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平成26年度決算特別委員会(第7日) 本文 開催日:2015年11月13日
平成26年度決算特別委員会(第7日) 名簿 開催日:2015年11月13日

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  1. 佐賀県議会 2014-11-13
    平成26年度決算特別委員会(第7日) 本文 開催日:2015年11月13日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前九時五十八分 開議 ◯藤木委員長=おはようございます。これより委員会を開催いたします。  本日は、産業常任委員会関係の質疑を行います。通告に従いまして順次発言を許可いたします。 2 ◯野田委員=おはようございます。県民ネットワークの野田でございます。先日、総務委員会関係でも質問させていただきました。今回、この委員会では二回目の質問ということでよろしくお願い申し上げます。  先ほど委員長より質問の許可を頂戴いたしましたので、通告に従い大きく二つの質問をさせていただきます。  私は、先日、ある講義を受けに行きました。そのときにすごくショックを受けたのが一つございます。それは若者が大学を卒業する際に、奨学金としていただいたお金が、いわゆるローンの返済として何百万円という形で残っている。今の大学生は、そういう借金を抱えて社会に出て行っているんですと、そういうお話がありました。  結婚を考えた時に、自分が例えば六百万円の借金を持っている。ひょっとして相手が六百万円、あるいはそれ以上の借金を持っていたら、二人合わせたら一千万円以上の借金を抱えている。そうしたことを考えた時に、なかなか結婚に踏み出せない、あるいは子育てとか家を建てたりとか、そういったことの前途が非常に暗い、そういう話を講義の中で聞いて私も本当にびっくりした次第でございます。自分の息子も大学では奨学金を借りましたので他人事ではなくて、改めてそういう講義を聞いたときに、やはり若者はしっかりとした定職について将来を見据えた生活を送っていただきたいと強く思った次第でございます。  そういったことから、第一問目の若年者就職支援事業について質問をさせていただきます。  県では、ジョブカフェSAGAを設置し、ヤングハローワークSAGAと連携して、情報提供から職業紹介まで総合的に支援する若年者就職支援事業に取り組まれているところであり、事業の目的は若年者の高い失業率や不安定な就労状況を改善するため、総合的な就職支援サービスを提供するとされております。  最近の雇用環境を見ますと、求人倍率がリーマンショック後からは徐々に回復し、改善されているところではありますが、一方で非正規での雇用も増加しているとも伺っております。  そのような中で地元の将来や産業を担っていく若者たちが経済的に自立した生活を営んでいくためには、安定した職につくということは最も大切なことだと認識しており、そのための支援は大変重要なことであり、佐賀県の将来まで左右することであると私は考えております。  県では、このジョブカフェSAGAが若年者の就職支援を行い、特に、正社員としての就職を目指す方への支援の拠点として活動されており、本事業に対して大きな期待をしているところであります。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  支援内容につきまして、ジョブカフェSAGAにおいては、併設されている国のヤングハローワークSAGAと連携して支援を行っておられるところですが、具体的にはどのような支援を行っておられるのかお尋ねいたします。 3 ◯松尾雇用労働課長=支援内容につきましてお答えいたします。  県におきましては、平成十七年度から若年者就職支援センタージョブカフェSAGA」を設置しており、ジョブカフェSAGAでは併設されている国のヤングハローワークと連携いたしまして、初めての就職活動で不安を抱えた大学・短大、専門学校生、未就職のまま高校や大学等を卒業した若者、一旦就職したものの離職した若者、非正規雇用から正社員を目指す若者などの方々への就職支援を行っております。  具体的支援内容でございます。ジョブカフェSAGAにおきましては、適性を把握するための職業適性診断、就職に役立つセミナーの開催、企業とのマッチング支援などを行い、求職者に応じた効果的できめ細やかな支援を行っているところでございます。  一方、国のヤングハローワークSAGAにおきましては、求人情報提供や職業紹介に加えまして、平成二十五年度からはキャリアカウンセリングを担うことによりまして、カウンセリングから職業紹介まで同一相談員による一貫した支援を行っているところでございます。  このように、ジョブカフェSAGAヤングハローワークSAGAが連携いたしまして就職に至るまでの総合的な支援をワンストップで実施しているところでございます。  このほか、県内には唐津サテライト武雄サテライト鳥栖サテライトを各ハローワーク内に設置いたしまして、地域の若者の利便性向上を図っているところでございます。
     以上でございます。 4 ◯野田委員=ただいま支援の内容をお伺いいたしました。いろんな形での支援をお伺いして私も感心した次第でございます。全国的に佐賀県以外にも多くのジョブカフェが設置されております。私が調べたところでは香川県以外はないんじゃないかというような状況であります。  そこで、ジョブカフェSAGAの、ここは佐賀だけの特徴だよ、これがあるから帰ってきてからでもジョブカフェに来ていただきたいというような取り組みがあればお示しいただきたいと思います。特徴をお願いします。 5 ◯松尾雇用労働課長=特徴的な取り組みということでお答えさせていただきます。  佐賀のジョブカフェは、平成二十四年十月から全国二カ所で実施されておりますハローワーク特区に取り組んでおりまして、ヤングハローワークとの一体的な施設として就職支援のサービスの充実に取り組んできたところでございます。特に特徴的な取り組みといたしましては、平成二十六年度から就職支援セミナーを大幅に拡充いたしまして、毎日さまざまなメニューで開催していることが挙げられます。利用者アンケートでも、セミナーの充実ぶりを評価する声をいただいており、セミナーによっては、実際にキャンセル待ちが発生したり、定員を増やして開催することもある状況でございます。  具体的なセミナーの内容でございますが、パソコン技能やビジネスマナーなどのスキルアップセミナー、コミュニケーション能力グループディスカッションなどの弱点克服セミナー、テーマ別の就職対策講座などのカリキュラム型セミナーに大別されまして、講師への質問などもしやすいよう、少人数で開催しているところでございます。  なお、内容は月や季節ごとに社会のトレンドも踏まえた形で提供するとともに、随時、見直しや入れかえを行っているところでございます。  また、平日日中の施設利用が難しい学生や在職者の方が利用できるように、土曜日や平日夕方にも開催しているところでございます。  さらに、ジョブカフェSAGAにおきまして、毎月、県内企業が三社から五社程度参加いたしまして、小規模な企業説明会を開催しており、開催頻度を高めることによりまして求職者と企業のマッチングの機会を増やし、求職者のみならず、企業からも好評を得ているところでございます。  以上でございます。 6 ◯野田委員=確かに、たくさんの特徴あることを開催しておられるようでありまして、この就職支援セミナーがあっているときに私もお伺いしました。若いからパソコンができるというような意識を私たちは持っているんですが、中にはそういう特化しない方々もたくさんいらっしゃるということでキャンセル待ちの状態が続いている。しかも、お伺いした時には、ある一角では面接試験の練習もなさっておられました。実務レベルでの支援をなさっていらっしゃるなということで心強く感じた次第でございます。  それでは、より具体的に実績についてお伺いいたします。  利用者数並びに就職者数についてのお尋ねです。ジョブカフェSAGAの利用者数はどうなっているのか。また、利用した方々のうち就職に結びついた方々の人数はどうなっているのかお尋ねいたします。 7 ◯松尾雇用労働課長=利用者数及び就職者数についてお答えいたします。  平成二十六年度の実績ということでお答えさせていただきます。ジョブカフェSAGAを利用された延べ人数は、一万六千百一人、就職者数が二千三百人となっております。この就職者数のうち千三百六十九人が正社員として就職されております。  以上でございます。 8 ◯野田委員=平成二十六年度で正社員として就職された方が千三百六十九名ということで、本当にありがたい施設だと思っております。私もかつて県外に出て戻ってきた際に、ハローワーク一辺倒で個人的な就職活動をしたことがございます。そういった感覚からいたしますと、セミナーあり、御指導あり、ハートを持って若者に対して教えてくださっている結果が、こういった数字にあらわれていると感じている次第でございます。  それでは、利用者の性別や年齢についてお尋ねいたします。 9 ◯松尾雇用労働課長=利用者の性別や年齢についてということで、平成二十六年度の実績でお答えさせていただきます。人数については、延べ人数ということで以下お答えさせていただきます。  男性が八千三百五十五人、これは全体の五一・九%となっております。女性は七千七百四十六人、四八・一%となっておりまして、ほぼ半々の御利用となっております。  また、ジョブカフェSAGA利用の対象年齢は四十五歳未満でございまして、利用者の年齢の内訳につきましては、十代は千四百七十一人、九・一%、二十代は一万九百八人、六七・七%、三十代は二千八百六十九人、一七・八%、四十代以上は八百五十三人、五・四%となっております。二十代以下の方が八割程度を占めているという状況でございます。  以上でございます。 10 ◯野田委員=そういった若い人たちに支持されている、あるいは頼られている施設ということがそういうことでもわかる次第であります。感心したのは、四十代の方も八百五十三名いらっしゃるということで、幅広い層に受けているんだなと思いました。大体三十七歳ぐらいまでですか、そういった施設が多いと伺っておりますが、佐賀県の特徴としては四十代の方もウエルカムという状況は本当にありがたい次第でございます。  それでは、利用者の状況についてお尋ねいたします。利用者の利用時に置かれている状況、例えば、何らかの職につかれている中で転職をとか、あるいは県外から帰ってきたから職を探しているとか、そういった分析的なことがあれば教えてください。 11 ◯松尾雇用労働課長=利用者の利用時の状況につきましてお答えいたします。  同じく平成二十六年度の状況でございます。人数については、延べ人数でお答えさせていただきます。  学生は三千五百九十二名ということで二二・三%、在職者が七千百四十一人、四四・四%です。この在職者の内訳でございますが、正規雇用の方が二千九百九十五人、非正規雇用の方が四千百四十六人となっております。無職者は五千三百六十八人で三三・三%となっておりまして、全体から見ますと、学生の利用が約四分の一程度となっている状況でございます。  以上でございます。 12 ◯野田委員=仕事を持っていらっしゃっても、たくさんの方が将来を見据えて、あるいは今の自分の職に対する不安を持ってこういったところを活用されていると受けとらせていただいております。本当に若者のよりどころという大事な職業を探す場所だなと改めて感じております。  利用者の居住地ですが、佐賀市が一番多いのか、それとも県内全体で利用なさっていらっしゃるのかお尋ねいたします。 13 ◯松尾雇用労働課長=利用者の居住地についてお答えいたします。  同じく平成二十六年度の実績でございます。人数は延べ人数でございます。佐賀地区、これは佐賀市、小城市、多久市、神埼市が入りますが、これが一万二千三百二十五人となっております。唐津地区、これは唐津市、東松浦郡でございますが、四百三十九人でございます。鳥栖・三神地区、これは鳥栖市、神崎郡、三養基郡でございますが、八百五十六人でございます。武雄地区、これは武雄市、杵島郡でございますが、千百二十八人でございます。伊万里地区、これは伊万里市、西松浦郡でございますが、二百十二人でございます。鹿島地区、これは鹿島市、嬉野市、藤津郡でございますが、四百十七人でございます。このほか県外等で七百二十四人でございまして、佐賀地区の佐賀市、小城市、多久市、神埼市にお住まいの利用者が全体の四分の三以上を占めている状況でございます。  以上でございます。 14 ◯野田委員=四分の三を佐賀市を中心とした佐賀地区で占めているということです。ほかのところがあんまり利用されていない理由は、知らないからかというと、どうもそうではなさそうですね。ジョブカフェSAGAのマネジャーの方にお伺いいたしますと、いろんな周知徹底をしていると、出向いて動いているというようなことでございましたので、これはあくまでも地域差とか、若者の口コミとか、そういったいろんなことがあると思います。これは少ないからどうのじゃない部分もございますよね。少ないというのは、それだけ困っていらっしゃる方が少ないというような受けとりもできることでございますので、この辺は微妙なことだと思います。実際にはいろんな努力を、広報活動をされているというようなこともおっしゃっていました。  それでは、課題と今後の取り組みについてお尋ねいたします。  こういった若者のよりどころとなるようなジョブカフェSAGAでございまして、若者の雇用に大きな役割を担っておるのは事実でございます。若者の就職実現に向けて積極的に取り組んでもらいたいと本当に思っている次第でございます。  現状の課題をどのように認識し、今後どのように取り組もうと考えていらっしゃるのか、よろしくお願い申し上げます。 15 ◯松尾雇用労働課長=現状の課題と今後の取り組みについてお答えさせていただきます。  ジョブカフェSAGAにつきましては、雇用情勢が改善する中でハローワーク同様に新規求職者が減少傾向にございます。一方で、親や友人、知人の進めや学校等からの紹介などをきっかけにジョブカフェSAGAを御利用いただいているところでございます。大学、短大、専門学校等の就職を控えた学生の利用も増えたところでございます。  この結果、先ほど申し上げましたが、平成二十六年度における利用者は、延べ一万六千百一人、就職者数は二千三百人と、ジョブカフェSAGAを設置した平成十七年度以降、利用者、就職者数とも過去最高の実績となったところでございます。  しかしながら、県民の中にはよく御存じない方がまだまだいらっしゃると考えております。就職に課題を抱えている若者の利用をふやすための認知度のさらなる向上が喫緊の課題であると考えております。  このため、佐賀で就職をしたい若者の目にとまりやすいように、ジョブカフェSAGAのホームページやフェイスブック、ツイッター、平成二十六年度からはLINEなど、さまざまなソーシャルネットワークを活用しているところでありまして、引き続きジョブカフェSAGAの魅力発信に取り組んでいくこととしております。  また、就職セミナーについては、好評を得ているものの、利用者アンケートによりますと、セミナーの内容や開催時期、時間帯について、さらなるサービスの充実を求める要望も出ているところでございます。  このため、今年度は座学による企業研究から企業見学会や職場体験までの一連のカリキュラムのセミナーや、パートやアルバイトなど非正規雇用で働きながら正社員への就職を目指す方を対象に、受講者の目標や都合に合わせた内容やスケジュールで、いわゆるオーダーメイド形式のセミナーを開始したところでございます。今後とも、利用者のニーズを反映したセミナー内容の充実に取り組むこととしております。  いずれにいたしましても、併設されておりますヤングハローワークSAGAと連携しながら、利用者視点に立ったサービス内容の充実を行い、利用者満足度や就職実績の向上に取り組んでいくこととしているところでございまして、一人でも多くの若者の就職の実現に向けて、とりわけ正社員としての就職の実現に向けてしっかりと支援に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 16 ◯野田委員=本事業は、人口ビジョンで二〇六〇年の佐賀県の人口が五十四万三千人と予想されている中で、若者の定着、そして安定した生活ということは、人口ビジョンの対策に寄与するものだと私は強く期待をしている次第でございます。今、いろいろ座学から見学、体験といったグローバルであり、また、現実に沿ったしっかりとした計画をお持ちでございます。そして、何よりも一人でも多くの人に実現をしていただきたいという目標をお持ちございますので、今後の佐賀県のためにしっかりとこの事業を邁進していただきたいと思っております。私も、この決算特別委員会に限らず、若者の応援者として、この事業は今後もしっかりと御協力をさせていただきたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、次の質問に入らせていただきます。  大きな二番目の質問でございます。消費者から選ばれる農産物づくりとそれを支える人づくりについてお尋ねいたします。  少子高齢化など人口減少に伴い国内市場が縮小傾向にある中、米や園芸、畜産など、農産物の産地間競争はますます激化することが見込まれており、全国各地では、それぞれが生き残りをかけてさまざまな対策に取り組まれております。  こうした中、県では平成二十三年十一月に策定された「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一一」の施策の一つに「消費者から選ばれる農作物づくりとそれを支える人づくり」を掲げ、米、麦、大豆や園芸、畜産といった作目ごとにさまざまな事業を展開されてきたことと承知しております。  本委員会におきましても、こうした事業の平成二十六年度の実施状況や成果が報告されておりますが、私は、各作目が抱える課題や、これまでの成果などを踏まえて、今後の取り組みを着実に進めていかれることが佐賀県農業を発展させていく上で極めて重要と考えている次第でございます。  そこで、次の点についてお尋ねいたします。  まず、水田農業における取り組みについてであります。  振興上の課題についてお尋ねいたします。  県では米、麦、大豆などの水田農業の振興上の課題についてどのように御認識をお持ちでしょうかお尋ねいたします。 17 ◯池田農産課長=水田農業の振興上の課題についてお答えいたします。  水田農業の振興に当たりましては、主食用米の需要が減少傾向にございます。また、米価も下落しておりますことから、これまで以上に消費者を意識しながら主食用米に需要のある大豆や麦等を適切に組み合わせた水田フル活用に取り組み、稲作農家の所得確保を図ることが重要と考えております。  また、大幅な省力化や低コスト化が可能な新技術等の導入や、消費者や実需者が求める高品質な農作物の安定生産、さらには、生産条件が不利で担い手が不足している中山間地域における機械利用組合等の組織化などによりまして、産地の競争力の強化や水田農業の担い手の育成を図ることが課題と認識しております。  以上でございます。 18 ◯野田委員=今、さまざまな現状を報告していただきました。  それでは、平成二十六年度の取り組み状況と成果についてお尋ねいたします。  県では、平成二十六年度に「さがの米・麦・大豆競争力強化対策事業」などにより、消費者、実需者から選ばれる米、麦、大豆づくりに取り組んでおられますが、その取り組み状況と成果はどのようになっておりますでしょうか。 19 ◯池田農産課長=平成二十六年度の取り組み状況と成果についてお答えいたします。  平成二十六年度に実施しました「さがの米・麦・大豆競争力強化対策事業」では、条件整備事業として、農家が行います大幅な省力化や低コスト化が可能な大豆コンバインや、圃場を均平にするレーザーレベラーなどの整備、高品質で安定した生産や、こだわりのある米づくりに必要な乗用管理機や酒米専用田植機などの整備、さらには、中山間地域等における効率的な生産体制の確立に必要なコンバインや田植機の整備など、二十七の事業実施主体に対しまして県費補助金四千三百五十一万二千円を交付いたしております。  