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平成27年原子力安全対策等特別委員会 本文 開催日:2015年10月05日
平成27年原子力安全対策等特別委員会 名簿 開催日:2015年10月05日

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  1. 佐賀県議会 2015-10-05
    平成27年原子力安全対策等特別委員会 本文 開催日:2015年10月05日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時一分 開会 ◯竹内委員長=おはようございます。ただいまから原子力安全対策等特別委員会を開催いたします。     ○ 会議録署名者指名 2 ◯竹内委員長=会議録署名者として、大場芳博君、桃崎峰人君、徳光清孝君、井上祐輔君、以上の四人を指名いたします。  原子力安全・防災対策、エネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  通告に従い、順次発言を許可します。 3 ◯井上常憲委員=おはようございます。自由民主党の井上常憲です。  私は、県の西部、玄界灘に面した上場地域に住んでおります。玄海原子力発電所から直線にして約六・五キロほど離れております。仮屋湾を挟んで、毎日のように目の前に原子力発電所を見て生活しておりますので、一号機の運転開始から約四十年間、原発とともに生活してきたような気がいたしております。その間、上場地域や唐津地区では、いろいろなハード施設の整備や多くの作業員さんや従業員さんたちの宿泊など、地域の経済に玄海原子力発電所は大きく貢献してきたのも事実であります。  しかし、今まで四十年間、行政や会社などの説明で安全だとはわかっていても、やっぱり危ない危ないと不安をあおる意見や、また、がんが多いなどガセネタとかデマが多かったせいもあって、生活している中で今爆発したらどうしようとか、どこに逃げるかなどの時には不安がよぎることもありました。そうした何かしらの不安は、近くに住む住民にとっては共通のものだというふうに私は思います。  三・一一の福島原発の事故を分析すると、地震で送電線が倒壊して電力供給がストップしたと。二次供給の非常用発電も想定外の津波で水没し、作動しなかった。それから、電源供給車や海水注入ができなかったなど、私は当然の安全策の不手際が原因のように思われます。  国は、再稼働に向けて新しく世界で一番厳しい規制基準を設けて、また、会社である九電も、それをクリアできるよう多くの時間とお金をかけて今現在に至っています。  私は、唐津の市議をしている時代、新しい基準の各種の安全対策を整備中のところを実際拝見させていただいて、その安全性をまた強く認識いたしました。  私は、国の新しい基準に従いクリアしたら、石油依存からの経済面、またエネルギーバランス、CO2削減などの環境性、事故対策の安全性の面からも、早い時期の三号機、四号機の再稼働を望むものです。  そこで、県の考えを三つの面からお伺いいたします。  まずは、安全協定についてでございます。  福島原発事故があって以降、原子力発電所周辺では立地自治体以外の自治体が安全協定締結を求める動きが広まっております。佐賀県内においても、市や町からの要望に応える形で九州電力との間で協議が行われ、その結果、唐津市など十八の市や町が九州電力と協定を締結しております。玄海原子力発電所の運転開始前に協定を締結している玄海町を含めますと、県内十九の市町が協定を締結していることになります。  唯一、伊万里市だけが九州電力との協定が未締結となっております。現在も九州電力と協議を続けているとは聞いていますけど、そこで次の点について伺います。  県としては、早期に伊万里市と九州電力の間で協定を締結する必要があるとお考えでしょうかお伺いします。 4 ◯森原子力安全対策課長=伊万里市の協定締結時期についてのお尋ねでございます。
     安全協定の締結につきましては、伊万里市と九州電力がお互いに協議をして決められていることでありまして、県が早くしたほうがいいとか悪いというふうに申し上げる立場にはないと考えているところでございます。現在、その協議の状況を注視していきたいというふうに考えているところでございます。  以上です。 5 ◯井上常憲委員=それでは、安全協定の中身についてお伺いいたします。  まず、唐津市の安全協定との違いについてお伺いしたいと思います。  県及び玄海町が九州電力と締結している安全協定と隣接自治体である唐津市が九州電力と締結している安全協定の違いはどのようなものか、その違いについてまず御説明をお願いいたします。 6 ◯森原子力安全対策課長=唐津市の安全協定との違いについてお答えいたします。  県、玄海町が九州電力と締結しております現行の安全協定におきましては、九州電力が原子炉施設を変更しようとするときなどに事前了解を行うこととしております。一方、唐津市が九州電力と締結している安全協定におきましては、原子炉施設の変更などにつきまして、九州電力から直接説明を受け、意見を申し出ることができるというふうにされております。つまり、県、玄海町の協定は事前了解という手続ができる、唐津市の協定は九電に対して意見を言うことができるというふうな内容になっております。  また、玄海原子力発電所の立入調査につきましては、県、玄海町が九州電力と締結している現行の安全協定におきまして、県及び玄海町はそれぞれ独立して、必要と認めた場合に立入調査を行うことができるということにしております。一方、唐津市が九州電力と締結しております安全協定におきましては、唐津市が立入調査が必要と認めた場合に、県に対して立入調査を要請し、これに唐津市が同行できることとされているところに違いがございます。  以上でございます。 7 ◯井上常憲委員=それでは、県及び玄海町が九州電力と締結している安全協定と、佐賀市など十七市町が九州電力と締結している安全協定との違いはどのようなものかについて御説明をお願いいたします。 8 ◯森原子力安全対策課長=十七市町の安全協定との違いについて御説明いたします。  まず、玄海町、唐津市及び伊万里市を除く十七市町が九州電力と締結しております協定の名称は、「佐賀県内住民の安全及び安心に係る原子力防災の高度化に関する協定書」というものでございます。つまり、防災の観点に重点を置いたものとなっているところでございます。  したがいまして、県、玄海町が九州電力と締結している現行の安全協定において規定をしております、例えば事前了解でございますとか立入調査の規定ではなく、防災に関係する異常発生時の連絡事項や損害の賠償について規定されているところでございます。  以上でございます。 9 ◯井上常憲委員=唐津市としては、唐津市が締結している安全協定について、玄海町が締結している安全協定と少し内容の違いはあるものの、立地自治体並みという認識であると私は理解しております。  伊万里市は、立地自治体並みという主張をされて事前了解事項を協定の中に盛り込みたいというふうに考えていらっしゃるようですが、この点について県としてはどのように考えているのかについてお伺いいたします。 10 ◯森原子力安全対策課長=伊万里市の求めていらっしゃる安全協定の内容についてでございます。  九州電力との安全協定につきましては、唐津市、伊万里市がそれぞれのお考えで締結されるものと理解しているところでございます。つまり、伊万里市が立地自治体並みの安全協定締結を主張されることにつきまして、県としてこれを否定するものではないというふうに考えております。  事前了解などの協定の内容につきまして、伊万里市と九州電力がお互いの考えのもとに協議を続けられている中で、当事者を差し置いてこれが必要、不要ということを県が言うべきではないというふうに考えておりまして、まずは当事者同士がしっかりと協議をして決められることだというふうに認識しております。  以上でございます。 11 ◯井上常憲委員=いろいろ報道によりますと、伊万里市と九州電力との協議は続いているものの、なかなか進展が見られず、合意には至っていないようですが、この件について伊万里市から県に何か相談はあっているのかについてお伺いいたします。 12 ◯森原子力安全対策課長=本年三月十七日に伊万里市長が県庁を訪問されまして、その際、知事と面談の上、九州電力と伊万里市の安全協定締結への県の積極的な関与を含めます四点につきまして要望書を提出されたところでございまして、そういった要望を受けたというところでございます。  以上でございます。 13 ◯井上常憲委員=次に、原子力災害時の避難計画についてお伺いいたします。  私は、原子力発電所の再稼働と避難計画はリンクするものではないというふうな認識を持っておりますけど、万が一の原子力災害が発生した場合は避難計画に基づいて避難を実施する必要があって、実効性のある計画を策定する必要があるというふうに考えております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず、新聞報道によりますと、九州電力は川内原子力発電所において万が一事故が発生した場合に備えて、関係自治体が策定した避難計画に関連して要援護者の避難等に対し支援を行うという方針のようであります。  当然、玄海原子力発電所についても同様の支援が行われるのではないかというふうに考えているところですが、県は九州電力に対し、避難への支援に関して何らかの要請をしているのか、この点についてお伺いいたします。 14 ◯山下消防防災課長=避難に関する九州電力の支援についてお答えいたします。  まず、川内の状況でございますが、川内原子力発電所におきましては、万が一、原子力災害が発生した場合の対応について、国や自治体の間で協議の上、「川内地域の緊急時対応」としてまとめられ、昨年の九月、国の原子力防災会議においてその内容が確認され、了承されたところでございます。  この中で九州電力は、PAZ(五キロ圏)の避難行動要支援者の避難手段として不足する福祉車両やバス及び運転手を確保する。また、PAZの放射線防護対策施設五カ所に物資を備蓄するなどの協力を行うこととされているところでございます。  玄海原子力発電所におきましては、万が一、原子力災害が発生した場合に備え、県や市町において地域防災計画や避難計画を策定しておりますが、これに関連して九州電力に対し、本県から何らかの支援を要請したことはございません。  万が一、原子力発電所で事故が発生した場合、九州電力には事故の拡大防止に全力で取り組んでいただくことが何よりも重要であると考えているところでございます。  避難などの原子力災害対策については、基本的には国が前面に立った上で自治体が防災関係機関と連携して対応することになります。  ただ、よりよい実行体制を確保する観点や不測の事態へも備える観点からは、副次的な方法として、さまざまな方面からの支援も得られるよう検討しておくことは必要かと考えているところでございます。  以上でございます。 15 ◯井上常憲委員=わかりました。  玄海地域には離島が多数あるわけですけど、万が一、そうした原子力災害が発生した場合に備えて、やはり離島の住民をいかに安全に避難させるのか、実効性のある計画を策定する必要があるというふうに考えております。現在、離島の住民の避難についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのかについてお伺いいたします。 16 ◯山下消防防災課長=離島の避難計画についてお答えします。  県内には七つの離島がありますが、全て五キロから三十キロ圏のUPZに位置しております。このUPZについては全面緊急事態となった場合は、まず、屋内退避をしていただき、万が一、放射性物質が放出された場合は放射線量の測定結果を踏まえ、避難が必要な地域を特定して、その地域について避難を実施するということになります。  唐津市の避難計画では、離島からの避難は最寄り港や唐津港等に上陸し、県内の避難先施設へ自家用車や県、市が確保するバスなどで向かっていただくこととなっております。  ただし、悪天候などで避難ができない場合も考えられるため、そうした場合に備え、放射性物質からの防護機能を付加した屋内退避施設を整備し、必要によりこの施設に一時的に待避していただいた上で、避難が可能な状況となれば直ちに避難をしていただくとしているところでございます。  離島からの避難についてはこのように考えているところでありますが、避難計画どおりでは対応できない事態にも対処できるよう、さらに副次的な方法として自衛隊等に支援を要請し、できるだけ短期間で避難を実施するなどの手段もあわせて準備しておく必要があると考えているところでございます。  以上でございます。 17 ◯井上常憲委員=現在の避難計画の中では、地区ごとに、避難先となる施設とともに、避難先へ向かう主要な避難経路が示されているところです。しかし、一方で、地域の住民の人は避難先の地域へ向かうにはどの道が近いのか、あるいはどの道路が混雑していないのか、小さい道路である農道や林道、小さな抜け道まで知っております。実際に避難する際は、住民としては避難時間が少しでも短くなるよう最短経路を選ぶのが当然だというふうに考えております。  例えば、唐津市呼子町や鎮西町の住民は、国道二〇四号や県道三百四十号、また、県道二十三号とか、県道四十七号を経由して避難すると思いますし、玄海町の住民は県道二百五十四号や、今度新たに県が整備される藤ノ平大良線等を経由して、唐津市の竹木場方面に向かって、それから避難されると思いますし、唐津市肥前町の場合は国道二〇四号を通って県道三百四十二号を経由して伊万里方面に向かうのが自然だと思われます。  避難計画では、このような最短経路とは異なる経路を避難経路として指定されているようですが、避難経路の選び方については県はどのように考えているのでしょうか、この点についてお伺いいたします。 18 ◯山下消防防災課長=避難経路についてお答えします。  各市町の避難計画では、地区ごとに主要な避難経路を定めております。これを定めるに当たっては、県と市町が協力し、県内の主要国道及び県道を使用することを基本として、一つの道路に過度に負担がかからず、避難住民が分散するよう配慮したところでございます。  現計画では、このような考え方のもと、基本的な計画として地区ごとに主要な避難経路を定め、これを利用していただくこととしているところでございます。  その上で、道路の混雑状況などを踏まえて、必要な場合にはよりスムーズに避難できるよう、主要な経路以外の道路も利用していただくこととしているところでございます。  こうした避難経路の考え方について、市町と協力して今後も住民への周知に努めるとともに、必要な避難誘導や交通規制を実施できるよう、関係機関とも連携をさらに深めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 19 ◯井上常憲委員=次に、玄海一号機の廃炉に伴う電源立地地域対策交付金等への影響等についてお伺いいたします。  福島の原発事故をきっかけに、原子力発電施設の運転期間が原則四十年に制限されました。これを受け、昭和五十年から三十九年間稼働していました玄海原発一号機もことしの四月に運転を終了したところでございます。しかし、周辺地域では原発施設の立地を前提に地域経済や自治体財政がある面成り立ってきた面もあります。例えば、今回の廃炉に伴って電源立地地域対策交付金などの支援策が縮小されると、地域の経済、産業や住民の生活にも一定の影響が及ぶのではないかというふうに懸念しております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  交付額についてお伺いいたします。  現在、佐賀県には県及び市町を合わせて、電源立地地域対策交付金としてどの程度の金額が現在運転時交付されているのか、また、このうち、立地自治体である玄海町及び隣接自治体である唐津市への配分額はどうなっているのかについて、まず御説明をお願いいたします。 20 ◯今泉新産業・基礎科学課長=電源立地地域対策交付金の交付額についてお答えいたします。  昨年度、県及び市町には約二十一億円の交付があっております。その内訳でございますけども、産業振興や住民福祉など地域の振興に用いられます電力移出県等交付金、これが十四・七億円、玄海町や唐津市の一般家庭等に電気料金の契約口数に応じまして給付金を支払います原子力発電施設等周辺地域交付金、これが約六・五億円でございます。  また、このうち、先ほど申しました電力移出県等交付金約十四・七億円でございますけども、このうち一部は県を通じまして周辺市町へ交付されております。昨年度は玄海町及び唐津市にそれぞれ約二億円ずつ交付されております。  さらに、これらのほか、玄海町には国から直接でございますけども、原子力発電施設立地地域長期発展対策等交付金が交付されております。こちらは昨年度の交付額は約十六億円となっております。  以上でございます。 21 ◯井上常憲委員=廃炉に伴う影響分について懸念しているわけですけど、今回の廃炉に伴って、これらの交付額が減少するのではないかというふうに思われます。とりわけ電源立地地域対策交付金のうち地域振興に用いられている電力移出県等交付金ですか、県外に電力をやる分については、地域経済や住民生活への影響もあるというふうに考えておりますが、同交付金についてどの程度の影響が生じると県は把握されているのか、その点について御説明をお願いいたします。 22 ◯今泉新産業・基礎科学課長=廃炉に伴います影響についてお答えいたします。  電力移出県等交付金は、各県の発電電力量から消費電力量を差し引いた要するに移出電力量に交付単価を乗じて算定されております。  このため、当然一号機の運転終了によりまして発電電力量が減少しますので、県及び市町への交付金額も減少する見込みでございます。  しかしながら、交付金額の算定に必要な各県の発電電力量ですとか消費電力量につきましては、国が直接電力事業者に調査を行いまして算定されているため、県では把握は困難でございます。  このため、交付金への具体的な影響額につきましては県では推計ができておりません。今のところは影響額につきましては何とも申し上げられないという状況でございます。  以上でございます。 23 ◯井上常憲委員=交付金が恐らく減るんじゃないかというふうな回答でしたけど、国が直接しているので算定が難しいということでした。  電源立地地域対策交付金ですね、減額が懸念される一方で、今回、国の平成二十八年度の概算要求には、廃炉に伴って新たに「エネルギー構造転換理解促進事業」という名目で四十五億円の事業が盛り込まれたとも聞いております。そこで、県ではその内容などをどの程度把握しているのかについてお伺いいたします。 24 ◯瀬戸口新エネルギー課長=エネルギー構造転換理解促進事業の内容についてのお尋ねでございます。  当事業につきましては、平成二十七年八月三十一日に経済産業省(資源エネルギー庁)の平成二十八年度概算要求として示されたところでございます。  この事業につきまして、資源エネルギー庁から公表された資料によりますと、まず、事業目的、概要につきましては、廃炉が行われる原発が存在する立地市町村等に対し、エネルギー構造転換に向けた地域の理解を促進する上で必要となるハード・ソフト両面からの事業を支援するということになっております。  次に、成果目標としては、廃炉が行われる立地市町村等の持続的発展に向け、地域住民等に対するエネルギー構造転換に係る理解促進を図るというふうにされております。  また、対象者、それから補助率等の条件につきましては、国から立地自治体へ十分の十の補助を実施するとされているところでございます。  さらに、具体的な事業のイメージとして、エネルギー構造転換に向けた地域の理解を促進する上で必要なハード・ソフト事業を支援するとされております。事業例として、若干掲げられておりますが、水素発電、高効率LNG火力等、新しいエネルギービジネスの導入のための事業可能性調査、それから、エネルギー環境教育体験施設のハード・ソフト事業、さらには、廃炉に関する正しい知識等を地域住民に説明するための講習会、説明会の開催、エネルギー構造転換に係る事業を行うに当たって必要な調査など、産業施策や環境施策、廃炉そのものへの理解促進など、さまざまな分野にわたる事業が示されているところでございます。  ただ、あくまで現時点では概算要求の段階でございまして、これ以上の具体的な内容は不明でございます。