長=暫時休憩します。十三時をめどに委員会を再開します。
午後零時五分 休憩
午後一時 開議
105 ◯向門副委員長=委員会を再開します。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
106 ◯一ノ瀬委員=皆様こんにちは。佐賀讃花の会、一ノ瀬裕子でございます。昨年度といいますと、私、任期の前ですが、こうして決算の審議の場に携わることができて、また質問のお時間ちょうだいしましたこと、本当に感謝をしております。
常々、私、県の事業ですとか県議会に関心が薄い方に知っていただきたいな、届けたいなという思いで活動をしておりまして、初めての委員会質問、初めての一般質問と非常に中身の濃い御答弁をいただきまして、すぐにもお伝えしたいなという思いに駆られました。きょうもそういうやりとりをさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
では、きょうは四問御質問させていただきます。
まず最初に、「肥前さが幕末維新博覧会」についてお尋ねをいたします。
去年三月からことし一月まで、およそ十カ月にわたり開催されました「肥前さが幕末維新博覧会」は、維新博全体として県内外から二百二十四万人もの来場者があり、多くの人に感動を与えた博覧会だったと考えております。実は私、開催一年前のおととし、鍋島直正公銅像の除幕式に始まりまして、会期中、道端に立つ偉人モニュメントの除幕式、また三月十七日のオープニングイベント、また会期中六月、十月、そしてことし一月と三回にわたりますリレートークショー、またリレーシンポジウム、またラストのフィナーレイベントまで、折々に司会進行に携わらせていただきました。その時々で会場の空気感を肌で感じまして、またスタッフの職員の皆様と打ち合わせではその熱さというものも身近に感じさせていただきました。どの空間でもこれまでの司会進行では感じたことのないような満たされた空気感が会場からは漂ってまいりました。何といいましても、一月の寒さの中、二千人が詰めかけたフィナーレイベントでの歓声やため息、また拍手、涙から伝わってくる達成感に満ち満ちた会場の雰囲気は忘れがたく、とても印象深いものでした。
手嶌葵さんのテーマソング「一番星」をじっと聞きながら、会場を映像で振り返る時間もありました。また、スタッフそれぞれの涙の振り返りのインタビューもありました。そして、フィナーレでは紙吹雪が大量に舞い、拍手が長く長く続きました。そのステージ上に立ちますと、会場が一望できますが、何か天に上っていくようなエネルギーというものが見えるようで、この博覧会が県民にもたらしたものの大きさや深さ、これまでのどのイベントとも違うということがひしひしと感じられました。博覧会といって、資料やパネルの展示では終わらない、心を揺り動かすものであったあらわれだと、そのときの光景は脳裏に焼きついております。
県民にとっては佐賀の魅力に改めて気づかされる機会になっただけでなく、佐賀の先人の偉業や志を知り、誇りに思い、心の奥底が温められるような得がたい機会となり、と同時に、県外の人々にとっては幕末・維新期に佐賀が国内のどこよりも先進的な取り組みをさまざまに行っていたことや、その功績を知っていただくよい機会になったものと思っております。県民の一人として素直にこの機会に遭遇できたことは喜びでした。
このように好評を博した維新博を一過性のものに終わらせることなく、令和という新しい時代にも、そこに生まれた志を今後にどうつないでいくかが重要だと考えております。
そこで、次の点についてお伺いいたします。
まず、事業の目的についてです。
この事業は平成三十年の明治維新百五十年を機に開催された、まさに近年まれに見る県を挙げたビッグプロジェクトだったと思っておりますが、その目的について改めてお伺いをいたします。
107 ◯橋口文化課長=一ノ瀬委員の質問に対するお答えを申し上げます。
事業の目的についてのお尋ねでございました。
事業目的に関しては、藤崎委員の御質問への答弁の中でも触れさせていただいておりましたけれども、この博覧会事業そのものは、佐賀県が置かれているといいますか、幕末期に当時の佐賀藩が薩長土肥の一角として、明治維新に大きな役割を担った歴史的事実を踏まえながら、平成三十年に明治維新百五十年を迎えることを記念して、佐賀の偉業や偉人を顕彰し、この偉業をなし遂げた先人の志を今に生かし、未来につなぎ、県民の郷土への愛着や誇りの醸成につなぐこととして、各種事業を行ってきたところでございます。
以上です。
108 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございました。
誇りの醸成ということでございましたが、単に知識を提供するだけでなく、見る人のマインドを変えるといいますか、心のベクトルを変えることになり、影響も大変大きいだけに、内容の精度というものが求められると思います。また、責任も重くつきまとうものかと思いますが、取り組みにおいてどのような工夫をされたのかお伺いをいたします。
109 ◯橋口文化課長=事業実施上の取り組みの工夫についてのお尋ねでございました。
この維新博開催に当たりまして、当時の関係者にいろいろお尋ねしておりますが、一番苦心したこととしては、佐賀の偉業や偉人をいかにしてわかりやすく伝え、そして子供たちを含む来場者の心を震わせるということに腐心したということでございました。
ですので、工夫については二点ございまして、一つは偉人や偉業の顕彰に当たっての工夫でございますが、正しく歴史的なことを伝えるために大学の研究者や歴史家にお願いしまして、監修またはアドバイスを受けております。それと、可能な限り資料に基づきながら、史実に忠実に描くように心がけたところでございます。
次に、展示における工夫でございますけれども、通常の展覧会や博覧会で見られるパネルだけではなく、どうすればいいかということでございまして、歴史に関心の薄い方や小学生とか中学生など幅広い層の方にもわかっていただきたい、心を震わせてもらいたいと思ったわけでございますので、こういう幅広い層の方々にも幕末・維新期の佐賀のすごさやすばらしさを伝え、感動してもらえるように、従来型の資料やパネルによるものではなく、最新の技術を駆使した映像や演技と映像を組み合わせた演出方法の採用など、独特の展示を行ってきたところでございまして、これらの工夫を織りまぜながら事業を行ってきたところでございます。
以上でございます。
110 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございます。
さまざまな工夫がなされたということで、直正公の人物像というものも大きく書きかえられた事業になったのではないかと思いますけれども、きちんと歴史的な事実に基づいてという御答弁をいただきました。
それでは、この肥前さが幕末維新博事務局で実施した事業費及びその認識についてお伺いをいたします。
111 ◯橋口文化課長=維新博事業の事業費に関してのお尋ねでございました。
この維新博は、先ほど藤崎委員の質問の中にも答弁として多少お話もいたしておりますが、県内全ての市町の参画を得まして、それと十カ月にも及ぶ会期の中で開催をいたしたところでございます。事業費は平成二十九年度、三十年度の二カ年の合計で約二十四億円を計上し、執行してきたところでございます。
これら事業内容としましては、テーマ館、幕末維新記念館を初めとした、佐賀市内で三館、それと唐津、鳥栖のサテライト館二館の設置、県内の全ての小中学校の児童生徒、小学校四年生以上の子供たちに来ていただいているんですけど、維新博を体験していただくこと、それと「さが維新まつり」の開催や会場の隣にあります、「こころざしのもり」での県内全市町による市町の日の実施、毎週末には集客イベントを実施するなど、多岐にわたって会期的にも圏域、領域的にも多岐にわたり実施をしたところでございました。
また、経済波及効果も約百五十一億円と推計をいたしたところでございます。そもそも経済効果を目指した維新博の事業ではございませんでしたが、経済波及効果としても一定の成果があったと考えているところでございます。
実際に博覧会の開催中、会期中には多くの方々が会場を回遊する姿が多く見られました。これは町なかのにぎわいにもつながったというふうに認識をしておりまして、事業に要した経費に関しては二十四億円要しておりますけれども、有効に活用させていただいたというふうに認識をしております。
以上、御答弁申し上げます。
112 ◯一ノ瀬委員=会期も長く、また圏域も広くわたってということで、二十四億円かけた意義があったのではないかというお話でしたけれども、そもそもの目的に対しての成果というものをどういったところに上がったと県では認識をしていらっしゃるのか、そのあたりをお尋ねいたします。
113 ◯橋口文化課長=維新博の目的に対する成果、目的対成果というお尋ねでございました。
この維新博、県内外から二百二十四万人もの方々にお越しいただいておりました。このことに加えまして、幕末維新記念館ではアンケートをとっておりますけれども、その結果によりますと、来場者の満足度は九割に及びました。特に県内からお越しの方の九四・三%の方には、博覧会から佐賀への誇りにつながったとの評価をいただいておりました。
また、同じく幕末維新記念館の「ことのは」では、佐賀の偉業や偉人に心を揺り動かされた十万を超える思いがつづられております。このことからも、維新博を通して県民の心には佐賀への誇りが芽生えたものと考えております。
一方、維新博は佐賀の歴史をテーマとした博覧会にもかかわらず、県外からも多くの来場者をいただいておりました。東京のメディアを初め、県外のさまざまな広報媒体でも佐賀のことが取り上げられるなど、維新博開催を通して佐賀のすばらしさが県外の方にも伝わるという効果も生まれているところであると考えております。
このように、維新博は県内外の方々の佐賀に対する見方や印象を大きく変えたものではないかというふうに考えております。
以上、御答弁申し上げます。
114 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございます。
県内外からも多くの方がお越しということでした。先ほどの満足度のアンケートでいいますと、県内の方にアンケートをおとりになって九四・三%の方が佐賀への誇り、愛着につながったというお答えだったと思うんですけれども、県外の方をこれほど引きつけたというのも、もしかしたら想定外のことだったのではないかなと思うんですけれども、そのあたりの魅力というのはどのように分析をなさっているんでしょうか。
115 ◯橋口文化課長=県外の方々に魅力が伝わるということの評価に関するお尋ねだったかと思います。
もともと博覧会を開催する目的の一つ手前側のところの議論の中で、佐賀には何もないという県民意識を変えていきたいという知事の思いというものがあったところからスタートしていると思います。そのためには、我々県民自身が佐賀のことをよく知る必要があると思いますし、そのことを一生懸命我々自身が学び伝えていくことによって、そこが県外の人に対しても魅力というのは伝わっていくのではないかなと思います。もちろん、県外に対して広報戦略的に適切な時期に適切に広報を打つなどして、誘客対策というものを図っておったところでございますけれども、それよりも何よりも口コミといいますか、我々の気持ちをいかに伝えられるように工夫していくか、これも一つの工夫のあらわれかもしれませんけれども、そういう取り組みを十カ月の間で継続的に行ってきたということも評価されているのではないかというふうに考えているところでございます。
以上です。
116 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございます。
そのような集客といいますか、誘客といいますか、という取り組みが成功したというところ、また経験値を今後に生かしていただければと思います。
それでは、レガシーということでお尋ねをしたいと思います。
大きな、莫大な予算を使ってこの事業をなさったわけですけれども、最終的に佐賀県にレガシーとして残っているものというのは、どういったものがあるというふうに認識をしていらっしゃいますでしょうか。
117 ◯橋口文化課長=博覧会のレガシーについてのお尋ねでございました。
レガシー、これを残っていくもの、引き継いでいくもの、受け継いでいくものというふうに解釈して御答弁申し上げますけれども、かなり成果に関する御答弁というのは繰り返しになりますけれども、この維新博、多くの人の心に佐賀への誇りやこれから自分も頑張っていこうといった未来への志を芽生えさせていくことにつながっていったものと考えております。
この志こそが、これは委員から御指摘もありましたが、まさに維新博が残した一番大きなレガシーだというふうに考えております。
このように、県民の心に芽生えた佐賀への誇りは、佐賀が飛躍する上での土台となるべきものであります。
維新博を機にまかれたこの志の種を育み、若い世代やさまざまな分野に広げ、未来へさらにつないでいくことが重要と考えているところでございます。
また、維新博の閉幕後におきましても、その志がことし八月に開催いたしました全国高等学校総合文化祭にも引き継がれました。
また、二〇二三年には国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会が開催されますけれども、ここにも引き継がれていくものと考えているところでございます。
今後もこの志、誇りを若い世代やさまざまな分野につなぎ、広げていきたいと考えております。
以上でございます。
118 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございました。
志を未来につないでいくことが重要というお話でしたけれども、皆さんがお書きになった「ことのは」は今後どのようになさるんでしょうか、教えてください。
119 ◯橋口文化課長=「ことのは」の取り扱いでございますけれども、今、県立博物館のロビーに維新博メモリアル展示を開催しております。先月オープンしたところでございますけれども、そこの一角で「ことのは」の、これはピックアップしたものでございますけれども、見ることができるようになっております。実際展示もされておりますので、ぜひごらんいただければと思います。
