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  1. 佐賀県議会 2016-02-05
    平成28年2月定例会(第5日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         ○ 開     議 ◎議長(中倉政義君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  昨日に引き続き、一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎八谷克幸君(拍手)登壇=おはようございます。一般質問三日目のトップバッターに登壇の許可をいただきました自民党の八谷克幸でございます。  本日は、五項目について通告をいたしておりますので、順次質問をしてまいります。  私は時々、「粒々辛苦」という言葉を使っております。この言葉は、皆さんも既にお聞きのことでございますが、中唐の詩人、李紳が「農を憫(あわれ)む」という詩の中でこれを出しておるわけでございますけれども、私はこれを汗した者がむくわれる、そういったことで、その場面で使わせていただいております。  そういう意味で、きょうの第一項目めは稼げる農業についてということで通告をいたしました。  昨年、知事が就任されましてから初めてのこの二月議会で、私は知事の農業に対する基本的な考え方を質問いたしました。知事はその答弁の中で、「命と暮らしの根幹である食と環境を支えている農業・農村をしっかり守り、そして、多くの県民の方々がその地域で暮らしていけるように全力を尽くしたい」との熱い思いを聞かせていただきました。  そこでまず、知事にお尋ねをいたします。  知事は、就任されてからこの一年間、農業の生産現場に出向かれ、先日は銀座三越でのトップセールスの前に神埼市のイチゴハウスを訪問され、売り込むイチゴの収穫も体験されたところであります。  こうした体験や生産者にじかに触れ合われ、佐賀の農業についてどのように感じ、また、今後どのようにしていこうと考えておられるのかお尋ねをいたします。  耕地利用率日本一が示すように、佐賀県民の勤勉さ、日本一、二を誇ります二条大麦、大豆、アスパラガスなどなどの収量や単収、また、佐賀段階、新佐賀段階と呼ばれ、単収日本一を誇りました米づくりなどなど、先人たちによって築き上げられた佐賀農業は、全国に誇れる作物などを数多く有しております。  また、農業は、地域社会や地域の文化を承継する上で欠くことのできない大切な産業であり、しっかり守り育てていく必要があると考えております。  一方、最近の農業を取り巻く情勢を見てみますと、TPPの大筋合意に伴う生産現場への影響、高齢化や従事者の減少、農産物価格の低迷、そして生産資材の価格の高騰など一層厳しさを増しているところであります。  県では、こうした厳しい農業情勢に対処し、佐賀農業を持続的に発展させていくため、昨年十一月、「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一五」を策定し、初めてこの中で「稼げる」という文字を使い、稼げる農業の確立を目標に掲げられております。まさに、生産現場では農業で稼げること、笑って従事できる産業になることを願っておられ、農家の方々の期待は大きいものがあると考えております。  この計画での稼げる農業の実現に向け、販売対策に力を入れていくとともに、それぞれの品目において高品質化や、そして一番重要な低コスト化など、マーケットインによる競争力のある農産物づくりなどに取り組むこととされております。また、生産を担う次世代の担い手の確保、育成にも取り組んでいくこととされております。  こうした施策を着実に展開していくためには、実際に生産現場で何が起きているかを把握した上で、地域の実情に応じて今後進めるべき方策を明らかにし、必要な取り組みを進めていくことが肝要であると考えております。  そこでまず、稼げる農業の担い手育成についてでありますが、稼げる農業を実現するためには、経営形態に合ったきめ細かい指導が必要であり、米麦中心の農家もあれば施設園芸や畜産を中心とした農家もあります。中でも施設園芸では、イチゴ、アスパラガス、キュウリ、ナス、トマトなど多岐にわたっておりますことから、経営内容に沿った細かな指導、育成が必要であると私は考えております。  そのためには、地域の中で成功事例となるようなモデル的な農業経営者を数多く輩出し、そのノウハウを使った指導をしていくことが大変重要であると考えております。
     また、こうしたことが地域の活性化や伝統文化の伝承、さらには定住の促進にもつながっていくものと考えております。  今後県では、稼げる農業の実現に向け、担い手の確保、育成にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。  二項目めは、国際経済活動の推進についてであります。  幕末から明治の夜明けに至る新しい国づくりの中で佐賀藩は重要な役割を果たし、多くの人材を輩出したことは周知のとおりであります。  産業、医療、教育手法など各分野での偉人と言われる本県の先達の活躍には、後世の我々に大きな勇気と希望を与えてくれています。  特にものづくりの分野におきましては、海外の近代産業技術等、先進的なものづくりを推し進めてきたところであり、このことは昨年の三重津海軍所跡が世界遺産に登録されたことにもつながっていると思います。  まさに、日本の先駆けとしていち早く海外に目を向け、その先進的な技術の導入に積極的に取り組んだ歴史があるわけであります。  今、地域経済を取り巻く環境は急速にグローバル化しており、県内の製造業を初めとする中小企業におきましても、国内市場の縮小などを考え合わせると、輸出の拡大に取り組むなど国際的な経済活動を行っていく必要に迫られております。  このため、先人の国際性に学び、進展する経済のグローバル化にしっかりと対応し、県内産業の海外展開を積極的に支援していくことが県の将来や産業振興には欠かせない取り組みであると考えております。  そこで、国際経済活動の推進に関してお伺いをいたします。  一昨年四月にジェトロ佐賀が開設されたことは、県内企業にとっては大きなメリットをもたらしたものと考えております。これまで県内企業は、ジェトロ福岡を利用していたわけでありますけれども、県内企業の海外展開ニーズの高まりを受け、地元経済界と一緒になっての今回のジェトロの誘致というふうに認識をしております。  この誘致から二年が経過いたしましたが、誘致前に比べ、どのような活動実績になっているのかをまずお伺いいたします。  企業の海外支援についてでありますけれども、海外展開の支援のためには、ジェトロが持つ情報やノウハウを積極的に活用していく必要があると思いますが、今後、県ではどのような企業支援を展開していくのかお伺いをいたします。  次に、海外拠点についてお伺いをいたします。  県では、平成二十三年六月に策定をされました第一期の国際戦略「世界とつながる佐賀県行動計画」におきまして、まずは中国など東アジアを主たるターゲットと位置づける中で、瀋陽、香港、上海の海外拠点の開設を明示されました。  海外拠点の開設目的の一つとしては、国際経済活動の推進があったものと考えますが、今議会の原田議員の代表質問におきまして、瀋陽、香港、上海の海外拠点の見直しを表明されたところであります。  今回の見直しにつきましては、開設から四年が経過した海外拠点の現状を分析し、特に中国の経済成長の鈍化や、ほかの東南アジア諸国の急速な経済発展といった国際情勢の変化等を踏まえ、さらには費用対効果の面から考慮した上で判断されたものと認識をいたしております。  そこでまず、県では、この四年間の海外拠点におけるこれまでの取り組みや課題について、どのように分析し、考えているのかお伺いをいたします。  海外拠点の見直しに伴う今後の取り組みでありますけれども、我が国の今後の急速な人口減少及びそれに伴います国内市場の縮小や途上国等における新たな産業への技術協力などを考え合わせますと、なお一層の本県企業の海外展開が必要とされると考えておりますが、海外拠点の見直しに伴う今後の国際経済に関する取り組みについて、県ではどのように考えているのかお伺いをいたします。  三項目めの質問に入ります。  高齢者の生きがい対策についてであります。  先般、国が公表いたしました平成二十七年の国勢調査によりますと、大正九年の調査開始以来、初めて総人口の減少が確認されました。今後、税収の先細りや働き手の不足など、社会構造の変化が予想されることは申すまでもありません。  また、佐賀県人口の将来推計によりますと、平成二十二年に二四・六%であった老年人口比率は、三十年後には三五・五%と、四人に一人の老年が三人に一人は老年という予測がなされておりまして、人口減少社会と高齢社会につきましては、早急に対策を講ずるべき問題であります。今後、さらに二〇二五年をピークとして増加の一途をたどることになります。  高齢人口の増加につきましては、年金財政を圧迫しておりますことから、年金支給年齢が繰り下げられ、あわせて平成二十五年四月から「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」、高齢者雇用安定法ですね、それが改正をされまして、六十五歳まで希望者全員を継続雇用制度の対象とすることが、事業主の義務となったところであります。  平成二十七年の佐賀労働局の調査によりますと、三十一人以上企業規模におきます六十歳以上の常用労働者の数は、一万五千二百七十五人となっておりまして、法改正前の平成二十四年調査と比較いたしますと、三千三百六十八人、率にして二八・三%が増加をいたしております。  一方、団塊の世代、私もその真っただ中でありますけれども、その団塊の世代が全て七十五歳以上となる二十年後には、超高齢社会となり、日々の生活の営みにさまざまな変化が予測されております。  また、国立社会保障人口問題研究所が発表しております平成二十六年四月推計によりますと、佐賀県では平成二十七年度におきます六十五歳以上の高齢者のいる世帯は十一万九千世帯と、全世帯の約四割を占めておりまして、そのうち、高齢者の一人世帯、または夫婦のみの世帯の割合は五三・七%と過半数を超えております。社会保障費がふえる中、支え手であります生産年齢人口は少なくなってまいります。  一方で、核家族化の進行や高齢世帯の増加によりまして、家族や親族の支え合いの機能の希薄化及びファミレス化、これはファミリーレストランではなく、ファミリーレスという意味でのファミレス化でありますが、人口減少による地域の支え合いの機能が低下していくことも避けて通れない問題であります。  この社会保障費を抑制できる方策の一つは、高齢者の医療費の削減であります。ひとり住まいとなったお年寄りが、急に老け込まれ、なかなか家の中から出られない、もう出んさなかもんねというふうな状況でございますが、そのことがさらにそういった方々の体力を弱めているという事例をよく耳にいたします。  お年寄りが気楽に集まる場所を設置したり、これまでの知恵と経験を生かす施設をつくったり、生きがいを持った健康なお年寄りをふやさなければなりません。  今後の高齢社会では、健康寿命が延びることで、職業生活を終えた後に、豊かな自由時間を持ち、その中で新しい人生の意味を見つけ出すことも可能となります。今はまだ元気な高齢者も多く、年齢を問わず、能力や体力に応じてできる限り長く活躍できる方々をふやし、みずから地域コミュニティーづくりに参画するなど、社会を支える側に回ってもらうことも重要だと考えます。  高齢の方々がこれまで培ってこられました知識や経験を生かせるよう、意欲と能力がある限り、年齢にかかわりなく活躍できる社会の実現に向けた取り組みが必要であります。  以下の点についてお伺いいたします。  国では、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を見据え、持続可能な社会保障制度の確立を図ることの一つとして、平成二十六年に介護保険制度の改正が行われ、順次、市町を中心に実施されることになっておりますが、その改正の目指す方向についてお尋ねをいたします。  次に、地域の見守り体制づくりについてお尋ねをいたします。  六十五歳以上の高齢者のいる世帯の中で、高齢者のみの世帯が過半数に達している現状を考えますと、高齢者を見守っていく地域の体制づくりも必要であると考えますが、県はこうした地域の見守り体制づくりについて、今後どう取り組んでいくのかお尋ねをいたします。  次に、高齢者を支える仕組みについてでありますが、地域コミュニティーの崩壊が叫ばれてから久しくなります。これからのさらなる人口減少と超高齢社会では、元気な高齢者がいらっしゃる今、高齢者が住みやすい地域コミュニティーをつくっていかなければなりません。私の周りでも、元気なお年寄りは元気のうちに、ひとり住まいの高齢者などのよりどころ、ついのすみかなどの設置を望まれ、計画をされております。  「NPO法人高齢社会をよくする女性の会」の理事長であります樋口恵子さんが中心になって、「二〇五〇年 超高齢社会のコミュニティ構想」という本を出されております。これによりますと、これからは「血縁から結縁へ」と、血の縁から結、結びの結縁とされておりまして、元気な高齢者による「集いの館」の設立運営が提言をされております。こうした従来にない高齢者が生きがいを持って高齢者をお世話するコミュニティーのあり方も考えていくべきと考えますが、県では地域で支える仕組みづくりについて、どう取り組んでいかれるのかお尋ねをいたします。  次に四項目めは、城原川ダム事業の検証についてであります。  未曽有の大災害となりました東日本大震災から早くも五年が経過しようとしております。その後も全国各地で集中豪雨、台風被害、地震、火山の噴火などの大規模な自然災害の発生が続いており、特に昨年九月の鬼怒川の大水害は、記憶に新しいところであります。犠牲となられた方々、まだまだ避難生活を余儀なくされている方々、こうした方々にお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧、復興をお祈りするのみでございます。  国におきましては、東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、防災、減災等に資する国土強靱化基本法を定められたところであります。県におきましても、「安全・安心な県土・地域・経済社会を構築するため」、昨年十一月に、佐賀県国土強靱化地域計画を策定し、人命保護、財産や公共施設の被害の最小化、迅速な復旧復興などを図ることとされたところであります。中でも、全国各地での集中豪雨の激化が顕著になっておりますことから、治水対策の整備は急務とされております。  神埼市の中心を流れる城原川では、天井河川ということもあって、平成二十一年、二十二年と、立て続けに計画高水位を上回る洪水が発生し、堤防決壊の危険にさらされており、早急な治水対策が望まれております。しかしながら、城原川の治水対策は、城原川ダムが平成二十二年より全国で始まったダム検証の対象となり、いまだに治水対策の方針が決定されないままであります。私もこれまでの議会でもたびたび取り上げ、治水対策の早期決定を訴えてまいりました。  そのような中、知事は昨年三月に水没予定地の現地を視察するとともに、ダム水没予定地の住民の皆さんの切実な思いをじかに聞き、理解を示されたところであります。その後、知事は国土交通大臣に直接会われたり、政府に対する要望活動を行い、城原川の治水対策の一日も早い整備について訴えてこられました。あわせて、城原川ダム事業関係地方公共団体から成る「検討の場」の早期開催を強く要望されたこともあり、昨年五月にようやく第一回目の「検討の場」が開催され、現在まで計三回の「検討の場」が開催されるなど、長らく動かなかったダム検証が本格化しております。  去る一月十四日に開催されました第三回目の「検討の場」では、さまざまな治水対策案の中で「最も有利な案は『城原川ダム案』である」という評価結果を取りまとめた検討報告書の素案が示されました。この検討報告書の素案をもとに、学識経験者や関係住民からの意見聴取が行われましたが、今後、「検討の場」などの審議を経て、最終的な方針が決定されると聞き及んでおります。  流域住民の安全・安心はもとより、長年御苦労をおかけしている城原川ダム水没予定地の住民のためにも、一日も早く治水対策の方針を決定していただき、城原川ダムの建設促進を図っていただきたいと考えております。  そこで、まず一月十四日に開催をされました第三回の「検討の場」におきましては、「最も有利な案は『城原川ダム案』である」という評価結果を取りまとめた検討報告書の素案が示されましたが、その内容は、具体的にどのようなものなのかお伺いをいたします。  また、一部の報道によりますと、ダム案に慎重な方の意見が目立つような報道もなされておりましたが、二月十五日に学識経験者から、また二月二十一日に神埼市、二月二十二日に佐賀市でそれぞれ検討報告書の素案について、住民の方々からの意見聴取がなされましたが、その結果はどうであったのかお尋ねをいたします。  知事には、これまで地元に出向いたり、国に要望されたりと、精力的に動いてもらっておりますが、私もこれまで何回も訴えてきたとおり、地元の窮状を鑑みて、国には早急に対応方針を決定していただきたいと考えておりますが、県として今後どのような対応を図っていくのかお尋ねをいたします。  最後の五項目めは、食育と学校給食についてであります。  「国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむ」ことを目的として、食育基本法が平成十七年に制定をされました。また、同法には、「子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも『食』が重要である。」と書かれており、私も子供たちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育んでいく基礎となる重要なものと考えております。  国におきましては、この法に基づき、食育推進基本計画及び第二次食育推進基本計画を策定し、平成十八年度から平成二十七年度までの十年間にわたって食育を推進されてきたところであります。  その結果、朝食、または夕食を家族と一緒に食べる共食の回数や、農林漁業体験をした国民の割合、食品の安全性に関する知識を持っている国民の割合などなどが増加するとともに、家庭、学校、保育所等における食育は着実に推進され、進展してきているとされております。  昨日の新聞にも武雄市の若木小学校の食育の大きな成果が報じられておりました。また、最近ではユネスコの無形文化遺産に「和食;日本の伝統的な食文化」が登録をされまして、郷土料理、伝統食材、食事の作法など我が国の伝統的な食文化に関する関心が高まっているところであります。  しかしながら一方では、最近の若い世代では他の世代に比べて、朝食を欠食する割合が高く、栄養バランスに欠けた食生活を送ったり、また高齢者などの単独世帯やひとり親世帯の増加と相まって、子供の貧困率もふえるなど、食をめぐる家族や生活の状況が大きく変化してきているとされております。  さらに、高齢化が急速に進展している我が国におきましては、健康寿命の延伸は重要な課題でありまして、食育の観点からも積極的な取り組みが必要とされております。大量の食品廃棄物を発生させ、環境への負荷を生じさせていることとあわせまして、食品ロスの削減等、環境にも配慮する必要があるとされております。  こうしたこれまでの食育の推進の成果と食をめぐる諸課題を踏まえ、平成二十八年度から平成三十二年度までの新たな食育推進基本計画を策定することとされておりまして、国の第三次食育推進基本計画案では、「若い世代を中心とした食育の推進」、「健康寿命の延伸につながる食育の推進」、「食の循環や環境を意識した食育の推進」などが課題とされているところであります。  本県におきましても、これまで二次にわたる食育推進基本計画を策定し、食育の推進に取り組んできたところであります。今、第三次佐賀県食育推進基本計画を策定すべく、関係団体で構成される計画策定委員会で検討がなされております。  食は命の源であります。私たちが生きていくために欠かせないものであります。また、健全な食生活を日々実践し、健康で心豊かな暮らしの実現に大きく寄与するものでもあります。あわせて、子供たちに対する食育は、家庭、地域、学校の三者間の連携が必要であり、学校においての食育の取り組みを推進することも重要なことであります。  こうした食育をめぐる国、県の取り組みの中で、学校給食における最近の県内、特に三神地区での異物混入事案の発生は、まことにゆゆしき問題であり、解決に向けた早急な対策が必要であります。  そこで、以下についてお伺いをいたします。  県では、現在、第三次佐賀県食育推進計画を策定中でありますが、これまでの二次計画の中で立てられました指標の達成状況はどうなっているのかお伺いをいたします。  二次にわたる食育への取り組みがなされてきておりますが、これまで県民運動としての盛り上がりが欠けていたように思います。食育の大切さにもっと県民が実感できるよう、より実効性のある取り組みをしてもらいたいと考えておりますが、今後、第三次計画の実施において食育の推進にどう取り組んでいくのか、県の考え方をお尋ねいたします。  次に、高齢者の問題の中でも取り上げました健康寿命の延伸のための取り組みについてであります。  我が国の平均寿命は、男性八十・〇三歳、女性八十六・五三歳と、男女とも八十歳を超える世界一の長寿国となりましたが、算定の方法にもよりますけれども、健康寿命は平均でそれより実際短いと言われております。急速な高齢化の進展は、地方におきましても社会保障費の増加となり、地方財政を大きく圧迫しているところから、高齢者の健康対策、とりわけ医療費の削減は大きな課題となっております。  健全な食生活を実践することや食環境を改善することは、生活習慣病を予防し、健康寿命の延伸につながると言われておりますけれども、県はこうした健康寿命の延伸のためにどのように取り組むのかお伺いをいたします。  また、食品ロス対策についてもお伺いをいたします。  世界では、約八億人の人々が飢餓や栄養不足で苦しんでいる一方で、我が国では世界全体の食料援助量約三百二十万トンを大きく上回る約六百四十二万トンの食品ロスが発生していると言われております。  食べ物をもっと大切に、もったいない感覚をもっと広めて、大切に消費していく意識を高め、食品ロスを削減するためにどのように取り組んでいかれるのかお尋ねをいたします。  次に、学校給食における県産農林水産物の利用割合についてであります。  学校現場におきましては、地域の農林水産物の生産におけるさまざまな体験を通して、子供たちの食に対する関心と理解を深めるため、農林漁業体験活動を実施されておりますけれども、これは県内でほぼ一〇〇%近く取り組まれております。  一方、学校給食におきます県産農林水産物の利用の割合は目標に達しておらず、生産現場との協力体制も必要でありますけれども、県産農林水産物の利用を促進するために、県は今後どのように取り組んでいくのか、教育委員会にお尋ねをいたします。  最後に、学校給食における異物混入対策の防止についてであります。  学校給食は、学校における食育を効果的に進めるための重要な教材として活用できるものであり、そのために学校給食は十分な衛生管理のもと、安全・安心が第一であることが必要不可欠なものであります。  しかしながら、今年度になって異物混入事案が続いて報告されております。大変残念な状況が続いたところでありますが、学校給食は食品の納入から配膳まで、さまざまな過程があると思いますが、どういう場面でどういう工程で異物が混入していたのか、教育長にお尋ねをいたします。  また、最近続いている学校給食における異物混入事案を受けて、教育委員会では再発防止に向けてどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたしまして、質問といたします。(拍手) 3 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。八谷克幸議員の御質問にお答えいたします。  まず、佐賀農業に対する私の所見についてお答え申し上げます。  私は、知事に就任してから一貫して現場主義を第一に、できる限り農業者のもとへ出向き、現場の声を聞いてきたところでございます。  その中で特に感じたのは、佐賀県民というのはとにかく実直であるということ、農業者の皆さん方も真っすぐで、ひたむきな性格ですばらしいものづくりをされているものと感じました。  そうした皆様方が精魂を込めて生産された農産物は、先日、六年連続で特Aの評価を受けた「さがびより」を初めとして、「佐賀牛」、ハウスみかん、「さがほのか」、アスパラ、タマネギ、レンコン、麦、大豆などなど、まさに本物のオンパレードでありまして、これらは自立して、そして助け合って技術を磨き、さらに先人から脈々と受け継がれてきた佐賀の農業者の魂を注ぎ込んでつくられたものだと強く感じているところでございます。  私は、時間の許す限り、消費地、デパートやスーパーでトップセールスをしていきたいと考えているところでありますが、ことしの一月も、八谷議員からお話がありましたように、銀座三越でイチゴ、「さがほのか」を売る前にさきだって神埼でイチゴ農家の話を聞いた、その流れでトップセールスをすると。これはどういうことかといいますと、温暖化などで栽培管理が難しい中で丹精を込めてイチゴをつくられたという、いろんなお話をいただいた、そういう生産者の皆さん方の思い、どういう方がつくられて、こんな気持ちでというところをしっかりと消費者に届けるということが佐賀の農業にとって大事だと思っているからにほかならないわけでございます。  私は、実際に現場へ出向き、こうした本物の地域資源やものづくりの技術や精神など、そのすばらしさ、奥深さを改めて実感することで、県民お一人お一人にも佐賀県の持つすばらしさに改めて気づいていただくとともに、これらを次世代へしっかりと引き継いでいかなければならないという思いを強くし、また、これを世界に発信していきたいと思っています。  このようなことから、今後の農業振興に当たりましては、先ほど申し上げた本物の農産物をさらに磨き上げ、状況に応じて六次産業化もしっかりと推進し、農業者の方々の思いや誇りとともに、稼げる農業、そして希望や夢が持てる、そういった農業に向けて国内だけではなくて、もっと世界へ打って出て、世界に通用する佐賀農業にしたいというふうに考えております。  挑戦なくして伝統なし。水田での佐賀段階、新佐賀段階のように、佐賀農業にはそのときそのときの生産者がしっかりと時代と向き合ってチャレンジしてきた素地があると思っています。今後も新たな取り組みにチャレンジし、若い人が取り組んでみたいと思えるような稼げる農業を確立し、また、そうした農業をさらに未来の子供たちに引き継いでいけるように全力で頑張っていきたいと思っています。  続きまして、城原川ダム事業についてのお尋ねがございました。  ダム検証もこれまでに三回の「検討の場」が開催されるに至っています。ことしの一月には検討報告書の素案といたしまして、「最も有利な案は『城原川ダム案』である」ということが国から説明されたところであります。現在、その素案について学識経験者、そして関係住民からの意見聴取も国により実施されてきているところでございます。  流域住民の安全・安心のために速やかに地域に最も適した治水対策を決定し、城原川の治水対策を推進していただきますように県としても引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えています。  私からは以上でございます。 4 ◎伊藤くらし環境本部長 登壇=私からは、問五の食育と学校給食に関する質問のうち三点お答えいたします。  まず一点目ですけれども、第二次食育の基本計画の指標の達成状況はどうなっているのかというお尋ねでございました。  平成二十三年度から今年度までの期間となっている第二次計画の取り組み成果を把握するため、計画の中で十五項目にわたりまして指標を掲げております。  その主な指標の達成状況について、厳密には平成二十七年度がまだ終わっていないということでございますので、今の段階で申し上げると、まず全体的な指標といたしまして、市町における食育推進計画の作成や、「食育ネットワークさが」加入企業数など六項目は達成見込みでございますが、健康づくり協力店登録数など三項目は達成にはまだ至っていない状況でございます。  次に、子供に関する指標といたしまして、農林漁業体験を行った学校の割合など、二項目は達成見込みでございますけれども、朝御飯を毎日食べる児童生徒の割合や、学校給食における県産農林水産物の利用割合など、四項目が達成には至らない状況でございます。  このように第二次計画では、地域での食育ネットワークの広がりや食育についての意識の向上など、一定の成果があらわれております一方で、朝食を食べない人、あるいは子供の割合を減らすという点の改善がまだできていないと、そういった状況にありまして、個人が実践するまでには至っていないという課題があると認識しております。  次に、第三次計画の実施において、どのように食育の推進に取り組んでいくのかというお尋ねでございますが、平成二十八年度から始まる第三次計画では、先ほど申し上げた第二次計画の達成状況や課題を分析しまして、それらを反映するとともに、教育、企業・団体、市町など、幅広い関係者の意見や近年の食を取り巻く動向を踏まえまして、「多様なくらしへの対応・健康長寿に貢献する食育の推進」ですとか、「佐賀の宝・食文化を守り継承する食育の推進」ですとか、「生産から食卓まで食の循環や環境を意識した食育の推進」など、五項目を掲げて食育推進に取り組むこととしております。  幾つか具体例を申し上げますと、親子で食について考えてもらうために、小学生を対象にした食育標語コンクール、これは例年やっておりますけれども、うちのほうで家族団らんカレンダーというのをつくっております。その中に小学生がつくった標語ですね、上げていますけれども、例えば、「米が好き 僕の呼び名は 米(マイ)スター」ですとか、「ばあちゃんの 虫くいやさい あんぜんよ。」、こういった標語を子供から募集してやっております。ことしもそういった標語コンクールを実施したり、和食のよさを伝える研修会を開催したり、さらには食にかかわる人々への感謝の念について記載した食育啓発のリーフレットを配布する、こういった取り組みを実施することとしております。  なお、第三次計画の策定に当たり開催いたしました策定委員会や関係団体との意見交換会の中で、食育に対する理解を深めるためには、いろいろな分野の関係者が密に問題意識を共有し、食育推進を図るべきとの意見が多く寄せられたところでございます。  県といたしましては、こうした意見を踏まえて、教育、企業・団体、行政などの関係者がさらに連携することにより、第三次食育推進基本計画を着実に進めてまいりたいと考えております。  続きまして三点目、食品ロス対策について県はどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございました。  食品ロスにつきましては、飲食店等の食品関連業者と一般家庭から発生しております。そのため、この双方に対しまして、食品ロスを削減するための啓発等を行っていく必要があると考えております。