今後、資源エネルギー庁から詳細な事業内容につきまして示されることが想定されますことから、県としてもそれを注視してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 25 ◯井上常憲委員=説明によりますと、何か水素など新エネルギー関連とか体験施設とか講習会などに充当するということでしたけど、地元からは、このエネルギー構造転換理解促進事業については、やっぱりこうした使途が限定されるとか使い勝手が悪いなどの声もあるようです。その是非ももちろんですが、国にはまず立地地域ですね、立地自治体がこれまで国策である原子力政策に長年貢献したことについて、もっと積極的に評価をしていただくべきではないかというふうに考えております。その上で今回のエネルギー構造転換理解促進事業に限らず、立地地域の持続的な発展のために地域の実情、課題を踏まえたさまざまな方策を国自身の責任として模索していただきたいというふうに考えております。  ついては、県でも電源立地地域対策交付金の減額が懸念される中で、地元の声も踏まえつつ、引き続き国への提案とか要望等に取り組んでいただきたいというふうに考えていますが、この点についてお伺いいたします。 26 ◯今泉新産業・基礎科学課長=国への要望、提案についてお答えいたします。  これまでも国には長年国策に協力してきました地域が今後も持続的に維持発展できるよう、他の立地県とも連携いたしまして、原子力発電施設の撤去完了までを見据えまして、制度の充実を要望してまいりました。  このような中、今回御指摘いただきました事業ですけれども、新たに国の概算要求に盛り込まれましたが、その要求額自体、これは一見、電源立地地域対策交付金の概算要求の減少額、これが約四十三・三億円ございますけれども、に見合っているように見えます。  しかしながら、資料や説明会によりますと、御懸念のように使途が限られていることに加えまして、どの程度の額がどの程度の期間配分されるのかもわからないということでございます。このため、四十五億円という金額については十分とは言えないというのは現時点での印象でございます。  今後も国の動向を注視しまして、地元市町の声も聞きながら、地域の課題に応え得る制度が国の責任においてしっかりと措置されますよう、他の立地県とも連携しまして、国に対して働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 27 ◯井上常憲委員=次に、県の役割等についてお伺いいたします。  九州電力によりますと、玄海一号機の廃炉作業については、およそ三十年程度かかるというふうに見込んでいるようですが、このような長期間の作業を当事者である九州電力が責任を持って取り組むのは当然ですが、県としても県民の安全を見守っていく必要があるというふうに考えます。  そこで、県は今後三十年間、九州電力の廃炉作業の安全性が確保されるために、どのようなことを行っていかれるかについてご説明をお願いいたします。 28 ◯森原子力安全対策課長=廃止措置にかかります県の役割についてお答えいたします。  原子力発電に関しては、安全第一で臨むというのが県の基本的な方針でございます。この方針のもと、九州電力玄海原子力発電所一号機の運転終了に伴いまして、今後、国の認可を得て行われる廃止措置が安全に実施されることを県として確認するため、「原子力発電所の安全確保に関する協定書」、いわゆる安全協定でございますけれども、こちらにつきまして、必要な改定を行うこととし、今現在、玄海町及び九州電力と協議中でございます。  県といたしましては、この改定後の安全協定に基づきまして、廃止措置の事前了解を行うとともに、事業者から廃止措置の実施状況などの定期的な報告を受けまして、必要に応じて現地確認を行うなど、これから約三十年にわたる廃止措置が安全に実施されるよう注視してまいりたいというふうに考えておるところでございます。  以上でございます。 29 ◯井上常憲委員=よろしくお願いいたします。  昨年、アメリカのマサチューセッツ工科大学、それからワシントン大学、ロッキード社が相次いで核融合炉発電機の開発で十年後の実用化に向けて取り組んでいるという発表がありました。いずれもトラックに詰めるぐらいの小型で、それから安価で、今の原発の半分の出力があるということです。これが実現できれば、放射能がなく、資源は無尽蔵にありますし、環境問題や地球上のエネルギー問題は解決していくというふうに思います。エネルギーはただ同然、廃棄物も出ないし、富の偏りも少なくなっていくというふうに思います。残念ながら、日本はおくれをとりましたけど、二十年後、三十年後、地球の未来は非常に明るいというふうに思います。次世代のためにも、つなぎのエネルギーとして、経済性、環境性、安全性、エネルギーバランスの意味からも、原子力発電所の再稼働を期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。 30 ◯徳光委員=県民ネットワークの徳光清孝でございます。  きょうは大きく四点質問したいというふうに思いますんで、執行部の誠意ある答弁をお願いしたいと思います。  まず、問いの一ですが、川内原発一号機の再稼働について何点かお尋ねをいたします。
     繰り返しになりますが、川内原発の一号機、八月十一日に再稼働いたしました。三・一一の事故後、新規制基準に適合したと判断された原発として、初めての再稼働ということになります。それから、川内二号機も今月中、十月十五日ぐらいではないかと報道されていますが、再稼働ということも聞いているところであります。ただ、再稼働に関しましては、電力需給の問題からどうなのか、あるいは周辺住民の避難計画は万全なのかどうか、それから、原発稼働によって生み出される核廃棄物の処理方法が現状なかなか決まっていない中で再稼働していいのかどうか。そして、何よりも福島第一原発の事故がまだ収拾していない、汚染水問題一つとっても収拾していない中で、再び原発回帰になっていいのかというさまざまな疑念なり議論があるというふうに思っています。  そこで、次の点について伺います。  まず、川内原発一号機再稼働の受けとめについてでありますが、これは九州電力さんにも申し上げたんですが、再稼働に関しまして、マスコミも各種アンケートをしておりますが、どのアンケートを見ても反対が半数を超えております。五〇から六〇%ぐらい、そして、賛成が三〇%程度ということになっていまして、例えば、川内原発一号機の再稼働については、一つの例として、朝日新聞の調査では、よかったが三〇%、よくなかったが四九%になっているわけです。私としては、これらの世論調査から見ると、原発の再稼働に国民の理解は得られていないと思うんですが、その点について県としてはどのように考えているのかお尋ねをいたします。 31 ◯瀬戸口新エネルギー課長=原子力発電所の再稼働に関する世論調査では反対が賛成を上回っているケースが多くあることから、国民の理解が得られていないのではないかというお尋ねでございます。  原子力発電所の再稼働に関する国民の理解ということでございますけれども、原子力発電所の再稼働を含め、我が国のエネルギーをどうするのかということにつきましては、国が責任を持って進めていくべきことでございまして、このことに関して国民の理解を得るということも、国が責任を持ってきちんと取り組むべきことではないかと考えているところでございます。  原子力発電所の再稼働に対して反対が多いという世論調査の結果につきましては、八月十一日に宮沢経済産業大臣が原子力を再稼働せず、電気料金の抑制や地球温暖化対応を満たすことは不可能であり、もう少し国民の皆様に対して直接こういうことを申し上げる機会をこれからもつくっていかなければならないという趣旨の発言をされているところでございます。  いずれにしましても、この点につきましては、国においてしっかりと取り組んでいただきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 32 ◯徳光委員=再稼働をする必要性については、国も結構報道で国民には知らせていると思いますし、確かに国がしっかりやるべきことだと思いますが、ただ、佐賀県としてやっぱり原発の立地県ですから、その辺はしっかり受けとめないといけないというふうに思っています。  そこで、そういう中で、再稼働反対が六割になっている中で、現実的に川内原発一号機が再稼働をしたということについてはどのように受けとめていますか。 33 ◯瀬戸口新エネルギー課長=川内原子力発電所の再稼働に対する受けとめというお尋ねでございます。  県としましては、今回の再稼働については、東京電力福島第一原子力発電所の事故を教訓に策定された新たな規制基準に基づいて、原子力規制委員会による厳格な審査を経て行われたものであると受けとめているところでございます。  今後とも、九州電力におかれましては、川内原子力発電所の運転については慎重の上にも慎重を期し、万全の体制で安全運転を行っていただきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 34 ◯徳光委員=本来、再稼働については、法律的には地元の理解とか同意とか、そういったものは法律的には必要ないというふうに思っています。ただ、やはり福島第一原発の事故を受けて、その後、再稼働をさせるには、政府みずからが住民の理解が必要だということは明言をしているわけですね。  ただ、言いましたとおり、政府自身は再稼働を進めるには地元の理解を得て進めるんだと言いながら、結果として、今現在、川内一号機が再稼働しているだけで理解されていないと思うんですよね。どの各種マスコミの調査を見ても反対という方が半数を超えているわけですから。ということからすると、国は一方で地元の理解を得てから再稼働するんだと言いながら、実際は理解は得ていない中で再稼働を強行したというふうに言えるんじゃないですかね。どうですかね。 35 ◯瀬戸口新エネルギー課長=その点につきましては、国はエネルギー基本計画の中で、原子力発電所の再稼働につきましては、立地自治体と地元の理解と協力を得て取り組むということにされておりまして、地元に対する対応という意味でいけば、そういったことを経た上での再稼働ということではないかと受けとめているところでございます。 36 ◯徳光委員=地元の理解と言うけど、じゃ、地元の範囲はどうなのかということはまた後で質問しますけれども、鹿児島県民の世論調査でも反対が半数を上回っているんですよね。そんな意味からすると、結果として、再稼働した後のそういう調査で、再稼働に理解をしていないということは、その後の原発の再稼働については、もっと理解を得てから再稼働するというのが、本来、国の立場ではないかなというふうに思うんですが、どうですかね、その辺。 37 ◯瀬戸口新エネルギー課長=若干内容的に繰り返しにはなると思いますが、そこの部分については、国が責任を持ってきちんと対応していただくということが大事なのではないかと考えているところでございます。 38 ◯徳光委員=だったら、川内原発の再稼働の後、国に対して、例えば、世論調査を見て理解していないじゃないか、国はもっとしっかりやってくれというような働きかけをやっているんですか。 39 ◯瀬戸口新エネルギー課長=そういったことを多分受けとめてのことであろうと思いますが、鹿児島県におきましては、ことしの十一月だったと記憶しておりますけれども、改めて説明会を開催されるという動きもございます。そういったことから、そういった場面での国、それから、電力事業者等の説明責任というものをきちっと果たしていただくということが必要ではないかと思います。  ちなみに、県として、川内原発の再稼働について、何か国に物を申しているのかということでございますけれども、いかんせん鹿児島県の原子力発電所のことでございますので、公式にはそういった申し入れはしていないところでございます。 40 ◯徳光委員=じゃ、玄海原発の再稼働について、地元の範囲はまた聞きますけれども、当然国の方針としても地元の理解を得てということになりますが、その点について、県としては地元の理解というのはどのように判断しようとしているんですか。 41 ◯瀬戸口新エネルギー課長=地元の理解ということでございますが、まず国はある程度安全審査が進んだ段階でそれぞれの地元と協議をして、審査後の進め方を決めるということをおっしゃっております。したがいまして、地元の範囲、それから、どういった形で審査、地元理解を進めていくのかということにつきましては、国から協議があった段階で、国の意見をしっかりと確認した上で県としての考え方を整理していくというふうに考えているところでございます。 42 ◯徳光委員=今までの答弁の繰り返しなんで、ちょっとこれ以上聞いてもその答弁しか出てこないと思うんですが、やっぱりどう見てもまだ理解されていないというふうに思うんですよね。だから、その点はしっかり県としても踏まえて、今後、高浜、伊方、そして多分その次に玄海というふうにつながっていくスケジュールになっているようですので、県として玄海原発の規制基準が適合したというふうにパスした後──後というか、今も含めてなんですが、そんな意味ではやっぱり県民にしっかり寄り添って再稼働について判断をしていくということは、基本的な姿勢としてぜひやっぱり持っていただきたいし、貫いていただきたいというふうに思います。  次に、電力の需給面からの再稼働です。  これも九電さんに聞いたんですが、例えば、九州電力で今夏の電力の需要が最大になったというのは八月六日ですね。しかし、そのときの利用率でも八七%だったということで、予備率が一三%あったということで、九電の判断では一番上の安定した供給状況だというふうになっているんですね。ですから、九電自身が安定した供給であったと、ことしの夏もですね、というふうに判断している中で、原発が全然動いていない中で安定した供給が確保できたわけですから、電力需給という面からすると原発を動かす必要はないと思うんですけれども、その点についてはいかがですか。 43 ◯瀬戸口新エネルギー課長=電力需給面からの原発の必要性というお尋ねでございます。  委員御指摘のとおり、八月六日の状況につきましては、当日の供給力が一千七百三万キロワット、それから需要が一千五百万キロワット、予備力が二百三万キロワットで、結果として安定した供給状況であったということにつきましては私どもも承知をしております。  ただ、このような状況でございますけれども、これは火力発電のたき増しなどによって何とか乗り切った結果ではないかと受けとめているところでございます。法定点検を繰り延ばした上で過酷な運転を強いられている火力発電所の突発的な事故、例えば、ことしの夏の八月二十五日に新小倉火力発電所、これはLNG火力でございますけれども、三、四、五号機が停止し、結果として二百九十万キロワットの供給力が失われるというようなこともあっておりまして、こうしたことによる電力供給不足に陥る懸念は残っていたというふうに考えているところでございます。  また、電力の安定供給を維持することによりまして、県民の生活安定や企業収益の圧迫を回避することによる雇用の安定といった県民の生活を守るという観点からも、より安価で安定的な電力供給が行われることは必要であるというふうに考えているところでございます。  こうした現状を踏まえますと、原子力規制委員会により規制基準で求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、原子力発電所の再稼働は必要と考えているところでございます。  以上でございます。 44 ◯徳光委員=今の答弁いただきまして、確かに今、九電管内の火力発電所、かなりピークのときはフル稼働しているということは、それはもう確かであります。ただ、一方で三・一一の事故後、明らかになってきたのは、実はそれぞれの電力事業者の管内で独占的にやるんではなくて全国融通すればかなり、もしものときに足りないというふうに予想できたときでもすぐ融通ができるということは明らかになってきているというふうに思うんですね。  例えば、中国電力は、今夏のピークというのは同じ日の八月六日だったんですね。そのときは九電に四十一万キロワット融通をしています。しかし、それでもなお百十九万キロワットの予備力は中国電力はあったわけですね。例えば、東京電力でいうと八月七日がピークでして、それでも四百十四万キロワットの予備力があったということになっているんです。  だから、今、東西の融通をもっと今以上にやりやすくしようというふうに計画をしているということですが、全国融通というのを考えていくと、言われたように九電の古い火力を無理して動かしているというふうに言われますが、その点は全国で融通していけば、緻密な計画を立てて融通していけば、やはり原発に頼らずに需給関係というのは維持できると思うんですが、その点についてはいかがですか。 45 ◯瀬戸口新エネルギー課長=広域的な融通の体制をつくれば原発に頼らずにできるのではないかというお尋ねでございますが、広域的な融通ということになりますと、地域間連携線の増強というような話が当然出てまいるわけでございます。また、原子力にかわるベースロード電源、これをどうするのかという課題も依然として残ってまいるわけでございます。  そういったことも踏まえた上で、国は規制委員会が規制基準に適合すると判断した原子力発電所は再稼働していくという方針を示されているというふうに受けとめておりますので、委員御指摘のとおりのそのような環境整備についても、国に対して、国は責任を持って対応していただく必要があると思いますが、私どもとしましては、先ほども申し上げた県民の生活を守るという観点から、より安価で安定的な電力供給を行うということは必要と考えておりまして、原子力規制委員会により規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、原子力発電所の再稼働は必要であるというふうに考えているところでございます。 46 ◯徳光委員=もともと地域独占という発想の中で、それぞれが原発をずっとつくってきたわけですね。ただ、決定的に今、状況が違うのは、やっぱり福島第一原発の事故、今なお収束していない、今なおふるさとに戻れない人が十万人を超している、今なお汚染水が漏れ続けて、水が漏れるのをとめることすら今できていない。これだけ日本の科学技術が世界的にも優秀だと言われながらも、水が漏れるのすらとめることができない。そういう事態にやっぱり原発の事故というのは陥っているわけですね。それからすると、確かに火力の問題というのはありますが、しっかりやっぱり全国融通も視野に入れて、原発をやっぱり動かさないという立場に立つことが県民の安心・安全を守るということになるんじゃないですかね。どうですかね。 47 ◯瀬戸口新エネルギー課長=委員御指摘の広域的な対応などをやれば原子力はもう要らないのではないかという、そういう御意見というふうに受けとめております。  ただ、そういった環境を整備するに当たりましては、それなりのコスト、それから期間等が必要になってくると。そういった中で、足元の電力をどうするのかというようなことを考えた上で、国は規制委員会が規制基準に適合すると判断したものについては再稼働をしていくという判断をされたというふうに受けとめておりまして、繰り返しになりますが、私どもとしては安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には原子力発電所の再稼働は必要であるというふうに考えているところでございます。 48 ◯徳光委員=国が、国がと言いますが、確かにエネルギー政策は国がしっかりしないといけないと思うんですね。やっぱり原発に頼らないということを決めれば、それに向けた準備というのは着々と、本来、やっぱり国ができるというふうに思っています。だから、私は、確かに国がエネルギー政策を決めてそんなふうにやっているんですが、県として、原発立地県として、やっぱり県民の安心・安全ということを考えると、百歩譲って仮に一時期、二年、三年とか、原発に一時期依存する時期があったにしても、やっぱり原発ゼロにしていく。そのためにどうするかという研究をしっかりやっぱりやってくれというふうに、私は国に県の立場としては言うべきだというふうに思うんですよね。  最後に、もう単純に聞きます。この夏は九州管内で電気は足りていたと思っていますか。 49 ◯瀬戸口新エネルギー課長=電気が足りていたかどうかにつきましては、これはもう足りていたというのが事実であると考えております。 50 ◯徳光委員=それでは、二つ目の質問に移りたいと思っています。  玄海原発三、四号機の再稼働についてであります。  先ほどちょっと言いましたが、全体的なスケジュールで見ると、川内二号機が今月中旬に再稼働して、その後、高浜、裁判の判決の関係がありますので、高浜はどうなるか、ちょっとわかりませんが、高浜、そして伊方、その次が玄海三、四号機ではないかというふうに言われています。  