また、推進事業といたしまして、「さがびより」の高品質・安定生産など、消費者が求める売れる米・麦、大豆づくりに必要な取り組みに対しまして、県費補助金百四十九万九千円を交付いたしております。  さらに、国の「強い農業づくり交付金」を活用した「強い農業づくり総合対策事業」では、精米設備等を備えた農産物処理加工施設の整備に対しまして、国庫補助金五億六千八百二十六万三千円を交付いたしております。  こうした取り組みの結果、米では、日本穀物検定協会食味ランキングにおきまして、「さがびより」が五年連続、また、「コシヒカリ」が二年連続で最高評価となります「特A」を獲得しました。また、麦におきましては、農産物検査の検査等級や、十アール当たりの収量が過去五年間で最高水準を確保しました。そして、大豆におきましては、品質のよさが評価されまして全国でもトップレベルの入札価格を獲得いたしております。そして、中山間地域におきます水田農業の担い手となる機械利用組合の新たな設立、そういった成果が出てきておりまして、本県水田農業の競争力強化や担い手育成に向けた取り組みが進んだものと考えております。  以上でございます。 20 ◯野田委員=ただいまの質問に対しまして、課題と現状、取り組み関係をお答えいただきました。確かに、水田農業におきましては、中山間地域を初めとする担い手問題、いろんな価格の問題というのはございますが、それに対してしっかりとした対応をお答えいただきました。  その中で、売れる米づくりということで「さがびより」のお話をいただきました。水田農業で佐賀で一番といいますと、やはり「さがびより」といった方向にいくと思います。「特A」を連続してお取りいただいておりますが、「さがびより」は競争相手がたくさんある中で、ずっと勝ち抜いていらっしゃるという実績があります。私も調べてみましたけれども、百三十三地域の中からいろんなお米が出てきている中で、「特A」は平成二十六年度は四十二が選ばれているということでございました。  米のブランド化については、昭和四十六年以降、日本が米不足からどんどん生産をした結果、余ってき始めたと。その余ってきた中で米づくりから大豆や麦といった方向に転換を図られる。一方で、米といたしましては、少しでも売れる米をということで、先ほどおっしゃられた各間での競争が始まった、そういうふうに伺っております。  こういった平成二十六年度の取り組みの成果として、「さがびより」につきましては、食味ランキングにおいて五年連続「特A」を獲得されておりますが、地元の多くの生産者、団体から、「特に昨年度なんかはトビイロウンカなど病害虫対策など、こだわりの米づくりのための栽培管理に苦慮をしている」という声を聞いた次第でございます。  県といたしまして、「さがびより」の生産対策にどのように取り組んでいらっしゃるのか、もう少し詳しくお願いいたします。 21 ◯池田農産課長=「さがびより」の生産対策についてお答えいたします。  「さがびより」につきましては、県を代表する銘柄米として育てていくために、栽培技術に関しましては、穂肥診断に基づく施肥の実施など県の栽培基準の遵守に加えまして、地域ごとの課題や成果を踏まえながら、水管理や病害虫対策などの一層の徹底を図っていくこととしております。  このような中、平成二十五年産で被害が大きかったトビイロウンカ対策につきましては、被害状況の分析結果等に基づきまして、苗箱や水田における効果の高い薬剤の使用などの対策を「トビイロウンカの防除対策指針」として取りまとめ、平成二十六年産から各地域において栽培管理に活用してもらうとともに、地域ごとの情報田における発生状況調査の実施と生産者等への情報の提供、携帯メールの「さがびより通信」を活用したタイムリーな情報伝達などによりまして、発生状況に応じた対応を徹底しているところでございます。  また、そのような技術の指導に当たりましては、県段階に県やJAの米の専門家から成ります技術指導チームを編成するとともに、各地域において高い技術を有する生産者としてJAの認定を受けられました「さがびより米スター」やJAの技術指導員、あるいは県の農業改良普及員が緊密に連携しながら、現地研修会等を精力的に開催するなどしまして、地域や気象状況に応じたきめ細かな栽培管理の指導徹底に努めているところでございます。  このような取り組みを生産者はもとより、関係機関、団体が一体となって積極的に推進することによりまして、「さがびより」の一層の銘柄確立に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 22 ◯野田委員=さまざまな取り組みをしているという御答弁をいただきました。  「さがびより」について連続して「特A」を取っていくことの大変さの中で、そういった裏でのお力添え、あるいは指導が大切なことだと感じる次第でございます。  この「特A」というのがどういう基準で定められているのか。あの有名な「コシヒカリ」も、複数の産地から「コシヒカリ」を集めて、それをブレンドして標準のお米として、それよりも「ややまさっている」とか「特にまさっている」、その「特にまさっている」ものに「特A」がつく。しかも、害虫発生、あるいは病気が発生した年にもかかわらず、「特A」がとれるということに関しましては、いかに現場の方々の御指導が徹底されているかというようなことだと感じております。「さがびより」につきましては、DNA的に虫に弱い、耐虫性がないというお話をお伺いしました。今後、よりこういった面に関する対策については気を抜かないでしっかりとやっていただきたいと思っております。  それでは、今後の取り組みについて、これまでの対応を踏まえして、米、麦、大豆などの水田農業の振興につきましては、県ではどのような取り組みを進めていかれるのでしょうかお尋ねいたします。 23 ◯池田農産課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  平成三十年産を目途に国からの米の生産数量目標の配分がなくなるといった米政策が見直される中、本県の水田農業が将来にわたり持続的に発展していくためには、米、麦、大豆の生産対策や販売対策にしっかりと取り組んで農家所得を確保するとともに、地域の実情に応じた効率的かつ安定的な担い手の育成が重要と考えております。  このため、県では、引き続き水田フル活用の推進や、「さがの米・麦・大豆競争力強化対策事業」の実施などによりまして、高品質で低コストな生産の拡大に努めますとともに、中山間地域における農作業の担い手となる農作業受託組織の育成や集落営農組織の法人化、さらには、農地中間管理機構を活用した農地の集積・集約などによりまして、産地の競争力強化や担い手の育成に取り組んでいくこととしております。  いずれにいたしましても、整備の進んだ水田や共同乾燥調製施設などを生かしながら、地域の実情に応じて担い手の育成や高品質で低コストな生産を一層推進するなど、水田農業の振興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 24 ◯野田委員=今後の佐賀県の産業基盤である農業に関してしっかりとやっていただきたいと思います。  林業関係も大規模な林業でやっていく中におきまして、今、見直されているのが小規模、小回りのきくやり方で利益を上げておられるという報道があっておりました。農業に関しましても、大規模ばかりではなくて、佐賀県では中山間地域、あるいは棚田といったところが非常に多くございます。面積も狭く、高齢化しているところでございます。そういった意味におきまして、また県独自の見方も必要ではないかと感じている次第でございます。  水田におきましては、先ほどのトビイロウンカ以外にもジャンボタニシの駆除に当たりましては、一カ所で駆除するよりも地域がしっかりまとまって駆除をやるというような対策も必要と伺っております。いろいろございますが、決算委員会でございますので、今後、このあたりをしっかり生かしていただいて水田農業の発展に寄与していただきたいと思っております。  次に、園芸農業における取り組みについてお尋ねいたします。  園芸農業におきまして、県では、振興上の課題についてどのように認識していらっしゃいますでしょうか、お尋ねいたします。 25 ◯成澤園芸課長=園芸農業の振興上の課題につきましてお答えさせていただきます。  最近の園芸農業を取り巻く情勢につきましては、ハウス骨材や燃油等の生産資材価格の高騰によります収益性の低下、生産者の減少に伴います産地の縮小など厳しさを増している状況にございます。  こうした中、本県の園芸農業の振興に当たりましては、革新的技術の導入などによります収量、品質の飛躍的な向上、一層の省力化・低コスト化技術の導入推進、さらには、新規就農者や規模拡大を志向する農家の育成などの取り組みを着実に進め、収益性の高い園芸農業の確立と産地の維持拡大を図っていくことが課題であると認識しております。  以上でございます。 26 ◯野田委員=園芸関連におきましても、収益の低下とか産地の縮小とかいろいろあるということでございます。  それでは、県では平成二十六年度に「さが園芸農業者育成対策事業」などにより収益性の高い園芸農業の確立に取り組まれていらっしゃいますが、その取り組み状況と成果はどのようになっておりますでしょうか。
    27 ◯成澤園芸課長=平成二十六年度の取り組み状況と成果についてお答えをいたします。  平成二十六年度に実施しました「さが園芸農業者育成対策事業」では、飛躍的な収量、品質の向上が可能となります統合環境制御型園芸用ハウスやミカンの根域制限栽培施設の整備、新規就農者の経営開始や規模拡大を志向する農家の経営拡大に必要な園芸用ハウスやタマネギの収穫機などの省力機械の導入、さらには、本県ではほとんど作付されていない新規品目の産地づくりや高品質化に向けたミカンのマルチ栽培の拡大などの活動、これら計百九十事業実施主体の取り組みに対しまして、補助金で五億六千四百八十一万二千円を交付しております。  その内訳でございますが、国庫補助金が六千六百七十九万円、県費補助金といたしましては四億九千八百二万二千円でございます。  また、このほか県の農業試験研究機関におきましては、消費者に支持され、生産農家の所得向上につながりますイチゴの新品種の開発、施設園芸の統合環境制御技術の確立に取り組んだところでございます。  こうした取り組みの結果、例えば、統合環境制御技術をハウスに導入されたキュウリの生産農家におかれましては、全国でもトップクラスの十アール当たりの収量や販売額を確保されております。タマネギでは、産地が縮小している主産県がある中で、本県産地では省力機械の導入などによりまして産地は拡大傾向にございます。また、露地ミカンにつきましては、高品質ミカンの生産割合の目標は達成できなかったものの、マルチ栽培や根域制限栽培を導入した圃場におきましては、ブランド率が向上しております。  さらには、ミニキャロットなどの新規品目の産地化の取り組みが進展するなどの成果が出ておりまして、収益性の高い園芸農業の確立に向けた取り組みが進んだものと考えております。  以上でございます。 28 ◯野田委員=ハウス関係やミカン、イチゴ、キュウリ、タマネギ等それぞれについて御回答をいただきました。昨年は露地ミカンが天候の関係もありまして不順だったということでしたが、マルチによるブランド向上ということで回答がございました。  そういった中で、勉強会のときにも話がございましたが、「さが美人」の目標達成が残念ながら低うございました。そういったことが露地ミカンについてはあるからこそ、マルチも必要だと思っております。  それでは、高品質ミカンの生産についてお尋ねいたします。  本委員会の勉強会におきましても、「さが園芸農業者育成対策事業」の成果について、ブランドミカンである「さが美人」の生産割合の目標を達成できなかった旨の報告がなされました。私は、産地間競争が激しくなる中でブランド率を高めていくことは極めて重要なことであると考えております。どのように取り組んでいかれるのか質問をいたします。 29 ◯成澤園芸課長=高品質ミカンの生産についてお答えいたします。  県では、これまで県独自の「さが園芸農業者育成対策事業」の実施や国の事業を活用するなどいたしまして、高品質なミカンの生産が可能となりますマルチ栽培や根域制限栽培の導入促進、品質が安定しない極わせミカンから優良品種への改植の推進などに取り組んできたところであります。  こうした取り組みの結果、高品質ミカン「さが美人」の生産割合につきましては、平成二十六年につきましては例年にない夏場の多雨、日照不足により品質が低下して目標が達成できなかったものの、ここ数年の実績を見てみますと、平成二十二年産は一九%であったものが、平成二十四年産は二三%、平成二十五年産は二七%と向上傾向にございます。  こうしたことから、今後のミカンの高品質化の推進に当たりましては、マルチ栽培の導入や優良品種への改植など、これまでの取り組みを加速化させるとともに、集出荷施設におきますきめ細やかな選別作業、圃場におきます適正管理などを徹底いたしまして、ブランド率をさらに向上できるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 30 ◯野田委員=私は、「さが美人」は品種だと思っておりましたが、品種ではないということを初めて知った次第でございます。わせの時期に糖度が十二度、それ以降は十三度以上あるものを「さが美人」というということで、佐賀ミカンというブランドをしっかり打っていくということで頑張っておられます。  私は、ふるさと水と土指導員で、今週、ミカン農家と学校の間を取り持ちまして、小学校三年生がミカン農家を訪ねるという授業がございます。そのお世話をここ五年以上させていただいております。農家の方いわく、「おいしいミカンを子供のときに食べていれば大人になってもその味は忘れない。やがて、今の子供が将来の消費者にしっかりと結びついていくんだ」と。そういう思いで小学生を迎えていらっしゃいます。  この「さが美人」に関しましては、本当にしっかりと農家全体をレベルアップしていただいて所得につなげていただきたいと強く思っている次第でございます。  四番目でございます。今後の園芸農業の振興についてです。  これまでの対応を踏まえて、県では、今後、園芸農業の振興にどのように取り組まれていかれるのかお尋ねいたします。 31 ◯成澤園芸課長=今後の園芸農業の振興につきましてお答えさせていただきます。  収益性の高い魅力ある園芸農業を確立していくため、県では、引き続き佐賀園芸農業者育成対策事業の実施や、国の事業の活用によりまして一層の収量や品質の向上、省力化、低コスト化の取り組みを進めてまいります。  さらに、今後はこれらの取り組みに加えまして需要が拡大しております加工業務用野菜の生産拡大、農家の農産物の商品力を磨き上げる力の醸成、さらには、根域制限栽培施設を活用しました水田へのミカン栽培の導入など、需要に応じた生産や高付加価値化、産地の維持拡大に向けた取り組みを推進していくこととしております。  いずれにいたしましても、本県の園芸農業は農業産出額の約半分を占め、農業経営の柱となる重要な部門でありますことから、今後とも、農業団体や市町と一体となりまして、その振興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 32 ◯野田委員=本県の半分を占めているという園芸農業の大切さ、市町と一体となって頑張っていただきたいと思っております。  そういう園芸農家の一つの悩みとされまして、古いビニールハウスなどを撤去した後の処理といったもの、あるいは大量に使いますビニールの肥料袋、ポリバケツであったり、そういったものが多量に出ます。こういったものを一軒、一軒で見ますと、そう多くないかもしれませんが、集落や全体で見るとかなりの量になるという話でした。農業をやっていらっしゃって、そろそろ施設を変えんといかぬという農家の方もたくさんいらっしゃいます。そういったことでリサイクルの問題、あるいは廃材をどうしていくかという問題も現に農家は迫られていますということがございました。こういった面も今後いろんな対応策を立てていただく必要があるのではないかと感じた次第でございます。どうぞ、そういった面も加味していただきながら今後の農業の発展をお願いしたいと思っております。  続きまして、畜産における取り組みについてお尋ねいたします。  佐賀と言えば「佐賀牛」でございます。「佐賀牛」は世界に誇るブランドでございます。そういった意味で非常に輝かしい面もある反面、畜産関係では非常に影を落としている部分もあったように感じました。そういった意味で畜産における取り組みについてお尋ねいたします。  肉用牛の振興上の課題についてお尋ねいたします。  本県の畜産を振興していくためには「佐賀牛」に代表される肉用牛の振興が重要と考えている次第でございます。肉用牛の振興上の課題についてはどのように認識されていらっしゃいますでしょうかお尋ねいたします。 33 ◯山田畜産課長=肉用牛の振興上の課題についてお答えいたします。  肉用牛を取り巻く情勢につきましては、人口の減少、高齢化の進展に伴いまして、国内の牛肉消費量が減少するとともに、神戸牛、宮崎牛といった全国各地のブランド牛によります産地間競争も激化しております。また、配合飼料価格の高どまりや全国的な子牛不足によります肥育素牛価格の高騰などによりまして生産コストが大きく上昇しており、さらに、高齢農家を中心といたしまして繁殖農家の経営中止がふえていることから、県内の肥育素牛の生産頭数は伸び悩んでおり、「佐賀牛」の基礎となります肥育素牛の県内での自給率は、平成二十六年で二三・九%と低い水準となっております。  このような状況の中、本県の肉用牛の振興に当たりましては、農家の飼養管理技術のレベルアップや親牛の血統の改良によります肉質のさらなる高品質化、自給飼料の生産拡大等によります生産コストの低減、さらには、繁殖雌牛の増頭によります肥育素牛の生産拡大など、「佐賀牛」の生産基盤のさらなる強化が重要な課題であると認識しております。  以上でございます。 34 ◯野田委員=そういった中で高品質の「佐賀牛」の生産に絶え間なく努めていらっしゃる農家の皆さんでありますが、私たちは簡単に「佐賀牛」の「A5」とかいろいろ言いますけれども、非常にこれも維持ということが難しくて、先ほどの御回答の中にもありましたように、確かにいい餌、高品質な餌を必要としているみたいですが、こういったところもコストが高くなるということであります。  この「佐賀牛」に関しまして「A5」が当たり前ということでありますが、調べてみますと、たくさんの条件があることにびっくりしました。「A」というのは肉の歩どまり、例えば、ある部位から不必要な筋とか不必要な脂肪分を取ったらどれだけ残るか、これでAは標準よりよい、Bは標準、Cは標準より悪い、そういうことのAということです。「5」というのは何の5かといいますと、これは私は簡単なものだと思っていましたら、霜降りの具合、これは一般的ですね。肉の色や光沢、そして、きめ細やかさや肉の締まり具合、脂の色・艶、そして質、この四つの項目で、それぞれかなりよいもの、ややよいもの、標準のもの、標準に準じるもの、劣るもの、そういう五段階があって、この中の四種類の一つでも、かなりよいものから外れると「A5」の「5」というランクはもらえないということを知りまして、なおさら、「佐賀牛」の「A5」を生産する農家の方々のコスト、あるいは手間暇に感服したというか、びっくりした次第でございます。これを続けていくためには佐賀県としましてもしっかりとした応援体制が要るというふうに感じた次第でございます。  それでは、取り組み状況についてお尋ねいたします。  県では、平成二十六年度に肉用牛改良効率向上推進事業などにより、「佐賀牛」などの高品質な肉用牛の生産拡大に取り組まれていらっしゃいますが、その取り組み状況と成果はどのようになっていますでしょうか、よろしくお願いします。 