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平成28年原子力安全対策等特別委員会 本文 開催日:2016年12月15日
平成28年原子力安全対策等特別委員会 名簿 開催日:2016年12月15日

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  1. 佐賀県議会 2016-12-15
    平成28年原子力安全対策等特別委員会 本文 開催日:2016年12月15日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時一分 開会 ◯竹内委員長=ただいまから原子力安全対策等特別委員会を開催いたします。     ○ 会議録署名者指名 2 ◯竹内委員長会議録署名者として、向門慶人君、岡口重文君、徳光清孝君、木村雄一君、以上の四人を指名いたします。  原子力安全、防災・危機管理対策及びエネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  通告に従い、順次発言を許可します。 3 ◯岡口委員=おはようございます。きょうは自民党のほうの会派を代表しまして執行部のほうに質問をしたいと思います。  玄海原子力発電所三、四号機におきましては、新しい規制基準に基づく審査書案が十一月九日に原子力規制委員会で了承をされ、今月、十二月九日には一カ月間のパブリックコメントも終了しまして、早ければ、年内にでも設置変更許可が出されるのではないかと言われてもおります。他県の例を見ますと、今後、国の許可後に地元同意に向けたさまざまなプロセスが進められていくものとも思っております。  そこで、まず、県執行部の認識についてといいますか、福島第一原子力発電所の事故の認識についてでございます。  東日本大震災よりまして発生した福島第一原子力発電所の事故は、環境に大量の放射性物質を放出するという我が国にとって経験したことのない事故であったと思います。  県はこの福島第一原子力発電所の事故について、まず、どのように認識をしているのかお尋ねいたします。 4 ◯諸岡原子力安全対策課長=お答えいたします。  福島第一原子力発電所の事故の認識についてでございます。  福島第一原子力発電所の事故につきましては、我々原子力発電に携わる全ての関係者にとりまして深刻に受けとめるべき事故であるというふうに認識をしております。  この事故につきましては、三陸沖の太平洋におけるマグニチュード九・〇という非常に大きな地震の発生と、これに伴う津波の襲来によりまして、全ての交流電源を喪失し、原子炉の冷却等を行うことができなくなったということが直接的な原因とされております。  原子力規制委員会では、こうした事故の教訓を踏まえた新たな規制基準を策定されたものと認識をいたしております。 5 ◯岡口委員=福島第一原子力発電所は地震発生後に津波に襲われまして、全ての電源を喪失して、全ての炉心冷却機能を失ったことが過酷な事故に至ったという原因だという認識だと思います。  また、外部からの送電線で電気の供給を受けておりますが、原子力発電所は、この外部からの電力供給について、先ほど述べましたけど、この福島第一原子力発電所はこの電気はどういうふうになっていたと思われますか。外部電力です。 6 ◯諸岡原子力安全対策課長=福島第一原子力発電所の事故では、地震の発生によりまして、外部電源、送電線等の倒壊によりまして、外部から電源を受け入れることができないという状況になったと考えております。
    7 ◯岡口委員=やはり電力がなかったから冷やせなかったということが一番の原因だということの認識ですね。はい、わかりました。  次に、新規制基準についてでございますが、まず県の認識についてお伺いしたいと思いますが、この福島第一原子力発電所の事故の反省を踏まえて、このような事故を二度と起こさないように、国は原子力発電所に関する新しい規制基準を策定していると思っていますが、県としてこの新規制基準についてどのように認識をされていますか。 8 ◯諸岡原子力安全対策課長=事故に関する県の認識についてでございます。  原子力規制委員会では、福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえまして、安全機能の一斉喪失を防止する観点から、自然現象の想定と対策を大幅に引き上げるとともに、万が一シビアアクシデントが発生した場合にも対処できるよう、炉心損傷防止対策や格納容器の破損防止対策などの防護措置が要求されてございます。  具体的には、地震、津波の評価の厳格化、津波浸水対策の導入、火山、竜巻、森林火災などの評価の厳格化、それから、先ほどございました全交流電源喪失にも備えた大容量発電機の整備、それから、炉心損傷防止対策として、炉心注水のための常設電動注入ポンプの整備、また、格納容器破損防止対策として、格納容器スプレーのための可搬型ディーゼル注水ポンプの整備などとなっております。  原子力規制委員会田中委員長は、この規制基準につきまして、規制基準に合致した原子力発電所については福島のような事故を二度と繰り返さないことを目指した高いレベルの安全性を有するということは申し上げることができるという趣旨を発言されております。県としてもそのように認識しているところでございます。  いずれにしましても、県としては法令に基づき、一元的に規制監督権限を有する原子力規制委員会において、こうした規制基準に基づく厳格な審査を行っていただくということが何よりも必要だというふうに考えております。 9 ◯岡口委員=次に、玄海原発の津波への対応について伺います。  福島原発事故では特に津波への対応が十分ではなかったのではないかと考えております。今回の新規制基準を踏まえて、玄海原発では津波に対してどのような対応がとられているのか。また、津波に関して、本県北部地方で大きな津波が発生したとは私は聞いたことがありませんけども、実際のところ、本県北部地方で襲った津波についてどのような記録が残っているのかお尋ねをいたします。 10 ◯諸岡原子力安全対策課長玄海原子力発電所の津波への対応についてということでございます。  福島の事故を踏まえまして策定された新規制基準においては、発電所に大きな影響を及ぼすおそれのある津波を基準津波ということで策定し、その基準津波に対して安全機能が損なわれるおそれがないというような設計にすることを要求されております。  これに対しまして九州電力では、文献調査などから過去に発電所敷地周辺の沿岸に影響を及ぼした津波は認められないということを確認しております。  また、海底の地質や活断層を実際に調査しまして、発電所に最も影響を与える可能性のある津波として、対馬南西沖断層群、それから、宇久島北西沖断層群、この二つの断層群が連動するということによる地震に伴う津波、これを基準津波として想定をしております。  九州電力では、この想定した基準津波によって発電所前面海域で約四メートルの海面の上昇、また、その波が敷地に遡上する最大の高さは約六メートルというふうな解析をしております。これに対しまして、原子炉周辺の敷地の高さが約十一メートルであるというふうなことから、主要な施設に津波の到達はないとしているところでございます。  一方、津波によって海面が下がる、いわゆる引き波についても解析をしておりまして、これについては西山断層帯による地震、これに伴う津波を想定しております。このとき冷却用の海水をくみ上げる海水ピット、ここにおいて水面が引き波によって約四・五メートル下がるというような結果でございますが、海水ポンプ取水下限位置につきましては海面からマイナス五・一八メートルということであるため、安全機能が損なわれるおそれはないというふうに評価をしております。  なお、九州電力は、こうした評価をした上で、安全上重要な設備である海水ポンプのエリアには水密扉の設置や配管の貫通部には止水、水が通らないようにするような工事をするとか、さらには床面の排水管に逆支弁を設置するなど浸水防止対策を行っているところでございます。 11 ◯岡口委員原子力発電所の安全確保について、まず、基本的な県の執行部の認識を確認させていただきました。  県民の皆様の安全を第一に考えることが本県における原子力行政の絶対に譲れない大原則であることは間違いないと思うところであります。  今後、玄海再稼働に関する地元手続が進められていくことになりますが、県執行部においては絶対に事故を起こさないという強い意志を持って、地方行政の立場から事業者を監督、指導をしていただきたいと思います。  次の項に移りますが、エネルギー政策に関することについてお伺いしたいと思いますが、まず、原子力発電の必要性についてお尋ねをいたします。  我が国のエネルギー事情を考慮しますと、現時点では安全性の確保を大前提とした上で原子力発電を引き続き活用していくべきと考えております。原子力発電の必要性について伺いますが、まず、国の方針についてでございます。  国はエネルギー基本計画原子力発電の必要性についてどのように示しているのかお尋ねをいたします。 12 ◯山下新エネルギー産業課長原子力発電の必要性について、国のエネルギー基本計画の中でどう示されているのか、国の方針ということでお答えします。  国のエネルギー基本計画では、エネルギー政策基本的視点として、エネルギー需給構造を一手に支えられるような単独のエネルギー源は存在しないとした上で、エネルギー政策において大事なことは、安全性を前提とし、エネルギーの安定供給を第一に、経済効率性の向上による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に環境への適合を図ることとされているところでございます。  こうしたことを示した上で、原子力や再生可能エネルギーなど各エネルギー源の強みが生き、弱みが補完される多層的な供給構造の実現が必要とされているところでございます。  その上で原子力発電については、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源であるとして、その安全性については原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により、世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し、原子力発電所の再稼働を進めること。また、その際、国も前面に立ち、立地自治体と関係者の理解と協力を得るよう取り組むこと。そして、原発依存度については、省エネルギー再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させることなどが示されているところでございます。  以上でございます。 13 ◯岡口委員=次に、県としての考え方をお聞きしたいと思いますが、県は、原子力発電の必要性についてどのように考えているのかお尋ねをいたします。 14 ◯山下新エネルギー産業課長原子力発電の必要性について県としてどう考えるかということでお答えさせていただきます。  国は、先ほど申しましたように、エネルギー基本計画において原子力発電を安全性の確保を大前提として重要なベースロード電源と位置づけるとともに、その依存度については再生可能エネルギーの導入などにより、可能な限り低減させるとしているところでございます。  現在の我が国のエネルギー状況を考慮しますと、国が原子力発電を重要なベースロード電源と位置づけ、活用していくとされていることは、県としても理解できるところでございます。  また、中長期的には再生可能エネルギー導入促進等により、原子力発電への依存度を可能な限り低減させるとの考え方についても理解できるところでして、国においてはその方向で積極的に取り組んでいただくとともに、県においても再生可能エネルギーの導入促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 15 ◯岡口委員=このエネルギー政策につきましては、国策として国が責任を持って対処すべき事項であると思っております。玄海三、四号機の再稼働の必要性については県執行部の考えを改めて聞かせていただきましたので、国の必要性と県の必要性は一致するということでございますので、その辺を踏まえた認識をさせていただきました。  次に、原子力の防災に関する取り組みについてお尋ねをしたいと思いますが、まず原子力災害時の避難計画について伺いたいと思います。  万が一玄海原子力発電所原子力災害が発生した場合に備えて、県や玄海原子力発電所から三十キロ圏内の玄海町、唐津市、私の地元であります伊万里市では、地域防災計画や避難計画を策定しており、去る十二月九日、安倍首相を議長とする原子力防災会議が開催をされ、先般、取りまとめられました玄海地域の緊急時対応が了承をされたところでもありますが、住民の方々からは本当に計画どおりに避難できるのかといった不安の声を聞くところであります。不測の事態に対処できる避難計画の策定が必要であると考えます。  そこで、お尋ねをいたしますが、予定された避難経路が使用できない場合の対応についてでございます。  玄海町、唐津市、伊万里市が作成する避難計画では、行政区ごとに主要な避難経路が示されております。例えば、伊万里市におきましては国道二〇二号、国道四九八号や県道二六号を通って、武雄市、また鹿島市、嬉野市、それから有田町、さらには太良町の三市二町に五万六千人が避難することになっております。ことし四月に発生した熊本地震では、地震の影響で道路が損壊し、通行どめとなる箇所も多く見られたところでもあります。地震と原子力災害が複合して発生し、予定された避難経路が通行できない場合も考えられますが、県はどのように対応するのかお尋ねをいたします。 16 ◯川内野消防防災課長=予定されました避難経路が使用できない場合の対応についてお答えいたします。  現行の避難計画では、住民が覚えやすく、実行しやすい計画といたしまして、避難時の混乱を避けて、速やかに原子力発電所から距離をとっていただく、そういった観点から、地域ごとに主要な避難経路をおのおの定めているところでございます。  その上で必要な場合には、よりスムーズに避難できるよう、これ以外の道路も使用して避難していただくということとなってございます。  また、原子力災害時には主要な避難経路上の交差点などにおきまして、警察官等における交通誘導を行うこととしてございます。  なお、地震などにより、主要な避難経路が通行できない場合には迂回するなどの代替経路を確保し、避難住民を誘導することとしてございます。  以上でございます。 17 ◯岡口委員=避難先の施設が使用できない場合の対応についてお尋ねをいたします。  避難計画では、行政区ごとに避難先が指定をされておりますが、例えば、伊万里市において、三市二町に約五万六千人が避難することになっております。  全ての住民を受け入れるだけの避難先がまず確保されているのか。また、自然災害と原子力災害が複合して発生した場合に避難先となっている避難所が被災をして使用できないことも想定されますが、県はどのように対応されるのかお尋ねをいたします。 18 ◯川内野消防防災課長=必要な避難先の確保についてお答えいたします。  玄海町、唐津市、伊万里市におきまして定められた避難計画では、三十キロ圏内の全住民の避難先を確保しているところでございます。  伊万里市につきましては、武雄市、鹿島市、嬉野市、有田町、太良町など三市二町に所在する学校や公民館などの公共施設、合計百九十カ所を避難先として確保しております。そこに五万九千人の収容が可能ということとなってございます。  これによりまして、全ての伊万里市民の避難があったとしても受け入れは可能という状態でございます。  次に、避難所が使用できない場合の対応についてお答えいたします。  玄海原子力発電所から五キロから三十キロ圏でございますUPZにつきましては、まず、屋内退避をした上で放射線量の測定結果を踏まえまして、避難が必要な地域を特定することとなってございます。  三十キロ圏でございますUPZの全市民が一斉に避難することは想定してございませんけれども、避難所、避難先とされていましても、使用しない施設が出てくるというふうに考えてございます。  もし複合災害等が発生いたしまして避難先施設が使用できないといった状況になった場合には、県の災害対策本部が避難元の市町及びこれら使用しない施設が所在する市町と調整をいたしまして、これら使用しない施設を避難先として活用することとしてございます。  また、万が一、県内の避難先で施設が足らないというふうなことが発生した場合には、他都道府県と締結をしております災害時総合応援協定というものに基づきまして、避難を受け入れていただくように調整することとしてございます。  