そこで、次の点についてまず質問をします。  再稼働へのプロセスについてなんですが、これまでの県の考え方は、先ほども課長に答弁していただきましたが、玄海原発が規制基準の適合審査にパスをしたら、国から再稼働に向けたプロセスについて協議をしてくるだろうから、それから十分協議をしますということでした。それから、知事の記者会見等々で見ると、他県の状況もしっかり注視をしながらということが言われていますので、恐らく川内原発、そして高浜、伊方というところで、どのようなプロセスで再稼働に至ったのかということも注視をするという意味だと思うんですが、そんな意味では川内原発一号機は昨年の九月十日に設置変更許可が出た後、十一月に鹿児島県知事が最終的に再稼働に同意をしているわけですね。  この間に、例えば、国と鹿児島県との間で協議があっていたというふうに思うんですが、その間の協議等について佐賀県として調査をし、分析することが必要だというふうに思いますが、その点についてはどうでしょうか。 51 ◯瀬戸口新エネルギー課長=川内原発を初めとするほかの原子力発電所の再稼働に関するプロセスにおいて、佐賀県として調査分析することが必要だと思うがどうかというお尋ねでございます。  川内原子力発電所の再稼働に係る一連の流れにつきましては、玄海原子力発電所の再稼働に先行する事例といたしまして、再稼働に関する県としての考え方を整理する上で、これは参考にさせていただく事例だというふうに考えているところでございます。  本県におきましては、平成二十六年九月十日に原子力規制委員会が川内原子力発電所一、二号機の原子炉設置変更許可を行ったことで、地元理解がどのように進められるのか、マスコミ報道を初め、伊藤鹿児島県知事や宮沢経済産業大臣の定例会見などを通じまして、国や鹿児島県の動きを注視してきたところでございます。  また、鹿児島の川内原子力発電所一、二号機に続きまして、四国電力の伊方発電所三号機、それと関西電力高浜発電所三、四号機につきましても原子炉設置変更許可が行われておりまして、この動向を注視しているところでございます。  これらの先行事例におきます関係者の対応状況や国の考え方については、調査分析を行った上で、再稼働に関する県としての考え方を整理する際に必要なものは参考としてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 52 ◯徳光委員=調査分析をして参考にしたいということですが、今の答弁ですと、例えば、鹿児島については、マスコミ報道とかそういったことが中心だったようにちょっと受け取ったんですが、直接鹿児島の担当部署に聞いたりとか、問い合わせをしたりとかいうことはやっていないんですか。 53 ◯瀬戸口新エネルギー課長=担当部署に確認をしたかというお尋ねでございますが、鹿児島県では五回の住民説明会、それに追加で一回の住民説明会等が行われておりまして、そういったものについては、どういった内容だったのか、どういった次第でなされたのか等々につきましては、鹿児島県の担当部署に対してお尋ねをするとともに、必要な資料は取り寄せたりはしているところでございます。 54 ◯徳光委員=確認ですが、鹿児島の場合は、ある意味川内原発から三十キロ圏内というのがほぼ鹿児島県でおさまるという、一部熊本にかかるということも聞いてはいますけれども、ただ、佐賀の場合は長崎、福岡というところも三十キロということからすると当然範囲に入ってくる。そうなると、伊方とか高浜というのが佐賀県にとっては、ある意味鹿児島県以上に参考になる事例になるんではないかというふうに思いますが、その点について、先ほど言いましたように、マスコミ情報もありますが、その点、直接やっぱり県の担当部署に聞くとかいうことでしっかり調査をするということを、確認だけですが、よろしいですか。 55 ◯瀬戸口新エネルギー課長=まさに今、委員の御指摘がありましたが、隣接する県というものが川内には確かにございませんでした。まさに高浜でありますとか伊方ということになりますと、隣の県との関係でどういった課題があり、それをどのように対応されたのかということに関しましては、私どもとしても非常に高い関心を持っているところでございまして、川内もそうでございますけれども、伊方、高浜につきましても、県として確認すべきことに関しましては担当部署にきちんと確認をさせていただくというような作業を、当然でございますけれども、考えているところでございます。 56 ◯徳光委員=次に、地元同意の範囲について、特に地元というのはどの範囲になるのかということについてお尋ねをしたいと思います。  再稼働の同意とか理解を求める地元の範囲については、これまでも議会の中で何回か質問が出ています。  例えばの例で申すならば、ことしの二月県議会で山口知事は答弁しているんですが、「国から協議があったときに国の再稼働に関する考え方をしっかり確認した上で、他県の事例も参考にしながら、県としての考え方を整理したい」というふうに答弁されています。  しかし、八月十九日に知事の定例記者会見があっているんですが、それの議事録といいますか、それを拝見しますと、「我々としても意見をしっかりと申し上げていきたいと思います。ただ、しかし、それを決めていくのは国だと思っています」というふうに記者の方の質問に答えているんですね。  私はこれを聞いたときに、二月県議会での答弁と微妙に食い違ってきているんじゃないかなというふうに思うんですね。どうも八月十九日の記者会見では、国が決めるというふうに国に投げてしまったような印象を受けるわけですね。  そんな意味では、改めて地元の範囲についてどう考えているのかお尋ねをしたいんですが、今私が言いましたように、これは二月議会での山口知事の答弁であります。そしてもう一つは、八月十九日の山口知事の定例記者会見であります。しかも、今後、地元の範囲をどうするのということは県民も関心を持っているし、県内の市町も関心を持っている大変重要な事項であります。  そういった意味では、私としては山口知事に出席をしていただき、山口知事に答弁をしていただきたいというふうに思いますので、竹内委員長、よろしくお願いをいたします。 57 ◯竹内委員長=徳光委員に申し上げます。  議運の申し合わせでは、三役は委員会へ出席しないものとすると。本部長の答弁は知事の答弁に十分かわり得る権限を有するものであることとするとなっております。ですから、一度本部長の答弁を聞いていただいて、それからでよろしゅうございますか。 58 ◯徳光委員=はい、じゃ答弁をお願いします。 59 ◯石橋農林水産商工本部長=原子力発電所の再稼働の際に国が理解を得ていく範囲、いわゆる地元の範囲とよく言われますけれども、その考え方について知事の発言が微妙に違うんじゃないかというお尋ねでございます。  山口知事の発言について、一連の流れの中で私のほうから御説明させていただきたいと思っています。  まず、知事は既に二月議会前の二月五日の定例記者会見において、地元の範囲の考えについての質問に対しまして次のように答えておられます。  まず一点目が、もし原子力規制委員会の許可がおりるということになったら、そのときに国のほうからさまざまな説明があると思いますので、それを受けて対応していきたいということ。そして、その国の考えをしっかり聞いた上で私は申し上げることを申し上げていくということ。そして、審査後の進め方については国が決めるべきだと思っているというふうに発言をしています。  この考え方の根拠についてですが、まずは原子力発電所の再稼働の判断については、一義的には国、事業者の責任で行われるべきものであるということ。そして、国はエネルギー基本計画を閣議決定したことで規制基準に適合した原発は再稼働すること、そして、その際に国は立地自治体と関係者の理解を得るよう取り組むということ、その二つの判断を既にしているということがございます。  また、あわせて昨年七月の県議会の原子力安全対策等特別委員会では、資源エネルギー庁の答弁におきまして、再稼働のプロセスについては、国は原子炉設置変更許可の段階から地元説明の準備を始めるということ。そしてまた、各地元の状況が個々に違うので、プロセスを一律に示すのは難しいけれども、一つ一つ丁寧に各地元と御相談をしながら決めていきたいということ。そして、地元の範囲や手続については、各地域の関係者と相談しながら決めていきたいということで、国は設置変更許可が出た段階から地元の範囲や手続を含めた再稼働のプロセスについて各地元と相談をしながら決めていくという考え方が示されていると、この二つに基づくものでございます。  このような前提のもとで二月議会の答弁におきまして、知事は理解を得ていく範囲も含めて、再稼働に関する県の基本的なスタンスについて、「国から協議があったときに国の再稼働に関する考え方をしっかりと確認した上で、他県の事例も参考にしながら、県としての考え方を整理したい」というふうな答弁をしたものです。  いずれにしても、知事は就任以来、原子力の問題につきましては、国の責任というものをしっかりと果たしていただくということがとても大事だというふうに思っていて、理解を得ていく範囲など審査後の進め方については国が決めるべきだというふうに考えてございます。  また、国から協議があったときに、国の再稼働に関する考え方をしっかりと確認した上で県としての考え方を整理したい。その際、当然であるが県として言うべきことは言っていくといったことをずっと言っていまして、知事の考え方、あるいはその主張というものは、私どもとしては一貫したものでございますし、私どもも事務局として知事とはいつもそういうふうな議論を積み重ねているということでございます。  以上でございます。 60 ◯徳光委員=やっぱりちょっとニュアンスが違うんですよね。国自体も確かに私たちが参考人招致したときに、それは立地県で──立地県というか、原発が立地しているところでそれぞれ違うでしょうと。だから、一律にこうだというのを言わずに、しっかり地元と協議をしていきますよというふうに言っているわけですね。  二月の答弁では、県知事も国からちゃんと話があったときに協議していきますと言っているんですが、八月十九日──二月五日のそれもありますけれども、八月十九日のときは、いや、それは最終的に国が決めるものみたいに言っているんですね。  だから、協議をしていって、お互い積み上げていって最終的に決めるのか、それとも八月十九日の記者会見では、最終的には国が決めるというふうに言っているんですよね。だから、ちょっと違うんじゃないですかね。 61 ◯石橋農林水産商工本部長=国は、閣議決定したエネルギー基本計画の中で安全性が認められたものは再稼働はすると。その際、地元自治体等の関係者の理解を得ていくということを言っています。でも、再稼働するというのは、国は閣議の上で決めているわけです。ただ、その前段として理解を得ていくように努めていくということでございます。  ですから、法的な、あるいはそういう閣議決定とかの立ち位置ということでいけば、それは最終的に国が決めるという言い方になるでしょうし、そのプロセスを考えれば、国からの考え方をきちんと聞いた上で我々も言うべきことを言って、我々として理解ができるかどうかということを国に対して申し上げていくという、そこに何ら矛盾はないと私どもは感じております。 62 ◯徳光委員=再稼働するかどうかは確かに国が決めるというふうに言っているんですよね。ただ、国自身も言っているように、地元の範囲とか、どんなプロセスにするのかというのは地元と協議をしていきますよと言っているんですよね。だから、再稼働のプロセス、地元の範囲については国が一方的に決めるんではなくて、県なり自治体としっかり協議をして決めていくということでいいんですか。 63 ◯石橋農林水産商工本部長=再稼働についての地元の範囲であるとかプロセスといったものは、私どもとしては、国として再稼働をすると決めた上で自分たちとしては関係自治体の理解を得ていくということですから、そこの基本的な考えはあるでしょうと思っています。決めるのは、要するに主体は国と事業者ですから。  ただ、それぞれの地域、地域でこれまでの原子力行政におけるいろんなケースがあって、例えば、安全協定の決め方についてもそれぞれの原発のサイトで違いますので、そういったことも踏まえて具体的にどうしていきましょうかねという相談があるものだろうと思っておりますので、そういった相談を受けながら全体としてどういうふうに決めていくか。  先ほども申しましたように、我々は理解を求められている立場ですので、そこは理解したと言えるような状況の考え方を示してもらいたいというふうに思っているということです。 64 ◯徳光委員=国が決めるというんですが、その決めるという意味は、再稼働は確かにそうですよ。ただ、僕が言っているのは地元の範囲とかプロセスなんですが、まずは国が考え方を示すと。それについて県の意見、あるいは県内市町の意見も含めて国と協議をしていって決めるということでしょう。協議をして決めるということじゃないんですか、そこをちょっと確認したいんですが。 65 ◯石橋農林水産商工本部長=当然国から協議があったときに、そういった再稼働の範囲も含めて我々としても県として言うべきことはきちんと言っていく、それでやっていこうと思っていますが、ただそこの後の、じゃ、実際に協議が調うのかどうなのかといったことについても、今の段階で何も決まったものはございません。我々としては言うべきことはしっかり言っていって、そういうふうな方向性に持っていっていただければというふうに思っているということです。  ただ、その言うべき中身ということについては、まだまだそういう状況にございませんので、他県の状況を見ながらこれから整理をしていくと。国の了解が動き始めた段階で、そこの整理をしていって、言うべきことを言っていくということを申し上げているということでございます。 66 ◯徳光委員=じゃ、県とか、あるいは県内自治体が持っている意見と国が提示してきたプロセスとか範囲について食い違った場合、最終的に食い違った場合はどうなるんですか。 67 ◯石橋農林水産商工本部長=ちょっと仮定の話がどうなのかでお答えできませんけれども、それがどういうふうな考え方を、それも含めて国としてどういう考え方を持っているのかということだろうと思っております。 68 ◯徳光委員=改めて県の立場を確認しますね。  再稼働の理解を示す地元の同意とか理解とか、いろんな言葉を使われているので、その点は曖昧だと思うんですが、地元という範囲について、あるいはプロセスについて、県としては県民の意見、あるいは県内の市町の意見、そういったものを十分協議し、踏まえた上で県の考え方を整理して、そして、国から玄海原発についてはこういった過程で動かしていきたいというふうに協議があったときには、それをもって十分協議をしていくということですか。 69 ◯石橋農林水産商工本部長=ちょっと繰り返しになりますけれども、知事も私どもも原子力の問題については国の責任というものをしっかりと果たしていただきたい、そのことが最後まで本当に大事なことだと思っております。  したがいまして、理解を得ていく範囲でございますとか、そこへのプロセス含めまして、審査後の進め方については、それは最終的には国が決めるべきだというふうに思っております。  ただ、もちろんそういった時期的には協議があった段階で、国の再稼働に関する考え方をしっかりと確認した上で我々県としての考え方を整理したいと思っておりますし、またその際、安全を第一に県民に寄り添いながらという立場で県として言うべきことは言っていくということでございます。 70 ◯竹内委員長=ちゃんと言っていくということでしょう。
    71 ◯石橋農林水産商工本部長=はい。 72 ◯徳光委員=県の責任はどうなるんですか。確かに国の責任で再稼働を決めるとかいうのはあると思うんですね。県としての責任というのはどのように考えていますか。 73 ◯石橋農林水産商工本部長=法令上について、県の責任というものは原子力発電に対しては一切ございません。ただ、エネルギー基本計画上の立場としては、理解を求められた関係自治体ということになるんであろうと思います。県を外すことはないと思いますので、そういうことになろうと思いますけれども、そのときに理解を示したということについての責任は負うんだろうなというふうに思っています。 74 ◯徳光委員=もう一回聞きますね。委員長はそうでしょうというふうに言ったんですが、ちょっと言葉として聞きたいんで、確かに最終的に再稼働はもう国が最終的な責任含めて全面的にやっぱり国が担うと、国が負うということは私もそうだと思います。ただ、地元の範囲とかいうと、やっぱり地元の意見とか状況とかいうことで違うと。それについては国自身も、いや、それはしっかり地元と協議していきますよというふうに言っているんですね。だから、地元の範囲とか、同意を求めるとか理解を求める地元の範囲等については、県として国から案が示されたときに、まず、やっぱり国がこんなふうに考えるというふうに決めて案を出すと思うんですよ。案を示されたときに、県としては県民や県内の市町の意見も十分聞きながら、十分協議をしていくということでいいんですか。イエスかノーで答えてください。 75 ◯竹内委員長=協議をしていくということでいいですかということです。 76 ◯石橋農林水産商工本部長=我々として言うべきことは言いつつ、協議もしながら、その結論を導いていくということでございます。 77 ◯竹内委員長=協議をしていくということですね。 78 ◯徳光委員=どうもまだ納得がいかないんですけれども、それじゃ、次の質問に行きます。  川内一、二号機の再稼働の後、玄海原発の再稼働ということになりますんで、その必要性なんですが、これは問一のときに、電力需給関係で言いましたけれども、ただ、十月十五日にも川内二号機が再稼働するというふうに言われていますんで、川内一号機、二号機が再稼働すれば、合計で百七十八万キロワットの供給力ということになるんですね。それからすると、先ほど今夏のピークのときも言いましたが、これだけの百七十八万キロワットの電力が供給されるということになるならば、今の需給関係からすると、玄海原発の再稼働というのは必要ないんじゃないかと思いますが、その点についてはいかがですか。 79 ◯瀬戸口新エネルギー課長=川内原発二号機が再稼働すれば玄海原発は再稼働しなくてもよいのではないかというお尋ねでございます。  委員の御指摘のとおり、確かにことしの夏、全く同じ条件で川内一、二号機が再稼働ということでございましたら、相当程度の余裕というのは当然出てまいるだろうと考えております。  しかし、電力の需給規模というのはさまざまな条件に左右されるという面がございます。例えば、気象状況ですとか、節電効果ですとか、そういったものがあるんですけれども、そういった条件次第では火力発電のたき増し等が必要になることも可能性としては否定できないのではないかと考えているところでございます。  電力の需給につきましては、国、事業者がこれまでも取り組んできているところでございますが、そういったことを含めて需給に関しては、国、事業者の責任で供給力不足に陥らないようにきちんと取り組んでいただきたいと考えているところでございます。  そういった中での原子力発電所、玄海三、四号機の再稼働の必要性ということでございますけれども、まず、玄海三、四号機につきましては、まだ審査が終わっていない状況でございますので、具体的なことについては申し上げられる段階ではございませんが、一般論としまして、電力の安定供給を維持することによる県民の生活安定、それから、企業収益の圧迫を回避することによる雇用の安定といった県民の生活を守るという観点からは、より安価で安定的な電力供給が行われることは必要だと考えておりまして、こうしたことを踏まえますと、原子力規制委員会により規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、原子力発電所の再稼働は必要であるというふうに考えているところでございます。 80 ◯徳光委員=まず最初に出てくるのは、そうは言っても火力発電所をフル稼働していると、特に古い火力発電所も含めてフル稼働をしているんで、原発を動かさないと、いつ故障が起こって電力が不足するかもしれないというふうに言うんですが、確かにことしのピーク時は火力発電で一千万キロワット以上担っていたわけですね。しかし、川内が再稼働することで、恐らく火力発電所の担う電力というのは半分ぐらいで済むと思うんですね。五百から六百キロワットで済むというふうに私は思っています。  例えば、十月四日、きのうのピーク時で火力は四百九十万キロワットしか担っていないんです。きのうで。