次に、知事から平成二十九年度
公社等経営状況報告書が提出されました。これは、十月二十六日に皆様に送付しております。
次に、十一月一日、
全国議長会による
自治功労者として、
稲富正敏君、
竹内和教君、
中倉政義君、
藤木卓一郎君、
桃崎峰人君、
土井敏行君、指山清範君、そして不肖私、
石倉秀郷がそれぞれ表彰されております。
以上、御報告いたします。
○ 会 期 決 定
4 ◎議長(
石倉秀郷君) 次に、
会期決定の件を議題といたします。
お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から十一月二十二日までの二十一日間としたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
5 ◎議長(
石倉秀郷君) 御異議なしと認めます。よって、会期は二十一日間とすることに決定いたしました。
お諮りいたします。
十一月五日から七日まで、十三日、十四日及び十九日は
議案審査日にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
6 ◎議長(
石倉秀郷君) 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
○ 議 事 日 程
7 ◎議長(
石倉秀郷君)
議事日程は、お手元に配付しております
日程表のとおり進行していきたいと思います。
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○
会議録署名者指名
8 ◎議長(
石倉秀郷君) 日程によりまして、
会議録署名者の指名を行います。
会議規則第百二十七条の規定により、
会議録署名者として
中倉政義君、
竹内和教君、
野田勝人君、
武藤明美君、以上の四人を指名いたします。
○ 議 案 提 出
9 ◎議長(
石倉秀郷君) 知事から議案が提出されました。これは、皆様のお手元に配付しております
議案一覧表のとおりであります。
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○ 議 案 上 程
10 ◎議長(
石倉秀郷君) 甲第三十七
号議案、甲第三十八
号議案、及び乙第六十七
号議案から乙第七十九
号議案まで十三件、以上十五件の議案を一括して議題といたします。
○ 知 事 提 案 説 明
11 ◎議長(
石倉秀郷君) ただいま上程いたしました議案につきまして、
提出者の説明を求めます。
12 ◎
山口知事 登壇=皆さん、おはようございます。皆で手話を大切にしましょう。
さきの九月議会で制定された「佐賀県
手話言語と聞こえの
共生社会づくり条例」の趣旨を踏まえ、手話で挨拶させていただきました。手話が言語であるという認識を持ち、全ての県民が、
聴覚障害の有無にかかわらず、ともに安心して暮らすことのできる
地域社会をつくっていくため、
県職員にも、まずは日常の挨拶に使うことのできる手話を、
最低三つは覚えるよう呼びかけております。
それでは、平成三十年十一月
定例県議会の開会に当たり、最近の動き、
提案事項などについて御説明申し上げます。
今シーズンの
プロ野球は、佐賀県出身の二人の監督が盛り上げました。
鳥栖高校出身の緒方孝市監督は、広島東洋カープで
球団史上初のセ・リーグ三連覇を果たし、
佐賀東高校出身の
辻発彦監督は、
埼玉西武ライオンズを十年ぶりの
パ・リーグ優勝に導きました。
野球人生を佐賀県から始め、甲子園に出場することがかなわなかった二人の少年が、今では日本の
プロ野球界を牽引しています。その志の原点は、人を大切にする佐賀県にあると私は思います。セパ両リーグの
優勝監督が同一県出身という
プロ野球史上六十年ぶりの快挙は、県民に佐賀への誇りと、
子供たちに大きな夢を与えています。これからも、優れた人材が育つ佐賀の土壌を大切にし、さまざまな分野での
本県出身者の活躍を応援してまいります。
次に、明治維新百五十年
記念事業について申し上げます。
「肥前さが