以上でございます。 19 ◯岡口委員=現時点の計画で伊万里市民避難受け入れ先となる各市町村の受け入れ可能人数については、どういう基準に基づいて算出をされているのか、わかればお示しください。 20 ◯川内野消防防災課長=伊万里市は全てUPZということで、万が一、放射線量が高かった場合には避難をする対象地域となってございます。  どの地域が線量が高くなるかはその状況によりますので、想定はできませんけれども、現在想定しておりますのは、仮に全市民が避難するということでも対応できるように、全市民を対象として避難の人口を計算しているところでございます。  以上でございます。 21 ◯岡口委員=次に、避難計画等の実効性の向上についてお尋ねいたします。  避難計画等が絵に描いた餅にならないように実効性を高めていく必要があると考えます。  県はどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 22 ◯川内野消防防災課長避難計画等の実効性の向上についてお答えいたします。  これまで県の地域防災計画のほか、関係市町や医療機関、福祉施設の避難計画など原子力災害対応の基本となる計画は既に策定済みでございます。  さらに、内閣府を初めといたします関係省庁の審議官及び佐賀、長崎、福岡の三県の副知事を構成員といたします玄海地域原子力防災協議会が設置されております。  これらに関係します担当レベルによります作業部会がございまして、避難計画を含めた玄海地域の緊急時の対応について検討を重ねてきたところでございます。  これらの検討結果を踏まえまして、十一月二十二日に開催されました玄海地域原子力防災協議会におきまして、玄海地域の緊急時対応が取りまとめられ、現時点において関係機関や関係者の対応が具体的であるとともに、原子力災害対策指針に照らしまして、具体的かつ合理的な内容になっているということが確認されました。  そして、十二月九日には、内閣総理大臣を議長といたします原子力防災会議におきまして了承されたところでございます。  これらのことにより、現行の避難計画が客観的に一定の評価がなされたものというふうに考えてございます。  しかしながら、実際の災害は避難計画で想定しておりますとおり対応できるものではないというふうに考えてございます。むしろ、予定していた避難経路や避難先が使えないなど計画どおりにいかないことが常であるというふうに認識してございます。  そのため、現行計画を基本としながらも、実際の状況に応じてどう適切に対応していくか、そういった対応力を鍛えて実効性を高めていくことが極めて重要と考えてございます。  一月には図上訓練を計画しております。その図上訓練におきまして、渋滞を初め、いろいろな困難な状況を参加者にはわからないようにするブラインドという形で発生をさせまして、どう対応するかと、そういったオペレーション訓練を実施することとしてございます。  災害対応はこれで終わりというものではございません。常に見直し、実効性を上げていく不断の努力をしていく所存でございます。  以上でございます。 23 ◯岡口委員原子力防災に関連して説明をいただきました。  少々物足りないようなことを私は感じておりますけれども、実際、避難が行われるような事態は絶対に避けなければならないのは当然であります。  玄海再稼働に対する地域住民の不安を少しでも取り除くためには、やはり実効性のある原子力防災の整備が不可欠でありますので、そうした思いを持って、一層実効性の確保に努めていただくようにお願いしたいと思います。  次に、再稼働手続についてお尋ねをしたいと思います。  「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」についてお尋ねをいたします。  まず、他県の事例についてでございますが、知事は今議会の提案理由説明の中で、「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」を原子力規制委員会から出される設置変更許可の前後には設置をしたいと発言されました。  この委員会の設置検討に当たっては、九月議会の一般質問で産業労働部長が、委員会のたてつけについて他県の事例を参考にするということがございました。  どのようなところを参考にされるのかお尋ねいたします。 24 ◯山下新エネルギー産業課長=「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」の設置検討に当たって参考とした他県の事例ということでお答えいたします。  先行事例ということで、愛媛県と福井県の事例を参考にいたしました。  まず、愛媛県についてですが、愛媛県においては、副知事を会長とし、環境や原子力関連分野の専門家に加え、県内各界の団体など幅広い分野の委員三十一名で構成する伊方原子力発電所環境安全管理委員会が設置されています。  また、この委員会には、下部組織として原子力関連分野の専門家八名で構成する原子力安全専門部会が置かれているところでございます。  次に、福井県ですけれども、福井県においては、知事を会長とし、議長を初め、県議会議員、県幹部、原発立地市町の市町長、議長、水産団体、農業団体の代表など四十四名で構成する福井県原子力環境安全管理協議会が設置されています。  また、これとは別に、原子力関連分野の専門家十二名で構成する福井県原子力安全専門委員会が設置されているところでございます。  本県の広く意見を聴く委員会は、委員会の全体構成については愛媛県の委員会を参考とし、また、委員構成については両県の事例を参考に検討しているところでございます。  以上でございます。 25 ◯岡口委員=この委員会の目的についてお尋ねをいたしますが、「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」は、まず、どのような目的で設置されるのかお尋ねをいたします。 26 ◯山下新エネルギー産業課長=この委員会の目的についてお答えします。  この広く意見を聴く委員会は、玄海原発の再稼働に関しまして、さまざまな観点からの意見や専門的なアドバイスをいただくことを目的として設置するものでございます。  委員会は、副知事、そして各界の代表者及び学識経験者など三十名程度で構成し、各界の代表者としては、農林、水産、経済、医療、労働などの関係の方々を考えているところでございます。  また、委員会の中に原子力安全専門部会を設け、原子力関連分野の学識経験者六、七名で構成することとしております。  この専門部会には部会長を置くこととしておりまして、部会長には専門部会を代表し、委員会にも出席していただくよう考えているところでございます。  以上でございます。 27 ◯岡口委員=この委員会で出された意見について、どのように取り扱われるのかお尋ねいたします。
    28 ◯山下新エネルギー産業課長=この委員会で出された意見についてということでお答えします。  先ほども申し上げたとおり、この委員会は玄海原発の再稼働に関しまして、さまざまな観点からの意見をいただくことを目的としております。  このため、委員からいただいた御意見については、議事録という形で県のホームページで公表していくことで考えております。  また、この御意見についてですけれども、知事はさきの一般質問において、「今回設置する委員会も含めまして、さまざまな機会を通じて広く県民の意見をお伺いするとともに、市町の意見、そして、県民の代表者であります県議会の皆様の御意見を踏まえ、しかるべき時期に県知事としての私の考えをしっかりとお示ししたいと考えております。」と答弁しましたように、再稼働について、知事が考えるに当たっての材料の一つになるものと考えております。  以上でございます。 29 ◯岡口委員=原子力安全専門部会についてお尋ねをいたしますが、この原子力安全専門部会はどのような目的で設置されるのかお尋ねをいたします。 30 ◯諸岡原子力安全対策課長=お尋ねの原子力安全専門部会につきましては、県が玄海三、四号機に関する国の審査結果を確認するに当たりまして、専門的知見を有する専門家の方々から技術的アドバイスをいただくということを目的としているものでございます。 31 ◯岡口委員=この委員会は、アドバイスだけをもらうという委員会なんですね。委員さんたちの権限は何もないんですね。 32 ◯諸岡原子力安全対策課長=おっしゃいますとおり、県としては、専門部会の委員の方にアドバイスをいただくということを考えてございます。 33 ◯岡口委員=この専門部会の開催によりまして、判断時期を先延ばしされるのではないかと私は心配しておりますが、この専門部会は国の審査内容に関することを取り扱うため、そして、一定程度の開催回数が必要ではないかと考えています。  そのために、県としての判断時期が先延ばしになるのではないかと私は心配しておりますが、その辺についての県の認識はどうでしょうか。 34 ◯諸岡原子力安全対策課長=専門部会の開催によりまして、判断時期が先延ばしになるのではないかということについてでございますが、さきの一般質問において知事は、原子力専門部会については、再稼働に関するプロセスの一つとして同時並行的に開催したいと考えており、この専門部会の開催が再稼働の判断時期を引き延ばすということにはならないと考える旨を答弁しているところでございます。 35 ◯岡口委員=再稼働の手続についてお伺いをいたしますが、玄海原子力発電所三、四号機の適合性審査については、先ほども言いましたように、十二月九日にパブリックコメントが終了し、現在、取りまとめが行われているところでございます。  早ければ年内にでも設置変更許可が出されるのではないかとも聞いておりますが、その後、国から県へ再稼働について正式に要請があり、再稼働についての手続が進められていくことになると思います。  県も、いずれ玄海原子力発電所三、四号機の再稼働についての判断をする必要があると考えますけれども、これは大変重要な判断でありまして、県議会としてもしっかり議論していきたいと考えております。  判断に当たっては、県にもしっかり対応していただきたいと考えておりますが、設置変更許可後、どのように対応していこうと考えておられるのかお尋ねいたします。 36 ◯石橋産業労働部長=再稼働の手続ということですけれども、手続につきましては、国としては設置変更許可が出て、個別プラントの基本的な安全性が確認された段階から理解を得ていく地元の範囲も含め、県と相談しながら具体的な対応を考えていくと、それが国の考え方でございます。  ということでございますので、県といたしましては、国からそうした相談があったときに、国の再稼働に関する考え方を確認した上で、まずは本県の状況をしっかり申し上げると。そういったことともに、他県の事例も参考にしながら、再稼働に係る手続について、国との調整の中で県としての考え方を整理していきたいというふうに考えているところでございます。  御指摘のように、原子力発電所の再稼働に係る判断というものは極めて重要なことだというふうに思っております。  そのため、判断に向けたそういった手続につきましても、しっかりと国と調整をしていきたい。国との調整の中で、国に対して県として言うべきことはしっかり申し上げていきたいと思ってございます。  またその後、そうした手続を踏みながら、県としての考え方を整理するということになっていきますけれども、それに際しても、今回新たに設置することとしている委員会からいただく御意見、あるいはさまざまな機会を通じて広く県民の方からいただく御意見、さらにはGMミーティングなどを通じて市町の御意見、そして、何より県民の代表であります県議会の御意見、大切な判断であるがゆえにこうしたいろいろな御意見を踏まえながら、県としての考え方をしっかりと整理していきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 37 ◯岡口委員=私もUPZ圏内におります。大変この判断には重い責任を預かっております。  やはり市民の皆さんから言わせると、決めるときはしっかり覚悟を持って決めてもらわにゃ困るよということでございますので、我々もしっかり覚悟を持って判断させていただきたいと思いますので、県のほうもしっかりそういう覚悟を持って判断していただければと思います。  以上です。 38 ◯徳光委員=皆さんおはようございます。県民ネットワークの徳光清孝です。  三問、質問をさせていただきます。  まず一番目ですが、再稼働に向けたプロセスについて質問したいと思います。  これは、これまで再三議会の中でも質問をしてきました。プロセスについては、設置変更許可が出て、国から相談があった段階で国の考え方をしっかりと確認し、先行する事例における関係者の対応を参考にしながら県としての考え方を整理するという、こういった答弁をこの間繰り返しています。  そこで、改めて県が考える再稼働に向けたプロセスについて質問したいと思いますが、国の考え方をしっかりと確認して県としての考え方を整理するとのことでありますけれども、県が参考としている先行事例、川内原発の鹿児島県と伊方原発の愛媛県、ここでは国から要請文が来ているわけですね。  そんな意味では、これら要請文をしっかり見れば、国の考え方というのはほぼ推測できるんじゃないかなというふうに思うんですね。  別に私は再稼働を急げというふうに言っているわけではなくて、推測ができるということは、今からでもしっかり住民の意見を聞きながら、きちんと県としての考え方を整理できるんじゃないでしょうか。その点はいかがですか。 39 ◯山下新エネルギー産業課長=先行県における国からの要請文書を見れば、国の考え方は推測できるのではないかというお尋ねでした。お答えします。  国から県に対して要請文書を出されている事例としては、川内原子力発電所一、二号機が再稼働しました鹿児島県、そして、伊方発電所三号機が再稼働しました愛媛県の二例がございます。  要請文書におきましては、原子炉設置変更許可が行われたことにより再稼働に求められる安全性が確保されることが確認されたこと、及びこれを受け、政府として再稼働を進めていくための方針五項目が記載され、再稼働を進める政府の方針について知事の理解を賜りたい旨が記載されているところでございます。  ただ、この中で再稼働に係る地元への対応ということについては、今言いました五項目の方針の中の三番目に、このような政府の方針について、エネルギー基本計画に基づき、政府として立地自治体等関係者の理解と切りを得るよう取り組むこととし、新規制基準への適合審査の結果やエネルギー政策、原子力政策の内容、原子力災害対策の内容などを丁寧に説明していくと記載されているだけでして、具体的な進め方やその考え方までは示されておりません。  そこは国のほうも許可後にということで言っておりまして、県としては国から相談があったときに、国の再稼働に関する考え方をしっかりと確認した上で本県の状況をしっかりと申し上げる。そうしたこととともに、再稼働に係る手続きについて、国との調整の中で県としての考え方を整理していくとしているところでございます。そうした調整の中で国に対して県として言うべきこと、申し上げるべきことは申し上げていきたいというふうにしているところでございます。  以上でございます。 40 ◯徳光委員=今の要請文なんですが、五項目ですね。ある意味、愛媛県も鹿児島県も一言一句違わないわけですよね。川内原発と伊方原発という書き方は違っていますが、ほかのはもう一言一句違わないわけですよ。じゃ、もし玄海原発の場合、何か違った文章が来るというふうに受けとめているんですか。 41 ◯山下新エネルギー産業課長=国の方針ということで五項目示されているわけですけれども、再稼働をさせるということの考え方、そういった方針が示されていて、地元の理解というところについて、例えばどの範囲でどういった人たちにどういった方法でとか、そういったところについては個々、地域地域によって事情が違うので、そこは個別に許可後に話をしていきますということになっているということで、再稼働手続きについては許可後に国から相談があったときに、県として考え方を整理していくとしているものでございます。  以上でございます。 42 ◯徳光委員=ただ、先行事例でいうと、鹿児島にしても愛媛にしても、説明会の開催の仕方とか、あるいは参加の範囲とかその辺の違いはありますけれども、国なり、あるいは県なり、あるいは市町なりで説明会はしっかり開いてきているんですよね。そのことがこの三項目めで政府が言っていることを示しているというふうに思うんですよ。だから、それは想像できるというふうに私は思うんですよ。だったら、佐賀県として国が相談あったからということよりも、佐賀県の特別な事情というか、そういうのも多分、県としては考え方あるんじゃないですか。