・
漁業者の思いなどを国に伝え、必要な対応を求めていくこと
に全力で取り組むこととしています。
具体的には、七月二十五日から三十一日にかけ、
漁業者の忌憚のない御意見や率直な思いをお聞きするため、
有明海漁協の
西部地区、
中部地区、
東部地区、
大浦支所及び南川副支所と、副知事をトップとした
意見交換会を開催いたしました。
意見交換会では、
・諫早湾干拓問題を何とかしてほしい
・宝の海だったころの
有明海を返してほしい
など、これまでの国の対応に対する不満の声が多かったとの
報告を受けており、
漁業者の国に対する
不信感はいまだ払拭されていないことを改めて感じています。
今回の
意見交換会でいただいた
漁業者の御意見や思いにつきましては、早速、国に届けるとともに、それを受けた必要な対応を求め、国と鋭意協議を進めているところであり、今後とも、
漁業者としっかりと対話を続けていくこととしています。
こうした中、八月五日には
オーストラリア東海岸沖で
米海兵隊普天間基地所属の
オスプレイ一機が訓練中に海に落下するという重大な
事故が発生しました。米軍の
オスプレイについては、昨年十二月の沖縄県名護市沖での
不時着水による機体の大破という
事故から一年もたたないうちに再び大きな
事故が発生したことは、県民の不安を増大させるものと厳しく受けとめざるを得ません。このため、八月七日には
防衛省に対し、
・徹底して
事故原因を究明し情報を開示すること
・県民に対し、
事故に係る調査結果について、
説明責任をしっかりと
果たすこと
を文書で申し入れました。さらに、八月二十九日には米軍の
オスプレイ一機が
大分空港に緊急着陸するという事案も発生しました。
このうち、沖縄県での
事故に関し、昨日、
防衛省から、
・
米国政府から
日本政府に対し、
最終事故報告書が提供されたこと
・今回の
報告書に対する
防衛省としての
評価、見解については、まと
まり次第改めて説明すること
を
報告されたところです。
いずれにいたしましても、
オスプレイの
安全性は極めて重要であることから、
防衛省からの説明を聴取し、しっかりと確認したいと考えています。
次に、
有明海の再生について申し上げます。
去る八月三十一日に公表された国の来年度
予算概算要求において、開門に関する
予算要求は見送られました。国に対しては、これまで
漁業者の信頼を回復する
取り組みを要請していただけに、大変遺憾に思います。国には、責任を持って
有明海における
環境変化の
原因究明、
有明海の再生にしっかりと取り組んでいただきたいと考えています。
八月二十八日には
長谷水産庁長官と面談し、
有明海の現状や玄海の
漁業者の方々の窮状を伝えるとともに、早期に
齋藤農林水産大臣に来佐いただきたいと要請いたしました。この要請を受け、大臣からは来佐する意向が示され、
日程等の調整を行っているところです。大臣には、一緒に船に乗って、
漁業者が肌で感じている
有明海の
環境変化や
水産資源の減少など厳しい現状をきちんと受けとめるとともに、
・
漁業の将来が見通せない中、
後継者も育たない
・
有明海を再生してほしい、宝の海を返してほしい
など、
漁業者の生の声を直接聞いていただきたいと考えています。
また、これまで
資源回復に取り組んできましたアゲマキ、ウミタケ、アサリにつきましては、回復の兆しが見えてきたことから、この機を逃がさないよう、今回の九月
補正予算案におきまして、
有明海再生緊急対策を講ずることといたしました。まずは漁獲を再開し、安定的かつ持続的なものとすること、さらには
漁獲量を増加させることを目指してまいります。これに加え、
有明水産振興センターにおける
品質評価試験のための
乾ノリ製造施設を更新することにより、
佐賀のりならではの「口溶け」、「うまみ」など世界に誇る品質のさらなる向上、ひいては単価の向上につなげてまいります。
有明海の
漁業者にとって、
水産資源の回復は待ったなしの
状況にあります。
漁業者を初めとする
有明海の水産に携わる全ての
関係者が、
有明海を再生するため、一丸となって取り組まれている中、県といたしましては、さまざまな
取り組みをより加速させ、
関係者が
水産資源の回復や、将来に向けた
