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  1. 佐賀県議会 2015-12-10
    平成27年県土整備常任委員会 本文 開催日:2015年12月10日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時 開議 ◯大場委員長=おはようございます。ただいまから県土整備常任委員会を開催いたします。  これより質疑に入ります。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◯武藤委員=おはようございます。日本共産党の武藤明美でございます。  私は四問、きょう質問したいと思っておりまして、まず最初は排水機場の維持管理についてです。  全国的にも、大型化した台風やゲリラ豪雨などによる自然災害が発生しております。その災害も河川の氾濫や土砂災害など、本当に大規模化しております。  佐賀平野では干満の差が六メートルの有明海に面しておりますが、自然排水が困難な低平地ということもあり、以前は大きな水害が発生しておりました。  その対策として、佐賀平野には排水機場が整備されてきた経緯があります。改めて、この排水機場の役割とともにどのぐらい設置されているのかお聞きいたします。 3 ◯前田河川砂防課長=排水機場の役割と設置状況についてお答えいたします。  河川管理者として設置しております排水機場は、低平地を抱える本県におきましては、家屋などの浸水被害を防止するための重要な役割を担っていると考えているところでございます。  現在、排水機場は、自然排水が困難な県管理河川に五十二施設を設置しているところでございます。  以上でございます。 4 ◯武藤委員=雨季はもちろん、台風のときなど、本当に重要な役割を持っております。維持管理についてはどのように行われているんでしょうか。 5 ◯前田河川砂防課長=排水機場の維持管理についてお答えいたします。  排水機場につきましては、常に本来の機能を発揮することが必要であると考えているところでございます。  このため、まず通常点検としまして、月一回の割合で操作員による目視でのオイル漏れや起動確認を行うとともに、出水期の前には雨季前点検としまして、専門業者による設備全体の詳細な機能確認を行っているところでございます。  あわせまして、排水機場の信頼性の確保はもちろんのこと、今ある施設をできるだけ安価で長く使っていくため、計画的な修繕や更新を行っているところでございます。  以上でございます。 6 ◯武藤委員=人の配置などについても嘱託職員だとか、あるいは正社員としての配置だとか、あるいは業者に委託ということもあるわけですけれども、本当に一つ一つの排水機場で、特に人が配置されているところは、丁寧に草むしりを初め、広い敷地内をされておられます。
     本当にありがたいと思っておりますが、県土を守り、県民の命や財産を守るために排水機場は今後も適正に作動され、そして運用されていかなければなりません。  今後、どういった取り組みを展開していかれるんでしょうか。 7 ◯前田河川砂防課長=排水機場におけます今後の取り組みについてお答えいたします。  設置されました排水機場を適切に運用するためには、まずは円滑で迅速な操作が重要であると考えているところでございます。  ほとんどの排水機場の操作につきましては、市町を通じまして、現地の実情に詳しい地元の方々に委託しているところでございます。  このため、毎年雨季前に県、市町、地元操作員が連携しまして、水防情報の伝達や操作要領などの確認を行うとともに、交代されました地元操作員の方へは操作要領などの説明を十分行い、操作習熟度の向上を図っているところでございます。  今後とも、市町や地元操作員の方々との連携を図りながら、地域の実情に合った操作を円滑に行うよう、排水機場の適切な運用に取り組んでいきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 8 ◯武藤委員=県民の命と財産を守る、そういう大災害から県土を守るという役割を持っております。引き続き、操作員の方たち、あるいは委託されている方たち、そして配置されている方たちを大事にしながら、そういう役割を担っていただきたいとお願いしておきます。  それから、二つ目にくいの施工データ流用問題について質問いたします。  横浜市の大型マンションの傾斜に端を発したくい打ち工事のデータ偽装は、民間建物だけでなく、病院、学校など公共施設にも広がっております。  旭化成建材だけでなく、ほかの施工業者にもデータ流用が拡大しており、対岸の火事で済ますわけにはいかないものではないかと心配しています。  そこで、次のことを質問いたします。  まず、旭化成建材が施工した県内建物の状況ですが、件数や用途はどのようになっているのか、そしてまた、県事業にはなかったのか、そのことについて御答弁いただきたいと思います。 9 ◯永田建築住宅課長=県内の状況についてお答えいたします。  十月二十二日に旭化成建材が公表しました過去十年間のくい工事の実績の資料によりますと、県内の実績は七件ございまして、その用途は全て工場・倉庫でございました。なお、その中には県有建築物はありませんでした。  また、十一月二十四日に旭化成建材が公表した調査結果の資料によりますと、県内の七件のうちデータ流用があったものが二件、データが確認できなかったものが二件、データ流用等がなかったものが三件となっております。  以上でございます。 10 ◯武藤委員=民間の建物についてあったということなんですけれども、それはどのような対応をしているんでしょうか。 11 ◯永田建築住宅課長データ流用があった建物の対応状況についてお答えいたします。  データ流用があった二件につきましては、旭化成建材に対して建物名称や所在地などの情報提供を求めまして、対象建築物を特定したところでございます。  その上で、今回の事案発生に伴い、国土交通省から発出された通知に基づき、元請業者及び建築主に対しまして、当該建物についての傾斜やひび割れ等のふぐあいの有無を現地において確認することを求めるとともに、その通知の中で示されました地盤調査方法及び建築物の構造安全性の検証方法に従い、支持層への到達状況を確認するなどによりまして、当該建物の安全性を確認し、その結果を報告するよう要請をしているところでございます。  以上でございます。 12 ◯武藤委員旭化成建材の場合は、独自開発の工法が採用されて、くいの本数や残土量を減らすために、つまり、コストが削減されるためにデータ偽装につながったというふうに言われております。  今回、県有建設物には旭化成建材の問題は関係していなかったとはいえ、ほかの施工業者にもデータ流用が広がっているために、県有建設物についてどうなのだろうかというふうに心配しています。また、この問題に限らず、今後何らかの形でまた起こってくるということも心配しています。  県は、くい工事に関する施工のときの確認についてはどのように行っていますか。 13 ◯古賀施設整備室長県有建築物のくい工事に関します施工時の確認方法についてお答えいたします。  県有建築物のくい工事の施工監理につきましては、公共建築物の工事をする場合に、公共団体で使用されています国土交通省が監修しました公共建築工事標準仕様書に基づき行っております。  くい工事の施工に当たっては、この仕様書に基づきまして、設計時に行ったボーリング調査による地盤データをもとに設定しましたくい径やくい長さが適正であることを確認するために、本ぐいに先立ちまして試験ぐいの施工を行っております。この試験ぐいは県建築技術職員が立ち会いのもので施工しておりまして、支持地盤の土質の状況や深さを設計時のものと照合、確認した上で、本ぐいの径や長さを最終決定しております。  さらに、本ぐいの施工における工事監理につきましても、施工業者とは別に委託しております工事監理者が試験ぐいをもとに最終決定した内容どおりであることを確認しながら作業を進めるとともに、工事状況等をまとめました施工報告書により、全てのくいが支持層に到達していることなどを最終確認しております。  以上でございます。 14 ◯武藤委員=一九九八年に建築基準法が改訂されました。それによって地方自治体の建築確認、検査が民間に門戸を開き、個々の仕様は問わずに簡略化されてしまいました。つまり、規制緩和がこういった問題の背景にあると思います。旭化成建材に限らず、こういうことが起きる可能性があるわけです。  県では、データ流用等が起きた場合、どういう対応ができるんでしょうか。 15 ◯古賀施設整備室長=くい工事のデータ流用があった場合の対応についてお答えいたします。  県有建築物につきましては、旭化成建材が施工したくい工事のデータ流用等は確認されておりません。また、最近、十年間にくい工事を施工して建設されました建物を対象にしました目視点検の結果においても、くい工事が原因と思われる傾斜やひび割れなどのふぐあいがないことを確認しており、緊急に対応、対策が必要な建物はないと認識しております。  しかし、旭化成建材以外のくい打ち工事のデータ流用があった場合には、旭化成建材の場合と同様に、当該建築物に対しまして国土交通省が示しました検証方法に従いまして、支持層への到達状況を確認するなど適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 16 ◯武藤委員=多くの施工主とか、元請が、自分たちの会社と密接な関係である会社に任せているというのが実態だというふうに言われています。例えば、伊万里第四工水の工事、これジョイントベンチャーを組んでいた大手会社がやっている別会社にくい打ちボーリングをさせていたように、そういうことが常々指摘されております。  今後の心配としては、やはりこういったことがあるんではないかということを思っております。実際、業界任せの自主点検では住民や利用者の安全は二の次になりかねません。今後のあり方として、自治体の、つまり、佐賀県としての検査体制を拡充、また、体制の強化をというふうに願っております。独立性や非営利性を原則としたチェック体制を整えていく、このことが大事なのではないかというふうに思いますけれども、皆さんはどう思っておられますか。 17 ◯古賀施設整備室長=くい工事のデータの流用問題の発生に対してどのように考えるかということにお答えしたいと思います。  くい工事に関しましては、県有建築物につきましては施設整備室で発注しました建築物に関して、くい施工中の確認や完成検査のほか、施行後、一定期間の経過した後に瑕疵の有無などを検査しております。また、先ほど御答弁いたしましたように、緊急に点検した結果でも、今のところは特に緊急に対策が必要な建物はないというふうには認識しておりますけど、今後のくい工事におきましては、現在の元請業者に対しまして、これまで行ってきた標準仕様書による管理の確実な実施というのを徹底するとともに、施工業者とは別に工事監理を委託しております工事監理者に対しましても、現場の状況が随時把握できるような体制をすること、さらに、施工工事のデータにつきましては、データの原本と照合を十分に行って提出することなどについて指示をしております。  また、現在、国土交通省が再発防止などについて議論はされております検討委員会のほうでの結果を踏まえまして、必要な対策というのを講じてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 18 ◯武藤委員=伊万里第四工水の問題はここの委員会で論じることはなじまないわけですけれども、とにかく国交省のガイドラインですね、あれの見直しをしないことにはいけないというふうに思います。そして、自治体としての、佐賀県としての検査体制の拡充、体制強化をしていただきたいと。これ問題提起として第一回目、ここの場でお願いしておきたいと思います。よろしいでしょうか。 19 ◯古賀施設整備室長=今後の問題ということで、問題提起、流用問題に対しての工事監理をしっかりやっていくということについてお答えいたしたいと思います。  先ほど御答弁いたしましたように、くい工事に関しましては国土交通省が監修しました共通仕様書に基づいて行っておりますので、その改正につきましても、先ほど御答弁いたしました再発防止などの検討委員会のほうで検討が行われていると聞いておりますので、その結果で必要な再発防止策、それから、原因究明等が行われるというふうに思っておりますので、その結果を十分に注視して工事に当たりたいというふうに思っております。  以上でございます。 20 ◯武藤委員=では、よろしくお願いいたします。  次に、公共事業のあり方について質問いたします。  昨年六月に公共工事の品質確保のための法が成立しました。品質の高い社会資本整備とともに、建設業で働く労働者を確保し、若年技能者の育成につなげようというものです。現在、建設業で働く人たちは三Kとも言われる状況があり、職場環境の改善が求められています。  そこで、質問しますが、まず、土木工事等共通仕様書の改定についてです。  ことし四月から公共事業の共通仕様書が改定されております。どういう内容になっているんでしょうか。 21 ◯古賀建設・技術課長=土木工事等共通仕様書の改定内容についてお答えします。  土木工事等共通仕様書は、各建設作業の順序、使用材料の品質、数量、仕上げの程度、施工方法など、工事を施工する上で必要な技術的要求、工事内容を説明したもののうち、あらかじめ定型的な内容を記載したものでございます。  近年の主な改定内容についてでございますが、新技術情報提供システム利用について、それから、現場代理人から監督員への提出書類の簡素化について、それから、電子納品運用ガイドラインについて、それから、下請契約の施工体制台帳の作成についてなどがございます。  以上でございます。 22 ◯武藤委員=この改定が行われたのは、どういう理由からだと認識しておいででしょうか。 23 ◯古賀建設・技術課長=土木工事等共通仕様書の改定理由についてお答えいたします。  本県の土木工事等共通仕様書は、毎年、国の改定情報ですとか、技術開発、社会制度の変化などを受けて改定しております。  具体的な改定理由としましては、品質のよい社会資本を整備するためであったり、受発注者の業務効率化の推進のためなどでございます。  以上でございます。 24 ◯武藤委員=私、資料を持っているんですけれども、土木工事等共通仕様書、この共通仕様書を見ると、特に下請業者への配慮が加わっていて、適正な額の請負代金での下請契約をと記入されております。  また、施工体制台帳も、答弁されたように、整うようにということになっておりますけれども、これは第一次であれ、第二次であれ、第二次下請以降も下請契約の写しを添付するということになっているんですね。重層的下請構造によって苦しんできた人たちの声が一定届き始めたと思っております。こういったことが入ったのは大きな前進だと思います。  では、建設業関係においての社会保険の問題、このことについてお聞きしたいと思いますが、建設労働者の待遇改善のためにも健康保険、厚生年金保険などの社会保険の加入がおくれている中で、とりわけ若い世代が仕事につくためにもその促進に努めていくべきだと思います。社会保険加入の状況についてはどのようになっていますか。 25 ◯古賀建設・技術課長=社会保険の加入状況についてお答えいたします。  平成二十六年十月の公共事業労務費調査における本県の健康保険の企業別加入率は九八%でございまして、全国の九四%を四ポイント上回っております。  以上でございます。 26 ◯武藤委員=全国の平均を上回っているというふうに言われましたけれど、その九八%の中身がどうなっているんだろうかと思うんですね。でも、まずは、県では建設業における社会保険加入促進のためにどういったことをしてこられたんでしょうか。 27 ◯古賀建設・技術課長=社会保険加入促進のための取り組みについてお答えいたします。  社会保険未加入対策につきましては、建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保を図るとともに、企業間の公平で健全な競争環境を構築することを目指し、関係者を挙げて取り組んでいるところでございます。  県では、建設業許可申請のときに社会保険加入状況の確認をしております。また、経営事項審査における社会保険加入状況の確認もしてございます。また、建設業許可申請経営事項審査における未加入者に対する文書指導も行っております。また、経営事項審査における未加入の場合は減点をしております。また、社会保険担当部局、これは厚生労働省でございますが、ここと連携した加入指導等にも取り組んでございます。  また、あわせまして次回の入札参加資格でございます平成二十九、三十年度の建設工事の入札参加資格申請におきまして、社会保険加入を申請の要件とすることとしております。  今後とも、労働者確保に向けた労働環境の改善や企業間の公平な競争環境の確保のため、建設業における社会保険の加入を促進してまいります。  