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平成28年2月定例会(第3日) 本文
平成28年2月定例会(第3日) 名簿

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  1. 佐賀県議会 2016-02-03
    平成28年2月定例会(第3日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         ○ 開     議 ◎議長(中倉政義君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  日程によりまして、一般質問を開始いたします。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎宮原真一君(拍手)登壇=皆さんおはようございます。宮原真一でございます。自民党会派に所属しております。  今回は五項目の質問をさせていただくようにしております。県民の皆様方が命をもって、この佐賀県に本当に住んでいてよかったと思っていただけるような、そんな佐賀県を目指すべく、私も頑張ってまいる所存でもございますし、県職員の皆様方におかれましても、その意を酌んでいただきますことをよろしくお願いいたしたいと思いますし、執行部におかれましては一緒になってその取り組みをしていただきたいと思っております。  まずは、我が国の防衛と自衛隊の活動に対する知事の所見についてお伺いをさせていただきます。  今回の防衛省から佐賀空港への自衛隊等の使用については、一昨年七月に、陸上自衛隊が今後配備を予定しているオスプレイのようなティルトローター機の配備先として佐賀空港を使わせていただきたいこと。市街地化が進んでいる目達原駐屯地ヘリコプターの部隊についても、佐賀空港を使わせていただきたいこと。沖縄の負担軽減のために、米軍海兵隊の訓練移転を含めて佐賀空港を活用させていただきたいことの三点が要請として上がったところであります。  その後、昨年十月には、中谷防衛大臣が来佐をされ、アメリカ海兵隊の利用については切り離して取り下げられたところであります。計画の概要としては、佐賀空港の西側に駐機場、格納庫、隊庁舎、燃料タンク、弾薬庫を整備し、V22オスプレイ十七機と目達原駐屯地ヘリコプター約五十機及び隊員七百ないし八百名を配置するというものであり、平成三十一年に駐屯地開設を目途としたいとされております。  一方、ヘリコプターの移駐元となる目達原駐屯地は昭和二十九年に開設され、ことしで六十二年となりますが、昭和三十一年に第四飛行隊として移駐され、観測ヘリ、多用途ヘリの配備がなされております。昭和四十三年には、西部方面ヘリコプター隊となされ、平成二年には第三対戦車ヘリコプター隊とされ、観測ヘリOH1、対戦車ヘリAH1Sのコブラ、戦闘ヘリAH64Dのアパッチ・ロングボウが移駐、新編、再編されたところであります。  こういった航空部隊のほか、九州補給処や西部方面後方支援隊も所在し、あわせて約千五百名の自衛隊員の方々が我が国の防衛のために日々訓練されているほか、大規模災害時の対応など、住民の安全・安心に尽力いただいているところであります。  また、目達原駐屯地ではロードレース大会など、地域行事への支援やコンサートなどの演奏会活動、あるいは駐屯地で行われる桜まつり、夏ふれあい祭り、創立記念行事などの駐屯地開放時には、地元吉野ヶ里町や上峰町などから多くの住民が参加されるなど、地域との交流にも積極的に取り組まれているところであります。  今回の佐賀空港への自衛隊使用要請は、昨今の東アジアの情勢、例えば、北朝鮮による核兵器の弾道ミサイルの開発の可能性、あるいは中国による国防費の急速な伸び、尖閣諸島でのたび重なる領域侵犯、南沙諸島の岩礁の埋め立ての活発化など、安全保障上課題や不安要因がより顕在化、先鋭化し、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している状況にあることから、日本国民の生命や財産をしっかり守り抜くために、地政学上の観点から佐賀空港が配備先として最適の飛行場であると判断され、目達原駐屯地の騒音軽減のためにも移駐ともなったと思われます。  我が国の防衛を担うのは、まさに自衛隊であります。自衛隊なくして我が国の防衛は現時点では成り立たないと考えます。加えて自衛隊は、我が国の防衛以外の任務として、大規模災害時の人命救助や災害復旧に御尽力され、住民の安全・安心に多大な貢献を賜っているところであります。  本県も、昨年一月の高病原性鳥インフルエンザへの対応や、ことし一月の大雪等による給水支援などは記憶に新しく、自衛隊の皆様の活動には大変感謝をいたすところであります。  そこで、我が国の防衛と自衛隊の活動に対する知事の所見をお伺いさせていただきたいと思います。  二項目めに、「佐賀牛」の生産振興についてお伺いをさせていただきます。  本県農畜産物のリーディングブランドに成長しております「佐賀牛」は、JAグループさがの肥育農家が育てた黒毛和牛のうち、歩留・肉質等級において、C1ないしA5までの十五段階中の上位、A5、A4の二等級かつ脂肪交雑、いわゆる霜降りの度合いでありますけれども、BMSナンバーにおいて、十二段階中七以上のきわめて肉質にすぐれた牛肉であります。  肥育農家の皆さんは、飼養管理技術や飼料給与体系の改善などに熱心に取り組まれており、平成二十六年度はJAグループさがの全出荷頭数の四七%に当たる九千九十頭が「佐賀牛」として格付出荷され、その発生率は過去最高であったとお伺いをしております。  この「佐賀牛」を生産する肥育農家では、まず九カ月程度の子牛を導入し、その後、約二十カ月間の肥育を行い出荷となります。その必要経費の八割以上を子牛代と飼料代が占めております。その子牛代と飼料代については、宮崎で口蹄疫や東日本大震災が発生する前の平成二十一年と平成二十七年を比べてみますと、平成二十一年、子牛代が約四十二万円だったものが、平成二十七年には約七十三万円と一・八倍になっております。飼料代が約二十七万円だったものが約三十三万円と一・二倍になっており、一トン当たりの経費が約三十七万円も上昇していることから、肥育農家の経営は大変厳しい状況にあり、今、枝肉相場が好調で何とか経営が維持できているものの、将来は経営が成り立つかどうか不安というような声も多くお伺いするところであります。
     県内の肥育農家は、肥育素牛の多くを鹿児島、宮崎、長崎などの九州各県を中心に県外から導入している状況にあり、宮崎県では口蹄疫発生により二万頭以上の繁殖雌牛が処分をなされ、平成二十七年の繁殖雌牛頭数は七万五千八百頭と、発生以降減少が続いております。繁殖農家は、全国的に見ても高齢化が進み、今後も繁殖雌牛は減少傾向と見込まれていることから、肥育素牛の確保は本県の肉用牛を振興していく上で非常に重要な課題であると考えております。  また、飼料につきましては、その原料の多くを海外に依存していることから、為替の変動や作柄の影響、さらには中国など新たな飼料需要の増大など、海外の情勢に大きな影響を受け、輸入飼料価格は依然として高どまりが続き、畜産農家の経営を大きく圧迫していることから、今後の飼料コストを抑える努力も必要と考えます。農耕飼料でありますトウモロコシと綿実の増産については、本県では米、麦、大豆を組み合わせた水田農業を展開している状況からなかなか難しいと思われますが、国が米の生産調整の転作作物として交付金を充実しております飼料用稲、飼料用米は畜産農家にとっても自給飼料の確保につながり、耕種農家にとっても取り組みやすいことから、作付は年々拡大しているとお伺いをしております。  私は、生まれも育ちも佐賀県の「佐賀牛」、またできるだけ佐賀産の飼料で育てた「佐賀牛」の生産が理想であると考えております。「佐賀牛」の生産を地域に根差した産業の一つとして、将来にわたりしっかりと残していかなければならないとも考えております。  県は、「佐賀牛」の生産振興に向けて、繁殖基盤の強化や自給飼料の生産拡大にどのような目標を掲げ、どのように取り組んでいかれるのかをお伺いさせていただきたいと思います。  次に、がん対策についてお伺いをさせていただきます。  がんは国民の二人に一人が生涯のうちにかかると言われ、また三人に一人ががんによって命を落としており、いわば国民病であるとも言われております。国においては、平成十九年にがん対策基本法が制定され、これを受けてがん対策推進基本計画を策定、本県においても平成二十年に佐賀県がん対策推進計画の策定がなされました。  本県のがんによる死亡者数をがんの部位別に見てみますと、平成二十六年のデータでは肺がんが五百十六名、大腸がんが三百七十一名、胃がん三百六十七名、肝がん二百九十八名の順に多くなっております。  また、本県の人口十万人当たりの死亡率を全国データと比較をした場合、長年全国ワーストの上位を続けている状況にあります。特に女性特有の乳がん、子宮がんの死亡率も年による変動は多少あるものの、最新の平成二十六年のデータでは、乳がんは全国ワーストツー、子宮がんはワーストワンとなっており、残念な結果になっております。  このような中、県では、来年度事業として県内中学校三年生を対象にピロリ菌検査、除菌治療を行う「未来へ向けた胃がん対策推進事業」を提案されております。このほか、県では、従来から肝がんの原因とされる肝疾患対策に力を入れてきているところであり、こうした部位ごとの対策は今後も重要であると思います。  国におきましては、本年一月一日に「がん登録等の推進に関する法律」を施行され、全国の病院や指定された診療所には、がん情報の登録が義務化されたところであります。これによりまして、がんの罹患や診療などの情報が全国に集約され、情報分析や調査研究が進むことにより、部位ごと、あるいは地域ごとの施策も今後充実されていくものと期待をしているところであります。本県においても、地域の実情に合った施策にしっかりと取り組んでもらいたいと思っております。  がん対策を進める上で、従来から言われる生活習慣の改善と、がん検診の受診による早期発見、早期治療の推進が基本となってまいります。そのためには皆様のがんに関する正しい知識の普及、理解促進は必要不可欠と考えております。  県ではこれまで、がん予防推進員の制度を設けられ、地域、職域でのがんに関する普及啓発、検診の受診勧奨に努めてきたとお伺いをしております。こうした取り組みは、今後も地道に続けていただきたいと思っております。  がん対策については、県民への理解啓発の基本としつつ、部位ごとの対策を織りまぜながら推進していくべきと考えます。そこで、がん予防、検診の受診促進に向けた取り組みについてですが、一人でも多くの県民の命をがんから守っていくためのがんの予防、がん検診の受診促進に向け、どう取り組んでいかれるのかをお伺いをさせていただきたいと思います。  そして、特に、全国の中でも死亡率が高い女性特有の乳がんや子宮がんに対しても、それぞれのがんのことを知ってもらうことで理解を深めてもらい、検診に行きやすくなる対策もとっていただかなければなりません。今後、女性特有のがんに対してどのような取り組みをされていくのかをお伺いさせていただきます。  四項目めに入ります。交通事故防止対策であります。  私も今年度、総務常任委員長を仰せつかっております。総務常任委員会では、事故防止対策を必ず皆様方が質問をされております。佐賀県における喫緊の課題であるということは、もう皆様御承知のとおりでありますし、県警本部長さんにおかれましては、年頭の挨拶からも、交通事故を絶対なくそうというような打ち出しをされたとお伺いをしております。  今回は、県もそのことに乗り出し、県を挙げて対策を打たれたわけでございますけれども、まずは現状について見てみますと、県内では人口十万人当たりの人身交通事故発生件数全国ワーストワンが続いており、まさに県を挙げて交通事故防止対策に取り組んでいるところであります。自動車や自転車の運転者に限らず、歩行者も含めた全ての道路利用者の譲り合いや思いやりといった気持ちが欠けているように感じられるところでもあります。  この状況を改善するためには、県と警察がしっかりと連携をとって、佐賀県が全国に先駆けて交通事故を防止するためのモデルケースとなるような施策を行い、県民の交通安全意識を高めていくことが効果的だと考えております。  そして、佐賀県が目指さなければならないものは、ワーストワン脱却ではなく、交通事故ゼロであります。当然ながら、そうすれば交通事故死亡者はゼロになるわけであります。県民の命を守る観点からも、積極的にその対策をとっていただきたいと思います。  県警にお伺いをいたします。県民の安全・安心を確保する警察として、交通事故をなくすためにどのような決意を持って取り組んでいかれるのかをお伺いさせていただきたいと思います。  県にお伺いをいたします。交通安全意識高揚を図るための県としての取り組みを今後どのようにやっていかれるのかをお伺いさせていただきます。  次に、不登校対策についてお伺いをさせていただきます。  近年、小・中・高において不登校の生徒がふえていると聞いております。不登校に至る要因には、それぞれの生徒の環境によるものであろうと思われますが、義務教育課程では、生徒の環境を整えてあげ、登校へ結びつけてあげなければなりません。その責任は、保護者と社会環境にかかわる行政にあると考えます。次世代を担う子供たちは、学校教育において、学習活動を初めとするさまざまな活動を行うことで社会人として生きる力を身につけるものであるとも考えております。  県教育委員会では、生きる力に加えて、生き抜く力を生徒に身につけていただく教育を進めるとされております。一昨日も、教育長さんからは、知・徳・体を習得して立派な社会人に育てていきたいというような御発言もあっております。その方針を実現する上で、不登校では実現もままならないのではないでしょうか。  義務教育課程においては、学齢が過ぎれば卒業となります。義務教育課程においては、タイムリミットがあるということでもあります。高校においても、義務教育段階でないとしても、希望に満ち進学をしてきた生徒が、不登校という現象になるようなことがないことが望まれるわけであります。方針である生き抜く力の習得のため、その対応の充実をお願いするものであります。生徒から見る学校環境は、行かなければならない学校ではなく、行きたい学校が理想であります。  そこで、お伺いをいたします。  県内公立小中学校における不登校児童生徒の状況についてですが、県内公立小中学校における不登校の状況をお示しいただきたいと思います。  県教育委員会では、不登校対策としてこれまでどのように取り組まれてこられたのかもお伺いをさせていただきます。  そして今後であります。将来の社会的自立の面から、不登校が長期にわたっている児童生徒や、ほとんど登校できない児童生徒への対応は、特に力を入れる必要があると考えます。県教育委員会として、今後どのように取り組んでいかれるのかをお伺いさせていただきます。  そして二番目に、高校についてお伺いをさせていただきます。  佐賀県では、県立太良高校において、不登校経験者や発達障害のある生徒及び高校中途退学者を受け入れ、高校卒業というその免許を取らせるべく、今活動をしていただいているところであります。  不登校経験のある生徒に対し、これまでどのように取り組みをされてきたのか。そして、どのような効果が見られたのかをお伺いさせていただきます。  そして、今後であります。県立高校における不登校対策についても、太良高校における取り組みも参考にしながら充実を図るべきと考えておりますが、県教育委員会として、今後どのように取り組んでいかれるのかを教育長さんにお伺いさせていただきます。  以上五項目、答弁願います。よろしくお願いいたします。終わります。(拍手) 3 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。宮原真一議員の御質問にお答えいたします。  私には、我が国の防衛と自衛隊の活動に対する私の所見についてお尋ねがございました。  外国の脅威や侵略などから我が国を防衛していくことは極めて重要なことと認識しております。我が国の防衛や安全保障は、我が国の独立と平和、安全を守るという国家存立の基盤となるものであり、ひいては、私たち国民一人一人の平穏で安らかな日々の暮らしを守るために必要不可欠なものでありまして、国の最も重要な行政課題の一つであり責務であると思います。そして、その極めて重要な仕事を主たる任務として担っておりますのが自衛隊であると認識しているところであります。  私も、今回の質問をいただきまして、改めて自衛隊について考えてみましたけれども、平成元年に私が自治省に入省した当時、今ほど防衛庁ですとか自衛隊が私たちに身近な存在ではなかったのではないかなと思い返したところであります。それが、平成七年に発生いたしました阪神・淡路大震災や平成八年の蒲原沢の土石流災害、このあたりから、自衛隊が特に災害時において役割を大きく果たすようになっていきまして、今では、私たちに身近で頼りがいのある存在になっていると思うところであります。  私、例えば知事という首長が、自然災害や事故、事件などのときに、住民の生命、身体を守るために、逡巡せずに自衛隊の活動を求め、その量的な対応能力ですとか、機動力ですとか、ロジスティック力とかが生かされるようになったということについては、とても心強いものだというふうに思っています。  具体的には、捜索、救助、復旧活動、そして離島からの救急患者の輸送活動、あるいは被災地等へ水や物資の輸送等を行っていただくなど、救助や救援が必要なさまざまな場面で大きな力を発揮されているところだと認識しています。  議員からも御指摘もありましたが、本県におきましても、昨年一月の鳥インフルエンザの対応ですとか、ことしの一月にも、大雪等による給水対応を初めといたしまして、大雨のときにおける水防活動、それから林野火災等における空中消火だとか、さまざま多大な御支援をいただいているところでございます。  いずれにいたしましても、自衛隊は、国民の生命と財産を守るために、時には危険を省みず任務を遂行されていると承知しておりまして、そうした自衛隊の活動に対しまして敬意と感謝の意を表したいと思います。  私からは以上でございます。 4 ◎伊藤くらし環境本部長 登壇=私からは、問四の交通事故防止対策についてのうち、交通安全意識の高揚についてお答えいたします。  交通安全意識高揚を図るために、県としてどのような取り組みを行っているのかということでございましたが、県では、人口比の交通事故ワーストワンが続いているという状況を何とかしなければいけないということで、そのためには、県民の皆さんに交通安全に対する意識を変えていただくことが最も大事だということで、昨年七月に県と県警が連携しまして、「佐賀県交通事故ワースト1からの脱却!緊急プロジェクト」を立ち上げたところでございます。  まずは第一段階として、この厳しい交通事故の発生状況を県民の皆さんにお知らせし、交通安全に意識を向けていただくことに重点を置き、交通安全啓発CMの制作、放映、それから、交通安全ロゴマークの制作、普及、また、反射材など交通安全グッズの配布等の広報・啓発に努めてきたところでございます。  このほか、警察のOB等で構成します交通安全応援教育隊を各市町に派遣して、寸劇による交通安全教室、これは十分くらいのユーモアを交えた教室でございまして、非常におもしろい寸劇でございますけれども、そういった教室を開催するなど、交通安全教育の充実に努めてきたところでございます。  こうした取り組みの中で、平成二十七年中の人口十万人当たりの交通事故死者数全国ワーストワンから脱却しましたが、人身交通事故発生件数等につきましては、いまだにワーストワンからの脱却には至っていないという状況でございます。  県内の交通事故の分析結果によりますと、前方不注意による追突事故の発生が多いと。これは車同士の事故の中で、追突事故が約五割を占めるといった状況にありまして、平成二十八年度からは、これまでの施策に加えて、第二段階として、県民の皆さんに主体的に交通安全にかかわっていただきたいという思いで、無事故無違反コンテストを始めることにしております。これは、地域や職場、あるいは家庭などにおきまして、三人から五人のグループで一定期間の無事故無違反を宣言して取り組んでいただこうというものでございます。ぜひ多くの皆さんに取り組んでいただきたいというふうに考えているところでございます。  もう皆さん御存じかもしれませんけど、県警本部前の交差点の電光掲示板に、「これでいいのか佐賀県民!」という文字が流れております。私たち佐賀県民の本気度が試されているんじゃないかというふうに考えているところでございまして、私ども県といたしましては、県警を初め、関係機関・団体との連携を深め、県民全体で危機感を共有して、一日でも早く交通事故ワーストワンからの脱却を図って、一件でも交通事故を減らしていけるよう、さらに努力を続けてまいります。  私からは以上でございます。 5 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私からは、がん対策につきまして二点お答えいたします。  まず、がんの予防、がん検診の受診促進に向けた取り組みについてお答えいたします。  県では、平成二十六年三月に、「佐賀県がんを生きる社会づくり条例」を制定し、総合的かつ計画的にがん対策を進めていく基本方針を掲げまして、一般向けの広報、市町が行うがん検診受診率向上策への支援のほか、がん予防推進員の養成、がん検診向上サポーター企業の登録など、地域、職域での知識の普及、検診の受診勧奨に取り組んできたところでございます。  こうした取り組みは、議員から御指摘もありましたように、引き続き地道に実施していく必要があると考えておりますが、県民の皆さんの心に響くものに工夫もしていかなければならないというふうに考えております。  国の調査結果によりますと、がん検診の受診につなげるためには、「意識の向上」と「障害の除去」、「きっかけの提供」、この三つが必要とされているところでございます。  まず「意識の向上」につきましては、これは普及啓発に尽きると考えているところでございますけれども、次の「障害の除去」につきましては、がん検診の受診行動を妨げる原因を極力解消していく必要がございます。例えば、検診日を土日に設定するとか、場所についても、仕事で忙しい人が受けやすいところに変えていくなど、受診環境を整備することが必要だというふうに考えております。  また、「きっかけの提供」でございますが、広く一般向けの広報ではなく、年代や性別に応じた個別のメッセージを発信する必要もあると考えております。今議会に提案しております中学三年生に対するピロリ菌の検査や除菌を行う事業につきましても、これも子供たちの保護者の方に対しましては、きっかけの提供になる特定のメッセージになるというふうに考えております。  今後とも、種々工夫をしながら、条例の趣旨に基づき、がんの予防、がん検診の受診促進などのがん対策の推進を図ってまいります。  次に、子宮がんや乳がんなどの女性特有のがん対策についてお答えいたします。  国におきましては、死亡率減少に有効ながん検診としまして、子宮頸がんについては、細胞をとって診断する、いわゆる細胞診でありますとか、乳がんにつきましては、マンモグラフィによる検診を推奨しているところでございます。しかしながら、子宮頸がんについては、若年層の検診受診率が低い状況にございます。また、乳がんにつきまして、四十歳からの検診が望ましいとされているところでありますが、いまだ受診率は低い状況にございます。  このため県では、集団検診のスタッフを全て女性で行いますレディースデーを市町や検診機関と連携して実施をしております。若い世代や検診をまだ受けたことがない県民の方が受診しやすい環境づくりに努めているところでございます。  また、若い女性のがん検診の受診は、集団検診よりも医療機関で実施される個別検診によるものが多いという特徴がございます。住んでいる市町ではなくても、県内の医療機関であればどこでも検診が受けられるよう、市町や医師会との調整を図りながら、子宮頸がん検診の広域化を図ることも検討しているところでございます。  さらに、母の日や十月のピンクリボン月間に、乳がんや子宮頸がん検診の理解促進を図るために女性向けのイベントの開催、県内の主要な商業施設での街頭キャンペーンを実施するなど、女性に特化した普及啓発活動を推進しているところでございます。  今後とも、関係団体と連携をしながら女性特有のがん対策にしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 6 ◎古賀生産振興部長 登壇=私からは、「佐賀牛」の生産振興についてお答えをいたします。  議員からるる御指摘をいただきましたように、「佐賀牛」の生産振興を図っていくためには、高品質な肥育素牛を安定的に確保するための繁殖基盤の強化や飼料コストを低減させるための自給飼料の生産を拡大していくことが極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。  まず、「佐賀牛」の繁殖基盤の強化についてでございますが、本県の肥育素牛を生産する繁殖農家の現状を見てまいりますと、意欲ある担い手農家では規模拡大が図られているものの、高齢化されている農家では、これは全国的な傾向もございますが、廃業されるケースも多いということで、全体としては繁殖雌牛頭数はやや減少傾向で推移をしている状況でございます。  こうしたことから、県内肥育牛のうち県内で生産された肥育素牛の県内自給率につきましては、平成二十六年度で二三・九%となっておりまして、その多くを県外に依存している状況になっております。全国的な子牛不足の中で、肥育素牛の確保は「佐賀牛」振興の生命線と考えているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、昨年十一月に策定いたしました「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一五」におきましては、肥育素牛の県内自給率を平成三十六年度に三〇%にする目標を掲げ、繁殖牛舎などの整備に対して支援をしております肥育素牛生産拡大施設等整備事業におきまして、国庫事業の畜産クラスター事業というのがございますが、これを活用できるものにつきましては、さらに県費を一〇%かさ上げいたしますとともに、優良な繁殖雌牛の導入に対して支援をしております肥育素牛生産拡大支援事業におきまして、雌子牛を繁殖雌牛として自家保留して育成されると、こういったケースも補助対象に追加をするなど、事業内容を拡充した予算を本議会にお願いしているところでございまして、これまで以上に肥育素牛の生産拡大に向け重点的に取り組んでいきたいと考えております。  次に、自給飼料の生産拡大についてでございますが、県内の飼料作物の生産状況につきましては、畜産農家の高齢化や飼養規模の拡大により、特に繁殖農家の方とか肥育農家の方が飼料生産に係ります労働力が不足しているという現状もございまして、作付の面積がなかなか伸び悩んでいる状況がございますけれども、肥育牛や繁殖牛などの大家畜部門では、現在、県内で二千三百ヘクタール程度が作付をされております。これは飼料用稲や飼料用米を加えてでございますけれども、この飼料作物の作付面積につきましては、平成三十七年度に大家畜部門におきまして約三千九百ヘクタールまで拡大をしていくという目標を立てておりまして、今後は畜産農家だけではなく、これも議員から御指摘をいただきましたが、米麦を作付されている耕種農家の方にも飼料用米や飼料用稲の作付を推進しているところでございます。  とりわけ飼料用稲、いわゆるWCSについては、現在、約一千ヘクタールを超える程度まで作付が進んできている状況がございます。平成二十八年度からは、自給飼料の生産利用に必要な機械の導入に対して支援をしております自給飼料生産・利用拡大対策事業におきまして、飼料用稲を刈り取りし、刈り取った稲を集め、梱包するという三つの作業を同時に行うことができます高性能収穫機の導入に対して支援を拡充したいと考えているところでございます。  今後とも、こうした繁殖基盤の強化や自給飼料の生産拡大に向けた取り組みの強化とあわせまして、種雄牛の造成による家畜改良の推進、肉用牛の短期肥育技術の確立、普及、EUや米国等への輸出を拡大していくための輸出対応型食肉センターの整備などもあわせて進めまして、高品質化、低コスト化、販路拡大などの対策も積極的に進めながら、「佐賀牛」の生産振興にしっかり取り組んでまいります。  以上、お答えいたします。 7 ◎古谷教育長 登壇=私からは、不登校対策についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、小中学校の取り組みについてでございます。  県内の公立小中学校における不登校児童生徒の状況でございますが、平成二十六年度の佐賀県の公立小中学校におきます不登校児童生徒数及び全児童生徒数に占めます不登校児童生徒数の割合、小学校におきましては百五十二人で全体の〇・三二%となっております。これは平成二十四年度は百二十一人で〇・二五%、続く平成二十五年度が百二十九人で〇・二七%でございましたので、平成二十五年度、二十六年度と二年連続で増加をいたしております。  また中学校では、平成二十六年度が六百九十人で二・七六%となっております。平成二十四年度が六百三十八人で二・五一%、平成二十五年度は六百五十八人で二・六一%でございました。平成二十五年度、二十六年度と二年連続で増加をいたしております。  平成二十四年度までは小学校は減少傾向にございました。また、中学校は減少しておったわけですけども、今、申し上げましたように、このところともに増加に転じておりまして、大変憂慮すべき状況にあるということでございます。  そうした中、これまでの取り組みについてでございますが、学校は何より全ての児童生徒にとって「楽しい、行きたい」と感じられる場所であるべきでございまして、日々の授業や活動などを魅力あるものにすることが不登校の未然防止にもつながると考えております。行かなければならない学校ではなく、行きたい学校にしていかなければならないという、先ほどの議員の御指摘はまさにそのとおりであろうというふうに思います。  ただ、現実には不登校の児童がふえておりまして、その対策といたしましては、まず、不登校の早期発見、早期対応に努めるとともに、不登校傾向のある児童生徒や不登校になった児童生徒の個別の状況を踏まえ、みずからが登校に向けて一歩を踏み出せるよう、きめ細かな支援を行うことが重要であると考えております。そのためには、校内はもとよりでございますが、家庭や地域、関係機関などと連携しながら一体となって不登校対策を進めていくことが必要でございます。  こうした観点に立ちまして、学校では、校長のリーダーシップのもと、関係する職員で不登校児童生徒の情報を共有して、一人一人の状況に応じ、家庭や地域、関係機関などとも連携しながら支援に当たること、また、不登校児童生徒の状況に応じ、校内の復帰教室や教育相談室など別室への登校を促していくことなどに取り組まれております。  県教育委員会では、このような学校の取り組みを支援するために、不登校などの悩みや不安を抱える児童生徒及び保護者がスクールカウンセラーによるカウンセリングを受けることができる体制をまず整備すること。また、不登校への対応が課題となっている学校に対しまして、非常勤講師を配置し、教育相談体制を充実させること。さらに、学校にスクールソーシャルワーカーを派遣いたしまして、学校だけでは解決できない問題に対して、家庭や地域、関係機関などをつなぐ役割を果たしていただく対策。さらに、県教育センターに学校適応指導教室「しいの木」を設置いたしまして、不登校児童生徒の個々の状況に応じた学習や体験活動を通じて学校復帰を支援することなど、専門家の配置に重点を置いた不登校対策に取り組んでいるところでございます。  今後の取り組みでございますが、不登校児童生徒の状況は自宅から容易に出ることができないという状況から、登校はできるけども、教室に入ることができない、そういったいろんな段階、さまざまございます。そういう中で個々の状況に応じた適切な支援が必要となってまいります。  そこで、平成二十八年度から、これまで行ってまいりました不登校対策を再構成いたしまして、不登校児童生徒の個々の状況に応じた段階的支援の整備を図りまして、学校復帰の道筋を明確にした総合的な不登校対策に取り組むこととしたところでございます。  その中で新たな取り組みといたしまして、教室に入ることができない児童生徒を支援する取り組みや、不登校が長期にわたっている児童生徒への計画的、継続的な家庭訪問によるカウンセリングや学習支援などの取り組みによる学校復帰に向けた支援を行い、不登校対策の充実強化を図りたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、今後とも学校だけでなく、家庭、地域、関係機関などとの連携を図ることはもとよりでございますが、小中学校を設置する市町の教育委員会の主体的な取り組みも促しながら、不登校対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、県立高校の取り組みについてのお尋ねがございました。  まず、太良高校における取り組みについて、どのような取り組みを行い、その結果、どのような効果が見られたのかというお尋ねでございました。  太良高校では、全県募集枠の約半数が中学校のときに不登校経験のある生徒でございます。こうした生徒が再び不登校にならないように、生徒一人一人に応じたきめ細かな指導を行うとともに、組織的な対応に学校では取り組んでいただいております。  きめ細かな指導といたしましては、さまざまな課題や特性を持った生徒が新しい環境になじめるように、全県募集枠の一年次には少人数の教育を実施しておりまして、特に不登校などで中学時の学習が十分でない生徒に対しては、学び直しのための選択科目も設定をいたしております。  また、不登校になる生徒を早期に発見するために、欠席した生徒には担任が必ず電話連絡をとり、欠席が続く場合は速やかに家庭訪問を行うなど、学年主任、教育相談担当で情報を共有しながら対応していただいております。  さらに、組織的な対応として、関係の教員、管理職から成る生徒支援委員会というものを組織して、その中で対応を検討し、必要に応じましてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家や医療機関等への支援を要請しているところでございます。  こうした取り組みの結果、太良高校では高校入学後、不登校が改善される生徒が多く見られるようになりまして、中学時の欠席日数が年間百日を超えていたにもかかわらず、高校に入ってからは一年間欠席なしという生徒も数名出てまいっております。その中には中学校ではほとんど登校できなかったけども、太良高校入学後、幼いころから好きであった野球部に入って、部員不足の中でも練習を続けることで、スポーツトレーナーを目指し、大学に進学した生徒もおります。  このように太良高校では、不登校経験のある生徒が、高校生活の中で自分の夢や目標を見つけて進路を実現できるように取り組んでまいったところでございます。  今後の取り組みでございますが、学校における不登校対策については、先ほどお答えしました小中学校、それから高校、校種にかかわらず教育相談体制の充実は欠くことのできないものでございます。その中で児童生徒に対する理解と情報の共有、電話連絡や訪問などによる家庭との連携、適切な支援のための専門家や専門機関等との連携などの取り組みが学校全体で組織的に行われることが必要でございます。  太良高校での取り組みにつきましても、担任、学年主任、教育相談担当などとの情報共有や生徒支援委員会での対応など、効果が見られる取り組みについては県立高校全体で積極的に情報共有を図ってまいりたいと考えております。  いずれにしても、高等学校における不登校につきましては、生徒の進路実現に直接の影響が及びます。小中学校における取り組みと同様に、学校における教育相談体制の充実はもとより、スクールカウンセラーの配置やスクールソーシャルワーカーの派遣、不登校の長期化を防ぐための家庭への訪問支援の充実など、不登校対策の一層の充実に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。
