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  1. 佐賀県議会 2012-09-25
    平成24年産業常任委員会 本文 開催日:2012年09月25日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時 開議 ◯坂口委員長=皆さん、おはようございます。ただいまから産業常任委員会を開催いたします。  これより質疑に入ります。通告に従い順次発言を許可します。 2 ◯徳光委員=皆さん、おはようございます。県民ネットワーク徳光清孝でございます。通告に従いまして、順次三つについて質問しますので、誠意ある答弁をよろしくお願いいたします。  まず、農業問題についてでありますが、本県農業、あるいは農村を取り巻く状況というのは、農産物価格の低迷、あるいは生産資材の高騰、そして、高齢化の進行等、大変厳しい状況にあると受けとっております。  そのような中で、本県の農業・農村を持続的に発展させていくためには、新規就農者の確保、とりわけ若い世代の新規就農者をどう確保していくのかということが大変重要だと受けとっています。  当然ながら、このような状況は佐賀県だけではなくて、全国的にも同じような状況がありますので、国として、本年度から若い世代の新規就農者をしっかり確保することを目的としました青年就農給付金事業というものが創設されて佐賀県でも取り組まれています。  そこで、何点か質問をしたいと思っています。  まず、新規就農者の推移ですが、佐賀県内におけるここ十年間の新規就農者数の推移についてどのようになっているのかお尋ねをいたします。 3 ◯溝口農産課長新規就農者数の推移についてお答えをいたします。  過去十年間の新規就農者数の推移を見てみますと、平成十五年から二十一年までは、毎年、九十名から百十名前後で推移しておりましたけれども、平成二十二年以降は大幅に増加いたしており、二十二年は百六十名、二十三年は百五十一名、二十四年は百八十六名となっております。  また、就農者の状況を見てみますと、近年は、農家後継ぎのUターンや、農家でない方が新たに就農いたします、いわゆる新規参入が増加しているところであります。  以上でございます。 4 ◯徳光委員=今お示しいただきましたが、平成二十二年から百五十名を超えている。二十二年だけ超えたのではなくて、この十年間、かなりふえているということですが、その原因といいますか、要因といいますか、それはどのように受けとめていらっしゃいますか。 5 ◯溝口農産課長=ふえた要因についてお答えをいたします。  平成二十二年から新規就農者数が増加した要因につきましては、就農相談などの窓口を訪れた方々の話を聞いてみますと、安全・安心な農産物を自分でつくりたい、自然とともに生活をして収穫の喜びを味わいたい、農業を元気にしたいといったさまざまな理由から農業に関心を持つ方が増加したこと。また、雇用情勢が悪化する中で農業を職業として見直す方が増加したことなどによりまして就農希望者が増加したことが挙げられます。  一方、就農希望者を受け入れる農業側では、国において新規就農者の確保とか雇用の創出のための就業の場の確保といった観点から、農業法人等新規就農者を雇用する取り組みを支援する事業が創設をされたこと。それから、雇用により規模拡大を図って企業的な農業経営に取り組もうとする農業経営者などが増加したことなどによりまして、農業法人などが雇用者数を増加させたことが挙げられます。  以上でございます。 6 ◯徳光委員=今、いろいろ要因をお聞かせいただきました。感触でいいんですけれども、例えば、新規就農者がどんな農業を目指しているのか。例えば、米麦だったり、野菜とか、畜産とか、そこまでの調査があるかどうかわかりませんが、感触でいいんですが、どのような状況と受けとっていらっしゃいますか。 7 ◯溝口農産課長=就農者の状況についてお答えをいたします。
     平成二十四年、ことしの就農者を見てみますと、百八十六名のうち、一番多いのは米麦を主体とする方が約五十一名いらっしゃいます。あと、タマネギなどの露地野菜を主体とする方が四十五名、あとイチゴとかコネギ等の施設野菜関係が三十四名となっております。  以上でございます。 8 ◯徳光委員=それから、先ほどの答弁では、窓口に来た方の話を聞いてみると、安心・安全な農産物を自分でつくってみたい、あるいは自然の中で生活をしてみたいということだったのですが、ただ、そうはいっても現実はかなり厳しいのかなと思うんですね。  もしわかれば、その後、離農しているという状況は何かつかんでいらっしゃいますか。 9 ◯溝口農産課長=就農の状況調査は、毎年、普及センターとか市町を通じて行っておりますが、何年か後にそのまま定着をされているかどうかというところまでは、申しわけありませんが、調査をしておりません。  以上でございます。 10 ◯徳光委員=どのようになっているのかということは、今後の状況をつかむということでは場合によっては必要になるかと思いますので、何らかの機会にそういうことがわかればぜひ教えていただきたいと思っています。  いろんな理由で農業を志す若い世代が新規に入ってくるということは、これからの佐賀県農業にとって大変喜ばしいことだと思っています。  そこで、今年度から始まりました青年就農給付金の申請の状況ですが、本年度が初年度ですが、今の申請状況がどのようになっているのか、あるいは今後のスケジュールといいますか、今後、どのような段階を踏んで進めていかれるのか、その点についてお尋ねいたします。 11 ◯溝口農産課長青年就農給付金申請状況についてお答えをいたします。  この青年就農給付金には、農業技術を習得するために研修を受ける人を対象とします準備型と、農業経営を開始して五年以内の人を対象とする経営開始型の二種類があります。  こうした給付金の八月末現在の状況を見てみますと、準備型では十五名、また、経営開始型では百九名の合計百二十四名の申請が見込まれているところであります。  このうち親元で新たな部門を設立するなどして就農する者と、それ以外に農業に新規参入するなど新たに経営を開始する者について見てみますと、準備型の十五名のうち、親元に就農を予定されている方が八名、新たに経営を開始することを予定されている方が七名となっております。  また、経営開始型の百九名のうち、親元に就農する方は七十名、新たに経営を開始する方は三十九名となっております。  また、今後のスケジュールにつきましては、県が申請の窓口となっております準備型は、八月末までに申請のあったものについては、既に承認を行いまして十月に給付できるように、現在、手続を進めております。  次に、市町が申請の窓口となっております経営開始型につきましては、九月中旬から一部の市町において承認が始まっておりまして、順次、給付に向けた手続が進められているところであります。  なお、今後、本事業の要件を満たしまして承認申請がなされた場合は、随時それぞれ承認を行いまして給付金の給付を行っていくことといたしております。  以上でございます。 12 ◯徳光委員=この事業は、当初予算では五億円ぐらい組まれていまして、今議会で二億幾らですか、減額をされていますが、その点についてどうして減額をされたのかということをお尋ねいたします。 13 ◯溝口農産課長=減額の要因についてお答えいたします。  当初、平成二十年当初にこの予算をお願いしましたときには、準備型につきましては、過去十年の就農者の平均をもとに計算をいたしまして、あと、経営開始型につきましては、五年間をさかのぼっての給付が可能となっていましたので、平成二十年以降に就農した方を県がずっと調査をしていましたので、それをもとに計算をして、あと、二十四年度の就農予定者を見込んで計算をしておりました。その後、国のいろんな要件、それから、申請をされた方々について全部、市町とか県で情報を集めチェックをしていく中で、農地を本人が取得するとか借りるにしても、三親等以外から農地を貸借するのが半分以上とか、あと、親と経営を分けるとか、そういういろんな要件がありまして、佐賀の場合、農家の後継者が多いということもありまして、なかなかその対象にならなかった。  それから、二百五十万円の所得を上げますと、その給付がとめられますので、就農された方で既にそれを超えていた方もいらっしゃったということで今回減額をさせていただくことになっております。  以上でございます。 14 ◯徳光委員=今、特に用地の取得等、要件が厳しくなっているということがありましたけれども、農地の取得に関してですが、新規参入者という方は、農地を取得するということが一番、農地がないと何もできないわけですから、それが大前提になると思うんですね。ただ、それも結構難しい面があるのではないかと受けとっております。  これまでいろんなニュース等を見ると、市町が紹介したり、ホームページに掲載したり、全国的にもいろんなことをやっているようですが、市町とか農協等の関係機関と連携をして、農地の取得を支援するということが大変重要だと考えますけれども、佐賀県ではどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 15 ◯溝口農産課長新規参入者の農地の取得の支援についてお答えいたします。  農地を持たない新規参入者農業経営を開始するためには、円滑に農地を借りられたり購入したりして農地を取得する必要がございます。このようなことから、市町、農業委員会、JA、普及センターなどが新規参入者が希望される農地の条件などの情報をそれぞれ共有いたしまして連携を図りながら、農地の貸し付けや売ることを希望する高齢農家の方などの情報を集めながら、その情報を新規参入者に提供するなどして農地取得に向けた支援を行っております。  また、先進農家などで研修を行う新規参入者につきましては、研修先の農家が技術の指導のみならず、新規参入者と地域の農業者の橋渡し役となっていただきまして、新規参入者が地域に打ち解けて信頼を得ることによって農地の取得が容易になるように支援を行っていただいているところでございます。  今後とも、市や町、農業委員会、JA、それから地域の農業者などと緊密に連携を図りながら、円滑な農地の取得に向けてしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 16 ◯徳光委員=ぜひスムーズに農地が取得できるようによろしくお願いしたいと思います。  農地が取得できた次は、作物をきちんとつくれる技術ということになると思っています。そういった意味では研修機関、あるいは先ほど言われました先進農家等で研修を受けた新規就農者も多いとは思いますけれども、まだまだ技術的な面では十分でない方も、これまた多いと思っています。そういった意味では、就農後間もない新規就農者に対する技術的な支援、あるいは経営的な面での支援、ノウハウだとか、そういったものが重要だと思いますが、この点についてはどのように取り組んでいらっしゃるんでしょうか。 17 ◯溝口農産課長新規就農者に対する農業の指導等についてお答えいたします。  新規就農者にとりまして、就農後間もない時期は経験が浅くて栽培技術とか経営管理能力も必ずしも十分でないということから、これまで農業改良普及センターでは就農後五年以内の者を対象に、技術とか経営に関する研修会、それから、個別の巡回指導などを実施してきたところであります。  さらに、今年度からは土づくりとか、それぞれの作物の温度管理、作業効率の改善など、それぞれ個々の営農上の課題解決に向けた支援を重点的に行っているところでございます。  また、地域には県が認定いたします指導農業士女性農村アドバイザーを初め、JAの営農指導員とか作物別の部会員、それから、近隣の先輩農家などがいらっしゃいますので、そういう方々が新規就農者栽培技術の向上に向けて、日ごろから声をかけたり助言をしたりということで支援もいただいているところでございます。  今後とも、県、地域の関係者が一緒になってこのような取り組みを展開いたしまして、新規就農者の経営ができるだけ早く安定して定着していただくように努めていきたいと考えております。  以上でございます。 18 ◯徳光委員=本事業は今年度から始まったばかりということで、平成二十八年度まで予定されております。そういった意味ではこういう事業をしっかりと活用しながら、新規就農者の確保、あるいは経営が成り立つように育成をしていくということは、いずれにしても、大変重要な取り組みだと思っています。この制度の活用を含めて、今後、新規就農者の確保・育成に向けて総合的にどのように取り組んでいくのか、その点についてお尋ねをいたします。 19 ◯溝口農産課長新規就農者の確保・育成に向けた取り組みについてお答えいたします。  本県の農業・農村が、今後とも安全・安心で高品質な農産物を供給しながら将来に向けて発展していくためには、意欲ある新規就農者を一人でも多く確保して、それを育てていくということが非常に重要であると考えております。  このため、関係機関とか団体が連携しながら、これまでも就農意欲の醸成、あと、就農希望者に対しますいろんな資金とか技術の研修の方法などの就農関連の情報を提供しながら働きかけを行ってきております。  それから、就農に必要な農業技術の習得、それから、必要な機械、施設の整備等に対する支援、それから、就農後には早期に経営の安定が図れるように生産技術とか経営管理能力の向上に向けた支援などのさまざまな取り組みを推進しているところであります。  今後とも、今年度からスタートしましたこの青年就農給付金事業を初めとして、国とか県のいろんな融資制度や補助事業等も活用しながら、市町とか農業委員会、それから農協等の関係団体、それから地域の農業者も一緒になって、次代の佐賀農業を担っていただく新規就農者の確保に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。 20 ◯徳光委員=農地の取得、あるいは技術面の指導という、当然この二つは大変重要だと思っています。農業改良普及センターがニューファーマーへの支援ということでいろいろ取り組んでいらっしゃいまして、その中で課題として、就農するときには農業改良普及センターに相談によく来るけれども、就農後はなかなか相談に来られないとか、あるいは地域で相談できるような人がなかなかいないとか、就農後の研修への参加がまだまだ少ないということがあります。  ですから、技術面の指導とか農地の支援というのは大変重要ですが、農業というのは、集落の中で地域でのつながりをつくっていってお互い支え合って、そこになじんでいくといいますか、そういったことも新規就農者を支える上で大変重要じゃないかと私は思っています。それについてもいろんな取り組みをしておられると思いますけれども、その点についてどのように受けとっていらっしゃるのかお尋ねをいたします。 21 ◯溝口農産課長新規就農者がそこで農業をしながら定着していくというのは、先ほどおっしゃいましたように、地域にしっかりと根づいていただいて地域の方から信頼を得ていかないと、農地の取得とか水の利用とか、そういう面も問題がありますので、地域になじんでいただくように、周りの農家の方とかJAの指導員、農業改良普及センター、市町が日ごろから声かけ、気配りをしながらしっかり支援をしていくことが必要ではないかと考えております。  以上でございます。 22 ◯徳光委員=平成二十二年からこれだけ年間の新規就農者がふえているということですので、ぜひ大事にしていただいて、これからの佐賀の農業をしっかり担っていただけるような人材を育成していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、二つ目の質問ですが、地域消費創出事業についてお尋ねをいたします。  これは、先ほどの農業と同じですが、県内の商業も、人口減、あるいは高齢化の進展、それから大型小売店との競争等の中で大変厳しい状況だと思っています。それから、佐賀県はお隣が大都市圏、あるいは大消費県の福岡県、しかも、バスとかJRで一時間かからなくて行けるといったようなことがありますので消費が福岡に流れていく、そういった面でも厳しい状況になっていると思います。  ただ、今の消費者の動向というのは、商品を目で見て店頭で買うということもまだまだ多いですけれども、通信販売とか、あるいはインターネットで直接購入をするといった消費行動もだんだんふえているのは間違いないと思っています。  こうした中、県では、地域での消費を拡大し、地域のお店の売り上げを増加させることに結びつけるために、今の消費行動の変化に対応した新たな取り組みとして、インターネット、あるいは電子マネーを活用した地域消費創出事業に今年度から取り組んでいると受けとっています。域外に流出している消費者をもう一度呼び戻す、あるいは大都市圏からの消費も呼び込むという意味で大変重要な取り組みだというふうに思っています。今後の商業活性化の一つの大きな柱になるのではないかとも受けとっております。そういった意味で何点かお尋ねをいたします。  まず、ショッピングサイト出店支援についてですが、インターネットを活用した販売の普及を図るためにセミナー等を開催するということで取り組んでおられると思いますが、そのセミナー開催状況はどのような状況だったのか。また、参加者がどのような状況で、どんな特徴があるのか。それから、例えば出店への意欲がある人が多かった等の手ごたえはどうなのか、その点についてお尋ねいたします。 23 ◯池田商工課長セミナー等開催状況についてお答えいたします。  ショッピングサイト出店支援事業につきましては、消費行動の大きな変化に対応するため、我が国最大ショッピングサイトでございます「楽天市場」への出店や販促の支援を通じまして、新たな商圏の確保と拡大を図ることとしております。  県では、まず、四月二十日にインターネットを活用した販売についての普及を図るため、事業説明会を兼ねましたセミナーを開催しております。このセミナーには、商業者だけでなく、今後、事業化を目指す人々も含めた百七十五名の参加がございました。また、五月三十一日には、実際の出店に向けました具体的な手続や商品構成等の実務的なセミナーを開催しておりまして、その際は商業者を中心に五十三名の方が参加をいただいております。  この二つのセミナーでは、現在、「楽天市場」の香料部門で全国トップクラスの売り上げを誇っていらっしゃいます株式会社イマリの久保氏が講師を務めており、久保氏から売れるためのノウハウを直接聞けることもありまして、農業、食品、衣料、雑貨、家電、陶磁器など幅広い業種からの参加がございました。また、起業を目指す学生など若い参加者も多く、急速に拡大しているショッピングサイトへの関心の高さがうかがえたところでございます。 24 ◯徳光委員=次に、出店状況ですが、現在まで出店状況がどのようになっているのか。また、この事業は今年度から始まったので出店してそんなに間がないとは思うんですが、消費者の反応がどのようになっているのか、その点についてお尋ねいたします。 25 ◯池田商工課長=出店の状況についてお答えいたします。  先ほどのセミナー、それから五月二十一日の実務的なセミナーに引き続きまして、六月十五日に県の支援対象となる出店者の審査会を開催しておりまして、応募のあった二十五社の中から商品構成や販売力、運営体制、意欲の高さなどに基づき審査を行いまして、洋菓子やジャムなどの食品、家電、焼き物、衣料品など計十社を採択しているところでございます。  このうち九社が既に楽天市場に出店しておりまして、先ほどお話をしました久保氏や楽天の専門家から、販売方法や商品の見せ方、顧客とのやりとり、お試しキャンペーンなどの実践的な指導を受けながら、それぞれが目標とする売り上げの達成に向けた取り組みを始めているところでございます。  消費者の反応でございますが、「なかなか九州に行く機会がなく、ショッピングサイトで購入できるようになったと知って早速注文をした」でございますとか、「名入れのできる一升餅を探しており、ショッピングサイトで見たこちらの書体が気に入って注文をした」、あるいは「百貨店の店頭で見られるのは限りがあるが、ネットの中のショップではたくさんの形や柄が選べる」などのほか、「箱をあけると手書きのメッセージがあり感動した」、「スタッフの方の対応がとても丁寧」といった声が寄せられているところでございます。一方で、「発送ミスがあった」、「メールで質問したが返信がなかった」などの苦情もございまして、各社とも、こうした顔の見えないインターネットならではの消費者の反応をしっかり受けとめながら信頼される店づくりに向けて取り組んでいただいているところでございます。 26 ◯徳光委員=採択したのが十社で、九社が楽天市場に出しているということですが、今、消費者の反応もお聞かせ願いましたが、そういった十社なり九社なりの定期的な集まりといいますか、どうだったとか、お互い情報交換してノウハウをさらに高めていくだとか、そういったようなことは何か考えられているんでしょうか。 27 ◯池田商工課長=出店が決まっておりますのは十社でございますが、十社独自の取り組みといたしまして、第一回でございますが、七月十八日に採択者の勉強会というものを開催しております。