幕末維新博覧会」は、多くの方から高い評価をいただいており、また、
関連施設やイベントを含めた
来場者数も、十月末現在で百七十万人を超えるなど順調に推移しています。十月二十日には、佐賀の偉業・偉人と未来への希望を身近に感じていただく
県民参加型の祭りとして「第一回さが
維新まつり」を開催しました。
会場となった佐賀市
城内エリアでは、幕末・
維新期の
偉人たちの志をエネルギッシュに表現した「さが維新おどり」の披露を皮切りに、佐賀の偉人に扮した人々や
伝承芸能の
担い手など総勢約七百人から成る「さが
維新行列」が練り歩きました。また、
子供たちの
手作りランタンと
佐賀大学学生による光のオブジェに、
浜崎祇園山笠の伝統的な明かりを融合させた幻想的な「灯りの空間」をつくり出すなど、訪れた約四万人の方に佐賀らしさあふれる新しい祭りを楽しんでいただきました。こうした
取り組みを通じて、これからの佐賀を皆の力で輝かせていくという思いを県民の皆様に広げてまいります。
十一月十一日には、
佐賀藩出身で札幌の街の基礎を築いた
島義勇公を顕彰する銅像を、島の
屋敷跡にほど近い
佐賀城公園の
西御門跡付近に建立することとしています。寄せられた
ふるさと納税などの寄付は約八百件で、総額約二千三百万円にのぼり、御協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。銅像は、
佐賀城跡にある
鍋島直正公の像の方向を向き、これから北に向かって一歩踏み出そうとする若き日の島の姿を表現しています。北海道の地に世界一の都市を夢描いた
島義勇の「志」をしっかりと未来へ受け継いでまいります。
また、十月十九日からは
県立博物館にて「
SAGAものづくり夢ラボ」を開催しています。過去、現在、未来の
ものづくりを
テーマに、
明治日本の
近代化をリードした
佐賀藩精煉方の出土品に触れ、自動車、造船、
ロボット産業などの分野で世界に誇る
県内企業の技術を知り、未来をつくり出していく
最先端機器を体感することで、佐賀の
ものづくりの魅力と未来の
可能性を感じることができます。
維新博の会期末である来年一月十四日まで残り二カ月余りとなりました。迫力ある映像や
舞台演出を通して佐賀の偉人や偉業に触れ、揺さぶられるような感動を「ことのは」として結んだ
子供たちの声など、ぜひ、できるだけ多くの県民の皆様に見ていただきたいと思います。
皆様お誘い合わせの上、御来場ください。
維新博は、先人の志を今に生かし、未来につなげていくこと、そして、佐賀への誇りや郷土愛を醸成することを目的に開催しており、県民の心にその種をまき続けています。その種が芽吹き、花開いていくよう、来年開催する
全国高等学校総合文化祭や、その先へと志のバトンをつなぎ、十年後二十年後に「佐賀の飛躍は、
維新博がきっかけだった」と言われるよう引き続き力を注いでまいります。
続きまして、当面の諸課題への
対処方針について申し上げます。
佐賀空港の
自衛隊使用要請については、八月に「今回の防衛省からの要請を受け入れ、
公害防止協定覚書付属資料の変更について
有明海漁協と協議をさせていただく」という判断をしたところであり、県としては、
ノリ漁期の状況を見ながら誠意を持って協議を行ってまいります。
次に、
有明海の再生について申し上げます。
有明海の現状を把握するため、このたびの
内閣改造により就任された
吉川農林水産大臣が、十月十八日に本県を訪問されました。当日は、
ノリ養殖の支柱がずらりと並ぶ
有明海の様子を船上から視察し、佐賀県
有明水産振興センターでは、二枚貝の回復に向けた
取り組みなどについて説明を受け、
有明海の漁業の現状に対する認識を深められました。
その後の
意見交換では、
漁業者からは、
・
水産資源が回復するまで
再生事業を継続して欲しい
・
諫早湾干拓調整池からの排水は、できるだけ自然な形にしてほしい
といった切実な想いが大臣に伝えられ、私からは、
有明海の再生のためには、
開門調査を含む
原因究明が必要だという思いを申し上げ、待ったなしの状況にある