     このため県におきましては、今年度から飲食店に対して、佐賀県食品衛生協会と連携して「さが食べきり推進協力店登録制度」を設け、食品ロス削減に積極的に取り組むよう協力をお願いしております。  また、一般家庭向けといたしましては、食生活を通した健康づくりを推進している佐賀県食生活改善推進協議会と連携しまして、エコクッキング教室を開催するなど、食品ロス削減につながるメニューの普及に取り組んでいるところでございます。  なお、県庁の懇親会の中では、県みずから率先して、幹事が職員に食べ残しを出さないように呼びかける運動を行っております。また、佐賀市では「3010運動」として、宴会が始まって三十分と、それから終了前の十分は席に着いて食事を楽しもうという、そういった運動を展開されております。  県といたしましては、こういった取り組みを継続するとともに、来年度から九州地方知事会に設置されております九州ごみ減量化推進協議会において、九州七県が連携して「食べきり推進協力店登録制度」の普及拡大に取り組んでいくこととしております。引き続き食品ロスの削減に努めてまいります。  私からは以上でございます。 5 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私からは、高齢者の生きがい対策に関する御質問について三点、食育と学校給食に関する御質問について一点お答えいたします。  まず、高齢者の生きがい対策に関する御質問のうち、平成二十六年度に行われた介護保険制度の改正の目指す方向は何かというお尋ねがございました。  国では、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を見据え、持続可能な社会保障制度の確立を図るために、平成二十六年に介護保険法や医療法の改正など、さまざまな改革を実施したところでございます。  介護保険制度改正におきましては、一定以上の所得や資産のある人の利用負担を見直すなどの費用負担の公平化とあわせまして、高齢者が住みなれた地域で生活が継続できるようにすることを目指しまして、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が制度改正の柱に掲げられました。この中には、ボランティアやNPO、民間企業、社会福祉法人、協同組合など、多様な主体によるサービス提供を可能とする地域支援事業が大幅に拡充されたところでございます。  この拡充された地域支援事業の主な内容は、在宅医療と介護の連携を図ること。認知症施策を推進すること。生活支援サービスの充実強化を図るためのコーディネーターの配置や、協議会を設置するための生活支援体制整備事業が新設されたことなどでございます。  このうち、生活支援体制整備事業は、地域住民やNPO、民間企業などの多様な主体による見守りや安否確認、買い物などの家事支援などを含む生活支援サービスの充実を目的としたものでありまして、この事業を活用することで、議員御指摘の地域コミュニティーづくりが進むことが期待されるところでございます。  次に、地域における高齢者の見守り体制づくりについて、どう取り組むのかというお尋ねがございました。  地域における高齢者の見守りにつきましては、以前から近所づき合いの中で行われてきたところでございますが、最近では社会情勢の変化などによりましてそういったことが難しくなってきております。それを補完する取り組みとして、それぞれの地域において独自の取り組みが行われているところでございます。  例えば、配食サービスを活用した独居高齢者の安否確認を行っているのが県内で十七の市町がございます。愛の一声運動──声かけ運動ですけれども──などによります民生委員などによる見守り活動を行っているのが十一の市町でございます。  また、民間事業所と協働して高齢者の見守りを行っている市町もございまして、民間事業所と協定などを締結している市町が十の市町。協定は締結をしておりませんが、それぞれの市町の既存のネットワークの中にメンバーとして入っていただき、協力を得ている市町が八つありまして、重複がありますので、実質的には十三の市町が民間事業所と連携した取り組みを行っております。  県といたしましても、地域における高齢者の見守りにつきましては、地域包括ケアシステムを推進する上で非常に重要と考えております。市町が主体となった取り組みの一層の充実が図られるよう支援してまいります。  また、九州、山口各県知事会及び経済界の代表から成ります九州地域戦略会議におきまして、多重的見守りネットワークの構築に取り組むこととされております。見守り共同宣言を行い、市町村と民間事業者の協定締結を推進する。見守り意識の醸成に向けた九州、山口統一した啓発活動を実施するなど、九州、山口各県が共同して取り組むこととされておりまして、本県としてもその一員としてこれらにしっかり取り組んでまいります。  次に、この項目の最後ですけれども、高齢者を地域で支える仕組みづくりにどう取り組むのかというお尋ねでございます。  これからの高齢社会を考えたとき、老後を自分らしく豊かに生きる、元気なうちは高齢社会を支える活動を行っていくことなどによりまして健康を維持することになり、介護予防にもつながり、ひいては社会保障費の抑制につながっていくというふうに考えております。  先ほどお答えいたしました地域支援事業の取り組みの一つの例として、地域コミュニティーづくりに資すると考えられる交流サロンの設置もございます。これは、ひとり暮らしや家の中で過ごしがちな高齢者と地域住民などが気軽に集い、触れ合いを通して生きがいづくり、仲間づくりの輪を広げる場でございまして、介護予防の拠点としても機能するというふうに考えております。現在でも、県内の市町の社協を中心といたしまして、ほとんどの市町で総数で約九百ぐらいの触れ合い交流サロンが現に実施をされております。この地域支援事業は、現在の取り組みを生かしながら、さらにそれを充実強化しようというものでございます。  また例えば、農山漁村地域では、農協や漁協が中心となって、組合員による配食サービスなどの生活支援サービスを行ったり、団地やマンションなどでは、入居者がサービスの提供主体となって、同じ団地などの高齢者の見守りなどの生活支援サービスを行うことも考えられます。さらに、議員御指摘のとおり、高齢者は支えられる側になるだけではなく、これまでの知識や経験を生かして、支える側として今後は大いに社会活動をしていただきたいと考えております。  例えば、地域支援事業の各種サービスの提供主体としてかかわってもらったり、ボランティアポイント制度に多くの高齢者が参加してもらうこと。このボランティアポイントと申しますのは、高齢者が施設などでボランティア活動を行うことによりまして、生きがいや自身の健康づくり、介護予防になるとともに、地域にも貢献できると。活動にポイントがつきまして、ポイントは換金等ができるようになっておりますけれども、このボランティアポイントに多くの高齢者が参加してもらうことは生きがいづくりにつながると思っております。  県といたしましては、今後とも市町が中心となって、それぞれ地域の実情に合った地域支援事業を実施できるよう、市町からの相談への助言や参考となる全国の先進事例の紹介、地域支援事業に関する研修など、市町への支援に努め、高齢者が安心して生きがいづくりを行っていただくためにしっかりと取り組んでまいります。  次に、食育と学校給食に関する御質問のうち、健康寿命延伸のために県はどのように取り組んでいるのかというお尋ねがございました。  健康寿命を延伸させるためには、食生活や運動、休養、たばこ、飲酒などの生活習慣を改善し、生活習慣病の発症や重症化を予防することが重要でございます。  このうち、食生活について申し上げますと、食生活は循環器疾患や糖尿病の発症、肥満や痩せとも密接に関係しているため、適切な量と質に配慮した食事を習慣とすることが生活習慣病予防の基本の一つでございます。  そこで、県では正しい食生活の定着のために、市町ごとに組織された食生活改善推進協議会と協力しながら、朝食を必ず食べる。野菜を一日三百五十グラム以上摂取する。適正体重を維持する。塩分摂取量を一日に男性八グラム、女性七グラムに減少させる等の普及啓発に取り組んでおります。  また、県民が望ましい食を選択しやすい環境整備のために、加工食品の栄養成分表示を推進すること。カロリーや塩分を控え目、野菜や食物繊維をたっぷりといったヘルシーメニューを提供する健康づくり協力店をふやすことなどの取り組みを行っているところでございます。  さらに、食べるためには歯や口腔の健康が維持されることが重要であることから、八十歳で二十本の歯を維持する「8020運動」や、かかりつけ歯科医の普及により、幾つになっても健康な歯でおいしく食べることを推進しております。  今後とも、県民一人一人が食を通じた健康づくりを実践し、健康寿命の延伸につながるよう、しっかり取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 6 ◎和泉県土づくり本部長 登壇=私からは、城原川ダム事業の検証についての御質問のうち、まず治水対策案の評価結果はどのようなものだったのかについてお答えいたします。  今回のダム検証におきましては、城原川流域への適用が可能な複数の治水対策案が提案され、その中からコストやパブリックコメントの意見などを踏まえまして、ダム、河道掘削、遊水地などによる七つの有力な治水対策案の抽出がなされたところでございます。  これらの抽出された治水対策案について、コストのみならず、安全度、実現性、持続性、柔軟性、地域社会や環境への影響などの複数の評価軸によりまして、総合的な評価がなされたところでございます。  その結果、コスト及び計画の目標を上回る洪水が発生した場合の安全度、さらに時間的な観点から見た実現性において、城原川ダム案が有利であり、総合的に「最も有利な案は『城原川ダム案』である」という評価がなされ、ことし一月に開催されました第三回の「検討の場」におきまして、検討報告書の素案という形で国により示されたところでございます。  続きまして、学識経験者及び住民意見の聴取結果についてどのようなものだったのかということについてお答えいたします。  学識経験者からの意見聴取につきましては、国によりまして、筑後川水系河川整備計画を点検することを目的に設置されている筑後川学識者懇談会の七名の委員を対象に検討報告書の素案の内容が説明された上で、それに対する意見聴取が行われたところでございます。  その結果でございますが、検討報告書の素案に示された「最も有利な案は『城原川ダム案』である」ということに対しては、七名全ての委員が異論はなく、城原川ダム案については、河床をいじらず現状を保てるなど環境への影響が少ないなどの意見もあり、一定の評価がなされたというふうに認識しているところでございます。  さらに、県独自でも地域の実情に精通し、県内の河川行政に御意見、御指導をいただいてきた四名の学識経験者の方に意見を聞いたところでございまして、検討報告書の素案の「最も有利な案は『城原川ダム案』である」ということに異論はございませんでした。  また、住民からの意見聴取についてでございますが、これは検討報告書素案に対する関係住民からの意見を聞く場が神埼市と佐賀市の二つの会場で開催され、十三名の住民の方々から意見が示されたところでございます。  その中での主な意見といたしましては、平成二十一年の洪水を経験した沿川地区住民の方々、あるいは四十年以上にわたりダム問題に翻弄されてきた水没予定地区の住民の方からは、早急なダムによる整備を求める意見が出されております。一方で、環境への影響を危惧する考えから、ダムによらない治水を求める意見なども出されております。  このように、賛否さまざまな立場から意見が述べられたところというふうに認識しております。  私からは以上でございます。 7 ◎黒岩国際・観光部長 登壇=私のほうからは、国際経済活動の推進について、大きく二点御質問がございました。  一点目は、ジェトロ佐賀と連携した企業支援についてのお尋ねであります。  まず、ジェトロ佐賀の活動実績ですが、ジェトロ佐賀に寄せられた貿易投資相談の件数を見てみますと、ジェトロ佐賀設置前の平成二十五年度のジェトロ福岡への相談件数三十四件、これに比べまして、設置された平成二十六年度は三百二件と実に約九倍に増加したところであります。平成二十七年度も前年同期を上回っておりまして、ジェトロ佐賀は県内企業の相談先として広く認知、活用されているところでございます。  また、輸出に取り組む企業に対し、ジェトロが個別にアドバイザーをつけて支援する個別支援事業につきましても、ジェトロ佐賀開設前の平成二十五年度が二社であったのに対し、平成二十六年度は七社、今年度は既に八社の支援を行っているところであります。  このような支援によりまして、実際に欧州やアジア向けの日本酒や陶磁器などの輸出が促進され、フィリピンやベトナムへの企業進出が実現するなど具体的な実績につながっております。  また、ジェトロ佐賀におきましては、唐津コスメティック構想による海外との産業交流や有田焼創業四百年事業における「メゾン・エ・オブジェ」等の海外展示会への出展支援など、県が取り組むプロジェクトについても、欧州各国にあるジェトロ事務所と連携しながら、積極的に支援いただいているところでございます。  次に、企業の海外展開支援のためにはジェトロが持つ情報やノウハウを積極的に活用していく必要があると思うが、今後、県ではどのような企業支援を展開していくのかとの御質問でございました。  県内企業の海外展開支援を推進していくためには、まずは企業のニーズをしっかり把握しながら取り組むことが重要と考えております。  その一環として、ものづくり分野では、佐賀県工業連合会やジェトロ佐賀などと連携し、定期的に「佐賀県ものづくりグローバル研究会」を開催し、企業経営者と直接意見交換などもしているところであります。  このように、企業のニーズをしっかり把握した上でジェトロの持つ幅広い海外ネットワークやノウハウを最大限生かしながら、佐賀県貿易協会や商工団体、金融機関などとも連携し、具体的な情報提供や貿易投資相談を行うとともに、海外バイヤーの紹介、海外展示会への出展支援、県内企業を募っての海外経済ミッションなどに取り組んでいくなどして、県内企業の海外展開を今後とも積極的に後押ししていく考えであります。  次に、海外拠点について、これまでの取り組みや課題、それから今後どう取り組んでいくのかについての御質問がございました。  まず、瀋陽代表事務所ですが、瀋陽代表事務所については、この四年間、嬉野高校や龍谷高校などと遼寧省内の学校との学校間交流、嬉野市と遼陽市との地域間交流などを行ってきたところであり、この分野では一定の成果が出ているところでございます。  一方、県産品の輸出や企業の海外展開といった経済分野におきましては、食品や日本酒、有田焼の現地輸入業者との商流構築、大連日本商品展覧会への県内企業出展、瀋陽総領事館公邸における佐賀県プロモーションなどを実施してきておりますが、この四年間で県産品を扱っていただいていた瀋陽市内の伊勢丹百貨店や久光百貨店が撤退するなど中国経済の停滞もあり、なかなか成果が上がっていないのが現状であります。  今後も、遼寧省など中国東北地域の経済状況は引き続き厳しいと見込まれており、直ちに経済分野で成果を出すことは難しいため、今回、現地事務所については閉じることとしたところであります。  瀋陽事務所の今後の取り組み、展開でございますが、今回、瀋陽代表事務所を閉じることについては、先月、私が遼寧省政府を訪問し、説明を行い、理解を得たところでございます。  その際、経済交流を初め、佐賀県と遼寧省との交流については引き続き進めていくことをお互いに確認したところでございます。  事務所は廃止するものの、来年度からは本庁に遼寧省を担当する職員を置くこととしておりまして、今後とも遼寧省との経済交流に取り組んでまいります。  次に、香港代表事務所でございますが、香港代表事務所につきましては、この四年間で「佐賀牛」を初め、イチゴ、ミカンなどの青果物や日本酒の輸出量拡大、佐賀県への観光客増加といった成果が着実に出てきております。  ただ、香港はフリーポートとしてビジネスチャンスもある一方、世界的な商業の激戦区であるため、引き続き農業団体や地場の銀行等と連携しまして、積極的な事業展開が必要と考えております。  香港代表事務所の今後の取り組みですが、香港事務所につきましては、引き続き香港の市場をにらみつつ、活動エリアを香港のみならず、既に「佐賀牛」輸出や現地の食品バイヤーの動きが活発化してきておりますシンガポールやフィリピンなど東南アジアにも拡大し、積極的に営業活動を行っていきたいと考えているところでございます。  最後に上海デスクですが、上海デスクにつきましては、これから中国での事業を始めたいと考えている企業からの相談対応や、企業が行う市場調査や商談に同行するなど企業ニーズに細やかに対応することで、県内企業から頼られる存在になっています。しかし、中国ビジネスの難しさから成約実績はまだ少ないという状況であります。  上海デスクの今後の取り組みですが、上海デスクにつきましては、その機能を四月の組織改正にあわせまして、国際経済全般を担当する部署に移し、活動内容を企業支援に特化することにより、成約実績を積み上げていきたいと考えております。  また、有望な市場であり、県内企業からも問い合わせの多い台湾にも活動エリアを広げることとしております。  国際経済活動の推進につきましては、今後とも刻々と変化する国際情勢を的確に捉え、海外拠点を有効に活用し、また、ジェトロ佐賀とも連携しながら、県内企業の海外展開を積極的に支援してまいりたいと存じます。  私からは、以上お答えいたします。 8 ◎古賀生産振興部長 登壇=私からは、稼げる農業の実現に向け、担い手の確保育成について、どのように取り組んでいくのかというお尋ねをいただきました。  県ではこれまで、地域における経営力の高い担い手を確保、育成するため、省力化や低コスト化を図るための高性能農業機械や温度、湿度などの栽培環境を自動制御する園芸用ハウス、さらにはイチゴの省力化が可能となる高設栽培システムなどの整備に対して支援を行いますとともに、規模拡大や所得向上を図ろうとする担い手農家に対しまして、農業改良普及センターによる品目や経営に応じたきめ細かな指導などを行ってきたところでございます。  さらに今年度からは、一層の経営発展を目指す農業者を対象に、経営力養成、雇用型経営、販売力強化、この三つのコースを設けまして、全国でも先駆的な事例に取り組んでおられるような経営者を講師に招くなどいたしまして、先進的な研修を行いますスキルアップ研修に取り組んでいるところでございます。今年度は二十六名の方が、先ほど申し上げた三つのコースで研修を受けられたところでございます。  平成二十八年度におきましては、この三つのコースに加えまして、女性農業者コースを新設することを計画しているところでございます。  また、地域のモデルとなるような雇用型経営体を育成するトレーニングファームの整備に向けて、現在、市町や農協と協議を進めているところでございます。  このトレーニングファームにつきましては、市町、農協、生産部会などが一体となって、意欲ある就農希望者を地域の内外から募集し、技術習得から独立就農まで切れ目なくサポートすることで、雇用を取り入れるような大規模経営を目指すモデル経営体を育成していくこととしているところでございます。  いずれにいたしましても、こうした取り組みを継続していくことによりまして、地域の中で高い経営力を持つ担い手を一人でも多く確保、育成をいたしまして、稼げる農業の実現につなげていきたいと考えているところでございます。  以上、お答えいたします。 9 ◎古谷教育長 登壇=私からは、学校給食に関しまして、一つは、県産の農林水産物の利用に関するお尋ね、もう一つは、異物混入の防止対策についてお答えを申し上げます。  まず、学校給食におきます県産農林水産物の利用に関してでございます。  学校給食におきまして、佐賀県産農林水産物を使用いたしますことは、地域の自然や環境、食文化、産業について理解を深めたり、生産をされる方や生産過程を理解する、あるいは食に携わる人々や食べ物への感謝の気持ちを抱くことができるなどの教育的意義を有するものと考えております。  県教育委員会では、これまで市町教育委員会の食育担当者や栄養教諭などを対象とした研修会を開催するなどして、地場産物を活用するよう働きかけてまいったところでございます。  また、昨年の七月には、栄養教諭などを対象にいたしまして、地場産物の利用等に関するアンケート調査を実施いたしました。その中では、地場産物に関して安定納入が難しいときがあるですとか、規格やサイズが学校給食に合わないものがあるといった御意見もございましたが、その一方で、献立を作成する栄養教諭などに地場産物に関する知識や情報が不足しているなどの意見もございました。  そこで、関係部局とも協議をいたしながら、栄養教諭等を対象にいたしました地場産物の産地見学会、あるいは佐賀県産の農産物の出回りカレンダーを配布するなどして、実際にどういったものがどの時期に出回っているのかといった情報も知っていただくと、そうした取り組みも行ってきたところでございます。  こうした取り組みの結果、第二次佐賀県食育推進基本計画の指標でございます地場産物の利用割合は、目標値である五〇%には達しませんでしたけれども、平成二十六年度の四五・三%から平成二十七年度には四五・八%ということで、〇・五ポイント上昇したところでございます。  平成二十八年度は、さらに地場産物の利用促進において先進的な地域の取り組みを参考とし、また、関係機関との連携を引き続き図りながら、地場産物の学校給食への一層の利用拡大を推進してまいります。  次に、学校給食における異物混入の防止対策について、二点お答えいたします。  まず、この異物混入の経路についてでございます。  異物混入の経路は、大きく分けまして、食品そのものに由来するもの、また調理過程に由来するもの、そして配膳室から教室までの運搬中及び教室での給食の時間に発生するもの、大きく分けてこの三つがございます。  今年度、県教育委員会に報告をされました十五件の異物混入事案の混入経路を分析いたしましたところ、食品に由来するものが六件、それから、調理過程に由来するものが五件、経路が特定されていないものが四件ございました。  次に、今後の学校給食における異物混入防止対策についてでございます。  学校給食は、議員からもお話がございましたように、児童生徒の心身の健全な発展に資するものでございまして、おいしく魅力ある食事であるとともに、まずは何よりも安全で安心な食事であることが不可欠でございます。  しかしながら、学校給食への異物混入事案が今年度多く報告されておりますことは、私としても大変遺憾に思うところでございます。県教育委員会といたしましては、保健衛生を所管する県保健衛生部局と情報を共有しながら、連携をいたしまして、県立学校及び市町教育委員会に助言、指導をするなど、これまでの取り組みを継続して徹底し、安全・安心な学校給食の実施を働きかけていきたいと考えております。  また、平成二十八年度は、通常の指導に加えまして、希望されます市町教育委員会などの学校給食施設に、指導主事などの指導者を派遣いたしまして改善指導を行い、安全で安心な学校給食が確実に提供されますよう、学校給食衛生管理基準の徹底を支援してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 10 ◎八谷克幸君 登壇=一点だけ再質問をさせていただきます。  稼げる農業の答弁の中で、知事からは、稼げる農業、そして夢の持てる農業をということで答弁をいただきました。  そういう中で、今の部長の答弁の中で、トレーニングファームの答弁がございました。私も、このトレーニングファームは、本当に実行力のある、意欲のある新規の就農者が、立ち上げてから、本当に、いわゆるもうかるまで、稼げるまでなるのに、やっぱり近道ではないかなというふうに思っております。  神埼・吉野ヶ里地区でのイチゴの産地は、本当にこれまでたくさんございましたけれども、高齢化なり、あるいは後継者不足ということから、最近非常に少なくなっております。そうしたリタイアされた方々などが、これまでの知恵と経験をたくさんお持ちでございまして、こうした方々の指導もしっかりいただけるような産地でございます。トレーニングファームは、今の振興計画の中で三カ所ということを明記されてございますけれども、県ではこのトレーニングファームをどのような品目で取り組もうとされているのかをお尋ねいたします。  そしてまた、あとは質問ではございませんけれども、私は今回、健康寿命ということを取り上げてまいりました。この問題は、部局が本当に県庁内各課にまたがっております。そうした意味で、今後とも、こういった問題にもしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、ここの部分は知事にもどうかよろしくお願いをしておきたいと思います。 11 ◎古賀生産振興部長 登壇=八谷議員の再質問にお答えいたします。  今、トレーニングファームについて、どのような品目で取り組むことを考えているかというお尋ねをいただきました。