35 ◯山田畜産課長=平成二十六年度の取り組み状況と成果についてお答えいたします。  平成二十六年度に実施いたしました肉用牛改良効率向上推進事業におきまして、枝肉重量や脂肪交雑など遺伝的能力がすぐれた種雄牛の作出に取り組みまして、特に脂肪交雑の成績がすぐれた「藤照」号を新たな県産種雄牛として認定したところでございます。  また、飼養管理技術面におきましては、「さが畜産実践プロジェクト推進事業」を実施しております。県、JA、生産者が一体となった新たな飼料給与ガイドラインの実証・普及に取り組んだところでございます。  さらに、肥育素牛生産拡大支援事業におきまして、繁殖農家の規模拡大や牛舎環境の改善に必要な施設等の整備につきましては、六事業主体に対しまして、県費補助金一千五百十八万二千円を交付し、また、繁殖雌牛の増頭や改良に必要な繁殖雌牛の導入につきましては、県費補助金一千八百八十六万六千円を交付したところであります。  こうした取り組みによりまして、平成二十六年度の脂肪交雑七以上の「佐賀牛」の出荷頭数は、JAグループ佐賀の総出荷頭数一万九千二百十八頭のうち約四七%に当たります九千九十頭が「佐賀牛」として出荷されております。前年比一一五%と大幅に増加したところであります。  一方、繁殖農家が生産いたします肥育素牛の県内自給率につきましては、平成二十五年度につきましては二二・九%、平成二十六年度につきましては二三・九%ということで一ポイントの改善にとどまっている状況でございます。  以上でございます。 36 ◯野田委員=「藤照」号にすごく期待をしたいと思っております。  今後の取り組みについてでございます。これまでの対応を踏まえ、県では、今後、繁殖基盤の強化を含め、肉用牛の振興についてどのような取り組みを進めていかれるのでしょうか。繁殖基盤強化は最も大事なところだと思っております。どうぞよろしくお願いします。 37 ◯山田畜産課長=今後の取り組みについてお答えをいたします。  本県の肉用牛の振興を図っていく上では、まず、消費者から求められる安心・安全で高品質な牛肉を生産することに加えまして、県内肥育素牛の生産基盤の強化が重要であると考えております。  このため、県では、引き続きすぐれた県産種雄牛の作出や飼養管理技術の改善などに取り組みながら、肉質を維持しつつ、肥育期間を短縮した「佐賀牛」の生産技術の確立、さらには、飼料用稲や飼料用米など自給飼料の生産利用の拡大に取り組むとともに、特に、「佐賀牛」の基礎となります肥育素牛の生産拡大に当たりましては、繁殖農家の規模拡大に必要な施設等の整備や優良な繁殖雌牛の導入に対する支援の強化、肥育農家が繁殖部門を取り入れる、いわゆる肥育・繁殖一貫経営の取り組みの推進、また、子牛の生産・育成を受託するブリーディングステーションやキャトルステーションの整備推進などに取り組んでいくこととしております。  このような取り組みを生産者を初め、関係機関・団体と一体となって推進することで、本県肉用牛のさらなる振興に努めていくこととしております。  以上でございます。 38 ◯野田委員=技術の確立とか規模拡大といったお話でございました。繁殖のための基盤づくりについては、農家は小規模で軒数が多かったんですけれども、高齢化により、ここがどんどん減っていく予測がされております。そういった意味では先ほど御回答いただきました規模の拡大、あるいは技術の確立といったことをしっかりとお持ちいただきまして、繁殖用の小規模で軒数が多いということが変わらないような環境づくりをしていただきたいと思っております。  ただでさえ高齢化によって減っていくことが見込まれておりますし、畜産農家の周りに新しい住宅が建ってきて畜産ができない、臭いの問題とか景観の問題でクレームが上がってなかなかやりにくい状況があるということも伺っております。こういった面でしっかりとした規模拡大、あるいは技術の確立に努めていただくことをお願い申し上げます。  最後に、ただいま水田農業、園芸、そして畜産について質問させていただきました。それぞれしっかりとした支えをいただいております中にも、いろんな問題を抱えているのが現状でございます。今まで品目ごとの取り組み状況などについて質問いたしましたが、農業につきましては、いずれの分野におきましても担い手の減少や高齢化が進み、また、産地間競争も激化しており、今後、佐賀農業を発展させていくためには、これまで以上に消費者から選ばれるものづくりや人づくりなどにしっかりと取り組んでいく必要があると本当に思っている次第でございます。  県では、今後、農業振興にどのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。 39 ◯古賀生産振興部長=今後の農業振興についてお答えいたします。  今、委員から御指摘がございましたように、担い手の減少や高齢化の振興など、農業を取り巻く情勢が厳しさを増す中で、本県の今後の農業振興に当たりましては、先ほど関係課長がそれぞれの品目について御答弁申し上げましたように、ものづくりや人づくりなど、それぞれにつきましてこれまで以上に工夫を凝らすなど、磨き上げを行い、安全・安心をベースに高品質化や低コスト化などに加え、付加価値をさらに高め、農家の所得向上につながるように取り組んでいきたいと考えております。  また、それぞれ御答弁申し上げましたが、現在抱えている課題の対応にしっかり取り組みながらも、将来を見据え、今から特に力を注いでいくべき取り組みも進めていくことが重要と考えておりまして、例えば、イチゴやミカンなどの収量や品質を飛躍的に向上させることが可能となります、これは先日、農業試験研究センターで視察をいただきました統合環境制御技術の開発といった革新技術の確立や導入、さらには、「佐賀牛」の生産基盤の強化などと合わせまして、佐賀で先進的な農業経営を実践したいと考える就農希望者を地域の関係者がきめ細かにサポートしながら育てていきますトレーニングファームを核として、新たな担い手確保・育成システムの構築といったことなどにも力を注いでいきたいと考えております。  なお、これらの取り組み対しましては、さきの議会で御承認いただきました「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一五」に可能な限り盛り込んだところでございます。計画の目指す姿に向けまして農業者の方々を初め、市町、農業団体などと一体となりまして、その実現に全力で取り組み、本県農業の振興を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 40 ◯野田委員=どうぞよろしくお願い申し上げます。 41 ◯向門委員=おはようございます。委員長の許可を得ましたので質問させていただきたいと思います。(委員長、副委員長と交代)私は、決算特別委員会の質問が二年ぶりでありまして、要領を得ずに執行部の皆さんにはすり合わせの段階で何かと御迷惑をおかけしたと思います。また、質問もあちこち行ったりするかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。  質問に入りたいと思いますが、まず、問いとして、再生可能エネルギーの導入促進の取り組みについてということで上げさせていただきました。  まず、新エネルギー課にお尋ねします。再生可能エネルギーの導入促進を所管する新エネルギー課の分掌事務はどのようになっているのかお尋ねします。 42 ◯瀬戸口新エネルギー課長=新エネルギー課の分掌事務についてのお尋ねでございます。  新エネルギー課の分掌事務は、佐賀県行政組織規則におきまして、一つ、エネルギー政策の総合調整に関すること、一つ、新エネルギー等関連産業の研究開発支援及び集積に関すること、一つ、新エネルギー等の導入促進に関することとなっております。  以上でございます。 43 ◯向門委員=その分掌事務に基づいて平成二十六年度の予算を立てられていると思いますが、平成二十六年度はどのような事業に取り組んだのかお尋ねをいたします。 44 ◯瀬戸口新エネルギー課長=新エネルギー課における平成二十六年度の事業の取り組みについてのお尋ねでございます。  平成二十六年度に私どもが取り組みました主な事業を予算事項で申し上げると六つございます。一番目が新エネルギー関連産業集積プロジェクト、二番目が太陽光発電関連産業振興、三番目が再生可能エネルギー関連産業集積プロジェクト、四番目が電気自動車等普及促進、五番目が住宅用太陽光発電導入促進、六番目がメガソーラー等設置促進でございます。  一つずつ御説明をいたします。  まず、新エネルギー関連産業集積プロジェクトにおきましては、主に水素利用社会実現に取り組むことといたしまして、水素利用社会システム構築事業として主な取り組みが三つございます。  まず、商用水素ステーション整備に向けた検討、次に鳥栖市の実証水素ステーションを活用した国の実証研究事業への参画、三つ目が固体酸化物形燃料電池に係る研究開発に取り組んだところでございます。  なお、商用水素ステーション整備に向けた検討を進めた結果、平成二十七年二月補正事業といたしまして、水素供給設備整備事業に取り組むことにしておりまして、現在、佐賀市内において商用水素ステーションの整備を進めているところでございます。  二番目、太陽光発電関連産業振興でございますが、事業用太陽光発電の設備要領を平成二十六年度末までに二十メガワットにすることを目標といたしまして、設置をする事業者と設置事業者とをマッチングさせる商談会の実施等に取り組んだところでございます。  次に、三番目の再生可能エネルギー関連産業集積プロジェクトでは、企業支援と海洋再生可能エネルギーの実用化に取り組むことといたしまして、再生可能エネルギー等導入促進事業として大きく二つのことに取り組んでおります。  一つ目でございますが、再生可能エネルギー導入促進といたしまして、民間事業者等が取り組む再生可能エネルギーなどの事業化に向けた技術開発や実証実験などを公募いたしまして支援を行うこととしております。  二つ目、海洋再生可能エネルギーの実用化といたしまして、平成二十六年七月に唐津市加部島沖が国の海洋再生可能エネルギー実証フィールドに選定されましたことを受けて、有識者で構成する佐賀県海洋再生可能エネルギー推進協議会を設置いたしまして、実証フィールドの管理運営や海洋再生可能エネルギー関連産業創出などの検討を行うことにしております。  四番目、電気自動車等普及促進でございますが、電気自動車やプラグインハイブリット車の利用環境を整えるため、県内の急速充電設備の整備に取り組んだところでございます。  五番目の住宅用太陽光発電導入促進といたしましては、エネルギーの多様化や自給率向上などの観点から、再生可能エネルギーの普及を図るために、一般住宅における太陽光発電設備の設置を支援したところでございます。  最後に六番目でございますが、メガソーラー等設置促進といたしましては、吉野ヶ里メガソーラー事業敷地の維持管理と県内のメガソーラーの設備容量を平成二十六年度末までに三十メガワットにすることを目標に、県内メガソーラー設置促進に向けた市町と連携した候補地の掘り起こしや事業者への情報提供などに取り組んだところでございます。  以上でございます。 45 ◯向門委員=今、それぞれ御報告がありました。  それでは、平成二十六年度に実施した事業の効果をどのように認識しているのかお尋ねします。 46 ◯瀬戸口新エネルギー課長=それでは、先ほど御説明いたしました事項の順序でお答えいたします。  まず、新エネルギー関連産業集積プロジェクトの効果といたしまして、現在、進んでおりますが、佐賀市内での商用水素ステーションの整備着手につなげることができました。また、鳥栖市の実証水素ステーションを活用した国の実証研究事業への参画により、水素ステーションの雷被害リスクの分析を行いまして、雷被害対策の要否判断の基準案を取りまとめたところでございます。それから、県内企業におきまして、固体酸化物形燃料電池分野への進出の動きが見られるようになりました。  それから二番目、太陽光発電関連産業振興の効果でございます。  固定価格買取制度の効果もございまして、県内の工場、倉庫等の事業所におきまして導入に向けた動きが本格化しております。我々の予想を上回るペースで設置が進みまして、平成二十六年度末までの二十メガワットの目標に対しまして、実績は百七十三・六メガワット、これは平成二十七年三月末でございますが、大きく目標を上回ることができたところでございます。  三番目、再生可能エネルギー関連産業集積プロジェクトでございますが、まず、企業支援の分野でございますが、再生可能エネルギー導入促進といたしまして、公募により選定したテーマを一件、支援いたしました。こうしたことにより産官学の連携、研究開発支援等に寄与できたものと考えております。  次に、海洋再生可能エネルギーの実用化でございますが、国の実証フィールドの誘致など、県内での実証実験フィールド化を目指した取り組みが着実に進み、国や業界関係者からも一定の評価をいただいております。こうしたことから、関連産業進出に向けた基盤が構築されつつあると考えております。  四番目、電気自動車等普及促進の効果でございますが、平成二十五年度末で計画ベース、これは整備済み稼働前でございますが、二十六カ所ございました。そのうち稼働済みは二十四カ所でございました。こういった急速充電設備を平成二十六年度末までに七十五カ所以上とすることを目標に取り組みました。その結果、平成二十六年度末時点での県内整備済み箇所数が八十五カ所となりまして、大きく目標を上回ることができました。  五番目、住宅用太陽光発電導入促進の効果でございます。平成二十六年度末までに二万七千五百件に住宅用太陽光発電をふやしていくことを目的として取り組んだ結果、平成二十六年度末の設置件数は二万七千百三十五件と目標には若干届かなかったのでございますが、一定の住宅用太陽光発電の県内への普及を進めることができたと考えております。  最後に、メガソーラー等設置促進の効果でございますが、吉野ヶ里メガソーラー事業敷地の維持管理を実施したところでございます。また、県内のメガソーラーの設備容量を平成二十六年度末までに三十メガワットにすることを目標としておりましたが、実績は六十七・八メガワット、これも平成二十六年度末の数字でございますが、目標を大きく上回ることができました。  以上でございます。 47 ◯向門委員=るる御説明をいただきました。  まず、平成二十六年の二月の当初予算で、私が拾った数字なのでひょっとしたら間違いがあるかもしれませんが、当初予算の七款商工費・二項工鉱業費・二目中小企業振興費の中で「新エネルギー課」と書いてあるもの、三目工鉱業振興費の中で「新エネルギー課」と書いてある数字、六目企業誘致対策費の中で「新エネルギー課」と書いてあるものが、それぞれ新エネルギー関連産業集積プロジェクト事業費三千百九十七万九千円、太陽光発電関連産業振興事業費五百三万六千円、再生可能エネルギー関連産業集積プロジェクト事業費六千十九万七千円、商工業振興対策諸費で百八十四万四千円。三目電気自動車等普及促進事業費一千七百三十五万九千円、住宅用太陽光発電導入促進事業費が一千百二十一万一千円、単独事業費として電気自動車等普及促進事業費三千五百万円、住宅用太陽光発電導入促進事業費一億六千八百十四万三千円、六目企業誘致対策費の単独事業費としてメガソーラー設置促進事業費二千百二十三万円。これを合計すると当初予算ベースで三億五千百九十九万九千円になると思います。  その後の補正予算、六月、九月、十一月は補正予算は特段上がっていません。二月の補正予算では二億五千万円の補正予算と、減額補正が八千八百五十二万円上がっていまして、最終予算が五億一千三百四十七万九千円になっていると思います。うち繰り越しが、先ほどの水素ステーションの設置で二億五千万円になっていると思います。不用額が約四千九百万円になっていると思います。
     要は、何が聞きたいかといいますと、先ほど、事業についてるる御報告がありました。大変すばらしい事業効果が出ているんだなと思いますが、一方で不用額になったり予算を減額されている事業がありますので、それについて御説明をいただきたいと思います。  その質問項目としてお話をしていただきたいのが、先ほどの住宅用太陽光発電導入促進事業費です。勉強会で提出していただいている資料を見ると、住宅用太陽光発電導入促進事業費として二月の当初予算関係で新エネルギー課として一億六千八百十四万三千円が計上されています。平成二十七年二月の補正予算では住宅用太陽光発電導入促進事業費として六千三百三十二万三千円の減額になっています。これについてなぜ減額になっているのかお尋ねします。 48 ◯瀬戸口新エネルギー課長=住宅用太陽光発電導入促進事業で減額になった理由でございます。  まず、当初予算に対し、決算額が減った主な理由、二月補正で減額した理由でございますが、過去四年間、この補助事業をずっとやってまいりました。そういった中で年度ごとに補助限度額の見直しを行ってきたところでございます。  そういったこともございまして、平成二十六年度は一キロワット当たり一万円、上限が四万円という金額で補助制度を組み立てておりました。そういった要因もございまして、申請件数が伸びなかったということで二月補正で六千三百三十二万三千円の減額をしたところでございます。 49 ◯向門委員=そうすると、申請件数は予算当時はどれぐらい見込んであったのか。そして、決算時には実際の申請件数はどれぐらいあったのかをお願いします。 50 ◯瀬戸口新エネルギー課長=当初の見込み件数といたしましては、四千件程度を見込んでおりましたが、二月補正の段階では二千五百件、決算の段階で千七百五十一件という状況でございました。 51 ◯向門委員=それで減額をしたということですね。わかりました。四千件から千七百五十一件に減ったということが一つ、そして減額補正をしたということ。決算の数字を見ると、新エネルギー課の予算現額が五億一千三百四十七万九千円、これは先ほど私が話しましたように、二月補正で計上された数字だと思います。支出済額が約二億一千四百万円になっています。翌年度繰越額が二億五千万円、不用額が約四千九百四十二万八千円、約五千万円が不用額として計上されています。この不用額は何になるのかお尋ねいたします。 52 ◯瀬戸口新エネルギー課長=不用額の内訳ということでございますが、まず、事業ごとに御説明をいたしますと、水素利用社会システム構築実証等事業費で国の実証事業の額の確定まで県の負担額が確定しなかったことから執行を見送るということで減額しております。  それから、同じく新エネルギー関連産業集積プロジェクト事業費の中で行っておりました人材育成講座がございまして、その中で学校を対象に新エネルギーの普及ということで出前講座のようなものをしておりましたが、学校行事により受け入れ校が想定より減ったなどの理由から減額をしております。  それから、再生可能エネルギー等導入促進事業で、海洋再生可能エネルギーに関しまして、実証第一号ということで予定しておりました事業者が設置中の事故で機材が水没しましたので、それが順調に進んでいたらということで用意しておりました事業を見直すということで減額しております。  それから、──申し訳ございません。詳しい数字が手元にございませんで大変失礼いたしました。新エネルギー課の不用額の主なものは、住宅用太陽光発電導入促進事業費の三千五百二万四千五百八十七円でございます。  以上でございます。 53 ◯向門委員=そうすると、二月の補正で予算を減額して、なおかつ、不用額で約三千五百万円出たということで理解してよろしいですか。 54 ◯瀬戸口新エネルギー課長=そのように理解いただいて結構でございます。 55 ◯向門委員=そうすると、一億円近くが太陽光発電事業を予定していたけれども、一億円近くは支出しなかったと理解してよろしいですか。 56 ◯瀬戸口新エネルギー課長=予算は一億四百八十二万円でございます。 57 ◯向門委員=わかりました。一億円近くの太陽光発電の予算が実際には使われなかったということでございます。  次に、先ほど分掌事務ということで御報告をいただきました。また、太陽光発電についての平成二十六年度の取り組みの報告をいただきました。