有明海の再生に向けた積極的な国の対応を強くお願いしました。また、この度の来訪を通じて、本県が進める、森・川・海はひとつとして豊かな
自然環境を未来につなげる「
森川海人(もりかわかいと)っ
プロジェクト」の
重要性を大臣と共有することができました。大臣からは、一刻も早い
有明海の再生を望む思いは同様であり、
・
有明海の
再生対策予算は、訴訟の帰趨にかかわらず、しっかりと確保したい
・
調整池からのこまめな排水の確実な実施について、努力していきたい
などの発言があり、
有明海の再生を願う現場の思いを受けとめていただいたものと考えています。
諫早湾干拓関連訴訟については、
開門差しと
め訴訟及び
請求異議訴訟のいずれも最高裁に上告されており、県としては、
有明海漁協と
意見交換をしながら、今後も訴訟の状況や国の動向を注視し、宝の海である
有明海の再生に向け全力で取り組んでまいります。
次に、
原子力発電について申し上げます。
玄海原子力発電所においては、現在、三号機と四号機では
通常運転が、また、一号機では
廃止措置の作業が行われています。県としては、福島第一
原子力発電所での事故を風化させることなく、常に
緊張感を持って
安全性の向上に不断に取り組まなければならないと考えています。県も含めすべての
関係者の中に気の緩みが生じることがないよう万全を期してまいります。
私は、
原子力発電に依存しない
再生可能エネルギーを中心とした社会の実現を目指し、さまざまな
取り組みを推進しています。一方で、
玄海原子力発電所とは、
廃止措置を含め、これからも非常に長い年月にわたりかかわり続けなければならないという現実があります。今後とも県民の安全を何よりも大切に、
玄海原子力発電所と真摯に向き合い続けてまいります。
次に、
九州新幹線西九州ルートについては、平成三十四年度の武雄温泉駅での
対面乗りかえ方式による開業に向けて整備が進められています。開業を契機に、多くの人が訪れたくなる
地域づくりを進めるため、地域が個々の魅力を磨き上げる自発の
取り組みをしっかりと支援してまいります。なお、開業後の整備のあり方については、
与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの
検討委員会における議論を注視するとともに、新たな提案などがあった場合、県の考えをしっかりと主張してまいります。
次に、TPP(
環太平洋パートナーシップ)協定について申し上げます。
米国抜きの新
協定TPP11については、一昨日、オーストラリアが
国内手続を完了したことで、参加十一カ国中六カ国の手続が完了し、十二月三十日に六カ国での
協定発効が確定しました。今後とも、
農林水産業を初めとした本県の産業が持続的に発展していけるよう、引き続き、
関係者に寄り添いしっかりと取り組んでまいります。
次に、
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会について申し上げます。
福井県で開催された第七十三回
国民体育大会では、
バレーボール成年女子の
久光製薬スプリングス、
セーリング成年男子四七〇級の
吉田雄吾選手・
岡田圭樹選手ペア、
レスリング少年男子フリースタイル七十一キログラム級の
諏訪間新之助選手が優勝を果たしました。さらに、
弓道成年男子が七年ぶりとなる二位に躍進し、剣道の
少年男子、
少年女子がそろってベストフォーに入るなどの活躍もあり、
総合成績である天皇杯は三十三位と、近年続いていた四十位台から大きく成績を伸ばし、着実に
競技力が向上しています。また、第十八回
全国障害者スポーツ大会では、
陸上競技スラロームの
川本美和子選手が大会新記録で金メダルを獲得するなど、佐賀県
選手団は昨年を上回る三十個のメダルを獲得しました。こうした流れをより大きなうねりとして五年後に本県で開催する
国民スポーツ大会・
全国障害者スポーツ大会につなげるため、
SAGAスポーツピラミッド構想に基づき、
スポーツエリートアカデミーSAGAを核とした