未来に対する志の力強いメッセージが幾つも書かれているところで、当時の気持ちというんですか、感動というものを追体験できる展示になっているかと思います。ぜひごらんいただければと思っております。
以上でございます。
120 ◯一ノ瀬委員=メモリアル展示、私も見させていただきまして、現場にいらっしゃる方から御説明いただきまして、六百枚の「ことのは」が内蔵されていて、これで押すたびに見ることができるんだというような御説明などもいただいて、本当に感動的なメッセージがたくさんあったと思うんですけれども、その「ことのは」自体、今後に何かつなげていく事業といいますか、取り組みというのは考えていらっしゃるんでしょうか。
121 ◯橋口文化課長=「ことのは」に限らず、今後の取り組みということで、大きくお答えさせていただければと思います。
先ほど申し上げました維新博メモリアル展示は、博物館のところだけではなくて、佐賀城本丸歴史館の中にも弘道館をメモリアル展示の一つとして取り上げているところでございますが、これら維新博で設置したコンテンツを活用して、過去において維新博を見た人には再びあのときの感動をさらに感じられるように、また、維新博に来れなかった方々にも来ることと同じような感動を味わっていただけるような展示施設でございます。
十月十九日にそれぞれオープンしたところでございますが、これまで二十日を経過しておりまして、既に県立博物館のほうには四千人ものお客様においでいただいておりました。
また見ることができて当時の感動がよみがえったとか、友達にも勧めたいという声が今聞かれているところでございます。
同じく中央大通りにも設置しております二十五体モニュメントがございますが、これは継続して引き続き設置をしていきたいと思っております。
うち十一体に関しては、複製をつくりまして、関係の市町にも設置をしております。それら市町での顕彰に役立てていただいているところであるかと思います。
先人たちの志を今に生かし、未来へつなぐ祭りとしても、昨年度、「さが維新まつり」というものを創設いたしまして、ことしも先月十月十九日に第二回目を開催いたしました。
約三万八千人の方に楽しんでいただきまして、佐賀ゆかりの偉人に触れていただいたり、躍動感あふれる楽曲と振りつけによる踊りを楽しみ、これにより時代の息吹を感じていただいたものだと感じている次第でございます。
これら取り組みを総合的にまた展開いたしまして、今後も維新博で芽生えました佐賀への誇りや志をつなぎ、そして広げていくための取り組みを継続的に続けていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
122 ◯一ノ瀬委員=今後の取り組みについても広くお答えいただきました。
一旦レガシーというところにお話を戻させていただくんですけれども、レガシーということであれば、いろいろともっと数え上げられるものがあるのではないかなと思います。
私、間近に職員の皆様とイベントの打ち合わせなどで接するときに、私も含めですけれども、例えば、いろんな委託業者さんに火をつけたといいますか、すごく本気になってもらった、一緒に意見を出し合ってという信頼関係を築くまでに至られているというところをかいま見ることもできました。
そのような例えば展示のアドバイザーの一流でいらっしゃる洪恒夫先生ですとか、ナレーションでいえば神田松之丞さん、そして、アカデミー賞をおとりになった平田研也さんという脚本家の方々などとのつながりというものも大きなレガシーなのではないかなと思います。
そのあたりのことはいかがでしょうか。
123 ◯橋口文化課長=ただいま委員より具体的なレガシーに関しての御指摘があったかと思います。
確かに御指摘のとおりでして、レガシーそのものが物に残るものもありますし、このたび、私からは志というのがレガシーなのではないかというふうにお答えさせていただいておりますけれども、人との人脈というんですか、新たな博覧会を行うに当たってそれぞれのプロフェッショナルな人材との交流、コミュニケーションでもって、私どもスタッフ側もそれにあわせて成長していった、まさにそういう十カ月ではなかったかというふうに考えております。
もともとお題は組織、ミッションとして博覧会目的というものが設定されて、それに邁進していくわけでございますけれども、その中である意味悩みながら、議論しながら、我々の思いとそれを実現するためのプロフェッショナルな解決方法というのを結びつけていって、さらに成長させていくプロセスを我々も学んできましたので、今後も同種の事業といいますか、これからの県政の中でもそれを生かしていけるような取り組み、マインドを持って業務に従事していただければというふうに考えているところでございます。
以上です。
124 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございます。
レガシーということでいいますと、これだけの予算をかけたものですので、ここからいろんなものをレガシーに数え上げて、そして、さらにこの業績といいますか、イベントの価値というもの、また、かけた予算の価値というものを何倍にも伸ばしていっていただければなというふうに思っております。
それにいたしましても、人には忘却曲線というものがあって、たくさんの感動も忘れていくものですけれども、それを長くつないでいっていただきたいなと、そこがすごく大事なところではないかなというふうに思うんですね。
例えば、ビジュアルアイデンティティーという三角のマークをたくさんつなげたものが今回活用されておりましたけれども、そして、それが総文祭に、そしてまた、国スポ・全障スポにつなげていくということ、大変いい取り組みじゃないかなと思います。
このビジュアルアイデンティティーをさらにいろんなところで広げていただきたいなというふうに思っております。
例えば、私など女性ですと、三角のマークの一つを佐賀錦にしたお財布ですとか、名刺入れですとか、何かそういうものができたらいいなとか、女性スタッフの方はスカーフを使っていらっしゃいましたけれども、男性のネクタイの一部にちょっとこれが入っていたらすてきだななどなど思っております。
ぜひ見える化といいますか、志を常に思い出す装置としても、このビジュアルアイデンティティーというものをうまく活用していただければというふうに思っております。
そのあたり、一言お願いしてよろしいでしょうか。
125 ◯橋口文化課長=ビジュアルアイデンティティーですかね、VIと我々は簡単に言っておりますけれども、その活用に関しても御提言をいただいておりました。
具体的に今、この分野で使っていこうという明確なものがあるわけではございませんけれども、既に当然といえば当然なんですけれども、維新博メモリアル展示施設のところでそのVIを活用して、維新博とのつながりを強く見える化した、打ち出した展示の見た目をつくっていったところでございます。
あと志を継承していくであろう、例えば国スポの分野に関しても、場面場面でそういう維新博とのつながりを持たせられるようなツールとして、VIの使用というのは有効ではないかというふうに考えております。
適切な利用の方法というのは、多分いろんな工夫が要るかと思いますけれども、今後、御提案のあったように、例えば、スーベニアに使えるとか、そのあたりもいろいろ工夫の余地があるかと思いますので、検討を重ねてまいりたいと思っております。
以上です。
126 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございました。
総括ですけれども、このように心を震わせる事業というもの、また、心を満たすもの、心に力を与える事業というものが県のほうで可能なんだということを、そのときは一般県民として見ておりましたので、とても目を見開かされたといいますか、感激をいたしました。
私も展示内容へのその熱い思いを伺ったりですとか、リレートークショーの折々には毎度毎度、かんかんがくがく、その中身についてのやりとりなどもスタッフの皆様とさせていただきましたけれども、その皆様を大きく率いてこられた田中文化・スポーツ交流局長、最後にこの博覧会をどのように総括されているのかお尋ねをして、この質問を終わりたいと思います。
127 ◯田中文化・スポーツ交流局長=一ノ瀬委員から維新博の総括について御質問がありました。
さっき藤崎委員のときにもお答えしましたけど、内心にかかわるもの、佐賀のことを誇りに思ってほしいとか、佐賀のことを自慢してほしい、そういうふうになってほしいとかというのはやはり難しくて、しかも、歴史をテーマにした博覧会というのはそう簡単な話ではなくて、そういう難しいところにチャレンジさせていただいたのは、私たちとしてはすごくうれしい話でありまして、本当にさっき言われましたように、スタッフの人たち、あと専門家の方たちともかんかんがくがくの議論をしながら──ただ、私たちは佐賀の生まれですから、佐賀の魂というのをどれぐらいそこの中に込めるのかということで物すごくこだわって、それをお伝えして、それに応えてもらって形をつくっていったと。
ただ、この成功が何なのかというと、本当に今回は全県を挙げてやっていったということと、全庁挙げて、本部でも各部でもいろんな展覧会とかもやっていただきましたし、そういう形でみんなの気持ちが一つになったというのが多分成功の一番の鍵だったんじゃないかと思っています。
本当に末端のアルバイトのスタッフさんまで含めて維新博のことをすごく喜んでくださいまして、いまだに、例えば維新まつりをするときにはそのスタッフたちが来てくれたり、今回、事業委託を受けた会社のスタッフの人たちも維新まつりをすればわざわざ東京から駆けつけてくれるとか、そういう新しいつながりというのもできておりまして、これは一ノ瀬委員から言われましたように、一過性のものではなくて、どうにかして人脈を引き継ぎながら、もっと拡大していければいいと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
128 ◯一ノ瀬委員=何か「ワンチーム・ワンハート」という言葉を思い出させていただくようなお話でしたけれども、引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、二問目に移らせていただきます。
続きまして、「SAGAローカリストアカデミー事業」についてお伺いをいたします。
自発の地域づくり、こちらは「佐賀県総合計画二〇一五」の六つの施策の柱の一つであり、佐賀県では「佐賀県総合計画二〇一九」におきましても、引き続き同じく「自発の地域づくり さが」を施策の柱の一つに掲げ、さまざまな形で地域の取り組みを支援し、また、地域住民の自発的で主体的な地域づくりを推進されているところです。
一方、昨今の現状を見ますと、人口減少、また少子・高齢化が進む中、地域づくりに取り組まれる方々の高齢化も進みまして、活動が縮小したり、また、活動の継続が難しい状況になっているという話もお聞きするところです。
そのような中、県では、地域づくりに若い世代の参加を促すために、平成三十年度から新たに「SAGAローカリストアカデミー事業」に取り組まれているところです。
そこで、次の点についてお伺いいたします。
「SAGAローカリストアカデミー事業」を始められました背景、また、どのような目的で実施をされているのかお伺いいたします。
129 ◯岩永さが創生推進課長=事業の背景及び目的についてお答えいたします。
まず、背景でございますが、地域づくりの担い手の高齢化が進む中で、地域住民の方々からは地域づくり活動に若い世代の参加が少ないという声が聞こえてきているところでございます。
若い世代は地域に全くいないというわけでは当然なく、住んでいても地域づくり活動に消極的であったり、地域づくりに対して地味だとか、おもしろくなさそうといったイメージを持っておられるようでして、そうしたイメージが格好いいもの、生きがいとなるもの、おもしろいものというイメージに変わることで、若い世代が地域づくりに参加することができるのではないかと考えたことが背景でございます。
目的についてでございますが、こうした背景を踏まえまして、この事業では二十代から四十代の若い世代に地域づくり活動にもっと興味を持ってもらい、今後の地域づくりを担ってもらえるようにすることで、そして、県内で地域づくりの新たな動きが創出されることを目的に取り組んでおります。
以上でございます。
130 ◯一ノ瀬委員=新たな動きの創出というところが目的だというふうにお話をいただきました。
それでは、このローカリストアカデミーの内容について伺わせていただきます。
平成三十年度のSAGAローカリストアカデミーでは交流会や、また、お試し地域づくり活動が行われたと聞き及んでおりますが、それぞれどのような内容で実施をされたのでしょうか。
131 ◯岩永さが創生推進課長=内容についてお答えいたします。
まず、交流会についてでございますが、平成三十年度の交流会は平成三十年九月二十九日、佐賀会場は佐賀市で、それから、十月十三日の嬉野会場は嬉野市の二会場で開催いたしまして、地域づくり活動を実践している人──これをローカリストと称しております──が自身の活動内容や地域づくり活動に取り組むことになったきっかけなどを紹介した後に、参加者──これを今後の地域づくり活動の実践を期待してネクストローカリストと称しております──が各グループに分かれましてワークショップや意見交換などの交流を行ったところでございます。
それから、お試し地域づくり活動についてでございますが、交流会の後、ローカリストのもとで参加者が地域づくり活動を体験する「お試し地域づくり活動」を十二回実施したところでございます。
具体的には嬉野市の春日のほうで廃校で営業している分校Cafe Haruhiのグラウンドで、冬にこたつをあえて外で楽しむというイベントの開催であるとか、地域のお祭りでの小学生によるこども流鏑馬の企画運営などの地域づくり活動が行われたところでございます。
以上でございます。
132 ◯一ノ瀬委員=非常に楽しそうな活動ではないかと思うところなんですが、この事業にかけられる事業費と、あと、どのような体制でこの事業を推進してこられたのかというところをお聞かせください。