その辺はどうですか。 43 ◯山下新エネルギー産業課長=他県における事例ということでは、これは参考にしていくべきだろうと思っています。住民説明会ということでも、鹿児島県でやられた説明会、そして愛媛県でやられた説明会、そこはちょっと違っております。全ての住民を対象にしたり、議員や役員の皆様であったり、そこら辺対象とされているところも違う。そこは国の相談を受けて地域と話をされた中でそういう説明会の形になったんだろうと思いますので、そこは相談があってから話をしていくことになるんだろうと思っております。  以上でございます。 44 ◯徳光委員=次に、地元同意の範囲について、関連しますのでそっちに行きますけれども、先ほど言いましたとおり鹿児島県と愛媛県に渡された国の文書というのは、要請内容自体は一言一句同じなんですね。地元同意の範囲を考えるとすれば、これはやっぱり先行事例では県と立地自治体しか国との協議の中で、結果としてはそこしかなっていないんですね。だから、国がもし相談すると言っても多分、佐賀県と立地自治体の玄海町が地元というふうな考え方を国が示すというふうに思うんですけれども、佐賀県としてはそれにとらわれることなく、佐賀県の立場として独自の地元の範囲を考えることが重要ではないかなというふうに思うんですが、その点はいかがですか。 45 ◯山下新エネルギー産業課長=佐賀県独自に地元の範囲を考えるべきことということでお答えいたします。  これまでの答弁の繰り返しになりますけれども、国は再稼働手続きについて設置変更許可が出て、個別プラントの基本的な安全性が確認された段階から理解を得ていく地元の範囲も含め、県と相談しながら具体的対応を考えていくとしております。当然ではありますけれども、この再稼働の判断というのは、国、事業者の責任で行われるべきものと思っております。したがいまして、いわゆる国が理解を得るとされている地元の範囲についても、国が責任を持って決めるべきと思っております。  県としては、国から相談があったときに、地元の範囲も含めて国の再稼働に関する考え方をしっかりと確認した上で本県の状況を申し上げると。他県の事例も参考にしながら再稼働に係る手続きについて、国との調整の中で県としての考え方を整理していくとしているところでございます。  以上でございます。 46 ◯徳光委員=いや、理解を求める地元の範囲を国が決めるんじゃないでしょう。国が考え方を示すわけでしょう。その示された考え方に対して佐賀県としてはこういう事情ですよということで協議するんでしょう。国が決めたならもうそれ以上県としては何もできないじゃないですか。どうなんですか、その点。 47 ◯山下新エネルギー産業課長=県の事情というのは、申し上げるは申し上げていくということです。そして、国が最終的にそういう事情を踏まえて考え、判断するということで申し上げております。  以上でございます。 48 ◯徳光委員=だとすると、知事も常々言っているように、佐賀県民の安心・安全を第一に考えるというふうにすれば、その辺は国との協議で決めますということじゃないんですか。国が決めるんですか。 49 ◯山下新エネルギー産業課長=これは国が理解を得るということでございますので、理解を得る国のほうが最終的には決めることになると思っております。  以上でございます。 50 ◯徳光委員=いやだから、それは余りにも無責任じゃないですかと。じゃ、県としての考え方は説明しても、国が決めるんであれば何もできないじゃないですか。だとするなら、もう今の段階で国が決める範囲わかるじゃないですか、佐賀県と玄海町だけでしょう。今までの先行事例でいうと、それしかないじゃないですか。違いますか。 51 ◯山下新エネルギー産業課長=先行事例を見ると、結果としてそこが同意という言葉じゃないですけれども、理解をするとか了承するとかいう形にされています。それについてはそれぞれ国とのお話の中でそういう結果になったものと思っておりますので、そこは佐賀県に相談があったときに改めて今いろんな意見が首長さんたちからも出ておりますので、そういった声はしっかりと申し上げていきたいと思っております。  以上でございます。 52 ◯徳光委員=佐賀県の事情というのは、皆さんも御承知のとおり三十キロ圏内に長崎県と福岡県が含まれているということですよね。鹿児島や愛媛の場合は、そこまで大きく他県がかかわってはいない。ただ、玄海の場合は福岡県、長崎県が含まれるということなんですよ。これがやっぱり玄海原発が抱えている他の先行事例と違う状況だというふうに思うんですね。だから、そのことをしっかり言うためにも、福岡県と長崎県、両県に対しても国はしっかり説明するべきだというふうに私は思いますが、その点についてはいかがですか。 53 ◯山下新エネルギー産業課長=国と長崎県、福岡県、国のほうは長崎県、福岡県にもしっかり説明するべきだということでお話がございました。これも国が理解を得るということで、国がどこまでそこを考えるのかということになってくるだろうと思いますけれども、まずは我々の中で相談があった段階で国とお話をしていきます。そういったときに、福岡県、長崎県から例えば国にこういう申し入れをということの話を聞くならば、そこはしっかりと間に入って申し入れをしていきたいと思っております。  以上でございます。 54 ◯徳光委員=そういう話を聞くならばということならば、再稼働に向けて福岡県、長崎県と協議が必要だと思うんですが、その点はいかがですか。 55 ◯山下新エネルギー産業課長=情報交換ということでは常日頃からやっております。例えば防災もやっていますし、我々のほうもやっております。そういったところは情報を共有しながらそのときを迎える。そして相談があったときにいろんな話があるのかないのか、そこでまた話をさせていただくことになると思います。  以上でございます。 56 ◯徳光委員=確かに、防災訓練では両県と連携をとっていますので、きちんとそれは協議が必要だと思うんですね。ただ、再稼働に向けては立地県の責任として三十キロ圏内に福岡、長崎が含まれるんだから、相談があったというよりも、佐賀県から積極的にちゃんと福岡と長崎と協議する場を──違う会議で会って情報交換とかそういうのはあり得るかもしれませんが、再稼働に向けてのきちんとした協議は県としてすべきじゃないですか。部長どうですか。 57 ◯石橋産業労働部長=委員が言われている、福岡県と長崎県に対して何を協議をするのかというのがよくわかりませんけれども、国は地元の理解を得るとしているわけですね。地元には当然、福岡も長崎も入るでしょう。それは、そこ地域の責任者たる福岡県と長崎県であるわけですから、それは国と佐賀県の間で話をするのと同じように、国は福岡県、そして長崎県と、それはきちんと話をするべきですし、そうなるようになると思います。それで、例えば高浜の例にしても、京都との話し合いの中で、京都で説明会が独自に開かれた。そのときに、じゃ、その高浜の福井県が、京都に対して何か言っているかと、そんなことないわけですよ。それは、独自にそれぞれの関係するところがきちんと話をしていくということだろうと思っています。  以上です。 58 ◯徳光委員=いや、立地県としての責任もあるんじゃないですか。防災訓練はきちんと協議しているわけでしょう。違いますか。だから、再稼働に向けてどんな意見を持っているのか、あるいは県だけじゃなくても、三十キロ圏内の長崎、福岡の自治体もあるわけですよね。新聞記事で皆さんも御存じだと思いますが、共同通信ですかね、玄海原発から半径三十キロ圏内の二十八の自治体、福岡、長崎も含めてですけれども、そこにアンケートをとったら、六割の自治体がやっぱり地元同意の対象範囲──皆さん方は理解というふうに言いますけれども、対象範囲だというふうな認識。だから、地元理解の範囲は拡大してほしいというふうに要望を持っているようですが、まず、この記事に対する受けとめはどうですか。 59 ◯山下新エネルギー産業課長=その記事もそうですけれども、地元同意の範囲ということが私のほうではなかなか理解できないといいますか、もともと地元同意とかいう言葉はないですし、県のほうに同意する権利が法的に何か認められている……(「理解でいいんですよ、理解で」と徳光委員呼ぶ)はい。じゃ、理解を得ていくということで言えば、どうですかね、今──理解を得る(「地元理解を得る範囲を拡大してほしいという希望を持っているわけですよ、六割の自治体が。だから、このことについてまず受けとめはどうですかと聞いているんです」と徳光委員呼ぶ)理解を得る範囲が今限定的になっているとも思っていないわけです。国は、地元の理解を得るよう努めていくとしているだけでして、今その理解を得る範囲をどことしていますということにはなっていないかと思います。  以上でございます。 60 ◯徳光委員=じゃ、先行事例を見ればわかるじゃないですか。県と立地自治体だけでしょう。 61 ◯山下新エネルギー産業課長=先行事例で言えば、理解を得ていくということでは地元の求めに応じてUPZの圏域でも、国が説明会、地元の市町と一緒になって説明会に入って説明をされていますので、必ずしも五キロ圏内だけが地元の理解というふうな考え方で動いているものではないと思っております。  以上でございます。 62 ◯徳光委員=だから、六割の自治体がそういう意向を持っているということなんですよ。だから、そのことについてしっかり佐賀県も、両県、あるいはそういった自治体とも、やっぱり再稼働に向けて、立地県として責任があるんじゃないですかね、協議をするということは。 63 ◯山下新エネルギー産業課長=いずれ県民の皆様、そういう説明を聞く機会というのはどこかでつくらなきゃいけないというのは、これは言ってきているわけです。そのとき、理解を得るための説明会、県民の皆様がいろんなことを知るための説明会、これを我々今、例えば五キロ圏だけに絞って、玄海町だけに絞ってということを考えているわけではございませんで、そこは国と相談しながら、そして市町の意見も聞きながら決まっていくことになるんだろうと思っております。  以上でございます。 64 ◯徳光委員=じゃ、県の気持ちとしては、五キロ圏域にとらわれることなく、住民説明会はやっぱり国に対してしっかり説明してほしいという気持ちはあるということですか。 65 ◯山下新エネルギー産業課長=そこは市町の首長さんの意見も踏まえてということになってくるかと思います。  以上でございます。 66 ◯徳光委員=だから、福岡の自治体もそういう意向を持っているから、県としてはしっかり協議をしなさいというふうに私は言っているんですよ。今後、それは検討してください。  じゃ、住民説明会なんですが、今議会の一般質問でも知事は県民への説明の場を設けることについて、県民の方々が説明を聞く機会を設けることが必要だと考えておりますので、国から相談があったときには、そのことをしっかり国に伝えたいと考えているというふうに答弁をしています。  また、昨年の九月県議会では、九州電力主催の説明会については、やり方はいろいろあるでしょうけれども、事業者としての説明責任はあると考えていますというふうに答弁をされています。県は、住民説明会の開催について、国に求めるということはわかりますけれども、九州電力には求めますでしょうか。 67 ◯山下新エネルギー産業課長=国に求めることについては、もう委員言われたとおり求めていきたいと思っております。電力事業者のほうですけれども、住民の皆さんにしっかりと説明をし、理解を得ていくということは大切なことだと思っております。やり方というのはいろいろあると思っていまして、事業者としてどういうふうに説明をするのか、そこのところは事業者として考えていただく必要があるかと思っています。  いずれにしても、県におきましては国に対してそういうことを言っていきます。そして、そういった国の考え方を確認しながら、その手続きについて調整しながら、県として考え方を整理していくということでございます。  以上でございます。 68 ◯徳光委員=議会の答弁で、九州電力に対して、事業者としても説明責任はあるというふうに考えているんですが、このことについてはきちんと県のほうから九州電力に、ぜひ事業者としてしっかり説明責任を果たしてほしいということは申し入れ等、伝えているんでしょうか。 69 ◯山下新エネルギー産業課長=九州電力に対してそういう説明会をするべきだという話は、さきの九月議会の特別委員会の中でも、議員の皆さんからそういう声が多くあったと思っていますので、九電自体はそのことはしっかり認識しているはずでございます。  我々のほうからどうかということでいきますと、今、九電と特別何か接触しているということはございません。ただ、多分、許可が出れば、何らかの形で許可が出た、そういう報告みたいなものがあるのではないかと思いますので、そういう九電と話をするような機会があれば、そこは県議会の御意見も踏まえて、しっかり責任持って対応するように申し伝えたいと思っております。  以上でございます。 70 ◯徳光委員=そこはしっかり九電に、知事も答弁しているわけですから、説明責任を果たしてくださいということはしっかり、さきの特別委員会の議論でも結構出ているということなので、よろしくお願いします。  それと、県主催なんですけれども、場合によっては県が主催して住民説明会を開くということもあるんでしょうか。 71 ◯山下新エネルギー産業課長=県主催の住民説明会を開く可能性があるかということでお答えします。  先ほど申し上げたとおり、県民の方々が説明を聞く機会を設けることは必要だろうと思っています。ですからまずは、まずはこの理解を得るということでの主体は誰かといいますと、これは国ですので、国に対してそのことを申し出ていくことになろうかと思います。ただ、先行県を見るとそうでない場合もありますので、県がやるということを決して否定するわけじゃないですけれども、まずは誰がやるべきなのか、責任の主体は誰なのかというところははっきりさせておきたいと思います。  以上でございます。 72 ◯徳光委員=国に一義的な責任があるというのは十分理解できます。ただ、言ったように立地県でありますし、いろんな世論調査を見ても、再稼働に反対という人がまだやっぱり半分を超えているんですね。そういうことからすると、あらゆる場を通じて説明をしないといけないと思いますので、鹿児島では県と市町が共同で開いているという事例もありますので、先行事例を参考にするということですから、今回補正予算も三千万円ついていますので、それをしっかり活用して、県としてもぜひ説明会を開いてほしいというふうに思います。  それじゃ、県民の意見を聞くことについてなんですが、一般質問で知事のいろんな答弁を聞いていると、県民の意見を広く聞くための手段として、手紙とかメールとか、そういったものも受け付けますよというふうに答弁をされています。  それから、答弁終わった後のぶら下がりの取材で、報道によると、目安箱を設置するという報道がされました。ただ、目安箱と言った覚えはないというようなことも聞きましたけれども、正確に、その広く意見を聴く委員会とは別の形式で、どんなふうにして多くの意見を聞こうとしているのか、改めてお尋ねをします。 73 ◯山下新エネルギー産業課長=県民の意見を広く聞いていくことでちょっとお答えしたいと思いますけれども、玄海原発の再稼働に関しては、県民の間にもいろんな声があるわけです。そういったことで、それは幅広く拾って聞いていこうということで、その一つとして広く意見を聴く委員会、これを今回立ち上げようとしているわけです。  そのほかにも県民の意見を幅広く聞いていくための取り組みというのは必要だろうと思っていまして、そこは今現在も聞いているわけです。いろんな形で、県に意見を寄せていただく目安箱じゃなくても、そういうものも既にあるわけですけれども、そこは今回こういう形の問題ですので、別のものをちゃんと用意したがいいかなということで、電子メールであったり、あるいは手紙について、あるいは先ほど言われた目安箱というところはまだ具体的には考えていないですけれども、どういった手段、方法があるのか、そこは今まさに検討しているところでございます。  以上でございます。