きのうというのは川内一号機が稼働していますので、八十九万キロワットですね。二号機が稼働すると、さらに八十九万キロワットぐらい供給できるわけですので、多分一番とめたいのは火力だというふうに思いますんで、恐らく火力に頼るのは四百万キロワットぐらいになると思うんですね。そうすると、今、九電が持っている火力全体は一千万キロワットぐらいの能力がありまして、たき増しをして一千百万キロワットとかということになっていたと思うんですが、平成になって建てられた火力発電所の合計で四百四十万キロワット担えるんですよ。しかも、それは夏のピークのときですよね。ピーク以外、例えば、十月四日、きのうの最大需要というのは一千二十六万キロワットなんですよ。八月六日、今夏の最大は一千五百万キロワットなんですね。だから、五百万キロワット近く違うわけです。  だから、ピーク時の対策はちょっと別に置くにしても、常時動かす原発ということからすると、仮に川内一号機、二号機が動いた後は、火力発電所というのはそう無理して動かさなくても十分足りるということからすると、玄海原発まで稼働させなくてもいいと思うんですが、どうですか、その点については。 81 ◯瀬戸口新エネルギー課長=需給に関する部分について、ちょっと県としてどこまで言及していいのかという問題あろうかと思いますけれども、一般的に電力需給の面においてきちんと供給力の不足を招かないように予備を確保するという考え方がございまして、既に委員も御承知かと思いますけれども、通常でありますと一〇%、最低でも三%というようなことが言われております。そういったことを考えますと、さまざまな要因で需給の見通しというのを立てるということになっていくんでございますけれども、万が一のことを考えますと、やはり予備率をいかに確保するかという観点からすれば、やはり原子力発電所の再稼働というのは必要ではないかと私どもとしては思っております。  いずれにしても、その需給に関してどういった電源で対応していくかということについては、国のエネルギーをどうしていくのかという根幹にかかわる問題でございますので、国において、そこのあたりはきちんと責任を持って対応していただくことが必要ではないかと考えているところでございます。  以上でございます。 82 ◯徳光委員=玄海原発三号機の電力出力というのは幾らですか。 83 ◯瀬戸口新エネルギー課長=三号機の出力でございますが、百十八万キロワットというふうに承知しております。 84 ◯徳光委員=三号機一つ動かすことで百十八万キロワットですね。三、四号機動かせば、二百四十万キロワットぐらいということになりますんで、予備力は川内原発一、二号機動かした段階でかなりあるというふうに思うんですよね。それにプラス二百四十万キロワットも本当に予備力として必要なのかどうか、その点についてはいかがですか。 85 ◯瀬戸口新エネルギー課長=ちょっとこの点に関しましては、本当に私どもとしてどこまで言及してよいかという問題はございますけれども、先ほど申し上げました、ことしの八月二十五日の新小倉発電所、こちらが停止した際には、三号機から五号機ということで合計で百八十万キロワット、それに揚水に供給している分もございまして、それを合わせますと、二百九十万キロワットの供給力がなくなったというふうに聞いておりまして、そういったことから考えますと、やはり予備力の確保というのは重要な問題ではないかというふうに考えておりまして、そういった意味から、原子力発電所の再稼働というのは必要ではないかと考えているところでございます。 86 ◯徳光委員=電力需給に関して、もうこれ以上言いませんけれども、確かに小倉は、ただ平成になって稼働した分じゃないと思うんですね。平成になって稼働したのは四つぐらいだったと思うんですが、それで四百四十万キロワット確保できますんで、その辺はきちんと割り振りすれば十分できるというふうに私は思っています。  じゃ、次の問三に移りたいと思います。  原子力防災訓練について何点かお尋ねをいたします。  昨年度の訓練、ことしの一月二十四日に佐賀県の原子力防災訓練が実施をされています。特に昨年度の訓練というのは医療機関、あるいは福祉施設等々で避難計画が策定されてからの初めての訓練でありましたので、大変いろんな改善点があったというふうに思っています。  この間、避難計画等の実効性について、訓練で検証して随時見直していくことが必要ということを再三議会でも答弁をしていただいていますんで、次の何点かについてお尋ねをいたします。  まず、平成二十六年度の原子力防災訓練の総括なんですが、どのような課題や改善点があったというふうに県として総括をしているのかお尋ねをいたします。 87 ◯山下消防防災課長=昨年度の原子力防災訓練の総括についてお答えいたします。  昨年度の原子力防災訓練では、県、玄海町、唐津市、伊万里市の地域防災計画等に基づき、地域住民の原子力防災意識の向上、防災業務関係者の防災対策に対する習熟、防災関係機関相互の連携協力体制の強化を図ることを目的として、情報伝達訓練や住民及び福祉施設等の避難訓練、あるいは屋内退避訓練、県内全域における緊急時モニタリング訓練、緊急被曝医療訓練などを実施いたしました。  全体としては、おおむね順調に実施できたところではございますけど、訓練というのは不断に改善していくことが必要でございます。これまでも新たな災害対策の取り組みや前年度の気づき、課題を踏まえた改善に取り組み、充実に努めてきたところでございます。  昨年度の訓練においても、参加機関のほうからいろいろと御意見いただいておりますけども、例えば、高齢者福祉施設から、ストレッチャー対応車両で避難する際、健康な訓練参加者でも身体的負担が大きかったので、高齢者の体力の消耗に配慮が必要と。また、災害時要配慮者を考慮した避難所のレイアウト等への配慮が必要。急な路線変更や行き先の変更などに備え、誘導方法の検討が必要。ブラインド方式での訓練を実施することができれば、もっとよい訓練になるんじゃないかなどといった気づきが得られたところでございます。  以上でございます。 88 ◯徳光委員=今のような関係機関からの要望とか、こうしたらいいんじゃないかということが言われたということなんですが、その点を今年度の訓練でどのように生かそうとしているんでしょうか。 89 ◯山下消防防災課長=昨年度の訓練で得られたこの課題、これを今年度訓練にどう生かしていくかということについてお答えいたします。  先ほど答弁しましたとおり、訓練というのは不断に改善を図っていくことが必要だと思っております。これまでも新たな災害対策の取り組みや前年度の気づき、課題、こういったものを踏まえながら改善に取り組んで、その充実に努めてきたところでございます。  今年度の訓練の内容ということでは、現在まだ関係機関と調整中でございますんで、まだ詳細なところはあれですけども、昨年度のこの訓練の気づきを踏まえて、先ほど申し上げた、例えばのところでいえば、高齢者施設入所者の避難の際の一時休憩の実施でありますとか、避難所入り口に靴の着脱場の椅子を置いてみたりとか、下肢が不自由な方のために椅子を設置、あるいは広い体育館ですと、なかなか立ち上がったりするとき不自由な方もいらっしゃいますんで、壁を手すりがわりにできるよう壁の近くにそういった方々を配置する工夫だとか、そういう高齢者に配慮した避難所運営の充実。それとか、主要な避難経路が使用できないことを想定して、避難経路を変更するような指示を出し、避難誘導の対応を図ってみたりとか、さらには、ブラインドによる状況付与を行い、失敗したことの改善を目的とする、そういう図上訓練の実施、そういったことなどに取り組めるよう検討していきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 90 ◯徳光委員=そこで、健常者の人というか、一般の方はもう基本的には自家用車で逃げるということになっていますんで、いろんな対応ができるというふうに思うんですが、やっぱり高齢者福祉施設や医療施設、あるいは保育所とか学校ですね、この辺がもしものときにどう避難をするのかというのがなかなかやっぱり、計画は今立てていますけれども、かなり現実的にどうなのかという課題が恐らくたくさんあるんだろうというふうに思うんですね。  そこで、要援護者の施設の避難訓練と保育所や学校の避難訓練について、二点お尋ねをします。  まず、要援護者、つまり高齢者の福祉施設とか医療施設のことですが、避難計画では、ストレッチャーなどの必要車両が足りないために、避難先の施設から迎えの車を出すというふうになっているというふうに思っています。ただ、先日の総務常任委員会では、放射性物質がもし放出されていれば、直接その施設に行くんではなくて、自衛隊等の協力も仰ぐというふうに少し変わってきているようには答弁されていますけれども、基本は避難先から必要な車両を出すということになっています。そうなると、本当にうまくいくのかとか、混乱は生じないのかということが一番検証しないといけないと思うんですが、今年度の訓練でそういったことを実際検証することが必要だと思いますが、その点についてはどのように考えていますか。 91 ◯山下消防防災課長=要援護者施設の避難訓練についてお答えします。  玄海原子力発電所から三十キロ圏にあります高齢者福祉施設の避難計画では、委員から今話がありましたとおり、三十キロ圏外にある同種の施設などを避難先として、避難手段としては、まず避難元の施設、あるいは避難先施設の車両を活用いただき、車両が不足する場合には県の災害対策本部で応援車両を確保するというふうにしております。  また、先般、県では特別養護老人ホーム等の高齢者福祉施設の入所者がより安全に避難できるよう、県と高齢者福祉団体の間で応援協定を締結したところでございます。  ことしの訓練につきましては、昨年できなかったことをやってみたいと思っておりまして、避難先の施設から車を実際に避難元まで運ぶというふうなこともちょっと取り入れるようなことを今検討しているところでございます。  以上でございます。 92 ◯徳光委員=ぜひそういうことをやりながら、しっかり検証をしていただきたいと思っています。  次に、保育所や学校の避難訓練なんですが、今の避難計画では、基本的には保護者が保育所とか小学校に迎えに行くということになっていると思うんですね。そのために、保育所とか学校側にとってみると、保護者の連絡先、第一保護者というか、第一連絡先、第二連絡先とかを含めて、きちんと情報を把握して、避難ということになればまず保護者に連絡をして、学校まで、あるいは保育所まで迎えに来てもらう。どうしても連絡がつかずに来なかった場合には、一緒に地域住民の方と、もう避難先は決まっていますので、そこに避難をして、その避難先に迎えに来てもらうということになっているんですね。これもやっぱり大変混乱を招くような気がするんですね。避難をしているところに子供たちを迎えに行くということですから、迎えに行った後じゃあ避難となると物すごく渋滞するとか、これは本当に大丈夫なのかというふうに思うんですが、その点についての検証については、今年度の訓練ではどのように考えていますか。 93 ◯山下消防防災課長=保育所や学校の避難訓練についてお答えいたします。  保育所や学校については、玄海原子力発電所において事故が発生した場合、早い段階で保護者に引き渡し、避難が必要となった場合は保護者とともに避難していただく、これを基本としております。  ただし、保護者と連絡がとれない場合や、保護者が迎えに来られない場合など、引き渡しができない中、避難が必要となった場合、これは学校の車両や県の災害対策本部が確保するバス等で指定した避難先のほうに避難してもらうという形になります。  これまでの訓練では、保護者と連絡がとれない、あるいは迎えに来られない状況を想定して、保育所や学校からバスで避難するという訓練を実施してきたところでございますが、計画を訓練の中で検証するということは重要なことだと思っております。今年度の訓練について、市町とも話をしておりますけれども、より中身のあるものにしていきたいと思っているところでございます。  なお、この保護者への連絡とか、保護者が学校へ迎えに来るということについては、現在でも台風や大雨等による休校の際の緊急連絡網による保護者への連絡であったり、学校行事の際に保護者が学校に集まるということはございますので、これらも参考に、事故時の対応を考えておくことは必要かと思っております。学校の今回の訓練については、ちょっと今調整中ということで、済みませんけれども、そういう答弁になります。 94 ◯徳光委員=学校の行事で保護者が学校に来るという事態と、原発の事故によって避難が生じている事態というのは全く違うと思いますので、学校に行くまでの経路は保護者がわかっているかもしれませんが、その混乱時にどうなのかというのはまたちょっと違うような気がするんですね。今調整中ということですが、保護者の方にどれだけ訓練の協力が得られるかどうかわかりませんけれども、そこはやっぱりしっかり必要な訓練だと思いますので、ぜひ幾らかでもできるようにお願いをしたいというふうに思います。  それから、文科省の調査では、三十キロ圏内の学校とか保育所、幼稚園で避難訓練等をやっていないところ、全国的に見ると七割がやっていないということで、ただ、佐賀県と北海道と、もう一県どこかは一〇〇%やっている、参加をしているということでしたので、県としては以前からもう小学校とか保育所とか、福祉施設も訓練に参加をしていたというふうに思うんですね。  教育新聞のことしの四月二十日号に、茨城県内での小学校の屋内退避の訓練が記事としてありまして、何時間目に教室に戻りなさいということは言わずに、いきなり放送をして、市からの連絡でみんなすぐ教室に集まりなさいということを放送して、子供たちが本当に集まれるかどうか訓練をする。集まった後、体育中の子供たちは教室に入って、体操服を脱いで普通の服に着がえて、体操服はビニール袋に入れて廊下に出す、それから、反対に普通の服でおった子供たちは教室に入って体操服に着替えて普通の服はビニール袋に入れて廊下に置く、いわゆるもしも放射性物質が衣類についたときには、その拡散を防ぐということをやっているんですね。  それは子供たちの認識の向上にもなりますし、実際そういう避難があったときには、そういった対応ができるということになりますので、屋内退避という訓練もこれまで県としてもやってきていますが、ぜひそういったことも含めて、あらゆるケースを想定しながらやっていただきたいというふうに思います。  そこで、福岡県や長崎県との連携なんですが、避難訓練等については、例えば、唐津であれば福岡側に逃げるということも十分ありますし、離島の方も船で逃げる際、唐津港とかに行くんじゃなくて、福岡のほうに行くとか、さまざまなケースが考えられます。そういうことからすると、福岡県や長崎県との連携というのが必要だと思いますが、現状どうなのか。そして、今後どのように考えているのかお尋ねをいたします。 95 ◯山下消防防災課長=福岡県や長崎県との連携についてお答えします。  同じ三十キロ圏にあります福岡県や長崎県と連携して対応していくこと、これは非常に重要なことだと思っております。  こういうことから、平成二十五年度以降は、この三県で一緒になって訓練を実施しているところでございます。先ほど委員から話がありました福岡県を経由して避難する、あるいは離島が唐津のほうに入るんじゃなくて、直接県外の港へ入るとか、そういうことも考えられるわけで、それも訓練の中でこれまで検証を重ねてきております。そういった連携というのは、これからもしっかりとやっていく必要があると思っております。  今年度の訓練につきましては、これはまだ調整中でございますけども、そういう連携がさらに深まるよう訓練のほうを検討していきたいと考えております。  以上でございます。 96 ◯徳光委員=福岡県、長崎県とは定期的にそういったものについては協議というものがあっているんですか。 97 ◯山下消防防災課長=訓練実施日は、これは合わせてやりますけども、それぞれやりたい訓練というのは違いますので、訓練の計画については、それぞれで計画を詰めて、関係機関と検討会というのもされております。そういう関係機関と検討する際には、我々福岡県の会議に入ったり、長崎県の会議に入ったり、そうしながら、三県でやる訓練について協議をしているところでございます。  以上でございます。 98 ◯徳光委員=防災訓練で最後ですが、平成二十七年度の訓練、実施をされると思いますが、大体いつごろ予定されているのかお尋ねをいたします。 99 ◯山下消防防災課長=今年度の訓練についてお答えします。  今年度の訓練につきましては、これは今三県でやっていますので、福岡県、長崎県、そして、関係する市町と調整しまして、十一月二十八日土曜日に実施するとしているところでございます。詳細については、現在まだ関係機関と調整しているところでございますけれども、詳細が決まりましたら議員の皆様に改めて御案内を差し上げたいと思います。  いずれにしましても、避難計画の実効性を高めるためには訓練を重ねるということは重要なことだと考えております。住民や関係機関の協力を得て、災害時対応力の向上につながるような訓練を計画していきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 100 ◯徳光委員=ぜひよろしくお願いをします。  それでは、最後の質問ですが、玄海一号機の運転終了に伴う安全協定の改定についてであります。  佐賀県は、九州電力と玄海町との間で「原子力発電所の安全確保に関する協定書」、いわゆる安全協定を結んでおります。その協定に沿って、これまでも九州電力にさまざまな報告を求めるなど、安全確保に関する取り組みを行ってきたというふうに思っています。今回、玄海一号機の運転終了に伴って、安全協定の見直し作業を進めていると聞いているところであります。  そこで、まず改定の必要性ですが、現在の協定では対応できないのか、どうして改定する必要があるのか、その点についてお尋ねをいたします。 101 ◯森原子力安全対策課長=安全協定の改定の必要性についてお答えいたします。  玄海一号機の運転は終了いたしましたけれども、今後、解体、撤去等の作業が安全第一できちんと行われるかどうか、約三十年という長い期間でございます。県としましても、九州電力の取り組みをしっかり注視していかなければならないというふうに考えております。  また、現行の安全協定におきましては、事前了解事項の中に廃止措置に関する内容が含まれていなかったというところがございましたので、今回、協定の改定が必要と判断したところでございます。  以上でございます。 102 ◯徳光委員=もう既に運転終了をしている原発も国内には幾つかあるわけですが、その他県の事例というものはどのようになっていますか。 103 ◯森原子力安全対策課長=他県の事例についてお答えいたします。  既に廃止措置が進んでいる原子力発電所といたしましては、茨城県にある日本原子力発電の東海発電所、それから、静岡県にございます中部電力の浜岡原子力発電所一、二号機がございます。  東海発電所に関する安全協定におきましては、事業者は廃止措置計画につきまして、茨城県及び東海村の同意を得ることというふうにされております。また、廃止措置の実施状況につきましても、事業者から県と東海村へ報告されるよう定められております。  また、浜岡のほうの原子力発電所の安全協定におきましても、事業者は県と市に対しまして、廃止措置計画について事前に通報すること、それから、廃止措置状況を定期的に通報することなどが定められているというところでございます。  以上でございます。 104 ◯徳光委員=それでは、その安全協定の改定事項なんですが、どのように改定をするのか、その点についてお伺いいたします。 105 ◯森原子力安全対策課長=協定の改定事項について御説明いたします。  現在、県、玄海町及び九州電力の三者で協議中のため、確定はしておりませんけれども、基本的な改定方針というものは大筋で合意を見ているところでございます。  現在、原子炉施設の変更等を事前了解事項というふうにしておりますけれども、廃止措置計画を事前了解の対象とすると。それから、廃止措置の実施状況を平常時の連絡事項とすると。あるいは廃止措置期間中における異常の発生、いわゆる事故とか故障でございますけれども、こういったものを連絡事項とすることなどを協定のほうに明記することというふうにしているところでございます。  以上でございます。 106 ◯徳光委員=それから、安全協定に基づく覚書というのもあるんですが、これも改定をするというふうに伺っていますが、その改定事項はどういうものでしょうか。 107 ◯森原子力安全対策課長=協定書に基づく覚書の改定事項についてお答えいたします。  「原子力発電所の安全確保に関する協定書に基づく覚書」、いわゆる覚書というふうに言っていますけれども、これにつきましては、協定書で定めた内容の詳細を定めたものでございまして、今回、安全協定を改定する事項につきましても、必要に応じて詳細を定めるよう、現在県、玄海町及び九州電力の三者で協議を行っているところでございます。  具体的には、協定の改定に伴う新たな用語の定義、例えば、廃止措置というものの用語の解釈でございますとか、あるいは廃止措置の実施状況を県に連絡することになるけれども、その頻度を定めるなどの改定が必要というふうに考えているところでございます。  以上でございます。 108 ◯徳光委員=その九電や玄海町と改定に向けて協議をしているということですが、その協議状況はどうなっているのか。そして、最終的にいつごろをめどに改定するのか、そのスケジュールについてお尋ねをいたします。 109 ◯森原子力安全対策課長=現在の協議状況についてお答えいたします。  ことしの三月に九州電力が玄海一号機の運転を終了する方針を決定して以降、四月から玄海町との協議を行いまして、七月末に県と玄海町から九州電力に対して協定改定の協議を申し入れたところでございます。