    8 ◎今林警察本部長 登壇=宮原議員からの交通事故防止対策に対する決意についてという御質問について御答弁申し上げます。  私は、昨年三月に着任して以降、県民の皆様の安全・安心を確保できる県民のための警察であることを本県警察の活動理念として業務を推進してきたところであります。  特に、交通事故防止対策につきましては、人口十万人当たりの人身交通事故の発生件数が全国ワーストワンという状態が続いておりますことや、悲惨な交通事故によって県民のとうとい命が奪われておりますことから、交通事故の防止に職員一丸となって取り組んできたところであります。  その結果、昨年中は人身交通事故発生件数及び死者数ともに減少しましたものの、人口十万人当たりに換算しますと、依然として人身交通事故の発生件数は全国ワーストワン、死者数についても全国ワースト上位に位置するなど、状況の抜本的改善までには至っておりません。  このため、県警察といたしましては、人身交通事故発生件数のさらなる減少を図るため、「交通事故防止対策の推進」を本年の最重点課題として掲げ、交通警察部門だけではなく、部門の垣根を越え、組織の総合力を発揮した交通指導取り締まり、交通規制、交通安全教育等の各種対策を推進することとしているところでございます。  とりわけ、交通事故防止対策上効果的な交通指導取り締まりの一層の強化を図り、県下での発生が特に多い追突事故の原因となる携帯電話使用等違反、重大事故に直結する飲酒運転や無免許運転につきましては、これを絶対に許さないという強い姿勢で臨むこととしております。  また、交通指導取り締まりに当たりましては、道路利用者の遵法意識を向上させ、緊張感を保持させるとともに、単に検挙するだけではなく、違反者に対して交通事故の実態を記したチラシを反則切符と同時に交付するなど、感銘力のある取り締まりを推進しているところでございます。  当然のことながら、交通の安全は警察の努力のみで成し遂げられるものではなく、県民一人一人の努力が不可欠であります。なぜなら、交通の安全は道路を利用する全ての者が交通ルールをしっかり守ることによって保たれているからです。  私は、交通ルールを守ることは命を守ることと考えております。全ての県民が互いを思いやり、交通ルールを遵守した行動をとって、悲惨な交通事故を発生させない安全・安心な佐賀県を実現すべく、県警察として与えられた権限を結集して全力を傾注してまいりたいと思っております。  以上でございます。 9 ◎江口善紀君(拍手)登壇=おはようございます。県民ネットワークの江口善紀でございます。  一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  日曜日、私、佐賀市川副町の南川副公民館の町民の文化祭に参りまして、日ごろの練習の成果、歌や踊り、ダンスとか、そういったものを町民の皆さんと拝見しながら、また、いろいろ地域のこと、意見交換などをさせていただいてきたところであります。  本日、質問を四問用意させていただいています。執行部におかれましては、わかりやすい答弁を期待いたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、一問目であります。佐賀空港へのオスプレイ等配備に係る防衛省とのやりとり及び現地調査への対応についてであります。  今回の防衛省の要請につきまして、県は昨年十月二十九日に中谷防衛大臣から計画の全体像、将来像の説明を受けて、大臣の説明の趣旨や意味について県側の受けとめとは食い違いはないか、あるいはさらに明確化を求める点はないかなどの視点で精査を行い、昨年十二月二十五日付で九州防衛局に四十一項目から成る質問、そして照会文書を出されたところです。それから五十日がたち、先月、二月十六日付で九州防衛局から佐賀県に対してその回答があったところであります。  私も今回の九州防衛局からの回答を送られてきてからすぐページを開き、一気に最後まで読み進みましたが、わかりにくい回答も多々あったと思いますが、まず、最初の一問目から驚きでこの回答を見たところでありました。  佐賀県から九州防衛局に出した一問目の質問というのは、「米海兵隊の利用要請の取り下げについて」という質問でありましたが、九州防衛局から来た回答は、「米海兵隊の利用については、昨年十月二十九日に中谷大臣から山口知事に申し上げたとおりです。」という回答を見て、えっと思いました。こんな回答の仕方があるんだろうかと思ったのが私の一番最初の印象でした。  それで、一体どういうふうになっているんだろうかということでどんどん読み進めていって、具体的な回答もあったり、あるいはちょっとかみ合っていなかったり、あるいは繰り返しであったりということで、この回答を読んで、こういう回答で九州防衛局は一体どんな姿勢でいるんだろうと改めて考えざるを得ませんでした。  佐賀県のほうからの問い合わせは非常に丁寧に質問を用意されておりました。そして、その翌日の新聞を見てなるほどと思ったのは、新聞各紙もこの防衛省の回答について「誠実に答えていない」とこんな大きな見出しがあり、(資料を示す)「与野党県議、不十分さ指摘」、あるいは「防衛省、説明あいまい」、ほかにも各党のコメントなどもあり、やっぱり九州防衛局、言葉ではこんなに丁寧に説明すると言いながらもどういったおつもりなんだろうというふうに感じざるを得ませんでした。  また、その回答が来た二月十六日というのも、その日もその日で、佐賀県では佐賀市のホテルで九州佐賀国際空港の民間空港としてのこれからの利用発展についてのシンポジウムが行われた日でありまして、その日には韓国のティーウェイ航空がぜひ佐賀─ソウル便の増便を検討したいという、県営空港として、民間空港としての発展をみんなで考え、また応援しようという日にこの回答が来たものですから、シンポジウムの直後、山口知事を取り囲む報道陣の多さには驚きまして、九州防衛局もまさかきょうのこの日にオスプレイに関する回答を持ってこんでもいいんじゃないかと、私はデリカシーというか、そういったものに非常に疑問を感じました。(「そうだ」と呼ぶ者あり)  そういった中で回答が来ましたので、これから県のほうでは精査をされるという手順になると思います。  この回答を受けて、佐賀県では改めてこの回答内容の疑義等について整理をされ、二月二十九日付で九州防衛局宛てに再質問の文書を出されております。これについても、九州防衛局に対して、「問八、海兵隊による空港の使用は、日米地位協定第二条第四項」云々、そういったことについての質問に対して再質問で「質問と回答がかみ合っていないようですので改めてお尋ねしますが」などという前振りをつけた上で改めて質問するというふうに、佐賀県としては非常に丁寧に九州防衛局のほうに質問をされている、そういった姿勢が見受けられたと思います。  こういうことで、再質問の文書を出されました。九州防衛局におかれましては、佐賀県の側からして、九州防衛局あるいは防衛省からの申し入れに対して県民誰もが理解できるように、わかりやすい表現で質問に対する回答を用意していただきたいと思っております。  この件に関する国のスケジュールにはこだわることなく、必要であれば、佐賀県は防衛省に対して何回でも粘り強くやりとりを行うべきだと思っております。  そこで、次の点について質問いたします。  まず一点目、防衛省とのやりとりの姿勢についてであります。  山口知事は、今回の防衛省からの要請については、スケジュール感を持ち合わせていないと言われております。今回の九州防衛局からの回答を受けて、また再質問をされて、今後どのような姿勢で防衛省とやりとりをしようと考えているのか、まずその点から質問いたします。  次に二点目、現地調査への対応についてであります。  知事は代表質問において、佐賀市及び有明海漁協に対し、現地調査に対する県の考え方を伝えたいと答弁されました。私は、今すべきことは、まず防衛大臣からの口頭での申し出の趣旨、意図を正確に受けとめるために、内容の確認や照会を行うべきであるというふうに考えます。  私は、この四十一項目から成る質問・照会作業をきっちりと行うことが先決であると考えます。県と防衛省が相対して、まず机上でできること、文書を通してやりとりを行うこと、それを優先すべきと考えております。  そこで、質問いたします。  現地調査に関する県の立場についてであります。  佐賀県は、佐賀市や有明海漁協に対し、現段階で現地調査への協力を呼びかける立場にないと考えますが、知事の考え方を質問いたします。  二点目、現地調査に関する協力の呼びかけについてであります。  佐賀県は、佐賀市や有明海漁協に対し、現地調査への協力を呼びかけるべきでもないと考えますが、知事の考え方を問います。  この件は、今、現地調査という言葉に対して大変関心を持って捉えられていることであり、その言葉の真意とか、そういったことについて、ぜひ県民に、私たちにわかりやすいように御答弁いただけることを期待いたします。  次に二問目、奨学金支援と人材確保についての質問に入ります。  奨学金とUJIターンとの関係について、関連づけて考えたことのある方は少ないと思います。今まで余り関係性が感じられなかったこの二つの事柄について考察し、また、佐賀県の人口対策の新たな施策になり得ないか、議論のきっかけにしたいと思い、質問をいたしたいと思います。  奨学金問題が社会問題となっています。進学に意欲のある生徒に進学の機会を与え、将来への可能性を広げることは、とても大切なことだと思います。  佐賀県の行政として、進学に経済的な面から何かしら支援ができないのか、私は常々考えておりました。  教育への投資は、OECD加盟三十四カ国中、日本は最低の水準にあると常々言われております。国によっては北欧諸国などにおきましては、大学まで教育は無償で受けられる、そういった国も珍しくはありません。  奨学金は、本来、無償であったり、あるいは返還の義務がなかったり、無利子が理想だとは思いますが、残念ながら、我が国の現実は制度上無利子の奨学金は枠の制限があり、また、返還不要の給付型の奨学金というのも非常に枠が限られている、少ないというふうな現状であります。  一昔前から比べて親の年収も下がり、非正規雇用の割合が著しくふえたこの格差社会の中で、経済的な理由から進学を諦めたり、制限せざるを得ない生徒がふえているのは、佐賀県も例外ではありません。  今、奨学金の貸与を受けている大学生は二・六人に一人と。二十年前は十人に一人ぐらいの感覚だったそうですが、一昔前に比べて割合が非常に高くなっています。言いかえれば、奨学金を借りてでも進学し、勉学に励み、みずからに投資する学生がふえているということ、もしくは奨学金を受けなければ進学が難しい社会、あるいは経済の現状が影響しているというふうに考えます。  今、高校生が進学を考えるときに、国公立大学の志望割合が非常に高いというのも、そういった経済的な影響もあるものと私は捉えています。  一方、佐賀県では高校生に対する支援として、経済的な理由で進学を断念することのないように、佐賀県育英資金の貸与を行われています。平成十七年度に国から高校生貸与事業が移管されて以降、利用者が大きくふえていると聞いております。卒業後の返還について、さまざまな理由で滞っている人も少なくないと聞いております。  そうした中、今回、地方創生の施策の中で、いわゆる旧日本育英会、これが今、日本学生支援機構という形になっておりますが、そこの大学生等に対する無利子奨学金の推薦枠を各都道府県に百人、別枠で与えるという制度が創設されております。  奨学金に関して、なかなか県レベルでできる施策は少ないんじゃないかと思う中で、一県当たり無利子奨学金の枠が百人、別途用意されるということなら、ぜひとも佐賀県も獲得に乗り出すべきではないかと考えます。  この無利子の奨学金と有利子の奨学金というのは、全国的に見て一対二ぐらいの割合というふうに聞いております。佐賀県のとある県立高校の関係者に伺ったところ、大体無利子の一種、有利子の二種、みんな希望としては無利子の一種のほうを望むものの、採用される割合は大体半々ぐらいではないかというふうに先日伺いました。  そういった奨学金の状況の中で、若者の教育機会の喪失を防止する大きな手だてになり得る施策と考えて、質問をさせていただきたいと思います。  この奨学金ですけども、制度に少し形がありまして、その県で特定の業種に就職し、県内で活躍する人材の奨学金返済を助成するという制度なども新たに創設せねばならないとか、幾つかの条件がありますが、そういったものも含めて、若者の奨学金を使いやすく、あるいは有利子よりも無利子の枠を何とかふやせないか、あるいはそういったことも通して佐賀県に将来人材として戻ってくる、あるいは佐賀県外からさまざまな有為な人材を呼び込む、そういったことと絡めて考えたいと思っております。  佐賀は、人の循環が少ない土地柄だと思います。人の循環が地域を強くすると思います。いろんなインセンティブをつけて、多様な、優秀な人材を佐賀県に呼び込むことも必要だと思います。  奨学金の返還は社会的な問題になっており、奨学金返済義務、負債を背負った多くの人材の中から、佐賀県への人材の募集、還流にも意義があると考えます。それに加えて、あらゆる角度から佐賀県の若者の進学やキャリアアップを支え促進する。そして、ひいては将来、多様な人材を県外から佐賀県に呼び込む施策につなげられないか、そういったことから質問に入らせていただきます。  まず一点目、佐賀県育英資金の貸与状況についてであります。  高校に通う生徒の育英資金について、最近十年間の貸与者数や返還状況はどのように推移しているのか。また、県教育委員会は、そのような状況についてどのように認識しているのか質問いたします。  二点目、佐賀県育英資金の返還についてであります。  育英資金の返還について、返還しやすくするための工夫や、返還がスムーズにいかない人への対応について、どのように取り組んでいるのでしょうか。  三点目、大学奨学金等に関する生徒への情報提供についてであります。  高校生が進学を検討するに当たって、大学奨学金などの支援策に関する情報提供は大変重要だと考えます。  学校現場では、生徒一人一人の置かれた状況を踏まえ、きめ細やかな情報提供をしていただきたいと考えております。県立高等学校において、大学等への進学を控えた生徒、保護者に対する奨学金の情報提供がどのように行われているのか質問いたします。  次に、奨学金を活用した人材確保についてであります。  無利子奨学金の優先枠、これは地方創生枠というそうですが、これの設定や学生の奨学金返還を支援するための基金を創設して、奨学金返済の際の一定の給付などにより地元企業への就職を推進するなど、県外の有為な人材を呼び込むことなどを佐賀県でも検討すべきと考えますが、これについてどういうふうに佐賀県は考えているのか質問いたします。  五点目、UJIターンに対する取り組みについてであります。  佐賀県では、地方創生に向けた取り組みの一つに移住促進を位置づけ、UJIターンに力を入れていると伺っております。UJIターンを促進するためには、受け皿となる県内での雇用が不可欠であり、あわせて県内の企業情報や魅力の発信が求められます。  このことを踏まえて、県はUJIターン促進に向け、これまでどのように取り組んできたのか。また、県内に移り住む人を呼び込むために、どのような考えで今後の取り組みを進めていくのか、知事に質問いたします。  次に三問目、安全・安心な学校給食について質問いたします。  学校給食は、安全で安心な食事であることが不可欠であります。県内では、学校給食に異物が混入するといった事案が最近多く報道されております。生徒さん本人、保護者の皆さん、そして一般の県民の方も、この件について、給食の安全性については、最近、大変関心が高まっております。このような事案は学校給食への信頼を失い、安心を損ねるものであり、保護者や関係の方々の関心も高い現状です。  学校給食には、自校方式──その学校の中に調理施設がある自校方式、そして共同調理場方式──そこの調理場から幾つかの学校にデリバリーされる共同調理場方式といった調理方式や、調理員さんたちが市町などの教育委員会に雇用されている直営方式、あるいは民間の会社に委託する民間委託といった運営方式もございまして、さまざまな方式で学校給食は実施をされております。  一番大切なことは、学校給食の安全性がしっかり確保されることであり、確保されなければならないのであります。改めて、学校給食の安全・安心な取り組みが求められている中、学校給食の安全・安心についての質問をさせていただきます。  まず一点目、学校給食の異物混入事案への対応についてであります。  県教育委員会は、多発する学校給食における異物混入事案を受け、市町の教育委員会にどのような対応をしているのか。  二点目、学校給食用食品の安全対策についてであります。  学校給食用に納入された食品自体が原因と考えられる異物混入事案が報告されております。学校給食用食品自体にも安全が確保される必要があると思います。学校給食用食品にはどのような安全対策が行われているのでしょうか。  三点目、今後の取り組みについてであります。  県教育委員会は、学校給食への異物混入の未然防止、再発防止に今後どのように取り組んでいくのか、以上質問いたします。  大きな四問目、本県におけるファミリーハウスの設置についてであります。  山口知事としての本格予算である今年度肉づけ予算から、「子育てし大県”さが”プロジェクト」として、子育て事業に力を入れて取り組まれているというふうに受けとめております。私は、その中でも特に安心して子育てしていただける環境の整備が大切だと考えており、今回提案された予算において、保育サービスの充実として、病児・病後児保育施設の設置が促進されることや、県立病院好生館跡地に佐賀市休日夜間こども診療所が設置されるなど、環境整備が図られていると受けとめております。  三年前、私は文教厚生常任委員会の北海道視察において、札幌の「コドモックル」という子供たちの大きな病院を視察させていただき、その隣の「ドナルド・マクドナルド・ハウス さっぽろ」という、いわゆるファミリーハウスを視察してまいりました。このファミリーハウスというのは佐賀県にありませんので、余り御存じない方も多いと思うし、どういうものかわかりにくいと思います。  ここに、世界初のドナルド・マクドナルド・ハウスの開設のときの説明があります。   一九七四年、それはフィラデルフィアから始まりました。   フィラデルフィアでアメリカンフットボール選手として活躍してい  たフレッド・ヒルという選手の三歳の愛娘が白血病にかかり、入院す  ることになりました。娘の入院中、彼がそこで目の当たりにしたのは、  狭い病室で子どもの傍らに折り重なるようにして寝ている母親、やむ  なく病院の自動販売機で食事を済ませる家族の姿でした。彼もまた入  院先の病院が自宅から遠く離れていたため、精神的にも、そして経済  的にも苦痛を感じていました。そこで彼は、病院の近くに家族が少し  でも安らげる滞在施設ができないものかと考え、病院の近くにあるマ  クドナルドの店舗のオーナーや病院の医師、フットボールチームの仲  間の協力を得て募金活動が進められました。   そして、彼らの切実な願いを多くの人たちが分かち合い、一九七四  年フィラデルフィア新聞社が提供してくれた家屋を改造し、世界初の  「ドナルド・マクドナルド・ハウス」が誕生しました。  ということであります。  このような、いわゆるファミリーハウスというものを、私、初めて札幌で視察をし、入院患者などの御家族が安価で利用でき、滞在できること、また、精神的な、あるいは経済的な支えとなっている話を聞き、とてもよい取り組みだと思っておりました。こういう取り組みが進んで、佐賀にもそういったものができないだろうかとずっと思っていたところでありました。  現在、本県にファミリーハウスはありません。安心して子育てしていただける環境整備の一つとして、設置に向けて、県としても何か取り組むことはできないか、提案の質問をさせていただきたいと思います。  このファミリーハウスに関して全国の連絡会がありまして、やはり四十七都道府県中、四十県近くの県にはこういった形のハウスがもう既にできているそうです。ぜひとも、佐賀県としても推進をしていただけないかと思い、そして、子育てのさらなる安心につながる佐賀県政になりますよう提案をさせていただき、質問とさせていただきます。(拍手) 10 ◎山口知事 登壇=江口善紀議員の御質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港へのオスプレイ等配備に関しまして、防衛省とのやりとりの姿勢についてお尋ねがございました。
     私は、昨年十月二十九日に中谷防衛大臣の訪問を受けまして、大臣から計画の全体像、将来像の説明を受けたところでございます。その後、大臣等からありました説明の趣旨や意味に県側の受けとめと食い違いはないか、あるいは、さらに明確化を求める点はないかなどの視点で精査を行いまして、昨年の十二月二十五日付で防衛省の九州防衛局長宛てに、その時点における疑義として、四十一項目から成る質問照会文書を出しました。そして、先月、二月十六日付で回答をいただきまして、その回答に依然として疑義があったものですから、二月二十九日付で改めて回答を求める文書を出したところ、これは議員からお話があったとおりです。  防衛省とは、防衛省側のスケジュールにとらわれることなく、プロセスを大切にして、実直に向き合っていきたいと考えています。  御質問の防衛省とのやりとりにつきましても、これまでと同様に県民にオープンにした形で、できる限り計画の全体像、将来像が明確になりますように、しっかりと行っていきたいと考えているところでございます。  現地調査に関してもお尋ねがございました。  私は、今回の防衛省からの要請については、その議論の中で、何よりも計画の全体像、将来像を明確にすることが大切であると考えております。この考え方のもとで、現地調査につきましては、昨年十月二十九日に中谷防衛大臣から、今後、より具体的な説明をするために必要なので、現地調査や関係者との協議を進めることについて御理解をいただきたいとのお話があったことから、私からは、決して受け入れを容認したということではなく、あくまで計画の全体像、将来像を明確化するために必要であることから、そういう意味であれば異論を差し挟むつもりはないが、佐賀市や有明海漁協の皆さん方には説明を尽くして、理解を得た上で行うこととしていただきたいと回答をさせていただいたところです。  現地調査そのものにつきましては、防衛省の責任で、関係者の理解を得た上で実施されるべきものでありまして、県から関係者に対しまして、現地調査への協力を呼びかける立場にはないものの、一方で計画の全体像、将来像の明確化、具体的には、防衛省が取得する用地の位置や施設の配置計画図などを明確にするためには、防衛省は現地調査が必要ということでありまして、私としても明確化のためには必要なものと考えたところでございます。  そうした私の真意を正確にお伝えするために、さきの代表質問でもお答えいたしましたとおり、佐賀市及び有明海漁協には、現地調査に対する県の考えをお伝えすることとしたところでございます。  続きまして、奨学金を活用した人材確保についてお尋ねがございました。  議員からもお話がありましたように、奨学金を受けている人の割合はふえておりまして、例えば、日本学生支援機構の大学貸与の人数及び貸与額におきましても、この十年間で人数で一・四四倍、貸与額で一・六四倍の伸びということであります。  私は大学等を卒業後、社会人としてのスタートから間もないうちに、その返還が始まるという方がおるわけですね。言うなれば、社会人としてのスタートから格差がつくわけでありまして、そういった若者に対して、相当な負担になっているんではないかなということで心を痛めているところであります。  議員からお話ありましたように、今回の国の制度を活用した学生の奨学金返還を支援する基金の創設につきましては、基本的には特定分野における産業界との連携協力が前提とされているところであります。  本県におきましても、これに類する取り組みとして、皆さん方の御了解も得ました薬剤師についての貸与があります。佐賀県薬剤師会と連携協力して、薬剤師奨学金の返還免除制度に対して、県が支援する仕組みを今年度創設させていただいて、来年度から開始させていただくところです。  ただ、この薬剤師の奨学金制度の創設につきましても、これは業界側からやりたいというお話があって、県も支援をしたということもありますし、この制度の財源についても、業界側も応分の負担を行うということでこれは実現できたものなんですね。  ですから、こういった奨学金制度の導入ということに関しては、課題の整理や財源の確保が必要というふうに私は認識しておりまして、例えば、職業選択や就業地選択の時期の違い、進学のときに決めているのか、進学後に決めるのかというようなその時期の違いで生じるアンバランスをどう考えるのかということ。それから、奨学金の返還時における負担軽減が、地元の就職にどの程度結びつくのかどうかといった観点。それから、人材確保の観点からは、奨学金の有無ということではなくて、例えば、地元就職した時点で一時金を支給するという方法が効果があるという御意見もあります。ということで、さまざま御意見をいただいているところです。  本県におきましては、まさに安定した雇用を創出して、若者の県外流出を抑制するために、企業誘致による働く場の創出、そして「Re:サガミーティング」等による産業人材の確保、そしてものづくり人財創造事業などによります、ものづくりを支える人や風土づくりなどなど、自発的、持続的な若者の定着につながるような取り組みも推進しているところでありまして、議員から御指摘の有為な人材を呼び込もうということにつきましては、このようなさまざまな取り組みとあわせまして、この奨学金がどういうような活用を図れるのかといったことについても、他県の状況も見ながら、その方法についてしっかりと考えてまいりたいと考えております。  続きまして、UJIターンに対する取り組みについてのお尋ねがございました。  地方創生の実現に向けましては、県内産業において、不足する人材の確保や地域に新しい活力を生み出すという視点が重要でありまして、その取り組みの一つとして、人材確保や移住促進に力を入れているところであります。特に、今年度から東京、名古屋、大阪、福岡でやりました「Re:サガミーティング」、これは本県独自の、むしろ一旦、佐賀県を出ていった皆さん方にもう一度佐賀県を考えていただこうという取り組みです。県出身の学生や社会人とのネットワーク構築、そしてもう一回佐賀県のよさを再認識してもらおうという目的で始めました。  私も四会場全部に出席して参加者と話した中で、意外と佐賀県のことを知らないで出ていってしまったという方が多くて、しかも、いつも言うように、何もなかと言われ続けて出ていったものの、実は佐賀のほうがいろいろあったということを今さら気づいたとか。それから、自分が就職したときは氷河期だったので、ついつい飛びついて就職してしまったけれども、結婚をどうするかも含めて、佐賀で生活を送るということももう一回考えてみたいということなど、さまざまな若い人たちの意見があることに気づかされました。  きっと成人式のときに感じた思いと、三十前後で考える思いというのは、また違ったものがあるんではないかなと思いましたし、私の世代のように、何となく就職して、永久就職して、六十定年まで働くといった時代とはまた違った様相を呈しているんじゃないかなというふうに思ったところでございます。  といったことで、私はこの「Re:サガミーティング」もタイムリーな事業だったのかなというふうにも思いますし、これも拡充していきたいというふうに思ってございます。  こうした取り組みを通じまして、ぜひ佐賀県へのUJIターンに関心を持ってくれた方のためにも、今年度から「さが移住サポートデスク」を設置して、日常の相談対応に加えまして、正月にも就職・移住相談会を開催するなど、できるだけ相談しやすいような工夫もしてございます。  そして、江口議員からは、佐賀県は人の流れが滞っている面がある、交流も必要だという御意見もありました。そのとおりだと思います。特にIターン、佐賀県にゆかりがない方が佐賀県を好きになって移住されるケースもふえてきております。私はそれが非常にうれしくて、我々のような佐賀に縁があった者だけでなくて、そういう佐賀の取り組みや佐賀の子育て施策とかを見て、佐賀に来たくなったと言っていただければ、非常にうれしく思っています。  問題は、我々が大好きな佐賀県というものを外から好きになって、この場所に住みたいと思って来ていただいている方に、我々自身がしっかりと受け入れる体制をつくること、佐賀県は閉鎖的ではない、佐賀県としての、例えば、コミュニティーを大事にするとか、いろんなやり方がありますけれども、そういったことも丁寧に説明をして、多くの方が佐賀県に移り住むということに力を入れていきたいというふうに思っているところでございます。そうしたことで、佐賀県自体がUJIターンに対する取り組みも通じまして、地域が、県勢が浮揚することを目指していきたいと考えているところでございます。  私からは以上です。 11 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私のほうからは、ファミリーハウスの設置についてお答えいたします。  現在、本県におきましては、一部の医療機関が患者家族が利用できる宿泊施設を設置はしておりますけれども、議員御指摘があったような、例えば、小児がん治療などのために遠方にある病院を利用する子供と付き添いをする家族を温かく迎え、実費相当額で滞在できる、いわゆるファミリーハウスにつきましては、現時点では県内には設置されていないところでございます。  昨年十一月、県内のある団体から、このファミリーハウスの設置について県に提案がございました。現在、その提案を受けて、実現に向けて県庁の中で検討していたところでございます。  このような中、ことし一月二十日に成立いたしました、平成二十七年度の国の補正予算におきまして、ファミリーハウス整備に対する補助事業が新たに予算化をされております。これを活用いたしまして、事業についても佐賀大学を設置者として、大学内にファミリーハウスを設置する方向で、現在、関係者間で協議が行われているところでございます。  県といたしましても、ファミリーハウスの設置に向けて、国庫補助が採択されるよう、しっかりと協力をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 12 ◎古谷教育長 登壇=私からは、奨学金に係るお尋ね、それからもう一つ、安全・安心な学校給食について、二点お答えをさせていただきます。  