一億円程度消化し切れなかったと。設置するほうもいろいろな事情があってできなかったかもしれません。  ただ、先ほど平成二十六年度に新エネルギー課が取り組んだ事業ということも御報告いただきましたが、私たちが忘れていけないのは、平成二十三年三月十一日に福島の原発のことがありました。これは私たち、原発の立地県の県民として忘れることは絶対ならないと思っています。  あのとき多くの皆さんが思ったのは、やはり原子力発電というのは危険なものである。いずれ、この社会からはゼロにしていかなければならない。地球温暖化の問題があるので火力発電ばかりに頼ることはできない。やはり再生可能エネルギー、自然エネルギーといったものを普及させて将来の人たちにクリーンなエネルギーを渡していかなければならないと日本国民の多くの方々が思ったと思います。  その中で平成二十三年度、平成二十四年度、平成二十五年度、平成二十六年度と、四年目に佐賀県として再生可能エネルギーにどう取り組んだのかということは、予算が、あるいは決算で上がっていること以上に、できるかできないかは別として、いろんなことを検討することは大切なことだったと思います。先ほど、された事業についてはるるお伺いしました。でも、もっとさらにできる事業がいっぱいあると僕は思っています。  お尋ねしますが、再生可能エネルギーには多様な形態があると思います。その導入に当たって形態ごとに検証しながら進めておられると思いますが、県は再生可能エネルギーについてどのように考えておられるのかお尋ねします。 58 ◯瀬戸口新エネルギー課長=再生可能エネルギーの導入に当たっては、形態ごとに検証しながら進めるべきであるというお尋ねでございます。  まさしく委員の御指摘のとおりだと私どもも考えております。再生可能エネルギーにつきましては、気象条件等に左右される不安定な電源ではございますが、資源の乏しい我が国にありましては、エネルギーの自給率向上ですとか、温暖化対策に寄与することができるエネルギー源として必要なものであると認識しております。まさに、今、委員がおっしゃったように、形態ごとに課題を検証しながら推進していく必要があると考えているところでございます。  再生可能エネルギーにつきましては、さまざまな形態がございます。太陽光発電、風力発電、小水力発電、バイオマス発電などでございますが、それぞれについて課題と言われることがございます。そういった課題、また、本県の地域的特性やポテンシャルを含めた部分についても検証を行うことが必要であると考えております。  私ども、農水商工本部ということで、基本的には産業振興の観点から再生可能エネルギーの導入ということに取り組んでおりますが、何分、分掌事務としてエネルギー政策の総合調整というものを担うことになっておりますので、再生可能エネルギーの導入を含めたエネルギー政策につきましては、環境的な側面、それから、水資源的な県有財産の多角的な利用等のさまざまな観点がございます。  したがいまして、私どもとしましては、今後、そういった関係する部局とも協議をしながら県としての再生可能エネルギー導入促進の取り組みを進めていく必要があると考えているところでございます。 59 ◯向門委員=今後ということは、平成二十六年度にはどのようなことを検討されて検証されましたか。 60 ◯瀬戸口新エネルギー課長=平成二十六年度の取り組みにつきましては、予算に関することについてはお答えしたとおりでございます。予算以外の動きといたしましては、まず、小水力発電に関しまして、平成二十五年度の年度末に近い段階でございましたが、農業水利施設を活用した小水力発電導入可能性調査を行いまして、県内で小水力発電の設置可能性のある箇所をピックアップしております。その結果、八カ所という箇所数が出てまいりました。その八カ所につきまして事業化に向けた取り組みを関係者に働きかけを行ってきたところですけれども、さまざまな理由によりましてそれが実現できなかったということもございます。  また、同じく小水力発電についてでございますが、平成二十五年度に県土づくり本部を中心といたしまして水資源施設の水力発電可能性検討をされております。そういった中で砂防ダムですとか農業用水ため池、上水道、農業用ダムなどにつきまして適地となり得るところをピックアップされておりまして、その中から中木庭ダムにおける小水力発電というものが実際に動き出すことになっております。  こういった動きとあわせまして、唯一、水関係で漏れているのが事業所関係でございましたので、そういったところの情報収集等をいたしまして可能性の検討を始めたところでございます。  以上でございます。 61 ◯向門委員=今、事業をされた報告がありましたが、それは新エネルギー課ではなくて、ほかのところで取り組まれたということですか。 62 ◯瀬戸口新エネルギー課長=最初に御説明いたしました農業水利施設を活用した小水力発電導入可能性調査につきましては、平成二十五年度に私どもがやった取り組みでございます。水力発電の可能性検討、ダム等につきましては、県土づくり本部を中心に取り組まれた事業でございます。  以上でございます。 63 ◯向門委員=新エネルギー課の分掌事務としてエネルギー政策の総合調整、あるいは新エネルギー等の導入促進に関することがあると思います。決算なのでいろいろ申し上げてもしようがないんですが、私が見つけた資料ですので、実際、僕が現場に行ってどうなのかという確認はまだできていません、余りにもいっぱいあるので。  では、県としてどういったことに取り組むことができるかというか、今、全国で再生可能エネルギーを導入するためにどのようなことを頑張っているのか、そういったことをお話しします。  大垣市でバイオガス発電開始、市の浄化センターから下水道の汚泥を分解する際に発生するメタンガスを燃料にして燃料電池を三台設置する計画。福岡市では下水から水素製造、燃料電池自動車の実証施設が完成した。箱根町では箱根湧水で小水力発電。全国の温泉発電ふつふつ、低投資で安定収入、全国に広がるとか。川崎市では世界初の水素発電所。  滋賀県では中小企業向けの再生可能エネルギー導入促進事業の補助金を出している。太陽熱や地中熱などの熱利用、バイオマス燃料製造設備やガスコージェネレーション、燃料電池のシステムを含む自家消費用が対象で、売電を主目的とした導入は補助しないということで、対象経費の三分の一以内で百万円の補助を出すとか。  青森県の五所川原ではため池を使って発電するとか、小水力発電、県が後押しと、キャラバン隊を設置して七月から八月に県内各地で相談会、これは長野県です。  北海道の奥尻島では地熱発電を利用すると。石川県においては、小水力発電の農業用水活用へ手引き、県が昨年度実施した導入可能性調査の結果によると、対象の用水等ダム系が十六カ所ある、そういったところに手引きをして用水や農業ダムを管理する市町や土地改良区などが小水力発電を導入するまでの手順を六段階で示して普及をしている。まだいっぱいありますが、時間がないのでこれ以上は述べませんけれども、そういったことで各県さまざまな形で取り組まれています。  そういった中で、今後、佐賀県はどういうふうに取り組んでいくのか。当然、佐賀県だけでは、県が幾ら旗を振ってもついてこなければできないわけであって、そういった必要性について県は普及をしていかなければならないと思います。  そういった意味で、再生可能エネルギーの普及の必要性について佐賀県はどのように考えているのかお尋ねいたします。 64 ◯瀬戸口新エネルギー課長=再生可能エネルギーの普及の必要性の県の考え方についてのお尋ねでございます。  まさに、今、委員がおっしゃったとおり、再生可能エネルギーについては、導入に積極的に取り組む必要があると考えております。昨年四月に閣議決定されました国のエネルギー基本計画におきましては、再生可能エネルギーの導入を最大限加速していくとされております。  県では、これまでも持続可能な分散型エネルギー社会の実現を目指していくことが重要でありまして、エネルギーにつきましても地産地消を推進することが再生可能エネルギーの導入促進に伴う技術革新や県内企業の新分野への進出などの効果を有することから、再生可能エネルギーの普及は必要であるという考え方に基づき、さまざまな取り組みを実施してきたところでございます。  産業振興というところへの注力というのが若干あったのかなという部分もございますが、今後は、今、委員からいろいろ紹介いただいたような事例等も分析しながら、佐賀県のエネルギーの賦存量や地域特性等も踏まえ、さまざまな取り組みをしっかりやっていきたいと思っております。特に、関係部局との横の連絡というのは、これまで余り深く行っていなかったということも我々は反省しなければならないと思っておりまして、そのあたりは今後きちっと取り組んでいきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 65 ◯向門委員=横の関係ができていなかったということですが、早くきちっと構築して、何ができるのか、何ができないのか、できない理由ではなくて、何とかしてやるんだという気概を持ってやっていただきたいと思います。  先ほどちょっと話しましたが、今、九州電力が原子力規制委員会に再稼働の申請をしているのは間違いありません。その後、どういった形で県内で議論をされていくのか、今後の仮定にはなるかと思いますけれども、原点に返ったときに、もし福島の事故がなかったならば、再稼働した川内にしても、玄海にしても、同じような状況になったならば、ひょっとしたら事故が起きた可能性もゼロとは言えないと思います。福島の人たちは、いまだに十万人以上の方が帰れない、恐らく戻るには相当の時間がかかる地域もまだまだたくさんあると認識しています。そういった中で我々は再生可能エネルギーに挑戦するんだ、導入するんだと思った、それを風化させてはならないと思います。  平成二十六年度にされた事業を否定するつもりはありませんし、よくやったと思っていますが、新エネルギー課としてやるべきこと、やれることはたくさんあったんじゃないかなと。先ほど、当初予算を一億円減額された話がありました。太陽光発電についてはいろいろあったということも承知しています。では、その一億円を違う事業に、違う形で振り分けることだってできたかもしれない。その可能性をどこまで新エネルギー課として追求したのか、そこが問われている部分じゃないかと思います。  決算審査ですので、予算審査ではありませんが、平成二十八年度事業に向けて、平成二十七年度はまだ半分ありますので、平成二十七年度に向けても取り組んでいただきたいし、平成二十八年度の当初予算編成に当たっても、さらに佐賀県内に再生可能エネルギーが普及するように取り組んでいただきたいと思います。  続きまして、観光関係事業費についてお尋ねします。  観光については、平成二十六年六月に佐賀県観光戦略を策定し、御承知のように、国際・観光部という部署を新たに設置して、佐賀県としても真剣にというか、本気でというか、大々的に取り組まれていると我々も承知しておりますし、我々議会も執行部と車の両輪のようになってやらなければならない部分がたくさんあるということを自覚し、思っています。  そういう中で、平成二十六年度の決算ということで、これまでの取り組みの成果がどう出ているのか。そして、さらなる観光客誘致のためにどうするのかということを決算を通じて議論させていただきたいと思います。  まず、平成二十六年度のおもてなし課の予算額についてお尋ねします。  当時は観光課、今はおもてなし課ですが、重点施策として当初予算編成についてるる説明をされました。そして、その後に観光戦略を踏まえた九月補正予算を行っています。これまでの補正予算の目的や金額等も踏まえた補正予算の推移、また、その結果として最終予算がどれぐらいになっているのかお尋ねいたします。 66 ◯中尾おもてなし課長=平成二十六年度のおもてなし課の予算についてお答えいたします。  まず、平成二十六年度のおもてなし課の予算額につきましては、当初予算額が五億二千八百八十八万四千円となっております。  次に、補正予算の状況について申し上げます。まず、九月補正予算におきまして八千二百六十八万九千円の増額予算を行っております。その内訳といたしましては、昨年六月に策定しました佐賀県観光戦略の策定を踏まえまして、おもてなし環境の充実や認知度向上を図るためのタイアップ予算など八千五百三万八千円の増額を行っております。  また、減額予算でございますが、国内誘客対策予算に係る国庫認証減がございまして二百三十四万九千円の減額を行っております。その結果、補正後の予算額としましては六億一千百五十七万三千円となったところでございます。  さらに、二月補正予算におきまして二億一千九百五十五万円の増額補正を行っております。内訳としましては、国の経済対策に伴いまして旅行割引クーポン事業を実施するために二億三千九百三十四万円の増額予算を計上しております。一方、減額は、受入環境整備事業のうち、フリーWiFiの整備費、また、手荷物重量制限緩和事業等を含めまして一千九百七十九万円の減額予算を計上しております。その結果、最終予算額は八億三千百十二万三千円となったところでございます。  なお、そのうち旅行割引クーポン事業に係る予算につきましては、全額を平成二十七年度に繰り越したところでございまして、平成二十六年度の実質的な最終予算としましては五億九千百七十八万三千円となったところでございます。  以上でございます。 67 ◯向門委員=そうすると、予算につきまして決算額はどのようになっているのかお尋ねします。 68 ◯中尾おもてなし課長=平成二十六年度の決算額についてお答えいたします。  平成二十六年度のおもてなし課の決算額につきましては、合計で五億八千八百九十八万九百三十四円となっております。その内訳は、観光連盟補助四億四千八百三十八万九千円、それ以外におもてなし課の執行分でございましたり、九州観光推進機構への負担金など合計一億四千五十九万一千九百三十四円となっているところでございます。  以上でございます。 69 ◯向門委員=以上、報告をいただきました。  それでは、行った事業と成果についてお尋ねします。  観光ですので、国内と海外からの誘客があると思います。まず、国内誘客事業、国内の観光客をふやすためにどのような事業を実施されたのか。そして、その成果はどうだったのかお尋ねします。 70 ◯中尾おもてなし課長=国内誘客事業についてお答えします。  国内からの宿泊観光客の誘致に関しましては、近年、食が国内での宿泊旅行先を選ぶ際の重要なポイントになっております。そういうことから平成二十五年度より宿泊旅行客への訴求力が高い食と宿泊を楽しめるメニューにスポットを当てて観光資源の磨き上げでございましたり、情報発信を行う「泊・食(ぱくぱく)♪佐賀旅キャンペーン」に取り組んできたところでございます。  また、近年においては、旅行の計画を立てる際の情報収集源としましてインターネットの検索サイトが主流となりつつあります。そういうことからインターネット上の旅行予約サイトを活用したウエブキャンペーンにも取り組んだところでございます。  そのような結果、平成二十六年度の宿泊観光客数は二百七十七万二千五百四十人となりまして、対前年度比一〇五・九%と、全国の宿泊観光客数が対前年度比九九・六%と減少している中、全国トップクラスの伸び率となったところでございます。  以上でございます。 71 ◯向門委員=次に、海外の観光客の誘客事業についてはどのような成果が上がっていますか。 72 ◯中尾おもてなし課長=海外の誘客事業についてお答えします。  外国人観光客の誘致を行うに当たっては、多様化する観光ニーズに的確に対応し、佐賀県を選んでいただく情報をいかに提供できるかということが非常に重要であると考えております。  そこで、国ごとに効果的と思われる本県の観光素材を見極め、旅行代理店等エージェント対策、現地でのプロモーション、情報発信という方法を用い、積極的な誘客対策を進めてきております。  具体的には、エージェント対策事業としまして、現地旅行会社への訪問セールスや商品造成者を本県に招いて観光素材を見学・体験してもらうファムトリップ、あるいは旅行会社とタイアップした共同広告を行ったところでございます。  これらの取り組みの結果、平成二十六年度の宿泊観光客数は十万二千八百十人となりまして、対前年度比一五五・七%と大きな伸びを見せ、初めて十万人台の大台を突破したところでございます。  以上でございます。 73 ◯向門委員=それでは、佐賀県内の受入環境整備についてどのような事業を実施されたのか。また、その成果はどうだったのかをお尋ねします。 74 ◯中尾おもてなし課長=受入環境整備事業についてお答えいたします。  受入環境整備事業につきましては、旅行者が自由にインターネットに接続する環境を提供するフリーWiFi環境の整備、多言語コールセンターと観光アプリのサービスを提供する観光コンシェルジュ事業、県内観光関連施設の案内表示、パンフレット、ホームページ、メニュー表の多言語表記の推進事業、観光客へのサービス向上のために観光事業者等を対象に実施するおもてなし研修などを実施したところでございます。こういうことによりまして国内誘客、海外誘客がふえたものと思っております。  以上でございます。 75 ◯岡口副委員長=それでは、暫時休憩をいたします。十三時をめどに再開したいと思います。     午前十一時五十四分 休憩     午後一時一分 開議 76 ◯藤木委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 77 ◯向門委員=それでは、引き続き質問させていただきます。  午前中のやりとりで平成二十六年度の予算額と決算額、そして、国内誘客事業、海外誘客事業、受入環境整備事業ということでおもてなし課からるる御説明をいただきました。  今回の決算を見てみますと、平成二十五年度の支出額が三億九百四十一万一千八百二十六円になっています。平成二十六年度の予算現額が八億三千百十二万三千円になっています。いわゆる増額で五億円、おもてなし課に配分されております。翌年度繰越額として二億三千九百三十四万円になっています。これは二月補正で「食の宝庫・佐賀で和む旅 割引クーポン事業」の二億三千九百三十四万円だと思います。五億八千八百九十八万九百三十四円がおもてなし課の支出済額になっていると思います。この五億八千八百万円のうち観光連盟に補助をしている分が約四億四千八百万円程度あると思います。観光連盟に補助をしている事業と、おもてなし課が直接行った事業と、おおむね二つにおもてなし課の事業としては分かれるのではないかと思います。  まず、おもてなし課として平成二十六年度に直接行った事業はどのようなものがあるのかお尋ねいたします。 78 ◯中尾おもてなし課長=直接行った事業についてお答えいたします。  これについては、おもてなし課で観光連盟以外に支出したということで説明させていただきます。
