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平成27年6月定例会(第2日) 本文
平成27年6月定例会(第2日) 名簿

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  1. 佐賀県議会 2015-06-02
    平成27年6月定例会(第2日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         ○ 開     議 ◎議長(中倉政義君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  日程によりまして、一般質問を開始いたします。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎原田寿雄君(拍手)登壇=おはようございます。議長より登壇の許可を得ましたので、通告に従い、質問をしていきたいと思いますが、山口知事におかれましては、二月議会に引き続き二回目の議会になられると思います。二月は骨格予算ということでありました。今回、一年の予算である肉づけ予算もつきまして、そしてまた、四年間の山口県政の計画が総合計画として打ち出されております。本格的な山口県政のスタートの議会だというふうに思います。私を初め、今回十五人の議員が登壇いたしますので、知事、そしてまた執行部におかれましては、真摯な答弁を期待しております。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず、総合計画二〇一五についてであります。  今議会において、今後四年間の山口県政運営の基本となる佐賀県総合計画が提案されました。あらゆる分野に大きな影響を及ぼす人口減少問題、経済環境の変化、生活環境の変化など、現状分析と将来予測を行い、あわせて本県の特性も鑑み、作業を進められ、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を基本理念に掲げ、佐賀の目指す将来像を具体的に示しつつ、その実現へ向けての各方針が打ち出されています。  佐賀県の将来を見据え、全体としてよく練られたわかりやすい計画になっていると思っております。また、人材育成を重要視し、地域を主役として県民と一体となって県政を進めていこうという思いがよく出ている点も評価をしたいと思っております。  ただ、他県の総合計画を検証したわけではありませんが、地方においては現状分析や将来予測は似通っているということが想像でき、交流人口の増加対策や産品のブランド化、人口増対策などについては、多くの県においても同様の施策に力を入れて取り組まれ、地域間の競争はさらに激しくなっていくと思われます。  そうした中で、佐賀県が一歩ぬきんでていくためには、佐賀の可能性を広げる際立った取り組みが必要であり、例えば、施策推進の強力なツールとなる佐賀空港を九州のゲートウエー空港とする取り組みや、地域が主役となった自発の地域創生プロジェクトを県内各地に数多く生み出していく取り組みなどがそれに当たるのではないかと思っております。  また一方で、本県の財政状況は厳しい状況にあります。平成十六年のいわゆる交付税ショックと言われる交付税の大幅削減と、引き続き行われた交付税の削減により、平成十九年には「佐賀県行財政改革緊急プログラムVer・2.0」を策定し、職員削減、給与カットを初め、政策的経費を毎年一五%ずつ削減していく、投資的経費においても公共工事を平準化したものの、大幅にカットという大なたを振るって難局を切り抜けたことは記憶に新しいところであります。  今後も、介護保険や医療給付に係る県費負担などの社会保障関係経費が毎年約十五億円ずつ増加、つまり、四年間の累積で百五十億円の増加が見込まれる中、県税や地方交付税などの一般財源が大きく増加していくと見通すことは難しく、引き続き厳しい財政運営が強いられることが予測されます。したがって、施策の実現のためには、財政面への配慮も特に重要であります。  そうした中にあっても知事には、新しい総合計画に基づき、各施策を今後積極的に推進し、基本理念に掲げられた「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」の実現につなげていただきたいと考えます。  そこで、次の点について知事にお尋ねいたします。  総合計画に込めた思いについてであります。  総合計画二〇一五は、知事のどのような思いを込めた計画とされたのかお尋ねいたします。  次に、今後の財政運営についてであります。  厳しい財政状況の中であっても、総合計画に掲げた目指すべき将来像を実現するためのさまざまな取り組みを着実に進めていくため、知事は今後の財政運営についてどのように考えておられるのかお尋ねいたします。  次に、地方創生についてであります。
     昨年公布されたまち・ひと・しごと創生法に基づき、国は地方創生を推進するための施策を随時実行に移しているところであり、その趣旨は、それぞれの地域がみずからの力で活性化を図り、持続可能で自律的な地域を形成することにあるとされています。つまり、地域がみずからの力で課題を見出し、みずからの発意で立案し、みずからの力でそれぞれの地域活性化を図っていくべきということだと思っております。  例えば今般、平成二十六年度補正で国から全国の自治体へ交付された地方創生先行型交付金については、先行型の名が示すとおり、地方創生を推進するための先行投資、試行的な意味合いがあり、今回は人口割などによる定額交付でありましたが、秋以降、各自治体において地方版総合戦略が策定されれば、次回からの地方への支援は、この戦略に基づくアイデア次第で上積みがあると聞いております。つまり、やる気があり、しっかりとした地方活性化案を立案したところには、国の財政支援を手厚く行っていくということであろうと思っております。  本県でもこうした地方創生の流れを踏まえて、今議会に計画案を提出されている総合計画二〇一五の六本の政策の柱の一つとして、「自発の地域づくり さが」を掲げられているものと理解をしております。そして、その一環として、平成二十六年度補正の国から県への交付金配分約十一億円のうち五・五億円を「さが段階チャレンジ交付金」として、地域に身近な行政機関である市町を通じて、地域住民などの発案による地域づくりに投資されたことは、他県に先行した佐賀らしい地方創生の手法でなかったかと評価をしているところです。  ただ、これまでの定額交付になれているためか、選考基準が不明瞭だとか、不公平感が残ったといった声も耳にするところです。しかし、今回の手法は地方創生の趣旨に沿ったものであり、間違いなく将来につながるものと思っております。  今後、さらに佐賀らしい地方創生を進め、知事が目指す「自発の地域づくり さが」をつくるためには、既存のまちづくり活動をされている方々のスキルアップや活動の磨き上げ、そして、そのための支援もさることながら、地域に身近な行政機関である市町を巻き込んで、これまでまちづくりや地域振興に対して関心が強くなかった方々や団体などに、いかに地域振興の現場に関心を持って取り組んでもらえるかが重要になってくると思っております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  「さが段階チャレンジ交付金」についてであります。  「さが段階チャレンジ交付金」は、「自発の地域づくり さが」を強力に推進するために助成額に制限を設けないこと、補助率を九割にすることなど、過去に例を見ないような地域住民の発意を促すさまざまな工夫のもとに、県内各地から多数の応募があったものの中から二百五の企画を支援することとされております。知事はこの事業をどのような思いで取り組むこととされたのか。また、この応募結果についてどのように受けとめておられるのかお伺いいたします。  次に、「自発の地域づくり さが」を推進する取り組みについてであります。  今回、「さが段階チャレンジ交付金」では、企画募集の期間が短かったことなどの理由で、住民の思いが構想段階で終わり、企画の提案までに至らなかったもの、また、企画提案はできたものの熟度が足りなかったものも多くあったと思われます。  今後、「自発の地域づくり さが」を強力に推進するためには、「さが段階チャレンジ交付金」で芽生えた地域での自主的な取り組みが次年度以降も継続し、磨き上げられていくこと、さらには他のグループや団体、そして他地域へも波及していくことが重要と考えます。このため、県は具体的にどのような支援を行っていこうとされているのかお伺いいたします。  次に、政策実現に向けての市町や国との連携についてお尋ねいたします。  知事は公約において、「地域が主役の佐賀県づくり」や「佐賀県・市町連携推進会議」の創設を掲げられていたところであり、この公約を具体化するものとして、三月に、知事と市町首長との二十一人で構成する「佐賀県GM21ミーティング」を創設されました。  こうしたことを見ても、知事には市町との関係を良好に築きつつ、県と市町が連携しながらさまざまな施策に取り組み、佐賀県の発展につなげていこうという姿勢が見受けられます。  今般、県では「佐賀県総合計画二〇一五」を取りまとめ、今議会に提出されておりますが、私はこの計画に掲げられた政策にとどまらず、県の各種施策を実現するためには、市町との連携や協力が不可欠であり、県の施策に対する市町の理解や共感を得ながら、手を携えて施策を展開していかなければ成果を得ることは難しいのではないかと思っております。  例えば、今議会で提案されている移住促進事業は、人口増対策、地域の活性化などに有効な施策であり、市町がおのおの単独で行っていくより、県がこうした施策を打ち出し、佐賀県が一体となって取り組むほうが効果が見込めると、事業自体は評価しております。しかし、移住促進事業を進めるに当たっては、空き家など受け入れ先の情報を持ち、かつ移住しようと決心につながるような地域の魅力などを十分に把握している市町との緊密な連携が前提であろうと考えます。県が考えたから市町も追従してくれということではないだろうし、県以上に市町が熱意を持つ必要があると感じています。  また、佐賀空港の利用促進についても、増便や新たな路線を得るためにも、おらが空港という気持ちで県と市町が一体となって利用率の一層の向上に取り組む必要があると考えます。  佐賀空港を強力なツールとしてさらに発展させ、佐賀県全体の産業振興、観光振興につなげたいという県の思いがそのまま市町の思いとなっていないように感じております。  また、県と市町が一体となって佐賀県をよりよくする取り組みを行っていくことに加えて、財政力が弱い本県においては、国の財政支援はもとより、規制緩和や制度改正など、国の理解や協力を得て進めていく必要があります。  佐賀県民のため、県益を守るために国にしっかりと物を申すことは大切であると考えますが、例えば、有明海の再生や城原川ダム建設問題、あるいは有明海沿岸道路や佐賀唐津道路の整備など、国の理解、協力が不可欠な政策課題も現に数多く存在いたします。  先般、六月十日に知事は国の関係省庁に対して政策提案活動を行われ、案件によっては我々議会側からも同行させていただきましたし、案件によっては県選出国会議員にも御同席いただいたと聞いております。  知事は、議会と執行部は車の両輪と発言されておりますが、議会と知事がしっかりと議論をした上で、佐賀県のためベクトルを合わせ、市町や県民とともに、さらには国会議員も巻き込んで、佐賀県が一体となった国への働きかけは重要であると考えます。  いずれにせよ、国と連携して県勢発展のために取り組むべきであり、また、国からもさすが佐賀県と一目置かれるよう、引き続き佐賀県のためだけの陳情、要望ということだけではなく、全国的な制度改正なども含めた提案をしていく必要があろうと思います。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず、市町との連携についてであります。  「佐賀県GM21ミーティング」は、知事や市町首長で構成するほかの会議とどう違うのか。また、こうした新たな取り組みを通じて、知事は任期四年間で市町とどういう関係を築いていこうと考えておられるのかお伺いいたします。  次に、政策提案を通じた国との連携についてであります。  先日実施された国への政策提案は、佐賀県だけの要望にとどまらず、地方全体のことも考えた提案となっていたと思っております。こうした政策提案などを通じた国との連携について、知事のお考えをお伺いいたします。  最後に、佐賀県の教育行政についてであります。  昨年の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部改正を受けて、ことし四月から新教育委員会制度がスタートいたしました。そして、この五月に古谷新教育長が就任され、佐賀県でもこの制度に移行したところであります。  近年、教育を取り巻く社会環境は、少子・高齢化やグローバル化の進展などを背景にして大きく変化をしています。このような中、本県においても学力向上、県立高校の再編整備、ICT利活用教育の推進や産業人材の育成など、今後取り組むべきさまざまな課題が指摘されております。  過去の歴史を振り返っても、教育はそれのみで独立しているものではなく、社会情勢の変化や時代の要求に応えてきたものと考えますし、将来を見据えた新たなものも取り込むことも必要である一方、不変のもの、変えてはならないものもあると思っております。  昨年の十一月議会で、私は、郷土を愛する心を育む教育について質問をし、当時の池田教育長は、県教育委員会としてもしっかりと取り組むと答弁をされました。そして、今議会に提案されている「さがを誇りに思う教育推進事業」は、将来にわたりふるさとに誇りを持ち、佐賀県民としての自信に満ちた生活を送る基盤となるものと考え、私は高く評価をしております。このことにも着実に取り組み、成果を上げていただきたいと思っております。  このような中、私は教育には生徒たち一人一人がみずからの存在意義を見出し、みずからを見失うことなく生きていくために必要な力、とりわけ課題を解決するための思考力や判断力を身につけさせることが求められていると思っております。  一昨日、県内の私立高校の理事長の講演を聞く機会を得ました。「才あるも徳なし」という人間を育ててはいけないと、公徳心の大切さを強く訴えられておりました。それとともに、生徒一人一人のカルテづくりを行っていると話されました。カルテ、つまり診断書であります。一人一人の学習能力をチェックし、どの段階で授業についていけなくなったのかを判断し、対応していくということでありました。意外にも既に小学校中学年、三、四年生からついていけなくなった、算数でいえば分数の計算とかであります。そうした子供たちが中学時代に数学の授業でどういう気持ちで席に着いていたのかなというふうなことも話されました。講演を通じて、生徒一人一人に対する思いがしっかりと伝わってきました。  教育行政もトップがかわれば考え方も変わり、やり方も変わると思っております。今後どのように本県教育に取り組んでいかれるのか、新教育長の所見をお伺いいたします。  次に、主権者教育についてであります。  先日、「公職選挙法等の一部を改正する法律」が成立し、選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられました。一九四五年の終戦直後に二十五歳以上から現行の二十歳以上となって以来、七十年ぶりの引き下げとなったわけであります。若い人たちの政治離れということが言われて久しいですが、自分たちが一票を投じることで、国や地域が変わっていくということを生徒たちによく理解してもらう必要があると思っておりますし、また、投票という権利を得るとともに、そこには責任も生じるというふうに思っております。主権者教育には、これまで随分温度差があったと感じております。  そこで、この機を捉え、本県においても主権者教育にしっかりと取り組むべきと考えますが、今回の選挙権年齢の引き下げに伴い、今後、県教育委員会として主権者教育にどのように取り組んでいくのか、教育長の所見をお伺いいたします。(拍手) 3 ◎山口知事 登壇=原田寿雄議員の御質問にお答えいたします。  まず、総合計画に込めた思いについてのお尋ねがございました。  今議会に今後四年間の県政運営の基本となる総合計画二〇一五(案)を提出させていただいているところであります。「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を基本理念として県政を推進していきたいと思っています。  基本理念は、私の二つの考えに根差したものでございます。  一つは、人に寄り添い、人と対話し、これまで受け継がれてきた人の「想い」を感じ取りながら、次の世代へつなげていくことが大切であり、「人を大切に」していくことを県政を進める上での前提に置くという考えでございます。  もう一つは、本県には連綿と続く歴史や文化、伝統、地域のきずな、農林水産品、陶磁器など「本物」の地域資源があり、これらの佐賀らしさの価値を私たち自身が再認識するとともに、さらに磨き上げ、世界に発信していくことにより、世界からも称賛される佐賀県をつくっていきたいという考えであります。  また、基本理念「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を着実に推進していくためには、二つの視点が必要だと考えたところであります。  一つが、県内にある「本物」の地域資源の磨き上げや女性が活躍する社会づくりの推進などにより、雇用の創出や新しい人の流れ、子育ての希望をかなえる環境、時代に合った地域をつくり出していく「さが創生」。  もう一点は、県産品、町並みなどの「モノ」と社会のシステム、サービスなどの「コト」を磨き上げ、新たな価値を付与することによりまして、人の暮らし、まち、地域を心地よくし、豊かなものにしていく「さがデザイン」──この「さがデザイン」というのはなかなかわかりにくいところもあろうかと思いますが、例えば、原田議員の地元の有田焼で申しますと、有田焼はもともと伝統に根差したものでありますけれども、常に時代に見合ったスタイルを求めていくといった、そうしたスタイル自体がデザインだと思いますし、今はオランダのデザイナーと融合して、また新たな境地を求めていくといったところもあります。そして今、四百年前とはまた一味違ったエピソードツーという新たなストーリーを構築して頑張っていこうとか、そういうストーリー自体がデザインであったりとか、そういう新たな「さがデザイン」というものをさまざまな県の施策に付加していこうということであります。  政策を推進するに当たっては、この二つの視点を横串として刺しまして、佐賀らしさを磨き上げて、佐賀独自と言えるような取り組みを進めていきたいと考えているところであります。  さらに、総合計画に掲げる施策の推進に当たっての取り組み姿勢といたしまして、「現場」「ミッション」「プロセス」というキーワードを掲げさせていただきました。この取り組み姿勢によりまして、現場の人の思いが実現され、人が現場で輝いていることが大切だと思っています。常に現場、現場であります。そして、本来の目的を忘れることなく、何のための事業なのか、何のために施策を行っているのかという目的意識を常に持って行動することが何より大切だと思っています。そして、政策や事業を決定していく場合に、県民の声を聞きながら、そして議論を重ねることで信頼関係を構築していくという、そのプロセスが大切だということ、そういった三つのキーワードを大切にしながら、県民一人一人の幸せ向上につなげていきたいと思っています。  このように、佐賀県が佐賀県らしく発展していくためにどうあるべきかといったことを、私みずからも県内を歩き、そして県民の皆さんと語り合う中で見出した方向性について、私自身、佐賀県民であることを誇りに思っている、そういう気持ちをしっかりと込めた上で構成したものでありまして、今後四年間、全力で政策を推進していきたいと考えているところでございます。  続きまして、今後の財政運営についてでございます。  原田議員御指摘のとおり、高齢化の進行により社会保障関係経費が増加すると見込まれること、そして公債費が引き続き高い水準で推移すると見込まれることから、収支改善対策を講じなければ、今後、県の財政は毎年度収支不足が発生いたしまして、平成三十年度末にはそれを補うための基金が枯渇して、総合計画を推進するための予算が確保できないということが見込まれているわけでありまして、このために「佐賀県行財政運営計画二〇一五」を策定して、収支改善に取り組むこととしたところであります。  具体策といたしましては、投資的経費の抑制による歳出抑制、県有地の売却、税徴収増等の増収策、財政的工夫といたしまして退職手当基金の活用などに取り組んで合計約二百億円を捻出する。こうした取り組みによりまして、今後四年間において、総合計画に基づく施策の実現のために必要な財源を確保いたしますとともに、投資的経費については、今後四年間の社会資本の整備や適正な保全のために必要な額を二千九百五十億円と見込みまして、中期投資見通しとしてお示しすることとしたところでございます。このほか、必要な国庫補助金等の確保にも、私自身が職員の先頭に立って取り組む覚悟でございます。  今後とも、行財政運営計画二〇一五に掲げる、「限りある経営資源の重点的、効率的な活用を図るなど、将来を見据えた戦略的な財政運営」に取り組むとともに、引き続き財政規律に十分配意した予算編成に努めたいと考えております。  続きまして、地方創生関係で、「さが段階チャレンジ交付金」についてのお尋ねがございました。  佐賀には「本物」の地域資源や人といった佐賀らしさがあると考えておりまして、その価値を地域住民自身が再認識し、心地よいものとなるように磨き上げて、世界に向けて情報発信していくことで多くの方々から愛され、そして多くの方々に訪れていただける佐賀県を描いていけるものと私は確信しております。  議員からお話がありましたけれども、地方創生は、国が推進して、国の指示に従うといった性格のものではなくて、地方の現場で知恵を出し合ってつくり上げることが大切でありまして、まさに住民が主体だと思っています。ですので、国に行ったときにも、国が旗を振るということはすばらしいんですけれども、国に従って地方創生が行われるということではなくて、国も県も地域をバックアップしていくことこそ地方創生だというお話をさせていただいているところでもあります。例えば昨今、伊万里湾のカブトガニの繁殖の話が出ていますけれども、ああやって地域住民がカブトガニのすばらしさをわかって、それを掃除もしながら繁殖地をちゃんと養生して、そして盛り上げていくとか、ああいった地域の本当の個性を生かして住民が頑張っていくと。ああいうものが佐賀県の財産だと思いますし、ああいった姿が県内各所に出てくるといいものだなというふうに思っているわけであります。  そういうことで、自分たちで頑張ろうという気持ち、そうした自発の芽が多く出るような佐賀県にしたいという考えがありました。そうしたことから、県としても地域の取り組みを支援するために、この「さが段階チャレンジ交付金」と名づけた交付金を創設したところでありまして、他県は二月補正で県で直接使うものに使った部分を、佐賀県は今度の六月補正まで何とか国のほうにお願いをして、今議会で県議会の皆さん方の御理解を得ながら、県が直接使うのではなくて、地域が主体的に活用してもらおうという形での先行型というふうに提案させていただいているところでありまして、これが二百五もありますので、それぞれ芽が出てくるか否かということについては、我々執行部もそうですが、県議会の皆様方にも地域でぜひ応援をしていただきたいと考えているところでございます。  二百五、バラエティーに富んだ数多くの応募をいただいております。県内各地でさまざまな取り組みの芽が吹いていただけるものだというふうに思います。全てが全て、順調にうまくいくものではありませんけれども、地方創生それ自体が試行錯誤をしながら住民間の力で地域力を導いていく取り組みでありますので、全体で頑張っていきたいものだと思っております。  また、「自発の地域づくり さが」を推進するために、具体的にどのような支援を考えているのかということでございます。  これは、やはり議員がおっしゃるように、取り組みが広がっていくことが大事だと思います。鹿島の酒蔵ツーリズムも、ことしもお伺いしましたけれども、お酒だけでなくて、デリカテッセン、おつまみのほうにどんどん広がっていったりとか、嬉野の皆さん方も入ってきたりとか、そういう縦横の広がりを見せております。そういった部分にぜひ支援をしていきたいなというふうに思います。  そして、今回は県の予算は約五億五千万円をこのさが段階のほうに充てておりますけれども、今回、二百五件の企画を支援するためにはそのうちの四・五億円を計上しています。まだ一億円ありますので、議員おっしゃるように、期間が短かったというお話も多々いただいております。これからぜひ自分たちでというお話がありましたら、再度企画募集を行う予定でありますので、積極的な御応募を期待しているところでございます。  いずれにいたしましても、自発の地域創生プロジェクトにおいては、地域課題の発見、事業化につながるように細やかな支援を実施していきたいと思っておりますので、皆さんの御協力もいただきたいと思っているところでございます。  続きまして、政策実現に向けての市町との連携についてであります。  これまで知事と市町長で構成する会議といたしましては、県の主要施策や事業の説明を行う市町長会議や、県の施策や事業の立案に当たり政策協議を行う「佐賀県・市町行政調整会議」を設置してあったところでございます。  そして、今回設けました「佐賀県GM21ミーティング」は、こうした会議とは異なりまして、市長、町長二十人と私とで二十一人が、地域におけるさまざまな課題などについて自由闊達に意見交換を行うものとして創設したところであります。  私は、行政は地域に近いところで行うことが大切だと思っております。地域が中心、市町がフォローし、県がフォローするという形が望ましいと思いますので、県と市町の関係を築くという上では、地域が主役との認識に立って、地域に最も近い市町が自発的な地域づくりを促していくということが重要だと思っています。県としては、こうした市町を全面的に支援していく所存であります。  その上で、県がさまざまな施策を推進していくに当たりまして、市町の意見を聞くとともに、理解や共感を得ながら連携する必要があると認識しています。  こうした思いから、総合計画二〇一五(案)の第五章「計画の推進のために」においても、施策推進の姿勢で市町との連携をうたったところでございます。「佐賀県GM21ミーティング」を設置し、市町と県が意見交換を通じてこれまで以上に連携できるようにしたところでありまして、二十一人の首長がさまざまな課題や意識を共有することで、一体となった地域課題に取り組んでいくこととしたものでありまして、議員からお話がありました移住政策、空き家の問題とか、市町によってばらつきがありますが、そういったことをどうしていくのか、県がどうフォローしていくのか、そして交通の問題、それから子育ての問題、さまざまな問題を市町の課題と県が連携しながら対応をとっていきたいと思っています。  こうした姿勢を今後も変えることなく、市町と県が自由闊達に意見交換を行い、県は市町の共感も得ながら施策を進める関係をぜひとも築いていきたいと考えている所存であります。  最後になりますが、政策提案を通じた国との連携についてもお尋ねがございました。  私も、佐賀県をよくするために必要なことについては、国の理解、協力を得ながら県政を進めていくことが大切だと思いまして、これまでも各省に何度となく出かけていって、佐賀県の実情や佐賀県のためにこうしてほしい、ああしてほしいというさまざまな政策提案もさせていただいているところでございます。そして、あわせて地方全体をよくすることが佐賀県をよくすることにつながるという認識はしっかり持っております。今後も政策提案を積極的に行いまして、その実現につなげていきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、県民の幸せ向上のために、県議会と十分に議論をして、県議会と一定の方向が見出せたならば、一緒になって佐賀県をよくするために行動するということがとても大事なことだと私は認識しています。市町や国とも連携しながら、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を目指して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 4 ◎古谷教育長 登壇=原田寿雄議員のお尋ねのうち、私からは佐賀県の教育行政について二点お答えをいたします。  まず、今後の佐賀県の教育行政についての私の所見をとのお尋ねがございました。  昨今、各方面で我が国教育の根本にかかわる議論がなされております。このような節目の時期に、また、ことしから始まった新たな教育委員会制度のもとで教育長を拝命し、その職責の重さに身が引き締まる思いであります。  これからの時代は、グローバル化や情報化が急速に進展する変化の激しい時代であり、こうした時代にあって、教育は児童生徒が高い志と理想を持って困難を克服していくための力である生き抜く力を育むことが重要であると考えております。  そして、佐賀県教育の目標は、一人一人の個性と能力を最大限に伸ばすとともに、確かな学力、豊かな心、健やかな体のいわゆる知・徳・体の調和のとれた社会有為な人材を育成することにあると認識をしております。  あわせまして、佐賀県の児童生徒に対しましては、佐賀の歴史や文化、人物など、先人の功績やふるさと佐賀のよさをしっかり学ばせ、将来にわたってふるさと佐賀に対し、誇りと自信を持ち、そのよさを誇らしく語れる人材を育てていくことが大切だと考えております。  こうした本県の教育行政を進めるに当たりまして、私は学校現場と教育委員会とが緊密な連携と相互理解のもとで、同じ方向を向いて取り組んでいくことが最も重要であると考えております。常に何のためにやるのか、なぜそうするのかということについて、関係者の共通理解のもとで物事を前に進めていきたいと考えております。  先ほど議員からも御指摘ございましたように、今日、佐賀県教育におきましては、さまざまな課題があると認識しておりますが、率直に申し上げまして、今の段階では私自身、まだまだ勉強不足の身であると思っております。日々研さんの努力を重ねながら、それぞれの課題の解決に向けて、一つ一つ精いっぱい取り組んでいく所存でございます。  そのためにも、できる限り多くの機会を捉えて、学校現場などに足を運び、しっかり学ばせていただくとともに、新制度におきます教育委員会の代表者として、県議会を初め、さまざまな方面から御意見を伺いながら、教育行政のかじ取りをしてまいりたいと考えております。  そうすることで、児童生徒や教員一人一人が学校の中で生き生きと輝き、学校が楽しく学んでいける空間となりますように、全力で取り組んでまいります。  次に、主権者教育についてでございます。  若者の政治離れが課題とされる中、今回の法改正を受けまして、学校教育におけるこれまでの指導をさらに充実させ、生徒が社会参画していくための必要な知識、技能、価値観を育むための教育、いわゆる主権者教育を一層推進していく必要があると考えております。  学校におきましては、児童生徒がみずから課題を見つけ、学び、みずから考え、そして主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決しようとする資質や能力など、いわゆる生きる力を育むことを目指して日々の教育活動を行っております。  今回、選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられたことによりまして、高校生にとっては在学中や卒業直後に選挙権を行使する機会が訪れることになります。このことは、まさにそれまでに培われた生きる力がそのまま試されることになり、学校が果たすべき役割は大変重要であると認識しております。  将来を担う児童生徒に、自分が社会の一員であり、主権者であるという自覚とともに、主体的な社会参画に必要な資質能力を育むための教育に、より一層取り組んでまいります。  そこで、県教育委員会といたしましては、高校に対しては、学校及び生徒に法改正の趣旨や内容の周知を図ること。学校において、公民科や総合的な学習の時間におきまして、国が作成する副教材を活用するなどして、主権者教育の充実を図ること。教職員を対象とした研修会を開催することなどに取り組んでまいります。  いずれにいたしましても、教育の政治的中立性を確保しながら、本県の児童生徒がより一層、政治への関心を高め、将来にわたって主体的に社会参加していくことができるよう、しっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 5 ◎藤崎輝樹君(拍手)登壇=おはようございます。藤崎輝樹です。  山口県政の船出に際し、一言、あるべき県議会として、昭和二十二年七月十日、衆議院本会議の自由討議議事録を一部引用させていただきたいと思います。  議会において、他の議員の発言はよくこれを聞き、しかし、それに対する賛否は自由なのであります。おのれのみを正しいとして、ほかを入れざるは民主政治家にあらず。他党所属議員の登壇発言に際しましては、挙党拍手をもって送り、拍手をもって迎えるのであります。名論出でたるときは、全員拍手するの、この状況になっていただきたいと思うのであります。  これは新しい憲法のもと、少数意見を大事にしようとする民主政治の発達助長に資する目的で行われた、後に総理となる政治家の二十八歳のときの発言であります。  二元代表制の地方議会においては、県政課題への多様な意見を執行部へ訴え、よりよき判断を知事に求めていくこととなります。その際、相反する意見であっても、賛否の議論は尽くしながら、互いに尊重し合う県政であるべきと考えます。その観点から、県政全般に対する一般質問においては、所属する政党会派等関係なく、拍手でもって敬意を示す佐賀県議会であることを願いながら、質問に入らせていただきます。  総合計画二〇一五についてであります。  先ほども原田議員のほうから質問がありました。これから四年間の山口県政運営の指針となる総合計画「─佐賀県総合計画二〇一五─人を大切に、世界に誇れる佐賀づくりプラン」が今議会に提案されました。さきの総合計画二〇一一との整合性や違いなど、関心を持って目を通させていただきました。