それから、採択から一カ月を経た八月三十一日に第二回の勉強会を開催しております。この勉強会は採択をされた方から自主的に成果の報告、あるいは意見交換、あるいはこういうことで困っている等、そのような情報交換をしながらサイトを磨いていきたいといったような声が上がっております。それぞれの疑問や悩みに対し、実際にサイトを確認しながら、お互いアドバイスをし合うといったような取り組みが行われております。こういった取り組みにつきまして、月一回程度開催を継続することとなっているところでございます。 28 ◯徳光委員=発送ミス、あるいは返答がなかったというのは、物すごく初歩的なミスだと思いますので、インターネットでの出店になれていない業者の方とか、そういった意味では月一回ということでありましたので、ぜひそういうことは情報交換しながら高めていっていただきたいというふうに思います。  この事業は平成二十六年度までの事業ということになっておりまして、目標としては、支援が終了しても出店を継続するのが八〇%を目指したいとなっています。そういった意味では、この目標達成に向けて今後どのように取り組んでいかれるのか、その点についてお尋ねいたします。 29 ◯池田商工課長=今後の取り組みについてでございます。  今後の取り組みにつきましては、引き続き専門家によるさまざまな指導や研修を受けた後、来年二月でございますが、「楽天市場」に「共同店舗」を開設いたしまして、今回採択されました十社による一体的な販売促進に取り組むこととしております。  この「共同店舗」では、楽天市場のホームページ上で集中的なキャンペーンを展開いたしまして、それぞれの店舗への注目を高めることで多くの消費者を誘導し、売り上げの向上に大きく寄与できる取り組みとする予定でございます。現在、楽天や久保氏とその具体的な内容について協議を進めているところでございます。  今回の十社が成功事例となりまして、インターネットを活用した販売への関心と意欲が高まり、さらに、多くの商業者や起業を目指す人々がこの分野に参入をすることで県内商業の活性化が図られるよう、県としてもしっかりと支援をしていきたいと考えているところでございます。 30 ◯徳光委員=二十六年度までですので、ぜひ成功するようにしっかりと支援をお願いしたいと思います。  この質問の二つ目の電子マネー実証実験についてですが、私も東京へ行くときは「Suica」を持って、モノレール、JR、私鉄も全部それで行けますので大変便利だなと思っています。支払いが簡単であるし、全国的には今言いましたとおり、鉄道とかバス、あるいは大手のスーパー、コンビニでも通用するということで急速に拡大していると思っています。ただ、県内の商店等では、これから導入を検討していこうかというところが大半だと受けとっています。今後、電子マネーの普及を図るためには消費者にとっても、あるいは商店街にとっても、お得感のある使いやすいものとしていく必要もあると考えています。  そこで、次の点についてお尋ねいたします。  まず、取り組みの現状ですが、当初の説明の中では、研究会の開催ということも言われています。そういった意味では、これまでの研究会の開催状況、あるいは商店街の反応がどうだったのか、それから、これまでの検討の中で電子マネー導入に向けた課題というものが幾つか見えてきているのかなと思いますので、その課題を今の時点でどんなものがあると受けとっているのかお尋ねいたします。 31 ◯池田商工課長取り組みの状況等についてお答えいたします。  電子マネーの実証実験につきましては、現在、唐津市の中央商店街におきまして、買い物をした際にポイントがたまるカードの共通化や、電子マネー機能の搭載の実現性、課題について検討を行っているところでございます。  これまで四回、研究会を開催しておりまして、唐津市や中央商店街、地元のポイントカード会社、地元スーパーマーケットチェーンとの間で現状の報告や意見交換をしているところでございます。  この研究会の中で参加者からはポイントカードにつきまして、「消費者は、それぞれの店ごとのカードを何枚も持っていて不便に感じている」でございますとか、「カードの会員数が頭打ちとなっている」、「大手スーパーのポイント戦略に消費者が魅力を感じている」といった声が寄せられておりまして、商店街の活性化の観点から唐津市ならではのポイント制度をつくりたいとしまして、ポイントの共通化に前向きの対応となっているところでございます。  また、電子マネーの課題といたしましては、使える店や交通機関が少ないこと、利用者は若い世代が主でございまして、利用額も限られていること、多数の電子マネーがあり互換性がないこと、カードの発行費や読み取り機の設置費や維持費の負担が小規模な商店にとって過大であることといった声が寄せられておりまして、こうした課題の解消策につきましても、現在、検討を進めているところでございます。 32 ◯徳光委員=今、唐津の商店街で始めているということですが、唐津を選んだというのは何か理由があるんでしょうか。 33 ◯池田商工課長=お答えいたします。  現在、唐津市の中央商店街を中心に展開しているところでございますが、ここは商店街といたしまして、県内でも最大級の高い集積があること。現在、国の認定を受けた中心市街地活性化基本計画に基づいて民間と行政が一体となったまちづくりを進めていること。こういったことから商業活性化に向けた熱意や素地があるといったところから、現在、唐津市をモデル地域として検証を進めているところでございます。 34 ◯徳光委員=今、いろんな課題があるということで答弁をいただきました。電子マネーというと、若い人は使いやすいという利点を感じるのかなと思います。ただ、年配の方がどんなふうに感じるのかなということもちょっと心配なところなんですね。確かに、唐津の場合は商店街がしっかりしているということで、客層が若い人も結構いらっしゃると思いますが、最近の商店街というのは年配の方も結構いらっしゃるというふうに思うんですね。そんな意味では、年配の方がどんな反応を示すのかということも、先ほどちょっと言われましたけれども、大きな課題になると思いますので、その辺についてはしっかり、その商店街の消費行動というか、どんな人たちが買いに来ているのかとか、そういったこともしっかりと調査をしていただきながら、もしかすると調査をされているかもしれませんけれども、調査をしながら進めていただきたいと思います。  いずれにしても、これも二十六年度までの取り組みとなっていますので、今、いろんな課題が見えたということですので、その課題の克服を今後していきながら、唐津の商店街で電子マネーを導入するということを目指していくんですが、今後どのように取り組んでいかれるのか質問いたします。 35 ◯池田商工課長=今後の取り組みについてでございます。  今後、カードに持たせる機能や発行・維持管理費、運営方法等の条件についての整理を進めるとともに、消費者や各商店の意向調査を実施することとしております。  また、このカード、電子マネーでございますが、共通のポイントや電子マネー機能だけでなく、例えば、店頭で割引を受けられる電子クーポンの機能、一万円の入金に千円の割増をつけるというプレミアムつき商品券の機能といった機能を付加することも可能とされておりまして、こうした機能につきましても他県の先進事例などをもとに調査を進めているところでございます。  委員御指摘のとおり、地域のニーズに対応することで、消費者にとって、それから商店街にとりましてもお得感のある使いやすいカードとなりますよう、引き続き、この研究会におきまして実証実験に向けた具体的な検討を進めていくこととしているところでございます。  以上でございます。 36 ◯徳光委員=それでは、三つ目の最後の質問ですが、今夏の電力需給について質問したいと思います。  ことしの夏も節電が行き届いたおかげもあって、九電管内では原発なしで、あるいは計画停電なしで乗り切ることができたと思っています。  そこで、一般質問でも取り上げたんですが、改めて今夏の電力需給について何点か質問したいと思います。  まず、九電管内の電力需給についてですが、改めて今夏の九州電力管内の電力需給状況について、どう見ているのか、どう受けとっているのかお尋ねいたします。 37 ◯野田新エネルギー課長=今夏の九州電力管内の電力需給の状況についてお答えいたします。  一昨年比一〇%以上の節電が要請されましたこの夏、九州電力管内の使用最大電力は七月二十六日が千五百二十一万キロワットで最高となっております。また、一昨年の使用最大電力の千七百五十万キロワットに対しまして、今夏、一三・一%の減少というデータとなっております。  また、電力の供給力を見ますと、当初見込みを上回る供給力を確保できた日も多くありました。九州電力が公表いたしました資料では、この要因といたしまして、需要面では家庭や事業所での節電の取り組みによりまして需要が一昨年比一〇%程度減少したこと。七月前半に雨が多く、八月後半も午後に雷雨が多発し、最高気温が一昨年より低く推移したこと。また、供給面では大飯原発の再稼働などによりまして、中・西日本地域の融通余力が増加いたしまして、他の電力会社からの融通等が見込みより多く調達できたこと。雨が多かったため水力発電による供給力がふえたことなどが挙げられております。  一方で、点検を先送りしながら年数を経た火力発電所を稼働させていたことからトラブルも多く発生しております。八月下旬には新小倉発電所五号機、六十万キロワットの規模でございますが、こちらのほうと苅田発電所二号機、三十七・五万キロワットが故障で同時に停止いたしまして、合わせて九十七・五万キロワットもの供給力が低下した、そういった状況がありました。これに伴いまして電力使用率が九五%を超え、厳しい需給状況となった日もあるなど、供給面で不安要因があったということは否定できません。  いずれにいたしましても、県民の皆様の御協力によりまして電力の需要が抑えられたこと、天候の影響、それと供給側の調達の上積みといったさまざまな要素が重なり合った結果、計画停電が実施されることもなく、この夏を乗り切れたものと考えております。
     以上でございます。 38 ◯徳光委員=今、供給面、あるいは需要面でさまざまな要因があったので乗り切れたという答弁をいただきました。  そこで、節電についてですが、一昨年比一〇%の節電ということで、わざわざ一昨年比というふうにしているわけですけれども、ほぼ達成できたと。  そこで、まず一般家庭についてですが、一般家庭での節電というものが生活への影響が大きかったと受けとっているのかどうか、その点についてお尋ねいたします。 39 ◯野田新エネルギー課長=九州電力の資料によりますと、この夏、一般家庭の節電によります最大電力の抑制の効果は、一昨年比で一二%減を達成したとされております。  今回、県では、県民の皆様に対しましても節電の御協力を呼びかけました。ただ、苦しい思いをして節電をしていただくということではなくて、県民の皆様には無理のない形で節電をしていただく。それによって家計の節約にもなっていく。そういった視点で御協力を呼びかけてまいりました。  また、少しでも楽しみながら節電に御協力いただけるよう、県内の企業にも協賛いただきながら、くらし環境本部におきましては、「夏の節電ありがとうギフト」などにも取り組みました。この「夏の節電ありがとうギフト」に応募いただきました方が行った主な節電の取り組みといたしましては、エアコンの使用を抑えた、使用していない家電のコンセントを抜いた、家電を掃除した、無駄な照明を消した、あと、LED、冷蔵庫、エアコン、扇風機など省エネ家電を購入したというふうなことが挙げられております。  一般家庭の節電によりまして生活へ影響があったかという点につきましては、先ほど申し上げました節電の一二%減という数字だけでは判断が難しいかと思いますが、無理のない範囲で節電に取り組んでいただけたのではないかと考えております。  ただ、今夏、節電以外にも万が一の場合に備えた計画停電の準備が求められておりました。電力会社から情報提供等は行われておりましたけれども、県でもホームページ等を利用しまして注意喚起もあわせて行ったところですが、節電期間に入ったばかりのころは、九州電力へ計画停電に対する問い合わせが殺到するなど、経験したことがない事態に対しまして不安を感じられた県民の方々も多かったようでございます。  以上でございます。 40 ◯徳光委員=皆さんも節電されたと思いますが、死ぬような思いをした方はあんまりいらっしゃらないと思うんですね。  そこで、今度は経済界についてですが、経済界への節電の影響はどのように受けとっているのかお尋ねいたします。 41 ◯野田新エネルギー課長=経済界への影響についての御質問にお答えいたします。  節電によります企業等への影響につきましては、八月に実施いたしました県内企業六十社に対する景況感のヒアリング調査におきまして、節電による経営への影響についても聞き取りを行ってまいりました。  この調査結果によりますと、「ほとんど影響なし」というふうに回答いただきました企業が四十五社、全体の七五%であったものの、「大いに影響あり」と「ある程度影響あり」というふうに回答された企業が合わせて十三社、全体の二一・七%を占めるというふうな状況でございました。  「影響があった」との回答は、製造業を中心に自家発電機の稼働による燃料コストの負担増、電力ピーク時の機械の運転停止、運転時間のシフトなどの影響を理由に挙げるものが多くありました。また、計画停電に備えて自家発電機の調達など負担を余儀なくされたとの意見も聞かれたところでございます。  このようなことから、今回の節電への取り組みによりまして、県内企業等の経済活動に少なからず影響があったのではないかと考えております。  以上でございます。 42 ◯徳光委員=七五%が「ほとんど影響なし」と。当然ながら、一部で影響が見られたと思いますが、今後どうなっていくのかということを心配されているのかなと思っています。  そこで、電力の供給力がふえたことについて、細かい数字になりますが、お答えいただきたいんですが、夏本番前の発表では、今夏の九州電力管内の電力供給力というのは千五百七十四万キロワットというふうに公表されていました。しかしながら、実際の供給力は、先ほど課長から答弁いただきましたように、今夏、電力の需要が最大だった七月二十六日、この日が千五百二十一万キロワットの需要でしたが、供給力は千六百二十七万キロワットが確保されております。それから、供給力の面で最大だったのは八月三日ですね。この日は、需要も最大になるんじゃないかという事前の予想があって供給力を最大に確保しているんですが、このときが千七百三十二万キロワット確保されています。そうなりますと、事前の政府予想よりも五十万キロワット、あるいは百六十万キロワットも上回っているというふうに思うんですが、この要因は何ととらえているのか。先ほどのお答えと少しダブる面があるかもしれませんが、お尋ねいたします。 43 ◯野田新エネルギー課長=電力の供給力がふえた要因についてお答えいたします。  この夏の電力需給見込みにつきましては、各電力会社から国に報告されました数値を政府の需給検証委員会で検証し、この委員会からの報告をもとに閣議決定されたものでございます。  この需給検証委員会での供給力の数値の具体的な算定例といたしましては、例えば、水力を見てみますと、過去三十年間の八月の出水量が少ないほうから五日分の平均値を用いて算定されるなど、渇水状況であったとしても、確実に確保できるような供給力を算定していると。しかも、専門家を交えた上で見積もられた数字であると考えております。  また、九州電力の資料によれば、当初の予定は五月十八日に公表された数字でございますが、当初予定よりも供給力が増加した要因といたしまして、大飯原発再稼働による他の電力会社からの融通量の増加ですとか、気象状況で出水増による水力発電の増加、太陽光発電の増加などが挙げられております。  このように供給力見込みが算定された五月時点では、原発稼働ゼロを前提とされていたことや、気象面でのリスクも加味した上で算定されていることから、結果的に見ますと想定を上回る供給力が得られたものと考えております。  以上でございます。 44 ◯徳光委員=今の答弁については、後で少しやりとりをしたいと思います。  そこで、三・一一の福島第一原発事故が起こる前は、九電管内というのは、電力の供給の四割以上を原発に頼っていたわけですね。その原発が一基も稼働していないことしの冬後半、それからことしの夏というものは、計画停電なしに乗り切ったんですけれども、改めてその要因についてどのように受けとっているのかお尋ねいたします。 45 ◯野田新エネルギー課長=原発が稼働しない状態で乗り切れた要因についてお答えいたします。  委員御指摘のとおり、九州電力の資料によれば、燃料別の電力構成から見ますと、東日本大震災以前は原子力が全体の四割を占めておりました。これまでの日本の電力需給構造は、原子力発電所と石炭発電所が昼夜を通しましてベース電源として稼働し、LNG火力と石油火力がピーク電源として、主に昼間稼働するものでございました。原子力発電の稼働が低下すれば、その分、LNG火力もしくは石油火力の稼働率を上げまして対応することとなっておりました。  こうした中、九州電力管内におきまして、この夏、原子力発電所が全基、停止したことにより、一昨年より四百七十六万キロワットの供給力が減少したところでございます。  九州電力では、この減少分を賄うため、休止中の火力発電所を稼働させるなど、火力発電をフル稼働させることとあわせて、他電力会社や市場からの電力調達など、供給力確保のための努力をされたと聞いております。加えまして、企業や県民の皆様が節電に御協力いただいたことなどによりましてこの夏を乗り切れたものと考えております。  以上でございます。 46 ◯徳光委員=九電管内で今夏乗り切れたのは、他社からの受電、あるいは雨が多くて、その分、水力発電がフル稼働できた、雨、雷雨が多くて気温があんまり上がらなかったということも要因として挙げられております。  ただ、事前の予想による供給力が千五百七十四万キロワットだった。これは、先ほど言われましたようにかなり厳しく見積もっている。それから、雨が多かったとか、大飯原発が稼働するということは、この千五百七十四万キロワットには織り込まれていないと思うんですね。それに対して今夏の最大の電力需要というのは、先ほど何回も出ておりますとおり、七月二十六日の千五百二十一万キロワットです。そうすると、千五百七十四万キロワットと千五百二十一万キロワットを計算すると、余力は三・四%あります。これだと計画停電にはならない数値だと思います。  ですから、先ほど、雨が多いとか、雷雨で気温が上がらなかったとか、大飯原発が再稼働したからだというふうに言われるんですが、それが織り込まれていないこの千五百七十四万キロワットでも余力は三・四%で乗り切れているんですね。ですから、今夏の電力需給を分析するとすれば、そういった要因よりも、やっぱり節電が一番大きかった。節電ということで十分対応できるというふうに分析できるんじゃないかと思うんですが、その点いかがですか。 47 ◯野田新エネルギー課長=委員御指摘のとおり、昨年度から節電について国を挙げて取り組んでいるということで、この節電効果は非常に大きかったのではないかと思っております。ただ、見込むときに電力会社の方にも聞いたんですけれども、一番厳しい状況で供給力を確保しないと、万が一のときに対応が非常に厳しいと。特に、三%前後というのは非常に厳しい状況という認識を持っておられまして、三%という数字は、電力会社の中では、瞬間的に変動するぐらいの予備率だそうです。あわせまして、電力会社で見積もられたときには、これに加えて急な停電が起こったときとか、気温が急上昇したときとか、そういうふうなところをプラスアルファで五%ほど見積もって八%は予備率として確保したいというふうな思いがあられるというところがございまして、一番厳しい条件の中、なおかつ、それに八%を上積みするという考え方でもって供給力を確保されているというところもあって、今回、通常使われたものよりも準備された電力の方が多目になっているというふうな結果かと思います。  ただ、確かに、県民の皆様、企業の皆様の努力というのが非常に大きな節電効果ということで、今回の夏を乗り切った非常に大きな要因だととらえております。  以上です。 48 ◯徳光委員=予想よりも供給力がふえたのは、水力発電がフル稼働したとか、いろんな要因があると思うんですが、実際にそういったものを織り込まないときで千五百七十四万キロワットは供給できますよということだったわけですね。ですから、それ以上、供給力を確保するのは、安定的という視点からは大変重要だと思いますし、そのための要因は、そういうものがあったと思います。  ただ、結果として見ると、最大の電力需要というのは千五百二十一万キロワットしかいかなかったということからすると、九電なんかの発表によると、たまたまみたいな、天候によりますよ、水力発電がこれだけあったから乗り切れたみたいなイメージがあるんですね。