133 ◯岩永さが創生推進課長=事業費でございますが、決算額につきましては八百三十一万一千九百二十円でございます。あと、体制につきましては当課の職員、事業を外部の方に委託いたしまして、その方々と当課の特に若い職員が一緒になって企画立案のところから協議をして、また、ローカリストの方々の意見も聞きながら進めたところでございます。
以上でございます。
134 ◯一ノ瀬委員=それでは続けまして、ローカリストについて伺います。
ローカリストの出会いですとか、交流、また、参加者が地域づくりとはどんなことだろうと地域づくりの魅力や可能性を知っていく、このきっかけとなるローカリストの存在はこの事業のかなめとも言えるところかと思いますけれども、どのようにしてこのローカリストの方々を選ばれたのでしょうか。
また、SAGAローカリストというネーミングはなかなかセンスがあってすてきだなというふうに思うんですけれども、このネーミングの選定などはどのようになさったのでしょうか、お尋ねをいたします。
135 ◯岩永さが創生推進課長=ローカリストの依頼の考え方につきましてでございますが、ローカリストにつきましては県内で精力的に地域づくり活動に取り組んでいる実践者の方、それから、地域をこんなふうにしたいという思いを持っておられる方、それから、メーンターゲットとしている若い世代の共感が得られるよう、おおむね三十代から四十代の若手の方という視点で、平成三十年度はこれまでに県が実施した自発の地域づくりの支援事業でかかわりのあった方の中から十二名にお願いをしたところでございます。
それから、ネーミングでございますが、この事業は当初は「さがづくり志士会談」とか、「志士」といった名称でございましたが、「志士」という熱いイメージでは参加者が自分ごとに考えられずに、気おくれする可能性があるといった意見が出たため、県がお願いした十二名の方々と一緒になって新たな名称案を相談しまして、SAGAローカリストアカデミーとか、ローカリストといった名称に決定をしたところでございます。
以上でございます。
136 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございました。志士会談というよりもローカリストという呼び名のほうがやはり身近な感じもいたしますし、そのようにかかわる方々を巻き込んで意見を吸い取ってこのように進めてこられたということかと思います。
そして、ネクストローカリスト、こちらもこれからの地域の担い手となっていただく方々ですので、とても期待をされるところですが、この方々の募集というのはどのようになさったのでしょうか。
137 ◯岩永さが創生推進課長=ネクストローカリストの募集についてお答えいたします。
募集に当たりましては、ローカリストを紹介したパンフレットや参加者募集のリーフレットを作成いたしまして、県内の大学等に配布したり、ローカリストの紹介動画などを掲載した特設ホームページを作成し、募集を行ったところでございます。
以上でございます。
138 ◯一ノ瀬委員=そのような募集をなさって実際に参加された方々の属性というのはどのあたりが多かったんでしょうか。これからの活動につながるような方々にお越しいただけたのかどうか、そのあたりをお聞かせください。
139 ◯岩永さが創生推進課長=参加者の方々でございますが、意図したとおり、二十代、三十代の方が多くございまして、属性といたしましてはまさにこれまでやってきたというよりも、これから何かおもしろそうだという感じで参加をしていただいた方々が多かったように認識いたしております。
以上でございます。
140 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございました。
それでは、このSAGAローカリストアカデミーに参加された方々、ローカリストの方、そして、ネクストローカリストの方々の人数と、そして、寄せられたお声についてお聞かせください。
141 ◯岩永さが創生推進課長=参加人数等についてお答えいたします。
まず、交流会についてでございますが、佐賀会場には四十九名、加えましてローカリストの方、講師として六名、それから、嬉野会場に三十八名、加えてローカリストの方六名の計八十七名と、加えましてローカリスト十二名、合計九十九名の方々に参加していただきました。
ネクストローカリストの参加者の方からは、今すぐ何かをできるというわけではないけど、これから何かを始めるきっかけや勇気をもらった、それから、SNSで活動を何となく見聞きしていただけの人とつながることができた、背伸びしないローカリストや参加者たちの意見のぶつけ合いがよかったといった声が寄せられたところでございます。
それから、お試し地域づくり活動についてでございますが、十二回の活動には延べ六十五名の方が参加されまして、地元の知らなかった一面を見ることができた、今後は江北で頑張っているお店が活性化するような取り組みに携わってみたいとか、誰かの役に立てることの喜びを実感できた、地域活動を通して自分自身の引き出しをふやしつつ地域貢献につながればうれしいといった声が寄せられたところでございます。
それから、ローカリストの方々からは、参加者の満足度も高くてよかった、ローカリストにもっと女性がいたらよかったとか、交流会からお試し地域づくり活動までの期間が短くてお試し地域づくり活動の内容を参加者の方々とつくり上げることが難しかったであるとか、この事業を通しましてフィーリングが合った人たちとつながって新しい活動ができそうだというふうな意見をいただいたところでありまして、今後の事業の改善に活用していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
142 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございました。私もローカリストの方とお話をさせていただいたんですけれども、ふだん地域づくりをしている自分たち、地域では知ってもらっているけれども、それ以外の方々になかなか知っていただくことができなかったので、光を当ててもらってうれしいというお声ですとか、モチベーションが上がったということをお聞きしました。また、地域づくりといってもとても幅が広いので、いろんな方とお会いできたこと、とても刺激になってよかったというお声もお聞きしました。
この事業、これからもどんどん進めていただきたいと思うんですけれども、どのような成果が得られたのでしょうか。また、見えてきた課題などについてお聞かせください。
143 ◯岩永さが創生推進課長=成果と課題についてお答えいたします。
まず、成果についてでございます。
お試し地域づくり活動終了後もローカリストの方とネクストローカリストの方々がグループをつくりまして高校生向けの課外授業を実施するイベントを開催するなど、地域づくりへの若い世代の参画のきっかけとなっております。
それから、課題についてでございますが、このSAGAローカリストアカデミーに対する参加者の評価は高いものと感じておりますが、参加者からこれから何かを始めるきっかけや勇気となったといった前向きの声は聞いているものの、実際に継続的な地域づくり活動への参加につながっていくか、これをどう把握していくかが課題と考えております。
以上でございます。
144 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございました。小さい一歩を踏み出していただくというところ、確かに大変大事なところなのではないかなというふうに思います。この事業は今年度もまだ続いておりますけれども、参加していただいたネクストローカリストの方々というのはこれからの担い手として大変重要な存在ではないかと思います。少子化で人的なリソースというのは限られておりますので、この方々をどのように気持ちを継続していただいて、そして、実際の活動に踏み出していただくかというところが大事なところではないかと思っております。
ローカリストの方が提案するお試し地域づくりに参加して体験をしてみるというところで終わっておりますけれども、ここからもう一歩進めて、何かネクストローカリストの方だけでお試しの地域活動をして、それをローカリストが評価する、感想を言う、アドバイスをするなど、もう一歩踏み出したプログラムというものも考えていただければいいかなというふうに思っております。
そして、このローカリストの方々、そして、ネクストローカリストの方々を取りこぼすことなく、これからの活動へと育てていただければというふうに思っております。一年だけで活動を終わられたローカリストの方もいらっしゃるかと思いますけれども、OB、OGとして交流会に参加してもらったり、ネクストローカリストの方々にも広くお声かけというものを常々やっていただければというふうに思っております。
例えば、この前行かせていただいたんですけれども、「佐賀さいこう!応援団」というものがありますが、そのようなチームといいますか、というものもローカリスト、ネクストローカリストの方々でつくっていただければなというふうに思っております。そのあたりのことについて一言お願いいたします。
145 ◯岩永さが創生推進課長=御提案ありがとうございました。
おっしゃるように、継続していただくことがとても大事でございますので、OBの方というか、これまで参加された方々がその後どうかかわっていっていただくかということを把握していくことは必要だと思っていまして、今年度につきましては実際、連絡先もよろしければ聞かせてくださいということで情報も把握するようにしておりますので、そういった方々が実際どういう活動をしたいかということをつなげていきたいと思いますし、先ほどおっしゃったように、OB、OGの方とか、これまで参加された方同士と一緒になってネットワークをつくって、ネットワークというか、緩やかなネットワークと言ったほうがいいかと思うんですが、そういう方々もつなげていきながら、地域活動がさらに継続されるように努力してまいりたいと思います。
以上でございます。
146 ◯一ノ瀬委員=もう一つの課題としまして、動画ですとか、また、ロゴというものがとてもおしゃれにできているんですけれども、これらの活用というものももう少し進めていただければいいのではないかというふうに思っております。
例えば、ロゴに関してですけれども、これが年度によって全く変わってしまっている、色合いも、そして、イメージも変わってしまっているというところ、ちょっともったいないのではないかなというふうに思っております。これから佐賀でローカリスト、また、ネクストローカリストという方々を育てていく、この集団の存在価値を上げていくというところになりますと、やはり一つのシンボルとして掲げられるようなロゴなどがあればいいのではないかなというふうに思っております。
また、動画に関しましても、いろんな県のイベントで開会前のお時間、プロジェクターを使うイベントですと、このような動画を流すこともできるのではないかと思っております。私、ある企業の司会をさせていただいて九州全部を回ったんですけれども、そのときにその企業の何らかお伝えしたいものを始まる前に動画で繰り返し流すというところがありました。すごくインプットされるんですよね。とてもおしゃれに動画もできておりましたので、ぜひ御活用いただければいいかなというふうに思っております。
この動画に関してローカリストの方々にお話を聞いたんですけれども、何かちょっとこっぱずかしいというようなお話もなさっていました。とてもかっこよくできているんですよね。せっかくですので、この存在、この動画というもの、そして、ロゴというものも大切にしていただいて、今後つなげていただければというふうに思っております。一言お願いいたします。
147 ◯岩永さが創生推進課長=私もこの年齢でございますので、こういう若い方々の動画を拝見させていただいて非常におしゃれだなと、ロゴも含めて思っておりますので、委員今おっしゃったように、今後やっていく交流会のアカデミーの中で事前に流すとか、もう少し活用ということについては意識して取り組んでまいりたいと思います。
以上でございます。
148 ◯一ノ瀬委員=それでは最後に、今後このような課題を踏まえてどのように取り組もうとしているのかお聞かせください。
149 ◯岩永さが創生推進課長=今後の取り組みでございますが、SAGAローカリストアカデミーの参加者から寄せられましたアンケート結果やローカリストの方々からの声などを参考にしながら、参加後のネクストローカリストの方々の動きをしっかりとフォローしていくことで、一人でも多くの若い世代が地域づくり活動に参画していただけるようしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
150 ◯一ノ瀬委員=最後にと申しましたが、もう一つだけお伺いをいたしたいと思います。
岩永課長、「ミスター県民協働」と言われているということもお聞きしたんですけれども、この活動、とても期待をしておりますので、そのあたり込めまして意気込みを一言お願いいたします。
151 ◯岩永さが創生推進課長=ありがとうございました。
私自身も、二十年以上地域づくり活動といいますか、そういう活動をしておりましたので、やはり行政だけじゃなくて、住民自身、住民の方たちがみずから考え、行動していく自発の地域づくりということは非常に重要だと認識しております。
当課では、高校生を対象として佐賀の魅力を発掘、再認識してもらう企画プレゼン「佐賀さいこう!企画甲子園」を開催いたしております。次の世代である主に二十代、四十代の青年世代の地域活動を進めるこのローカリストアカデミー事業、それから、何より実際活動する場合、これは県内全域で全世代を対象として、現在はさが未来アシスト事業補助金と申しておりますが、そういう補助金であるとか、自発の地域創生プロジェクトを展開しております。そういうことで、今後とも県民みずからが考え、行動する自発の地域づくりを全力でサポートしてまいりたいと思っております。
以上でございます。
152 ◯一ノ瀬委員=それでは、三つ目の問いに移らせていただきます。
三つ目は県の大事な税収に関する質問です。
