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平成28年度決算特別委員会(第7日) 本文 開催日:2017年11月16日
平成28年度決算特別委員会(第7日) 名簿 開催日:2017年11月16日

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  1. 佐賀県議会 2016-11-16
    平成28年度決算特別委員会(第7日) 本文 開催日:2017年11月16日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時 開議 ◯中倉委員長=これより委員会を開催いたします。  本日は、県土整備警察常任委員会関係の質疑を行います。  質疑に入ります前に警察本部から発言の申し出があっておりますので、これを許可いたします。 2 ◯逢阪警察本部長=おはようございます。既に報道されていることに関して御説明をさせていただきたいと思います。  本年六月下旬に警察学校の初任科課程の学生が寮内でトランプ賭博をしているという情報が入りましたため、調査及び捜査を行いまして、関係学生十二人を単純賭博として立件し、八月二十五日に佐賀地方検察庁及び佐賀家庭裁判所に書類送致をいたしました。  また、十月五日付で関係職員十二人には行為責任として減給一〇〇分の一〇(三月)等の懲戒処分等を行い、監督責任として四人に本部長注意等の措置を行いました。  本件につきましては、警察学校という警察官を養成する教育の場においてこういう不適切な事案があったということは、まことに遺憾であると考えております。  今後、警察学校の初任科生に対しては、警察官としての自覚をしっかり持つよう指導、教養を徹底するとともに、全職員に対しても職務倫理教養を徹底し、規律の保持と再発防止に努めてまいりたいと考えております。申しわけございませんでした。 3 ◯中倉委員長=それでは、これより質疑に入ります。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 4 ◯定松委員=皆さんおはようございます。きょうは、決算特別委員会の質疑の最終、県土整備・警察の決算について質問をさせていただきたいと思います。  私は、自民党県連政務調査会にも所属しております。隣の坂口政務調査会長が本年度、五つのブロックで各地域からの要望を聞くということで、各地域で五ブロックについて要望事項をまとめております。  その中で、県土整備は特に多いんですね。これは平成三十年度の要望でございますが、百二十一項目が挙がっております。そのうち、新規事業が四十五項目、継続が七十六項目。そして、そのうち、新規、継続ともにでありますが、六十九が道路なんです。百二十一のうち六十九が道路で、新規で十六件、継続が五十三件というふうになってございます。  各地域の道路情勢というのは、要望として上がっていく分には、いつも目につくところが上がってくるわけでありまして、各市町の市民、町民の方々が日ごろから問題視されている項目の中に道路行政が極めて多いと。  ただ、新規よりも継続が多いというのは、それだけ継続がありながらも手がつけられない、予算がないために進捗がないといった場合もあるかもしれませんが、なかなか道路行政というのは予算を伴うために話が進まないというのが県民のいら立ちといいましょうか、そういったところにあるのかなというふうな気がいたすところでございます。  とりわけ、道路行政にいたしましても、河川砂防課、そういった要望もあるわけでございますが、建設業が中心となって工事に入るわけでありますけれども、その建設業の情勢についても、今回は少し問題視をさせていただきたいというふうに考えております。  それで、質問に入りますが、建設業再生支援緊急対策事業というのに平成二十八年度も取り組まれております。  建設業は、地域の社会資本の整備や維持管理はもちろん、災害等において、防災、復旧等の活動も担っていることから、地域に密着した建設業が存在することが重要と考えております。  また、地域の雇用や経済を支える存在でもあり、この安心・安全を担い、地域雇用、経済を支える産業を社会全体で維持していくことが必要であります。しかし、建設業を取り巻く環境として、技術者、技能者の高齢化の進行、建設業に就職する若年技術者等の減少によって建設業の担い手が不足してきており、これらの建設業を担う人材の確保や育成が課題となっております。
     建設業界では、働く若い人たちの処遇を改善し、誇りを持って働いてもらい、希望を持って就職できる環境を整備していくためには、もちろん建設業界がこの課題解決のためにさまざまな取り組みを行う必要があります。県としても支援していくことが重要だと考えております。  こうした中で、県では、建設業の経営基盤の強化や技術者の資格取得促進などの取り組みを支援する建設業再生支援緊急対策事業を行われてきたところであります。今後も事業を効果的に実施していくことが必要と考えております。  そこで、次の点についてお伺いをさせていただきます。  まず、事業の目的であります。  建設業再生支援緊急対策事業の目的というのはどういうものなのかお伺いをさせていただきます。 5 ◯高塚建設技術課長=事業の目的についてお答えします。  建設業再生支援緊急対策事業は、厳しい経営環境にある建設業者の経営基盤を強化し、地域経済及び雇用の安定を図るとともに、技術者の資格取得促進などにより、建設業における人材の育成、確保を図ることを目的に実施しているところでございます。  以上でございます。 6 ◯定松委員=それでは、この対策事業の内容というのはどのようなことなのかお伺いします。 7 ◯高塚建設技術課長=本事業の内容についてお答えします。  事業の内容としましては、まず、経営基盤強化の支援としまして、建設業者からの経営を初め、さまざまな相談に応じる相談窓口の設置や、経営者処遇改善セミナーの開催、経営上の課題解決に向けた専門家招聘費用への助成などを行っております。  次に、人材育成の支援としまして、入社十年未満の若手社員を対象とした若手育成支援セミナーの開催や、建設業従事者の技術力の向上のため、施工管理技師などの資格取得費用への助成などの事業を行っているところでございます。  以上でございます。 8 ◯定松委員=経営者の処遇改善セミナー、その効果についてお伺いをいたしますが、この建設業再生支援緊急対策事業の中の経営者処遇改善セミナー、この実施の目的、内容などについて教えてください。 9 ◯高塚建設技術課長経営者処遇改善セミナーの目的及び内容についてお答えします。  まず、目的でございますが、経営者処遇改善セミナーにつきましては、中小建設業者の経営診断や営業力強化支援現場代理人への研修等、数多く手がけた専門家を講師に招きまして、県内建設業の経営者に対し、講演や意見交換を行うことにより、建設業者の経営力の強化及び建設業従事者処遇改善、人材確保に積極的に取り組んでいただくことを目的としているところでございます。  その上で、そのセミナーの内容につきましては、昨年十一月に実施しておりますセミナーにおきましては、県内建設業の経営者七十六名が参加され、中小建設業者の適正利潤や担い手の確保に向けた経営体質の分析、仕事の質の向上、担い手の確保と育成、経営体質改善や人材育成の取り組み事例の紹介などの講演を行ったところでございます。  また、講演の後、参加者と講師、県土整備部の職員との意見交換を行ったところでございます。  この意見交換では、参加者より講師に対し、若手従業員との接し方、工事における評価手法、人材育成の具体的な方法、手順などについてアドバイスを求める意見が出されたところでございます。  さらに、発注者に対しては、現場の就労環境を改善するために、工事の平準化や管理書類の削減を求める意見が出されるなど、参加者より活発な意見が交わされたところでございます。  以上でございます。 10 ◯定松委員=この処遇改善セミナーに、七十六名の若手の経営者が参加されたということであります。  それでは、このセミナーを実施した効果というのは、どういう効果が得られたのかお伺いさせていただきます。 11 ◯高塚建設技術課長セミナーの効果についてお答えします。  経営者処遇改善セミナーの効果判定としまして、受講後に参加者からアンケートを行ったところ、六割を超える経営者がセミナーの内容は仕事に役立つとの回答でありました。  また、その中の具体的な意見としまして、処遇改善の実例でどのような対策を講じたのか聞くことができて、参考になった。当社の問題点を洗い出して取り組みたいといった前向きな意見もありまして、処遇改善や経営上の課題解決に向けた経営者の一定の意識醸成が図られたものと考えているところでございます。  以上でございます。 12 ◯定松委員=それでは、平成二十八年度に実施されている内容等を見ながら質問させていただきます。  技術強力化支援事業の点について伺いますが、この見直しの内容について、平成二十八年度は支援対象者の年齢を制限したことによって支援実績が相当減少した、そのために見直しを図っていくと、このように勉強会のときにも回答がなされました。今年度はどのような見直しを行ったのかお伺いさせていただきます。 13 ◯高塚建設技術課長技術力強化支援事業の見直しの内容についてお答えします。  平成二十八年度は、若手の技術者、技能者に特化した資格取得の促進を図るために、支援対象を三十五歳未満に年齢を限定して支援を行ったところでございます。  しかしながら、一級土木施工管理技師などの上級の資格取得には一定の実務経験が求められていることから、三十五歳という年齢制限により支援対象にならない場合も出たことから、支援実績は目標の百四十名に対し百二名にとどまったところでございます。  このため、建設業界の意見を聞き、すぐれた技術者、技能者を育成するために、年齢を限定せず、資格の難易度や技術者の年齢などにより助成額を調整する支援制度に見直したところでございます。  以上でございます。 14 ◯定松委員=それでは、平成二十九年度の実施状況についてお伺いします。  年齢制限とか、支援制度を見直した結果、今年度の実施状況はどのようになっておりますか。 15 ◯高塚建設技術課長=見直し後の平成二十九年度の実施状況についてお答えします。  ことしの五月の建設業者説明会などで、年齢要件を緩和した支援内容を周知しております。その結果、十月末現在で前年度比六割増の百六十五名の申請を受け付けているところでございます。  以上でございます。 16 ◯定松委員=あらゆる改善を加えて、平成二十九年度は百六十五名の取り組みになったということで、一安心はするところでございますが、今申し述べました建設業再生支援緊急対策事業技術強力化支援の事業、この二つの事業に取り組んで、そして、建設業全体が経営者は社員をかわいがって、そして、所得も上げていく、そして、若手の社員は仕事に意欲を持って県内の土木行政にしっかりと寄与してもらうというのが重要になってくるかと思います。  次に、担い手確保に向けた賃金向上についてお伺いをさせていただきます。  建設業の担い手の確保のために、セミナー技術協力支援などの事業を実施しております。若い人にとって建設業が魅力ある産業となるためには、まずは給与面の改善に向けた取り組みが必要であります。  このことについて、経営者の雇用する側、そして、県としてそれに対する指導、そういったものについて、どのように県は取り組んでいくのかお伺いさせていただきます 17 ◯高塚建設技術課長担い手確保に向けた賃金向上の取り組みについてお答えします。  委員御指摘のとおり、県内建設業が若者にとって魅力ある産業となり、夢を持って働けるようにするためには、給与面も含めた就労環境の改善について、受注者、発注者双方が取り組む必要があると考えているところでございます。  平成二十六年度に改正されました品確法では、発注者の責務として、担い手の中長期的な育成、確保のための適正な利潤が確保できるよう取り組むとされております。  こういうことから、県としましても、これまで労務及び資材等の設計単価や工事に必要な諸経費の見直しなどについて、政策提案等の機会を通じ、国に対し働きかけを行い、適正な予定価格の設定に努めているところでございます。  また、ことし七月には、県内の中小建設業者の経営状況を考慮し、最低制限価格の引き上げを行うなど、適正な利潤の確保に向けた取り組みを行ってきたところでございます。  一方で、先ほど申し上げました改正品確法には、受注者の責務として、技術者及び技能者の育成・確保、また、賃金、労働条件などの労働環境の改善に努めるとされていることから、経営者処遇改善セミナーなどに取り組むことで経営者の労働環境の改善に対する意識醸成を図っているところでございます。  県としましては、今後とも県内建設業が若者にとって魅力ある産業となるよう、中長期的な視点に立って、適正な予定価格の設定、年間を通じた公共事業の平準化やICT土工などの労働環境の改善、さらには入札契約制度の見直し、また、これまで申し上げました建設業への支援事業等に引き続き取り組んでいきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 18 ◯定松委員=建設業の方たちは、優秀な社員がどうしても欲しい、技術者が欲しいという、工事をとったんだけれども、それをする一般作業員はおっても、そういった技能職を持っている人、それから主任、そういった人材が不足している。そういったことから、年間の仕事が来ても、そういった仕事につけない。  片や、昔でありますと、半農半土木といいましょうか、農業をしながら暇なときには建設業に従事するという方々もたくさんいらっしゃったかと思います。  しかし、専門性が高くなってきた、それから、最近は機械でする建設作業が多いために、専門性を持った人たちを今後とも育てていかなければならないといった実情もあろうかと思います。  そのために県といたしましては、そういった社員の指導、それから、予算の確保に努めていかなければならないと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。  それでは次に、道路のことについてお伺いをさせていただきます。  先ほど前段に申し上げましたように、各市町では道路についての要望が大変多くございます。  その中でも、とりわけ平成二十八年度については、国道四百九十八号線若木バイパスについてお伺いをさせていただきますが、佐賀唐津道路及び国道四百九十八号の整備は、交流人口の拡大による社会・経済活動の活性化や、地域ポテンシャルの向上による企業進出、雇用機会の確保など、多くの整備効果が期待され、将来の本県の発展のためにはこれらの広域幹線道路の早期整備が望まれるところであります。  国道四百九十八号は、重要港湾伊万里港で荷揚げした輸入外材を家具メーカーが集中する佐賀市諸富町や福岡県大川市へ搬送するなど、広域的な物流はもとより、周辺の地域交流の促進が期待される重要な道路であります。  現在、若木バイパスの整備が進められているところではございますが、そこで、次の点についてお伺いをさせていただきます。  まず、国道四百九十八号の若木バイパスの整備については、どういう効果があるのか、県としてどういう認識が持たれているのかお伺いさせていただきます。 19 ◯平尾道路課長若木バイパスの整備効果についてお答えいたします。  国道四百九十八号の武雄市若木町と伊万里市間につきましては、多久方面から県道多久若木線を通って伊万里市へ向かう交通と武雄方面から伊万里市へ向かう交通とが合流することから交通量が多いものの、現道の道路幅員が狭小で歩道がなかったことなどから、これまで平成十二年度に松浦バイパス、平成二十二年度に大坪バイパスの整備を完了してきたところでございます。  若木バイパスの現道区間につきましても、交通量が多いにもかかわらず幅員が狭小であり、交通事故が多発していたことから、平成十九年度からバイパス整備に着手をしているところでございます。  若木バイパスを整備することによりまして、武雄市若木町から伊万里市までの区間の整備が完了し、伊万里港から九州横断自動車道武雄北方インター方面及び伊万里市から佐賀方面へのアクセス性が今以上に向上し、伊万里港との物流の効率化や地域間の交流が促進されるものと考えております。  また、現道区間につきましても、通過交通が若木バイパスへ転換することから交通量が減少するため、交通混雑の緩和や歩行者などの安全性が向上すると考えております。  以上でございます。 20 ◯定松委員=それでは、その道路の平成二十八年度の決算額及び事業内容というのはどのようになっているのかお伺いをします。 21 ◯平尾道路課長=平成二十八年度の決算額及び事業内容についてお答えいたします。  若木バイパスの平成二十八年度の決算額につきましては、道路整備交付金事業が前年度からの繰り越しと現年分を合わせまして八億六千二百三十万円、同事業の経済対策は、現年分のみで一千百十五万五千円となっております。  なお、平成二十八年度事業費のうち、道路整備交付金事業と同事業の経済対策を合わせました三億八千四万五千円を平成二十九年度へ繰り越しを行っております。  平成二十八年度の事業内容につきましては、用地補償並びに盛り土、ボックスカルバート及び舗装などの工事を行っているところでございます。  以上でございます。 22 ◯定松委員=三億円を超える繰り越しを出し、それは繰り越しを出すというのはそれだけ理由もありましょうが、その現在の進捗状況というのはどのようになっていますか。 23 ◯平尾道路課長若木バイパスの現在の進捗状況についてお答えいたします。  