以上でございます。 28 ◯武藤委員=多分、平成二十四年度からそういう方向に転じられたと思うんですね。しかし、それだけのことをしていただいて九八%の加入になっているかもしれません。しかし、こういった保険加入だけを強調すると、末端の下請業者への負担だけを押しつけていくことになりかねないんです。また、業者による労働者へのさらなる単価引き下げの動機にもなりかねないんですね。もう決まった額、下請業者に出すわけですけれども、その中からちゃんと保険加入をということで、その代金から横流しにされていくということになってしまうんじゃないか。もしくは、下請業者が労働者に単価を引き下げて払うと、自分たちは保険加入のお金を払っているわけだから、その責任は労働者のほうに単価引き下げというふうにもなりかねないということを心配するわけです。  じゃ、そうならないためには、現状どういうふうに皆さんたちが把握しておられるかわかりませんが、そうならないためには、どういうふうなことが必要だとお考えでしょうか。 29 ◯古賀建設・技術課長=社会保険加入につきましては、その目的でございますけども、これは建設産業におきまして、建設投資の急激かつ大幅な減少に伴いまして、価格競争が激しくなる。特に下請企業を中心に、本来負担すべき費用、雇用保険ですとか、健康保険、年金保険でございますが、これにつきましては法定福利費を適正に負担しない企業が存在するというのは事実でございます。  このことが技能労働者の処遇を低下させ、離職の増加、若年入職者減少の一因になっているほか、関係法令を遵守して適正に法定福利費を負担する企業ほど競争上不利になるという矛盾を生む原因ともなってございます。  このため、技能労働者の雇用環境の改善や不良、不適格業者の排除に取り組みまして、建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保を図るとともに、企業間の公平で健全な競争環境を構築するとしまして、関係者を挙げて、社会保険未加入問題への対策に取り組むことといたしたいと思っております。  以上でございます。 30 ◯武藤委員=発注者が低価格な発注を避けること、そして必要経費を見込んだ発注にしていくこと、このことが大事だと思うんですね。また、法定福利費が着実に確保されるように、見積もり契約などのときに配慮していくこと、このことも大事だと思うんですよ。法定福利費のうちに雇用保険だとか健康保険、厚生年金保険の事業主負担の参考なども皆さんたちきちんと示していくべきだと思うんですけれども、それについてはどのように認識しておられますか。 31 ◯古賀建設・技術課長=お答えいたします。  私どもは、工事におきまして契約を結ぶ場合、元請、下請契約というのの適正化を図るように指導をしているところでございまして、その中に元請業者は、下請業者と対等な立場における合意に基づいて契約することとなってございます。その中に事業主が負担すべき法定福利費についても適切に反映するよう指導されてございます。これは国土交通省からの通知により指導しているところでございます。  以上でございます。 32 ◯武藤委員国土交通省からの通知によって指導しているということなんですけど、この共通仕様書の改定だとか、健康保険加入の促進だとか、こういったことはやっと建設現場で働く人たちの待遇改善の問題に光が当てられたと、当てられてきたということなんだと思います。  共通仕様書の改定、社会保険加入など、下請で働く人たちの配慮が見えて、国交省もそのことを認識し始めたと思うんですね。これがきちんと守られるようにならなければ、佐賀県内で働く建設労働者、または下請労働者はいつまでも苦しい思いをすることにつながっていくと思うんです。そういう意味では、県の指導というのはとても大事な役割だと思うんですね。そのことをしっかりと心がけて、元請業者、そして下請業者にまで目配りをしていくということが求められていると思うんです。  ちょっと次に進みますが、賃金水準の改善についてです。  平成二十五年度以降、設計労務単価が引き上げられましたが、それがなかなか反映されていないという状況です。私は、これまでも賃金水準が低いことを指摘し、改善を求めてまいりました。昨年は当時の県土づくり本部長、今は副知事になっておられる副島本部長が建設業者へ適正化の指導をしていくと答弁しておいでになっています。それで、設計労務単価を反映した賃金水準の確保に向けて、どんな取り組みをされてきたのか質問いたします。 33 ◯古賀建設・技術課長=賃金水準の改善の取り組みについてお答えいたします。  建設業が労働者にとって魅力のある産業となるためには、賃金水準の確保が重要であることは認識してございます。  それから、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」というのが昨年に可決、成立いたしました。いわゆる改正品確法でございます。この改正品確法の目的に、若手の技術者や技能者等、将来の担い手について中長期的な育成及びその確保の促進ということが追加されてございます。  また、受注者の責務に、技術者、技能労働者等の育成及び確保並びにこれらの者に係る賃金その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の改善に努めなければならないということが明記されております。  県といたしましては、改正品確法の受注者の責務の周知を図るため、技術者、技能労働者等の賃金及び労働環境の改善などを建設業団体に説明しております。今後とも機会を見つけ、建設業団体に改正品確法の周知に努めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 34 ◯武藤委員=私が六月議会で指摘した、県事業女山トンネルの現場でのダンプカーの賃金、三万三千円しかもらっていないという声をお聞きしたんですけれども、その是正を求めたんです。県は元請業者への要請や聞き取り、それを行ったんでしょうか。どんな対応をされたのかお聞きしたいと思います。 35 ◯永石道路課長=女山トンネルへの対応についてお答えいたします。  六月議会での答弁を踏まえまして、佐賀土木事務所、杵藤土木事務所から女山トンネル工事の各工区の現場代理人に対しまして、技能労働者への適切な賃金水準の確保について指導を行っております。まず、その一回行った後に、再度それぞれの現場代理人に対しまして同じような技能労働者への適切な賃金水準の確保について指導を行っております。  また、この時点で下請の契約内容等についての聞き取りも実施したところでございます。  以上でございます。 36 ◯武藤委員=聞き取りをして指導もした、聞き取りもしたとおっしゃいましたけれども、改まったんですか。
    37 ◯永石道路課長=委員御指摘のダンプカーの契約状況という形についてでございますけれども、受注業者はそれぞれの現場代理人に聞き取りを行いましたところ、女山トンネル工事におきましては、両方の現場とも元請、もしくは下請と直接雇用契約した個人所有のダンプの使用はないという説明を受けております。このため、それ以降の調査、改まったかどうかということまでには至っていないという状況でございます。  以上でございます。 38 ◯武藤委員=個人所有のダンプと契約をしていないというふうにおっしゃいましたけれども、だから、その後改まったのかどうなのかもわからないとおっしゃいましたけれども、それは余りにも無責任だと思うんですね。私は現に聞き取りをして、こういう現状なんだということを皆さんにお示ししました。そして、その改善を求めたんです。しかし、例えば、青ダンプだから、運送契約だから、貨物事業者運送事業との契約だから、労務単価の対象にならないという認識だと、それは間違っていると思うんですよ。県事業そのものにおいて、あなたたちは建設労働者の権利そのものを低めているというふうに思うんですね。この前もお示ししたと思いますけれども、再度お示しします。  いいですか。(資料を示す)これはことし四月からのダンプの労務単価ですよ。軽油が九十六リットル、そして単価が百十三円として、金額が一万八百四十八円というふうに示されています。そしてダンプ損料は十年標準仕様で一千二百六十万円と計算されているために二万二千三百二十円、タイヤ損料は道路の事情にもよりますけれども、平均的に一日一千四百六十三円というふうに計算されて、これまでが三万四千六百三十一円です。そして、運転手の労賃が、平成二十七年四月の全国平均標準単価ということにして一万六千六百四十九円になっているんです。合わせますと、五万一千二百八十円全国の標準平均として支払わなければなりません。しかし、当時皆さんにお聞きしたときに四万数千円だったということですよね。そういうふうに後で私の控室においでになって報告をされました。しかし、いまだに、これは全国だけれども、佐賀県の場合四万数千円と。しかし、それでも三万三千円しかもらっていないんですよ。現在もそうなんですよ。それが続いているんです。  そして、皆さんたちは個人契約ではないので、後については知らないし、してもいないというような御答弁を今されたわけですよね。そんな状態でいいんでしょうか。  建設業の方たちを育成しないといけない、あるいは建設現場で働く人たちの待遇を改善していかなければならないという中で、そのままで放置されていていいんでしょうか。同じように仕事をしている方が、こういう標準に示されているものの外枠ということであっていいんでしょうか。私はやっぱりこれはおかしいんではないか。そのことを皆さん方はちゃんと対応していくべきではないかと思うんですが、どうでしょうか。 39 ◯永石道路課長=お答えいたします。  元・下関係の契約の徹底につきましては、建設業法に基づき、これまでも指導を行っているところでございます。先ほどからお話があっております、いわゆるダンプ持ち労働者として、その現場で土砂の運搬作業などを行う雇用契約におきましても、適正な価格で契約を締結するよう、今後とも要請してまいりたいというふうに考えております。 40 ◯武藤委員=元・下契約、元・下関係をやっぱりただしていくというのも、県の役割だと思うですけれども、ある工事現場で働いている人から聞いた話では、契約書がないというんです。そして、契約書があっても、内容が履行されない。そういう人たちがまだたくさんおられるんですよ。こういう状態に置かれているのが実情です。契約書がないというのは、皆さん方の認識としてどうですか。建設業法に違反しているのではないかと思いますが、本部長、どうですか。 41 ◯和泉県土づくり本部長=元請と下請の適正化ということについてでございますが、先ほどからの答弁、課長のほうからしておりますとおり、元請、下請の適正化ということは非常に重要なことだというふうに認識しておりまして、現在も適切に工事発注をしたときには、下請状況はどうなっているかというようなことについては、必要な確認を行いながら、問題があれば是正をするという形をとっているところでございます。 42 ◯武藤委員=私が聞いたのは、契約書がないということについて、それは建設業法に違反しているんではないかということを聞いているんです。元請、下請の関係の是正、それは当然やっていただきたいと思うんですが、今、具体的に言っているのは、契約書がないということはどうなんだということをお聞きしていますので、どなたか的確に御答弁ください。 43 ◯古賀建設・技術課長=元請、下請関係で契約書がないというような状況があるということについてお答えいたしますけれども、私どもは工事を元請と契約いたしますと、そのときに元請、下請の元請業者としての義務というものを出しまして、それについて説明して渡している状況でございます。  その中に、そこの契約ですね、元請、下請との契約の適正化ということにつきましても、そこで指導しているところでございまして、今の契約書がないという状況というのは、非常に残念なことだと思っておりますし、そういったことの相談などがある場合は、私どもに連絡いただくか、また、建設業フォローアップ相談ダイヤルというのがございますので、そちらのほうで相談していただければなというふうに思っております。 44 ◯武藤委員=今、指摘した工事現場については、別に女山トンネルに言っているわけではありません。本当に県の事業の中で、そういうことが起こっていると、それが重層的下請構造のもとで、元請と下請の関係が対等なものになっていないということを皆さん方が十分把握していただきたいんです。フォローアップ事業に相談してもらえばいいというような問題ではないんですよね。県のお立場というんでしょうか、それが本当に元請、下請関係を是正していく、適正なものにしていくという役割を果たしていただきたいということを言っているんです。  ある元・下関係にあるところでは、繁忙期と閑散期に単価に違いがあるわけです。それで、夏場単価という言葉がまかり通るような異常な事態が起こっているんですよ。契約変更手続もされない、一方的な変更なども行われているんです。こういう事実を知って、皆さん方は労働者に現場で聞き取りを行う、あるいは下請業者にも聞き取りを行う、そういうことをしないと、フォローアップ事業だけに任せるということにはいかないんじゃないかということを私は申し上げているんです。  県は公共事業の発注者として、また建設事業を所管する行政庁としての県内の建設工事において元請・下請契約を指導し、建設業を育成する立場にあるんです。こういったさまざまな下請泣かせの状況があっている、労働者泣かせが横行しているということがあるわけですから、それについての認識をもう一度答弁していただきたいと思います。 45 ◯古賀建設・技術課長=お答えいたします。  元請・下請契約の適正化というのは非常に重要なものだと、建設業を所管する県といたしましては、そういうふうに感じているところでございます。  これにつきましては、元請・下請契約の適正化についての建設業法の遵守について、私ども建設業者説明会を開催しておりますし、県の発注機関及び市町に対する下請契約における代金支払いの適正化等についても文書通知をしているところでございます。  それから、国との合同立入検査、それから国が実施します下請取引等実態調査などを行いまして、建設業者の是正を行っているところでございます。  今後とも、これらの取り組みを推進するとともに、国や市町、業界団体と連携しまして、元請・下請契約の適正化や建設業法の遵守に取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 46 ◯武藤委員=せっかく共通仕様書が改訂されて、社会保険などの待遇の改善の努力も始まっていて、また、設計労務単価が引き上げられるということになったとしても、実際に現場ではそうなっていない、それを指導、改善するのが皆さんたちの役目かと思うんですね。県がみずから発注者としての仕事をするということとあわせて、所管庁としての責任を果たしていく、この二つの立場がしっかり果たされていなければ、本当に県内の建設業は育たないし、建設業で働く若い人にも希望が出てきません。そういうその指導、改善がとても大事だということを私は申し上げているんですが、今御答弁の中で、国との合同立入検査なども行っているとおっしゃったんですけど、じゃちなみに聞きますけど、どれぐらいされたんですか。 47 ◯古賀建設・技術課長=合同立入検査についてお答えいたします。  これは毎年十一月が建設業適正取引推進月間ということになってございまして、その月間中に国との立入検査を実施してございます。  ちなみに、本年度は、これは大臣許可業者ではございますので、県内少のうございまして、二件の検査でございます。  以上でございます。 48 ◯武藤委員=十一月の推進月間の中で二つの現場に、あるいは二つの業者に立ち入りをしたと、それでは本当に現状を把握するということにならないんですよ。もう皆さんたちが本当に業者にお願いということもおっしゃっていますけれども、お願いしただけで改善が進むというふうに思っておられたら、認識が違うんではないかなというふうにも思います。  本当にそうなっていないのが現状ですから、今、私が申し上げたことが実際に県内の建設業、あるいはその下で働く人たちの現状なんですよ。そこを皆さんたちしっかりと認識してつかんでいただきたい、指導、改善をもっと促進していただきたいと思います。どうでしょうか。 49 ◯古賀建設・技術課長=今後の促進についてお答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、改正品確法というのが昨年成立いたしております。その改正品確法の中に受注者の責務というのがございます。これは技術者、技能労働者等の育成及び確保並びにこれらの者に係る賃金その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の改善に努めなければならないというふうに明記されてございまして、県といたしましては、この品確法の受注者の責務の周知を図るとともに、技術者、技能労働者等の賃金及び労働環境の改善などを今後も建設事業者団体にしっかりと説明していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 50 ◯武藤委員=条例関係はここの委員会の所管ではないですけれども、公契約条例などを本気になって県が取り組んでいくべきではないかということを私は思っているんです。