     各施策については、県民の福祉向上に努めるため、引き続き一貫して行政に取り組んでいただきたい事業が数多くあることから、極端な変化は余り好ましくないと考えます。一方で、山口知事らしさを総合計画に期待していることも事実であります。そのような観点から、第一印象を申し上げるなら、県政運営の姿勢が大きく変化するのではないかと感じました。さきの総合計画二〇一一と山口知事提案の総合計画二〇一五の違いは理念にあると受けとめています。これまでの「新しき世に佐賀あり。」から「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」へ、基本理念が新しくなります。  総合計画の基本理念は、佐賀県行政で働く全職員の行動指針となるべきものであり、山口知事の政治信条を反映したものであります。知事は、県民との対話を大切にしながら、県政を県民全体の総合力で運営したいと言われておられましたが、提案された総合計画には、佐賀にいる人材や佐賀にある物を大事にして磨き上げていこうとする姿勢もしっかりと示されてあります。  重点項目の中では、「さがを誇りに思う教育の推進」、「産業を支える人材の育成・確保」、「“農の夢”応援プロジェクト」、「世界を見据えた県産品の販路拡大」、「自発の地域創生プロジェクト」などにそうした姿勢があらわれているものと思います。  また、総合計画を推進するための予算についてもあわせて提案されてあります。  県の物づくり産業を支える技能、技術を持つ人が、これまで以上に尊敬、評価され、若者がさらに誇りと自信を持って、物づくりに従事する佐賀県を実現するための「佐賀県ものづくり人財創造事業」、また、農業者が将来に展望を持って経営に取り組み、産地が活性化するよう、地域みずからが農業の担い手を育てる「トレーニングファーム整備推進事業」など、新たな施策に注目しております。  そこで、次の三点についてでありますが、初めに、佐賀県の将来をどのように描いて総合計画を提案されたのか、再度知事にお伺いしたいと思います。  二点目は、総合計画の重点項目「産業を支える人材の育成・確保」の取り組みの一つでもある「ものづくり人財創造事業」に関し、取り組むこととした背景や内容について。  三点目、同じく重点項目「“農の夢”応援プロジェクト」の取り組みの一つでありますトレーニングファームに関し、取り組むこととした背景や内容について答弁を求めます。  次は、地方創生についてであります。  地方創生の取り組みについては、国が昨年末に我が国の人口の将来展望を示すまち・ひと・しごと創生長期ビジョンと、それを踏まえて今後五カ年の目標や具体的な施策などをまとめたまち・ひと・しごと総合戦略を策定されました。各地方自治体において行われるさまざまな取り組みについては、各種報道などで目にすることも多く、全国的に地方創生に対する機運が高まっております。  佐賀県においても、「地方人口ビジョン」の策定を終え、現在「地方版総合戦略」の策定作業を進めていると聞きます。幕末の佐賀が西洋の技術を学び、日本の科学技術の最先端を牽引したように、世界を見据えて、佐賀らしさを生かすことで「世界に誇れる佐賀県」となる地域づくりを期待しております。  一方、気がかりなことは、これまでにも長年にわたり、地方の活性化、東京一極集中の是正が政治課題に上がっていたことです。一九七二年日本列島改造論、一九七九年田園都市構想、一九八八年ふるさと創生、一九九九年地域振興券、二〇〇八年ふるさと納税など、地方重視の政策が約十年に一度繰り返されても、今なお課題解決できていないことを思えば、地方創生戦略がどれほどの成果を上げることができるのか心配をいたします。  今回は、人口減少という新たな局面を踏まえての構想であり、全国一律ではなく、自立を促す支援となっていることから、地方版総合戦略が成功の鍵を握っています。対症療法的な目標設定ではなく、将来目指すべき目標をしっかりと定め、戦略を練って策定をしていただきたいと考えます。  また、国から地方への権限と財源の移譲が地方の自立には不可欠であります。地域みずからが特色に合ったまちづくりを進めるため、国は県を、県は市町をしっかりと応援していく体制が重要であり、市町は地域住民とともに持続可能なコミュニティーを築いていくことが大切だと考えます。  しかしながら、地域のまちづくりを進めるに当たっては、障壁となる岩盤規制があります。青地、白地に見られる農地転用に関する問題など、土地利用の規制などがネックとなり、思うようなまちづくりを展開できないのが実情であります。  私は、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略に位置づけられている規制改革の推進や国家戦略特区を活用することにより、今までできなかった取り組みを大きく前へ進めるべきと願いますが、このような観点を踏まえ、次の点について質問をいたします。  本県の取り組み状況についてであります。  県は、昨年十月三日に佐賀県まち・ひと・しごと創生推進本部を設置されて以来、地方創生に取り組まれておりますが、現在の取り組み状況について説明を求めます。  また、地域の特徴を生かした地方創生の推進ということでありますが、土地利用に関する規制緩和として、農地転用許可に係る権限移譲が行われると聞いております。その内容についても答弁を求めます。  取り組み方針についてですが、述べてきたように、市町には地域の特徴を生かした地方創生を進めるためにも、積極的に特区制度を活用してもらいたいと考えます。知事は、地方創生を推進する上で、どのような点に力を入れていく所存かお尋ねいたします。  マイナンバー制度への県の取り組みについてであります。  今議会において、佐賀県個人情報保護条例の一部を改正する条例案が提出されており、その内容を見ますと、ことし十月から全ての国民に個人番号、いわゆるマイナンバーを付することが通知されることに合わせて、必要となる個人情報の取り扱いに関する定めを行うものとなっています。  さらに、最近の新聞報道においては、マイナンバーに関する事業所の理解の割合が四割程度ということで、国民の理解が十分でないとされているほか、私自身が伺ったものとして、「先日、マイナンバーに関する説明会に参加し、従業員の個人情報の取り扱いなどについての話を聞いたものの、具体的に何をしたらいいのかがわからない」という県内事業所の方の声もあります。  マイナンバー制度は国を挙げての取り組みと理解しており、全ての国民、県民にマイナンバーを付して、今後の取り組みを進めるというものであれば、国、県、そして市町が一体となって、広く県民や個々の事業者、とりわけ中小規模の事業所が多い佐賀県においては、税や社会保障部門の関係行政機関が一体となって、一層きめ細やかな制度の普及啓発に努める必要があると感じます。  そういう取り組みが行われ、国民、県民の理解と協力があって初めて、制度の円滑な導入や運営が可能になるものと考えますが、このマイナンバー制度に関する取り組みのうち、特に県の取り組みについて、統括本部長にお尋ねいたします。  第一点、マイナンバー制度の導入の意義と目的について、どういうものなのか伺います。  次に、マイナンバー制度の導入に当たってのスケジュールと、並行して県や市町で必要となる取り組みはどのようなものか。  三点目に、マイナンバー制度の導入が国を挙げての取り組みということであれば、国や県、市町がそれぞれの役割を果たしていくことが求められると思いますが、それぞれの役割、あるいは責任というものはどういうものなのか、県の考えを伺います。  そして、国民、県民や事業者に対する周知についてでありますが、マイナンバー制度を円滑に進めていくためには、何よりも国民、県民や事業者の方々の理解と協力が不可欠であります。マイナンバー制度の理解が不十分とされている中で、具体的にどのような周知や啓発がなされているのか伺います。  最後に、今後の県の積極的な取り組み、または支援ということについて県の所見を伺いますが、今後、税や社会保障の分野で実際の実務を進めるに当たって、事業者においては従業員や家族のマイナンバーを取得し、これを税務署やハローワークなどの機関に提出する書類に記載するなどしなければならないと聞きます。  そうした中で、例えば、大企業であれば経理や労務管理の仕事を専らに担当する方がいるわけでありますが、一方、中小または零細規模の事業所においては、税務や労務管理などのさまざまな仕事を兼ねて行う従業員が多いのが実情ではないかと思います。  このような状況を踏まえると、こうした事業所の従業員の方々への理解を深めるためには、一層のきめ細やかな周知啓発の取り組みが不可欠になりますが、県として今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  「縁カウンターさが事業」についてお伺いいたします。  今月五日に厚生労働省が発表した平成二十六年の全国の合計特殊出生率は、前年の一・四三から一・四二に〇・〇一ポイント低下し、出生数は過去最少の約百万人、前年比三万人減少を記録するなど、少子化に歯どめがかかっておりません。  このような中、県では昨年度から独身男女の一対一の出会いの場を創出する「縁カウンターさが事業」を実施しておられます。  真剣に結婚を考えている方や、婚活イベントなどではうまく自分を表現できない方などのために、思い切った事業を行っていただいていると考えます。ただ、聞くところによると、「スタッフの対応を事務的に感じており、もう少し密接にかかわってもらえないだろうか」などの利用者の声もあります。  私は、「さが出会いサポートセンター」へ足を運んだところ、スタッフの方々は大変真面目に業務に取り組んでおられましたが、一方で、会員が希望する際には、会員への踏み込んだアドバイスなども行っていただけないだろうかといった思いがあります。  個人情報の取り扱いなど難しい問題もあり、行政としてどこまで踏み込めるのかという分野はあるわけですが、結婚を願う利用者のためにも、またよりサービスの向上が図られるためにも、そういうふうに願っているわけであります。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  「縁カウンターさが事業」の予算及び実績はどのようになっていますか。「縁カウンターさが事業」を始めて間もなく一年になりますが、課題としてどのようなものがあると認識しておられますか。そして、それら「縁カウンターさが事業」の課題を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか答弁を求めます。  最後の質問項目は、民主主義の基本となる選挙に関することであります。  ことし一月十一日の知事選挙は、激戦の盛り上がりを感じながらも、ふたをあけて見れば、投票率五四・六一%と過去最低を更新し、昨年末の衆議院小選挙区の五七・七七%をも下回る結果となりました。山口知事が十二月十二日に出馬を決意されて、投票まで一カ月という短期間、年をまたいでの選挙など、要因を挙げることはできますが、何よりも気がかりなことは、有権者の選挙離れ、投票率の低下傾向であります。  さきの佐賀県議会議員選挙の投票率は五〇・九二%、統一地方選として三回連続で過去最低を更新しております。これも知事選との別日程実施や、無投票区の多さなど要因はあるとしても、間接民主制にとって深刻な状況となっており、投票率の低下は全国的な課題でもあります。  そのような中、国会では選挙権年齢を十八歳に引き下げる公職選挙法改正案が成立して、来年の参議院選挙から高校生の一部が有権者となります。少子・高齢社会の時代背景もあり、若い人たちの意見を政治に反映させるきっかけとなればよいと考えますが、投票率低下に拍車がかかることがないように、しっかりとした事前準備、啓発が必要となります。  そこで、次の点を質問いたします。  新たに選挙権年齢を十八歳以上に引き下げた公職選挙法改正について、あわせて、昨今の全体的な投票率低下について、知事の所見を伺います。  この法改正は、政治的に中立を保ちながら、政策判断力を身につけさせる主権者教育が必要となるなど、新たな学校現場での取り組みが重要となることから、教育長にも所見を改めて求めます。  また、学校現場に対してどのような指導を行っていくのか答弁を求めて、以上、質問といたします。(拍手) 6 ◎山口知事 登壇=藤崎輝樹議員の御質問にお答えいたします。  まず、総合計画に関する私の思いについてのお尋ねがございました。  基本理念に掲げたとおり、「人を大切に、世界に誇れる佐賀県」としていきたいという思いを込めたものでございます。  「人を大切に」とは、教育や人づくりはもちろんのこと、伝統や文化、地域のきずな、福祉や物づくりの現場など、全ての中心に人があって、この人を大切にしたい、育てていきたいという思いであります。  また、県政は県民お一人お一人のものでありまして、県民お一人お一人と寄り添って対話をしていくということで、その思いや考えをしっかり受けていきたいという思いなども込めたものであります。  例えば、きょうは十時から大同メタルさんの起工式が武雄で行われておりますけれども、きのう樫山社長ともお会いしましたが、やはり佐賀だから立地したと、大同メタル九州ではなくて、大同メタル佐賀にしたと改めて言っていただいて、佐賀の人は実直で優しくて勤勉だと、改めてお褒めの言葉をいただいたことが何よりうれしいなと思っておりますが、そうした人づくり、物づくりもそうですが、そういったものにさらに力を入れていきたいと思った次第であります。  これらを踏まえまして、七賢人を初めとする幕末から明治維新、その後の国づくりで活躍した多くの人材を輩出してきた歴史がございます。そして、三夜待、くんちとか、地域のきずなを大事にしている本県の伝統、コミュニティーがしっかりと育っているということは、人と人とのつながりが非常に薄くなってきたというこの時代においては、間違いなくこれからの世界に誇れる大きな源になっていくというふうに私は確信しています。  こうした本県の伝統を誇りを持って次の世代につなげていくためにも、歴史や伝統を踏まえた人づくりに注力していくとともに、自発的に行動する地域というものをつくっていきたいと思っています。  また、「現場」「ミッション」「プロセス」という県政運営のキーワードも掲げておりますが、これに基づき、現場を第一に、政策本来の目的を見失わず、政策決定のプロセスを大事にしていく佐賀県をつくっていきたいと思っています。  そして、「世界に誇れる」は、価値観が多様化する中でも変わらぬ価値を持ち続けている本県の歴史や文化、農林水産品、陶磁器等の「本物」の地域資源の価値を再認識して磨き上げ、世界に向けて情報発信していくことで、多くの方々から愛される、そして多くの方々から訪れていただく佐賀県を描いていきたいという思いを込めたものでありまして、佐賀県は日本というよりも世界という言葉がよく似合う「本物」の県であると思っています。  地域資源の磨き上げや世界に向けての発信、本県に新しい人の流れを呼び込むための取り組みに注力していきたいと思いますし、さまざまな分野において人と人が出会うこの交流というものが、さまざまな地域の発展のキーワードになっていくものと思っています。このような思いも込めた総合計画二〇一五を全力で推進していきたいと思っています。  続きまして、地方創生人口ビジョン関係の取り組み方針についてです。  地方創生を推進するに当たりまして、本県が目指すべき将来の方向につきましては、本県の人口減少を抑えて、将来にわたって地域の活力を維持することでありまして、その実現のためには安定した雇用の創出、本県への新しい人の流れ、結婚、出産、子育ての希望をかなえる、時代に合った地域をつくるといった四つの柱に沿って地方創生の取り組みを推進していきたいと思っています。  そして、規制改革ですとか特区のお話もございました。  私は地域が何かをしたいという思いの中で、「必要は発明の母」といいましょうか、そのためにこの特区制度ですとか規制改革が必要になってくるのだと思いますので、まずは地域がこうしたいんだと、地域独自の取り組みを実現したいんだという強い自発の思いを持っていただくことが大事だと思っていますし、そうした場合に各市町には特区制度の積極的な活用というものを期待したいし、そういう思いの市町が今も幾つかありますけれども、県は積極的にバックアップして、国に採択要請をする働きかけも、私みずからもやっていきたいと思っています。  そして、選挙権年齢の引き下げについての私自身の所見というお話がありました。  選挙権年齢の引き下げにつきましては、諸外国において十八歳以上を選挙権年齢としている国が多い中、そもそも未成年者がみずからの判断により政治的意思決定を行い得るかなど、これまでさまざまな議論を経た上での大きな政治的決断だったと考えておりまして、大変意義深いものだと思っております。  私は、ぜひ若い皆さん方に知っていただきたいのは、例えば、一九二五年に普通選挙が、要は納税額に関係なくてということで普通選挙が行われたり、一九四五年には、お話がありましたように二十歳以上の男女両方に投票権が認められました。これを実現するために先人の皆様方がいかに苦労してかち取った権利なのか、さまざまな議論の末にできた制度なのか、これはもう我々日本の歴史の中で多くの方々の思いの詰まった制度であります。そうしたことを、まずしっかりとわかっていただきたいという思いがあります。  そして、十八歳という年で投票をしようという動きがあるわけですから、一回目にぜひ行ってもらって、自分が参画するという習慣をずっと自分の生涯を通じて身につけていただきたいものだと思っています。  ただ一点だけ、私が若干うまく教育長にやっていただきたいなと思っていますのは、投票日段階で十八歳になった方に投票権があるわけですから、例えば、高校三年生のクラスでいうと、投票権を持つ方と、持っておらない方、要はクラスが分かれるわけですね。そういった問題について、若干ナイーブな問題があるのかなという気もいたしますが、ぜひそのあたりをうまく主権者教育をやれるような形をとってもらいたいなと。  それが、二十、いわゆる高校を卒業した後で投票権が与えられるのか、高校三年生で与えられるかというところでの違いがあるのかなと思っておりますので、いずれにいたしましても、この選挙権年齢が引き下げられて、多くの方々に政治に対する意識を持っていただくということが大事なことなので、多くの方が投票所に足を運んでいただきたいと思っておりますし、例えば、私も政治家として多くの方に投票に行っていただいて、そして支持をいただく、支持をいただかない、そういったところが私の知事としての仕事の原動力になるわけですから、多くの方々にぜひとも投票所に足を運んでいただきたいと念願するところでございます。  以上でございます。 7 ◎西中統括本部長 登壇=私からは、二つの項目につきまして御答弁申し上げます。  まず一点目が、地方創生についてのお尋ねのうち、本県の取り組み状況についてでございます。  昨年十一月に制定をされましたまち・ひと・しごと創生法などにおきまして、各地方公共団体はそれぞれ団体ごとの人口ビジョン、そして団体ごとの総合戦略を今年度末までに策定することとされております。したがいまして、昨年末からその策定に取り組んでいるところでございます。  今月九日には、「佐賀県における人口の将来推計」、いわゆる佐賀県人口ビジョンの策定を終えましたことから、現在は佐賀県版の総合戦略の策定に取り組んでいるところでございます。  今後は、国の地方創生先行型交付金を活用した事業の推進を図りますとともに、この九月には総合戦略の策定を終えまして、地方創生の取り組みをしっかりと進めていきたいと考えております。  なお、県内の市町も現在同様の作業を行っているところでございます。本県の人口推計に関しますデータの提供でございますとか、あるいは個別相談への対応、さらには有識者会議への参加などを通して連携を図っているところでございまして、今後もこういった取り組みを引き続き続けていくことによって支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。  続きまして、マイナンバー関係のお尋ねが五つございました。  まず一点目でございますけれども、マイナンバー制度の導入の意義と目的についてのお尋ねでございました。  制度導入の意義や目的につきましては、大きく三つございますけれども、まずは「国民の利便性の向上」、それから「行政の効率化」、そして「公平・公正な社会の実現」というものがあるとされております。  具体的に申し上げますと、例えば年金とか福祉の分野におきまして、その手当の手続におきまして、所得証明書や住民票などの添付が不要となるなど、手続の負担が軽減をされることになります。  また、行政機関の内部におきましては、正確な情報に基づき事務処理が行われることによって、事務の効率化や簡素化が図られることになります。  さらに、社会保障の分野におきましては、真に給付を必要とされる方や世帯を把握できますことから、きめ細やかな給付の実施が実現できることになります。こういったことが挙げられるところでございます。  続きまして、マイナンバー制度導入のスケジュールについてのお尋ねがございました。  平成二十五年五月に公布をされました「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、いわゆるマイナンバー法でございますけれども、このマイナンバー法におきましては、本年十月から国民お一人お一人にマイナンバーを付与する旨のお知らせがなされまして、来年一月から順次、社会保障、税、そして災害対策分野の手続の場面でマイナンバーの利用が始まることとされております。  また、平成二十九年一月からは、国の税、社会保障関係の機関の間で、マイナンバーを利用した情報のやりとりが開始されまして、同じ年の七月からは地方公共団体などとの間での情報のやりとりも始まるというスケジュールとなってございます。  このようなことから、県や市町では、現在既に情報システムを利用し事務を行っている各種の業務システムにつきまして、マイナンバー対応とするための改修が必要となってくるところでございます。  また、各市町におきましては、地方自治法に基づく法定受託事務といたしまして、本年十月から、先ほど申し上げましたマイナンバーのお知らせ、これは具体的には法定受託事務として市町が行うことになるんですけれども、各住民に対しましてマイナンバーを付与する旨のお知らせを行うこととなってございます。さらに、来年一月以降には、希望される方に対しまして、マイナンバーに加えまして、住所や氏名などが記載され、顔写真がつきました個人番号カードを交付する事務も行うことになっているところでございます。  三点目は、マイナンバー制度におきます国、県、市町の役割についてでございます。  マイナンバー法には、国の責務とともに、地方公共団体の責務が定められております。それぞれが責務に応じた役割を担うことになると考えているところでございます。  まず、国の責務でございますけれども、具体的にはマイナンバー及び個人情報の保護のために必要となります制度面での対応策やシステム面でのセキュリティー対策などを講じることになっておりますほか、マイナンバーの利用を促進するために、医療や介護の分野などの幅広い利用の検討と、それに必要となる対策を実施することが国の責務でございます。  一方で、地方公共団体の責務についてでございますけれども、マイナンバー及び個人情報の保護のために必要となる運営面の措置、例えば職員研修などによりまして、人的セキュリティー対策の推進を図ることとあわせて、国との連携を図りながら、それぞれの地域の特性に応じた利用施策を自主的かつ主体的に実施するものとされているところでございます。  議員のほうからは国民や事業者の方々への周知についてのお尋ねもございましたけれども、この点につきましては国に努力義務が課されているところでございます。  その国民、県民や事業者に対します周知についてのお尋ねでございますが、本年の十月から全ての国民にマイナンバーを付与する旨のお知らせがなされることに先立ちまして、現在国では、ポスター、パンフレットなどの印刷物の発行でございますとか、あるいはテレビ、ラジオ、新聞、そういったメディアなどを通じました本格的な広報を展開しているほか、コールセンターも開設をしてございます。こういったことを通して、さまざまな相談や問い合わせに対応しているところでございます。  また、マイナンバー制度の実務についてわかりやすく解説したガイドラインというものが策定をされております。その内容につきましては、一般の事業者向け、中小企業者向け、経営者向け、金融機関向け、そして自治体向け、そういった形で多彩なものが用意をされておりまして、インターネットを通じて無償で提供をしているほか、個人向け、そして法人向けのDVDも作成され、配布をされておりまして、制度の啓発が行われているところでございます。  さらに、国や地方公共団体情報システム機構などの関係機関の職員によります講習会、研修会の開催、出前講座、こういったものなども行っているところでございます。  また、県におきましても、国の職員を招いての説明会の開催などにも努めてきているところでございます。  マイナンバー関係最後でございますけれども、マイナンバー周知に関します県の積極的な支援についてというお尋ねがございました。  さまざまな周知広報を国が積極的に進める一方で、先ほど議員のほうからも御指摘ございましたように、制度の理解が進んでいないのではないかという報道がなされていることは、私としても承知をしてございます。  こうしたことから県におきましては、各市町が地域の個別の実情に応じて実施を計画しております周知広報につきまして、さらに効果的な理解の醸成につなげていくために、この八月を重点広報月間ということで位置づけをいたしまして、県内一斉に時期を合わせての広報の実施を提案し、取り組みを進めることとしたところでございます。  また、県内の税務署や年金事務所、ハローワーク、こういったところにおきましては、個別に説明会の開催などが計画されていたところでございますけれども、県内事業者の理解をさらに効果的に深めていただくためには、県として国の機関に働きかけを行い、事業者向けの説明会を県内各地で開催する取り組みを一体となって推し進めることとしてございます。
     このほか実際に手続を行われる県民とか事業者の方々に、その手続の場面で説明をする、そういったことも非常に大切な手段ではないかなというふうに考えてございます。これはなかなか難しい面もあろうかと思いますけれども、県としては、職員の教育や研修について力を注ぎまして、各それぞれの手続の場面で、マイナンバーを導入されたら、今度こうなりますからねという形で周知が確実に行えるような取り組みをしていきたいというふうに考えているところでございます。  また、各市町に対しましても、こういった県の取り組みを紹介いたしまして、参考にしていただいているところでございます。  いずれにいたしましても、県としては、国、そして市町のそれぞれの役割を果たしていただきながらも、県民や事業者の方々のマイナンバー制度への御理解と御協力を得るために、国、市町、こういった関係機関と連携をしながら、今後とも努力をしてまいる所存でございます。  以上、御答弁申し上げます。 8 ◎伊藤くらし環境本部長 登壇=私からは、「縁カウンターさが事業」について三点お答えいたします。  まず一点目、「縁カウンターさが事業」の予算及び実績はどうなっているのかということでございますが、本事業では、結婚を希望する二十歳以上の独身者へ一対一の出会いの場を提供する「さが出会いサポートセンター」を県内三カ所、この三カ所は佐賀と唐津と鳥栖で運営しておりまして、平成二十七年度予算額は四千八百六十九万一千円となっております。  これまでの実績ですが、平成二十七年三月三十一日現在の会員数は四百八十一名、内訳では男性が三百一名、女性が百八十名となっておりまして、平成二十六年度の引き合わせ実施件数は三百九件となっております。  また、平成二十七年三月三十一日現在の交際件数は二十四件で、平成二十六年度の成婚件数は二件となっております。これとは別に平成二十七年度分といたしまして、成婚の報告が五月末現在で二件あっております。  次に、「縁カウンターさが事業」の課題とはどういったものがあるかということでございますが、課題といたしましては、本事業では登録会員が会ってみたい相手を顔写真や年齢、職業、年収などのプロフィールにより検索するために、一定の年齢や年収の人に引き合わせの申し込みがどうしても偏ってしまうといった傾向がございます。そのために引き合わせを何回申し込んでも、相手の同意が得られずに、なかなか引き合わせまで至らないという相談があっております。  また、引き合わせが成立して、一対一で会って話をしてみるものの、なかなかうまく話ができずに交際までには至らないといった相談もいただいているところでございます。  次に三点目ですけれども、これまでの課題を踏まえて今後どのように取り組んでいくのかということでございますが、県といたしましては、本事業は新たな出会いの場の提供という観点で、また行政が取り組むということで、個人情報の取り扱いに重点を置いて進めてきたところでございます。今後はこれに加えまして、センタースタッフの対応力をアップさせて、会員とのコミュニケーションを図り、会員から相談があれば適切なアドバイスができるようなサービスの充実に取り組むことで、引き合わせの機会をふやし、引き合わせから交際への発展をお手伝いしたいと考えております。  また、独身者が婚活をスムーズに行うことができるよう、コミュニケーション力などの向上を目的としたセミナーを今後も続けて行うこととしております。  あわせて広報活動などを精力的に行うことで、会員数をふやし、会員の出会いの幅を広げながら、この「さが出会いサポートセンター」を十分に生かして、多くの方々の出会いの機会の創出につながるよう、今後ともしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 9 ◎石橋農林水産商工本部長 登壇=私からは、総合計画二〇一五についてのうち、ものづくり人財創造事業について、その背景、内容について御答弁申し上げます。  まず、その背景でございますが、本県の産業振興による経済の活性化を図っていくためには、県内企業の育成、あるいは企業誘致などを積極的に進めるとともに、担い手となる人材の確保や育成、こういったものを一体的に進めていくという必要がございます。  特に製造業につきましては、県内総生産額などから見て、県内産業を牽引する重要な産業でございますし、また、新規高卒の求人数も最も多いというような状況にございます。  ただ、そうした中で、工業高校を卒業した生徒の多くが県外企業に就職しているなど、人材の確保が容易でないという状況も一方でございます。  こうした中で、本県は近代産業技術を国内でいち早く取り入れるなど、これまで物づくりを大切にしてきた伝統がございます。また同時に、世界レベルのものを含めて、すぐれた物づくり技術を有する企業も数多くございます。こうした伝統を将来にわたり引き継ぐ必要があることから、物づくりを再評価する機運の醸成や人材の育成、あるいは技術の開発、技能の伝承を一体的に取り組むこととしたものでございます。  こうしたことを通じまして、製造業などにおける技術者や、例えば、家づくりに携わる建設技能を持つ人、そうした技術や技能を持つ人たちがこれまで以上に社会で尊敬され、そして、若者がさらに誇りと自信を持って物づくりに従事する社会の実現を図り、製造業など物づくり産業の振興につなげていきたいと考えたところでございます。  では、事業内容を具体的に申し上げますと、一つには、工業高校や小中学校などにおいて、産業界と連携して、いわゆる物づくりマインドを育み、継承していく取り組みとして、「ものづくり人財の育成」、そして、企業や物づくり技術等の研究開発支援、あるいは技能伝承の支援など「技術・技能の磨き上げ」、そして三点目が、物づくり現場の魅力の発信や物づくりに従事する人の顕彰など「ものづくりを再評価する機運の醸成」、この三点に取り組んでいくこととしてございます。  また、こうした取り組みを、今後、具体の事業化するに当たりましては、いわゆる金融機関を含めた産学官金から成ります「佐賀県型ものづくり人財創造・育成プログラム研究会」というものを設けまして、教育現場や産業界と連携して制度設計をしていきたいというふうに考えてございます。  今年度は先行的に企業の物づくり技術などへの研究開発支援、あるいは物づくり企業の情報発信などに取り組みながら、この研究会において来年度以降の本格的な事業の実施に向け、しっかり検討してまいります。  以上、お答えいたします。 10 ◎和泉県土づくり本部長 登壇=私からは、地方創生についての御質問のうち、土地利用に関する規制緩和の内容についてお答えいたします。  農地法などの農地制度のあり方につきましては、全国知事会を初めとする地方六団体の提言などを受けて、農地法第四条及び第五条の農地転用許可権限を地方に移譲することとされ、その内容を盛り込んだ第五次地方分権一括法が、先週の金曜日になりますが、六月十九日に成立したところでございまして、平成二十八年、来年の四月一日から施行となる見込みでございます。  具体的な権限移譲の内容といたしましては、二ヘクタールを超え四ヘクタール以下の農地転用許可に関しましては、これまで知事許可で国との協議が必要だったものが、国との協議が廃止され、四ヘクタール以下の農地転用許可は全て自治事務として知事が行うこととなるものでございます。  また、四ヘクタールを超える農地転用に関しましては、これまで国許可であったものが、法定受託事務として、国との協議を付した上で知事が許可することとなります。  さらに、優良農地を確保する目標を立てるなどの要件を満たしているとして、国が指定する市町村長につきましては、知事と同様の権限を有するものとして農地転用にかかわる事務権限を有することができるとされております。  今回の権限移譲により、農地転用の許可は地方の権限が拡大したため、地域の実情に精通した地域みずからが判断し、また迅速な事務処理が可能となるものでございます。  一方で、政令で定められている農地転用許可の基準については従来どおりとなっており、緩和はされておりません。  また、農地の総量確保に関しましては、国と地方が協議し、設定した目標面積について、地方も国とともにその達成に責任を負うことから、権限の拡大と同時に責任も大きくなると理解しております。  私からは以上でございます。 11 ◎古賀生産振興部長 登壇=私からは、総合計画二〇一五についてのお尋ねのうち、トレーニングファームについてお答えをいたします。  今回、トレーニングファームに取り組むことといたしました背景につきましては、本県農業をめぐる情勢が高齢化の進行により担い手農家が減少しておりまして、本県農業の大きな柱の一つでございます施設園芸におきましても、担い手農家が減少し、この状態が続くと県内産地が大幅に縮小してしまうことを懸念しております。  こうしたことから、施設園芸産地の維持発展を図っていくために産地みずからが幅広い担い手農家の確保、育成に取り組んでいただきたいと考えているところでございます。  このトレーニングファームの具体的な内容といたしましては、市町、農協など地域が主体となって、その地域におきまして重点的に振興する施設園芸品目、例えばイチゴやホウレンソウ、キュウリなどを選定していただき、その品目に取り組む就農希望者を研修生といたしまして、県内はもちろんのこと全国から募集をしていただきます。  選ばれました研修生は、みずからが生産、販売等の模擬経営を行いながら、最新技術を活用した栽培方法や雇用を取り入れた大規模経営のノウハウを習得するということを研修期間中にやっていただきたいと考えております。  市町、農協、生産部会、さらに農業改良普及センターなどが一体となって、研修期間中の技術習得はもちろんでございますが、就農までをしっかりサポートしていく体制で支援をしていきたいと考えております。  このようなシステムをトレーニングファームとして取り組んでいきたいと考えたところでございます。  なお、トレーニングファームの実施に当たりましては、市町、農協等が行います研修生募集や指導者の配置に係る経費、さらに研修用ハウスの設置に係る経費などに対して、県が助成をすることとしているところでございます。  県といたしましては、これまでの新規就農施策に加えまして、今回新たにトレーニングファームに取り組むことなどによりまして、本県農業を支える担い手の確保、育成がこれまで以上に進みますよう、市町、農協等と連携しながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上、お答えいたします。 12 ◎古谷教育長 登壇=私からは、選挙権年齢の引き下げにつきまして、二点お答え申し上げます。  まず、今回の選挙権年齢の引き下げについて、私の御所見をというお尋ねでございました。  学校におきましては、児童生徒がみずから課題を見つけて学び、みずから考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決しようとする資質や能力など、いわゆる生きる力を育むことを目指して日々の教育活動を行っております。  今回、選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられたことによりまして、高校生にとりましては、在学中や卒業直後に選挙権を行使する機会が訪れることになります。このことは、まさにそれまでに培われた生きる力がそのまま試されることになります。学校が果たすべき役割は大変重要であると認識しておりまして、適切な対応が求められるものと考えております。  今回の法改正を機に、将来を担う児童生徒に、自分が社会の一員であり、主権者であるという自覚とともに、主体的な社会参画に必要な資質能力を育むための教育に、より一層取り組んでまいりたいと考えております。  次に、今後の対応についてでございます。  学校におきましては、学習指導要領に基づきまして、日本国憲法の基本的な考え方や、我が国の民主政治、議会の仕組み、政治参加の重要性や選挙の意義などについて指導をしております。  今後は、そうした指導をさらに充実させ、児童生徒が社会参画していくために必要な知識、技能、価値観を育むための教育、いわゆる主権者教育を一層推進していく必要があると考えております。  特に高校におきましては、今回の法改正の趣旨を踏まえまして、政治参加の意識を高めていくための教育が必要でございます。  そこで、県教育委員会としては、学校及び生徒に対して、今回の法改正の趣旨や内容の周知を図ること。それから、学校において公民科や総合的な学習の時間において、国が作成する副教材を活用するなどして主権者教育の充実を図ること。それから、教職員を対象とした研修会を開催することなどに取り組んでまいります。  いずれにいたしましても、教育の政治的中立性を確保しながら、本県の児童生徒がより一層政治への関心を高め、将来にわたって主体的に社会に参画していくことができるように、しっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 13 ◎藤崎輝樹君 登壇=二点、再質問をさせていただきます。  