     その後、県、玄海町及び九州電力の三者で安全協定の改定方針、それから、その具体的な中身について協議を進めてきたところでございます。  現在も三者での協議を行っているところではありますけれども、改定の内容については大筋で合意に至っているというふうな状況にございます。  それから、今後の改定のスケジュールでございますけれども、現在、先ほど申し上げましたとおり、大筋のところでは合意を見ているところでございますけれども、まだ協定書の文言とか、中身について調整を進めているところでございます。  それらの調整が完了すれば、改定の協定を締結することになりますけれども、具体的な改定の日程、つまり、いつ締結するのかといった日程まではまだ決まっていないというふうな状況でございます。  以上でございます。 110 ◯徳光委員=今年度中には少なくとも改定するということなんでしょうか。 111 ◯森原子力安全対策課長=三者協議の調整が完了し、事務手続等の準備ができ次第、なるべく早く協定のほうは締結したいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 112 ◯徳光委員=以上で質問を終わりますけれども、原発の再稼働、私もいろいろ言いましたけれども、現に世論調査で半数以上の国民が反対している、不安を持っているということだと思うんですね。電力需給や避難計画のことを含めて、さまざまな課題がまだまだあるというふうに思っています。そんな意味では、原発立地県の佐賀県として、県民がどう思っているのか、県民がどう考えているのか、あるいは県民の生活や安心・安全というのを第一に考えるという立場で、これからもしっかり臨んでいただきたいというふうに思います。  以上で私の質問を終わります。 113 ◯竹内委員長=暫時休憩します。十三時をめどに委員会を再開します。     午前十一時五十一分 休憩     午後一時一分 開議 114 ◯竹内委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 115 ◯井上祐輔委員=日本共産党の井上祐輔です。  今回は、原子力安全対策等特別委員会において、執行部の皆さんに対して質問をさせていただきたいと思います。  二〇一一年三月十一日から四年半余りが経過をしました。夏場、冬場は電力需要がふえる時期ですが、国民の節電の努力、これによって全ての原発が停止をした後も、夏、冬も電力不足は起きていないというのが現状です。節電努力などで電力需要が少なくなったこともありますが、水力、火力などでの発電や太陽光、地熱などの再生可能エネルギーの導入が進んだためという見方もあるのではないでしょうか。  原発はもともと安全性の保障がなく、運転を再開すればそれだけで危険な使用済み核燃料がたまり続ける、地震や津波による事故の危険性も高くなる原発は再稼働をさせるべきではないと考えています。私は、原発事故によってふるさとを奪われるようなことを再び起こすことは絶対に許されないと思います。  政府は、原子力規制委員会の審査に合格した原発は再稼働させるとして、川内原発に続いて九州では玄海原発三、四号機の再稼働に急いでいます。福島の事故も収束をできていない、避難計画も実効性があるとはいえない、安全性も確保されない中で原発再稼働を進めることは、国民、県民を犠牲にする態度と言わざるを得ません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)川内原発を停止して、今とまっている原発は再稼働させずに、そのままゼロにしていくことが安心できる県民、国民の生活のためにも不可欠だと思っております。  そこで、質問に入っていきますが、まず一点目に環境放射線モニタリングシステムについてお尋ねをいたします。  現在、県の放射線モニタリングシステムについては、玄海原発から三十キロについて設置をされたモニタリングシステムを確認することができます。しかし、三十キロ圏外については、自分の住んでいる地域の放射線の状況を知ることができません。福島第一原発事故では四十キロ、五十キロの地域にも放射性物質が飛散をし、今でも影響が残っています。このような状況も考えると、三十キロ圏内だけではなく圏外についても住民の不安に応えるため、放射線状況を確認できる、こういった状況をつくっていくことが必要ではないかと思います。  実際に鳥栖市のほうでは、住民の皆さんから要望が行われ、市役所で常時放射線データが確認をできるようになりました。鳥栖市のような取り組みを県としても全域に広げることを私は必要だと思いますが、このことについて県はどのように考えているのかお尋ねをいたします。 116 ◯森原子力安全対策課長=環境放射線モニタリングについてでございます。  まず、県では玄海原子力発電所から異常な放射性物質の放出がないことを確認するため、発電所近傍に設置しましたモニタリングポストにおいて常時二十四時間監視するとともに、そのデータをリアルタイムで公表しております。  一方、福島第一原子力発電所の事故におきましては、発電所近傍にとどまらず、広範囲にわたり放射性物質の影響が見られたところでございまして、このため、県としましても万が一の事態に備えまして、発電所から三十キロメートル圏外も含めた県内全域における放射線測定が実施できるよう、玄海町を除く全市町に平成二十三年度に可搬型のモニタリングポストを整備したところでございます。このポストにつきましては、基本的には緊急時に測定することを目的として設置したものでございます。  委員からは、この可搬型のモニタリングポストにつきましても、平常時においても三十キロメートル圏外における放射線データを常時測定して公表するようにとの御指摘でございますけれども、県としましては、まずは玄海原子力発電所近傍の放射線データを監視し、放射性物質の異常な放出がないことをお知らせすることによりまして、三十キロメートル圏外でも影響がないことをわかっていただけるのではないかというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 117 ◯井上祐輔委員=今現在については三十キロ圏内、ここで放射線を測定して、ほかのところには影響がないことが確認できるということですが、鳥栖市のほうでは実際に市民の方から要望が出されて、鳥栖市役所において常時この放射線の状況が確認をできるようになっております。この鳥栖市については、実際市民のほうからどういった要望が行われて、この鳥栖市役所に常時見られるような形になったのか、わかっていればお示しをしていただきたいと思います。 118 ◯森原子力安全対策課長=新聞報道等でそういうふうな要望があったということは承知しておりますが、詳細につきましては把握してございません。申しわけございません。 119 ◯井上祐輔委員=詳細は把握をしていないということですが、私はこの鳥栖市が設置に動いたということは、日ごろから放射線の状況を市民が確認をでき、うわさなどで混乱が起きない、こういったためにも日常的に放射線の状況が確認できるように、市民自身が確認をできるようにと設置をされたものではないかと思っております。  三十キロ圏内、もちろん放射線が確認をされなければ、それの外には放射線は出ていないというふうに思いますけれども、市民の皆さん、県民の皆さんに高い意識を持ってもらうためにも、やはり県内各地、こういったモニタリングシステム、常時確認をできるような状況をつくっていくべきだと思いますが、県の考えはいかがでしょうか。 120 ◯森原子力安全対策課長=可搬型モニタリングポストそのものは、基本は緊急時における測定を目的としているというものでございます。ただ、その管理、運用をお願いしている各市町におきましては、平常時から運用することを妨げるものではございません。住民に一番近い地元自治体における判断にお任せしておるところでございます。鳥栖市におきましても、その考え方で設置をされているんじゃなかろうかというふうに考えております。 121 ◯井上祐輔委員=この可搬型モニタリングシステムについては、基本は緊急時であるけれども、自治体それぞれで判断をして、どういった運用をするかは任せられているということで、こういった緊急時だけではなくて、常時それぞれ自治体で判断を行って、モニタリングシステムの活用をすることができるということだと思っておりますので、各市町においてもこういった市民の要求があれば、そういった形で応えていただくというふうにしていただきたいと思っています。  次の原子力災害対策についてお尋ねをしていきます。  玄海原発で放射線が漏れるような事故が起きた場合に備え、唐津市、伊万里市、玄海町では避難計画が策定をされています。しかし、福島第一原発の事故では、三十キロ圏外にもプルームが到達をし、大きな被害が残っていることは先ほどの質問でも述べたとおりです。  玄海原発から四十キロ、六十キロメートルの範囲になる福岡県福岡市では、このような事態に備えて住民等に対する放射線の影響を最少にするために福岡市地域防災計画原子力災害対策編として避難計画が策定をしてあります。佐賀県としてもこのような状況に備えた対応が必要ではないかと私は考えています。  そこで、何点か質問をいたしますが、まず避難計画についてお尋ねをしたいと思います。  現行の避難計画に対して三十キロ圏内の避難計画が策定をされていますが、訓練などの総括も先ほど質問の中でも述べられておりましたが、この現在の計画について、どういった改善点があり、その改善点については今後どのような対応をされようと考えてあるのかお尋ねをいたします。 122 ◯山下消防防災課長=避難計画についてお答えします。  原子力災害対策につきましては、県の地域防災計画のほか、関係市町や医療機関、福祉施設等において基本となる計画は既に策定をいただいております。  これらについては、福島における原子力災害の教訓や国際基準の考え方を踏まえ、住民への放射線の影響を最小限に抑えるために定められました国の原子力災害対策指針の考え方を踏まえたものとなっております。  原子力災害が発生した場合には、これらの計画に沿って実際の災害の状況に応じて対策をとるということになります。  ただ、実際の災害時には計画どおりにいくとは限りません。計画を必要以上に絶対視せず、臨機応変に対応していくことが重要と考えているところでございます。  災害対策については、これで終わりということはございません。常によりよいものへと見直していくというふうなことで考えておりまして、今後もよりよい地域防災計画、避難計画となるよう不断に見直しをしてまいります。  また、どんなによい計画をつくっても、最後にそれを運用するのは人ということになります。平時から効果的な訓練を積み重ねることで、より実践的な体制をつくり上げていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 123 ◯井上祐輔委員=今の答弁では、私が聞いた、今の計画の改善点、またその改善点についてどう対応していくのかというふうなことが答えられていないと思います。  計画どおりにいかない、よりよいものに改善をしていくというものは私もそうであると思っておりますけれども、この改善点がどういったところにあるのか、県としてどのように認識をされておるのか、もう一度お尋ねをいたします。 124 ◯山下消防防災課長=この避難計画の考え方自体は、福島の事故を踏まえて、そして国際基準を踏まえて、国が指針として示した、これに沿った計画、その指針というのは、事故があったときにその放射線の影響を最小に抑えるということになっております。これに基づいて、今計画をつくっているわけですけれども、考えるとすれば、やっぱりこの計画に沿って住民の方たちに避難していただくということからいけば、住民の方たちに原子力災害時にとるべき行動について、この避難計画について周知を、理解を深めていただくということが一つあろうと思います。そして、我々、いろんなことが考えられるわけで、そういったいろんな事態に対して的確に対処する、そういう訓練を重ねていくことが課題といいますか、やるべきことだと思っております。  以上でございます。 125 ◯井上祐輔委員=国の指針、福島の教訓も踏まえてということで、また答弁をされましたけれども、具体的に福祉施設であれば、福祉車両が足りないとか、さまざまな改善点はあると思います。こういったところで、県自身がしっかりと改善点を認識するということは、今後さらなるよい避難計画を策定していく上でも必要不可欠だと私は思っています。  そういった点で、この避難計画の改善点という点でどういった認識をされているのかというふうにお尋ねをしているわけですので、こういった避難計画、訓練をまたことしもされると思いますけれども、その中でも住民の皆さんの意見、しっかりと聞いていただいて、改善点をさらによくしていけるように努力をしていただきたいと思っております。  二点目のSPEEDIの活用についてお尋ねをいたします。  国の原子力災害対策指針では、緊急時の避難等に当たりSPEEDI、いわゆる緊急時迅速放射能影響予測ネットワークを使用しないというふうになりました。実測値によって避難の判断をしていくこととされております。  こうなっていけば、実際放射線が到達をしてからの避難になってくるのではないかという心配の声も聞いております。SPEEDIについても今後も活用をして、拡散予測によって早い段階で避難ができるように、そういった準備をしていく必要があると思いますけれども、県としてはどのような認識をされているのかお尋ねをいたします。 126 ◯山下消防防災課長=SPEEDIの活用についてお答えします。  現在の原子力災害対策指針では、SPEEDIによる予測ではなく、原子力発電所の状況や放射線量の測定結果を基準として避難等の防護措置を判断するとされております。  また、規制委員会のほうは、「緊急時における避難や一時移転等の防護措置の判断に当たって、SPEEDIによる計算結果は使用しない」という方針を示されております。  この理由として、規制委員会のほうは、いつ、どのような放射性物質がどの程度放出されるのかをあらかじめ正確に予測することはできず、気象予測にも不確実性が見込まれることから、予測結果が現実と異なる可能性が常にあること。予測結果に基づいて避難を行った場合、予測と異なる方向に放出があれば、かえって放射線被曝の影響が増大する危険性があることを挙げられております。  実際に福島の事例でも、SPEEDIによる予測と異なる方向に放射性物質が拡散していた例もあっております。  国の原子力災害対策指針では、福島の事故における教訓、そして国際基準を踏まえた上で住民への放射線の影響を最小限に抑えるため、こうした考え方を示されております。万が一、原子力災害が発生した場合は、原子力発電所の状況や放射線量の測定結果を基準として避難等の判断をするということでSPEEDIを防護措置の判断に使用することにはならないと考えているところでございます。  以上でございます。 127 ◯井上祐輔委員=状況や測定値について避難をしていくということで、SPEEDIについては予測であって、正確な予測がされないかもしれないということで、規制委員会も使用しないということを決めたということでありますが、新潟県や浜岡原発がある静岡県のほうでは、このSPEEDIの活用について、予測についても活用していくべきだというふうな意見書が出されております。ことしの三月二十八日には、日本気象学会理事会が、緊急時にはSPEEDI等の数値予測モデルを有効に活用するべきだと意見表明もされております。  このように、立地自治体、また学会も、こういったSPEEDIの活用について求めてありますけれども、このように実測と予測の情報を最大限活用した放射性物質の飛散状況の分析などを行いながら、住民にそういった避難の指示をしていくことが大切ではないかと思いますけれども、この両方を活用した避難、これについては県としてどのように考えておられるのかお尋ねします。 128 ◯山下消防防災課長=避難の際の判断、指示というのは、これは国のほうがいたします。国のほうで今、SPEEDIによる判断ではなくて実測に基づくというふうにしておる中で、県においてSPEEDIによる予測を使うという考えはございません。  以上でございます。 129 ◯井上祐輔委員=避難については国が判断するということで、県で判断できないということですが、県民の皆さんの安心・安全を考える、その立場に立つのであれば、やはり実測値だけではなくて、そういった予測をして、そのような情報を総合的に分析しながら住民を避難させるということが必要だというふうに私は思っております。実際そのような立場に立ち、新潟県や静岡県でもそういったSPEEDIを活用するべきだといった意見も出されたのではないかと思っていますが、佐賀県としてそういった活用の仕方ではなく、国の判断に任せるというふうなことでありますが、県としてもやはり県民の立場に立った安心・安全、これを考えていく必要があると思いますけれども、もう一度この点に関して、県の認識をお尋ねいたします。 130 ◯山下消防防災課長=原子力災害に限らず、あらゆる災害から住民の命を守るということは、最大の使命だと思っております。そうしたとき、今の防護対策の考え方というのは、福島の経験を経て、地域全体の放射線、この影響を最小にするという方法ということで、今これが考えられております。災害対策においては、その被害を最小にするというのは当然のことでして、防護対策の考え方もそれに沿うものかと思っています。  SPEEDIの予測が確実性がないと、どうしても異なる可能性が常にあるという状況の中では、これに基づく避難の判断というのはとらないというのはそういうことかなと思います。  以上でございます。 131 ◯井上祐輔委員=確実性がない、これは予測であるので、正確に出るとは決まっていないわけですけれども、そういった実測と予測を加味して避難を行ってもらうということが大切ではないかと私は述べているのであります。  この国の指針に沿って県もやっていくというふうに言われていますけれども、やはり県としても、どのような形が一番県民の安心・安全を守れるのか、こういった立場を常に考えていただいて、国に対して、必要なときは県としても発言をしていただくと、こういった姿勢はしっかり持っておいていただきたいというふうに思っております。  三点目の三十キロ圏外の避難計画策定についてお尋ねをしていきます。  先ほども述べましたように、福島の事故では三十キロ圏外にも放射能が飛散をして、大きな被害が今なお続いています。この事故を受けて、福岡県福岡市では、福島第一原発と同様の事故が発生をした場合、気象状況によっては気体状、あるいは粒子状の放射性物質を含んだ空気の一団、これをプルームといいますけれども、これが福岡市に到達をすることも考えられる、このようにして計画が策定をされ、訓練がことしで三回目となりました。  県内でも同じ状況は予測をされ、避難計画についても三十キロ圏外、これもつくっていく必要があると思いますけれども、県の考えはいかがでしょうか。 132 ◯山下消防防災課長=三十キロ圏外における避難計画策定の必要性についてお答えいたします。  佐賀県地域防災計画では、福島第一原子力発電所における原子力災害の状況を踏まえて策定されました国の指針に基づいて、この国際基準で定められております範囲の最大値を採用し、三十キロ圏内について避難計画を策定しているところでございます。  一方、三十キロ圏外についても、地域防災計画では、緊急時モニタリングにより一定の放射線量が確認されれば、三十キロ圏内と同様に避難等の防護措置を実施することとしております。  