    74 ◯徳光委員=それでは、委員会以外でも寄せられた意見については、どのように取り扱うつもりなのかお尋ねします。 75 ◯山下新エネルギー産業課長=そういった形で寄せられた意見をどうしていくのかということです。  県民の皆様方から寄せられた意見については、これは今回の広く意見を聴く委員会で出された意見と同じように、県のホームページで公表していくことも考えていきたいと思っております。  以上でございます。 76 ◯徳光委員=プロセスについて最後の質問ですが、住民の理解について、知事は今議会の提案理由の説明の中で、「安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、再稼働はやむを得ない」というふうに言われています。私もよくわからないんですが、県は何をもって住民の理解が得られたと判断するのか、その点について考え方をお示しください。 77 ◯山下新エネルギー産業課長=住民の理解についてということでお答えします。  このことについては、今議会の一般質問でも知事のほうから答弁を差し上げておりますけれども、玄海原子力発電所の再稼働の問題については、県民の間にもさまざまな意見があることから、今回設置する予定の広く意見を聴く委員会を含め、さまざまな機会を通じて県民の意見を聞いていくとともに、市町の御意見も聞いていきたいと。また、県民の代表である県議会の御意見、極めて大切であると考えておりますと、住民の理解についてはこうしたことを踏まえて判断していくことになるのではないかということでお答えさせていただいているところでございます。  以上でございます。 78 ◯徳光委員=難しいと思うんですよ。何をもって住民が理解したと判断するのか、私もどう考えたらいいかよくわからないところがあります。ただ、今のはそういったものを参考にしますということだけでしょう。だから、どういう結果というとまたおかしいんですが、どういうことをもって、あっ、これで住民は、あるいは佐賀県民は再稼働について理解をしたと判断するのかというふうに聞いたんです。 79 ◯山下新エネルギー産業課長=再稼働に関しては、賛成、反対いろんな声があるわけですね。条件つきの反対であったり、今すぐ廃止であったりとか、そういった意見がさまざまある中で、何か一つの意見をもって決めるということにはならないと思います。ですから、いろんな意見を聞いた中で、今特に目安を置いているわけじゃないですけれども、いろんな意見を聞いて、それを参考として考え方を整理していくということになるんだと思っています。  以上でございます。 80 ◯徳光委員=石橋部長、住民の理解、住民が理解したと、何をもって判断するのか。今のはやっぱりまだ材料なんですよ。判断するための材料を言っているだけであって、難しいと思うんですけど、何をもって判断するのか、改めてお願いします。 81 ◯石橋産業労働部長=先ほどから課長が答えましたとおり、いろんな意見を聞く、そういった中で、そういったことを総合的に判断するということしかないと思います。  何か尺度をもって、他者の理解をどう判断するかといったときに、自己の尺度が他者に当てはまるわけでもありませんので、何かをもってこうだということはないと思います。ただ、そういったいろんな意見がある、ですから、今回の判断は非常に重たいものですから、逆にいろんな意見を聞かなきゃいけないということはこっちでも考えているわけでして、そういった全体の中で、最後にはそれがどういう状況にあるのかということを知事として判断されるということだろうと考えております。  以上です。 82 ◯徳光委員=いずれにしても、判断したときに、知事はどういうことをもって判断したというふうに説明責任がそれこそあるでしょうから、それをしっかり聞きたいと思いますが、私はやっぱり難しいと思うんですよね、住民の理解。一番いいのはアンケートをとることですよ。ただ、それはお金もかかるし、本来ならとるべきだというふうに私は思います。  プロセスについて、いずれにしても、年末か年始ぐらいに設置変更許可がおりるということなので、それをもって国から要請文書が来ると思います。そこから皆さん方言っているように、国との考え方を聞いて協議が始まるというふうに思っていますので、それはそう遠くないというふうに思います。そんな意味では、二月議会もありますので、そこでまたしっかり質疑をしたいというふうに思います。  二番目、原子力安全専門部会についてお尋ねをします。  岡口委員の質問にもちょっとありましたけれども、改めてお尋ねをしたいというふうに思っています。  知事は、愛媛県を参考に「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」の設置に加えて、原子力安全専門部会も設置するように表明をされたところでありますが、その具体的な進め方についてはまだ余り明らかにされていないというふうに思っています。  そこで質問します。改めてお尋ねをしますが、原子力安全専門部会を設置する目的、あるいはその概要はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 83 ◯諸岡原子力安全対策課長=専門部会の設置目的、あるいは概要についてということでお答えいたします。  専門部会につきましては、県が国の審査結果を確認していくに当たりまして、高度な専門的知識を要する部分があるというふうに考えておりますことから、専門家の方に技術的なアドバイスをいただくということを目的としているものでございます。  この専門部会の委員には、この部会の目的趣旨に沿った専門家の方に就任をお願いしたいと考えており、そのような作業を進めているところでございます。  なお、この専門部会には、部会長を置きまして、この部会長には広く意見を聴く委員会、こちらのほうの委員も兼ねていただくということを考えているところでございます。 84 ◯徳光委員=その部会の開催時期とか、回数についてなんですが、広く意見を聴く委員会については、設置変更許可の前後に設置をするということで答弁いただいていますし、おおよそ三回程度開こうというふうに聞いていますが、この原子力安全専門部会の開催時期はいつごろになるのか。あるいは今はっきり何回というのを言えないかもしれませんが、おおよそ何回程度の開催を予定しているのか、その点についてお尋ねをします。 85 ◯諸岡原子力安全対策課長=専門部会の開催時期や回数についてということでございます。  これまで知事は、この広く意見を聴く委員会につきましては原子力規制委員会から出される設置変更許可の前後には立ち上げをしたいということで申し上げてきております。  この設置変更許可につきましては、年末年始にも出されるのではないかといったことが考えられておりまして、広く意見を聴く委員会につきましては、そのころに立ち上げを進める準備をされているということでございます。  一方、この専門部会につきましても、広く意見を聴く委員会の中の専門部会ということでございますので、立ち上げ時期につきましては広く意見を聴く委員会と同時に立ち上げるということを考えておりまして、その時期については、やはり年末年始ごろになるのではないかというふうなことを考えております。  また、この専門部会の開催の回数についてでございますが、これについては現在検討中でございますが、専門家の方から技術的なアドバイスをいただくという目的からすれば、やはり数回程度の開催になるのではないかというふうなことを考えております。 86 ◯徳光委員=設置変更許可とか、いろんな書類は何万ページになるかとかということも聞いていますし、そんな意味では、三回とか四回では恐らく済まない、技術的な助言としてもいろんな分野がありますので、多分かなり広く意見を聴く委員会以上にやっぱり開く必要があるというふうに思いますが、その点についてはいかがですか。 87 ◯諸岡原子力安全対策課長=専門部会につきましては、国から審査結果の説明を聴取したり、あるいは九州電力から申請の内容、あるいは安全対策について説明を受けたり、その上で我々県のほうにアドバイスをいただくというふうなことを考えておりまして、数回程度は開催する必要があるというふうに考えてございます。 88 ◯徳光委員=その進め方なんですが、広く意見を聴く委員会では、まず一回目は委員会設置の目的とかいうのを説明して、自由に意見を出してもらうと。二回目以降は必要な情報はきちんとお知らせをして、その上で意見を聞くということでした。  この専門部会はその進め方はどのように考えているのか。多分皆さん方がアドバイスを聞くということなので、皆さん方が疑問に感じるところとか、ここはどう理解したらいいのかということを出しながらアドバイスを受けるのか、その点についてお尋ねをします。 89 ◯諸岡原子力安全対策課長=専門部会の具体的な進め方につきましては、これは現在検討しているところでございます。先ほど申し上げましたとおり、国、あるいは九州電力からある程度説明を受けた上で、委員の方から技術的なアドバイスをいただくといったことを考えておりますが、その詳細につきましては現在検討しているところということでございます。 90 ◯徳光委員=相当な量ありますので、かなり難しい作業にもなるんじゃないかなというふうに思っています。  部会長が広く意見を聴く委員会には出席をするということで先ほど答弁いただきましたので、そこで、専門部会委員の人選ですが、どのような専門家に依頼をしようと考えているのか、改めてお尋ねをします。 91 ◯諸岡原子力安全対策課長=専門部会委員の人選についてでございます。  専門部会につきましては、先ほどから申し上げておりますとおり、県が国の審査結果を確認していくに当たって技術的なアドバイスをいただくという目的にしておりますので、そのような専門部会の目的、趣旨にふさわしい方、この趣旨に沿った方にお願いしたいというふうに考えております。  具体的には、原子力工学、核燃料工学、地震工学などの専門分野ごとに高度な専門的知見を有しておられる専門家の方に委員になっていただくということを考えているところでございます。 92 ◯徳光委員=私は避難計画とか防災も大変重要じゃないかなというふうに思うんですが、防災の専門家というのは予定していないですか。 93 ◯諸岡原子力安全対策課長=この専門部会につきましては、玄海三、四号機に関する国の審査結果について、我々県として確認していくに当たって、アドバイスをいただくということにしておりますので、防災といった専門の方を委員としてお願いするということは今のところ考えてございません。 94 ◯徳光委員=ただ、例えば、津波対策とか水が入らないようにする対策とかいうのは、ある意味防災の面でもあるんじゃないかなというふうに思うんですよね。そんな意味で、やっぱり防災の専門家というのも必要じゃないですかね。 95 ◯諸岡原子力安全対策課長=防災の専門家というのをどのように捉えてよろしいのかちょっとわかりかねるところがあるんですけれども、当然プラントに地震とか津波でどのような影響があるのかないのか、そういったところについても審査をされておりますので、そういったところを見ていただける専門家の方というのはお願いをしたいというふうに考えております。 96 ◯徳光委員=そこでお願いといいますか、質問ですが、市民団体が推薦する脱原発の立場の専門家もたくさんいらっしゃいますが、そういった人を専門部会の中の委員として選出をするということは考えられませんか。 97 ◯諸岡原子力安全対策課長=この専門部会の委員の選出につきましては、我々としては慎重、あるいは推進といった観点ではなくて、この部会の趣旨に沿った方にお願いしたいということを考えておるところでございます。 98 ◯徳光委員=多分そういう答弁かなというふうに予想はしていました。  そこで、一般質問の答弁の中でも必要があれば、そういった人のところに県として意見聴取に出向くこともあるというふうに答弁されたと思っています。とするならば、脱原発の市民団体の方がぜひこの専門家の意見を聞いてくださいというふうに県に要請をした場合、県としてはその専門家から意見を聴取する考え方はあるでしょうか。 99 ◯諸岡原子力安全対策課長=一般質問のほうで知事からも答弁があったかと思いますけれども、県としてはさまざまな意見を幅広くお聞きすることとしておりまして、委員以外の方からも意見を述べたいという方がいらっしゃれば、お話をお聞きしていきたいというふうに考えております。 100 ◯徳光委員=ということは、脱原発の市民団体の方が、ぜひこの人の意見を聞いてほしいという専門家を要請すれば聞くということでいいですね。 101 ◯諸岡原子力安全対策課長=この専門部会というよりも県としてさまざまな意見を幅広くお聞きするということになろうかと思います。 102 ◯徳光委員=私は、答弁としては、そういった方の意見も聞くというふうに受けとめていますので、ぜひ今後そういった方の意見も、五人も六人もという意味ではありませんので、そこはしっかり聞いていただきたいというふうに思っています。  それじゃ、三つ目の質問、原子力防災訓練について質問いたします。  去る十月十日に平成二十八年度の佐賀県原子力防災訓練が実施をされています。今年度の訓練はことし四月に発生をしました熊本地震を踏まえて、地震と原子力災害が複合して発生した想定で実施をされたというふうに聞いています。  これまで県は、避難計画等の実効性については訓練で検証し、随時見直していく必要があるという考え方を示されているところであります。  そこで、何点か質問したいと思います。  まず、今年度十月十日に実施をした防災訓練ですが、今年度の訓練はどのような特徴があったんでしょうか。 103 ◯川内野消防防災課長=今年度の原子力防災訓練の特徴についてお答えいたします。  十月十日に実施しました原子力防災訓練では、住民の方々や自衛隊、警察などの防災関係機関約二万二千人の方々に御参加をいただきました。その中で、住民避難訓練や屋内退避訓練などの実動訓練を実施したところでございます。  今年度の訓練では、四月に発生しました熊本地震を踏まえまして、初めて自宅損壊等で自宅退避ができない場合を想定した近隣避難所への退避訓練でございますとか、予定している避難経路が使用できない場合を想定いたしました避難経路を変更する訓練、そういったことを行いました。  また、小中学校の児童生徒の保護者への引き渡し訓練や福岡県内の道路を経由いたします広域の住民の避難訓練、こういったことも新たに取り組んだところでございます。  以上でございます。 104 ◯徳光委員=防災訓練するときには、玄海原子力発電所でどんな事故が起こったということも、事故想定をするというふうに思いますが、ことしの事故想定というものはどういうものだったんでしょうか。 105 ◯川内野消防防災課長=今年度の原子力防災訓練の事故想定でございますが、防災訓練は事故があったということを想定して訓練を行っております。今回の訓練でございましても、原子力発電所のほうでトラブルが発生して、放射性物質の放出があったというシナリオをもって順次発生したということを想定した上で実施をしております。  その中で、今回は警戒事態といいますけれども、そういった事態が発生した後に地震が発生したということで、自宅が屋内退避できないとか、そういった状態でありますとか、途中の避難経路、道が通れなくなったということを想定して訓練をしたということで実施をしております。  以上でございます。 106 ◯徳光委員=放射線物質が外部に放出をされたということで、当然、福島事故等を受けて、二十年ぐらい前は、おそれがあるということで最終的におさまったという想定ばかりで訓練をしていたんですが、今は放射性物質が外部に漏れたということでの訓練だと思いますが、多分、漏れた量がどれぐらいというのは多分想定をしていないというふうに思うんですね。そうなると、やっぱりモニタリングというのを当然しながら、UPZの人も避難しないといけないのかとか、いろんなことをすると思うんですが、やっぱりぜひ放射性物質、放出された量というのも、今後、場合によっては想定しながらすることも必要じゃないかなと思うんですが、その点についてはいかがですかね。 107 ◯川内野消防防災課長=県が実施しております原子力防災訓練の一つの大きな部分は、実働で実際に住民の方々に避難訓練をしていただくということを重点に実施をしております。当然、モニタリングの訓練というものは必要でございまして、それから別途、国のほうと連携いたしまして、モニタリングの訓練等は実施をしております。なので、今回のこういった原子力防災訓練は、あくまでも放出があったということで、ある一定の地域の方々に避難指示が出たと。そして、その方々に避難をしていただくというところの動きを確認するといったところに主眼を置いておりますので、あくまでも想定でこの地域に放出があって、この地域の方々に避難をしていただくということをもって、住民の方々に避難していただくということで進めておるというところでございます。  以上でございます。 108 ◯徳光委員=当然、訓練を繰り返して検証するということなので、一番大切なのは事故想定なんですね。どの程度の事故を想定するか、それから、複合的に地震が起こったという想定、今回、そうだったんですが、その辺はしっかりやっぱり考えて、じゃ来年度はどの程度の事故想定にするかとか、そこはやっぱりしっかり議論して進めてもらいたいというふうに思っております。  そこで、私がやっぱり一番心配しているのは、避難ができるかどうかということなんです。