この十年間で県税の収入未済額が大幅に縮減をし、これに伴い徴収率も上昇していると伺っておきます。これは県と市町がしっかりと連携して取り組まれている成果によるものと受けとめております。地道な徴収の作業に日々取り組んでこられた方々には心からねぎらいと感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
このすばらしい取り組みの中で、特に個人県民税、これが県税の収入未済額の大部分を占めるところですが、この個人県民税については、佐賀県滞納整理推進機構を活用した成果が大きいと考えております。また、自動車税など、そのほかの県税につきましても徴収に当たられる職員の方お一人お一人の地道な努力が成果につながっているのではないかと思っております。
それでは、次の点についてお伺いをいたします。
県税収入未済額及び徴収率はどのようになっているのでしょうか、その推移をお尋ねいたします。
153 ◯大塚総務部副部長=県税の収入未済額及び徴収率についてお答えをいたします。
県税全体の収入未済額は平成二十二年度の約二十一億一千九百万円をピークに、平成三十年度決算では約九億一千六百万円となっており、金額で約十二億四百万円の縮減、率にして五七%の減少となっております。
また、収入未済額の縮減に伴い県税全体の徴収率も平成三十年度は九八・九二%となっており、平成二十二年度の九六・九四%から一・九八ポイント上昇しております。
なお、平成三十年度の県税徴収率は平成元年度以降過去最高となっております。
以上でございます。
154 ◯一ノ瀬委員=県税の収入未済額の縮減のためにいろいろなお取り組みをなさってきた成果かと思いますけれども、どのような取り組みをされてこられたのでしょうか。
155 ◯大塚総務部副部長=県税の滞納整理に係ります基本的な取り組みについてお答えをさせていただきます。
県税収入未済額の縮減に向けた具体的な取り組みといたしましては、例えば、納められるのに納めない人に対しましては、差し押さえ処分等を前提とした滞納整理を毅然として進めるとともに、多重債務を抱えて借金返済等に追われていらっしゃるような、納めたくても納められない人に対しましては、関係部署と連携して多重債務の整理に道筋をつけ、生活再建を図りながら、分割での納付にも応じることで、納税につなげていくなどの取り組みを行っているところでございます。
以上でございます。
156 ◯一ノ瀬委員=仕分けをしながらなさっていることという御答弁だったかと思います。
それでは、県と市町が共同で取り組んでこられた佐賀県滞納整理推進機構は平成三十年度末で解散したと伺っておりますが、これまでどのような取り組みをされてきたのでしょうか。
157 ◯大塚総務部副部長=佐賀県滞納整理推進機構の取り組みについてお答えをいたします。
個人県民税につきましては、平成十九年度に所得税から住民税へ税源移譲が行われ、滞納額の増加が見込まれたことなどから検討を始め、市町との間で新組織のあり方などについて合意形成を図り、平成二十一年度に県と十七市町によって佐賀県滞納整理推進機構を設立し、個人県民税を含む市町村税の滞納整理を進めてまいりました。
市町からは、平成三十年度までの十年間において延べ百四十四名の職員を派遣いただき、徴収について豊富な知識と経験を持つ県職員とチームを組んで、ともに業務を行うことで滞納整理に精通した人材の育成にも取り組んでまいりました。
また、機構参加市町のうち希望する市町につきましては、県職員が市町を訪問し、滞納整理の支援、助言を行うなどの取り組みも行ってまいりました。
こうした機構の取り組みの結果、個人県民税の収入未済額はピークである平成二十一年度の約十五億九百万円から約五億八千三百万円へと約九億二千六百万円縮減いたしております。
また、徴収率につきましても、平成二十一年度の九三・二一%から平成三十年度の九七・四二%へと四・二一ポイント上昇するなど、大きな成果があったものと考えております。
さらに、市町へのアンケート結果によりますと、職員を派遣いただいた全ての市町において、市町職員の徴収スキルが向上している、あるいは市町間でネットワークが構築され、現在も積極的な交流、情報交換が行われているなどと伺っており、人材育成などの面においても大きな成果があったものと認識をしてございます。
以上でございます。
158 ◯一ノ瀬委員=人材育成にもつながったというお話でした。目標を無事達成されて、平成三十年度末で解散されたというところですが、より徴収困難な案件が残っていく中で、このように毎年成果を上げられ、そして実績を上げてこられた、数値も上げてこられたというところ、非常にすばらしい取り組みであったのではないかと思います。
そして、気になるのがこの滞納整理推進機構が解散した後の体制ですけれども、その後についてはどのような取り組みが行われるのでしょうか。
159 ◯大塚総務部副部長=個人県民税の収入未済額縮減に向けました今後の取り組みについてお答えをいたします。
この機構による所期の目標を達成いたしましたので、昨年度末に解散となっておりますが、機構における取り組みの結果、市町によっては自立した徴収体制が構築されつつあります。その一方で、収入未済額が多額で、依然として県からの支援が必要な市町も見受けられるところでございます。
また、機構の解散に当たり、市町と意見交換をしたところ、徴収率の向上は機構による効果が多大であり、引き続き好循環が生まれている県との関係を継続してほしい、あるいは市町単独での処理が困難な案件については専門的手法を駆使して共同処理する組織が望まれるといった意見も出ております。
加えまして、市町からは収入未済額のうち高額案件、あるいは徴収困難案件などの割合が年々増加しつつあると伺っているところでございます。
県といたしましては、これらの案件の解消に引き続き取り組むとともに、専門知識を持った市町職員の継続した人材育成が必要であると判断したところでございます。こうしたことから、本年四月一日から佐賀県税事務所と武雄県税事務所の組織見直しを行いまして、個人県民税等の徴収に特化した部門を新たに設置いたしまして、両事務所に市町職員を受け入れ、共同連携した取り組みを引き続き行っているところでございます。
また、職員を県税事務所に派遣しない市町につきましては、県職員が市町を訪問し、滞納整理の支援、助言を行い、進行管理の徹底を図っていくこととしております。
以上でございます。
160 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございました。
新しい体制に参加されていない市町に対してもちゃんとアドバイスなどが行き届くようになっているということでした。
それでは、最後に自動車税など、そのほかの県税についても収入未済額を大きく縮減したと聞いておりますが、今後、個人県民税以外の県税の収入未済額縮減に向けてどのような取り組みを行っていかれるのでしょうか。
161 ◯大塚総務部副部長=個人県民税以外の県税の収入未済額縮減に向けた今後の取り組みについてお答えをいたします。
個人県民税以外の県税につきましても、各県税事務所において積極的な滞納整理に取り組んでおります。特に県税事務所が重点税目として取り組んでおります自動車税につきましては、納税するための資産等が十分にあると認められる場合には、折衝を長引かせることなく、速やかに預金や給与などの債権差し押さえへ移行するとともに、タイヤロックなども活用することで、早期の滞納整理を図っているところでございます。
これらの取り組みにより、自動車税の収入未済額は平成二十一年度の約二億五千六百万円から平成三十年度の約三千七百万円へと約二億一千九百万円、約八割の縮減となっております。
引き続きこうした取り組みを行っていくとともに、今年度からは個人県民税以外の県税につきましても、県税事務所に徴収経験が豊富な再任用職員を複数配置しまして、その指導のもと滞納整理を行うことで進行管理の徹底と若手職員等の徴収スキルの向上を図り、滞納整理に精通した人材の育成にも取り組んでいるところでございます。
今後とも市町と緊密な連携を図りながら、行政の基盤となる県税収入の確保を図るべく、県税事務所職員一同、一丸となって取り組んでまいります。
以上でございます。
162 ◯一ノ瀬委員=税の負担の公平性からも、そしてまた、歳入確保の観点からも非常に重要なところかと思います。また、生活困窮などなど配慮しなければならない点などもあって、そしてまた、毅然として差し押さえなど処分を実施していかなければならない点など、さまざまに御苦労も絶えないところかと存じますが、新しい体制でもさらなる効果を、成果を期待したいと思います。
それでは、四問目に移らせていただきます。
最後の問いとなります。平成三十年度の佐賀県歳入歳出決算等審査意見書によりますと、定期監査での指摘件数は前年度より九件減少したということでした。毎年ふえることなく確実に減っておりますが、昨年度全体では百三十一件の指摘件数が上がっております。特に重要な指摘事項につきましては、過去三年間の審査意見書を見てみますと、平成二十八年度は三件、そして平成二十九年度は四件、そして平成三十年度は八件と、指摘事項が年々ふえているのが現状です。おととしから見ますと、昨年度は残念なことに倍増ということになっております。
久本監査委員から構造的な問題が認められるとの報告がありまして、先ほど藤崎委員の質問の中でも御答弁がございましたように、職員お一人お一人の事務処理能力の向上ですとか事務の引き継ぎのマニュアル化などの取り組みも当然ながら必要なところかと思われます。これに関しては、各種の研修やeラーニングなどが導入され、また引き継ぎマニュアルに関しても、私も見させていただきましたけれども、前任者から担当者に一カ月以内にしなければならないことですとか、失敗例なども記されておりました。さらに、担当者が上書きをして次の担当者に引き継いでいくというお話で、年々ノウハウが蓄積され、ブラッシュアップされていくものと思っております。
ただ、今回報告された重要な指摘事項を見ますと、中には遅延利息を支払うものもありました。遅延利息の場合は十万円以上支払うケースが重要な指摘として上がってくるとのことでしたが、七年ぶりに十万円以上の遅延利息を支払う事態となっております。今回のケースは二十五万四千百円の支払いとなっております。このほかのケースなどもあわせてみますと、担当者が所属内で状況を共有できていれば防げたかもしれない事例も見受けられます。例えば、請求書が来ているなどの状況や情報の共有ができていれば、時間をロスすることなく行動に移せ、防げたかもしれないというケースが見受けられます。職場内での上司・部下間のコミュニケーションがしっかりと図られ、連携ができていることも、先ほどの答弁にあったように、限りある人員で仕事を回していくためには重要なことかと思われます。
また、働き方改革で限られた時間内で成果を求められる状況ではますます重要なことかと思われます。特に会計事務などにつきましては、これらの担当者、係長といったラインでしっかりと業務の把握をしたり、進捗を共有することとともに、また気軽に相談できる関係性というのが必要で、そうした体制があれば不適切な事務処理を防ぐことにもつながるのではないかと考えております。
そこで、次のことについてお伺いいたします。
不適切な事務処理を防ぐための職場内での連携についてです。
不適切な事務処理を防ぐためには、申し上げましたとおり、職場内での連携が必要で、コミュニケーションを密に行うことが仕事をしていく上で大変重要なことと考えておりますが、この点についてどのように認識をされていますでしょうか。
163 ◯藤崎行政経営室長=不適切な事務処理を防ぐための職場内での連携についてお答えいたします。
職員が仕事を行っていく上では、職場内での円滑なコミュニケーションは大変重要なことと考えております。コミュニケーションが十分にとれていれば、事務処理で困ったときも上司・部下間で気軽に相談できること、業務の繁忙期にあわせてチームで助け合えることなどにより、職員が仕事の悩みや疑問等を所属内で共有することができ、結果、職員一人一人にとって働きやすい職場環境につながっていくものと認識しております。
以上でございます。
164 ◯一ノ瀬委員=必要性を認識していらっしゃるということですが、コミュニケーションを活性化するための取り組みというものを具体的に行っていらっしゃるのでしょうか、内容についてお聞かせください。
165 ◯藤崎行政経営室長=コミュニケーションを活性化するための具体的な取り組みについてお答えいたします。
特に今年度は、働き方改革推進本部の中でも職場内でしっかり議論していただくことをまずお願いしたところでございます。
議論していただくことで日ごろできていなかった取り組みに気づき、それを実際に改善してもらうと。議論の結果を部局や所属の実行宣言とし、それぞれの執務室に掲示し、常に意識できるような環境をつくっていただいております。
具体的な宣言内容としましては、挨拶、感謝を積極的に言葉に示す、議論をしながら十割を目指すよう早目の相談、随時修正を行う、資料作成を指示するときは必要事項を明確に示そうなどを初めといたしまして、打ち合わせの進め方や相談対応のあり方など、それぞれの部局や所属の実情に合わせて取り組み内容を定め、進めているところでございます。
以上でございます。
166 ◯一ノ瀬委員=具体的な取り組みについてお答えいただきました。
どのような物事に取り組んでいくかということは、ニーズ調査に基づいて行われているところかと思いますけれども、県庁内のコミュニケーションなどについての調査というものを行われているかと思います。
そのあたりについてお伺いをいたします。
167 ◯藤崎行政経営室長=コミュニケーションの状況の調査についてお答えいたします。
職場内のコミュニケーションができているかということについて直接にお尋ねしたものはありませんけれども、平成三十一年三月に実施した職員アンケートにおいて、働き方改革全般について取り組みをお尋ねしたものがございます。
その中では、何をどこまで準備するかが職員や管理監督者によってばらつきがあるですとか、仕事の節目節目においてねぎらいや褒め言葉が欲しい、認めてもらうだけでも部下はモチベーションを保つことができるといった声が寄せられております。