まず、奨学金でございますが、県で所管しております佐賀県育英資金の貸与状況についてまずお答え申し上げます。  最近、十年間の高校生に対する貸与状況でございますが、この推移を申しますと、十年前の平成十七年度、六百十八人でございました。これが途中の平成二十一年度では、約三倍の千九百三十八人、それから、最近の平成二十六年度は約四・五倍の二千八百三十三人というふうに大きく増加をしてまいっております。  この要因といたしましては、先ほど議員からも御紹介がございましたように、旧日本育英会から県のほうにこの高校生の奨学金が移管をされまして、それが平成十九年度に完了したということがございます。それから、平成十八年度以降、県としても予算枠を確保いたしまして、要件を満たす全員を採用してまいったということ。それから、平成二十四年度の新入生からは、入学時の加算や高額通学費加算制度の創設をいたしまして、そうした制度の充実も図ってきたと、そういった制度面の要因のほかに、平成二十年にはリーマンショックなど、この間の我が国の経済・雇用情勢の影響などもあるものと認識をしております。  それから、返還率のほうでございますが、現年度の調定分と過年度調定分と合わせた全体で見ますと、十年前の平成十七年度が八九・〇%、これが平成二十六年度は八〇・七%ということで約八ポイントほど低下をいたしております。  この要因といたしましては、経済・雇用情勢などを背景といたしまして、一旦返還が滞ると、その後も返還がなされないケースが増加しているということで、特に返還率の低い過年度調定の割合がふえたことによるものと、そういったものが原因しているというふうに認識をしております。  次に、返還しやすくするための工夫、これについてお尋ねがございました。  まず、返還しやすくするための工夫につきましては、一つは返還方法の多様化など、返しやすい環境整備に努めているところでございます。具体的には、一人一人の状況に応じた返還計画を立てていく中で、貸付総額を勘案した上で月々の返還額を五千円程度から設定可能なようにしております。  それから、納入通知書で返還する場合に、休日、あるいは夜間であっても、コンビニエンスストアで返還できる、そういった環境整備なども行ってまいりました。  次に、さまざまな理由によって返還がスムーズにいかない方への対応といたしましては、専任の職員が、その方の置かれた状況に応じた助言を行うなど、丁寧な対応に努めているところでございます。  具体的には、相談がございました場合には、生活や就労の状況に応じた返還計画の作成、見直し、あるいは病気やけが、失業あるいは低所得などで、一時的に返還が難しくなったという場合の返還猶予制度の適用などについても助言をしているところでございます。  なお、平成二十四年度の制度見直しによりまして、貸与額のうち高額通学費の加算、これは月額最大二万円ですけれども、その部分につきましては、卒業後五年間佐賀県に居住、また就労するなど、一定の要件を満たした場合には返還を免除できることといたしました。  今後とも、返還しやすい環境整備や、きめ細かな返還指導に努めていきたいと考えているところでございます。  それから三点目といたしまして、大学奨学金について、高校生への情報提供についてのお尋ねがございました。  議員御指摘のとおり、大学などへの進学を考えている高校生、あるいはその保護者の方々にとっては、進学後の経済的な負担に対する支援の内容というのは、本当に進路選択にかかわる大変重要な情報だというふうに考えております。  このうち、日本学生支援機構の奨学金につきましては、県教育委員会のほうから各高等学校に対しまして、同機構からの案内を送付して周知を依頼しておりますほかに、先ほど申しました県の育英資金の高校の事務担当者向けの説明会の折には、日本学生支援機構のほうからも職員が出席していただいて説明などを行ってもらっております。  また、各学校におきましては、全ての県立高校で生徒向けの説明会を開催いたしておりますほかに、三年生の保護者会等の場での説明ですとか、あるいは担任から面談等の際に個別に説明をするなど、さまざまな機会を捉えて周知を図っているところでございます。  一方、市町による市民や町民を対象とした奨学金、あるいは民間団体による奨学金など、日本学生支援機構以外の奨学金につきましては、対象者が限定されておりますことなどから、各学校に案内があった場合には、クラスの掲示板への掲示とか、家庭向けのプリントの配布といったことのほかに、担任からホームルームや面談の際に説明するなどの方法によって該当する生徒などへの周知が図られているというふうに伺っております。  いずれにいたしましても、必要とされる情報が生徒や保護者に確実に届きますように、今後ともきめ細かな情報提供に努めてまいります。  次に、安全・安心な学校給食についてでございます。  まず、学校給食の異物混入事案への対応についてのお尋ねがございました。これまでの対応についてでございます。  これまで県教育委員会では、市町立の小中学校の栄養教諭、学校栄養職員を対象とした研修会を開催し、国が定めた学校給食衛生管理基準の周知徹底を行うなど、安全で安心な学校給食が提供されるよう取り組んできたところでございます。  そうした中、今年度に入りまして県内で異物混入事案が多発いたしましたことから、市町教育委員会に対する文書による注意喚起に加えまして、市町教育委員会及び学校給食施設の衛生管理者を対象といたしました臨時の衛生管理研修会を開催し、衛生管理の徹底を働きかけますとともに、県内の学校給食施設に対し施設及び設備等の緊急点検を実施し、改善のために必要な措置を講ずるよう要請することなどの対応を図ったところでございます。  次に、学校給食用食品の安全対策についてお尋ねがございました。  学校給食用食品の安全対策につきましては、国が定める学校給食衛生管理基準に沿いまして、食品納入業者の選定や学校給食用食品の選定から保管までのそれぞれの過程における衛生管理を実施することとなっております。  具体的には、保健福祉事務所の協力を得ながら、施設の安全面及び食品の取り扱いが良好で衛生上信用のおける食品納入業者や製造業者を選定いたしますとともに、学校給食用食品の受け取りに際しては、鮮度などの確認はもとより、箱、袋の汚れ、破れ、その他の包装容器などの状況や異物混入の有無などを点検して記録するなどの衛生管理をすることとされております。  県教育委員会といたしましても、今回の事態を受けまして、市町教育委員会に対し同基準による学校給食用食品の安全対策を一層徹底するよう働きかけますとともに、食品納入業者との意見交換会や給食試食会を通じまして、学校給食の意義、役割への理解、あるいは衛生管理の啓発を行うよう促したところでございます。  今後の取り組みでございますが、学校給食は児童生徒の心身の健全な発達に資するものであり、おいしく、魅力ある食事であるとともに、まずは何よりも安全で安心な食事であることが不可欠でございます。しかしながら、学校給食への異物混入事案が多く報告されていることは私どもとしても大変遺憾に思うところでございます。  県教育委員会といたしましては、保健衛生を所管する県保健衛生部局と情報を共有しながら、連携して県立学校及び市町村教育委員会に指導、助言をするなど、これまでの取り組みを継続して徹底し、安全・安心な学校給食の実施を働きかけていきたいと考えております。  また、平成二十八年度は通常の指導に加えまして、希望があった市町教育委員会等の学校給食施設に指導主事などを派遣いたしまして改善指導を行い、学校給食衛生管理基準の徹底を支援してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 13 ◎江口善紀君 登壇=再質問をさせていただきます。  まず一点目は、佐賀空港へのオスプレイ等配備に係る防衛省とのやりとり及び現地調査への対応についての件なんですね。  どうしてですかね、やっぱりこういうふうに新聞を見ていると、知事の答弁が、「県、容認理由説明へ」とか「現地調査の容認 知事伝える意向」というふうな見出しにどうしてもなってしまって、やっぱり県民の皆さんは、その辺は非常に敏感に受けとめられる方は受けとめられていることだと思います。  一昨年の当時の武田副大臣の申し入れ以降、地元とか住民の方等への説明会というのは、秋に川副町の四小学校で、四地区で行われて以来、防衛省から一般の県民の方への説明会というのは何もないんですよね。県や佐賀市や有明海漁協とかに防衛省とのやりとりがあると。それ以外の一般の県民の方や、あるいは漁協の組合員さんの方というのは報道の情報に頼るのみの現状の中に、かなりの日数がたっている中、それは不安のほうもあったり、あるいは情報が少ないと。あるいは県民や地元民とか漁業界は、ちょっと疎外感を受けていらっしゃるというのもあると思います。  そういった中で、中谷防衛大臣の言葉、例えば、米軍のオスプレイの、米軍機の訓練等について、その言葉に対して知事は、大臣の言葉は大変重いというコメントがございました。私はあわせて知事の言葉も大変重いと思うんですね。今まで知事は、国策絡みの問題はつかさつかさで判断すること、国が行うこと、県で行うことの間に線引きをされて対応されていたというふうに認識をしております。この現地調査の事業につきまして、現地調査自体は防衛省の事業でありますので、本来は同省が努力して佐賀市と漁協の理解を得るべく努力するはずのことだと思うんです。計画の明確のために必要という理由も、防衛省自身が佐賀市とか漁協に説明したり、あるいは交渉をすることだと私は思います。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)  これまでつかさつかさで判断することと知事が言われていました。今も変わらないと思います。しかしながら、この県議会でのやりとりで、何となく──何となくというか、非常に関心のある事柄ですので、「県、容認理由説明へ」とか、あたかも何か、この大きな見出しとかを見ると、県民の方々は、あっ、県は容認の方向に傾いているのかなというふうなやっぱり受けとめ方もされていると思います。なぜそういうふうに報道されているのか、それは全てやりとりの結果だと思うんですけれども、佐賀市の秀島市長は、公害防止協定で自衛隊との共用をしないというふうに、大前提であるんだとか、漁業界は今はまだノリの冷凍網ですね。秋芽が大変だった中で、今、冷凍網の八回目をやっているそうで、普通、八回目のノリはもうかなりかためだったりするんですが、ことしはまだやわらかくてとてもおいしいと。秋芽が不漁だった分を何とか取り戻そうと今頑張っていらっしゃる。毎年、オスプレイ、佐賀空港の件は、ちょうどノリの漁期と重なるころにいろんな動きがあって、漁業関係者の方々からも、何でこんな時期に、我々の忙しい時期を見計らったように、あるいはタイミング悪く重なるというのは非常に残念なことだというふうに伺っております。  今回の現地調査への県の、あるいは山口知事のコメント、そういったものについて、県民の中には十分な情報開示とか、それを踏まえた議論を抜きにして現地調査が行われたりしたら、なし崩し的に既成事実のように事業が進んでしまうんじゃないかという誤解を招く、あるいはそういうふうな不安を抱えていらっしゃる方もたくさんいらっしゃると思うんです。そういった中で、私は容認というように受け取られないように知事にしていただきたいと思うし、やはりこの件はあくまで防衛省と佐賀市、あるいは漁協との関係ですべきことではないかと思いますので、私は県の立場について、知事の先ほど答弁をいただきましたけれども、改めてこの件は、やはり一義的に防衛省がちゃんとやるべきことであると。県が容認したような誤解を受けないような発言に徹するべきではないかと思いますので、以上二点をこの件について再質問させていただきます。  それと、奨学金支援と人材確保についてでありますが、奨学金について、県の事業でできる施策というのは限りがあるというのは私も認識をしております。そういった中で、無利子の奨学金が百人という枠で県に割り当てられるということは、これは非常に大きいことではないかというのは正直思ったことと、UJIターン、これはやっぱり高校を卒業してからずっと県外に住んでいる場合に、佐賀県の企業、中にはもう全国レベル、あるいは世界的にもシェアを持っているようなすばらしい技術を持った企業とかもある。そういったものをなかなか知らないというのは当然のことだと思います。  私も三十五歳で佐賀に帰ってきたときに、やっぱり看板とかで、あるいは何となく大きい会社で有名なということは知っていても、実際どういう製品をつくっていたり、その会社が実は全国シェアが物すごくトップクラスの会社だったとかいうことも大人になってから知ったことであります。  ぜひ佐賀の魅力、佐賀の企業の情報、そういったもの、あるいは給与面とかいったことも移住するからには一番大きなファクターになると思うんですね。ですから、私は奨学金の返還免除があるから人が来るとか、そういうふうには全く思っているわけじゃなく、UJIターン、「Re:サガミーティング」、こういった事業をしている中に、奨学金返済というのも最後の最後の検討するときのインセンティブの一つになるということであれば働くのではないか、いいインセンティブになるのではないかと思ったので、この件を提案させていただきました。  もっとも、でき上がったばかりの施策なので、鳥取県や山口県など、四つか五つぐらいの県でしかまだ実際に行われてはいませんが、鹿児島県はこの二月の定例会に出されるということです。引き続き検討をしていただければと思いますが、人の交流が社会を強くすると思います。県外からの佐賀県への流入者、その取り組みにぜひ力を入れていただきたい。その中で、またこのメニューも活用できればどうかと思いますので、御検討をお願いし、それについて答弁をお願いしたいと思います。  それと、奨学金そのものなんですけども、教育長のほうから情報提供についていろいろと御説明をいただきました。やはり学校の進路指導で全校生徒を集めたり、あるいは保護者の方等々、あらゆる機会、それはもうごもっともで当然やっていらっしゃることの中で、やはり今、生徒が進路をどうしようかという中で、家の家計の状況を見てて、とても自分は進学は無理だよねって諦めている子がたくさんいる。先生、それ親に言わないでよねと口どめする生徒もやっぱりいるやに聞いております。  この成績のこの子は何で進学じゃなくて、就職をするんだろうと先生が不思議に思うことがあると、そういったときはやはり個別に経験のある先生が担任に限らず「何でおまえ進学じゃなくて、就職なんや」というふうな話をする。そういったことも伺っております。しかしながら、逆に他方で、奨学金のことになったときに、「進路指導室の先生に聞いてこい」って言う先生もいらっしゃると。  あるいは夏ぐらいにそういった説明会があるものの、親のほうも注意はしているものの、やはり共働きだったりして忙しい親こそなかなか学校からのプリントとか全部見切れないというときもあり、気がついたら秋で、奨学金の申し込みとか、そういったものの時遅しということもあると思います。  学校から生徒、保護者にプリントを配ったり、説明会をして、全員が理解できれば、成績のほうもみんな百点に近いものができると思うんですが、もう一歩配慮を、生徒一人一人の雰囲気まで配慮をした形で奨学金や、あるいは進路についての相談に親身に対応していただけないかと思って、奨学金についての再質問といたします。  それと、学校給食についての再質問なんですけども、今、臨時の衛生管理研修会や文書での周知等々のお話をいただきました。当然、行政のほうとしてとり得る対応だと思います。  私は思うに、こういった形での対応を行政のほうでされるのは当然だと思うんですが、今、昔に比べてこれだけ関心が高いから、異物混入もすぐ、「あら、先生、何か入っとる」とみんなが手を挙げるんで、余計カウント数が多くなっている分もあると思います。昔から、僕らが子供のころからやっぱりちょっと何か髪の毛入っていたり、あるいはサラダの中に虫が入っていたりというのは、それはもうあったと思うんですけども、ただやっぱりO157とか、命にかかわるような感染症とか、そういったものの中で非常に今厳しくなっているというのも現状だと思います。  そういった中で、現場の調理場での労務環境とか、そういったことももう一度再検討をすべきではないかと私は思います。といいますのが、O157以来、学校給食の調理の現場でも衛生管理、温度管理、またアレルギー食の対応や除去食の対応など、朝からお昼までの間にたくさんの食事をつくるだけでなく、やることも以前に比べて手順も非常に多くなってきている、そういうふうな中で非常にばたばたの中でやっているというふうに私は伺っております。  そういった中で、労務環境が大丈夫なのか。つまり、定員ですとか、例えば、三人の調理員さんの中で三人とも何年か一緒にやった経験のある方の三人と、出産とか、あるいは退職とかで一人、二人新人の方が入ってきた場合とか、そういった場合に定員だけではかれない部分があると思うんですね。チームで朝からばたばたやっていると。ですから、そういった職場の人間関係、そういった要素も大切じゃないかなと。これは委託、あるいは直営、いずれにかかわらずですね。そういった労務環境。  それと、施設のことも私は聞きました。大型の調理器具、古いの、新しいのあるし、空調設備が整っている調理場と未整備の調理場が相当数あるというふうに伺いました。担当者の方からはスポットクーラー、一人の方に当たるそういったクーラーも整備されているとはいうものの、全部が全部あるというわけではなく、というよりも、空調設備が十分整備されていない学校の調理場も非常に多いというふうに伺っております。  労務環境、あるいは調理施設の設備の更新、空調の整備、そういった点も必要ではないか。  それと、最後にもう一つ私が思ったのは、これから先はもう制度じゃなくて、顔の見える給食というのも一つ提案というかあるんですけども、調理員さんたちと小学校、中学校の、例えば、終業式とかそういったときに、調理員さんたちと、何というか、「いつもおいしい給食ありがとう」とか、あるいは調理員さんは生徒さんたちに「私たちもしっかり安全でおいしいのをつくるように頑張るよ」みたいな、対面式じゃないですけども、そういった会みたいなのはお金が関係なく、ソフトの部分でつくる人と食べる人がつながる、思いを込められる、そういった取り組みとか、そういったものを僕は聞いたことはない。僕が聞いたことがないだけかもしれませんが、そういった取り組みとかもやってみたら、つくる側と食べる側がつながって、より笑顔になるんじゃないかと。  それが人ですから、働く人、気持ちがありますから、職場の人間関係、校長先生たちからのねぎらい、そして生徒たちのありがとうという言葉がつながれば、より安全・安心な制度を超えた対策になり得るんじゃないかと思いまして、以上、給食に関しては三点提案というか、質問をさせていただきたいと思います。  ファミリーハウスの設置についてであります。  これはもう過去に慢性疾患児家族宿泊施設の整備というメニューで過去に整備が二回補正予算であったそうであります。今回、たまたままた突然に一月二十日に補正予算が通って、そのメニューがあって、急遽それを使おうということで、今、補助採択に向けて県のほうも協力をしていただいているという御答弁ありがとうございました。  全部が全部補助になることはないと思います。恐らく前の事例を考えても、県の一般財源からの持ち出しというのもあると思いますけども運用に当たっては、今、単に宿泊できるだけじゃなくて、安全・安心に、ボランティアの方との協力とか、そういったものがこのファミリーハウスの設置と、そして運営には大変大きな役割を果たしているということであります。  このファミリーハウスのNPOの全国団体のほうにお話を伺った中で、最近また地域との交流、あるいは病気の子供が外出ができなくてもちょっと散歩していけて、同じような年代の子供たちとファミリーハウスの中で遊べるというのは非常にいい気分転換であったり、感染症、免疫力が低下している中でなかなか外出ができない、病室の中で気が滅入っている子が大きな音量でテレビを見たり、歌を歌ったりというのは、そういった貴重な居場所としてファミリーハウスの役割というのが非常に多様化しているという話を伺いました。  佐賀県でまず第一号の設置を望むとともに、後発であるがゆえに、先行事例のいいところをぜひ学び、そして、利用者の方にとって利用しやすい、あるいは近隣の、佐賀県内でもやっぱり伊万里や有田とか遠くから車で通うと、佐賀大学医学部とか結構な時間かかります。あるいは県外の方が利用される可能性も非常に高いと思います。  ファミリーハウスにはどの病院に通う人向けというのがあるかもしれませんが、運営の面でもよりよいハウスの運営ができるように少し柔軟に、県のほうも助言、あるいは協力を引き続きお願いして、ぜひ佐賀のドクターヘリコプターはかなり後発ではありましたが、後発だったがゆえに、ドクターヘリ専用機の非常にいい機種を選定し、また、運用に関しても先進的な取り組みをいたしておりますので、ぜひいいハウスができるように、今後の引き続きの対応をお願いしたいと思います。  以上、再質問を終わります。 14 ◎議長(中倉政義君) 暫時休憩いたします。     午後零時四分 休憩 平成二十八年三月二日(水) 午後一時十分 開議  出席議員    三十五名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三一番  竹 内 和 教     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三二番  石 井 秀 夫     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三三番  留 守 茂 幸     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三四番  石 丸   博
        五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三五番  木 原 奉 文     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三七番  石 倉 秀 郷     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     三八番  桃 崎 峰 人     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  川 崎 常 博     二七番  武 藤 明 美    一二番  定 松 一 生     二八番  稲 富 正 敏    一三番  八 谷 克 幸     二九番  徳 光 清 孝    一四番  米 倉 幸 久     三〇番  藤 木 卓一郎 欠席議員    一名    三六番  中 倉 政 義 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          統 括 本 部 長    西  中     隆          くらし環境本部長     伊  藤     正          健康福祉本部長      船  津  定  見          農林水産商工本部長    石  橋  正  彦          県土づくり本部長     和  泉  惠  之          経営支援本部長      山  口  康  郎          文化・スポーツ部長    白  井     誠          国際・観光部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       古  賀  俊  光          交通政策部長       西  村     平          会 計 管 理 者    西  村  宏  之          公 安 委 員 長    香  月  道  生          警 察 本 部 長    今  林  寛  幸          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾          選挙管理委員長      大  川  正二郎 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       中  島  博  文          同    副事務局長          総務課長事務取扱     大  塚  武  司          議事調査課長       毛  利  明  彦          政務調査室長       白  濱  光四郎          総務課副課長       松  本  定  利          議事調査課副課長     篠  田  博  幸          議事調査課議事担当係長  山  口  義  徳          同   議事担当副主査  井  上  智  宏         ○ 開     議 15 ◎副議長(石倉秀郷君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。  江口善紀君の質問に対する答弁から開始いたします。 16 ◎山口知事 登壇=江口議員の再質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港へのオスプレイ等配備に関しまして、現地調査についての再度のお尋ねでございました。  先ほど答弁させていただきましたけれども、現地調査そのものは防衛省の責任で関係者の理解を得た上で実施されるべきものであって、県から関係者に対して現地調査への協力を呼びかける立場にないものと考えております。  それを踏まえた上で、さまざまな情報や状況を明らかにしつつ、計画の全体像、将来像の明確化をしていくことが重要であると考えておりまして、そのための現地調査であれば異論を差し挟むつもりはないと申し上げたところでございます。  議員がお話しいただきましたように、私はつかさつかさの判断が大事だと思っています。今回は、協力を呼びかけたりするものではなく、県の考え方、真意を正確にお伝えしようとするものでございます。  続きまして、奨学金等を活用した人材確保についてでございます。  これも人材確保に向けて基本的な方向は、私は江口議員と同じだというふうに認識させていただきました。すなわち、県内企業にもすばらしいところがたくさんあって、そうした情報を出していくこと、それから「Re:サガミーティング」も活用していく、そして、ものづくり人財創造事業に力を注いでいくと、そういったファクターの一つとして奨学金制度も検討していくということだと思います。  奨学金制度は、非常に多くの財源を必要とします。議員からお話しいただきました鹿児島の制度も、私も勉強してみて驚いたのは、二種類の奨学金制度ですけれども、約九億円かかっていまして、さすがにこれも一年限りとはいかないと思います。  ということで、こうした制度の導入というのはなかなかもとに戻らないので、導入に当たっては慎重に検討していくという姿勢も大事かなと思っています。  ということもありまして、他県の状況も見ながら、当然奨学金も含めたさまざまなファクターを有機的に結びつけて、人材育成策、呼び込み策を考えていきたいと申し上げたところでございます。  私からは以上でございます。 17 ◎船津健康福祉本部長 登壇=ファミリーハウスに関する再質問にお答えいたします。  ファミリーハウスの運営についても、利用者にとって利用しやすい施設となるように県からも指導、助言をしてほしいということだったと思います。  ファミリーハウスは、全国でおおよそ百カ所、九州でも約二十カ所程度運営されております。本県に設置しようとするファミリーハウスは、設置、運営とも佐賀大学が行うというふうに伺っておりまして、その運営につきましても、全国や九州各県の事例の情報を県としても収集しながら、情報を提供し、協力してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 18 ◎古谷教育長 登壇=私からは、三点お答えを申し上げます。  まず、奨学金に関して、学校現場において生徒一人一人の具体的な状況に配慮した情報提供なり、相談対応をしていただきたいということでございました。  学校現場におきましては、支援があるのに情報が届いていないということがないようにという部分は、これは校長、事務長、それから進路指導、担任を含めて学校全体として一番気を使っている部分でございます。  そのため、例えば、大学奨学金の説明会には、本当に生徒が出席しているかどうか、案内が届いているかどうかといった基本的な確認については、必ず行っているということでございます。  生徒の家庭や保護者の仕事の状況などを把握しているのは担任ですけれども、そうした担任から生徒に声かけをしたり、あるいは三者面談の際などに、進路選択の話とあわせて改めて活用できる奨学金の御紹介をするなどきめ細かな対応には努めているところでございます。  担任を中心に、校長、事務長、奨学金担当者、進路指導担当者などが連携いたしまして、生徒一人一人の置かれている状況に応じた適切な情報提供や相談対応が行われるよう、今後とも努めてまいりたいと存じます。  次に、学校給食に関しまして、まず、学校給食施設におけます労働環境の整備についてお尋ねがございました。  学校給食の衛生管理基準におきましては、調理場は換気を行い、適切な温度や湿度を保つよう努めることとされております。  また、学校給食調理員の配置につきましては、国が児童生徒数に応じた配置基準を示した上で学校給食の運営に支障を来さないように、設置者において地域や調理場等の状況に応じ、運用するような形で改めて通知も出されております。  これらのことについては、実施主体であります市町の教育委員会が責任を持って対応していただく必要がございますけれども、県教育委員会としても、市町教育委員会の実情に応じて適切な対応を図っていただくように助言をしていきたいというふうに考えております。  それから、顔の見える食育というか、顔の見える給食というお話がございました。  学校における食に関する指導、いわゆる食育ですけれども、「食物を大事にし、食物の生産等にかかわる人々へ感謝する心をもつ」というのが目標の一つに挙げられております。  各学校では、学校給食週間、先月の一月二十四日から三十一日でございましたけれども、そうした機会に学校給食施設で働く調理員さんと一緒に給食を食べたり、あるいは調理作業の様子を映したビデオレターを見せたり、さらには児童生徒が調理員の方々へ感謝の手紙を書くと、そういった交流なども行われているところでございます。  先日の市町教育委員会を対象とした臨時の研修会の折にも、県内小学校のビデオレターを視聴してもらって、調理員の意識を高める一つの方策として御紹介させていただきました。  顔の見える給食というのは、児童生徒に感謝の心を育むとともに、学校給食施設で働く調理員らにとりましても、学校給食に携わる自覚、あるいは働く意欲が高まるなどの効果があるというふうに考えます。  今後とも、児童生徒と調理員を初め、学校給食に携わる人々との交流する機会を持つように働きかけていきたいと思っております。  私からは以上でございます。 19 ◎井上祐輔君(拍手)登壇=日本共産党の井上祐輔です。通告に従い、一般質問を行います。  まず一点目に、オスプレイ等の配備について伺います。  昨年十月二十九日に中谷防衛大臣から改めて配備計画の全体像、将来像について山口知事へ説明が行われ、その中で米海兵隊の利用については、自衛隊機の配備、移駐とは切り離して要請を取り下げる、こういった説明が行われました。  しかし、大臣の説明の中で改めて確認をする必要があったために、この説明をされた内容については精査をしたいと伝えられ、説明の趣旨や意味について県側の受けとめや食い違いがないか、または不明確な点などについて、さらに明確にする必要がある点などをまとめ、昨年十二月二十五日に九州防衛局長宛てに四十一項目の疑義などについて質問書を提出されました。それから一カ月半が経過をし、二月十六日付で九州防衛局から回答が届きました。  この内容は県のホームページにも公開をされ、県民に対してもオープンな形で行われていると認識をしています。  その回答の中身については、米海兵隊の利用要請の取り下げについて、先延ばしではないという理解でいいのか、こういった県の質問に対して九州防衛局は、「昨年中谷大臣から山口知事へ申し上げたとおりです。」、こういった回答や、施設整備について三十ヘクタールから将来的に拡大することがないのか、この質問に対しては、考えていない。一方で、弾薬庫の設置に必要な保安用地の不足が想定される、こういった回答がなされました。  この回答書に対し、私は誠実ではないし、提出をされた質問に答えておらず、到底納得できるものではありませんでした。  県は二月二十九日、回答書の中から不明確な点や、より明確化すべき点について再質問をされました。  先日の代表質問、また、午前中の江口議員の質問でも、この佐賀空港へのオスプレイ配備問題が取り上げられ、議論が行われたところではありますが、改めて知事に三点についてお伺いをしたいと思います。  一つは、九州防衛局から返ってきた回答に対する知事の受けとめについてです。  オスプレイ配備についての考え方は、県議会の中でも、また県民の中でもそれぞれあると思いますが、私は先ほど述べたように、不誠実なものであり、質問にも答えられていないと感じました。知事は、この回答についてどのような受けとめ方をされたのかお尋ねをいたします。  次に、質問書の再提出についてです。  率直に言って、九州防衛局からの回答には疑問や不満もありました。県では、この四十一項目の疑義について質問をされ、回答の中で質問を再度投げかけられました。この再質問の中身、また考え方についてお示しをしていただきたいと思います。  最後に、公害防止協定の当事者の意見をどう聞くのか、この問題についてお尋ねをします。  山口知事は議会の中でも、公害防止協定はもちろん尊重しなければならないものであるが、当事者の現在の思いというものも大切にしなければならないと考えている、このように言われています。  それでは、その当事者の意見や思いについて、具体的にどのような形で確認をしようとしているのか明らかにしていただきたいと思います。