     このトレーニングファームにつきましては、議員からも御紹介いただきましたように、まず県内三地区でモデル的に整備を行いたいという計画を持っておりますが、平たん地域や中山間地域などの生産条件、あるいは対象品目を考慮して、特定の地域に偏ることがないように推進していきたいと現在考えております。  品目につきましては、施設園芸を中心に、その地域地域において重点的に取り組んでいただいている品目を考えたいというふうに考えているところでございます。  例えば、佐賀平たん地域におきましては、代表作物でありますイチゴでありますとか、中山間地域の代表作物でありますホウレンソウでありますとか、県内でいち早く最先端技術を取り入れた経営が行われておりますキュウリ、こういったことを想定はしておりますけれども、現時点で品目は決定していない状況でございます。  このトレーニングファームにつきましては、実際の運営や研修生に対する指導に当たりまして、市町、農協、生産部会などの連携した、しっかりとした体制づくりが不可欠でございますので、地域内での話し合いの状況、準備の熟度などを踏まえながら、取り組んでいただく市町と品目の選定を、現在、市町、JAとも協議しながら進めているという状況でございます。  以上、お答えいたします。 12 ◎古賀陽三君(拍手)登壇=早速、質問に入りたいと思います。  まず、移住促進の取り組みについてであります。  二月二十六日に総務省が公表した平成二十七年の国勢調査の速報値によると、日本の総人口は、調査開始以来初めて減少し、全国四十七都道府県のうち、実に三十九道府県で五年前より人口が減少しているといったことが公表なされていました。以前から予想がなされていたこととはいえ、公表された数値を見ると、人口減少の深刻さを改めて感じたところでもありました。  この佐賀県の人口も、人口維持に必要とされる出生率を下回る状況や、高校卒業後、大学などへ進学をした学生の半数以上が県外へ流出をし、進学や就職を機に若者の県外への転出超過が続いていると、そういったことなどによって、八十五万人から八十三万三千人まで減少しており、人口減少に歯どめがかからない状況にあろうかと思っています。  私自身、どちらかといえば、これまでの佐賀県は、海外からの観光客を佐賀県へ呼び込むといったことで、海外からの外国人観光客の誘致や空港の利用促進など、交流人口の増加に向けた取り組みばかりが目立っていたのではないかといった印象を持っています。  いよいよ人口減少社会が到来をした現実を踏まえると、定住人口をふやしていく、そういった取り組みが大変重要になってくると考えています。その中で、昨年、移住促進に対するさまざまな取り組みを始められ、今後においては、福岡都市圏における取り組みが強化をなされるものだというふうに思っています。  そこで、次の点について伺います。  まず、福岡向けの広報強化に取り組む理由についてであります。  移住対策については、都道府県からの移住者を幅広く募っていくということで平成二十七年度に百名、平成二十八年度に百五十名、平成二十九、三十年度に二百名といったことを掲げてありました。今議会においては、福岡県に向けた広報事業の強化や福岡都市圏の消費者に対して、佐賀の農村のPRやセールスを行うといったことで、福岡に重きを置いてあるように感じています。もともと移住促進について幅広く県外から移り住んでもらうことを期待して行っておられるかと思っていますが、現状ではまだまだ首都圏に人口が集中する傾向が続いている状況において、今回、特に福岡都市圏をターゲットに広報強化に取り組むこととしたのはどのような理由からかお伺いをいたします。  次に、福岡向け広報の取り組み状況についてであります。  今年度の福岡へ向けた広報の具体的な取り組み状況はどのようになっているのかお伺いいたします。  次に、移住実績についてであります。  県では、移住相談へのきめ細やかな対応を行うワンストップ相談窓口として、さが移住サポートデスクを設置し、広報展開などによって、佐賀県への移住に興味を持った方に対して、移住相談に対応しておられると思っています。  昨年から本格的に始めたばかりの取り組みでもあり、一言で移住といっても、結果に結びつくにはなかなか時間がかかることだとは思っていますが、今年度の県内への移住実績はどのようになっているのかお尋ねをいたします。  次に、今後の取り組みについてであります。  どの地域も人口が減り続ける中、他県も佐賀県と同様にみずからの地域のよさをアピールしたりしながら、移住促進への対策を強化し、さまざまな取り組みを行われるかというふうに思っています。  その中で、いかに佐賀県が他県より住みやすいかなど、他県との違いをしっかりとアピールする必要があるというふうに思っています。  今、県内の各市町においても、議会が始まり、子育て支援や移住促進、さらには移住した方にしっかりと定住してもらえるような取り組みに対する予算等が計上されており、今後、県内各市町においても、移住に対しての取り組みが強化をなされるものだと思っています。  こういった状況の中で、実際に移住者が居住することになる市町と一体となった取り組みが大変重要になってくると考えていますが、市町との連携を含めて、移住促進に向けた今後の取り組みについて、県としてどのように考えているのかお伺いをいたします。  問いの二、地域共生ステーションについてお尋ねをいたします。  高齢化の進行や人口減少などの社会変化の中で、家庭や地域の相互扶助の機能は弱体化をし、地域住民の社会的なつながりも希薄化をしています。  そうした中で、これからは子供から高齢者まで、そして障害の有無にかかわらず、住民の誰もが住みなれた地域の中で、自分らしく安心して暮らすことができる、そういった社会というものが理想であり、地域福祉というものには制度によるサービスを利用するだけではなく、地域の人と人とのつながりなど、そういった関係やお互いに助け合うことができる仕組みをつくり、それを持続させていくことが求められているというふうに思っています。  県では、さまざまな福祉サービスを地域住民やCSO、ボランティアなどが協働をし、支援していく地域福祉の拠点として地域共生ステーションの整備を平成十七年度から進め、十年が経過をいたしました。  この地域共生ステーションは、民家を活用するなど、住みなれた地域の中に存在をし、家庭的な雰囲気の中で高齢者、障害者、子供などを預かるなど、地域のニーズに応じたさまざまな福祉サービスを提供する施設として、地域福祉の充実に貢献してきたというふうに思っています。  県はこれまで、この地域共生ステーションを県内全小学校区に一カ所以上設置することを目指して取り組んできたこともあり、県内各地に着実に広がっているものだと理解をしています。そして、今後も地域福祉の拠点として重要な役割を担っていく施設であると考えています。  一方で、この地域共生ステーションは、小規模な施設であることから、社会福祉法人のほかにもNPO法人や民間企業など、さまざまな法人が運営主体として参入しており、ある意味、誰でも、いつからでも開設が可能といったようなこともあって、施設数が大変多くなってきています。そのようなことから、施設の環境や介護職員のスキルなど、サービスの質の確保などといった課題が出ているといったことを耳にしています。  そこで、以下の点について伺います。  まず、地域共生ステーションの今後の進め方についてであります。  地域共生ステーションについては、十年前から県が積極的に推進してきた取り組みであり、利用者側からすると、寝たきりなどの看護や設備の面で特老等の施設でなければならない、そういった方もいる一方、大きな集団の中で過ごすことが苦手で、家庭のようなかかわりの中で過ごしたいといったような利用者もおられ、さまざまなニーズが混在をしています。  このような多様なニーズがある中で、利用者側にとっては選択肢の一つとしてこういった施設の存在というものは大変重要であり、引き続き支援をしていく必要があるのではないかというふうに考えています。  知事は、地域共生ステーションの現場も訪問されたというふうに聞いていますが、今後どのような考えで進めていこうとされているのかお伺いをいたします。  次に、地域共生ステーションの整備状況と今後の課題についてであります。  県内全小学校校区に一カ所以上の整備を目標に取り組んできた地域共生ステーションは、この十年でどの程度整備が進んできたのか。また一方で、施設数の増加に伴い、サービスの質の確保などの課題も出てきていると思っていますが、このことに対して県はどのような認識を持っているのかお尋ねをいたします。  次に、今後の具体的な取り組みについてであります。  地域共生ステーションについては、県としてしっかりと関与をしながら、地域住民に信頼される地域の拠点施設であり、また、地域福祉のセーフティーネットとなることを期待しております。今後、さまざまな課題も踏まえ、県として具体的にどのように取り組んでいこうとするのかお伺いをいたします。  次に、旧知事公舎の取り扱いについてでございます。  昨年策定をされた「佐賀県総合計画二〇一五」においては、「”佐賀らしさ”を磨く視点」の一つとして、「県産品、街並みなどの『モノ』と、社会のシステム、サービスなどの『コト』を磨き上げ、新たな価値を付与することにより、人のくらし、まち・地域を心地よくし、豊かなものにすることを『さがデザイン』」として掲げられています。  一方、計画期間を同じくして策定された「佐賀県行財政運営計画二〇一五」では、高齢化の進行により、社会保障関係経費の増加などから、収支不足が見込まれている状況であり、依然として厳しい財政運営を強いられることが予測をされています。  そのような状況の中で、収支改善対策の一つとして、「県有財産の総合的な管理」というものが挙げられております。その具体的な取り組みとして、「庁舎等の保有総量の適正化」が掲げられており、未利用となった財産の売却の促進が目標の一つとされています。この未利用財産を売却することは歳入増につながることとあわせて、売却することによって維持的な経費の縮減にもつながる取り組みであろうと思っており、今後も進めていくべきであろうというふうに思っています。  ただ、未利用財産の利活用を検討するに当たっては、売却ありきではなく、まずはその施設の状況をしっかりと見きわめた上で、本当に価値があるといったことが認められるものについては保存をし、磨き上げていく必要があるだろうし、一方で十分な検討を重ねた結果、具体的な活用計画のないものについては、行財政運営計画二〇一五の目標達成に向け、積極的な有効活用を図るというこの二つの視点を持って検討を進めていただきたいと考えています。  その中で、今議会の勉強会資料において、「旧知事公舎の取扱いについて」の報告がなされていました。これからさまざまな議論が行われていくことになると思っていますが、先ほど申し上げた点を踏まえ、旧知事公舎に関し、次の点について伺います。  まず、建物の調査についてであります。  旧知事公舎について、建物の状況調査はどのように行ったのか伺います。  次に、建物の現状認識についてであります。  建物の状況調査を受けて、県として旧知事公舎についてはどのような認識を持っているのか伺います。  次に、今後の活用方針についてであります。  旧知事公舎に対してこれまで行った建物調査の結果や県としての現状認識を踏まえ、今後どのように活用していこうとするのか伺っておきます。  最後に、最高情報統括監についてであります。  佐賀県では、最高情報統括監、CIOを外部から採用し、本部長級の職員として任用をしています。県は、現在の森本CIOが今年度いっぱいでの任期満了に伴い、昨年の十二月ごろからCIOの公募をされていました。次期CIOの採用条件として、民間企業、研究機関、教育機関等における情報分野の実務経験を有すること、マネジメント業務の経験があることなどを挙げておられました。先日、その次期CIOの採用を決定したということが公表されていました。  ICT分野というものは日々進歩するものであって、ICTが広く普及したことによるデータ改ざんや情報漏えいなど、新しい形の犯罪の増加、また、マイナンバー制度が始まり、国民の情報セキュリティーの関心が一層高まっている中で、ICTの技術動向に的確に対応できる人材を庁外に求め、これを県政に生かしていこうといった考え方そのものは、一定の理解を示すものであります。  しかしながら一方で、他の自治体の例を見てみると、今現在、CIOを設置する自治体はふえつつあるものの、佐賀県のように外部からの任用ではなく、副知事や部長級職員がCIOの役割を担っている自治体が大半を占めているといったような状況にもあります。  これからますます情報化社会が進展をする中、今後とも行政のみならず、県民の情報化を進めるという大きな役割を担ってもらいたいと考えることから、外部任用するに当たり、CIOといったものは何なのか、行政におけるCIOの果たす役割、あるいは取り組みの内容といったものがなかなか外からは見えにくい部分があろうかと思っていますので、登用の意義などについては十分な理解を得ることも必要ではないかというふうに考えています。  以下の点について伺います。  まず、CIOを外部登用することについてでありますが、県ではどのような理由や目的でCIOを採用することとしているのか。また、他の自治体とは異なり、CIOを専任職員として採用をし、県幹部に任用しているのか伺います。  次に、CIOの採用状況及び業績についてであります。  これまでのCIOの採用状況がどのようになっていたのか。また、それぞれのCIOの業績、あるいは成果といったものについて県はどのように認識しているのかお伺いをいたします。  最後に、次期CIOに期待するものについてであります。  山口県政となって一年余りが経過する中、今回これまでと同様に県はCIOを採用することとされました。次期CIOの必要性であったり、今後の役割、次期CIOにどのような成果を、何を求めるのか、県としての考えをお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手) 13 ◎山口知事 登壇=古賀陽三議員の御質問にお答えいたします。  私には、地域共生ステーションの今後の進め方についてお尋ねがございました。  地域共生ステーションにつきましては、民家を活用した家庭的な雰囲気で、高齢者を中心として預かっている宅老所のほか、高齢者だけでなく、障害者、障害児、子供の皆さんも預かっているぬくもいホームがありまして、私も宅老所、ぬくもいホームともに訪問させていただいたところでございます。  これらの施設を訪問し、施設の管理者や利用されている方々とも話して感じたことは、住みなれた地域で、かちっとした間仕切りも感じられない中で、第二の自宅のように家庭的な雰囲気で過ごせる居場所になっているなということ。利用者の急な泊まりですとか、預かりへの対応など制度のすき間を埋める柔軟なサービス提供が行われていること。そうしたことは大規模施設とは違って、小回りのきく使い勝手のよい施設でありまして、利用者やその家族にとって必要な施設となっているというふうに感じています。  また、高齢者と子供が一緒に過ごしておられました。何の違和感もなく自然な形で普通に過ごしている感じが、見ている私のほうもとても心地よかったものです。高齢者にとっては、子供と触れ合うことで自分の役割を見つけておられるのか、生き生きと過ごしておられました。そして、子供はお年寄りと一緒に過ごすことで、思いやりや優しさが自然と身についていくのではないかと感じた次第でございます。  県民だよりの「さががすき。」に「次代へつなぐ技と心」というテーマで「かたりぐさ」というのを最終面に連載しておりますけれども、この「かたりぐさ」のように高齢者がこれまで培ってきた経験を子供に伝えるような場にもなっていると感じたところであります。まさに昔の大家族を思わせるもので、とてもすばらしい、皆楽しんでおられるこの空間をずっと大事にしていきたいと思いました。  地域共生ステーションは、住みなれた地域の中で安心して暮らしたいというニーズに応えるものでありまして、地域福祉の拠点として、地域住民がなお一層気軽に集い、明るく幸せに暮らし、たくさんの笑顔であふれるような居場所になるように、今後とも佐賀県の魅力、誇りとして県としてしっかりと支援を行っていきたいと考えております。  私からは以上です。 14 ◎西中統括本部長 登壇=私からは、移住促進の取り組みについてと最高情報統括監についての二つの問いに対してお答えを申し上げます。  まず、移住促進の取り組みについてのうち、福岡向けの広報に取り組む理由についてお尋ねがございました。  本県への移住促進の取り組みといたしまして、主に福岡都市圏を対象に広報を行ってございます。これは福岡都市圏を中心に人口が集中をしていること、佐賀県の若者の転出が一番多い都市圏であること、そして佐賀県から近く、通勤も可能なエリアであること、こういったことなどの理由によるものでございます。  これらの理由から、本県への移住促進のためには、福岡都市圏を中心に広報を展開したほうが効果的であろうと考えたところでございます。  続きまして、福岡向け広報の取り組みの状況についてお尋ねがございました。  福岡都市圏にお住まいの方に本県への移住を考えていただくためには、本県で暮らすことの魅力に気づいてもらう必要があると考えております。そこで、実際に本県に移住をし、夢を実現した方のライフスタイルをCMやミニ番組で紹介をしてございます。  また、佐賀市出身のタレントの優木まおみさんと知事との間で対談を行っていただきまして、本県のよさ、例えば、自然に恵まれた中にあって、福岡都市圏にも近い住環境にあること。地域のコミュニティーがしっかりしていて、子育てしやすい環境にあること。こういったことなどについて語り合っていただいた内容を新聞に掲載をしたほか、本県の心地よい暮らしをテレビや紙面を活用して広報しているところでございます。  次に、移住の実績についてのお尋ねがございました。  平成二十七年四月から十二月までの間に、県や市町の支援を受けて移住をした人は百六十九人となっております。また、移住された方の移住前の居住地を見てみますと、多い順に福岡県が四十五人、二六・六%になります。次いで関東圏が三十七人、長崎県が三十四人という形となってございます。  この項目の最後でございますが、今後の取り組みについてお尋ねがございました。特に市町との連携を含めた取り組みについてのお尋ねであったと思います。  移住の促進に向けましては、市町と意見交換を行ってまいりました。その中で、市町からは移住奨励金などの移住支援策は、それぞれの市町が独自性を発揮して設けているので、県には市町単独では難しい情報発信をお願いしたいという意見をいただいておりましたことから、本年度、県としては情報発信に取り組んでいるところでございます。  今年度の情報発信の結果、福岡市内に居住する方からは、「佐賀県の情報を目にする機会がふえた」、「佐賀県の移住CMを見た」といった声は聞かれるようになりはしておりますけれども、まだまだ本県への移住の流れをつくるまでには至っていないと考えておりまして、来年度も引き続き佐賀暮らしの魅力を情報発信させていただきたいと考えているところでございます。  また、佐賀県への移住に興味を持っていただいた方をそれぞれの地域に御案内をする際には、市町と連携することはもちろんのことでございますし、首都圏等で移住相談会を開催する際にも、県が会場を借り上げて、市町が相談ブースを設けるなどの役割分担をすることで興味のある市町に直接相談をしていただけるような場を設けていきたいと考えてございます。  本県への移住促進のためには、移住を考えている方が移住後の暮らしのイメージをしっかり持っていただく、そして不安要素を少しでも取り除いていただけるようなサポートをしていくことが重要であろうと思っております。そのためにも県と市町がしっかりと連携をいたしまして、相談対応に当たるなど、移住希望者の声に応えてまいりたいと考えております。  続きまして、最高情報統括監について三点お尋ねがございました。  まず、CIOを外部登用する理由などについてのお尋ねがございました。  情報通信技術、いわゆるICTの急速な進展を背景に、これは国においてですけれども、平成十三年一月に「e─Japan戦略」というものが掲げられまして、高速通信網の整備や電子政府の実現などを図ることとされた中で、本県におきましても、平成十三年度から県内の公共ネットワークの整備と電子県庁の構築に関する計画を策定いたしまして、行政並びに県民の情報化への取り組みを進めてきたところでございます。  このうち、電子県庁基本計画の推進に当たりましては、単に従来の業務をシステム化するだけではなくて、業務プロセスそのものを見直すこと、そしてアウトソーシングにより行政事務の簡素化、効率化に取り組むことが重要でありましたために、ICTに関する高度な知見を備え、かつ業務改革の遂行に必要なノウハウと経験を有する方を外部から登用することとしたものでございます。  また、業務システムの整備につきましては、庁内各本部の組織横断的な対応が不可欠でございます。同時に最適な費用投資といったマネジメント面を重視する必要もございましたことから、一定の管理監督ができる幹部職員と位置づけるとともに、抜本的な業務改革の推進には県の業務を丁寧な点検をした上で、民間の発想を取り入れつつ、見直しを行っていく必要があること、さらには任用期間内に一定の成果が導き出せるよう専念をしてもらう必要もあろうと考えたことから、専任の職員として採用したものでございます。  続きまして、これまでのCIOの採用状況と業績についてのお尋ねでございました。  平成十五年度にCIOを初めて採用して以降、現在の森本登志男氏を含めまして、三人のCIOがICTの最新の技術動向を踏まえつつ、社会情勢の変化に対応した取り組みを進めてきております。  これまでのCIOは、それぞれ顕著な成果を上げてきておられるものと認識をしてございます。その業績を総じて申し上げますと、まず一つ目には、従前は個々に整備をし、増加する傾向にありました業務システムにつきまして効率的、効果的なシステムへの整理統合と、それに伴う大幅なコスト縮減を図ることができたこと。また、旅費や給与といった総務事務の全庁的・一元的な処理が実現できたこと。行政事務の県民や民間企業との協働化、アウトソーシングの推進が図られたこと。そしてテレワークの導入によりまして、県民サービスの向上と県職員の働き方の改革ができたこと、こういったことにつきまして、本県の行財政改革に重要な役割を果たしてきていただいたと認識をしてございます。  また、これら以外にも国内外で本県への評価を高める取り組みを実現し、例えば、国連公共サービス賞でございますとか、テレワーク推進賞の最高賞を初めとする賞も受賞をされたところでございます。  さらにCIOは、県内の大学や関連企業、市町といった産学官で構成をいたします佐賀県高度情報化推進協議会の会長でございます。この会長といたしまして、県民や企業のICT利活用促進のための講座や研修のほか、ICTを活用した、例えば、有田陶器市動画配信などの地域での実証事業に対する支援、さらには県民が教え学び合える環境づくりなど、県と同協議会が連携して進めます県民の情報化対策も積極的に進めてきたところでございます。  この項の最後でございますけれども、次期CIOに期待するものについてのお尋ねがございました。  県の行政システムや業務システムの改革、改善という取り組みがCIOに期待する役割の大きなものでございます。こういったことから、直接県民に見えにくいところは確かにあろうかと思われますけれども、CIOを採用する目的は、まさに県民サービスの向上にございます。  こういった中で、県ではICT分野の人材育成や多様な職員採用の方法によりまして、中堅層を中心に高度な情報処理技術者資格を持つ職員が育ってはきておりますけれども、これらの職員が管理的な立場につくにはなお時間を要することから、引き続き外部の高度な知識、経験のある方を登用いたしまして、日常的な指導を通じて資質の向上に努めてもらうこと、まずこれが重要であろうと考えてございます。  このため、次年度以降もCIOを採用し、これまでの経歴で積み重ねてこられました知識や技術を生かしてもらいながら、業務改革や行政情報化の継続的な推進、県民の情報化の促進、さらには県民に信頼してもらえる情報セキュリティー対策やマイナンバー制度の利活用、県、市町の業務システム共同化といった重要な課題がございますので、こういった課題に取り組んでもらいたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。