その二段階の避難になっていますけれども、恐らく、福島事故を経験していますので、もし本当に玄海原発から放射性物質が漏れたという情報が伝われば、恐らく、じゃとりあえず屋内退避するかというよりも、心情としてやっぱり遠くに逃げるというふうに多分なるというふうに思うんですね。避難について一番心配しているのは、幼稚園、保育所、小中学校の子供たちがきちんと避難できるかどうかということと、あとはやっぱり医療施設とか高齢者福祉施設とかに入所している人たちが、本当にきちんと避難できるかどうかということを一番心配していますので、この二つについて、ちょっとお尋ねをしたいと思います。  小中学校における児童生徒の引き渡し訓練でありますが、今回の訓練では、玄海の小中学校において、児童生徒を保護者に引き渡す訓練を初めて実施をしたというふうに聞いています。  訓練については、玄海町が主体となって実施されていると思いますが、どのような訓練が実施をされ、どのような気づき、あるいは課題があったと捉えているのかお尋ねをいたします。 109 ◯川内野消防防災課長=小中学校におきます訓練の実施内容についてお答えをいたします。  玄海小中学校で実施されました児童生徒の引き渡し訓練では、小学部の児童五十九名とその保護者四十三名が訓練に参加されたところでございます。  具体的な訓練内容といたしましては、玄海町の災害警戒本部から警戒事態発生の連絡を受け、保護者への引き渡しに備えて児童生徒の出入り口でございます児童昇降口などに移動させ、住んでいる地域ごとに集合、点呼を実施したということでございます。また、学校周辺に職員を配置し、保護者の迎え車両の交通誘導を実施されております。そして、保護者などが児童生徒の引き取りに来られた際には、緊急時に児童生徒を迎えに来る保護者や親類、近所の知り合いなどの名前を記載されました引き渡しカードというものがございます。こういったカードを照合し、児童生徒の引き渡しを実施するといった訓練を行われております。  こういったことなど、同校が策定しております原子力災害時の対応マニュアルに基づきまして、訓練が実施されたところでございます。  次に、気づきや課題についてお答えいたします。  今回、初めて児童生徒の引き渡し訓練を実施し、その手順を確認したところでございますが、訓練参加者などからは、この引き渡しカードに記載されていない方が迎えに来た場合に、どう対応するかといったこと、引き渡しが間違いないように確認する手段を確保した上で、さらなる迅速化の検討が必要であるといったことがございました。  また、保護者の来校が集中した場合の車両の誘導や引き渡し対応を確認するためにも、規模を拡大された訓練がもっと必要であるといった声など、気づきや課題が寄せられているというところでございます。  以上でございます。 110 ◯徳光委員=保護者の方に訓練通報をやって、実際、引き渡しに来るまでのおおよその時間というのはどれぐらいかかっているんですか。 111 ◯川内野消防防災課長=引き渡しの時間でございます。  今回の訓練は、午前中を中心に訓練を実施するということで、事前に御相談を、保護者の方々にもしております。なので、こういった通報を受けられまして、保護者の方々が、いろいろ時間差は地域内といいますか、町内で距離がございますので、ありますけれども、大体、そうですね、幅がありますので、一時間とか三十分、近い方はすぐいらっしゃいますし、遠くの方々は一時間ぐらいかかってやってきたと、そういったところもございます。その実際の状況はさまざまでございますので、学校はいつ来られても対応できるように準備をしていく、そういったことが大事かというふうに考えてございます。  以上でございます。 112 ◯徳光委員=避難計画では、避難指示が出るまでに引き渡しに来なかった場合は、学校の先生が残った児童生徒を誘導して、地区の集合場所に行って、屋内退避をするのか、あるいは地区の人と一緒にバスで避難するのかといったような計画になっているというふうに思うんですね。そんな意味では、時間がどれぐらいかかるかというのはやっぱり常に把握をしないと、次の対応になかなか移れないというふうに思うんですよ。だから、時間の把握というのは、私はやっぱりしっかりすべきだというふうに思いますので、その点を踏まえていただきたいということと、先ほど課題を何点か言われましたけれども、その課題については、今後どのように対応していくのかお尋ねをいたします。 113 ◯川内野消防防災課長=課題の対応についてお答えいたします。  今回の訓練内容につきましては、玄海小中学校で企画をされ、要員も学校の職員で対応されております。訓練で得られました気づきや課題は訓練主体でございます玄海小中学校側も十分認識されているというふうに思ってございます。同校において、マニュアルの改善に向けた検討が今後行われるということになると思いますけれども、その際、参考となりますように、県においても他県のいろいろな事例がございます。そういったものを収集いたしまして、ぜひ参考にしていただきたいというふうな感じで進めていきたいというふうに思っております。  また、保護者の方々が参加しやすいような訓練日程の調整でございますとか、訓練実施日を早い時期から周知するなど、より多くの参加が得られるように次回の訓練に向けて検討をしていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 114 ◯徳光委員=実際、事故が起こったときにはかなりパニック的になったりとか、小さい子供が興奮したりとか、そんなことも十分考えられますので、その辺も含めて、いろんな設定をしてしっかり対応すべきだというふうに思っています。  実際、引き渡しに行くときも、即避難となったときどうするかというのもまたいろいろあると思うんですが、やっぱり引き渡しに学校に集中する保護者と、逆に避難する車との間でのトラブルとか、やっぱりさまざまなことが想定されます。多分、想定し切れないほどいろんなケースがあるというふうに思いますので、そこはしっかりケースを想定しながら、今後の訓練に生かしていただきたいというふうに思っています。  それじゃ次に、高齢者福祉施設の移送訓練なんですが、高齢者福祉施設については、屋内退避という訓練もやったということですが、今回、移送訓練、実際のとき、本当にできるのかというのは皆さん方も含めて一番危惧しているところだというふうに思っています。今回の移送訓練は、どのような訓練を実施し、どのような気づきや課題があったのかお尋ねをいたします。 115 ◯築地長寿社会課長=訓練の実施内容と課題についてお答えいたします。  本年度の訓練は、緊急時における円滑な避難が実施できますように五キロ圏内であるPAZの避難元施設から三十キロ圏外の避難先施設への車両による移送訓練を行ったところでございます。  移送訓練につきましては、避難元一施設の入所者十八名、それから、職員二十二名が避難車両五台を使用いたしまして、避難先施設と個別に締結している協定に基づきまして、多久市と佐賀市に所在する同種の施設への避難を実施いたしました。各施設とも緊張感を持って取り組まれまして、避難所の搬送ですとか、避難先施設への移送者受け入れ後の健康チェックなど、スムーズに実施されたところでございます。  次に、気づきや課題についてでございますが、移送訓練に参加した施設からは、移送の際の所要時間や移送ルートが確認できた、それから、施設内の職員の役割分担や施設間相互の役割分担が確認できた、寝たきりや車椅子での移送及び受け入れの手順、体制が確認できたなど、今回の訓練で改めて確認ができたことがよかったという御意見がございました。  一方、課題として挙げられましたのは、訓練参加が一部の入所者だけですので、仮に入所者全員を避難、移送する場合には、職員数が不足するのではないかということ、それから、訓練では応援車両の準備が、今回、あらかじめできていましたので、実際の有事の際に自治体の応援車両の準備にかかる時間が、今回の訓練では把握ができないといったものがございました。  以上でございます。
    116 ◯徳光委員=避難計画では、例えば、佐賀市の高齢者施設が避難先となっているときには、多分、入所者全員が避難するとなれば、ストレッチャーとかいろんな車両が足りないということで、その避難先の施設からの車両を利用して迎えに行くというふうにもなっていると思うんですが、その訓練は今回されているんでしょうか。 117 ◯築地長寿社会課長=訓練の中では、避難元施設から避難先への要請ということは行っておりますけれども、今回は実際には避難先の車があらかじめ待機をしていたという状況でございました。昨年度は一度、実際に避難指示があってから避難元の施設から避難先施設へ要請をかけて、それから来ておりますが、そのときは特段問題がなかったので、今回はその訓練は行われてなかったということでございます。 118 ◯徳光委員=これも実際、事故が起こったときには避難する車と逆に行くわけですから、これは相当な混乱も予想されるというふうに思いますので、昨年実施したときには特段問題なかったということですが、やはりこれは毎年やって検証したほうがいいんじゃないかなというふうに私は思うんですよね。その点についてはいかがですかね。 119 ◯築地長寿社会課長=今、御意見がございましたように、受け入れ側の施設からも、実際に要請があってから準備要員を整える訓練をしたいという意見が今回ございましたので、来年度はそういった訓練を取り入れていきたいと考えております。 120 ◯徳光委員=じゃ、先ほど答弁いただきました課題への対応ですが、今後どのように対応していくのかお尋ねをいたします。 121 ◯築地長寿社会課長=課題への対応についてお答えいたします。  今年度の移送訓練におきましては、先ほど述べましたように、入所者移送のための職員不足の問題、それから、移送にかかる準備時間の把握といった課題がございました。有事の際に入所者移送に携わる職員が不足する場合は、県が佐賀県老人福祉施設協議会、いわゆる老施協と申しておりますが、それと、佐賀県介護老人保健施設協会、いわゆる老健協と申しておりますが、それぞれと締結しております避難応援協定に基づきまして、職員の派遣要請を行うことですとか、あるいは災害時における支援協定を締結しております民間事業所、それから、自衛隊への派遣要請を行って入所者の移送に対応したいと考えております。  それから、先ほどの移送の時間の話ですけれども、今回の訓練では、先ほど申し上げましたように、あらかじめ避難先の応援車両が避難元に待機しておりましたけれども、次回は避難準備指示が出されてから応援車両を派遣するというような方法を検討したいと思っております。  いずれにいたしましても、避難計画の実効性を高めるため、市町ですとか、関係団体との連携をさらに強めまして、より現実に即した訓練を行っていくとともに、訓練で得られます気づきですとか、課題を踏まえて、高齢者施設の入所者移送対策の一層の充実、改善に努めていきたいと考えております。  以上でございます。 122 ◯徳光委員=やっぱりそういった車両の確保とか、あるいはバスとかいろんな機材とか含めて本当にきちんと確保できるかということは私も心配しているんですよね。だから、いろんな訓練を想定してぜひやってもらいたいというふうに思っています。  そこで、訓練想定なんですが、私、前から言っているんですが、例えば、唐津地区は風光明媚で、本当に夏は特に観光客が多いですよね、今、本当に多いです。そんな意味じゃ、夏の観光客が多いときに、観光客の避難訓練というのは難しいかと思いますけれども、例えば、広報訓練、ちゃんと情報が伝わるかどうかという訓練、観光客の人に十分伝わるかどうかという訓練とか、例えば、夜間の情報伝達訓練、だから、総合的な全部の訓練ではなくて、そういった季節とか時間帯を変えた訓練が必要と考えますけれども、その点についてはいかがでしょうか。 123 ◯川内野消防防災課長=季節や時間帯を変えた訓練の実施についてお答えいたします。  原子力防災訓練につきましては、平成二十五年度から玄海原子力発電所の三十キロ圏内に所在いたします佐賀県、福岡県、長崎県、その三県で連携して同日に実施をしているところでございます。その実施日につきましては、より多くの住民の方々に御参加いただけるように、福岡、長崎両県と、それと、関係市町と調整をして実施を決めているというところでございます。  訓練には多くの住民の方々に参加をいただいておりまして、参加者の年齢や身体状態など、さまざまでございますことから、夏場の炎天下や夜間での総合的な原子力防災訓練の実施はなかなか難しいというふうに考えてございます。  ただ、委員御指摘のように、情報伝達訓練などの単独の要素の訓練実施につきましては、関係機関とも協議の上、夜間の情報伝達訓練など、そういった部分についてはやれるところはやるということで検討してまいりたいというふうに考えてございます。  また、観光客への情報伝達につきましては、緊急速報メール、いわゆるエリアメールといいますけれども、そういったものが有効であるというふうに考えてございます。  これにつきましては、原子力ということではございませんけれども、平成二十五年度から毎年訓練は実施しているというところでございます。  以上でございます。 124 ◯徳光委員=ぜひ原子力でもメールのことをやっていただきたいんですが、いかがですか。 125 ◯川内野消防防災課長=緊急速報メールの原子力防災訓練の取り組みでございますけれども、実際、原子力防災訓練の中でも、市、町の玄海、唐津、伊万里市では緊急速報メールを発信いたしまして避難の指示等の連絡は実際この訓練の中で取り入れております。  ただ、これだけを観光客の方々に原子力でのエリアメールということでやるかというのは、少し検討する必要があるというふうに考えてございます。  以上でございます。 126 ◯徳光委員=ぜひ検討して、やっぱり全然違うと思うんですよね、夏場の人と冬場ということを考えると。だから、それはやっぱりいろんなケースを想定しないといけないというふうに思っています。今後、今、さまざまな課題があるということなんですが、次回の訓練に向けて、どのように対応していくのかお尋ねをいたします。 127 ◯川内野消防防災課長原子力防災訓練の今後の対応についてお答えいたします。  今回の訓練では、参加者の御意見などから、先ほど御答弁しましたとおり、児童生徒の保護者への引き渡しの際に、引き渡しカードに記載されていない方が迎えにきた場合の対応において、引き渡しの間違いがないように確認する手段を確保した上で、さらなる迅速化が必要ということで考えてございます。  また、原子力発電所の事故状況や避難経路の道路状況など、避難中の住民の方々に対する情報提供が必要といったこともございますので、そういったことも検討していきたいというふうに考えてございます。  こういった気づきに対応する訓練を実動訓練に取り入れるとともに、渋滞が発生した場合の突発的なトラブルなどに対応する図上訓練などを実施していきたいというふうに考えてございます。訓練の内容を不断に見直し、万が一のときに円滑に避難できるように、いかに対応力を高めるかということが必要でございます。市町や関係機関とも連携いたしまして、より実戦的な訓練となりますように、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 128 ◯徳光委員=やっぱり原子力災害に対する訓練というのは、実際、災害が起こったときを考えると、やっぱり広範囲に及ぶということ。それから、さまざまな子供からお年寄りまでとか、あるいは施設に入っている方とか、さまざまな方にきちんと情報を伝えて、避難すべきはしっかり避難するという、本当に大変な計画なり訓練だというふうに思うんですね。だから、当然、毎年検証していくという立場に立ってされていますので、そこは当然ながらしっかりやっていただきたいですが、市民団体の方々も、やっぱり今の防災訓練とか避難計画、こういうところが問題じゃないかということでも、いろんな方々もさまざまな気づきを県のほうに伝えているというふうに思いますので、その点もしっかり参考にしながらやっていただきたいと思いますが、その点はいかがですか。 129 ◯川内野消防防災課長=この避難の問題は、とても重要でございます。県といたしましては、基本的には国の原子力災害対策指針、これを踏まえまして、充実に向けた取り組みを進めております。それ以外にもさまざまな御意見ございますので、そういったものは十分に参考にして、これからも取り組んでまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 130 ◯徳光委員=再稼働へのプロセスあるいは委員会とか防災訓練というのは、いずれにしても大変重要なことですし、再稼働に向けたプロセスについては、もう年明けにも始まっていくというふうに思っていますので、しっかりやっぱり県民の意見に耳を傾けて進めていっていただきたいということを発言しまして、私の質問を終わります。 