なお、避難先施設については、既に三十キロ圏内の全住民の分を確保しておりますが、放射線量の基準を超えて避難が必要な地域は一定の方向に限られると考えられ、計画上、避難先とされていても、使用しない施設も出てくるため、これらの施設を三十キロ圏外で避難が必要となった方々の避難先として活用することで考えております。  このため、三十キロ圏外において、もし避難が必要になった場合は、地域防災計画に基づき、責任を持って県が避難先を確保することとしているところでございます。  このようなことから、現在の計画よりもさらに広い範囲での避難等の計画を作成する必要はないというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 133 ◯井上祐輔委員=今、現段階では、県内三十キロ圏内の避難計画しか考えておられないということでありますが、先ほどお話をしたように、福島では実際に三十キロ圏外、四十キロ、五十キロの飯舘村のほうにまで放射性物質が飛散をして、今でも帰ることができない、こういった状況が実際にあるわけですよね。そういった中で、この三十キロ圏内に放射線がとどまらずに、その外にも放射性物質が拡散をしていくということは、今、現段階でも予想ができると思うんですよね。  そういう中で、福岡市ではそういった国の指針もありますけれども、福岡市の市民の命、安全を守るために、市独自としてそういった避難計画を策定され、訓練もされているわけですけれども、私は、佐賀県としても福岡市と同じように、国の指針に沿うだけではなくて、本当に県民の安心・安全を守るためには何が必要なのか、そういった点でこの三十キロ圏外の避難計画についても必要になってくると思っておりますけれども、県の今の現段階、この三十キロ圏外の人たちがもし避難をするような状況が出てきた場合には、どういった手順で避難が行われるのか、もう一度説明をお願いします。 134 ◯山下消防防災課長=ここはちょっと繰り返しになりますが、三十キロ圏外において避難が必要ないということではございませんで、当然、三十キロ圏外において避難が必要な場合というのも考えられると、そこは指針にも、地域防災計画においても、一定の値が確認されれば避難をしていただくということは示しているわけでございます。  ただ、あらかじめ避難計画をつくっておくかというと、そこまでは必要ないということを申し上げているわけでして、必要なときには、避難先というのは既に三十キロ圏内の十九万人分の施設というのを確保しているわけで、実際、避難が必要なときには、その施設全部を使うことにはならないので、それを活用することで避難をしていただくと。その際には、県のほうでモニタリング結果を踏まえて、避難できる施設を市町と調整するということでございます。  以上でございます。 135 ◯井上祐輔委員=今の圏外については、放射性物質の飛散が確認されれば、指針に基づいて避難をしていくということですけれども、あらかじめそういった場合の予測をして、原子力災害に対する避難計画、これも必要になってくると思うんですよね。(「そうだ」と呼ぶ者あり)これは福岡市でも、先ほども述べましたように住民の安心・安全を守るという立場で、国では三十キロが最大の範囲というふうに先ほどおっしゃられましたけれども、四十キロから六十キロ圏に入る福岡市でも、独自の計画が必要と判断をされて策定がされているわけです。  そのような中で、やはり原発立地自治体である佐賀県としても、この三十キロ圏内だけではなく、三十キロ圏外についてもそういった準備をして、住民の皆さんに、もしそのようなときがあれば迅速に避難をしていただく、このような準備が私は必要ではないかというふうに思っておりますが、県としてもう一度考え方、また、検討する余地はないのかお尋ねをいたします。 136 ◯山下消防防災課長=これもまた繰り返しになりますが、避難が必要なときには、そのときに県のほうで関係市町と使える施設を確保して、避難していただくということで考えております。  以上でございます。 137 ◯井上祐輔委員=その状況になったときにやるというふうに言われていますけれども、ただでさえ今の避難計画でも混乱が起きることは簡単に予想できると思うんですよね。今の避難計画、三十キロ圏内だけでも住民の皆さんが五キロ圏の人たちから順次避難をして、その後、五キロ圏外の人たちが避難をしていく、これだけでも、本当にこれができるのかどうかという住民の不安がある中で、そのさらに圏外の人たちについては、そのときの状況によって判断をする、避難をするというふうに言われていますけれども、これでは、私は遅過ぎるのではないかと思っています。やはり事前にこういった避難の計画を準備して、県民の安心・安全を守る立場で、やはり避難計画は必要だと私は思いますけれども、課長、何度も何度も同じような答弁ということもありますので、危機管理報道監、どのように考えておられるのかお尋ねします。 138 ◯大田危機管理報道監=課長が何度も説明しておりますけれども、もう一度私なりの言葉で申し上げますと、まず、避難計画を定める根拠といたしましては、国が定めた原子力防災対策指針、これは福島の事故、それから、国際的な基準を踏まえて策定したものであります。それによりますと、もともと国際基準はもう少し狭かったんですけれども、最大値の三十キロという一番広い範囲を、避難計画を定めるべき範囲として定められているところでございます。  避難計画につきましては、それについて三十キロまでということで、防災指針等に基づいて計画を定めております。  三十キロ圏外につきましては、先ほど課長が説明しましたように、佐賀県地域防災計画では何もしないと言っているわけではございません。モニタリング調査結果、測定値を踏まえて、その基準値を超えれば、しっかり避難指示をかけて避難していただきますと。避難先につきましては、先ほど余裕がある分につきまして、ちゃんと県で責任持って手配して避難していただきますと、そういう考え方に基づいてやっているものでございます。  したがいまして、三十キロ圏外につきまして、あらかじめ避難計画を立てる検討はしておりません。 139 ◯井上祐輔委員=改めて国の指針、国際基準なども照らしながら、三十キロ圏内の避難計画ということで考えておられるということでしたけれども、やはり今の避難計画であっても、三十キロ圏内の住民の皆さん、自分たちがどこへ避難すればいいのか、こういったことも余り周知が進んでいない、浸透していないというふうな状況も実際にあります。私も実際、唐津市内に住んでおりますけれども、周りの住民の皆さんとお話をすると、このまちはどこどこの市に避難をするようになっていますよというふうに話をするんですけれども、そうだったのと、自分たち自身の避難する場所、それすらまだまだ浸透していないというような状況にあります。  こういった中で、やはり県民の皆さんの安心・安全を確保する、そのためには、この三十キロ圏内の避難計画についても、さらに周知徹底というものが必要になってくると思いますけれども、三十キロ圏外についても、今後また検討していただきたいというふうに思っております。
     次に、離島の放射線防護対策施設についてお尋ねをいたします。  唐津市に七つの離島がありますけれども、この七つの離島には、国の緊急経済対策において原子力放射線防護施設が設置し始められました。全住民が入れないというような状況が初めはありましたけれども、今年度中にはこういった取り残される住民はいないということで、全住民を対象とした施設が整備をされるということであります。この施設への避難は、最大で一週間避難をするようにできるというふうに聞いておりますけれども、その中で、まず食料についてお尋ねをしたいと思います。  食料の備蓄については、今現在、三日間分というふうに聞いております。最大一週間となる場合、こういった場合はどのような対応を県として考えておられるのかお尋ねします。 140 ◯山下消防防災課長=離島における食料についてお答えをします。  まず、離島の避難の考え方でございますけども、午前中も少し答弁させてもらいましたが、県内の七つの離島は玄海原発から五キロから三十キロ圏のUPZに位置しております。このUPZにおいては、全面緊急事態となった場合は、まず自宅等において屋内退避をしていただき、万が一、放射性物質が放出された場合は、緊急時モニタリングによって放射線量が基準を超える地域を特定して、その地域について避難を実施するということになります。  唐津市の避難計画では、離島からの避難について、最寄り港や唐津港等に上陸し、県内の避難先施設へ自家用車や県、市が確保するバスなどで向かっていただくことになっております。  ただし、離島については、悪天候などのため避難ができない場合も考えられます。そうした場合には、自宅等において屋内退避を継続してもらうことになりますが、さらに安心のために放射性物質から防護機能を付加した屋内退避施設を整備したところでありまして、必要によりこの施設に一時的に退避していただいた上で、避難が可能な状況となれば直ちに避難をしていただくというふうにしているところでございます。  なお、施設に設置しています非常用発電機が稼働できるおおむね七日間はこの施設を使用することが可能ではありますけども、かといいまして七日間この施設に退避していただくことを想定しているものではございません。過去の渡船の欠航状況から、こうした一時退避の期間は三日以内にはおさまると考えていますが、さらに一日でも早く避難していただけるよう対処することとしているところでございます。  離島からの避難については、このように考えているところではございますけれども、避難計画どおりでは対応できない事態にも対処できるよう、さらに副次的な方法として、自衛隊等に支援を要請することも考えていく必要があると思っております。  このようなことから、食料備蓄については、基本的には現在予定している三日分程度で対応できるものと考えているところでございます。  以上でございます。 141 ◯井上祐輔委員=これまでの天候の結果などから、三日間以上の滞在はないだろうということで三日分の備蓄ということですが、島にある放射線防護対策施設については、学校の体育館であったり、公民館であったり、そういった場所の中に、またテントのような形でこの施設が設置をされているわけですけれども、長い避難になる場合であれば衛生面への配慮も必要になってくるのではないかと思っております。  この点について、シャワーなど、そういった設備についてはどのような状況になっているのかお尋ねをいたします。 142 ◯山下消防防災課長=シャワーについてお答えします。  基本的には先ほど申し上げましたとおり、過去の渡船の欠航状況から放射線防護施設の使用期間は三日以内におさまると考えておりますけども、三日でいいということでもなく、さらに一日も早く避難していただくことを考えておりまして、シャワーについて、今のところはその整備を考えてはおりません。  以上でございます。 143 ◯井上祐輔委員=離島の場合であれば、そういった形で考えてあるということですけれども、ほかの一般の三十キロ圏内の人たちが避難をする、そういった中で長期の避難になる場合もあると思っております。  そういった中で、三十キロ圏内の人たちが、例えば玄海町であれば小城市のほうに避難をするとか、そういったふうになっていると思うんですけれども、そういった避難先においては、こういったシャワーの施設とか、生活できるような環境というのはどのような状況になっているのかお尋ねをいたします。 144 ◯山下消防防災課長=今の避難先というのは、本当に緊急事態になったときに避難する先として緊急対応的に確保したものでございまして、長くそこにいつまでもということでは考えておりません。当然、仮設住宅であったり公営住宅の手配というのをしていかなければいけないと思っております。  ただ、そういった期間においても、シャワーとか体を拭くということは必要になってくると思います。それは過去のほかの自然災害を見ますと、いろんな施設の協力があったり、自衛隊が簡易のお風呂みたいなものを用意したりとか、そういったことでとりあえずは対応することになるんだろうと思います。  以上でございます。 145 ◯井上祐輔委員=その場、そのほかにおいては、いろいろな施設の協力とか自衛隊の協力があって、これまでは自然災害など対応されてきたということですが、では、島の防護対策について、空調についてお尋ねをいたします。  施設も十分な広さを確保できるとは言えない状況だと思っております。夏は暑く、ただでさえ体育館などは暑い状況になると考えられますけれども、こういった場合の空調の設備についてはどのようにお考えになっているのかお尋ねをいたします。 146 ◯山下消防防災課長=空調についてお答えします。  空調が整備されていないということでは、真冬であったり、真夏であったり、施設での一時退避が困難な状況も考えられないわけではございません。そういう困難な場合には、無理してそこに入るということではなくて、これは本土側のUPZがそうでありますように、自宅やほかの施設で屋内退避をしていただくということも必要になるかと思っております。基本的には、避難が可能となるまでの一時的な退避でございまして、条件が厳しいときにはなおさら早く自衛隊等に支援を要請し、できるだけ早期に避難していただけるよう対処することとしております。  以上でございます。 147 ◯井上祐輔委員=今、無理をして入るわけではないというふうに言われましたけれども、入らなければいけない状況が生まれた場合、それでは、そのときはどのようにされるように考えておられるんですか。 148 ◯山下消防防災課長=これは無理をして入らなくていいと言っているわけではなくて、無理して入ることでかえって健康を損ねるということであるならば、それは自宅の屋内退避を継続してもらったほうがいいだろうということでございます。  離島は、UPZということで冒頭に説明させていただいたとおり、五キロから三十キロ圏になります。ここの避難の考え方がどうなっているかといいますと、まずは自宅等において屋内退避をしていただいた上で一定の値がここで確認されれば、その地域について避難をしていただくということです。  これは本土側も離島であってもそこは同じでして、基本は自宅等についてということです。  ただ、離島の場合は、やっぱり避難したいと思ったときに避難できないという状況がそこにあるわけでして、そこの不安を幾らかでも解消できればということで、さらに低減効果の高い屋内退避施設を用意したところでございます。  以上でございます。 149 ◯井上祐輔委員=健康を害する場合であれば、そういった施設に無理して入る必要はないと、第一次的には屋内、自宅で退避をするというふうな考え方であるというふうに言われましたけれども、やはり一時的には自宅に退避をするとされていても、自宅では退避できない、例えば、放射線がその島周辺に向かってくれば屋内では退避ができなくなって、そういった防護施設に入らざるを得ないといった状況も生まれてくると思います。こういったときの対応というのも、しっかり考えていっていただきたいというふうにお願いをしておきます。  問三に入っていきます。核燃料の処理についてお尋ねをいたします。  まずは、使用済み核燃料の貯蔵についてお尋ねをします。  玄海原子力発電所の使用済み核燃料の設備の容量、また、現在の貯蔵量はそれぞれどのような状況になっているのか、まずお尋ねをいたします。 150 ◯森原子力安全対策課長=現在の貯蔵状況についてお答えいたします。  本年三月に運転終了を受けました玄海一号機につきましては、今後、廃止措置がなされるということで、貯蔵設備を除いてお答えいたします。  二号機から四号機までの使用済み燃料の貯蔵設備の容量が二千九百五十四体でございます。このうち、運用上あけておくべきスペースを除きますと、実際に貯蔵できる容量、いわゆる管理容量と呼ばれているものでございますけれども、こちらのほうは二千二百七十一体となっております。  これに対しまして、現在の貯蔵量は千八百二十三体となっております。  以上でございます。 151 ◯井上祐輔委員=今現在、千八百二十三体が貯蔵してあるというふうに回答がありました。  再稼働をしていけば、この使用済み核燃料がふえていき、貯蔵プールもじきにいっぱいになってしまうというふうに思います。  こういった中で再稼働をした場合、今後、どれだけの期間、貯蔵することが可能になるのか、どれだけ再稼働していけばこの貯蔵プールがいっぱいになるのか、その期間についてお尋ねをいたします。 152 ◯森原子力安全対策課長=再稼働した場合の貯蔵状況について御説明いたします。  九州電力からは、運転状況によって一概には申し上げられないけれども、玄海三、四号機が再稼働し、かつ使用済み燃料貯蔵施設にある燃料が再処理工場へ搬出されないと仮定した場合、あと数年で貯蔵可能容量に達するというふうに聞いているところでございます。  以上でございます。 153 ◯井上祐輔委員=この使用済み核燃料というのは、玄海原発だけに限らず、原発を再稼働すれば発生をするものであって、今なお使用済み核燃料についてどのような処分をするのか、最終処分についてもどのようにするのかというのが決まっていない状況だと思っております。  高レベル放射性廃棄物の最終処分についてお伺いをしていきたいと思いますが、廃棄物については、低レベル、また高レベルといった廃棄物があると思いますけれども、この廃棄物の区分について、その高レベル、低レベルというものはどういったものなのかお尋ねをいたします。 154 ◯森原子力安全対策課長=廃棄物の区分についてお答えいたします。  我が国におきましては、使用済み燃料を再処理し回収するプルトニウム等を有効利用する方針でございます。この再処理の工程におきまして発生する廃液をガラスで固めた、いわゆるガラス固化体と言われるもの、このことを高レベル放射性廃棄物と呼んでおります。  それ以外の原子力発電所の運転、あるいは廃止措置で発生するさまざまな廃棄物、例えば、放射線管理区域内で発生した洗浄排水やフィルター、あるいは放射性を帯びた配管類などにつきましては、いわゆる低レベル放射性廃棄物というふうに呼ばれております。いわゆるガラス固化体以外の廃棄物は、全て低レベルの放射性廃棄物というふうな位置づけになってくると思われます。  以上でございます。 155 ◯井上祐輔委員=ガラス固化体以外が低レベル放射性廃棄物ということで説明がありましたけれども、それでは、現段階での最終処分の計画についてどのようになっているのかお尋ねをしたいと思います。  現在もこの最終処分場については、場所も確定をされておらず、国においてはどのような計画になっておるのかお尋ねをいたします。 156 ◯瀬戸口新エネルギー課長=最終処分の計画についてお答えいたします。  最終処分の問題につきましては、国におきまして、これまで長年にわたって議論されてきたところでございます。  平成十二年に特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律が制定され、処分場建設のための法整備が行われたところでございます。また、平成十四年から原子力発電環境整備機構、いわゆるNUMO、ニューモと呼んでおりますが、こちらのほうがこの法律に基づいて具体的な候補地の選定に取り組んできたところでございますが、なかなか進んでいないという状況でございます。  このため、国におきましては、関係行政機関の緊密な連携のもと、政府一体となって取り組むため、平成二十五年十二月に関係閣僚会議が設置されております。また、平成二十六年四月に閣議決定されましたエネルギー基本計画におきましては、使用済み燃料対策については、抜本的に強化し、総合的に推進するとされているところでございまして、また、高レベル放射性廃棄物につきましては、国が前面に立って最終処分に向けた取り組みを進めるとされたところでございます。  さらに、平成二十七年五月二十二日には特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針が閣議決定されたところでございまして、その内容といたしまして、まず、廃棄物を発生させてきた現世代の責任として、将来世代に負担を先送りしないよう地層処分に向けた対策を確実に進める。次に、国が科学的により適性が高いと考えられる地域、いわゆる科学的有望地でございますが、これを提示するとともに、理解活動の状況等を踏まえ、調査等への理解と協力について関係地方自治体に申し入れを行うというようなことが盛り込まれておりまして、国が前面に立って取り組んでいくという方針が改めて決定されたところでございます。  