初めに、選挙権年齢の引き下げについてでありますが、まず、知事に全体的な投票率が低下していることについて、確かに投票に行ってほしいという気持ちは選挙に出る者、多くの方がそういうふうに思っているわけでありますが、実情、投票率の低下がなかなか下げどまらないという実情を踏まえれば、やっぱり何らかの手だてといったものが必要ではないかというふうに考えます。  これまでにもいろんな改正がなされて、時間の延長や、また、期日前投票の簡素化など、いろんな取り組みがなされております。そういったこと以外にも、投票率が上がっていくようないろんな手だてといったものをやはり考えて、国に対し、また選挙管理委員会に対し提言をしていくことも重要ではないかというふうに考えております。  改めて知事に低下している投票率を向上させていくことに対して、知事の考えをお尋ねしておきたいと思います。  もう一点、選挙権年齢の引き下げについてでありますが、答弁を聞いておりまして、非常に気持ちはわかりますが、他人ごとのような答弁と受けとめました。やっぱり今回、法改正が行われて、知事は教育大綱を策定するわけであります。教育委員会と総合教育会議を開いて、これは知事の責任のもと開くわけでありますし、無論、教育における政治の中立性ということからいえば、その立ち位置は制限があります。  そうはいっても、総合計画の中でも最も重要な人づくり、ここはやはり教育であります。その教育をどうするのかということを話し合う総合教育会議、こういった場において、主権者教育についてどういった指導をしていくのか、知事は行政のトップとして意見、また議論といったものをしていくべきであろうというふうに私は考えます。総合教育会議においてのそういった議論について、知事はどのように考えているのか質問させていただきます。  また、古谷教育長に対して質問をさせていただきますけれども、生きる力を身につけさせていくということは当然でありますし、また何度も言いますが、中立という、そういう大事なことを鑑みれば、おのずとやるべきことというのは見えてくるかもわかりません。しかし、子供たちが実際に投票に行って、そして投票をするという行動の中には、政策判断や、またいろんなことを加味しながら判断していくということになるわけでありますから、そういう意味では私は学校現場が開かれた中で、そういう政策的な議論といったものがなされてもいいのではないかと、無論、選挙運動は禁じられますけれども、私はそういう意味において政策の議論、また模擬の投票など、そういったことをより一層充実させていくことが重要だと思います。踏み込んだ答弁を再度求めたいと思います。  二つ目に、「縁カウンターさが事業」についてでありますけれども、少子化対策、知事は九州地域戦略会議において、そのPTのリーダーとしてこれからまた頑張っていただくわけであります。この少子化対策においては、本当に難しい問題としてこれまでなかなか遅々として成果を上げずにおります。課題が雇用の問題から始まり、子育て支援、また不妊治療や、それこそ出会いの場、そういったいろんな多岐にわたる省庁をまたがり、各部署をまたがった対策が必要ということから、やはり強いリーダーのもとの指導が必要であろうと私は考えます。  その中で、初めの出会いの場となる「縁カウンターさが事業」、これは本来、民間が担ってより進めていく事案であったけれども、この期に及んでは、県も腰を上げなければならないということで取り組まれたんだろうというふうに思っております。そうであるならば、個人情報の保護にかかわる事案等もあって慎重になるのはわかりますけれども、例えば、実際に勇気を出して、その出会いサポートセンターに足を運んだ方の話を聞きますと、なかなかうまくいかず、スタッフの方から「今回もだめでした」と、何度もそういった返事のみが返ってくる、なぜだめだったのか、どういうところをもっと努力しなきゃいけないのか、そういうアドバイスもない中で、より自信を失っていくだけではないか、そういう声も実情もあるわけであります。  無論、この「縁カウンターさが事業」は、結果を出すことのみが目的ではなくて、風土、土壌、そういう出会いの場といったものに足を向けていこう、結婚したい人たちが勇気を持って行動しよう、そういう土壌を盛り上げていく、そういう大きな役も担っているわけでありますけれども、私はその出会いサポートセンターで働いている方々がもっと真剣に親身になって、それこそ自分がかかわった、そして成婚された、そういう場合においては一生涯つき合いをしていくような、それぐらいの心構えといったものを持って、ぜひその事務所内で働いていただきたいというふうに私は思います。  そういう意味においては、これは委託をしておりますけれども、委託をして終わるんではなくて、もっと所管の部署においてより一層かかわっていただきたい。例えば、その事務所で働くスタッフの採用については、もっと踏み込んで県もよく見きわめをしていただきたい。真面目でしっかりとした皆さん方がやっていただいておりますけれども、もっと人生を積み重ねて、いろんな経験を踏んで、そして人を見る目、そういったものを培った、より御年配の方とか熟達した経験の豊富な方、そういった方等にもぜひ働いていただいて、そしてかかわっていただきたいというふうにも思います。  この出会いサポートセンター、「縁カウンターさが事業」について、知事、少子化対策についてはいろんな思いがあろうかと思います。男女共同参画においても、また、子育て支援での夫婦間の協力においても、知事はいろんなことを率先してやっておられますし、そういう意味において、この「縁カウンターさが事業」に対する知事の考えといったものをぜひ聞かせていただきたいと。そして、知事もこれにかかわって、より機運を盛り上げていただきたいと思いますので、二項目について再度質問とさせていただきます。 14 ◎山口知事 登壇=藤崎議員の再質問にお答えしたいと思います。  まず、投票率の向上の問題がありました。私も投票率の向上に向けて全力で頑張っていきたいと思っています。  私も平成三年から六年まで総務省の選挙課というところで働いておりまして、いわゆる小選挙区比例代表並立制というものの導入の法改正作業に携わっていたんですけれども、それ以降も、例えば期日前投票も議員おっしゃったように、大分要件が緩和されたりとか、それから投票時間の問題もありますし、国政選挙においては在外選挙といって、海外からも投票できるようにとか、さまざまな改革はなされてきたものと思います。実際のところの問題として、投票所の数が減ったとか、そういった課題もあると思います。できる限りそういった投票環境を整えることについては、積極的に私も取り組んでいきたいと思いますし、国に申し上げるところはしっかりと申し上げていきたいと思っていますけれども、私は何よりも課題なのは意識の問題だと思っています。  そして、戦後の復興、そして経済重視の右肩上がりの時代の中で、どこに入れてもというような感情がもしあったとすれば、少なくともこれからの時代は選択の時代になっていくと思います。先ほど地方創生のお話の中でも、地域によってどういう議会か、どういう首長なのかといったところによって、方向性がかなり変わっていくということも十分予想されるわけですから、今まさに、先ほど答弁申し上げたように、さまざまな思いの中でできた制度をしっかりと県民の皆さん方が認識して、そういう意識をまず持つことが何よりも大切なのかなと、単に環境だけを整えるということではなくて、投票行動なので、その投票に行っていただくこの魂の部分をしっかりとわかっていただくということが大事だと思います。  そして、藤崎議員からの御提言がありました総合教育会議、これもせんだってやらせていただきまして、部活の問題なんかでかなり盛り上がりまして、やはりそこで結論が出るということでなくても、さまざまな議論を我々知事部局側と教育委員の皆さん方で話し合うというのはとても意義があるというふうに我々思っておりますので、この選挙権年齢引き下げの問題についても、教育委員の方々ともぜひ意見交換をさせていただきたいと思ったところでございます。  それから、二点目の結婚支援の問題でございまして、これも大分県知事から頼まれて、私もいろいろ九州の課題などを勉強させていただきました。佐賀県は合計特殊出生率が一・六三ですか、全国平均の一・四二よりも高くあります。そうした環境にあります。そして、十四歳以下人口のシェアは、一番高いのが沖縄県で、二位が滋賀県、三位が佐賀県ということで、要するに結婚いただけると、その家庭がすばらしいのか、子供がそれなりにしっかりと誕生してくれるという子づくり県であるというふうにも思っているんですけれども、その前段階で結婚をしていただくと、結婚の願いがかなう社会にするという、なかなか本来、藤崎議員がおっしゃるように、余り行政がどこまでやるのかという難しい課題がある分野において、しかし、これからの佐賀県の活力を考えた場合に、多くの方々に出会いの場が必要だというふうに思っているわけであります。  できる限りそういったチャンス、出会いの場ということの情報提供がしかるべき多くの手段でできるようにということが一点と、もう一点は、やはりそういう場に行くということに逡巡している方がまだまだ多いということでありますので、さまざまなきっかけでそこにお集まりいただくと。出会う場ですよという形でお会いいただくんじゃなくて、さまざまなコンベンションをやっていくということが重要なのかなというふうに思いますし、やはり一番の根源的な問題は賃金の問題というか、やっぱり生活をして、二人で暮らしていったほうがベターなのかどうかという問題もあります。  さまざまな複合的な要因が多くあるわけでございますけれども、いずれにしても九州は、結婚をして子育てするには最適の環境を持っていると私は思いますので、さらに九州各県とも提携もしながら、そういう長所を生かした形で全国にPRしていくということと、最後にもう一点、男性の皆さん方がもう少し育児に参画していただけると、九州はかなり進んでいきます。例えば、土日にゼロでなくて、二時間だけでも育児に参画することで次の子供を育てようという方が五倍ふえるというデータもありますから、九州男児の皆さん方に、九州ダンディーとでも申しましょうか、そういった価値観を少しでも持っていただくようにしたいなと思っているきょうこのごろでございます。  以上でございます。 15 ◎古谷教育長 登壇=藤崎議員の再質問にお答えいたします。  高校生にもっと政治に関心を持ってもらうためにも、これまでより踏み込んだ取り組みを行うべきではないかというお尋ねであったと思います。  県教育委員会といたしましては、今回の法改正の趣旨を踏まえまして、学校の政治的中立性を確保しながら、そこには留意しながらでございますけれども、高校生が政治に関心を持ってもらうような、そういう工夫した取り組みというのが学校には求められるというふうに受けとめております。  今後、文部科学省のほうからも、ことしの夏から秋にかけまして、模擬選挙などの実践例、あるいはワークシートなどを盛り込んだ政治や選挙などに関する指導の充実を図るための副教材が全ての高校生に配布される予定になっております。こうした教材を活用した指導の充実を図るほか、関係機関と連携した模擬選挙などの体験活動、あるいは出前授業など工夫した取り組みを紹介するなど、学校の指導の充実を推進してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 16 ◎議長(中倉政義君) 暫時休憩します。     午前十一時五十八分 休憩 平成二十七年六月二十二日(月) 午後一時一分  出席議員    三十五名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三一番  竹 内 和 教     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三二番  石 井 秀 夫     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三三番  留 守 茂 幸     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三四番  石 丸   博     五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三五番  木 原 奉 文     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三七番  石 倉 秀 郷     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     三八番  桃 崎 峰 人     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  服 巻 稔 幸     二七番  武 藤 明 美    一二番  川 崎 常 博     二八番  稲 富 正 敏    一三番  定 松 一 生     二九番  徳 光 清 孝    一五番  米 倉 幸 久     三〇番  藤 木 卓一郎
    欠席議員    二名    一四番  八 谷 克 幸    三六番  中 倉 政 義 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          統 括 本 部 長    西  中     隆          くらし環境本部長     伊  藤     正          健康福祉本部長      船  津  定  見          農林水産商工本部長    石  橋  正  彦          県土づくり本部長     和  泉  惠  之          経営支援本部長      山  口  康  郎          文化・スポーツ部長    白  井     誠          国際・観光部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       古  賀  俊  光          交通政策部長       西  村     平          会 計 管 理 者    西  村  宏  之          公 安 委 員 長    吉  冨  啓  子          警 察 本 部 長    今  林  寛  幸          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       中  島  博  文          同    副事務局長          総務課長事務取扱     大  塚  武  司          議事調査課長       毛  利  明  彦          政務調査室長       白  濱  光四郎          総務課副課長       松  本  定  利          議事調査課副課長     篠  田  博  幸          政務調査室副室長          記録担当係長事務取扱   島  内  直  樹          議事調査課議事担当係長  山  口  義  徳          同  議事担当副主査   井  上  智  宏         ○ 開     議 17 ◎副議長(石倉秀郷君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。 18 ◎武藤明美君(拍手)登壇=日本共産党の武藤明美でございます。通告に基づき、一般質問を行います。  暴走を続ける安倍政権は、事もあろうに、集団的自衛権行使のための安保法制を今国会を延長してまで押し通そうとしています。憲法審査会で自民党推薦の憲法学者を含めた学者たち全員がはっきり憲法に違反すると述べており、国民の間では今国会で成立させるべきではないという声は八割に上っています。違憲の法案を強行するのは、立憲主義にも民主主義にも反するものです。会期延長で強行するのではなく、廃案にすべきとまず主張しておきます。  さて、集団的自衛権行使の名のもとに、軍事基地となり、攻撃部隊の出撃基地にされようと狙われているのが佐賀空港です。昨年七月末にこの問題が急浮上し、県民は国の突然の押しつけに怒り、心を痛めてきました。十一月十七日に前知事が辞任を前にしながら先走った発言をしたことで、県民から驚きと怒りの声が上がりました。この問題で前向きの姿勢を示した知事候補ではなく、山口知事が誕生したことも県民の思いのあらわれです。二月県議会で山口知事が佐賀空港へのオスプレイ配備等の問題について白紙だとおっしゃいましたが、当然のこととして県民は受けとめております。  前の知事は、佐賀空港に他国からミサイルが発射されたら迎撃すると聞いているから心配ない、こんなとんでもない答弁を行いましたが、郷土と県民が危険にさらされることを理解していない無責任なものでした。私は山口知事に、県民の命と暮らし、安全を守ることを最優先に考えていただきたいと願います。オスプレイの配備問題等の佐賀空港の軍事利用についても、それを判断の基準にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  五月十七日に起きたハワイ・オアフ島でのオスプレイ訓練中に着陸に失敗、二人が命を落とし、二十人が入院中という重大な事故がありました。まさに県民が心配していた中での事故です。これについてはどう受けとめておられるのでしょうか、お示しください。  佐賀空港の地元自治体の長である秀島佐賀市長は、佐賀空港について公害防止協定で県が自衛隊との共用は考えていないと覚書の付属資料で記している点について、これを守るのは当たり前のことだという意思を表明しておられます。私も、これまで県が県民に対して約束してきたことだし、それは当然守るべきだと考え、そう主張してまいりました。山口知事におかれては、県民との約束である公害防止協定及び覚書付属資料について、どう理解しておられるのか御答弁ください。  空港のある佐賀市川副町においては、昨年八月、佐賀空港へのオスプレイ等の配備問題で地元対策協議会が組織されていました。六月七日にはこの組織の改編を行い、明確に受け入れに反対の決議をして、意思表示をされました。名称も、「佐賀空港への自衛隊オスプレイ等配備反対地域住民の会」と改められました。県内では既に反対を表明している市民団体もありますが、地元からの意思表明は初めてであり、これが佐賀市内での組織拡大につながることも予想されます。知事はこういった住民の反対の動きをどう受けとめておられるのか御答弁ください。  今、佐賀県内で明るい話題として県民から歓迎されているのが東よか干潟や肥前鹿島干潟のラムサール条約の登録です。三重津海軍所跡の世界遺産登録も期待が高まっており、今議会でも誘客対策等が予算化されています。また、来年、二〇一六年には熱気球世界選手権大会が佐賀市で開催されます。平和な佐賀の空だからこそ、世界のバルーニストたちは佐賀での競技を楽しみにしています。こうした文化や自然環境を誇りに思い、大切にしなければならない佐賀県において、佐賀空港が軍事基地化され、オスプレイが飛び交うことは、相反することではありませんか。このことについて知事はどう思うのか御答弁ください。  佐賀空港の将来像について、一問目の最後としてお尋ねします。  今議会にLCCを中心とした九州のゲートウエー空港としての方向が示されています。県総合計画二〇一五との整合性を図りつつ、十年以上の将来像として、アジアを中心とした国際線の増便や国内線の増便を第一、第二、第三ステージと強化していくロードマップになっています。そのためにも、滑走路を二千五百メートルに延長するとのことです。この構想には、オスプレイ配備等の軍事基地としての佐賀空港の姿はどこにも見当たりません。また、この構想を現実のものとしていくためには、軍事基地としての併用はあってはなりません。知事はそれについてどう考えておられるのかお示しください。  次に、原発問題です。  福島原発事故から四年三カ月、この間、玄海原発の立地県である私たち佐賀県民にとっても決してよそごとではありません。十二万人の人たちがいまだにふるさとに帰れず、甲状腺がんなど、異常があらわれている子供たちもふえています。事故収束のめども立たず、汚染水も漏れ続けているのに、原発再稼働に進もうとしている安倍政権と原発利益共同体に各地から怒りの声が上がっています。特に鹿児島・川内原発の再稼働の動きに対し、六月七日日曜日、福岡の舞鶴公園での集会は、九州各地から一万五千人が集まり、昭和通り、明治通りなどの三コースのパレードが連なり、原発ノー、再稼働反対のコールが響き渡りました。佐賀県では、さきの県議選で、唐津市東松浦郡選挙区から原発再稼働許さないという思いが、日本共産党の井上祐輔県議の誕生という形であらわれました。このことをきちんと受けとめるべきです。  まず、再稼働について質問します。  川内原発の再稼働は、県や地元の議会が賛成多数で了解したとはいえ、書類の不備などが言われ、鹿児島県民だけでなく、全国各地から反対の声も多く聞かれています。そして、進む事態が遅くなっています。相次ぐ地震や火山の爆発があり、容易に再稼働させてはならない状況にあります。特に川内原発が再稼働すると、九州では次に玄海原発が狙われるのは誰もが心配していることです。山口知事は、安全が確認されたら再稼働すると言われましたが、規制委員会の田中委員長でさえ、審査に適合したといっても安全だというわけではないと繰り返しています。知事の安全確認は何を根拠にしようとしているのでしょうか、お示しください。  さらに、避難計画がどんなに不十分でも、経産省や電力会社は避難計画と再稼働はセットではないと考えるとしています。例えば、避難道路がパニック状態で渋滞しようが、避難の際に一旦原発の近くまで来なければならないなどの矛盾があったとしても、避難計画は無視して再稼働を進めようという考え方、これは私は問題だと思います。山口知事は、県民の安全を守る立場で避難計画の問題を真剣に取り組んでいくべきです。避難計画が不十分なままでの再稼働はあり得ませんが、どうお考えでしょうか。  次に、玄海一号機の廃炉の問題についてです。  九州電力は、ことし三月十八日、玄海一号機の廃炉を決定いたしました。これまでも私は、住民運動の皆さんとともに、一号機の原子炉圧力容器が中性子照射によって劣化が進み、大変危険な状態にあることを指摘し、廃炉を求めてきました。東大の井野名誉教授の指摘も雑誌などで取り上げられ、一号機の老朽化は誰の目にも明らかなことになっています。四十年になる一号機が、運転延長ではなく廃炉の決断が下されたのは当然のことだと思います。  そこで、今後は施設の解体撤去などの廃炉作業に入っていくわけですが、これからどういう手続があるのか、作業開始までのスケジュールなど、知事は九州電力から報告を受けておられるのかどうか、受けていたらそれを明らかにしてください。  また、廃炉作業に当たっては、放射性物質が存在することに変わりはないのです。終了するまで、慎重な上にも慎重な対応を行うよう強く求めていくべきですが、いかがでしょうか。  玄海一号機については、これまで約四十年間に及ぶ中で、さまざまなトラブルが発生してきました。これに対する対策も行ってきたものです。そして、これからは九州電力として初めての廃炉作業を行うものです。玄海一号機における対応の記録は、原子力発電に対する貴重な教訓も多く含まれていると思います。そうした記録について、九電にしっかり残しておくよう要請するとともに、県として記録の報告を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。  次に、原子力安全協定についてです。  県と玄海町、九州電力で締結しているものは、立入調査や事前了解の項目が含まれていますが、玄海原発から近いところで一キロメートルに満たない地域もある唐津市では事前了解の権限はありません。唐津市民の中には、この現状に不安や不満があり、立地自治体並みの協定書締結を求める声があります。この声を受けとめ、県としても努力をすべきではないでしょうか。  また、三十キロ圏内の伊万里市でも市長を初め、立地自治体並みの安全協定締結を求める声が上がっています。県も協力を求められていると思いますが、しっかり後押しをしていくべきです。どう対応されるでしょうか。  次に、九電の土地取得問題についてです。  このほど玄海原発周辺に十ヘクタールの土地を取得する手続を九州電力は行っています。関係住民には資材置き場にすると説明していますが、そうであれば借地でいいのではないかという指摘もあります。また、資材置き場は口実で、将来、五号機や中間貯蔵施設になっていくのではないかという心配の声もあります。  用地の提供者は、中間貯蔵施設や五号機増設なら契約の判こは押さない、そう言ったそうですが、そうはしないと九電の口約束のまま売買をされていくようです。  将来、そういった施設がつくられるなら、私たち県民にとっても重大な問題です。本当に資材置き場や事故時の電源車配置のための用地としての利用であれば、発電所増設や中間貯蔵施設にしないという確約をとり、文書を交わすべきではないでしょうか。知事として、いかがお考えでしょうか。  次に、子育て支援についてです。  少子化問題が今、避けて通れない問題となっています。佐賀県総合計画二〇一五でも、知事の演告にも「子育てし大県」という言葉で示されるように、出会いから子育てまで切れ目のない支援の強化を図るとしています。  しかし、事業内容を見てみると、安心して子供を産み、健やかに育てることができる環境の整備を図るという説明はありますが、相談会を開く、検討会を開催する、講座を開催するなどの事業にとどまっていることが多く、率直に言って物足りなさを感じています。  「子育てし大県」、大きな県──大県というからには、もっと具体的に踏み込むべきではないでしょうか。  例えば、出会いがあっても結婚して子供を産むという決断が難しいことも少なくありません。安心して結婚し、子供を産み育てるためには、若い世代の働く環境、賃金などの問題が大もとにあります。  全国的にも若い人の二人に一人が非正規と言われるように、安定した雇用に恵まれず、県内の最低賃金は全国ワーストワンや二位を行ったり来たりしています。そこを改善しなければ、子供を産み、子育てすることが困難です。それについてどう認識しているのか、どう改善を図ろうと思うのか御答弁ください。  また、妊娠から出産までの市町と連携した切れ目のない支援についてです。  この期間には、妊娠鬱や産後鬱になる場合もあり、子育ての不安に応えていくことがとても大切だと思います。母子手帳を交付した時点から継続した支援ができるシステムを構築して、ぜひ取り組んでいただきたいのです。市町との連携が求められますが、県はどのように取り組まれるのでしょうか。  次に、県内での子育て支援事業として、保護者の経済的負担を軽減すべきです。これがとても大事だと思います。  まず、子供医療費助成制度の拡充を求めます。  平成二十四年度から小学校入学前までの制度になりましたが、市町で独自に上乗せをし、小学校卒業まで、もしくは中学校卒業まで、または十八歳までと助成しているところも出てきました。  県が制度を拡充すると現物給付方式になります。市町の上乗せ部分は償還払い方式のままです。手続が大変だ、数カ月後にしか返ってこないとの声があることをこれまでも何度も紹介してきました。  せめて義務教育を終了するまで県の助成制度を広げていただき、現物給付にしていくことが子育て支援になるのではないでしょうか。改めて知事に対象年齢拡大を求めますが、いかがでしょうか。  次に、第二子、第三子を持ちたいと思っても、経済的にはなかなか大変な状況があります。  知事が以前勤務されていた鳥取県では、このほど国の制度を超えて、同時期に保育園に在園しなくても第三子からの保育料無償化を県の制度として、県二分の一、市町二分の一負担で実施すると聞いています。  佐賀県でも子育て支援策の一つとして、多子世帯の保育料軽減、無償化を市町と連携し、進めていただきたいのですが、いかがでしょうか。  また、学校給食は児童生徒の心身の健全な発達に資するものですが、保護者からは負担が重いという声もお聞きしています。子育て支援や子供の貧困対策として、県内の自治体で学校給食費への助成が始まりつつあり、太良町ではこの四月から子育て応援の施策として実施され、県民から注目をされています。  全ての子供たちが健やかに成長していくためにも、市町の足並みがそろうよう県としても応援をしていただきたいのです。ぜひ検討されるように求めますが、いかがでしょうか。  次に、生活保護行政についてです。  高齢化したり、病弱だったり、無年金や低年金の人、また、高齢でなくても職につけない人など生活保護受給者はふえ続けています。ところが、三年連続して生活扶助基準額が引き下げられ、住宅扶助、冬季加算が減らされています。  お一人お一人の条件によって計算方法や基準が違っていますけれども、佐賀市内のひとり暮らしの方からこれでは暮らしていけないと相談を受けました。平均基準からいっても、一カ月二百六十円と扶助費が削られ、冬季加算、つまり灯油代に充てるものですが、一カ月二百七十円削られています。合わせて五百三十円マイナスになっています。  一日のおかず代になるというその人たちが、削られていることをとても苦しんでおられるんです。七万二千円台が一カ月暮らしていくのは精いっぱいというこの状況です。  しかも、病院に通う際、目も足も御不自由な方がバスで行くこともあれば、体調が思わしくないときはタクシーに頼らなければならないという事態もあります。三度の食事を二度に減らして、または友人、知人とのおつき合いも目をつぶって暮らしていかなければならない、そうおっしゃっているんです。  県は生活保護扶助費の基準切り下げの実態がどういうふうになっているのか、つかんでおられるでしょうか。  また、通院のための移動費、バスなど、そして、特にタクシー利用の際、申請をして通院費が支給されることが受給者の方たちにはなかなか伝わっていません。該当する人たちに窓口できちんと伝えるべきですが、改めてその改善を求めます。いかがでしょうか。  次に、住宅・店舗のリフォームについてです。  住宅リフォーム助成制度は、二〇一一年秋から県の制度として三年間行われ、三十億円の県の基金をもとに県内の地元業者に発注することにより三カ年取り組みました。そして、四百五十億円の経済波及効果を生んだこと、これまでも県当局は述べてこられましたし、施主である県民の皆さんにもリフォームを請け負う業者の皆さんにも大変喜ばれた制度でした。  リフォーム希望者は今も多く、耐震化、省エネ化のためにも進めなければなりません。波及効果も大きく、県民も施工業者も望んでいる住宅リフォーム助成制度を復活していくべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。  また、店舗のリフォームについては、住居とは別に中規模事業者である中小零細の事業者、商店街の活性化にもつながっていくもので、店舗リニューアルとも言えるでしょうが、群馬県高崎市が行ってから全国的に注目を集めています。これについても佐賀県として取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  また、国では小規模事業者持続化補助金の中で集客力を高めるための店舗改装費も補助対象にしているとお聞きしています。これについて県も積極的に取り組み、小規模事業者への支援をしていくべきですが、現状はどうなっているのか、また、今後どうしようと考えているのか御答弁ください。
     次に、教育行政です。これは少人数学級の前進について求めたいと思います。  私は、これまでも父母、県民の願いである少人数学級を全ての学年に広げてほしいと求めてきました。一人一人の子供たちに行き届いた教育を願う県民の皆さんの運動が大きな世論を広げ、時に二十八万筆、あるときは三十二万筆と数年にわたる署名運動が続けられ、県独自の小学校一、二年生、中学校一年生の三十五人以下学級へと実を結びました。  今では全国的にも少人数学級を実施しているところが多数となり、県によっては全ての学年で実施しているところもふえています。  佐賀県の要求運動は早かったんですけれども、実施に至ってはおくれをとっています。これでは都道府県の中で格差が広がるばかりではないでしょうか。  佐賀県としても独自の努力で実現する必要はないでしょうか。一向に進んでおりません。少人数学級の前進を求めます。  二つ目に、本来、これらの施策は国が行うべき問題ではあります。国は地方の動きに後押しをされて、やっと二〇一一年度から小学校一年生で実施、二〇一二年度は予算措置で小学校二年生の三十五人学級を実施しましたが、その後は三年連続見送られてきました。  ところが、ことし二月二十三日、衆議院予算委員会では、小学校一年、小学校二年は三十五人学級を実現しているが、さらに三十五人学級の実現に向けて鋭意努力をしていきたいと総理も答弁しています。  これを現実のものとするために、小学校三年生以上の三十五人以下学級を推進するよう国に求めていくべきです。いかがでしょうか。  三つ目に、全国的な取り組みや佐賀県の取り組みの中から、少人数学級の効果についてどのように考えておられるのか、認識しておられるのかお示しください。  次に、警察行政についてです。  三月から着任されました警察本部長に質問します。  安心・安全な県民生活を維持するためには、さまざまな取り組みが必要です。  佐賀県では、残念ながら人口十万人当たりの人身交通事故件数が三年連続ワーストワンという交通情勢があり、特殊詐欺事件でも被害額が一億円を超えています。さらにはストーカー・DV事案、また暴力団や薬物問題も県民生活に不安を与えています。  佐賀県警としても、こういった問題について日ごろから取り組んでいただいておられますが、今林県警本部長のこういった課題への認識と取り組む姿勢、決意について御答弁ください。  次に、県民からの情報提供とその対応についてです。  県警に対して、県民の皆さんからさまざまな情報提供や相談なども寄せられていると思います。DV、ストーカーの相談や暴力団等に関する情報提供などもあると思いますが、適切に速やかに対応していただきたいと県民からの声をお聞きします。大きな事件に発展しないよう適切に対応すべきです。  県警は、県民から寄せられた情報をどう受理し、どう対応しておられるのか御答弁を求めます。(拍手) 19 ◎山口知事 登壇=武藤明美議員の御質問にお答えいたします。  まず、オスプレイ配備要請に関しまして、判断の基準についてのお尋ねがございました。  今回の防衛省からの要請につきましては、県民の安全・安心を第一として対応させていただきたいと思っています。  続きまして、ハワイでのオスプレイ事故についてですが、ハワイでの事故はニュースでも大きく取り上げられたところでございまして、事故原因をしっかりと究明して、できるだけ早く公表してもらうことが大切だというふうに考えているところでございます。  続きまして、公害防止協定についてのお尋ねがございました。  公害防止協定の覚書付属資料におきまして、「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えは持っていない。」との記載がなされています。一方で、「また、このことは協定第三条の『空港の運営変更』にもなることであり、当然に『事前協議』の対象となるものであると考える。」という、「また」以下の記載があるわけでございます。公害防止協定につきましては、もちろん、尊重しなければならないものでありますが、当事者の現在の思いというものもまた大切だというふうに思っているところでございます。  続きまして、地元住民による反対の動き、そして、自然環境や文化との関係についてのお尋ねもございました。  地元住民による反対の動きがあったことについてどう思うか、また、佐賀の重要な自然や文化が存在する佐賀空港周辺の空をオスプレイが飛ぶべきではないと考えるがどうかという御質問をいただいておりますけれども、何よりもまずは防衛省に提案の入り口として計画の全体像や将来像を明確に示していただくことが肝要だと思っているところでございます。  続きまして、「佐賀空港がめざす将来像」との関係についてのお尋ねがございました。  今回の「佐賀空港がめざす将来像」は、民間空港としての佐賀空港の将来像を示したものであります。防衛省からの要請につきましては、提案の入り口として計画の全体像や将来像を明確に示してもらうことが肝要と考えておりますけれども、いずれにいたしましても、民間空港としての佐賀空港の輝かしい発展を目指していく覚悟でございます。  続きまして、玄海原発の再稼働につきまして、その安全の根拠などについてのお尋ねがございました。  原子力規制委員会の田中委員長の発言を引用いたしますと、例えば、「私──これは田中委員長ですが──私が申し上げているのは、科学的に一〇〇%安全、要するにゼロリスクはないんだということを技術にはそういうことを言っているわけです。これは別に私が言っているわけではなくて、大体技術が一〇〇%安全ですといった途端に大体間違えだからそういうことは言わないし、言った途端に安全性を向上させるというか安全のレベルを上げるための努力を放棄することになる」といった発言をなされているわけです。  