回答した職員の約三五%が上司・部下のコミュニケーション促進を必要としているという結果が出たところでございます。
こうした声を踏まえまして、職員一人一人が意欲的に仕事に取り組める職場環境が実現できるよう取り組みを進めているところでございます。
こうした働き方改革を通じまして、職場環境というものは一定程度よくなったとの意見も寄せられておりますが、一方で、上司の指示、助言等が適切でなく、意思疎通ができていないといったアンケート結果も見られているということでございます。
以上でございます。
168 ◯一ノ瀬委員=ありがとうございました。
意思疎通ということでありますと、例えば、先ほどの具体的な「ありがとう」を言うというような内容などですと、ちょっと物足りないといいますか、足りないのではないかというふうに思いますけれども、そのあたりについて具体的な取り組みというのはあるのでしょうか。
169 ◯藤崎行政経営室長=具体的な取り組みについてお答えいたします。
委員御指摘のように、「ありがとう」だけでは一方通行になるということで、コミュニケーションが十分に進められませんけれども、上司・部下間で積極的に会話をしていただいて、日ごろからどんなときにも気軽に相談できる体制というものをつくっておく必要があると考えております。
そのため、日ごろからしかめっ面をしないとか、笑顔で対応するとか、常に会話をするとか、そういったことを心がけていただくような取り組みをしているところでございます。
以上でございます。
170 ◯一ノ瀬委員=しかめっ面をしない、笑顔というところは、何か私もちょっとだけ感じるところもございます。
控室で打ち合わせなどさせていただきますけれども、最後お帰りになるときに、「まだ何かおっしゃりたいことはございますか」というふうにこちらがお尋ねするくらいの表情を浮かべたままの方がいらっしゃるんですよね。
そのような方が職場にいらっしゃったら、なかなか声もかけにくいところかなというふうに思います。
私はアナウンサーとしてやってまいりましたので、息を吐くことの大事さというのはすごくわかるんですよね。
何となく息をとめて、会話もせず仕事をしている職場というのは、何となくやっぱり一人で抱え込んでしまうような境地になっていくのではないかなというふうに思います。
未熟な提案ですけれども、例えば、ひとり言の活用といいますか、今から何をしようとか、今、何々で困っているというような、そういうちょっとしたひとり言を活用するといいますか、そういうところも考えていただければいいのではないかなというふうに思います。
皆様はやっぱり時間も限られた中で成果を出さなければいけないというのがますます求められる中で、何かもうワンアクション、エネルギーがかかるような取り組みというのは非常に大変なところかなと思います。(副委員長、委員長と交代)
エンジンやアクセルをかけることなく取り組めることとして、何となくひとり言をぱっと言って、お互いの状況を把握し合うというようなところもいいのではないかなというふうに思います。
最後に、この職場内のコミュニケーションの活性化を含め、職場環境をよくするためにどのようなことに今後取り組んでいかれるのかお聞かせください。
171 ◯藤崎行政経営室長=今後の取り組みについてお答えいたします。
職場環境をよくするためには、まずは所属長の意識啓発も必要であると考えておりまして、部下の効率的な働き方をサポートできるよう、今年度の管理職研修でイクボス関連の研修を予定しているところでございます。
また、先ほど申し上げました実行宣言等でも声をかけ合いながら仕事をするですとか、委員から御提案のあったひとり言を発するですとか、そういったことの宣言を掲示することで、日ごろから職場内でのコミュニケーションを意識する雰囲気づくりを継続的に進めていくものだと考えております。
さらに今年度からの取り組みといたしまして、働き方改革の一環で、例えば、職員の研修申し込み状況ですとか、年休取得状況、育児休暇等の取得状況などがよかった所属の所属長については、常日ごろから働きやすい職場環境を心がけている所属長として表彰することなども検討しております。
こうした取り組みを通じて管理職の主体的な取り組みについても期待しているところでございます。
これを通しまして、より一層働きやすい職場環境づくりができるよう、意識啓発ですとか機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
172 ◯八谷委員=自由民主党の八谷克幸でございます。委員長の許可を得まして、早速質問に入らせていただきます。
まず最初は、財政問題でございますが、あえて項目の中に積極的な財政運営ということで質問させていただきます。
一番眠たい時間ですけれども、しばらくのおつき合いをよろしくお願いいたします。
近年、非常に大規模な災害が本当に頻発しておりますことと、それから、社会資本整備のおくれ、さらには県経済を浮揚させるなどの立場から、私はもっと積極的な県財政の運営をすべきではないかとの考えから質問をさせていただきます。
まず最初に、財政課長にお尋ねをいたします。
公共事業の推進、公共投資についてどのようにお考えなのかお尋ねをいたします。
173
◯寺島総務部副部長=公共事業予算、公共投資に関する考えをということでございます。
代表されますような道路ですとか、あるいは河川などの社会資本を整備いたしますことは、県民の皆様の暮らしを便利に、あるいは豊かにするということもありますし、産業の振興あるいは交流を促進するといった活力ある地域づくりに寄与するという面がございます。
そして一方で、災害が頻発しておりますので、そういった意味でも、あるいは交通事故の防止という意味でも、県民の方々の安全・安心な暮らしを実現するということにも非常に大きく役割を果たしているものというふうに考えております。
特に近年、災害が頻発、激甚化しておりますので、そういった面、防災・減災、あるいは国土強靱化といったことについても強力に推進することが必要であるというふうに認識を持っております。
一方で、社会資本の整備を行いますには非常に大きな財源が必要となります。
このため、事業の優先性ですとか投資効果といったものを検証することは、もちろん従来からしておるわけでございますし、そういったことは非常に重要でございますけれども、例えば、国に直轄事業として実施していただくということを要望するですとか、さらには国の補助金、交付金、そういったものを有効に活用するために積極的に獲得するということをあわせながら、どうしても大きな財源が必要になりますので、県債の発行というものが出ます。
そうしますと、将来世代に負担していただくことになりますので、それが過大にならないようにということをしっかりと考慮しながら、計画的に、そして効果的に整備を進めていかなければならないというふうに認識をしております。
以上でございます。
174 ◯八谷委員=財源の問題は大きな大きな問題でございますけれども、いわゆる事業の効果につきましては、しっかりと説明をいただきました。
今、令和という新時代に入りましても、災害の発生はとどまることを知らず、むしろ多発化、大規模化の様相を呈しております。
本県におきましても、七月と八月の豪雨により甚大な被害をこうむったことは忘れることのできない災害であったと思います。ここに改めて亡くなられた方々の御冥福と、そして、被害に遭われた方々に対しましてお見舞いを申し上げるところでございます。
こうした経験を教訓に、想定外の風水害から県民の生命や財産を守るため、社会資本の整備を一層充実強化していく必要がございます。
また、先ほどから話があっております本県におきましては、二〇二三年、令和五年に国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催が内定をしており、これを契機にさまざまな競技や周辺の環境を充実させる絶好の機会であると考えております。
前回、一九七六年、昭和五十一年国体時におきましても、競技場はもとより、官民問わず、周辺整備を含めた投資が行われ、県内の社会資本の充実が図られたと聞き及んでおります。
幸い本県の財政状況は、午前中の質疑の中でありましたように、比較的健全性を保っております。また、大規模施設整備基金も保有しているところでございます。
公共事業を強化することは、社会資本の充実、国土強靱化の推進はもとより、大企業が少ない本県経済にとりまして、県内経済に大きな効果をもたらすものと考えております。
一方で、安定した公共事業を展開することは、従事者や大型機械の確保など雇用の拡大、災害時などの緊急時の応急対策にも必要であります。
このことは今夏の大雨災害におきましても、その迅速な対応が図られたことは周知のとおりであります。
このようなことから、公共事業の予算を増額する積極的な財政運営を行うべきと考えておりますけど、以下の点についてお尋ねをいたします。
これまでの県財政の中で投資的割合はどのように推移してきたのか、総額なり、あるいは全国に占める位置状況などについてお答えをいただきます。
175
◯寺島総務部副部長=投資的経費の割合ということでお答えをさせていただきます。
過去十年間で見ますと、投資的経費の歳出決算額に占める割合が大体二〇%前後で推移をしてきております。
また、平成三十年度の全国の状況はまだ公表されていない段階でございますので、平成二十九年度で申しますと、本県は普通建設事業費の総額では七位、単独事業では五位ということでございまして、全国と比較いたしますと、その割合は高い状況にございます。
以上でございます。
176 ◯八谷委員=さきに実施されました行財政運営計画二〇一五におけます投資的経費の実績についてお尋ねいたしますが、行財政運営計画二〇一五の策定段階におきましては、収支改善対策として投資的経費の抑制が掲げられました。
中期投資見通しとして、平成二十七年度から平成三十年度の四年間は投資総額を二千九百五十億円とし、百四十五億円の投資抑制を図ることとされたところであります。
各年度及びこの四年間の投資的経費の実績はどうであったのかお尋ねをいたします。
177
◯寺島総務部副部長=行財政運営計画二〇一五における投資的経費の実績のお尋ねでございます。
最終予算ベースでお答えをさせていただきます。
投資的経費の実績は、平成二十七年度が七百二億円、平成二十八年度が七百三十九億円、平成二十九年度が七百七十四億円、そして、平成三十年度が七百七十五億円で、四年間の合計は約二千九百九十億円というふうになってございます。
以上でございます。
178 ◯八谷委員=行財政運営計画二〇一五に対する実績としては、四十億円増額されたという実績が出ております。
今後の公共事業予算の考え方につきましてお尋ねをいたします。
さきの九月議会におきまして公表されました県財政の収支試算におきましては、平成三十一年二月、ことしの当初予算時より収支不足が悪化しておるということで、また、財政調整用基金残高も若干減ると試算をされたところであります。
一方、収支試算の主な前提条件の中で公共投資につきましては、通常事業に配慮しつつ、県勢の発展に必要な大型事業についての反映ということでされたところでございます。まだまだ大型公共事業はたくさん、先ほどのSAGAサンライズパークなり、あるいは佐賀空港滑走路延長、城原川ダムと、先ほどの話がございましたが、そういったものと同時に、社会福祉関係経費の増嵩も言われ続けておりました。ただ、県勢発展のためには、私自身は公共事業予算の増額を図るべきだというふうに考えております。それは先ほど述べました理由によるものでありますけれども、県では今後の財政運営の中で公共事業予算をどのように考えているのかお尋ねをいたします。
179
◯寺島総務部副部長=行財政運営計画二〇一九におきます投資的経費の見込みということでお答えをさせていただきます。
今年度、令和元年度につきましては八百九十七億円、来年度、二年度は一千百三十八億円、令和三年度は一千七十三億円、そして、最終年度、四年度は九百四十五億円でございまして、四年間の合計は約四千五十三億円を見込んでいるところでございます。
以上でございます。
180 ◯八谷委員=なかなか財源の厳しい中で、先ほど来の質疑があっておりますけども、そういう中にありながらも、やはり県勢浮揚のためには投資的経費の増嵩はぜひともやっていただきたいと思います。
最後に、部長に決意のほどをお伺いいたします。
181 ◯進総務部長=投資的経費について御質問をいただきました。
近年の災害を見ていましても、やはりインフラ整備というものは必要なんだろうというところをまた痛感しているところでございます。
しばらく、国全体もそうだと思いますけど、財政状況が非常に厳しい中で、どうしても投資的経費を非常に絞ってきたところがございます。そうした問題が多少出てきているのかなという実感もありますので、やはり必要な箇所はどこなのかというのを精査した上で、もちろん財政状況をよく考えながらしなくてはいけませんので、精査した上でとはなりますけれども、必要なインフラ整備についてはしっかりとしていかなくてはいけないというふうに考えているところでございます。
また、インフラだけではなくて、県勢の発展のためには必要な事業というものもいろいろあるかと思います。長期的にいつ、何をやっていくのかというのを計画立てながら、これは、今、委員御指摘もありましたけれども、事業者のほうもある年度だけいきなりぼんとふやしても、これは決してうれしい話ではなくて、その後またがたっと減っては意味ないので、やれる範囲でどういうふうにやっていくのかという長期的な視点にも立ちながら、今後しっかりと取り組みを進めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
182 ◯八谷委員=部長から答弁をいただきました。やはりでこぼこじゃなくて、通年の予算額の確保といったものがやはり業界のいわゆる従業員の確保についてもそういったものにつながると思いますが、ただ、財源問題がどうしてもかかってまいります。財務省の非常に大きな宣伝で、あたかも国民一人当たり大きな大きな借金があるごとく宣伝をされておりますけれども、私としては、過去も申し上げましたけども、実態はそうじゃないんだと。そしてしかも、この公共投資をすることによって経済発展をさせることによっての税収の増加、このことが国力を増すことにつながるということだと私は思っておりますので、総務省出身の総務部長にはしっかりと財務省に対峙していただきたいと思います。