若木バイパスにつきましては平成十九年度から事業に着手しておりまして、用地買収については平成二十年度から着手し、平成二十九年十二月末に予定をしております物件移転完了をもって用地買収が完了する見込みでございます。  また、工事につきましては、平成二十一年度から着工しておりまして、これまでに橋梁やボックスカルバートなどの構造物や盛り土工事などを実施してきたところでございます。平成二十八年度末の進捗率は事業費ベースで約九二%となっております。  平成二十九年度につきましても早期供用に向けて、引き続き、橋梁、ボックスカルバート、舗装などの工事を行っているところです。  以上でございます。 24 ◯定松委員=この若木バイパスにつきましては、平成二十八年度が供用開始となっておったわけであります。私もその道路は何度か通ってみました。先月通りましたが、まだこれかなりかかるのではないかなと、まだ盛り土が完成していない部分もありますし、移転もされていないところもあるように見受けました。そういったことから、この達成できなかったものが何なのか。それと、今後どういう見通しで、新しい供用開始目標年次あたりがわかれば教えてください。 25 ◯平尾道路課長=供用目標を達成できなかった理由及び今後の供用時期について目標についてお答えをいたします。  若木バイパスにつきましては、委員御指摘のとおり、平成二十八年度の供用を目標に事業を進めてきておりましたが、移転先の確保などに時間を要した補償物件があったことから目標を達成できておりません。  しかしながら、移転先を確保できたことから、平成二十八年九月末に補償契約は完了しておりまして、対象となった物件の移転がことしの十二月に予定をされているところでございます。  物件移転が完了した後にボックスカルバートなどの構造物や盛り土などの工事に着手することとしておりまして、工事の完成には約八カ月程度要する見込みとなっております。  いずれにいたしましても、国道四百九十八号は有明海沿岸道路などと広域幹線道路ネットワークを構成する道路でございます。地域間交流のみならず、地域産業や観光の活性化の観点からも重要な道路でございます。こうしたことから、現在事業中の若木バイパスにつきましても、一日でも早く供用できるように、引き続き、しっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 26 ◯定松委員=この質問の中で、私も早くできてほしいという反面、余りにも急ぎ過ぎて欠陥が生じるようなことがないように、あの道路というのは、私、通りますと、大型のトレーラー、材木を積んだトレーラー等が通りますよね、積載量を見ておりますと、二十トンを超える車両が多く通ります。ボックスカルバート、それから、そこの継ぎ手のところとか、そういったところにはかなりの重量、振動がかかるかなというふうな気がいたしております。有明海沿岸道路芦刈南インターの二の舞をならないように、しっかりとしていただきたいなというふうに思うところでございます。  そういったことも含めて、山崎部長、この道路行政全般について気構えを聞かせていただきたいと思います。 27 ◯山崎県土整備部長=道路行政全般的なというお話でしたけど、まず、国道四九八号につきましては、課長からも答弁しておりましたけれども、やはり幹線道路ネットワークを形成する一つとして非常に重要な路線だということで、伊万里、佐賀を結ぶ、それから、伊万里、武雄という形で、主要な幹線としてしっかり取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っております。  その中では、できるだけ早く供用を目指してということで、ただ、委員から御指摘ありましたように、できるところからしっかり工事を進めて、そこはしっかりしたものを、いいものをつくっていきたいというふうに考えております。  それから、道路全般としましては、やはり幹線道路ネットワークということでしっかり県の発展の下支えをするといいますか、しっかり経済発展だったり、産業振興だったり、地域の発展をしっかり下支えをする重要な社会基盤として、しっかり今後とも予算の確保を図りながら取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 28 ◯定松委員=それでは、次の項目に入りたいと思います。  県内のダム事業についてであります。  近年、全国各地で集中豪雨が頻発して、河川の氾濫、土砂崩れなどによる被害が相次いでいるところでございます。本年七月上旬に福岡県朝倉市や大分県日田市で大規模な被害が発生しました。そういう中で、両市を流れる筑後川の上流部、幾つものダムが整備されていることから、本来機能である洪水調節はもとより、流れ込んだ流木を捉えるなど、被害の軽減に大きな役割を果たしたと聞いております。もし、これらのダムがなかったら、もっと大きな被害が下流域にも及んでいたという思いであります。  一方で、本年は嘉瀬川流域では小雨傾向となっており、農業用水や工業用水などの取水制限が今も実施されている。幸いにして県民生活や県内産業への大きな影響は出ていないと聞いております。これも嘉瀬川ダムや北山ダムに蓄えた水があったおかげでもあると思います。  このように、ダムは受水、利水に有効な重要な施設だと思いますが、民主党政権の一時期、公共事業、特にダム事業の見直しが行われ、いわゆる「コンクリートから人へ」というふうなことで事業が足踏み状態になりました。そして、廃止になった事業も幾つもありました。再び自民党政権になってから国土強靱化に取り組むなど、必要なインフラはきちんと整備し、維持管理するというあるべき姿に戻ったなという感じがするところでございます。  県内のダムについて考えますと、これから整備が予定されております城原川ダムでは、これもう何十年も昔からの計画を経て整備に向けて歩んでおったところでございますが、先ほど申し上げましたように、足踏みが長い間続いて、そして、やっと今後できるようになりました。それの機能が持続的に発揮されるようにしていかなければならないというふうに考えているところでございます。  そこで、県内のダム事業についてお伺いをいたします。  この城原川ダムにおけるダム検証についてお伺いをいたしますが、平成二十八年度に終了した城原川のダム事業の検証においては、どのような検証が行われ、そして、どのような結論に至ったのか、まずお伺いいたします。
    29 ◯横尾河川砂防課長=城原川ダムにおけますダムの検証の内容についてお答えいたします。  平成二十一年度に民主党への政権交代後、全国の事業中のダム事業につきまして、できるだけダムに頼らない治水への政策転換ということで事業の検証を行うこととなりました。城原川ダム事業につきましても検証対象ダムとなったところでございます。  城原川ダム事業の検証に当たりましては、事業主体であります国土交通省の九州地方整備局におきまして、城原川ダム事業の関係地方公共団体から成る「検討の場」が開催され、治水対策などについて議論が進められたところでございます。  「検討の場」につきましては、平成二十七年五月から平成二十八年五月まで計四回開催されておりまして、関係住民ですとか、学識経験者などの意見も聞きながら、公開の中で議論が進められております。  治水対策案の検討に当たりましては、ダム事業と河川改修をセットにしました現在の河川整備計画案でございます城原川ダム案のほか、ダムによらない十六の治水対策案が立案され、その中からパブリックコメントの結果も踏まえました概略評価によりまして、城原川ダム案を含め七つの案が抽出されました。  その後、この七つの治水対策案につきまして、安全度、コスト、実現性など、さまざまな評価軸からの評価が行われまして、この中から最も有利な案としまして城原川ダム案が示され、城原川ダム事業を継続することが妥当であるとする対応方針の案が示されました。  県では、国から対応方針の案に対する意見が求められまして、これまでの議論を踏まえて、沿川の神埼市ですとか、佐賀市の意見を伺った上で、城原川ダム事業を継続することが妥当であるとの方針について異論がない旨を国に回答したところでございます。  その後、九州地方整備局で開催されました事業評価監視委員会ですとか、国土交通省の本省のほうで開催されました有識者会議での意見を踏まえまして、昨年七月に国土交通省で城原川ダム事業を継続するという方針が決定されたところでございます。  以上でございます。 30 ◯定松委員=それでは、継続になったわけでありますが、その継続が決定したのであれば、できるだけ早くダム建設に着手しなければならないというふうに考えております。現在、この計画内容はどのようになっているのかお聞かせください。 31 ◯横尾河川砂防課長=城原川ダムの事業計画の内容についてお答えいたします。  城原川ダム事業の計画につきましては、先ほどの「検討の場」において国のほうから示されている内容になりますが、まず、城原川の治水計画といたしまして、その基準点となります日出来橋地点におきまして、筑後川水系河川整備基本方針に対応いたしました流量の毎秒六百九十トンのうち、城原川ダムで毎秒三百六十トンを低減する計画となっております。  また、ダムの諸元でございますが、今後の詳細な調査によりまして計画が決定されるわけでございますが、「検討の場」の段階におきましての諸元でいきますと、ダム高が約六十メートル、堤頂長、天端の長さになりますが、約三百三十メートル、有効貯水容量が約三百五十立方メートルの重力式コンクリートダムということで、(171頁で訂正)総事業費が約四百八十五億円となってございます。  また、その工期につきましては今後行われる詳細な検討ですとか、協議、予算の確保と入札手続、各種法手続いろいろございますが、そういったことが順調に進むということを前提といたしまして、建設事業着手から完了までに十三年間程度を要するものとされております。  いずれにいたしましても、現在、ダム計画の詳細な内容の決定に向けた調査が進められているというところでございます。  以上でございます。 32 ◯定松委員=総工費が四百八十五億円、そして、建設に約十三年かかるというふうな計画であるとお聞きいたしました。  この多くの予算を要するわけでありますが、平成三十年度の予算概算要求の内容はどのようになっていますか。 33 ◯横尾河川砂防課長=今のお尋ねの前に、済みません、先ほどの御答弁の中で、ダムの有効貯水容量でございますが、約三百五十万立方メートル、済みません、万を省いてお答えしましたので、済みません、訂正させていただきます。三百五十万立方メートルでございます。  済みません、城原川ダムの平成三十年度の予算概算要求の内容についてお答えいたします。  城原川ダム事業につきましては、昭和五十四年から実施計画調査に着手され、これまで調査が進められてきたところでございます。ことし八月の平成三十年度予算の概算要求におきまして、建設段階に移行することが内容として盛り込まれたところでございます。  これまでの実施計画調査におきまして、大まかなダムの規模などを検討するために、地質調査を初めとしましたさまざまな調査が行われてきております。今後、建設段階に移行することで、実際の工事、建設工事とそれに必要な設計ですとか、用地補償などが行われることになるかと思っております。  平成三十年度の概算要求で要求されました事業の内容につきましては、ダム本体の調査測量ですとか、つけかえ道路の設計、また、水没地域の方々の今後の生活再建に向けました生活再建調査などとなっておりまして、要求の額といたしましては五億三千万円となっております。  以上でございます。 34 ◯定松委員=内容をさっきお伺いいたしまして、ダムというのは長い年月かかるし、それから、地域住民にも多大な影響があるということは、私も嘉瀬川ダムの完成をもって知っておりますが、このダムの推進に向けた県の取り組みとして、どのように取り組んでいくのかお伺いをさせていただきます。 35 ◯横尾河川砂防課長=事業推進に向けた県の取り組みということでお答えいたします。  県といたしましては、これまでも事業推進に向けて政策提案などでさまざまな機会を捉えまして国に働きかけてきたところでございます。  まずは、概算要求で盛り込まれました建設段階への移行ということにしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。  また、ことし五月に城原川ダム事業の推進に関する沿川自治体の取り組みといたしまして、地元の神埼市、佐賀市によりまして、城原川改修・城原川ダム建設促進期成会が設立されております。県といたしましては、この城原川ダム事業の建設事業採択と必要な予算の確保、そして、より一層の事業推進について、期成会とも連携しながら今後ともさまざまな機会を捉えて、しっかりと国に働きかけてまいりたいと考えております。  また、ダム事業の推進には長年ダムの計画に翻弄され続け、現在もなお不自由な生活を強いられている水没予定地域の方々のダム事業に対する理解と協力が不可欠ということで考えております。  先日、十五日になりますが、水没地域の方々四十名の方々が生活再建に関する先例地調査ということで長崎県の諫早市で計画されております本明川ダムの事例を訪問されております。こういった地元の取り組みに対しまして、今後とも神埼市とも連携しながら、この水没の方々の生活再建に向けて、しっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 36 ◯定松委員=それでは、このダムについては県が保有している今までに整備したダムについてお伺いさせていただきます。  このダム本来の機能を継続的に発揮できるような維持管理を行っていく必要がございますが、この計画的な維持管理について県営ダムの長寿命化計画について、その内容をどういうふうになっているのかお伺いいたします。 37 ◯横尾河川砂防課長=長寿命化計画の内容についてお答えいたします。  長寿命化計画とは、ダムの機能を持続的に発揮できるように、今後五十年間で行っていくべき維持管理や設備の更新、対策などの方針と計画を策定しまして、それに基づき、年度ごとの費用と維持管理メニューを取りまとめました事業計画でございます。  まず、個別のダムごとにダムのコンクリートの損傷ですとか、劣化の状況、また、電気、機械設備の腐食の状況ですとか、動作の確認などの点検を行いまして、それを踏まえて健全性の評価を行います。その後、今後五十年間で必要とされる維持管理メニューを取りまとめた個別のダムごとの長寿命化計画を作成することになります。  その後、県営で十三ダムございますが、個別十三ダムごとの長寿命化計画で必要とされた維持管理メニューを一つの計画として取りまとめ、県全体の全体を通した十三ダム全体の視点で評価を行いまして、年度ごとの費用のばらつきですとかを平準化いたしまして、県営ダム全体の今後五十年間の維持管理スケジュールを佐賀県河川管理施設長寿命化計画のダム編という形で策定することとしております。  以上でございます。 38 ◯定松委員=それでは、この平成二十八年度の主要事項説明書の総合計画二〇一五、この指標の達成状況では実績が目標を下回っております。これまでの取り組みはどうなっているのかお伺いいたします。 39 ◯横尾河川砂防課長=これまでの取り組みということでお答えいたします。  個別ダムの長寿命化計画は平成二十六年度から策定に着手いたしまして、専門家の大学教授とかの意見を伺いながら点検や評価を行ってまいりました。平成二十八年度末までに六ダムの個別計画を作成したというところでございます。  委員御指摘のとおり、総合計画二〇一五に掲げました目標の平成二十八年度末策定目標十ダムに達していない状況となっております。現在、平成二十八年度の経済対策事業の予算で、残りの七ダムの長寿命化計画の策定に着手しているという状況でございます。  以上でございます。 40 ◯定松委員=この十三ダムのうちの六ダムが、今、計画が作成できて、あとの七ダムがまだということで、それについてどのように取り組んでいくのか、今後のスケジュールを教えてください。 41 ◯横尾河川砂防課長=今後の取り組みということでお答えいたします。  平成二十八年度の経済対策で策定中の個別の七ダムの長寿命化計画を年度内に作成するということで作業を進めているところでございます。これによりまして、十三ダム全ての個別の長寿命化計画がそろうことになります。  県営ダム全体の長寿命化計画といたしましては、十三ダムの計画を一つに取りまとめる必要があります。このため、今後、十三ダムの個別計画で必要とされる維持管理メニューを一つに取りまとめまして、全体を通した視点で評価を行い、年度ごとの費用のばらつきを平準化いたしまして、全ダムの長寿命化計画、すなわち先ほど申しました佐賀県河川管理施設長寿命化計画のダム編の素案を作成するということにしております。  平成三十年度には、この素案を佐賀県公共事業評価監視委員会に諮りまして、承認を得た上で、県営ダム全体としての計画であるものとして策定予定でございます。  いずれにいたしましても、目標としている平成三十年度の長寿命化計画策定に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 42 ◯定松委員=それでは、次の項目に入ります。  県は、住宅に困窮する低所得者の方々に対して、安い家賃で住宅を供給する、このことを目的に県内各地に県営住宅を建設されております。  県営住宅があることによって、低所得者の方々が救われており、中でも雇用形態が非正規社員、またはパートタイムであることが多い上に、お子さんに出費がかさむひとり親世帯の方々にとっては、住宅費の支出を低く抑えて、教育費等に振り向けることができることから、この県営住宅はなくてはならないものであると思っております。  