人材育成などを実感していただけるよう、その責務をしっかりと果たしてまいります。
今後とも、宝の海である
有明海を再生するため、
関係者の声を聞きながら、時期を逃さず全力で取り組んでまいります。
次に、
九州新幹線西九州ルート整備について申し上げます。
去る七月十四日にフリーゲージトレインの
技術開発状況について
評価を行う
軌間可変技術評価委員会が開催され、車軸の
摩耗対策、
高速走行安定性及び
経済性の検討について
評価がなされたところです。この
評価結果については、同日に開催された
与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム九州新幹線西九州ルート検討委員会に
報告され、今後の
整備方針について議論されることとなりました。
七月二十八日に開催された
検討委員会では、本県からの意見を求められたことから、
・六
者合意で決定した
平成三十四年度の
リレー方式での開業及び武雄
温泉─肥前山口間の
全線複線化を確実に実現していただきたいこと
・
西九州ルート整備に対しては、関西・
中国方面からの
流入効果を期
待し、費用を負担していることから、「人の流れ」が実現できるよ
うな議論を行っていただきたいこと
・
フル規格で整備する場合、本県の
実質負担は約八百億円を超えるこ
ととなり、多額の負担を将来世代に残すことは到底できないこと
などを、私から訴えたところです。
今後、
与党検討委員会において、
西九州ルートの
整備方針について議論が進められるものと認識しており、国などからの
情報収集に努め、その議論を注視してまいります。
次に、
原子力発電について申し上げます。
去る四月十九日に
玄海原子力発電所一号機の
廃止措置計画が認可され、七月十二日に
事前了解をいたしました。その際、
九州電力に対し、
関係法令等を遵守し、安全を第一とした作業の実施に努めることや、地元との
連絡調整をしっかりと行うことなどを要請いたしました。
また、三号機につきましては、八月二十五日に
施設設備の
詳細設計が記載された
工事計画が認可され、現在、現地において
施設設備を実際に検査する「使用前検査」が行われているところです。さらに、
九州電力では、これらの法令に基づく手続とあわせて、
特別点検の実施や、新たな
地震観測装置の設置、
UPZ圏内自治体への
福祉車両の
追加配備など、さらなる安心につながるための
取り組みを実施しているところです。
高
レベル放射性廃棄物の
最終処分につきましては、七月二十八日に
活断層などの
地層処分に関係する
科学的特性を整理した「
科学的特性マップ」が公表され、国において、
全国各地できめ細やかな国民との
対話活動を行うとされています。高
レベル放射性廃棄物は、国が前面に立って
最終処分に向けた
取り組みを進めるとされていることから、国の責任においてしっかりと進めていただきたいと考えており、県といたしましては、今後とも国の動向を注視してまいります。
原子力防災につきましては、九月三日及び四日に、国や玄海町、唐津市、伊万里市などの
関係機関と合同で、
原子力防災訓練を実施いたしました。
これに先立ち、八月三十日には
原子力防災を担当する
中川内閣府
特命担当大臣、
伊藤内閣府副大臣が来佐し、
玄海地域の
原子力防災の現状を視察され、「
原子力防災訓練を踏まえ、
避難計画の改善、
原子力防災対策の一層の充実に努める」と発言されたところです。
今回の訓練におきましては、当日実施された
北朝鮮による
核実験に伴い、急遽
安倍総理大臣の参加が見送られたものの、かわりに
中川大臣が
緊急事態宣言を行うなどの臨機応変な対応により、おおむね予定した内容が実施できました。また、
原子力災害が発生した場合に実際にオフサイトセンターで指揮をとる伊藤副大臣が参加し、
原子力防災会議で了承された
玄海地域の緊急時対応に基づく国との連携について検証するとともに、離島における訓練を実施するなど、有意義なものとなりました。
県といたしましては、訓練の成果、課題をしっかりと検証し、
原子力災害対策をより実効性あるものとするため、引き続き、不断の見直しを行ってまいります。
玄海原子力発電所につきましては、
廃止措置を含め、これからも非常に長い年月にわたりかかわり続けなければなりません。県といたしましては、引き続き国と