131 ◯竹内委員長=暫時休憩します。十三時をめどに委員会を再開いたします。     午前十一時四十三分 休憩     午後一時一分 開議 132 ◯竹内委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 133 ◯井上祐輔委員=皆さんこんにちは。日本共産党の井上祐輔です。  質問に入る前に、山口知事の再稼働に対する姿勢について指摘をしておきたいと思います。  今議会での演告の際、山口知事は「規制委員会で規制基準が求める安全性が確認をされ、住民理解が得られた場合、再稼働はやむを得ない」、このような発言をされました。この発言に対して、住民からは「再稼働ありきであり、これから行っていこうと考えられている住民説明会や広く意見を聴く会、専門部会での意見など、聞いただけで済ますようなことになるのではないか」、こういった心配の声が寄せられています。  再稼働に関して言えば、地元の同意が重要な役割を持ち、県民世論からしても再稼働をしない、こういった意見が過半数を上回っています。慎重な判断が求められる立場である知事の再稼働やむなし、この発言は撤回をすべきだと私は思っております。  それでは、一問目の質問に入ります。福島第一原発事故の現状認識についてです。  原発を抱える地域住民の皆さんや自治体にとって、私は福島事故の認識が大変重要だと思っています。福島第一原発では、現在でも汚染水の問題や避難された住民の方々が帰れないなど、多くの解決が難しい課題を抱えています。こういった状況からしても、福島の事故はまだ収束をしていると言えるものではありません。  そこで、県の認識として、福島第一原発の事故は収束をしているとの認識なのかどうか、この点についてお伺いをします。 134 ◯諸岡原子力安全対策課長=福島第一原子力発電所事故の現状認識ということでございます。  福島第一原子力発電所事故から約五年半が経過いたしました。この間、東京電力や国を初め、さまざまな関係者の皆様が状況の改善に向けた取り組みを行われているというふうに認識をしております。その結果、発電所構内においても、放射性物質濃度の低減により作業者の方の作業環境が随分改善されたといったことなどについては、かなり対策が進んでいるというようなこともあるかと思います。  しかしながら、福島の現状につきまして、安倍首相は国会において、「福島第一原発につきましては、汚染水対策を含め、廃炉、賠償、汚染など、課題は山積をしておりまして、今なお厳しい避難生活を強いられている被災者の方々のことを思うと、収束という言葉を使う状況にはないというふうに考えている」というような答弁をされております。  県といたしましても、福島第一原子力発電所の事故後の現状につきましては、今なお大変厳しい状況が続いているというふうに認識をしております。 135 ◯井上祐輔委員=安倍首相自身も国会の答弁の中で、収束したと言える状況ではないと。県としても厳しい状況、こういった認識をされているということでした。  私もこの福島の事故について、いまだ収束はしていませんし、時間がたてばたつほど住民の皆さんの心の被害といいますか、そういった状況というのはますます拡大をしていると思います。  二番目の原子力規制委員会の審査についてお尋ねをします。  冒頭述べましたように、山口知事は「原子力規制委員会において規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、再稼働はやむを得ない」、このように述べられました。県としては、規制委員会の審査に合格をすれば、玄海原発三、四号機は安全だと、このように考えておられるのかお尋ねをします。 136 ◯諸岡原子力安全対策課長原子力規制委員会田中委員長は、新規制基準へ適合していることを確認された原子力発電所につきましては、「法律に基づいて、運転に当たり求めてきたレベルの安全性が確保されることを確認したことになる」と発言されております。そういうことだと認識をしております。  なお、原子力発電の安全に絶対ということはなく、安全性向上の取り組みについては継続して実施していくことが必要だというふうに考えております。 137 ◯井上祐輔委員=今、田中委員長の発言を紹介されましたけれども、この原子力規制委員会委員長の田中委員長、「規制基準に適合しているかどうかを審査しているのであり、適合しているからといって安全だとは申し上げない」と、このように言っておられます。こういった発言に対して、県としてどういった認識をされているのでしょうか。 138 ◯諸岡原子力安全対策課長=規制委員会の委員長は、基準に適合しても安全ではないというふうな発言もあったかと思いますが、それにつきましては、一〇〇%の安全はないという趣旨だというふうに理解しております。一〇〇%安全と言った途端に、それ以上の安全性向上への取り組みを放棄すると、そういう考えになってはいけないということから、合格しても絶対安全ではないという趣旨を発言されているものというふうに理解しております。 139 ◯井上祐輔委員=絶対安全はないと、一〇〇%ということはあり得ないということですけれども、私もそういった一〇〇%安全であるということはあり得ないと思っています。  十一月九日に審査書案が出された際にも、規制基準に適合しても、住民の安全については関知をしないと、安心するかは別問題と、こういったことも言われています。こういった規制委員長の発言に対して、住民の安全については関知をしないんだといったことも言われています。私は県の立場として、県民の安心・安全を守る、その立場からいえば、原子力発電所を、こういった基準を審査する委員長がこういった発言をすること自体が私は問題ではないかと思っていますし、県としても、そういった点を指摘していかなければいけないと思いますが、その点についてはどのように考えられているでしょうか。 140 ◯諸岡原子力安全対策課長原子力規制委員会田中委員長は、この新規制基準につきましては、福島のような事故を二度と繰り返さないことを目指した高いレベルの安全性を有するということを確認する基準だというふうにおっしゃっております。発電所周辺の安全について、全く知らないというような趣旨ではないかと考えております。 141 ◯井上祐輔委員=私は専門家ではありませんから、そういった専門家の言われるようなことに対して、技術的な問題というのはわからない部分が多いと思いますけれども、住民の安全については関知をしないだとか、安心をするかは別問題だと、こういった発言をされること自体が本当にゆゆしき事態だというふうに思います。  そういった点も含めて、県の強い姿勢で県民の安心・安全のために指摘をしなければならない、そういった状況が出てきたときには、しっかりとした対応をしていただきたいと思います。  三点目の原子炉圧力容器等における強度不足の可能性について伺いたいと思います。  五十八基の原発が存在しているフランスでは、重要設備で使われている日本国内メーカー部品で強度不足が発覚をし、十二基の原発が順次停止を迫られる、こういった異例の事態が起きています。玄海原発でも同じメーカーの部品が使われているとも言われています。こういった事象は、原発の安全性にもかかわる大きな問題であり、今回、県が設置をされる原子力安全専門部会、こういった専門家の皆さんが集まる場でも、県民の安心・安全の立場で議論をしてもらうべきではないかと、このように思いますけれども、県としてどういった考えをお持ちかお伺いをします。 142 ◯諸岡原子力安全対策課長=フランスにおけます原子炉容器等における強度不足の件でございます。  本件につきまして、若干御説明させていただきますと、原子力発電所で使用される蒸気発生器、あるいは原子炉容器などに使用される金属材料につきましては、製造する過程で周囲に比べまして炭素濃度の大きい部分、これを炭素偏析というふうに言っておりますけれども、こういった部分が発生するということは一般的に知られており、製造メーカーはこのため、加工する際に、そうした炭素偏析の部分を切除するというふうになっております。  原子力規制委員会では、先ほど委員から御指摘にもありましたフランスの事象を踏まえまして、国内の事業者に対し調査を指示したところでございます。事業者及び製造メーカーからは、原子力規制委員会に対し、国内向けの製品につきましては、製造過程で炭素偏析の可能性のある部分を十分に取り除いているので、定められた濃度を超えるようなおそれはないといった報告をされているところでございます。  なお、今回新たに設置しようとしております原子力の専門部会につきましては、玄海三、四号機の再稼働に関しまして、国の審査結果について県が技術的なアドバイスをいただくということを目的としておりまして、こうした事案について議論することは考えていないところでございます。 143 ◯井上祐輔委員=この専門部会については、国の審査について議論していただくということも言われたんですけれども、今後こういった専門的、技術的な問題が出てきた場合、県が独自で判断をしていくということは、私は難しいのではないかと思います。こういった技術的な問題、専門的な問題については、県がお金を出して専門家の皆さんに集まってもらうんですから、そういった場所でも県民の大きな関心事にもなってくると思います。国の規制基準の審査についてだけではなくて、そういった新たな問題が出てきた場合も、この専門部会で議論をしていくことが県としても検討されるべきだと私は思いますけれども、この点どうでしょうか。 144 ◯諸岡原子力安全対策課長=国の原子力規制委員会につきましては、福島第一原子力発電所の事故後、何者にもとらわれず、科学的、技術的な見地から、独立して意思決定を行う機関として設置されたものでございます。  また、原子力規制委員会では、法令に基づき一元的に規制監督権限を有しているということからも、原子力規制委員会におきまして、原子力の安全対策についてしっかり責任ある判断をすべきものというふうに考えております。 145 ◯井上祐輔委員=規制委員会がそこは判断をしていくという答弁でありましたけれども、他県の専門部会でも、国がやったもの以外にでも、県で独自に専門家に議論してもらって判断をするといったこともあると思います。そういったところも参考にしながら、佐賀県の場合でも、専門部会の中で必要な議論をしなければいけないというような状況が起きたときには、ぜひ検討していただきたいと思います。  四番目の地元同意の範囲についてお伺いをいたします。  先ほど徳光委員からも質問がされましたが、私もこの地元の範囲については、この間、質問もしてまいりました。御紹介があったように、苛酷事故が起きれば、県内のみならず、長崎、また福岡両県、こういった周辺の自治体にも影響を及ぼす可能性が大きくあります。地元の範囲について、私も拡大することが必要だというふうに思いますが、県はどう考えているのでしょうか。 146 ◯山下新エネルギー産業課長=地元同意の範囲についてということでお答えします。  午前中も徳光委員のほうに御答弁させてもらいましたけれども、地元の同意については、特に法的に定められたものはございません。  ただ、国のエネルギー基本計画において、原子力発電所の再稼働について、「原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。その際、国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう、取り組む」とされているわけでございます。  そして、国は再稼働手続について、設置変更許可が出て個別プラントの基本的な安全性が確認された段階から、理解を得ていく地元の範囲も含め、県と相談しながら具体的対応を考えていくとされているところでございます。  当然でありますけれども、再稼働の判断、これは国、事業者の責任で行われるべきものでして、したがいまして、いわゆる国が理解を得るとされている地元の範囲についても、国が責任を持って決めるべきものと考えているところでございます。  以上でございます。 147 ◯井上祐輔委員=この範囲については、事故が起きてしまえば、受ける影響は立地自治体と変わらないと、こういった話を首長の皆さんもされています。範囲の拡大についても、首長の皆さんの約六割の方がそういったことを求めているという御紹介も先ほどもありました。  県は国の示す基準だけではなく、こういった声に対してもしっかり耳を傾けていくべきではないかと思いますけれども、国の示す基準に従うということではなくて、周辺の自治体──佐賀県だけの問題ではありません。そういったことに関して、地元周辺自治体についても、そういった意見についてしっかりと県は受けとめるべきだと思います。このことについて、どうお考えでしょうか。 148 ◯山下新エネルギー産業課長=地元ということで、今、国が明確に示したものがあるというわけではございませんで、例えば、立地市町以外の話を聞かないというふうなことを決めているわけでもないと思います。少なくとも県においては、県内二十市町の意見というのは、PAZとかUPZにかかわらず聞いていくということで、先日のGM21のほうでも皆さんの御意見をお聞かせいただいたところでございます。そういった声というのは、我々相談があったときには国のほうに伝えていきたいと思っております。  以上でございます。 149 ◯井上祐輔委員=そういった周辺自治体の声というのも、しっかり国のほうに伝えていっていただきたいと思います。  次の玄海原子力発電所の再稼働に関する県民への説明・広聴事業についてお尋ねをします。  県では、玄海原子力発電所の再稼働に関する県民への説明・広聴事業費として、今議会で三千万円の補正予算を提案されています。私は、玄海原発の再稼働について県民に広く知っていただくということが必要だと思っています。こういった予算がついたことは県民からも喜ばれていることだとは思いますけれども、「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」や「原子力安全専門部会」の設置について、具体的にはどういった内容を考えていらっしゃるのかお尋ねをします。 150 ◯山下新エネルギー産業課長=今議会に提案させてもらっている県民への説明・広聴事業の中身についてということでお答えさせていただきます。  この予算につきましては、玄海原発の再稼働に関する今後の手続に係る経費として、機動的に対応できるための予算として提案させていただいているところでございます。  今、何か決めているということではございませんけども、その具体的内容については、今後、国との調整の中で決まっていくと思っております。年末年始にかけて設置変更許可という流れが予想されるため、今回お願いしているものでございます。  以上でございます。 151 ◯井上祐輔委員=現段階では、具体的な内容については定まっていないということですが、機動的に対応できる形で予算を準備したということでありました。  この委員会、また広聴事業についてですけれども、私は説明会、また討論会ということも必要ではないかと思っています。県が再稼働を認める、そういった可能性が少しでもあるならば、県民全体に説明会、また討論会を開くべきだと思います。  玄海三号機、四号機の建設の際は、公開ヒアリングが開催されました。また、プルサーマル導入の際、このときも討論会が開催をされました。そのときは絶対に安全だと、こういった前提があったのではないかと思います。しかし、現在、絶対安全ということは誰も言うことができないと思いますし、苛酷事故、大事故が起こり得る、こういったことを前提に防護措置の準備も進められています。そういったことから、説明会、討論会を開くことは、原発に不安が広がる今の状況の中で当然のことだと思いますけれども、この点についてはどのような考えをお持ちなのかお尋ねをします。 152 ◯山下新エネルギー産業課長=お答えします。  この原発の再稼働に関しては、委員おっしゃられたように県内にもさまざまな声があるわけです。これについては、すべからく聞いていこうという姿勢でございます。その一つとして広く聴く委員会というのを立ち上げることとしましたし、そのほかの形でも一般県民の方から声を聞いていきたいと思っております。そういった中で、県民の皆様が今回の再稼働に関して話を聞く、説明を聞くという機会をつくるのは必要なことだろうと思っていますので、そこは国と今後話をしていく中で求めていきたいと思っております。  以上でございます。 153 ◯井上祐輔委員=この説明会、討論会についても、国と話をしていく中で求めていきたいという答弁でありましたが、私は県としても説明会を開いていくことが必要じゃないかと思うんですよね。なので、どういう形がいいのかというのは、住民の皆さんからも県のほうにさまざまな形で要望も出されていると思います。そういった住民の皆さんの意見も大切にしながら、県の主催としても開くべきだということを思っています。  次の原子力災害時の避難計画についてお尋ねをします。