    15 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私からは、地域共生ステーションに関する御質問について、二点お答えをいたします。  まず、地域共生ステーションの整備状況と今後の課題について、どう認識しているかというお尋ねでございます。  地域共生ステーションは、十年前の平成十八年度は五十四カ所でございましたが、平成二十七年十二月末現在で、玄海町を除きます十市九町に全部で二百三カ所が整備されております。  その内訳は、高齢者を中心に預かっております宅老所が百二十一カ所、高齢者だけではなく、障害児者や子供も預かっておりますぬくもいホームが八十二カ所となっております。  また、議員御指摘にもありましたように、身近な地域である県内の小学校単位で最低一カ所を目標に整備を進めておりますが、現在、県内百六十二校区のうち百八校区、率にしますと六六・七%になりますが、整備されたところでございます。  一方で、制度創設から十年が経過し、課題も出てきているというふうに認識をしております。具体的には、三つあるのではないかと思っております。  まず、高齢者中心の宅老所が多く、誰もが利用できるぬくもいホームへの転換が十分に進んでいないこと。次に、地域共生ステーションの経営や運営には、地域住民にボランティアなどで参加していただきたいと考えておりますけれども、地域住民の参画が十分にできていない地域もあること。さらに三つ目ですが、サービスの質に差があるという課題もございます。  地域共生ステーションは、縦割りの行政制度では対応できないさまざまな地域のニーズに応え、急な泊まりや預けへの対応など、制度のすき間のサービスとして柔軟なサービスを提供しておりますが、法定外のサービスであり、法令に基づく基準や指導監査などがなく、事業所間でのサービスの質に差が出てきておりまして、全体の質の確保に向けた取り組みが必要であるということが課題であるというふうに認識しております。  次に、今後、具体的にどのように取り組んでいくのかというお尋ねがございました。  宅老所からぬくもいホームへの転換促進につきましては、平成二十七年十二月末現在でぬくもいホームの割合が全体の約四〇%でありまして、佐賀県総合計画二〇一五における平成三十年度の目標五五%に向けまして、新設開設時のぬくもいホームへの誘導や補助の充実などにより、ぬくもいホームへの転換を働きかけてまいります。  また、地域共生ステーションの経営や運営面への地域住民の参画につきましては、地域共生ステーションを理解していただく住民参加型・地域福祉づくりセミナーの開催など普及啓発に努めてまいります。  さらに、サービスの質の向上につきましては、現在、地域共生ステーション連絡会と連携いたしまして、経営者や従事者への研修、アドバイザー派遣によります質の向上や人材確保に関する取り組みにつきまして指導、助言を行いますとともに、連絡会独自で行われております優良事業所を認定する取り組みへの支援に加え、「佐賀県地域共生ステーションの非常災害対策に関する条例」に基づく届け出が提出された際にも指導、助言を行っているところでございます。  また、県内全事業所を対象として、職員の体制や居室の状況、提供しているサービスなど運営体制の実態把握を目的としてアンケート調査を実施中でありまして、その結果も踏まえながら、サービスの質の向上にしっかりと取り組んでまいります。  今後とも、こうした課題を解決しながら、地域共生ステーションが地域福祉の拠点として県内全域に根づいていくよう、引き続き地域のニーズをしっかり把握し、必要な支援を行ってまいります。  私からは以上でございます。 16 ◎山口経営支援本部長 登壇=私からは、旧知事公舎の取り扱いについて三点御質問をいただきました。  まず、建物の調査はどのように行ったかという御質問でございました。  建物の状況調査につきましては、まず、建物の危険度を判定するために文部科学省が学校校舎の耐震補助の目安としております耐力度調査というものを実施しているところでございます。  また、建物の文化財的価値を検証するために、県文化財課において平成十九年の十一月、平成二十年四月及び平成二十七年度は七月から九月にかけて、延べ七回にわたり調査を実施いたしております。  この調査内容といたしましては、平成十九年は目視による公邸部分の調査、平成二十年は屋根裏及び床下の調査、平成二十七年度は全体にわたり再度調査を行ったところでございます。  さらに、外部の専門家による現地調査を平成二十七年の二月に行いました。  また、これらの調査に加えまして、建物の構造上の状況を把握するための建物の現状把握調査を県土づくり本部施設整備課の協力を得まして、平成二十七年三月に行ったところでございます。  次に、建物の現状認識についてでございます。  まず、耐力度調査、これは一万点満点中、五千五百点以下が文部科学省の耐震化補助の対象とされていると、そういう部分の目安としている調査でございますが、その結果では、平成二十六年時点におきましては、千九百八十八点となっており、耐力度が著しく低下している状況にございます。  次に、文化財調査においては、和館部、洋館部とも明治期に建設されたという知事公舎が現存している明確な根拠はなく、文化財的な価値につきましては、県が指定します重要文化財となるものではないとの報告を受けているところでございます。  また、専門家による調査では、建築物としては特筆すべきものがない、文化財としての価値はないため、多額の経費をかけてまで保存する価値はない。ただ、町並みという観点から、跡地の活用に当たっては慎重に検討してほしいといった報告をいただいているところでございます。  さらに、建物の現状把握調査におきましては、一体的な基礎や筋交い等の不存在、はりや柱の傾斜の進行など地震の震動に対して倒壊する危険性が高いという結果が出ているところでございます。  このようなことから、旧知事公舎は老朽化が著しく進行しておりまして、地震による倒壊などが危惧される状態となっている危険な建物であり、耐震改修及び管理に多額の経費をかけてまで、現状のまま維持保存していくまでの価値はないものと判断しているところでございます。  最後に、今後の活用方針についてというお尋ねがございましたが、旧知事公舎用地の活用の検討に際しましては、佐賀市の中心部に位置することもございまして、県や地元の佐賀市、あるいは民間で有効に活用され、そのことで地域の活性化につながるようなことができないかなどの視点も含めまして、多角的、多面的観点から検討する必要があると考えているところでございます。  このため、庁内に「旧知事公舎建物・土地利活用検討会」を立ち上げまして、地元の佐賀市にも検討会のメンバーになっていただいた上で、平成二十八年末を目途として、旧知事公舎用地の利活用について早急に検討を行っていきたいと考えているところでございます。  私からの御答弁とさせていただきます。 17 ◎議長(中倉政義君) 暫時休憩いたします。     午後零時五分 休憩 平成二十八年三月四日(金) 午後一時三十分 開議  出席議員    三十五名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三一番  竹 内 和 教     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三二番  石 井 秀 夫     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三三番  留 守 茂 幸     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三四番  石 丸   博     五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三五番  木 原 奉 文     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三七番  石 倉 秀 郷     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     三八番  桃 崎 峰 人     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  川 崎 常 博     二七番  武 藤 明 美    一二番  定 松 一 生     二八番  稲 富 正 敏    一三番  八 谷 克 幸     二九番  徳 光 清 孝    一四番  米 倉 幸 久     三〇番  藤 木 卓一郎 欠席議員    一名    三六番  中 倉 政 義 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          統 括 本 部 長    西  中     隆          くらし環境本部長     伊  藤     正          健康福祉本部長      船  津  定  見          農林水産商工本部長    石  橋  正  彦          県土づくり本部長     和  泉  惠  之          経営支援本部長      山  口  康  郎          文化・スポーツ部長    白  井     誠          国際・観光部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       古  賀  俊  光          交通政策部長       西  村     平          会 計 管 理 者    西  村  宏  之          公 安 委 員 長    香  月  道  生          警 察 本 部 長    今  林  寛  幸          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       中  島  博  文          同    副事務局長          総務課長事務取扱     大  塚  武  司          議事調査課長       毛  利  明  彦          政務調査室長       白  濱  光四郎          総務課副課長       松  本  定  利          議事調査課副課長     篠  田  博  幸          議事調査課議事担当係長  山  口  義  徳          同   議事担当副主査  井  上  智  宏         ○ 開     議 18 ◎副議長(石倉秀郷君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。 19 ◎藤木卓一郎君(拍手)登壇=それでは、一般質問を始めさせていただきます。  速やかに問一と行きたいところでございましたが、きょうは私たちの大先輩であります富崎一巳先輩が、今、傍聴席で私のほうを見てくださっております。薫陶を受けた弟子の一人として、立派な質疑ができるよう精いっぱい務めさせていただきたいと思いますので、知事以下執行部の皆様方、すばらしい答弁をいただきますようによろしくお願い申し上げて質疑を開始させていただきます。  障害者の入所施設についてということであります。  先日、我が家に東京から相談者が参りまして、それは重度の自閉症と知的障害を持つ息子の入所施設をふるさとの佐賀県で探しているから力をかしてほしいということでございました。  息子は高校一年生で、現在は公的に手厚い介護のある寄宿舎にいるということでございましたが、あと二年して高校を卒業すれば、当然寄宿舎を出なければならず、自宅で面倒を見るのか、施設に入れるほかありません。その施設の入所待ちは三年から五年だということでございました。  その際、その子供も連れてきてくださったのですが、子供は高校生ですから体もしっかりとしていて大きかったし、しかし、知的には三歳ぐらいだということでした。  そして、重度の自閉症で多動の傾向があります。話し合いの一時間の間に、小さな座敷の中で何度も急に脈略もなく立ち上がり、無目的に動き回るんですね。  駆け出すというか、暴れるということではないんだけれども、それをみんなで抑えようとしたり大声を出したりで、結果、壊れたり破れたりで、余りこのような経験のなかった私にとりましては、本当に心も凍りつくような恐怖にも似た出来事でございました。  その子は危険認知がないということでございまして、平気で地下鉄の線路に何度も飛びおりて死にかけたことが数回あるとおっしゃっておりましたし、我が家に来る際にトイレに失敗してきたということで、お尻にはちょっとうんこもひっついておりましたけれども、途中のコンビニに寄ってこられたんですが、傍らにいる女性はお姉さんということで、奥様とはただいま協議離婚中で子供はお父さんが引き取るということでございました。  この流れで離婚の原因を聞くなんて、とてもできませんでした。最後にお父さんは自分の将来の仕事上の夢について、恥じらいながら一生懸命語ってくれましたが、私は本当に悲しく、切なくなってしまいました。
     恐らく彼は、ささいな原因でパニックを起こし、本気で暴れます。ものを壊し、大声で叫び続けるのかもわかりません。大きくなってしまった彼を押さえつけ、クールダウンさせる手だてはもうありません。その状況は一生続き、その面倒を見る親たちは、片時もその目を離すことができないのであります。  もし私が、私たちがその子の親であったならば、どれほど社会の救い、政治や行政の救いを欲するのだろうかと思います。そして、そのような状況下の中にある子供や親たちが現在、本県の中にどれぐらいいて、どんな暮らしをしているんだろうかということは、県議として私は本当に気になるところでございました。佐賀県の中に、百人オーダーで存在しているということであります。  政治の本来的な目的は、人々の不幸の最小化にあるはずであります。その子はもちろんですが、疲労こんぱいし未来に希望が持てず、人生を失いかけている本県の親たちをどうしても助けたい、助けるべきです。  そんな思いで、人を大事に、そして子育てを楽しめる県にしたいと日ごろからおっしゃっている知事だからこそ、そういう強い期待を込めて質問を始めさせていただきます。  障害者総合支援法では、全ての障害者が可能な限り、その身近な場所で必要な日常生活または社会生活を営むための支援を受けられること、そういうことを基本理念に、本県においても障害者ができる限り住みなれた地域で安心して暮らしができるよう、軽度の方々から順番に、入所施設から自宅や地域、つまり自宅やグループホーム等への移行が計画的に今も進められております。  一方、重度の障害を持つ子供たちを抱えた家庭では、例えば、たんの吸引など医療的ケアが必要な場合だったり、たんの吸引でもいつその子供にたんが発生して、その吸引ができなければ大変子供は苦しみます。そのタイミングをずっと見ておかなければならんということもあります。親はもうなれたもんで、そうなったらすぐ飛び起きるということでございましたが、まあなれぬ親たちはそう簡単な話でもございませんから、よくよくゆっくり寝ることもできないでしょうし、その障害が知的障害に重度の自閉症をあわせ持った場合、または子供が多動や自傷他害──自分や他人を傷つける、パニックを起こすなど、障害者を支援する保護者は実際疲労こんぱいであり、家庭生活は破綻寸前の状態であるということです。  家族は、このような障害者を抱えて生活することは実際困難ですから、グループホームや施設に入所させたいと申し込んでも、すぐに受け入れられる施設は全くなく、途方に暮れているという待機者は、県の調査によると相当数存在すると伺っております。  そういったグループホームであれ、入所施設であれ、希望しても受け入れられないということは、当たり前ですが、障害者が地域で安心して生活できる施設の絶対数が不足しているということであります。  このような状況で親御さんに三年から五年も待たせるということは、どう考えても受忍の限度を超えています。待機者の家族の肉体的、精神的負担を軽減するために、障害者を受け入れる体制、これを緊急かつ重点的に整備すべきであると思います。  そこで、次の点について二つ伺います。  一つは、入所施設の待機者の実態調査ということであります。  十一月県議会の文教厚生常任委員会で、県が今後、入所施設の待機者を解消するための施策を検討する上で、待機者の生活の実態や今後の生活の意向などを把握する必要があるということを私は指摘してまいりました。  先日、その調査結果を見せてもらいましたが、これはヒアリング調査ではなく、施設への聞き取り調査ということで大変残念な調査結果でございましたが、入所施設の待機者の実態や要望を把握するためにどのような調査を行って、その調査結果はどのようなものだったのかということをこの場でお伺いしたいと思います。  また、この調査結果を受けて、それならば、私がそもそも申し上げております、改めて待機者やその家族に家族の生活実態、どのような暮らしをされているんですか、佐賀県や政府、そして地元の市町や施設にどのようなことを望まれますか、この子の行く末に対する心配事は何ですか、あなた自身は今、どのような体調でどのような経済状態、生活状態ですかなんていうようなことをしっかりとした対面式で入念なヒアリング調査を行うべきと私は考えますが、健康福祉本部長に御所見をお伺いいたします。  もう一点、入所施設の待機者の解消についてということでございます。  少子化にもかかわらず、重度の障害を持つ障害児や障害者の数は今なお減少しておらず、現状のままでは重度の方の入所施設の待機者は今後ますます増加していくのではないかと危惧いたしております。  県は、みずからの責任において、入所施設の待機者を解消していく手だてを講じていく必要があると考えますが、知事の御所見を改めてお伺いしたいと思います。  問いの二ということでございますけれども、私たち自民党には、御承知のとおり政務調査会という組織がありまして、年に一度、県内のさまざまな団体から要望を受け、議論をさせていただく機会が設けられております。  私も既に十七年、この会に参加させていただくわけでございますが、この団体からの要望につきましては、一つの傾向性が見てとれるようになりました。  それは、さまざまな団体から、みずからが所管する団体の本来的な要望と関係なく、身近な移動の足を確保してほしいという要望がさまざまに起こってくるようにここ近年なっています。  それはなぜかといえば、佐賀県という社会が確実に高齢化を来して、高齢化し続けている。その高齢化ということ自体が各種団体の活動にも大きく影響を与えているということなんだろうと私は推測しているわけであります。  私が深くかかわっております佐賀県老人福祉施設協議会の話なんて聞いてみると、中山間地でのホームヘルパー事業やデイサービス等の送迎は大きな赤字でありまして、事業存続が極めて厳しいという話が多方面から聞こえてまいります。  県土の六〇%が山でございますので、その中山間地の担い手にはひとしくこの移動の足、また移動の足を確保された上での──ここでいうデイサービス、ヘルパー事業の移動の足というのは事業者の足ということになってくるわけですけれども、そういうことが赤字でもう大変だということ。脊振や三瀬地域等については、もう既にそのサービスは停止されているというような話もございました。  つまり、三瀬とか脊振地域に住まう人たちは、ホームヘルプ事業、またはデイサービスの事業等を受けられずに老後の生活をされている人たちがいるということであって、それは富士町鮫島病院の御婦人なんかの話を聞くと、精いっぱい富士町での活動も頑張っているけれども、事業存続は本当厳しいということを切々と私どもに訴えてくださっておりました。  そのような現実の声を踏まえて、身近な移動手段の確保について質問させていただきたいと思います。  佐賀県は、生活の移動手段として自動車を利用する人が多く、そのため、足腰が弱くなった方や免許証を返納した高齢者など、自分で運転できない交通弱者の方々などから、買い物や病院などに行くための生活に必要な移動手段がないといった話をよく伺っております。  そのため、多くの市町では市町内を一周する巡回バスなどを運行しておりますが、住民にとっての買い物や通院など生活していくために最低必要なことでも、一つの市町で完結することはほぼありませんで、一つの市町の中でしか巡回しないバスというのは、基本的に行き先が目的に合わないので使えない状態になっております。  だから、十市十町の巡回バスも、ほとんど空気を運んでいるとよく世の中で喧伝されているとおりのことかと思います。  また、市町を越えて運行している民間路線バスは、幹線道路しか運行しておりませんために、多くの住民にとってはバス停が自宅の近くにないということですね。特に、足腰の弱い高齢者などにとっては、利用が困難になっています。路線バスというのは、基本的に商売ベースであっているバスでございますので、コスト高でペイしないとわかれば、そこの路線から撤退していく、縮小していくというのは、経済の原則上、当然そうでございますので、中山間地であったり、ロケーション的に非常に弱い立場というんですかね、そういうところには路線バスは当然ないわけですから、路線バスの利用なんてことはそもそもできないということです。  自宅から目的地まで直接行くことができる移動手段として、タクシーというものもありますが、この運賃等を考えると、私たちの日常生活で頻繁に利用することはできません。  このように、交通弱者など、住民が求めるニーズと、既存の公共交通が提供するサービスとの間に、完全なミスマッチが生じており、路線バスや巡回バスが誰も乗っていない状態で運行している状況を見るたびに、制度設計上、その立てつけの矛盾を本当に感じております。  こうした公共交通の運行にかかわる経費は、結局は私たちの税金で賄われており、もっと効率的、効果的な運行に努めていただきたいと思うばかりであります。  そのような問題意識もあって、十年ぐらい前になると思うんですけど、長野県の安曇野市に、私個人としてデマンド交通の視察に行ったことがあります。これはもう、事前予約方式でありますが、低運賃で、自宅から行きたい場所へ乗り継ぎなし、ドアツードアで行くことができる、大変利便性が高いものでありました。これを支えているのはGPS機能のついたカーナビゲーションシステムということでもありますし、定時性は確かに損なわれるけれども、その十年前は百円ぐらいでしたね。半径十キロぐらいを百円か二百円で自由に行くことができる。もちろん、定時性は損なわれるので、三十分とか二十分とか平気でおくれたりするわけですけれども、それでも皆さんたちは大変喜びながら、安心して友達のところであったり、買い物であったりいろんなところに、お年寄りや障害者たちはこれに乗って半径十キロぐらいのところを行き来していて、本当に大自然のすばらしいところでしたけれども、ああ、豊かなところだななんていうふうに思いながら帰ったこともあります。  移動手段の確保の問題は、運転免許を持たない方や足腰が弱い高齢者、所得が少ない方などの交通弱者の方だけではなくて、私たちも今は車の運転もできるけれども、きょうの八谷議員さんのお話ではありませんけれども、皆が年齢を重ねて、皆が運転ができなくなる日がやがてやってくるということから、これはもう、県民全員にとって、大変重要な課題と考える必要があります。この問題の解決のためには、既存の公共交通機関、つまり巡回バス、路線バス、タクシー等、そういうような公共交通機関単独では大変困難であって、低運賃で自宅から行きたい場所へ、ドアツードアで行くことのできるデマンド交通が私は最適であると考えております。  私は、県が広域行政の観点に立って、地域住民のライフサイクルに従った社会生活が成り立つ範囲を一つの圏域とみなし、保健福祉事務所圏域ぐらいで県を五カ所、伊万里は伊万里を母都市として、唐津は唐津を母都市として、鳥栖は鳥栖を母都市としてその生活がそれで完結するエリア、五つぐらいの圏域に分けて、市町の枠を超えて、広域行政の一環として移動手段を確保していただいて、その先頭に県が立って、市町と連携して取り組んでいく必要があるんじゃないか、将来に備えるべきなんじゃないか、今の問題を解決するべきなんじゃないか、そのように思っています。  県の身近な移動手段の確保に向けた取り組みについては、交通弱者を初め、多くの県民の関心も大変高いものになっておりますので、二点お伺いさせていただきます。  一つは、これまでの取り組みと成果についてです。  僕は、この点については十年ぐらい前からこの問題について取り組んでおりました。あんまり熱心に取り組んでこなかったというのは私の痛切な反省なんですが、いろんな社会とか地域とかついた推進体制は、古川知事のころからあっておりました。新幹線・地域交通課の「地域」という言葉の中には、そういう身近な移動手段を確保するというようなことを踏まえた「地域」という言葉だったんだろうと思うし、似たような推進室はいっぱいできておったし、今は単刀直入に、身近な移動手段確保推進室というものが設置されております。そうやって交通弱者の移動手段の確保について取り組んできたと思うけれども、県はこれまでどのような取り組みを行ってきたのか。また、取り組みを行ってきたことで、どのような成果があっているのかということを、さした成果は期待できませんが、交通政策部長にお伺いしたいと思います。  それで二番目、今後の県としての取り組みについてです。  交通弱者を初め、多くの住民にとって身近な移動手段の確保は大きな問題でありますが、現在、各市町で取り組まれている巡回バスなどの運行状況を見ると、それぞれの運行バス自体は市町内で完結しており、住民ニーズに全く合っておりません。住民が市町の境界を越えて生活する状況を踏まえると、広域行政を担う県こそがリーダーシップをとって、市町を越えた身近な移動手段の確保に取り組む必要性があると、私はそのように思っております。  そこで、県は今後どのように取り組んでいくのか、改めて知事にお伺いしたいと思います。  ということで、次に行きたかったんですが、今回の議会を見ていて、少し私見を述べさせていただきますが、交通事故が十年連続ワーストワンの話とかというのもあっています。交通事故対策のことも随分議論されておりました。先ほど八谷議員のほうからも、老後の話、生きがいづくりの話等もあっておりましたけれども、私たちは結局、高齢者に対して実効性のある移動手段を提示してこなかったんですね、佐賀県政は。だから、一人当たりというか、十万人当たりでもいいんですけれども、自動車の保有台数は多分全国でも最高位にある。なぜかというと、公共交通機関が構造的に発展しようがなかったということですね。そういう中にあって、道路の整備が保有台数に対して追いついていないから、交通安全対策、交差点の改良工事とか歩道の設置等の道路改良が追いついてこなかった。そういう意味において、非常に事故も多いということなんですね。だから、車を早いところ手放さなければならない。手放しても大丈夫ですよという移動手段を可及的速やかにお年寄りに提示する必要性があるということですね。  もう一点は、どのようなタイミングでお年寄りはついに免許証を返すか。やっぱり小さな事故を起こすんですよ。それがカウントされている。小さな事故を起こす。重大な事故になる前に、子供たちから、もうおじいちゃん乗るのはやめなさい。しかし、そのようなことがきっかけでついに免許証をお返しする、もう警察に返そうということになるけど、そのときは一つののりを越える覚悟が要るんですね、その後の人生についてです。もう移動手段がないのだから、みんな働いているし、子供たちも孫たちも別にいないしということになると、かごの鳥、テレビの番をするかごの鳥になるわけですよ。結果どうなるかというと、二、三年で当然、足腰も弱ります。刺激もないので、老化も早まっていくでしょう。だからといって、簡単には人は死にませんで、ずっとそうやって家の中、家の周辺をつえをつきながらということは老化を早める結果になる。  それは私たちが今日ここまで私たちを支えてくれた、かつて大人であった老人たち、その敬老精神の発揚というんですかね、長生きできてよかったという長寿社会に貢献しているという担い手である私たちのありようですかということなんですね。