事業者に対し、
事故発生への備えを初め、徹底した
安全対策を講ずるよう求めていくなど、何よりも県民の安全を大切に、これからも
原子力発電所と真摯に向き合ってまいります。
次に、
城原川ダム事業について申し上げます。
城原川ダム事業の推進につきましては、昨年七月の
ダム検証による
事業継続の決定以降、
早期建設という地元の思いを受け、これまで
期成会などと連携し、国に
早期着工を働きかけてまいりました。今回、このような
取り組みが実を結び、国の来年度
予算概算要求において、
城原川ダム事業を
建設段階に移行することが盛り込まれ、
ダム建設の実現に向け、さらに前進することとなりました。今後とも、必要な予算の確保や、より一層の
事業推進を、しっかりと国に働きかけてまいります。
次に、
TPP(
環太平洋パートナーシップ)協定及び
日EU経済連携協定(
EPA)について申し上げます。
TPPにつきましては、現在、米国を除く十一カ国において、十一月に開催される
アジア太平洋経済協力会議(APEC)
首脳会合に向け、調整が行われているところです。
また、
日EU・
EPA交渉につきましては、四年に及ぶ交渉の結果、七月六日に開催された
定期首脳協議において、
大枠合意が表明されました。本県の
農林水産業への影響が懸念されることから、翌七月七日には「
佐賀県
TPP・
日欧EPA等経済連携協定対策本部」を開催いたしました。
TPP及び
EPAにつきましては、引き続き国などから情報を収集するとともに、県内のさまざまな声や
関係団体の意見を聞きながら、
農林水産業を初めとする
地域産業が持続的に発展していけるよう、適宜必要な対応を行ってまいります。
次に、
九州佐賀国際空港について申し上げます。
九州佐賀国際空港利用者数につきましては、国内線、国際線とも順調に推移しており、今年八月には
平成十年の開港以来、月間利用者数が過去最高となる約八万三千人を記録しました。また、今年度八月末までの累計利用者数も、昨年度の同時期と比較して約七万五千人上回り、過去最高の約三十二万六千人となっているところです。
このような中、七月四日には訪日外国人旅行者数四千万人の達成に向けて国際線の受け入れを強化する地方空港「訪日誘客支援空港」に認定されるとともに、国から最も手厚い支援が受けられる空港のカテゴリーに位置づけられました。
県といたしましては、この認定を契機に、国内外のハブ空港との路線充実、空港の利用促進にさらに
取り組み、LCCの拠点空港化を実現し、
九州におけるゲートウエー空港として発展させてまいります。
次に、明治維新百五十年事業について申し上げます。
いよいよ「肥前さが幕末維新博覧会」の開幕まで半年余りとなりました。
メイン館となる「幕末維新記念館」では、当時の
佐賀の偉業や先人の活躍をドラマチックに紹介し、来館者の心を震わせる体験ができる館といたします。
また、観光客にも楽しんでいただけるよう、
佐賀城公園エリアにあるレストラン「さがレトロ館」では、究極の器で一流のシェフの料理を楽しむことができる「ユージアムサガ」を展開するほか、県立美術館では、魅力的な現代アートの特別企画展なども開催することとしています。
これらに加え、九月
補正予算案におきましては、未来志向の事業として、オランダとの交流をさらに深めるため、オランダと
佐賀のクリエイターによるデザインや水辺、食などをテーマとしたコラボレーションを展開する「オランダハウス」を設置することや、明治維新百五十年を契機とした産業・土木分野の特別企画展などを開催することに必要な予算を計上し、博覧会事業のラインナップがおおむね出揃ったところです。
また、唐津市及び鳥栖市に設置するサテライト館の展開とともに、市町における
取り組みも具体化してきており、博覧会は県内全域・県民総参加型という姿に近づいています。
「肥前さが幕末維新博覧会」につきましては、明治維新百五十年という記念すべき年に、「その時、
佐賀は世界を見ていた。」「今、
佐賀は未来を見ている。」をコンセプトに
佐賀の「技」及び「人」を顕彰することにより、県民が郷土への誇りと自信を持つこと、そしてこれらを土台に築いた「志」を今に生かし、未来につないでいくことを目指しています。