     基本的には事業の大部分につきましては観光連盟において実施しているところでございますが、県が直接行った事業としては、まず一つ目、観光関係施設のフリーWiFiの整備推進でございます。二つ目が高速道路のサービスエリア、パーキングエリアに設置している観光案内板の補修・清掃でございます。三つ目が佐賀空港ターミナルビル内の電照広告の維持管理など、庁内の各課が連携して実施している事業でありましたり、県で保有しています設備の管理などの事業につきまして、おもてなし課で実施しているところでございます。  また、県の新たな観光振興施策の企画立案や推進を図るため、観光連盟が実施する観光イベント等に連携して参加し、積極的に佐賀県を売り込んでいるところでございます。  以上でございます。 79 ◯向門委員=今の答弁からすると、おおむね施設整備とかハードの部分をおもてなし課が担っている。実際の誘客事業、海外、国内にしても、観光客を呼び込むための事業そのものについては観光連盟に補助をし、観光連盟でほとんどをやられていると認識してよろしいでしょうか。 80 ◯中尾おもてなし課長=企画立案につきましては、おもてなし課で行っておりまして、今おっしゃったように、現実の誘客対策につきましては県の観光連盟で行っているところでございます。  以上でございます。 81 ◯向門委員=そうすると、佐賀県内の誘客事業については、観光連盟が大きな部分を担っておられると認識をいたします。要は、観光連盟が実際のところ、兵隊といいますか、活動していただいているんだなと思います。その中で四億八千八百万円という決して少なくない補助金を出しているわけですが、観光連盟が平成二十六年度に行った事業はどういうものがあるのか改めてお尋ねいたします。 82 ◯中尾おもてなし課長=佐賀県観光連盟が行った事業についてお答えいたします。  繰り返しになりますが、まず、国内誘客事業としましては、佐賀の売りである宿泊と食事に焦点を当てた観光キャンペーンや素材の磨き上げ、また、ウエブやマスコミを活用したPRなどの情報発信。また、JR西日本が団塊世代をメーンターゲットとして展開しているリメンバー九州キャンペーンに参加するなど、関西地方での露出強化を図ったところでございます。  また、海外誘客事業としましては、旅行会社等を対象とするエージェント対策事業、旅行博覧会等に参加する現地プロモーション事業、また、情報発信事業に取り組んでおります。  なお、平成二十六年度から充実した内容としましては、これまで韓国・中国地域が中心でございましたが、台湾でありましたり東南アジア地域、欧州地域の新市場を対象とした誘客対策にも積極的に取り組んでいるところでございます。  また、受け入れ環境整備につきましては、観光コンシェルジュ事業や多言語化の推進、おもてなし研修などを実施したところでございます。  以上でございます。 83 ◯向門委員=今、事業についてるる報告がありました。観光連盟においてさまざまな事業を実施されておりますが、観光連盟で行う意義はどういったことがあるのかお尋ねします。 84 ◯中尾おもてなし課長=観光連盟で実施する意義についてお答えいたします。  まず、おもてなし課につきましては、観光振興に係る総合的な施策や事業を企画立案し、推進する役割を担っているのに対しまして、観光連盟につきましては、観光客誘致に関する各種事業を実際に行う実動部隊であると考えております。  ところで、佐賀県への観光誘客は、県内の観光施設や宿泊施設、旅行会社、飲食店などのさまざまな事業者がお互いに刻々と変化するマーケットの動向に応じまして、各事業者間の商談を連携して迅速に対応することで成り立っております。  このような状況の中で県が直接関与するよりも、宿泊施設や観光施設等が会員となっている観光連盟において実施することによりまして、現場の意見を踏まえましてスピード感を持って意思決定し、各種施策に取り組むことが可能になります。  また、旅行会社のOBである専門的な人材を採用することもありますし、そのノウハウや人的ネットワークを活用した誘客活動が実施できているものと思っております。  以上でございます。 85 ◯向門委員=そうすると、おもてなし課の実動部隊として観光連盟に事業をしてもらっていると。要は、観光連盟が行うことによって佐賀県内に観光客を誘客できるということだろうと思います。となると、観光連盟は実際にどういったことを活動しているかということは我々も知っておくべきだと思いますので、観光連盟についてお尋ねをさせていただきます。  先ほど申し上げましたように、予算が大きく増額し、観光連盟に対する補助金を増額することによって観光を振興しているということであると思いますので、まずは観光連盟はどのような体制になっているのかお尋ねいたします。 86 ◯中尾おもてなし課長=観光連盟の体制についてお答えいたします。  佐賀県観光連盟は、現在、職員数が二十九人となっており、事務局長ほか企画宣伝課八名、誘致推進課二十名で構成されております。  なお、職員としましては、旅行会社のOB、韓国語、中国語を話せる外国人のスタッフでありましたり、民間企業の勤務経験者など専門スタッフを含めて構成されているものでございます。  以上でございます。 87 ◯向門委員=今、二十九名体制ということですが、数年前はどれぐらいの体制でやられていたんでしょうか。 88 ◯中尾おもてなし課長=観光連盟の体制につきまして御説明いたします。  五年前の平成二十三年度は、事務局長一名、企画宣伝課五名、誘致推進課五名の十一人でございました。その後、平成二十四年度が十二人、平成二十五年度が十七人、平成二十六年度が二十五人となりまして、平成二十七年度が二十九人となっているところでございます。  以上でございます。 89 ◯向門委員=そうすると、平成二十三年度の十一人から平成二十七年度は二十九人と大幅に十八人ふやした体制で行われているということであります。そうなると、観光連盟についてどれだけ実績が上がってきたのかという話になると思います。先ほど観光連盟について説明がありましたが、実際どういった体制、組織で観光連盟として事業を展開されているのか、組織についてお尋ねいたします。 90 ◯中尾おもてなし課長=観光連盟の組織についてお答えします。  先ほど、企画宣伝課と誘致推進課ということで申し上げましたが、国内に加えまして海外に力を入れております。例えば、韓国でありましたり、中国でありましたり、平成二十六年度は台湾についても強化しております。そういうことで実際に誘致を担当しています誘致推進課について体制を強化しているところでございます。平成二十三年度から申し上げますと、平成二十三年度が誘致推進課は五人でございましたが、平成二十四年度が六人、平成二十五年度が十人、平成二十六年度が十四人、そして、平成二十七年度が二十人ということで、実際に海外の誘致に合わせて職員を増員したということでございます。  以上でございます。 91 ◯向門委員=誘致推進課が二十人と。私がもらっている資料では、旅行会社のOBが二人、民間企業からの派遣が一人、連盟プロパーが一人、韓国人、中国人、中国人派遣とあります。  一つお伺いしたいのは、観光連盟の通常総会の資料を見ると、「現地スタッフ配置」と書いてあります。この現地スタッフ配置というのは、台湾における本県の各種観光誘客事業を効率的に実施するために現地スタッフを設置し、日台双方向からプロモーション等を実施したとありますが、台湾の現地スタッフというのは、どういう趣旨で、いつから、どういった活動をされているのかお尋ねします。 92 ◯中尾おもてなし課長=台湾の現地スタッフにつきましてお答えします。  台湾の現地スタッフにつきましては、平成二十六年度から台湾を強化するということで、こちらでは台湾デスクと呼んでいますが、一名置いております。それを含めまして実際に旅行会社の訪問でありましたり、さまざまなイベントに出席するということで精力的に事業を展開しているところでございます。  以上でございます。 93 ◯向門委員=台湾デスクというのは、やっておられる方は台湾の方ですか。 94 ◯中尾おもてなし課長=台湾デスクの内容について説明いたします。  観光連盟におきましては、名前は申し上げませんが、人件費の分と実際の活動費ということで現地の会社に委託しておりまして、そういう中で運営しているところでございます。  以上でございます。 95 ◯向門委員=観光についてお話をいろいろお伺いしている中で私が思ったのが、議会でも日台友好促進議員連盟ということで議員連盟を結成して、友好促進のために昨年とことしと続けて台湾に行かせていただいております。台湾の現地の方、あるいは今回は三三会とかいろんな方と会って意見交換をさせていただいている中において、我々は話をして聞いたんですけど、実際、現地スタッフで台湾デスクをつくっておられるということを僕は全く存じませんでした。  常日ごろ、議会と執行部は車の両輪と言われて、我々が日台友好促進議員連盟として台湾に行くということは執行部も承知しておられると思います。我々は議会事務局を通して福岡の台湾弁事処に話を通じながら、どういったところに訪問するかということの打ち合わせをして訪問しているんですけれども、我々が台湾に行ったときに、本来なら現地スタッフの台湾デスクの方から、佐賀県の取り組みがどうなのか、今、台湾における佐賀県はどういうふうにあるのかということは聞くに値する方だと思うんですけれども、そういった情報が全くない。このことについてどういうふうに思われますか。 96 ◯中尾おもてなし課長=台湾デスクにおける活動報告についてお答えいたします。  台湾につきましては、私どもにおきましても重要な地域だと考えておりまして、平成二十六年度から現地スタッフを置きまして精力的に対応しているところでございます。  そういう中で、まずは台北、ことしから高雄におきましても精力的に営業活動をやっているところでございます。観光連盟におきましては、セールスプロモーションを行ったり、ファムトリップをやったり、現地プロモーション等さまざまな形でやっております。現地の台湾デスクのスタッフによりますと、平成二十六年度の例でいきますと、百十二件の現地セールスを行ったり、あと、ライオントラベルという会社のセミナーに参加したりということで、さまざまな情報を今共有しているところでございます。  そういう情報を私たちもしっかりと収集し、今回、議員連盟のほうでもいろいろ活動されておりますが、力を合わせて台湾からのお客さんがふえるように精いっぱい努力していきたいと思っております。  以上でございます。 97 ◯向門委員=もう一点、これは稲富委員から総務委員会関係で質問されておりますが、高雄に行ったときに向こうの旅行業品質保障協会の方々が集まられて我々と意見交換をしました。その際にある議員の方が、「高雄でプロモーションをやっているんだけれども、そういう事実を知っているのか」というお尋ねをされたときに、ほとんどの皆さんが「知らない」という回答でありました。  我々は、台湾の高雄に行って、プロモーションをやっていることを台湾の旅行会社等が知らないという事実が、何でだろう、何をやっているんだろうと思いました。「知らない」ということでありましたが、それを聞かれて、観光連盟が向こうでいろいろな事業に取り組んでおられるんでしょうけれども、おもてなし課長としてどう思われたのかお尋ねいたします。 98 ◯中尾おもてなし課長=高雄における現地プロモーションについてお答えします。  まず、台湾における現地プロモーションでいきますと、ことしの七月二十二日に高雄、七月二十三日に台北で実施したところでございます。高雄におきましては、訪日旅行の総客実績の高い旅行会社を中心に二十六社、四十名の方に参加いただき、積極的にPRを行ったところでございます。  今回、日台友好促進議員連盟さんが行かれました高雄での状況を見せていただきましたが、私たちがお呼びできなかった事業者の方にも今回PRをいただいているということでございます。  まだ佐賀の認知度がそう高くない中で私どもは精いっぱい努力しておりまして、県、また議会のほうで活動された旅行会社ともしっかりと連携して、一つでも多くの旅行会社に佐賀県の情報が伝わるように対応していきたいと思っています。引き続き御協力よろしくお願いします。  以上でございます。 99 ◯向門委員=それで、おもてなし課から我々が行ったときの高雄の業者さんの出席簿と台湾の訪日旅客取扱実績の数値を見てみると、台湾の旅行会社の方々が少ないわけでは決してないということが一つ。議会事務局にも確認しましたが、今回、旅行業品質保障協会との意見交換に至ったつなぎ役というか、つないでくれた方は、先ほど話した福岡にある台湾の亜東関係協会の弁事処の方から紹介を受けて高雄の旅行業品質保障協会の方々とお会いしているんですね。要は、福岡のそういった方々から紹介を受けているので決してむげにできない相手というか、それなりの方々がお集まりになっているというふうに僕らは認識するわけです。そうすると、そこで執行部が考えておられることと台湾の弁事処で考えておられることとの相違というか、相似というか、そこがちょっと違ってきているんじゃないかなと思います。  平成二十六年度の決算なので、そのことについてあんまり深く追求する場ではないと思っておりますが、今の佐賀県の一番大きな取り組みとして知事が言われているのは、LCCを台湾にも飛ばしたいという大きな思いの中で、我々も台湾と佐賀空港にLCCが就航できないだろうかということで動いているわけです。  そういった中で言われるのは、台湾から佐賀県にお客を呼びたいという気持ちはわかりますが、台湾からすると、佐賀県から台湾にどれだけ人が来てくれるのかということを逆に問われるわけです。そういったときに実際のその後のLCCの就航に関して、さらに話を進めていくとすれば、当然、現地の旅行会社も必要かもしれないですけど、そういった大きな台湾の弁事処と意見交換をきちっと行っていないと、その先はないんじゃないかなと思います。  今、観光連盟としての話を聞きました。おもてなし課としての話も聞きました。台湾の福岡の弁事処とは、おもてなし課としてはどういった接触、あるいは交渉をこれまでされてきたのかお尋ねいたします。 100 ◯中尾おもてなし課長=亜東関係協会とか弁事処とのつながりについてお答えします。  県の窓口につきましては、おもてなし課ではなくて国際戦略グループでやっております。しかしながら、交流におきましては、観光もありますし、流通の面もありますし、さまざまな面で関係が深いものがあります。また、有田焼とか、さまざまな関係があるかと思います。そういう中で、国際戦略グループを中心におもてなし課も意見交換してさまざまな活動をさせていただいているところでございます。  今おっしゃったように、弁事処の力は非常に大きいですので、私たちも台湾との関係を少しでも強くしたいと思っていますので、引き続き弁事処様との交流もしながらしっかり対応していきたいと思っております。  以上でございます。 101 ◯向門委員=平成二十六年度から現地に台湾デスクを設置されました。また、タイや欧州でもさまざまな事業を行われています。たまさかですが、台湾に行ったということもあってお話をさせていただければ、我々が行った翌日に大分県知事も台湾に行かれるという話がありました。熊本は毎月一回、台湾に行かれているということです。沖縄県議会も二回に分けてその後行かれるという話を聞きましたし、静岡県知事も台湾に行かれるということでした。我々、委員会の視察として秋田県に行ったときにも、秋田県も台湾をターゲットにしていろいろな事業をやられるという話を聞きました。  今、海外については、どこの県も積極的に取り組んでいる中で、外国人観光客が佐賀県もふえました。ただ、佐賀県だけではなくて、これは日本国全体がふえている状況であって、佐賀県だけ突出して海外からの観光客がふえているわけではないと思います。その過程においてLCCを飛ばすだけの佐賀県と台湾との結びつきをどれだけ深くしていくかということは、今後、さらに大きな役割、担いがあると思っています。  決算特別委員会ですが、今後の台湾に向けた取り組み強化ということをおもてなし課としてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 102 ◯中尾おもてなし課長=台湾に対する今後の対策についてお答えします。  佐賀県への海外からの誘客を見ますと、一番多いのは韓国です。半分は韓国から来ております。その次が中国と台湾でございます。そういう中で台湾については私たちが一番ターゲットとする地域でございます。観光連盟にも担当の職員が二人おりますし、台湾デスクにもおります。その三人を中心に我々もしっかりと対応しながら佐賀県の認知度が少しでも上がるように精いっぱい取り組んでまいります。  以上でございます。 103 ◯向門委員=多額の予算を使ってやるわけですので、ぴしゃっとした成果を出していただきたいと思います。成果を求めたいと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、大きな項目の最後の農林水産商工本部の予算編成ということで質問させていただきたいと思います。  先ほど太陽光発電については質問させていただきました。私自身、今回、予算に目を通して、いろんな課にわたって修正議案とか不用額が上がっていることがすごく目につきました。毎年なのかもしれませんが、私が今回、決算特別委員会の委員になって決算の審議をするに当たって資料に目を通すと、こんなに不用額があるんだなと改めて思いました。  決算の歳出状況を農林水産商工本部全体で見たときに、予算現額が五百五十三億四千三百八十八万九千八百五十円です。支出済額が約五十一億八千五百九十万円、翌年度繰越額が約二十五億二千二百万円、不用額が約九億六千百万円ということで決算の歳出状況として報告が上がっています。  当初予算額として約五百十六億円という話をしました。平成二十六年度の二月補正の第六号の減額修正が約三十一億三千六百万円上がっていると思います。これは当初予算に対する減額補正として約三十一億三千六百万円。地方創生分の緊急経済対策で第七号として増額が約二十億六千七百万円になるので、トータルすると二月補正後が約五百三十億円になりますので、当初予算額と最終の二月の補正段階で見ると数字的にはそう変わらないと思いますが、実際、当初予算額から見ると約三十一億三千六百万円が減額補正されているという数字が出てきています。  その三十一億円が多いのか、少ないのかという話になると思います。実際に三十一億円の予算を減額しなければならない当初予算がどういうものであったのかということは、我々はそこはしっかりと見ていかなければならないと思います。  まずお尋ねしたいのは、平成二十六年度の農林水産商工本部の予算は、当初、五百十六億円の予算から三十一億円余りの修正減額をされていることについてどのような考え方、手続で編成をされているのかお尋ねいたします。 104 ◯南里農林水産商工本部副本部長=企画経営グループからお答え申し上げます。  まず、予算編成の考え方についてでございますが、平成二十六年度の農林水産商工本部の予算編成に当たりましては、県としての予算編成方針、「佐賀県総合計画二〇一一」、それぞれ本部の戦略というものがございますが、こういったことに基づきまして、限られた人材や財源の重点的・効率的配分を行い、県民の期待に応えるという基本的な考え方で編成をしたところでございます。  主なものといたしましては、本県ならではの地域資源を活用した唐津コスメティック構想推進事業、それから、有田焼創業四百年事業、海外市場の成長を取り込んで交流人口を増大させる取り組みや県内企業の海外展開の支援といったことに力を入れているところでございます。  予算編成の手続でございますが、担当課で予算案を作成し、本部戦略の実現とか納税者の目線でいろんな議論をいたしまして、統括本部とか経営支援本部とも議論しながら編成しているところでございます。  時期的なことを少し申し上げますと、まず当初予算につきましては、十月ごろから主な検討、議論が本格化いたしまして、その時点での状況、あるいは情報を踏まえた議論を行います。そして、一月ごろに最終案を固めまして、最終的に二月議会でお願いしているという状況でございます。 105 ◯向門委員=時期的なことはわかりますが、要は、予算編成時の段階でどれだけ来年度執行できるのかということをきちんと検討された上で予算というものは計上されるのが普通だろうと思います。見込みというか、できるかできないか程度で予算というものは計上されていないと思うわけです。現在、三十一億円、これはいろんな事情があるとは思うんですが、実際、減額をしたという事実もあります。  そこでお尋ねしたいのは、予算編成時に検討が不十分であったがために事業計画どおりに執行されない事業がふえているのではないかと私は思いますが、農林水産商工本部としてはどのように認識されているのかお尋ねいたします。 106 ◯南里農林水産商工本部副本部長=予算編成ですとか執行に当たりましては、県民の皆様の貴重な税金を使わせていただいておりますので、当然ながら、最少の経費で最大の効果が上がるようにということで努めているところでございます。  先ほど、時期的なことは申し上げましたが、途中でどうしても補正をお願いするケースがございます。特に、農林水産商工本部の施策の対象で申し上げますと、特に、経済ですとか民間の分野でございますので、一つは情報変化のスピードが非常に早いということがございます。