ただ、きちんと数字で見ると、当初予想していた千五百七十四万キロワットで、確かに、午後二時、三時とかで瞬時に変わることもあり得るかもしれませんが、その対策は九電もちゃんととっていると思います。企業と契約しながら、そういうときには企業に抑えてもらうとか、そういった契約をしていると思います。それからすると、当初、見込まれた千五百七十四万キロワットの供給力があれは、この夏は結果として乗り切れている。そこはやっぱり通常の無駄な電気を使わないという、節電をすれば乗り切ることができたんだというふうに思うんですね。  だから、そういったふうにしっかり分析をするべきじゃないかなと。確かに、供給力がふえたのはおっしゃったような要因ですが、そうじゃなくて、乗り切れたというところは、そういった見方もできるのではないかと思いますが、改めてどうでしょうか。 49 ◯野田新エネルギー課長=確かに、乗り切れたというふうなことでいきますと、これまでの需要量というものを抑えようという国全体の取り組みといいますか、企業、国民の皆様の取り組みが非常に大きく働いたというふうなことは考えております。  以上でございます。 50 ◯徳光委員=安定的とは私も思っていません。火力もフル稼働しているわけですから、実際に故障したりということがありますから。ただ、九電自体は一年も前から、ことしの夏も再稼働できないというのはほぼ予想できたわけですから、それに対する備えをしていないということは、やっぱり九電の怠慢だというふうに私は思うんですね。そこは課長に質問するんじゃなく、私の思いです。  そこで、ことしの冬、あるいは夏も原発稼働なしで乗り切れたんですが、単純に思うと、別に原発を動かさなくても九電管内の電力需給は大丈夫じゃないのというふうに私は思うんですけれども、その点どのように受けとっていらっしゃいますでしょうか。 51 ◯野田新エネルギー課長=原発稼働なしでことしの夏を乗り切れたけれどもというところでの御質問でございます。  ことしの冬と夏につきまして、九州電力におきましては、老朽化で休止もしくは廃止予定でございました火力発電所を再稼働させ、稼働中の火力発電所も定期検査を先送りして稼働させるなど、使用可能と判断される電源は、すべて稼働させることで供給力の確保に努められたと聞いております。  このような中、九州電力管内では、ことしの冬と夏、それぞれ火力発電所のトラブルによる停止が実際に発生しておりまして、特にことしの冬には新大分発電所の全発電機が緊急停止いたしまして、二百二十九・五万キロワットもの供給力が一気に落ちるというふうなトラブルが発生したところでございます。幸いにしまして、発生したのが需要の少ない早朝だったこと、それと他の電力会社からの融通で何とかしのいだというふうなことがございました。このように供給力において不安要素があったということは否定できません。  いずれにいたしましても、火力発電の最大限の活用にあわせ、県民の皆様の御協力によりまして電力の需要が抑えられたこと、天候の状況、そして、供給側の調達の上積みといったさまざまな要素が重なり合った結果、ことしの冬と夏を乗り切ったものと考えております。  以上でございます。 52 ◯徳光委員=二月三日の大分の火力発電所のストップというのは、結果的に私も新聞情報でしか知りませんが、凍結したためにどうのこうのということでありましたが、あの時期、大変重要な電源の一つだったわけですから、九電としては、それぐらいはしっかり想定をすべきだというふうに思います。しかも、あのとき、わずか三時間で全国六社から二百十万キロワット調達できたんですね。各社からの、他の電力会社からの電力融通については後で質問しますけれども、そういったことで乗り切れたということは私も承知をしています。  そこで、節電というのは定着したのかなと私は思います。そういった意味では、気候にもよりますけれども、ことしや昨年の電力需要というものを、今後、大きく上回ることはないんじゃないかと受けとっているんですが、その点についてはどのように感じておられるでしょうか。節電というのは、経済界で少し影響があるということは、どんな手だてをすればいいのかということは今後考えないといけないと思うんですね。ただ、一般家庭が一二%で五十万キロワットですか、六十万キロワットですか、どっちかだと思うんですが、それぐらい、一昨年に比べて節電できているということで、これはほぼ定着をしたのではないかと思います。  ですから、今後、急激に電力需要が伸びていくということはあんまり考えられないんじゃないかとも思うんですが、その点について何か感じることがあられましたら答弁をお願いします。 53 ◯野田新エネルギー課長=確かに、県民の皆様、一般家庭の皆様におきましては、かなり節電意識が定着していらっしゃるのではないかなと。委員おっしゃったように、企業につきましては、若干負担を感じていらっしゃる方もありまして、経済活動という意味でいきますと、需要面で今のままでいいかといいますと、そこは厳しいところが少しあるのかなと思われます。  今後、経済成長がどのようになっていくかということにもかかわってくるかと思いますので、それに伴う電力需要がどういうふうに推移していくかということまで含めないと何とも言いづらいところではございますけれども、できるだけ企業の皆様には経済活動に支障が出ないような電力供給のあり方というふうなところは考えていくべきところなのかなと。電力会社には責任を持って電力を供給していただくということを言い続けないといけないのかなと思っております。  以上でございます。 54 ◯徳光委員=これから人口減少社会に移っていくということからすると、一般家庭の電気の消費というのは少なくなっていく。それから、先ほど課長もちょっと言われましたように、家電製品というのは物すごく省力化されています。我が家のエアコンもことしの夏、ついに壊れまして、調べたら二十年前のものでした。それで新しいものにかえたんですが、電気屋さんに聞いてみると、消費電力はほぼ半分、電気冷蔵庫も十五年前と比べると五分の一から六分の一ぐらいまで消費電力が下がっているということなので、今後、電化製品も省電力がますます進んでいくと思いますので、その辺の需要を見込んで政府なり電力事業者も供給力がどのような形態であるべきかということはしっかり検討しないといけないだろうと思っています。  そこで、大飯原発の再稼働との関連についてですが、これは一般質問でもちょっと触れましたが、関西電力管内で、今夏、需要が一番大きかったのが八月三日というふうに言われています。関西電力の記者会見では、もしこの日、大飯原発の三号機、四号機が稼働していなければ百五十万キロワットぐらい電力が不足していたといったようなことをおっしゃっています。  ただ、これもマスコミで報道されていますが、関西電力へ電力融通が可能な地域というのは、中日本、西日本ですね。この中日本、西日本全体を八月三日で見ると、大飯原発三号機、四号機でおよそ二百四十万キロワットぐらい発電しているんですが、これを差し引いても七百五十四万キロワットも電気が余っていたということも明らかになっていますので、大飯原発を再稼働しなくても、この七百五十四万キロワットを融通すれば関西電力も十分乗り切れたというふうに思うんですが、この大飯原発の再稼働は必要なかったというふうに私は思うんですが、その点どのように受けとっているのかお尋ねいたします。 55 ◯野田新エネルギー課長=大飯原発再稼働との関連についてということでの御質問にお答えいたします。  この夏の電力需給につきましては、大飯原発が再稼働する必要はなかったのではないかという点につきまして、結果から見た場合、そういった御指摘もあろうかと思いますが、こうした余力といいますのは、国及び電力会社におきまして電力の供給を絶対に不足させないため、あらかじめさまざまなリスクを考慮して準備を行い、需給の数字を見積もられた結果ではないかというふうに考えております。  資源エネルギー庁によりますと、中・西日本全体で見てこの夏を乗り切ることができた要因といたしましては、供給面では火力発電所のトラブルによる計画外停止が昨年より少なかったこと、水力発電によります供給が想定以上に増加したこと、太陽光発電による供給が想定以上に増加したこと。また、節電効果を除きます需要面におきましては、三十五度以上の猛暑日が一昨年の半分以下だったこと。電力会社との計画調整契約により需要のピークタイムが昼間から夕方にシフトしたことが挙げられております。  このように、国による分析結果では、大飯原発の再稼働だけでなく、さまざまなリスクに対する準備が行われていたこと。そして、先ほどから何度も出ております国民の皆様の節電の努力、企業の皆様の節電の努力といった要素、それに加えまして気候の要素、そういったところがうまく重なり合った結果であるというふうに分析結果ではされているところでございます。  以上でございます。 56 ◯徳光委員=ちなみに、ここで改めてお尋ねしたいんですが、九電は計画停電の準備をしておりました。どのような電力需給の状況になると計画停電を実施するようになっていたのか、その辺について改めて示してください。 57 ◯野田新エネルギー課長=どのような状態になると計画停電に至るのかということです。  電力需給につきましては、前日の電力の状況で翌日を見込むのですが、翌日の電力の需給状況が電力の供給予備率が三%を下回るような可能性が生じた場合、国から前日の十八時ごろに需給逼迫警報が発令されまして、それに基づきまして電力会社が他電力からの融通ですとか、国民の皆様への呼びかけですとか、あと、スポット負荷調整契約といいますけれども、電力が逼迫する時間帯の消費電力を下げていただければ割り引くというふうな契約を企業さんとされておりまして、そういった契約先の企業の協力を得るとか、そういったことで節電に向けた努力をされます。  それでもなおかつ需給が逼迫しそうだという状況になりますと、当日、供給予備率が一%を下回るような場合になりましたら、政府の方から緊急速報メールが送信されることになっております。これは計画停電実施の三、四時間ほど前に送信されるというふうになっております。  それでなおかつ、実際に計画停電をしないといけないというふうに実施が決定した場合につきましては、電力会社から計画停電の実施二時間前に公表されるというふうな流れで進められるということになっております。  以上でございます。 58 ◯徳光委員=九電の今夏の電力需給について、大飯原発が再稼働したので融通できる余裕がふえたということも答弁されましたし、十四日の一般質問の知事答弁の中でも大飯原発が再稼働したので中日本、西日本の融通余力が増加して九州電力も他の電力会社からの融通が多く調達できたといったようなことを答弁されています。  そこで、私もどうかなと思っていろいろ資料をお願いして調べてみたんですが、九電管内で今夏の供給力が最大だったのは、先ほど言いましたとおり、八月三日の千七百三十二万キロワットだったんですね。この内訳を見ますと、他社からの受電が四百六十四万キロワットあります。そのうち他電力会社からの融通は百二十万キロワットしかない。そうしますと、この日、千七百三十二万キロワット、供給力を確保されていましたので、これから他電力からの融通の百二十万キロワットを引きますと千六百十二万キロワットの供給力となります。今夏最大水準が千五百二十一万キロワット、この日が千五百十五万キロワットです。ですから、今夏最大の水準でした。これで計算すると、供給余力というのは六%になります。六%がどういう状況かというと、厳しい需給状況というふうになるんですが、先ほど課長から答弁いただきましたように、計画停電の水準ではないわけですね。他の電力会社の融通はなくても乗り切れているというのが、これも明らかになっています。  ですから、大飯原発が再稼働したから九電は他の電力会社から多く融通できたので乗り切れたのだというふうに幾つか答弁なさいましたが、数字を見ると、そうでもないのかなと。確かに、他社からの受電は結構ふえているんですが、他電力会社からというのは百二十万キロワットにすぎなかった。それが仮に来なかったとしても余力が六%あったんですね。その点についてどのように受けとめていらっしゃいますか。 59 ◯野田新エネルギー課長=八月三日を捉まえて、どういった状況だったのかということについても九電に聞き取りを行わせていただきました。  九電の前日の電気予報によりますと、八月三日の予想最大電力は千五百十万キロワット、実績で千五百十五万キロワットなので、ほぼその見合いというふうな予想でございました。例年、七月下旬から八月上旬に電力需要がピークに対しており、この予想最大電力は、この夏、最大級という、委員がおっしゃったような需要量であったというふうに認識されております。  さらに、この日は台風十号の影響で小丸川発電所、宮崎にあります揚水発電所ですが、小丸川発電所の八十七万キロワットの供給力が台風の影響で見込めないという可能性があった。そういったことのために九州電力ではその対応策といたしまして、他の電力会社からの追加の融通や市場からの電力調達などを行い、供給力を確保したというふうに聞いております。  結果といたしまして、小丸川発電所、先ほど八十七万キロと申し上げました小丸川発電所が稼働いたしまして、供給力として確保できたことから、千七百三十二万キロワットの供給力を確保し、需要に対して供給力は高くなったものの、仮に小丸川発電所が稼働できず、他の電力会社からの融通等が見込めなかった場合は、供給力が千五百二十五万キロワットまで落ち込んでしまって、予備率が約〇・七%になってしまった状態で計画停電のおそれもあったというふうなことを聞いております。  九州電力管内におきましては、このように発電所のトラブルによりますリスクは常にありました。県民の皆様の御協力によりまして電力の需要が抑えられたことが非常に効果を奏していると思いますけれども、それ以外に天候の影響、供給側の調達の上積み、そういったさまざまな要素が重なり合った結果、この日、計画停電等の状況に陥ることなく乗り切れたと考えております。  以上でございます。 60 ◯徳光委員=この点をこれ以上やりとりしても、これだというものも出てこないのかなというふうに思うんですが、当初、揚水発電はしっかり予定されていたわけですから、たまたま台風という影響がそのときはあったにしても、最初の予定としては他電力会社からの受電の百二十万キロワットがなくても結果として乗り切れているわけです。  だから、大飯原発が動いたから九電は他の電力会社から余計に受電できたんだというのは、むしろ、大飯原発を動かした言いわけといいますか、だからメリットがあったんですよというふうに言っているにすぎないと私は思います。九電はそんなふうには言わないでしょうけれども、その点は今後しっかり分析をしないといけないと思うんですね。ことしの冬、あるいはことしの夏、本当にどうだったのかということをしっかり分析して、今後の電力需給のあり方を考えていかなくてはならないと思っています。  そこで、最後の質問になりますけれども、電力事業者間の電力融通ですが、これは三・一一が起こる前までは、電力会社はそんなに考えていなかった。自分の管内で電力需給というのは完結をするという意味で原発もどんどんつくられてきたのかなと思うんですね。私は、質問でよく言ったのは、ことしの夏の東京電力ですけれども、福島第一原発の廃炉になったものも含めると十七基、東京電力は持っているんですが、ことしの夏は一基も動いていないけれども、政府の予想でも四・五%の余裕があったというふうに計算されています。いろんな電源を駆使したというのはわかりますけれども、十七基、全然動いていないのに、この夏、余裕があったということ自体、いかに地域独占の中で原発をどんどんどんどんつくってきたのかということのあらわれだというふうに思うんですね。今、電力事業者間の電力融通というのが通常の電力確保の手段になっています。  そういった意味からすると、今後の電力需給のあり方として、電力事業者間で電力を融通しながら供給力をしっかり確保していくということも大変大きな柱になっていくんじゃないかと思います。特に、東日本、西日本の間は五十ヘルツ、六十ヘルツということでなかなか融通できないということですが、今、一カ所だけ融通できて、それは最大百万キロワットまで融通できるということになっていますが、そこをもうちょっと拡大すれば、同じ中日本、西日本管内だけじゃなくて、日本全体で融通ができるということになります。そうなると、極力、原発に頼らないエネルギーを考えていくためには、この電力融通というのは大変重要な柱になると思いますが、改めて電力事業者間での電力融通というものをどのように受けとっているのかお尋ねいたします。 61 ◯野田新エネルギー課長=電力事業者間の電力の融通についてお答えいたします。  原子力発電所につきましては、国のエネルギー政策の中で将来の電力需要ですとか電源構成を見据え、これまでつくられてきたものだというふうに考えております。  しかしながら、今月十四日、エネルギー政策の方向性を大きく転換いたします革新的・環境エネルギー戦略が示されました。この中には電力システム改革が掲げられておりまして、広域的に供給力を有効活用するシステムへ転換していくことが盛り込まれております。まさに、先ほど委員がおっしゃったように、日本全体で融通していくというふうなこともイメージされて検討がされている改革ではないかと思っております。今夏の状況からも、委員御指摘のとおり、他の電力会社からの融通が多く得られたことも、この夏を計画停電に至ることなく乗り切ることができた大きな要因であると考えております。  これにつきましては、政府が年末までに策定される予定であります電力システム改革戦略、仮称でございますが、その戦略の動向に注目したいと考えております。  以上でございます。 62 ◯徳光委員=一般質問でも言いましたけれども、古川知事が昨年の臨時議会の中で、「この佐賀県で絶対に原発事故を、あのような事故を起こさせないという決意で臨んでいくんだ」と言ったことは大変重い言葉だというふうに私は思っています。「絶対」とまで古川知事は言い切ったわけですね。そんな意味では新エネルギー課の皆さんのこれからの政策というものに私は非常に期待をしています。そんな意味では再生可能な新エネルギーを佐賀県の中でどれだけつくり出して現実的なものにしていくのか。いろんな業者の取り組みが必要だと思いますので、県として、そういう業者をどう支援していくのかということに今後しっかり取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。 63 ◯向門委員=おはようございます。向門です。時間も昼前になってきましたので、早速質問に入らせていただきます。  まず、新産業集積エリア整備事業についてお尋ねをいたします。  新産業集積エリアについては、当初、鳥栖地区において県単独での整備が計画され、その後、他の三地区を合わせ、計四地区において、県と市の共同整備事業方式で進められているところであります。  鳥栖地区については、県が単独で整備する構想だったときから、もう既に七年が経過をしているにもかかわらず、分譲開始どころか、まだ造成にすら至っておりません。鳥栖市が平成二十年に地元地権者に説明した文書がここにありますが、平成二十年五月七日、地権者各位ということで、市長の印鑑も押してあって、新産業集積エリア整備事業の実施についてということで、地権者に対して説明がされております。  その中の事業のスケジュールについても、平成二十年から同意といいますか、地権者の同意を得て、平成二十二年の中ごろから造成工事を始めて、平成二十三年から一部分譲という形で工事をするというスケジュールも書いてあります。概算事業費が六十五億円、地区面積は約三十ヘクタール、うち有効分譲面積は約二十三ヘクタールということで説明をされた中で、この事業が進められてきました。  しかしながら、現段階においても分譲開始するという話は全然ございませんし、造成をされる工事といいますか、全くありません。地元として、どうなっているのかということで非常に心配をされております。  そこで、今回、質問に至ったわけですけれども、まず整理をさせていただきたいと思います。  新産業集積エリア整備事業は、平成十七年に県単独事業として創設をされましたが、そもそもそのときの考え方はどのようなものだったのか。  また、平成十九年には県単独整備事業方式から県・市共同整備事業方式に変更されています。その経緯はどのようなものだったのか、改めてお尋ねをいたします。 64 ◯大野企業立地課長=当初の整備事業実施方式の考え方とその変更経緯につきましてお答えいたします。