実際には、県営住宅に入居されておるおよそ六千世帯、そのうち一千世帯近くがひとり親世帯であるというふうに聞いておるところでございます。  その一方で、県営住宅は低所得者の方々を対象としている上に、家賃の滞納のリスクが高いというふうに考えておるところでございます。この家賃滞納を放置することは、県営住宅に入居し、きちんと支払っておられるひとり親世帯を初めとする住宅確保に配慮を要する方々の家賃支払い意欲を低下させるということが考えられます。その発生防止、解消が重要と考えておりますので、次の点をお伺いいたします。  県営住宅家賃の収入未済額、過去十年間の推移はどのようになっているのかお伺いいたします。 43 ◯永田建築住宅課長=県営住宅家賃の収入未済額の過去十年間の推移についてお答えをいたします。  県営住宅家賃の収入未済額の過去十年間の推移を見てみますと、緩やかな減少傾向をたどっておりまして、この十年間でおよそ一割減少をしているところでございます。  具体的には、平成十九年度の収入未済額がおよそ一億五千四百万円であったものが、平成二十二年度にはおよそ一億四千九百万円、さらに平成二十七年度には一億三千六百万円となり、平成二十八年度も同額でございました。  以上でございます。 44 ◯定松委員=この滞納者の特徴や傾向について、わかれば教えてください。 45 ◯永田建築住宅課長=家賃滞納者の特徴や傾向についてお答えをいたします。  平成二十八年度末における滞納者総数は六百一名であり、そのうち、現在も入居するものが百七十六名、既に退去している者が四百二十五名となっております。なお、滞納者総数は平成二十七年度末時点に比べまして三十四名減少をしているというところでございます。  滞納者の特徴や傾向としましては、滞納の理由に着目しますと、滞納者総数六百一名のうち、低収入、病気・事故、失業等による生活困窮を理由とする者がおよそ六割を、続いて行方不明がおよそ二割を占めており、それ以外の理由としましては事業不振、破産、死亡などというふうになっているところでございます。  以上でございます。 46 ◯定松委員=平成二十八年度につきましては、現年度分は五百九十九万八千九百七円、うち過年度分が一億三千万円ということで過年度分がかなり多い。その年の部分の家賃では、これは九九・四%でしたか、そういったことでその後の〇・六%だったかと思いますが、その方たちの滞納の特徴や傾向についてお伺いをさせていただきましたが、この収入未済額の発生防止及びその縮減のためにはどのような取り組みを行っているのかお伺いします。 47 ◯永田建築住宅課長=収入未済額の発生防止及び縮減の取り組みについてお答えをいたします。  まず、発生防止のための取り組みとしましては、一つ目として家賃納入の利便を図るため、口座振替の推進を行っております。二つ目が、生活保護世帯につきましては、代理納付、いわゆる天引き納付を推進しているところでございます。三つ目でございます。入居時における連帯保証人の確認の徹底も図っているというような状況でございます。最後に、入居者の収入の変化等に応じました減免制度利用の勧奨を行っているところでございます。  次に、縮減のための取り組みとしましては、滞納者に対して督促、訪問による早期の納入指導、徴収等を行うとともに、収入状況等に応じた分割納入の相談等に応じているところでございます。また、連帯保証人に対しても督促を行っております。  以上の取り組みを行っても、滞納を解消できない場合や滞納者自身に誠意がなく、悪質な場合につきましては、明け渡し訴訟等の法的措置を行っているところでございます。  なお、明け渡し訴訟等の法的措置につきましては、平成十六年二月議会におきまして、知事専決事項として御指定をいただいたことにより、早急な対応ができるようになったことから、より積極的な運用を行っているというところでございます。  一方、既に退去している者による滞納額が、滞納額全体のおよそ九割に達しているということから、これらの滞納者に対する取り組みを強化するために、平成二十一年四月から、債権回収のノウハウを持つサービサー(債権回収会社)に収納業務を委託したところでございまして、これまでに八十三人の滞納者について、およそ三百万円を回収しているという状況でございます。  これまでの取り組みにより、収入未済額は着実に減少を続けてきておりまして、これを今以上にふやさないための取り組みをしっかりと継続していかなければならないというふうに考えております。  また、県営住宅は低所得者の方を入居対象としていることから、今後とも低所得者の方の生活相談指導を行っております福祉部局ともしっかり連携しながら、収入未済額の発生防止及び縮減に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 48 ◯定松委員=今後とも徴収については御努力をお願いいたします。  それでは、次の最後の項目でございます。  警察行政についてお伺いいたしますが、まず、犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくりの推進についてお伺いをさせていただきます。  県内の犯罪情勢につきましては、刑法犯の認知件数が平成十五年度をピークに減少傾向にあります。昨年まで二年連続で戦後最少を更新し、本年もさらに減少傾向であると聞いております。その一方で、空き巣等の住宅侵入窃盗、自転車盗などでは、無施錠による被害の割合が全国平均と比較しても高い現状にあると聞いております。  私も同様でございますが、特に農村部では、昔から家に鍵をかけずに外出したり、車に鍵をかけないままといいましょうか、車に鍵をそのままつけながら、駐車しているという方もおられます。自宅や車の中から貴重品などがなくなっていることにも気づかないというふうな、まさにこういった犯人にとりましては天国の状況をつくってしまっているような気さえするところでございます。  こうした要因の一つとして、地域住民の防犯意識の低さから、安全・安心なまちづくりを推進する上で、県民の防犯意識の醸成は極めて大切であると考えております。  また、近年大きな社会問題となっておりますオレオレ詐欺、いわゆるニセ電話詐欺、その被害についても高齢者が言葉巧みに犯人からだまされ、高額被害に遭うなど、依然として被害が深刻な状況にある。しっかりと県民一人一人の防犯意識を醸成させ、社会全体の犯罪に対する抵抗力を高めることが必要であります。  そこで、県警察に対して、次の点をお伺いいたします。  まず、県内の犯罪の現状はどのようになっているのかお伺いをさせていただきます。 49 ◯陣内生活安全企画課長=県内の犯罪の現状についてお答えいたします。  昨年の県内における刑法犯の認知件数は五千八十九件と、平成十五年のピーク時一万四千三百五十一件と比べまして、約三五%まで減少しており、本年に入ってからも十月末現在で認知件数が三千六百八十七件、前年同期比マイナス六百六十六件と減少傾向で推移しております。  そのうち、県民にとって身近な犯罪である空き巣や自転車盗などの窃盗犯が、全刑法犯の約七三%を占めておりまして、中でも自転車盗六百七十四件、万引き六百十八件、車上狙い百八十二件、空き巣百七十件などが高水準で発生しているほか、ニセ電話詐欺の被害も後を絶たないなど、依然として深刻な状況にあります。  以上であります。 50 ◯定松委員=先ほど述べられたような現状を踏まえて、県民の防犯意識の醸成のために県警はどのように取り組んでおられるのかお伺いします。 51 ◯陣内生活安全企画課長=県民の防犯意識を高める取り組みについてお答えいたします。  県民の方々が犯罪の被害に遭わず、安全で安心な生活を送っていただくためには、まずは身の回りでどのような犯罪が発生しているのか、また、どのような防犯対策が必要なのか、これらのことをいち早く知っていただくことが大切であると考えております。  また、委員御指摘のとおり、県内では鍵をかけずに盗難被害に遭う無施錠率が全国平均を上回っている実態もありまして、みずからの安全はみずから守るという意識を高めることが必要であると考えております。  そのため、県警察では、犯罪の発生状況や確実な鍵かけなどの防犯対策について、さまざまな媒体を活用した広報を行っておりますほか、安全・安心に関する覚書を締結するなどして、自治体、各種団体、企業などとの防犯ネットワークを整備し、積極的な情報発信や情報交換を行っております。  また、地域住民によるパトロールなどの防犯ボランティア活動や企業の防犯CSR活動に対する支援を行うことなどにより、県民の方々の防犯意識を高めまして、地域社会が一体となった犯罪抑止対策を推進しているところでございます。  その一例として、本年度は県教育委員会や高校などの関係機関や企業と連携いたしまして、自転車盗の被害が多い高校生を対象とした「自転車盗られんばい!高校生鍵かけグランプリ」と称するキャンペーンを開催しておりまして、これらを通じまして、高校生の防犯意識を高めて、鍵かけの習慣化を図っているところでございます。  以上であります。 52 ◯定松委員=そういった日ごろからの県警察の御努力が実ってといいましょうか、犯罪件数がずっと減少してきていることには、本当に感謝を申し上げます。  それでは、次に、ニセ電話詐欺の被害の現状についてお伺いいたしますが、そういった努力を鋭意されておる。  それから、金融機関等のそういった関係団体もしっかりと協力体制をとっているにもかかわらず、被害が深刻になってきておりますが、どのような現状にあるのかお伺いします。
    53 ◯陣内生活安全企画課長=ニセ電話詐欺被害の現状についてお答えいたします。  昨年の県内におけるニセ電話詐欺被害の状況につきましては、認知件数は六十九件、被害総額は約二億二千五百万円と、一昨年に引き続きまして二年連続で被害総額が二億円を超え、過去最悪となりました。  また、本年十月末現在では、認知件数は五十八件、被害総額は約一億三千百万円と、依然として高水準で被害が発生しているところであります。  以上であります。 54 ◯定松委員=それでは、その被害の特徴というのはどういうものがあるのかお伺いします。 55 ◯陣内生活安全企画課長=ニセ電話詐欺被害の特徴についてお答えいたします。  本年十月末までに認知したニセ電話詐欺の五十八件のうち、最も多い手口は有料サイトなどの利用名目の架空請求詐欺が二十六件、次いで息子や孫を語るオレオレ詐欺が十五件となっております。続きまして、医療費などの還付名目で店舗外ATMに誘い出す還付金等詐欺が十四件でありまして、この三つの手口で認知件数全体の約九五%を占めております。  また、五十八件のうち、年齢別では六十五歳以上の高齢者被害は三十七人でありまして、全体の約六四%を占めております。また、男女別では、女性が四十人で、全体の約六九%を占めるなど、高齢者や女性が被害者となる割合が高くなっている現状であります。  以上であります。 56 ◯定松委員=それでは、このような現状を踏まえて、県警はどのように取り組んでいくのかお伺いします。 57 ◯陣内生活安全企画課長=県警察における今後の対策についてお答えをいたします。  県警察では、ニセ電話詐欺の被害防止に歯どめをかけるため、昨年四月から「佐賀ん者(もん)は、だまされんばい!プロジェクト」を推進しておりまして、ニセ電話詐欺の被害に遭わないための広報啓発や金融機関、コンビニエンスストアなどと協働した水際で被害を阻止するための対策を推進し、被害の未然防止などに取り組んでおります。  具体的には、新聞やテレビ、あんあんメールなどの各種広報媒体などを通じまして、ニセ電話詐欺の手口や防犯対策について、タイムリーに情報発信をしているほか、警察官による防犯講話や寸劇などを実施して、高齢者にもわかりやすい広報などに努めているところでございます。  また、犯人からの電話に出ないことを徹底するために、高齢者世帯への留守番電話機能の常時設定、あるいは優良迷惑防止機能つき電話の設置などについて、高齢者の方はもとより、その子供世代、孫世代にも巡回連絡などを通じて働きかけております。  水際対策では、犯人から予兆電話、いわゆる犯罪の予兆を感じさせる電話があった場合に、金融機関に対する迅速な情報発信を行っておりますほか、高額払い戻しの顧客に対する適切な声かけや、警察への積極的な通報をお願いしているところであります。  また、医療費などを還付する名目でATMに誘い出されて被害に遭う還付金等詐欺を防止するため、県内の金融機関に対しまして、一定条件の高齢のお客様について、ATMによる振り込みを制限するよう要請しましたところ、本年八月から順次、県内の各金融機関において、振り込み制限が開始されているところであります。  このほか、コンビニエンスストアで販売されている電子ギフト券を悪用した架空請求詐欺なども増加傾向にあります。こういうことから、県内のコンビニエンスストアに対して、電子ギフト券購入者への積極的な声かけなどを要請しているところであります。  以上でございます。 58 ◯定松委員=県内での犯罪件数、それから全体の犯罪件数が少なくなっているという現状、これは今後とも鋭意努力されて減少傾向を続けていかなければならないと思っていますし、交通事故につきましても、佐賀県は汚名を返上しなければならないというふうなことでもございます。しっかりと佐賀県、県警、総力を挙げてこのことに努力をしていただきまして、そのことをお願いして私の質問を終わります。 59 ◯野田委員=皆さんおはようございます。県民ネットの野田でございます。決算特別委員会は私二回目でございますけれども、この県土部門におきましては初めての質問ということになりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、今回、三つの質問をさせていただきますけれども、まず第一問目であります。美しい景観づくりについてであります。  我が佐賀県には、山、川、海など、地域ごとに特徴の違うさまざまな自然があり、また古い建物や伝統産業にまつわる建物など、昔の町並みの姿が色濃く残っていることから、美しい景観を数多く持っている日本の原風景のある県であると常々思っているところであります。  こうしたことから県では、この美しい景観が守り育てられている姿を目指して、地域の自然や町並みの景観、建造物が保存・活用されるよう、美しい景観づくりの取り組みを進められているところであります。  私はこれまで、さまざまなまちづくりにかかわってまいりましたが、市町や地域住民の自発的な美しい景観づくりは、まちづくりの第一歩であり、そこからの意識の醸成が、やがて地域づくりや地域活性につながる可能性を秘めた、とても重要なことであり、よりよいものにつながっていくものと信じているものであります。  そこで、総合計画二〇一五の指標の達成状況に基づき、それぞれお尋ねしたいと思います。  まず、重要交差点における禁止広告物の状況についてであります。  美しい景観づくりへの阻害要因の一つとして、重要交差点、これは県内に二百十二カ所もあります。この交差点に設置された禁止広告物が挙げられることから、重点的な是正指導に取り組み、撤去が進んでいるものと考えているところです。  まず、この進捗状況についてでありますが、禁止広告物の撤去指導などの進捗状況はどのようになっているのかお伺いいたします。 60 ◯福岡都市計画課長=禁止広告物のない重要交差点の進捗状況についてお答えいたします。  屋外広告物につきましては、その周辺の景観との調和を図り、交差点での交通安全を確保する必要があることから、重要な交差点において屋外広告物の設置を規制しているところでございます。  具体的には、二車線以上の国道、または県道が交差し、信号機が設置されております交差点を重要交差点と位置づけておりまして、禁止広告物の撤去に力を入れているところでございます。  総合計画二〇一五におきましては、平成三十年度までに禁止広告物のない重要交差点の割合を九五%にすることを目標としております。平成二十八年度末におけます禁止広告物のない重要交差点の進捗状況につきましては、県が所管する区域における重要交差点二百二十五カ所のうち、二百六カ所の撤去が進んでおります。目標としております九〇%に対して、それを上回る九二%となっているところでございます。  以上でございます。 61 ◯野田委員=目標達成ということでございますけれども、お尋ねいたします。こういった突出した違反の多い地域、市町というのは、ありましたらお伺いいたします。 62 ◯福岡都市計画課長=まだ禁止広告物が撤去されていない重要交差点、残り十九カ所ございますけれども、このほとんどが──ほとんどといいますか、主に西部のほうでございます。土木事務所の管内でいきますと、唐津土木、伊万里土木、杵藤土木、こちらのほうがほとんどといった状況でございます。 63 ◯野田委員=中央じゃなくてほっとしたところです。  こういった難しさというところも非常にあるかと思います。登録してある業者数、私、県内の情報を見ますと、五百五十九の登録業者数があるように載っていました。それに対して、こういった禁止広告物の撤去は主に県のほうでなさっていらっしゃるということでありますし、協力をいただいているボランティアというのはわずか九団体ぐらいしかないということで、そういった面での非常になかなか難しい面があると思うんですけれども、できましたら、そういったところをしっかりとお話をお伺いしたいと思います。 64 ◯福岡都市計画課長=確かに残された禁止広告物につきましては、なかなか撤去指導、是正指導が進んでいないといった状況がございます。  業者数、五百五十業者ということで今御意見ございましたけれども、業者の数で幾ら違反しているかというところは、ちょっと今、資料を持っておりませんけれども、いずれにしましても、残された禁止広告物につきましては、我々としても、これまで協力していただいた方もおられますので、何とか撤去に応じていただきたいというふうに思っているところでございます。 