こういったこともございまして、予算編成後の時間の経過とか相手方の事情によりまして執行段階において変更を余儀なくされたりとか、あるいは当初見込みと異なる部分が出てくる場合がございまして、この点については御理解いただければと思っております。  そういう中で、どれぐらい当初予算編成のときにしっかり議論しているのかということだと思いますが、我々といたしましては、できる限り的確な予算になるようにということで積算に努めております。一般的な形で申し上げますと、多くの関係者にヒアリングをするなど、いろんな形で見込みの件数等の精度を高めるような努力をしておりますが、例えば、新しい取り組みとかが多い場合は、議会に御説明をしていない段階でどこまで言えるのかというようなこともございまして、一定その辺は限界があるということがございます。それから、政策誘導という形で少し思い切った取り組みをやるとか、あるいは高い目標を掲げてやるといったこともございます。そういった関係でどうしても出てくるということはございます。  ただ、御指摘になったことはそのとおりでございますので、そこは我々はしっかりと意識しながらやっていかなければならないと思っているところでございます。 107 ◯向門委員=その話は総論としてはわかります。総論としてはわかるんですが、我々議会は予算を議決している責任があると思っています。執行部が予算を上げて予算を執行していないから執行部だけを責めるつもりはございません。議会も議決をした責任があります。議会に責任があるからこそ、その予算がきちんと県民に届いて、県民の幸せといいますか、幸福感といいますか、満足感というか、そういうことにつながっているんだろうかということ、我々もそこを見ていかなければいけませんし、それを負う責任もあります。  だからこそ、聞いているのは、いわゆる五百六十億円の当初予算から三十一億円もの予算を減額しなければならなくなったときに、片や、苦しんでいらっしゃる方、農林水産商工本部でなくて、例えば健康福祉本部等々の体の不自由な方とか高齢者の方々とか、そういった方々に対しても何らか手を差し伸べることができないだろうかということを常日ごろ、我々議員として考えています。そういう中でも農林水産商工本部に投資することによって、その人たちの幸福感、満足感が得られる可能性があるので、こちらのほうにも投資的経費が必要だということもあって、天秤にかけるわけではないですけれども、予算を可決しております。  いろんな事情があったとして、マクロで話をしていますが、この中の例えば三億円でもあれば多くの苦しんでいる人たちに手を差し伸べることが相当できると思います。そうであるなら、予算の編成が今し方ぐらいから始まって、今、積み上げられていると思います。予算がきちんと執行できると確約できた段階で予算を上げられてもいいんじゃないですか。例えば、六月、九月、十一月の増額補正だってできるわけで、そこを僕らは否定するわけではないので、事業が固まってできるという見込みが立ったときに補正予算として上げることだってできると思いますけれども、その点についてどのように考えられますか。 108 ◯南里農林水産商工本部副本部長=お答えいたします。  今いろいろ言われたとおり、非常に大きな額の減額をしたというのは事実でございます。多くは制度融資の部分とかございますけれども、いずれにしても、御指摘のような減額があったということは、そのとおりでございます。  適格に執行できるとはっきりした段階で予算化すべきという御指摘でございますが、予算編成に当たって、できる限り確実な執行が見込まれる段階で予算化するということは、これは重要と我々も当然認識しております。ただ、一方で、年度の途中で必要になる場合は補正をお願いすることがございますが、基本的には一年間を通じて予算を編成して計画的な執行を図るということも必要と考えております。  先ほど申し上げましたように、特に、農林水産商工関係の場合は、経済ですとか民間の分野が相手でございますので、どうしてもスピードが速い中で、ぎりぎりまで確実な執行が見込まれるまで待つということになりますと、そういう変化に機動的に対応できないようなケースも出てまいります。そういったこともございますので、基本的には当初予算で一年間を通じた予算を編成し、その中で必要に応じて補正を行うこととしております。  もちろん、御指摘のように、的確な執行を行っていくということは大前提でございますし、事業によって異なる部分はございますが、そうした中で今ご指摘のようなことは我々もしっかり踏まえて、なお一層、適切な予算執行に努めてまいる必要があると考えております。 109 ◯向門委員=そうであるならば、なおさらですが、当初予算で主要事項の一覧として勉強会に資料を提示されます。勉強会の資料として我々議会に執行部が示していただいて、この予算はどうなんだろうかと、それぞれの議員の皆さんにとってはいろんな意見があると思います。意見があるときには言われているでしょうし、意見がない場合にはそのまま意見なしでいっているかもしれません。  ただ、勉強会の資料を見て、これだけ予算化されて事業をやるんだと思っているにもかかわらず、今回の決算の報告に上がってきていないのが幾つもあります。そしたら、我々は予算審議でこれができるんだろうと思って予算審議をしているのに、いつの間にか不用額になっていたり、いつの間にか予算が減額になっていたり、そして事業をしていませんでしたと、報告もない。そしたら我々は何のために予算審議をしているのかという話になると思うんですね。  先ほどおっしゃったように、事業ができるようになってからではなくて、機動的に動くためには当初から予算を上げる必要があるんだということであれば、なおさら、できなかった事業については、かくかくしかじかで、こういう理由でできませんでした、だからここで減額補正をさせていただきますとか、あるいはこれは不用額に回さざるを得ませんとか、あるいは来年度にもう一回チャレンジしたいと思うのでというような話があってしかるべきだと思いますが、そういった話もない。まあまあ、はい、決算ですと言われても、議会と執行部と本当に予算、あるいは決算の議論ができるのかと思います。それについてどのようにお考えかお尋ねします。
    110 ◯南里農林水産商工本部副本部長=議会への説明のあり方ということでの御指摘だと思います。  まず、流れとして申し上げますと、当初予算の説明時には、どうしても限られた時間の中で、その年度に力を入れる事業をわかりやすく説明するということで、新規事業とか、そのときのトピック的なものを中心にして説明をさせていただいております。  それから、当初予算編成後の状況変化を踏まえまして補正等をお願いすることがございますが、その場合も新規のもの、あるいは大幅な変更があったものを中心に説明をさせていただいております。一方、決算につきましては状況が少し異なっておりまして、それらを含みます事業全体として御説明申し上げているような形になっております。ただ、おっしゃるとおり、その辺がわかりにくいという御指摘はあると思います。  我々も予算編成の際に説明した事業内容に大きな変更が生じた場合は、各議会の議案審査の際に可能な限り説明、報告に努めておりますが、ただいま委員からいただきましたような御指摘は真摯に受けとめて、なお一層丁寧な説明をしていかなければならないと思います。  こうした議会の説明の仕方、あり方につきましては、これは全庁的なことでございますので、ただいま委員からいただいた指摘があったことを予算編成ですとか決算を統括いたします関係課に伝えて、県としてどういうふうに対応していくかということで議論させていただければと思っております。  以上でございます。 111 ◯向門委員=説明がありました。我々議会に示される議決の要綱というのは勉強会の資料とかではなくて、いわゆる款項目節の予算書で本来なら審議をして、その款項目節で事業がどういったものかということを見ていかなければなりませんし、決算にしても同様だと思います。ただ、余りにもばくっとし過ぎていて、そこを突っ込んで聞いていっても余りにも大きい分量になるのでお互いにわかりづらいということで、恐らく経常費的なものは特段説明をせずにして、新たに佐賀県のためになる主要事項として勉強会で示されてきたと思います。それが議会と執行部側がそれぞれ近寄ってきて収れんされたものであると思うんですね。  ただ、今までそれでやってきて、いつの間にかそこの空気感が変わって、説明だけして、あとはお任せじゃないですが、決算のときにするっといけば、何の指摘もされずに終わるんじゃないかみたいなことになってしまうと議会と執行部の信頼関係はなくなっていくと思います。  先ほど言ったように、確かに、三十億円の中の十億円程度は中小企業の貸付金といったものも入っていますし、青年就業給付金とか相手方があって支出できないものもあります。ただ、先ほど話があった太陽光発電であったりとか、額は少ないですけれども、主要事項で説明をした三本の柱のうち二つ、していない事業があります。いつの間にか予算減額になっていますと。先ほどWiFiの話もありましたが、WiFiのアクセスポイントをつくると言っていて、結果的に二百五十のアクセスポイントしかできていませんということも、僕らに何も報告はないままに、なあなあで進んでいって本当にいいのかなと思います。  先ほど、副本部長からお話がありました。ここは最後に本部長に今後の議会と執行部と、決して否定をするための議論をしているわけではなくて、何か事業をする、それは百点が一番いいんですが、ひょっとしたら十点かもしれない、二十点かもしれない、それをさらに六十点、七十点に上げていくために議論をしていると思っていますので、今後の予算編成、決算のあり方、あるいは執行のあり方についてどのように行われるのか、最後に本部長にお尋ねいたします。 112 ◯石橋農林水産商工本部長=予算編成と、その執行についていろいろ御議論いただいたわけでございます。  まず、県の予算編成の考え方として、基本的なところでは当初予算において年間を通じた予算を編成するということであります。ただ、その時で、できるだけ知り得る情報の中で、どれだけ的確な予算を見込めるかということが必要でありましょうし、その後の状況変化によって補正をするときには、それもまたきちんと説明するということが必要であろうと思います。  ただ一方で、私どもの予算というのは、例えば、制度融資でありますとか、相手さんが裁量権を持っていて、そのために枠をとっておくということもたくさんありますので、そういった面では減額というものが多くなってくるというのは致し方ないと思います。あるいはこういう時期でございますから、やっぱり思い切った施策を打ちだす、あるいは分量的に、例えば、WiFiみたいにここまでやるぞという県としての意気込みを示すということも一方であります。そういうときには新規事業でありますので、なかなか議会の承認を得る以前には詳しい説明ができないのでばくっとした見込みでやってしまうということももちろんあります。そういうことはできるだけ少なくしたいということは思っているわけですけれども、どうしてもそういった事情があるということは御理解いただきたいと思います。  ただ一方で、先ほどおっしゃったように、県全体で見たときにどうかということもありますので、可能な限り正確な見積もりに努めていくことが大事であろうと思います。  また、減額補正をお願いする場合につきましても、できる限り説明をしてきたという思いはありますが、やはり時間の制約等もありましてわかりやすい説明ができていないということであれば、それは私どもも反省しなければいけないところであります。  また、勉強会のときの主要事項のつくり込み方と決算のときのつくり込み方自体が違っていて、そこがわかりにくいということであれば、やはりそこも反省しなければいけないと思っています。  こういったことは全庁的なことでございますので、関係本部とも一緒になって今後議論していきたいと思っています。  先ほどおっしゃったように、予算というものは議会の議決を受けて初めて成立するものでございます。県の予算を県民の代表として意思決定をしてもらう機関でございますし、その範囲の中で着実に執行していくのが我々執行部の立ち位置でございますので、今回、あるいはこれまでいろんな議会の場でのさまざまな議論、あるいは意見というものは重く受けとめていかなければと思っています。今回の御指摘を踏まえまして適切な予算の執行にしっかりと取り組んでいくつもりでございます。  以上、お答えします。 113 ◯木村委員=公明党の木村でございます。今回、私は初めて決算特別委員会の委員とならせていただきました。どうかよろしくお願い申し上げます。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  初めに、コスメティック構想に関する質問を行います。  この構想は、化粧品大国でありますフランスと連携してアジア市場への輸出の拠点となることを目指す国内では例を見ない取り組みであり、唐津や玄海町の市民、町民の皆様だけではなく、多くの皆さんが熱い視線を送っておられ、また、私自身も唐津に住む者といたしまして、この構想が確実に発展していくことを願うものであります。  地元に住んでおりますと、マスコミのニュース以外にも、浜玉地域を中心としまして「愛しとーと」ができたりとか、古くから頑張っていらっしゃるブルームさん、また、トレミーさんなど、工場等も着々とできておりまして、素人目で見ても唐津にそういった産業が発展する芽が出始めたのかなという思いがしております。  先ほども申し上げましたように、ほかの地域では例がないということで、唐津、玄海町という地域が、いわば先駆者としての使命を果たしたときに、コスメの分野で全世界が注目する佐賀の構築につながるものと確信をしているところでございます。  昨今、日本製の化粧品、コスメというのは世界でも注目を集めているそうであります。ニューヨークの週刊誌ニューヨークマガジンが運営するファッション、美容を扱うサイトによりますと、「安くて高品質な日本の優秀なコスメが紹介されるなど、世界が注目し始めた」との記事を目にいたしました。これまで美容の発信地、発祥地、最先端といえばフランスのパリでございました。しかし、そのパリで最大のファッション、また、美容関係のイベントでありますパリコレを取材する雑誌の編集者が口をそろえて、「未開拓の美容大国はドラッグストアの発展した日本だ」と言うそうであります。  記事によりますと、日本人女性の肌の手入れというのは、パリの女性に比べますと丁寧で、化粧品の数も、種類も圧倒的に多く、女性の美容に対する関心の高さが高品質を生み出す背景にあるとの分析でございます。また、女性だけでなく、最近では男性の化粧品にも関心が高まっておりまして、国内外の市場でコスメに関する話題は今後も尽きることはないのではないか。また、こういったことによりましてコスメ構想への期待値はどんどん高まっているのではないかと思っております。  そこで、改めて、コスメティック構想の目指す姿と、そこに向けて県はどのような取り組みを行っているのか御説明をお願いいたします。 114 ◯林コスメティック構想推進監=コスメティック構想につきましては、コスメ産業の集積を図ること、天然由来原料の供給地となること、この二つを目標としております。  構想推進のための中核組織といたしまして、平成二十五年十一月に産学官の連携組織でありますジャパン・コスメティックセンター、略してJCCと呼んでおりますが、これが設立されまして今月で二年を経過したところでございます。  県、唐津市、玄海町が負担金を拠出いたしまして力を合わせて事業を行っております。JCCには全国から会員企業を集めることといたしまして、会員企業からの会費もいただいて運営しているところでございます。  コスメティック構想では、先ほど申し上げた二つの目標に向かって、まず、国際取引の推進を図る、関連産業を集積していく、天然由来原料の供給地となっていく、環境整備という大きく四つの柱に沿って取り組みを行っているところでございます。  国際取引の推進につきましては、コスメの源流でありますフランスとのコネクションを強くしてフランス企業とのビジネスマッチングですとかアジア市場への展開を目指しているところでございます。  関連産業の集積につきましては、企業の誘致、また、県内企業の新規参入を推進することとしております。天然由来原料の供給を行うために地産素材のコスメ原料になるものの探求、また、栽培技術の確立を行うこととしております。  環境の整備につきましては、人材育成や開発環境の整備といったものを念頭に置いております。  今ほど申し上げた三つの取り組みを進める中で、さらに具体的な環境整備の必要性を検討することとしております。  以上でございます。 115 ◯木村委員=今、目指すべき姿を大きく二点示していただきました。コスメ産業の集積が図られますと、県外や海外からの企業立地によりまして雇用が生まれます。また、コスメに関連する天然由来原料の供給地となりますと唐津の基幹産業であります農業の活性化にもつながってまいります。化学物質ではなくて天然由来の原料を使うのが今主流となっているとお聞きしております。こういった化粧品の原料の供給基地として発展していくことができれば流通業も発展し、また、海外、とりわけ九州から近いアジアを視野に入れた輸出や販売ルートの起点が唐津・玄海地域となるよう、さまざまな業界の皆さんの熱い期待が寄せられている大変重要な構想となっております。  次に、平成二十六年度の事業内容ではどういったことに取り組まれたのかお伺いいたします。 116 ◯林コスメティック構想推進監=平成二十六年度につきましては、当課の事業では決算額が四千七百万円ございますが、JCCへの負担金四千万円が大宗を占めておりますので、JCCの主な事業内容を御説明申し上げたいと思います。  まず、JCC──ジャパン・コスメティックセンターというものが、どんな活動を行って、何のためにやっているのかという認知度を向上させるために企業との関係を構築しようということで、セミナーの開催とか企業訪問を積極的に行いまして、設立一年でJCCの会員企業が百社を超えることができました。一定数の会員企業を獲得できましたので、その上で四つの取り組みの柱に沿って事業を展開したところでございます。  国際取引の推進につきましては、平成二十六年九月にパリで国際化粧品の展示会がございましたので、JCCの会員企業が、まずそこに出展して自分たちの商品の可能性を試すといった場面をつくりました。  また、コスメティックバレーという大きな産業クラスターがございますが、そちらの幹部を佐賀県に昨年十一月に招聘することに成功いたしまして、経済交流がJCCとの間でより進展いたしまして、その半年後の平成二十七年三月にはフランスで日本から企業が行きまして商談会を開催することができたところでございます。  また、JCCが介在いたしまして、フランスの、まだ日本に上陸していなかった商品を輸入することができたということで輸入実績が一件、平成二十六年度はございます。  また、関連産業の集積に向けては、平成二十六年度は企業訪問を通じて情報収集を行うというということでJCCの取り組みをPRしてきたところでございます。  天然由来原料の供給地となることを目指して、平成二十六年度は、まず地産素材の可能性調査を実施しようということで、化粧品の企業ですとか健康食品の企業が佐賀県に対して期待する素材についてのニーズを聴取したところでございます。  環境整備につきましては、今ほどの三つの取り組みの進捗を見極めた上で、どういったことが必要かということを検討したところでございました。  以上が主な事業内容でございます。 117 ◯木村委員=昨年度のさまざまな取り組みを御説明いただきました。古川前知事が平成二十六年度当初予算案についての記者会見で、「目標として平成二十八年までに取引件数を十五件、商品化を五件」とおっしゃっておられたようでございます。今回、一つ成果として輸入の面でJCCの参加企業がフランスのコスメティックバレーから輸入して日本全国の店舗で販売を行うという実績ができたことは、まずは大きな一歩であったと評価いたします。  では、このコスメティック構想の目的の一つであります原料の供給基地を目指す取り組みについてお尋ねいたします。  