政策を判断し、予算を編成し、それを議決する立場にある者として、これが一部の者たちだけではなく、みんなにかかわる、問題であるということであれば、いつでも、いつのときでも、どこでもいろんなところにいける、そういう世の中を私たちの時代に、確かなそういう世界をつくりたいものだというふうに、敬老精神の発揮発揚という意味からもやってあげたいというふうに思っております。本当に前向きな答弁でお願いしたいと思います。  三番目、国道二〇三号等の現道の整備についてということであります。  昨年十一月二十六日に小城市三日月町の堀江というところの市道で、登校中の小学生の児童の列に車が突っ込むという大きな事故がありました。全国放送でも放送されましたし、佐賀新聞を初めとするマスコミ各社も大きく取り上げておられました。二年生から六年生の女児四名が頭や足を骨折する、そういう重軽傷を負う事故があって、佐賀県警は車を運転していた小城市三日月町の会社員の方を、自動車運転処罰法違反過失致傷の容疑で逮捕するという何とも痛ましい出来事があっております。その方もそうしたくてそうしたわけではなくて、ささいなミスで結果的にこんな重大な事故になったということなんでしょうから、両者にとって本当に痛ましく、悲しい事故でありました。  これは人ごとじゃないということであります。このことを教訓にするために、もう一回、三日月町内のスクールゾーンの安全性を点検しようということで、先ごろ三日月町内の育友会の皆さんが主催されて、区長会や市議会、国道事務所なども入れまして、総勢四十名ほどでスクールゾーンの安全点検をしてまいりました。その際、最も危険だと、皆の衆目が一致したのが、国道二〇三号線、これから国道二〇三号バイパス仮称三日月インターが整備される、知事にも知っておいてほしいんですが、大盛りカレーで有名な一平さんというのがあるんですね。この一平さんのほうから小城市役所までの間だったというわけであります。  この区間については、現在、一日の自動車交通量が一万一千台を超えており、トラックやダンプなどの大型車の交通量も特に多く、三日月インターから徳万交差点までの約四キロの──三日月インターというのは皆さん御承知かどうかわかりません、二〇三号線に乗っておられる方は必ずわかると思いますが、やっぱり一平さんと言うしかないですね、バニーズ周辺の、あの近所ですけど。  三日月インターから徳万交差点の間、約四キロメートルの区間については、歩道のない区間がやたら多くて、歩道があっても片側のみの場合や狭小な場合、あるいは非常に段差がきつい歩道が幾つもあるといった状況で、通常十六メートルくらいある県道に対して、九メートルから十メートルくらいしかない。おおよそ自転車や歩行者が走ったり歩いたりできる歩道などでは全くない路肩みたいなところを、地域の生活道路として安全性が確保されていないまま、子供たちや高校生、または地区の人たちがその路肩みたいなところを生活道路として今も利用され続けております。  そういう中、二〇三号線沿線に所在する小城市役所周辺におきましては、また小城市の新しいまちづくりが進んでおり、四町合併して十年、どこに拠点を置いたか、三日月町のそのエリアに小城市役所は今存在しておりますので、小城市の新しいまちづくりも進んでおり、国道二〇三号の生活道路としての必要性がさらに高まっているのが現状であります。  その二〇三号に来年度から多久佐賀道路I期と呼ばれるバイパス事業が国において着手される見通しとなっております。私たちの要望もついに実ったかと大変ありがたい話でありますが、その受け皿となる現道がこのありさまでは、もう一様に不安であります。  そういう意味では、この現道が受け皿とならない状況を確保するためには、多久佐賀II期、つまり、先ほど言った三日月インターから県道川上牛津線を越えて国道三十四号線の焼き肉ウエストの周辺まで、仮称鍋島インターということなんですけど、ここまでができ上がれば、現道の多くの通過交通は多久佐賀II期を通って唐津方向に行くということになりますので、結果的に国道をもう県道に格下げしても、市道に格下げしてもいいんじゃないかというぐらいに通過交通は減っていくんだろうと思うけれども、今はまさしくそんな状況ではないと。  そしてこの鍋島インターまでの区間が完成し、供用開始されるということには確かになっておりますけど、その点については今なお事業者すら、本来国が責任を持って二〇三号線のバイパスとして鍋島インターから多久の一本松までやってくれるのが本筋ではございますが、国はまだこの多久佐賀II期を私たちがやりますと、都市計画決定を打っても決めているということではないということがずっと続いております。そういう意味では、まだ誰がするかもわからないし、現在の厳しい予算状況を見た場合に、多久佐賀道路II期の事業着手はもとより、多久─佐賀間の全区間の完成までにははるかに長い年数を要するということになるわけであります。  その一方で、有明海沿岸道路はもう着々と整備が進められているわけでございますから、近い将来は仮称三日月インターから現在の国道二〇三号を経由して徳万交差点まで行って、それから改めて有明海沿岸道路の久保田インターへ至る区間に相当程度の自動車交通が集中し、いよいよ交通事故のリスクが増していくと考えられるわけであります。新しいネットワークの形成です。  本来であれば、地域高規格道路同士のネットワークであるはずなんですが、今のような状況では一般道を使いながらのネットワークということになって、それが二〇三号線の今の現道の状況だと、現道の状況を使われると、そうなればもちろんまた大きなリスクを私たちは負わなければならなくなるという話であります。  そこで、次の点についてお伺いします。  仮称三日月インターから国道三十四号の五条交差点まで、国道二〇三号の現道区間、及び五条交差点から──五条交差点というのはトライアル、洋服の青山とかがある五条交差点から国道二〇七号線の徳万交差点までの県道佐賀外環状線の道路整備を行うべきと考えますが、交通政策部長に御所見をお伺いしたいと思います。  交通政策部長におかれましては、もうおつき合いも随分長くなります。これがもしかしたら本当に最後の答弁になられるかもわかりませんので、前向きでよい答弁のほどを期待しながら、御所見をお伺いしたいと思います。  問いの四ということになります。これは正直、私、大変怒っております。小城地域における環境用水の確保ということであります。行政の不作為ということを私は言いたいんであります。  近ごろ、地元三日月町で冬場の非かんがい期の地域用水が足らないと随分聞くようになりました。その多くの人たちも昔はあんなにふんだんとあった水路の水が何でこがん水のなかとやろうかねと、原因もわからず、ただやみくもに困惑をしているという状況であります。  私、この際、調べてみました。よくよく調べてみると、平成十二年にかんがい用水と雑用水が分離されて、かんがい用水、農業用に引く用水ですけど、一億六千七百七十万トンの水利権のみが更新されておりまして、地域の雑用水については総量が確定しておらず、更新がなされないままになっているということでありました。  しかし、このことが原因で、地域に環境用水が配水されず、生活に支障を来してはいかんということで、平成七年と平成十一年に関係する国及び地方自治体等の間、具体的には九州農政局長及び九州建設局長、または佐賀県知事、または関係市町を代表して佐賀市長、そしてこの嘉瀬川水系の水の守り神である佐賀土地改良区理事長名で今回の雑用水分離に際し、多布施川及び西平川、そしてこれらに関係する水路を流れる水は、生活用水、防火用水、生態系にとって貴重な水であり、関係諸機関で実態調査を行い、必要な水量を把握し、雑用水が分離された後も支障が生じないようにするため、これらの用水が年間を通じて今後とも確保できるよう適切な措置を講じます、平成十二年三月末までにこれを行いますという確認書が取り交わされておられます。  その後、確認書が実現されるための機関として、佐賀県を事務局として「嘉瀬川水系における地域環境用水に関する連絡協議会」が設置されまして、これまで嘉瀬川水系の地域環境用水に関する事業が順次行われる予定でございましたが、実際、連絡協議会設立から十数年もの月日が経過しているにもかかわらず、非かんがい期に地域における環境用水が不足しているとの声が各地で方々上がっているにもかかわらず、これを察知せず、小城方面に至っては、これまでの経緯や配水の実態についての説明はおろか、議論すらせず、言うなれば何にも手をつけず今日来たと信じがたい行政の不作為という結果であったことが判明いたしました。  せっかくの機会ですから、知事、後学のためにもう少し詳しく申し上げたいと思います。  嘉瀬川本流から本地区への利水については、かんがい飲料水確保のために約四百年前、小城鍋島二代藩主・直能公のころに膨大な経費と労力を費やして、嘉瀬川より直接取水するため、佐賀郡大和町川上の嘉瀬川右岸を切り開いて、水道等の増築が行われております。明治、大正、昭和初期まで長い歴史にわたって先人たちの努力によって利水の開発が行われてまいりました。しかしながら、嘉瀬川本来の自流水が少なくて、かんがい期になれば水の絶対量が不足しておったそうであります。  このため、戦後、極度の食料難の時代に、国営嘉瀬川農業水利事業が実施され、その根幹施設としての北山ダムが昭和三十二年に完成いたしております。そのことにより、嘉瀬川自体から流れる水のその不足分を充足することができるようになって、これまで本地域の農業または農村地域の快適な暮らしを支えて、佐賀平野に限りない恩恵を与え続けてきたというのが今日までの経緯であります。  ところが、その後、近年において同じ嘉瀬川水系に後発事業として、嘉瀬川ダムが建設されることになりまして、先発事業の本地域の水は、農業用水つまり特別用水と、雑用水つまり一般用水に分離されて、その後、農業用水のみ水利権更新が行われ、生活用水、防火用水のほか生態系への貴重な水として利用されている雑用水については、水利権更新の手続、水量の調整がなされないままの状態が続いていると聞き及んでおります。  水は公水です。公の水です。ですから、必要以上に自分だけが満足する水量を要求することはできないということは誰にもわかります。しかし、この雑用水にはこの小城を中心とした、小城藩ということでございますが、先人はもう巨額の投資、今なおですけれども、土地改良区を通じて巨額の投資を行って、これまで数百年にわたって取水してきた歴史のある水で、農業者だけではなく、嘉瀬川流域住民が従来から一般的に自由に使用していた水であって、生活環境及び動植物の保護、水質の保持などのために必要不可欠なものであります。新規の環境用水では全くありません。既得の雑用水であります。水利使用の公平性の確保の観点から、また水利秩序の上からも、ほかの水利使用に優先される水だということを改めてここで強く申し上げて質問に入らせていただきます。  まず一番目、先ほど申し上げました協議会の設立目的とこれまでの協議内容ということについてですが、「嘉瀬川水系における地域環境用水に関する連絡協議会」は何のために設立され、これまでどのような議論を行ってきたのかということ。  二番目、地域住民との情報共有についてですが、おじさんたちやおばさんたちは何でこがんして水のなかとやろうかと何となく意味もわからず憂いていますが、まずはきちんと事態ば説明せんばいかぬやったろうもんという話なんです。課題解決に向けて、まずはこれまでの経緯や現状について十分に説明を行い、住民の理解を得ることが必要と考えます。また、今後実施する実態調査の内容につきましても、地域と情報を共有して進めるべきと考えます。県は協議会の事務局として、地域住民への情報提供や情報の共有についてどのように考えているのかということをお示しください。  水はおっとられよっちゃなかろうかという疑問があるということですね。県政は、国政は、私たちから水をどこか違うところ、要らんところにどこかに持っていきよっとやなかろうかと思っている人たちがいるということですね。そういうことにおいて、いや、そうじゃないですよという話もひっくるめて、何でこうなったのかの説明をちゃんと住民皆にわかるようにしていただきたいということ。  三番目は、課題解決に向けた取り組みについてということです。  地域住民は長年課題解決を待ち望んでおります。実態調査を行うに当たっては、スピード感を持って行うべきと考えます。協議会の今後の取り組みは具体的にどのように進めていくのかということをお伺いしたいと思います。  最後に四番目、協議会の開催ということです。  この協議会が、分離された雑用水を過不足なく地域住民に送り届けますよと確認書で担保されている推進機関であります。ところが、この協議会が開催されていない。問題解決に向けた取り組みを推進するためには、事務レベルの幹事会の開催だけではなくて、関係機関の責任者が参加する協議会本体を、例えば年に一度定例的に開催し、ことしは何をするのか、そして昨年一年間は何をやったのか、そのようなことを一度きちんとチェックをし、来年の方針を決める、そういうような定例的な会合を開催して、事態の進捗を確認し続けなければならんと私は思うわけですね。その種の議論を深めるべきだとも考えます。  協議会開催の時期について、そのあり方等をどのように考えておられるのかをお伺いします。  それでは、最後になります。佐賀空港へのオスプレイ等配備についてということであります。  本定例県議会におきまして、代表質問を初め一般質問等、さまざまな意見や質問を拝聴し、各会派や議員各位または知事の考えを知る上で、一議員としても、所管の特別委員長としてもよい学びの機会を与えてくださったことに大変感謝をいたしております。  公正な委員会運営に務めるべき立場でもございますので、公に特別委員会の席上で自分の考えを申し上げることは控えておりますが、今回、一般質問の機会を与えていただきましたので、少し知事にみずからの私見を述べながら質問させていただきたいと思います。  きのう、北朝鮮が日本海に向けて六発ものミサイルを発射したというニュースが躍っていました。北朝鮮制裁を大幅に拡大する決議を全会一致で採択したことによる反発だということであります。この制裁決議の背景もまた、北朝鮮が世界の国々の反対を押し切って、水爆実験や弾道ミサイル実験を繰り返すことによるものであり、何よりこれが隣国であり、長崎県のように県境の先ではないにしても、韓半島を目の前にしている北部九州に住む私たちにとっては大変脅威になっているのもまた事実であります。  一方、中谷防衛大臣の説明もあったように、平成二十四年度、尖閣諸島周辺の領海侵犯が常態的に発生していること、昨年度、航空自衛隊の緊急発信の回数が年間八百回を超えているということもまた事実であります。  しかし、幾ら本県の周辺事態であり、その安全保障上の緊張度がいよいよ増していくにしても、これらに対処する安全保障施策や防衛戦略の構築は、国の最重要施策として防衛省を初めとする政府、最終的には最高司令官たる総理の責任で行われるべきものではありますが、本来、地方自治体はこれに大いに協力していく立場にあると思います。  なぜなら、国土なくして国民もなく、国家なくして地方自治はあり得ないという当たり前の原則に立つからであります。  しかし、今回の場合のように、民間の地方空港を日本最大級のヘリコプターの基地として供用するとなれば別です。なぜなら、沖縄県の米軍の普天間飛行場が甚大な生活環境上の被害に遭っていることを私たちはマスコミを通じて知っている以上、このような施設の建設に慎重になるのもまた政治家として当然であると言えます。  しかし、本県のケースと沖縄の基地に起因するさまざまな生活環境上の被害とがおおよそ同列に扱われるべきものではないということは、特別委員会の幾つかの視察及び議論によって確実にわかってまいりました。  私たちが判断するべきことは、本事案がこれからの佐賀空港の発展を阻害するものか否かであるということより、平時において、その基地を通じての自衛隊の活動が、将来にわたって本県県民に対し受忍の限度を超える生活環境及び生産環境上の被害があるのか否かであり、仮に受忍の限度を超える被害が想定された場合、その被害緩和策が何であり、その被害に見合う振興策があって、そのバランスは妥当であるかどうかという、そこで日々の暮らしを営む者たちの視座でこそ議論するべきものであるように私は思っています。  そういう意味では、政府は川副地区に住まう人々や佐賀市に対して、その事業の意義を説明し、誤解を正解に導く努力をするべきだし、かつまた少なからず感じている自衛隊やヘリコプター団と共存する生活上の不安を安心に変えていく説明の努力をもっともっとしていくべきかと私は思っています。  いずれにせよ、近隣諸地域並びに当事者である関係県民を代表、代理して、本県は防衛省に対し徹底的な調査検討を行い、議論を成熟させ、前進させていくことこそが本来県民が求めている知事の姿であるように私は思います。本来は知事の姿勢としてお伺いしたいところなんですが、これは私見を述べます。  知事は日ごろからこの問題にスケジュール感は持たないと述べられていますし、この項というか、今から言うことは後で質問させていただきますが、こちらから現地調査の協力は要請しないと明言されておりましたが、何といっても、今回、佐賀に整備させてほしいと提案されているヘリコプター団は、焦眉の問題である尖閣諸島に事が起これば、真っ先に急行し、事態を初手において制圧してくれるはずの部隊です。そして、そのことは国の存立にかかわる極めて重要な安全保障上の問題になっております。  今回のアメリカの大統領選の行く末であるとか、東アジア全体の安全保障環境などが日々刻々と変化をし、不安定さや緊張度がどんどん増していく現下の世界情勢の中で、そのような発言や態度は政府に対し佐賀県として誤ったメッセージを発することにつながり、本県と政府との信頼関係を大きく損なうことになるのではないかと私は心配をいたしております。(発言する者あり)  私たち佐賀県にいかなるすばらしい素材や資源をどれだけ有していようと、実際は全国有数の小さい県であります。財政窮乏県であります。そういう意味では、ほかの県より余計に政府と一体として相互に補完し合いながら県土の発展に尽くしてきた長く現実的な歴史があります。そういう意味では、事の本質といささかも関係のないフレーズや態度は、殊さら言う必要もないし、示す必要もないと思われます。長くなりましたが、次の点についてお伺いします。  現地調査の協力要請についてであります。  昨年十月二十九日に中谷防衛大臣から、今後、より具体的に説明をするために必要なので、現地調査や関係者との協議を進めることについて御理解いただきたい…… 20 ◎副議長(石倉秀郷君) 藤木卓一郎君に申し上げます。質問時間が残り少なくなっておりますので、質問は簡潔にお願いいたします。 21 ◎藤木卓一郎君(続)=ということで、質問時間がもうなくなってしまいました。ここは一番重要なところだったんですけど、(発言する者あり)そうですね。あくまでも計画の全体像、今後、より具体的に説明をするために必要なので、現地調査や関係者との協議を進めることについて御理解いただきたいとのお願いがあったことから、知事は「決して受け入れを容認したということではなく、あくまで計画の全体像、将来像の明確化をするために必要であることから、そういう意味であれば異論を差し挟むつもりはない」、この…… 22 ◎副議長(石倉秀郷君) 藤木卓一郎君に申し上げます。質問時間を超えておりますので、速やかに終了をお願いいたします。(発言する者あり) 23 ◎藤木卓一郎君(続)=大変残念な話ですが、ここのところは私としてどうしても言いたいことでございましたが、これも議会上のルールでございます。大変残念なことでございますが、以上をもって私の質疑を終わらせていただきます。(拍手) 24 ◎山口知事 登壇=藤木卓一郎議員の御質問にお答えいたします。  まず、障害者の入所施設の待機者の解消についてのお尋ねがございました。  老若男女、誰でもその人に応じた居場所があることが重要だと思っています。障害のある人も地域の中で安心して暮らしていけるんであれば、それが何よりだと考えております。
     一方で、施設でないと生活が厳しい方がいらっしゃるというのも事実だと思います。このため、支援が必要な方には適切なサービスが行き届くようにしていくことが必要だと思います。  そこで、県においては、現在施設におられても、地域で生活できる方については施設を出て地域での生活に移行し、それによって地域での生活が困難であり、真に入所が必要な方が入所して適切な支援を受けられるよう、地域移行の取り組みを計画的に進めているところでございます。具体的な取り組みにつきましては、担当本部長からお答えさせていただきます。  続きまして、身近な移動手段確保における今後の県としての取り組みについてお答えいたします。  これから、免許証を返納した高齢者、県外からの移住者、子育て中の方々が、安心して佐賀県で暮らしていくための住みやすい環境づくりとして、身近な移動手段を確保することはとても大事だと思いますし、そのニーズは今後さらに拡大していくんだろうと思っています。  身近な移動手段の確保につきましては、買い物弱者の問題ですとか、病院、福祉施設の状況など、地域のニーズに応じてしっかり対応すべきで、それぞれ状況は異なりますから、その対応策もさまざま考えられるところだと思っております。  このため、地域における移動手段のあるべき姿を実現していくためには、地域の実情を把握している市町が、住民の意向をしっかりと踏まえながら主体的に取り組んでいただくことが重要だと思っています。そして、買い物、通院など、住民の生活圏が市町をまたぐ場合には、関係する市町間で連携して対応していくことが重要だと思います。  そういったこともあって、先月開催いたしましたGM21ミーティングにおきましては、県のほうから身近な移動手段の確保をテーマとして取り上げ、首長同士で大いに議論させていただいたところでございます。  県としては、議員からも安曇野のお話がありましたけれども、近くでは八女の問題だとか、いろんなところでさまざまな取り組みが行われています。県はいろんな事例をもっともっと勉強して、市町が意欲を持って高めてもらうような取り組みをすることが大事だと思っています。そういったことについては、さらに積極的に取り組みをさせていただきたいと思います。そして、市町をまたぐ場合の調整、幹線バス路線の交通事業者との調整など、広域的な視点から必要な支援をしてまいりたいと考えているところでございます。  最後に、佐賀空港へのオスプレイ等配備要請に係る……(「質問になってないから」と呼ぶ者あり)質問はなかったですかね。一言だけ申し上げると……(「言わんでよか」と呼ぶ者あり)じゃ、お答えはあえて避けます。 25 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私からは、障害者の入所施設に関する御質問につきまして、知事が答弁しました分、補足も含めまして二点お答えいたします。  まず、入所施設の待機者の実態調査の結果はどのようなものであったのかと、またさらに要望を把握するためにヒアリング調査を行うべきと考えるが、どうかというお尋ねでございます。  十一月県議会で議員から御指摘がありました入所施設の待機者の実態につきましては、平成二十八年一月一日現在で、県内の二十三の施設に対しまして待機者数や待機者の生活などにつきまして調査を実施したところでございます。  この調査の結果、待機者数は約三百四十人で、これらの方々の入所を希望している時期を見ますと、「速やかに入所を希望している」方が九十八名、「支援者の支援が困難になった後」という方が八十五名、「学校等を卒業した後」という方が十八名などでございました。このうち、速やかに入所を希望しておられる九十八名について見ますと、現在の生活の状況は、「在宅で家族と同居している」方が三十七名の三七・八%が最も多く、次いで「障害者施設に入所中」の方が二十六名で二六・五%、「病院に入院中」の方が十七名で一七・三%などとなっております。  なお、入所を希望している理由としては、支援している家族などが高齢化し、今後の支援への不安を訴えているものや、家族が住んでいる家の近くの施設への移動を希望しているものが多く見られたところでございます。  しかしながら、今回の調査では施設に対して行ったものでございまして、入所の申し込みに伴う詳細な情報が、障害に関する相談窓口である市町にとどまっておって、待機者の詳しい情報が施設まで行っていなかったような事例もあったことから、待機者の状況を十分に把握することができなかった面もございます。  今後、市町の協力を得ながら改めて実態調査を行い、待機者自身やその家族から直接話を聞くなど工夫をしながら、現在の生活実態や要望などを把握してまいります。  次に、先ほど知事から御答弁申し上げた待機者の解消についての御質問のうち、地域移行の具体的な取り組みについて私のほうからお答えいたします。  平成二十七年三月に策定いたしました第四期障害福祉計画では、平成二十五年度末の施設入所者について、平成二十七年度から平成二十九年度までの三年間で百七十九人を地域移行することを目指しているところでございます。他方、平成二十七年度から平成二十九年度までの三年間で、少なくとも新たに百五十四人の入所が可能であるとしております。計画に沿った移行が進めば、待機者の解消に大きく資するものと考えているところでございます。  一方、平成二十四年度から平成二十六年度までの三年間の実績で申し上げますと、地域移行や他の施設への転所、長期入院や死亡などの理由により百五十五名が施設を退所する一方、百九名が新たに入所しているところでございます。  この地域移行の具体的な方策につきましては、まずグループホームなど住まいの場の確保、さらに三百六十五日相談できる場の確保、また訪問系サービス、あるいは日中活動系のサービス、地域相談支援といった障害福祉サービスの量の確保といったことに取り組んでいるところでございます。  これにあわせ、先ほど答弁したとおり、今後、改めて実態調査を行った結果、障害者を支援する人がいないなど入所の緊急度が高い待機者がいらっしゃるようであれば、施設に対し、入所に当たっては十分配慮いただくよう依頼するなどの対応を行ってまいります。  いずれにいたしましても、今後とも安心して地域生活を過ごしていただけるよう、市町の総合相談の充実を図り、グループホーム整備や必要なサービスの確保に努めていくとともに、入所施設の待機者の実態や要望を十分に把握してまいります。  私からは以上でございます。 26 ◎和泉県土づくり本部長 登壇=私からは、小城地域における地域環境用水の確保についての御質問にお答えいたします。  まず、協議会の設立目的とこれまでの協議内容についてということでございます。  協議会正式名は、「嘉瀬川水系における地域環境用水に関する連絡協議会」といいますが、これは国、県、市及び土地改良区などの関係機関を構成員といたしまして、嘉瀬川水系の慣行的な地域環境用水を調査し、必要水量を把握するとともに、望ましい水管理の方策について検討することなどを目的として平成十四年に設立されたものでございます。  協議会は、これまでに十七回開催されまして、主に嘉瀬川の左岸エリア、東側になりますが、その地域での協議を進め、石井樋から多布施川への分派ルールについて協議を進めたことで調整が整ったところでございます。  その後、嘉瀬川右岸側の小城地域、大和地域、久保田地域など、これらの右岸エリアでも冬場の水が足りないとの声が上がっているため、現在、実務レベルの幹事会を継続的に開催しているところでございます。  その中で、これらの地域におけます課題の解決に向けた協議を行い、実態把握のための現地調査などの取り組みを行っているところでございます。  