     二問目に、原発から再生可能エネルギーへの転換について伺います。  東日本大震災、そして東京電力福島第一原発の事故から五年がたとうとしています。この大震災と原発事故は、多くの方の人生に何らかの形で影響を与えたのではないかと思います。  私自身、この原発事故をきっかけに、実家の唐津市肥前町の隣町にある玄海原発について真剣に考え、生まれ育ってきたこの佐賀県を第二の福島にしてはならない、こういった気持ちが芽生え、政治にかかわるきっかけになりました。  私は、この五年の間に二度、福島県を訪問しました。一回目は二〇一四年四月に福島県南相馬市に、二回目は昨年、二〇一五年の十二月末に浪江町や飯舘村などの居住制限区域も含めて訪問をしました。  そこで見たものは、五年前から何も変わらない、放射能によって手がつけられない現状でした。五年前に干された洗濯物には手がつけられず、荒れた家屋には動物が出入りをしたような形跡が残されています。  玄海原発を抱えている私たち佐賀県民も他人事ではなく、この原発事故の現状を直視しなければなりません。もちろん、県担当者の方々も当事者にもしかしたらなるかもしれない、こういった立場として、現場の教訓なども、関係自治体などへ直接行き、学んできてあるかと思います。もしそうでなければ、教訓を生かした避難計画や、県民の命を守る、安心・安全を守る責任ある行動であると考えることはできません。  福島の現状という点で一点だけ言えば、事故が起きて初めて実施をされた国勢調査二〇一五では、福島県の人口の変化がわかります。昨年、国勢調査を受けての人口は、福島県は百九十一万三千六百六人で、前回、二〇一〇年に行われた調査では二百二万九千六十四人、比較をすると、十一万五千四百五十八人の人が減少しています。また、放射能の影響によって四つの町で人口がゼロ、こういった状況になっています。  佐賀県で具体的に言うと、佐賀市に次いで二番目に人口が多い唐津市、二月一日現在で十二万六千百六十七人、これと同じくらいの規模の人口がこの五年間で県から減ってしまったということになります。これは少子・高齢化の原因もありますが、原発事故による県外避難が原因であると言われています。  私は、この五年という節目の年に改めてこの原発事故を振り返り、人類とは共存できない原発からの撤退と、原発に頼らない再生可能エネルギーへの転換への道を強く求めます。  そこで、質問させていただきます。  まず、知事の姿勢についてお尋ねをいたします。  山口知事が昨年知事に就任されたときの就任記者会見の中で原発に関する質問が記者から投げかけられました。その中で再稼働に関して賛成と反対がある中で、例えば再稼働を受け入れようとした場合に、反対という方に反対を見過ごすというわけではなくて、自分が出向いて話をするなどという対応をする考えか、こういった質問がされました。知事はこれに対して、規制委員会の審査がいずれ出てくると思うが、その判断についてはしっかりと住民の皆さんにお伝えして、県民の御意見を聞くやり方については、これからしっかりと考えていきたいと思いますが、公開された内容については、私みずからしっかりと御説明をしていきたい、このように答えられております。  選挙戦の中でも知事は、三、四号機については再稼働の方向を持ち、そして、審査が終わった結果を踏まえて話し合いたい、こういったふうに言われています。  私は、審査が終わってから県民と話し合いをするというのでは遅過ぎると思います。プルサーマルが導入された際は、九州電力、国、県がそれぞれに主催をして三回のシンポジウムや公開討論会が開かれました。県主催の討論会ではいわくがあったとはいえ、説明の場は少なくとも県民に提供されてきました。  私は、この原発問題について県民に議論を深めてもらうためにも県民説明会などを開くべきだと考えますが、山口知事は県民への説明についてどのような姿勢を持っておられるのかお尋ねをいたします。  次に、九州電力との信頼関係について伺います。  九州電力は、鹿児島県川内原発に関して、原発事故が起きた際の事故対処拠点である免震重要棟について、二〇一五年度までにつくると約束をして再稼働をさせました。しかし、九電は計画をしていた免震重要棟の新設計画を撤回しました。これについて原子力規制委員会委員長も疑問視し、撤回根拠も不十分、納得のいく説明はなかった、このように指摘されています。また、玄海原発についても白紙、こういった見解を示し、約束をほごにしました。  瓜生社長は説明不足で混乱を招いてしまった、規制委員会の指摘も真摯に受けとめる、このように言いはしましたが、耐震施設は実績があり、望ましい、このように述べています。  県民からも約束違反の許されない行為だと、県に対しても免震重要棟を建設するように九州電力へ申し入れをしてほしい、こういったことが要求をされています。  私もこの計画の変更は県民に対しての裏切りであり、議会や佐賀県に対しても同じであると思います。  このような状況の中で、知事は九州電力との信頼関係についてどのように感じておられるのかお尋ねをいたします。  次に、原子力災害対策について三点、統括本部長に伺います。  本県では一月二十四日から二十五日にかけて記録的な大雪と低気温に見舞われました。その影響で電車やバスなどの公共交通機関は機能を停止し、自家用車などでの移動についても大変難しい状況になりました。万が一、このような自然災害と原発事故が重なった場合、避難経路が通れなくなる、こういったことは簡単に想像することができます。住民の安心・安全が第一である、これは大前提でありますが、このような場合の対応を県としてどのように考えているのでしょうか。  次に、関係職員の被曝問題についてお伺いをします。  事故が発生をした場合、九州電力で働く労働者を初め、自衛隊員や県警職員、自治体の職員などが、県民避難の指示や安定ヨウ素剤の配布など事故の対策に当たることになると思います。私は誰も被曝をさせてしまうような状況があってはならない、このように思いますが、この職員の皆さんや防災業務にかかわる関係者について、被曝限度の基準はどのようになっているのか、県として被曝限度を超えるようなことがあっていいと、このように考えていないとは思いますが、どのように考えておられるのかお伺いをいたします。  三点目に、安定ヨウ素剤の配布、訓練について伺います。  県では、原発事故への備えとして、原発からおおむね五キロ圏内の住民に対しては安定ヨウ素剤の事前配布が行われています。五キロ圏外から三十キロ圏内の住民に対しては、公民館などに備蓄をし、緊急時にはそれを持ち出して配布をする、こういった計画になっています。  実際に事故が起きた場合、本当に住民へ速やかな配布ができるのか不安でなりません。誰がどのような体制で配布をするのか、実際になってみないとわからないでは、万が一の場合に被曝を最小限に防ぐ効果が安定ヨウ素剤にあったとしても、その効果を発揮できなくなってしまいます。避難訓練なども行われ、先日はスクリーニング検査、車体のスクリーニングなども行われましたが、このような安定ヨウ素剤の配布についても訓練などをすることは住民にとっても、また、職員にとっても必要ではないかと思いますが、県としてはどのように考えてあるのかお尋ねをします。  最後に、再生可能エネルギーの普及について伺います。  福島第一原発の事故後、全ての原発は停止し、原発ゼロの状況が生まれました。電気は足りなくなるのではないかと心配もされましたが、国民の節電努力などで停電をするということは一度もありませんでした。さらに、危険な原発の電気ではなく、安全でクリーンな再生可能エネルギーに対し、国民の意識も間違いなく向上したと思います。  私は、原発から再生可能エネルギーへの転換が今後のエネルギー政策の面でも大切であると考えていますし、県としてもこの再生可能エネルギーの普及についてさらに力を注いでいただきたいと考えています。  震災後、佐賀県においても住宅用太陽光発電への補助など再生可能エネルギーの普及に努めてこられました。  そこで、一点目に、これまでの県の取り組み、その実績についてお伺いをします。  また、取り組みを進める中で再生可能エネルギーについての課題なども見えてきたかと思います。そういった課題を踏まえて、今後さらに普及促進をするため、県ではどのような取り組みをしようとしているのかお示しをしていただきたいと思います。  大きな三点目に入ります。  TPPと佐賀農業について質問をします。  TPPは、昨年十月の大筋合意以降、政府はその内容や農林水産物の生産減少額を含む経済効果分析などを公表しました。佐賀県でも小城市のドゥイング三日月で農水省が主催をしたTPP説明会が行われました。この説明会では、日本が農林水産品に掛けている関税のうち八割の関税が撤廃され、米や牛肉などの重要五品目についても長期の関税が確保できた、こういった説明を行いましたが、協定の中では七年後に五カ国と関税割り当て、セーフガードについて再協議が行われる、こういった規定が盛り込まれています。  TPP交渉は、今、大筋合意と言われる内容がこのTPPの最終地点ではありません。さらに、農水省はTPPが通ったことを前提とした補助金の内容などを繰り返し、海外への輸出などを中心とした攻めの農業について説明をしました。中山間地を多く抱え、大きい農家が少ない県内の農家の方々は、農地の集約化や大規模化を言うが、中小農家をどのように振興しようと思っているのかわからない、こういった意見など不安をさらに拡大をさせるような内容ではなかったかと私は考えています。  県としても、県内でどのような影響が出てくるのか国の分析結果をもとに影響額試算が一月末に出されましたが、その内容は米への影響はないという発表など、県内では怒りの声が寄せられています。  そのほかにも医療や食の安全についてなど多くの問題をTPPは抱えています。大筋合意はされましたが、TPP発効には参加する国のうちGDPが八五%以上を占める六カ国が批准をしなければ、TPPは発効すらできません。GDP比率はアメリカが六〇%、日本が一八%あり、両国が批准しなければ、TPP協定すら発効されることはないのです。私は佐賀農業の発展のためにもTPPは批准をするべきではないと思います。今でも県内農業は後継者の問題などが深刻にあり、農業が続けられるかどうかはその地域が存続をするかどうか、こういった大きな問題にもつながってきます。そのような点でもTPPにかかわらず、県の基幹産業である農業はしっかりと振興していかなければならないと考えます。  そのためにも生産者が安心をして農業へ取り組むことができるような仕組みづくりを行っていかなければならないと思います。また、県産の農産物がさらに消費をされていくような販路拡大、後継者対策としての新規就農者の確保や育成など、重要なことはたくさんあります。  このような中で、知事に伺います。TPPの現状に対し、知事はどのような所見を持っておられるのかお尋ねをいたします。  次に、農林水産商工本部長へ伺いますが、国が示した影響額、公表したこの内容と県内の影響額については、どのような根拠で影響額が出されたのか伺います。  そして、このような影響額が公表される中で、県内の生産者の皆さんは影響に対する不安や、今後どうなるのか先が見通せないなど、多くの不安を抱えておられると思います。このような生産者の声について、私は幅広く聞いていくことが大切ではないかと思います。この点について、県としてはどのように考えておられるのかお尋ねをします。  次に、佐賀農業の発展について伺います。  先日、農業を学ぶ大学生とお話をする機会がありました。私は、このような若い皆さんが将来的にも農業にかかわり、新たな担い手になってほしいと思います。しかし、実際に学生の皆さんが進路を決めていくときに、その大きなウエートを占めるのは、その仕事をやりたいかどうか、このようなことではなく、生活ができるかどうか、こういったことでした。農業に対する思いがあり、大学で学んでいても仕事にすることができない、これはとても悲しいことではないかと思います。  私は、これまで農業に取り組んでこられた方はもとより、このような新たに農業に取り組もうとしている方にとって、販売した収入で生活ができるかどうかは重要だと思います。そうした方々が安心して農業へ取り組むためにも、所得を補償するような、そういった制度が必要ではないかと思いますが、その現状についてお伺いをします。  次に、県産農産物の販売促進対策について伺います。  国内消費の減退や産地間競争が激しくなる中で、本県農業が持続的に発展をしていくためには、県でも取り組みが行われている「佐賀さいこう!佐賀県産品でめざまし朝ごはん」、こういった取り組みは、楽しく県内産農産物を消費できるよい取り組みだと思います。このような販売を促進する今後の取り組みについて伺いたいと思います。  次に、新規就農に係る現状、課題とその対策について伺います。  先ほど触れたように、農業者の高齢化等により担い手や後継者が不足しており、新規就農者をどう確保するのかが大きな課題となっています。  県では、新規就農者への支援に取り組んでいると思いますが、最近、五年間の新規就農者の推移と、この就農時の課題、また対策についてどのような取り組みが行われているのかお伺いをします。  最後に、大雪による農産物被害への対応についてお尋ねします。  原発でも触れましたが、本県では一月二十四日から二十五日の大雪によって、二月十八日現在で四百棟余りの園芸ハウスの倒壊被害の報告がされています。こうした被災農家への支援のために、県では二月補正予算において、倒壊したハウスの撤去や新たな園芸ハウス再建に助成する施設園芸等被害対策事業が上程されています。  被災をした農家にとって大変ありがたいと思いますが、今回被害があるのはハウスの倒壊だけではありません。今回の大雪、数日間の低気温によって、露地作物を中心に甚大な被害が出ているところもあります。  その一つに、多久市の納所ビワ、これが凍害で壊滅状態となっています。この納所地域では、納所ビワを特産品として、まちおこしのためにビワの実を使ったサイダーや、ビワの葉を使ったお茶など、消費者に新たな使い方を提案し、新しい取り組みを始めたところでした。今回の大雪と低気温によって、これまで暖冬で順調に成長していたビワがこの二、三日で枯れてしまい、ことしの夏の収穫はほとんどできない状況となってしまいました。  山口知事は、この納所ビワを食べられたことがあるでしょうか。また、この深刻な状況を知っておられるでしょうか。  私は先日、現地へ行き、生産者からもお話を伺ってまいりました。ことしは十月から十一月以降に順調に成育し、昨年も不作だったが、ことしは豊作が期待できると、もうすぐ始まる袋がけや、五月から六月の収穫を楽しみにしておられたそうです。きょう、その現物を持ってまいりましたが、これがその納所ビワで、(現物を示す)この中身が茶色くなっている状況が、このビワが枯れた状態になり、これ以上生育することもない、また、その後の収穫も期待できないと、ほとんどのビワがこういった状況に今なっています。  この訪ねた農家では、本来、この茶色い紙の袋、(現物を示す)これを袋がけするのですが、それに凍害があるということで、さらにウレタンを包み、またビニールの袋でかぶせて、そういった対策まで行われていました。しかし、本来なら生育をしっかりとしていれば白い果実になるはずですが、どの果実を見ても茶色く枯れてしまっている。こういった状況になってしまっています。  この方は、五十年間ビワをつくってきて、ここまでの被害を初めて経験したと話されました。そして、納所ビワも生産面積が少なくなってきて、ブランド力を失ってきた。昔は何かあれば農協や行政も気にかけてくれたが、今では何も言う人がいなくなったと、こういった寂しい現状を話をされていました。  知事、こうした地域で一生懸命されている方ほど、今回の被害に大きなショックを受けられているんです。二年連続の不作でぎりぎりで耐えてきた生産者が一気にビワをつくらなくなるのではないか、こういった心配もされています。  私は、こうした被害を受けられた方が県内にももっとおられるのではないかと思っています。こうした方々に対する支援についても重要であると思いますが、県としてはどのように考えておられるのかお尋ねをいたします。  四点目に、ブラック企業、ブラックバイト問題についてお尋ねをします。  このブラック企業という言葉は、二〇一三年ごろから社会的に認知されるようになりました。ブラック企業についての定義などはしっかりとされていませんが、異常な長時間労働や違法労働によって、そこで働く若者を使い潰し、精神的な疾患を負う人や、みずから命を絶つ、こういった人さえ生まれています。私は、こういった企業があってはならないと思いますし、その会社によってこれからの将来を担う佐賀の若者たちの未来を奪うことは、佐賀県にとっても大きな損失であると思います。  私の周りの友人でも、残業代がきちんと支払われない、こんな働かせ方はおかしいのではないか、こういった友人もいます。私自身も、半年契約の職場で半年後には契約が更新されるのかどうか常に不安と隣り合わせの中で仕事をしたり、営業で結果が出なければ自分の給料で購入をしなければいけない、こういった自爆営業が普通に行われている、そういった職場も経験をしてきました。  今、多くの若者がこういった働き方の悩みや問題を抱え、県内でも解決できないままに働いている人もいます。私は、そういった若者を使い潰すような企業によって、未来が奪われるようなことはあってはいけないと思います。同じような思いを持つ県内の青年、労働組合の方や超党派の議員、また弁護士の方々で、こういった県内の実態がどうなっているのか、少しでも若者に啓発などを行うことで解決の道へと進んでもらえればと、ブラック対策委員会という組織を立ち上げました。  実際に県雇用労働課や佐賀労働局などからもアドバイスをいただき、どういった働き方が違法な働き方なのか、チェックシートや、また啓発も含めたアンケートを作成し、街頭やポストインなどを行って、県内から三百通以上の回答が寄せられました。これには、各地域のハローワークなどにも協力をしていただきました。  この中で、十代は八十八人、二十代は二百一人と、多くの若い皆さんの働き方が、このアンケートを見ることで見えてきます。  その中を少し紹介すると、二十代の塾講師をしている方は、シフトが入っていて時間をあけているのに、シフトの二時間前に急遽休みにされるというものや、トイレに行く時間がない、昼食も五分で済まさなければいけない、こういったものがアンケートに書き込まれていました。本当にそんなことがあるのか、こういったふうに思う方もあるかもしれませんが、これが今の佐賀の現実です。  労働基準法に違反する企業に対しては、国が主体的に取り組みを行っているとは思いますが、県としてやれることについては、もっと取り組みを強化するなど、私は必要であると思っています。  そこで二点伺います。  知事には、この認識について伺いたいと思います。  知事はブラック企業、ブラックバイトに対する認識についてどのような認識をされているのかお尋ねをします。  次に、県の対応についてです。  今回の取り組みの際も、佐賀労働局や県雇用労働課の方とも意見交換をしながら取り組みを行いましたが、佐賀県としては、ブラック企業、ブラックバイト問題についてどのような取り組みをされているのかお尋ねをします。  最後の五問目になります。  十八歳選挙権と投票率の向上について伺います。  昨年六月に選挙年齢を十八歳以上に引き下げる公職選挙法の改正が行われ、夏の参議院選挙から適用される見込みとなっています。これは七十一年ぶりの選挙年齢の引き下げであり、選挙、また主権者教育というものにも改めて注目が集まる貴重な機会ではないかと思います。  しかしながら、これまで行われてきた選挙を振り返ると、直近の佐賀県知事選挙や佐賀県議会議員選挙でも、いずれも投票率が戦後最低となるなど、低い投票率の問題は年々深刻になっています。  選挙は、国民が主権者として政治に参加をする最も重要な機会の一つであると思います。その権利を、一人でも多くの方が行使をしていただきたいと思います。特に若い方たちの低投票率が言われていますが、こういった状況をどのように打開していくのか、新たに選挙権を得る十八歳、十九歳の方を初め、若年者の皆さんにはぜひとも投票に行っていただきたいし、行政としても丁寧な対応が必要であると思います。もちろん、我々議員としても、県民や住民の代表として、しっかりとその役割も果たしていかなければなりません。  このような若年層を含めた皆さんの政治への関心を高めていきたいと思っているところでありますが、民主的な国家、社会の形成者を育成するためにも、主権者教育をしっかりと進めていただきたいと思います。  そこで、次の点について伺います。  まずは、十八歳選挙権についてです。  今回の改正により、新たに選挙権を持つことになる十八歳、十九歳の方に対しては、より丁寧な対応が必要になってくると思います。そこで、県の選挙管理委員会の対応について伺います。  県選挙管理委員会では、十八歳選挙権について、これまでどのような周知また啓発を行ってきたのかお尋ねします。  次に、文部科学省の通知を受けた取り組みについて、教育長にお伺いします。  昨年十月の文部科学省の通知を受け、これまでどのような取り組みをしてこられたのか。また、今後どのような取り組みを行うのかお尋ねをします。  次に、高校生の政治活動等の届け出制について伺います。  高校生の政治的活動の届け出制については、新通知によると、生徒の政治的活動等について、学校長は、「必要かつ合理的な範囲内で、在学する生徒を規律する包括的機能を有する」として、「生徒による政治的活動等は、無制限に認められるものではなく、必要かつ合理的な範囲内で制約を受ける」としています。  これは、学校教育法による設置者管理主義により、学校の設置者は、学校の物的管理と児童生徒の管理を含めた運営管理などに必要な行為をなし得る、こういった考え方に基づいているものだと思います。  しかし、こうした政治活動への禁止制限は、憲法に違反する行為であります。全ての国民は、その年齢いかんを問わず、政治活動をみずからの判断で行う自由を平等に有しています。憲法十九条「思想・良心の自由」、二十一条「集会・結社・表現の自由」、憲法十六条「請願権」など、これらの権利、自由に年齢による差別はありません。  人間的尊重に不可分の権利、自由を禁止、制限して人格を傷つけることは、教育の本来の目的である人格の形成への妨害にもなり得るのではないでしょうか。教育を受けている時期だからこそ、その憲法上の権利、自由は最大限の尊重が図られなければなりません。高校生だからという理由で政治活動の自由を禁止、制限することは憲法上できません。  子どもの権利条約第十三条では、児童は、表現の自由への権利を有するとしており、政治活動の自由を含む言論、表現の自由は保障をされています。こういった点から、高校生の政治的活動等に対する届け出制について、私は行うべきではないと思います。  この政治的活動等の届け出制について、県の対応について伺います。  次に、教育の政治的中立性について伺います。  教育基本法十四条二項は、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」として、学校教育における政治的中立性を定めています。これは、戦前の反省に立ち、国民主権のもとでの政治的教養を教育上、尊重するため、特に学校による党派的な政治教育や政治活動を禁止したものであります。  しかし、政治的中立性の内容は、その文言に則して限定的に解されていたものが徐々に拡大をされ、その範囲も不明確となり、政治的中立性を理由に教員の人たちの政治的教養、また教育上の尊重が萎縮をされる、封印をされるということが今起こっているのではないでしょうか。  こういった政治的中立性に関し、県教育委員会としてどのように考えているのかお尋ねをします。  最後に、投票率の向上について伺います。  先ほども述べたとおり、投票率等の問題は深刻なものであり、今回の改正で新たに選挙権を得ることとなる十八歳、十九歳の方への周知啓発が必要であります。また、投票率が低い若年層への働きかけを初め、全ての年齢層に対する取り組みも重要であると思います。
     そこで、二点伺いますが、県選挙管理委員会では、投票率の向上へ向け、これまでどのような取り組みを行ってきたのか。二点目に、今後の取り組みについてですが、今回の選挙権年齢の引き下げを受けて、新たな選挙啓発も必要になってくると思いますが、学校内への投票所の設置など、県外では行われているところもあります。県選挙管理委員会では、今後どのような取り組みを行う考えか、この点をお尋ねして、一回目の質問を終わります。(拍手) 20 ◎山口知事 登壇=井上祐輔議員の御質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港へのオスプレイ等の配備について、九州防衛局からの回答に対する私の受けとめ、及び質問書の再提出についてのお尋ねがございました。  二月十六日付で、九州防衛局から文書による回答がありましたけれども、その回答内容に疑義がある項目もあったことから、二月二十九日付で改めて、防衛省九州防衛局長宛てに回答を求める文書を出したところでございます。  私といたしましては、計画の全体像、将来像を明確にするため、こうしたやりとりをしっかりとやっていきたいと考えております。  そして、今回は第一回目のやりとりでありまして、その一回の回答をもちまして、何か具体的な受けとめや評価に言及する段階ではないものと考えております。  続きまして、公害防止協定の当事者の意見聴取についてお答え申し上げます。  現在、中谷防衛大臣から説明のありました計画の全体像、将来像を精査中でありまして、今後、防衛省が公害防止協定の相手方であります有明海漁協、佐賀市、農協に対して説明されると思いますので、その状況を見守りたいと考えております。  続きまして、原発再稼働に関する県民への説明についてのお尋ねがございました。  原子力発電所の再稼働につきましては、規制基準が求める安全性が確認されることが大前提でありまして、そのために、まず一元的に規制監督権限を有する原子力規制委員会において、厳格な審査を行っていただくことが何よりも必要だと思っています。  国は、再稼働手続につきまして、個別プラントの設置変更許可が出て、基本的な安全性が確認された段階から、各地域と相談しながら、具体的な対応を考えていくとしているところであります。  県といたしましては、国から相談があったときに、県民説明会の開催など、そういった活動の方法も含め、国の再稼働に関する考え方をしっかりと確認した上で、県としての考え方を整理していきたいと考えております。  続きまして、九電との信頼関係についてのお尋ねがございました。  先日の代表質問の際にも申し上げましたけれども、原子力発電所を運転する九州電力におきましては、県民の信頼を得られるような、あらゆる努力をしていくことが求められていると考えております。  しっかりとした信頼関係を築こうというのであれば、基準をクリアしていればいいではないかといったことではなく、県民の思いに対して丁寧に、真摯に説明しようという姿勢がまずは感じられるのかといったことが大事だと思っています。  県としては、県民の安全を第一に考えるという基本的な考え方のもと、今後の九州電力の取り組みをしっかりと注視してまいります。  続きまして、TPPの現在の状況についての私の所見についてお尋ねがございました。  TPPにつきましては、これまで国から大筋合意の内容や「総合的なTPP関連政策大綱」、関連対策予算、経済効果分析結果などが提示されてまいりましたけれども、依然として、県内の農業者を中心とした不安や懸念が解消されているとは言えないと思っています。  TPPにつきましては、まずは国が国民に対し、地域経済に与える影響について、現場にできるだけ近いところで、丁寧かつ速やかに情報提供と説明を行うとともに、国の礎であります農林水産業について万全の対策を講じるなど、責任を持って適切に対応すべきであると考えています。  県といたしましては、随時TPP対策本部を開催しつつ、県内のさまざまな声や関係団体の意見を聞きながら、引き続き国に対して必要な対応を求めてまいりたいと思っています。  それから、納所ビワについてのお話もありました。私も最近の季節変動の関係で、長崎を中心にビワは非常に今厳しい状況にあるというところは聞いておりましたけれども、実際、納所ビワについて食べたことはございません。御指摘いただきましたので、私自身ももっと勉強したいと思いますし、対応もしっかりとやっていきたいと思います。  具体策は、担当部長から答えさせたいと思います。  続きまして、ブラック企業に対する私の認識についてです。  県政の私の基本理念の一つは、「人を大切に」ということでありまして、このことからも、これからの地域、次代を担う若者が充実したやりがいのある職につくということは、極めて重要だと認識しています。  井上議員が御指摘のように、ブラック企業ですとか、ブラックバイトと呼ばれる過重な長時間労働、そして、残業代不払い等を行うような職場で若者が苦しみ、悩むようなことがあってはならないと思います。そうした企業やバイト先の実態を知らないで、そこに入ってしまうということが問題になっているんではないかと私は思います。そして、それほどの時間がたたないうちにやめてしまうといった方がふえているといったことが課題だと思っています。  昨年の九月に若者雇用促進法というのが成立いたしまして、きのうから事業主による職業情報の提供の一部義務化、それから、労働関係法令違反の事業主に対するハローワークによる新規求人の不受理などが施行されたところだと思っています。  私は今回施行されました、こうした制度の周知をもっと図っていきたいと思いますし、今後の運用状況などのチェックなどもして、県としてやれることをしっかりやっていきたいと思っています。  具体的な取り組みは、所管本部長から答弁させていただきますけれども、いずれにいたしましても、つらい思いをする若者が一人でも減るように、国とも連携しながら、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 21 ◎西中統括本部長 登壇=私からは、原子力災害対策についてのお尋ねのうち、大雪時の避難経路についてと、関係職員の被曝限度について御答弁を申し上げます。  まず、大雪時の避難経路についてのお尋ねでございます。  現行の避難計画では、基本的な計画として、主要な避難経路を定めた上で、必要な場合には、よりスムーズに避難できるよう、これ以外の道路も利用していただくこととしております。  自然災害や事故などによりまして、予定している避難経路が使用できない場合は、通行の支障となるものの除去や復旧を行うとともに、避難住民を別の道路へ誘導することとしておりまして、大雪により、道路が使用できない場合についても同様の措置をとることとなります。  また、こうした対応では、避難が難しい方につきましては、安全に避難ができるようになるまで、屋内に退避していただくとともに、自衛隊などに支援を要請するなど、副次的な手段も最大限活用して、避難を実施することとしております。  なお、大雪の場合についてでございますが、事前にその可能性が把握できることから、仮に大雪が見込まれる中で、原子力災害が発生した場合には、必要に応じまして、住民の避難経路における大雪対策に配慮するとともに、関係機関に対しまして、避難支援の準備を早目に行うよう要請をすることになろうかと思っております。  また、場合によりましては、大雪が到来する前に避難を呼びかけるといった対応を実施することもあり得ると考えております。  こうした対応は、大雪に限らず、原子力災害と自然災害が同時に発生した際には、その状況に応じた対策をとることとなります。  その際には、これさえ備えておけば大丈夫ということではなくて、さまざまな手だてを考えて備えておくことが重要と考えてございます。  いずれにいたしましても、原子力災害対策は、基本となる計画に沿って、実際の状況に応じた対策を臨機応変にとることが重要と考えておりまして、より実践的な体制となるように訓練等を積み重ねまして、不断の見直しを行ってまいる所存でございます。  次に、関係職員の被曝限度についてのお尋ねがございました。  九州電力の職員のうち、原子炉の運転などの業務に従事をされます放射線業務従事者につきましては、法令によりまして、事故などの緊急作業での被曝線量限度は実効線量で百ミリシーベルトとされております。その中でも、原子力緊急事態などの場合につきましては、実効線量で二百五十ミリシーベルトとされているところでございます。  また、原子力災害発生時に避難等の災害対策に当たります防災業務関係者のうち、国の職員や自衛隊員につきましても、放射線業務従事者と同様の基準が定められているところでございます。  