65 ◯野田委員=現場の声をちょっと聞いたところ、非常にやっぱり逆に文句を言われたりとか、そういったところもあるような大変さが、交渉の中にも、あるいは注意喚起をする中にも結構あっているんだなというふうに私は感じた次第です。  こういった重要交差点、あるいは禁止広告物の対応については、本当に困難なものがあるというふうに思っているところです。今後どのような取り組みをなさっていかれるのかお尋ねいたします。 66 ◯福岡都市計画課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  重要交差点に設置されております禁止広告物につきましては、これまでも土木事務所におきまして粘り強く是正指導を行ってきておりますが、どうしても撤去に応じていただけない案件もございます。  このようなことから、重要交差点を初めとした禁止区域等における屋外広告物の撤去や設置許可申請の指導を強化するため、土木事務所の非常勤職員の配置見直しを行いまして、平成二十九年度から屋外広告物業務に精通し、訪問指導の実績のある非常勤職員四名から成ります屋外広告物適正化チームを都市計画課内に設置したところでございます。  この屋外広告物適正化チームの設置により、集中的な訪問指導に取り組んでいるところでございまして、重要交差点において、これまで撤去に応じてもらえなかった禁止広告物につきましても、撤去が少しずつ進んできているといった状況にございます。  今後とも、重要交差点におけます禁止広告物につきましては、既に撤去に応じた方との公平性を保つといったことから、強い姿勢で撤去指導に臨み、平成三十年度までに掲げております目標の達成に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 67 ◯野田委員=土木事務所において、非常勤の方四名のチームとかいうことで対応していかれることも本当に大変だろうなというふうに感じている次第です。  近隣の県、例えば、長崎、福岡なんかを見ると、県から市町への権限の譲渡で、結構市町の方のほうに譲渡されているような状況も見受けられているところです。県としてこのあたりは、市町への譲渡に対してですけど、これに関してはどういったお考えをお持ちでしょうか、お尋ねいたします。 68 ◯福岡都市計画課長=屋外広告物行政事務の市町への権限移譲というお尋ねでございます。  佐賀県におきましては、現在、佐賀市におきまして、市の独自の条例をもって、今、屋外広告物の事務をされておりますけれども、また武雄市につきましても権限移譲を行っているところでございます。そのほかの市町に対しましても、こういった景観に関する業務でございますので、住民に最も近い基礎自治体でございます市町において取り組んでいただきたいという気持ちは持っておりますので、そういったお話も各市町のほうにさせてもらっているところでございます。  ただ、まだなかなか受けていただけないというところが実情でございまして、こういったお話は引き続きさせていただきたいというふうに思っております。 69 ◯野田委員=私もこれは地元に聞いてみたんですけど、「えっ、それは県のこと」みたいな、そういう話があったものですから、ちょっと我が町の、今おっしゃられた、もう本当に自分の足元のことですから、まして、その中で生活をしていれば、悪質であったり、違反であったりというのはすぐ目につくわけですよね。  ですから、これはぜひ市町譲渡といいますか、こういった方向に持っていっていただければなというふうに思っているところです。市町にはいろんなボランティアの方もいらっしゃいます。何も行政ばっかりが汗をかかなくても、いろんな形での総合力でまちづくりという意味におきまして、必要なことじゃないかなというふうに思っています。  それから、もう一つ肝心なことなんですけれども、これは私がよく、自分がなってから気づくんですかね、我々議員のポスターというのが非常に景観、なりふり構わずに張ってあるなというふうに、このごろ特に感じます。里山風景の穏やかなところにポスターがあったり、看板があったり、あるいは、人集う町の中に、ここは事務所かな、それとも何屋さんかなというような、こういったことも私たちも少し自分たちを戒め、あるいは、新しい視点を持って今後の取り組みも考えていかんといかぬのかなというふうに感じております。  こういったことは私たち議員のことですからあれですけれども、本当に景観ということは、今からいろんな人たちが県内外、動く状況であります。ましてや、これは後からも言いますけれども、国体に向けて、あるいは来年から明治維新とか、こういった大きな行事がずっと続きます。だからこそ、まちづくり、景観づくりというのは非常に大切なものではないかというふうに思っております。  それでは、二番目です。景観法を活用した市町の取り組みについてお尋ねいたします。  住民に最も近いところにある市町が、景観への意識を持ってしっかりと取り組むことにより、地域の魅力を生かした景観づくりが進んでいくものと考えているところです。景観法を活用した取り組みの概要について、どのようなものがあるかお尋ねいたします。 70 ◯福岡都市計画課長=景観法を活用した取り組みの概要についてお答えいたします。  平成十六年に国におきまして、美しく風格のある国土の形成や潤いのある豊かな生活環境の創造などを目的とした景観法が新たに制定され、市町が景観に関するさまざまな取り組みを実施できるようになっております。  これに伴いまして、市町は景観行政の主体となる景観行政団体への移行が可能となったほか、移行した市町におきましては、良好な景観形成に向けた景観計画の策定、地域住民が景観上のきめ細かなルールを定めた景観協定の認可、地域における景観上、重要な建造物を保存するための景観重要建造物の指定などの取り組みができるようになってございます。  以上です。 71 ◯野田委員=それでは、これまでの取り組みについてお尋ねいたします。  これまで取り組まれて、その成果はどのようなものになっているのかお伺いいたします。 72 ◯福岡都市計画課長=これまでの取り組みの成果についてお答えいたします。  これまでに景観行政団体に移行しました市町は、佐賀市、唐津市、多久市、武雄市、小城市、嬉野市、この六市となってございます。  また、景観計画につきましては、平成二十八年度に唐津市におきまして、景観づくりを特に推進する重点区域に、城内地区と曳山通りを追加する内容で景観計画が改定されております。  これまで佐賀市や唐津市など四つの市におきまして、五件の策定や改定が行われているところでございます。  このほか、景観協定の認可につきましては、佐賀市と唐津市で二件、景観重要建造物につきましては、佐賀市と唐津市におきまして六件が指定されております。平成二十八年度末におきます目標数である十九件を達成しているところでございまして、市町における景観を活用した取り組みが広がってきている状況にございます。  以上でございます。 73 ◯野田委員=市町が取り組む景観づくり、やはり、たくさんの方がかかわるものであります。各市町での取り組みが非常に個性的というか、特徴的なまちづくりを一生懸命されているなというふうに私は感じた次第です。  では、今後の取り組みでございます。市町の取り組みの推進に向けて、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 74 ◯福岡都市計画課長=今後の市町の取り組みの推進についてお答えいたします。  景観法を活用した市町の取り組みを推進していくためには、景観計画の策定を初めとしました、景観に関するさまざまな取り組みができる景観行政団体へ移行する市町の数をふやしていくことが重要と考えております。  また、景観行政団体となった市町においても、地域の特性に応じた景観づくりへの取り組みを進めていく必要があると考えているところです。  県におきましては、住民に最も身近な行政主体であります市町が景観づくりに取り組むことは、そこに訪れたい、住み続けたいと言ってもらえるような地域づくりにつながる重要な地域戦略の一つであると考えておりまして、こうしたことを市町に示しながら、引き続き景観行政団体への移行を働きかけるとともに、移行後の景観計画の策定や良好な景観が形成されている地区での無電柱化の取り組み、こういったことに要する経費に対して支援を行っていきたいと考えております。  以上でございます。 75 ◯野田委員=ぜひ多面にわたるサポートをお願いしたいと思っています。  それでは、次の質問です。二十二世紀に残す佐賀県遺産についてお尋ねいたします。  数年前に佐賀県遺産という言葉を聞いて、私は本当に身震いまではいかなかったんですけれども、非常に感動を覚えた言葉でありました。我が佐賀県にも、遺産としてしっかりと誇れるものがこうやって認められる形になる仕組みがあるんだということに大変喜びを感じた次第です。  地域の魅力を生かした美しい町並みの保全や活用のため、佐賀県の遺産としての認定が着実に進んでいっております。制度の概要について、どのようになっているのかお尋ねいたします。 76 ◯福岡都市計画課長=佐賀県遺産制度の概要についてお答えいたします。  平成十六年の景観法制定に伴い、美しい景観づくりへの機運を高めていく必要があることから、平成十七年度に佐賀県独自の制度としまして、二十二世紀に残す佐賀県遺産制度を創設しております。  この制度では、県民の郷土に対する誇りや愛着を育み、活力ある佐賀県をつくるために、酒蔵や古民家などの地域のシンボルとなっている貴重な建造物や、棚田や古木の森などの美しい景観を呈する地区を二十二世紀に残す佐賀県遺産として認定し、その保存や活用を推進していくこととしております。  まず、佐賀県遺産の認定に当たっては、市町及び地区の代表者から申請された内容につきまして、文化的な価値を有すること、歴史や風土、地域住民とのかかわりにまつわる物語があること、二十二世紀に残していくための保存活用に取り組んでいること、この三点を認定基準として審査を行い、美しい景観づくり審議会への諮問、答申を経た上で認定を行っております。  次に、佐賀県遺産の保存活用に当たっては、建造物の屋根や外壁などの修理に要する経費や、地区におけます景観の保全や活用を推進する活動に要する経費に対しまして支援を行うことにより、保存活用を推進しているところでございます。  以上でございます。 77 ◯野田委員=本当に力強い事業だなというふうに思っています。  それでは、これまでの取り組みについてお尋ねいたします。  これまでの取り組み、そして、その成果、どのようになっているのかお尋ねいたします。 78 ◯福岡都市計画課長=これまでの取り組みの成果についてお答えいたします。  まず、佐賀県遺産の認定につきましては、平成二十八年度は唐津市中心部にございます町なかの交流施設「中町CASA」とウナギ料理店であります「竹屋」の二軒の建造物について、地域のシンボルとして地域住民に親しまれてきた歴史、今後も保存活用が見込まれるということから、新たに認定を行っております。  このことによりまして、佐賀県遺産の認定件数は四十七件となりまして、平成二十八年度末の目標を達成してございます。  なお、佐賀県遺産の保存・活用につきましては、平成二十八年度は佐賀市の野中烏犀圓、多久市の西渓公園寒鶯亭、鹿島市の馬場酒造場、江北町の関川家住宅の合わせて四件の建物の外観修理への支援を行ったところでございます。  以上でございます。 79 ◯野田委員=いろんな御支援を頂戴しております。我が町の西渓公園の寒鶯亭、これも非常に歴史ある建物でありますし、日本庭園の中に建った建物、非常に由緒ある建物であります。  こういった活用、あるいはこういった風景というか、そういった中にあるものへの支援というのは、今後、四十七カ所あるということですけれども、やはり、こういったものをどう生かしていくかというのは、また違うところの活用というのもあると思いますけれども、いわゆる佐賀県全体のDMO的な考えからいきますと、非常に大切な力強い事業、御支援だというふうに思っています。私たち各地域でこういったものを生かして地域活性に結びつけていく、こういったものへの意識向上もぜひ伝わっていくことを強く願うものであります。どうぞこれからもこの事業の推進、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、市町への取り組みの推進についてであります。  市町の取り組みの推進に向けては、どのような形で取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。 80 ◯福岡都市計画課長=佐賀県遺産につきまして、市町の取り組みについてお答えいたします。
     県では、佐賀県遺産の認定を通じまして、地域に暮らす人々の誇りを顕彰し、景観に対する意識の醸成につなげていきたいというふうに考えております。このため、県内二十市町全てにおいて、少なくとも一件以上の佐賀県遺産があるようにしたいと考えているところでございます。  こうしたことから、各市町と連携をしながら、次の佐賀県遺産につながるような地域資源の掘り起こしに取り組んでいるところでございます。  また、歴史的な建造物が少なく、掘り起こしが難しいところにつきましては、例えば、玄海町の浜野浦の棚田のように里山の原風景を残している地区についても、美しい景観を呈する地区として認定することができるといった助言も行っているところでございます。  今後とも、佐賀県遺産の認定や保存・活用への支援を行っていくことによりまして、県民共通の財産でございます美しい景観や歴史的な町並みが次世代に引き継げるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 81 ◯野田委員=どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、大きな項目の二番目の質問に入らせていただきます。住宅の耐震化についてであります。  昨年四月に発生した一連の熊本地震での家屋の倒壊を初めとする住宅の被害棟数は、七万棟を超す大きな被害とも言われております。  この地震で、県内では六市町で震度五以上を記録したものの、住宅・建築物の倒壊などの大きな建物被害はありませんでした。  しかし、本県においても、大規模な地震が発生する可能性が十分にあることを改めて認識させられた次第です。  また、県内には、震度七以上の地震を引き起こす可能性のある断層帯が存在することからも、住宅を含む民間建設物の耐震化を早急に進める必要性が高まっていると考えているところであります。  県では、平成二十五年十一月施行の国の「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の改正に基づき、地震被害の低減や発生後の対応の円滑化に対し、住宅等、多数の者が利用する建築物の耐震化の推進を図られておるところであります。  平成二十八年度の決算主要事項説明書によりますと、住宅の耐震診断補助の利用実績は、目標二百戸に対し、実績四十戸となっており、住宅の耐震化はおくれているのではないかと感じた次第であります。  人は、年月とともに大災害があったことといえど、次第に危機感は薄れてまいります。県民の意識への呼びかけも月日とともに難しくなっていくのではないかと危惧する所存であり、これからのより一層の取り組みを期待するものであります。  そこで、次の点について質問いたします。  住宅の耐震化についてであります。  住宅の耐震化の現状について、どうなっているのかお尋ねいたします。 82 ◯永田建築住宅課長=住宅の耐震化の現状についてお答えをいたします。  本県における住宅の耐震化率は、総務省の住宅・土地統計調査によりますと、平成十五年では六六・二%、平成二十五年では七四%となっておりまして、同年の調査結果をもとに平成二十七年度末の耐震化率を七七・八%と推計しておりますが、これは全国平均の耐震化率の最新データでございます平成二十五年度の八二%というものが出ておりますが、これと比較しても、耐震化がおくれているというふうな状況にございます。  以上でございます。 83 ◯野田委員=確かに佐賀県は地震も少なく、なかなか地震に対しての危機感というところは余り高くないというのは、恐らく皆さんの共通認識だというふうに思っています。  それでは、住宅の耐震化に向けた取り組みについてお尋ねいたします。  どのような取り組みを行ってこられたのでしょうか、お尋ねいたします。 84 ◯永田建築住宅課長=住宅の耐震化に向けたこれまでの取り組みについてお答えをいたします。  県では、平成二十年度から国の補助制度でございます住宅・建築物安全ストック形成事業を活用しまして、住宅の耐震診断に対する補助を行う市町へ支援を行ってきたところでございます。  さらに、昨年十一月からは、熊本地震の発生による県民の地震対策に対する意識の高まりを受けまして、効果的に住宅の耐震化を進めるため、平成三十年度までの時限措置としまして、耐震診断に対する補助を行う市町への補助制度を拡充し、所有者の負担を三分の一から六分の一へと軽減しているところでございます。  あわせまして、耐震改修に対する補助を行う市町への補助制度を新たに創設しております。  なお、補助制度を設けております市町は、昨年度末時点で耐震診断は九市町、耐震改修は二市となっております。  また、住宅所有者に対し、県のホームページ、県民だより、それから、新聞広告等による情報提供や佐賀県安全住まいづくりサポートセンターによる無料出前相談の実施等によりまして、耐震化の必要性の普及啓発を実施してきたところでございます。  