人材育成、
アスリート・指導者の定着に向けた
就職支援、
練習環境の充実に取り組んでまいります。
本県での開催を契機とした
SAGAサンライズパークの整備については、八月に公表した素案を基に、
庁内推進本部会議において、
施設配置や
整備内容、
整備スケジュールなどを盛り込んだ
施設計画を決定いたしました。
トップアスリートを目指して
スポーツに打ち込む人、
健康づくりで
スポーツを楽しむ人など、さまざまな
スポーツシーンの実現を目指すことで、県内の
スポーツ文化をより一層広げ、
SAGAアリーナを中心に新たな人の流れを創り出し、そして、このエリアが佐賀の未来を切りひらく「さが躍動」の象徴となるよう取り組んでまいります。
続いて、最近の県政の主な動きについて御説明申し上げます。
まず、
佐賀農業の未来に向けた
取り組みについてであります。
イチゴの
トップブランドを目指して、県産
イチゴの新品種がいよいよ
市場デビューを果たします。全国の
イチゴの中でも「ど真ん中」にいるような
存在感を目指し、呼びやすく覚えやすい名前として「
いちごさん」と名付けました。「凛と美しい色と形」、「華やかでやさしい甘さ」、「果汁のみずみずしさ」が特徴です。この開発は、佐賀県
農業試験研究センター、
生産者、JAが一丸となって進めてきたもので、一万五千種もの株を対象に、食味や食感、収量や栽培のしやすさなどの評価を繰り返し、七年をかけて最も優れた一つの品種にたどり着きました。
生産者からは、「食べた農家が笑顔になるくらいおいしい」、「
消費者がこぞって買い求めるような
いちごを生産していきたい」という喜びや意欲的な声をお聞きしています。
生産者の期待と覚悟をしっかりと受けとめ、「
いちごさん」の持つポテンシャルを最大限に生かし全国に売り込んでまいります。
また、太良町産の「
グリーンハウスみかん」が、九月二十三日に打ち上げられた「こうのとり」七号機で
国際宇宙ステーションの
宇宙飛行士へ届けられました。
保存性や
安全性などを評価して選ばれたものであり、本県の農産物が宇宙へ届けられたのは、平成二十八年の「
露地みかん」に続き二回目となります。
生産量、
販売額ともに日本一を誇る県産「
ハウスみかん」の品質の高さを引き続き発信してまいります。
次に、
九州佐賀国際空港について申し上げます。
昨年六月の就航以来、
プログラムチャーター便として運航してきた「佐賀─
台北線」が、十月二十八日に
定期便に移行しました。これを機に、台湾、
佐賀双方向のさらなる
利用促進に向け、県内及び福岡県南西部の
自治体関係者、
報道関係者とともに台湾を訪問し、
九州佐賀国際空港や
周辺地域の魅力をPRするとともに、台湾からの誘客促進に向けた
情報収集のため、現地の方々との
意見交換を行いました。また、
上海便、
ソウル便、
台北便に続く四つ目の国際線として、
ティーウェイ航空が「佐賀─
釜山線」の開設を計画し、現在、発着枠や機材繰りなどの
最終調整が行われています。県としては、
釜山便の就航に向けた受け入れの準備を進めてまいります。
次に、佐賀を支える
社会資本の整備について申し上げます。
九月八日に国道四百九十八号の
若木バイパスが開通し、伊万里─武雄間の時間短縮や
走行性の向上が図られました。また、
有明海沿岸道路については、六
角川大橋が十一月十七日に連結され、いよいよ橋梁全体の姿が見えてまいります。さらに、
盛土崩壊によって通行止めになっている
芦刈インターから
芦刈南インター間の
下り線について、年内の
通行再開に向けた
復旧工事に取り組んでおり、今後、
福富インターまでの開通を目指してまいります。引き続き、人々の暮らしを守るとともに、人やモノの交流を促進し地域の
活性化を図っていくため、
幹線道路ネットワークを初めとする
社会資本の整備を着実に推進してまいります。
次に、交通安全・
事故対策について申し上げます。
本県における
人身交通事故の
発生件数は、昨年と比較して減少しているものの、人口十万人当たりではいまだ