防災業務関係者のうち、自治体職員につきましては、国の原子力災害対策指針におきまして、「防災業務関係者の放射線防護に係る指標は、放射線業務従事者に対する線量限度を参考とするが、防災活動に係る被ばく線量をできる限り少なくする努力が必要である。」とされております。  県といたしましても、緊急時にはこれらのことや、国の専門的、技術的知見も踏まえまして、職員の安全確保のため、適切に対応することになると考えてございます。  私からは以上でございます。 22 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私のほうからは、原子力災害対策に関する御質問のうち、安定ヨウ素剤についてお答えいたします。  安定ヨウ素剤につきましては、議員御指摘がありましたように、原子力発電所からおおむね五キロ圏内の住民に対しては事前配布を、おおむね三十キロ圏内の住民に対しては、公共施設などに備蓄を行い、緊急配布することとしております。  県では、毎年一回、福岡県、長崎県と合同で原子力防災訓練を実施しておりまして、関係職員や住民の皆さん方が、万一の際に適切かつ速やかに対応できるように備えているところでございます。  これまでの訓練では、保健医療関係では、原子力発電所からの被曝患者の搬送や専門医療機関への受け入れ、医療機関の入院患者の避難などを実施してきたところでありますけれども、安定ヨウ素剤の緊急配布については、これまで訓練は行っておりませんでした。  今後、地元市町とも調整をしながら、原子力防災訓練の中に盛り込むことも検討してまいります。  私からは以上でございます。 23 ◎石橋農林水産商工本部長 登壇=私からは大きく四点お答えをいたします。  まず、再生可能エネルギーの普及についてでございます。  その中で、まずこれまでの取り組みの実績についてということでございますが、再生可能エネルギーのうち、太陽光発電につきましては、これまで県では、住宅用太陽光発電、そして事業所用の太陽光発電、そしてまたメガソーラーの設置などに取り組んできたところでございます。  その結果、総合計画に掲げます平成二十六年度末の目標の達成状況でございますが、住宅用太陽光発電につきましては、ほぼ目標を達成したと。また、事業所用太陽光発電、そしてメガソーラーについては、いずれも目標を大きく上回ることができました。  また、海洋再生可能エネルギーにつきましては、地域とともに取り組んだ結果、唐津市加部島沖が国の実証フィールドに選定されるなど、関連産業の振興、集積に向けた動きが、今、着実に進んでいるところでございます。  小水力発電につきましては、小水力発電装置を県内の河川に設置して実証と技術開発を行う事業者を支援してきたり、あるいは小水力発電の設置可能性のある地点を抽出するための調査などの取り組みを、鋭意行ってきたところでございます。  また、再生可能エネルギー由来電力の貯蔵手段ということで期待されてございます水素エネルギーにつきましては、国が進める実証研究事業への参画、あるいは水素による電力貯蔵の可能性について、調査検討などを行ってきたほか、県の推進等によりまして、商用水素ステーションが、今月末には佐賀市内にオープンする運びとなったところでございます。  次に、再生可能エネルギー普及の課題についてでございますが、再生可能エネルギーの最大の課題といいますのは、太陽光発電や風力発電など、その主なものが気象条件に左右される極めて不安定な電源ということでございます。そのため、電力の安定供給のためには、再生可能エネルギーの出力規模に相当する火力発電などのバックアップ電源が不可欠であるということでございます。  この再生可能エネルギーの不安定さをできるだけ低減させるという必要がございまして、そのためには、電力系統について地域内系統や地域間連係線の増強によります電力供給量のばらつきを広いエリアで吸収していく、あるいは大型の蓄電池を設置する、そうしたことにより、電力供給量の平準化を全国規模で図る必要があるというふうに考えているところでございます。  今後の県としての取り組みでございますが、県としては、国のエネルギー基本計画にもうたわれているように、再生可能エネルギーにつきましては、原子力発電への依存度を可能な限り低減させていくためにも、先ほども申し上げたとおり、積極的に導入を図ってきたところでございます。  今議会にも、海洋エネルギー産業、あるいは水素・燃料電池関連産業の創出に向けた事業でございますとか、小水力発電や熱利用の事業化に向けた検討など、関連予算を提案しているところでございます。  今後とも、県内におけるエネルギー賦存量でありますとか、あるいは地域特性、そういったものも踏まえながら、技術革新の促進や関連産業の創出を図る観点からも、再生可能エネルギーや水素エネルギーの導入促進にしっかりと取り組んでまいります。  続きまして、TPPに関してでございます。  まず、国、県の関連の経済効果分析についてでございます。  今回、国の分析におきましては、農産物の生産額の減少も含めた関税に関する影響や効果、そういったものに加えまして、貿易円滑化等の非関税措置によるコストの縮減、あるいは貿易・投資促進の効果、さらには貿易・投資が促進されることで、生産性が向上することによる効果、そういったことも含めた総合的な経済効果分析を行ったというふうにされてございます。  また、その際に用いる農林水産分野の影響額につきましては、TPPの大筋合意内容や「総合的なTPP関連政策大綱」に基づく体質強化対策、経営安定対策などの国内対策等によりまして、国内生産量が維持されるということを前提とした試算がされておりまして、その結果、関税削減等に伴う価格低下のため、約一千三百億円から二千百億円の生産額が減少するというふうにされてございます。  こうした農林水産物の生産額の減少見込みも含めた総合的な経済効果分析の結果として、TPPが発効し、その効果により、我が国が新たな成長戦略に移行した時点、これは約十年から二十年後というふうにされていますけれども、そうした時点において、実質GDP水準は二・六%の増、二〇一四年度のGDPを用いて換算すると、約十四兆円の拡大効果が見込まれるというふうにされてございます。  一方、県内の影響額についてでございますが、まず、県内の農林水産物への影響額につきましては、県としての独自の試算が可能かなどについてもかなり検討したところでございますが、県として説明できる前提や、あるいは用いるデータをそろえることが非常に困難であったということから、実質的にはできないと、そういったことで、便宜的に国の試算方法の考え方に本県の農林水産物の生産量や生産額を単純に当てはめて算出することにいたしました。  具体的には、国の試算の対象品目のうち、県内で生産している主要な農林水産物十五品目につきまして、平成二十五年産の生産量や生産額をベースに、国の試算方法の考え方に当てはめた結果、県内主要農林水産物の生産減少額は八・六億円から十三・八億円程度となったところでございます。  また、農林水産物の減少額を含めた経済全体への影響についてということでも検討を行いましたけれども、あくまでも国家間の貿易政策の分析に用いられるモデルを使っておりますので、それを県のレベルの影響分析に用いるということは非常に困難と、無理があるということから、試算することは困難としたところでございます。  続きまして、生産者の声の徴取についてでございますが、県ではこれまでもTPPに関する情報や国の対応などの情報収集を行うとともに、県内のさまざまな声を聞きながら国に要請を行うなど、必要な対策を行ってきているところでございます。  御指摘のございました生産者ということにつきましても、JA等の関係団体はもちろんでございますが、例えば、農業改良普及センター等による普及員の現地指導の際でございますとか、生産者が参加する各種会合の場を活用するなどして、さまざまな声を聞いているところでございまして、今後ともあらゆる機会を通じて、生産者を初め、幅広く県民の声を聞いていきたいというふうに思っているところでございます。  続きまして、TPPに関連しまして、県産農産物の販売促進対策についてのお尋ねがございました。  本県産の農産物が消費者から選ばれ、少しでも高い価格で販売されるように、高品質な農産物づくりはもとより、効果的な情報発信による認知度の向上でございますとか、高級百貨店やホテルなどでの取り扱いの拡大によるイメージアップなど、戦略的な販売促進対策が重要であるというふうに認識しているところでございます。  このため、県とJAで組織する「”さが”農産物ブランド確立対策推進協議会」でございますとか、「佐賀の米・麦・大豆マーケティング協議会」といったところにおきまして、関東、関西、福岡などの大消費地を中心に、一つには「佐賀牛」や「さがびより」のテレビCMの放映、あるいはテレビ番組や雑誌、ウエブサイトを通じた情報の発信、あるいは三越などの高級百貨店あるいは量販店における試食宣伝の実施、それとホテルやレストランとタイアップした佐賀県フェアの開催、そして、知事みずから現場に赴き、生産者とともに農産物を売り込むトップセールス、そういったことで各種の販売促進活動に取り組んでいるところでございます。  今後とも、市場流通関係者の意見や消費者の動向等を十分に踏まえ、より効果的な事業に取り組んでまいりたいと考えてございます。  また、議員からも御紹介いただきましたが、素材感が伝わりやすい朝御飯というものをキーワードに、農産物を初めとする県産品をPRする取り組みを今年度から新たに始めたところでございます。  今年度の取り組みで、約三百八十件の応募をいただきました。今後、県産品の魅力を発信していく際のいい材料ができたと考えてございます。  来年度は、今年度の取り組みをさらに発展させまして、全国へ向けて県産品の質の高さを広く伝え、そして味わってもらう、そういったことで食べてみたい、あるいは買いたいといった行動の喚起につなげていきたいというふうに思っております。  いずれにしましても、JA等関係機関・団体と一体となって、生産者がつくった高品質な県産農産物が消費者から選ばれて、そして、そのことによって市場での有利販売につながりますように、引き続き販売促進対策にしっかりと取り組んでまいります。  最後に、ブラック企業、ブラックバイト問題についてのうち、県の対応についてのお尋ねがございました。  いわゆるブラック企業、ブラックバイトの問題につきましては、国において、長時間の過重労働や残業賃金不払いなどが疑われる企業への監督指導や、無料電話相談が実施されてございますほか、主なハローワーク、佐賀ではハローワーク佐賀でございますけれども、若者の雇用に関する苦情相談窓口というものが開設されておりまして、相談対応をされてございます。  この問題に関しましては、労働基準法に定める指導監督等は国の事務ということになってございまして、労働局で行われているところではございますが、そういったことで県には直接権限はないわけでございますけれども、先ほど知事の答弁にもあったように、ブラック企業、ブラックバイトの問題への対応につきましては、県としても重要なことだと考えてございます。  これまで県といたしましては、庁内に設置している佐賀県中小企業労働相談所の窓口に過重労働等の労働相談があった場合や、あるいは若年者の就職支援窓口でありますジョブカフェSAGAでの就職相談の中で、違法な就業の相談があった場合には、企業への直接の指導監督権限を持つ労働局へ情報提供を行うなどの連携を図ってきたところでございます。  また県では、高校生が卒業後、就職する、あるいは進学後、アルバイトをする際に知っておくべき労働に関するルールなどを身につけておくことや、就職してから万が一のトラブルを防ぐことを目的として、「ワークルールブック」というものを今年度初めて作成しました。昨年十一月に県下全高校の二年生、約八千七百名に対し、全員に配布したところでございます。  この中で、ブラック企業、あるいはブラックバイトに関するものとして、例えば、労働条件が違った場合の対応の方法でありますとか、若者を使い捨てにする企業についての注意喚起だったり、あるいは困ったときの相談先の一覧、そういったものを掲載するなど、具体的事例を交えたQ&A方式で解説して、働く際に労働条件を確認すること、あるいは一人で悩まずに相談することの大切さについて周知を図ることとしたところでございます。  この「ワークルールブック」につきましては、今後、毎年作成、配布することとしてございまして、その際、先ほど知事から答弁のあった若者雇用促進法に基づく制度の周知といったものも含めて、内容の充実に努めることとしてございます。  県としましては、今後とも、国の労働局等の関係機関とも協力しながら、こうした必要な情報の提供、あるいは若者を初めとして、働く人が活躍しやすい雇用環境を整えるための啓発活動などにしっかりと取り組んでまいります。  以上、お答えいたします。 24 ◎古賀生産振興部長 登壇=私からは、TPPと佐賀農業についてのお尋ねのうち、三点についてお答えいたします。  まず、農作物の所得補償制度についてでございます。  農作物の価格、あるいは収益につきましては、その時々の天候や豊凶、あるいは景気などの環境に左右されやすいことから、農家経営の安定のため、国が各品目に応じた経営安定対策や価格安定制度を実施しているところでございます。  具体的には、まず経営安定対策といたしましては、米、麦、大豆につきましては、経営に着目したセーフティーネットといたしまして、農業収入全体を対象に販売収入額の合計が標準的収入額を下回った場合にその差額相当として収入減少影響緩和交付金などが交付されます経営所得安定対策が実施されております。  また、肉用牛や養豚につきましては、販売収入が生産コストを下回った場合に、差額分に相当する補填金を交付する肉用牛肥育経営安定特別対策事業や養豚経営安定対策事業、いわゆる畜産の世界ではマルキン事業と呼ばれている事業が実施されているところでございます。  また、農作物の価格安定制度として、タマネギ、キュウリ、キャベツなどの野菜や肥育素牛などにつきましては、市場での取引価格が基準価格を下回った場合に差額相当を補填されます野菜価格安定対策事業や、肉用子牛生産者補給金制度などがございます。  さらには、自然災害等による農作物の減収に対して、対象品目ごとに共済金が支払われております農業共済制度も、農家の経営安定対策の一つとして重要な役割を担っているところでございます。  こうしたことに加えまして、国では、平成二十六年度から全ての農作物を対象として、農業経営全体の収入に着目し、価格低下を含めた収入減少を補填する収入保険制度の導入に向けた検討を開始されているところでございます。  県といたしましては、農家の経営安定のための既存制度の加入促進に努めているところであり、現在、国で検討が進められているこの収入保険制度につきましては、その検討状況を注視しながら、必要に応じて国に対し、意見を申し上げていきたいと考えているところでございます。  次に、新規就農に係る現状、課題とその対策についてお答えいたします。
     まず、新規就農者の推移でございますが、最近五年間を見てまいりますと、平成二十三年が百五十一人、平成二十四年が百八十六人、平成二十五年が百六十七人、平成二十六年が百八十三人、平成二十七年が百三十五人となっておりまして、五年平均をいたしますと、年百六十人程度が新規就農者となっております。  次に、就農時の課題といたしましては、栽培技術の習得はもちろんでございますが、機械施設などの初期投資が必要なこと、さらには就農後、安定的な所得を上げるまでに一定の期間がかかること、こういったことが課題と考えております。  今後の対応でございますが、こうした課題に対応するため、県では、栽培技術習得のための農業改良普及センターによります個別指導や、農業団体と連携した研修会の開催などを行いますとともに、園芸ハウスや高性能機械等の整備に対する支援、さらには、これは国の制度でございますが、経営開始してから五年間にわたって青年就農給付金、これは最大で年百五十万円交付をされておりますが、これの交付といったことを行っているところでございます。  今後とも、市町、農業団体、地域の農業者等と連携をしながら、新規就農を目指す方が安心して農業に取り組めるよう対応してまいります。  次に、大雪による農作物被害の対応についてお尋ねをいただきました。  現時点における農作物の被害といたしましては、議員からお話がございましたように、ビワなどの品目について被害が出ているところでございます。  さらに、今後はタマネギなどの露地野菜においても、積雪の影響により生育のおくれや、葉の傷みなどによって病害の発生などが心配をされているところでございます。  こうしたことから、県では直ちに大雪、低温に伴います技術対策情報の発信を数度ときめ細かく行いますとともに、JAなどと連携をいたしまして、生産者の皆様に対し注意喚起を行い、病気の発生に対応した予防散布の徹底など被災後の技術対策の指導を強化し、被害の軽減に努めている状況でございます。  また、被災された農家に対しましては、経営再建に支障を来さないように、気象災害に対応できる農林漁業セーフティーネット資金などの低金利の長期運転資金などの制度資金がございますので、そういった活用に向けて、被災農家の方々からの相談につきまして丁寧に対応していきたいと考えているところでございます。  また、今回の被害に際しまして、国に対して被災農家の支援策について要請をしてきたところでございます。つい先日でございますが、国におきましては、被害作物の維持回復や、作物生産の再開に向けた資材の共同購入、被災を契機に高収益な作物等への転換を図るために必要な資材の導入、これはハウスあたりを想定されておりますが、こういった支援策を内容といたします大雪等被害産地営農再開支援対策が緊急に実施されるということが決定をされております。  先ほど納所ビワの被害につきまして、るるお話をいただいておりますけれども、私ももちろん存じておりますが、国の大雪等被害産地営農再開支援対策の活用について、今、JAを通じて現地にお話をしているところでございます。  例えば、被害果の残渣等の撤去、取らなければならないものですから、そういった残渣の撤去でございますとか、来年に向けて樹勢回復を図るということで、それに必要な肥料などの資材への活用が可能と考えておりますので、こういった活用についてJAを通じて働きかけを行っております。さらには普及センターなどによりまして、技術指導の強化も図っていきたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、こうした国の事業の活用を含めまして、市町やJAなど関係団体と協力をいたしまして、今回の雪の被害において被災農家の方々の営農意欲が減退しないように、しっかりと対応していきたいと考えているところでございます。  以上、お答えいたします。 25 ◎古谷教育長 登壇=私からは、十八歳選挙権と投票率の向上についてのお尋ねのうち、十八歳選挙権について三点お答え申し上げます。  まず、文部科学省が昨年十月に出しました通知を受けた県教育委員会の取り組みについてでございます。  まず、文部科学省からは平成二十七年十月二十九日付で「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」の通知が発出をされました。この通知に沿いまして、学校における政治的中立性を確保するとともに、主権者教育の充実を図るため、県立学校長会において法改正の趣旨などについて説明し、周知をいたしました。さらに、管理職及び教員対象の主権者教育研修会を開催いたしまして、通知の趣旨と具体的な主権者教育の進め方などについて周知をいたしております。  また、国の副教材「私たちが拓く日本の未来」の作成の狙い、概要や活用などについて説明し、学校における指導の徹底を図ることなどにも取り組んでまいりました。  また、県立高等学校の中には選挙の意義や選挙制度などについて、選挙管理委員会の出前講座を実施したところもございます。  今後も授業のあり方を研究し、その成果を発表するために公開授業を行うこと、あるいは弁護士などの外部講師によります講演や教員の実践事例報告などの研修会、さらには県市町選挙管理委員会との連携を深め、継続して選挙管理委員会による講演や模擬選挙などを学校に推奨していくことなどに取り組みまして、各学校における主権者教育が充実してまいりますよう、学校を指導、支援してまいります。  次に、高校生の政治的活動等の届け出制についてでございます。  十八歳以上の高等学校等の生徒は、有権者として選挙権を有し、また選挙運動を行うことなどが認められることとなりました。今後は高等学校などの生徒が、国家、社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待されております。  また、先ほど申し上げました文部科学省の通知におきましては、放課後や休日などの学校の構外で行われる政治的活動などは、家庭の理解のもと生徒が判断し、行うものであることとされております。  他方で、違法なもの、暴力的なもの、違法もしくは暴力的な政治的活動等になるおそれが高いものと認められる場合には、高等学校等はこれを制限または禁止することが必要であるとされております。  また、学校教育の円滑な実施に支障があると認められる場合には、高等学校等は生徒の政治的活動などにつきまして必要かつ合理的な範囲内で制限、または禁止することを含め、適切に指導を行うことが求められております。  県教育委員会といたしましては、文部科学省の通知やQ&Aなどを踏まえまして、学校の構外における生徒の政治的活動等について各高等学校などがどう対応していくべきか、お尋ねにありました届け出制が必要なものか、それとも必要ないのか、そういった議論も含めて、現在検討しているところでございます。  次に、教育の政治的中立性についてでございます。  学校は教育基本法第十四条第二項に基づき、政治的中立性を確保することが求められており、政治的な介入などによって、その中立性が損なわれることはあってはならないと認識をしております。  また、指導に当たりましては、文部科学省からの通知や国が作成した副教材などに基づきまして、公正かつ中立な立場で指導をすること。現実の具体的な政治的事象の指導におきましては、さまざまな見解を提示し、過程を重視した授業を行うこと。一つの結論を出すよりも、結論に至るまでの冷静で理性的な議論の過程が重要であることを生徒に理解させることなどに留意するよう、教員に対して研修会等で指導してまいります。  いずれにしても、生徒が有権者としてみずからの判断で選挙権などを行使できますよう、教育の政治的中立性の確保を図ってまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 26 ◎大川選挙管理委員長 登壇=選挙管理委員長の大川でございます。  私のほうからは、十八歳選挙権と投票率の向上について、選挙管理委員会のほうにお尋ねのありました件につきまして答弁を申し上げます。  まず、十八歳選挙権についての県の選挙管理委員会の対応についてでございます。  井上議員御指摘のとおり、夏の参議院議員通常選挙から選挙権年齢の十八歳以上への引き下げが予定されており、大きな選挙制度改正として注目を集めているところでございます。  県の選挙管理委員会といたしましても、新たに選挙権を得ることになる十八歳、十九歳の方に向けた周知啓発が重要であると考えております。  今回の法改正に伴い、これまで県選挙管理委員会では、昨年十二月に県教育委員会が開催した高校等の教員向けの主権者教育研修会への講師派遣、高校や特別支援学校など九校での選挙出前授業、総務省作成の十八歳選挙権を周知するポスター、リーフレットの高校等への配布などに取り組んでまいりました。  また、二月に開催いたしました県内市町の選挙管理委員会委員長・明るい選挙推進協議会会長合同会議におきまして、これまでの選挙啓発に加えて、十八歳選挙権への対応に県と市町が取り組んでいくことを確認したところであり、参議院議員通常選挙に向けて引き続き連携を強化していくこととしております。  次に、投票率の向上について、これまで選挙管理委員会で取り組んできたことについて申し述べます。  これまで県選挙管理委員会ではさまざまな手法を用いて選挙啓発を行ってきたところであります。  従来より実施しているものといたしましては、小・中・高校生を対象とした「明るい選挙啓発ポスターコンクール」、人通りの多いショッピングセンターなどでウエットティッシュやマスク、うちわなど、受け取ってもらいやすい選挙啓発グッズを配布し、投票を呼びかける街頭PRなどをいたしました。  また近年、若年層への効果的な啓発や政治への関心の向上を意識いたしまして、中学校、高校の生徒会役員選挙で使用される物品の交付、貸与や、選挙出前授業を行う学校選挙支援事業、県のホームページやフェイスブックを活用したPRなどを行っており、随時、必要に応じて新たな手法を導入しているところであります。  次に、今後の取り組みについてですが、今後は参議院議員通常選挙に向けて、二十歳以上の方のみならず、新たに選挙権を得る十八歳、十九歳の方が多くいる学校への働きかけを強化していきたいと考えております。県内の大学、短大等の関係機関との協力を得ながら、キャンパス内での選挙啓発グッズの配布や、選挙に関するお知らせの掲示などを行うとともに、市町の選挙管理委員会とも連携して、新たな啓発活動を行ってまいりたいと考えております。  また、全国的に取り組みが始まっております学校内での期日前投票所の設置につきましては、その権限を有する各市町の選挙管理委員会に対し、情報提供や助言を行ってきたところでありますが、今後とも設置に向けた支援を継続してまいりたいと考えております。  なお、高校におきましては、教育委員会や学校により、主権者教育などの充実が図られることになっておりますが、県選挙管理委員会といたしましても積極的に連携をとってまいりたいと考えております。  以上でございます。どうもありがとうございました。 27 ◎井上祐輔君 登壇=再質問をしてまいります。  まず、オスプレイ配備等についての問題ですが、知事は先ほど公害防止協定の問題について状況を見守っていきたいというふうに答弁をされました。この公害防止協定、またオスプレイの配備等については、地元住民の皆さんの意見、これは本当に重要な意見であると私自身考えています。  この地元住民の方々ですが、川副町では「佐賀空港への自衛隊オスプレイ等配備反対地域住民の会」が地元住民の思いによってつくられています。住民の会では、この間、オスプレイの問題を考えるという中立的な立場の会から、ハワイでのオスプレイ墜落事故を受けて、このオスプレイ配備を反対する、こういった決議が上げられる中で、明確な反対の意思を表明される、こういった組織へと今変わってきています。  私は、今、地域に住むこういった住民の人たち、この人たち自身が一番の当事者であり、意見に耳を傾ける、こういった相手ではないかというふうに思いますが、知事はどういうふうに思われるでしょうか。  山口知事の「佐賀のことは佐賀で決める」、私はこの知事の言葉にどれだけの県民が期待を抱いたことかと思います。この言葉を実行するべく、山口知事には県民のお一人お一人の声に心から耳を傾けていっていただきたい。また、そういった県民の意見を聞く場所、こういった場を設ける必要があると思いますが、知事はどのように考えておられるのかお尋ねをします。  次に、TPPと佐賀農業に関して、大雪被害について質問させていただきました。知事にも納所ビワについてぜひ対応していきたいというふうな答弁もいただきましたが、この大雪被害について、私自身、ハウスの被害調査に行ってまいりました。そうすると、厳木町、山の頂上付近には星領という地域がありますが、そこを越えると、浜玉町になって、鳥巣という地域があります。この地域でもハウスの倒壊が起きて、実際、ハウス倒壊された生産者の方に声を伺いました。  そこでは、驚いたことに、話を聞いていくと、そこの地域は約三十戸ぐらい生産者農家があり、そのほとんどの農家で後継者がいるというふうな話をされました。さらに、そのハウスの倒壊についても、もちろん落ち込んでいられると思いますが、次の農作物をつくるために早く撤去をして、新しいハウスを建てたいと、農産物をつくることが楽しくて仕方がないんだ、だから、後継者もそうやってできていくんじゃないのかと、そういったことも明るくお話をされていました。  私は、先ほどの納所地域、またこの鳥巣地域、二つの地域を見たときに、何が違うのかなというふうに考えました。納所地域ではこういった被害において今後農業を続けるかどうか、そういった心配の中で、先ほどもセーフティーネット資金など新しく融資を受け、対策をするなどのお話もされましたが、そういったこと自体にもなかなか前に進めないような状況がある中で、一方は早くハウスを撤去して、次の生産をやっていきたいと、こういった地域もあるわけです。  私はその二つの地域を見て、やはりそれを支える安定した所得がある、このことが重要なのではないかというふうに感じました。その点について、やはり農業をされている方々の安定した所得の確保、こういったことが重要になってくるというふうに思いますが、また、今後の佐賀県内のさまざまな地域の存続を考える上で、こういった鳥巣地域のような地域、これを佐賀県内さまざまなところに広げていく、こういった取り組みも必要かと思いますが、県の考え方、この二点について再質問をして、時間が来ますので、終わりにさせていただきます。 28 ◎山口知事 登壇=井上議員の再質問にお答えしたいと思います。  私も県民の意見に耳を傾けるということは大切だと思いますし、私の政治信条でございます。できるだけ多くの方々の意見に耳を傾けてまいりたいと思います。  現時点においては、現在、中谷防衛大臣から説明のありました計画の全体像、将来像を精査中だということでありまして、そのやりとりについても、しっかりと公開をさせていただきながら、さまざまな皆さん方の議論を求めているところだということでございます。  私からは以上でございます。 29 ◎古賀生産振興部長 登壇=再質問にお答えいたします。  今、大雪被害ということに絡んで、納所地区と鳥巣地区の違いというか、そういった御紹介もいただきましたが、やはり何といっても新規就農者が、後継者が育っていくことに大事なことは、とにかく所得がきちっと上がるということだと思っております。  そういう意味で、今度私どもの振興計画二〇一五におきましても、稼げる農業というのを一つのテーマとして今回打ち出したところでございまして、ハウスを中心に、それから園芸作物、こういったものは、かなりまだまだ伸びる余地十分あると思っておりますので、そういう園芸の振興、さらには畜産の振興なども含めて、稼げる農業をしっかり展開していきたいと。そういう中で、後継者が安定して就農できるような環境をきちんと整えていきたいと考えているところでございます。  あわせまして、そのためには安定した所得が必要だということでお話しいただきましたが、これは先ほど御答弁を申し上げましたように、現在、国で収入保険制度の導入の検討が始まっております。収入保険制度がある程度きちっと制度として導入されていけば、今までいろんな制度で品目ごととか価格安定対策とかでそれぞれ行われてきたものが、個々の農業経営全体の収入に着目した制度になるだろうということを、今想定をしておりますので、そういう収入保険制度が定着をしていけば、安定した所得ということもきちっと計算できるような農業が一つはできていくんだろうと思っておりますので、そういう収入保険制度について、先ほども御答弁申し上げましたが、その検討状況をしっかり注視しながら、必要に応じて国に意見を申し上げていきたいというふうに考えているところでございます。  以上、御答弁申し上げます。 30 ◎野田勝人君(拍手)登壇=県民ネットワーク、現場の声を大切に、現場主義の野田勝人でございます。議長より登壇の許可をいただきました。  質問に入ります前に、私のライフワークの一つに青少年育成、これに長年携わらせていただいております。その子供たちにしっかりと寄り添うときに、常日ごろ本当に思うことがございます。それが子供たちの体験不足でございます。  昨年、九月議会で子供の体験の場がなくなってきていること、そして、子供のころの体験の大切さ、並びに子供の体験に対する大人の理解、これなどを訴えさせていただきました。  このたび、二十八年度事業で早速、「佐賀の子どもたち『五感』を引き出す体験事業」として取り組んでいただきました。山口知事に改めてお礼申し上げます。ありがとうございます。  さて、それでは本日、四項目の質問をさせていただきます。  まず第一問目です。今回の大雪時の対応、これに関して質問をさせていただきます。  本県では、一月二十四日から二十五日にかけて、数十年に一度と言われる記録的な寒波が襲来し、本県基幹産業である農作物やその設備なども一億五千万円を超す甚大な被害に見舞われました。先ほど井上議員が取り上げていただきました、私の地元納所地区の特産ビワに至りましては、ほぼ九割を超す大きな壊滅的被害が出ております。実物を持ってきていただきましてありがとうございました。  昨年、納所のビワに関しましては、花が開くときの雨の被害、そしてカラスの被害、ことしは凍害の被害、二年連続の大きな被害を被った地域でございます。先ほど知事並びに関係部長さんからの対応に関して答弁がございました。私もしっかりと関係機関、そしてJAさん、生産者の方と一元化のもと、携わっていきたいと思っております。