私が住んでいる地域の近くに宇木地区というところがありますが、化粧品の原料として使える可能性があるオリーブを耕作放棄地に植樹いたしまして、将来、原料の生産拠点の一翼を担うのだとの意気込みで地元の方が昨年から栽培を始めておられます。  また、唐津の離島であります向島では、ボタンボウフウという抗酸化作用や血流促進効果をもたらす成分がある薬草の栽培に挑戦されていると伺っております。この草の名前は命を長らえる草ということで「長命草」というそうでありますが、読んで字のごとく、長生きできる草として沖縄では昔から食されている薬草と伺っております。この草は健康、美容、また、ダイエットなどさまざまな面で大きな効果が期待できるとのことでありまして、潮風が吹きつける川岸だけに生息するという植物が、何と、この島に自生していることを地元の方が発見されまして、早速、種子を入手して、今、人工栽培を試みておられる、そういった取り組みを伺っております。この方も、今回、コスメ構想に賛同して島の新たな産業として発展させていきたいとの思いを語っておられます。  このような地域に限らず、唐津には化粧品の原料となり得る地産素材がまだまだありまして、佐賀大学と連携した研究開発など、将来、注目を集める素材がこれからもっと出てくるのではないかと期待するところであります。  化粧品会社から評価の高い原料は、やはり動物性よりも植物性由来の原料だということで、特に希少性、独自性のある原料が好まれる、そういったものが関心を集めると伺っております。  そこで、お尋ねいたしますが、地産素材の原料化について今どのような状況にあるのか御答弁をお願いいたします。 118 ◯林コスメティック構想推進監=地産素材の原料化についての状況でございます。  今ほど御指摘がございましたように、まさに、化粧品の原料を扱う企業は、その土地でしかとれないとか、その土地ならではのストーリーがあるもの、こうした特色のある農林水産物を御所望されることが多くございます。御紹介いただいた長命草などは沖縄でも評価が非常に高くて、資生堂さんが既に商品化しておられます。そのビッグネームが商品化しているがゆえに、ほかの企業も手を出したいけれども、どこに生えているか状況がよくわからないということで、向島で生えているものに関して高い関心を示しておられる企業もございます。また、ほかにも馬渡島のゲンコウですとか、加唐島に群生いたしますヤブツバキ、こうしたものが企業様から非常に高い関心を示していただいているところでございます。  ただ、美白や保湿といった機能性についてもきちんと分析する必要がございますし、そもそも機能性の高い素材を求める企業も多くありますので、こうしたデータの蓄積を行うことが原料化の近道であると考えております。  また、一定の供給量を素材に関して求める企業につきましては、農業県であります佐賀の特性を生かして、レンコンの切れ端ですとか、タマネギの皮といった健康食品にも転用できるようなものもJCCから企業に対して御提案を行っているところでございます。  こういったことから、コスメの原料化といいましても時間がかかるというところがございますが、一方で薬用作物につきましては、もともと化粧品の原料に多く使われている。つまり効能がはっきりしていて、要は、漢方業界で使われているものは化粧品の中においても、同等の成分を発揮するといけませんけれども、それなりの効果があるはずだということで多く使われております。  その薬用作物の一種でありますヤマトトウキにつきましては、先日、JCCの会員企業と玄海町の農家との間で契約に向けた覚書が取り交わされたところでございます。これは化粧品原料のトレーサビリティーを明確にしたいというお考えをお持ちの企業が、自社商品の中国産トウキを国産に切りかえようということで、JCCを介して玄海町の薬用植物栽培研究所の存在を知っていただいて、その研究所の指導のもとで栽培している農家にたどり着いたというものでございます。  地産素材の原料化につきましては、玄海町のヤマトトウキが第一号ということになります。玄海町がいち早く薬用作物の栽培に既に取り組んでおられた成果が今実ったと思っております。また、JCCもうまく仲介役を果たすことができたと考えておりますので、こうしたものに限らず、今後とも企業のさまざまなニーズに対応しつつ、よい素材を御紹介していきたいと考えております。  以上です。 119 ◯木村委員=いろんな分野の企業が、ニーズもそれぞれ違うということで、実際、唐津でも、例えば一つの植物でも、根があって、茎があって、葉があるということで、それぞれの部位で検証する必要があったりとか、かかわっておられる方においては困難な業務であるということで大変なお仕事をされているのではないかと感心をしたところでございます。  フランスのコスメティックバレー、本場でありますが、その周辺部におきましては、多くの農家が化粧品メーカーと契約して原料であるハーブや柑橘類を栽培し、農業の発展につなげているそうであります。この周辺部のシャルトルという地域では、農家の後継者不足や嫁不足が深刻だったそうでありますが、コスメティックバレーが発展するにつれまして都会に出ていた若い女性が戻ってくるようになって、「高級化粧品のエルメスの原料は私のふるさとで、この場所で、私がつくっているんだ」という誇りを持つ若い人がふえてきたということです。こういう点についても大変注目をされる効果があると伺いました。今後、このような構想が現実のものとなるように県のJCCへのかかわりは非常に大きなものがあると思います。  この設問の最後ですが、コスメティック構想の今後の展望についてどのようにお考えなのか御答弁をお願いいたします。 120 ◯林コスメティック構想推進監=コスメティック構想の今後の展望についてお答えいたします。  コスメティック構想の最大の強みは、世界最大級の産業クラスターでありますコスメティックバレーとJCCが既に信頼関係を構築しているということにございます。コスメティックバレーとの関係を前提として、イタリア、スペインの産業クラスターもぜひ日本と組んでやってみたいということでお申し出をいただいて連携協定を締結することができました。  国際取引の推進に向けては、フランスを核としてフランス企業との個別具体のビジネスの成果を早期に積み上げられるようにしていきたいと考えております。  産業集積につきましては、国内企業のほか、外資系の企業につきましても情報収集は常に行いつつ、まずは県内企業や、外資にとってみれば日本企業とのビジネスマッチングの場をJCCが多くつくることが必要ではないかと考えております。佐賀県ですとかJCCがサポートすることで企業利益が生まれるんだということを企業側が実感していただくということが佐賀県への進出のステップにつながるのではないかと考えております。  原料供給につきましては、安全性の確認、供給量をどの程度保てるのか、また、品質保持、こうしたさまざまな点で研究や検討が必要ですので、地道な取り組みが必要であると認識しております。それらと並行いたしまして商品化への道筋を早く示していただける企業を我々のコネクションの中で一つでも多くふやしていきたいと考えております。  コスメティック構想は、国際取引の推進、産業集積、原料供給等、それぞれ時間軸が異なる取り組みではありますが、目に見える具体的な成果を重ねることによりましてJCCを中心としたコスメティック構想を進めるための活動に対して会員企業や地元の期待に応えられるように努力をしていきたいと考えております。  以上です。 121 ◯木村委員=化粧品といっても、一つの製品をつくるときに化粧品を入れる瓶があったり、箱があったり、また、できた商品を運ぶ流通業もあるということで、構想が実現していくに従いまして唐津・玄海地域が将来果たす役割は大きいぞということで注目を集めていけば、先ほど名前が出ました資生堂さんとか国内のビッグネームの目をこっちに向かせることができる、海外市場も含めて今後のJCCの発展が鍵を握っているのではないかと思います。  続きまして、大きな項目の二項目めに移らせていただきます。太陽光発電のあり方についてであります。午前中にも質問項目として取り上げられておりましたが、私もお伺いをさせていただきたいと思います。  かねてから再生可能エネルギーについては、国のエネルギー基本計画に呼応して佐賀県でもさまざまな取り組みがなされ、特に、玄海原発を擁する佐賀県といたしましては、将来的にできる限り、その依存度を減らしていくこと。また、地球温暖化防止の観点からも大変有効なエネルギーとして最も注目をされてきたのが太陽光発電であります。「佐賀県総合計画二〇一一」の中でも太陽光王国「佐賀」の実現がうたわれ、さまざまな取り組みが行われた結果、佐賀県では住宅用太陽光発電の普及率では十二年連続日本一であると承知しております。その原動力となったのが県が昨年度まで実施しておられました住宅用太陽光発電の導入促進事業によります一般住宅への発電設備の設置への補助制度でございます。  また、企業や自治体でも十キロワット以上の事務所用太陽光発電も固定価格買取制度の恩恵によりまして普及しておりました。しかし、昨年九月に九州電力が九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申し込みの回答保留を表明し、その後、国の資源エネルギー庁の新エネルギー小委員会におきます議論を経た上で、十二月二十二日に接続申し込みの回答再開が発表されるなど、条件つきではありましたけれども、再開となった。そういった内容変更が行われたことによりまして、一時、県が掲げたスローガンに水を差すような結果が出たのではないかと思うところもあります。  もともと当時の買取単価が高くて、そういうことを当て込んで多くの業者が太陽光発電に参入したために送電できる容量以上の発電容量に達したといったことで、九電を初めとする電力会社は大規模な停電を招くリスクがあるということで、当時、電力の買い取り停止の措置に至ったということでございます。  この住宅用、事業所用の太陽光発電の問題は昨年も特別委員会の審議等で取り上げられまして、各委員から今後の佐賀県の取り組みをどうしていくのか、さまざまな指摘がなされた問題であります。  まず、これまで太陽光発電の一般家庭向けの普及に貢献してきました促進事業についてお伺いいたします。  県が、この事業を創設した目的はどのようなものであったのか御答弁をお願いいたします。 122 ◯瀬戸口新エネルギー課長=佐賀県住宅用太陽光発電導入促進事業の制度目的についてのお尋ねでございます。  県におきましては、平成二十三年度に策定いたしました「佐賀県総合計画二〇一一」におきまして、太陽光発電などの再生可能エネルギーの加速度的普及や地産地消の分散型エネルギー社会の実現を目指すこととし、県内への太陽光発電の設置促進を図ることで「太陽光王国・佐賀」を実現することを目的といたしました。  その施策の一つといたしまして、当初、太陽光発電の導入コストが高かったということから、導入に際する県民の負担を軽減する目的で平成二十三年度から住宅用太陽光発電促進事業を実施したところでございます。  以上でございます。 123 ◯木村委員=今示してくださいましたように、普及促進という面では非常に大きな役割を果たした事業であったとか思います。  では、実際、この事業がどれくらいの期間、実施されてきたのかについてお尋ねいたします。 124 ◯瀬戸口新エネルギー課長=事業実施期間についてのお尋ねでございます。  住宅用太陽光発電導入促進事業につきましては、平成二十三年度から平成二十六年度までの四年間、実施したところでございます。  以上でございます。 125 ◯木村委員=それでは、その具体的な制度の中身についてお伺いしたいと思います。  補助事業の対象経費、また、限度額の要件についてはどのように設定をされていたんでしょうか。 126 ◯瀬戸口新エネルギー課長=補助の要件等についてのお尋ねでございます。  まず、補助の対象設備でございますが、住宅で太陽光により発電された電気が当該住宅で消費された後の余剰電力を売電できるものであることという要件が一つ。また、十キロワット未満のシステムであることという要件がまた一つございます。さらに、固定価格買取制度に基づく設備認定申請手続において、登録済みの機種であること。以上の三つの要件を満たす住宅用太陽光発電システムで、九州電力株式会社と需給契約を開始するものであることが対象設備の要件でございます。  次に、対象経費でございますが、発電システムの費用が一キロワット当たり五十万円以下で、かつ出力十キロワット未満の設備設置に要する費用でございます。  また、対象設備の設置もしくは購入契約の相手方、または設置工事を行う者は県内事業者である必要があるというような要件もございます。  最後に、補助金額でございますが、平成二十三年度の制度開始当初の補助金額は、単価といたしまして一キロワット当たり二万五千円、補助金の上限額が十万円でございました。これを平成二十五年度から徐々に低減しておりまして、平成二十六年度の補助金単価は一キロワット当たり一万円、補助金の上限額は四万円となっております。  以上でございます。 127 ◯木村委員=私自身は自宅に太陽光パネルを設置した経験がないものですからよくわからない部分がありますが、住宅用太陽光パネルの設置費用については、さっき単価を示してくださいました。発電量一キロワット当たり三十万円から四十万円、これが平均容量四・九キロワットの場合、設置価格の目安としては大体百五十万円から二百万円ぐらいの、ネットで検索してもいろんな数字が出てきますけれども、少しでも補助があることによりまして普及促進につながったり、また、自宅で自分が住んでいく上で使う電気は自分で賄いたいといった思いとか、売電によりまして収入を見込んで、当時、設置を考えておられた方にとっては非常に期待感があったのではないかと思います。  そこで、昨年度の補助の実績とか件数についてですが、どのような推移があったのかお伺いいたします。
    128 ◯瀬戸口新エネルギー課長=これまでの補助事業の実績についてのお尋ねでございます。  これまで四年間の補助実績でございますが、トータルで件数が一万一千二百七十九件、補助金総額は八億七千六百五十三万三千円となっております。  各年度の内訳でございますが、平成二十三年度が三千四百三十七件、補助金額が三億二千四百六十万五千円、平成二十四年度が三千五百三十三件、補助金額が三億三千七百三十一万九千円、平成二十五年度が件数が二千五百五十八件、補助金額が一億四千六百九十五万七千円、平成二十六年度が件数が千七百五十一件、補助金額が六千七百六十七万二千円となっております。  以上でございます。 129 ◯木村委員=今、各年度の推移について詳しく示していただきました。この事業を組むときに、先ほどもほかの委員からも御指摘がありましたが、適切な予算を組まなければいけないといったことで、設置件数とか、そういったことの数値目標を設定して臨まれたと思います。そういった具体的な数値目標はどのように設置されておられたのでしょうか。 130 ◯瀬戸口新エネルギー課長=事業実施に当たり掲げていた数値目標についてのお尋ねでございます。  数値目標につきましては、事業開始当初、県内で二万七千五百件という数値を目標として掲げていたところでございます。  以上でございます。 131 ◯木村委員=では、実際掲げた目標に対して実績についてどのように評価されたでしょうか。 132 ◯瀬戸口新エネルギー課長=目標は、四年間で二万七千五百件ということでございましたが、設置件数の実績は累計で二万七千百三十五件となっております。数値目標の二万七千五百件には若干及ばなかったところでございますが、ただ、この設置件数には店舗や事業所との併用住宅への設置件数がカウントされておりませんで、事業所・店舗だけを見ますと八百四十六件、その中に幾つか住居を兼ねているものがあると考えますと、県としましては、平成二十六年度末の数値目標はほぼ達成することができたと考えているところでございます。  以上でございます。 133 ◯木村委員=昨年度の事業の推移、そして、評価についてるる御答弁をいただきました。これまで普及促進に大きく貢献してきた制度が昨年三月で終了となったとお聞きしております。この発表は、これから設置を考えている人にとっては非常に残念な部分もあったかと思います。  これまで普及率日本一の佐賀県にとりまして、この推進の流れが若干鈍化していくのではないかと心配したところもございますが、そもそもこの事業が完了した理由について御説明をお願いいたします。 134 ◯瀬戸口新エネルギー課長=平成二十六年度で事業を完了した理由についてのお尋ねでございます。  住宅用太陽光発電の補助につきましては、先ほども御答弁いたしましたが、当初、太陽光発電の導入コストが高かったという状況がございました。そういったことから導入に際しての県民の負担を軽減する目的で実施したところでございます。  しかしながら、平成二十六年度を終えた時点で当初と比べますと導入コストがある程度低下し、住宅用太陽光発電の普及が一定程度進んだということ。また、平成二十四年度から平成二十六年度までの県の補助件数と県内の住宅用太陽光発電の設置件数の動きを見てみますと、平成二十四年度までは設置件数と補助件数がほぼ同じでございました。  ところが、平成二十六年度におきましては、県の補助を受けずに太陽光発電を導入する件数が補助件数を上回っております。具体的な数値を申し上げますと、平成二十六年度は全体で三千六百四十一件増加したところでございますけれども、そのうち千八百九十一件が県の補助を受けずに太陽光発電を導入した件数でございます。それに対して補助件数が千七百五十一件ということでございまして、ある程度自立的な普及の動きが見られるようになったということから、太陽光発電の普及に対する県の一定の役割は果たしたものと考えて昨年度で補助を終了したところでございます。 135 ◯木村委員=自力で設置をされる方がふえていったということで、そういったことの効果としては、冒頭申し上げたように、再生可能エネルギーの中でも重要な位置を占める太陽光発電が普及することでクリーンで安全なエネルギーがふえていくという本来の目的にも沿うもので大変いいことではないかと思います。  家庭用については、先ほどからるる説明があっておりましたが、一回、九電のほうで系統接続の申し込み回答保留問題が起きたときに、実際、そういった事業者側の皆さんにとっての意識の変化が出るのではないかと私としては心配したところもございました。実際、事業用分野に関しましては、三十日を超えた無補償での出力制御に協力することを条件に接続を再開するということでございました。  こうした状況を踏まえまして、今後、県としての太陽光発電自体のあり方についてどのようにお考えか御所見をお願いいたします。 136 ◯瀬戸口新エネルギー課長=これからの太陽光発電に対する県としての取り組みの考え方というお尋ねでございます。  太陽光発電を初めといたします再生可能エネルギーの推進につきましては、昨年四月に閣議決定されました国のエネルギー基本計画におきまして、二〇一三年から三年程度導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していくとされているところでございます。  県におきましても、従来から持続可能な分散型エネルギー社会の実現を目指していくことが重要であるとの考えから、再生可能エネルギーの導入推進に向けて取り組みを行ってきたところでございます。  ただ、再生可能エネルギーの導入につきましては、エネルギー源の特性に応じた課題がございます。特に、太陽光発電や風力発電などは気象条件に左右される、発電量が不安定であるといったネックがあると言われております。これに対処する方法といたしましては、国において太陽光発電などにより発電された電力を広域的に利用可能とするシステムの構築、例えば、地域内系統や地域間連携線の増強ですとか、大型蓄電池の設置などの検討など、再生可能エネルギーの最大限の導入拡大に向けて取り組んでいただくことが大事ではないかと考えております。  