そして、博覧会後に、全国高等学校総合文化祭の本県開催、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、
九州新幹線
西九州ルートの暫定開業、そして国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の本県開催と、
佐賀を国内外にアピールできる大きなイベントが続きます。博覧会を通じ、県民一人一人に醸成された
佐賀への誇りや愛着、そして自信を基盤として、これらのイベントを最大限に活用し、本県の発展につなげてまいります。
続きまして、最近の県政の主な動きについて御説明申し上げます。
まず、県民の命を守るための
取り組みについて申し上げます。
本県は、人口十万人当たりの人身交通
事故発生件数が五年連続全国ワーストワンとなっております。本年は、件数こそ減少しているものの、死亡
事故が相次いで発生しています。
このような中、県民の命を守るという強い思いのもと、八月八日の定例記者会見において、中央分離帯がない四車線道路における二重右折の危険性を訴え、
事故抑止効果等を検証するための中央分離帯の設置や交通規制のあり方を県民の皆様と考えていくことを提唱いたしました。また、連続して痛ましい死亡
事故が発生したことを重く受けとめ、「交通死亡
事故撲滅緊急宣言」を行い、改めて県民の皆様に交通ルールの遵守を強く呼びかけるとともに、死亡
事故の撲滅に向けた決意を表明したところです。
私といたしましては、県民一人一人が命と真摯に向き合い、お互いに命を守ることを意識して行動することを、県民運動として展開していきたいと考えています。そして、「守れる命を守りたい」との強い信念のもと、ワーストワンからの脱却はもとより、死亡
事故撲滅に向け、あらゆる手段を尽くして取り組んでまいります。
また本県では、乳がん及び子宮がんによる死亡率が高い傾向にありながら、これらの女性特有のがんにおける検診受診率は三五%程度となっています。さらに、男性と比較しても、検診受診率は総じて低く、特に、胃がんでは約七ポイントも低い
状況にあります。このため今年度から、「ほっとかないで、ほっとしよう。」をキャッチフレーズに、女性のがん検診受診を促進する
取り組みを強化しています。八月からは、夫婦、親子、友人同士で誘い合うことで検診受診につなげる「ペアde検診キャンペーン」をスタートしました。これを契機として、一人でも多くの女性や県民の方々が、自身のため、そして家族のためにがん検診を受けていただきたいと考えています。さらに、毎年九月の「がん征圧月間」に、患者支援チャリティイベント「リレー・フォー・ライフ」を開催しており、がんサバイバーとして私も参加することとしています。
今後とも、さまざまな機会を捉え、がん検診受診を呼びかけ、県民をがんから守り、がんになっても社会全体で支え、これまでとかわらずに暮らすことができる
佐賀県づくりのため、これからも全力で取り組んでまいります。
次に、伊万里港の振興について申し上げます。
これまで県、伊万里市、地元港湾関係企業で構成する「伊万里港振興会」を中心に、官民一体となって、新規荷主の獲得、航路誘致、海外ポートセールスなどに取り組んでまいりました。これらの
取り組みにより、本年七月には伊万里港と釜山港とを結ぶ国際定期コンテナ航路の週四便化が実現し、二年連続での増便となりました。
今年、伊万里港は開港五十周年、国際コンテナターミナル開設二十周年を迎えました。今後とも、伊万里港における取扱貨物を増加させていくとともに、対アジア貿易の拠点となることを目指し、伊万里港の振興にしっかりと取り組んでまいります。
次に、「子育てし大県”さが”プロジェクト」について申し上げます。
去る七月二十一日から、子供たち、保護者・妊婦の方々の外出、通院等を交通環境の面からサポートする「子育てタクシー」の運行を開始いたしました。すでに、県内ほぼ全域において利用可能となっており、県単位での
取り組みは全国で初めてとなります。また、保育所や放課後児童クラブへのお迎えの代行など、
佐賀県オリジナルメニューを用意し、より利用しやすい環境を整備しています。
さらに、「子育てタクシー」を活用し、双子や三つ子など多胎児を妊娠されている方や育児をされる方々に対しても、外出支援を行うことといたしました。