     新産業集積エリア整備事業は、県の企業誘致戦略の一環として、雇用創出効果や経済効果の大きい大規模企業や、また、今後大きな発展が見込まれる新エネルギー産業などの重点誘致産業の立地を推進する受け皿として、平成十七年度に県全体八十二カ所から、今予定している鳥栖の現在地を選定し、県単独事業として整備することとしたものでございます。  その後、平成十八年度から十九年度にかけまして、急速な企業誘致、企業立地の進展に伴いまして、工業用地が著しく不足し、県内各地域において迅速な用地の確保が必要となったこと。また、企業からも大きな区画の引き合いがあること。あわせまして市町からも大型工業団地の整備の要望が多いこと。加えて財政上厳しい県や市町にとって共同にすることで早期に団地整備を実施できること。そういうことなどから、県と市町で共同で迅速に開発する新しい整備方式を導入することとしたものでございます。  なお、既に取り組んでおりました鳥栖エリアにつきましても、地権者同意前で現地測量調査に入る前の準備段階であったこともありまして、また、県内のほかのエリアを県、市町の共同事業で推進していくという方針との均衡もございまして、鳥栖市に御協力をいただきまして、新しい整備方式を鳥栖エリアについても適用することとしたものでございます。  以上でございます。 65 ◯向門委員=そのような経緯で鳥栖についても共同の整備方式になったと私も理解をしております。  続いてお尋ねをいたしますが、各地区の現状についてお尋ねをします。  各新産業集積エリアは、いずれも平成十九年度に市町から県に対して整備申請が行われております。にもかかわらず、まだ造成にすら入っていない地区もあります。  そこで、各地区の現在の状況はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 66 ◯大野企業立地課長=新産業集積エリアは県内に四地区ございますが、まず、唐津エリアにつきましては、二工区に分かれております。その一つであるうつぼ木地区につきましては、平成二十二年十月から分譲開始をしております。また、もう一つの岩屋地区につきましては、基本調査、実施設計まで完了しておりまして、現在、用地交渉の準備段階でございます。  次に、鳥栖エリアでございますが、鳥栖エリアにつきましては基本調査まで完了し、こちらも用地交渉の準備段階でございます。  次に、武雄エリアにつきましては、既に平成二十三年十月から分譲を開始しております。  残りの有田エリアにつきましては、基本調査、実施設計までは完了しておりまして、現在、用地交渉中でございます。  以上でございます。 67 ◯向門委員=そうすると、唐津エリアのうつぼ木地区と武雄エリアについては、もう既に分譲を開始していると。しかしながら、唐津エリアの岩屋地区は実施設計中と、鳥栖エリア、有田エリアについてはまだ造成すらされていないという状況であります。  そこで、四地区のエリアのうち、鳥栖と有田地区が整備がおくれておりますが、なぜそのようにおくれているのか、再度お尋ねをいたします。 68 ◯大野企業立地課長=整備がおくれている理由につきましてお答えいたします。  まず、鳥栖エリアにつきましては、平成二十年九月に整備地を決定し、平成二十一年度に地質調査、基本調査、環境調査を行っております。そのうち、開発区域のうち九割以上が農地であることから、平成二十二年度から九州農政局との農地転用協議を行ってきましたが、一つは、吉野ヶ里ニュー・テクノパークの農工計画が、県内にそういう農工計画があったことから、鳥栖エリアでの新たな農工計画の協議が進まなかったことがおくれた主な理由でございます。  しかしながら、吉野ヶ里ニュー・テクノパーク農工計画の調整につきましては、吉野ヶ里メガソーラー設置事業の推進決定により、農工計画の取り消しを本年三月に完了したところでございます。  それによりまして、鳥栖エリアの協議が九州農政局と進められるようになり、必要な調整を行った結果、八月の協議において都市計画法上の開発根拠となる鳥栖市の地区計画の策定が終了すれば、並行して農工計画も協議が終了するということで、九州農政局とは一定のめどがついたところでございます。  また、有田エリアにつきましては、平成二十年三月に整備地を決定しまして、平成二十二年度までに基本調査、実施設計まで完了しております。平成二十二年十二月から、地権者との用地交渉を行ってきておりますが、現在においては、ほんの一部の同意が得られていない状況でございます。  以上でございます。 69 ◯向門委員=それぞれ説明がありました。  鳥栖地区については、以前にも私、一般質問をしたことあったんですけれども、要は、九州農政局との農地転用協議がなかなかうまくいかずに、ずっとそこでとまっていたのが現状だというふうに思います。  この資料をいただいたんですけど、平成二十二年五月から協議が入っていますので、約二年三カ月間かかったということであります。その間、何も動かないというか、動けないというか、そういう状況で今日まで来て、ようやく吉野ヶ里地区がメガソーラーになるということで、先に進むことができるようになったというふうに今報告を聞きまして、安心しているところであります。  安心をして、やっと事が進むのかなと思っているところに、実は、毎年、鳥栖市と県議ということで勉強会をしております。勉強会のときに、実は新産業集積エリアについて、こういうお話がありました。  先般、総務副大臣の通知、「観光施設事業及び宅地造成事業における財政負担リスクの限定について(総財公第百四十六号平成二十三年十二月二十八日付)」により、特に起債に当たっては、市の財政状況を勘案し、一定の基準未満の規模の事業に限り地方債の発行について同意または許可を行う予定であるとされました。この通知により、本事業は、市(町)の特別会計(公営事業)として実施するものと計画しておりましたが、本事業に対する市(町)の起債額は制限されることになり、県、市(町)の財政負担をうたった現在の新産業集積エリア整備要綱に基づく実施は極めて困難となりました。つきましては、これまでの経緯や現状を御理解いただき云々と書いてあります。  すなわち、二年半、農地転用に時間をかけている間に通知が来たということですね。今、概要がちょっとわかりにくいと思うので、実際に総務副大臣から各都道府県知事、各指定都市長殿ということで文書が来ておりますので、この一部を読み上げさせていただきます。   観光施設事業及び宅地造成事業における財政負担リスクの限定について   平成二十三年八月三十日に公布された地域の自主性及び自立性を高めるた  めの改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律において、地方財  政法の一部が改正され、事前届出制を導入する地方債協議制度の見直しが行  われたところですが、このような地方公共団体の自主性・自立性を高める改  革が進められていることから、地方公共団体の事業実施に伴う責任について  一層留意する必要が増しています。特に、経営に伴う収入によって企業債の  償還等の経費をまかなうという独立採算制の原則を採用している公営企業に  ついては、事業の実施に当たり、経営が悪化した場合に地方公共団体に与え  る財政負担のリスクをあらかじめ厳格かつ慎重に判断することが求められま  す。   公営企業の中で、観光施設事業及び宅地造成事業は、必ずしも住民生活に  必要不可欠なサービスを提供するものではなく、また、社会経済情勢の変化  等による事業リスクが相対的に高い事業であります。景気の変動等に伴い事  業の採算性が著しく悪化した場合には、累積した赤字を処理するために、住  民生活に必要不可欠な公共サービスの縮小や住民に過度の負担を強いるよう  な事態が生ずる恐れもあります。   このため、観光施設事業及び宅地造成事業を実施する場合には、地方公共  団体の財政負担のリスクを限定する観点から、下記の事項に御留意いただく  ようお願いいたします。   貴都道府県内の市区町村等に対しましても、周知されるようお願いします。   なお、詳細については別途お知らせいたします。  ということで、二枚目に、   本通知は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十五条の  四(技術的な助言)に基づくものです。          記  一 観光施設事業及び宅地造成事業(内陸工業用地等造成事業及び住宅用地   造成事業に限る。以下同じ。)を新たに行う場合には、次の点に御留意いた   だきたい。   (一) 地方公共団体が公営企業により実施するのではなく、第三セクター等、     法人格を別にして事業を実施すること。   (二) 事業を実施する法人においては、事業主体の収益性に着目したプロ     ジェクト・ファイナンスの考え方による資金調達を基本とすること。   (三) 法人の債務に対して地方公共団体による損失補償は行わないこと。   (四) 法人の事業に関して、地方公共団体による公的支援(出資・貸付け・     補助)を行う必要がある場合には、公共性、公益性を勘案した上で必要     最小限の範囲にとどめること。  二 一の留意点を踏まえた上でなお地方公共団体が観光施設事業及び宅地造   成事業を新たに公営企業により実施する場合には、平成二十四年度から、   原則として、当該団体の財政状況も勘案し一定の基準未満の規模の事業に   限り地方債の発行について同意又は許可を行う予定である。    また、法人格を別にして事業を実施する場合においても、公的支援(出   資・貸付け・補助)に係る地方債の発行について、同様の取扱いとする予   定である。 というふうにして通知が来ています。  実際に鳥栖市のほうにお伺いをしました。では、鳥栖市はどれぐらい起債ができるのかというお話をしたところ、その返事は、単純に計算したところ十一億円程度であろうということでありました。事業費は六十五億円に上るわけであります。この二年半という農地転用の時間というのもあったのかもしれませんが、以上のような通知が来ています。このような通知が来た以上、やはり、できるのかできないのか、大変心配をしているところであります。総務省の起債同意が得られなければ、この事業が頓挫してしまう可能性もあります。  そこで、総務省の起債同意に関する県の認識と現在の対応について、今現在どのように行われているのか、お尋ねをいたします。 70 ◯大野企業立地課長=鳥栖市及び有田町の起債について、県の認識と現在の対応についてお答えいたします。  委員のほうから、平成二十三年十二月二十八日付の総務副大臣の通知については、詳しく御説明いただきましたので、その通知に基づきまして、実はことし四月に、鳥栖市のほうに、その新規事業の状況等ということで、総務省のほうから照会があっております。その照会に基づいて、鳥栖市のほうの財政のほうで回答をされておりますけど、その内容が非常に厳しかったというようなお話だったかと思います。  それで、鳥栖市の起債につきましては、総務省から、もう県の窓口である市町村課に対しまして、鳥栖市に助言すべきではないかと連絡があっておりまして、あわせて企業誘致の可能性や市財政の健全性が担保される起債の償還計画についての資料の提出を求められております。  このことから、現在、県と市において、鳥栖市の企業誘致の優位性が高いことを証する資料の作成、市の財政負担を平準化する起債償還計画の作成を現在行っているところでございます。  私どもとしましても、地元に御説明し、継続して事業を実施しておりますので、直接、総務省のほうに確認に行っております。  それで、そのときの総務省としましては、この副大臣通知は従来の取り扱いと何ら変わることはなく、企業誘致の可能性が高く、財政の健全性を熟慮した計画についてまで起債の同意を行わないというものではないというふうな感触を得ているところでございます。  よって、県としましては、起債につきましては可能であると考えているところでございます。  一方、有田町につきまして、平成二十二年から起債をしておりますけど、今年度借り入れ予定の用地買収費に係る起債につきましては、町から県、県から総務大臣への同意の協議を提出しておりますけど、総務省からも同意を得ております。  有田町の来年度以降に予定されております造成工事に係る起債につきましても、総務省の動向等を見ながら、町と一緒に対応していきたいと考えております。  いずれにしましても、両市町における起債が計画どおりに行えるよう、関係部署とも連携を密にして、対応していきたいと考えております。  以上でございます。 71 ◯向門委員=今の答弁では、感触はいいというお話でありました。  感触じゃ済まされない話であって、これから、先ほどのお話では、農転の協議をおおむね終わったので、用地買収に入っていくという話もされていました。  用地買収について地権者との協議をされるということは、必ずやっていただかなければならないわけであります。当然、用地買収の地権者は売るのを当然に交渉していく、話を引き受けるわけでしょうから、そこで話が頓挫するということはあってはならないことだと思っていますので、先ほど、感触という話をされましたけれども、やっぱり責任を持ってやっていただかなければならないと思うんですね。  一番最初のそもそも論からお話しをさせていただきましたが、当時、平成十七年のときに県単独で事業をやるということでお話を鳥栖市にいただいています。十八年かな、十九年のとき、選挙もありました。当時の再選を目指された知事は、その二地区に入って演説会等で、ここで県が新産業集積エリアを整備しますというお話もされています。聞いている地元の方々は、ここに新産業集積エリアができるんだということで当然考えを持ってあります。その中で共同方式に変わったわけですけれども、いずれにしても新産業集積エリアができるというふうに考えてあって、その中で市との共同方式になったわけですよね。それは、我々も鳥栖だけが産業集積エリアができて、ほかの地区はないがしろにしていいとは思っていませんでしたので、それぞれ有田や唐津や武雄がされる分について、共同方式でやりたいということについては、我々も、それは仕方がないというふうに思って、それは鳥栖でやれることはやっていきましょうということで市長とも話をして、今現在あると思っています。  その中で、農地転用がこれだけおくれてしまった。二年半時間がかかった。二年半の時間がかかった間に、このような総務副大臣からの通知が来てしまったということ、そういうことからすれば、これは、もし仮に起債ができなくて事業が頓挫するようなことはあってはならないと強く思っていますので、いずれにしても起債が可能にするのか、しないのか、可能になったとしても、可能になれば、それにこしたことはないんでしょうけれども、もしできなかった場合についても、県がきちんと責任を持ってやっていただきたいというふうに思うんですけれども、その点についてお尋ねをいたします。 72 ◯大野企業立地課長=できなかった場合についてどうかというようなお尋ねだったかと思います。  私ども、新産業集積エリアについては、県、市、町と一緒になって、財政的な問題、それと、まず迅速に企業のニーズにこたえようということの受け皿の事業でございますので、地元のそういう説明、また地元の御了解、いろいろな調査を含めまして、市、町とあわせまして推進していくように考えておりますので、まずは事業を進めることが第一だと考えておりますので、その点は十分認識して進めさせていただきたいと考えております。 73 ◯向門委員=ぜひとも、きちんとやっていただきたいと思います。  それぞれの四エリアが新産業集積エリアということで整備を、平成十九年からやってきたわけですけれども、御承知のとおり、整備が終われば、この事業が終わりというわけじゃないと思うんですね。やはり、きちんと整備が終わった後に企業誘致ができて、そこに工場なり何かが立地して、そこで雇用が生まれて、働く環境を整えることまでがこの事業の一つの役割だとすると、唐津エリアにしても武雄エリアにしても、分譲は開始されたものの、まだ残念ながら工場等の誘致までには至っていません。  先ほどは、鳥栖地区の整備がおくれている理由についてお尋ねしましたけれども、やはり今の経済状況を勘案すると、なかなか進出してくる企業というのは厳しい状況もあるのかなというふうには思っています。思っていますけれども、先ほど、ちょっとお話ししたように、共同方式に変わったわけですよね。共同方式に変わって、起債するのは市、町なんですよね。市、町が起債して、売れれば、そこで精算をするんでしょうけれども、精算ができない限り、そこでずっと利子、利息が発生していきます。そこに新たな住民のサービスされる税金がそこに利子、利息として払わなければならなくなるわけですよね。  すぐ売れるとは限りませんけれども、早くそこをきちんと分譲しなければ、市、町の財政負担は延々と続いていくということになるというところからすると、いかにして早く企業を誘致して、工場をつくってもらわなくちゃいけないかという手段を選ばなければならないと思います。  先ほど、電力についてお話があっていました。僕も企業誘致については、いろいろ調べているんですけれども、やはり、これは「日経グローカル」という雑誌の中の一つの紹介なんですけど、「日経グローカル」なんで、いわゆる経済のことが多く書いてあるところに、幾つも特集があって、幾つもほとんど同じこと書いてあるんですね。それは、日本の国内から海外に企業が移転していきますという話なんですよ。  その中に、六重苦というのが、もうどこでも書いてあるんですね。それは、一つは円高、一つは高い法人税率、一つは厳しい労働規制、一つは温暖化ガスの排出抑制、一つは外国との経済連携のおくれ、これはFTAとか、そういったところですね。もう一つが電力不足。この六重苦があることによって、生産拠点を海外に移す流れはもはやとめられないというのが大方な経済雑誌とかの状況なのかなと。いかにして、国内にとどまってもらうのをどうしていくかというような話が今もう、どこの自治体でも上がっているみたいで、ほかにも転機の企業誘致ということで、都道府県の調査とかあります。海外流出に七割近くが、やはり危機感というふうな形で書いてあって、実際にエリアを、エリアといいますか、工業団地つくって、本当にこちらの佐賀県に来てもらえるのかと、本当に大事な問題だと思っています。  当然、市、町だけでは企業誘致というのはできないと思いますし、もともとこの構想は県が端を発したといいますか、県が構想された事業だというふうに思っていますので、この新産業集積エリアの企業誘致について、どのように取り組んでいかれるのか、農林水産商工本部長、お尋ねをいたします。 74 ◯山口農林水産商工本部長=今、新産業集積エリアの企業誘致の取り組みについてということで御質問をちょうだいしました。