続きまして、地域住民との情報共有についてお答えいたします。  地域環境用水に関する課題解決に向けましては、地域住民の理解と協力のもと、地域が一体となって進めることが重要であると考えております。  議員から御指摘いただいた地域への説明不足や、そのことにより疑問が生じているということにつきましては、しっかりと受けとめ、協議会事務局といたしまして、関係機関と調整し、地域住民への理解が進むよう説明などに努めてまいりたいというふうに考えてございます。  また、今後実態調査などを実施するに当たりましても、その目的や内容、調査結果について、地域住民と情報を共有しながら進めてまいりたいというふうに考えております。  続きまして、課題の解決に向けた取り組み、具体的にどうするのかということについてお答えいたします。  小城地域におきましては、幹線水路の改修工事により、その水路形状などが以前と変わったため、流入先の農業用水路や集落内の水路の通水状況などについて、現在、小城市が地元地区代表者などへのアンケート調査などを実施し、現状把握を行っているところでございます。  このアンケート調査等によりまして、地区ごとの水路の状況やどこでどのような支障が生じているかなどの定性的な確認が進んでいるところというふうに認識しております。  今後は、集落内水路の主要な地点での水位観測などを行い、地域で必要な水量や水位、水が必要な時期など定量的な確認を進め、対策の必要性、緊急性について関係機関と認識を共有していく必要があると考えているところでございます。  これらの調査につきましては、引き続き現場の実情に精通した小城市が中心となって取り組んでいただく必要があると考えておりますが、調査を効率的に実施するためには、国、県、土地改良区など協議会を構成している関係機関による専門的な助言やサポートが必要であると認識しております。  県は、協議会の事務局として関係機関の調整を行いながら、この実態調査が迅速かつ円滑に進むよう努めてまいります。  続きまして、協議会の開催時期についてお答えいたします。  協議会の開催時期につきましては、これまでの幹事会における申し合わせとして、今後の実態調査などにより一定の成果が得られ、実務レベルでの検討が一定程度進んだ時点で協議会を開催することとしてきたところでございます。  現在、小城地域におきましては、先ほど述べたとおり、アンケート調査を実施するなど実態調査に取り組み、一定の進捗も見られる状況であることから、関係機関の意見を聞きながら、先ほど議員から御指摘のあった点も踏まえながら、協議会が適切な時期に開催できるように検討してまいりたいと考えております。  いずれにしましても、長年、課題解決を待ち望んでおられる地域の皆様の要請に応えるために、できるだけ早く課題解決が図られるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 27 ◎西村交通政策部長 登壇=私からは、身近な移動手段の確保についての質問のうち、これまでの取り組みと成果について、それと国道二〇三号の現道の整備についてお答えいたします。  初めに、身近な移動手段の確保についてのこれまでの取り組みと成果についてお答えいたします。  地域公共交通については、従前は国にほとんどの権限があったことから、県は、市町からの要請に応じてバス路線廃止に関する利用者との調整や、各市町の地域公共交通会議へ参画してきた程度でございます。  しかし、平成二十五年十二月に交通政策基本法が施行され、地方自治体の責務が明確になっております。あわせて地域公共交通に関する関係法律の改正や、国からの権限移譲の動きもあり、地方自治体が地域公共交通に関して主体的に取り組む環境が整ったところでございます。  こうしたことを背景として、県では平成二十六年度に「身近な移動手段確保推進室」を設置しました。その後、平成二十六年度の予算で県内の全てのバス路線の利用実態調査を行うとともに、今年度は六月補正予算でやる気のある市町や交通事業者を支援するため、新規事業として「地域創発による地域交通モデル事業」を創設したところでございます。  また、市町職員のスキルアップが図られるよう、地域交通に詳しい学識経験者を迎え、モデル地域を設定したフィールドワーク形式の研修会を開催したところでございます。  こうした取り組みの成果により、唐津市と玄海町では、共同で地域全体の移動手段確保を定める地域公共交通網形成計画の策定を終えて、現在は公共交通網の再編に取り組まれております。  また、吉野ヶ里町や上峰町でも地域公共交通網形成計画の策定に取り組んでおられ、さらに今後も複数の市町で同計画を策定する予定と聞いているところでございます。  このように、徐々にではありますが、県内市町において、地域公共交通網の構築に向けた動きが出ていることから、県としては引き続き市町の取り組みを支援していくこととしております。  次に、国道二〇三号の現道整備についてお答えいたします。  佐賀唐津道路多久─佐賀間の仮称三日月インターから国道二〇七号徳万交差点までの国道二〇三号及び県道佐賀環状線の区間は、議員御指摘のとおり、自動車交通量が多く、歩道が整備されていない区間や右折レーンが確保されていない交差点があることから、県としても道路整備の必要性は認識しているところでございます。  このため、国道二〇三号の仮称三日月インターから国道三十四号五条交差点までの約二・五キロメートルの区間のうち、県道川上牛津線と交差する大寺橋交差点前後の約三百メートルの区間については、平成二十五年度までに小城市役所の新庁舎整備にあわせて、国、県、小城市の三者で交差点改良を含めた歩道整備を行ったところでございます。  また、小城市役所北側から長神田交差点までの約三百四十メートルの区間については、平成二十六年度にも地元から国へ歩道整備の要望書が提出されております。  国においても、この区間の歩道整備の必要性は認識されており、今年度は現況を把握するための地形測量が行われたと聞いております。  県としましては、国道二〇三号の歩道整備について早期に整備されるよう、地元関係者と一緒になって国に対して働きかけていくこととしております。  次に、国道三十四号五条交差点から国道二〇七号徳万交差点までの県道佐賀外環状線約一・五キロメートルの区間のうち、山嶺交差点付近については、右折レーンや歩道が設置されていないことから、今後、整備に向けて検討を始めることとしております。  いずれにしても、県としては、子供や高齢者を初めとする県民が安心して道路を利用できるよう歩道整備や交通安全対策等にしっかりと取り組んでいくこととしております。  私からは以上でございます。 28 ◎西久保弘克君(拍手)登壇=ただいま議長より発言の許可を得て登壇いたしました自由民主党の西久保弘克でございます。  私は、昨年の五月に県議会の一員となり、これまでの間、たくさんの驚きや衝撃、そして感動がありました。これは、県民の皆様はもとより、県議会議員の方々、執行部の方々から温かいまなざしで見守っていただきながら、時には厳しく御指導をいただいたことからだと思います。改めてお礼を申し上げます。ありがとうございます。  一昨日、大場議員も田中角栄先生について述べられていましたが、私は、田中角栄先生を敬愛する者の一人であります。田中角栄先生は、政治は「理想よりも現実を見詰め、国民がメシを食えるようにすることが大事だ」とおっしゃっており、私はこの言葉に大変感銘を受けました。また、田中角栄先生は、なぜ政治を志したのかと、志についても常に語られております。  私の志ですが、例えば、道に大きな石があったとして、それは誰の目にもとまりやすく、気をつけていれば当たることはないでしょう。しかし、足元の小さな小石には気づかずに転んだり、大けがをすることがあるかもしれません。私は、県民の皆様の足元に転がっている小石を一つ一つ丁寧に取り除いていきたいというものであります。  これからもその志を忘れることなく、今後とも精進していきます。よろしくお願いいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず最初に、資金運用についてであります。  日銀のマイナス金利政策が本年一月二十九日に発表され、二月十六日から実施されております。日本で初めてのマイナス金利の導入は、日本の金融のみならず、地方の政策にも大きく影響を与えると考えております。  先日、長崎の主要銀行である十八銀行とふくおかフィナンシャルグループの提携が発表されましたが、長崎では発表当日に号外が出るなど、関係者は今後の動向に大きな期待と不安を持たれているようです。  このような状況の中、佐賀県の厳しい財政運営においては、歳出を抑え、歳入をふやすことが重要であります。私は、税収以外で歳入をふやす一つの方法は、資金運用にあると考えており、また、それは職員の方々の努力によってなし遂げられるものであり、その業務を担当する出納局にはしっかりと取り組んでもらいたいと考えております。  歳入における自主財源の主なものは、県税の収入でありますが、県税以外での収入に目を転じれば、県の歳計現金や基金等を原資として運用益を上げていく資金運用の方法が重要であり、資金運用で少しでも歳入を増加させようと努力することが必要であります。  現在の資金運用の方法として、歳計現金については、金融機関への大口預金で運用されております。一方、基金については、金融機関への預金に加え、九州の他県では国債などの債券による運用もなされております。  平成二十六年度における九州各県の運用状況を見てみると、歳計現金については、佐賀県の運用利率は九州各県ではトップクラスになっておりますが、基金では、九州各県の全運用額に占める債券での運用割合は、福岡の六〇・四%を筆頭に、佐賀県を除く七県の単純平均で一八・九%となっております。しかしながら、佐賀県は債券での運用割合はゼロ%となっており、九州の中では佐賀県のみが債券での運用をされていない状況であります。  佐賀を除く九州各県の債券運用の平均利率を単純に平均すると、一%を超えますが、金融機関への預金で運用している資金の半分を、もし佐賀県が債券での運用に回したとすれば、運用益は約三倍になると試算もできます。現在の預金での金利は約二億円、債券へ半分回せば六億円になるということでございます。  このようなことから、佐賀県でもより有利な利回りを追求することが大切なことではないかと考えております。  そこで、次の二点について、会計管理者に伺います。  まず、債券での資金運用についてであります。  佐賀県においても、運用益の増加を図るため、国債などの債券による資金運用をすべきと考えますが、平成十九年度に購入した債券が平成二十四年度に満期になって以降、債券での資金運用を行っていない理由について伺います。  次に、資金運用にかかわる人材育成についてであります。  将来的には、佐賀県においても債券による資金運用を行うこともあるかもしれません。私は、資金運用に当たっては、専門的知識やノウハウの蓄積が重要であると考えております。  そこで、今後の県の資金運用にかかわる人材の育成や手法の伝承について、県はどのように考えているのか伺います。  次に、未利用財産の売却についてであります。  午前中の古賀議員さんからの質問と若干重複する部分があると思いますが、私は先ほども申し上げたとおり、県の厳しい財政運営において、歳入を増加させるためには資金運用が重要と考えますが、未利用財産の有効活用も一つの方策であると私は考えております。県では、廃止した職員宿舎などの活用予定がない未利用財産については売却を行うという方針のもと、未利用財産の処分に取り組まれております。  平成二十七年度における未利用財産は四十一件、約七万八千平米で、その平均保有年数は約七年となっております。この四十一件のうち、売りに出されているものが十一件で、残りの三十件はまだ売りに出されていない土地であり、古いものは昭和四十九年から約四十年間未利用となり、いまだに売りに出されていない土地もあります。  売りに出されていない物件が多数ある原因としては、境界の問題などで、売りに出すための条件整備が整っていないものなどが、未利用財産として積み重なって残っていると聞いております。  しかし、今、全国的に近隣の迷惑や有効活用といった観点から、空き家対策や、農地では不耕作地対策で取り組んでいかれております。県の未利用財産も、県民から見れば負の遺産であり、近隣から見れば、空き家や不耕作地と同一視であると私は考えます。  一つの例として、佐賀市にある旧緑化センター跡地は、平成二十四年度から未利用地となっておりますが、土地面積が約二万平方メートルもあり、樹木も多数あることから、周辺の住民からはカラスの苦情もあるということであります。  民間であれば、未利用地の土地を所有していると、維持管理のコストばかりが発生するため、売却するための課題があれば、専門家に依頼して、早期に解決を図った上で売却するところでありますが、県有地の場合はそのスピードが遅いのではないかと思われます。  民間の土地売買と全く同じように処分することは難しいかもしれませんが、私は、県が所有する未利用財産についても、土地家屋調査士等の専門家を活用しながら、早期に民間に売却する必要があると考えております。  そこで、次の二点について、経営支援本部長にお伺いいたします。  まず、処分等の手順についてであります。  未利用財産については、市や町の税収増、近隣の地域の活性化などへつながることから、民間に処分するのが最適だと考えておりますが、未利用財産によっては、市や町への譲渡を行うと聞いております。その際、どのような手順により処分などを行っているか伺います。  次に、今後の取り組みについてであります。  未利用財産の中では、境界や権利関係の問題などで売りに出すのに課題がある物件もあると聞いておりますが、このような物件については、売却のための条件整備を早期に行うなど、未利用財産の売却を今後とも積極的に行うべきだと考えております。県では未利用財産の売却に、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  ここまで県の歳入増加対策について質問いたしましたが、私は、限られた財源の中で、いかに効率よく事業を執行するか、そして、事業の効果はどれぐらいあったのかを精査することも重要と考えております。  そこで、県では毎年度さまざまな事業が実施されている中で、その精査をどのように行っているのかという観点から、次の質問に移りたいと思います。  ここでは、一つの事業を例として質問させていただきます。  「さが出会いサポートセンター」についてであります。
     昨今、全国的に未婚化、晩婚化が進み、少子化に歯どめがかからない状況の中で、県では結婚したいという方々の願いをかなえるために、平成二十六年八月に「さが出会いサポートセンター」を開設し、一対一のお見合い事業や出会いイベントの開催及び情報発信に取り組んでおられます。行政による結婚支援は、九州では佐賀が先進県であり、この出会いサポートセンターは、未婚化や晩婚化、少子化傾向の低減に寄与する非常に大切な存在だと認識しております。  ただ昨年、県内三カ所にあるセンターを訪問させていただき、また、一部のスタッフの方々に話を聞いたところ、あるセンターでは平日の昼間ということもあってか、新規登録や検索のため訪れる方や会員がいないために、スタッフの本事業への意欲が少し下がっているような印象を受けたところであります。  現在、当センター三カ所合計で七名のスタッフで運営され、登録会員は六百名余りでありますが、単年度の委託事業であることから、会員の方々は毎年三月末で一旦登録が解除され、翌四月から再登録をしなければならないし、そのため、受託業者もまたゼロから会員を募る必要があると聞いております。  私は、こうした会員登録の負担を軽減するとともに、受託業者がより効率的に本事業を運営していくためには、現在、単年度である委託期間を複数年度化すべきではないかと考えております。  また、各センターは火曜日、水曜日が全休であり、利用者の利便性に欠けていると思いますが、現在の予算の範囲内で効率化するとともに、センター利用者の利便性を向上させるためには、今ある三つのセンターを一カ所に集約化してはどうかと考えます。そうすることにより、スタッフの休日は確保しつつ、センターを年中無休としたり、営業活動や広報へも人手を回したりすることができ、センターとしての機能を十分発揮できるようになるのではないかと考えております。  さらに、少子化については、大きな要因の一つである晩婚化への対策が重要であります。例えば、百年のスパンで考えれば、三十歳で結婚すると三世代でありますが、二十五歳で結婚すると四世代が誕生することになるわけです。  そこで、これまでのお見合い支援に加え、出会いから結婚、子育てといったライフデザインを描けるような情報など、会員に対してさまざまな情報発信を行うことも、当センターの重要な役割だと考えております。  また今後は、結婚したいと考えて会員登録する本人だけではなく、我が子や孫などを結婚させたいと考える身内の方々が、気軽に立ち寄れる相談の場としての機能をあわせ持つことも有効な手段であるとも考えております。  本事業については、議会や委員会でもたびたび取り上げられ、議論されておりますが、それだけ多くの方々が期待しているわけであり、それはエールと捉えていいと思うわけであります。だからこそ、早急に結果を求めるのではなく、五年後、十年後を見据えてじっくり育てていくべき事業だと考えております。  そこで、次の三点について、くらし環境本部長にお伺いいたします。  最初に、「さが出会いサポートセンター」の利便性の向上についてであります。  利用者の利便性向上のため、契約期間の複数年度化や三つのセンターを集約化してはどうかと思いますが、県の考えについてお伺いいたします。  二つ目に、「さが出会いサポートセンター」会員への情報発信についてであります。  これまでのお見合い支援に加え、会員に対し、ライフデザインなどの情報発信を行うことが有効と思いますが、県の考えについてお伺いいたします。  三つ目に、親御さん等からの相談の場としての活用についてであります。  未婚の子供をお持ちの親御さんなどが、気軽に立ち寄って子供の結婚について相談したり、お互いに情報交換できる場として、本センターを活用できないかと思いますが、県の考えについてお伺いいたします。  次に、県総合体育館、総合運動場エリアの今後のあり方についてであります。  平成三十五年、実に四十七年ぶりに佐賀県で国民体育大会・全国障害者スポーツ大会が開催されますが、その準備に当たっては、両大会後に何を残すかというレガシー、いわゆる遺産が最も大切と、知事も再三にわたり思いを述べられております。私自身、今回の大会は佐賀県にとって一つの通過点であり、準備に当たっては、この先の社会に何をもたらしたいのかをしっかりと考えつつ、進める必要があると思っております。  そうした中、県は両大会における熱戦の主要な舞台となるであろう佐賀駅北側にある県総合運動場、県総合体育館周辺の整備方針を描くため、来年度このエリアの整備基本計画、いわゆるグランドデザインを策定すると聞いております。  私も先日、久々にこの周辺を訪れましたが、陸上競技場や水泳場、テニスコートなど、主要施設のほかにも、ボクシング場やフェンシング場、エアライフル射撃場などもあり、さまざまな競技施設の今後をトータルで考えることは確かに必要だと思ったところであります。それと同時に、このエリアは佐賀駅から歩いても行ける距離で、改めて県内外から利用しやすい好条件の立地であることを実感したところでもあります。  このエリアのグランドデザインの策定に当たっては、知事は先日の代表質問において、「今後、長きにわたり県民の夢や感動を生み出す県内スポーツの一大拠点づくり」との認識を示されたところであり、スポーツを見て楽しむ観点も取り入れたいとも述べられたところであります。  私としても、まさにこれからのスポーツ施設は県内外から多くの人々がわくわくしながら集い、交流することで、町や地域ににぎわいや活気を生み出す魅力ある場となり得ると考えるところであり、それはサガン鳥栖の試合のあるスタジアム周辺の盛り上がりを見ても、一目瞭然であると思うところであります。  翻って、例えば、現在の県立体育館を見てみると、県庁の東隣にある市村記念体育館は既に築五十年を経過しており、県総合体育館も、七年後の国体が終わるころには、四十年近く経過していることになるわけであります。しかも、両体育館ともアリーナの広さや更衣室、控室、アップ場などの部屋の数、観客席数からして、今どきのスポーツイベントを行うにしては、かなり古めかしいものになっており、国内外の大規模な大会の開催や誘致は、難しい面があると聞いております。  また、スポーツ大会に限らず、全国から参加者が来県する大規模な文化イベントなどの際も、関係者は広い会場探しに御苦労されていると聞いております。  ちなみに、私は広島に住んでいたことがありますが、広島には平成八年の広島国体を機に整備した最大一万人を収容できる県立総合体育館広島グリーンアリーナがあり、スポーツの国際大会や著名なアーティストのコンサートなどが毎週のように開催され、その経済波及効果ははかり知れないところであります。  もちろん、そのような仕様とまではいかなくても、私は今回のグランドデザイン策定に当たっては、まずは既存施設ありきでなく、これまでにない斬新な発想で新設も含めてさまざまな選択肢を検討すべきではないかと考えております。  先ほど私は通過点と申し上げましたが、通過点は同時にターニングポイントにもなり得るわけであり、今回の国体・全国障害者スポーツ大会という一つの催しは、実に半世紀に一度の好機であります。  そこで、知事にお伺いいたします。  私は、この佐賀駅北側にある県総合運動場、県総合体育館エリアの将来のあるべき姿を、交流人口をふやす視点やまちづくりも含め、長期的、総合的に描くべきだと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  最後に、県民との対話についてであります。  山口知事は、昨年一月の就任以来約一年間、県内各地の現場を見て回られ、県民の声に耳を傾けられてきたことと思います。現場、そして県民との対話を重視する知事の姿勢には、私も大いに共感を覚えるところであり、これからもその姿勢を忘れずに、県政のかじ取りに取り組んでもらいたいと考えております。  現場を重視されている一つの例として、県外に出てしまった若者や参加者同士のネットワークを構築するため、「Re:サガミーティング」を全国四カ所で実施され、知事もみずから会場に足を運び、佐賀のすばらしさを伝えていると承知しております。  その結果、六百四十八名の参加者のうち、約七割が佐賀県への興味、関心が高まったと答え、具体的に働きたい、帰りたい、住みたいと思った人もそれぞれ三割になるなど、大変すばらしい効果を上げていると聞いております。実際、私のおいも、大阪の会場に参加し、大いに刺激になったと言っており、私としてもうれしくなり、このような取り組みは、これからもぜひ進めていくべきだと考えております。  しかしながら、知事が現場を訪問する一方で、表敬や報告、要望など、さまざまな目的で県庁を訪問される県民や団体関係者に対しては、その内容によっては、担当課などが知事への面談を制限していることもあると聞いております。  実際、先日、私の地元、鍋島中学校の軟式野球部が全国大会に出場することになり、父兄さんから頑張った子供たちへのプレゼントの一つとして、県庁を訪問して、全国大会の出場報告をしたい。それができれば、父兄を含めたよい思い出づくりになるとの話があったところであります。  私はそれを受け、知事、知事が対応不可能な場合は副知事や教育長、副教育長などに表敬訪問したいという申し出を行ったところ、教育委員会側から、表敬訪問を受けるのは、結果報告ですね、全国大会で三位以内に入った人か、もしくは全国大会の出場報告では、全国高校野球での甲子園、全国高校駅伝、全国高校ラグビー、この三つのみである、そういうふうに内規で定めているので、表敬訪問ということであれば、従来と同様に受けられないという回答でありました。  私としては、学校の部活動はサッカーや新体操、剣道、柔道、アーチェリーなどの体育部、吹奏楽や書道、ボランティアなどの文化部など、多岐にわたり児童生徒たちも日々頑張っており、保護者の方も一生懸命支援されている中で、そのような基準があるのはおかしいのではと感じたことから、その基準は一体いつごろできたんですかとお尋ねしたところ、「昔から」と、一言回答があったのみでありました。これを聞いて、私は驚くとともに、とても悲しい気持ちになったところであります。  そもそも私としては、県民の皆様が県庁に足を踏み入れること自体少なく、県庁の最上階がすばらしい展望スペースであることや、来賓室の調度品も佐賀を感じられるすばらしいものだということを知っている方はほとんどいないのではないかと思うわけであります。この議場はもとより、この演壇一つをとっても、県民の皆様の財産であるという原点を忘れているのではないかと思うところであり、そのような中で、表敬訪問の申し出を断るというのはいかがなものでしょうか。  私は、知事には県庁を訪問する県民の方々とも可能な限り対話してほしいと思っているところであり、特に小・中・高の児童生徒など、若い世代にとっては、県庁を訪問すること自体が家族の会話の種ともなろうし、その後の同級生の間での語りぐさにもなろうし、知事室で写真を撮ったものが一生の宝物になるでもあろうし、そして、県庁周辺の本丸歴史館や美術館などの周辺施設を訪れることにもなるであろう。佐賀県のすばらしさを認識できる機会、何もない佐賀ではなく、地方の子供たちが来て、こんなにすばらしい建物や施設があるんだよと再認識する思い出づくりのよい機会や驚きや衝撃、感動を受ける機会になり得ると考えております。  私としては、忙しい知事が対応できないのは、これは仕方ない。そうしても二人おられる副知事さんや教育長さん、三人おられる副教育長さんなどが対応することも可能ではないかと考えているところであり、(「そのとおり」と呼ぶ者あり)内部のルールで一律にそのような機会を簡単に潰しておいていいのか、また、そのほかにも同様の事例があるのではないかと思うところであります。いずれにせよ、もっと県民に親しまれ、開かれた県庁になるべきであると考えております。  そこで、知事に伺います。  私は県庁に来たいという団体などは、可能な限り拒まずに、担当部課長におろしてでも丁寧に対応すべきであり、それを全庁に徹底すべきだと考えますが、知事はどのようにお考えなのかお伺いいたします。  知事を初めとした執行部の皆さんも、県民に親しまれ、開かれた県庁になるべきと思っておられるはずだと期待して、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) 29 ◎山口知事 登壇=西久保弘克議員の御質問にお答えいたします。  まず、県総合運動場エリアの今後のあり方についてお尋ねがございました。  議員から御紹介ありました広島グリーンアリーナ、私も立ち寄ったことがありますけれども、町の中心部にありまして、本当にたくさんの県民の方がスポーツを楽しんでおられました。聞くところによると、年間二百万人の利用ということでありますから、非常にみんなから愛されたものなんだろうなというふうに思います。  