それでは、二番目の問いに入らせていただきます。
二番目の問いは、自発の地域づくりの推進ということで上げさせていただいております。
全国で大規模な災害が思わぬ地域で思わぬ災害が頻発をしております。こうした災害発生地域におきましてコミュニティーがしっかりしている地域は復旧復興が比較的早いとよく言われております。ところが、地域のコミュニティーの崩壊が叫ばれている今日、あらゆる手段でこの崩壊を食いとめる必要があります。これは高齢化と人口減少が著しい農村のみならず、都市部においてもしかりであります。特に農村部におきましては、過去、ある学者が、農村社会の崩壊は農村文化の崩壊へと続き、ひいては地域文化、日本文化の崩壊を招くと言われたことがあります。それほど地域コミュニティーの崩壊を防ぐ地域づくりは今最も取り組まなければならない事業の一つであると考えております。そして、その地域づくりは地域自体で自発的に取り組むことが重要であります。
孔子の論語の中に「近き者説び、遠き者来る」とありますように、まずは、地域の方たちがみずから楽しんで地域づくりに取り組み、そこにはおのずと外部からも人々が集まり、新たなコミュニティーづくりができるのではないかと考えております。
決算で見ますと、県では自発的な地域づくりを進めるため、「さが未来スイッチ交付金事業」が展開されております。この交付金事業につきまして平成二十八年に創設され平成三十年度までになっておるようでございますけれども、どのような目的で実施されたのかお尋ねをいたします。
183 ◯岩永さが創生推進課長=事業の目的についてお答えいたします。
この事業は、人口減少や高齢化に伴う地域の活力低下が見られることから、集落等の維持や活性化、地域コミュニティーの充実強化を図る自発的な取り組みを支援することを目的といたしております。
以上でございます。
184 ◯八谷委員=それでは、その事業の平成三十年度の実績と効果、あわせて説明をお願いします。
185 ◯岩永さが創生推進課長=平成三十年度の実績と効果についてお答えいたします。
平成三十年度は、ソフト、ハード事業を含めまして百十三件の取り組みに対して支援を行っております。主な取り組みといたしましては、みやき町におきまして耕作放棄地対策として、そばを栽培することで新たな特産品の開発を行う取り組みに支援を行うことで、栽培から加工までの見通しが立ち始めており、今後はそばの花畑を新たな観光スポットとしてPRする中で地域の方々の生きがいづくりにも活用したいという声が届けられております。
神埼市におきましては、「かんざきを歩こう 散策マップ」、これは十五地区作成されておりまして、あわせまして散策ルートの誘導サイン、説明板を設置する取り組みを支援することで、住民自身が地域の魅力を再認識する機会となるとともに、今後は神埼市との連携によりまして市内外からの人の動きを進める活動を展開していくと張り切っておられます。
また、吉野ヶ里町におきましては、子育て支援として、子供が屋外で自由に遊べる場所を提供する冒険遊び場の開催への取り組みを支援することで、参加した保護者の方からは子供が外遊びの興味が増した、外遊びの時間がふえた、夜の寝つきがよくなったなど、子育て支援活動に関する満足の声が届けられたりするなどの効果が上がっているところでございます。
以上でございます。
186 ◯八谷委員=今、市町におきます取り組みの中でそれぞれ特色ある地域づくりが進められたということで、また、その中で効果につきましても説明をいただきました。やはりそういった地域づくりがうまくいくことによって、外部からの人が来る、そういったことで交流人口の増大でもって、その地域が栄えていくというふうなことで、ただ、地域づくりそのものは三カ年でできるようなものではなかなかないというふうに思います。地道に続けていく必要がございますけれども、一応時限で平成二十八年度から平成三十年度までの限定事業ということでございますけども、今後この地域づくりについてどのように展開していこうと思っているのかお尋ねをいたします。
187 ◯岩永さが創生推進課長=今後の事業展開についてお答えいたします。
支援後の状況を確認してみますと、七割程度の取り組みが継続する中で、公的な支援がなくなると継続できないといった声も届いたところでございます。
そこで、本年度からはさが未来アシスト事業を創設いたしまして、地域における自然や人などの地域資源を生かし、自発の地域づくりの取り組みで自立した運営を目指すことをポイントとして支援を行うことといたしております。
事業名のアシストとは、手助けをするという意味ではございますが、地域の皆さんの思いがこもった地域づくりの取り組みが目標としている姿、ゴールにつながるよう、県としてしっかり支援、アシストすることといたしております。
以上でございます。
188 ◯八谷委員=さが創生推進課におきましては、基金を抱えられております。地域づくり基金がございますが、地域づくりの事業の一環としてこの活用をした取り組みが実施されていると思います。まず、この地域づくり基金についてはいつごろ、どういう目的で設置されたのかお尋ねをいたします。
189 ◯岩永さが創生推進課長=地域づくり基金でございますが、この基金は県と市町が一体となって地域の特性を生かした快適で活力ある地域づくりを長期的かつ安定的に推進することを目的に創設した基金でございまして、平成元年度、当時の自治省より措置された地方交付税を原資といたしております。創設年月日は平成二年三月二十六日でございます。
以上でございます。
190 ◯八谷委員=答弁のあったように、なかなか長期的、安定的というところがこの基金の重要な特色であります。平成三十年度の活用実績と効果についてお尋ねいたしますが、今、基金の運用利子が、これはどの基金でもそうでございますけども、目減りする、あるいはふえない、そういった状況の中で、ただいま現在のこの基金の残高は幾らになっているのか、そして、昨年度はどのような事業に取り組まれたのかお尋ねをいたします。
191 ◯岩永さが創生推進課長=まず、基金の活用実績と効果についてでございますが、平成三十年度は人口減少等の活力の低下が顕著な離島への支援のほか、地域の愛着や誇りを醸成する自発の地域づくりに寄与する事業に対して活用したところでございます。
具体的には、離島の住民みずからが作成した計画に基づく島づくりに対する補助を行うことで、それぞれの島の特性を生かした取り組みを実施し、例えば、馬渡島においては卓球強豪校という強みを生かし、島内外の子供たちとの卓球交流大会を開催し、交流人口の増加につなげたり、離島の認知度向上のための子供キャンプイベント開催においては島民の方との触れ合いができて、子供の大きな経験となったなど喜びの声が届くなど、島の認知度、イメージ向上につながったりしております。
それから、地域づくりのための担い手人材育成事業、先ほど御答弁いたしました「SAGAローカリストアカデミー事業」においては、若い世代の地域づくりへの参画のきっかけとなり、事業終了後も高校生向けの課外授業を実施するイベントに引き続きかかわったりするなどの効果を得たところでございます。
なお、基金の平成三十年度末の残高でございますが、十九億二千万円ほどとなっております。
以上でございます。
192 ◯八谷委員=基金残高十九億二千万円ということでございます。まだまだしばらくは事業を続けられると思います。先ほどの長期的、安定的な取り組みをしていただきたい。地域づくりは、先ほども申しましたように、一朝一夕にできるものではありません。特に人、予算、時間が必要であります。地道な活動が必要であります。こうした基金による取り組みは私としては非常に重要なことであると思いますが、今後この基金による事業の展開をどのように持っていくつもりかお尋ねをいたします。
193 ◯岩永さが創生推進課長=基金の今後の活用方針についてでございます。
今後の活用方針といたしましては、離島に限らず、中山間地等におきまして人口減少などで活力低下が顕著な地域への支援であるとか、地域への愛着や誇りを醸成する自発の地域づくりに寄与する事業などへの活用を考えているところでございます。
具体的には、これまでの離島振興などへの活用に加えまして、本年度からさが未来スイッチ交付金事業の後継事業であります、先ほどお答えいたしましたさが未来アシスト事業への活用に基金を使うようにしたところでございます。
以上でございます。
194 ◯八谷委員=当初申し上げましたとおり、今の時代だからこそ、この地域づくりは非常に大切だろうと思います。災害で先ほど申し上げました、遠き親戚よりも近くの他人と言われますように、今相互扶助が非常に大事な時期になっておりますので、そういった意味におきまして、地域づくりをすることによる地域のコミュニティーがしっかりなっていくということは、災害復旧の面におきましても、そして、通常の生活する上におきましても、地域の皆さんの活力、元気のもとになると思いますので、引き続きしっかりとした対応をよろしくお願いいたします。
続きまして、外国人観光客の誘致についてお尋ねをいたします。
さきの総合計画二〇一五におきまして、外国人延べ宿泊者数を目標の一つに掲げて、外国人観光客の誘致へのさまざまな取り組みがなされてきたと思います。
人口減少が著しい今日、私は、佐賀県の発展のためにはさまざまな経済効果をもたらす観光産業の取り組みは非常に重要だと考えております。
中でも、県民自身が気づかない新たな佐賀ならではの魅力を海外に発信することで外国人観光客を誘致することは、県内の各地域に活力をもたらすものと考えております。
まず、県は外国人観光客の誘致に当たり、どのような考え方で取り組まれているのかお尋ねをいたします。
195 ◯瀬戸観光課長=外国人観光客誘致の考え方についてお答えいたします。
県内の各地域が将来にわたりまして持続可能となっていくためには、外国人観光客の誘致を通じまして海外からの活力を呼び込むということが極めて重要だと考えております。
そのための着眼点としましては、先ほど委員おっしゃいましたように、身近にあるとなかなかふだん気づかないような、しかし、一方で外国人からは非常に高く評価されています、いわば佐賀ならではの日常、こういうことを出していくことが大事だと思っております。
その上で三つの取り組み、一つ目は魅力づくりをしっかりやる。そして、二つ目に受け入れ環境の充実をやる。そして、そのことを的確に情報発信する。この三つを重視しております。
以上でございます。
196 ◯八谷委員=そういう考え方で取り組まれている対象地域は、主にどういったところに重点を置かれておりますか。
197 ◯瀬戸観光課長=対象地域としましては、まずは地理的に近くて、そして、今後ますますの伸びが見込まれますアジア地域、ここを中心としながらも、例えば、欧州等ですとか、そういうところも含めて取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
198 ◯八谷委員=佐賀の魅力発信ということでは、例えば、ことしの春節時におきまして、中国人旅行客の目的、これの一位が青森のスキー、二位が大分の温泉、そして、何と三位が佐賀のシーフェイということの分析結果が出ておりました。
PM2・5、黄砂で汚れた肺を中国の観光客は桃源郷が残る佐賀でしっかりと洗い流そうということだそうでございます。
こうした私たち県民が気づかない魅力が佐賀にはあることが証明されたわけでありまして、改めて本県の魅力を見直すことが重要であると思われます。
外国人観光客の誘致に当たり、佐賀県の魅力や強み、セールスポイントをどのように考えているのかお尋ねをいたします。
199 ◯瀬戸観光課長=佐賀県の強み、セールスポイントについてお答えいたします。
旅行者の興味とかニーズは、国、地域、あるいは旅行形態などターゲットごとにさまざまであります。
県としましては、各国、地域の嗜好を踏まえた上でセールスポイントを使い分けております。
今、委員おっしゃいましたように、近年、中国に対しましてはシーフェイ、まさしく洗う肺、肺も心もリフレッシュということですが、これが非常に受けております。
ですから、我々としましても、中国に行くときには必ず佐賀の澄んだ空気とか田園風景、こういうことを前面に押し出しますし、あるいは香港に行きますと「佐賀牛」などの食を、あるいはタイでは御存じのようにロケ地としての祐徳稲荷神社、欧州ではやはり伝統とか文化、奥深さを非常に好まれますので、有田焼や祭りといった和文化体験、こういったふうにいずれも佐賀の日常でありながら、相手方に応じて売り込み方を変えております。
なお、県内各地域におきましては、新たな魅力を創出すべく、例えば、お寺に泊まる宿坊体験ですとか、自転車を活用したサイクルツーリズム、あるいは夜間のプロジェクションマッピングなどいろいろ工夫をされていますので、こういうものも含めて新たな魅力として、強みの一つとして打ち出したいと思っております。
以上でございます。
200 ◯八谷委員=ややもすれば、外国人観光客、これは国内の観光客もそうですけれども、迎えようとすれば、改めてこちらが身構えて、こちら側がかえって非日常をつくり出す。ところが、向こうから来た人にとっては、それは自分たちにとって日常的なこと。
やはり旅行客はどうしても非日常を求めてまいります。そういう意味では、私たちの日常がそういった観光資源になるんだなということを改めて今回気づかされたわけで、しっかりと魅力を見直すことも必要だというふうに思います。
そして、外国人観光客の受け入れ環境の充実についてでありますけれども、実際に訪れた外国人観光客に喜んでもらうためには、受け入れ環境の充実、これは私たちの非日常をつくるということではなくて、便利さをつくるためには、今まで県におきましては、WiFi整備、多言語表記、多言語コールセンターの設置、観光アプリなどに取り組んできたと思っております。
これまでの五年間、取り組み内容と実績についてどのようになっているのかお尋ねをいたします。
201 ◯瀬戸観光課長=受け入れ環境の充実に関してお答えいたします。