そうでないと、県内の下請業者、労働者は泣かされっ放しですよ。私は、そういう提起もここの場で皆さん方にもしながら、皆さん方が今後どういうふうな取り組み方をしていくのか、統括本部や経営支援本部とも一緒にそういうことをしっかり提起していきながら、県内の労働者の権利を守っていくためにも、働く人たちが安心してこういう現場で働くことができるようにしていくためにも、そういう努力が必要なんではないかと思うんです。  県土づくり本部長、最後に私の提起についてどのようにお受けでしょうか。 51 ◯和泉県土づくり本部長=我々、建設業・産業の所管等も行っておりまして、我々の立場といたしましては、やっぱりしっかりとした工事の品質を中長期にわたって確保していただくと、そのためには担い手の中長期の確保が非常に重要、そのためにはやはり元請、下請についても適正な契約のもとにきちんと対等の立場で行ってもらうということが必要だと、重要だというふうに思っておりまして、そのためには先ほどから言っていますとおり、下請、元請の関係がきちんとされているのかどうかというのを、いろいろな機会を通じて確認して、現在もしておりますし、今後ともきちんとやっていくということでございます。  その結果、そこで働いている技能者、労働者等の適正な労働環境なり条件の確保にもつながっていくというふうに思っておりまして、そういうことで我々、トータルの建設業をどう育成していくかという中で、きちんとそのような各論の対応もしていきたいというふうに思っているところでございます。 52 ◯武藤委員=ここは総務委員会ではありませんけれども、公契約条例は、ほかの分野で働く人たちもそうなんですけれども、必要なことだと私は考えているんです。それを率直に問題提起をして、ここの分野の皆様方がみずからそういう立場に立っていただかないと、条例関係の分野も動かすことができないと思いますので、そのことをお願いしておきます。  そしてまた、今後もこの問題についても取り上げていきたいと思っておりますので、皆さん方、きちっとそのことを認識していただきたいと思いますが、どうですか。 53 ◯和泉県土づくり本部長=今、委員のおっしゃられました公契約条例等については、ちょっと我々単独でどうのこうのと言える話ではございませんので、そういうことについてもいろいろと関係部局と相談はしたいと思いますが、我々は今先ほど言ったとおり、建設業法あるいは品確法等に基づいてきちんと対応していきたいというのが現状でございます。  以上でございます。 54 ◯武藤委員=お願いしておきます。  それでは、次に進みます。新幹線長崎ルートの問題です。  けさの新聞にもリレー方式という言葉が急浮上しておりますけれども、本当に今慌ただしい動きになってまいりました。  新幹線長崎ルートは平成十九年に佐賀県と長崎県、そしてJR九州の三者基本合意によって事業が、当時六割を超える人たちが反対していたにもかかわらず、見切り発車をしてしまいました。  二〇二二年、平成三十四年の開業予定を前に、昨年二〇一四年の十月、フリーゲージトレインの耐久走行試験を開始しましたが、その後、トラブルが発生し、一年経過しました。その結果、開業予定が大きくおくれるということが明らかになりました。  あす、政府・与党のプロジェクトチームの会議もあるということなんですけれども、まず、平成十九年の三者基本合意以降の経緯を改めてお聞きします。 55 ◯島内新幹線・地域交通課長=九州新幹線長崎ルートの整備経緯につきまして、三者基本合意後とおっしゃいましたけど、若干さかのぼった説明をさせていただきたいと思います。  西九州ルートの整備につきましては、昭和四十八年の国の整備計画を受けまして、昭和六十一年に早岐経由でのフル規格のアセスルートが示されましたが、JR九州の収支にかかる意向表明などがあり、平成四年に鳥栖から武雄市までは在来線を活用し、諫早市、大村市経由の長崎市に至る現在のルートが地元関係六者で合意されております。  平成十六年十二月に政府・与党申し合わせ「整備新幹線の取り扱いについて」におきまして、「軌間可変電車方式による整備を目指す」とされましたことから、これを前提に平成十九年十二月に佐賀県、長崎県、JR九州におきまして三者基本合意を締結したところでございます。  平成二十年三月に政府・与党整備新幹線検討委員会におきまして、西九州ルートの着工条件が整っていることについての確認がなされまして、三月二十六日の西九州ルート武雄温泉─諫早間の着工認可に基づきまして、同年四月には建設工事起工式が行われております。  その後、平成二十三年十二月には政府・与党確認事項で西九州ルートはフリーゲージトレイン方式により整備することが確認されまして、平成二十四年六月二十九日、武雄温泉─長崎間のフリーゲージトレイン方式による工事実施計画が認可されまして、現在に至っております。  以上でございます。 56 ◯武藤委員=今流れをお示しいただきましたけれども、基本合意の前は長崎本線の場合は並行在来線として位置づけられ、廃止をされるということになっていたわけで、長崎本線を守りたいという人たちが存続運動を続け、その結果、上下分離方式という形で新幹線開業後、長崎本線は二十年間は何とか存続できることになったけれども、その二十年後は全くどうなるかもわからないというような状況に置かれたわけです。  この三者基本合意というのが、これどういう発想なんだと思うように、当時の県民、本当にキツネにつままれたような状況だったんですけれども、フリーゲージトレインということが言われるようになって、そして今回のフリーゲージトレインによる完成のおくれということの事態になっております。そして、開業がおくれるんではないかということになってきたわけですけれども、このフリーゲージトレインのふぐあい、それがどうだったのか、もう少し具体的に答弁いただきたいと思います。 57 ◯島内新幹線・地域交通課長=ふぐあいの原因につきましてお答えいたします。  軌間変換装置のベアリング内の潤滑油が漏れないようにする部品の部分的な欠損、それから滑り軸受けと車軸の接触部の微細な摩耗痕の発生であったが、今回のふぐあいの原因につきましては、高速走行におきます振動や摩耗に起因するものと考えられるということが十二月四日に開催されました国の軌間可変技術評価委員会において報告されたと伺っております。 58 ◯武藤委員=それで、ふぐあいの原因ですね、それに対する対策がどういうふうに考えられているんでしょうか。 59 ◯島内新幹線・地域交通課長=ふぐあいの対策についてお答えいたします。  国としては、部品をより強度の高い材質や形状のものに変更したり、各部品のすき間や形状を改良いたしまして、引き続き調査、分析を進めた上で、それが装着された実物の台車の高速回転試験等によりまして、対策の効果を検証するという流れを予定されていると伺っております。 60 ◯武藤委員=それが列車の台車によって、実際に走行テストを行うということにつながっていくんですか。  今後の進め方がどうなるのか、そして、それがうまくいかなくなったときはどうなっていくのかを皆さんお考えなんでしょうか。 61 ◯島内新幹線・地域交通課長=今後の見通しにつきまして、国は改めて有識者によります軌間可変技術評価委員会で評価した上で、スリーモードの耐久走行試験を再開したいとされ、耐久走行試験の再開時期等につきましては、今後の検証試験等が順調に進んだ場合、来年度後半を予定されるというふうに聞いております。 62 ◯武藤委員=順調に進まなかった場合はどうなっていくんでしょう。 63 ◯島内新幹線・地域交通課長=そういったうまくいかなかったということについて、具体的な計画等を伺っているわけではございませんが、こういった有識者による軌間可変技術評価委員会などでの議論など、あるいはそういったモードの提案というか、アドバイスなどを受けて、さらに検証されて改善されていくのではないかと考えております。 64 ◯武藤委員=あくまで長崎ルートはフリーゲージトレインでの開業を目指すんでしょうか。それとも、けさの新聞によるとリレー方式というのが急浮上したと報道されているわけですけれども、リレー方式とはどういうことなのか。  いずれにしても、あすのプロジェクトチームの会議の中で話し合いがされていくと思いますけれども、今の時点でフリーゲージトレインで開業しようということなのか、そして、もう一つはリレー方式がどんなものなのか、それを御答弁いただきたいと思います。 65 ◯島内新幹線・地域交通課長=新聞報道などでさまざま言われていますリレー方式につきまして、国から具体的な話は全く聞いておりませんので、どういったものかはちょっと把握しておりません。  県といたしましては、フリーゲージトレインが早期に走行試験を再開されまして、一日も早く開業に向かうように、今後とも引き続き求めていきたいと考えております。 66 ◯武藤委員=フリーゲージトレインでいくとなったときは、開業めどはどのように考えていらっしゃるんですか。 67 ◯島内新幹線・地域交通課長=お答えいたします。  フリーゲージトレインの開発が仮におくれるというようなことがあったといたしましても、最も優先されるべきは安全性であるというふうに考えておりまして、フリーゲージトレインの安全性を確保いただいた上で、政府・与党の申し合わせに基づきまして、フリーゲージトレインによる西九州ルートの早期の全線開業というものを望んでいるところでございます。 68 ◯武藤委員=フリーゲージトレインをあくまで求めると言われるけれども、ある技術的なことを知り合いの人に聞いたところ、広くないとスピードは上がらないと。だから、フリーゲージトレインというのは本当に無理な話なんだということさえ指摘する方がおられるわけですよね。  それについて、皆さんたちはあくまでもそういう立場にしがみつかれるのか、今、論議されようとしているリレー方式というところに乗りかえていくのか、そのあたりがとても私たち県民にとってどうなっていくんだろうという心配があるんですよ。それは皆さんたち、どんなふうにお考えでしょうか。 69 ◯島内新幹線・地域交通課長=お答えいたします。  まず、フリーゲージトレインの安全性等につきましては、平成十年から本格的な開発について取り組まれ、さまざまな開発目標を確実にクリアをされて、平成二十三年十月には軌間可変技術評価委員会におきましても技術的な評価がなされて、一定の水準に達したということでフリーゲージトレインを西九州ルートに導入するという流れで、先ほど来説明していました経過で認可を受けているところでございます。  それと、先ほど申しましたとおり、国等から具体的な説明を受けているわけではございませんので、どういう形なのかということについて認識があるわけではございませんが、そもそもフリーゲージトレインによります効果であります乗りかえなしで関西圏に乗り入れられることによって期待されますインバウンド等の誘客効果ですとか、時間短縮効果といったものが大きく低減するような方法ではなかろうかというふうに考えるところでございまして、県といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、フリーゲージトレイン方式によります全線開業というものを一日も早く求めていくという考えに変わりはございません。 70 ◯武藤委員=私は、この新幹線長崎ルートについては、初めから反対の立場でした。  せっかく親しまれてきた長崎本線がありながら、その地域をどんどん過疎化させていくと。そして、トンネルの多い新幹線をつくって、莫大な事業費をかけて、県民、国民に負担をもたらすという点からなんです。事業費も莫大なものになると思います。  これまで、つまり平成二十六年度までかかった事業費、どうなっていますか。 71 ◯島内新幹線・地域交通課長=これまでの事業費についてお答えいたします。  西九州ルートの整備は、平成二十年三月二十六日の着工認可によりまして、平成十九年度から工事に着手しております。  平成二十七年度までの事業費は累計で千五百四十四億円となっているところでございます。  以上です。 72 ◯武藤委員=それは全体の事業費だと思いますが、そのうちの佐賀県の区間の事業費、そして、佐賀県の負担額、それぞれお答えください。 73 ◯島内新幹線・地域交通課長=お答えいたします。  先ほど申し述べました事業費の累計千五百四十四億円のうち、佐賀県区間の事業費は、平成二十七年度までの累計で約四百八十三億円となっております。  また、新幹線建設事業の地方負担につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、新幹線建設事業費の三分の一を負担するものとなっておりまして、平成二十七年度の見込み額を含め、平成二十七年度までの佐賀県負担額は約百四十二億円となっているところでございます。  以上です。 74 ◯武藤委員=参考のためにお聞きしたいんですけど、現在計画されている長崎ルートの全体事業費、そして佐賀県区間の事業費、そして県負担の額、これについてはそれぞれ現在の計画額でどうなっていますか。 75 ◯島内新幹線・地域交通課長=全体事業費の見込みについてお答えいたします。  西九州ルートの全体事業費につきましては、平成二十三年十二月二十六日の政府・与党確認事項の「整備新幹線の取り扱いについて」におきまして、約五千億円とされているところでございます。  また、県が試算した結果では、全体事業費約五千億円のうち、佐賀県内の事業費は約千二百二十四億円と見込んでおりまして、その三分の一の約四百八億円を佐賀県が負担することになると考えております。  以上です。 76 ◯武藤委員=本当に大きな額がつぎ込まれるということになるわけですけれども、この開業がさらに延ばされていく。フリーゲージトレインの開発がどうなっていくのかわかりませんが、開業が延ばされていく、もしくはリレー方式にプロジェクトチームがどういうふうな対応をするのかわかりませんけれども、さらに事業費は膨らんでいく。開業が延ばされれば延ばされるほど膨らんでいくということになっていくんでしょう、どうですか。 77 ◯島内新幹線・地域交通課長=お答えいたします。  今回、平成三十四年度中にフリーゲージトレインの量産車を導入することが難しいという見解を国が示されてはおりますものの、国の今後の対応については明らかにされておりませんので、引き続き一日も早く開業を国に求めていくというふうに考えております。  そういう見解が示された段階でございまして、事業費がどのようになりますとか、あるいはどれぐらい間に合わない状態があるのかということについては、今後、国等からの説明を受けなければいけないというふうに考えておるところでございます。 78 ◯武藤委員=一般的に、どの事業も年数がかかればかかるほど単価も上がっていくということにつながり、事業費は膨らんでいくわけですよね。  私たち県民の大事な、ほかのことにもっと使ってほしいという願いが、この新幹線長崎ルートの事業につぎ込まれていくということになっていくんです。  新幹線長崎ルートは、長崎の県民の中にも反対している人が多いんです。不必要だという声があります。