一方で昨年、原子力規制委員会が川内原子力発電所について、規制基準に適合しているとして許可を行った際、田中委員長は、「法律に基づいて運転にあたり求めてきたレベルの安全性が確保されることを確認した」と述べられており、全く無責任に「安全を担保しない」といった趣旨を発言されているものではないと認識しています。  いずれにいたしましても、原子力規制委員会においては、規制基準に基づき厳格な審査を行っていただくことが最も重要だと思っておりまして、県としてはその状況を注視してまいりたいと思ってございます。  続きまして、再稼働と避難計画についてのお尋ねがございました。  原子力発電所の再稼働につきましては、安全性が確認されることが大前提でありまして、原子力規制委員会において、厳格な審査を行っていただくことが必要だと思います。また、県地域防災計画のほか、関係市町や医療機関、福祉施設の避難計画など、基本となる計画は策定済みであります。原子力災害が発生した場合には、これらの計画に沿って実際の災害状況に応じた万全な対策をとるわけでございます。災害対策は、これで終わりということはありません。常によりよい地域防災計画や避難計画となるように、不断の見直しをしていくことが肝要だと思います。そして、最後に計画を運用するのは人でありまして、効果的な訓練によって、より実践的な体制をつくり上げていきたいと考えております。  続きまして、一号機の廃炉作業の手続についてのお尋ねがございました。  玄海一号機の廃炉に係る今後の手続やその時期などにつきまして、九州電力さんから、直接私が話を聞いたことはございません。  さらに、慎重な対応の要請についてのお尋ねもございました。  施設の解体撤去等の作業に当たりましては、慎重な対応が必要だという武藤議員の御指摘については、私も全く同感でございます。先般、九州電力の瓜生社長が一号機の廃炉決定を報告に来られた際には、その対応に当たった坂井前副知事からも、作業に当たっては、安全に万全を期するように強く申し入れをしたところです。今後も玄海町と協議しながら、九州電力の解体撤去等の作業が安全第一できちんと行われるようにしっかりと注視していきたいと考えているところでございます。  続きまして、記録についてでございます。  御指摘のように、貴重な教訓になるような記録をきちんと残すということは重要なことだと思います。そして、そうした記録につきましては、つかさつかさで残すべきところがきちんと責任を持って保存して活用するとともに、必要に応じて公開すべきだと思います。  玄海一号機に関する過去の記録、あるいは今後の廃炉作業に係る記録などについて申し上げれば、当事者である九州電力において、きちんと保存するべきと認識しております。  なお、県といたしましては、安全協定に基づきまして、事故、故障の発生も含めて玄海原子力発電所の保守運営状況について、定期的にあるいは随時九州電力から情報提供を受けているところでありますが、九州電力における具体的な記録の保存や公開状況につきましては、担当本部長から説明させたいと思います。  続きまして、唐津市の協定についてのお尋ねがございました。  安全協定につきましては、お互いに相手のあることでございまして、基本的には当事者同士が協議、納得して締結すべき問題であります。唐津市の行政につきましては、市長や市議会が市民の皆様の御意見を伺いながら、進められているものと認識しております。  また、伊万里市の協定につきましては、これは伊万里市さんのほうから、まず、ほかの自治体の協定内容について県と一緒に勉強、検討していきたいという申し出があっています。現在、そうしたことを進めているというふうに事務方からも聞いているところです。  続きまして、九電の土地取得問題についてのお尋ねがございました。  玄海原子力発電所周辺の土地取得に関しまして、九州電力からは都市計画法に基づく開発行為基本計画審査申請書が提出されておりまして、その中で開発の目的については、御指摘のような発電所の増設、使用済み燃料の中間貯蔵といった用途ではなくて、「玄海原子力発電所 周辺整備」とされているところでありまして、現時点でそのような確認書や協定書といったものを取り交わすことは考えておりません。  続きまして、子育て支援についての質問がありました。まず、若者の雇用促進について、認識がどうだというお尋ねがございました。  本県の最低賃金は六百七十八円でありまして、これは鹿児島県と並び全国三十八位ということでありまして、議員がお話にありましたように、都市部に比べまして、九州など地方の最低賃金は低い状況で、下のほうを行ったり来たりしている状況だということはお話しのとおりです。  若年者の非正規雇用の割合は、平成二十四年の就業構造基本調査によりますと、三四・〇%、全国の非正規雇用の割合は三八・九%でありますから、これと比較するとよいとはいいますが、若年者の正規雇用の促進は必要だと認識しています。  改善への取り組みにつきましては、まずは県内経済の振興が不可欠と認識しているところでありまして、総合計画二〇一五では、重点項目五十二項目のうち、「産業を支える人材の育成・確保」や、「佐賀の成長をリードする企業誘致の推進」等、十七項目の産業振興施策を盛り込み、「豊かさ好循環の産業 さが」を目指しているところです。  六月補正予算では、ものづくり人財創造事業など、さまざまな産業振興施策、産業人財育成・確保施策を提案しているところでございます。  こうした取り組みによりまして、県内企業の成長や収益向上につながることによりまして、賃金など、雇用環境の改善が図られ、若い人たちが安心して子育てできるような環境づくりにつなげていきたいと考えております。  続きまして、妊娠から出産までの市町と連携した切れ目のない支援についてであります。  「子育てし大県“さが”」をつくっていくためには、安心して子供を産み、健やかに育てることができる環境づくりが大切です。  妊娠から出産までの継続した支援につきましても、各市町の取り組みに対し、保健福祉事務所や児童相談所などが専門的な支援を行うなど、連携した取り組みを実施してまいります。  今回、妊産婦に、より手厚い支援を行うために、保健師などの専門職が全ての妊産婦などの状況を継続的に把握して、必要に応じて関係機関と協力して支援プランを作成するという補助事業を行うことといたしましたので、これが多くの市町に広がるように呼びかけをしていきたいというふうに思います。  県といたしましても、市町と意見交換をしながら、妊娠から出産までの市町と連携した切れ目ない支援を充実させたいと考えているところでございます。  続きまして、子供の医療費助成事業の対象年齢拡大についてのお話がございました。  保護者の負担軽減を図るためには、償還払いよりも現物給付がよいと私も考えているわけでございますが、現物給付化するということについては、追加財源も必要なわけでありまして、特にアンケートもいたしましたけれども、市町でさまざまな意見がありました。子供医療費助成制度の主体は市町でありますので、さまざまな課題もあると思います。市町によっては、子供の医療費だけで見れば、この財源を十分に活用できないところも見受けられたりとか、さまざまな問題、いろんな課題があると思いますけれども、ぜひ、この現物給付化の対象拡大等につきましては、各市町がどう考えておられるのかというところについて、意見交換をしていって、その中でさらなる拡大を検討していくということになろうかと思っております。  続きまして、多子世帯の保育料無償化についてであります。  国の調査でも、夫婦が理想の子供の数を持たない理由として一番多いのが、お金がかかり過ぎるという経済的な理由です。  県としても二人以上の子供を持ちたいという思いを後押しするためにも多子世帯の保育料の軽減は必要と考えているところでありまして、議員がお話にありましたように、その期間を抜けたからと言って、それがまた別カウントになるといったことについてはいかがなものかということで政策提案も実施しております。先ほど鳥取県のほうでは先に県で走り出したというお話もありましたので、もちろん国の動向は注視してまいりますけれども、これも市町との協議が必要な事項でありますので、検討の提案をさせていただきたいと思っています。  それから、続きまして住宅・店舗のリフォームについてのうち、住宅リフォーム助成制度についてであります。  これは平成二十三年度から二十五年度まで緊急的な経済対策と住宅の性能向上を目的に住宅リフォーム緊急助成事業を実施したところです。  この事業は多くの県民が利用したことで、県内経済の活性化には一定の効果があったというふうに私も思います。経済対策としてということでありまして、現在の状況等を考えますと、その再開というところは考えておりません。  一方、耐震化や省エネルギー化、バリアフリー化工事などの住宅の性能向上につきましては、それにつながる大がかりな工事は少なく、部分的なものにとどまったという状況でありまして、こうした課題について、そしてそれを踏まえた対応については詳細を本部長のほうから答弁させていただきたいと思います。  そして、店舗リフォームについてのお話もございました。店舗の売り上げ向上を図るためには、施設や設備等のハード面の整備だけでなくて、商品の磨き上げや販売方法の工夫等のソフトを含めた経営全体の改善に取り組むことが重要であると認識しているところであります。また、商店街の振興は市町が地域の関係者と一体となってそれぞれの地域が抱える課題に対応すべきものであると認識しているところであります。  店舗リフォームにつきましては、これまで国の小規模事業者持続化補助金が活用されたところであります。これは商工団体を通じた小規模事業者への制度の周知、申請に必要な経営計画の策定に対する商工団体の経営指導員の支援などによりまして、店舗リフォームにも活用されたものと認識しているところでございます。  この補助金については、国の動向を注視したい。そして、他の自治体における独自の助成制度についても引き続き目的、内容、効果等に関しまして、情報を収集する所存でありますけれども、こちらにつきましても詳細は本部長から答弁させていただきたいと思っております。  続きまして、教育行政につきまして、少人数学級の前進についてのお尋ねがございました。  世界に誇れる佐賀をつくり、地域を支え、豊かな伝統文化を引き継いでいくのは人でありまして、教育はその根幹にかかわるものであります。本県では、小学校二年に基礎的な生活習慣や学習習慣を身につけさせるため。そして中学校一年にいわゆる中一ギャップを解消し、生徒指導面の充実を図るために、県独自で少人数学級またはチームティーチングによる指導の選択制を導入して必要な人員を配置しているところであります。  この限られた財源の中でどういう教育のあり方がよいのかということについては、教育委員会の中でしっかりと議論して考えていただきたいものだというふうに思います。  これからも国への働きかけも含めて、現場の状況をつぶさに見ながら考えていきたいというふうに考えているところでございます。  私からは以上でございます。 20 ◎伊藤くらし環境本部長 登壇=私からは、九州電力における具体的な記録の保存・公開状況についてお答えいたします。  原子炉等規制法に基づきまして、原子力発電所で発生した事故、故障の原因や対策の記録につきましては、廃止措置が終了し、国の確認を受けるまでの期間は保存すべき義務が事業者に課せられているところでございます。  また、九州電力におきましては、これまでの発電所の歩みや事故、故障の記録、定期検査の記録などについてホームページで公開中であります。  特に事故、故障の詳細やその対策につきましては、ほかのプラントにとっても非常に重要な知見でありますので、全国の事業者の間で情報共有されておりまして、また、その内容は一般の方もホームページで確認することができるというようになっております。  私からは以上でございます。 21 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私からは、生活保護行政について二点お答えいたします。  まず、生活扶助基準額の見直しについての認識でございます。  生活保護制度は、国民の最低限度の生活を保障する適正な制度運用とあわせて、国民の信頼に応える制度であることが重要だというふうに考えております。  このような中、平成二十五年八月から三年間をかけて実施されております今回の生活扶助基準額の見直しにつきましては、生活保護の制度設計に責任を負う国におきまして、まず社会保障審議会生活保護基準部会における検証結果を踏まえ、年齢、世帯人員、地域差による影響の調整、また、前回基準を改正いたしました平成二十年以降の物価動向、この二点を勘案した上で行われているものであります。  今回の国の見直しによります県内の保護世帯への影響につきましては、お住まいの地域、年齢、世帯人員などによって基準額が異なるため、一概には申し上げられませんが、県内で最も多い高齢世帯の生活扶助について試算してみますと、六十五歳から六十九歳の単身世帯の場合ですけれども、県内で基準値が最も高い佐賀市では、見直し前の月額七万五千百八十円と比較しますと、今年度は四百九十円の減となっております。これに対しまして、郡部などでは見直し前の月額六万四千三十円と比較しますと、三千三十円の増となっております。  同じく六十五歳から六十九歳の夫婦二人世帯の場合ですが、佐賀市では見直し前の月額十一万三千八十円と比較しますと、千七百円の減となっております。これに対しまして、郡部などでは見直し前の月額九万六千三百十円と比較しますと、三千六百八十円の増となっております。  このように今回の国の見直しは、都市部と地方の地域間格差の解消も目的としていたことから、佐賀県におきましても佐賀市で基準額が減額となった一方で、郡部などでは一定の水準が確保されるケースが多い結果となったものと認識をしております。  次に、通院時の交通費についてでございます。  生活保護受給者が通院のために交通機関などの利用が必要な場合は、移送に必要な最小限度の額が移送費として支給されることになっております。  この移送費の給付につきましては、療養に必要な最小限度の日数に限り、傷病等の状態に応じて、経済的かつ合理的な経路及び交通手段によって行うものとされております。  タクシーにつきましては、被保護者の病状でありますとか障害等の状況により、電車、バスなどの利用が著しく困難な者が医療機関を受診する際の交通費が必要な場合に、被保護者からの申請に基づき支給されるものであります。この場合、その地域における一般的な通院手段や被保護者の病状、障害等の状況を考慮して、タクシーを必要とする真にやむを得ない理由があるか、主治医の意見なども確認の上、給付の適否を福祉事務所が決定をしております。  タクシーの利用を適当とするケースとしては、例えば居住地が山間地にあり、目的地まで行く交通手段がほかにない場合、運動障害、歩行障害などにより、電車やバスの利用が困難な場合、傷病や障害の状態から群衆の中にいると体調不良を引き起こす場合などが考えられるところであります。  議員から御指摘のありました県内の福祉事務所への周知につきましては、県では、毎年度県内全ての福祉事務所に対しまして、指導監査を実施しております。生活保護制度の適正な運用状況について確認を行っているところであります。  この指導監査におきまして、画一的な取り扱いによって一律に給付を認めないなど、被保護者が必要な医療を受けられなくなることがないよう適切に給付の決定がなされているかどうか、これを監査の着眼点の一つとして掲げておりまして、議員から御指摘のありました移送費につきましても、そのような観点から、今後も引き続き福祉事務所に対しましてしっかりと指導に努めてまいります。  私からは以上でございます。 22 ◎石橋農林水産商工本部長 登壇=私からは、店舗リフォームについてお答えいたします。  この店舗リフォームについて、これまで国の小規模事業者持続化補助金が活用されてきた、これは先ほど知事が御答弁したとおりですけれども、この国の補助金は、平成二十五年度の補正予算そして二十六年度の補正予算で国のほうで措置されたものであります。  そうしたことから、県といたしましても、これを使っていかに県内の商店者の活力を図るかということで、商工団体を通じた小規模事業者への制度の周知、そして申請に必要な経営計画の策定に対する商工団体の経営指導員の支援、そういったものでなるべく活用が進むようにということで対応をしてきたところでございます。  この補助金は、もともとは販路開拓等のソフトを中心といたしまして、その関係上、店舗改装費も対象になっているというところでございます。これまでのところ、県内全体で二百十八件が採択されておりまして、そのうちリフォームを伴うものが三十四件という状況でございます。  今後、こうした県内における活用状況、あるいはその効果等々を検証しつつ、また、国の補助金の動向がよくわかりませんので、それらの動向も周知しながら、今後ともそれぞれの商店が活力ある商業活用ができるようにということで支援してまいりたいと考えているところでございます。 23 ◎和泉県土づくり本部長 登壇=私のほうからは、住宅リフォーム助成事業に関しての質問のうち、住宅の性能向上などについての課題や今後の対応についてお答えいたします。
     住宅リフォーム緊急助成事業の利用実績等を検証したところ、多くの方が老朽化に伴う内外装などの維持修繕工事に利用されておりました。  しかしながら、住宅の性能向上につながるものに関しましては、まずバリアフリー化についてですが、便所の改良や手すりの設置は多く実施されたものの、床の段差解消や出入り口幅の拡張は少なかったという状況でございます。また、省エネルギー化につきましては、高効率給湯器の設置がほとんどで、壁や天井の断熱化などは少なかったという状況でございます。さらに、耐震化につきましてはほとんど実施されなかったという状況にございます。  このように、住宅リフォーム緊急助成事業では、住宅の性能向上につきましては部分的なものにとどまったということがわかりました。  一方で、昨年度に実施いたしました「住まいの性能向上に関する県民の意識調査」におきましては、住宅の性能向上に必要な情報が県民に届いていないことや、住宅関連事業者のスキルアップが必要なことなどの課題が見えてきたところでございます。  住まいづくりは、県民みずからの取り組みが基本であるものの、住まいは生活の基盤であり、県としましても、県民の安全・安心につながる住宅の性能向上についての施策を進めていく必要があると考えております。  このため、まずは県民が住宅の性能向上について意識を持って取り組むことができる環境づくりが必要と考えており、そのための情報発信や担い手づくりのための予算を本議会にお願いしているところでございます。これら環境づくりの効果を注視しながら、今後とも県としてできる住宅の性能向上につながる施策を進めていきたいと考えております。  私からは以上でございます。 24 ◎古谷教育長 登壇=私からは、子育て支援についてのお尋ねのうち、学校給食費の無償化について、それと教育行政については少人数学級の前進、国への働きかけ、少人数学級の効果についての三点、お尋ねがございましたので、順次お答えさせていただきます。  まず、学校給食費の無償化についてでございます。  学校給食は、児童生徒の心身の健全な発展に資するものでございまして、なおかつ、児童生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものでございます。  この学校給食費につきましては、学校給食法の規定によりまして、学校給食を受ける児童生徒の保護者が負担すると定められておりますことから、学校給食の実施主体である学校の設置者の市町が、学校給食費の額をみずから決定をし、保護者の理解と協力を得て徴収をされているところでございます。  先ほどの子育て支援、そうした観点から学校給食費を無償化するかどうかは、それぞれ学校給食の実施主体である市町が地域の実情などに応じて判断すべきものと考えております。  なお、お尋ねの中で、保護者の経済的な問題にかかわらずというふうなお話がございましたけれども、この学校給食費につきましては、現在、生活保護を受給されている被保護世帯に対しては生活保護費の中で教育扶助として学校給食費が支給されておりまして、また、生活保護法における要保護者に準ずる程度に困窮していると認められる準要保護者に対しましては、学校の設置者であります市町が、就学援助制度によって学校給食費を援助されているところでございます。そうした中での市町の取り組みでございまして、必ずしも県内まだ一律にはなっていないというような状況にございます。  続きまして、教育行政についてでございます。  まず、少人数学級の前進について、県として進めるべきではないかという趣旨でございましたが、県教育委員会では、佐賀県の教育の充実を図るべく、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」、いわゆる義務教育標準法に基づく教職員の配置に加えまして、県の単独で平成十七年度からは基礎的な生活習慣や学習習慣を身につけさせるために小学校低学年に。また平成二十一年度からは、いわゆる中一ギャップを解消し、生徒指導面の充実を図るために一定規模以上の中学校第一学年に。そしてその後、平成二十二年度からは全ての中学校第一学年に、少人数学級またはチームティーチングによる指導の選択制を導入し、必要な人員の配置などの措置を講じております。  こうした状況の中、平成二十三年に義務教育標準法が改正をされまして、小学校第一学年は三十五人学級が制度化をされました。ただその際、その附則におきまして、小学校第二学年以降は学級編制の標準を順次改定をし、法制上その他の必要な措置を講ずることとされていることにつきましては、その後、今日まで実現に至っていない、そういうふうな経過になっております。  こうした中で本県においては、小学校第二学年及び中学校第一学年で、引き続き県単独の人員配置による選択制を実施しているところでございます。  少人数学級の実施など義務教育の根幹にかかわる事項につきましては、本来、教育の機会均等と、教育の水準確保の観点から、国の責任において教職員定数の措置がなされ、同時に安定的な採用、配置を行うことができるように、計画的な実施がなされるべきものと考えております。  そのことを受けて、国への働きかけについてもお尋ねがございました。これにつきましても、学校の組織運営体制や指導体制を充実させ、地域の実情に応じたきめ細かな教育、多様な教育を実現するためには、国の教職員定数の改善が不可欠だと考えております。  そこで、県教育委員会では、国への政策提案や全国教育委員会連合会、全国教育長協議会などを通しまして、要望を続けているところでございます。  今年度も六月十日に文部科学省に私のほうで赴きまして、定数改善計画の早期の策定と確実な実施について強く要望を行ったところでございまして、今後とも継続して要望してまいりたいと考えております。  最後に、少人数学級の効果についてでございます。  先ほど来、県のほうで実施している内容についてお話し申し上げましたけれども、昨年度、少人数学級またはチームティーチングによる指導の選択制を取り入れた学校を対象に実施をいたしましたアンケート結果によりますと、小学校の第二学年では基本的生活習慣や学習習慣が身につき、中学校第一学年では小学校から中学校の生活にスムーズに移行できたという回答がほぼ全ての学校から得られております。  本県で行っている少人数学級、またはチームティーチングによる指導の選択制は効果があるものと、私どもとしては考えているところでございます。  私からは以上でございます。 25 ◎今林警察本部長 登壇=武藤議員お尋ねの一つ目の県内の治安上の諸課題に対する認識と、取り組みの決意についてお答えいたします。  まず、一点目の交通情勢とその対策についてでありますが、本県では、人口十万人当たりの人身交通事故発生件数が三年連続で全国ワーストワンであり、加えて、昨年は交通事故死者数も全国ワーストワンでありました。また、本年五月末におきましても、人身交通事故の発生件数は前年と比べてわずかな減少にとどまり、依然として深刻な状況であります。  このような状況を改善するため、県警察といたしましては、高齢者が関係する交通事故の割合が増加傾向にあることや、人身事故に占める追突事故の割合が高いという交通事故の実態、道路利用者のルールやマナーが徹底されていないなどの実情を踏まえまして、「高齢者等に対する各種シミュレーターを活用した参加・体験・実践型の交通安全教育」を初め、交通ルールの遵守を習慣づけるための街頭活動や、通学路を含めた生活道路における安全対策等に組織を挙げて取り組んでまいります。  二点目は、特殊詐欺被害の現状と対策についてでありますが、県内における特殊詐欺の発生状況は、本年四月末現在、認知件数は二十八件、被害総額は約三千六十万円であり、前年同期比で被害総額は約九百八十万円減少しているものの、認知件数は十件増加しております。  県内における最近の特徴としましては、特に医療費等を還付すると偽る還付金等詐欺、有料サイトの未払いなど、うその請求を行う架空請求詐欺などが多発しております。  県警察ではこうした状況を踏まえ、県民の皆様の貴重な財産を特殊詐欺被害から守るために、防犯指導や広報啓発活動を推進するとともに、犯人への送金を水際で阻止することができるよう、金融機関等との連携による窓口での声かけや通報等の対策を推進し、被害の未然防止、拡大防止に努めてまいります。  三点目は、ストーカー・DV事案についてでありますが、県警察において認知した本年四月末におけるストーカー事案は五十七件で、前年同期比ではプラス二十八件と増加しております。一方、本年四月末におけるDV事案の認知件数は七十六件で、前年同期比では十四件の減少となっているものの、これらストーカー・DV事案等の恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案は、加害者の被害者等に対する執着心や支配意識が非常に強く、事態が急展開して重大事件に発展するおそれがあります。  ストーカー・DV事案等については、被害者等を速やかに安全な場所へ避難させるなど、被害者等の安全確保を最優先とする措置をとるとともに、事案の緊急性、切迫性を判断して、検挙措置等による加害行為の防止を積極的に行うなど組織的に対応を図ってまいります。  四点目は、暴力団対策についてでありますが、佐賀県を含む北部九州において、平成十八年から続いた暴力団対立抗争につきましては、取り締まりはもとより、暴力団対策法を効果的に活用し、その活動を大きく制限するなどの諸対策を講じた結果、抗争事件の発生を抑え込むに至っております。  しかしながら、依然として暴力団の存在は、県民生活にとって大きな脅威であり、引き続き暴力団犯罪の取り締まり、暴力団対策法の運用、暴力団排除活動の推進を柱とした総合的な暴力団対策を強力に推進することによって、暴力団の壊滅、弱体化を図ってまいります。  五点目は、薬物対策についてでありますが、覚醒剤を初めとする違法薬物の乱用は、乱用者本人のみならず、周囲の人、さらには社会全体に害悪を及ぼす重大な犯罪であるほか、暴力団の有力な資金源となっております。  今後とも、違法薬物の取り締まりを徹底するほか、関係機関と連携しながら、青少年を初め、県民に対する広報啓発活動等の対策を推進してまいります。  県民の安全・安心を確保するという重責を担う県警察の責任者として、県内の治安情勢は依然として厳しいものがあると認識しているところであります。こうした情勢を踏まえ、事件、事故に強い組織を構築するとともに、県、市町など、多くの関係する方々と連携して、県民の皆様の声に耳を傾けながら、県民の皆様が安心して暮らせる安全な社会の実現に取り組んでいく所存であります。  二つ目の県民からの情報提供とその対応についてお答えいたします。  県民からの情報提供につきましては、公共の安全と秩序を維持するという警察活動を推進する上で重要な意義を持つものと認識しているところであります。  警察に寄せられる情報には、困り事相談から、身近な犯罪に関するものや暴力団犯罪に関するものなどまで多岐にわたります。警察署の窓口等において相談等を受理した場合には、職員は相談取扱票等の簿冊を作成して相談内容を確実に記録化するとともに、複数の幹部によるチェックを受けながら、迅速かつ適切な措置を進めることとしております。  こうした情報の中でも、特にストーカー・DV事案などの人身安全に関する情報につきましては、情報提供者等の生命、身体に危害が及ぶおそれがあるものも多く、早急な対応をとる必要があります。  そのため、相談等によって、これらの情報を入手した場合には受理速報簿を作成するとともに、警察本部に速報し、主管課の指導のもと、安全確保のため速やかな措置を講じているところであります。  このように、県民から提供された情報につきましては、受理及び対応結果を記録化し、定期的に警察本部の点検を受けるなど、組織的管理を行っているところであります。  警察といたしましては、今後とも、県民から寄せられる情報の重要性を十分認識し、組織的な管理のもと対応に漏れのないよう、迅速的確に対処してまいる所存であります。  以上でございます。 26 ◎武藤明美君 登壇=再質問を行います。  初めに、オスプレイの問題なんですが、よく言えば知事は慎重だなと。でも、聞いていて率直な感想としては、口が重いなということを思いました。  判断に当たっては、県民の命と暮らし、安全を守るということは第一に考えると言っていただきました。本当にそれはそれで大いに歓迎しますし、そういう立場を貫いていただきたいというふうにも思います。  また、ハワイでのオスプレイの事故について、国に早くいろんな情報を明らかにしてほしいといったこともおっしゃっていただきました。県民はそのことをとても心配しているんですね。同時に、あの事故機は佐賀空港に配備されるものと同型だというふうに思うんですが、これまでにオスプレイはいろいろ事故を起こしてきたんですけれども、多分、十回目がハワイでの事故だと思います。それも短期間のうちに相次いで事故を起こしております。そういう点で、本当に危険という認識をお持ちなのかどうか、そこについて御答弁いただきたいというふうに思います。  また、佐賀県と地元が結んだ公害防止協定の問題ですけれども、当事者の思いがどうなのかということも大事にしていきたいとはおっしゃいましたけれども、本当に今、住民の方たちが反対の意思を表明して、そういう組織もつくっておられるということは、そのことそのものがやはり今の思いのあらわれだというふうにも思いまして、もちろん当時の約束を守れということから出発した行動であり、反対運動であり、そういう組織をつくられたということでもありますので、そのことをきちっと受けとめていただきたいというふうに思っています。その都度その都度都合のいいことで県民を振り回すことなく、県民との約束だということできちんと守り抜いていただきたいということが大前提であります。  ですから、そういう地元の皆様たちの反対の組織ができたということそのもので、やはり地元の皆さんからの声も聞いていただきたいし、また、県内の反対の思いを持っておられる方たちとの声もちゃんと聞いていくべきではないかというふうに思っております。それについてはいかがお考えでしょうか。  それから、バルーンやラムサール条約の問題、三重津海軍所跡の問題、本当に自然や文化を大切にしていかなければならないこの佐賀において、その価値を大いに生かすという立場からであれば、危険な軍用機が飛び交うような佐賀であってはならないというふうに思いますので、それについて、その価値を本当に認めて大切にして、佐賀の大事な文化的、大切に保存しておくべきものという位置づけを持っておられるのかどうなのか、そこの認識が薄いと、バルーンが飛ぶすばらしい佐賀の空に軍用機が飛び交うということを許してしまいがちになっていくのではないかというふうに心配しますので、バルーンやラムサール条約の問題、三重津海軍所の問題、いま一度、知事はどのように思っておられるのか、ちょっとわかりづらかったので答弁していただきたいというふうに思っております。  それから、原発の問題ですが、規制委員会が言っておられること、事故がゼロということはあり得ない、リスクはあるというふうなことも田中委員長が述べておられる言葉を引用して御答弁いただいたと思うんですけれども、規制委員会の日本の規制のあり方ですね。ヨーロッパと比べて随分水準が低いと思うんですね。それはなぜかというと、いつかの原発問題の特別委員会でも申し上げたように、コアキャッチャーなども整備されていないということもありますし、世界的に見てもまだまだおくれているという状況がある中で、それを今の規制委員会の言う立場をもとにして安全だというふうな御理解をされるのはいかがなものかと思いますので、安易にそのことについて考えるべきではないと思います。規制委員会の水準と世界的な状況を比べてどうなのかという立場に立っていただきたいと思いますので、そこも御答弁お願いしたいと思います。  それから、避難計画の問題です。  避難計画は、国や県や市町が、自治体が中心となって計画してつくっていくものではありますけれども、もちろん、完璧なものがないなら、その都度その都度整備していくものだということはわかります。だからといって、電力会社が自分たちは避難計画をつくる責任がないということで関係ないというふうになっていく態度は、私は間違いだと思っております。それで、やはり再稼働と避難計画そのものは一体のものとして、避難計画に電力会社が本当に責任を持つというのであればいいけれども、無責任に避難計画は避難計画、再稼働は再稼働という立場に立っていくのは間違いだと思っておりますので、そのことについては今後もまた論議が必要かと思いますが、あくまでも避難計画は自治体が責任を持ってしなければならない分野として、やはり再稼働と避難計画は切り離せる問題ではないんだという、そのことの認識を改めていただきたいと思いますので、御答弁いただきたいと思います。  四十年にわたって運転を続けてきた一号機の廃炉が決まったわけですけれども、あくまで廃炉作業が終わるまでは放射能があるわけで、危険も伴うものであります。ですから、それについては慎重な上にも慎重を重ねていくということはもちろんですけれども、今後、県民から危険だというふうに指摘されてきたものが、一号機の場合は廃炉が決まりましたけれども、残っているプルサーマルの問題、二号機の問題いろいろありますので、県民の声にも耳を傾けながら行政運営に当たっていただきたいと、原発立地県の知事としてその立場についてどういうふうに思っておられるのかもお聞きしておきたいと思います。  安全協定は、唐津や伊万里が独自に九州電力と話し合いを続けて交わしていくものだろうというふうにおっしゃいましたけれども、あくまでこれは立地県の知事として、唐津や伊万里の方たちの思いをしっかり受けとめていただいて、やはり後押しをするという姿勢なくしては唐津の問題、伊万里の問題も安全協定は進んでいかないと思います。当事者同士で結びなさいという問題ではないと思いますので、その辺についても知事の積極的な姿勢をお示しいただけたらと思います。  土地取得の問題では、今どんなふうになっているかについて、九州電力が今言っているという範囲、つまり資材置き場だということについての枠を抜けきれないでおられると思うんですが、しかし、いずれかの時点でそういう問題が浮上したときに、知事はどういうふうな対応をとられるんでしょうか。もう用地を取得してしまった後の問題だから、もうあとは電力会社が決めるだろうというふうに思われるのか、現時点で電力会社が資材置き場の範囲だと、中間貯蔵施設だとか五号機の設置はしないんだと言っているんであれば、住民に安心を担保する意味でも、それは結んでいただきたいというふうに言うのが当然県の姿勢だろうと思うんですが、知事はどのように思われるのか、それについても再質問させていただきます。  それから、子育て支援の問題ですが、いろいろ言いたいことがありますが、時間の関係上、少しそこは省きまして、具体的に子育てを支援する施策、それについてもっと目を向けていただきたいし、手を下していただきたいというふうにも思います。  妊娠から出産までの切れ目のない支援をやっていただきたいという私の求めに応じて、市町とも連携して切れ目のない支援をやっていくというふうな御答弁がありましたので、今後に期待をしておきますが、一つ言えることは、やはり母子手帳を出した瞬間から、その方の問題を継続的に支援できる体制ができると思いますので、やっぱり鬱の状況が発生したり、体調不全の状況が発生したときに、子育てとの関係でもやはり問題も出てくる可能性もあるので、十分そこは支援の体制をとっていただくようにお願いしておきたいと思います。  そして、子供医療費の問題ですが、市町と意見交換を今後重ねていっていただくということですので、今すぐいい御答弁はもらえないかもしれませんが、引き続きこの問題は課題としていきたいと思っております。  