     委員おっしゃいますように、非常に今、企業誘致を取り巻く環境というのは厳しゅうございます。先ほど六重苦というふうにおっしゃいましたけれども、こういう状況は私どもだけの努力では、なかなか拭えないものだということは認識しながらも、やっぱり市、町と一緒になって、こういうところへの企業誘致を積極的に図っていかなきゃいけないというふうに思っております。  それでは、具体的にどういうことをしようかということですけれども、誘致に当たりましては、これまで以上に企業の立地動向、産業構造の変化をきちっと捉えていく必要があると思います。  こういうことを具体的にどういうふうにしていくかといいますと、県では企業立地動向を踏まえた上での誘致の優遇策を幾つか持っておりますけれども、こういうものの見直しの検討ですとか、あるいは電力不足ということがありましたけれども、本県は全国で一番地震が少ないというような災害リスクへの対策という面での優位性、それから、市場の拡大が見込まれます中国、東南アジアに近い、そういうような本県の利点もアピールしていく、こういうことでより効果的に誘致活動を図っていくということを考えております。  委員おっしゃいましたように、企業誘致というのは地域の雇用の創出、あるいは経済の活性化、あるいは税制の確保等々について、非常に有力な手段でありますことから、誘致活動に当たりましては、今言いましたようなことに加えまして、例えば、具体的に、我々が来てほしいと思っているような企業さん、一応、目鼻をつけて誘致活動をやるわけなんですけれども、そういう企業さんの個々の、例えば、持っていらっしゃる資産、遊休資産があるとかないとか、あるいは投資動向、これからどう考えていらっしゃるかどうか、国内にとどまる、あるいは海外へも展開する、そういうふうなこと、それから、これもまた国内での危険分散という意味であれば、例えば、東日本だけに工場が集中している、そういうところは西日本、あるいは九州にも分散したほうがリスク分散上はいいんじゃないかとかいうようなことを提案するためにも、個々の企業の現状というのをきちっと詳細にとらえていく、そういうより密度が濃いといいましょうか、細かい分析をしながら企業誘致に取り組んでいく必要があると思っております。  そういうふうなことも含めまして、これまで以上に、そういう情報収集のアンテナを高く上げまして、一緒にやっていきます地元の市、町の方々と県と一緒になって、さっきおっしゃいましたような、土地が残って、負担が地元自治体、あるいは住民の方々に負わせるようなことがないように、しっかりと頑張っていきたいと思っております。 75 ◯向門委員=今、答弁をいただきました。先ほどのサプライチェーンの見直しとか、いろいろ、国内もいろんな情勢が変わってきていますので、それについて伴っていただきたいことと、私もこの企業誘致に関しては、もっとまた勉強して、またいろんな議論をさせていただきたいと思いますので、いずれにしても塩漬けにならないように、そしてまた、残された二地区を速やかに整備していただいて、次の一歩に進めるようにお願いしまして、この項目についての質問は終わります。 76 ◯坂口委員長=暫時休憩します。十三時をめどに委員会を再開します。     午前十一時五十五分 休憩     午後一時三分 開議 77 ◯坂口委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 78 ◯向門委員=先ほど午前中はありがとうございました。  一つ、ちょっとお礼といいますか、言い忘れていまして、流通業務団地、グリーン・ロジスティクス・パークが五年たった今、すべて売り終わったといいますか、契約が成立したというところまで来たということを聞きました。五年間という短い期間の中に、あれだけの広さの流通業務団地をきちんと販売といいますか、進出させていただきまして、本当に鳥栖にとってありがたいと思っています。今後、いろんな意味で鳥栖も佐賀県を引っ張っていく工業地域であると思いますので、また県の力添えをお願いしたいと思います。  次の項目に入らせていただきたいのが、尖閣諸島問題と中国との経済交流についてであります。  私のほうから、るる説明する必要もないと思いますし、きょうの昼のニュースを見ていたら、台湾の漁船も領海内に入ってきたということで、台湾にはまさかですね、いろんな影響はないんじゃないかなとは思っているんですけれども、ただ、いずれにしても今回の国有化でいろんな摩擦が生じてきました。  佐賀県も昨年、国際戦略ということで、世界とつながる佐賀県行動計画の中で、まずは中国など東アジアを主たるターゲットと位置づけ、中国の瀋陽と香港に佐賀県初となる海外事務所を開設されたところであります。  そういった中での今回の事件でありまして、二、三日前にニュースを見ていたんですけれども、総理のほうが、党首選か何かのインタビューで、今回の中国のデモは想像を超えていたというような発言をされて、いよいよ心配になってくるわけですよね。国有化をした、もとの一番の総理が、想像を超えていたような状況が起きている、あるいはそこまで予測をできていないような政府の状況であるというのが、非常に私個人的にも危惧をしているところであります。  そこで、質問に入っていきたいと思っていますけれども、まず質問したいのが、佐賀県が海外事務所として瀋陽と香港に設置をいたしました海外事務所の活動、瀋陽と香港、それぞれどのような状況が起きているのか、そして影響はどうなのか、中国にかかわる県事業の状況及び影響はどうなっているのか、まずお尋ねをいたします。 79 ◯玉島国際戦略推進監=県の海外事務所や県事業の状況及び影響についてお答えいたします。  まず、海外事務所の影響でございますけれども、瀋陽代表事務所では、いわゆる満州事変の発端となりました柳条湖事件の発生地であることから、事件発生日の九月十八日は職員を自宅待機させたところであります。この十八日には周辺でデモが行われたようでございますけれども、その後、事態は鎮静化しまして、翌十九日からは事務所を再開しております。  一方、香港代表事務所は混乱もなく、通常どおりの業務を行っております。  次に、県事業への影響についてでございますけれども、九月二十五日に佐賀市で予定されておりました上海観光説明会と上海雑技団の公演が延期されたほか、九月二十六日から二十八日に上海市で開催される予定でした東北アジア輸出入商品博覧会について、これには県内企業が四企業出展予定でございましたけれども、出展を中止したところであります。また、この博覧会に合わせまして実施することとしておりました県内十二企業・団体による瀋陽経済ミッションの派遣も、あわせて中止したところであります。  なお、十月以降の県事業については、今のところ実施する予定としておりますが、今後の情勢を見まして、適宜判断をしていきたいと考えております。 80 ◯向門委員=今、県の海外事務所のある瀋陽と香港についてお尋ねをいたしましたけれども、それぞれの報道機関も、これについては報道されていまして、それぞれの上海の便のツアーの客が激減とか、いろんな報道が出ておりますけれども、実際は県が事務所をつくった瀋陽とか香港はそうなのかもしれないですけど、やはり何のためにつくったかといったら、現地の情報を一番把握するためにつくられたと思うんですね。自宅待機にされたというのは、それはそれでわかるんですけれども、実際、瀋陽で日本人、あるいは県内の関係者に関して、瀋陽事務所が具体的にどのような情報を収集したのかというか、していたのかというか、その点についてお伺いをさせていただけますか。 81 ◯玉島国際戦略推進監=瀋陽事務所からの情報収集としましては、もちろん現地の総領事館がございますけれども、こちらですとか、あとは遼寧省政府、あるいは瀋陽に進出しています日本人企業会みたいなものがございまして、そういったところから情報をいただいたり、あるいはこちらでデモの情報があるとか、そういったふうな状況を把握しまして、適宜、本庁のほうに連絡を入れていただいているところでございます。 82 ◯向門委員=その入っている情報としては、どういった情報がありますか。 83 ◯玉島国際戦略推進監=まずは、基本的な情報としましては、人が多く集まるところにはなるべく近づかないようにですとか、日本人同士で固まって大声を出して騒がないとか、そういったふうな、いわゆる身辺の危険情報に関するものですとか、あと、大きなところでは、事務所が操業を停止しているとか、そういったふうな大きな情報というのは今回は入っておりません。 84 ◯向門委員=もう一つ、日本人に対する、瀋陽というか、中国人の感情というか、僕らは映像を通してデモの状況とか、そういうのは見られるわけなんですけれども、中国人が日本人に対する感情論というか、そういったところは、その瀋陽事務所に勤めてある方はどういうふうな感触というか、感じを得られたんですかね。 85 ◯玉島国際戦略推進監=これは、間接的に瀋陽に工場を持っていらっしゃる製造業の方からお聞きしたところのお話ですけれども、瀋陽は昔、満州というところで、日本人と比較的接点が多い土地柄でありまして、もちろん日本人をよく思っている人間も多い一方で、日本人を非常によく思っていない、日本人を知っているがゆえに好き嫌いが激しいところだということはお聞きしております。 86 ◯向門委員=そうすると、瀋陽において好意的な方と好意的でない方と両方いらっしゃるということなんですけれども、実際、事務所を、九月十八日は自宅待機をされたということですけれども、事務所としての機能として、十八日は自宅待機、それ以外として、何らかの支障といいますか、そういったものは報告は上がっていますか。 87 ◯玉島国際戦略推進監=物的な被害、人的な被害等については報告はあっておりません。 88 ◯向門委員=そうすると、次に質問させていただきますけれども、県内の企業への影響をお尋ねいたします。  今回、尖閣諸島問題に対して、状況といいますか、報道で見ていると、大変なことが起きているような感じもしますけれども、県内企業は実際に危惧をされているのか、あるいは反応としてどのような反応をして、どう受けとめられているのか、お尋ねをいたします。 89 ◯玉島国際戦略推進監=県内企業の影響についてお答えいたします。  県で把握しています中国に既に進出されておられます県内企業十四社に対して、昨日、改めて聞き取りを行いましたところ、いずれの社からも人的、物的な被害はなかったということで聞いております。  ただ、九月十八日、先ほど申しました柳条湖事件の日でございますけれども、この日は休業とした企業が二社あったということで聞いております。  また、中国で飲食業を行っていらっしゃる企業さんがいらっしゃるんですけれども、こちらの反応といたしまして、日本人が外出を控えているために客足が鈍ったですとか、一部の食材が入ってこないものが出てきていて困っているというような影響も出ております。  その他、中国との取引がある企業さんも含めたところで聞き取りを行いましたところ、例えば、有田焼で中国展開を図っていらっしゃる企業さんは、九月末に上海で予定されていました販売促進のための催事が中止になったということをお聞きしております。また、中国でアルミ製品の現地加工をなさっていらっしゃる企業さんでは、念のため社長さんが出張をキャンセルされたというようなことで、一部で影響があったり、慎重な判断を行っていらっしゃるとの声を聞いたところであります。 90 ◯向門委員=そうすると、現在、県内企業が進出をしているところもありますし、約一年間の取り組みで、これから中国へ進出しようとか、あるいは取引をしようとか、そういった企業とか個人的な方もいらっしゃると思うんですけれども、今回の事案を受けて、やはり二の足を踏むというか、もう一度、再考せざるを得ないとか、そういったいろんな判断もされるかと思うんですね。  今あるところは、もういずれにしても現地で企業を起こして、会社として経営している以上、どうしようもないところがあると思うんですけれども、これから、例えば、出ていこう、進出しようとするところに対しては、今回の情報を通じて、やっぱりきちんとした説明といいますか、どうしたらいいのかというのは、やはり事務所をつくって県の行動計画としてやろうとするからには、やっぱりきちんとした説明が必要かと思うんですよね。  今後、中国でビジネスに取り組もうとされている県内の企業に対して、県としてどのような支援といいますか、そういったものをお考えになられるのか、お尋ねをいたします。 91 ◯玉島国際戦略推進監=中国進出等を考えていらっしゃる県内企業に対する県の支援についてお答えさせていただきます。  先ほど申しましたように、県内企業さんで既に中国に出ていらっしゃるところの反応としましては、しばらく時間を置いて、事業をしっかり進めていこうですとか、こういった問題でその事業自体の方向性が変わるものではないとおっしゃる声もある反面、一部の企業では、これから通関とか厳しくなるので、表面的なデモとかは収束するだろうけれども、水面下ではさまざまな問題が長期化するのではないかというような、そういう御懸念を、危惧を抱いていらっしゃる企業さんも確かにございます。  今回の尖閣諸島問題によりまして、県におきましても見本市の出展事業ですとか経済ミッションの派遣を中止せざるを得なかったことなど、私自身としましても、中国との事業に伴うリスクを改めて認識したところでございます。  一方で、先ほど申しましたように、県内企業さんの反応のとおり、これからも世界の市場としまして中国の存在感というのは一定のものがあり、ビジネスチャンスを求めて事業展開を行いたいという県内企業さんもこれから多いかと考えております。  今後の県内企業の中国ビジネス支援に当たりましては、今回のように政治的なリスクに起因しますさまざまな経済制裁的な、通関ですとか税制、あるいは規制基準が非常に厳格化されるなど、そういったもろもろのリスクが考えられますことから、今現在行っています平常時における、例えば、商習慣の違いですとか、複雑な法体系に関することなど、いわゆるビジネス上の情報提供に加えまして、これまで以上に危機事象発生時における中国の現地情報や、あるいは専門性の高い情報の提供が求められると考えております。  このため、瀋陽、香港、上海デスクのそれぞれの各拠点の活用はもちろんですけれども、現地の地方政府、省政府ですとか市政府からの便宜供与や情報提供を受けたり、在外交官、あるいはジェトロなど貿易振興機関との連携を強めること、あるいはリスクマネジメントとしまして、三井住友海上など損害保険会社との連携など、より緊密なものとしまして、信頼性と専門性の高い情報の提供に努めていく必要があると考えております。  また、中国でのビジネス支援の取り組みとしては、先ほど申しました情報提供に加えまして、やはり企業の方御自身が実際に現地に赴いて、みずから体感して判断していただくということが何より大事なことかと思われますので、上海デスクによる同行出張や海外事務所の同行訪問を行いますほか、商工会議所連合会や佐賀銀行などと連携しまして、現地での見本市の出展や商談会の開催などについても継続して取り組んでいきたいと考えております。 92 ◯向門委員=先ほど答弁の中で、特にビジネス情報の商取引とか、いわゆる特許の問題とか、そういった中国との取引で難しい点といいますか、そういったことが今まで多かった。俗に言う、慣習的に、よくだまされるといいますか、そういったことについて、やはり精通していかにゃいかんというふうな話がある中で、今回の事案を見ると、やはり危機管理ですよね、そこまでやはりきちんと情報提供をしていかなければならない。特に、デモがこれからどれだけ起きるかは、ちょっと僕らも想像がつかないんですけれども、そういった今回のデモみたいなときにどうしたらいいのかというのを、やはり速やかに県内の、県内といいますか、県が携わった方々には情報提供していかなければならないんじゃないかなと思います。  これもちょっと先ほどの「日経グローカル」という雑誌の中からだったんですけれども、自治体が中国事務所に今どれだけ出されているかというのが書いてあって、佐賀県が特別に今回行くんだなというふうに、ちょっと思っていたんですけれども、そうでもなくて、実際に各事務所をつくられているのが三十六都道府県の八政令市だそうですね。で、五十五カ所にそれぞれの自治体の事務所が設けてあるというのが書いてあって、北海道から青森から、各県がずっと、上海や大連やハルビンとか、いろんなところにも出してあって、恐らく、それぞれの事務所がそれぞれに今回の問題を危惧されているんじゃないかなというふうに思います。  その中で、ちょっと通告していなくて、大変恐縮なんですけれども、この事務所の形態を見てみると、何と言ったらいいですかね、栃木県香港事務所、例えば、書いてあると、日本貿易振興機構と共同でやられたりとか、石川県も日本貿易振興機構と共同で事務所を持たれてあるとか、いろんな事務所の形態があるみたいなんですね。  佐賀県の瀋陽代表事務所については、公益財団法人佐賀県地域産業支援センターと運営形態が共同ということになっているんですけれども、公益財団法人佐賀県地域産業支援センターと共同で事務所を持っているということについては、私、ちょっとこの雑誌を見て初めて知ったんですけれども、これはどういった形態なんですか。 93 ◯玉島国際戦略推進監=中国におきましては、日本政府以外の地方政府というのは、基本的にその名義で事務所を持つことができなくなっておりますので、佐賀県の場合ですと、中小企業の振興という観点から、地域産業支援センターと共同で出すという形をとっておるところでございます。 94 ◯向門委員=事務所の形態を直接自治体が、いわゆる中国の政府になるのかな、中国と契約ができないので、公益財団法人佐賀県地域産業支援センターと契約しているということなんですけど、実際、共同運営のパートナーとして、いわゆる日本貿易振興機構とかとすると、多分、より情報が入ってきやすくなるんじゃないかなと思ったりしたんですけれども、実際、瀋陽に事務所を佐賀県地域産業支援センターで共同運営をされている中で、例えば、ジェトロとか、そういったところとうまく機能といいますか、連携といいますか、そういったものはとれるんですかね。 95 ◯玉島国際戦略推進監=ジェトロにつきましては、遼寧省ですと瀋陽には事務所はございませんで、大連のほうにございます。大連のジェトロ事務所とは連携をとりながら事業を進めております。 96 ◯向門委員=ちょっと済みません。話がちょっとそれたんですけれども、要は、いかに県の事務所が事務所として中国の、そういった国が持つ出先機関とかとチャンネルを持って情報収集できるかということだと思うんですね。  先ほどのお話からすると、まだまだ、やっぱり情報が不足しているんじゃないかなというのを感じるんですよ。というのも、僕もちょっと上海のほうに行かせてもらう中で、ある方とお会いさせていただいて、メールが来るようになったんですけれども、やはり「佐賀牛」とかおいしいのに、なかなか知られていなかったというふうな、「南風」でしたっけ、「南国風」でしたっけ、雑誌の方からそういうメールの配信といいますか、メルマガといいますか、そういうのが来ていて、まだまだやっぱりそういった市場もあるんだなと。黒川温泉とか、そういったことも書いてあったりして、なかなか、今後とも中国にビジネスチャンスというのはあるんじゃないかなという中での今回の事件でした。  そこを見ると、やはり大手の中国の旅行会社さんは日本に行くことに対するキャンセルも多々起きているということも出ていましたので、その辺はやっぱりいかに精査をして、今後きちんと佐賀県の中国への進出していくかということを検討していかなければならないというふうに思うんですけれども、実際観光面といいますか、向こうから来る分とこっちから行く分とあると思うんですけれども、その辺の分析は今のところ、どういうふうにされていますか。 97 ◯熊崎観光課長=観光面での現状をどういうふうに分析するかということかと思います。  まず、国レベルでは、中国の国家レベルのほうは、渡航禁止等の措置は行っておりませんけれども、注意喚起情報ということで発出をされております。  あと、委員のお話もありましたけれども、大手の旅行社が訪日旅行を全面的にとめているというような情報も入っておりますし、そういう情報が今入っておりまして、相当大きな影響があるのではないかというふうに認識をしております。 98 ◯向門委員=今の段階で、この事件が終息したとは思えないので、まだまだ、デモはおさまったかもしれないですけれども、政治的な交渉というか、政治的に今後もいろんな複雑な問題が続いていくと思いますし、それに伴う経済もいろんな支障を来していくと思います。  今段階で結論といいますか、最終的な報告というのはできないと思いますので、現段階ではここまでしかお話しできないと思うんですけれども、ある程度きちんとした形で、この事件が終息した際には、今回のことをきちんと総論というか、まとめて、今後の中国に対する支援のあり方というのを、やはり一回きちんと見直したほうがいいんじゃないかなというふうに思います。  僕も紹介いただいて、僕の知り合いの方が上海に行って、取引を始めようかという段階で、おととい、お話ししたんですけれども、やっぱり常にの契約といいますか、契約の常態化って、やっぱりできないのかなって、その都度その都度の契約というか、そこでやらないと、ずっと年契約というか、完全な取引、契約とすると、こういったときにとめられたら、今度仕事ができなくなるなということも言っていたので、いずれにしても、今後、政府初め経済界、あるいはそういったところの動きの中で、佐賀県もどうしていくかという検討になると思うんですけれども、そういったまとめといいますか、総論的というか、最終的な事案について、もう一度検討をきちんとしていただきたいと思いますので、そこはまたよろしくお願いしたいと思います。  今、中国の話をしていましたけれども、そもそも国際戦略は中国だけが対象じゃないと思いますし、東アジアを主たるターゲットと位置づけていたと思います。今後、中国を初めとする国際戦略について、県の国際戦略を今後どのように考えていくのか、お尋ねをいたします。 99 ◯玉島国際戦略推進監=県の今後の国際戦略についてお答えいたします。  今回の尖閣諸島問題のように、日本と中国との間では、隣国であるがゆえに今後も国家レベルでの緊張関係が高まる事態が発生し得るということを改めて認識しておく必要があると考えているところでございます。  ただ、経済面で言えば、中国は日本にとって輸出入とも最大の貿易国でございまして、今後も一定の成長を続ける有望な市場であることも変わらない事実でございます。  こういったことから、仮に国家レベルで緊張関係にあっても、地域レベルでは、経済面に加えまして、人や文化の交流といった地域同士の交流を重ねていくことで、地域レベルならではのより強固な信頼関係の構築を図っていくことが重要であり、このことがひいては佐賀県の将来の発展につながると考えております。  こうしたことから、引き続き県の国際戦略に基づき、まずは中国を初めとする東アジアを主たるターゲットと位置づけまして、このエリアの活力を県に取り込むようなさまざまな活動に取り組んでまいりたいと考えております。 100 ◯向門委員=そうすると、ほかの東アジア地域としては何か考えてあることってあられますか。 101 ◯玉島国際戦略推進監=中国以外のアジアについてでございますが、例えば、流通分野でございますと、東南アジアの有望性を十分認識しておりまして、香港はもとより、シンガポールにおきまして「佐賀牛」、イチゴ、ミカンといった農産物の販路を開拓しているところでございます。  さらに、東南アジア各国でも市場調査を行っておりまして、昨年度はタイとベトナムで実施をいたしました。今年度はインドネシアで実施する予定でございます。  こうした販路開拓に加えまして、人的な交流としまして、平成二十三年度からマレーシア大使館に県職員を派遣しております。