これからも、県内外の皆様に「
佐賀県で子育てをしたい」と思っていただけるよう、出産、育児はもとより、交通・住宅環境などさまざまな観点からの支援に
取り組み、「子育てし大県”さが”プロジェクト」を強力に推進してまいります。
次に、情報発信・誘客対策としてのさまざまな
取り組みについて申し上げます。
まず、歴史があり趣のある景観や広大な田園風景などの魅力を備える
佐賀平野を三百六十度眺望できる県庁
展望ホール「SAGA360」において、
佐賀の美しい夜景をキャンバスにプロジェクションマッピングで絵を描く「アート県庁プロジェクト・星空のすいぞくかん」を開催しています。フロアー全体にアート作品を展開することで、さらに楽しく、堪能できる空間となっており、
佐賀に宿泊する外国人旅行者を初めとし、県内外からこれまで七万人を超える方々が来場されているところです。
佐賀商工会議所青年部と連携したクーポン付飲食ガイドブック「さがオトナ飯」も組み合わせながら、「SAGA360」は、人々が
佐賀の夜街を回遊し、それぞれの幸せに巡り合えるきっかけ「夢のエントランス」となることを目指してまいります。
また、八月九日から九月二十二日まで、地方創生プロジェクト「サガプライズ!」における情報発信の一環として、日本で最も予約が取れないと言われる会員制餃子レストラン「蔓餃苑(まんぎょえん)」とのコラボレーションにより、ムツゴロウやワラスボなど
有明海特有の魚にこだわった餃子レストラン「珍魚苑(ちんぎょえん)」を東京でオープンしています。
さらにこれに加え、カルビーとの共同企画により、
佐賀ならではの新しいポテトチップス「
佐賀のり味」が誕生しました。世界に誇る
佐賀のりを贅沢に使用することで、
佐賀のりを視覚や味覚で感じられる仕上がりとなっています。
日本一の干潟を有する
有明海だけが持つ魅力を、食の感度が高い方々などを通して、多くの皆様に発信しています。
このほか、昨年、朝ごはんをテーマに、本県出身のタレント等が熱演した「あさご藩」動画が、多くの
評価をいただきました。今回、「あさご藩」動画の番外編として、実際に県産食材を使った朝ごはんを作って食べてもらう「TRY!(作る)」と「EAT!(食べる)」をテーマとした動画を配信し、県産品に対する県民の誇りや愛着を高めていくとともに、質の高い県産品のさらなる情報発信に取り組んでいるところです。
佐賀には、豊かな自然、食、ものづくりなど世界に誇れる本物の地域資源があります。私といたしましては、これらが持つ本物の魅力を大切にしながら、それを生かすトレンドを掛け合わせた情報発信や誘客対策などに
取り組み、新たな
佐賀ファンを開拓してまいります。
続きまして、
提案事項について御説明申し上げます。
今回の
補正予算案の編成に当たりましては、六月補正後の事態の推移に対応するため、早急に措置を要するものについて所要額を計上することといたしました。
この結果、
補正予算案の総額は、歳入歳出とも、それぞれ
一般会計 約 三十六億九千三百万円
特別会計 約 八億七千五百万円
となり、これを既定の予算額と合わせますと、本年度の予算総額は、
一般会計 約 四千四百十八億八千七百万円
特別会計 約 一千 百十二億七千二百万円
となっております。
次に、予算案の主な内容について、御説明申し上げます。
さきに御説明した事業に加えて、まず、明治維新百五十年を契機とした
佐賀の再興につきましては、「肥前さが幕末維新博覧会」の開催について、県外、特に北部
九州エリアにおける認知度を向上させ集客を促進するため広報プロモーションを実施することといたしました。
また、県立博物館・美術館におきましては、
・
佐賀県出身の池田学氏、葉山有樹氏、八谷和彦氏による三人展、吉
岡徳仁氏による個展
・県内企業のものづくり技術を紹介し、最先端のものづくり技術を体
験できる企画展
・
佐賀の土木遺産、土木技術、土木に携わる方々をテーマとして、有
識者とクリエイターがコラボレーションする体験型の企画展
を開催することといたしました。
さらに、県外からの観光客の皆様が、博覧会はもとより県内の観光地を周遊することで
佐賀の魅力を体感し、リピーターとして