     佐賀県はなぜ、新幹線長崎ルートが必要だと思ってこの事業を進めているんでしょうか、そのことについて御答弁いただきたいと思います。 79 ◯島内新幹線・地域交通課長=西九州ルートの必要性についてお答えいたします。  整備新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、本県の西九州ルートを初め、北海道新幹線や北陸新幹線が整備されており、我が国におけます高速輸送体系の根幹となるものと承知しております。  全国新幹線鉄道整備法においては、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図ることで、国民経済の発展、国民生活領域の拡大及び地域の振興を図ることを目的としておりまして、この目的を達するためには、全国が長崎を含む九州から北海道まで一本のレールでつながることが必要であると考えております。  これからの佐賀県が地方創生の取り組みを強化いたしまして、発展していくためには、九州新幹線西九州ルートは重要な社会資本であると考えておりまして、フリーゲージトレイン方式による整備を推進してまいりたいと考えております。  以上です。 80 ◯武藤委員=高速鉄道網が必要だと、地域浮揚、地域経済のためにも必要だというような認識だと思うんですけれども、お聞きしますが、長崎から博多まで時間短縮はどれぐらいになりますか。 81 ◯島内新幹線・地域交通課長=現在、一時間四十八分が二十八分短縮されるというふうに承知しております。 82 ◯武藤委員=それで、佐賀駅から博多まで何分短縮できるとお思いですか。 83 ◯島内新幹線・地域交通課長=伺っている話としては、現在の三十五分が二分間程度の短縮になるというふうに聞いております。 84 ◯武藤委員=二分間しか短縮ならないんですよ、我々佐賀県民にとって。(「武雄も嬉野もある」と呼ぶ者あり)武雄、嬉野があるというような人たちもおられますけれども、それはその時間が少し延びるぐらいのことで、しかし、本当に短縮するのに五千億円をですよ──二分短縮する、五百億円……、その倍ですね。一分短縮するのに二百五十億円もかかるということになってしまうんじゃないですか。  これは、長崎からも本当に不要だという声もありますけれども、しかし、長崎県民の人たちも本当に反対だと、工事が長引いてどんなになるかわからないという心配をお持ちなんですよね。  これは皆さんたちにとって本当に必要でしょうか。地域経済というけれども、博多から長崎まで真っすぐ行ってしまうんじゃないでしょうか。一旦武雄とか嬉野におりたとしても、そこはとまらないで長崎まで行ってしまう、そういうことになりはしないでしょうか。  トンネルばかりの新幹線で、人々がくつろいで、ゆっくりできるでしょうか。本を読もうとしても、電話しようとしても、なかなかつながらないというようなことにもなっていくんではないでしょうか。  そういうものが本当に私たち佐賀県民にとってお金を莫大につぎ込まれて、それでいいんだろうかと思うんです。  フリーゲージトレインでの完成のめどが立たないとなると、今、リレー方式とか言われているけれども、一般的にこれはフル規格にという期待を抱く人もおられるかもしれません。このフル規格案が出てくるんではないか。そうなると、もっともっと金額が膨らんで、さらに私たち県民のもっとこうしてほしい、暮らしの願い、こうやって生かしてほしいという思いがまた奪われていくんではないかというふうに思うんです。  フル規格は、本当にこれを求めたいという人たちもおられると思うんですけれども、時間短縮にも役に立たない長崎新幹線です。この際、事業を中断してはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。交通政策部長、答えてください。 85 ◯西村交通政策部長=今、委員から九州新幹線長崎ルートを中止してはどうかというお話がございました。  これについては、先ほど課長が長崎ルートの必要性、全幹法にのっとったということで説明したとおりでございます。  また、課長が説明したように、これは全国、北海道から鹿児島までを一本のレールで、新幹線で結ぶということがこれからの日本、ひいては西九州、佐賀、長崎、これからの発展には必要不可欠だと考えています。  それはなぜかといいますと、御承知のように、今、人口減少社会でございます。佐賀県も八十三万人ちょっとということで、二〇六〇年には何もしなければ五十六万人程度、少子化対策をとっても六十五万人ぐらい、これからどんどん人口が減っていく中で、やはり佐賀県の経済を発展させていくためには人の交流というものが大事なことではないかと思っております。  観光庁の資料によりますと、定住人口一人分の年間消費額、これは外国人旅行者の十人分に相当すると。また、宿泊国内旅行者二十六人分で定住人口一人分の年間消費額になると。日帰りでの八十三人分が一人分に相当するということで、そういったことを考えますと、これから佐賀県を発展させていくためには、もちろん海外からのインバウンドも、佐賀県に来て宿泊していただかなければいけないし、日本全国から、特に長崎新幹線については新大阪と直結できるということで、関西方面、また中央方面からもどんどん乗りかえなしで来ていただくことが必要だと考えております。  そういったことを考えれば、これから観光客による経済効果、またビジネスチャンスも広がっていくのかなと考えています。  そういうことで、西九州ルートについては、ぜひ整備していかなければいけないということで、中止ということについては考えてございません。 86 ◯武藤委員=観光客の呼び込みだとか、経済効果を高めていくとかというようなことをおっしゃいますけれども、博多から長崎まで直行してしまうんじゃないですか。そして、私はそういったトンネルばかりの新幹線よりも、佐賀平野の豊かな緑を見ながら、白石平野の穀倉地帯を見ながら、有明海の海を見ながら、長崎まで行くと、あるいは佐賀ってすてきなところだなと思っていただくことのほうが、観光客にも喜ばれると思うんです。  地域経済の効果が果たしてこの新幹線であるんだろうか。私はもうこれは本当に皆さんたちが決めたら見切り発車して、もう公共事業、何が何でもとめられない、まるで暴走してしまう暴走列車のような感じの長崎ルートになってしまうんではないかということを指摘したいと思います。もう長崎新幹線絶対にこれは、今、この機会です、いい機会です。今ならまだ出してきたお金の被害が少なくて済みます。ぜひこれは勇気ある決断を求めたいと思います。どうでしょう。 87 ◯西村交通政策部長=委員から改めて中止してはどうかと、フリーゲージもちょっと怪しくなってきて開業がおくれるんじゃないかと、また、そうしたフルの話も浮上してきている、そうした中でどんどん佐賀県の負担ばかりが増して、いっそのこと中止してはどうかという趣旨だと思いますが、これについては先ほど課長が答弁申しましたように、平成十六年の政府・与党合意を受けて、また、十九年の三者基本合意、こうした経緯を踏まえて、議会からも国の認可、機構が認可を受けるに当たっての同意も得ております。  県としても、フリーゲージトレインによる負担、これいわゆる真水の部分で二百二十五億円と試算しておりますが、これ以上の負担については基本的に考えてございません。だから、基本的にリレー方式、もしくはフルということに、そういうことも想定されるわけでございますが、これに当たっては大原則として、今以上に県の負担がふえないというか、支払わないというか、そういった基本スタンスでしっかりフリーゲージによる全線開業を求めていきたいと考えているところでございます。 88 ◯武藤委員=県負担は真水の部分で二百二十五億円だとおっしゃいましたけど、地方交付税が充てられるかもしれませんが、私たちが求めている一般財源として、地方交付税、色がついておりませんから、何のために来たのか、私たちの要求がそのまま反映される部分が減らされていくということだってあるわけですよ。幾ら真水の部分だと言われても、それはもう当てにならない地方交付税です。  それで、今、交通政策部長はリレー方式、もしくはフル規格の方式もあるかもしれないけれどもというような言葉でおっしゃいましたけど、本当に今以上に佐賀県が負担がふえるということはないと断定的におっしゃるが、なぜそういうこれ以上の負担があることはないと言えるのか。私は言えないと思いますよ。フル規格になるのはもっと大変なことになっていくじゃないですか。私は凍結すべきだし、やめるべきだということをはっきり申し上げておきます。この長崎ルートのやり方は反対です。何としても今この段階で断念する勇気ある決断が必要だということを述べて質問を終わります。 89 ◯徳光委員=県民ネットワークの徳光清孝でございます。武藤委員に引き続きまして、九州新幹線西九州ルートについて質問をしたいというふうに思います。  ただ、最初にちょっと言いますけれども、さっきの交通政策部長の答弁はちょっと誤解を招くようなこともあったと思うんですよ。フル規格もあるかもしれないけれども、県の負担はこれ以上させない、そんなの絶対にあり得ないでしょう。今の県の立場、そうじゃないでしょう。もう一回ちょっとそこは言い直してください。 90 ◯西村交通政策部長=ちょっと訂正させていただきます。  県としては、基本的に三者合意と政府・与党の申し合わせ事項、これに基づきまして、一日も早いフリーゲージによる全線開業を求めております。  これ以外の方式というのは、今のところ、国から直接提案もあってございません。県も考えてございません。そういうことで訂正させていただきます。 91 ◯徳光委員=はい、お願いします。  私もこの間、長崎新幹線については本当に効果があるのか、それから、フリーゲージトレインについては本当に開発されるのかということも含めて、何回も質問をしてきました。残念ながらといいますか、フリーゲージトレインもなかなかうまくいっていないということが現実になったところであります。  そこで、武藤委員への答弁の重複は避けたいと思いますが、いわゆる今回の耐久走行試験でのふぐあい、あるいはそれの対策のあり方等について、評価委員会でも報告をされて審議をされたということで、先ほど課長から答弁ありましたが、そのことについては直接その評価委員会の事務局のほうとか、あるいは鉄道運輸機構のほうに聞かれているのかどうか、その点についてちょっとお尋ねをします。 92 ◯島内新幹線・地域交通課長=四日の評価委員会の終了後に国から資料という形で情報提供を受けております。それと、若干ですけども、概要の説明を私のほうが受けたというところでございます。 93 ◯徳光委員=何でそういうことを聞いたかというと、やっぱり詳しく直接いろんなことを聞かないと、例えば、報告では、うまくいけば、来年度の後半に試験が再開できるんじゃないかというような言い方をしていましたけれども、六十万キロメートルの走行試験のうち、たった三万キロメートルを走ったところでもうふぐあいが生じているんですよ。これを改良するとすれば、かなり難しい面も出てくると思うんですね。まだあと五十数万キロメートル走行試験をやらないといけない。すると、また、何かふぐあいが出てくる可能性というのもあると思うんですよ。だから、その辺は技術的にどこまで県の皆さんが聞けるかということもあるかもしれませんが、そこはやっぱりしっかり直接こっちから出かけていってでも、詳しくその点は聞いていただきたいと思うんですよ。その点どうでしょうか。 94 ◯島内新幹線・地域交通課長=委員御指摘のとおり、そういった技術的な部分につきましては私も明るいほうではございませんでしたので、概略の説明を受けましたものの、もっと詳細にわかりやすい説明というのを受けたいなと考えておりまして、早急に受けるようにしたいと思っております。 95 ◯徳光委員=そこで、その評価委員会等の審議の結果を受けて、同日、国土交通省が記者会見を開きましたけれども、改めてお尋ねをしますが、国が記者会見を開いたその内容についてお示しください。 96 ◯島内新幹線・地域交通課長=評価委員会の結果を受けた国の見解につきましては、国土交通省に対して説明を求めましたところ、平成三十四年度中に九州新幹線西九州ルートにフリーゲージトレインの量産車を導入することは難しいということ、それと、もう一つは、政府・与党申し合わせを踏まえまして、武雄温泉─長崎間の整備を進めながら、開業までの工程につきまして地元自治体等の関係者と調整をしていこうという見解が示されたというふうに伺っております。 97 ◯徳光委員=開業予定であった平成三十四年度に、いわゆる量産車を導入しての開業は困難ということなんですが、このことについて県としてはどのように受けとめていますか。 98 ◯島内新幹線・地域交通課長=三十四年度中に西九州ルートにフリーゲージトレインの量産車を導入が難しいという国の見解は示されましたものの、今後の国の対応につきましては明らかにされておりません。県といたしましては、フリーゲージトレインの走行試験の早期再開を望むものでございまして、一日でも早く全線開業という形でお願いしていこうというふうに考えております。 99 ◯徳光委員=そこで、量産車による開業は難しくなったということなんで、微妙な言い方をしているわけですね。そうすると、今さっきから議論が出ていたように、リレー方式だとかいうことも含めて、暫定開業ということになると思うんですが、新聞、マスコミの情報によると、記者会見の中で国が例えばということで先行車両、一両か、二両ということで暫定的に開業することも検討みたいなことを記者会見の席で例示をされているようですが、一両から二両での先行車両による運行というのは、具体的にどのようなものと受け取っていますか。 100 ◯島内新幹線・地域交通課長=武藤委員の御質問に対してもお答えしましたとおり、国からは具体的な提案を受けておりません。新聞報道などを受けまして、私なりにフリーゲージのような期待するような効果がないのではないかというふうな答弁をさせていただきましたが、具体的なやり方につきましては説明を受けないと、承知していないというところでございます。 101 ◯徳光委員=ただ、例示として、先行車両による運行ということも言われているんですね。多分試験用につくる車両というのは二両だけなんですかね。 102 ◯島内新幹線・地域交通課長=それにつきましては国の会見録を見ますと、一、二編成というふうにお答えされているようでございますので、複数車両のものが編成として二つ、例えば、五両とか、六両とかというような形のものが二つ、一から二編成されるのではないかというふうに理解しております。 103 ◯徳光委員=仮にそうなった場合、二編成ということになると、フリーゲージトレインで博多から長崎までは八十分ですね、八十分ということになると、今現在、多分「白いかもめ」は一時間に一本から二本ぐらい往復しているというふうに思うんですね。それが仮に二編成、四両か、五両にしても、二編成ということになると、一日の往復回数って物すごくやっぱり少ない、現行に比べて少ないというふうに思うんですね。そうなると、長崎に行きたくてももう乗れないというお客さんが出てくるということも考えられるわけですね。そこで、新聞紙上では、それプラスそれを補う形でリレー方式というものが検討されるんじゃないかというふうに多分予想で書かれているというふうに思うんですね。  それを考えると、リレー方式というのも本当にできるのかなというふうに私は思うんですね。今の長崎新幹線が仮にフリーゲージで長崎まで開業したとすると、今の「かもめ」、長崎行きの特急というのはどこまで運行する予定なんですか。 104 ◯大場委員長=資料ありますか。 105 ◯徳光委員=多分鹿島までではなかったんですかね。違いますかね。(発言する者あり) 106 ◯島内新幹線・地域交通課長=済みません。三者基本合意の結果として、鹿島から博多までということで書かれております。 107 ◯徳光委員=当然ながら、長崎新幹線開業しても、佐世保までの特急は今のまま運行ですよね。 108 ◯島内新幹線・地域交通課長=本数等についてはちょっと確認が必要ですが、ルートとしては今みたいな従来どおりというふうに認識しております。(発言する者あり)──訂正させていただきます。本数も基本的には変わらないということです。  以上です。 109 ◯徳光委員=それじゃ、仮定の話で大変申しわけないんですけど、リレー方式というのは、多分、一番考えられるのは博多から今の特急で武雄温泉まで行って、武雄温泉から長崎まではフル規格の新幹線で行くというリレー方式が一番考えられると思うんですね。新鳥栖で乗りかえということになると、二回乗りかえないといけないし、新鳥栖の場合はもう駅をおりて、またいで行くということにもなるんで、もう時間短縮には多分ならないというふうに思うんですね。  そうすると、リレー方式ですと、今の普通の特急が博多から武雄まで行って、新八代でやったように、武雄から対面方式で長崎に行くということになるんですが、そうなると、「かもめ」はまだ開業しても鹿島まで行くんですよね。そうすると、別のルートになっていく。佐世保はそのまま行くわけですから。そうなると、リレー方式というのを考えると、博多から武雄温泉まで行く特急というのをまた新たにつくらないといけなくなるんですよ。と思うんですが、どうですかね。もちろん仮定の話で申しわけないんですが。 110 ◯島内新幹線・地域交通課長=大変申しわけありません。ちょっと繰り返しのお答えになりますけど、国から具体的なお話をいただいておりませんで、今、徳光委員がおっしゃった仮定のところについて、特急がどうなるかということもちょっと理解ができないところでございます。申しわけありません。 111 ◯徳光委員=ただ常識的に考えて、開業後は今までの「かもめ」は鹿島まで行きますよ、今までの佐世保行きの「みどり」は「みどりハウステンボス」も含めて、それはもう今までどおり行くわけですね。そうすると、リレー方式だと、もう一本博多から武雄温泉どまりの特急をつくらないといけないわけですよ。そうなると、やっぱり新たな特急をつくって、そういうことが可能なのかどうかということも出てくると思うんですね。だから、そんな意味からすると、先行車両による二編成でやるにしても、とても今の乗客数というのは多分運び切れない。じゃ、かといって、それに合わせてリレー方式がどこまでできるか、これもかなり限られた本数になるというふうに思うんですね。そんな意味からすると、私は今回のフリーゲージのおくれで暫定開業もかなり難しいんじゃないかなというふうに思うんですよね。この点についてただしても、いや、仮定の話なので、国からまだ何も受けていないんでというふうに言われると思います。  何で私がこういう想像で言うかというと、運行方式については今後国が長崎や佐賀県、あるいは沿線自治体と協議をしていきたいというふうに言っていますんで、今後、多分言ってくると思うんですね。