この受け入れ環境の充実に関しましては、便利さという言葉も出ましたが、ある意味、逆に言いますと外国人が困ることがないよう、来て不便なことがないように、そういうことを主眼に置きまして、さまざま取り組んでおります。
一つずつお答えいたしますと、まず、WiFi整備でございます。
これは観光課におきましては、宿泊施設や観光施設を重点的に平成二十五年度から支援しておりまして、平成三十年度までの累計で百六十二施設において整備が済みましたことで、外国人を受け入れているような施設については、ほぼ網羅できているのではないかと思っております。
なお、このWiFi整備については、我々観光部局だけではありませんで、商業振興とかユニバーサルデザイン、さまざまな観点がありましたので、過去、平成二十六年、二十七年の二カ年かけまして、各課が面として県内整備できるように連携しながら、集中的に図ったところでございます。
続きまして、多言語表示とかメニューとか、こういう多言語表記への支援なんですが、同じく宿泊施設や観光施設におきまして、パンフレットですとか案内板、あるいはホームページ等、この多言語化を進めるために支援をしておりまして、平成二十六年度から三十年度で累計九十三件の支援を行っております。
そして、多言語コールセンターですね。これは観光情報や通訳サービス、こういうことを英語、中国語、韓国語、タイ語など現在十七の言語で提供しておりますが、もちろん外国人も御利用いただけますが、外国人に対応している日本人が困っている場合に、そういう人たちからも連絡、利用があっておりますが、平成二十六年度から三十年度の累計で一万六千七百三件の利用があっています。
このコールセンターは佐賀県が九州で初めて開設したんですが、現在では九州全ての県で同様のサービスが広がって、大変好評をいただいております。
最後に観光アプリでございますが、このコールセンターとも連動しているんですが、多言語観光アプリ、名前は「DOGANSHITATO?」、英語では「メイ・アイ・ヘルプ・ユー」なんて言ってますが、「DOGANSHITATO?」と佐賀弁を出しまして、宿泊観光施設、温泉、グルメ、こういうものの検索に御利用いただいていまして、平成二十六年度から三十年度の累計で五万六百五十二件がダウンロードされております。
これらの取り組みを通じまして、一定程度は受け入れ環境の充実を図ることができたのではないかと認識しております。
以上でございます。
202 ◯八谷委員=それぞれWiFiから観光アプリのダウンロードまで回答いただきました。
その中で、WiFi環境につきましては、観光施設のみならず、県全体ということでありまして、今お答えの中で、平成二十六年、二十七年にかけて情報部門や、あるいは商工部門との連携をとったということでございますが、この件につきましては、やはり県全体で取り組むべきだと思いますので、引き続きそういった連携をしっかりととっていただきたいと思います。
そういう中で、次に情報発信でありますけれども、観光PRの効果は口コミが一番と言われております。
SNSの発達によります情報発信には他県もやはり力を入れていると思いますけれども、佐賀県の強み、セールスポイントを海外にどのように発信しているのかお尋ねをいたします。
203 ◯瀬戸観光課長=情報発信についてお答えします。
いわゆるプロモーションと呼ばれているやつでございますが、まず、国、地域別に佐賀県観光連盟の専門スタッフを配置しておりまして、これが中心となりまして、例えば、海外の旅行社ですとかメディアの担当者を佐賀県に招きまして、佐賀を身近に体感してもらうようなファムツアーと呼ばれるものを実施して商品を造成いただいたり、あるいは逆に県内の宿泊施設等々民間の方と一緒に我々も海外に直接出向きまして、現地における観光説明会ですとか現地旅行社との商談会、こういうことを各地で行ったり、あるいはこれはSNSの話になってきますが、ウェブも含みますが、各国の旅行者事情を熟知した方が発信しないと、なかなか日本語を普通に訳すだけではうまく伝わりませんので、そういう現地事情に詳しい方を通じたウェブの運営ですとかSNSの発信ということをやっております。
あるいは単県だけでは埋もれてしまうような場合には、九州各県と連携しながら、より広域な情報発信を行うということをやっているところでございます。
以上でございます。
204 ◯八谷委員=一時期、国内におきましては、「北海道、雪」、そして「沖縄、近場」ということで、アジア関係からは非常にお客さんが収容し切れないぐらい。ところが、今現在行ってみますと、非常に減っておるように見受けられます。
そういった中で、佐賀の特色をいかに発信するかということでありますので、引き続きそういう点を、いわゆる他県との差別化をしっかり図っていただきたいと思います。
実際にそういう誘客対策をした中で、取り組みの結果、成果はどのようになっているのかお尋ねをいたします。
205 ◯瀬戸観光課長=取り組みの成果についてお答えいたします。
県内における外国人宿泊観光客の数ですけれども、総合計画二〇一五が始まる前の年、これは平成二十六年のことですが、この当時は九万人強ぐらいの人数でしたが、総合計画の四年間が終わりまして、最終年度の平成三十年には約四十万人弱、四倍を超える伸びとなりまして、この伸び率は全国第二位となっております。
これは佐賀が持つローカルな佐賀ならではの魅力、こういうことがある意味、世界基準の価値として認められている結果じゃないかと考えております。
以上でございます。
206 ◯八谷委員=確かに計数的には本当に伸びておりますし、観光情報の中でも、佐賀は伸びが出たということでの取り上げをされているようであります。
そして成果は出ておりますけれども、こういった今までの取り組み、成果を踏まえた上で、現在における課題なり、あるいは今後の対応につきまして、田中局長に最後にお尋ねをいたします。
207 ◯田中文化・スポーツ交流局長=今、八谷委員から、これまでの取り組みを踏まえて今後どう取り組んでいくのかというお尋ねがありました。
さっき課長から言いましたように、三つの視点というものはすごく大事でございまして、まず、魅力づくり、受け入れ環境の充実、的確な情報発信の三本柱というものを引き続きやっていくんだろうと思っております。
ただ、今回質問の中でいろいろ出ましたように、佐賀の人がなかなか佐賀の魅力に気づいていないんです。
本当にいろんな外国の方とお話ししましたけど、例えば、上海とかバンコクから記者が参ります。いろいろ話していると、バンコクとか上海は大都会なんだよと。日本に来て、福岡とか大阪とか東京の大都会なんかに行く必要はないんだと。
ただ、佐賀の青い空、広い田んぼ、田んぼの緑、麦秋の金色、ああいうものを見ると、何となくアジアに住んでいる自分たちの魂というか、ふるさと的なものを感じるんだという話をよくされまして、まさにそこに我々が気づくことが一番大事なのかなと思っています。
よく観光の担当職員と話しますけど、そこにやっぱり我々が本心でほれ込んで、それをどうやって伝えていくかということに軸足を置いてやっていかなければいけないんじゃないかなと思っていまして、引き続きさっき言いました三本柱に従いながら、各方面に向かって取り組みを強化していきたいと思っておりますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
208 ◯八谷委員=くしくも今、空の広さを言われました。
私も過去、よその方から佐賀には三つの広さがあるねと言われてなるほどと思ったのは、空の青さ、広々、いわゆる高いビルがないもんだからしっかりと見える空、そして時間、要するに交通渋滞がないから二十四時間、目いっぱい自分の時間が使える時間の広さ、そして、隣の人との身近なコミュニティーがある佐賀ならではの人の広さ、この三つがあるということでありました。
改めて人からそう言われて、そういった気づきもあったわけですけれども、今後とも我々が気づかないそういった魅力をぜひとも発信して、海外からのお客さんを迎えていただきたいと思います。
最後の質問になりました。
四番目に、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。
もう実際動き出しておりますけれども、二〇二三年、令和五年開催が内定をしております国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会では、全国からさまざまな競技の選手、スタッフ、応援団が佐賀に一堂に会する大会でありますことから、その成功は一九七八年、昭和五十一年以来の一大イベントでありまして、佐賀県の飛躍に欠かせないものになると考えております。
県におきましては、この大会を契機にスポーツの力を人材育成、地域づくりに生かすSAGAスポーツピラミッド構想、SSP構想と称されておりますが、この大会のメーン会場となるSAGAサンライズパークの整備にも取り組まれており、国民スポーツ大会に向けてさまざまな準備が進められております。
そこで、次の点をお伺いいたします。
まずは競技力の向上の取り組みについてでありますけれども、昨年の福井国体におきましては、選手団の活躍によりまして、平成二十七年度から三年続いた天皇杯四十三位から三十三位と大幅に総合順位を上げてくれました。そしてまた、本年の茨城国体でも同じ三十三位と、二十位台に手の届くところまで来ております。過去の大会開催県におきましては、これまで天皇杯の獲得は悲願であり、本県も昭和五十一年国体では選手強化が実を結び、一位を獲得することができております。今回も県勢浮揚のためにも選手強化に力を入れるべきでありますけれども、選手の育成について、昨年度はどのような取り組みを行ったのかお尋ねをいたします。
209 ◯原スポーツ課競技力向上推進室長=競技力向上の取り組みにつきましてお答えいたします。
委員お尋ねの昨年度の取り組みにつきましては、選手の発掘としまして、小中学生に別の競技種目に転向する機会を与える体験会や中学校でボート競技の出前講座を行うなど、未普及競技の選手の確保を図りました。
選手の育成強化といたしましては、競技団体への活動支援のほか、有望な中学校、高校を強化拠点校に、地域のクラブチームを強化拠点地域に指定するなど、中高生などのジュニア層の育成強化を図りました。
指導体制の確立といたしましては、国内のすぐれた指導者を招聘し、県内の指導者を対象に講習会を実施するなど、指導者の資質向上を図りました。加えまして、昨年よりSAGAスポーツピラミッド構想のもと、国内一流指導者を定期的に招聘するなど、選手、指導者のレベルアップを図っております。
環境整備といたしましては、競技用具を購入するなど、練習環境の整備や選手のサポート体制の充実を図りました。
このように各種事業を展開しているところでございますが、今後も各競技団体と意見交換を密にしまして、これまでの成果や課題等を的確に把握し、より効果的な取り組みを進めまして、競技力の向上を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
210 ◯八谷委員=今、小中学生の取り組みから、あるいは指導者の確保についての取り組みも説明いただきましたが、現実にその取り組みの効果の説明をお願いします。
211 ◯原スポーツ課競技力向上推進室長=取り組みの効果ということでございます。
これまで競技力の向上の取り組みに加えまして、先ほど申し上げましたSSP構想をもとにして、一流指導者の招聘であったり、就労支援であったりということで、今年度の国体の成績を見てみますと、ラグビーの少年男子であったり、体操、新体操、バスケットボール、ボウリングであったり、少年種別での点数が上がっております。具体的に言いますと、成年種別では、昨年二百四十点、少年種別で百八十六点と、ことしでは獲得点数では、成年種別は百八十八点、少年種別では二百四十点と、少年種別での点数が上がっております。これも先ほど申し上げましたように、これまでの取り組みに加えまして、SSP構想での一流指導者招聘というような取り組みの効果があらわれてきているものだと感じております。
以上でございます。
212 ◯八谷委員=これまでの取り組みによりまして、今のお話のように、着実な効果を上げられているということでございます。引き続きしっかりした取り組みをお願いしたいと思います。
それともう一つ、別の面で、アスリート、また指導者もそうですけれども、就職支援についてお尋ねをいたします。
国スポでは中学生、高校生だけでなく、社会人アスリートも活躍を期待するわけでございますけれども、社会人アスリートが佐賀県選手として活躍するためには、県内での就職先の確保が必要でありますけれども、大企業が少ない佐賀県におきまして、この雇用の受け皿の確保が最大の課題であります。県では社会人アスリートの就職支援について、これまでどのように取り組んできたのか、そしてその成果は出ているのかお尋ねをいたします。
213 ◯日野SAGAスポーツピラミッド推進グループ推進監=アスリートの就職支援についてお答えを申し上げます。
県といたしましては、昨年、SSP構想に着手いたしまして、御指摘のアスリート、それから指導者も含めた佐賀定着就職支援、こういったものを人材育成、練習環境の充実と並ぶ重点三分野の一つに掲げて取り組みを始めたところでございます。
もちろん、ひらまつ病院さんとか戸上電機さんのように、実業団でもって企業独自に就職をしているというところはあるわけでございますけれども、県としても本格的に就職支援に取り組むというふうに昨年スタートさせました。
具体的には、こういった就職支援を国スポ・全障スポまでの時限的なものではなくて、継続的に進めるために二つの取り組みを開始いたしました。
一つ目は、ことし一月に無料職業紹介事業所として、SSPアスリートジョブサポというものを開設いたしまして、就職先の企業開拓というものを始めております。
二つ目でございますけれども、これは今年度、令和元年度でございますけれども、県のスポーツ協会にSSP基金を設立いたしまして、協会がアスリート雇用企業に支援金を交付することで、企業の負担軽減に取り組んでいること、この二点に今取り組んでいるところでございます。
最後に、これまでの成果、実績でございます。