以上でございます。 85 ◯野田委員=今おっしゃられたように、確かに昨年度の後半からの事業ということもあって、この診断の目標に対するものが非常に目についたので、この質問に入らせていただきました。  住宅の耐震診断補助についてお尋ねいたします。  住宅の耐震診断補助の利用実績目標設定の考え方についてお尋ねいたします。どのような考え方で設定されるのでしょうか。 86 ◯永田建築住宅課長=住宅の耐震診断補助の利用実績目標の設定、この考え方についてお答えいたします。  県では、昨年度の佐賀県耐震改修促進計画の改定に当たりまして、住宅の耐震化率の目標を国の目標に沿いまして、平成三十七年度末までに耐震性が不十分な住宅のおおむね解消ということで設定をさせていただいております。  この目標達成に向けまして、平成二十五年度住宅・土地統計調査によります耐震診断の実施状況をもとに、支援が必要とされる住宅戸数を推計いたしまして、耐震診断補助の利用実績目標として設定しているところでございます。  以上でございます。 87 ◯野田委員=その数字がわかれば教えていただけますでしょうか。 88 ◯永田建築住宅課長=具体的な件数についてお答えをいたします。  まずは、具体的に今現在の目標設定でございます。  平成二十八年度までの累計実績が二百件、それから、平成二十九年度までの累計を九百件、それから、平成三十年度までの累計を二千三百件というふうに設定しているところでございます。  この目標につきましては、平成二十五年の住宅・土地統計調査をもとに推計しました耐震性が不足している住宅戸数、これが約九万戸、昭和五十六年以前にございました。この数字から十年後、建てかえ、それから、空き家化、除却などによります自然減のことですね、これを差し引いて、利用実績の目標を設定しているというところでございます。  毎年度の目標件数につきましては、当然、初年度から急に上がるというものではございませんので、徐々に上がるような目標設定にしているところでございます。  以上でございます。 89 ◯野田委員=昭和五十六年以前の建物が該当ということであります。かなり県内にはあるのではないかなというふうに感じた次第です。  こういったことに対する耐震診断の推進でございますから、結構大変じゃないのかなというふうに思っている次第でございます。  続きまして、住宅の耐震診断補助の利用実績について、具体的にどうなっているのかお尋ねいたします。 90 ◯永田建築住宅課長=耐震診断補助の利用実績についてお答えをいたします。  実績につきましては、平成二十年度から平成二十七年度までの八年間の合計が十六件であったものが、平成二十八年度は四十件と増加しておりますけれども、当年度の目標でございます二百件には届いておりません。  以上でございます。 91 ◯野田委員=長年十六件だったのが昨年度は四十件になったということで、これはこれなりの効果が出始めたというふうに感じています。  それでは、達成しなかった原因について、要因がありましたらお伺いいたします。 92 ◯永田建築住宅課長=目標を達成しなかった要因についてお答えいたします。  利用実績が目標を達成しなかった要因としましては、本県ではこれまで大きな地震が少なく、熊本地震においても、住宅倒壊などの被害がなかったということから、地震対策についての県民意識がまだまだ低いということがまずあるというふうに感じております。  また、耐震診断に係る所有者負担を軽減するための補助制度を設けた市町が昨年度末で九市町にとどまったということも原因ではないかというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 93 ◯野田委員=やはり全体的な、今までの自然災害が少ないという意味において意識が低いというところが私も一番の問題じゃないかなというふうに考えております。  二百件の達成目標に対して四十件、五分の一でありますので、これを今後進めていくには、結構大変じゃないかなというふうに危惧するところであります。  今後、県は住宅の耐震化を進めていくため、どのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。 94 ◯永田建築住宅課長=今後の取り組みについてお答えをいたします。  県としましては、住宅の耐震化を進めていくためには、まずは御自身の住宅が地震に対して安全かどうかを知っていただくことが必要であるというふうに考えております。  そのため、県民への普及啓発につきましては、住宅の所有者に直接的に働きかけることが効果的であるというふうに考えておりまして、これまでの取り組みに加えまして、行政、建築士、自治会の三者が協力をしまして、古い住宅が多く存在する地域での個別訪問、あるいは自治会、自主防災組織への出前講座を実施するなど、耐震化に関する意識の醸成に一層力を入れていきたいというふうに思っております。  また、住宅所有者の負担軽減を図るために、補助制度を創設していない市町への働きかけを進めた結果、ことしの十月末時点で耐震診断は全市町で、耐震改修は九市町が補助制度を設けている状況にございます。  引き続き、全市町において耐震改修の補助制度が創設されるように働きかけていくこととしております。  さらに、県民が安心して相談できる環境を整備するため、建築技術者を育成する講習会を開催してございまして、ことしの八月から約二百名の受講済みの技術者名簿を公表しております。  今後も引き続き、相談体制を整備していくこととしております。  いずれにしましても、県民の意識の醸成を図りながら、地震災害に対する被害を軽減し、県民の安全・安心につながるよう、市町と連携しまして、着実に住宅の耐震化を促進してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 95 ◯野田委員=いろいろ今後の対応策をお話しいただきました。  今後の対応策と申し上げましても、平成二十九年度、もう今、十一月半ばを過ぎたところであります。じゃ、平成二十九年度の目標が九百というふうに上がっておりますけれども、そういった面での本当に実数を追いかける目標と現実というのは、なかなか厳しいものがあるのではないかというふうに本当に思っている次第です。  ただ、危機感がやっぱりないというふうに私も感じている次第です。佐賀県には、大きな地震を起こすであろうという佐賀北縁ですかね、大きなものがありますよね。ああいった地域に関して特別重点地域としての推進をやるとか──といいますのが、福岡のほうの事業の状況を見ますと、県単位では福岡市が全体の利用の七一%と一番大きいんですね。その要因として、やはり福岡西方沖地震の影響があったからと、そういう壊れたものを実際に見ていらっしゃる方々、あるいは身近に感じていらっしゃる方々の割合が大きいということみたいです。  そういったことを考えますと、北縁断層ですか、ああいったところに対する、より重点的な取り組み、恐怖感をあおるわけじゃないんでしょうけれども、そういったものも一つ有効じゃないのかなというふうに思っております。  また、ある県では、非常に短いですけれども、テレビのCMで、この取り組みに対して、もう年だからとかいろんなことがありますけれども、孫が遊びに来るには安心な家であると、そういった訴えをしたテレビCMなんかをつくった県もあるみたいです。  いろんな取り組みを持って、ぜひ今、目標と実質件数が開いておりますその難しさというのは本当に感じる次第ですけれども、いろんなお知恵を使って、お進みいただければというふうに思っております。 96 ◯中倉委員長=暫時休憩します。十三時をめどに委員会を再開します。     午前十一時五十二分 休憩     午後一時二分 開議 97 ◯宮原副委員長=委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行いたいと思います。 98 ◯野田委員=それでは、大きな三問目の質問に入らせていただきます。  生活排水処理の取り組みについてであります。  下水道や合併浄化槽などの生活排水処理施設は、地域住民が快適な生活をしていく上で重要な生活基盤施設であり、トイレの水洗化による生活環境の改善、水路や河川など公共用水域の水質保全などにも重要な役割を果たしているところです。  生活排水処理施設の整備については計画的に進められており、平成二十八年度末の佐賀県の汚水処理人口普及率は八二%と伺っているところです。この普及率は、平成十年度に全国平均から三十ポイントも下回っていたものが昨年平成二十八年度末には八・四ポイントまで縮まるなど、県全体で着実に普及が進んできたことをあらわしております。  一方、地域の生活環境に目を向けると、いまだに整備が進んでいない地域も残っており、現在も生活排水がそのまま水路を流れている状況も見受けられます。こういう状況は早く改善してほしいと考えているところですが、敷地内に浄化槽を設置するスペースがないとか、高齢者のみの世帯であったり、家庭の事情によって生活排水処理施設の整備ができない実態がほとんどだと聞いているところです。  また、特殊な例としてありますが、その地域の部分的や一画がそもそも排水の仕組みそのものがない地域、しかも込み入った状態で住宅などが形成された地域のため、雑地への垂れ流しである地区もあることも事実であります。  生活排水処理の取り組みは市町が中心となっているところですが、こうした地域の実態を把握した上で整備を進めていく必要があると考えているところです。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  整備手法についてであります。  さまざまな整備手法がございますが、生活排水処理にはどのようなものがあるのかお尋ねいたします。 99 ◯宮崎下水道課長=生活排水処理の整備手法についてお答えします。  生活排水処理としましては、集合処理方式の公共下水道、農業集落排水、漁業集落排水と、個別処理方式の浄化槽の四つの整備手法がございます。  以上でございます。 100 ◯野田委員=では、その集合処理の特徴について、どのような特徴がありますか、お尋ねいたします。 101 ◯宮崎下水道課長=集合処理の特徴についてお答えいたします。  集合処理は複数の家屋の汚水を集めて処理する方式で、公共下水道、農業集落排水、漁業集落排水などがあります。これらは処理施設の維持管理を一カ所で集中して行うことができ、維持管理体制の確保が容易であるという特徴を持っております。この方法は比較的人口が密集している地域における生活排水対策として効果的であります。  一般的に市街地などの人口密集地域では公共下水道により、農業、漁村地域では農業集落排水、漁業集落排水により整備が行われております。  以上です。 102 ◯野田委員=それでは、個別処理の特徴について、どのような特徴があるのかお尋ねいたします。 103 ◯宮崎下水道課長=個別処理の特徴についてお答えいたします。
     個別処理は、個々の家庭や事業所ごとに浄化槽を設置して汚水を処理する方式で、個人の家に処理施設を直接設置します。  このため、地形の影響等を受けることがなく、短期間で設置ができ、設置後すぐに処理を開始することができる特徴を持っております。家屋が散在する地域における生活排水対策として効果的であります。  このように、集合処理と個別処理には異なる特徴があるため、経済性、地域性など地域の実情を十分に考慮した上で市町ごとに適切な整備手法を選定し、生活排水処理の整備を推進しているところです。  以上でございます。 104 ◯野田委員=それぞれ、やはり地域の実情に合わせてしっかりとした対応をやるというお話でありました。  それでは、現在の整備状況についてお尋ねいたします。  下水道及び浄化槽などの整備について、市町を主体として取り組まれておられますが、現在の整備状況についてお伺いいたします。 105 ◯宮崎下水道課長=現在の整備状況についてお答えいたします。  佐賀県の人口に対して、公共下水道、集落排水、浄化槽などの生活排水処理施設の整備が完了した区域の人口が占める割合を示した汚水処理人口普及率は平成二十八年度末で八二%であり、十八年前の平成十年度末の三五・六%から比べますと四六・四%上昇しております。  また、平成二十八年度末の全国平均の汚水処理人口普及率九〇・四%と比べますと、その差は八・四%となっており、平成十年度末の全国平均との差、三〇・四%と比べると、二二%差が縮まっており、着実に普及が進んでおります。  汚水処理人口普及率八二%の整備手法別の内訳としましては、公共下水道が五九・一%、集落排水が八・一%、浄化槽が一四・八%となっております。  次に、計画されている処理区域ごとの人口に対して整備が完了した区域の人口が占める割合を示した普及率としては、平成二十八年度末の集合処理区域の普及率は九二・五%で、個別処理区域の普及率は四六・三%となっており、集合処理区域に比べ個別処理区域の普及率が低い状況であります。  以上です。 106 ◯野田委員=かなりの普及率をやっているものの、やはり集合処理関係と個別では大差といいますか、大きな差が出ているというようなことでありました。  それでは、この市町ごとの整備状況についてお尋ねいたします。どのようになっているのかお伺いいたします。 107 ◯宮崎下水道課長=市町ごとの整備状況についてお答えいたします。  県内市町の平成二十八年度末の汚水処理人口普及率は、鳥栖市、吉野ヶ里町、上峰町は既に普及率九九%以上とほぼ整備が完了しておりますが、多久市、大町町、太良町では、いまだ普及率六〇%以下と整備が進んでおらず、県全体としては、おおむね県の東部地域の普及率が高く、西部地域が低い状況となっております。  市町において、このように普及率の差が生じておりますのは、整備に着手する時期が異なっていたことや、整備手法による進捗の差が出たものと思われます。  以上、お答えします。 108 ◯野田委員=西高東低ならぬ、東高西低ですね。確かに多久、太良、こういったところは中山間地域というようなこともあります。集合住宅が少ない地域が点在している、そういった状況での難しさがやはり影響しているなというふうに感じた次第です。  それでは、整備を進める上での課題についてお尋ねいたします。  集合処理、個別処理、それぞれの整備を進めていく上でどのような課題があるのかお尋ねいたします。 109 ◯宮崎下水道課長=整備を進める上での課題についてお答えいたします。  個別処理の整備を進める上での課題としましては、個人の負担が大きいことや浄化槽を各家庭の敷地内に設置する必要があるため、個人の意向が大きく影響することであります。このため、集合処理区域と比べて計画どおりに整備の進捗を図りにくい状況であります。  一方、集合処理の整備を進める上での課題としましては、今後、整備を予定している集合処理区域においても、近年の人口減少などにより家屋が散在してしまい、当初計画のまま集合処理で整備を行うことが非効率となってしまう地区がふえつつあるということでございます。  このために、今後、集合処理区域から個別処理区域に見直しが進んでいくことで、いまだ普及が進んでおりません個別処理の区域がさらに拡大していくことも課題として考えております。  以上でございます。 110 ◯野田委員=まさに我が町もそういったところが、今、問題になっているというふうに私も認識しているところであります。  こういった課題、あるいは現状を通して、生活排水処理施設の整備を進めていく上でそれぞれの課題を解決する必要があります。県はどのように今後取り組んでいくのかお尋ねいたします。 111 ◯宮崎下水道課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  個別処理区域につきましては、佐賀県生活排水処理構想の目標としまして、平成三十七年度末の普及率を七四%と設定しております。  この目標を達成するためにも、まずは市町において、今後見直しにより拡大する区域を含めて、どのように浄化槽整備に取り組んでいくのかを積極的に検討していただきたいと考えております。  このため県としましては、浄化槽整備の取り組みについて検討できる場を設けるなど、市町が整備に取り組みやすい環境づくりに努めていきます。  また、浄化槽整備におきましては個人の意向が大きく影響することから、浄化槽整備の普及に効果的な取り組み事例等を全国より収集し、課題等の解決の一助となるよう、各市町へも情報提供等も行っていきます。  一方、集合処理区域につきましては、集合処理で整備することが非効率となる地区を個別処理区域に見直すなど、最適な区域設定ができるように情報収集等を行い、さらに市町へ提供をするなど、市町のほうの支援を十分にやっていきたいというふうに考えております。  さらに、今後とも、各地域の実情や特性に応じた効率的な整備が進められますよう、必要な予算確保に向けて関係団体と連携しながら国への提案を行うなど、引き続き市町と一体となって生活排水処理施設の整備がより一層進むよう取り組んでまいります。  以上です。 112 ◯野田委員=集合処理、あるいは個別関係でのそれぞれの対応について全国の事例なり、あるいはしっかりとした情報提供とか、国への提案というようなお答えをいただきました。  最もこの問題で私が質問に取り上げたいのは、冒頭にお話し申し上げました、いまだにU字溝を通らずに、近くの地面に排水をやっている地域が実際にまだ現存するということに対して、何らかの手だてが必要だと思っております。今回質問した内容は、ほとんどが事業に乗っかった中での解決策が進められるものと思っていますけども、実は事業に乗っからない、こういった生活排水の本当に地面への垂れ流し地域、環境問題とか、土壌の汚染とか、いろんなことを含んでおります。