それから、保育料の問題で、先ほど私は島根県の問題も指摘しながら申し上げました。特に地方創生先行型交付金の問題でいえば、埼玉県もお金を出しつつ、第三子以降の保育料の支援も行うということです。そして、先ほど申し上げたように、鳥取県もそういう方向でことしから進めるということでもありますので、地方創生先行型交付金というのは、そういうことにも使えるということになっているので、やはりこれは市町と協議、検討をして、もっと実際に子育て支援の施策として取り入れていただきたいと思います。そのことも含めた検討をお願いしたいと思いますので、そのことについて御答弁お願いします。  それから、学校給食の問題です。  教育長の答弁では、もちろん教育の一環ということでされていくことではありますけれども、今、県内の市町が努力をしていること、特に太良町さんが頑張っておられることは子育て支援だという位置づけなんです。確かに、生活苦の方で生活保護を受けておられる家庭は、給食費の問題は心配要らないでしょう。また、就学援助金の制度を受けておられるところも、それはそれで必要だということで当然お受けになることだと思います。  しかし、「子育てし大県“さが”」ということであれば、先ほど言った子供医療費の問題にしても、保育料の問題にしても、それから学校給食の問題にしても、具体的な父母、県民の生活の中からこういったことをしてもらえば、本当に子育て支援につながるということになっていく施策だと思いますので、学校給食の問題も、やはり今後につなげていただきたい。本当に「子育てし大県」になるためには、そのことは私は必要不可欠な問題になってこようかと思いますので、改めて、子育てしたいという思いが県民の皆様方に、特に若い人たちに、これから子育てする人に伝わるような具体的な施策として検討していただけたらと思います。御答弁もお願いしておきます。  それから、生活保護行政についてです。  特に申請主義だということで、タクシー利用の場合は申請した人にお金を出すということなんですけれども、しかしながら、具体的に私どもに相談があることから見ても、市や、あるいは福祉事務所の説明が、まず最初に申請主義なんだけれども、こういう状況もありますよと、こういう受けられる制度になっていますよという説明がまだまだ足りていないので、そういう御相談も具体的に出てきていると思うんです。  ですので、生活保護の相談に見えたり、あるいは医療券をもらいに来られたときに状況を見て、おわかりになると思いますので、もう、つえをつかないと動けないとか、足元がとても不自由だとか、体がもうぐあい悪くてたまらないんだという状況を見たときに、そういう申請もできるんですよという一言がないと、大変不親切な状況になるんじゃないかと思いますので、改めてその対応を──先ほどの本部長の御答弁は一般的な御答弁だったんです。本当に、今後も引き続きというような言い方ではなくて、再度、そういう制度があることの説明をするという明確な御答弁をいただきたいと思いますので、お願いいたします。  住宅リフォーム助成制度は、前に実施されたときは経済対策だという観点でされたと思います。しかし、今、経済対策としてできない理由は何なのか、これを明らかにしていただきたいんです。経済情勢、日銀のいろんな指標で経済状況がよくなっているからということがあろうかと思いますけれども、実際に県内の中小、特に零細の方たちは、消費税が上がったりする中で売り上げが落ちているということが言われています。そういう中で、経済対策として引き続き興してもおかしくはない問題だと思います。  同時に、先ほどから御答弁があっていた耐震化、省エネ化などの問題ですね、住まいの性能向上、そういったことでもリフォームするお気持ちがある方はまだたくさんおられるわけですし、そういうところにリフォームの助成をするということは、今後につながっていくことでもあり、同時に、地域経済の活性化にもつながっていくことですので、そういう観点で考えることができないのか、そのことも改めて指摘しておきたいと思います。  そして、二〇一四年度の補正予算の中で、地方創生先行型の交付金、これは住宅リフォームの制度にも活用できるというふうになっているんです。やはりそのこともちゃんと頭に入れて、今後の補正化に生かしていただきたいというふうに思いますが、そのことについての認識はどうでしょうか。  それから、店舗リフォームについてですが、先ほどお聞きした小規模事業者持続化補助金の御答弁の中で、佐賀県においては三十四件あったというふうなこともおっしゃいました。しかし、これは一部のところにとどまっているんではないかと思うんです。本当に店舗をリフォームしたいと思っておられる方たちにお知らせがされたのかどうなのか、私は不十分だったと思うんです。これがされていながら、多くの関連小規模の店舗を持つ業者さんたちが、知らないでこういう要請をされておられるわけですから、積極的にこれを活用する姿勢が弱かったんではないかと私は思いますので、直ちにそれなりの対応をしていただきたいし、そして、そういうことを多くの方たちに知らせていただき、活用していただくようにお願いしたいと思っておりますが、どうでしょうか。  空き店舗の活用とかには、今回補正がされているんですけれども、そうじゃなくて、今まで御商売をされている方たちへの援助というか、支援というか、手を差し伸べることが非常に薄いんではないかと思いますので、あえて言わせていただきました。  少人数学級について、なかなかいい御答弁はなくて、あくまでも国がやるべきだというふうに思っておられるようなんですが、ただ、私思いますに、二〇〇三年に前の知事が就任されたときに、県内で少人数学級の要望が沸き起こっておりまして、やっぱりその声に押されて県が独自に実施をされたというのがきっかけだったと思うんです。  それは国が行うのは当然のことですが、国がするまでの間に、やはり県としてもしていただかないと、全国的におくれた県になってしまっておりますので、ぜひそこは御検討いただきたいし、教育県佐賀ということを標榜するのであれば、そういう立場をとっていただきたいと思います。  もう一つは、こういうことが言われています。  全日本中学校長会が二〇一四年度に研究調査をされたその報告書では、確かな学力に関する調査というのが行われていて、少人数学級の実施校に対して、その効果を聞いたところ、学力が確かに上がっているという効果を上げている、そういうふうに言われているのが七四・三%、少しは効果を上げているというのが一九・六%で、合わせて九三・九%が少人数学級の効果を認めているんですね。  自由記述の中に、直接生徒と触れ合えてその時間がふえたと、そういったことも言われておりますので、一人一人の生徒の状況に応じた支援ができやすいという施策でもありますので、学力向上にも大いに役立つ制度だと思っております。ぜひそこのところを学んでいただいて、佐賀県は学力向上と言いつつ、学校の教員の方たちが研修に行かれた二つの県、その二つともがうんと進んで少人数学級を実施していたということにもあらわれているように、ぜひ子供たち一人一人に目の行き届く教育のためにも、少人数学級を早く進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 27 ◎山口知事 登壇=武藤明美議員の再質問にお答えいたします。  まず、口が重いというお話をいただきましたけれども、私がこうした県民の安全・安心を第一とした課題、例えばオスプレイの配備問題ですとか、原発再稼働の問題とか、こういった課題について、知事がばたばたするとか、早々に結論めいたことを言うとか、私はそうしたことはやるべきではないと思っています。ですから、これは慎重が上にも慎重に考えるべき課題だというふうに認識しております。  そこで、ハワイの問題等々言われました。もちろんハワイの問題について、この原因究明が大切だと思いますし、しっかりとこれは説明を受ける必要があると思います。さまざまな地元の皆さん方の声についても耳を傾ける、そして、バルーンやラムサールということがいかにすばらしいかということについては、私も認識しているところでございます。  私が申し上げているのは、この国の提案について、私は入り口としてお話が必ずしも明確でないという話を申し上げているわけでありまして、ここの入り口を、どういう提案なのかということをはっきりとさせないうちにさまざまな議論を行うこと自体が私は非常に不安定だと申し上げているわけです。  ですから、しっかりと国の提案について、全体像と将来像について明確にしていただきたいという話を、これは再三再四させていただいているのは、何よりもそれがその後の議論において大切だと思っているからでありまして、これについてはぜひ御承知いただきたいものだと思っています。  続きまして、原発の再稼働の問題につきまして、規制委員会のお話がございました。  私もさまざまな仕事に携わってまいりましたけれども、「絶対」にとか、「一〇〇%」とか言う人の言葉は私は信じられません。そんなことは、まず言葉として出した瞬間にリスク管理がおろそかになるからです。  ですから、私は原子力規制委員会の田中委員長が非常に素直なお話をいただいているということに関して共感を持っているところでありますし、私も原子力安全委員会のいろいろな関係者の皆様方に、つき合いのある人たちにも聞いてみました。  むしろ、田中委員長は妥協するような事業者や政治家におもねいたりする人じゃないから、かえっておかしなことがあってやめてしまいはしないかと心配しているという声までいただいたぐらいでありまして、私が中途半端な知見を振り回すことではなくて、これはしっかりと原子力規制委員会において規制基準に基づいて厳格な審査を行っていただくということが何よりも重要だというふうに思っておりますので、それを注視しているということでございます。  そして、避難計画についてですが、これもこれで一〇〇%完璧ですということは、これこそ絶対にありません。常にその状況に応じて不断の見直しをしていくという姿勢が必要なわけでありまして、そういうことを考えますと、この不断の努力を常にしていく。ですから、さまざまな避難計画の問題や課題を多くの皆様方から寄せていただくということは非常に意義のあることだと思っておりますので、ぜひ県民各位のそういった訴えについてはこれからもよろしくお願いしたいと思いますし、真摯に耳を傾けて不断の見直しをやっていきたいと思います。  それから、安全協定についてのお話もいただきました。  私もこれを考えた場合に、唐津市さんの思いですとか伊万里市さんの思いというものももちろんあります。これは当事者同士の問題でありますので、当事者同士でしっかりと話し合っていただくことがまず大事。  ただ、その過程の中で県に助けを求めてくるとか、県にいろんなアドバイスを求めてきたときに、その門戸を閉ざすことは決してありません。しっかりと皆様方の思いを受けとめた上でしかるべき行動をとっていくという姿勢でいきたいと思っています。  それから、土地取得についてのお尋ねもございました。  これは、県議会の委員会等でも九州電力からいろいろお話をいただいていると聞いています。これは担当本部長のほうから話をさせますけれども、私は県議会での発言というのは非常に重いものだと思っていますので、そこにうそがあるということはないと思っています。  そして、私は原発の視察をしたときにも、まず何よりも瓜生社長に申し上げたのは、絶対うそはいけませんよと、そこが信頼の第一歩だということも声を大きくして言ったところでありますので、しっかりとした会社ですから、それは重く受けとめていただいているというふうに思っています。  続きまして、子育ての問題でございます。  私は、やはり現場主義というのはとても大事なところだと思っておりまして、これはどこでしたかお伺いしたのが、子育て中の方から、県が何かをしてくれたということではなくて、私自身が楽しく子育てさせていただきたいと。要は何か施策を打ったからいいだろうということではなくて、実際に子育てをしている皆さん方が楽しく子育てができているという環境をつくることをミッションにしてくれという意味だと承ったんですが、それが大事だと思いまして、「子育てし大県」、したいという思いを込めているんですけれども、これもぜひ市町とさまざまな観点から話をしていきたいと思います。  大概この子育て関係については、市町との協議が必要だと思います。先ほどの鳥取県もそういうふうに二分の一、二分の一だと承りましたので、ぜひこれから連携していきたいというふうに思います。  佐賀県は子供の出生率が高いというお話をさせていただきましたけれども、その後の社会減が多いんですね。私は、それをぜひ食いとめるべく頑張っていきますが、それとあわせて福岡県さんのほうに人が出ていくわけですけれども、「子育てをするのは佐賀県ぞ」というふうにぜひ皆さん方に思っていただくように、さまざまな面で施策の検討なども行いながら、効果的な佐賀県らしい施策がこれから少しでも実現できればいいかなというふうに思っております。  それから、続きまして住宅リフォームに関してです。
     これは、経済対策でやったというところに大きな意義があると思います。午前中も答弁申し上げましたけれども、これから先総合計画を実現するにはどうしてもめり張りのある財政運営というものが必要でありまして、経済対策でもやるときにはしっかりやる、そうでないときにはきっちり締めていくという部分がどうしても必要。本当に本当に困ったときには、これは公的セクション、国とか県とかが財政出動することがどうしても必要な場面があります。そのためにも、通常のんべんだらりとした財政運営ではなくて、緊急時に出動するためにも経済対策というものは真に必要な瞬間に行うものと私は思っております。  リフォーム関係でさまざまな御質問がありましたけれども、それは担当本部長のほうから答弁させていただきたいと思います。  続きまして、少人数学級のお話もございました。  これは、現場の声をよく聞いてみたいと思います。それと、学校の先生方が非常に疲弊しているというお話も多々聞いておりますので、小手先でやるものではなくて、ICT教育のあり方についても今議論いただいておりますけれども、総合的な形で考えていきたいと思います。  いずれにしても、これは限られた財政の中で、どういったところをあれかこれかで優先的に将来の佐賀県に必要な施策をやっていくのかということに尽きるのかなと思います。  以上、私からの答弁でございます。よろしくお願いいたします。 28 ◎伊藤くらし環境本部長 登壇=九州電力の土地取得問題について、知事の補足答弁をさせていただきます。  九州電力が土地取得に関連しましては、その「開発の目的」については「玄海原子力発電所 周辺整備」とされておりまして、また、昨年十二月十六日に県議会の原子力安全対策等特別委員会において、参考人として出席された九州電力の山元副社長のほうから、現計画では約十ヘクタールの土地については、資材関係、予備品を置いたり、そういうものに使いたいと思っている。中間貯蔵施設といった重量物を設置する場合には、土地取得前にもう少し地質などを調べる必要もあり、現在では計画はない。それを当てにして購入するものではないといった答弁をされておりまして、県議会における発言は大変重いというふうに考えております。  以上でございます。 29 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私のほうからは、生活保護行政についての再質問にお答えいたします。  タクシー代などの移送費については、生活保護の相談の際にその制度を知らせるなど、周知について丁寧な対応をしてもらいたいということだったと思います。  移送費の周知につきましては、その適否が個別ケースの状況によって異なることもありまして、基本的には福祉事務所におきまして日々のケースワークの中で被保護者の生活状況、健康状態、あるいは医療機関への受診状況等を聞き取りしながら、それぞれの被保護者の方の状況に応じ、適宜助言を行っているところでございます。  またこのほか、例えば福祉事務所によりましては、生活保護を開始するときなどに被保護者に対して配布しているお知らせというペーパーがございますけれども、その中にこの移送費のことも記載しているところもございます。  いずれにいたしましても、移送費が必要な被保護者にはきちんと支給が受けられるよう周知を図ってまいりたいと思います。  以上でございます。 30 ◎石橋農林水産商工本部長 登壇=私からは、店舗リフォームに関する再質問にお答えいたします。  議員からは、国の小規模事業者持続化補助金のリフォームを含む採択が三十四件ということで、情報提供が弱かったんじゃないかということでございました。  この国の小規模事業者持続化補助金、これは先ほど申しましたように平成二十五年度の補正予算、平成二十六年度の補正予算でついたものでございますので、私どもとしましても、せっかくそういう補助金がついたのであれば、それはフルに活用していただきたいと。そのことを事業者の振興あるいは発展に少しでもつなげていただきたいということで、いろんな商工団体を通じた小規模事業者への制度の周知を行ったわけでございます。  特にこれは、申請に経営計画というのがどうしても必要なものですから、商工団体の経営指導員がとにかく回って、そういったお知らせをしたということでございます。  先ほどリフォームとして活用したのが三十四件ということでございますけれども、今、申請の途中段階でございますけれども、二年度合わせて申請自体は六百五十六件あってございます。それを多いと見るか少ないと見るかはございますでしょうが、これが有効に活用されるようにしていきたい。  ただ、国の平成二十六年度補正予算の二次募集が終わったところでございます。これが三次募集がどうなるのか、あるいは来年度に事業がどうなるのかというのはまだまだ見えないところでございますけれども、また改めてそうした募集等がありましたときには、やはりそうしたことをフルに活用していただく、そして、いろんな形で事業の発展につなげていただきたいということで、商工団体を含めてその周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。  以上、お答えいたします。 31 ◎和泉県土づくり本部長 登壇=私のほうからは、住宅リフォームに関する質問のうち、国の交付金を活用しないのか、あるいはリフォームをしたいという気持ちを持っている人はたくさんいるが、それに対する対応はしないのかということについてお答えさせていただきます。  まず、国の平成二十六年度の補正予算においてですが、国のほうで国の省エネ住宅の建設、あるいはリフォームの普及を図るとともに、消費者の需要を喚起し、住宅投資の拡大を図ることを目的として、国が省エネ住宅ポイントという制度を創設しております。したがいまして、この住宅の質の向上に関する施策というのは、国のほうで一定程度対策が講じられていると考えておりまして、県としてはその利用状況等をまずは注視していきたいというふうに考えているところでございます。  さらに、リフォームをしたい人がたくさんいるが、それに応えないのかということでございますが、先ほど言いましたとおり、県民のほうがまだ十分なリフォーム等に関する情報を持っていない、あるいは意識がまだなかなか持てていないというようなところがございます。  したがいまして、先ほど言いましたとおり、まずは県民に正確な情報、あるいは意識を持ってもらうために、例えば、無料住宅相談所というものを、現在開設しておりますが、それの体制を強化する等々の対応、そのような情報発信、意識を持って取り組むことができる環境づくりに、まずは取り組みたいというふうに考えているところでございます。  これらの環境づくり、あるいは国の施策、その辺の効果を注視しながら、今後とも県としてできる住宅の質の向上につながる施策を進めていきたいというふうに考えているところでございます。  私のほうからは以上でございます。 32 ◎古谷教育長 登壇=武藤議員の再質問にお答えいたします。  まず、学校給食費の無償化についてでございます。  議員御指摘があったように、確かに県内で新たに子育て支援としてこうした無償化の取り組みが広がってきているというのは、まさに御指摘のとおりだと思います。ただ、その内容をちょっと調べさせていただいたんですけれども、太良町のように、全児童を対象にして全額補助をするというやり方もございますれば、例えば、第四子以降の子供さんに全額補助するとか、あるいは特定の学年に限って補助する、そうした内容がそれぞれの市町によって取り組みにかなり差がございます。  そういう中で、今後この動きというのが、各市町、子育て支援の一環としてどういう形で進んでいくのか、その辺について、我々としても少し状況を把握させていただきながら、今後の対応については考えていかなければならないのかなというふうに思っています。  いずれにしても、子育て支援という観点から、市町としてどういった取り組みがされていくのかについては、少し私どもとしても状況を把握したいというふうに思っております。  それから、少人数学級についてでございます。議員からは佐賀県がおくれた県になってしまっているんじゃないかという御指摘もいただきました。ただ、最初の御質問でもいただきましたけれども、やはり全国の中でこのままでは格差が広がるんではないかと、そういった観点からのお尋ねであったと思いますけれども、そういった意味からしましても、少人数学級の実施については、やはり全国的に一定水準を保障するという、まさに義務教育の根幹に係る問題でございます。これについては、やはり国の責任のもとに実施すべきだというふうに基本的には我々としては考えているところでございます。  ただ、そうした中にあっても、佐賀県としても小学校の一年生については制度化されましたけれども、それまで実施しておりました二年生、あるいは中学一年生については、これは国のほうに委ねることなく、やはり先ほども御答弁いたしましたとおり、その効果については我々としても確認ができているところでございますので、そこは後退させることなく、引き続き実施するということをまず我々としても対応させていただいた上で、先ほどの問題についてはやはり国に対してしっかりと法改正を受けての動き、定数改善計画の早期の策定について、これはもうしっかりと国のほうに要望してまいりたいというふうに思っております。  なお、佐賀県でもこの少人数学級なり選択性を実施している学年以外でも、それぞれの学校の実情に応じて、チームティーチングや特定教科での少人数指導などのきめ細やかな教育にも取り組んでいるところでございます。そうした意味で、教育効果が上がるように、どうしたらいいかということについては、県教委としてもいろんな形で工夫、検討を重ねてまいりたいと思っております。  私からは以上でございます。 33 ◎武藤明美君 登壇=あと二分ありますので、再質問を行いたいと思います。  オスプレイの問題で、慎重だということはいいことですよね。先走りしないで、ちゃんとされるということですから、それはそれとして評価しますし、そういう意味から言っても、地元から反対の声が上がって意思表示をされたということについて、これは県にとってもとても大きな意味を持つというふうに思っておりますので、そういう認識があるのかということと、地元のそういう対策、住民の皆さんたちの声を聞くこともお願いしたいし、関係団体とも会って話を聞く機会を設けていただきたいというふうに思います。  佐賀は本当に先ほども言ったように、バルーンが飛び、ラムサール条約の東よか干潟があり、それから三重津海軍所跡という世界遺産に登録される、期待されるところでもあります。そういった文化的価値について認識を示していただくことと同時に、そういうところに軍用機が飛び交うような地域になってしまっていいのか…… 34 ◎副議長(石倉秀郷君) 武藤明美君に申し上げます。質問時間が残り少なくなっておりますので、質問は簡潔にお願いします。 35 ◎武藤明美君(続)=ということをお聞きして、私の一般質問を終わります。 36 ◎山口知事 登壇=武藤明美議員の再々質問にお答え申し上げます。  オスプレイの配備問題についてでありますが、まず、提案内容の明確化が私は入り口だと申し上げているわけでございまして、これが明確化された上は、さまざまな観点で検討することになるわけでございますから、そのときにいろいろなさまざまな声があった場合に、私はそれについて真摯に耳を傾けていきたいと考えているところでございます。  以上です。 37 ◎副議長(石倉秀郷君) 暫時休憩いたします。     午後二時五十九分 休憩 平成二十七年六月二十二日(月) 午後三時三十分 開議  出席議員    三十六名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三一番  竹 内 和 教     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三二番  石 井 秀 夫     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三三番  留 守 茂 幸     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三四番  石 丸   博     五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三五番  木 原 奉 文     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三六番  中 倉 政 義     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     三七番  石 倉 秀 郷     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     三八番  桃 崎 峰 人     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  服 巻 稔 幸     二七番  武 藤 明 美    一二番  川 崎 常 博     二八番  稲 富 正 敏    一三番  定 松 一 生     二九番  徳 光 清 孝    一五番  米 倉 幸 久     三〇番  藤 木 卓一郎 欠席議員    一名    一四番  八 谷 克 幸 欠  員    一名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          統 括 本 部 長    西  中     隆          くらし環境本部長     伊  藤     正          健康福祉本部長      船  津  定  見          農林水産商工本部長    石  橋  正  彦          県土づくり本部長     和  泉  惠  之          経営支援本部長      山  口  康  郎          文化・スポーツ部長    白  井     誠          国際・観光部長      黒  岩  春  地          生産振興部長       古  賀  俊  光          交通政策部長       西  村     平          会 計 管 理 者    西  村  宏  之          公 安 委 員 長    吉  冨  啓  子          警 察 本 部 長    今  林  寛  幸          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       中  島  博  文          同    副事務局長          総務課長事務取扱     大  塚  武  司          議事調査課長       毛  利  明  彦          政務調査室長       白  濱  光四郎          議事調査課副課長     篠  田  博  幸          政務調査室副室長          記録担当係長事務取扱   島  内  直  樹          議事調査課議事担当係長  山  口  義  徳
             同  議事担当副主査   井  上  智  宏         ○ 開     議 38 ◎議長(中倉政義君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。 39 ◎木原奉文君(拍手)登壇=自由民主党の木原奉文でございます。約二年ぶりの質問となりますけれども、どうぞ御清聴よろしくお願いいたします。  皆さん、辰巳栄一という人物を御存じでしょうか。白洲次郎という人物は御存じだと思います。いわゆる占領下に当時の吉田首相のもとで、経済密使として活躍した人物でございます。  もう一人、軍人嫌いの吉田茂が、唯一、陸軍出身者として心を許して、決して表に出ることはなかったんですけれども、個人の軍事顧問としていろいろと吉田の信頼を受けて、そして吉田に対して影響を与えた人物が、実は辰巳栄一という人でございます。  この人は、佐賀県小城町の出身であります。佐中から陸軍士官学校を経て、陸軍大学校、その卒業時には恩賜の軍刀をいただいた方でございます。  その後、英国に約十年駐在いたしまして、そのときに吉田茂と知り合い、実は日本必敗、必ず負けると、そういう分析をいたしました総力戦研究所を生み、そして最後まで吉田とともに対英米の戦いに反対をした人物であります。  しかし、開戦後は、また吉田とともに、その分析の中で首都の大空襲を予見いたしまして、約四十万人の学童疎開、これを見事に実現した人物が、この佐賀出身の辰巳栄一さんです。子供たちの命を救ったわけであります。  そして、戦後は吉田の顧問として活動して、自国の防衛は自分たちで守らなければならないと、そういう信念のもとに、警察予備隊を提唱して、その後の自衛隊の設立に尽力をした人物でもあります。  なぜ今こういうことを言うのかと申しますと、それは辰巳が早くから、英米バーサスという冷戦構造を見きわめていたからでございまして、誰しも戦争は反対です。しかし、ただ黙って指をくわえて見ている中で、ずかずかと自分のうちに入ってこられる、そういう状況は私は許すべきではないと、そのように考えております。  我々は今、本当に国民一人一人が国防という問題を真剣に考える、そういう時期だと思い、佐賀から、あの不幸な時代にいわゆるすばらしい先見の明を持っていた辰巳栄一という人物を紹介いたしまして、私の質問に入らせていただきたいと思っております。  最近の報道等によれば、我が国を取り巻く安全保障環境は、さまざまな課題や不安要因がより顕在化、先鋭化してきております。一層厳しさを増してきているのは、皆さん御存じのとおりであります。特に北朝鮮の大量破壊兵器、ミサイル開発、中国の力によるところの現状変更等であります。  五月末にシンガポールで開催をされましたアジア安全保障会議、いわゆるシャングリラ対話では、中国人民解放軍の副総参謀長が南シナ海の南沙諸島で人工島をつくり、建設中である三千メートル級の滑走路等を軍事防衛の必要を満たすためと、軍事目的であることを明確にいたしました。  このように、特に南西諸島方面における中国の活動が活発化をしており、それへの対応として、我が国の主権と領土を守るべく、防衛省は南西諸島方面に部隊を配備する計画を進めており、その中で、水陸機動団の新たな編成、オスプレイの配備による南西諸島での不測の事態への対処、そのような一連の流れの中に、このたびの防衛省による佐賀県への要請があったと私は認識をしているところでございます。  知事は、平成十年四月より二年間、内閣官房内閣安全保障・危機管理室参事官補を歴任されており、決して防衛に関して素人ではないと、そういう認識に立って質問をさせていただきます。明快なる御答弁を大いに期待するものであります。  まず一点目、国防に対する認識についてお伺いをいたします。  先ほど申しましたような対応ですね、つまり、国防というものは国の専管事項であるということは承知をしておりますけれども、県民の一人という前に、私は国民の一人として、国防ということに対して無関心であり、無理解であるということはどうかと思うわけであります。特に今回の佐賀空港へのオスプレイ配備要請という問題を契機に、国防という問題に正面から向き合っていくべきではないかと思いますけれども、知事の認識はいかがなものか、御披瀝をいただきたいと思っております。  次に二点目、全体像や将来像についてであります。  陸上自衛隊のオスプレイ等の佐賀空港配備問題について、知事はこの計画の全体像、将来像が防衛省から示されていない現状では白紙であるということは承知しておりますけれども、知事が言われるところの全体像、将来像とはどのようなものなのか、具体的にお聞かせをいただきたいと思います。  次に三点目、その判断についてであります。  知事としてはあくまでも防衛省から全体像、将来像が示されない限り、何も判断しないということなのか、お伺いをさせていただきます。  次に四点目でございますが、防衛省への求めについてであります。  確かに米軍は、佐賀空港活用については、私が承知する限り、防衛省の説明も訓練移転を中心に米側と相談している状況であり、今後明確になった時点で改めて説明をするというように曖昧な点もあります。知事として、今回の配備計画に対し、どのようなことがわからないということを具体的にはっきりと防衛省に対し伝えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。  次に五点目、沖縄の負担軽減についてであります。  米軍の活用については、今まで言ってきたように、防衛省の説明によれば訓練移転を中心ということであります。では、訓練移転というものについて、これも防衛省の説明によれば、まさに沖縄の負担軽減ということで、オスプレイ以外にも嘉手納基地の航空機の本土への訓練移転を実施しているとのことでございますし、私は在日米軍基地の七五%が沖縄に集中しているという現状を見れば、本土での訓練移転というもの、これはオスプレイも含めてということでございますが、戦後七十年たった今、日本国民が真剣に考える時期に来ていると、そのように思っております。  実は私の今回の選挙の出陣式に、友人であります沖縄の副議長が多忙の中を来佐していただき、熱い思いを披瀝してもらいました。また、個人的にもいろいろと強く深い思いを聞くことができました。負担軽減を国民の一人としていかにあるべきかを真剣に考えなければならないとの思いをさらに強くしたものでございます。知事、沖縄の負担軽減ということに対してどのような見解をお持ちなのか、お伺いさせていただきます。  次に六点目、米軍の切り離しについてお伺いをさせていただきます。  沖縄の負担軽減の一環としての訓練移転の問題について、つまり佐賀空港の米軍の活用の一つとして訓練移転の受け入れに関して県民の声は、自衛隊はやむを得ないが米軍はだめという声を多く聞いております。  これまでの防衛省の説明からすれば、佐賀空港への自衛隊オスプレイが決まらない状況で、さらに米軍の訓練移転を中心とした活用問題が具体的に説明できるとは思えません。そうであれば、知事が言われる米軍を含めた全体像について、具体的な形ができ上がるのは相当先の話ではないかと思っております。ここは、自衛隊の問題と米軍の問題を一旦切り離して考えるべきだと思います。  六月五日の地元紙の記事に、自民党の国防部会で山下雄平参議院議員が、「将来的に米軍オスプレイを訓練移転させる計画」をただしたのに対し、黒江防衛政策局長は、「『まずは自衛隊の配備を追求する。現状では(米側と)具体的な話はしていない』と、米側との交渉が進んでいない状況を説明した。」とありました。このことは、まさしくタイムラグ、いわゆる時間差があるとの認識を示したものであると私は受け取りました。  この米軍との問題を一旦切り離して考えるということに対して、知事はどのような考えでおられるのかお示しをいただきたいと思います。また、防衛省のほうからこの切り離しの話が来たときはどのような対応をとられるのかお伺いをさせていただきます。  次に七点目、目達原駐屯地ヘリコプター移駐に関する認識についてであります。  佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備問題では、もう一つ、目達原駐屯地ヘリの移駐という問題も国から要請をされております。  御承知のように、同じ佐賀県内で唯一の自衛隊駐屯地であり、周辺住民の方々はヘリの騒音で負担を受けられておるのが現状であります。その負担軽減ということから佐賀空港への移駐ということになったわけでございますが、仮に佐賀空港に移駐してきた場合には周辺地域の騒音の有無は皆無ではないということでありますし、目達原駐屯地周辺のように基地の近くに民家がないということからすれば、騒音の影響は目達原駐屯地周辺よりも軽減するのではないかと考えております。  