そのときにしっかり私が今言ったようなことも含めて佐賀県としてはいろんなことを想定して、この場合はどうなりますか、この場合はどうなりますかというのをきちんと想定しないと、どんなふうな運行になるかというのはかなり厳しいものがあると思うんですよ。そんな意味では、そういったこともしっかり今後やっぱり検討してもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。 112 ◯島内新幹線・地域交通課長=まず、基本的なスタンスといたしまして、先ほど武藤委員さんにお答えしましたとおり、平成十六年十二月の政府・与党申し合わせに基づく三者合意という流れ、それから、多額の負担を前提といたしましたこのフリーゲージトレイン方式によります認可につきましては、県議会の御理解もいただきながら、本日を迎えておりまして、県といたしましては、最大限の効果が発揮できる方式でありますこのフリーゲージトレインによります西九州ルートの整備というのを、全線でフリーゲージトレインが走る状況というのを願っているところでございます。  そういう中で、国のほうから今後、調整という形で相談がある場合につきましては、そのスタンスは、あくまで求める一方、どんなふうな影響とかデメリットが生じるか、生じないような形のものでなければ、全く受け入れられないという考え方でおりますので、そういう観点で、委員おっしゃったような観点の質問については、当然、質問していくということになるかと考えます。 113 ◯徳光委員=それから、こういったことを受けて、長崎県内、あるいは佐賀県内の自治体、地方議員の方々とか首長さん含めて、もうこれを機会にフル規格で全部整備したらどうかという声もだんだん上がってきているのは確かです。改めてちょっとお尋ねしたいんですが、仮に全線フル規格に切りかえた場合に、佐賀県の追加の財政負担というのはどれくらいになるというふうに試算されているんでしょうか。 114 ◯島内新幹線・地域交通課長=フル規格で整備した場合の財政負担についてお答えいたします。  平成二十四年六月に認可された計画では、武雄温泉─長崎間は標準軌で整備するとされておりますために、仮に西九州ルートを全線フル規格で整備するとした場合、新鳥栖─武雄温泉間の標準軌、フル規格での整備が必要となりまして、佐賀県だけが多大な負担金の支払いを求められることになると考えております。  国への聞き取りによりますと、新鳥栖─武雄温泉間は現在の整備計画では、在来線をそのまま活用するため、この区間を標準軌で整備した場合の事業費は算定していないと聞いております。  なお、参考までに、新鳥栖─武雄温泉間の事業費は、平成九年の価格で、当時の運輸省が試算しておりまして、それによりますと、約四千百億円となっているところでございます。この事業費の三分の一を県が負担することというふうに全国新幹線鉄道整備法で規定されておりまして、仮に運輸省試算の場合には、交付税措置後の本県の実質負担額で約七百五十億円になるというふうに考えておりまして、その分が追加の財政負担になるのではないかというふうに考えております。 115 ◯徳光委員=平成九年時点での試算で、純粋な交付税措置も除いた佐賀県の新たな負担が七百五十億円ということなんですが、平成九年ですから、もう十七、八年前ということになって、特にここ三、四年、資機材等々物すごく高騰していますので、当然、仮の話でまた申しわけないんですが、今の価格で考えると、当然、これを上回るものというふうに捉えていいんでしょうか。 116 ◯島内新幹線・地域交通課長=物価等の上昇はもちろんですが、途中に消費税の改定などもなされておりまして、その辺が一昨年の改定は織り込まれていないというふうに考えておりまして、一定の増加はあると思いますが、何割とか何倍というのは把握しておりません。  以上です。 117 ◯徳光委員=改めてお聞きをしますが、佐賀県として全線フル規格の整備方法に切りかえるという考えがあるのかどうかお尋ねをいたします。 118 ◯島内新幹線・地域交通課長=フル規格への切りかえというものに対する県の考えについてお答えいたします。  九州新幹線西九州ルートは平成十六年十二月の政府・与党申し合わせにおいて、軌間可変電車方式による整備を目指すとされましたことから、これを前提に佐賀県、長崎県、JR九州におきまして三者基本合意を締結している、ちょっと繰り返しになって恐縮ですが。この整備方針に基づきまして、多額の負担金の支払いに応じてきておりまして、また、肥前山口─諫早間の取り扱いにかかります三者基本合意におきましても、県議会、県民に御理解をいただいたところでございます。  もとより県といたしましては、フリーゲージトレイン方式によります開業によりまして、山陽新幹線に乗り入れることで近畿、中国地方との交流が盛んになりまして、県が活性化することを目指してきたものでございます。県といたしましては、あくまでフリーゲージトレイン方式による開業を推進しており、国の責任で安全が確保されたフリーゲージトレインを開発いただいて、早期の全線開業というものを望むところでございまして、この方針に変わりはございません。 119 ◯徳光委員=今後の取り組みについて、済みません、交通政策部長にお尋ねをしたいと思っています。  先ほど、私もちょっと言いましたが、今後の工程、考え方については、佐賀県や長崎県などとよく調整したい、協議したいというふうに言っているんですが、そのことについて、今現在、国から何か連絡があっているのかどうかということと、また、今後は県としてはどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 120 ◯西村交通政策部長=今後の取り組みについてということでお答えいたします。  これについては、国からは地元とよく調整していきたいというお話、記者会見がございましたけれども、現時点で具体的に日程調整等をしたいという申し入れは来ておりません。ただ、この問題につきましては、やはり重大な問題でございますので、こちらからでもアプローチして、しっかり佐賀県のスタンス、これを述べていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 121 ◯徳光委員=いずれにしても、武藤委員も言いましたとおり、本当に経済、費用対効果含めて、あるいはフリーゲージでうまくいくのかどうか含めて、不安材料はまだまだたくさんあると思うんですね。確かに県民の中には、まだまだ本当に必要なのという声も今現在、まだあると思います。そんな意味では、しっかりと国との協議も含めて取り組みをしていただきたいというふうに思います。  それでは、二番目の問いですが、佐賀県遺産についてお尋ねをいたします。  今年度、私は議会選出の委員ということで、佐賀県美しい景観づくり審議会に参加をさせていただきました。去る十一月の十六日に審議会がありまして、JR唐津線の小城駅舎、それから日本酒「能古見」の蔵元であります鹿島市の馬場酒造蔵、この二カ所を視察いたしまして、そのまま協議をして、佐賀県遺産として認定するというふうに知事に答申をしたところであります。  このように、地域で守られ、あるいは継承されてきた建物、景観等々が県内本当に各地に多くあるんだなということも改めて認識をしたところであります。  特に、佐賀市の中心部では柳町かいわいなど、歴史ある建造物、あるいは景観を佐賀県遺産に県が認定をしまして、その保存活用に取り組んでいますけれども、本物の地域資源としてさらに磨き上げていくことで観光振興、地域活性化にもつながるものと考えています。佐賀の場合、佐賀城下ひなまつりを含めて柳町かいわいですね、本当に多くの人が訪れているというふうに思っています。そういった意味では、今後も佐賀県遺産の取り組みを積極的に推進をしまして、より多くの県内外の皆さんにそのすばらしさを伝えていくことを期待しているところであります。  そこで、次の点についてお尋ねをいたします。  まず、佐賀県遺産の意義なんですが、この制度はどのようなことを目的として発足をしたのか、あるいはどのような基準で認定をするのか、まずお尋ねをいたします。 122 ◯杉野まちづくり推進課長=佐賀県遺産の目的及び認定基準についてお答えいたします。  佐賀県遺産は平成十七年度に創設された制度でございまして、県民の郷土に対する誇りや愛着を育み、活力ある佐賀県の創造のため、酒蔵や古民家など、地域を象徴する建造物、また棚田や古木など、美しい景観を呈する地区を二十二世紀に残すべき価値を有する佐賀県遺産として認定し、その保存活用を推進しているものでございます。  認定の基準につきましては、文化的に高い価値を有する、または、景観上重要な建造物であること、あるいは自然や歴史、農山漁村、産業、眺望の景観が美しい地区であることと幅広に設定するとともに、歴史や風土など、これらにまつわる物語を有していることや、保存活用に取り組んでいることといった観点からも審査することとしております。  以上でございます。 123 ◯徳光委員=それでは、これまでの認定状況ですが、どのようになっていますか。 124 ◯杉野まちづくり推進課長=認定状況についてお答えいたします。  平成十七年度の制度創設以来ですが、平成二十七年十二月現在で県内十市四町におきまして、佐賀市の野中烏犀圓や小城市の天山酒造など三十九の建造物と、伊万里市の大川内山や佐賀市のシチメンソウ群生地など六地区の合計四十五件を佐賀県遺産として認定しております。  以上でございます。 125 ◯徳光委員=この遺産に認定された場合、例えば、建造物を改修しようとか、その地域を少しもうちょっと整備をしようとした場合には、県の補助金というのは制度としてあるんでしょうか。 126 ◯杉野まちづくり推進課長=佐賀県遺産に伴う補助金についてお答えいたします。  県では、佐賀県遺産の保存活用を図るため、建造物の屋根や外壁等の修理に対する支援としまして、市町が支出する、または補助する額の二分の一以内で、限度額五百万円以内の補助を行っております。  また、地区につきましては、景観の保全、形成、活用に資する活動に対する支援としまして、市町が支出する、または補助する額の五分の四以内で限度額二百万円以内の補助を行っておるところでございます。
     以上でございます。 127 ◯徳光委員=建物と地域、それぞれ整備する場合、補助金の制度があるということなんですが、これまで補助金の支出状況というのはどのようになっていますか。 128 ◯杉野まちづくり推進課長=補助金の支出状況についてお答えいたします。  これまでの補助金の支出状況につきましては、制度創設以来、平成二十六年度までの十年間に十七の建造物の外観修理と三つの地区の活動に対し、累計で七千三百万円の支出を行っているところでございます。  以上です。 129 ◯徳光委員=わかりました。せっかくこんなふうに佐賀県遺産に認定をされて、やっぱり県民の方がよく知ってもらうということが大切だと思うんですね。確かにこういうパンフレットを作成されているということも承知をしています。それから、毎年なのか知りませんが、県庁の県民ホールで佐賀県遺産のパネルといいますか、ああいうのを展示したりということもやられているというのは承知をしているんですが、この佐賀県遺産の県民へのアピールというのはどのように今されているんでしょうか。 130 ◯杉野まちづくり推進課長=県民へのアピールについてお答えいたします。  佐賀県遺産が地域共有のかけがえのない財産であることを県民の皆様に知ってもらうとともに、観光資源としての活用を図るため、これまでスタンプラリーやバスツアーの開催、佐賀県遺産を紹介するホームページの作成、ガイドブック等の作成、あと、道の駅や高速道路パーキングエリアでのドライブマップの配布、それから、集客施設やJR九州ウオーキング等のイベント会場でのパネル展、先ほどの県民ホールでのパネル展もこれになっております。などを行っているところでございます。  以上でございます。 131 ◯徳光委員=じゃ、佐賀県遺産の地域での活用状況なんですが、最初答えていただきました認定の基準の中に保存活用するということもしっかり基準として項目があるということなんですが、先ほど審議会の中で、JRの小城駅を視察したというふうに言いました。ちょうど小城駅の前に小城市内にあるさまざまな歴史的な建造物等について、パネルがあったんですね。小城は結構、指定されているのが八カ所か九カ所ぐらいあるんですかね、結構小城市内、指定をされています。指定された分をパネルに書いてあったんですが、ほかの委員の方が見て、あれ、これ県遺産に指定されているのに、県遺産に指定と全然表示されてないねということがあったんです。今、JRが中心となってウオーキングとかいろんなこともあります。まさに小城を見ると、ウオーキング、佐賀県遺産めぐりということも観光資源としては十分成り立つんじゃないかなというような気がしました。そんな意味では、もうちょっと活用状況というのが不十分な市町もあるんではないかなというふうに思うんですね。  鹿島市では、酒蔵ツーリズムということで、これはまた別の観点での取り組みでしょうが、結構、多良海道周辺とか蔵元も指定されたりしていまして、うまくそういったものが活用されているような気がするんですね。県内、せっかく先ほど答弁されましたように、かなり指定をされていますので、やっぱり有効に地域で観光資源、地域活性化の資源として活用されてこそ認定された意義があるというふうに思うんですが、その点についてはどのような活用をされているのか、お尋ねをしたいというふうに思います。 132 ◯杉野まちづくり推進課長=地域での活用状況についてお答えいたします。  佐賀県遺産の活用状況につきましては、例えば、佐賀市の旧森永家住宅や旧久富家住宅では内部を改修し、鍋島緞通の工房や工芸品展、スタジオ等商業施設としての活用が図られているところでございます。  また、白石町の縫ノ池では、一度枯れた湧水の復活を契機に、住民全員参加により美しく保全されておりまして、町内外から湧水をくむ人々が多数訪れているところでございます。  このほか、小城市の牛津赤れんが館では、イベントやコンサート会場として、また、唐津市の町家カフェぜんというところでは、かつて質屋だった構造を生かしまして、演劇の会場としてさまざまな活用を図られております。  また、佐賀県遺産は地域の財産として最大限に活用するためには、まずは佐賀県遺産自体の認知度を高める取り組みが必要であると十分承知しております。このため、県では佐賀県遺産であることを示すプレートの設置、歴史的、文化的な価値や歴史、または遺産にまつわる物語を説明するパネルの設置、観光パンフレット等での佐賀県遺産の表示等に取り組んでおりますが、二十二世紀に残すべき遺産の魅力をしっかり伝えられるように、委員御指摘の駅や主要施設での表示等、より一層の取り組みの充実が必要であると考えております。  県としましても、市町や関係団体に対し、こうした各地での活用事例を提供したり、認知度向上の取り組みを働きかけながら、佐賀県遺産のさらなる活用を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 133 ◯徳光委員=この問いで最後になりますけれども、審議会に私も参加をして、他の審議会の委員の皆さん、本当に熱心な方ばかりでした。建築の専門家もいるし、いろんな地域活性化に携わっている人たちもいらっしゃいまして、本当に熱心に審議をされていたと思うんですね。そんな意味では、まだまだ佐賀県遺産に認定されていない市町、認定されたものがない市町もあります。それから、先ほど言いましたように、地域の活性化、あるいは観光資源としてもっともっと活用できるように今後もしていかなくてはならないというふうに思っています。県も積極的に市町に呼びかけていく必要があると思いますが、今後はどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 134 ◯杉野まちづくり推進課長=佐賀県遺産の今後の取り組みについてお答えいたします。  佐賀県遺産につきましては、平成三十年度までに計五十件の認定を目指すこととしておりまして、また、県内二十市町全てに佐賀県遺産があるようにしたいというふうに考えております。  まだ佐賀県遺産がない六町に対しては、専門家によるアドバイスなどにより、候補となる案件の掘り起こし等を働きかけていくこととしております。  佐賀県遺産を残していくためには、地域活性化の拠点や観光資源として活用することが求められているところでございます。しかしながら、所有者の高齢化や事業の休止等によりまして、今後一部の佐賀県遺産が遊休物件となっていくことも危惧されているため、県では担い手の育成、観光、商業施設といった新たな活用策の検討、それから、古民家再生や景観アドバイザー等の専門家の派遣、所有者や地元住民、行政が活用策を議論する場の設置といった取り組みを検討しておりまして、県民共通の貴重な試算をよりよいものとして後世に引き継げるよう、さらなる支援をしていきたいと考えております。  