こういったことに関して、最後の質問となりますけども、県としてどういったお考えをお持ちなのかお尋ねいたします。 113 ◯宮崎下水道課長=なかなか生活排水処理というものがいろんな要因によりできないような場合に、どう対応していくかという御質問だったと思います。  確かに委員御指摘のとおり、昔からの住宅地とか、そういったところにおきましては家屋や店舗が密集しており、その浄化槽さえ設置できない、その排水溝もできないというようなところがあるということは承知しております。  このような中で、そのような状況におきまして生活排水処理を整備しようとすると、多大な費用がかかったり、個人様に、住民の方々に対しても大きな御影響を及ぼすものでありますので、どうした方法がいいのかというのは一概に判断できるものではないというふうに考えております。  しかしながら、生活排水処理というものは全ての地域において普及させる必要があるというふうに考えておりますので、そういった各地域の事情をしっかりと検証し、市町のほうと一緒に協力しながら、どういった対応ができるのかというのをしっかり勉強して、整備に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。  以上です。 114 ◯野田委員=こういったことこそ、やはり地域、あるいは県から国に上げて、こういった事例、市町との連携でこういった処理をいまだにやっていることへの改善策を行政として全力を挙げて、長い目で、こういうものは短期間になるとは思っておりません。そういったものに対する今後の取り組みをぜひ強くお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。  以上です。 115 ◯木村委員=本委員会二回目の、そして最後の質問者となりました公明党の木村雄一でございます。よろしくお願いいたします。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  最初に、建築物の耐震化についてでございます。  私は決算特別委員会初日の質疑におきまして、災害から命を守る大事な三つの要素のうち、自助、そして共助について関連する質問をさせていただきました。けさの新聞には、私が確認をさせていただきました本県の防災士養成についての取り組みを明確に掲載となりまして、県民意識の向上につながっていく、動きにつながっていくというふうに大変期待をしているところでございます。本日は本質的には公助と言えないかもしれませんけれども、県の防災・減災、県土保全の取り組みが事前の備えを持って県民の命を守る働きにつながっていくとの思いから、建築物の耐震化について質問をさせていただきます。先ほど午前中でも質疑がありましたので、なるべく重ならないような形で質問させていただきたいと思います。  私は先日、消防学校で行われました緊急消防援助隊によります大規模な合同訓練を拝見させていただきました。その際、熊本地震のときにテレビから何回も流れたあの「地震です、地震です」という警告音が一瞬、訓練棟の付近で鳴り響きまして、あのときの恐怖感というものが脳裏によみがえってまいりました。当時はスマートフォンからも緊急地震速報と、そういった音が鳴り響く中で、揺れとともに我が家におきましてもあちこちで柱のきしむような音がしたことをよく覚えております。  このように、建築物の耐震化の必要性を肌身で感じているところでございますが、本県では建築物の耐震化を進めるために「佐賀県耐震改修促進計画」を作成されておられます。  そこで、この計画の内容と計画期間について、どのようになっているのかお尋ねをいたします。 116 ◯永田建築住宅課長=「佐賀県耐震改修促進計画」の内容とその計画期間についてお答えをいたします。  県では、耐震改修促進法に基づきまして、建築物の耐震化を計画的かつ効果的に促進することを目的としまして、平成十九年三月に佐賀県耐震改修促進計画を策定したところでございます。  その後、平成二十五年五月の同法の改正を受けまして、平成二十九年三月に計画の改定を行ったところでございます。  計画の改定に当たりましては、熊本地震の被災状況も念頭に置きまして、住宅や多数の者が利用する建築物の耐震化による地震被害の低減、また、防災上重要な施設等の耐震化による発災後の対応の円滑化の二つの基本方針のもと、耐震化の目標を設定の上、建築物の耐震化の促進を図ることとしております。  また、耐震化の目標とあわせまして、県、市町、建築物の所有者の役割分担を明確にした上で、支援策の概要や計画の実効性を高めるための体制整備、あるいは県民が安心して耐震化に取り組むことができるような環境整備に関する事項などを定めておるところでございます。  なお、計画期間につきましては、平成三十七年度末までとしております。  以上でございます。 117 ◯木村委員=今お示しいただきましたように、この計画におきましては、大地震によって建物が倒壊をしたり、その際、圧死とか致命的なけがを負うことを未然に防ぐ防災・減災につながるような側面と、発災してからの共助や公助の拠点となります庁舎、病院などの機能を維持して、被災対応の円滑化の視点から策定されている大変重要な計画だというふうに私も承知をしております。  それでは、この同計画内での耐震化の目標設定はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 118 ◯永田建築住宅課長=耐震化の目標についてお答えをいたします。  「佐賀県耐震改修促進計画」における耐震化の目標につきましては、まず、多数の者が利用する建築物について、平成三十二年度末で耐震化率を九五%に、平成三十七年度末に耐震性が不十分な建築物のおおむね解消をということで設定をしております。  次に、防災上重要な施設につきましては、耐震化率を平成三十二年度末で九五%に、平成三十七年度末に一〇〇%に設定をしているところでございます。  また、住宅につきましては、平成三十二年度末の耐震化率を九〇%に、平成三十七年度末には耐震性が不十分な住宅のおおむね解消と定めておるところでございます。  以上でございます。 119 ◯木村委員=基本的には国の方針を参考として、県独自で被害を低減するための目標設定、それから、発災後の対応を円滑にするための目標を立てて、今、達成に向けて施策をさまざま講じていただいているものと思っております。  それでは、本県の現状でございますが、建築物の耐震化の現状について御説明をお願いいたします。 120 ◯永田建築住宅課長=耐震化の現状についてお答えをいたします。  平成二十七年度における県内の建築物の耐震化率は、まず多数の者が利用する建築物につきましては九〇%、防災上重要な施設につきましては九二%、住宅につきましては七七・八%となっているところでございます。  この現状につきましては、平成十九年三月に策定した改定前の「佐賀県耐震改修促進計画」における平成二十七年度末の目標に比べまして、多数の者が利用する建築物と防災上重要な施設につきましては、おおむね順調に耐震化が進んでいるというふうに認識をしております。  また一方、住宅につきましては、当初目標の耐震化率九〇%と比較しまして、おくれている状況にございます。  なお、県有建築物の耐震化率につきましては、現在九九%となっているところでございます。  以上でございます。 121 ◯木村委員=県有施設については、ほぼ一〇〇%に近い改修率ということでありまして、計画で、特に重点的に取り組む対象として住宅や、また多数の者が利用する建築物の耐震化は、目下のところ国の目標の一〇〇%に向けて鋭意取り組んでいただいているさなかという状況かなと思いました。  また、このうち、昭和五十六年五月三十一日以前に建設をされた耐震診断の実施及び結果の報告が義務化をされている大規模建築物の耐震化率については、総合計画で示されている目標値を達成しているということも勉強会の中で御説明いただいたところでございます。  しかしながら、やはり気になっておりますのが、県有施設以外の建築物の耐震化でございます。県では、建築物の耐震化を進めるに当たりまして、どのような課題があると考えておられるのかお尋ねをいたします。 122 ◯永田建築住宅課長=耐震化を進めるに当たっての課題について、お答えをいたします。  国の社会資本整備審議会の答申では、耐震化に要する費用負担が大きいこと。耐震性があるという認識など、耐震化に対する意識が欠如していること。業者選定や工法、費用、効果等が適切かどうかの判断が難しいことなどが主な課題とされているところでございます。  これらに加えまして、本県においては、これまで大規模な地震災害が発生していないことから、県民の耐震化に対する意識が低いことなどが耐震化を進めるに当たっての課題だというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 123 ◯木村委員=ここは、通告はしていなかったんですけども、一点ちょっと追加でお聞きしたいと思います。  佐賀県耐震改修促進計画におきましては、避難路沿道建築物という県や市町が指定する緊急輸送道路沿いの建築物であって、地震による倒壊によって緊急車両、また住民避難の妨げになるおそれのある一定の高さ以上の建築物を言うそうでありますけれども、この沿道建築物についてもお伺いをしておきたいと思います。  もし県から指定をされたならば、その道路沿いの建築物所有者に対して、耐震化を促していくことになるわけでございますが、計画においては平成二十九年度末、今年度末をめどに指定をするというふうになっております。この現段階での路線指定の検討状況について御説明いただけますでしょうか。 124 ◯永田建築住宅課長=沿道建築物の現在の検討状況についてお答えをさせていただきます。  平成二十九年三月に改定を行いました佐賀県の耐震改修促進計画におきましては、沿道建築物について、委員御指摘のとおり、平成二十九年度末をめどに耐震化を義務化することについて検討することとしております。  沿道建築物の耐震診断義務化につきましては、発災直後の住民の避難、それから救急活動を円滑にするために地方が必要と判断した場合に可能な規制措置でございます。これは平成二十五年に改正された耐震改修促進法において、地方の裁量により義務化できるということが規定をされたところでございます。  しかしながら、耐震診断の義務化につきましては、県民に対し一定の負担や結果の公表、ひいては罰則等を伴うこととなることから、現在、沿道建築物の耐震診断義務化を課す必要がある対象路線、あるいはその支援のあり方等について、防災部局や道路部局と連携して、診断義務化の是非も含めて慎重に検討を行っているところでございます。  なお、義務化する場合においては、所有者の十分な理解が不可欠だと考えておりまして、耐震診断が義務化を課す所有者に対しましては、事前の説明会等により、その趣旨等につきまして、丁寧で十分な説明を行うことが必要であると認識をしているところでございます。  以上でございます。 125 ◯木村委員=ありがとうございました。非常にデリケートな問題をはらんでおりまして、しかしながら、国の耐震化目標は平成三十七年に一〇〇%というふうになっております。  午前中の質疑でもありましたけれども、屋外広告物条例についても、県民の皆さんの中にさまざま議論を呼び、いまだに担当の方の御苦労もあると。また、県民の皆さんからも不満をいただくという条例になっていますけれども、これがいざ決定したときに、どのような事態になるのか、また、この議会でもたくさん議論を重ねていくことになるかと思っております。しかしながら、この国の目標設定に対しては、大変厳しい状況だというふうに思っておりますので、いずれ現実的な、先ほど県の裁量というふうにおっしゃいましたので、具体的な、現実的な目標設定が必要になってくるんではないかなというふうに思っております。  ここまでは建築物の耐震化に関して、達成度を中心にお尋ねをしてまいりましたけれども、一番厳しいのが、やはり民間建築物の耐震化でございます。先ほど野田委員からも質問があった住宅の耐震化に関する部分は簡潔で結構でございますが、先ほど挙げていただきました課題を踏まえまして、民間建築物の耐震化の動きにつながっていくような支援をどのように県は行っているのかお示しいただけますでしょうか。 126 ◯永田建築住宅課長=まず、現在の支援の状況から簡単にお答えをさせていただきます。  これまで県におきましては、国の補助制度でございます「住宅・建築物安全ストック形成事業」を活用しまして、民間建築物の耐震診断、また耐震改修の補助を行う市町に対しまして支援を行ってきました。  住宅につきましては、先ほどの答弁でも申し上げたとおり、昨年十一月から診断に対する補助を行う市町への補助を平成三十年度までの時限措置として拡充するとともに、改修につきましても市町への補助制度を創設したというところでございます。  一方、多数の者が利用する建築物の耐震診断につきましては、現在、六市町が補助を行っているところでございます。  また、不特定多数の者が利用する大規模建築物の耐震改修に対する補助につきましては、地震発生時の利用者への影響が大きいため、早期に耐震化が図られるように、大規模建築物が所在し、補助主体となる二市と連携をして補助を拡充し、所有者負担を約半分から三分の一へ軽減をしているところでございます。  さらに、県と市町で大規模建築物の所有者を個別に訪問し、耐震改修の意向確認、あるいは耐震改修の補助制度についての説明を行いまして、住宅についても本年度から戸別訪問を実施することとしているところでございます。
     以上でございます。 127 ◯木村委員=何度もきょうも取り上げていただいていますが、個人負担を生じてまで自分の住んでいる家を耐震化しようと思う方は確かに少ないと思います。かといって個人資産に税金を投入する度合いというのも、やはり問題になりますし、今がぎりぎりのところなのかなという思いもいたしますが、いずれにしても非常に難しい問題だなというふうに実感をしております。  もともと地震が少ない県だけに、この耐震化もそうですけども、防災に関する関心が大変低い県でございますので、なかなか他人事といいますか、自分には起こらないという意識の中でいろいろと促しても、なかなか意識が醸成していかないという現実があるように思っております。  そうした中で、今後でございますけれども、県では耐震化を促進していくためにどのように取り組んでいこうとしているのかお伺いをいたします。 128 ◯永田建築住宅課長=今後の取り組みについてお答えをいたします。  先ほどの答弁でも申し上げましたけれども、住宅につきましては耐震化を進めていくために、まずは御自分の住宅が地震に対して安全かどうかを知っていただくことが重要であると考えておりまして、繰り返しになりますけれども、古い住宅が多く存在する地域での戸別訪問など、今年度から始める取り組みを全市町へ展開し、あわせて改修費補助が全市町で創設されるよう市町へ働きかけるなどの取り組みを進めていくこととしております。  また、大規模建築物につきましても、引き続き所有者へ個別に訪問を行いまして、耐震化の必要性や補助制度の丁寧な説明に努めまして、早期の耐震化を促したいと考えております。  いずれにしましても、地震が発生した場合の被害を防ぐ、あるいは被害を減少させるため、引き続き建築物の所有者に対する普及啓発を行いながら、建築物の所有者が耐震化に取り組みやすい環境を整備するとともに、市町と連携して必要な支援を行うことによりまして、しっかりと耐震化を促進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 129 ◯木村委員=ぜひ先ほどおっしゃったように市町としっかり連携をしていきながら、また所有者に対しても理解を促して、県内の建築物が一日でも早く安全な機能を有する建物になっていくことを期待いたしまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。  それでは大きな項目の二番目、急傾斜地対策についてお伺いをいたします。  先日テレビで、ことしのはやった言葉であります新語・流行語大賞というもののノミネートされた言葉が三十個ほど報道をされておりました。毎年十二月一日になると、この大賞が決定をされるというふうに聞いておりますけれども、毎年の傾向性として、やはり政治ネタが多くて、皆さんもよく御存じの元女性政治家の方の発言、「ちーがーうーだーろー!」という言葉なんかがノミネートをされておりました。ただ、これが選ばれることはないと思うんですけども、私が注目をいたしましたのは、この三十の言葉の中に気象用語が入っていた点であります。その言葉というのが「線状降水帯」という言葉であります。  この線状降水帯につきましては、幅二十キロメートルから五十キロメートル、長さにして五十キロメートルから三百キロメートルに及ぶ、まさに線状に延びる降水帯のことでありまして、積乱雲が次々と発生をすることで全国各地に大雨の被害をもたらしました。この言葉が頻繁に用いられるようになったのはいつぐらいかなというふうに調べてみますと、平成二十六年八月の豪雨によります広島市の土砂災害以降と見られ、記憶に新しいところでは、本年七月の朝倉市、また日田市の豪雨災害の引き金になったということで、世間的にもより一層認知される言葉となったのではないかなというふうに思っております。こういった気象用語自体が流行語大賞にノミネートされるということの意味を、私は非常に重く受けとめたところであります。  この降水帯でございますけれども、予想が大変難しく、降り続く豪雨に各自治体はなすすべなく、被害が甚大になっていきました。