この基本方針におきましては、最終処分地の選定につきまして、国が科学的有望地を提示し、調査への協力を自治体に申し入れるとされておりまして、現在、総合資源エネルギー調査会、電力・ガス事業分科会、原子力小委員会の下に設けられております放射性廃棄物ワーキンググループ、それと地層処分技術ワーキンググループにおいて検討が行われているところでございます。  いずれにしましても、エネルギー基本計画におきまして示された国のエネルギー政策の方向性に基づいて、さまざまな課題の解決策や実現までの道筋をきちんとお示しいただいた上で、政府において実現に向けて取り組んでいただきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 157 ◯井上祐輔委員=この最終処分の計画については、先ほどお話をされたNUMOが行っていくけれども、なかなか進んでいないのが現状だというふうに答弁がありました。六月には福岡市で国とNUMOが主催をするシンポジウムが開催されました。このほかにも、自治体向けの連絡会が開催をされたというふうに伺っておりますけれども、この説明会については県としても参加をされたのか。また、どのような内容がこの中で報告をされたのかお尋ねいたします。 158 ◯瀬戸口新エネルギー課長=委員御指摘の自治体向けの連絡会でございますが、本県では五月二十九日に開催されております。私どもも参加をしております。この自治体向けの連絡会でございますけれども、この連絡会は、先ほど御答弁いたしました五月二十二日の「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」や、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する国としての基本的な考え方に関する情報提供を目的に、五月から七月にかけて都道府県及び市町村を対象として各都道府県で開催されたというふうに聞いております。  五月二十九日の私どもが参加した連絡会の内容でございますが、大きく三点について説明があったところでございます。まず、地層処分事業の概要についてということで、まず現時点での国際的な共通認識は地層処分が最も確実性、実現可能性が高い。また、詳細な調査により火山や活断層の影響範囲を避けることは可能である。  二つ目の長期エネルギー需給見通しの検討状況についてということで説明もあっております。その内容でございますが、エネルギー自給率向上、電力コスト引き下げ、欧米に遜色ない温室効果ガス削減目標などの政策目標を同時達成する中で、徹底した省エネルギー、再生可能エネルギーの導入や火力発電の効率化などを進め、原発依存度は可能な限り低減をしていくというような中身の説明があってございます。  三つ目でございますけれども、高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた新たな取り組みということで、現に使用済み燃料が一万七千トン存在するということから、最終処分は現世代の責任で解決する必要がある。また、科学的有望地の提示、理解を得ながらステップを踏んでいくということ。さらには、科学的有望地選定後、地元と十分な調整を行うというような内容が説明会で説明されたところでございます。  以上でございます。 159 ◯井上祐輔委員=本県においても、五月二十九日に実施をされて参加されたということでお話がありました。この最終処分についても、いまだに計画が策定されておらず、どのような形で放射能廃棄物についても最終処分がなされるのか、こういった点についてもまだまだ課題は多いと認識をしております。  先ほど私の質問の中で、問二の中で安定ヨウ素剤の配布について質問をしておりませんでしたので、少し戻って質問させていただきたいと思います。  この安定ヨウ素剤の配布については、私の一般質問の中でも健康福祉本部長が答えられたところでありますけれども、五キロ圏内については事前配布が今行われている中で、やはり三十キロ圏内、唐津市や伊万里市、長崎の鷹島など、そういった部分についても事前配布というのが必要になってくると思いますけれども、例えば、その三十キロ圏内、佐賀県内で安定ヨウ素剤事前配布をするに当たってはどれほどの予算が必要になってくるのかお尋ねをいたします。 160 ◯久保山健康福祉本部副本部長=玄海原子力発電所から三十キロ圏内の事前配布の費用についてお答えいたします。  玄海原子力発電所から五キロから三十キロ圏内につきましては、役場等の公共施設に備蓄し、服用が必要な場合に緊急配布することとしておりますことから、事前配布する場合の費用は現在算出しておりません。  このため、昨年度、玄海原子力発電所から五キロ圏内に事前配布を行ったときと同様の方法で配布し、配布対象者が単純に多くなるという前提で試算した場合の費用について申し上げることといたします。  まず、安定ヨウ素剤の事前配布に当たりましては、原則として医師による住民への説明会を開催することが必要となります。この説明会では、医師による安定ヨウ素剤に関する説明のほか、保健師による住民一人一人の問診票の確認、薬剤師によるマンツーマンでの服薬確認などの対応が必要になってまいります。  昨年度の事前配布説明会では、八千二百七十二人の対象者に対しまして、一回当たり約三十人の人員体制で二十七回開催したところでございます。  その経費は、職員人件費を除く会場設営費、御協力いただいた民間の医師や薬剤師への謝金など、そういった経費が約八百三十万円でありました。  玄海原子力発電所から五キロから三十キロ圏内の住民は約十八万人で、五キロ圏内の約二十二倍でございます。このため、先ほど申し上げた仮定で機械的に試算いたしますと、事前配布説明会の開催回数が約六百回、会場設営等の経費が約一億八千三百万円というふうになります。  以上でございます。 161 ◯井上祐輔委員=三十キロ圏内配備をするには一億八千万円ほど予算が必要になってくるというふうな説明でありました。この事前配布がなぜ必要かといえば、安定ヨウ素剤については飲むタイミングが非常に重要になってくるということであります。五キロ圏から三十キロ圏については、そういった備蓄をされているものを活用するというふうな状況が今あると思いますけれども、やはり県民の皆さんにいち早く安定ヨウ素剤が必要になった場合に服用してもらうと、このためには事前配布というものが必要になってくるというふうに思っております。  三歳未満への事前配布について一般質問でもお尋ねをして、そのとき本部長の答弁では、避難場所などに来た際に、市の職員などが調剤を行って服用させるというふうに答弁をされました。この三歳未満への事前配布についても、今あらゆる形で安定ヨウ素剤の開発研究等もされているようでありますけれども、やはり三歳未満の乳幼児に対しても事前配布が必要になってくるというふうに思いますけれども、県の考え方としてどのように考えておられるのかお尋ねをいたします。 162 ◯久保山健康福祉本部副本部長=三歳児未満への安定ヨウ素剤の事前配布について御答弁いたします。  国の原子力規制庁におきましては、三歳未満の乳幼児の丸薬につきましては丸薬の服用ができないこと。また、そのため事前配布できる薬剤を用意できないこと。そういったことから事前配布の対象とせず、優先的に避難させることというふうにされているところでございます。  しかし、県といたしましても、五キロ圏内の住民に対しまして事前配布を実施するということになっている以上、三歳未満の乳幼児についてもできれば事前配布をしたいというふうに考えているところでございます。このため、これまでも国に対しまして三歳未満の乳幼児にも事前配布できる薬剤の早期開発を要望しているところでございます。  以上でございます。 163 ◯井上祐輔委員=三歳未満についてもいち早くこういった開発研究が進められて、事前配布ができるように再度国のほうにも要望していただきたいと思います。  最後、問四のほうに入っていきたいと思います。  玄海原子力発電所再稼働に向けた手続についてでありますけれども、審査がもし通れば、どのように県民の意見を吸い上げていくのか、これが非常に重要になってくると思います。  山口知事は就任の際にも再稼働について言及をされており、知事自身もみずから県民に対しても説明を行っていきたいと、このようなことを発言されております。県としては、この知事の意向も踏まえて、住民説明会についてどのように考えておられるのかお尋ねをいたします。 164 ◯瀬戸口新エネルギー課長=玄海原子力発電所三、四号機の再稼働に当たっての住民説明会についてのお尋ねでございます。  原子力発電所の再稼働の判断につきましては、一義的に国、事業者の責任で行われるべきものというふうに考えております。  原子力発電所の再稼働につきまして、エネルギー基本計画においては、「原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し、原子力発電所の再稼働を進める。その際、国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」とされているところでございます。  また、国は個別プラントの設置変更許可が出て、基本的な安全性が確認された段階から、各地域と協議しながら具体的な対応を考えていくとされているところでございます。  九月十六日の一般質問で知事から御答弁差し上げたところでございますけれども、県としましては、この原子力の問題につきましては、国の責任というものをしっかりと果たしていただくということがとても大事だと考えておりまして、理解活動の方法など、審査後の進め方については国が決めるということだと考えております。  いずれにしましても、玄海原子力発電所三、四号機につきましては、現在行われております規制基準に対する適合性審査がいつ終了するか見通せない状況でございまして、県としましては国から協議があったときに、理解活動の方法なども含め、国の再稼働に関する考えをしっかりと確認した上で、県としての考え方を整理していきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 165 ◯井上祐輔委員=住民説明会については国の責任をしっかり果たしてもらうということで言われていますけれども、やはり県民の安心・安全については佐賀県自体が責任を負っていかなければならないと、そういった責任を持っていると思います。九州電力がここに来られた際にも、私は住民説明会を行う必要があるのではないかと、住民の理解をしていただくためにもそういったことが必要ではないかと言いましたけれども、九州電力自身はフェース・ツー・フェースでやっていくというふうなことで、この住民説明会については、する意思を持っていないということでありました。  私は、佐賀県としても住民の意見、しっかりと取り入れて、その判断の基準にしていくためにも、やはり県民の意見をしっかりと聞いていく場所、住民の説明会というようなものが必要になってくると思いますけれども、しっかりこの点についても県のほうに引き続きお願いをしていきたいと思います。  最後に、専門委員会の設置についてお尋ねをいたします。
     再稼働を判断する際、国、九州電力の情報だけではなくて、やはり県独自として専門家などに議論してもらう、分析をしていただいて、その中で再稼働についても判断をすることが必要ではないかと思っています。こういった中で、新潟県においては県独自で専門委員会を設置しておられます。こういう中で、佐賀県としては専門委員会の設置について今どのように考えておられるのかお尋ねをいたします。 166 ◯森原子力安全対策課長=専門委員会を設置してはどうかというふうな御意見でございます。  県といたしましては、原子力発電所の安全性につきましては、何ものにもとらわれず、科学的、技術的な見地から、独立して意思決定を行う組織として設置された原子力規制委員会におきまして、新規制基準に基づく適合性審査を厳格に行っていただくことが必要であるというふうに考えております。  その上で、国民にもしっかりと説明責任を果たしていただくことが重要と考えておりまして、そういった意味で県独自の専門委員会の設置ということにつきましては今のところ考えていないというところでございます。  以上でございます。 167 ◯井上祐輔委員=今の答弁では、原子力規制委員会が判断をして、再稼働の審査が行われて、それが通れば再稼働をしていくというふうに思うんですけれども、この原子力規制委員会が再稼働審査を通せば安全だと、そのように県は認識をしているのでしょうか。お尋ねをいたします。 168 ◯森原子力安全対策課長=国の責任におきまして、やはり安全性を確認する責任というのはもう国のほうでしっかりと負うべきものというふうに考えております。  規制委員会の田中委員長も、もうこれまでの審査結果の中で原子力規制委員会として、その法令に基づいて運転に当たり求めてきたレベルの安全性を確保されていることを確認したというふうな発言をされております。  そうであれば、県が再度何か審査をするとか、そういうことはちょっとないのかなと、必要ではないのかなというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 169 ◯井上祐輔委員=原子力規制委員会の田中委員長も、審査が通ったからといって必ずしも安全ではないと、こういったことも言われております。規制委員会が再稼働の審査を通して、原発再稼働がされ、もしものことが起こるという可能性も十分あり得るというふうに思います。  安全性については国で負うというふうに言われましたけれども、今でも福島の現状を見てみると、国はその責任を負い切れていないと私はそのように思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)やはり県民の安心・安全を守る立場でも、こういった県独自の判断をしていく必要があると、県民の立場に立った再稼働に対する判断をする必要があるというふうに思いますけれども、県はどのようにお考えでしょうか。 170 ◯森原子力安全対策課長=繰り返しになりますけれども、やはり原子力発電所の安全性につきましては、法令に基づきまして原子力規制委員会が厳格な審査を行っていただくということがやはり大切だというふうに考えております。  安全性の議論というところは、そちらのほうでしっかりやっていただくことが必要だというふうに考えております。  県としましても、県なりにその内容が理解できるものであるかどうかを今後確認していきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 171 ◯井上祐輔委員=繰り返し国の責任というものを言われていますけれども、やはり国の審査が通っても、この原発について必ず安全だと言うことができない以上、私はこの原発再稼働については再稼働させるわけにはいかないと、このことを述べて私の質問を終わりたいと思います。(傍聴席より拍手する者あり)(「注意せんかい、委員長から」と呼ぶ者あり) 172 ◯竹内委員長=拍手やめてください。 173 ◯稲富委員=委員長より発言の許可をいただきましたので、私のお尋ねをさせていただきます。  現代社会に生きる我々の生存のためには、大量の電気エネルギーを必要といたします。福島第一原子力発電所の事故以来、停止していた原子力発電は八月十一日、川内一号機が再稼働されました。しかし、このニュースを伝えるメディアの報道は批判ばかりであり、そして、それは批判を超えて私たちを脱原発に誘導しております。「脱原発が正義」で、「再稼働は悪」のごとくであります。日本国が、政府がすることをやたらにたたいては元も子もなくなってしまうのではないでしょうか。  物事には必ずメリットとデメリットがあるはずです。現在、多くの国民の間では、原子力は危険なものであり、火力発電や再生可能エネルギーについては安全なものであるという考えが定着しております。しかし、火力発電では化石燃料の採掘やプラントの建設時などにおける事故や大気汚染の問題があったことや、再生可能エネルギーも周辺環境への影響がゼロではないことも事実であります。大きなエネルギーを扱うということは、火力発電や再生可能エネルギーを進める上でも事故や環境問題が生じることは避けられないものであります。  ここで今日まで原発議論の中で欠けていたのは、リスク分析からの視点であります。化石燃料を燃やして、一テラワットアワーの電力を生み出すのに何人犠牲になるのか、ざっくりと計算された藤原一樹という理論物理学者が静かに論を張っておられます。世界の大気汚染で毎年百万人が死亡されていて、火力発電所からの大気汚染物質が原因なのは、その三割の三十万人だと推定されて指摘されております。この三十万人を化石燃料による年間発電量約一万四千テラワットアワーで割ると、一テラワットアワー当たり二十一人になるとのことであります。つまり、火力発電所で一テラワットアワーのエネルギーを生み出すのに二十一人の命が犠牲なるということであります。化石燃料の中でも石炭が特に危険とのことであります。なぜならば、かなりの放射性物質を出すと指摘をされ続けております。福島事故以来、国際公約CO2が飛んでしまいました。  一方、過去の原子力発電における事故で多数の死者が出たのはチェルノブイリが強烈でありました。日本の東海村で二名、世界の核燃料加工施設、核兵器製造工場でも数名犠牲になられました。チェルノブイリ原発事故でWHOとIEAの調査研究では、将来、四千人程度の人ががんで亡くなる可能性があるとされていました。実際、二十年以上にわたる追跡調査の結果、放射能汚染による犠牲者をほとんど確認できなかったとWHO、二〇〇五年は述べています。  しかし、この多めの推計値である四千人を使うと、原子力発電の歴史は五十年程度でありますから、死者数四千人を五十年で割れば、原子力発電による年間死亡者数八十人が導かれます。この犠牲者の八十人を一テラワット当たりで換算するために、原子力による世界の年間発電量二千七百テラワットアワーで割ると、八十人割るの二千七百テラワットアワー、イコール〇・〇三人テラワットアワーとなります。つまり、原子力発電の歴史は原子力により一テラワットアワーの電気エネルギーを生み出す際の犠牲は〇・〇三人だと言っているのであります。  以上のように、原発議論のためにはリスクの分析からの視点も必要だと訴えているのであります。他の熱源でもリスクの比較分析が必要でありました。このようにエネルギーとはどのようなものでも、程度の差はあるものの、そもそも危険をはらんでいるものなので、その評価は相対的に何がよりましなのかというものにならざるを得ないのではないでしょうか。  特定のエネルギーに頼るのではなく、安全性、経済性、そして、環境問題などを考えて、原子力発電も含め、最適にエネルギー源をうまく組み合わせていくしかないと考えますが、県執行部はどのように考えておられるのでしょうかお尋ねいたします。 174 ◯瀬戸口新エネルギー課長=特定のエネルギーに頼るのではなく、いろんな視点を踏まえて、最適にエネルギーをうまく組み合わせていくしかないと考えるがどうかというお尋ねでございます。  エネルギーに関する考え方につきましては、国のエネルギー基本計画でも、エネルギー需給構造を一手に支えられるような単独のエネルギー源は存在しない、エネルギー政策において最も大切な点の安全性を前提とした上で、エネルギーの安定供給を第一とし、経済効率性の向上による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合を図るため、最大限の取り組みを行うことであるとされております。  それぞれ安全性、エネルギーの安定供給、経済効率性の向上、環境への適合の頭文字をとりまして、いわゆる「3E+S」といわれるものでございますが、こうしたことを示した上で、エネルギー基本計画においては、原子力や再生可能エネルギーなど各エネルギー源の強みが生き、弱みが補完される強靱で現実的かつ多層的な供給構造の実現が必要とされているところでございまして、県としましても同様の認識を持っているところでございます。  いずれにしましても、我が国のエネルギー政策は国家の根幹にかかわる事柄でございます。こうしたものについては国が責任を持って決めていくべきことであり、こうした課題に対し、国の責任というものをしっかり果たしていただくということが非常に大事だと考えているところでございます。  以上でございます。 175 ◯稲富委員=再生可能エネルギーの抱える課題についてお尋ねをしていきます。  国はエネルギー基本計画において、再生可能エネルギーの導入を最大限加速していくとされております。七月に公表された二〇三〇年度のエネルギーミックスにおいても二二%ないし二四%の導入目標が示されたところであります。  