     先ほども議論がされておりましたが、原発がある以上、動く、動かない、どちらの状況であれ、県民の安心・安全のために実効性のある避難計画が必要だと思います。この避難計画の策定について、策定の責任はどこにあるのかお伺いをいたします。 154 ◯川内野消防防災課長=避難計画策定の責任についてお答えいたします。  県の地域防災計画におきまして、避難計画の策定が必要な原子力災害対策を重点的に実施する地域の範囲を、原子力災害対策指針において示されております目安や設定の考え方を踏まえまして、玄海原子力発電所のおおむね三十キロ圏内に所在する玄海町、唐津市、伊万里市というふうに定めてございます。そのため、避難計画の策定責任はそれぞれの市町の首長にあるというふうに考えてございます。  以上でございます。 155 ◯井上祐輔委員=この責任については、各市町の首長にあるということでした。そもそも避難をしなければいけないという状況は、原発を使い、事業を行っている九州電力が起こす事故が原因だというふうに思います。その九州電力については、この避難計画については全く責任を持っていないと私は言わざるを得ないのではないかと思います。こういった状況の中、福島の事故を見れば、今でも避難をされ、帰れないという状況もありますし、私たちもそういった状況にいつ遭遇をするか、玄海原発がいつ事故を起こすのかということもわからない状況の中で、そのように家や田んぼ、畑を捨てて、ふるさとを捨てて避難しなければいけない、こういった状況をつくってしまう原発の再稼働は許せないと改めて指摘をしておきたいと思います。  次の県内市町における原子力災害対策の位置づけについてお伺いをします。  一つ目に、地域防災計画の反映状況についてですが、各市町では自然災害などの際に避難や対応をどのようにするのか定めた地域防災計画を持っています。原子力災害の際は、立地自治体だけではなく、住民避難の受け入れや、状況によっては避難をする側にもなるかもしれないといった認識を持つことが大事だと思います。  そこでまず、地域防災計画には原子力災害などがしっかりと反映をされているのかどうか、その点についてお伺いをします。 156 ◯川内野消防防災課長地域防災計画への反映状況についてお答えいたします。  県の地域防災計画におきまして、市町の地域防災計画原子力災害対策編)を作成すべき市町を定めてございます。五キロ圏内でありますPAZ及び五キロから三十キロ圏でございますUPZの範囲に含まれます玄海町、唐津市、伊万里市としてございます。これらの三市町におきまして、地域防災計画原子力災害対策編)が策定されているところでございます。  また、玄海原子力発電所から三十キロ圏外の十七の市町のうち、八市町におきましても、各市町の判断により原子力災害対策編が作成されているところでございます。  さらに、そのほかの六市町につきましても、原子力災害対策編は策定されてはおりませんが、地域防災計画の中に原子力災害対策に関する事項が定められております。県内二十市町ございますけれども、そのうち、みやき町、大町町、太良町を除きます十七市町におきまして、原子力災害対策に関する事項が定められているというところでございます。  以上でございます。 157 ◯井上祐輔委員=県内二十市町がある中で、十七の市町がさまざまな自治体ごとの形で設定がされているということでした。  次の住民避難等の防護措置について伺います。  原発から三十キロ圏外であっても避難せざるを得ない状況になる、こういった可能性はないとは言えません。三十キロ圏外の市町の皆さんの住民防護措置というのは地域防災計画で定められているのか、この点について伺いたいと思います。 158 ◯川内野消防防災課長=住民避難等の防護措置についてお答えいたします。  玄海原子力発電所から三十キロ圏外の十七市町のうち、十四の市町が地域防災計画原子力災害対策に関する事項を定めてございます。そのうち、有田町を除きます十三の市町が、それぞれの市町におきまして一時移転等の防護措置が必要となった場合の対応を定めてございます。  現時点におきまして、一時移転等の防護措置が定められていない市町は、有田町とみやき町、大町町及び太良町の四市町となってございます。  以上でございます。 159 ◯井上祐輔委員=この防護措置については、四市町が今現在定められていないということです。やはり原子力発電所の事故の際は、三十キロ圏内だけではなく、三十キロ圏外でも避難をしないといけないといった状況も生まれてくると思いますので、定められていない自治体でも今後定めていくべきだと思います。今後、県としても働きかけを行っていくべきだと思いますけれども、どのように対応されるのかお尋ねをします。 160 ◯川内野消防防災課長=市町への働きかけについてお答えいたします。  玄海原子力発電所から三十キロ圏外の十七市町につきましては、県の地域防災計画におきまして、原子力災害対策編の策定までは必要ないものの、市町の地域防災計画の適切な箇所に緊急時モニタリングの活動への協力でございますとか、情報伝達、広報活動、避難者の受け入れ等に関する事項を記載することと定めてございます。市町の地域防災計画への反映を依頼してきたところでございます。  現時点におきまして、これらが反映されていない市町のうち、みやき町につきましては、今年度、地域防災計画の修正に関する業務委託を実施されているというところでございます。今年度中に修正を予定されているということで聞いてございます。  残る大町町、太良町や原子力災害時の防護措置に関する定めのない有田町につきましては、引き続き地域防災計画への反映について働きかけを行ってまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 161 ◯井上祐輔委員=県としても、しっかりと働きかけを行っていただきたいと思います。  次の県や市町職員に対する研修について伺います。  万が一、原子力災害が発生をした場合、防災部門の職員さんにかかわらず、県や市町の職員皆さんが対応しなければいけないといった状況も考えられます。住民の皆さんにも原子力災害に対する知識や意識の啓発は重要ですが、対応する側の職員の皆さんの研修にもしっかりと取り組んでいかなければいけないと思います。県や市町職員を対象にした研修の開催状況、また参加者の状況はどのようになっているのかお伺いをします。 162 ◯川内野消防防災課長=これまでの開催状況についてお答えいたします。  原子力災害対策に関する研修につきましては、初任者向けの基礎的知識を学ぶ研修から災害対策要員向けの専門的な研修など、国や県が主催して実施をしてまいりました。昨年度は五回の研修会を開催したところでございます。  昨年度開催されました五回の研修会には、県職員八十五名、市町職員六十三名の合計百四十八名が参加したところでございます。  以上でございます。 163 ◯井上祐輔委員=昨年で国や県が行ったもので五回行われたということでした。こういった研修については、一遍に全ての皆さんが受けるということは難しいと思いますので、県や市町の皆さんの十分な研修というのも今後もしっかりと行っていただきたいと思いますが、この研修の内容について、国、また県が行うものでも違ってくるとは思うんですけれども、具体的にどういった内容がこの研修で行われているのか、この点をお伺いしたいと思います。 164 ◯川内野消防防災課長=研修の内容についてお答えいたします。  まず、基礎的な研修につきましては、そもそも放射性物質といいますか、原子力災害とはどういったものかといった基礎的なものから、実際の災害対応への基本的な佐賀県の原子力防災の考え方、そういったものにつきまして研修会などを実施しております。  そして、要員研修につきましては、実際の図上訓練などを踏まえまして、実際に災害が起きたときにどのように担当部署として対応するかと、そういった研修等も実施をしているというところでございます。  以上でございます。 165 ◯井上祐輔委員=今、研修の内容についてお示しをしていただきましたが、これまで実施をされてきた研修の中で、課題としてはどういったものがあるのかお伺いをします。 166 ◯川内野消防防災課長=研修への課題についてお答えいたします。  昨年度、県や市町の職員の参加数が百四十八名ということでございます。県といたしましては、より多くの職員に参加していただく、そういったことが必要というふうに考えているということでございます。  以上でございます。 167 ◯井上祐輔委員=職員の皆さんの数についても大事だとは思うんですけれども、内容についてもよりよくしていく部分はしっかりと改善をしていくということも必要かと思います。今後の取り組みについてはどのような考えを持っておられるのかお尋ねをします。 168 ◯川内野消防防災課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  県や市町の職員が参加しやすい研修日程でございますとか、研修会場の設定、早期の開催案内など、県や市町の職員がより多く参加しやすい研修となるように引き続き検討してまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 169 ◯井上祐輔委員=今後の取り組みについても、しっかりと行っていただきたいと思います。  四番目の原子力防災訓練についてお尋ねをします。  十月十七日に開催をされました「佐賀県GM21ミーティング」では、鹿島市長、また多久市長などから避難訓練に関して、「スムーズにいったというよりも、やや課題が残った」、こういった発言や、「本当にリアルに考えるのであれば、マスクの着用であるとか、雨のときの動きを即応して変えるとか、屋内退避とか、そういったこともあるのではないか」、このような指摘もありました。「それらを精査していただいて、よりよい体制を組んでほしい」、こういった発言もあったところですが、そういった発言を受けて、今後、県ではどのような対応をされていくのか、この点についてお伺いします。 170 ◯川内野消防防災課長原子力防災訓練についてお答えいたします。  今年度十月十日に行いました原子力防災訓練では、さまざまな参加者の方々からの御意見をいただいております。その中では、原子力発電所の事故の状況や避難経路の道路状況などの避難中の住民に対する情報提供が十分でないと、そういった声が寄せられております。  また、先ほども御答弁しましたけれども、児童生徒の保護者への引き渡し訓練の際に、引き渡しカードに記載されていない方が迎えに来たときにどうするのかと、そういったときの対応について検討すべきと、そういったことがありました。また、引き渡しの間違いがないように確認する手段、そういったものも必要であるというふうに考えてございます。  また、放射性物質の放出後の想定でありながら、温暖な気候だった関係もございまして、避難誘導の職員が半袖のまま屋外活動をしておったとか、窓をあけたまま自動車による避難を行っていたといったこともございましたので、そういったことにつきましては、参加される皆様に原子力災害の被害の状況といいますか、どういったことに気をつけなければならないかということを改めまして十分周知が必要というふうに考えてございます。  こういった今後の気づきに対応する訓練を、実動訓練に来年度以降も取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。なかなか実動訓練で渋滞等を引き起こすということは難しゅうございますので、図上訓練などにおきまして渋滞が発生したときにどう対応するかとか、突発的なトラブルが発生したときにどう対処するかと、そういったことに対する対応力を養う訓練にも取り組んでいきたいというふうに考えてございます。  今後とも、訓練内容を不断に見直しながら、万が一のときに円滑に避難ができるように、関係機関とも連携して、より実践的な訓練となりますようにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてでございます。  以上でございます。 171 ◯井上祐輔委員=今、指摘があった部分、また、改善をしなければいけない部分のほかにも、この次に取り上げます安定ヨウ素剤の配布といったところも現実的ではない、こういった状況もあるかと私は思っています。そういった部分もしっかりと見直しをしていただいて、より実効性があるように改善をしていっていただきたいと思います。  問三の安定ヨウ素剤の事前配布範囲の拡大についてお伺いをしていきます。  玄海原子力発電所の万一の事故に備え、県や地元市町では、原発からおおむね五キロ圏内において住民に対して安定ヨウ素剤の事前配布を行っています。  武藤議員の一般質問でも、五キロから三十キロ圏内の住民に対しては、安定ヨウ素剤を事前配布するのではなく、緊急配布をする体制を充実させ、そして、高齢者や要支援者などUPZにおいて緊急時に配布が困難と考えられる住民に対しては、事前配布も含めた配布の方法について検討したい、このような回答をされました。全ての住民に対して安定ヨウ素剤を事前に配布をしていくことも、私は必要ではないかと思っています。  まず、事前配布に対する県の考え方についてお伺いをしたいと思います。 172 ◯古川医務課長=安定ヨウ素剤の事前配布に対する県の考え方についてお答えいたします。  国の原子力災害対策指針では、原子力発電所から五キロメートル圏内のPAZにつきまして、万が一事故が起こった場合には、放射性物質放出の可能性が高まった全面緊急事態の段階で、PAZの住民全員を対象として、避難指示とあわせて安定ヨウ素剤の服用指示が出されます。  これは、避難の途中で屋内退避ができない状況の中で、万が一放射性物質が放出された場合、放射性プルームの通過により大気中の放射性要素を吸引する可能性があることから、避難とあわせて安定ヨウ素剤を服用するものであります。  PAZでは、このように全面緊急事態に陥った場合の避難の際に、全住民が速やかに安定ヨウ素剤を服用する必要があるため、緊急配布をするのではなく、平時から事前配布することとなっているものと考えております。  県といたしましては、原子力災害対策にかかわる科学的、専門的な事項につきましては、国が示す指針等の考え方に基づいて行う必要があると考えておりまして、指針に基づきPAZでの事前配布を行っているところです。  以上でございます。 173 ◯井上祐輔委員=今、国の指針に基づいて、そういった事前配布についても行っていきたいという考え方でしたが、他県では、五キロ圏外でも事前配布というものが行われています。この他県での五キロ圏外、安定ヨウ素剤が事前配布を行われている事例について、具体的にはどのような県で、どういった形で行われているのか御紹介をいただきたいと思います。 174 ◯古川医務課長=他県におきます五キロメートル圏外での事前配布についてお答えいたします。  他県での五キロメートル圏外、いわゆるPAZ外の事前配布の事例としまして、県で把握しているものとして京都府舞鶴市では、PAZ隣接の地区について避難ルートがPAZに近接しているということから、避難計画上、PAZ同様の予防的避難を行うため、国とも協議した上で事前配布をされております。  また、長崎県松浦市では、鷹島と黒島について、橋での避難の際に原子力発電所に近づく方向に逃げることになるということから、避難計画上、PAZ同様の予防的避難を行うため、国とも協議した上で事前配布をされております。  また、島根県では、UPZ内に島根県の人口の半分を超える約四十六万人が集中していることなどから、国と協議した上で、特に高齢者や障害者など緊急時に受け取りが困難と想定される住民のうち、希望する住民に事前配布をされております。  なお、国、県が関与していないものとして、茨城県ひたちなか市では、市の人口の一割を占めるPAZの住民のみへの事前配布では不公平感が生じるということから、UPZの約十四万二千人も対象としまして事前配布をされております。  また、兵庫県篠山市では、兵庫県が実施した放射性物質拡散シミュレーションの結果を踏まえ、約四万一千人を対象として事前配布をされております。  以上でございます。 175 ◯井上祐輔委員=今、他県の市町でどういった形で事前配布が行ってあるかという事例を紹介していただきました。  