また、来年度からは新たにジェトロですとか、クレアといった政府系の機関への派遣という形で、インドですとかシンガポールに職員を配置することとしており、中国以外のアジア各地にも人的な関係構築と現地の情報収集に努めているところでございます。 102 ◯向門委員=今、御報告がありましたけれども、やはり中国の人口の十三億人でしたっけ、の市場の魅力というのは、もちろん物すごくあると思うんですね。そこについて、指をくわえて黙って見ておく必要はないと思いますし、進出というか、販路開拓していくのはわかるんですけれども、やはり一辺倒じゃ、この中国という国は厳しいのかなというのはあります。  先ほど話があったように、東アジアのベトナムやマレーシアやシンガポールやタイや、そして今注目されているミャンマーとか、いろんな東アジアの地域も開拓ができる基礎といいますか、そういうのも出てきたと思いますので、今後も多分、進出企業の主たるターゲットが中国であったものが、あるいはベトナムとかマレーシアとか、そっちのほうにもリスクを分散するという形で、企業の進出も変わっていくんじゃないかなというふうに思います。  そういった中で、佐賀県内の企業に関しても、今度は中国だけではなくて、やはりマレーシアやタイやミャンマーといったところにも目を向けていく必要もあろうかというふうに思いますので、別に中国をやめろじゃなくて、そういったところも視野に入れた中の企業進出といいますか、佐賀県の物の販売も含めた中でやっていくことも今後考察すべきじゃないかなというふうに思いますので、この分野について、国際戦略統括監に最後お伺いいたします。 103 ◯白井国際戦略統括監=まず、今回、事務所を設けさせてもらいまして、本当に、一昨年の尖閣の事故がありましたけれども、あの当時もいろいろ経済制裁とかありましたけれども、またデモとかありましたけれども、実際、やっぱり現地に行っている人がいるゆえに、いろんな情報が入ってきまして、そういう意味では、今回のほうがちょっと厳しい情勢でありましたけれども、比較的安定した情報を出すことができました。  そういうことで、中国に関しては、今回のことが済みましたら、きちんとした総括をしたいと思いますし、また御報告もしたいと思っております。  まさに、おっしゃっていただきましたように、そういう中国ではありますけれども、いろんな情報をまた集めて、皆様方に提供しながら、私たちも成長していきたいと思っていますし、全体として、佐賀県全体の経済がこういう形で海外に安心して進出できるようにしていきたいと思います。  特に東南アジアに関しましては、先ほども御答弁申し上げましたように、いろんな形で人的な構築を今図ろうとしております。当然ながら、「佐賀牛」もシンガポールで二店舗だったのが、ことし十二店舗になりました。どんどんどんどん拡大もしておりまして、いろんな意味で農畜産物の輸出に意欲をお持ちの方々がたくさんいらっしゃいます。その中国、製造業の世界でいいますと、人件費の問題もありまして、どんどんどんどん東南アジアのほうに、いわゆる製造業という意味では移転をしていらっしゃる企業さんもあります。佐賀県はまだですけれども、全国的にはそういう状況もあります。いろんな意味で東南アジアは注目されているところでありますから、その戦略に基づいて、しっかりと東南アジアに関する、その取り組みもやっていきたいというふうに思っております。  いろんなことにつきまして、私たち、海外に対する取り組みは、これからもますます引き続き頑張っていきたいと思っております。 104 ◯向門委員=今回の問題を機にして、さらに、それこそ東アジアの他の地域の国と手を結び合って発展をすることによって、逆にまた、変な意味、国会じゃないですけど、中国に対してプレッシャーもかかっていくと思いますので、マレーシア含めた東南アジアとも今後とも連携をとってやっていただきたいと思います。  次の質問に入らせていただきます。  ハローワーク特区についてお尋ねをいたします。  さきの一般質問でも出ておりましたけれども、私のほうからもう少し詳しくお聞きをしたいと思いまして、質問させていただきたいと思います。  県内の雇用情勢については、有効求人倍率が直近の七月で〇・七五倍と、緩やかな回復基調にあるものの、やはりなかなかまだ県民の多くが仕事につくことができず、厳しい状況にあるというふうに思っております。  このような中で、県において八月三十日に、厚生労働省との間にハローワーク特区協定が締結をされました。いよいよ十月からと聞いておりますが、ハローワーク特区に取り組まれるというふうに聞き及んでおります。  ハローワークは、公共の職業安定所として県民の雇用と企業の人材確保を支える重要な役割を担っておりました。国は、こういった問題について消極的であったと思いますが、国との間で、今回このような締結が結ばれた中で、県民がハローワークに求めるのは、利用者目線による、よりよいサービスの提供と就職の実現であると考えます。  まず、ハローワークと県が締結を結ばれました。その中で勉強会でも資料をいただいておりますが、さまざまなことについてやられるのだろうというふうに思っています。  そこで、まずお尋ねをしたいのは、今回の特区ですね、ハローワーク特区について、特徴的なものの一つとして人事交流があると思います。人事交流をされるということでありますけれども、まずは人事交流の目的についてお尋ねをいたします。  特区では、県とハローワークの間で人事交流を行いますが、国の出先機関と県の間における人事交流は余り例にないと思いますが、今回あえて人事交流を行う目的は何なのか、お尋ねをいたします。 105 ◯西雇用労働課長=人事交流の目的につきましてお答えいたします。  ハローワーク特区につきましては、ハローワーク佐賀を県知事、いわゆる県のほうが主導しまして運営することによって、国と県の雇用対策等を一体的に実施し、地域住民の皆さんの利便性の向上、それから行政のといいますか、事務事業の効率化を図るという取り組みでございます。  こうしたものを円滑に実施しまして実のあるものとするためには、まずは私ども県のほうがハローワーク佐賀の業務の内容でありますとか、職員の意識、利用者の反応、こういった現場の状況を知る必要がございます。  それから、逆に、国のほうにつきましても、県の政策の方針でありますとか、意思決定の仕方、あるいは関係機関との関係等につきまして、十分に相互が理解する必要があると考えております。  特に、ハローワーク佐賀の現場の実態を知るためには、この間の佐賀労働局なりとの協議の中で、いろんな情報もいただきまして、私どもなりに外からいろんな状況はできるだけ掌握はしておりますけれども、やはり本当の実態というものは現場の中に入ってみないと見えない部分があります。特に、職員の意識でありますとか、意思決定の仕方でありますとか、そういったことはやはり現場に行かなくては、なかなか把握することは難しいと、こういうことから、県のほうから厚生労働省に対しまして、相互に人事交流を行うことを提案し、合意を得まして、このたび県とハローワーク佐賀の間で交流を行うということにいたしたところでございます。 106 ◯向門委員=そうすると、人事交流の内容についてお尋ねいたします。  特区協定の第四条において、必要な範囲で人事交流を行うと規定されておりますが、人事交流の規模、ポストについてどのように考えてあるのか、お尋ねをいたします。
    107 ◯西雇用労働課長=人事交流の内容についてお答えいたします。  人事交流を行うに当たりまして、県のほうとしましては、まず、県のほうから行く職員につきましては、ハローワーク佐賀の全体を掌握する必要があることから、そこを管理するポスト、並びに特区におきまして特に重点的に取り組もうということで考えております若年者、障害者、それから福祉の分野、こういった中で特に重点であると考えております若年者のところのポストに配置をしたいというふうに考えたところでございます。  ただ、一方で、余り多数の人間を県のほうから送ることによりまして、ハローワークの現場のほうが混乱することも避けなければならないということから、人数は必要最小限度とするという、こういった基本的な考えを持ちまして、国のほうと協議を行ってきました。  現在、来週十月一日に向けて最終の調整を行っているところでございますが、人事交流の規模につきましては二名、それから交流するポストについては、県職員が行くポストはハローワーク佐賀の管理職のポスト、それから、先ほど言いました若年者の分の拠点でありますヤングハローワークの責任者に配置するということ、それから、労働局の職員につきましては、同等のポストということで、私ども雇用労働課内で受け入れるということで最終調整を行っているところでございます。 108 ◯向門委員=ハローワークからは雇用労働課に来られるというのは、何人来られるんですか。 109 ◯西雇用労働課長=今回の人事につきましては、交流ということになっておりますので、県のほうから二名、ハローワーク佐賀に行きまして、同じく二名が雇用労働課内に来るということで調整を行っております。 110 ◯向門委員=そうすると、県の職員がハローワークのほうに二名と、管理職とヤングハローワークの責任者ということですけれども、これはもう正式に決まったということでいいですか。まだ交渉中ですか。 111 ◯西雇用労働課長=正式には十月一日ということになっておりますので、まだ調整中ということになります。 112 ◯向門委員=ほぼ内定したということでいいのかなと思ったんですけれども。  そうすると、県の職員が管理職につくということなんですけれども、その管理職はどういったところの統括、管理をされるために、その管理職のポストにあられるのでしょうか。いわゆる管理職のポストはどういったところなんですか。 113 ◯西雇用労働課長=お答えいたします。  ハローワークにつきましては、大きく分けまして求人、あるいは雇用保険等の企業を相手にします事業所部門と、求職者の方々を相手にします業務部門と、大きく分けてこの二つがありまして、今回、特区におきましては後者のほう、求職者を相手にする業務部門のほうを対象としております。  したがいまして、そちらの求職者の業務部門のほうを統括する管理職のポストに県職員を送るということで調整を行っております。 114 ◯向門委員=いわゆる二つのポストがあって、管理部門と求職部門と。で、管理部門については、いわゆる雇用保険とか、そういった企業の、そういう雇用保険、労働的な管理をする部門と、いわゆるハローワークの求職者、求職活動といいますか、そういったところを担当するところがあって、その担当するところの管理ポストに行くという、求職するところのポジションに行くというところであります。はい、わかりました。  そうすると、二名の方が行かれて、二名の方が来られると。実際に二名の方が行くことによって、県内の就職に関してどのような効果があらわれるかというのが、今回の特区の特徴になってくるんだと思います。  一般質問でもあっておりましたけれども、特に、この特区協定の第二条の、若年者の就労支援、障害者の就労支援、福祉の就労支援というのが福祉事務所での就労支援ですね、これが協定に基づく指示として、知事から佐賀労働局長にされるものだと思います。  そこで、各項目についてお尋ねをさせていただきます。  まず、若年者の就労支援についてですけれども、若年者の就労支援については、現状においてどのような課題があると認識し、この特区になることによって具体的にどのように取り組もうとされているのか、お尋ねをいたします。 115 ◯西雇用労働課長=若年者の就労支援についてお答えいたします。  若年者の就労支援の拠点といたしまして、私ども県はジョブカフェ、それから国のほう、ハローワーク佐賀のほうはヤングハローワークというものをそれぞれ設置いたしております。  この二つの施設は、御承知とは思いますけれども、佐賀市白山の民間ビルの二階、同じフロアに併設を開設当初からされておるわけでございますが、運営主体が県と国と双方分かれている、指揮命令系統も別々だということもありまして、双方の連携が現状においては十分に図られていないということがあります。  このことによりまして、例えば、土曜日、これは県のジョブカフェのみあいて、ヤングハローワークは閉まっているとか、そういった開庁日の問題、それから、一番大きいと思っていますのは、求職者の方が御利用においでになったときに、その求職者に関しますいろんな聞き取りをする中でいただく個人情報といいますか、そういった情報が双方で聞き取りをされたりという二重の問題、それから、ずっと一定期間かけましていろんな支援をするわけでございますが、そういった支援記録が共有されていないということで、利用者にとっては二重の負担がかかったりという面もありますし、サービス面におきましても、効率性の面で非常に問題があると。  それから、カウンセリングのほかにも、就職に必要ないろんなセミナー等をやっておりますけれども、これについてもジョブカフェとヤングハローワークで双方で別々に企画立案して実施していると、こういった状況にあると、こういったことが課題ではないかというふうに認識をしております。  特区におきましては、この施設を県が一つの視点で一体的に運営するということを目指します。そのことによりまして、施設全体で提供いたしますサービスを改善するとともに、機能強化を図るために努力をしていきますけれども、当面、十月からは、まず先ほど言いました土曜日について、ヤングハローワークも新たにあけることといたします。それから、よりきめ細かな支援を行うため、新たにカウンセリングに担当制を導入します。そのことによりまして、一人の専門のカウンセラーがずっと特定の方のお世話を最後までやるというきめ細かな支援を実現したいと思っています。それから、情報の共有の徹底を図りまして、利用者への負担を軽減したり、あるいはサービスの向上を図ったりということ。それから、新たにチーム支援といいまして、ジョブカフェ、それからヤングハローワークのそれぞれの相談員、それから一階のほうにニートの若者たちを支援する、さが若者サポートステーションという施設があります。ここも加えまして、そういったなかなか就職することが難しいニートの皆さんの支援も含めて、チーム支援という取り組みを特区を契機に、新たにやっていきたいと、このように考えているところでございます。 116 ◯向門委員=今、説明がありましたけれども、これまでよく聞いていましたけれども、ジョブカフェにおいては求人カードといいますか、そこの紹介ができないと言われていましたけれども、今回、このように特区になることによって、ジョブカフェとヤングハローワークが一緒になるということだと思うんですけれども、そういったことまでできるようになるんですかね。 117 ◯西雇用労働課長=お答えいたします。  職業紹介の権限につきましては、職業安定法に基づきまして、ハローワークの職員、国の職員しかできないということになっています。今回の特区は、構造改革特区の場合は法改正をして規制緩和をするということでやりますけれども、今回のハローワーク特区につきましては、そういった法改正は行わないということで、法体系はそのままです。したがいまして、職業紹介の権限は、従来どおりヤングハローワークでしか行えないという中で、いかに連携を図っていくかということで取り組んでまいります。 118 ◯向門委員=済みません。ちょっとわからないんですけど、ヤングハローワークというのは、今現在、ハローワークで何人ぐらいの職員さんがいらっしゃるんですか。 119 ◯西雇用労働課長=お答えいたします。  ヤングハローワークには、ハローワーク佐賀の職員が一名、それから、非常勤嘱託ですけれども、相談員が十名の十一名体制となっております。 120 ◯向門委員=県がやっていたジョブカフェは、職員さんは何人ぐらいでやっていましたか。 121 ◯西雇用労働課長=お答えします。  ジョブカフェにつきましては、相談員等全部入れまして十三名で運営をしております。 122 ◯向門委員=そうすると、簡単に統合したとして、ハローワークの職員が一名と、ハローワークの相談員が十名と、ジョブカフェで十三名でやっていたので、トータルで二十四名。二十四名のうちに、就職先を紹介できるのはハローワークの職員の一名だけということになるんですか。 123 ◯西雇用労働課長=お答えします。  職業紹介の権限がありますのは、ヤングハローワークの職員一名と、相談員、非常勤嘱託でありますけれども、この方々もハローワークの職員になりますので、十一名が職業紹介の権限を有するということになります。 124 ◯向門委員=そうすると、ジョブカフェの十三名も、統合されて、こちらの組織の中に入るということになるんですか。それとも、組織としては別々で運営をされるということなんですか。 125 ◯西雇用労働課長=お答えします。  今回の取り組みにつきましては、国のヤングハローワークはヤングハローワークとして、県のジョブカフェはジョブカフェとして、それぞれあったままに、実態的に、実質的な一体的運営を目指すということですので、ジョブカフェの職員がヤングハローワークの中に入り込むというようなことではございません。  利用者の視点で、受け付けからカウンセリングを通しまして、最終的にはヤングハローワークの窓口で紹介状を発行していただいて、そして面接して、就職に行くという流れになるわけですけれども、今まではヤングハローワークの窓口、その紹介状をもらう窓口とジョブカフェのカウンセリングのところで、同じようなことを聞いたりしていたわけですね。そういったことを避けて、カウンセリングについてはジョブカフェのカウンセリングコーナーでやると、最後のヤングハローワークのところは、もうジョブカフェでやったことはやらずに、権限をそこしかありませんので、職業紹介、いわゆる紹介状を切る、そういった行為だけはヤングハローワークでやるというふうになります。 126 ◯向門委員=そうすると、先ほど一名の職員は管理職のポストとして、一名がヤングハローワークのほうのポジションに一名、こちらから行くということだったんですけれども、その人の役割はどういった役割になるんですか。 127 ◯西雇用労働課長=お答えいたします。  ヤングハローワークの責任者として配置されます県職員の役割でありますけれども、そのものはヤングハローワークの実質的な現場の責任者になりますので、ジョブカフェ、ヤングハローワーク、あの施設に訪れた若者のずっと、いろんなコーナーに、カウンセリングに行ったり、求人検索コーナーに行ったり、あるいはヤングハローワークの窓口に来たりということで、窓口ごとにいろんな繁忙の差が出てまいりますので、そこをジョブカフェの側の責任者と話し合いながら、全体をうまくマネジメントしていくというような役割が出てこようかと思います。 128 ◯向門委員=そうすると、県の職員として行く方には職業の紹介の権限はないということになるんですよね。 129 ◯西雇用労働課長=お答えいたします。  今回、ハローワーク佐賀に行きます二名の県職員につきましては、県を退職いたしまして、ハローワークの職員、いわゆる国家公務員という身分をもって行きますので、職業紹介の権限は有するということになります。 130 ◯向門委員=そうすると、県の職員を退職して、国の職に一時的になるという形として、県から行った職員が実際に会社を紹介する権限を持った形で向こうに行くということで、再度、よろしいですか。 131 ◯西雇用労働課長=そのとおりでございます。 132 ◯向門委員=そうすると、その行かれる方のマネジメント次第によって若年者の就労支援を大きく左右される、つまり相談員とヤングハローワークの県職員とうまくマネジメントして、きちんとした形でやれるポジションに行くというふうなことだと思いますので、その人の、まあ、プレッシャーをかけちゃいけないですけれども、いかんによって大きく、この成果が問われるのかなというふうに思いました。  続いて、障害者の就労支援についてお尋ねをいたします。  障害者の就労支援については、現状においてどのような課題があり、具体的にどのように取り組もうとされているのか、お尋ねをいたします。 133 ◯西雇用労働課長=障害者の就労支援につきましてお答えいたします。  障害者につきましては、まず、県のほうでは健康福祉本部の就労支援室において取り組んでおりますが、就労支援コーディネーターを、今年度でありますと二名ですけれども、配置をいたしておりまして、企業を訪問しての求人開拓でありますとか、就職を希望する障害者、いわゆる求職者と事業所とのマッチング等に取り組んでいるところでございます。  一方、国におきましては、ハローワークが中心となりまして、福祉施設でありますとか、障害者職業センター、こういった関係機関と支援チームを設置されております。このチームによりまして、福祉施設等で働きながら、いわゆる一般就労を希望されている障害者の方々の就労支援を行っておられるところでございます。  しかしながら、現状におきましては、こうした県とハローワークの間で、こちらの分野も情報共有が十分になされておりません。それと、ハローワークが中心になってやられています、先ほど申しました支援チームに実は県が参画していない、県が入っていないという問題があります。それから、チーム支援によります一般就労への移行の実績が余り上がっていないと、こういった課題があるところであります。  