始めてまだ十カ月でございますけれども、まず就職につきましては、ことし四月にSSPアスリートジョブサポのマッチングによりまして、二名の選手がアスリート採用の経験がこれまでなかった県内の医療機関に就職が決まりました。二人とも仕事と練習を両立しながら競技に打ち込んでおりまして、茨城国体などでも活躍したところでございます。
また、企業開拓につきましては、ことし五月から本格的に企業への協力要請を進めておりまして、その中で四月にこういうふうに選手のマッチングが決まったんですよねみたいな話も入れながら、各企業を訪問させていただいておりまして、現時点で十四社から来年度以降のアスリート雇用について検討する旨、表明していただいているほか、数社から前向きな姿勢を見せていただいているところでございます。
就職支援につきましては、実際に本当に社員としてアスリートを採用していただく企業の理解が何よりも不可欠でございますので、私どもといたしましては、アスリート雇用への協力依頼というのをさらに進めまして、県内就職を希望する社会人アスリートとのマッチングというものを進めてまいりたいというふうに考えております。
以上、お答えとさせていただきます。
214 ◯八谷委員=幾らかのところで実際に効果が──効果と申しますか、実績が上がっているようでございます。私自身も二つの競技団体に関係させていただいておりますけれども、そういった中で、例えば、今大学生、ことしも一位を取る個人競技の選手がおりました。やはり佐賀に帰ってきたい。それから、こちらの指導者の中では、今定職についていないけれども、何とかここの佐賀で定着してやりたいということでございます。このことは後のほうでも触れますけれども、そういった体制が、いわゆるスポーツを生かしたこれからの県勢の発展、そういったものに大いに寄与するのではないかと思います。
次に、競技の施設整備についてお尋ねをいたします。
二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックにおきましては、新国立競技場のみならず、各競技会場においてもその後のレガシーとなるような施設整備が進められておりますけれども、本県におきましても、メーン会場となるSAGAサンライズパーク以外にも二〇二三年国スポ・全障スポを契機に、大会のレガシーとなるよう各競技会場の整備を進めていくべきだと考えております。
大会の開催に向け、競技施設の整備をどのように進めているのかお尋ねをいたします。
215 ◯本村国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会競技式典課長=各競技会場の施設整備についてお答えをいたします。
国スポ・全障スポの開催に当たりましては、県と市町が一体となり、役割を分担し、お互いに協力しながら進めているところでございます。
そういった中、各競技会場の施設整備につきましては、県の施設は県が、市町の施設は市町が計画的に進めていくこととしておりますけれども、県におきましては、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会競技施設整備費補助金を創設しまして、市町への支援を行っております。
この補助制度では、先催県と同様の補助対象であります施設基準を満たすための整備、それから中央競技団体正規視察の指摘による整備、危険防止に必要な整備に加えまして、先催県においても例が少ない競技施設の新設、それからユニバーサルデザイン化に必要な整備も対象としておりまして、県内市町の実情に配慮して充実させた制度としております。
県といたしましては、市町においてこの補助制度を積極的に活用していただけるよう情報提供を行っているところであります。
会場地市町におきましては、大会を契機として「わが町スポーツ」を根づかせていくなど、それぞれの地域の発展に寄与するような取り組みを進めているところもございます。例えば、佐賀市の富士しゃくなげ湖におきまして、ボート・カヌーの競技場の新たな整備を進められております。ここでは今後、キャンプ誘致に取り組んで、地域活性化につなげたいというふうなことのお考えもあるようで、こういった事例など、この機会を捉えて将来を見据えた施設整備を進めてもらうことも重要だと考えております。
一方、県有施設につきましては、競技団体や関係機関と整備内容などの調整を行いながら、着実に整備を進めているところでございます。
以上でございます。
216 ◯八谷委員=市町の取り組みについては別途聞こうと思っておりましたけど、今、県と同じように連携をとりながらやっているということでございました。
今、財源の問題が午前中からございます。そういう中で、市町の財源というのは、非常に一般財源が乏しくて、特にこういった国庫補助の少ないスポーツ施設については、大変厳しい中だろうと思いますので、そこは県で連携をとりながら、市町をしっかりリードしていっていただきたいというふうに思っております。
また、午前中にも話がございました施設整備の入札の不落の問題がございました。アリーナの完成がおくれることになるということでございますけれども、いわゆるメーンとなる陸上競技場、そのほかの施設、私が関係する競技もそうですけれども、これから発注がなされると思います。今後の発注におきましては、細心の注意を払って、二度とこういったおくれがないようにしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
217 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=SAGAサンライズパークの整備につきましてお答えいたします。
午前中御質問がありましたけれども、アリーナの建築工事につきましては、現在不落ということで今取り組みを検討しているところでございますが、その他の工事につきまして、特に陸上競技場につきましては、日本陸連の第一種公認陸上競技場の公認に向けまして、現在、内部のトラック、フィールドの工事に着手しているところでございます。
その他、雨天走路などのスタンド改修工事につきましては、来年度の着手を予定しておりますけれども、これにつきましても、スケジュールにのっとって取り組みを進めてまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。
218 ◯八谷委員=各競技施設の整備につきましては、いわゆるこれからの話のようでありますので、しっかりと取り組む必要がありますが、その中で一つだけ、各競技団体から、ほかからも聞いておりますけれども、今回の大会に際しての施設整備は、いわゆる新設拡充はなっていないというふうなことが、拡充がないということでありました。団体から言わせますと、やはりこの国体を機に何とかしたいという部分もありまして、なかなか今の財源問題と絡むわけでありますけれども、できるだけ競技団体がこれから継続的に行けるような取り組みをぜひともお願いしたいと思います。
続きましては、佐賀市道三溝線の整備についてお尋ねをいたします。
現在、佐賀市におきましては、SAGAサンライズパークの整備に合わせ、JR佐賀駅とパークを結ぶ市道三溝線の再整備を行うこととされており、パークへの重要な動線として安全・安心な、加えて、歩きたくなる仕掛けづくりを行うというふうに聞いております。
そうした中で、具体的な整備のあり方について検討するため、地元の皆さんを交えた検討会議で議論されていると思いますけれども、県もその会議のメンバーの一人に参画していると聞いております。
私は議員に就任以来、本県はもっと自転車道の整備に力を入れるべきだと提案をしてまいりました。なかなか予算の確保ができませんですけれども、特に今回のパーク整備につきましては、先ほどの話も午前中ありましたように、駐車場の大幅な確保が困難であると発表されておりまして、パークを中心とした市内の移動手段として、安全・安心に通行できる自転車専用レーンを設ける必要があると考えております。
この市道三溝線の再整備に大きな関心を持っているところでありますが、佐賀市における検討の経緯や状況についてお伺いいたします。
219 ◯真坂SAGAサンライズパーク整備推進課長=佐賀市道三溝線の整備についてお答えいたします。
佐賀市におかれましては、平成二十八年度に策定されました自転車利用環境整備計画におきまして、自転車利用空間ネットワーク路線を設定されております。その中で、市道三溝線は早期の自転車レーン整備を目指す路線として位置づけられているところでございます。
佐賀市では、整備内容を検討するに当たりまして、交通量分析や交通事故の状況などさまざまな観点で検証するため、平成三十年九月に市道三溝線で社会実験が実施されておりまして、車道、歩道、自転車専用通行帯、いわゆる自転車レーンの配置や、幅員を変更した際の影響などについて、地元住民や警察など関係者を交えて検証が行われました。
その結果を踏まえまして、平成三十一年三月に策定された佐賀駅周辺整備基本計画におきまして、歩行者と自転車通行空間を分離し、委員御指摘のありました自転車専用レーンの設置が決定されたところでございます。
今年度は、先ほどの基本計画を具体化するため、歩道空間や自転車専用レーンのデザインの検討、歩きたくなるための仕掛けやマルシェイベントの開催など、活用イメージの検討などを行っていくこととされております。
県としましても、市道三溝線が佐賀駅からSAGAサンライクズパークまでの主要なアクセスルートとなることから、引き続き検討会議のメンバーとして意見交換を行うなど佐賀市との連携を深め、市道三溝線の整備が円滑に進むよう協力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
220 ◯八谷委員=いつの時代でも人々は「三K」には金を使うと。いわゆる「教育」、「健康」、「観光」、これには文句なく金を使うそうでございます。この健康につきまして、佐賀では本当にこの自転車の活用は、低平地の問題はありますけれども、平地がゆえに県内しっかりと使えるわけでありますので、そういった取り組みをぜひモデルとして整備されますようにお願いをしたいと思います。
最後の最後に、大会のレガシーを意識した取り組みについてお尋ねをいたします。
今回の国スポ・全障スポ大会に向けましては、人材育成、就職支援、施設整備などさまざまな取り組みが進められております。県におきましても、これら一つの大会のための取り組みではなくて、長きにわたりスポーツ活性化、佐賀への誇り、愛着につながる取り組みになるよう、アスリートのための大会ではなく県民全体としての盛り上がりを目指して進めていくべきと思います。
しかし、ややもしますと短期的な成果を追い求め、長期的な展望を失いがちになることも危惧されるわけであります。
過去の大会におきましては、前回の本県でもそうでありましたように、開催翌年には極端に天皇杯の順位を下げたところが多いわけでありますけれども、先月、私たちは岡山県を視察してまいりました。スポーツ少年団に力を入れたり、あるいはスポーツ推進条例を制定して、「スポーツ立県おかやま」の宣言などに取り組み、国体後も大都市に次ぐ成績をずっと維持されております。改めて大会後の取り組みが県勢浮揚の大きな鍵になると考えております。
つきましては、今回の国スポ・全障スポ大会に向けた県の取り組みについて、しっかりとしたレガシーとしてどのように次世代に残そうと考えているのか、文化・スポーツ交流局長にお尋ねをいたします。
221 ◯田中文化・スポーツ交流局長=八谷委員から大会のレガシーを意識した取り組みについてどう考えているのかというお尋ねがございました。
令和五年に佐賀で開催されます国民スポーツ大会・全国障害者ポーツ大会に向けた取り組みにつきましては、今、委員御指摘ありましたように、その大会がゴールというわけではございませんで、大会をきっかけとして佐賀が飛躍するための取り組みにしていくことが重要と考えておるところでございます。
特に選手の育成確保につきましては、他県では国体開催後に天皇杯の順位が急落する例も多く、レガシーとして残すことが大変難しいということも経験上わかっておりますが、本県におきましては、大会五年前に当たる昨年、SAGAスポーツピラミッド構想を掲げまして、佐賀国スポをのみをターゲットとした選手育成ではなく、その先におきましても佐賀に競技力が根づくような選手育成となるよう、各種事業を制度設計いたしますとともに、これまでの事業の見直しを進めているところでございます。
また、施設整備におきましても、SAGAサンライクズパークを初めとするさまざまな施設整備につきましては、その後の利活用を視野に入れまして、競技団体などさまざまな方々と意見交換をしながら、佐賀国スポ・全障スポ大会後も長く活用されるものになるよう整備を進めているところでございます。
令和五年、佐賀国スポ・全障スポ大会まで残すところ四年となりました。きょうはいろいろ質問ありましたけど、さまざまな課題がございます。ただ、その国スポ・全障スポの大会の成功はもちろんのこと、委員御懸念の形にならないように、文化・スポーツ交流局が一丸となりまして、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けたさまざまな取り組みを、佐賀にしっかり根づき、SSP構想が目指すスポーツの力を生かした人材育成とか地域づくりにつなげてまいりたいと考えておるところでございます。
以上でございます。
222 ◯八谷委員=最後に決意をいただきました。本当にスポーツを通じて、せっかくの機会です。県勢浮揚のためにしっかりとやっぱり取り組んでいただきたい。そのために大きな大きな財源問題が前に立ちはだかっておりますけれども、ここはいろんな我々の知恵と経験を使いながら、しっかりとそれを打開しながら、県勢浮揚に取り組んでいただきたいというふうに思います。
ということで質問を終わらせていただきます。
223
◯石倉委員長=以上で
総務常任委員会関係の質疑を終了します。
なお、あす十二日は午前十時に委員会を再開し、文教厚生常任委員会関係の質疑を行います。
本日はこれにて散会いたします。御苦労さんでした。
午後三時十二分 散会
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