以上です。 135 ◯大場委員長=暫時休憩いたします。十三時をめどに委員会を再開いたします。     午前十一時五十七分 休憩     午後一時 開議 136 ◯大場委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 137 ◯徳光委員=それでは、最後の質問ですが、佐賀市内の道路の整備について、何カ所か今の整備状況等についてお尋ねをしたいというふうに思います。  県におきましては、西九州自動車道、あるいは佐賀唐津道路、有明海沿岸道路、国道四百九十八号線といった、広域幹線道路のネットワークの整備を重点的に進めておられます。佐賀市におきましても、有明海沿岸道路の嘉瀬南インターから芦刈インターの開通によりまして、佐賀市の西側からのアクセスの利便性が図られたと実感をしております。  しかし、県都佐賀市は郊外から市街地に向けた人、物の動きが非常に多くて、特に朝夕の時間帯を中心に交通が集中をして、交通渋滞が広範囲で発生をしております。渋滞解消の抜本的な対策としては有明海沿岸道路など広域幹線ネットワークの整備が重要ではありますけれども、県民の暮らしを守るためには、佐賀市内の道路についても着実に整備を進めていく必要があると思っておりますので、次の点についてお尋ねをいたします。  まず、県道の十五中原線の整備についてです。  嘉瀬地区なんですけれども、県道十五中原線は新しい県立病院の開院に伴いまして、その前後の整備がかなり進んでまいりましたけれども、県道十五中原線は国道四四四号の嘉瀬新町交差点北側付近で現在整備を進められておりますけれども、現在の進捗状況はどうなっているのかお尋ねをいたします。 138 ◯永石道路課長=県道十五中原線の現在の進捗状況についてお答えいたします。  県道十五中原線の国道四百四十四号との嘉瀬新町交差点から北側の嘉瀬新町集落の約四百四十メートル区間につきましては、道路幅員が狭く、歩道もないことから両側に歩道を設置する交通安全対策事業に平成二十三年度から着手しております。地元の協力を得まして、昨年度までに家屋移転等の契約は完了しております。  現在、国道四百四十四号との交差点側から工事を進めておりまして、今年度末までに約百六十メートル区間につきましては整備が完了する予定でございます。  以上でございます。 139 ◯徳光委員=かなりあそこは住宅が密集していたと思うんですが、土地の買収といいますか、それはもう完了したということですね。  それじゃ、今、四百四十メートルのうち百六十メートルは今年度末までには何とか整備を終わりたいということですが、残る区間について、今後の整備の見通しはどうなっているんでしょうか。 140 ◯永石道路課長=今後の見通しについてお答えいたします。  残ります約二百八十メートルの区間につきましても、水路のつけかえ、また現道の切りかえ工事、日新橋、橋長六メートル程度でございますけれども、これのかけかえ工事を今後進めていくこととしております。  今後も地元の御理解、御協力をいただきながら、できるだけ早期に完成できるよう努めてまいります。  以上でございます。 141 ◯徳光委員=平成二十八年度からその部分について整備にかかるということですが、橋のかけかえもあるということで、橋が結構時間がかかるのかなというふうに思いますけれども、おおよそ何年間ぐらいで事業の推進としては、今のところ見通しは考えているんでしょうか。 142 ◯永石道路課長=この日新橋のかけかえにつきましては、現道交通を通しながら、非出水期に行われるような計画としております。このため、来年度から着工いたしまして、二十九年度までかかるかなと、二カ年ぐらいはかかるかなというふうに思っております。このため、この区間につきましては、少なくともあと二カ年はかかるというふうに考えております。  以上でございます。 143 ◯徳光委員=予算措置というか、予算の見込みも大丈夫ですね、その辺は。 144 ◯永石道路課長=予算の内容ということですけれども、用地が済んでおりますので、こういう箇所につきましては、やはり早期に事業効果を発揮していくことが重要だというふうに考えておりますので、そこはできる限りやっていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 145 ◯徳光委員=せっかく住民の方の協力で用地は確保できたということですので、ぜひきちんと早急に整備を行っていただきたいと思います。  それじゃ、二つ目の県道なんですが、県道佐賀脊振線の整備についてです。  県道佐賀脊振線は、国道三十四号線の堀立西交差点北側で整備を現在進められていますけれども、現在の進捗状況はどうなっているでしょうか。 146 ◯永石道路課長=現在の進捗状況についてお答えいたします。  県道佐賀脊振線兵庫工区につきましては、国道三十四号堀立西交差点から兵庫町若宮までの約二・六キロメートルの区間におきまして、平成八年度からバイパス事業として着手をしております。  本工区は、延長が長いため、北側と南側、そして中間の三工区に分割いたしまして事業に取り組んでいるところでございます。  北側の工区であります現道から分岐して南下し、市道伊賀屋野中線と交差するまでの約〇・九キロメートルの区間につきましては、平成二十五年三月に供用を開始しております。  また、南側の工区であります堀立西交差点から北進し、市道若宮伊賀屋線と交差いたしますまでの約一キロメートルの区間につきましても、平成二十六年四月に供用を開始しているところでございます。  残ります中間の工区、約〇・六キロメートルの区間につきましては、JR長崎本線と交差いたしますため、跨線橋による立体交差を計画しており、昨年度までに鉄道事業者でありますJR九州との計画協議が調ったところでございます。  現在、この計画協議を踏まえまして、実施協議を行うための資料作成を進めているところでございます。  以上でございます。 147 ◯徳光委員=中間の工区が今JRと協議中ということなんですが、今後の整備の見通しはどうなっているんでしょうか。 148 ◯永石道路課長=今後の見通しについてお答えいたします。  中間の工区につきましては、軟弱地盤上に跨線橋を建設いたしますことから、跨線橋の設計や軟弱地盤の対策工法などを慎重に検討しているところでございます。これらの完了後にJR九州と実施協議を行うこととしておりまして、できるだけ早く実施協議が調うように今後努めていきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 149 ◯徳光委員=まず、その実施協議が調わないと次に進めないということのようですから、そこはしっかりやっていただきたいと思っています。  それじゃ、三つ目なんですが、県道東与賀佐賀線の整備なんですが、この道路は有明海沿岸道路の、仮称でありますが、東与賀インターから佐賀市中心部にアクセスする道路として整備が考えられているというふうに思うんですが、現在の進捗状況はどのようになっていますでしょうか。 150 ◯永石道路課長=現在の進捗状況についてお答えいたします。  県道東与賀佐賀線本庄バイパス工区につきましては、佐賀大学附属特別支援学校の南から県道佐賀外環状線までの約二キロの区間におきまして、平成二十三年度からバイパス事業として着手しております。  昨年度までに調査ボーリング、軟弱地盤対策の検討、道路詳細設計及び用地測量を完了いたしまして、今年度はボックスなどの設計を行っているところでございます。  また、用地買収につきましても、昨年度から着手しておりまして、現在、面積ベースの進捗率は約八割となっております。  以上でございます。 151 ◯徳光委員=計画線の土地というのは多くが農地なんでしょうか。 152 ◯永石道路課長=バイパス区間となっておりまして、その現道との取りつけ付近が人家とかがありますけれども、その中間付近はほとんど農地という状況となっております。  以上でございます。 153 ◯徳光委員=それでは、これも今後の見通しについてお尋ねしたいと思います。 154 ◯永石道路課長=今後の見通しについてお答えいたします。  引き続き用地買収を進めますとともに、来年度から工事にも着手することとしております。  いずれにしましても、本庄バイパスの整備に当たりましては、有明海沿岸道路、大川佐賀道路の仮称東与賀インターの供用開始までに事業を完了させなければならないと考えておりまして、地元の御理解を得ながら国や佐賀市と連携して事業進捗に努めてまいります。  以上でございます。 155 ◯徳光委員=有明海沿岸道路にアクセスする大変重要な道路だと思いますので、その有明海沿岸道路の整備の状況も見ながら、しっかり間に合うようにお願いをしたいというふうに思っています。  最後になりますが、都市計画道路の与賀町鹿子線の整備なんですが、佐賀大学から北側で現在整備が進められております。結構あの辺渋滞がありまして、特に北側からは片側二車線でどんと来るんですが、ちょうど与賀町の交差点で直進と右折と左折に分かれて、直進と右折の車が多いもんですから、ずらっと夕方とか並んでしまうということになっていると思うんですね。当然、あそこが全部開通すれば、そういった渋滞も解消されると思うんですが、現在の進捗状況はどのようになっていますでしょうか。 156 ◯杉野まちづくり推進課長=与賀町鹿子線の現在の進捗状況についてお答えいたします。  都市計画道路与賀町鹿子線、現在二工区になっておりますけれども、与賀町交差点から佐賀大学前交差点までの約五百三十メートルの区間で都市計画事業、いわゆる街路事業として整備を進めているところでございます。当該地区の総事業費は約五十億円でございまして、平成十八年度に事業に着手して、平成二十三年度には大型物件になります清和高校との用地補償契約を締結するなど、事業進捗に鋭意に取り組んだ結果、現在のところ、事業に必要な用地買収は全て完了しておりまして、現在、道路改良を終え、車道舗装、電線共同溝の工事を進めているところでございます。  以上でございます。 157 ◯徳光委員=ほぼ完成に近づいているとは思うんですけれども、今後の整備の見通しについてお尋ねをいたします。 158 ◯杉野まちづくり推進課長=今後の工事の見通しについてお答えいたします。  当該工区につきましては、今年度末にはなりますけれども、四車線の車道部分の供用を予定してございます。歩道部につきましては、今年度末に電線共同溝及び照明等の設置が完了する見込みでありますけれども、その後、既存電柱の撤去を予定してございまして、歩道部分の完成は平成二十八年度になる見込みでございます。  しかしながら、歩道の完成までの期間も歩行者や自転車の安全な通行が確保できるように道路の両側に仮の歩道、仮設歩道を設置し、交通安全対策にも十分配慮することとしております。  いずれにしても、早期完成に向け、地元の皆様や道路利用者の御協力をいただきながら事業を進めていきたいと考えております。  以上でございます。 159 ◯池田委員=こんにちは。自由民主党の池田正恭でございます。通告に従いまして、五問質問したいと思います。  まず第一問目として、県営畑地帯総合整備事業で整備した地域のことについて伺いたいと思っております。  この事業については、私が以前の職場に在職中から事業の推進や維持管理組合の立ち上げ、また維持管理の運営など、さまざまな面で携わってきており、非常に思い入れがある事業でございます。  県では、中山間地域、特にミカン産地において、昭和四十年代から県営畑地帯総合整備事業を実施し、農道やパイプライン、スプリンクラーなど畑かん施設を整備され、ミカンの生産振興及び経営の改善が図られてきたところであります。  しかしながら、農家の高齢化や担い手不足、近年のミカン価格の低迷や燃料価格の高騰など、農家の経営状況はますます深刻な状況にあるとともに、事業により造成された施設の老朽化が進行し、漏水等の対応により維持管理費が増加しているというふうに聞いております。  地域の中の樹園地を見てみますと、手入れをしながらミカンを栽培している農地もある中に、スプリンクラー施設などは使用されず、放置されている農地など、荒廃した光景が広がっている場所もございます。  こういうふうに(写真を示す)本当にせっかくスプリンクラーを立てながらも、スプリンクラーに草が巻きついているというふうな状況が見受けられるところが多々あるようになってきました。  また、この事業費の負担についても、長いところで平成三十四年三月までの償還があるというふうに聞いております。このままではミカンの生産を続けている農家へも影響が出てくるのではないかと懸念しており、老朽化した施設や荒廃した農地の対策が必要であると考えております。
     このような中、県営畑地帯総合整備事業を実施した関係者で構成された佐賀県営かんがい排水及び畑地帯総合土地改良事業対策推進協議会、通称畑かん協議会と呼ばれておりますけれども、その畑かん協議会から県への要望活動が毎年度実施され、それを受けて現地の確認が行われた結果、施設の緊急的な対策の拡充や実態調査について、六月議会で説明を受けたところであります。  そこで、次の点について伺いたいと思っております。  まず第一点目として、これまでミカン産地における県営畑地帯総合整備事業はどのように取り組んできたのか伺います。 160 ◯日浦農地整備課長=県営畑地帯総合整備事業の実施状況についてお答えします。  本県では、ミカンの生産振興を図るため、これまでに三地区において県営かんがい排水事業により水源のダムを整備し、あわせて県営畑地帯総合整備事業により農道や揚水機場、パイプライン、スプリンクラーなどの畑かん施設を整備したところです。  具体的には、昭和四十五年から昭和六十二年に太良町の大浦地区、昭和四十六年から平成四年に多久市の天ヶ瀬地区、昭和四十八年から平成九年に小城市の晴田地区で事業を実施したところです。  また、五地区において既存のため池などを水源として県営畑地帯総合整備事業により農道や畑かん施設等を整備したところです。  具体的には、昭和四十八年から昭和五十六年に太良町の多良地区、昭和四十九年から平成六年に唐津市の平原、玉島、浜崎の三地区、平成十年から平成十五年に同じく唐津市のひれふり地区で事業を実施したところです。  以上です。 161 ◯池田委員=それぞれ太良、多久、晴田、それと浜玉というふうに、いろいろなミカン産地と言われるところでそういう事業を取り組んでいかれたと思っております。  それでは、この事業により造成された施設ですけれども、土地改良区で維持管理され、これまで営農の省力化に寄与してきたところというふうに思っております。  ただ、老朽化が進み、維持管理費が増大しているとも聞いております。  それで、この維持管理についてどのように管理されているのかお伺いしたいと思います。 162 ◯日浦農地整備課長=事業により造成された施設の維持管理についてお答えします。  事業で造成された施設の維持管理は、各地域の土地改良区で行われているところでありますが、そのほとんどの施設は造成後、約二十年以上が経過し、老朽化の進行に伴い、パイプラインからの漏水や減圧弁のふぐあいなどが発生しており、補修、更新が必要となってきています。  このため、市町または土地改良区が施設の長寿命化対策として国の交付金を活用した団体営農業水利施設ストックマネジメント事業に取り組み、施設の補修、更新を実施しているところです。  また、事業の対象とならない小規模な施設の補修などについては、土地改良区が全額負担して行っています。  以上です。 163 ◯池田委員=維持管理について、それぞれの土地改良区でなされておるということですけれども、その土地改良区で構成されておる畑かん協議会からの要望についてお伺いしたいと思っております。  昨年度、畑かん協議会からの要望活動において、地域の実情を知ってもらうために現地を確認していただきたいという要望があっていると聞いておりますけれども、どのように対応したのか伺いたいと思います。 164 ◯日浦農地整備課長=畑かん協議会からの要望への対応についてお答えします。  畑かん協議会からの要望を受け、本年二月、県土づくり本部長を筆頭に生産振興部や農林事務所、市町などと一緒に協議会関係全ての土地改良区の地域に出向き、現地を確認するとともに、土地改良区や市町の関係者と意見交換を行ったところです。  以上です。 165 ◯池田委員=二月に現地に出向いて意見交換会を行ったということなんですけれども、実際、現地に出向いて写真のような状況も見られて、そして、それぞれの土地改良区、また農家の代表というような方々から意見聞き取りをされたと思いますけれども、その結果、どのようなことがわかったのかお尋ねします。 166 ◯日浦農地整備課長=畑かん協議会の地域への現地確認についてお答えします。  現地においては、ミカンが栽培されている優良な樹園地がある一方で、委員御指摘のとおり荒廃地も見られ、中にはスプリンクラーなどの施設が使用されず、放置されている状況も確認しました。  また、パイプラインの破損による漏水が原因で道路が陥没しているところも確認しました。  