こうした雨がいつどこで発生してもおかしくはないというふうに気象庁のほうも申しておりますし、佐賀県内でも豪雨災害が発生する前提での対策をさまざま講じていくことが肝要だというふうに思っております。  そこで今回、私が確認をしたいのは、実際、ことし唐津で大雨が降ったときに相談をされた急傾斜地の問題であります。  まずお聞きしたいんですけれども、この急傾斜地崩壊危険箇所の定義であります。そもそもどのように定義づけされているのか御説明をお願いいたします。 130 ◯横尾河川砂防課長=急傾斜地崩壊危険箇所の定義についてお答えいたします。  急傾斜地崩壊危険箇所は、斜面の傾斜度が三十度以上、高さが五メートル以上の土地となっております。急傾斜地崩壊により被害を受けるおそれのある区域である被害想定区域内に、人家または官公署、学校、病院、社会福祉施設等の要配慮者施設がある箇所。そして、人家等がない場合でも、都市計画区域内であることなど、住宅等が新規に立地する可能性があると考える箇所となっております。  以上でございます。 131 ◯木村委員=今、御説明いただいたように、基本的には主に三つの要件に当てはまるところが、もし指定をされた場合には、早速その崩落を防ぐ対策工事の対象地域となって、傾斜地の住居の戸数によって、先ほどさまざまあるとおっしゃいましたけれども、工事費の県の助成額も変わってくるというふうに承知をしております。保全される人家が十戸以上や要配慮者の利用する施設を含めて五戸以上の場合には県事業。また、保全人家五戸から九戸の場合には、県が市町に費用の二分の一を補助して、市町の事業として行うと。それによって、住民の負担額も変わってくるというふうに承知をしております。  では、実際に本県内で急傾斜地崩壊危険箇所はどれぐらいあるのか御説明をお願いいたします。 132 ◯横尾河川砂防課長=急傾斜地崩壊危険箇所が県内に何カ所あるかということでお尋ねでございました。  平成十四年度に公表しました土石流ですとか地すべり、また急傾斜地崩壊等が発生するおそれがあるということで、土砂災害危険箇所になりますが、県内で九千五百三十四カ所となっております。このうち、急傾斜地崩壊危険箇所は六千二百六十六カ所となっております。  以上でございます。 133 ◯木村委員=今お示しいただいたように、結構な数の箇所があるんですけれども、実際にその急傾斜地における災害の本県内での発生状況について御説明をお願いいたします。 134 ◯横尾河川砂防課長=急傾斜地における近年の災害の発生状況についてお答えいたします。  平成十九年度から平成二十八年度までの過去十カ年に県内で発生いたしました土砂災害は、土石流や地すべりなどを含めまして九十八件となっております。そのうち、急傾斜地における災害は七十三件となっております。発生場所は、武雄市ですとか唐津市など、県の西部地域が多くなっております。  この七十三件のうち、人家に被害のあったものは、全壊が一件、一部損壊が二十六件の計二十七件となっております。  以上でございます。 135 ◯木村委員=土砂災害被害で三つ類型があって、斜面崩壊、地すべり、土石流というふうにあるということでしたけれども、やっぱり数的には、本県の場合は斜面崩壊が多いということでございました。  九州北部豪雨の際に、本県でも観測記録一位となるような豪雨があったにもかかわらず、幸いにしてと言っては語弊があるかもしれませんけれども、多くの人命が失われるような被害が出ていないということは本県の特性であって、同時に、いざ大災害が起きたときの対応という点では喜んでばかりはいられないといった警鐘を鳴らす防災の専門家の意見も聞くところであります。  では、その対策についてでございますけれども、県では急傾斜地における被害を防止するためにどのような対策を行っているのかお尋ねをいたします。 136 ◯横尾河川砂防課長=急傾斜地崩壊による災害を防止するための対策についてお答えいたします。  先ほどお答えしました急傾斜地崩壊危険箇所六千二百六十六カ所のうち、被害の生じるおそれのある被害想定区域内に、人家が五戸以上または官公署、学校、病院、また社会福祉施設等の要配慮者利用施設などが存在します千六百五十カ所を要対策箇所と位置づけまして、急傾斜地の崩壊や落石を防止するための擁壁ですとか、のり面工などの対策工事、いわゆるハード整備を行っているところでございます。  また、対策工事には多大な時間を要するということで、施設だけでは全ての被害を防ぐことは困難であるということがございます。土砂災害のおそれのある区域を明らかにいたしまして、住民に周知するための土砂災害警戒区域等の指定を進めますとともに、土砂災害等に関する情報の提供ですとか、土砂災害防止の啓発活動などソフト対策についても取り組んでいるところでございます。  以上でございます。 137 ◯木村委員=ちょっとここに新聞記事があるんですけれども、(資料を示す)ことし掲載された佐賀新聞の記事でございます。  内容については、佐賀県内の急傾斜地崩壊危険箇所のうち、五戸以上の民家があるとして対策を要する箇所、先ほど千六百五十カ所とおっしゃったところですけれども、このうち工事が完了しているところが五百七十八、整備率は三五%という状況で、対策が進んでいないというふうな見出しになっております。  記事では、この後、県のソフト対策について、土砂災害警戒区域の取り組みも紹介しておられます。この土砂災害警戒区域の指定についてでありますけれども、まずどのように行っているのかということ。また、急傾斜地崩壊危険箇所との違いも含めて、わかりやすく御説明をいただけますでしょうか。 138 ◯横尾河川砂防課長=土砂災害警戒区域の指定をどのように行っているかということと危険区域との違いということでございました。  区域の指定の進め方につきましては、平成十一年六月に広島で発生しました土砂災害を契機に、土砂災害から生命を守るために、土砂災害の危険性のある区域を明らかにいたしまして、警戒避難体制の整備ですとか危険箇所への新規住宅等の立地を抑制することを目的としまして、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」、いわゆる土砂災害防止法になりますが、これが平成十二年五月に制定されております。  この法律におきまして、都道府県は、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命または身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域を土砂災害警戒区域。そして、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、建築物等に損壊が生じ住民等の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域を土砂災害特別警戒区域ということで指定をすることができるということになっており、この法律に基づき区域指定を行っているところでございます。  区域の指定に当たりましては、まず初めに基礎調査としまして、土砂災害危険箇所の詳細な測量及び住宅の立地状況などの調査を行いまして、土砂災害警戒区域と特別警戒区域を示しまして、その内容を基礎調査結果という形で県のホームページに公表しております。  その後、これらの区域について区域指定の手続を行うことになりますが、この手続を行うことによりまして、開発行為ですとか建築物の構造に規制がかかるということなどから、自治会単位で住民等への説明会を開催するなど丁寧に説明し、関係市町の意見を聞いた上で区域指定の告示を行っているという状況でございます。  さきの急傾斜地崩壊危険箇所との違いでございますが、危険箇所につきましては、平成十一年度に調査を行い、平成十四年度に公表したものになりますが、これは概略の地形で、その地形によって危険な箇所というところを調べて調査した結果で、全体として九千五百三十四カ所あったということで、今の土砂災害警戒区域につきましては、その危険箇所を詳細に測量したり、家屋の状況等を確認して、区域を明示して指定をしていくということで、ちょっと調査の熟度が違うといいますか、制度が違うということで箇所数が変わってくるという状況になっております。  以上でございます。 139 ◯木村委員=違いを含めて御説明をいただきました。  それでは、私の理解としては、かいつまんで言うと、急傾斜地は実際に崩れる可能性のある土地、そして、土砂災害警戒区域というのは、傾斜地の崩れによって被害をこうむる地域というのが含まれてくるのかなというふうに理解をしておりました。  では、その土砂災害警戒区域の指定状況、今、現在進行形だと思うんですけども、その状況についてお尋ねをいたします。 140 ◯横尾河川砂防課長=土砂災害警戒区域の指定状況についてお答えいたします。  この土砂災害警戒区域等の指定につきましては、平成十四年度に公表しました土砂災害危険箇所、先ほど言いました九千五百三十四カ所につきまして、土砂災害警戒区域等の指定を進めているところでございます。  この区域指定の促進を図るため、平成二十五年度から重点的に予算を配分いたしまして、取り組みを進めてきたところでございます。土砂災害警戒区域数は、現在のところ、全体で約一万三千区域になる見込みでございます。  平成二十八年度に二千六百九十九区域の指定手続を行ったところでございまして、この結果、平成二十八年度末における区域指定数は九千二百十三区域となっています。  また、土砂災害警戒区域の全体一万三千区域のうち、急傾斜地につきましては、基礎調査の結果の状況から約九千区域となる見込みでございます。一万三千のうち九千が急傾斜になる見込みでございます。平成二十八年度では千九百二十二区域の指定手続を行ったところでございまして、平成二十八年度末におけます区域指定数は六千八十一区域となってございます。  以上でございます。 141 ◯木村委員=ありがとうございました。  それでは、ここからは対象となった地域についてのハード面の整備についてお聞きしていきたいと思います。  この急傾斜地の対策工事の進め方でございますが、平成二十八年度におきましては、どのような対策工事が行われたのかお尋ねをいたします。 142 ◯横尾河川砂防課長=急傾斜地の対策工事はどのように行ったのかということでございます。  急傾斜地対策工事につきましては、保全家屋が五戸以上で、斜面の崩壊や落石のおそれがある箇所、また、豪雨による崩壊箇所で住民や地区からの要望ですとか、緊急性、必要性、効果などの観点から総合的に判断しまして、優先度が高いところから、急傾斜地の崩壊や落石を防止するための擁壁ですとか、のり面工の対策工事を行っているところでございます。  このうち、保全家屋が十戸以上の箇所について、県が事業主体となり国の交付金事業を活用して事業を実施しております。  また、保全家屋が五戸以上等の箇所につきましては、市町が事業主体となって実施しておりまして、県がその二分の一を補助しているという状況でございます。  以上でございます。 143 ◯木村委員=今、御説明のあった被災のおそれのある民家が五戸以上十戸未満の場合につきましては、市町が工事の業務主体ということでございます。近年の市町の実施状況についてはどのようになっているのかお尋ねをいたします。 144 ◯横尾河川砂防課長=近年の市町の対策工事の実施状況についてお答えいたします。  豪雨や地震による災害発生箇所で、市町が急傾斜地の対策工事を実施した箇所は、平成十九年度から平成二十八年度までの十カ年では、年平均で十二件となっております。多い年で二十九件、少ない年で一件となっておりまして、年度ごとにばらつきがあるという状況でございます。  なお、平成二十八年度の実施箇所は二十一件となっております。事業費が七千三百二十万円に対しまして、二分の一の三千六百六十万円を県で市町に補助しているということでございます。  以上でございます。 145 ◯木村委員=実は今回、御相談を直接いただいた方の場合は、五戸以上の要件が当てはまりませんでした。家は確かに五世帯付近にあるんですけれども、空き家だったり、また、独居老人の方で施設に既に入ってしまっているということもありまして、区域として対策を求めていくということは断念をされました。裏山でございますので、山の所有者と話をしようとされましたけれども、所有者がわからずに、結局、今も雨が降るたびに土砂が流れる状態ということで、斜面には地元の消防団の方がブルーシートを敷いて何とかしのいでいるという状況もございます。  こういった形で、今、空き家問題、また高齢化の問題等もあって、そして、加えて所有者不明の問題というものも今後ますますふえてくるというか、もうふえておりますので、大変な問題になってくるのではないかなというふうに思います。  本年六月県議会の一般質問におきまして、池田議員さんが、保全人家が五戸未満の小規模な急傾斜地の対策工事についての質問をなさいました。そのときの部長答弁で、県は市町の状況を確認するというふうにお答えされております。その結果がどうだったのかについて御説明をお願いいたします。 146 ◯横尾河川砂防課長=市町の状況確認の結果ということでお答えいたします。  各市町の状況を把握するため、八月に全市町に対しまして、人家五戸未満の箇所の急傾斜地の対策工事について、住民からの要望状況を確認しますとともに、県の補助制度につきましても意見を伺ったところでございます。  その結果、保全家屋五戸未満の箇所について、地元から対策工事の要望が上がっている市町が九市町ございました。一方で、要望が全くない市町という形で十一市町があったところでございます。  また、県の補助制度につきましては、地元から対策工事の要望もあることなどから、補助制度の拡充を要望される市町がある一方で、市町の財政負担がふえるということなどから、制度改正に慎重な意見があるなど、さまざまな意見があったところでございます。  以上でございます。 147 ◯木村委員=さまざまな市町によっても意見が違うというところでございますが、要は、現に困っている方がいらっしゃるという状況を踏まえまして、今後、県としては条件に満たない箇所の対策について、どのように行っていこうと思っておられるのかお尋ねをいたします。 148 ◯横尾河川砂防課長=今後の県の対応ということでお答えいたします。  県の補助制度の要件に満たない箇所の要望があっているということは承知しております。また、そういった中で、まだ保全人家が五戸以上の要対策箇所の未整備箇所が多く残っているという現状もございます。そのことも踏まえまして、緊急性、必要性、効果などの観点から、まずは優先度が高い保全家屋五戸以上などの要対策箇所の市町への支援を優先して進めていきたいというふうに考えております。  いずれにしましても、各市町で地元からの要望状況ですとか財政状況など事情が異なっていることもございますので、保全人家が五戸未満の箇所の対策につきましては、今後、市町と意見交換を行っていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 149 ◯木村委員=いわゆる個人資産の公的援助という形にもなりかねないので、問題にはなってくるかと思うんですけれども、やはり先ほど申し上げたような社会情勢というものをしっかりと注視していきながら対策を練っていくということが、一人でも多くの方の不安を払拭することにつながってまいりますので、そういった配慮した施策が、先々ではなくて、もう備えておくという意味でしっかりと議論を重ねていただければというふうにお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。  それでは、最後の項目でございます。三点目、交通行政についてお伺いをいたします。  かつて交通事故による死亡者数が全国的に一万人を超えていた時代に、交通戦争という言葉が使われたことがあります。これは昭和三十年代以降、交通事故死者数の水準が日清戦争での日本側の戦死者数、二年間で一万七千八十二人を上回る勢いで増加したことから、この状況が一種の戦争状態だとして使われた名称だったと聞いております。  日本における交通事故の死亡者数は、一九七〇年代をピークに達した後、減少して、一九八〇年には再び増加に転じ、一九八八年には一万人を超え、第二次交通戦争と呼ばれる状況になったと聞いております。  しかし、最近では飲酒運転、また暴走行為などが原因となる事案よりも、認知症とか高齢者による痛ましい事故、具体的にはアクセルとブレーキを踏み間違い、また高速道路に逆走してくるケース、そして先般、神奈川県の東名高速道路で、妨害運転によって夫婦二人が亡くなられた痛ましい事故、この事故では危険運転致死傷罪が適用される事案となるなど、モラルの欠如というレベルを超えた事案がふえてきているように思えてなりません。  ドライバーや歩行者を取り巻く環境がかつてより厳しい環境下にある中で、佐賀県でも事故抑止に向けたさまざまな取り組みが行われていることを承知しておりますけれども、まず、最近の本県の交通事故の発生状況について確認をしたいと思います。  平成二十八年度までの過去三年間の人身事故発生件数、死傷者数について、どのように推移しているのかお尋ねをいたします。 150 ◯中原交通企画課長=交通事故件数及び死傷者数の推移についてお答えいたします。  平成二十六年から平成二十八年までの三年間の人身交通事故の発生件数等につきましては、平成二十六年から順に、発生件数は、八千八百七十件、八千五百六十一件、七千七百八十三件。亡くなられた方は、五十六人、四十八人、三十五人。けがをされた方は、一万一千八百十三人、一万一千四百九十三人、一万三百七十七人となっており、いずれも減少しております。  以上です。 151 ◯木村委員=さまざまな取り組みが実ったことで、件数や死傷者数ともに年々下がってきている傾向にあると承知をいたします。  それでは、事故を起こした張本人であります第一当事者についてでありますけれども、これも同じく推移といいますか、第一当事者の四輪、二輪等の区別についてはどのようになっているのかお尋ねをいたします。 152 ◯中原交通企画課長=交通事故の主たる原因者であります第一当事者の種別についてお答えいたします。  平成二十八年の人身交通事故の第一原因者については、七千七百八十三件中、四輪車が七千四百三十五件で九五・五%、二輪車が百六十二件で二・一%、自転車が百二十二件で一・六%、歩行者が十四件で〇・二%、その他が五十件で〇・六%となっております。  交通事故全体の発生件数の減少に伴いまして、ほとんどが減少しておりまして、過去三年間で大きな割合の変化はありません。  以上です。 153 ◯木村委員=道路上におきまして、第一当事者、自動車、バイク、自転車、また歩行者等について、それぞれ数を示していただきました。佐賀県警さんのホームページにおきましては、平成二十八年度の交通事故発生状況のデータが公表をされておりますけれども、やはり車両側の違反としては前方不注意が最も多くて、また、死亡事故原因としても前方不注意が一番多いというふうに表記がございました。  佐賀県民の特性としてよく指摘をされているところですけれども、運転中の車間距離の短さがよく言われます。そして、このことに加えまして、コマーシャルでも流れておりましたけれども、信号機のない横断歩道を渡ろうとする歩行者がいても、停止をしようとしないドライバーが多いと、これはモラルというか、明確なルール違反でございますが、ふえているような実感もしているところであります。  そこで、県ではさらなる交通事故の減少に向けまして、どのようなことが重要だと考えておられるのかお伺いをいたします。