佐賀を訪れてもらえるよう、博覧会を組み込んだ旅行商品を企画する旅行会社に対し支援するとともに、高速道路を利用する個人観光客向けのプロモーションを実施することといたしました。
防災体制の整備につきましては、消防防災ヘリコプターの導入に向け、運航体制や運航基地の整備などを検討することといたしました。
佐賀を誇りに思う教育の推進につきましては、生徒が居住する地域に加え、
佐賀県の偉人や歴史、文化等を学び、ふるさと
佐賀を誇りに思う心の醸成を図るため、中学生が共通して活用できる郷土学習資料を作成し、県内の全中学生に配布することといたしました。
次に、予算外
議案といたしましては、条例
議案として、「
佐賀県職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例(案)」など六件、条例外
議案として「県事業に対する市町の負担について」など八件、合わせて十四件となっております。
その他の
議案につきましては、それぞれ提案理由を記載していますので、説明を省略させていただきます。
最後になりますが、この夏は、
佐賀県にゆかりのある方々がさまざまな分野で光り輝きました。まず、七月に開催された聴覚障害者による国際総合スポーツ大会「デフリンピック」では、水泳の金持義和選手が全出場種目でメダル七個を、自転車の簑原由加利選手が銅メダルを獲得されました。
これらのトップアスリートによる素晴らしい成績に加え、「世界カデ柔道選手権大会」では、
佐賀工業高校の近藤隼斗選手が銅メダルを獲得、「全国高等学校総合体育大会新体操男子団体」では、神埼清明高校が優勝、「全国中学校体育大会剣道女子団体」では、大和中学校が優勝、「日本クラブユースサッカー選手権大会」では、サガン鳥栖U─15が初優勝するなど、中高生の躍進も著しく、
佐賀のスポーツの将来に夢や希望が持てることを実感しました。
佐賀のスポーツ選手の活躍は、県民に深い感動を与えるとともに、一人一人の
佐賀人としての血をかき立て、選手はもとより、ふるさと
佐賀を誇りに思うことにつながりました。これからも、ふるさと
佐賀を胸に活躍する皆様を全力で応援してまいります。
また、七月十四日にはふるさと
佐賀に熱い想いを持つクリエイターなどが集結し、自由に
佐賀起こしのアイデアを提案する「勝手にプレゼンFES」が開催され、斬新な提案をいただきました。
さらに、高校生などが未来の
佐賀を創造する企画を提案するプレゼンテーション大会「
佐賀さいこう!企画甲子園」の記念すべき第一回を開催し、生徒たちの熱気で溢れ返りました。県内の高校や専修学校、県外からも柳川高校が参加しました。総勢百八十六人五十七チームが切磋琢磨し、その中から選抜された八チームは合宿を行い、企画内容を磨き上げ、八月二十四日に開催したコンテストでは、躍動感にあふれたプレゼンテーションが行われた結果、白石高校が金メダルを獲得しました。生徒たちからほとばしる情熱は、次代の
佐賀をつくるうねりとなることを予感させるものでした。企画甲子園を通して、郷土への誇りや自信が醸成され、「
佐賀さいこう!」という思いが芽吹いたところです。
山口県政の中心は「人」、これからも「人」を大切に、
佐賀の未来に向け、志を持ち世界に通ずる「人」を育むとともに、葉隠の一節「何事も成らぬといふ事なし。一念起こると、天地をも思ひほがすものなり。」の言葉にあるように、
佐賀をクリエーティブな人材が自由に提案や活動ができる聖地とし、固定観念にとらわれない自由な発想や、何かを成し遂げたいという志を持つ、
佐賀を愛する仲間とともに、新しい時代を切り開いてまいります。
以上、
九州北部豪雨災害への対応、当面の諸課題への
対処方針、最近の県政の主な動き、今回提案いたしました
議案について御説明申し上げましたが、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
18 ◎
議長(
石倉秀郷君) 以上をもちまして、本日の日程は終了いたしました。あす十三日、十四日及び十五日は
議案審査日、十六日、十七日及び十八日は休会、十九日は本会議を再開して一般質問を行います。
本日はこれで散会いたします。
午前十時四十二分 散会
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