意見交換においては、農家の高齢化や担い手不足があり、耕作放棄地が増加していることや、ミカン価格の低迷により営農意欲が減退していることなどの意見がありました。  また、施設の老朽化に伴い、パイプラインの漏水や減圧弁などのふぐあいへの対策のため、復旧工事、維持管理費の増加に加え、突発事故への対応にも苦慮しているとの意見もありました。  以上です。 167 ◯池田委員=荒廃地とかパイプラインの漏水、それと最後のほうにちょっと言われましたけれども、やはり土地改良区にとっては維持管理費の増大というのが非常に重荷になっているんじゃなかろうかと思っております。  そういうふうな意見を聞いた結果、先ほど私のほうも言いましたけれども、六月議会での補正の対応もあったというふうに聞いておりますけれども、今後、どのような対応をしていくのか伺いたいと思っております。 168 ◯日浦農地整備課長=現地確認後の対応についてお答えします。  まず県では、土地改良区が苦慮されている小規模な施設の突発事故への対策として、六月補正予算で県単独事業の基幹水利施設等緊急補修事業の対象施設を拡充したところです。  また、今後の持続的な営農を図るために、施設や営農の状況について、さらに詳細な調査が必要と考え、現在、実態調査を実施しているところです。  以上です。 169 ◯池田委員=県単独事業の拡充とか、どうしても土地改良区自体が非常に荒廃園等も出てきながら、運営をされておるということで、そういうふうな対応をよろしくお願いしたいと思っております。  ただ、先ほど実態調査を行っているというふうにお聞きしましたけれども、どのような調査を行っているのかお伺いしたいと思っています。 170 ◯日浦農地整備課長=実態調査の内容についてお答えします。  調査については、農業水利施設の利用状況や老朽化の状況、維持管理の実態、農地の利用状況や農地集積の意向などについて聞き取りを行っています。  まず、八月中旬から下旬にかけて、協議会全ての土地改良区を対象に土地改良区の事務局へ維持管理の状況、耕作放棄地の状況、現在の課題などについて聞き取りを行ったところです。  さらに十月下旬から十一月上旬にかけて、天ヶ瀬と大浦地区の二土地改良区の農家代表である理事長、副理事長へ農業水利施設の使用状況、営農や農地集積の意向などについて聞き取りを行ったところです。  以上です。 171 ◯池田委員=八月中旬から下旬、維持管理の状況とかを土地改良区の事務局に聞いてきたと。それと、十月にはまた天ヶ瀬、大浦のほうに出向いて、実際に理事長、副理事長さんのほうにお伺いしということでお聞きしております。  その中で、実態調査を行ってどのようなことがわかったのか伺います。 172 ◯日浦農地整備課長=実態調査でどのようなことがわかったのかということについてお答えします。  土地改良区への聞き取りにおいては、施設の維持管理費が増加していることや、耕作放棄地が増加していることを具体的に確認したところです。また、耕作放棄地の分布状況を図面に落とし、点在している状況を確認したところです。  農家の代表への聞き取りでは、担い手が減少してきているが、中には農地集積を希望している意欲的な農家もいること、畑かん施設については今後も不可欠な施設であること、収益が上がる農業ができれば担い手もふえるのではないかなどの意見がありました。  また、企業との契約栽培による作物の産地化ができれば農家の収入も安定することから、担い手の確保ができるとの意見もありました。  以上です。 173 ◯池田委員=やはり維持管理費の増大というのは非常に問題じゃなかろうかというふうに思っておりますし、また、その中で今後も畑かん施設を利用しながら生かしていきたいという意見もあったということなんですけれども、現在調査をされて、今後どのように県として取り組んでいくのか伺いたいと思います。 174 ◯日浦農地整備課長=今後の取り組みについてお答えします。  今回の調査結果を踏まえて、今後、地域の中で将来の農地や施設のあり方を検討していただくため、点在する耕作地を集積、集約する事例のポンチ絵などを土地改良区に紹介していくことにしています。  それを参考に、地域の実情に即した営農や農地の集積、集約などについて、市町や関係機関の協力を得ながら、地域の中で話し合いを進めていただきたいと考えています。  その後、話し合いで考えられた地域の将来像を実現していくために、どのような方策が有効であるかを地域の方々とともに検討していきたいと考えています。  いずれにしましても、各地域において農地が適正に維持され、持続的に営農が展開されるよう、生産振興部と連携しながら地域の取り組みに対して支援してまいります。  以上です。 175 ◯池田委員=地域の中で検討ということで、それぞれの地域、いろいろあると思いますので、そういう検討をしていきながら、今、土地改良区は先ほど申しましたように維持管理費の増大というのが非常にネックになっているんじゃなかろうかと思っておりますので、そこら辺もあわせながら、ぜひ検討してもらいたいというふうに思っております。  これは最後に要望ですけれども、今年度もまた畑かん協議会からの要望もあるというふうに思っております。知事も常に現場を見るというふうに表現をされておりますので、新しく県土づくり本部長に就任されたのを機会に、ぜひ生産振興部とも連携しながら、現地のほうも見ていただければというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いしておきます。  次に、二問目に移りたいと思います。  二問目として、県の管理道路の整備について伺いたいと思っております。  佐賀県では約六割の方が自動車を使って移動し、貨物の九割以上が自動車によって運ばれておる状況です。また、一世帯当たりの保有台数は、九州だけでなく、全国の平均よりも上回っていることから、佐賀県は自動車への依存度が高く、日常生活や産業を道路が支えていると言っていいのではなかろうかと思っております。  こうしたことから、佐賀県における道路整備は、地域資源を生かした観光や産業の立地、活発な経済活動の促進に必要不可欠じゃなかろうかと考えておるところです。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  県の管理道路の延長や改良率について伺いたいと思います。 176 ◯永石道路課長=県管理道路の現況についてお答えいたします。  県が管理しております国道や県道は、平成二十六年四月一日現在におきまして百九十一路線で、実延長は約千六百五十キロメートルとなっております。  このうち、国道は十二路線で実延長は約三百九十キロメートルとなっており、改良済み、これは車道幅員が五・五メートル以上でございますが、この改良済みの延長は約三百七十キロメートル、改良率は約九五%となっております。  また、県道は百七十九路線で、実延長は約千二百六十キロメートルとなっておりまして、同じく車道幅員五・五メートル以上の改良済み延長は約八百五十キロメートル、改良率は約六七%となっております。  以上でございます。 177 ◯池田委員=改良率なんですけれども、県が管理している国道について、約九五%がもう改良が済んでいると。県道について、六七%という回答を受けました。  やはりまだまだ県道については、整備が必要な箇所が多く残っておるというふうに思います。限られた予算の中で効率的に整備を進めるには、道路事業の実施の判断が非常に重要じゃなかろうかというふうに思います。  まず、道路事業を実施する場合、どのような判断基準で行っているのか伺いたいと思います。 178 ◯永石道路課長=道路事業実施の判断基準についてお答えいたします。  県では、公共事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るため、佐賀県公共事業新規評価実施要綱に基づきまして、総合的な評価を行い、優先順位の高い箇所から新たに着手する事業箇所を決定しております。そのうち、道路事業につきましては、広域幹線道路事業などの県の施策に基づき、広域的な観点から実施する事業を広域事業、その他の改築事業や交通安全事業などの地域住民の生活に密接に関連し、安全性や利便性向上を主目的で行う事業を生活関連事業、また、道路防災や舗装、補修事業などの既存施設の利活用に関しての機能保全や管理者責任で行います事業を二次管理事業として、この三つの事業に分類いたしまして、新規評価を行い、優先順位の高い箇所から事業箇所を決定しております。  以上でございます。 179 ◯池田委員=それでは、道路事業のうち、生活関連事業について若干伺っていきたいと思っております。  この生活関連事業の判断基準については、どのようになっているのかお伺いしたいと思います。 180 ◯永石道路課長=道路事業のうち、生活関連事業の判断基準ということでございますけれども、その生活関連事業の中におきましても、改築事業、交通安全事業、いろいろありまして、改築事業の判断基準について、まずお答えしたいと思います。  具体的な評価を行うに当たりまして、県は学識経験者などの第三者から構成いたします佐賀県公共事業評価監視委員会に諮った上で、新規評価マニュアルを策定しております。この中で事業の位置づけ、事業の必要性効果、事業の実施環境の三つの視点ごとに事業の特性に応じた評価項目、評価指標を定めております。生活関連事業の改築事業につきましては、この三つの視点のうち、一つ目の事業の位置づけといたしまして、県土づくり本部の基本方針、それと緊急輸送道路、または観光ルートなどを評価指標としております。  二つ目の事業の必要性、効果につきましては、交通量、交通事故、道路構造令及び道路橋示方書との整合、また、三つの事業の実施環境につきましては、沿線住民の合意などを評価指標としております。この評価指標に基づき、点数化を行いまして、優先度を決定しているところでございます。  以上でございます。 181 ◯池田委員=判断基準ということで、それぞれ位置づけ、必要性とか交通量とか沿線住民の理解というか、そういうのが判断の基準になっているというふうに聞いております。その中で、やはりこの生活関連事業というのが本当に地域に密着した事業になっているんじゃなかろうかというふうに思っております。その中で、この改築事業というのは、今何カ所ぐらい実施されているのか伺いたいと思います。 182 ◯永石道路課長=生活関連事業の改築事業の実施状況についてお答えいたします。  現在、生活関連事業の改築事業といたしましては、県道多久牛津線池上工区や県道多久若木線長尾工区などの三十五路線、五十カ所で実施しております。  以上でございます。 183 ◯池田委員=三十五路線で実施しておるということで、その中で県道の多久若木線では、やはり県の西部地域と東部地域を最短ルートで結ぶ路線として、この間も貫通式がありましたけれども、女山トンネルの整備が進められております。この供用開始により、これに接続する県道の多久牛津線の交通量の増加が予想されると思います。それで、この県道多久牛津線の整備が必要と考えておりますので、そこで次の点について伺いたいと思います。  現在、事業が実施されております小城町池上工区の現在の進捗状況について伺います。  この池上工区の進捗状況はどうなっているのか伺います。 184 ◯永石道路課長=池上工区の現在の進捗状況についてお答えいたします。  県道多久牛津線の池上工区につきましては、急カーブを解消し、通行車両の安全性を向上するため、約四百メートル区間におきまして、平成二十三年度から改築事業に着手しております。平成二十六年度までに全区間の用地買収や起点側百九十メートル区間の工事が完了しておりまして、現在、残ります終点側約二百十メートル区間の工事を進めているところでございます。  以上でございます。 185 ◯池田委員=現在、工事が進められておるということで、最終的にこの四百メートル区間の終わる時期ですね、時期は大体何年度ぐらいになる予定でしょうか。 186 ◯永石道路課長=工事を進めておりますこの区間の時期ですけれども、来年度には迂回路を撤去いたしまして、完了をさせたいというふうに考えております。  以上でございます。 187 ◯池田委員=平成二十八年度に完了というようなことですけれども、それでは、そこが四百メートル区間が完了したら、この池上工区から多久市の古賀宿交差点までの区間、これが人家連檐箇所があり、狭い歩道はついておるんですけれども、それ以外は歩道がないため、やはり通学生が非常に危険な状態にあるというふうに認識をしております。今回の四百メートルが完成して、その後、やはり引き続き整備の必要性があるというふうに思っておりますけれども、それについての県の考えについてお伺いしたいと思います。 188 ◯永石道路課長=池上工区から引き続く古賀宿交差点までの区間について、お答えいたします。  委員御指摘の区間のうち、古賀宿交差点付近の人家連檐地区につきましては、道路の北側に幅二メートル程度の歩道が設置されております。しかしながら、池上工区から人家連檐地区までの区間には歩道が設置されていない状況となっております。このため、女山トンネルの開通を控えておりますけれども、この女山トンネルの供用開始後の交通状況や歩行者等の利用状況を見ながら、整備の必要性について検討していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 189 ◯池田委員=今、女山トンネルが開通した後、その後の状況を見ながらということで、やはりこの路線にはそれぞれ改修に必要な場所もいろいろあるというふうに思っておりますけれども、本当に今でも交通量が徐々に増大をしておりますし、なかなか歩道がない区間を通学生が通っているという状況もございますので、そこら辺については、状況等よく見ながら、一日も早い整備をお願いしていきたいというふうに思います。
     次に、三問目として、街路事業の推進について伺います。  県内の主要都市部において、都市の中の道路である都市計画道路、いわゆる街路ということで交通機能、空間機能、先導機能、地域認識機能など、通勤通学を初めとした日常の生活や経済活動等に伴う歩行者や自動車交通等を円滑に処理するだけでなく、やはり散歩を楽しんだり、祭りやイベントが開催されるなど、多くの人がそこに集い、語り合う都市において最も基礎的な都市施設であると認識をしておるところでございます。このため、中心市街地の活性化や高齢者、障害者等に配慮した快適な都市空間の創出や災害時の避難や災害の拡大を抑え、遮断する空間の確保、また、地域の個性あるまちづくりを進めるためにも、市街地を形成する街路整備事業の推進が必要であるというふうに思っております。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  県内の都市計画道路、幹線道路の計画延長、また改良済み延長、改良リストは現在どのようになっているのか伺います。 190 ◯杉野まちづくり推進課長=都市計画道路の現状についてお答えいたします。  国土交通省公表の最新の都市計画年報によりますと、平成二十五年三月末における佐賀県内の都市計画幹線街路の延長は五百四・六三キロメートルでございまして、そのうち、都市計画決定どおりに整備がされた改良済み延長は三百四十五・八五キロメートルで、改良率は六八・五%となっております。  以上でございます。 191 ◯池田委員=六八・五%の改良率ということなんですけれども、それでは、県が実際に今、事業を着手している路線数及び事業計画延長はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。 192 ◯杉野まちづくり推進課長=事業中の路線数及び事業計画延長についてお答えいたします。  現在、県の街路整備事業におきましては、十一路線、十三カ所で事業を行っておりまして、その事業計画延長は全部で約三・八キロメートルでございます。  以上です。 193 ◯池田委員=十一路線、十三カ所の三・八キロメートルというふうに言われました。やはりこの街路整備事業というのは、家屋移転補償とかがあり、非常に事業費がかかるというふうに思っております。ここ五年間の街路整備事業費の推移はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。 194 ◯杉野まちづくり推進課長=事業費の推移についてお答えいたします。  ここ五年間の街路整備事業費は、最終予算ベースですけれども、平成二十三年度は二十一億五千七百万円、平成二十四年度ですが、二十九億六千九百万円、平成二十五年度は二十六億二千六百万円、平成二十六年度は二十億四千六百万円です。今年度は九月補正後の予算にはなりますけれども、九億五千万円となっておりまして、ここ五年間の予算の推移は平成二十四年度をピークに減少しているというような状況でございます。  以上です。 195 ◯池田委員=平成二十七年度、今度の補正まで入れて九億円ですね。