知事就任の前、直前だったと思いますけれども、ラグビーの関係の仕事でシドニーのスタジアムにスポーツ施設を視察する機会があったわけでございますけれども、試合のある日は朝から大勢の人が周囲に集まって、家族や友人でバーベキューを楽しんでいたり、昔活躍した選手のモニュメントの前でおじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんにその当時の話をしていたりと、そして試合がなくても走ったり、泳いだり、歩いたり、転がったりと、本当にスポーツを楽しむ文化があって、この施設というのがそれを生み出す中核にあって、そうでなからんばいかんなという思いでありました。  私は、県民の皆さん誰もがごく自然にそうしたスポーツ・文化を楽しめる社会になっていけばいいなと思っております。そのためにも県内各地からアクセスに便利な県総合運動場、県総合体育館のエリアというのは、これまでもそうだったように、これからも長く県民にとって大切な財産になると思っています。あのエリアは、居住地域からも近くて、駅からも近くて、しかも病院も近い、そして福岡も近いということでありまして、多くの人に親しまれる環境があるというふうに思います。  そして、私はかねてより文化・スポーツを通して世界との交流を目指したいと申し上げておりますけれども、整備の仕方によっては、今、海外からのキャンプ、訪れるチームが非常に多くて、高い評価を受けておりますけれども、そういった皆さん方にも活用いただけると思いますし、九州佐賀国際空港も使っていただけるチャンスもふえてくるだろうというふうにも思います。  よって、このエリアのグランドデザインを描くに当たりましては、国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の開催のための整備はもちろんのこと、県民にとってスポーツをする、見る、支える楽しみを味わうことができる施設となるような長期的視点に立った検討が必要だと思っています。  また、議員がおっしゃるように、両大会後のありたい姿として、スポーツツーリズムなど、スポーツによる交流人口の拡大、そしてまちづくりといった観点も当然必要だと思っています。  このため、検討に際しましては、利用者や競技団体、建築関係者等に加え、まちづくり関係者、スポーツイベントの専門家等の意見、そして何よりも県民の皆さんの意見や声を伺いながら、現施設の課題を洗い出し、必要な施設の機能や配置等について検討し、改修、増築、新設などさまざまな選択肢を持って議論させていただきたいと思います。  いずれにいたしましても、このエリアが県民の皆さんに誇りに思ってもらい、自慢していただけるような本物のスポーツレガシーエリアとなるように長期的観点から整備を行い、その後の佐賀県の浮揚にも生かしてまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、県民との対話についてのお尋ねがございました。  全く西久保議員と同感でございます。  まずは鍋島中学校軟式野球部の全国大会出場、おめでとうございます。九州大会、よく頑張りました。  私は、佐賀県庁は県民の皆さんから身近な存在で、親近感があって、できるだけ多くの方が気軽に立ち寄れる場所であってほしいと思っています。  ちなみに、県庁本館が今耐震化工事をやっていますけれども、私も数カ月住んでおった旧知事室、あそこは県庁舎が戦後焼失後、沖森知事から入っておられましたけれども、あれも机、椅子なども含めて残してみようかなと思っておりますし、旧来賓室、これも多くの方が佐賀県にかかわる方が訪れていただきました。そういう姿も含めて県民の方が見学できるように開放する予定でございます。  あわせて、佐賀県にはすばらしいものづくりの技術、製品、企業があるということもなかなかわかっていただけないという話もあります。多くの子供たちがやってきますから、そういう佐賀県内のものづくりに関するものも紹介するコーナーをつくりたいと考えています。  さらに、県庁展望ホールにつきましては、今議会に提案させていただいております「アート・アフター・ダーク」、プロジェクションマッピングを夜間に常設展示すること、こういったことも通じて県民の皆さん方に県庁を身近に感じてもらいたいなと思っています。  私自身もできるだけ多くの方に会いたいと考えているところであります。議員がお話のように、時間の制約もあってなかなか厳しいときには、難しい場合には、今おっしゃっていた副知事ですとか教育長ですとか、いろいろな職員いますので、しっかりと対応させていただきたいと思います。  これからも多くの方々が県庁を訪れたい、私などに会って報告したいと思っていただけるのは、私自身も大いなる喜びでありますので、全庁的にしっかり対応できるように、万全を期して徹底した対策をとってまいりたいと思います。  以上です。 30 ◎伊藤くらし環境本部長 登壇=私からは、「さが出会いサポートセンター」について三点お答えいたします。  まず一点目ですけれども、利用者の利便性向上のために契約期間の複数年度化や、三つのセンターを集約化してはどうかというお尋ねでございました。  これまで本センターの運営を委託する事業者との間では、通常の年度内に執行し完結するという原則に基づいて、単年度契約により事業を進めてきたところでございます。  ただ、同様の事業を実施しておりますほかの県の中には、複数年度契約という事例もございます。今後、そういった状況も参考にしながら、複数年度化について検討してまいります。  次に、佐賀と鳥栖と唐津の三つのセンターの集約化ですけれども、本センターでは先進県の事例を参考にして、会員の個人情報漏えい防止の観点から、必ずセンターへ来所して相手の情報を閲覧していただくこととしておりまして、また、利用者の利便性を確保するため、佐賀、唐津及び鳥栖の県内三カ所にセンターを開所しております。  これまで県内市町に対して本事業との連携を働きかけてきたところ、唐津市では結婚支援の一環として、市内在住者が本センター会員に入会する際の登録料の全額助成を来年度当初予算案に盛り込んでいただいておりまして、新規会員増が見込まれるところでございます。  また、鳥栖センターにおきましては、鳥栖市等だけではなくて近隣の久留米市や小郡市など福岡県からの利用もふえてきているという状況にあります。  議員から御提案いただいた三つのセンターを一カ所に集約化し、年中無休とすることなどにつきましては、センター利用者の意見も伺うとともに、市町の取り組み状況等とあわせて総合的に勘案しながら、利用者の利便性向上という観点から検討してまいります。  次に、これまでのお見合い支援に加えて、会員に対してライフデザイン等の情報発信を行ってはどうかということでございました。  県といたしましても、センター会員を含め、若い世代に早い段階から結婚や子育て等について深く考えてもらうことは必要だと考えております。そのため、来年度は企業の新入社員等を対象とした研修ですとか、大学等へのライフデザインに関する講師派遣や未婚者、若年層を対象としたライフデザインセミナーを開催することとしておりまして、会員の皆さんにもぜひ参加していただきたいと思っております。  また、九州、山口各県及び経済団体が連携して結婚の機運醸成を図る映像コンテンツを作成することとしておりまして、「さが出会いサポートセンター」でも会員向けに活用したいと考えております。  次に、三点目ですけれども、未婚の子供を持つ親御さんが気軽に立ち寄る場というふうな御質問でございました。  本センターでは、開設当初より独身の子を持つ御家族から結婚に関する相談があった際には、スタッフがセンターや結婚関係の資料の送付等による情報提供を行っているところでございます。また、今年度は独身の子を持つ親を対象としたセミナー及び親同士の交流会を県内の二カ所、佐賀市と江北町でございますけれども、開催いたしましたところ、たくさんの親御さんに御参加いただきまして、我が子の結婚を真剣に考えておられるということを実感したところでございます。  議員から御提案いただいた親御さん等が気軽に、未婚の子や孫等の結婚に関する相談の場として、本センターを活用いただくことにつきましては、いろいろスペースの問題等もございますけれども、先ほどお答えしたセンターの利便性向上を検討する中で、あわせて考えていきたいというふうに考えております。  センターができて二年近くになるわけで、いろいろな課題も見えてきているところでございます。いただいたさまざまな御提案を踏まえて、センターの機能をさらに充実させることで、より多くの方に出会いの場が提供できるようしっかり取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 31 ◎山口経営支援本部長 登壇=県の未利用財産の売却について二点御質問を頂戴しました。  まず最初に、処分等の手順についてということでございました。  現在、県が未利用財産として処分しておりますものは、主として用途を廃止した県職員宿舎や教職員宿舎などのほか、事業の完了などにより必要でなくなった駐在所、交番等の跡地などでございます。  これらの未利用財産が生じた場合、既存の施設等を有効に活用するという観点から、まずは県庁内においてほかの用途に活用ができないかということ、それから、当面の活用はないが将来の活用が見込まれるものはないかなどを検討し、そのように県庁での活用見込みがないものにつきましては、地元の市や町で公共的な活用がないか、あるいは活用の予定がないかというようなことの検討、照会を行っているところでございます。  県や地元の市町で活用の見込みがない場合は、一般競争入札によりまして民間に売却を行うというような基本的な考え方のもとで処分を行ってきている、これが手順ということになってございます。  それから、未利用財産の売却を積極的に行うためにどのように取り組んでいくのかという御質問でございましたが、平成二十七年度末におきます未利用財産は四十一物件、約七万八千平米となっておりますけれども、内訳は売却中のものが十一件の約八千平米、県において活用を検討しているものが六物件の約三万六千平米、それから売却を行うための条件整備がいまだ整っておらず、売り出し時期が未定のものが二十四物件、約三万四千平米ございます。  売却を行うための条件整備が整っていない物件には、その土地の隣接者との境界の確定ですとか、国土調査結果と現地の境界との誤差の調整、あるいは登記簿上にあります過去の抵当権の抹消手続などが必要な物件がございます。  未利用財産につきましては、未利用のままの状態で県が保有するよりも、県民や民間企業において有効に活用され、そこから新たな税収等が発生するというような形が資産のあり方として望ましいということは、議員がおっしゃるとおりでございます。  そのために、これらの物件につきましては、今後とも関係者との調整を粘り強く行っていくとともに、解決すべき内容によっては議員からも御指摘いただきました、例えば、土地家屋調査士ですとか司法書士などの専門家と相談を行うなど、外部のノウハウも活用しながら、早期の問題解決に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。  私からは以上でございます。 32 ◎西村会計管理者 登壇=私からは、資金運用について二点お答えいたします。  まず、債券での資金運用についてお答えいたします。  県の歳計現金や基金等に一定期間余裕資金が生じた場合には、佐賀県資金管理方針に従い、預金等による資金運用を行っております。ちなみに、平成二十六年度の基金及び歳計現金等の資金運用益は二億五千八百五十一万円となっております。  この資金管理方針では、地方自治法の趣旨も踏まえ、資金の最も確実かつ有利な方法による運用を行うこととしており、基金等を所管する各所属から出納局へ一年を超える余裕資金の運用依頼があれば、国債、地方債等の債券購入による運用も検討することとしております。  本県におきましても、平成二十四年度までは債券による運用も行っておりましたけれども、平成二十四年度に一年を超える五年間の基金の運用依頼があったので、検討した際、債券購入による運用よりも金融機関へ預託するほうが運用益が大きいという試算結果となったため、債券購入ではなく金融機関への預託を選択したものであります。  その後は、各所属から長期の資金運用依頼がなかったこと、また債券の利回りが低下する中、三年以内の運用の場合、債券での運用よりも金融機関への預託のほうが有利であったことなどから、現在のところ、基金等の債券での資金運用はないという結果となっております。  また、本日現在、五年物、十年物国債においては利回りがゼロ%を下回るマイナス金利となっていることなど、現時点では国債等の債券購入で高い運用益を得ることがかなり厳しい情勢となっております。  今後とも、基金等の資金運用については、金融機関への預託のほか、長期にわたる余裕資金の運用依頼があれば、より高い運用益を目指して債券購入による運用も検討するなど、確実かつ有利な資金運用を図ってまいります。  次に、資金運用にかかわる人材育成についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、資金運用については、預金や債券等に関する専門的知識や経験が必要であります。  そこで、資金運用についての専門的な知識を習得させるため、一般社団法人日本経営協会が実施する資金の管理運用研修に職員を参加させております。また、庁内の財務や資金運用の担当者で構成する佐賀県資金管理検討会において、信用調査会社等の専門家を講師に迎えて、最近の金融経済情勢等について研究会を開催するなど、職員の資質向上を図っております。
     今後とも、職員には研修等により資金運用についての専門的知識を習得させるとともに、実際の事務を行う中で、確実かつ有利な資金運用を検討して運用経験を積ませることなどにより、資金運用に関する人材の育成と手法の伝承を図ってまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 33 ◎西久保弘克君 登壇=再質問させていただきたいと思います。  私は、今回の五つの質問について、共通する大きなテーマとして意識改革というものを設定しておりました。これは民間では組織改革を行う前には、目標改革、意識改革、そして組織改革であります。知事が来年度に組織改革を断行されます。そして、見る限り、大きな目標改革もやられております。しかし、その中で今三人の方に御返答いただきましたけれども、やはりこういう今までの決まりがある、こういった形でやっている、これ決まりも全然結構でございますけど、少し前向きな発言が欲しかったんですけど、意識改革が十分になされていないのではないかというふうに私は感じました。  県民の対話などについてもそうですが、まずは県庁の皆様の意識改革をもっと進めるべきではないかと思いますが、最後に知事にその考えを伺って、質問を終わりたいと思います。 34 ◎山口知事 登壇=西久保議員の再質問にお答えしたいと思います。  さまざまなアドバイスありがとうございました。私も意識改革は非常に重要だと思っています。ともすると、行政は安定性とか保守性を重んじるばかりに、もう漫然と仕事をしているですとか、こうするもんだという形で上司が部下に指導しという形が多いわけですね。  私も実際、民間企業で二年間働きましたけれども、何と柔軟性があるんだろうと、その時代とか顧客に合わせて柔軟に対応できるんだろうと思いました。  ただ、一つはそこにやはり共通の利益という大きな目標があるからだとも思うわけでありまして、片や行政は安定性ばかり守っていればいいのかというと、必ずしもそうではなくて、むしろ、きょう御質問いただいたように、時代の趨勢ですとか、県民の皆さん方のニーズをいかに捉えるかといったところで柔軟に対応するべきところが多いわけでございますから、これからもさまざまな御提言をいただいて、我々はしっかりそれを聞く耳を持って、意識改革に取り組んで結果を出していきたいと考えております。  以上です。 35 ◎副議長(石倉秀郷君) 暫時休憩します。     午後三時三十二分 休憩 平成二十八年三月四日(金) 午後四時十分 開議  出席議員    三十五名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三二番  石 井 秀 夫     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三三番  留 守 茂 幸     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三四番  石 丸   博     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三五番  木 原 奉 文     五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三六番  中 倉 政 義     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三七番  石 倉 秀 郷     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     三八番  桃 崎 峰 人     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  川 崎 常 博     二七番  武 藤 明 美    一二番  定 松 一 生     二九番  徳 光 清 孝    一三番  八 谷 克 幸     三〇番  藤 木 卓一郎    一四番  米 倉 幸 久     三一番  竹 内 和 教 欠席議員    一名    二八番  稲 富 正 敏 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          統 括 本 部 長    西  中     隆          くらし環境本部長     伊  藤     正          健康福祉本部長      船  津  定  見          農林水産商工本部長    石  橋  正  彦          県土づくり本部長     和  泉  惠  之          経営支援本部長      山  口  康  郎          文化・スポーツ部長    白  井     誠          国際・観光部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       古  賀  俊  光          交通政策部長       西  村     平          会 計 管 理 者    西  村  宏  之          公 安 委 員 長    香  月  道  生          警 察 本 部 長    今  林  寛  幸          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       中  島  博  文          同    副事務局長          総務課長事務取扱     大  塚  武  司          議事調査課長       毛  利  明  彦          政務調査室長       白  濱  光四郎          総務課副課長       松  本  定  利          議事調査課副課長     篠  田  博  幸          議事調査課議事担当係長  山  口  義  徳          同   議事担当副主査  井  上  智  宏         ○ 開     議 36 ◎議長(中倉政義君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。 37 ◎井上常憲君(拍手)登壇=自由民主党の井上常憲です。一般質問のしんがりを務めさせていただきます。  通告に従って、今回、五項目についてお伺いいたします。  まず、警察行政について、それから地方港湾について、三つ目に玄海地区における漁港整備について、四つ目に軽油引取税について、最後にオスプレイ等の佐賀空港配備計画について、以上五点についてお伺いいたします。  まず、警察行政についてお伺いいたします。  県民の安全・安心の確保は、県政の運営に当たっても重要なものだと認識しております。そのため、パトカーによる警戒活動はもちろん、交番や駐在所の活動は重要な位置を占めていると考えております。パトカーが前を走っていると、追い抜くドライバーはいませんし、交差点で街頭指導の警察官がいると、信号や一旦停止は確実に守っています。そのことを考えると、警察官がパトロールをしてくれる姿を見せるということは、非常に大切なことだと思うわけです。  また、事故や事件を発生させない対策は重要だと思うところでありまして、警察はそのことも考えられ、交通事故の防止対策はもちろん、新聞やメディアを利用しての各種防犯対策などにも力を入れられているというふうに伺っております。  さらに、殺人や強盗などこれらの刑法犯についても、県民の生活を脅かすものとして恐怖を感じているところです。  私が住む唐津警察署管内では、長く続いていた連続強盗傷害事件の犯人が検挙され、唐津市内は、今、安心した市民生活が戻ってきています。世間を騒がせた佐賀市内での殺人事件も検挙されるなど、凶悪犯罪の検挙も続いているところでありまして、やはり犯罪が起きない社会が一番であります。しかし、起きてしまった場合には、解決することが大変重要だと考えます。  警察の方は、一旦、事件が発生すると、それこそ寝食をいとわず、家庭を犠牲にして、また、あるときは危険を顧みず頑張っていただいています。そのような中で、現場を踏まえ、数々の社会の問題、ひずみ等も感じておられるのではないかというふうに思います。  そういうふうに考えると、各種事故や事件について、その防止や解決には警察だけではなく、現場の声を行政に伝え、県民と一体となった活動が必要であり、そのことが県民の安全・安心につながるのではないかというふうに考えるところであります。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず、パトロールの現状と取り組みについてです。  佐賀県では、平成十七年から平成十八年にかけて、警察署の再編が行われ、現在十六の警察署が十警察署に統合されております。私が住む唐津市も、呼子警察署と相知警察署が唐津警察署に統合されています。警察署がなくなったことで、一部の住民の方はいまだに不安を抱いているのではないかというふうにも考えています。  現在、佐賀県は人口十万人当たりの交通事故発生件数が四年連続ワーストワンであり、警察署再編の影響もあるのではないかというふうに考えているわけですが、警察署再編前と現在とのパトロールがどのように変わったのか。また、住民が安全・安心を実感するために、どのようなパトロール活動を行っているかについてお伺いいたします。  次に二点目で、犯罪の発生状況及び情報発信状況についてお伺いいたします。  情報化社会と言われる現在、犯罪被害に遭わず、安全に生活するためには、情報をうまく利用して、県民一体となり、安全で安心なまちづくりに取り組むべきだというふうに考えております。  そこで、昨年中における県内の犯罪発生状況はどうなっているのか。また、県警察では県民に向けて犯罪発生状況等をどのように情報発信しているのかについてお尋ねいたします。  三点目に、県内における刑法犯の検挙状況と検挙対策についてお伺いいたします。  現在の犯罪情勢は、全国的には刑法犯の認知件数が減少傾向を示す一方、殺人や強盗などの社会を震撼させる重大事件が発生し、また、子供や女性が被害者となる凶悪事件が相次いで発生するなど、依然として厳しい状況にあると感じております。  一方、県内においても、唐津市内における連続強盗事件や佐賀市久保泉町における殺人事件などの凶悪事件が発生するなど、県民生活の安全・安心を確保していく上で予断を許さない状況にあり、県民も強い不安感を抱いているものと感じております。  そこで、県内における刑法犯の検挙状況と検挙対策についてお尋ねいたします。  私は、青少年育成協議会総会や学校での講話、交通教室等で生活安全課や交通課の警察官の方の現場の声をよくお聞きする機会があります。御答弁していただく内容も、まさに現場の声の積み重ねだと思うわけです。現在もされていると思いますが、このような現場の声を学校や社会に伝えていただき、安全な佐賀県づくりに御尽力願うことを期待しまして、次の質問に移ります。  二番目に、地方港湾についてお伺いいたします。  県内の港湾には、重要港湾として唐津港、それから伊万里港の二港があります。また、地方港湾として玄海側に呼子港、星賀港、仮屋港の三港がありまして、また、有明海側には大浦港、鹿島港、住ノ江港、諸富港の四港があります。  これらの港湾のうち、例えば、私の地元である唐津市肥前町の星賀港は、地方の小さい港ですが、離島の定期航路も就航しており、年間延べ四千五百回ほどの入港実績があるということです。  そのうち、約七〇%は漁船ですが、五百トン以上の貨物船も入港しているなど、海運業や地域の産業活動に大きく貢献しております。  海運業を営む佐賀県海運組合には、現在、三十二隻の運搬船、これは総トン数で一万二千トンほどだということで、一隻当たり約四百トンぐらいになりますが、年間を通して北は北海道から太平洋ベルト地帯、それから日本海を、原料や製品の物流を担って日本の産業に大きく貢献しています。この星賀港には、そのうちの約九割の運搬船の船籍がありまして、今現在、運搬船一隻は四億円ほどかかっております。それによる償却資産税や法人税、それから所得税が入っております。  このような地方港湾は、国や県の産業発展を支えるだけでなく、地域住民の生活に密接なかかわりを持っております。整備後においても、適切な維持管理を行って、港としての機能を確保していくことが非常に重要であるというふうに考えております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず、港湾の整備状況についてお伺いいたします。