全国ワーストレベルにあります。このため、「やめよう!佐賀のよかろうもん運転」をスローガンに、
車間距離が短い、ウインカーを出すのが遅い、といったドライバーの心に潜む「このくらいはよかろうもん」という意識を改める運動を始めています。さらに、集中力を高める効果が期待される青色で交差点の
カラー舗装化を進めています。こうした
ハード面の
取り組みにデザインの視点を取り入れて
交通事故の
抑止効果を高める「
SAGA BLUE PROJECT」を十月十八日にスタートさせました。
交通事故の防止は、県民一人一人が自分の問題と認識して行動していくことが重要です。今後もさまざまな手法で県民の心に交通安全の意識を根づかせ、大切な県民の命を守る努力を続けてまいります。
次に、
消防防災ヘリコプターの導入について申し上げます。
災害時の初動や
人命救助に対応する
航空消防隊の
運用開始に向け、導入する
消防防災ヘリコプターの機種が決定したことから、今議会に
消防防災ヘリコプターの取得に係る議案を提案しています。今後、拠点を置く
九州佐賀国際空港に格納庫などの施設を整備し、また、
航空消防隊に必要な隊員の派遣について県内の各
消防本部と調整を進め、平成三十三年三月の
運用開始を目指して着実に体制を整備してまいります。
次に、人の想いに寄り添う拠点の開設について申し上げます。
児童虐待や子供の非行、発育・発達に関する悩みなどの相談は、佐賀市にある
中央児童相談所が対応してきました。特に、
児童虐待に関する相談は、その内容が
複雑化、困難化しており、充実した
相談体制を整備するため、県内二カ所目となる
北部児童相談所を十月一日に
唐津市内に開設しました。より迅速できめ細やかな対応に努め、困難な環境に置かれている
子供たちや子育てに悩む皆様に寄り添ってまいります。
また、さまざまな事情で親元を離れて
児童養護施設で暮らす
子供たちは、十八歳で施設を退所した後の生活や就労などに大きな不安を抱えています。このため、退所後も若者の自立を継続的に支援する身近な
相談拠点として、「さが・こんね」を十月三日に
佐賀市内に開設しました。全ての子供が将来に夢を抱き、自分の力で前に進んでいけるよう若者の巣立ちを後押ししてまいります。
次に、佐賀県
伝承芸能祭について申し上げます。
地域コミュニティーの力で連綿と続いている
伝承芸能を次の世代へと継承していくため、「受け継がれ、繋がる佐賀の思い」を
テーマに「第一回佐賀県
伝承芸能祭」を開催しました。
地域の誇りを胸に、
県重要無形民俗文化財の米多浮立や
高志狂言など、県内十五団体がそれぞれに受け継いできたものを披露し、五千人を超える方が会場を訪れました。客席の熱気を肌で感じ、また、披露の場ができたことへの
担い手の方々の喜びの声をお聞きし、県民の皆様がこうした機会を待ち望んでおられたということを強く実感しました。この
伝承芸能祭を刺激に、守るべきものは守りながら新しいものを取り入れていくことが、
担い手不足という課題を抱える
伝承芸能に若い力を呼び込むことにつながると考えています。今後とも、それぞれの素晴らしさを高め、佐賀の宝として継承されていくよう応援してまいります。
また、時代を超えて受け継がれてきた
地域行事の一つで、国重要
無形民俗文化財である佐賀市蓮池町の「見島の
カセドリ」が、
ユネスコ無形文化遺産への登録を勧告されました。神の使いである
カセドリに扮した住民が家々を回って家内安全や五穀豊穣を祈願するこの行事を、
江戸時代前期から三百五十年以上にわたり連綿と引き継いできた地域の力を、これからも大切にしてまいります。
次に、
全国高等学校総合文化祭について申し上げます。
来年夏の「二〇一九さが総文」の開催に向けて、書道や茶道など二十三の
部門ごとに
プレ大会を順次開催しており、十月十四日には
プレ大会総合開会式を行いました。
開会式では、玄界灘や
有明海といった佐賀らしさを歌詞にちりばめた
大会イメージソングや、佐賀の歴史、人物を取り入れた構成劇など、
高校生による心に響く迫力あるステージが披露されました。