そのような中ちまたでは、これだけの太陽光発電施設や風力発電設備をつくれば、全ての原発を置きかえ可能などといった自然エネルギーをアピールするキャッチフレーズがよく見られます。  私が読んだ本によれば、世界の総エネルギー消費量のうち、自然エネルギーの占める割合は二%程度であります。我が国においても一%程度のものであります。さらに、太陽光や風力は天気任せ、風任せの発電方法であり、気象条件に左右されるという現状では、大きな電力を蓄えることが可能な蓄電池は現実的なコストでつくることができないので、電気は需要に合わせてうまく発電し、供給していくしかないことから、原子力や化石燃料を今後自然エネルギーで置きかえていくという考えは余りにも楽観的ではないでしょうか。つまり、自然エネルギーだけで全ての電力を供給することはできず、火力発電や原子力発電といった安定的に電力を供給できるベースロード電源と組み合わせなければならないものと考えられます。  また、二〇一一年八月、菅内閣により、再生可能エネルギー特別措置法が成立し、太陽光や風力等で発電された割高なエネルギーを電力会社が強制的に購入させられる、いわゆる固定価格買取制度が二〇一二年七月から導入されたところであります。このことにより、誰でも自然エネルギー事業に参入し、その電気を電力会社に高値で売ることが可能になり、特に太陽光発電については多くの事業者が参入いたしました。この制度は、最終的に国民や企業が電気代とあわせて賦課金という形でコストを負担しているものであります。電気代に転嫁されるにしても、結局は国民の負担や企業の収益の圧迫になっていることに違いありません。  このように、自然エネルギーを源とした再生可能エネルギーはそれぞれに課題を抱えていることは、私は原子力発電に置きかえることは甚だ難しいと考えております。  そこで、県内における再生可能エネルギー(補助金事業)についての状況についてお尋ねいたします。  現在、県内で固定価格買取制度の認定を受け発電を開始している太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーの発電設備の出力合計は、玄海原子力発電所と比較してどれくらいあるのかお尋ねいたします。 176 ◯瀬戸口新エネルギー課長=県内の再生可能エネルギー設備の出力合計、それの玄海原子力発電所の比較というお尋ねでございます。  資源エネルギー庁が公表しております資料によりますと、平成二十七年五月末時点で佐賀県内で固定価格買取制度の認定を受け、実際に稼働しております再生可能エネルギー設備の出力合計は約四十二万キロワットとなっております。  そのほかに県内の再生可能エネルギーとしましては、九州電力による十四カ所の水力発電所がございまして、その出力合計が約六十六万キロワットとなっております。  したがいまして、県内の再生可能エネルギーの出力合計は約百八万キロワットとなっておりまして、玄海原子力発電所一から四号機の出力合計、これは三百四十七万八千キロワットとなっておりますが、これの約三一・一%相当となっているところでございます。  しかしながら、この割合は単純に発電設備の出力能力の合計を比較したものでございまして、再生可能エネルギーの中でも、委員御指摘のとおり、太陽光発電や風力発電は気象条件に左右されることから、実際の発電電力量はこの比率としましては減少することになるのではないかと考えております。 177 ◯稲富委員=水力まで合わせて三一%ということであります。  それでは、県内で実際に発電されている再生可能エネルギーの電力量は、玄海原子力発電所で発電される電力量の何%相当分になるのかお尋ねいたします。 178 ◯瀬戸口新エネルギー課長=県内における再生可能エネルギー発電設備の実際の発電量についてのお尋ねでございます。  九州電力が取りまとめましたデータによりますと、平成二十六年度の太陽光、水力及び風力発電など再生可能エネルギーによる県内で発生いたしました電力量は約五億八千三百六十万キロワットアワーというふうになっております。  この数値を玄海原子力発電所一号機から四号機の全てが稼働しておりました平成二十一年度の玄海原子力発電所の発生電力量と比較しますと、こちらの数値のほうは約二百三十八億八百九十万キロワットアワーでございまして、再生可能エネルギーはこの約二・五%ということになってございます。  以上でございます。 179 ◯稲富委員=それでは、この再生可能エネルギーの発電コストについてお尋ねします。  安全性の確保が大前提であることは言うまでもありませんが、国民生活安定等の観点からも低コストの電源を活用していくべきだと思うが、執行部はどのように考えられておられますかお尋ねします。 180 ◯瀬戸口新エネルギー課長=低コストの電源を活用していくべきと思うがどうかというお尋ねでございます。  発電コストにつきましては、二〇一四年(平成二十六年)でございますが、十二月二十六日に国の総合エネルギー調査会基本政策分科会の下に設置されました長期エネルギー需給見通し小委員会、いわゆる発電コスト検証ワーキンググループでございますが、こちらにおいて検証が行われ、ことしの五月に「長期エネルギー需給見直し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」が取りまとめられたところでございます。  この報告の中では、コストの安いほうから原子力発電十・一円/キロワットアワー、それから、石炭は十二・三円/キロワットアワー、LNG火力は十三・七円/キロワットアワー、陸上風力は二十一・六円/キロワットアワー、太陽光、これは非住宅になりますけれども、二十四・二円/キロワットアワー、石油火力は三十・六から四十三・四円/キロワットアワーなどと試算をされているところでございます。  国のエネルギー基本計画においては、先ほども御答弁いたしましたが、安全性を前提とし、エネルギーの安定供給、それから、低コストでのエネルギー供給、さらには環境への適合性ということが必要であるというふうに言われておりまして、こうしたことを踏まえまして、原子力や再エネなど、各エネルギー源の組み合わせというものが必然となってくるというふうにされているところでございます。  こうしたことから、発電コストも確かに重要な要素でございます。ただ、発電コストの観点だけではなく、多層的な供給構造を実現するためにも、安全性の確認を大前提とした上で、安定供給や環境適合性の観点も踏まえ、バランスのとれた電源構成が必要と考えているところでございます。  いずれにしましても、我が国のエネルギー政策は、国が責任を持って決めていくべきことでございまして、こうした課題に対し、国の責任というものをしっかり果たしていただくということがとても大事だと考えているところでございます。  以上でございます。 181 ◯稲富委員=私がいろいろな本を読んだり、あるいはこの原発の委員会の答弁や一般質問の答弁等を聞いても、再生可能エネルギーというのは自立できないというふうに思われます。太陽光や風力は天任せ、風任せの不安定な電源であり、常にバックアップ電源を用意する必要がありますことから、ひとり立ちできないものであります。このため、特に太陽光発電は発電事業者に対し、出力制御を求めるなどの対応に追われている現在であります。このような課題の解決に向けて、県としてはどのように今後取り組んでいくつもりかお尋ねをいたします。 182 ◯瀬戸口新エネルギー課長=自立できない再生可能エネルギーの課題の解決に向けてどう取り組んでいくつもりかというお尋ねでございます。  確かに委員御指摘のとおり、太陽光発電や風力発電は、気象条件に左右されるという不安定な電源でございます。電源単体として見た場合、電力の安定供給のためには出力規模に相当する火力発電などのバックアップ電源が不可欠となってまいります。  しかしながら、地域内の系統や地域間系統の連系線の強化により電力供給量のばらつきを広いエリアで吸収したり、大型蓄電池を整備するなどにより電力供給量の平準化を図るということで、再生可能エネルギーの不安定性については、一定程度の解決ができるのではないかと考えているところでございます。  こうしたことから、県としましても、地域の事業者が安心して再生可能エネルギーの導入に取り組むことができるよう、電気事業者に対して、地域内系統、地域間連系線の増強を計画的に行うよう指導するとともに、電気事業者の大型蓄電池整備を支援するよう、国に対し政策提案等を行っているところでございます。  以上でございます。 183 ◯稲富委員=今後の県の再生可能エネルギー導入に対する取り組みについてでありますが、まず再生可能エネルギー導入についての県の考え方について一つ、そして、これまでの取り組みについて一つ、そして、最後に再生可能エネルギー普及への取り組みについて、以上三点お尋ねいたします。 184 ◯瀬戸口新エネルギー課長=再生可能エネルギーの導入に関する県の基本的な考え方についてまずお答えいたします。  県では、これまでも持続可能な分散型エネルギー社会の実現を目指していくことが重要であり、エネルギーについても地産地消を推進することで、再生可能エネルギーの導入促進に伴う技術革新ですとか県内企業の新分野への進出などの効果を有するとの考えのもと、再生可能エネルギーの導入に向け取り組んできたところでございます。  今後もエネルギー賦存量や地域特性等を踏まえ、技術革新の促進や関連産業の創出を図る観点から、海洋再生可能エネルギーや小水力などの再生可能エネルギー、また再生可能エネルギー由来の電力を貯蔵する手段として期待されております水素エネルギーの導入促進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、これまで太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーの普及のため、どのような取り組みを行ってきたかということでございますが、まず再生可能エネルギーにつきましては、これまで再生可能エネルギー等導入促進事業、これは技術開発の支援ですとか実証実験事業への支援というものに取り組んでまいりました。また、住宅用太陽光発電導入促進事業、これは住宅への太陽光発電の導入を促進するための補助金でございます。また、海洋再生可能エネルギーの実証フィールド誘致などの事業に取り組んできたところでございます。  なお、住宅用太陽光発電導入促進事業につきましては、導入に際する県民の負担を軽減する目的で取り組んできたところでございますが、システム価格の低下ですとか住宅用太陽光発電の一定程度の普及ということで、平成二十六年度をもって補助事業を終了したところでございます。  また、再生可能エネルギー由来電力の貯蔵手段として期待される水素エネルギーにつきましては、これまでに燃料電池自動車の普及に向けた取り組みを行いますとともに、セラミックスによって発電を行います固体酸化物型燃料電池というものがございまして、こちらの関連分野の県内における産業化を目指した取り組みを行ってきたところでございます。  それから、今後の再生可能エネルギー普及への取り組みということでございますが、太陽光発電や風力発電は、委員の御指摘のとおり気象条件に左右される不安定な電源ではございますが、資源の乏しい我が国にあっては、エネルギー自給率の向上や、温暖化対策に寄与するということができるエネルギー源として再生可能エネルギーは必要なものと認識しております。  また、設備導入時のイニシャルコストが高いなどの課題はございますが、基本的にバイオマス発電を除けば燃料費が要らないという特徴を有しておりまして、地域に密着したエネルギー源でございます。  さらには、再生可能エネルギーの導入促進は、これに伴います技術革新や県内企業の新分野への進出など、産業振興策という可能性も有するものでございます。  国のエネルギー基本計画におきましても、「二〇一三年から三年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく」とされているところでございまして、こういったことからも、各地域において再生可能エネルギーの導入促進の取り組みに支障があってはならないと考えているところでございます。  こうしたことから、国におかれましては、固定価格買取制度の見直しなどによる多様な再生可能エネルギーのバランスのとれた導入に向けた対応や、地域内系統、地域間連系線の増強や蓄電池の設置など、再生可能エネルギーのさらなる導入促進に向けた抜本的な対策を講じていただきたいと考えているところでございます。  県としましても、今後も県内における再生可能エネルギーの導入促進に取り組みますとともに、引き続き、全国知事会ですとか本県が会員となっております自然エネルギー協議会などを通じまして、国に対して系統連携対策の強化などの推進につきまして、提案、要望を行っていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 185 ◯稲富委員=それでは、三番目のお尋ねに入りたいと思います。  放射線や原子力発電に対する不安を取り除くための取り組みについてでありますが、我が国は世界で唯一の核兵器による被爆国であり、放射線や放射能をおそれる気持ちが他国より強いのであります。確かに一度に大量の放射線を浴びれば人体に大きなダメージがあり、死に至ることも多々あります。それはあくまで大量の被爆をした場合であり、ごく少量であれば問題ないのではないでしょうか。  福島では年間二十ミリシーベルトを下回り、インフラがおおむね復旧するなどした地域は順次避難指示が解除されておるようですが、放射線に対する過剰な不安などから、帰還をためらっている方も多々おられるようであります。  一方、広島、長崎で原爆に被爆された方々を調査した結果などでは、百ミリシーベルトより低い線量では発がんの増加は認められておらず、また遺伝的な影響も確認されていないということであります。  また、世界には年間十ミリシーベルトを超えるような自然放射線の高い地域があり、住民の健康に関して繰り返し繰り返し調査が行われましたが、これまで放射線による健康被害は、影響は見つかっていないということであります。  こうした事実を国民にきちんと伝えることによって、少しでも放射線や原子力発電に対する不安を取り除くような取り組みを国も県も電気事業者もするべきだと思いますが、いかがでしょうか。 186 ◯森原子力安全対策課長=放射線や原子力発電に対する不安を取り除くための取り組みについてという御質問でございます。  御指摘のとおり、広島、長崎で被爆された方々の健康影響調査結果、それから、自然放射線の高い地域の話というところは承知しております。しかしながら、低線量の被爆が人体へ与える影響については、専門家の間でもさまざまな意見がございまして、まずは国におきまして専門的知見と客観的な事実関係をきちんと踏まえた上で、国民に対しても正しい知識の普及に取り組んでいただきたいというふうに考えておるところでございます。  以上でございます。 187 ◯稲富委員=玄海原子力発電所における事故対策についてでありますが、我が国では以前より放射線や原子力発電所に対する不安の声がありましたが、福島第一原子力発電所の事故によって、さらにその不安は広がりました。  我が国の置かれている状況(エネルギー資源に恵まれていない、二酸化炭素排出抑制など)を鑑みた場合、今後も原子力発電は必要と考えますが、そのためには福島の事故を教訓として、安全性を高める必要があると思います。  国は、新たな規制基準について「世界最高水準」といったようなことを言っているようですが、その基準では、福島の事故の原因となったものに対し、玄海原子力発電所では具体的にどのような対策を行うことになるのかお尋ねいたします。 188 ◯森原子力安全対策課長玄海原子力発電所における事故対策についての御質問でございます。  新たな規制基準におきましては、福島の事故の教訓等を踏まえまして、自然現象に対する考慮、あるいは電源の信頼性といった重大事故を防ぐための対策の強化を求めるとともに、仮に重大事故に至った場合の対策や、例えば、大型航空機の衝突などのテロに対する対策につきまして、新たに要求事項とされているところでございます。  玄海原子力発電所におきましては、福島第一原子力発電所の事故以降これまでに、例えば、原子炉や原子炉格納容器、そして、使用済み燃料ピットの冷却手段の多様化を図るための可搬型のポンプ、あるいは大容量のポンプ車、こういったものの整備でございますとか、電源供給手段の多様化のための大容量発電機、あるいは直流発電機の整備、格納容器内での水素爆発防止対策といたしまして、水素燃焼装置や水素再結合装置などを整備したところでございまして、現在、原子力規制委員会におきまして、こうした設備を使用した事故時の対応策の有効性について審査が行われておるというふうなところであると認識しております。  以上です。 189 ◯稲富委員=ただいま課長さんとか、あるいは先ほどまでの議会と執行部のやりとり等を見て、執行部の考え方を吟味いたしますと、結論的に言えばそうした安全対策が行われているのであれば、県としても原子力発電所の再稼働を進めていくという姿勢が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 190 ◯石橋農林水産商工本部長=玄海原子力発電所の再稼働に対する県としての姿勢ということでございますが、従来から知事も申し上げているところでございますけれども、原子力発電に関する県としての考え方の基本というものは、県民の安全を第一に考えるということでございます。  原子力発電所につきましては、規制基準が求める、いわゆる稼働するに足り得る安全性というものが確認されることが大前提でございます。そのためには、まずは一元的に規制監督権限を有する原子力規制委員会において、各原子力発電所の安全性について厳格な審査を行っていただくことが何よりも必要であるというふうに考えてございます。  また、国はエネルギー基本計画において、原子力発電を安全性の確保を大前提として重要なベースロード電源と位置づけておりまして、原子力規制委員会により規制基準に適合すると認められた場合には、原子力発電所の再稼働を進めるということにされてございます。  県といたしましても、中長期的には再生可能エネルギーの導入促進などによりまして、原子力発電への依存度を可能な限り低減させていくべきと考えてございますが、現在、エネルギー源のほとんどを海外に依存しているという我が国のエネルギーの状況等を勘案しますと、例えば、電力の安定供給を維持することによる県民の生活の安定、あるいは企業収益を圧迫することを回避することによる雇用の安定といった、そういった意味での県民の生活を守るという観点からいたしますと、より安価で安定的な電力供給が行われることは必要であるというふうに考えてございます。そうしたことから、原子力規制委員会により規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、原子力発電所の再稼働は必要というふうに考えているところでございます。
     いずれにしましても、県といたしましては、冒頭申し上げましたように、この原子力発電に関する考え方の基本というものは、やはり県民の安全を第一に考えるということでございますので、今後とも国や事業者の安全に対する取り組みをしっかりと注視していきたいというふうに考えているところでございます。  以上、お答えします。(「委員長、終わります」と稲富委員呼ぶ) 191 ◯竹内委員長=これで質疑を終了いたします。     ○ 継 続 審 査 192 ◯竹内委員長=お諮りいたします。  原子力安全・防災対策、エネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件につきましては、重要な問題が残されておりますので、閉会中もなお継続審査に付する必要がある旨を議長に申し出ることにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 193 ◯竹内委員長=御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  なお、本日の委員会での質疑応答などにおいて、数字または字句の誤り及び不適切な表現がありました場合は、適宜委員長の手元で精査の上、訂正などを行うことに御承認を願います。  これをもちまして、原子力安全対策等特別委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。     午後二時四十分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...