実はこの街路事業というのは、当然、都市計画決定がされておるということで、非常に自分の持った家のところに線が入っているというような中で、住民の方からよく言われるんですけれども、いつ来るとやろうかというふうな話もされます。そういう中で、やはり計画決定したなら、予算の関係もあると思いますけれども、なるべく早くやっていってもらいたいというふうに思っております。  最後にお伺いしたいと思いますけれども、この街路整備事業については、やはりどこでも中心市街地の活性化とか快適な都市空間を創出していくためにも必要な事業だというふうに思っております。県は今後この街路整備事業の推進について、どのように取り組んでいくのか、特に先ほど平成二十七年度予算が九億円という話もありましたので、今後どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。 196 ◯杉野まちづくり推進課長=今後の街路整備事業の取り組み方針についてお答えいたします。  近年、先ほど言いましたように、街路整備事業の予算は年々非常に厳しくなっているところでございますけれども、委員の言われるように、都市の活性化や快適な都市空間を創出するためには、街路整備事業の推進が必要であることは認識しております。また、街路整備事業につきましては、沿線住民の方々を初め、県民の皆様からの事業推進の要望も多々あることから、限りある予算の中で選択と集中を徹底し、事業効果の早期発現に取り組んでいかなければならないと考えております。  あわせて、特に新規事業の着手に当たっては、限られた予算を優先的に確保する上でも、経済効果が高く、国からの重点配分を受けやすいコンパクトプラスネットワークの実現につながる事業等を優先していくことも検討しているところでございます。  さらに、補正予算などにつきましても積極的に要望を行うとともに、政策提案を初め、あらゆる機会を捉えて予算確保に向けた国への働きかけを行うなど、街路整備事業がより一層推進できるよう努めていきたいと考えております。  以上でございます。 197 ◯池田委員=私自身も、先ほど九億円と聞いてちょっとびっくりしているわけなんですけれども、やはり十一路線、十三カ所あって九億円と、平均しても一億円ないということで、本当に家を一、二軒御相談すれば、やはり相当な金額が必要になってくるというふうに思っております。本当に、この街路事業の推進については当然予算が伴うものというふうに思っておりますので、事業の推進について、県のほうもよろしくお願いをしておきたいというふうに思っております。  続きまして、四問目に移っていきたいというふうに思っております。  四問目ということで、建設業の育成について伺います。  建設業は、社会資本の整備や維持管理、災害時の緊急対応だけでなく、地域の雇用や経済を支えるなど、県民の安全・安心にとって大変重要な役割を果たしているというふうに思っております。しかし、これまでの公共事業費の減少により、建設業にとって厳しい状況が続いており、建設業者や建設業で働く人の数は減少しているんじゃないかというふうに考えております。また、建設業で働く人の高齢化が進行し、新たに建設業で働く若い人が少なくなっており、将来、建設工事の担い手が不足することが、本当に懸念されるんじゃなかろうかというふうに考えております。  建設業の担い手を確保するためには、例えば、県内の工業高校の卒業生など、将来の建設業を担う若い人材を県内の建設業者で確保、育成していくことが、建設業の育成に重要であるのではないかと思っておるところです。私自身もこの建設業界で技術者というような格好で働いた経験もございます。やはり建設業界の職場については、三K職場というイメージが非常に強く、若者に敬遠されがちで、売り手市場なのに他業種に人材が流れていると言われておりますが、地域になくてはならない建設業で働くことに、若い人たちが夢を持てるように取り組んでいく必要があるというふうに思っております。  そこで、次の点について伺いたいと思っております。  まず、県内の公共投資額の推移についてはどのようになっているのかお伺いします。 198 ◯古賀建設・技術課長=公共投資額の推移についてお答えします。  県内の公共投資額、これは、国、県、市町でございますが、これにつきましては、国土交通省の建設総合統計年度報によりますと、ピークである平成七年度には四千百五十億円であったものが、平成二十四年度には千五百八十九億円に減少し、平成二十六年度は千八百九十五億円となってございます。これは、平成七年度の約四六%でございます。  以上でございます。 199 ◯池田委員=やはりピークからすれば半分弱ということで、それでは、県内の建設業者の推移についてはどのようになっているのかお伺いします。 200 ◯古賀建設・技術課長=建設業者数の推移についてお答えいたします。  県内に本店のある建設業許可業者数の数については、ピークである平成十一年度末には四千二百四十四者でありましたが、平成二十五年度末には三千二百三者に減少しまして、平成二十六年度末では三千二百十一者となっております。これは、平成十一年度の約七六%でございます。  以上です。 201 ◯池田委員=やはり公共投資額が落ちていく中で、県内の建設業者数の推移もだんだん落ちていっているというようなことじゃなかろうかというふうに思っております。やはり県民の生活に重要な役割を担っている建設業の育成のためには、担い手の確保がまた重要ではなかろうかというふうに思っております。  県内の建設業界は、技術者不足や待遇改善への取り組みなど、いろいろな諸問題もあると思いますが、建設業界の高齢化も深刻な問題だというふうに思っております。総務省の二〇一二年の統計によりますと、県内の平均年齢は四七・七歳ということで、二十代の占める割合は約一〇%にとどまっております。やはりベテラン技術者から若手技術者への技術継承が進んでいない状況じゃなかろうかというふうに思います。今後の建設業を担う若い人材の確保や育成について、県ではどのように取り組んでいるのかお伺いします。 202 ◯古賀建設・技術課長=担い手の確保についてお答えします。  建設業は、地域の社会資本整備や災害時の防災、復旧等の活動を担い、地域経済や雇用の下支えを行う重要な産業でありますが、建設業就業者の数は大きく減少しており、次世代への技術、技能の継承や技能者の育成とあわせまして、建設業への若年入職者の確保が建設業の課題となっております。  このため、建設業が若者にとって働きやすく魅力ある就業の場となるよう、まず、適切な賃金水準の確保など、労働環境の改善、それから若者が誇りを持って働き、活躍することができるよう、資格や技能の習得を進めていく必要があると考えております。  このようなことから、県では、入札参加資格審査における若年者の雇用る対する加点、また、建設業再生支援事業による国家資格──これは土木施工管理技士とか、建築士などの国家資格でございますが、この国家資格の取得費用の助成。それから、設計労務単価の引き上げ及び適正化についての国への働きかけ。社会保険未加入業者への指導。それから、若手育成支援セミナーの開催。また、建設技術フェアの開催や土木のイメージアップ事業などに取り組んでおります。  さらに、公共工事の品質確保と担い手の育成確保を目的に改正されました品確法の運用指針に基づき、歩切りの廃止についての市町への要請、それから、適切な設計変更等に取り組んでおります。  また、建設業の技術者、技能者の確保、育成を進めていくためには、建設業者が将来にわたって安定的な経営を行っていくことが必要でありまして、公共事業予算の安定的な確保や発注の平準化が重要となります。  県といたしましては、県内のそれぞれの地域に技術と経営に優れた建設業者が存在することが重要であると考えております。今後とも、地域の建設業の育成やその担い手の確保に向け、建設業者の技術力や経営力が向上するよう、また、建設業が若者にとって魅力ある産業となるよう、建設業界と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 203 ◯池田委員=やはり若者が働く場の確保とか、今後、この県内の建設業界を伸ばしていくためには、やはり若い担い手の存在も必要だというふうに思っておりますし、それにはやはり公共事業が一番じゃなかろうかというふうに思っております。先ほど来、価格の面とかいろいろな話もあっておりましたけれども、そういうのにも県のほうも建設業界と一緒になって、建設団体と一緒になりながら話し合いをされ、今後より一層、建設業界の指導とか育成に取り組んでもらいたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いをしておきます。  次に、最後の質問に移りたいというふうに思います。  最後に、九州新幹線西九州ルートについて伺いたいと思います。  既に、午前中から二名の委員さんのほうからも質問があっております。きょう三人目ということで、なるだけ質問がかぶっていかないようにしたいと思っておりますので、よろしくお願いをしておきます。  この九州新幹線西九州ルートに導入されるフリーゲージトレインについては、昨年十一月に試験用車両の台車の一部に傷などが見つかり、試験運行が休止され、一年を経過した今月十二月四日に開催された軌間可変技術評価委員会の結果を受け、国は平成三十四年度中の西九州ルートへの量産車の導入は困難との見解を示しておるところです。開業までの工程については、地元自治体等の関係者とよく調整していきたいと発言されているというふうに聞いております。この西九州ルートについては、これまで時間短縮の程度や費用対効果、整備への負担などさまざまな議論を経て、地元関係者により合意され、それを踏まえ国が決定し認可されたものであり、多くの県民もフリーゲージトレインの導入が前提の整備計画を理解しているところもあるんじゃなかろうかというふうに思っております。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  この軌間可変技術評価委員会の結果の受けとめについてです。  国は、軌間可変技術評価委員会の結果を受け、平成三十四年度中にフリーゲージトレインの量産車を導入することは困難という見解を示したとのことですが、県はどう受けとめるのかについて伺いたいというふうに思います。 204 ◯島内新幹線・地域交通課長=委員会結果の受けとめにつきまして、改めてスタンスをお答えさせていただきます。  委員、御指摘がありましたとおり、国は今回、平成三十四年度中に西九州ルートにフリーゲージトレインの量産車を導入することは難しいとの見解が示されたものの、今後の対応については明らかにされておりません。  九州新幹線西九州ルートは、平成十六年十二月の政府・与党申し合わせ「整備新幹線の取扱いについて」において、軌間可変電車方式による整備を目指すとされましたことから、これを前提に平成十九年十二月に、佐賀県、長崎県、JR九州におきまして三者基本合意を締結して、平成二十四年六月にフリーゲージトレインを前提にした国の認可を受けております。  県といたしましては、フリーゲージトレインの走行試験の早期再開を望むものでございまして、一日でも早くフリーゲージトレインによる全線開業をしていただくよう国に求めてまいりたいと考えております。  以上です。 205 ◯池田委員=フリーゲージトレインの開業を見込んでということですけれども、それでは、今後の対応について伺いたいと思います。  国は、開業までの工程等について、地元自治体等の関係者と調整していくということですが、それでは、県はどう対応するのか伺います。 206 ◯島内新幹線・地域交通課長=委員御指摘のとおり、十二月四日の記者会見におきまして、地元の調整について発言があったところでございます。現時点では、国との調整は始まっておりませんが、県といたしましても、これまでの経緯や開業までの工程などについて、国からは直接説明を受ける必要があると思っております。このため、できるだけ早く準備を進めたいと考えております。  ところで、国土交通大臣の発言などによりますと、国の方針としては、フリーゲージトレインの技術開発を推進し、完成、開業時期を平成三十四年度から可能な限り前倒しをするとされております平成二十七年一月の政府・与党申し合わせを守るという方針のようでございますが、今回の記者会見におきましては、平成三十四年度の開業という発言はございましたが、フリーゲージトレインによるという重要な前提についての言及がなされておりません。この点につきましては、国と地元自治体との調整の中で、佐賀県として求める開業が、あくまでフリーゲージトレインによる全線開業であるという県のスタンスをしっかり主張してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今後はこれまでの経緯から、国の責任のもとで、一日も早くフリーゲージトレインを開発していただき、フリーゲージトレインの安全を確保していただいた上で、政府・与党申し合わせに基づきまして、西九州ルートのフリーゲージトレインによります早期の全線開業を国に求めてまいりたいと考えております。  以上です。 207 ◯池田委員=今、本当にいろいろな格好で言われております。この西九州ルート整備に当たっての県のスタンスについて伺いたいというふうに思っております。  この整備計画は、フリーゲージトレインの導入が前提であるという認識はしております。ただ、今、フル規格とかリレー方式等の話もいろいろ出ております。改めて、県の整備に当たってのスタンスを確認したいと思い、これについては、交通政策部長に伺いたいと思っております。よろしくお願いします。 208 ◯西村交通政策部長=西九州ルート整備に当たっての県のスタンスについてお答えいたします。  これについては、課長の答弁と多少重複するところはございますが、平成十六年の政府・与党申し合わせ、これは軌間可変電車方式による整備を目指すということでございますが、これを前提に、佐賀県、長崎県、JR九州において、在来線の肥前山口─諫早間についての取り扱いに係る三者基本合意を締結したところでございます。  また、これまで整備に伴う負担金の支払いについては、毎年度、県議会の承認を得ているところでございます。県としては、引き続きフリーゲージトレイン方式による全線開業を目指していくこととしておりまして、この方針に変わりはございません。  以上、お答えいたします。 209 ◯池田委員=今、交通政策部長のほうで、フリーゲージトレインの方向に変わりはないということなんですけれども、やはりどれをとっても安全・安心というのが一番じゃなかろうかというふうに思っております。本当に、安全・安心を確認の上で、この事業も進めてもらいたいというふうに思っております。  以上で私の質問を終わります。 210 ◯大場委員長=これで質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。     午後二時九分 休憩     午後二時十分 開議 211 ◯大場委員長=委員会を再開いたします。  これより討論に入りますが、ただいまのところ討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し、直ちに採決に入ります。     ○ 採     決 212 ◯大場委員長=まず、乙第七十五議案「県営土地改良事業に対する市町の負担について」、乙第七十六号議案「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構事業に対する市町の負担について」、乙第八十一号議案「県立森林公園の管理について」、以上三件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 213 ◯大場委員長=起立者多数と認めます。よって、以上三件の議案は原案のとおり可決されました。  次に、甲第四十号議案中本委員会関係分、乙第七十三号議案、乙第八十号議案、乙第八十二号議案、乙第八十三号議案、以上五件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 214 ◯大場委員長=全員起立と認めます。よって、以上五件の議案は原案のとおり可決されました。     ○ 継 続 審 査 215 ◯大場委員長=最後に、九月定例会から引き続き審議中の 一、県土づくり行政について 一、交通政策行政について 一、災害対策について  以上三件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 216 ◯大場委員長=御異議なしと認めます。よって、以上三件についての継続審査を議長に申し出ることにいたします。  以上で、本委員会に付託されました案件の全部を議了いたしました。  これをもちまして県土整備常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。     午後二時十三分 閉会
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