県としましては、そういったことに国として積極的に取り組んでいただけるよう引き続き働きかけてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 137 ◯木村委員=さまざま御答弁ありがとうございました。今後、住宅用、また、事業用を含めまして太陽光発電の普及促進が県民にとって有益なものとなるよう、しっかりと状況を分析しながら取り組んでいただきたいと思います。  また、目的とするところは、先ほども申したように再生可能エネルギーの割合をふやして安全で環境にやさしいエネルギーの安定的な普及ということでありますので、午前中も出ておりましたバイオマス、水素エネルギー、風力、小水力発電など、ほかの再生可能エネルギーの普及にも一層取り組みが強化されることを期待したいと思います。  それでは、大きな項目の三項目め、県制度金融についての質問に移らせていただきます。  県の制度金融というのは、民間金融機関や政府系金融機関の機能を補完するものとして県内でも客観的に事業を行っていると認められる中小企業者を対象といたしまして、自由な事業資金として利用できるということから、県の商工業における特定施策を推進するための事業資金まで、運転、そして設備資金ともに多様な資金が準備されておりまして、中小企業の経営者の皆さん、そして、小規模事業者の皆さんの心強い味方である制度だと認識しております。  しかし、厳しい県の財政状況の中で資金需要を的確に捉えた効果的な制度運用をしていくという視点も不可欠だと思います。また、同時に中小企業の経営者の方々が安心して利用できるセーフティーネットとしての役割との兼ね合いの中で、いかにして運用していくのかが問われるわけでございます。  今回、この点を念頭に置いた質問をさせていただきたいのですが、中小企業等に対する事業資金の融資は、民間金融機関、また政府系の金融機関においても行われている中で、本県の制度金融の持つ役割について改めてお伺いしたいと思います。 138 ◯寺島商工課長=県の制度金融の役割についてお答えいたします。  県制度金融につきましては、県内の中小企業者や小規模事業者への資金供給の円滑化を目的といたしまして、事業者の事業活動に必要な資金について県が定めた融資条件で民間金融機関が融資を実行するというものでございます。  制度金融の仕組みについて簡単に御説明をさせていただきますと、県は、制度設計を行います。その上で事業者に低利の資金を供給するために貸付資金の一部を民間金融機関に預託をいたします。民間金融機関は、資金ごとに定められた協調倍率に基づきまして県からの預託金に自己資金を合わせて融資を実行いたします。そして、県の信用保証協会が、いわば公的な保証人になることによりまして事業者の信用力を補完するというものでございます。  事業者に対する事業資金の融資につきましては、委員からも御指摘がございましたように、本来、民間の金融機関、あるいは政府系の金融機関が行いますが、一方で信用力が低いために民間金融機関から融資を受けにくい事業者の資金繰りを支援する必要があること、また、全国一律である政府系金融の融資では地域固有の経営課題等に対応できない場合があることなどから、さらに、県におきまして制度金融を設けているものでございまして、県制度金融は、いわば最後のセーフティーネットといたしまして民間金融機関や政府系金融機関による融資を補完する役割を担っているところでございます。  以上でございます。 139 ◯木村委員=困っていらっしゃる経営者の方にとっては最後のとりでというか、最後に御相談ができる大事な役割を担っておられると思います。  それでは、県制度金融の予算措置についてお伺いをしていきたいと思うのですが、昨年の当初予算におきます新規の融資枠、また、預託額については、どのように見込まれていたのでしょうか。また、二月補正予算におきましては大幅な減額補正を行っておられるようでございます。その理由等について御説明をお願いいたします。 140 ◯寺島商工課長=平成二十六年度の予算措置の状況に関しまして、新規融資枠と預託額の見込み方並びに減額補正の理由についてお答えいたします。  まず、県制度金融の新規融資枠につきましては、これまでの融資実績ですとか経済状況の見通しなどを勘案して決定しているところでございます。平成二十六年度当初予算におきましては、前年度における資金需要は減少傾向にありましたものの、平成二十六年四月からの消費税率の引き上げによる影響などを考慮いたしまして、新規融資枠といたしましては平成二十五年度当初予算と同額の二百億円を見込んだところでございます。  また、県が金融機関に預託する預託額につきましては、融資枠によって決定されるものでございますが、平成二十六年度当初予算では七十三億五千八百万円となっておりまして、これは前年度の平成二十五年度当初予算の七十一億九千四百万円とほぼ同額となっているところでございます。  次に、減額補正の理由についてでございますが、平成二十六年度につきましては、先ほど申しましたように当初予算の新規融資枠を二百億円としておりましたが、二月補正予算編成の時点では新規融資見込額が百六十三億五千万円と大きく下回ったところでございます。  このように県制度金融の利用が減少したことにつきましては、金融緩和が進みまして金融機関独自の融資、いわゆるプロパー融資の金利が低下する中で、民間金融機関におきまして低金利の貸し出し競争が加速化するなど、融資姿勢が積極化したことに加えまして、事業者においては、金利に加えて保証料が必要となります県制度金融に割高感を感じられて民間の金融機関のプロパー融資の利用にシフトしたことが主な要因であると考えているところでございます。  以上でございます。 141 ◯木村委員=減額補正した理由については、先ほど向門委員からもあったように、見きわめという点で予算の執行については大事な視点であります。また、決算特別委員会の性質上、その点についてお尋ねをしていかなければいけないわけでございます。  さまざまな要因があったということでございますが、制度金融の制度は、そうした事態に臨時的な形で即応できる機動性があるという一面もあるかと思います。そういった意味では非常に有効な制度と言えるのですが、しかし、融資枠を設定するに当たりまして、県の預託金を使う以上は予算の執行の一部なわけでありますので、しっかりとした見通しが必要ではないかと思います。  二月補正で十一億二千万円の減額となったことからして単純に思うのですが、その金額でほかにどんな県の重要な施策が打てただろうかと。また、もっとほかに必要なところに予算を回せたのではないかと思います。予算表とかいろんな資料を見るにつけまして、私は民間出身でございますけれども、大きな単位の数字を見るのは、まだ不慣れな点もございまして、十一億円の減額補正と聞いて大変大きな数字が動くということに対しての感覚が、慣れてはいけない部分があるのではないかと思っております。  そこで、少し踏み込んだ質問になりますが、こういった減額補正に至る前の段階で、経済は生き物ではありますけれども、何らかの手を打つことができなかったのか、その点についてはどのようにお考えでしょうか。 142 ◯寺島商工課長=大きな減額補正をする前に何か手を打つことができなかったのかという御指摘でございます。  そもそもこの制度金融につきましては、委員からも御指摘がございましたように、社会情勢のさまざまな変化によりまして中小企業の方々の経営環境が著しく悪化して緊急的な資金ニーズが発生するといった事態に備えておく必要がありますことから、基本的には余裕を持った融資枠を確保しております。  ただ一方で、委員から御指摘がございましたように、県の予算ということがございますので、こういった制度資金が有効に活用されるように窓口となっております商工団体、あるいは実際の貸し付けを行っていただきます金融機関に対しまして積極的な利用をしていただくように要請をしているところでございます。  以上でございます。 143 ◯木村委員=セーフティーネットでありますので、急な資金需要が出た時に対応できるように安心感を与えることが大事であるとの御答弁でございました。繰り返しになりますが、適正な規模で管理していくということを常に視点の中に置いていただいて事業者の皆さんの利用を促していくことが大事であると思います。  次に、そういった実際の予算措置を行った上で、平成二十六年度の制度の利用実績がどうだったのかについて伺いたいんですが、新規融資の利用実績はどのようになっておりますでしょうか。 144 ◯寺島商工課長=平成二十六年度の制度金融の利用実績についてお答えいたします。  平成二十六年度におきます新規融資の利用実績は、全体で八百九件、金額で約七十四億三千五百万円となっております。これは前年度の実績と比較いたしますと、件数で八二・〇%、金額では七一・九%となっております。  以上でございます。 145 ◯木村委員=予想よりといいますか、利用が伸びなかった資金は、具体的にどのようなものでしょうか。 146 ◯寺島商工課長=平成二十六年度に利用が伸びなかった資金についてお答えいたします。  平成二十六年度におきましては、前年度と比較いたしますと、全体的に利用が伸びませんでしたけれども、特に利用が伸びなかった資金といたしまして、緊急対策借換資金というものがございます。これは前年度と比較いたしますと、件数で二四・六%、金額で一九・二%となっております。この緊急対策借換資金と申しますのは、リーマンショック後、平成二十年十一月に県が創設いたしました緊急対策融資というものにつきまして、借りかえにより返済条件を緩和し、事業者の資金繰りを支援することが目的であったものでございます。  その緊急対策融資は、平成二十三年三月末で廃止したところでございますが、いわゆるソフトランディング策といたしまして、国において拡充されました借換保証制度と連動する形で、平成二十三年四月に県独自の資金として緊急対策借換資金を創設したものでございます。  なお、この国の借換保証制度につきましては、全国的に業況が悪化している業種として指定された業種であるということが保証の条件となっているところでございます。  以上でございます。 147 ◯木村委員=今御説明いただいた利用が伸びなかった資金についてですが、なぜそういったことになったのか、そのことについてお尋ねいたします。 148 ◯寺島商工課長=緊急対策借換資金の利用が伸びなかった要因についてお答えいたします。  緊急対策借換資金を利用することができる指定業種につきましては、業種ごとの全国の業況をもとに国において定期的に見直しをされてきましたが、指定業種の業績の回復、東日本大震災の影響を踏まえて、これまで緊急避難的に継続されてきた指定基準の緩和措置が終了したことによりまして、平成二十六年三月以降、多くの業種が指定から外れたことが利用が伸びなかった主な要因であると考えております。 149 ◯木村委員=今、数多く、理由についてもお聞きいたしました。民間の金融機関ですと保証つき融資によらない中小企業向けの貸し出しを積極的に行うようになったとか、また、利用の六割を占めていた借換資金の条件が変わってセーフティーネット、指定業種の縮小があったということで、いろいろとお聞きする中で、金融用語は僕は余り詳しくないんですけれども、金利というところが非常に気になっております。市中金利のほうが安いということになれば、そっちに利用が単純にシフトしていくのではないかと思いますので、繰り返しになりますけれども、そういった事態への対応力、機動性については、もっと検証する余地があるのではないかと思っております。  そういったことで次の質問に移らせていただきたいんですが、今後の制度融資のあり方について質問させていただきます。  県では、ことしの三月十日から制度融資の全ての資金について貸付利率を引き下げるなどの制度の見直しを行っておられます。その趣旨と、そして、見直した効果がどうなのか、そういったことについて御説明をお願いいたします。 150 ◯寺島商工課長=本年三月十日から行いました制度金融の制度の見直しに係ります趣旨並びに効果についてお答えいたします。  まず、制度見直しの趣旨についてでございますが、県制度金融につきましては、リーマンショック後は資金繰り支援に重点を置いてまいりましたが、アベノミクスの効果を地方にも広げようという国の動きなどを踏まえまして、設備投資などの前向きな取り組みを通じて成長への転換、あるいは経営改善を図ろうという中小企業、小規模事業者の方々を支援するため、本年三月十日から制度の見直しを行ったところでございます。  具体的には、全ての資金について貸付利率を引き下げますとともに、一部の資金についてでございますが、貸付限度額の引き上げ、保証料率の引き下げ、設備投資促進枠の新設などを行うことによりまして、中小企業、小規模事業者の設備投資や新事業活動等を促進するための政策誘導を図ることとしたところでございます。  次に、制度見直しの効果についてでございますが、制度の見直し以降、利用実績は堅調に伸びておりまして、本年度は九月末現在で全体で八百七十四件、約百二十七億五千百万円の利用がございました。これは前年同月と比較いたしますと、件数で二五〇・四%、金額では四七三・二%となっているところでございます。  そのうち最も利用が多いのは円滑化借換資金というものでございまして、全体に占める割合は九割弱となっております。この円滑化借換資金と申しますのは、事業者の方の経営の安定化を図るために、今回の見直しの一環として内容を拡充した資金でございまして、県制度等の既往借り入れの一本化や長期化のための借りかえとあわせまして、新規の追加融資が行われることが基本となっておりまして、資金を利用された事業者におかれましては一定の経営改善効果があったものと考えております。  本年度の県制度金融の利用実績を見ますと、設備投資のような前向き資金の需要が伸びておりませんが、金融機関の積極的な融資姿勢もございまして、プロパー融資の利用がふえているということから事業者の資金調達は円滑に行われているものと考えているところでございます。  以上でございます。 151 ◯木村委員=金利だけではなくて限度額の改善とか、そういったことが実を結んで利用の促進につながったということでよく理解することができました。やはり事業者の皆さんにとって、県民にとって、より使いやすい制度に変わったことが効果につながっているということからしますと、昨年度の利用実績との比較がどうしても必要なのかなと思います。  また、今回の利率の引き下げとともに、私が今注目しておりますのは、ことし十月一日から開始となりましたNPO法人への貸付制度でございます。NPO法人の中には中小企業、小規模事業者と同様の事業を行いまして、地域経済の活性化、そして、雇用の拡大に貢献している法人もあります。こうした法人に対する金融支援として、先般、中小企業信用保険法が改正されまして、NPO法人が信用保険の対象に追加されたと伺っております。  そこで、お尋ねいたしますが、NPO法人が県制度金融を利用する場合の手続、そして、貸付対象等はどのようになっているんでしょうか。 152 ◯寺島商工課長=NPO法人による制度金融の利用手続や貸付対象についてお答えいたします。  県制度金融は、県の商工施策を推進するための資金でございますことから、融資の申し込み窓口を事業所のあります地域の商工会議所、商工会などの商工団体としておりまして、商工団体におきまして、事業計画が堅実であるかどうかなどの審査を行った上で保証申込書等を県の信用保証協会へ送付し、保証承諾を得た上で金融機関が融資を実行するとなっております。  NPO法人につきましても、先ほど委員から御紹介がございましたように、今回、中小企業信用保険法における中小企業者に含まれたということでございますことから、中小企業者や小規模事業者と同様に商工団体が申し込みの窓口となりまして経営指導員が事業計画についてアドバイスを実施することといたしております。  また、NPO法人は、原則として県制度金融のほとんどの資金を利用することが可能でございまして、貸付条件、財務状況、事業計画の審査基準等につきましても、中小企業、小規模事業者の方々と同様でございます。  以上でございます。 153 ◯木村委員=今回、NPO法人への貸付制度が始まったということは、地域共生ステーションなどの運営をしておられるNPO法人の中で、例えば、財政基盤が弱くて、先般の法律改正でスプリンクラー設置の問題等が出たときに、事業者負担を伴うような設置ができないといったことで、ひいては事業を続けることができないんじゃないかと、そういった事業者の声にも応えることができるのではないかということで大変すばらしいことであると思っております。  また、中小企業だけではなくて、資金を必要としているところに必要な形で出してあげるということが制度金融本来のあり方にも合致していくものではないかと思います。また、そういったことが予算の有効活用にもつながるのではないかと思います。  さまざま要因はありますが、先ほどから実績について数字を示していただきました。平成二十六年度の融資枠は百六十三億円に対して融資金額の実績が七十四億円、このように融資枠を残している状況を見るときに、NPO法人のような資金を本当に必要とするところに貸し出しを行うことが、制度の有用性、有効性を高めていくと思います。しかしながら、今回、実際に貸し付け対象となって一カ月ほどたつわけですが、せっかく門を開いたものの、余り利用がないと伺っております。  そこで、最後の質問になりますが、NPO法人による制度金融の利用促進について県としてどのように取り組んでいかれるのか御答弁をお願いいたします。 154 ◯寺島商工課長=NPO法人による制度金融の利用の促進についてお答えいたします。  県制度金融の利用に当たりましては、相談窓口となります商工団体におきまして、案件の内容に応じて個別に対応しているところでございます。NPO法人につきましても、中小企業等と同様に対応することとなっております。  商工団体におきましては、金融と経営の一体的支援を通じまして、事業計画や借り入れ計画の妥当性等について、指導、助言を行いながら、NPO法人の潜在的な成長力を引き出すことが肝要と考えておりまして、NPO法人による商工団体の積極的な活用を期待しているところでございます。  今回、NPO法人を制度金融の対象に加えたことにつきましては、県からプレスリリースを行い、県のホームページに掲載いたしましたほか、窓口となります商工団体を初め、金融機関や市町へ文書で通知したところでございまして、引き続き、さまざまな機会をとらえて見直しの趣旨や内容について周知に努めてまいります。  県といたしましては、地域や社会の課題を解決するために継続して事業を展開しようとされるNPO法人の金融の円滑化が図られますよう、今後とも、商工団体や金融機関、信用保証協会などと連携を図りながらNPO法人による県制度金融の利用促進に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 155 ◯木村委員=借りる以上は返さなければならないということで、収益事業ではないNPOの皆さんにとっては返す当てが心配で、なかなか二の足を踏むといった部分に対してもきめ細かい相談に乗ることが利用促進につながっていくと思います。行政では手が回らない、また、企業が担うには難しいところをNPOが担ってくださっております。公益のみの行政と、また、利益追求の企業、その間を担うNPOというのは、今や、日本の社会とって不可欠な存在であり、県のしっかりとした支援が大事な支えになると思います。県の制度金融制度が今後適正な管理のもとで、県民にとってより効果的な制度となることを期待して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 156 ◯藤木委員長=以上で産業常任委員会関係分の質疑を終了します。  なお、十一月十六日は、午前十時に委員会を再開いたしまして、県土整備常任委員会関係分の質疑を行いたいと思います。  本日は、これにて散会いたします。  お疲れさまでございました。
        午後二時五十分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...