今、紹介をしていただいた中でも、島根県であれば、高齢等の理由で緊急時の受け取りが困難であると、そういった理由であるとか、佐賀県でも同じようなことが考えられるのではないかということもあります。  私は、こういった事前配布についてしっかりと行っていくべきだということも繰り返し指摘をしているんですけれども、仮に五キロ圏から、また三十キロ圏内で安定ヨウ素剤を事前配布した場合、どれくらいの予算が必要になってくるのか、この点についてお伺いをします。 176 ◯古川医務課長=事前配布範囲の拡大に係ります経費につきましてお答えをいたします。  玄海原子力発電所からの距離が五キロメートルから三十キロメートルのUPZにつきましては、役場等の公共施設に備蓄し、服用が必要な場合に緊急配布することとしておりますことから、事前配布する場合の費用につきましては現在算出をしておりません。  このため、平成二十六年度、PAZにおいて事前配布を行ったときと同様の方法で配布し、配布対象者が単純に多くなるという前提で試算した場合の費用について申し上げます。  まず、安定ヨウ素剤の事前配布に当たりしましては、原則として医師による住民への説明会を開催することが必要となります。この説明会では、医師による安定ヨウ素剤に関する説明のほか、住民一人一人について保健師による問診票の確認や薬剤師による服薬確認などの対応が必要となります。  平成二十六年度の事前配布説明会では、八千二百七十二人の対象者に対しまして、一回当たり約三十人の人員体制で二十七回開催をしたところです。  その経費は、職員人件費を除く会場設営費、御協力いただいた民間の医師、あるいは薬剤師への謝金等の経費が約八百三十万円でございました。  UPZの住民は約十八万人で、PAZの約二十二倍でありますことから、先ほど申し上げた仮定で機械的に試算しますと、事前配布説明会の開催回数が約六百回、会場設営費等の経費が約一億八千三百万円となります。  以上でございます。 177 ◯井上祐輔委員=どれぐらいの予算が必要かということでお示しをしていただきましたが、以前、議論をしてきた中でも、緊急時に、事前配布をしていなくて緊急時配布をしなければいけないというふうになったときに、一カ所で四千五百人の方に配布をしなければいけないという状況があるということもわかったところです。また、この緊急時には、先ほど言われた、原則、医師の説明、問診なども必要ということも言われていましたが、そういったこともすることができないということでありました。  私は、緊急時に備えて、そういった緊急時に本当に四千五百人の人、一カ所だけでですよ、そういったところが何カ所かあるという状況を考えたときに、配布をしなければいけない状況に本当に今の県の職員の数、市町の職員の皆さんの数で対応できるのかといったところも、本当に真剣な議論が必要になってくると思います。  先ほど御紹介をいただいた茨城県のひたちなか市、ここでは市としての考えとして、万が一原子力災害が発生した場合、事故の影響はPAZ圏だけにとどまる問題ではないことは明白であり、PAZ圏とその他の地区の間に線を引くことは意味のないものだと考えると指摘をしています。また、事故発生後の避難等を要する緊急時に安定ヨウ素剤を全ての市民に混乱なく配布をすることは事実上不可能だと考えていると。だから、市として事前配布を行っているということがホームページにも載せられています。  私はこういった状況を考えて、本当に市民、県民の皆さんに安定ヨウ素剤をしっかりと渡していくということを考えた場合に、事前配布をすることが必要ではないかというふうに思いますし、また、今後、県でもその検討が必要ではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。 178 ◯古川医務課長=事前配布範囲の拡大についてお答え申し上げます。  まず、唐津市の配布場所での一カ所当たりの人口が多いといったような議論があったということでございますけれども、今回、唐津市では、県とも協議してUPZでの緊急配布場所を見直されたところです。それによりますと、集合場所全てで緊急配布するのではなく、主要な集合場所や備蓄場所二十九カ所を選定するとともに、ボートレースからつ、競艇場ですけれども、こういったところやショッピングセンター、旧役場であります市民センターなど、避難経路上の車両の立ち寄りやすいところ十二カ所を緊急配布場所として選定をされております。  UPZでは万が一事故が起こった場合でも地域を特定して避難することになるため、全ての地区で緊急配布が必要となるわけではないですけれども、今回、緊急配布場所を見直されたということで、より確実で効率的な配布ができるようになったのではないかというふうに考えているところでございます。  それから、範囲の拡大につきましては、先ほど若干御答弁いたしましたけれども、原子力発電所からの距離にかかわらず、原子力災害対策にかかわる科学的、専門的な事項につきましては、県が独自に判断するというよりは、国が示す指針等の考え方に基づいて行う必要があると考えているところでございます。  なお、最初に御指摘がありましたように、一般質問での答弁でもお答えしたところでございますけれども、高齢者や要支援者などUPZにおいて緊急時に配布が困難と考えられる住民に対しましては、他県の事例も参考にしながら、事前配布も含めた配布の方法について検討してまいります。  以上でございます。 179 ◯井上祐輔委員=唐津市の中では配布の仕方について改善が行われたということでしたが、本当に改善が行われたとしても、緊急時の中で住民の皆さんが基本的に自家用車で避難をするということにもなっていると思います。そういう状況を考えれば、立ち寄りやすいところを選定したとしても、車が本当にとめられるのか、そういった場所に住民が立ち寄って安定ヨウ素剤を受け取りに来るのか、こういったところにも簡単に疑問が浮かんでくるんですよね。そういったところもありますので、今後、この事前配布をする範囲の拡大について、県でももっともっと議論をしていただいて、前向きに検討していただきたいと思います。  最後の四番目の北部地区住民検診についてお尋ねをします。  玄海原発周辺の住民を対象にした集団による検診、北部地区住民検診が長年行われてきたと聞いております。この件についてお尋ねをしていきますが、この検診の目的や期間、対象地域など、住民検診の概要はどのようになっていたのかお尋ねをします。 180 ◯森健康増進課長=住民検診の概要についてお答えいたします。
     長年、玄海町におきまして、委員お尋ねの集団検診が行われていたことは聞いておりますが、当時のことを確認できる資料がないことから、住民検診の概要については不明ということでございます。  以上でございます。 181 ◯井上祐輔委員=この件について資料がなくて確認できないということでしたが、この検診を行った地域保健対策委員会というものがあります。この検診を進めるに当たって設置をされた地域保健対策委員会、このメンバーですね、委員長として佐賀県の唐津保健所長、この方が任命をされて、その職についていたということが玄海町議会の中でも町が答弁をしています。この点についても県としては確認をされていないと、確認ができていないということでしょうか。 182 ◯森健康増進課長=玄海町長さんが議会の中でそういうふうな御答弁をなさったということは承知しておりますけれども、繰り返しになりますが、やはりその当時のことを確認できる資料がないことから、メンバー、構成等につきましても不明ということでございます。  以上でございます。 183 ◯井上祐輔委員=聞いたことに対して、県では把握ができないという状況だということです。  玄海町の町議会の議事録、紹介させていただきますが、この北部地区住民健診については、玄海町の外津地区、今村地区、そして唐津市鎮西町の串地区、この三地域を三年に一回巡回をする形で、受診者数は延べ五千人弱にもなっているという答弁がされています。そして、期間としては、昭和四十八年度から平成二十二年度まで、予算としては玄海町で約二千九百万円の予算が使われてこの健診が行われてきたということでした。  目的に対する質問に対して町は、この北部地区住民健診は、玄海原子力発電所周辺地域住民を対象に集団健診を実施して、諸疾患の早期発見と事後指導を行い、予防対策を図る目的により実施をされたと答弁がされています。そして、今、私がお話をしたように、この医師団の責任者を唐津保健所長ということが玄海町議会では答弁がされています。この唐津保健所長、県の職員だというふうに私は認識をしているんですけれども、この点については間違いないでしょうか。 184 ◯森健康増進課長=玄海町長がそのような御答弁をなさったということは聞いておりますけれども、繰り返しになりますが、当時の資料が手元にないということで、不明というふうなことでございます。  以上でございます。 185 ◯井上祐輔委員=不明という答えでいいんでしょうか。私は、玄海町が言っていることが、この資料の結果報告についても、この結果が町に報告をされた後、資料が医師団によって回収をされて、玄海町役場にはその資料が残っていないということを言われています。この医師団の責任者として唐津保健所長が位置づけられていたということでは、私は県としても責任があるのではないかと。  税金を使って、二千九百万円を使って長年健診をされてきたこのデータ、調査結果というのは、今後の玄海原発にかかわらず、原発周辺の住民の皆さんにどういった健康影響を及ぼしているのかといった科学的な見地からしても貴重な資料になり得るというふうに思います。  そういった点からしても、県の姿勢というのは私は無責任じゃないかというふうに思いますし、玄海町が県の唐津保健所長が責任者となった医師団が回収をしたというふうに言われていますので、この点について玄海町としては県にその責任を投げかけられたというふうに私は思えるんじゃないかと思うんですよね。こういった点からしても、この責任はどこにあるのか、この点をはっきりとしなければいけないと思います。  県として、こういった玄海町が答弁をされていますけれども、その点についてはどういった考えをお持ちなのかお尋ねします。 186 ◯森健康増進課長=玄海町長が町議会におきまして、その席上で資料の回収が行われた、ですから役場にはその資料が残っていないというふうに答弁されております。そのことは承知しておりますけれども、つまり、その委員会の席上で資料の回収が行われたということで、県に対して何か預けられたとか、そういうふうな御答弁ではなかったのではなかろうかというふうに考えておりまして、責任というところでは、それはちょっと違うのではなかろうかというふうに考えているところでございます。 187 ◯井上祐輔委員=責任と私が言うのは、この医師団の責任者として県の職員でもある唐津保健所長がそこにつかれているという意味では、検査を行った医師団の最高責任者は県の職員であったというふうに言えると思います。その中で、県がそういった資料についてもどこにいったかわからないという状況では、私はずさんな管理だというふうに言わざるを得ないのではないかと思います。  いろいろな玄海原発周辺での調査についても、先ほど申し上げたように、今後の原発による周辺住民に対する影響という点では貴重な検査だと思っていますし、別の資料でも、県のほうにお願いをして白血病について関連する資料を出していただきました。  その白血病の資料については、県内で白血病死亡者数について、人口十万人に対する死亡率が書いてある資料を出していただきました。その資料の最新データでは、平成二十六年、県内全体、また玄海原発周辺の自治体、特に玄海町の白血病の死亡率が異常に高くなっているということが明らかとなっています。平成二十六年度、県全体の平均では、白血病で死亡したという死亡率は七・六%になっていますが、玄海町で換算をしてみますと六六・七%という死亡率、極端に高い数値を示しています。このことについては、武藤県議も二〇〇九年に県議会でも取り上げております。こういった異常な状況というのがデータからもわかりますけれども、この点に関して、県としてはどういった認識をお持ちなのかお尋ねをします。 188 ◯森健康増進課長=委員おっしゃるとおり、平成二十六年の人口動態統計調査によりますと、白血病による県全体における死亡数は六十三人でございます。また、全死亡数に占める割合は〇・六%となっております。唐津保健所管内においては十六人、一・〇%となっており、県全体と比較すると若干高いというふうな状況になっております。  また、悪性新生物、これは白血病のほうも含めておりますけれども、県全体における死亡数は二千七百九十八人と、全死亡数に占める割合は二八・八%となっております。唐津保健所管内におきましては四百八十一人と、二八・七%となっており、県全体の傾向とは余り変わらないというふうな状況になってございます。  いずれにしましても、玄海原子力発電所周辺におきましては、県において環境放射能調査が実施されておりまして、これまで異常なデータは認められていないというふうに承知しておるところでございます。  以上です。 189 ◯井上祐輔委員=今、県内のデータと玄海町のデータということでは余り変わらないというふうに言われたと思うんですけれども、十万人に対する白血病の死亡率ということで言えば、この計算の仕方については、人口動態調査のところにも書かれていますけれども、六六・七%ということで、私が今お話をしたように、平成二十六年度の調査ではそういった死亡率になっています。明らかに玄海町の白血病の死亡率というのは高い数値を示しているというふうに思います。  県では、全国ワースト二位となっている胃がん対策については、山口知事のもとで、県内の中学校三年生全生徒に対して、胃がんの原因とされるピロリ菌の検査を実施されております。こういった明らかに数値が異常だという白血病に対しても、私は県としても何らかの対策を講じるべきだと思いますし、その原因がわからないのであれば、先ほど御紹介をした北部地区住民健診のように、県が主体となって、責任を持って調査を行い、現状をまず把握をするべきだというふうに思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。 190 ◯森健康増進課長=まず、放射線とがんの因果関係と申しますか、その関係というところにつきましては、その証明というものは、例えば、自然界等の放射線の影響、それから、それ以外の喫煙等の発がんリスクの要因といったところがございますので、現在も研究中というふうに聞いておるところでございます。  白血病につきましては、全国的に見ましても、特に九州地域のほうで死亡率が高いというふうな傾向にもございます。佐賀県だけが突出をしているというふうには考えてございません。  以上でございます。 191 ◯井上祐輔委員=佐賀県だけが突出をしているというふうな認識はないということでありますけれども、先ほど御紹介をした北部地区住民健診なども、そういったさまざまな心配がある中で、どういった影響があるのか、諸疾患の早期発見、また事後指導を行って、予防を行うためにこういった住民健診が三十数年にわたって行われてきたということです。平成二十二年にこの検査も終わっていますけれども、住民の心配があるということであったり、データでの異常が確認をされるというところでは、やはり県としての指導のもとで調査、また健診を行い、対策をしていく、このことが必要だというふうに思っています。  県の回答と、また玄海町での回答というのが食い違っているということは、私は県と市町の関係で言っても、これはよくないことだと思います。町の議会の中での答弁について、県との認識が違うのであれば、やはり県としてもしっかりとした対応をしていくべきだと思いますし、そのような対応を求めて私の質問を終わります。 192 ◯竹内委員長=これで質疑を終了いたします。     ○ 継 続 審 査 193 ◯竹内委員長=お諮りいたします。  原子力安全、防災・危機管理対策及びエネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件につきましては、重要な問題が残されておりますので、閉会中もなお継続審査に付する必要がある旨を議長に申し出ることにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 194 ◯竹内委員長=御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたします。  これをもちまして、原子力安全対策等特別委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。     午後二時五分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...