     これまでの地方港湾の整備状況はどうなっているのかについてお伺いいたします。  次に、施設維持の今後の取り組みについてお伺いいたします。  地方港湾の施設維持に今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。  三問目として、玄海地区における漁港整備についてお伺いいたします。  本県は、北には豊富な水産資源に恵まれ、屈曲した海岸線を有する玄海灘、南には栄養豊かな日本一のノリ漁場である干拓による直線化された海岸線を有する有明海の二つの全く異なる海に面しております。  玄海地区では、対馬暖流の影響下にある壱岐水道の外洋性漁場と、それから唐津湾や伊万里湾内の内湾性漁場がありまして、漁獲される魚介類も多種にわたっていることから、さまざまな漁業が行われております。  高級魚を対象とした釣りやはえ縄を初め、底びき網や船びき網、養殖などを中心とした漁業が行われております。  しかし、漁獲量の減少や長引く魚の価格の低迷などにより、漁業経営は本当に厳しい状況となっております。さらに、水産業の基地となる漁港、漁村においては、漁業者の減少や高齢化などが進んでいるとともに、早くから行われてきた漁港整備事業で建設された漁港施設の老朽化が懸念されているところです。  このような状況の中、水産資源の回復を図るための漁場造成については、県においてもさまざまな対策が行われているというふうに聞いておりますが、漁港においても水産物の安定供給や漁業活動の効率化を図るなどの観点から、漁港機能の維持や施設の改善が必要だというふうに考えております。  そこで、玄海地区の漁港整備に関し、次の点についてお伺いいたします。  これまでの取り組みについてですが、これまでの漁港整備では、どのようなことを実施してきたのかについてお伺いいたします。  また、二番目に今後の取り組みについてであります。  漁業者の減少や高齢化、それから漁港施設の老朽化が進む中で、今後どのように取り組んでいくのかについて御説明ください。  四番目に、軽油引取税についてお伺いいたします。  県の平成二十八年度当初予算を見ますと、県税収入は八百二十七億円です。平成二十七年度当初と比べて増収を見込まれておりますが、その中で軽油引取税の税収は減少するものと見込まれているようです。その背景には、トラックなどの燃料性能の向上、それから、物流の合理化が進んで、軽油の消費量が減少しているということがあるようです。燃料性能が向上したことで、軽油の消費量は減少するものの、農林水産業や運輸業などを営む事業者にとっては、軽油は事業を営んでいく上で欠かせない燃料であることには変わりはありません。  二月一日時点の軽油の県内平均店頭販売価格ですけれども、一リットル当たり百三円四十銭ですかね、この百三円の中には軽油引取税三十二円十銭を初め、ほかに消費税や石油税などを合わせて、実に三十九円九十二銭の税金が含まれております。  これは実に四割が税金で、これはもう酒税、たばこ税に匹敵するような高率です。うち三割が県税ということになります。私もディーゼル車に乗っているわけですけど、五十リットルの軽油を入れると、五千百円のうち、実に千六百円を佐賀県に貢献しているということになります。  軽油引取税は道路財源の確保を目的に創設され、昭和五十一年に、いわゆる暫定税率が導入されました。平成二十一年には道路特定財源の一般財源化に伴い、目的税から普通税に改められまして、翌平成二十二年には暫定税率は廃止されたものの、当分の間、現行の税率が維持されております。  佐賀県においても、現在、約百億円の普通税である軽油引取税の現行の税率、一リットル当たり三十二・一円が廃止され、本則の税率の一リットル十五円になると約五十億円の財源が不足することになります。軽油引取税は佐賀県にとっても貴重な財源となっていることは承知しております。最近は原油価格が下がったことにより、軽油の価格も下がってはきていますが、価格の変動が事業者の収益に大きく影響を及ぼし、経営を不安定にするおそれがありまして、ひいては地域経済にも影響を及ぼすことが懸念されているところです。  使途を道路に特定していた軽油引取税の創設時に、道路を使用しない用途に対しての課税を避けるための免税制度が設けられまして、現在、漁業、農業、それから鉱物の採掘などの用途に適用されております。平成二十六年度において、佐賀県内では約一万八千人の使用者が免税軽油を使用して、免税額は約八億円というふうに聞いております。一方で、免税軽油を購入できる方でありながら、この制度を知らずに普通に購入されている方もいるのではないかというふうに思っているところです。  多くの事業者が、こうした免税制度の適用を受けることができるようになれば、軽油の購入価格が下がり、経営の安定化にもつながっていくというふうに考えております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  免税制度の対象業種の拡大についてお伺いいたします。  軽油引取税は目的税ではなくなったことから、免税制度の対象業種を、道路を使用しない用途に限定せずに対象業種をふやせば、軽油引取税の税収は減るかもしれませんが、一方で収益の向上や経営の安定化が図られまして、結果として事業税などの税収がふえることが期待できるのではないかというふうに考えております。公共交通のバスとかトラック業界などの県民の生活や流通産業の活性化など、県内産業の育成支援のために、県独自に免税軽油の対象業種を広げることはできないかについてお伺いいたします。  免税制度の恒久化についてお伺いいたします。  免税制度は、平成三十年度まで期限を切って延長されております。事業を継続する上で必要不可欠である軽油に対するこの免税制度を、期限のたびに延長されるかどうかわからない不安定な時限的なものではなく、恒久的なものにすべきだというふうに考えておりますが、県としてはどのように考えているのかについてお伺いいたします。  五番目、最後にオスプレイ等の佐賀空港配備計画についてお伺いいたします。  国から佐賀空港へのオスプレイ等の自衛隊機配備計画の要請がありました。我々佐賀県民にとっては全く予想していなかったことですが、翻って考えてみれば、このことは我が国をめぐる安全保障環境がそれほど切迫していることのあらわれではないでしょうか。  十月に中谷防衛大臣が説明されていたように、平成二十四年度以降、尖閣諸島周辺の領空侵犯が常態的に発生しております。昨年度の領空侵犯に対するスクランブル発進は、実に九百四十三回に達しております。実に日に三回の割合です。しかも、その半数が南西方面から飛来しているということです。尖閣諸島の国有化は民主党政権下でありました。一度政権を担った党なら国防の必要性は理解できると私は信じております。私たち国民が日々の経済活動を行いながら楽しく家庭生活を送っていけるのも、日本の国土を守るという崇高な気概を持ち、国民の安全・安心を思って日夜厳しい訓練を行っている自衛隊がいてこそでありまして、また日米の強固な安全保障で守られているからと言っても過言ではありません。先日の宮原議員の質問に対しても、知事は自衛隊のありがたさ、必要性をしっかりと答弁されていたところです。  政府では、約千を数える島々がある南西諸島の防衛体制の充実が重要な課題であるという認識のもと、国民の生命、財産と領土、領空、領海を守り抜き、力による現状変更を容認しないとの意思をより一層しっかりと示し続けていくために、与那国島や奄美大島に新たな駐屯地が整備されるほか、那覇空港に戦闘機二十機の追加配備をするなど、南西諸島に現在七千四百人の隊員が配置され、現在の防衛体制をより強化していく取り組みが進んでおります。  また、隣の長崎県においても、離島への攻撃や大規模な災害発生など、各種事態への備えに万全を期すため、島嶼防衛の専門的訓練を受けた約三千名の水陸機動団の新編成が予定されております。  知事は、さきの県議会における答弁において、国家安全保障は我が国の独立と平和、安全を守るという国家存立の基盤。国民一人一人の平穏で安らかな日々の暮らしを守るために必要不可欠なもの。それから、国の最も重要な行政課題の一つであり、責務であると、国防、安全保障に関する認識を示されております。私も全く同感であります。  さらに申し上げるならば、国、国家が存立しなければ県も存立しないわけで、一般論としては、国防、安全保障に関しては、県は国の政策に協力するべきものというふうに考えております。  また、さまざまな安全保障の課題や不安定要因がより顕在化、先鋭化し、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、防衛省が佐賀空港に配備を要請しているV22オスプレイは、防衛省の説明によれば安全性も高く、その速度や航続距離も従来のヘリコプターの二倍の性能を持って、その離着陸性能による島嶼における有事の際の迅速な展開、対処能力を向上させることはもとより、災害や急患搬送などの場面においても重要な役割を担うことが期待されております。その有用性、必要性は非常に高いものと認識しております。我が国を自分たちの都合のよい国にしたいと思っている周辺国にとっては、まさに目の上のたんこぶになるはずです。  その一方で、山口知事も発言されているように、今回の国からの要請に対しては県民の安全・安心を第一に考えるということは当然そうであろうと思いますし、さらに佐賀空港について申し上げれば、本年一月に愛称を「有明佐賀空港」から「九州佐賀国際空港」と改められたところです。県は昨年九月に「佐賀空港がめざす将来像」を策定され、LCCの拠点空港化を進め、九州におけるゲートウェイ空港としての発展を目指すとされております。県としては、空港の充実強化を通じて地元経済の活性化を図っていく考えであるというふうに承知しております。県内の経済活性化の観点からも、自衛隊の配備は大きなメリットが得られることをあわせて考慮しなくてはなりません。  防衛省では、平成二十七年度予算で百六億円の予算を計上していると伝え聞いております。佐賀空港西側の施設整備に総額で約三百億円程度の経費を見積もられているということで、県内では近年例を見ない大規模な公共工事が計画されていることになります。  また、自衛隊駐屯地の新設は、敷地内の食堂、売店とかクリーニング、散髪、清掃や施設の維持管理、事務用品や備品の発注といった多くの雇用を生みますし、人口増による税収の増加、隊員やその家族の日常生活における消費活動など公共工事以外の経済効果も期待されます。まさにオスプレイの自衛隊駐屯地の新設は、三百億円の設備投資を伴って、七百人、八百人の大企業が県内に誕生するようなものであると言っても過言ではありません。  さらに、隊員とその家族の居住による若い人たちの人口増加が、過疎化が進む地域にとっては活性化のまたとないチャンスになります。自衛隊員の地域行事などへの参加を通じて、若い人が、若い力が地域の伝統や文化を支えていくことも期待されます。  県内経済は、アベノミクスの下で講じられているさまざまな政策を通して着実に持ち直しているところですが、全ての業界がその恩恵を享受しているとは言いがたく、また将来を通じて堅調な見通しが得られているとは言えません。そのような中、この自衛隊駐屯地設置に伴う建設工事や人口増加は、我々の取り組みだけでは実現しない、地域の活性化に資する大きなチャンスと考えられます。また、道路を初め、いろんなインフラ整備も期待されております。  平成二十六年に防衛省から初めて要請があってから、ことしの七月で既に二年が経過することになります。国防、安全保障や地域活性化の重要性を考えれば、時間をかければいいというものではありません。  そこで、二点について質問いたします。  まず一点目ですが、山口知事も就任後一年が経過し、独自の予算が組まれ、いよいよ山口丸の発進となったわけですが、知事はこのオスプレイ配備についてスケジュール感は持たないと常々言われています。果たしてそのスタンスで「県民一人ひとりの平穏で安らかな日々の暮らしを守る」ということができるのかと、少し不安に思っております。前のめりに、拙速にとは言いませんが、数々の行政経験をお持ちの知事のことです。県民にその思いを述べられ、理解を求め、防衛省とも連絡をとりながら進めていくべきではないかというふうに思いますが、ことし、この課題に対してどのような姿勢で取り組まれるのかについて知事の所見をお伺いいたします。  次に、二点目ですが、昨年の一般質問で私は経済効果について試算していないかというふうに伺いましたが、その段階では、ないと回答いただきました。私は県民に説明するためにも、経済効果について、やはり試算すべきではというふうに思うのですが、このことについてどのようにお考えなのかについてもお伺いいたします。  以上、よろしくお願いいたします。(拍手) 38 ◎山口知事 登壇=井上常憲議員の御質問にお答えいたします。  佐賀空港へのオスプレイ等配備にどのような姿勢で取り組むかというお尋ねでございました。  今回の防衛省からの要請につきましては、私としては、本県の将来を左右する大きな課題であると認識しており、国防や安全保障の重要性は十分認識しつつ、県民の安全・安心を第一に慎重には慎重を重ねて対応したいと考えております。  今回の防衛省からの要請について考え、議論をする上で、何よりも計画の全体像、将来像を明確にすることが大切であると考えております。このような考え方のもと、現在、中谷防衛大臣等からあった説明内容について精査を行い、疑義がある点については防衛省に文書で質問をし、文書で回答をもらうというやりとりをしているところであります。  今回の防衛省からの要請につきましては、防衛省側のスケジュールに捉われることなく、プロセスを大切にして実直に向き合っていきたいと考えているところでございます。  私からは以上です。 39 ◎西中統括本部長 登壇=私からは、オスプレイ等の佐賀空港配備計画についてのお尋ねのうち、配備に伴う経済効果の試算についてお答えを申し上げます。  議員から御質問のございました自衛隊機配備に伴います経済効果の試算につきましては、累次答弁申し上げているとおり、現在は計画の全体像、将来像を明確にするために、防衛省とのやりとりを行っているところでございまして、現段階では考える状況にはございません。  以上、御答弁申し上げます。 40 ◎和泉県土づくり本部長 登壇=私からは、玄海地区における漁港整備についてお答えいたします。  まず、これまでの取り組みについてでございます。  県内の漁港数は、県管理漁港五港と市町管理漁港四十一港の計四十六の漁港がございます。そのうち玄海地区には、県管理漁港四港と市町管理漁港二十三港の計二十七の漁港がございます。  これらの多くは昭和二十年代後半に漁港法に基づく漁港指定がなされ、その後、漁港としての機能の充実を図るために、防波堤や物揚げ場、加工場用地、臨港道路などの整備を国庫補助事業等を活用して行ってきたところでございます。  本年度、平成二十七年度における玄海地区での漁港の整備でございますが、唐津市肥前町にあります唐津市管理の駄竹漁港において、水産庁及び県の補助によりまして、物揚げ場や漁船修理用地などの建設を行っており、来年度、平成二十八年度には加工場用地の造成と浮き桟橋の建設を行いまして、これまで完成しました防波堤や護岸に加えまして、駄竹漁港につきましては整備が完了する予定となっているところでございます。  この駄竹漁港の整備完了によりまして、玄海地区の漁港における基本的な施設の整備はおおむね完成することとなります。  続きまして、今後の取り組みについてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、漁業者の減少や高齢化、漁港施設の老朽化は県及び市町管理漁港における共通の課題となっており、今後の漁港整備はこれらの課題に対応していくことが重要であると認識しているところでございます。  具体的には、漁業者の減少や高齢化対策といたしましては、漁業活動の効率化や安全性の向上を図るため、浮き桟橋の整備や物揚げ場の拡幅などが必要だと考えております。また、漁港施設の老朽化対策としては、施設の長寿命化を図るため、ライフサイクルコストの縮減と費用の平準化を考慮した機能保全計画を策定し、これに基づき対策工事を実施する必要があると考えております。  このようなことを踏まえまして、今後の漁港整備につきましては、高齢化や施設の老朽化という課題にしっかりと対応できるよう、漁業者や市町の意向を確認し、これらと連携しまして必要な事業の実施に向けて計画的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 41 ◎山口経営支援本部長 登壇=軽油引取税について、二問御質問を頂戴しました。  まず最初に、免税制度の対象業種の拡大についてという御質問でございましたが、軽油引取税の課税免除の対象となる業種につきましては、地方税法及びその施行令等に規定されているところでございます。  課税免除となる業種は、道路の使用に直接関係しないもの、それから生産費に占める軽油の消費額の割合が高いもの、他の石油製品との代替が困難なものなどを考慮して決められておりまして、軽油引取税が一般財源化された後もこうした点や国民生活への影響等を勘案しつつ、国において対象業種の見直しがなされてきたところでございます。  軽油引取税の取り扱いについては、以上のような観点から、国の政策判断のもと免税対象業種が決定されておりまして、議員御指摘の県独自の免税対象業種の拡大に関しまして、総務省が「法令に規定されている課税免除の範囲を超えて免除することは、その内容のいかんにかかわらずできない」との見解を示しているところでございまして、このように県が独自に免税対象業種を広げることは想定をされているところではございません。  次に、免税制度の恒久化についての御質問でございました。  免税制度の対象業種につきましては、軽油引取税が平成二十一年度より目的税である道路財源から普通税の一般財源に改められたというのは議員が御紹介になったとおりでございますけれども、原則としては、そのときに全ての軽油の使用が課税対象となったところでございますけれども、それまでの免税軽油の対象となっていたものにつきましては、一部の業種を除き、三年間の時限措置として存続がなされたところでございます。  その後、平成二十四年度、平成二十七年度、三年ごとに見直しが行われまして、その都度免税額が少ないものですとか、燃料の代替が可能なものなど一部の用途については廃止をされておりまして、その対象範囲を縮小しながら継続がなされているところでございます。  免税制度については、国が政策的な理由から税制上の特例措置を設けたものでございまして、社会経済情勢の変化に応じて、その必要性を定期的に検証する必要があることから時限措置とされているところでございます。  厳しい経営環境に置かれている地方の事業者においては、免税制度が廃止されれば負担増を強いられるなど、地域経済にも影響を及ぼすことが懸念されていることから、県としましてはこれまでも税制改正の際には国に対し制度延長を要望してきておりまして、今後ともその時々の社会経済情勢を見極めながら適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上であります。 42 ◎西村交通政策部長 登壇=私からは、地方港湾について二点お答えいたします。  まず初めに、地方港湾の整備状況についてお答えいたします。  議員御承知のとおり、県内の地方港湾は玄海側に三港、有明海側に四港、合わせて七港ございます。これらの港湾は昭和二十八年から昭和三十八年の間にそれぞれ地方港湾に指定されておりまして、漁業や離島航路、貨物船の基地として地域の産業を支える重要な役割を果たしてきております。  地方港湾については、呼子港において離島航路の集約に係る先方地区の整備を除いて、平成二十三年度までに全て整備を終えております。  次に、施設維持の今後の取り組みについてお答えいたします。  県内の地方港湾は比較的早く整備を終えているため、多くの施設が古くなっておりまして、老朽化対策が急務となってございます。このため、平成二十一年度から港湾施設全体の維持管理計画の作成に着手しておりまして、平成二十六年度までに係留施設や橋梁など、主要な施設について策定を終えたところでございます。今後は、維持管理計画に基づき、施設の機能低下が著しい施設から優先的に補修工事を行うなど、適切に維持管理を行っていくこととしております。  なお、地方港湾の各施設は、地域住民の生活に密接にかかわっていることから、維持修繕の際は地元関係者の意見を聞きながら、使い勝手がよくなるように部分的な改良工事も行うこととしております。  いずれにしても、地方港湾は地域の産業発展を支える重要な社会基盤と認識しておりまして、今後とも適切な維持管理に努めていくこととしております。  私からは以上でございます。 43 ◎今林警察本部長 登壇=警察行政についてお尋ねがありましたうち、まずはパトロールの現状と取り組みについてお答えいたします。  県警察では、事件、事故等に迅速的確に対応するとともに、住民のニーズに応じたきめ細かな警察活動を推進するため、平成十七年から翌年にかけて、署員数四十人前後の小規模警察署を隣接する大規模警察署等に統合する警察署再編整備を行ったところであります。  まず、警察署再編前と現在のパトロールがどのように変わったのかと申しますと、例えば、パトカー一台を三交代で二十四時間常時運用するためには最低六人の警察官が必要となりますが、警察署再編整備を行う以前の小規模警察署では、その専従体制が整っていない警察署もあったほか、発生した事件等に対応するため、パトロール活動等を行うべき地域警察官が看守勤務や護送等の捜査支援業務に従事せざるを得ず、十分な街頭活動が行えない状況にありました。  再編後の統合された警察署は、幹部派出所としてパトロールなどに従事する地域部門の体制を増強しまして、二十四時間体制でパトカーの運用を行えるようにするなど、再編前に比べ、その体制をおおむね強化したところであり、犯罪の抑止と検挙率の向上にも一定の成果が見られたところであります。また、警察署再編によって得られたスケールメリットを生かし、必要に応じて本署のパトカーや警察官を迅速に投入するなど、的確な初動対応が可能となりました。  次に、どのようなパトロール活動を行っているのかと申しますと、現在、県警察におきましては、管内における事件、事故の発生状況や住民の要望に応じた重点的なパトロール活動を推進しているところであります。また、住民に安心感を与える、見せる、聞かせる活動として、常時、赤色灯を点灯させてパトカーを走行させるレッドランプ走行や事故多発路線に集中的にパトカーを走行させるシャトル走行、あるいはスクラム走行の実施、車載マイクを活用した広報活動等を推進しているほか、強盗などの被害の対象となりやすいコンビニエンスストアなどに立ち寄り警戒を実施しております。  さらに、交通の要所における立番やミニ検問、盗難多発箇所における職務質問など、制服警察官による街頭活動を全県下において強化しているところであります。  県警察が行っている県民アンケートの結果におきましても、パトロールを初めとする制服警察官の街頭活動を望む声が大きく、これらの活動は交通事故や犯罪の抑止効果が大きいことから、今後とも一人でも多くの制服警察官を街頭に出して、県民の安全・安心の確保に努めてまいる所存でございます。  次に、犯罪の発生状況及び情報発信状況についてお答えいたします。  本県における刑法犯認知件数は、平成十五年の一万四千三百五十一件をピークに減少傾向にあり、昨年は五千四百二十二件とピーク時の四割以下にまで減少し、戦後最少を記録するなど改善を見ております。  一方で、県民に大きな負担を与えるストーカー、DV事案、子供や女性に対する声かけ事案等が増加しているほか、ニセ電話詐欺は平成二十七年中、認知件数が七十六件、被害額は二億百十四万円と、前年と比べると認知件数が十件、被害額が約五千二百八十六万円それぞれ増加しており、被害額が二億円を超えたのは初めてであります。  また、県民にとって身近な犯罪である空き巣、乗り物盗などの窃盗犯は全刑法犯の七割以上を占めるなど高い割合で推移しており、これら犯罪の未然防止が治安対策上の重要な課題となっております。  県民の皆様が犯罪の被害に遭わず、安全・安心に生活できるよう、県警察では犯罪情勢やその防犯対策について、県警のホームページ、ラジオ、ケーブルテレビ、チラシ等のあらゆる媒体を活用した広報を行っているほか、警察官による防犯講話、事業所等と連携した広報等を実施して県民の皆様に周知を図っております。  また、連続発生のおそれのあるニセ電話詐欺や凶悪事件等につきましては、さらなる被害防止のため、メール、ツイッター等を活用して犯罪の手口、特徴とその被害防止対策等について、受け手の視点で理解しやすい情報をタイムリーに発信するほか、自治体と連携した防災無線による情報発信、報道各社への情報提供等に努めております。このほか、ニセ電話詐欺や声かけ事案に対する防犯情報等を配信している「あんあんメール」への加入促進、地域安全活動に取り組まれている各団体、事業者等との防犯ネットワークの拡大充実などに努めているところであります。  県警察では、防犯情報の提供により、県民の皆様の不安を解消し、自主防犯対策を講じることができるように引き続き県、市町等の関係機関、防犯ボランティア等の団体と協働しながら、県民の安全・安心の確保のために効果的な情報発信に努めてまいる所存であります。         ○ 時 間 延 長 44 ◎議長(中倉政義君) 時間を延長します。 45 ◎今林警察本部長(続)=最後に、県内における刑法犯の検挙状況と検挙対策についてお答えいたします。
     過去五年における刑法犯の検挙件数は毎年約三千件前後で推移しており、うち刑法犯認知件数の約七割を占める窃盗犯の検挙件数につきましては二千三百件前後で推移しております。昨年中の刑法犯検挙件数は三千四百六十三件で前年より五百五十七件増加しており、うち窃盗犯検挙件数は二千七百十二件で前年より五百七十九件増加しております。これを検挙率に換算しますと、刑法犯は六三・九%であり、中でも県民生活に最も身近な犯罪である窃盗犯検挙率は六八・九%で、いずれも全国平均、刑法犯は三二・五%、窃盗犯は二八・〇%でございますが、これを大きく上回り、全国第一位であります。  また、県民生活に著しく不安を及ぼす殺人や強盗などの凶悪犯につきましては、検挙件数二十九件で、検挙率は九〇・六%であります。  しかしながら、殺人事件や強盗事件などの未解決の重要事件があるほか、高齢者等を狙ったニセ電話詐欺の増加が今後も懸念され、これらの事件の徹底検挙を図るためには、具体的な事件捜査を題材とした実戦塾の開催による捜査幹部の指揮能力の強化、若手捜査員の早期育成など、現場執行力の強化を図るとともに、DNA型鑑定など最新の科学技術を活用した捜査を推進することにより一層の検挙向上に努めてまいる所存であります。  以上であります。 46 ◎議長(中倉政義君) 以上をもちまして、一般質問を終了いたします。         ○ 請 願 提 出 47 ◎議長(中倉政義君) 次に、請願が一件提出されております。これは皆様のお手元に配付いたしております請願書のとおりであります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 請第一号請願 TPP協定を国会で批准しないことを求める請願      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         ○ 請 願 上 程 48 ◎議長(中倉政義君) 請第一号請願を議題といたします。  請第一号請願につきましては、既に上程中の議案とあわせて審議することといたします。         ○ 委 員 会 に 付 託 49 ◎議長(中倉政義君) ただいま議題となっております甲第一号議案から甲第三十号議案まで三十件、乙第一号議案から乙第三十六号議案まで三十六件、請第一号請願、以上の議案及び請願を皆様のお手元に配付いたしております議案付託表のとおり、それぞれの所管の委員会に付託いたしたいと思います。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 50 ◎議長(中倉政義君) 以上をもちまして、本日の日程は終了いたしました。  あす五日及び六日は休会、七日及び八日は議案審査日、九日及び十日は各常任委員会開催、十一日は本会議を再開して委員長報告、討論、採決を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後五時三分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...