同じ県民として、目達原駐屯地周辺の吉野ヶ里町、上峰町の住民の方々の負担軽減という観点から、目達原駐屯地ヘリの移駐に関する知事の認識はどのようなものかお伺いをさせていただきます。  八点目、佐賀空港の発展と両立に関する見解についてであります。  佐賀空港の発展と自衛隊のオスプレイ配備とは、両立できると私は考えております。LCC便が増加し、空港が発展すれば、現在は管制塔に情報官しか配置されておりませんけれども、当然管制官も必要になり、また、平行誘導路の問題等さまざまな問題を解決していかなければなりませんが、そういう問題を前向きに国と協議をしていけば、両立してともに発展するということも大いに期待できると思いますが、知事の見解をお伺いさせていただきます。  最後に九点目、特別委員会に期待するものについてでございます。  県議会では、五月の臨時会におきまして佐賀空港問題等特別委員会というものを設置いたしました。そして、この問題を議論していくわけでございますが、新しく設置された特別委員会に対し、知事が期待するものは何かということを最後にお伺いして、一項目めの質問を終わります。  次に二項目め、佐賀空港が目指す将来像についてお伺いをさせていただきます。  佐賀空港は、国内線が昨年七月に東京便が増便五便化をいたしまして、翌八月にはLCC「春秋航空日本」による成田便が就航いたしました。  また、国際線については、平成二十四年一月にLCC春秋航空による上海便が就航いたしまして、平成二十五年十二月にはLCCティーウェイ航空によるソウル便が就航するなどLCCの就航が相次いでおり、佐賀空港がLCCの拠点空港として大きな可能性を有していると考えているところでございます。  このような中、昨年度の佐賀空港の利用者数は、過去最高の約五十五万人を記録したところであります。これは近年の路線や便数の増加はもとより、マイエアポート運動やリムジンタクシー、千円レンタカーキャンペーンと、こういった利用者の視点に立った積極的な利用促進策によって、佐賀空港の利便性が県民や利用者に着実に浸透してきた結果であり、大いに評価に値するものと考えております。  先日、春秋航空の孫日本首席代表と面会をさせていただく機会があり、航空会社の視点で見た佐賀空港の魅力をお話しいただきました。九州各地へのアクセスにすぐれているという立地条件の優位性など、改めて佐賀空港の可能性を感じたところであります。  また、蛇足ではありますが、孫日本首席代表は中国からの観光客が大きく増加しており、ホテルや貸し切りバスの確保が大変厳しい状況であると述べられ、私は佐賀空港周辺にホテルを確保し、移動手段をきちんと用意できれば、より多くの外国人観光客を受け入れやすくなり、飛行機の出発時刻までの待ち時間、こういったものを利用して近隣の商業施設でお土産を購入するのではないかとそのときに感じた次第であります。  先ほどから申しますように、佐賀空港は大きな、大きなポテンシャルを持った空港であり、私は、将来的には九州のハブ空港を目指していくべきであると考えております。  私が市議の時代に佐賀空港建設の活動をしているとき、竹村健一氏の講演の中で、世界のハブ空港のほとんどは郊外にあり、都心に近いのは日本だけだと。全体を俯瞰して見れば、佐賀空港が中心になり、ハブ空港化するための最適の条件を備えているとの話を聞き、大いに意を強くしたことを今思い出しております。  現在、福岡県議の方々と佐賀空港の九州ハブ空港化について議論をしていこうと話をしております。今後は熊本県議会にも話をしながら、「佐賀空港を九州のハブ空港に」という動きにつなげていきたい、そのように考えているところであります。  このような中、知事は本会議の所信表明において、「佐賀空港がめざす将来像」を取りまとめることを表明されており、その中では、今後の路線計画とともに滑走路の二千五百メートルへの延長に向けた検討開始を初めとする空港の機能強化策や、九州佐賀国際空港という愛称使用について検討することが盛り込まれております。  まさに、「佐賀空港を九州のハブ空港に」という私の日ごろの思いが現実のものとなり、佐賀空港を起点に佐賀県が世界に向けて大きく羽ばたいていくのではないかと大いに期待をしております。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  まず一点目、「佐賀空港がめざす将来像」についてでありますが、県は、この将来像においてどのような空港を目指そうとされておるのかお示しをいただきたいと思います。  次に二点目、空港施設の機能強化でございますが、「佐賀空港がめざす将来像」におきましては、旅客ビル、駐機場などの機能強化の内容検討及び整備を行うと、そのように聞いておりますが、昨年八月に一日二便で就航した成田便は、空港の受け入れ体制の問題から昨年十月以降、一日一便で運航されております。成田便は安い運賃ということもありまして、学生を初めとする若者が数多く利用をしております。  私のもとにも、これらの利用者や各界から便利な成田便を早期に二便に復便してほしいとの声がたくさん届いておりますし、私自身も早期に復便をしていただきたい、そのように願っておるところでございます。  また現在、駐車場の拡張工事が進められておりますが、現状におきまして、駐車場の混雑がひどく、拡張後も十分に旅客機の増加に対応できるのか不安があり、空港施設につきましても先を見通しながら計画的に進めていく必要があると強く感じているのは私一人ではないと、そのように思っております。  このことについて県はどのように考えておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。  三番目、滑走路の延長についてであります。  滑走路の二千五百メートルへの延長は、佐賀空港の開港以来の大きな課題でございました。開港前後を中心に県議会におきまして滑走路延長の議論がたびたびなされた時期がありました。残念ながら、近年ではその議論がほとんどなされていないということでございます。  そのような中で、私は平成二十五年十二月のソウル便就航の際、県の訪問団の一員としてソウルを訪問させていただき、ソウル有数の繁華街であります明洞での街頭キャンペーンを行うとともに、ティーウェイ航空と意見交換というものをさせていただきました。その際、ティーウェイ航空の幹部が、「夏場は浮力が弱いので二千メートルの滑走路では重量制限を行う必要があり、いわゆる人員を少なくしなければならない。滑走路が延長されればより多くの利用客に御利用いただける」と、そのような意見が出されておりました。  また、昨年十月に県の観光プロモーションでバンコクを訪問し、タイ政府観光庁や現地の旅行会社に対して佐賀県の魅力をしっかりとアピールしてきたところでございますが、その中で、「佐賀県は映画やテレビドラマの舞台となり、タイ人の佐賀県に対する関心が高まっている。佐賀県に直接行ける交通手段があればいい」と、そういう声をいただいたわけでございます。  滑走路の延長については、県民の理解を得ながら事業を進めていくということが肝要でございますが、私としてはすぐにでも取りかかっていただきたい、そのように思っているところでございます。  県は、この滑走路の延長の意義をどのように考えているのか。また、どのように検討を進めていこうと思っておられるのか、知事にお伺いをさせていただきます。  四点目、愛称についてでございます。  佐賀空港は、開港以来、「有明佐賀空港」という愛称を使用してまいりました。なぜこの時期に新たに「九州佐賀国際空港」という愛称の使用を検討されるのか、私も先ほどから申しておりますように、ライフワークとでも申しましょうか、「佐賀空港をハブ空港に」という意味では大いにこの愛称に期待するところでございますけれども、この愛称に込めた知事の思いというものをぜひ御披瀝をお願いしたいと思っております。  次に五点目、「佐賀空港がめざす将来像」の実現についてでありますが、これが実現すれば、佐賀県にさまざまな効果をもたらすものと大いに期待をしております。私も、この将来像をできるだけ早く実現させることが大変重要であると考えている一人でございます。  知事は、ある意味覚悟を持って「佐賀空港がめざす将来像」を発表されたと思いますけれども、その実現に向けてどのような決意で取り組んでいくおつもりなのか、知事の熱い思いをぜひ披瀝していただきたいということで、二項目めを終わらせていただきます。  次に、三項目めの国際戦略の推進についてであります。  人口減少や少子・高齢化に伴いまして国内市場の縮小が避けられない現状にある中、佐賀県が持続的に発展していくためには、海外の活力を積極的に取り込んでいく必要があると、そのように考えております。  また、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることが決定をしており、日本に対する世界からの関心が大いに高まっております。二〇二〇年、これに向けて日本の国際化がさらに加速するものと考えられます。  このような中、知事は今議会の所信表明におきまして、連綿と続く歴史や文化、農林水産品、陶磁器など佐賀県の「本物」の地域資源をさらに磨き上げ、世界に発信していくことにより、世界からも称賛される佐賀県をつくっていきたいと表明されたところであります。私も大いに賛同をいたします。  来年二〇一六年は、有田焼創業四百年の年であります。有田焼は我が国を代表する、いわゆる「本物」の地域資源の一つであります。さかのぼれば一六五〇年代、オランダの東インド会社により有田焼のヨーロッパ輸出が始まりました。佐賀県は世界とつながったわけであります。そして、現在におきましては、有田焼を中心に佐賀県とオランダとの交流は農業やスポーツ、こういった幅広い分野に広がってきております。  このように、佐賀県は歴史的にも世界とのつながりの中で発展してきており、これからも県の国際戦略に基づくさまざまな取り組みを積極的に展開していくことで、佐賀県の持続的な発展を実現していくべきだと、そのように考えているところでございます。  そこで、外国人観光客の誘致促進についてお伺いをいたします。  まず一点目、人口減少において、外部の活力を地域に取り込むには交流人口の増加、特に海外からの観光客の増加を図ることが重要であると考えておりますが、国においてもインバウンドツーリズムの振興を成長戦略の柱の一つに位置づけられており、平成二十六年の訪日外国人旅行者は飛躍的に拡大をいたしまして、一千三百万人を突破したと聞いております。  佐賀県には「食」や「温泉」、「歴史・文化」などさまざまな地域資源がありますが、例えば、佐賀市内の佐賀牛レストランには、「佐賀牛」がブランドとして確立している香港から多数のお客様が来店されておりますし、また、祐徳稲荷神社には、映画、ドラマのロケ誘致に成功したタイからのお客様がふえていると、直接、鍋島権宮司さんから話を伺う機会がございました。  こうしたことは、佐賀の「本物」が海外からの観光客増につながった好例ではないかと考えているところでございます。  このような状況を踏まえ、外国人観光客の誘致促進について今後どのように取り組まれていこうとされているのか、知事にお伺いをさせていただきます。  次に二点目、多文化共生の地域づくりについてでございます。  あらゆる分野でグローバル化が進む中、本県が活力ある地域として持続的に発展していくためには、県民一人一人が異なる文化や価値観を認め合い、外国人住民と協力して地域づくりを行うことなど、多文化共生の地域づくりを進めていくこと、このことは大変重要であると私も思っておりますが、また、海外との経済交流、人や文化の交流など全ての面におきまして、その基礎、土台になるものが多文化共生の地域づくりであるとも考えております。  そこで、この多文化共生の地域づくりについて、本県は今後どのように取り組まれていくのか、これも知事にお伺いをさせていただきます。  そして最後に、オランダとの交流についてお伺いをさせていただきます。  県の国際化を積極的に進めていくという知事の姿勢には大いに賛同をするところでございますし、引き続き世界各地に視野を広げた海外展開をより一層推進していただきたいと考えております。  平成二十五年十一月、県は駐日オランダ王国大使館と「クリエイティブ産業の交流に関する協定」を締結いたしました。私も当時、議長としてその締結式に立ち会っておりまして、出島を通じて始まった佐賀県とオランダとの歴史的なかかわりを改めて感じたところであります。  そして、最近では佐賀県とオランダとの関係は、有田焼創業四百年事業を契機といたしまして、より一層厚みを増してきており、これからもさまざまな分野での交流が促進されていくことを大いに期待しております。  そこで、今後オランダとの交流について、県としてどのように取り組んでいかれるのか、これまた知事にお伺いをさせていただきます。  次に四点目、三重津海軍所跡地等の情報発信に係る枝梅酒造の利活用についてお伺いをさせていただきます。  佐賀市の三重津海軍所跡が構成資産となっており、八県十一市、二十三の資産から成る「明治日本の産業革命遺産」、これが先日、イコモスから世界遺産一覧表記載の勧告がなされて、非常に喜んだところでございますが、今月末からドイツのボンで開催をされます世界遺産委員会では、七月三日から五日までに審議され、正式に登録の可否が決定されると、そのように聞いております。  しかし、三重津海軍所跡地のみでは佐賀藩の誇れる歴史は語れません。三重津だけでは三重津も生きないと私は思っております。この「明治日本の産業革命遺産」につきましては、幕末から明治期の日本における重工業分野、いわゆる造船、製鉄、製鋼、石炭産業の急速な産業化の道程を時間軸に沿って証言する一連の産業遺産で構成されており、西洋から西洋でない地域への産業化の移転が成功したことを物語っているものでございます。最初の段階は、製鉄と造船における試行錯誤の実験であり、そのほとんどが西洋の技術書を参考にしたり、洋式船の事例を模倣したりするものでありました。この試行錯誤の実験が、次の段階の西洋の技術と、それを運用するための専門知識を成功裏に導入することにつながって、さらにはそれらを日本国内の需要や社会的伝統に適用させ、産業化は完成期に到達したものであります。同じ歴史、文化に属するものを一つのまとまりとして関連づけ、全体で顕著な普遍的な価値を有するものとして世界遺産に推薦することをシリアル・ノミネーションと申しますが、この遺産群はまさに幕末から明治にかけての日本の近代化のストーリー展開を示しているものと私は考えております。  三重津海軍所跡は、その初期の段階の試行錯誤の実験に位置づけられるものであります。この遺産群の中にはないのですが、三重津海軍所に至るまでの幕末佐賀藩においては、日本の近代化をリードした数多くの取り組みが試みられております。残念ながら、世界遺産の要件であります真実性や完全性の点で産業革命遺産の中に含まれておらず、佐賀藩近代化の歴史資産については、唯一、三重津海軍所跡が入っているわけであります。産業革命遺産に関連した佐賀藩の歴史ストーリーは、中日新聞の第一面に大きく報じられておりますし、また、東京新聞にも同じように、鍋島直正公、いわゆる閑叟公の写真が掲載されており、構成資産の韮山反射炉が佐賀藩のアドバイスがあって完成したと専門家が考えているところであります。  佐賀の構成資産であります三重津海軍所跡は、地下に存在しております。直接見ることはできません。三重津海軍所ができるまでの技術とされております築地反射炉、多布施反射炉、精煉方も残念ながら現存はしておりません。  このような中で、外からの佐賀に対する評価は改めて佐賀を再認識する一つのチャンスと捉えるべきではないかと思います。そもそも日本の近代化の根底にあるものは、日本が伝統的に受け継いできた在来の知識や事実によるもの、すなわち日本の在来知と西洋の技術融合なわけであります。日本の在来知を基本に置いた歴史ストーリーの情報を発信し、来訪者へのおもてなしを実践する上で、築地反射炉跡、精煉方と多布施反射炉跡に近く、今も江戸時代から残る建物が存在をしております長崎街道を一つの拠点とすることは有効な手だてではないかと考えております。  長崎街道の西の端、八戸地区の中にあるのこぎり型家並みの一角に、江戸時代から残ります枝梅酒造というものがございます。私も先日、訪問をさせていただきましたけれども、毎年、日新小学校三年生の子供たちが佐賀の歴史教育の一環として見学に来て、大変興味を示して帰るそうです。  また、昨年十一月、枝梅酒造の酒蔵におきまして、十五代鍋島直晶氏をお呼びして、佐賀の近代化史跡をめぐる「まち歩き」とシンポジウムが、十六団体の市民グループ、さが長崎街道まちづくり実行委員会の手で開催され、二日間で五百人近い人たちで枝梅酒造がにぎわったと聞いております。  こうした中、佐賀市が、以前より枝梅酒造の建物の老朽化と持ち主の維持管理の費用負担を気にかけておられ、同時に今度は建物の景観的重要性を認識していたことから、ことし初めに長崎街道沿いに面する部分の土地、建物の購入を決定されたところであります。  私は、佐賀の近代化の原点は築地反射炉だと思っております。その中心には、鍋島直正公がおられます。現存するものはありませんけれども、長崎街道を活用し、佐賀藩がいかに幕末期に海外の脅威に向けて手を打ったのかの説明はできます。三重津海軍所跡が世界遺産になることで、この佐賀藩の歴史に光を当て、佐賀県民のみならずに世界に発信する絶好の機会と考えております。先ほども申しましたように、長崎街道に江戸時代から現存する枝梅酒造があり、現場主義をモットーにされる知事にもぜひここに足を運んでいただきたい、切望いたします。  そして、私はここを活用し、八県十一市二十三カ所の構成資産のスタートの起点となったのが佐賀であるということを世界に向け発信することを提案したいと思っております。古い建物、お酒の製造場所、長崎街道沿い、活用方法は無限大と思っておりますし、三重津海軍所跡でも佐賀城本丸でも博物館でもできるだろうとの意見はあります。しかし、枝梅酒造のように、建物自体に歴史があり、長崎街道に面し、近くには築地反射炉跡、多布施反射炉跡、精煉方跡が存在するなど、幕末佐賀藩や日本の近代化の歴史に思いをはせる絶好の場所はほかにございません。昔の人は、この長崎街道から世界を見ていたんだと、そんな演出効果を大いに期待できるところでございます。  ついては、この枝梅酒造全体を視野に入れて、三重津海軍所跡を含めた幕末佐賀藩の偉業に関する情報発信やさまざまな取り組みのため利活用すべきだと思いますけれども、御所見をお伺いさせていただきます。
     次に五点目、企業誘致の推進についてであります。  人口減少時代に対応し、将来にわたって魅力ある日本社会を維持していくための施策を整合的かつ計画的に実施することを目的としたまち・ひと・しごと創生法が昨年十一月に成立をいたしました。これを受けて十二月には政府において地方創生に向けた施策の基本方向をまとめた、まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定をされたところであります。実質的な取り組みを始めるという意味では、ことしは地方創生元年と、そう言っても過言ではないし、今後地方創生に向けた取り組みが本格化するものと大いに期待をしております。仕事が人を呼び、人が仕事を呼び込む好循環をつくり、魅力あふれる地方を創生するためには、しごと創生が私は大いに重要であると考えております。  また、山口県政が進める総合計画二〇一五では、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」という基本理念を掲げておられますが、それを推進していくためには、県内経済の活性化が何より必要であると思います。とりわけ、経済の活性化に有効なのは、新しい雇用を生み出す企業誘致であります。ことし三月に県立高校を卒業した高校生のうち、二千百十人が就職しておりますが、そのうち、何と九百二十三人、四三・七%の子供たち、約半分近くが県外に就職をしていっております。企業誘致は、佐賀県の将来を担う若者の雇用の受け皿をつくることにつながっていくと考えます。  例えば、昨年九月には、日本一の品質を誇る山本海苔店が佐賀市久保泉第二工業団地において操業を開始されました。また、本日、滑り軸受けの世界トップメーカー大同メタル工業では起工式が行われて、いわゆる御縁というものを感じたところでございます。  今後の地方創生を実のあるものにし、地方経済を活性化していくためには、このように企業が進出し、若者の雇用を生むことが大切で、県には次なる企業誘致に市町と連携をしていただいて、積極的に取り組んでいただきたいと、そのように強く思っております。  こうした企業進出が進む一方、県内を見渡しましたときに、企業誘致を進める上で欠かせない工業団地が実は不足してきているのではないかと、そのように考えております。  景気が回復傾向にあり、企業の設備投資も活発に行われているこの好機を逃さずに企業誘致を進めるためには、企業のニーズに応えることができるように、工業団地をあらかじめ整備しておく、このことが非常に大切だと思います。  また、経済波及効果が大きいと言われております製造業のほか、佐賀市において進出されておりますIT系の企業など、いわゆる事務系の企業も若者の雇用の受け皿としては非常に重要であり、こうした企業が進出しやすい環境整備も実は求められているところでございます。  そこでお伺いいたしますけれども、まず一点目に現状についてですが、これまでの企業誘致の実績と工業団地の現状、これがどうなっているのかということをまずお示しをいただきたいと思っております。  そして、今後の取り組みでありますけれども、先ほども申し上げましたが、真の地方創生を実現するためには、企業が進出できる環境整備、これを積極的に行いまして、市町と連携をして、企業誘致を進めることが必要でございます。そこで、県では今後どのように進めていこうとされているのかお伺いをさせていただきます。  最後の六項目めの質問に移ります。警察本部長の着任所見についてであります。  県民は、犯罪や事故のない安全で平穏な社会で安心して生活することを切に願っているところであります。治安の安定は、県勢発展に欠くことのできない重要な要素であります。  しかしながら、子供や女性、あるいは高齢者を対象といたしました犯罪が依然として発生をしておりますし、とりわけ交通情勢につきましては、人口十万人当たりの人身交通事故発生件数が三年連続ワースト一位であり、昨年は交通事故による死者数もワースト一位という大変厳しい残念な状況であったと承知をいたしております。  県民の命や財産を守るため、県警察においては、県民の安全・安心を脅かすこうした事件、事故の抑止と検挙に向け、昼夜をたがわず全力を挙げて取り組んでいただいており、県民の一人として心強く思うとともに、今後とも関係機関や団体と連携し、そして県民とともに県内の治安維持に邁進され、県民の期待と信頼に大いに応えられることを期待するものでございます。  今林本部長におかれましては、去る三月十六日付で本県の治安維持の最高責任者として着任をされたところでありますが、県警察が抱える諸課題、これに対しまして積極果敢に取り組んでいただき、県民が安心して暮らしていくことができる安全な地域社会の実現に尽力していただきたいと願うところでございます。  県警察としては、まずは人身交通事故の総量抑止、このことに向けてこれからもいろいろと取り組んでいかれると存じますが、ついては今林本部長に、こうした本県の治安情勢を踏まえたところによります着任に当たっての所見の披瀝をお願いし、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 40 ◎山口知事 登壇=木原奉文議員の御質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港のオスプレイ等配置につきまして、国防に対する私の認識についてでございますが、私も我が国の安全保障の重要性は十分に理解しているつもりでございます。国防につきましても、正面から向かい合っていくことが大事だと思っています。  今回の要請につきましては、何よりも県民の安全・安心が第一と考えておりまして、このことを考えるためにも、まずは防衛省に計画の全体像や将来像を明確に示してもらうことが肝要だと思っております。  この全体像や将来像の内容についてのお尋ねもございました。  これまで防衛省からは一定の説明はあっているわけでございますけれども、例えば、「米軍と煮詰まった話はしているわけではありません」ですとか、「ちょっと使わせてもらえないか」、「現時点においては」ですとか、「現時点での見積もりでは」といったお話をいただいたわけです。説明にやはりこういった曖昧な部分があるということについては、ここをしっかりと明確にしてもらえないでしょうかという形で私も申し上げたところであります。  特に、米海兵隊の全体像や将来像が曖昧だったと思っております。私が求める全体像、将来像は米海兵隊の動向、そして施設の全体像など、こういった曖昧な部分を明確にして、できる限り具体的な姿形を示していただきたいということでございます。  そして、この判断についてのお尋ねもございました。全体像や将来像が示されない限り何も判断しないのかというお尋ねでございましたけれども、提案内容がはっきりしないもの、そうした対象が見えないものについては私は検討のしようがないと思っております。計画の全体像、将来像が明確に示されるまでは、次のステップと申しましょうか、提案内容の検討には進めないものというふうに思っています。  防衛省への求め、もっとはっきりと防衛省に対して伝えるべきではないかというお話もありましたが、私は二月十三日に左藤防衛副大臣が訪問いただいたときに、米海兵隊の利用を含めた計画の全体像や将来像を明確にしていただきたいと申し上げたところであります。  次に、沖縄の負担軽減についてのお話もいただきました。  沖縄の基地負担が非常に重いということにつきましては、私も平成十九年、二十年でありましたでしょうか、内閣府で沖縄担当の企画官であったこともあります。肌感覚として感じてきたところでもあります。  沖縄の負担軽減につきましては、これは必要と考えておりますし、国民全体で担うべき課題であるというふうに考えています。ただ、このことと今回の要請を受け入れるのかどうかということにつきましては、おのおの別に考える課題と認識しているところであります。  続きまして、米軍を一旦切り離して考えるべきだというお話もございました。  私は、防衛省からは米海兵隊の利用を含めて三点の要請があっていると認識しております。防衛省からの要請がそうである以上は、要請されている三点につきまして明確に示していただきたいと考えているところでございます。この米海兵隊も含めた三点については返事がいただけるものと考えているところであります。  続きまして、目達原駐屯地ヘリコプターの移駐、そして佐賀空港の発展との両立に関する見解についてでございますけれども、こうした御質問をいただいております。お話はしっかりと承りましたけれども、これまでの答弁でわかっていただけると思っておりますが、何よりまずは防衛省に提案の入り口として、計画の全体像や将来像を明確に示していただくことが肝要であると思っているわけであります。  こうした中で、特別委員会に期待するものについてのお尋ねがございました。  あえて私から言う問題ではないのかもしれませんけれども、特別委員会においてはぜひ県民の意見をしっかりと吸い上げていただいて議論していただきたいというふうに思っているわけでございます。  続きまして、佐賀空港が目指す将来像についてのお尋ねがございました。  「佐賀県総合計画二〇一五」の基本理念であります「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を実現していくために、高い経済成長や人口拡大が見込まれる東アジア、東南アジア、南アジアを国際戦略上の重要なターゲットエリアと位置づけております。そうしたターゲットエリアと佐賀空港がダイレクトに結ばれることによりまして、県内産業、観光産業の育成やグローバル人材の育成など、「交流」というキーワード、本県のさらなる発展につながるものと思っています。  佐賀県が世界に向けて大きく羽ばたくことができるように、この将来像におきまして、基幹路線である東京便を中心としながら、LCCの拠点空港化が進み、九州におけるゲートウエー空港としての地位を確立している姿を目標としているわけでございます。それが佐賀県飛躍の大きなチャンスとなって、契機となっていくというふうに私は確信しているわけであります。  続きまして、空港施設の機能強化についてでございます。  近年、御案内のとおり利用者数の大幅な増加によりまして、駐機場や旅客ビルに余裕がございません。LCCは、一般的に新規就航や増便などの動きが早いわけでございまして、また、機材の稼働率も高いわけでございますので、LCCが希望する時間帯での運航ができる受け入れ体制をあらかじめ整えておくことが重要だと思っております。既に運航している路線の安全で安定した運航の確保とともに、新規路線誘致や増便のチャンスを逃すことがないようにするために、国内線、国際線をそれぞれ同一時間帯に二便同時に受け入れることができるよう、旅客ビルや駐機場などの機能強化の内容を検討の上、計画的に整備させていただきたいと思っています。  続きまして、滑走路の延長についてのお尋ねがございました。  全国的に二千五百メートル以上の滑走路を持つ空港が多い中で、二千メートルの滑走路では他空港との厳しい誘致競争において不利な立場でございます。これはもう木原議員のお話のとおりでございます。極めて厳しい状況にございます。また、国際戦略上、重要なターゲットエリアである東南アジア、南アジアのほとんどが現在の二千メートルの滑走路では就航が厳しい状況でございます。  九州各空港の滑走路の延長を改めて紹介させていただきたいと思いますが、福岡空港は二千八百メートル、北九州は二千五百、長崎は三千、大分は三千、熊本は三千、宮崎は二千五百、鹿児島空港は三千でございます。九州のゲートウエー空港を目指す佐賀空港が二千メートルでございます。この中で我々は、佐賀県を立派に売り出していくために努力するということでございますので、ぜひ県議会、そして県民の皆さん方の御検討をいただきたいと思います。  そして、仮に滑走路を延長するといたしましても、十年以上の期間を要することが見込まれることから、「佐賀空港がめざす将来像」を取りまとめる、このタイミングに合わせて御検討をいただきたいと思います。  このため、県議会の皆様方の御意見、そして県民の意見を聞きながら、九月、または十一月以降の議会において関係予算を計上させていただいて、県としての考えを取りまとめたいと考えている次第であります。  続きまして、愛称についてのお尋ねがございました。  私自身、有明佐賀空港の特にこの「有明」という部分には格別の思いがあります。美しい輝き、本物、さまざまな有明海にまつわる佐賀県人の思いというものは並大抵のものではありません。有明海は大変すばらしい海なので、私は国内外の多くの方々に直接見て知ってもらいたいという気持ちがあります。自分たちですばらしいと言うだけでなくて、ぜひ見ていただきたい。それが県全体の発展にもつながると思います。そういった意味で、愛称は戦略的に使っていくことが重要だと思っています。  一方、佐賀空港の利用状況を見てみますと、LCCの就航もありまして、県内や有明海沿岸地域にとどまらず、福岡県や長崎県といった北部九州を中心に広い範囲から利用いただいています。また、九州を周遊する外国人観光客も多く利用いただいております。  海外の航空会社からは、九州という地名が入っているほうがよりアピールできるというお話もありますし、例えば、佐賀─上海線でありますと、この利用は福岡県民が五〇%でございます。佐賀空港を九州のゲートウエー空港として国内外にアピールしていくことが重要であると考えておりますので、その思いを込めて、九州佐賀国際空港という愛称を使用してはいかがだろうかという提案をしているところでございます。  なお、この愛称つきましては、本日開始いたします「佐賀空港がめざす将来像(案)」のパブリックコメントにおいて県民からも意見聴取をさせていただくことといたしております。  続きまして、その将来像の実現についてのお尋ねでございました。  今回策定しております総合計画二〇一五における国際戦略を推進していくためには、「佐賀空港がめざす将来像」を実現する必要があります。  国は二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックにあわせて訪日外国人客数二千万人、二〇三〇年の三千万人が目標、その受け入れに当たって羽田、成田などの主要空港だけでなく、地方空港の役割が大きくなってきてございます。また、国内外のLCCが積極的に路線を展開しております。このチャンスを生かしまして、「佐賀空港がめざす将来像」の実現につながることができますように、空港の機能強化を図りながら、これまで培ってきた国や旅行業界、さらには海外の政府機関などとの人的ネットワークなど、あらゆるチャンスを最大限活用し、みずからが先頭に立って国内外の航空会社や旅行会社などへのトップセールスをタイムリーかつ積極的に展開することなどにつきまして、全力を尽くしていきたいというふうに思っております。  続きまして、外国人観光客の誘致促進についてでございますが、私も知事選挙に出馬する前は、二年まではいきませんでしたけれども、民間企業のJTB、そしてラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会ということで、まさに民間そのものにおりました。給与も民間企業からいただいておりました。そういうことから、今、大きくその経験が生かせるときが来たものだというふうに考えているわけでございます。  これからの観光は、団体旅行から個人旅行へと変わっております。ウエブなどを通じたFIT、個人の情報発信、そしてトリップアドバイザーですとか、さまざまなものを活用しながら、個人が世界中を旅行する時代であります。そうした中では、都会とか田舎とか余り関係なく、全国どこにでもチャンスがある時代が到来すると思います。気持ちが入った方からは、その人との思いですとか、その風景をアップすることによって、多くの方々がその地域を訪れるということがよくあるわけでございまして、佐賀県には歴史、文化、食、自然など、本物の地域資源が豊富、そして人懐っこい、さまざまな方々とおつき合いするDNAを持っている人がいます。  こうしたさまざまな資源をさらに磨き上げて世界に発信していくことが外国人観光客の誘致促進につながると確信しておりますし、外国人の皆さん方が納得のいく観光地であるということ自体が、国内の皆さん方にもひいては満足いただけることになるというふうに確信しています。  そのためには、まず、我々県民が、佐賀は何もなかと言わずに、その価値を再認識して、それぞれの地域の関係者がみずから磨き上げることが必要だと思っています。  観光客に十分満足してもらうためには、無料公衆無線LANや多言語コールセンターなど、受け入れ環境の整備も重要であります。これからしっかりと推進していく所存であります。  また、現在本県を訪れる外国人観光客数は、佐賀空港のLCC就航などによってふえています。ただ、問題は木原議員から御指摘いただきましたように、佐賀空港は使っても意外と佐賀にお金が落ちずによその県に行ってしまうという場合も多いわけですから、佐賀空港を使っていただくことプラス、佐賀県内で消費をしていただくという仕掛け、これはあわせてやる必要が十分にあるんだろうと思っているわけでございます。  続きまして、議員御指摘のタイに関してでございますが、本県でロケを行った映画、ドラマの人気が出たことによりまして、多くの人に佐賀の魅力が伝わって、認知度がかなり高まっていると認識しております。私自身もゴールデンウイークに唐津におったときに、偶然、タイ人のカップルが新婚旅行で来ていました。レンタカーを活用しておられましたけれども、こういう形でも、映画を見てその姿に会いたいということで佐賀に来ていただけるんだなということを意を強くいたしましたけれども、先週もタイから政府高官と知事等によります行政視察団にお越しいただきまして、県内のロケ地、そして「佐賀牛」など、佐賀の本物を堪能いただきました。  こうした機を捉えまして、私自身もトップセールスを行うなど集中的なプロモーションを実施して、佐賀の本物をしっかり届けていきたいと、そして誘客につなげていきたいと思っています。  今後は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックなどで日本に訪れる外国人を佐賀に呼び込むための取り組み、実際二〇二〇年はかえって地域がなかなか厳しい状況に置かれるというふうに私は思っていますけれども、二〇二〇年の前後、大きいタームで見ると、日本に注目が集まることは間違いないと思います。その契機に世界遺産候補地の三重津海軍所跡、そしてラムサール条約湿地に登録された有明海の干潟たちという、新しい観光素材を生かす取り組みも必要だと思っております。