そして、この想定外の積雪と寒波による一連の被害にお遭いになった皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  さて、この大雪は、道路が通行どめになったり、交通事故が表に出ただけでも百七十九件、JRがとまったり、あるいは駅や列車内で宿泊なさったり、乱れは三日間続いたと報道されております。水道も約三万二千六百余りの断水がございました。二十の市町で学校が休みになったり、あるいは県民の方におかれましても、重体二名を含むけが人が四十九名出たという報道もあっております。各地で県民生活に大きな被害を及ぼす事態となりました。  我が多久市においては、県中央の盆地という地形から、冷え込み、積雪は平地でも三十センチを超し、山間部では五十五センチを超えるパウダー状の雪に覆われ、国道、県道、市道においてはアイスバーン化していきました。多くの市民が家の周りの除雪に取りかかったのは、何と四日後の二十七日水曜日からであります。除雪するグレーダーさえスリップし、山間部中腹で引き返さざるを得ない状況さえ起こった次第です。  そのような状況の中、標高四百メートルを超すような山間部集落となれば、地域的にも高齢者が多く、五十五センチ超えの積雪に、健康や緊急時などの万が一の状態が発生した場合どうするのか。必死の訴えが幾度となく入る状態でありました。この場合、動かずにじっとしておいてください、予算がちょっとありません、何の説得力もないことを強く感じた次第であります。孤島という概念と不安をどうにかして取り除きたい、生命と財産を守る防災という観点から、万感の思いが沸き上がってまいりました。  現在、大雨については以前から対策が練られていると思います。今回の想定外での大雪など対応については、市町への支援も含め、十分な体制がとられていないのではないかと強く感じた次第であります。  今日、全国的に異常気象による災害が発生する中、同様の大雪が今後も発生しないとは言えないと思います。また、大雪に限らずとも、こういった想定外の事象から得られた教訓を生かし、新たな観点に立ち、備えを行っておく必要があると思っています。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  一つ目、事前対策についてであります。  気象台から記録的な寒気により大雪になるとの事前の情報があっておりました。何よりも初動の準備と対応が大切と感じますが、県として大雪に対する事前の対策はどうしたのかお伺いいたします。  二つ目です。大雪で得られた教訓についてであります。  実際に大雪が降り想定外の事態も発生したと思いますが、その内容と、今回の大雪で得られた教訓、あるいは県内の市町からのいろんな情報、こういったものには一体どういったものがあったかお尋ねいたします。  三つ目です。今後の対応についてであります。  今回の大雪の教訓を踏まえ、防災という観点から、諸方面に対する対応、市町の応援など、今後県民の安全・安心にどう対応していくのかお伺いいたします。  これに対しましては、本当に小さな項目もございます。今のところ次の委員会でも質問を予定させていただいている次第でございます。  続きまして、大きな二番目です。介護保険制度改正への対応についてお尋ねいたします。  高齢化が急速に進む中、近年、介護も過渡期を迎えました。団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を見据え、介護が必要な高齢者も住みなれた地域で生活できるよう、国においては地域包括ケアシステムの構築を一つの目的として、平成二十六年に介護保険制度の大幅な改正が行われました。  この改正では、要支援者への訪問介護と通所介護が、全国一律の給付サービスから外れ、市町村が行う地域支援事業へ移行し、従来の介護予防事業を多様化して新しい総合事業を実施することや、包括的支援事業を拡充して、新たに在宅医療・介護連携の推進、認知症施策の推進、生活支援体制を整備するための協議体の設置などを行うこととされております。  これはメリットとして、比較的軽い要支援者は介護保険以外の多彩なサービスを利用する場合が多く、市町村サービスを活用したほうが実態に合ったサービスが提供できる。もう一つ、市町村が実施することでボランティアなどの資源も多く取り入れることができる。地域の特色を生かして、より自立に向けた取り組みが期待できるとあります。  反面、デメリットは、市町村事業で移行した場合、市町村格差が心配されているところです。軽度の段階で必要なサービスを受けられないことで、かえって進行し重度化することが懸念されております。もう一つ、必要なショートステイやデイサービスを使うことができなくなり、困る利用者が出るとも言われております。  こういったことから、この改正により、この事業では平成二十七年度から取り組むことができますが、市町村の準備期間を考慮して、新しい総合事業は平成二十九年度から、包括的支援事業の拡充は平成三十年度から、全ての市町村で実施することとされていると伺っております。  ところが、この二十七年からの移行期間において、厚生労働省が昨年の十月に全国市町村の介護保険制度改正への対応状況を公表した資料によりますと、平成二十七年度中に新しい総合事業、生活支援体制整備事業への取り組み状況は、佐賀の場合、いずれの事業とも、全国でも数少ない実施実績ゼロという異例と言える状況と伺っております。  県内の市町の取り組みがおくれているため、介護サービス事業者からは、これからどう変わっていくのか、また、どう準備を進めればよいのか、先が見えないことへの不安の声が高まっております。反面、取り組まれた全国の中でも、大分県などにおきましては、総合支援事業での成果事例が発表される中、要介護認定率、給付費、保険料の上昇抑制につながったとの報告もあります。  これらのことから、要支援者への訪問介護及び通所介護サービスの地域支援事業への移行について、県は市町が来年の平成二十九年四月までに円滑に実施できるよう支援を行っていく必要があると考えております。厚生労働省も、都道府県において市町村へ総合支援事業の早期実施への協力を要請しているところです。この全体の状況を鑑み、業界や利用者を初め、出おくれに対する懸念が心配されているところであります。その出おくれのしわ寄せが利用者やその家族に決してあってはならないことと思います。  そこで、次の点について健康福祉本部長にお伺いいたします。  一つ目、県内市町の取り組み状況について二点お尋ねいたします。  その一です。介護予防訪問介護及び通所介護サービスの地域支援事業への移行について、市町の取り組み状況はどうなっているのかお尋ねいたします。  その二です。介護予防訪問介護及び通所介護サービスを地域支援事業へ移行するに当たり、多様な事業主体による重層的な生活支援・介護予防サービスの提供体制を構築することが必要でありますが、平成二十八年四月から生活支援体制整備事業を始める市町はどれくらいあるのかお伺いいたします。  介護に対して大きな質問二番目です。これまでの県の取り組みについてお尋ねです。  平成二十六年に制度改正された介護予防給付の地域支援事業への移行等については、市町が来年平成二十九年四月までに円滑に実施できるよう、県はこれまでどのような取り組みを市町に対し行ってきたのかお伺いいたします。
     三つ目です。今後の県の取り組みについてであります。  平成二十六年に制度が改正された介護予防給付の地域支援事業への移行については、サービスの充実が求められている中、市町間でサービスに格差が出てこないか心配されているところです。  重要なことは、地域支援事業へ移行できたことがゴールではなく、地域包括システムにおいて、住民が住みなれた地域で、自分らしく人生の最後まで暮らし続けることのできるような地域、佐賀県の構築であります。必ずや早期実現しなければならないと思っております。  県は今後、市町のサービスが充実するようどのように取り組まれるのかお尋ねいたします。  大きな質問の三番目であります。いじめ防止対策についてお伺いいたします。  私自身、地元の高校において「学校いじめ・体罰等対策委員会」にかかわっていることもあり、いじめ問題にはかねてより強い関心を持っているところです。いじめの定義としても、昭和六十一年、平成六年、平成十八年、平成二十五年と変わる頻度は、いじめに対する手だての厚さを感じさせているところであります。  現在では、「いじめ」とは、学校の内外を問わず、「『児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。』とする。」とあります。  現状として、ある調査によりますと、子供の八割以上が三年間のうちに何らかの被害体験があり、そしてまた、同じく八割以上の子供が、逆に加害者として加害体験を持つという統計もあるそうであります。このことは、私も昔、中学校で学校役員をしている中で、特定の子供やごく一部の子供が被害者になる、または加害者になるのではなく、あるときは被害者であった生徒が、あるときには加害者のグループにいたという複雑な現象に実際に出会ったことがあります。  こうした複雑で、かつ煩雑化していくいじめ問題でありますが、日々、対応なさっていらっしゃる学校現場の先生方の大変さも十分察することができます。昔は「おまえが悪い、ごつん」で済んでいたものが、今では一週間言い聞かせたり、各指導していかないといけないことも多々あり、特に大変と伺っております。  そのような中、文科省より去る平成二十七年十月、「『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』における『いじめ』に関する調査結果について」が公表されました。  これは毎年公表されておりますが、本県は全国と比較すると極めて少ない優秀な件数であり、また全国的に見れば都道府県によって件数の差が大きく、いじめとしての捉え方、認識や対応に違いが生じているのではないかと懸念しているところであります。例えば、いじめはないほうがよいと目標をゼロにトップが掲げると統計はゼロに近づき、子供に寄り添い、どんなことでも早期発見と唱えれば件数はふえるとのことであります。  このようにいじめ問題については件数としての数字がクローズアップされがちでありますが、いじめ防止に向けた積極的な姿勢や効果的な取り組みが最も大切であると考えております。さらに、いじめを起こさない環境づくりに向けて、学校だけではなく、地域を巻き込む、県全体で真剣に取り組むことを願うところであります。  県では既にいじめの未然防止や早期発見などの観点から、アンケート調査やスクールカウンセラーの活用など、さまざまな取り組みを行っていると伺っております。前途洋々な児童生徒の健やかな成長を願うためにも、いじめのない、安心して安全な学校生活を送れるよう、佐賀県ならではの環境整備を切にお願いするところであります。  そこで、教育長に次の点をお伺いいたします。  一、いじめの認知件数についてであります。  昨年度、本県公立学校の認知件数は千人当たり二・七件とトップクラスであり、公立、私立の全国平均十三・七件と比較して非常に低いと報告があっております。しかしながら、そのやさき、折しも新聞などで「いじめ事案の報告怠る」などの報道がなされますと、二・七人とトップクラスの低さの報道に疑問も持ちたくなります。この昨年度の結果に対しての教育長の認識をお伺いいたします。  二番目です。いじめの防止対策の取り組みについてであります。  多様な業務を抱える教職員にはいじめの対応に限界があり、また月一、二回のスクールカウンセラーなど、専門家の配置のさらなる充実、早期発見、早期対応を図るため、アンケート調査の工夫など、いじめ防止対策の改善や充実も必要と考えております。アンケート調査の工夫といいますのは、教室の中でアンケートを書きますと、本当に書きたい子供は長い時間がかかります。そういった長い時間はやっぱり子供たちが敏感に感じ取り、あの子、何を書いとるだろうかというような視線が集まり、なかなか実際のアンケートになっていないんじゃないかというような現場の声もございました。そういったアンケート調査の工夫など、いじめ防止対策の改善や充実も必要であると考えております。  また、地域有志の方やPTA関係者による朝の挨拶や、放課後の校内巡視による子供たちへの声かけなど、コミュニティー資源の活用も効果的と考えているところであります。  そこで、いじめの未然防止や早期発見、早期対応についてどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。  三番目です。いじめ防止対策に対する姿勢についてお尋ねいたします。  「先生に言うけんね」。以前は女子生徒でさえ正義感を持ち、男子生徒に立ち向かう光景がありました。今は、「チクる」という言葉が正義感を持った子の言動を阻んでいるように感じております。いろいろな活動で校内で子供たちに寄り添っておりますと、多彩な内容でアプローチしてくれます。これが、本来子供たちが持っている姿であります。伸び伸びと育ち、将来に備えて、知識はもちろん、生き抜く知恵、力を身につけていくためにも、早期発見の環境づくりはとても大切なことで、大人の義務だと思っております。  最後に、いじめ防止対策に対する教育長の姿勢についてお伺いいたします。  四番目、最後の質問になります。重粒子線がん治療の普及についてお伺いいたします。  がんに対しては、午前中、宮原議員さんより佐賀県の現状や女性特有のがん対策などについて質問がございました。私は、重粒子線がん治療の普及、いわゆる効果についてお尋ねしたいと思っております。  日本人の二人に一人ががんにかかる時代と言われ、さらに今後もがん患者数はふえていくものと予想されています。その一方で、がん治療やがん検診の技術が進み、手術だけではなく、さまざまな治療法の中から、みずからがんの治療法を選択して治すことができる時代となってまいりました。  こうした中、現在、日本には粒子線がん治療施設が約十四カ所ほどあり、治療施設数においては世界で一番多い国であります。重粒子線がん治療については、治療患者数、治療成績の観点から、世界の最先端の施設であるとも伺っているところであります。  佐賀県では、先端的ながん治療施設を設置するプロジェクトに産学官一体で取り組み、九州で初めて、民間が運営する施設としては全国初となる重粒子線によるがん治療施設サガハイマットを立ち上げられ、現在、開設から三年目を迎えているところであります。  重粒子線治療は、外科手術と比べ、治療時や予後、手術などの回復の見込みにおいて体に優しい治療法であり、また従来の放射線治療に比べ、がん細胞を攻撃する力が強く、また病巣の周りの正常組織への影響を最小限に抑えて照射することができるため治療の効果が高く、また副作用の少ない治療法で、治療の対象となる部位のがん患者さんにとってはまさに夢の治療法と言うことができます。  その一方で、治療に多額の費用を要することから、県ではこれまで公的医療保険の対象とするよう国に対して働きかけを行うとともに、県民に対しては、生命保険会社と連携協定を結び、重粒子線治療を初め、高度化する医療費の負担増に備えることを含めて、がん検診、生活習慣改善等のがん対策啓発を進められてきました。こうした取り組みの結果、平成二十八年四月からは、重粒子線治療の対象部位のうち、骨軟部腫瘍について公的医療保険が導入されることになったと聞いており、まずは部分的ではありますが、大きな第一歩として評価しております。  しかしながら、我々県民が引き続きがん保険、先進医療特約などで治療費をみずから備えていく必要があるのか判断する上で、前立腺がんや肝臓がん、肺がんなど、サガハイマットで治療実績を上げているその他のがんについてはどうなるのか。そして、特に治療成績については、実績として県民の重大で切実な関心事であり、できる限りこの実績について詳しく知りたい情報であります。  重粒子線治療は、日本で医療技術、医療機械とともに開発された技術であり、国の戦略としても世界に売り込みを図っていく技術として位置づけられており、期待されているところであります。  その一方で、我が国では欧米に比べ放射線治療の普及がおくれているとも言われております。今後、重粒子線がん治療のより一層の普及に引き続き取り組んでいくとともに、治療成績の説明についても、例えば、先行する施設の状況などを交えながら行うなど、創意工夫していく必要があるものと考えます。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  三点お尋ねしますが、まず一番目であります。公的医療保険の導入についてお尋ねです。  今回の先進医療会議における公的医療保険の導入の内容についてお示しください。また、今回の導入を受けての今後の県の取り組みについてもお伺いいたします。  二番目、重粒子線がん治療の治療成績についてお尋ねいたします。  重粒子線によるがん治療の成績はどのようになっているかお伺いいたします。  このことは、生命保険会社の営業活動により、県民の方にはずっと少しずつ、少しずつ、幅広く浸透していっている現状であります。まだその保険へ、じゃ、直接成約できるかといいますと、そこまではまだなかなか至っていないということですけれども、ハイマットの存在、そしてそれに対応する保険があるということに関しては県民の方も非常に関心をお持ちなんです。だからこそ、鳥栖の実績が知りたい、そこが県民の最も関心を寄せているところでもあり、具体的な内容をお伺いいたします。  三番目、重粒子線がん治療の普及に向けた取り組みについてお尋ねです。  サガハイマットが開設したことで、佐賀県民は重粒子線がん治療を受けられるようになりましたが、さらに重粒子線がん治療を普及していく必要があると思っております。さらなる普及に向けてどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。  以上で第一回目の質問を終わります。御回答のほどよろしくお願い申し上げます。(拍手) 31 ◎副議長(石倉秀郷君) 暫時休憩します。     午後三時三十分 休憩 平成二十八年三月二日(水) 午後四時 開議     出席議員    三十六名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三一番  竹 内 和 教     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三二番  石 井 秀 夫     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三三番  留 守 茂 幸     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三四番  石 丸   博     五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三五番  木 原 奉 文     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三六番  中 倉 政 義     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     三七番  石 倉 秀 郷     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     三八番  桃 崎 峰 人     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  川 崎 常 博     二七番  武 藤 明 美    一二番  定 松 一 生     二八番  稲 富 正 敏    一三番  八 谷 克 幸     二九番  徳 光 清 孝    一四番  米 倉 幸 久     三〇番  藤 木 卓一郎 欠席議員    なし 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          統 括 本 部 長    西  中     隆          くらし環境本部長     伊  藤     正          健康福祉本部長      船  津  定  見          農林水産商工本部長    石  橋  正  彦          県土づくり本部長     和  泉  惠  之          経営支援本部長      山  口  康  郎          文化・スポーツ部長    白  井     誠          国際・観光部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       古  賀  俊  光          交通政策部長       西  村     平          会 計 管 理 者    西  村  宏  之          公 安 委 員 長    香  月  道  生          警 察 本 部 長    今  林  寛  幸          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾          選挙管理委員長      大  川  正二郎 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       中  島  博  文          同    副事務局長          総務課長事務取扱     大  塚  武  司          議事調査課長       毛  利  明  彦          政務調査室長       白  濱  光四郎          総務課副課長       松  本  定  利          議事調査課副課長     篠  田  博  幸          議事調査課議事担当係長  山  口  義  徳          同   議事担当副主査  井  上  智  宏         ○ 開     議 32 ◎議長(中倉政義君) これより会議を開きます。
     休憩前に引き続き、一般質問を行います。  野田勝人君の質問に対する答弁から開始いたします。 33 ◎西中統括本部長 登壇=野田勝人議員の御質問にお答えをいたします。  私からは、大雪時の対応につきまして、三点御答弁申し上げます。  まず、一つ目の問いでございますが、事前の対策はどうしたのかというお尋ねがございました。  今回は、記録的な寒気が予測されておりましたので、危機感を持っておりました。このため、寒気が予測されました二日前の段階で、佐賀地方気象台に県庁に来てもらいまして、関係部局を集めた説明会を開催してもらいました。そして、これは市町のほうにも同時配信をいたしておりまして、今後の気象予測及び注意点などにつきまして、情報共有を行うとともに、最大限の警戒を払うように呼びかけたところでございます。  また、その他の具体的な対応といたしましては、まず、県ホームページで、これは県民向けでございますけれども、不要不急の外出の自粛でございますとか、食料や燃料の確保、それから、水道管の凍結の注意などについての呼びかけも行ってございました。  また、各土木事務所におきましては、積雪による交通障害に備えまして、除雪の機械や融雪剤を用意していたところでございます。  また、農業改良普及センターのほうにおきましては、農家に対しまして、作物ごとの技術対策の情報提供やこれに伴う指導、こういったものなどを行っていたところでございます。  さらに、大雪警報が発表されました一月二十四日、十時五分でございますが、災害情報連絡室を設置いたしまして、体制の強化を図りました。庁内の各部局はもとより、市町、警察、消防、それから自衛隊との間での情報の収集と共有、それと県民向けの広報などに当たったところでございます。  続きまして、今回の大雪で得られた教訓についてお答え申し上げます。  今回の大雪では、停電、断水、スリップ事故、列車の立ち往生、農業ハウスの倒壊など、さまざまな被害があったところでございます。  これほどの大雪は長く経験したことがないものでございまして、事前の対策を初めまして、県でも、また各市町におきましてもさまざまな教訓があったものと考えてございます。  特に、議員からも三万二千六百世帯ということで言及をいただきましたけれども、県民生活への影響が大きかった断水への対応についてでございますが、今後の教訓になったところでございます。  一つには、水道管の凍結防止の対処につきまして、具体的な、また丁寧な広報が必要であったということ、それから、今日的な課題ということでもございますけれども、今回、断水被害が拡大長期化した一因といたしまして、空き家の問題といったものも挙げられているところでございます。止水栓があいたままで空き家となっていると、そうなると、漏水していても報告が上がってこない、こういったことから、漏水箇所の特定と断水の復旧に時間を要することになったという状況がございました。  水道事業は、市町の事業でございますので、一義的には市町で考えていただくことではございますけれども、今回の大規模な断水を踏まえますと、空き家など、長期に家を不在とする場合の対応といったことも必要と認識したところでございます。  また一方で、地域の共助の重要性とかすばらしさといったものも再認識をしたところでございます。断水が発生したある集落では、地区の役員の方が車を持たない高齢者の世帯に水をお届けいただいたと。あるいは特急列車が立ち往生した有田駅では、SNSなどを通して、そういう状況を知られた地域住民の方々が、食べ物とか毛布などを届けられたといったように、地域の住民の方々がお互いに支え合う共助の精神を発揮されたという報道もなされております。日ごろから地域のつながりを大切にして、共助の力を高めておくことが重要であると再認識したところでございます。  この項の最後でございますけれども、今後の対応についてということでお尋ねがございました。  今回の経験を踏まえまして、まずは改めて自助、共助の重要性、それと、県、市町によります住民への呼びかけの徹底の必要性を再認識したところでございます。  災害対策というものは、まずは県民お一人お一人が災害に備えていただき、対処いただくこと、これが自助でございます。その上で地域住民がお互いに支え合うこと、これが共助でございますけれども、これが重要になってくるものと思います。このため、今後も引き続き市町と連携をいたしまして、県民お一人お一人の防災意識の向上と、地域におけます共助の力を高めるなどの地域防災力の向上というものをまず図っていくことが大切だと思っております。  それから、県民お一人お一人に災害に備えていただくためには、これは公助の一つでございますけれども、行政からの情報提供のあり方が重要になってまいります。想定される災害に対しまして、具体的にどのように備え、どう対処する必要があるのか、これをさまざまな手段を用い、丁寧に、そしてここが一番難しいところなんですけれども、わかりやすくお伝えするか、それを繰り返し、早目早目に広報を実施していきたいと思ってございます。  もちろん、この他の公助につきましても、今回、これだけの大雪になるとこういう影響が出るんだということを知ったということは、今後さまざまな災害対策を考える上で、非常に貴重な経験になったところでございます。  今回、現場で多くの職員が対応に当たってくれました。その場面におきましては、さまざまな経験をされたと思います。それを個々の職員、お一人お一人の暗黙知にとどめることなく、組織として共有できる形式知としていくことも大切なことかと思ってございます。  いずれにいたしましても、今回の大雪で得られました教訓を今後の災害対策に生かしてまいりたいと考えてございます。  以上、お答え申し上げます。 34 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私からは、介護保険制度の改正に関する御質問と、重粒子線がん治療に関する御質問について、合わせて六点お答えいたします。  まず、介護保険制度改正によりまして、要支援者に対する訪問介護及び通所介護サービスが、市町が実施する地域支援事業に移行することになるけれども、市町の取り組み上はどうかというお尋ねがございました。  要支援者に対する訪問介護及び通所介護サービスについては、県内市町の全てが、介護保険法の経過措置を適用し、条例の規定によりまして、議員御指摘のとおり、平成二十九年四月に地域支援事業へ移行することとされております。現在、市町及び介護保険者においては、現行サービスと地域支援事業移行後の新しい総合事業の比較検討や分析など、準備作業が行われているところでございます。  次に、地域支援事業への移行に当たり、その準備として、生活支援体制整備事業を行うことになっているけれども、その取り組み状況はどうかというお尋ねでございます。  生活支援コーディネーターなどの配置を行います生活支援体制整備事業につきましても、実施時期については、法律で経過措置が設けられておりまして、議員御指摘もありましたが、平成三十年四月以降は、全国全ての市町村において実施することとされております。  法律の経過措置を適用する場合は、保険者が条例で実施時期を定めることとされておりまして、県内におきましては、平成二十八年四月からこの生活支援体制整備事業を実施するとしているところは、保険者でいえば四つでありまして、市町の数で言うと十四となります。  しかしながら、生活支援体制整備事業につきましては、新しい総合事業を推進する観点から、地域の資源開発や多様な主体のネットワーク化などを図るために、先行して取り組むことが重要であるため、県内市町の取り組みはおくれている状況であるというふうに認識しております。  このため、取り組みのおくれている市町に早期の実施を促したところ、条例による実施の前に、準備行為として、既存の協議組織などを活用して、実質的に生活支援体制整備事業と同様の取り組みを行うこととされたことから、県内においては、平成二十八年四月、または平成二十八年度の早い時期から、全ての市町で事業に取り組むこととなったところであります。  次に、地域支援事業への移行に関しまして、これまで県はどのような取り組みを行ってきたのかという御質問でございます。  平成二十六年に制度改正された介護予防給付の地域支援事業への移行、生活支援体制整備事業の実施を推進するため、県では市町に対する助言のほか、国や佐賀県社会福祉協議会、民間団体でありますNPOのさわやか福祉財団と共同での説明会や意見交換会の開催、市町主催の勉強会への協力、先進自治体の取り組みの紹介、視察の調整や同行調査などを行いまして、市町が円滑に地域支援事業への移行などができるよう、必要な支援を行ってきたところでございます。  この項の最後、今後の県の取り組みについてお答えいたします。  介護予防給付の地域支援事業への移行等のうち、身体介護などの専門的なサービスに関しましては、地域支援事業に移行しても、引き続き訪問介護事業所や通所介護事業所による現行に相当するサービスが継続されるものと考えております。  また、それ以外の多様なサービスにつきましては、生活支援体制整備事業を推進していくことで徐々に拡大していくよう促していきたいと考えており、このためにこれまでの市町への支援を継続しながら、今後は特に取り組みのおくれている市町における勉強会の開催、既に事業を実施している自治体を招いての新しいサービスの基準や運用方法などの研修会など、全ての市町が円滑に取り組めるよう、必要な助言や支援を行ってまいります。  県の組織につきましても、健康福祉本部に地域包括ケア推進室を新たに設置しまして、体制を整備した上、生活支援体制の推進とか市町への支援の充実を図っていくこととしております。  いずれにいたしましても、地域包括ケアシステムの構築に向けて、市町が主体となる地域支援事業の充実強化が重要であることから、地域住民や関係事業者などの理解と協力が得られるよう、また、異なる地域性を有する各市町が一定のレベルで機能発揮できるよう、助言や援助、広域的な調整など、市町を最大限支援してまいります。  次に、重粒子線がん治療の普及に関する御質問のうち、まず、公的医療保険の導入についてお答えをいたします。  まず、その導入の内容でございます。  平成二十八年度の診療報酬改定に向けまして、先進医療会議を経まして、二月十日に中央社会保険医療協議会から厚生労働大臣宛てに答申が出され、切除非適応の骨軟部腫瘍に対する重粒子線治療について、保険導入することが適切とされたところでございます。  また、それ以外の適応症に対する重粒子線治療については、先進医療として継続することとされております。  今後は、答申に基づきまして、三月上旬に厚生労働大臣が決定告示の上、四月一日から施行される形になります。  次に、公的医療保険導入についての今後の県の取り組みについてお答えいたします。  これまで県では、重粒子線治療を望む多くの人が治療を受けられるよう、粒子線施設関係の自治体と連携協力をしながら、国に対しまして、公的医療保険の適用及び適用にならない部位の先進医療としての継続を強く要望してまいりました。今回の中医協の答申で実現したのは、要望の一部ではありますが、基本的に我々の要望の方向性に沿ったものであり、安堵しているところでございます。  今回、保険適用にならなかった部位につきましては、先進医療として継続実施されることになりますが、将来的な保険適用を見据えて、現在あります五つの重粒子線治療施設が連携をしまして、有効性や安全性などの観点で既存治療との比較検証が今後進められるというふうに聞いております。  