こういった中で、特区におきましては、まず、県とハローワーク佐賀の間での、求職でありますとか求人開拓のための企業訪問、あるいはマッチングのための企業訪問、こういった情報の共有化をまず図ることといたします。  さらに、チーム支援に県が新たに参画することといたしまして、その上で県が支援対象者に関します情報を一元的に管理し、支援の進捗状況を管理することによりまして、就労支援移行事業所から一般就労への移行実績を上げていきたいと、このように考えております。 134 ◯向門委員=わかりました。  次に、福祉事務所関係の、福祉から就労へについて、現状についてはどのような課題があると認識をされているのか、いわゆる福祉事務所ですから、生活保護等の関係者の方とか、そういった就労支援ですね、と具体的にどのように取り組もうと考えてあるのか、お尋ねをいたします。 135 ◯西雇用労働課長=福祉から就労へにつきまして、福祉事務所等におきます就労支援につきましてお答えいたします。  まず、現状、福祉事務所のケースワーカーが生活保護を受給されておられます方のうち、医師の診断等によりまして、この方は働く能力があると診断された方を対象に就労指導をいたします。  よくあるパターンとしましては、ケースワーカーが家庭訪問をし、働いてくださいと指導します。で、ハローワークに行って求職活動をしてくださいと、こういったことでやっているわけですけれども、その生活保護を受給される方が実際ハローワークに行ったのか、行って、どれだけ積極的な活動をされたのかということが直接、ケースワーカーが十分には承知できていないというのが現状にあるわけです。  こういった中で、特区におきましては、そういったことを解消するために、生活保護を受けている方々がハローワークにわざわざ行くことなく、市役所の中で職業紹介、あるいは職業相談等のサービスを受けられるようにしたいというふうに考えております。  具体的には、ハローワーク佐賀の相談員を定期的に管内の市役所に巡回させまして、福祉事務所等の現場においてケースワーカー同席のもと、職業紹介を行いたいということで考えております。  現在、地域福祉課のほうで、市及びハローワーク佐賀のほうと具体的な実施方法、巡回の頻度でありますとか、どの場所でやるかという最終的な詰めを行っているというふうに聞いております。 136 ◯向門委員=ちょっと確認なんですけど、ハローワーク佐賀の管轄における福祉事務所、福祉事務所は市に置かれると思うんですけれども、ハローワーク佐賀の管轄の市というのはどういったところがあるんでしょうか。 137 ◯西雇用労働課長=お答えします。  ハローワーク佐賀管内は、佐賀市、多久市、小城市、神埼市の四市でございます。 138 ◯向門委員=ずっと、その四市それぞれの福祉事務所が今回の事業についてハローワーク佐賀と協議を進めていただいているというふうに考えてよろしいでしょうか。 139 ◯西雇用労働課長=お答えいたします。  ハローワーク佐賀管内の市、町については、先ほど申し上げた四市でありますが、このうち佐賀市につきましては、八月から一体的実施という厚生労働省の事業を活用されまして、独自に市と労働局で協定を結ばれまして、市役所内の保護課の一角に相談窓口を設けられ、そこにハローワーク佐賀の相談員が二名常駐するという独自の取り組みをされておりますので、今回の特区におきましては、佐賀市を除く、多久、小城、神埼市を対象としているところであります。 140 ◯向門委員=わかりました。  続いて、その他の取り組みについてですけれども、県と国が協議し決定した事項との規定がありますけれども、規定をされました若年者、障害者、福祉から就労へ、これ以外に、このほかにどのような取り組みを考えていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。 141 ◯西雇用労働課長=その他の取り組みにつきましてお答えいたします。  これにつきましては、現在、国のほうと実施に向けてまだ協議中ということで確定はしておりませんけれども、県といたしましては、二つの取り組みをやれないかというふうに考えております。  その一つが、職業訓練の効果を上げるための職業訓練に対する求職者への情報提供の充実であります。  職業訓練につきましては、二つの訓練がございます。一つが、雇用保険の受給資格のある方を対象といたしました委託訓練というものです。これについては、全て県のほうで企画立案をし、実施をしております。もう一つが、新たに国のほうで求職者支援訓練というものが、第二のセーフティーネットということで、昨年ですかね、つくられまして、これについては労働局のほうで企画されていると。この二つの訓練があるわけですけれども、この二つ、いずれも、実はハローワークのほうで求職者の方は受講指示を受けると、受けなければ受講できないという仕組みになっております。  ここで、特に私ども県のほうが企画立案します委託訓練の内容、それからそれぞれの訓練のレベルといいますか、難易度、そういったものをハローワークの窓口担当者が十二分に把握をした上で、それぞれ求職者の方に最も適したコースを紹介、あっせんすると、このことが訓練の効果を上げ、途中でリタイヤする方を防ぐということにつながると思っておりますので、そういった求職者への訓練に関する情報提供の充実を一つ盛り込めればというふうに考えております。  もう一つは、ハローワークは、雇用保険でありますとか、あるいは求人受け付け、こういったものを通しまして、管内のほとんどの企業と接点を有するという特性を持っております。  この特性を活用いたしまして、例えば、私ども県でありますとか、あるいは市、町、そういったところが企画立案しますさまざまな企業向けの事業や施策、あるいはイベント等、こういった情報をハローワークを通じて企業に情報提供していくと、こういったことを考えておりまして、これをぜひやりたいということで今、国のほうと協議を行っているというところであります。 142 ◯向門委員=わかりました。  それでは、最後に、特区の指標と目標についてお尋ねをします。  全国で佐賀県と埼玉県の二県で実施されますこの取り組みが、県内ではなくて全国各地から注目をされると思います。実施に当たっては明確な目標を立てて、効果や課題もきちんと評価、検証することが大事であると考えます。  その点についてどのように考えているのか、お尋ねをいたします。 143 ◯西雇用労働課長=お答えいたします。  委員御指摘のとおり、特区の実施に当たりましては、しっかりとした明確な目標を立てまして、その進捗状況なり効果、あるいは課題等をしっかり検証し、取り組んでいくことが大事であるというふうに認識をしているところであります。  協定の第二条におきまして、こういったものを含みました事業計画というものを毎年度策定するということが規定をされておりまして、実はもう今年度は、来週、十月一日を迎えますので、今週中というのが期限になりますけれども、今年度分の事業計画につきまして今週中に取りまとめるべく、現在、労働局と最終調整を行っているというところであります。  この事業計画につきましては、若年者、障害者、福祉から就労へ、この重点項目ごとに成果指標と目標をあらかじめ立てて、目標達成に向けて取り組み、検証していくというふうに考えております。  この事業計画等の進捗状況の管理でありますとか、評価につきましては、協定の規定によりまして、県と佐賀労働局の関係課長等で構成します連絡調整会議というものを置くことになっておりますので、そういったところを定期的に開催しながら、きちっと評価、検証し、あわせて定期的に県議会、並びに全国知事会等にも報告をしていくということで考えております。 144 ◯向門委員=最後ですけれども、何が大事かといったら、やはり県内の就職に困っている方にいかに就労をあっせんできるかというのが一番大事だと思いますので、その視点を失わないことと、もう一つは、今回、県とハローワークで人事交流を始めるわけですけれども、お互いの摩擦があって、お互いの足の引っ張り合いとか、そういったことにならないようにお願いをして、最後、質問として終わります。  以上で終わります。 145 ◯稲富委員=それでは、産業常任委員会最後の質問をさせていただきます。  今回、私がこの委員会で質問をさせてくれと言ったら、篠塚委員も「私もしたい」と言われました。それでも、「私に質問をさせてください」ということで質問をさせていただいております。なぜかというと、武雄市でも、佐賀県全部でも、私が市議会議員になる前から圃場整備に取り組んでおりました。その圃場整備の償還がほとんど終わっています。武雄市では北方町の一部が残っているだけです。  それで、皆さん方、御案内のとおり、今は県土づくり本部と言っておりますが、土木部と言っていたでしょう。そして、おたくたちは農林部と言っていたでしょう。その組織の変更があったときに、なぜこうするんだろうか、前のとおりでなぜいけないんだろうかと、私は、ない頭で考えていました。そうすると、こういうことに気づいたわけです。  要するに、圃場整備やなんやかや、あるいは国営の土地改良事業及び水資源開発事業に対する負担金、そういうのが、がたん、がたんと減っているわけです。あるいは起債償還額の推移を見ても、災害分を除けば、がたん、がたんと減っているわけです。そうすると、古川知事は農業関係の予算を公共事業に、有明海沿岸道路とかなんとかに持っていこうと思って一緒にしたのかなと、こういうふうな論法に独断で至ったわけであります。  そして、一方、私の選挙区であります武雄市内のお百姓さんをゴキブリみたいに回って歩くと、いろいろとしなければいけないことかあるじゃないかと。そういうことで、「篠塚先輩、質問を私にさせてください。」と言って、今回、質問の機を得たわけであります。  委員会に出席している県の皆さん方で、現在も家に田んぼがある、畑がある、私のおやじは百姓だったという方は何人おられますか。──こっち側はだれもいないんですか。  そしたら、こっち側の方にお尋ねですが、なぜ「百姓」と言うか、だれか答えてください。 146 ◯小野原生産振興部長=私見でございますが、農業という分野は、いろんなことを考えますと、例えば、圃場一つとっても、新しく土地を開発していくということになれば、山のほうであれば石積みを自分の手でやっていく。そういった中で棚田をつくる、あるいはミカン園を開発していくということがございます。それから、昔は鶏舎なり何なりをつくるにしても自分の手でつくる、あるいはハウス一つについても自分の手でつくっていくということで、農業という、物を生産するだけじゃなくて、いろんな技術といいましょうか、それを自分の手でいろんなことをやっていく。そういった意味で百能といいましょうか、そういう技術を持っているといいましょうか、そういうことでの百姓ということだろうというふうに個人的に解釈しております。  以上でございます。
    147 ◯稲富委員=私は、あっちこっちのお百姓さんに直に話を聞くと、いろいろとおもしろい話を聞くわけです。古い読み物によりますと、古代の日本では、お百姓さんは大御宝と書いてあるわけです。どういうことかというと納税者という意味なんです。  また、武雄の七十歳ちょっとの方が、「おい、稲富、百姓は百の種類の作物を一年間につくうとぞ、米、麦、大豆、小豆、大根、色とりどりつくるから百姓と言う」と言われました。なるほどなと思いました。  皆さん、「せんじゃ畑」ということを聞いたことがありますか。せんじゃ畑は、なぜ、せんじゃ畑と言うんでしょうか。 148 ◯御厨園芸課長=せんじゃ畑について、これも私なりの解釈ですけれども、「千菜畑」と書くことから、通常、せんじゃ畑というのは、一般的に自家菜園的なことを言っているのかなと思いますけれども、その中で多くの野菜を栽培しているというところから、せんじゃ畑になっているんじゃないかなと思っております。 149 ◯稲富委員=家庭菜園という意味ですよね。ところが、問題があるわけです。家庭菜園ということで自家消費をする野菜をつくっていて物産館に売りに行かれるわけです。昔は、お百姓さんは、自分の家で食べきれない分は市場に持って行かれていた。ところが、市場がなくなった。武雄周辺の者はどこに持って行っているかというと、鹿島に持って行っているわけです。唐津のように農業出荷額が多いところは市場が二つもある。武雄は市場がない。そうすると、どういうことになったかというと、山内町の道の駅とか、あるいは武雄の物産館とか、あるいはとてもいいトマトをつくったというと、ゆめタウンが売ってくれる、あるいは旬鮮市場が売ってくれる。そういうことで系統仕入れ、系統販売が壊れてきた。そういう中、農協も頭が痛いのですが、お百姓さんも頭が痛いわけです。  そういうところで、工業出荷額、あるいは農産物の出荷額、あるいは観光客の動態調査を私なりに調べてみると、県の予算が減っているように、今言ったものもずっと減っている。こういうふうなことを考えると、予算も減らすばかりが能ではないというふうなことを指摘をしておきたいと思います。  なぜ予算が減っているのかということで考えついたのは、私の近くにキュウリを一生懸命つくっておられるグループがあります。その前に、米の出荷額、麦の出荷額等ありますが、一番頑張っている野菜の、例えばゴーヤ、コマツナ、チンゲンサイ、キュウリ、タマネギというようなものの佐賀県全体の出荷額はどのくらいありますか。ついでに、アスパラ、バラについてもわかればお聞かせください。 150 ◯御厨園芸課長=野菜の販売額についてですが、JAの販売額全体で見ますと、ゴーヤは五千万円ぐらい、コマツナがまだ四百万円台、チンゲンサイが山内町を中心に頑張っていただきまして一億円、キュウリは施設キュウリの販売が県全体で二十三億円、タマネギは最近伸びておりまして、この数字は二十三年度の売り上げですけれども、五十八億円。昨年、タマネギは減りましたけれども、通常は六十五億円程度です。アスパラが二十五億円程度ということです。すみません、バラについては調べないとわかりません。 151 ◯稲富委員=今、課長から出荷額について答弁をいただきました。こういう中で天候とか、市場の動向とかいろいろなことに一番動かされるのが簡単にできる野菜です。ゴーヤは去年、抜群によかったんですよ。県の担当の方が知っておられるかどうかは知りませんが、昨年、東京の大田市場でゴーヤ一本の最高値段をつけたのはどこか、誰か知っていますか。──武雄の小田志の高田さんという方のゴーヤが、一本、二百円の値段がつきました。そうすると、この方が骨盤が外れるんじゃないかと思うくらいに働かれて、ことし、ゴーヤをつくられました。ところが、気温が低くて、ゴーヤの茎が、去年は大きかったけれども、今年はこのくらいしかなかった。そして、武雄と塩田のゴーヤはほとんど東京の市場に行っているらしいですけれども、栃木県とか埼玉県等で、ゴーヤが高いということでたくさんつくられた。そうすると、こっちから行くゴーヤは去年の半分の値段もしなかったというふうなことです。それで、価格が比較的落ち着いているのは、手間がかかる、そして、初期投資がかかるチンゲンサイとかキュウリでありまして、所得の維持、向上に貢献しているようであります。  それで、チンゲンサイ、トマトをつくっておられるところ、キュウリを一生懸命つくっておられるところを回ると、緊プロをする前の話でしょうが、農業指導員さんは、その当時、一カ月に二回ぐらい来られていたけど、今は何も来られないと。それで、「そういう人から習うことがあるんですか」と聞いたら、「ある」と言われます。「何を習うんですか」と言ったら、今、キュウリもバラもコンピューター化しているわけです。ハウスの中の湿度が幾らあるかとか、温度が幾らあるかとか、温度が低いからこういうふうにして加温しなければいけない等のプログラムをコンピューターに入れてしまっているわけです。コンピューターと配電盤か何かをつなぐと自動的に消毒液を噴霧するというふうなことになって、県職員の方にも、農業指導者の方にも、そういう話ができる人を育ててほしいと、こう言われるわけです。  そしてもう一つは、例えば、武雄でキュウリを二十人つくっておられるとすると、あの人は今時分、こういう失敗をされているだろうということがわかるということです。この季節になると、あの人のキュウリはこういう病気になっているなということがわかると言われるわけです。そうすると、同じキュウリをつくっている人が、「そがんすっぎんいくもんや」とは年が一緒ぐらいだったら言えないと。そこで登場しなければいけないのが県職員の皆さん方でございます、農業普及員ですよ。それを何人減らしていますか。私の地元の杵島農業改良普及センターで何人減らしていますか。 152 ◯溝口農産課長=お答えいたします。  杵島普及センターは、平成十六年には普及指導員、それから庶務の方も入れて二十名いらっしゃいました。その後、全体的に削減があっておりまして、その中で指導員も削減されて、今、杵島普及センターでは指導員は十五名ということになっております。 153 ◯稲富委員=四名は藤津普及センターと兼務と資料に書いてあります。そうすると、実際は何名減っているのか。なぜこういう話をするかというと、さっきも言ったように、技術的な指導をしてほしい。そして、今、施設園芸はコンピューター化しているから、そういうことがわかる人を育ててほしいと。そして、本当の技術指導をしてほしいというふうなことを実際にお百姓をしておられる人が言われる。  太良に、お父さん、お母さん、長男坊夫婦、そして娘夫婦まで太良に帰ってきてバラ栽培をしている人がおられます。そこは一〇〇%、コンピューター化しているわけです。そこを見に行かれた方はだれかおられますか。──コンピューター化しておられるでしょう。そういうところを県職員さんに、あるいは農業指導員さんに指導してほしいと。県職員さんの頭脳はこの辺になければいけないわけです、彼らからすると。そして、品質のいい、誇れる花をつくりたい、キュウリをつくりたいと思っておられるわけです。そういうふうなことで地域の所得の向上ということになれば、予算を減らすばかりが能じゃない、人を減らすばかりが能じゃないということを指摘しておきたいと思います。  そういう中で、お茶の話をします。西川登の庭木というところにお茶の団地があるということを県議会議員になって一年間知りませんでした。ある時、西川登の庭木の百姓さんから、「お茶の団地を見に行きましたか」と言われました。そしたら、「どこですか」と聞くこともできないので、市の担当の職員、市長と三人で庭木に見に行きました。見事な茶園でした。ところが、悲しい現実に行き当たりました。  どういうことかというと、そこでつくっておられるのは庭木の人ばかりと思っていましたが、嬉野から来てつくっておられるわけです。国から補助金等もらって、武雄市もそれなりの負担をしているのに、嬉野から来てつくっていいのかと思ったけれども、その茶畑を守るためには嬉野の人がつくってもやぶさかではない。反対に、引き受けてくださってありがとうございますとお礼を言わなければいけないような状況に私たちはなったわけであります。  その後、お茶をつくっておられる御夫婦の家に上がり込んで話をしました。そして、お茶の十アール当たりの作業時間とか、二月下旬には何をしなければいけない、九月は何をしなければいけないという作業工程表をもらって見てみると、だんじゃなか、働かなければいけないわけですよ。そして、その方が、「一番茶、二番茶合わせた売り上げが六十八万円だった。ところが、農協の口座から引かれたのが六十万円、手取りは八万円だった」と言われました。「これで今後、茶畑を存続していかんばいかぬというと、我が息子にもせろとは言いえんばい」と言われるわけです。  そういうふうな状況の中で、「どがんすっぎんよかなた」と聞きました。そうすると、自分たちはお茶をつくるばかりだから、国や県等の行政に、ああしてくれ、こうしてくれと言うことはない、これだけつくってもらったからと。今から二十年ぐらい前は米の三倍の値段がしているところがありました。米を一反つくるより、茶畑を一反つくったほうが三倍の売り上げがあった。ペットボトルのお茶が売れるようになっていいだろうと思っていたら、ペットボトルのお茶は品質の一番悪いお茶の葉しか使わないらしいですね、三番茶の次のお茶ぐらいしか。何もよくないらしいです。  そういう状況の中、茶畑を維持するためにどういう施策があるのかお尋ねしたいと思います。 154 ◯御厨園芸課長=お茶を取り巻く環境について、具体的な経営の状況を委員から紹介してもらいました。確かに、以前は十アール当たりの売り上げからいろんな経費を引いて十万円ちょっとぐらい所得が上がると言っておりましたが、最近、価格が伸び悩むというか、二、三年前が一番厳しかったんですけれども、そういうこととか、あるいは高品質茶の生産のために収量が落ちるというようなことから、手取りの所得が県平均で五万円とか七万円というふうに厳しくなっているというふうに認識いたしております。  このような中で、本県のお茶を今後振興していくためには、何と申しましても、消費者から求められる高品質なお茶を低コストで生産していくとともに、なお一層の需要拡大対策に取り組んでいく必要があるかと思います。  