佐賀空港を発展させること、海外路線をふやしていくことも重要だと思います。  こうした取り組みを通じて、多くの方から愛され、多くの方が訪れる佐賀県となるように、佐賀県がこういったすばらしい県であって、大都市圏からも近くて、ポテンシャルも高いという、今こそ佐賀県の総合力を生かす、そして世界に知っていただくチャンスだと思っているわけでございます。  続きまして、多文化共生の地域づくりについてのお尋ねもございました。  佐賀県でも最近、日本語学校を誘致するなど、留学生受け入れ拡大を図る一方、技能実習生も増加しているわけでありまして、外国人住民はこれから増加することになろうかと思います。また、国の全体の政策にもよりますけれども、労働力不足の問題の中で、外国人労働者の問題といったものが一つの大きなテーマになろうかと思います。  こうした外国人の住民を、地域社会の構成員として受け入れるに当たりましては、まずは安全・安心で、充実した生活を送れる環境を提供することが必要だと思います。しかしながら、現状では外国人住民にとって最も身近な存在として行政サービスを提供する市町の体制、例えば相談窓口、それから行政情報の多言語化、子供への教育の提供、日本語教室の運営、そして特に災害時の避難対応です。観光危機管理といいますか、よその土地に行って災害があったときにどう避難するのかというのは、これは我々にとって大きな問題ですが、そういったところについてまだ十分とは言えないと思います。  木原議員から御指摘のように、佐賀県が活力ある地域として持続的に発展していくためには、外国人の住民と日本人が異なる文化や価値観を認め合って、その能力を発揮しながら、ともに地域社会へ参画してもらうことで、地域活動や経済活動の活性化につなげることが重要だと思っています。  今年度、県では地域の外国人住民がどのような点で困っているかなどにつきましても、専門家の協力も得まして、実態調査を行う予定としております。身近な市町が多文化共生の実現に向かってしっかりと取り組んでもらえるように、そして、この実態調査の結果を踏まえた施策も提案しながら支援してまいりたいと思っています。  最後に、オランダとの交流についてお話をいただきました。  現在、本県とオランダとの交流につきましては、有田焼創業四百年事業の推進に加えて、農業、そしてスポーツといった分野でも交流を広げてございます。  具体的には、農業では世界で最も栽培技術が進んでいると言われている施設園芸分野の技術や施設の導入、スポーツ分野でありますと、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックなどのスポーツキャンプの誘致など、取り組みが広がりを見せています。  私自身、知事就任以来、駐日オランダ王国大使、ラーディンク・ファン・フォレンホーヴェン大使とは東京と佐賀で二回会談いたしましたけれども、大使とは佐賀県とオランダが緊密に連携しながら、有田焼創業四百年事業を初め、さまざまな分野での交流を深めていくことについてお互いに賛同したところであります。  特に私は、フォレンホーヴェン大使がある夕食会で私に言った言葉が忘れられません。佐賀県には有田焼など本物がありますと。本物があるからつき合っている、本物がある佐賀県だから大切にしているんですと。そこまで言っていただけると、もう佐賀県冥利に尽きるんですが、そういうふうに佐賀県を見ていただく、こういった大使のような方々を大切にしたいというふうに思います。また来るそうです、三回目ですね。お待ちしたいと思います。  これからも私が先頭に立って、大使館を中心として、オランダ政府関係者等とのつながりをより確かなものにしながら、有田焼創業四百年事業を初め、農業やスポーツといった分野も含めたオランダとの幅広い交流を積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 41 ◎石橋農林水産商工本部長 登壇=私からは、企業誘致の推進に係る質問につきまして、二点お答えいたします。  まず、企業誘致の実績と工業団地の現状はどうなっているのかというお尋ねでございました。  前の総合計画の期間中におきます企業誘致の実績を申し上げますと、平成二十三年度が誘致企業数が二十件、新規地元雇用数が千六百七十七人となってございます。平成二十四年度が同じく十三件、そして千百三十五人、平成二十五年度が企業数十六件、地元雇用数が千百四十三人、平成二十六年度が同じく十二件と四百五十二人ということになってございまして、この四年間で企業数が六十一件、新規地元雇用数が四千四百七人というふうになってございます。この六十一件の企業を業種別で見ますと、製造業が三十四件、事務系が十一件、物流業が十五件、その他一件となってございます。  このように誘致が進んだことによりまして、現在分譲中の工業団地は十団地で、面積は四十ヘクタールとなってございます。この分譲面積といいますのは、過去十年間で最低の状況でございまして、また、特に五ヘクタール以上の一面フラットの大型用地は、唐津市の二カ所のみということでございまして、この分譲面積は九州で見ますと長崎県に次いで低いということで、こうして用地が少ないということは大きな課題だというふうに認識しているところでございます。  二点目でございますが、今後の取り組みについてでございます。  議員御指摘のように、企業誘致というものは非常に大きな取り組みでございますし、こうした企業誘致を進めるためには、受け皿となる土地が絶対的に必要でございます。県といたしましては、まずは現在、市町と共同で整備を進めてございます新産業集積エリアにつきまして、当該市町との連携を強化し、早期の整備と早期の分譲を目指していくこととしてございます。  また、それに加えまして、総合計画二〇一五にも記載してございますけれども、企業立地の受け皿を確保するための新たな工業団地の整備、そしてまた、事務系正社員を志向する若者の雇用の受け皿として、事務系企業の誘致に有効な環境整備についても検討していくこととしてございます。  その検討に当たりましては、中期的な視点で地方創生を具現化していくためにも、やはり県内の均衡ある発展のため、地域バランスにも考慮しながら、例えば、頑張る市町を応援するようなスキームでございますとか、企業誘致の最前線に立つ市町みずからが政策的に企業誘致ができる方策などなど、しっかりと市町の意見も聞きながら、スピード感を持って対応していく所存でございます。  こうしたことによりまして、企業が進出しやすい環境整備を進めまして、市町と緊密に連携しながら、地方創生の鍵を握る若者、そして正社員雇用といったことをキーワードに、今後とも積極的な企業誘致活動を展開してまいります。  以上、お答えいたします。 42 ◎白井文化・スポーツ部長 登壇=私からは、三重津海軍所跡等の情報発信に係る枝梅酒造の利活用についてお答えを申し上げます。  「明治日本の産業革命遺産」につきましては、今月末から開催される予定の世界遺産委員会で登録の可否が決定されることになっております。佐賀県初の世界遺産登録を強く期待しているところでございます。  この「明治日本の産業革命遺産」は、我が国が幕末から明治初期のわずか五十年余りで西洋でない地域で初めて急速に産業化をなし遂げたことを証明する遺産群でありまして、当時の日本人が生き残りをかけて、近代国家を形成していった営みを示すものでございまして、汗と努力と知恵の結晶であるというふうに考えております。  議員御指摘のとおり、幕末に三重津海軍所が設置されるに至るまでには、当時の佐賀藩が諸藩に先駆けて我が国初の反射炉の建設や、鉄製大砲の鋳造、蒸気機関車等の研究など、試行錯誤を重ねてきた歴史がございまして、佐賀藩が必死になって取り組んできたそのストーリーをあわせてPRすることで、先人たちが抱き続けた大志や夢に触れることができるものと考えております。  このため県といたしましては、三重津海軍所跡を一つの点としてPRするのではなく、幕末佐賀藩の偉業や、そこに携わった郷土の先人たちの生きざまなどについて、周辺の関連するスポットなどを結びつけながら、面としてPRをしていきたいというふうに考えているところです。  議員から御提案のありました枝梅酒造でございます。この建物の利活用につきましては、先日、私も見学をさせていただきましたけれども、往時の古い酒蔵の建物ですとか、酒づくりの器具なども残っておりまして、のこぎり型家並みのあの長崎街道にあって、とてもよい雰囲気を醸し出しているというふうに感じたところでございます。  一方で、このような建物を活用し、維持していく上では、さまざまな課題もあるのではないかというふうに考えておりまして、このため、どのような対応が一番適切なのか、まずは何と申しましても、地元自治体である佐賀市でありますとか、あるいは地域の関係者の方々などの声を十分に聞いて、じっくりと議論をしてみたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 43 ◎今林警察本部長 登壇=木原議員からの警察本部長着任所見についてとの御質問にお答えいたします。  佐賀県での勤務は初めてでございますが、数多くの文化遺産を有し、また、幕末維新期には数々の逸材を輩出するなど、豊かな歴史と伝統を誇る佐賀県の安全と安心を守るという大任を仰せつかり、大変光栄に存じますとともに、その責任の重さに身の引き締まる思いであります。  さて、県下の治安情勢を見ますと、刑法犯認知件数は平成十五年をピークに減少に転じ、昨年はそのピーク時の件数の半数を下回るなど、数値的には一定の成果が見られるところであります。しかしながら、殺人、強盗、放火といった凶悪犯罪、子供や女性が被害者となる犯罪、高齢者を対象とする特殊詐欺等が依然として発生しており、暴力団情勢も予断を許さない状況にあります。  また、議員御指摘のとおり、全国的に人身交通事故が減少傾向で推移している中、県内ではここ数年間は増減を繰り返している状況であり、人口十万人当たりの人身交通事故発生件数は、平成二十四年から三年連続で全国ワーストワンとなっております。  こうした治安情勢に的確に対処するため、県警察では、犯罪の一層の抑止、重要凶悪犯罪の徹底検挙、交通事故防止対策、暴力団犯罪に対する取り締まり、災害に係る危機管理対策などについて、重点的に取り組んでいるところであります。特に、交通事故防止対策につきましては、人身交通事故総量の抑止を県警察の喫緊の課題として捉え、各種対策を推進していくこととしております。  具体的な対策としましては、交通事故の発生実態を正しく把握し、これをきめ細かく分析した上で、道路利用者が緊張感を保持するため、街頭における交通指導取り締まりやミニ検問等の「目立つ、見せる、知らせる」活動の強化、ルールとマナーを遵守させ、交通安全思想の普及を図るため、高齢者に対する歩行環境シミュレーターを活用した交通安全教育に加え、若者や事業所の運転者に対する交通安全教育車を活用した交通安全教育の推進、国道三十四号を初めとする交通事故の多発路線や多発交差点対策、通学路を含めた生活道路における「ゾーン30」や「ライン30」などの安全対策、県や市町を初めとする関係機関・団体との連携強化による交通安全対策等の諸対策に鋭意取り組み、交通事故の発生を抑止して、県民の方々の期待と信頼に応えることとしております。  以前、私が在フィリピン日本国大使館に勤務したときのことでございますが、強盗事件が多発し、町なかも自由に歩けないといった厳しい治安情勢を体験いたしました。月並みな言葉ではありますが、住民の安全・安心を確保することこそが社会の基盤であると自覚して、今日まで職務に当たっているところでございます。  私は警察本部長就任に当たり、職員に対して、県民の皆様の安全・安心を確保できる県民のための警察であることを警察活動の理念とし、常に県民の方々の声に耳を傾け、県民の安全・安心を確保できる力を備えておくよう指示したところであり、この理念の実現に向け、職員一丸となって各種の課題に取り組んでいるところであります。  また、これらの取り組みにつきましては、随時検証を行い、日々変化する治安情勢に応じて改善を加え、より効果的な取り組みとなるように配意しているところでございます。
     しかしながら、高齢者対策、少年対策、災害対策など、警察のみでは十分な対応ができないものも数多くあると認識しております。このような対策につきましては、警察としての責務を十分果たした上で現在の課題について積極的にわかりやすく情報発信し、地域の方々や市町、県など、多くの関係する方々と連携して、安全・安心なまちづくりに努めていく必要があると考えています。  さまざまな治安上の課題が山積しておりますが、今後とも、県民の皆様と手を携えながら、その立場や目線に立った警察活動を推進し、県民の皆様が安全・安心を実感できる佐賀県を目指してまいりたいと考えているところでございます。  つきましては、県議会の皆様方の御理解と御指導のほど、今後とも、よろしくお願いいたします。  以上でございます。 44 ◎中本正一君(拍手)登壇=公明党の中本正一でございます。四月に議席をいただき、今回初めての一般質問となりますので、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、県政が抱える諸課題につきまして、通告に従い順次質問をいたします。  まず大きな項目の一つ目として、行財政運営計画二〇一五(案)について質問いたします。  山口県政がスタートし、平成二十七年度を見渡す実質的な予算となる、いわゆる肉づけ予算が今議会に上程されており、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」に取り組むため、国の地方創生先行型の交付金を活用しながら、山口カラーを鮮明に示された地方創生関連事業など、政策的な事業を中心に編成されているところであります。  また、今議会に上程されている「佐賀県総合計画二〇一五」における行財政運営の取り組みを具体化する計画として、行財政運営計画二〇一五(案)が報告をされており、平成二十七年度から三十年度までの四年間における行財政運営の基本的な取り組みが示されています。  本計画では、まず、平成二十三年度から二十六年度までの計画であった行財政運営計画二〇一一の総括として、増収対策の成果や地方交付税、県税収入の増により、収支不足が縮減し、計画策定時の収支見通しを上回る百七十五億円の基金残高を確保することができ、一定の財政健全化を達成することができたこと。しかしながら、依然として公債費負担は高い水準で推移し、社会保障関連経費も毎年十五億円ずつ、四年間の累積で約百五十億円増加するため、収支不足解消には至っておらず、平成二十七年度以降も県財政は毎年度収支不足が発生し、平成三十年度末には基金が枯渇する見通しが示されています。  具体的には、平成二十七年度から四年間で約三百九十九億円の収支不足が見込まれ、毎年度発生する決算剰余金四十一億円を繰り入れても、四年目には枯渇し、六十一億円不足する見通しとなっています。  そこで、この四年間の収支均衡を図り、基金残高を百三十五億円程度維持することを目標に、歳出は投資的経費を抑制し、百四十五億円程度縮小する。社会資本整備の予算は中期投資見通しという新たな制度な導入し、四年間にわたる投資額の確保を行う。また、県有地売却や退職手当基金の活用などの取り組み骨子が示されています。  そこで、次の五点について質問いたします。  まず、一点目でありますが、今議会においてまさに今後四年間の県政運営の基本となる「佐賀県総合計画二〇一五」が上程されており、これから地方創生を初め、さまざまな施策に取り組んでいこうとしておられますが、それを支える県財政の現状について、山口知事の認識をお伺いいたします。  次に、行財政運営計画二〇一五(案)における平成二十七年度以降の収支見通しについて伺います。  ここで問題となるのは、決算剰余金をあらかじめ収支見通しの中に組み込んでいいのかという点であります。本来、年間予算をフルに活用して、最大効果が出るような予算執行に努めていく中にあって、必要がないものは早目早目に減額補正をし、新たな予算づけを行った場合も年度内に予算を執行することが基本であります。そうした基本的な財政運営の中で、最終的に二月議会で減額補正をして、その上で残ったものが決算剰余金という形で出てくるものでありますので、そうした決算剰余金を見通しとしてあらかじめ財源の中に組み込まれることに対しまして違和感を感じますが、見解をお伺いいたします。  次に、社会資本等の整備にかかわる中期投資見通しについて質問いたします。  平成十九年度に導入された総額調整ルールは、県内景気の下支えとなるとともに、安定的な財政運営や県内建設業者の計画的な事業運営に一定の役割果たしてきたところであり、こうした取り組みを継続すべきとの議会等での指摘も考慮され、中期投資見通しとして新たな制度化が図られたものと考えます。  しかしながら、計画では、平成二十七年度から三十年度の投資額の総額を二千九百五十億円と見込まれています。このことは行財政運営計画の収支改善対策としての歳出抑制百四十五億円を捻出する根拠とされているわけでありますが、年間三十九億円の投資的経費を削減することが県内の景気動向に影響を与えることはないのか懸念をされます。  行財政運営計画二〇一五(案)は、この四年間の収支均衡を図り、基金残高を百三十五億円程度維持することを目標に作成されていますが、本格的な景気回復に至らない段階で基金残高を百三十五億円程度維持することを目的に、投資的経費を削減するよりも、投資的支出を確保することにより緩やかに持ち直しつつある景気の下支えを優先すべきではないかとの考え方もありますが、見解をお伺いいたします。         ○ 時 間 延 長 45 ◎議長(中倉政義君) 時間を延長します。 46 ◎中本正一君(続)=次に、経済対策の取り扱いについてお伺いいたします。  これまでの総額調整ルールと同様に、中期投資見通しにおいても経済対策は中期投資見通し総額の外枠と考えてよいかお伺いをいたします。  次に、将来を見据えた財政運営に向けた取り組みとして示されています統一的な基準による地方公会計の整備について質問いたします。  この点については、去る一月二十三日、総務大臣名で各都道府県知事及び各指定都市市長宛てに「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」という通知が発せられており、あわせて固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提とした財務書類の作成に関し、統一的な基準マニュアルが取りまとめられております。  通知では、統一的な基準による財務書類を原則として平成二十七年度から二十九年度までの三年間で全ての地方公共団体において作成し、予算編成等に積極的に活用すること、また、平成二十七年度は研修の充実強化や標準的なソフトウエアの無償提供を行うことなどが示されています。  本県でも、平成十九年度決算分から総務省改訂モデルによる行政コスト計算書など財務諸表四表が作成され、公表されてきたところであります。  また、固定資産台帳の整備を進められていますが、土地、建物等に加え、道路、橋梁などのインフラ資産、ソフトウエアなどの無形固定資産の整備や財務会計システムの改修などには膨大な作業が予想され、全庁的なプロジェクトチームを立ち上げて対応する必要もあるものと考えます。  特に、固定資産台帳の早急な整備が必要となってまいりますが、統一的な基準による地方公会計の整備に向けた取り組みの現状についてお伺いをいたします。あわせて県内市町における地方公会計の整備に向け、県は今後、どのように支援を行っていく考えかお示しください。  大きな項目の二つ目、国民健康保険の制度改革について質問いたします。  去る五月二十七日、国民健康保険の財政基盤強化を盛り込んだ医療保険制度改革法が参議院本会議で可決、成立となり、平成三十年度から国民健康保険の事業運営は県が県内の各市町とともに運営を担うことになります。  国民健康保険は、全ての国民が安心して医療を受けることができるための国民皆保険を支える制度として、本県においても県人口の約三割の方が加入されているなど、地域住民の健康の保持増進及び福祉の向上に大きく寄与してきたところであります。  しかし、他の医療保険に比べ、高齢者や低所得者の加入割合が高く、医療技術の高度化等の要因も重なり、実質的な収支の赤字額が増加するなど厳しい事業運営を余儀なくされてきました。  今回の制度改正により都道府県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保など、国保運営に中心的な役割を担うことから制度の安定化が期待をされています。  そこで、次の四点について質問いたします。  まず一点目、県内市町の国民健康保険の現状についてお伺いいたします。  国保の財政運営に関しては、県内市町においても厳しい財政運営が強いられる中、赤字を補填するための法定外繰り入れが行われているものと考えます。法定外繰り入れを行っている市町の数とその総額についてお伺いいたします。  また、平成三十年度から県が財政運営の中心的な役割を担うことになりますが、保険税の賦課徴収に関しては引き続き市町で行うとされています。現在の県内市町の保険税の格差はどのようになっているかお示しください。  二点目に、国民健康保険の制度改革における負担軽減策についてお伺いいたします。  国民健康保険の実態として、高齢者や失業者、非正規労働者の加入が大半を占めるなど構造的な問題を抱えています。今回の制度改革において、市町保険者の負担軽減についてはどのようになっているかお伺いいたします。  三点目、平成三十年度からは県が国民健康保険の財政運営の中心的な役割を担い、市町と役割分担を行いながら共同運営を行うことになりますが、県として今回の制度改革についてどのように評価をされているか伺います。  最後に四点目、平成三十年度からの新制度の運営に向け、これから制度の詳細な点が国から示されてまいります。県内市町との緊密な連携も必要になってくるものと考えます。新制度の円滑な運営に向けて、今後、県としてどのように取り組んでいく考えかお示しください。  次に大きな項目の三つ目、胃がん予防対策について質問いたします。  日本では、胃がんと診断された人は毎年約十二万人と推計され、約五万人が亡くなっており、罹患率や死亡率は年々低下しているとはいえ、高齢社会になって患者数も増加傾向にあります。  佐賀県においても、平成二十五年の胃がんによる死亡者数は三百七十四人で、死亡数、粗死亡率とも肺がんに次いで二番目となっています。  平成二十四年六月に改定された国のがん対策推進基本計画では、平成二十四年度から二十八年度までの五カ年計画の中に、改定前には記載されていなかった胃がん予防が国の方針として明確に位置づけられ、ピロリ菌除菌の有用性について検討することが盛り込まれました。  また、世界保健機関──WHOの専門組織、国際がん研究機関──IARCは昨年九月、胃がんの八割がピロリ菌の感染が原因で、除菌で胃がんの発症を三割から四割減らせるとの報告書を発表し、国内事情に応じて除菌による胃がん予防対策を検討するよう各国に求めています。  IARCは、これまでピロリ菌を発がん要因と分類してきましたが、胃がんの主要な原因であると認めたのは今回初めてであり、特に日本人に多い胃の入り口以外の胃がんでは九割がピロリ菌が原因と推測されると報告をしております。  人間の胃の中にいるヘリコバクター・ピロリ、通称ピロリ菌の除菌は、症状が進んだ胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気に限って保険が適用されていましたが、平成二十五年二月二十一日からピロリ菌の感染による慢性胃炎を治療するための除菌に対しても医療保険が適用されるようになったところであります。  胃炎の治療として除菌を行う場合、全額自己負担で一人当たり約二万円程度かかったものが保険適用によって六千円程度で済むことになります。ピロリ菌を除菌することで胃がんの発症を抑えることができるため、保険適用の拡大により胃がん予防が大きく前進するものと期待をされております。  県においては、昨年三月、「佐賀県がんを生きる社会づくり条例」が施行され、第四条に「県の責務」として、「本県の特性に応じたがん対策に関する施策を策定し、実施するものとする。」とあり、また、第九条第二号に「がんの予防効果のあるワクチンの接種その他のがんの予防の推進のために必要な施策」など「がんの予防の推進」、第十条第三号に「がんの早期発見のために必要な施策」など「早期発見の推進」が示されています。  そこで、次の二点について質問いたします。  まず第一点目に、本県における死亡率や胃がん検診の受診率など、胃がんの現状と対策はどのようになっているかお伺いいたします。  また、市町によっては、胃がんの予防対策としてピロリ菌検査を検診項目に導入している市町もふえてきていると伺いますが、県内市町の状況についてお示しください。  二点目、ピロリ菌除菌の保険適用の拡大についてどのように評価されているかお伺いいたします。  また、ピロリ菌除菌の保険適用が拡大されたことについて、県民への普及啓発にどのように取り組んでいく考えかお示しください。  次に大きな項目の四つ目、文化財の保存活用といった観点から二つの歴史的遺産について質問いたします。  まず、世界遺産への登録勧告を受けた三重津海軍所跡についてお伺いいたします。  ゴールデンウイーク真っただ中の本年五月四日、三重津海軍所跡を構成資産に含む「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」が国際記念物遺跡会議──イコモスの登録勧告を受け、構成する二十三施設の地元を初め、日本中が喜びに沸き立ちました。  今後、六月末から開催される世界遺産委員会での審査を経て、世界遺産への登録となります。心配していた同委員会の委員国である韓国の反発も、けさの新聞では政府の粘り強い外交努力で協力に向け前進したようであります。  さて、三重津海軍所跡は地下遺構ということで、既にドライドックの跡は保存のため埋め戻されており、実際に見ることができず、イメージしづらいといった課題があり、隣接する佐野常民記念館にドックの模型展示や海軍所を再現した映像体験システムを整備、また、本年四月にはコンピューターグラフィックで当時を再現するVRスコープを整備するなど努力もされてきておりますが、今後、さらなる工夫が求められます。  また、登録勧告がゴールデンウイーク期間中ということもあり、県内外からたくさんの来場者が押し寄せました。これまで一日百三十人ほどだった来場者が勧告翌日の五日が千六百人、六日は二千人を超えており、その後も平日で約四百人弱、土日は九百人を超える来場者となっており、来場者への対応に当たる人的な配置の問題など新たな課題も出ているようであります。  これまで三重津海軍所跡の世界遺産登録に向けては、登録推進については佐賀市の世界遺産登録推進室と県文化課にある世界遺産推進室、また、文化財整備に伴う確認調査は佐賀市教育委員会文化振興課と佐賀県教育委員会文化財課とがそれぞれ連携した取り組みが行われてきたものと思います。  しかし、それぞれの事業や役割が交錯していたところもあり、また、今回の世界遺産への登録を契機にさらなる遺構の確認調査や保存整備、活用推進など課題も山積をしているようであります。  そこで、次の二点についてお伺いいたします。  まず、三重津海軍所跡については、今後、佐賀市で史跡の全体像を明らかにするため、発掘等の調査が継続されるとともに保全整備も進められることになりますが、県教育委員会としてどのように支援をしていく考えかお伺いいたします。  次に、史跡の活用推進について、検討すべき課題をどのように認識されているかお伺いいたします。また、今後新たな課題が出てくることも想定され、県と市がさらに連携を深め、佐賀の貴重な宝である三重津海軍所跡の活用推進を進めるべきと考えますが、見解をお示しください。  次に、東名遺跡についてお伺いいたします。  東名遺跡は、佐賀市金立町に位置する縄文時代早期の遺跡であります。貝塚部分は平成十五年、巨勢川調整池の掘削工事中に確認され、湿地性貝塚としては国内最古とされます。  遺跡全体が厚い粘土層で包まれていたため、保存状態が良好で、国内最古の木製編みかごなどが大量に出土し、縄文時代の生活様式や文化を知る上で重要な遺跡とされています。  また、昨年まとめられた東名遺跡重要性検討会の報告書では、縄文時代の特徴である狩猟、採集、漁労の三つがそろった国内最古級の遺跡であること、また、定住化を示す縄文時代最古の遺跡に位置づけられること、新しい測定法を取り入れた結果、約七千四百年から八千年前の遺跡であることが判明するなど、東名遺跡の価値や歴史的な位置づけが明らかになり、遺跡の重要性はますます高まったと評価されています。  今後、佐賀市では国史跡指定に向け、平成二十八年一月に史跡指定申請書を文部科学省へ提出する予定で、承認が得られれば同年六月に審議会から文部科学大臣に答申、九月に文部科学省告示というスケジュールになっており、現在、文部科学省や国土交通省との調整や手続を進めています。  本年四月八日付の佐賀新聞には、参議院文教科学委員会で東名遺跡の国史跡指定について、公明党の秋野公造参議院議員が質問に取り上げ、文化庁の有松育子次長は、「縄文時代早期の生活を知ることができる極めて貴重な遺跡」と評価した上で、「市教委は土地の所有者である国土交通省の了解を得た上で、史跡指定の意見を出す考えと聞いている。意見が出されれば、文化審議会に諮った上で適切に対処したい」と答弁されたことが一面で紹介をされており、文化庁も東名遺跡について高く評価をされているようであります。  県内には弥生時代を代表する吉野ヶ里遺跡があり、全国から歴史ファンを初め、多くの見学者が訪れています。縄文を代表する東名遺跡と弥生を代表する吉野ヶ里遺跡が同じ佐賀平野に至近距離で位置するこのロケーションは、今後、観光や考古学への関心を高める絶好のチャンスとなってまいります。  そこで、県として、東名遺跡の重要性についてどのように認識をされているかお伺いいたします。  また、今後の保存活用など、県教育委員会としての取り組みについて見解をお示しください。  次に大きな項目の五つ目、本年五月二十九日、ラムサール条約に登録された佐賀市の東よか干潟と鹿島市の肥前鹿島干潟、二つのラムサール条約登録湿地の活用について質問いたします。  ラムサール条約、正式名称は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といい、希少種や多様な生態系の干潟や河川、湿原などの保全を目的としたもので、今回登録となった県内の二カ所は、シギやチドリ、希少種のスグロカモメなどが飛来し、渡り鳥の重要な中継地で、ムツゴロウなど干潟独自の生態系を育んでいることで知られており、今回の登録で国内の登録湿地は五十カ所となっています。  特に佐賀市の東よか干潟は、合併前の平成十六年に条約登録の話が浮上したものの、当時の古川知事が農水産物への被害や空港のバードストライクへの懸念を示したことから自然凍結状態になり、平成二十四年、環境省側から改めて条約登録への打診があって、登録に向けて動き出したという経緯もあり、東与賀まちづくり協議会を初め、地元は喜びに沸き上がっています。  ラムサール条約の登録湿地となったことにより地域のイメージアップが図られ、国の内外から注目が集まります。また、環境学習や自然体験型観光への活用が図られるなど、地方創生を象徴する佐賀の本物の地域資源として活用することが可能となってまいります。さらに、多くの人々が有明海や干潟の価値や魅力を再認識し、有明海の保全、再生のきっかけになることが期待されます。  ラムサール条約登録の三つの柱は、保全・再生、交流・学習、賢明な利用──ワイズユースとされており、佐賀市や鹿島市では干潟の保全を図るとともに、自然環境学習の素材や観光資源としての利活用を図り、地域振興につなげる取り組みを進めていく計画のようであります。  そこで、今回、県内の同じ有明海北部の干潟が二カ所同時にラムサール条約の登録を受けたということで、効果的な周知や活用について、県としてどのような取り組みを考えているか見解をお伺いいたします。また、観光面からの取り組みについてもあわせてお示しください。  最後、大きな項目の六つ目、教科書採択のあり方について質問をいたします。  本年四月七日、文部科学省初等中等教育局長名で各都道府県教育委員会教育長宛てに「平成二十八年度使用教科書の採択について」という通知が出され、採択手続の公正確保と教科書採択方法の改善が示されています。  具体的には、採択手続の公正確保として、教科書発行者の宣伝行為に対する指導の徹底、教職員による投票や慣例による決定など採択者の責任が不明確になることがないような採択手続の適正化。また教科書採択方法の改善については、保護者の意見等、より広い視野からの意見の反映、採択に関する情報の積極的な公表、教育委員への教科書見本の提供、ユニバーサルデザインへの対応等が示されています。  教科書は子供たちが学習するための主たる教材であり、全ての子供たちにとって読みやすく学びやすいものでなくてはなりません。  文部科学省も「各採択権者においても、教科書の採択に係る調査研究に当たっては、教科書が障害その他の特性の有無にかかわらず児童生徒にとって読みやすいものになっているかどうかについても比較検討することが望ましい」と示しており、教科書の採択については、各市町の教育委員会がそれぞれの市町の児童生徒の実態を踏まえ、最も成長に資するものを選択することが求められています。  また、教科書は四年を周期に改定され、採択を行う仕組みとなっており、一度採択されると四年間同一の教科書が毎年度採択されることになっており、昨年度は小学校の教科書の採択が行われ、今年度は中学校の教科書の採択が行われるものと伺っております。  佐賀県内では、県内を五つの地区に分けて、それぞれに教科書の共同採択地区を設定し、採択業務が行われていますが、採択結果を見てみると、長期にわたって同じ教科書が選ばれ、使用されているところも多々見受けられるようであります。  市町の小中学校で使用する教科書については、それぞれの市町の教育委員会がその権限において行うことになっていますが、県教育委員会も採択のあり方などについては指導や助言、援助を行わなければならないと法律に定められています。  そこで、次の二点についてお伺いいたします。  まず一点目、県内における採択制度の概要についてお伺いをいたします。  二点目、市町の教育委員会が行う教科書の採択について、県教育委員会としてどのような指導、助言、援助を行っているかお示しください。  それぞれ御答弁お願いし、一回目の質問といたします。(拍手) 47 ◎山口知事 登壇=中本正一議員の御質問にお答えいたします。  県財政の現状認識についてのお尋ねがございました。  中本議員御指摘のとおり、今回、平成二十七年度から三十年度までの県予算の収支について試算させていただいたところ、毎年度収支不足が発生するとともに、平成三十年度末には財政調整用の基金が枯渇し、予算編成に支障が出るという結果になりました。  これは総額七千億円を超える残高となっている県債の償還に、毎年度多額の予算が必要となっていることや、高齢化の進行に伴いまして、介護保険や各種の医療給付など社会保障関係の県負担が毎年度十五億円程度増加していく見込みとなっていることなどによるものでございます。  一方、地方財政計画におきまして、地方税の増収なども含め、地方創生のための財源等を上乗せして地方の一般財源総額が一定確保されてはいるものの、こうした状況がいつまでも続くと見込むことは困難だと思っております。