高校生たちが、自らを育んだ地域やその歴史を学び、日本の文化を身に付けることは、これから未来に向かって、そして、世界を見据えて歩んでいく上で、大きな力になります。
高校生が創造の羽を広げ、力を結集する本大会の成功に向け盛り上げてまいります。
続きまして、
提案事項について御説明申し上げます。
今回の
補正予算案の編成に当たりましては、九月補正後の情勢の推移に対応するため、早急に措置を要するものについて
所要額を計上することといたしました。
この結果、
補正予算案の総額は、
歳入歳出とも、それぞれ、
一般会計 約 二十二億八千 万円
特別会計 約 百万円
となり、これを既定の
予算額と合わせますと、本年度の
予算総額は、
一般会計 約 四千五百三十一億二千二百万円
特別会計 約 一千九百四十五億七千三百万円
となっています。
次に、
予算案の主な内容について申し上げます。
まず、佐賀県
食肉センターの
施設整備について申し上げます。
牛肉の
海外市場への販路拡大などにより畜産業の振興を図るため、老朽化が進む佐賀県
食肉センターを、高度な衛生管理が可能な輸出対応型の食肉処理施設として新たに整備してまいります。今年度から用地造成工事の契約手続きを始め、平成三十一年度から本格的に造成工事に着手できるよう債務負担行為を提案しています。
こうした販売促進を見据えた
施設整備に加えて、「佐賀牛」の生産性向上にも取り組んでまいりました。子牛を確保するための繁殖牛舎の整備や優良な繁殖雌牛の導入、子牛を集団で預かって管理するキャトルステーションの整備などによって子牛の県内自給率は年々向上しています。また、肥育牛の生産コスト低減のため、肥育期間を短縮する研究に
取り組み、通常より三カ月短い二十七カ月で出荷できる技術を確立しました。本県を代表する銘柄牛「佐賀牛」の振興に向け、こうした生産から販売に至る
取り組みに引き続き力を入れてまいります。
次に、建設工事早期着手対策について申し上げます。
翌年度に発注予定の事業のうち、雨期前に実施する浸水対策、防災対策、安全対策などの工事を一部繰り上げて発注し、事業効果の早期発現を図る、いわゆる「ゼロ県債」について、債務負担行為約十五億円を提案しています。
次に、予算外議案としては、条例外議案として「県事業に対する市町の負担について」など十三件となっています。それぞれの議案については、提案理由を記載していますので説明を省略させていただきます。
最後になりますが、今議会は私にとりまして任期最後の
定例県議会となります。私は、平成二十七年一月の知事就任以来、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を基本理念に掲げ、県民の心に寄り添った施策に全力を尽くしてまいりました。
危機管理の面では、集中豪雨、地震といった自然災害や、鳥インフルエンザなどのさまざまな危機事象に対応するとともに、原子力災害に備えるなど、県民の生命、財産を守ることを第一に考え、初動体制の立ち上げ、現場の状況を直視したオペレーション、さらには、大規模災害発生時における他県からの受援体制の整備に取り組んでまいりました。
「日本一、子育てしたいと思える県にしたい」という思いから「子育てし大県”さが”
プロジェクト」に
取り組み、子育てタクシーの導入や本に親しむこころざしスポットの整備などさまざまな
取り組みを進めてまいりました。
こうした佐賀で育った若者が県内で活躍できる場をつくり出すため、九十件の企業誘致を実現し、三千人を超える新規地元雇用を生み出し、また、「
ものづくり人財創造基金」を設置し、若者が誇りと自信を持って
ものづくりに従事する流れをつくり出しました。農業では、栽培技術や経営ノウハウを学ぶ「トレーニングファーム」を整備し
担い手を育成しています。
人の思いに寄り添うという観点からは、県議会の意見を踏まえて、特別支援学校でのスクールバスの運行を開始し、また、「さが現場の声と想いをつなぐ懇談会」での現場の声から「佐賀県発達障害者就労支援センター」を新設するなど、できることから一つ一つ取り組んでまいりました。