県では、生産者を初め、お茶の関係者、市町、JAなどと一体となりまして、まず、生産面では味や香りなどがすぐれた高品質で安全・安心なお茶づくりを推進するため、消費者ニーズの高いかぶせ茶、かぶせ茶は武雄地区は県内でも先進的に取り組まれておりまして、県平均で四割いくか、いかないかぐらいですけれども、八割以上で取り組まれております。こういったかぶせ茶の取り組み拡大、あるいは老齢樹の計画的な改植や、台切りといって根元の十センチぐらいのところで切って二、三年後にしっかりとした収穫を得るような手法がございますけれども、そういったものによる茶園の若返り、あるいは製茶技術の指導をきめ細かに行いまして高品質な荒茶の生産ということが必要かと思います。  また、生産性の高いお茶づくりを推進するためには、茶園の改良ですとか担い手への利用集積、あるいは乗用型の摘採機などの機械の共同利用ということが必要で、そういうことに関係者が一体となって取り組んでいるところでございます。  また、消費面では嬉野茶の需要拡大を図るために、いろんなイベント等でのお茶の試飲会ですとか、おいしいお茶の淹れ方教室などによる消費者へのPR、高品質な釜炒り茶ですとか紅茶など新たな商品づくりを若手の生産者を中心に行ってもらっております。こういうことにも取り組んでいるところでございます。  今後とも、こういった生産から販売にわたる取り取り組みを強化して、厳しい状況にはございますけれども、できる限りお茶の振興に努めてまいりたいと考えております。 155 ◯稲富委員=お茶を生産しておられる人たちの話は、武雄は防霜ファンは結構前につきました。それがガタンガタン音がして壊れているけど、リニューアルするような利益が出てこないと、電気料金も製造過程の中で結構かかると。特に一番高いのは肥料だと。デンカアヅミン株式会社がつくっているアヅミンを入れろと農協が言うと。これが高価だそうです。そしたら、「牛じゃい、豚じゃいの堆肥ば、武内んにきで、あるいは山内町でしよいさとば持ってきて入るっきんどがんや」と、「おいが六十八歳になって、そがんことばしいゆんもんか。二トン車でとりに行って、そしてふろうでない、ふとかめ遭う」と。これは袋でお茶畑に並べてくれるからまくばかりでいいと、ところが原価は高いというふうなことであります。  そういうふうな状況の中、ファンの更新、あるいは電気料金に対する支援、あるいは肥料や農薬等の生産資材に対する支援。そして、一番頭が痛いのは、お茶の木が古くなると、きれいなお茶の葉が育つように下から切りますね。切ると、何年かたたないと摘めないですね。その間を何か支援してもらえないかというふうに言われますけれども、まとめて答弁をお願いします。 156 ◯御厨園芸課長=まず、防霜ファンの更新とか電気料金代の支援、肥料代の支援ということに関しましてですが、基本的に農業分野におきましても、他の産業と同様に経営を展開していくために必要となる資金については、本来、自らの経費負担というのが原則でございます。農業・農村の振興を図る上で必要な取り組みのうち、公益性、先進性、緊急性などを有し、効果が高く優先的に取り組むべきものについては、限られた予算の中で効果を十分検討した上で補助事業を実施して目標の早期実現を図っております。  県単事業のさがの強い園芸農業確立対策事業につきましては、園芸の生産拡大ですとか高品質化に必要なハウスの新設、省力化、低コスト化を一段と進めるために必要な定植機等の導入に対して補助を行っているところでございます。  そういうことで、お茶の防霜ファンを新規に導入するのではなく、単に更新する場合ですとか、あるいは電気料金、肥料、農薬等の経常的に発生する経費につきましては、済みませんけれども、補助の対象といたしていないところでございます。  また、肥料につきましては、確かに、お茶はほかの作物より大変多くの、極端に言うと、以前は米の十倍ぐらいの肥料を投入しておりまして、今はその半分ぐらいとだんだん少なくなっておりますけれども、その削減を図っていくということが非常に重要だと思います。それが経費の軽減にもつながるのかなということで、これまでも、窒素肥料でいきますと、ここ十数年で約六割削減した基準を示しております。土壌中にリンとかカリウムが残っている場合は、蓄積量に応じてその成分を削減できるような施肥体系が組めるような肥料コストの低減マニュアルを策定いたしまして、それに即した肥料の利用促進ということでコスト低減につなげていきたいと考えております。  それと、堆肥の施用は、肥料効果ばかりでなくて土壌構造を変えるというような効果もございまして、県としても、その散布といいますか、使用促進を進めているところでございます。しかし、お茶は、うね間に散布したり、そこを耕したり等、非常に作業しづらいところがありますので、現場ではその散布方法は三、四割しかされていないと。昔はもうちょっとしていたのが、だんだん高齢化して手間がかけられずに少なくなってきているという状況もございますので、そういう点から労力の軽減を図られる堆肥の散布機の導入、あるいは個々の畜産農家と交渉されていますけれども、地域全体で堆肥農家と連携をするような仕組みづくりなどについて県としても関係者と一緒になって取り組みを推進してまいりたいと考えております。  最後に、改植とか、台切りといいますか、大きく刈った場合の収益がない場合の支援ということでございますが、これにつきましては改植で三年程度、台切りで二年程度、所得がない期間が生じることとなります。国におきまして、茶園の若返りとか品種転換を促進するという観点で二十三年度から茶改植等支援事業というのが創設されまして、改植の場合は十アール当たり四万円を三年分の合計十二万円、台切りの場合は十アール当たり三万五千円を二年分、計七万円の補助金が交付されることとなっております。これを受けまして県内でも二十三年度は五・八ヘクタール、二十四年度は十二・七ヘクタールの事業に取り組んでいるところでございまして、今後とも、この事業の有効活用を図りながら茶園の若返りに努めていきたいと考えております。 157 ◯稲富委員=今、課長から答弁をいただきましたが、その答弁を聞きながら思ったことは、例えばデンカアヅミン株式会社がつくっている肥料じゃなくて、隣り近所にある畜産の堆肥を使ってというようなこと、その地域全体でそういうことをやろうかということになると、そこに必要なのはやっぱり県職員の農業の技術指導の方なんですよね。そういうふうな意味合いからも技術指導者の削減はいかがなものかと私は思うんです。お茶にしても、キュウリにしても、バラにしても、トマトにしても、そういうふうな意見が多くあるということを指摘しておきたいと思います。  今、課長から答弁をいただきましたけれども、武雄市では昨年度でしたか、西川登の大型製茶工場に出荷されている茶生産農家に対して意向調査をしたわけです。平均年齢六十五歳で、五年後も茶園を維持していけるのかと聞いたわけです。そうすると、三十六名中十六名が、もうやめると言われるわけです。そうすると、どういうことになるかというと、西川登の庭木の茶業団地の約四〇%が耕作放棄地になるわけです。そういうふうなときにどういう方策があるか。ほったらかしておくとどうなるかというと、隣り近所もお茶をつくれなくなるわけです、山に戻ってしまうと。そういうふうなことで現実的にお茶農家は非常に厳しい現実にある中、県では、今後、茶業の振興にどのように取り組んでいかれるのかお尋ねをいたします。 158 ◯御厨園芸課長=武雄の庭木地区につきましては、私もちょっと聞いたところでございますが、数十年前にパイロット事業で開発したすり鉢状の茶園ということで、先ほども言いましたとおり、高品質化については、県内でも先頭を切って取り組まれているところでございます。ただ、その中で委員が言われましたとおり、茶工場の組合員のアンケート調査では、三十六名のうち十六名が五年後には維持できないかもしれないという回答があったということです。  そのアンケートの中で、今後、作業の共同化、あるいは委託をすれば茶園が維持できるんじゃないかという声もございまして、具体的には五年後には三割以上の面積が耕作できなくなっても、共同化とか委託を行えば一四、五%までその減少は抑えられるんじゃないかというような声もあります。  このような結果を踏まえまして、今後、作業の共同化、受委託の実施がどのような形でできるのか、あるいは園地の担い手への集積、あるいは共同化なり人の農地を受けられるようにするためには機械化というのが必要ですけれども、そのための園地改良ですとか、そういうことが必要になってくるのではないかと思っております。  したがいまして、今後は、地元農協はもとよりですけれども、市町ですとか普及センターなどが連携いたしまして、茶園を維持するためにどういうことが必要なのか、具体的な方策について地域内での話し合いを一緒になって進めていきたいと考えているところでございます。 159 ◯稲富委員=今、課長から答えていただきましたが、共同化するにしても、あるいは委託化するにしても、そこに必要な人材は県職員の技術の指導者なんですよ。先ほど徳光委員が新規就農者のことを議論されました。そういう人たちが取り組むときに必要なことは県職員の技術の指導者なんですよ。「あんた、どがんしよね。そがんすっぎんだめさ。ことしは冷夏やあけんが、田植えをするときは普段の二倍ぐらい植えとかんばいかんばい、分茎せんけん」と、そういう話ができるのが技術の指導者なんですよ。  そういうふうな意味からも、来年度の予算編成に向けて、担当部長は技術指導者の確保を要望していただきたいと私は思います。予算が減っているから、どこもかしこも押しなべて一律にということじゃなくて、真にしなければいけないことは、しなければいけないと私は思うんです。  そして、ことしの冬は何やかやありまして、原発も再稼働できない。午前中、徳光委員が原発について議論されていました。はっきり言わせていただくと、再稼働はだめだと。現状のままでは再稼働はできないのじゃないか、水力、火力、あるいは太陽ソーラーでいいじゃないかというふうな議論をされて、再稼働はいかがなものかという話でありました。その中で議論が一つ抜けているのは、国府が原油を買うことによって、あるいはガスを買うことによって、年間どれくらいそがれているのかという議論が国会でも県議会でも全然あっておりません。インターネットによりますと、年間四兆円ないし五兆円の原油の輸入代、ガスの輸入代にいくと。九電では幾らいくのか、通告していないから聞きませんが、相当いくのじゃないかと私は思います。それが来年か再来年、電気料の値上げになってはね返ってくる。そうすると、施設園芸家は加温をしなければいけないとなると、県内の施設園芸農家はもつかということです。今、重油をたかないで電気に変えている。そして、県の補助金、国の補助金をもらって電気で加温するシステムを、今年も五、六件分の予算をつけてもらっております。  そうしてシステムをつけたら来年は、何割か知らないけれども、電気代が上がると。  そしてまだ、大多数のところは、A重油でビニールハウスの加温をしているわけですが、この冬、最近の国際情勢の変化などで、A重油が高騰したり、調達不能などになれば生産農家の死活問題になると。そういうふうな厳しい今年の冬の状況の中で、A重油の備蓄なんかも県サイドで考えなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。 160 ◯御厨園芸課長=施設園芸に使うA重油の備蓄をしなくちゃいけないんじゃないかという御質問でございます。  まず、需給状況につきまして、元資源エネルギー庁所管の財団法人日本エネルギー研究所によりますと、供給面ではOPEC産油国の増産、あるいは地下の岩盤にしみ込んでいるガスやオイル、シェールガス、シェールオイルと言うそうなんですけれども、これがアメリカを中心に開発されて、それに支えられて供給面では堅調に増加している一方、需要面では先進国の需要減退が続いていることに加えまして、これまで世界の需要増を牽引してきました新興国における伸びが低下していることから、急激に逼迫するような情勢ではないと予想されております。  また、国内のA重油の需給状況につきましては、JAさがによりますと、昨年、東日本大震災を受けて停止しておりました製油所がすべて運転再開したことによりまして、供給に関しては当面問題ないというふうに聞いております。  なお、備蓄につきましては、国の直轄事業として実施しております国家備蓄と、民間石油会社等が石油備蓄法によって義務づけられて実施しております民間備蓄の二つで行われております。資源エネルギー庁の九月の公表資料によりますと、現在、国内消費量の百九十八日分、六カ月相当が備蓄されておりまして、不足する事態が生じた場合には安定供給を確保していくというふうにされているところでございます。 161 ◯坂口委員長=暫時休憩します。三時十五分をめどに委員会を再開いたします。     午後二時五十四分 休憩     午後三時十六分 開議 162 ◯坂口委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 163 ◯稲富委員=先ほど答弁をいただきました。一つ一つ言うと一晩かかっても時間が足りませんから、はしょってお話をしたいと思います。  園芸課長は、佐賀県で水耕栽培で野菜をつくっておられるところを知っていますか。 164 ◯御厨園芸課長=葉物ですとか、野菜等を中心に幾つかございますが、全体の数字としては把握しておりません。 165 ◯稲富委員=なぜこういうことを聞くかというと、武雄に水耕栽培だけでキュウリをつくっておられる人がいます。その人が加温するのはA重油なんですね。きょう、なぜ農業の技術者をふやしてくださいと言っているかというと、水耕栽培は十五、六年前にお父さんが始められた。最初は九電から物すごく指導いただいて一生懸命された。メロンはあんまりぱっとしなかった、メロンからキュウリに変えたら、土でキュウリでつくっている人が、この人のことをプロと言われる、プロフェッショナル、技術者というふうに言われる。そうすると、この方に土でつくっている人のことを聞くと、この人はプロと言われる。ここで何が問題かというと、プロの人たちは、最低でも年間一千五百万円以上の出荷をしている。ところが、水耕栽培でしている人は年間売り上げが五百万円ぐらいしかない。鹿島の市場にだけ出しておられる。初期の投資金額は幾らかと聞くと、あんまり変わらない、四千五百万円ずつばかり出しておられる。  そういうことで、年間の出荷額のばらつき、こういうところにも知恵を出してアドバイスをしてくださる技術の指導員が必要ではないかというふうなことでこういうふうな話をさせていただいております。  そういう状況の中、A重油の支援策はないのかどうかお尋ねをいたします。 166 ◯御厨園芸課長=A重油を含みます原油の価格動向につきましては、石油市場に投機するオイルマネーの動向、あるいは中東情勢が非常に不安定だというようなことから、現在も結構高値ですが、今後も高値で推移していくのではないかと見込まれております。  このような中で、施設園芸の重油の使用量そのものを減らすために、従来から県独自のさがの強い園芸農業確立対策事業におきましてハウス内の天井とか側面を二重、三重のビニールで被覆いたしまして、ハウス内の保温性を高めるための多層被覆装置、あるいは送風によりハウス内の温度むらを防ぐ循環扇、この二つを組み合わせると二割から三割の重油の削減効果があると言われておりますけれども、こういった重油削減に高い効果を示す機械施設の導入に対して支援を行ってきたところでございます。  さらに、平成二十四年度からは導入の一層の加速化を図るために県の補助率を従来の三分の一から二分の一に引き上げまして、その支援の強化を図っているところでございます。  こうした取り組みによりまして、現場段階では重油の使用量が多いハウスミカンとかキュウリなどを中心に、こういった省資源型の施設の整備が進んでいるところでございまして、引き続きそういった整備を促進することによりまして重油価格高騰の影響をできるだけ抑えて施設園芸農家の経営安定につなげていきたいと考えております。 167 ◯稲富委員=今、課長から答弁をいただきましたことは私も十分知っているわけです。二重カーテンをする等は十分知っていますし、実際、キュウリをつくっている人たちは県にも武雄市にも感謝しておられる。ところが、ここでこの話をすると長くなりますが、市町で県と一緒に補助をしてくれるところと、全然補助をしてくれないところがあるようです。これはここで議論しなくてもいいけれども、そういうふうな観点から、武雄市内のハウス園芸の従事者は、県に対しても、武雄市に対しても、物すごく感謝しておられます。「だから私たちは元気でやれる」ということを言っておられます。  次に、家畜の話に入りたいと思います。  家畜の補助金等について調べてみると、豚の頭数をふやす、牛の頭数をふやすときにはいろいろと補助制度があるけれども、現状維持のときにはないということなんですね、結論的に言うと。大規模にしておられるところに話を聞きに行くと、家畜のし尿処理について、この辺の機械をかえると地域に迷惑をかけないようなことをされるけれども、これだけでも五千万円、六千万円かかる、全体では一億五千万円かかると。そういうところにも少しばかりの補助金とかはなかろうかというふうな話をしておられるわけです。所得をふやすためには飼養頭数をふやさなければだめとか、そういうことに対していかがなものかなと私は思います。しかし、市役所に聞いても、農協に聞いても、県に聞いても、そのことをしないと一円の補助もないということです。  さっきの水耕栽培の人も、一円の税金ももらわずに自力でしておられる。黒尾のキュウリ屋さんも一番初期は一円ももらわずに自力でしておられる。それを設備の改善等をされるときに補助していいだろうと私は思うわけです。頭数をふやさなければいけないとか、耕作面積をふやさなければいけないとか、そうだろうかと思うわけです。  それで一番最初の話に戻ると、農林関係の予算が減っているじゃないかというと、県の予算も減っていると言われる。県の予算が減ることよりも、県の農業の担当部局が負担していた直轄、直営工事の県の負担金が減っている。市町では圃場整備事業はほとんどないというふうなときに、こういうところにも目を向けていただけないかということが今回の私の質問の大きな趣旨であります。  ひと昔前は、例えば、篠塚先生があごが外れるような真っ赤に熟したトマトをつくる。ところが、土井さんは下手で、そろそろ出荷する時期だなというときに表面が割れると。そうすると、土井さんが篠塚先生のところに聞きに行くわけです、どうしたらいいかと。あるいは県の指導員が来られるときに、「篠塚さんのとはきれいだからどうしているか教えてください」と。そうすると、篠塚先生が、それは教えないと言われる。「おいがあごがはずれるようなトマトをつくるのをなぜ教えるか」と、「次は完熟篠塚トマトていうて出そうと思う」ということで教えないと。それはひと昔前の話なんですね。今、それぞれにキュウリで、あるいはバラで、あるいはマンゴーで頑張っている人は、自分が蓄積した知識を県に認めてもらいたい、賛嘆してもらいたい、自分が三十万円で買ってきた子牛が百六十万円で売れたばいということを皆さん方に話したがっておられるわけです。その窓口になるのは誰かというと指導者なんですね。そういう意味合いから、次年度は指導者をぜひふやしてほしいというのが今回の質問の趣旨であります。  以上で私の委員会質疑を終わります。 168 ◯坂口委員長=これで質疑を終了いたします。  暫時休憩いたします。     午後三時二十八分 休憩     午後三時二十九分 開議 169 ◯坂口委員長=委員会を再開します。  これより討論に入りますが、ただいまのところ、討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。     ○ 採     決 170 ◯坂口委員長=よって、討論を終結し、直ちに採決に入ります。  甲第三十五号議案中本委員会関係分、以上一件の議案を採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 171 ◯坂口委員長=全員起立と認めます。  よって、以上一件の議案は、原案のとおり可決されました。     ○ 継 続 審 査 172 ◯坂口委員長=最後に、六月定例会から引き続き審議中の 一、農林水産商工行政について 一、生産振興行政について  以上、二件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 173 ◯坂口委員長=御異議なしと認めます。  よって、以上の二件についての継続審査を議長に申し出ることにします。  以上で本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。  これをもちまして産業常任委員会を閉会いたします。お疲れさまでした。     午後三時三十分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...