     こうした現状を踏まえまして、行財政運営計画二〇一五を策定したところであります。計画に掲げる行政、財政両面からの取り組みを着実に実施することによりまして、「─総合計画二〇一五─人を大切に、世界に誇れる佐賀づくりプラン」と県財政の健全性をバランスよく実現するということが、今私に求められているものと考えているところでございます。  以上でございます。 48 ◎伊藤くらし環境本部長 登壇=私からは、問いの五番目、ラムサール条約登録湿地の活用に関する問いのうち、県としての取り組みについてお答えいたします。  県といたしましては、今回、有明海の二カ所の干潟がラムサール条約湿地に登録されたことをきっかけに、有明海の干潟の国際的な重要性、干潟にやってくる野鳥、干潟に生息する生物など、有明海の干潟の魅力につきまして改めて県民の皆さんに知っていただき、その保全活動に取り組むきっかけとなるよう、登録された二カ所の干潟の周知のための予算を今回の六月補正でお願いしているところでございます。  具体的には、県のホームページに有明海にやってくる野鳥や生息する生物の図鑑、例えば写真や特徴、観察時期、そういったものを掲載するとともに、新聞等への広告掲載などを考えておりますが、佐賀市、鹿島市とも意見交換をしながら効果的な情報発信に努めたいと考えております。  さらに、ラムサール条約は、湿地、そしてそこに生息している動植物の保全と持続可能な利用ということを求めておりまして、県の財産である有明海のこの豊かな自然環境を次の世代へ引き継いでいく必要があるというふうに考えております。  そのためには県内二カ所の関係者が協力して、干潟の保全と活用に取り組んでいくことがより効果的であると考えておりまして、県といたしましては、今後、佐賀市や鹿島市を初め、二カ所の登録地の関係者との情報交換の場を設けるなど、連携を図っていきたいと考えております。  こうしたことで、ラムサール条約湿地のより効果的な活用に努めるとともに、有明海の干潟の国際的な重要性の啓発や、県内の豊かな自然環境の保全に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 49 ◎船津健康福祉本部長 登壇=私のほうからは、国民健康保険の制度改革に関する御質問と、胃がん予防対策に関する御質問につきまして、合わせて六点お答えをいたします。  まず、国民健康保険の制度改革に関する御質問のうち、県内市町の法定外繰り入れの現状についてお答えいたします。  県内市町における平成二十五年度の決算では、九つの市町、六市三町になりますが、九市町におきまして、赤字を補填するための法定外繰り入れが実施されておりまして、その総額は約十三億三百万円となっているところでございます。  次に、県内市町における保険税の格差についてですが、県内二十市町の国民健康保険税の算定につきましては、所得のみではなく世帯や被保険者数に応じて各市町で税額、税率が決められておりまして、単純に市町ごとの比較はできないところでございます。このため、モデル世帯としまして世帯構成が四十歳代の夫婦と小学生二人、夫の所得二百三十三万円という設定をいたしまして、これを県内二十市町に当てはめた場合での国民健康保険税の比較をしてみますと、最も高額となる唐津市が年額で五十一万九千円、最も低額であります有田町が年額で三十八万三千六百円となっておりまして、その格差は一・三五倍ということになっております。  次に、制度改革における市町保険者の負担軽減策についてお答えいたします。  今回の国民健康保険の制度改革による市町保険者の負担軽減の方策としましては、低所得者が多い市町を支援する保険者支援制度の強化のために、社会保障と税の一体改革による財源を用いまして、平成二十七年度から毎年度、約千七百億円の財政支援拡充が実施されるということになっているところであります。  また、被用者保険による後期高齢者に対する支援金が総報酬割に移行することにより生じます国費のうちの約千七百億円が、精神疾患や子供の被保険者数など、自治体の責めによらない医療費増嵩への財政支援の強化、また特定健診等の実施率や後発医薬品の使用割合などの取り組みを評価する保険者努力支援制度の創設、また医療給付増や保険税収納不足に備える財政安定化基金の創設などに平成二十七年度から段階的に投入されることになっておりまして、平成二十九年度以降は、先ほどお答えした保険者支援制度の強化分と合わせて、毎年度総額約三千四百億円の財政支援の拡充が実施されるということになっております。  次に、制度改革に対する県の評価でございますが、国民健康保険制度のあり方につきましては、県内の市長会、町村会の要望を受けまして、本県は他県に先駆けて、これは平成二十三年度ですけれども、早い時期から保険者を市町から都道府県にすることなどを国に対して提案してきたところでございます。  今回の国民健康保険制度改革に当たっては、平成三十年度から都道府県が財政運営の中心的な役割を担うことで、制度の安定化を図ることになりますが、まず財政上の構造問題の対策として、これは平成二十九年度からになりますが、最終的に毎年度約三千四百億円の財政支援の拡充等が実施されることで、ある程度の財政基盤の強化が図られたこと。  また、都道府県と市町の役割分担では、被保険者である地域住民と身近な関係にある市町が、資格管理、保険給付、保険税の決定、賦課徴収、保健事業など地域におけるきめ細かい事業を担うこととされておりまして、被保険者の利便性や制度の安定性が保たれることなどから、一定の評価をしているところでございます。  この項の最後ですけれども、今後の取り組みについてお答えいたします。  県といたしましては、国、県内市町としっかり連携して、準備を進めていく必要があるというふうに考えております。  先ほど議員に御紹介いただきましたが、国民健康保険法の改正法が五月二十七日に可決、成立したところでございますけれども、まず、今後行われることとなる政省令の制定を初め、運用に関するガイドライン等の決定に当たり、引き続き地方と協議し、地方の意見を十分反映させるとともに、できる限り十分な準備期間を確保していただくこと、また加えて、現在多くの市町保険者が赤字を抱えていることや、今後も医療費の増嵩が予測される中、国民健康保険制度の持続可能性を担保していくためには、財政基盤の確立等についてさらなる制度的措置を行っていただくことが必要と考えておりまして、六月十日に国に対して政策提案を行ったところでございますが、今後もあらゆる機会を通じ、国への提案及び要望を行っていきたいというふうに思っております。  また本県では、平成二十二年に県内二十市町長などで構成する国民健康保険市町広域化等連携会議を設置しており、広域化等に関する協議を行っているところでございますが、さらに今回の制度改革に当たり、改正法における策定義務のある都道府県国民健康保険運営方針の策定でありますとか、事務の効率化、事業の共同実施など、その他国民健康保険事業の見直しにつきまして十分に協議を重ねながら、環境整備と準備を進めてまいりたいと思っております。  またあわせて、引き続き県内市町と連携協力しまして、特定健診及び特定保健指導を積極的に推進し、糖尿病を初めとする生活習慣病の予防、また重症化予防に取り組み、県民の皆様の健康維持を図り、ひいては医療費適正化につなげていきたいと考えているところでございます。  次に、胃がん予防対策についての御質問でございますが、まず、胃がんの現状と対策についてということでございます。  本県の胃がんによる死亡者は、直近の調査である平成二十五年度ですけれども、先ほど議員から御紹介いただきましたが、死亡者は県内は三百七十四名でございまして、人口十万人に対する死亡率でいいますと、四四・七となっております。これは全国平均の死亡率三八・七よりも高く、全国で十七番目の高い数値となっております。  また、胃がん検診の受診率は、直近の調査である平成二十五年の国民生活基礎調査によれば、四〇・二%となっておりまして、全国平均の三六・七%を上回り、全国で十四番目となっております。  次に、ピロリ菌検査に係る市町の取り組みについてですが、県内では、平成二十四年度から嬉野市が医療機関において行います個別検査への助成を実施しております。また、嬉野市は平成二十六年度から集団検診のメニューにも組み込まれているところであります。また、本年度から唐津市と武雄市が集団検診のメニューに組み入れているところであります。  私からは最後となりますけれども、ピロリ菌除菌の保険適用拡大につきましてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、平成二十五年からピロリ菌の診断及び治療に使用される医薬品につきまして、医療保険が適用されることとなり、ピロリ菌感染者の治療の選択肢が広がったことは、非常に意義深いことであります。胃がん予防の推進につながるものと考えております。  胃がん予防に関する普及啓発としましては、例えば、平成二十七年一月発行の県民だよりの別冊として、「がん予防」というパンフレットを折り込んでおります。この中で、胃がん発生の原因の一つがピロリ菌であること、ピロリ菌に感染しておれば、除菌治療を含めて、専門医に相談することなどを記載しておりまして、県内全戸に配布したところでございます。  ただ、胃がん発生の原因がピロリ菌だけでないことから、生活習慣の改善、たばこ対策、定期的な健診などとあわせて、総合的に普及啓発を行っておりまして、今後もさまざまな機会を通じて幅広くがん対策に取り組んでまいります。  私から以上でございます。 50 ◎山口経営支援本部長 登壇=私からは、行財政運営計画二〇一五につきましての御質問のうち、六項目についてお答えを申し上げます。  まず一番最初に、行財政運営計画二〇一五での決算剰余金の取り扱いについての御質問でございました。  決算剰余金につきましては、議員御指摘のとおり、できるだけ圧縮すべきものでございます。そのための努力は行っているところではございますけれども、二月の最終補正予算後から、年度末までの約二カ月間ぐらいでございますが、その間に歳入歳出のずれ、すなわち歳入の上振れと歳出の不用というふうなことがある程度生じるということはやむを得ないと考えているところでございます。  収支試算を行う場合におきましては、計画期間内に見込まれる歳入歳出は全て試算に組み入れる必要がございます。  そういうことから、決算剰余金は翌年度の歳入予算で繰越金として計上されるものでございまして、この試算を行う際には、収支試算に加えるべきものとして過去の実績等を見ながら金額を計算させていただいているところでございます。  続きまして、中期投資見通しについてのことでございますが、今後、毎年度ふえていく社会保障関係経費などの増加に対応するためには、歳出を抑制する必要がございます。その歳出抑制のためには、義務的経費以外のいわゆる政策推進費と投資的経費の抑制が考えられますけれども、政策推進費というものを抑制して財源を捻出しようとしましても、既に平成二十二年度までに行っておりました県の行財政改革緊急プログラムというもので、毎年度一五%削減を続けていたことから、これ以上の抑制を行うことは困難な状況でございまして、毎年度の十五億円という多額の財源を捻出するためには、投資的経費を抑制せざるを得ないと判断したところでございます。しかしながら、景気への影響ですとか建設事業者への配慮から、前回の計画の年平均額の支出の九五%の額を確保させていただいているところでございます。  次に、基金残高を確保するために投資的経費を削減する理由についてという御質問を頂戴しました。  「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」におきましては、標準財政規模に占めます実質赤字の比率が五%を超えますと、財政再生団体とみなされることとなってございます。このため、緊急の事態が生じましても財政再生団体に転落しないように、最低限の額として標準財政規模の五%に相当する百三十億円程度は確保していくことが必要と考えているところでございます。  続きまして、投資的経費支出による景気の下支えについての御質問でございますが、計画の策定に当たりましては、社会保障関係経費の増加などにより生じる収支不足の改善ですとか、他県と比べまして歳出総額に占める投資的経費の割合が高い本県の状況を考えますと、さらなる投資的経費の抑制も必要ではないかというような議論もしたところでございますけれども、急激に投資的経費を削減することは影響が大きく、一定の額を確保する必要があると考えまして、税の徴収増などの増収対策に努めることで投資的経費の削減を極力抑制し、前回計画の、先ほど申しました九五%の額を確保することとしまして、四年間で二千九百五十億円を確保するというような計画を立てているところでございます。  次に、経済対策の取り扱いについての御質問でございました。  これまでの経済対策は、国の財政出動によりまして公共事業を追加し、需要喚起や雇用の増大を図るものが中心でございました。最近は、雇用基金事業ですとか、このたびの地方創生交付金の先行型のように、ソフト事業を中心とした経済対策事業というものがふえてきてございます。  こうしたことから、中期投資見通しにおきます経済対策の取り扱いにつきましては、将来新たな経済対策が打ち出され決定されたときには、公共事業の追加の規模や財源がどのようなものになるかなど、その経済対策の内容を十分に吟味し、それを実施することによりまして、県として真に必要な事業を実施することが可能かどうかということを検討しますとともに、その時点での民間投資の状況ですとか、県の財政状況等を考慮の上に判断をしていきたいと考えているところでございます。  最後に、公会計制度について二つの御質問をいただきました。  まず一つは、県における整備状況でございます。  国では、平成二十七年一月二十三日に、「統一的な基準による地方公会計マニュアル」を取りまとめられました。同日付で総務大臣から各都道府県知事等に要請がなされまして、その中で新たな基準による財務書類等の作成、あるいは固定資産台帳の整備が望まれるということは先ほど議員から御紹介をいただいたとおりでございます。  このような動きを踏まえまして、本県としても現在採用しております総務省方式改訂モデルというものを見直し、発生主義・複式簿記の考えを取り入れた、新基準による財務書類等を作成、公表する予定にいたしております。  そのため、各所管課におきまして財務書類等作成ノウハウ習得のために、総務省が開催いたします説明会への参加ですとか、現在保有する公有財産台帳など、各本部で独自に管理しております資産関連の台帳について、国のマニュアルに基づく新たな固定資産台帳とするための準備など、できるところから現在取り組んでいるところでございます。  今後のスケジュールといたしましては、国から標準的なソフトウエアの無償提供が段階的になされると予定されておりまして、九月末に予定されております固定資産台帳機能部分のシステム配布を受けまして、本格的な固定資産台帳の整備を進めていくことといたしているところでございます。  いずれにしましても、国が示します平成二十九年度までに、新たな基準による財務書類等の作成ができるよう全庁的に取り組んでまいるという考えでおります。  それから、最後になりますけれども、この地方公会計の整備に向けました市町への支援についてという御質問でございました。  これは、マニュアルの取りまとめに先立ちまして、平成二十六年五月の総務大臣の通知を受けまして、市町に対して国からの通知等を情報提供しますとともに、総務省職員によります地方公会計に関する説明会を開催し、各種研修等の案内を行うなど、地方公会計の整備に向けての助言支援を行ってきているところでございます。  今後とも、市町に対して適宜適切な助言や情報提供を行うとともに、公認会計士等の専門家を招きまして、財務書類の作成に向けたより実践的な研修会を実施するなどして、平成二十九年度までに、県内全ての市町において、統一的な基準による地方公会計の整備ができるように県としても支援してまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 51 ◎白井文化・スポーツ部長 登壇=私からは、文化財の保存活用についての御質問のうち、三重津海軍所跡の活用推進についてお答え申し上げます。  三重津海軍所跡につきましては、今月末から世界遺産委員会が始まりまして、これに関するさまざまな報道がなされるようになりますと、いよいよ社会的な関心が高まり、多くの来訪者が見込まれるところであります。ますます多くのお客さまにおいでいただいて、満足していただけるよう、さらに活用推進を図っていく必要があると考えております。  この活用推進に当たりまして、検討すべき課題としては、大きく三つあると認識をしております。  その一つは、広報、プロモーション活動を通して、海軍所跡の関心を高め、誘客へとつなげていくための情報発信。二つ目に、生涯学習等の連携など、地域の理解促進や活性化につながる地域づくり。三つ目に、案内、解説のためのツールや駐車場確保など、来訪者受け入れに当たっての受け入れ体制の整備充実でございます。  これらのことは、県も佐賀市も同じ認識を持っているところでありまして、これまでもさまざまな課題に対して、県と佐賀市で協議をしながら取り組んできたところでございます。  例えば、受け入れ体制の整備充実を図る一環としましては、先ほど議員のほうからも御紹介いただきましたけれども、昨年度県では、海軍所跡の見どころポイントで、VRスコープと言いますけれども、双眼鏡のようにのぞくと、音と映像で当時の様子がイメージできるそういう機器を四十台整備いたしました。この映像の製作などに当たりましては、佐賀市の関係部署と十分に協議を重ねながら行いましたし、特にイコモス勧告後は来訪者が増加しまして、とりわけ団体客が多く訪れるようになったことから、急遽、佐賀市で今度は七十台追加整備をしていただいたといったこともございました。このように、現場で発生する突発的な新たなニーズに対しても、県と佐賀市で臨機応変に協議、対応してきたところでございます。  活用推進に係るこういった検討課題に対しましては、今後も佐賀市が中心になって行ったり、あるいは県が行うもの、あるいは両者が共同して行うものなどさまざまございますけれども、いずれにしましても、今後これらの課題解決に向けて、県と佐賀市で連携を密にして協議を重ねながら、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。  私からは以上でございます。 52 ◎黒岩国際・観光部長 登壇=私のほうからは、ラムサール条約登録湿地の活用の質問のうち、観光面からの県の取り組みについてお答えいたします。  このたび東よか干潟及び肥前鹿島干潟のラムサール条約登録につきましては、観光面におきましても、本物の観光資源に新しい素材が加わったと考えておりまして、大変うれしく思っているところでございます。  今回、国際的に重要な湿地と認められたことで、湿地に関する国際会議やシンポジウムの開催などで、佐賀を訪れる人が増加することや環境学習、バードウオッチング、自然体験型観光などの新しい観光の提案ができることなどが具体的に考えられると思います。  それぞれの地元におきましても、観光面からの取り組みを開始されておりまして、佐賀市では、今回登録された東よか干潟、それと三重津海軍所跡、それと昇開橋──橋でございますが、この歴史的遺産の三つを組み合わせた、「佐賀市三大遺産を巡るコース」といったものを考案されたところでございます。鹿島市におきましても、看板表示や観光ボランティア育成など、観光地として磨き上げるための検討を開始されたところでございます。  県としても、この登録を大きなチャンスと捉え、県観光連盟と一体となって取り組みを始めたところでありまして、先ほどお話ししました「佐賀市三大遺産を巡るコース」につきましては、平成二十七年下期の九州観光素材説明会の中で既にPRしたところでありまして、また、鹿島市につきましても、県外の旅行会社へ訪問セールスした際、PRを行ったところでございます。  また、今回、県内で同じ有明海に面した二カ所のラムサール条約登録地が登録されたといったことから、今後、県内の他の観光地と組み合わせた観光ルートも考案したいと思っておりまして、旅行会社等への商品造成の働きかけ、県の観光アプリでの紹介などを行いながら、登録地が二カ所あることを生かした観光振興にも、佐賀市や鹿島市と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。  私からは以上でございます。 53 ◎古谷教育長 登壇=私からは、文化財の保存活用について三点、それから教科書採択のあり方について二点お答えをさせていただきます。  まず、文化財の保存活用についてのうち、三重津海軍所跡の保存整備についてでございます。  世界遺産登録を目指している三重津海軍所跡につきましては、残存する遺構の確実な保存と来訪者に対し史跡の価値を正確にわかりやすく伝えるための早急な整備の実施が求められていると考えております。  佐賀市教育委員会では、本年度から暫定的に地表面表示などの仮整備を実施することとされておりますが、これと並行して本格整備に向け必要な情報を得るために、昨年度から確認調査を実施されているところでございます。  本格整備につきましては、史跡としてだけではなく、世界遺産としての価値の保全等にも留意することが求められますことから、県教育委員会といたしましては、史跡を所管する文化庁、「明治日本の産業革命遺産」を所管する内閣官房、所有者であります国土交通省等関係省庁との調整を緊密に行ってまいります。  また、本格整備に向け、佐賀市教育委員会が実施する確認調査や計画策定などの取り組みに対しては、市教育委員会と連携をしながら引き続き県として必要な人的、財政的支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、東名遺跡について二点お答えいたします。  まず、この遺跡の重要性について、県としてどのように認識をされているかというお尋ねでございました。  東名遺跡は、国土交通省の巨勢川調整池の建設に伴いまして、平成二年度に佐賀市教育委員会が実施した確認調査で発見をされ、平成五年度から十九年度まで発掘調査が実施をされました。  発掘調査の結果、当時のものとしては国内最大級の貝塚、集落及び墓地がセットで確認をされ、約八千年から七千四百年前の生活の様子が具体的にわかる遺跡として高い評価が得られております。  特に貝塚は、地表面から約五メートルという深い場所にパックされた状態で埋没していたことから、本来は腐ってなくなってしまうような動物の骨ですとか植物などでつくられたさまざまな道具が大変良好な状態で大量に発見されております。また、出土した木製の網かごや骨角製のアクセサリーは大変デザイン性にもすぐれ、縄文時代の技術の高さを物語っております。  このように、東名遺跡は我が国の縄文時代を代表する重要な遺跡であり、吉野ヶ里遺跡が弥生時代を代表する遺跡であると同様に、日本の縄文文化を考える上で欠かすことのできない貴重な遺跡であると認識をしております。  次に、東名遺跡の保存活用に対する取り組みについてでございます。  佐賀市教育委員会では、平成二十八年六月に文化審議会から東名遺跡の国史跡指定の答申が受けられるように準備が進められているところでございます。先ほど議員からも御案内あったとおりでございます。  この東名遺跡につきましては、今後、佐賀市におきまして、遺跡の保存管理の方法ですとか、出土遺物を含めた保存活用策について検討されることになっておりますが、県教育委員会といたしましても、文化庁や専門家などの意見を伺いながら、その保存について引き続き、技術的、財政的支援を行ってまいりたいと考えております。  また、東名遺跡は、吉野ヶ里遺跡とともに佐賀県を代表する遺跡であることから、郷土の誇るべき遺跡として、学校現場においても積極的に取り上げていくとともに、遺跡の重要性について各種媒体を活用しながら情報を発信してまいりたいと考えております。また、これらの遺跡を活用する取り組みに対しては、県教育委員会として積極的に協力していく所存でございます。  次に、教科書採択のあり方についてお答えいたします。  まず、市町の教育委員会が行う採択はどのように行われているかということで、県内における教科書制度の概要についてお尋ねがございました。  議員御指摘のとおり、市町立小中学校で使用する教科用図書の採択権限は市町教育委員会にございますが、採択に係る調査研究などを適切に行うために、二つ以上の市町が共同で調査研究などを行う場合は、県の教育委員会が法の定めによりまして、それらの市町をあわせた地区を教科用図書採択地区として設定することとされております。  県教育委員会では、現在、県内に五つの教科用図書採択地区を設けておりまして、各市町教育委員会は、採択地区内の他の市町との協議により規約を定め、採択について協議を行うための採択地区協議会を設けております。  採択地区協議会におきましては、教科用図書を選定するための選定委員会や調査研究のための研究委員会を設け、全ての検定済み教科用図書について調査研究を行い、その結果を検討、協議し、教科ごとに教科用図書を一種選定をいたします。  その選定結果に基づきまして、教科用図書採択地区内の各市町教育委員会はそれぞれの権限において教科ごとに同一の教科用図書を採択しております。  次に、県教育委員会は、この採択権者である市町教育委員会にどのような指導、助言、援助を行っているのかということでございます。  教科用図書は、学校における教育活動の中心的な教材であり、大変重要な役割を担っております。そのため、児童生徒が使用する教科用図書の採択につきましては、対象となる全ての教科用図書についての十分な調査研究結果に基づく検討、協議を経て、公正かつ適正に行われなければならないと考えております。  県教育委員会では、法に基づく佐賀県教科用図書選定審議会を条例により設置いたしまして、その審議会からの答申をもとに、市町教育委員会などに採択に関する指導、助言、援助を行っております。  具体的には、教科用図書の採択基準のあり方や、公正かつ適切な採択を確保するための手続についての指導や助言、採択の対象となる全ての教科用図書について、専門的な調査研究を行い、その結果を選定の資料として提供する援助などを行いますとともに、市町教育委員会などから相談等があった場合には、その都度指導、助言を行っているところであります。  また、教科書発行者等からの宣伝行為や外部からの働きかけ等に左右されることなく、静ひつな環境で公正かつ適正な採択が確保されるよう指導に努めているところであります。  私からは以上でございます。 54 ◎中本正一君 登壇=それぞれ御答弁をいただきありがとうございました。
     それでは、二回目の質問に移らせていただきます。  まず、行財政運営計画二〇一五(案)について質問をいたします。  新しく制度化された中期投資見通しについては、緊急財政プログラムや行財政運営計画二〇一一の期間である三年から四年ということで、より長いスパンになったことへの評価がある一方で、行財政運営計画二〇一一の投資額総額の年平均七百七十六億円から約七百三十七億円と、年間約三十九億円、五%縮減されたことに対して、五%の縮減でよくおさめてくれたという声と、縮減そのものを不安に思う声もあるようであります。  また、経済対策を中期投資見通し総額の外枠とするかの判断について、経済対策の中身やそのときの景気動向等により判断するということで、明確な基準は示されなかったものと思います。  私が懸念をいたしますのは、今経済対策もハード事業からソフト事業へシフトしていっておりますし、また、ハード事業の中身も、いわゆる新規改良といったものから維持補修といったものにシフトをしていっております。また、今年度以降投資される社会資本整備の中身、例えば、直轄事業と補助単独事業の割合によって、県内の建設業界にも大きな影響が出てくるものと考えます。  ちなみに、平成二十年度から二十二年度の緊急財政プログラムでは、三年間の総額調整ルールの総額が二千六百四十億円、外枠としての経済対策が五百七十四億円、合計すると三千二百十四億円で、年平均では一千七十一億円となっています。また、平成二十四年度から二十六年度の行財政運営計画二〇一一では、三年間の総額調整ルールの総額が二千三百十億円、外枠としての経済対策が六百三十四億円、合計すると二千九百四十四億円で、年平均では九百八十一億円となっています。いずれも年平均一千億円前後の発注はあったわけであります。もし仮に、今回経済対策を全て外枠としない場合には、年平均で二百五十から三百億円も減少をすることになります。  そこで、経済対策を中期投資見通し総額の外枠と判断する。また、しないという場合の判断基準について、経済対策の中身やそのときの景気動向という表現でありましたが、もう少し具体的にお示しをいただければというふうに思います。  次に、胃がん予防対策について質問いたします。  県内でも、嬉野市を初め、唐津市、武雄市でも集団検診の検診項目にピロリ菌検査を取り入れる動きが始まっているようであり、胃がん撲滅に向けて各市町でこうした取り組みがふえてくることを歓迎したいと思います。  本来は、ピロリ菌検査とペプシノゲン検査がセットになっている胃がんリスク検診、ABC検診とも呼ばれますが、これを実施していただければ、次に内視鏡検査や除菌治療につながるということで、より望ましいわけでありますが、厚生労働省は胃がんの一次検診についてはいまだにX線検診しか進めていないというのが現状であります。  国は、ピロリ菌は胃がんの原因であると認めはしたものの、ピロリ菌検査によって胃がんの死亡率が減少するといった証拠は不十分という立場であり、今後、ピロリ菌検査の有用性についての研究の成果を期待しておきたいと思います。  また、ピロリ菌と胃がんとの関係や、ピロリ菌除菌の保険適用の拡大についてはまだまだ御存じではない県民の方が多くいらっしゃいます。一部広報にも努めているということでございますが、ちなみに古川医療統括監は、平成二十六年二月議会、文教厚生常任委員会におきまして、「佐賀県がんを生きる社会づくり条例」制定後のがん対策の取り組みについて質問された際、「がんは予防できる時代になってきました。(中略)胃がんは、今、ピロリ菌を除菌すると七割から八割の人は胃がんにかからなくなるでしょう。(中略)そういう意味で、今もう予防できるがんが出てきましたので、そういうことに関しては、もう十分予防できる、がんにかかる前に予防のことを、対策を十分していきたいと思っています。」、このように答弁をされています。  私はぜひこうしたピロリ菌と胃がんとの関係や、ピロリ菌除菌の有用性について、県庁内部でしっかりと研修をしていただくとともに、県民に向けた周知や広報にさらに積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、重ねて御答弁をお願いいたします。  最後、教科書採択のあり方について質問いたします。  今回、この問題を取り上げるきっかけは、昨年行われた小学校の教科書採択の結果、県内のある共同採択地区において、十一教科全てで四年前と同じ発行者のものが採択をされていたことによります。もっと調べてみますと、平成四年以降、昨年の採択まで七回の教科書採択が実施される中で、四つの教科でたった一回発行者が変わっているだけで、他の七教科は、二十年以上同じ発行者の教科書が使われています。しかも、一度変わった四つの教科のうち三つの教科は、次の採択の際、もとの発行者に戻っています。  さらに、今年度採択が予定されている中学校の教科書では、平成四年以降、六回の教科書採択を実施する中で、二つの教科で三回発行者が変わっているだけでありました。残りの十三教科は一回も変わっておらず、同じ発行者の教科書が使い続けられています。私はこうした実態があることも踏まえて、文科省から今回の通知が出されたものと考えます。  教科書を変えることのメリット、またデメリットはそれぞれあるかと思いますが、大切なことは、子供たちにとってより望ましい教科書が採択をされるということであります。そのためにも、四月の文科省通知に示されたように、県内それぞれの採択地区協議会で、保護者を含めたより広い視野からの意見が出されるなど、審議の充実が図られるとともに、採択結果だけではなく、採択に至った理由なども積極的に公表することが大切になってくるものと考えます。教科書問題については、政治の側から特定の発行者の教科書を推奨したり反対することは差し控えなければなりません。  しかし、惰性や外部からの働きかけで採択が行われることや、情報が閉ざされた密室のような中で採択が行われているようであれば、改めるよう求めていかなければなりません。  そこで、子供たちにとってより望ましい教科書が採択されるために、今後、県教育委員会として公正確保にどのように取り組んでいく考えかお伺いをいたします。  以上、二回目の質問といたします。 55 ◎船津健康福祉本部長 登壇=胃がん予防対策に関する御質問についてお答えいたします。ピロリ菌の検査につきまして、県庁内での検証、あるいは県民への広報をということだったと思います。  先ほど御紹介いただきましたけれども、「佐賀県がんを生きる社会づくり条例」というのを制定いたしまして、「がん予防の推進」についても規定をしております。御指摘のピロリ菌の除菌などにつきましても、がんに予防効果のあるウイルス、細菌などの治療、除去は、食生活の改善や禁煙などの生活習慣の見直しと同様に重要な対策であるというふう考えているところでございます。  胃がんの主要な原因としましてピロリ菌が言われておりまして、その除去が胃がんの予防に有効であるということは認められていることでございまして、それ以外の原因も多々ありますことから、それも含めて生活習慣の改善、定期的な健診の受診勧奨などとあわせて、条例に基づきまして、がんの予防、早期発見、治療などの各ステージに応じた総合的ながん対策、広報に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 56 ◎山口経営支援本部長 登壇=経済対策を別枠とするかどうかについて、その判断基準について具体的にという御質問を頂戴しました。  経済対策につきましては、財政出動によりまして需要を喚起し、経済活動を盛んにし、雇用を増大させるというような目的のために行われてきたものでございます。これは言うまでもないことです。  特に、建設部門におきます経済波及効果というのは、最近でこそちょっと落ち目ではございますけれども、それでも高い数値を示しているところでございます。そういうことから、これまで公共投資の追加が中心として経済対策というものが行われてきたわけでございまして、県としてもそういう経済対策、公共投資の効果についてはそれを別枠とするかどうかの判断におきましては、きちっと考慮していかなければいけないというふうに思っているところでございます。  先ほどお答えしましたように、それから議員からも御指摘がございましたように、国の経済対策そのものがハードからソフトへというシフトが起こっているということは御案内のとおりでございますし、佐賀県の公共投資の水準というものが、先ほど言いましたように、同じような財政事情の県に比べまして非常に高い水準であるというようなことも、一方ではございます。  ということで、経済対策の仕組みというもの、内容、どういうものに使えるかというものがわからない、この時点においてなかなか一律に基準というものを示すことは難しいわけでございますけれども、そういう経済対策の中身を見ながら、県内の投資的経費、あるいは公共インフラの整備状況がどうであるかというようなこと、それからそういうインフラの維持修繕に本当にどの程度使えるかどうかというようなものが、やっぱり経済対策の中身を見ていきながら判断をしていくという必要があろうかと思っております。(「だからその判断基準はどこなのか」と中本議員呼ぶ)はい。そういう基準を見ながら、一定程度は整備するものは整備していく、使えるものは使っていくというようなことを考えながら、どういうふうにしてその経済対策の財源を利用していくかということにつきましては、この中期的見通しとは別に、具体的な経済対策が出たときの予算の編成、それから予算の御審議のときに検討していくべきものだというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 57 ◎古谷教育長 登壇=中本議員の再質問にお答えいたします。  教科用図書の採択につきまして、児童生徒にとってより望ましい教科書が採択されるために、県教育委員会として公正確保にどのように取り組んでいくかというお尋ねでございました。  教科用図書の採択につきましては、議員御指摘のとおり、児童生徒にとってより望ましい教科書が採択されるようにというところが大切でございます。そのために、十分な調査、研究結果に基づく検討協議による公正かつ適正な採択を確保する必要があると考えております。  このため、四月の文部科学省通知、御質問でもございましたけれども、私も今年度の分に加えて昨年度、小学校用の通知も出ておりましたので、両方読ませていただきました。その中で、非常に去年、そしてまたことしと、従来に比べて採択手続の公正確保、あるいは採択方法の改善について具体的な記述が追加をされておりました。そういったことを見ますと、やはり四月の今回の文部科学省通知、これを踏まえた対応については、改めて各市町の教育委員会に徹底していただくような形の周知が必要だと思っておりまして、七月に開催いたします教育事務所長支所長会におきまして、各市町教育委員会に対して指導いただくよう要請をいたします。それとともに、各採択地区協議会、それから各市町教育委員会における今年度の対応状況を、県教育委員会として把握をし、必要に応じ市町教育委員会等の採択権者に対する指導助言を行ってまいりたいと思っております。  いずれにしても、県教育委員会として公正かつ適正な教科用図書の採択が行われるように、引き続き努めてまいります。  私からは以上でございます。 58 ◎議長(中倉政義君) 本日の会議はこれで終了いたします。あす二十三日は引き続き一般質問を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後六時十二分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...