県といたしましても、次回の平成三十年度の診療報酬改定において、重粒子線治療の保険適用部位がさらに拡大されるよう、引き続き国への働きかけなどの取り組みを関係自治体等と連携協力しながら進めていきたいと考えております。  次に、重粒子線がん治療の治療成績についてお答えいたします。  重粒子線がん治療につきましては、手術などの既存治療と同等以上の治療成績を上げていると。それとともに体にメスを入れないために、治療中や治療後の患者さんの生活の質を維持することができるというふうに言われております。  サガハイマットは平成二十五年八月に治療を始め、まだ二年半しか経過しておりませんで、治療成績につきましては一般的に治療後五年間で評価をするということにされているため、少なくともサガハイマットにつきましては五年以上たたないと、その治療成績を公表する段階には至らないわけですけれども、同じ重粒子線治療を行っております先行施設であります放射線医学総合研究所、これはもう二十年以上の治療の実績がございますが、この放射線医学総合研究所では論文などによりまして治療成績を公表しております。  これによりますと、まず、最も治療数の多い前立腺がんでは五年生存率が九四・九%、それから、五年の原病生存率と申しまして、これは死因を前立腺がんに限定した場合の生存率を原病生存率と申しますが、これが九八・四%でございます。特に症例の半数以上が高リスク群であることを考慮しますと、大変良好な成績との分析がなされているところであります。  また、副作用の軽減という面でも、一般的に手術と比較して、尿漏れなどの排尿障害が少ないというふうに言われております。また、従来のエックス線治療とも比較して、直腸の出血障害などの発生率が低くなると、すぐれた成績を残しているところであります。  次に、肺がんの末梢型I期非小細胞がん、これは気管支の細い部分にできるがんなんですけれども、これにつきましては五年の原病生存率が六二%から七六%となっております。問題となる副作用もなく、良好な治療成績が得られているところであります。  また、肝臓がんでは、手術との比較可能な症例、手術適応症例と申しますが、これで言いますと、五年生存率が六三%となっておりまして、これは手術による治療成績に匹敵するものということでございます。  私からは最後でございますが、重粒子線がん治療の普及に向けた取り組みについてお答えいたします。  これまで重粒子線がん治療施設は、遠く千葉県や兵庫県にしかなく、具体的な確たる証拠のものはないんですけども、県からは年に数人程度の県民しか治療を受けていらっしゃらなかったというふうに考えております。しかしながら、県内にサガハイマットが開設したことで、現在では年に約百人もの県民の方が重粒子線治療を受けることができるようになったところでありまして、県民への重粒子線治療の普及も進みつつあるというふうに考えております。  また県では、県民の方に重粒子線治療を受けやすくするため、各種の講演会やセミナーなどを活用した広報活動に積極的に取り組むとともに、重粒子線治療を含むがん先進医療の普及を目的とした治療費と利子補給を行いますがん先進医療受診環境づくり事業を開始しておりまして、県民への重粒子線がん治療の普及をさらに進めてまいりたいというふうに考えております。  また、重粒子線がん治療の普及という意味では、さきに答弁いたしました公的医療保険の適用が一つの大きな成果でございます。今後とも、粒子線施設が稼働中、または計画中の十五の県や市町で構成します全国粒子線治療促進協議会に参画いたしまして、粒子線治療の普及啓発と公的医療保険の適用拡大に向けた活動を推進していくこととしております。  さらに、佐賀県が中心的な役割を果たして平成二十二年一月に策定いたしましたこのプロジェクトの事業計画書、事業計画バージョン2.0でございますが、これでは県民への重粒子線治療の普及のほか、民間では日本初となる重粒子線がん治療施設を建設し、新たな事業モデルを構築して、治療施設そのものの普及にも貢献するという理念を掲げていたところでございますが、現在、大阪府内でサガハイマットの事業モデルを参考にして民間主体で開設準備が進められるなど、施設の普及の面でも一定の役割を果たしたところでございます。  今後とも、着実な治療実績を積み重ねることによりまして、重粒子線がん治療の普及を推進してまいります。  私からは以上でございます。 35 ◎古谷教育長 登壇=私からは、いじめ防止対策について三点お答えを申し上げます。  まず、いじめの認知件数について、佐賀県の状況、それから全国の状況を御紹介いただきました。どのように認識をしているのかというお尋ねでございましたけども、平成二十六年度の県内公立学校におきますいじめの認知件数は、学校種別で申しますと、小学校が百二十五件、中学校が八十一件、高等学校が四十九件、特別支援学校が二件、合計二百五十七件となっております。  議員御指摘のとおり、児童生徒千人当たりの認知件数は、佐賀県の場合二・七件というふうになっておりまして、全国平均と比較すると、少ない状況にはございますけども、実数でいきますと、二百件を超えるいじめの認知件数があるということについては大変重く受けとめなければならないというふうに考えております。  いじめの問題につきましては、認知件数が少ないからいいというものではなく、いじめが認知されないことで、被害、加害、双方の児童生徒への適切な支援や指導がなされないということがないように、学校がいじめと疑われる情報を覚知した段階から、組織として迅速、丁寧に対応し、いじめの認知があれば、被害児童生徒に寄り添った対応を行うことが重要だと思っております。  そのため、いじめを見逃すことなく、的確に対処できるように、全ての教職員がいじめの認知や、いじめに対する対応のあり方についての共通の認識を持って、いじめ問題への対応力の向上に努めていく必要があると考えております。  次に、このいじめ防止対策の取り組みについて、未然防止や早期発見、早期対応等について、どう取り組んでいくのかというお尋ねがございました。  県教育委員会では、これまで平成二十六年九月に策定をいたしました「佐賀県いじめ防止基本方針」に基づき、教職員の指導力、学校の組織的な対応力の向上を目的とした教職員研修会の開催や、実態把握のための年二回のいじめアンケート調査の実施、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどによる教育相談体制の充実、相談窓口として心のテレホン及びいじめホットラインの設置など、未然防止、早期発見・早期対応、再発防止の三つの柱を中心に取り組んでおります。  さらに今後は、学校現場の課題に即した実践的な演習などを取り入れた教職員研修や、児童生徒が悩みや不安を答えやすいいじめのアンケートの回答方式、あるいは内容を工夫するなど、いじめの防止に対する改善充実に努めてまいりたいと思っております。  また、議員からもお話ございましたように、この問題は学校だけではなかなか対応が困難な事案もございますことから、地域全体で子供を見守り、より多くの大人に児童生徒が悩みなどの相談ができるように、先ほど議員からはコミュニティー資源を活用してというお話ございましたけども、まさにPTAや学校運営協議会を初め、地域の青少年育成団体など、学校と保護者と地域、これが組織的に連携、協働する体制づくりというものを各学校に積極的に促してまいりたいと考えております。  続きまして、いじめ防止対策に対する私の姿勢ということでのお尋ねでございました。  いじめは人権の侵害であります。児童生徒の身体、人格を傷つけ、時として、死にも至らしめるものでございますから、絶対に許されない行為でございます。いじめから一人でも多くの子供を救うためには、いじめはどの子供にも、どの学校でも起こり得る、そういう基本認識のもとで学校が一丸となって組織的に対応することはもとより、いじめ撲滅に向け、社会総がかりで取り組むべきものであると考えております。  そのため、学校、家庭、地域社会が、それぞれの責任と役割を果たしながら、互いに連携協力して取り組むことが不可欠であります。本県ではその趣旨を踏まえたいじめの防止等の対策を総合的かつ効果的に推進するために、「佐賀県いじめ防止基本方針」を策定しているところでございまして、今後ともこの基本方針に基づきまして、いじめ防止の徹底に努めてまいります。  私からは以上でございます。 36 ◎野田勝人君 登壇=各それぞれより御回答を頂戴いたしました。ありがとうございます。  それでは、二回目の質問に入りますけども、簡単な質問でございますので、また簡単にお答いただきたいと思います。  介護関係の体制が生活支援体制整備事業のほうに来年四月から実際にもう移行するわけです。市町も今いろんな体制づくりを一生懸命なさっていらっしゃるところではございますが、その市町率いる、もう一つ下の実際に事業として行われるNPO関係、あるいは事業者関係、そして場合によってはボランティア関係、こういった方々のどういった活動、どういった方向性という、非常に目に見えない部分が、市町が立ち上がっていないだけにそのあたりの不安を大きくお持ちなんです。実際に平成二十六年に制度が改正されて、平成二十七年度、動き始めたのは結構あるんです。ところが、まだそういったところが見えないからこそ、本当の現場の方々が困っていらっしゃいます。  そういった中で、もう来年の四月からスタートという時期におきまして、今から市町に立ち上げを起こしてやっていこうということであれば、はっきりとした、いついつまでにこういったことをやる、こういったことは逆算してここでやらなければならない、そういったスケジュールをしっかりと今お持ちなのかお尋ねいたします。  それともう一点、ハイマットの重粒子線がん治療の数字で具体的にお示しくださいましてありがとうございました。肝臓がんに関しましては、手術に匹敵する生存率ということで御返答をいただきました。前立腺関係の九四・九%、あるいは肺がんの六二%から七六%という数字、これは手術と比べると、果たしてどれくらいの比率といいますか、効果なんでしょうか。そこをちょっと教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 37 ◎船津健康福祉本部長 登壇=再質問にお答えいたします。  介護保険制度につきまして、この移行について、目に見えないということもあるので、実際の事業者の方が非常に不安を持たれていると。どのようなスケジュール感を持っているのかという御質問だったと思いますが、あと一年で地域支援事業に移行するというスケジュールは決まっているわけでございます。私が今、詳細に何月までに何をするというスケジュールについては手元に資料を持っておりませんけれども、やはり先ほど申したように、従来の身体介護等の一部の事業については従来の事業の形でやると。そのほかのものについては、いろんなボランティアとかNPOとかも活用してやると、そういう区分もございます。そのあたりも含めまして、県なり市町におきまして、事業者の方にしっかりとした説明をしていきたいというふうに考えております。  それと、重粒子線がん治療につきまして、前立腺と肺がんについての手術との比較はどうかということでございました。まず、I期肺がんの外科手術の五年生存率でございますが、これが六〇%と言われているところでございまして、先ほど申しましたように、肺がんの五年原病生存率が六二%から七六%ということですので、これよりも上回っているということが言えるんではないかなというふうに思っております。  前立腺につきましては、ちょっと手元に資料がございません、申しわけありませんが、いずれにしても、前立腺は九四%とか九八%という非常に高い生存率でございますので、これにつきましても具体的な数字は持っておりませんが、手術よりも高い成果を上げているというふうに言っていいと考えております。  以上でございます。 38 ◎大場芳博君(拍手)登壇=自由民主党の大場でございます。通告に従い、質問をさせていただきます。  質問に入ります前に、一言自分の思いといいますか、平成二十八年度に対する自分自身のキーワードといいますか、それを述べさせていただきます。  県政に対する思いというのは、ことしは「進」、進めるという言葉を自分の胸に思っておるところであります。みんなで協議をし、議論をして決める。そして、一歩でも二歩でも前へ進める、そういう思いで平成二十八年度予算案、この議案を見させていただきました。  県政の大きな課題に佐賀空港の自衛隊使用の要請、一つ、玄海原子力発電所の再稼働の問題、一つ、九州新幹線西九州ルートフリーゲージトレインの問題、一つ、有明海再生の問題、一つ、城原川ダムの問題などなど、それぞれの課題について政治の決断が求められるときが来ると思います。  そのとき政治にかかわっている者として、それは知事だけではなく、県議会議員もみずからの責任で決断して前へ進めるときが訪れると思います。そのときの心構えといいますか、姿勢といいますか、そういったことを考えているときに、石原慎太郎氏が書かれた「天才」という本に会いました。もう既に読まれている方もいらっしゃると思いますけれども、田中角栄氏が四十四歳のとき大蔵大臣に就任されました。そのとき、役所の皆さん方を集めて挨拶をした言葉が書いてあったんです。短い言葉ですので、読ませていただきます。  「私が田中角栄だ。私の学歴は諸君と大分違って小学校高等科卒業だ。諸君は日本中の秀才の代表であり、財政金融の専門家ぞろいだ。私は素人だがトゲの多い門松を沢山くぐってきていささか仕事のコツを知っている。これから一緒に仕事をするには互いによく知り合うことが大切だ。我と思わん者は誰でも大臣室に来てほしい。何でもいってくれ。一々上司の許可を得る必要はない。出来ることはやる。出来ないことはやらない。しかしすべての責任はこの俺が背負うから。以上だ。」という言葉であります。最後の言葉です、「すべての責任はこの俺が背負うから」というところであります。知事はもちろん、我々県議会議員も責任持って決断するときは決断をしなければならないと思います。課題の一番最初に申し上げました佐賀空港の問題でもあります。  ちなみに私自身は、私どもの原田議員が代表質問で言われたように、日本の安全は佐賀県の安全と考えますし、日本の危機は佐賀県民の危機だと思います。そういうことを申し上げて質問に入らせていただきます。  組織改編に伴う予算編成についてお伺いをいたします。  山口知事は、演告の中で「ことしのキーワードを漢字一文字で『生(セイ・いきる)』とし、予算、施策を総動員して、県民が安心して生き、そして人や地域の本物を生かし、世界に誇れる佐賀県を生み出していきたい」ということを述べられました。私はこの「いきる」という言葉が印象に残りました。今後の県政の発展のために、県の予算においても生きたお金の使い方、また補正とか国の補助金を使って生かすための予算のあり方というもの、生きたお金の使い方をしなければならないと考えます。  今議会に組織改編の議案が提案されてございますが、あわせてこれまで各本部に一定の予算編成権などを与えていた本部制を改め、予算編成については総務部で一元管理を行うことになると聞いております。平成二十八年度当初予算案については、経営支援本部を中心とした予算編成が行われたとも聞いています。  私としては、これまで何度か議会の場で述べてきましたが、こうした予算の一元管理により、部局を超え、全庁を見渡した予算編成が可能となり、真に必要である重要な事業のための予算がしっかりと確保できるなどによって、限られた財源の中で生きたお金の使い方ができるものと考えております。  しかしながら片方で、総務部に権限が集中することにより、机上論だけで予算編成が進み、現場が本当に困っている課題に対応した予算が確保できるのか、事業の執行に当たっても過度な管理機能が働き、事業効果の早期発現の妨げにならないのかといった懸念も抱いているところであります。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  予算編成方法の見直しの考え方と当初予算案への知事の所見について伺います。
     今回、どのような考えのもと予算編成を見直し、またその結果、平成二十八年度当初予算案では生きたお金の使い方につながる予算編成ができたのかということについて、知事の所見を求めます。  二番目、予算編成方法の見直しの経緯について伺います。  今回、どのような経緯で予算編成については総務部による一元管理を行うこととされたのか伺います。  三番目、平成二十八年度当初予算編成についてでございます。  平成二十八年度当初予算案は経営支援本部を中心とした予算編成を行ったと聞いておりますが、どのような方法で予算を編成し、その結果、どう評価されてあるのかお伺いをいたします。  次に、県土整備についてお伺いいたします。  広域的な幹線道路網は人や物の交流を促進し、企業誘致や観光振興といった産業面のみならず、通勤や通学、救急医療といった県民の日々の暮らしや生命を支えるなど、県民生活や社会経済活動を支える最も基礎的な社会資本であり、地域が一体となって発展していく上でも重要な役割を担っていると考えます。  県北西部地域においては、国において、県内都市間はもとより、九州北西部地域の広域幹線道路ネットワークを形成する西九州自動車道と、これにつながる佐賀唐津道路の事業が進められてございます。  また、この地域では、フランスの化粧品産業と連携し、唐津市、玄海町を中心とした本県、ひいては北部九州にアジア向けの製造、輸出拠点をつくる唐津コスメティック構想も進められており、今後も大きな発展の可能性を秘めていると考えます。  今後、県北西部地域のさらなる発展のために、広域的な連携を促進するこれら道路の整備に大きな期待を寄せているところでございます。  また九州では、博多港や長崎港を中心に、外国からの多くのクルーズ船が訪れています。国もインバウンドの受け入れには力を入れているところでありますが、佐賀県の重要港湾、唐津港や伊万里港には外国からのクルーズ船の寄港実績がございません。唐津港では平成十九年度から直轄事業において東港地区の整備が進められて、ことし三月末に県内初の耐震強化岸壁が完成する予定と聞いております。岸壁が完成するとクルーズ船の受け入れも可能になると聞いておりまして、大変期待をいたしておるところでございます。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  西九州自動車道についてであります。  西九州自動車道については、国において整備が進められ、これまでに福岡県境から伊万里市の南波多谷口インターまでの区間が開通するなど、順調に整備が進んでいると感じます。また、福岡、佐賀、長崎県の沿線市町の首長や議長で組織された期成会や、地元区長会等で組織された建設促進協議会が活発な要望活動を展開されるなど、早期整備に向けた協力体制は整っていると聞いております。西九州自動車道の伊万里方面への早期開通に取り組んでほしいと考えています。  そこで、西九州自動車道の事業中の各区間について、進捗状況と今後の見通しはどのようになっておるのかお伺いをいたします。  二番目、佐賀唐津道路の唐津─相知間についてお伺いをいたします。  佐賀唐津道路については、平成二十六年三月に厳木バイパスが暫定二車線で全線開通し、残る多久─佐賀間と唐津─相知間のうち、多久─佐賀間については国と県において、現在、事業化に向けて着々と準備が進められているものの、唐津─相知間については、国においてここ数年、具体的な動きが見えず、事業化されないまま年月が過ぎている状況にございます。そのため、県議会議員有志で組織をする「自民党県議団佐賀唐津道路唐津相知間整備促進議員連盟」を立ち上げまして、沿線の唐津市議会議員や地元区長会などで組織されている「佐賀・唐津道路(唐津から長部田間)を考える会」とともに早期整備に向けた要望活動を行っているところでございます。  佐賀唐津道路につきましては、災害時の避難や救援物資の運搬、厳木バイパスの浪瀬インターに隣接し、現在、分譲中であります新産業集積エリア唐津へのアクセス性の向上、九州佐賀国際空港や唐津港などの交通拠点へのアクセスの向上、及び唐津市に建設中のイチゴパッケージセンターへの集出荷の効率化といった高いストック効果を有していると考えます。多久─佐賀間の整備を進めながらも、並行して唐津─相知間の整備を進めてほしいと考えます。  そこで、唐津─相知間について、現在の状況はどのようになっておるのか。また今後、県としてどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  今回の組織再編で交通政策部がなくなるようになっています。西村交通政策部長、最後の答弁と思いますが、希望が持てる、光が見える答弁をお願いいたします。  三番目、唐津港についてお伺いをいたします。  東港の整備についてであります。  唐津港東港については、本年度末に岸壁の工事が完了し、四月には暫定ではあるものの供用が開始され、五月にはクルーズ船の「ぱしふぃっくびいなす」の寄港が予定されているとのことでございます。  そこで、東港地区の整備状況と今後の予定についてお伺いをいたします。  二番目、クルーズ船の誘致についてであります。  昨年のクルーズ船の寄港実績は、博多港が二百五十九回で全国第一位、長崎港が百三十一回で全国第二位と大きく伸びております。そのため、この二つの港の間にある唐津港においても、国内外のクルーズ船を誘致することにより、地域の活性化が図られるのではないかと考えます。  しかしながら、唐津港東港地区は、航路、泊地のしゅんせつが完了しても、施設の大きさが限られるため、外国からの大型クルーズ船は入港できないと聞いております。  一方で、その東港の西側にございます妙見埠頭は、既存岸壁の水深も深く、沖合にドルフィンを設置することで大型クルーズ船の入港が可能になるのではないかと思われます。大型クルーズ船で日本を訪れる観光客の爆買いは落ちつきを見せてきておりますが、爆買いが一巡すると、本当の観光目的のクルーズ船が寄港する時代が到来すると言われております。これらの観光客は、観光地の情報を口コミで発信するため、大型クルーズ船を受け入れることが地域の知名度アップにもつながり、また、今後の観光客の増加やさらなる地域の発展に寄与するものと考えます。  そこで、唐津港におけるクルーズ船を呼び込むことについての所見をお伺いいたします。  問三、虹の松原と白砂浜の再生、保全についてお伺いをいたします。  唐津の鏡山から眺望できる唐津湾の沿岸は、日本三大松原の一つでもある虹の松原と美しい白砂浜が続く白砂青松の景勝地であります。我々は、このすばらしい景観を誇りに思い、財産として後世へ引き継いでいく責務があると考えております。この思いは、唐津市民全て全員の思いでもあると思います。  また、こういうこともありました。随分若いときですけれども、保利茂先生が衆議院議長をされていたときでありました。話をする機会もありまして、「保利先生、すごい仕事をしてこられましたね」と言いますと、茂先生が、「いや、わしなんぞまだまだ」と。「あの虹の松原に松の木を植えた人のことを思うと、わしなんぞまだまだなんだよ」ということを言われたことを思い出します。また、その昔、虹の松原一揆というものがございました。茂先生の話といい、何か私どもの政治の原点が虹の松原にあると言っても過言ではないと思っております。  こうした中、県で虹の松原再生、保全に向けて広葉樹の伐採などに計画的に取り組まれている、大変いい仕事をしていただいております。私は、虹の松原は、松原だけではなく、白砂浜も含めた一体的な景観が保たれてこそ白砂青松の虹の松原と言えると考えます。  一方、虹の松原付近の海岸では、近年、砂浜が減少するという海岸侵食が問題となっております。このため、県と唐津市が連携して海岸侵食対策のための調査に取り組まれ、学識経験者から成る「唐津湾海岸侵食対策調査検討委員会」を設置して、対策方法などの検討が進められてきたところであります。  去る二月十九日には第五回目の委員会が開催され、県と唐津市とで提案した対策工法や経過観測方法について委員会で承認されたと聞いております。  白砂青松である虹の松原と白砂浜の海岸をかけがえのない財産として次世代に引き継いでいくため、引き続き再生、保全にしっかり取り組んでいただきたいと考えています。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  虹の松原の再生、保全活動についてであります。  松原を再生し維持していくため、現在、県が取り組んでいる広葉樹伐採の進捗状況はどのようになっておるのか。また、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  二番目、唐津湾海岸侵食対策調査の結果について伺います。  海岸侵食対策の調査については、現地調査の結果や委員会での検討を踏まえて、海浜の変化を把握するため、シミュレーションを行い、対策工や経過観測方法など、対策方法を検討すると聞いていたところであります。  そこで、二点について伺います。  検討経緯についてですが、対策方法の検討に当たって、実際どのように進めてこられたのか。また、対策方法はどのようになったのかお伺いをいたします。  三番目、調査結果を踏まえた今後の対応について伺います。  調査結果を踏まえ、海岸侵食に対し、今後どのように対応されていかれるのかお伺いをいたします。         ○ 時 間 延 長 39 ◎議長(中倉政義君) 時間を延長します。 40 ◎大場芳博君(続)=問四、佐賀県の観光振興について伺います。  ことしの正月にタイで放映されましたドラマ「STAY Saga」、私が恋した佐賀と訳すそうですけれども、佐賀でもテレビ放映がされまして、オープニングやラストシーンは玄界灘や唐津駅のシーンが放映されるなど、私も見なれた風景が映っておりました。聞くところによりますと、このドラマを見た多くのタイの人々が続々と佐賀県を訪問されているとのことで、大変うれしく思っております。  このように県では観光客誘致を推進するためにさまざまな取り組みを積極的に展開されており、テレビや新聞などでも多くの外国人観光客が佐賀県を訪問する様子が報道されるなど、目に見えて成果が上がってきておると感じているところでございます。この観光振興により、将来にわたり地域の活性化につながるよう、経済が活発になる、それが地域内を循環するという仕組みづくりをやっていくということが重要であろうと考えます。地域経済を前へ進めるために、今あるものをいかに生かしていくのかが強く求められているということであります。  佐賀県が今後も継続的に発展していくためには、産業として裾野が広く、また、お金の域内循環が期待できる観光振興が最も有効な手段であると考えます。だからこそ、佐賀県民が一丸となって観光客に選ばれる佐賀県となるよう、本気で観光振興に取り組んでいくべきだと考えます。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  観光客誘致の状況についてでございます。  「佐賀県総合計画二〇一五」における指標の一つに外国人延べ宿泊者数がございます。平成二十七年の目標は十四万人と掲げられてございます。きのうの佐賀新聞の一面に、「外国人宿泊 県内倍増」との見出しで平成二十七年の佐賀県内の外国人延べ宿泊者数は、速報値でございますが、十九万九千九百五十人、伸び率で全国第二位になったと記事が載っておりました。佐賀県のこれまでの取り組みが実を結んだものと大変うれしく思っておりますが、改めてこの結果について県としての認識をお尋ねいたします。  二番目、これからの観光振興についてであります。  観光客がふえることは大変喜ばしいことでありますが、片方で、観光客の数だけを追い求めるのではなく観光による質についても確保していくことが大切であり、そこに住んでいる地域の人たちの満足度も高めていく必要があると考えます。将来を見据えた場合、観光客と地域住民がうまく共存でき、経済効果を実感できるような観光振興を図るべきと考えますが、国際・観光部長の所見を求めます。  三番目、観光地域づくりについてお伺いをいたします。  佐賀県の観光を、将来にわたりさらに前へと進めていくためには、これまでのように行政主体ではなく、民間主導により、例えば幾つかの観光資源を組み合わせた新企画や、これまで観光資源と思われていなかったものも活用するなど、これまでにない工夫をしていく必要があるのではないかと私は考えます。  九月議会でも質問したとおり、ヨーロッパやアメリカなどでDMOと呼ばれる観光地域づくりのための推進組織が、さまざまな観光企画を生み出すなど、地域の魅力を高め、地域経済を牽引しているとのことであります。我が国でも最近になって日本版DMOの取り組みも進められていると聞いております。  県では、観光地域づくりの推進主体としてのDMO育成を支援することとされてございますが、具体的にはどのように進めていかれるのかお伺いをいたします。  問五、障害者差別解消に向けた取り組みについてお伺いいたします。  地元で手話の会や聾者の方の会合がございまして出席いたしました。話す機会がございました。言葉が通じないということは大変苦労されておるというものを実感いたしたんです。言葉の裏に隠れている意思といいますか、そういったことも私たちは感じることができません。手話を通じている人たちが感じられることだろうと思いますけれども、本当に苦労されておるなということを感じました。  聴覚障害者の方の中でも、聾者にとっては手話は言語であります。手話が言語であることを法律に位置づけようという動きが全国で行われており、佐賀県議会も平成二十六年九月の県議会で「『手話言語法』の制定を求める意見書」を全議員一致で可決しているところでございます。  鳥取県、神奈川県、群馬県では、手話言語条例を制定したという話も聞いております。県では、平成二十六年度に聴覚障害者サポートセンターを設置されまして、聴覚障害者に対する支援を行ってございますが、四月からは障害者差別解消法も施行されます。また、先の話になりますが、平成三十五年度には、この佐賀の地で全国障害者スポーツ大会の開催も予定されております。障害者差別解消法の合理的配慮の提供を通じて、聴覚障害者に対する支援を初め、障害者全体に対する支援が充実することを期待しているところでございます。  そういった思いもございまして、唐津の手話の会の皆さん方に、聾者の方々からのメッセージといいますか、どういうものがありますかという質問をいたしました。二つ要望いただきました。障害者差別解消法施行後、手話通訳の重要性は一層増すものと思いますが、専門性を考えると、ボランティアだけでは無理だと思います。手話通訳者の身分保証についても考えていただきたいということでありました。  そういうこともありまして、佐賀県聴覚障害者サポートセンターに行きますと、そこで話を聞きますと、手話通訳士というのは試験があるみたいで、佐賀県内に四名しかいらっしゃらないということでありました。そういったことも頭の中に入れておく必要があるんじゃないかと思います。  また、災害時には情報が入りにくい、聴覚障害者の災害対策についても考えてほしいということを要望いただきました。また、佐賀県聴覚障害者サポートセンターの方々から、手話言語条例の早期制定に向けて取り組んでいただきたいという要望もいただいてきました。  そこで、次の点について今回はお伺いいたします。  聴覚障害者に対する支援についてであります。  県では、聴覚障害に対する支援についてどういう取り組みを行っているのか。とりわけ、聴覚障害者の中でも聾者にとって手話は大事な言語でございます。県では、手話の普及に向けてどういう取り組みを行っているのかお伺いをいたします。  次に、障害者差別解消法の施行に向けた取り組みについてであります。  本年四月から障害者差別解消法が施行されます。どういう取り組みを行っていかれるのかお伺いをいたします。  問六、農業水利施設の維持管理についてお伺いをいたします。  県内では、これまで土地改良事業によってダム、揚水機やパイプラインなど農業水利施設が数多く整備され、佐賀県農業振興に大変寄与しておることを感じます。しかし、多くの農業水利施設については造成後かなりの年数が経過しておりまして、老朽化によるパイプラインの漏水やポンプ施設の機能低下が発生するとともに、その維持管理に苦慮していると話を聞いております。  地元上場地区では、土地改良事業が実施され、松浦川から揚水した農業用水をダムやファームポンドに確保し、パイプラインなどにより安定した送水が可能となりました。これらの農業水利施設により、計画的な水稲作付や施設園芸、畑作など多様な営農展開が図られ、農家からもその恩恵に感謝の声を聞いております。しかしながら、そうした施設が老朽化による揚水ポンプの故障やパイプラインの漏水などの機能低下の進行により、営農に支障を来すのではないかと懸念されております。  また近年、施設園芸が普及しておりまして、ハウスのかん水施設の目詰まりなどが生じないような、ごみのないきれいな水が求められるようになってきております。このような状況下で、今後とも営農用水を確保し正確に水を使っていくために、施設を管理している土地改良区が継続的、計画的に農業水利施設の維持補修に取り組んでいくことが不可欠であります。国、県からも土地改良区への適正な指導、助言をしてもらう必要があると考えます。  また一方では、施設の老朽化の進行とともに維持補修費が増加しておりまして、市町や土地改良区が行っている維持補修の補助事業の予算については、その確保が大変厳しくなってきておると聞いております。施設の維持補修を継続的、計画的に行うためにも予算の確保が必要と考えます。