    154 ◯中原交通企画課長=交通事故抑止対策についてお答えいたします。  県内の人身交通事故、交通事故死者数ともに年々減少しております。これも県を挙げました交通事故抑止対策により、道路を利用する県民の皆様の交通安全に対する意識が高まってきたことも要因の一つと考えております。  一方、交通事故の大半につきましては、委員御指摘のとおり、前方不注意、安全不確認といった不注意により引き起こされているものでありまして、これにより平成二十八年中で、いまだに県内で三十五人のとうとい命が奪われ、一万人を超える方がけがをされております。  交通事故を一件でも減少させるためには、県民一人一人が交通ルールを守り、交通マナーを向上させることが肝要であると考えております。そのためにも、警察といたしましては引き続き交通指導取り締まりや交通安全教育などを通じて、県民の交通安全意識を高めるよう取り組んでまいる所存であります。  以上です。 155 ◯木村委員=冒頭で私は東名高速の事案に触れさせていただきました。事件後も、路上でのトラブルが原因となる事件が連日のように報道をされております。  おとといの佐賀新聞の記事でも、吉野ヶ里町の国道三十四号におきまして、あおり運転がもとで口論となり、相手の顔を殴った男が傷害の疑いで逮捕をされたという記事が載っておりました。  そこで、お尋ねをしたいんですけれども、佐賀県内におけるあおり行為等に関連する、いわゆる路上トラブルの事案におきまして、交通違反としての検挙状況、事例はどれぐらいあるのかお示しいただけますでしょうか。 156 ◯香月交通指導課長=路上トラブル事案の発生についてお答えします。  まず、あおり行為には道路交通法に定義はなく、例えば、前車に対して後続車が近づいて車間距離を極端に詰め、前車に危険性、迷惑性を与える行為などと考えられます。  あおり行為に関連する交通違反の主なものとしては、車間距離不保持違反や追い越し違反などが挙げられますが、これらの違反行為があおり行為と関連して検挙されたものか否かについては把握していないところであります。  県内における車間距離不保持違反の検挙状況でありますが、平成二十八年中に五十件、平成二十九年九月末現在では五件となっており、全て高速道路上での検挙となっております。  追い越し違反などの検挙状況は、平成二十八年中に六百九十一件、平成二十九年九月末現在では三百四十件となっております。  県内におけるあおり行為に関する検挙事例としては、平成十八年八月に唐津市内の交差点において、被害車両が右折中、後続車が幅寄せをした結果、被害車両を道路案内標識板の支柱に衝突させ、同乗者を死傷させた事案が発生し、危険運転致死傷罪で検挙しております。  以上であります。 157 ◯木村委員=くしくも私の地元でそういった事例があったということで、大変残念な思いもしております。  私のもとには、こういったテレビ報道を中心にですけれども、全国的に頻発している路上トラブルの報道を見た方から、最近、いわゆるキレやすいドライバーがふえていて、こうしたトラブルは今後もふえていくのではないかといった心配の声が寄せられております。  一見すると普通の人でも何かのきっかけで暴走行為に至ったり、見知らぬ人と路上で口論となったり、事件沙汰になっていくようなことが、かつてここまで頻発していただろうかという思いもしております。  かつて路上トラブルといいますと、その中心にいたのは、いわゆる暴走行為をする暴走族であったかと思います。昨今は、集団による暴走行為を目にすることは前よりは少なくなったかなという印象を持っております。  そこでお尋ねしたいんですけれども、最近の暴走族の情勢ですね、やはりこうした行為をしているメンバーの中には、バイクを違法に改造したりしているメンバー、また、車を自分の走りやすい形に違法に改造するといった連中もまじっております。  ここはまとめてお聞きしたいんですが、その暴走族の情勢とか、違法改造車を乗り回しているそういった件数で検挙に至った件数、その辺の状況について御説明をいただきたいと思います。 158 ◯香月交通指導課長=暴走族の現状、それと違法改造車の件についてお答えします。  まず、県内の暴走族の情勢については、平成二十九年九月末現在で、活動グループ六グループ三十五人、暴走ぐ犯者百二十一人の合計百五十六人を把握しております。  構成員の実態を見ると、少年が七十人、成人が八十六人であり、少年が全体の約四五%を占めております。  次に、暴走族等に関する一一〇番通報についてでありますが、平成十五年の二千二百二十五件をピークに、本年九月末現在では百四件と大幅に減少傾向にあるものの、依然として小集団による暴走行為事案の通報がなされるなど散発的に発生している状況であります。  最近の暴走族の特徴は、SNSなどの通信手段を利用し、短時間に連絡をとり合い、警察の取り締まりから巧妙に免れるなど、実態把握や検挙が一層困難になっている実態であります。  暴走行為に係る検挙状況でありますが、平成二十八年中は道路交通法違反の共同危険行為、これが二十九人、その他の道路交通法違反、例えば無免許とか信号無視などでありますが、九十七人、無車検運行などの道路運送車両法違反、これが七人、刑法犯が十七人となっており、平成二十九年九月末現在では、道路交通法違反の共同危険行為、これが十七人、その他の道路交通法違反、無免許とか信号無視等でありますが、六十六人、無車検車運行などの道路運送車両法違反、これが一人、刑法犯が十人となっております。  続きまして、違法改造車の件についてお答えします。  平成二十八年中における暴走行為に係る違法改造車両の検挙状況についてでありますが、整備不良十四件、消音器不備十件の合計二十四件となっております。  平成二十九年九月末現在の検挙状況でありますが、整備不良が十六件、消音器不備が三件の合計十九件となっております。  平成二十八年中に押収した違法改造車両は、二輪車が三十台、四輪車が一台の合計三十一台であり、平成二十九年九月末に押収した違法改造車両は、二輪車が十六台、四輪車が一台の合計十七台となっております。  押収した違法改造車両については、運輸支局による整備命令等の手続をした上で返還しているという状況であります。  以上であります。 159 ◯木村委員=グループ数自体は以前より減っておりまして、いいことだと一瞬思ったんですけれども、逆に集団化しなくて、SNSを使って不特定多数の人に呼びかけて、いきなり見知らぬ者同士で走ってしまうということで、以前ですと一網打尽ということができたのかもしれませんが、今はやりにくい上に、こういうメンバーというのは再犯率が高いというふうなことも聞いたことがあります。  実は、この質問をした背景には、県民の方から寄せられた声がもととなっております。  県警では、事故を抑制するために路上で今取り締まりをやっていただいておりますけれども、ある意味、死角を突いた形で取り締まっていただき、一時停止違反とかスピード違反、また、スマホの操作等を取り締まっておられるところをよく見受けます。しかしながら、夜間の暴走行為について、もう少し効果的に取り締まりを強化してもらいたいという声をいただいたことがあります。  中には、そうした昼間の取り締まりによって自分自身が何らかの違反を指摘されて減点を食らった方が、夜中のそういう違法改造車によって走り回っている連中をどうして捕まえないんだというような不満を言われる方が多数おられます。  もっと言うならば、日中の取り締まりに懸命になっているのは、言い方は悪いですが、警察職員さんの点数稼ぎだというふうな決めつけで、まことしやかにお話をなさる方もおられます。  ルールはルールでございますので、的外れな御意見に聞こえるかもしれませんけれども、要は少なくなったとはいえ、深夜にそういった暴走行為をしている若者が集団化はしていなくても小規模で現在走り回っている現実があるということでございます。  また、本日冒頭に警察本部長さんから不祥事についてお話がありました。これからの交通行政にいよいよ打って出ようという若き人材の中に、そういったモラルの欠如というか、法規範を尊重しないという気風があるということは、県民の皆さんの意識に影響していくことを私は大変懸念をしております。  そこで、こうした率直な県民の皆さんからの意見を踏まえまして、速度違反などの一般的な交通違反取り締まり及び暴走行為に対する取り締まりのあり方はそれぞれ今どのようになっているのかお尋ねをいたします。 160 ◯香月交通指導課長=それでは、取り締まりのあり方についてお答えします。  まず、一般的な交通指導取り締まりのあり方については、管内の交通事故が多発する箇所、時間帯などの交通実態や指導取り締まりに関する県民の要望等を踏まえた上で、街頭における交通監視活動や悪質、危険性、迷惑性の高い違反に重点を指向した指導取り締まりを組織的に実施しており、原則現場で検挙するといった取り締まり手法をとっております。  これに対して暴走行為に対する取り締まりでありますが、暴走行為を行う暴走族の中には、警察官の制止を無視し、交通違反を繰り返すことから、本人及び第三者を巻き込んだ交通事故を防止するためにビデオカメラなどで採証措置を行って証拠を収集し、あらゆる法令を適用し、後日検挙するといった取り締まり手法をとっております。  暴走行為に対する取り締まりについては、今後もこのような手法で取り締まりを強化していく所存であります。  以上であります。 161 ◯木村委員=暴走行為をしている人自体、またそれによって周囲にいる人にけがをさせないというような観点もあって、慎重に取り締まりを行っていただいていることは私も承知をしております。  しかしながら、県民の皆さんが取り締まりに対してうがった見方をしていくことがないように、今後しっかりそういったことも含めまして対応していただきたいというふうに思います。  それでは、ここからはハード面についての質問に移らせていただきたいと思います。いわゆる交通安全施設整備についてでございます。  こうした設備というものは、県民の皆さんの切実な要望が多くて、事故が多い地域や危険な地域、とにかくどこでもつけていいというわけではないんですけれども、切実な要望が多く、私もよく御相談をいただくことがあります。  佐賀県では、平成二十八年度におきまして、交通安全施設整備費として四億七千万円の予算を投じて整備を行っておられますが、特に信号機の設置要望数と整備の状況についてお示しいただけますでしょうか。 162 ◯原田交通規制課長=信号機の設置要望と整備状況についてお答えいたします。  信号機設置要望につきましては、毎年五月末時点で地域住民の要望に基づき、自治会長や各自治体等から受理したものを当該年度の整備箇所として検討しておりまして、平成二十八年度は五十九カ所の要望を把握しております。  要望箇所のうち警察庁から信号機設置の基準として示されている「信号機設置の指針」に該当するものは二十四カ所でありまして、現地を確認し、この中から交通事故の発生状況、交通量、渋滞の発生状況等の交通環境を勘案し、緊急性、必要性を総合的に判断した上で、平成二十八年度は十四カ所に信号機を整備したところであります。  以上でございます。 163 ◯木村委員=次にお伺いしたいのは、これも以前からお寄せいただく意見として、確かに要望して、すぐに設置とはならないことは十分承知しているけれども、それにしても年数がかかり過ぎるのではないかという率直な御意見でございます。  平成二十八年度中に設置をした先ほどの信号機でございますけれども、要望された年度はどのようになっているのか御説明をお願いいたします。 164 ◯原田交通規制課長=信号機整備までの期間についてお答えいたします。  平成二十八年度に整備した十四カ所について要望を受理した年度は、平成二十八年度一件、平成二十七年度七件、平成二十六年度一件、平成二十五年度一件、平成二十四年度二件、平成二十三年度一件、平成十九年度一件となっております。  なお、平成二十五年度以前の要望箇所につきましては、道路改良、交差点改良等の必要性があったことから、その工事完了を待って設置したところであります。  以上でございます。 165 ◯木村委員=一番古い要望で平成十九年のものだったということでございましたけれども、やっぱり設置することによってかえって事故がふえたり、円滑な交通に支障を来すなど、かえって不満が出てくるケースを防ぐという意味でも、しっかり精査をなさって、それだけの期間がかかったというふうに私も一部理解はしているところでございます。  しかし、お尋ねをしたいのは、この信号機を設置した後のことであります。  私の地元におきましても、数カ月前にある箇所に信号機がつきました。ただでさえ渋滞していた路線でありましたけれども、さらに渋滞をするようになりました。これだけのデメリットがある中で、事故件数というのがどうなっているのかなというふうな疑問を持ったところであります。  ここでは、事故抑止よりも円滑な本線への合流を望んだ地域住民の声が生かされたケースだというふうには思っているんですけれども、県では信号機を整備したことによります交通事故抑止効果というものをどのように検証しておられるのかお伺いをいたします。 166 ◯原田交通規制課長=信号機の整備による交通事故抑止効果についてお答えいたします。  信号機は、先ほど委員御指摘のとおり、交通の円滑、あるいは新設道路に伴うもの、通学路の安全対策、交通事故抑止等を目的として整備しておりますが、平成二十八年度に整備した信号機の交通事故抑止効果につきましては、整備後、短期間であるため、まだ検証はできておりません。  平成二十七年度に整備した信号機では、交通事故抑止を目的として六カ所に整備しておりますが、その六カ所では信号機を整備することにより抑止できる出会い頭の人身交通事故発生件数は整備前一年が十一件であるのに対して、整備後一年は一件と大幅に減少し、効果が確認されているところであります。  以上でございます。 167 ◯木村委員=しっかり目的に沿って設置をすれば効果があるというふうに理解をするところもありますが、さまざまな状況が重なって、信号機だけで事故が減るということではないかもしれませんけれども、住民の声をいただきながら、設置をされたそれぞれの地域の実情があるんだろうというふうに思っております。  私自身は今、ゴールド免許ですね。今のところはなんですが、しっかりと交通ルールを守りまして、事故件数の増加に貢献することがないように、みずからをしっかり戒めていきたいと思います。  最後に、交通部長さんに今後の交通行政における取り組みについて御所見をいただきたいと思います。  以上をもちまして、質問を終わります。 168 ◯篠原交通部長=交通行政全般にわたる所見をということですが、警察における交通行政につきましては、交通指導取り締まり、交通規制、運転免許業務のほか、交通安全教育や広報啓発活動など多岐にわたっております。  これらは、道路交通の安全と円滑を図り、悲惨な交通事故の絶無を目指すことを目的としておりますが、県内の交通情勢を見てみますと、いまだ交通事故の発生は多く、また、高齢運転者対策や追突事故防止に有効な安全運転サポート車の普及促進など、時代の変化に伴う諸問題への対応も求められております。  このようなことから、警察といたしましては、これらに対し、道路交通全体の管理者的な立場としまして、関係機関、団体と連携を図りながら、県内の交通情勢や県民の声を踏まえつつ、継続的に検証と見直しを行いますとともに、委員からの各種御指摘を重く受けとめ、しっかりと業務を推進してまいります。  以上です。 169 ◯宮原副委員長=以上をもちまして、県土整備警察常任委員会関係の質疑を終了いたします。  あす十七日は午前十時に委員会を再開し、討論、採決を行います。  本日はこれにて散会いたします。お疲れさまでした。     午後二時二十三分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...