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  農業水利施設の現状についてであります。  県内の農業水利施設のストック量や老朽化などの現状はどのようになっておるのか。また、同様に上場地区についてはどのようになっておるのかお伺いをいたします。  二番目、維持補修の取り組みへの今後の対応についてお伺いをいたします。  管理者への対応についてであります。  農業水利施設の維持管理を行っている土地改良区などに、県としてどのような指導、助言を行っていくのか。また、上場地区に対して、県としてどのように対応されていかれるのかお伺いをいたします。  次に、予算の確保についてでございます。  農業水利施設を継続的、計画的に維持補修を行っていくためには、維持補修の補助事業の予算確保は欠かせないものと考えております。  今後、県としてどのような対応を行おうとされておるのかお伺いをいたしまして、一回目の一般質問を終わります。(拍手) 41 ◎山口知事 登壇=大場芳博議員の御質問にお答えいたします。  まず、冒頭で石原慎太郎さんの著作からのお話がございました。田中角栄さんのお話だったと思いますけれども、まことに共感できる点があったと思います。  特に、一つ大事なことは、やはり職員が行き来できるということのお話がありましたけれども、風通しのよさというのは私もよく申し上げますけれども、そういったことが大事だろうと思いますし、できる限り情報は開かれたものとして、さまざまな方々で議論できる環境をつくっていくということと、もう一点は、特に政治の役割、そして責任というものを果たすべきだということを、私もまだ政治家になって間もない身でありながらも非常に重いものだなということを、特に現下の佐賀県の状況を考えますと、政治家としてしっかりと役割と責任を果たしていきたいものだと感じさせていただきました。  予算編成方法の見直しの考え方と当初予算への私の所見についてお尋ねがございました。  これまで本部制におきましては、一定の予算編成権を各事業部門へ移譲し、より自律的な運営を行うことを目指しておりましたけれども、その自律性がともすれば予算の硬直化を招き、県庁全体の視点から見ると最適化されていない面があったと思います。  このため、自律性のよさは生かしながらも、今の佐賀県に必要とされる施策の推進のためには、政策部と総務部が車の両輪として連携し調整しながら県庁全体を俯瞰し、より効率的、効果的な予算編成を行うことが重要と考えまして、総務部門による予算編成を行うように見直しをさせていただいたところであります。  こうした中、平成二十八年度当初予算については、編成過程に経営支援本部長ですとか、例えば私ですとか、そういった査定を組み込んで編成を実施いたしました。これは県全体として俯瞰的にということもそうですが、山口県政のポイントであります「現場」「ミッション」「プロセス」というものが反映されているかどうかということをしっかりチェックするということも大事な観点として入れ込ませていただいたところでございます。  十二年ぶりに施行した査定という作業、具体的にいろいろ確認したところでありますけれども、例えば、別の部からアルゼンチンの用務とブラジルの用務が出たんだけれども、それぞればらばらだったので、これを統合して効率化を図った事例ですとか、九州佐賀国際空港一階に県産品PRコーナーを改修しようということであったんだけれども、空港拡張機能の強化が検討されるので、それをあわせてそちらに検討をしたほうがいいんではないかということで見送ることにして、不要不急は厳しく査定をしたという事例ですとか、コーディネーターの三名配置要求に対して二名にして、実績を見て補正ということでどうだろうかという話ですとか、さまざま費用対効果を見きわめて絞り込みを行ったということでございます。  一方、私が気にしていることは、ただやみくもに財政課として切り込むということだけではいけないと私は思っています。ぜひ財務課、財政課の職員の皆さんには全庁的なコンサルタントであれというふうに指示しています。現場を知った者が強くあるべきであるということは当然のことだと思いますので、そういった観点をしっかりと認識すること。  そういったことで、例えば、不妊治療への支援につきましては、要求では今回、国の一回目の治療に対する補助金が増額されたので、県の助成をやめるというような話もあったんですけれども、いや、むしろ相談をする中で、県の助成をやめるのではなくて、むしろ事業効果をより高めることを重視して、軽減された部分を二回目、三回目というところに上乗せするということで施策の推進に広げるといったアドバイスもしたということでございますので、減らすばっかりではなくて、県庁全体のことを、県民のことを考えてどうあるべきなのかということを考えるといったことが重要だと思っています。  こうしたことなどによりまして、県民全体にとって喫緊の課題である交通事故対策やがん対策、そして、子育てやものづくりなどの分野において重点的に予算を確保することができるなど、大場議員のおっしゃる生きたお金の使い方につながってきたのではないかと考えているところであります。  それでもこうした新しい佐賀県の行政システムはまだまだ進化できるものだと考えております。県議会議員の皆さんや県民の皆さんの温かくも厳しい御指摘を受けながら、さらに育てていきたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 42 ◎西中統括本部長 登壇=私からは、組織改編に伴う予算編成についてのお尋ねのうち、予算編成方法の見直しの経緯についてお答えを申し上げます。
     平成十六年度に導入をいたしました本部制におきましては、各事業部門がみずからの戦略の判断に基づいて自律的な経営を行うことを目的に、各事業部門に対しまして予算や人事に関します一定の権限移譲に取り組んできたところでございます。  この本部制につきまして一年間検証を実施してまいりました。その結果、各本部への予算に関する分権に関して、よい点といたしましては、現場に近いところで実際の事務事業を行う事業本部の権限により予算編成が行われ、事業の予算案への計上の可否を迅速に判断できるようになったこと。また、本部制導入以前は予算執行時には当時の財政課への協議が必要でありましたけれども、これを廃止したことによりまして、スピーディーな執行が可能となったこと、こういったことなどがあったと考えているところでございます。  一方、課題もございまして、各本部への枠配分額が固定化をしておりまして、本部間で財源のつけかえを行うなど県庁全体を俯瞰した予算編成が困難となっていること。そして、枠配分内の予算編成については各本部に任せているため、全体を財政規律の点からしっかり確認を行う機能が縮小している懸念があること、こういったことなどがあったと考えているところでございます。  このため、予算の編成や執行に関しまして、よい点であります廃止した予算執行時の財政課への協議、これにつきましてはスピーディーな執行が可能となったことから、継続することといたしまして、課題であります県庁全体を俯瞰した予算編成、全体を財政規律の点からしっかり確認を行う機能の縮小、ブレーキ機能など管理機能が縮小、こういった課題への対応のため、財務部門に事業実施の可否の判断や、事業規模の決定などを含めた権限を付与いたしまして予算編成を行っていくこととしたところでございます。  また、予算の編成に当たりましては、政策部門も総合計画に掲げます施策を推進する立場から、より有効な事業立案となるように調整に加わることといたしております。総務部門とともに車の両輪になりまして、各事業部門が行います事業が施策の推進につながるようにしていきたいと考えてございます。  以上、御答弁申し上げます。 43 ◎伊藤くらし環境本部長 登壇=私からは、問三の虹の松原と白砂浜の再生、保全のうち、虹の松原の再生、保全活動についてお答えいたします。  議員からは、現在、県が取り組んでいる広葉樹伐採の進捗状況はどうなっているのか、それから、今後どのように取り組んでいくのかという御質問でございました。  虹の松原は、昔は落ちた松葉を集めて、それを家庭用燃料として利用されていたわけなんですけども、時代が進むにつれて、その松葉の採取が行われなくなって、その結果、堆積した松葉を栄養源にしてハゼなどの広葉樹が生い茂るなど、白砂青松と言われた松原の姿が変わりつつあるという問題が生じております。  こうしたことから、国、県、唐津市などの関係機関で構成する虹の松原保護対策協議会で策定した実行計画に基づきまして、平成二十年四月から再生、保全活動を開始したところでございます。  県が取り組む広葉樹の伐採につきましては、当初、平成二十一年度から三十年度までの十年間で行う計画としておりましたが、計画を前倒しして作業を進めてきており、来年度、平成二十八年度で完了できる見通しとなっております。  また、広い松原を再生し、守っていくためには、行政だけではなくて、地域住民の皆様など民間の皆さんの協力が不可欠でございます。このため、虹の松原保護対策協議会では、一定の区画を個人や団体などのボランティアグループにお願いして、松葉かきや除草などを行うアダプト方式、アダプトとは英語で里親という意味でございますけども、アダプト方式を採用し、アダプトに参加する人を引き続きふやしていくことで、松原の再生、保全活動を進めることとしております。  虹の松原は特別名勝に指定されているほか、日本の白砂青松百選、日本の渚百選、かおり風景百選、こういったことなどにも選ばれるなど、次の世代へ引き継ぐべき佐賀県の貴重な財産だと考えております。虹の松原の再生、保全事業の具体的な内容や今後の進め方につきましては、引き続き、虹の松原保護対策協議会において十分協議しながら、しっかり取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 44 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私のほうからは、障害者差別解消に向けた取り組みに関する御質問について二点お答えいたします。  まず、聴覚障害に対する支援及び手話の普及についてお答えいたします。  聴覚障害者の方が、議員おっしゃったように、コミュニケーションがしづらいということに対する支援につきましては、県では従来から手話通訳者、あるいは要約筆記者の養成を実施してきております。また、平成二十六年四月の聴覚障害者サポートセンター設置後は、専門的な人材の育成に加え、聴力測定を初めとする相談業務等を充実させてきております。  次に、手話の普及についてでございますが、手話の普及に向けては、まずは、手話への理解、関心を持ってもらうこと、専門的な人材の育成が大切だと考えております。  手話に理解、関心を持ってもらうための取り組みとして、聴覚障害者サポートセンターでは、小学生のときから手話に触れてもらうよう、市町教育委員会を訪問して、センター見学の働きかけを行ったり、あるいは学生や社会人向けに昼休みや夕方といった参加しやすい時間帯での手話講座を開催しております。この手話講座につきましては、平成二十七年度は学生向けが年間三十四人の受講があっておりまして、社会人向けは昼休みが毎回六人から八人ぐらいの参加、あるいは夕方の部分は年間で二十五人の受講があっているところでございます。  次に、専門的な人材の育成といたしましては、手話通訳者養成研修を実施しておりますが、これにつきましては平成二十六年度から年間の受講者枠を二十人から四十人に拡大をしております。また、今年度から、平成二十七年度から新たに手話通訳者の統一試験合格を目指した研修の実施などを行っているところでございます。  さらに、ボランティアレベルの人材を育成する手話奉仕員養成研修でございますが、平成二十五年度は四市の実施にとどまっておりましたが、各市町に実施するよう働きかけました結果、ほとんどの市町で開催され、毎年百名以上が受講をしているところでございます。  一方で、議員から御指摘もありましたように、平成三十五年開催の全国障害者スポーツ大会でございますが、県外から来られる聾者の方のために多数の手話ボランティアが必要でございます。今後、これに向けての具体的な養成方法について検討していくこととしております。  このことも念頭に置きながら、今後とも手話の普及に向けて、裾野を広げる取り組み、専門的な人材を育成する取り組みの両方を実施してまいることとしております。  次に、障害者差別解消法の施行に向けた取り組みについてお答えいたします。  障害者差別の解消に向けた具体的な取り組みといたしましては、県職員が適切に対応するための目安となる職員対応要領の作成、差別に関する相談窓口の設置、障害を理由とする差別の解消のための啓発活動、医療、福祉、教育の分野の方、あるいは国の機関、県の機関などの関係機関や当事者の団体、あるいは事業者の団体などにより構成されます佐賀県障害者差別解消支援地域協議会の設置を進めているところでございます。  そのうち、まず職員対応要領につきましては、佐賀県聴覚障害者協会などの障害者の当事者団体からの意見を伺ったところでございまして、その意見を反映させた上で作成し、年度内に予定をしております県庁の所属長研修で説明することとしております。  また、次に相談窓口でございますが、地方法務局によります人権相談などの既存の窓口に加えまして、県障害福祉課内に新たに相談窓口を設置するとともに、各市町にも相談窓口を設けるよう依頼しているところでございます。  さらに、佐賀県障害者差別解消支援地域協議会についてでございますが、三月二十五日に第一回目を開催することとしておりまして、先ほど申し上げました地域におけるさまざまな関係機関が、合理的配慮の好事例等の共有などを通じまして、障害者差別解消の取り組みを一緒になって進めることとしております。  いずれにいたしましても、ことし四月からの法律の施行に向けまして、これらの準備をしっかりと行うことにより、共生社会の実現を目指す障害者差別解消法の円滑な実施に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 45 ◎和泉県土づくり本部長 登壇=私からは、問三の虹の松原と白砂浜の再生と保全についての御質問のうち、唐津湾の海岸浸食対策調査結果についてお答えいたします。  まず、検討経緯についてでございますが、唐津湾の海岸浸食対策調査につきましては、浜崎海岸から西の浜海岸に至る延長約七・七キロメートルの区域を対象に、海岸管理者である県と唐津市が連携して、平成二十五年度から取り組んできたところでございます。  対策方法の検討に当たりましては、現地状況の把握や検討データの収集を目的とした現地調査を実施するとともに、学識経験者で構成する唐津湾海岸浸食対策調査検討委員会を五回開催し、調査内容や対策方法について、専門的な立場からの意見をいただきながら進めてきたところであります。  このほか、海岸の利用や景観などに関する地元の方の御意見をいただくために、ワークショップを四回開催し、調査検討の参考とさせていただいたところでございます。  具体の対策方法につきましては、現地調査の結果や委員会での意見を踏まえて作成した海浜変形を予測するシミュレーションモデルを用いながら、砂浜を維持、復元させることを目標に検討を進めてきたところでございます。  続きまして、対策方法についてお答えいたします。  海浜変形を予測するシミュレーションによりますと、唐津市が管理する浜崎漁港海岸の区域については、何も対策を行わなければ三十年後の海岸線が現在より約二十メートル後退することが予測され、海岸利用や背後地の防災に大きな支障が生じることが考えられます。  この結果を受けて、委員会では、対策方法について大きく次の三点について確認をいただいたところでございます。  まず一点でございますが、浜崎漁港海岸においては、玉島川からの砂供給量の減少を補うための年間約五千立方メートルの養浜と──この養浜といいますのは砂を人為的に海岸に投入いたしまして、砂浜を造成、保全することでございますが、その養浜と砂の移動を抑制するための長さ七十メートルの突堤一基の整備を組み合わせた対策方法が最も効果的であること。  二点目といたしまして、一定の対策を行った上でその効果や海岸の状況を見ながら改善を加えるという順応的な海岸管理を進めるため、まずは突堤五十メートルを整備し、年間二千五百立方メートルの養浜を実施して、海岸状況の変化を確認しながら進めていくこと。  三点目に、浜崎漁港海岸以外の海岸については、対策を行わなくても将来的に砂浜が堆積または安定した方向に向かうという予測結果であったことから、当面対策は行わず、経過観察を行うこと、以上の内容の確認をいただいたところでございまして、この内容を盛り込んだ最終提言を委員会から今年度中にいただくこととしているところでございます。  続きまして問三、調査結果を踏まえた今後の対応についてお答えいたします。  浜崎漁港海岸における対策は、管理者である唐津市が実施することとなり、来年度、まずは養浜二千五百立方メートルを行うとともに、突堤整備の事業化に向けた関係機関などとの調整に着手されていると聞いております。  県といたしましては、唐津市に対しての技術的な支援や養浜に適した砂が県の公共工事で発生した場合には、それを提供するなどの協力を行っていきたいと考えております。  また、経過観察につきましては、唐津湾全体を対象に、県と唐津市が連携し、海岸の変化の状況や浜崎漁港海岸での対策の効果を測量や現地調査により確認し、必要に応じて学識経験者を交えたモニタリング検討会を開催しながら進めることとしております。  いずれにしましても、白砂浜である唐津湾の海岸をかけがえのない財産として次世代に引き継いでいけるよう、唐津市と連携してしっかりと海岸浸食対策に取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、問いの六番目の農業水利施設の維持管理についてお答えいたします。  まず、県内の施設の現状についてでございますが、県内では、これまで農業振興を図るため、かんがい排水事業や畑地帯総合整備事業などの土地改良事業により農業用水を供給するための農業水利施設を造成してきたところでございます。農業水利施設のうち、ダム、頭首工、用排水機場などは約六千五百カ所、農業用水路は延長は約四千三百キロメートルと膨大なストック量となっております。  これらの農業水利施設は多くの施設が造成後二十年以上経過し、老朽化の進行に伴い、ポンプのふぐあいやパイプラインの漏水が発生しており、施設の補修、更新が必要となってきております。  一方、上場地区においてですが、昭和四十八年から平成十四年にかけて国営土地改良事業により、ダム五カ所や揚水機場十二カ所、幹線パイプライン九十四キロメートルなどの農業水利施設を造成してきたところであり、これにより水を安定確保することが可能となり、当地区の農業振興に大きく貢献しているところでございます。  しかしながら、県内の他の農業水利施設と同様に、造成後、相当年数を経過していることから、揚水機などが老朽化し、機能低下を来しているところでございます。  続きまして、維持補修の取り組みへの今後の対応についてお答えいたします。  まず、管理者への対応についてでございます。土地改良事業で造成された農業水利施設につきましては、それぞれの管理者である市町、土地改良区において日常の維持管理、定期的な点検整備を行うとともに、大規模な改修となる前に施設の状況をきめ細かに把握し、適切な時期に補修などを行うことが施設の長寿命化と維持管理費の低減に寄与することになると考えております。  このため、施設規模に応じて国の補助事業である県営や団体営のストックマネジメント事業を活用して施設の長寿命化対策を実施しているところであり、今後もこの制度を活用していきたいと考えております。  今後とも、土地改良区などに対して計画的な補修、更新による長寿命化対策の意識醸成を図りつつ、点検や維持補修の手法について技術的な助言や指導を行うことで、適切に農業水利施設の維持管理が行われるよう支援をしていきたいと考えております。  続きまして、上場地区への対応についてお答えいたします。  上場地区では、現在は緊急を要する施設の局所的な補修を県営、あるいは団体営のストックマネジメント事業により実施しているところであります。  今後は、計画的な長寿命化対策を図る必要があるため、国、県、市町、土地改良区、JAを構成員とし、営農推進と施設改修について検討する上場地区農業振興・施設保全協議会がことし一月に設立されたところであります。その中で、施設規模に応じた国営事業の導入など、施設機能の持続的な保全に向け、さまざまな検討がなされることから、県としても国と連携し、市町や土地改良区へ助言などを行ってまいりたいと考えております。  続きまして、予算の確保についてお答えいたします。  県内では、農業水利施設の維持管理事業の要望が増加しているところでありますが、その予算については、近年、国からの割り当てが県の要望額に対して大きく下回っているため、地元からの要望に十分応えられていない状況にあります。  このため県といたしましては、今後とも国に対し予算の確保を働きかけていくとともに、追加予算や補正予算があれば積極的に確保していきたいと考えております。  いずれにしましても、農業水利施設が適正に機能し、農家の方々が安心して営農できるよう、施設管理を行っている市町や土地改良区に対し、県としてもしっかりと支援を行っていきたいと考えております。  私からは以上でございます。 46 ◎山口経営支援本部長 登壇=私からは、組織改編に伴う予算編成についてのうち、平成二十八年度当初予算編成につきましての御質問についてお答え申し上げます。  平成二十八年度当初予算編成におきましては、試行的に各本部に対して従来の枠配分にかえまして予算要求上限額を示した上で、財務課によるヒアリングから始まり、知事査定に至る査定作業を行ったところでございます。  この査定では、費用積算についての査定のみならず、第三者的視点で議論をすることによりまして、各事業を磨き上げることや、組織横断的に事業の優先度を加味することなどに重点を置いた査定を目指し、場合によっては増額の査定も行ったところでございます。  こうした結果、「子育てし大県”さが”プロジェクト」など部局横断的な重点事業において厚く予算計上をするなど、全庁を俯瞰した予算配分となったのではないかと思っているところでございます。  現在、今回の予算編成作業の振り返りを行っているところでございますが、十二年ぶりに査定を行ったということで、査定をする側もある意味手さぐりで進めたということもございましたし、一方、される側におきましても戸惑いがあったとも聞いているところでございます。技術的な面における査定の進め方などについては、まだ改善していかなければならないと感じているところでございます。  今後、予算編成の振り返りの結果なども踏まえまして、政策部門と総務部門が車の両輪となって県庁全体を俯瞰する立場に立ちまして、各事業部門が行う施策がより効率的、効果的に推進されるような予算となるような編成作業を行っていきたいと考えているところでございます。  私からは以上であります。 47 ◎黒岩国際・観光部長 登壇=私からは、問四、佐賀県の観光振興についての質問三点についてお答えいたします。  まず、観光客誘致の状況についてですが、議員御指摘のとおり、本県における外国人延べ宿泊者数については、一昨日、観光庁から公表された平成二十七年の実績、速報値でございますが、十九万九千九百五十人となっておりまして、二年前の五万五千五百五十人の三倍を超え、佐賀県総合計画の平成二十七年目標である十四万人を大幅に上回ることができました。  特徴としては、韓国、中国、台湾などの主要国・地域がいずれも二倍前後の伸びを示したほか、タイにつきましては、特にドラマのロケ地となったことなどにより、二年前と比較すると十倍以上と大幅な伸びとなっております。  県としては、これまで観光連盟を中心に観光関係者と一体となって積極的に海外に出向き、観光プロモーションや商談会を仕掛けてきたほか、佐賀に行ってみたいと思わせる魅力づくり、無料公衆無線LANや多言語コールセンターなど受け入れ環境の整備、国、地域ごとの文化や嗜好の違いなどを踏まえた積極的な情報発信に取り組んできたところでございます。こういった取り組みによりまして、海外からの観光客を佐賀に呼び込むことができているものと考えておりまして、引き続きしっかりと観光客誘致に向けて頑張っていきたいと考えております。  それから二番目、観光振興のあり方として、観光客と地域住民がうまく共存でき、経済効果を実感できるような観光振興を図るべきではないかとの御質問がございました。観光振興を図っていく上では、観光消費による経済発展はもとより、地域の魅力そのものが高まることで、県民の皆様にとっても、暮らしの豊かさ、ふるさとへの誇りを実感できる社会になることが重要と認識しております。  ことしのお正月には、タイで人気となったドラマ「STAY」をテレビ放送したことで、県民の皆様がなぜ多くのタイの方々が佐賀を訪れているのかを知るきっかけとなりました。自分たちがふだん意識しない身近な場所が、わざわざ外国人が訪れるようなすばらしい魅力を持っていることに気づかされたところであります。  また、県出身の著名なクリエーターの方々がウエブサイトで、リレー方式で佐賀の魅力を再発見する事業、「さがごこち」と呼んでおりますが、あるいは佐賀の人を訪ねる旅をアレンジする事業、「SAGAMONOGATARI」という事業でございますが、こういったものにも取り組んでいるところでございます。  こうした取り組みにより、訪れた観光客に対して、県民が自信と誇りを持って佐賀の魅力を伝え、また、そのことで佐賀を好きになる観光客がふえ、リピーターにつながるといった好循環が生まれる、そうしたことで経済効果はもとより、観光客と地域住民の双方の満足度が高まっていくものと考えておりまして、こうした視点で今後とも観光振興に取り組んでまいりたいと存じます。  この項目の最後になりますが、観光地域づくりの推進主体としてのDMOの育成については、どのように進めていくのかとの御質問でございました。  観光客のニーズが多様化し、旅行形態が団体から個人へ移行する中で、旅行商品は地域主導の着地型に移行しておりまして、地域において観光客を呼べる観光企画を継続的につくり出し、選ばれる地域となるためには、その担い手となるべき自主・自律性を持つ取り組み主体が必要になっております。  このため、DMOと呼ばれる既存の組織や、枠組みにとらわれない企画力や経営感覚を持つ観光地域づくりの推進主体、この育成が急務となっております。  国におきましても、これまでの観光に関する課題として、多様な地域関係者の巻き込みが不十分ではないか、来訪者に関するデータの収集、分析が十分か、あるいは効果的なブランディングやプロモーションといった民間的手法の導入ができているかなどの課題を挙げ、これらの解決手段として日本版DMOを各地域で形成することを目指しているところであります。  これらも踏まえて、県では現在、唐津市を初め、県内複数地域において専門的ノウハウを持つアドバイザーを派遣し、観光関係者だけでなく、商業、漁業、教育など、幅広い関係者から成るセミナーや若手経営者による勉強会を開催しているところであります。  また、地域における観光に関する基礎データ収集や市場調査などの支援もあわせて行っているところであります。  こうした取り組みの中で、本格的にDMOづくりに取り組もうとする地域をモデル地域としてさらに積極的に支援し、平成三十年度までに佐賀県でDMOの成功事例を少なくとも一つ以上生み出していきたいと考えているところでございます。  私からは、以上お答えいたします。 48 ◎西村交通政策部長 登壇=私からは、問二、県土整備の三項目についてお答えいたします。  まず初めに、西九州自動車道についてお答えいたします。  西九州自動車道は、福岡市を起点とし、唐津市、伊万里市、佐世保市を経て武雄市に至る延長約百五十キロメートルの高規格幹線道路でございます。  このうち、福岡県境の唐津市浜玉町から長崎県境の伊万里市山代町までは、計画延長が約四十四キロメートルとなっており、既に約二十五キロメートルが供用されております。  また、事業中の区間としましては、唐津伊万里道路、伊万里道路、そして伊万里松浦道路の三区間で国において整備が進められております。  このうち、唐津伊万里道路については、平成二十七年二月までに唐津インターから南波多谷口インター間が供用され、平成二十九年度末までには、南波多谷口インターから、仮称でございますが、伊万里東インター間が供用予定であり、これにより、唐津伊万里道路の全区間が供用される見通しとなってございます。  次に、伊万里道路については、仮称伊万里東インターから仮称伊万里中インター間で用地買収が進められており、現段階では供用開始は示されておりませんが、用地取得についての一定のめどや工事についての見通しが立った段階で供用時期が示されるものと思っております。  次に、伊万里松浦道路については、平成二十七年三月に長崎県境を挟んだ山代久原インターから今福インター間が供用されたところでございます。県としては、整備が着実に推進され、事業効果が発現されるよう、地元の期成会や協議会と一体となって国に働きかけてまいります。  次に、佐賀唐津道路の唐津─相知間についてお答え申し上げます。  佐賀唐津道路は、本県の南部と北部を結ぶ主要幹線道路である国道二〇三号のバイパスとなる重要な道路であり、この道路は、現在整備中の西九州自動車道や有明海沿岸道路と連結して、広域幹線道路ネットワークを形成し、九州佐賀国際空港や唐津港など、広域交通拠点との連絡強化を図る延長約四十キロメートルの地域高規格道路として位置づけられております。  県では国に対して、佐賀唐津道路の早期整備を要請しているところでございますが、国においては、西九州自動車道や有明海沿岸道路の整備に力を注がれており、佐賀唐津道路については、唐津市相知町から多久市までの約十五・五キロの区間が整備済みとはなっているものの、その他の区間では、なかなか事業が進捗しない状況でございます。  そうした中、多久─佐賀間については、昨日三月一日でございますが、都市計画決定の告示がなされ、また環境影響評価書の公告を行ったところでございます。平成二十八年度から国において多久市から小城市三日月町までの区間、いわゆる多久佐賀道路(I期)と呼ばれる区間の事業に着手される見込みとなってございます。  一方、唐津─相知間については、現在、事業化の見通しが立っていないと聞いておりますが、地域間の交流を促進し、活性化を図っていくためには、県都佐賀市と県内第二の都市唐津市との時間距離を縮め、人や物の流れを促進させることが必要であると認識しておりまして、唐津─相知間についても、できるだけ早く整備に向けての道筋が示されるよう、県議会や地元期成会と一体となって、しっかりと国に働きかけてまいります。  次に、唐津港について二点お答えいたします。
     まず、東港の整備についてでございますが、唐津港東港地区では、国により、平成十九年度から耐震強化岸壁、バース長二百三十メートルでございますが、この整備が進められてきておりまして、今月末までに竣工の予定となってございます。  一方、岸壁背後のヤードについては、県が整備を行っており、クルーズ船の寄港に伴う観光バスなどの待機場所、新たな貨物の荷さばきや、さらに地震などの災害時における緊急物資輸送などの拠点としての機能を確保することを目的に、ヤードの舗装を行っております。  こうした国や県の事業が完成すると、東港においては、クルーズ船は約二万六千トンクラスまで、貨物船は五千トンクラスまでの入港が可能となる予定でございます。  今後の予定としましては、国において、平成二十八年度から航路、泊地の整備に着手すると聞いておりまして、この整備が終われば、おおむね五万トンクラスのクルーズ船が入港可能となるため、国への政策提案活動や事業調整会議等の機会を通じて事業の促進を働きかけたいと思っております。  最後に、クルーズ船の誘致についてお答えいたします。  唐津には豊富な観光資源があり、クルーズ寄港地としてのポテンシャルも高く、交流人口の増加、ブランド力、知名度の向上など、地元への経済効果も期待されるため、クルーズ船の誘致は地域の活性化につながるものと考えているところでございます。  国内にはクルーズ船が三隻あり、そのうち、唐津港には妙見埠頭に毎年、二、三隻程度が寄港しておりますが、御承知のとおり、外国クルーズ船の寄港実績はこれまでございません。また、九州への寄港が急増しております中国などからの外国クルーズ船は、大半が七万トンを超える大型クルーズ船でございまして、唐津港には入港できない状況でございます。  こうした状況の中で、唐津港へ大型クルーズ船を誘致することになれば、さらなる港湾の整備や入関、税関等のCIQの対応、また大型バスの確保など、受け入れ環境について多くの課題を抱えており、地元との議論を深め、誘致の可能性を探っていくこととしております。  いずれにしましても、大型のクルーズ船の誘致は、今後の課題として捉え、まずは唐津港の規模に合った国内外のクルーズ船の誘致に向けて、唐津市や唐津港利用促進協議会と一体となって取り組んでいくこととしております。  私からは以上でございます。 49 ◎議長(中倉政義君) 本日の会議はこれで終了いたします。あす三日は引き続き一般質問を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後五時五十六分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...